IS―インフィニット・ストラトス― 男たちの日常 (おっさんV3)
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第一話「一夏と俺達と1-1」

ここまで来てくださってありがとうございます、ではどうぞ!


―インフィニット・ストラトス―

 

通称ISと呼ばれるそれは発表された当初の常識を超えた性能を誇る宇宙開発用パワードスーツである。

だが、それが世に知れ渡る原因となった日本に各国からミサイルが飛んでくるという事件、白騎士事件により、その異常な戦闘力は証明された。

 

――日本に打ち込まれたミサイルを全て破壊し、その後確保しに現れた各国の軍隊を退けるほどの戦闘力――

――歩兵を大きくした程度の大きさでありながら、戦闘機よりも速く小回りの利く機動性――

 

この事件の結果、ISは最強の機動兵器として世界に知れ渡ることになった。

そして兵器としての使用を制限するためのアラスカ条約が制定された、これによりISは競技用として使用されるようになり始めた。

 

だが、ISは女性にしか起動することが出来なかった……

これにより男女平等ではなくなり、世界は女尊男卑へと変わっていった。

 

――そんな時代でこの物語は始まる――

 

 

第一話「一夏と俺達と1-1」

 

 

 

 

アラスカ条約によって日本に設立された次世代のIS操縦者を育成する学園、IS学園の1年1組の教室にて

 

4月、入学式などの新しい始まりがある季節である。

普通なら、友達を作るために走り回ったりする時期である、(各国にパイプをつくろうと思う事もあるかもしれないが)そんな人達で賑わう筈の教室は、今現在沈黙に包まれていた。

 

なぜなら、教室内の女子の視線は教卓の前に座る一人の【青年】に向けられていたからである。

 

その視線を全身に受けているIS学園の制服を着た青年…織斑 一夏(オリムラ イチカ)は、かなり焦っていた。

 

「(まずい…ここまで見られていると落ち着けない…)」

 

ちなみに、なぜ彼が此処にいるのかというと……

「(確かに試験会場を間違えたからってこの展開は予想してないよチクショウ!)」

 

受験しようとした学校の試験会場に行ったら迷い、ついた先にあったISに触れたら起動したからである。

 

「(確か俺以外にも動かせた男が4人いたはず…同じクラスのはずなのになんでいないんだ…?せめて居てくれれば話しかけて友達になったり、そうでなかったとしてもこの女子の視線のいくつかからは逃れられるのに…)」

 

全身からはやくきて~はやくきて~とどこぞのメイン盾を呼ぶようなオーラを出す一夏

 

「(いや、まずは落ち着くことが先決ッ!深呼吸だ深呼吸…波紋の呼吸とまではいかないが身体を落ち着かせるんだ…ッ!)」

 

一夏が深呼吸で心を落ち着かせてから少しした教室に、一人の女性が入って来た

その女性は教卓の前に立ち、一夏へ視線を目からビームを出すかの如く凝視している教室の生徒達へと喋り始めた。

 

「皆さん、入学おめでとうございます。私は副担任の山田 麻耶(ヤマダ マヤ)と言います。一年間よろしくお願いしますね♪」

と言いながらニコリと微笑んだ

 

しかし、ほとんどの生徒は一夏に夢中で聞いていない様子…

 

それを見て少し焦りつつ

「じゃ、じゃあ出席番号一番の人から自己紹介をしてもらってもいいかな?」

と言った。

 

その声でようやく我に返る生徒達、そして出席番号が一番の生徒から順番に自己紹介をしていく。

 

 

 

そして一夏の番がやってきた

 

「次、織斑一夏君」

 

その言葉を聞き、立ち上がりつつ一夏はあることを思い出した。

 

(確か何事も第一印象が大事ってアイツが言っていたな……)

そしてその【アイツ】の顔を思い出して微笑む、そして緊張をほぐした一夏は堂々と喋りだした

「俺の名前は織斑一夏、得意な事は料理と家事です!好きな事はカードゲームで、お気に入りのカードは銀河眼の光子竜とブラスター・ブレードです、これから一年間よろしくお願いします!」

といって頭の中で(決まった……)なんて事を考えていると……

 

スパンッという音と共に頭に激痛がはしる、どうやら何か本のようなもので殴られたようだ(正確には叩かれただが)…威力は桁違いだったが(殴ったとしても)。

 

「うぐぉぉぉぉ!」

余りの痛さに一夏は殴った相手を確認をする事もできず叫び声を上げた・・・いや、【上げてしまった】

 

「うるさい、静かにしないか」

その一夏を殴った人物がそう言いながら追撃の一撃、それは一夏が頭に手を当てる前に的確に先ほど命中した場所に寸分の狂いも無く直撃し、そして…

「…………」

手の防御があったにもかかわらずその防御を貫通した一撃をくらい、一夏は声を上げるまもなく机に沈んだ

 

一夏を叩いたその人――織斑 千冬(オリムラ チフユ)――はその手に持った出席簿を一撫でした後に山田先生の方を向いた。

 

「すまなかったな山田先生、少し会議でな」

そして生徒達を見て

「私がこの一年A組の担任である織斑千冬だ、お前達ひよっこを一年で使えるレベルまでにするのが私の役目だ、私の言うことには全てYesかハイで答えろ、いいな?」

と生徒に言った

 

それを聞いた生徒達は…

 

「「「キャァァァァァァァ!」」」

教室が揺れるほどの歓声を上げた。

 

「千冬御姉様最高です!」

「御姉様に会うためにわざわざ上京してきました!」

「私はアメリカから!」

「私はオーストラリアです!」

と口々に叫びだす生徒達

 

「まったく…なぜ私が受け持つクラスは毎年こうなんだ…」

千冬は少し疲れた顔をしながらそうぼやいた。

 

そして一夏を見ながら

「そして一夏、いつまで寝ているんだ?もう一度叩かれたいか?」

と言った。

 

その言葉を聞き、今までの経験から得た超速理解(対千冬技能)と超速反応(こちらも対千冬技能)を(半ば本能的に)使い起き上がり

「い、嫌だよ千冬姉!これ以上叩かれたら俺(スパンッ)ゴハッ!」

その起き上がった勢いのまま机にもう一度沈んだ。

 

そんな弟でもある一夏を見ながら

「ここでは織斑先生だ…わかったな?」

と睨む千冬、

 

それに対し

「はい…」

とどうにか声を搾り出す一夏であった

 

このやりとりを見た周りの生徒達は

「もしかして、織斑君って千冬様の弟?」

「ISに乗れたのもそれのおかげなのかな?」

などということを話していた。

 

 

 

一夏を視界から外しつつ

「で、ところで山田先生」

と千冬は自分の後輩でもある山田先生に言った

 

それに少し緊張しつつ

「な、なんですか織斑先生?」

と返す山田先生

 

 

「織斑の後ろの生徒は誰です、なぜSHRにいないのか分かりますか?」

千冬は山田先生に聞いた…なんとなく千冬にとって検討はついている疑問だが

 

その質問に対して山田先生は

「えっと…名簿では【加藤 駿弥(カトウ シュンヤ】君となっていますね」

と自分の名簿を確認しつつ答えた

 

それを聞いた千冬は

「やっぱりか…」

と溜息を吐いた。

 

そして

「で、それ以外の生徒の名前も教えてくれませんか?」

ともう一つ質問をする千冬、自分の出席簿には色々な書類が挟まっているため確認できないためだ

 

「はい、えっと…【多田 篤浩(タダ アツヒロ)】君と【日高 陽貴(ヒダカ ハルキ)】君です…って先輩?」

と自分の名簿を見ながら答えた山田先生はそこで異常に気づいた

 

いつもなら凛とした雰囲気を纏っているはずの千冬が…

「…………」

無言で頭を抱えながら教卓にガクリと崩れ落ちたからだ、いつもよりどことなくオーラや覇気が白い

 

「せ、先輩?しっかりしてください先輩!」

山田先生が千冬の肩をつかんで体を揺らし始める

 

生徒はその名前に聞き覚えは無かったが、あの千冬を名前だけでここまでの状態にもっていけるのかと不安になった

 

そして一夏はその名前を聞いて

「嘘…だろ…?」

と呟いた。

 

そんなとき、教室の外の廊下からドドドドっという何人かの人間が走る音が聞こえてきた

 

教室の中にいる生徒達は教室のドアなどから首をだしてその音がする方向を見た

 

そこには・・・全力疾走する三人の青年の姿があった。

 

前を走る一人はぽっちゃりとした体系でかなりサイズの大きな制服を着ており、制服の上は改造されてジャケットのようになっていた、中のシャツは自家製だろうか、胸にデカデカと【社長】とはいっているシャツを着ていた。

 

その後ろを走る一人は前の青年より少し背が高くかなり目立つ顔をしており、こっちの制服もジャケットのようになっていた。

 

三人目は二人よりも背が小さく髪が首元につくほど長かった、そして制服はコートのようになっていて中のシャツは黒いシャツのようだ。

 

前を走る青年は

「やべぇぇぇ!寝坊したぁぁぁ!」

と叫びながら顔を真っ赤にしつつ走っていく

 

その後ろを走る青年は

「なんで集合時間にちゃんと来ないんだよお前!」

と前の青年にむかって叫びながら後ろを走る

 

それを聞いたその青年の横を走る3人目の青年は

「むしろなんで起こさないんだよ!」

と隣の青年に対していきなり言った

 

「はぁ?なんで俺のせいになるんだよ!元々あいつが起きないから悪いんじゃねぇか!」

「お前が悪いのは当たり前だろ、お前なんだから!」

「だからなんでだよ!」

「それはお前が選ばれし勇者だからに決まってるだろ!」

「勇者ってなんだよ勇者って、俺は選ばれてねえよ!」

言い合いをしながら走る後ろの二人

「お前ら、あと少しなんだから黙ってろよ!」

と話に入る青年

「元はといえばお前が寝坊するから悪いんだろうが!」

「だからそれはお前が起こさないからだろ!」

「さっきからなんで俺が起こさないといけないんだよ!」

「貴様は勇者としての使命を忘れたのか!」

「だから何なんだその勇者って!」

「お前は向こうの世界の記憶が無いんだったな、じゃあ覚えてないか…」

「だぁ~もうお前はいつもそうじゃねえか!」

などと言い合いながらお互いに手を出し始める二人

それを見つつ

「お前らもうしらねえぞ!」

とスピードを上げだす前の青年…

 

後ろの青年達から少し距離を離した前を走った青年は

「先生が来てなければセーフだっ…!」

と願うように言いつつ教室の前の方のドアを開けて入る

だが…

 

そこには出席簿を構えた千冬が待ち構えていた…いい笑顔で

 

「遅かったなぁ…加藤…」

おでこに青筋を浮かべつつ話しかける千冬、顔は笑っているが目が笑っていない

それを見た青年は思った

「(これは…死ぬのか、俺…)」

そして…

 

スパァァァァンッ!

 

先ほど一夏がくらった出席簿の威力を超えた、千冬の限界突破とも言える一撃で青年は床に倒れた…頭から煙をあげながら。

 

 

その後

 

「だからお前が悪いって言ってんだろこのモアイが!」

「いい加減にしないと本気で怒るぞ!」

などといいながら入った二人が見たものは、同じくいい笑顔をした千冬だった

 

そして…

 

スパァァァァァンッ!×2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、千冬は廊下を見たあとに

「おかしいな、後一人がいない…あの馬鹿三人組がいるなら後一人も来ているはずなんだが…」

と呟いた

 

それを聞いた山田先生は

「後一人って、誰です?」

と千冬に聞いた

 

それに対し千冬は

「【廣田 大河(ヒロタ タイガ)】という名前の生徒はいますか?」

と疑問系で答えた

 

そこに

?「俺に何か用ですか、織斑先生」

と教室の後ろの方から声がした

 

それを聞いた千冬は

「ああ、そういえばお前はを集合時間とかには遅れないタイプだったな…大河」

と言いながら振り返った

 

そこには制服を染めたのであろう暗い色をした制服を着た青年が教室の後ろの方の机に座っていた、どこぞの死神のノートを持っている青年のような笑みを浮かべながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、気持ちを切り替えて自己紹介をお願いします」

山田先生の声を聞き、前に並んだ一夏を除く4人の青年は一人ずつ自己紹介を始めた

 

まずは一番右に立っていた社長のシャツを着た青年、ぽっちゃりとした体に太い手足でメガネをかけており、髪は黒だった。顔はあまりよくないが、体の大きさと背の高さから存在感がある。

「俺の名前は加藤 駿弥です。好きなものは特撮とアニメとカードゲームで前の学校でのあだ名はアニキか社長でした、切り札は青眼の白龍と究極次元ロボ グレートダイユーシャ、そして超聖竜ボルフェウス・ヘヴン、将来の夢は料理人だったんだけどこの学校に来たからには無理そうなんで今の夢はメイン盾とロマン王を目指すことにしました、これからよろしく!」

といって笑った

 

次にその隣に立っている黒い制服の青年、背は駿弥と変わらないが体は細く少しひ弱なイメージを感じる。そして顔はまあ普通といったところである。

「名前は廣田 大河(ヒロタ タイガ)、好きなものは特撮とアニメとカードゲームで、切り札はダークシムルグと銀河超獣 ズィール、ヤバスギル・スキルです、好きな言葉は「汚いは褒め言葉」です、よろしくお願いします」

といって頭を下げた

 

次はその隣のコートを着た青年、背はかなり小さくクラスの背の順で言えば前から3番目くらいにいそうなくらいの高さだった、メガネをかけており髪の色は全てをのみこんでしまうような漆黒…だがそこには少しの暖かさを感じる…by本人談(注意・黒です)である。顔はこちらも普通である

その青年はコートを無駄にはためかせながら言う

「秘密機関NOTの幹部の一人である日高 陽貴だ、切り札はシューティングクエーサードラゴンと銀の茨の竜使い ルキエ、あとはシノビだな、秘密機関NOTというのはとあるこの世界とは別の世界に存在する秘密機関で、ある目的があって行動している。隣の勇者ともどもよろしく…あとミスターKを見たものがいるなら後で連絡をくれ」

ちなみにそれを見たクラスの全員が思った

(((この人厨二病をこじらせてる…)))

 

 

最後にその隣の青年、背は駿弥と大河よりも少し高く普通よりも目立つ顔も合わさって存在感が凄い…がどこか苦労人のオーラを纏っている

「俺は多田 篤浩、好きなものはアニメとかですね…切り札はライトパルサー、メイルシュトローム、鬼丸ヘッドだ、今の目標は次の目標が見つかるまで平穏に過ごすことだよろしく…あと勇者じゃない」

 

それを見ていた一夏は

「(あいつらも一緒か…これは余り無事に過ごせそうに無いな…)」

と思いながらも今までの事を思い出し、これからの事を考え笑っていた

 

余談だがこの笑顔で一夏を見ていた人は全員顔を赤く染めていた

 

 

 

 

 

~これは、世界で5人だけの男性IS操縦者による、IS学園での愉快でたまにシリアスな生活の物語である~

 

 

次回の男達の日常は

「大河、お前俺達を見捨てやがって・・・」

 

「ちょっと、よろしくて?」

 

「余りそう言うことはぺらぺらと喋らない方がいいぞ、ミス・オルコット?」

 

「決闘ですわ!」

 

「これから毎日このメンバーで暮らすのか・・・」

 

次回<授業と決闘とクラス代表>

 




第一話をお読みいただき誠にありがとうございます、よろしければ誤字脱字やここをこうした方が良い、作品の感想などをくださると嬉しいです


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