ジョンス・リーが幻想入り ((^^辛味ホルモン)
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第一話 八極とは大爆発の意

ハーメルンでは初投稿です。

皆さんもご存知、
むしろ大好きな彼が幻想入りしてしまったので、
彼の冒険を見届けたってください。


 ある日のこと、男はひょんなことから目覚めてしまった。世界の天井とは誰も見たことのないものだ。しかしたった一人だけ世界の天井、自分の天井を見つけ出し破壊して除けたモノがいる。

 

名は"ジョンス・リー"

見た目だけでは20代の少し体つきがしっかりしているだけで他人より秀でているとは想像もつかない。

黒のスーツと白いローファーに身を包み、少しだけ撥ねた銀髪のセミロングヘア、下を俯き気味の赤い瞳に、弱々しく……というより、なにかに愛想が尽きたかのように下がる眉尻。しかしその細くしっかりした顔付きは他からの異論を挟む事を許さず、ホストといっても有り得るだろう恰好だった。そしてヨタヨタととても頼りない歩き方をしている。

 

こんな男が現代の"最強"。曰く、達人

曰く、喧嘩無敗

曰く、世界一強いストリートファイター

曰く、現代最強

この細い男につく名前だ。

事実この男は10日間ぶっ通しで戦うことが出来る。例え相手が10人であれ、100000人であれ関係ない。一人一秒で殺傷し、10日間。つまり人類を一億三百六十八万人、たったの10日間で消すことが出来る。

この男は国とだって戦争(たたか)える。弾丸を見切り、掴む事さえ可能だ。大砲から発射される大型の弾丸だって男には止まっているように見える。当たったところで別段ダメージは無いものの、あまりにも遅すぎて当たることは先ず有り得ない。

 

その俊敏性(スピーディ)は風の如く。

その耐久性(タフネス)は山の如く。

その制圧性(プレッシャー)は林の如く。

その攻撃性(パワー)は燃え盛る火山の如く。

 

この男の名前はジョンス・リー。最強の男だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ひたすらの鍛練は己を知るためだった。自分はどれだけ強く、自分はどこまで戦えるのか? 自分はどれだけ弱く、いつに倒れるのか? 両極端だがソレを知りたかったんだ。

そして俺はある時………修行の終わりを感じた。

おそらくは俺以外の誰一人も見たことのない景色。ただ俺だけが突き抜けて立っている。成長し大人になると、ふと気付く天井の低さに人は落胆を覚える。自分の限界を見せられる。肩の力が抜けて楽になる。だけど同時に自分の存在を虚空に落としてしまい、新しい言い訳を見つけてソコを歩く。大半の人間はソコの終わりすら見ずに生涯の幕を閉じる。俺だけが突き抜けた。限界の限界を。

修行の終わり。物事の限界。はたして存在するものなのか?

″人間は空を飛び、大気圏を抜けた。しかし宇宙を抜けてはいない″。 そのことは全ての物事と同じことだ。ほんの一つを極めるというだけでソレは世界の略図となる。

 

武の達人というのは日常生活が"武"という。座れば"武"、立てば"武"、歩く様でさえ"武"。つまり常に気を抜かない。例え後ろから自分より劣るものに不意を喰らいダウンしたって、武道家ならば口を揃えて言う。「実力の差だな」

その達人が常日頃から警戒体制をしていなかったからだ。しかし俺にはその必要も無い。

例え後ろから不意を突かれ殴られても、フッ飛ぶのはソイツだけだ。

まして俺は武道家ですらない。"武"とは"矛を止める"と書いて"武"だ。俺のは『止まらない矛』!!!

コレが俺が限界を超えたというただ一つの証明。

もしも俺が負けたら…………そう思っても少しも変わらない。今の俺が世界。…………もう、超えることは出来やしない。

しかし今の自分に勝てる奴、それは世界を覆すに等しい。"努力"、"根性"、"忍耐"そんなくだらない励ましは強くなるのには一切いらない。だけど修行の終わりを感じた俺がまだ強くなれるのなら………

俺よりも強く、今の俺を叩き起こすものを…………願う…ッ!!

そしてもう一歩強くさせてくれ!!

 

 

 

 

 

 

……………ジョンス・リー。自分よりも強き者を求め、ひたすらに思う。

日本の山奥にあるジョンス・リーのかつての修行場。そこの縁側に腰を下ろし、座禅を組んだ。

サラサラと紅葉を鳴らす木枯らしはジョンス・リーの気をほんの少しだけ落ち着かせる。まぶたを閉じて虚空に思う。自分より強き者を。とびだしてくるパンチに合わせられずに倒れる自分。ただの妄想で現代最強の肩は少しだけ楽になる。

………………………………………………………………………………………………………………………………

 

ジョンス・リー

黙想を始め三年と2ヶ月18日………死亡!!!

 

 

 

 

 

そして……………

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは………どこなんだ?」離せ! 俺はそっちには行きたくはない! 此処なんだ………俺の目指す、行きたい場所は……………………

黒を掻き分け、ジョンス・リーの瞳には碧い光が映った。

 

 

ここは………どこなんだ?

広大な草原で一人の男が目を覚ました。手足を大きく広げて大の字に寝転がっているこの男はジョンス・リー。

 

どうやらジョンス・リーは人目につかぬ山奥で死んだため、人々に忘れられ、幻想郷に来てしまったのだ。当然のこと、本人は既に死んだことすら曖昧になっている。幼少期の頃には武術鍛練の傍らに神殿などを掃除させられた彼である。死後の世界は信じようとも、神という存在を少し嫌ってはいた。

………しかし不思議な場所(ところ)だ…… ここは異常に空気が軽く、人間の気配がしない……… 

 

ジョンス・リーは怪訝とした顔を見せるでもなく、いつもどうりのボーッとした顔で一点を見つめていた。視線の先は山のふもとの紅い大きな屋敷“紅魔館”だ。

 

……面白いな……… あそこから一つ………いや、二つだけだが気を感じる。

そして、俺の知らない者が複数固まっていやがる………

 

いって…みるか………

 

 

と、歩を進めた瞬間、足元から全身に嫌な冷気がはしる。ジョンス・リーの左足が膝まで完全に凍っている。しかしジョンス・リーは動じずに振り返った。そこには水色のワンピースに大きなリボンを付けた少女が腰に手をあて、高らかに三段笑いをしていた。

 

「はっはっはー! おっす! どうだ!あたいのこうげきはーっ!」

 

「………? なんなんだ……お前は?」

 

「まず名乗るならじぶんからでしょーが! チルノだってねそれくらいよゆーでしってるよ!」

 

チルノはクフハの三段笑い(クククフフフハーハッハッハ)をまたすると、小さな拳を向けて

 

「あたいはあんたみたいな"すかした"野郎は大っ嫌いなんだ! ここで怨みをはらしてやる!」

 

「お前は妖(あやかし)の類(たぐい)か?」

 

「なによ"あやかし"って……お菓子ならあたいにケンジョーしてから食べな!」

 

誰が聞いても意味不明な言葉と共に、チルノは自分の身体とさして変わらない長さの剣(つるぎ)を握り、ジョンス・リーに飛び掛かる。いつもならば剣を躱さにずに敵を宙に舞わせるが、この時は違った。左足が凍っているため動けないジョンス・リーは腰をきり、一歩も引かずに剣を難なく躱した。するとチルノは外した反動でまるでギャグ漫画のように転がり大木に顔を打った。

 

(やっぱりな……剣の素人ということは最初から明白だったが……… 問題はこの氷だ…… なぜ割れない………ッ)

 

「くっそー ばかにしてー!」

 

(躱す。そして………)

 

今度は剣を投げ出し、頭突きだけに的を絞ったただの突進。甚だ呆れたジョンス・リーは棒になって動かない左足を残したまま肘打ちをだす。

 

(爆打(ばくだ)っ!!)

 

地面にはしる亀裂から溢れる"気"が、ジョンスを押してチルノの腹を貫いた。

少しヒンヤリとした感覚があったがなんてことはない。徐々にだがチルノを構成していた氷が溶け、崩れ落ちる。

 

「こんなものなのか……」

 

ため息混じりに呟いた言葉は微かに消えて、一人虚しくなっていく感じがした。

 

「あの城にはコイツよりも強い奴がいるんだろうな………」

 

凍った左足に内側から何度も“頸(けい)”を放ち、やっとのおもいで砕けたが、ジョンスには気に掛かる点がいくつかあった。先の不意を突かれたことである。日常生活に於いて無駄を削ぎ落とした拳は無敵。つまり不意を突かれはしない。

しかし、チルノの氷は触れた瞬間に砕けずに、「そこにあり続けた。」リーは疑問に思った。しかし一歩踏み出せば、それは過去の話だ。リーの頭の中から水色の少女は既に消え、ただ一点。あの紅い城を想っていた。ゆっくりだった足取りが速くなり、ジョンス・リーの顔からは笑顔が漏れる。

 

(いるんだろう。そこには。俺が待った、俺が恋い焦がれ夢にまで見たヤツがいるんだろう?)

 

愛に生き、会いに行く。

ジョンス・リーの思念は夢から願望に、そして恋愛となっていた。その恋は希望。もし自分が手も足も出ずに、「ああすれば良かった」「こう動けば勝てた」などの一切の言い訳を掻き消すような、純粋な敗北を味わえたならば、それはジョンス・リーにとって、大きな進化へとなる。

 

リーは歩を止めた。

 

「……また妖か……?」

 

「ふふふ、無礼ね。こんな美人を捕まえて"妖怪"呼ばわり…ふふ、間違ってはいないけどネ」

 

リーの背後に立つ影はクスクスと肩を震わせる。

その者は幻想郷に於いて、最も神に等しく、最も中心に近き、妖怪最強の絶対賢者。八雲(やくも) 紫(ゆかり)!!!

 

「貴方ね。幻想郷に土足で上がり込んで挨拶無しっておバカさんは……」

 

八雲紫は扇子をリーに向けて、ニコリと笑う。何を思ったのかジョンス・リーは慌てて構えをとった。

 

「なるほど。お前も………"そう"なのか……」

 

「なんのこと?」

 

優しい笑顔で首を傾げる紫を見て、リーは鼻笑いを返す。リーにはわかっていたのだ。

 

「隠すな。お前は嘘の顔を作るのが上手いんだな。」

 

「……………」

 

「その目ん玉ぁ中、渇ききってるんだな。本性現せよ。こんのバケモンが。」

 

「ふふっ、そうよ………"渇いている"のよ……あたしの頭の中にはゴロゴロと滞留しているの……「食べたい」「ヤリたい」「潰したい」ってね。囁いているのはあたしの血よ!」

 

「面白い詩だ。じゃあヤって良いのか?」

 

「どうぞ」

 

「行くぞ!」

 

ジョンス・リーが足を上げた刹那に紫は目の前まで迫っていた。

 

「遅すぎるわ」

 

紫の速攻。紫は持っていた扇子をリーへ投げ捨て、右のハイキック! ただヒットしたのではない。ジョンス・リーの爆打を平手で軽くいなし、爪先を顔に減り込ませた。しかしそれをも咄嗟の反応で弾くジョンス・リー。ただの一撃に見えるが二人の間には既に幾百もの拳が舞っていた。

紫は一度バックステップで距離を取る。嫌な予感がしたのだ。瞬間、ジョンスの周りは衝撃により陥没する!大小の石礫を巻き上げて、今度はジョンス・リーが仕掛けた。 左の下突き!

しかし紫はまたも受け流し、拳はあられもない方向へ飛ぶ。隙の出来た脇腹へ一線、紫のバックブロー。リーはしゃがんで避け、背中を向け、掛け声を一つ。

 

「噴ッッッ」

 

またも先ほどのように地面が抉れ、礫と砂埃をあげる。衝撃の余韻を明確に伝えるように、砂埃は今だに紫へと吹いていた。すると

 

「八極拳ね。おかしな型とは思ったけどまさか中国拳法最強が相手とはね」

 

「そうだ、俺は八極拳使いだ。まさかお前も"流すだけ"ではないんだろっ!!?」

 

気を込めたリーの正拳突き!しかし同じく紫には届かずに撥ねられてしまう。だがリーの攻撃は止まらない!そのままがむしゃらに拳を奮う。

 

(この女……※化頸(かけい)を使いこなしている……やはりコイツも八極拳使いか……?)※気を使い攻撃を受け流すこと。

 

リーの考えとは裏腹に紫の拳法には何もない。そう何もないのだ。簡単に言えば紫の行っている行為は"適当"! 人を壊せる。町を潰せる。国を支配できる。世界を沈ませることも! その男の両拳は女の紫に、ただの片手で全ての落とされている。あるのか!? そんなことが! あって良いのか!? ジョンス・リー、初めての体験に冷や汗が流れた。震える身体を抑えられない。やがて紫の掌底撃ちがリーの腹筋を射貫いた。




ジョ「…………」

チ「…………」

ジョ「…………」

チ「ねー、なんであたいみたいな天才で頭脳明晰な見た目は子供、中身は大人の賢いチルノが、この"おやかし"の人と次回予告しなきゃなんないのさー」

辛「いや、まだまとまったキャラとかいないしさ…」

チ「なーに? なろうの時にはたった6話しか掲載してないのにキャラ一人一人にご丁寧に声優とか決めてたくせに! 一人に対してやたら豪華な声優を三人くらい候補にあげといて、今更つまらない事言うのねー!」

辛「だって改訂する前には20話くらい投稿してたんだし、あの頃はイケイケだったから良ーじゃんかよー泣」

チ「嘘おっしゃい!」

辛「え? 言ってないよ俺ぇ?」

チ「ダマレー! パーフェクトフリーズ!!!」

辛「うぎゃー! 普通に痛い!」

ジョ「あの………」

辛「おぉなんだ、今作主人公にして、今まで無言で僕がパーフェクトフリーズされているのを見てもいてくれなかったジョンス・リーくん!?」

ジョ「いや……ふと考えたんだが、見た目は子供、中身は大人ってぇ、ただのしっかりした子やんけェ!!!」


辛「…………」
チ「…………」

ジョ「ヤンケェヤンケェヤンケェェ…ェェ(エコー)」


辛「次回 ジョンス・リーが幻想入り(仮名)
第二話“見た目は大人、中身は子供、そんな女性がタイプです゛を――」

ジョ「ちょっと待てーぃ!」

辛「んだよ、せっかく閉めてんのに水注すなよな…」

ジョ「お前、首から下凍ってて、よくそこまで喋れるな………汗」

辛「作者だし……?」

ジョ「意味わかんねーよ! だいたいなぁせっかくだから言わせてもらいますけどぉ、なんなんだ仮名って! 俺が主人公なんだからあれで良いじゃん! これ以上ない完成じゃん! それになぁ、なんだ「タイプです」って、お前の話しちゃってんじゃん! しらねーよ、そんなこと! 俺の話題にしろよ! 今回みたくちょっと意味ありげですみたいなカッコイイの頑張って考えようよなぁ!?」

チ「ツッコミが長くてツマラらない上に、キャラがまとまらな過ぎ。そのまま行ったらこの作者、「声優は杉田智一さん」とか言い出すぞ。」

辛「………ッッ!」

ジョ「なーにオメェは「その手があったか」みてぇな顔してんだよ!」

辛「いや、後書きなんだからもっとさぁキャラ崩してかねーと……」

ジョ「崩れてますけどぉぉぉ? おかげさまでこんな変顔のまま喋ってますけどぉぉぉ怒」

チ「素だろ杉田。」

ジョ「なんだよテメーはさっきからよ、テメーだって“ギン〇マ”の可愛くねー釘宮理恵みたいな感じだろうが!」

チ・辛「残念んんん! 釘宮さんに可愛くない時代なんてありませんんん!」

ジョ「ハモりウザ!
そんな訳で次回、“俺がこんなにカッコイイ訳しかない” 第一話を――」

辛「ズババボーン!」

ジョ「うぎゃぼん!」

辛「次回! ジョン入り!」

ジョ「略すな!」

辛「第二話 あーマジでジョンスは杉田にやってほしいなー。を書いてきます!」

ジョ「もーどーでもいーやぁぁ!」


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