バカップルがアカデミアに入学したようです (浅見)
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Turn01-1
「いやぁ……困った」
先程から一向に動く気配の無い電車の中、今日がデュエルアカデミアの入学試験じゃなかったらまったく問題なかったのだが……どうしようか、アカデミアでトップ取ってこなきゃウチには入れないとか言われてるんだよなぁ……待てよ、電車が動いてないんだったら……。
思いつくや否や、オレは一気に窓を全開にして飛び降りた。周りの乗客が唖然としているが気にしないことにした。
「まったく、何てことをしてくれたのよ」
「すみません、みどりさん」
「先生を付けなさい」
そういって拳骨を落としてきたのは響みどり先生、両親の昔馴染みでオレ自身もよくお世話になった人だ。この人も凄いが弟さんも凄い、なんたってプロデュエリストの響紅葉さんといえば知らない人は居ないほど……。
「はぁ……まさか、動いていないからって止まっている電車から飛び降りて警察と鬼ごっこしながら来るとはね……」
「警察は偶然ですって、ほんと」
嘆息しながらそう言うみどりさんにそう反論するも、再び鉄拳制裁で黙らさせられた。
「もう良いわよ、それより里桜が実技試験中よ」
え、里桜が?そう思い会場を覗き込むと確かに彼女が試験をしていた。桃色の髪をたなびかせながら、カードを操る様は一般的な可愛い系の女子というよりはカッコいい系統だと思った。
「そういえば里桜って筆記何番だったんですか?」
「2番よ、あんたら二人ともう一人はほとんど点数に変わりは無いわ」
「へぇ、オレらの知識に及ぶヤツが居たのか」
そこまで言うとみどりさんは呆れたのか、大きく溜息をついた。
「それより、デッキの準備は出来てるわよね?」
へっ、みどりさんの方を見るともう一人男性が立っていた。まさか……
「実技試験ですか?」
「そうよ里桜はもう終わるからね、準備しておきなさいよ」
そこまで言って、みどりさんはオレの前から姿を消した。
「勝者、試験番号2番の桜咲 里桜(さくらざき りお)」
「ありがとうございました」
里桜の相手をしていた試験官は歯噛みをしながら、次の相手であるオレを見据えている。おいおい……オレは関係ないぞ、とこの時だけは本当に言いたかった。
「次、試験番号1番の柊木 恭賀(ひいらぎ きょうが)」
「はい」
こうして、オレの試験が幕を開けた。
To be continue……
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Turn01-2
「この試験は形式上だ、心配しなくても余程なことが無い限りは合格するから安心しなさい」
「はい」
緊張は……しない、後ろの女性からの視線が凍てつく様な視線が怖いが。目が語っている、負けたら承知しないといった……。
「では……んっ、あぁ……」
流石だわ、運が無いというか……取り敢えず先行は譲ってくれるらしいので頂こう、といっても……。
「ドロー、カードを二枚セットし、ターンエンド」
「モンスターは居なかったのかい、まぁ良い……ドロー」
試験官は訝しげにこちらを見ているが無視、しかしデッキを間違えたとはいえこのデッキを持ってくるとはな……勝っても負けても幸先は悪そうだ、もうとう負ける気は無いけど。
「私はジェネティックワーウルフ(ATK:2000)を召喚」
辺りに歓声が沸く、おそらく終わったなとか思われているかもしれない……まぁ、こいつは厄介だし退場してもらうか。
「罠カード”奈落の落とし穴”を発動する、ジェネティックワーウルフは申し訳ないけど除外して下さい」
「くっ……」
苦虫を噛み潰したような表情、まぁ仕方ないよな……ジェネティックワーウルフ出したときのどや顔はムカついたし。すぐに思考をめぐらせる、あれだけではすぐに割り出せないがビートダウン式のデッキなのは間違いなのだろう……ゴーズらのカウンター式のカードが飛んでこないことを祈りながら、と思ったが試験官はカードを一枚伏せた。
「ターンエンドだ、さぁキミの実力はそんなものか?」
あからさまな挑発、恐らく攻撃反応型のカードだろう……もしくは、と手札を見遣ると心配は無用だった。
「ドロー、サイクロンを発動します」
「なっ、私の奈落が……」
「なぁんだ、破壊して損した」
思わず口走ってしまい、口を塞ぐも手遅れだったようで試験官がこちらを睨んでいた……と思うといっておこう。上方でみどりさんが呆れている気配や後ろで里桜が爆笑している気がするが……気のせいにしておこう、本当に。
「ラストターンにしましょうか、試験官さん?」
「どういうことだね?」
「これらが答えです、血の代償を発動、手札からレッドガジェット(ATK:1300)を召喚し、効果でイエローガジェットを手札に加えて血の代償の効果を発動しLPを500払いイエローガジェット(ATK:1200)を召喚、さらにグリーンガジェットを手札に加えて同様の方法で召喚、さらにレッドガジェットを加えて召喚する……総攻撃で、トドメです」
柊木 恭賀LP:4000→2500
試験官:4000→-1200
「勝者、試験番号一番柊木恭賀」
To Be continue
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