ハーフエルフの美少女に祝福を! (エミリアたん最高)
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一羽
*
「残念ですが、あなたは死んでしまいました」
私は死んだようです。
私の探し物でロムじぃーって人が住んでる家に入って…少し進んでからそのあと記憶が無くなってる。
目の前の女神様が言うには、
『刃物で刺され出血多量で死に至った』
って言ってるんだけど…私傷無いよ?
「あなたには2つの選択肢があります。
人間として生まれ変わるか、天国に行くか」
急に言われてもなぁー?
私は腕を組んだり顎に手を当てて考えたけど何も浮かばなかった。
「えっと……どっちがいいのかな?」
私は結局他人に頼ってしまう癖が有る。
その癖はぜーったい直すって決めてるけど今回は別かな。
「うーん。生まれ変わると記憶はなくなってあなたという存在は消えちゃうし、天国は何もないところでずっとひなたぼっこでもしながら世間話するぐらいしかやる事ないわ。……まあ、好きな方を選んだら良いわ」
本当に困る…今はパックも居ないし一人じゃ決められないし、
深く深く悩む私に女神様が声をかけて来てくれた
「うんうん、やっぱりどっちも嫌よね。そこで!ちょっといい話があるのよ」
「そー言うのは早く言うんだよ!」
私は少し怒った。
だって重要なこと隠してたもん。
「この流れテンプレなんですけどー」
「テンプレって美味しいもんね」
テンプレってリンガとか揚げた食べ物でしょ?
私も偶に本当の偶に作ったりするんだよ。
「へぇ?」
「?」
私は女神様の返事が謎でした。(何か間違えたかな?)
女神様はワザと咳をして話を戻したんだった。
じゃあ話すわね…
一拍置き、
「あなた……勇者になってみない?」
それは私の運命を大きく変える事に成った。
*
女神様がいい話をしてくれたから説明するね。
異世界に魔女…じゃなくて魔王がいて、
そのせいで世界がピンチで、
その世界には魔法があり、モンスターがいて、
死んだ人々がその世界への生まれ変わりを拒否していて、このままでは人口が減って滅んでしまうらしい。
「で、それなら他の世界で死んだ人を送り込もう、って事になってね?あなたのような子を送り込んでいるの」
私は無理…そんな人じゃないしハーフエルフだし。
ロズワールなら可能かもだけど、
「自分には無理、って顔してるわね?大丈夫、その辺の対策もあるわ。送ってすぐ死なないように、何か一つだけ。向こうの世界に好きなものを持って行ける権利をあげているの。それは、強力な特殊能力。それは、とんでもない才能。それは、神器級の武器。
……どう?あなたは人生をやり直し勇者になり、異世界の人々にとっては即戦力になる人がやってくる。ね?悪くない話でしょ?しかも魔王を倒せば願いを一つ叶えてあげるわ。そのままにルグニカ王国帰してあげることだってできるわよ?」
これに乗らないと私が私では無くなるんだね。
だったら…
「じゃあ……異世界行きを選ぼうかな?」
「いい答えね。では、選びなさい。どんなものでも一つだけ。異世界に持っていく権利をあげましょう」
差し出されたカタログを私が見ると、そこには《怪力》《超魔力》《聖剣アロンダイト》《魔剣ムラマサ》……全く分からないよ!?
「あの、女神様。パックで……
「ありません」
何故!?
「…この完全記憶能力でお願いするね」
「OK、じゃあその魔方陣から出ない様にね。」
光に包まれていく。
「さあ、勇者よ!願わくば、数多の勇者の中から、あなたが魔王を打ち倒す事を祈っています」
「さあ、旅立ちなさい!」
光が消えると、そこは比喩も無く異世界でした。
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