東方虹村録 ~虹村喫茶店へようこそ~ (ジェイルロック)
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虹村兄弟

______あれは1ヶ月ぐらいでしたっけねえ

 

 

僕達がこの幻想郷にやってきたのは一ヶ月前の話です。外の世界では僕らは高校三年生になろうとしていた時でしたので、大学受験まであと一年だったのですよ。もうそれぞれが受験勉強で必死になっていましたね。

 

ただそんな矢先、母親が突然行ったきり帰らなくなったのです。おそらく世間的にいうと「蒸発」ってやつなのでしょう。

 

母は自分らが中学生のときに父と離婚し、それ以来一人で夜出掛けることが多くなった。朝帰りなんてしょっちゅうだった。それでいてろくな仕事もせず僕らのアルバイト代を巻き上げて遊びに使っていた。抵抗してもこれはあんたたちの学費よと見えすいた嘘さえも吐きやがったのですよ。

 

殴ろうに殴ったら訴えるよと逆ギレするもんでなおたち悪いもんです。

 

こんな親だからもはや手遅れといっていいほどに親子の関係は冷えきっていた。それどころか親が蒸発したと確定したときには僕らは共に喜びあった程でした。今思えば親の事を知らない人達からみれば、親不孝めといわれそうですよホント。

 

そして、あの日は父に会い行こうかと夏休みを利用して、父の家があるM県S市にタクシーで向かうためにT県からM県を繋げる橋の上を走っているときでした。

あ、ちなみに今でも父とは交流をもっておりー母は知らなかったがーたまに電話で話していたんです。

 

僕達は数年ぶりの父との再開に、心を踊らせあっていましたんですよ。

 

 

 

そんなときだったかなあ。

 

 

 

突如、爆発音がドーーンって僕達の耳に響いたんですね。

それと同時になぜか知りませんけど浮遊感っていうのかな...そういうのも感じたんです。

 

何事かと後ろを振り向いたら、

 

 

 

 

海だったんですよ。

 

そこから後は覚えてません。

 

 

 

 

 

 

ー後に新聞で「M橋爆破事件 テロリストによる犯行声明が発表」と報道されるー

 

 

 

 

 

 

ただこの話はここで僕たちの人生というオチで終了しなかった。

 

現に僕達は生きているのだ。つまりあそこでは死ななかったということになるのです。

 

恐らくあれが原因でここにきたんです。

 

 

 

 

 

 

 

「成る程ねぇ...そんなことがあったのね」

 

 

そこにはこじんまりとしたカフェにウェイトレス姿の男二人と空間の裂け目から体半分出しただけの金髪の日傘を持つ女性がいた。

ウェイトレス姿の男二人はカウンターの中に、女性はカウンター席にー座ってはないがーいた。

 

 

「僕らのこの幻想郷に来る前の話、お気に召したでしょうか?」

 

 

虹村兄弟の次男坊、「虹村千男」が恐る恐る聞いている。何せあの大妖怪だ。兄のせいでなにか気にさわることでもあったらどうしようかと生唾ごくりもんである。

 

 

「ええ、あなた達がここに来る前のことを知れて良かったわ。それではこんな時間ですし、そろそろおいとまさせてもらうわね」

 

 

その彼女はカフェの入り口からちょうど見える位置にある時計をみながらそう言う。

ああもうそんな時間かと思い、店仕舞いをしようとすると女性が口を開いた。

 

 

「あの約束...守ってちょうだいね」

 

「分かってますよ。僕らだって折角カフェを作れたんだ。そんな努力の結晶を無駄にはしたくないね」

 

 

そうフランクな口調で虹村兄弟の長男坊、「虹村京次」は言った。

兄さんにお客様にタメグチは失礼だよと言ったのだが、いいだろそんなのと言い返してくる。

ホント目上の人にもっと敬ってほしいもんだ。

そんな光景を見て、彼女こと「八雲紫」はクスクスと笑っていた。

 

 

「まったく仲のいい兄弟だこと」

 

 

そういって微笑えんだ途端に真剣な表情になった。

 

 

「もう一度言うけどあなた達のその二つの能力は決して乱用しないこと正確にはあなたたちがもとからあった能力の方だけどね」

 

「そんな幻想卿征服でも考えてる訳でもないんだけどねえ」

 

「あら、十分に人里を壊滅できる能力よ。そんな危ないもん放置させとくわけないでしょう」

 

「う..う~ん...」

 

 

僕達には父が離婚したあたりから使えるようになった能力が存在していた。

それは兄さんにも僕にも使えるようになった能力だ。

これらをスタンドと僕と兄さんはそう呼んでいる。

 

 

「じゃ、いつでもあなたたちをみてるわよ」

 

「まじかこええな...それじゃ」

 

「またのご来店お待ちしております」

 

 

僕達は八雲紫がスキマの中に入ったのをみととげたあと、兄は後ろに振り返り何もないとこに向かってこう言った

 

 

「さあもう店仕舞いだ。第1部隊から第5部隊が今日の担当だ。各自、割り当てられた場所を掃除片付けするように」

 

そう言った途端、影からなにか小さな小人のように小さい人たち(?)がいた。

これが兄の能力、「ベイカンパニー」である。

 

 

「今日は兄さんの番だからね。頑張ってー」

 

「はあ、面倒だがやるしかないか」

 

そういい兄達はそれぞれの片付け場所へ向かっていった。

 

さて僕達は夕食を作るとしますか。

 

 







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黒白の来店者 その1

週一投稿頑張ります。(やれるとはいってない)




「んっん~♪実にすがすがしい気分だ。ひとつ歌でも歌いたい気分だ」

 

「兄さん、朝からうるさい」

 

 

虹村喫茶店の朝は早い。なにせ様々な準備を開店前にしなければいけないので、開店二時間前、つまり六時には起きてなければいけない。まぁ、もうなれてしまったが。

 

虹村喫茶店は幻想郷では珍しい二階建てになっており、二階は住居スペース、一階は喫茶スペースにしている。

 

ちなみに、二階建てなのはここを建てた建築家が外の世界に強い関心を持っていたらしく、偶々来てた外来人に外の世界の家について聞いたところ、自分の家は二階建てだよと話していたらしく、じゃそれ建ててみようとなったとか。

 

僕達の店にはカウンターが五席、テーブルが二人一組で四席ある。

多いように見えるが、意外と休日は人が来るので足りてない時があるため、これから増やさなければいけない。

 

 

「む、昨日は俺が当番だったからお前の番だぞ」

 

「あ、そうだった」

 

 

そういえば昨日は兄さんが当番やってたなと思い出し、自分の仕事である朝の準備を終わらせようと自分のスタンドを発現させる。

 

 

「ユニオンカンパニー」

 

 

すると、自分の周りに共産主義を象徴する赤い星に金色の鎌とハンマーを組み合わせた帽章、上着は立襟が用いられている軍服と、AKS-74というステンレススチール製のブレードを持つナイフ型を付けることができる銃を持つ特徴的な小さな歩兵達が現れた。

 

そう、これが僕の能力「ユニオンカンパニー」である。

ユニオンカンパニーは兄さんのスタンドと酷似していて、違うとこといえば服装だけという世界である。ちなみに、それぞれ軍事モノが好きで、スタンドの姿もそれぞれ好きな軍隊が元になってると思われる

 

-兄さんは米軍、僕はソ連が好き。-

 

スタンドが酷似しているのは、恐らくボクと兄さんが双子ある事が原因だと兄は言っている。といっても二卵生なので性格も違うし、好みも違うからそれは違うのではと僕は思っている。

 

まぁそんなことよりも、急いで準備をしなければならないので、スタンドに準備を任せながら、朝食を作ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

既に朝食を食べ終え、午前の仕事を終えた頃、僕達は昼食を食べようとしていた。

だがそれはたったひとつの声で延期にせざろうえなかった。

 

 

「おーい、邪魔するぜー。」

 

「あ、いらっしゃいませ」

 

「昼頃に客とはまた珍しい、いったいだ...」

 

 

喫茶店に珍しき昼の客が来たのでカウンター越しから見ると、そこには16、7ぐらいの魔法使いがいた。

我々はこの女を知っている。リボンのついた黒い三角帽(コーンの様に先がとがった、つばの広い帽子)を着用し、「黒系の服に白いエプロン」という服装、さらには箒を所持し、いかにも魔法使い然とした身なりをしている彼女を。

 

 

「見たことあるね、確か名前は...」

 

「霧雨魔理抄だぜ。」

 

「ああそうそう、霧雨さんでしたね」

 

 

彼女、霧雨魔理抄はこの幻想卿でも有名な魔法使いで、博霊の巫女とともに異変解決にも行ったことがあるらしい。

因みに弾幕はパワーだぜと言うのが口癖らしい。弾幕というのは頭使うものだと僕は思っていたので、それを聞いた瞬間、僕の頭の中は理解不能ということばで埋められてしまったのは記憶に新しい。

 

-弾幕ごっこは一応僕らはできない事はない-

 

そんな彼女だが、一体何しに...喫茶店で昼食と呼べるメニューはないのだけど...

 

 

「あのーお客様ご注文は?」

 

「いや、今日来たのは注文しに来た訳じゃないんだぜ」

 

「はて、それでは何用でしょうか?」

 

「いや借りたい物があるんだ」

 

 

借りたい物?ここは本棚とか置いてあるからそれらの本を借りたいのだろうか。

といっても、ここは図書館でもないし、貸すつもりなんてサラサラないのだが。

 

 

「お客様、申し訳ございませんが当店本の貸し「お、あったあった」あのお客さ...」

 

 

もう既に彼女は目当ての本を借りようとしていた。ちょっとお客様まだ喋って...

 

 

「お客様それはだ「じゃ、死ぬまで借りるぜ!」あ、ちょっと!」

 

 

あろうことか持ち出したのはカウンター内に開いてあった紅茶の入れ方などが乗っている外来本だった。この本は喫茶店の生命線を握っており、なおかつ兄はもう一つの能力の都合上必要不可欠なのだ。しかも、死ぬまで?冗談じゃない。

とにかくそんな重要な本なので急いで取り返そうとするが。それはある一言で止められた。

 

 

「お客様」

 

 

その声の主は今まで黙っていた兄。そして最も焦るべき人間が冷静に壁に持たれかけながら凄みを出していた。

その凄みは魔理沙を止めるには十分だった。

 

 

「なんだ?あ、もしかして栞いれてあるとか?大丈夫だぜ!私は抜き取らないぜ!」

 

 

あきらかに借りる前提になっているが、それでもお構いなく兄は話し続ける。

 

 

「お客様、そこから店を出るときには十分に気を付けて下さい」

 

「!!」

 

「!!、気遣いありがたいぜ!」

 

 

魔理沙は許可が出たと思い、そのまま外へ出てしまった。しかしボクと兄さんは諦めるつもりなんて砂粒一つも思ってない。しかし僕達は追いかけなかった。明らかに矛盾してるようだが、それには理由があった。

 

 

「兄さん、彼らに任せられるのか?」

 

「任務は必ず果たす奴らだ。大丈夫だろう。」

 

 

魔理沙の奪っていった本には軍服の小人がついてた。

 

 

 

 

 

 



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黒白の来店者 その2

兄弟のスタンド説明は、この話のあとがきに書きます。スタンドのステータスも一緒にしたかったので、一話と二話のあとがきは誠に勝手ながら消させてもらいます。






「案外、普通に借りれて拍子抜けしたぜ」

 

 

人里では、主に着物を基本とした服が多い。外来人から見ればまるで江戸時代にタイムスリップしたような錯覚に陥るだろう。

 

しかし、きょうの人里では少し、いや、他の人と比べると、かなり変わった服を着ている女がいた。人々の反応を見ると、奇妙な目で見ている人はいないので、そう珍しい訳ではなさそうだ。

 

彼女の名前は霧雨魔理沙。見た目通り魔法使いである。

 

超単純。それしか言わない。

 

そんな彼女は先程、盗み同然の事をやってのけた。だが彼女に罪悪感はない。何故なら彼女は盗みではなく、借りただけと思っているからだ。

真の悪とは、自分が悪と気づかない、最もドス黒い悪の事だ。そんなやつをほっとけはいけない。

 

といってもこれは「京次様」の命令だがな。

 

おっと読者の皆さんが誰だって顔してるから自己紹介させてもらう。俺は「ベイカンパニー」のグリーベレーの一番隊隊長、「オセロット」だ。

 

今回は我等のリーダー、京次様の命令によりこの盗人が取った本を回収するために、現在、盗人の服の上に張り付いている。肩の上でも周りの人や盗人本人にバレないのはスタンドの特権のようなものだな。

 

さて、京次様の命令が届く射程より遠く来てしまったので、ここからは我々だけで考えて行動しなければいけない。

流石に奪い取ることはできないし、何より盗人とはいえ傷を付けるわけにはいけない。幸いバックはないのか、手に持っている。落とす可能性はあるかもしれない。さてどうするか...

 

ん、この盗人、店に入るみたいだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「案外、普通に借りれて拍子抜けしたぜ」

 

ホントにそうだ。もっと反対に合うかと思ったが、あの男、意外と優しい奴だったぜ。しかも、帰りの心配もしてくれるとは、全く予想外だったな。今時あんな優しい人もいないぜ。

 

とりあいず、もしも追ってくるようだったら箒で逃げるつもりだったのが、そんな必要がないからこうして人里を散歩しているのだが、さてどこ行こうかな。

 

あ、そうだ。鈴奈庵でもいってみようかな。いい本があるかもしれないし。といっても、バックは忘れたから見るだけだけどな。

 

さて、見に行って見ますか。

 

 

 

 

 

「いらっしゃい...あ、魔理沙さん。」

 

「よ、邪魔するぜ。」

 

 

な、何ィィィィィ、ここは本屋じゃないか!まさかこの本を売るつもりではないだろうかっ!

何という女!借りた物を売るなぞ「吐き気を催す邪悪」に等しい!

 

このド畜生が!清めてやる!その汚れたる野望!

 

 

「元気にしてたか」

 

「ええご覧の通り」

 

 

まて、落ち着くんだ、素数を数えて落ち着くんだ。41,43,47...いやそんなことしている場合ではない。こういう時にこそ、落ち着くのだ。ピンチはチャンスとも言えるんだ。今こそ冷静になるんだ。ここは本屋だ。人里の通り道よりかは、なにかあるはずだ。

 

 

「ところで、そちらの本は?」

 

「ん、先程知り合いに借りたんだ。」

 

 

借 り た だとぉ?ボケがぁ!強奪の間違いだろ!全く、ツッコミ所が多くて大変だ。さっさと回収しなければな。全員集合!

 

 

「はっ!」

 

 

当然、一人で任務を遂行事はできない。今回の任務では第一部隊が参加している。グリーンベレー部隊は一部隊に5、6人ぐらいいる。因みにグリーンベレー部隊以外にも部隊は存在する。もしかしたら実際の部隊とは違うかもしれないが、本体のイメージによって決まるため、実際の部隊とは違って当然なのだ。

 

「む、全員で3人しかいないじゃないか。後の三人はどうした」

 

「もしも、盗人が本を落とした時にすぐに本を回収できるよう本にまとわりついてます」

 

 

落ちたら本と地面の間に行き持ち上げて運ぶつもりだな。特に反論はないし、作戦が決まったら彼らに伝えてきてもらおうから特にここにいないからって支障はない。

 

 

「ふむ、いい判断だ。作戦もここにいる誰かに伝えてきてもらえばいいだろう」

 

「それでは早速...」

 

 

作戦会議を始めようとするが、それは少し先のばしすることになる。

 

 

「そんじゃあな」

 

「またのお越しを」

 

「む、盗人が動くな、振り落とされないよう気を付けろ」

 

 

私はそう指令を出し、隊員に注意を呼びかける。流石に振り落とされて、また体に飛びつくのは無理だ。ターゲットが止まっていればそれは可能だがな。さて、この盗人はどこへ向かうのやら。

 

 

その瞬間、私は千載一遇のチャンスが訪れるのは全く予期していなかった。

 

 

「おっと」

 

「あ、すまな...」

 

 

ほんの一瞬の彼女の油断だった。女性とぶつかり、彼女はうっかり本を手放してしまったのだ。

 

 

その瞬間を我々は逃す訳がなかった。

 

 

「全隊員、地面に降り立て!」

 

 

私を筆頭に全員、体から離れ、パラシュートを展開しながら地面を目指す。幸い、本にまとわりついていた三人が本を運んでいる。あいつらの判断には感謝せねばな。とりあいず人目のつかない路地に向かっているのでわたし達も向かうとしよう。

 

そういえば、あの女、本屋に寄ったのに本を売らなかったな。何故だろうか?

 

 

 

 

「あれぇ?本が無い!」

 

「本じゃと?」

 

先程から魔理沙さんは、本がないと叫んでいます。しまいには盗んだだろとまみぞうさんを疑ってますね...

ま、私は何故無いか知ってますがね。

 

本当にあの子達は何者なんだろう?何処からきたんだろう?考えても疑問しかでてこないわ。かなり高い熱をだして以来変な物を見えるようになったわねぇ。ま、仕事に支障はないし、放っておいてもいいか。

 

魔理沙さんは本が見つかるまで自宅でカフェラテを作る計画は先延ばしになりそうね。

 

 

さて、本でも読んでますか。

 

 

 

 

 




虹村京次 年齢 18歳
     身長 180cm
性格 のんびり屋 フランク
     見た目 形兆似 
     スタンド ベイカンパニー
     破壊力D スピードC 射程A 精密動作B 持続力A 成長性B
     
第四部、「ダイヤモンドのは砕けない」で、でてくる「虹村形兆」のような米軍がモデルのスタンド。グリーンベレー以外にも戦車や、戦闘機も存在する。ちなみに、射程距離は何キロもあるが命令が届くのは、数百メートルで、それより遠い場合、スタンド自身が独断で行動するが、迅速な判断ができないため、スピードは落ちる。射程距離内でもスタンドに自我はあるため、話相手にもなる。
     




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スカーレットデビル その1

学校行事の準備であまり書けませんでした


ベイカンパニーが本を回収してから三日がたった。実をいうと魔理沙が後に訪問してきて、あたしの借りた本を返せ!と怒って来たのだ。流石に筋違いということで兄さんが見事に撃退したが。ああいう人はまた懲りずにやって来そうなので怖い。...店の警備を厳重にしよう。

 

そう心に誓いながら仕事をしているともう既に五時であった。もうすぐ店を閉めようかと考えていると、兄さんが複数の紙袋を持って何処か向かおうとしていた。

 

 

「...何してるの?」

 

「何って、配達だよ」

 

 

配達ぅ?そんなことうちの店でやってたっけ?いや、やってないな。明らかに兄さんが勝手に始めようとしている。流石に配達まではうちの店でやってたら過労死してしまう。早く止めようと思い、話そうとするがある事に気づいた。

 

 

「待って、今?」

 

 

そう、今である。今、この時間である。

 

普通、幻想卿という場所は妖怪がいるのが、周知の事である。妖怪という生物は夜に動きが活発になるため、日が沈む頃には、人里にいるのが常識である。-人里に妖怪が人を襲うことを目的に入る事は協定によって禁じられている-

 

いくら人里でも人里外の近くに行くことにあれば、協定を理解できない低レベルの妖怪が入って襲う可能性もある。

兄さんならなんとかなりそうだが、万が一もある。一緒についていった方いいと考え、僕も行くことを提案する。

 

 

「待って、僕も行くよ。行き先はどこ?」

 

「いや、大丈夫だ。もこたんが付き添ってくれるしな。」

 

 

もこたん。藤原さんのことだろうか。確かにあの人なら相応の実力者...

 

 

「え、待ってそれ、人里外に行く事になるんじゃあ?」

 

「いや、行くとこ紅魔館だから。結局出ることになるし」

 

 

なーるほど紅魔館ね。そりゃ人里外よなぁ...

 

まてまてまてまてまてまて

 

紅魔館?

 

 

紅魔館?

 

 

こ・う・ま・か・ん?

 

 

「つぅ訳で、行ってくる...」

 

「まてぇぇぇぇダボがぁ!」

 

 

紅魔館だとぉ!?噂に聞くあのレミリア·スカーレットが住むと言われるあの紅魔館かぁ!??

これは非常に不味い...レミリア・スカーレットは吸血鬼であるがために、気位が高いと耳にしたことがある...もし!超がつくほどのフランクな兄さんがいったら...

 

考えるのも恐ろしい...今!ここで!止めなければ!

 

 

「兄さん!僕は...」

 

「安心しろよ...千男...ちゃんと咲夜に言ってるから大丈夫だ。もこたんも強いしな。」

 

「え?」

 

 

咲夜と言えば紅魔館に住む従者、十六夜咲夜のことだろうか。あれ?恐らく紅魔館に初めて行くと思われる兄さんがなぜ咲夜さんのことを知っているのだろうか。聞いてみたところ。

 

 

「咲夜と八百屋で会ってさ、ひょんな事で色々と意気投合しちゃってねぇ。紅魔館におよばれしちゃったんだ」

 

「...」

 

 

正直言うとここまで来ると兄さんを尊敬したくなるぐらいのレベルである。兄さんならどんなとこにでも入れそうだ。そんなこと考えていると何だが安心してきたと思ったら、重要なことを思い出した。

 

 

「って、違う!僕が指摘したいのはそのフランクな感じでいったら戻って来れないかもしれない危険性を指摘してるんだよ!」

 

「なっ!この俺がちゃんとした感じでいかいないと思ったがマヌケェ!」

 

「兄さんならやりかねない」

 

 

ホントに兄さんならやりかねない。実際やらかしてないのが、せめてもの救いである。

でもこのままじゃ話が平行線だ。どうすれば...

 

 

「あ」

 

 

僕は今まで自分は「行かない」という選択を自然と取っていた。だがそれは間違いだったんだ。逆に考えるんだ。行っちゃてもいいさと、考えるんだ。

 

 

「分かった。じゃあ兄さんがフランクな感じになりかけたら止めに入る感じで僕も行くから。それでいい?」

 

「なんだお前も来るのか。別にかわまんよ。それで」

 

 

とりあえずこれで話はついた。その代わり紅魔館にいかなければならなくしまったがいいだろう。僕は諦めながらそう思った。

 

 

 

 



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スカーレットデビル その2

久々に投稿します。


お店からでて大分時間がたったのだろうか。僕達は今、人里を抜けて紅魔館に向かっている途中だった。

 

僕達、虹村兄弟以外にも藤原妹紅という兄さんの友人も付いてきていて、兄さんだけじゃ心細いので事前に言ってついてきてもらっていた。

藤原妹紅とは、もんぺを着た白髪の女性で、男っぽい口調が特徴である。「死なない程度の能力」を持っていてるため、不老不死である。普段は「迷いの竹林」に住んでいて、永遠亭への道案内をしているだとか。

 

 

「お前ら兄弟なら、特殊な能力を持っているじゃないのか?だったら、私いらないんじゃ...」

 

「「いやまさか」」

 

 

僕達は声を揃えて言う。僕達のスタンドは揃いも揃って力がない。その代わり小さく、集団で戦う(単体の破壊力はDなのだが集団で、一斉に発砲をすると破壊力A~B並みの威力を発する)のだが妖怪もたまに銃弾を跳ね返すほど頑丈過ぎるのもいれば、狼みたいにスピード&集団で来るのもいる。そうなってしまったら僕達にもお手上げだ。そう妹紅に言うと納得してくれた。

 

 

「成る程、だが少なくとも弟の方は大丈夫だろう。というか「迷いの竹林」での案内もいらなそうだ」

 

「まあ、この地図を作る程度の能力がありますから」

 

 

迷いの竹林というのは、いつも深い霧が立ち込め、竹の成長が早く日々変化するためこれと言った目印が無く、

緩やかな傾斜により方向感覚も狂うため、妖精ですら迷うとも、よほどの強運が無ければ脱出できないとも言われている。上に飛べば良いのでは?と思うだろうが、ちゃんと飛行しても簡単には出られないようになっている。

でも僕は迷う事は無い。何故ならば僕には「地図を作る程度の能力」という幻想郷に入って手に入れた能力があるからだ。一見、地味な能力そうだが実はとても有能なのだ。

 

 

「僕のこの能力はただ僕の紙にここらの地形が書かれる以外にも誰が何処にいるのかなどが分かりますよ」

 

「便利だが、俺の「見ただけで三度真似できる程度の能力」の方が圧倒的に優れている!」

 

 

僕の能力は様々な事に使えるのでとても便利だ。普段は紙に能力で地図を載せれるが、地面にも地図を載せる事ができる。

 

でも悔しいが兄さんには負けるだろう。

 

 

「そういえばお前そんな能力を持ってたな。」

 

「兄さんの能力のおかげでお店の経営が続けられています」

 

「そこまでなのか!?」

 

 

事実、兄さんの能力がなければお店の経営は不可能だろう。お店でだしてるコーヒーや紅茶の作り方は全て、兄さんが能力で「真似」しているから出来るのだが、ただそれも三回までしか真似できないのが弱点である。因みに本でやり方を見るのも同様効果が発揮される。これは、幻想郷に入って知ったのだが兄さんは喫茶店を営むのが夢で、本とか読んで、様々な喫茶店向きの飲み物や食べ物を練習していたらしい。

これは僕も知らなかったので知ったときには驚いた。カフェアートとかも、チャレンジしていたが、うまくできなかったらしく、幻想郷でこの能力が身に付いていると分かったはかなり嬉しかったらしい。

 

 

「そんなこと話しているうちに着くぞ」

 

「む、ここらか?」

 

「そうだ、この湖に沿って行く」

 

「霧が濃いですね...」

 

 

ここらいったいは口頭でしか聞いた事がないのだが、紅魔館の前は濃い霧に包まれた湖があると聞いている。その話が本当ならもう近い所にいることになる。しかし、本当に霧が濃い。聞いていた話よりも濃すぎてさすがに驚いた。湖の大きさは分からないが、それでも湖の全体が見えないのは中々の霧の濃さじゃないのだろうか?

 

 

「ここらは氷の妖精がいるけど今のところいなさそうだな」

 

「氷の妖精?」

 

「ああ、カエルとか凍らせ...お、着いたな」

 

 

不自然に妹紅が会話をとぎらせたので何事かと見ると、霧が少し掛かっているがそこには深紅に塗られた幻想郷とはまるで違う雰囲気をだしている建物を見つけた。窓は少なく、かなりでかい時計塔があったりと、周りの景色に対して酷く浮いていた。

 

ついに紅魔館にたどり着いたのだ。

 

 




章機能を使ってみたいです。

8月5日 矛盾点を発見、修正


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スカーレットデビルその3

俺は帰ってきたぞぉぉぉぉぉ!!

すいません、かなり遅れました。

週一投稿目指してましたが、無理でした(白目

それでは本編をどうぞ


「さて、ここだ」

 

妹紅さんに案内されて、ついに「レミリア・スカーレット」が住む、紅魔館にたどり着いた。

 

ここから少し時間がかかったので疲れているが、外で休む訳にはいかない。早く中に入って休ませてもらおう。

 

ここ、紅魔館は大きな門が僕達の進むべき道を塞いでおり、その門には門番がいた。

門番は華人服とチャイナドレスを足して2で割ったような淡い緑色を主体とした衣装で、髪は赤く腰まで伸ばしたストレートヘアー。側頭部を編み上げてリボンを付けて垂らしている、中々美しい方だった。

 

 

「綺麗な人だなぁ」

 

「幻想郷みんながそうさ。だがたった一つ、「寝ている」のが残念な点だがよぉ」

 

 

そう、彼女は寝ていた。しかも「立ち寝」である。

 

 

「器用な事していますね」

 

「こいつが紅魔館の門番「紅美鈴」だ」

 

 

妹紅さんの説明によると、この方が、紅魔館の門番をしている方らしい。といってもそんな事見ただけで、薄々感づいていたが。

にしても門番が寝てるって、いいのだろうか。明らかに職務放棄だが。

 

だが、彼女も生物であるなら、痛覚があるはず、可哀想だが夢の世界から、引きずり出してやろう。

 

だが、そんな事する必要がなかったらしい。

 

 

「あだっ!!」

 

「!」

 

 

どうやら、起きたらしい。だがおかしい。

 

 

「今こいつを抓ったのか?」

 

「いや、何もしていない」

 

 

そう、起き方である。今の美鈴さんの起き方は明らかに痛覚によって起きた。だが彼女さんを抓ってはないし、もし他の誰かがやったのならすぐ分かる。だが、彼女は誰も痛覚を伴う行動していないのに、痛がったのだ。

 

だが、その理由もすぐに判明した。

 

 

「また寝ていたわね」

 

「はっ!咲夜さん!」

 

美鈴さんの今の言葉から判断するに、この方は咲夜というらしい。

 

幻想郷縁起でも見たが、やはりこの幻想卿の人達に比べて、変わった服装をしているのが分かる。彼女の服装は、青と白の二つの色からなるメイド服であり、頭にはカチューシャを装備している。髪型は銀髪のボブカットであり、もみあげ辺りから三つ編みを結っている。 また髪の先に緑色のリボンを付けている。

 

やはり幻想郷の中では中々異質な服装だ。

 

 

「あら、もう来たのね。お嬢様がお待ちよ」

 

「む、待たせたのかな?」

 

「いえ、まだ朝食を食べ終わったばかりよ」

 

 

夕方なのに朝食というのは違和感があるが、そこには触れない事にした。

 

「貴女も入ってきていいのよ」

 

「いや私は、外で待ってるよ」

 

 

どうやら妹紅さんは紅魔館には入らないみたいだ。その事に関して、咲夜さんは、そうといい、僕達を中に入るよう催促した。

 

 

「んじゃ、入るとするか。妹紅は待っててくれ」

 

「分かった」

 

「お邪魔します」

 

 

遂に僕達は紅魔館に入る

 

その中にいるお嬢様に会いに。

 

 

 

 

 

 




次回は、一週間以内に投稿出来そうです。



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スカーレットデビルその4

ギリギリですいません...





「ここよ」

 

 

僕達がこの館に入って数十分が経過した。

ここの館は見た目よりも広く、咲夜さんについて行かなければ確実に迷う、と思えるぐらいだ。

そして遂に、この館の主がいるであろう部屋の扉の目の前までやって来た。流石にかなりの上位の妖怪がこの扉の先にいると思うと、疲れていたとしても、気を緩む事は出来ない。

 

「レミリア様、お客様です」

 

「入ってもいいわよ」

 

 

 

館の主、レミリアの許可を取り、遂にご対面する時が来た。

 

 

 

 

 

 

 

「改めて、申し上げるわ。ようこそ紅魔館へ」

 

 

そこには、青みがかった銀髪のウェーブに真紅の瞳を持ち、ナイトキャップらしきものを被っていおり、コウモリの翼が背中に付いている少女がいた。

遂に会えたのだ。紅魔館の主、レミリア.スカーレットに。

割と少し時間が掛かって辿り着いたので会えて、少し嬉しいのだが気を抜いてはいけない。

 

「どうも虹村京次と申します。そしてこちらの方は虹村千男。私の弟でございます。」

 

 

どんな時にも挨拶は大事だ。ましてや相手はあのレミリア.スカーレットとなると尚更だ。

でも兄さんが敬語を使ってる姿は目慣れないので、少し違和感を覚える。

兄さんが僕の名前も紹介されたとは言え、僕からも改めて自己紹介しなければ礼儀がならないと思い、僕も自己紹介をする。

 

 

「どうも、改めてまして、虹村京次の弟、虹村千男です。」

 

「そこに座って頂戴。」

 

 

言われるままに指定されたソファに座る。

レミリアも指定されたソファの前にあったソファに座った。

生でレミリア.スカーレットを見たのはいいが、一つだけ思わず居られない事があった。

 

 

(小さい...)

 

 

 

そう身長である。吸血鬼としての迫力を見せつけられながらも、人間で言えば10歳にも満たないような背の高さしかないレミリアを見て、そう思わずにはいられなかった。

そんな事考えている内に、兄とレミリアは談笑をしていた。

 

 

「私の頼んだカップケーキは?」

 

「こちらに」

 

 

そういえば、あの兄さんが持っていた紙袋は、レミリアの頼んだカップケーキだったんだなと確認しつつも、レミリアは一度も店に来てないのに何故僕達の店のメニューを知っているのは何故かと疑問を覚えたが、咲夜にでも教えて貰ったのだろうと思い気にしなかった。

 

 

 

 

 

 

「レミリア様、口元にチョコが...」

 

しばらく雑談をしていたのだが、レミリアの顔を見てみると口元にチョコが付いているという、レミリアの見た目年齢相応の事が起きていて僕はレミリアに対してそこを指摘した。

微笑ましい光景だが、この後、僕にどんでもない目に会う

 

 

「あらそう、ふいて頂戴」

 

「...え?」

 

 

少女の口元を僕がふく。

これを何も知らない人が見れば単に、「口元を汚した妹の口元を兄がふく」の様に見えるだろう。だが実際には「吸血鬼の口元を貧弱な人間がふく」という、恐ろしい事が此処で起こってた。

そんなに恐ろしくなさそうに見えるが、相手は誇り高き吸血鬼、ちょっとでも無礼を働けば首が胴体とかけ離れるのは間違いないだろう。

だが、此処で何もしなかったらそれこそ無礼だと思い、紙袋の中に入っていたナプキンをレミリアの口元に運び、拭いた。

 

 

「...ありがと」

 

「いえいえ」

 

 

何とかこの試練を乗り越える事ができた。

流石に生唾ゴクリもんの恐怖だったので心の中でホッと安心する。

 

 

「あ、このカップケーキ美味しかったわよ。これは、咲夜でも作れなさそうに無いわね」

 

「ありがたきお言葉です」

 

 

店のカップケーキは好評だったのか、とても嬉しそうな表情をしていた。心なしか、コウモリの翼も嬉しそうに揺れている様な...

 

 

「それでは、夜もいのでそろそろお暇させてもらいます」

 

「あらそう、とても美味しいお菓子を作ったお菓子職人を帰らすのは気が引けるわね。」

 

「申し訳ありません」

 

 

レミリアは僕達が帰る事に対して渋るが、僕達は明日も仕事がある身。もう大分話していたのでそろそろ帰って寝なければいけない。

 

 

「まぁいいわ、また今度お菓子を頼むわね」

 

「気に入られて恐縮です」

 

 

そして、お互い別れの言葉を言い、咲夜の案内の元、僕達は紅魔館の門へと向かった。

 

 

 

 

 

 




次の投稿は申し訳ありませんが遅れます。

ただし、一ヶ月以内には投稿させてもらいます。


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本居小鈴が来る! その1

遅れてすいません。

投稿の遅れの理由は活動報告にかかせてもらいました

見たい方はそちらをどうぞ

それでは本文には入ります


本居小鈴が来る! その1

 

「ふぁ〜」

 

 

兄さんの間抜けた声で共に起き、僕達は仕事着に着替えようとしていた。

 

昨夜、妹紅と別れた後帰宅し、夜も遅いという事でさっさと寝る事になった。

 

ただし兄さんはやる事があるといってまだ一階で何かやっていたようだが、恐らく明日の仕事に向けての下準備だろうと思っていた。

 

なので僕が先に寝る事になったのだが、実を言うと兄さんが戻ってきて寝た後でも僕はまだ寝ずにいたのだ。

 

それの原因は...

 

 

「はぁ…」

 

「何だ朝から浮かない顔して」

 

「いや、昨日のレミリアの事だよ」

 

 

そう昨夜のレミリアの行動だ。

 

高貴な吸血鬼であるレミリアは人間である僕に口を拭かせた。

 

他の人が聞けば、スタンドも月までぶっ飛ぶような衝撃をうけるだろう。

 

何故彼女は普通の人間である僕に口を拭かせたのか。

 

深く考えてしまう僕なので、どうしてもこの事に意味を感じてしまう。

 

あれに何の意味が?何かのメッセージか?それとも普通の人間である僕を困らす為のただの悪戯か?

 

考えても考えても謎が深まっていく…

 

 

「あぁあれな、レミリアはきまぐれで動くらしいから、あまり深く考え込むなよ」

 

「ん〜そうなのかな」

 

 

レミリアはきまぐれで動く...だとしたらあの行動にも無理やりだが納得できる。

 

ただプライド高いと称される彼女がそれをさせてくれるとは思えないけど...

 

 

「さ、そんな事より一階に行くぞ」

 

「...分かった」

 

 

確かにそんな事考えてるよりかは、これからの事を考えないといけない。さっさと仕事場に向かおう。

 

 

 

 

 

 

 

 

まさか本当だったとはな

 

新聞屋からは「最近、レミリアが妙な行動をとっています」って言っていたが、半信半疑だったからマジでやってた時はビックリした。

 

新聞屋もある程度当てになるってか。

 

だが、何故彼女はあんな事したか確かに謎だ。

 

あいつは「恋ですよ恋!」って騒いでいたが吸血鬼が人間に恋する確率は限りなく低い...

 

本当に何だろうな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんくださーい」

 

「む、この声は小鈴ちゃんの声か?」

 

「小鈴ってあの貸本屋の看板娘?」

 

 

僕達が午前中の仕事を終え、お昼休憩に入っていた時だった。

 

お昼はカフェに来る人は少ないとはいえ、来ないという訳ではない。その為、お昼休憩でもお店を開けていた。

 

 

「向こうから来るのは珍しいな」

 

 

そういって兄さんは一階に向かったので僕も向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、こんにちは...ってあれ?」

 

「よう、小鈴。あ、そうか俺の弟と会うのは初めてか」

 

「初めまして。虹村千男です。お話は伺ってます」

 

 

一階に着いてみると、そこには扉前に立っていた一人の少女、貸本屋こと鈴奈庵の看板娘の本居小鈴はいた。

 

彼女のいる鈴奈庵とは人里にある貸本屋で、主に外来の本を扱っていて、兄さんがカフェでの客の楽しませ方を探すため、よく通っている。

 

ここでは本を貸し出す他、普通の本屋のように本の販売もしており、少数ながら印刷・製本も行っている。

 

まだ会った事ないが幻想郷に関する事を書く一族の末裔、稗田阿求が執筆している幻想郷縁起は、鈴奈庵で印刷・製本されたものらしい。

 

 

「そんで、小鈴ちゃん。どうしてここに?」

 

「あ、お茶しようかと」

 

「お、客として来たのか!そんなら腕によりをかけて作ってやる!それが流儀ィィィ!」

 

 

そういって本を取り出し、準備を進めていた。

 

どうやらお客として来たのならそれ相応の受け答えをしなければならない。

 

さて、道具の準備をしますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりここだ

 

間違いない

 

彼等はここから来たんだ

 

 

 

 

 

 




ちょっと少ないかもしれませんが許して下さい。

テスト週間の中書いてますので...

なので次回も投稿は延びます。

ですが11月以内には投稿します。


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本居小鈴が来る!その2

ギリギリ11月中に投稿できました(・_・;




「おかしいと思わない?」

 

 

僕達の喫茶店にやってきた本居小鈴

 

彼女は普通に食べに来たらしいが様子を見てみると明らかにおかしいと言える部分があった。

 

 

「やっぱそう思うよな。」

 

 

兄さんもそう思っているのか僕の疑問に肯定してきた。

それもそのはず、こんな事はまずあり得ないから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(前に見たのと違う)

 

 

私こと本居小鈴は、(まぁ誰かに説明するわけではないんですけど)喫茶店にいる小人を見つめています。

 

この子を見て思ったのだけど...

 

 

違う...

 

 

そう、彼はこの間見た子と違う容姿をしていました。

 

前会った子は、変わった帽子を被ってましたが、この子はヘルメットと思われる外の世界の硬い帽子のような物を付けてます。

 

 

(ここで変わった種類の小人に会うなんて)

 

 

もしかして小人は他にもいるのかしらと、疑問を持った直後。

 

 

「すみませぇん、ご注文は?」

 

「あ!ごめんなさい、ぼーっとしちゃって」

 

 

いけないいけない。この子達は他の人には見えないから、私が一人でぼーっとしてるみたいになってしまうわ。

 

何か頼んでそれを味わいつつ、調査を続行しますか。

 

 

 

「貴方、我々と同じですね」

 

 

 

え?と、思わず聞き返そうとしましたが、その瞬間目を疑う光景が広がりました。

 

辺りの小人達が長い筒のような物を私の方に構えて来ました。

 

しかも一斉に。

 

何故分かったのかしら...と言いたいとこだけど。

 

 

「貴方が小人を操っていたのですか」

 

「Exactly(そのとおりでございます)」

 

 

虹村千男がそう言った。つまり彼がこの小人達の親分ってとこかしら...

 

そして...

 

 

「まさか、小鈴さんもとはねぇ」

 

 

彼...虹村京次さんも同じような感じみたいですね...

 

 

 

 

 

 

「何故...分かったんですか...」

 

 

彼女はどうして分かったのか俺の弟に聞きたいらしい。

 

だがあえてこの俺、虹村京次に言わしてもらうぜ。

 

 

「小鈴サァン、あんたメニュー見ずにスタンドを目で追ってただろ。ボーッとしてるだけならともかく目で追ってたら、そりゃ気付いちゃうさ」

 

 

彼女はウッと表情を濁す。顔に出ちゃうとこを見るとまだまだ幼いあまちゃんってとこかな。

 

そんな事より彼女から聞きたい事があるんだがな...

 

 

「何故ここに来たか、本当の目的を話してもらうぜ」

 

 

すると、彼女は少し迷っていたが決断したらしく、俺の目を真っ直ぐ見てこう言った。

 

 

「この人里に...異変が起きてる」

 

 

それは衝撃な発言だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

だが同時に疑問が湧いた。

 

何故俺らに言った?

 

そりゃ俺たちのいる人里に異変が起きてるという事は、言葉以上にかなりヤバイのは分かっている。

 

だがそれは異変解決のスペシャリストに任せるべきだ。俺らのやる事じゃない。

 

そうこう考えてる内に同じ様な疑問を抱いていた弟が既に俺の考えていた事をそのまんま質問をしていた。

 

そして、返ってきたのは俺らにとっては先程の発言よりもぶっ飛んでる発言だった。

 

 

 

 

「主犯は恐らく...スタンド使いです」

 

 



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