遊戯王ARC-V 風纏いの振り子 (瑞田高光)
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オリキャラ設定 主人公+α
●名前
榊 遊牙/さかき ゆうが(yuga)
●性別
男
●性格
面倒見が良い兄貴分
●年齢
18歳
●容姿
短いクリーム色の髪に翠色の瞳で顔だちは母親似とよく言われる。身長は180cmと高めで無駄のない体つきをしている。
●使用デッキ
エクゾ入り魔力カウンター
竜星
マジェスペクターオッドアイズ
●備考
榊遊矢の兄としてトリップしたOCG民。元々エクゾディアが好きでエクゾディアデッキを好んで使っていた為か友人はいなかった(対人戦は大会にたまに出たときしかないためほぼほぼコレクターでしかない)。一応ペンデュラムカードについては知識があるのだが、ARC-Vのアニメは途中までしか見ていない。竜星は持っていたデッキ(シンクロが広まり始めた頃にLDS主催の大会で優勝したときに貰ったと偽ってる(デッキは実際もらったので嘘でもないが、殆ど変えてる))だが、魔力カウンターエクゾはこの世界で集めた。(エクゾディアパーツは何故か持っていた)
また、父親からペンデュラムのペンダントを遊矢と共に貰っていて、遊牙のは薄い黄緑色の石で作られている。
●名前
道田衣音(みちだ いおん)
●性別
男
●性格
かなり面倒ではあるが、根はとても真面目
●年齢
18歳
●容姿
染めた明るい茶髪を短く刈り上げ、制服を着崩している。私服もお洒落で穴をあけないピアスを両耳に着けている。切れ目に空色のカラコンをしている。身長は比較的高めでしっかり鍛えていることもありかなりのイケメン
●使用デッキ
???
THE・外道(メインデッキその1)
???
???
●備考
雄牙の幼馴染みであり悪友。かなりのイケメンだが素行で損しているタイプ。
素行が少し悪いが根は真面目で面倒見が良く、現実で雄牙のデッキ構築の手伝いを何度かしている。実際に彼の素行の悪さは学校でも話題になり、教師たちを悩ませる種だが、勉強はとてもよくできている事もあり、そのギャップがまた教師を悩ませる。
雄牙の従兄と共に雄牙の行方を探していること2年。いつものように二人で探していると、突然不思議な現象に巻き込まれ、気付くと舞網市のとある倉庫裏に居た。
●名前
榊野 勝太(さかきの かった)/小浪 勝太(こなみ かった)
●性別
男
●性格
とにかく心優しいが、悪人を懲らしめる為には犯罪すれすれを歩く事もある
●年齢
20歳↑
●容姿
刈り上げている黒髪に黒瞳。赤い帽子(DAロゴ入りとTFSPver.)を愛用している。180cmと長身なうえに筋肉質でかなりのマッチョ体型。
●使用デッキ
餅HERO(コラボ回にて使用)
???
●備考
榊野雄牙の従兄。雄牙の実家の近くにすんでいて、衣音とも知り合い。二人とは実の兄弟の様に仲が良く、一緒にデュエルをしたり、買い物を一緒にしたりと付き合いが良い。また、現実世界ではキャリアウーマンの奥さんもいて、家事全般がとてつもなく上手なので完全に専業主夫となっている。
また……赤帽子を愛用している事、寝起きが異常に悪い(誰かに叩き起こしてもらわないと起きない&目覚まし時計20個でも起きない)、デュエルがとても強い、デッキを複数個所持している(所持している内2つを常に携帯している)といったこれらの事から赤帽子さん(コナミ兄さん)と呼ばれる事もしばしば。
こちらの世界に来てからは遊牙のデュエルの師匠小浪勝太と紹介されてしまい、仕方なく合わせる羽目に。
●名前
東海 雄飛(とうかい ゆうひ)
●性別
男
●性格
比較的大人し目
●年齢
11歳
●容姿
背は同年齢のメンバーとは同じくらいで赤髪に栗色の瞳で前髪は薄い黄色の髪束が牙の様になっている。(最強カードバトル!主人公イメージ)
●使用デッキ
幻獣機(シンクロ&エクシーズ入り)
●備考
遊矢のデュエルを見て、初めてデュエルをやりたいと思い、1人で遊勝塾の門をたたくために向かう。その時、偶然星野遊輔と一緒になったために共に遊勝塾の中へと入る。デュエル知識は殆どないが、皆に鍛えられたことによりある程度のデュエルはできるが、いまいち効果を勘違いしてる時もある。デッキは兄の持っていたものを持っている。兄はLDS所属だったが、3年前のある日、突然行方不明に。LDSに尋ねるも、知らないの1点張りを受けていた。
●名前
高井星史(たかい せいし)
●性別
男
●性格
デュエルバカ。これ以外に描写ができないほどデュエルバカ。
●年齢
14歳
●容姿
身長は比較的高めの172cm。少しクセッ毛の茶髪と青い眼が特長。服装は赤い紐の黒シューズに水色のGパン、黄色のシャツに袖が黒の赤いジャンパーと言う姿がよく見られる。(容姿元ネタ:伝説の勇者ダ・ガーン主人公『高杉星史』)
●使用デッキ
オカルト風60枚デッキ
●備考
遊勝塾塾生。火無菊とは親友で幼なじみ。ぶっちゃけ勉強は苦手。少し特殊なデッキを好んで使う傾向があり、本人いわく「デッキが答えてくれる」とのことだが、他の人が扱えば99%は事故るデッキを使用する。両親はデュエルをしないこの世界では珍しい一般人。一人称は「俺」
●名前
本田 火無菊(ほんだ ひなぎく)
●性別
男
●性格
おっとりとした感じだが物事をしっかり見極める事が得意。
●年齢
14歳
●容姿
背は同年代と比べてかなり低く、黒目がちのややぼんやりとした目に、丸いラウンドで長めの黒髪ショートで耳から顎下へと前下がりに切りそろえている横髪が輪郭にかかっている。服装は和装が主で、特に季節の花柄がお気に入りの模様。(容姿元ネタ:Axis Powers ヘタリア『本田菊(日本)』)
●使用デッキ
レッドアイズ(デュアル軸)
●備考
遊勝塾塾生。星史とは幼馴染みで親友。舞網市に在住の書道家の父と華道家の母、茶道家の父方の祖母に剣道家の父方の祖父、柔道家の母方の祖父、弓道家の母方の祖母という純日本家系で育った。その事もあって日本文化でとにかく育った為に洋風文化には星史のお陰で何とか対応出来るものの、どうしても流行りの物などには疎い。家が無駄に金持ちなのでデッキの構築度合いはガチ。一人称は「私」
●名前
柊 杏子
●性別
女
●性格
●年齢
17歳
●容姿
外ハネの茶髪が特徴的で幼顔。背も小柄で年相応ではない。服装はクールキューティーと言うべきか落ち着いた色合いのワンピースや可愛い色合いのシャツパンツスタイル等幅広い(容姿イメージ:『家庭教師ヒットマンREBORN!』笹川京子)
●使用デッキ
???
堕天使アーティファクト
???
●備考
柚子の姉で遊勝塾所属デュエリスト。背が低いことを気にしてはいるが禁句とまでは行ってない。実はシングルデュエルで遊勝塾にて唯一遊牙相手に勝ち越しているデュエリスト。
●名前
権現坂 暁(ごんげんざか あかつき)
●性別
男
●性格
かなり自由奔放
●年齢
13歳
●容姿
天然のウェーブパーマの黒髪を肩にかかるまで伸ばした白の制服(権現坂昇と変わらぬ感じ)を着用したガタイの悪くない少年
●使用デッキ
???
●備考
昇の1歳下の弟で京子のクラスメートで遊勝塾所属デュエリスト。本当ならば権現坂道場に所属するはずなのだが、兄が跡取りということもあり次男の暁はかなり自由に動きたがる。京子の事が気になっている。しかし、体は兄とともに鍛えている事もありかなり力強い。
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第0章 プロローグ
プロローグ
こちらではちゃんとマスターズルール3で書けますし、何より折角だから投稿したい!という誘惑に負けました←
い、一応自分で考えたやつなので更新はかーなーり不定期になるとは思います。
でも、これも完結を当然目指します!
なので、応援よろしくお願い致します!
俺の名前は榊野雄牙(さかきの ゆうが)。至って普通の高校生だ。
「遊牙兄ちゃん、早くデュエルしよーよ!」
「わーった、わーった! 分かったから落ち着け。遊矢」
うん、至って普通の高校生だった……んだ。ホントに。
改めて自己紹介をすると、今は榊遊牙。そして今俺にデュエルをせがんでいたのは【この世界での】俺の弟の榊遊矢…………そう、俺は今『遊戯王ARC-V』の世界にいる。
何故こうなったのかと、言うと……俺が前にいたOCG次元(それっぽく言うとだけど)でカードの開封をしていたんだよ。俺のデッキとの相性が良さそうなカードを見付けたからな。それでパックを買ってホクホク顔で帰ってる途中で何故か蓋が外れてたらしいマンホールの穴に落ちてしまった訳だ。そして気がついたら……幼体化してしまっていたんだ。そしてその側にはまだ赤ちゃんの遊矢の姿があった訳だ。ちなみに、髪色や瞳の色とかからよく母親似ってよく言われるな。
そして俺が最初に榊遊勝……俺と遊矢の父さんとデュエルを初めてやったとき、まだ小さい遊矢がそれを見て満面の笑みで「にぃにと、とーちゃのでゅえるだいすき! ぼくもにぃにや、とーちゃみたいにでゅえるしたい!」って言ってたんだぞ……これで兄バカにならない方が不思議な位だと思う。少なくとも、俺は遊矢が可愛くて仕方ない。
そして、遊矢が小学生になったときに俺はサプライズでカードを買いに走った。少ないお小遣いながらも……必死に買えそうな物を探してな。そして、なんとか購入出来た一枚のカードをプレゼントで送った。あの時の遊矢の可愛さと言ったら……言葉では表せないよなぁ…………いや、ホントに。
そんで、まぁ現在は遊矢が小学3年生。そして俺は中学1年生な訳なんだ。んで、何で遊矢がデュエルをしたがってるか、と言うと……
「兄ちゃん明日、大会だもん! それに優勝したら新しいデッキが貰えるんでしょ? 絶対に勝って欲しいもん! だから一緒にデュエルしようよっ!」
そう、俺は明日からこの世界での初めての大会に参加する事が決まっている。しかも主催はLDSで、優勝すれば新しく作られたシンクロデッキをくれると言うから有難いよなぁ……何のデッキが貰えるんだろ…………っと、そういうのは後で考えるか。今は愛すべき遊矢とのデュエルを楽しむか!
「テーブルデュエルでも良いか?」
「うん! 今度こそ、兄ちゃんに勝つんだい!」
……あぁ、ホントにかわいい。満面の笑みで両手を突き上げてあんなこと言われるなんて……大抵の弟持ちは、弟にこれされたらたまらんだろ…………負けないけど。
あ、手元にライフポイント計算機(レオコーポレーション製・税込334円)があるからそれでライフ管理をするよ。
「「デュエル!」」
遊牙LP4000vs遊矢LP4000
「んじゃ、コイントスで先攻と後攻決めるぞー」
「うん! 僕は表!」
俺がコイントスをして確認すると……表、先攻は遊矢の様だった。
「先攻は俺だよっ! 俺は“EMアメンボート”を召喚!」
EMアメンボートATK500
一応、俺がデュエルの手解きをしてるからある程度は強くなってる筈なんだよ、うん。
「俺はカードを2枚伏せてターンエンド!」
遊矢LP4000
手札2
EMアメンボートATK500
伏せカード
伏せカード
うん、初手としては中々じゃないか。流石は主人公だな……
「俺のターン、ドロー」
手札5→6
っと、この組み合わせなら……
「俺は“召喚僧サモンプリースト”を召喚。召喚時効果で守備表示にする」
召喚僧サモンプリーストATK800→DEF1600
俺のデッキで回すときにはたまに使うカードだな。中枢になるモンスターを出すときにはいつも重宝してる。幸いにも、今日はかなり手札が良いし展開は終わるまで時間が掛かりそうだな……
「んじゃ、サモンプリーストのモンスター効果だ。手札の魔法カード……“魔法都市エンディミオン”を墓地に送って……デッキからレベル4のモンスター……“王立魔法図書館”を守備表示で特殊召喚」
王立魔法図書館DEF2000
さて、見てわかるだろうけど……俺のデッキは【魔力カウンター】。エンディミオンを主軸にしたデッキだ。あるギミックを搭載してるんだが……何を搭載してるかはお楽しみ、だ。
「俺はフィールド魔法“魔法都市エンディミオン”を発動。魔法カードが発動されたから図書館に魔力カウンターを1つ載せるぞ」
俺はそう言いながら手元にあったおはじきを1つ王立魔法図書館のカードの上に載せる。
王立魔法図書館
魔力カウンター0→1
「んで、更に魔法カード“魔力掌握”を発動。図書館に2個目のカウンターを載せる。そして魔法カード発動に伴い、図書館とエンディミオンに魔力カウンターを載せる。そしてデッキから2枚目の魔力掌握を手札に加える」
王立魔法図書館
魔力カウンター1→2→3
魔法都市エンディミオン
魔力カウンター0→1
「そして図書館の効果。コイツに載ってる魔力カウンターを3つ取り除いて1枚ドローする」
王立魔法図書館
魔力カウンター3→0
ふむ、流石に展開補助は厳しいか。まぁ、まだ回せるけどもな
「俺は魔法カード“トゥーンのもくじ”を発動」
「今日も魔法カードいっぱい手札にあったんだね……」
遊矢のジトーとした視線に思わず苦笑いをしてしまう。まぁ、俺のデッキは罠が少ないし、自然とこうなるだけなんだが……
「俺のデッキがこの動きなんだから……仕方ないだろう? 続けるぞ。もくじの効果で2枚目のもくじを手札に。2枚目発動で3枚目を手札に。3枚目発動で“トゥーン・ワールド”を手札に加える」
王立魔法図書館
魔力カウンター0→1→2→3
魔法都市エンディミオン
魔力カウンター1→2→3→4
「んで、また図書館のカウンターを3つ消費して1枚ドロー」
手札4→5(内2枚トゥーン・ワールド&魔力掌握)
おっと、これは予想外。もうちょっとターンが続きそうだ。
「俺はライフを1000支払ってトゥーン・ワールドを発動。そして装備魔法“ワンダー・ワンド”をサモンプリーストに装備。そして“愚かな埋葬”発動して、デッキから“神聖魔導王 エンディミオン”を墓地に送る」
こいつを特殊召喚してもいいんだけど……攻撃はどっちにしても防がれる。ここは攻め手ができるまでエンディミオンは墓地で待機しておいてもらおう。
「エンディミオンの効果で1枚ドロー。サモンプリーストをワンダー・ワンドの効果で墓地に送ってさらに2枚ドロー」
手札
2→3→5(内1枚魔力掌握)
んー……流石にこれ以上は無理か。
「俺はカードを2枚セットして永続魔法“補給部隊”を発動。これでターンエンドだ」
遊牙LP4000
手札2
王立魔法図書館DEF2000 魔力カウンター1
魔法都市エンディミオン 魔力カウンター8
補給部隊
伏せカード
伏せカード
「いくよ。俺のターン、ドロー!」
さて、どんな風に返してくるかなぁ?
「よし! 俺は“EMディスカバー・ヒッポ”を召喚!」
EMディスカバー・ヒッポATK800
「更に俺は魔法カード“二重召喚”を発動!」
「魔力カウンターが1つずつ乗るが……来るか? 遊矢のエース!」
王立魔法図書館
魔力カウンター1→2
魔法都市エンディミオン
魔力カウンター8→9
「当然! ヒッポをリリース! ヒッポは2体分のリリース素材になる! 本日の主役、世にも珍しい二色の目をもつ龍! “オッドアイズ・ドラゴン”!」
オッドアイズ・ドラゴンATK2500
「相変わらず、よく出てくるな」
「だって、俺のエースだもん! 勿論、遊牙兄に貰ったアイツも俺のエースだけどね!」
「でも、そいつの攻撃でも俺にはダメージはほとんど通らないぞ?」
「分かってる!(伏せカード2枚残ってるけど……ここは遊牙兄のデッキの軸のモンスターを削る! その上でダメージをこれで上乗せして与える!) 俺は装備魔法カード“デーモンの斧”をアメンボートを対象に発動!」
ファッ!? そ、そうくるか……
「これでアメンボートの攻撃力が1500になるよ!」
EMアメンボートATK500→1500
王立魔法図書館
魔力カウンター2→3
魔法都市エンディミオン
魔力カウンター9→10
これはしてやられたな……これは大ダメージを受けるしかないな……
「バトル! オッドアイズ・ドラゴンで図書館に攻撃! 更にアメンボートでダイレクトアタック!」
「……王立魔法図書館に乗ってるカウンターはエンディミオンに乗るぜ。そして補給部隊で1枚ドロー」
……うん、ここはどれも受けるか。
遊牙LP4000→2500
「よっし! 俺はこれでターンエンド!」
遊矢LP4000
手札0
EMアメンボートATK1500(装備:デーモンの斧)
オッドアイズ・ドラゴンATK2500
デーモンの斧(対象:アメンボート)
伏せカード
伏せカード
さて、これからどう挽回していくかな……?
さて、投稿してしまったわけですが……←
実は、まだオリキャラ(オリ主ではない)のデッキが一部決まってないので、もしよろしければ皆さんのご希望があれば、そのデッキを使うキャラを登場させようかと。
勿論、一発キャラにするつもりはなく、サブキャラ(ランサーズへの加入可能性が大)として、出す予定です。
ただ、何十とは出せないので、そこは厳選をさせていただきます。
投稿後、活動報告を出しますので、出してほしいデッキがあればそこにご提案ください。個人的にはできる限り採用したいと思っております。
期限も、活動報告に示す予定ですので、詳しくは活動報告をご覧くださいませ
使用禁止制限
・OCG 2015年10月1日リミットレギュレーションを適応
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プロローグー2
プロローグだけで何話になることやら……(遠い目)
さて、ここからだな。こっからどうすっかな……とりあえず、ドローして決めるか。
「俺のターン、ドロー!」
手札
3→4
……お、これが来るか。俺がこの世界に来た時に持っていたこのカード……あいつで勝利を目指すか。そのためには……最初の路線からは予定変更だな。
「俺はモンスターをセット。そしてエンディミオンの魔力カウンターを6つ取り除き……魔力集まりし時、魔法都市を統べし王が現れる。今こそ我が場に降り立て! “神聖魔導王 エンディミオン”を特殊召喚!」
神聖魔導王 エンディミオンATK2700
「出た! 遊牙兄のエース!」
「エンディミオンのモンスター効果。墓地の魔法カードを1枚回収出来る。俺は装備魔法ワンダー・ワンドを回収」
手札
3→4
さて、エンディミオンにはちょっと過労死気味に動いてもらうか。
「装備魔法ワンダー・ワンドをエンディミオンに装備。すかさずワンダー・ワンドの効果でエンディミオンと共に墓地に送って2枚ドローするが……何かあるか?」
「え、ないけど……エンディミオンをすぐに墓地に送っちゃうの?」
「あぁ。また仕事はしてもらうからな。そんじゃ、2枚ドロー」
手札
3→5
よし、少しずつそろってきた……そんで、もう1回同じことするか。
「俺は魔力掌握を発動してエンディミオンにカウンターを乗せてデッキから3枚目を手札に。そしてまた魔法都市の魔力カウンターを6つ取り除いて、エンディミオンを特殊召喚。効果でワンダー・ワンドを回収してまたエンディミオンに装備。そして再びエンディミオンと一緒にワンダー・ワンドを墓地に送って2枚ドロー」
「ま、また!?」
手札
5→7
よし、あと1枚……後1枚で揃う……
「魔法カード“一時休戦”発動。次の遊矢のエンドフェイズまで互いに受けるダメージを0にして互いに1枚ドローする」
「「ドロー!」」
手札
遊矢0→1
遊牙6→7
んー……後1枚が中々そろわないな……まぁ、守備に回るのはいつものことだし……
「俺は永続魔法“魔法族の結界”を発動してターンエンドだ」
遊牙LP2500
手札6
???
魔法都市エンディミオン 魔力カウンター7
補給部隊
魔法族の結界
伏せカード
伏せカード
「俺のターン、ドロー!」
手札1→2
「うーん……これなら……“EMヘイタイガー”を召喚! 更に手札の“EMヘルプリンセス”の効果! EMモンスターが通常召喚されたから手札から特殊召喚!」
EMヘイタイガー ATK1700
EMヘルプリンセス ATK1200
おっと、攻め手を増やしてきたか。
「バトル、いくよ! ヘイタイガーでセットモンスターを攻撃!」
よし、攻めてきた。
「セットモンスターは“見習い魔術師”だ。戦闘破壊されたときの効果でデッキから2体目の見習い魔術師をセットするぜ。そして魔法使い族が破壊されたとき、魔法族の結界に魔力カウンターを1つ乗せる!」
魔法族の結界
魔力カウンター0→1
「ヘイタイガーの効果でデッキから“EMウィップバイパー”を手札に。う~ん……攻撃してもまた出てくるよなぁ…………攻撃終了! このままターンエンド!」
遊矢LP4000
手札1(ウィップバイパー)
オッドアイズ・ドラゴンATK2500
EMヘイタイガーATK1700
EMヘルプリンセスATK1200
伏せカード
伏せカード
「俺のターン、ドロー!」
手札6→7
「おっ……よぅし、これなら……俺は三度魔法都市から魔力カウンターを6つ取り除きエンディミオンを特殊召喚! 効果で三度ワンダー・ワンドを回収」
「もう、テンプレになってきてるけど……また墓地に送るの?」
遊矢が少しジト目になってきた……可愛いんだけどさ…………っとと、話題がズレそうだな。修正修正……
「いーや、ちょっと違う。俺は見習い魔術師を反転召喚!」
見習い魔術師ATK400
「見習い魔術師の召喚・反転召喚の成功時に効果発動。魔法族の結界に魔力カウンターを乗せる。そして手札からも召喚。これも結界にカウンターを乗せる」
魔力カウンター1→2→3
「そして今召喚した方にワンダー・ワンドを装備して効果発動! 墓地に送って2枚ドロー!」
6→8
うーむ、まだこないか。だが、まだチャンスはある。
「俺は魔法族の結界の効果。見習い魔術師と共に墓地に送って、乗ってた魔力カウンターの数だけドローする。よって、3枚ドロー!」
8→11
よーやくか!
「遊矢、折角だ……良いもの見せてやる。授業で習ったとは思うがここでお復習だ……これまでに発見された特殊勝利条件を全て述べよ」
「えっ!? えぇと……ウィジャ版、終焉のカウントダウンに…………えっ、ま、まさか…………!?」
俺の唐突な質問に明らかに動揺しながらもしっかり答えようとしていたが、スグに理解したようだ。
「俺の手札に“封印されし者の右足”、“封印されし者の左足”、“封印されし者の右腕”、“封印されし者の左腕”……そして、“封印されしエクゾディア”が今揃った。これで俺の勝ちだ」
「うそっ!? 何で持ってるの!? そのカードって確か全部揃ってるのって何組しかないんじゃあ……!?」
ちなみにこの世界でもエクゾディア達はレアカードとなっている……んだが、どう答えるか…………あ、そうだ。
「実はな、前に路地裏で拾ってたんだよ。本体以外のはな……んで、本体パーツが意外に安い値段で売られてたから、思わず買っちゃったんだよ」
苦笑いしながら俺は遊矢にそう返す。実は前の次元での入手方法にちょっと脚色しただけで嘘はあまり言ってない。『カードは拾った』これは偉大な言葉だね。遊矢も渋々だけど納得してくれた。
「むぅ……まぁ、確かに遊牙兄ならそういうこと有り得るかもね…………」
ん~……? 遊矢は俺のことどう思ってんだ? 今の発言はとても気になったぞ……?
「納得いかないけど……やっぱ遊牙兄は強いね! これなら今度の大会も優勝間違いなしでしょ!」
「あぁ、勿論さ…………流石にエクゾディアは公式試合では抜くけどな?」
「えー……見せたらいいのに……」
やっぱりムスッとなる遊矢が今日もカワイイ……じゃなくて!
「いやぁ、今回みたいにうまく立ち回れるか不安だしさ。それに……これは俺と遊矢、2人だけの秘密だ。他の人には内緒だぞ?」
「……! うん! 約束!!」
あぁ、今日も遊矢が可愛くて仕方がない……
そして、予選のスタンディングデュエルが開催される日まで、遊矢や幼馴染の柚子と共にデッキの調整とテストプレイを繰り返していた……
そして、予選会当日……俺が会場であるデュエル・スタジアムに向かうと、とてつもない人数のデュエリストがそこにはいた。
「何だ?やけに今回は多いな……」
俺がそう呟いていると、アナウンスが聞こえてきた。
『さぁ、皆さま長らくお待たせいたしました! ただいまより……LDS主催、デュエル大会を開催いたします!!』
今日もいつものオーバーな口調で話しているMCは確かプロモーターのニコ・スマイリー……だったはず。んで、今回の大会は……
『本日は優勝賞品がシンクロ召喚の新規デッキ……ということもあって予選会には、なななんとぉ! 総勢128人もの参加者が集まったぁ!』
そう、過去に例を見ない多さの128人が入り混じっているのである。
因みに、今回の参加条件としては『一定期間中に50戦35勝、もしくは期間内での同一カードを含めず10連勝のどちらかを達成している』ってのが課せられていた。俺は期間中の10連勝、という方をクリアした(方法? 小さな大会で優勝していっただけだな)ので出場条件が無事に到達していた、というわけだ。それにしても……今回はやけにクリア率高いな……今までのに比べて出場条件が高い気がしたんだが……
『流石にこれだけの人数を1つのトーナメントだけではさばききれないので、参加者たちには1枚のカードを手渡したはずだ。それをデュエルディスクにセットしてくれ!』
言われたとおりに手元にある白いカードをスキャンしてみる……すると、デュエルディスクにはc-5の文字が現れた。
『そこに出たのは君たちの出場するグループだ! そのグループ内で予選を行い、それで勝ち上がった精鋭8名で決勝トーナメントを行う!』
つまり、16人8グループで分かれていて、俺はcグループで勝ちあがれば決勝トーナメントでデュエルができる、というわけか。
『予選会はスタンディングデュエル、決勝戦はアクションデュエルで行われるぞ! それでは、諸君の検討を祈る!!』
ニコの言葉と共にスタジアムの選手が集められているフィールドの壁にグループが表示された。
「さぁて、どんな強敵が待っているのかな?」
俺の狙っているシンクロデッキを賭けた予選会が……今、始まる!!
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プロローグー3
予選cブロックトーナメント1戦目
「神聖魔導王エンディミオンで直接攻撃!」
「ウワアアアアッ!?」
LP2100→0
2戦目
「神聖摩魔導王で“魂を削る死霊”を攻撃! 罠カード“メテオレイン”発動! これで貫通ダメージがお前を襲う!」
「この俺の闇の力のデッキが敗れるだとぉ!?」
LP1400→0
予選準決勝
「“魔法の操り人形”と“魔導戦士ブレイカー”で直接攻撃!」
「私の除外デッキがあああああああああ!?」
LP3000→0
予選決勝
「”魔導騎士ディフェンダー”で直接攻撃!」
「ぬゎんだとぉう!?」
LP800→0
決勝戦
『さぁ! やってまいりました決勝戦! そして、ここにいるのは予選を勝ち抜いた精鋭8名! それでは決勝トーナメントの組み合わせを発表いたしましょう!』
さて、なんだかんだでやっぱり結構強いし、かなり苦戦は強いられてきたからな……決勝も相当苦戦しそうだが、決勝からはアクションデュエル……アクションデュエルの始祖と言われた榊遊勝の息子としては……やっぱり負けられないな。最も、そんな言葉は聞き飽きたがな。
んで、次のデュエルの相手は……
『第1フィールド LDS総合コース シルヴ・ヴァニウス vs チェーンスクール 火野 鉄鎖』
『第2フィールド 遊勝塾 榊 遊牙 vs ワイトスクール 闇丘 巌』
『第3フィールド LDS総合コース 渡部 良一 vs LDS総合コース 超野 保』
『第4フィールド LDSシンクロコース 不知火 夢花 vs LDSシンクロコース 然野 大地』
ん……ワイトスクールか。確か【ワイト】デッキの使い手が集うデュエルスクールだったな。でも、決勝進出メンバーの8人の内LDS所属が5人もいるのにLDS以外の塾と当たるなんて……ナニコレ?
ちなみに、次に当たるプレイヤーのデッキ内容の把握ができないように試合はすべて同時進行で行われるという徹底ぶりだ。それにしても、なんでこんな措置をとったんだろうな……まぁ、気にすることでもないか。名前である程度察する事出来る奴多いし……
「宜しく頼むぜ。俺が闇丘巌(やみおか いわお)だ」
「俺は榊遊牙だ」
「それにしても……まさか、あの榊遊勝の息子と当たれるなんてな。光栄だよ」
あぁ……またそれ、か。まぁ、いいや。そして、ニコの声が聞こえる。
『さぁ、それでは全員が所定の位置に着いた所で、アクションフィールドオン!』
ニコの言葉と共にすべてのフィールドの上にあったアクションフィールドカードが公開される……そして、ソリッドヴィジョンシステムがそれに呼応するように対応したフィールドへと辺りを変える…………赤黒い大地に朽ち枯れた木……そして中央には何かの建物が大きくそびえたっていた。
「このフィールドは……『死神の巣』か?」
一度だけ父さんが同じフィールドで戦っていたのを思い出してフィールドの様子を伺う。そして対戦相手の闇丘の方を見ると、フィールドを見てニヤリと笑っていた……
『さぁ、それでは参りましょう!!』
ニコの言葉に俺と闇丘はアクションデュエルスクールには欠かせないあの台詞を使う。
「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」
「モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!」
「フィールド内を駆け巡る!」
「見よ、これぞデュエルの最終進化系!」
『アクショーン!』
「「デュエル!!」」
YUGA LP4000 先攻vs後攻 LP4000 IWAO
「先攻は俺だ! 俺は手札から魔法カード“愚かな埋葬”を発動!」
っと、いきなり墓地肥やしかよ。それにしても、【ワイト】って派生がそこそこあるがコイツのはどんなデッキなんだ……?
「俺はデッキより“ワイトプリンス”を墓地に送る……そしてワイトプリンスの効果……手札の“ワイト”とデッキより“ワイト夫人”を墓地に送る……」
おいおい……一気に墓地肥やし3枚かよ…………と思っていた俺が甘かった。
「俺は手札より“ワン・フォー・ワン”を発動……手札のワイトプリンスを墓地に送って……デッキより現れよ、ワイト達の王! “ワイトキング”!! プリンスの効果で再び手札のワイト夫人とデッキのワイトを墓地に!」
完全に俺は虚を付かれた状態だった。まさか既に2体目のワイトプリンスが手札に来ていたとは……
「ワイトキングは墓地のワイト達の数×1000の攻撃力を持つ。よってその攻撃力は……」
ワイトキングATK0→6000
「攻撃力6000……!」
思わず相手のエースの火力を見てとても攻略が難しいな、そう考えてしまう。しかし、それと共にどう攻略するか……それが楽しみになってくる。
「俺はこれでターンエンド!」
闇丘はそう宣言すると、アクションフィールドを探しに駆け出した……
アクションフィールド:死神の巣
闇丘LP4000
手札0
ワイトキングATK6000
相手の場のワイトキングを見て改めて手札の確認をするも、攻略への糸口が見えない。守備に徹してもいずれデッキが息切れする……それ以前に俺のデッキは元々アクションデュエルとの相性が悪い。と言うのもフィールド魔法を発動させるのに1000のライフを支払わないといけないんだよなぁ……しかも厄介極まりないのはフィールド魔法をはってしまったら……アクションカードを使用する度に1000ダメージを受ける……これが何よりも辛い。その上、効果ダメージ無効のアクションカードもタイミングを逃してしまうという厳しい条件付き。
魔法都市エンディミオンが使えないと言うことは必然的に神聖魔導王エンディミオンも使えなくなる。俺の持つカードは素の火力がどうしても低いものが多目でエンディミオンは貴重な戦力の1つだっただけにどうしても辛いものがある。だが、俺はこのデッキのコンセプトの『魔力カウンター軸』を変えるつもりは全くない。その為にこそ、事前に調整をしていたのだ。まだ、どうにかなる状態ではないが……ここからどう持っていくかに勝敗が掛かっている。
「俺のターン、ドローっ!」
そしてチラリと見たドローカードを見てまだ戦える事を確認。即座に行動に移した。
「俺はモンスターをセットして……魔法カード“魔導書庫クレッセン”を発動!」
それに、俺のデッキは元々エンディミオンに依存してる訳では無いからな!
「俺が公開した3枚のカードの中からランダムに1枚を選択してもらう。俺が選択するのは“グリモの魔導書”、“魔導書廊エトワール”、“ゲーテの魔導書”だ」
俺が宣言をすると3枚のカードの裏面のヴィジョンが現れる。既にカードの位置はシャッフルされてるようだった。
「……ならば俺は折角だからこの右のカードを選ぶぜ」
そして相手によって選択されたカードがデッキから排出される……っと、これか。
「俺はカードを2枚セットしてターンエンドだ!」
俺はターンを終えると即座にアクションカードを求めて走り始めた。
遊牙LP4000
手札3
???
伏せカード
伏せカード
何で伏せカードを2枚だけにしたのか? 羽箒を警戒したってのもあるけど……相手に心理戦を仕掛ける意味も込めている。
「(奴の公開したカードの中で何故使わないのか考えると一番シックリ来るのはゲーテを引いたから……だな。そしてそれは伏せられてる可能性が高いか……)俺のターン、ドロー」
さて、相手はどう出るよ……!
「……俺は2体目のワイトキングを召喚!」
おっと……2体目が来たか…………ゲーテがセットされてると読んでる……のか?
「バトルだ! 今出したワイトキングでセットモンスターを攻撃!」
お、アクションカード見つけた……けど今は使わないし、持っておくままにするか。
「セットしていたのは“見習い魔術師”だ。よって効果発動! デッキより再び我が場に現れよ、見習い魔術師をセット!」
「……アクションマジック、“闇夜の進撃”発動。俺の場の闇属性モンスターが相手の場のモンスターを破壊した為、攻撃力を1000上げて再び攻撃できる用になる!」
闇夜の進撃(オリジナル)
Aマジック
自分の場の闇属性モンスターが相手の場のモンスターを破壊したときに発動できる。
モンスターを破壊する度にモンスターを選択し、攻撃力をエンドフェイズ時まで1000ポイントアップさせて、再びモンスターへの攻撃を可能とする。
う~む、これはちと面倒だな。こうなればこれを使うしかないか。
「再びセットモンスターを攻撃!」
「見習い魔術師の効果で……(デッキ圧縮しても良いけど、ここは!)俺は“魔導書士 バテル”をセット!」
「まだだ、三度セットモンスターに攻撃!」
「攻撃対象となった時にアクションマジック“深淵の盾”を発動!」
深淵の盾(オリジナル)
Aマジック
セットモンスターが攻撃対象となったときに発動できる。対象となったモンスターは戦闘では破壊されず、モンスターのコントローラーが受けるダメージは0となる。
「バテルのリバース効果発動! その効果によりデッキから“セフェルの魔導書”を手札に!」
「む、そうくるのか……(だとすればあの時手札に加えたカードは……?)ならばこのままターンエンド」
少し顔をしかめた状態で闇丘はターンを終えた。
闇丘LP4000
手札0
ワイトキングATK6000
ワイトキングATK6000
「俺のターン、ドロー!」
手札
4→5(セフェル)
よし、コイツが来てくれた! 対処をどうしようか迷ったけども……これなら!
「俺はフィールドのバテルをリリース! 敵をも操る魔術師よ、今戦場に来たれ! “魔法の操り人形”をアドバンス召喚!」
魔法の操り人形ATK2000
「くっ……ソイツは……!」
こっからが……俺のアクションデュエルの真骨頂!
「俺は伏せていた魔導書廊エトワールを発動! そして魔法カードの発動により、魔力カウンターが魔法の操り人形に乗るぜ!」
魔法の操り人形
魔力カウンター0→1
「なっ……!?」
実を言うとこのデッキは罠カードがそこそこ少ない。今回はフィールド魔法関連の枠が丸々空いたから罠を突っ込んだけど……正直速攻魔法だけでもある程度護りきれるからなぁ……さて、改めて行きますか!
「俺はさらに伏せていたグリモの魔導書を発動!デッキから“ヒュグロの魔導書”をサーチ&発動!! 魔法の操り人形の攻撃力を1000アップさせて魔力カウンターも増やすぜ! 更に魔導書の魔法カードが発動されたもんだからエトワールにも魔力カウンターが乗る! エトワールと魔法の操り人形は乗ってる魔力カウンター×100と200ほど攻撃力を上昇させる効果を持つ。エトワールは魔法使い全体に、魔法の操り人形は自身のという違いはあるがな!」
「ブラフだった……だと!?」
魔法の操り人形ATK2000→3000→3600→3800
魔力カウンター1→2→3
魔導書廊エトワール
魔力カウンター0→1→2
よし、アクションマジックゲット! こいつぁ、いいもん引けた!
「こいつぁ、オマケだ! 魔法の操り人形のモンスター効果! 自身に乗ってる魔力カウンターを2つ取り除く事で相手の場のモンスターを1体破壊する! ワイトキングを1体破壊する!」
さぁ、相手はどう来る……?
遊牙LP4000
手札4(セフェル・???・???・???)
魔法の操り人形ATK3800→3400 魔力カウンター3→1
魔導書廊エトワール
魔力カウンター2
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プロローグ4
とりあえず、少しだけ書き溜めができたので投稿します。プロローグは10までには終わらせたい(切実)いや、終わらせてやる!(決意)……終わらせたいなぁ(願望)
「くっ……(このアクションマジックを使っても魔力カウンターがたまってしまいどちらかは確実に破壊される……いや、破壊効果を使わせると言う意味では使った方が良いのか……?)俺はアクションマジック“漆黒のベール”を発動! 闇属性モンスターの効果破壊を無効にするっ!」
魔法の操り人形ATK3400→3600
魔力カウンター1→2
「(防いできたか。でも……!)アクションマジック“リ・ダークネス・ギフト”! 相手プレイヤーは最大で3枚までドロー出来るが、その代わりドローした数だけ自分フィールドのモンスターの効果を無効にする! そして、相手がドローしなかった場合、俺はカードを1枚ドローする!」
「何っ!?」
さて、この状況……どうしてくる?
「くっ……俺は効果を無効にはしない!」
「よし、ならば俺はデッキから1枚ドローする」
手札
4→5
ドロー放棄、か。ちょっとそれは予想外だな……まぁ、引導を渡せたら渡すか。
「魔法カード“愚かな埋葬”を発動。デッキから“魔導召喚士テンペル”を墓地に送ってゲーテを公開してパテルを除外、“ネクロの魔導書”発動! テンペルを蘇生!」
魔導召喚士テンペルATK1000→1300 ☆3→5
「そんで手札のゲーテを公開して セフェルの魔導書 発動! 墓地のグリモの効果をコピー! デッキからトーラをサーチ」
手札5→2(トーラ・ゲーテ)
魔法の操り人形ATK3600→3800→4000→4200→4400→4500→4600
魔力カウンター2→3→4→5→6
魔導召喚士テンペルATK1300→1400
魔導書廊エトワール
魔力カウンター2→3→4
「テンペルのモンスター効果、コイツをリリースすることでデッキからレベル5以上の魔導モンスターを呼び出す! 来たれ、“魔導冥士 ラモール”!」
魔導冥士 ラモールATK2000→2400→3000
「ラモールは墓地の魔導書の種類が一定以上数ならば効果を発動できる。3種類以上の効果で攻撃力は600上がっている。そして4種類以上の効果でデッキから“アルマの魔導書”をサーチ。5種類以上の効果……と言いたいが、この効果は使わない」
まぁ、使えない……んだけどな。テンペルの効果で特殊召喚しちまったし。
「とりあえず……魔法の操り人形の効果! 魔力カウンターを2つ使ってワイトキングを破壊!」
「クッ……これじゃダメだ……ワイトキング、すまない……!」
っと、アクションマジックを取られたけど、どうやら“ミラー・バリア”や漆黒のベールではなかったようだな。魔法の操り人形の指先から出た糸がワイトキングの体に絡まり、そのまま体を八つ裂きにした……正直、骸骨だったから良いけど、これが普通のモンスターだったらと思うと……後で外すか。
「……俺はもう1度魔法の操り人形の効果発動!」
先程と同じくワイトキングが破壊される……これで相手の場の脅威が無くなったわけだ。攻撃力はだいぶん下がったけど……それでも十分すぎる火力は維持できている。
魔法の操り人形ATK4600→4200→3800
魔力カウンター6→4→2
「バトルだ、魔法の操り人形で直接攻撃!」
「まだだ! アクションマジック“暗黒トバリ”発動! 俺の墓地の闇属性モンスターを1体特殊召喚する! 蘇れ、ワイトキング! そしてこの効果で特殊召喚したモンスターはカード効果で破壊されず、カード効果の対象にならない!」
ワイトキングATK0→7000
だー、もう! しつこいなぁ……なら今度は!
「俺は墓地のグリモ、ヒュグロ、クレッセンを除外してゲーテの魔導書を発動! ワイトキングを除外する!」
「無駄だ! 今の俺のワイトキングは「このカード効果は対象を取らない! よって効果は有効だ!」なんだと!?」
三度現れたワイトキングだったが、今度はラモールがゲーテの魔導書を持つと、そこからある呪文を選択して呪文を詠唱する。すると、不思議な輪っかがワイトキングの背後に出てきて、ワイトキングが、その輪っかに吸い込まれていった……こ、今度こそ……
「直接攻撃再開! これで決める!!」
魔法の操り人形ATK3800→4200→4600
魔力カウンター2→4→6
魔法の操り人形が操る糸がアクションマジックを探す闇丘の体めがけて飛んでいき……その足を絡めとった。闇丘は「あっ」という声を漏らすと、その場に倒れ込む……そして、その直後魔法の操り人形が放った光弾が闇丘の足元で弾け飛んだ。
「グアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
闇丘LP4000→0
win yuga
『第2試合、今決着! 死闘を繰り広げ、勝利をもぎ取ったのは榊遊牙選手! 最後は見事なワンショットキルでした!』
俺らがデュエルしていたフィールドのソリッドヴィジョンが解除されると俺は真っ先に対戦相手の闇丘の元に駆け寄った。
「大丈夫か?」
「あぁ……平気さ。それより、流石と言うべきだったな。あのアクションフィールドは俺の十八番のフィールドだったんだが……」
あー、そうなのか……だからあの時ににやりと笑ってたのか。
「まぁ、俺も負けられないからな」
「それじゃ、次のデュエル……応援させてもらうよ。頑張ってくれ。次は負けないぞ」
「俺だって!」
闇丘と俺は固く握手を交わした。そうして、俺の決勝トーナメント1戦目が終了した。
そして、数十分後……
『それでは、これより準決勝を行います! 対戦カードは……こちら!』
[遊勝塾 榊 遊牙]vs[LDSシンクロコース 然野 大地]
[LDS総合コース 渡部 良一]vs[チェーンスクール 火野 鉄鎖]
っと、次はLDSの中でもシンクロコースの人物が相手か……これはちょっと不安だな。
「君が俺の相手か。俺は然野大地(つれの だいち)だ、宜しくな」
「宜しく」
もう、俺は名前を名乗るのはやめてる。アクションデュエルに集中したいってのもあるけど……またあの会話をやるのはもうこりごりだ。
『それでは参りましょう。今回も2試合とも別のアクションフィールドです! アクションフィールドオン!』
俺たちがいるフィールドにアクションフィールドが展開される……ここは…………
「このアクションフィールドは……恵まれた大地か!」
「初めてやるな、ここは……」
どうやら、相手のデュエリストもこのフィールドは初めてのようだ……でも、条件はこちらも同じ。対等な条件だからこそ、燃えるってものだ。
「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」
「モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!」
「フィールド内を駆け巡る!」
「見よ、これぞデュエルの最終進化系!」
『アクショーン!』
「「デュエル!!」」
YUGA LP4000 後攻vs先攻 LP4000 tsureno
おっと、先攻は相手か……相手はどんなデッキなんだろう……
「先攻は俺だな! 俺は“ナチュル・マロン”を召喚! その効果でデッキから“ナチュル・ビーンズ”を墓地に送る。俺はカードを2枚セットしてターン、エンドだ」
然野LP4000
手札2
ナチュル・マロンATK1200
伏せカード
伏せカード
……あ、これヤバいかも…………完全にロックデッキの可能性大だ。
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プロローグ5
……ポケモン新作が出るまでには、プロローグ章を終わらせたいです!(出来るといいなぁ……)
「俺のターン、ドロー!」
手札
5→6
相手はナチュルデッキか……あのロックの精度の高さは異常だからな……注意して動かないと……
「そちらのスタンバイフェイズにリバースカードオープン、“ナチュルの神星樹”! 今はまだ効果を使わないけどな」
相手が伏せカードを発動させると相手の場に大樹が出てきたけど……これは、ちと辛いな……まぁ、出来る事は頑張ってやってみるか…………とりあえずはアレを破壊したいな。ちょうど破壊できる奴も用意できてるから……
「俺は“魔導戦士ブレイカー”を召喚! 召喚時効果で自身に魔力カウンターを1つ乗せる! コイツは自身に乗ってる魔力カウンターの数×300アップする。最も、乗せれるのは1つだけなんだがな」
俺は説明をしながらAカードを探すことに。多分だけど……嫌な予感がするんだよな…………
魔導戦士ブレイカーATK1600→1900
「なら、召喚成功時に手札の“ナチュル・コスモビート”の効果発動! このモンスターを特殊召喚! 更にそちらの効果処理後にナチュルの神星樹の効果発動だ。植物族のマロンをリリースして……」
ナチュル・コスモビートDEF200
Aマジック見付けた! ……けど、今は使えないな…………
「ナチュルの昆虫族、“ナチュル・フライトフライ”を特殊召喚! コイツが場にいる時、相手の場のモンスターは攻守が俺の場のナチュル×300ダウンする!」
ナチュル・フライトフライATK800
うへぇ、面倒な奴来たよ……「更に特殊召喚成功時に速攻魔法“地獄の暴走召喚”発動!」あっ……
「俺はナチュル・フライトフライを2体攻撃表示で特殊召喚! さぁ、お前も出して良いぜ?」
ナチュル・フライトフライATK800
ナチュル・フライトフライATK800
……2積みしていて正解だったな。危うく相手にデッキを公開してしまう所だった。一応、エクゾも入れてるからな。今回は……
「俺はデッキから魔導戦士ブレイカーを攻撃表示で特殊召喚だ……」
もっとも、カウンターが乗らないからただの1600のバニラになるけど…………アイツのモンスターの効果で……!
魔導戦士ブレイカー(A)ATK1900→0
魔導戦士ブレイカー(B)ATK1600→0
……まぁ、これだけならなんとかなる。幸いにも相手の場の伏せカードはなくなった。コッチにはまだ手段があるし……こっからが勝負だ!
「まだまだ、俺のデュエルはこれからだ! まずはブレイカーのモンスター効果! 魔力カウンターを1つ取り除いて相手の場の魔法・罠を破壊する! ナチュルの神星樹を破壊する!」
ブレイカーが己の持つ剣に魔力を蓄え、それを振り下ろすと、その切っ先から金色の斬撃が神星樹へ飛んで行く……が
「させない! アクションマジック“クロック・バリア”を発動! このターン中は俺の場の神星樹は破壊されない!」
クロック・バリア(オリジナルAマジック)
フィールド上の魔法・罠カードがカード効果で破壊されるとき、その効果を無効にする。
その途中でアナログ時計のような盾が神星樹の前に立ちはだかり、斬撃を防ごうとしていた。
んー……ここで使……っても良いけど、まだ置いておくか? ……いや、戦力が次々出てくるのは嫌だし、とりあえずの間だけでもアレの発動を阻止するだけでも違うからな。
「アクションマジック“ノーアクション”! これでそのアクションマジックは無効に!」
「なっ……!? だ、だが……ナチュルの神星樹の効果だ! 破壊され墓地に送られたとき、デッキから……“ナチュル・パンプキン”を手札に!」
さて、相手にゃ悪いが……こっから俺のターンだ!
「俺の場のブレイカー1体をコストに……手札の“ディメンション・マジック”を発動!」
「なっ!? くそっ……!」
今更アクションマジックを探そうと……遅い!!
「俺は手札の……“氷の女王”を特殊召喚! 更に場にいるモンスターを破壊できる。俺はフライトフライを1体破壊!」
俺の場のブレイカーがボックスに入ったあと思えばそのボックスの中からに氷で象られ王冠を被った女王が現れた。そしてその後相手の場のフライトフライがボックスの中に入ったかと思えば爆散したぁ!?
氷の女王ATK2900→0→1100
よし、これで攻撃できるモンスターが出来た!
「バトル! 氷の女王でフライトフライに攻撃! コールド・ブリザード!!」
「アクションマジック“奇跡”を発動! 戦闘破壊を無効にしてダメージを半分に! ……っくぅ!」
LP4000→3850
「まだだ! 2枚目のを発動! 攻撃の終えた氷の女王をリリース! 現れよ、“時花の魔女-フルール・ド・ソルシエール”!! 当然追加効果でさっき攻撃対象にしたフライトフライ!」
時花の魔女-フルール・ド・ソルシエールATK2800→1000
「くあっ……っくそ!」
「これで更に攻撃力が回復! フルール・ド・ソルシエールでフライトフライを攻撃!」
「ま、まだまだぁ! アクションマジック“回避”! 攻撃を無効に!」
「なら、コイツでどうだぁ!! ブレイカーで攻撃ぃ!!」
「ぐぅぅぅ……!」
LP3850→3650
「ようやっと……フライトフライを全滅させてやったぜ……これで攻撃力低下はなくなった!」
時花の魔女-フルール・ド・ソルシエールATK1000→2200→2800
ブレイカーATK0→1000→1600
とは言え……手札を使いすぎたのは否めないな……これでなんとかなればいいんだが…………
「俺はカードを伏せてターンエンド」
遊牙LP3400
手札0
時花の魔女フルール・ド・ソルシエールATK2800
魔導戦士ブレイカーATK1600
伏せカード
「俺のターン、ドロー!」
手札
3→4(内パンプキン)
「……行くぞ。魔法カード“二重召喚”を発動し、このターン中は2回通常召喚を行える。まずは1回目でナチュル・パンプキンを召喚。召喚時効果で手札から……チューナーモンスター“ナチュル・チェリー”を特殊召喚」
ナチュル・パンプキンATK1400
ナチュル・チェリーATK100
…………あれ、嫌な予感が……今のうちにAマジック使えるの探さないと……
「っ!! させない! レベル4のパンプキンにレベル1のチェリーをチューニン「Aマジック……、発動」……! チューニング!
2つの大地の恵みよ、今互いに廻り会いて、今ここで大地を護る獣となれ! シンクロ召喚! レベル5!
大地を守護せんとす獣、“ナチュル・ビースト”!!」
ナチュル・ビーストATK2200
な、何とかシンクロ召喚前にアレを使えたけど……これは、ちとヤバいな。俺が取る全てのAマジックが、ただ相手のデッキを2枚削るだけの効果になってしまった……いや、頑張ればデッキ破壊いける…………か? とにかく、この伏せカードは使うタイミングがまだだしとりあえず何とかしたいけど……
「2回目の通常召喚権を行使して“ナチュル・ドラゴンフライ”を召喚! ドラゴンフライは墓地のナチュルの数×200、攻撃力がアップする!! 墓地のナチュル達は現在は6体! よって攻撃力は2400となる!」
ナチュル・ドラゴンフライATK1200→2400
「ここは……コスモビートを攻撃表示に変更してバトル! ナチュル・ビーストでブレイカーを攻撃! 大地の斬爪!!」
「くっ……そぉ……!」
LP4000→3400
流石にこれは……防ぎきれない…………! 確か、相手の使用したカードは合計11枚……40枚デッキなら15枚もアクションマジックを見付けないと……! あそこ、アクションカードがかなり落ちてる? ならば、狙うはあの場所!!
「!? ば、バトル!」
くっ、流石に気付かれるけど……走りだしが早い分、こっちが有利! まずはアクションカード5枚……! でも、攻撃を仕掛けてくるってことは何かしらあるんだろうな……
「ドラゴンフライで攻撃! そしてAマジック“ハイダイブ”! 攻撃力が攻撃力1000アップ!」
まずは……これ!
「ハイダイブにチェーンしてAマジック、“回避”!」
「その効果にチェーンしてビーストの効果! デッキトップを2枚墓地に送る!」
2枚目……! よし、これもビンゴ!
「まだまだぁ! Aマジック、“奇跡”!」
「ビーストの効果をチェーン!」
3枚目……Aトラップではない!
「まだ、まだぁ!! Aマジック、“大地の地表”!」
大地の地表
Aマジック(オリジナル)
相手の攻撃を無効にし、相手に500ポイントのダメージを与える
「ビーストの効果!」
4枚目……! よっし!
「Aマジック、“植物壁”!」
植物壁
Aマジック(オリジナル)
相手モンスターの攻撃力を半分にする
「しつこいね、君も! ビーストの効果だ!」
……流石に止めとくか。Aトラップの可能性もある。だが……
「チェーンでリバースカード、オープン、“ガガガシールド”! 破壊を1ターンに2回まで防ぐ!」
「……くっ、(アイツを出しておくべきだったか……?)もうチェーンはなし、だ」
「殆ど無効だし、効果処理はまとめて行うぞ。まずはガガガシールドをフルールに装備」
墓地に送られていたカード
・ナチュル・バンブーシュート
・ダーク・ヴァージャー
・ナチュル・サンフラワー
・エンペラー・オーダー
・ナチュル・スティンクバグ
・ワン・フォー・ワン
・マジック・プランター
・ナチュル・ロック
ナチュル・ドラゴンフライATK2400→3200
「んで、俺のハイダイブの効果で1000アップ」
ナチュル・ドラゴンフライATK3200→4200
「戦闘破壊はされない!!」
「だが、戦闘ダメージは受けてもらうぞ!」
LP3400→2000
ドラゴンフライの突進をフルールは自身の持つ盾で防ぐも、その余波は俺の元に降りかかってくる……!
「っくぅ……」
「耐えられた……(シンクロしてもいいけど……3200の攻撃力を捨てるのは勿体無い……)バトルフェイズ終了。メイン2は何もせず、ターンエンド!」
「エンドフェイズ! 発動していたAマジック“大地の目覚め”の効果を適用! 俺の場の戦闘破壊されなかったモンスターのレベルの半分の枚数を相手のデッキトップから除外する! フルールのレベルは8! よってその半分……4枚を除外してもらう!」
「チィ……! 改めてターンエンド!」
然野LP3650
手札0
ナチュル・ビーストATK2200
ナチュル・コスモビートATK1200
ナチュル・ドラゴンフライATK3200
「俺の……ターン!」
手札
0→1
……うーむ、これか。使いたいけど……相手にもチャンスを与えてしまうからな…………いや、もう路線は決めた。迷ってる暇はない! それにさっき、良いAマジックも取れた!
「俺はモンスターをセット! そして、Aマジック“目覚めの日差し”を発動! セットモンスターを選択し、表側守備表示に変更する。その後、自分のモンスターの攻守を1000ポイントアップさせる! 俺は自分のセットモンスターを選択する」
「っ……俺はビーストの効果! デッキトップ2枚を墓地に送って効果発動! そのAマジックを無効に!」
まだまだ……このフィールドは隠れてて見えにくいが、Aカードはかなり豊富だな。また見つけた!
「Aマジック“恵みの大地”を発動! 自分の場のモンスター全ての攻撃力を1000アップする!」
「ビーストの効果! デッキトップ2枚を墓地に送り、無効に!」
然野LP3650
手札0 (残デッキ13枚)
ナチュル・ビーストATK2200
ナチュル・コスモビートATK1200
ナチュル・ドラゴンフライATK3200
遊牙LP3400
手札1
フルール・ド・ソルシエールATK2800
ガガガシールド(対象:フルール)
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プロローグ6
到達目標:11月18日までにプロローグ終了
こうやって書いておけば皆さんが見てるから絶対に書き終えるという意欲につながる……ハズ!
「装備魔法、“ワンショット・ワンド”をフルール・ド・ソルシエールに装備させる……が、これはどうする?」
「くっ……(これを防がなくても……ギリギリ戦える、か? 防いでも、ダメージを受けるかもしれない上に相手の目的はきっと……だったら……!)俺は、無効効果は使用しない!」
うーん、ノってくると思ったけど……検討違いかな? まぁ、デッキ切れは最終手段だし……ここはライフ削りを目標にセット!
「なら、攻撃力が上がるぜ」
フルール・ド・ソルシエールATK2800→3600
お、アクションカード見っけ!
「アクションマジック“ツイン・ソード”! 俺の場に表側表示モンスターが1体のみ存在する場合のみに発動出来る! 俺の場のモンスターを選択し、選択したモンスターは2回攻撃が出来る!」
ツイン・ソード(Aマジック)
自分の場に表側表示モンスターが1体のみ存在する場合のみに発動出来る。自分の場のモンスターを選択し、選択したモンスターは2回攻撃が出来る。
「(アクションカードは……近くにないな。仕方あるまい……)それだけはさせない! ビーストの効果発動!」
よし、これで最低枚数なら残り11枚……Aカードを探しながらメインフェイズを終えよう……
「バトル! フルール・ド・ソルシエールでナチュル・ドラゴンフライに攻撃!」
「っ……! だが、ドラゴンフライは攻撃力2000以上のモンスターとの戦闘では破壊されねぇ!」
LP3650→3250
「ワンショット・ワンドの効果! このカードを破壊して1枚ドロー!(アクションカードは……辺りになし、か。戦闘破壊はある程度ならなんとかなるし……このカードは伏せておくか)俺はカードをセットしてターンエンド!」
遊牙LP3400
手札0
???
フルール・ド・ソルシエールATK2800
ガガガシールド(対象:フルール)
伏せカード
「俺のターン、ドロー……!」
手札0→1
「(どうする、あのセットモンスターは恐らくリクルーターである可能性がある……けど、今更だな。もう、あと戻りはしない。ここでとにかく相手にダメージを与える。これだけだ……そして、最終的にはライフを削りきる! ……お、このAマジックは……!)俺はAマジック“力溢れる果実”をドラゴンフライに対して発動! 相手モンスターと戦闘したとき、貫通効果を得て……更に、相手モンスターを戦闘破壊した場合には自身の攻撃力を500ポイントアップさせたのちに再びモンスターへ攻撃が出来る!」
力溢れる果実(Aマジック)
このカードは自分の場のモンスター1体を選択して発動する。
1:選択したモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
2:選択したモンスターが相手モンスターを戦闘破壊した場合、選択したモンスターの攻撃力を500ポイントアップさせて再び相手の場のモンスターへ攻撃する。
「っ……(貫通効果、か……Aマジックはあまり期待しない方が良いかな? 防ぐかどうかは相手によるし、探しはするけど……)」
「バトルだ、ドラゴンフライでセットモンスターに攻撃!」
???→メタモルポッドDEF600
メタモルポッドが破壊され、ドラゴンフライに与えられた貫通効果による余波がAカードを探していた俺に押し寄せてくる……!
「うわあああああっ!?」
LP3400→800
っくそ……さすがにデッドラインに近づいてきたな…………っつーか、割と本気で危ないんだが……
「メタモルポッドのモンスター効果! 互いに手札をすべて捨てて5枚ずつドローする!」
「くっ……これを使っておけばよかったか……」
遊牙手札0→5
然野手札1→0→5
然野
捨てたカード
・死者蘇生
……あぁ、そう言うことか。俺のセットモンスターをリクルーターと読んで使わなかったのか……正直、コスモビートを利用して何か出されてたらヤバかったかな……
「だが! ドラゴンフライの攻撃力は500アップする!」
ナチュル・ドラゴンフライATK3200→3700
「ぶっちゃけ、こいつが地味に厄介なんだよなぁ……」
「更に連続攻撃権を得たドラゴンフライで攻撃! いくら戦闘破壊を防ぐとは言え、攻撃力差900ではどうしようもあるまい!」
「まだ、このカードがある限り俺は負けるわけにはいかねぇ! リバースカード、オープン! “ハーフ・アン・ブレイク”! 戦闘ダメージを半分にし、戦闘破壊を無効にする!」
「何だと!?」
LP800→350
おーおー、あっぶね。とりあえずのところは首の皮1枚つながったな。
「…………バトルフェイズは終了……(このままではまずいな……でも、この手札なら……)魔法カード“貪欲な壺”を発動! 墓地の5体のモンスターを回収し、2枚ドロー」
……むぅ、延命された…………
「更にカードを3枚セットして……“ナチュル・マンティス”を召喚!そしてマンティスにコスモビートをチューニング!
大地の蟷螂よ、さらなる大地の力を得て、今大地を護る龍となれ! シンクロ召喚!
敵の仕掛けを封じし龍、“ナチュル・パルキオン”!」
ナチュル・パルキオンATK2500
「俺はこれでターンエンド!」
…………さて、これでこのセットカードも使えなくなったわけか。まぁ、伏せはミラフォだし、意味ないな。ミラフォなんて添えるだけだし。
「ドロー!」
……ふむ、これか。一応、使ってみるか。まずまちがいなく防ごうとしてくるだろうが……Aマジックを使うのかどうか……かな?
「俺は“ハーピィの羽根箒”を発動! お前の場の伏せカードを破壊する……が、どうする?」
「くっ……(さっき取ったAマジックでは……仕方あるまい)ビーストの効果!」
だろうな。使ってくると思ったよ
「魔法カード“フォース”を発動! お前の場のドラゴンフライの攻撃力を半分にし、俺の場のソルシエールの攻撃力にドラゴンフライの攻撃力の半分を加える」
「っ……!! ……ビーストの効果は使わない!」
……ここも予想通り。次は、どう出る?
「魔法カード“ナイト・ショット”!真ん中のセットカードを対象に発動!」
「っ……“砂塵のバリア-ダスト・フォース”が……!」
おっと、確かバリアフォースシリーズだったな。裏守備にして表示形式の変更を封じる効果だっけな。でも、これで安心した。フリーチェーンとかは無さそうだ……
「んじゃ、2枚目発動。対象はメインデッキ側だ」
「……こればかりは仕方ない、か。ビーストの効果にチェーンで選択されたカード“貪欲な瓶”を発動だ。墓地の5枚を戻して1枚ドローだ」
さて、実質手札2枚が無駄うちに終わったか……いや、伏せカードが2枚削れてるから問題ないか…………もっとも、全て削りきるつもりではあるが
「サイクロンを発動だ。残ったセットカードを破壊する」
「させないっ! ビーストの効果!」
ふむ……どうやらあのセットカードはよっぽど削られたくないと見た。ならば、それが何か見させてもらおう
「バトル! フルールでパルキオンに攻撃!」
「リバースカード“くず鉄のかかし”!」
「……モンスターをセット。ターンエンドだ」
くず鉄、か。つくづく厄介だなぁ……
「ドロー!」
でも……やはり最終手段に出るしかないか。今、それ用のを手に入れたし。
「スタンバイフェイズ時、Aマジック“大地の目覚め”! 自分の場のセットモンスターを表側守備表示にする!」
これは簡単に言えば太陽の書のAマジックver.だな。
「セットモンスターは“ダークファミリア”!」
「……ダーク、ファミリア…………?」
……さすがに昔のカードだし、効果を忘れてるのかな? ……おっと、Aカード見付けた…………って、最高なタイミングだな!
「アクション罠……“大地の養分”発動! その効果で自分の場の全てのモンスターの攻撃力を1000下げ、攻撃力が0になったモンスターは墓地に送る」
大地の養分
Aトラップ
自分フィールド上のモンスターの攻撃力を1000下げる。
その後、この効果で攻撃力が0となったモンスターは墓地に送られる。
フルール・ド・シュバリエATK2800→1800
ダークファミリアATK500→0(墓地送り)
「効果適応! ダークファミリアのモンスター効果! 互いに墓地からモンスターを1体ずつセットする!」
「なっ……!? ま、まさか……!?」
「そう、俺がセットするのは……メタモルポッド!」
「……俺はナチュル・ビーンズをセット。だが、俺の場のモンスターが攻撃すればお前のライフは尽きる!」
そう、なんだよなぁ……だから、攻撃を防ぐか……Aマジックの大地の目覚めを引くしかない。
「バトル! ドラゴンフライで……攻撃だっ!!」
俺は即座に走り始めた。目指すは森の中! あの場所にはかなりのAカードがあった。あの場所ならたくさんあるはず……よし! 1枚目を入り口に発見!
「Aマジック、大地の目覚め! メタモルポッドを表に!」
「させない! チェーンでAマジック“ノーアクション”! 大地の目覚めは無効に!」
2枚、目ぇぇぇ!
「まだ、だぁっ!! チェーンしてAマジック“大地の隆起”! 相手モンスターの攻撃力を半分にし、バトルフェイズを終了させる!」
「まだ、だああっ! ビースト効果をチェーン!!」
Aマジックゲット! とど、けぇぇぇ!!
「チェーンして“回避”!」
「び、ビースト効果ぁっ!!」
届けっ! Aマジックゲット……って、これなら……!
「まだまだぁ!! Aマジック“仁王立ち”!! コイツは、無効に出来ないぜっ!!」
「しまっ……! …………届かない、か。後僅かだったのに、届かない、か…………サレンダーだ。このターンでお前を倒せないと言うのは俺の負けと同意義だ」
「……Aマジックに賭けないのか?」
「あぁ……俺の周りにゃ、Aカードが見えない。拾えたとしてもセットモンスター除去カードを拾える確率は圧倒的に少ないから、な……」
「……サレンダーを受理する」
Win 遊牙
『な、な、なんとぉ!! 圧倒的な劣勢を覆して……榊遊牙選手が大逆転勝利だああっ! そして、この瞬間! 遊勝塾代表・榊遊牙選手と、既に決勝進出を果たしたチェーンスクール代表・火野鉄鎖選手による決勝戦が確定致しましたっ!!』
「……火野、鉄鎖?」
「……知っているのか、然野……?」
「……アイツは、あまり良い噂をきかない。何でもイカサマをしているかもしれないとか、仕込みをしてるんじゃないか、とかな……」
「それは、穏やかじゃないな……」
「まぁ、あくまでも噂だ。だが……アイツには恐らく先攻を取られるとヤバいぞ。気を付けろ」
「……あぁ」
遊牙はまだ見ぬ敵、火野鉄鎖のいるであろう場所をチラリと見やった。しかし、バトルフィールドからでは相手の様子を窺い知る事は……出来ない。
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プロローグ7
この次でプロローグも終わりなのでこのプロローグ間で使用していた禁止制限をプロローグの1話目に乗せようと思います。
『さぁ! いよいよ決勝戦です! 勝っても負けても……これがラストバトル! その決勝戦に駒を進めたのは……この2名! まずは、アクションデュエルの創始者、榊遊勝の長兄であり、アクションデュエルを用いられる今大会の優勝候補の一角! 榊遊牙! ……対するはっ……これまですべての試合を相手ターンキルしてきたチェーンバーンの申し子! チェーンスクール塾長の一人息子……火野 鉄鎖(ひの てっさ)! 何と、奇しくも有名塾の塾長の息子たちによる決勝戦となりました! それでは、参りましょう! アクションフィールド、オン! 選ばれたのは……ここ! “鏡の迷宮”!』
MCの熱の入りようとはうってかわって、出現したのは鏡・鏡・鏡。辺り一面が鏡で覆われているドーム。そして、そのドームの中央にこれまた鏡で出来ている高台。そして、その下をまるで迷路を作るが如く鏡の壁が配置されていく。ここは比較的Aマジックが多く配置されている。それも、バーン系を防ぐものが案外多い。これは若干こっち有利かな?
『お互いに姿は見えないだろうけど参ります!』
「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」
「……」
何か言えよっ! ……俺が言うしかないか。
「……モンスターと共に地を蹴り宙を舞い! フィールド内を駆け巡る!」
『見よ、これぞデュエルの最終進化系! アクショーン!』
「デュエル!」
「デュエル……」
YUGA LP4000 先攻vs後攻 LP4000 TSSA
よっし、先攻取れた!
「俺は“魔導召喚士テンペル”を召喚!」
魔導召喚士テンペルATK1300
「そして“グリモの魔導書”を発動。デッキから“ヒュグロの魔導書”をサーチ。そしてテンペルのモンスター効果!コイツをリリースし……デッキより現れよ、“魔導法士ジュノン”!」
魔導法士ジュノンATK2500
「俺はカードを2枚セット。ターンエンド」
俺は、ターンを明け渡すと同時にジュノンにも手伝ってもらいながらAカード探しを始めた。
「にしても、ここはどこが壁なのかさっぱり分からねぇ……四方全てが鏡に見える……」
「俺のターン、ドロー……」
……それにしても、やたらと冷静だな…………と言うよりも覇気がない、と言うかな……?
「……“デスメテオ”、発動」
「ファッ!? ちょ、ま……それきっつい……!」
慌てて辺りを探すも、Aカードが見付かる筈もなく、その間にも俺の元に隕石が降ってくる……!
遊牙LP4000→3000
「っつつ……やろぉ、いきなりなんつーもんぶっぱなして来やがるんだ……」
にしても、そろそろヤバいかもな。下手したらあのコンボが来るかも知れねぇ。残りライフ的に……
「……モンスターとカードをセット、終了」
えっと、相手の陣形は……うわぁ、ガン伏せか…………うん、伏せカードが何となく予想できてしまうかな。ついでに伏せモンスターも何となく分かる気がする。とりあえず……言えることは…………
「このままで終わってたまるかってんだ! ドロー!」
お、Aカード見付けた! ……よし、これなら!
「リバースカード“ギフトカード”。更にチェーンして“シモッチの副作用”発動」
『で、出たぁ!! 鉄鎖選手の必殺コンボォ!! これまですべての試合を決めてきた鉄鎖選手のこのコンボは決勝戦でも決まるのかぁ!?』
フラグ建築あざっす!
「させねぇって! Aマジック“騙し鏡”! 相手の罠の効果を無効にして破壊する!」
騙し鏡
Aマジック
相手の発動した罠カードを無効にして破壊する。
「っ……!? 速攻魔法、“連鎖爆撃”! チェーン4で発動したから1600のダメージだ!」
LP3000→1400
「だが、シモッチの副作用がなくなったことにより、ギフトカードの効果で俺は3000回復する」
LP1400→4400
『おおっとぉ! Aマジックを利用してコンボを粉砕! 流石は榊遊勝の息子だぁ!!』
「…………貴様、絶対にぶっ倒す!」
あれ、なんか逆鱗に触れちゃった?
「なぜ……なぜ俺に満足にデュエルをさせない!」
いや、あからさまに俺負けちゃうからね!? 貴方に満足させたら! ……でも、まぁ
「俺は父さんみたいなデュエルは出来ない。でも……俺はピンチだろうと笑顔を絶やさない……そんなデュエルを続ける!」
「ハアッ!? お前、何を言って……」
「俺のドローフェイズ中だったな。続けるぞ!」
「……ふん、俺は今のところは何もしねぇよ」
さて、手札はヒュグロを加えた3枚だけ……でも、魔導を組み合わせた他にも…………色々入れてるんだぜ? それに、アレも…………な。今回はひっじょーにデッキが回るか心配だけど……やるっきゃない。
「メインフェイズ1! 俺は伏せていた永続魔法“魔法族の結界”を発動。そして“見習い魔術師”を召喚して魔法族の結界に魔力カウンターを1個乗せる。そして“魔力掌握”を発動し、魔力カウンターを結界に1つ乗せ、デッキから魔力掌握を手札に加え、ヒュグロを見習い魔術師に対して発動。攻撃力を1000上げる」
見習い魔術師ATK400→1400
魔法族の結界
魔力カウンター0→1→2
さて、あのセットモンスター……俺の勘が正しいならアイツだと思う。まぁ、違ってる可能性もあるけど…………それでも!
「バトル! ジュノンでセットモンスターを攻撃! この瞬間! 伏せていた罠“マジシャンズ・サークル”を発動! 互いにデッキから攻撃力2000以下の魔法使いを攻撃表示で特殊召喚する。俺はデッキから攻撃力1700の“マジカル・コンダクター”を特殊召喚!」
「……俺はデッキから攻撃力400の“お注射天使リリー”を特殊召喚だ」
おっと、そいつを入れているのか。まぁ、LPの都合上1回しか効果を使えないけど……こいつを狙うよりはセットモンスターでも狙った方が良い気はするから……
「バトルは続行。ジュノンで引き続きセットモンスターを攻撃!」
???→メカウサーDEF100
おっと、遊矢も一時期使っていたお手軽バーン兎だったのか。EMが揃ってないときに買ってやったんだっけ……
「“メカウサー”のリバース効果発動! ジュノンを選択し、そのコントローラーに500のダメージを与え、デッキより新たなメカウサーをセットする!」
遊牙LP4400→3900
バーンダメージとしては微細だけど、こういうのが積もるとヤバいんだよな……ま、これで怯むような人間じゃねーんだよ、俺はさ!
「見習い魔術師でメカウサーへ攻撃っ!」
「メカウサーの効果によりジュノンを選択してまたメカウサーをセット」
遊牙LP3900→3400
「ヒュグロの更なる効果によりデッキからグリモをサーチ。マジカル・コンダクターでメカウサーを攻撃!」
「メカウサーの効果でジュノンを選択……」
遊牙LP3400→2900
とりあえずのところはこんなものかな? ライフは……ちょっと心許ないか。相手の引きによるかな?
「俺はこのままターンエンド」
にしても、伏せカードは使わせられなかったか……これがどう影響するか……
「俺のターン、ドロー……モンスターをセットし、ターンエンド」
ん? 特に何もアクションを起こさずモンスターを伏せただけか……今度はどのモンスターだ?
「……俺のターン、ドロー!」
……手札は4枚。キーカードは無し……いや、あれがある、けど……本当に使うべきか……?
『遊牙兄! 僕、やっぱりあれ使って勝つ遊牙兄が見たい!』
『遊牙兄に絶対に勝ってほしい!』
『勝ったら、僕からプレゼントあげる!』
……よし、あれを使おう。勝って、遊矢の笑顔が見たい。というか、笑顔にしてみせる。
「俺は魔力掌握を発動! 魔法族の結界にカウンターを乗せる! さらにマジカルコンダクターの効果によりデッキより新たな見習い魔術師を特殊召喚し、魔法族の結界に4つ目のカウンターを乗せる! そしてこの時、魔法族の結界の更なる効果! このカードと魔法使い族……見習い魔術師を墓地に送り、このカードに乗っていた魔力カウンター数だけドローできる! よって、デッキより4枚ドロー!」
手札4→8
……ダメ、だ。この手札じゃあ…………いや、まだだ。まだチャンスはある。あのセットモンスター……あれが予想通りなら……
「……俺は手札を4枚セット。そしてバトルフェイズ!」
「バトルフェイズ開始時、Aマジック、“鏡の大迷宮”。バトルフェイズ中、相手のモンスターの攻撃力を0にする」
っと……それは流石に無理だな……
「しゃーねぇ。俺は見習い魔術師を守備表示に、更にモンスターをセットしてターンを終えるぜ」
「……俺のターン、ドロー」
さて……どう出てくるか…………
「……“流転の宝札”を発動。デッキより2枚ドロー……」
ん……? 流転の宝札……って言うと確か2枚ドローして、ターン終了時に手札を1枚墓地に送らないと3000ダメージ…………だっけか? まぁ、デメリットは無いような物だしなぁ……
流転の宝札 通常魔法(オリジナル調整ver.)
手札がこのカードのみの場合にのみ発動出来る。
自分のデッキから2枚ドローする。このカードの効果でドローしたターンのエンドフェイズ時に手札を1枚捨てる。この効果で手札を捨てなかった場合、自分に3000のダメージを与える。
「……カードを2枚セット。セットモンスター“メタモルポッド”を反転召喚」
やっぱりか! まぁ、あの今伏せたカードが何なのか……って所だろうが…………あの序盤に伏せられたカードが何なのか……その辺がまだ分からねぇな…………
鉄鎖
手札0→5
遊牙
手札3→0→5
「っと、良いねぇ。この手札なら……後は…………」
俺が手札を見て思案していると、鉄鎖は【最初に伏せていたカードを発動した】。
「伏せていた“ハーピィの羽根箒”発動……相手フィールドの魔法・罠を破壊する」
……はぁ!? 今までずっと使ってこなかったのか!? ……仕方ない、か。
「リバースカード、オープン! カウンター罠“神の宣告”! ライフの半分と引き換えに破壊効果を無効に!」
LP2900→1450
正直、ブラフで使う気は無かったんだが……仕方ない、か
「……メタモルポッドをリリースして、アドバンスセット。伏せていたリバースカード“レインボー・ライフ”を手札を1枚墓地に送り発動。そして墓地に送った代償の宝札の効果で2枚ドロー。そしてエンドフェイズに流転の宝札の処理は墓地に送らない(よし、ファイヤー・トルーパーが来た。次のターンが来れば勝利が確定する。今伏せカードもディメンジョン・ウォールと魔法の筒……攻撃してくるならそれでお仕舞いだ!)」
……なるほど、これは考えたな。本来受ける3000のダメージを1枚手札をコストにして2ドローと3000のライフゲイン…………ただの厄介なコンボです、どうもありがとうございました。
鉄鎖LP4000→7000
『鉄鎖選手、ここで大きくライフを回復ぅ!! しかも失ったアドバンテージを大幅に回復し、これはかなり勝利に近付いたのでは無いでしょうかぁ!!』
あ、MC居たんだったな……にしても、これは確かにMCの言う通りに面倒な布陣だな…………まぁ、勝つ気しか無いけどな!
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プロローグ8
ということでプロローグは無事完結しました。
次からアニメの時間軸に参ります。(更新がいつになるか不安ですが)頑張っていきたいと思っております。
よろしくお願いいたします。
「俺のターン、ドロー!」
手札は6枚。必要なカードはすでに3枚は俺の手の内に。後はあのカードさえを手の内に引き込みさえすれば…………!
「……魔法カード“強欲で謙虚な壺”を発動。デッキトップ3枚を確認し、1枚を手札に加える」
これで何か良さそうなのが来れば……!
・強欲で謙虚な壺
……違う。これじゃない。今はこれは確実に必要ない……
・手札抹殺
……これも違う。三枚目によってはこれを選択せざるを得ないな…………
・封印されしエクゾディア
「なっ…………!?」
『な、なな……何と……あのカードはっ…………!』
…………漸く、来たか。流石に60枚デッキだと中々デッキを圧縮しても来ないからな……
「……俺はこのカード“封印されしエクゾディア”を手札に加える!!」
『な、ななな……何とっ! ここに来ての封印されしエクゾディアっ!! 公式大会でエクゾディアによる特殊勝利は既に引退なさって、現在はレオ・コーポレーションにてカード研究をされている門揃エータ元プロがプロ時代に決めて以来、実に3年ぶりでしょうか!』
え、そんなに昔なのかよ……っつーか、使ってたプロ居たのか…………
「さて、まずは1枚だ! 次はリバースカード“貪欲な瓶”を発動。我が身を盾に・魔力掌握3枚・魔法族の結界を戻して1枚ドローっ!!」
……そう簡単には無理か。まぁ、必要なカードも残り少ない…………それにこんな風に……無理矢理にでも持ってくればいい。
「俺は“青竜の召喚士”を召喚し……伏せていた“激流葬”を発動!」
「っ……!(クソッ……俺のターンさえ来れば…………奴を仕留めれるのに…………!!)」
さて、ボードアドバンテージを捨ててまで持ってきたかったカードは当然……
「青竜の召喚士と俺が伏せていた“冥界の使者”のモンスター効果発動する」
「……っ! リバースカードオープン、連鎖爆撃! 1200のダメージを受けろっ!!」
……残念、このAカードは自分のモンスターの破壊を守るだけだ……甘んじて受けるしかないな……!
遊牙LP1450→250
「っく、冥界の使者の効果で互いにレベル3以下の通常モンスターを手札に加える。俺は“封印されし右腕”をサーチ!」
「……俺のデッキに該当モンスターはいない」
「続けて青竜の召喚士の効果によりデッキからドラゴン族・戦士族・魔法使い族の通常モンスターを1枚手札に加える! 俺はこの効果で“封印されし左足”を手札に加える」
これで残り2枚……なんだけど、残念なことに残り2枚はどちらも墓地にあるんだよなぁ。
「魔法カード“闇の量産工場”発動。墓地の通常モンスターを2枚手札に加える」
…………だから、これを使うんだけどな
「何? …………ま、まさか……」
「残念だったな。貪欲な瓶のドローで青竜の召喚士を引いた時点で俺の勝利はほぼ確定的だったんだよ
俺は墓地の“封印されし右足”と“封印されし左腕”を手札に加える。これで…………全てのパーツが俺の手札に加わった…………」
「そ、んな…………!」
「楽しいデュエルをありがとう。俺からできる最大のお返しをもって……このデュエルを終結させる。エクゾディアよ!デュエルに終焉を! 地獄の業火エクゾード・フレイム!」
win yuga
『勝者! 榊、遊牙っ!! 最終戦をエクゾディアによる特殊勝利で見事勝利をおさめたぁぁ!! そして惜しくも敗れてしまったがチェーンバーンデッキの実力を魅せてくれた火野鉄鎖! 一進一退のデュエルを見せてくれた二人に、改めてエールをっ送ろうじゃありませんかあっ!』
大会も無事に終わり、表彰式も終わったあと、俺はレオ・コーポレーションの社長室に呼ばれた。大会を見に来てくれた遊矢は今は社長室前で待ってくれている。手っ取り早く遊矢と一緒に帰りたいんだけどな…………
「実に興味深いデュエルをしていたな。よきものを見せてくれて感謝する」
そして、俺の目の前にて椅子に座っているつるっぱげの男性……この人物こそがこの大会を主催していたレオ・コーポレーションを一代で急成長させた張本人である社長……赤羽零王、その人だ。
「これが君に授ける新規カテゴリとなるシンクロカテゴリーのデッキだ。受け取るが良い」
……少々高圧的な部分があるのが非常に不愉快だけども、俺はそれをおくびにも出さず笑顔で机の上に置いてあるデッキを手に取った。
「ありがとうございます。弟を待たせているので、これで失礼しても……?」
「その前に一つ問いたい。君はLDSに入る気は無いかね?」
俺がデッキを新品のデッキケースに入れて立ち去ろうと零王社長に背を向けると思わぬ問い掛けに思わず足が止まる。
「……どういう、意味ですか?」
「君の実力ならばシンクロをマスターする日もそう遠くはあるまい。ならば、我がLDSで様々な勉学を学ぶ気は無いか、と問うている。今の君ならば授業料も特待生として免除「お断りします」…………何? LDSに何か不満でもあるのかね」
断ると思ってなかったと言わんばかりに言葉に驚愕の念が隠った問い掛けに社長の方を向いて俺は自分の意思をいい放つ。
「シンクロ召喚に関しては今日のデュエル相手の1人のプレイングを見て明白です。それに、LDSの勉学環境はすばらしい、それは分かりますが俺は父を尊敬しています。そして、俺と同じく父を尊敬している弟を愛しています。俺はあそんな父と弟を置いてLDSに来る、そんなことは出来ないだけです」
俺の言葉にポカンとしている社長に再び背を向けて「それでは失礼いたします」と言って、社長室を出る。すると、遊矢が俺の胸に飛び込んでて、満面の笑みでこちらを見上げていた。
「兄ちゃん、優勝おめでとう!」
遊矢の言葉に、思わず自分も笑みがこぼれる。そして一緒に手を握りながら帰路に着くこととなった。
それから、色々あった。遊勝塾に数人ではあるが入塾者が出たり、俺の(この世界での)初めてのシンクロ召喚ギミックのデッキを遊勝塾内でのデュエルで見せたときには歓声があがったものだ。俺はそれから様々なカードを組み合わせたりして自分として満足のいくデッキに改造することが日々多くなった。
そして、運命の時は徐々に近付いていた。
この日から5年ほど経ったある日……俺がアニメで見ていた光景が少し違った流れで始まるのであった。
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第1章 強襲! vsLDS!! ファン感謝デー・デュエル
第1話-1
リアルでの多忙などもあり、どうしても少しずつしか書けていませんでした。
因みに、リアルではマスターズルール4が色々騒がれておりますが……自分は恐らく、というよりもほぼ間違いなくマスターズルール4では書きません。
まぁ、書くとしても……いや、これ以上は言わないでおきますか。まだ推測でしかないので。
さてさて、前の話から時間が経ってしまったので前回のおさらいをば。
前回のおさらい
エクゾディア勝利で遊牙が優勝。
赤羽零王よりとあるデッキを受け取る。
何か赤羽零王から勧誘されていたが断ったった。by遊牙
さて、これよりいよいよ原作介入編……第1章 『強襲! vsLDS!!』開始です!
因みに、この章では禁止制限は変化し
リミットレギュレーション/2016年4月1日
を適応していきます。
それでは、お楽しみください!
※この話ではデュエルはございません。ご了承くださいませ
遊牙がとあるデッキを入手してから5年の月日が経過したある日の遊勝塾……の応接室。そこにいたのは…………
「お、俺が……ストロング石島とファン感謝デーのデュエルを!?」
「はい、その了承を得る為に私、ニコがお邪魔させていただいた次第です。あの三年前、果たされなかった榊 遊勝とストロング石島のカードを榊遊矢君に再現していただきたいのです!」
アクションデュエル現役チャンピオンであるストロング石島のマネージャー兼プロモーター、ニコ・スマイリーの提案に驚きと戸惑いを隠せない榊 遊矢(さかき ゆうや)。
「そんなもの、お断りだ! 遊矢をダシにしようとしてるんだろう!! 遊矢を見世物になんぞ出来ん!」
「塾長……落ち着いて下さいよ…………でも、俺もあまり賛成ではないのは確かです。俺が相手……ではダメなのですか?」
ニコの提案を断固拒否する遊勝塾塾長の柊 修造(ひいらぎ しゅうぞう)、そして件の渦中にある遊矢の兄、榊 遊牙(さかき ゆうが)……この4名である。
何故、このメンバーが応接室に居るのか……と言うと…………
「え、ソリッドヴィジョンシステムが正常に作動しない?」
この数十分前、遊勝塾に来ていた遊矢と遊牙は幼馴染みであり、塾長の修造の娘の柊 柚子(ひいらぎ ゆず)からの突然の報告を聞いて戸惑いを隠せずにいた。
「そうなのよ……昨日確認したときは何とも無かったんだけど……」
「アタシも、突然のことに戸惑ってるわよ……柚子と久しぶりにデュエルをしてたんだけど……管制室にいた父さんが変に騒ぐから中断になっちゃって…………」
遊牙が柚子の言葉を復唱すると柚子も頷き昨日の時点では異常が無かったのだ、と言えば管制室から出てきた毛先が外に跳ねている茶毛の髪にやや幼顔で、柚子よりも背の低い女の子……もとい、柚子の姉の柊 杏子(ひいらぎ きょうこ)が肩を竦めて返す。
「(それにしても、柚子ったら……今日も背が伸びてるんじゃないかな…………)」
そんな杏子は妹である筈の柚子を見上げ、眉を潜める。最も、身長が伸び悩んでいるのは基本的に誰も指摘しないので特に気にしていない様子ではあるが…………
「塾長は……「こんなのじゃあ、俺の熱血指導が出来ないじゃあないかああああああああああああっ!!」……何となく分かった。まぁ、あれって遊勝塾が出来た時からずっとあるものだし……仕方ないっちゃあ仕方ない、んじゃないか?」
「まぁ、それはそうなんだけどね……でも、これじゃあアクションデュエルどころかソリッドヴィジョンを使ったデュエルも出来ないわよ?」
「そうだよな。かと言ってテーブルデュエルをするのにも……それ用のテーブルを引っ張り出してこねぇと…………」
「それは厳しいわよ。アレの重さもだけど……結局戻さないと…………いけないから重労働になっちゃうし……」
「何やらお困りのご様子ですね?」
遊牙と杏子が話し合いをしていると、塾入口から声が聞こえそちらへと視線を向けると、そこにいたのは黄色と黒の警戒色のスーツに身を包んだ、胡散臭さを体現したかのような風貌の男性であった。
「……失礼ですが、貴方は?」
杏子が一番早く対応すると、その男は「これは失礼」と軽く会釈をして自己紹介をした。
「私は現在のアクションデュエルのデュエルチャンピオン、ストロング石島のマネージャー兼プロモーターを務めております。ニコ・スマイリーと申します。以後お見知りおきを」
「す、ストロング石島の!?」
「……柚子、杏子。塾長を呼んでくれ。多分、塾長も居た方がいいかも知れん」
男性……ニコの自己紹介にいち早く反応を示した遊矢、そして少し顔をしかめつつも柚子と杏子に頼み事をする遊牙……そして彼ら2人に待っていたものは各々にとってとても驚愕の内容であった。
話は今に戻り……遊牙の「俺が代理ではダメか」という提案にニコは首を横に振った。
「いえ、残念ながら……貴方には別の試合があるのです」
「……はあ? ……どういうこと、ですか?」
ニコの言葉に思わず問い返す遊牙。ニコの返答は予想外の物だった。
「貴方には、スタンディングデュエルのデュエルチャンピオン、インセクター羽蛾プロとのデュエルがございます」
「…………は、ハァ!!??」
え、どういうことだ? 俺にも試合が? いや、その前に……スタンディングデュエルのチャンピオンがあのHA☆GAだと?
スタンディングデュエル……今でこそ、アクションデュエルがプロのデュエルでの主流ではあるけども、それまでに行われていたスタンディングデュエルも、アクションデュエルとは違った賑わいを見せる。単純にデュエルをするだけだが、その分アクションデュエルよりもプレイングは高度なものを要求されるデュエルスタイル……
そして、俺は今までアクションデュエルのプロ戦ばっか確認してたから知らなかったんだが……どうやらスタンディングデュエルでの現在のチャンピオンがインセクター羽蛾らしい。んで、偶然にも同じ日がファン感謝デーらしく……それも同じ時間帯にあり、LDS所属らしいのでニコさんが纏めてオファーしてきた……と言うわけだ。まぁ、俺の方は父親のしがらみはないが……石島の方に遊矢、か。俺としては自分が石島の方に回りたいんだよな……というのも
「…………」
俺が隣をチラリと見れば遊矢は少しうつ向いている。やっぱり、父さんが「臆病者」と呼ばれている事……そして俺や遊矢自身が「臆病者の息子」と罵られていた事を思い出した、のかな? アニメ時代よりはマシだけど……主にピエロ装束を用意したり、カバーカーニバルでダンシングしたり、変顔したりはしなくなった程度には。
けど、一時期はやっぱり塞ぎこんでいた。何せ、遊矢のデュエルスタイルは父親譲りの『観客を楽しませるデュエル』だ。何とか塾に顔を出してくれるまで説得をずっとしていた時期もあったなぁ、と昔のことを思い出してしまう。 一方で俺はというと、あまり気にしては無かった…………と言うよりも『気にしててもキリがない』って思うようになったから、かな?
……とにかく、今はまだ矢面に立たせたくない。せめて、石島とのデュエルだけでも回避させないと…………
「あの、ニコさ「俺、やります」っ……遊、矢…………?」
俺がニコさんに提案をしようとしたその矢先に放たれた遊矢の言葉に俺は思わず耳を疑ってしまった。案の定、塾長も驚きを隠せていなかった。
「俺、もう逃げない……臆病者の息子と言われても……それでも、俺はストロング石島とデュエルがしたいんだ……! 父さんが果たせなかったエンタメを……俺がやりたいんだ!」
俺は、遊矢の決意を聞いて、ある思いが浮かんだ。
ーあぁ、成長していたのは遊矢だけだったのかもしれないー
ー俺は、遊矢までもが批難の嵐の矢面に立つのを恐れていたけど……遊矢はそんなのを気にしてなかったんだー
「(なら、それは応援してやらないと)……遊矢がそういうなら、俺はインセクター羽蛾プロとのデュエルをお引き受けします」
俺の意思表示に塾長はお前まで何を言っていると言わんばかりの表情をしていた……
「ありがとうございます! それでは、お引き受けしていただいた御礼と言ってはなんですが……我がレオ・コーポレーションが所有する最新のリアルソリッドビジョンシステム一式をご提供致しますので!」
と俺たちの意思表示を聞いたニコは明らかに嬉しそうな声色で言えば丁寧にお辞儀をして帰って行った……もう、後戻りは出来ない、な。
「遊矢ぁ! 遊牙ぁ! お前たち、本当に良いのかぁ!?」
「……塾長。今さらですよ?」
「大丈夫、俺は……俺たちは、もう平気だから」
「だから……俺たちを信じてください。塾長!」
俺と遊矢の言葉に塾長は溜め息を吐いていた…………
そして、当日……俺と遊矢はファン感謝デーのデュエルが行われる会場……にある控え室にて椅子に座って出番を待っていた。
「遊矢、大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ。兄さん」
「……お前が勝てるって、信じてる」
「……ありがと。兄さんなら絶対勝てるって……俺も、信じてるから」
「サンキュ……」
俺たちはあまり会話こそしなかったけど……お互いに、お互いの勝利を信じあっていた。それだけでも、俺にはやる気になれた。そして、2名のスタッフが出番であることを告げてくれた。ここからは別々のデュエル会場にいかないといけない。
「頑張れよ」
「兄さんこそね」
俺たちは軽く拳を突き合わせてお互いにスタッフの案内の元、デュエルの待つフィールドへと歩いていった。
『さぁ、皆様お待たせいたしました。これより、インセクター羽蛾プロのファン感謝デーデュエルを開催いたします! まずはこのデュエルの主役の一人に登場していただきましょう! プロデュエリスト! インセクター……羽蛾ぁ!!』
観客席からは見えない位置にいるけど……そこそこ歓声が聴こえるから意外に人気なのかな、この世界でのHA☆GAって……「羽蛾さ~ん! 俺たちを罵ってくれぇ~!」……なんだ、ただの変態達の集まりか。これはストロング石島の方に遊矢を送って正解だったな。此方だと別の意味で精神を病みそうだ。そしてここで俺の目の前のドアが開かれる……重厚なドアが開くと、屋外デュエル場なのか開くと同時に光がさしこんで来て、俺は思わず目を細めた。
『そして相対するは……エンタメデュエル、そしてアクションデュエルの始祖である榊遊勝の息子! 榊ぃ、遊牙ぁ!!』
正直、プロとのデュエルは初めてだし……かなり緊張している。自分でも分かるほど顔がひきつってるし…………でも、自然と緊張は解けていった。と言うのも羽蛾の姿はアニメ等でみたままのあの姿。そして何よりも……
「ヒョッヒョッヒョッ……君があの榊遊勝の息子君かぃ?」
「……宜しくお願いします」
観客は多いとはいえ、観客席がまばらに空いている、んだよな……
「ヒョッヒョッ……緊張するこたぁなにも無いさ。どんとかかって来たまえ」
いや、もう別の意味でだけど……アンタのお陰で緊張は解けたよ。まぁ、合わせてあげるか。
「……はい、わかりました」
さて、と今回持ってきたのはあのデッキ……俺が前の世界から使っている……そして、5年前に入手したあのデッキ。多分、俺の情報はアッチに渡ってる筈だけど……気にしててもダメだ。
仮にも、相手はプロデュエリストなんだから……そう、仮にも羽蛾はプロデュエリスト。気を引き締めないと……
『さぁ、それでは参りましょう!』
さぁ、始めよう……!
「「デュエル!!」」
俺の……新しい俺流エンタメデュエルを!!
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第1話-2
ということで、今回は以下のデュエル内容となっております。
デュエル:ファン感謝デー:スタンディング
遊牙【???】
vs
インセクター羽蛾【HA☆GA】
※前回の後半を見ていただけると分かりますが……羽蛾のファンは少々特殊です。お気を付けください。
Yuga LP4000 vs Haga LP4000
「ヒョッヒョ……先攻は譲るぜぇ?」
「では、お言葉に甘えて……俺のターン!」
先攻もらえたのは有り難いな。このデッキはあまり序盤から動きづらいし……手札も先攻の方が動きやすそうだ。
「俺はモンスターをセット。永続魔法“補給部隊”を発動しカードを2枚セットしてターン終了」
遊牙LP4000
手札1
???
補給部隊
伏せカード
伏せカード
「……動かねぇか。ならばコチラのターンだ、ドローっ!!」
手札5→6
「ヒョーッ、ヒョヒョヒョ! まずは小手調べだ! 魔法カード“二重召喚”! これでオレは2回の召喚権を得る!」
二重召喚……【昆虫族】だとは思うけど、何が出てくる…………?
「手始めに……永続魔法“大樹海”と“補給部隊”を発動!」
む、破壊がトリガーのカード達……っつー事は…………
「ヒョーッヒョッヒョ。まぁ、そう難しい顔をするな……[スグには]展開しねぇよ。二重召喚で得た召喚権も合わせて“代打バッター”を2体通常召喚!」
っ……でも、これで手札は1枚。代打バッターの効果を考えても…………
「魔法カード“命削りの宝札”。手札が5枚になるよう、ドローする。最も、この効果を発動後自分のターンで5ターン後には手札を全て捨てなければならないがな……」
原作効果の……! これはちと面倒な事になってきた……
「ヒョーッヒョッヒョ! まさか[スグに]出す事になるとはなぁ! “トゲトゲ神の殺虫剤”を発動!フィールド上の昆虫達を全て破壊! そしてこれにより代打バッターA、代打バッターB、そして大樹海の効果を2回、さ・ら・に! 補給部隊の効果もはつどぉ!! お前らバッタどもはオレ様のモンスター達の踏み台にしかならねぇんだよぉ!!」
うぐ……相手にそこそこ面白い感じにアドを取られてるな……
『出た! 羽蛾さんの破壊マジックコンボだぁ!』
『嬉々として自軍モンスターを破壊するだなんてぇ!』
『俺達に出来ないことを平然とやってのけるぅ!』
『そこに痺れる!』
『憧れるぅ!』
『俺達の事も罵ってくれぇ!』
「黙れぇ、観客どもぉ! テメェらも昆虫族にしてトゲトゲ神の殺虫剤で破壊してやろぅかぁ!!」
『羽蛾さぁん! もっと罵ってくれぇ!!』
…………うん、ぜっっっっっったいに遊矢がコッチに来なくて良かった……
「っとぉ、チェーン処理の続きだな……と、その前にぃ。お前、効果を発動するかぁ?」
……うーん、まぁ発動させても良いか。
「では、お言葉に甘えて……伏せカードを2枚共発動させます。まぁ、どちらも“竜星の具象化”なんですけどね!」
「……良いだろう。チェーン処理だ」
「ですね、まずはチェーン7とチェーン6の処理が自分の竜星の具象化2枚ですが……まぁ、特に発揮する効果は無いのでそのままカードの発動だけで処理を終えます」
『すげぇ、チェーン7とか初めて見たぞ……』
『でも、効果処理はされてないし……ただ発動させただけかしら?』
……っつーか、コイツ女性のファンも居たのか……って、そんな筈ないか。流石に一般人だろう。一般人……だよ、な? ふと、俺は少し不安になって観客席をグルリと見渡す……すると、自分の方の近くに遊勝塾のメンバーが座っていたのを見てホッとする……最も、柚子や塾長、母さんに権ちゃん……小学生組のフトシやアユちゃんの6人は遊矢の応援に回っている。
じゃあ、コッチにいるのは誰かって……? それはこのデュエルが終わったら会いに行くからそれまでのお楽しみさ。
「……ならば、コチラの効果処理だ! まずは補給部隊で1枚ドロー! そして大樹海の効果でレベル4の“シールド・ワーム”2体を手札に! そして代打バッターどもの効果で手札から……“インセクト・クィーン”と“プチモス”を特殊召喚んんんん!! さあああっ! おいでませ、女王様ぁぁぁ!!」
手札6→5→3→1→0→5→4→5→7→5
インセクト・クィーンATK2200→2600
プチモスDEF200
「まだまだぁ! 魔法カード“手札抹殺”! 互いに手札をすべて捨て、捨てた枚数と同じ枚数ドローする!」
遊牙
手札1→0→1
捨てたカード
デーモン・イーター
羽蛾
手札5→4→0→4
捨てたカード
シールド・ワーム
シールド・ワーム
黒光りするG
黒光りするG
「っ……!」
おいおい、まさかの黒G2枚も握ってやがったのか!? ……まさか、な。まさか俺のデッキを【竜星】と見ての……って訳じゃないよな……よな? まぁ、ちょうど墓地に送りたかったモンスターが手札にいたからありがたいな。
「(アイツのデッキの……【竜星】の主力はシンクロモンスターが殆どだと言うのは既に事前に確認ずみだ! その為にワザワザ黒光りするGを入れたんだ……負ける筈はないんだ!)オレは手札の“進化の繭”と装備魔法“明鏡止水の心”をプチモスに装備!」
プチモスDEF200→2000
……まぁ、プチモスを出すくらいだし、これくらいは想定範囲内だ。
「(あとはこの2枚で何とかなる……だが、問題はあのセットモンスターだが、どうせたかが知れている!)バトル!女王様で攻撃! クイーンズ・ヘル・ブレス!!」
攻撃時にリリースをしない……原作効果か!
インセクト女王(原作効果)
全フィールド上のこのカード以外の昆虫族モンスター1体につき、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。
このカードが相手モンスターを破壊したターンのエンドフェイズ時、自分フィールド上に「インセクト・ラーバ」1体を攻撃表示で特殊召喚する。
「インセクト・ラーバ」は表示形式を変更出来ない。
まぁ、破壊してくれる分には別に構わないが……そんなんでよくプロが務まる、と思うよ。
「戦闘破壊された“破面竜”の効果にチェーンして竜星の具象化2枚の効果、補給部隊の効果を発動!」
俺のデッキを研究してるなら、戦闘破壊なんてさせないように動くのが基本だろうにから……まぁ、今回はスタンディング用にいろいろ調整はしておいたけどね。破面竜もそうだし、今回はフィールド魔法もピン刺しだけどいれている。普通は入らないんだけど、まぁ……今回はどちらかというと【幻竜族】という感じでデッキを組んでいるから……あとで元に戻しておかないとな……
「ちぃ! ならば戦闘破壊したことでチェーンしてインセクト女王の効果! 自分フィールドに“インセクト・ラーバ”を特殊召喚!」
インセクト・ラーバ ATK1200
インセクト女王ATK2600→3000
一応、あれは確かトークンだよな。墓地に行かないなら何の問題もないな。
「ならばチェーン処理により補給部隊で1枚ドロー、具象化の効果でチューナーモンスター“光竜星-リフン”、“炎竜星-シュンゲイ”の順で特殊召喚! 更に破面竜の効果でチューナーモンスター“タツノオトシオヤ”を特殊召喚!」
手札1→2
光竜星-リフンDEF0
炎竜星-シュンゲイATK1800
タツノオトシオヤATK2100
『なんとおっ!! 遊牙選手、羽蛾プロのターン中に一気にチューナーモンスターを含む3体を特殊召喚だああっ! しかし、インセクト・ラーバの攻撃がまだ残っているぞっ!!』
「そのとおぉり! チューナーを1体持っていってやる! バトル続行! インセクト・ラーバでリフンを攻撃ぃ!」
「させないっ! 炎竜星-シュンゲイのモンスター効果! 相手ターンのメインフェイズ及びバトルフェイズ中に竜星モンスターのみを使用してシンクロ召喚を行う事ができる!」
「何っ、シンクロ召喚は自分のターンにしか出来ねぇんじゃねぇのかっ!!」
『ななな、なんとおっ!? まさかの相手ターン中のシンクロ召喚!! さぁ、一体何を出すんだぁっ!?』
「俺はレベル4のシュンゲイにレベル1のリフンをチューニング!
光帯し幻の力持つ竜よ、幻炎の力と合わさりて今新たな道筋をたどれ!
シンクロ召喚! こい!レベル5、シンクロチューナーモンスター、“源竜星-ボウテンコウ”!!」
源竜星-ボウテンコウDEF2800
「そしてボウテンコウのシンクロ召喚時効果を発動! デッキから“秘竜星-セフィラシウゴ”を手札に加える!」
「び、ビックリしたが……守備表示ならなんも怖くねぇ! それにコッチには墓地に対策があるんだ! 墓地の“黒光りするG”のモンスター効果を発動!! コイツを除外して特殊召喚されたシンクロモンスターを破壊する!」
「っちぃ……だが、ボウテンコウのモンスター効果! フィールドから離れた場合にデッキから守備表示で“水竜星-ビシキ”を特殊召喚!」
『な、なんと言う効果の応酬だぁぁっ! インセクター羽蛾の墓地から発動した効果で遊牙選手はシンクロモンスターを失うも、すぐさまモンスター効果で後続を呼び出したっ!!』
「……バトルを中断。カードを2枚セットし、ターンエ「エンドフェイズに墓地の“デーモン・イーター”のモンスター効果! ビシキを破壊してデーモン・イーターを特殊召喚! 更にビシキの効果でデッキから“地竜星-ヘイカン”を攻撃表示で特殊召喚!」ッチィ、改めてターンエンド!」
インセクター羽蛾LP4000
手札0
インセクト女王ATK3000
インセクト・ラーバATK1200
プチモス(進化の繭&明鏡止水の心装備)DEF2000
大樹海
補給部隊
伏せカード
伏せカード
「俺のターン、ドロー!」
手札3→4(内1枚セフィラシウゴ)
うーむ、使えそうな手札は今引いたのと補給部隊で引いたカード位、か。しかも、今はまだ使いづらいと来たもんだ…………まぁ……なんとかなる……とは思うけど……
「まぁ、無理に動く時じゃねぇな。このままバトルだ! タツノオトシオヤでインセクト・ラーバを攻撃!」
「甘い甘い! リバースカードオープン! “ガード・ブロック”戦闘ダメージを0にして1枚ドロー!」
羽蛾手札0→1
……見た目や声は見事に羽蛾なのに…………羽蛾なのに、強い……!
とりあえず、このターンは何もせずに大人しくしておこう。シンクロは黒Gの処遇次第だな……
「……俺はヘイカンとデーモンイーターを守備表示にしてターンエンド」
遊牙LP4000
手札4
デーモン・イーターDEF200
地竜星-ヘイカンDEF0
タツノオトシオヤATK2100
補給部隊
竜星の具象化
竜星の具象化
「オレのターン! ドロー! 更にリバースカード タイムトラップ~after.5~ 発動!」
うん……? 今発動したカード……見たことがないカードだが……一体……?
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第1話-3
さてさて、最後に発動されたカード。一体どんな効果なんでしょうかねぇ?←
※感想欄でどんな推理が行われてるかは今書いている状態では知らないです
それでは、お楽しみくださいませ
「オレのターン! ドロー! 更にリバースカード“タイムトラップ~after.5~”発動!」
手札1→2
うん……? 今発動したカード……見たことがないカードだが……
「フフフ、タイムトラップは場のすべてのカードのターン経過を進めたり戻したりするカード……そしてこのafter.5はすべてのカードを発動させた時から5ターン経過させたものとするカード!」
タイムトラップ~after.5~ オリジナル罠
通常罠
このカードは、フィールドで発揮されているカードの全てを発動した時のターンから5ターン経過したものとして扱う。
この効果を発動したエンドフェイズにこのカードを墓地から除外し、このターンに自分の墓地に送られたカードは全て除外する。
……え、それだk……いや、これは…………!
「そしてメインフェイズ! オレは【6ターン経過した進化の繭を装備しているプチモス】をリリースして、現れよぉ! “究極完全態・グレート・モス”!!」
究極完全態・グレート・モスATK3500
出て、来やがった……こんな序盤から正規(だよな? 一応、補助カードはあったけど)召喚してくるとは思わなかった……ちょっと、ヤバいな、これ…………
「魔法カード“埋葬呪文の宝札”を発動! 二重召喚、トゲトゲ神の殺虫剤、手札抹殺を除外、その後2枚ドロー! まだまだぁ!“強欲で貪欲な壺”を発動! デッキトップ10枚を除外し、2枚ドロー!」
手札
1→0→2→1→3
……ヤバいな、明らかに相手に流れが……!
「魔法カード、“ハーピィの羽根箒 ! お前の魔法、罠カードを破壊する!」
これは防げないとはいえ……展開の要を潰された……!
「装備魔法、“団結の力”をグレート・モスに装備!」
「バトル! インセクト女王でデーモン・イーターを攻撃! クイーンズ・ヘル・ブレス!!」
……伏せカードも何もないし、見送るしかない、な。
「インセクト女王のモンスター効果でインセクト・ラーバを特殊召喚! いけえっ! グレート・モスでタツノオトシオヤを攻撃ぃ! モス・パーフェクト・ストームゥ!!」
グレート・モスの起こした、鱗粉を巻き込んだ竜巻はタツノオトシオヤをを取り込むと、その体をズタズタにしていき、最終的に大爆発を引き起こした……!
「ぐっ……ぐああああっ!!」
LP4000→200
…………っくそ、流石に……3000超えを一発で受けると……キツいな…………
「インセクト・ラーバでヘイカンに攻撃!」
「……ヘイカンの効果で表側攻撃表示で“闇竜星-ジョクト”を特殊召喚!」
闇竜星-ジョクトATK0
「ヒョッヒョッヒョ……カードを伏せてターンエンド! さぁ、サレンダーするなら今のうちだぜぇ?」
「……生憎と俺はしぶといんでな。まだまだライフが残ってる今は俺は諦めねぇ!」
「……フン、まぁいい。さあ、貴様のターンだ!(今は伏せたのはミラーフォース……どうしてこようと、これで一網打尽だ!)」
「俺のターン……」
現在の残りライフは200で場はジョクトのみ、対して羽蛾は無傷の4000……フィールドも伏せカード1枚に攻撃力1200のトークンがいるとはいえ、攻撃力3000と5900の大型がいる……そして俺の手札はドローを含めて5枚。うち1枚が公開情報……正直、今の手札じゃあ勝ち目がない……でも、ドローカードで切り抜けるしか今の俺に出来る手立てはない。やるしかない!
「ドローッッッ!!」
引いたカードは……ドローソース! まだ、いける……!
「魔法カード、“竜星の輝跡”を発動! 墓地の竜星モンスター……リフン、ボウテンコウ、シュンゲイの3体をデッキに戻し、2枚ドローする! ボウテンコウはシンクロモンスターだからエクストラデッキに戻る!」
さぁ、この2枚で少しでも希望が見えれば……
「ドロー!!」
……1枚目は、貪欲な壺…………まだ、チャンスはある。2枚目は…………
「……あれ?」
2枚目にあったのは、【俺がデッキに入れてないハズのカード】だった……なぜ、このカードが……と、とりあえず貪欲な壺でチャンスを……
「貪欲な壺を発動! 墓地のモンスター5体をデッキに戻して2枚ドロー!!」
引いたのは、埋葬呪文の宝札と……また、やっぱり、だ。これも【デッキに入れていないハズのカード】……なんで、だろう……
「……ええい、こうなったら行けるとこまで行ってやる! 埋葬呪文の宝札を発動、補給部隊と竜星の輝跡、貪欲な壺を除外して2枚ドロー!!」
……3枚目の入れていないはずのカードと、ドローソースとなる魔法カード……セフィラシウゴが手札にあるから、何とか出せれば、だけど……これはやるべき、なのか? 俺がそう思案をしていると、突然、いつも首にかけていた遊矢と色違いの黄緑色の水晶のペンダントが光り輝くと同時に、俺の意識がブラックアウトしてしまった。
遊牙が突然項垂れたのを見て、観客が少しざわつく……しかし、遊牙が手に持っていた手札の一部が光り輝くのとほぼ同じとき、別のデュエルフィールドでストロング石島とデュエルをしていた遊矢の手持ちのカードが変化を見せた。そして、手札の輝きが収まると、前を向いた遊矢とシンクロするようにバッと遊牙が顔を上げる。そして、光輝いていたり、変化したカードを2人は2枚手札から手に取り、デュエルディスクの【両端に表側でセットした】。
「俺はスケール8のオッドアイズ・ミラージュ・ドラゴンとスケール1のオッドアイズ・ペルソナ・ドラゴンでペンデュラムスケールをセッティング!」
『俺はスケール1との星読みの魔術師とスケール8の時読みの魔術師でペンデュラムスケールをセッティング!』
二人の言葉と共に、遊矢の背後に2本の水色の柱が現れ、白い装束の魔術師……星読みの魔術師と黒い装束の魔術師……時読みの魔術師がその中に入っており、2本の柱の間に遊矢の胸に煌めくペンダントと同じようなものが浮かび上がる。そして遊牙の背後には黄緑色の2本の柱の中に緑と白の2色の竜……オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴンと赤色と白色の2色の竜……オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴンがそれぞれ柱の中に入っており、2本の柱の間に遊牙の胸で煌めく黄緑色のペンダントと同じものが浮かび上がり……そのペンダントの周りを風がぐるぐると渦を巻いていた。
「『これで、レベル2から7のモンスターが同時に召喚可能!』」
突然起きた出来事に、遊矢とデュエルしているストロング石島、そして遊牙とデュエルしているインセクター羽蛾は何が起きているのか、全く分からない、と言った様子であった。
「揺れろ、新風纏いしペンデュラム! 天空を翔ろ新風のアーク! ペンデュラム召喚! 舞い降りろ、俺の仲間達よ!」
『揺れろ、魂のペンデュラム! 天空に描け光のアーク! ペンデュラム召喚! いでよ、我がしもべのモンスター達よ!』
遊牙と遊矢の呼びかけに応じ、ペンダントが左右に大きく揺れる……そして、その軌跡から生まれた輪の中から複数の光が飛び出して、それが場に降り立つと、その光は消え、その場所にはモンスターが鎮座していた……
遊矢 フィールド
EMウィップ・バイパーATK1700
EMソード・フィッシュDEF600
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンATK2500
遊牙 フィールド
闇竜星-ジョクト(元からいる)
炎竜星-シュンゲイATK1900
秘竜星-セフィラシウゴDEF2600
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500
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第1話-4
自分のユーザーページをご覧になっている人はいらっしゃるとは思いますが、ご覧になってない方もいらっしゃると思いますので、改めて申しておきます。
自分は基本的に3DSで主に執筆をしております。
その為に、どうしても文字数制限として5000文字(大体4000文字以下ですが)以上にできません。その為、1話分を分割して執筆しております。
なので、見ごたえは少ないかもしれませんが、それでも話数でそれをカバーしていこうと思うので、その点はご了承くださいませ。
「い、一体何が起きて……って、さっきの召喚方法は……?」
突然行われた謎の召喚方法に対戦相手のインセクター羽蛾だけでなく、この試合を観戦していた観客たちにも、その戸惑いは伝染していった。
「魔法カード、命削りの宝札により5枚になるようにドロー。魔法カード“ギャラクシー・サイクロン”を発動し、セットカードを破壊する」
「なっ、ミラーフォースが……!」
「魔法カード“ミニマム・ガッツ”をジョクトをリリース、グレート・モスを対象にし発動。グレート・モスの攻撃力を0にする」
遊牙の発言と共に遊牙のフィールド上に大砲が出現し、その中にジョクトが吸い込まれていき、シュンゲイが大砲につながる導火線に火をつける。そして大砲からジョクトが勢いよく飛び出すと、グレート・モスにヒットする。その勢いに押され、グレート・モスはぐらりと体が揺れ、地面に倒れこむ。
究極完全態・グレート・モスATK5900→0
「なっ……!」
「バトルだ。オッドアイズ・ファントム・ドラゴン、究極完全態・グレート・モスに攻撃せよ。幻視の力 アトミック・フォース!!」
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンが咆哮をあげると、その口にエネルギーが集まり、その力が溜まるとグレート・モスへと、放たれる。起き上がれないグレート・モスはなにも反撃が出来ぬままファントム・ドラゴンの攻撃を受けて、そのまま爆発した。そして、その余波がインセクター羽蛾を襲う……!
インセクター羽蛾LP4000→1500
「ッガアアッ……! だ、だが……次のターンで貴様は終わりだっ!」
「なんの心配もない。このターンで終わるからな……オッドアイズ・ファントム・ドラゴンのモンスター効果発動! このモンスターが相手に戦闘ダメージを与えたとき、自分のペンデュラムゾーンにいるオッドアイズの数×1200のダメージを与える。俺のペンデュラムゾーンにいるオッドアイズモンスターは2体……よって、2400のダメージ!」
「なっ…………ギャアアアアアアアアアアアアッッッ!?」
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンの先程よりも激しい咆哮をあげると、ペンデュラムゾーンにいたオッドアイズモンスター達がその口にエネルギー弾を溜めると、そのエネルギー弾をインセクター羽蛾めがけて放った。それに気付いたインセクター羽蛾であったが、それから逃げる術はなく……その2つのエネルギー弾を受け、吹き飛ばされたのだった。
インセクター羽蛾LP1500→0
win yuga
インセクター羽蛾のライフが尽きた時、シンとその場が静まり返った。その様子を見届けたかのように遊牙は目をゆっくりと閉じた。そして、遊牙が再び目を覚ますと……何か不思議そうに辺りを見渡す。
「……あ、あれ? 終わってる……?」
遊牙の小さな呟きは誰の耳にも届かなかった……が、その静寂を破ったのは……MCであった。
『…………しょ、勝者……榊っ、遊牙ぁ!!』
MCの勝者コールにより、静寂だった観戦席は一気に沸き立った。突然の出来事に戸惑いを隠せない遊牙であったが、次第に状況を飲み込めたようで頬を緩めて両手を大きく振ってその歓声に応えた。
「……ふぅ。何か、勝てたっぽい……な」
選手用通路を歩きながらそう呟く遊牙……どうやら、何も覚えていないらしい。しかし、そんな彼の実情は知らない彼の応援団が彼の姿を捉え、その近くに駆け寄った。
「遊牙、お疲れさん。中々面白いデュエルだったよ」
「そうだな、やっぱ遊牙のデュエルはすっげーよ!」
「とても、素晴らしいデュエルでしたよ、遊牙さん。お疲れさまでした」
「なぁ、遊牙さん! あの召喚方法何なんだ? 初めて見たぞ!」
まず遊牙に話しかけてきたのは、遊牙の幼馴染であり外ハネの茶髪が特徴的で幼顔のやや背の低い女子で【柊柚子の姉】である……柊 杏子。その次に声をかけてきたのがクセッ毛の茶髪と青い眼が特長的ない紐の黒シューズに水色のGパン、黄色のシャツに袖が黒の赤いジャンパーの青年……高井星史(たかい せいし)。そして3人目に声をかけてきたのは星史と比べて背はかなり低めで黒目がちのややぼんやりとした目に、丸いラウンドで長めの黒髪ショートで耳から顎下へと前下がりに切りそろえている横髪が輪郭にかかっている桜柄の和装をしている少年……本田 火無菊(ほんだ ひなぎく)。そして、最後のは天然のウェーブパーマの黒髪を肩にかかるまで伸ばした白の制服を着用した少年で【権現坂昇の弟】……権現坂 暁(ごんげんざか あかつき)。
彼らは遊牙と同じく遊勝塾の塾生であり、今回遊牙の応援に駆け付けたメンバーである。
「まぁ、ちょっと怪しかったけどな……無事に勝ててよかったよ」
その後、遊矢達と合流。遊牙と遊矢はお互いに相手がペンデュラム召喚をしていたという事実に再び驚き(遊牙はわざと驚いたが)その後、互いのデュエルを見ることになった…………最も、遊牙の方は録画していた杏子の機転で音声ナシの状態だったが……
デュエル鑑賞会も終わり、ペンデュラム召喚について語ろうかどうしようか、という時に塾のチャイムが鳴る。今は既に表のドアは閉めているし、配達類は基本的に裏の住居用ドアのチャイムが鳴らされる
「なんだなんだ? 一体こんな時間に……」
「あ、俺が出ますよ」
「あっ、俺も!」
修造が入口へ向かおうと立ち上がろうとする……と、それを制して遊が先に向かい、それを追い掛けるように遊矢も後をおった。
さっき通路近くのドアを開けたときに分かったが、今はもう既に夕暮れ時だ。塾生の家族の人たちかと入口へと向かいドアを開ける……すると、そこにいたのは栗色の瞳で赤髪に前髪は薄い黄色の髪束が牙の様になっている少年、そしてその後ろにいたのは明るい茶髪を短く刈り上げて焦げ茶色の瞳を持つ青年の2人。遊勝塾の塾生は少ないからわかるけど……俺は知らない2人だった。
「えっと、榊遊牙君……だね?」
「え、あぁ……そう、だけど?」
青年の方が俺に向けてそう問いかけてきたので一瞬口ごもったけど素直にそう返す。一瞬迷ったのはなんで俺の名前を知っているのか……だったけど、中継の生試合を見ていたならまぁ納得だったので特に気にもならなかった。
「良かった。実は彼が君に用事があると言っていてね……自分は付き添い、みたいなものでね。まぁ、個人的に遊勝塾の事が気になっていたからここに来た、という訳だが」
青年の言葉に何か遠回りな言い回しに感じてしまったが……気のせいか、と思ってそのまま流すことに。今はとりあえずこの少年から話を聞く必要がありそうだな……
「分かった。それじゃあ、一応あなたも来てもらえます? 遊矢、念のために塾長に話を通して応接室に連れてきて」
「あぁ、俺自身もちょっと用があったのでな……」
「う、うん!」
遊矢に塾長を連れてくるよう指示を出して、俺は二人を応接室に案内する。この少年はどういった理由で俺に用があるのか、そしてこの青年(まぁ、同い年っぽい見た目だけど……)はどういった人物なのか……それを見極める必要があるからな。
「……えーと、ちょっと整理させてくれ」
「は、はい……」
んーと、少年の方の話は名前は東海 雄飛(とうかい ゆうひ)。偶然今日テレビで放送されていた俺のデュエルを見て、ここに来た。彼には兄がいて、名前は遊馬(あすま)といってLDSシンクロコース所属。その名前は俺も覚えている。俺が竜星デッキを入手した数日後に行われた大会(俺は出場はしなかったが……)で【幻獣機】デッキを用いて優勝。その後、当時の社長の赤羽零王に呼ばれて新たなデッキを受け取ったのちに自身の持っていたデッキを雄飛に託した。その後は赤羽零王の近くでデュエルの腕を磨く。しかし、その2年後……つまり今から3年前、突然姿を消した。その数日後に赤羽零王は電撃退陣し、零児が新社長に就任。兄の行方をLDSに直接教えてもらいに行くも『そもそも東海 遊馬という人物はいない』と一蹴される。どうしても行方を知りたかったが自分だけではもうやれることがない。だから、親に許可をもらって遊勝塾に入ってLDSの大会に出場し、そこで優勝すれば兄について教えてもらえると思いやってきた。そして俺に師事してデュエルの腕を磨きたい、とのこと。
そして…………青年……星野 遊輔(ほしの ゆうすけ)は旅をしている放浪デュエリスト。しかし、ここ舞網市で旅の資金が尽きたため、どうしようかと迷っていれば偶然今日のデュエルをテレビで見てここで働かせてほしいと思い立ってやって来た……だけである。そう、これだけだ。
言い方は悪いが遊輔の理由は雄飛と比べるとあまりにも短絡的だ。それにデュエル講師ならLDSの方が稼ぎは明らかに良いだろうし、今日のデュエルを見ただけで決めるというのも疑問が浮かぶ。しかし、肝心の塾長は自分以外にも講師がいるというのは非常にうれしいのでぜひとも君の実力を見たい、とのことでつい先程遊輔を連れてデュエルフィールドへ向かってしまった。まぁ、熱血だけど仮にも塾長だ。すぐに負けるだなんてことはn……『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?』……おい、今どう考えても後攻1ターン目か先攻2ターン目とかそのクラスだぞ……?
「まぁ、遊勝塾の仲間が増えるのは俺としてもありがたい。けど、俺を師匠と仰ぎたい、ようだけど……俺は師匠と言われるような人間じゃないぞ?」
「そうじゃないんです! その、なんというか……兄の面影、というか兄と重なる部分が多い、というか……」
あ~……これは、つまりそういうことか。うーん、まぁ……俺としては、そういうのに弱いんだよなぁ……
結局、俺は雄飛を弟子と認め……塾長は臨時講師、として遊輔を迎え入れることになった。
因みに、塾長と遊輔のデュエルは後攻ドローフェイズのバーンキルだったようだ……何があった?
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風纏いの振り子 番外編 αstory
とある高校生達との決闘目録-1
(※とあるシリーズとは一切の関係はございません。それっぽく書いただけです)
(※これは予約投稿ですので章タイトルは後で付けることになるので、まだ章タイトルねーよ! という苦情は受け付けておりません)
因みに、この番外編だけは毎日投稿として予約しておりますので、毎日夕方17時に見れるようにしておきます!
舞網市の某所。昼過ぎに遊勝塾へと駆け足で向かう2つの人影があった。
「火無菊! 何でお前今日あるって言ってくれなかったんだよ!」
人影の片方は……少しクセッ毛の茶髪と青い眼の青年。身長は170cmほどに見受けられ、赤い紐の黒シューズに水色のGパン、黄色のシャツに袖が黒の赤いジャンパーの服装であった。
「仕方無いでしょう、星史? 私だってついさっき遊勝塾のソリッドビジョンが直ったと報告を受けたんですから!」
もう一人、火無菊と呼ばれたのは……黒目がちのややぼんやりとした目に、丸いラウンドで長めの黒髪ショートで耳から顎下へと前下がりに切りそろえて横髪が輪郭にかかっている星史と呼ばれた青年よりは背の低い少年で、紫色の生地に淡い桜色の桜模様が描かれた和装を着ている。駆ける度にカランカランと下駄の心地良い音が鳴り響いている。
彼等はつい先日とあるジャイアントキリングを起こした兄弟、榊遊矢と榊遊牙の所属する遊勝塾の塾生である。
「火無菊ぅ、早くしようぜ! ……火無菊?」
クセッ毛の少年……星史は駆けながら友である火無菊に声をかける……も、振り返れば肝心な彼は足を止めている。どうしたのかと駆け足で戻り、再び声をかける。
「火無菊、どうしたんだよ……」
「いえ、あの方々……」
火無菊の指をさす方向を星史が見る……するとそこには…………
「よし、もう一度チャレンジだ、遊矢!」
「……あぁ! 手札を引いて……ペンデュラムカード2枚来た! 俺は EMオッドアイズ・ユニコーン と EMファイア・マフライオ でペンデュラムスケールをセッティング! これでEMヘイタイガーとEMフレンドンキーを特殊≪ビーッ!ビーッ!ERROR!ERROR!≫……なんでなんだろう……」
「うーん、ちょっとこの辺はまだ俺もいまいち感覚をつかめていないから、なぁ……」
遊勝塾のデュエルフィールド……ここでは現在、榊遊矢とその兄の榊遊牙が何やらペンデュラムカードを試しているようであったが、なかなかうまくいかない模様。しかし、遊牙の様子は少しソワソワしている様子だった。
「(あぁ~! じれったい!! 答えを言うのは簡単だよ? 簡単だけど! 遊矢の為にならないから言えないっ!! ついでに悩んでる遊矢が可愛いからこのまま見ていたいっ!!)」
……答えを言いたいが、弟(原作主人公)の為に黙っているだけであった(少し邪な想いもあるようだが……)
「……じゃあさ、視聴覚室で俺達のあの試合(自分のは遊矢の精神衛生の為に無音だけど)を見直してみようよ。何かヒントがあるかも知れないし」
「あぁ! その手があったな、行こうよ、兄さん!」
遊牙の提案に遊矢も大きく頷いて2人揃ってデュエルフィールドを出る。すると……
「遊矢! 出てきたって事はペンデュラム召喚をマスターしたの?!」
「……ペンデュラム召喚をマスターした割には微妙な顔だな、遊牙」
「どうだ、何かヒントはあったか? 二人とも……」
3人の男女が揃って遊牙と遊矢に声を掛けてきた。
「柚子……いや、まだ分からないんだよ」
遊矢は残念そうに柚子に首を振りながら返す。柚子は残念そうに肩を竦めた。
「残念ながらまだ手詰まりだよ、杏子。あ、これから視聴覚室を使っても良いですか、遊輔さん」
遊牙が肩を竦めて返答したのは外に跳ねた茶髪が特徴的な少女…のような背丈の女性……柊 杏子、そして立て続けに返答した相手は明るい茶髪を短く刈り上げて焦げ茶色の瞳を持つ青年……星野 遊輔。杏子はヤッパリか、と言った風に肩を竦め、遊輔は今はまだ誰も使っていないから大丈夫だと頷く。
遊輔の言葉に笑顔で頷き、遊牙は遊矢と共に視聴覚室へと入って行った。すると……それと入れ違いになるように入口のドアが開いた。
「あ、遊輔先生ー。おはよー!」
「ん…………星史……と火無菊か。どうした……ってその人達は?」
遊輔が自身が臨時講師をしている塾生である星史の声に真っ先に気付いて振り返る。星史の隣に幼馴染みである火無菊がいることを確認……したまではよかったが、その後ろにいる人物たちに存在に気付き、問い掛けた。
「なんか、舞網市までカードを買いに来たらしいんですけど、道に迷っていらしてて。お店の名前をお訊きしても分からないので先生や塾長なら何かご存知かと思ってお連れしたんです」
「風山蓮です。高校二年生だ」
「……朱志那蘭。同じく二年」
「不動島亮っす!! 同じく二年っす」
「黒霧劔菜だ。一応高校三年生で私達の部活のリーダーだから、よろしく頼むよ」
「僕は三納代祐司、三年生でタッグデュエリスト。そしてこっちが相方兼姉の……」
「こっちのいうな!! ……三納代椿姫よ、これでも三年生だから小さいとか思ったら焼き尽くすからね?」
遊輔の問いに星史……ではなく、火無菊が答える。遊輔が連れてきたという面々を見てみると、確かに学生服を全員が着ている事もあり、身長も全体的に高校生を彷彿させるものである、と感じ取り別段嘘をついている……とは思えない。と遊輔は結論付けた。
「まぁ、俺たちの自己紹介するまでもねぇが……改めて自己紹介をするとしたら……俺は高井 星史。中学2年の遊勝塾所属だ!」
「星史の幼馴染みの同じく中学2年生。遊勝塾所属の本田 火無菊と申します。お見知りおきを」
「私は柊 柚子です。星史や火無菊と同じ中学2年生で、遊勝塾所属です」
「アタシは高校3年。柊杏子。遊勝塾所属だよ」
「ここにいるメンバーでは俺がラストだな。星野 遊輔、18歳。一応、これでも遊勝塾の臨時講師だ。現在塾長は別件で不在でな……後は我が遊勝塾の誇るペンデュラムの開祖兄弟の中学2年の榊遊矢と俺と同い年の高校3年、榊遊牙がいるんだが……今は生憎とペンデュラム召喚の確認中で今は別室にいる。他にも小学生メンバーがいるのだが、今日は生憎と学校行事でな。他にも1人いるのだが、実家の手伝いで忙しいらしい。よって今いるのは俺を含めて7人だけだが、まぁゆっくりしていきな」
相手の自己紹介も終わった事もあり、星史の自己紹介を皮切りに遊勝塾の面々も自己紹介をする。遊輔は今この場所にいない人物達の自己紹介もしっかりとしておいた。
「……あの、ゆっくりって…………」
「ん、あぁ。多分だが……おっと、部長さんとやらがいらしたな」
落ち着いてきた所で互いにある程度距離を保ったまま身内での話し合いを始め……火無菊が不思議そうに遊輔に問い掛ける。遊輔がそれに返そうとしたとき、ちょうど相手方より黒霧劔菜がやってきたことで話は途切れた。
「や、お話の途中に失礼」
「確か黒霧さん、でしたね。確かカードショップをお探しとのことですが……」
「うむ、○○というカードショップなのだが……何か心当たりはおありだろうか?」
遊輔の元にやって来た劔菜。劔菜がお店の名前を問うも、その店の名前には聞き覚えがない。首を振る遊輔に劔菜は肩を竦める……
「ふむ……仕方あるまいな」
「まさか、それだけのためにじゃないでしょう。本題を素直におっしゃっては?」
納得する劔菜だったがそんな様子はお構いなしに遊輔はそう言い放ち、柚子と杏子に遊矢と遊牙を呼んでくるように指示をする。火無菊が全く分からないといった様子で「いったい何が……?」と分からない様子であったが、劔菜はフッと笑うと
「バレていたか……我らとぜひ練習試合を組んでいただきたい」
「その真意は?」
「うむ、近々我らのデュエル部はとあるチーム大会に出場する予定なのだが……まだ、まともなチーム戦をできていない。もし良ければ、チーム戦で戦わせていただけないだろうか? タッグデュエルを含めたもので、だ」
「ふむ……タッグデュエルを含めればそちらは5組。では3戦目にタッグデュエルを挟んだ合計5戦によるチーム戦で如何かな?」
「それで構わない。感謝する」
遊輔と話していた劔菜が部員達の元へと戻る……そしてそれを見届けた遊輔はクルリと星史と火無菊の方へと向けば笑って宣言した。
「と、言うわけで遊勝塾とあちらのデュエル部によるチーム戦の作戦会議を開始する」
「(まるで意味が分かりませんよ!?)」
火無菊が心の中で苦悶していると同時に柚子と杏子が遊矢と遊牙を連れてきたことで順番決めが始まった……
「さて、互いに決まったようだな。俺達遊勝塾チームは……」
「俺、高井星史が先発で行かせてもらうぜ!」
互いがメンバーが決まったところで遊輔が途中まで言うと、先輩だろうとお構い無しにタメで喋る中二……星史が一歩前に出て笑って宣言した。そしてどうやら相手は不動島亮という人物が先鋒のようだった。
「一応、ここは俺たちのホームみたいなもんだし……アクションデュエルかスタンディングデュエルか、好きなの選ばせてやるよ」
デュエル場に移動した星史はいつもの調子で亮に選択を迫る……
「まぁ当然俺はアクションデュエルをやらせてもらうんだがな……一応歳の差あるんだからよ、少しは敬語とか……」
「んなもん知るかっての。別に俺はいつもこんなんだし、変えろって方が無理だっつーの」
「……えっと、管制さん?アクションフィールド展開お願いします」
亮は星史の返しに怒りを覚えたようで、それをみた遊矢は思わず謝罪をする……
『えっと、星史がすみません……ん、と……アクションフィールド、オン! 〈悪魔の巣窟 伏魔殿(ふくまでん)〉』
管制室に移動した遊矢が起動し、リアルソリッドビジョンによってデュエル場に今回のデュエルで使用されるアクションフィールドが展開される……そして今回選ばれたのは〈悪魔の巣窟 伏魔殿〉。頭上にあるAカードの数々が詰まっている球体が浮かび上がったの以外では基本的には現存するフィールド魔法である『伏魔殿-悪魔の迷宮-』の画像とあまり変わらないようにも見えるが、彼らがいる場が荒野のようになっており、その少し先に悪魔の口のような入口があった。
「戦いの伝導に集いしデュエリスト達が!!」
まず初めに星史が先んじていつもの掛け声を始める。
「モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!!」
それに応じるように亮が掛け声を返す。
『見よ!! これがデュエルの最終進化系!! アクショ~ン……』
そして観客全員が叫ぶ。そして……
「「デュエル」」
星史と亮の宣言と同時に二人の頭上にあった球体が弾け、Aカードがフィールド内に散らばっていった。
はい、という訳で今回のコラボはドロイデンさんの「スピリットが遊戯王モンスターになってた件」より蓮・蘭・亮・椿姫・祐司らデュエル部メンツに来てもらいました!
現実的デュエリスト5名にうちのメンツはどう戦っていくのか!乞うご期待!!
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とある高校生達との決闘目録-2
デュエルが開始され、ランダムによる先攻後攻決めが行われた。その結果……
「先攻は俺だ! 俺のターン!」
星史が先攻となった。星史は己のターンであることを宣言すると即座に走り出し、その最中に手札を見て少し思案をする。
「……ま、手堅くいくか! モンスターをセット、カードを4枚セットしてターンエンド!」
少し眉をひそめていたがすぐに笑顔になれば手札全てを伏せ、そのままターンを相手へと明け渡し、入口を通過していった。
「何が手堅く、よ……羽箒されたらダメじゃない…………」
観覧ブースで見ていた他のメンバーであったが、星史の行動に杏子は思わず溜め息をついた。
「俺のターン!! ……よし、カードを1枚伏せて、魔法カード“手札抹殺”を発動するぜ! これによりお互いに手札を全て捨てて、その分ドローする!!」
「その手札抹殺にチェーンしてリバースカードオープン! “便乗”!!」
「墓地に捨てられたカード、“シャドール・リザード”、“暗黒界の術師 スノウ”、“暗黒界の龍神 グラファ”の順番で効果発動!! グラファで伏せカード1枚を破壊!! スノウの効果で“暗黒界の門”を手札に加え、リザードの効果で“シャドール・ビースト”を墓地へ送る。更に墓地へ送られたビーストの効果で1枚ドロー!!」
破壊された伏せカード
奈落の落とし穴
「へぇ、便乗破壊しないんだな。他の奴は便乗を狙ってくるってのが殆どなのに」
「うっせえ!! こっちにも戦術があんだよ!! てか、ビーストの効果でドローしたんだから、そっちもさっさと2枚引きやがれ!!」
「んじゃ、お言葉に甘えて相手がカードをドローしたから2枚ドロー」
星史 手札0→2
「伏せてた魔法カード“無の煉獄”を発動!! 手札が三枚以上の時、デッキからカードを一枚ドローし、エンドフェイズに手札を全て捨てる!!」
星史 手札2→4
「そんでもってフィールド魔法“暗黒界の門”を発動!!」
「……へえ、フィールド魔法か。珍しいな」
「珍しいって、別段フィールド魔法なんて誰でもよく使うだろ?」
遊輔の呟きに蓮が問い返すと、遊輔はキョトンとして肩を竦め説明しようとする……と
「ん、忘れたのかい? アクションフィールドでは……」
『ギャァァァァァァァ!?』
「!?」
ちょうど良いタイミングかどうかは分からないが亮のライフが1000減った。これは好機と言わんばかりに遊輔は続けて説明をする。
「……ご覧の様にライフに1000のダメージを受ける。それに、アクションデュエル中にフィールド魔法を貼った状態でアクションマジックを使おうもんなら使うと同時に1000の追加ダメージ。しかも“加速”とかでのダメージ遮断も許されない。まぁ、要するにアクションデュエルでフィールド魔法を使う人物は滅多に居ない、と言うわけさ」
「……マジか」
「イタタ……」
亮 LIFE 4000→3000
亮が自ら受けたダメージに頭を少し抱えながらも復活する……が、星史の笑いのツボにハマったようで、星史はゲラゲラと大爆笑していた。
「ダッハッハ! お前……いくらリアル……ソリッドビジョンだ……からって漫……画みてーなことする……んじゃねーよ! あー、腹いってぇ……」
「(このクソガキ、絶対にいっぺん絞める!!)俺はフィールド魔法“暗黒界の門”効果発動!!墓地のスノウを除外して、手札の“暗黒界の尖兵 ページ”を墓地へ捨てて一枚ドロー!!」
星史 手札4→6
「さらにページは墓地へ捨てられた時、墓地から自身の効果で特殊召喚する!! こい、ページ!!」
暗黒界の尖兵 ページ ATK1600→1900
「このままページを戻しても良いんだが、その前に魔法カード“ツインツイスター”で、手札の“暗黒界の狩人 ブラウ”を捨てて、伏せカード二枚を破壊!!」
「……そんなの通すわけねーだろっ! カウンター罠“大革命返し”でツインツイスターを無効にして除外する!」
「けどブラウを捨てたから一枚ドロー!!」
星史 手札6→8
「(ここでこれか……なら)俺はページを手札に戻して、墓地のグラファを特殊召喚する!!」
暗黒界の龍神 グラファ ATK2700→3000
「バトルフェイズに入るけど、そっちは何かあるか?」
「いや、今んとこはないな……強いて言うなら……」
星史はそう呟くと辺りを見渡す……そして1枚のカードを拾い、拾ったカードの内容を見ると少し笑みを浮かべて、拾ったカードをそのまま差し込んだ
「コイツをくれてやる! アクションマジック“伏魔殿の魅災硫”を発動! 相手プレイヤーに1000のダメージを与える!」
伏魔殿の魅災硫
(漫画版オリジナル)
相手プレイヤーに1000のダメージを与える
「ぬぉぉ!?」
亮 LIFE 3000→2000
「くそったれ!! グラファで伏せモンスターを攻撃!!ダークネスブレス!!」
「甘い甘い! リバースカードオープン! “攻撃の無敵化”! これでバトルフェイズ中の破壊を無効に! そして……」
セット→ブレイン・ジャッカー
「“ブレイン・ジャッカー”のリバース効果、発動! コイツをグラファに装備してコントロールを得る!」
「……メインフェイズ2に入り、俺は手札から“暗黒界の取り引き”を発動!!互いにカードを一枚引いて、一枚捨てる。俺はこの効果で二枚目のグラファを墓地へ捨て、その効果でブレイン・ジャッカーを破壊する!! 既に伏せカードを全て使いきったお前に発動できるカードはねぇぞ!!」
星史 手札8→10
捨てられたカード
幻影の壁
「そして俺はカードをさらに二枚伏せて、今引いた“墓穴の道づれ”を発動!! 互いに互いの手札を全て確認し、相手のカードを選んで墓地へ捨てる!! その後一枚ドローだ!!」
「ッチ、ピーピングか……まぁ、良いぜ。俺の手札はこれだ」
星史の手札
デーモン・ソルジャー
神の恵み
砂塵の大竜巻
死霊ゾーマ
ダーク・ネフティス
デーモン・ソルジャー
エンド・オブ・ザ・ワールド
ポルターガイスト
高等儀式術
ニュードリア
「……なぁ、俺の見間違いだよな? なんかだいぶ片寄った手札してないか?」
蓮がやや茫然自失になりかけつつもそう呟くと、蘭が優しく右肩に手を乗せる。
「……大丈夫、これは現実だよ?」
「……ウン、シッテル……」
「うん、やっぱりアイツは何であのデッキをしっかり回せるのかやっぱわっかんねぇ」
「まぁ、あれでも勝率6割ですし……私も何度か負けてますからね……」
驚くデュエル部の面々をよそに苦笑いをする遊輔に、火無菊はウンウンと頷いて返す。
「……うん、まぁ……砂塵で」
対戦相手のデッキに唖然としつつも、落とすカードを決めた亮。因みに亮の手札にはページしか居なかったため、簡単に割愛させてもらう。
星史 手札 10→12
「(よし、ここでこれなら)墓地へ捨てられたページを復活させ、手札に戻して二枚目のグラファを墓地から特殊召喚!! そして俺はモンスターをセット、ターンエンド。この瞬間、無の煉獄の効果で手札を捨てる。捨てたページを復活!!」
亮 LIFE2000 手札0
フィールド
『暗黒界の龍神 グラファ』×2 A 3000
『暗黒界の尖兵 ページ』 A 1900
伏せモンスター
伏せカード二枚
「よし、俺のターン! ドローカード!」
手札 13
ドローしたとき、少し亮が笑ったように見えた星史だったが、気のせいだと割り切ることに。
「うーん……まぁ、手始めに“ポルターガイスト”を発動。メインデッキ側の伏せカードを手札に戻す! このカードの発動と効果は無効化されないぜ?」
蓮はその台詞を聞くやいなや足下のアクション魔法を手にした。
「なら俺は選ばれたカードを、“レインボー・ライフ”発動!! アクション魔法をコストに、このターンのダメージを一切無効にし、その数値分ライフを回復する!!」
「ま、そう簡単にはいかねぇよな。けど、こいつぁどうだ? 俺は儀式魔法“エンド・オブ・ザ・ワールド”を発動! 手札のデーモン・ソルジャー2体を儀式素材とする!
現れろ! “終焉の王デミス”」
星史は壁に挟まっていたアクションカードを手札に加えると、そのままの流れで儀式召喚を行った。デーモン・ソルジャーが8つの炎となり、魔法陣の周りを灯す……すると、その中央の部分より、斧と槍が合わさった武器を両手に持った悪魔が姿を現した。
終焉の王デミスATK2400
「は、ドーザーが居ないデミスなんてチャーシューのないラーメンも同じだ!! 行くぞ、グラファ!!」
俺がそう言うと、グラファは分かったように俺を掴み挙げて……
「リアル人間大砲!! 発射ぁ!!」
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とある高校生達との決闘目録-3
「「「「「ぶー!?」」」」」
余りの奇行に蓮達観戦していたメンツは歓談しながら飲んでいた飲み物を一斉に吹き出してしまった。まさかそんなことをしでかそうなどと誰が考えるだろうか……
「あり得ない……あり得ない……いくら塔の上を狙いたいが為だけにそこまでするんだよ……普通に登れば良いだろう……登れない場所じゃねーだろ……」
「ん、まぁ実際に現実だしな……それにアイツもデュエリストだしなんとかなるだろ。それに遊勝塾の人間もあれぐらい簡単にできるだろ?」
「「「「「しない! ありえない! するはずがない!」」」」」
「できないとは言わないんだな? あ、頂上に激突した」
凄い轟音と土煙をあげてるフィールドを見ながら、蓮は苦笑するのだった。
「……ジェット塾という今はないデュエル塾がありましてね、そこはモンスターに<<自分を飛ばさせて>>アクションカードを拾う事が基本だと教える塾なんです。けども、怪我人が続出したのでオープンして3日で廃塾となったんです」
「まぁ、出来ないことはない。でも、怪我をしないためにしない。これが自然と暗黙の了解となったのさ」
蓮の言葉に火無菊が答え、遊輔が結論付けた。
「…………ぶっ飛んでんじゃねーの? 物理的と頭的に……まぁ、これ以上展開するつもりもねぇ訳だし……デミス、いけっ! デミスのモンスター効果! ライフを2000支払ってデミス以外のフィールド上のカードを破壊する! ついでに言うとラーメンに欠かせないのはメンマだろーが!!」
「…………お前もデッキがいろんな意味でぶっ飛んでるし……そもそも、ラーメンに必要なものの言争いをしている場合でもないだろう…………」
遊輔は今目の前での光景、並びに彼らの発言に頭を悩ませるのであった……
「罠カードォォ!! “バトルマニア”ァァァァァ!! そしてアクション魔法“ミラーコート”ォォォォ!! 対象はセットモンスターァァァァァ!! そしてレインボー・ライフの効果で1000回復ゥゥゥゥゥ!!」
亮 LIFE2000→3000
「これでデミスはセットモンスターに攻撃しなければならない!!」
「……大丈夫か? いろんな意味で」
「ふ、俺がいつ……大丈夫だと言った?」
\ チーン /
煙の晴れた瞬間、その言葉が似合うほどに亮は頂上で横たわっていた。
「……バトルマニア、か。でも、そう簡単に攻撃しねーよ! アクションマジック“伏魔殿の酢凰琉”!」
伏魔殿の酢凰琉(スコール) オリジナルアクションマジック
このターンの攻撃権利を放棄することで相手フィールドのセットモンスターを全て除外する。その後、除外したモンスターの数×1000ポイントだけ自分のライフを回復する
「この効果でお前のセットモンスターを除外し、ライフを1000回復!」
「させない!! アクション魔法“ノー・アクション”!! 相手の発動したアクション魔法を無効にする!! さらにレインボー・ライフの効果で、俺はアクション魔法のペナルティダメージ分、ライフを1000回復する!!」
亮 LIFE3000→4000
「っ、だが攻撃権利の放棄はコストだから攻撃は出来ない! 俺はカードを4枚伏せて墓地のデーモン・ソルジャーとブレイン・ジャッカーを除外して手札のダーク・ネフティスを墓地に送る! モンスターをセットしてターンエンド!」
星史 LIFE2000 手札2枚
フィールド
『終焉の王デミス』 A 2400
伏せモンスター
伏せカード四枚
「さて、俺のターン!!」
引いたカードを確認すると、亮は再びニヤリと口許を歪めた。
「俺はカードをセット!!」
「……なんだ、セットするだけか。俺の思い違いか……?」
「……そいつは俺のセットモンスターを見てから言いな!! リバースモンスターオープン!! “メタモルポット”!!」
メタモルポットATK700
「っ、メタモルポッド!?」
「こいつの効果は有名だよな!! 互いに手札を全て捨ててカードを5枚ドローする!! 俺の手札は0枚、そっちは二枚、さっきのピーピングで見るに、恐らくデッキに“ネクロ・ガードナー”ならまだしも“超電磁タートル”は入ってねぇ、そんなのはアクション魔法で代用すれば良いからな!!」
「まぁ、普通は入れねぇだろうな……けど、決め付けも良くないぜ?」
手札を捨てながら、亮の言葉にニヤリとしながら返す。その様子を見て火無菊は「というか、星史のデッキを初見でしっかり見抜けるヤツはまず居ないです。確実に……」と呆れた様子で呟いた。
捨てられたカード
怨念集合体×2
「いーや、お前は容れてない。お前が今捨てたモンスター……“怨念集合体”を見ても、お前が使ったカードを見ても、お前のデッキのモンスターは基本的に、いわゆる【オカルト】系のモンスターを中心として組み上げてる!! なら狼男のような姿をしたネクロ・ガードナーはまだしも、機械的な生物の姿をした超電磁タートルは容れてない!! 一枚でも容れればデッキコンセプトを破綻させるからな!! だから俺はこのカードを使う!! 今引いた魔法カード“魔法石の採掘”!! 手札の二枚を捨てて、墓地の手札抹殺を回収する!! そして捨てた中にある二枚目のシャドール・ビーストと暗黒界の狩人ブラウの効果で二枚ドロー!! そして、手札抹殺を発動する!! さぁ、手札を捨てな!!」
「……なら、試してみるか?」
星史はニヤリと笑いながら手札を墓地に送り、デッキより新たに5枚引く。
捨てられたカード
死霊伯爵
冥界の魔王ハ・デス
絵画に潜む者
夢魔の亡霊
首なし騎士
「……墓地へ捨てられた三枚目のグラファの効果発動!! 俺が破壊するのは、その伏せモンスターだ!!」
破壊されたモンスター
ニュードリア
「まぁ、オカルトっぽいって言われると……あながち間違いでもないけどな」
「……お前、今の状況分かってるのか?」
「大方、予想は付いてるさ。まぁ、一応“死霊ゾーマ”を発動し、特殊召喚するが……何かあるか?」
亮の問いかけに星史は笑って返しては伏せてあった罠モンスターのカードをオープンした。
「……星史の凄いところは、デッキの読めなさもだけど……自分がピンチでもそうでないときも、笑い飛ばす……遊牙さんと同じところなんだよなぁ……私には、到底……できない…………」
デュエル場の様子を見ていた火無菊は小さく、だれにも聞こえない声で呟いていた。
「……いや、何もないぜ。分かってるなら、このターンで終わらせるぜ!! 手札から再び魔法カード魔法石の採掘を発動!! 手札のページとリビングデッドの呼び声を墓地へ捨てて再び手札抹殺を加えて、発動!! 俺の手札は残り二枚、そっちは五枚だ。伏せカードの発動はあるか?」
「……いや、何もない」
「……なら最後に俺の切り札を見せてやる!! 俺はまず魔法カード“貪欲な壺”を発動し、墓地のシャドール・ビースト、シャドール・ヘッジホッグ、シャドール・リザード、ページ、ブラウをデッキに戻して二枚ドロー!! そして儀式魔法、“六絶神の生誕”!! フィールドまたは墓地のモンスターを除外して、手札の六絶神と名のつく儀式モンスターを特殊召喚する!! 俺は墓地のシャドール・ビーストを除外!!」
墓地から消えていくカードと共に、フィールドの上空が轟音と共に暗く闇に染まる。
「欲望の紫石から産まれし死の神よ、我がフィールドに舞い降り、あまねく全てを冥界へ送れ!! 儀式召喚!!
現れろ!! “六絶神 欲望のデス・ガル・ヴァトス”!!」
六絶神 欲望のデス・ガル・ヴァトスATK2000
「デス・ガル・ヴァトスが儀式召喚に成功したとき!! 墓地に闇属性モンスターが5枚以上存在するとき、デッキから手札が5枚になるようにドローする!! 俺の手札は今は二枚、よって三枚ドロー!! そして最後に俺は伏せていた魔法カード一時休戦を発動し、互いに一枚ドロー!!」
そしてこの瞬間、星史のデッキは0に、亮のデッキは残り六枚……完全に勝負は確定した。
「俺はこれでターンエンドだ」
「まさか、あの時と同じデッキデスだなんてな……やっぱりオレには40枚デッキは性に合わねぇや」
デュエルエンド
デッキデス
win 不動島亮
「そうでもねぇよ。お前が便乗を使ってこなきゃ、ビートダウンを狙って多分返り討ちになってたしな。年下と思って少し油断してた」
亮はそう言いながら星史に右手を差し出す。
「いいデュエルだったぜ。もし次に戦うなら、今度は油断無しで最初から本気で行くぜ」
「オレだって次やる時は負けねぇよ!」
そうして二人は互いに握手を交わし、フィールドから出た。
えーと、今回は地文は俺、榊遊牙が担当するぞ。作者はなんでもドロイデンさんとどこかへ食事に行くらしいから不在だ。何してんだよって感じだが……っと、本題に移ると……
とりあえず今回のコラボの後語りではデュエルが終わったらデュエルをしていた2組を呼んで色々話をしてもらおう、という感じだそうだ。そんなわけで今回はこの2人だ。デッキ紹介もしてもらおうか!
星史「よぉ! 高井星史だぜ! まぁ、分かってるとは思うが俺は【オカルト】だ」
亮「不動島亮っす! デッキは【スキドレ暗黒界】っすね」
…………ってかさ、星史。お前なんで調整中のデッキなんだよ
亮「え、どういう事っす?」
いや、アイツのデッキ、本来は60枚だし……
亮「……え?」
星史「いやぁ、昔みたいに40枚に抑えようと思ってさー! やっぱり60枚に戻した方がいいよなぁ、うん」
ついでに言うと、アイツはコンセプトデッキの様に見えてしっかり汎用性のあるカードも多いし……ってか、今回それいっぱい外してたんじゃねーかよ!
星史「アハハ……んなこと言われたって俺は昔のデッキに戻しただけだっつーの」
亮「……えーと、つまり?」
アイツのデッキ本来の奴なら『強欲で貪欲な壺』、『紅蓮魔獣 ダ・イーザ』、『カオス・エンド』……それと、『超電磁タートル』も入っちゃってる……って訳だ
星史「いや、それらはもう外してるぜ? 他にも入れたいやつあったからな!」
亮「入れてた!? え、だって……デッキコンセプトが…………」
こいつがコンセプトを守る、といつから勘違いしていた?
亮「いや、だって実際に……」
アイツはコンセプトデッキに見せかけた謎デッキでコンセプトなんてあったもんじゃない。それっぽく言うならば【オカルトっぽいデッキ】だな。
亮「」
星史「よーし、デッキ組み直したぜ! やっぱり、60枚デッキの方が落ち着くな!」
……もうそろそろ時間だな、それじゃあ、2人とも。何か最後に一言……
星史「次に俺がデュエルする時は俺の本来のデッキを見せてやるよ!」
亮「…………まぁあれだな。デュエルの腕はともかく、誰彼構わずのため口には気を付けろよ、何せ世界にゃタメ言ったら毒ぶっ刺す変態クラゲ野郎みたいなのがいるからな、うん」
星史「努力はするぜ」
…………ダヨネ
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とある高校生達との決闘目録-4
「……では、第2試合目ですね。遊勝塾は私、火無菊が行かせていただきます。対戦相手となられる方はアクションデュエルとスタンディングデュエル、お好きな方をお選びください」
先程まで対戦していた二人がデュエル場より出てくると目を軽く閉じていた火無菊がスッと一歩前に出て軽く会釈をした。
「ふむ、では二番手はこの私、黒霧劔菜がお相手奉ろうか? 最も、私は運動は苦手なため、スタンディングデュエルを選ばせてもらおうか」
そう言って劔菜先輩は微笑みながら前に出る。
「スタンディングデュエルですね、畏まりました。遊矢、背景だけ変更してくれます?」
火無菊の問いにデュエル部のメンバーで返答したのは部長を務める黒霧劔菜。そして劔菜の希望を受けて火無菊はゆったりとしたお辞儀をしては管制室にいる級友の遊矢へと伝え、遊矢もそれに頷く。
「……ところで、君は本当に男子かい? 見た目がどうも女子のそれに見えて仕方ないのだが……というより男の娘なのか?」
「私は一応正真正銘の日本男子ですよ。まぁ、私自身が身に付ける着物も女性ものでも背丈は合いますし遊矢や星史みたいな口調は苦手ですから、余計にそう感じられるのでしょうね……しかし、それはそれです。星史の弔い合戦と参らせていただきます!」
デュエル場に移動したあと、劔菜のストレートな問いかけに苦笑いをしつつも真剣な表情になって言い放つ。当の本人である星史は「俺は死んでねぇって! ……まぁ、アイツは優しすぎるからな」と突っ込みを入れるもすぐに笑って火無菊を評価する。
『それじゃあ、次のデュエルでは背景だけ変えます!』
そして遊矢の声に伴いデュエル場に映し出されたのは街中のデュエル場……否、近くに見えるのは対の『青眼の白龍』の銅像、そして1棟の高層ビル……そしてそのビルの入り口上部に書かれた社名は《海馬コーポレーション》。つまり、海馬コーポレーション前のデュエル場である。
「……なるほど、まさかかの有名なK.C.社前にするとは……いっそのこと海馬タワーの屋上でも良かったのだが……まぁ背に腹は変えられんか」
そう言って劔菜はデュエルディスクを展開する。そしてそれに呼応するように火無菊もデュエルディスクを展開する。
「「デュエル!!」」
劔菜 LIFE4000
火無菊 LIFE4000
「では、私の手番からです。私は“伝説の黒石”を通常召喚致します。そして伝説の黒石をリリース……デッキより現れてください。レベル7、“真紅眼の黒竜”!」
真紅眼の黒竜ATK2400
「そして魔法カード“レッドアイズ・インサイト”をデッキより“真紅眼の黒炎竜”を墓地に送り発動します。デッキより……“真紅眼の鎧旋”を手札に加えます。更に“紅玉の宝札”を手札の真紅眼の黒炎竜、デッキより2体目の真紅眼の黒竜をコストに発動しまして2枚ドローします。そしてカードを2枚伏せてこれにて私の手番を終了致します」
火無菊LP4000
手札2
真紅眼の黒竜ATK2400
伏せカード
伏せカード
「私のターン、ドロー!! ……ふむ、【レッドアイズ】……確かそれなりに貴重価値が高いうえに、バーン戦術も取れるデッキだったな……ならば私は手札から永続魔法“水銀海に浮かぶ工場島”と“闇の聖剣”を発動!!」
「……? どちらも初めて見るカードですね……」
「最もこの二つのカードは今は効果が適用されないから放っておいてくれて構わないさ。さらに私は“氷盾の守護者オーシン”を攻撃表示で召喚!!」
氷盾の守護者オーシンATK100
「オーシンは召喚、特殊召喚に成功したとき、守備表示になる。そして私はカードを二枚伏せて、ターンエンドさ」
剱菜 LP4000
手札1
氷盾の守護者オーシンDEF1800
闇の聖剣
水銀海に浮かぶ工場島
伏せカード
伏せカード
「出てきたモンスターも初めてみますね……まぁ、そこまで気にするものでもないですかね……私の手番ですね。ドロー!」
手札2→3
「……あまり使いたくはありませんが、仕方ありませんね。魔法カード“真紅眼融合”を発動!」
「げ、融合!?」
「【レッドアイズ】だからあるとは思ってたがなんつーレアな物を……」
蓮と亮は発動されたカードを見て思わず苦笑いをする。それもそのはず。舞網市では融合やシンクロ、そして最近出てきたエクシーズ……これらの関係するカード軍はどれも数はそれほどなく、どれも高価なものである。
「火無菊ん家は金持ちだからな、必要なカードはあっという間に集まっちまう。遊勝塾の中でもアイツだけだよ、融合召喚を使うのは……」
「へ~」
驚くチーム決闘部の様子を見て星史はフッと笑ってそう説明をする。
「私はデッキの真紅眼の黒竜と“真紅眼の凶星竜-メテオ・ドラゴン”を墓地に送り、融合!
紅き目を持つ黒竜よ、紅き目の凶暴なる竜と混じりて、今ここに降臨せよ!
融合召喚! レベル8! “流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン”!」
流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンATK3500
「流星竜……なるほど、いきなり最高火力か……といっても伏せカードはまだ使わないがな」
「融合召喚に成功した流星竜のモンスター効果です。デッキより“真紅眼の凶雷皇-エビル・デーモン”を墓地に送り、その半分、1250のダメージを与えます!」
剱菜LP4000→2750
「……く、その効果の終了時罠カード“プレゼントカード”を発動!! 相手は手札を全て捨てて、手札が5枚になるようにドローする!!」
「わざわざ、相手の手札を5枚に……?」
捨てたカード
・黒炎弾
・真紅眼の飛竜
「この瞬間、“水銀海の工場島”の効果が発動する!! 相手ターンに相手の手札がドローフェイズ以外で増えたとき、増えた枚数分、相手は手札からカードを墓地へおくる……墓地アドは怖いが、レッドアイズで手札0ならダムドもレダメも無いだろう?」
「なるほど、そういう事でしたか。これでほとんどのドローソースの意味は無くなってしまった、と……まぁ、今引いたのはすべてモンスターですから、こちらとしては圧縮できた、と捉えさせてもらいます……バトルフェイズです! 真紅眼の黒竜で氷盾の守護者オーシンに攻撃! 黒炎弾!」
捨てたカード
・真紅眼の飛竜
・真紅眼の飛竜
・レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン
・真紅眼の凶雷皇-エビル・デーモン
・黒鋼竜
「攻撃に対してカウンター罠“攻撃の無力化”を発動する!!」
「ふむ……メイン2に移行しますがこのターンは手札もないですし、真紅眼融合のデメリットの効果で何も動けないですね……このままターンを終えます」
火無菊LP4000
手札0
真紅眼の黒竜ATK2400
流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンATK3500
伏せカード
伏せカード
「私のターン!! ……私はモンスターをセット、さらに“一時休戦”を発動する。まぁ、最も、オーシンには水銀海と同じく、相手の手札が増えたときその枚数分捨てさせる効果がある。しかも相手ターンのみ指定が無いから、そちらは引けないがな」
「ふむ、実質そちら有利になるだけのカードと変貌しますか……心底胸糞悪くなりますね……潰したくなりますよ」
「私はカードを一枚伏せてターンエンド」
剱菜LP2750
手札0
氷盾の守護者オーシンDEF1800
セットモンスター
闇の聖剣
水銀海に浮かぶ工場島
伏せカード
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とある高校生達との決闘目録-5
「では、私のターンです。ドロー……!」
ドローカードを確認した火無菊は少し目を丸くするとそのカードを手札としてそのまま加えてバトルフェイズへと移行した。
「メインフェイズは飛ばしてバトルフェイズです。真紅眼の黒竜で氷盾の守護者オーシンに攻撃! 黒炎弾!」
「まぁ流石に最優先で潰すか……」
「……では、続いてセットモンスターに流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンで攻撃! 黒炎流星弾!」
「セットモンスターは“ミーア・バット”だ。そして破壊された瞬間、伏せていたカード、“呪の覇王 カオティック・セイメイ”の効果を発動する!!」
「魔法・罠ゾーンにモンスターが……!?」
「このカードは魔法・罠カード扱いでセットできる。そしてフィールドのモンスターが破壊されたとき、相手フィールドのモンスターの攻撃力を、発動したターンのエンドフェイズまで半分にし、さらにこのとき、闇属性モンスターが破壊されたことにより、フィールドに特殊召喚できる!! 私は流星竜を選択させてもらう!!」
するとフィールドの空が暗雲に包まれ、空に雷鳴が鳴り響く。
「借り物だが、使わせてもらうぞ蓮!! 祖は呪う、混沌を呼べと猛り狂え!! 現れろ! レベル8“呪の覇王 カオティック・セイメイ”!!」
呪の覇王 カオティック・セイメイATK2000
流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンATK3500→1750
「っ、メテオ・ブラック・ドラゴン!」
「なるほどね……剱菜が貸してって言ってたの、あのカードだったのね?」
椿姫が納得するように聞いてきて、蓮は頷く。
「今回は使うつもりが無かったですし、それに先輩のデッキとも相性が良いんで」
「まさかそれをいきなり成功させるとはね……いやぁ、凄いわ、誉めてあげるわ」
「……その身体で誉められてもグホァ!?」
椿姫の裏拳がお腹に決まったかと思うと、今度は杏子の拳が蓮の背中を襲った
「な、なんで柊さん……まで…………ガクッ」
「あら、ごめんなさい。なんか自然と体が動いてしまってねぇ。普段はこうならないんだけど、何かね」
「…………これは蓮の自爆だね」
こんなことが観戦場所にてあったらしい……
「……仕方ないですね。このままエンドフェイズに移行し、墓地の3体の真紅眼の飛竜の効果を発動します。通常召喚はしていませんので、3体を除外し……レッドアイズモンスターである真紅眼の凶雷皇-エビル・デーモン、真紅眼の凶星竜-メテオ・ドラゴン、“レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン”を特殊召喚し、そのままターンエンドです。これにより、カオティック・セイメイの効果が切れ、攻撃力が元に戻ります」
「……なるほど、プレゼントカードが仇になったか……」
火無菊LP4000
手札1
真紅眼の黒竜ATK2400
流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンATK3500
真紅眼の凶雷皇-エビル・デーモンATK2500
真紅眼の凶星竜-メテオ・ドラゴンDEF2000
レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンATK2800
伏せカード
伏せカード
「私のターン!! ……よし、私はチューナーモンスター“闇騎士ケイ”を召喚!!」
闇騎士ケイATK1800
「私はレベル8“カオティック・セイメイ”にレベル4“闇騎士ケイ”をチューニング!!
漆黒の闇にて振るう暗黒の剣、覇の雷を異界の地にて轟かせ!! シンクロ召喚!!
現れろ、レベル12!! “騎士の覇王 ソーディアス・アーサー”!!」
騎士の覇王 ソーディアス・アーサーATK3500
「流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンと同じ攻撃力3500のモンスター……!? それに、シンクロ召喚ですか……!」
「ソーディアス・アーサーの効果発動!! 1ターンに1度、墓地の攻撃力2000以下の闇属性モンスターを特殊召喚できる!! 私はカオティック・セイメイを復活!!」
呪の覇王 カオティック・セイメイATK2000
「バトルだ!! ソーディアス・アーサーで流星竜を攻撃!!」
「相打ち狙い……? 迎え撃ちなさい、流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン!」
アーサーの剣と流星竜の鉤爪がぶつかり合い、やがて剣がドラゴンの喉に突き刺さり、鉤爪は鎧を貫いて互いに爆発、四散する。
「……仕方無しとはいえ、これで黒炎弾によるワンショットキルは防げた……続けてカオティック・セイメイでレダメに攻撃!!」
「攻撃力が低いのに……攻撃?!」
「カオティック・セイメイとの戦闘によって、私は戦闘ダメージを受けない!! さらに破壊されたことにより、相手のライフを1000吸収して、墓地から再び特殊召喚する!!」
火無菊LP4000→3000
「さらに墓地のミーア・バットは、手札が0でフィールドのレベル4モンスターが破壊されたとき、フィールドに特殊召喚できる!! 永続魔法闇の聖剣の効果で、破壊されたモンスターのレベルは3または4としても扱うことができる!!」
ミーア・バットDEF500
「バトルフェイズに特殊召喚されたことにより、セイメイは再び攻撃できる!! もう一度セイメイでレダメで攻撃!!」
「っ、させない! リバースカードオープン! “次元幽閉”! カオティック・セイメイを除外します!」
「……ここで次元幽閉か……手札もフィールドもほぼ尽きた……ここまで、か。ターンエンド」
剱菜 LIFE2750 手札0
フィールド
ミーア・バットDEF500
闇の聖剣
水銀海の工場島
「私のターン、ドロー」
手札1→2
「……墓地も有益なカードは見えなかった筈……なら、バトル! エビル・デーモンでミーア・バットを攻撃! 魔霧炎!」
エビル・デーモンが天へと両腕を掲げると、天空から無数の炎の弾がミーア・バットめがけて降り注いだ。
「……ついにはモンスターすら居なくなった……これまでか……」
「……対戦、ありがとうございました。このデュエルは今後の良き糧とします。レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンでダイレクトアタック! ダーク・メガフレア!!」
剱菜 LIFE2750→0
デュエルエンド
ライフキル
win 本田 火無菊
「Aaaaaaathrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!!」
「「「またか剱菜(先輩)!?」」」
「ファッ!?」
「突然なんだよ!?」
突然の剱菜の叫びに蓮らは突っ込み、遊輔と星史は驚きの声を上げる。他の遊勝塾のメンバーも声には出ていないが、驚いている様子だった……
「あー、気にしなくても良いですよ、剱菜先輩、自分を円卓の騎士のランスロットだと思い込んでる節があるんで」
「……サブデッキも確か、【聖騎士】で組んでたぐらいだし……いつもこんな感じだから気にしたら負け……」
「そ、それでいいんですか……?」
決闘部のメンバーの落ち着き具合に思わず呆れ口調で柚子が問いかけていた……
「Aaaathrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!!」
さて、何だかんだで2パート1試合のペースだな。このペースで進めばパート11くらいで全デュエルが終わりそうだな。あっちの方はどんなペースなんだろうか……っとと、今回もデュエルを終えた2組と色々話し合おうと思うぜ。今回は……この2人だな
火無菊「本田火無菊です。私のデッキは【真紅眼の黒竜】ですね」
劔菜「黒霧劔菜だ。デッキは【疑似不死ループ】というものだな」
火無菊「あ、戻ってるんですね」
作者が後書きに呼ぶにあたってあの状態じゃあまともに話せそうにないってんでデュエルしたんだと。んで、俺が様子を見に行ったらノーダメージで作者が負けていた。
火無菊「……あれ、作者のデッキって【ジャンクシンクロ】でしたよね?」
劔菜「とても有意義なデュエルだった。懐かしのカードがいくつか混じっていたがな。『人食い虫』とか『ファイヤー・ウイング・ペガサス』とか『ミスターボルケーノ』とか」
火無菊「……人食い虫は分かりますが他2枚……」
なんでも、懐かしいのがあったから入れてみた、反省はしているが後悔はしていない、とのことだ。ちなみにミスターボルケーノのカードは大分ボロボロだった。
劔菜「因みに、【真紅眼の黒竜】という事だったが……どういった軸で回しているんだ? 大体内容は分かるが……」
火無菊「はい、私のは【真紅眼の黒竜】の中でも【デュアル軸真紅眼の黒竜】というものです。アクションデュエル時には外していますが『化合電界』を軸に回したりしております」
劔菜「成程な……しかし、腑に落ちない事がある。さっきのデュエルでの初手の手札の内容を教えてほしい」
火無菊「えっと、『伝説の黒石』『レッドアイズ・インサイト』『紅玉の宝札』『真紅眼の黒炎竜』『黒炎弾』ですね」
劔菜「ふむ、では質問だ。最初のターンでなぜ黒炎弾を発動しなかったのだ? 真紅眼の黒竜はフィールドに存在しているのだから、発動は出来たはずだ」
あー、その事……まぁ、【遊勝塾のメンバーならいつもの事だから】気にならないな。
劔菜「???」
火無菊「実は、私はあまりバーンカードは好まないのです。ですから、『レッドアイズ・バーン』も入れていませんし、黒炎弾も1枚のみです」
劔菜「成程な。しかし、それでは守備に特化したデッキにはかなり苦戦をするのでは?」
火無菊「構いません。その為の除去カードもそこそこ入れておりますので、その辺りは気にならないですね」
それじゃあ、そろそろ締めといこう。二人とも、最後に言う事はあるか?
劔菜「勝負において躊躇いは隙も同然だ、そして同時に相手を見下してることと同じだ。優しいだけでは勝てるものも勝てなくなるということを忘れるな」
火無菊「ご安心を。次は私の本気をお見せ出来たら良いかな、と思います」(ニッコリ)
遊牙・劔菜「「!?」」
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とある高校生達との決闘目録-6
「さて、三戦目……予定通りタッグデュエルの時間よ!! 相手は誰かしら?」
「姉さん……挑発するのは無しだよ……ホント。あ、遊矢君だっけ? フィールドはスタンディングでお願いします」
「……あぁ、相手はアタシと柚子が受け持つよ。生憎と遊勝塾だけじゃなく大抵のデュエル塾はシングルデュエルプレイヤーが多くてね。一応タッグデュエル用のデッキは組んでたが、試せなかったんだよ。今回はデッキためしのつもりで胸を借りにいくよ」
「え、っと……宜しくお願いします!」
椿姫の声かけにハッと我に返った杏子がそう告げると、柚子も会釈をする。
「……あー、もしかして剱菜のアレに動揺しちゃった感じ?」
「? 祐司それって……あー、そう言えばこの子達初見だったわね、慣れすぎて忘れてたわ……」
「慣れ……るもの、なのかな……?」
「慣れては絶対にダメなものよ……間違いなく」
『それじゃあ、スタンディング用にしますね! 『天獄の大地』!!』
4人がデュエル場に入ったのを確認した遊矢がそう宣言すると、フィールドに映写されたのは天国のような地獄のような……しかし、そのどちらにも当てはまりそうにもない、きれいな青空の広がる赤黒い地面の野原であった。そして背景が変わったのを見て4人はデュエルディスクを構えた。
「「「「デュエル!!」」」」
祐司&椿姫LP8000vs杏子&柚子LP8000
「先行は私よ!! 私は手札から速攻魔法“手札断殺”を発動!! 私と……そっちの最後だから柚子は手札を互いに2枚墓地へ送って、2枚ドローする!! 私は“ボルト・ヘッジホッグ”と“ジェット・シンクロン”を手札から捨てるわ!!」
「え、っと……それ、じゃあ……“幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト”と“幻奏の音女エレジー”を墓地に送ります!」
「続けて私は手札の“ネクロ・ガードナー”を墓地へ送り、魔法カード“ワン・フォー・ワン”を発動!! デッキからチューナーモンスター“ガード・オブ・フレムベル”を守備表示で特殊召喚!!」
ガード・オブ・フレムベルDEF2100
「そして私はカードを一枚伏せて、ターンエンド!!」
祐司&椿姫LP8000
手札
5:1
ガード・オブ・フレムベルDEF2100
伏せカード
「さて、次はアタシね。アタシのターン、ドロー!」
ドローした杏子はふんふん、と頷けば手札の中の1枚を手に取った。
「アタシは“クリバンデット”を召喚!」
クリバンデット ATK1000
「そして、手札の“堕天使イシュタム”の第1の効果を“堕天使スペルビア”と共に捨てて発動するわ。これに何かチェーンはあるかしら?」
「特にチェーンは組まないわ、続けてどうぞ?」
「じゃあ、お言葉に甘えて、2枚ドロー……うん、これなら……魔法カード“堕天使の戒壇”を発動。守備表示で堕天使スペルビアを特殊召喚」
堕天使スペルビアDEF2400
「堕天使スペルビアの効果でイシュタムを特殊召喚する……けど、どうする?」
「悪いけどイシュタムからの戒壇のループは勘弁被りたいわ。永続罠“デモンズ・チェーン”!! スペルビアの効果は無効よ!!」
「おっと、これじゃあ仕方ないわね……カードを4枚セット。これでターンを終えるわ。そしてクリバンデットのモンスター効果。この子をリリースしてデッキトップ5枚を公開、その後魔法・罠を1枚選択してそのほかを墓地に送るわ。デッキトップは5枚はこれね」
公開されたカード
・魅惑の堕天使
・堕天使降臨
・背徳の堕天使
・堕天使の追放
・アテナ
「堕天使の追放を手札に加えて他は墓地に。ターンエンドよ」
杏子&柚子LP8000
手札1(堕天使の追放):5
堕天使スペルビアDEF2400(デモチェにより効果無効)
伏せカード
伏せカード
伏せカード
伏せカード
「それじゃ僕のターン! ……僕は魔法カード“マジックプランター”を発動、その効果で役目を終えた“デモンズ・チェーン”をリリースして二枚ドロー!! ……よし、僕は今引いた“ハーピィの羽箒”を発動!! そっちの伏せカード全てを破壊する!!」
祐司の発動したハーピィの羽根箒を見て杏子は目を丸くしては少し微笑み、伏せカードを1枚だけ発動した。
「……チェーンしてこのカードを発動するわ。“アーティファクトの神智”、発動! こっちはもうないけど、何かチェーンはあるかしら?」
「“アーティファクト”!? た、確かに相性は良いのかもしれないけど……僕はそれにチェーンするカードはないよ」
「じゃあ、効果処理させてもらうわね。まずは神智の効果でデッキから“アーティファクト・カドケウス”を特殊召喚するわ」
アーティファクト・カドケウスDEF2400
「そして貴方のハーピィの羽根箒で私たちのフィールドの魔法罠ゾーンのカードが破壊される、と……良かったじゃない。伏せカード、無くなったわよ?」
破壊されたカード
・アーティファクトの神智
・アーティファクト・デスサイズ
・アーティファクト・アイギス
・アーティファクト・ムーブメント
「やっぱりデスサイズも仕込んでいましたか……」
「ふふ、このターンで決めようと焦りすぎたかな? では、破壊されたカードの効果発動よ。チェーンは“アーティファクト・デスサイズ”、“アーティファクト・アイギス”、“アーティファクト・ムーブメント”、アーティファクトの神智の順よ。まず神智の更なる効果、相手に破壊されたことによりガード・オブ・フレムベルを破壊。アーティファクト・ムーブメントの効果で相手に破壊されたことにより次の相手のバトルフェイズスキップ。アイギスは相手ターンに破壊されたことで特殊召喚されたこのターン中にアーティファクトは相手による効果破壊耐性と相手カードの対象にならない。最後にデスサイズの効果でこののターン中、エクストラデッキからモンスターの特殊召喚を封じるわ。あ、それとついでにカドケウスの効果でドローもしておくわね」
アーティファクト・アイギスDEF2500
アーティファクト・デスサイズATK2200
手札
1→2→3
「さぁ、これで私はもう残念ながらチェーンするカードは今は無くなったわ。さぁ、お好きにどうぞ?」
「……確かに驚きはしました。けど、ある意味では予想の範囲内、寧ろフィールドを空っぽにしてくれてありがとうと言いたいですよ」
「……どういうこと、かな?」
「……こういうことですよ!! 相手フィールドにモンスターが存在し、自分のフィールドにモンスターが存在しないとき、僕は手札の魔法カード“ガガガ学園の緊急連絡網”を発動!! 特殊召喚を封じられてないデッキから現れろ!! “ガガガマジシャン”!!」
ガガガマジシャンATK1500
「確かにメインデッキは封じられてない、でも……その子の効果でなんとか出来るのかしら? 見たところ、そこまでこの場面で活躍するとも思えないのだけれど……」
「確かにガガガマジシャンはシンクロ召喚の素材にはできないし、何よりこのターン、エクシーズ召喚すらできない……けど、このカードも、このデッキでの使いようはあるんですよ。僕はさらに魔法カード“手札抹殺”を発動!! これにより僕は残りの手札四枚を捨てる!!」
捨てたカード
ドッペル・ウォリアー
超電磁タートル
ゾンビ・キャリア
馬の骨の対価
「超電磁タートル、厄介なものが落ちたわね……良いわ、通しましょう」
捨てたカード
・堕天使の追放
・アテナ
・堕天使スペルディア
「そして互いに捨てた枚数分ドロー!! ……ってスペルビアとアテナかよ!? 引き運良すぎでしょ!? ……俺はカードを二枚伏せ、モンスターをセット、バトルフェイズに入ってムーブメントの効果で強制スキップ、メインフェイズ2に入るが、何かあるか?」
「……いーえ、特には?」
「ならメインフェイズ2、僕は手札から魔法カード“太陽の書”を発動!! ひっくり返れ!! “メタモルポッド”!!」
メタモルポッドATK500
「メタモルポッド!? そうくるだなんて……!」
「メタモルポッドの効果で、手札を互いに全て捨てて、デッキからカードを五枚ドローする。いや~、まさかこんなに上手く使えるとは思ってなかった。ちなみに僕の手札は今は0だ、だからそっちだけ捨ててください」
「草食系な顔して案外グイグイ来るのね、そういうのは嫌いじゃないなぁ?」
杏子は笑ってそう言うものの、その笑顔はまさに張り付けた、という言葉が当てはまるほどに感情が籠ってなかった。
捨てたカード
・アーティファクト・モラルタ
・堕天使マリー
・堕天使エデ・アラーエ
手札
祐司0→5
杏子0→5
「分かってるさ。僕はカードをさらに二枚伏せて、ターンエンド!!」
何か話している祐司と椿姫であったが、手早く済ませると追加のセットでターンを終えた
祐司&椿姫LP8000
手札3:1
ガガガマジシャンATK1500
メタモルポッドATK500
伏せカード
伏せカード
伏せカード
伏せカード
「私のターン……ドロー!」
柚子は手札を見てどう動けばいいかゆっくりと見渡しながら自分にできることを考えて、1枚を手に取った。
「えっと……スタンバイフェイズ、速攻魔法カード“サイクロン”。私から見て左から2番目を破壊します!」
「ならその伏せカードトゥルース・リインフォースを発動!! デッキからドッペル・ウォリアーを特殊召喚するよ」
ドッペル・ウォリアーDEF800
「っ……えっと「“堕天使マリー”は墓地で発動する効果を持つわよ、柚子」あっ、えっと……スタンバイフェイズに堕天使マリーのモンスター効果発動! 私たちのライフを200回復する!」
LP8000→8200
「メインフェイズ! ここ、は……デスサイズとアイギスをリリース!
天上に響く妙なる調べよ。眠れる天才を呼び覚ませ
いでよ! レベル8、『幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト』!」
幻奏の音姫プロディジー・モーツァルトATK2600
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とある高校生達との決闘目録-7
現在の双方の状況
祐司&椿姫LP8000
手札3:1
ガガガマジシャンATK1500
メタモルポッドATK500
ドッペル・ウォリアーDEF800
伏せカード
伏せカード
伏せカード
杏子&柚子LP8200
手札5:4
堕天使スペルビアDEF2400
アーティファクト・カドケウスDEF2400
幻奏の音姫プロディジー・モーツァルトATK2600
(※現在:モーツァルト召喚直後)
「特に僕はチェーンしないよ」
「それじゃあ……幻奏の音姫プロディジー・モーツァルトのモンスター効果! 手札から……“幻奏の音女エレジー”を特殊召喚!」
幻奏の音女エレジーATK2000
「エレジーの効果! 自分フィールド上の天使族モンスターの攻撃力は300ポイントアップする!」
幻奏の音女エレジーATK2000→2300
堕天使スペルディアDEF2400(ATK2900→3200)
アーティファクト・カドケウスDEF2400(ATK1600→1900)
幻奏の音姫プロディジー・モーツァルトATK2600→2900
「これなら……魔法カード“死者蘇生”を発動! 対象はアテナ!」
「アテナ召喚確定時に速攻魔法“皆既日蝕の書”を発動、フィールドのモンスター全て裏守備表示ね。そっちのモンスターはエンドフェイズに元に戻ってその枚数分ドローだけど」
「っ……! まさか、こんな返し方されるなんて……で、でも、まだ……! 堕天使スペルビアを反転召喚!」
堕天使スペルビアATK2900
「バトル! スペルビアでメタモルポッドに攻撃!」
「ネクガでバトル強制終了ね」
「うぅ……カードを伏せて、ターン終了……エンドフェイズに皆既日食の書の効果で裏側守備表示のモンスターたちが表側守備表示になってその数だけドロー……」
「私のターン、ドロー!!」
「私はまずカードを一枚伏せる。そして私はドッペル・ウォリアーを反転召喚!!そして手札の“ゾンビ・キャリア”を墓地へ送り、墓地のジェット・シンクロンを特殊召喚!!」
ジェット・シンクロンATK500
「私はレベル2ドッペル・ウォリアーにレベル1ジェット・シンクロンをチューニング!! シンクロ召喚!!
現れろ!! “ゴヨウ・ディフェンダー”!!」
ゴヨウ・ディフェンダーDEF1000
「うぅ……(だ、大丈夫……私の伏せカードはミラーフォース。どんなモンスターが来ても……!)」
「私はシンクロ素材になったドッペル・ウォリアーの効果は使用せず、ゴヨウ・ディフェンダーの効果発動!! 自分フィールドに地属性戦士族モンスターのみ表側で存在してるとき、エクストラデッキから二枚目のゴヨウ・ディフェンダーを特殊召喚!! さらにメタモルポッドを反転召喚!! その効果で互いに手札を全て捨てて5枚になるようにドロー!! ……そしてさっき伏せていた魔法カード“テラ・フォーミング”を発動!! デッキからフィールド魔法“神縛りの塚”を手札に加えて発動!! これにより、レベル10以上のモンスターは効果の対象にならず、効果では破壊されない!!」
「そして私は手札の“ジャンク・シンクロン”を通常召喚!! そしてレベル2メタモルポッドにレベル3ジャンク・シンクロンをチューニング!! シンクロ召喚!!
現れろ、“アクセル・シンクロン”!!」
アクセル・シンクロンDEF2100
「アクセル・シンクロンの効果!! デッキから“アンノウン・シンクロン”を墓地へ送って、このモンスターのレベルを1つ上げる!! 私はレベル3ゴヨウ・ディフェンダー2体に、レベル6となったアクセル・シンクロンをチューニング!! シンクロ召喚!! 現れなさい!!
白く輝く光の竜!! “シューティング・クェーサー・ドラゴン”!!」
シューティング・クェーサー・ドラゴンATK4000
「さらに私は、手札から“カグツチ・ドラグーン”を墓地へ送り、手札のクイック・シンクロンを特殊召喚!!」
クイック・シンクロンATK700
「そしてガガガマジシャンを反転召喚し、その効果でガガガマジシャンをレベル5にする!!」
ガガガマジシャン☆4→5
「レベルが同じ……最近見付かったっていうエクシーズ……かしら?」
「悪いけど、私達のデッキにはエクシーズモンスターに割ける枠は無いのよ、私はレベル5となったガガガマジシャンにレベル5クイック・シンクロンを
「えっ……」
「マイナスチューニング……!?」
「正確にはシンクロ召喚じゃないのよ、このカードの特殊召喚条件は『チューナーとチューナー以外のレベル5以上の同レベルモンスターをそれぞれフィールドからリリースすること』、よってシンクロ召喚じゃなくて特殊召喚だから、ガガガマジシャンとクイック・シンクロンの両方の制約は無視できるの!! 現れなさい!!
原初の赤龍!! “アルティマヤ・ツィオルキン”!!」
アルティマヤ・ツィオルキンDEF0
「そして私はカードを一枚伏せ、この瞬間、アルティマヤ・ツィオルキンのモンスター効果発動!! 魔法、罠ゾーンにカードがセットされたとき、エクストラデッキからレベル7または8のドラゴン族シンクロンモンスターを特殊召喚する!! 私はこれにより“閃こう竜スターダスト”を特殊召喚!!」
閃こう竜スターダストATK2500
「さらに私は手札を一枚デッキトップに戻して、墓地のゾンビ・キャリアを特殊召喚!! そしてレベル8閃こう竜スターダストにレベル2ゾンビ・キャリアをチューニング!! 虚無の狭間より流れる氷の調べが、全てを凍てつかせ無へと帰す!! シンクロ召喚!!
現れなさい!! レベル10!! “冥界濁龍ドラゴキュートス”!!」
冥界濁龍ドラゴキュートスATK4000
「バトルフェイズに入る前に……さて、柚子ちゃん、さっきのターン、アンタのミス、多分次のターンに回っても何もできないで杏子ちゃんは終わるしか無くなるわ。どうしてか分かる?」
「え、どういう……?」
「じゃあ分かりやすく言ってあげる、アンタ、どうして『スペルビアだけを表側にした』の? 同じ条件だったカドケウスも居たのに? もしあのターン、カドケウスも表側にしておけば、ドロー枚数は減るけど、もう一度攻撃できる。そうなったなら祐司はネクロ・ガードナーではなく、寧ろ超電磁タートルを使わざるを得なかった。メタモルポッドを私に使わせる為に」
「……あっ!」
「気がついたかしら? ネクロ・ガードナーも超電磁タートルも確かにバトルを強制終了させる効果だけど、前者は対象のバトルだけ、後者はバトルフェイズそのものを強制終了させるの、つまりもし柚子ちゃん、アンタがあのとき冷静にフィールドを確認して、カドケウスも攻撃表示にしていれば、私の次のターン、もし杏子ちゃんが私のモンスターを破壊できうるモンスターを二枚揃えれば、ネクロ・ガードナーで一度は防げても二回目で確実に戦闘破壊できたのよ」
実際、タッグデュエル初心者にはありがちなミスだが、こういった少しのミスで負けが確定することもある。それが遊戯王なのだ。現に柚子は自身の焦りからとは言え、1体しか表示形式を変えずにバトルを行った。それが自らの首を絞める羽目になるとは知らずに……
「柚子ちゃん、この際だからはっきり言っておくわ。デュエルにおいて一番必要なのは、どんなときでもフィールドを冷静に観察し把握する技術と、相手の墓地やフィールドからどんな動きをすれば最善かを把握する知性よ。それを怠れば、その隙を突かれて敗北する。それがデュエルよ」
椿姫が白熱しかけた、その時祐司が椿姫の肩に手を置く。
「姉さん、少し言い過ぎだよ」
「…………」
「柚子ちゃん、タッグデュエルはカードが単純に倍になる試合形式だ、その分、姉さんが言ったような技術とかはシングルよりも大きくなる。それを知ってるからこそ、一般的な塾はタッグデュエルをあまり勧めたがらないし、大会も大々的には開こうとはしない。けどね、タッグデュエルはやればやるほど、カードに対する知識を沢山深められるんだ」
祐司はまるで語りかけるように喋る。そこにはさっきまでのゲス顔の悪魔のような心は微塵もない、正々堂々としたデュエリストの目をしていた。
「……話が長くなったわね。デュエルを再開するわ!! バトルフェイズ!! シューティング・クェーサー・ドラゴンでアテナを攻撃!!」
杏子&柚子 LIFE8200→7200
「クェーサーはシンクロ素材になったシンクロモンスターにつき一回攻撃できる!! 続けてスペルビアを攻撃!!」
杏子&柚子 LIFE7200→6100→5100
「続けてドラゴキュートスでプロディジー・モーツァルトを攻撃!!」
杏子&柚子 LIFE5100→4100
「ドラゴキュートスは相手モンスターを破壊したとき、もう一度攻撃できる!! 今度はカドケウスよ!!」
杏子&柚子 LIFE4100→3100
「きゃあああああっ!」
「っ……!」
「私はこれでターンエンドよ。さぁ、最後の足掻きを見せてちょうだい!!」
椿姫&祐司LP8000
手札
0:3
フィールド
アルティマヤ・ツィオルキンDEF0
シューティング・クェーサー・ドラゴンATK4000
冥界濁龍ドラゴキュートスATK4000
伏せカード三枚
フィールド魔法
神縛りの塚
杏子&柚子LP3100
手札5:5
フィールド
伏せカード(働かないミラーフォース)
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とある高校生達との決闘目録-8
前の話を見てない方は今すぐ前の話にお戻りください!
椿姫&祐司LP8000
手札0:3
アルティマヤ・ツィオルキンD0
シューティング・クェーサー・ドラゴンATK4000
冥界濁龍ドラゴキュートスATK4000
神縛りの塚
伏せカード
伏せカード
伏せカード
杏子&柚子LP3100
手札5:5
伏せカード(働かないミラーフォース)
「ご、ごめんなさい……私……!」
「まぁ、今回ばかりは仕方ないわ。それにしても、どう突破を狙うものかしらね……」
謝る柚子に杏子は笑って気にしないで、と返す。そして相手フィールドを見やる。その状況に思わず苦笑いが漏れる……しかし、その手札は潤沢。ここからどのような巻き返しを図るのか……
「まぁ、とにかくやれるものはすべてやらせてもらうわ。ドロー!」
手札5→6
「堕天使マリーの効果でライフを200回復するわね」
杏子&柚子LP3100→3300
「……とりあえず、まずはこれからかしらね。“ハーピィの羽根箒”発動! 貴方たちの魔法・罠カードを破壊する!」
「悪いけどそれは通さないわ!! 罠カード“魔宮の賄賂”!! その効果を無効にして、相手は1枚ドローする!!」
「ま、それはそうよね。次は“サイクロン”! 神縛りの塚を対象に発動! 今度はどうする?」
「……仕方ない、私はクェーサーの効果を発動!! 1ターンに1度、相手の全ての効果を無効にして破壊する!!」
「なら、それにチェーンしてチェーン3以降に発動可能な速攻魔法“一陣の風”! これによりメインデッキ側の伏せカードを破壊させてもらうわ!」
「……特に何もチェーンしない。チェーン処理に入るわ、破壊されたのは“リ・バウンド”。よってチェーン処理終了後一枚ドロー!!」
「じゃあ、クェーサー・ドラゴンの効果でサイクロンが無効に、と……それじゃあ次ね。魔法カード“ナイト・ショット”を残った伏せカードに対して発動。これには対象のカードはチェーン出来ないわよ?」
「確かにチェーンはできないわね。ということで墓地へ送られたのは“ブレイクスルー・スキル”よ、良かったわね、モンスターの効果を無効にされなくて」
「まぁ、これからやること、1つでも止められたら困るもの。被害は少しでも食い止めなくちゃ。と、言うことで魔法カード“名推理”発動よ。お好きなレベルを選んでね」
「……なるほどね、今のところ杏子のデッキのモンスターだ確認できてるレベルは5、7、8、10……そのうち堕天使ギミックは8と10……そして堕天使ギミックで墓地にある“背徳の堕天使”を発動できる残されたカードはレベル7のマスティマかレベル9のテスカトリボカ……だったら選ぶのは簡単!! 私はレベル7を選択するわ!!」
「7ね。さぁ、答えあわせよ。1枚目……背徳の堕天使、あなたが警戒している罠カードね……2枚目……なんだ、もうモンスター…………引いたのはこれよ。現れなさい、レベル6! “堕天使アムドゥシアス”! 攻撃表示よ!」
堕天使アムドゥシアスATK1800
「レベル6で攻撃表示……何をするつもり?」
「そして、貴女はこの場を切り抜けるのに最も必要なカードを見落としてるわ。アムドゥシアスのモンスター効果。ライフを1000支払い、墓地の“魅惑の堕天使”の効果を使用! 相手の場のモンスターのコントロールをエンドフェイズまで得る! 知ってるかもだけど、これは対象を取らないわ。私は冥界濁龍ドラゴキュートスのコントロールをエンドフェイズまで得るわ! そして、その後墓地の魅惑の堕天使をデッキに戻す」
LP3300→2300
「……残念だけど、その効果は通らないわ。私は手札の“エフェクト・ヴェーラー”の効果発動!! その効果によりアムドゥシアスの効果を無効にする!! これにより効果は無効になり、魅惑の堕天使をデッキに戻すことはできない」
「ど、どうしてそのカードを……!」
「そんなに驚くことじゃないわよ、だって私がエフェクト・ヴェーラーを効果でドローする事は、前から確定していたのだから……そう、ゾンビ・キャリアによってね!!」
戸惑う柚子に椿姫はそう言い切る。しかし、止められた張本人である杏子はあまり気にしてはいない様子であった。
「そう、じゃあ仕方ないわね。私は最後の手札として残ったこの魔法カード“命削りの宝札”を発動して5枚になるようにドロー。デメリットとして、私は私たちのターン数で数えて5ターン後に手札をすべて捨てなくちゃいけないけど……もう今更よね?」
手札
0→5
「ここに来て命削りですって!? インチキ効果も大概になさい!!」
「「「『『『お前が言うな!!』』』」」」
「……あら、そう言えば通常召喚してなかったわね。じゃあ……速攻魔法“帝王の烈旋”を発動よ。これを発動したターンはエクストラデッキから特殊召喚出来ないけど……元々ないもの、気にすることじゃないわね」
「れ、れれ烈旋!? ってそれよりも確かそれも!!」
「そう。当然、このカードも対象は取らない。よって、私たちの場のアムドゥシアスと……貴女の場のシューティング・クェーサー・ドラゴンをリリース! アドバンス召喚! 現れなさい。レベル10、“堕天使イシュタム”!」
堕天使イシュタムATK2500
「イシュタムまで!? ていうかレベル10って事はつまり!?」
「まぁ、この子がレベル10だったのは偶然だけど……そっちよりも貴女の場の心配をしたらどうかしら? イシュタムの第2の効果でライフを1000支払って今度こそ魅惑の堕天使の効果を使用。冥界濁龍ドラゴキュートスのコントロールを得る。そして魅惑の堕天使をデッキに戻すわ」
LP2300→1300
「確か、この子は相手の場のモンスターを戦闘破壊できたら2回攻撃出来るのよね? まぁ、防ぐならさっさと防いだ方がいいわよ。冥界濁龍ドラゴキュートスでアルティマヤ・ツィオルキンを攻撃!」
「ッ!! “超電磁タートル”の効果発動!! バトルフェイズを強制終了!!」
「まぁ、そうするしか無いわよね? メイン2。でも、この子はただでは返さない。魔法カード“アドバンスドロー”をドラゴキュートスをリリースして発動! デッキから2枚ドロー……うん、いいカードね。私はカードを2枚伏せてターンエンド」
杏子&柚子LP1300
手札2:5
堕天使イシュタムATK2500
伏せカード(仕事放棄ミラーフォース)
伏せカード
伏せカード
「まさかここまでやられるとはね……僕のターン、ドロー!!」
「スタンバイフェイズ、伏せカードダブルオープン! 手札の堕天使ユコバックをコストに背徳の堕天使、サイクロン! まずサイクロンで神縛りの塚を破壊して、その後背徳の堕天使によりアルティマヤ・ツィオルキンを破壊する!」
「やれやれ、フィールドは全滅、伏せカードも無しで、相手フィールドには攻撃力2500……これまた厳しい条件だね……でも……負けるつもりは毛頭ない!! 手札から魔法カード“調律”を発動!! デッキから“ジャンク・シンクロン”を手札に加え、デッキトップのカードを墓地へ送る!!」
墓地に送られたカード
クイック・シンクロン
「僕はさらに手札の“死者蘇生”をデッキトップに戻し、二枚目の“ゾンビ・キャリア”を特殊召喚!! そしてフィールドにチューナーが存在するとき、墓地の“ボルト・ヘッジホッグ”を特殊召喚!!」
ゾンビ・キャリアATK400
ボルト・ヘッジホッグATK800
「そして“ジャンク・シンクロン”を通常召喚!! その効果により、墓地の“ドッペル・ウォリアー”を特殊召喚!!」
ジャンク・シンクロンATK1500
ドッペル・ウォリアーATK800
「僕はレベル2ドッペル・ウォリアーにレベル3ジャンク・シンクロンをチューニング!! シンクロ召喚!!
現れろ!! “ジャンク・ウォリアー”!!」
ジャンク・ウォリアーATK2300
「ジャンク・ウォリアーの効果!! そしてそれにチェーンしてシンクロ素材となったドッペル・ウォリアーの効果発動!! チェーン処理にてまずフィールドに“ドッペル・トークン”を二体、攻撃表示で特殊召喚!!」
ドッペル・トークンATK400×2
「ジャンク・ウォリアーは召喚時、フィールドのレベル2以下のモンスターの攻撃力全てを、このモンスターに加える!! パワー・オブ・ヴェローズ!!」
ジャンク・ウォリアーATK2300→4300
「そしてこれが勝利の為のカード!! 速攻魔法“スクラップ・フィスト”を、フィールドのジャンク・ウォリアーを対象に発動!! バトルだ!! ジャンク・ウォリアーで堕天使イシュタムに攻撃!!」
「リバースカード…………『ERROR! ERROR!』っ!?」
「スクラップ・フィストの効果により、対象のモンスターが攻撃するとき、相手は魔法、罠、モンスターの効果を発動できない!! いけ!! ジャンク・ウォリアー!!」
その祐司の言葉に呼応するように、機械の戦士の巨大な拳は唸りをあげて、そして……その瞬間、杏子が柚子を右腕で自身の後ろに引き寄せた。まるで……
「スクラップ・フィスト!!」
巨大な爆発がフィールドを飲み込むのを予感していたように……
杏子&柚子LP300→0
デュエルエンド
ライフキル
win 三納代椿姫&三納代祐司
「っつぅ……負けちまった、か」
攻撃の余波で倒れた杏子だったが、苦笑いしながら立ち上がる。そして柚子に手を差し伸べればどう話し掛けていいのか分からず困り顔の柚子に笑顔で話しかける。
「今回はいい経験になった、そう思いましょ?」
「お姉ちゃん……!」
姉の気配りに柚子は目を潤ませると、そのまま姉に抱き付く。本来なら身長的に背の大きい柚子であったが、尻餅をついてる今の状況だと久し振りに姉の胸の中に飛び込めた。
……うん、作者が犬〇家みたいになってるのはなんなんだ?
柚子「お姉ちゃんと椿姫さんの絡みを書いてた時に呟いていたことがバレたようで……」
あぁ、何だそういう事か(察し)
祐司「まぁ、当の2人は楽しく話してるし、良いかな?」
杏子「ホント身長でしかみない奴らどうにかならないのかしらね?」
椿姫「ホント! やっぱ杏子と話が合うわぁ」
……うん、デッキ説明は二人に任せるよ
祐司「うん。僕らは【アルティマヤシンクロ】とでも言おうか。アルティマヤ・ツィオルキンが主軸となっているよ。タッグなら特殊召喚できる幅が広いから、本当に助かってるよ」
柚子「私は【幻奏】。お姉ちゃんは【堕天使アーティファクト】……らしいです」
まぁ、今回はタッグデュエルをすると聞いてまっさきに柚子と杏子のコンビが思い浮かんだらしいよ
祐司「あぁ、確かに一番デッキ内容としては合っているもんな。遊牙君と遊矢君は同じペンデュラム使いとは言え……根本的なデッキ構築はかなり違うからね……」
あぁ、それと今回のコラボでのデュエルでの勝敗……タッグデュエルを基本に決まっていったらしいよ
祐司・柚子「「……え?」」
2勝2敗で最終戦をしたい、って両作者の意見が一致して、どう勝敗を付けるか、と考えた時に真っ先にタッグデュエルの勝敗が思いついたらしい。
祐司・柚子「「メ、メメタァ……」」
椿姫「そういや、杏子のデッキどうなってるのよ。今回のデュエルで出てきたの、殆どレベル5以上モンスターだったわよね?」
杏子「え? ユコバックの1枚以外全部上級及び最上級モンスターよ?」
杏子以外4人「「……え?」」
杏子「だって、堕天使は堕天使で序盤の動きは墓地肥やしが基本で……アーティファクトもセットするのが定石でしょう? リリースするにも、場に出たアーティファクト達や堕天使で事足りるから殆ど下級モンスターはいらないわ」
柚子「……な、なるほど……?」
祐司「何というか……驚愕だったね」
椿姫「……えっと、最後の〆、しましょう?」
あ、そう、だな……えっと、じゃあ最後に一言
柚子「次にデュエルが書かれる(?)時には負けないようにします!」
椿姫「まぁ元々タッグデュエル専門じゃ無いにしろ、初めてであそこまでできれば上場ね。次戦うことがあれば、その時は本当の本気で戦わせてもらうわよ」
祐司「とか言いつつ、今日も七割型本気だったけどn「ウッサイ!!」理不尽グフォ!?」
杏子「今回は私の本当のデッキ使えなかったから、次にデュエルする時は出せるといいわね」
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とある高校生達との決闘目録-9
「……次は私がデュエルさせてもらう……」
四人がフィールドから退出すると、軽く屈伸をしながら蘭が立ち上がる。
「……そっちからは誰が出るの?」
「ふむ、では俺が相手を承ろう。アクションデュエルとスタンディング……どちらを選択するかな?」
蘭が出てきたのを見てこの場に残っている遊勝塾メンバーの中から遊輔が一歩前に出てそう告げる。
「……当然アクションデュエル、ついでに勝って蓮の出番を失わす」
「おいこら蘭!!」
「ふむ……そこまで言い切るとはね……とんだ実力者とお見受けした。朱志那蘭……か、聞き覚えはないが……もしやどこか俺の知らない場所……外国でのプロデュエリスト……とかかな?」
蘭と蓮の掛け合いを見て遊輔は蘭の言葉に相当な自信が漲っていることから、自分の考えを投げかける。
「……!! ……そうね、なら改めて名乗らせて貰うわ、私の名前は朱志那蘭、海外リーグのタイトルが一つ、『デーモン』の最年少カテゴリータイトルホルダー!! そして私のことをこう呼ぶ……『紅蓮の魔龍』と!!」
その瞬間フィールドがアクションフィールドへと変貌する。そこはマグマと火山が特徴的な、薄暗いフィールドに……
「おや、やはりか……そして。こちらはしがないデュエル塾臨時講師の身。胸を借りるつもりで挑ませてもらうかな……!」
フィールドが変わると、遊輔の眼差しも鋭くなる。
「冗談、臨時とはいえ講師デュエリストがしがないわけがない……。全力で来ないなら……
二人のその様子に一瞬にして控え室ですらピリピリ感じるほどの雰囲気がフィールドを襲う。その状況はまるで相対する二人の背後に龍と虎のオーラが見えるようであった……
「ご安心を……その燃え盛る炎が貴女に災いを呼び込まないことをお祈りしますよ…………」
「「デュエル!!」」
蘭LP4000 vs 遊輔LP4000
「私も一端のプロ、先行は貴方に譲るわ、
「では、お言葉に甘えて……俺のターン! とりあえず、これから行くか。手札を1枚捨てて……“炎帝家臣ベルリネス”を特殊召喚! 更に今墓地に送った“代償の宝札”の効果によりデッキから2枚ドロー!」
炎帝家臣ベルリネスDEF1000
手札
5→4→3→5
「……【帝】ね、それで、どんな帝王を呼び出すのかしら?」
「まぁ、そう言いながらも大体の目星は付けているのでしょう?」
「……さぁ、なんのことかしらね?」
そう惚けるように言った蘭はアクション魔法を探しに走り出す。
「手始めはコイツから。炎帝家臣ベルリネスをリリースし……“炎帝テスタロス”をアドバンス召喚! テスタロス召喚時効果に何かチェーンは挟みます?」
「……チェーンは組まない……けど、アクション魔法は手に入れさせて貰ったわ。さぁ手札をシャッフル……さて、貴方はどの手札を選ぶの?」
「おや、そちらが何もないならこちらの処理が残っている。ベルリネスの効果をテスタロスにチェーンし……さらに速攻魔法“サモンチェーン”をチェーンして発動だ。これで処理するが……構わないかね?」
「……構わない、チェーン処理どうぞ」
「では、サモンチェーンの処理によりこのターン、自分の通常召喚権は3つとなり……ベルリネスの効果処理。相手の手札を確認し、1枚をエンドフェイズまで除外。どのような手札をお持ちかな……?」
「……この中からどれを選ぶ?」
公開された手札
奇跡(アクション魔法)
バイス・ドラゴン
コール・リゾネーター
デモンズ・チェーン
代償の宝札
超電磁タートル
「では、代償の宝札を一時的に除外してもらいましょう。そしてテスタロスの効果で手札を1枚墓地に……」
遊輔は、蘭が手札をシャッフルしたのをしっかり確認してから対象を告げた。
「貴女から見て左から2番目を墓地に送ってもらいましょうか。モンスターカードなら、そのレベル×200のダメージを与えますが……」
「カードはアクション魔法“奇跡”……よって効果は不発……」
「では2回目の通常召喚権を使用して……テスタロスをリリース。現れよ、レベル8……“爆炎帝テスタロス”! 爆炎帝の召喚時効果。貴女の手札のバイス・ドラゴンを墓地に送り、そのモンスターカードのレベル×200……1000ダメージを与え、炎属性をリリースして召喚したため追加で1000ダメージを与えます!」
遊輔はそう言いながら駆けていき何やらアクションカードを手にした。
蘭LP4000→2000
「……この程度かしら?」
平然としながらも蘭はさらに近くのアクション魔法を手にかける。
「アクション魔法“フレイムウォール”!! このターン、このカードが発動するまでに受けた効果ダメージの数値以下の効果ダメージを受けない……」
「(このアクションマジックでは意味がない、か……)まぁ、最初ですからね。軽いジャブですよ……さて、手札も少々心許ない事だ。そろそろ補充させてもらうかな……まぁ、その前に……3回目の通常召喚権を行使。爆炎帝テスタロスをリリース……現れよ、“冥帝エレボス”!」
冥帝エレボスATK2800
「エレボスの召喚時効果。デッキより帝王カード…………“真源の帝王”2枚を墓地に送り、貴女の真ん中の手札をデッキへバウンス! 更に魔法カード“命削りの宝札”を発動し、手札が5枚になるようにドロー。カードを2枚セットし、ターン終了。代償の宝札は貴女の手札に戻り……貴女のターンですよ」
遊輔LP4000
手札3(内1枚アクションマジック)
冥帝エレボスATK2800
伏せカード
伏せカード
「私のターン、ドロー!! ……私は今引いた魔法カード“壷の中の魔術書”を発動、互いにカードを三枚ドローする」
「ふむ、ではそのドローはありがたく頂戴しましょうかね」
蘭手札
3→6
遊輔手札
3→6
「……魔法カード“ツイン・ツイスター”を発動、手札の“代償の宝札”を墓地へ送って、その伏せカードを二枚破壊……」
「……仕方あるまい。速攻魔法“帝王の烈旋”を発動する。もう片方は“黄金の邪神像”だ。黄金の邪神像の効果で俺のフィールドに“邪神トークン”を特殊召喚」
邪神トークンDEF1000
「“代償の宝札”の効果で二枚ドロー……さらに今引いた永続魔法“共鳴破”を発動、これにより私がリゾネーターモンスターを使ったシンクロ召喚を行ったとき、相手のフィールドのカードを一枚破壊する」
「ふむ、シンクロ軸のデッキか……」
「私は手札から魔法カード“死者転生”を発動、手札の“ダーク・リゾネーター”を墓地へ送って、墓地の“バイス・ドラゴン”を手札に加え、バイス・ドラゴン自身の効果で特殊召喚!!」
バイス・ドラゴンATK1000
「そして魔法カード“コール・リゾネーター”を発動、デッキから“レッド・リゾネーター”を手札に加える。さらに手札から“暗黒界の取引”を発動、互いに一枚ドローして、互いに手札を一枚捨てる。私は“超電磁タートル”を手札から墓地へ送る」
「では、俺は今引いた“光帝クライス”を墓地に送らせてもらおうか」
「私は“ゴブリンドバーグ”を通常召喚、その効果で、手札の“レッド・リゾネーター”を特殊召喚!! そしてアクション魔法“紅蓮の誘い”!! 墓地のモンスターを選択し、アドバンス及びエクシーズ素材にできない条件に特殊召喚する!! 墓地の“ダーク・リゾネーター”を特殊召喚!!」
「ほう、中々の展開だな……」
「私はレベル5バイス・ドラゴンにレベル3ダーク・リゾネーターをチューニング!! 悪魔の炎、闇を纏いて龍となれ!! シンクロ召喚!!
現れろ“レッド・デーモンズ・ドラゴン”!!」
レッド・デーモンズ・ドラゴンATK3000
「共鳴波の効果により、冥帝エレボスを破壊!!」
「ふむ、ところで……なぜ俺がさっき【烈旋をわざわざ発動させた】と思われるかな?」
「何を…………そう、既に手の中にあったわけね……」
「そう、私は烈旋の効果とコイツの効果で墓地から真源の帝王を除外し……俺の場の冥帝エレボスと貴女の場にいるレッド・デーモンズ・ドラゴンをリリース。闇ある場所に光が射し込む。こい、レベル8、“天帝アイテール”」
天帝アイテールATK2800
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とある高校生達との決闘目録-10
遊輔LP4000
手札5(内1枚アクションマジック)
天帝アイテールATK2800
蘭LP4000
手札1
レッド・リゾネーターDEF200
レッド・スプリンターDEF1200
共鳴破
(アイテール召喚後、効果発動前)
「更に、アイテールの効果も発動。デッキから“帝王の凍気”と“真帝王領域”を墓地に送る事で、デッキより……光帝クライスを特殊召喚するが……どうする?」
「……特にチェーンはしない。それで、クライスの効果でどれを破壊するの? 貴方のフィールドにはクライスとアイテール、私のフィールドには共鳴波、レッド・リゾネーター、レッド・スプリンターが存在してるけど?」
「では、クライスを特殊召喚し…………どうせエンドフェイズにはバウンスされてしまうからね……ここはクライス自身と共鳴波を破壊。そして互いに1枚ずつ破壊されたことでお互いに1枚ドローだ」
「結構……でも、アレを私の決め札だと思ってるなら早々に諦めた方がいい。というより、アイテールを引いてるのは何となく分かっていたから」
「ふむ、流石にバレてたか」
「見せてあげる、私のエースの一角を。私は残ったレベル4ゴブリンドバーグにレベル2レッド・リゾネーターをチューニング!! シンクロ召喚!!
現れろ!! “レッド・ライジング・ドラゴン”!!」
レッド・ライジング・ドラゴンATK2100
「レベル6……攻撃力は劣っているが……なにか突破できる効果でも備わっているのかな?」
「“レッド・ライジング”がシンクロ召喚に成功したとき、墓地からリゾネーターを特殊召喚する。私はレッド・リゾネーターを特殊召喚!! レッド・リゾネーターの効果、特殊召喚されたとき、このカード以外の自分フィールドのモンスターの攻撃力……つまりレッド・ライジングの攻撃力2100分、ライフを回復」
蘭LP2000→4100
「私はレベル6レッド・ライジングにレベル2レッド・リゾネーターをチューニング!!
魔界を統べる決闘竜、今ここに姿を現せ!! シンクロ召喚!!
“えん魔竜 レッド・デーモン”!!」
えん魔竜レッド・デーモンATK3000
「ほう、さっきのと似ている竜か。先程のは効果も見ずにリリースさせて貰ったが……今度は効果を見せてもらえるのかな?」
「……残念だけど、この子の効果は使わない。私は手札から今引いた“命削りの宝札”を発動し、デッキからカードを五枚になるようにドロー」
引いたカードを確認した蘭は少しだけにやりとする。
「私は手札を一枚墓地へ送り、“ライトニング・ボルテックス”を発動、相手フィールドの表側表示のモンスターを破壊する」
「アクションマジック、“ミラー・バリア”を発動……俺が破壊から守るのは邪神トークンだ」
「フィールドにSモンスターが存在するとき、手札の“シンクローン・リゾネーター”を特殊召喚!!そしてレベル8レッド・デーモンにレベル1“シンクローン・リゾネーター”をチューニング!!深淵より来たれり、その憤怒は天をも焦土とかす!!シンクロ召喚!!現れなさい!!“えん魔竜 レッド・デーモン・アビス”!!」
えん魔竜 レッド・デーモン・アビスATK3200
「シンクローン・リゾネーターの効果で、墓地のレッド・リゾネーターを手札に戻す」
「ほう、進化形態か。となれば……その効果も強化されていると見るが……あっているかな?」
「バトル!! アビスで邪神トークンを攻撃!!」
そしてそのうちにアクションカードを探しに走る。何かのお陰か、まわりにあった邪魔なオブジェクトが消え去り、難なくアクション魔法を手に入れる。
「アクションマジック“回避”。これで戦闘を無効にさせてもらう」
「レッド・デーモン・アビスの効果!! 1ターンに1度、フィールド上の表側表示のカードの効果を一枚、ターンの終了時まで無効にする。これにより回避を無効!! ……そしてアクション魔法“フレイム・オーラ”攻撃力を200下げる代わりに、モンスターに貫通効果を与える!!」
「っ……!」
遊輔LP4000→2000
「さらにこの瞬間、レッド・デーモン・アビスの更なる効果発動!! このカードが戦闘によって相手にダメージを与えたとき、墓地のチューナー一体を守備表示で復活させる。私はダーク・リゾネーターを復活」
ダーク・リゾネーターDEF400
「……私はこれでターンエンド、そしてこの瞬間、レッド・デーモン・アビスの攻撃力は元に戻る」
蘭LP4100
手札1(レッド・リゾネーター)
レッド・デーモン・アビスATK3200
ダーク・リゾネーターDEF400
「すごい……」
「さっきまで遊輔さんが有利だったのに……あの蘭って奴がたった1ターンで返しやがった……」
蘭と遊輔さんの攻防に、遊勝塾メンバーが感嘆の言葉を呟く。
「……蘭のやつ、少し手を抜いてるな……」
「え、手を抜いてるって……アレでですか!?」
「『共鳴波』の効果……あいつ自身あのアイテールというのが分かっていたなら、除去効果の対象をエレボスじゃなくて、レッド・デーモンの効果の対象外の邪心トークンを狙えば、少なくとももう1200のダメージを与えることはできたはずだ」
「いや、あの場面は寧ろアレこそが最善の策だ。例え邪心トークンを狙ったとして、それをリリースしてアイテールをアドバンスするとは限らない……ならばエレボスの破壊で無理矢理にでも出させて、そこを先のプレイで堅実に削る……最善かつ最大の攻撃をする、それが彼女だと、君も分かっている筈だろ?」
「けどあのクライスの場面でシンクローン・リゾネーターを引くとは限らない、別のカードの確率だってあった、そうなれば一気にフィールドはがら空き、2ターン後には敗北だった」
「それを引き込めるからこそ、最年少タイトルホルダーなのさ。さぁ、デュエルが動くぞ……」
一方、管制室にいる遊矢と遊牙はというと……
「……ダメだ、どうすればペンデュラム召喚ができているのか分からないや……」
遊矢のデュエル映像を何度も手元のタブレットで確認をしていたのだが……遊矢はもうお手上げ、というような感じだった。
「(もう、良いかな……次の試合に出る必要あるし……)…………もしかして」
「え、兄さん。分かったの?」
それを見ていた遊牙はポツリと呟いてはもう一度デュエルのシーンを巻き戻す。その言葉に遊矢が思わず問い返す。遊牙はそれに頷けばそのシーンで再び止める。
「このシーンだけど……」
『俺はスケール1との星読みの魔術師とスケール8の時読みの魔術師でペンデュラムスケールをセッティング!』
『これで、レベル2から7のモンスターが同時に召喚可能!』
「ほら、このスケール、って言う数字の間にある数字分のレベルのモンスターが召喚できるんでしょ?」
「え、まって……たしかあの時って……」
遊矢はこのデュエルが始まる前に使用しようとしたモンスターカードとペンデュラムカードを取り出した。
EMオッドアイズ・ユニコーン スケール8
EMファイア・マフライオ スケール5
EMヘイタイガー レベル4
EMフレンドンキー レベル3
「うん、あの時はスケール8とスケール5……つまり、レベル6とレベル7のモンスターなら特殊召喚出来た。でも、遊矢が出そうとしたのは……レベル3とレベル4。だからエラーが出たって訳だ」
「そ、そうだったんだ……「ただ……」……ただ……?」
納得していた遊矢だったが、遊牙はまだ何かを見ている様子だった。
「ちょっと、ここのミニSVデュエルテーブル使ってデュエルするぞ」
「え? う、うん」
※ミニSVデュエルテーブルとは・・・家庭用に発売されているソリッドヴィジョンで投影できる最小サイズのデュエルテーブル。初めてデュエルをする時にデュエルの手順を覚えたりカードの動き方を覚えるのに使える。もちろん、1人だけでなく2人でも出来るが、手札を公開するシステムの為対人戦ではなく、本当に初心者用である。対象を選ぶのは手元にあるタッチパネルを使うので、タッチミスには注意が必要であるが、2回タッチしないと選ばれないのでその点では安全である。金額は5万円(税抜き)
「「デュエル!」」
遊矢 vs 遊牙
「俺のターンから。オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴンとオッドアイズ・ペルソナ・ドラゴンでペンデュラムスケールをセッティング。これで2から7の召喚可能。ペンデュラム召喚。ラクーン、フロッグ、キャットをペンデュラム召喚。ラクーンとフロッグの効果でフォックスを手札に、それとマジェスペクター・ストームをセット。フォックスを召喚して効果でマジェスペクター・スーパーセルを手札に。これをセットしてエンドフェイズ時にマジェスペクター・クロウを手札にこれでターンエンド」
「俺のターン! えっと……うん。時読みと星読みでペンデュラムスケールをセッティング。これでレベル2から7のモンスターが召喚可能だから、ペンデュラム召喚。オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン、EMウィップ・バイパー」
「このままバトルしてみてくれ」
「うん、バトル。オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンでラクーンを攻撃」
遊矢が攻撃対象を選択する。そしてその後、遊牙のターンになり、遊牙が再びペンデュラム召喚を試みる。すると……
「えっ……」
「…………まさか、こんな性質があるなんてな。遊矢、この性質の説明を塾生たちにするのはお前に任せるぞ」
「え? な、なんで……」
「…………俺はデュエルを楽しみたいからな、説明をしながらでは楽しめそうにない」
「……分かった」
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とある高校生達との決闘目録-11
「さぁ、貴方のターンよ……貴方は見事、魔竜退治ができるかしら?」
「魔竜退治、か。面白い……それに、うまく回りゃ……このターンで倒そうと思えば行ける……かな」
「……このターンで? やれるものならやってみなさい」
「まぁ、手札と要相談ってところだが……ドロー!」
遊輔はデッキからドローすると同時にアクションカードを獲得する。
手札
4→5→6
「おっと、このカードか。アクションマジック“フレイム・ボルテックス”。相手の場のモンスターを1体選択しそのモンスターを破壊、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える! 当然レッド・デーモン・アビスを選択する!」
「エースの一角は消させない、アクション魔法“ノーアクション”!! アクション魔法の効果を無効にする!!」
「じゃあ、手札を1枚コストに“ライトニング・ボルテックス”を発動!」
「レッド・デーモン・アビスの効果発動!! フィールドのカード一枚の効果を、ターン終了まで無効にする!! ライトニング・ボルテックスは無意味!!」
「ふむ、相手ターンにも使えたか。まぁ、構わない。魔法カード“死者蘇生”。甦れ……天帝アイテール!」
天帝アイテールATK2800
「アイテール……いや、狙いは邪帝ね? 既に引き込んでるのかしら? けど、そんなことはさせない」
蘭は急いでアクション魔法を探しにいく。しかし探しても、蘭の近くにアクション魔法の影は一つもない。
「……だったらこうする、レッド・デーモン・アビス!!」
蘭が『レッド・デーモン・アビス』に叫ぶと、アビスは分かったように地面に降り立ち、そしてその拳を地面へと突き刺す。
「一体何を…………っ!?」
「ここは火山のフィールド、なら闇とはいえ炎を操るレッド・デーモン・アビスの炎を大地が受ければ……」
ドッガ~ン、まさしくその言葉が似合うほど、地面が一気に揺れ始め、地面は盛り上がったり崩れたりと大慌てを始める。
「フィールドを一変させられる……言うでしょ? 太古の昔から伝説で龍は自然を壊して人々に恐れを抱かせる……私のレッド・デーモンズはその中でも炎やマグマを象徴する、この程度は朝飯前よ……」
そして蘭はレッド・デーモン・アビスの掌に乗り込み、再びアクション魔法を探し始める。
「邪帝……残念ながら俺の狙いは除外じゃない……バトルだ!」
遊輔は揺れる大地に悪戦苦闘しながらもアクションカードを相手よりも先に取得した。
「アイテールでレッド・デーモン・アビスへ攻撃っ!! そしてこの瞬間……手札の速攻魔法“大ギャンブル”を発動! このカードは攻撃力の劣るモンスターで攻撃をしたときのみ自らのライフを100にすることでアイテールを対象に発動できる。そして、ダイスを2つ振りその出目を掛け合った数に対象となったモンスターの攻撃力をかけた数値が対象となったモンスターの攻撃力となる。ただし、この効果を得るためにはゾロ目でなくてはならないが……な」
大ギャンブル 速攻魔法
このカードは攻撃力の劣る自分のモンスターが相手モンスターに攻撃宣言をしたときのみ自分のライフを100にすることで発動できる。
サイコロを2こ振り、その出目が同じであった場合のみ、出目をかけた数値だけ攻撃力にかけることが出来る。
LP2000→100
「はぁぁぁ!?」
「ゾロ目の倍数って、ギャンブル効果も大概にしろっす!!」
「遊輔先生はあぁ見えてギャンブルカードはよく使うんだぜ。しかも、ほしい数値の的中率もたけぇんだ!」
「でも確率的には約1/36だし、蘭の墓地には……」
「えっと…………“超電磁タートル”を除外するわ」
「アクションマジック“溶岩濁流”! 相手の墓地で発動するカードを無効にし、互いの墓地全てを除外する!」
「!! ならばアクション魔法“フレイム・ボール”!! 相手に200のダメージを与える!!」
遊輔はまだ走り続けていたが、目前に二つのアクションカードがあった。遊輔は咄嗟の判断で【右のカード】を手に取り、表カードも見ずにそのカードを発動した。その瞬間、炎球が当たりそうになった瞬間、瞬間的にその場から姿を消し、少しだけ左に離れた場所にいた。
「アクションマジック“加速”! フレイム・ボールでの効果ダメージを0に!」
まるで、自分の拾ったカードが効果ダメージ遮断であったと知っているかのように……
「く、ならアクション魔法発動!! “粉塵爆発”!! 自分フィールドのモンスターを1体リリースすることで、デッキから魔法カードが出るまでカードをオープンする。そして出た魔法カードの発動条件が満たされていた場合、発動する!! 私はレッド・デーモン・アビスをリリース!!」
遊輔は体勢を変えると【その場にあった残り1枚を放置し別の場所に隠れていた2枚のアクションカードを連続で発動した】
「なんのぉ! アクションマジック“ノーアクション”! 相手のアクションマジックを無効! 更にアクションマジック“マグマ・ソード”! 俺の場に表側表示モンスターが1体のみ存在する場合のみに発動出来る! 俺の場のモンスターを選択し、選択したモンスターは2回攻撃が出来、更に貫通効果を得る!」
マグマ・ソード(Aマジック)
自分の場に表側表示モンスターが1体のみ存在する場合のみに発動出来る。自分の場のモンスターを選択し、選択したモンスターは2回攻撃が出来る。
選択したモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
「だったら……これで正真正銘、全身全霊の最後だ!! アクション魔法“アクション・チェーン・マイン”!! このターン発動されたアクション魔法一枚につき、互いに1000のダメージを受ける!! 死なばもろとも……よ!! このターン発動されたアクション魔法はこのカードを除いても5枚!! よって互いに5000のダメージを受ける!! 」
「引き分けにさせ……ないっ! 最終戦へ希望(のぞみ)を繋ぐ!」
遊輔はそう叫び近くに爆風で巻き起こった砂埃に埋もれていたAカードへと手を伸ばす。そして……それに手が届いた。
「アクションマジック“リ・アクション”! このターン中に発動されたアクションマジックの効果を1つ選択し、得ることが出来る! その代わりに俺は300のダメージをエンドフェイズに受ける! 俺はノーアクションの効果を選択! アクション・チェーン・マインを無効にっ!」
「……ここまでAマジックの応酬が続いたの、いつ以来だ……?」
「……少なくとも、私の知る限りでは一度も存在しませんね……」
「いや~、流石にこのあとの試合は、凄いプレッシャーが掛かるだろうねー、蓮?」
「……お願いですからやめてください、胃に穴が空きそうです……」
「……流石に、これ以上の回避手段は無さそうね」
蘭は流石に体力が限界に達したようで、フィールドに立ち尽くす。
「……けど、最後に私のエースだけは見せてあげる!! アクション魔法“熔岩再臨”!! 墓地に存在するエクストラデッキのモンスターを1体除外して、除外したモンスターこレベルが一つ下で同種族同属性、同召喚方のモンスターを、フィールドのモンスターを1体リリースして、エクストラデッキから特殊召喚する!! 私はダーク・リゾネーターをリリース!! 現れなさい!! 我が化身の竜!! “レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト”!!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトATK3000
「さぁ、バトルは続行、運命のダイスを降りなさい!!」
「当然。ダイスロールっ!!」
遊輔が手元に現れた2個のダイスを天高く投げ、それはソリッドヴィジョンの大きいものとなり降りてくる。地面にあたり、跳ね、互いにぶつかったりと様々な面が交錯し……2つはそれぞれ止まった。そして、一番上を向いていた面は……
「ビンゴ! 出目は6と6! よって、アイテールの攻撃力は6×6の36倍となり……」
天帝アイテールATK2800→100800
「……なぁ、俺は夢でも見てるのかな? 攻撃力10万オーバーって」
「……大丈夫だ。俺も……今それ思ったところ……」
「天帝掌波撃!」
その天帝の一撃は、一瞬にしてフィールドを拡散していき、辺りを白い光に飲み込んでいく。つまり何が言いたいかというと……
「「「ぬぁぁぁぁぁぁ!?」」」
控え室すら飲み込む大爆発に、その場にいた全員が呑み込まれたのだった。
蘭 LIFE4100→0
デュエルエンド
ライフオーバーキル&RSVへの直接攻撃
win 星野遊輔
「……帝には勝てなかったよ……!?」
ふらふらと立ち上がった蘭が見たのは、ボロボロに皹が入ったアクションフィールド、バリバリに割られたガラス、そして死屍累々にぶっ倒れる遊輔以外のメンバー全員だった。
「あ~…………流石に……やり過ぎたか……」
「「「当たり前だ……!!」」」
その後、暫く遊輔は石抱きの刑にさせられ、大ギャンブル使用禁止令が出たのだが……それはまた別のお話。本当に、別のお話…………
……うん、作者の扱いはもう慣れた。(物理的に)燃え尽きて灰のようになってるのは気にしたら負けだな。ちなみに本当に燃え尽きたら続き書けないから後で無理やり復活してもらうけど
蘭「……こっちの作者も後で燃やす」
ドロイデンさん逃げて、超逃げて。
遊輔「まぁ、作者2人が揃いも揃って2番目に蘭の敗北を決めたって言ってたらねぇ……」
蘭「……私のデッキ、【レッドデーモン】。新旧揃い踏み」
遊輔「俺は【帝王】だな。シンプルながらもどれも強力な効果を持っているな」
……ってか、遊輔さん。あのアクションマジックを取る動きなんですか?
遊輔「ん? ……そうだな、カードの声が聞こえた、的な?」
蘭「……意味わかんない」
同じく
遊輔「そういわれてもなぁ……俺は直観を信じて動いていただけだからな」
……もっと話が広がるかと思ったらそうでもなかった件について。
蘭「……次は私がギャンブルで大勝ちしてみせる」
遊輔「俺はデュエルすること少ないだろうけど、またデュエルする時は実力で勝ちに行くさ」
蘭・遊輔「「それじゃあ、また」」
え、もう〆てるの!?え!?
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とある高校生達との決闘目録-12
「さてと、とりあえず俺の出番が回ってきたは良いものの……」
蓮はため息をつきながらチラリとフィールドを、というよりこの塾の惨状に目を移す。
見るからに部屋中ボロボロで、アクションフィールドも半分くらいヒビやら瓦礫やらが散乱、さらにアクションフィールドの管理をしていた遊矢まで目を回してノックアウト、これはもう酷いとしか言いようがなかった。
「……いったい誰がこんなことを」
「全くだな、どうしてこうなったんだか」
「「原因は間違いなくお前らだからな、二人とも」」
悪びれなく言う二人に蓮は柚子から借りたハリセンで共に二人をぶっ叩く。
「まぁ、さっき動作確認はしてみたが……一応動くようだし。壊れたら壊れたで不良品掴まされたってレオ・コーポレーションに文書送るから」
管制室から遊牙が姿を表すと苦笑いをしながらもシレッととんでもないことをいい放った。それに蓮は思わず苦笑いをしてしまう。
「物騒な事言うなよ……まぁ俺はデュエルできるなら別に良いけどさ」
「でも遊矢伸びてて、他に操作できる人いるんすか?」
「それなら私が行きますよ。お姉ちゃんもお願い!」
亮の問いかけに柚子が名乗り出ると、姉に助っ人を求め、杏子はそれを快諾した。
「そうね、ここはアタシ達が管制室に行くわ。デュエルはアクションデュエルを選ぶかしら?」
「当然アクションデュエルだ。それに、ペンデュラムの開祖の一人って言われてるくらいだ、どんなデュエルをしてくれるか楽しみだぜ」
「……蓮、負けたらアレはちゃんと受けてね?」
「ゲ、マジか……」
「アレ? アレってなんなんだ?」
蘭の発言に蓮は少し顔をしかめる。しかし、事情を知らない遊牙はそう問いかける。
「……蓮が、中々にタイトルを受け取ろうとしないから、私の前で一回でも負けたらタイトルを受けとるって言う賭けをしてるだけ」
「はあっ!? どういうことなんだ!?」
「まさか、2人目がいたとはね……」
「だから!! 俺はそんな賭けをした覚えはないし、それに俺は実力で取りたいんだよ、何が悲しくて譲り受けなきゃならないのさ」
そう言って蓮はデュエルフィールドに向かう。その様子はややイラっとしている様子であった。
「……まぁ、俺のデュエルは父さん譲りのエンタメデュエルではないから満足させれるかは分からないが、俺のゼンリョクを出させてもらうよ」
遊牙は蓮の様子を見ながら苦笑いをするもそう小さく言葉を漏らしてデュエルフィールドへ蓮の後ろを追いかけるように向かう。
『それじゃあ行くわよ。アクションフィールド、オン! 『クロスオーバー・ザ・ゲート』!!』
杏子がデュエルフィールドを展開すると、そこは沢山のステップと巨大な荒野、さらに空にはまるで星座が浮かんでそうな夜空……ぶっちゃけ言うとバトスピのブレイブの後半のバトルフィールドに変な足場が付いただけのそれだった。
「さてフィールドは……ってマジか!!」
「……? こんなアクションフィールドあったか……?」
「……いや、無いだろ……」
蓮はため息をもらしながらも、デュエルディスクを展開する。そして
「寧ろ俺達の戦いにこれ以上無い程に相応しいものは無い!! だから、全力で相手をさせてもらう!!」
俺のとてつもないやる気な発言に感化されたのか、遊牙も一瞬呆けるが、すぐに獰猛な鋭い目に変わる。
「まぁ、こちらとしても負けるつもりはないのでな。チーム遊勝塾の大将として最終戦は勝利させていただくぞ!」
そして、アクションデュエルではお馴染みになっている口上を蓮と遊牙は二人同時に告げた。
「「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が、モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!! 見よ、これがデュエルの最終進化系!! アクショーン……デュエル!!」」
蓮LP4000 vs 遊牙LP4000
「先行はもらう!! ……俺は早速だが手札から魔法カード“壺の中の魔術書”を発動!! 互いに三枚ドローだ!! ……いいカードだ。俺は永続魔法を3枚発動する!! 来い、“神樹の切り株都市”、“聖者の樹の実”二枚!!」
その瞬間、フィールド内に巨大な樹の根と、白い霊樹が二つ現れる。
「また知らないカード……一体どんな効果があるんだか……」
「ここまでは序ノ口、俺は手札から“幻のグリフォン”を通常召喚!!」
幻のグリフォンATK2000
「俺はカードを二枚伏せて、エンドフェイズ時に“切り株都市”の効果発動!! デッキトップのカードを確認し、そのカードがレベル4以下の風属性モンスターならば、特殊召喚する」
そう言いながら、俺はデッキトップのカードを確認する。そして、ニヤリと顔を歪める。
「カードはレベル3チューナーモンスター“チューニン・ツバメ”!! よって特殊召喚!!」
チューニン・ツバメATK1500
「これにて俺のターンは終了だ」
蓮LP4000
手札1枚
幻のグリフォンATK2000
チューニン・ツバメATK1500
神樹の切り株都市
聖者の樹の実
聖者の樹の実
伏せカード
伏せカード
「攻撃力2000の通常下級モンスター……中々珍しいモンスターを使ってくるようだが……幸いにも手札は潤沢だ。こちらも全力を尽くさせてもらおう。俺のターン、ドロー!」
手札
8→9
デッキよりカードを1枚引くと、己の手札を見てはふむ、と小さく言葉を漏らす。
「とりあえず、まずはこいつからだ。“マジェスペクター・フロッグ”を召喚!」
マジェスペクター・フロッグATK1300
「【マジェスペクター】……なるほど、妨害されるのは厄介だな」
「マジェスペクター・フロッグのモンスター効果! デッキから“マジェスペクター・テンペスト”をセット! フロッグ、行くぞ!」
遊牙はモンスターの召喚と同時に共に走り出す。そして1枚のアクションマジックを手に入れた。
「これは……(一応、残しておくか。あの3枚はあるけど……意識が飛んでしまう事は……なさそうだな)とりあえず、相手の罠に突っ込みに行くしかないか。俺は“オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン”と“オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン”でペンデュラムスケールをセッティング!」
「来たなペンデュラムスケール……さぁ!! ペンデュラム召喚してみろ!! もっとも、今のお前には何もできないがな!!」
「何……? どういう事だ……『Error! Error!』なっ……!?」
遊牙はペンデュラム召喚を行おうとするも……デュエルディスクはエラーを吐き出した。
「そのままの意味さ、永続魔法“聖者の樹の実”の効果。相手のメインスェイズ1に、相手が二回目の魔法カードを発動したとき、発動終了後、そのメインスェイズ1を強制終了させ、バトルフェイズに強制移行させるのさ。Pカードの発動は即ち、魔法カードを発動するのと同じ扱いだ、そしてその効果で、今のお前はメインスェイズではなくバトルフェイズだから、ペンデュラム召喚は当然できない!!」
「まさか、そんな効果があったとはな……!」
「言っておくが、この程度はまだ序の口だぜ? 俺は伏せていた罠カード“魔術師の交換”を発動する。自分のフィールドに魔法カードが表側表示で一枚以上存在するとき、その永続魔法をリリースして発動する!! デッキから永続魔法を発動する。俺は二枚あるうちの“聖者の樹の実”の一枚をリリースし、デッキから“端末世界”を発動する!!」
あのカードは……!
「っ……! そのカードは悪いが通さない。端末世界発動後に手札から速攻魔法“サイクロン”! 端末世界を破壊する!」
ったく、どんな詰め方してきやがる……! 幸いにも手札にあったから良かったが……なかったらかなりヤバかった……! アイツが良く使う手だからな、端末世界のロックは……覚えててよかった……
「ち、そうは問屋が下ろさないってことか……まぁ除去カード一枚使わせたと考えれば良いか。あぁついでだからもう一つ教えておくぜ、“聖者の樹の実”にはもう1つ効果がある。それは俺が戦闘ダメージを受ける度に、デッキからカードを1枚ドローできるっていうな、下手なダメージは身の危険だぜ? さぁどうする?」
「どうするもこうするも……正面から突き進む! 俺はアクションマジック“究極のゼロ”を発動し風属性を選択する! そしてデッキトップが風属性のモンスターだったらそいつを特殊召喚できる!」
「……マジェスペクターは風属性魔法使い族のカテゴリー、選ぶのは当然か……」
ひとまず、このカードでバトルに必要なカード……マジェスペクター・ユニコーンを引き当てなければ……
※この段階では、『マジェスペクター・ユニコーン』はまだ禁止になってません。禁止カード使ってんじゃねーよという質問は受け付けておりませんので、ご了承くださいませ。
究極のゼロ
アクションマジック(コラボオリジナル)
自分は属性を一つ選択する。その後デッキの上からカードを一枚公開してそのカードが選択した属性のモンスターの時、フィールドに特殊召喚する。違う場合はそのカードをデッキに戻し、シャッフルする。
「デッキトップは……!?」
……何でだ?俺がデッキを最終確認した時にはこんなカードは入ってなかったはず……
「ん? どうした? カードは?」
……いや、ここで戸惑っていても仕方ない。それに、こいつの効果を見てみたが、中々に強力だ。
「……安心しろ、今見せてやる。デッキトップは、こいつだ!
闇夜を羽ばたく鷲よ、その獰猛なる爪で敵を切り裂け!
“ナイトイーグル”を特殊召喚!」
ナイトイーグル ATK2000
「んな!? ち、鳥獣だと!? ていうか、なんでそのカードを!! 俺らの専売特許が!?」
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とある高校生達との決闘目録-13
「……安心しろ、今見せてやる。デッキトップは、こいつだ!
闇夜を羽ばたく鷲よ、その獰猛なる爪で敵を切り裂け! “ナイトイーグル”を特殊召喚!」
ナイトイーグル ATK2000
「んな!? ち、鳥獣だと!? ていうか、なんでそのカードを!! 俺らの専売特許が!?」
アイツが驚いているな……まぁ、俺としては使えそうなカードはしっかり使っていくタイプなのでな。おっと、アクションマジックゲット。これなら攻撃しても良いかな?
「んなもん知るか! いつの間にか入ってたんだからな! バトル! ナイトイーグルで幻のグリフォンを攻撃! そしてこの瞬間、ナイトイーグルのモンスター効果発動! こいつの攻撃宣言がなされたとき、フィールドに“分身トークン”を1体特殊召喚する! そして、こいつがいる限り俺の場の分身トークンの攻撃力は3000となる!」
分身トークンATK1000→3000
「な、グリフォンと攻撃力は互角、自爆特攻するつもりか?」
「んなことさせっかよ。アクションマジック“白夜王の宝剣”発動。自分フィールドのモンスターの攻撃力を500アップさせ、このターン、対象のモンスターは闇、炎属性モンスター以外の効果を受けない! 効果対象は当然ナイトイーグル。後半の効果は意味ないが、攻撃力アップには十分だ!」
ナイトイーグル ATK2000→2500
白夜王の宝剣 アクションマジック(コラボオリジナル)
自分フィールドのモンスターの攻撃力を500アップさせ、このターン、対象のモンスターは闇、炎属性モンスター以外の効果を受けない
これで一応攻撃力は上回ったが……
「流石にそれは洒落にならないぜ!! 罠カードオープン!! “緊急同調”!! 俺はレベル4幻のグリフォンに、レベル3チューナー、チューニン・ツバメをチューニング!!
蒼き風纏う翼が、暴風となりて今ここに顕現する!! シンクロ召喚!!
現れろ“鳥獣烈神ガルード”!!」
鳥獣烈神ガルードATK3000
「なっ……! レベル7で攻撃力3000!?」
流石にこいつは……今見つけたアクションマジックでも同じが精いっぱいか……
「まさか次のターンに出すつもりだったモンスターを引き出させるとはな。そして俺はアクション魔法“激突”を発動する!! お互いのフィールドのモンスターを一体選択し、そのモンスター同士を強制的にバトルさせる。俺はナイト・イーグルとガルードを選択する」
「まだ、終われない! アクションマジック“月光竜の死鎌”をナイトイーグルを対象にとって発動! 攻撃力を500あげる!」
ナイトイーグルATK2500→3000
「まだだ!! アクション魔法“オフェンシブ・オーラ”!! このターンの間、自分フィールドのモンスターの攻撃力を300アップさせる!! さらに……ガルード!!」
鳥獣烈神ガルードATK3000→3300
蓮がそう叫ぶと、ガルードはその大きな翼を一度振るう。すると巨大な烈風が俺を襲い、追加のアクションカードを取るのに失敗して体が宙を舞う。
「俺のモンスターの羽ばたきは突風なんて柔いもんじゃない!! 烈々を超えて、暴風なんだ、これ以上簡単にアクション魔法を取れると思うなよ!!」
「ッチ! だが……フロッグ、ナイトイーグル!」
俺は暴風に思わず両腕で顔を覆うが、自らの場にいるモンスター達の名を呼ぶ。するとナイトイーグルがフロッグの背を掴み、暴風の中を懸命に羽ばたく。そしてフロッグの放つ気に1枚のアクションカードが吸い込まれていき、口で咥えた。風にうまく乗ったナイトイーグルがフロッグを遊牙の元へとたどり着かせる。そして再び舞い上がる。そしてフロッグが咥えていたアクションカードを俺は確認する……と、これは中々面白いカードを引いた。
「アクションマジック“コールオブディープ”! 罠カードの効果を受け付けないモンスターを1体破壊できる効果があるがこれは意味はない……だが、自分フィールドに風属性モンスターが存在するとき、相手の場のモンスターを1体守備表示にする。ガルードを守備表示に!」
鳥獣烈神ガルードATK3300→DEF2000
「なろ!! アクション魔法“サジット・フレイム”!! 相手フィールドの永続魔法か、レベル5以下のモンスターを破壊する!! 俺は“分身トークン”を破壊する!! さらにアクション魔法“太陽石の加護”!! モンスター1体を選択し、そのモンスターに貫通効果を与える。俺は遊牙、お前の“ナイトイーグル”を選択する!! ガルード!! もう一つ大仕事だ!!」
そう叫ぶと、今度はガルードがとんでもない勢いで風を巻き荒らす。流石に今度は大型の鳥では無いナイトイーグルに掴まろうとするのは至難の技だが……貫通効果を与えてきたのはどういう意図かは知らんが、ダメージは与えさせてもらう!
「っ……もう発動するものはないが……ナイトイーグル、守備表示のガルードを切り裂け! フィンスターニス・ナーゲル!!」
守備表示になったところで一瞬ガルードの起こす暴風が止まる。その一瞬の隙をついて猛スピードで襲い掛かる。その爪には闇のような漆黒のオーラが纏われており……その爪がガルードを切り裂く。
蓮LP4000→3000
「これでモンスターはいなくなった! フロッグで直接攻撃!」
フロッグは俺の声掛けに跳びあがる。そして、そのまま蓮の元へとダイブする。
「おっと、フロッグの攻撃の前に、聖者の樹の実の効果でドローさせてもらうぜ」
蓮 手札 1→2
「来い、ライフで受ける!!」
蓮LP3000→1700
「ぐう……聖者の樹の実の効果で、1枚ドロー!!」
蓮 手札2→3
手札を2枚も与えてしまったのは痛いけど……致し方ない。ある程度ダメージを与えたことで良しとしよう。
「……メイン2。今あるスケールでレベル2~7のモンスターが同時に召喚可能!
揺れろ、新風纏いしペンデュラム! 天空を翔ろ新風のアーク! ペンデュラム召喚! 舞い降りろ、俺の仲間達よ!
手札より現れよ! “オッドアイズ・ファントム・ドラゴン”、“マジェスペクター・キャット”」
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500
マジェスペクター・キャットDEF1800
「更にカードを1枚セットしてターンエンド、この時キャットの効果発動。デッキよりマジェスペクターカードを手札に加える。俺は“マジェスペクター・クロウ”を手札に加える。これでターンエンドだ」
遊牙LP4000
手札3(クロウ)
マジェスペクター・フロッグATK1300
ナイトイーグルATK2000
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500
マジェスペクター・キャットDEF1800
伏せカード(マジェスペクター・テンペスト)
伏せカード
スケール
赤:オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン スケール:1
青:オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン スケール:8
「俺のターン、ドロー!! ……俺は速攻魔法“サイクロン”を発動し、とりあえずさっきセットしてた“テンペスト”を破壊する。さらにそのあと、手札から“ハーピィの羽箒”を発動し、ペンデュラム含めてそっちの魔法、罠カードを全部除去させてもらう!!」
そして近場のアクション魔法を手に入れると、蓮は少しだけにやりとする。
「アクション魔法“輝石の光主”を発動し俺は風属性を選択する、そしてデッキトップのカードを確認する。そのカードが選択された属性のモンスターならば、そのカードをデッキに戻したあとシャッフルし、デッキからカードを二枚ドローする。……オープンしたカードは“ハーピィ・レディ1”、風属性のためデッキに戻して二枚ドロー!!」
蓮のドローした直後に遊牙もアクションカードを手に取ると、少し目を丸くした。
「……! 輝石の光主の効果処理直後、アクションマジック“英雄皇龍の咆哮”! 自分の手札にある魔法・罠カード1枚をセットすることで、自分はデッキから1枚ドローする。俺はこのカードを伏せてドロー! 更に……あった!」
さらに遊牙は手身近にあったアクションマジックを手に取ると笑顔で発動させた。
「さらにアクションマジック“覇王爆陽”発動! 自分フィールドの魔法・罠ゾーンの伏せカードを一枚リリースし、デッキからレベル6以上のモンスターを特殊召喚する。俺は……今伏せた伏せカードをリリースしデッキからレベル6以上のモンスター……」
そしてデッキを確認すると少し考え込みながらも、あるモンスターを自身の場に登場させた。
「…………俺は、こいつを特殊召喚させる。黄金の鬣震わせ戦場を縦横無尽に跳ね回れ! “己の跳獣王 ライオ・ビット”を特殊召喚!」
己の跳獣王 ライオ・ビットATK2400
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とある高校生達との決闘目録-14
「またバトスピモンスターかよ……いったい何枚紛れ込んでやがる……っと手札手札……よし、俺はまずカードを2枚伏せる」
「……手札でも事故ったか?」
「残念なことに事故じゃあ無いんだな。俺は手札の魔法カード“マジック・オブ・オズ”を発動する!! 手札をすべて捨てて、デッキから3枚ドロー!!」
さぁ、何を引いたんだ……?
「……ッ!! なるほどな、行くぜ!! 俺のフィールドにモンスターが存在しないとき、手札の“LL―ターコイズ・ワーブラー”を特殊召喚できる!!」
ターコイズ・ワーブラーATK100
「LLって……マジかよ……」
「そして特殊召喚に成功したターコイズ・ワーブラーの効果で、さっき墓地へ送った“LL―コバルト・スパロー”を特殊召喚!! さらにコバルト・スパローの効果でデッキから“LL―サファイア・スワロー”を手札に加える。そしてフィールドに鳥獣族モンスターが存在するとき、サファイア・スワローの効果で手札のレベル1鳥獣モンスター『森林のセッコーキジ』と共に特殊召喚する!!」
「……アイツ、きそうだな……あれで収まるとは思えんが」
「さらに俺は先程伏せた魔法カード“ハンド・タイフーン”を発動!! 互いに手札が1枚以上あるとき、お互いは手札を全て墓地へ送り、手札が4枚となるようにドロー!!」
これで互いに手札4枚……手札アドはもらえたけど、怖いな……アイツが来ると思うと
「行くぜ、俺はレベル1のモンスター全てでオーバーレイ!!
次元を超え、小夜鳴く翼を顕現させよ!! エクシーズ召喚!!
来い、“LL―アセンブリー・ナイチンゲール”!!」
やっぱり、こいつ……か。
LL―アセンブリー・ナイチンゲールATK800
「エクシーズ素材になったサファイア・スワローの効果で、墓地へ送った2枚目のターコイズ・ワーブラーをORUに加える。そしてこのモンスターの攻撃力は、ORU1つにつき、200アップするから……」
LL―アセンブリー・ナイチンゲールATK800→1000
「アクション魔法“超新星爆発”!! 自分のライフが相手より低く、尚且つ2000以下のとき、俺のライフを5000になるように回復する!! この効果の発動中、相手はアクション魔法を発動できない!!」
蓮 LP1700→5000
……これは嫌な予感がするし、どうやって処理するかなぁ……
「バトル!! アセンブリー・ナイチンゲールでダイレクトアタック!! こいつは効果でダイレクトアタックが可能なモンスターだぜ!!」
「ッチ、面倒な奴を呼び出しやがって……!」
遊牙はそう言うと走り出した。まるで、アクションカードを探しているかのように
「な!? アクション魔法で防ごうともアセンブリー・ナイチンゲールには連続攻撃効果があるのに……」
しかし、その言葉に耳を一切貸さず遊牙は走り続ける。そして、あるカードを手に取る……と、突然カードが発動された。すると、遊牙の場にいるキャットが突然毛を逆立たせて猛突進していった。
「……アクション罠“逆光特攻”が発動した。今行われているバトルは無効になる。そして俺の場の守備表示モンスターは攻撃表示となり、相手モンスターに攻撃する。その後、このターンのバトルフェイズが終了する……」
マジェスペクター・キャットDEF1800→ATK100
遊牙LP4000→3100
「バトルの強制終了かよ……まぁいい、俺はカードをさらに2枚伏せ、ターンエンド。この瞬間、切り株都市の効果でカードをオープン……よし、カードは“ジョーニン・トンビ”、よって守備表示で特殊召喚!!」
蓮LP5000
手札2枚
フィールド
LL―アセンブリー・ナイチンゲールATK1000
ジョーニン・トンビDEF2000
神樹の切り株都市
聖者の樹の実
伏せカード
伏せカード
伏せカード
「アセンブリー・ナイチンゲールとは驚いたな……だが、俺だって負けるつもりはねぇ! 俺のターン、ドロー!」
「遊牙のスタンバイフェイズにアセンブリーの効果を発動!! ORUを1つ取り除き、このターン『LL』は戦闘及び効果によって破壊されず、戦闘によるダメージを0にする!!」
使用されたORU
森林のセッコーキジ
「まぁ、これはしょうがない……っと、またアクション罠か……“逃げ腰”の効果で俺、お前の順で俺の墓地のモンスターを選択。俺が選択したモンスターは俺のデッキの一番下に、お前が選択したモンスターはお前の場に特殊召喚される。俺はマジェスペクター・クロウを選択する。さぁ、お前も俺の墓地から選ぶといいさ」
遊牙の墓地のモンスター
・聖鳥クレイン
・聖鳥クレイン
「さてどれか……ってどっちも同じカードじゃねぇか!! なんで二積みしてんだよ!?」
「ペンデュラムと相性がいいものでな
聖鳥クレインATK1600
「なら俺はクレインの効果を発動!!」
「おっと、その特殊召喚時効果に対してアクションマジック『天翔龍神覇』! 相手の場にモンスターを召喚・特殊召喚された時、相手の永続魔法を2つまで選択して破壊する。その後ライフを500支払って相手の場に存在する攻撃力2000以下の相手のモンスター1体を破壊する! 俺は神樹の切り株都市と聖者の樹の実を選択する。そして何もなければジョーニン・トンビにも消えてもらう!」
「させない!! アクション魔法“氷壁”!! 相手の発動した魔法、罠カードの効果を、攻撃表示のモンスターを守備表示にして無効にする!! 俺はクレインを守備表示へ変更!! そしてクレインの効果で一枚ドロー!!」
「ま、こんなもんだろ。どうせこれもあるからな。手札から罠カード“タイフーン”発動。聖者の樹の実を破壊する」
「……手札罠とは洒落たもん使いやがって……だがそう単純に破壊させる訳にいかんのよな!! リバースカードオープン!! 速攻魔法“非常食”!! 聖者の樹の実と切り株都市をリリースして、ライフを2000回復!!」
蓮 LP5000→7000
「ま、そうするしかないわな。念押しでフロッグは守備表示にしておいて、と。俺もハーピィの羽箒を発動し、伏せカードを破壊するぜ」
「あ、“スタラ(スターライト・ロード)”で。エクストラにスターダスト居ないけど」
「あ、それなら“ナイト・ショット”で残った伏せ除去するぞ」
「く、“破壊輪”が……」
「お前、意外に物騒なカード伏せてやがったな……まぁ、これで少しはマシになっただろう。埋葬呪文の宝札を発動し墓地の魔法カード……アクションマジックの究極のゼロ、白夜王の宝剣、月光竜の死鎌を除外して2枚ドロー。そしてバトル! ナイトイーグルで聖鳥クレインを攻撃! ナイトイーグルの効果で分身トークンを特殊召喚!」
「だがアセンブリー・ナイチンゲールの効果で、俺に一切のダメージは入らないし、破壊できるのはクレインとジョーニン・トンビだけだ!!」
「構わないさ。クレイン撃破後に分身トークンでジョーニン・トンビを攻撃」
「ジョーニン・トンビのモンスター効果!! このカードが破壊されたとき、フィールドに分身トークンを一体特殊召喚」
「なら、ライオ・ビットで分身トークンを攻撃。そしてメイン2に移行する。俺は魔法カード“痛み分け”をフロッグをリリースして発動。相手プレイヤーは自分のモンスターをリリースしなければならない。これはプレイヤーに干渉する効果だ。さぁ、モンスター……といってもお前の場にはアセンブリーしかいないけどな」
「はいそうですか……なんてするわけないだろうが!! アクション魔法『粉砕!!玉砕!!大喝采!!』を発動!! フィールドのモンスター1体をリリースすることで、相手フィールドのカードを全て破壊する!!」
「強靭!!」
「無敵!!」
「「最強!! ……は!!」」
「……流石にそううまくはいかない、か。だが、“金満な壺”を発動し……エクストラデッキにあるキャット、オッドアイズ・ミラージュ、オッドアイズ・ペルソナをデッキに戻して2枚ドロー!! そしてアクションマジック“フェイタルドロー”を発動! デッキからカードを2枚ドロー。更に、相手とライフを比べて自分のライフが少ない場合、更にデッキからカードを1枚ドローする!」
手札
0→2→4→5
「うげ、なにその某HERO使いみたいなチートドロー……」
遊牙はドローしたカードを見ると、少し口角を上げた。
「行くぞ!! 俺はスケール1の“翼の覇獣スパ・ルーダ”とスケール8の“アルティメット・ショカツリョー”でペンデュラムスケールをセッティング!」
「またバトスピ……しかもペンデュラムだぁ? 一体どうなってるんだよ……」
「揺れろ、新風纏いしペンデュラム! 天空を翔ろ新風のアーク! ペンデュラム召喚! 羽ばたきて舞い降りろ、俺の仲間達よ!
手札より“マジェスペクター・フォックス”、エクストラデッキより再び現れよ……オッドアイズ・ファントム・ドラゴン、マジェスペクター・フロッグ……そして己の跳獣王 ライオ・ビット、ナイトイーグル!」
マジェスペクター・フォックスATK1500
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500
マジェスペクター・フロッグATK1300
己の跳獣王 ライオ・ビットATK2400
ナイトイーグルATK2000
「俺はカードを1枚セットして、ターンエンド」
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とある高校生達との決闘目録-15
「俺のターン、ドロー!! ……!! ここでこのカードか……。なぁ遊牙、俺はこれから、お前たちの絆をこのカードで確かめさせてもらうぜ?」
「絆? 一体どういう……」
「魔法カード“トリックチェンジ”を発動!! 俺はカードを宣言し、相手のデッキを確認して、その宣言したカードが存在してたとき、そのカードを俺は相手のデッキから手札に加える。存在しなかったとき、相手は俺のデッキから好きなカードを一枚手札に加える」
「ここでギャンブル……!? いや、俺のデッキ内容が分かっている時点でギャンブルとは言えんか……」
「俺が選ぶのは……魔法カード“スマイル・ワールド”!! さぁ遊牙、お前の絆を見せてみろ!!」
「……なるほどな。お前の言いたいことはよくわかった」
遊牙はそう呟くとデッキの公開を行った。その中には…………
・スマイル・ワールド
・スマイル・ワールド
・スマイル・ワールド
スマイル・ワールドは確かに存在していた。それも何の因果か、デッキトップに3枚揃っていた。
「容れてるとは思ったが三積みとはな……しかも山札トップたぁ……」
「……俺も正直、驚きさ。普段はあまり表に出てこないからな……だが、これが俺のお前への回答にはなったか?」
「そうだな……とりあえずその回答に見合ったデュエルを見せてやる!! 俺は永続魔法“王家の神殿”を発動し、カードを伏せる。この瞬間“王家の神殿”の効果で今伏せた罠カード“貪欲な瓶”を発動!! 墓地の非常食、切り株都市、聖者の樹の実、破壊輪、緊急同調をデッキに戻して、1枚ドロー!! ……さらに魔法カード“強欲で貪欲な壺”を発動!! デッキトップから10枚除外して2枚ドロー!! ……速攻魔法“異次元からの埋葬”!! 除外されている“鳥武神シシグイ”を3枚、墓地へ送る……さらに魔法カード“命削りの宝札”を発動!! 手札が5枚になるようにドロー。さらに魔法カード“貪欲な壺”!! シシグイ2枚、ターコイズ、サファイア、コバルトをデッキに戻して2枚ドロー!!」
「ここにきてデッキを圧縮しながらのドロー、か……(お前も人の事言えねーじゃねぇか……)」
「さて、ここからが本番だぜ!! 俺は魔法カード“飛翔融合”を発動!! 手札の“ゲニン・スズメ”と“ジョーニン・トンビ”で融合!!
集いし翼が、天風逆巻く覇をなさん!! 融合召喚!!
現れろ、レベル10!! “鳥武姫神シシグイ・アスカ” !!」
鳥武姫神シシグイ・アスカATK2000
「シンクロにエクシーズ、融合までも……!」
「『シシグイ・アスカ』の効果!! 融合召喚に成功したとき、墓地から融合素材の数まで、フィールドに鳥獣族モンスターを特殊召喚する!! 俺はハーピィ・レディ1ともう一体!! 我が分身にして我がエース!! “鳥武神シシグイ”を特殊召喚!!」
ハーピィ・レディ1ATK1300
鳥武神シシグイATK500
「攻撃力500がエース……? 一体どんな効果が……」
「さらに速攻魔法“地獄の暴走召喚”!! 俺のフィールドに攻撃力1500以下のモンスターが特殊召喚されたとき、同名モンスターをデッキと手札から特殊召喚可能な限り特殊召喚できる!! 俺は『シシグイ』を選択!! デッキから来い!! 2体のシシグイ達!!」
鳥武神シシグイATK500
鳥武神シシグイATK500
「……俺の場はすでに埋まっている。一応選択はオッドアイズ・ファントム・ドラゴンとするが、こいつは1体しかデッキにいない」
「俺のエースの本領はここからさ!! 鳥武神シシグイは永続効果として、自分フィールドの風属性モンスターの攻撃力を、フィールドの鳥獣族一体につき、200ポイントアップする!! そしてお前のペンデュラムモンスターの効果で、お前のフィールドのモンスターの種族は鳥獣または魔法使いとして扱う。よってフィールドの鳥獣族は10体!! そして同じ効果を持つシシグイは3体よって攻撃力は2×3×10×100だから……」
鳥武神シシグイATK500→2500→4500→6500→6800
鳥武神シシグイATK500→2500→4500→6500→6800
鳥武神シシグイATK500→2500→4500→6500→6800
鳥武姫神シシグイ・アスカATK2000→4000→6000→8000→8300
ハーピィ・レディ1ATK1300→3300→5300→7300→7600
現時点の総攻撃力だけでも36100。初期ライフ4000を考えても余裕のオーバーキルである。
「はは、流石というべきだな……」
これに加えてスマイル・ワールドもあるわけだろ? とんだバカげた火力だよ……
「期待に応えられたみたいで助かるよ。というわけで“スマイル・ワールド”発動!! フィールドのモンスターは1000アップ!! そして……」
蓮は近くのアクション魔法を手札に加え、姫鳥に飛び乗った。それと共に、シシグイ三体がガルード以上の暴風による乱気流を生み出し、同じ鳥獣のモンスターですらあまりの勢いに悲鳴をあげてる。
「バトルだ!! シシグイ・アスカでオッドアイズ・ファントム・ドラゴンを攻撃!! 疾風のクロスフルバースト!!」
ダメージは受け付けない!
「リバースカード、オープン! “攻撃の無力化”! ダメージ遮断効果を選択!」
「む……だったら他のモンスターもそれぞれ攻撃!! そしてモンスターが減ったことにより、モンスターの攻撃力はそれぞれ3000ずつダウン」
全員に攻撃してきた! これはチャンス!
「だが、最後の攻撃で俺の場のモンスターが戦闘で破壊された時……“アルティメット・ショカツリョー”のP効果発動! 相手のコントロールするカードにより自分の場のモンスターが破壊されたとき、この効果は発動できる! Pゾーンに存在するこのモンスターを特殊召喚できる! 仲間の痛みを糧として舞い降りよ、アルティメット・ショカツリョー!」
アルティメット・ショカツリョーATK2000
「やべ!! 確かショカツリョーの効果って……」
「更に、俺の手札が2枚以下の時に自身の効果で特殊召喚された時、相手の場のすべてのモンスターを守備表示にする! アルティメット・ストーム!」
鳥武神シシグイDEF2000
鳥武神シシグイDEF2000
鳥武神シシグイDEF2000
鳥武姫神シシグイ・アスカDEF2800
ハーピィ・レディ1DEF1400
「俺はアクション魔法“マジックドロー”を発動!! 自分フィールドの表側表示の魔法カード“王家の神殿”をリリースして1枚ドロー!! ……俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド」
蓮LP7000
手札0
フィールド
鳥武神シシグイDEF2000
鳥武神シシグイDEF2000
鳥武神シシグイDEF2000
鳥武姫神シシグイ・アスカDEF2800
ハーピィ・レディ1DEF1400
伏せカード
「俺のターン、ドロー!!」
手札
1→2
手札は心許ないけど……さっき手札に加わったあのアクションマジックなら……!
「アクションマジック、“カオスドロー”を発動。相手フィールド上に守備表示で存在するモンスターの数だけドローする!」
「く……アクション魔法は……」
蓮は慌ててアクション魔法を探し、足元に見つけたそれを手に拾うが……それはすぐに発動された。
「げ!? アクション罠“カムバック!!”が発動しちまった!? 自分フィールドのモンスターが相手より多いとき、フィールドのモンスター1体を手札に戻して、互いに1枚ドローする……」
蓮は対象を決めるのに少し悩んでいる様子であったが……何か思いついた様子で対象を告げた。
「俺は……シシグイ・アスカを手札に戻す!!」
「一番攻撃力の高いシシグイ・アスカを……どうするつもりだ……」
手札
蓮
0→1
遊牙
1→2
ん、これは……
「そしてカオスドローの効果でお前のフィールドに存在する守備表示モンスターの数分……4枚ドロー!」
遊牙
2→6
さて、引いたカードは……このカードか。火力は申し分ないし、良いかもな。丁度出せるスケールのが手札に揃っている……
「俺は空いているペンデュラムゾーンにスケール10の“アルティメット・セッコーキジ”をセッティング!」
ペンデュラムゾーン
赤:翼の覇獣スパ・ルーダ:スケール1
青:無し
↓
ペンデュラムゾーン
赤:翼の覇獣スパ・ルーダ:スケール1
青:アルティメット・セッコーキジスケール:10
「これでレベル2からレベル9までのモンスターがペンデュラム召喚可能! 揺れろ、新風纏いしペンデュラム! 天空を翔ろ新風のアーク! ペンデュラム召喚! 羽ばたきて舞い降りろ、俺の仲間達よ!
手札より“乙の跳獣女王アルレ・クイーン”、“マジェスペクター・ユニコーン”! そしてエクストラデッキより己の跳獣王 ライオ・ビット、そして……未来の幻を視る眼、オッドアイズ・ファントム・ドラゴン!」
乙の跳獣女王アルレ・クイーンATK2900
マジェスペクター・ユニコーンATK2000
己の跳獣王 ライオ・ビットATK2400
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500
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とある高校生達との決闘目録-16
「アクション魔法“ブレイクシールド”!! フィールドのモンスターを任意の数リリースして、このターンリリースされたモンスターの元々の攻撃力分の合計まで、俺の受けるダメージを0にする!! 俺はシシグイ3枚とハーピィ・レディ1、よって2800までのダメージを0にする!!」
「っ……だが、俺は一切手を緩めない! 装備魔法“魔導師の力”をオッドアイズ・ファントム・ドラゴンに装備! そして手札を(手札にある罠は1枚だけだけど、ブラフの意味も込めて……)…………3枚セット!」
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500→5500
「おま!! それ使わんでもオーバーキルできるだろうが!!」
「総攻撃力40000オーバーを出したお前には言われたかねーな! バトル! オッドアイズ・ファントム・ドラゴンで直接攻撃! 夢幻のスパイラルフレイム!!」
「甘いわ!! 速攻魔法“超融合”を発動!!」
「っ……! アクションマジ『Error!! Error!!』なっ……」
あ、そういえば、すっかり忘れてたけど……どんな効果も発動できなかったな……やばい、この世界に来てからちょっとガチカードに触れなさすぎだ……
「このカードに対して、どんな効果も発動できない!! 手札を1枚墓地へ送り、お前のフィールドの『ファントム』以外を素材に融合!!
二度舞い降りろ!! 鳥武姫神シシグイ・アスカ!!」
シシグイ・アスカATK2000
「シシグイ・アスカの効果で、墓地から素材の数となった枚数、4枚まで鳥獣を復活させる!! 来い、シシグイ3体!! ハーピィ・レディ1!!」
シシグイ・アスカATK5900
シシグイATK4500
ハーピィ・レディ1ATK5200
「……なんだ、また出すために一度エクストラデッキに戻したのか。それなら戦闘ダメージこちらにとっても好都合だ……いや、むしろさっき発動できなかった事も相まって、【そのおかげで削り切る算段ができた】」
「……なに?」
「そのままの意味さ、まぁ一種の賭けではあるがな。バトルフェイズは続行! オッドアイズ・ファントムドラゴンで鳥武神シシグイに攻撃! そしてこの瞬間、アクションマジック“お忍び姫の気まぐれ”を発動! 相手は俺の伏せカードを1枚選択して俺がオープンする。それが通常魔法・もしくは通常罠であればその効果を使用できる。ちなみにこの効果で発動する際にコストがあっても、それは踏み倒される。さぁ、どうするか今のうちに決めておきな!」
「おっと、その前にさっき墓地へ送った“仁王立ち”を除外し、シシグイ・アスカを選択!! その効果で、このターンシシグイ・アスカ以外のモンスターを攻撃できない」
それは難しいな……流石に、通すしかないが…………一応、この状況に合ったカードは幸いにも1枚だけ伏せてある。何とかなるはずだ。
「それくらい、構わないさ。んで、俺の伏せカードのどれをオープンするんだ?」
「……俺は真ん中のカードを選択する」
「オーケイ。選ばれたのは……ビンゴ、通常魔法“無の境地”!! 通常魔法のため、この効果を適応! これにより…………お互いの場にいる全てのモンスターは効果の使用を封じられ、【効果を持たない通常モンスターとして扱う】事とする!」
無の境地(オリジナル魔法)
通常魔法
自分はライフを半分支払うことでこの効果は発動できる。
お互いの場に存在する全てのモンスターの効果は無効化され、お互いのフィールドに存在するモンスターは全て通常モンスターとして扱う。
「さすか!! アクション魔法“ハミングトラップ”!! 自分フィールドの除外されている罠カードの効果をコピーして発動する!! 俺は“スリーカード”を選択!! フィールドに同名モンスター……シシグイ3体が存在するため、相手フィールドのカードを3枚破壊する!! 俺は残りの伏せカード2枚とオッドアイズ・ファントムを選択!!」
「アクションマジック、“ノーアクション”。そのアクション魔法を無効にする」
「だったら別のアクション魔法を!!」
「させねぇ! オッドアイズ・ファントム・ドラゴン! 夢幻のスパイラルフレイム!!」
「ぐ、だが2800分のダメージは無くなる!! よってダメージは200だ!! シシグイ・アスカが破壊されたとき、墓地の鳥獣族モンスターを特殊召喚する!! 俺はチューニン・ツバメを特殊召喚!!」
蓮LP7000→6800
……確かに、相手の言う通りようやく200ダメージだけしか通ってない。でも、この200ダメージは小さいようで大きい。その代償として、相手はシシグイ3体とハーピィ・レディ1の攻撃力上昇効果を永続的に失っている。俺もファントム・ドラゴンの効果を失ってるが、今の状況ならこいつはバニラ同然だったこともあって、何の問題もない。それに、俺がさっき発動した通常魔法は、俺のデッキだとキャットやユニコーンとかくらいしか影響がない。これが俺がこのカードの採用に踏み切った理由だ。とにかく……今は落ち着いて行動しよう。
「たった200だと思うなよ! 俺はこれでターンエンド!」
遊牙LP3100
手札0
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500→5000(魔導師の力装備)
魔導師の力(対象:オッドアイズ・ファントム・ドラゴン)
伏せカード
伏せカード
ペンデュラムゾーン
赤:翼の覇獣スパ・ルーダ:スケール1
青:アルティメット・セッコーキジスケール:10
「俺のターン、ドロー!! ……俺はレベル4ハーピィ・レディ1にレベル3チューニン・ツバメをチューニング!!
シンクロ召喚!! “光牙鳳凰レックウマル”!!」
光牙鳳凰レックウマルATK2500
「バトル!! レックウマルで攻撃!! この瞬間、レックウマルの効果で、フィールドの他の風属性モンスター、シシグイ3枚をリリースして、相手フィールドのカードを3枚手札に戻す!! 俺はオッドアイズと伏せカードの2枚だ!!」
「リバースカード、オープン! “強制脱出装置”! レックウマルをデッキ……エクストラデッキへと戻す! 更にチェーンしてアクションマジックを発動!」
レックウマルの放つ風が3枚のカードを襲う直前、遊牙は2枚のカードを発動した。そして地面に風が当たると、砂埃がそこに舞い上がる。しかし、その次に聞こえた遊牙の声は砂埃の向こうからではなく、蓮の背後からだった。
「アクションマジック、“大脱出”。このバトルフェイズを終了させる!」
「だが、それでも残りの伏せカードとオッドアイズは手札に戻してもらうぜ、俺は魔法カード“一時休戦”を発動して、ターンエンドだ」
蓮LP6800
手札1
フィールド
無し
「俺のターン、ドロー!」
手札
3→4
「……ペンデュラム召喚。現れよ、俺のモンスター達よ! 手札よりマジェスペクター・フォックス、オッドアイズ・ファントム・ドラゴン。エクストラデッキより乙の跳獣女王アルレ・クイーン、マジェスペクター・ユニコーン、己の跳獣王 ライオ・ビット! フォックスの効果で“マジェスペクター・スーパーセル”を手札に加え、手札を1枚セット。ターンエンドだ」
遊牙LP3100
手札2
マジェスペクター・フォックスDEF1000
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500
乙の跳獣女王アルレ・クイーンATK2900
マジェスペクター・ユニコーンATK2000
己の跳獣王 ライオ・ビットATK2400
伏せカード
「俺のターン、ドロー!! ……俺は魔法カード“魔法石の採掘”を発動!! 手札のカードとアクション魔法“奇跡”をリリースして、墓地の超融合を回収する!! さらにコストとして捨てた“代償の宝札”の効果で2枚ドロー!!」
「っ……アクションマジック、輝石の光主! 風属性を選択しデッキトップをオープン……デッキトップは…………“風楯の守護者トビマル”! 風属性の為こいつを戻してシャッフル……2枚ドロー! 更にアクションマジック、英雄皇龍の咆哮で1枚セットしてドロー!」
「俺は魔法カード、“放浪者の採択”を発動!! お互いのフィールドのモンスター全てに神以外の他の属性全てを与える」
「神属性以外の属性を……? いったいどういう……」
「そして俺は“森林のセッコーキジ”を通常召喚し、さらにアクション魔法“回避”をコストに速攻魔法超融合を発動!! 互いのフィールドのモンスター全てを素材に融合!!
紅玉、金剛、翡翠、紫石、黄玉、蒼玉の担い手が交わるとき、長き旅の放浪者が姿を現す!! 融合召喚!!
現れろ!! “放浪者ロロ”!!」
放浪者ロロDEF3000
「放浪者ロロは融合召喚でしか特殊召喚できず、それも『神以外の全ての属性モンスター1体ずつ』というとてつもなく厳しい条件を持ってる。その代わりに相手の如何なる効果も受けず、リリースすることはできず、戦闘及び効果では破壊されない!! そしてこのモンスターの効果は無効にならない!! これが俺のデッキで、唯一の鳥獣じゃないモンスターであり、最後の壁だ!! ターンエンド!!」
蓮LP6800
手札0
放浪者ロロDEF3000
「なるほどな……だが、こうでないとな! 俺のターン! ドロー!」
現在の盤面を見ながらも、遊牙の表情には常に笑顔であった。このデュエル中も、不利な場面になろうとも……決して笑顔だけは忘れていなかった。
「いいぜ……全力でかかってきやがれ」
「……ここで、このカードか……よし、ペンデュラム召喚! 手札より飛翔せよ、“霞の谷の巨神鳥”!! そしてエクストラデッキより何度でも舞い上がれ! オッドアイズ・ファントム・ドラゴン、乙の跳獣女王アルレ・クイーン、マジェスペクター・ユニコーン、己の跳獣王 ライオ・ビット!!」
霞の谷の巨神鳥ATK2700
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500
乙の跳獣女王アルレ・クイーンATK2900
マジェスペクター・ユニコーンATK2000
己の跳獣王 ライオ・ビットATK2400
「そして、“揺れる眼差し”を発動! フィールドにあるペンデュラムスケールを破壊して……相手に500のダメージを与えて、デッキからペンデュラムモンスターカードを1枚手札に加える!」
「ち、ちまちまとバーンダメージかよ!!」
蓮 LIFE6800→6300
「アクション魔法“アルティメットトリガー”!! デッキからカードを1枚オープンして、発動可能なカードの時、そのカードをこのカードの効果として適用する!! オープンしたカードは……魔法カード“異界見聞録・序章”!! この効果はこのカード以外のお互いの手札、墓地、フィールド、除外されているカードの全てをデッキに戻し、その後、互いに5枚ドローする!! そしてお互いのフィールドに六属性全てが存在するとき、この効果に対してチェーンできず、全ての効果は無効になる!! “放浪者ロロ”は本来闇属性だが、神以外の全ての属性として扱うことができる」
蓮フィールド
まっさら
遊牙フィールド
まっさら
これでフィールドは全てまっさらになったか……だが、俺のデッキでは一撃でケリをつけるカードはない……いや、俺が不安になってちゃあデッキも答えてくれねぇ。さぁ、このデュエルを楽しませてくれ……俺のデッキ!!
手札
蓮
0→5
遊牙
0→5
この手札……もしかして…………
「……! なるほど、なぁ。魔法カード“成金ゴブリン”で1枚ドローして、相手のライフを1000回復する」
手札
遊牙
4→5
蓮LP6300→7300
「あ、あれ? いきなり成金? ライフアドもあるし、手札も互いに潤沢にはなったけど、それはそれでこのターンギリギリ耐えれば次のターンに……ってあれ? これなんか説明フラグバンバン立ってね?」
……そうか、これが
「……これが、このデュエルの結末か。悪いが、このデュエル……
「はい!? 勝利確定!? いったいなにを……おい、ちょっと待て? その後ろにいる鎖に繋がれてる両腕と両足にどこかで見たことのあるようなその威圧感たっぷりな顔って……マジか!?」
アイツの顔が引き攣っているのが見えるな。まぁ、それもそうだろうな。俺も驚いている。
公開された遊牙の手札
・封印されしエクゾディア
・封印されし右腕
・封印されし左腕
・封印されし右足
・封印されし左足
綺麗にエクゾディアパーツが揃ったんだからな。パーツ4枚と成金ゴブリン、そして成金で引いたエクゾディア本体……もう、俺のデッキがしっかり答えてくれたとしか思えねぇな。こりゃ……
「楽しいデュエルをしてくれて、心から感謝する。ありがとう。俺からできる最大のお返しをもって……このデュエルを終結させる。エクゾディアよ! これまでの熱戦を繰り広げたデュエルに終焉を! 地獄の業火エクゾード・フレイム!」
デュエルエンド
エクゾディアによる特殊勝利
win 榊 遊牙
「ぬぉぉ!?」
エグゾディアの炎を受けた蓮はへたりこんだ。しかし、その表情は悔しい……というよりも苦笑いだった……ん? 何かアイツの服が少し燃えてるんだけど……
「くっそ~、まさかエグゾディア仕込んでたとはな。次やるときは負けねぇ!!」
「こっちこそ、楽しいデュエルだったぜ……というよりも、服、燃えてるぞ」
「へ? ……ギャァァァァ!! 服燃やしてるしあのバカゾディア!!」
どうやら炎が飛び火したらしく、ガチで服が燃え始め、蓮はあわてて上着を脱いで叩きつける……が、寧ろ火が強くなってる!? さ、さすがにこれはまずいって!!
「ちょ……ば、バケツ! バケツに水入れて持って来い!!」
「ええい、とりあえず不幸だ~!!」
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とある高校生達との決闘目録-17
「……」
あのあと、どうにか火は消し止められたものの、それと同時に上着は燃え付き、現在上半身半裸に亮のコートを羽織ってアクションフィールドの隅で体育座りで蓮は落ち込んでいた。
「あー……その、なんだ……服、すまん」
「……うん、大丈夫大丈夫、どうせ機械がぶっ壊れてエクゾディアの炎だけが実体化したんだろ……」
「いやぁ、俺も炎だけ実体化するとは思わねぇ「何してるんですかぁ!!」っでぇ?!」
遊牙が蓮の呟きに苦笑いのまま返すと、柚子のハリセンが頭にクリーンヒットする。
「いっつつ……あ、そういや、みんなって俺のあの試合観てないんだっけ? 今から行くか?」
遊牙の言葉に蓮は首をかしげる。それもその筈、今まで殆ど会話をしてこなかったこともあって余計に分からないはずだ。
「ん? あの試合って「当然、見させてもらう」おい蘭、台詞奪うな」
しかし、そんな蓮の言葉を蘭が遮る。もはやコントとも言える絶妙なタイミングである。再び落ち込みかけそうな蓮に亮が慰めを入れる。
「まぁまぁ兄貴も悄気ないでくださいっす。ところで、どんな試合なんすか?」
「あぁ、俺が日本リーグのデュエルチャンピオンと決闘したやつだよ。ま、俺の方はスタンディングデュエルの方だけどな」
亮の問い掛けに遊牙が笑って返した。遊牙が他にも個人的に色々話をしたいから視聴覚室には自分たち以外は入れないでくれ、と遊輔に伝えると、彼らを視聴覚室に呼び込んだ。
「今から見せるのは……音声ナシの動画。もちろん、音声アリもあるにはあるけど、もろもろの事情で表立って公開しているのはこっちだ。色んな意味で驚くなよ? この世界の住人じゃないんだろうから、色々と突っ込みたいとは思うだろうが」
視聴覚室の鍵をかけた遊牙はやや真剣な表情で淡々と説明をしていたかと思えばシレッと唐突な言葉を投げかけた。
「あー、やっぱり気付いてたか……何時からだ?」
「遊輔さんが言っていた○○という遊輔さんが知らないカードショップの話題、かな? 遊輔さんが知らないって話を聞いて、最初はよっぽどコアな店かと思ったけど、遊輔さんはそういうのでも探したりしてたし……それで知らないってのは流石におかしいと思った。確信に変わったのは初戦……アクションデュエルでの暗黒界の門発動だな、あれで確信に変わったな」
「うげ、まさかそんなところでバレるなんて……」
「ふむ、しかし遊輔さんはそんな事してるのか……いったい何者なんだ、彼は?」
「……まぁ、俺もあの人は何者なのかわかんねーからな。デュエルの腕は本物らしいから臨時講師してもらってるみたいだけど……少なくとも、俺はあの人の事はまだ信用はしていない。生徒である身だから色々手伝ってもらったりはしたが」
劔菜の問い掛けに苦笑いをしながら録画されている試合のテープを再生するために色々操作をすれば無事に再生できる状態になり軽く頷いた。
「……これで、良し。多分、突っ込みたくなるだろうが……まぁ、見てくれ。観客席の位置の関係で手前が俺、奥がこの世界でのスタンディングチャンピオン……だ」
遊牙が操作し、再生ボタンを押すと、映像が流れ始める。ちょうど、デュエルが始まったばかりの映像。そしてズームされ、デュエルフィールドの奥に映っていたのは……特徴的な黄色のフレームの眼鏡をかけたやや小柄な蒼色の髪。緑色の詰襟風の服で前面にカブトムシのような黒色模様が描かれている……いかにも小物感漂うその風貌。そして、一度撮影者が電光掲示板に移す対象を変えたようで、電光掲示板が見え、デュエル相手の名前が映し出された。それはメンバー全員がまさか、と疑っていた名前……【インセクター羽蛾】であった
「アイエエエ!! HAGA!? HAGAナンデェ!? まさか自力で脱出を!?」
「俺だって対戦相手を知らされた時は驚いたんだし、無理もないさ……」
「ふーん、……そういえば昆虫のタイトルホルダーも『インセクト女王』使ってたわね……瞬殺できるけど」
そんなこんなで試合が進み、防戦一方だった遊牙がここでペンデュラム召喚を行った。
「……ここ。ここから、俺のプレイングに関する記憶はデュエル終了まで途切れていたんだよ」
ペンデュラム召喚をしたタイミングで一度止めた遊牙はポツリとそう告げた
「ふーん……意識がなくなる……ねぇ?」
「けど今回は何もなかったみたいだし、意識が飛ぶことは蓮とのデュエルから見ても大丈夫だったみたいだね?」
「そう、俺も今回のデュエルで意識を失うことはなかった事には驚いているんだ……何が条件でこうなっているのか……皆目見当もついてない」
祐司の問い掛けに肩を竦めた遊牙は再び動画を再生する。そして大砲にジョクトが入り、グレート・モスが体勢を崩した時にファントム・ドラゴンの攻撃、そしてペンデュラムゾーンにいる竜達の攻撃でインセクター羽蛾が吹き飛ばされライフが0になったところで映像の中の遊牙が辺りを見渡すところで映像は終わっていた。しかし、終始その映像に遊牙の言う通り音声どころか周りの観客の声すらも入っていなかった
「さっき辺りを見渡していた時に俺の意識は回復した……って感じだな。何か聞きたいことはあるか?」
「……言いたいことはとりあえず山ほどあるけど、とりあえず蓮を元に戻さないとダメね」
「は? どういうことだ?」
遊輔さんの相手であった人物……蘭、だったか? そいつの言葉に俺と戦っていた相手……蓮の方を見てみると……
「俺が羽蛾と同レベル……俺が羽蛾と同レベル……俺が羽蛾と同レベル…………」
再びネガティブモード(的な感じ?)で部屋の隅で項垂れていた……なんっつーか、ホント……
「……アホらしい」
本当にその言葉が似合っていた。俺は、こんなメンタル弱者に負けかけたのかと思うと、情けない。
「あ?」
「なんすかアホらしいって!! どういう意味っすか!!」
案の定、蓮を兄貴と呼称する奴……亮、だったな。彼が突っかかってくる。まぁ、当然だが……こんな状況でも、キツく言わねぇと気がすまねぇ。
「あぁ、アホらしい。そう言ったさ……あんなマグレのエクゾディア揃いの勝利と俺が意識を失ってたとは言え……ライフキルで倒しての勝利。それが同じだなんて言おうとしているのがアホらしいと……そう言ってるんだよ。少なくとも、同じ相手とデュエルをした場合を考えてもインセクター羽蛾には何度でも勝てると言い切ってやる。だが、お前とデュエルをした場合は……何度も勝てる見込みなんて、まずねぇよ」
「……そりゃ、俺だってあんな害虫野郎に負けるつもりは無いけどよ……それでも、結局のところ俺はエースモンスターでダメージを与えられてないうえに、自分からエグゾを組み立てさせちまったからな……それに……」
「……それに?」
「今回の負けで蘭との賭けが成立しちまったから……そっちも含めてショックが……な?」
「……あぁ、あのタイトルの話か。そもそもな話……俺が知る範囲で蓮が賭けに乗ってる様子はなかったが?」
「俺はな、けど蘭の奴が妙に乗り気でな、まぁ蘭の師匠で俺らの世界のタイトルチャンプを、チャンピオンの手抜きとはいえ、テレビの生放送で倒しちまったせいで、色々とスポンサーになりたいと五月蝿いんだよ。仲でも鳥獣のタイトルホルダーが俺と世代交代したいと、これまた乗り気で……」
「あー、そういう事か……なるほどな、それは確かにな」
「……それに、蓮は私達の世界でデッキ破壊をメインにしたデッキで世界ベスト4になってるから、ブランド力は強い。……まぁ、今回はさすがにライフキルじゃないから、別に賭けはノーカンにしてあげるけど」
「……そうして貰えると助かる」
「……まぁ、その件は一応落着したようだし……改めて、何か聞きたいこと、あるんだろ?」
蓮「えーと、コラボの最後は作者がいるんじゃないのか?」
なんか、次のと合わせて前後半にするらしいんだけど……前半はお前に任せる! って言ってどっか行っちまった
蓮「そんなので大丈夫なのか?」
まぁ、今回のコラボの後書き、今まで俺が仕切ってたから……ってことで俺たちのデッキだな。俺は【マジェスペクター】だ。試験的にエクゾディアを入れていた。
蓮「俺は【鳥獣ビート】だ。最後のロロ以外は全部鳥獣で固めているぞ」
ってか、アイツの処理方法わっかんねぇんだが……対象に取れないわ、戦闘で破壊されないわ、相手の効果を受けないわ……
蓮「まぁ、俺たちのカード、結構インチキクラス多いからな……」
そういや、知ってるか? 今回のコラボ、互いにガバガバだったらしいぞ
蓮「……みてーだな。うちの作者はカードの名前ミスと最後のロロが生き残ると思っていたらしいな」
うちなんて幻のグリフォンがデメリット効果モンスターだと思っていたからな?ミスターボルケーノもってる奴の発言とは思えねー……
蓮「……お互い苦労してんな」
ホント。んじゃ、そろそろ締めに行くか。あまりいっぱい語っても次の後語りで話すことなくなるし。
蓮「まぁ色々あったけどよ、結構楽しめたぜ!! 次は結局ほとんど削れなかったお前のライフを削りきってやるから覚悟しておけよ!!」
俺はエクゾディアは外そうと思うかなぁ、次からは色々と調整をしていく予定だ。それじゃあ、この次の話の後語りでまた会おうな
蓮「誰に言ってるんだ?」
ん? 読者に向けて、だな
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とある高校生達との決闘目録-18
「あぁ、まずは確認だがお前の正体は、所謂転生者って奴なのか?」
「……転生、と言えるのかは分からない、な。俺自身、気が付いたら『榊遊牙』の姿になっていた……としか言えない。というのも…………」
俺は質問に対して肩を竦めて返し、経緯を説明した。
「なるほどね……何となくそうだとは思ってたけど、まさかマンホールとはな」
「トラック事故とかで死ぬのが確定した状況じゃないだけマシだよ」
俺は苦笑いをしながらそう返した。そうなったら、多分今以上に遊矢にべったりだったかもな……
「まぁ確かにな、なら転生前の知識で悪いが、少し確かめさせもらうが、次の言葉に聞き覚えはあるか?ネクサス、マジック、ブレイブ、そしてスピリット」
「……別のカードゲームだって事は知ってるし、あっちにいた時の友人がやってたのを見たことはある。だが、簡単な単語でしか俺は知らない。強いて挙げるとすれば……『バトルスピリッツ』『ライフで受ける』『ネクサス、マジック、ブレイブ、スピリットというカード種類を示す単語』……ってだけだな。俺はそれをプレイしたことはないのでな。カード名なんて気にしたこともねぇからな、聞かれても知らねぇぞ?」
「それだけ分かれば上等、でだが……お前が生前までで見たことのないカードが、俺らとの戦いであったろ?」
「あぁ、あったな…………って、まさか……」
「そ、俺らの世界じゃ、そのバトスピのスピリットが遊戯王のカードになってるわけだ。んでだが、お前が使ったあの鳥達はお前が言ってたみたいにいつの間にか……だったんだよな?」
確か、俺のデッキは40枚だったはず。だけど、確認をしたとき……
「……あぁ、俺が【今日、デッキの確認をするために中を見た時には無かった】な。えっと……」
俺はそこまで言うと、先程まで使用していたデッキを確認する。すると……
「……やっぱり、50枚になってるな。確か……違うカードは……うん、この10枚だ」
入っていたカード
ナイトイーグル
己の跳獣王 ライオ・ビット
翼の覇獣スパ・ルーダ
アルティメット・ショカツリョー
アルティメット・セッコーキジ
乙の跳獣女王アルレ・クイーン
風楯の守護者トビマル
黄金の大翼ライチョークス
アルティメット・ハシビロウ
千刀鳥カクレイン
「わぁお、どれもこれもバトスピ関連のカードばかりだな、おい」
俺はその言葉を聞いて、やっぱりこのカードはこいつに渡すべき、そう確信した。だから……
「そうか……ほら」
俺はこのカードたちを蓮に渡した。
「……良いのか? 不自然にとはいえ、自分のデッキに入ってたカードを渡しちまっても?」
おいおい、そんな単純な事を聞いてくるのかよ……分かりきっているくせに
「そりゃあ効果も強力さ。俺のデッキにも合うし……でもな、仮にこれを公式試合で使ったらどうなる?」
「そりゃ……あぁ、なるほどな」
そう、俺が嫌なのは……これが出回る事。それだけで十分バランスが崩壊する。デッキに合っていると言っても、いずれは居なくなってもらわなくては困る。
「少なくとも、今はまだこの世界にあるのはこのカードだけだが……いずれ増えてしまうだろ? そうなったらいずれ本当の遊戯王カードの価値はグンと下がってしまうだろうな。バトルスピリッツのカードは結構強いし、それは認めるが……まだまともに出ていない今のうちに処理してしまう方が一番いいんだよ。それに、元々が遊戯王じゃないカードを持っていることで【そのカードを持っているから強い】なんて、言われたくないからな」
「そっか……そういうことなら、ありがたく回収させて貰うな」
俺は受け取ったカードを別のカードケースにしまう。
「……私からも一つ忠告しておく」
「忠告? 何だ……?」
その言葉に俺は少し顔を強張らせた。
「この先、一筋縄じゃいかない事が続くかもしれない、けど、そのために力に呑まれないことね。でないと、逆になにも守れなくなるわよ」
「……あぁ。俺は少なくとも、遊矢が暴れた時には……周りへの被害は…………それと、遊矢自身への被害も……すべてを最低限に抑える。その為にも……俺は力には呑まれないようにするさ」
「……ちょっとまちなさい、その言い方、全てを知ってる訳じゃないのね?」
「遊牙君、君はいったい、
俺の言葉に祐司、椿姫が口を挟んだ……って、確か……
「……そう、だな。舞網チャンピオンシップス終了後、と言えばいいかな。シンクロ次元へ旅立つ所までは見た。その後にカードを買いに行って、それ以降は話した通り、だな」
「……そうか、てことは『LL』を使うのは不味かったな……」
「……蓮、自分でそういうのはダメだって言ってたくせに……」
ん……【LL】は誰か使うのか……?
「そうだったな。俺はてっきり、蘭たちと一緒で全部を知ってるのかと思ったからよ。あ、言っとくがその事は一切口にする気はねぇぞ?」
いや、俺は聞く気はないんだが……
「……一応聞くが、何故?」
「言ったら悪いが、遊輔さんみたいに、本来なら居るはずのない人間まで居るんだ、てことは未来が同じと決まってないし、何より未来ってのは自分で見つけるから良いもんだろ?」
蓮はニヤリと笑って俺に手を差し出す。
「今日は負けたが、次は勝つ。アクションデュエルで負けて、得意のスタンディングでまで負けるわけにいかねぇからな、覚悟して腕を磨いておけよ」
「そん時があれば……その時は次も勝たせてもらうさ」
俺は笑って蓮の手をがっしりと掴み、握手を交わす。
「……さて、本日は有意義な時間、感謝させて貰う」
あのあと、決闘部の面々とデッキについて話したりと、時間があっという間に流れ、気付けば夕方近くになっていた。
「こちらこそ、とても塾生にとってもそして自分にとっても有意義な時間だった。とても感謝している」
遊輔さんは笑って返す。そして塾のドアを開けた時……一閃の光が突然ドアの向こうより光り、俺達はあっという間に意識を失った。意識を失う寸前、俺のデッキから龍の声が聞こえた気がしたが……意識はあっという間にブラックアウトした……
「ん……? …………見慣れた天井だ……じゃなくて!?」
俺が目を覚ましたら、視界にあったのは【この世界での俺の部屋の天井】だった。俺が思わず飛び起きて見回すと……やっぱり俺の部屋だった。(遊矢とは別々の部屋だからな)
「……夢、なのか?」
夢にしては、色々リアルだったような気もする……けど、とりあえず俺は朝食を食べて、遊矢と共に遊勝塾へと向かう事にした。ちなみに、遊矢に聞いたら……
「なんかさー、変な夢見たんだ……誰かがデュエルしてる夢だったんだけど、誰がデュエルしているのか全然見えなくって……」
……とのこと。ペンデュラム召喚の事もあの時に実は話していたので聞いてみたら「分からない」という予想通りの回答だった。
因みに、他のあの時デュエルをしていたメンバーは全員デュエルをした夢を見たが、誰が相手かは思い出せない、とのこと……でも、俺は…………俺だけは覚えている。
蓮、蘭、亮、祐司、椿姫、剱菜……また会える時があれば…………また、デュエルをしよう。
どうも、作者です。
遊牙「遅い」
え、いや……こっちも色々リアルが忙しかったんだよ!?大学卒業かかってる年だったし!
遊牙「だったら書きはじめを遅くしてればよかっただろ?」
いや、それはそれで元々書くスピードが遅い俺は先にやらねぇとダメだし……っととまずはコラボ終了に伴いまして、感謝の言葉です。
ドロイデンさん、こんな執筆の遅い俺にイライラせず(してたかもだけど…?)待っていてくれてありがとうございました。とても内容を考えているのが楽しかったコラボとなりました。
また、5試合分という長丁場にも拘らず色々なネタの提供、本当にありがとうございました。
そして読者の方々。こんなめっちゃ長い番外編を飽きずに見ていただき、本当にありがとうございます!
それと、活動報告でも書きましたが、これよりこの遊戯王ARC-V 風纏いの振り子のコラボを本格的に募集しております。詳しい内容は活動報告を読んでいただき、活動報告かメッセージのどちらかで参加表明して頂けるととても嬉しいです。
作者・遊牙「それじゃあ、また!」
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第1章第2幕 強襲! vsLDS!! 遊勝塾の日常
第2話-1
一応、書き溜めをしていますが、コラボだったり八人目だったり、ヴァンガード(今あるやつも、そして新規でのも)の方も書いてるので、何とも言えません。
まぁ、カメより遅いかもしれない執筆スピードですが、気長に待っていただけるととても嬉しいです。
「はぁ……」
「…………」
「……はぁ」
……遊矢が困り顔でため息。これでかれこれ34回だ。どうしてなのか……それは至極単純だ。
「どうして遊牙兄さんが先にマスターしちゃったんだろ…………」
……と、いう訳である。ついでに言えばこれで35回目である。最も、実はペンデュラムに関して説明をしたつもりなんだが……あのデュエルはみんなの中では夢の中での話のようで……その時のデュエルを覚えてない様子。その為にさっきも遊矢がスケールで失敗したのを見てインチキ扱いしだした見物客を見ていてもたってもいられず、一度デュエルを中断。その後俺が代わりに説明することでその場は沈静化した(遊矢は緊張してただけだ、と追加で説明)。ちなみにペンデュラムカードの販売に関しては自分たちはレオ・コーポレーションに頼まれただけなのでレオ・コーポレーションに問い合わせるように説明した事に関しては俺は悪くないはずだ。結局、原作では出てこなかった人物で の入塾以外は特に変わらず、タツヤも入塾してくれた。違うとすれば……今頃、レオ・コーポレーションは大混乱だろうな、うん。
まぁ、結局あの後で改めて遊矢に再度レクチャーすることでとりあえずは覚えれたらしい……けど、この状況である。
俺は遊矢の兄だから……という言い訳はしたくない。あくまでも俺は遊矢とは対等にデュエルをしたいからだ。遊矢が俺を尊敬してくれるのは自由だが……それでも、俺は兄だからという理由で遊矢より先に進む事はこれまで一度もしていない。それはこれからも同じだ。
俺としては遊矢の事がとても心配なんだが……遊矢自身は心配しないでほしいって言うもんだから助けてやれないんだよなぁ……って、そういやそろそろ出かけないと……
「……じゃ、じゃあ俺ちょっと母さんに買い物頼まれてるから……出かけてくるな?」
「うん……」
重症の遊矢を置いていくの忍びなかったが……仕方なしと割り切り、俺は自宅を出発した。
しかし、俺はこの時……LDSの存在を……そして、色んな意味で厄介なアイツの存在とイベントを忘れていた……
数時間後……LDSデュエル場内
ここはデュエルスクール最大手であるLDS。そのデュエルフィールドにて、とある2名のデュエルの勝敗が決した。しかし、その直後……ある青年がそのデュエル場の扉を勢いよく開けた……かと思うと一気に跳躍、その勢いのままに先程のデュエルで敗北した者へと殴りかかった。突然の出来事にその場にいた全員が唖然に取られている中で殴りかかった青年は殴った相手を見下ろし、一言告げた。
「……おい、デュエルしろよ」
「いや、明らかにオレ様は殴られてんだけど……「問答無用。デュエルの相手を要求する」何でだよ!?」
「え、えっと……遊牙兄さん? 俺達は何ともなかったんだしさ……「遊矢は優しいな。だが、黙ってて。良いね?」アッハイ」
青年……遊牙は自宅に帰った後に家に弟の遊矢が居ないことに気付き、ある事実を思いだして慌ててLDSに突撃。つい先程遊牙に殴られた沢渡シンゴの居場所を聞き出してデュエルフィールドに殴り込みをし、現在に至る……と言うわけだ。
しかし、遊牙は沢渡のしたことに怒っている訳ではなかった……
「(畜生、このイベントあるのすっかり忘れていた……遊矢の雄姿を見逃してしまった……!)」
ただただ弟の雄姿を見逃してしまった自分に腹をたてていたのだった。そして、その怒りを沢渡にぶつけた……ただそれだけであった。要するに八つ当たりである。
しかし、彼ら……沢渡と遊矢達はそう思っていない。沢渡の起こした誘拐(?)事件に関して怒っているのだと思っているからだ。遊矢も兄への置き手紙を残していたこともあり、それを見てきたのかと思っているのだ。
「さぁ、お前の実力を俺に見せてみろ!」
「くっ……仕方ねぇ、デュエルだ! アクションフィールド“決闘の荒野”を用意しろ、お前たち!」
『わっかりました! 沢渡さん!! アクションフィールドオン!! 決闘の荒野!!』
沢渡の取り巻き達がアクションフィールド制御室でアクションフィールドを展開すると、無機質な壁から周囲の風景は一転……西武劇にありそうな広い荒野、そして両者とも変わらない距離にあるのは、これもまた西武劇に出てきそうな街並みであった。
そして、遊牙と沢渡は互いに一定の距離を取り、デュエルディスクを展開し……
「戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが!」
まず始めに沢渡が勢いよく口上を述べると
「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い!」
それに続く形で遊牙が返す。
『『『フィールド内を駆け巡る!』』』
そして取り巻き達が口上の続きを言えば
『『『『『見よ、これぞ、デュエルの最強進化形、アクショ~ン』』』』』
遊勝塾の面々がデュエル宣言目前を告げ
「「デュエル!!」」
デュエルが開始された。
Yuga LP4000 vs Singo LP4000
「先攻は俺だ! 俺のターン!」
先攻は俺。遊矢に一応このデッキの内容は見せてるがその時からは大分と内容も変わっている。というのも、遊輔先生にこのデッキの相談をしたらなんかすげぇアドバイスをくれたんだよな。しかもいくつかカードもらったし……
「俺はモンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンド」
まぁ、今はまだ出せないけど……な。
遊牙LP4000
手札3
???
伏せカード
「俺のターン、ドロー!」
手札
5→6
「よぉし、オレ様は“ライトニング・ボード”を通常召喚!」
ライトニング・ボードATK1400
「そして魔法カード“ダーツ補充”! 手札を1枚捨ててデッキからダーツモンスターを2枚手札に加える! その後墓地のこのカードと手札を1枚を除外して手札のレベル6以下のダーツモンスターを特殊召喚する! “ロケット・ダーツ・シューター”と“ダーツ・ユニット・バレル”を手札に加えて……手札のロケット・ダーツ・シューターを特殊召喚!」
ダーツ補充(オリカ) 通常魔法
手札を1枚墓地に送ることで発動できる。「ダーツ」と名の付くモンスターを2枚手札に加える。この効果を発動した後、墓地に存在するこのカードと手札を1枚を除外することで手札のレベル6以下の「ダーツ」と名の付くモンスターを1体特殊召喚する。
除外されたカード
・ダーツ補充(墓地から)
・異次元からの宝札
ロケット・ダーツ・シューターATK1900
「魔法カード“破天荒な風”でライトニング・ボードの攻撃力を1000あげて……バトルだ! ロケット・ダーツ・シューターでセットモンスターを攻撃!」
???→神秘の妖精 エルフィリアDEF900
「セットモンスターは“神秘の妖精 エルフィリア”。そのまま破壊される……が、アクションマジック“荒野の追い風”! 戦闘で相手モンスターによって自分フィールドのモンスターを破壊された時、デッキから破壊されたモンスターの攻撃力以下のモンスターを特殊召喚! 攻撃力1500以下……“マジェスペクター・フロッグ”を特殊召喚! そしてフロッグのモンスター効果!デッキからマジェスペクターと名の付く魔法・罠カードをセットする。俺は“マジェスペクター・ソニック”をセット!」
マジェスペクター・フロッグATK1300
俺の場に現れたのは赤いマントのようなものを羽織っている緑色の大蝦蟇……要するに蛙だ。そう、蛙だ。
「ちょっ! 蛙っ!!??」
「蛙、気持ち悪~い……」
…………想定していたとはいえ、杏子、と柚子……あと小学生組も特に叫ばないが嫌悪感を抱いている様子…………あ、フロッグが落ち込んだ。
「ふん、そんな弱小モンスターを出して何になる! ライトニング・ボードで攻撃!!」
「……お前は落ち込んだモンスターに対して容赦無いな!? だが、俺は護るぜ! アクションマジック “回避”で戦闘を無効に!」
「ッチィ……俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ!」
シンゴLP4000
手札2
ライトニング・ボードATK2400
ロケット・ダーツ・シューターATK1900
伏せカード
「俺のターン、ドロー!」
手札
3→4
ひとまず、展開はもう少し先かな……
「俺はマジェスペクター・フロッグを召喚! 召喚時効果でマジェスペクター・ソニックをデッキからセット!」
マジェスペクター・フロッグATK1300
「バトル! 前ターンに特殊召喚したフロッグでライトニング・ボードに攻撃!」
「何ッ!? 攻撃力が低いのに、だと!?」
「当然さ。フロッグの攻撃宣言時“マジシャンズ・サークル”を発動! 魔法使い族の攻撃宣言時に発動可能! 互いに攻撃力2000以下の魔法使い族を特殊召喚する!」
「何!? お前の場にいるのは魔法使いじゃないだろ!?」
うん、テキスト見ないのはいつものことかな?
「よく見てみろ、しっかりテキストに書いてあるぞ」
マジェスペクター・フロッグ:魔法使い族
「……マジかよ」
「っつーわけで正規で処理される。俺はデッキからこいつを特殊召喚する。来い! “マジェスペクター・ユニコーン”!!」
マジェスペクター・ユニコーンATK2000
「さぁ、お前も特殊召喚しな。出来ないならその確認をする権利はこちらにあるが……」
「……っちぃ、ねーよ」
「……まぁ、良い。お前のデッキに別にいるとも思ってねーからな。そしてダメージステップ時前ターンにフロッグの効果で伏せていたマジェスペクター・ソニックを発動! フロッグの攻撃力をこのターンの間だけ倍に! もっとも、戦闘ダメージも半分になるがな」
シンゴLP4000→3900
「っちぃ……!」
「ユニコーンで攻撃!」
「させねーぞ! リバースカードオープン! “次元幽閉”!」
「こっちがさせねーっての! アクションマジック“鎮魂の一撃”!」
鎮魂の一撃(オリジナル) アクションマジック
自分の場のモンスターが相手のコントロールする罠カードの対象となったときに発動できる。その効果を無効にし、自分の場のモンスター全ての攻撃力をエンドフェイズまで500ポイントアップさせる
マジェスペクター・フロッグATK1300→1800
マジェスペクター・ユニコーンATK2000→2500
「なあっ……!?」
シンゴLP3900→3300
「フロッグで直接攻撃!」
シンゴLP3300→1500
「くそっ……」
「俺はカードを1枚セット、ターンエンドだ」
今回の、沢渡のデッキの【ダーツ】ですが……正直ペンデュラムがないと展開がしづらい様子でしたので、様々なオリカで補強しております。なのでパッと見では強く感じると思います
あ、デュエル前の遊牙は平常運転です。気にしないでください。
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第2話-2
「オレ様のターン、ドロー! 更に除外された異次元の宝札を手札に戻して効果発動! 互いに2枚ドロー!!」
手札2→3→4→6
遊牙
手札2→4
「こいつは……! 魔法カード“ワンスロー”を発動。デッキからダーツモンスターを3体手札に加える。“アルティメット・ダーツ・シューター”、ロケット・ダーツ・シューター、“インフィニティ・ダーツ・シューター”を手札に! そして“スリー・イン・ア・ブラック”を手札を1枚捨てて発動! 手札から3体までのダーツモンスターを特殊召喚できる! 更に、手札から3体特殊召喚した時、墓地のダーツモンスターを特殊召喚できる! 現れよ、オレ様のダーツモンスターよ!!」
墓地に送られたカード
ダーツ・ユニット・バレル
アルティメット・ダーツ・シューターATK2400
パワー・ダーツ・シューターATK1800
ロケット・ダーツ・シューターATK1900
インフィニティ・ダーツ・シューターATK2900
「攻撃力2900……!」
「いくぜ、パワー・ダーツ・シューターのモンスター効果にインフィニティ・ダーツ・シューターの効果を合わせて発動! インフィニティ・ダーツ・シューターをリリースしてパワー・ダーツ・シューターの攻撃力をバトルフェイズ中だけ600アップする! そしてインフィニティ・ダーツ・シューターの更なるモンスター効果! こいつには3つの効果があり、1つはさっき見せたリリースする効果をこいつで代用する効果。2つ目はこいつのアドバンス召喚時の効果。そして3つ目……こいつがリリースされた時、オレ様の場のモンスターは永続的に1500ポイントアップする!」
インフィニティ・ダーツ・シューター(オリカ)
地属性 機械族 ☆8 ATK2900 DEF2000
(1):このモンスターがアドバンス召喚された時、アドバンス召喚のためにリリースしたモンスターを自分の墓地から任意の数だけ特殊召喚し、特殊召喚したモンスターの攻撃力を2000アップする。
(2):自分の場に存在するモンスターの『自身をリリースして発動する効果』の発動時、その代わりにこのカードをリリースして発動する事が出来る。
(3):このモンスターが自分のコントロールするカードの効果でリリースされたとき、自分フィールド上のモンスターの攻撃力を1500アップする。
アルティメット・ダーツ・シューターATK2400→3900
ロケット・ダーツ・シューターATK1900→3400
パワー・ダーツ・シューターATK1800→3300
「なっ……!」
永続効果……!? これは相当ヤバいな……
「バトル! パワー・ダーツ・シューターでその蛙に攻撃!!」
パワー・ダーツ・シューターATK3300→3900
「っく……」
俺は咄嗟に近くにアクションカードがないか、探す……が、辺りには無さそうだな……温存したかったが、ソニックを切る!
「リバースカード、マジェスペクター・ソニック! 攻撃対象になったフロッグの攻撃力を2倍に!」
「だが! オレ様のモンスターには程遠いっ!! 蹴散らせ!」
遊牙LP4000→2700
「まだまだぁ! ロケット・ダーツ・シューターでもう1匹の蛙を攻撃ぃ!」
走り回っていた俺の視界に僅かに一瞬だったけど……今、アクションカードが間違いなくあった。あれを取ろう……!
「とど……けぇぇぇぇ!」
ロケット・ダーツ・シューターの攻撃が来る直前ギリギリに俺は辛うじてアクションカードを手にした……が、見てる暇はない! 発動しないと!!
ドゴォォォォ!!
攻撃がマジェスペクター・フロッグに当たり、辺りには土煙が立ち込めた。
「やったか……ハハハ、これで俺の勝ち「まだだ……!」なっ……!?」
勝利を確信していたシンゴだったが、土煙の向こうから聞こえた声に戸惑いを隠せなかった。何故なら、そこにはユニコーンと『攻撃のヒットしたはずのフロッグを従えている』遊牙の姿があったからだ。
遊牙LP2700→1150
「アクションマジックの“奇跡”だ。戦闘ダメージを半分にし、戦闘破壊も無効にさせてもらった」
「っく……だが、まだ攻撃を残している! アルティメット・ダーツ・シューターで攻撃ぃ!」
「それにはこれで対処だ。アクションマジック“速打ちガンマン”を発動! 俺の場のモンスターを1体選択してそいつの攻撃権利を放棄することでそのモンスターの効果をこのカードの効果として使用する! 俺はマジェスペクター・ユニコーンのモンスター効果を即座に使用!」
遊牙の掛け声にユニコーンが鳴き声をひとつあげると、フロッグとアルティメット・ダーツ・シューターの足元に何やら風の渦が巻き起こった。
「俺の場のマジェスペクターモンスター、フロッグと相手の場の……今回はアルティメット・ダーツ・シューターだな、を選択してそれらを手札にバウンスする!!」
「なっ……!? くっ……オレ様はカードを2枚セット「その伏せカードがセットされたタイミングでユニコーンのモンスター効果! ユニコーン自身とロケット・ダーツ・シューターをバウンス!」 なぁっ……!? っくそが……ターンエンドだ!」
シンゴLP1500
手札3(異次元の宝札&アルティメット・ダーツ・シューター&ロケット・ダーツ・シューター)
パワー・ダーツ・シューターATK3300
伏せカード
伏せカード
「俺のターン! ドロー!!」
うーん、相手の伏せカードが何かによるけど……まだ分からんな……やっぱり、このデッキはどうしても火力がなぁ……
「俺はマジェスペクター・フロッグを再度召喚! その効果で……デッキから俺は“マジェスペクター・サイクロン”をセット! ターンエンド!」
遊牙LP1150
手札4(マジェスペクター・ユニコーン)
マジェスペクター・フロッグATK1300
伏せカード(マジェスペクター・サイクロン)
伏せカード
「こいつ……! オレ様のターン!」
手札
3→4
「っ……! やっぱ、オレ様カードに選ばれすぎぃ!! バトル! パワー・ダーツ・シューターで蛙に攻撃!」
「名前をちゃんと呼べよっ!! アクションマジック“回避”! その攻撃を無効に!!」
「かかったな! 手札の“ダーツ・ユニット・バレル”のモンスター効果! オレ様の場のモンスターの攻撃が無効になったときにこいつとそれ以外の手札1枚を墓地に送ることで発動できる! オレ様の場に存在するダーツモンスターはもう一度攻撃ができる! 更にぃ、墓地にダーツ・ユニット・バレルが2体以上存在するとき、墓地のバレルを2枚除外することでぇ! モンスターとの戦闘で発生する戦闘ダメージは2倍になる!」
ダーツ・ユニット・バレル(オリカ)
☆1 地属性 機械族 ATK100 DEF100
(1):自分の場に存在する『ダーツ』と名の付くモンスターの攻撃が相手のカードの効果により無効となった場合、このカードと『ダーツ・ユニット・バレル』以外のカード1枚を墓地に送ることで発動できる。攻撃の無効となったモンスターはもう1度攻撃できる。この効果による攻撃はカード効果で無効にできない。
(2):このカードが墓地に2枚以上存在するとき、墓地に存在する『ダーツ・ユニット・バレル』を任意の枚数除外することで発動できる。除外した枚数だけ戦闘ダメージが増える。
「……っ!」
トンデモ性能だな……まぁ、ダーツモンスター自体上級が多くて召喚が面倒なようだし、そこまで気にするほどでもないか。一応、防ぐ手立てがない訳じゃあ無いからな
「消えろぉ! 蛙がああああ!もう一度、攻撃ぃ!」
「名前を呼べと言ってるだろぉが、貴様ぁ! ダメージ計算直前、ガード・ブロック”を発動する! 戦闘ダメージを0にして1枚ドロー!」
「なっ……! た、ターンエンド……」
シンゴLP1500
手札2(アルティメット・ダーツ・シューター&ロケット・ダーツ・シューター)
パワー・ダーツ・シューターATK3300
伏せカード
伏せカード
「俺のターン、ドロー!」
手札
5→6
……よし、この手札なら戦えそうだな! 最初に触れた時とは違って、意識もある……行くぞ!
「さぁ、行かせてもらうぞ! 俺はスケール1の“オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン”とスケール8の“オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン”でペンデュラムスケールをセッティング!」
『来た! 兄さんのペンデュラム!』
『『『いっけぇ、遊牙さん!!』』』
「これにより、レベル2~7のモンスターが同時召喚可能!
揺れろ、新風纏いしペンデュラム! 天空を翔ろ新風のアーク! ペンデュラム召喚! 舞い降りろ、俺の仲間達よ!」
俺の声に呼応するようにソリッドヴィジョンで出現したペンデュラムが揺れ動く。そして【ペンデュラムが軌跡を描いたかと思うと、その軌跡から出た光がペンデュラムへと集結し、ペンデュラムが細かく砕け、その破片がフィールドに複数渦巻くと、そこからモンスターが出現した】
「手札よりあらわれよ……未来の幻を視る眼を持つ竜、“オッドアイズ・ファントム・ドラゴン”!! そして……」
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500
マジェスペクター・フロッグATK1300
マジェスペクター・フロッグATK1300
「なっ……なんで…………!! テメェのさっきの手札の数と今の手札の数じゃあ、そんなに出せる訳ねぇだろ!! しかも、そいつら……!」
さぁ、これがペンデュラムモンスターの面白いところだ。
「ペンデュラムモンスターは! 墓地に送られる代わりに、エクストラデッキに表側で送られる! そして……エクストラデッキで表側で存在するペンデュラムモンスターは……スケールに合っていれば、ペンデュラム召喚での特殊召喚が可能になる!!」
「なん……だと…………!?」
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第2話-3
「これで終わりじゃねぇ! まずはフロッグ2体の効果によりデッキから“マジェスペクター・スーパーセル”と“マジェスペクター・テンペスト”をセット! そして、フロッグを1体リリース……来い、マジェスペクター・ユニコーン!」
マジェスペクター・ユニコーンATK2000
「そして魔法カード“命削りの宝札”によりデッキから5枚になるようにドロー……うん、これなら……」
さて、と……それじゃあこれから……追い詰めますか! この手札なら、相手の伏せを気にせず行ける。まず、召喚系じゃないなら、あれはコンバットトリックか……ミラフォ的な何かか……
「(考え込みやがった……しかし、俺の伏せカードはミラーフォースとリビングデッドの呼び声。どんな手を使ってこようが、俺の勝利は揺るがない!!)」
……ま、ミラフォなら実質1枚気にならない程度で良いし、考えるまでもないか。コンバット系だろうと、モンスターを守る系だろうと蘇生系だろうと……全て突破していけばいい。
「まずは魔法カード“二重召喚”を発動。これで通常召喚権をもう1度使用できる。これで……召喚! “魔装戦士ドラゴノックス”!」
魔装戦士ドラゴノックスATK1500
このデッキとはあまりシナジーが薄そうなこの魔装戦士カードだけど……これもなんだかんだでペンデュラムモンスター。ただ、これは他の魔装戦士モンスターや他のペンデュラムモンスターカード、それらの補助系カードと一緒に送り主不明で届いていたカード……正直、送り主が誰かは……全く分からない。ペンデュラムモンスターは今のところ俺と遊矢。それと、もう元の世界に帰った『アイツ』しか、俺は今のところ使い手を知らない。なぜ、こんなカードが届いたのか、誰が送って来たのか、送り主の意図……これ等は全くと言っていいほど手掛かりがない。けど、俺のデッキとの相性は悪くなかったり、打点の少ないこのデッキにとってはこの魔装戦士のペンデュラム効果は魅力的だったこともあって、入れている。最も、『あのカード軍』が抜けた穴を埋めるカードも欲しかったわけだし……な。今回はモンスター効果の方が良いからね。
「魔装戦士ドラゴノックスのモンスター効果。手札を1枚墓地に送ることで……墓地の攻撃力1500以下の戦士族または魔法使い族モンスターを裏側守備で特殊召喚する。俺はこの効果で……神秘の妖精 エルフィリアを裏側守備表示で特殊召喚!」
墓地に送られたカード
代償の宝札
「そして代償の宝札の効果で2枚ドロー」
手札
2→4
ふむ……前言撤回。追い詰めるどころか……このターンでケリをつけようか
「魔法カード“ハーピィの羽箒”を発動! その伏せカード2枚には消えてもらう」
「なっ……! ミラーフォースとリビングデッドの呼び声が……!」
おっと、ビンゴ。やはり、ミラーフォースは働かないな……だったら、この手札の“我が身を盾に”と“神秘の中華鍋”は無意味だな。ドラゴノックスをリリースしてコストを確保する予定だったんだが……まぁ、一応既定路線は進めておくか……
「んじゃ、魔装戦士ドラゴノックスをリリースして神秘の中華なべを発動。その攻撃力分回復する」
LP1150→2650
これで、仮に全体破壊効果を持つアクションマジックを引かれても……対応できる。
「伏せてある、マジェスペクター・サイクロンを発動! フロッグと共に、パワー・ダーツ・シューターをバウンス!」
「っ……!!」
おっと、今、アクションカード手にしたな……発動ではない、ならアクションマジックか。まぁ、気にする必要はない。
「バトル! ユニコーンで攻撃!」
「アクションマジック、回避!」
それは想定済み!!
「オッドアイズ・ファントム・ドラゴンで攻撃! 夢幻のスパイラルフレイム!!」
「くっ……来た!! アクションマジック、“乱射”!! 相手フィールド上のモンスターを全て破壊する!」
おっと、本当に引いたか。警戒しておいて正解だったな。
「我が身を盾にを発動! 1500のライフと引き換えに破壊効果を無効に!」
「なっ……!?」
「決めろ! オッドアイズ・ファントム・ドラゴン!!」
龍の放った攻撃は、沢渡の発動したアクションマジックから出現した銃弾全てを巻き込んで沢渡に直撃した。
「なっ……グアアアアアアアアアアアアア!?」
LP1500→0
win
遊牙
えーと、確かまだ紫雲院素良の姿は見てないし……この後、なのかな?
「ぐっ……お、覚えてやがれっ!!」
あ、沢渡が取り巻き連れて逃げてった……本来なら力づくで何とかしようとして、だったはずだ「グアアアアアア!?」…………はい?
俺が振り返ると、沢渡たちがデュエルフィールド入口でのびていて……そこには少年が2人……?
「このお兄さんたち、だらしがないね、素良?」
「いや、君と一緒にされたくないんだけど……?」
1人は水色の髪を旋毛の部分で束ねている黄緑色の瞳を持つ少年……呼ばれた名前からも紫雲院素良で間違いない。肝心のもう1人は青紫の髪を肩まで伸ばしていて薄紫色の瞳を持つ少年で、素良よりは背は若干高め。俺は少なくとも、あの少年は知らない……
「ねぇ、さっきのデュエル……すっごく面白かったよ!」
「今のデュエル、凄かったね! 戦士と魔法使いの共闘がすっごくかっこよかった!!」
素良は遊矢、そしてもう1人の少年は俺にそれぞれ話しかけてきた。そして……
「ねぇ、遊矢。僕の師匠になってよ!」
「ねぇ、遊牙。ボクの師匠になってよ!」
「「…………えっ?」」
『アイツ』が誰かって?誰でしょうねー(棒)
遊牙「アイツはアイツだよ。詳しくはコラボ編をどうぞ」
あ、うん。そうだね。ダイマ乙
遊牙「んで、話は変わるけど……大抵お前が投稿する時ってアニメ終わった後だよな? どうやって書いてんだ?」
えっとね、まずアニメを無料で見れるサイトで見るだろ? んで、他の方の素晴らしい作品を見ながらこんな物語が良いかな、ってストーリー構築するだろ? んで描写の為に何度も参考画像を見ながら書く、かな?
遊牙「なんでアニメの放送中に書かないんだよ……」
いや、俺がポケモン以外の他のアニメ見だしたの結構最近だからな? 仕方ねぇんだよ……
遊牙「うん、それは置いといておくとして「ひどくない!? おかないでよ!?(by作者)」それでも、もうちょっと早く書くって事は出来ないわけ?」
やりたいけどねー、やっぱリアルの優先が重要だしそれに「あ、話長くなるんで今回はここまで。また次回も見てくれよな?(by遊牙)」おいい!?話振っといてそれはn(ry)
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第3話-1
「なんだ、ただの夢か……」
……いや、どんだけ夢を見るんだよ……でも、遊矢がプロになって大会で俺を倒して優勝する夢、か。アリなんだけど……ちょっと悲しい部分はあるかな…………成長した、と捉えればそれでいいんだけど……
「……うん、気にしたら負けだな」
俺はとりあえず着替えを済ませていつものようにペンダントを首にかけて朝食をとる為に着替えて1回に降りる。そしてふと食卓へと視線を移すと……
「あ、師匠!」
「あ、シショーのお兄さん!」
……うん、やっぱりいやがった。素良と青紫の髪の少年……確か、名前は夕凪ユギト、だっけ? 素良と一緒に自己紹介をしていたけど……さて、コイツの話はこのくらいにして……
「言っておくが、ユギト。お前を弟子にした記憶はこれっぽっちもないぞ……ってか、母さん。なんでこの二人がここにいるんだよ」
「家の前でうろうろしていたからつい、ね?」
「いや、人間を拾わないでしょ、普通……」
「そんなつれないこと言わないでよ、師匠~!「母さん、朝食マダ?」無視!? ねえ、なんで無視するの!?」
聞こえない、聞こえない。遊矢が上でアンとコールを愛でている声しか聞こえない。
「はいはい、ほら。ホットケーキだよ。君たちもいっぱい食べていいからね?」
……うん、やっぱりホットケーキ旨い。母さんの料理は本当に美味しいなぁ。
「母さん。また動物拾ってきt「あ、シショー!」」
そういや、遊矢も付きまとわれてるんだっけ…………すっかり忘れてた。
「…………流石に学校までは来なかった、うん」
「何が来なかったの?」
俺は今、学校の授業を終えて遊勝塾へと向かう道中を歩いている。隣には同級の杏子が一緒だ。
「いや、昨日……色々あってな」
「あぁ……柚子から聞いたわよ。また弟子を取ったんだって?」
やっぱりというべきか、弟子は取るつもりはないんだけどな……一度たりとも。
「だから……俺は弟子は雄飛しか取ってねぇ! それに、雄飛だって本当に弟子として取ったつもりはない」
「……え? どういうこと?」
「俺はあくまでも遊勝塾で共に習うという意味での弟子として雄飛を取ったんだ。それに俺は師匠という柄じゃない!」
「はいはい……その愚痴は何回も聞いた。だったら、デュエルで確かめればいいじゃない。師匠としてプレイングを鍛えてあげれる子かどうか」
その結論にはとっくに至ったさ……至ったけどな?
「……10戦10勝全ノーダメージ」
「…………え?」
アイツの兄のデュエルはテレビで見ていたこともあるから分かったけど……
「もうアイツとのデュエルはやってさっき言った結果だ。正直に言わせてもらえばアイツのデュエルは兄の模倣に過ぎない上に劣化版だ。しかも効果をあまり覚えれていないと来た。だから俺は本人にも直接伝えた。『そんなんじゃあお前を弟子として認めない』ってな」
「いや、さすがにそれは言い過ぎじゃあ……」
「それでへこたれるなら、その程度のデュエリスト……って訳だ。もし、へこたれずにまた挑んでくるようなら……そして、俺のライフに傷を付けることができるなら。その時は認めようと思う」
まぁ、雄飛なら弟子にしてもいい、と一瞬でも思ったからなぁ。ユギトは取る気更々ないけどな。素良と一緒だった、ってのが理由だけど……なんか、嫌な予感すんだよなぁ……
「……なぁんだ、まったく取る気がないわけじゃないのね?」
「……あぁ」
結局、その後は他愛もない話をしながら遊勝塾にたどり着く。そして入ってみると……既に誰かがデュエルをしていた。
……いや、分かってんだけどね? 大方、遊矢と素良だろうな……
「あ、師匠! 師匠も後でボクとデュエルしようよー!」
ユギトが俺に近寄ってくる……が、俺はユギトの頭をがっしりと掴んでその流れでアイアンクローをキメる。
「痛い痛い痛い痛い!!」
「あ、師匠!」
「遊牙、何をじゃれているんだ?」
……ひっじょーにとんでもないタイミングの悪さで雄飛と遊輔さんがやって来た。しかも雄飛が俺の事を師匠と呼んで俺の腰に飛びつく……お前らはどうしてこうも飛びこもうとするんだ。そして目の前のユギトの目が明らかにムスッとした様子だった。
「……は? 何言ってんの? ボクの師匠だけど?」
ユギトの言葉に雄飛もムスッとしている。あぁ、嫌な予感がする……
「……僕の方が先に師匠に師事を仰いだんだから」
「は? 師匠はボク以外のだれも弟子を取ってないって言ってるけど?」
「お前の耳はどうなってんだ? ユギトも雄飛もどっちも弟子にした記憶はないぞ?」
「ひどい! 僕のこと手取り足取り教えてくれたじゃないですか!」
「ボッコボコに負けてよくそんな言葉言えるな?」
「はぁ? こっちなんて一から教えてもらったんだけど?」
「お前と会ったのはこれが2度目だし、ほとんど会話もしてねぇだろ」
…………こら、そこの杏子たち。こっち見てホンワカしてないで助けろください
遊矢vs素良のデュエルの結果としては最終的に遊矢の勝利で幕引きとなった。そして互いに話し合った結果、『師弟』ではなく『友人』になると言うことで決着が着いた。しかし、フィールドから二人が出ればそれよりも酷い一種の修羅場のような状態であった。互いに睨み合う雄飛とユギト……そして、二人の間に立ち困った表情の遊牙……そう、遊矢の方はまだ円満に終わったが…………此方は激化しかけていた。
「……じゃあ、デュエルでより良いデュエルをした方が俺の弟子になる……で良いか?」
「あぁ!」
「うん!」
遊牙が溜め息交じりに問いかけると雄飛とユギトは頷く。二人の顔はどちらも真剣そのものだ。肝心な遊牙の表情はもはや諦めている様子であったが……そして睨み合ったまま二人はデュエルフィールドへと入る。それを見届けた遊牙は管制室にまだ残っていた塾長へと声をかける。
「……では、塾長。宜しくお願いします」
『おぉう! アクションフィールド、オン!『サーカス・テント』!!』
塾長が操作すると、デュエルフィールドが変化していくと…………周囲に観客席、そして両サイドに金属パイプで組み立てられたのぼり台が2本。それとそれらを繋ぐ綱渡り用のロープや空中ブランコext...様々なサーカスにありそうなものがあり、上空はテントのようになっていた。
「良かったのかしら? あんな約束しちゃって……」
観客席でフィールドを仁王立ちの状態で見詰める遊牙に杏子はそう問い掛ける。そんな問いかけに遊牙は答えなかった……が、その近くに歩み寄る別の人物がいた。
「確か、雄飛って色々不安なんじゃないのか?」
天然のウェーブパーマの黒髪を肩にかかるまで伸ばした白の制服を着用した少年……彼の名は『権現坂 暁』……そう、権現坂道場の跡取り息子『権現坂 昇』の実弟である。しかし、彼は【権現坂道場生ではなく遊勝塾の塾生】である。その為もあってか、彼のデッキは不動のデュエルとはまた別物になってきている。ではなぜ、暁は遊勝塾にいるのか……それが明かされるのはまた今度となるであろう。
「不安なのは不安……でも、アイツがまた俺に挑んできた。それが何よりも嬉しい……かな」
暁の問い掛けに遊牙が小さくそう返せばその隣に遊輔が歩みより……一言告げた。
「俺がしっかりと鍛えた。今なら遊牙ともいい勝負が出来る筈さ」
「…………そう、ですね。では、貴方の鍛え方……見させてもらいます」
未だ遊輔に疑心を抱いている遊牙であったが、そう返すとデュエルへと視線を移した。デュエルは既に始まっており、先攻ターンのユギトのターン行動が終わったところであった。
「……にしても、あのユギトという少年は一体……?」
「……一応LDSで学ぼうとしていたらしいですし、かなりの実力者であることには変わらないと思いますよ。何せ、彼はついさっき、2回も【融合召喚を決めて】いますからね」
「ボクはこれでターンエンド。さぁ、君のターンだよ」
ユギトLP4000
手札0
エルシャドール・シェキナーガDEF3000
マスマティシャンDEF500
エルシャドール・アノマリリスATK2700
「僕のターン!!」
雄飛は勢いよくカードを引き、引いたカードを見てそれを即座に発動させた。
「僕は“幻獣機メガラプター”を召喚! 更に魔法カード“愚かな埋葬”を発動“幻獣機オライオン”を墓地に送る。そしてオライオンの効果発動! 墓地に送られたから僕のフィールドに幻獣機トークンを1体生成! 更に、それに呼応しメガラプターのモンスター効果! フィールドにトークンが出てきたとき、同じく幻獣機トークンを1体生成する!」
幻獣機メガラプターATK1900
幻獣機トークンDEF0
幻獣機トークンDEF0
雄飛の場に現れたのは世界最強と言われた戦闘機のF-22ラプターがモデルとされる戦闘機型のモンスター、メガラプターである。そして息つく間もなく墓地から光が出てきてホログラムの戦闘機1機が現れると、それに呼応するようにメガラプターからも光が出てきては同じようにホログラムの戦闘機がまた1機生成された。
『おぉ、カッケー!』
『戦闘機型モンスターなんて、痺れるぅ!!』
その光景に当然と言わんばかりに男子(特に暁とフトシ)は食い付いた。
「まだまだ! 僕はここでメガラプターの更なるモンスター効果を発動! 幻獣機トークンを1機分消費してデッキから幻獣機モンスターを手札に……“幻獣機テザーウルフ”を手札に。墓地のオライオンの更なる効果! 自身を墓地から除外する事で手札の幻獣機を召喚出来る! 発進せよ、幻獣機テザーウルフ! そしてテザーウルフは召喚時にトークンを生成! それに呼応してメガラプターからもまた生成!」
次いで現れたのはヘリのような見た目だが前面部に光線銃を装備されている戦闘機。そしてその上部から再びホログラムが生成されると、それに呼応し再びメガラプターからホログラムが生成される。
幻獣機テザーウルフATK1700
幻獣機トークンDEF0
幻獣機トークンDEF0
たった2枚。たったの2枚での手札消費であっという間にモンスターゾーンがモンスター2体とトークン3体で埋まってしまった。その光景にユギトは小さく舌打ちをした……が、幸いにも雄飛には聞こえなかったようであった。雄飛は相手の融合モンスター2体を見ても全く物怖じしている様子はなく……むしろ、その存在に笑みを浮かべていた。まるで、楽しんでいる、とでもいう様子であった。そして雄飛はそこまで展開すると走り始めた。
因みに初手のユギトの行動は……
マスマティシャン召喚→リザード墓地→リザード効果ヘッジホッグ墓地→ヘッジホッグ効果ビーストサーチ→融合(ビースト&ペロペロケルペロス)でシェキナーガ融合召喚→ビースト1ドロー→影依融合(ハウンド&キラー・スネーク)でアノマリリス融合召喚→ハウンドでマスマティシャン変更→ターンエンド
と言った感じですね
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第3話-2
「バトル! テザーウルフでマスマティシャンを攻撃! この瞬間、テザーウルフの効果! トークンを1機消費してテザーウルフの攻撃力を800ポイントアップ!」
幻獣機テザーウルフATK1700→2500
攻撃宣言をした雄飛の声に呼応するようにホログラムの戦闘機が1機テザーウルフに合わさっていく。すると、テザーウルフの動きがより機敏になっていき、雄飛はアクションカードを1枚取得した。そのカードを見て、顔が綻ぶ。
「ふぅん、でも、守備表示だから戦闘ダメージは受けないよ?」
「構わない! アクションマジック“重力ターン”! 自分フィールド上に存在するモンスターが相手モンスターを戦闘破壊した時、自分フィールドの戦闘したモンスター1体を選択して発動!! そのモンスターの攻撃力を100ポイントアップさせて追加攻撃ができる! 僕はテザーウルフを選択!!」
マスマティシャンがテザーウルフの光線に撃ち抜かれ、爆発した時にタイミングよくアクションカードを取得、手札に加えた。
幻獣機テザーウルフATK2500→2600
「……ふぅん、でも、たかが100ポイントじゃあボクの他のモンスター達は倒せないよ? そしてマスマティシャンの効果で1枚ドロー!」
「果たしてそれはどうかな? テザーウルフでエルシャドール・アノマリリスを攻撃!」
「はあっ!? 攻撃力が低いのに攻撃!?」
「アクションマジック、“火の輪くぐり”! 自分フィールド上に存在するモンスター全ての攻撃力を500アップさせる!」
幻獣機メガラプターATK1900→2400
幻獣機テザーウルフATK2600→3100
「なっ……!? あ、アクションカード……!」
流石に焦りを感じ始めたのかアクションカードを慌てて探し始めるユギト。しかし、その行動に移ったのが遅かったのか、アノマリリスの胴を光線が貫いた。
「っく……! だが、墓地のシャドール魔法・罠を回収できる! 影依融合を手札に!」
ユギトLP4000→3600
幻獣機テザーウルフATK3100→3200
「テザーウルフでシェキナーガを攻撃!」
「さっせないよ! アクションマジック“玉乗りピエロ”! 自分フィールド上のモンスターの表示形式を変更して戦闘破壊耐性を得る!」
エルシャドール・シェキナーガDEF3000→ATK2600
「えっ……で、でも! 攻撃表示になったから戦闘ダメージは受けてもらうよ!」
「構わないっ! 受けるダメージはこっちの方が少ない!」
ユギトLP3600→3000
「うぅ、メインフェイズ2……でも、負けない! 僕はカードを3枚セット、ターンエンド!」
雄飛LP4000
手札0
幻獣機メガラプターATK1900
幻獣機テザーウルフATK1700
トークン
トークン
伏せカード
伏せカード
伏せカード
「やってくれるじゃん……僕のターン!」
ユギト
手札
2→3(影依融合)
「スタンバイフェイズ、キラー・スネークの効果により、自身を手札に戻すよ」
手札3→4(キラー・スネーク、影依融合)
「……ふぅん」
往復1ターンを終えた時、観覧席にいた遊牙は小さく言葉を漏らした。
「……どうしたの?」
遊牙の小さな呟きに気付いた杏子が問いかける。しかし、それに答えたのは遊牙ではなく、紫雲院素良だった。
「……ユギト、手を抜いている」
「は? え、どういう事だよ……?」
「……どういうこと、兄さん」
素良の言葉に暁と遊矢は全く分からない様子で遊牙に問いかける。柚子や星史、火無菊も不思議な様子で遊牙の回答を待つ。
「……アイツの墓地。ペロペロケルペロスの効果を使ってないからだよ。幻獣機には自フィールドにトークンがいる時に破壊耐性があるとはいえ……トークンを1つでも処理すれば自分のターンでの処理が有利になる。それをしなかった事が甚だ疑問だ……って事だ」
「……だが、これで彼が終わると思うか?」
遊牙の言葉に遊輔が問いかけると遊牙は首を振って返す。
「……むしろ、ここから逆転してくるだろうな」
「ボクは魔法カード“貪欲な壺”を発動! アノマリリス、マスマティシャン、リザード、ビースト、ヘッジホッグをデッキに戻してシャッフルして……2枚ドロー!」
手札
3→5
新たにドローしたカードを見て、ユギトは小さく微笑んだ。そして、手身近にあったアクションカードを1枚手札に加えた。
「魔法カード、“手札抹殺”! 互いに手札をすべて捨てて、捨てた枚数ドローする。だが、お前の手札は0!この効果を受けれるのはボクだけ!」
雄飛は少し顔をしかめていたが、まだあまり気にしないといった様子であった。
ユギト
手札
6→5→0→5
捨てたカード
回避(アクションマジック)
シャドール・ヘッジホッグ
シャドール・ビースト
キラー・スネーク
影依融合
「更に! ビーストで1枚ドローして、ヘッジホッグで“シャドール・ドラゴン”をサーチ!!」
手札
5→6→7(シャドール・ドラゴン)
シェキナーガがユギトを乗せスルスルとのぼり台を上がる途中、ユギトは挟まっていたアクションカードを1枚入手し、それを即座に使用した。
「アクションマジック、“ハンドマジック”! 手札を1枚捨てて1枚ドロー!」
手札
7→6→7
捨てたカード
ヴォルカニック・バレット
「そして“ヴォルカニック・バレット”の効果! 500のライフを支払ってデッキから同名モンスターを手札に!」
ユギトLP3000→2500
手札7→8
「さぁ、これからはボクのデュエルの真骨頂だよ? まずは魔法カード“魔法石の発掘”を発動。手札のシャドール・ドラゴン、ヴォルカニック・バレットを墓地に送って墓地の影依融合を回収! そしてドラゴンの効果! 相手の場の伏せカードを1枚破壊する! ボクが破壊するのは君の中央のカード!」
「えっ!? り、リバースカード発動! “空中補給”! そしてその効果で幻獣機トークンを1体生成!!」
「なるほど、そういったカードか。なら、魔法カード“簡易融合”発動! ライフコスト1000を支払って……っつぅ…………俺のエクストラデッキから融合モンスターを融合召喚扱いとして特殊召喚する! 来な! “エルシャドール・ミドラーシュ”!!」
ユギトLP2500→1500
エルシャドール・ミドラーシュATK2200
「そして魔法カード“強制転移”を発動。互いに自分フィールドに存在するモンスターを1体選んで相手プレイヤーに渡す。俺はミドラーシュを渡す」
「えっ……ぼ、僕は……幻獣機トークンを渡すよ……」
「……何でアイツ、わざわざ1000もライフを払って渡したんだ?」
暁はユギトの行動に訳が分からない、と言いたげに呟く。しかし、その行動を見た素良は少し口角を上げた。
「……それがユギトの戦法だから、ね。まぁ見てなって。僕もあれをやられた時はビックリたまげたんだから……」
「んじゃ、魔法カード……影依融合、発動! こいつは相手フィールドにエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが存在するときにボクのデッキからも融合素材を墓地に送って融合召喚ができる!」
「え、で、でも僕の場には……!!」
「そう、君の場にはボクが【エクストラデッキから特殊召喚した】ミドラーシュがいる。よってデッキのシャドール・ハウンド、そしてフィールドにいる幻獣機トークンを融合!
風のホログラムよ、闇に堕ちた操られし獣と混ざりて、風の使い手を操れ! 融合召喚!
闇に堕ちた風の霊操りしもの、エルシャドール・ウェンディゴ!」
エルシャドール・ウェンディゴATK200
「あ、新しい融合モンスター……」
「融合素材となったハウンドのモンスター効果。表示形式変更効果を君の幻獣機トークンにさせてもらうよ」
「あっ……!」
幻獣機トークンDEF0→ATK0
「さぁ、バトル! 攻撃表示のトークンにシェキナーガで攻撃!」
「(ここ、は……まだ使わなくても耐えれる……)うわあああああっ!?」
雄飛LP4000→1400
「まだだ。ウェンディゴで残ったトークンへ攻撃!」
「り、リバースカード、“ドロー・マッスル”発動!自分フィールドの守備力1000以下の表側守備表示モンスター1体を対象として発動できて、自分のデッキから1枚ドローする。そのモンスターはこのターン戦闘では破壊されない!!」
雄飛
手札0→1
「ッチ、俺はカードを2枚セット。ターンエンドだ、だが……」
ユギトは軽く舌打ちをしたがすぐにニヤリとする。すると、雄飛の場にいたミドラーシュの身体は忽然と闇の中へと姿を消した。
「えっ……!?」
「簡易融合で特殊召喚したモンスターはそのエンドフェイズに破壊される。そして、ミドラーシュの効果。墓地に送られた時、墓地のシャドールと名の付く魔法・罠カードを1枚手札に戻せる。影依融合を墓地から手札に加える」
ユギトLP1500
手札2(影依融合)
エルシャドール・シェキナーガATK2600
エルシャドール・ウェンディゴATK200
伏せカード
伏せカード
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第3話-3
「う、うーん……僕のターン……ドロー!」
手札1→2
「……! “二重召喚”発動! これで2回通常召喚できる! そして……僕は“幻獣機ハリアード”を召喚!」
雄飛が新たに召喚したのはイギリスの垂直離着陸戦闘攻撃機がモデルと言われている幻獣機ハリアード。地面に出現したと思うと、雄飛を載せてその場でホバリングを開始し、宙へと舞う。
幻獣機ハリアードATK1800
「へぇ、でも、手札を使い切ってまで二重召喚を使う意味って……! そっか、メガラプター……!」
「そう! メガラプターの効果! 幻獣機トークンを1機分リリースして効果発動!! デッキから手札に加えるのは……」
ここで雄飛は一度言葉を止めた。そして軽く思考をしてサーチするカードを選択した。
「(兄さんなら、ここでテザーウルフかチューナーモンスターをサーチする……けど、本当にそれでいいのかな? 遊牙さんも言ってた。自分のデュエルをって…………それなら、僕が選ぶのは……!)僕がデッキから手札に加えるのは2機目の幻獣機メガラプター!!」
「なっ……テザーウルフじゃない!? しかも同名サーチ可!?」
「なるほど、面白いな」
他のメンバーの殆どがユギトと同じことで驚いている中で遊牙は小さくそう漏らすと少し口角を上げた。
「……ちゃんと、自分で考えれるんじゃないか」
そして、驚く遊勝塾メンバーや素良の喧騒に紛れ、遊輔が小さく言葉を漏らしたのだが、それは喧騒によって消え去っていた……
「さぁ、俺が渡したカード……アレの使い道はもうすぐだぞ、東海雄飛」
「……面白い、面白いよ、このデュエル! 一辺倒にサーチするだけじゃなくて、別の行動をして楽しませる! ほんっとーに楽しいよ!」
ユギトはニッコリと笑うと両手を広げてそう雄飛を褒める。雄飛は少し嬉しそうに微笑むと再び行動を宣言した。
「ありがとう。でも、これだけじゃないよ! ハリアードの効果! このカード以外のカードの効果を発動するために、自分フィールド上のモンスターがリリースされた時に幻獣機トークンを生成する。そして、メガラプターが呼応!!」
ハリアードが射影したホログラムに呼応するようにメガラプターからもホログラムが出現し、再びフィールドを埋めた。しかし、これで終わるはずがないのが元トーナメントチャンプのデッキである。
「僕はハリアードの効果を発動! 幻獣機トークンを1機分使用して、手札の幻獣機を特殊召喚する! 来て、2機目のメガラプター!!」
幻獣機メガラプターATK1900
「2体目……ってまさか…………また効果を使えるのかよ」
「それでも良いんだけど……今は幻獣機トークンがあまりないからね…………その代わり、遊牙さんに言われた僕なりのデュエルを考えたその結果を見せないと! 幻獣機モンスター達には共通効果があるよ! 1つはトークンがフィールドに存在するときには幻獣機達は戦闘や効果では破壊されない。そして、自分フィールド上にいる幻獣機トークンのレベルの合計だけ、レベルをあげる!」
幻獣機メガラプターA☆4→7
幻獣機メガラプターB☆4→7
幻獣機テザーウルフ☆4→7
幻獣機ハリアード☆4→7
「レベル変動効果……? それが一体どういう…………って、レベル7が4体……って、ま、まさか……!!」
「これが、僕なりのデュエル! 僕は【レベル7となった最初に出ていたメガラプターとハリアードでオーバーレイ】!!
2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!!
集いし戦闘機達を戦場に輸送せよ! ランク7! “幻獣機ドラゴサック”!!」
幻獣機ドラゴサックATK2600 ORU2
「なっ……!?」
唐突なエクシーズ召喚にさすがの遊牙も戸惑いを隠せない。それもその筈。このデッキではもともと【シンクロ召喚しか使われていなかったから】であり、元々の使い手もシンクロコースの人間だからである。遊牙はハッとして遊輔を見る。
「……何か?」
「……あのドラゴサックって……まさか?」
「さぁ、何の事かな? 【アレは彼の持つデッキの中に入っていたカード】だ。中々使わなかったから使い方を教えてあげただけだ。あのデッキに合いそうなカードは少し渡したが……殆どあのデッキは彼の持っていた状態のままだ」
~嘘だ~
雄飛の話を思い返すと、デッキが渡されたのはまだ【エクシーズ召喚はない時】である。それに、雄飛とデュエルをしたときにも見させてもらったが……【アレはその時に間違いなく入っていなかった】。なぜそんな嘘を吐くのか、遊牙は分からなかったが……なぜか咎める事が出来なかった。咎める事が許されない……そんな雰囲気を遊輔は醸し出していた。
「……そう、ですか…………」
「エクシーズ召喚……!」
「ここで僕はフィールドに残っているメガラプターの効果発動! 幻獣機トークンを1機使用し、デッキから“幻獣機ブラックファルコン”を手札に加え、召喚!」
幻獣機ブラックファルコンATK1200☆4→7
雄飛がサーチして新たに召喚したのはマッハ3という超高速で飛行するというアメリカ空軍の戦略偵察機がモデルとされているモンスター、幻獣機ブラックファルコン。そのステータスこそレベル4にしては低いが、その能力はあまり侮れないものである。
「バトルだ! ブラックファルコンでエルシャドール・ウェンディゴを攻撃! ブラックファルコンの効果! こいつが攻撃宣言した時、幻獣機トークンを1機生成!」
ホログラムが現れブラックファルコンの攻撃がウェンディゴに届こうか、といったその時、突然ブラックファルコンが動きを止めた…………否、幻獣機トークンを除いたすべてのモンスターカードがクルリと反転し、セット状態となった。
「残念だけど、その攻撃は通さない。リバースカード“皆既日食の書”により、フィールドのトークン以外はすべて裏側守備表示にさせてもらった」
「う……で、でも攻撃を止められただけ! メイン2に幻獣機テザーウルフを反転召喚してターンエンド!」
「エンドフェイズ移行前、アクションマジック“ドロー・ロック”発動。1枚アクションマジックを捨てないとドロー出来ない」
「えっ……な、何でいま…………」
「何もないなら、エンドフェイズ……皆既日食の書の更なる効果。この効果が適応されたエンドフェイズに相手フィールド上のモンスターは表側守備表示になりその数だけ相手はドロー出来る。でも、ドロー・ロックの効果でドローは出来ない」
「あっ……」
雄飛LP1400
手札0
幻獣機ドラゴサックDEF2200(ATK2600) ORU2
幻獣機メガラプターDEF1000(ATK1900)
幻獣機テザーウルフATK1700☆7
幻獣機ブラックファルコンDEF1700(ATK1200)
幻獣機トークンDEF0
伏せカード
「そしてボクのターン、ドロー。そしてメインフェイズ、ヴォルカニック・バレットの効果でライフを支払ってデッキから同名モンスターをサーチ」
ユギトLP1500→1000
「……悪いけど、これがラストターン! 魔法カード影依融合発動! 素材は手札のビーストとヴォルカニック・バレット!
焔の弾丸よ、闇に堕ちた獣よ。神の力により焔を纏いて闇を燃やし尽くせ! 融合召喚!
全てを焼き尽くせし焔の岩石……“エルシャドール・エグリスタ”!!」
エルシャドール・エグリスタATK2450
「攻撃力2450……攻撃力合わせたら……(で、でも伏せカードは温存しておいたミラーフォース……攻撃した瞬間に返り討ちだよ!)」
「……ボクはリバースカード、オープン! “火霊術-「紅」”! エグリスタをリリースして、元々の攻撃力分、2450ダメージを与える! 言っておくけど、ボクはさっき手に入れた“ノーアクション”が手札にある。アクションマジックを探そうと無駄だよ?」
「えっ……」
ユギトの言葉にアクションマジックを探していた雄飛の足が止まる。ユギトの言葉は「何をしても無駄だ」と宣告されたようなものだった。そして……立ち止まったままの雄飛に、炎を纏ったエグリスタが襲い掛かった。
LP1400→0
winユギト
「ふっふーん、ボクの勝ちだね!」
「うぅ……」
嬉しそうに倒れこんだ雄飛を見るユギトと、雄飛は悔しそうにユギトを見上げる。そして、そんな2人に歩み寄る遊牙。
「お疲れさん。二人とも」
「ねーねー、デュエルに勝てたしボクが弟子で良いんだよね?」
声をかけた遊牙にユギトは嬉しそうに問いかける。しかし、それに対する返答はユギトに向けられず雄飛へと視線を落として返された。
「……俺の弟子はお前だ、雄飛」
「「……え?」」
それはユギトだけでなく本人である雄飛すらも驚く言葉だった。そしてすかさずユギトが反論を返す。
「何で!? 勝ったら弟子にしてくれるんでしょ?! ボクが勝ったからさ! ボクが弟子じゃないの!?」
「誰も勝ったら、なんて言ってないぞ。【より良いデュエルをしたら】としか言っていない」
「だーかーら! 良いデュエルってのは勝ち負けじゃないの!?」
食い下がるユギトに遊牙はキツく言い放つ。
「勝ち負けで決めると言ってないから、その言い訳は通らないな。雄飛は俺からの課題をこなしていた。お前には課題は提示してないが……お前のデュエルでの最後の「無駄」という発言には完全に俺がお前への興味を失わせるのに十分だ。認めるわけにはいかない」
「っ……そ、そんなぁ……」
遊牙の決定的な発言にしょげるユギトを尻目に遊牙は雄飛へと手を差し伸べる。
「俺は正直弟子は取らないつもりだったが……お前らしいデュエルを見させてもらった。師匠として教えることはあまりできないかもしれないが、宜しくな」
「はいっ! 師匠、宜しくお願いしますねっ!!」
雄飛はポカンとしていたが、認められたと知ればその表情はパアッと明るくなり、嬉しそうに頷いた。
因みにこの後、結局ユギトは諦めきれずに遊勝塾メンバーに加入。同じ塾生として認めてほしいとすがり、遊牙も結局根負けをして同じ塾の仲間として認めたのは別のお話……
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第4話-1
やぁ、みんな。榊遊牙だ! 今、俺は新規入塾希望者の面接(?)をしている。
……え、塾長や遊輔さんはどこ行ったかって? あの2人は新規の塾講師の面接中だよ。2人ともあっちに行っちゃったから俺が1人で面接やる破目になっちゃうんだよ……まぁ、そこまで人数が多いわけでもないんだけどさぁ……とりあえず、一言言おう。
「……えーと、LDSからこの塾に転塾したい理由は?」
いま面接している5人中5人がLDSからの転塾希望者なんだよ!! しかもこの後まだ1名残ってんだよ!? すっげぇ辛い!! しかも大半の理由が
「LDSで伸び悩んでて……もしかしたら、ここなら上位には入れるんじゃないかと思って」
今のところ全員の理由これだよ!? ホントなんなの!? 正直な事いわせりゃこう言うやつら取る気ねぇよ!!
「そうですか、分かりました。合否については追々ご連絡させていただきます」
因みに転塾には本当に資料や必要な書類多いから担当である俺の手間を考えると全員断る方が良いんだよなぁ。楽だし。
「……はい、次の方」
最後に入ってきたのはライトグリーンの髪にエメラルドグリーンの瞳の少年。資料を見ると遊矢の1コ上の様子。因みに彼もLDSからの転塾希望者だ。
「……えっと、宝良 光一(たから こういち)さん……ですね」
「はい」
光一、ね。んー、なんかのんびりとした感じに見受けられるんだよな。まぁ、こういった様子の奴は少し前にいたけど理由が、ねぇ……
「……えーと、LDSからこの塾に転塾したい理由は?」
これで伸び悩み関連だったら不合格にするが「実は……」……ん?
「どうしても、超えたい奴がいて……でも、LDSにいたままじゃあ、同じ知識しか身につかないし……アイツは俺と同じ総合コースの主席な上に上の人のお気に入りなんです……だから……」
理由が今までと違うな……よし、とろう。
「オーケー。それじゃあ今から言う書類を早めにLDSから取り寄せてくれ」
「え?」
「合格。塾長からは俺の一任で入塾生を決めていいって言われてるからな……」
「あ……ありがとうございます!!」
お辞儀をした光一は俺から転塾に必要な書類や資料を伝えられると部屋を出て行った。さて、と……こっちは終了したけど、あっちはまだ終わってねぇのか……? 俺は臨時の応接室になっている視聴覚室を出て応接室を覗いてみようと向かう途中、塾生たちがデュエルを見ている様子だったのに気づいたのでそちらへと行ってみる。
「誰かデュエルしてるのか?」
「あ、師匠! なんか、塾長が新しい先生になる候補の人を見付けたから最終チェックでデュエルをするんだってさ! 遊輔先生も塾長の近くで見てるよ今は塾長のターン!」
雄飛の説明を聞いて改めて観てみる。フィールドは【スポーティー・ドームス】……杏子から聞いたが、塾長がプロ時代に最も得意としていたフィールドらしい……そして、塾長のフィールドには……“ガッツマスター・ファイヤー”、“ガッツマスター・ヒート”がいて……訂正、“ガッツマスター・レッド”も出てきた。相手の方……(表示名)TETTAさんは……赤茶色の髪を上に伸ばしていて、レンズの下に黒縁のある眼鏡を掛けていて黄色の瞳を持つ男性。体格はかなりがっしりとしているけど……正直に言えばややデブだ。そしてアクションマジックを取ろうとする動きは見えない……と。そしてカードが1枚伏せられて塾長のターンは終了した。
『いざ参らん。私のターン、ドロー!』
今度は哲太(仮)さんのターンとなる。果たしてどのようなデュエルをするのか……『私はフィールド魔法“転回操車”を発動!』……え?
「「「「「…………え??」」」」」
哲太(仮)さんの行動に当然のように俺も含めた塾生全員に衝撃が走った。なぜか……それはもちろん
TETTA LP4000→3000
LPを失う行動だからだ。当然、俺たちはそんなことはしない。(※詳しくは番外編α-2参照)それに少し驚いた表情が垣間見えた。あるとするなら……俺と同類、か…………
『……いや、失敬。故郷ではアクションデュエルよりスタンディングが主流だったもので……』
哲太(仮)さんは塾長からの指摘に苦笑いをしている……まぁ、十中八九嘘だろうな。だが、あの発動されたフィールド魔法……『転回操車』……あれから察するに……【列車】使いか。
『では、改めて……私は“深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト”を攻撃力0として妥協召喚!』
深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイトATK3000→0
「い、いきなりレベル10の大型モンスター!?」
「いきなり大型出てくるなんて、痺れるぅ!!」
「で、でも……攻撃力が0になってるし、流石に攻撃できないよね?」
ジュニア組と雄飛はこんな感じで大騒ぎ。遊矢や暁、杏子辺りも驚いている様子……だけど、素良とユギトは何やら訝しげに哲太(仮)さんの方を見ていた。ちなみに柚子とアユちゃんはアイスを買いに出かけているよ…………何かイベントがあった気がするのは気のせいかな?
『い、いきなりレベル10モンスターの召喚とは驚いた……しかし、レベルがいくら高くとも、その攻撃力は0……流石にそれでは俺のモンスター達は倒せまい!』
『まだまだ、ですよ! お楽しみは、これからです!!』
「「っ……?!」」
哲太(仮)さんの言葉に俺と遊矢は驚いた。何故なら、その言葉は父の遊勝がデュエルをする時によく言っていた言葉で……俺たち位しかこの世界で言うやつはいない。
「まさか、本当に父さんを……」
どうやら遊矢は哲太(仮)さんのやってきた経緯知っている様子……だったけど、今はデュエルに集中しよう。
『私の場に機械族・地属性モンスターが召喚・特殊召喚された場合にこのモンスターは手札から特殊召喚できる。来なさい、“重機貨列車デリックレーン”! この効果で特殊召喚された時、攻守力は半分になりますがね……』
重機貨列車デリックレーンATK2800→1400
『更に、デリックレーン特殊召喚成功時、速攻魔法“地獄の暴走召喚”を発動! このカードは攻撃力1500以下のモンスターの特殊召喚成功時に発動できるカード。特殊召喚したモンスターの同名モンスターをデッキ、手札、墓地より任意の数だけ攻撃表示で特殊召喚できる……が、相手も自身のモンスターを選択し、任意の数を任意の表示形式で特殊召喚できる。さぁ、お選びください』
『ならば、俺はファイヤーを選ばせてもらう! 守備表示だ!』
ガッツマスター・ファイヤーDEF1700×2
『では、私は当然重機貨列車デリックレーンを2体デッキより特殊召喚!』
重機貨列車デリックレーンATK2800
重機貨列車デリックレーンATK2800
「なるほど、自身の効果で特殊召喚したデリックレーンは半減するけど、他の効果で特殊召喚したモンスターは効果によるデメリットを受けない、と……」
「で、でも兄さん! 塾長のガッツモンスター達に勝てるのは今出したデリックレーンだけだろ? それに攻撃力だって……」
……遊矢、塾長の負けフラグを建築するのはやめて差し上げろ。
『私は……レベル10の攻撃力の半分となった重機貨列車デリックレーンと深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト2体でオーバーレイ! エクシーズ召喚!』
「「「「「え、エクシーズ召喚!?」」」」」
哲太(仮)さんの取った行動に遊矢たちと……先程は訝しげにしていた素良とユギト2名も驚きの表情を見せる。この世界ではまだ殆ど出回ってない筈のエクシーズ召喚……彼は一体…………
遊勝塾にてデュエルが行われているのと、ほぼ同時刻……夕焼け色に染まっている空と海……そして海岸にある誰も使われていない倉庫が立ち並ぶ埠頭……その倉庫の1つ…………52番倉庫でも何やらデュエルが始まった模様……
「「「デュエル!!」」」
SAWATARI LP4000
vs
UNKNOWN LP4000
vs
ION LP4000
それはどうやらバトルロイヤル……1人は依然榊兄弟に大逆転負けを喫した沢渡シンゴ。1人は紫と黒の髪で目元は黒のゴーグルのようなもので覆われ、口元にも黒いマスクをしている少年で表記は『UNKNOWN』。さらにもう1人……染めた明るい茶髪を短く刈り上げ、切れ目に空色の瞳、黒の制服を着崩していてピアスを両耳に着けている青年で表記名は『ION』。どうやら、この青年→謎の少年→沢渡順でデュエルは行われる模様だった。そして、その周囲には沢渡の背後に取り巻き3人、UNKNOWNと表記された少年の背後にはなぜか柚子が。そしてIONと表記されている青年の背後にもう1人、刈り上げている黒髪に黒瞳……シャツとジーンズというラフな格好をしていて、頭にはDAという黒文字のロゴ入りの赤い帽子を目深に被った180cmとみられる高身長の青年がこのデュエルの行く末を見守っていた……
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第4話-2
『私は……レベル10の攻撃力の半分となった重機貨列車デリックレーンと深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト2体でオーバーレイ! エクシーズ召喚!
鉄路の彼方より、地響きともに定時で到着! 現れろ、ランク10! “超弩級砲塔列車グスタフ・マックス”!!』
超弩級砲塔列車グスタフ・マックスATK3000 ORU2
「エクシーズ召喚……! 雄飛や素良、ユギトと言い……最近はどうしてこうも珍しい召喚法を扱う人間が増えてんだよ……」
「……それは遊矢さんや遊牙さんにも言えますからね? 珍しいどころか初めて見る召喚方法でしたよね?」
俺のつぶやきに火無菊がボソリと返す。いや、確かに俺は言える立場じゃないな。火無菊も融合召喚は使うけど、一応古参メンバーだしなぁ……
『グスタフ・マックスの効果発動! 1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使う事で相手に2000ダメージを与える! 発射オーライ・ビッグ・キャノン』
『なんだと……!? どわああああああああっ?!』
修造LP4000→2000
出たよ、グスタフ・マックスの真骨頂。戦闘を行わないからガッツマスター達のロックをすり抜けちまう。ってか、もう1体いて、塾長が“加速”とかを引かなかったらそれだけで終わっちまうじゃねーか……
『まだまだ。こんなもんじゃねぇ! 墓地に送ったデリックレーンのモンスター効果! オーバーレイユニットのこのカードがエクシーズモンスターの効果を発動するために取り除かれ墓地へ送られた場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動でき、そのカードを破壊する。私は守備表示のガッツマスター・ファイヤー1体を選択し、破壊!』
『くぅっ……(だが、念には念をで自分の場のモンスターを守備表示にする“砂漠の光”を伏せてある。それにさっきアクションマジックの“加速”もある。守備表示にしたら戦闘ダメージも受けない、このターンは凌げる……!)』
『……この手札2枚で通せるとこまで通させていただく! 魔法カード“アドバンスドロー”を発動! フィールド上に存在するレベル8以上のモンスター……デリックレーンを1体リリース。そしてデッキからカードを2枚ドロー!!』
手札
2→1→3
『(必要なカードは来た。問題は伏せカードがフリーチェーンの場合だけど……)……来ました。必要なカードはすべてそろいました。魔法カード“サイクロン”を発動。その伏せカードを破壊します』
『っ……攻撃を考えてるんだろうが、ダメージだけは通さない! リバースカードの砂漠の光を発動! その効果で自分フィールド上のモンスター全てを守備表示に!』
『なんと……そういった効果の伏せカード、でしたか。ですが、伏せカードがそれであるなら何の問題もない。装備魔法“機関連結”をグスタフ・マックスに装備。これにて攻撃力を2倍にします。その代わり、このモンスター以外は戦闘を行う事は出来ません』
超弩級砲塔列車グスタフ・マックスATK3000→6000
あ、終わった。塾長、敗北のお知らせ……いや、あのアクションマジックが回避でその後に加速を引けば……って、あれ? 俺もフラグ立ててる?
『こ、攻撃力6000……し、しかし守備表示だからダメージは通らないぞ!』
『ご心配なく。機関連結には装備したモンスターに貫通効果を付与する効果もあります。バトル! グスタフ・マックスでガッツマスター・ヒートを攻撃! グスタフ・ハンマー!!』
グスタフの砲塔がヒートの脳天に直撃……これは痛いな。そしてその爆風が塾長を襲う…………
『うおおおおおおおおおおっ!?』
LP2000→0
win TETTA
「ゆ、遊矢お兄ちゃん……!」
「おっと」
「アユ、大丈夫か!? どうしたんだ?」
ちょうど鉄太さん(漢字はこっちの方だったらしく本名は山路(やまじ)鉄太というらしい)達が戻ってきたとき、アユちゃんが足をもつれさせて入ってきた。ちなみに支えたのは俺な? ちなみに、泣きじゃくってて喋りづらそうにしている……おい、フトシと素良とユギト。アイスが溶けてるのが問題じゃないだろう? 凍らせればいいだろう、こっちが問題だ。
「アユちゃん、ゆっくり深呼吸して……何があったのか、ゆっくりでいいから教えてくれないか? それに、柚子は? 一緒に帰ってこなかったのかい?」
アユちゃんはゆっくりと深呼吸すると話し始めた。内容は以下の通り
・帰り道に河原を通っていたら沢渡の取り巻きのうち1人を発見。話している内容から俺と遊矢を恨んでいる様子だったので柚子と一緒に追いかける事に。
・途中で見失ってしまったけど、偶然また見つけたので追いかける
・倉庫がいっぱいの場所にある倉庫の1つに入っていったのを見つけ、柚子はアユに帰ってこの事を伝えるようにお願いをした。
・不安だったけど、がんばって走って帰ってきた
…………どう記憶を思い返しても沢渡vsユートです。本当にありがとうございました。
「分かった、知らせてくれてありがとうな、アユちゃん」
「兄さん……」
「当然だ。杏子、アユちゃんをお願い」
「……気を付けてね?」
「無論。一度ボッコボコにしてもしたらないようだし……」
まぁ、俺らが到着したころには……すべてが終わってる気しかしないわけだが……
「行くぞ、遊矢!」
「うん!」
せめて決着だけは……見てみたいものだ!
アユの話から分かった倉庫へと向かう遊牙と遊矢。辺りはすっかり暗闇へと変化していき、太陽も殆ど沈んでおり……月も見え始めている頃……ようやく目的地が近づいてきた。
「柚子ちゃん!」
「柚子!」
目的である倉庫の扉は開いていたために2人は中を確認する。そこには柚子の姿、そしてその隣で柚子と話をしていたのは……染めた明るい茶髪を短く刈り上げ、切れ目に空色の瞳、黒の制服を着崩していてピアスを両耳に着けている青年と、刈り上げている黒髪に黒瞳でシャツとジーンズというラフな格好をしていて、頭にはDAという黒文字のロゴ入りの赤い帽子を目深に被った180cmとみられる高身長の青年の2人……その2人が遊牙や遊矢の方を見る……すると……二人は揃ってその名を発した。
「雄牙!?」
「雄牙! お前、どうしてここに!?」
「「……え?」」
突然の呼び名に戸惑いを隠せない柚子と遊矢は遊牙の方を見る。遊牙はポカンとしていて……
「…………ひ……」
小さくそう呟くと一瞬目を伏せたがすぐにバッと顔を上げると僅かばかりの冷や汗を浮かべていたその笑顔はやや焦りがあるようにも見えた。
「ひっさしぶりだな、衣音(いおん)! コナミさん! 二人とも、【いつコッチに帰って】きたんだよ!!」
「「…………は??」」
遊牙が笑顔になって放った言葉は青年2人を戸惑わせるのには十分であった。しかし、その間にも遊矢と柚子が遊牙を問い詰めていて……
「え、兄さん。どういう関係なんだ?」
「あぁ、あの二人は【従兄弟】でな、あっちの赤い帽子の方……小浪 勝太(コナミ かった)さん…………もう呼びなれてる方で言えばコナミさんは俺のデュエルの第2の師匠だよ」
「え、あの二人とはいつごろから!?」
「小さい頃、だな。小学校の頃は隣の学校だったんだが家はそこまで遠くなくって、俺がよく遊びに行ってたんだよ! 俺が8歳の頃に二人とも遠くに引っ越しちゃったんだけどな……あ、因みにコナミさんはいっつもあの赤い帽子被ってるから、たまに赤帽子さんって呼んでるんだよ」
話に入る間もなくなぜかどんどん進む話についていけず呆然とする衣音と呼ばれた青年とコナミと呼ばれた青年の2人……しかし、遊牙が話をしている最中にチラリと視線を送る……
「……いやぁ、つい最近引っ越してきたばっかでな!」
「コナミさぁ、んいっ!?」
コナミはその視線に気づいたのか、咄嗟に笑って遊牙の発言に合わせる。衣音は合わせようとしたコナミの名を呼ぼうとしたがコナミに足を踏まれた事でフッとコナミの方を見る。すると、その表情はニコやかではあったが……
「こっちに戻ってきたときに偶然衣音とも会ってさ……な?」
「あ、アハハ……そ、そうなんだよぉ! 俺も最近こっちに1人で戻ってきてさぁ!(あ、後で色々問い詰めてやる……!)」
その表情を見た衣音は笑顔を張り付けて同意しつつも内心では絶対に色々話を聞こうと誓うのであった…………
遊牙「あ、遊矢。俺ちょっと衣音とコナミさんと久しぶりに話したいから先に柚子ちゃんと一緒に帰ってて?」
遊矢「うん、わかった!」
~衣音&コナミの家~
衣音「……えーと、とりあえずいろいろ聞きたいけど……何でお前遊矢の兄なんだよ!?」
遊牙「こっちが聞きたいよ……ってか、それより、ニュー・沢渡のデュエル見てたんだろ?」
衣音「ん? あぁ、俺もデュエルしてたからな」
遊牙「……は?」
コナミ「あぁ、実は俺たち……雄牙、お前を探してた時に変な穴があってな。それに入ったらあの港の陰に着いたんだよ……それで、どういった場所か探そうとしたら柚子と柚子を見ている黒遊矢を見付けてな。それで黒遊矢が入った後に俺たちも入ったんだよ。そしたら衣音がデュエルしたくなったらしくって一緒にデュエルしちゃったんだよ」
遊牙「……聞くけど、内容は?」
衣音「俺が最初でドラゴンフライセットの端末世界発動で魔封じセットだな」
遊牙「……あぁ、あのデッキか」
衣音「あぁ。んで、黒遊矢が手札5枚全部セットで……」
遊牙「……いい加減聞きたいんだが、黒遊矢って……そんな似てたか?」
衣音「んー……似てると言えば似ている?」
コナミ「まぁ、パッと見は似てたかな」
遊牙「……そうか、続けてくれ」
衣音「あぁ、それで沢渡は原作通り、って感じだ。俺は完全放置されてたけどな。んで、その後も展開も変わらず……あ、でも端末世界の効果知らなかったみてぇだったな! 何かメイン2行おうとしてたからそれ指摘したらすっげぇ顔真っ赤にしてたな!」ケラケラ
遊牙「はいはい、んで2巡目は?」
衣音「ったく……つれねぇな。俺は特に動く気ねぇもんだからゼピュロスセットして、折角だからご隠居の猛毒薬で沢渡にダメージ与えて終えたよ。んで、黒遊矢のターン以降はお前も知ってるだろう?」
遊牙「なるほどね、ダメージはお前が与えてたから問題ないという訳か」
衣音「そーいうこと!」ケラケラ
コナミ「……さて、これからどうするかな…………」
衣音「は、どうするって決まってんだろ? 遊勝塾に入るんだよ!」
遊牙「いうとは思った……ところで、持ってるデッキは?」
衣音「俺はいつもの3種類だな」
コナミ「俺はこの前新しいカードを入手したからな。それを利用したデッキ……とメタルフォーゼだ。メタルフォーゼは新しく作った」
遊牙「……メタルフォーゼがどんなデッキか知らねぇけど……ペンデュラムは基本使わないでくれ」
衣音「はぁ? 使うに決まって「特定の時期まで、ツカウナ。イイナ?」アッハイ……」
コナミ「……一応聞くけど、理由は?」
遊牙「んなもん、遊矢の精神衛生上に決まってんだろ。【この世界で今のところ使えるのは遊矢と俺だけ】なんだから」
衣音「……その話詳しく」
遊牙「おうともよ」
こんな会話が夜中まで続いて、結局遊牙は親に事前に報告して一泊した模様……
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風纏いの振り子 番外編 βstory
異世界の住人たち-1
正直、色々あってご迷惑ばかりかけてしまい本当に申し訳ないな、と反省する事ばかりでした。コラボはそこそこ回数こなしてるはずなんですけどね←
まぁ、色々ありましたが……それでも、完成したものですので……是非ともご覧ください!
「んで、どこまで行くんだ?」
俺は今、少し前に遊勝塾の仲間になった光一と共にデッキに入れる新しいカードの目星を付けるために光一のよく行くというカードショップへと歩いていっている…………が、もはや舞網市の中心部からかなり離れているところまでバスで来て、その後歩いて早20分近く。「そろそろ」とさっきから言うが、いつになれば着くのか……
「もうすぐ! ほら、そこを曲がったところだよ!」
もはや大通りからも離れて細い路地に来ている。しかし、光一の指差す場所には確かに曲がり角があった。そして俺たちがそこを曲がると…………
「ここ、は?」
「……あれ? なんで? 俺、道を間違えてないよ?」
俺たちの視界に見えたのは細い路地の先にお店がある光景……ではなく、どちらかと言うと、大通りの路地裏、と言った様子で建物もビルなどが多いが、どれも道中で見えたものとは違うものだ。
「ほ、本当に俺道を間違えてないんだけど……」
「いや、そこは信用するけど……それにしては明らかに変じゃないか?」
俺が振り返り、曲がった場所を確認すると、普通に大通りであり、そこから見えた看板を見るも、まず自分が見たものではない。それは確定的だった。
「……とりあえず、この路地だけでもいいから何か情報がないか調べてみよう。大通りに出ると迷う可能性があるし、出ないようにはしよう」
「そうだね」
そんな訳でとりあえず今いた場所を中心にあまり大通りに出ないように路地を歩き回ってみる事にした。
「……ダメだ、特に情報がないな……」
「うん、こうなったら人に聞くしかないんじゃない?」
「……正直、この状況を理解してもらえるか分からないし、あまり使いたくない手なんだが……」
この変な場所に来て、路地を歩き回って早十数分程。迷わない程度に歩き回ってみたが……情報がこれと言って無い。正直な話、光一の言う事も分かる……しかし、この状況を理解できる人に会えるとは思えない。だが、自分たちの得れる情報にも限度がある…………致し方ない、か。
「……仕方ないし、大通りに行く……ん?」
俺は大通りに行こうと振り返ろうとした……その時、何やら羽根が1枚落ちてきた。俺はそれを落ちてくる途中で手に取る。
「……? 羽根?」
「鳥にしちゃなんか変だよ……な……」
手に持っている羽根を見ていると、何か変な感じがして仕方がなかった。そしてふと光一の様子がおかしい事に気付き、ふと自分の後ろを振り返る。すると、そこには何か見覚えのある羽根を背中に着けているセミロングの茶髪で毛先に行くほど明るくなる髪に蒼色の瞳を持つ青年がいたことに驚きを隠せなかった。いつの間に……いたんだ?
「エアトス、もういいぞ」
青年がそう言うと、その背中の翼が消える……エアトスって……あのエアトス? いや、待って、どういうことだよ……あ、瞳が翡翠色になってる……
「さて、お前らが迷い人でいいな」
青年の言葉に俺は何と言うか……頷く以外にやるべきことがあまり見つからなかった。
「……え、えーと。あぁ、多分……」
「そうか、少しすれば俺の仲間が来る。何か知りたいことはあるか?」
「なぁ、ここってどこなんだ?」
青年の言葉を聞いて、即座に反応した光一は率直に問いかけていた。
「ここは“夢魅町”、“混合次元”だ。お前たちのいた場所の名は?」
とりあえず、次元ってスタンダード、シンクロ、融合、エクシーズ以外にあるのか……?
「……舞網市だ。それより、次元ってどういう意味だよ」
「いずれわかるさ、いずれな」
俺の言葉に青年は完全にはぐらかしてくる……俺が問い詰めようとしたら……
「きーらー!」
声が聞こえて、そちらへと振り向くと橙色の瞳でロングのクリーム色の髪を持つ同年代と思われる女性、白のナイトガウンのような服と白のナイトキャップのような帽子を身に付けている金色の髪と黄色の瞳を持つ女性?(明らかに金色の尻尾が見えるんだが……)と赤い服と緑色の帽子を身に付けている茶髪で黄色い瞳の少女(?)(茶色の耳と細い尻尾が見えるんだよなぁ)がやってくるのが見えた。
「ああ、ちょうど仲間が来たようだ」
「はぁ、はぁ。この人たちが迷い人?」
「ああ、舞網市からのな。さて、そろそろ自己紹介しよう。俺は
「私は
「私は
「
橙色の瞳でロングのクリーム色の髪を持つ同年代と思われる女性、白のナイトガウンのような服と白のナイトキャップのような帽子を身に付けている金色の髪と黄色の瞳を持つ女性?(明らかに金色の尻尾が見えるんだが……)と赤い服と緑色の帽子を身に付けている茶髪で黄色い瞳の少女(?)(茶色の耳と細い尻尾が見えるんだよなぁ)
「……うん、色々聞きたいんだが……まず、迷い人ってどういう意味だ? それと、次元ってなんだ? それと……さっきのお前の背中にあった羽根はどういうギミックなんだ?」
何がなんだか分らなかったが……とにかく聞きたい事実をいくつか質問することにした。少なくとも、夢魅町なんて場所は俺は知らないし、そもそも混合次元と言うものを聞いたことがない……今は光一もいるから、ボロが出せない。とりあえず無難な質問にしておこう。
「1度に聞くな、1つずつ聞け。まず、ここ“次元”というのは簡単に言えば世界だ。召喚法に特化した世界、とかのな。で、ここ“混合次元”は様々な次元の影響を受ける。それゆえに時空が歪み、別次元の住民が迷い混む。そいつらが迷い人だ。羽根に関しては……いずれわかるさ、いずれな」
えーと、とりあえず、ここは色々混じってる世界、って事か? んで、ここはその世界の街、と……羽根の理由は聞けなかったが、まぁ……後々聞くとしようかな。
「ったく……重要な所が分からねぇが……まぁ、良いか。俺は
「俺は
俺が自己紹介をすると、光一も自己紹介を済ませる。
「遊牙に光一だな。とりあえず……」
「ねえ煌」
「あん? ……ちょっと待っててくれ」
煌はそう言うと、俺らに背を向け、何やら相談し始めた。
「……ねぇ、彼らは信用できるのかな?」
「……まだ分からない事もあるが……少なくとも、情報はしっかり提供してくれている。信頼してもいいだろうな」
光一の問い掛けに俺は少し顔を横に振りそうになったが……よくよく考えてみれば、情報はしっかりと提供してくれているし……信頼はしてもいいだろう、そう思ってそう返す。
「さて、これからお前たちを元の次元に戻すためにある場所へ向かう。着いてきてくれ」
そう軽く話し終えると、煌が向き直りそう言うと、携帯のようなものを起動しながら路地裏から出た。
「こっちだよ」
俺たちは誘導してくれる悠紀らの後を追いかけるように彼らの言うある場所へと向かう事となった。
暫くして、入り口の右に青眼の白龍、左にはDDD死偉王ヘル・アーマゲドンの像が建っている上の方にLKCとロゴが書かれてある超高層ビルに着いた。煌が建物に入ろうとすると藍という奴に止められてた。
「煌、すまないが紫様に呼ばれてしまったのでな、失礼する」
「わかった」
「じゃーねー」
藍という奴は橙という少女を尻尾に乗せて、どこかへ飛んで行った……うん、もう深く考えるのはやめよう。すると今度は赤と白の巫女服のような服を着た女性と黄色い髪の黒と白の魔法使いっぽい服装を着た女性の2人が入れ代わりでやってくる……
「ん? 今のは藍と橙?」
「霊夢に魔理沙じゃない。どうしたの」
「タッグデュエルしてきたんだ。その後ちょっとブラブラしてたら悠紀たちがいたんだぜ」
「そうか」
煌たちが話終えたのを確認して俺は声をかける。
「なぁ、ここは?」
「LKC。唯一、次元の研究をしている会社だ」
LKC? 恐らく略称なのだろうけど……なんなんだろうか…………? 煌が辺りを見回していると中から少年が歩いてきた……って、あれはモクバ?
「待たせたな煌、悠紀」
「モクバか。彼らが迷い人だ、例の場所へ」
やっぱりか。ってことはKCは海馬コーポレーションだろうな。けど、L? ……ダメだ、思い浮かばない……何か忘れてる気がするんだけど……なんだっけ…………?
「わかったぜ」
「霊夢と魔理沙はどうする?」
「そうね、折角だし同行しようかしら」
「私もだぜ」
「なら、着いてきてくれ」
俺たちはモクバに続いて、LKCの中へ入り、エレベーターで5階に到着した。部屋名に「デュエル試験場」と書かれてあった。
「ここだ、入るよ兄さま」
「“破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ”の攻撃! デストロイ・ギガ・レイズ!」
「ふああああっ!?」
遊戯(と思われる声)の攻撃宣言と共に(実際はタイムラグがあるが)が、海馬(と思われる声の)の悲鳴(?)が聞こえてきた。煌たちと中を覗いてみると遊戯と海馬が向かい合っていて、海馬が膝をついていた。
「大丈夫、兄さま……」
「遊戯、貴様ぁ! もう少し手加減せんか! デュエルフィールドが壊れたらどうする!」
「ご、ごめん」
海馬が遊戯を睨みながら叫び、立ち上がる。
「それより兄さま、迷い人だよ」
モクバが説明するために振り返る。
「迷い人の遊牙と光一だ」
「榊遊牙だ。よろしく」
「宝良光一だ、よろしくな!」
煌が俺たちの名前を言ったので、それに続けるように俺たちが自己紹介を済ませる。
「よろしく、遊牙くん、光一くん。僕は
「ふん、
「わかった兄さま」
海馬と木馬が管理室に入りなにか操作する。するとスピーカーから海馬の声が聞こえてきた。
『次元移動装置を起動させるには貴様らのデュエルエナジーが必要だ。さっさとデュエルフィールドに立て』
「ちなみに、君たち迷い人がデュエルしないと座標がわからないからね」
「だったら俺が先でも良いかな、遊牙?」
「あぁ、構わないよ」
海馬の声と遊戯の忠告を聞いた光一が真っ先に名乗りを上げ、俺に聞いてきた。無論、俺としては問題ないからOKを出した。
「俺たちはどうする?」
「私と魔理沙はいいわ、デュエルしてきたし」
「そうだぜ」
「なら、俺と悠紀、それから遊戯になるが」
「僕は止めておくよ」
「あ! なら、私が行きたい」
「んー。まあいいか。頑張れよ、悠紀」
「うん!」
悠紀は、煌と拳の甲を合わせてからデュエルフィールドへ向かった。どうやら俺は煌と、光一が悠紀とやることになるようだ
「……ま、頑張れよ。アクションデュエルじゃないけど……楽しんでいけ」
「あぁ。元より、アクションデュエルはそこまで得意じゃないからさ……その辺は問題ないぜ」
俺の声掛けに光一は笑顔で返し、デュエルフィールドへと向かった。そして俺たちは観戦できる位置まで移動した。
〔ディメンションムーバーシステム作動準備完了!〕
〔デュエルエナジー吸収装置起動! デュエル開始の宣言をしろ!〕
管理室からモクバと海馬の声が聞こえて来る。それを聞き、デュエルフィールドの二人はデュエルディスクを構える。
「よし、行くぞ!!」
「ええ、来なさい!」
『『デュエル!!』』
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異世界の住人たち-2
『先攻は俺だ! 俺のターン!!』
先攻は光一、後攻が悠紀のようだな。さて、とりあえず光一のターンはどうなるかな……?
(※現在、遊牙と煌たちは一緒の部屋にはいますが煌たちは小声のために話は聞こえていません)
『俺は“宝玉獣 サファイア・ペガサス”を召喚!』
宝玉獣 サファイア・ペガサスATK1800
『……』
ん、悠紀がなんか戸惑っているが……何かあったのか?
『……ん? どうした、何か俺のプレイングに変なとこあるか?』
『だ、大丈夫だよ。続けて』
『ん、そっか。じゃあ、サファイア・ペガサスの効果で、“宝玉獣 アンバー・マンモス”を宝玉として魔法・罠ゾーンに置くぜ。そしてカードを2枚セット、“虹の古代都市-レインボー・ルイン”をフィールドに発動して、ターンエンドだ』
光一LP4000
手札1
宝玉獣 サファイア・ペガサスATK1800
伏せカード
伏せカード
フィールド魔法
虹の古代都市-レインボー・ルイン
「さてと。私のターン、ドロー!」
手札
5→6
さて、相手はどんなデッキだ?
『いつものいくよ! “ローンファイア・ブロッサム”を召喚!』
ローンファイア・ブロッサムATK500
ロンファ……植物系かな?
『ローンファイア・ブロッサムの効果発動! 自身をリリースして“アロマージ・ジャスミン”を特殊召喚!』
アロマージ・ジャスミンDEF1900
【アロマージ】……確か、ライフゲイン効果の多いデッキだっけ? そこまでこのデッキは詳しくないんだよな……
『さらにフィールド魔法“アロマガーデン”を発動!』
『アロマガーデンの効果でライフを500回復』
悠紀LP4000→4500
『さらに私のモンスターの攻撃力、守備力を次の相手ターンの終わりまで500あげる』
アロマージ-ジャスミンDEF1900→2400
『そしてジャスミンの効果、1ターンに1度ライフを回復したときデッキからドローできる!』
悠紀
手札4→5
『ジャスミンが場にいて私のライフが相手より高い時、1度だけ植物族モンスターを追加で通常召喚できる。“アロマージ-カナンガ”を召喚』
アロマージ-カナンガATK1400→1900
ほぉ、アロマガーデンの強化は後出のモンスターにも有効なのか……
『そして“フレグランス・ストーム”を発動! ジャスミンを破壊し、ドロー! 追加ドローはなしだよ』
悠紀
手札:3→4
追加ドローはなし……植物族じゃなかったようだな
『ええ。アロマモンスターが破壊されたことによりアロマガーデンのもうひとつの効果発動! 私はライフを1000回復する』
悠紀
LP4500→5500
ライフゲインが1回ごとは小さくても、放っておいたら大変だぞ?
『アロマージ-カナンガは私のライフが回復したとき、相手の魔法・罠を1枚手札に戻す。私は……伏せカードを手札に戻す!』
カナンガが投げたフラスコから突風が発生し、伏せられていたカードが光一の手札に戻る。
『あー、こっちが戻されるかぁ……』
光一は戻されたカードを手札に戻しながら少し苦笑いをする。何が戻されたのやら……
『バトル! カナンガでサファイア・ペガサスを攻撃!』
『ま、こっちが戻されなくてよかった、と思うか。リバースカードオープン! “宝玉の集結”!』
『な!』
光一
LP4000→3900
お、上手いな。宝玉の集結は破壊を免れる事は出来ないけど……
『サファイア・ペガサスは破壊された時に自身を宝玉にするぜ! そして、宝玉の集結の効果で1ターンに1度宝玉獣をデッキから特殊召喚できる! 来てくれ、“宝玉獣 ルビー・カーバンクル”!!』
宝玉獣 ルビー・カーバンクルDEF300
サファイアの宝石が光一の場に現れると、次いで出てきたのはルビーの宝石を尻尾の先につけているスペイン人が南米で目撃したと言われる幻獣の一種、カーバンクル。
『ルビー・カーバンクルの効果! 俺のフィールドにある宝玉の中から任意の数だけ自分フィールドに特殊召喚できる! ルビー・ハピネス!!』
ルビー・カーバンクルの尻尾のルビーが光ると、宝玉となっていた宝玉獣たちがモンスターゾーンに移動し、それが輝きはじめ、宝玉が割れると同時に、そのきらきらと輝く破片はモンスターの姿になる。
宝玉獣 サファイア・ペガサスATK1800
宝玉獣 アンバー・マンモスATK1700
『サファイア・ペガサスの効果、今度はデッキからトパーズ・タイガーを宝玉化!』
そしてサファイア・ペガサスの額の宝石から光が現れればトパーズの宝石が光一の場に現れる。これで攻撃力はまだ劣っているけど……またある程度はボードアドバンテージでは優位に立ったかな? 問題はライフのアドバンテージをどう取り返すか。少々削っただけじゃあ焼け石に水だし……ライフゲイン効果のカードが多いであろう相手のデッキだからすぐに取り返されるぞ……
『やっちゃった。カードを2枚伏せてターンエンド』
悠紀LP5500
手札2
アロマージ-カナンガATK1900
伏せカード
伏せカード
フィールド魔法
アロマガーデン
『よーし、俺のターンだ! ドロー!』
手札
2→3
『うーん……あまり動けないし……装備魔法“宝玉の解放”を宝玉獣 アンバー・マンモスに装備! これで攻撃力を800あげる!』
宝玉獣 アンバー・マンモスATK1700→2500
『バトル! アンバー・マンモスでカナンガを攻撃!』
『手札の“ジュラゲド”の効果発動! 手札のこのカードを特殊召喚し、ライフを1000回復する!』
ジュラゲドATK1700→2200
悠紀
LP5500→6500
『そしてカナンガの効果で宝玉の集結を手札に戻す!』
『っ……でも、攻撃対象はこのままカナンガでバトル続行!!』
『ジュラゲドのもうひとつの効果発動! このカードをリリースしてカナンガの攻撃力を次のターン終了時まで1000ポイントアップさせる!』
『それくらい、想定済み! 手札から速攻魔法“禁じられた聖槍”をカナンガを対象に発動! その攻撃力を800下げる! モンスターの増減巻き戻しは特に攻撃を止める気はないから無意味!』
『そんな!』
アロマージ-カナンガATK1900→1400→600→1600
上手いな。聖槍なら魔法・罠の効果を受け付けなくさせる。アロマガーデンの効果の効果も受けない。
『くっ! アロマガーデンの効果でライフを1000回復する!』
悠紀
LP6500→5600→6600
『まだまだ! サファイアペガサスで直接攻撃!』
『罠カード、“ピンポイント・ガード”を発動! 墓地のジャスミンを特殊召喚!』
アロマージ-ジャスミンDEF1900→2400
『そしてこのターン、ジャスミンは破壊されない』
『チェッ、ライフを削るどころか結局回復されちまった……攻撃中断だ。俺はカードを2枚セット、ターンエンドだ!』
『エンドフェイズに永続罠“潤いの風”を発動! ライフを1000払ってデッキから“アロマポット”を手札に加える!』
悠紀
LP6600→5600
手札
1→2
『そしてアロマガーデンの効果も切れる』
アロマージ-ジャスミン
DEF2400→1900
光一LP3900
手札0
宝玉獣 ルビー・カーバンクルDEF300
宝玉獣 サファイア・ペガサスATK1800
宝玉獣 アンバー・マンモスATK1700→2500(宝玉の解放装備)
トパーズ・タイガー(宝玉状態)
宝玉の解放(対象:アンバー・マンモス)
伏せカード
伏せカード
フィールド魔法
虹の古代都市-レインボー・ルイン
『私のターン、ドロー!』
悠紀
手札2→3
『潤いの風の効果発動! ライフを払って“アロマージ-ベルガモット”を手札に!』
悠紀
LP5600→4600
手札
3→4
『モンスターをセットしてアロマガーデンの効果発動! ライフを500回復してジャスミンの効果でドロー!』
アロマージ-ジャスミン
DEF1900→2400
悠紀
LP4600→5100
手札4→3→4
『ジャスミンの効果を使い、ジャスミンをリリースしてベルガモットをアドバンス召喚!』
アロマージ-ベルガモット
ATK2400→2900
『バトル! ベルガモットでアンバー・マンモスを攻撃!』
『リバースカード、Wオープン! “マジカルシルクハット”! 宝玉の集結!』
『な! これはちょっときついかな……』
『まずは宝玉の集結の発動を処理後、マジカルシルクハットの効果! デッキから宝玉の解放2枚をアンバー・マンモスと一緒にセット! そしてその後に装備されていた宝玉の解放が破壊されて、宝玉の解放の効果発動! 今度は“宝玉獣 アメジスト・キャット”をセット!』
『そして宝玉化している宝玉獣が2体になったからレインボー・ルインの効果でダメージが半分に……か』
上手いな、チェーンの順番は偶然だろうが……しっかりと宝玉の解放の効果のタイミングを逃していない。
『攻撃対象をルビー・カーバンクルに変更! ベルガモットの効果で私のライフがそっちより高い限り植物族モンスターは貫通効果を得る!』
『ルビーの宝玉化効果は使わない。そして……宝玉の集結の効果も、だ』
ん、使わないのか……ピン刺し……なのか?
光一
LP3900→2600
『バトルを終了するよ』
『んじゃあ、セットされていた2枚宝玉の解放は破壊されて効果発動! デッキから“宝玉獣コバルト・イーグル”と“宝玉獣エメラルド・タートル”を宝玉化!』
『カードを2枚伏せてターンエンド!』
悠紀LP5100
手札1
アロマージ-ベルガモットATK2900
???
潤いの風
伏せカード
伏せカード
フィールド魔法
アロマガーデン
これで7種類すべてそろった、と……確かアイツのデッキにはレインボー・ドラゴンもいたはず。問題は、あの伏せカード……だが、次のターンで手札はレインボー・ルインの効果ドローも併せて2枚……片方がレインボー・ドラゴンだとしても、対処は難しい、か……? さぁ、どう出る……!
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異世界の住人たち-3
このお話は後編に当たります。
前編をほぼ同時投稿しておりますので、一度話を1つ戻して、そちらからご覧ください。
うーん、結構きっついなぁ……一応手札2枚でスタート出来るけど……あいつ、貫通効果持ちだったか……半減できてよかった…………
「俺のターン、ドロー!」
手札
0→1
魔法・罠除去……これだけじゃダメ、せめて何かもう一枚……
「俺はレインボー・ルインの第4の効果を発動! 1ターンに1度、自分のメインフェイズ時にデッキからカードを1枚ドローできる」
手札
1→2
「ドロー後に潤いの風の効果発動! ライフを1000払い、デッキから“アロマセラフィ-アンゼリカ”を手札に加える」
悠紀
LP
5100→4100
手札
1→2
えっと……ドローソース来たのは嬉しいけど…………埋まってるんだよなぁ、魔法・罠ゾーン……まぁ、能動的に空けれるから良いけどな。
「宝玉の集結を墓地に送って第2の効果! 俺のフィールドの宝玉状態のコバルト、そして……」
モンスター除去……でも良いんだけど、どうすっかなぁ……いや、でもドローソースもあるし……ここは伏せカードを優先しておくかな?
「……うん、ここはメインデッキ側のセットカードを手札にバウンスする!」
「くっ!」
悠紀
手札2→3
ん、通るのか……だったら、これで伏せは確実に除去できる!
「ナイト・ショットを残ったセットカードに対して発動!」
「使うしか……チェーンして手札のアロマセラフィ-アンゼリカの効果を墓地のカナンガを対象に発動! このカードを墓地に送り、そのモンスターの攻撃力分ライフを回復する! さらにチェーンして永続罠渇きの風を発動!」
そう、くるか……これじゃあナイト・ショットは無効になるな……
「……チェーンはない」
「ならチェーンの逆処理。けど渇きの風は表にするだけで何もない。そしてアンゼリカの効果でライフを1400ポイント回復する」
悠紀LP
4100→5500
「ナイト・ショットはセットカードじゃないと反応しない……と」
まぁ、なんとかなる……かな?
「そして渇きの風とベルガモットの効果! まずは渇きの風の効果、私のライフが回復した場合、相手の表側表示モンスター1体を破壊する。サファイア・ペガサスを破壊!」
……これは防げない、けど……
「サファイア・ペガサスは自身の効果で宝玉化する」
「そしてベルガモットはライフを回復した場合、相手のターン終了時まで攻撃力・守備力が1000ポイントアップする」
アロマージ-ベルガモットATK2900→3900
「けど、これでとりあえずの後顧の憂いは無くなった! 魔法カード“レア・ヴァリュー”を発動!」
何を選ぶ……?
「……トパーズ・タイガーを選択」
「それじゃあ、トパーズ・タイガーを墓地に送って2枚ドロー!!」
手札0→2
これは……へへっ、面白くなってきたじゃねぇか! となれば、まずは……この発動条件の為にも……
「俺はアンバー・マンモスを反転召喚! そして魔法カード“エクシーズ・レセプション”をアンバー・マンモスを対象に発動! 選択したアンバーと同じレベルのモンスター……コバルト・イーグルの効果を無効化し、攻撃力・守備力は0にして……手札から特殊召喚する!」
コバルト・イーグルDEF0
「そしてコバルト・イーグルをリリース! 光り輝け! “光帝クライス”をアドバンス召喚! そして、クライスの効果! クライス自身とアンバー・マンモスを破壊する!」
いっつも、破壊されたり仲間を守ったりでアンバーはよく宝玉になることが多いんだよなぁ……ぶっちゃけて言えばサファイアよりもよく破壊されるもんな……
「そしてこの効果で破壊されたカードのコントローラーは破壊された枚数分ドローする! 破壊されたのは俺のカードだけ、よって2枚ドロー!」
光一
手札0→2
っしゃあ! いい感じにまたドローソース! 後の1枚……! これは面白いかもな、となれば……こっちを先に発動するよりも……
「そして、またまたレア・ヴァリューを発動するぜ!」
「ま、またですか。なら、サファイア・ペガサスを選択します」
「それじゃあ、サファイア・ペガサスを墓地に送って2枚ドロー!」
手札1→3
ドローカードは……っ!!
「……! 来た来たぁ! 魔法カード“宝玉の導き”を発動! デッキから新たなサファイア・ペガサスを特殊召喚! 効果で2枚目のアンバー・マンモスを宝玉化!」
サファイア・ペガサスATK1800
「行くぜ、俺はフィールドにある宝玉化した仲間達を墓地に送り!」
「ゑ! 嘘でしょ!」
「発動! “宝玉の氾濫”!! フィールドのすべてのカードを墓地に送る! 現れろ! 俺の仲間たち!」
サファイア・ペガサスATK1800
サファイア・ペガサスATK1800
アンバー・マンモスATK1700
アンバー・マンモスATK1700
トパーズ・タイガーATK1600
「……俺、デッキを信じてるんだ。最も、遊勝塾に入る前……負け試合が多すぎて年間勝率1割切るとか平気であったし」
光一のフィールドを見て、ディスクを下げた悠紀を見て光一は苦笑いをしながら語り始めた……ってか、そこまで? LDSって噂では年間100戦位するんだろ?
「え? 急にどうしたの」
「勿論、何度もデッキを組み直したし、枚数の変更とかもした。それでも……ダメだった。敗けが続いたんだ。〔デッキそのものを変えたら?〕友人にこうも、言われるほどにな。でも……俺は、宝玉獣たち以外のデッキを使う気にはなれなかった。それは、俺が小さい頃から使い続けているから……そして……俺はコイツらを、親友だと、思ってるから! だからさ、俺が言うのも変な話だけどよ……今回負けても……デッキを信じてやれよな!」
「……ふふ。なら、彼らの声に気づいてあげなきゃね」
……んー、なんなんだろうなぁ、あの言い方。気になるけど……光一はそこまで気にしてないようだな……
「バトル! サファイア・ペガサスとアンバー・マンモス、トパーズ・タイガーで総攻撃だ!」
悠紀LP5500→0
Win 光一
「っ! はぁ。あーあ、なんとかなると思ってたんだけどな~。通告じゃなくてツイツイだったら変わってたかな、結果論だけどね」
「っ…………まぁ、さっきの2回目のレア・ヴァリューのドロー、もう1枚……“ラスト・リゾート”だったし、一応アレを防がれても何とかはなってたんだけどな」
「そう……」
悠紀と光一が軽く会話すると、管理室から海馬たちの声が聞こえてきた。
〔二人ともお疲れなんだぜ〕
〔貴様らのデュエルで40%チャージが完了した。ゆっくり休むがいい。〕
「そうさせて貰うわ」
悠紀と光一はデュエルフィールドからそれぞれの待ち人の元へ向かった。
「お疲れ様、光一」
「あぁ、次は遊牙の番だぜ」
「おうともさ」
遊牙は光一とハイタッチをするとデュエルフィールドに入った。ふと、遊牙が相手の方を見ると煌は悠紀とハイタッチしてデュエルフィールドに入っていた。
「ふぅ。さて、会話は……不要だな」
「無論だ、互いに全力を尽くそう」
煌の言葉に遊牙もそうとだけ言うと、お互いにデュエルディスクを構えた。そして……
「「デュエル!!」」
第2戦が始まりを告げた。
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異世界の住人たち-4
「「デュエル!!」」
煌 LP:4000 デッキ:35 手札:5
VS
遊牙 LP:4000 デッキ:35 手札:5
「先攻は俺だ。俺は手札から“
幻影騎士団フラジャイルアーマーATK1000
「さらにカードを伏せ、発動! “幻影騎士団シェード・ブリガンダイン”は発動後、モンスターとして特殊召喚される」
幻影騎士団シェード・ブリガンダインDEF300
「フラジャイルアーマーとシェード・ブリガンダインでオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築。エクシーズ召喚! 出でよ
空中に一瞬だけ41と出てから現れたのは巨大な酒瓶。そしてその酒瓶から煙がモコモコと現れ、モンスターの姿になっていく。
「酔い眠りし夢食い魔獣、泥睡魔獣バグースカ!」
No.41 泥睡魔獣バグースカ DEF2000 ORU2
「カードを3枚伏せ、ターンエンド」
煌
手札0
No.41 泥睡魔獣バグースカ DEF2000 ORU2
伏せカード
伏せカード
伏せカード
「ふむ、守備モンスターと伏せ3枚……か。とりあえず、ドローしながら考えるか。俺のターン、ドロー!」
手札
5→6
「……そうだな、最初は……最低でも1枚だけでも伏せを見せてもらおうか。魔法カード“ハーピィの羽箒”を発動する」
「あ、助かる。罠カード“
No.41 泥睡魔獣バグースカ
ATK/2100→2600
「備えあれば嬉しいな。破壊された2枚の“運命の発掘”の効果発動!」
「へぇ、そういうカードか……まぁ、手札0でターンを無策に明け渡すとは思わなかったが」
「運命の発掘は相手によって破壊され場合、墓地の運命の発掘の枚数分ドローする。2枚破壊されたため、2枚ドロー2回な」
煌
手札0→2→4
「ま、むしろ妨害札でなくて安心したよ。さて、この手札なら……とりあえず、“マジェスペクター・ラクーン”を召喚! そしてラクーンのモンスター効果を発動!」
マジェスペクター・ラクーンATK1200
「無駄だ。バグースカが守備表示で存在する限り、全てのモンスターは守備表示となり、守備表示のモンスターが発動した効果は無効になる!」
マジェスペクター・ラクーンATK1200→DEF900
「……へぇ、そんな効果あったんだ。あぁ、確かに無駄な発動だよ。何せ、この召喚自体は【バグースカを処理するためだけにあるから】、効果は発動出来たらもうけもの、だからさ。通常魔法“マジェスペクター・ストーム”発動。コストとしてフィールドのラクーンをリリース。とりあえず、バグースカにはデッキに戻ってもらうよ」
「ま、当然そうなるよな。フィールドが真っ白だ」
「さぁて、と……とはいえ、手札的にも少々キツいんだよなぁ……まぁ、その辺はカバーするっきゃないからね。スケール2の“魔装戦士 ドラゴディウス”とスケール7の“魔装戦士 ドラゴノックス”でペンデュラムスケールをセッティング!」
遊牙の言葉と共に出現した黄緑色の2本の柱の中に、白い鎧を纏った片翼の戦士と黒い鎧を纏った片翼の戦士ががそれぞれ柱の中に入って浮かんでおり、2本の柱の間に遊牙の胸で煌めく黄緑色のペンダントと同じものが浮かび上がり……そのペンダントの周りを風がぐるぐると渦を巻いていた。
「ペンデュラム召喚……か。しかも魔装戦士もあるのかよ」
「揺れろ、新風纏いしペンデュラム! 天空を翔ろ新風のアーク! ペンデュラム召喚! 舞い降りろ、俺の仲間達よ! 手札より、“マジェスペクター・クロウ”! そしてエクストラデッキよりマジェスペクター・ラクーン!!」
マジェスペクター・クロウDEF1500
マジェスペクター・ラクーンATK1200
「ラクーンとクロウの効果。デッキから“マジェスペクター・フォックス”、“マジェスペクター・サイクロン”をサーチ。そしてバトルだ、ラクーンで直接攻撃!」
「ちっ!」
煌LP4000→2800
「俺はカードを1枚セット、これでターンエンド」
遊牙LP4000
手札1(フォックス)
マジェスペクター・クロウDEF1500
マジェスペクター・ラクーンATK1200
伏せカード
ペンデュラムゾーン
赤:魔装戦士 ドラゴディウス:スケール2
青:魔装戦士 ドラゴノックス:スケール7
「俺のターン、ドロー」
煌
手札4→5
「厄介だな、本当に。“ギャラクシー・サイクロン”を発動し、その伏せカードを破壊する」
ま、除去されるとは思ってたが……あっさりと、だな。ちょいとめんどうだな……
「……良いぜ、そのまま破壊される」
「手札から“幻影騎士団ラギッドグローブ”を召喚!」
幻影騎士団ラギッドグローブATK1000
幻影デッキ……闇属性を主軸としたデッキ、で確か罠モンスターもあるデッキ……だったよな。
「自分フィールドに幻影騎士団がいるため“幻影騎士団サイレントブーツ”を特殊召喚!」
幻影騎士団サイレントブーツDEF1200
「俺はラギッドグローブとサイレントブーツでオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築。エクシーズ召喚! 戦場に倒れし騎士たちの魂よ。今こそ蘇り、闇を切り裂く光となれ! 《幻影騎士団ブレイクソード》!」
幻影騎士団ブレイクソードATK2000 ORU2
「エクシーズ素材となったラギッドグローブの効果で、ブレイクソードの攻撃力は1000ポイントあがる」
幻影騎士団ブレイクソードATK2000→3000
「ブレイクソードに“折れ竹光”を装備!」
「竹光……っつーことはラストの1枚……」
多分、黄金色の竹光だろうな。折れ竹光は恐らくブレイクソードで処理するとして……どっちを破壊してくる……? 俺としてはドラゴノックスが残った方が良いのだが……
「“黄金色の竹光”を発動! 竹光装備カードが存在する時2枚ドロー……あり?」
煌
手札1→0→2
「はて、なんででしょう。黄金色の竹光を2枚発動! さらに4枚ドローする!」
煌
手札2→1→0→2→4
「……うん、色々突っ込みたくなる引き方だな、それ……」
「よし! ブレイクソードの効果発動! オーバーレイ・ユニットを1つ使い、互いの場のカードを1枚ずつ破壊する。俺は折れ竹光と魔装戦士ドラゴディウスを破壊する!」
幻影騎士団ブレイクソードORU2→1
おっと、そっちか。手札のフォックスは切りたくなかったし助かったな……
赤:魔装戦士 ドラゴディウス:スケール2
↓
赤:なし
「バトル! ブレイクソードでラクーンを攻撃!」
手札はフォックスのみ……ラクーンの特殊召喚効果も考えると……1800位は通しても良いかな? 最悪、フォックスをペンデュラムに配置することも視野に入れるべきだが、問題は無かろう。
「……ここはドラゴノックスのペンデュラム効果……は使わない。そのまま通す」
遊牙LP4000→2200
「使わない……か。カードを2枚伏せて、ターンエンド」
煌LP2800
手札2
幻影騎士団ブレイクソードATK3000 ORU1
伏せカード
伏せカード
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異世界の住人たち-5
あ、前編をほぼ同時投稿しておりますので、そちらから先にご覧ください。
どうか、ご協力の程、宜しくお願い申し上げます。
「さて、と。俺の番だ! ドロー!」
手札1→2
「……ここは、うん。手札のマジェスペクター・フォックスを空いたペンデュラムゾーンにセッティング!」
赤:なし
↓
赤:マジェスペクター・フォックス:スケール2
「これでレベル3から6までのモンスターを特殊召喚可能! 今再び揺れろ、新風纏いしペンデュラム! 天空を翔ろ新風のアーク! ペンデュラム召喚! 再び舞い降りろ、俺の仲間達よ! エクストラデッキよりマジェスペクター・ラクーン、魔装戦士 ドラゴディウス!!」
マジェスペクター・ラクーンATK1200
魔装戦士 ドラゴディウスATK1500
「マジェスペクター・ラクーンのモンスター効果、発動! デッキからマジェスペクター・フォックスをサーチ! そのまま召喚!」
マジェスペクター・フォックスATK1500
「そしてフォックスの効果、デッキから“マジェスペクター・トルネード”をサーチ。そしてフィールド魔法“マジェスティックP”を発動!」
「手札の“幻影騎士団トゥーム・シールド”をコストに“ツインツイスター”を発動! 対象はマジェスティックPと魔装戦士ドラゴノックス!」
青:魔装戦士 ドラゴノックス:スケール7
↓
青:無し
「流石にダメだったか……俺はカードをセット、ターンエンドだ」
遊牙LP2200
手札0
マジェスペクター・クロウDEF1500
マジェスペクター・ラクーンATK1200
魔装戦士 ドラゴディウスATK1500
マジェスペクター・フォックスATK1500
伏せカード
ペンデュラムゾーン
赤:マジェスペクター・フォックス:スケール2
青:無し
「俺のターン、ドロー!」
煌
手札1→2
「“貪欲な瓶”を発動! 墓地の黄金色の竹光3枚、折れ竹光、幻影騎士団シェード・ブリガンダインの5枚をデッキに戻しシャッフル。そして1枚ドロー」
煌
手札2→3
「俺はブレイクソードの効果を発動。オーバーレイ・ユニットを1つ使い、ブレイクソード自身とペンデュラムゾーンのマジェスペクター・フォックスを破壊する!」
……意味はないだろうけど、発動はしておくか。
「……リバースカード、マジェスペクター・トルネードを対象ブレイクソードとして発動。コストとしてラクーンをリリース」
「墓地のトゥーム・シールドを除外してマジェスペクター・トルネードの効果を無効にする」
マジェスペクター・トルネードが発動するが、墓地のトゥーム・シールドから放たれた雷によって無効にされ色を失う。そしてブレイクソードはペンデュラムゾーンのマジェスペクター・フォックスに神風特攻して散った。
「そしてブレイクソードの効果発動! エクシーズ召喚されたこのカードが破壊された場合、墓地の同レベル幻影騎士団モンスター2体をレベルを1つあげて特殊召喚する! 来い、ラギッドグローブ! サイレントブーツ!」
幻影騎士団ラギッドグローブ ☆3→4
幻影騎士団サイレントブーツ ☆3→4
「出たいってお前、手札にいないじゃん……ああ、なるほど。でもこっちが先な」
「……行くぞ、遊牙。俺はレベル4となったラギッドグローブとサイレントブーツでオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築。エクシーズ召喚! 漆黒の闇より出でし反逆の龍! 今、降臨せよ! “ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン”!」
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンATK2500 ORU2
「ラギッドグローブの効果で攻撃力はあがる」
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンATK2500→3500
……こりゃあ、あの時に切っていれば……いや、変わらない、か……? 守備で出しておけばよかったかな……?
「ダーク・リベリオンの効果発動! オーバーレイ・ユニットを2つ使い、相手モンスター1体の攻撃力を半分にし、その分このカードの攻撃力をあげる! 対象はドラゴディウス! トリーズン・ディスチャージ!」
魔装戦士ドラゴディウスATK1500→750
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンATK3500→4250 ORU2→0
「さて、このまま攻撃してもいいんだが……出せ出せうるさい奴がいてな」
「……ん、どう言うことだ?」
ホント、何を言っているんだ? 思わず眉をしかめてしまったな……
「墓地のフラジャイルアーマーを除外し手札の“幻影騎士団ウロング・マグネリング”を墓地に送り、1枚ドロー!」
煌
手札3→2→3
「ダーク・リベリオンを対象にエクシーズの宝札を発動! 対象にしたモンスターのランク分ドローする。ダーク・リベリオンはランク4、よって4枚ドロー」
煌
手札3→2→6
「本当に来たし……墓地のラギッドグローブを除外してデッキから“
幻影騎士団ブレイクソードATK2000
幻影騎士団サイレントブーツATK200
「俺はブレイクソードとサイレントブーツをリリースしてコイツをアドバンス召喚する! 白き翼翻し、我が元へ君臨せよ! 我が精霊! “ガーディアン・エアトス”!」
ガーディアン・エアトス ☆8
ATK/2500
……出す意味あるか、これ……
「まぁ、頼まれたら仕方ないって言うか……まあいいや。」
……今、俺の心の声でも読んだのか? なぁ……
「“女神の聖剣-エアトス”をエアトスに装備! コイツは装備モンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる!」
ガーディアン・エアトス
ATK/2500→3000
「速攻魔法“サイクロン”を発動。女神の聖剣を破壊する」
ガーディアン・エアトスATK3000→2500
「墓地へ送られた女神の聖剣の効果発動。除外されているモンスター1体につき500ポイント、エアトスの攻撃力をアップさせる。除外されているモンスターは4体! よって2000ポイントあがる!」
ガーディアン・エアトスATK2500→4500
「悪いダーク・リベリオン。ここはコイツにやらせてくれ…………さいですか。さて、終わらせよう。バトル! ガーディアン・エアトスでドラゴディウスを攻撃! フォビドゥン・ゴスペル!」
遊牙LP:2200→0
WIN 煌
「ふう。電光千鳥とか使われてたらキツかったかな」
「流石にあそこまで徹底されるとキツいものがあるな……このデッキももう少し改良の余地はあるな……当面はやはり戦闘の弱さか……」
「そうだな……オッドアイズを引ければいいんだが……」
……ん? 待て待て。俺のデッキにオッドアイズが入ってるって知ってんだ、コイツ!?
「……おい、待て。俺のd」
〔エネルギーチャージ完了だせ!〕
〔次元移動装置を下ろするだ!〕
自分が問いかけようとしたら管理室から海馬たちの声が聞こえてくる……と、天井にあったリング状の装置が降りてくる。いや、質問させろよ
〔目標次元と接続完了!〕
〔ディメンション・ムーブ起動!〕
リングが少しスパークするとリングの中心に空間の歪みができ、それがリング全体へ広がる。空間の歪みの外周は青く、歪みの向こうには街が……俺たちのいた世界。見えている。そして操作が終わったらしい海馬とモクバが管理室から出てくる。
「そのリングをくぐれば貴様らの次元に着く」
「……まぁ、聞きたいことは色々あるけど俺らも早いとこ戻りたいからな。そろそろ帰るか」
「あぁ、そうだな」
「ちょっと待って」
俺がこの世界に別れを告げようとした時、悠紀が歩み寄ってきた。その手には手紙が握られていて……
「これ、ファントムから渡してくれって。中身は向こうに着いてから見てくれだって」
「ん? あぁ、分かった……」
そう言って俺に手渡してきた。手紙……か。
「まあいいや。無いことを祈るが……またデュエルしよう」
「そうだよ。私だって次は負けないんだから」
「後悔しないデュエルをしなさいね」
「デュエルは楽しんでなんぼだぜ」
「まぁ、また会う事があれば……次こそは負けねぇぞ」
「またな!」
彼らの言葉に俺と光一は手を振って返し歪みの中へと入っていった。
遊牙たちはそう言って空間の歪みを潜っていった。空間の歪みが遊牙たちが抜け、ゆっくりと閉じいく中、俺は向こうに行った遊牙に向かって拳を向ける。
遊牙が振り返ると、煌が拳を出している事に気付き少し目を丸くしていたが、フッと微笑めば同じように拳を突き出した。そして、間もなく空間の歪みは完全に消えてなくなった。
~この日の夜~
遊牙「そういや、これ何なんだろ……」←手紙を開けてみる
ガサゴソ……
遊牙「カード……? って、白紙が2枚と虹彩の魔術師,黒牙の魔術師,星霜のペンデュラムグラフ……? 確かに俺のデッキと魔術師カードは同じ魔法使いだし合うとは思うが……とりあえず、組んでみるか。確か遊矢が使ってない魔術師のカードが残っていたはずだし。白紙のカードは……一度置いておこう。もしかしたらどっかで使うかもしれん」
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第1章第3幕 強襲! vsLDS!! デュエルで塾を守り抜け!!
第5話
攻防戦終わるとこまでしっかり書き終わったら連続投稿にすると思います。多分←
「「「だよねぇ、柊柚子ちゃ~ん!」」」
「……ん? 何があったんだ……」
コナミさんと衣音もこっちに来てから数日後の朝、俺はコナミさんと衣音の住む家を経由して3人で遊勝塾に向かうと……塾の門のド真ん前にいわゆるロールスロイスと言われるものがデンと居座っており、そこからどっかで判事でもしてそうな雰囲気のハートマークを模した髪型の赤馬零児の母親、日美香が姿を現した。あー、そう言えばそんな時期か……
俺は二人にここで待ってるように言うと遊矢達の元へと駆け寄った。
「なんなの、この人……」
「実はさ、数日前に俺が沢渡を闇討ちしたってオバサンが……」
おいおい、オバサンって思ってても言ってやるなよな? ぜってー気にしてるだろうし……
「…………」
あ、遊矢の事睨んでる睨んでる。遊矢も気付いたようでそそくさと俺の後ろに隠れた……可愛いなぁ、畜生め! っとと、弁明をしなくちゃな。
「そいつぁ、無理な言い分ですね? 遊矢がもう話したかも知れないですが……その日はウチ、遊勝塾に居ましたよ?」
「そちらの方が無理な説明ですわね。大体、お身内が話しても通りませんわよ?」
「それが通るんですよねぇ。その日は昼の15:00頃から18:00の間、ウチで新任教員の面接があったんですけど……その時の一人がウチの新しい教員になったばかりなんですよ。その人に聞いていただければ良いかと。その人は最後でしたので、貴女の申してる内容が違うと分かるかと。何なら、残念ながらウチとは縁の無かった方々の連絡先をお教えしましょうか? その方々へのお茶だしも遊矢がしていましたからねぇ」
これが俺の秘策。遊矢には基本教員面接のお茶だしを頼んでいた事もあって、その点では無問題だ。それに、今回ばかりは此方に分があるぞ。
「しかしですね……現に襲われた沢渡家の御子息は榊遊矢を名指しで犯人を見たと」
「……じゃあ、他にも見た人がいればいいんすね? …………あ、ちょうどあの時あの場所でその襲撃犯とやらを見てたと思われる人が居ましたね」
俺はそこまで言うと偶然を装って二人を呼んだ。
「昨日、港の52番倉庫に【お二人とも居ましたよね】?」
「え、あぁ」
「52番倉庫なら居たよ」
「実はそこである事件があって……」
遊矢は驚いてるけど俺の言動を黙って見てくれている。俺は偶然居合わせた(設定の)二人に証言をしてもらうことにした。
「……と言うことなんですけど、どうですかね。何か覚えてることは御座いますか?」
ある程度事件の説明(二人とも詳細はしってるけど)を説明して問い掛けると、まず口を開いたのは……
「正直な事言ってさ。俺、ソイツらとバトルロイヤル形式で戦ったけど……見た目は似てるんだなー、これが」
衣音だった。衣音はニヤリとして話している……が、俺から見ればそれは【明らかに赤馬母で遊ぼうとしているような】感じであった。
「そうでしょう、そうで「ただし」……?」
当然のように鼻高々になろうとした赤馬母の言葉を遮った。もう、相手が調子に乗ろうとしたらそれは衣音の手のひらで転がっているだけだ。
「髪はそこの遊矢とは色が違うな。夕方だったし、倉庫は暗かったが……それを加味しても違う色だ。アイツのは、なんっつーか黒。けど、ソイツのはどう頑張っても黒にゃ見えねーし。まぁ、染めた可能性もあっけど……その辺はどーなんだろうな?」
どっち付かずに発言を転々とさせる……実に衣音らしい。
「……ちょっといいかい? 俺もその場にいたんだが……」
と、ここでコナミさんが口を開く。さぁ、どうするんだ……?
「遊矢君、君のゴーグルを全て見せてくれないか? もちろん、見せたくないものがあるなら見せなくてもいいが……言いたい事はわかるね?」
「……この首にかけてるモノだけです。別に見せて困る物もないですから」
コナミさんの言葉に遊矢は首にかけている星マークのついたゴーグルを見せる。すると、それを見たコナミさんは首を横に振った。
「……これを見る限りじゃ、彼はあの時の彼じゃないね。まちがいない」
「なんですって!?」
「あの彼のゴーグルには星マークは無かった。これは後で付ければ良いかもだけど……あの時の彼のゴーグルにはヒビが入ってた。けど、見た限りでは傷ひとつついていない」
「買い替えたならもう俺たちは御手上げだけどな~」
……いい加減にしろよ、衣音。
「っ……では、こうしましょう!」
「……結局、デュエルで決着かよ」
相手の出した条件はこれだ。
・全7戦で勝ち星の多い方が勝ち
・デュエル形式は全てアクションデュエル
・引き分け等で勝敗が同数の場合は勝者同士で再度デュエルを行い、全ての試合が終わって必ず勝敗を決する
・参加出来るのは各塾に所属している者に限る。教師でも可
・LDSが勝利すれば沢渡襲撃犯は遊矢で確定となる。そして遊勝塾は廃塾となり、塾生達や塾長、教員は全員別の場所へ強制的に転塾、転居。ペンデュラム召喚の出来る俺と遊矢2人だけは強制的にLDSの監視下に置かれ、ペンデュラムコースの教師となって沢渡の入院費や賠償金諸々を払い、LDSの指示や労働条件には絶対服従すること(ちなみに費用はウン千万らしいから恐らく生涯働くハメになるな……)
・遊勝塾が勝利すれば沢渡の件は遊矢は完全に不問となり、遊勝塾側からの要求にLDS側はNOを言えない
「くぅっ……この漢、権現坂……遊矢の危機を救えないとは…………なんたる不覚っ……!」
ちなみに、このルールで権ちゃんvs刃を見ることは確定で叶わなくなった。まぁ、元々7戦らしいから原作とは多いに違うけど……いや、それはどうだっていい。問題は……誰を出すか、か。一応新メンバーのアイツもいるにはいるが……出して良いのかな? 仮にも元LDSな訳だし…………
「兄さん、本当に受けて良かったの……? もし負けでもしたら…………みんな離れ離れになるし、俺たち……」
遊矢は不安そうに上目づかいで俺に問い掛ける。
ちなみに、原作とは違って立ち向かうことは無かった……うーん、残念だけどこれはこれで可愛いから許す!
「不安なら勝てばいい、それだけだ」
「でっ……でも…………」
……あ、ヤバい。イライラしてきた……
「……じゃあ、遊矢。俺はお前が犯人じゃないと分かっているからアッチの無茶難題な要求に応じた。その意味がわかるか?」
「っ……そ、それは……」
……うん、決めた。俺は決めたぞ。
「遊矢、別に無理はするつもりはない。けどな……そんな状況のお前を塾の看板が掛かったこの試合に出すわけにはいかないな」
「っ! でっ……でも、これは」
「お前だけの問題じゃねぇと言ってるんだ! そもそも! お前が関わってすらいねぇ!」
「っ……に、いさ……」
「これはLDSから遊勝塾に適当なこと付け加えて吹っ掛けられた喧嘩だ! 俺はさっき塾長に談判してこの試合は俺が指揮を執ることを許可してもらった! まだ泣き虫の治ってないような奴を出す事は俺は絶対にしない! 仮に俺の大好きな弟の頼みがあっても、だ!」
遊矢はかわいいし、出してやりたいのは山々。だけど……まだ不安定な所もあるから出したくない。だからこそ、敢えて強い口調で俺は遊矢を突き放した。甘やかすだけじゃないからな、俺だって。ふと、周りを見ると、驚きの表情が殆どだった。まぁ、そうだよなぁ……今までが今までだったし、うん
「……俺!」
「……なんだ?」
「俺、兄さんの言いたいこと、分かってる。でも、デュエルは喧嘩の道具じゃない! デュエルはもっと楽しいもんなんだよ! それは兄さんも分かってるよね?!」
「……だったら?」
「俺、は……戦う! 遊勝塾を失いたくないし……何より、みんなと楽しくデュエルをしたい!! だから……!」
……あー、もう。こういうの、よえーんだよ……ったく!
「……わーった、わーった。その代わり、出すタイミングは俺が決める。それでいいだろ?」
「っ! うん!」
「全く、兄弟愛劇場は別に構わないけど……初戦の僕の相手は誰なんだい?」
……なんだ、初戦は北斗ークンか。だったらぶつけるのは当然……
「……こっちは遊矢が行かせてもらう」
遊矢はエッって顔でこっち見てるけど、気にしない気にしない。北斗ークンは自分で勝率9割を自慢してるけど気にしない気にしない。
「こういう相手にエンタメを見せてやれ」
遊矢は完全に委縮しちゃってるけど……やると決めたようでアクションフィールドへと向かっていった。そして、管制室にいる塾長が声をかける。
『それじゃあ、二人とも、準備はいいか! アクションフィールドオン! コスモ・サンクチュアリ!』
……まぁ、知ってはいたけど。問題は……刃相手に誰をぶつけるか……だよなぁ……権ちゃん投げれないから自然と別の人投げることになる……あ、そうだ。アイツにしよう。
『『アクショーン……デュエル!』』
おっと、デュエルが始まった。
ということで権ちゃんvs刃君は他の方の執筆する方で見てください←
あと、衣音君のキャラが不安定な今日この頃
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第6話-1
時間は少し経ち3戦目からとなります!
え、1試合目と2試合目も書けたんじゃないかって?
……げ、原作と同じですしおすし(震え声)
デュエルの方は現在2戦が終了して1勝1敗。1戦目は遊矢が勝利、2戦目は(遊矢に負けていられないから次は自分が出たいと意気込んでいた)柚子を出したけど真澄に敗北。内容としてはどちらも原作とほとんど変わらなかったかな。強いて言うならば、遊矢のエンタメデュエルを止める発言はなかったくらいかな?
次は3戦目……なんだが、問題は次。相手は……
「さぁ、次は俺がいくぜ。そっちは誰なんだ?」
相手は刀堂刃、シンクロコースのエース。そう……権ちゃんを投入できないのだ。別に俺が相手でも良いんだけど……ただ、俺の使っているデッキはどちらもあまり相性がよいとは言えない……ハンデスされても墓地リソースを活用しやすいデッキ使い……となると、衣音とコナミさん、杏子の3名は除外。光一や火無菊もあまり相性がよいとは言えないし、教師組もイマイチ相性が微妙……と、なれば選択肢は2択…………
「なぁ、遊牙の兄貴」
「……ん、どうした? 暁……」
「俺、出たいんだ。兄貴が出れないの、仕方無いけどさ。俺だって権現坂家の一員だ。それと、遊勝塾の塾生でもある。俺にこの試合……任せてくれないか?」
ふむ、暁のデッキは確かに墓地リソースを利用するタイプだし……そこまで相性も悪くない……アイツに任せようと思っていたのだが、暁の言い分も分かる……よし。
「オーケー、暁。お前に任せるぞ」
「うっす!」
暁は気合いを入れるために赤い鉢巻きを頭に巻く。すると、風貌はやっぱり権ちゃんに似てるんだよなぁ。流石は兄弟、ってとこかな?
「漢、権現坂暁! 第3戦を任された! 宜しく頼もう!」
「はぁ? 権現坂ってあの権現坂道場の人間じゃねぇのか?!」
「否! 俺は遊勝塾に正式に所属している。兄貴の不動のデュエルも素晴らしい。しかし、俺は兄貴の信頼する遊矢の兄貴のデュエルに惚れ込んだ……俺はいずれは不動のエンタメデュエルの境地を見出だすために遊勝塾にいる!」
「……おもしれぇ、だったらお前のデュエルを見せてみろ!」
遊牙の兄貴が任せてくれたこのデュエル……絶対に落とせない!!
「戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが!!」
「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!」
『『『『『見よ、これぞ、デュエルの最強進化形! アクショーン……』』』』』
「「デュエル!!」」
AKATSUKI LP4000 vs YAIBA LP4000
「先攻は俺! 俺のターン!」
先攻は取れた。手札も上々!
「自分フィールド上に存在するモンスターが存在しない場合、このモンスターは特殊召喚できる。来てくれ、“フォトン・スラッシャー”!」
フォトン・スラッシャーATK2100
「なっ……いきなり攻撃力2100だと!?」
「このモンスターは自軍にモンスターが存在すると攻撃は出来ない。しかし、最初のターンであればそのデメリットも無意味! そして俺はモンスターを裏側守備表示でセット! これでターンエンド!!」
暁LP4000
手札3
フォトン・スラッシャーATK2100
???
「伏せカードも無しか……俺のターン、ドロー!」
さぁ、どう来る……!
「チィ、手札がわりぃ……俺は魔法カード“手札抹殺”を発動! 互いに手札をすべて捨てて捨てた枚数分ドロー!」
手札交換……だが、それは好機!
捨てたカード
・コドモドラゴン
・エクリプスワイバーン
・カーボネドン
「今捨てた“コドモドラゴン”と“エクリプスワイバーン”のモンスター効果! エクリプスワイバーンの効果により“レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン”をゲームから除外。そしてコドモドラゴンの効果により手札より現れよ! “ダークフレア・ドラゴン”!」
ダークフレア・ドラゴンATK2400
ちなみにレッドアイズ・ダークネスメタルは火無菊の兄(あに)さんがこのカードが制限カードになったからと言うことで分けてくれたものだ。
「っ……だが、止めれる物なら止めてみろ! 俺はっ、“XX-セイバー ボガーナイト”を召喚!」
XX-セイバー ボガーナイトATK1900
攻撃力の高いモンスター……だけど、俺の場の攻撃力には及ばない……!
「ボガーナイトの効果! 手札からレベル4以下のX-セイバーモンスターを特殊召喚できる! 俺は手札からチューナーモンスター、“X-セイバー パシウル”を特殊召喚!」
X-セイバー パシウルATK100
チューナー……モンスター!?
「レベルの合計は……6、まさか、シンクロ召喚をもう……!?」
「生憎と、そう簡単にはしねぇよ! 魔法カード“ワン・フォー・ワン”を発動! 手札の“XX-セイバー フォルトロール”を墓地に送って“XX-セイバー レイジグラ”を特殊召喚! レイジグラの効果でさっき墓地に送ったフォルトロールを手札に!」
XX-セイバー レイジグラDEF1000
……ここは一度通してみるか。別に困るわけじゃねーし。
「そして、俺の場にX-セイバーモンスターが2体いる! だからこいつを特殊召喚できる! こい! フォルトロール!!」
XX-セイバー フォルトロールATK2200
「フォルトロールのモンスター効果!墓地のX-セイバーモンスターを1体蘇生する! 蘇れ、チューナーモンスター“XX-セイバー フラムナイト”!!」
XX-セイバー フラムナイトATK1300
ま、またチューナーモンスター……しかも、これでフィールドは埋まった…………!
「さぁ、お待ちかねのヤツ……行くぞ!! 俺はレベル6のフォルトロールとレベル1のレイジグラにレベル2のチューナーモンスターのパシウルをチューニング!!
白銀の鎧輝かせ刃向かう者の希望を砕け!!
シンクロ召喚! 出でよ! レベル9! “XX-セイバー ガトムズ”!」
XX-セイバー ガトムズATK3100
シンクロモンスターが来た……! しかも攻撃力は3000超え……!
「手札から2体目のフォルトロールを特殊召喚! そしてフォルトロールのモンスター効果でレイジグラを守備表示で特殊召喚し、レイジグラの効果でシンクロ召喚素材となったフォルトロールを手札に! ガトムズのモンスター効果! 自分フィールドの「X-セイバー」モンスター1体をリリースして発動でき、相手の手札をランダムに1枚選んで捨てる! 俺はこの効果でレイジグラをリリース! まずはテメェの手札を1枚墓地に送らせてもらうぞ!」
「っ……!」
手札を墓地に……!? だ、だったら!
「そ、その効果の前に手札の“DDクロウ”の効果! コイツを手札から捨てることで相手墓地のカードを1枚除外する! 俺は墓地の……“超電磁タートル”を除外!!」
「なっ……!」
「生憎と、俺は手札抹殺で墓地に送られたカードはしっかり見ておく人間だ! 超電磁タートルの他に墓地に送ったのは“セイバー・スラッシュ”、“ガトムズの緊急指令”、“セイバー・リフレクト”、“X-セイバー エアベルン”、だろ?」
「……なるほどなぁ、なら、本気で行かせてもらうぜ! まずはガトムズの効果処理だ! 残った手札を墓地に送らせてもらう!」
墓地に送られた手札
・BF-精鋭のゼピュロス
「そして! 手札のフォルトロールを特殊召喚! そしてレベル6の効果を使用済みのフォルトロールにレベル3のチューナーモンスター、フラムナイトでチューニング!!
白銀の鎧輝かせ刃向かう者の再び希望を砕け!!
シンクロ召喚! 再び出でよ! XX-セイバー ガトムズ!」
XX-セイバー ガトムズATK3100
2、2体目……!
「フォルトロールのモンスター効果! 墓地から甦れ、チューナーモンスター……X-セイバー エアベルン!!」
X-セイバー エアベルンATK1600
さっきと、レベルが同じチューナーモンスター……!
「バトル! ガトムズ2体でフォトン・スラッシャーとダークフレア・ドラゴンを攻撃!」
攻撃が迫ってくる……でも、俺は……
「っ……!」
LP4000→3000→2300
ここから動くことはしない!
「……アクションカードを取らねぇ、だと……!?」
「所属するデュエル塾は違えど、俺は権現坂の人間! 不動のデュエルは引き継ぐつもりだ!!」
俺は驚く相手を余所にそう高らかに宣言した。
「暁……! お前……」
権ちゃんが暁の宣言に驚いていた。それもそのはず……アイツはいつもは魔法・罠の入っているタイプのデッキを使用している。しかし、アレは違う。アクションデュエルでも当然ながらアクションマジックを使用しない。そして……今回の暁のデッキは軸が【カオスドラゴン】であることに変わりはないのだが……いわゆる【ほぼフルモンカオドラ】と呼ばれる構築だ。デッキの内容は数枚の魔法カード……これ以外は全てモンスターだ。ほぼ、というのはどうしてもドローソースがないと欲しいときにカードがなかなか引けず、その点数枚でもあると引けたときにとても嬉しいらしい。後、展開の補助の為にも入れているらしいな
まぁ、デッキの軸自体はモンスターの絡みが殆どだし……他のカードがなくても機能はするからね……一応、その分手札誘発のモンスターも多目だけど、そこはそれほど気にはならないかな?
「権現坂……良い弟を持ったな?」
「嗚呼、俺の自慢の弟よ」
自慢なのはよくわかった。だが、遊矢には劣るがな!
「……そうかよ、だったらこのまま終わるだろうな! ボガーナイトでセットモンスターを攻撃! そしてアクションマジック“エクストリームソード”を発動! ボガーナイトの攻撃力を1000アップさせる!」
XX-セイバー ボガーナイトATK1900→2900
???→ライトロード・ハンター ライコウ(破壊)
「生憎と、終わらねぇ! セットモンスターの“ライトロード・ハンター ライコウ”のリバース効果! 相手の場のカードを1枚破壊する! エアベルンを破壊!」
とりあえず、チューナーをどうにかすれば相手はこれ以上動けない筈!
「そして、デッキトップ3枚を墓地に送る!」
……よし、ネクロ・ガードナーが落ちた! これならばこのターンは凌げる!
「なっ……! フォ……フォルトロールの直接攻撃!」
「墓地に眠る“ネクロ・ガードナー”の効果! それぞれの相手モンスターの攻撃を無効に!」
「なっ……! まさか、ライコウの効果で……」
「嗚呼。それで、どうする?」
「くっ……ターンエンド!」
刃LP4000
手札0
XX-セイバー ボガーナイトATK1900
XX-セイバー ガトムズATK3100
XX-セイバー ガトムズATK3100
XX-セイバー フォルトロールATK2200
続きは2日後28日に投稿を予約しておきます!
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第6話-2
「俺のターン! ドロー!!」
手札
0→1
このカード……俺のデッキにある魔法カードのうちの1枚……! しかも、この状況なら……!
「っし、俺は“逆転の宝札”を発動! 自分フィールド上にカードがなく、手札がこのカードだけの場合に発動する事ができる。
自分は相手フィールド上に表側表示で存在するカードの枚数だけデッキからカードをドローする! よって、4枚ドロー!」
「っちぃ、ドローか……!」
手札
0→4
これは……! そうか、このターンに勝負を賭けろ、か……
「まだまだぁ! “逆境の宝札”を発動し2枚ドロー! 更に“アカシックレコード”を発動! 2枚ドローし、それを公開する!」
・カオス・ソーサラー
・バイス・ドラゴン
カオス・ソーサラーとバイス・ドラゴン、か。これなら、さっきライコウで墓地に送られたアイツを呼べる……!
「すでにこのデュエルで使用されたカードなら除外される……が、どちらもまだ使用されていない、よってそのまま手札に!」
手札
3→5→4→6(カオス&バイス)
「そして『バイス・ドラゴン』を自身の効果で特殊召喚! その時、攻守は半分となる!」
バイス・ドラゴンDEF2000→1000
「そして! 墓地の闇属性DDクロウと光属性のエクリプス・ワイバーンを除外! 混沌の世界に在する魔術師よ、今ここに現れん! カオス・ソーサラー!」
カオス・ソーサラーATK2300
「そしてエクリプス・ワイバーンの効果! こいつが除外された時、コイツ自身の効果で除外していたモンスターを手札に加える! 俺はレッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴンを手札に! そしてバイス・ドラゴンを除外! 来てくれ! レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン!!」
レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴンATK2800
さぁ、呼ぼう……我がエースの一角を!
「参る! レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴンのモンスター効果! 手札または墓地のドラゴンを特殊召喚する! 我が場に墓地より甦れ! 我がエースが一角! 巨神竜フェルグラント!」
巨神竜フェルグラントATK2800
「墓地から……ライコウの効果で送られたモンスターか……」
「巨神竜フェルグラントのモンスター効果! こいつが墓地から蘇生された時、相手の場か墓地のモンスターを選択してそのモンスターを除外すると同時に除外したモンスターのレベルかランク×100、攻撃力と守備力がアップする!」
「何……まさか!」
「そうだ! 俺はお前の場のレベル11のガトムズ1体を選択し、除外させていただく!」
「くっそ……! アクションカード、ゲット……!(っ……このアクションカードじゃあ防げない……!)」
巨神竜フェルグラントATK2800→3900
さて、ではカーボネドンもいるし……ここは展開をさせていただこうか
「カーボネドンの効果! こいつを墓地から除外し……デッキから“エレキテルドラゴン”を守備表示で特殊召喚!」
エレキテルドラゴンDEF1000
「そして墓地に眠る“BF-精鋭のゼピュロス”は自分フィールドの表側のカードを戻すことで効果を発動できる。俺はフィールドのレッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴンを手札に戻して発動! ゼピュロスを特殊召喚! そしてその代償として400のダメージを受ける……!」
LP2300→1900
BF-精鋭のゼピュロスATK1600
「そして、フィールドに存在するドラゴン族、エレキテルドラゴンを除外! 再び我が場にレッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴンを特殊召喚! そして効果発動!墓地に眠りし竜を蘇らせる! 我が場に現れよ! “
青氷の白夜龍ATK3000
「カオス・ソーサラーの効果! このモンスターの戦闘を放棄し、ガトムズを除外する!」
「っ……! アクションマジック、“次元からの復刻”! このターン中に自分のモンスターが相手のカード効果によって2体以上除外されている時に発動できる! 除外されているモンスターの中から任意のモンスターを特殊召喚する! 俺はガトムズ2体と超電磁タートルを特殊召喚!」
なっ……折角ガトムズを処理したと思ったのに……! ……仕方ない。ここは一度戦闘で削るか!
「クッ……バトル! フェルグラントでガトムズを攻撃!」
LP4000→3200
「グゥ……すまねぇ、ガトムズ……!」
「続けて青氷の白夜龍でフォルトロール、レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴンでエアベルンを攻撃!」
「っ……エアベルンに対してアクションマジック“奇跡”を発動! 戦闘破壊を無効にしてダメージを半分に!」
「なっ……!?」
LP3200→2400→1800
こうなったらゼピュロスで相打ちを狙う……? いや……さっき、またアクションマジックを入手していたし、手札のこのカードの事を考えると……
「メイン2! 永続魔法巨神竜の遺跡を発動! そして遺跡の第2の効果! ゼピュロスをリリースして巨竜トークンを守備表示で特殊召喚!」
巨竜トークンDEF0
あとは天運に全てをゆだねる……!
「俺はこれでターンエンド!」
暁LP1900
手札3
カオス・ソーサラーATK2300
レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴンATK2800
巨神竜フェルグラントATK3900
巨竜トークンDEF0
青氷の白夜龍ATK3000
巨神竜の遺跡
「くっ……俺のターン、ドロー!」
手札(アクションマジックを含まず)
0→1
「っ……(これか、ある意味助かるな……! だったら……)俺はレベル4、超電磁タートルにレベル3のエアベルンをチューニング!
電磁の力持ちし亀よ、刃を持ちし獣と合わさりて、今光を切り裂く刃となれ! シンクロ召喚!
現れろ! 『セブン・ソード・ウォリアー』!!」
セブン・ソード・ウォリアーATK2300
「行くぜ、バトル! XX-セイバー ガトムズでカオス・ソーサラーに攻撃!!」
LP1900→1100
「っ……!」
「行くぞ! セブン・ソード・ウォリアーでレッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴンを攻撃! そしてアクションマジック“エクストリーム・ソード”を発動! 攻撃力を1000アップ!」
セブン・ソード・ウォリアーATK2300→3300
「っ……だが、青氷の白夜龍の効果! 場の巨神竜の遺跡を墓地に送り、攻撃対象を青氷の白夜龍に変更!!」
これで青氷の白夜龍は破壊されるものの、残りのライフはまだ800。次のターン、フェルグラントの攻撃から再び展開すればまだ巻き返しは可能……!
「ハッ……ワリィがそれは意味ねぇぜ! その効果にチェーンして速攻魔法“カウンター・ソード”をセブン・ソード・ウォリアーを対象に発動! こいつは攻撃力を500アップさせる装備魔法扱いで装備できる! そしてセブン・ソード・ウォリアーの効果! このモンスターが装備カードを装備した時、800のダメージを与える!」
な……!? そ、それじゃあ……
「まずは手始め! イクイップ・シュートォ!!」
「っつぅ……!」
LP1100→300
そんな……これ、じゃあ……俺の……負け……
「ワリィが……俺もシンクロコースのトップなんだ。ここで燻ってる訳にはいかねぇんだよ!! 行け、セブン・ソード・ウォリアー! セブン・ソード・スラッシュ!!」
……無念…………!
LP300→0
win 刃
あっちゃあ、負けてしまったか……これで1勝2敗……全部で7戦だし、ちと雲行きは怪しくなったな……
「かたじけない……俺が判断を誤ったが故に……」
「いや、気にすることはない。それに、落とした白星は他の試合で取り戻せばいい。別にこれは個人戦じゃない。仲間が落としたら仲間でカバーする。チーム戦はそう言うもんさ」
それにしても……割と本気でどうしたものかな……引き分けは無理と思っていたにせよ、そこそこうちのメンバーの中じゃあ勝率の良いデュエリストだったこともあって、ここは勝ち星を取れる計算をしていたし……少々厳しいな。
「……次は僕、沢渡シュウトがお相手します」
次に出てきたのは明るい茶色の髪を肩にかかるまで伸ばして外に跳ねさせていて、1本アホ毛がつむじ部分にあるうちのジュニアクラスの奴らと背丈は然程変わらない少年……って、今コイツ『沢渡』って名乗った……?
「沢渡……ってぇと」
「……この度はうちの愚兄の件でこのような事になってしまい、申し訳ございません。本当なら、しっかりと話し合いをするべきでしたでしょうが……こうなってしまった以上は自分に出来ることはデュエルで勝利をすること、ただそれだけですから」
……いや、良い子じゃん! なに、この子めっちゃ理解能力高すぎない!? あの沢渡父兄の親族とは思えないんだけど……
「……ま、こちらとしても遊勝塾の命運(と俺と遊矢の処遇)が掛かってるわけだからな。負けらんねぇわけだ」
さて……次の相手は彼のようだけど……ここで負けると非常にまずい。だからこそ、勝ち星を堅実にとれるデュエリストが良いわけで……俺が出ても良いんだけど…………うん、デッキ的に堅実に手数を増やしやすい
「……ここはお前に任せたい……頼めるか、雄飛?」
「えっ……ぼ、僕ですか!?」
まぁ、デュエル経験は浅いとはいえ……デッキの構築内容としては非常に良いものがある。杏子のデッキは火力に若干の難ありだし、星史も同じ理由で却下。火無菊は火力は申し分ないけど、その辺がメタられると非常に辛い。流石に教師の遊輔さんを出すわけにもいかない。光一はやはり火力的な意味でも少々怪しい。って感じの消去法だな。除去や耐性持ちの豊富さ、火力も俺がギリギリ用意できたあのシンクロモンスターの存在から申し分なし……って訳でこいつを指名したわけだ。
「あれからちゃんと俺がデュエルを指導してきたんだ。お前だから頼みたいんだ」
「……分かりました!」
頼むぞ、雄飛……!
「(僕は期待されているんだ……負けるつもりはない……!)」
雄飛はデュエルフィールドへ入ると、そう心に念じて所定の位置に着く。そんな時、何かシュウトが呟く様子が見えた。
「それにしても……なんでアクションデュエル固定にしちゃったんだろ……理事長先生……」
「……? 何か、言った?」
「え? ……あぁ、いえ。大丈夫です。始めましょう?」
問いかけるも、ニコやかにかわされ、少し首を傾げていたが……
『ジュニアクラス用の方で設定をさせてもらうぞ! アクションフィールド【高原ヘリポート】をセット!』
塾長がそう宣言をすると、とあるアクションフィールドが展開される。そこは建物が周りを囲む草原。そして、二人はそれぞれ草原に立っていた。
「戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが!!」
「っ!! も、モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!」
『『『『『見よ、これぞ、デュエルの最強進化形! アクショーン……』』』』』
「「デュエル!!」」
後攻 雄飛LP4000 vs シュウトLP4000 先攻
「先攻は僕です、僕のターン!」
シュウトはそう言って手札を確認する。そして、小さくため息を一つ吐いた。
「そう言えば、これ抜き忘れてたなぁ……ま、アクションカードは僕には関係ないです……が」
シュウトはドローフェイズがスキップされたタイミングで突如として走り出した。
「っ!? いきなり!?」
突然の行動に雄飛は一瞬の虚を突かれたが、慌てて自分も走り出す。しかし、先に行動をしていたシュウトが1枚のアクションカードを手に取った。
「おや、これは嬉しい。アクションマジック『上昇気流』! このターンの戦闘宣言を放棄することでデッキからカードを2枚ドロー!」
「なっ!?」
幸先の良いドローソースタイプのアクションマジックの発動に雄飛は悔しがる。しかし、悔しがっていたのもつかの間、シュウトの行動に更に驚かされた。
「僕は……【フィールド魔法】『湿地草原』を発動!」
「……えっ!?」
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第7話-1
「僕は……【フィールド魔法】“湿地草原”を発動! アクションデュエルでの使用の代償により1000のライフを支払います」
「……えっ!?」
シュウトLP4000→3000
「な、なんで?」
雄飛の戸惑いの問い掛けにシュウトは淡々と説明をする。
「……僕はもともとアクションデュエルが苦手ですから。あっても無くても関係ないようにデッキを構築しています。最も、このライフでは心許ないので魔法カード“至高の木の実”を発動、相手よりライフが低い時、ライフを2000回復します」
LP3000→5000
「手札を3枚セット。モンスターを伏せてターンエンドです」
そして、ターンをそのまま明け渡す。ターン終了時に動かない事から、どうやら本当にアクションカードの取得をしない様子だ。
シュウトLP5000
手札1
???
伏せカード
伏せカード
伏せカード
フィールド魔法
湿地草原
「っ……ぼ、僕のターン、ドロー!」
「ドローフェイズ、リバースカードオープン。“バージェストマ・ピカイア”! 手札のバージェストマ罠カードを墓地に送って2枚ドローする! 僕は手札“バージェストマ・エルドニア”を墓地に送って2枚ドロー!」
手札
0→2
「更にスタンバイフェイズに“覇者の一括”! そして、罠カード発動をトリガーに墓地からバージェストマ・ピカイアの効果を発動!」
「なっ……ぼ、墓地から罠!?」
突然の出来事に雄飛は戸惑いを隠せなかった。シュウトはそれにはあまり気にしていない様子で説明を始める。
「バージェストマシリーズの罠カードは【罠カードの発動】をトリガーとして墓地からモンスターとして特殊召喚する共通効果を持ちます。よって、バージェストマ・ピカイアを墓地より特殊召喚! 更に、覇者の一括により、このターン中は貴方はバトルフェイズの宣言をできないものとします。そして、湿地草原には水族・水属性・レベル2以下のモンスターの攻撃力は1200ポイントアップする効果があります。バージェストマモンスターは水族・水属性・レベル2。よってその効果は適応されます」
バージェストマ・ピカイアATK1200→2400
攻撃を封じられた上にモンスターの展開を許してしまった雄飛は少し悔しそうにしながらも手札の1枚に手をかける。
「っ……! で、でも……それでも僕はっ! “幻獣機テザーウルフ”を召喚!」
幻獣機テザーウルフATK1700
「テザーウルフの効果! 自分フィールドに幻獣機トークンを生成!」
幻獣機トークンDEF0
「……カードを3枚セット、ターンエンド!」
「エンドフェイズにリバースカード“強欲な瓶”! そして罠カードの発動をトリガーにバージェストマ・エルドニアを墓地から特殊召喚! そして1枚ドロー!」
バージェストマ・エルドニアATK1200→2400
「っ……ターンエンド……!」
自分の思うように動くシュウトにペースを乱され戸惑いを見せる雄飛はなすすべなくシンプルにするだけに留まった。
雄飛LP4000
手札2
幻獣機テザーウルフATK1700
幻獣機トークンDEF0
伏せカード
伏せカード
伏せカード
「参ります、ドロー」
手札
2→3
シュウトは手札をチラリと見た後に雄飛の伏せカードを見る。そして少し考えたのちに手札にかけていた手を一度戻した。
「モンスターを出すのも良いですが……ここはこちらで。ピカイアとエルドニアでオーバーレイ!
2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!
来てください、ランク2! “バージェストマ・オパビニア”!!」
バージェストマ・オパビニアDEF2400 ORU2
「まだ! 手札の“粋カエル”を墓地に送って……“鬼ガエル”を特殊召喚! 鬼ガエルの効果でデッキから“裏ガエル”を墓地へ!」
鬼ガエルATK1000→2200
雄飛は一瞬何かのアクションを起こそうとしていたが、その動きは止めて相手の行動を見ることにしたようだった。
「ではここで。リバースモンスター反転! “メタモルポッド”! 互いに手札をすべて捨てて5枚ドロー!」
???→メタモルポッドATK700
「……良いよ。こちらとしてはむしろありがたいからね」
捨てられたカード(シュウト)
・リミッター・ブレイク
捨てられたカード(雄飛)
・仁王立ち
・幻獣機オライオン
二人
手札
0→5
互いに手札をすべて捨ててドローする。その後、まず動いたのはシュウトだった。
「墓地に送られた“リミッター・ブレイク”の効果! デッキから特定のモンスターを特殊召喚!」
しかし、それに負けじと雄飛もアクションを起こす。
「それにチェーン! “幻獣機オライオン”のモンスター効果! フィールドにトークンを1体生成する!」
「……そしてリミッター・ブレイクの効果でデッキから“スピード・ウォリアー”を特殊召喚!」
幻獣機トークンDEF0
スピード・ウォリアーATK900
「では……レベル2のメタモルポッドとスピード・ウォリアーでオーバーレイ!
2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!
闇夜より姿を現したまえ、ランク2! “ゴーストリック・サキュバス”!」
ゴーストリック・サキュバスATK1400 ORU2
「鬼ガエルの効果、自身を戻してこのターン、通常召喚に加えて鬼ガエル以外のガエルモンスターの召喚を可能とします。そして手札の水属性モンスターの“素早いアンコウ”を墓地に送り再び鬼ガエルを特殊召喚。効果でデッキから“サシカエル”を墓地へ。そして墓地に送られた素早いアンコウの効果により、デッキから“素早いマンタ”を2体特殊召喚!」
素早いマンタATK800
素早いマンタATK800
「レベル2の素早いマンタ2体でオーバーレイ!
2体の水属性モンスターでオ-バーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!
来てください、ランク2! “キャット・シャーク”!!」
キャット・シャークDEF500 ORU2
「そして、鬼ガエルの効果を行使! 未知ガエルを召喚!」
未知ガエルATK1200→2400
モンスターの召喚にヤバいと何かの確信を持ったのか、雄飛は伏せカードを1枚発動した。
「リバースカード、“奈落の落とし穴”!」
「それなら、手札の罠カード“バージェストマ・ハルキゲニア”を未知ガエルを対象に発動!」
「なっ……! 手札から罠!?」
「バージェストマ・オパビニアの効果により、バージェストマ罠カードは手札からも発動できます! そしてハルゲニアの効果で未知ガエルの攻撃力を半分に! これで奈落の範囲外!」
未知ガエルATK1200→2400→1200
「っ……!?」
「そしてレベル2の鬼ガエルと未知ガエルでオーバーレイ!
2体の水属性モンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!
来たれ、我がエースが一柱! ランク2! “餅カエル”!」
餅カエルATK2200 ORU2
「そして残っている通常召喚権を行使して“スター・ボーイ”を召喚! スター・ボーイの効果で水属性モンスターの攻撃力を500上げる! そして、サキュバスの効果で右のトークンを選択し破壊する!」
スター・ボーイATK550→1750→2250
餅カエルATK2200→2700
「っ!?」
さらなる攻撃力上昇に雄飛は思わず半歩下がってしまった。そして、トークンであるホログラムが1つ消滅した。
「そして、サキュバスがフィールド上にいる間はそのモンスターゾーンは使用不可となります! そしてバトル! 餅カエルでテザーウルフを攻撃!」
「っ……でも、幻獣機モンスターは幻獣機トークンがフィールドに存在する限り戦闘や効果では破壊されない!!」
雄飛の言葉に少し目を丸くしたシュウトだったが、キッとすぐ前を向き直りさらに効果の発動を宣言した。
「それでもダメージは通る!! それにキャット・シャークの効果! ORUを一つ使用して餅カエルの元々の攻守を倍に!」
「うわあああああっ!?」
ATK2700→4900
雄飛LP4000→800
攻撃の甚大なる衝撃に雄飛は耐え切れず吹き飛ばされてしまう。しかし、柔らかいフィールドになっているのでボヨン、ボヨンと跳ねて衝撃を吸収されることで一応無傷ではあるようだった。
「戦闘で倒せないなら……まずはトークン! サキュバスでトークンを攻撃!!」
「させない! リバースカード“ドロー・マッスル”!守備力1000以下の表側守備モンスター、幻獣機トークンを対象に発動! 戦闘破壊耐性を付与し、1枚ドロー!」
「っ……!(効果を使ってもいいけど……自分のデッキじゃああまり恩恵は……) 仕方ない、ですね。スター・ボーイでテザーウルフを攻撃! ダメージだけでも与える!!」
「(よし、きた!)ダメージステップ時テザーウルフの効果! トークンを消費して攻撃力を800アップ!」
「なっ……!?」
突然のトークン消費でのコンバットトリックにシュウトは戸惑いを隠せず、戦闘による爆風で少し後ろに下がった。
幻獣機テザーウルフATK1700→2500
シュウトLP5000→4750
「っ……メイン2、バージェストマ・オパビニアの効果! オーバーレイユニットを1つ消費し、デッキからバージェストマ罠を手札に加える。“バージェストマ・オレノイデス”を手札に……カードを1枚セットしてターンエンド!」
シュウトLP4750
手札2
ゴーストリック・サキュバスATK1400 ORU1
餅カエルATK2200 ORU2
バージェストマ・オパビニアDEF2400 ORU1
キャット・シャークDEF500 ORU1
伏せカード
フィールド魔法
湿地草原
「僕のターン、ドロー!」
手札6→7
先の戦闘でようやく少しダメージを与えたが、未だそのライフ差には大きな開きがあり、どちらにせよまだ不利であることには変わらない雄飛だったが、静かにある思いを思い返していた。
「(もしも、ここで負けちゃったら後がなくなっちゃう……絶対に2勝2敗に持ち込む!!)」
果たして、雄飛に勝機はあるのか……?
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第7話-2
ZEXALとARC-V両者同時2話投稿!
前話を見逃してる人は今すぐ前の話を見よう!!
通常ドローで手札を7枚に増やした雄飛は手札を見てどうやって突破をするべきか思考を巡らせる。しかし、ドローを終えたとき、シュウトが動いた。
「スタンバイフェイズ、餅カエルの効果です! オーバーレイユニットを消費してデッキからカエルモンスターを特殊召喚する! “引きガエル”を特殊召喚!」
引きガエルDEF100
「(どうしようか……テザーウルフはいるし、この伏せカードで色々対応はできるけど……あの餅カエルっていうのが気になる……効果は分からないけど……やるしかないか。まずは……)魔法カード“ブラック・ホール”を発動!」
「(味方を巻き込んでフィールドを一掃する気、か……けど、このフィールドを失いたくない……!)それはお断りですよ! 餅カエルのモンスター効果! 手札、フィールドの水属性モンスターを墓地に送り、そのカード効果を無効にし、自分フィールドにセットします! 手札の“カエルスライム”を墓地に送ります!」
「っ……!」
突然の出来事に一瞬の焦りを見せる雄飛だったが、すぐに表情をいつもの表情に戻し、手札に手をかける。
「(驚いたけど……手札はサーチしてたオレノイデスとかいう罠カードだけになったし、あとは伏せられてるカードに気を付けるだけ……!)魔法カード“二重召喚”! これでこのターン、2回の通常召喚可能! まずは1回目の召喚権を使用してテザーウルフを召喚! 効果でトークン生成!」
幻獣機テザーウルフATK1700
幻獣機トークンDEF0
「2体目ですか……」
「(フィールドは1つ使えないから……一度空けた方がいいよね?)幻獣機モンスターは基本幻獣機トークンのレベル分、自身のレベルを上げる効果を持つよ。だから、テザーウルフたちはレベルが7! レベル7のテザーウルフ2体でオーバーレイ!」
「なっ……!?」
「まさか!?」
雄飛の行動にLDSサイドはざわめきを見せる。それもそのはず。
「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!
集いし戦闘機達を戦場に輸送せんがために発進せよ! ランク7! “幻獣機ドラゴサック”!!」
幻獣機ドラゴサックATK2600 ORU2
「エクシーズモンスター……!」
シュウトは出てきたモンスターに少し目を丸くし、戸惑いを見せていた。しかし、それよりも戸惑っていたのは……
『なぜ……なぜあのデッキにエクシーズが……!?』
LDS組を引き連れてきたLDS理事長である赤馬日美香。夫であり突然姿を消した赤馬零王によって手渡されたデッキについて色々調査済みではあったが、エクシーズカードが使用されていた過去は一度もないことは調査済み。故に戸惑いを見せていた。
「……僕は兄さんの事を知りたくてこのデッキを持って何度もLDSに行った。でも、あんたたちは知らない、そんな奴はいないの一点張り。それが許せない! LDSで強くなった兄さんはすっごくカッコよかった……けど、そんな兄さんの存在を無理やり消したあんたたちを僕は絶対に許さない!! シュウト君、に対しては八つ当たりだって知ってる。でも……LDSの人間には負けれないんだよ!!」
「っ……」
理事長の言葉を聞いた雄飛は静かに語り始めたかというと涙目になってそう叫ぶ。その気迫にシュウトは少し怖気づいてしまい、半歩下がる。
「僕はドラゴサックの効果! ORUを1つ使ってフィールドにトークンを2機生成!」
雄飛は勢いのまま、効果の宣言をし、さらにアクションカードを取得する。
「……(アクションマジックは……よし! これだったら!)アクションマジック“薫風新風”を発動!!自分フィールドのモンスターを2体破壊し、そのモンスターと同じレベル、同じ属性のモンスターをデッキから特殊召喚する! 僕はトークン2体を破壊して……風属性のレベル3のモンスター……“ガスタの神裔 ピリカ”を特殊召喚!」
ガスタの神裔 ピリカDEF1500
「ガスタ……!?」
思ってもみなかったカテゴリモンスターの登場にシュウトは再び半歩下がってしまう。
「これは僕のカード! そして、ピリカの効果! 墓地の風属性チューナーを特殊召喚する。甦れ、オライオン!」
幻獣機オライオンDEF1000
「そして……これが! 兄さんの!
雄飛の叫びに呼応するように風が巻き起こり、3体のモンスターを包み込む。
「風のホログラムと風の力を持ちし神の子孫よ! そして、風を纏いし宇宙船よ! 風を白き翼へとその姿を変え! 大切な人の想いを胸に、今! 世界にその声を轟かせよ!! シンクロ召喚!!」
そして、その風は輝く光となり、その光を纏ったオライオンは2つの光輝く緑色の輪となり、光を纏ったトークンとピリカがその輪を通過する。
「レベル8! 風を導く白き翼の龍! “スターダスト・ドラゴン”!!」
スターダスト・ドラゴンATK2500
「綺麗……」
誰が言ったかは分からない。もしかしたら全員だったのかもしれない。しかし、その一言はその場にいる全員が思っていた事だった。雄飛が「スターダスト……宜しくね」と声をかけると、デュエルフィールドに舞い降りた1匹の龍は静かにフィールドを見まわし、一声吠えた。それは兄から主としての責任を引き継いだ小さな主を主君と認めたようであった。
「……いくよ。まずはオライオンの効果でこのカードが墓地に送られたからトークン生成! そして手札のレベル3の“ダックファイター”とレベル7の“マシンナーズ・フォートレス”を墓地に送り、墓地に送ったマシンナーズ・フォートレスを特殊召喚!」
マシンナーズ・フォートレスATK2500
「バトル!(あのキャット・シャークってモンスター、低能力だけど効果は厄介……なら!)フォートレスでキャット・シャークに攻撃!」
「っ……!(狙われるか……だったら最も残したいモンスター……)キャット・シャークの効果! オーバーレイユニットを使って餅カエルの攻守を倍に! キャット・シャークはそのまま破壊されます……!」
餅カエルATK2200→4400
「(効果を使われた……だったらあのモンスターが一番あのデッキのカギって事!)スターダスト・ドラゴンで、オパビニアを攻撃っ!! シューティング・ソニック!!」
「(オレノイデスの破壊効果はモンスターには打てない。正直つらいけど、今オパビニアを失うなら、ここで使うしかない……! あのスターダストっていう龍の効果は知らないけど……さすがに通るだろうし、通れば墓地からバージェストマモンスターを出してそこからまた展開できる……!)手札の罠、バージェストマ・オレノイデスを発動! 相手の場の魔法・罠を破壊する!」
「(破壊効果!!)その罠、待った!! スターダストの効果発動!! このモンスターをリリースして破壊効果を無効にして破壊する!! ヴィクテム・サンクチュアリ!!」
「なっ……!?(モンスター効果を挟まれた!? これじゃあ蘇生ができない……! この伏せカードはブラフの魔法……展開が止められたら……一気にこちらの行動が遅くなる…………!)」
相手の反応に完全に動きを止められてしまったシュウト。ライフに若干の余裕はあるものの、フィールド魔法を貼っている状況でアクションマジックを取りに行く余裕などありもせず、発動した罠が不発に終わってしまう。そして自陣のカードを護ったスターダストの光によりオパビニアはその体を霧散させるしかなかった。
「うぅ……!(完全にミスした……! あの時選択すべきは“バージェストマ・カナディア”か“バージェストマ・ハルキゲニア”のどちらかだった……焦りすぎた……)」
「(これでいける……あとは少しだけでもダメージを与える!)ドラゴサックでサキュバスを攻撃!」
LP4750→3550
「これでさっきまで使えなかったフィールドが使える! バトルフェイズを終了して2つ目の召喚権を行使してモンスターをセット、そしてカードを1枚セット! ターンエンド!!」
「エンドフェイズ時、自身の効果でリリースしたスターダストは舞い戻る! 再び飛翔せよ! スターダスト!」
雄飛LP800
手札0
幻獣機ドラゴサックATK2600 ORU1
スターダスト・ドラゴンATK2500
幻獣機トークンDEF0
マシンナーズ・フォートレスATK2500
???
伏せカード
伏せカード
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第7話‐3
あれは嘘だ(カン☆コーン)
まぁ、キリが良いのでね。ただ、勢いそのままに書いた話なので確認はしてるつもりですが間違ってるとこあったらドンドン指摘してください……
あ、前とその前の話を見てない人はまず前の話を見てからにしてくださいね!!
「っ……ドロー!」
先程とは一転してピンチに陥ったシュウト。ドローカードに望みを掛けている様子だが、果たして……
「……っ!(違う……これじゃない……けど、何とかなるか?)さっきセットしたブラック・ホールを発動する!」
「っ……! スターダストの効果を発動! 自身をリリースして破壊から護る! ヴィクテム・サンクチュアリ!!」
「(やっぱりここで使って来た!!)セットしていた魔法カード“サルベージ”で墓地の素早いマンタを2体デッキに戻す! さらに魔法カード“強欲なウツボ”を手札の2枚の素早いマンタをデッキに戻して3枚ドロー! 」
手札
1→3→2→0→3
「……! 魔法カード“サンダー・クラッシュ”を発動! 自分フィールドのモンスターをすべて破壊して、破壊したカード×300ダメージを与える!!」
「っわ!?」
シュウトの発動したカードより二筋の稲光が雄飛の元へと飛来し、雄飛の少ないライフをさらに削る。
雄飛
LP800→200
「破壊された引きガエルの効果と餅カエルの効果。餅カエルで鬼ガエルを墓地から手札に加えて、引きガエルの効果で1枚ドロー!」
手札
2→3→4(うち1枚鬼ガエル)
自ら、自分の場のモンスターを破壊するも、破壊されたモンスターの効果で手札を補充するシュウト。そして、行動を決めたようで効果の発動を宣言する。
「墓地に眠る粋カエルの効果! 墓地のガエルモンスターを除外して自身を特殊召喚します! 墓地の裏ガエルを除外して特殊召喚!」
粋カエルDEF2000
「さらに“地獄の暴走召喚”を発動!攻撃力1500以下の粋ガエルの特殊召喚に成功したので同名モンスターを特殊召喚します!」
「……! 僕は……ドラゴサックを選択するよ!エクシーズモンスターだから当然特殊召喚はできない!」
「では……私はこのモンスターを呼びます! 来なさい、3体の“デスガエル”!!」
デスガエルATK1900
デスガエルATK1900
デスガエルATK1900
「粋ガエルはデスガエルとしても扱います。そして、魔法カード“死の合唱”を発動! 相手フィールド上に存在する全てのカードを破壊します!」
「さ、させない! リバースカードオープン! “空中補給”! 即座に効果発動! フィールドに幻獣機トークンを特殊召喚! さらにもう1枚! “針虫の巣窟”! デッキから5枚を墓地に送ります」
幻獣機トークンDEF0
墓地に送られたカード
・仁王立ち
・超電磁タートル
・風霊術-「雅」
・サイバー・サモン・ブラスター
・
「そして、そっちのカードの効果でトークンとフォートレス、セットモンスター。そして、発動処理の終わったカードが破壊される!!」
「っ……! か、カードを伏せて……ターンエンド…………」
シュウトLP3550
手札1(鬼ガエル)
粋カエルDEF2000
デスガエルATK1900
デスガエルATK1900
デスガエルATK1900
伏せカード
「僕のターン、ドロー!!」
手札
0→1→2
雄飛は勢い良くデッキトップのカードを引くと、そのまま駆け出していた勢いで落ちていたアクションカードを手札に加える。ライフアドバンテージこそ、まだほとんど縮まってはいない。しかし、勢いは完全にシュウトではなく雄飛の方に傾いていた。
「まずはこれ!! ドラゴサックの効果でトークンを2体特殊召喚! そしてトークンを1体リリースして、“サルベージ・ウォリアー”をアドバンス召喚! アドバンス召喚時に効果発動! 手札か墓地のチューナーモンスターを特殊召喚します。墓地より蘇れ、チューナーモンスター……“
サルベージ・ウォリアーATK1900
音響戦士ピアーノDEF1300
「今度は6か8……なのかな……?」
「師匠、力をお借りします……!」
雄飛は小さく呟いてチラリと観覧席を見る。遊牙がニコリと微笑んでいるのが見え、思わず笑みがこぼれる。
「僕はレベル3の幻獣機トークンにレベル3のピアーノをチューニング!
風のホログラムよ! 音で戦いし戦士と合わさりて、星雨を束ねし聖翼となれ!
シンクロ召喚! レベル6! “スターダスト・チャージ・ウォリアー”!!」
スターダスト・チャージ・ウォリアーATK2000
「スターダスト・チャージ・ウォリアーの効果! シンクロ召喚成功時に1枚ドロー!」
遊牙視点
あいつ、もうさっそく使いこなしてやがる……チャージ・ウォリアーは属性的にもデッキと合いそうだったんで俺が提案したカードだ。アイツが元々持っているカード軍の中に眠っていたからな。ただ、使っていたのが幻獣機オンリーの構築だったんで俺なりにアドバイスをした結果、あいつの元々のデッキである【風属性】の中からピリカと音響戦士、エクストラにさっきも言ったチャージ・ウォリアーを幻獣機デッキに加えた【音響幻獣機】って感じだ。相性自体は音響戦士も幻獣機も同じ風属性・機械族って事で悪くはないからな。まぁ、これだけではないけどな。アイツに渡した火力を補うシンクロモンスターは出てくるのかな……?
視点なし
手札
0→1
「これなら……魔法カード“貪欲な壺”を発動、墓地の5体のモンスター……2体のテザーウルフ、ピリカ、ダックファイター、フォートレスを戻してシャッフルして2枚ドロー! ……よっし! 更に魔法カード“アイアンコール”を発動! 機械族……ドラゴサックがいるため、墓地からモンスター効果を無効にして……ピアーノを特殊召喚!」
「ま、まだ展開を……!? しかもそのモンスターは……!」
「レベル5のサルベージ・ウォリアーにレベル3の音響戦士ピアーノをチューニング!
水の力持ちし戦士よ! 音で戦いし戦士と合わさりて赤く滾る炎を宿す、真紅の刃操る炎の鬼神となれ!
シンクロ召喚! レベル8! “クリムゾン・ブレーダー”!」
クリムゾン・ブレーダーATK2800
「バトルっ、行きます!! スターダスト・チャージ・ウォリアーは特殊召喚された全てのモンスターを攻撃できます! スターダスト・チャージ・ウォリアーでデスガエル3体を攻撃! 流星乱射!」
「っ……!」
シュウトLP3550→3450→3350→3250
「さらにアクションマジック“追憶の薫風”! 自分の場のモンスターが相手モンスターを破壊したターンに発動できます! これで自分の場のモンスター1体の攻撃力を500上げることができる! これでスターダスト・チャージ・ウォリアーの攻撃力は2500! 粋カエルにも攻撃!」
チャージ・ウォリアーの怒涛の4連続攻撃にシュウトの場のモンスターたちは全滅してしまう。これには当のシュウト本人も戸惑いを隠せない様子であった。
「まだ! ドラゴサックで直接攻撃!」
「(駄目だ……このままじゃあ……でも、この伏せカードじゃあ……)うわあああっ!?」
シュウトLP3250→650
「(この伏せカード……“裁きの天秤”じゃあ、攻撃は……防げない…………!)」
「これで……決める! スターダスト・ドラゴンで攻撃! シューティング……ソニック!!」
シュウトは覚悟を決めたのかその場に立ち尽くし、顔を下に向けて目を瞑る。ライフの関係上すでにアクションマジックの使用が出来ない事もあり、伏せカードや手札、墓地にデッキ……全てにおいてこの状況を打破できないと悟り、白き龍の一撃をその場で静かに受け、勝負が決した。
win 雄飛
遊牙視点
良かった。無事に勝てた……これで2勝2敗か。次は是が非でも勝ちたいな……と、なれば俺が行くのもありだけど……最終戦にたぶん……と、なれば
「次は遊輔先生、お願いします」
「ほう、俺で良いのかい?」
仮に負けたところでそこまで痛くない。仮に負けても、次の試合にあの二人のどっちかを出すだけだ。今までの試合の間に入塾届の提出は済んでるからな。むしろ、勝てたらラッキー程度だ。
「……えぇ、貴方の実力が知りたいので」
「了解した。では、遊勝塾側は俺が出るとしよう」
「そちらが教師を出すのであれば……こちらは私が出ましょう。良ろしいでしょうか、理事長……」
っと、相手も教師を出すのか。遊輔の対戦相手は明るい茶髪を短く刈り上げている鳶色の瞳を持つ優しげなふいんき……じゃなくて、雰囲気の背の高い好青年……って、あれ? どっかで見た記憶が……? なんだっけ……?
「えぇ、構いませんわ。うちには一人とても優秀な総合コースの生徒がおりますもの。是非とも勝って我がLDSの勝利を決めてください」
「……!」
……今、光一の様子が……となると…………
「……遊輔先生」
「どうしたんだい?」
「実力を知るため……と言いましたが、前言撤回。全力で勝利してください」
本当だったらこの5試合目を落としたら光一じゃなくて衣音かコナミさんを出す予定だったが……予定変更。5試合目の結果にかかわらず光一を出す。となれば、ここで勝っておきたい。
「つまり、最初はそこまで俺の試合の勝敗に拘ってなかったけど、俺が勝たないといけない理由が出来た……って事?」
「……まぁ、そうなりますね」
「安心しな。絶対に負けるなんて事はない。勝利してリーチはうちが貰う」
「っ!!??」
い、今悪寒が……? 遊輔の目が……何というか、捕食者の目……って感じだった……?
「……兄さん? どうしたの?」
「…………いや、何でもない」
遊矢に心配されてたけど……気のせい、だよな?
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第8話-1
お互いにデュエルフィールドへと足を踏み入れると、お互いに定位置へと移動すれば、まず遊輔が先に口を開く。
「宜しくお願いしますね。俺は星野遊輔と申します」
「こちらこそ……私は
お互いに、自己紹介を終えるとその目はどちらも真剣そのもの。勝負師としての目になっていた。
超野保……って、あぁ、思い出した!
「あぁ、5年前のあの大会でベスト8に残ってたメンバーだ。」
(※見覚えのある方も、見覚えのない方も、是非ともプロローグ-3を見返してください!)
いやぁ、懐かしいな……確か、あの当時最年長の参加者だった筈だよな…………
『それでは行きましょう! アクションフィールド『帝王の庭』発動!』
アクションフィールドが発動されると、フィールドが姿を変えていく。そして、フィールドが次第にわかってきた。遊輔の方から見て左手には大きな洋風の城。そしてグルリと城と遊輔、そして保を取り囲むように高さは5m近くあろうかという石垣。そして地面は芝生で木々が点在する……城の中庭といった雰囲気のフィールドであった。
「それでは始めようか」
「そうですね……では…………戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが!」
「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い! フィールド内を駆け巡る!」
「見よ、これぞ、デュエルの最強進化形、アクション……」
「「デュエル!!」」
LP4000 yu-suke vs tamotsu LP4000
デュエルディスクが決めた先攻は……
「先攻は俺! モンスターをセット。カードを2枚セット。これでターンエンドだ」
先攻の遊輔だったが、特に動きをあまり見せずターンを終える事となった。
遊輔LP4000
手札2
???
伏せカード
伏せカード
「私のターンです、ドロー!」
手札
5→6
「(融合コース担当として、と言ってたが……どんな融合デッキなのだろうか…………?)」
「私は魔法カード“予想GUY”を発動! デッキより“クィーンズ・ナイト”を特殊召喚!」
クィーンズ・ナイトDEF1600
「(クィーンズ・ナイト……絵札三銃士か!)」
遊輔は保の出したカードに注目しているうちに保はアクションカードを1枚取得していた。
「そして、カードを5枚セット、これでターンを終えますよ」
しかし、保もまた行動をあまり展開を起こさずそのままターンを終えた。
保LP4000
手札1(アクションマジック)
クィーンズ・ナイトDEF1600
伏せカード
伏せカード
伏せカード
伏せカード
伏せカード
「俺のターン!」
手札
2→3
遊輔がデッキからカードを引くと、少し、思案を始める。
「(一応、準備はできているが……絵札三銃士で全伏せとはな…………まだ序盤だし、仕方ないとはいえ……不安だな)」
ある程度の思案を終えると、遊輔は手札のカードを1枚手に取った。
「俺は手札の“地帝家臣ランドローブ”のモンスター効果をクィーンズ・ナイトを対象に発動! このモンスターを特殊召喚し、対象のモンスターを裏側守備表示に! このターン、俺はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できないが……元々エクストラデッキは無い。よって無意味だ」
地帝家臣ランドローブDEF1000
クィーンズ・ナイト→???(裏側守備表示)
「ふむ……上手いですね。これはしてやられましたな」
自分の場のモンスターが裏側になった保だったが、そこまで気にしてはいない様子で相手の行動を見据えていた。
「(っ……余裕かましやがって……!)俺は手札の“真帝王領域”を墓地に送り、“汎神の帝王”を発動! デッキからカードを2枚ドロー!」
手札
2→0→2
「さらに今墓地に送られた汎神の帝王を除外して発動! デッキから帝王の魔法罠を3枚選択し、その内の1枚を相手が選ぶ! 俺が選択するのはこの3枚!」
公開されたカード
・帝王の深怨
・帝王の深怨
・帝王の開岩
「……では、“帝王の開岩”を選択しましょう」
「それじゃあ、帝王の開岩を手札に! そして、帝王の開岩を発動し、俺はセット状態の“天帝従騎イデア”を反転召喚! そしてイデアとランドローブをリリース! 冥界より我が場に現れよ、“冥帝エレボス”!!」
冥帝エレボスATK2800
「帝王の開岩、エレボス、イデア、ランドローブの順に効果発動をチェーン! ……そちらは何か発動するものでも?」
「……いえ、何も。どうぞ、効果の使用をなさってください」
「……では、お言葉に甘えて。ランドローブの効果で墓地のイデアを回収。そしてイデアの効果で除外してる汎神の帝王を回収。エレボスの効果でデッキから“真源の帝王”と“再臨の帝王”を墓地に送り……真ん中のセットカードをデッキに戻してください。最後に開岩の効果で“天帝アイテール”を手札に加えます」
手札
1→4(イデア、汎神の帝王、アイテール)
「(デッキに戻されたのは“聖なるバリア-ミラーフォース”……痛いカードを戻されてしまったな…………)」
「そして、手札の“帝王の凍気”を墓地に送り、再び汎神の帝王を発動し、2枚ドロー!」
手札
2→4(イデア、アイテール)
「手札の魔法カード“
冥帝従騎エイドスDEF1000
「そしてエイドスもまた、召喚、特殊召喚された際に二重召喚とほぼ同じ効果を得る。よってエイドスとイデアをリリース! 現れよ、烈風扱いし帝王! “烈風帝ライザー”!」
烈風帝ライザーATK2800
「烈風帝の効果! フィールドと墓地のカードを1枚ずつ選択し、それらをデッキトップへ戻す! そちらの右から2番目の伏せカードと私の墓地のランドローブを対象に発動!」
「それはお受けできませんね。対象となった伏せカードと対称位置にある伏せカードを同時に発動します。“ゴブリンのやりくり上手”! 更にもう1枚、表側のゴブリンのやりくり上手を2枚墓地に送り伏せカード“非常食”を発動!」
「なっ……!?(だったら、なんでエレボスのバウンス時に使わなかった……!?)」
突然の思いもよらないカードの発動に遊輔は戸惑いを隠せずにいた。しかしながら保はそれを気にせず発動がないと解釈し、そのままカード処理を始めた。
「まず、非常食の効果で2000のライフ回復。そして、ゴブリンのやりくり上手の処理です。まず墓地のやりくり上手+1枚だけドローし、手札1枚をデッキの一番下に戻します。これは発動時ではなく、処理時にある枚数になりますので、墓地にある2枚+1枚の3枚ドロー。そして、1枚をデッキボトムへ。もう1枚の処理も同様に行います」
保
LP4000→6000
手札
1→4→3→6→5(内1枚アクションマジック)
突然の事に戸惑いを隠せずいたが遊輔は頭を振って不要な考えを捨て、改めて盤面を見ながら動きを決め、それを行動に移した。
「(落ち着け……あの手札で使われるのはアクションマジックの1枚だけ。むしろ、今は伏せカードが減ったことを喜ぼう。となれば、行動としてはもうやれることはやったし……わざわざ墓地リソースを削る必要もないだろう……)バトル! 烈風帝で攻撃!
烈風帝の放った爆風にも似た衝撃波は守備表示のクィーンズ・ナイトを巻き込み、そのまま破壊した。
「(守らなかった……それだけ余裕があるってか!!)エレボスの直接攻撃!
「リバースカード、“戦線復帰”! 墓地に存在するクィーンズ・ナイトを蘇生!」
クィーンズ・ナイトDEF1600
「っ……!(それがあったから余裕綽々だったってわけか!)バトル続行! クィーンズ・ナイトを攻撃!」
「手札のアクションマジック“奇跡”。戦闘破壊を無効にいたします」
「……ターン、エンドだ」
遊輔LP4000
手札1(天帝アイテール)
冥帝エレボスATK2800
烈風帝ライザーATK2800
帝王の開岩
伏せカード
伏せカード
自分の行動をどれも余裕な表情で受けられてしまい、苦虫を噛み潰したような表情になりながら遊輔はターンを譲る。
「では、私のターン、ドロー!」
手札
4→5→6(アクションカード入手)
一方の保は相も変わらずニコリとした表情を崩さず、デッキからカードを新しく引く。それとほぼ同時に地面に落ちていたアクションカードを入手する。
「ふむ……攻撃力2800のモンスター2体ですか。中々面白いですが……私のエースに果たして勝てますかな? 手札より“キングス・ナイト”を召喚! キングス・ナイトの効果! デッキより“ジャックス・ナイト”を特殊召喚!」
キングス・ナイトATK1600
ジャックス・ナイトATK1900
「ジャックス・ナイトの特殊召喚成功後、手札の天帝アイテールの効果! 墓地の真帝王領域を除外し、フィールドの烈風帝ライザーをリリースしてこいつをアドバンス召喚! アイテールはアドバンス召喚したモンスター1体でアドバンス召喚が可能だ!天空神よ、天上の世界より現れよ! 天帝アイテールをアドバンス召喚!!」
天帝アイテールATK2800
「帝王の開岩の効果とアイテールの効果!まずは開岩の効果により“怨邪帝ガイウス”をデッキから手札に! そしてアイテールの効果、デッキから真帝王領域と“帝王の凍志”を墓地に送り、デッキから“光帝クライス”を特殊召喚!」
光帝クライスATK2400
「そしてクライスの効果!自身とキングス・ナイトを破壊し、破壊した数だけ破壊されたカードのコントローラーはドローする!」
「破壊させませんよ。アクションマジック“ミラー・バリア”! これでキングス・ナイトは破壊を免れます」
「そう、ならばクライスのみが破壊され、俺は1枚ドロー!」
手札
0→1→2(怨邪帝ガイウス)
「行きますよ。魔法カード“置換融合”発動! フィールドの3名の騎士を融合!
絵札の三銃士達よ!今こそ力を合わせ、天位の騎士となりて、戦場を制圧せよ!融合召喚!
レベル9! “アルカナ ナイトジョーカー”!」
アルカナ ナイトジョーカーATK3800
「(あれ以上、展開を封じる手立ては無かったから仕方ないとはいえ……どうしたものか……)」
「行きましょう、バトル! アルカナ ナイトジョーカーでアイテールを攻撃!」
「っ……!」
天位の騎士の一撃はアイテールを直撃、そのまま切り裂いた。
遊輔LP4000→3000
「私はカードを伏せてターンを終了です」
保LP6000
手札2
アルカナ ナイトジョーカーATK3800
伏せカード
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第8話-2
「俺のターン! ドロー!」
遊輔はデッキより新たにカードを手札に引き入れ、その直後にアクションカードを入手する。そして、手札を見て思案を始めつつ、手に入れたアクションマジックを発動した。
「(流石にこれ勝たないと、次の試合が危うそうという事もあるし、さっさとケリをつけたいが……アルカナは面倒だな。手札も少ないし、今のうちにアルカナの処理を考えないと……)アクションマジック、“帝の一喝”! 相手の場のモンスター1体を対象に取り、攻撃力を半分にする!」
「……させません、ナイトジョーカーの効果! 手札の“ギャラクシー・サイクロン”を墓地に送り、アクションマジックを無効に!!」
遊輔の発動したカードを見た保はここで初めて表情をゆがめ、相手のカードの阻害を宣言した。それを見て遊輔は少し驚くように目を見張る。
「(こいつは意外……アクションマジックはまだ手に入れてなかったか……それに、ここでナイトジョーカーの効果を切ってきた、という事はあの伏せカードはコンバットトリック関連ではない……か?どちらにしても、好都合……)墓地に眠るエイドスのモンスター効果、自身を除外しこのターン、エクストラデッキからの特殊召喚を封じる事により、墓地から攻撃力800守備力1000のモンスターを特殊召喚する。俺は天帝従騎イデアを墓地から特殊召喚! そしてイデアの効果でデッキから2体目のエイドスを特殊召喚!」
天帝従騎イデアDEF1000
冥帝従騎エイドスDEF1000
「そして、墓地に眠る汎神の帝王の効果! 再び自身を除外し、3枚見せる……さぁ、今度は何を選ぶ?」
公開したカード
・帝王の深怨
・帝王の深怨
・進撃の帝王
「……“進撃の帝王”を選択しますよ」
「では、手札に加える。そして、進撃の帝王を発動し……エイドスの効果で追加された召喚権を行使し、エイドスとイデアをリリース! 怨念や邪念を持ちし帝王よ、今こそその念を敵にぶつけよ! 怨邪帝ガイウスをアドバンス召喚!」
怨邪帝ガイウスATK2800
「ガイウスの効果対象をナイトジョーカーとその伏せカードを対象にし発動!」
「させぬ! リバースカード“ブレイクスルー・スキル”! ガイウスを対象に発動!」
「っ……でも、イデアの効果と開岩の効果をチェーン! ……効果を処理しても?」
「……どうぞ」
「では……開岩の効果により…………(この状況、メビウスとグランマーグはありえないし、ライザーはピン差しだから墓地にいる。ここは……出来る限りこのターンでケリをつける……!)デッキから“轟雷帝ザボルグ”を手札に! そして、イデアの効果により汎神の帝王を除外ゾーンから手札に」
手札2→3→4(内2枚轟雷帝、汎神)
「リバースカード、オープン! トラップ・モンスター、始源の帝王!! 守備表示でフィールドに特殊召喚する!」
始源の帝王DEF2400
「始源の帝王の効果で手札を1枚墓地に送り、こいつの属性を光に!」
始源の帝王
属性:闇→光
「始源の帝王がフィールドに存在する限り、俺は始源の帝王と同じ属性のモンスターしか特殊召喚できない。しかし、それはもはや不要。こいつは自身と同じ属性のモンスターのアドバンス召喚のダブルコストモンスターとなる!」
「っ!!」
「始源の帝王をリリース。稲妻轟かせ、現れ出でよ! 轟雷帝ザボルグをアドバンス召喚!!」
轟雷帝ザボルグATK2800
「轟雷帝のアドバンス召喚時効果!フィールド上のモンスターを1対選択肢破壊できる!この効果で破壊するのは……当然、ナイトジョーカー!!」
「っ……!」
ザボルグの放った雷はナイトジョーカーめがけて降り注ぐ。保はアクションカードを探して走り回る。そして、巨大な雷がナイトジョーカーへと落ちる……
「っく……!」
ナイトジョーカーが破壊されたのを見ると遊輔はさらなる効果の説明を始めた。
「破壊したモンスターが光属性だった場合、その元々のレベルまたはランクの数だけ、お互いはそれぞれ自分のエクストラデッキからカードを選んで墓地へ送る……が、光属性モンスターをリリースして轟雷帝のアドバンス召喚に成功した場合、墓地へ送る相手のカードは俺が選ぶ事になる!」
「なっ……!?」
「俺のデッキのエクストラにはこの3枚だけ……よって“神竜騎士フェルグラント”を墓地へ。そしてそちらのエクストラは……っと、ちょうど8枚以下か。なら全て墓地へ送ってもらおうか」
「クゥ……!」
「バトルだ! エレボスで直接攻撃!
「っぐぅ……!」
保LP6000→3200
「続け! ガイウスで直接攻撃! 邪封撃!」
「っ……! アクションマジック“鉄壁の王令”! この攻撃によるダメージを0に!」
「させるか! 手札より速攻魔法“帝王の
「なっ……何ッ!?」
「そして、1枚ドロー」
手札
1→2
保LP3200→400
「さて、ラストバトルだ……ザボルグで直接攻撃! 雷掌波!!」
遊輔の攻撃宣言にザボルグが自身の掌に集めた雷を保に向けて放つ。保もライフを0にしてはならない、そう考え動くも時すでに遅し、ガイウスの攻撃で足止めを受けていた保はどこにあるか探すその途中で攻撃を受け、そのライフポイントは0を刻んだ。
保LP400→0
win 星野 遊輔
遊牙視点
「勝ってきた。これで大丈夫かい?」
「……えぇ、文句はないですね。確かに」
……まさか、本当に勝ちを拾ってくるとは…………しかもライフ差が2倍の状況からたった1ターンで……確かに、デッキの質といいプレイングといい……凄いものがある。多分、俺が戦っても、勝てるか怪しい……
「……遊牙さん」
っと、光一か。多分、次の試合の事か……一応、こっちから出さずにあっちに先に聞いてみるか。光一の反応で決める。
「……6戦目に関してはそちらから、メンバーを選出していただけますか?」
「ずいぶんと余裕ですのね……まぁ、仕方ありません。いいでしょう。こちらからは総合コース主席……
次なる対戦相手として出てきたのは、栗色の髪と黄色い瞳の中学生。一応チラリと隣の光一を見てみると……
「っ……!」
この表情……間違いなく当たり、だな。だったら……
「こっちからは……今日そちらのLDSから完全移籍をした宝良光一で行きましょう。光一、頼むぞ」
「……分かりました」
光一が一歩前に出ると、案の定というか、少しザワついていた。対戦相手も驚いた表情してるけど……
「光一!? なんで光一がソッチにいるのよ!!」
……一番戸惑っていたのはまさかの光津真澄だった。まさかすぎんでしょ…………
「……真澄さんには関係ないです。俺の成長のためです」
「……そう、分かったわ」
「でも、親は関係ないですからね?」
「分かってるわよ。別にお父様に言う事はしないわ」
……うん、どういった関係なんだろうか?
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第9話
因みに対戦相手、実は以前あるモンスターを使って欲しいと言われたことがあって……その時から色々考察してたので使わせていただきました!!
因みに展開を考える際にどうしても詰まり気味だったので他の方にご助力いただきまして、展開を決めさせていただきました。お手伝いしていただいた方、本当にありがとうございました。
それでは、どうぞ!!
『『デュエル!!』』
静かに始まった遊勝塾vsLDSの最終第6戦。3勝2敗で遊勝塾サイドが勝利に王手となったこの試合、アクションフィールドは岩肌の見える谷に太陽が燦燦と輝く【おひさまの谷】。そして先攻を取ったのは……
『行くよ、光一。俺のターン!』
LDS総合コース主席、黄瀬常人。彼のドローが始まった時、観覧席では……
「真澄、相手の宝良ってやつ常人に勝てると思うか?」
「なんで私に聞くのよ……」
「お前とあの宝良っての仲良さそうだったからなぁ」
「……別にそんなんじゃないわよ。光一の家はアクセサリーショップで……お父様の仕事のお得意先ってだけだから。家族ぐるみで仲良くしてるだけ。強いて言うなら腐れ縁よ」
「へぇ……そうなのか……んで、どう思うよ」
「……まぁ、無理でしょうね。良くて善戦かしら?」
「案外辛辣なんだな。まぁ、良くて善戦ってのは意外だけどな」
「一応少し甘めの採点よ。それに……無理なのは当たり前でしょう? 何せ常人は総合コース主席ってだけでなく……
私たちやユースクラスの方々に対しても大きく勝ち越している……言わばLDS現役生徒全員のトップなのだからね」
「俺は手札のレベル5以上の闇属性モンスターを墓地に送って、“ダーク・グレファー”を特殊召喚」
ダーク・グレファーATK1700
「そして、残った手札3枚をセット。これでターンエンド」
常人LP4000
手札0
ダーク・グレファーATK1700
伏せカード
伏せカード
伏せカード
「(転塾を決めれたのはお前のおかげだ。LDSじゃあ俺は伸びきれないと思えたから……)俺のターン! ドロー!!」
「(光一……LDSにいたころは毎日のように挑んできたやつだな。珍しかったから覚えていたが……遊勝塾に転塾していたのは驚いた……LDSほど恵まれた環境にいたのにも関わらず、何故……)」
そして、光一がデッキトップよりドローをする。そんな光一の姿を見ながらアクションカードを取りに行く常人。その二人の思いは交わらないままデュエルが進行していく。
「俺は永続魔法、“宝玉の樹”を発動し、“宝玉獣 サファイア・ペガサス”を召喚!」
宝玉獣 サファイア・ペガサスATK1800
「サファイア・ペガサスの効果! デッキから宝玉獣モンスターを宝玉化する! サファイア・コーリング!! そして宝玉の樹にジェムカウンターを乗せる!」
光一のフィールドに現れたサファイア・ペガサスの放った光により、光一のフィールドに現れたのは、赤色の宝石、ルビー。そして光一は更なる一手を打つ。
「魔法カード“虹の架け橋”を発動! デッキから“宝玉の絆”をサーチして、発動!! “宝玉獣 トパーズ・タイガー”を手札に加え、デッキからエメラルド・タートルを宝玉化! そして再びジェムカウンターが乗る!」
手札
3→4(トパーズ・タイガー)
手札とデッキをフル回転させてフィールドを整えていく光一……そして、動いた。
「バトル! サファイア・ペガサスでダーク・グレファーを攻撃!」
「リバースカード、“攻撃の無敵化”。戦闘破壊を無効に」
常人LP4000→3900
しかし、常人は冷静に戦闘破壊を防ぐ。ダメージもさほど気にしていない、といった様子でアクションカードを取得する。
「……あいっ変わらずだな。いつもの流れとあまり変わんねぇ」
「…………お前はそのまま終わるつもりか?」
「……全力でおまえを倒すに決まってんだろ! カードを1枚伏せてターンエンド!」
光一LP4000
手札3(トパーズ・タイガー)
宝玉獣 サファイア・ペガサスATK1800
宝玉の樹:ジェムカウンター2
ルビー
エメラルド
伏せカード
「……そうか、ならば俺のターン、ドロー」
手札
1→2(アクションカード有)
「……アクションマジック“闇を照らす光”。デッキから闇属性モンスターをデッキから3体までの任意の数を墓地に送る。デッキからこの3体を墓地に。そして1枚ドロー」
墓地に送られたモンスター
●魔族召喚師
●レベルスティーラー
●ネクロ・ガードナー
手札1→2
「……ダーク・グレファーをリリースし、こいつを召喚。出でよ、“
魔族召喚師ATK2400
「……リバースカード、オープン。“スーペルヴィス”。これを魔族召喚師に装備する。これで、こいつは≪デュアル状態≫になる」
「来たね、常人の黄金パターン。僕たちでも通してしまったら厳しい流れだからねぇ」
「これからはもう常人の独壇場だな」
常人の動きに北斗と刃は口角を上げて自分たちの勝利をほぼ確信し始める。そして、それは真澄も注目する対象が違えど、同じであった。
「ここからの逆転は厳しいわよ? 光一……あのモンスターが出たら……常人のペースなのだから……」
「行くぞ、光一。魔族召喚師の効果、墓地か手札より悪魔族を特殊召喚する。墓地より現れな、俺のフェイバリットモンスター……“ダーク・キメラ”」
ダーク・キメラATK1610
……だ、ダーク・キメラ!?あの生徒なんっつー珍しいモンスター使ってんだ!?
「レベル5の攻撃力1610の通常モンスター……?」
「変なモンスター……」
「痺れないぜぇ……」
うちの小学生たちにはあまり刺さってない模様。多分、これ驚いてるのは……
「シーホースじゃねーのかよ……」
「そこはモリンフェンでしょ」
うん、衣音とコナミさん注目するところが現実世界らしい。多分、俺とこの2人だけだろうね、驚いているのは……
「……デーモン・ソルジャーじゃないんだ…………」
うん、遊矢。全くその通り。普通はそれでおkって言われちゃうからダーク・キメラって使われにくいんだよね……困惑顔もまた可愛いよ、ほんと…………おっと、いけない。ブラコン拗らせるな拗らせるな…………それに、更に原作とは明らかに違う事になりそうなんだよな……
「来たね、常人のフェイバリット……今回はどうやってくる?」
「装備魔法“団結の力”をダーク・キメラに装備。さらに魔族召喚師のレベルを1つ下げて“レベル・スティーラー”を特殊召喚。団結の力で攻撃力2400アップだ」
団結の力を装備したダーク・キメラはその体躯が大きくなっていった。
レベル・スティーラーATK600
ダーク・キメラATK1610→4010
「……攻撃力4010…………!!」
「今回は力押しで光一……お前を制圧する。バトル。ダーク・キメラで攻撃。ダーク・サイレント・バーン」
常人の攻撃宣言に応じてダーク・キメラが漆黒の炎を放つ。それを見た光一は落ち着いて伏せカード、そして手札からアクションカードを発動した。
「リバースカード、“宝玉の集結”とアクションマジック“ダメージ・バニッシュ”を発動!」
常人は手札と場のカードの確認をすると……
「……良いぜ。さっき手に入れたこのアクションマジックはそれを封じないからな」
一拍の間を置いてそのまま行動阻害がないことを伝えた。
「なら、この戦闘でのダメージは0!そして、そのままペガサスは破壊され、宝玉化!」
宝玉の樹:ジェムカウンター2→3
「そして、宝玉の集結の第1の効果! デッキからアメジスト・キャットを守備表示で特殊召喚!」
アメジスト・キャットDEF400
「……なら、レベル・スティーラーでアメジストキャットを攻撃」
「……そのまま破壊されるよ。魔法・罠ゾーンは埋まってるから墓地に送られる」
「魔族召喚師で直接攻撃」
「宝玉の集結の第2の効果! このカードをリリースして宝玉になってるサファイア・ペガサスと魔族召喚師を対象に効果発動! これで……」
「リバースカード、オープン。速攻魔法、“ライバル・アライバル”。このバトルフェイズ、俺は通常召喚を行うぞ」
ライバル・アライバル
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分・相手のバトルフェイズに発動できる。モンスター1体を召喚する。
「ん? 良いけど……何かモンスターを出したところで「効果の阻害はされないってか? 相変わらず抜けてんな」っ……!!」
常人の言葉に光一は思わず戸惑いを覚える。そして常人は今までポーカーフェイスを貫いていたのだが、わずかにニコリと口角を上げる。
「まぁ、俺のデッキはつい今日調整を終えてたからな。これを知らないのも当然か……レベル・スティーラーをリリース。来いよ、“人造人間-サイコ・ショッカー”」
人造人間-サイコ・ショッカーATK2400
新たなモンスターの召喚に成功すると、上がった口角は元に戻り、再びポーカーフェイスに戻っていった。
「んなっ……!?」
「こいつが存在する限り、お互いに罠は使えない……これがどういうことか、分かるだろ?」
「っ……宝玉の集結の効果は不発になる…………」
「そういうこったな。もう少しできると思ったが……効果が無かったことになるからな。攻撃は続行だが……お前のデッキだ、どうせ防げる手立てはねーんだろ?」
「……!! な、なんでお前のデッキに……サイコ・ショッカーが入ってんだよ!それに、そのカードがあったならっ!!」
「発動タイミングが遅い理由? あいにくと、それは気まぐれだ」
「っ……」
「……満足か? ならこれで終わりだ。サイコ・ショッカーと魔族召喚師で直接攻撃」
「次は!! 絶対に!! お前に勝つからな!! 常人!! 俺はここでおまえに勝てるまでに成長してやる!!」
「そうか。やれ」
常人の端的な号令により、僅か1ターンで一度も削られていなかった光一のLPはあっという間に0を刻んだ。
LP4000→1600→0
win 常人
気になることもあるけど……これで3勝3敗、相手は全員が一巡した……って言いたいけどなぁ
「……すまねぇ……負けちまった……あんな大見得切ってたのに…………」
「しゃーねぇよ。次戦うまでには強くなろうぜ」
「あぁ……!」
「……まさか、ここまでとは驚きましたわ」
「そりゃどうも。それで、6戦終了してお互いに3勝3敗……ですが、俺と遊矢の進退がかかわってくるのに俺が出ないというのも変なんで、最終戦は俺が相手を決めても? そちらは6名しか連れてきていないようですが、全員一巡してますからね」
「構いませんわ。それで、誰をお選びになるのかしら?」
……まぁ、決めてはいるんだけど、一応考えていこう。まずは刃は却下。ガトムズやヒュンレイとかがいるし相性が悪い。同じ理由でプレアデスマンの北斗もNG。ジュニア用のフィールドにはジュニアユース以上は入れないし逆も然りなのでシュウトも除外。講師の方は火力的に対抗できないのでNG。ついさっき出ていた常人ってやつはなんとなく負ける未来が見えたので除外、となると真澄になる……んだけど、やっぱりどうしても気になるんだよなぁ……
「……そうですね、では相手をしてもらうのは……
そこで隠れて俺に殺気を振りまいてる、あんただよ。確か名前は赤羽零児、だったか?」
俺の言葉に通路から姿を現したのはなんでかは知らないけど最終戦の途中からこっちに殺気を向けすぎていてあまり観戦に集中できなかった要因……赤羽零児、当人だった。
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第10話-1
そのかわり、3日連続投稿です!時間は不定期なので見忘れの無いようお願いいたしますね!
そして最後に……遅くなりましたが新年あけましておめでとうございます!
「「デュエル!!」」
「なぁ、いい加減話してくんねぇか? 俺に敵意むき出しな理由さぁ……」
「ほざかないでもらいたいな。貴様がどういった経緯でここに潜り込んだのかは知らんが、あの時の屈辱は忘れる訳がないだろう」
「……さっきからそう言ってるけど、俺には身に覚えが全くと言っていいほどないだがな」
「お前が覚えていようがいまいが、私が勝った際にはあの男の元へ連れて行ってもらうぞ」
「あー、もうらちが明かないな……先攻は俺だ。いくぞ!」
はい、なんか知らないけど零児に滅茶苦茶殺意を剥き出しにされている遊牙だ。現在のアクションフィールドは俺が得意なフィールド『風吹く大地』。常に吹く心地よい風と森や小高い丘、そして稀にくる突風が特徴的なフィールドだ。稀にくる突風でアクションカードの位置が変わっちまうのが面白いギミックなんだよな。変わった後のカード配置は完全ランダム。だからこそ、初期のカード位置の時にどれだけアクションカードを取れるかがカギだ。ちなみに手札はそこそこだったな。
「俺はマジェスペクター・ラクーンを召喚! そしてその効果でデッキから……ここはマジェスペクター・ユニコーンを手札に。カードを2枚伏せる!」
マジェスペクター・ラクーンATK1200
お、アクションカード! 手に入れたのは……うん、なかなか良いやつ。これなら少し動きを変えるかな。
「……ペンデュラムモンスター、どこで入手したのか知らんが、貴様、デッキを変えたところで私から逃れられると思うなよ」
「……ほんっと、誰と勘違いしてんのやら。俺のターンは終わりだ、お前のターンだよ!」
遊牙LP4000
手札4(?・?・ユニコーン・Aマジック)
マジェスペクター・ラクーンATK1200
伏せカード
伏せカード
「……私のターン、ドロー!」
……ほんっと、何でこうなってんの? 俺は本当に皆目見当がつかないんだけど……何で? 零児とは階級が違うからあれだし、デッキが変わったって言っても、確かにメインデッキは竜星からこのデッキに変わったけど、少なくとも零児に屈辱を与えることなんてしてないぞ……? 何せ実際に会ったのはこれが初めてなんだし……
「私は永続魔法“地獄門の契約書”を発動、私はデッキからDDモンスター……“DDリリス”を手札に加える。最も、私のスタンバイフェイズ時にこのカードが存在する場合、私は1000のダメージを受けるがな」
まぁ、永続魔法の自在サーチなんてそんくらいのデメリットあってもいいもんな。LP4000制だと重すぎるけど。
「そして永続魔法“魔神王の契約書”を発動。これにより、融合魔法がなくとも、私は融合ができるようになる」
「契約書ってことはそれもライフダメージのデメリットがあるんだろ?」
「無論だ。私は魔神王の契約書の効果により手札のDDリリスと“DDケルベロス”を融合! 闇夜にいざなう妖婦よ! 牙むく地獄の番犬よ! 今ひとつとなりて新たな王を生み出さん! 融合召喚! 生誕せよ! “DDD烈火王テムジン”!」
DDD烈火王テムジンATK2000
テムジン、たしかDDデッキの中枢だよな。そして、原作での遊矢戦とここまで展開は同じ……ってか、今のところ、相手のデッキのカードの効果はOCGの方か。なるほど…………防ぎたくてもなー……Gが手札にいねーし、意味ないよなぁ……
「貴様がモンスターと伏せカードだけで最初のターンを終わらせた事を後悔させる!! チューナーモンスター、“DDナイト・ハウリング”を召喚し、その効果により墓地よりDDリリスを特殊召喚!」
DDナイト・ハウリングATK300
DDリリスDEF2100
「……チューナー…………ってことは……」
「私は、DDリリスにDDナイト・ハウリングをチューニング!闇を切り裂く咆哮よ。疾風の速さを得て新たな王の産声となれ! シンクロ召喚! 生誕せよ! レベル7! “DDD疾風王アレクサンダー”!」
DDD疾風王アレクサンダーATK2500
「融合に続いて、シンクロもか……」
「貴様には驚く隙も与えん! アレクサンダーが場に出たことにより、テムジンの効果! 墓地よりDDリリスを特殊召喚!」
DDリリスDEF2100
このターンだけで融合され、シンクロされ、もはや過労死同盟に入りそうなリリスさん……でも、まだお仕事あるんだろうなぁ……
「DDリリスの効果の発動……に対しチェーンする形でアレクサンダーの効果を発動する。アレクサンダーの効果により墓地よりDDケルベロスを蘇生し、DDリリスの効果によりナイト・ハウリングを墓地より回収する」
手札
2→3(内1枚ナイト・ハウリング)
「私は、レベル4のDDリリスとDDケルベロスでオーバーレイ!
2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!
この世の全てを統べるため、今 世界の頂に降臨せよ! エクシーズ召喚! 生誕せよ! ランク4! “DDD怒濤王シーザー”!」
DDD怒濤王シーザーATK2400 ORU2
うーわぁ、揃い踏みかよ……因みに妨害無しでそのまんま受けちゃうとワンターンキルになっちゃうから意地でも伏せがないといけないね。遊牙兄さんとの約束だぞ?
……誰に言ってんだ、俺…………
「バトルだ、アレクサンダーでそのモンスターを攻撃!」
「全く、もう少しは楽しむ余力を持てよ! まずはアクションマジック“導きの緑風”を発動!このカードは自分フィールド上に存在する風属性モンスターが戦闘の対象となった時に発動できる! デッキからカードを1枚ドローして、それが風属性モンスターなら、追加ドローとこの戦闘でのダメージが0になる!」
導きの緑風(風纏いの振り子オリジナル)
アクションマジック
自分フィールド上に存在する風属性モンスターが攻撃対象となった時に発動できる。
デッキからカードを1枚ドローして、お互いにそのカードを確認する。そのカードが風属性モンスターだった場合、ドローしたカードを手札に加え、その戦闘によるダメージを0にし、更に1枚ドローできる。違った場合はドローしたカードを手札に加えたのち、そのまま戦闘を続行する。
この時、攻撃宣言をしたプレイヤーも1枚ドローできる。そして、ドローしたカードをお互いに確認し、それが風属性モンスターだった場合、ドローしたカードを手札に加え、もう一度同じモンスターで攻撃ができる。違った場合はドローしたカードを手札に加えたのち、そのまま効果処理を終える。
「ドロー!」
一応外しても問題はないけど……お、ラッキー!
「ドローしたのは風属性モンスター“マジェスペクター・クロウ”! よってダメージは0に! さらに追加ドロー!」
「ドロー……風属性ではなく罠カードだ。そのまま手札に加える」
「戦闘ダメージは0になったが、戦闘破壊は免れないな……ラクーンはエクストラデッキに行くぜ」
遊牙手札3→4
零児3→4
……“
「……だが、そんなことをしても無駄だ! シーザー! テムジン! 直接攻撃だ!!」
「おいおい、そんなに慌てるなって! シーザーの攻撃のダメージ計算直前、罠カード“ガード・ブロック”! ダメージを0にしてドロー! テムジンはそのまま受ける……っつあ!!」
遊牙LP4000→2000
手札4→5
っつぅ……流石にライフの半分削るダメージはいってぇ……一番マシなダメージだけど……
「……私はカードを2枚伏せてターンを終了する」
零児LP4000
手札2(内1枚ナイト・ハウリング)
DDD烈火王テムジンATK2000
DDD疾風王アレクサンダーATK2500
DDD怒濤王シーザーATK2400 ORU2
地獄門の契約書
魔神王の契約書
伏せカード
伏せカード
さて、ここからどう巻き返していくかn「何故だ」……ん?
「何故お前の方が不利なのにそんなに笑っていられる!!」
……あー、確かにデュエル時の俺はどんな時でも笑顔でいること心がけてるからなぁ……でも、答えは単純なんだよな
「……何だ、そんなことか!」
「そんなこと、だと……?」
「みんなに楽しんでもらうのが弟、榊遊矢と父さん、榊遊勝のエンタメデュエル! けど、俺は常にデュエルの時は笑顔でいること。どんな辛い状況でも笑顔でいること。それが俺のデュエルの信条であり、俺、榊遊牙なりのエンタメデュエルだ!」
「……!?」
……ん、なに戸惑ってんだ? まぁ、いいか。ただ、問題は手札なんだよなぁ。スケールが少し厳しい……ドローでなんとかできるカードが引けりゃいいが……
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第10話-2
「俺のターン、ドロー!!」
手札5→6
お、この2枚に今引いたこれ……早速使わせてもらうか。
「スケール8の“竜穴の魔術師”、スケール2の“賤竜の魔術師”をセット!」
青:竜穴の魔術師:スケール8
赤:賤竜の魔術師:スケール2
今手札に握ってる“星霜のペンデュラムグラフ”とデッキに眠っているカード2枚、そして2枚の白紙のカード(内1枚は縁が紫色になってたんで恐らく融合モンスターだろうから一応エクストラデッキに入れている。融合は使う予定ないんだが)……これ等は全てあの世界に行った時にもらったものだ。確かファントム、だっけ? アイツ……何でこんなカードを渡してきたんだろうか…………?まぁ、おかげで少しデッキ構築の幅が広がったけどね。45枚デッキになっちゃったけど。
「……ペンデュラム召喚、とやらか?」
「そいつはちょいと待ってくれよ。何事も下準備が大切だぜ? 俺は永続魔法、星霜のペンデュラムグラフを発動! そして、リバースカードオープン! 永続罠“連成する振動”発動!その効果で竜穴の魔術師を破壊して1枚ドロー。破壊した竜穴の魔術師はエクストラデッキに。そして、魔術師ペンデュラムカードが破壊されたその時に星霜のペンデュラムグラフの効果によりデッキから魔術師カード、“黒牙の魔術師”をデッキから手札に加えて、そのまま空いているペンデュラムゾーンにセット!」
青:黒牙の魔術師:スケール8
「行くぜ! 俺の場にはスケール2とスケール8! よってそのスケール間であるレベル3から7まで召喚可能!
揺れろ、新風纏いしペンデュラム! 天空を翔ろ新風のアーク! ペンデュラム召喚! 舞い降りろ、俺の仲間達よ!
エクストラデッキより、マジェスペクター・ラクーン! 竜穴の魔術師! 手札より、マジェスペクター・ユニコーン、マジェスペクター・クロウ! そして、未来の幻を視る眼……“オッドアイズ・ファントム・ドラゴン”!!」
マジェスペクター・ユニコーンATK2000
マジェスペクター・クロウATK1300
マジェスペクター・ラクーンATK1200
竜穴の魔術師DEF2700
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500
「……!! 5体ペンデュラム……!? しかも上級モンスターと最上級モンスターに加え、一度フィールドを離れたモンスターまでも……先ほどエクストラデッキに送っていたのはこの為か……」
「……クロウとラクーンの効果! ラクーンで“マジェスペクター・フロッグ”を、クロウで“マジェスペクター・サイクロン”をサーチ!」
手札1→3(フロッグ・サイクロン)
「……中々厄介だな。召喚や特殊召喚時にデッキからサーチする効果でアドバンテージを会得し続けるデッキか」
「これがこのデッキの基本なんでな! 行くぜ! バトルフェイズ!!」
クロウとラクーンは除去の弾にするとして……このデッキの問題は火力が無い事だからなぁ……メインデッキの素の火力だとアレクサンダーと相打ちが精いっぱいなんだよなぁ。かといって他2体は正直フィールドから墓地に行った時や破壊された時の効果があるし……いや、テムジンは墓地回収だったな、確か……なら、ターゲットは当然……!
「オッドアイズ・ファントム・ドラゴンで烈火王テムジンを攻撃!! 夢幻のスパイラルフレイム!!」
「っ…………」
零児LP4000→3500
……今、何か使ったのか…………?土煙で見えなかったが、何かが発動した気がしたんだが……ダメージはそのまま通ってるし……とりあえず続けるか。
「バトルフェイズ中だが、手札から速攻魔法マジェスペクター・サイクロンを発動! 自分フィールド上の風属性・魔法使い族……ラクーンをリリースして相手フィールドのモンスターを破壊する! 俺はアレクサンダーを破壊する! 更にマジェスペクター・ユニコーンのモンスター効果をチェーン! こいつはペンデュラムモンスターと相手モンスターを対象にし、手札に戻す効果を持つ! 俺はユニコーンの効果でクロウとシーザーを選択する!」
「なんだと……!?」
確かに、このデッキのサーチによるアドバンテージ保有力には目を見張るものがある。だが、それ以上にこのデッキの恐ろしいところは相手ターンでもモンスター除去が積極的に飛んでくるところだ。それに、妨害が飛んでこなかったこともあって無事に相手フィールドはがら空きだ。
「マジェスペクター・ユニコーンで直接攻撃!」
「っ……!」
零児LP3500→1500
よし、ライフ逆転。これならある程度相手を制限できるハズ……まぁ、契約洗浄があるからライフが無くなることは無いだろうけど……
「これで逆転、だな。このターンでは無理だったが契約書のデメリットでおまえのターンはドローするだけで終わりそうだな」
別に知ってるからフラグじゃねーけどな。原作とは違って発動した契約書は4枚じゃなく2枚。手札は増えても通常ドロー合わせても5枚。少しはマシかな
「……それで、まだ貴様のバトルフェイズ中だが?」
……あ、そういやバトルフェイズ終わったこと言って無いっけ…………
「……あぁ、俺はこれでバトル終了だ「ならばバトルフェイズ終了時使用していたDDD怒濤王シーザーのモンスター効果を発動」んな!?」
そうか、あの時発動してたのはこれだったのか……くっそ、すっかり忘れてた……そういや、そんな効果あったな……それで原作でもフィールドに3体が蘇ってたんじゃねーか……なんで忘れていたんだよ……っと、驚きも良いけど笑顔を絶やさねぇようにしないと……
「このバトルフェイズ中に破壊されたモンスターを我が場に呼び戻す。舞い戻れ、DDD烈火王テムジン、DDD怒濤王シーザー!」
DDD烈火王テムジンATK2000
DDD怒濤王シーザーATK2400
「……へぇ、諦めてる様子はねーんだな。だが、俺がターンを終えたらお前が負けるんだぞ?」
「そう思っているのなら、そのままターンを終了するといい」
「……いけすかねぇな。俺はカードを伏せてターン終了。契約書のデメリットで自らのライフが無くなるぞ!」
一応、これはわざとだ。あのセリフ聞きたいし。
「契約書? そんなものは……ターン終了時にリバースカードの契約洗浄を発動する。この効果により自分フィールド上の契約書カードをすべて破壊し、破壊した破壊した数だけ自分はデッキからドローし、その後、自分はドローした数×1000LP回復する。これで契約は無効となった」
零児LP1500→3500
手札2→4
さて、確かシーザーの効果のデメリットもあるはずだし、ここのライフゲインは気にしないでいいと思うが……
「……流石に回避する手段は持ってたか」
「当然だろう、利益となる部分は好きに使い、被る不利益は無かったこととするのは……」
「……そこだけ聞くとただのクズに聞こえるけど、まぁいい。お前のターンだぜ!」
遊牙LP2000
手札2(フロッグ・クロウ)
マジェスペクター・ユニコーンATK2000
竜穴の魔術師DEF2700
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500
星霜のペンデュラムグラフ
連成する振動
伏せカード
青:黒牙の魔術師:スケール8
赤:賤竜の魔術師:スケール2
「私のターン、ドロー。そしてドローフェイズにリバースカードオープン! “DDDの人事権”。フィールドのテムジンとシーザー、墓地に眠るDDケルベロスをデッキに戻し、その後DDモンスターを2体手札に加える……これでシーザーの効果によるデメリットも無くさせてもらう」
手札4→5
シーザーのデメリット帳消し……ってことはアニメ準拠? でも人事権も最初はアニメではフィールドのDDDだけだったような……あ、でもその後でOCG準拠になってたっけ?
「私はこの効果でこの2枚を手札に加える」
手札5→7
……今、見えた手札に加えたカード……“DD魔導賢者ケプラー”、“DD魔導賢者ガリレイ”か。ちらっと見えたけどペンデュラムモンスター、か……遊矢の精神衛生考えるとつかって欲しくないけど……っと、アクションカードゲット!
遊牙手札2→3(フロッグ・クロウ・アクションマジック)
一応、これで相手のフィールドはがら空き。がら空きなんだけど……嫌な予感しかねぇんだよな……
「……まさかここまでとはな」
「……プロの人に褒めてもらえるとは思わなかったなぁ…………んで、それを言うためだけにここに来たのか?」
「……というと?」
「ペンデュラム召喚はうちの専売特許といっても過言じゃない。でも、天下のLDSでペンデュラム召喚について受講できないと言われてその地位もやや危ぶまれている。だからこそ、あんたが直々に来てペンデュラム召喚の性質を確認したかった……違うか?」
「……あながち間違いではない。だが、それだけではない。それに1つそちらの言葉に対し訂正がある」
……あ、これ使ってきやがるな……
「へぇ……というと?」
「もはや既にお前たちの専売特許ではないと言う事だ!! 私はスケール1のDD魔導賢者ガリレイとスケール10のDD魔導賢者ケプラーでペンデュラムスケールを構築!」
青:無し
赤:無し
↓
青:DD魔導賢者ガリレイ:スケール1
赤:DD魔導賢者ケプラー:スケール10
……やっぱ使ってきやがったか。遊矢は…………衣音の隣で呆然としてんな……ん?
「な、なんで……ペンデュラム召喚を使えるの、兄さんと、俺だけの……ハズだろ……」
雄牙……じゃねぇ、遊牙がこっちを……正確には俺の隣で呆然としている遊矢を見ている。その肝心の遊矢も使いもんにならねーな……一応対面してないってとこ以外はアニメと同じか。俺は遊矢と反対側の隣に座ってるコナミさんに聞いてみた
「本当に使ってきたっすね……どうするっすか?」
「どうもしない。俺たちにできることは完全にとまではいかないけど、アニメ通りに事が運ぶのを……見守るだけだ」
「……そっすね」
遊牙ぁ、負けでもしたら許さねーかんな……?
……おー、こわこわ。衣音の奴、なんっちゅー顔してんだ。負けんなって感じか? 要するに原作通りになるように長引かせりゃ良いんだろ……? このデッキは元々妨害手段に長けている。このターンだけで終わることは流石にないはずだ。
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第10話-3
スマイルワールドの効果を勘違いしており、誠に申し訳ございません。
ご都合主義になりますがアクションマジックで代用させていただきます。ご了承くださいませ
「……行くぞ。スケール1とスケール10によりペンデュラム召喚! 全ての王をも統べる3体の超越神! “DDD死偉王ヘル・アーマゲドン”! そして、世界を凝望せし我が下僕!! “DDD超視王ゼロ・マクスウェル”!!」
DDD死偉王ヘル・アーマゲドンATK3000
DDD死偉王ヘル・アーマゲドンATK3000
DDD死偉王ヘル・アーマゲドンATK3000
DDD超視王ゼロ・マクスウェルATK2800
おいおい、手札6枚使用して一気に豪華な布陣になりやがったな……しかも、ゼロ・マクスウェルたぁ……完全に潰しにかかってきやがってんな……この伏せも戦闘妨害じゃねーし……少し面倒になってきたな。とりあえず、ユニコーンの効果対象はほぼ確定、っと……
「さて、いい加減に決着をつけるとしよう。バトルフェイズ。DDD死偉王ヘル・アーマゲドン1体目でオッドアイズ・ファントム・ドラゴンに攻撃!
一応手札のアクションマジックで防げるけど……キツイ事に変わりはない……すまない、また呼ぶつもりだから、ここは一度エクストラデッキで待機しててくれよ……でもその代わり!
「ただじゃあ転ばねーよ!! リバースカード、オープン。“臨時収入”! ……っつぁ!!」
遊牙LP2000→1500
「? 戦闘ダメージや戦闘破壊を防ぐものではないか……まぁ、そのカードが何であろうと意味はない。DDD超視王ゼロ・マクスウェルで竜穴の魔術師を攻撃!!」
来た、防ぐ対象はまずはここ!!
「さっせねーよ!! ユニコーンの効果! ユニコーン自身とゼロ・マクスウェルを対象に発動! 選択したモンスターをバウンス!」
「!! ……ここで使用してくるか。何故ここで使ってきた?」
「はっ……お前が俺の発動したカードが意味はないって言ったうえでソイツで攻撃してきたんだろ……大方、貫通効果と守備力変動関連があるんだろ?」
前にこれで衣音がデュエルに負けてたからな……その時に衣音が愚痴ってたんで覚えてたんだよな。
「なるほど、先程の発言で推測されたか。これは失念していた。だが、これで安全だと思っているまいな? 2体目のDDD死偉王ヘル・アーマゲドンで攻撃!」
「思っちゃいないさ! アクションマジック、“回避”! これで攻撃を無効に!!」
ただ、嫌な予感するし、この近くに確かアクションマジックがあったはず……
「それだけで安全だと? アクションマジック“ワンダーチャンス”。これにより2体目のDDD死偉王ヘル・アーマゲドンは攻撃ができる」
あ、やっぱやっべぇな……っと、確かあの木の下にあったはず!!
「改めて攻撃だ、いけ、DDD死偉王ヘル・アーマゲドン!」
届けっ……!!
「
「これで、DDD死偉王ヘル・アーマゲドンで直接攻撃…………!?」
「っぶねぇ……アクションマジックの“奇跡”を発動してなかったら負けてたかもしれねぇな……」
うん、結果的に言えば間に合っていた。正直危なかったけど、とりあえずこのターンで負けることは無いようだ……
「……なるほど、このフィールドが得意というだけはあるな。DDD死偉王ヘル・アーマゲドン3体目で竜穴の魔術師に攻撃!」
すまない、竜穴の魔術師。防げるカードがもうないから……だが、これで少し道が開けた。これで臨時収入の魔力カウンターは2つ……そして……
「私はこれでターンエンド」
「そのエンドフェイズ時に連成する振動の効果! 賤竜の魔術師を破壊してデッキからドロー、星霜のペンデュラムグラフの効果で“竜脈の魔術師”をサーチ!」
手札3→4→5(フロッグ・クロウ・ユニコーン・竜脈の魔術師)
「ふむ、改めてターンを終えよう」
零児LP3500
手札2(ナイト・ハウリング、ゼロ・マクスウェル)
DDD死偉王ヘル・アーマゲドンATK3000
DDD死偉王ヘル・アーマゲドンATK3000
DDD死偉王ヘル・アーマゲドンATK3000
青:DD魔導賢者ガリレイ:スケール1
赤:DD魔導賢者ケプラー:スケール10
とりあえず、このターンでの決着はならず。それだけでも十分儲けものだ。相手の場の攻撃力3000モンスター3体は……破壊以外の除去でなら対応可能か。それに確かガリレイとケプラーの効果がアニメ効果だとしたら……いや、深くは考えまい。
「俺のターン、ドロー!」
手札5→6(フロッグ・クロウ・ユニコーン・竜脈の魔術師)
このターンでどれだけ相手の場を荒らせるか。そこがカギだな。その為にもまずは……
「ここで臨時収入の効果、教えといてやるよ。こいつはある条件で魔力カウンターが最大3つまで溜まり、3つ乗った状態のこのカードを墓地に送る事で2枚ドローする効果がある。そして今、こいつは既に3つ溜まった状態だ。よって墓地に送り2枚ドローする」
手札6→8(フロッグ・クロウ・ユニコーン・竜脈の魔術師)
「いつの間に……」
「わりぃけど、教える気はない。後で帰ってから調べるんだな……俺はスケール1の竜脈の魔術師を空いているペンデュラムゾーンにセッティング!」
赤:無し
↓
赤:竜脈の魔術師:スケール1
「これでレベル2から7までのモンスターが召喚可能! ペンデュラム召喚! 再び風と共に舞い降りよ! 手札よりマジェスペクター・フロッグ、マジェスペクター・クロウ、マジェスペクター・ユニコーン、“
マジェスペクター・フロッグATK1300
マジェスペクター・クロウATK1500
マジェスペクター・ユニコーンATK2000
霞の谷の巨神鳥ATK2700
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500
よし、アクションマジックゲット!
「フロッグとクロウの効果発動!クロウで“マジェスペクター・ソニック”を、フロッグで“マジェスペクター・トルネード”をサーチしソニックは手札に、トルネードは直接セット。ここで黒牙の魔術師のペンデュラム効果!相手モンスターの攻撃力を半分にする。ヘルアーマゲドンの攻撃力を半分に! そして、こいつは破壊される。だが、星霜のペンデュラムグラフの効果でデッキより“
DDD死偉王ヘル・アーマゲドンATK3000→1500
手札3→4→5→(マジェスペクター・ソニック、虹彩の魔術師、Aマジック)
っと、零児は駆け出してったか。アクションカードの初期位置はとりあえず把握はしてるけど……ここから近いのは
ヒュオォォ
お、来てしまったか……!
「……何だ?」
零児も気付いたようでその場に立ち止まり辺りを見渡している。しかし、その直後、すぐにゴウッと突風が吹き荒れた。
「これがこのフィールドの一番の特徴! 荒れ狂う突風が終わった時、アクションカードは場所が完全に入れ替わる!」
「……なるほどな」
そういや、何だかんだ言ってこれを俺が使うのは初めてかな。俺にとっても、俺の家族への絆の証であるこのカード……よし、突風は終わったな。ここからはもう俺もカードの場所はわからねぇ……
「そして手札からアクションマジック“追い風となる緑風”を発動し、自分フィールド上のモンスターは攻撃力800ポイントアップ!!」
追い風となる緑風(オリジナルAマジック)
アクションマジック
自分フィールド上に存在するモンスターの攻撃力を800アップさせる
マジェスペクター・フロッグATK1300→2100
マジェスペクター・クロウATK1500→2300
マジェスペクター・ユニコーンATK2000→2800
霞の谷の巨神鳥ATK2700→3500
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500→3300
っと、偶然近くにあった新しいアクションカードゲット! っと……
「……行くぞ、バトル! オッドアイズ・ファントム・ドラゴンでDDD死偉王ヘル・アーマゲドン(ATK3000)を攻撃! 夢幻のスパイラルフレイム!!」
「っ……!」
っあ、アイツ攻撃の余波の爆風でワザと飛ばされてAカード取りやがった……めんどくせぇな…………
LP3500→3200
「っ……続け! 霞の谷の巨神鳥でDDD死偉王ヘル・アーマゲドン(ATK3000)を攻撃!」
「Aマジック“草原の微笑み”を発動する。このターンの相手に与えるダメージが半分になる代わりに自分フィールド上のモンスターの1体を選択し、そのモンスターの攻撃力は自分以外の自分フィールドのモンスター1体と相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力を合算させる。当然合わせるのはDDD死偉王ヘル・アーマゲドン(ATK1500)と霞の谷の巨神鳥(ATK3500)とする」
草原の微笑み(オリジナルAマジック)
アクションマジック
(1):自分フィールド上のモンスターの1体、最初に選択したモンスター以外の自分フィールド上に存在するモンスターと相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択する。最初に選択したモンスターの攻撃力はこの攻撃によるダメージ計算終了時まで選択したモンスター3体の攻撃力分の合計値となる。
この効果を使用したターンの間、相手に与えるダメージは半分になる。また、このカードは風属性モンスターが攻撃宣言をしたときにのみ発動できる。
(2):このカードを使用したターンのエンドフェイズ時にこの効果は発動する。自分フィールド上に存在するモンスターはすべて破壊され、破壊されたモンスターの数×300ポイントライフを回復する。
DDD死偉王ヘル・アーマゲドンATK3000→4500→8000
はぁ!? このフィールドの中でも1,2を争うレアAマジック拾ってたのか……!?元々はだだっ広い草原の中央にあって余程の事が無いと取れないのに……ってそうじゃない!これ受けたらダメージ半分って言っても負けてしまう!! 使いたくなかったが……!!
「アクションマジック“草原の導き”発動! 俺が受けるダメージを元々受けるダメージの4分の1に固定する!!」
草原の導き(オリジナルAマジック)
アクションマジック
(1):このターン自分が受けるダメージは元々受けるダメージの4分の1になる。
LP1500→375
「っつぅ……ここでこれ切る事になるとは思わなかったぜ……」
「私からすれば、これを防がれるとは思わなかったがな」
しっかし、あれの発動条件をまさか自分で達成してしまうとは思わなかった……迂闊だったな…………そして俺のライフはガンマンラインを余裕で割ってしまった……流石にないとは思うけど、警戒してしまうな……でも、警戒してても終わらねぇ……まだ攻撃力的にはちょっとだけ余裕がある……
「まだ! マジェスペクター・フロッグでDDD死偉王ヘル・アーマゲドン(ATK1500)を攻撃!」
LP3300→2700
警戒して一番攻撃力の低い方でバトルしてみたが、何もないのか……なら!
「続け……マジェスペクター・ユニコーンで攻撃! そしてマジェスペクター・ソニックを発動! 攻撃力を倍に! このターンの零児に対する戦闘ダメージは半分になるが、関係ねぇ!!」
LP2700→650
ココも何もない……
「これで、決める!! マジェスペクター・クロウで直接攻撃!」
「アクションマジック“強き突風”。相手の直接攻撃宣言時に発動可能のAマジックだ。このターンのバトルフェイズを強制終了する」
強き突風(オリジナル)
Aマジック
相手の直接攻撃宣言時に発動できる。直接攻撃を無効にし、このターンのバトルフェイズを終了する。
くっそ、意外としぶといな……
「俺はカードを2枚伏せてターンエンド!」
遊牙LP375
手札5(虹彩の魔術師)
マジェスペクター・フロッグATK1300
マジェスペクター・クロウATK1500
マジェスペクター・ユニコーンATK2000
霞の谷の巨神鳥ATK2700
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500
星霜のペンデュラムグラフ
連成する振動
伏せカード(マジェスペクター・トルネード)
伏せカード
伏せカード
青::スケール
赤:竜脈の魔術師:スケール1
仕留めきれなかった……この事実は覆せないけど、まだ負けたわけじゃない……それに、お互いがガンマンライン……俺はガンマン入れてないけど……トルネードをフロッグの効果でセットしているこの布陣……どうしてくる……?
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風纏いの振り子 番外編 γstory
兄たちの苦悩と意地-1
自分がコラボ相手の作者様とそのコラボ小説のタイトルをメモし忘れたので、タイトルなどは無記載としますが、これは自分のミスですのでどうかご容赦くださいませ。
お相手様、大変申し訳ありませんでした!
そして、お相手様の去就についてもし何かご存知の方がいらっしゃれば、ぜひ感想欄やメッセージで教えてくださいませ。もし、可能であればお相手様とコンタクトを取りたく思います。
そしてもし万が一お相手様がこのコラボの話を見てくださったときのために後書きを残しておきます。
「……遊矢はもう出ちゃってたし、母さんも話しかけるなって雰囲気出してたから散歩に来たけど……霧隠料理スクールってどこだっけ?」
遊矢は確か、今日は舞網CSジュニアユースクラス出場に必要な公式デュエル勝率6割に必要な4勝を目指す為に未知夫とのデュエルだっけ? でも、霧隠料理スクールの場所知らねぇんだよなぁ……一応俺にも特別推薦枠も来てたらしいけど、あくまでも遊矢と共に特別推薦枠を辞退して通常枠での参加に拘ることに。まぁ一応、俺は今季の公式デュエルの勝率6割6分6厘でクリアしてるから、問題ないんだけどな……
ただ問題があるとすれば、ここ2年間の大会での結果は最高でベスト4止まりだからなぁ……そこが唯一の懸念、と言ったところか。
「……それにしても、こうなるんだったらあの時、優勝目指すんじゃなかった……中3の時の俺に馬鹿野郎と叫んでやりたい……」
……けど、俺は3年前に舞網CSジュニアユース優勝したからという理由でユースにしか登録できなかったのが非常に辛い……ジュニアユースで遊矢の雄姿を見たかった……あ、因みに一昨年と去年は舞網CSに参加してないよ。舞網CSの後にストロング石島と父さんのデュエルが予定されてて、あんなことがあったもんで、遊矢の事が心配だったからね……
「いや、待てよ? たしかユースクラスはジュニアとジュニアユースのスタートより少し早く開催されるし、頑張ってユースクラスのトーナメントを早く終わらせれば見れるかも……」
よし、そうと決まればどこかでデュエルをして少しでもマジェスペクターデッキの調整を済ませようか。
「……とは言ったものの、遊勝塾は衣音と勝太さんと遊輔さんがカードショップ巡り、素良とユギトはジュニアユース出場の為の6連戦、雄飛はジュニアクラスの出場条件クリアを目指して残りの3戦をしている最中だっけ……? それ以外のメンバーも総出で遊矢の応援に行っちゃってて全員不在だし、デュエルを申し込むにしても俺はかなり敬遠されてしまうし……野良デュエルなら受けてもらえるかもなぁ」
公式デュエルじゃなく野良デュエルなら、って言われること多いからなぁ……俺の今期の勝率は全て参加した大会での成績のみだ。大会なら開催者のモラルが関係するから門前払いを受けないからね。
「……とりあえず、あの公園行くか」
野良デュエルをする。そう決めた俺はある場所へと向かう。そこは奥まった場所にある公園なんだけど、結構野良デュエルを希望するデュエリストが良く来る穴場スポットだ。俺が行くと大抵誰かがデュエル待ちをしてるかデュエル中だったりするんだよな……
そんなこんなで歩いていると、目的地の公園が見えてきた。すると、誰かがベンチに座っているのが見えた。
「お、誰かいた……って、なんか落ち込んでる?」
俺がベンチに座っている人物にゆっくり近づくと……緑がかった黒髪のショートヘアーの青年が落ち込んでいる様子だった。
「それにしたって結構キツいわぁ……」
……うん、これはほっとけなさそうだ。何か辛い事でもあったのかな? とりあえず、俺は落ち込んでいるであろう相手に声をかけることにした
「どうかしました?」
顔を上げたその青年はルビーのように綺麗な赤色の瞳を持っていたんだけど……何というか、酷い顔だった。何か……絶望したような表情をしていた、うん。何があったんだろう……
「あぁ、いや、何でもないんだ。辛気臭い顔してて悪かったな」
「……何でもありますよね? もし自分で良ければ話を聞きましょうか?」
どう考えても何かなきゃそんな表情出来ないって……とりあえず、俺に出来そうなことが話を聞くだけだからな。それを提案すると、青年はポツリポツリと語り始めた
「実は…………」
コイツの話を聞いてたら、何というか……凄く同感できそうだった。
「なるほど……気が付いたらパッと見では同じ世界なのに妹さんが自分の事を覚えていなかった……と。確かにそれは堪えますね……俺も弟が居るんですけど、同じ状況になったらかなり堪えちゃいますね……ハハハッ」
いや、俺がコイツと同じ状況だったら確かに絶望感じちゃうな、うん。間違いない。あんな可愛い弟に誰かと問われるなんて……考えたくない。
「君も弟がいるのか。はは、同じ境遇の人にわかってもらえると何か救われた気分だ。おっと、自己紹介まだだったな。俺は……そうだな、真也と呼んでくれ」
「それは良かったです。あ、俺は遊牙って言います。宜しくお願いしますね」
青年……真也は苗字は伝えてくれなかったけど、とりあえず同じ兄として凄く馬が合いそうだ
「遊牙君か、こちらこそよろしく頼む……いやぁ、ウチの妹お年頃だってのに兄の事邪険にしない本当にいい子でなぁ……俺もあいつが可愛くて仕方なくって大切にしてただけに、本当に今日のあれは応えた」
…………んー、ちょっと待て。いや、女の子が可愛いのは分かる。それは非常によくわかる。それは認める、認めるが……
「…………お言葉だけど、うちの弟の方が絶対可愛いですよ。間違いなく」
それよりも遊矢の方が断然可愛いだろう? なんてったって遊矢は小さい頃から父さんと俺を目標にしてくれてるんだから。そんな遊矢より可愛い? あり得ないあり得ない。
「……聞き間違いか? 今、俺の妹より間違いなく可愛い弟がどうとか聞こえたんだが」
……あー、うん……何で当たり前のことを説明しなきゃいけないんだ。面倒だし……とりあえず自分の意見はしっかり伝えるか。
「えぇ、言いましたよ。俺の弟の方が絶対可愛いですから」
なぁ、そっちが折れてくれないか? そうじゃないとちょっとイラっとしそうなんだ。
「……遊牙君、君は見ず知らずの俺の悩みを聞いてくれたいい人だ。そんな君に育てられた弟君も、さぞいい子だろう。君とは同じ立場の者同士、友になれるとも思う。けどな、こればっかりは譲れねえよ。俺の妹より可愛いのがいるわけねえだろ」
前言撤回。真也とは馬が合わないようだ。これがいわゆる重度のシスコン、兄バカってやつか。言っとくけど、俺は兄バカは認めるがブラコンじゃないけどな?(※いいえ、貴方も十分重度のブラコン&兄バカですby作者)
「いやいや。女の子が可愛いのは分かるが、少なくともうちの弟より可愛い筈が無いでしょう」
「言いたい事は色々あるが、それはそちらも同じだろう。当然、平行線になり話はいつ終わるかもわからない。見た所君もデュエリストだろ? ならば互いの思いを、デュエルでぶつけ合おうじゃないか」
なるほど、それならば非常に平等に決着が着きそうだ。
「ハハッ……良いぜ。こっちも負けるつもりはねぇんでな。弟への想いを全力でぶつけるまでだ」
「そうこなくっちゃな! 互いの大切な者への敬意として、全力で勝負だ!」
俺と真也は互いにデュエルの意思を確認し合うと、互いにある程度距離を取り合う。そして、互いにデュエルディスクを展開する。そして、互いに改めてデュエル相手を見やり……
「「デュエル!!」」
デュエルの開始を宣言した。
(※一部高圧的ともとれる台詞になる事をお許しください……)
今回、コラボしていただき、本当にありがとうございました。
主人公がARC-Vのキャラの兄という共通点でお声がけさせていただいたとき、本当にコラボを受けていただけるなんて思っておりませんでした。心から感謝の言葉を伝えさせていただきます。
もし、またどこかで同じ話を紡ぐ場合は、このコラボの話を入れて頂いても構いません。
あなた様の今後のご健勝、ご活躍をお祈り申し上げます。
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兄たちの苦悩と意地-2
「「デュエル!!」」
先攻 Yuga LP4000 vs Shin-ya LP4000 後攻
「先攻は俺のターンだ!」
先攻を取ったのは遊牙。遊牙は手札を見ると、少し口角を上げた。
「おっと、久しぶりに使うから手札に来るか心配だったけど……早速来てくれて嬉しいぜ。フィールド魔法“マジェスティックP”を発動! そして、“マジェスペクター・クロウ”を召喚! マジェスティックPの第一の効果により、場のマジェスペクターモンスターは攻守が300アップする。」
マジェスペクター・クロウATK1000→1300
「マジェスペクター……? アニメでは見なかったな……転生者? いや、決めつけるには早いか」
真也はこの世界に【否、自分のいた世界でまず出回っているはずのないカード群】の存在に信じられない、といった表情で呟く。しかし、その呟きは遊牙にも聞こえたようで……
「……転生者、って事はアンタもか?」
「!? ……いきなり妙なことを言うな? 何を根拠に」
真也の反応に遊牙は少し困惑した表情になりつつもそう感じた理由を説明した。
「俺のデッキを見て転生者と呟くなんて……転生者だからこその発言、だろ?」
「なるほど、確かに転生者なんて普通考えつかないか」
遊牙の指摘に、何故だか分からないが納得してしまう真也であった。
「続けるぞ。クロウの召喚時効果でデッキから“マジェスペクター・サイクロン”をデッキからサーチ。そしてマジェスティックPの効果でクロウをリリース。デッキより“マジェスペクター・ラクーン”を特殊召喚!」
マジェスペクター・ラクーンATK1200→1500
「ラクーン召喚時効果。デッキから……“マジェスペクター・ユニコーン”をデッキからサーチ。そして……」
「あっ、おい待てい」
江戸っ子かよ……ってツッコミは野暮か?
「……ん? どうした?」
真也は目を丸くして遊牙の行動をに中断を求めた。遊牙は首を傾げていたが、それもその筈……
「何堂々と禁止カード使ってるんだ? リミットレギュレーションが転生前と違ってもその辺りは守るべきだろ」
何を言っているんだ? 一応、デュエルディスクはエラーを吐いていないし……問題はない。ストロング石島もそう言ってただろう。デュエルディスクがエラーを吐いていないのだからデュエルを続行せよ、ってな。
「はぁ? 何言ってんだよ。マジェスペクターカードは使用者は俺だけだし、エラーも吐いていないんだから問題はない。それにこの世界で生きる以上俺はこの世界のを順守する……って、お前んとこのレギュレーションどうなってんだ?」
「まあそこらの考え方は個人によるか。竜の渓谷が帰って来たりテラフォーミングが準制限になったり…後はエアーマンが準制限になったりだな」
竜の渓谷帰ってきたとかマジかよ……いや、それよりも何より……
「エアーマンが準制限……マジかよ……」
これ、後で勝太さんに聞いておこう。あの人もHERO使いだからな……
「驚くのはわかるがユニコーンが制限ですらないっていつのこったよ……いや、あの禁止はメタルの所為だからユニコーンの無制限期は短くないな」
真也の世界のリミットレギュレーションの違いに戸惑っているらしい……が、俺はフルフルと首を振って今現在の状況を整理しながらもターン中に行おうと思っていた行動を続ける事にした。
「……ま、色々あるが今はこのターン続けさせてもらうぞ。俺はスケール1の“オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン”とスケール7の“エキセントリック・デーモン”でペンデュラムスケールをセッティング!」
赤:オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン:スケール1
青:エキセントリック・デーモン:スケール7
遊牙の背後にペンデュラムの黄緑色の2本の光の柱が現れ、その中にオッドアイズ・ペルソナ・ドラゴンとエキセントリック・デーモンが姿を現し、光の柱の間に風の渦の様なものを纏ったペンデュラムが現れる。
「これでレベル2から6までのモンスターが召喚可能! 揺れろ、新風纏いしペンデュラム! 天空を翔ろ新風のアーク! ペンデュラム召喚! 舞い降りろ、俺の仲間達よ!」
遊牙の背後にあるペンデュラムが揺れたかと思うと、その軌跡から生まれた穴から光がペンデュラムめがけて出てきて、ペンデュラムが砕け、その破片が3か所に集まり、モンスターの形を形成していく。
「手札より現れよ、マジェスペクター・ユニコーン! “マジェスペクター・フォックス”! そしてエクストラデッキより再来せよ、マジェスペクター・クロウ!!」
マジェスペクター・ユニコーンATK2000→2300
マジェスペクター・フォックスATK1500→1800
マジェスペクター・クロウDEF1500→1800
「クロウとフォックスの効果! クロウの効果で再びマジェスペクター・サイクロンを、フォックスで“マジェスペクター・トルネード”をそれぞれサーチ。そしてカードを2枚セットしてターンエンド」
遊牙LP4000
手札1(???)
マジェスペクター・ラクーンATK1500
マジェスペクター・ユニコーンATK2300
マジェスペクター・フォックスATK1800
マジェスペクター・クロウDEF1800
伏せカード(???)
伏せカード(???)
赤:オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン:スケール1
青:エキセントリック・デーモン:スケール7
フィールド魔法:マジェスティックP
一応、このデッキで出来るそこそこ良いフィールド。転生者だと分かった以上十分に警戒する必要性もあるからな……まぁ、とりあえずこっから盤面ひっくり返されそうなデッキと言えば……属性HEROデッキか? いやいや。流石にないだろう。HEROはシリーズカード全てが超高価カードだ。あっちの世界でドンくらいの値かはしらねぇが、そう簡単に持っていても困る。
「序盤から豪華な盤面だなぁ…それじゃ、俺のターン!!」
手札5→6
「ライフを半分払い、“ヒーロー・アライブ”を発動! デッキから“E・HERO エアーマン”を特殊召喚する!」
真也LP4000→2000
E・HERO エアーマン ATK1800
うん、もうフラグビンビンだったな。回収は早かった。アライブがあるって事はほぼ属性HEROだろ、相手のデッキ……けど、一つ言えることがある。
「LP4000スタートって事もあるんだろうが……コストにライフ半分使用するってデメリット大きすぎるよな」
「全くだ。死ななけりゃ安い、なんて言うにはライフが少なすぎる」
HERO使いはアニメライフスタート。誰が言ったかは知らねぇけど、アライブの存在からよくHEROデッキの使い手は実質アニメライフと言われている。けど、アニメライフで発動したらコストが普通にひでぇ。
「続けよう、エアーマンの効果だ! デッキから“E・HERO ブレイズマン”をサーチする!そして召喚だ!」
E・HERO ブレイズマン ATK1200
サーチした対象がブレイズマンなら確定で【属性HERO】だな、間違いない。ミストだったらまだ少し悩んでたけど……
「効果で“融合”をサーチする! ここまでで何か効果の発動はあるか?」
「……んじゃ、融合のサーチ効果時にチェーン。セットカードのマジェスペクター・サイクロンを発動。コストとしてマジェスペクター・ラクーンをリリース。対象はエアーマンだ」
別に融合体に打てばいいんだけど……仮にTORNADOがいたらちょっとだけ面倒だし。だったら先に可能性を潰す。ミラフュ持ってたら話は別だが。
「いいタイミングで打ってくれるなぁ……チェーンは無い。エアーマンは破壊される」
まぁ、これをかわせって方が難しいからな。素直に通してきたのを見ると少し怖いが……
「悩みどころだな……“増援”を発動し、“E・HERO バブルマン”をサーチし、“融合”!」
来た。今のところの有力な候補としてはまずノヴァマスターかな。次点はガイア……? いや、ZEROの方が高そうか。エスクリダオ、シャイニングは出す旨みが少ないよな。TORNADOはさっき警戒しておいたからないとは思うが……まぁ、様子見って事で通すか。
「……良いぜ、通す」
さぁ、何が出てくる? 正直、どれを出されても問題はない。ノヴァマスターの場合は除去を切る必要も考えないとな。
「そうか? では効果処理だ。俺が融合するのは、場のE・HERO ブレイズマンと手札の水属性、E・HERO バブルマン!」
水属性指定っつーことは、やっぱアイツか。ブレイズマンを戻したところで手札で消費するだろうし、これはそこまで痛くはない。
「汝、無慈悲なる執行者! 全てを凍て付かせ、ゼロへと帰す絶対の力! “E・HERO アブソルートZERO”!!」
E・HERO アブソルートZERO ATK2500
「さあ、バトルフェイズだ! アブソルートZEROで、“マジェスペクター・ユニコーン”に攻撃! “瞬間氷結”!!」
別に効果で防ぐのもアリだけど、ここは通す。ダメージはとりあえず200。相手の失ったライフの10分の1だ。ここは然程問題ではない。
「……っ!」
LP4000→3800
「普通に通ったか……俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」
真也LP2000
手札2
E・HERO アブソルートZERO ATK2500
伏せカード
伏せカード
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兄たちの苦悩と意地-3
さて、ZEROがいる状況……ホント、厄介極まりないな。
「俺のターン、ドロー」
手札
1→2
逆境の宝札か。と、なれば……自分の場を開ける必要があるな。
「……ここは少々賭けに出るか。エキセントリック・デーモンのペンデュラム効果発動! このカード以外の魔法・罠カードをこのカードと共に破壊する……対象はエクストラデッキ側のセットカード!」
さぁ、これに対してどんな反応をしてくる……?
「こっちのカードか……賭けは俺の勝ちだな。対象のカードをチェーンして発動、“戦線復帰”!この効果で俺はE・HERO ブレイズマンを蘇生!」
E・HERO ブレイズマンDEF1800
あれ、フリーチェーン蘇生カードか。けど、これなら然程問題はないかな? むしろラッキーかも知れねぇ。
「おっと、その手のカードか。まぁ、対応範囲内、っと……それにチェーンするつもりはねぇから処理する。まずはブレイズマンが蘇生。そして戦線復帰とエキセントリック・デーモンが破壊……っと」
んー……となると、ブレイズマンの効果は止めれるカードは手札や伏せにはないし……だったら後でゆっくり対応すっか。
「んで、ブレイズマンの効果で融合をサーチっと。融合扱いの“置換融合”をサーチするぞ」
真也手札2→3
それに、偶然にも相手と自分のフィールドには2体のモンスター。そして除去カードは2枚。除外する対象はどちらでもいい……いや、ブレイズマンがまた墓地から甦ったら面倒だしこっちを除外するか?
「んじゃ、まずはリバースカードのマジェスペクター・トルネードをフォックスをコストに発動。対象はブレイズマンだ」
「げっ、除外かよ……通すぜ。ブレイズマンは除外される」
お、通るのか。いやな顔をしたって事は……除外復帰ギミックはほとんどなさそうだな。
「んじゃ、手札からマジェスペクター・サイクロンを残ったクロウをコストに発動。当然、対象はZEROだ」
ここを通すのはあまり旨みはないと思うが……どうだ?
「そっちは通せないな! リバースカードオープン、“マスク・チェンジ”!! 勿論対象はアブソルートZEROだ!」
うぉ、それ伏せられてたのか……あっぶなかった……
「ま、被害は一番すくねぇし……順番を間違えなくてよかった。チェーン出来るカードはないから来いよ」
「よっしゃ、いくぜ! 悪を制圧する毒よ、英雄に宿りて敵を滅せよ! 変身召喚、“M・HERO アシッド”!」
M・HERO アシッドATK2600
出たな、害悪とも言われるZEROアシッドコンボ……
「墓地へ送られたZEROの効果! チェーンしてアシッドの効果だ! お前の場のカードを、全て破壊する!」
まぁ、破壊されるのはマジェスティックPとペルソナのみ。マジェスティックPが若干痛いけど……既にエクストラデッキに置いておきたいカードはある程度ある。後はこのカードで引いたカードで決めよう。
「さて、俺の場が真っ新になった事だし、安心して使えるな。“逆境の宝札”を発動! お前の場には特殊召喚されたアシッドがいる。条件は満たされているから2枚ドロー!」
「ぎ、逆境の宝札……うっそだろお前」
手札
0→2
お、金満な壺。コイツぁラッキー! となると、戻すべきは……ピン差しのペルソナは当然として……あとは…………この2枚にするか。
「さらに『金満な壺』を発動! このターン中の特殊召喚をペンデュラム召喚のみに限定し、エクストラデッキのエキセントリックデーモン、マジェスペクター・ユニコーン、オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴンを戻して2枚ドロー!」
手札
1→3
「手札が増えてる……で、でも俺のデッキはサーチカード沢山あるし」
声震えてっぞ……ってか、こっちもサーチはそこそこ出来るかんな? っと、スケールは揃わねぇかしゃーねぇ。やれることをやるしかないな
「スケール8の“黒牙の魔術師”をセット!」
青:黒牙の魔術師:スケール8
「永続魔法“星霜のペンデュラムグラフ”を発動し……“ドラゴンフライ”を召喚!」
ドラゴンフライATK1500
「リクルーターか。それに黒牙とペンデュラムグラフ……マジェスペクターと魔術師は見たことない組み合わせだな」
そうかぁ? 同じ魔法使い族だし、アリだと思うけどな……
「さて、黒牙の魔術師のペンデュラム効果! 相手のモンスター1対を選択し、選択したモンスターの攻撃力を半分にする!」
「黒牙……ダークリベリオンみたいな効果だな。チェーンは無い」
M・HERO アシッドATK2600→1300
とりあえず、これでアシッドの攻撃力はドラゴンフライを下回ったな。
「攻撃力を半分にした後、黒牙の魔術師は破壊される。そして星霜のペンデュラムグラフの第2の効果によりデッキから竜穴の魔術師を手札に加える。バトルだ! ドラゴンフライでアシッドを攻撃!」
真也LP2000→1800
「くっ……やっべえな、がら空きだよ」
通るか……手札誘発なり攻撃力増減系速攻魔法を握ってくれてたらそこそこラッキーだったんだが……うん、このターンは片方セットするだけで終わろうか。
「俺は竜穴の魔術師を片方のスケールにセットしてターンエンド」
遊牙LP3800
手札0
ドラゴンフライATK1500
星霜のペンデュラムグラフ
赤:無し:スケール
青:竜穴の魔術師:スケール8
けどこっちは手札ナシで、相手の手札が多いからどうにもな……ってか、前にもこんなことあったな……あ、竜穴は残しておけばよかったか……?
「ふぅ、ペンデュラム召喚までされてたら負けてたぜ…俺のターン!」
手札がこれで4枚……何でもできそうな気がするんだよなぁ……
「…ふむ。“召喚僧 サモンプリースト”を召喚。こいつは自身の効果で、召喚時に守備表示になる。そしてこいつの効果で、手札の置換融合をコストに、デッキから“E・HERO シャドーミスト”を特殊召喚だ!」
召喚僧 サモンプリーストDEF1600
E・HERO シャドーミストDEF1500
あー、この流れは間違いなくダークロウだわ。でも、それを妨害する手段もねぇ……
「ま、何も出来る事ねぇからな。続けていいぞ」
「なら遠慮なく。シャドーミストの効果で、特殊召喚時にチェンジ速攻魔法をサーチする! “フォームチェンジを手札に! そして墓地の置換融合の効果で、このカードを除外してアブソルートZEROをデッキに戻し、一枚ドロー!」
真也手札 4→3→2→3→4
……ん? フォームチェンジ? セカンドとかだと思ったが……意外だな
「へぇ、フォームチェンジ、ねぇ……」
「何が出てくるかはお楽しみってな。…とは言ったものの今はどうしようも無い。カードを2枚伏せてターンエンドだ」
真也LP2000
手札2
召喚僧 サモンプリーストDEF1600
E・HERO シャドーミストDEF1500
伏せカード
伏せカード
「俺のターンだ、ドロー」
はてさて、どうしたものかな。引いたカードは……あぁ、これか。ならここは守備に回るか……結果論だけど、これ引けるんだったら今ペンデュラムをセットするべきだったかもな
「俺はドラゴンフライを守備表示に変更。カードを伏せてターンエンド」
遊牙LP3800
手札0
ドラゴンフライATK1500→DEF900
星霜のペンデュラムグラフ
伏せカード
赤:無し:スケール
青:竜穴の魔術師:スケール8
「俺のターン、ドロー! ……こりゃエクシーズ入れておくべきだったか? エアーマンを通常召喚し、効果でブレイズマンをサーチ。そしてエアーマンでドラゴンフライを攻撃だ!」
エクシーズはなし、か。良い情報を聞いた。これならまだ対処のしがいがあるし、予測だけど、伏せカードにチェンジカードはない。あるなら今ダークロウを出して除外してくるはず。ついでに攻撃してくれて助かった。
「ドラゴンフライの効果、デッキからマジェスペクター・ラクーンを特殊召喚し、デッキからマジェスペクター・クロウをサーチ!」
マジェスペクター・ラクーンATK1200
「倒さなきゃいけなかったとはいえ急ぎすぎたか…? メインフェイズ2は何もせず、ターンエンドだ」
「おっと、エンドフェイズ時にリバースカードオープン! 永続罠“連成する振動”! 竜穴の魔術師を破壊して1枚ドローする! 更に星霜のペンデュラムグラフの第2の効果、デッキから“虹彩の魔術師”をサーチ」
手札
1→2→3(クロウ・虹彩の魔術師)
「やっべぇそろそろ何とか……まだ手遅れじゃないよね? ね?……コホン。改めてターンエンドだ」
誰に聞いてるんだ? んー……引けたのはこれか。次のドローでどうするか、考えるか……
真也LP2000
手札3(ブレイズマン・???・???)
召喚僧 サモンプリーストDEF1600
E・HERO シャドーミストDEF1500
E・HERO エアーマンATK1800
伏せカード
伏せカード
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兄たちの苦悩と意地-4
さて、と……さっき引いたのは戻してたペルソナだけど……どうすっかな。引いてから考えよう。
「俺のターンドロー」
手札
3→4(クロウ・虹彩の魔術師)
ファントムが来てくれたか。このまま使っても良いんだが……
「……ここはドローに賭けよう。虹彩の魔術師をペンデュラムスケールにセットして、セット処理完了直後に再び連成する振動の効果で虹彩の魔術師を破壊しドロー。星霜のペンデュラムグラフの効果で“降竜の魔術師”をサーチ」
手札
4→3→4→5(クロウ、降竜の魔術師)
「マジェスペクターだけじゃなく魔術師としても普通に動けてるな……その構築の腕は見習いたいもんだ」
まぁ、魔術師カードはそんなに入れてないからもうデッキに無いんだけどな……っと、今のドローで引いたのがこれか。まぁ、これなら良いかな?
「魔法カード“打ち出の小槌”を発動。手札の任意の枚数を戻して戻した枚数分ドローする。俺は2枚戻す。そして2枚ドロー!」
戻すのは当然、公開情報であるクロウと降竜の魔術師。とりあえずペルソナの片割れを引きたいんだけど……
手札
4→2→4
っし! 引いたのは目的のカードじゃないけど……!
「“金満な壺”発動! エクストラデッキの黒牙の魔術師、竜穴の魔術師、虹彩の魔術師をデッキに戻して2枚ドロー!」
手札
4→3→5
よしよし。無事に引けた。それに、これも引けたなら、やるべきことは決まってるな。
「やっべ、何が出てくんのか想像もつかねえ……あのデッキ、最終的にどんな盤面になるんだ……?」
「行くぜ、スケール1のオッドアイズ・ペルソナ・ドラゴンとスケール8の“オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン”でペンデュラムスケールをセッティング!」
赤:オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン:スケール1
青:オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン:スケール8
「これでレベル2から7までのモンスターが召喚可能! 改めて揺れろ、新風纏いしペンデュラム! 天空を翔ろ新風のアーク! ペンデュラム召喚! 舞い降りろ、俺の仲間達よ!」
遊牙の背後にあるペンデュラムが揺れたかと思うと、その軌跡から生まれた穴から光がペンデュラムめがけて出てきて、ペンデュラムが砕け、その破片が4か所に集まり、モンスターの形を形成していく。
「手札より現れよ! “オッドアイズ・ファントム・ドラゴン”、マジェスペクター・ラクーン! そしてエクストラデッキより再び現れよ、マジェスペクター・クロウ、マジェスペクター・フォックス!」
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500
マジェスペクター・ラクーンATK1200
マジェスペクター・クロウDEF1800
マジェスペクター・フォックスATK1500
「ラクーン、クロウ、フォックスの順でチェーンを組み、処理する。何かあるか?」
「チェーンは無い。そのまま通すぜ」
「オーケー。それじゃあフォックスの効果でマジェスペクター・トルネード、クロウの効果でマジェスペクター・サイクロン、ラクーンの効果でユニコーンをそれぞれサーチ。そしてラクーン1体をリリースしユニコーンを再び召喚!」
マジェスペクター・ユニコーンATK2000
ラクーンは低攻撃力だし、事前に処理をしておくか。エアーマンとシャドーミストはバウンスしたところでだし……ここはこいつが対象だな。
「ユニコーンの効果。ラクーンをリリース、サモンプリーストを対象に発動」
「ぐっ……通す」
やっぱり、ここが嫌だったようだな。ペンデュラムの得意技の大量展開は一度ハマるとそうそう簡単には止められんぞ? さて、ここはマジェサイをどうするか、だけど……別に使わなくとも、良いか?
「バトル! オッドアイズ・ファントム・ドラゴンでエアーマンを攻撃! 幻視の力 アトミック・フォース!!」
「“ダメージ・ダイエット”を発動!このターン、全てのダメージを半分にする!」
真也LP2000→1650
っと……そう来たか…………だが、全員通ったら意味ないぞ? 果たして、このターンの攻撃を耐えきれるのか?
「オッドアイズ・ファントム・ドラゴンのモンスター効果発動! このモンスターが相手に戦闘ダメージを与えたとき、自分のペンデュラムゾーンにいるオッドアイズの数×1200のダメージを与える。俺のペンデュラムゾーンにいるオッドアイズモンスターは2体……よって、2400のダメージ! ダメージダイエットで半分だが……それでも1200のダメージだ!!」
真也LP1650→450
耐えられてしまったが……ここは推して参る!!
「まだまだぁ! ユニコーンでシャドーミストを攻撃!」
「シャドーミストは破壊される! シャドーミストの効果で……オネスティ・ネオスをサーチする!」
ほう、そのサーチか。少々意外だな……まぁ、良い。それはそうと……
「コイツの攻撃は止めれるのか!? フォックスで直接攻撃!」
これが止めれないようなら……あまり面白くないぞ?
「気まぐれで入れといてよかったぜ! リバースカードオープン! “ガードブロック”!!ダメージは通さねえ!!」
うーむ、流石に止められるか。この位のライフで前にひっくり返した時の試合思い出してしまうな(※プロローグ8、第1話参照)気を引き締めなければな。幸いにも除去カードは色々揃ってる。
「ま、この位止められるか……でも、ここからの逆転の可能性もあるからな……手札を全てセットして、ターンエンドだ!」
遊牙LP3800
手札0
オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500
マジェスペクター・クロウDEF1800
マジェスペクター・フォックスATK1500
マジェスペクター・ユニコーンATK2000
星霜のペンデュラムグラフ
連成する振動
伏せカード
伏せカード
伏せカード
ペンデュラムゾーン
赤:オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン:スケール1
青:オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン:スケール8
(伏せカードのうち2枚はマジェスペクター・サイクロン及びマジェスペクター・トルネード)
それにしても、次のドローで判明しているギックリ腰爺ちゃんことサモプリ、融合サーチャーのブレイズマン、攻撃力アップのオネスティ・ネオス。そして相手ターンで数えて2ターン前にサーチしていたフォーム・チェンジ。その他は前のターンで持ってた不明のカード1枚、ガード・ブロックでのドローカード、そして次のドローの計7枚。オネスティネオスは他のHEROを出されない限りは何とかなるし、ZEROは効果破壊がマジェスペクター達に効かない。ZEROアシッドをまたやられると少々面倒……
「文字通りの絶体絶命か……ここで何とかするしかねえ! 俺の、ターン!!」
真也
手札6→7(内4枚ギックリ爺・ブレイズマン・オネスティネオス・フォーム・チェンジ)
「E・HERO ブレイズマンを召喚し、最後の融合をサーチする!」
ふむ、相手の手札は7枚。そのうち判明しているHEROは2枚。ただ、オネスティ・ネオスを融合素材に使う……というのは考えにくい。だったら、俺の取れる行動は……
「手札は消費してもらうぞ! その効果にチェーンしてマジェスペクター・トルネードをフォックスをコストに発動! ブレイズマンにはデッキに戻ってもらう!」
まぁ、他にHERO手に握ってたら一応無駄にはならないが……この盤面をひっくり返すにはZEROルートしか対処できる方法がなさそうなんだよな……
「この程度で止まるもんかよ!! 融合をサーチ、発動! 融合するのはバブルマンとオネスティ・ネオスだ!!」
おや、バブルマンとオネスティ・ネオスが素材……ってことは融合先はシャイニングは出す意味がなさげだし、やっぱりZEROか? オネスティ・ネオスを素材にしたところを見ると他にHEROはいない、って感じなようだな。オネスティ・ネオスを2枚握ってるとかいう事故はもう考えないようにしておこう……
「また力を貸してもらうぞ! 汝、無慈悲なる執行者! 全てを凍てつかせゼロへと帰す絶対の力! E・HERO アブソルート・ZERO!!」
ここまでは想定内。相手は手札にチェンジカードを握ってるんだから、ここでマジェスペクター・サイクロンを打つのは愚策……
「そして俺は“マスク・チャージ”を発動! オネスティ・ネオスとマスク・チェンジを手札に戻す!!」
2重のサクリファイスエスケープ、か。ここを封じても良いんだが、2枚目とかでチェンジカードを持ってこられたら困るからな……うん。ここはこの一択だ。
「……良いぜ、通す」
バトルフェイズにチェンジを回収するカードは無かったはず。だったらば、バトルフェイズが来れば……!
「ならこれで終わらせる!バトルフェイズ!行け、ZERO!! 〈瞬間氷結〉!!」
来た……お前が終わらせるってんなら、その幻想を打ち破るために、ここで切る!
「リバースカード、オープン! マジェスペクター・サイクロン! ユニコーンをリリースし、ZEROを破壊する!」
さぁ、どう出てくる……?
「届かせる! マスク・チェンジを発動! 対象はZEROだ!!」
「……お前なら、そうすると思ったさ。そこから手札のフォーム・チェンジ、さらに手札に戻したオネスティ・ネオスで火力アップ……さらにまだ不明の手札が1枚。おそらく、その1枚が逆転のカードなんだろ?」
「読まれた所で関係ない!! これを通すしか俺の勝ち筋はねぇからな!!」
通すしか、か。だったら俺の勝ち筋はその勝ち筋を潰すこと!
「けど、ワリィな。これが俺のラストトラップ! カウンター罠“魔宮の賄賂”を発動! 相手に1枚ドローを許す代わりにマスク・チェンジを無効にする!」
「あっちゃあ…………よりによってカウンター罠かよ!! まいったなぁ……」
ほんと、金満な壺の効果で引けて良かった。あの時のドローカードがこれじゃなかったら間違いなく負けてた可能性があるな。
「俺は1枚ドロー、マスク・チェンジは不発。ZEROは破壊され、ZEROの効果でお前のモンスターは全て破壊される」
まあ、破壊されるのはオッドアイズ・ファントムだけだがな。ただ、今のドローで何か罠を引かれる可能性もあるんだよな……魔法罠除去カードは少ないからな、このデッキ……どうなる?
「…………くそっ、これはやっちまったなぁ……俺はこれでターンエンドだ」
……何もなし、か。
「ドロー!」
あ、ナイト・ショット……ま、まぁ案外何とでもなったか。
「クロウを攻撃表示に……そして、ラストバトル! クロウで直接攻撃!!」
真也LP450→0
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兄たちの苦悩と意地-5
改めましてコラボ有難うございました。
自分がメモを取り忘れていたせいでコラボ投稿が遅れた件など、誠に申し訳ございませんでした。
ですが、本当に書いているときに楽しかったです。
もし、これを見て頂けた際には無理にとは言いませんが、是非ご一報をくださいませ。改めてお礼をお伝えしたいです。
「クッソォォォォ! 負けちまったぁ!! 真澄、非力な兄を許してくれ……!!」
「遊矢……俺は勝ったぞ……! 兄としてのお前への愛情が勝ったんだぞ……!!」
俺は無事に勝てた安堵感から思わずこの場に居ない弟の遊矢へ報告をしていた……ってま、すみ……?
「「……ん?」」
ますみ……って俺の知ってる範囲だとあのLDSの融合コースの首席しか知らないんだが……
「なぁ、遊矢ってもしかして榊遊矢のことか?」
「そうだけど……真澄って光津真澄の事か?」
「あぁ! 俺は光津真澄の兄、光津真也だ! しかしなるほどな、確かに遊矢は良いやつだよな!!」
なるほど、光津真澄か。確かまだだけど……柚子にカード譲ったりしてくれる意外と良いヤツだからなぁ……
「そうだったのか、俺は榊遊矢の兄の榊遊牙。そっちこそ、確かに真澄は良いヤツだもんな……だが、可愛さで言うならやっぱり譲らないがな」
「ははは、別の世界じゃあ同じ奴でも多少性格の違いがあるだろうし、そこは気にしない事にするぜ! いつかこっちの真澄に会わせてやりたいもんだ!!」
まぁ、確かにパラレルワールドである真也の世界の光津真澄と俺の世界の光津真澄は多少なりとも違うかもしれんな。
「だな。うちの遊矢は兄である俺の事をも目標にしてくれる可愛いヤツだからな! 俺は父さんとは少し違う方向のエンタメデュエルだけど……それでも、俺の事を目標にしてくれるもんだから、頑張れるわけさ」
「やっぱ話合うなー!! わかるわかる、弟とか妹が慕ってくれることほど励みになることは無いぜ!! ウチの真澄な、普段キリッとしてるしっかりした子なんだけど偶に「兄さんのことは尊敬してる」とか可愛い事言ってくれるもんだからもう!!」
「良いよなぁ! 普段キリッとしててのそのデレは兄としてはヤバいな! こっちもさ! いっつもは笑顔を見せてくれる遊矢なんだがこの前、諸事情でチーム戦をした時の表情がキリッとしててカッコよくて良かったんだよ!! 『デュエルは喧嘩の道具じゃない! デュエルはもっと楽しいもんなんだよ! だから、俺は戦う!』って! あの時の表情はカッコよかったなぁ……!」
「なるほどなぁ!! 遊矢もカッコいいこと言えるじゃねえか!!」
「だろ! いやぁ、やっぱり兄弟って本当に良いものだ。それに聞いてくれよ! 俺が中1になった頃で遊矢が小学校3年生の頃だからもう5年も前の話なんだがよ、LDS主催のデュエル大会で優勝した時なんて部屋から出てきた時に俺の胸に飛び込んできて満面の笑みでこっちの顔を見て「兄ちゃん、優勝おめでとう!」って言ってくれた時に俺はもうこの笑顔は守らなきゃと確信したさ!」
けど、あの時……俺はアイツを守れなかった……俺は自然とあの時の事を思い出して顔を俯かせ、デュエル中からずっと絶やさないでいた笑顔をやめて呟いていた。
「……まぁ、結局3年前のあの時、俺は遊矢の笑顔を守れなかったけどな。すっかり塞ぎこんで、半年以上も遊勝塾にも顔を出さなくなってしまってなぁ……あの時は辛かった、かな」
「榊遊勝の失踪か。確かに大きな事件だ、遊矢も辛かっただろうな」
やっぱり、知ってたか。あの時の遊矢の様子は今でも思い出す……食事や風呂のためにしか部屋から出てこず、出てきてくれてもほとんど会話もできないし……正直俺も(臆病者の息子と言われるよりも遊矢と会話できないことの方が圧倒的に)キツかった。
「あぁ、『臆病者の息子』ってのがやっぱり辛かったみたいでな…………俺も言われたけど……確かにあれは中々キツかったよ。あの時は遊矢はまだ小学生だったからな、俺以上に辛かったんだと思う」
「気にすんなとは言わねえけどさ。転生者だって神様じゃないんだ、守れない物も、避けられない事もあるだろ?」
「……まぁな。けど俺は、あの事があったからこそ遊矢に二度とあんな思いはさせない。そう、思ったんだ」
「そうそう、やらかして反省したらあとは前向いてりゃいいんだよな。これからもさ」
「だな……そうだ、折角だし遊勝塾に来ないか?今は誰もいないけど、もっと色々話したいしさ」
なんか、予定があった気があするけど何だっけなぁ……
「おぉ、そいつはいいな!! 俺の方の世界にはいない奴もいるだろうし、お邪魔するゾ」
「……それに、俺もストロング石島じゃないけどプロデュエリスト相手に戦ったことあるからさ、その時のビデオもあるんだぜ…………って、アレ?」
俺が振り返ると、そこに真也の姿は既に無かった。辺りをキョロキョロと見渡してみるけど、誰かがいた形跡なんて、一切合切見当たらなかった。
「……まぁ、良いか」
俺はとりあえず頭を切り替えることにした。多分、真也は元の世界に戻れたのだろう。そう考えれば、アイツにとっても良いのだろうな。
俺はそう割り切ると、今いる公園を出ることにした。でも、何だっけ、今日の予定……
因みにこの後、家の前にLDSの迎えの車があってそれで漸く今日は色々聞かれるために零児に呼ばれていたのを思い出したのだった……勿到着してからそのことを素直に話したら零児に睨まれた。でも後悔はしていない。何せあのデュエルがとてもいいデュエルだったからだ。
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風纏いの振り子 番外編 δstory
幻想決闘録-1
自分の小説なんかよりもずっと描写が上手く、モンスターの動く描写とかが脳内再生余裕すぎて自分の内容が御粗末に感じてきてしまうほどでした!
お声がけいただいてから時間を大分待たせてしまった上にコラボ内容の執筆も自分の方が遅筆でどれほどご迷惑をおかけしてしまったか、計り知れません……本当に申し訳ありませんでした!!
それでも、無事に投稿できる内容に仕上がり、今回の投稿とさせていただきました。
また、同時更新したコラボと時間軸が同じ、という設定の下進めております(実は後付け設定なんて言えないですが)
自分の小説よりあんぷら様の方を見た方が断然良いと思いますが、自分の拙い文章でもよければ、どうぞご覧くださいませ!
今日は俺とコナミさん、そして遊輔さんの3人でデッキ改築のために色々カードショップをめぐっている。
「珍しいなぁ、遊牙がついてこねぇの……」
「今日は確かLDSに呼ばれていたらしいけど……どうしたんだろうね」
「そういえば、二人は遊牙君の知り合いらしいけど、二人から見てどんな存在だい?」
んー、そうだなー……俺はぶっちゃけデュエルスタイルが通じねーから苦手だけど……あんまこの人にスタイルを見せてないから言えねーし……
「まぁ、良いやつだよ」
「自分はやっぱり愛弟子、かな」
「愛弟子?」
あー、アイツのデュエルスタイルの大元ってコナミさんのデュエルだもんなぁ。何というか憎めないというか……楽しそうってか……
「あぁ、引っ越すまではアイツにデュエルを仕込んでたからな」
「そうなのか……あのデュエルセンスは小浪さん仕込みだったのか」
……遊牙は遊輔さんの事気をつけろ、とか言ってたけど、ぶっちゃけ原作に居なかったってだけしか思い当たらねーんだよなぁ…………
なんだかんだで色々話していると、路地裏の方に何か珍しい名前のカードショップがあったので俺は二人を呼んでそっちへ向かおうと提案してみることに。そして俺たちがそのお店に近づくと、店名がハッキリと見えてきた。
「……『カードショップ fanntazia』か」
fanntazia……確か、幻想曲って意味だっけ? 何か何処にでもありそうな建物だけど……
「ん、初めて見るな、ここ……」
「そうなんですか?」
確か遊輔さんって色々カードショップ巡ってるんだっけ。知らないとなると最近できたんだろうなぁ……
「でも、意外とこういう店の方が品ぞろえ良かったりするもんな、入ってみるか?」
「ですね、遊輔さん行きませんか?」
「……ん、そうだな」
ん? 今一瞬間があった気がしたが……まぁ、いいか。とりあえず俺たち3人はそのままお店のドアを開けて入ってみることにした。
side遊輔
「……ん?」
『カードショップ fanntazia』のドアを入るとその中……いや、そこにはまた扉があった……
「……まぁ、何と言うべきか…………」
一応、変な予感はしてたんだが……まさかこういう意味で大当たりだったとは思わなかったな……まさか、別の場所に飛ばされるとはな……
「二人は……居ないか…………仕方あるまい。進むしかないな」
一緒に来ていた二人もそうだが周囲に自分以外の人の姿がない事を確認した俺は意を決して目の前のドアを開いて進むことにした。
……にしても、やけに暑いな……? ドアの上の方に間欠泉地下センターって書いてあったし、それが影響しているのかもな……
side衣音
「……あれ?」
俺らがドアを潜ったら、そこは赤い花が道の両脇に無数に咲き誇っている一本の道だった……え、俺たちカードショップに来てたんじゃあ……?
「コナミさん、遊輔さ、ん……」
俺は他にいた二人の名前を呼ぼうとしたけど、一緒に同じドアに入ったハズの二人の姿はどこにも見えなかったし入ってきたはずのドアすらもそこにはなかった……いやいやいや、ちょっと待って!?
「え、え、二人ともどこ行ったんだよ!?」
もしかして、また別の世界に飛ばされちまったのか!? いや、でもあの時はコナミさんは一緒に飛ばされたけど、同じ場所に居れたし……どう言う事なんだ?
「……考えてても埒が明かねぇな、戻るって選択肢は……出入口が無いから当然ないよなぁ」
その場にずっといても意味がないと思った俺は仕方なく、道を進むことにした。
「っつーか、めっちゃきれいだな、この光景。写真、撮っとこ」
本当に綺麗なんだよなぁ。赤い絨毯みてーに綺麗だし、OCG次元(雄牙曰く元俺たちがいた世界の事)の都会に住んでたらまず絶対見れない光景だよなぁ……確か、この放って何て花だっけ。火花? いや、違うよな……なーんか、どっかで聞いたことあるような名前の筈だったんだけど……度忘れしたなぁ……一応スマホで花の写真だけでも撮っとこうかな。後で調べればいいや。
side勝太
「うーん……他の二人とはぐれてしまっているな……」
お店のドアを潜ったら……自分の目の前には何というか江戸時代のような建物の並ぶ街並が見える門があり、他の二人の姿はどこにもなかった。
「……まぁ、人がいるというのは非常に嬉しい。情報を集めたかったし、丁度良いな」
とりあえず門の中に入って情報を集めて二人と再会することを第一の目標に決めると早速行動に移すことにした。最初に話を聞く人は……あの男性にしようかな?
「すみません、お時間宜しいでしょうか」
「ん? どうしたんだい?」
「実は自分は知人2名と旅をしていたのですが、道中で知り合いと逸れてしまいまして……そういった類の話は聞いておりませんでしょうか?」
「ふむ……いや、生憎とそういった話題は聞いたことがないねぇ」
……まぁ、そうだよな。そんな簡単に情報が手に入ったらどこぞのRPG主人公だものな。
「そうですか、ありがとうございます……」
「……ん? きみ、デュエリストかい?」
あ、そういえばデュエルディスクを腕に装着したままだったな……あ、もしかして?
「えぇ、そうですよ」
「実は私もちょいとやっていてね。良ければ相手をしてくれないかい?」
「えぇ、良いですよ」
やっぱりそうかぁ。この前、久しぶりに純HERO(ヒーロー以外も入れてるけど)組んでたのをそのまま持ってきてたしな……折角だしこのデッキの調整度合いを調べてみるか。
「では始めましょうか」
「おうともよ」
「「デュエル!!」」
あの二人がどこにいるかも気になるけど、異世界でのデュエルも存分に楽しみたいものだな。
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幻想決闘録-2
2018/10/01
リミットレギュレーション
で進めております!
記載し忘れ申し訳ございません!
「……変わった模様だな。ここは」
燐という猫耳の少女に主を連れてくると言われて少し時間が経過しているが……不可思議な紋様に埋め尽くされた壁を見ていた。まぁ、何というか……至って普通の感想しか出てこないんだが……
「さとり様、こちらです」
そんな時、丁度タイミングよく聞こえてきた先ほどデュエルもした相手である燐という少女の声のした方を振り向くと、紫髪を肩にかからない程度に伸ばしていてカチューシャから何か紐の様なものが出ていて、その紐に瞳のようなのがくっついている球体がついている女性(?)がそこにいた。
「こんなところにいて気が狂わない?」
開幕早々そんなこと聞くのか……普通何者か訊くのが妥当じゃねーのかよ……まぁ、聞かれたからには答えねーとな。感じたそのままを。
「さぁ、どうだろうね。多少なりとも暑い、とは感じてはいるけども」
俺はさとりと呼ばれた女性(?)の問いに肩を竦めて返す。実際問題、気が狂うとかそういった感覚は一切しない。俺自身旅を色々していたからこそ、そういった類のものに耐性があるのかも知れないな。
「そうですか。お燐。後は任せて見張っておいて」
「はい。お気をつけて」
ん、わざわざ主人が残るのか。そらご苦労なこって……燐とやらは急げ急げと奥に引っ込んでいった。何があるのかと思えばロックが外れるような大きな音が響き、瞬間的な揺れを皮切りに足下が上昇を始めた。へぇ、ここエレベーター的な何かだったのか。
「七並べ、しませんか?」
今いる場所の駆動に少し心を惹かれていたらなんか唐突に聞かれたんだが……七並べ?その割にトランプらしきものはないが……予想があっているのなら…………
「七並べも面白そうだけど……俺は一応デュエリストなんでね。良ければこっちの相手をしてほしいもんだが」
俺はそう告げて自分の左腕に身に着けているデュエルディスクを構える。ここで戦った
「七並べ、楽しいんですけどね。一戦くらいならいいですよ。地上に出るまでにやりましょう」
どうやら予想は当たっていたらしく、相手もデュエリストのようだ。ならばやるべきはただひとつ。相手が構えたのを確認して俺は後攻の方が動きやすいデッキと言う事もあって先攻を譲ることにした。
「わざわざデュエルを吹っかけて先攻を取るのは流石に気が引けるんでね。先攻はお譲りしますよ」
そう言って俺は手札の確認をすると……うん、下級モンスターが一切いない手札にポーカーフェイスは貫くつもりだけど、正直辛い。せめてドローで引ければいいんだけど……まぁ、とりあえず攻撃を防ぐ手段はあるし何とかなるかな?
「それはどうも。余裕のようで」
別に余裕ってわけじゃないんだがな。実際手札キツイし……果たして、展開準備をしてくるかどうか……
「ターンエンド」
さとりLP8000
手札5
何もなし
ん、なにもせず、か……手札誘発メインのデッキか? まぁ、何はともあれ実質先攻ドローアリで俺が動ける的な感じなのは有難い……いや、俺も今のままじゃあ動けないんだがな。
「俺のターン、ドロー」
ひとまずモンスターは引けた。でも、アタッカーと言うにはコイツはかなり心許ない。でもセットして出すよりは別の方法で出したいから……ここは動かずの一手が良さそうだな。
「俺はカードを2枚伏せてターン終了だ」
遊輔LP8000
手札4
伏せカード
伏せカード
「私のターン」
さぁて、いい加減動いてくるか?
「“イービル・ソーン”を召喚」
イービル・ソーンATK100
イービル・ソーン、か。上げれる候補としてはレベル1デッキ、植物族……か。
「イービル・ソーンの効果発動。このカードをリリースすることで相手に300ポイントダメージを与え、デッキから2体のイービル・ソーンを特殊召喚する」
イービル・ソーンの効果は防ぐ手立てはないし、これは仕方ない。まぁ、余程の事が無ければこのターン中は発動しないでいいか。
「2体のイービル・ソーンで攻撃」
おっと、本当に余程の事が無かったな。ならば俺の宣言は一つ。
「発動はしない。そのまま受けよう」
遊輔LP8000→7700→7500
まだダメージは軽微だ。相手の動きを見てどんなデッキか考察させてもらうとするか……
「2体のイービル・ソーンでオーバーレイ。エクシーズ召喚。“キキナガシ風鳥”」
キキナガシ風鳥DEF0 ORU2
キキナガシ風鳥……これで相手のデッキはレベル1ベースであるのはわかったけど……何となく嫌な予感がするな。
「ターンエンド」
さとりLP8000
手札5
キキナガシ風鳥DEF0 ORU2
「俺のターン、ドロー」
レベル1デッキ、と考えるならあのモンスターが存在するはず。なら、一応無意味であろうと使用させるに限るな。丁度良さげなモンスターは引けている。
「“ファイヤー・ハンド”を召喚し、バトルフェイズだ。ファイヤー・ハンドでキキナガシ風鳥に攻撃」
ファイヤー・ハンドATK1600
「キキナガシ風鳥の効果発動。ORUを2つ使い、このターンの戦闘破壊と戦闘ダメージを0にする」
まぁ、そうするしかないよな。俺だってそうするし。多分問題はここから。次のターンが気になるな。一応対応しようと思えばできるし……
「俺はこのままターンエンド」
遊輔LP7500
手札4
ファイヤー・ハンド
伏せカード
伏せカード
問題はこの次。多分あのデッキならあのカードは入っているはず。デッキ的にも相性は悪くないはずだし、色々調整してるから多分殴り勝てるはず……だとは思う。
「私のターン」
相変わらずの暑さだが……夏の暑さより若干暑い程度。額に汗はにじむけど、まだ何とも言えない状況だ。それに今は目の前のデュエルに集中しなければデュエルをしている相手にも失礼だしな。
「儀式魔法“イリュージョンの儀式”発動。手札の“バトルフェーダー”を生け贄に、“サクリファイス”を儀式召喚する」
サクリファイスATK0
そしてやはりと言うべきか、予想していた通りのモンスターが相手の場に姿を現した。バトルフェーダーを素材に使うのは少し驚いたな。まぁ、他に素材となるモンスターがいないのかもしれない。
「サクリファイスは相手モンスターを吸収し、その力を奪う。ファイヤーハンドを装備し、攻撃力を1600に変化」
サクリファイスATK0→1600(ファイヤーハンドを装備)
攻撃力1600、か。別に受けても良いのは良いんだが……受けるのならダメージを抑えればいいか。
「ダイレクトアタックよ。サクリファイス」
さとりの指示を受けたサクリファイスの口からサクリファイスのの体と同じ程度の大きさの火球が現れる。しかし使えそうな手札はこれしかないが……まぁ、これで十分か。他に欲しいカードがあれば引けばいい。
「罠カード“始源の帝王”を発動、トラップモンスターとして守備表示で特殊召喚だ。更に特殊召喚時に“天帝従騎イデア”をコストにして効果を発動して闇属性を選択。これでこいつは闇属性のダブルコストモンスターとする」
始源の帝王DEF2400(トラップモンスター:闇属性のダブルコストモンスター)
攻撃への牽制はサクリファイス相手には到底無理だが、被ダメージ軽減は出来る。それに残す必要があるからここはダメージ覚悟で突っ込んでくるのを予測しての守備表示だ……どうする?
「〈始原の帝王〉を攻撃。モンスターを装備した〈サクリファイス〉の戦闘で発生するダメージはお互いが受ける」
さとりLP8000→7200
遊輔LP7500→6700
やはり攻撃続行か。攻撃を阻まれた火球が弾けお互いに降り注ぎお互いのライフを削る。ライフアドバンテージは先制してきた相手にある。しかし、まだこの手札ならばドロー内容にもよるが……少なくとも対応策は色々ある。
「バトルを終了して、“ミスティック・パイパー”を召喚。このカードをリリースすることでカードを1枚引き、それがレベル1モンスターだった場合はさらに1枚ドローできる。私が引いたのは“サクリボー”。これを貴方に見せてさらにドローする」
サクリボー……少し面倒なカードを手札に加えられたな……まぁ、それでも何とかなる範囲だろう。
「カードを1枚伏せてターン終了」
さとりLP8000
手札3(サクリボー)
キキナガシ風鳥DEF0
サクリファイスATK1600(ファイヤー・ハンドを装備)
伏せカード
ファイヤー・ハンド(サクリファイスに装備状態)
「俺のターン、ドロー!」
引いたカードは……お、“地帝家臣ランドローブ”か。だとしたらサクリファイスはデッキへ戻すよりも面白い除去方法があるな。でもまずはサクリファイスを護る伏せカードだと困るし……まずは伏せカード処理だな。
「始源の帝王をリリースして“冥帝エレボス”を召喚、デッキから“帝王の凍気”と“帝王の開岩”を墓地に送り伏せカードをデッキへバウンスする」
冥帝エレボスATK2800
これで後顧の憂いはなくなった。手札誘発も可能性はあるけど……ここで止まるつもりはない。
「サクリファイスを裏守備にして地帝家臣ランドローブを特殊召喚。ここで墓地にさっき送った帝王の凍気の効果を発動だ。帝王の凍気と帝王の開岩を墓地から除外して裏守備のサクリファイス破壊する」
地帝家臣ランドローブDEF1000
「大胆で小回りの効くデッキなのね。強そうだわ」
「そりゃどうも。俺は“汎神の帝王”を発動。“進撃の帝王”を墓地に送り2枚ドロー」
お、この2枚か、こりゃ丁度いい。だとしたらほしいカードはアレかな?
「汎神の帝王と進撃の帝王を墓地から除外して効果発動。そして俺はこの3枚を選択する。さぁ、どうする?」
公開したカード
●帝王の深怨
●帝王の深怨
●真帝王領域
「帝王の深怨よ」
まぁ、そう簡単に直接サーチさせてもらえるわけないよな。別に構わねぇけど
「それじゃ、帝王の深怨を手札に加えて他はデッキへっと……“天帝アイテール”を公開して帝王の深怨を発動。“真帝王領域”をサーチして、そのまま発動」
とりあえず、これでエクストラデッキは封じた……けど、他の出方に警戒するに越したことは無いな。だとすればランドローブを残す理由もない。
「伏せていた“二重召喚”を発動し、地帝家臣ランドローブをリリースし“ヴェルズ・コッペリアル”を召喚。地帝家臣ランドローブで天帝従騎イデアを墓地から回収」
コントロール奪取にはコントロール奪取。これで万が一突破されても何とかなる範囲だろう。
「バトルだ、ヴェルズ・コッペリアルでキキナガシ風鳥を攻撃して、冥帝エレボスで直接攻撃」
相手のライフが直接攻撃で大きく削れる。これである程度のライフアドは取れたはずだ。
「俺はこれでターンエンド。次はそちらのターンだ」
遊輔LP7500
手札手札2枚(天帝従騎イデア,天帝アイテール)
冥帝エレボスATK2800
ヴェルズ・コッペリアルATK2450
流石に俺の目論見はバレてはいるかな。だが、バレても問題ない。一応はこれでなんとかなるはずだ。ここからどうしてくる?
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幻想決闘録-3
「私のターン。“儀式の下準備”を発動。デッキからイリュージョンの儀式とサクリファイスを手札に。そしてイリュージョンの儀式を発動」
イリュージョンの儀式、か。まだ一応対応は可能だな。問題はどっちで来るか、だが……
「手札のサクリボーをリリース。サクリファイス儀式召喚」
再び降臨する怪物。そのウジャト眼はぐるりと相手の場を見回す。
「サクリファイスの効果発動。冥帝エレボスを対象にするわ」
なるほど、あくまでも火力で制圧を目指すか。ならあくまでも全力で応じるのみ。
「手札の天帝アイテールの効果を発動。墓地の帝王の深怨を除外し冥帝エレボスをリリース……現れよ、天帝アイテールをアドバンス召喚!」
これでサクリファイスの効果対象が不在……ここは一応こいつを出しておくか。今回はちょっとドローよりはコイツが残ればいいなという願望だけ思っておこう。
「天帝アイテールの効果発動。デッキから“帝王の烈旋”と“帝王の溶撃”を墓地に送り“天魔大帝”を特殊召喚」
サクリファイスは攻撃表示……このままターンを終わらせてくるとは思えないが……
「手札から“ミレニアム・アイズ・イリュージョニスト”の効果発動」
おっと、そういったカードを持っているのか。それはちと面倒だな……
「このカードを捨てることで、サクリファイスの効果扱いとして相手モンスターを装備する。これでアイテールの攻撃力2800はこの怪物のもの。バトルフェイズ、サクリファイスでヴェルズ・コッペリアルを攻撃」
LP6700→6350
自分のモンスターを怪物って……流石に言い過ぎじゃねーのかねぇ? まぁ、見た目的な意味では分からなくもないんだが……
「ヴェルズ・コッペリアルが相手によって墓地へ送られた時、効果発動。サクリファイスのコントロールを得る」
さて、これからどう回避するんだ……? 簡単にコントロールを渡してくるか……?
「速攻魔法“サクリファイス・フュージョン”! 手札・フィールド・墓地のモンスターからアイズ・サクリファイス融合モンスターを融合召喚する。フィールドのサクリファイスと墓地の〈バトル・フェーダー〉を除外することで、融合」
おっと、そう来るか……こりゃフィールドが全滅してしまうなぁ……
「“ミレニアム・アイズ・サクリファイス”」
ミレニアム・アイズ・サクリファイスATK0
まぁ、結果論だが……クライスでドロー変換にしても変わらなかっただろうし、その辺は気にするべきじゃないだろうな。
「メインフェイズ2。墓地のサクリファイス・フュージョンは除外することでアイズ・サクリファイス融合モンスターかサクリファイスに相手モンスターを吸収させるわ。天魔大帝をミレニアム・アイズ・サクリファイスに装備」
これで俺のフィールドはがら空きで手札もイデアとフィールド魔法の真帝王領域ののみ。対して相手は攻撃力2400のミレニアム・アイズ・サクリファイスが存在する。ライフで優っているとはいえ、怖いところだな。相手のカードの対象によっては負ける可能性がある……かな?
「ターンエンドよ」
さとりLP4400
手札2枚(ミレニアム・アイズ・イリュージョニスト)
ミレニアム・アイズ・サクリファイス攻撃力2400(天魔大帝を装備)
天魔大帝(ミレニアム・アイズ・サクリファイスに装備状態)
「俺のターン、ドロー」
……引いたのは汎神の帝王、か。そのままでは使えない、が……ここが一番の重要なタイミング。相手が何を対象にしてくるかで有利不利がハッキリする。
「天帝従騎イデアを召喚し効果を発動」
「ミレニアム・アイズ・サクリファイスの効果発動。相手がモンスター効果を発動したとき、相手のフィールド・墓地のモンスターを装備する」
っ……! やっぱり来た! でも、問題は効果対象……
「私は、墓地の冥帝エレボスを選択」
……え、イデアじゃなくて、エレボス? これはもしや……エレボスの墓地で発動する効果を忘れている? なら……!
「俺は墓地で対象になったエレボスの【1ターンに1度、自分・相手のメインフェイズに手札から帝王魔法・罠カード1枚を捨て、自分の墓地の攻撃力2400以上で守備力1000のモンスター1体を対象として発動でき、そのモンスターを手札に加える】効果を手札の汎神の帝王を墓地に送り冥帝エレボス自身を対象に発動! エレボス自身を手札に戻す事で吸収効果を回避する!」
これは完全に助けられた……これで墓地で発動する汎神の帝王のコストも既に準備が整っているし……行けるはず! ミレニアム・アイズ・イリュージョニストの効果は……チェーンで使ってくる様子はない、か。ならば突っ走るのみ!
「天帝従騎イデアの効果処理でデッキから“冥帝従騎エイドス”を特殊召喚し効果で通常召喚権増加……墓地の汎神の帝王の効果を帝王の烈旋と共に除外して発動! 次に公開するカードはこれだ!」
●帝王の深怨
●帝王の深怨
●進撃の帝王
「帝王の深怨を選択」
ふむ、迷わなかったな……まぁこうするしかないだろうからね。それに俺の場に2体が出た瞬間、勝利への道筋は確実に整っている。
「それじゃ、帝王の深怨を手札に。エレボスを公開し帝王の深怨を発動し進撃の帝王をサーチしそのまま発動する。そして、イデアとエイドスをリリース、再び来い、冥帝エレボスを召喚」
ここまで来たら、もう勝てる……進撃の帝王でエレボスは効果の対象にとられない……
「エレボスの効果をチェーン1、イデアの効果をチェーン2で発動だ。イデアの効果で除外ゾーンの汎神の帝王を手札に加え、エレボスの効果で真源の帝王と帝王の凍気を墓地に送りミレニアム・アイズ・サクリファイスをバウンス。バトルフェイズに移行しエレボスで直接攻撃」
相手のライフが1600を刻む。そしてそのままターンエンドを宣言する。これで完全にボードとライフのアドバンテージを取れた。ハンドアドバンテージは取ることは難しいけど、これだけリードをしていれば余程の事が無い限りは大丈夫だろうな。
遊輔LP7500
手札1枚(汎神の帝王)
冥帝エレボスATK2800
進撃の帝王
フィールド
真帝王領域
「“金華猫”召喚。墓地のミスティック・パイパーを特殊召喚し、リリース。ドローしたクリボールを見せてさらにドロー。ターンエンド。金華猫は手札に戻る」
さとりLP1600
手札5枚(ミレニアム・アイズ・イリュージョニスト,金華猫,クリボール)
あっという間のターンエンドだった。フィールドにモンスターこそ存在しないが手札誘発のクリボールと不明のカード……次で仕留めきれるかなんて考えれなかった。だからこそ、ドローから考えるしかない。
「俺のターン、ドロー」
ドローしたのは……帝王の烈旋。相手の場にモンスターがいない上にそもそも手札には上級以上のモンスターが存在しない。今は手札の汎神のコストにするしかないか。ドローで考えることに変わりはない。
「手札の汎神の帝王の効果発動。帝王の烈旋と共に墓地に送って2枚ドロー……!」
手札を入れ替えてドローした2枚を見て思わず口角が上がってしまう。何せ、相手の手札がどうであれ、一番なんとかなりそうな手札に変化したからだ。だからこそ、この宣言ができる。
「アンタの手札に何があるのかは知らないが……その手札によっては、このターンで決着をつけさせてもらうぞ?」
「曖昧な自信を虚勢に変えていては、いつか痛い目を見ますよ」
確かに、まだ完全な確定からの自信からではない。だが、手札を5枚のうち3枚が分かっている場面、かなりの高い確率で相手を倒せる可能性はある。
「次は私が勝てますよ。貴方に、貴方個人にどんな特効があっても。次の私はミスを犯さない」
特効? 何の事だかわからないが……まぁ、気にするほどでもないだろう。
「そうか。ならば、ターンを進めさせてもらおう。墓地の冥帝従騎エイドスの効果を発動。墓地の冥帝従騎自身を除外し、天帝従騎イデアを特殊召喚。そして、イデアの効果により“炎帝家臣ベルリネス”を特殊召喚」
俺がデッキから呼び出したのは家臣カードの中でも一番効果が微妙な家臣であるベルリネス。手札1枚をコストにして自身を特殊召喚する効果の家臣だが、他の家臣とは違って特殊召喚のために手札コストが1枚要求される。あまり手札を増やすのは得意ではないこのデッキにとって少し特殊召喚には難しいのだ。だが、その第2の効果は……他を置いてでも今のタイミングに丁度良かった。
「イデアとベルリネスをリリースし“爆炎帝テスタロス”をアドバンス召喚! テスタロス、ベルリネスの順でチェーン発動! テスタロスは手札のピーピング&ハンデスをし、モンスターを捨てた場合そのレベルに応じたバーン、炎属性のモンスターである、ベルリネスをリリースしたことにより追加効果で1000のバーンが発生させる効果を持ち、そしてベルリネスは同じく手札のピーピングを行い、相手の手札1枚を除外する効果を持つ。さぁ、見せてもらおうか……あなたの手札を、な」
多分だが、俺の表情は悪役系のあくどい笑みを浮かべているかもしれないな。まぁ、3枚以上直接攻撃を防ぐフェーダータイプのカードがあると面倒だが……どんな手札だ?
相手が公開する。そのソリッドビジョンが相手の頭上に浮かび上がる。クリボール、“パラサイト・フュージョナー”、バトル・フェーダー、金華猫、ミレニアム・アイズ・イリュージョニスト……丁度良く攻撃を防げるカードが2枚。ならば選択肢は決まったようなもの。
「それじゃ、ベルリネスの効果でバトルフェーダーを除外、テスタロスの効果でクリボールを墓地に。クリボールのレベルは1、よって200の効果ダメージ、更に追加効果1000ダメージ」
これで確か攻撃を防ぐものはないハズ……
「ラストバトル……エレボスで直接攻撃。
win 遊輔
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幻想決闘録-4
最後のエレボスの一撃でさとりは膝をついたのを見て何事もなくデュエルが終わったのを確認できたのを見て小さく息を吐く。
「私の負けよ」
さとりのその言葉が放たれた直後に大きな音と共に揺れが起きた。どこかに到着したようで辺りを見渡すと見晴らしが良いとはお世辞にも言えない、林と蒸気に閉ざされた場所であることに気付いた。辺りはかなり静かで下から聞こえる機械音以外は何も聞こえない。感じれるのは……土やお湯の匂いが別々に感じれる以外には……どこからともかく感じる視線位か。
「ここは面倒だから、早く行ったほうが良いわよ」
まぁ、確かに監視されているようなこの視線はあまり良いものではない。
「そりゃ行きたいのはやまやまだが……どっかに行っちまった連れを探さねぇといけないもんでな」
あの二人の行方も探しておきたいからこそ、そう簡単にここをアッサリ去るのはどうかと思うしなぁ……
「先日、この山に要注意人物が現れたという話を聞きました。ただでさえ危険な場所ですから、早く立ち去った方がいいですよ。連れも馬鹿ではないでしょう?」
要注意人物、ねぇ……先日ってことは少なくともあの二人ではないだろうが……
「山は下れば地上に出る。地底は昇れば地上に出る。どのみち地上を目指せばいいのよ」
捨て台詞を吐いたさとりが山を下りていく……まぁ、これ以上情報が無いのなら……また情報を探せばいい。俺も山を下りながら問いかけることにした。
「そうか、それならそうさせてもらおうか……最後に一つ、良いか? 人の出入りが多い場所を知っているか? いろいろ情報を集めたくてな」
「人間の出入りなら、人里がいいはずですよ。確か山を降りて……少し南に行けば着くと思います」
「そうか、情報感謝する……っ!」
感謝の言葉を述べて言われたとおりに道を進んでみようと思った瞬間、背後から何かが接近している、そんな気がして左に踏み込んで回避を試みる。シュッと空気を切る音が聞こえて僅かに右腕の袖が若干切れているがそんなものには気にしてられない。自分の居た方の右側を振り向くと白い長い髪……いや、毛並み、なのか? 頭に犬耳のある所を見ると動物を擬人化したようにも感じ取れる。服装は上は白色の明るい服装、下半身は裾に赤白の飾りのついた黒い袴のようなスカートを身に着けて頭には山伏風の帽子を乗せている。そして、右手に持っている剣が恐らく俺に向けられていたのだろう。そして反対の手には盾のようなものを持っているように見受けられる女性のような人物がそこにいた……しっかし、急に襲い掛かってくるとは…………
「……随分と手荒い歓迎方法だねぇ。なぁ、さとり。この山の奴は全部こんなやつなのか?」
……まぁ、コイツの紅い瞳は明らかに敵意を俺に向けているんだが……それに、なんっつーか、意思があんま見えねぇ目をしてるっていうか……まぁ、とにかく感じれたのは誰かがこいつを俺たちに差し向けた、ということくらいか……
「そうだったと思いますよ。私も許可は取っていないし」
そうだったと思う、ね。まぁ、地底(?)とこの山は管轄が違うと考えれば妥当か。
「人間が殴り合いになったら勝てないから、デュエルの方がいいわよ」
「そりゃどうも……っとと」
俺はさとりにそう返すも目の前のコイツはまた俺に剣を振りかざしてきた。ほんっと危ないったらありゃしない……俺はある程度距離を取るとデュエルディスクを構えた。
「お前、デュエルできるんだろ? ならこっちでやりあわねぇか?」
そう問いかけてみると一瞬の間はあったが、相手もデュエルディスクを構えてくれた。若干の安堵は出来たが、負けたら元も子もない。出来るだけ手早く済ませたいな……
「……悪いな、完全にデッキの回りが良すぎた。3体の帝で直接攻撃!!」
俺の後攻で始まったデュエルだったが……結果から言うと、手札が回りに回りすぎてフィールドにアイテール、剛地帝グランマーグ、怨邪帝ガイウスが揃ってしまっての後攻1ターン目1killだった。いや、俺も正直相手の【X-セイバー】が初ターン終了時点で手札にエアベルンを残してのガトムズとソウザ2体がフィールドにいる状況には正直ヤバいとは思ったけど、蓋を開けてみればデュエルは比較的アッサリと終わってしまった。相手の手札、墓地、フィールドに展開を妨害するカードが無かったことが恐らく勝因だったんだろうな。3体の攻撃で相手が吹き飛んで、そのままデュエルが終了した。
「……ん?」
相手の周りに相手のものと思われるデッキとエクストラデッキが散らばっていたからそれと纏めておこうと思って歩み寄る。一応相手は気絶しているようだったから自分への危害は及ばないはずだ。しかし、そこで俺は初めて気づいた。【相手のエクストラデッキがなぜか16枚あり、そのうちの1枚だけがエクシーズモンスターのカード】であったことだ。メインデッキ自体は纏めたときに普通だったからこそ、余計に気になった。けど、そのエクシーズカード自体は白紙のカードで唯一の手掛かりはそれがランク4のエクシーズモンスターで素材が3体必要である点だ。まぁ、大体これで何かってのは絞れるんだがな……
「……アイツはどっか行っちまったな」
さとりはどこか行ってしまったようだけど……まぁ、歩いていけばいいか。とにかく俺は人里を目指してまずは山を下りていくことにした。人がいる場所なら情報集まりそうだしな。
side衣音
「っしゃ!」
小町っていう何かすっげぇ鎌持った奴とのデュエルが今終わった。結果は勝利。初対戦相手とかだと初心者風プレイングって結構ハマるんだよなぁ。まぁ、雄牙やコナミさんはもう一切通じないから苦手なんだけど……にしても、ここ本当にどこなんだろうな……それに、あの二人も探さないといけないし……
「小町」
「げっ」
「なんですかその態度は」
項垂れてため息をついていた小町に声をかける誰かの声が聞こえてきたのでそっちを見ると緑髪に青い服と黒いスカートのようなものを身に着けている奴だった。あ、こっち見てきた……
「ん……なんでしょうか?」
別に警戒しているわけじゃねぇけど……丁寧口調で接しニコリとほほ笑む。素は出したら行けなそうな、そんな気がする。
「失礼ですが、貴方、この人はなにをしていたかわかりますか?」
うん、何となくだけど嘘がつけなそうな相手だしなぁ……面倒くせぇけどまぁ、普通に伝えるか。
「いやぁ、自分はちょっと道に迷ってしまったんですけど……丁度そっちから歩いてきたんで色々話をしてるとお互いデュエリストだと分かったんでついさっきまでデュエルをしてましたね」
まぁ、あの小町ってのが下手すぎな愛想笑いしてっけど……何かしでかしたのかな?
「そんな理由でデュエルを? いや、それより」
何か急に考え込んでしまっているけど……何考えてんだ? というか、遊戯王が浸透している場所だったら大抵デュエルは普通じゃねーのかよ……変わった場所だなぁ、ここ。
「小町。今日のところは不問に付しましょう」
「本当ですか!」
「ただし明日、時間は問いません。私のところへ来なさい」
パッと開いて~咲いた、笑顔は~消えた……ってか?替え歌だけど。いや、本当にそんな感じだった。小町ってやつの表情の変わり具合が本当にあっという間に変わったところを見ると……仕事の上司と部下で、小町が仕事サボってた……って感じか?
「私は四季映姫と申します。手早く用件を伝えますと、デュエルしていただけませんか?」
ん、コイツもデュエリストか。まぁ、断る理由もないし……
「はい、もちろん良いですよ。ただ、自分はそこまで上手くないですけどね」
苦笑いをしながらデュエルディスクを構える。もちろん、自分のデュエルタクティクスを本気でそう思っているわけではない。ただ、相性が悪い相手にはとことんうまく効かない。だからこそのいつものデュエル前の文句のようなものだ。
「弱ければ結構。私が勝つだけです」
デュエルディスクに映し出された先攻は俺、か。いつもなら嬉しいけど今回はあまりデッキの回りが良くないな……とりあえずいつものようにするか。
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幻想決闘録-5
衣音は本編の次のお話でデュエルする予定なので実質描写は2試合目にはなります!
本当はこの試合を長引かせてもよかったのですが……次の試合が伸びる自信しか無かったので短くなっちゃいました。
「俺はモンスターをセット。カードを2枚伏せてターンエンド」
衣音LP8000
手札2
???
伏せカード
伏せカード
これでターンを回してみるか……
「私のターン。モンスターをセット。カードを3枚伏せてターンエンド」
……早いな。同じタイプならあまり動きたくないんだけど、どうしたものかなぁ……
四季映姫LP8000
手札2
???
伏せカード
伏せカード
伏せカード
「俺のターン、ドロー」
一応攻めれる手札、だけど……攻めていいのか迷うんだよなぁ……いや、今回はデッキの回りがわりぃから攻めるしかねぇか!
「“BF-精鋭のゼピュロス”を召喚し、その召喚時に 手札から“カゲトカゲ”の効果発動!カゲトカゲを特殊召喚!ゼピュロスとカゲトカゲでオーバーレイ!
2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!
来い、“カチコチドラゴン”!」
カチコチドラゴンATK2100 ORU2
「カチコチドラゴン……」
……何考えてんのか知らねぇけど、単純にデッキ回り悪いだけだっつーの、こっちは……でも、伏せカードの発動がねぇならやるしかないな。
「バトル! カチコチドラゴンでセットモンスターへ攻撃!」
さて、セットモンスターはリバースだろうけど……
「破壊された“リチュア・エリアル”のリバース効果により、デッキの“リチュア・ビースト”を手札に加えます」
リチュアかぁ、あんまり相性良さそうじゃないんだよなぁ……でも、今更だし行くしかない!
「戦闘破壊をトリガーにカチコチドラゴンのモンスター効果! ORUを1つ使用して直接攻撃!」
使用するORUはゼピュロス……これでまた再利用できる可能性がある。
「珍しいカードを使いますね。綺麗に組み合わせていますが」
煽ってくるなぁ……まぁ、普段の動きじゃねーから慣れねぇんだけどなぁ。
「まぁ、普段使わねーカードですけどねぇ。俺はこのままターンエンド」
衣音LP8000
手札1
カチコチドラゴンATK2100 ORU1
伏せモンスター
伏せカード
伏せカード
くっそう、動きづらいな……いつもだったら必要なカードは2枚くらい引けるんだけど……
「成る程。私のターン」
リチュアってのは分かってるけど、水属性デッキというだけの可能性もあるにはある……か? いや、ないか。
「リチュア・ビーストを召喚」
リチュアの中でもエクシーズにも使えるさっきサーチしていたモンスター……か。召喚を止める……よりはエクシーズを狙う方が良いか?
「召喚時効果発動。墓地のリチュア・エリアルを特殊召喚します。そのまま2体のモンスターでオーバーレイ」
しっかし……デッキが回らないとやっぱりキツいな。あまり妨害が出来ない……
「“バハムート・シャーク”をエクシーズ召喚」
「リバースカードオープンの“奈落の落とし穴”でバハムート・シャークを破壊し、除外します」
これが素直に通るとは思えないけど……これしか撃てないんだよなぁ……
「伏せカード“トラップ・スタン”。このターンフィールドの罠カードの効果を無効にする」
だよなぁぁぁ……まぁ、仕方ないと割り切るしかねぇよな、うん。バハムから出てくるとしたら……やっぱアイツかな?
「バハムート・シャークの効果発動。ORUを1つ使い、エクストラデッキからランク3以下の水属性モンスターを特殊召喚する。“餅カエル”を特殊召喚」
名前の通り餅の身体を持つカエルが、咆哮に呼ばれて現れた。攻撃力は2200。このターン、バハムは攻撃できないけど、それでも充分な数値……なんだよなぁ
「バトル、餅カエルでカチコチドラゴンを攻撃」
ダメージ的には100しか受けてないけど、だいぶん大きな差になっている。それに、俺のデッキはアドを取るよりディスアドを押し付けるタイプのデッキだ。
「ターンエンド。ところで、小町はどうでした? さっきからそこで観戦している人は」
四季LP5900
手札3
バハムート・シャークATK2600 ORU1
餅カエルATK2200
伏せカード
伏せカード
小町ってのがギョッとするように目を見開き、座り込んだまま僅かに退いたのが見えた。見てわかるほどに動揺してんなぁ……うーん、まぁ嘘は言わないでおくか。
「小町さんとのデュエルでは自分のデッキがうまく回っていましたからね……少しテンションが上がってお見苦しいところ見せてしまってましたからねぇ……」
いつも言われるのは最初と性格が違い過ぎるってことだよなぁ。まぁ、どうしてもそうなっちまう癖なんだから直しようがないって言うな……ドローしたカードは……よし、とりあえず何とかかな?
「フィールド魔法“死皇帝の陵墓”を発動し、そのままライフを2000支払って……“ダーク・シムルグ”を召喚します」
ダーク・シムルグATK2700
衣音LP7900→5900
とりあえず、ダムルグがいることでトラップが伏せられないようにはなった、けどそれだけなんだよな……
「ダーク・シムルグ。成る程、そういうデッキですか。ありがとうございます。外のデュエルがどういうものか、私にも理解が及びそうです」
外のデュエルがどういうものか、ねぇ……正直、俺のロックデッキは他とはスタイルが違うからなぁ……
「はは、俺は他とは違うタイプですけどね。バトル、ダーク・シムルグで餅カエルを攻撃!」
本当はバハムを狙うべきなんだろうけど……餅の方が厄介だしなぁ。
「墓地へ送られた餅カエルの効果。リチュア・ビーストを手札に戻します」
まぁ、そうなるよなぁ。でもカードパクられる方が面倒だし……うん、しゃーねぇ。でも、手札が心許なさ過ぎる……ここは賭けに出るか。
「メイン2、セットモンスター“メタモルポット”を反転召喚し効果発動でお互い手札を全て捨てて5枚ずつドローします」
正直墓地にあっても意味のないカードだけど、少しはマシになるはず……っと一応防御札は辛うじて入手できたけど……やっぱりデッキの回りは悪いままだな……
「俺はカードを2枚セットしてターンを終えます」
衣音LP5900
手札3
ダーク・シムルグATK2700
メタモルポットATK700
伏せカード
伏せカード
伏せカード
「私のターン」
手札は渡してしまったけど……とりあえず今は何とかこれで防ぐしかないか……
「手札の“シャドウ・リチュア”を捨てることで、デッキから“リチュアの儀水鏡”を手札へ加え、発動」
正直どの儀式モンスターが来るか不明だ。だが……ビーストの存在から来るとしたら8軸のソウルオーガの除去。それが一番面倒だ。だから止めるとしたらここだろう。
「リバースカード、“神の警告”をライフを2000支払って発動。その発動は無効にします」
LP5900→3900
あとは必要なカードが本当に足りない……一応手札には“創造の代行者 ヴィーナス”と“死者蘇生”があるし、次のドローにあれがある事を賭けるしか……
「墓地の儀水鏡の効果発動。墓地の儀式モンスター、“イビリチュア・リヴァイアニマ”を手札に戻し、このカードをデッキへ」
まぁ、この辺は仕方ないか……リヴァイアニマならまだ何とかなるかもしれない……
「“リチュア・チェイン”召喚。その効果によりデッキから3枚をめくる」
チェインでめくられたカードは……“イビリチュア・ソウルオーガ”、“リチュア・アビス”、“サルベージ”……ソウルオーガが手札に加わる、か……儀式魔法があるかどうかだよな……
「この中から儀式モンスターまたは魔法カード、イビリチュア・ソウルオーガを手札に加えます。さらに手札の“サイレント・アングラー”は水属性モンスターがいる場合、特殊召喚できる」
……あ、そうだよ! 水属性HEROデッキをメインに使うコナミさんもバハム餅メインで使ってたけど、あの人もあのカード使うじゃんか……! 滅多に使わないから忘れてたけど……
「レベル4のモンスター2体でオーバーレイ。“鳥銃士カステル”」
まぁ、そりゃレベル4そろえやすいなら入ってるよなぁ!!
「鳥銃士カステルは素材を2つ取り除くことで、フィールドのカードを1枚、デッキに戻す。ダーク・シムルグをデッキへ!」
「っ……」
正直、ダムルグがバウンスされると思ってなかった……今ある伏せカードは“強欲な瓶”とブラフの“神の居城―ヴァルハラ―”……瓶で引けるけど手札誘発はオネストしかいないし、意味はない……そしてライフと相手モンスターの攻撃力を考えると……ジャストkill、か。
「……まさかそうされるとは……負けました。伏せに防ぐものが無いので、どうぞ」
とれる行動は今回の敗北を認めてデッキの構築を改めて見返す事、だな。もう少し調整できるはずだしな……でも久しぶりだな、こんな清々しい負け方。思わず笑ってしまうな……コナミさんや雄牙みたいに負けても笑うってこういう感じなのかな……まぁ、なんか違うかもしれねぇけど……
「その言葉、確かに受け取りました。鳥銃士カステルとバハムート・シャーク。攻撃!」
相手の攻撃で俺の残っていたライフはメタモルポットと共にあっという間に消え去った。
衣音LP3900→0
win 四季映姫・ヤマザナドゥ
ロックデッキってどうやって活躍させればいいんですかね?ロックで縛り続けるのって何だか上手く描写させれないと言いますか、ロックデッキを使った事が殆どないと言いますか……
ビートダウンメインで書き続けた自分からすれば永遠の難題ですよ……ほんとに。ごめんね、衣音。(エクゾはちょくちょくデッキレシピを考えてたので書きやすいんですけどね……)
あ、衣音が墓地のゼピュロス使ってないのプレミじゃないのと思ったそこの皆様。大丈夫ですよ、安心してください!
作者のただの把握漏れです。投稿する時に気付きました()
セットしてたヴァルハラを発動して手札に戻してライフ少量と引き換えに守備表示で特殊召喚、そういう脳になっていればもう少し続いてたんでしょうけど、この時の俺は何を考えてたんですかね、本当に()
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幻想決闘録-6
衝撃波と銃撃が当たった時、少しよろけそうになったけど……それでも、アクションデュエルの時ほどじゃなかったから結構耐えれた。やっぱ手札からの防御手段も入れておくべきなのかね……居れるとしたらかかしとかか?いや、アドバンスの素材にもできるフェーダーとかか?
「っあー、クッソ悔しい……デッキの回り悪すぎんだろ……っ畜生……」
さっきの小町とのデュエルで初手でぶん回せたからいけると思ったけど……全然だめだったな……
「失礼、少しお聞きしたいことが」
「ん? 何すか? ……あぁ、どっちが俺の素かっつう話だったらこっちが素っすよ?」
つい気を緩めて素がでちまったけど……まぁ、今更だしもうこっちで行くか。
「素、ですか。幻想郷では猫を被る人間は珍しい。外の世界ではありふれているということです。外の世界で忘れ去られてしまったモノを引き寄せるこの世界ならでは」
幻想郷……? 元の世界で聞いたことあるような……何かダチが言ってた気がするけど……そこまで詳しくねぇからなぁ……
「失礼しました。貴方とは関係のない話を。ところで帰り道はわかりますか?」
分かってたら迷わないと思うんだが……ってそうだ。あの二人も探さないと……
「いやぁ、分からねぇな。それに、知り合いが2人逸れてしまってなぁ。2人と会わねぇといけないんだよな」
でも、どこにいるんだろうな……全く見当つかねぇや
「条件が増えるとなると困りましたね。三人の迷子を一カ所に集めるには……」
迷子ってお前……仮にもまだ俺高校生なのにそういう言い方ねーんじゃねぇのかよ……
「小町、この人を人里まで案内してあげなさい」
ん、人里? なるほど、人に聞けばある程度分かるかもしれないよな……
「えー。あたいがですかい?」
「嫌そうな顔が露骨すぎます。私はこれからここで待ち合わせがあるのですから、仕方ないでしょう」
なんっか、ここまで露骨だと逆に清々しいなぁ……まぁ、道を案内してくれるのは正直助かる。
「まぁ、俺は人里っての場所への道分かんねぇしなぁ……」
俺がそう言いながら後ろを振り返ろうとしたとき、突然どこかから空気を切る音が聞こえてきたかと思うと何かが道の傍にある岩……2mの高さはあろうかという大きい岩に当たったような音が聞こえた。
「……何だ? 今の音……」
異世界にまた転移するわ、変な音が聞こえるわ……あんまりいい気がしないな……本当に…………
「カード?」
は? カード……? 小町ってやつの声に俺は視線を当たったような音が聞こえた岩の方に向けると、確かにそこにはなんて事のない普通のカードが岩に突き刺さっていた……うん、俺は驚かねーぞ。紙のカードが岩に突き刺さってるなんて現象に突っ込まねーぞ。
小町ってのが指で挟んで引っ張っているけども、抜ける様子は一切ない。
「小町、なにを遊んでいるのですか」
「いや、遊んでないんですよ。ちょっと四季様これ」
その声に首を傾げながらも四季と呼ばれたやつが指で挟んで引っ張ってみているがやっぱり抜ける様子はない。
「ちょっと四季様なにを遊んでいるんですか」
「遊んでいるのは貴方よ」
小町ってやつの方を四季が見ると小町は表情を崩し大袈裟に身を竦めて半歩引ている。やっぱ上司と部下の関係なのかね?
とりあえず、俺も岩に突き刺さっているカードの方へ歩み寄り指で挟んでみる。触った感じは普通のカードなんだけどな……
「……あれ?」
軽く引っ張ってみたがやけにあっさり抜けた。別に力を込めたわけじゃないし、服に付いた糸くずを取るぐらいには軽くだった。正直、大げさな表現じゃなくて本当にそれほどカードを抜くのが簡単だった。
「……二人で遊んでたのかよ?」
若干のジト目を二人に向けてみるも改めて手元に視線を戻して引き抜いたカードを見てみる。けど、絵柄は何も書いてないし、枠が黒いからエクシーズモンスターであるのはわかる。ただ、名前の欄にNo.という文字が見えるだけで他は一切不明だ。No.って言っても色々あるからな……何なんだか……
「良いお土産を貰ったみたいだね。さあ行こう。とっとと行こう」
カードを見ていると小町に急かされるがままその場を後にすることに……いや、そんな四季ってのから逃げたかったのかよ……
side勝太
何処となく江戸のような、そんな趣のある町並みで色々な町人たちとデュエルをしながら情報を集めていたが、どうにも全て空回りだ。仕方ないので話を聞いた人たちには二人と思われる人を見つけたら自分が行く方向に案内してもらうように頼んでおいた。町人たちのデュエルの腕前は……正直まちまちだった。特定のカードの面白い使い方をする人もいたが、こういうのも失礼な話だが初心者クラスの人も多々見受けられた。そして最後の人にもしあれならと勧められた場所が……
「ここ、だよな」
白塗りの壁に青っぽい瓦屋根の、開かれている木製の中々立派な門。門の上に掲げられた看板には寺子屋と書かれてある。少し敷地の中に入らせてもらい、中を窺ってみると大きめの建物、それが幾つか集まっているそれこそ寺子屋というよりも学校と言うべき程の立派さである。
「何というか……懐かしいな。高校卒業以来だから……もう4,5年以上は前の話か……」
……うん、考えるだけですごく悲しくなってきたな。考えるのは止めよう。一応ここなら敷地も広いから許可を取って一室か何処かお借りして待たせてもらえるかな……?
「おーい。お前誰だ」
声が聞こえ、そちらへ振り向くと玄関から出てきたフードを被った男が声をかけながら走ってくるのが見えた。
「すまない、ここに来る途中で知り合いと逸れてしまってな。色々話を聞いてたらここで待った方が良いんじゃないかと町の人に言われてな」
正直、確かに大きい建物があったりと分かりやすかったけど、どうなんだろうな、寺子屋(現代風でいう学校)を待ち合わせ場所に提案するっての……
「あーここには変なのがいるからな。俺は黒霧闇人。変なのじゃないぜ」
ふむ、黒霧か……自分で変なのじゃないって言うのはどうかと思うが……まぁ、名乗ってもらえたのだし、こちらも名乗らなければな。
「俺は小浪勝太。知り合いからは愛称って意味合いでコナミって呼ばれてる。早速で申し訳ないんだが……知り合いが来るまでここにいても構わないだろうか?」
まぁ、ダメでもこの周囲に居させてもらうしかないんだが……
「あー。いいんじゃないか? まあこの辺は危ない奴もいないからさ」
この辺以外には危ない奴いるのか? ……あの二人大丈夫だろうか?
「良かったら見ていかないか? 今授業やってるんだよ」
「それは良いな、ぜひ見学させてくれ」
ここがどういう世界か知るにはちょうど良いかもしれないな……そう思った俺は相手の提案に乗って授業見学をさせてもらうことにした。
「そっか。こっちだ」
黒霧の案内の元、見学のために校舎内に入る事が出来た。靴を空いている靴箱に入れ、来客用のものと思われるスリッパに履き替え、そのまま教室へ向かうであろう相手の後をついていくように廊下を歩く。シンプルながら温かみのある木造建築は別にここを出ていなくとも、どことなく懐かしさを感じた。廊下の板は所々擦り切れていて、それ年季を感じさせているのもまた理由の一つだろう。
「お前、デッキは?」
廊下を歩く最中、不意にデッキの有無を聞かれた。恐らくデュエリストかどうかを聞いているのか?そんな風な感覚を覚え頷き返す。
「持っているさ。一応デュエリストなんでね」
仕事用のカバンにデッキを仕込んで会社帰りによくカードショップに向かって子どもたちとデュエルを良くしたりしたしな。基本は常に持ち歩いている。この世界でここに来るまでに何度ものデュエルをこなしたしな。
「そうだよな。デッキを持っているとそれだけで楽しいもんな」
どことなく、黒霧の言葉がそう思いながらもそう思いきれない、そんな風に聞こえた。
「なあ、デッキって、カードってなにかな」
……あぁ、そういうことか。多分、心の中で遊戯王の存在意義が揺らいでいるのだろう。
「俺にとっては、生まれて初めて信用できる人から貰ったもので、色んな奴と絆を交わした、これまで生きてきた証みたいなものなんだ」
今まで生きてきた証みたいなもの、か。そういう答えもありなのだろう。
「多分、その質問に答えに正解はない。その人が思うその答えがその人の正解、俺はそう思うな。ありきたりな言葉だが、感じ方は人それぞれ。それに答えなんていらないしな。だから、黒霧のその想いも……間違いなく正解だ」
俺はそう言いながら自然と笑顔になっているのに自分で気づいた。俺自身がそう思っているというのもあるんだが、遊戯王の事を考えるだけで楽しいし、何より黒霧の事を安心させたいというものがあるんだろうな。
「俺はそうだな、色々あるが……やっぱり触れているだけで楽しい気分になれるものかな。デュエルはやっぱり楽しいものだからな!」
純粋にデュエルは楽しい。だからこそ、勝てれば当然楽しいが、負けたとしても悔しさと楽しさが入り混じった高揚感が感じれる。デュエルの伝道師とまではいかないが、周りに勧めた結果、会社の同僚や後輩にも遊戯王をやっている奴は多いし、先輩でも時々仕事のないときに良く誘われる程にはなったからなぁ……
「ありがとうな。そして良い答えだと思う。この平和な世界のデュエルは楽しいよ、確かに」
お、笑顔になった。良かった、相手の気分が安心している様子は見ていてうれしいからな。結構相手の感情……特に身近な人の感情ってのは移りやすいからな。怒っていれば自分もイライラするし、泣いていれば自分も悲しくなる。でも、楽しそうであれば自分も楽しくなる。俺はデュエル中の様子が心理カウンセラーとか言われることあるけど、そんな大層な事はしていない。ただ素直な笑顔を見せる。それだけでも相手が笑顔を見せてくれるからな。
「それを見込んで頼みがある。デュエルして欲しい奴がいるんだ」
教室の前に着いた時、振り返った黒霧に何かを見込まれたようだったが……デュエルしてほしい、か。
「俺でよければ、勿論デュエルするよ」
もちろん答えはYES。この世界に来てこれまでデュエルは何度もしているが、疲れなんてものはない。何度やっても楽しいと思えるからな。
「ありがとう」
黒霧のお礼の言葉がより嬉しい。そして教室に向き直ったかと思うとその教室の扉を開く。どうやらまだ授業中だったようで一斉に視線が自分や目の前の黒霧へとむけられた。
「なんだ黒霧。まだ授業中だが」
腰まで届こうかというまで長い、青のメッシュが入った銀髪の女性の言葉に黒霧は笑顔で雑に謝りながら窓際の隅っこの席にいた黒髪の少年に手招きをする。どうやら、彼が自分のデュエルの相手なのだろう。
「初めまして、俺の名前は小浪勝太。気軽にコナミって呼んでくれ。知り合いからもそう呼ばれているからな」
立ち上がってこちらに近づいてきた子に笑って自己紹介をする。懐かしいな、雄牙と会った時もこのくらいだったかな、確か。その時は俺もまだ若かったけど。
「僕は雪影剣。よろしくコナミ」
雪影剣……剣君でいいか。
「剣君ね。授業中に悪いんだけど……俺と一緒にデュエルをしてみないかい?」
ま、本当に常識的にはありえないんだけどねぇ……けど、彼のデュエルがすごく気になる。それもあってか、心なしか自分の闘争心が久しぶりに燃え上がっている気がする。楽しいデュエルはいつでも燃えるからな……
「本当! やろうやろう」
嬉し気に踵を鳴らすその様子はデュエルが大好きと言わずともわかる様子だった。しかし、女性が俺と剣の間に割って入る。
「待て、授業中だぞ」
いや、まぁ確かに授業中なのは間違いないし、申し訳ないと思っていたところで黒霧がそれを制した。
「まあまあ。こいつはどっちみちイレギュラーな短期編入だし、寺子屋の生徒よりずっと年上だ。慧音、頼む。剣は今、人生の岐路にいるんだよ」
人生の岐路、か。それに俺が関わるとは……少しばかり責任重大だな。慧音と呼ばれた女性は複雑そうな表情を浮かべいたが、教壇に戻っていく。どうやら、許された、のかな?
「わかった。ただし例の話も忘れないように」
「ああ、ありがとう」
まぁ、完全には許されてないんだろうが、笑う黒霧を見て区切りがついたのだろう。
「外でやろう。校庭、結構広いんだよ」
こうやって見ると素直にデュエルが大好きな少年、とでも言うべき様子だったんだろうが……それだけなら、俺に頼む、ということは無いハズ。もしかしたら彼に何かあるんだろう……
「あぁ、分かったよ」
まぁ、俺は俺なりのデュエルを貫くだけだな。雄牙にも教えた、笑顔のデュエルを。
さぁ、いよいよ最終戦です。主人公を相手にするのはわれらが(うちの小説での)コナミ!
因みに某お方の某コナミ'sとは一切無関係ですのでお気を付けください。(コナミvsコナミも面白いんでしょうけどね、でもあちら様はとても有名ですし、片やこちらはひっそり投稿ですから……)
遊牙(雄牙)のデュエルの師匠、異世界(の異世界)でついに初デュエル!こうご期待!!
次回、「デュエルで、笑顔を……!」お楽しみに!!
(※タイトルは変わらずナンバリングが変わるだけです)
え?本編でのコナミのデュエル描写がいつか?
……舞網チャンピオンシップでデュエルするのでお楽しみに!!(意訳:それまでにデュエルがある保証はないです)
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幻想決闘録-7
勝太vs剣君
果たして勝つのはどちらか。
こちらの話数は多いですので、一気に読みたい方はあんぷら様の方へどうぞ!
俺と剣君、黒霧の3人で校庭に到着すると、俺と剣君は一定の距離を置いて、黒霧は剣君の後ろに移動した。俺は小さく息を吸って長めに吐くとデュエルをするときのいつもの笑顔で剣君に告げた
「さぁ、デュエルを始めよう! 剣君に先攻を譲るから、遠慮なくおいで!」
最初の手札は……意外と悪くない。先攻でモンスターを展開してくるならそれを逆手にとれる手段はある。さて、どう来るかな?
「わかった!」
さて、剣君はどんなデッキかな?
「“星因子デネブ”を召喚」
星因子デネブATK1500
星因子デネブ、か。テラナイトデッキ、とみるべきかな?
「デネブが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功したことで、デッキからテラナイト、“星因子アルタイル”を手札に加える。カードを2枚伏せてターンエンド」
剣LP8000
手札3(??・??・星因士アルタイル)
星因士デネブATK1500
伏せカード
伏せカード
「それじゃ、ドロー!」
展開はしてこなかったか。ここからどうするかだけど……エアーマンが引けたからこれで様子を見てみるかな。
「俺は“E・HEROエアーマン”を攻撃表示で召喚! 第2のデッキからHEROをサーチする効果を発動!」
これでとりあえずバブルマンあたりサーチしておけばいいかな?
「カウンター罠“神聖なる因子”発動。コストとして星因子デネブをリリース。カード効果を無効にして破壊。1枚ドローする」
おっと、これは手痛いな……エアーマンで召喚権を使ってしまったし、相手のアドバンテージが増える一方だな。
「手札の“冥王竜ヴァンダルギオン”は、カウンター罠の成功と共にフィールドへ解き放たれる」
ヴァンダルギオン、か。確かモンスター無効効果は……なら、とる行動はこれかな? 俺は笑顔を絶やさず自分のディスアドバンテージを少しでも取り戻すために手札のカードを1枚墓地に送る。
「うまいね、ならヴァンダルギオンの特殊召喚時効果に手札の“増殖するG”を墓地に送って相手の特殊召喚毎に1ドローだ」
とりあえずこれで手札消費は実質0かな。通常召喚権失ったのは少し痛いけど。
「ありがとう。ヴァンダルギオンがこの方法で特殊召喚に成功したことで効果発動。無効にしたカードの種類によって効果は変わる。モンスター効果は、モンスター1体の蘇生。星因子デネブを攻撃表示で特殊召喚。“覚星輝士―セフィラビュート”を手札に」
冥王竜ヴァンダルギオンATK2800
星因子デネブATK1500
「それじゃヴァンダルギオン、デネブの特殊召喚によって2枚のドローだ」
ドローできたのは……お、良かった。これならまだ何とかできるね。
「魔法カード“ヒーローアライブ”をライフを半分支払って発動! 自分フィールド上にモンスターが存在しないからデッキからHEROを特殊召喚するよ!」
さて、どのHEROにするか、だけど……手札はこれだから……うん、全部通れば相手のモンスター全部倒せるし素直に行こうかな。
「この効果で“E・HEROシャドーミスト”を守備表示で特殊召喚だ! シャドーミストの特殊召喚に成功した時の効果でデッキから“マスク・チェンジ”を手札に加えるよ!」
E・HEROシャドーミストDEF1500
本当なら次のターンに変身させるのが理想なんだけど、折角だから強行突破しちゃおうかな。そういうのも楽しいし。
「手札の速攻魔法、マスク・チェンジを発動! シャドーミストを変身! “M・HEROダーク・ロウ”へ変身召喚!」
M・HEROダーク・ロウATK2400
うん、やっぱり変身ものは良いね、男心を擽られる。俺がHEROデッキが好きなのもこれが理由。それに、最初は十代のデッキを真似して作ってたのもあるね。今はこのM・HEROメインだけど、これまでも色んなHEROデッキを使ってきたんだ。
「強いね、コナミ。まだ数ターンしか戦ってないのに、背中が震えてきた」
強い、かぁ。今のところそう言った見方をしてるってことか……俺のとは少し違うかな?
「いいや? 俺は強くない。このデュエルが楽しいだけさ! バトル、ダーク・ロウでデネブを攻撃! 分かってると思うけどダーク・ロウの永続効果でデネブは除外ゾーンに行ってもらう!」
これでデネブは除外、再利用は難しくなったね。本当ならこのまま維持したりが良いんだろう。でも……
「これだけじゃあ、まだ楽しさは物足りない! バトルフェイズ中、速攻魔法“マスク・チェンジ・セカンド”を手札の“サイレント・アングラー”をコストに発動し、ダーク・ロウをさらに変身!」
サイレント・アングラーはエクシーズ素材としてだったり、チェンジ・セカンドのコストや対象になるからデッキに入れていた。特殊召喚しやすいのもあるし、元々のデッキが“餅カエル”入りだったことも要因の一つだ。今は全部外してエクストラデッキは一部エクシーズを除いてシンプルなHEROデッキにしてるけど。
「変身召喚! “M・HERO闇鬼”!」
M・HERO闇鬼ATK2800
さて、行くか。
「バトルフェイズ中により攻撃続行! 闇鬼でヴァンダルギオンに攻撃!」
このままだと攻撃力は同じ。相打ちだけど気まぐれで入れていたカードがここで役に立った。
「ダメージステップ時、速攻魔法“突進”を発動! 闇鬼の攻撃力を上げてヴァンダルギオンを突破!」
剣LP8000→7100→6400
うん、たまにこういう無理矢理の突破もなかなか乙なものだよな。これ以上展開できないし、ここでサーチするチェンジは当然あれだな
「闇鬼が戦闘破壊に成功した時、デッキからチェンジカードを手札に加える事が出来る。俺は“フォーム・チェンジ”を手札に加える。メイン2に移行して、カードを2枚伏せてターンエンド! さ、次は剣君のターンだよ!」
勝太LP4000
手札1
M・HERO闇鬼ATK2800
伏せカード
伏せカード
「僕のターンドロー。手札のスケール1“竜星因子―セフィラツバーン”と、スケール7覚星輝士―セフィラビュートをペンデュラムスケールにセッティング」
青:竜星因子―セフィラツバーン:スケール1
赤:覚星輝士―セフィラビュート:スケール7
ペンデュラム……さて、剣君のデッキはテラナイトかと思ったけど、どちらかというとセフィラメインの混合デッキかな? さて、どのモンスターを出してくるかな?
「光の希望と神託よ、今交差して光の翼を導け! ペンデュラム召喚! “秘竜星―セフィラシウゴ”」
秘竜星―セフィラシウゴDEF2600
セフィラシウゴ、か。そしてシウゴでサーチしたのは“セフィラの神意”、か。ここからどうなるか楽しみだな!
「魔法カードセフィラの神意。デッキからセフィラカード、“セフィラの神託”を手札に加える。さらにモンスターを伏せてターンエンド」
剣LP6400
手札2(セフィラの神託・星因士アルタイル)
秘竜星―セフィラシウゴDEF2600
???
伏せカード
青:竜星因子―セフィラツバーン:スケール1
赤:覚星輝士―セフィラビュート:スケール7
守備固めか。そして伏せカードが何か……やっぱりデュエルは楽しいな。さて、次のドローでどういけるか……
「行くよ、ドロー!」
引いたカードは……と、これなら……これより先にこっちを使うかな。
「魔法カード“戦士の生還”を発動。墓地からエアーマンを回収し、召喚! 第2の効果を選択するよ!」
E・HEROエアーマンATK1800
今度は……妨害はナシ、だね。ならサーチ先は一択だ。
「効果によりデッキから“E・HEROバブルマン”を手札に加えるよ。そしてカードを1枚セットして特殊召喚!」
E・HEROバブルマンDEF1200
「そして今伏せた“マスク・チャージ”を発動! シャドーミストとチェンジ・セカンドを回収するよ!」
これでまた変身可能。セカンドにしたのはシャドー・ミストを使うためだね。
「バトル! 闇鬼でセフィラシウゴを、エアーマンでセットモンスターをそれぞれ攻撃!!」
闇鬼の効果は使えないけど、別に問題はないかな。チェンジカードは今はそこまで欲しいわけじゃないからな。
「“精霊獣使いウィンダ”の守備力は1800。互角だよ」
っと、それが伏せられてたか。攻撃力1800だから戦闘破壊出来るかと思ってたが……やっぱり、これだからデュエルは何が起こるか分からないから楽しいんだよな!
「破壊されたセフィラシウゴの効果。デッキからセフィラの神意を手札に加える」
勿論、ここで手を緩めることはしない。何故なら全力でぶつかってこそ、楽しいから!
「マスク・チェンジ・セカンドをシャドーミストを墓地に送り発動! エアーマンを変身! “M・HEROカミカゼ”に変身召喚! コストで墓地に送ったシャドーミストの効果で2枚目のバブルマンを手札に加えておくよ」
M・HEROカミカゼATK2700
当然、バトルフェイズ中だからこそ攻撃は可能。
「カミカゼでウィンダに攻撃!」
「破壊されたウィンダの効果発動! デッキ・エクストラデッキの霊獣を特殊召喚できる」
まぁ、ここでの効果発動は当然だろうね。さて、何を出してくるかな?
「エクストラデッキの“精霊獣騎ガイアペライオ”を特殊召喚」
精霊獣騎ガイアペライオATK3200
ここでこれか……やっぱ、面白いデッキを持っているな。こっちも楽しさで負けられないな。
「カミカゼの効果で1枚ドロー!」
おっと、モンスター……通常召喚権は使ってしまってるからもうこのターンは動けないな。
「このままターンエンド!」
勝太LP4000
手札2(内1枚E・HEROバブルマン)
M・HERO闇鬼ATK2800
M・HEROカミカゼATK2700
E・HEROバブルマンDEF1200
伏せカード
伏せカード
「僕のターン!」
さて、カミカゼで攻撃制限は出来ているけど、セフィラが相手だとそううまくはいかないかなぁ? さぁ、どう来る?
「フィールド魔法セフィラの神託、通常魔法セフィラの神意発動。デッキから竜星因子―セフィラツバーンと“剣聖の影霊衣―セフィラセイバー”を手札に加える」
神託の発動時効果でツバーン、神意の効果でセイバーをそれぞれ手札補充……ペンデュラムスケールは破壊してないから十分……来るかな?
「カードを1枚セットし、ペンデュラム召喚! エクストラデッキから秘竜星―セフィラシウゴ。手札から竜星因子―セフィラツバーンと剣聖の影霊衣―セフィラセイバー」
秘竜星―セフィラシウゴDEF2600
竜星因子―セフィラツバーンDEF2100
剣聖の影霊衣―セフィラセイバーATK1500
サーチした2体とさっきのターンに破壊したモンスター……やっぱり破壊するのはあまり正解とは言えないよなぁ。これがペンデュラムモンスターの特徴とは言え致し方なし。
「ペンデュラム召喚に成功したことでセフィラツバーンとセフィラシウゴの効果発動」
ツバーンの効果対象は……っと、ツバーンから放たれた光がセイバーとカミカゼに来たか。
「僕の剣聖の影霊衣―セフィラセイバーと君のM・HEROカミカゼを対象に、破壊。さらにデッキからセフィラの星戦を手札に加える」
まぁ、防げないことは無いけどこれを容易く通すのも癪だし……かといってペンデュラムモンスターが多いしあんまり破壊させたくないし……ここは仕方ない。意味は薄いけどガイアペライオが火力的な意味で面倒だし……こっちにするか。
「ちょいと待った。その効果に対してリバースカードオープン、“狡猾な落とし穴”をガイアペライオとセフィラセイバーを対象に発動。その2体は破壊させてもらうよ。ガイアペライオには耐性効果あるけど……今は制約で使えないからね、悪いけど破壊させてもらうよ」
相手から特に反撃があるわけでもなく、ガイアペライオやセイバーが落とし穴に落ち、そして自陣のカミカゼが破壊された。
「ターンエンドだ」
どことなく、悔しそうな、それでも抗おうとするその視線にデュエルへの勝敗に対する強い思いがどこか見える気がしたのは多分気のせいじゃないだろう……
剣LP6400
手札2(セフィラの星戦・星因士アルタイル)
秘竜星―セフィラシウゴDEF2600
竜星因士―セフィラツバーンDEF2100
伏せカード
伏せカード
フィールド魔法
セフィラの神託
青:竜星因士―セフィラツバーン:スケール1
赤:覚星輝士―セフィラビュート:スケール7
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幻想決闘録-8
ですので、幻想決闘録-7からお読みくださいませ。
「俺のターン、ドロー!」
相手の手札に星戦が残ったまま……いつでも除去が飛ばせるぞという圧力……でも、そんな圧力にも俺は楽しさを感じて笑顔になってしまう。でも、相手の目はどこか勝利を狙いに行く、そんな風に感じ取れたのは多分気のせいじゃない。それでも俺は、このデュエルの楽しさをとことん追い求める。だからこそ、さっき引いたモンスターカードを召喚する。
「“召喚僧サモンプリースト”を召喚! 召喚時コイツは守備表示になる!」
本当なら魔法カードを使って色々するべきなんだろうが、コストにするには惜しい。だからここはそのままフィールドに残っているモンスターと共に素材に使用する。
「サモンプリーストとバブルマンでオーバーレイ!
2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!
空虚を撃ち抜け、“鳥銃士カステル”!」
鳥銃士カステルATK2000
ここで星戦は打ってこず、か。ならやれるだけやろう!
「カステルのエクシーズ素材を2つ使用しペンデュラムゾーンにセッティングされているセフィラツバーンを対象に発動!! ツバーンをデッキに戻すよ!」
青:竜星因士―セフィラツバーン:スケール1
↓
青:なし
ここでも使用してこずスケール1は消えた。とりあえず7を削るよりはいいかと思ったけど……どうだろうね。
「やっぱりやるね。虚を突かれたよ」
剣君の口元が緩んでくるのが見えた。楽しさを感じているんだろうけど、それ以上に楽しんでるのは俺だからね?
「ふふ、まだまだ楽しむからね? バトルフェイズ!」
うーん、攻撃できるのは闇鬼だけなんだよなぁ、カステルは守備表示の方が良かったかな? まぁ、今更かな。んで、攻撃をするにしてもペンデュラムモンスターを攻撃するのは少し気が引ける。だからこそ、闇鬼の効果が光る。
「闇鬼は直接攻撃が可能だ。その代わり、ダメージは半分になるけどね。闇鬼で直接攻撃!」
剣LP6400→5000
これでライフ差はまた縮まった。と言っても俺のライフはアライブのコストとして自分で削ったものだけ。結構このデッキはライフコストを必要とするカードが多いから少し悩みどころだけどね。
「俺はカードを1枚伏せてバブルマンを特殊召喚してターンエンド」
勝太LP4000
手札0
M・HERO闇鬼ATK2800
鳥銃士カステルATK2000
E・HEROバブルマンDEF1200
伏せカード
伏せカード
「ドロー。星因子デネブ召喚。その効果でデッキから竜星因子―セフィラツバーンを手札に」
うーん、すぐ回収されたか……そういうのないと踏んだんだが……
「デネブとセフィラツバーンでオーバーレイ!
“煉獄の騎士ヴァトライムス”エクシーズ召喚!」
煉獄の騎士ヴァトライムスATK2600 ORU2
ヴァトライムス……止める事は出来るけど……ここはまだいいかな。今は闇属性になってるからあれだけど
「セフィラの神託のエクシーズ効果によって、1枚ドローして手札の“クリアクリボー”を捨てる。さらに手札とORU1つを使い、煉獄の騎士ヴァトライムスの効果発動」
やっぱり来た。ここで来るとしたらトライヴェール辺りかな。それだけは避けておきたい。きっと展開できる手段があるはず。
「このモンスターにエクストラデッキのテラナイトエクシーズモンスターを重ね、エクシーズ召喚扱いで特殊召喚する」
こんな楽しいデュエルをこれで終わらせるなんて、そんなことはさせない。もっと、もっと楽しもう、このデュエル!
「リバースカードオープン、カウンター罠発動。ライフを1500支払い、“神の通告”! 効果を無効にして破壊!」
天空から落ちた雷によりヴァトライムスの効果は無効化しその場から姿を消した。さぁ、まだまだこのデュエル、楽しもうぜ、剣君!!
「ペンデュラムゾーンに竜星因子―セフィラツバーンをセッティング! ペンデュラムゾーンに2枚のセフィラが揃っていることで、罠、セフィラの星戦を手札から発動。僕のセフィラシウゴと君の闇鬼を破壊する」
青:竜星因士―セフィラツバーン:スケール1
まぁ、そう来るよなぁ! ここは仕方ない。使わされた形だけど、使うしかないかな。
「リバースカード、オープン! “フォーム・チェンジ”で闇鬼を変身!」
残念ながらカミカゼはすでに既に使い切ってるし、ダイアンは違うはず……光牙はエクストラデッキにいない……ここはこれしかない……!
「変身召喚! M・HEROアシッド!」
M・HEROアシッドATK2600
これでシウゴのみが破壊される。それだけじゃない……
「アシッドの効果! 相手の場の魔法・罠カードを破壊する!」
墓地リソースと伏せカードを除去。これだけでも十分だけど、どうなるかな?
「来たっ!」
どうやら、アシッドを待たれていたようだけど……効果は止められない……!
「墓地のセフィラの神意を除外することで、セフィラは破壊を無効にする」
これは仕方ない。でも、墓地リソースを削るだけでも十分の働きだ。
「破壊された2枚の“運命の発掘”は、墓地の運命の発掘の数1枚につき1枚ドローする。その効果により、合計4枚ドロー。そしてセフィラシウゴが破壊されたことで最後のセフィラの神意をサーチ。発動して“宝竜星―セフィラフウシ”をサーチ」
正直これはしてやられた……やっぱりデュエルはこういう不確定要素があるからこそ楽しいってもんだ!
「いくよ、ペンデュラム召喚! 手札の“イェシャドール―セフィラナーガ”と宝竜星―セフィラフウシ、エクストラデッキから秘竜星―セフィラシウゴと剣聖の影霊衣―セフィラセイバー!」
拳を突き出した剣君のペンデュラム召喚によりフィールドが埋まる……それにフウシの効果は……!
「ペンデュラム召喚されたセフィラフウシの効果でセフィラセイバーにチューナーを与える。秘竜星―セフィラフウシとイェシャドール―セフィラナーガに、剣聖の影霊衣―セフィラセイバーをチューニング! シンクロ召喚! 溶けない氷の覇者、“氷結界の龍トリシューラ”!」
やっぱりシンクロ召喚……そして出てきたのがトリシューラ……手札こそ被害はないけども……
「トリシューラの効果発動。シンクロ召喚されたとき、相手の手札・フィールド・墓地のカードを1枚ずつ除外する。くらえっ!」
アシッドと墓地のシャドー・ミストが除外される。複数枚入れているアシッドはともかく、シャドー・ミストは痛いな。色々詰め込む過程で1枚だけにしてたから痛い……
「墓地の冥王竜ヴァンダルギオンと星因士アルタイルを除外して“混沌帝龍―終焉の使者”を特殊召喚。バトルフェイズだ。混沌帝龍でカステルを、トリシューラでバブルマンを攻撃」
たった1000のダメージだけど、元々ライフコストで5500も使っていたからそれだけで残りライフが1500を刻む。5000まで削ったけど結局3倍以上に広がってしまった。
「手札を2枚伏せてターンエンド。僕だって、まだまだ負けないよ」
剣LP5000
手札0
混沌帝龍―終焉の使者ATK3000
秘竜星―セフィラシウゴDEF2600
氷結界の龍トリシューラATK2700
伏せカード
伏せカード
フィールド魔法
セフィラの神託
竜星因士―セフィラツバーン:スケール1
覚星輝士―セフィラビュート:スケール7
「っははは! やっぱデュエルは楽しいな!」
ターンエンドの声を聴くと、思わず笑ってしまう。おっと、何やら怪訝そうに見られてしまった。黒霧にまで……いけないいけない、俺のデュエルを初めて見る人にはいつも不思議な表情をされるんだよな。でも、俺のデュエルへの楽しさは俺の笑顔の源だ。
「いやぁ、そうだろう?そっちの場には攻撃力3000の混沌帝龍、攻撃力2700のトリシューラ、スケールも1~7としっかり残っていて守備力2600のセフィラシウゴもいれば伏せカードで防御も安全だ。対して俺は手札もフィールドも0のまっさら、墓地発動もない……ライフ差も5000と1500と俺は一撃で吹き飛ぶライフ……これほど楽しく、心揺さぶられる状況……そうそうないだろう?」
「9枚」
9枚、か。そう考えるのもありだね、でも俺が狙っているのはたった1種類のカード。勿論、それが引けるとは限らないし、引けない可能性の方が高い。でも、その方が燃えるし、何より楽しい。
「来るの? ううん、君なら引ける」
こんなに楽しいデュエルを終わらせるわけにはいかない。だからこそ、俺はこの一番上のカードを引く。それが、俺の考えているカードであると信じているからこそ。
「さぁ、楽しいデュエルはこれからも続く!! ドロー!」
引いたカードを確認すると……自分が考えていた中で最良のカードが引けた。それに今までより一層笑顔になれる。
「手札がこのカードのみの場合、特殊召喚できる。来てくれ、“E・HEROバブルマン”!!」
E・HEROバブルマンDEF1200
手札とフィールドが何もない、その状況はコイツが一番輝く最高の環境!
「コイツ以外に手札とフィールドに何も存在しないとき、デッキからカードを2枚ドローする!」
新たに手札に加わった2枚を確認してみると罠カードと魔法カード。それらはどちらもこの場に相応しいものだった。まだ、この楽しいデュエルを終わらせてはならない。だからこそ、戦いは続く。
「魔法カード、“貪欲な壺”を墓地のカミカゼ、ダーク・ロウ、カステル、エアーマン、バブルマンを対象に発動! これらをデッキ、エクストラデッキに戻して2枚ドローする!」
墓地の必要なカードを選択して戻し、シャッフル。そして新しく引いたカードはモンスターカードとこのデッキになくてはならない速攻魔法カード。より一層最高の引きに俺の楽しむ気持ちはMAXを通り越して常に高ぶっている状態だ。
「2枚目のマスク・チェンジを発動し、バブルマンを変身!」
このデッキには上限まで積んでいるまだ仕事はあるぞ!
「M・HEROアシッドに変身召喚!」
M・HEROアシッドATK2600
まず気にするべきは伏せカード。それをどうにかしない限りはこちらも考えが浮かばない。だからこそ……
「伏せカード、破壊させてもらうよ! アシッドの効果発動!!」
さぁ、剣君はどう来る!
「カウンター罠“セフィラの神撃”。エクストラデッキのイェシャドール―セフィラナーガを除外して、カード効果を無効にする」
そう無効にしてくるか。やっぱり面白いな!
「E・HERO エアーマンを召喚! エアーマンの第2のサーチ効果を宣言」
E・HERO エアーマンATK1800
でも、こっちに使われなくてよかったな。今回はバブルマンよりもこっちの方が良さそうだ。
「<E・HERO オネスティ・ネオス>をサーチ。手札を1枚伏せてターンを終了」
勝太LP1500
手札1(E・HERO オネスティ・ネオス)
E・HERO エアーマンATK1800
伏せカード
シンプルな最低限の防御手段。それでも、十二分に楽しめる。さぁ、どう来る……?
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幻想決闘録-9
デュエルカウンセリング回を遊戯王小説の定番にしたい今日この頃(真顔)
「僕のターン。剣聖の影霊衣―セフィラセイバーをペンデュラム召喚」
セフィラセイバー……通常召喚に何を使用するか、かな。
「“EMプラスタートル”召喚。プラスタートルはモンスターを2体まで選択して、そのレベルを1つ上げる。プラスタートルとセフィラセイバーをレベルアップ」
レベル5……この状況だとヴォルカの直火焼きか……火力での突破をしてくるなら……
「レベル5となった2体のモンスターでオーバーレイ! 溶け落ちた氷雪よ。浄化の光に晒されて、聖なる水流となれ! エクシーズ召喚! 現れて、“No.73激瀧神アビス・スプラッシュ”!」
No.73激瀧神アビス・スプラッシュATK2400
火力のごり押しのアビス……でも、召喚してきたところが狙い時。そこを撃ち抜く!
「エクシーズ召喚成功時、リバースカードオープン! “強制脱出装置”! 悪いけどアビス・スプラッシュにはお帰り頂くよ?」
召喚権もペンデュラム召喚もこのターンに使用済み。そして伏せカードがこれを返してくるカウンターじゃなければ……
「くぅぅ、ターンエンド」
剣LP5000
手札0
混沌帝龍―終焉の使者ATK3000
秘竜星―セフィラシウゴDEF2600
氷結界の龍トリシューラATK2700
伏せカード
伏せカード
フィールド魔法
セフィラの神託
竜星因士―セフィラツバーン:スケール1
覚星輝士―セフィラビュート:スケール7
そのままターンが来る。でも、剣君はどこか悔しそうな様子だ。デュエルはそんな気持ちでやるものじゃないだろう……?
「剣君、君はデュエルをどう思っている?」
俺は君が心の底から楽しめてるとは、思えない……
「楽しいよ。楽しくないはずない。だって僕は」
じゃあ、なんでそんなに悲しそうな声になってるの?
「楽しいに決まってるよ」
そんな声で、そう言い聞かせてるようじゃあ……
「本当に楽しいなら、≪楽しいに決まってる≫なんて言葉ですまないよ。それに、心からそう思えるなら、もっと、俺の心を……俺のデュエルを楽しむ心を燃え上がらせてくれるはずだ! 君になら、絶対にできる!」
根拠なんてどこにもない。それでも、気持ちは色んな人に伝播する。君の不安な気持ちが……本当に楽しめてるのか疑問に思う心の声が聞こえる。だったら、俺がもっと楽しいという気持ちを伝えるべきだな。
「俺はどんなデュエルも楽しい! たとえ絶望的なアドバンテージの差があっても!」
たった一枚でそれをひっくり返せるかもしれない。
「自分の行動がとことん遮られても!」
次にどんな手で突破しようか考えれる。
「突拍子のない展開で負けたとしても!」
次には負けないようにデッキを見直して次のデュエルに生かせる。
「偶然出来たコンボを試合中に決めれたら!」
次はそれを狙ってできるように工夫できる。
「俺は色々な可能性を考えると楽しくて楽しくて仕方ないんだ! デュエルは可能性が未知数だ。俺はそんな未知数のデュエルが大好きで、どんな展開が来ても楽しめる。君はどうだい?」
俺は剣君に問いかける。君も最初は本当に楽しかったんじゃないかい? 何があって、君がそうなったのかは……そこまでは俺も知らない。でも、楽しさを、思い出してほしい。負けても楽しい、そう思える心を……!
「僕はどうして楽しいのかなんて考えたことないよ」
そう、俺も最初はそうだった。ただ楽しいからデュエルをしていた。それだけだ。
「みんなと巡り会えたのがデュエルで、たった1つだけあったのがデュエルで、僕は、僕は失いたくない」
俺もみんなとより繋がれるための手段がまずデュエル……遊戯王だった。
「僕は、楽しいからデュエルが好きなんじゃない。デュエルが楽しくて好きなんだ。それに」
その続きこそが、彼の本心のはず。それなのにその続きが来ない。何かが彼の心を縛っている、そんな気がした。
「ねえ、もしデュエルが楽しくなくなったら、それでも君は続けるの?」
もしもデュエルが楽しくなくなったら、か……
「そうだな、続ける続けない。そんな答えは俺にはない」
そう、もしもデュエルが楽しくなくなったら、俺の答えは一つ。そして、それは皆にも聞かれたときに答えている。
「もしもデュエルが楽しくなくなったら、また心から楽しめるように色々試すんだ。別のデッキがあるならデッキを切り替える、今まで組んだことのないデッキを組んでみる。今まで使ったことのないデッキを知り合いから借りて、それでデュエルをしてみる……そうしてまた、デュエルが楽しい、そう思えるための手段を試すかな」
勿論、俺自身もそうだ。楽しいからデュエルが好き、ではなくてデュエルが楽しいから楽しくて仕方ないから好き。
「これが俺の答え。デュエルが楽しいから大好きだし、もし仮にデュエルが楽しくなくなったとしてもまた楽しくなれるように頑張る。大好きだから、また楽しくなれるように頑張れるんだ。俺にとってデュエルは人生のうちの1つでもあるから、代わりになれるものなんてないからね」
楽しいから皆に勧めれるし、みんなも楽しいから続けてくれる。俺の楽しいって思いが剣君にもしっかり伝われば良いんだけど。
「そっか」
どうやら、俺の思いは届いたようだ。
「ありがとう、コナミ。よく、わかったよ」
その言葉だけで俺のデュエルを楽しむ思いはより一層高まっていく。
「僕はデュエルと共にいる。だから、絶対に手放さない! 楽しいんだから!」
あぁ、そうだよ。その最高の笑顔。それこそ俺のデュエルの原点でもあり、みんなにデュエルを教えるときに見ることを心掛けている表情だ。
「さて、行くよ。俺のターン! ドロー!」
本当に楽しい。ドローをするのがこれほどに楽しみになったのはいつ以来だ……雄牙にデュエルを教えたとき以来、かな。何だか、昔の遊戯王を覚えている途中の雄牙とデュエルをしているみたいだ。その時も常に全力で相手をして、全力出し過ぎって笑って怒られたっけ。
「“魔力の泉”を発動! デッキから相手の場の表側の魔法・罠カードの分だけドローし、自分の場の表側の魔法・罠カードの分だけ手札を捨てる!」
剣君の場には揃っているスケールとフィールド魔法の3枚、俺の場には発動処理中の魔力の泉。
「デッキからカードを3枚ドローして1枚捨てるよ」
引いたのは魔法カードと同一罠カード2枚……正直引きは良くない。それでも、どれを捨てるか考えるだけで楽しい。と言ってもほぼ決まってるけどね。俺はダブった罠カードを手札から捨てて魔法カードを発動した。
「“平行世界融合”を発動! 除外されているアシッドとシャドーミストをデッキ及びエクストラデッキに戻し融合!」
実は除外に能動的に送るカードはデッキにないけど除外ゾーンに送られたときのためにピンで刺していた。それが引けるなんてやっぱり面白い!
「融合召喚! 来てくれ! 絶対零度のHERO“E・HERO アブソルートZero”!」
E・HERO アブソルートZero ATK2500
Zeroはこのデッキで唯一の属性融合HERO。アシッドとの相性がいいから採用している。今回はその出番はないけどね。
「Zeroは自分以外に場に水属性モンスターがいるとその数×500攻撃力が上がる」
俺の場にはエアーマンしかいない。でも、剣君の場にいるトリシューラが水属性。だからこそ、攻撃力は上がる。
E・HERO アブソルートZero ATK2500→3000
「バトルだ! アブソルートZeroで混沌帝龍へ攻撃!」
勿論、他を攻撃する手段もある。でも、それは混沌帝龍の効果を発動させることになりかねない。ライフの少ない今はそのバーンダメージすらも気を付けないといけない。だからこそのこの自爆特攻。これで一気にとまではいかないが、それでも確実にこれまで奪われていたアドバンテージを取り戻しに行く!
「Zeroの場から離れたときの効果発動! 相手の場のモンスターをすべて破壊!!」
Zeroの効果も無事に通って相手の場のモンスターがすべて破壊される……よし、これでエアーマンの直接攻撃が通せる!!
「破壊された〈セフィラシウゴ〉の効果。〈セフィラの神託〉を手札に。やっぱりやるね。こっちのモンスターをすり抜けてくる」
手札の内容的にも凄くギリギリの攻防。でも、これがやっぱり楽しい!
「俺も結構ギリギリだからな。だが、こういうのも楽しくて仕方ないんだよ。エアーマンで直接攻撃!」
剣LP5000→3200
ようやくだ。漸くライフ差をある程度縮めれる事が出来た。ここからどんな展開になるのか……それが楽しみだ。
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド!」
勝太LP1500
手札1(E・HERO オネスティ・ネオス)
E・HERO エアーマンATK1800
伏せカード
「僕のターンドロー。〈秘竜星―セフィラシウゴ〉をペンデュラム召喚。〈セフィラの星戦〉を手札に」
こればかりは仕方ない。でも、守備表示ならまだ何も問題はない。
「発動済みのセフィラの神託の代わりに、別のセフィラの神託を発動。新たに加わった覚星輝士―セフィラビュートをこのまま召喚。効果発動、ペンデュラムゾーンのセフィラビュートと伏せカードを破壊」
と言っても俺自身が発動した魔力の泉の効果で破壊されるのは俺の伏せカードだけ……本来なら圧倒的なデメリット。でも、それが今回ばかりはデメリットばかりではなかった。
「破壊された運命の発掘の効果発動だ。墓地にある同名カードの数だけドローする。俺の墓地には2枚ある。だから2枚ドローだ!」
そう、見てわかる通りさっき魔力の泉で墓地に送ったのも、伏せカードも運命の発掘だ。そのおかげもあって手札は3枚。バレているオネスティ・ネオスを含めずとも2枚の不明カードが剣君からしたら増えることになる。さぁ、ここからどうする? どんな風に動いてくる? もっとこのデュエルを楽しもうよ!
「ならこっちはセフィラの星戦発動。僕の覚星輝士―セフィラビュートと君のE・HEROエアーマンを破壊する」
残念ながらあれを防ぐ手立ては手札にない。エアーマン、すまない。今は墓地にいてくれ
「さらに“金満な壺”。墓地の剣聖の影霊衣―セフィラセイバーと竜星因子―セフィラツバーン、エクストラデッキの覚星輝士―セフィラビュートをデッキに戻し、2枚ドロー」
手札は2枚に増やされた。でも、このターン中はペンデュラムしか特殊召喚はできないし、通常召喚もペンデュラム召喚ももうしている。動かれることはもうないそうだ。
「ターンエンド」
剣LP3200
手札2
秘竜星―セフィラシウゴDEF2600
伏せカード
フィールド魔法
セフィラの神託
竜星因士―セフィラツバーン:スケール1
覚星輝士―セフィラビュート:スケール7
「俺のターン、ドロー」
引いたカードは……よし、何とかモンスターを引けた。でも、展開できるモンスターじゃないし、攻撃表示にはできない……さっき運命の発掘で引いたカードも罠カードだけ……やれることは限られていた。
「手札のモンスターカードをセット、カードを2枚伏せてターンエンド!」
勝太LP1500
手札1(E・HERO オネスティ・ネオス)
???
伏せカード
伏せカード
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幻想決闘録-10
まだ始まりを読んでない方は幻想決闘録-7まで戻ってから1話ずつお読みくださいませ
正直一度に投稿してるから前書きのネタが尽きてきた今日この頃(苦悶)
「僕のターン」
俺はさっきのターンで一切動けなかったけど……剣君はどうなんだ?
「星因子デネブを召喚。その効果でデッキから星因子アルタイルを手札に。そして――」
1ターン目にも見たこの展開。でも、その時と違うのは剣君が振り返り気味に見上げている二本の光の柱の存在。
「光の希望と神託よ。今交差して光の翼を導け、ペンデュラム召喚! 手札から星因子アルタイル! “星因子ウヌク”!」
今度出てきたのは純粋な星因子たち。その効果はどれも地味に厄介だ。
「テラナイトの特殊召喚時効果発動。アルタイルの効果でまず煉獄の輝士ヴァトライムスを守備表示で特殊召喚。ウヌクの効果でデッキの星因子プロキオンを墓地へ。レベル4モンスター3体、星因子デネブ、アルタイル、ウヌクでエクシーズ召喚! 星輝士デルタテロス!」
星輝士デルタテロスATK2500
デルタテロス……これで召喚や特殊召喚成功時に対して魔法・罠カードを撃つ事が出来ない……けど、それより厄介なのは除去。一番破壊されて困るのは2枚もある。どれを破壊してくるのか……ドキドキしてくるし、楽しい。
「ORU1つを使うことで、フィールドのカードを1枚破壊する。僕が狙うのは、その伏せカードだ!」
選ばれたそのカード。それは……俺にとっての大当たりだった。
「選択されたこれだけど……効果にチェーンしてリバースカード、オープン! “貪欲な瓶”! 墓地の魔力の泉、貪欲な壺、戦士の生還、マスク・チェンジ、マスク・チャージを選択して発動。これらをデッキに戻してシャッフルし1枚ドロー!」
カードを吐き出すアクションを起こした貪欲な瓶はそのままデルタテロスによって破壊された。
「さぁ、もっと楽しもうよ、剣君。ここで終わるなんて当然勿体ないでしょ?」
やっぱり剣君とのデュエルは楽しい。もっともっと、ずっと楽しみたい……!
「当然! まだまだ続けるよ!」
笑う剣君の様子は本当に心から楽しそうだった。ほんっとうに良いデュエルだよ。剣君!
「バトル! デルタテロスでセットモンスターに攻撃!」
???→幻影の魔術士DEF700
一切躊躇いのない攻撃はセットしていたモンスターカードがひっくり返って姿を現した自身を護るポーズを取っていた魔術士をいともたやすく切り裂かれた。でも、これで終わるはずがない。
「戦闘で破壊され墓地に送られた“幻影の魔術士”の効果発動! デッキから攻撃力1000以下のHEROを呼び出す!」
このデッキでは意外と呼び出す手段が多いからね、1枚だけの採用でも意外と使い勝手は良い。
「E・HERO シャドー・ミストを特殊召喚!」
E・HERO シャドー・ミストDEF1500
「シャドー・ミストの効果でデッキからマスク・チェンジをサーチ!」
さて、これでまた考えれる内容の幅が増えた! ここからも楽しむ!!
「ならバトルを終了。ヴァトライムス1体でエクシーズ・チェンジ! 召喚、“星輝士セイクリッド・ダイヤ”!」
っと、これはキツいな……
「ターンエンド。セイクリッド・ダイヤがORUを持っている限り、お互いのデッキからカードを墓地へ送れず、墓地から手札に戻るカードは除外される」
剣LP3200
手札1
星輝士デルタテロスATK2500ORU1
秘竜星―セフィラシウゴDEF2600
星輝士セイクリッド・ダイヤATK2700ORU1
伏せカード
フィールド魔法
セフィラの神託
竜星因士―セフィラツバーン:スケール1
覚星輝士―セフィラビュート:スケール7
地味に墓地回収と墓地肥やしが封じられたのはつらい。一応頼らずにできるけど、まだ少し心許ない。
「俺のターンだ、ドロー!」
ドローカードは……あ、そうか。墓地回収と言っても手札に直接戻さなければいいのか。と言っても引けるかは不明だけど。
「俺はさっき戻した貪欲な壺を発動、増殖するG、サイレント・アングラー、エアーマン、サモンプリースト、アシッドを対象に発動、デッキに戻して2枚ドロー!」
うん、本当に引けるとは思わなかった……となればサーチよりも……
「エアーマンを召喚! 第一の効果の発動を宣言! 伏せカードを破壊するよ!」
ここは魔法・罠除去効果優先かな。伏せカードが無ければ動きやすくなる。
「この伏せカードは神聖なる因子、発動だ。デルタテロスをリリースしてエアーマンを無効、破壊する。さらに1枚ドロー」
おっとと、それだったか。でも逆に考えればこれで伏せカードを警戒する必要がなくなったかな。
「墓地へ送られたデルタテロスの効果発動。デッキから星因子アルタイルを特殊召喚。その効果で星因子デネブを墓地から特殊召喚」
星因子アルタイルDEF1300
星因子デネブDEF1000
2体は守備表示。そしてデネブの効果でセフィラツバーンが手札に加わった。
「まだまだ。僕は崩されないよ」
中々崩せない剣君の防御布陣。それでも……確実に打てる手を打っていく!
「伏せていた“リビングデッドの呼び声”を発動! 蘇れ、エアーマン!」
E・HEROエアーマンATK1800
伏せカードの心配もないし、ここは!
「エアーマンの第2の効果発動! デッキからバブルマンをサーチ!」
次に打つ手はもう決めている。
「マスク・チェンジをシャドー・ミストを対象に発動し変身! M・HERO闇鬼へ変身召喚!」
M・HERO闇鬼ATK2800
もうシャドー・ミストの効果は使わなくて良いかな。このターンで場を出来る限り一掃する!
「シャドー・ミストの効果は使わない! バトル! 闇鬼でセイクリッド・ダイヤを、エアーマンでデネブをそれぞれ攻撃!」
剣LP3200→3100
攻撃は……手札誘発などもなくどちらも通る。これなら……
「闇鬼の効果でデッキからマスク・チェンジをサーチ、そしてエアーマンを対象にそのまま発動! エアーマンを変身! M・HEROカミカゼへ変身召喚!!」
M・HEROカミカゼATK2700
「バトルフェイズ中につき攻撃続行! カミカゼでアルタイルに攻撃!」
ダメージは通らないけど、それでも戦闘で墓地に送る効果が重要!
「カミカゼの効果で1枚ドロー!」
引いたのは……よし! 防御札! ならもうこれを伏せない手はない!
「カードを2枚セット、これでターンエンド!」
勝太LP1500
手札3(E・HERO オネスティ・ネオス/バブルマン/???)
M・HEROカミカゼATK2700
M・HERO闇鬼ATK2800
リビングデッドの呼び声(不在)
伏せカード
伏せカード
シウゴは残している。破壊してもすぐ戻ってくるからというだけだが、それでもサーチ効果が使われないだけで十分だ。
「僕のターンドロー。竜星因子―セフィラツバーン召喚」
ツバーン……確か召喚時効果でセフィラを破壊出来たな。だとしたら……
「ライフを半分支払ってカウンター罠“神の宣告”を発動! その召喚を無効に!」
LP1500→750
ここで止める。シウゴを対象にされたらたまったもんじゃない。
「だったらペンデュラム召喚だ。手札から“星因士カペラ”と“星因士シリウス”」
星因士シリウスATK1600
星因士カペラDEF2000
「シリウスの効果で墓地の星輝士デルタテロス、星輝士トライヴェール、煉獄の輝士ヴァトライムス、星輝士セイクリッドダイヤ、星因士アルタイルをデッキに戻して1枚ドロー」
ここは伏せカードを温存か……いや、少しでも相手のできることを削る事はしよう。レベル4モンスターを1体でも減らせばそれはエクシーズを妨害できるし、何か別の手段で伏せカードを削られる方がこちらとしては嫌だから、早々に使っておくに越したことはない!
「リバースカード、オープン! “奈落の落とし穴”! シリウスを破壊し、除外!」
とりあえず、これで伏せカードは使いきった。さぁ、展開してくるのか……するなら、俺は全力をもって相手しよう!! より一層楽しんで勝つのは俺だ!
「シリウスの鼓動は止められない! ドロー!」
効果を止めることは確かにかなわない。でも、そのドローからどう来るのか……楽しみだ。
「“緊急テレポート”発動。デッキからレベル3以下のサイキック族を特殊召喚する」
流石に特殊召喚までは防げない。防げないけど、どこまで来るのか……それが楽しみで仕方ない……だからこそ
「手札の増殖するGの効果発動! そっちの特殊召喚に応じて1枚ドローするぞ!」
これでどこまで来るのか、それとも萎縮するのか……どっちだ?
「そっちがその気なら、こっちだって。星因子カペラと竜剣士マスターPでオーバーレイ。“ダイガスタ・エメラル”をエクシーズ召喚」
ダイガスタ・エメラルATK1800 ORU2
「ORU1つを使って効果発動」
ダイガスタ・エメラルの墓地回収効果で混沌帝龍、プラスタートル、ガイアペライオがデッキとエクストラデッキにそれぞれ戻り、剣君の手札が1枚増えた。すると、広げた手のひらを突き出してきた。どうやら、全力で展開をしてくるらしい。
「シンクロモンスター爆竜剣士イグニスターPとエクシーズモンスターダイガスタ・エメラルを墓地へ送り、“旧神ヌトス”を特殊召喚。さらに貪欲な壺を発動、精霊獣使いウィンダ、竜剣士マスターP、星因士デネブ、爆竜剣士イグニスターP、ダイガスタ・エメラルを戻して2枚ドロー。続けて“ソウル・チャージ”発動。星因士アルタイル、星因士デネブ、星因士ウヌクを特殊召喚。デッキの竜星因士―セフィラツバーンを墓地へ、デッキの星因士シリウスを手札に、墓地の竜星因士―セフィラツバーンを特殊召喚」
LP3100→100
たった1枚であっという間に場を埋める展開スピード……こればかりは流石テラナイトとでも言うべきなのだろう。バトルが行われないからこそ、自分のライフが無くなる可能性はない。少しだけ安堵する。
「竜星因子―セフィラツバーンと星因子ウヌクをオーバーレイ。エクシーズ召喚。“武神帝ツクヨミ”」
武神帝ツクヨミDEF2300
ツクヨミは守備表示……まぁ、ライフが100しかないから仕方ないかな。
「旧神ヌトスは手札からレベル4モンスターを1ターンに1度特殊召喚させられる。“オルシャドール―セフィラルーツ”を特殊召喚。オルシャドール―セフィラルーツ、星因士デネブ、旧神ヌトスで“武神姫アマテラス”をエクシーズ召喚」
武神姫アマテラスDEF2500
「アマテラスの効果発動。除外されているレベル4以下のモンスター、星因士シリウスを特殊召喚。今度は星因子アルタイルとシリウスの2体でオーバーレイ。煉獄の騎士ヴァトライムス」
再びその姿を現したヴァトライムス。さっきはリセットを警戒してたけど、今回は状況が違う。
「ORUと手札1枚コストにすることでヴァトライムスの効果起動。星輝士デルタテロスにエクシーズ・チェンジ。武神帝ツクヨミの効果発動。ORU1を使い、手札全てを捨てて2枚ドローデルタテロスの効果発動。煉獄の騎士ヴァトライムスを取り除きM・HERO闇鬼を破壊」
星輝士デルタテロスDEF2100
これで俺の場がまた空になる。さっきと違うのは手札が潤沢にある、と言う事だろう。
「ツクヨミとデルタテロスのORUを代償に“エクシーズ・ギフト”発動。2枚ドロー。ヴァトライムスが墓地へ送った“シャッフル・リボーン”を除外、効果を発動。フィールドのカード、セフィラの神託をデッキに戻して1枚ドロー」
ここで剣君の手が止まる。恐らくこれでほぼ打ち止めになるから考えているのかもしれない。
「“ミラクル・シンクロ・フュージョン”を発動。墓地の氷結界の龍トリシューラと星因士カペラを除外融合。凍てつく調和の波動を解放せよ、融合召喚! “波動竜騎士ドラゴエクィテス”!」
波動竜騎士ドラゴエクィテスDEF2300
竜騎士の槍が振り回されたかと思うと冷たい風が少し届いた気がした。今のは一体……?
「カードを3枚伏せてターンエンド」
剣LP100
手札0
武神帝ツクヨミDEF2300
武神姫アマテラスDEF2500
星輝士デルタテロスDEF2100
波動竜騎士ドラゴエクィテスDEF2000
伏せカード
伏せカード
伏せカード
竜星因士―セフィラツバーン:スケール1
守備力はどれも2000超え。これはオネスティ・ネオスの効果があるから突破は可能。問題は3枚ある伏せカード。一応対応可能な手札ではあるけれど、この次のターンではどうしても決めきれなさそう。
「来てよコナミ! 僕は負けない! デュエルにも、自分にも君にも!」
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幻想決闘録-11
初めから見てない方は是非幻想決闘録-7からご覧ください
これ以上あったらネタ切れしてました(安堵)
「来てよコナミ! 僕は負けない! デュエルにも、自分にも君にも!」
そこまで言われたら、やるしかないだろう。久しぶりに沸き立つ楽しむという感情と絶対に楽しみ切ったうえで勝ちたいと思う感情のコラボレーションに久しぶりに胸が躍る。
「良いぜ、俺のターン、ドロー!」
ドローで手札が17枚に。もうこれ以上増える事なんてないんじゃないかと思えるほどにある。正直持っている手がいっぱいいっぱいだ。でも、これだけあっても決めきれるか分からない。それは剣君も凄く楽しんでいるからこそ。さぁ、まだ楽しむよ! まずはこれをどうする?
「魔法カード“ハーピィの羽根帚”を発動! 相手の場の魔法・罠を全て破壊する!」
「永続罠“王宮の勅命”!」
っと、これは流石にマズいな。剣君がライフコストを用意できなければこのターン中のみで済むものの、その確率は少し低い可能性がある。だったら手札を消費する意味でも使う必要がありそうだ。
「手札の“コズミック・サイクロン”を墓地に送って速攻魔法“ツインツイスター”を発動! 対象は王宮の勅命とエクストラデッキ側の伏せカード!」
「カウンター罠“神聖なる因子”! 星輝士デルタテロスをリリースし、ツインツイスターを無効にする。カウンター罠にはカウンター罠しか通じない。伏せカードのない君はこのターンもう、魔法は使えない」
うーむ、これでこのターンは魔法は使えない、と。まぁ、使えそうなのは手札コストを要するものだったり速攻魔法だし、そこまで痛手ではないかな。展開が出来ないだけで……ね。
「デルタテロスが墓地へ送られたことでデッキから星因子アルタイルを特殊召喚。アルタイルが特殊召喚されたことで、星因子シリウスを墓地から特殊召喚。特殊召喚されたシリウスの効果により、墓地から5体のテラナイトを戻して1枚ドロー」
星因子アルタイルDEF1300
星因子シリウスDEF900
シリウスの効果で戻ったのは星因子シリウス、星因子ウヌク、星輝士デルタテロス、煉獄の騎士ヴァトライムス、竜星因子―セフィラツバーンの5枚。
展開が出来ないなら、ここは後ろを強化する。ついでに墓地回収を狙えたらいいって感じでコイツ立てておくか。
「仕方ないね。E・HERO オーシャンを召喚。カードを4枚セット。これでエンドフェイズに移行するよ」
この時点で手札は9枚。捨てるカードはほぼ決まってるんだけど……これで良いものか……
「ちょっと待った! 武神姫アマテラスの効果発動。ORU1つを取り除き、除外されているレベル4以下のモンスター――星因子アルタイルを手札に戻す。さらに墓地へ送られた旧神ヌトスの効果発動。フィールドのカード1枚を破壊する。E・HEROオーシャンを破壊」
うーん、これはしてやられたね。フィールドにモンスターが不在になった。それだけでも十分痛い。まぁ、エンドフェイズに移行してしまったし、これはもう仕方ない。
「それじゃあ、エンドフェイズに俺の手札が9枚だから6枚になる様に手札を墓地に捨てるね」
俺が捨てたのは手札の中にあった支払うべきライフコストが今のライフよりも多いコズミック・サイクロン2枚、簡易融合1枚。これで手札は6枚になった。さて、デッキ枚数もかなり減ってるし、本当に楽しいデュエルなんだけど、そろそろ決着つけないといけない。まぁ、剣君の次のターンによるかな? 俺の次のターンで決着をつけれる可能性があるとするなら、ね。
勝太LP750
手札6(E・HERO オネスティ・ネオス/バブルマン/他不明)
伏せカード
伏せカード
伏せカード
伏せカード
リビングデッドの呼び声(不在)
「僕のターン! ドロー! 王宮の勅命はスタンバイフェイズに700ライフを払えない場合破壊される」
モンスターは居ないにしても、伏せカードは4枚。多少なりとも相手の展開を防ぐ順番は考えないといけないな。
「フィールド魔法〈セフィラの神託〉発動。デッキから〈覚星輝士―セフィラビュート〉を手札に加える。さらに」
手札からの召喚をする気配はなし、となればあのフィールドで可能性があるなら……
「〈星因子アルタイル〉と〈シリウス〉でオーバーレイ。〈煉獄の輝士ヴァトライムス〉、エクシーズ召喚!」
そうなるよな。多分来るとしたら……やはりリセット効果のあのモンスター。なら焦って行くよりもタイミングを見計うべき。まずここじゃない。
「手札のアルタイルとORUを使い、ヴァトライムスの効果発動。星輝士デルタテロスにエクシーズ・チェンジする!」
ここしかない。効果をチェーンさせないためにここしか!
「させない! リバースカード強制脱出装置を発動! ヴァトライムスにはエクストラデッキに戻ってもらうぞ!」
ここでリセット効果を使われるのは一番まずい。後はビュートをどうしてくるか。召喚してくるなら勝つためにも破壊されたくないのは2枚。そのどちらも抜かれなければ勝つチャンスは大いにある! どうしてくるかもわからないが……楽しもう! いつものように!!
「覚星輝士セフィラビュート召喚。その効果によりペンデュラムゾーンの竜星因子―セフィラツバーンとその、真ん中の伏せカードを破壊する」
破壊されるカードが決められた時、俺は破壊される直前に咄嗟に発動した。
「リバースカード、“戦線復帰”を発動! フィールドに表側守備表示でオーシャンを特殊召喚する!」
危ない。一番被害の少ないカードで助かった。これならまだ戦える!
「墓地のセフィラの神意を除外することでセフィラツバーンは破壊されない」
ツバーンの破壊を無効にするために切る、か。それはむしろありがたいかな。
「ツクヨミを攻撃表示に変更して、バトル! セフィラビュートでオーシャンを攻撃!」
攻撃、か。ならこちらの行動はこれかな
「リバースカードオープン、マスク・チェンジをオーシャンに対して発動!」
正直、ここでこれを使わないといけない。効果が使えるかどうかは知らないけど……最後までお前に頼らせてもらうよ、アシッド。
「M・HEROアシッドに変身召喚! アシッドの効果発動!!」
M・HEROアシッドATK2600
これが通るならグンと楽になるが……
「融合モンスター波動竜騎士ドラゴエクィテスを除外して、永続罠“インヴィンシブル・ヘイロー”を発動! このカードは1ターンに1度モンスターを除外し、除外したモンスターと同じ種類のモンスター効果をそのターン無効化する。つまり、このターン融合モンスターは効果が無効!」
まぁ、そんな簡単になるわけもなく。このターンはこれ以上展開はしないから問題はない。
「バトルは終了だよ。僕は“竜呼相打つ”を発動。デッキから“竜剣士ラスターP”と“竜魔王ベクターP”を選択。さあ、1枚選んで」
ソリッドヴィジョンの裏向きのカード2枚が姿を現す。
「どっちが正解だと思う?」
さて、どっちだ。俺からすれば正解は竜魔王。剣君からすれば正解は竜剣士。なんて楽しい賭けをしてくるんだ……
「それじゃ、俺は……俺から見て右側を選ぶ!」
何が来るかは分からないが、まだ十分に対応はできる。まだ戦える!
「答えは竜剣士ラスターP! 正解!」
うーん、何とも言い難いな。さて、ここからどうする?
「竜魔王ベクターPはエクストラデッキに送る。そしてフィールドの竜剣士ラスターPと覚星輝士―セフィラビュートをリリースすることで、融合モンスター。“剛竜剣士ダイナスターP”をエクストラデッキから特殊召喚できる」
剛竜剣士ダイナスターP DEF2950
確か、ペンデュラムゾーンを護る効果を持っているんだったな。
「アマテラスの効果発動。最後のORUを使い、除外ゾーンから星因子デネブを特殊召喚。その効果で竜星因子―セフィラツバーンをデッキから手札に加え、速攻魔法“イグナイト・リロード”を発動。手札のペンデュラムモンスターを好きな数デッキに戻して、戻した数+1枚ドローする」
デネブで手札に戻したカードを利用して手札をリセット、手札は2枚に戻った。現在の状態ではツクヨミが攻撃表示で棒立ち。そしてこちらにはアシッドがいる。勿論、このまま終わってしまえばアシッドでツクヨミを攻撃して終わりだけど……そう簡単に終わるわけじゃないよな?
「カードを2枚伏せてターンエンドだ」
剣LP100
手札0
武神帝ツクヨミATK1800
武神姫アマテラスDEF2500
剛竜剣士ダイナスターP DEF2950
星因子デネブDEF1000
インヴィンシブル・ヘイロー
伏せカード
伏せカード
フィールド魔法
セフィラの神託
竜星因士―セフィラツバーン:スケール1
まぁ、そりゃ簡単には終わらないよなぁ……でも、だからこそ燃える。最後まで楽しんで……勝つのは俺だ!
「俺のターン、ドロー!」
引いたカードは2枚目のツインツイスター。ならばやることは決まっている!
「スタンバイフェイズ、手札の簡易融合を墓地に送り手札からツインツイスターを発動し、伏せカード2枚を破壊!」
さぁ、どう来る! 剣君!
「罠発動“スターライト・ロード”。2枚以上のカードを破壊する効果を無効にし、エクストラデッキから“スターダスト・ドラゴン”を特殊召喚する。光来せよ、白銀の守護翼!」
スターダスト・ドラゴンDEF2000
効果破壊耐性へのより高い性能のスターダストか。正直まだ何とも言い難いんだよなぁ。でも、俺のカードの内容的に効果破壊耐性はあまり気にしなくていいかな。
「と、なれば……このターンで決めに行こうかな。E・HEROバブルマンを通常召喚」
E・HEROバブルマンATK800
勿論、俺の最後の伏せカードの都合上こんなことしなくても良いんだけど……伏せカードがモンスター1体の攻撃を防ぐものだったり“ガード・ブロック”的なものだったらと思うと増やした方が良い。
「これでメインフェイズ終了」
最後はバトルで終わらせる!
「メインフェイズ終了時“光霊術―「聖」”発動! 光属性モンスター――武神帝ツクヨミをリリースして、除外されているレベル4以下の光属性を特殊召喚する。ただし、この効果は相手が手札の罠を公開することで無効にできる」
メインフェイズ終了時の発動……? 何に対して警戒を……あ、もしかして……
「……可能性として考えたのは“封魔の矢”、かな?」
封魔の矢はバトルフェイズ開始時に発動できる魔法・罠の効果発動を無効にするカード。でも、彼のデッキには今のところ墓地発動系は破壊から守るカードくらいだ。デッキに入れているけど引けてないし、多分あったとしても使わなかったかな。まぁ、ブラフになったならそれはそれで良いかな
「確かに俺の手札には速攻魔法はある。でも、それは使わずとも行けそうだ。バトルフェイズ!」
バブルマンで計算してみると800とオネスティ・ネオスの効果2500で3300……どのモンスターにも打ち勝てる。なら、このターンで決着をつけれる!
「バブルマンで剛竜剣士ダイナスターPへ攻撃! そして、攻撃宣言時リバースカードオープン!」
これが俺の勝利へのラストピース!
「“ストライク・ショット”!」
バブルマンATK800→1500
こいつには攻撃力を700あげる効果もあるが……それより強力なのが貫通効果だ。戦闘ダメージを防ぐ効果のあるカードは手札誘発やフィールドに伏せた罠が殆どだ。でも今、剣君にはそれらの可能性が低いから防げないはず。
「ストライク・ショットぉ!」
とっても驚いている。確かに、このカードは滅多に使われない単体強化のカード。でも、守備に回られたら貫通効果を使える奴が俺のデッキに少ないからこそ、この世界で2戦ほどした後にデッキを調整した時に入れた。
「ふふふ、はは! 来てよコナミ! 僕の負けだぁ!」
盛大に笑っている剣はバランスを崩して仰向けに倒れてたけど、楽しいと、それすらもあまり気にならなくなってしまう。
「あぁ、さいっこうに楽しかったぜ、このデュエル!! ダメージステップ時、手札のE・HERO オネスティ・ネオスを墓地に送ってバブルマンの攻撃力を2500アップさせる!」
E・HEROバブルマンATK1500→4000
攻撃力が4000の大台に乗り、更に貫通効果。もう、止められるやつはいない!
「ラストだ! オネスティ・バブル・シュート!!」
柄にもなく攻撃口上が出た。本当に楽しいからこそ、なんだろうな。ありがとう、剣君。俺もすげぇ楽しかった。またこんな楽しいデュエルを君とやりたいよ!
LP100→0
win 小浪勝太
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幻想決闘録-12
コラボで2番目に長いですね。(最長は当小説のとある高校生達との決闘目録(全18話))
コラボの番外編だけで40話も使っている小説があるってマジ?しかもコラボの話数が本編より多いってマジ?
改めまして、あんぷら様、長編コラボ有難うございました。
剣君のデュエルカウンセリングのお話を受けたときは大変驚きましたが、重要な役回りにうちの小説が一枚噛めた、という点ではとてもとてもありがたいお話でした。
今後とも剣君、そして氷乱の皆や幻想郷の登場人物たちの織り成すストーリーを楽しみにしております。
今回は本当にありがとうございました!!また次回があれば、その時にはどうぞよろしくお願いいたします!(楽しいデュエルのデュエルカウンセリングが必要でしたらうちのコナミか雄牙を派遣しますので←)
デュエルが終わり、ソリッドヴィジョンが消えていく様子を見て、改めてデュエルが終わったんだな、と感じる。本当に終わったんだな、と若干物足りなくなる。ここまで強く感じるのは……初めてかもしれないな。
「ありがとう。楽しかった」
立ち上がった剣の声は最初のころと違って、本当に楽しそうだった。
「あぁ、俺もだ。すげぇ楽しかったよ」
ただただ純粋に楽しいデュエル。終わってしまったのが勿体ないけど、デュエルで笑顔を伝えれてよかった。
「コナミとのデュエルで、色々わかった。デュエルって、楽しいもんね」
剣の目の色が変わった気がするけど、それでもあまり気にならない。まだ高揚しているからなのだろう。
「また、デュエルしよう」
剣君の言葉にまた物足りない部分が少しずつ、確実に満たされていく。
「あぁ、またデュエルをしよう」
また、やりたい。剣君とのデュエルは何度もやっても楽しい。それは間違いないだろう。
「剣君とのデュエルは本当に楽しいからな。この世界に来て一番の収穫だったよ」
最初は驚きすらもあったけど、剣君とのデュエルはいつでも楽しいものだ。けど、この世界から離れることになったらいずれ忘れてしまうかもしれないし……あ、そうだ。
「これ、よかったら剣君に。ラッキーカード、って訳じゃないけどこの楽しいデュエルを覚えておくために、ってね」
俺は剣君の方に歩み寄っていつも持ち歩いているHEROデッキのエクストラデッキ候補カードケースの中からそこまで使うわけではなかったがあったら便利だったエクシーズモンスターカード1枚を取り出して剣君に手渡す。
「ありがとう。大切に使うよ」
少し訝しく俺の手渡したカードを見ていた剣君だったけど、俺の方を見た剣君の表情は和らいでいた。
「コナミ別の世界から来たの?」
……あ、そういえば黒霧にも詳しく話してなかったな。
「あぁ、そういや言って無かったな……そうだよ。俺と他にもあと2人居たんだが……とあるカードショップを見つけて、そこに入ったと思ったんだが……気が付いたら俺はこの町の入り口にいて、他の二人の姿が見えなくてな」
俺は肩を竦めてそう告げる。別に嘘を付く理由もないし、色々の事情を説明する事にした。
「あーあるよねそういうこと。僕もPLATINUMってカードショップ入ったら湿気った洞窟みたいなとこに出て、クラゲみたいなのが……ごめん」
プラチナム……? まぁ、きっと別のお店なのだろうな。
「じゃあ迷い込んだんだ」
剣の言葉に俺は頷いて返す。異世界に迷い込んだのだから多分そうなのだろう
「まぁ、そうなるな。俺たちの場合はfanntaziaっていうカードショップなんだよな」
まぁ、剣君が知ってるとは思わないが一応、な。
「Fanntazia? それなら知ってるよ。あそこ品揃えがよくて、一日中ストレージ漁りできるんだよ」
ほぉ、知っているのか……
「どうだろうな、中に入ろうとしたときにこの世界に来てしまったからな……」
肩を竦めてそう返す。正直、同一カードショップなのかは定かではない。ただ、同一名のカードショップってそんなあるとは思えないけどな。ましてや異世界となれば余計に……
「さてさて、とりあえず色々足跡は残したものだけど、これからどうしたものか……」
そう呟いていたところで誰かが駆けてくる音が聞こえてきた。
「あれコナミの知り合い? なんか似てるけど」
剣君の声に思わず振り返って見る。するとそこにいたのは……
「遊輔さんか!」
「やぁ、無事に会えてよかったよ……衣音君は?」
遊輔さん、だけか。衣音はまた別の場所に飛ばされたのか?
「いや、遊輔さんと一緒じゃなかったんですか?」
「俺は一人だったな。と、なると全員バラバラだったか……」
衣音は別の場所、か……探しに行く、のは流石になぁ……そう思っていた時、また声が聞こえてきた。でも、今度の声は衣音、ではなく女性のような声だった
「こんにちは。突然ですがこの男……あんたはもしかして」
「誰?」
青と白で彩った長袖とロングスカートの着物に、何故か大振りの鎌を肩にかけた女性が俺に声をかけてきたかと思うとこの男って……
「雪影剣だろ。噂は聞いてるよ」
「へー」
思わず目を丸くした。何故ならソイツの後ろに居たのは
「コナミさん、それに遊輔さんも!」
「衣音!」
探していたもう1人である衣音当人だった。気が付いたらもう3人が揃ってた。とりあえずこれでいつでも帰れるけど……
「ってか、こっからどうやって帰ります?」
衣音、それを今考えているんだよ……
「俺たちは舞網市だな」
「そこにあったFanntaziaってカードショップを衣音が見つけて……」
「あとはさっき俺が剣君に話した通り、だね」
まず衣音が場所を、最初の経緯を遊輔さんが。最後に俺が締める形になった。しかし、ここからどうしたものか……ん、待てよ? 確かお店を知ってるようだったよな……
「剣君、この世界でのカードショップFanntaziaってどこにあるかわかるかい?」
「Fanntaziaはえっと、左にずっと行ったところに、門を潜って道を歩いていると道があって」
……んーと、これは聞くのは間違えたかな? 少し迷ってる……
「里の南東だよ。ずっと歩くだけでいい」
「あーくろぎりぃー」
急に歩いてきて、ため息交じりに助け船を出す黒霧に余程こんがらがってたのか剣君が安堵の声になっていた。そしてキョロキョロとしだしたところを見ると南東の方向がいまいち分からないらしい……うん、ここは
「それじゃあ、もし良かったら剣君、一緒に行く? 結局俺たち潜った瞬間にこっちに来ちゃったからFanntaziaの店内の様子とか分からないんだよね……それに、どんなカードがあるか楽しみだし、もう少し剣君との話も楽しみたいからね。あと、黒霧。良かったら道案内を頼めるか?」
別に不安というわけじゃないけど、折角行くのであれば大人数の方が良いしな。黒霧にも声をかけてみる。
「いいぜ。剣はどうせ迷うからな」
「あー噂通りだねえ。そうそう黒霧、あんたとも知り合っておいた方がよさそうだ。あたいは小野塚小町っていうんだ」
衣音と一緒にやってきたツインテはどうやら小町、というらしい。
「そうかい」
お、フードを被ったな、黒霧。パッと見だと不審者だなぁ、うん。アイツら程じゃないが
「そうだ、小町も一緒に行こうよ。知り合っておきたいでしょ?」
「Fanntaziaに? まあ、いいよ」
小町がやや喜色を帯びた返事をすると背負っていた鎌を手品みたいに消した……いや、どうやって消したんだよ、それ……まぁ、考えてても無駄だな。
「じゃあ行こうよ。こっちこっちー」
剣君が先導しようと駆け出すと、すぐに黒霧に襟首を掴まれた。
「逆だ」
うーん、見事に方向音痴の可能性高いな……
「それじゃあ、いこっか」
思わず二人の様子を見てクスクス笑いながらそう言ってみんなで移動する。
「なーなー、剣だっけ? 俺は衣音、道田衣音。宜しくなぁ?」
「俺は星野 遊輔。一応衣音と勝太が所属するデュエル塾の教師をさせてもらってるよ。宜しくね」
二人が歩きながら剣君に自己紹介をする。二人もどことなく感じてるのかな? 衣音は素で対応してるし……
「よろしく! 遊輔と衣音」
どうやら普通に仲良くなれそうだよなぁ、まぁ、雄牙と似てるからってのもあるんだろうけど。
「二人も強い? 楽しい? デュエル」
……んー、遊輔さんは……どうなんだろうな。
「そーだなー、俺は楽しいぜ。まぁ、俺の楽しいってベクトルはコナミさんやアイツとは違うけど」
……まぁ、衣音の場合は間違いなくベクトルが違うな。ただ、いまいち分からないのは……遊輔さんだ。
「俺は楽しいぜ。デュエルが好きだしな」
遊輔さんもうなずく。まぁ、うん。別に嘘ではないんだろうけど……何とも言えないな。
「でも、楽しむってデュエルならやっぱアイツだよなぁ。コナミさんの弟子だし?」
「あぁ、確かにね。アイツは俺のデュエルの弟子だし」
衣音の言葉に間違いないと頷いてそう呟く。雄牙は律儀に俺のデュエルを継承してるからなぁ。多分楽しむデュエルはアイツの得意分野だろうしな。
「アイツ?」
あぁ、そう言えば雄牙の事は言って無いんだよな。
「弟子か……」
黒霧の声が聞こえたけど、黒霧にもいるのかな?
「アイツって?」
雄牙について剣君に質問された。
「榊遊牙って言ってな。俺たちと同じデュエル塾に所属してて、俺のデュエルを継承している……エンタメデュエリスト、だな」
代表して俺が説明する。俺たちの世界での本名ではなく、あの世界での名前。別に本名で言っても良いんだが、それだとどうしても近くに居る遊輔さんが名前が違うことを指摘してくる恐れがあるからな
「多分、コナミさんと同じかそれ以上だよなー、遊牙の笑顔のデュエルは」
衣音がそう呟く。まぁ、アイツのデュエルはあの世界でより一層エンタメデュエルの要素も取り入れてるから確かにそれもあるかもしれない。
「エンタメデュエリスト?」
まぁ、あの世界だからこその肩書なんだろうけどな。
「そんな人いるんだ。いつかデュエルしてみたいなぁ」
「もしかしたら、いつか会ってデュエルが出来るかもしれないさ。いつになるかは分からないけどね」
多分剣君の事を話したら雄牙も同じこと言うかもしれないなぁ。これは話すのが楽しみになってきたね。
あれからデッキの事とか色々話していると、異世界に来たはずなのに見覚えのある建物が見えてきた。
「着いたよ!」
剣君の声に改めて周囲を見渡すとだだっ広い野原が広がっているだけで、その中にぽつんと建物が1軒立っている。それはあの時見た建物と全く同じ。
「道案内はほぼ俺だったけどな」
「黒霧がどんどん言うから、僕が喋れなかっただけだもん」
黒霧の言葉に頬を膨らませる剣君。二人の掛け合いを見ていると、どことなく兄弟の様子を見ているようだった。どっちが兄か、何てことは考えるのは野暮なんだろうけど。
「さて、どんな感じの中なんだろうね?」
あの時は見れなかったからねぇ。どんな感じなのかやはり少し楽しみだ。
「どんなカードあるんだろうな」
衣音も心なしか声色が弾んでいる。遊輔さんは何とも言い難いけどやっぱり楽しみ、なのかな。カードについては結構詳しいし、カードプールが豊富だからよく子どもたちのデッキ構成を一緒に考えてあげたりカードを手渡したりしている。
「なんでもあるよ。幻想郷のカードは全部ここに集まるんだ」
幻想郷、か。この世界の事なんだろうな
「よし、それじゃあ入ってみようか」
どうやったら帰れるか、それを楽しみに剣たちと一緒にお店の中に入る。
「「「……え?」」」
Fanntaziaの店内に入ったハズの俺たちだったんだが、気が付いたらそこは街の裏路地……そして、俺たちが向いている大通りの方向に見える看板はどう見ても俺たちのいた世界である舞網市にあるデュエルスクールの看板、そしてその隣に見える一回りも二回りも大きな看板はLDSの看板だ。
「……帰ってこれた、のか?」
衣音の言葉に少し考え事をしていたがふと後ろを……Fanntaziaの店がある場所を振り返ってみる……が、そこにあったのはシャッターの降りており、そのシャッターには【ご愛顧有難うございます。本店は誠に残念ながら閉店いたしました。ご連絡などは此方】と書いており、連絡先の電話番号、そして最後に店名が書かれてあったが、そこには『現京堂』としか書かれておらず、ふと上の看板を見上げてみるも、そこにFanntaziaの名前はなく、現京堂と書かれた木の古びた看板があるだけだった。
「幻想……か」
俺は小さくそう呟くも、あの時のあのデュエルは忘れれそうにない。ふと、エクストラデッキのカードを入れているカードケースを見てみる……と、彼に手渡したカードが1枚ちゃんと減っていたのが分かった。
「……いや、あれは幻想なんかじゃない、現実だな」
「まぁ、またカード探しに行くか。俺の知ってる店、行こうか」
遊輔さんの言葉に俺と衣音は頷いて大通りに戻る。また会えたらいいな、剣君。その時はまた……楽しいデュエルをしよう!
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第2章第1幕 予選へ向けて
ARC-V 11話-1
ノンビリまったりとしすぎてはいるとは思いつつも、カード調べつつデッキ内容考えたり展開考えたり……遊戯王二次は結構頭使いますよね。
いや、まぁ他の作者様皆さんやってるのだから当然といえば当然なのですが……まぁ、そんなことはさておいて(さておくな)
まだデュエルパートではありませんが、現在頑張って執筆しておりますので、誠に申し訳ありませんが、ゆっくりとお待ちいただければと思っております!
結局あの後は原作通りLDS教師が襲撃に会ったという一報が届いたらしく、こちらに勝利を預けると言う事で勝負は中断、勝敗は引き分けとなった。正直、勝てそうだったからこっちの勝利なのは分かるけど……やっぱり不完全燃焼だ。この燃え残りを処理したいんだけど……どうしたものかなぁ…………あ、遊矢? 遊矢は……
「遊矢……? ねぇ……」
「ペンデュラム召喚は俺と兄さんだけのものだったのに、なんで……(ブツブツ)」
「…………遊矢が返事をくれないのツラい……」
と、ご覧の通りネガティブモード。正直、俺が頑張ってもアレ。もうお手上げ状態。というか俺が声かけても遊矢に相手にされてなくて正直辛い。俺も(遊矢が反応くれなさ過ぎて)久しぶりにネガティブになりそう。
「遊牙君、遊矢の事は私に任せなさい!」
「……まぁ、期待せずにいます」
とりあえず、原作通りになることを期待して、塾長に任せることにして俺は遊勝塾を後にする……と、何か知らんが衣音が隣にいた。
「……んだよ、衣音。お前は6連勝目指すためにデュエルスクール巡りするんじゃねーの?」
「いやさ、ダチが悄気てんのにんな悠長なことできっかよ……」
……なんだ、意外といいやつじゃん。絶対裏ありそうだけど。
「……お前、ゼッテー勘ぐってんだろ!!」
「あ、バレた?」
「せめて嘘でもそんなことないとか言えよ!? ……まぁ、本音言うと今から行くデュエル塾の場所知らねーから教えてほしいだけなんだけど」
あ、やっぱりか。ってか、コイツが行くデュエル塾ってどこだっけ……
「な、この伝統決闘塾って知ってるか?」
「正確に場所を覚えてるかわかんねーけど、行った事ならある」
「お、じゃあ連れてってくれよ」
「別にいいぞ」
まぁ、遊矢が復活するまでの間、どっかで野良デュエルしようかと思ってたけど……コイツのデュエル久し振りに見てみるか……
「なぁ、歩きながらお前のデッキの内容見てもいいか?」
「……そういや、雄牙って無駄に器用だったな。別に良いけど」
~~~~~~
道中にアイツのデッキを見たが……相変わらずの凶悪さだった、うん。しかもこのデッキもこの世界では当然ガン回りする。まぁ、今回の相手が誰かはしらねーけど……誰と当たってもヤベー事に変わりはないんだよなぁ……そんなこんなで到着した伝統決闘塾の戸を叩く
「いらっしゃい……っと、榊遊牙君久し振りだね。去年ぶりかな?それに今日はどんな用事で?」
「あぁ、お久しぶりです、玲座塾長。もうそんな経ちますか……あと、用事があるのは俺じゃなくて、俺の知り合いなんですけど……連戦の頭をお願いしたくて」
「あぁ、成る程ね。うちもまだ出場資格獲ていない子がいるんだが……丁度良いから彼と戦わせようか。ちょうど彼もいることだしね」
え、あのメンツでまだ勝率6割行ってない&6連勝達成出来ていない奴いるのかよ、うっそだろ!? ……いや、いるな。できていない可能性のある奴いたわ。
「それじゃ、折角だし遊牙君もおいでよ。皆君と会うの楽しみにしてたんだよ。あの羽蛾プロとのデュエルの時の話も訊きたいってさ」
あれ、かぁ……何とかデュエル内容に持っていけないかなぁ……って考えながらも俺と衣音は玲座塾長(本名:
「そういや、ここのデュエル塾ってどんな場所なんだ?」
廊下を歩いている途中でそんなことを訊かれた。俺としては言うべきか迷ったけど……本気を出させるために敢えて言うことにした。
「ここ?ここの塾生に本気のデュエルをさせたらLDS生は勿論プロをも凌ぐと言われている隠れたジュニアユース最強クラスの6人が在籍するデュエル塾だ。その6人はLDSから生徒の引き抜き案件を持ってこられて、それを固辞して、当時のユースクラスでの最強クラスを連れてこられたにも関わらず殆どがノーダメで返り討ちにした強者揃いだよ」
「…………は?」
うん、衣音。その反応は間違ってない。だが、アイツらはマジでヤバいメンツなんだ……
なんか、雄牙からとんでもないこと言われたんだが……気のせいだよな? うん。そう思うか!
「おーい、
「なんだよ、塾長!」
「冬馬、塾長相手に敬語を使えと言ってるだろう?」
「いーじゃねーかよ、
……この人、塾長だよな? 塾生にタメ使われてっけど…………んで、やってきたのは赤い髪の中坊くらいの男子と青い髪の同じくらいの男子……どうやら話の内容的に戦うのは赤髪の方だな。
「まだ50戦してないだろ、勝率もギリギリだし……」
「う、でもあと1勝でちゃんと6割乗るぜ!!」
しかもこれ俺が勝てばコイツ6割乗らねぇのか……なんっだこれ……まぁ、勝つけど。
「というわけで冬馬には彼と戦ってもらう。名前は……」
「あ、道田衣音って言います、宜しくお願いしますね!」
え、キャラが違う? いつも通りだけどな
「おー、そっか。俺は
「よし、それじゃあデュエルフィールドに行こうか!」
「おう!」
「宜しくお願いします!」
~~~~~~
さて、アイツのデュエル見るの久しぶりなんだよなぁ……
「久しぶりだな、遊牙。去年はよく来てたのにどうしたんだ?」
「まぁ、色々あってな……」
因みに俺の隣にいる青髪の中学生くらいの少年は
「お、遊牙じゃないか!」
「久しぶりだな」
「元気にしてた?」
「研鑽は積んでいるか?」
「久しぶり、亜代に康介と俊介、それに星也。今回は俺のデュエル目的で来たんじゃないけどな」
俺が亜代と呼んでいる明るい茶髪の青年が
そして彼らに共通するのは……
「「「「「久しぶりに俺(僕)とデュエルしようぜ(しないか/しない)?」」」」」
「うん、全員一度にってのは無理だし、テーブルデュエルで良いなら構わないが……連敗する未来しか見えねぇ」
全員が全員デュエルタクティクスが最高クラスであること。割と真面目に全員が強すぎるからヤバいんだよな……具体的に説明するなら……
康介はシンプルに強い。デッキ構築も当然のことながら、デッキパワーの高さも除去も制圧力もある。平均的に高いから強い。双子らしく俊介のタッグは本当に強い。デッキ内容は主に【ブラック・マジシャン】や【戦士族魔法使い族混合】を操る。
俊介は丁寧なプレイングで確実に制圧してくる。一手一手が着実で気が付いたら俊介の手の上で踊らされていたなんてザラだ。双子らしく康介のタッグは本当に強い。デッキ内容は【磁石の戦士】や【アルカナ・ナイト・ジョーカー】がメインだ。
亜代は逆境に特に強い。ある程度制圧したはずなのに気が付いたら1ターンで戦況を覆されるし、そのままデュエルが終わってしまう事なんて日常茶飯事だ。デッキは【通常モンスター軸E・HERO】と【ネオス軸E・HERO】が主だ。
星也は一瞬の展開スピードが6人の中で最速。1回展開を少し許しただけでいつの間にか盤面が星也有利の盤面になっている……なんて見慣れた光景だ。デッキは【ジャンクドッペル】や【ジャンク・シンクロン】をメインで使っている。
明日眞はカードアドバンテージを重視した徹底した守りが堅い。攻め切る事が出来ず攻めあぐねているとアッとい間に負けてしまう。またサポートが強いのもコイツの特徴だ。デッキ内容は【ランク4エクシーズ】や【超量】がメインだ。
そして、今衣音が相対している冬馬はこの中では一応一番
それでも俺はシングルデュエルで負け越している。その理由は単純明快。常識に捕われない発想や戦い方をするタイプの戦法だ。多分、衣音は少しデュエルの相性は悪いかもしれない。デッキ内容としては普通だけど……この世界じゃあ珍しいエクシーズ使いだ。まぁ、それでも十分普通じゃないんだが……
「お、あっちはフィールド決まったようだな」
亜代の声に思わずそっちへ振り向くと……何か構えてるな。フィールド決まったらしい。まぁ、ここのは少し特殊でデュエルが始まると外からはデュエル中の様子が見えないんだが……その代わりお互いのフィールド状況が見れるようになっている。
「んじゃ、わりぃけどあっち見させてくれね?あれ終わったらいくらでもやったるよ……」
コイツら全員相手するとなったら負けまくりそうだけど……もう仕方ない。こうなったらヤケだ。
『それじゃあ、行くぜ!』
『よろしく』
『『デュエル!!』』
……さて、どうなるかな?
ちなみに今回登場した伝統決闘塾の生徒はあくまでモブでございます。
え、モブなのに名前があるしモブなのにキャラが濃すぎると?ハッハッハッ
ご安心を、濃いのは自覚しております()
ちなみにモデルとなってるキャラは一応居ますが、そのキャラとは完全無縁のただの名前のあるモブでございます。ご安心くださいませ。
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