ヨハンだがこんな状況を覆す (刀の道)
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4枚羽に憧れて

NT要素がところどころ絡んできます。
小説ではなくアニメの方を参考に進めます。
時系列が曖昧です。


 

  夢をみた。

 

 4枚の羽根を持つ鳥が

 

 果てない空へ飛んでいく姿を

 

 

 

 「……あれ?俺は…ここは……一体」

 

 【よう!!】

 

 「誰?」

 

 【よくぞ聞いてくれた。

 俺はお前たちが世界と呼ぶ存在。

 あるいは宇宙、

或いは神、

或いは真理、

或いは全、

或いは一……

 そして俺は、

 

お前だ】

 

 目の前のぼやけて見える存在が、自分を指さすのと同時に

 先ほど迄は存在を感じなかった扉から、黒い手が俺を扉の中へと引きづりこもうとする。

 

 

 

 【ここは輪廻を司どる場所、半端な奴は真っ白にされてリリース、資格ある者だけがここから先にいける。

 さぁ…お前はどっちかな?】

 

 

 自分が何なのかわからない状態で頭の中を物凄いスピードで映画を見せられたような感覚だった。

 

 「ぐおぉおおお!!頭が!…」

 

 理屈はわからないが、漠然とそれが自分の記憶だった物だと何となく感じた。

 自分という存在が薄くなるような、体が砕け散りそうな感覚の中

 目の前を4枚の羽をはやした鳥が、横切った気がした。

 

 「こんな…こんな所で、死んでたまるかぁぁあああ!!」

 

 その鳥を見た瞬間、何故だかわいた言葉だった。

 そして俺は必至に前に手を出すと、ふいに何かに触れて声が聞こえた。

 

 (お前の声、たしかに届いたぞ)

 

 

 俺は自分がどうなったのか知ること叶わず、意識が途切れた。

 

 

 

 

 【驚きだね~、こいつが片目の犠牲でここを通ったのも、偶然とはいえ

 アンタの魂と片目の代替え品を掴み取ってくるなんて】

 

 

 (魂の半分を私が補う事でこれより先に通れたのだろうがな。しかし私を受けれる器があったのは確かだ)

 

 【だろうね、じゃぁまたここにこないことを願ってるよ】

 

 

 片目の住人を残し、この場所は誰もいなくなった。

 

 

 【彼らに少しプレゼントをしとくか……楽しみだ】

 

 

 ―――――――――――――――――――――――

 

 

 俺がまだデザインベビーとして培養器の中にいた時

 意識だけだが、イオリアという天才ツンデレ爺さんと対話した。

 

俺たちが異次元世界の住人だった事から接触をしメッセージを送ってきたようだ。

 彼自身はコールドスリープの状態であり、意識体のような物らしい。

 俺は記憶の中に、この世界の事を映画のようにだが知っている。何故知っているのか、事の細かい所まではわからない迄もだ。

 

 自分の名前がヨハン・トリニティだと培養器に着けられた名前でわかったとき、俺は……

 

 

 絶望した。

 

 

 まさかの噛ませ犬、しかも状況は詰んでるに等しい。

 

 

 幸運なのは、俺の魂の片割れが【ビアン・ゾルダーク】だと言う事だろう。

 覚醒して状況を説明され、混乱しながらもまずい状況なのはわかった。

 

 意識の深層にて彼に肉体の使い方を叩き込んでもらった。

 

 俺は脳のリミッターを外すことができるらしく、そのお陰で超人的反射神経や空間認識力・脳の思念波が強いらしい。

 

 

 が、いい事ばかりではない。朧げながら覚えている『あの場所』

 そこで俺は片目を失っている。

 そしてまずい事にリボンズ・アルマークにバレたら即終わりの状況だ。

 

 身体操作を一定レベルもっていなければ直ぐ発覚する。片目が見えない事や脳量子波の事がバレたらダメだからだ。

 パイロットの腕も弱ければあのサイコパスにやられるだろう。

 ビアンは俺の記憶の中のことは知っている。だからこそ経験をつまされた。あと日本文化がいかに素晴らしいか説明された。

 

 

 誕生して直ぐに資金(株etc)を作り、資源を確保した。そして医療設備をつくりサポートロボを制作

 兄弟たちも生まれた。さぁ動かなければ…。

 

 

 「ねぇねぇ、ヨハン兄?あたしたち三人だけで話って?」

 

 「そうだぜ兄貴、最近疲れてるみたいだしよ」

 

 「ネーナ、ミハエルこれを見ろ」

 

 時を図り、脳量子波遮断施設を小型だが作り二人を呼んだ。

 

 「「これって?!(これは?!)」」

 

 「そうだ、俺達は使い捨ての道具として生み出された。

 ガンダムマイスターとして産まれたのは間違いではないが正しくもない」

 

 「くっそ!ぶっ殺…いや無理か…」

 ミハエルもネーナも気が付いたか。

 

 「ああ、現状では太刀打ちできない。そのために替え玉を作った。」

 

 俺達三人の肉体、そして偽りの記憶を持たせたコピー

 

 「暫くは俺達の寿命を延ばす治療をしなくてはな。確認するがついてくるか?」

 

 「「もちろん!!」」

 

 「よし、じゃぁ移動するぞ」

 

 (これからだなヨハン、まずは手勢を増やさねばな)

 ああ、そうだな…考えはある。

 

 

 

 「で、ヨハ兄これからどうする?あたしたちガンダムないし」

 

 「兄貴も考えてんだろ?なぁ?」

 

 「まず訓練は必須だろう。そして仲間もだ」

 

 秘境のような森林地帯の地下に建造した基地。

 そこの医療スペースで三人と話す。

 

 「えー!大丈夫かよ兄貴、ザコじゃ話にならねえだろ?!」

 ミハエル、ブーメランだそれは。

 

 「問題ない、紹介しようもう一人の俺であり、先生でもある人を」

 

 小さいPCのようなディスプレイにビアンの顔が映る。

 

 「初めましてだな二人とも。私の名はビアン・ゾルダーク

 別世界では科学者をしていた」

 

 「ビアンはパイロットとしても一流だ。詳細は後で教えよう。」

 

 「「は~い」」

 納得した感じではないが、一応の了承といった感じか

 

 「現在私たち4人だけでは手も足りず、そして人員も足りない

 事実上三人の我らではガンダムを制作するなどは不可能に近い。

 無論手伝ってもらうが多いに越したことはない

 都合がいいのは死んだとされる人物だな。それを考えると

 この二人が目下の目標だ。以上だ」

 

 「ひゅ~、美人さんじゃん!」

 

 「ぶ~!あたしイケメンがよかったのに」

 

 「ミハエル、お前が美人と言った人は人妻だ。手を出すなよ殺されるぞ」

 ミハエル落ち込むな…誰か拾ってくれるさ

 

 

 その後ビアンにVRシステムを作ろうと提案し制作、訓練を開始した。

 勿論、敵機体のデータは金ぴか大好きのバk…ゲフンゲフンの所から借りた。

 

 返すことはないだろう。

 

 

 あとHAROを何体か作成、疑似太陽炉や様々なパーツ作成を手伝ってもらう事にした。

 ネーナが一体を紫に染めていたのは、見なかったことにしたい。呪われているのだろうか…

 

 

 

 (ヨハン、そろそろじゃぞ集中せい)

 わかってるよビアン。それにしてもティエレンを奪うなんてよく考えたね

 

 (こんな暗闇じゃ、探すのは至難。そして鎧無しでこんな所を闊歩していれば一瞬でお陀仏だな)

 そうだね…、悲しいけど実践経験も積めるしね。それに命の重さに慣れないと

 

 (安心せい、下手な奴よりよっぽど強いぞお主は)

 そうだ、こんな所で死ぬなんて御免だ。まだビアンが言ってた宇宙にもいってないのに

 

 俺は周りが倒れていく中を目的の人物を探す。

 途中で嫌な予感とでもいうべき勘が働き乗り捨てたがよかった。

 降りて数分もしない間にガラクタになっていたからだ。

 

 目的の人物を探し当て急いでこの地域を脱出。

 拠点に戻った。

 

 

 

 「ようやく一人増えたねヨハ兄」

 「やっぱ美人だな血にぬれても…」

 

 「ああ、

 

ホリー・スミルノフ……

 

ロシアの荒熊の奥さんだ」

 

 

 

 

何故だかこの人を救ったその時、俺は不思議な達成感を感じていた。




AG出したいですね。
だが現状変態さん出すとティエリアが憤死してしまいそうだ。
※AG出す予定は今の所ありません。


4枚羽はお気づきのかたは結構いると思いますが、個人的に好きなので出す予定です。


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GUNDAM01

 

 ホリーさんを救出した我々は日本の小笠原諸島近くの海域に建設した海底基地に戻っていた。

 

 「ようやく、ここまで来たねビアン」

 (そうだな、拠点制作にここまで苦労するとはな…ネットワークを独自に開発し、そこから様々な物も蓄える必要があったからな)

 

 「そうだね、僕たちは大規模に電力供給はできないからね…必然、エネルギーの観点で核が必要だしね)

 (プラズマ・ジェネレーターの制作・小型リオンシリーズ・TCM・テスラ・ドライブ、上げればキリがない程に作り上げたな)

 

 「本当にビアン様様さ」

 苦笑しながら言う俺にビアンも同じ様な反応で

 (お前たちも成長したからこそ、だろうな)

 

 「命がかかってるからね。

 母艦は作ったし、そろそろ…」

 

 (待ちわびた、機体作成段階だな)

 

 背後に宇宙航行すら可能とする母艦。

 アーガマを背にして中に戻った。

 

 

 

 

 「兄貴~これからは機体制作だろ?俺ら今まで体鍛えたり、シュミレーションとか機械弄りはやったけど、どうすんの?」

 

 「食料とかはあるけど金属とかは少なくなってるよヨハ兄?」

 

 「あぁ、予定より結構消費したからなしょうがないさ。

 ただ今後は宇宙に出ないとだな。実験も地球じゃそろそろ厳しくなってきたしな」

 

 さすがに機体を実験せず戦闘に使ったり実機での訓練無しはきついからな。

 それに鉱物とか諸々地球だと補給しずらいしな…

 

 「そっかー、まぁ隠れたり・逃げたりは十八番だしな俺ら」

 

 「あたしは食べ物が心配だな~。美味しくないご飯は勘弁って感じ」

 ネーナも年頃だからな。

 

 「(心配するな、あちらでもおいしい物が食えるように色々持っていくつもりだ)」

 

 勝手に出てくるなよビアン!

 

 「あ!ビア爺さっすが!」

 

 いや…ビアン親バカすぎるぞ本当。

 ほら見ろミハエルの顔を。

 

 ミハエルを確認したビアンは昇○拳を発動!ミハエルは気絶した!!

 

 そして何事もなかったようにネーナに「どんな機体がいいかい?」なんて聞いている。

 

 

 「んん!!話を戻そう、あと一人メンバーが増えたら宇宙に上がるつもりだ。

 その頃には疑似太陽炉を何個か作ってアーガマに乗せる事が出来るだろう。

 それまでに買いたい物はこっそり買っておくぞ!!」

 

 「「おー!!」」

 

 (日本酒は必須じゃな、いい機会だ日本に今度いくぞ)

 

 了解、了解~

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――――――

 

 

 ホリー視点

 

 

 戦場にいたはずの私は目を覚ますと、カプセルのような物に入れられていた。

 目の前には、まだ幼い子供が二人と青年がいた。

 

 「あの…ここはどこかしら?……私は戦場で死んだと思ったのだけれど」

 

 目の前の青年に問いかけると色々な事を教えてくれた。

 

 まず、私は瀕死の状態であった所を彼が助けて治療してくれたこと。

 彼らは随分前から三人と一人?である、クローンの様な形で生み出されそんな状況から逃げ出した事。

 それゆえ、隠れて活動をしており、私は暫く、夫達と会えないだろう事を理由も含めて話してくれた。

 

 今後の事も聞いた上で私が思ったのは、彼らには親がいない。

 ならば、せめて私が彼らを心の面で支えよう…何故だかそう思った。

 

 

 …けして、ネーナちゃんが可愛くて娘だったらこんなかしら~、なんて思ったからじゃないのよ!

 

 

 

 暫くして加入?したエイミーちゃんも可愛いわ!着せ替えとか楽しみだわ。

 

 

 

 ――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 宇宙に行き、忙しいながらもどこか精神的余裕を持てるようになった頃。

 

 兄弟二人とエイミーちゃんがアニメを見ている頃、ホリーさんに聞かれたことがある。

 

 「軍のあり方、そして世界がどうあるべきか…か」

 

 「えぇ、どう思うかしら?」

 

 「そうですね…、俺は軍とは国民を守りそして、国家を正しく導く安全組織であるべき…そう思う。

 軍人もそうだが、一人一人が平和とはなにか…どうあるべきか、それを考える必要性がある。

 政治と軍事が交わってはいけないというのは、安全組織という側面が消えるからだ。

 人間は基本的には愚かな生き物だ、間違いを犯してから出ないと本当の意味で理解しない。

 だが、だからこそ人の命を愚かながらも背追わなければならない。

 そして、世界は根っこが変わらなければどうにもならないさ…今はまだ……な」

 

 「よく、考えているのね…」

 

悲しげに言うホリーさんは何か思うところがあったのだろう。

 

 「まぁ、俺達兄弟が正にその間違いで産まれた。愚かな欲望でな…だからこそ見せつけるのさ、ざまぁ見ろってね」

 

 

「くすっ…。えぇ…ぜひ特等席で見せてもらうわ」

 

 

 

 

 自室に戻った俺は日本酒を飲みながら、先ほどの事を振り返っていた。

 

 「少し、熱くなったか…」

 

 (それが人間というものだ。私もそのような時があったものだ)

 

 「それを聞くと安心するな…」

 

 (それと、恐らくホリー嬢は機体を欲しているな…特等席とはそういう事だ。

 …日本酒、私の分も残しとけよヨハン)

 

 「あぁ、そろそろ眠るさ…任せた」

 

 

 

 

 

 「(ミハエルは近接型…ネーナは支援とそれぞれ要望を聞いたが)」

 

 ヨハンにサービスで与えられた、記憶の共有と分け与える能力を使っていろんな機体を見たが…

 まさか、デスサイズとヘビーアームズを基本案として出してくるとはな…。

 ……まぁ、第一期を見て自分たちが辿ったかも知れない未来にショックを受けていたが。

 ミハエルは俺、ザコすぎだろ…などと言っていたがな。

 

 私が夢見た物をやっとこの目で見れるかもしれないのだからな…腕がなるという物。

 

 

 




ビアンは自身の見たり、関連するものは作れる。という設定です。

ホリーさんはママン成分たっぷりな人という事にしています。
ネーナとエイミーは娘のような感じですね。
彼らは家庭的な味を食べられるようになったのだ!


主人公ヨハンはビアンと共にいることで思考も磨かれています。
それと戦闘にならないと書けませんが、ヨハンの髪は段々、某錬金のリンの様な髪の毛に近づいてます。

右目も実は奥さんには勝てない人の最強の目です。(見た目が同じという事です。眼帯もしてますし)
能力と関連があるという事で採用しました。


ミハエルは声つながりで弄られるウェ○バーのイメージ。


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GUNDAM02

作者、風邪をひきました。

気圧と温度についていけないです


 

 

 「今更だが、我々の組織に旗印と名前をつけようと思う」

 

 

俺は、みなに相談を持ち掛けた。

 

 「ねぇー、ミハ兄そんなのあたしらに必要なの?」

 

 「ん~、良く分かんねぇけどかっこいいならいいZE!!」

 

ミハエル、やはりかっこいいのは大切だよな。俺は頷く。

 

 「意図は何となくわかるわ」

 

 「え?ホリーさんそれって?」

 

 「それは俺が説明しよう。今後行動するときに、我々の所属が名無しじゃ困る。

 それに、相手方に見分けがつくようになれば…面倒な事は避けられる」

 

ビアンと色々考えて、記号や日本の家紋を見て考えた結果が…これだ!

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 「「地味」」

 

 

 「まぁ、待て。これはFを翼のように捉えて、2翼を意図しているんだ。鳥は自由の象徴だからピッタリだろう?

 「組織名はFF、FreedomFlame意味は自由な炎。俺達はさしずめ火の鳥なのさ」

 

 「それに、これは組織の紋だ。俺達は三人兄弟だから、俺達三人は海王星の記号も使うことにした。

 そして作ったのがこれだ!背中には二翼の紋を付けた青い羽織だ。胸元には♆だ。」

 

 

それぞれ思い思いに見ているが、ふとミハエルが

 

 「兄貴、なんで羽織なんだよ」

 

 「俺とビアンの趣味だ。BUSHI、SAMURAI…最高だな」

 

 

やはり、見た目は大事だな。

ネーナ達女性陣は他だと、どんな色がいいか話している。

ミハエルは袖なしがいいらしい、まぁあとで渡そう。

 

 

 

 

 

 

 「ミハエル、わかってると思うがお前の機体にはダイレクト・モーション・システムが搭載されている。

 これからはお前には生身で武器を扱い、慣れてもらうぞ」

 

 「あぁ、兄貴見てろよ。絶対ぶったおしてやんぜ!」

 

 「ふ…、それは楽しみだな!!」

 

俺は自家製の打刀、ミハエルは自家製の棒で戦闘訓練を再開した。

 

 

 

 一方ネーナはビアンに説明を受けていた。

 

 「これがあたしの機体…」

 

 「(そうだ、両足に設置されているビームガトリング手に着けられたGNハンドガンとドッキングして使用できる。

  この機体は ガンダムヘビーアームズドライ…とでも名付けようか?どうかな?)」

 

 「最高!さっすがねビアン爺。でも残念…ミサイルは厳しかったか~」

 

 「(そうだな、生産ラインがまだ不十分だからな。まぁいずれ搭載できるようになるだろう)」

 

 「ら~じゃ!」

 

 

 

 

 ガンダム デズサイズヘルズ(命名ミハエル)とヘビーアームズドライが完成したころ…

 

 

 (いよいよだなヨハン、海に設置した情報収集装置からの情報では既にガンダムは行動を開始しているようだ)

 

 「あぁ、ついに始まったか。」

俺は少し感慨深く目から汗を流しながら過去を振り返った。

最初は、死にもの狂いだった。脱出してからも色々大変だった。

ホリーさんが来てからはなんだか俺達は明るくなれたと思う。いつも死の危険と隣り合わせだった訳だからな。

 

 

 別に逃げてもよかったのかもしれない。だけど負けたくはなかった。

だからこそ、戦う。自身達の尊厳を守るためにも…

 

 

 

 

 「さて、世界はガンダムにより世界は今混乱のただ中だ」

 

 「いよいよだな兄貴」 「そうね~、でも操縦の腕はイマイチね」

 

 「という事でだ。地球に戻って戦の前にリフレッシュに行くぞ」

 

 

さぁ、行こう観光に!(日本)

 

 「あらあら、楽しみね、エイミーちゃん」 「うん、楽しみかも!」

 

 

 

 

地上に戻り、リオンシリーズに歓迎され、広くなった海にある基地にアーガマと機体を置いて観光に向かった。

 

 

 

 「ミハエル、ネーナ。俺は用事がある。この場所に迎えを頼む」

 

 「ん?…あぁ了解。抜け目ないね兄貴は」 「目の付け所が違うのよヨハ兄は」

 

 「じゃあ後でな」

 

 

目指すはアメリカ。 エイフマン教授の確保だ。

 

 

 

ユニオン アメリカ MSWAD基地

 

 

 「私の仮設通り、ガンダムのエネルギー発生機関がトロポジカル・ディフェクトを利用しているなら説明がつく。

 ガンダムの機体数の数が少ない理由も、200年以上の時間を必要とした事も…。

 あのエネルギー発生機関を作れる環境は木星。ハッ!」

 

 

背後の窓を叩く音に気付き後ろを見ると人影が。

その人物は窓を破壊し侵入してきた。

 

 

 「ここの警備を潜り抜けるとは大した奴よ」

 

 「まぁ忍び込むのは得意でして。それより端末を見たほうがいい」

 

そこには【あなたは知りすぎた…】。

 

 「ま、まさか!!」 外にはガンダム来訪を知らせる警報が。

 

 「時間がなさそうですね。捕まっててくださいよ!」

 

窓から飛び降り建物の影に隠れながら、グライダーをつかって煙で視界が悪くなっている方向に飛び降りる。

 

 

 「なんということだ…」 

背後の建物は煙を上げて壊れ果てている。

 

 「詳しい事はあとで、今は取りあえずバレないように布をかぶっててください」

 

バギーを猛スピードで走らせ、機体の近くまで行き。破壊したのちに機体に乗り込む。

海に逃げ込み小型シーリオンで予定合流地点にいるアーガマに急いだ。

 

 

 

 

 「それで、君たちは何者だね。見た所先ほどのガンダムのように私の抹殺が目的ではないようだが」

 (この母艦、見たこともない。それにこの技術力…)

 

 「えぇ、我々は独立組織です。それと貴方が消されそうになった理由も説明しましょう」

 

 「いや、いい。十分理解している。恐らく私がイオリア計画の真の目的に気がつき、多くを知りすぎたからだろう」

 

 

 「ご明察です。まぁ暫くは表に出れないでしょう。そして私たちもね」

 

 「どういう事かね」

 

 

 「私たちは先ほどのガンダムのパイロットなのですよ、ある意味。

 まぁ彼らは私たちのスケープゴート。

 私たちはイオリアの計画を我が物にしようとする者たちに作られたデザインベビー。

 そして時期に彼らは用済みで抹殺されるでしょう。

 それに気が付いた私は約十年前にスケープゴートを作り、今までこっそり活動していた訳です」

 

 

 

 「成程な、そしてこの組織に加入することを私に求めるという訳か」

 

 「えぇ、捨てる物がいれば欲する物もいる。そういう事です」

 

 「ふむ、選択肢がないではないか。いいだろう、参加しようじゃないか」

 

よし、これで頭脳面の弱さがカバーできたかな?

 

 

 「まさか、独力でここまでやっているとはな」

エイフマンさんの前にはリオンシリーズ、HARO達、野菜の栽培。そして4機の機体。

 

 「もう一人の俺である、ビアンのおかげですけどね」

 

エイフマンさんは目の前の数々に興味深々なようで、勝手に見て回っていた。

 

 「ヨハ兄、そろそろ宇宙じゃないの?」

 

 「あぁ、エイフマンさんがあと少し楽しんだら行こうか」

 

 

 

 

 「さて、見てもらった通り地上では疑似太陽炉が三陣営にもたらされた」

 

 「まったく、虎の威を借る狐のようじゃ。見ていて不愉快だな」「エイフ爺はそのもたらした奴らに殺されかけたってのにな」

 

 「まったくよ、汚い大人って感じ」

 

 

 

「それで、ヨハン君。今私たちはどこに向かってるのかしら?」

 

 

 

俺は笑みを浮かべて言う

 

 「ソレスタルビーイングの母艦にですよ」

 

皆は口を開いて唖然としていた。

 




逃げもしよう、隠れもしよう、だが嘘を言ったりはしねぇ!

元は某死神さんのセリフですが、ミハエルはこの言葉に惚れてデスサイズです。

ネーナは単純にブッパしたいタイプです。


それぞれ憧れる物があります。

ホリーさんの機体はある感じに書きましたが案は確定してません。
イメージは重戦車な感じですかね?


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GUNDAM03

 ビアン・エイフマン< おぉ!ネーナやお年玉だぞ~!

 ネーナ <ワーイ!


 ヨハ・ミハ < 酒はうめぇけど俺ら童Tなんだよな…


 

 

  「はぁ?居場所を掴んでるのか兄貴!!」

 

  「ああ、彼らの彼らの通信を感知してな。暫くは動かないだろう」

 

 「それにしても、そのような物まで作っていたとはな」

 

 「(デスサイズは通信やレーダーには映らない仕組みだ。その技術を感知に回したにすぎん)」

 

 「では、各自待機だ」

 

 

 

俺は皆とのミーティングの後、ホリーさんと共に出来上がった機体の前に来た。

 

 「カラーリングはティエレンと同じ茶色がメインなのね」

 

 「えぇ、愛着もあると思いましてね。機体名はリゲルグ・タイプH 貴方専用です。

 武装はビームライフルとピームサーベル。そして肩にある二門のキャノンですね。シールドは大き目で作りました。

 まずは、機体操作に慣れといてください。あと、早いですよ」

 

 ティエレンが装甲車なら、こいつはジェット機に感じるだろうからな。

 

 「えぇ!任せときなさい!」

 

 

 

 

 で、ビアン。いつの間にか俺の部屋に、骨董品のような物がある画像があるんだが何故だ?

 

 (実はのぅ、昔の武器やらが未発掘だったり、流れてるようでな?ちょーと取って来たのだ。

 いや、しかし日本刀もさることながら綺麗じゃな)

 

許可をとってくれよビアン。びっくりするわ…

 

 

指令室で目を瞑り静かにしていると横から

 

 

 「ヨハ兄、目の前の方にあるメイスみたいな形の艦がそう?」

 

ようやくお目見えか。

 

 「そうだぞネーナ、エイミーちゃん信号を頼む」

 

 「わっかりました!」

 

さて…どう出る?

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 プトレマイオス号

 

 

 「スメラギさん、目の前の未確認の艦から着艦許可の信号が送られてます」

 

 「なんだあの艦、見たことないぜ?」

 

 「取りあえず許可を出しましょう。相手がわからない以上うかつに行動できないわ」

 

 

 

 

 「お!許可がでたぜ?兄貴どうやっていくんだ?」

 

 「小型艇で行くか6人運搬はガンダムではつらいだろう」

 

 「らーじゃ!あたしが運転するね~!」

 

 「元気なものだなお主の妹子は」

 

 「ははは、うれしいかぎりですよ」

 

 

 

 「来たわね。」

 

 

 「な!お前らは」 「トリニティ…」

 

 

 「兄貴…」「あぁ、我々の事も含めてお知らせにまいりました。」

 

 「あたし達初対面だからね!よろしく」

 

 「え…えぇ、じゃぁ皆集めるから詳しくお願いね」

 

 

 

 プトレマイオス ブリーフィングルーム

 

 

 「それで、聞きたい事があれば可能な範囲はお教え可能ですよ」

 

 「まずは地上にいるはずのトリニティと同じ顔のあなた達は?」

 

 「簡単にいえば変わり身よぉ~、兄貴のおかげで俺らは抜け出したってわけさ随分前に」

 

 「抜け出したとはどういう事だ」

 

 「まず、トリニティは計画を乗っ取るために生み出された存在です」

 

 「「「!!!」」」

 

 「そして、そろそろ乗っ取りを企む者たちに抹殺されるでしょう。あ、ちなみにここは完全な隔絶空間にさっきしときました。

 外部に情報は流れません。さて話を戻すと…」

 

 「計画の乗っ取りはわかった。だが誰がそんなことを」

 

 「身に覚えがあるでしょう。ヴェーダの件で」

 

俺の一言に皆さん、しかもティエリアさんが動揺しているようだ。

 

 「何故そのことを知っている!」

 

 「分かっていたから…ですかね。相手は監視者ですし、我々を生み出したのもね」

 

さて、そろそろいいかな。

 

 「ネーナ、呼んできてくれ」

 

 「は~い」

 

 「一体なにを?!」

スメラギさんは慌てた様子だったが、人物をつれてくるだけだと言いとどまってくれた。

そして現れたのは、

 

 「エイミー!!」 「お兄ちゃん!!」 「エイフマン教授!」 「まさか、クジョウ君がかかわっていたとは」

 

 

 「俺達が助けたんだぜ!この点でもう地上の奴と違うのがわかっただろ?」

 

 「エイフ爺、驚いてるけどうれしそうね」

 

 

まぁ再会を喜んでくれたのはなんか達成感を覚えるな。

 

 「さて、あとはGNドライブですかね」

 

その言葉にクルーの人達の目つきが変わる。

 

 「言ってみれば簡単、乗っ取りを考えていた監視者は木製探査船を調べにいき、そこである程度の情報を持っていたHAROからデータを持ち帰っただけです」

 

 「何故ヴェーダはそれを報告しなかったんだ。トリニティの機体もだ」

 

 「ヴェーダはある種許容したのでしょう。多少曲がろうがね」

 

 

 「お前たちは…お前たちはガンダムを持っているのか」

 

 「はい、持ってますよ」

 

 (予想通りの質問だな)

そうだな、彼らの象徴でもあるからな。

 

 「それを何に使う。」 「今、言ってわかるかどうか分かりませんが、自身の証明ですかね」

 

 「証明?」

 

 「えぇ、では我々は戻ります。あぁスメラギさん?クジョウさん?どちらのほうが…」

 

 「好きにしていいわ」

 

 「ではクジョウさん、これを」

 

 「これは?」 「通信機です。我々は独自の通信網なので」

 

 

 「じゃあね!お兄ちゃん」

 

 「壮健でな」

 

 

 

 

 

 

 「行ったみたいね…」 「エイミー…」

 

 「ミス・スメラギ」

 

 「えぇ、みんなバックアップのネットワークを構築しといて頂戴。

 それと今回の事は他言無用よ」

 

 「「了解」」

 

 

 

 「カッコよかったな~ヨハンさん。前の時のトリニティとは全然違うね」

 

 「え~!!写真まで。でもまさか捨て駒として生み出されたなんて聞くと…」

 

 「それ以上は無粋だ。あいつらは必至なのさ」

 

 

 

 ヨハン達FFは大なり小なり影響を与えていた。

 

 

 

 「高速で艦を走らせるぞ」

 

 「オーライ!だけど兄貴、一緒に戦わなくてよかったのか?」

 

 「即席の混成部隊は脆い。だからこそ隠れ、潜む。そうであろう?」

 

 「さすがですね、エイフマン教授」

 

横のネーナにも褒められて少し鼻が伸びてる気がするが…まぁいいか。

 

 

 「さて、俺達も戦闘に備えて訓練はしておくぞ。教授は好きに研究しちゃって大丈夫です」

 

 

 

 いよいよだな…





 誰かヨハンに相手を!!
ミハエルに先を越されそうで、内心焦ってますよー!!


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幸せを運ぶ迦楼羅

 妹残して死ぬなんて許されないんだぞ! byエイミー


 

 

 「で、これは何だね」

 

エイフマンさんがどうやら俺の機体を発見したようだ。

 

 「これは俺の機体。 ガンダムタイプ、機体名 ガルダスパルナ。行ってみれば、美しい翼をした神鳥といった所です」

 

 「なるほどな、顔は少し違うがリゲルグに近いな、モノアイからデュアルアイへ、そしてツノが二本になっとるな」

 

 「えぇ、見た目は大事です。ちょっと怖いぐらいがいいんですよ」

 

 「で、私が聞きたいのはそこではなく装甲だ。他の機体はEカーボンを使っているがこれは違うな」

 

やはり気づくかさすが教授

 

 「これは疑似サイコミュを組み込んでいます。ただ危険な力ではあるので私しかつけてないだけです」

 

 「具体的には?」 「これは人間の強い感応波を機体が感知しそれを利用して機体や武器を動かす物です」

 

 「ただ、感覚が鋭敏になりすぎる可能性を持っているという事です」

 

 「具体的にはこの映像を…」

そう言ってエイフマン教授に模擬戦闘の様子を見せた。

 

 「こ・・・これは!!信じられん速さで動いておる。尚且つ状況判断能力等が高すぎる!!」

 

 「えぇ、本来の人間はその速度に思考は追いつけません。それとG制御技術がなければ、殺人的な負荷がかかるはずです」

 

 「これは余りにも危険だな。お主は何故これを作った。私見だがミハエル達の機体でも十分動けるであろう?」

 

 「エイフマン教授、貴方がたどり着いたイオリアの本当の狙い。それに備えているのです」

 

 「…なるほど、決意は固いと見た。ならば何も言うまい」

 

 

そう言ってエイフマン教授は去っていくが、俺は目の前のくすんだ白の本体、そして赤い羽根を持つ自身の機体を見つめていた。

何故だか、目の前のガンダムには意志がある。そう思わずにはいられなかった。

 

 

 

 「所で、酒はどこにあるのかね?」

 

アララ…、しまらないね

 

 「ふ、ご一緒しますよ。何を飲みますか?」

 

 「おお、ビアン殿が進める日本酒でも飲みたいね」

 

 

VRで模擬戦をする三人を横目に倉庫から去っていった。 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

 プトレマイオス

 

 

 「ドクターモレノ、傷の再生までの時間は?」

 

 「三週間は必要だ。一度カプセルに入ったら出られんからな」

 

 「おいおい勝手に決めなさんな」

 

 

ロックオンがこの状態では…やはり彼らを頼るしか。

 

 

 

 

 ヴェーダ

 

 

 「この場所に…悪意を持って現れたという事は、残念ながら私が求めていた世界にはならなかったようだ。

 人間は今だ愚かで、戦いを好み世界を破滅に導こうとしている。

 だが、私はまだ人類を信じ、力を…託してみようと思う。

 世界は…、人類は…変わらなければならないのだから。

 

 GNドライブを有する物たちよ、君たちが私の意志を継ぐものたちかはわからない…

 だが、私は最後の希望を、GNドライブの全能力を君たちに託したいと思う。

 君たちが真の平和のため、戦争根絶のために戦い続ける事を祈る。

 ソレスタルビーイングのためではなく、君たちの意志でガンダムと共に…」

 

 「そして、本来ならば私はこれで去るつもりだったが、私が対話した者たちが思想を同じく今だ戦っているのであれば

 恐らく、ソレスタルビーイングと接触をしていると思う。だからこそ君たちにも託す物がある。

 彼らにこれが渡されることを願う」

 

 

 

 「ガンダムに搭載されているこの機能…それに対話した物たちとは…」

 

 「ヴェーダにもデータはありません。そしてマイスターのデータも削除されています」

 

 

 「くっ…イオリア・シュヘンベルグ、神を語る不遜者が…!!」

 

 

 

 プトレマイオス

 

 

 「機体に蓄積した。高濃度圧縮粒子を全面開放して、一定時間スペックの三倍に相当する出力を得る」

 

 「へっ、イオリアの爺さんも大層な置き土産を残したもんだ」

 

そんな事を話していると、スローネの鹵獲、そしてそれを成した物がサーシェスだという情報が刹那から伝えられた。

 

 

 (補給が早く終わるか相手が早く動くか…いずれにせよラグランジュ1での戦闘になる…それに彼らがどれだけ早く着くか…)

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 「皆~、早速連絡きたよ、なんか来てほしいだってさ」

 

 「わかった、ネーナ。艦を頼む、俺とミハエルは出撃。ホリーさん達は何か要請があった場合頼む」

 

 「わかったわ」 「了解! (は~い!)」

 

 

 「ガンダム デスサイズヘルズ 行くぜええ!!」

 

 「ガンダム ガルダスパルナ 出るぞ!!」

 

 

 

 「兄貴、俺はどうする」 「恐らく誰かはきつい状況になる。そしたら救助してやれ」

 

 「あいよー!! 俺は戦えればいいぜ!」

 

 

 

 

 「ロックオンは?」 「対艦攻撃に突入しました」

 

 (急いで刹那、彼らに連絡はした。なんとかしてくれるはず……)

 

 

 

 

 

 ミハエルがロックオンを捕捉、するとスローネと戦っているではないか。

助けようと思ったところで、ハワードの敵・特攻マンの攻撃を受けて大破したようだ。

 

 (ハハハ!おはちが回ってきたぜえぇ!)

 

 

 「野郎は…」 独り言の途中で嫌な予感がして前方に加速して背後を見る

 

 「またガンダムかよ!やっぱ戦争はいいもんだな!」

 

 「まさか避けるとはな、だがおめぇじゃ俺は倒せねえよ!」

 

 

この声は…!!!

 

 「まさか、俺が殺したパイロットか?しぶてぇな!」

 

 「残念だったな、ありゃ変わり身よ!」

 

 「チッ!! てめぇ、その機体性能普通じゃねえな! どうなってやがる!」

 

目の前の死神のようなガンダムの槍と動きが普通じゃない。地上で殺した奴とは段違いにだ

 

 「はっ! 誰が教えるかあああぁあぁ!」

 

 「だったら、てめぇの体に聞いてやるよおおおお!!」

 

 「上等だよ、この野郎ぉおおお!!」

 

 

 

その頃、ロックオンはGNアームズの一部分に機械を接続して狙いを定めようとしていた。

 

 (野郎、動きが早すぎる!それに相手が尋常じゃねえな、こりゃ)

 

しかし、そんな攻防を繰り広げる中、死神がこちらを見てスローネを射線に押し込み始めた。

 

 (はは…、ありがてぇよ。そろそろこいつも限界でな…)

 

 そんな事を思いつつ下の装置は今にも壊れそうだ。

 

 

 (だからさぁ……)

 

 

 死神がシールドを射出して相手を一瞬硬直させた瞬間!!

 

 

 

 「狙い撃つぜぇえええ!!」

 

 

 爆発しながらもビームを撃ち放った。

 

 

 

 「兄貴や俺程じゃなくても根性あるなこいつ…まぁアーガマに運ぶか」

 

死神は邪魔されることなく戦場を去った。

 

 

 

 

 プトレマイオス

 

 

 「キュリオス、ヴァーチェ共に健在!」

 

 「ハ!デュナメスを確認、トレミーへの帰還ルートに入りました」

 

 「全員無事っすね!!」 「うん、よかった」

 

しかし、ロックオンの機体からはHAROのロックオンがいない事を知らせる声

 

 「そんな…」

 

 「あれ、通信が来てます」 「繋いで!」

 

 「どうも、そちらのロックオンさんはうちの弟が救助しました。今頃母艦で治療を開始しているでしょう」

 

 「「ハー…」」

 

あれ、空気悪いな…

 

 「え~と、取りあえず乗艦しても?」

 

 

 「クスッ、許可するわ」

 

 

 「よかったね!フェルト」 「う、うん」

 

 

 

 

 ドッっと疲れたクルー達だった。

 




UCのような謎発光はしません。あくまでダイレクトモーションの延長な感じです。

サーシェスは生きてるんですかね?

スメラギさんの好感度アップ!!

ヨハンの機体の元はクシャトリヤ
色は羽が赤でボディがくすんだ白のイメージです。


予定ですが、リヒティにはロケットパンチ機能をつけます。
女の子を悲しませちゃいけません! by ホリーママン


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4枚羽表にでる

評価ありがとうございます。
お気に入りも100に近くなり嬉しいかぎりです。



 

 

 

 「それで、連絡の理由だけど。貴方たちの事を示唆してそうな映像があって、見てくれないかしら?」

 

 「はぁ…わかりました」

 

 そして見せられたのはイオリアの爺さんのメッセージしかも渡すものがあるときたもんだ。

 (何となく渡される物に心当たりがあるな)

 

 ……言わないでくれビアン。

 

 「その顔で大体理解できたけど、やはり貴方たちなのね…」

 向こうさんのやっぱりか…みたいな目が痛い!!

 

 「ゴホンッ! えぇ、恐らくビアンと俺の事でしょう。詳細は省きますが」

 

 「わかったわ、これよイオリアからの物は」

 

 うわー、なんかメモリーっぽいなー、中身怪しさ満点だな。

 

 

 「それでロックオンの事だけれど…」

 

 「えぇ、結構重症でこちらに運んできてもあれだと思ったので…

 こちらの母艦で医療カプセルに入れました。ただ、知識はあっても実際の経験はないので…」

 

 

 「私が行こう。このままここにいても足出まといだろうからな」

 

 「いいのですか?」

 

 いや、来てくれるのは有り難いが不都合はないのだろうか。

 

 「メンバーの命の方が大事よ。それじゃあ、モレノさんお願いします」

 

 「あの…ハロも連れてってあげてください」 「ヨロシクネ!ヨロシクネ!」

 

 フェルトちゃんがハロを渡してきた。

 

 「あぁ、わかったよ」

 

 その後、機体に乗り込んだ俺とモレノさんだったが…

 

 なにか来る!!

 

 「モレノさん!捕まっててください!」

 

 機体を急発進させ、その場を離れる。

 

 「なんてことだ、プトレマイオスが!」

 

 俺は舌打ちを一つしたあと、母艦に連絡を取る。

 

 「こちら、ヨハン 聞こえるか」

 

 「あ!ヨハ兄どうしたの?」

 

 「プトレマイオスへの攻撃が始まった。直ぐに戻りたいが医者が乗ってる。ミハエルを回してくれ」

 

 「了~解!!」

 

 「モレノさん、急ぎますよ!」 「了解だ!」 「ワーハヤイイー!!」

 

 

 うん、ハロ空気読もう。

 

 

 モレノさんをミハエルに渡したあと、俺は抑えていた速度を解放し、殺人的速度で元の場所へ向かった。

 

 

 

 敵の金色モビルアーマー、アルヴァトーレの粒子ビームにより身動きが取れなくなったトレミー

 打つ手がほぼない中、システムエラーが発生していた。

 

 「強襲コンテナに行くわ、迎撃しないと!」

 

 

 「フェルト、デュナメスの太陽炉に不具合があるわ。接続状況に問題があるみたい。早く行って!」

 

 「今の嘘でしょ?」 「わかる?」

 

 

 そして、数分のちトレミーの指令室真ん前にGN-Xがビームライフルを構えた。

 

 その時

 

 

 「男なら惚れた女ぐらい幸せにしてみせろよなああああ!!」

 

 ガルダスパルナからのファンネルによりGNーXはずたずたにされた。

 

 

 「よう、色男。諦めるにはまだ早いぜ」

 

 目の前には唖然として抱き着いた二人がいた。

 

 「おら、早く乗りな。」

 

 俺は真ん前を手でこじ開け二人をコクピット内にいれる。

 

 「あ、あの…恥ずかしいっす!」 「あぅ…う~」

 

 「おら、フェルトちゃん達に知らせといてやんな」

 

 「あ、はい!」 「自分が言うのもなんですけどキャラが違いません?」

 

 

 「戦いってのは血沸き肉躍るって言うじゃねえか」

 

 「戦闘部族だ、戦闘部族がここにいる…」

 

 「んじゃ、捕まってろよ!」

 

 

 

 

 戦闘区域を高速で離れていった。

 勿論、先ほどと同じ場所にて待機してもらったアーガマまで、モレノさんと同じ経験をした二人がいたのは言うまでもない。

 

 

 

 「マネキン大佐!こちらに急速に接近するMSを確認!」

 

 「なんだと、モニターに!「通信を求めています!」なんだと?!」

 

 最後の艦隊の前には異様な姿のガンダムが一機いた。

 

 「通信を許可する」

 

 映像に出たのは片目をふさぐ男だった。

 

 

 

 

 「どうも、カティ・マネキン大佐。私の事はヨハンと」

 

 やはり綺麗で強そうな人だ。

 

 「聞きたい事は様々あるが、まず問う。貴様はソレスタルビーイングか」

 

 「いえ、違います」

 

 「では、何故そのような機体を持ち我々の前に立った。味方という訳ではあるまい?」

 

 「そうですね。所信表明と貴方方の今回の勝利をお伝えにきました」

 

 「なんだと?やはり関係があるのか、しかし貴様なら今の我々を殺す事など造作もあるまい」

 

 向こうでなんか騒ぎ立てる声がうるさいな。

 

 「あまり嘗めないでもらおう。他人の戦を勝手に盗むような真似など無粋極まる。

 今回はあなた方とソレスタルビーイングの戦いだった。その勝敗を自身で壊すほど、腐ってはいませんよ」

 

 「成程、貴官は誇りある戦士なのだな」

 

 「えぇ、私が作った組織FFは誇りと矜持を持つ。とだけ言いましょう」

 

 「確かにその名前覚えたぞ」

 

 「ゆっくりお話ししたいですが、貴方方も忙しいと思います。なので最後に一つ」

 

 

 正しい、世のあり方とはなんでしょうね…

 

 

 

 「大佐、先ほどの人物は一体…」

 

 「あれは傑物の類だろう、それと言わなくてもわかっているとは思うが

 先ほどの事はこの場の者の極秘としておく。貴官達も誇りある軍人ならわかるな」

 

 「「了解!!」」

 

 彼らは戦いに美学を持つヨハンに少なからず、光をみたのだった。

 そしてカティ・マネキンは過去に思いを馳せていた。

 

 (まさかアイルランドの小さな英雄に再び会えるとは…)

 

 

 

 

 

 

 

 母艦アーガマに戻った俺はCBのクルー(ロックオンとモレノさん以外)にどうなったか聞かれた。

 

 

 「今回の戦いは君たちの負けだよ。ただ幸い死んだ者はいないみたいだね」

 

 落ち込んでしまったが、この後が大事だと言うとなんか意気込んでいた。

 そして……

 

 

 

 「リヒティ君、改造手術しない?」

 

 「男だけ集まって、なにを言うのかと思いきや何言ってんですか?!」

 

 「ナニの話かな(キリッ 」

 

 「うまくねぇんだよ!!」

 

 ツッコミがうまいなリヒティ君

 

 「真面目に言うとだ、まぁ生殖機能の復活とサイボーグ目指さない?」

 

 「え…でも俺…」

 

 「大丈夫だ、安心して任せなさい。彼女さんも了承してくれたぞ」

 

 「おいぃぃいい!!!なんて事したんだ!!」

 

 「ひゅ~!お暑いね~!」

 

 ふ、あまいなミハエル

 

 「ミハエルお前がこっそりエイミーちゃんとイチャイチャしてるのは知ってるぞ」

 

 「ゲハァ!な、なぜ」

 

 陸に上がった魚になっていた。

 メンタルへのダメージが大きかったようだ。

 話を戻して…

 

 「彼女さんからは何人欲しい?というコメントをいただいている。(ハゼロ) では眠っとけ!」

 

 「え、今なんギャピ!!」

 

 

 

 

 リヒティ君を気絶させ、ミハエルを放置した後

 

 俺、モレノ、ビアン・イオリア爺(モニター)の4人で密かに計画をしていた改造を施す。

 

 「やはり、ロケットパンチはロマンだな」

 

 「(バズーカもつけるべきだな)」 「(膝にもつけようか)」

 

 「ふ、恐ろしい人達だ」

 

 

 「「「「フフフフフ……」」」」

 

 

 

 男のロマンを勝手に搭載する4人。全世界共通の男のバカさがそこにはあった。

 

 




こっそりヨハン一機落としてますが
勝敗はほぼ決まっていたので、それを姑息な真似で蒸し返す事はしないという事ですね。

炭酸さんはネーナの尻に敷かれてもらいます。
クーデレ隠れ巨乳は渡さん。


リヒティ&クリスカップルを見たホリーさんはあらあらまぁまぁ というリアクションです。こう片手を頬に当てて笑顔で


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戦をするもの加担するものに求められる最低条件

投稿に一回、失敗して前後のあとがき吹き飛ぶ。
遅れる。 作者、気分が急降下

お気に入り100人 作者気分がパーティカルクライム


 

 

  リヒティ君が目覚め、ある部位の復活と共にロケットパンチ等が着けられた事に気が付き一悶着。

 その後、ロックオンが目覚めるまで約一か月…イオリア達と機体のチューニング案を俺達は話していた。

 

 無論、イオリアの事は秘密という事にしてもらった。それに彼はあの組織でやるべきことは全て行った。

だからこそ、やりたい事をやってこれからを過ごしたいらしい。

 

 

 「まず問題はだ、このプラズマジェネレーターの生成電力速度に疑似太陽炉が耐えられるのかだが…」

 

 「(ふむ……、どうなのだイオリア、私の考えが正しければ一定ラインを超える事が)」

 

 「(不可能だ、核を封じてきた私だが、この動力が生み出す速度に太陽炉が耐えられないだろう。間違いなく爆発する。)」

 

本来この世界には存在しない異物。その技術を予想する事は厳しい。

 

 「(だが…、これ以外にも問題は存在している)」

 

 「最大粒子生産量と圧縮率か」

 

 「(そうだ、オリジナルもそこが解決できなかった。打開策としては貯蔵しておく方針を取らざる終えなかった。

 以前の戦闘データを見たが、あの機体の本来の力を発揮できてはいなかった。今後は絶対条件として生成量は欲しい)」

 

 「(だがオリジナルと同じ手段を取っても意味がない。…ヨハンお前の考えは?」

 

 「まず、電力の生成速度には追い付かなければ我々の武器が生きてこない。

 それと、俺の機体のドライヴはサイコミュを入れた方がいいだろう」

 

 「(どういう事だ?たしか脳波を……まさか!!)」

 

気が付いたか。

 

 「儂も知ったときは驚いたものだ。だが理に叶った案だ。性質上、始動機が必要なのだからな」

 

俺は事前にエイフマンに可能なことなのか聞いていた。これが可能なら事実上、オリジナルの欠点!改良不可ではない半永久機関になり得る。

 

 「(成程、ならば融合はどうだろうか?」

 

 「(おもしろい。別々の装置ではなく発生した電力をそのまま変換する気か)」

 

 「粒子を余らせる可能性がある。コンデンサーが必要だな」

 

 「(話のわかる者たちがいると楽しいものだ)」

 

 

その後も、様々な改良案を出し一度制作してみる事になった。

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 医療設備ルーム

 

 

 

 俺達は、モレノさんが大凡の状態を、診断し終えた知らせを受けて話を聞きに来た。

 

 「結果から言えば奇跡的に大きな異常はなかった」

 

その声に安堵の息を洩らすリヒティ達。だが俺達は察していた。異常はあるのだと。気配が言葉より雄弁に物語っていた。

 

 (やはりか、傷を押しての戦闘。しかも更に負傷した…普通なら生きてる事が不思議なぐらいだ)

 

ビアン、わかってるさ。だが言わなければならない、本人を前にして沈んだ顔など辛いだけだ。

 

 「大きなという事は何か異常はあったという事だな」

 

 「あぁ、利き目の視力が格段に落ちている。良くなるのかはわからない…残念ながらな」

 

リヒティとクリスはショックな様子だった。

それはそうだ。仲間が事実上の戦力外と言われたようなもの。

 

 

 「多分、兄貴も言うだろうけど。そんな顔は本人の前ではするなよ、同情なんてあいつも望んじゃいない」

 

 「あたし達もだけど、そうなる可能性がありながらも選んだのは自分。って感じね」

 

 

さすがミハエルとネーナだな。兄として誇らしく思う。お前はどうだビアン?

 

 (私は、少し教えただけだ。この道を選び育ったのはお前たちの力よ。それが答えだ)

 

子は親から学ぶのさ、どうあるべきかを。

 

 

 「その通りだ。リヒティ、クリス頼んだぞ」

 

二人はただ力強く首を縦に振った。

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 

 「そろそろ起きるぞ」

 

 「ん、っん~…ぅーこ、ここは」

 

 「私たちの艦です。ここは」

 

 「なに?!…っつどういう事だ。俺は…それに、リヒティ達まで」

 

 「我々が救助しました。貴方もですよ、ちなみに弟がね」

 

 「へ!お前も覚えてんだろ死神みたいなガンダム、ありゃ俺だ」

 

 「ハ?おいおいまじかよ…ってそう言えば組織は、それになんでここにいるんだ」

 

まだ覚醒して直ぐなのに気が付くか。

 

 

 「俺達の母艦はまぁ俺とクリス、モレノさんがいる事でわかるかもですが大破。今はバラバラっす」

 

 「それと、大破したのがあの後の戦闘でね…結果的には負けって事になるのかな」

 

 「なんだと!おい、連絡はつかないのか?!」

 

 「行ってどうする」

 

 「決まってんだろう。仲間を…」

 

俺はモレノさんに目で伝えていいか、問いかける。 答はOK。

 

 

 「探すか、何も手段がないのにか?」

 

 「ハッ!そうか俺のガンダムは…くっそ!」

 

 「何より自分の利き目を確かめてみろ。とてもじゃないが戦えない」

 

ロックオン、今はマイスターではないだからこそ、こういうべきだろう。

 

 「分かったか、ニール・ディランディ。今の君では例え、君の相棒と一緒に戦っても以前と同じ結果になる」

 

 

 「ロックオン、ロックオン」

 

 「は、まさか目がやられてるとはよ…」

 

 「そしてもう一つ、あの戦いはあの後の一戦で蹴りがついている。それを蒸し返す等ナンセンスだ」

 

 「……オーライ、しょうがねぇさ覚悟の上だ。で、どうすればいい?」

 

モレノさん。俺は目で促す。

 

 「まず、君の目が今後失明するのか快方に向かうかは未知数だ。

 それと彼らは彼らで動いている。とだけ言っておこう」

 

 

最後のモレノさんの話で、幾分気持ちは楽にはなったか。

 

 「(ニール君、君は戦う道を選んだ。どうあれ、戦を始めた者には責任がある。それがどんな形であろうともだ)」

 

 「降りることは許されない。だが丁度我々は人員を欲している。さぁどうするニール・ディランディ」

 

 「…へっ、俺はもど「言い忘れたが戻るのは不可能と言っていい」」

 

 「「どうして(っすか)?!」」

 

 「簡単に言えばヴェーダを奪われたのは知っているな?」

それに頷かずとも、当に知っている。といった表情だな。

 

 

 「で、黒幕がいると分かっている中。外に行くのは安全かな?」

 「そして、君たちの支援者の小娘。俺はあいつも信用していない」

 

 

 「どうして、王留美の事まで…」

 

 「独自のネットワークの賜物。とだけ言おう、問題は彼女がしていることだ」

 

幾つかの資料を見せる。

そして、驚愕のCB一行。

 

 「簡単に言えば子供の癇癪で人の命を軽んじる物だな。

 自身はただ眺めている傍観者気分。その癖、自身の環境が気に入らないからと世を変えるという愚かな発想」

 

 「どう思う、俺ならばこの餓鬼のために危険な目にあう。命をかける。馬鹿らしい、唾棄すべき汚物だ。

 自分の力を行使するでもなく、他力本願で誰かの死を願う。ドブの臭いが鼻につく」

 

 

 「それで、どうする。さぁ 答えを聞こうCBの人員諸君。

 帰れるか分からず、帰っても足手まといとして惨めになるか ニールを見る

 自身の幸福を捨て、泥沼の橋を渡るか… リヒティ・クリス・モレノ

 

 さぁ!答えを聞こう。何も俺はいじめたい訳じゃない。ただ命をかけた先、死んだとして納得できるかどうかだ」

 

 

 「俺はこっちに残るぜ」 「私もだ」 「俺(私)も」

 

即答か…

 

 「まぁここには妹がいるしな。命をかけるには十分さ」

 

 「見たい物があるんでな」

 

 「今は無理でも会えないとは言ってないし」 「それに、休暇もいいかなって」

 

 

俺達三人は互いに顔を見合わせ、笑みを浮かべ告げる。

 

 

   「お見事だ」

 

 「「ようこそ!!自由な炎、FFへ!」」

 

 

 (眩しい物だな、だが、だからこそ人間足りうる)

ああ、さすがだなビアン。奴らはやっぱり、誇りと矜持ある変革を促す者たちなんだろうよ。

 

 

 

 世界には、ゆっくりとだが戦の音が近づいていた。





天才×天才 混ぜるな危険人達

 メンバー ヨハン ビアン イオリア エイフマン

イオリア爺…友達できてよかったね!

セリフは印象的だったものを使いました。
ヨハンの死生観は独特です。


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結果が同じでも過程が大切

オリジナル技術が出てきます。

混ぜたら凄い物になる事もあれば失敗もあると思います。

気が付けばUAが一万近く…何が起きた!
それと評価をつけてくださり感謝です。


 

 

 

 「まず、ニール。君の仕事は大きく分けて二通りの道がある。

 片目の弱さを上回る機体操作等を身に着けて再び機体に乗る。

 これは、我々の設備を使う。勿論、どうなるかは君次第だ。

 

 もう一つは母艦の砲撃手。固定された艦の砲台ではなく

甲板上で護衛に専念してもらう形だ。…どれにする」

 

 「望みがあんなら、機体に乗りたいね。

 そう言えば、ヨハン。あんたあった時から眼帯してるけど、そいつは…」

 

 

 「あぁ、これはまぁ見れば早い」

 

そう言い俺は左目の眼帯を取る。

 

 「な、お前…その目は……」

 

そう、ヨハンの左目は薄い赤色。しかし、虹彩が普通と違う形をしていた。

 

 「あぁ見えていない。だが俺はそのハンデ以上に物が良く見えたり、感覚が鋭敏でね。問題はない」

 

 「それで、あんな動きしてんのかよ。化け物だぜ、あんた」

そう、ニールが言っているのはVRでの戦闘記録。彼にその中の一戦を見せたが軽く落ち込んでいた。

 

 「さて、パイロットの方がいいという事だが…。

 やはり狙撃の方がいいかい?」

 

 「あぁ、作れんのか?」

 

 「問題ない。あるとすれば機体の性能にニールが付いてこれるかだ」

 

 「上等!!やるぜハロ」 「リョウカイ!リョウカイ!」

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 開発ラボ、イオリアの爺さんの本体も内蔵されているデータ統括端末が置かれている部屋で会議を行っていた。

 

 

 「まさか、爺さんまで居るとはな…驚いたぜ」

 

 「まぁまぁニール兄さん」

 

 「エイミー、なんで隣の奴に抱き着いてやがる。俺は認めねぇからな!」

 

ついにばれたかミハエル。……ガンバレ

 

 「(オホン…!さて、話を始めようと思う。まず我々開発チームの試作型だが…エイフマン)」

 

 「実験にリオンシリーズを使い、宇宙空間で起動を試したのだが。予想速度を超えてな、爆発しおったわ」

 

 「(データ自体は取れたので、半分は成功と言えるだろう。それに、新たな発見もあった問題はないだろう)」

 

俺も驚いた。可能とする粒子生成量の多さにだ。そして粒子の色に。

 

 

 「そう言えば、これだけの物を何に使うんすか?」

 

 「どこまで行けるかの探求だよ」

 

 「でも、それって…」

 

 「過剰な戦力を有すると問題がでる。勿論その点は知っている」

 「だが戦いで相手が強くて問題がある、等いってられないだろう?つまりそういう事だ」

 

 「(備えあれば憂いなし)」

 

 「(我々は作りたいだけだがな、基本)」

 

そこは黙っとこうイオリアの爺さん。

俺は話を進めて誤魔化すことにした。

 

 「あと、女性陣には物資やその他諸々を頼もうかと」

 

 「ヨハ兄まっかせて!」 「お洋服をみたいわね~」

 

 

 

 「ミハエル、地上はどうする」

 

 「資源の補給も必要だしな~、一段落したら降りて隠れようぜ兄貴」

 

 「わかった。皆に伝えといてくれ」

 

 

――――――――――――――――

 

 

 地球に戻り、拠点では中々の資材と益々増えた拠点規模を見て、皆驚く事になった。

働いていたロボが誇らしげに見えたのは気のせいだろうか…

 

 

そして何回かの失敗をへて、漸く完成品ができた。

 

 「(まず、ワシも驚いたのだが…プラズマ・ジェネレーターが太陽炉と相互反応を起こすとは)」

 

 「相互反応により炉心が臨界まで回り高出力を出し、さらに高まった出力により生成速度と量が増えていたなど…」

 

 「(私たちはこれをGNリアクターと名付けた。ただ一旦停止させると、復帰には暫くかかる性質がある)」

 

成程、だから過剰生成が起きたり爆発してしまったのか。

 

 「人体への影響や、副次効果があったりするんだろうか…」

 

 「(我々の予想では、恐らくGN粒子による人体の障害は良くなる方向で働くだろうと考えている)」

 

 「それと、イオリアが言っていたGNリアクターだが。お前のガルダには二つ搭載せざる終えないだろう」

 

もしや…

 

 

 「大型バインダーやファンネルか?」

 

 「(そうだ、武装の事などを考えるとやはり一つでは厳しいだろう)」

 

しょうがないか、エネルギーはバカみたいに消費する機体だからな。

 

 「ビアンから見て、現状このGNリアクターを積み込んで問題ないのは」

 

 「(お前たち兄弟は大丈夫だろう。それにと母艦もな、ただし他は今は意味がないだろう)」

 

 「仕方のない事ではあるがな」

 

 「(如何に優れた物を持っていても使いこなせなければな…)」

 

 

ホリーさんやニールは仕方ない部分もあるか。

今後に期待かな……。

 

 

 「(ヨハン、外部から連絡だ)」

 

 「相手は?」

 

 「(リーサ・クジョウだ)」

 

 

ようやく来たか。

 

 

 「わかった。繋いでくれ」

 

 

用件はやはり、ニールやリヒティ達の事。

そしてどこで会うかの予定場所だった。

 

 

 

 

 

 「で、会いに行くんだが……これはなんだ」

 

そう今俺はまるで着せ替え人形のような状態になっている。

 

 「ヨハ兄!だって昔の侍みたいな恰好で行こうとするんだもん!」

 

 「別にいいだろう。カッコイイし余裕のある服がいいんだ」

 

 「今時そんな恰好の子はいないわよ?ヨハン君」

 

ホリーさん…みんなピッチリな服を着てるのか俺はやだな。

 

 「こいつもこいつでやっぱどっか変だな…」

 

 「兄貴、取りあえず上にこれを着てくれ。そうすれば多少は誤魔化せる」

 

差し出されたのはライダースジャケット。

それを着てみると周りは以外に合うな…や写真をとろうといい始め一枚撮った。

 

 「では、行ってくる」

 

 

 「…で、誰がこっそりついてく?」

 

 「ここはエイミーちゃんとニールさんがいいんじゃない?ミハ兄」

 

 「うむ、我々よりは問題は少ないだろうな」

 

 「わかった!じゃお兄ちゃんいこ!」

 

 「はい、はい」

 

 

ニール兄弟、密かに尾行。

 

 

 

 

 俺はなぜか周りから「OH…SAMURAI…」とか「武士だ!かっこいい」など大変だった。

残念ながら俺は出身国はないけどな。

 

 

 「ヨ、ヨハン君久しぶりね…それにしても……奇抜ね」

 

 「えぇ、どうもクジョウさん」

 

 

二人は再開した。地上にて

 




ニールはあれだけGN粒子浴びてたら変革しそうな気がします。

地上のロボ達

 「資源沢山とっといて、拠点も大きくしたら喜んでもらえるかも!」

 「者ども!取り掛かれ~!」

 「FUUUUU!!!」

荒ぶる作業員たち(ロボ)


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美人は世の宝、しかし甘やかす事なかれ

ついにヨハンは卒業します。

ミハエル?先に卒業してますがニールにバレて日夜模擬戦です。


 

 

 

 多くの人々が行きかう町、その一角にある個室付きバーで二人は再開した。

 

 「それで、クジョウさんお話しとは?」

 

 「それは、勿論…」

 

 「えぇ、大きな問題もなく元気ですよ」

 

直接的な言い方は避け、暗喩の様な形で会話をする。

 

 「そう、それで三人だけど何か言ってた?」

 

 「今は戻る気はないそうです。まぁ折を見て…ですかね。

 それで、クジョウさん。それだけではないでしょう?」

 

そう、本来仲間の事を聞くのであれば通信で事足りる。

しかし、そうしないという事は本題は別にあると云う事。

 

 「やっぱりわかるのね…今の世界をどう思う?」

 

 「途中段階…といった具合ですね」

 

 「途中段階……」

 

 「えぇ、何事も直には治らないという事です。

 その問題が大きければ大きい程に…。」

 

 「私がやってきた事って結局、逃避だったのかしらね…。

 世の中を変えようと思って活動したことも。結局、今を見るとそう思えてならないの…」

 

彼女はきっと怖いのだろう。自分の過去にあった事を払拭するために戦った。だがその結果が伴わないかもしれない事に…

 

 「戦争根絶…端的に言えば不可能ですね」

 

 「どうして!!」

 

 「人類の歴史というのは平和と戦争の繰り返しです。規模の違いはあれど、です。

 人間というのは平和の中にいると、その価値と意味を見失います。だから何度も戦争が起きるのです。

 それに世界が一つになる。これも表面上はそうかもしれませんが、持つ力も違う国々が一つになった所で派閥が生まれ

 また争いが生まれるだけです。大事なのは過去の事例から学び、どう進むべきか。

 貴方の過去はわかりませんが、少なくとも問題から目を背け、逃げるなど許されない。

 戦を始めた物には責任というものがある。それがどんな形であれ受け止めなければならない…と思いますよ」

 

そう、ビアンもこういった問題には向き合った。

だからこそ言わねばならない、降りる事は許されず。前までの考えが甘かったという現実を。

 

 「強いのね…ヨハン君は……」

 

 「必要なだけです。命を背負うという事に妥協は許されませんから」

 

 

 

 

 離れた位置、そこで会話を聞いていた二人。ニールとエイミーは対象的な表情をしていた。

 

エイミーは幼い頃、助けてもらい。ビアン達の背中を見続けてきた…そんな彼女からすれば当然といった事だろう。

彼女は目に淡い炎を宿していたが、ニールは違う。

 

彼は頭を殴られたような気持ちだった。

世界を変える。その事を思って行動してきたが、具体的な事柄や生まれる弊害は考えてもいなかったからだ。

 (くそっ!確かにそうだ。問題を先延ばしにしても、また俺と同じ様な奴が産まれるだけだ。)

 

 

 

 戻って、バー個室。

 

 

 「…貴方たちはどうして戦う事を選んだの?」

 

CBを離脱した彼女は問わずにはいられない。

 

 「自分のためです。勿論、兄弟たちを助けたい。それもありますが、結局それも自分が助けたいからです」

 

 

クジョウには彼が何物にも縛られない、大きな翼を持つ鳥。不思議にもそう見えた。

 

 

 結局クジョウは酔いつぶれて、ヨハンにおぶられFFに行くのだが…その時、酔っぱらっていたのかは定かではない。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 朝、目覚めると。自室のベッドで寝ていたが隣に動く物体があった。

 

 ビアン、俺一人で寝たはずだよな。

 

 (知らん。儂はイオリア達と人生ゲームをやってたのでな)

 

 いや、なにしてんだよ!…ってそうじゃない。まさか俺が意識のない間になんてのはさけたい。

俺は意を決し布団をめくった。中にはやはりクジョウさん。

…いや大丈夫だ。服を着てるし聞いてみよう。

 

 「クジョウさん、起きてください」

 

ゆすり起こし、寝ぼけ眼ながら俺を認識したクジョウさんは

 

 「おはよう、ヨハン。いい匂いだったわ」

 

 「いや、クジョウさん何言ってるんですか」

 

 「もう、リーサってこれからは呼んで。それと暫くお世話になるわ」

 

 (ビアン、わけがわからないんだが)

 

 (恐らく何か思うところがあったのだろう。色々とな)

 

 「あー…、リーサ?何がどうなって…」

 

 「惚れたってこと。優しくしてくれたり、温かみがあったりね///」

 

 

 

 

 「(ようやく、ヨハンに彼女ができおったわ)」

 

 「(めでたいな、肉体があれば酒を飲むのだが)」

 

 「ワシもほっとしておる。クジョウ君がようやく落ち着くのだからな」

 

 「(うむ、ロボ達にも報告をしておこう)」

 

 「(既に伝達を終えた。盛んにデータのやり取りが行われている)」

 

 「よくやった!やはり人生こうでなくてわな」

 

 

爺達は孫が早くできないか待つ老人の様だった。

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

 俺がリーサと関係を持ち。夜を共に過ごした次の日、俺の体について驚くべき事が発覚した。

腰が疲労困憊のリーサがモレノさんに聞いた所、診断結果がでた。

 

 「わかったことだが、ヨハン…君は常人より脳や体細胞が活発に働くため、簡潔に言えば絶倫だとわかった」

 

 「モレノさん、それだけではないですよね?」

リーサの問に

 

 「あぁ、定期的なガス抜きの必要があるという事だ。まったく興味深い事例だ」

 

Oh…、リーサ一人では耐えきれないという事を暗に意味していた。

今までは、経験がない事と抑えられていた物が、今回一気に噴出したという事らしい。

今後は気を付けなさいと言われた。

 

 

後日、実働メンバーを集め会議を開いた。

 

 「今後を考えると、今連絡をとった方がいい者を上げていく」

 

その人物達は、【カティ・マネキン】【セルゲイ・スミルノフ】【グラハム・エーカー】【ビリー・カタギリ】…【炭酸バカ】

 

 「まさか敵側の指揮官がカティだったなんて…」

 

 「おい、一人ちゃんと名前出されて無いぞ」

 

…ニール、スルーだぞそれは。

 

 「今後、世界が大きく動くときに先達がいなければ難しい。だからこそ先に接触をする」

 

 「ふむ、ワシも教え子を久しぶりに見たいからな構わん」

 

 「兄貴、このスミルノフって…」

 

 「私の夫よ。ネーナちゃんに合わせたいわ~。それにアンドレイどうしてるかしら」

 

ホリーさん、安心してください。何故かマザコンのような気がします。

 

 「どこから会いに行くかは未定だが、予定は以上だ」

 

 

それぞれが自分の武器を磨きながら、来たる日に向け準備を始めていた。

勿論、ソレスタルビーイングも…

 

 

 





 以下ロボの歓喜

 「おい!主人にお相手が遂にできたらしいぞ!」

 「本当か!宴が必要だな」 「画像を持って来い!」 「問題ない、準備済みだ」

 「もしや子供ができるのか?!」

 「育児施設が必要なんじゃ!」

 「行くぞ野郎共!!」 「「HYAHHAAAAAA!!!」」 

そのうち長老ハロと長老リオン発生する気がします。


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フラッグファイターはスピード命


リーサ…イイネ!

異性として見られないビリー残念。
君は押しの強い女性が合うよ。


 

 

 我々はまず、ユニオンにいるビリーとグラハムに接触することにした。

ビリー宛にメッセージを送り、彼の自宅に行くことにした。

 

メンバーは俺、リーサ、エイフ爺。勿論近くには万が一に備え海中に艦を待機させている。

 

 

 「久しぶりにユニオンの地を踏んだが、変わらんものだな」

 

 「きっと貴方の弟子は成長していると思いますよ」

 

そんな俺の言葉に、だと良いがなとそっけなくエイフ爺は返した。

 

 

 「それにしても危険なのに先生を連れてきて大丈夫なの?」

 

 「寧ろ必要だろう。目に見える事が大切なんだ」

 

 

さぁ、小さくしかし大事な会談の始まりだ。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

ビリー宅にお邪魔した俺は、所属を明らかにした。

 

 「どうも、メッセージの主ヨハンです。」

 

 「これはどうも、ビリーだ。それで何の用件かな?」

 

警戒濃厚といった所かな。

俺はエイフ爺に合図し、爺は変装を解いた。

 

 

 「っは!教授!どうして生きて!」 「プロフェッサー!」

 

 「ここの彼に救われてな。それと過去の彼らがやって来た理由も説明しよう」

 

そこからはまず、リーサがCB所属だった事。そしてCBを操ろうとする者たち。

その黒幕の者たちが自身の命を狙ってきた事。

理由はCBの真の目的にたどり着いたため、とも説明した。

 

勿論ビリーはリーサの事について怒りをあらわにしていたが、爺に一喝されて逆に説教をくらっていた。

横で聞いていたグラハムも額に手を当てて、まったく…といった表情だ。

 

 

 「成程、君が恩人なのはわかった。だが聞きたい、何故それを君は察知でき行動できる。」

グラハムが至極当然の疑問を口にする。

 

 

 「私は過去の大戦の時に、疑似GNドライヴを提供した者たちにより生み出された者だからです。

 そして科学者、技術者の相次ぐ死去。材料さえ揃えば簡単です」

 

 「嘘は言っていない。だが真実も言っていないな」

 

 「さすがです。ですが今お応えできるのはここまでです」

 

 「承知した」

 

さすがエースだな、頭のキレも良い。

 

 「しかし、その黒幕が今もまだ軍上層部にいるという事は…」

 

 「あぁ、ワシは戻れん。まぁ戻る気もないがな」

 

 「我々が今日ここに来たのは、情報を伝えるため。もう一つは助言です」

 

 

無言の催促。

 

 「恐らく、何年後かにCBは活動を再開するでしょう。その時お二人に軍から声がかかるのは明白。

 そして、この話を聞いた時点で黒幕には接触した時にバレてしまう。なので我々の組織に加入していただきたい」

 

 「僕は構わないが、彼はガンダムとの決着を望んでいる、見て分かる通りね」

 

 「その通り、私はあの時の少年と戦いたいのだ」

 

 「我々もガンダムを所有していて、その相手との戦闘を許可するとしてもですか?」

 

俺の言葉にグラハムの目は鋭くなる。

正に偽りを許さず、といった具合だ。

 

 「並みの機体でない事は保証しよう。ワシも見ておる」

 

 「成程、しかし戦闘を許可するとはどういう事かな」

 

 「そうね、私も聞きたいわ」

 

 

 「人間が成長する事に必要な物とは壁だと思う」

 

 「壁?」

 

 「そう、それを打ち破るか乗り越えるかは人によりけりだが

 自身を高めるためには必要な経験だ。だから、その相手の超えるべき存在として、私は戦闘を許可するというわけだ」

 

ただ、道なき荒野を進むより競う相手、超えるべき存在がいてこそ人は成長できる。

少なくともビアンを見て、俺はそう思う。

 

 

そして俺の話を聞いた彼は、己が手で仮面を壊し素顔を見せ

 

 「わかった。ならばこのグラハム・エーカー君の誘いに乗ろう」

 

 「決まったようだね。ではすぐに出るとしよう、厄介な事になる前にね」

 

 

そこからは小型輸送車で移動し、基地に戻った。

勿論、途中軍の探査があったが運がいいのかテロが起き、そちらに目が言っていたので通り抜ける事ができた。

 

 

 

 

 「これはすごい…教授たちはこんなものを…」

 

ビリーとグラハムが見ているのは俺達の機体。

無論リオンシリーズやHAROにも驚いていたが…

 

 「ヨハン、私の機体制作は可能かね」

 

 「可能だ。だが能力が分からなければ作りようがないな。

 まずは、模擬戦をこれでやってデータを取ろう」

 

 

差し出したのは俺達がよく使用するVRシステムを使ったヘッドギア。

 

 「これは・・・一体どうやってデータを取るんだい?」

 

 

目を輝かせながら質問をしてくるビリー。

技術畑の人は総じてどこか変なんだとつくづく思う。

 

 

 「これは電脳世界で疑似的な戦闘を行う事ができるデバイスだ。

 無論、肉体は動かないが自分が操作するのと何ら変わりはない代物。

 これで戦闘データを取って、大凡のパイロットの能力を図る事ができる」

 

 「興味深いね…教授が帰りたがらないのも頷けるよ」

 

早速グラハムは装着して模擬戦を始めたようだ。

 

 

途中やはり彼に合う機体がデータにない事がネックになったので

ビリーに大体のデータを入力してもらい、足りない部分は今のGN-Xに合わせた。

 

ガンダムとの模擬戦に、終始喜んでいるグラハムがいたのだが。

俺のデータを基にしたガルダ(リミッターON)に負け、詳細を聞きに来たグラハムに

今はあれ以上の挙動とスピードをしている事を告げると悔しがっていた。

 

さすがフラッグファイター…。

 

 

 

終始、彼らは新しいおもちゃを得た子供の様だった。

 




今回は短めです。

フラッグは百式のような紙装甲の速度重視と思っています。
エイフマンも参加する制作。どうしましょうか…
それとエイフマン実は高齢なんですよね。ここで技術者抜けるの痛いんですよね~

UA1万2千ありがとうございます。
コメントはなるべく返していく方針です。


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夢物語を現実に

ヨハンは出ません今回。

作者< 最近暑くて頭が回らん…休みを挟まないとキツイ


 

 

  時は遡ってニールが加入した頃…

 

 「それにしても、お前らの機体なんだよ。それを操縦するお前らもだけど」

 

ニールは決して機体操縦が下手な訳ではない。寧ろうまいと言える部類だ。

しかし、三兄弟らに勝てない。

 

 「俺らは小せぇ頃に、兄貴に助けてもらった頃から生き残るためにやってたからな」

 

 「そうねぇ~。ビアン爺のお陰もあるけど…でも、ヨハ兄と同じ気持ちだし!」

 

 

 「そうか…。それでお前らの機体はなんで化け物みてぇな代物なんだ?

 普通は体がついて行かないだろう」

 

 

今の世の中、CBのガンダムが最も進んだ機体であると言えるだろう。

そんな機体を使う彼らでさえヴェーダのバックアップがあって漸くといった所だ。

 

 「それに頼ってちゃ俺ら腕上がらねぇわけよ」

 

 「そそ、あたしらはヴェーダのサポート有の奴にも勝てないとね!

 あと凄い機体作れて使えませんはなんか癪だし」

 

 

 「たまげたね、こりゃ。んでコツとかあるのか?」

 

 「慣れだな」 「慣れね」

異口同音だった。

 

 「……おいおい」

 

 「経験とそれに慣れた体ってことだよ」

 

そう、人類はその環境に適応した体に代わっていく事ができる。

だからこそVRで様々な状況でのシュミレーション。そして、その挙動に慣れた体が必須という訳だ、

 

 「ん~、でもヨハ兄が言ってたけど。あたしらは普通の人たちより多少脳が優れてるって。

 あとニールは、GN粒子を結構浴びてるから変化があるかも、って言ってたよ」

 

 「成程、よっしゃハロ!VRで訓練だ」

 

 「ワカッタ!ワカッタ!」

 

 

 

 「乗せるのが美味いなニーナ」

 

 「てへっ!」

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

 「そういやよ、俺らのいる拠点結構でかいよな」

 

 「そうね、下手な基地より大きいかも」

 

新参者の三人は疑問をビアンに聞いていた。

 

 

 「(我々の基地は宇宙と地球を合わせれば、3つになる。

 一つは補給の役目と開発を司る。このゴヴニュ。

 火星から木星にかけての、アステロイド・ベルトに紛れた資源採掘要塞アクシズ。

 そして地上の無人島に見せかけた、海底基地ウルタリア。これらのお陰で、我々は大き目に作る事ができたのだ。)」

 

 「あ~、だからあんなに作業ロボとかが沢山いたんすね」

 

そう。リヒティが言ったように、頭部にHAROが乗ったボトムズのような物。小型リオンが様々な事をやっていたのだ。

勿論アクシズには、更に多い数がいるのだが。

 

 「(うむ。我々に支援などない。必然の形だったわけだ…)」

 

 「あれ?食べ物はどうしてるの。CBの時よりおいしいんだけど」

 

 「(ゴヴニュとウルタリアには食の生産設備がある。今はそこからの調達と、外部で嗜好品を購入するぐらいだ。

 今は資源変換装置の機械を作成しとる。いずれはそこからじゃ)」

 

 

 「素朴な疑問なんだけどよ、なんでこんなに作ってんだ?」

 

 「「そうそう」」

 

確かに新入りからすれば、ここまでやる必要性を感じない。しかしFFは夢見ている事がある。

 

 「(夢のような話だと思うだろうが。別の世界に行ったときのためよ)」

 

 「「「ハ?」」」

 

 「(我々は子供のようなものよ。違う世界に行き

 そこでは何が発展しているか。

 どんな世界か。 どんな者が住んでいるのか。

 そういった未知を体験したい。そういう思いでこのような事をしとる。)」

 

 「さすがに無理だろ。そりゃよ」

 

ニールの言葉に周りも頷くが、ビアンは笑みを浮かべ否定する。

 

 「(いや、行くための手段は知っていて、理論は持って居る。ただ不安定な代物故、時期を見ておる。

 せめて、幾ばくかこの世界が落ち着くまでな)」

 

ビアンの言葉に驚愕している一行。

その後もビアンは実は別世界の存在でヨハンも中身は違う事や

ニール達以外の者はみな、既に承知でしかも楽しみにしている事まで教えられた。

 

 

途中でビアンに、ほかの世界では変身合体ロボがいたと聞かされた男二人。

ニールとリヒティは目を輝かせていた。

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 スメラギやビリー・グラハムが加入し、

 組織の真の目的を聞かされた暫くあと、意識が睡眠に入ったヨハンと入れ替わりでビアンが皆に発表をしていた。

 

 

 「(実は、我々が開発を進めていた物が完成した。)」

 

 「「「おぉ!!」」」

 

説明を変わってイオリア。

 

 「(私が生前開発したイノベイドを元に、不老のきっかけをつかむ物が完成した)」

 

モニターに出された錠剤のような物

 

 「(これは依然できた、GNリアクターから採取できた粒子を混ぜ込んだものだ。

 勿論、今の君たちが不老を掴んだとしてベースの肉体年齢は変わらん。

 実験でエイフマンが成功したが、外見は変わっていない事でわかるだろう)」

 

 「まさか教授自ら実験台になるとは…」

 

 「ワシも年なのでな、果てるわけにはいかんのじゃ」

 

 「(しかし、イオリアも言った通りこれは不老。死がないわけではない。

 不老になった先、その生体データを登録して初めて次のこの機械が使える)」

 

次に映し出されたのは生成チャンバーと殆ど変わらぬ機械。

 

 「(これは、生体データを元に肉体を作り意識を移す機械だ。

 無論、今だ人間に使ったことはない。危険性があるかもしれん。だからこそ言おう、安心はできん!死ぬかも知れない事を忘れるな)」

 

 

その言葉が終わり皆錠剤を接種し、時間の差はあれどGN粒子を浴びた事があるメンバーだったのが理由か

一日の内に全員が進化を遂げていた。

 

 

進化したグラハムは格段に操縦が良くなっており、またニールは低下していた視力が回復し、喜んでいた。

だが、急に上がった能力に感覚がついていけず、暫く四苦八苦する事になった。

 

そして、女性陣は子供を作れるか心配だった様だが、子供は作れ、尚且つ不老という事はなく

どちらかと言うと、イノベイターのような進化した者になる可能性が高いという事をモレノから聞いていた。

 

 

 

 

技術者たちは頭を悩ませていた。

そう…グラハムの機体について……。

 

 「こうして、改めて考えるとフラッグは機動力に優れている分」

 

 「あぁ、脆い。だが我々は高出力の動力を持っている」

 

 「(やはり、系統としてはワシの知識にあるバルキリー系統にする事になるのか)」

 

 「(いや、可変型は良いが武装も身軽で削ってしまってはな)」

 

そう、問題は武装。元々魔改造フラッグは近接特化になってしまっていた。

ミサイルやライフルをもたない機体。まるで昔の戦車に突撃する日本兵だ。

 

 

 「私見ですが、ライフル系統はネーナの機体のように、状況に対応する様な物がいいかと」

 

 「(ふむ、今制作中の機体腕部に接着した形を目指すわけか)」

 

 「成程、それならば可変を損なう事はないな」

 

現在彼らはニールのために、トールギスⅢのランチャーをモデルにした物を制作していた。

その技術を使い可変を維持する形になる。

 

 

 「(ならば肩にバーニア部分をつけ、そこからチャフや実弾を発射するのはどうか)」

 

 「それは面白い!それが可能になるならば何本かビームサーベルを所持できますね」

 

 

モデルとしてはZガンダム系を元に試行錯誤を重ねていった。

 

 

 

 ??? 「なんだ、この感覚……」

 

若い青年は身震いを起こしていた。

 





作業HAROはボトムズの頭部に着艦! HARO行きまーす!

スパロボの第三次α ビアンを入れてますので物と理屈が分かれば作れちゃうスーパー爺

ブレイブって火力を見るとトールギスⅢより下な気がします。
機動はジャンプできますからねブレイブ…

魚を食べれたらSUSHIを母艦で食べれるんですけどね。
淡水魚と海水魚じゃコロニーみたいな所でもキツイと思います。キブツでSUSHI?邪道だ!


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成層圏の向こうからドーバーガン

暑さに弱い作者気力減少中

ようやく、短いながらかけました。


 

 

 ニールの機体が完成し、グラハムの方も試作機が出来上がった。

 二人に機体を試してもらうため機体を見てもらう事にした。

 

 「ニール、お前の機体はビット、そして貫通力を高める方向に設定したドーバーガン。

 そして左手のシールドはGNフィールド作成可能な物にしてある。いざという時はHAROにサポートを頼んで操作してもらえ」

 

 「こいつはとんでもねぇな、ドーバーガンってあれだろ?チャージした一撃でコロニーレベルを落とせる」

 

 「そうだ。超遠距離射撃に向いてるだろ?」

 

 現在この倉庫には俺とニール・グラハムしかいない。

 他の研究班、実働部隊は各々好き勝手やっている。

 

 「うし、HARO!早速シミュレーター使って試すぞ」 「リョウカイ、リョウカイ!」

 

 「私の機体はまだ完成していないと聞いていたが?」

 

 グラハムのいう通り、本来の軍であればこの機体は殆ど完成と言ってしまえる。

 だが自分で言うのもなんだが…技術者がすごいからな。この程度で満足は我々はしない。

 

 「如何せん、フラッグを元にすると装甲が薄すぎてな。取りあえず可変機能を維持してここまでは形にした」

 

 ブレイヴより少しボディを暑くした感じになっていた。

 ドーベン・ウルフのバックパック装備と同じ様に、背中には小型GNミサイルを搭載。

 射撃武器には使いやすさを追求した凡庸ドーバーガンが装備されている。

 

 「ふむ、感謝する。あとで報告させてもらおう」

 

 「楽しみにしているよ」

 

 

 既にグラハムは目の前の機体に興味津々らしく…早速コックピットに入りシミュレーションを始めた様だ。

 

 

 さて、以前にビリー達と会いに行ったが……予定が詰まっている今。さっさと会いに行かなければな。

 

 

 ―――――――――――――――――――

 

 

 既に世の中では、独立治安維持部隊アロウズが虐殺行為を行っている中。

 俺はビアンに体を任せ、眠っていた時の事を思い出していた。

 

 

 【よぅ、久しぶりだね】

 

 (まさか、また会うとはな…何の用だ)

 

 【ははは!これは嫌われたね。ま、ちょっとね君の目の機能を解放しようかとね】

 

 「……どういうつもりだ。既に記憶の共有という物を貰っていたはずだ」

 

 そう、『コイツ』。というかこの場所と性格には言うべきかもしれないが。

 基本的には、等価交換の様な原則で存在している場だ。

 それが、何もなしに…。

 

 【へ~、確かにそうだね。だが今回は時期が来たら外れる機能だったって事だよ。

 君の能力が上がったことにより、行使可能になったんだ。認識した物を別空間に収納、また転移させる事が可能なんだ】

 

 「成程な…俺の空間認識等が上がったからか…」

 

 【せいか~い!君が既存の人間から進化した存在になったからだよ。じゃバイバイ】

 

 目の前の『コイツ』が言い終わると背後の扉が開き。

 元の世界に戻る予感を感じ、意識が薄れながら…深い海の底から浮上する様な感覚と共に戻った。

 

 

 

 意識が覚醒し、ビアンに詳細を話すと。部屋の品々や武装等。

 どれぐらい入るか等を試した。

 本当に俺が認識した範囲しかできない事がわかったのと。連続使用や容量限界が計れた。

 

 

 そんな俺は現在…

 

 

 

 ロシアにいた。

 

 実はカティ・マネキンとコーラ……まぁ、愛すべきバカには既に接触をしており。

 暫くの間は潜入の様な事を頼む形になった。

 

 戦闘になれば手加減はしないと、笑みを浮かべながら布告されたが。

 

 思考を読まれる問題は、錠剤を渡し。思考を少し見せつつ、重要な事についてはロックが掛かった状態になるようにした。

 イオリアのお陰で開発できたこれは本当にありがたい。

 

 

 

 (それにしても嘆かわしい、今の世に踊らされる物がこれ程とはな)

 

 しょうがないさビアン。民は自分たちの信じたい物しか信じようとはしないものだからね。

 まぁ軍人までもがそうなのが末期なんだよ。

 

 

 一路セルゲイと待ち合わせをした場に向かう。

 勿論近くにはホリーさんもいるが、俺は少々離れながらついていく形だ。

 

 実際、今アロウズあたりに騒がれると面倒だ。

 

 

 ――――――――――――――――――――――――

 

 

 「大佐、そろそろですね」

 

 「あぁ、今回の差出人不明であるこの(ふみ)…」

 

 そうスミルノフ大佐の元に届いた手紙。

 

 私たちに接触をしにくる旨と詳細な場所・日時。

 そしてこの文字。

 

 忘れもしない、自身の妻ホリー・スミルノフの文字だからだ。

 しかし彼女は戦場で行方知れずとなり死亡扱いされている。

 

 不信を抱きながらも、軍に連絡はしなかった。しかし、ソーマ・ピーリスだけは連れていく事にしたのだ。

 

 

 「大佐、本当に武装をしなくてよかったのでしょうか?」

 

 「武装等しては目立つ。それに軍に目を付けられると厄介なのでな」

 

 

 

 ロシアの荒熊は不思議とこの手紙を信じたくなったのだ。

 妻に思いを馳せながら宙を見上げる荒熊……彼の目には何が映っているのか。





ニールにはバスターライフルもいいかと思ったんですが。
射撃じゃないんですよね…もろ砲撃

グラハムはブレイブのジャンプを早期に取得しそうです。


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人間だけが持つ可能性の獣

 

 

 待ち合わせに指定した場所。

そこには既にセルゲイ・スミルノフとソーマ・ピーリスがいた。

勿論、今回の接触は木々が犇めく様な場が近い所だ。

 

 「お待たせしましたか?」

 

 「いや、我々もそこまで待ってはいない」

 

軽く話を振った。

 

 「貴様、大佐の奥方の件だが…」

 

ソーマ・ピーリスの言葉を手で制して、ホリーさんにフードとサングラスを取ってもらった。

 

 「久しぶりね、貴方」

 

 「ホリー…生きていたのか」

 

二人とも言葉少なくとも互いを認識し、抱きしめ合っていた。

 

 「大佐……」

 

 ソーマ・ピーリスも嬉しそうな上司を見て、喜んでいるようだった。

そんな目の前の二人には話さず俺に質問をしてきた。

 

 まず何故奥方を保護できたのか。

 一体何をしていたのか。貴様は誰だ。などなど

それらの事柄について丁寧に教えた。

 

 まず実は自身は生み出された存在である事。

そして、そこから脱走し活動をしていたが人員を求めていた所

紛争に混ざって密かに保護したこと。そして自分の名がヨハン・ゾルダークである事。

又、生み出した存在の黒幕が軍の背後にいる事もあり、隠れて活動している等も伝えた。

 

 勿論、話の途中にホリーさん共々話を脱線させながらも、公開可能な情報を伝えたが

まさか、自分たちが参加していたCBとの戦い。

その時提供された物が実はそのような代物で、自分たちも疑念を抱くようなアロウズの背後に居る等とは思っていなかったのだろう。

セルゲイ等、物凄い嫌悪感満載な顔をしていた。

 

 「まさか、軍の背後にそのような物がいるとは…」

 

その軍にあなたの息子いますとは、まだ言えなかった。

 

 「兎に角、ヨハンと言ったか感謝する。お前のお陰で大佐の奥方は救われたのだからな」

 

 「いえいえ、こっちも色々大変だったのでね」

あぁ…あの頃とはもう全く違うな~と、なんか感慨深くなってしまった。

 

 「これからは私はピーリスと呼んでいい。それと聞きたいのだが」

 

 「わかった。ピーリスそれで何だ?」

 

 「私が今感じているこの感覚は一体。ヨハンの能力か?」

 

恐らく彼女が感じているのはスパロボでは念動力と一括りにされているものだろう。

 自分とビアンが出した結論としては、五感の拡張と超感覚的知覚を自力で開き、更に肉体が強化されている事。

GN粒子で開かれていった訳ではないことから見るに、サイコドライバーではないか?という事だ。

 

 「恐らくは、感覚の接触かな。詳しくはまだ話せないがな」

 

 本来ならば彼女に諸々教えたいが俺の役目ではない。

しかしきっかけは作った。彼女に今回の感覚を教えた事だ。

 

 「成程、了解した」

 

 「それで、ヨハン君に聞きたいのだが。ホリーがそちらに居るのなら行きたいのだが…」

 

 「セルゲイさんには『正常な軍人』の見極めを頼みます。恐らく後数年で大きく動くでしょう」

俺の言葉にセルゲイさんは目が鋭くなった。

恐らく、俺の言葉で戦争が始まると示唆している事に気が付いたのだろう。

 

 「君たちも動くのかね?」

 

セルゲイの言葉にピーリスも軍人の顔になる。

 

 「えぇ、時期はこちらで見ます。では戦場で会わない事を祈ります」

 

俺はそう告げてホリーさんと共に去る。

ホリーさんのためにも死んでもらっては困る。それに、今後を考えると彼の指導能力は必要だ

 

 

 時期は冬。CBの介入開始まであと2年に迫っていた。

 

 

 「ヨハン君…」

 

 「この世を作るのは今の人間たち、世が狂っているならばそれを生み出したのも人間。

 それに俺自身の心を偽りたくはない」

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 (ヨハン、どうやら私の知っている元素変換機が完成した様だ。余程特殊なものでなければ生成可能らしい)

 

 今は使えないがEカーボンから取り換えを順次行おう。

それでグラハムの試作機について感想は来てるかビアン。

 

 (あぁ、急発進による宇宙空間でのジャンプ。そしてチャフからフレアへの変更…どうやら我々にかなり期待しているようだな)

 

嬉しいもんじゃないか。機体操縦はどうだった。

 

 (驚くべき事に直ぐに感覚を掴んだ様だな。今は徐々にセーフティを外している)

 

わかった。グラハムの操縦データは可変機にとても有効に使えるからね。

 

 

 「リーサ、そろそろCBに接触をしようと思うんだが」

 

 「……ヨハン、一応聞くわね。目的は?」

 

 「直接会って話す事が必要だと思ってな、それに技術を少し支援をしようと思っている」

 

 「…はぁ、わかったわ秘匿通信とイオリアさんに手伝ってもらうわ」

 

 「任せた。俺は宇宙に上がる為に準備をしてくるメンバーにも教えなきゃだしな」

 

 

 

 

 「アーガマはこれより宙に上がる。だがバレ無い様にする必要がある」

 

 「(光学迷彩を使う。GNドライブは止めておくぞ、炉に火を入れろ!テスラ・ドライブ起動!)」

 

 「アーガマ発進!」

 

リーサとビアンの指揮により母艦はゆるやかに海中から浮上し始める。

勿論全員で行くわけではなく、CBに縁があるものだけだ。

 

 「GNリアクター、ゲンテイキドウ!」 「テスラ・ドライブ、キドウカクニン!」

 

 「テキエイナシ!ハッシンシマス!」 「イクゾー!」 「「「オオー!!」」」

 

 ハロ達の声が各ポイントで上がりアーガマは静かに宙に上がった。

 

 

 

 

 「FFの奴らが来るらしいぞ」

 

 「何?!ロックオンも来るということか」

 

 「取りあえずティエリアにも色々頼むことになるだろう。頼んだぞ」

 

 「了解」 (ロックオンは目を負傷したらしいが…)

 

今、再びの邂逅。



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次代に託すため知るべき事

UA2万越え、お気に入り200ありがとうございます。
あれ?評価が高いだと?!


 

 宇宙予定宙域ポイント…

 そこには、CBの小型艇が到着していた。

 CBは3年前の行動により、戦力が低下している状態である。

 そんな中、大きく動けば目立つ。だからこその小型艇。

 

 メンバーは、ティエリア、ラッセ、フェルト、イアン…。

 

 「奴らは本当に、このポイントにいるのか?おやっさん」

 

 「わからん。だが暗号通信で指定されたポイントだ。

 一応、万が一に備えて、セラヴィーを持ってきたが…」

 

 「彼らは、間違いなくいる。あの男はブラフを使う奴じゃない…」

ティエリアの発言は、ヨハンの事を指しており。

その意見は、CBの中でのヨハンに対する評価だった。

 

 「っ!通信が来ました。やはり彼らです」

 

小型艇からは、彼らの母艦アーガマがハッチを開き、着艦を促していた。

 

 「FFからは、小型艇で着艦する許可が出ています」

 

 「おやっさん」 「あぁ、聞いていたなティエリア」

 

 「了解、すぐにそちらに向かう」

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 「着艦、感謝する」

 

 「ありがとな、こっちも忙しくてな」

 

 「こちらにも必要な事、ですからね」

 

 CBの4人は、アーガマに着艦していた。

勿論、ティエリアの機体も一緒に収納した。

 

 「元気そうだな、ティエリア」

 

 「皆も久しぶりッスね~!」 「フェルト!元気だった?」

 

 「クリス!…うん、元気だよ」

 

 CBの面々は、再開を喜び合っているようだ。

しかし、この様子では、まともに話になりそうもない。

 

リーサに目で合図して、俺は手を叩き暫く後に集まる様に言った。

 

 

 

 

 「それで、三年もたって接触を図ってきたのは何故だ」

ティエリアから、俺に質問が飛んできた。

だが、その質問はCBの面々にとっても疑問だったようだ。

 

 「そうだな…。まず、君たちとのラインはミス・スメラギにしか渡していなかった。

 だからこそ、今まで不可能だったのが一つ。

 もう一つは、俺達の目的もあったからだな」

 

 「お前さんたちの目的。……そいつは、以前言ってた証明って奴か」

 

直ぐに、そこに行きつくか。イアンさんは凄いね、やはり。

 

 「それもあります。ですが、俺達兄弟の第一目的であって我々の組織の目的ではない」

 

 「そいつは何なんだ?お前さん達の目的って奴は」

 

 まぁ当然の質問だな。そして答を知っている面々は沈黙を貫いている。

 

 

 「俺達の組織の目的…それは未知を求め、他世界を巡る事だ」

 

 

 「「「「なっ!!」」」」

 

驚きを隠せない、4人。いち早くティエリアがショックから復帰し、声を荒げる。

 

 「バカな!その様な物は夢物語だ!!」

 

 「いや、実在するんだよ。証拠もある」

 

 「証拠だと?!」

 

 

 「俺自身が、その証拠だ。そもそも君たちが持つ機体、ガンダムを我々が開発出来ている時点でそうだしな」

 

 「君自身?…それではわからない。証拠を見せてほしい」

 

 ティエリアの意見は最もだ。

俺は眼帯を外し。4人に見せる。我々の機体やAM、基地を見れば一目瞭然だが…この場では見れないからな。

 

 

 俺の眼帯で隠されている目は、特殊な瞳の形と色をしている。

それを見た4人は、もはや言葉もでないようだ。

 

 「俺とビアンは、元々はこの世界で生まれた人間ではない。

 厳密に言えば、俺はこの世に生まれる前の代償として目を失った。

 ビアンは超有名な別世界の科学者だ。だからこそ、俺達はこれだけの戦力を作れた。

 そして、俺はこの世界の事を映画の様に記憶があってな…。だから、ロックオン・クリス・リヒティ…彼らを助けられた」

 

 「……わかった。一応君の話は筋が通っている。」

 「だが、何故君は未来がわかるのに動かない!」

 

 

 「君たちが以前行った武力介入。それは言わば、問題提起だ。

 世界にある問題点、それを直視せず。そして変わろうとしない人間へのな。

 そして、現在。世界は間違った方向に進んでいる。だが、俺が全てやっても意味はない。

 市民は自覚しなければならない。自らも世界の一部であり、無関係ではいられない事を…」

 

 「…成程な。人間は自分で、その過ちを認識しなければならないって事か」

 

 

 「それで、実際お前さんらはどうするつもりだ?」

 

 「恐らくあと2,3年で戦いが始まる。イアンさん、機体の開発を急いだ方がいいでしょう」

 

俺の言葉にイアンさんは、後頭部をガシガシと搔き溜息を吐きながら

 

 「そうしたいのは山々なんだが…。うちの持ってる資源を考えると厳しくてな」

 

 「極秘裏に融通はできます。勿論、タダではないですけど」

 

 「……検討させてもらおう」

 

 

組織としての対面は終わった。

 

 

 

 

 俺はティエリアに会談が終わった後。話をしたいと声をかけた。

 

 「それで、ボクに話とは」

 

俺はティエリアの脳内に直接話をする。

 

 《君がヴェーダに生み出された様に、今ヴェーダを掌握しているのも君の同類だ》

 

 「な!頭に声が…!」

 

 《俺達兄弟も、君の親戚ではある。そして君たちは本来、人間を導いてほしいという願いで作られたイノベイドという存在》

 

 《恐らく、いつか君も接触するだろう。そして歪められたイオリア計画を》

 

 「イオリアの計画とは」

 

 《何れ現れる、外宇宙の生命体との対話。それを目的にしているのさ》

 

 

俺は彼にそう伝え。その場を去る…

 

 

 その後、戦時における人員派遣を締結。

そして、可変機の設計データとアーガマにある資源を取引した。

無論、今次の設計データではなく以前のモデルだが。

 

 彼らには、王 留美を信用しすぎるな、とは伝えた。

 

 

 元CBクルーの彼ら……。

彼らが、事前にヨハンの話を聞いていた時。彼らは問を投げた。

何故、この世界の事を放置して旅立たなかったのか。

それにヨハンは…。

 

 「自分たちと、同じ境遇の者を生み出さないために。そして、この世界に生まれるだろう未来を担う者たちにバトンを渡すため」

 

そう告げたヨハンの目は、地球の空のように澄み切っていた。

 

 




 CB研究加速。ティエリアが成長。

ヨハンは人間の可能性。自らを変革する事ができると信じています。
だからこそ、痛みを経験する事も必要と考えますし、時には助けます。


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考える事を放棄した人間は動物に劣る

今回は駆け足気味です。
沙慈にブライト鉄拳を振りかざしたい。
UA2万5千越え、お気に入り300間近…作者驚愕。


 

 

 西暦2312年。地球連邦として各国は一つになりつつあった。

しかし、アロウズは弾圧や虐殺を行っており、世界は今だ統一されてはいなかった。

 

 「今しがた司令部より、独立治安維持部隊アロウズへの転属要請がありました」

 

 「行くつもりかね…」

 

 「えぇ、噂のアロウズを確かめに。それと…」

 

 「成程、あの組織は秘密が多い。私にもやることがあるのでな」

 

 「わかりました。では」

 

短い電子音と共に通話は切られ、セルゲイはソファに座る。

 

 「マネキン大佐からですか?」

 

 「あぁ、どうやら彼が言っていた時期が来ているようだ」

 

そうセルゲイは、ヨハンが言っていた事を調べ、軍内部に動きがある事も把握していた。

一方、ピーリスはセルゲイとホリーから養子の話を受けており。承諾しようかと考えていた。

 

 

 

 

 

 刹那が沙慈クロスロードと出会いCBに戻った頃…

 

 「イアンから極秘で通信があったわ。刹那を発見、合流したみたい」

 

 「よっしゃ!遂に派手に動けるな、兄貴」

 

 「あぁ、だが迂闊に大きく動けばそれだけ予測は狂う。

 はしゃぎ過ぎるなよ、ミハエル」

 

 「でもでも、ミハ兄の気持ちわかるかも」

 

そんな兄弟の会話に、元CB面々は咳払いをして話を戻した。

 

 「で、スメラギさん自分らどうします?」

 

 「私とクリス、それとリヒティは一緒に行くわよ。ヨハン達は地上で待ってて」

 

 「了解だ。スメラギさん弟を頼んだぜ」

 

 「任せて」

 

 

 FF・CB・カタロン・アロウズ・イノベイド……時代は動き出していた。

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 「なんなんだお前、人を呼び出しておいて、いきなりCBがどうたらって」

 

 「ニール・ディランディはガンダムマイスターだった」

 

 「兄さんがガンダムマイスター?」

 

 「そうだ、彼はガンダムに乗っていた」

 

 「乗っていたって。兄さんは死んだのか?」

 

 「いや、だが以前の戦いで目を負傷し別の組織に所属している」

 

 「で、俺に兄さんの跡を継げって?」

 

 「いや…。だが、兄と同じ様に世界を変えたいと願うなら…そのために戦う覚悟があるなら」

 

 

 

 

 その後、マネキンとピーリスがアロウズに合流。一方刹那もライルをつれて母艦へ向かう。

そして刹那はツインドライブを搭載したダブルオーガンダムを機動させる。

 

 

 地上で息を潜めているFF。拠点にはマザーバンガードに大型のGNコンテナをつけた形をした母艦。

名をGNバンガード。この母艦に物資を積み込み、タチコマ型HAROに作業をしてもらいヨハンはクルーと話しをしていた。

 

 「グラハム、君のライバルは復帰したようだ」

 

 「漸くか、少年。ヨハン彼らの動きは」

 

 「勿論観察は続けている。で、そろそろ出発するぞ」

 

 「承知した。」

 

 グラハムとヨハンが見上げるそこには、グラハムの専用機。

モデルはZZガンダムとシナンジュ、そしてフラッグのフェイスを使用した可変機。

シャープなフラッグフェイスが彼らに反応し、輝いて見えた気がした。

 

 

 

 

 刹那達が、アレルヤを救出する作戦を行い、アザディスタンの王女マリナ・イスマイールを一緒に救出した。

そんなCBの彼らは、水中を潜航している。

 

 

 「助けて戴いた事、そして五年前…アザディスタンの内紛を止めて戴いた事。本当に有難うございました。

 戦いを行わずに、内紛を止めた…あの行為はとても素晴らしい物だと思います」

 

 「そんな事はいい…これからどうする」

 

 「アザディスタンに戻ります」

 

 「無茶だろ…」

 

 「保安局がくる…」

 

刹那が、そう言葉にしティエリアも言葉を重ねようとした時。通信が入り、FFの三人兄弟が来るという知らせが入った。

 

 

 「今の通信で言われていた人達は…」

 

 「同盟を組んでいる、組織の上位三人だ」

 

沙慈はイアンに彼らの事を聞いていた。

 

 「まさか、ルイスをやった人達?!」

 

 「いや、違うな。こればかりは本人達に聞いてもらう他ないがな。だが普通の奴らよりよっぽど考えている」

 

 「考えている?」

 

 「あぁ、色々な事を…な」

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 「来た様ね…」

 

リーサは、目の前のモニターを見ながらつぶやく。

 

 「スメラギさん、彼らから通信で拠点に案内するとの事です」

 

 「助かると伝えて。それに彼らの拠点は凄いわよ、少し気分転換できるかもね」

 

 「そいつは楽しみだな」

 

プトレマイオス2、GNバンガードは集合した海域から離れていった。

 

 

 プトレマイオス2は、MAトリロバイトの攻撃により穴が開いており、タチコマ型HARO達を借りてイアンが補修を進める。

タチコマ型HARO、これ以後略してタチハロを初めてみた者は興奮していた事を報告しよう。

 

そんな中、ヨハン達が顔を合わせているのは沙慈・クロスロード。

そしてマリナ・イスマイールだ。

 

 「ねぇ、ヨハ兄。なんであたし達二人に詰め寄られてるの?」

 

 「俺達が巨大な武力を持ってる事が気に食わないらしい」

 

 「君たちがこんな力を持っていたら、また世界は歪んでしまうじゃないか!」

 

マリナは厳しく見つめるだけだが、沙慈は怒り心頭といった所か。

 

 「沙慈と言ったな、俺達が武力を持つ事をお前は否定するがな。

 戸籍すらなく、どこの保護も受けられない状況、しかも狙われていて呑気に生きていけるのか」

 

 「そんなのわからないじゃないか!」

 

 「あぁ、わからないね。だけど同じ様に俺達の苦労をお前も知らねぇだろ」

 

 「そうよ!もっと言ってミハ兄」

 

 「はぁ~、やめろお前たち」

 

 「貴方たちが、それがなくてはいけなかった事はわかりました。ですが、貴方たちはこの力を何に使うのですか?」

 

マリナが俺達に聞いてきた。

 

 「無論、自らの自由を勝ち取るため。そして産まれた物の義務を全うするためです」

 

 「義務とは…」

 

 「世界を今より良くするという事です」

 

 「それはつまり戦うって事じゃないか!」

 

 「お前に何かを言う権利などあるか!」

 

俺は沙慈の襟を掴み、壁に押し当てる。

 

 「いいか。お前はただ与えてもらう事に甘んじ、何もしようとせず。剰え他人の批判だと?甘ったれるな。

 五年前、CBが武力介入をしなければ、世界の問題は取り上げられず国民はそれに向き合う事もしなかっただろう。

 そんな世界を良しとしたのはお前たちだろう?それが親しい者が死んだから、俺は被害者だってツラで喚く。

 いい加減理解しろ。世界はそんな甘くはないって事をな」

 

沙慈を放し、俺はその場を離れる。

 

 

 「あ~あ、兄貴ガチ切れだよ」

 

 「しょうがないじゃん、ヨハ兄がやってなかったらあたしもやってたし」

 

 「貴方たちは過酷な道を歩んでいるのですね…」

 

 「ビアンが言ってたけど、平和に溺れるなって言ってたし」

 

ミハエルが放ったビアンの言葉に、マリナは深く考えさせられる事となった。

 

 

 「いや~ヨハン君のさっきのセリフは耳が痛いよ」

 

 「私もだ。精進せねばな」 

 

 

 

 

 それから数刻のち、CBが接触したカタロン基地が、襲撃を受けるという報告がなされる。




タチコマ風HARO乗せでございます。

次回、カタロン基地にオートマトン投下。


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迦楼羅と思うか、不吉な八咫烏と捉えるか

最近UAが伸びてうれしいです。
ヨハンは銃刀法?無視します。


 

 

 「会談は終わったかい」

 「ああ、だが一つやることができた。マリナ・イスマイールをアザディスタンに送り届ける」

 「それって…」

 「ん…、ヨハン貴方はどう思う?」

 「そうだな、恐らくマリナ姫…アザディスタンはもうないだろう」

 「「なっ!!(そんな)」」

 「どういう事だ、ヨハン」

 「まず、長い間国のトップが不在であり連邦に与しないアザディスタン。

 恐らくは、連邦が直接統治をしようとしている事は明白だな。

 だが貴方には見届ける義務がある。それが貴方が国家を運営してきた、これまでの結末であるならば」

 「……」

マリナ姫は言葉も出ないようだな。

 「ガンダムは使えないわよ、今ヨハンが言っていた場合尚更ね」

 「ああ、この機体を使わせてもらうつもりだ」

 「この四年間で一体、なにがあったんだいティエリア」

 「そうか、アレルヤは知らなかったな」

そして、ティエリアから語られた俺達の事。

俺自身の考え方、そしてCBとの関わり合いでティエリアが成長した事が語られる。

 「成程、それじゃあアザディスタンの事も」

 「ああ、知っている。だが、その結末を俺達が変えても意味はない。

 結局の所、統治能力が低かったという事に他ならないのだからな」

 「厳しいんだね」

 「立ち向かうべき現実に向かい合う気持ちが無い者は、ただの愚か者だ。

 むしろ、俺はマリナ姫に期待している。だからこそだ」

そう、俺は期待している。

確かに彼女には政治能力、謂わば戦時の統治能力はないだろう。

だが、それが一皮向けた時。果たして彼女はどのような『変革』をするのだろうか。

――――――――――――――――――――――――――

 

 「このバカ者が!誰がアロウズに報告しろと言った!」

 「ですが、それが我々の任務では」

 「判断するのは私だ!貴様ではない!」

私は急ぎ、クロスロード君に事を伝える。

 「クロスロード君、今すぐここから脱出したまえ」

 「ど、どういう事ですか」

 「君の存在がアロウズに知られた。奴らは超法規的部隊だ、私の権限で庇いきる事はできん」

 「そんな!」

その時、沙慈の脳裏にはヨハンに言われた言葉が脳裏を駆け巡っていた。

【いいか。お前はただ与えてもらう事に甘んじ、何もしようとせず。剰え他人の批判だと?甘ったれるな。

 五年前、CBが武力介入をしなければ、世界の問題は取り上げられず国民はそれに向き合う事もしなかっただろう。

 そんな世界を良しとしたのはお前たちだろう?それが親しい者が死んだから、俺は被害者だってツラで喚く。

 いい加減理解しろ。世界はそんな甘くはないって事をな】

 

でも僕は心のどこかで、まだそんなはずはない。僕は間違ってない…そう思っていたのだろう。

その結果が、あれを引き起こしたのだから。

 

 

 

 『すまない、少年の情報からカタロンの基地が捕捉された。

 恐らく、オートマトンによって皆殺しにするつもりだろう』

 

 「わかった。それ以外にもあるのだろう?」

 

 『ああ、ピーリスにこの様な事はあまりさせたくない。

 出来れば、そちらで保護してもらえると有り難い。』

 

 「了解だ。なるべく傷をつけずに捕える」

 

通信が切られ、俺は弟と妹に話をする。

 

 「ミハエル、ネーナ。聞いていたな」

 

 「ヨハ兄、あたしはどうするの?」

 

 「ネーナは物資をつってきてくれ。お前の機体は今回の狭い範囲では向かない。

 ミハエルは到着次第、基地内部を頼む。俺は遊撃だ」

 

 「任せとけ!」 「ラ~ジャ!」

 

 「心配するな、宇宙ならやり放題だ」

 

 

最後の一言に歓喜する二人。

 

 

 

 「王 留美より、緊急暗号通信!アロウズのMS隊が、カタロンの施設に向かっているそうです。どうしますか?」

 

 「救援に向かうわ。恐らくFFの彼らも向かっているはず……。

 トレミー、対衛星用光学迷彩を張って緊急浮上。ガンダムは発進準備を」

 

 

 

 「いたな、ミハエル!」

 

 「わかってるぜ兄貴!」

 

俺の指示で、ミハエルの機体。デスサイズヘルズで隠れて施設に侵入する。

 

 

 「敵基地と思われる、構造物を視認しました」

 

 「これは!アンドレイ少尉、避けろ!」

 

 俺は、わざとピーリス中尉に気付かせる目的で、脳量子波を発信する。

無論、目的はホリーさんの息子を逃がすためだが。

 

 「私の名はヨハン・ゾルダーク。君たちに宣戦布告させてもらう」

 

俺はオーブン回線で、目の前にいるアロウズの部隊に向けて発信する。

 

 「全機、分散しろ!」

 

 「ハ!そんなデカブツじゃあ!」

 

 「全く、嘗められたものだ。……だが無駄だ」

 

 俺はバインダー部メガGN粒子砲とミサイルを放つ。

無警戒に近づいてきた複数の機体は瞬時に消滅。

範囲外にいた機体もミサイルで軒並み撃沈した。

 

 

 「な、なんという性能だ…」

 

周りにいた機体は、殆どスクラップと化していた。

無論、アンドレイ少尉やピーリス、ルイス等は回避できたか、一部被弾で済んでいた。

 

 「く!アンドレイ少尉達は撤退しろ!!」

 

ピーリスが囮となり周りを逃がす様に仕向けさせた。

 

 『な、なんだこれは?』

 

 『この場所は共感覚の延長。そして君に伝える事がある』

 

 『ヨハン・ゾルダーク』

 

 『セルゲイ大佐から君の事を頼まれた。そして、それには一芝居うつ必要がある』

 

 『了解した。方法のイメージもこちらに伝わっている』

 

 

俺はピーリスに向けて、感覚を使い、通信を使わずとも彼女に情報を伝えたのだ。

 

 「く、すいません。撤退するぞハレヴィ准尉」

 

 

 ジンクス等が撤退し、暫くは力を抜いてピームサーベルを交差させていたがネーナからの通信で武器をしまう。

無論、すぐにCBのガンダム達が来て、ピーリスの機体に銃を向けようとしたが俺の説明で納めてくれた。

それとミハエルだがオートマトンを何体か鹵獲。あとは破壊したそうだ。

しかし、予想した被害よりは規模を小さくできたのは幸いだ。彼らには悪いが

 

 

一方、刹那とマリナ

 

 「まもなく、アザディスタンだ」

 

 「大丈夫かしら…」

 

マリナは不安そうな表情だ。だが不安は的中する。

 

 「そんな!アザディスタンが…」

 

 「燃えている、この規模テロではない…ハッ!」

刹那が捕らえた機体。それは、スローネの後継機と思しき機体。

 

 「あれは…ガンダム!」

 

 





イノベイターの対話とニュータイプの対話を混ぜました。

タチハロから見るとオートマトンはブサイクです。
 「うわー、あれないよねー」
 「ただの、墓石じゃん」
 「ボク達のフォルムは至高だよ~」

00世界って人材大切にしませんよね。
ならば貰いうける!


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人が持つ可能性

お気に入りが300越え。そしてUAの伸びがすごいです。

オートマトンVSタチハロ軍団を考えてます。


 

 

 「貴様たちが、ここの情報を洩らしたのか」

 

 「そんな事はしていない」

 

 「貴様らのせいだ!貴様たちのせいで死んだ」

 

 CBと俺達FFの母艦、共に合流し物資を運んでいるが、カタロンの基地はボロボロだった。

ミハエルが鹵獲したオートマトンも、破壊しようと彼らは詰め寄ってきたが却下した。

オートマトンのプログラム構成、そして内部データを見る事が出来れば、対オートマトンプログラムを組みやすくなるためだ。

 

 

そして、カタロン基地があわただしい中…

 

 「で、どうだ俺が言ったことがわかったか」

 

 「こ、こんなことになるなんて思ってなかったんだ!」

 

 「なら何故、彼らに説明もせずその場から立ち去ろうとした」

 

 「ぼくは、ぼくは戦いから離れたかっただけで」

 

 「なら、逃げて逃げてどこへ行く。君の無自覚な悪意が彼らの命を奪うという結果を生み出した。

 その命の重みから逃避し続けるのか?君が例え一時逃げたとしても、また同じことが起きるだけだ君自身が変わらなければな」

 

 「ぼ、ぼくは……そんなつもりじゃ…」

 

 「そうか、なら教えておこう君の姉が殺された理由をな」

 

 「!!」

 

 「君の姉はCBを追っていた。そして組織に不都合な事まで無邪気に調べていた。結果は君も知っての通りだ。

 真実を追い求める。結構な事だ、だがその行いが招く結果を君の父と姉は全く考えていない。そして過去から全く学んでいない。

 君もそうだ。過去から何も学ばず、対岸の火事と決め込む。いい加減理解しろ、君は好むと好まざるとに関わらず当事者であることをな」

 

 「くぅ…あぁあああ……!!」

 

 「今は好きなだけ泣いて考えろ。自分が今後どうしていけばいいかをな」

 

 

 

 「厳しいな、君は」

 

 「ティエリアか、期待しているからこそ、俺は物事から目を背ける事を許しわしない」

 

 「ヨハン、お前は神になったつもりか」

 

刹那か、まぁそう見えるかもしれないな。

 

 「俺は俺自身の神ではある。だが人は誰しも自分の中に神を持つ」

 

 「俺は知った。神等この世のどこにもいないという事を。それは違うのか」

 

 「刹那、君にも神はいる。君の中の可能性という神が」

 

 「可能性……」

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 「アザディスタンがやはり攻撃を受けていたか、連邦の仕業か」

 

 「わからない、ヨハン…」

 

少しは考えよう刹那…。そんな無垢な目で見られても困る。

 

 「はぁ…十中八九そうだろうな。連邦に加入しなかったアザディスタンは、邪魔だからな彼らから見れば」

 

 「スメラギさんから暗号通信だ。トレミーへの帰還命令だ」

 

 「そうか…ヨハンすまないが」

 

 「あぁ既に物資は届けた。三人もこっちの船に乗っとけ、それと沙慈も連れていく」

 

 

 

カタロン基地の倉庫。そこでシーリンとマリナは話していた。

 

 「都市部の主要施設は、そのほとんどが破壊されていたわ。

 警察も、軍も機能していなかった。それでも、私はあの国に、ラサーに託された国を」

 

 「よく戻って来たわね」

 

 「刹那が強引に、それにヨハンさんが事前に言ってたらしいわ」

 

 「彼らに感謝しなきゃね」

 

 「なによ!私は死んでもよかった。アザディスタンのためなら、私は…」

 

 「失礼、一言伝えにきたぜ兄貴からな」

 

 「「貴方は…」」

 

 「ミハエル・ゾルダーク、ヨハン兄貴の弟だぜ。で、伝言は『今のマリナ姫がアザディスタンで出来る事は何もない

 恐らく死んでも等と言うだろうが、はっきり言おう無意味だと』だってさ」

 

 「お見通しの様ね彼には…」

 

 「んじゃなー、あと姫さん国の運営に失敗した結末を知って今後どうするか考えろだってさ」

 

 「そ、そんな……」

 

 

 

 「フリーダムフレイムが、ここを離れる資材や食料を手配してくれたぜ、それとソレスタルビーイングも防衛で援護してくれるそうだ」

 

 「そうか、助かると彼らに伝えてくれ」

 

 「あと、フリーダムフレイムが捕虜にしたパイロットには口出し無用だそうだ」

 

 「その、パイロットから何か情報を得られれば」

 

 「そいつについては、教えてもらった。どうやらオートマトンの事は知らされていなかったそうだ」

 

 「そうか…だとすると指揮官クラスでないと詳細は知らないのか」

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 「それで沙慈君、君はどうする」

 

 「ぼ、ぼくは死んでしまった彼らの分も、世界を良くする事で償おうと思います。

 まだ、自分に何ができるのか…わからないけど。ボクが今言えるのはこれだけです」

 

良い顔になったな、沙慈クロスロード。

 

 「わかった、なら君にやってもらうのはこれだ」

 

 「これは…」

 

 「そう、対オートマトンプログラム。ウイルスを作ってもらう、そして今のこのフォルムを変えて、社会福祉に適する物にしてみせろ」

 

 「わ、わかりました」

 

 ビアン、今の沙慈君の顔は決意に満ち溢れているな

 

 (平和に溺れていたものが、震えながらも二つの足で立っているな)

 

 

 俺は、CBで行われている作戦会議に参加していなかったが、ミハエルとネーナから口伝で伝えられた。

 

 

 

 刹那を除くクルーに事前に伝えた事がある。

それは 【途中で、所属不明機が刹那と交戦するので手出し無用】という事だ。

無論、疑問があるだろう彼らは理由を聞いてきたので、彼自身の変革。即ちイノベイターになる可能性を持っている事を伝えた。

 

 

 部隊は海上。アロウズとCB・FF交戦が開始される。





純粋種のイノベイター刹那になるのか
何になるのか…。そしてマリナ姫はどんな国主になれるのか


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あえて言おう!FFはマッドであると!

ケルディムは遠距離の機体なのに近づいてどうするんですかね。

梅雨があけるそうですね。
銀○の鳳仙みたく「たいよぉおおううううう」って無性に思います。


 

 

 「そろそろ、こっちに気付いた敵さんが来る頃だ」

 「ガンダムを発進させて」

 トレミーは海上を飛んでおり、GNバンガードもそこにいた。

無論、グラハムは離れた場所から出撃してもらう手筈である。

 

 「第一、第二デッキハッチオープンです♪」

 

 「セラヴィー、アリオス発進準備。リニアカタパルト、ボルテージ上昇。射出タイミングをセラヴィーへ譲渡します」

 

 「了解。セラヴィー、ティエリア・アーデ行きます」

 

 「(脳量子波がなくても…それにヨハンに聞かなければならない事も)」

 

 「You,haveコントロールです♪」

 

 「I,haveコントロール。アリオス、アレルヤ・ハプティズム。迎撃行動に入る」

 

そしてロックオン、刹那が出撃すると同時に、FFはデスサイズヘルズとヘビアームズドライを出撃させる。

 

 「わかってるな、お前たち殲滅の必要はない。適度にうち洩らせ」

 

 「了解、了解。デスサイズヘルズ、出るぜ!」

 

 「やっとあたしの出番ね!ヘビーアームズドライ行くわ!」

 

 

 

 「隊長!未確認機が二つ!」

 

 「うろたえるな!各機散開して攻撃だ!」

 

原作よりは多い数のジンクスやアヘッドが出撃していた。

 

 ジンクスが様子見で粒子ビームを放つが、ミハエルはそれを物ともせず

 

 「へへっ!そらぁああ!」

 

ミハエルは、ヘルズの左腕に装着されているビームシールドを射出し、ワイヤーを撓らせるように振るった。

意表を突く攻撃をされた、アロウズの部隊は上下に分断される。

上に逃げた敵をセラヴィーとアリオスがGNバズーカⅡやGNツインビームライフルで攻撃。

下はダブルオーとケルディムがGNソードⅡとGnスナイパーライフルで攻撃をしていった。

 

 

 「なんのぉー!こんなもの俺が」

 

一機のジンクスがワイヤーを切断して武装を壊そうとした。

 

 「甘ぇな!予想どうりすぎるぜ!」

 

ミハエルはワイヤーを高速で収納させ、死神の鎌でビームサーベルを振り抜いたジンクスを、股下から両断して絶命させた。

すぐさまヘルズに機体が迫ってくるが、速度が違いすぎるため撃沈するばかりだ。

 

 「ハレルヤがいなくたって!」

被弾しながらも敵を減らしていくアレルヤ。

 

 セラヴィーは固定砲台の形で複数の敵目がけてGNバズーカⅡ、キャノンを行使。

 

 「当たった!当たった!」「ははっ、いったろ今回は本気モードだって。それに下手こいたら兄貴にしばかれるからな」

ニールの相棒だった、ハロを譲り受けたライルは、兄の折檻から逃れたい思いもあり精確に墜としていく。

 

 

一方ネーナは。

 

 「よーし、ヨハ兄に言われた通り母艦を何隻か沈めよ」

 

 水中に潜んでいた。

ヘビーアームズドライはGNミサイルを敵母艦に射出。

水中MS、MAを出撃させず、考えもしなかった攻撃にアロウズの母艦は沈んでいった。

 

 

そんな戦闘を繰り広げる中。

ヨハンはグラハムにGOサインを出す。

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 「やはり、強いな」

 

 「えーい!何故こうもやられる!」

 

 「(このままではなぶり殺しだ)撤退信号を出せ!それと同時に粒子撹乱ミサイルを発射!」

 

 「了解!ミサイル発射の後、2秒後に信号弾射出!」

 

 

 

 「不機嫌そうですねリボンズ」

 

 「あぁ、リヴァイブ。まさか、これだけの物を持っているなんてね」

 

 リボンズも知らない粒子。そしてシステム。何もかもが不明だった。

 

 

 

アロウズとの戦闘が終わり、CBとFFの母艦が水中潜航しようとしていた時。ふいに接近する機体。

 

 フラッグの顔を持つ機体、リュウセイ。

彼は刹那のダブルオーを見て、心を躍らせていた。

 

 オープンチャンネルでダブルオーに突貫し、ビームサーベルで切りかかる。

 

 「会いたかった、会いたかったぞ少年!」

 

 「貴様は、あの時の!」

 

 刹那への攻撃にCBのガンダム三機は警戒しながらも攻撃はしない。

 

 「君がどれほど強くなったか…、見せてもらおうか!」

 

ダブルオーのシールドが切断される。

刹那も粒子ビームを放つが機体の運動性能の違いから当たらない。

 

 「ならば!TRANS-AM!!」

 

 「これだ、これとやりたかったのだよ少年!!

 だが、まだ未熟。ならばこそ見せよう!差というものを!」

 

刹那は5年前よりも操縦等の技能は上がっている。だが、グラハムはマッドな人達と共にいたもの。

数刻切り結び、打ち合いを繰り広げたダブルオーは粒子の安定的供給ができなくなりダウン。

グラハムは一応の満足を得て帰還した。

 

刹那は、何かを感じたのか言葉数少ない様子だったが、トレミーに戻り事情を説明されると

ヨハンと通信を願った。

 

 

 

 「ヨハン、何故あの男を俺に…」

 

 《君が成長するためだ。君はイノベイターになりうる存在、だからこそ、少し先達からの抜き打ち稽古だと思ってくれ》

 

 「わかった。それとあの機体だが…」

 

 《あの機体は俺達が作ってな。グラハム専用機だ。刹那、変革し始めている君に言う事は、時には周りをみる余裕を持つ事だ》

 

そして通信は終了された。

 

 沙慈はタチハロを見てどこか遠い目をしていた。

タチハロは知識に貪欲である。そこに外の世界の情報を持つ沙慈は恰好の餌だろう。

質問攻めにあい疲労困憊。そして俺達が持つ技術力がおかしい事にすぐ気が付いた。

 

なお、タチハロからルイス・ハレヴィが、アロウズにいる情報を伝えられた沙慈は

あ○たのジョーのワンシーンのように燃え尽きており、「勝てると思ったのかなルイスは……」

等という発言をしていた事はタチハロから伝えられた。





ヨハン・ゾルダーク

 特徴

 念能力
 変態科学者
 極

 時代錯誤甚だしい服装。


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無自覚な悪意、その結果

アロウズの新型?!

FF <うえーい!餌がやって来たZE☆ タダで機体をGETだZE☆


 

 アロウズと交戦し、GNバンガードとプトレマイオス2号は海中を進んでいた。

 

 「おいおい、FFの奴ら動きが違いすぎるぜ、どういうこったい?」

 

 「彼らは我々の持つ動力の他にエネルギーを持っている。それに技術もだ」

 

 「そうだね、粒子の色も僕たちのとも、連邦のとも違うしね」

 

 「今の我々の、マイスターとしての能力では、あの動作は不可能に近い」

 

 たとえ重力制御システムを組み込んだとしても、高速機動戦闘を行える体ではない自分たち。

ヨハン達からすれば、CBのガンダムの性能が最低ライン欲しい所だろう。

 

 そんな会話をしていると、スメラギからアレルヤに、FFの母艦GNバンガードにピーリスが居る事が伝えられた。

 

 「ヨハン、……聞いていいかな?」

 

 「彼女は保護者である、セルゲイから頼まれてね。」

 

 「まさか、貴方にまた会えるなんてね…」

 

 「マリー?!」

 

 「今の私はマリーでもありピーリスでもあるのよ」

 

 「何故…君がソーマ・ピーリスだったんだい?」

 

 「…おそらく、違う人格を植え付け、失っていた五感を復元させたんだと思う…

 超人機関は、わたしを超兵として軍に送り出すことで、組織の存続を図ろうとしたのよ」

 

 「何て卑劣な」

 

 「高い能力を、人工的に植え付ける事はかなりのリスクを伴う。超人機関の人間たちは愚かだな」

 

 「でも…」

 「そのおかげで、あなたの顔を始めて見ることができた。あなただって、すぐにわかった…

 脳量子波のおかげかしら?」

 

 「僕も、君と言葉が交わせるようになるなんて、思ってもいなかったよ」

 

 「ねぇ、わたしにも聞かせて

どうしてたの?超人機関を脱出してからの話を」

 

 俺は一旦、二人だけにするため部屋を出た。

 「ヨハ兄、なんかラブ臭凄いんだけど」

 「そっとしておいてやれ、感動の再開なんだからな…」

 そんな会話をし、アレルヤのもう一人の人格は眠っているだけという情報を伝えて

アレルヤが母艦に帰還した後、テレビである発表がされる。

 

 「中東再編計画は、完全統一を目指す地球連邦政府にとって、当面の最重要課題です

民族的、宗教的に対立する国家間は、連邦軍によって国境線を確保、事態の安定を図ります

また、国内紛争に関しては、対立民族の一方をコロニーに移住させることも視野に入れ……」

 「兄貴~、これと同じ事やった国なかったっけ?」

 「あぁ、一昔前にあったな。恐らくエイフやイオリアなんかは怒ってるだろうな」

 「うわ~、想像できちゃう。ホリーさんも怒ってそう」

―――――――――――――――――――――

 「なんじゃ、これは!民主主義ではなく独裁ではないか!」

 「まさか、叔父がここまでやるととわ…」

 「(まったく、これの背後にイノベイドがおり、しかも首魁がわが友のDNAの者とわ…)」

 「あら~、本当軍に戻らなくてよかったわ~」

 「ちょっとアロウズ本部にドーバーガン打ってこい、ニール」

 「いやいや!ダメですってエイフ爺!」

 そんな中、アロウズのトップが経済界のパーティーに出席するという、情報が小娘からもたらされた。

だが、そんな物は既に知っている。…小娘はシカトされた。

 「まさか、王 留美がアロウズに協力していたなんてね」

 「ヨハンが、5年前から忠告していた事は事実だったという事か」

 「オービタルリング上にこんな物を…」

 「しかも、沙慈の彼女であるルイス・ハレヴィまで出資。…やはり世界は歪んでいる」

 「でも、ヨハンさんからある程度の痛みは、世界は理解しなくちゃって言われてますしね」

 「なんぎなものさ、なまじ予想が出来る分下手に動けないってのはな」

 ルイスの情報を見せられた沙慈は、落ち込んでいた。

 「まさか、ルイスがアロウズに遺産をつぎ込んでいたなんて…」

 「その、ルイス・ハレヴィが差し出した金は、反政府運動鎮圧という虐殺行為を援助している。

 彼女は、彼女自身が憎む行為を、行っているという矛盾に気が付いていない」

 「本当に僕たちは、何も考えてなかったんだね」

 「それがわかるだけ成長したという所だ」

 そんな中、CBの面々はパーティーに出はしないが遠目から見る事にした。

ガンダムを2機発進させ、遠目から監視。

 

 彼らの背後、立っていたのはリジェネ・レジェッタ。

ティエリアと同じDNA、塩基配列パターン…0988タイプ。

ヴェーダとリンクしているリジェネが見ている視界は勿論、リボンズにも伝わっている。

残念な彼女は、それに気が付いていないのか。はたまたうっかりしていたのは分からないが…。

 

 「ふふ、やっと会えたね。同胞、ティエリア・アーデ」

 

CBは自身の目でイノベイドと対面する事になる。

 




本当は、沙慈の開発話をいてたかったんですが、やめました。

総統をヨハンとするなら、総統夫人のビンタを放つのはホリーさんです。
まさに、愛!直撃!


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再びの戦争狂

ポケモンGOをやってますが、ケーシィ・ミニリュウ中々でないです。
都心優遇されすぎ…。
それと、暑さが天元突破してて、作者バブルスライム気味


 

 

 「やはり、情報どおりだ。該当する人間がいる」

 

 「…あれが、アロウズの裏にいる人物。……!あれはルイス・ハレヴィ!やはりか」

 

 

 そんなティエリアと刹那は、すぐに退却しようとした。

二人の行動を、リジェネ・レジェッタはリボンズ・アルマークに伝え、アリー・アル・サーシェスは出撃する。

 

 「ふ、まさか来ないなんてね。王 留美は、信頼されていないらしい」

 

崖の上から、そんな事を呟いていると後ろから

 

 「あんな小娘に、信をおけるわけがない」

 

その声を聴き、イノベイドは驚く。

 

 「まさか生きていたのか、ヨハン・トリニティ」

 

 「おうよ、随分前に逃げ出し準備をしていたのさ」

 

 「準備?」

 

 「そう、自己の証明をな。じゃあな」

 

 ヨハンの背に降り立つは、ガルダスパルナ。

彼は、刹那とティエリアの後を追った。

 

 

 その頃、先に帰還しようとしていた二人はサーシェスと遭遇していた。

 

 

 

 

 「見つけたぞ、刹那」

 

 「ん?」

 

ティエリアは刹那に言う。

 

 「世界の歪(ゆが)みを

 そうさ、僕たちはガンダムで、世界の歪みを破壊する!」

 

 

 「ところがぎっちょんっ!」

 

二機の前方から、赤い粒子を放出しながら迫ってくる機体。まるで…

 

 「あのガンダムは!」

 

 「スローネの発展型?!ロックオンに重症を負わせた、アリー・アル・サーシェスか!」

 

 

2機の前で一時停止しGNバスターソードを構える。

 

 「さぁ!始めようじゃねえか、ガンダム同士による、とんでもねぇ戦争って奴をよぉっ!!行けよファングゥ!!」

 

飛び出すファング、だが以前のスローネより速い。

 

 「ぐぅうっ、は速い!」

 

 「前とは違う!なに!ぐわああああぁっ!」

 

セラヴィーは素早く回避ができない。そのためビームの直撃を受け、落下していった。

 

 そんなセラヴィーを見つめ、再び大剣を構えてダブルオーに突撃するアルケー。

 

 「物足りねぇなぁ!ガンダムゥ!」

 

GNバスターソードとGNソードⅡが接触し、声が聞こえる様になる。

 

 「くぐぅうっ!生きていたのか、アリー・アル・サーシェス!」

 

 「おうよ。

 けどなぁ、お前らの所のと死神みてぇな奴のせいで、体の半分が消し炭よぉ。

 ヤロウの命だけじゃあ、物足りねぇんだよ!」

 

 ダブルオーの剣を上段から再度振るい、ダブルオーは機体が下に流れていく。

 

 「再生治療のツケを払え、てめぇの命でなぁ!」

 

 

 海中を潜航していたプトレマイオス2。

 

 「ダブルオーとセラヴィーが、戦闘状態に入ったようです」

 

 「やはり、アロウズに捉まった。…ガンダムで行かせて正解ね。ガルダスパルナは?」

 

 「もう少しで交戦宙域に到着予想です」

 

 「あの、早いガンダムさんなら安心ですぅ♪」

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 ダブルオーは両手でビームを速射し、迎撃する。

だが、それをアルケーは難なく躱し、一発をGNバスターソードで払う。

 

 「消えろ、クルジスのガキがぁっ!」

 

またも吹っ飛ばされるダブルオー。だが背後からセラヴィーによる、GNキャノンの攻撃で追撃はない。

 

 「貴様が、ロックオンの敵か!」

 

 肩のGNキャノンで攻撃するが、GNバスターソードで破壊される。

爆発で黒煙が発生。セラヴィーはそんな事を構いもせず、アームを伸ばしアルケーを掴む。

 

 「代償を支払ってもらう!」

 

 「ハ!ヤロウ生きてんのかよぉ。

 だが、甘ぇな!負傷してるくせに戦場に出てくるたぁ」

 

 「貴様ぁ!」

 

 

 セラヴィーの右膝から隠し腕を出し、ビームサーベルを掴み、突く。

それをサーシェスは持前の勘で回避し、自身もお返しとばかりに両足からビームサーベルを出し攻撃。

 

 する前に警報が鳴りアルケーは回避。さっきまで居た場所をビームが通過する。

 

 「しぶといな、アリー・アル・サーシェス。…だが!」

 

ガルダスパルナは胸部の拡散ビーム砲を撃つ。

 

 「く、くそがああぁああ!」

 

避けきれず複数の箇所に被弾。

 

 「ファングゥ!」

 

 「行け!ファンネル!」

 

 

 ファングより早い速度のファンネルにファングは全滅。

アルケーガンダムは撤退していた。

 

 

 「協力、感謝する。ヨハン」

 

 「さっさと母艦に戻るぞ。アロウズにバレてる訳だからな」

 

 「あぁ、帰還命令が出ている」

 

 

 

 

 サーシェスは帰還する機体の中。思いを馳せていた。

 

 「クルジスの小僧め、しぶてぇヤロウだぁ…

 フ、フフフフ、けどなぁ!こぉおでなくっちゃあ!

 それに、あの機体も強えぇしよぉおお!!」

 

 

 「まさか、あんな武装もあるなんてね」

 

 「彼は、僕らの知るトリニティの人間ではないね。一体あれは…」

 

 「まぁいいんじゃない?脅威があればアロウズは世論から支持を受けれるわけだし」

 

 「そうだね、ヒリング」

 

 

 高速道路を走る車内。王 留美は

 

 「まさか、会場に来ないなんてね…大丈夫かしら」

 

彼女は自身の愚かさを知られている事に気づいていなかった。

 





ガルダスパルナが搭乗者無しで、ヨハンの傍に降り立つのは
UCの、最終話でバナージがユニコーンを呼ぶ所を意識しています。


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戦士たちの一休み、そして革新の足音


 ゲリラ豪雨が多発してますね。


 

 グラハムが刹那と交戦した後

 

 

 

 「それで、感触はどうだい?グラハム」

 

 「ふ、彼の機体が万全でないのは残念だが…期待以上であった」

 

 「なら、他のメンバーを含めて宇宙に上がってくれ。量産機を何機か持って行きたいからな」

 

 「了解した。アーガマで上がればいいかな?」

 

 「そうだね。任せたよ」

 

 俺はグラハムに、今回の刹那との勝負での感触を聞き。

彼が現時点で、既に純粋腫のイノベイターへ進化が始まっている事を感じた。

それと同時に、地上拠点にある物資等を宇宙に持って行く事をグラハムに頼んだ。

 

 

 一方、ヨハンに課題を出された沙慈だが…

 

 「これ、武装と足を除いたら…ただの石柱にしか見えないな」

 

 「しょうがないよ~、僕らと違って造った人にセンスがなかったんだよ」

 

 「でも、これをベースに沙慈が造るんでしょ?」

 

 「そうなんだよ…。まず、どんな形がいいかな…」

 

 「やっぱり、生物を基本としようよ。動く機械だから人間に愛着を持ってもらえるさ」

 

タチハロは蜘蛛をベースとしたロボだ。

オートマトンと比べると、遥に上位のロボットだが…。

 

 「まずは、昆虫からベースを探そう!」

 

 「「おぉお!!」」 

 

 自分より、このタチハロ達の方がやる気一杯だと感じる沙慈だった。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 ソレスタルビーイングの母艦。プトレマイオス2

そこでは、パイロット達が互いに意見を出し合っていた。

勿論、議題はFFの彼らとの戦闘能力の差についてである。

 

 

 「彼らの、マイスターとしての能力をどう見る」

 

 「マイスターとしてのレベルが違うな。恐らく経験だと思う」

 

 「そうだね、悔しいけど機体性能もあっちの方が高いね」

 

 「そりゃ、そうだな。あんな機体みたことないぜ」

 

 「ロックオン。彼らは、我々が武力介入していた当時。既に、あの機体を持っていた」

 

 「おいおい、まじかよ。あんな機体をどうやって手に入れたんだか……」

 

 

 マイスターは、シミュレーションで技術向上を目指した。

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 ヨハンに連絡を取っていたセルゲイは、ソーマ・ピーリスが敵に捕らわれた可能性がある。という報告を受けていた。

 

 「(よし…彼女はアロウズの行いを見て、軍に戻ろうとは思わないだろう。

 それに彼なら安心だ。さて、以前彼に頼まれていた軍内部…)」

 

 セルゲイの手元にある資料、そこに書かれた様々なキナ臭い情報や、アロウズ出資者リスト。

そして、クーデターを画策する軍内部の動き。

 

 「(ハーキュリー、やはりお前は動くのだな…)」

 

セルゲイは一人、中東の一角で外を眺めていた。

 

 

 

 一方、アロウズにいるマネキン。彼女の乗る船に新型と顔なじみが来ていた。

 

 

 「これが新型…」

 

ガンダムではなく、ジンクスタイプと思われるMS。

 

 「大佐~!来ちゃいました~!」

 

 「はぁ…あの男…」

 

 

 マネキンの自室、そこでコーラサワーはマネキンに怒られていた。

 

 「貴官はどこまで馬鹿なのだ!アロウズに関わるなとあれほど!」

 

 「アロウズには自分から志願しました」

 

 そんな事を言いながら、懐から手紙を差し出す。

それを見たマネキンはメモ用紙に、筆談で話せと命じた。

 

 「何故だ(これについては聞いているか?)」

 

 「大佐を守りたいからであります(はい、それとFFの彼らから、時期を見て根回しを頼むと)」

 

 「ここにいれば、ガンダムと戦うことになる。死ぬかも知れんぞ。(わかった。それとヨハン達のガンダムとはやり合うな)」

 

 「お言葉ですが、自分はガンダムと何度も戦い、生き抜いてきました。(了解です。それと既にイノベイドは、この部隊にいると)」

 

 「わかった。貴官がそこまで言うなら承知した。(ならば、うまく立ち回らねばな)」

 

 

 

 ヨハン達、FFがコーラサワーに渡した手紙には、アロウズの資金源。

軍の人間で、自分たちに賛同する可能性のあるもの。またはアロウズのスパイ的人員など

何故わかったか不思議な情報が記されていた。勿論、データを抽出・閲覧したのはスタンドアローンの端末だが。

 

 

 こうして、徐々に反抗作戦は密かに蠢いていた。

 

 

 

 

 

 CB、プトレマイオス2

 

 イアンがスメラギと話していた。

 

 「ダブルオーの応急修理は一応、済ませた。

それより朗報だ、支援機2機が完成したらしい。

ツインドライブを万全にするためにも、一足先に宇宙に上がり

調整作業をしたいんだが…」

 

 「了解です。ミレイナ、イアンの代わりに整備を担当してもらえる?」

 

 「ハイですぅ!」

 

 

 そんな会話をしていた。

そして、リニアトレインに乗っていたイアンは思案していた。

 

 「(まさか、ツインドライブの粒子放出量に機体が悲鳴をあげるとは…

 ヨハンの説明を聞く限り、オーライザーでカバーされた機体になれば、CBのガンダムを凌駕する機体になる。

 そして、その粒子の影響で刹那は革新へと至る…か。)」

 

 

 

 「ガンダム、各機収容しました」

 

 「全GNドライブ、トレミーとの接続作業開始ですぅ」

 

 「宇宙に上がる?」

 

 「わたしの予測だと、12時間以内に敵が包囲網を敷いてくる。逃げられないわ

 それに、ラグランジュ3に行けば、ガンダムの補修とサポートメカの受け取りもできる」

 

 「おぃおぃ、FFの奴らもいるのにダメなのか?」

 

 「ダブルオーが安定していない今、地上に留まるメリットはないわ

 だったら、彼らと一緒に宇宙に上がったほうがいいわ。それに、敵もFFの彼らを考慮して、数を増やしてくるはずよ」

 

 「成程な、わかった」

 

 「フェルト、クリス、ミレイナ、大気圏離脱シークエンスに入ってくれる?」

 

 「は~い」 「了解ですぅ」 「了解しました」

 

 

 「俺らはどうします?ラッセさん」

 

 「敵と遭遇してからが俺らの仕事だな」

 

 

 

 

 ダブルオーが産声を上げるのは近い。



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ホリーさん、出撃


 ちょっと休憩を入れたいです。
作者はストックなんてありませんからね…


 

 CB、FFはそれぞれ敵を感知していた。

 

 

「敵、水中用モビルアーマー6機を確認しました

 各員、所定の位置に就いてください」

 

 

  ブリッジ

 

「敵は、トレミーを包囲しつつ接近してきます」

 

「攻撃開始予定時間は?」

 

「0024ですぅ」

 

「…赤道上にいることを敵が予測していた…やるわね」

 

「何か用でしょうか?」

 

「補助席に座って、少し荒っぽいことになるから」

 

「ラッセ、リヒティ」

 

「了解。トレミー、急速浮上体勢に入る」

 

 トレミーの廊下では、ハロが転がっていた。

 

「アア~~~」

 

「中東をあのままに宇宙へ上がる……!」

 

 

  プトレマイオス2のブリッジでは、皆があわただしく動いていた。

 

「攻撃予測時間まで、0004を切ったです!」

 

「まだよ、ぎりぎりまで引き付けて」

 

「敵部隊に反応!」

「大型魚雷です!」

 

「アリオス、ケルディム、セラヴィー。トランザム開始!」

 

「了解。トランザム!」

 

  ケルディム、セラヴィーもトランザム発動。

 

「GNフィールド最大展開

 トレミー緊急浮上!」

  爆発の上へ!

 

「南無三!!」

 

 母艦が上昇耐性の状態で、後方の爆発を受けての加速で海上へ飛び出し、そのまま急上昇するプトレマイオス2

 

 一方、GNバンガードは上がっていなかった。

 精確に言えば、今からなのだが。

 

 「ヨハンさ~ん、魚雷に紛れてCBの彼らの加速を上げましたよ!」

 

 「よくやってくれたタチハロ。船体上昇開始!ネーナ、奴らの母艦を叩け!」

 

 「ラージャ!」

 

 アロウズの空母では、プトレマイオス2とGNバンガードを見て立ち上がっていた。

 

「敵艦、海面に急速浮上、さらに上昇!」

 

「ヤ、ヤツら、本気で大気圏を!?」

 

「ソレスタルビーイングの母艦、わたしの予測より速い!

  トリロバイトの攻撃を初期加速に利用したか。敵艦の上昇ルートを算出しろ!」

 

 敵MSの攻撃をものともせず、正面突破で上昇を続けるプトレマイオス2。

 

「こ、このスピードは?!」

 

「か、艦船の速度じゃ…」

 

「迎撃を開始する」

 

「りょ、了解!」

 

 そんな、通信をしていた機体が下から撃ち落とされる。

 

「な、なに?!」

 

 

 下にいたのはGNバンガードから射出されたフィン・ファンネル。

 

「ヨハン兄だけじゃないのよ!私だって!」

 

 パトリック・コーラサワーはプトレマイオス2を攻撃していたが。

 

「効かねぇじゃねぇかぁ!」

 

 プトレマイオス2、ブリッジ。

 

「全砲門、開きました!」

 

「GNバンガードを避けて、一斉発射!」

 

「あいあいさー!」

 母艦から、GNミサイルやビームで攻撃開始。

 

「このおっ!」

 必死に避けていたが、頭部をファンネルに撃たれて落ちていった。

 

「またかよぉっ!」

 

「逃げるな!ソレスタルビーイング!」

 

ルイス・ハレヴィも追いすがるが、速度が違いすぎた。

 

 

「進行軌道、割り出せました!FFの母艦は後発ですが速度は上です!」

 

「わかった。リバイバル大尉!」

 

「上昇角度の変更はたったの3度…このガデッサにはたやすいこと!」

 

 GNメガランチャーで粒子ビームを放とうとしたとき、砲身はGNバンガードからの粒子ビームでずらされた。

 リヴァイブは舌打ちをし

 

「くっ、まさか察知されていたとわ」

 

 

「丸見えなんだよ気配が」

 

ヨハンはGNバンガードのブリッジで呟いた。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

「高度、600kmを突破しました!」

 

「このまま、大気圏を離脱する!」

 

 

「第1シークエンスは失敗か…。

  だが、敵のトランザムシステムには、限界時間がある

  あとは、ジェジャン中佐次第……」

 

 マネキンが呟いていると、隣の母艦が急に爆発した。

 

「どうした!」

 

「我が部隊を攻撃していた。小さな物体が母艦に突撃したようです!」

 

「な、なんだというんだ」

 

「(さすが、ヨハン。きっちり爪跡を残すか)

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

「トレミー、高度10,000Km

 低軌道リングを超えました」

 

「敵部隊の攻撃です!」

 

「トランザム、限界時間を突破!」

 

 迫るMSはアヘッドなど6機、ジェジャン中佐は地上に合わせて艦を動かしていた。

「再チャージまでGNフィールドが消失します!」

 

 GNフィールドが消え、直撃を受ける

「船体上部に被弾です!」

 

「敵の数は?」

 

「敵、巡洋艦1隻、モビルスーツ6機です!」

 

  「そう……

 予測範囲内ね」

 

 

 敵母艦

 

「敵は粒子量を使い切った

 一気に畳み掛ける!」

 

 が、母艦に接近しようとした機体の一つが爆散する。

 

「な、何っ!?」

 

「別方向からの狙撃!」

 

「ガンダムです!」

 

「(援軍がいたのか!!しかし、反応はなかったはず!

  もしや?!超遠距離からの狙撃だとでもいうのか!?)」

 

 

 「牽制はしといたぜ、ホリーさん」

 

 「お母さんに任せときなさい」

 

 「ったく、かなわないな」

 

 リゲルグはアヘッドに接近し次々と落とした。ニールは超遠距離射撃で母艦も撃沈させた。

 

 

 連邦軍本部

 

 ホーマー・カタギリは報告を受けていた。

 

 「そうか、了承した。

 ふぅ……、ジェジャン中佐が戦死……。

 これ以上の犠牲を出すわけにはいかん。

 彼らに要請するしかあるまい。イノベイターを、人類を超えた存在を…」

 



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機体設定、他

ヨハン、ニール、グラハム機の名前が決まらないです。
いい名前ないですかね?


FF

 

組織の者は紋を、機体につけたり。背中か袖に着けられた服を身に着ける。

 

FFは、訓練を生身でもやる。

自らの機体で使う主武器を巧みに使うため。

これは、ダイレクト・モーション・システムからの派生システムを扱うため。

あとは、ビアンのチャンバラ好きがあった。

 

タチハロ

 

攻殻機動隊のタチコマのようなもの。

既存ネットを2Dとしたとき

タチハロ達の並列ネットは3D。

ヴェーダのネットの上位ネットであり、FFはこれを使用している。鉱物集め、農作業なんでもごされ。

 

ヨハンの新型機体 名前未定

 

参照モデル ガリルナガン・アストラナガン

ヨハン・ゾルダークの搭乗機。ガルダスパルナ(クシャトリヤ)の後継機。

 

ファンネルの性能を持ったファング(GNソードビット)を搭載。

ヨハンの高い超感覚的知覚を機体にリンクさせるシステム。

ESP(Extra sensory Perception)-LINK システム(略称Eシステム)を搭載。

機体のフレーム、武装には、この知覚をダイレクトに伝えるためのマイクロチップが鋳造されている。

2基のGNリアクターとテスラ・ドライブを搭載。ガルダの太陽炉ではなく新規のドライヴであり、ガルダの物は母艦に使われている。

翼にファングを収納。そして翼からは粒子の光が放出されており、武器にも使う。

外見はアストラナガンにガリルナガンの様に翼を増やす。

武装は実体刀(形状記憶金属)

  胸部メガ粒子砲

  ビーム刀(腕部収納、バルカンでの使用も可能)

 掌部 メガ粒子砲(ニール、グラハムの機体に使用されているドーバーガンの技術を使用)

 

必殺技

腹部前方に手を向かい合わせ重力場を発生させ、GN粒子を前方に解き放つ。

これとは、別にゾル・オリハルコニウムの刀で牙突の構えから、超速度で前方に突きを放つ。

この際、切っ先から円錐に近いGNフィールドを発生させながら進み、敵を爆散させる。

先端のGNフィールドがもっとも硬い部位になる。

この技は前方にビームを発射するのではなく、推進とフィールドにつかっている。

全天周囲モニターを搭載。

 

ガンダム デスサイズヘルズ

 

シールド裏面にはビームアックスを内蔵。

射出機能があり、ワイヤー付きで飛ばして相手を斬り裂ける。

槍にも鎌にも、形を変えられるビームシザーズ。アクティブクローク。

膝にはデュナミスのようなミサイルを搭載。

推進力が桁外れであり、ミハエルのサーチアンドデストロイ主義に適しているともいえる。

シンプルな武装のため、粒子の消費を抑えられ、その分速度に回している。

ハイパージャマーを搭載。

 

ガンダム ヘビーアームズドライ

 

両腕にビームハンドガンがあり、脚部に

ダブルガトリングビームガンを携行

ハンドガンとドッキングする事で連射や

フルバーストを可能とする。

 

肩や足のコンテナには、ホーミングミサイルや拡散マイクロミサイルを搭載。

背部ユニットにはドライにあった

高濃度GN粒子散布によるステルスフィールド発生装置がある。

なお、胸部には拡散メガ粒子ビーム装置がある。

この機体は燃費が悪く、母艦バックアップ無しだとフルバーストは3分しかできない。

ネーナの希望道理だから本人はいいらしい。

 

GNバンガード

 

モデル マザーバンガードをイメージしてください。

 

マザーバンガードのマスト(帆)の部分は無く。

船首の聖母像の部分は発進ハッチになっている。

また、甲板は平面でアーガマとのドッキングを目的としている。ドッキング後は、

アーガマはGNバンガードからシェルターでおおわれる。尚、甲板上だった場所は展望台のような全天シアターで周りを観れる。

マザーバンガードでの先端部分はハイパーバースト粒子砲となっている。

 

戦闘時はシェルターはオープン。

対空機銃。GNミサイル。メガ粒子砲。果てはフィン・ファンネルのようなビット兵器を射出可能としている。

ファンネルの操作は、タチハロの操作か脳量子波での操作かは選択できる。タチハロはサポートも可能。

 

GNリアクターを8基、テスラ・ドライブ。

 

リゲルグ・H

 

武装

袖収納ビームサーベル。ビームライフルは腰に携帯。

肩部GNミサイル、肩部隠し腕ビームサーベル×2

腕部GNフィールドシールド。

ガルダのサイドバインダーを2つ移植する事になる。

 

ニール機 名前未定

 

射撃特化型機体

 

腕部直結型ドーバー砲を持ち、収束モードでは

超遠距離射撃を可能とする。

また、母艦と機体のドーバー砲を接続させる事で

機体の消費を抑え、母艦からの攻撃が行える。

この、機能はスローネアインの粒子供給アタッチメントを参考にしている。

ハロサポートにより小型腕部での射撃サポート。ビット兵器操作も可能。

 

奥の手に、バンガードにあるハイパーバースト砲とのリンクにより薙ぎ払いも可能。

 

イメージ リハイゼ、トールギスⅢ

 

グラハム機 仮名フラッグ typeW

 

ブレイブに少し装甲を足した姿。

飛行変形制御システムを搭載。

射撃兵器は、ニール機にも搭載されているドーバーガンを持つ。

背中には、シールドビットが付き

GNミサイルコンテナとダミーバルーン搭載。

腕部袖にビームサーベルが収納されている。

脚部にファング2つ搭載。

 

イメージ TR-6

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





漸く、纏まった〜


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イノベイド来いよ!ハリー!ハリーハリー!


マリナは進化?したようです。


 

 中東の一国、スイール。その町の付近に展開している部隊。

セルゲイは司令官である、キム司令と通信をしていた。

 

 「大佐、スイールの動きはどうか?」

 

 「今のところ、変化はありません。…が、いずれ何らかの動きがあるかと」

 

スイールも、中東再編計画でエネルギーの問題を抱えている。

その現状を打破するべく、カタロンとも秘密理に取引をしている。だが、ヴェーダには筒抜けではあるが…

 

 「中東再編計画に反対するスイールの国力は侮れん。

スイールが行動を起こせば、ほかの国々も追随することは必至だ

それを阻止すべく連邦政府は、独立治安維持部隊の派遣を決定した」

 

 セルゲイはそれを聞き、ただの方便である事を悟る。

如何にスイールがレアメタル等の資源が豊かであっても、太陽炉無しの機体がどうこうできる筈もない。

政府はこれを口実に、傀儡政権を樹立させるつもりなのだろう。

 

 「アロウズを…ですか?」

 

 

 一方、カタロン中東支部。スイールに対する行動を見たカタロンは会議を開いていた。

 

 「スイールの国境線に、連邦軍が部隊を駐留させた。スイールに対する牽制とみていいだろう」

 

 「あの国王なら、連邦と事を構える事も辞さないだろうな。

 だが如何に世界随一の情報産業を持っていても、今の中東全土の状態ではな…」

 

 「連邦の情報操作で、中東の現状は黙殺される」

 

 「スイールの軍事力は?」 「詳しくは分からないが、中東の中ではマシだ」

 

 「無謀ね…それでも連邦の軍事力には叶わないわ」

 

シーリン達カタロンも思っていることだが、旧世代のMSでは現在のMSには勝てない。

4年前のCBが三つの勢力を圧倒した様に。

 

カタロンは王室と接触して、情報をカタロンのネットワークで世界に流そうとする方針で固まり、接触のため動き出した。

 

 

 カタロンの基地、子供たちの様子を廊下からマリナは見ていた。

 

 「あっ、シーリン。

 アザディスタンの状況は?国民たちはどうなって?」

 

 「暫定政権樹立の発表以降、目立った報道はされてないわ。

 連邦の都合のいいように情報統制されてるのよ。

 アザディスタンの様子を見に行きたくても、国境は連邦軍によって封鎖状態…お手上げね」

 

 「そう……」

 

 マリナは以前にヨハンが言っていた事を思い出していた。

彼女は彼の言葉を聞き、そして生きるという日々が実際には戦いであること。

そして、自分は平和に溺れていたのだと。

 

 「マリナ」

 「アザディスタンを再建するには、連邦を倒すしかないわ。

 戦うのよ、皇女であるあなたにはそうする義務がある」

 

 「シーリン。何故、私たちが結果的に失敗したと思う?」

 

シーリンはマリナからの突然の質問に訝しんだが、答えた。

 

 「太陽光エネルギーシステムの恩恵を受けられなかったからよ。

 そして、私たちには取引できる材料がなかった」

 

 「そうね…。結果的に私たちは国家として負けていたのよ。

 そんな私たちが過去から学んで、改善案が無い状態で連邦と戦っても意味がないわ」

 

そんなマリナの冷酷ともとれる言葉にシーリンは怒る。

 

 「泣き寝入りしろというの!?私たちは故郷を奪われたのよ!」

 

 「シーリン、連邦を倒した後のビジョンは?同じ事をやっても又失敗するのがわかってるのよ?

 まずは国を取り戻したとして、どうアザディスタンを運営していくかを考えないと」

 

 「はぁっ、わかったわ。確かに一理あるわね…でもマリナ?具体的に国を取り戻す方法は?」

 

 「シーリン、正直に言えばアロウズにカタロンは勝てないわ。でもFFとCBにアロウズは勝てると思う?」

 

 「マリナ、あなた変わったわね」

 

シーリンは苦笑いをする。ちょっと黒くなったマリナに…

 

 「ヨハンさん達にあったからかしら」

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 場所は変わり、地上から宇宙。 軌道ステーション基地

 

 「観測班からの報告によると、ソレスタルビーイングのスペースシップは、ラグランジュ3に向かった公算が大きい。

 フリーダムフレイムのシップも恐らく同様だろう。

 リント少佐は特命があるため、ガンダム追撃の指揮は、貴官に任せる」

 

 「はっ!」

 

 「補充兵等、増員して手配した。ジェジャン中佐の敵討ち…期待する」

 

グッドマンからの通信が終わると、マネキンは椅子に座り考えを纏めようとする。

 

 (なんと無能の多い事か…。リント少佐等、物量に任せた作戦しか行えない阿呆ではないか)

そんなイライラした気持ちの中、勝手に入ってきた馬鹿は叱られた。

 

 

 CBと一旦別れたFFは、衛星基地ゴヴニュに来ていた。

 

 「産まれ故郷にがいせ~ん!」

 

 「ねね!僕たちの兄弟増えてるかな?」

 

 「あんま、うるさくするとビアン爺に怒られるよ~」

 

ワイワイ、ウィーンウィーン言いながらタチハロは勝手に行ってしまった。

 

 「はぁ、まったく…」

 

 「私も先に行くぞヨハン」 「さぁ、ネーナちゃんマリーちゃん!ごはん出来てるわよ~」

 

みんな好き勝手してるな、こりゃ。

そんな中、ビアン達から呼び出しを受けた。

 

 

 「ビアン、この新型機は?」

 

 (ワシ等はお主たちが地上で活動している間も、開発や機体データのフィードバックを見ていた。)

 

 「やはり、生の戦闘は違うのだろうな。恐らく、遠からずヨハンの成長に機体がカミ合わなくなろう」

 

 (それと、私とビアンの共通見識として、ヨハンの力が対話に必要になる可能性が高い)

 

 「教授たちには、何か予感めいた物があるらしくてね。それに組織の旗頭だから旧世代MSじゃカッコつかないだろうって」

 

 おいおい…。予感云々よりも後半が本音だな。まぁ…

 

 「わかった。調整を早速するか」

 

俺の感が、この新たな機体から何かを感じているしな。

目の前の漆黒の機体。まるで死神か悪魔に見えるが何故か温かみを感じさせた。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

 時は遡り、どこかのマッドの会話。

 

 「おぉ!水中MAか、だがパイロットが馬鹿ものだな」

 

 「あれなら、シーリオンのほうがいいですよね教授」

 

 (これはビット兵器か。これをファンネルに付けたら面白いな)

 

 (ふむ、隠し腕に注目したいなワシは。やはり相手の意表をつくのは大事だからな)

 

 「そういえばMAは中々作られないな」

 

 (コストに見合わんのだろう。それにパイロットがいなければな…)

 

 「となれば…」

 

 「「グフフ……」」

 

マッドが一人増えました。





作者は箱根に台風通過後行きました。
肌を刺すようなサンライト!地面から湧き上がるヒート!

結果、作者疲れでダウン。
UA5万5千。お気に入り約450ありがとうございます!


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彼は迦楼羅であり、龍であり、大狼でもある


 そう!誇り高き獣の如き本能と理性を備える者!


作者はHELLSINGを見て、テンションが跳ね上がってしまった。


 

 

 宇宙でFFと別れた、ソレスタルビーイングの母艦プトレマイオス2

 

 「Eセンサーに反応!接近する機影があります!」

 

 「なんだと?!アロウズか!」

 

フェルトは慌てながらも確認する。

 

 「接近する機体の速度は、78kmセカンドです!」

 

 「何なのそのスピード!?」

 

 今までの、アロウズの機体では考えられない速度だ。

だが迎撃には、アリオス、ケルディム、ダブルオーしか行けない。

セラヴィーは破損している。

 

 「敵は…一機です!」

 

 「ガンダム3機緊急発進!!敵機の迎撃に向かって!」

 

スメラギからの指令を聞いた、ロックオン・刹那・アレルヤは出撃する。

 

 敵は疑似太陽炉搭載型の新型。そして恐るべき速度の正体は、両足のブースターによる加速だった。

新型はブースターを切り離し、ダブルオーに切りかかってきた。そう、ガラッゾという新型が。

 

 「やはりアロウズ!」

 

ビームを乱射するダブルオー。

だが、ことごとくかわされる

 

 「この機動性…!また新型か!」

 

 刹那が、僅かにチャージしたビームの一撃は、当たるかに見えたが、腕部の盾が展開。

GNフィールドで防がれた。

 

 「GNフィールド!?」 「連邦にフィールドを使う機体があるなんて!?」

 

 「まさか、ここまで…」

 

そう、敵はヴェーダから抜き取ったデータからGNフィールドの仕組みを解明。機体にくみこんできた。

 

 刹那のビームをGNフィールドで防いだ、ガラッゾはGNバルカンを連射。

如何にツインドライブを搭載している、ダブルオーと言えども本調子ではない機体で

ヴェーダのバックアップ有の機体には勝てない。被弾してしまう。

 

 被弾による煙を切り裂きながら、ガラッゾはマニピュレーターの先からビームサーベルを出し攻撃。

 

 「!!」

 

 刹那は、防御のために射撃状態のGNソードⅡを回転させ、近接モードに切り替える。

だが扇状になっていた5本のビームサーベルは次第に纏まっていきGNソードⅡを切り裂く。

 

 

 「っなぁ!」

 

 切り裂いた体制のガラッゾを援護に来た2機が攻撃するが、悉く避けられるかGNフィールドで防がれてしまう。

そんなソレスタルビーイングを見て、目的は達したとばかりに撤退していった。

 

 「やはり、ダブルオーの安定稼働の為にもオーライザーは必要ね」

 

 「あの動きを見る限りやはり…」

 

 「えぇ、恐らく…いえ、イノベイドでしょうね」

 

 「目的は?」

 

 「軍が展開している事を告げ、新型の性能を見せつける。牽制と警告ね」

 「ガンダム収容後、最大加速でラグランジュ3に向かうわよ」

 

 「「了解!」」

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 オービタルリング状のメメントモリ。その近くの連邦軍巡洋艦。

アーサー・グッドマンからの通信にアーバ・リント少佐は答えていた。

 

 「リント少佐、状況はどうか?」

 

目の前では、作業をする兵士達。それを見ながら。

 

 「予定通り、滞りなく進んでおります」

 

リント少佐は、その顔に薄笑いを浮かべながら報告する。

 

 「状況が整い次第、報告せよ。私が直接指揮を執る」

 

 「了解いたしました」

 

グッドマンも笑みを浮かべながら、地上を見やる。

 

 「見ておれ、統一政府に仇なす者どもよ

 これから、お前たちが受けるのは、天からの雷……神の裁きだ」

 

 彼らは自覚していない。自らの言う力は己が持つ能力ではない。与えられたに過ぎず、【そいつ】を理解していない

別段二人には能力はない。

パイロットとして優れている訳ではない。

指揮官として特筆する頭脳があるわけでもない。

そう、覚悟!!

自らが心の奥底で思う、弱肉強食の道理。

その道理に、自らも当てはまるという大馬鹿野郎だという事を…。

 

 

 そんな通信をハッキングして見ているヨハン。

 

 「小っちぇなぁ、おい。闘争の覚悟が!ない!

 弱者をいたぶり、悦に入ってるだけの小賢しい存在」

 

 (いつの世も、いるものだ。自らの手で行い!自らの手を汚し!自らの命を賭け金として差し出す。

 そんな戦の道理すらわからん奴はいつでもいる)

 

 「いつから軍隊、そして政府はここまで落ちたのだか…」

 

 「で?ヨハン兄どっちに行く?」

 

 「無論、両方だ。イオリアはソレスタルビーイングに連絡を」

 

 (相分かった。タチハロ、準備をするぞ) 「了解です~!」

 

 「私は少年の方へ行かせてもらおう」

 

 「わかった。ミハエルとグラハムは高速艇で出撃だ。

 他はあのメメントモリをぶち壊しにいく」

 

 リント少佐に迫るわ【金翅鳥】と連邦に恐れられる。ヨハン

彼は龍になりて、彼の眼前に立つだろう。そして見る。宇宙を切り裂くような白光を。

 

 名をリンドヴルム Typeガンダム

 

伝説上では大蛇、あるいは翼を持つドラゴンであるとされ

ワイバーン等と同様、その紋章は雄々しさと容赦のなさを表したとされる。

その名に違わぬ能力を見る料金として、命を…リント少佐の命はなくなるだろう。

 

 





 物量のごり押ししか、できない指揮官は不要なのだ!
そんな者には、ガガによる特攻という名誉な任務を与える!


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中東に放たれる光の柱


多分、三日連続投稿じゃあ!


 

 

  ラグランジュ3 資源衛星の一つ

 

そこにCBの施設があり、プトレマイオス2は停泊した。

 

 

 「よお!待っとったっぞお前ら」

 

先に宇宙に上がっていたイアンが一行を出迎える。

 「ママっ!ただいまですぅ!」

 

ミレイナは、若い女性に駆け寄り抱き着く。

 

 「ふふっ、ミレイナ元気にしてた?」

 

 「もちろんですぅ」

 

 どうやら、ミレイナのママらしい。

 

 「今、ママって言わなかった?」

 

 「ああ、言った」

 

 「そうかぁ、会うのが始めてのやつもいたなぁ、わしの嫁だ」

 

 「リンダ・ヴァスティです」

 

その言葉に唖然とするマイスターたち。

 「わ、若い、犯罪ですよ」

 

 「どういう意味だ…!?」

 

 イアンはロ○コンの嫌疑が掛かってしまった。

 

リーサはじゃれ合いだと思ったらしく

 「冗談はそれぐらいにして」

 

 「何だよ冗談って!?」

 

イアンはツッコムがリーサは取り合わず。

 

 「トレミーとガンダムの補給と改修を急いでもらえる?」

 

 「な?何があった?」

 

 「この宙域に、アロウズが展開しています」

 

 「ここのカモフラージュは完璧だと思うが…わかった」

 

そう、カモフラージュは素晴らしいが穴はある。

 

 「ですが…補給と整備には、最短で5日を要します」

 

 「あなたは?」

 

そう、新たなメンバーであるこの女性。

 

 「見かけない顔だな」

 

 「はじめまして、活動再開と同時にソレスタルビーイングにスカウトされた、アニュー・リターナーです」

 

 「スカウト?」

 

 「一体誰が?」

 

基本的に秘匿された組織。ルートは限られている。

 

 「王留美に紹介されてなぁ」

 

その人物の名に、各々顔が曇る。名前を告げたイアンも苦笑いだ。

 「あ、アニューはすごいぞぉ。宇宙物理学、モビルスーツ工学、再生治療の権威で、操船技術や料理に長け、おまけに美人だ

 どうだ、中々の逸材だろう?」

 

 「あ…よろしくお願いします」

 

イノベイドである彼女。

速めに対処をしなければ手痛い一撃を貰ってしまう。

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 地上の中東カタロン支部

 

伝令役がバイクで到着した。

 

 「池田からの暗号文だ!スイール王国が会談に応じたらしい!」

 

この池田、沙慈の姉の上司だった男である。アロウズの蛮行という真実を前に、彼はカタロンに所属する様になったのだ。

 

 「そうか、やってくれたか…!」

 

クラウスは支部長に指揮を任され、支部長は会談へ向かった。

 

 マリナとシーリンはどうすればいいか考えていたが、如何せん教材がない。

そして、この支部には孤児等もおり仕事は山住だ。

マリナは子供たちの世話をし、シーリンは今までの業務をやる様になった。

 

 

 

 場所は戻り宇宙。

 

ソレスタルビーイングが所有する衛星の中。

格納庫には支援機が搬入されていた。

 

 「これがオーライザー……」

 

 「この機体には、ツインドライブの制御機能が搭載されているわ、トランザムの増幅機能もね」

 

 「太陽炉のマッチと起こる事態がわからなかったからな、ここまで遅くなっちまった」

 

いくら材料はあっても、実験が行えなければ作れないという事だ。

 

 「あっちのオレンジの機体は?」

 

 「アリオス用の支援機。ガンアーチャーです」

 

 「まさか…」

 

 「そうだ。あちらさんの許可は貰ってる問題はない」

 「テストを始めるぞ!刹那」

 

 「了解」

 

 

 

 一方アロウズ。マネキン率いる艦隊は宇宙空間でのランデブーで人員等を補充していた。

そして、アロウズにまたも新型が配備。

 

 「まさか君までアロウズに入ってくるとは。どういう風の吹き回しだい?」

 

 「……」

 

 「…無口なのは相変わらずか」

 

リヴァイヴが軽口を投げかけた相手。そう、CBと戦闘を行ってきた新型のパイロット。名をブリング。

 

 「メメントモリを動かす」

 

言葉少なく、リヴァイヴに伝える。

 

 「メメントモリを?!…そうですか、リボンズはついに」

 

リヴァイヴはリボンズの計画が加速していく事ににやけた。

 

 

 「メメントモリの使用…これで中東計画は加速し、人類の意思が統一されていくことになる」

 

 「統一?…画一の間違いじゃないのかい?」

 

リボンズに不信感を抱くリジェネは暗に間違った道を進んでいるのではないかと言う。

 

 「いいや、統一だよ。僕らのもとに集まってくるという意味ではね…。

 メメントモリの建造協力、感謝しているよ」

 

 「……期待していますわ、イノベイターのつくり出す未来に」

 

リボンズは内心愚かな小娘だと思いながら王留美を見やる。

もはや、彼女は用済みである。彼女が信頼されていない事、資金が枯渇してきている事。そう、リボンズは既に知っているのだから。

 

 

 「もう、潮時ね。チャオ!お嬢様」

 

 ネーナのダミーである、王留美を利用していたダミーネーナとリンクしている本物ネーナ。

情報を吸い取るだけ吸い取った彼女は、ダミーを人知れず処理する。ダミーはスローネドライの自爆と共に消えていく。

 

 

 「大将に言われて捜し回ったが、いなかったぜ…大将」

 

ネーナの行動はバレておりリボンズはサーシェスを派遣した。だが、ものけの空…既にダミーは消えていた。

 

 「そうかい、ならいいんだ。手間をかけたね」

 

 「俺のクライアントは大将だ、好きに使ってくれていい」

 

 「お詫びといっては何だけど、君も見ていくと良い」

 

 「何だい?」

 

リボンズは宙に浮かぶメメントモリを見ながら笑う。

 

 「きっと、楽しめる代物だと思うよ」

 

 

 

 夜の中東、スイール王宮に天から光が落ちた。

 

連邦軍、陸上艇ブリッジ。

 

 「うおお…!」

 

 「予見されていた通り…、ついに始まるわけだ…」

 

 

 ソレスタルビーイング。ダブルオーはダブルオーライザーとなり刹那に何かを感じさせた。

 

 





ネーナの必殺!爆散!

※オ○ンジじゃないよ。煙から出現はしないよ。


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天翔る龍


る○うに剣心の技じゃないよ!


 

 スイール郊外、展開されていた連邦軍の部隊。

 

 

 「んん!?各員、部隊の安否を確かめろ!」

 

 「はっ!」 「部隊に損害は奇跡的にありません!…ですが」

 

 そう、彼らの眼前には街は消え去り、巨大なクレーターが残っているだけだった。

 

 

 部隊の者たちも、既にアロウズへの疑念を止める事ができない程だ。

 

 「我が部隊の人員を格納庫に集めろ。早急にだ」

 

 「はっ、ブリッジより各員へ通達する。至急総員、格納庫に集合せよ」

 

 

 セルゲイは、ヨハンとの会話でこのメメントモリの存在を知っていた。

そして、知っていてもヨハンが何故動かないのか、軍内部の疑念についても聞くと。

 

 「本来、軍事は政治の手段であり。政治を司る者は国民の代表であり、国において戦争・平和の問題は最重要課題だ。

 だからこそ、軍という暴力を判断・決定する必要がある。いわば、国民は今の現状を生み出した責任があるわけだ」

 

 「仮に、ここで我々が大量殺戮兵器を壊しても、彼らは何か起きても

 FFが何とかしてくれるという受動的な姿勢のままになる。

 だから、国民の怠慢の結末を知らなければならない。人は本質的には、自ら体験しなくては理解できないのだ。

 しかし、軍人も国民の一人。貴方たちが、今の連邦やアロウズを間違っていると思い政治的行動を行うなら

 今の連邦による軍務を辞し、改めて動くべきだ。と考えるが」

 

そして、勝てる目算を立ててから行動する様言われた。

今のカタロンの様に、勝てない戦いを幾ら行っても意味がない。

 

 既にセルゲイの腹は決まった。ヨハンはFFのトップ(総帥・大将)として、部下の行動に対する責任を持つ覚悟で動いている。

セルゲイは、そんなFFとの合流を始めようとしている。

 

 

 「諸君、現在我々の目の前の出来事はアロウズによる衛星兵器による攻撃だ」

 

セルゲイの言葉に俄かに騒がしくなる部隊の人員。

咳払いで注意を促す。

 

 「そして、アロウズの行いに疑念を抱く者も多いだろう。だが軍人が政治に暴力をもって介入する事は軍機を乱す」

 

言葉を区切ったセルゲイは、軍服を脱ぎ目の前に捨てた。

 

 「私は本日只今を持って、今の地球連邦政府平和維持軍より除隊する」

 

 「な、大佐!それは」

 

セルゲイの言葉に驚きを隠せない兵士たち。

 

 「本来なら戦時の今、軍から脱する事は許されざる事だろう。だが、今の政府に軍人として従う事はできない!

 ならば、情報統制で黙殺されてきたアロウズの蛮行の是非を

 軍人ではなく、一人の国民として国民に問う。お前たちの守りたい国家とは何なのか、今一度考えてくれ」

 

その、言葉に続々と軍服を脱ぎ。携帯していた銃を置いていく兵士。

 

 「お前たち…」

 

 「大佐、我々もお供します」

 

 

 「……わかった。まずはFFと接触する、いくぞ、それと今は大佐じゃない!タダのセルゲイだ」

 

 

 

スイールの地からセルゲイ達は姿を消した。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 宇宙にいるソレスタルビーイング。

彼らは、スイールの映像を見ていた。ただし、アニューたち技術班は作業でいないが。

 

 「やはり、撃ったわね衛星兵器を」

 

 「事前にヨハンさんが言っていた様に、太陽光発電を応用したものかと」

 

 「やはり、狙いは…」

 

 「スイールです」

 

 「既にヨハン達が動いているはずよ。私たちも補修が終わり次第、地球に向かうわ」

 

 

 

 

 メメントモリ その近くにはグッドマンが司令官として艦隊を率いていた。

 

 「メメントモリ…期待以上の戦果を挙げてくれた…」

 

 「グッドマン准将!こちらに高速で接近する物体を観測しました!」

 

 「バラのMSらしきものも観測!」

 

 「なに?!映像を回せ!」

 

 

 銀色の機体から紫の粒子を放出するMS。リンドヴルムと

ニール・ホリー・ネーナ等が出撃していた。

 

 「あ、あぁ!あの粒子の色は!」

 

 「くっ、FFという事か!!」

 「MS隊、出撃させろ!近づけさせるな!」

 

 

そんなグッドマンの旗艦にオープン回線で通信が入る。勿論、先頭のMSからでありヨハンだ。

 

 「初めましてか?ヨハン・ゾルダーク、武装組織FF総帥、兼パイロット」

 

 「撃ち落とせ!」

 

艦砲射撃、GNミサイル。ジンクス等による攻撃……。

しかし、機体性能が格段に違う機体達。ニールやネーナのミサイルや高濃度粒子散布。ホリーのファンネル等により敵機は撃墜されていく。

ミサイル等はもはやリンドヴルムの腕の粒子砲で薙ぎ払われる。ビームサーベルを構えていても、速度の乗った攻撃に耐えられず両断された。

 

 「な、なにをしておるか!」

 

 「温い、パイロットが弱すぎる。さて……」

 

目の前には、丸裸のグッドマンの乗る旗艦。

 

 「あ、ぅぁ……」

 

蛇ににらまれた蛙。いや龍に睨まれたか…

 

 「小便は済ませたか?

 神様にお祈りは?

 部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする

 心の準備はOK?」

 

 そんなヨハンに、メメントモリが発射されようとするが…

ファングにより、砲身展開部分から続々と破壊され、内部の共振部の輝きと共にメメントモリは宇宙に消えた。

 

 「な、なんだと?!何故メメントモリの発射が!!」

 

 「無駄だ、お前が考えていた事等

 俺には透けて見える。では…Auf Wiedersehen」

 

 グッドマン、ちびりながら死亡した。

この映像は、他の部隊にも知れ渡りヨハンは通り名と共に畏怖される。

 

 【独眼龍】

 

 

 カタロン宇宙部隊は参加していなかったが遠目から見ていた。

彼ら宇宙部隊から、事の詳細が地上に報告される事となる。 





ウォルターのセリフは片目が光
相手に死が近づくイメージという事で採用。


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スペシャルグラハム行きまーす!

 

 

 FFの母艦 GNアーバンガード

 

 「どうであった、新型は」

 

 「エイフ爺か…、性能は抜群だが、その分ピーキーだな」

 

新たなエンジン。別々で稼働させていた動力を合体させた。名をNGN(New Gundam Nucleus)新たなガンダムの中核。

欠点としては、搭乗者の思考速度、反射、空間認識等、様々な能力がないとフォローシステムがないので積む意味がないことだろう。

 

 「現状、恐らくこのエンジンを搭載して満足に動かせるのは俺だけだな」

 

 「あぁ、お前の先程の戦闘データを見る限りそうだろう」

 

 (使いこなせると思ったのはお主だけだ。ほかの者は乗ることはできん。)

 

イオリアもタチハロの画面から、気にしていた事を教えてくれた。

 

 「それと興味深い事があってね、ゾルダーク博士から聞いたんだけど。

 この機体は君の戦闘本能いわば、気という物に反応を示すみたいなんだよ」

 

 「(恐らく、ワシの知るサイバスターやアストラナガンに近いのだろう。

 この機体の動力は、人の戦いを求める本質の具現した形という訳だ。愚問だろうが、溺れるなよ)」

 

成程な、正に乗り手を選ぶ機体か…。

 

 「儂らの統一意見として、この機体の情報は明かす事はないだろう…」

 

 「今はワープ実験をしているよ」

 

俺達にとってワープは必要不可欠。丸見えで拠点の移動はできないからな…

 

 「わかった。恐らく暫く後、セルゲイ達と合流する。機体の点検だけしといてくれ」

 

 「了解しました隊長!」 「お客さんだって~!!」 「ホリーさんの旦那さんでしょ?」

 

 

 これだけタチハロが密集してるとカオスだな…。

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

メメントモリが崩壊する前。

 

 「ラグランジュ3のアステロイドエリアまで、3266」

 

 「さて、ヤツらのアジトをどうやって見つけるかだが」

 

彼女がアロウズで得られる物はもうない。だが、バレてはいけない

だからこそ、彼女はこの後離脱しようとしているのだが。

 

 「その任務、わたしたちにお任せください」

 

 「何か策があるのか?」

 

 「もちろんですよ、大佐」

 「……」

 

 リヴァイヴはマネキンに微笑みながら告げた。

 

 

 「マネキン大佐、面白い作戦を考えるじゃないか。人間にしてはなかなかだね

 それにしてもメメントモリが落されるか…リボンズも知らない機体…」

 

 FFと名乗る集団の持つ機体。そして太陽炉。まったく知らされない情報に困惑するが

今はCBを叩く事に専念する。リヴァイヴは脳量子波を解放した。

 

 「さて…応えてもらおうか同類さん」

 

ヒットした位置を確認。

 

 「敵基地を捕捉。艦隊に有視界暗号通信を」

 

 

 CB トレミーのブリッジでリーサはリヴァイヴの脳量子波を感じていた。

 

 (やはり、バレたわね!)

 

 「フェルト、補給状況は?」

 

 「0023で完了です」

 

 「そう…。トレミーより乗員以外へ、敵が当基地に攻撃を仕掛ける様です。

 全員、データと基地を抹消後Y45ルートで離脱してください」

 

 「やっぱり今のって?」 「たぶんそうっすよ」

 

 「イノベイド…」

 

 「これは!スメラギさんが言ったように三方向からミサイル攻撃です!」

 

既に基地には振動があり、攻撃が開始されている事がわかる。

トレミーが敵をひきつけなければ、作業員は大勢死んでしまう。

 

 「一歩遅かった!ラッセ!」

 

 「おうよ!」

 

 「トレミー緊急発進!」

 

 爆炎を背後にプトレマイオス2は発進した。

 

 

既に先立ってガンダムは発進させた。だがオーライザーの調整はまだだ。

 

 

 マネキンの乗る巡洋艦

 

 「敵艦、出現!」

 「4機のガンダムも出撃したもよう!」

 

 「ミッションプラン、SA77に移行」

 

 「了解」

 

MSの戦闘が始まった。

 

 

 

 マネキンは事前に戦力を配置。

 

資源衛星の裏、熱源を遮断する布をかぶせた、アヘッドとジンクス総数12機。

 

 アリオスは、作業員の乗るシップを護衛しており不在。

ケルディムとセラヴィー、ダブルオーだけだ。

 

 「刹那、迎撃に向かって」

 

 「了解」

 

 ダブルオーは迎撃に向かうが、マネキンにとっては予想どおり。

一機がダブルオーと、鍔迫り合いを行いその間に通過したジンクス2機は

スモッグ領域に、電撃を流す武装を、投げつけダブルオーの行動を阻害した。

 

 

 「敵、部隊。接近!」 「ティエリア!」

 

 「ツインバスターキャノン、高濃度圧縮粒子、解放!」

 

 だが、デブリに紛れた、新型のGNフィールドによって曲げられてしまう。

 

 「敵部隊が!」 「やらせるか!リヒティ!」

 

 リヒティが舵を切り、ラッセが母艦からビームとミサイルを放つ。

だが、素早いジンクス、アヘッドの動きに的を絞れない。

 

ケルディムに乗る、ライルも撃墜まで行かない事に焦る。

 

 「増援部隊!敵6です」

 

 「波状攻撃?!」

 

 

 トレミーを、包む様に部隊を動かすマネキン。

そのマネキンの、命令を受けたリヴァイヴは、デブリの上で狙いを定めていた。

デブリに足を刺して機体を固定し、GNメガランチャーを構える。

 

 「チャージ完了。目標、プトレマイオス2…GNメガランチャー、発射!」

 

 放たれた大威力長距離砲撃は、GNフィールドを展開していた、トレミーを直撃。

 

 「GNフィールドが…!」

 

 「直撃!第三格納庫です!」

 

 「ラッセ、イアンの無事を確かめて!リヒティは砲撃に移って、アニューさんは操舵を」

 

 「わかった!」

 

 

 「はっ!暗号通信です!これより援護すると」

 

 「来てくれたのね…」

 

 この戦闘宙域に近づく2つの機体。

ミハエルとグラハムの機体だ。グラハムの機体、ウイングフラッグとその背に乗る、ガンダムデスサイズヘルズ。

 

 「どうやら、出遅れてしまったようだな」

 

 「その分、働いて返さなきゃな!」

 

 「その通りだ!ミハエル!」

 

※マ○ロスの人じゃないよ!

 

 

 機体を旋回させ、ミハエルと別れ、突撃していくグラハム・エーカー、阿修羅をも凌駕する人が突撃した。

 

 

 アロウズの巡洋艦もにわかに騒がしくなる。

 

 「高速でこちらに、接近する機体を確認!数は1…いや2です!」

 

 識別に迷う機体、まさか!!

マネキンの脳裏には、死神と呼ばれるあの機体が浮かんでいた。

 

 「敵の一機は、レーダーに探知されないMSだ!

 有視界戦闘を心掛けるように伝えろ!」

 

 

 「おいおい、4年前の死神って事じゃねぇか!」

 

 突撃したグラハムは、刹那が捕らわれている場所を確認。

モニターに拡大された映像が流れる。

 

 「なんと、では少年に粋な計らいをしようか!」

 

スタンド・マニューバ。人呼んでグラハム・スペシャルで

クルーズ・ポジションからスタンド・ポジションに変形。

 

 ドーバー砲を打ち込み、ダブルオーは脱出した。

 

 「敵がジンクスとはな、知っていたとは言え、心が躍るという物だ!」

 

 「往け、ファング!」

 

 

 「はぁはぁ、トレミーは…」

 

ダブルオーのモニターに、ラッセが映し出された。つまり…

 

 「刹那!オーライザーだ」

 

 「了解、ドッキングする!」

 

 「オーライザー、ドッキングモード」

 

ダブルオーはダブルオーライザーになり戦場を飛ぶことになる。

 

一方、ミハエルは

 

 「ハハハ!どうした、イノベイドさんよぉ!」

 

 「…ぬぅ、嘗めるな!!」

 

 ブリングとミハエルが、近接で衝突を繰り返していた。  

 

 





 感想やコメントが届くと嬉しい今日この頃。

 グラハムのは飛行機形態と二足歩行形態と捉えてください。
なお、呼称はメカニックガイド準拠です。

Q 刹那の相棒は?

A ガンダム(100点) ラッセ(70点) 沙慈(??)


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世界への表明


現実にいた、キング牧師。ネルソン・マンデラ。サッチャー大統領
等の演説のセリフを参考にしています。

 勿論、批判もあるとは思いますが、ダラダラ説明回やるのもあれなんで…


 

 

 プトレマイオス2の戦闘が終わり、アロウズの隊員は母艦に帰還していた。

 そして、イノベイドの二人。

 彼、彼女たちは、互いに疑念を抱いていた。

 

 リヴァイヴはツインドライヴの事を知らされていない、その性能を伝えられていない事に

 リボンズは、知らなかったのではないか。又、人間よりも上位の存在ではないのではないか?

 

 ブリングは、自身が打ち倒せなかった敵。ミハエルの事を考えていた。

 ツインドライヴとは違うドライヴ。その性能を生かした、戦闘技術を見れば、自分たちの優位性が、絶対ではないと気付く。

 ヴェーダのバックアップがあって、倒せるビジョンがない。

 

 

 そんな彼らにリボンズから、脳量子波による情報が送られてくる。

 ダブルオー並び、FFのGNドライヴ奪取。

 

 この命令は、今の二人には決定的だった。

 これにより彼らは、リボンズが絶対的存在ではないと感じた。

 

 

 一方、マネキン達はFFとの戦闘記録を閲覧。そして二号機が、リチエラ王国の軍事施設を、レーザー攻撃した事が伝わっていた。

 

 「あそこには、100万人規模の難民キャンプがあったはずじゃ…」

 

 「具体的な、支援策を打ち出せない連邦は、消し去れば問題ないと考えたのでしょう…」

 

 「もはや、猶予はないな…」

 

 アロウズ的思想に染まっていない彼らは、今後を議論していた。

 

 「それにしても、大佐。この司令官…ぶっははw」

 

 「まったく、不謹慎だぞ。だが…w。んん、FFの頭目たるヨハンは凄まじいな」

 

 グッドマンの名声は元から在ったかは、不明だが、地底深くまで落ちた事は確かである。

 

 そして、彼らが注目したのはフラグシップ機の性能。

 何世代先の性能なのか検討が付かないのである。

 だが、味方として考えた時。なんと、頼もしい事か。

 

 「これより、我が隊は彼らに合流するぞ」

 

 「「はッ!!」」

 

 

 舞台の役者は揃い始めた。勝負は一度、一心不乱の大戦争で方はつくだろう。

 

 

 ――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 地上に降りたFF、彼らはセルゲイとパング・ハーキュリーと会合を開いていた。

 

 「もう一つのメメントモリが発射されたか…」

 

 「これ以上、無辜の民の命を危険にさらすわけにはいかん」

 

 「まさか、お前が動くとはな、セルゲイ」

 

 ハーキュリー大佐からすれば、軍務を全うする事が第一であるセルゲイが動く事は驚きだ。

 

 「あぁ、すまない。お前は知らなかったな、ホリーは彼らに助けられていてな。あったときに怒られてしまったよ」

 

 ハーキュリー。驚愕である。話を聞いてみると、彼は憤慨した。

 デザインベビーである、彼ら三人は身寄り・戸籍…そういった寄る辺が無い状態で活動をしていた。

 そして、活動のための人員を欲して、あの暗闇の密林戦闘に介入。ホリーを助けた。

 彼らは、ただ生きる又は、死ぬ事を良しとせず。生まれたからには、地球に対する責務を、全うしようと考えたのである。

 

 そんな彼らに比べ、なんと小さい自分か。

 彼らの考え方は可能性を見ながらも、現実的に考えている。

 そう、大事なのは【不確定な未来を、良くするための現実的手段】なのだ。

 

 セルゲイグループ、ハーキュリーグループ、FF

 この三つの頭目は、硬く握手し平和を望む志を同じくし。

 協力して、動くことを互いに対して誓った。

 

 

 そして、声明を出す。市民たちの多くは、事実を知らない。

 だからこそ、ハーキュリーは軌道ステーションの占拠をしたのだが…。

 原作とは違い、タチハロがいる現在。彼らには別の手段があった。

 勿論、ヴェーダの工作や妨害を受けないために、タチハロバックアップでシステムの乗っ取りを行う。

 イオリアも支援を行う。

 

母艦に、簡易的に設置された壇上で、ヨハンの演説が始まった。

 

 「地球と宇宙に暮らす、全ての方々に述べる。私は、自由なる炎を率いる総帥、ヨハン・ゾルダークです。

 まずは、公共の電波、並びに通信をお借りしている事について謝辞を述べる。

 私は、今の連邦の言う反連邦組織です。

 私達、FFの目的は、連邦の行った行為を明らかにし、その是非を問うためである。

 連邦が統一という題目を掲げ、行ってきた虐殺・弾圧行為を貴方方は知らないだろう」

 

 世界中のテレビ、パソコン。そこには、アロウズの行為が加工無しで流れていた。勿論、スイール・リチエラの惨劇もである。

 

 「目を逸らさず、しかと、胸に刻み込んでほしい。

 貴方方、民衆は指導者を選び。その指導者は、民衆を正しい方向へ導いているという自身の元に

 群れより先を行き、新たな針路を拓き導くのである。

 しかし、先程ご覧になられたと思う。あれが、貴方方が歩いている道の惨状である。

 世界の人々に聞きたい。これは仕方ないのか?服従する事が正しいのか?」

 

 ヨハンは一拍おき、次の言葉を吐く。

 

 「否!」 「否!否!否ぁ!」

 「断じて、否である!

 悪を仕方ないと受け入れる人は、悪の一部となるのである。

 悪に抵抗しない人も、実は悪に協力をしているのだ。

 では、服従。これも否である!

 黙って、服従することは、しばしば安易な道であるが

 決して、決して道徳的な道ではない!それは臆病者の道なのだ。

 

 私は、人の自然な営みに、生まれた存在ではない。デザインベビーだ。

 私を生み出した存在。アレハンドロ・コーナーは自己の欲求で私を生み出した。

 だが、私は本能的に、目の前の人物は自身に害を与える人物だと、感じたのである。

 だから、私は同じデザイン・ベビーの兄弟たる、弟と妹を連れて逃げ、隠れたのだ。

 私達には、寄る辺もなければ、頼れる者もいなかった。

 私は決断したのだ、いつの日か大手を振って歩けるようになるのだ、自由を得るのだと。

 その決断を否定する事は、絶対に私は許しはしないだろう。

 

 今こそ、問いたい!貴方方の投票した一票は、一発の銃弾となり、虐殺行為・弾圧行為を行っているのだ。

 それを良しとして、自身に向けられてもいいのか。

 多数に追随する事なく、貴方自身で決断して欲しい。私は自身の理念に従い、今の連邦の体制を正す事を宣言する!以上だ」

 

 

 映像が流れていた、画面は暗くなり。放送が中断された。

 そして、政府のニュースでヨハン・ゾルダークの映像にあった資料はデタラメだと発表したが

 ヨハンの火は、民衆の心に火を灯し大火となっていた。

 

 中東では、両の腕を上げ万歳する人々。が多く見受けられ。

 世界中に点在していた、アロウズ派ではない軍人たちは軍服を脱ぎ

 姿を消した。

 

 その火は、イノベイドにも灯った事は、誰も知らなかった。

 





 ヴェーダもやろうと思えば、電力で強制ダウン等可能ですが
様子を見た感じです。
 リボンズは「ヴェーダ!あいつらの放送やめさせてよ!凄いんだからさぁ!」(ワカメ

 ヴェーダ「ん~、信用ないからな君。あれ?イオ…聞こえなかった事にしよ」

こんな感じです。

 中東喜んでますが、マリナ姫復帰したら
1stの様な市民は、愚か者!(スパーン!!
という愛のビンタが飛んでくるかもしれません。


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天下分け目の前


 誤字報告してくださる方。ありがとうございます。
何か演説会をあげたら、グーーン!とUAが伸びた…。


 

 地球連邦政府が映像はデマかしであり、惑わされないようにと伝えた。

 

一方、FFはソレスタルビーイングと合流する前に

カティ・マネキンと合流を果たしていた。

 

 ヨハン達にとって予想外で、あったのはその場にリヴァイヴ・リバイバルとブリング・スタビティがいた事だ。

 

 「元地球連邦軍、カティ・マネキン大佐であります」

 

 「よく、来てくれた。状況は?」

 

 「ハッ!現在、宇宙においてアロウズ艦隊は集結しつつあります」

 

 FFと反乱軍は、地球の近くに布陣している。

理由は、セルゲイとハーキュリー達の部隊を上に上げるためだ。

カタロン側から、接触があり。今回の戦闘への協力を打診してきたが、地上の事案を任せたいといい断った。

 

 反乱軍の彼らも、ある程度の武力。旧型のMSではなくジンクスや宇宙母艦等を所持はしていたが。

殆どは、旧型であるフラッグ・イナクト・ティエレンだったりだ。

そこで、FFのリオンシリーズを貸し出す事に決めた。

 

 中身のシステム周りは、彼らのシステムを拝借した事が、あるので書き換えは簡単である。

勿論、疑似太陽炉付きである。だが、パイロットの技量が、そこまで上がっていない者は旧型だが…。

 

 

 「で、君たちイノベイドは何故ここに?

 勿論、脳量子波は遮断させてもらっている」

 

 「私が説明しましょう。前回の戦闘……つまりは貴方方の機体と戦って

 私達の上位の存在としている、リボンズの言うイオリア計画の遂行。

 それが真実なのか、疑問になりましてね。

 それと、我々が本当に人間より優れているのかに懐疑的になったのです。

 貴方方に、勝てなかったのですから」

 

 「……ヴェーダの情報統制の中、あの映像を流せた理由は」

 

 「一つづつ答えよう。

 まず、イオリアの計画とは、外宇宙の生命体との接触を予見したイオリア

 彼は、宇宙に進出する際に、地球にある火種を抱えたままでは、遠からず滅ぶと考えた。

 だから、人類全体に変化と革新を促し、その手助けをする存在。即ち、君たちを生み出すことにした」

 

 「何故、リボンズから生まれただけの君がその事を?」

 

本来のトリニティでは、知る事のできない情報。それを知っているのだから驚くか…。

 

 「本人から聞いたからさ、な爺さん」

 

俺の声に、イオリアはタチハロの画面から、こちらを見ながら難しい顔をしていた。

 

 「(その通りだが、まさか私も精神体のみで活動するとは思わなんだよ)」

 

 「イオリア・シュヘンベルク…」

 

彼らのアイデンティティたる計画を、真に考え実行しているのが、敵であったFFだとは思ってなかったのだろう。

 

 「(済まないが、君たちの機体はヴェーダのバックアップから切り離した。

 あまり、この母艦を知って欲しくはないのでな)」

 

 地球連邦にある母艦とは、比べ物にならない性能だからな…。

 

 

 「成程、やはり我々はイノベイターではなかったか」

 

 「ブリング?!」

 

 「漠然と感じてはいた。それが確信に変わっただけだ驚きはない。

 それよりも、俺の質問の答えは」

 

 「(我々が作り上げた、知能を持つ機械が沢山あるのでな。我々はスタンドアローンに近い)」

 

 

 「わかった。今後はどう動けばいい?」

 「それについては、私も聞かせていただきたい」

 

 「生成チャンバー自体に、君たちの情報を登録しておく。

 それと脳量子波の干渉を遮断する、ヘルメット等も提供しよう」

 

 

 「「了解」」

 

 

 

 月(ルナ)宙域の戦闘が間も無く開始される事となる。

 

 反乱軍の長はハーキュリー大佐にお任せした。

副官はカティ・マネキン大佐。

 

 現場指揮官 総監督はセルゲイ・スミルノフ大佐とした。

 

 

 地上ではカタロンが、沙慈の作ったロボ。タートルにより彼らの行動を支援している。

タートルは背に、物資を積み込む事が可能で、展開された装甲は壁としても機能させることができる。

 

 完成したときは、鼻高々にこれで人々を守ることができる!と喜んでいた。

タチハロは……一機を解体し色々議論していた。好奇心旺盛すぎて困る。

 

 

 そして、反乱軍としての声明を出すために

またもジャックする事になった。勿論演説するのは、軍の人気が高いハーキュリー大佐である。

 

 「ここにいる、全兵士。地球に住む、全市民の方々に報告する。

 わたしは、元、地球連邦軍情報作戦室所属、ハング・ハーキュリー大佐

 わたしは、同志たちと共に、アロウズを断罪するため立ち上がった。

 わたしたちの目的は、ただ1つ。

 連邦政府直轄組織、独立治安維持部隊『アロウズ』の蛮行を世に知らしめ、その是非を世論に問うためである。

 反政府勢力を排除する名目で彼らが、数百万規模の虐殺を行っている事実を、あなたはご存知か…!?

 中東再編のため、罪もない多くの人々が殺されたことをご存知か?

 そう、あなた方は、連邦政府の情報統制によって、偽りの平和を与えられ、知らぬ間に独裁という社会構造に取り込まれているのだ!

 この事実を世に知らしめ、その是非を問う!

 憎んでいただいて構わない。のちに罰があるなら、それも受けよう。

 だが、これだけは断言する…!

 我々は、連邦市民の利益と安全を守る軍人であり、正当性が政治に保証されるからこそ、軍隊として存在できるのである!

 故に、正当性なき政治、間違った軍隊を正すこともまた、我々軍人、市民の使命なのである!」

 

 「我々、反連邦軍はFFと合流した。そして悪戯に血を流す事を良しとしない。

 よって、12:00。月宙域の一戦をもって、終わりにしたいと思う」

 

 「繰り返し告げる、我々は12:00よりアロウズ艦隊へ決戦をしかける!以上だ」

 

 

 既に、地上ではアロウズに関わり悪事をなした企業。政治家は次々捕縛されている。

勿論、アロウズ総指揮官も任意同行で連行されている。

 

 ヨハンは自殺する可能性が高い事を知っていたので、すぐ捕縛に動いたのだ。

ビリーも苦い顔で、「理想を追い求めるあまり、溺れてしまったんだよ。きっと…」

と口にしていたのは、とても印象的だった。

 

 





 さぁ、アンドレイに次回!母から痛烈なビンタとボディーブローが見舞われる!…かも

イノベイド二人は性別不明状態のままにはしないです。
アニューは幸せになるでしょう。(天気予報の人風

ティエリアは女性にはなりません。

カタギリ司令「この命をもって……」

警察 「間違ってます、その武士道。それ逃げてるだけです」

カタギリ司令「(´・ω・`)」


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変化と革新の嵐

漸く、アニメでいうセカンドシーズンが終わりそうです。




 

 ソレスタルビーイング。 プトレマイオス2

 

外には、グラハムと刹那。互いに機体に乗り外にいた。

そもそも、の発端。

 

 アロウズとの戦闘が終わり。

通信には、グラハム・ミハエルが出ており、対象はプトレマイオス2及びガンダムマイスター達。

 

 「救援、感謝するわ。あなたたちのお陰で、非戦闘員が死なずに済んだわ」

 

 「ははっ!まぁ、グラハムが行くってね」

 

 「私は、私が望む事をした迄だ」

 

 「それでもさ、俺らにとっちゃ貴重な増援さ」

 

 そこで、一旦言葉は途切れる。

何故なら、映像が流れ始めたからだ。

 

 それを見終わった各員は、議論を始める。

だが事前に知っていた二人。ミハエルは艦への搭乗を希望した。

そして、グラハムは

 

 「私は、少年との一騎打ちを所望する」

 

 「「!!」」

 

CBクルーは驚く。アレルヤはグラハムに対し、その行動は今無意味だと主張するが

 

 「無意味ではない。かつて、私は少年、引いてはガンダムを超えようとした。

 だが、ヨハンが言っていたのだ。私が少年を超えようとするのと同じく、少年も私を超えようとしていると。

 だからこそ、変化と革新をしようとしている、今の少年との勝負によって

 少年は私を超えたのか。私は少年を超えたのかを確かめたいのだ。

 この行動は、ヨハンから了承を得ている、後は少年。君次第だ…」

 

刹那とFFに所属するもの以外は、怪訝な顔をするが。刹那は深く考えていた。

 

 (あの男の行っていた、変化と革新。それが俺にあるのなら…

 イオリアの求めていた物…、その答えを……)

 

 「わかった」 「「刹那?」」

 

 「ラッセ、機体の制御はこちらでやる」

 

 「おいおい、まじかよ」 「あの男と戦えば、何かが分かる様な気がする」

 

刹那の言葉に、笑みを浮かべるグラハム。

彼は強さを求めていた。そんな折にヨハン達と出会い、別の強さを見た。

ならば少年の強さの根源は?一度負けた自分。ならば、それを知る、その必要があると、グラハムは考えていたのだ。

 

 「はぁ~、わかったわ。でも私達は、地球に向かわなければならないわ」

 「だから、戦闘をしながらでもいいわ。FFと合流して頂戴」

 

 「了解」 「承知した」

 

 

 ビームサーベルを出し、ダブルオーと対峙する。

 

 「ウィングフラッグ グラハム・エーカー」

 

 「ダブルオーライザー 刹那・F・セイエイ」

 

 

 ウィングフラッグは粒子の生成速度があがり、光の放出が加速する。

方や、ダブルオーライザーもトランザムの状態に入る。

 

 「いざ、参る!」

 

 「出撃する!」

 

 水色の粒子と紫の粒子は、ぶつかり合いながら地球に展開しているFFの母艦に向け。

ドッグファイトを始めた。

 

 

 「ウォオオオオオ!!」

 

 「ヌゥウウォオオ!!」

 

 

 加速する、粒子。まばゆい光弾のごとき塊は、光を撒きながら戦闘をする。

 

 

 リジェネ。リジェッタ。リボンズに刃向かうイノベイドである彼、彼女は

その様子を、光学望遠によって見ていた。

リジェネの周りには、王留美とその兄の遺体があった。

 

 もはや、リボンズ。CBとFFにしてみれば邪魔な存在である彼女たちは、リボンズから抹殺指令が下っており

殺された。「私は、新しい世界で自分の人生を…」等とバカな妄言を吐いていたが、生き残ってもそんなものはない。

 

 「遂に、真の覚醒が始まったか。刹那・F・セイエイ…」

 

リジェネはその場を後にした。

 

 王家の当主と付き人は、宇宙の片隅でひっそりと命を落とし、遺体も抹消された。

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 アロウズ艦隊

 

 「独立治安維持部隊アロウズは、全戦力をもってソレスタルビーイング・自由なる炎の殲滅作戦を敢行する。

 反政府勢力の最後の砦である彼らを打ち倒し、統一世界を、真の平和を勝ち取るのだ。諸君らの奮起に期待する」

 

ホーマー・カタギリが連行される前に録画した映像が全艦隊に流れていた。

 

 総大将はアーバ・リント元少佐。

彼はグッドマン准将が戦死したのちに流れ始めた、「尿漏れ」 「根性無し」

等の蔑称を故意に広めた人物である。

 

リントは内心ほくそ笑んでいた。

 

 艦隊数約50、そして250以上のMS。

 

 (完璧ですよ、あとはじっくり彼らを殲滅するだけ。残念でしたね、あそこがバッドな准尉。ブッフwww)

 

 

同類をバカにするリントも小物である。

 

 確かに数では、優っているが反連邦派は軍人気質な者が多い集団である。

質は高く、志も高い人間である。

 

 だがアロウズは人員を湯水のように使う部隊。

質は一定ではないし、性根の腐った者も多い。

 

さて、そんなアロウズの背後にいるイノベイド首魁たるリボンズは

 

 「ついに審判が下される。純粋種として覚醒した刹那・F・セイエイ、枠を超えた存在であるヨハン・ゾルダーク達か、

僕たちか……そのどちらかが、人類の行く末を決める。それでいい…」

 

 彼の眼中にいるアロウズ等、肉壁のような物である。

そして、リボンズのいるソレスタルビーイング号は、月の傍からは動いていなかった。

何故なら、既にばれているのであれば。隠しても意味はない。なら惜しみなく投入して勝った方がいいのである。

 

 「おう、大将。俺らはどうすんだ?」

 

 呼びかけたサーシェスと背後に複数名の人影。

 

 「君たちは切り札さ。アロウズには精々、彼らを消耗させてもらおうじゃないか」

 

 「あいよ」

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 そんな会話がなされている、アロウズの敵たるFFと反連邦軍。

 

 「は~すっげぇな、この機械。お前らいっぱい、いるんだろ?」

 

兵士たちを代表して、コーラサワーが目の前のタチハロ達と話していた。

 

 「そうだよ~!でも機械と、ただ一概には読んでほしくないな」

 「そうそう、僕らはタチハロっていう、人間でいう種族名があるんだよ」

 「機械にも愛を~!」

 

 そんなタチハロに兵士たちは笑い合いながら、すまねぇな!と言いながら仲睦まじく過ごしていた。

 

 

 タチハロの隊長たるヨハン。彼の目の前にはカティ・マネキンがいた。

 

 「まさか、何年か前に言われた通りになるとわな」

 

 「俺は嘘は言わないからな。それでどうして…」

 

ヨハンとカティの周りは寝室であり、酒が置かれているだけである。

 

 「こうなってるんだ?」

 

 「いや何、リーサが言っていたがヨハンは凄いとな」

 

それを聞いたヨハンは、恥ずかしさで身もだえていた。

まさか性事情を知られているとわ…。

 

 「それと、激しい戦闘をすると欲求が高まるそうだな」

 

そう、ヨハンは小さな戦闘なら欲も小さく、理性で大人しくさせる事は可能だが

気持ちが昂る、大きい戦闘を行ったあとが大変なのである。

何となく、この後のセリフに気が付くヨハンだが、居住まいを正し続きを聞く。

 

 「私もそういった欲はある。それに年々欲求が高まってな…。それにヨハンは好ましい存在だ。」

 

赤く頬が染まり、恥ずかし気にするカティ。

結論を言えば、ヨハンは両方を味わいました。軍では、女性士官も性欲解消のために……。まぁ在ったりする様だが。

二人とも気持ちよくなった事後に通信があり、リーサと話すのだが。

女性同士で既に共有財産化する事にしたらしい。

 

リーサとカティは以外に逞しかった。艶々のカティを見たリーサはちょっと羨まし気だったが…。  




 ヨハンはどっかの神話の獣みたいに何日間も…とかはありませんが
適度に発散しないと、きつい事は事実です。
 カティも性欲はあるしね。いい男は欲しいよね。

さすがに詳細なエロ描写は無理です。作者技量がないため。

兵士たちとタチハロ…。機動六課のデカイバージョンみたいですな。


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遂に役者は揃う


 「まったく、激しすぎるぞ」

 「喜んでたじゃないか」

 「馬鹿者…」

誰とは言いません。誰とは


 

 月宙域付近に迫る、2つの機体。

 

加速していく粒子が舞う中、グラハムと刹那は互いに、何度となく切り結んできた。

 

 「生きてきた…、この一戦を果たすために生きてきた……。生き恥を晒して、強くなろうとしたのも…」

 

 「この、矜持だけわぁあああ!!」

 

純度を増していくGN粒子が、川に様に軌跡を描く。

 

 GNソードⅡと、ビームサーベルが交差する。

 

 「そうまでして…!」

 

 「矜持を貫けぬ繁栄。それにどれ程の価値がある!!」

 

 

 グラハムの言葉を、聞いた瞬間。刹那は、目の前の色が変わる感覚を感じていた。

 

刹那はグラハムの矜持。それに覚えがあった。彼の誇りはフラッグファイターである事、そして自身の強さだった。

刹那にとってそれはガンダムである。グラハムは、誇りを取り戻そうとしているだけ、という事に気が付いたのである。

 

 そして、気が付くと。粒子の舞う、意識の混在する不可思議な世界にいた。

 

 「イオリアの計画。ガンダムを…いや、GNドライヴを造ったのは…」

 

 「たどり着いたか、少年。そう、君は変革し純粋種のイノベイターとして、覚醒したのだ」

 

 

変革した人類、それこそがイノベイター。刹那は感覚的にそれを理解した。

 

 現実にすれば、数秒の間の事である。

ウィングフラッグは、ドーバーガンを放ち。ダブルオーライザーは、放たれてくる粒子ビームを避ける。

 

 「この一戦の勝利を!!」

 

 粒子の軌跡を描き…再び、交差し鍔迫り合いになる。

 

 「ほかに何がある!」

 

 「決まっている!」

 

ウィングフラッグより、後ろに少し離れGNソードⅡを連結させる。

 

 「未来へと繋がる…明日だ!!」

 

 ダブルオーライザーから、放たれた突きは、ファング2基が刺さり壊れる。

グラハムはダミーバルーンも、GNミサイル・ファングも使っていなかった。

だが、自分を負かした少年が今。どれほど強いのか、本当にヨハンの言う変革をしているか見たかった。

 

 トランザムが終わるダブルオーライザー。相手から交戦する気配がしない…。

刹那は、攻撃をせず見ていたが、グラハムはもう終わったとばかりに背を向ける。

 

 「少年、君の道。楽しみにしている」

 

 「!!」

 

 ウィングフラッグは、先に月宙域に向かう。

後を追うように、ダブルオーライザーも向かう。

 

 既に展開を始めている、艦隊達が見えていたのである。

 

 

 

 二人の加速粒子は、ラッセの体調を治し、ハレルヤもダメージにより沈んでいた意識を戻された。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 反乱軍とFFより、離れた位置に止まっているプトレマイオス2。

CBは補給艦と合流して、機体等の装備を入れ替えたりしていた。

 

 船外に出ている、イアン夫妻と娘であるミレイナ。

 

 「戦力になりそうなものは、全て持って来たわ

 ガンダム各機の強化パーツ。トレミーの補給物資」

 

 イアンは、搬入される物資の中

 

 「オーガンダムまで…!」

 

 「粒子貯蔵タンクを付けたから。一定時間の戦闘は可能よ」

 

 CBは如何せん機体が少ない。手数が足りなくなった場合まずい。

 

 「よし、急いで搬入するぞ!」

 

 「はいですぅ♪」

 

ミレイナの行動に苦笑するリンダ。

 

 

 ブリッジでは、マイスターたちが宙域映像を見ていた。

 

 「既に、艦隊がこれだけ…」

 

 「間違いない、ヴェーダがこの艦隊の後ろにあるはず…」

 

アロウズの艦隊、背後にはイノベイドの本拠地があるという、確信に近いものをティエリアは感じていた。

 

 「今までにない激戦になるな」

 

 「……」

 

そんな戦闘に飛び込もうとする…沙慈を刹那は見ていた。

 

 ヨハンから、ルイスを助けるため、沙慈を連れて行ってくれと言われた。

オーライザーは、ラッセが乗る予定だったが、Oガンダムで母艦の護衛をする事になった。

 

勿論、ヨハン達は沙慈にファイターの軽い操作は教えている。

 

 「行くよ。僕の戦いをするために!」

 

 沙慈だけでなく、ソーマ・ピーリスも派遣されている。

これは、アレルヤの支援機GNアーチャーのために、CBから要請したのだ。

 

 

 まもなく、時間である。

両陣営のトップが口にする。

 

 「「総員、第一種戦闘配備!」」

 

 CBも母艦を発進させながら、宙域に近づいていく。

 

刹那は機体へ向かう途中。フェルトより花を贈られる。

フェルトの様子に、クリスは嬉しそうにしていた。

 

 既にCB以外は、母艦から機体が発進している。ヨハン達もである。

 

 決戦仕様になった、ガンダム達。

マイスター達は、それぞれ思いを抱く。

 

 「何としてでもヴェーダを…」

 

 「アーデさん、戦果を期待してるですぅ♪」

 

 「了解。セラヴィー、ティエリア・アーデ、行きます!」

 

 

 「準備はいいかい?マリー?」

 

 「私はソーマ・ピーリスだ。マリーはもう一人の方だ」

 

 ピーリスの言葉に微笑むアレルヤ。

 

 「(さぁ、やろうぜアレルヤ!)」

 

 「わかってるよ。アーチャーアリオス、アレルヤ・ハプティズム、ソーマ・ピーリス

 目標へ飛翔する!」

 

 

 2機が既に発進し、残りは2機。

 

 「ケルディム、発進どうぞ!」

 

アニューのメットは遮断装置がくみこまれている。本人の知らぬ間に。

 

 「あいよ、愛してるぜアニュー」

 

 「なぁっ!」

 

 ブリッジが女性陣の声でにぎやかになり、リヒティが居心地悪そうになる。

 

 「ケルディム。ロックオン・ストラトス、狙い撃つ!」

 

 

 そして、最後。オーライザーとダブルオーが発進し、ドッキング。

ダブルオーライザーになり、戦闘予想宙域に向かう。

 

 

 「「「戦闘開始!」」」

 

 月宙域に、ビームが一斉に放たれた。





 アロウズがぼろぼろ。そんな所まで話が行くと思ってましたが
以外に行きませんでした。

 カティとリーサは、スタイル良くなってます。
ヨハンは、普通の人じゃないですからね。ご利益あるんでしょうね。

 ???「!!!(なんか、お話しできる存在いそう。それにわかってくれるかも)」

 どこかの○○○も引き寄せられますね。


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戦場を包む、粒子の海


 書いてたら、長げぇええ!6000文字ぐらいになってしまった。
感想コメありがとうです。

 リボンズ戦は入りませんでした。


 

 

 戦闘開始前……反乱軍と合流した後の事。

 

 

MSの配備、装備の事で話し合っていた。

 

 「我々はジンクスⅢを、持ってきてはいる。だが、大部分はイナクト等旧型機だ」

 

 「ヨハン、そちらはMSや武装はどの程度ある?」

 

 「リオンシリーズなら、恐らく、そっちの者も扱えるだろう」

 

太陽炉とテスラ・ドライヴ搭載型リオン。ガーリオンである。

 

 胸部にミサイルを搭載。GNブレードとGNメガランチャーを装備している。

原作で、アニューが使っていた、ガシリーズに近いだろう。

 

 その他、バレリオンを母艦護衛のために提供。

さすがに、GNアームズの技術で発展させた、ベガリオンとアルテリオンを使用する訳にはいかない。

 

そんな、ガーリオンとバレリオンの資料を見せる。

 

 「これ程の装備を…」

 

 「セルゲイ、お前の知り合いは凄まじいな。これ程の規模…世界征服ができるな」

 

 「笑えませんよ、司令…」

 

そう、使い方を間違えれば。ハーキュリーの言葉どおりにする事もできる。

 

 「我々は、そんな事をするつもりはありませんよ」

 

 「そうか…、こちらも君たちと事を構えるのは厳しい」

 

 「ヨハン、指揮官用の機体はどうする」

 

 カティが、現場の指揮官級。つまり、腕の良いパイロットのMSの事はどうした?と言ってきた。

継続戦闘能力を考慮した機体、それをビアンと開発した…まぁ5機しか作れなかったが。

 

 「これを見てくれ」

 

俺は、モニターに ベースモデルをジ・Oとした、スローネアイン・ツヴァイの技術をつけた機体。

 GN-XS Ⅳ(ジンクススローネ フィーア)である。

 

背部のランドセル部分にはアインのGNメガランチャーを装備。

ツヴァイの大剣型、実体剣を発展させ、切っ先からGNビームライフルを放てる様にしてある。

スラスター等は勿論、ジ・O同様ではある。頭部はジンクスお馴染、四ツ目。GNフィールド。

機体各部にはコンデンサー・タンク等、ジンクスをムキムキにした感じである。

 

 「(我々が独自に発展させた、GN-Xだ)」

 

 「おお!すっげぇな!一番乗りは、この俺パトリック・コー…」

 

 「(やかましい!乗るなら乗ってこい!)」

 

 「わ、わかったよ」

 

 ビアンに怒られ、炭酸はコクピットに向かう。

話が漸く、進むので何よりである。もはや、セルゲイ達も何も言わない。

 

 「ふむ、わかった。これは、セルゲイと私…それと二人だな」

 

 「わかった。(それにしても、ホリー達のいるここの設備…明らかに技術が違う…)」

 

 そう、セルゲイの思う通り、ヨハン達の持つ戦力は、群を抜いている。アロウズですら、知らない技術があるのだから。

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 両軍が戦闘行動の開始を宣言した。

アロウズは、ジンクスとアヘッドで固められた部隊構成だ。

 

両軍のMSによる、ビームが飛び交う中を…ヨハン・ミハエル・グラハム達は掻い潜り、戦線を押し上げる。

 

 「ははは!兄貴の攻撃に比べればチョロいぜ!」

 

 「これ程のガンダムタイプ…。私も心が躍るという物だ!」

 

ミハエルとグラハムは、その機動性を生かし、指揮官タイプであるアヘッドをメインに落す。

 

 アロウズも、黙ってやられる訳ではない。

 

 「司令!敵の勢いが!」

 

 「まだです、艦隊はミサイル攻撃を。MS隊にも伝えなさい」

 

 リントは、まだ粒子撹乱膜が効果的に機能する程、相手のMSはバラけていないと思っていた。

アロウズからの艦隊ミサイル攻撃により、反乱軍も多数撃墜される。

 

だが、中央の軍に向けて放たれたミサイルは…

 

 「圧縮粒子、解放!GNツインバスターハンドガン、発射!」

 

 リンドヴルムの、両の手を前へ構え、両の手の掌から、別世界でコロニーを落とせるレベルと言われた

威力の粒子ビームが放たれる。射線にいた敵MSと、ミサイルは消えてなくなり。そこだけポッカリと、空白が生まれていた。

 

 アロウズは事前情報で、ヨハンの機体を知っている。

だが、停止したリンドヴルムを撃墜するチャンスだと思い、突撃した者が愚かだっただけである。

 

発射が終わった、リンドヴルムは空白地帯を恐ろしい速度で突っ切り、アロウズの母艦3隻落とす。

 

 「ね~、ヨハ兄。あたしの出番まだ?」

 

リンドヴルムの通信画面には、ネーナが出番の催促をしてきていた。

 

 「お前と、ニールは貴重な遠距離要員だからな。恐らく、そろそろだろう」

 

 「やった!あ、ヨハ兄の言った通りだ!」

 

 会話をしている間に、CBに特攻する形だった母艦4隻から。粒子撹乱が出てくる。

それを、目視で確認していた、アヘッド達も粒子撹乱ミサイルを多量に放ち、こちらを抑えようとする。

 

 

 ソレスタルビーイング、ブリッジ。

 

スメラギから、刹那へ、ライザーソードで母艦の切り裂き要請がでて、粒子撹乱が展開された、宙域真っ只中にいた。

 

 「フィールドが!…彼らは!」

 

 「ティエリア!ぐあっ、ミサイルの数が!」

 

 ケルディムのシールドビットも、防げる限界はある。

撹乱状況の中、GNフィールドは効力が低下する。セラヴィーにとっては、かなりの痛手である。

 

 だが、そのアロウズの舞台の横っ腹をド突く形で、反乱軍はセルゲイとハーキュリー達の部隊で攻撃を開始する。

 

 

―――――――――――――――――

 

 反乱軍、旗艦ブリッジ。

 

 「スミルノフ夫妻、ハーキュリー大佐。それぞれの部隊に攻撃開始命令を!」

 

 「は!対・粒子撹乱部隊、攻撃を開始されたし!」

 

 

 「各機、フォーメションを崩すな。我々はバレリオン部隊の護衛だ」

 「有り難い事に、我々を荒熊夫妻が護衛してくれる。ソレスタルビーイングの母艦を落とさせるな!」

 

 「「了解!!」」

 

 

 バレリオンの両腕にある、ミサイルランチャーパック。そしてレールガン。

それらの一斉射撃による猛攻。

さしもの、アロウズ部隊も完全に坂手に取られては、厳しいと言える。

 

疑似太陽炉の強みが生かせない、状況下。

奇策が裏目に出てしまったと言えるだろう。

 

 FFも、ネーナを中央軍に配置していた。

ネーナのガンダム ヘビーアームズドライのフルバーストの餌食になる。

 

 「あっはは!この大火力の餌食になっちゃいなさい!」

 

ニールはと、言うと。

 「ひゅー、やっぱあの兄弟半端ねぇな」

 「ロックオンハ?ロックオンハ?ヒャッハー?」

 

 「相棒、どこで覚えたんだ。俺は援護射撃だ、よ!」

 

 

 アロウズ旗艦。ブリッジ

 

 「奇襲部隊が、反乱軍の猛攻を受けている模様!」

 

 「被害の拡大、止まりません!」

 

 「司令!」

 

 「ど、どうしたんですか!」

 

リントの計算では、粒子撹乱の中。ミサイルコンテナを持った部隊で。次々撃破していくプランだった。

それが、これである。直接装備していないジンクス達では、ミサイルを積んだコンテナが消失すれば、GNランスぐらいしかない。

 

 「粒子撹乱膜の宙域から、次々と敵部隊が!」

 

 「なぁ?!そんな!」

 

 

 目の前には、宙域を抜け出した艦隊。勿論プトレマイオス2もである。

そして、MSが次々迫ってくる。半数をつぎ込んだ奇襲部隊も……。

 

 FFの主力メンバーたちによる近接戦闘や、反乱軍のカウンターアタック。

挙句、艦隊攻撃のために前面に出ていた母艦も、ヨハンや刹那等、機動力と近接に優れた機体により落とされている。

 

 「こ、こんな馬鹿な?!」

 

――――――――――――――――――――

 

 ソレスタルビーイング号

 

 「ふ、期待以下の戦果か、まぁいいさ」

 

 

 大型疑似太陽炉を消費した一撃。

 

 「掃射、開始」

 

超大型砲が戦場に放たれる。

 

 

 

 

 それをいち早く、察知していたのは…

純粋種として覚醒した刹那、そしてFFメンバーである者達。

 

 自陣のメンバーに向け、回線を開き。

 

 「各機、中央へ集まれ!大規模攻撃が来る!」

 

GNバンガードから、GNフィールドを発生させる防御のみのリオン。

勿論、武装等つけず、GNフィールド発生装置だけ積んだリオンである。

これが大量に、中央前方、ヨハンの前に密集していく。

 

 巨大なGNフィールドを発生させて、受け流す狙いだ。

原作のように、少数ならいいが、大部隊である今回……避けようとすれば、背後の艦隊が大多数落ちてしまう。

その様子を見て、いち早く炭酸・荒熊夫妻・ハーキュリー等、フィールド発生可能な機体が加わる。

 

 放たれた、大出力の主砲はアロウズ旗艦であるリントの艦諸共破壊。

 

GNフィールド搭載、アーマリオン達の張る、多重GNフィールドに当たる。

アーマリオンが次々に、限界以上の稼働で爆散していく。

 

 「俺の、スローネフィーア気張れえええ!」

 

 「ぬぅうう、セルゲイこのままでは!」 「わかっている!」

 

 「でも、後ろにはみんなが!」

 

 

 そんな状況下、ソレスタルビーイングが

 

 「トランザム!僕にもGNフィールドは使える!」

 

 「刹那!このままじゃ!」

 「わかっている、トランザム!」

 

 セラヴィー、ダブルオーライザーもトランザムを発動させ、守りに加わる。

 

 

しかし、敵から見れば好機であるこの状況。リボンズの命令の元。

特攻兵器、ガガ。アルケーガンダム。ガッデス・ガデッサ等続々迫る。

 

 (このままでは、まずい…ビアン!)

 

 (仕方あるまい、解放するぞ!)

 

 ヨハンの眼帯が取れ、左目が露わになる。

 

左目が露出した瞬間、リンドヴルムの太陽炉もオリジナルにある、トランザムに近い状態になる。

速度の違う状態にいる、ヨハンとビアン。心の壁と言われる、ATフィールドをも構成した二人の力により、主砲は受け流されていった。

 

 純度を増したGN粒子。その光は、宇宙に上がり様子を見ていた、シーリンとマリナの目に映っていた。

 

 「この、温かな光は…」 「刹那達の光…」

 

 

 他人の声が聞こえる。その不思議な環境に驚く兵士たち。

 

沙慈、そしてスミルノフ夫妻は、アンドレイとルイスを発見する。

レグナントに乗る、ルイス。アヘッドに乗るアンドレイ。

 

 「ガンダム…ママの敵!」

 

 「くっ、この感覚は!」

 

 刹那はルイスの以上を感じ取っていた。

相手を止めるため戦闘になる。

 

 「これは…母さん?!」

 

 「アンドレイ、何やってるの!ちょっと、来なさい!」

 「アンドレイ…、大人しく説教を受けとけ」

 

アンドレイは、母ホリーにドナドナされてしまった。

ルイスとは違い、コメディの様な空気を感じてしまう。

 

 

 多数のエンプラスとガシリーズの猛攻。

だが、純度を増した、GN粒子。それに包まれている、ソレスタルビーイング号に搭載されている…

ヴェーダの支配権が取られつつある。

 

 「小癪な、このボクから権限を奪おう等!」

 

 

 イオリア率いる、タチハロ部隊。電子戦攻撃で、リボンズを引きはがそうとしていた。

 

 「(さすが、EA・レイの遺伝子というべきかな)」

 

 「そんな事、言ってないで今のうちに!」

 「ムム!相手が手ごわいな~」 「僕たちだけじゃ、直接つながってる人をはがせないよ~」

 

そんな中、彼らの見ている電脳世界に援護する存在がいた。

 

 「あれ、この人って」

 

 「君たちを援護するよ、それと初めましてイオリア・シュヘンベルク」

 

ヨハンがきっかけとなる、鍵を渡した相手。リジェネ・レジェッタである。

 

 

 「!、リジェネ・レジェッタ…やってくれたね」

 

ヴェーダはリボンズからの命令を拒否。ヴェーダは、ソレスタルビーイングに復帰した旨を報告した。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 ルイスの乗る、レグナント対ダブルオーライザー。

曲がるビームの攻撃。そしてファング10基の攻撃に対し、刹那は凄まじい動きで、回避と攻撃を繰り返す。

ファングがなくなった、レグナントの近接攻撃を受け止める、ダブルオーライザー。

 

 「お前たちは…世界を乱す悪だ!お前たちさえ、居なくなれば!」

 

 「それは違うよ!」

 

その沙慈の声に、固まるルイス。

 

 「僕たちは、問題から目を背けていたんだよ!」

 「そういった事に対して、分かり合って未来を築くんだ!」

 

 「その未来を奪ったのも、世界を歪めたのも!」

 

レグナントの腕から、ミサイルが放出される。

それを上昇して回避するが、電気を流すワイヤーに捕らわれてしまう。

 

 「何やってんだ、刹那。助けるんだろ、その嬢ちゃんを」

 

 「ニール・ディランディ!」

 

ニールのドーバー砲により、ワイヤーを射出していた腕が消飛ばされる。

 

 「う、うあぁああ!」

 

腕が爆破した衝撃により、ルイスは気を失う。

ルイスと沙慈、この二人はニールに預けられた。刹那は敵の首魁を探しに行った。

 

 

 「アロウズ部隊、撤退を開始している模様」

 

 「わかった、カタロンへ報告を。それとCBへ回線をつなげ」

 

カティの命令により、プトレマイオス2と通信が繋がる。

 

 「クジョウ、目の前のあれは?」

 

 「アロウズの裏の首魁の母艦よ。あそこには、高処理演算システムヴェーダがあるんだけど、それは奪還したわ」

 

 「わかった。ならこちらは、敵母艦を無力かすればいいと言う事だな」

 

 「さすがね、その通りよ」

 

 

カティはすぐさま、MS隊に連絡を飛ばす。

 

 GNメガランチャーでガガを大量に落すが、まるでGの様にワラワラでてくる。

 

 「どんだけ出てくんだよ!ソレスタルビーイングはまだか!」

 

そして画面に、敵母艦に攻撃をしていくガンダム達を発見。

 

 「遅いんだよ!ガンダムゥ!」

 

 

 

 「ふん、ヴェーダのバックアップが無くたって…人間なんかに!」

 

 「ブリングは…どこだぁ!」

 

 

リヴァイヴとブリングは…

 

 「いや~、クラシックを聞きながら紅茶…最高だね」

 

 「…ぬぅー、強いなお前」

 

GNバンガードの一室で、リヴァイヴは優雅なティータイム。

ブリングはタチハロとオセロをやっていた。

 

 

 戦場では、ヒリングが超兵スカット行こうぜ!されており。

デヴァインは

 

 「撃つというのか!同胞を!」

 

 「俺はイノベイドでは、ないんでね!」

 「(ヨハンは、既にそんな次元にはおらぬわ!)」

 

 GNフィールドを発生させていた、エンプラスを刀による牙突を喰らい、機体が真っ二つにされ消えた。

 

ライルとティエリアは、母艦の護衛と…反乱軍のサポートに徹していた。

 

ヒリングは、アレハレコンビに

 

 「てめぇの動きなんざ、ぬるすぎんだよぉ!」

 

アレルヤを通して、ヨハン達の動きを見ていたハレルヤ。

彼からすれば、バックアップが在ろうと彼らと比べ遅いのだ。

脱出装置を破壊し、逃げ場のない状態から、撃墜されてしまう。

 

 アルケーに乗っている、サーシェス。

 

 「逝けよ!ファングゥ!」

 

 「残念、ミハ兄に届かないわよ!フルバースト!」

 

 「くそったれ!どうなってやがる!」

 

 まるで、動きが知られているように、ファングは落とされ。自分の攻撃がかわされる。

 

 「ハハハ!!何年トレーニングしたと思ってんだよぉ!」

 「そうよ!全てはこの時のためなんだから!」

 

 「ざけんなよ…ざっけんじゃねえぇえ!」

 

 目の前に迫る、デスサイズヘルズのビームシザーズを見ても、彼は認められなかった。

自分が強者ではなくなっていた事を。

 

 

 

 そして、ダブルオーライザーに向けられた砲撃。それによりリボンズを察知した刹那。

 

 「やってくれたね、刹那・F・セイエイ。それにヨハン・トリニティ」

 

 





ジ・Oは、ティエレン見ててごつくしたらなるんじゃね?で出ました。

ザメルもよかったのですが、飛ぶイメージがわきませんでした。
ジンクスのヘッドが合いそうになく、炭酸をドーベン・ウルフに乗せるのも断念。
ジンクスに搭載されている、簡素であろうシステムだと。扱いきつそうだったんですよね。

ヨハンの目の解放は、頭がヤカンが沸騰した時みたいな感覚です。
力、フル回転ですが、その分反動も大きいんです。


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リボンズ戦終結


前回、書きすぎて頭が回らないですね。中々……
一応、セカンドシーズン終わった感じです。



 

 

 刹那が、イノベイド首魁。リボンズ・アルマークと接敵した頃。

反乱軍は、要救助者を助けていた。

いかに、パイロットがスーツを着ていても限界はある。何時、助けがくるかわからない状況。

パイロットの精神は急速に下がっていく。先ほどの、メメントモリを上回る主砲。

中央に集まり切れなかった、MSと艦隊。それらを早期に助ける。

 

反乱軍は、いまだ戦闘が終わった訳ではない。それを理解しつつ、戦闘はFFに任せるしかなかった。

一方、FFのメンバー。ヨハンは、かなり疲労していた。

そう、中央に出来る限りMS隊達を集結させ、自身とビアンの二人でATフィールドを張った。

肉体が常人ではないヨハン、だからこその芸当だろう。

左目からは、滂沱の血流が流れ。自身の気もかなり持っていかれた。

 

 「ハーッ…、ぐぁは―!!…ふぅー……」

 (大丈夫か、ヨハン。これだけの解放…、初めてだろう)

 

 「大丈夫だ。意識の混入はない…俺の魂は……俺だけの物だっ!!」

 

 

 ニュータイプにある、集合意識のオーバーフローによる器の崩壊。

ヨハンは、拒絶の心の壁…つまりATフィールド自体は、常在戦闘であった、自分にとっては馴染み深いのだ。

 

 「さて、他のメンバーは…」

 

ヨハンの機体に通信が入る。かけてきたのは、カティだ。

 

 「ヨハン、そちらの状況はどうだ?」

 

 目の前には、デヴァイン・ノヴァが乗っていた。エンプラスの残骸。

龍の顔が迫ってくると、錯覚するほどの激しい刺突…そして上段からの振り下ろしの、攻撃である。

 

 「敵は、粗方倒されただろう」

 

そんな事を言っていると、ミハエル・グラハム達、そして、タチハロからである。

内容はどれも事が、終わった事の報告だった。特にミハエル・ネーナは、リボンズに一泡吹かせたので、かなり喜んでいた。

 

 「だ、そうだ。カティ、そちらはどうだ?」

 

 「今は、スミルノフ夫妻と共に救助をしている。勝手ではあるが、そちらの自立ロボを使わせてもらっている」

 

 「それぐらいは、いいさ。地上への連絡等は任せた」

 

 「わかっている」

 

 

 カティとの通信が終わり、ヨハンが見据えているのは、刹那が戦っている場所。

 

――――――――――――

 

 

 ソレスタルビーイングは、刹那とリボンズが戦闘状況に入った事を察知し、ティエリアとライルを向かわせる。

だが、リボンズ自身の能力と機体性能により。機体が半壊状態になってしまう。

しかし、その行動は無駄ではない。リボンズのフィン・ファングはケルディムのビットにより、半分は撃墜。

ティエリアは、それの援護と共に片足を奪った。

 

 「君の、その力。オリジナルの太陽炉があればこそだ!」

 

リボーンズガンダムのビームサーベル、ダブルオーライザーのGNソードⅢがぶつかり合う中。

ダブルオーライザーの腹を蹴り飛ばし、ビームライフルを連射する。

 

 「誰が!」

 

互いに、射撃で敵の行動を制限していこうとする。

 

 「そうさ…そうでなければ僕が作られた意義がない。存在する意味も!」

 

 その時、レーダーに反応が示される。接近してきたのは、ヨハンの乗る機体、リンドヴルムである。

 

 「僕より下等な存在である、君に邪魔されるとわね!」

 

幾度なく、交わされる剣戟。リボンズと言えども、二人を相手に攻勢に回れない。

 

 「残念ながら、貴方より成長してしまったんでね!」

 

ヨハンは、リボンズに向かい…ざまぁ見ろと言葉には出さずとも、そう聞こえるように言葉を吐く。

 

 「この模造品が!」

 

勿論、リボンズは激怒する。

彼から見れば、トリニティの存在等。捨て駒同然だったのだ。

しかし、彼らはこちらを欺き、尚且つ自分の計画を、完膚なきまでに破壊した人物。

自分の遺伝子を使った、劣化コピーより自分がそれ以下等…彼は許せなかったのだ。

 

 「違う!ヨハンは、貴様とは違う道を歩いただけだ!」

 

刹那の言葉と共に、ダブルオーライザーによるGNソードⅢの攻撃に、リボーンズガンダムは半身のみになってしまう。

シールドとライフルがなくなり、もはや大型ビームサーベルしかない。

 

 

 「くぅう!…このぉ!」

 

最後のあがきの様に、リボンズは二人の機体、何れかの太陽炉を奪おうをするが…。

半壊した、機体が爆発した事によりサーベルは狙いを外し…、逆に二人の攻撃でダルマ以下になってしまった。

 

 「ぐぅ…!くそぉおお!このぉ人間風情等にぃい!!」

 

 それが、リボンズの最後の言葉となった。

 

 

三人の戦いの光は、遠い地球にも響き。未来は切り開かれたのである。

 

 

 ソレスタルビーイング。彼らは、オリジナルの太陽炉を失わずに済んだ。

だが、パトロンや協力者がなくなった今、資金面の不足があり、組織は縮小せざるを得ないだろう。

 

反乱軍は、これらの戦闘映像等を公式の記録として議会に提出。大国だった三大勢力の元トップ達は

責任を追及され、これから裁判にかけられるそうだ。

アロウズの事実上トップである、ホーマー・カタギリ司令も同様である。

彼は、部下の免罪を願っていたが、事実を知り尚その悪行を行ったものには、情状酌量の余地無しとされた。

 

これから、新しい連邦議会が発足する事になる。ヨハンの演説は、日夜ニュース等でも取り上げられ

有名人となった。そんな彼は……。

 

 FFの組織のカップルと合同で、結婚式を行い。笑顔で、堂々とその姿を見せていた。





 リボーンズガンダムは、ツインドライヴ無しです。

あ、終わりませよ?ELSのあと、どっか別の世界にFFは飛びます。
ガンダムだと何がいいですかね?


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ヨハン総帥の一日


沢山の意見コメありがとうございます!
ある方から、メッセージでアンケートの場合。活動報告の方でやらないと
違反になってしまう、可能性がありますよ。と、ご指摘いただきました。

なので、活動報告にこんな感じで考えてます。
等を記載して、意見を募ったりする形に今後はしていきます。


 

 

 合同結婚式、CBメンバーも参加したイベント。

俺達、3人兄弟。アレルヤとマリー等である。俺は、リーサとカティと初夜を過ごしたのだが。

改めて二人を見ると、リーサの胸は、釣り鐘型の爆乳。カティは、半球型に近い円錐型の巨乳だった。

だが、二人とも形が崩れたりなどせず、美しいままで綺麗な体である。

初夜は、色々溜まった物が噴出したかのように、激しかった。

 

 

 

 朝、見事な裸身を晒している二人に挟まれ、俺は起きた。

顔が、二人の乳房に挟まれぬいぐるみ状態だった。

情事の痕跡を、ある程度綺麗にしてふたりを起こす。

 

今日は、色々と大変なのである。

家財道具やら、会議その他諸々である。

 

 俺の、全世界に向けた演説により、戸籍のない俺の処遇が問題になっているのである。

まぁ、その件は俺が特殊な国家の代表だと言う事にして、落ち着いた。勿論、連邦と対等な存在としてである。

問題は、現在の連邦の状態である。軍が弱体化をたどり、しかもアロウズの機体は使えない。

そうなると、新型が必要なのである。

そこで白羽の矢がたったのが、我々の組織で使っていたMS等の制作技術。

あとは、俺は軍人のトップとして存在する事を求められた。まぁ、ぶっちゃければアロウズのイメージ払拭だ。

 

 「リーサ、カティ。朝だぞ起きないと…今日は忙しいからな」

 

 カティは、俺と目覚めの軽いキスをして着替えにいくが…

リーサは甘えん坊の様に、両手を広げキスをねだっている。

まぁリーサは、精神的な要因から酒浸りだったのだが、それを改善する要素が俺だったのだ。

 

 「んー、ヨハン連れてって…」

 

 「まったく、ヨットト」

 

 まぁ俺も人の事は言えない。父替わりのビアンはいたが、母はいなかった。そんな中、兄弟を守らないといけない自分。

女性から受ける安らぎを、俺も求めていたんだから。

 

 

――――――――――――――

 

 

 アザディスタン王国……、王宮前広場には、大勢の民が集まっていた。

皆の前に立ち、所信表明を行うのは…マリナ・イスマイール。

 

 「わがアザディスタンは、地球連邦政府の支援を受け。

 再建を果たすことができました。

 わたしはこの支援を、中東のすべての国々に広げるために、努力していこうと思います。

 しかし、私達は与えられることに甘んじてはなりません。自国を自分たちの手で、発展させていかなければなりません。

 次代の子が、胸を張れる国家になっていく事を願い。皆で国を豊かな物にしていきましょう」

 

民衆は、歓声を上げ祝福の声をあげる。

民衆もわかっていたのだ。あの演説を聞き、自らの手によって、未来を作らなければならない事を……

 

 

 沙慈とルイス。二人は、少々難しい状態だった。

ルイスの細胞異常は、消え去りFFにより腕も戻ったのだ。

だが、精神にダメージが溜まっており、療養が必要と診断された。

 

 「見て、新しい連邦大統領よ。それに、あ!ほらヨハンも」

 

 二人は、地上拠点のウルタリアにいる。

島の外では、絶滅してしまった動物。そういった、貴重な生き物の中で療養している。

中には、髭が生えた仙人の様なデカイ亀や。サーベルタイガーっぽい虎。タバコを吸うイルカも見えるのだが

知らない、知らない。と心の中で硬く念じる。

 

 「!、ルイス。カタロンの人たちもいるよ」

 

 

 ヨハンにおめでたですね。と言われ急遽病院に行き、妊娠が発覚したクラウス夫妻。

確定したときは、クラウス・グラードはガッツポーズして喜び。

シーリンは照れながら、笑っていた。

 

 「虐殺行為を繰り返し、その事実を情報操作で隠蔽していた、独立治安維持部隊は解体。

 地球連邦軍の再編に、着手いたします。

 また、非連邦参加国への援助、連邦への参加を推進し。

 真の連邦樹立に向けて、努力していくことをここに宣言します!」

 

その宣言に、拍手を送る面々。

三大国の前政権主要メンバー及び、アロウズトップのホーマー氏は死刑となった。

三大国のトップの面々は、加担して行った行為は、甚だ重く。責任は重大とされたのだ。

三大国の持っていた、軌道エレベーターの権利は没収され。地球連邦の管轄に置かれ

人類の共通財産と定めた。

 

ちなみに、大財閥等の遺産の決済により。軌道エレベーターの運営を行っていた会社。

また、王商会等の財閥。これらのトップの財産は全て、ヨハンに移動して支払われた。

軌道エレベーターは、連邦に売り払い。あとの物は、全てFF管理となる。

 

 シーリンは、横にいるクラウスに語り掛ける。

 

 「これで、世界は変わるのね」

 

 「ああ。だが、まだ始まったばかりだ。

 互いが理解し合い、手を結べる平和な世界…言葉にするのは簡単だ

 だが、我々は目指さなければならない。生まれくる子どもたちのために」

 

クラウスは、パパの顔つきになり。凄まじい意欲を見せていた。

 

 「そうね、クラウス。私達から変わっていかなければね」

 

 

――――――――――――――――――

 

 中東、難民キャンプ。

そこには、子熊ことアンドレイがいた。

彼は、アロウズの蛮行を知らなかった事にされ、罪は免除された。

だが、両親からの叱責は、免れなかったが。

 

成長した、アンドレイ。彼の前には無数の難民。

 

 (私は軍人として生きる)

 (市民を守り、平和を脅かすものと戦う)

 (父と母が目指した軍人に…!)

 

彼の、脳裏には両親。ハーキュリー、ヨハン等が浮かんでいた。

自身の、目指す道の先人を見て。彼らの背を追いかけ始めたのだ。

 

 

 スミルノフ夫妻、ハーキュリー、カティ達は軍での階級が上がった。

ホリーは、学校の運営に周ることになった。スミルノフ夫妻、カティは准将に。

ハーキュリーは、少将になった。

ヨハンは、特殊なケースであり元帥だが、国家のトップ。

元帥の階級を持つが、総帥に位置付けられた。

 

 

 連邦大統領、執務室。そこでは、連邦大統領がヨハンに意見を求めていた。

現在、彼女の政権は軍縮に進め。安定を図りたいと思っているのだ。

だが、それに対し待ったをかけたのが。ヨハンなのだ。

 

 「それで、総帥。軍縮に、反対という事ですが。詳しく、聞かせてください」

 

政権主要人物、そしてヨハンで円卓を囲み。事の詳細を聞く、大統領。

 

 「現在。アロウズで使用されていたMS、これらは大量にありますが、平和維持軍は満足な量がありません」

 

 「そんな事だけで!」

 

一人が声を荒げ、こちらを非難しようとするが。片手をあげ、まだ終わっていないと暗に示す。

 

 「そんな中、何かが起きた時に。戦場に向かう兵士に、満足な武装もないとなるのは問題です。

 それに、現行のMSは脱出装置がありません。有能なパイロットが、死にやすいのです」

 

 「それと、軍縮に反対なのではありません。軍は国家という組織を、守るために存在するのです。

 守るために必要な武力が、保持できなければ。国家を守る事など、不可と言えます。

 ですが、必要以上の武力をなくす事には、私は賛成です」

 

 「成程、総帥は急激な軍縮により、軍事費等が極端に減り、満足に戦えない状態を危惧しているのですね」

 

大統領の言葉を聞き、皆は真剣に考え始めた。

 

 「確かに、有事を想定している軍が満足に動けない事は…」

 

 「だが、現状我々に危険と想定される事態はないのでは?」

 

 

 様々な意見が、飛び交う中大統領はヨハンに直球を投げかける。

 

 「総帥は、何かが起こると予想しているのですか?」

 

 「率直に言えば、そうです。2,3年の内に起こる可能性があると」

 

ヨハンの言に、静まり返る円卓。

 

 「成程、それは何か明確な根拠はありますか?」

 

ヨハンにとって、根拠を示せという事は難しい。何故なら、予知に近い映像があるなど言えない。

少し悩みながらも、ヨハンは喋りだす。

 

 「私達兄弟は、本来死ぬはずでした。それを回避できたのは、予知に近い映像の様な何かで、知っていたからです」

 

馬鹿々々しいと、笑う物はいない。何故なら、月宙域の戦闘でも、謎の現象が起きているからだ。

 

 「そして、私が知っているのは宇宙より、変異性金属体が大群で来る事です」

 

騒然とし、円卓は騒がしくなるが。俺と大統領が、慌てていない事に気づき静まっていく。

 

 「成程、その脅威に満足に対応できない事を知っている。だから、苦言を呈したわけですか」

 

 「えぇ、それに人々は宇宙に進出しています。現在の、宇宙軍の体制は不十分かと。

 私が提示する案は、こちらです」

 

モニターにでるのは、軌道エレベーターの基地外に、軍港を設ける資料である。

 

 「宇宙での、母艦運営は現在。地上から宇宙に上げて、それを宇宙で組んでから使用する形です」

 「ですが、生活圏が広がりつつある今。宇宙で母艦が停泊可能、または補給と、修理を行える場所がありません」

 「有事を想定した場合。一々、パーツを地上から搬入させる事は困難です。なので、基地建設を提案します」

 

 「これは…、確かに問題点は多数存在しているが…」

 

 「総帥、資料を提示し現在の問題点を教えてもらい。感謝します、これは後ほど議会で議論させて頂きます」

 

 「よろしく、おねがいします」

 

 

 

 ヨハンが呼ばれることは、少なくない。

ソレスタルビーイングも、頭を悩ませている議会に、秘密警察として認可してはどうか?と提案したのだ。

勿論、武力介入をする性質を持つので、証拠の提出を大統領にしなければいけない。

イノベイド経由で、話を通して承諾してもらった。

イノベイド三人は、FF所属になり。現在は思い思いに過ごしている。

 

 地球連邦は、ELSに対しどう動くのか…。

それは、わからないが。取りあえず、家で二人の胸に挟まれながら、眠りについた。

 

 





 性描写は、どこまで大丈夫かわからないので
情事の内容は、書かず。体の特徴や、服装のみにします。

 カティ・リーサは、ヨハンとの情事のお陰?か
疲労やストレスは、母乳として体外に情事で排出されます。
別に、病気でもなんでもなく。老廃物が出てく感覚です。

ヨハンは体は20.中身30ぐらいですが、甘える経験がないので
母性の象徴。大きな胸等、精神的に大人な方等が好きです。


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遂に本拠設置


恐らく、次の世界はSEEDでしょう。
ディンをカスタムするか、ブリッツ強奪予定。


 

 

 軍港建設。その費用を捻出する案が、幾つか出される中。

問題となっていた、アロウズの機体をどうするか?という問題が、セットで浮上した。

 

アロウズの機体を含めた、多数のMSを民間に払い下げる案があった。

だが、元カタロンや俺等はそれに反対の立場をとり。

俺から、そのMSを軍港建設の資材に変換する事で、コストを減少させ、尚且つ建設を軍が行うので、費用は少なくなる事を説明した。

議会からは、一部金稼ぎしたいという人間が、反発の声を上げたが…スルーされた。

 

 FFは、転移実験を成功させた後。

転移時に通る空間。次元断層に、拠点を移す事を決めた。

これは、世界を一つの部屋と考えた時に、部屋と部屋を分ける仕切り…そこが次元断層である。

次元断層は、様々な世界との区切り線として存在する。その性質上、無限の広さを持っている。

 

 「(ビアン、そろそろ始めるぞ)」

 

 (ふふふ、胸が高鳴りおるわ)

 

皆が、期待に胸を膨らませ、事を見守る。

 

 「転移フィールド作成!」

 「カウントダウン、スタートぉ~!」

 「3、2、1……成功しましたぁ!!」

 

まずは、宇宙にあった木星付近の拠点ゴヴニュが転移。その次に、アクシズもくる。

ビアン・ゾルダークは、過去の経験を元に、対消滅エンジンを作成していた。

今だ、機体に搭載はできないが、拠点サイズなら問題ない。

ゴヴニュに搭載された、対消滅エンジンが動き、アクシズも守られる。

 

 「(ふむ、エンジンの動作は大丈夫のようだな)」

 

 「拠点のドッキングもクリアされた、あとは残りを待つのみよ」

 

イオリアとエイフマンも、動作確認や映像を見ながら進めていく。

次に、現れたのは地球にある拠点。ウルタリアである。

ウルタリアには、動物や水、植物が沢山あり。影響が懸念されたが、問題なくドッキングが成功する。

形は、リーブラのような形をしており、周りは対消滅による球状のフィールドで、空気等の流出はない。

恐らく、漂流物などで拠点は大きくなっていくだろうが、問題はないだろう。

 

 「(天蓋の起動を開始してくれ、タチハロ)」

 

 「了解です~!」 「それにしても、不思議な空間だね~」 「生身の人間にはつらいよ~」

 

 リーブラ型拠点は、太陽や月。人工的な雨等を発生させたりする外壁部。通称、天蓋で半球状に外を覆い始める。

動物や植物は、光や天候の影響をダイレクトに受ける。人工的な発生装置が必須だったのだが。

イオリアとエイフマン師弟により、制作が行われた。

 

 「全工程、完了しました~!」

 

 タチハロの宣言を聞いた皆は、事前に決めていた住居作成に取り掛かる。

ちなみに元いた世界には、月に密かにマーキングをしており。戻る事は容易である。

 

 「俺は、日本家屋だな」 「(うぬ、やはり日本の古き良き家屋よな)」

 

 「さすが我が友だ、中々良いセンスだ」

 

日本の、武家屋敷の様な家にするのは、ヨハンとグラハム。

他の、ネーナやミハエル等は洋風の普通の家だ。

 

 FFは着々と、技術的経験値を蓄え、見果てぬ夢を追いかけていた。

 

――――――――――――――――――

 

 

 2年の時が過ぎ去った。

 

 この間の出来事は、軍港が完成したり、CB警察が中々に活動を行う等様々ある。

元超人機関の技術者が行おうとした、モルモット行為には、ヨハンやセルゲイ・ハーキュリー等から鉄拳が飛び。

ドナドナされ、連邦大統領に現状を説明。教育にイノベイター関連を盛り込みを要請が行われた。

詳細としては以下の通りである。

 

ヨハンから、「君は、この扱いが正しいと思うのか?」と質問。

「えぇ、そう思っていますが?」と答えた技術者。その場で、軍籍剥奪と右フックを決められる。

セルゲイ、ハーキュリーによる矯正は。

 

 「貴様の愚かな行い、断じて看過できん」

 「その腐った性根は、正さねばならん」

 

とのお言葉と、怒りの拳が飛び。軍罰として、デスマーチに連行された。

 

 連邦は、映画を作成してイメージアップの戦略等を展開。

世間では、憤怒の救炎と呼ばれ慕われている、ヨハン役もいた。…沙慈はいなかった。

連邦は、この2年でインフラを整備、中東の国家の立て直しを援助したり。アロウズ残党の、テロ行為を未然に防ぐ等。

望ましい成長を遂げたと言える。復興には、沙慈開発のロボが沢山使用され、市民に好評だった。

 

 MSは、ガシリーズのコアファイター技術を導入。

バックパックユニット等、状況に応じた武装を選べる様になった。

GN-XS Ⅳ(ジンクススローネ フィーア)は、隊長機として発展。技量のある者が、乗る機体として使われている。

 

 一方ヨハンだが

 

 「ふぅー……、中々慣れてきたな」

 

自らの力のコントロールを高めていた。

ヨハンは、ビアンから聞いた。気の概念、プラーナやオーラの存在を聞き考えた。

そして気が、精神的概念である事に着目。自分は、高い身体エネルギーも相まって、苦労している。

ならばと思い。頭の中にいる、宇宙空間を生身で飛ぶ老人目指し、鍛えると。

二つのエネルギーで練られた、新たな力を生み出す。(ヨハンは、気づいてないがチャクラである)

 

 「(ヨハン、そろそろ戻らねばなるまい)」

 

 そう、ヨハンは実務をハーキュリーに丸投げしていたのだ。

ヨハンは、ELSの件が終われば、他の世界へ行くつもりである。

何時までも、いるわけにはいかない。だが、連邦もさすがに、消えられるのは困るとして窓口が設置される。

そして、ヨハンの後任にするため、ハーキュリーに任せていたのだ。

 

 「そうだな、連絡来てた様だしな」

 

 「(うむ、恐らく記憶にある探査船だろう)」

 

ビリーや、グラハムもFFからの派遣という形で、今までは仕事をしていた。

セルゲイ達もである。

 

遂に、ELSとの対話が始まるのだ。

 

 

 





 ヨハンは独力で、チャクラを会得。
本拠は、立体を展開した状態になってます。
半球の底が、リーブラ型であり。外の天蓋が、半球の外側です。

 生身で宇宙空間が平気なのは…
甘い、甘いぞ!ド○ンよ!の人です。

 モルモット扱いしていた、研究者の連行される時の音楽は
ドナドナの歌です。


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ELSの到来


 連邦大統領は、個人能力は有能ではなく無能です。
しかし、人に聞く事が出来ます。チームワーク能力にたけているのです。

ヨハンの様に、アドバイスや提案をする人間がいれば。
彼女は運営者としては、有能な人間と言えるでしょう。個人的主観ですが

感想コメや質問コメありがとうです。
なるべく、分かりやすく説明等を行いたいと思います!


 

 

 連邦プロパガンダのための、映画。

それには、ヨアンとリヴァイブの楽曲が使われたりしている。

ヨハンは、歌手デビュー。リヴァイブは、楽曲制作を趣味の延長で行っていた。

 

 沙慈は、友達と共にその映画を、見に来ていたのだ。

CBメンバーやその他数多くの人物も、この映画をこっそり見ている。

連邦は、娯楽の少なさを危惧していた。

民の精神的余裕を作る必要性、それを考慮していたのだ。

 

そこで、ヨハン達等。様々な人物に声をかけたのだ。

 

――――――――――――

 

 あれから…2年の月日が流れた。

私設武装組織ソレスタルビーイング。

彼らが行った、武力介入は世界に変化をもたらし、緩やかだけど…戦争のない世界に向かっている。

だけど、それは多くの戦争に武力介入を行ったCBと、様々な弾圧行為を行った、アロウズが人々に

武力による恐怖と、FFによる問題提起を受けたからだ。

 

今ある平和は、忘れられない恐怖と多くの犠牲の上にある。

だから、僕たちは考える必要があるんだ。

一人一人が、平和について……。

 

 「この所、安定しているようだね」

 

 「あ、沙慈。発作も起きないし、そろそろ、経過観察はいらないのに」

 

 二人はヨハン達から、ルイスの状態を前もって、聞かされていたのだ。

ルイスが、リボンズから渡されていた薬。それはナノマシン錠剤である、イノベイター化を促進させる効果があったのだ。

服用による、後遺症。そして、強制半イノベイター化してしまった事による、ストレス耐性弱化。

これらの説明を、二人は前もって知っている。

 

 「慌てないでルイス、まだ脳量子波の耐性がね…」

 

 「うん…」

 

 

この2年、CBは表舞台に姿を見せていない。

刹那、君たちは今。どうしてる…。

 

 

――――――――――――――

 

 連邦議会からの勅使として、シーリンとマリナは、コロニー公社内部の視察をしようとしていた。

 

 「直接視察できないって、どういう事です!」

 

 「バフティヤール議員。コロニーの開発は、まだ初期段階で危険も多い」

 「中東使節団である貴方方の身に、万が一の事があってはなりませんから…」

 

 「作業員の大半は、前政権の中東政策で、コロニーに強制移住をさせられた人達。

 彼らの中には、本国への帰還を望むものもいるはず」

 

 「我々、コロニー公社は、連邦法に定められた通りの環境を、作業員に与えております」

 「それに…、高収入であるこの仕事を、やめたがる者等いませんよ」

 

 

 ここに、ヨハン達がいれば嘘だと断定しただろう。

奴隷状態での労働が、連邦法通りのはずがない。

しかし実態を知らない、彼女たちはそれができない。

 

 マリナ姫の、作業員の慰問要望を表面上受け入れ。

使節団を乗せたシャトルは、資源衛星を航行する。

 

そこに、何故か出現するMS3機。もはや、確定である。

だが、そこに現れるのはCB警察。

 

 刹那のフラッグカスタム機が、三機撃墜を終えると。

シャトルにいたコロニー公社の人間が、使節団に銃を向ける。

だが、ニールに無力化される。

 

 「襲撃がダメなら暗殺かい?コロニー公社も無茶をするね~」

 

現場は抑えられた。ガサ入れは、避けられないだろう。

 

 「貴方は?」

 

 「名乗る程の者じゃないさ。…それじゃぁな」

 

 「待ちなさい!」

 

秘密警察部隊、CB。議会の面々も知らない。

 

 

 

 ソレスタルビ-イング号を視察中だった、カティはそこでデカルト大尉と出会う。

原作より、遥かに環境がいい状態で。

具体的に、イノベイターは旧世代と、どういった点が違うのか、ある程度のコントロールは可能か?

それらを調べていた。受け取る情報が多いという事は、それだけストレス・刺激を敏感に感じてしまう。

今後、イノベイターならではの症状があった場合に備えて、それらを調べていたのだ。

 

 「貴官か、ヴェーダによって確認された。純粋種のイノベイターというのは」

 

 「デカルト・シャーマン大尉です。准将の旦那さんには、お世話になりました」

 

デカルトの言葉に、カティはヨハンに聞いていた男かと思い出す。

 

 「イノベイターってなんでしたっけ?」

 

 「そんな事も知らんのか…」

 

 

 炭酸の言葉に、デカルトは苦笑する。

この場所は、ほとんどFFのお膝元に近い場所である。

デカルトは、ヨハンの影響というか。自らの思い上がりを正された後は、自主的に担当している。

原作よりも、幾分か人間として柔らかい感じだ。

 

 「報告、GN粒子ミサイル。全弾目標に命中」

 

 「了解した。探査船の軌道変更率を確認して…」

 

 「失敗ですよ」

 

 「どうして、わかる!」

 

デカルトの瞳は、変化しており。その目はカティを見る。

 

 「理屈ではありません。野生の勘のような物で、わかるんですよ」

 

その言葉通り、コンソールにデータが表示される。

 

 「報告、探査船の軌道変更率、想定の2割にも達していません」

 「依然、地球圏への到達コースに乗っています!」

 

カティは、報告を聞いた瞬間。デカルト大尉に指令を出す。

 

 「デカルト大尉。軍の報告にあった新型で、出てもらえるか」

 

 「わかりました。恐らく、現在の状態だと新型かFFのMSしか無理でしょうし」

 

 

 ガデラーザが艦内部から、外に出される。

 

 「脳量子波コントロールシステム。問題ない」

 

 「ガデラーザ、デカルト・シャーマン出撃をする」

 

ソレスタルビーイング号の裏から、ガデラーザが出撃をした。

 

 一方、艦隊部隊はミサイル第三波を放つが、依然突入コースに乗っている。

MS隊も追いかけてはいるが…

 

 「船が大きすぎる!」

 

 「諦めるな!」

 

アンドレイは達は、コアファイターユニットが搭載されている、νGN-X(ニュージンクス)を一般兵が

隊長であるアンドレイは、GN-XS Ⅳの系列機の新型。ガローネを使用している。

だが……

 

 「くそ、粒子量を推力に回しているせいで威力が!」

 

そう。原作よりマシだが、決定打を与えられない。ガローネの溜めたメガランチャーなら、何発か打ち込めば可能だが

推力に回しているため、できない。恐らく、チャージしている間に離されてしまう。

 

 「ん?…友軍機?」

 

 

 「脳量子波同調…GNファング射出をする!」

 

 「久方ぶりの、実戦だ。存分にやらせてもらう!」

 

親機のファングから、子機が飛び出し。

それら、百以上のファングが縦横無尽に動き回る。

 

 

 「な、なんていう性能……」

 

アンドレイの目の前には、あっという間に破壊されていく探査船。

 

 「これが、両親のいっていた…。いや、イノベイターと新型の力か…」

 

 

 

その後、破片が空力加熱によって燃え尽きず、各地で発見される。

そして、破片が地上に落ちた段階で、ヨハンは連絡を受け地上に降りたった。





 ガデラーザは、そのままです。
原作よりも、MSが進化しています。
GN-X系列がガ・シリーズの技術応用で、νに。
FFから、貸与された機体は、別の系譜機体として名前を新たに。
ガローネ(G-R)という名前で、発展完成しました。

 ルイスは、原作のようなヒス状態にはなりません。
精々「あ、頭がぁあ」ぐらいです。

コロニー公社は、警察から連邦に資料が送られ、それを確認した政府は
ガサ入れを決行します。


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地上の異変

一日に2つ投稿!
次回は、軍総力VS ELSになると思います。

デカルトは死にません。対話する人間を増やすため、死なれては困るので。
デュナメスリペアは登場せず、ニールが迎えです。


 

 

 プトレマイオス2改…、そこでは刹那がある行動を、提案していた。

 

 「地上に降りる?」

 

 「地上に落ちた破片が…、脳量子波の高い人間を襲ってるって情報。本当に信じるのか?」

 

 「ヴェーダからの確定報告です」

 

ヴェーダからの情報。そしてティエリアは、次の情報を提示する。

 

 「軍は、総帥にも出頭要請を出した様だ」

 

 「おぃおぃ、独眼龍までかよ」

 

 「本当なら、仲間にも危険が及ぶ」

 

 その時、ヴェーダとリンクしている、ティエリアに情報が…

 

 「刹那、どうやらFFが先に動いている様だ…僕たちは、スメラギから指示を仰いだ方がいい」

 

 「…ヨハンか、わかった。万一に備え降りておく」

 

 「付き合うぜ、刹那」

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 スミルノフ夫妻が、マリーを心配してFFメンバーに、協力を要請した頃。

 

件のマリーとアレルヤは、モンゴル地域にいた。

 

 「変電施設がなくなっている!」

 

 「どうして?……」

 

 

 そして、目にするのは金属化した人間の姿。

変電施設にある、車両が独りでに動き出す。

 

 同じ頃、ルイスの元にも…

 

 「うぅ……来る、さ沙慈ぃ…」

 

 「な!そんな…」

 

ルイスの状態で、誰かから脳量子波で、影響を受けている事に気づく沙慈。

病院も、停電してしまい。明らかにおかしい事態。

 

気配を感じ、沙慈が背後を見ると…誰かが

 

 「な、なんだあんた!」

 

 「ぅー。頭が…」

 

近づいてくる、その人と思われる者により、明らかにルイスは影響を受けている。

 

 「おい!……くぅ!」

 

傍にあった、椅子を相手にぶつけルイスと共に、病院から脱出する。

だが、いつの間にか追いつかれ、引き剥がされる。

 

 「あぁ!ルイス!」 

 

ルイスに触れようとしていた、人間?に銃が放たれる。

 

 「今のは威嚇だ。今度は当てる」

 「な!リボンズ・アルマーク!」

 

 その人間?は、リボンズ・アルマークの姿をしていた。

だが、言葉を放さずしかも、銃で頭を撃たれても死なない。

なにか…不気味さを感じた刹那は、爆弾を相手に投げ、リボンズ?は粉微塵になる。

 

 

 同じぐらいの時、変電所では…

 

アレルヤとマリーは、追いかけてくる無人車両から逃げていた。

二手に分かれると、マリーの方を目指し始めた。

 

 「マリーを狙ってる?!」

 (決まってんだろ。マリーの脳量子波に、群がってきてんだよ)

 

 「ハレルヤ、どうして君が…」

 (ウダウダしてる暇はねぇ、体を借りるぜ相棒!)

 

肉体の支配権が、アレルヤからハレルヤになると。

マリーを追いかけていた車両は、向きを変えハレルヤに近づいてくる。

 

 「ハレルヤ?!」

 

 「思った通りだ…。ヘッ、俺の脳量子波に惹かれて来やがった!」

 

ハレルヤは、変電所敷地内の中を逃げ回り、建物の屋上に到達する。

 

 「へっ!これるもんなら…」

 

背後に気配!そう思い振り向くと、ヘリコプターが

下は、車両で埋め尽くされ。目の前にはヘリコプター…

どうする?!……。その時、頭上から光線が。

 

 「あれは…ガンダム!?」

 

トールギスⅣが、彼らの迎えの使者として選ばれた。

そして、予想通り中からはニールが現れ。

 

 「悪いな、荒熊夫妻からの迎えだ」

 

 

―――――――――――――――

 

 

 ビリーのいる宇宙技研。そこに、三人の人物が現れる。

 

 「ヨハン総帥、キム中将…」

 

互いに敬礼をし、話を始める。

 

 「連邦議会から急遽、お越しになられた」

 

 「大統領特使の、クラウス・グラードです。それで、状況は…」

 

画面に映し出された少女。その体の半分が、金属らしきものに覆われている。

 

 「これは…」

 

 「どういう事だ…」

 

 「事実だけを述べると、被検体…いえ、この少女の肉体組織のほぼ半分が、金属へと変化しています」

 

 「我々は、この異性体をELS(地球外変異性金属体)と名付けました。恐らく、総帥は何かを感じるかと」

 

ビリーの言葉に、室内の全員がヨハンを見る。

映像を見たヨハンは、その場の者に知っている事を伝える。

 

 「恐らく、この異性体…ELSには知性があるだろう。それと、恐らく彼らの対話の手段として、同化・融合を行うのだろう」

 

 「では、我々は…」

 

 「あぁ、彼らは自身と同じ脳量子波を発する人間に、対話を図ろうとしている」

 

 「成程、話が通じると思われる人間に接近していたのか」

 

 「しかし、総帥…同化するという事は」

 

わかった事は増えたが、まずい状況なのは変わりない。

 

 「あぁ、ELSは相手を理解する方法として、同化を行うのだろう。しかし、それは我々にとっては脅威だ」

 「完全に同化された人間は、死んでしまうからだ。この少女の様に、半分で止まってくれるとは限らない」

 

 「グラード議員、議会にこの事を伝えてください。それと、脳量子波の高い人達の避難を」

 

 「わかった。すぐ手配しよう」

 

 

 

 大統領執務室。そこでは、ヨハンと大統領達が面会していた。

 

 「総帥、2年前に仰っていた通りですね」

 

 「あの時は、半分冗談と思っていたが…」

 

 「情報漏洩の危険は?」

 

 「ネットワークはヴェーダによる情報統制を、マスコミにも協力を仰ぎました」

 

 「総帥、彼らに侵略の意志がない事はわかりました。対処はどの様に?」

 

 「高濃度GN粒子散布による、意識共有領域を作り、彼らの訴えと。我々が個を、それぞれ持つことを知ってもらわねばいけません」

 

その言葉に唸る上層部。

 

 「わかりました。方法は、やはりイノベイターに?」

 

 「協力を仰ぎます。それと、彼らが止まってくれる訳ではないので、防衛の必要があります。」

 

 「成程、議会にその話を通しておきましょう」

 

 

 

 プトレマイオス2改

 

 「刹那が目撃したリボンズ・アルマーク。いいえ、その人物の正体は、130年程前に行われた木星有人探査計画の乗組員だったわ」

 

スメラギは、通話による出席だが。CBクルーとの情報共有をしていた。

 

 「フェルト…」

 

 「はい。木星有人探査計画は、裏でGNドライヴの開発も行っていました。リボンズタイプのイノベイドがいてもおかしくは」

 

 「それが、金属異性体に取り込まれた」

 

 「そう考えるのが妥当だろうな」

 

 「こっちでは、ヨハンが異性体に関して連邦議会の人に教えたわ。

 それと、知性があり…何かを訴えかけている事も。でも、取り込まれた場合死亡してしまうから、戦いは避けられないわ」

 

 「こちらでも、ヴェーダとのリンクでその情報は見ている」

 

 「Eセンサーに反応、本艦に接近してくる物体があるです!」

 「光学カメラ、最大望遠で移すです」

 

 「木星有人探査船…エウロパです!」

 

 「何!」

 

 「どうして破壊された船が!」

 

ELS出現を受け、ガンダムを発進させる。

 

 





スミルノフ夫妻は、速やかにFFにTELしたと思います。


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前準備、NOT分散

ELSの戦いが、始まると自分も思ってました。
しかし、議会の様子や。機体がどうのこうのやってたら
次話に持ち越しになりました。

誤字報告ありがとうございます。
出来立てホヤホヤが、多いので指摘は本当に助かります!


 「トレミー、第一第二第三ハッチ。オープンします」

 

 「リニアカタパルト、ボルテージ上昇。射出タイミングをストラトスさんに譲渡するです」

 

最初に出撃するのは、ライルの機体。サバーニャ。

 

 「おーらい、ガンダムサバーニャ ロックオン・ストラトス狙い撃つぜ!」

 

 

 「すまない、マリー」

 

 「いいのよ。さっきの話が本当なら、私も異性体狙われる。船の人たちに、迷惑を掛けるわけにはいかないわ」

 

 「マリー」

 

二人は、刹那と共にプトレマイオス2改に戻っていた。

先に、FFは保護したが二人の機体はない。だから、二人の専用機があるCBに、派遣されたのだ。

 

 「射出準備完了しました」

 

 「了解。ガンダムハルート、アレルヤ・ハプティズム、ソーマ・ピーリス迎撃行動に向かう!」

 

 

 「刹那、わかってはいると思うけど。ダブルオーライザーでトランザムはしないで、脳にダメージを負う可能性が高いわ」

 

 「了解!ダブルオーライザー、刹那・F・セイエイ、出る!」

 

 

 一方、ティエリアの機体は、オリジナルの太陽炉を本体だけに、使っている

ツインドライヴ専用太陽炉を、刹那の新型のために作成していたが。

ティエリアの機体は、疑似太陽炉を2個つけた、ラファエルガンダムになったのだ。

 

 「アーデさんも射出OKです」

 

 「了解。ティエリア・アーデ、行きます!」

 

 

ガンダム4機が、ELSと接触行動を開始した。

 

 

 「あれか…」

 

 「な…!」 「あれは!」 「くっ!」

 

 「来るぞ!」

 

小型と思われる、大群のELSが出現。こちらに向かって飛んできた。

 

 「フエタ!フエタ!」

 

2基のハロが言うように、ELSがエウロパから大量にでてきたのだ。

 

 「何を企んでいようが、この先に行かせるわけには、行かねぇな!」

 

サバーニャの狙撃で、何個か撃墜する。その間をハルートが旋回すると、予想通り惹かれて追いかけてくる。

 

 「やはり、異性体。脳量子波に惹かれて!」

 

コンテナから、GNミサイルを放つが。何発か喰らった後、ELSはミサイルを取り込み始めた。

 

 「ミサイルが?!」

 

 刹那も、攻撃しようとするが、高い脳量子波を持つ刹那は、ELSの声が、叫びが聞こえる。

違和感と奇妙な感覚のせいで、攻撃が行えない。

 

 遂に、刹那はELSの叫びに耐えきれず。距離を取ろうとするが、ELSが追いかけてくる。

だが、ELSの行動は阻止される。

チャージを行っていた。ラファエルが攻撃を開始、したからである。

 

 「GNビッグキャノン、ハイパーバーストモード!」

 

刹那、ロックオン、アレルヤを追いかけていたELSを、全て薙ぎ払う。

 

 「トランザム!」

 

 近づいてくる、ELSは全てGNビームライフルで撃ち落とし。エウロパ本体に近づく。

 

 「GNビッグキャノン、フルバースト!」

 

トランザム状態による、圧縮粒子等。全てを攻撃に使った一撃は、エウロパを粉々にする。

 

 

 「ガンダム各機、地球圏に向かっていく破片の撤去作業に、集中して!」

 

 「「了解」」

 

 

 

――――――――――――――――

 

 CBが、地球圏に向かう最中。

木星から、巨大な重力場が発生。そして、ELSの叫びがイノベイターや脳量子波の高い人間の、脳裏に響き渡る。

 

 「なっ!アーァア!」

 

 「ぐっ!うぅうう!」

 

 「なっ!これはあの時の!」

 

避難していた、イノベイターになりうる因子を持った人達は、一斉に頭を抱え倒れる。

軍施設でも、イノベイドやデカルトも頭を押さえる。FFの面々は、ある程度対処はできたが、顔を顰める。

 

 デカルトが、指令室に駆け込むと…

 

 「木星外赤班に、局所的重力場が発生しています!」

 

 「リングが崩壊!次々と吸い込まれていきます!」

 

 「信じられん…木星に巨大な穴が…」

 

その穴から、更にELSが出現。しかも月と同規模の物もだ。

ヨハン達の、高い脳量子波を感じたELSは、原作よりも行動を速めたのである。

 

 

 

 大統領執務室。そこで見ていた大統領は、事前に聞いていたとはいえ、これだけの大群か…と頭を悩ませていた。

 

プトレマイオス2改のブリッジでは、

 

 「おいおい、嘘だろ」

 

 「ELSの、ELSの地球圏到達までの、時間を出してくれ」

 

 「刹那……」

 

 「早く!」

 

その鬼気迫る声を聴き、フェルトは早速調べる。

 

 「ハッ…!地球圏到達まで、あと95日!」

 

 

 議会は紛糾していた。

 

 「木星から、異星人が攻めてくるなど。ただの夢想にすぎん!」

 

 「異星人ではなく、変異性金属体です」

 

 「我々が狙われないという保証はどこにもない!」

 

議会に呼ばれ、この光景を見ているのだが。俺はハーキュリーから、一時的に指揮権を返還され、現在軍トップである。

そして、宇宙での軍の配備。武装等。様々な事案が溜まっている。ちんたら、会議等やる時間はないのだ。

 

 「たかが、金属にそんなことが出来ると?」

 

 「現に有人探査船は地球に落ちたではな「ガンッ!!」…」

 

俺は、軍刀で床を叩き議会を静まらせる。

 

 「まず、私はくだらぬ会議を聞いている時間等ない。

 次に、政治家である君たちの中に、現状を正しく認識できない者がいる事も腹立たしい」

 

 「貴様ぁ!なんだそのものの言い方は!」

 

一人の議会員が、俺を叱責するがそれに対し

 

 「言っておこう。ELSは約3か月後に、地球圏に到達する。そして、たかが金属といった議員は愚かと言える。

 議会にも、上がっているはずだな?少女の体が、金属に変化している事。ELSは融合する事で、相手の情報を得る事。

 では、改めて聞こう。我々は、融合されると武装も真似される。そして、戦力も相手の方が上で何故楽観視できる?」

 

俺の言葉に、静まり返る議会。

だが、タカ派の面々は

 

 「軍備増強!それしか市民を守る方法はない!」

 

 「貴様ぁ!現政権の融和政策を否定するつもりか!」

 

 「総帥!」

 

大統領の言葉に、再び静かになる議会。

 

 「何ですか大統領?」

 

 「軍備増強をしたとして、どうですか?」

 

 「意味がないですね。まず、新型の武装・MSを作った所で、慣熟していない物など使えません」

 「それと、ELSは対話しようとしています。手段が違うのも、恐らく彼らの生体が人間とは、異なっているからでしょう。

 私は、彼らの機能が集約されているであろう。月規模のELSに、侵入。イノベイター達による、対話という手段を提示します。

 ただし、その間地球には、ELSの被害が無い様にしなければなりません。防衛戦が主体になるでしょう」

 

 「これで、次期主力MSの配備が容易になりますね…」

 

 「それも、生き残ればだがな」

 

あ、やべっって顔しても無駄だ。俺は耳がいいからな。

議会への説明が終わった俺は、宇宙に即帰還し、軍トップ陣で陣形や武装。どのMSをどう配置するかなどを検討し始めた。

 

 軍でも、ELSの進路を変更出来ないか?という議題が上がったが

無意味だと、切って捨てた。一人高い脳量子波を持つ者が、おびき寄せても大多数は、地球の内在的高い脳量子波を持つ者に惹かれるからだ。

 

 

 議会も、市民の保護を開始。避難も始めた。

 

 「しかし、あんな巨大な物に対処できるのでしょうか?」

 

 「現に、起きてしまっている。我々は、対処しなければならない。そして、ヨハン総帥の作戦が成功しなければ絶望的だ」

 

地上では、沙慈開発のタートルが老人等をせっせと運び、食料等の積み込みも行っていた。

その姿は、各地で見られ…アザディスタンでもタートルに乗って、笑顔な子供がいたりした。

 

―――――――――――――――――――――

 

 

ELSが、絶対防衛線に展開している、艦隊GNミサイルの射程に入る前。

 

CBは、クアンタの調整が完了させ待機していた。

クアンタには、小型のヴェーダターミナルユニットを取り付け、情報を整理する狙いである。

 

 FFも、タチハロをガーリオンに乗せ。戦力として動かす。

連邦は、原作よりマシであり、艦隊も充実しており。全機体、GNフィールドパックを装備、実体武装を取り去りビーム主体となっている。

軌道ステーション付近の軍港から、艦隊やMSが続々と予想宙域にいる味方部隊に、合流していく。

ソレスタルビーイング号も、後方に布陣した。

 

 FF所属のグラハムは、ウィングフラッグに乗り、ソルブレイブス隊を率いる。

 

ハーキュリーは、カティと同様。後方司令部にいる。

セルゲイ親子は、中核に配置されどちらのフォローもしやすい様にした。

……バカは、勝手に前線にいくと思われたので。満場一致で前線に配属された。

 

ガデラーザに乗る、デカルト大尉はルートが確保出来次第、中核から一気に本丸に向かう。

これは、ヨハン達も同様である。

 

 イノベイドである、ブリングとリヴァイヴは青デンドロビウムこと、モデル ジェアン・シュヴァリアーに乗り

待機している。ブリングが、GNアームズの技術を発展させた。GNミサイルコンテナや巨大ビームサーベル。ビームキャノン等を

乗せた、バックパック換装MSのパイロット。通常のMSは、GNハンドガンを発展。GNハンドキャノンを腕に搭載した。

ガシリーズの技術を採用した。Gギャプランをリヴァイヴが扱う。二つで一つのMAを作ったFFは、さすがマッドである。

リジェネは、GNバンガードの指揮を任されており。本人もMSを使うのは、好きじゃないそうだ。

 

 持てる力は全て、ここに集まっている。ELS戦が始まろうとしていた。

 




 リヴァイヴとブリングは、二人で一つの機体動かします。
リヴァイヴの機体は、砲撃中心の機体ですね。GNハンドキャノンは、手持ちビームライフルとドッキングすると、GNロングキャノンになります。

 クィン・マンサとか考えたんですが、複座なんで。
分離できない事に気が付き、デンドロ方向に動きました。

 ヨハンは、ツインドライヴあるのか?
力技で、その状態にします。というか、出来ます。オリジナルは作りません。


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疑問、裏設定


神様転生じゃないか?これどういう事?これらにお答えする話です。

取りあえず、タグは付けときました。
説明は本文です。


 

 解らなかったり、理解できない人がいるようなので

お話しではありませんが、解説をしたいと思います。

 

【よくぞ聞いてくれた。

 俺はお前たちが世界と呼ぶ存在。

 あるいは宇宙、

或いは神、

或いは真理、

或いは全、

或いは一……

 そして俺は、

お前だ】

このシーンなのですが、架空の存在であり人間の認識によるというシーンです。

人間が架空の神の存在を思い浮かべる様に、あるかもわからない不確かで曖昧な存在。

だから、人によっては世界・宇宙・神と言うが違うのだと、ただの概念でヨハンがいると思うから、いるという感じです。

 

 上記の会話のあと、鋼錬の真理の扉に飲み込まれるのですが

 これは、輪廻転生をする瞬間を描いています。

 扉の中は、人間が死んだあと別のエネルギー体に変化した集合体とも、言える場所であり

 UCで出てくる【虹の彼方】、これが近いかもしれません。

 この扉の中で、別の個体として産まれるための前準備を行う訳です。

 魂が大きな存在だと、器も大きくなければいけないのです。

 ヨハンは、扉の中にあるエネルギーに飲まれ、情報の渦の中からビアンとくっつく事で次の生へ向かった訳です。

 魂が小さいと、ただ普通に輪廻するだけですが。

 ビアンの様に、大きいと入る器がありません。なのでヨハンとくっついて、ヨハンの不足分を補う形で転生したのです。

 

 この流れを神が行う訳ではなく、あくまで普通の循環システムなのです。

 神様転生タグを付けましたが、このシステムを神と考えヨハンがビアンとくっつき、魂に応じた能力を得る事が

 神から能力を貰ったとするなら、神様転生になるのでしょう。作者としては、そうじゃない事だけは理解してください。

 

 二人が生に向かった後、番人らしき人物がプレゼントといっていますが

 魂のキャパシティが少ないため、後で目覚める事を言っています。

 だから、何話か後ヨハンは対面して話を聞きますが。

 ヨハンがそう知覚しているだけであり、番人が渡した訳ではないです。

 

 神という実体が存在して、直接なにかするのではなく

 輪廻転生の中で、得たものがあり。魂の循環の時、ヨハンがいると考えたらそれがその者なのです。

 本来いないのだが、あると思えばあるし、ないと思えばない。こんなギミックを仕込んでいました。

 

 スケープゴートについてですが、

 原作イノベイドも、同じ系列個体を操る事が可能でした。

 決して、無茶でもなんでもなく可能です。

 

 言動や行動の一貫性についてですが

 ヨハンは兄弟たちを助けた後、命の危険がある中、死なないための行動をする必要があります。

 そうなると、勝てると思える準備が必要です。ブリーチの浦原さんが言ってますが

 負けたら死ぬんです。勝てる手段を増やしていくのは、必然の行動だと思います。

 ヨハンが、敵を容赦なく落としていくことですが

 兵士・戦士として、戦場に出た場合ヨハンは基本的に敵を倒します。

 彼が嫌うのは、社会的弱者に力を振るう事や、命を奪う事に対する認識の欠如したものです。

 

 アロウズの場合、力のないものを虐殺しています。

 これは、幼い子供だったり老人。暴力に抗えない人達です。

 だから作品内で言っていた弱者とは、戦闘を行う者の強弱ではないのです。

 ヨハンは、敵として自身の道の前にたった者は倒そうとします。戦争では当たり前ですね。

 彼は暴力を行使する者は、上位の暴力に負ける事を知っています。

 それは幼い時では、リボンズでありイノベイド・アレハンドロです。

 しかしリントやグッドマンは、戦いを(暴力VS暴力)やってるのではなく、虐殺をしているのです。

 それは、彼の軍人であるならば。という考えに合わないのです。

 

 

 一応読んでいる方々の疑問にお答えしたつもりです。

 他に疑問があった場合、聞いて下されば対応したいと思います。

 shyrook 笠置 craned KAORI@マーク等、誤字報告してくださる方毎回ありがとうございます。

 

 私としては、あまり事細かに描写する事は好きではありません。

 詳細な描写は、話に含ませたギミックだったり伏線。

 そういった物を損なうからです。例えば今回の解説で、虹の彼方を出しましたが

 この真理の扉=虹の彼方として、ララァ・マリーダ等を引っ張ってきて宇宙世紀に行くという仕掛けがありました。

 この様に、仕掛けがバレてしまった場合。使えなくなってしまうのです。

 

 今日は恐らくELS戦投稿難しいと思います。

 





 質問や様々な事柄は、活動報告の方にお願いします。


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対話の始まり


ELS戦遂に完結。
ある人物が死にます。



 

 

 ビリーがミーナに食べられたり、ミレイナがティエリアに告白等のイベントがあったが

着々と地球圏防衛線は構築されていった。

 

 地球圏絶対防衛線。

 

作戦司令官、カティ・マネキン准将。

現場にはハーキュリー中将、キム中将がそれぞれ現場指揮官だ。

 

 「大型ELS距離、1000まで接近!」

 

 「あと0032で、長距離ミサイルの射程内に入ります」

 

 「どうやら最初の賭けには勝てたようですな」

 

 「ここからが始まりだ。各艦目標が射程圏内に入り次第、攻撃を敢行する!

 粒子ミサイルはELSとの接触を避け、近接信管にセット。取り込まれては叶わん」

 

カティが指示を飛ばしている中。恋人・部下がいる者、様々だが通信等で少しの会話をする。

 

 「各員長距離ミサイルの発射準備、完了しました」

 

 「よし。全艦、第一波ミサイル攻撃開始!」

 

 「ミサイル発射します」

 

ヴォルガ級航宙巡洋艦・ヴァージニア級輸送艦・ナイル級大型航宙戦艦・ラオホゥ級輸送艦・バイカル級航宙巡洋艦の

ミサイル一斉発射が行われた。

 

 「目標との距離370!」

 

 「300到達と同時に自爆システムを作動!」

 

 「300!作動確認全弾起爆します!」

 

 「全弾命中!」

 

だが、ELSはGNミサイルを取り込んでいる。前方に展開していたELSのみが、ダメージを受けただけだった。

 

 「ELS健在です!」

 

 「何らかのシールドを展開した模様」

 

 「まさか…。我が方のGNフィールドの特性を既に!」

 

 「大型粒子砲発射準備。MS隊で近接戦闘を仕掛ける!」

 

 「全MS発進準備。ELSに取り込まれぬよう、各機はフィールドを使用して戦闘せよ!」

 

ソレスタルビーイング号からの指令により、各艦のMSは発進していく。

 

 

 「大型粒子砲チャージ90%」

 

 「チャージ100%!」

 

 「掃射開始!」

 

 「掃射開始します!」

 

大型砲の一撃により、大型ELSは一部を貫かれ中央付近の、ELSは消飛んだ。

 

 「艦隊。粒子砲で攻撃しつつMS隊も同時攻撃。ヨハン達の道を作る!」

 

原作の様にティエレン等はおらず。ガローネ・νGN-X・GN-XⅢ等が供給されている。

 

 「おお!やられるか。死んでも帰るんだよ、ネーナ達の元に!」

 

 

だが序盤で同化されたGN-XⅢを元に。ELSが次々とMSに変貌していく。

それを見ていたヨハンは指示を出す。

 

 「ヨハン総帥指揮下の部隊が行動を開始!」

 

 「ソレスタルビーイングもです!」

 

 ソルブレイブス隊、そしてFFのパイロット達が攻撃を開始。

CBもクアンタを除いた機体が攻撃を始める。

 

 「ELS侵攻の防衛行動に入る」 「了解」

 

 「理屈なんかどうでもいい。やるだけだぁあ!!」

 

 「全力で狙い撃つぜ」 「ネライウッテ、ネライウッテ」

 

 「ライフルビット展開、ライフルビット展開」

 

 

 「ソルブレイブス隊。スタンドマニューバと同時に散開。前線を押し上げる!」

 

 「「了解」」

 

   

ソルブレイブス隊の各員は、撹乱する様な動きでもって、ELSに押されている部隊の支援をする。

グラハムと共に前線に突っ込んだ隊員が、ELSが巡洋艦を取り込んでいく様子を視認。

 

 「隊長、ポイント336を」

 

 「あれは…。巡洋艦までも…まて、ナイル級が!」

 

ヴォルガ級が取り込まれていく状況の前線。

少し後方に位置していた、ナイル級が突っ込んでいく。

 

 そのナイル級に乗っていた司令官は、前線中核を担うキム中将だった。

時は遡りヴォルガ級が取り込まれる前。ナイル級が少しずつ取り込まれる中、司令官たるキム中将はある決断をする。

 

 「総員退艦の準備をしろ。直にヴォルガ級、そしてこのナイル級も取り込まれる。

 君たちは後方指揮下の部隊に合流しろ」

 

 「キム中将も一緒に退艦を」

 

 「私は君たちと共に行くことはできん。それだけはできない。出世欲に取りつかれ、コネで上がっていく地位と共に、役目を果たしてきた」

 「そして私は中将だ。ならばこの役目は。この役目だけは必ず努めなければならないのだ。…行ってくれ諸君」

 

キム司令の言葉を黙って聞いていた、ナイル級の各員。

だが誰一人退艦するものはいなかった。

 

 「どうした。何故退艦しないのだ!」

 

笑い声がブリッジに響く。

 

 「キム司令お一人で、艦を動かす事はできないでしょう?」

 

 「最後までお供しますよ中将」

 

 「……すまん。すまないなぁ皆。皆の命…私が貰う」

 

 

こんな会話がなされていたのだ。

そして全ての戦線に通信が入り、徐々に金属化するブリッジが移される。

 

 「きっとこの通信が届いていると信じ、全宙域に送信する。

 もうすぐ我が艦はELSに取り込まれる。だがただ命を果てさせる事を、我が艦員は望まない。

 前線…および全ての兵士に、最後の命令を出す。抵抗し地球を…そして市民を守れ。勤めを果たせ」

 

ELSの中核部隊まで進んだ、ナイル級は既にELSに殆ど浸食されていた。

キム中将は爆弾を起爆させ、多くのELSを道連れにした。

 

これを聞いていた連邦軍、作戦指令室及び地上本部にいた人々は。

静かに敬礼を行い、キム司令達の冥福を祈った。

 

 この通信を聞いていた、MS部隊にも変化が起こっていた。

自らの限界を超えるような、そう感じてしまう動きをしているのだ。

 

 「やらせはせぬ!……私は市民を守る軍人だぁああ!」

 

 「馬鹿野郎!死んじまったらダメじゃねぇかよぉ!」

 

アンドレイとコーラサワーも涙を流すが、決して操縦をミスしたりはしない。

 

 「ここだ。カティ!」

 

対話のために待機していた面々。ヨハン・刹那・デカルトそしてイノベイドである、リヴァイヴ・ブリング・ティエリアである。

中枢に突入する機会を待っていたのだ。

 

 「中枢への道筋を作る。粒子砲のチャージは」

 

 「出力55%ですが撃てます!」

 

 「ポイント25へ発射せよ!」

 

大型粒子砲が放たれた瞬間。対話部隊が一機に接近していく。

 

 「ガデラーザ。GNファング射出をする」

 

デカルトはELSの意識に飲まれないために、遮断ヘルメット等を装備している。

勿論対話の時はヘルメットを脱ぐが。そしてファングも、脳量子波コントロールではなくヴェーダによって動かす。

 

 「行くよブリング」 「…わかっている!」

 

先頭をジェアン・シュヴァリアーが、GNフィールドを全面に張り突撃していく。

ジェアン・シュヴァリアーにはリンドヴルムが、乗っかる形でバックアップをしている。

 

この後ろにデカルトのガデラーザ。この機体には、ラファエルとクアンタが乗っている。

 

 「GNフェザー。フルバースト!!」

 

リンドヴルムの羽から出るGN粒子を、乱れ撃ち進路を拓く。

そして各機体のモニターには、粒子砲がビームを屈折させることで防がれた様子が移されている。

この間も動いているこの部隊だが、道中の支援にガンダムハルートがマルートに。

サバーニャ・リゲルグ・Hなどがビット兵器で支援する。

 

 「デカルト。大型ELSの表面にファングを当てる!」

 

 「了解!」

 

リンドヴルムから放たれたファングと、ガデラーザのファングが爆撃の様に表面を穿つ。

穴を開ける事に成功するが、ELSの復活速度が予想よりも早い。

ティエリアはその様子を見て、セラヴィーを特攻させる。

 

 「セラヴィー!!」

 

ELSに触れたセラヴィーⅡが浸食され、意識がティエリアに入ってくる。

 

 「ぐぁあああッ!!」

 

 「大丈夫かティエリア!」

 

 「あぁ、問題ない。それよりも…」

 

 「よしブリング・リヴァイヴは、外の援護に回れ」

 

 「「了解」」

 

 

 「「ELS中枢に突入する!」」

 

 

 「これがELSの中枢…」

 

 「我々を迎え入れるのか?!」

 

 「クアンタムシステムを作動させる」

 

 「デカルト」 「了解です」

 

 「ELSの力は未知数だ。フルパワーで行く」

 

 「了解。クアンタムバースト!」 「TRANS-AM!!」

 

 「TRANS-AMシステム作動!」

 

ヨハンも眼帯を外し全開で行く。

 

 「NGN最大出力!!」

 

4機の機体から出る純度を増したGN粒子。

それに反応するELS。

 

 「これが人類存亡を賭けた。対話の始まり!」

 

 「「うぉおおおあああ!!」」

 

人類が初めて外宇宙の生命と、対話した瞬間だった。





キム中将をカッコよく書きました。
誇りある軍人って感じですね。

タチハロもこれを見ていたのですが、涙流してます実は。

原作より刹那の負担減ってます。
GNフェザー自体は、0ガンダムの武装としてあります。(使える者は限られる)

00編完結です。


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コズミック・イラへ

今回は短めです。


 

 ELSとの対話。彼らの訴えを聞き、刹那は母星に旅立った。

一方ヨハンは、肉体の半分をELSと融合し彼らと一つになった。

ELSが表に出てくる際には、銀色の線が蜘蛛の巣状に走り。普段は肉体内部にいるだけだ。

デカルトもヨハンと同じ様な状態だ。

 

ELSは対話を通じ、人間の個を理解し同化を中止し大型の元に集まる。

そして羽の形をした花弁を持つ、大きな花の形に変化し。人類に対しアプローチをしたのだ。

 

 ヨハンと融合した事により。FFの目的と、拠点がある事などを知ったELS。

その情報を知ったELSは、別の隊を拠点の場所に転移させ。ヨハン達の拠点と融合した。

だがそのまま融合。つまりは取り込まれては困るので、地上まで同化する事の無いよう、ヨハンから伝えられた。

 

 既にFFは00世界から姿を消している。

元々の予定があったFFは、政府に電子メールでその旨を送っている。

ただコンタクトが出来ない訳でもない。00世界に残る事にした、沙慈やリヒティ・クリス・マリーが可能である。

 

ELSはタチハロを真似た姿になり、我々と共存行動をしたりしている。

ELSが、FFの様々な世界を見たい。技術を知りたいという欲求の元に生み出される技術。

それらが自身のエネルギーを生み出す媒体を作り、安全な居住可能母体を産むかもしれない。そう思い来てくれたのだろう。

 

――――――――――――――――

 

拠点 格納庫

 

ヴォルガ級とナイル級を2隻ずつこっそり持っていたFF。

GNバンガードも固定用アームで接続されている、格納庫にメンバーはいた。

 

 「それにしても…ボロボロだな」

 

 「(外宇宙の生命との対話が見れた事は嬉しいが、な)」

 

 「我々の持つ機体。大半が半壊しておる」

 

 「教授。修理はどの程度かかりますか?」

 

皆の前にあるのは、半壊している多くの機体達である。

新型のジェアンですらそうなのだ。

スミルノフ親子は機体を消失。唯一無事なのはリンドヴルムだけだ。

 

 「恐らく修理だけならば、さほど時間はかかるまい」

 

ビアンだがELSと融合した、俺に入れなくなったらしく。肉体を作成し移った。

 

 「え~なんか新しい機能は?爺爺」

 

 「僕たちは気長に茶葉の栽培でもしてますよ」

 「……次は将棋だ」

 

イノベイド二人は置いておこう。

 

 「ねぇヨハン。この際別の世界に転移したらいいんじゃない?」

 

 「確かに。ヨハンの機体は無事だしな」

 

リーサとカティの言葉に、それがあったか!という顔をするメンバー。

 

 「気をつけるのよヨハン?」

 「無茶は…するなと言っても無駄か」

 

スミルノフ夫妻にそれぞれ一言頂いた。

二人は義理の親に名義状なっており、俺達三人兄弟の両親になっている。

アンドレイとマリーもだ。アンドレイは年下なのだが、年齢などあってないような物なので気にしない。

 

 「(情報はELSを通じてこちらにもわかる。心配するな)」

 

 「わかった。ゲートを起動してくれ」

 

このゲートはELSにも作成可能だが、その分のエネルギーが必要なのだ。

そして行きは、本拠にあるゲートの動力と融合したELSが安定させてくれている。

帰りは俺と一体になっているELSが、一緒に作成してくれる事になった。

 

 「転移ゲート作成完了!ヨハ兄行ってらっしゃい!」

 

 「あぁ。行ってくる」

 

リンドヴルムに乗った俺は、そのままゲートに突っ込んだ。

 

 

――――――――――――――

 

 転移終了後。直ぐに機体を自身の持つ時空間にしまう。

ELSと融合した俺は、単独で宇宙を闊歩できる。まぁそれなりのエネルギーは必要だが。

宇宙服も着ず、普段着の状態を記憶しているELSと共に近くの建物に接近する。

(ヨハンの普段着は和服です。革ジャンつける程度はします)

 

 コロニーらしき物体に触れ、近くに火との気配がない事を確認して侵入する。

 

 (まるで潜入ミッションだな)

 

 (???)

 

俺の独り言に反応したELSに、独り言の説明をしつつ。眼帯を消す。

転移で一気に中に入る事は可能だが。リスクがある。

自身を別空間に転移させ、壁をすり抜ける。

 

 「おっと、重力がちゃんとあるのか…」

 

眼帯を再度出し。左目を隠して、町に出て情報を得るために動く。

 

―――――――――――――――――――

 

 『コズミック・イラ70…。【血のバレンタイン】の悲劇によって、地球、プラント間の緊張は

 一気に本格的武力衝突へと発展した……。』

 

 「成程。この世界はあの…」

 

ヨハンの脳裏にSEEDの物語が流れる。

実はビアンもこの世界の人物を知っており、まさかこんな事があるのかと驚いていた。

 

 「さて、どうするかだな…」

 

リンドヴルムは出さない方がいいと、ヨハンは決めた。

何が起こるかわからなくなってしまうからだ。

しかし機体が無ければ生きてはいけない。

 

 「よし、まずは人気のない場所を探るか」

 

ヨハンは別空間に入っていた。タチハロを出す。

勿論ここは人のいない建物の屋上である。

 

 「お~!ここが別世界ですか?」

 

 「あまり大きな声を出すな。どこか人目に付かないところを探れ。

 それと光学迷彩と、ハッキングを許可する。ばれるなよ。通信も開いておけ」

 

 (わっかりました~総帥!)

 

タチハロは光学迷彩を作動し、どこかの電脳設備にアクセスしにいった。

一方ヨハンは通貨を獲得(こそ泥と対話)。

ネットを使用して情報を得る。

 

 (やはり俺の知識通りか)

 

得るべき情報を粗方入手して、タチハロから連絡のあった場所に向かう。

 

 (総帥~。どうやらこの場所にMSがあるみたいです)

 

 (よし。それは完成しているのか?)

 

 (まだ未完成の物と、パーツ状態のMSがあります)

 

 (よし、パーツを運び出す。外見とバッテリーを寄せればいい)

 

外見を取り繕い。OSも似たような物を使用してビーム兵器が使えれば問題ない。

 

 (了解です!)

 

機体が完成するかわからないが、ないよりマシだ。

ヨハンはこの様に考えていた。

 

 

 

 




SEEDでビーム兵器ないってキツイですよね。
それに重力下での単独飛行能力がないのも…。

それ考えるとフラッグやイナクトって優秀ですね。


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SEEDに介入


 ビアンは第三次αの人です。
SEEDの人達を知っています。
だからこそ、サイコフレーム擬きを作れたんです。知ってますからね


 

 

 深夜、ヘリオポリスが静かになった頃。

ヨハンとタチハロは動き始めた。

タチハロのハッキングと光学迷彩で、後ろから警備員せまり少しお眠り頂く。

 

 (総帥~。中には誰もいないようです)

 

 (よし。ライフルや弾薬。それとコアユニット、動力も持っていくぞあっちで調べる)

 

 (了解しました~)

 

タチハロに命令したヨハンは、自身もガラクタの山からジンの頭部。

背部スラスター等を自身の時空間に送っていく。

シグーの盾を見つけ時空間に収納すると。タチハロが戻ってくる。

 

 (総帥~終わりました!OSは自分の中に取り込みました!)

 

 (良くやったタチハロ。あっちに戻るぞ!)

 

 (了解であります!)

 

タチハロを収納して、FF本拠に戻った。

幸い人目のつかない所に、既にマーキングを残している。

戻る事など造作もない。

 

 

 「(帰って来たか。情報は既にこちらにも伝わっている)」

 

 「解析とMSを制作しないとだな」

 

 「成程。未知の世界のMSか~気になるね」

 

 「皆~運ぶぞ~! 「「おお~!!」」

 

タチハロに取ってきた物品を運ばせ、早速調べる。

勿論一緒にいったタチハロは、情報の並列化をせがまれていた。

ビアンからは既に制作自体は開始していた事を告げられた。

 

 

 「この世界のMSは前時代的だね。機体が無駄に重い」

 

 「それに。敵の武装の解析も遅いな」

 

 「(ふむ、しかしタチハロの取ってきたフェイズシフト装甲という代物…)」

 

 「我々が知る。GN粒子を塗装した装甲に近いですね」

 

タチハロは軍の機密にもアクセスしていた様で、母艦のデータや製造中MSのデータまであった。

 

 「問題は重力下だ。飛べない機体というのは厳しい」

 

 「わかっておる。これを見よ」

 

エイフ爺が画面に出したのは、今制作中の機体データだった。

アスカローネという名の機体だった。

あちらの世界でも知られている、モノアイ式のメインカメラ。

後頭部には2本のアンテナが付いており。少し拡張されている。

全体的に見れば、アリオスガンダムの頭部が変わり、動力がバッテリー式になっている事ぐらいだろう。

SEEDの世界で主流の電気バッテリー。これは元々高効率の物を持っていたので使用。

スラスター関連は、クシャトリヤ等で得た技術を使用した。フェイズシフト装甲も展開可能だが、使うと活動時間がかなり短くなる。

武装は、実弾を排除してビームハンドガンを両前腕部に内蔵。ツインビームライフルとビームサーベルしか持たせない。

バッテリー式な事もあり、マシンガンにはしなかった。

 

 

 「よし、動かしてみろヨハン」

 

制作自体は元々の技術を使用した事で時間が短縮され。

2週間半で完成した。調整等はまだ行っておらず。

2週間の間は、ヨハンは妻に食べられ。あまり作業自体には参加していなかった。

 

 「了解」

 

スタンドマニューバ等、細かな動作確認。

そこから機体反応の速度などを調節していき、狭いコクピットになれるため模擬戦を行う。

メインカメラをいじった事により、視界は広がったが狭い事に変わりはなかった。

 

 (まぁこれぐらいであれば問題ない)

 

 「どうだい。問題はなさそうかな?」

 

 「あぁ大丈夫だ」

 

 「よし。ならばあちらの世界でデータを頼むぞ」

 

エイフ爺とビリーはこの機体の実戦データが欲しいらしい。

ビアンには、絶対に全滅戦争をさせるな、と言われた。

戻る前に、旧リオン一式と食料。制服を時空間に入れて出発する。

 

ヘリオポリスに戻った時、そこは戦場になっていた事をまだ知らない。

 

――――――――――――――――――――

 

 

 「しっかし、まぁ良いのかね~」

 

 「なにがだ?」

 

 「中立国のコロニーに手出してさぁ~」

 

 「ッ!じゃあ中立国がコロニーでこっそり、地球軍の兵器作ってるのは良いのかよ?」

 

 「ハハッ!そりゃ、やっぱダメっしょ」

 

 

 

 「ン!ンッ!!」

 

 「「あ…」」

 

 「乗らないのなら先によろしい?」

 

 「あぁ…。すいません。どうぞ」

 

学生6人の後ろにいた軍人が先へ行く。

三人の軍人が先に車に乗り、どこかへ向かう。

 

 

 「なんとも平和な事だ…まったく」

 

 「それは?」

 

 「あのぐらいの年で前線に出る者もいると言うのに」

 

 

 「時間だな…」

 

仕掛けらた爆弾の時間が、00:00を表示。その瞬間コロニーが揺れた。

 

 

 ヨハンは、その少し前にコロニーの大地に降り立っていた。

そしてアスカローネを空間から出し、一息つく。

この出し入れ。物体が強大であればあるほど疲労もある。

勿論、一度入れた事のある物ならば平気だが。アスカローネは新型だ。

 

タチハロを現在の様子を調べさせるため出す。

 

 「総帥大丈夫ですか?」

 

 「あぁ、すぐに良くなるさ。それより現在の周囲の状況を探ってくれ」

 

 「了解です!」

 

タチハロが調べてくれている間に、買っておいた食品を摂取する。

 

 「総帥!プラントが攻撃してきています!」

 

既にこの世界の事はあらかた調べ、この戦争が純粋な人と強化人間によって行われている事は知っている。

 

 「成程…よしこの場を撤収する!タチハロ」

 

タチハロが俺に触れて時空間に戻る。

この倉庫もELSの食料として、消え去る。

 

 ヘリオポリスの揺れを感じながら、機体のコクピットに乗り込む。

 

 「さて。しばらく様子を見させてもらう」

 

――――――――――――――――――

 

 少年兵たちが搬入途中のMSを乗せた車両を襲っている。

武器は…手榴弾に機関銃を使用しているようだ。

 

 (身体能力は高いな…。だがそこまで脅威ではない)

 

自分も特別製のオートマ拳銃。全長30cm口径13mm重量3kgという完全に趣味の物だ。

旧時代のデザートイーグルを元に改造した拳銃だが。FFの配布される拳銃は普通だと言っておこう。

 

そんな事を考えていると。目の前のMSが次々と立ち上がる。

 

 「バスターとデュエル…ブリッツか」

 

それらが飛び去ったのを見て。行動を開始する。

 

 「アスカローネ、行動を開始する」

 

フェイズシフトを起動せず、元の黄色い装甲の状態でその場から動き出す。

 

ジンがこちらに向けてアサルトライフルを発射してくる。

だが俺のアスカローネは、ジンの様に一部分しかスラスターがない訳ではない。

 

 「遅い!」

 

巡航状態に変形して突っ込む。

 

 「ぐわぁあああ!!」

 

接触回線で声が聞こえるが、構わず大型クローで挟み切った。

情勢を考えると、まずプラントには参加できない。

自分はコーディネイターではないからだ。それにラウ・ル・クルーゼと一緒に居る事は現在あまりよくはない。

アークエンジェルに乗ってオーブに接触する機会を持った方が賢明だろう。

 

ジンが落した重斬刀と、76mm銃突撃機銃があるが。必要ないので機銃に重斬刀を刺し、破壊しておく。

 

 「さて、こちらを見ている彼に接触するか」

 

モニターにはこちらを警戒する、ストライクの姿がある。

ゆっくり歩いて近づく。勿論両手は上げる。

そしてコクピットを開き、外に出る。

 

 「安心しろ。敵じゃない」

 

 近くにいた学生組が恐る恐る、こちらを見て質問をしてくる。

質問をしてきたのは、サイという少年だった。

 

 「あの。そのMSは…」

 

 「俺の商売道具だ。それよりそこのパイロット君?降りてきたらどうかね」

 

俺の言葉を聞き。ストライクのコクピットが開き、一人の少年が降りてくる。

 

名をキラ・ヤマト。この世界の主人公と思わしき人物だった。

 





変態機動性を持つ、アリオスをモデルにSEED用機体を作成!
ミゲルの機体に向かって、拾った重斬刀投げつけるというアイデアがありましたが
爆風で学生組死んでしまう事に気が付き、やめました。

まともな国家がオーブってかなりヤバイですよね。
まぁそこはヨハンの腕の見せ所です。
少なくとも氏族の心に火が入れば、半端ないと思います。


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自分なりの美意識

ヨハンの大総統スタイル。



 

 

 「どうやら些か、うるさい奴がいる様だ」

 

 「はぁ…?」

 

 「MSを2つ失う程の事があったとなれば…」

 「そのままにはしておけん」

 

クルーゼはブリッジを離れMSに乗り込む。

 

――――――――――――――――

 

 「あの…腰の物は?」

 

 「あぁこれか。何武器だよ」

 

軍刀を少し抜いて見せる。

息を飲む声と、少し警戒されてしまった。

 

 「あぁこれは、あくまで自衛の物だよ。生憎身を守るためには必要でね」

 

 「それは何故…?」

 

 「戸籍がないからだよ。身分が不確かな身なのさ、あぁ名前はヨハン、と呼んでくれ」

 

俺の言葉で幾分落ち着き、それぞれが自己紹介をしようとした時。

少年の乗っていたコクピットから声が。

 

 「あ!コクピットに負傷してる人が」

 

 「自己紹介の前に、取りあえず怪我人を下して手当しよう」

 

 「そうですね。カズイ下すぞ」

 「わかったよ」

 

 「あ、あたしミリアリアです。ミリアリア・ハウ」 「俺はトールです。トール・ケーニヒ」

 

二人と握手をして怪我人が降りてくるのを待つ。

 

 「この人です!」

 

若い女性士官…名は確かマリュー・ラミアスか。

 

 「弾が掠めただけだな。これなら普通の治療で大丈夫だ」

 

まぁ直撃していたら、腕はしばらく使えないからな。

 

 「ふぅ~。あ、自分はサイ・アーガイルです」

 

 「キラ・ヤマトです」 「カズイ・バスカーク」

 

 「さて…。君たちはこの後どうなると思う?」

 

俺の質問にそれぞれが顔を見合わせ。

 

 「それは救助が来るんじゃ。オーブは中立なんだし」

 

やはりか…。中立という甘い言葉の表面上に騙されているな。

 

 「それはないと断言しよう」

 

 「「えぇ!!」」

 

 「恐らくキラ君が乗った機体は機密の塊だ。その存在を知ってしまった君たちは、既に【ただの民間人】ではないだろう」

 

 「そんな!僕たちは中立のオーブですよ?!」

 

 「君たちは何をもって中立か考えたことは?」

 

 「そりゃ戦争に関わらないって」

 

 「2つの陣営の戦争。だが【これ】を見て、わかるように中立の維持は難しい。

 国家間のバランス。国家の維持。そして戦争に無関係な訳ではない事は、身をもって知っただろう?」

 

目の前のストライクガンダム。そして彼ら自身が体験した、中立は絶対ではないという証。

これらの現実が、彼らを否応なしに理解させられてしまう。

 

 「まぁ暗い話は一旦終わろう。あの女性を起きるのを待とう」

 

 

寝かせていた女性が少し呻き、覚醒する。

 

 「うぁあ……」

 

 「あ!気が付きました?」

 

 男連中は考え込んでいる。

キラ君にはこっそり話をし、彼がこれから負う責任。友人からの期待。

本人はまだ納得はしていなかったが、直にわかるだろう。

 

 

 「キラ!」

 

 「あぁ。まだ動かない方がいいですよ、応急処置だけなので」

 

 「…すみませんでした。なんか僕…むちゃやっちゃって」

 

 「お水…要ります?」

 

ミリアリアがペットボトルの水を持ち、ラミアスに渡す。

 

 「ありがとう…」

 

キラの助けで、体を起こし水を飲む。

だが他の4人。サイ、カズイ、トール、俺はストライクの傍に座ったり寄りかかっている。

 

それを見たラミアスは、銃で威嚇しようとしていたが。

 

 「いきなり銃を構えるとは物騒だな」

 

瞬き程の間に接近し、銃を両断する。

近くにいたサイ達は、俺の元々いた場所と俺を交互に見ている。

キラも目を見開き驚いている様だ。

 

 「あなた。もしかしてコーディネーター?!」

 

 「いや?遺伝子を操作された覚えはないな」

 

まぁクローンに近いが嘘はいっていない。

刀を納め。目の前のラミアスに続きを促す。

 

 「…どうやら普通の民間人ではないようですね」

 

 「彼らにも言ったが。身分が存在しなくてな、生きるための必須技能と言った所だ」

 

 「…傭兵という事ですか?」

 

 「まぁ近い存在だ。それよりこの後どうする」

 

彼女が見ているのは俺のMSアスカローネ。この世界に存在しないオンリーワンの機体。

そして唯一無事な、ストライクガンダムだ。

 

 「…わかりました。私は地球連合軍、将校。マリュー・ラミアス大尉です

 申し訳ないけれど、貴方たちをこのまま解散させる訳にはいかなくなりました」

 

ラミアスの言葉に驚くよりも、やっぱりといった感情が多い。

それに疑問を抱くラミアス。仕方がない、俺から告げておくか。

 

 「少年たちには、既に。そう言われるだろう事を教えておいた。

 ただ忘れて欲しくないのは、あのMSを満足に動かせず。少年の力を借りなければいけなかった事だ」

 

軍人としては、それは致命的なまでに最悪だ。

自らが満足に戦えず…少年に戦ってもらう。それは、守るべき市民を守れていないという事なのだから。

 

 「…忠告感謝します。一人づつ名前を…それとパイロットの君は通信が可能かどうかを」

 

 「サイ・アーガイル」

 「トール・ケーニヒ」

 「ミリアリア・ハウ」

 「カズイ・バスカーク…」

 

そしてコクピットに上ったキラに、ラミアスは視線を向ける。

 

 「キラ・ヤマトです」

 

それぞれ名前を述べた後。

サイ・トール・カズイが、指示されたトレーラーを動かしストライクの傍に止める。

俺はアスカローネの操縦席に座り、万が一に備える事になった。

 

 (殺人道具を持つ事。それに今まで触れていなかったキラには辛いな)

 

なまじコーディネーターだから期待されてしまう。彼らは力があるから大丈夫だろうと。

だが心まで強くできる訳ではない。彼らは近視眼的状態になっているのだろう。

 

そんな事を考えながら思考を巡らせていた。

その時。俺の感覚が強い殺気を感じ、何かの来訪を告げる。

 

 「キラ!フェイズシフトを付けろ!敵が来るぞ!」

 

 「なんだって!そんな?!」

 

頭上のダクト管のような物からMSとMAが出てくる。

 

シグーが最初に出現し、メビウス・ゼロも後に続く形で侵入してきた。

 

 (シグー、ラウ・ル・クルーゼか!)

 

 「装備をつけて!早く!」

 

近くで機関銃なんかたまったもんじゃない。

俺はアスカローネでシグーに接近戦を仕掛ける。

 

 まぁ無論実体剣ではなく、ビームサーベルだが。

構えていた機関銃ごと右腕をすれ違い様に奪う。

 

 「くそ、とんだ邪魔者がいた様だ!」

 

 「残念だったな」

 

ツインビームライフル。ビームハンドガンが使えないせいで、追い込みが!

そんな状態の中。大きな戦艦が出てくる。

アークエンジェルが出てきたか…。

 

戦艦を確認したシグーは、重斬刀を捨て機関銃を取り艦に攻撃を仕掛けていく。

 

 「君はあとにしておこう」

 

 「逃がすか!チッ…!」

 

知らない機体である、これを見たメビウスが接近してくる。

このままでは…。

そんな事を考えている間に、やはりキラがアグニでコロニーに大ダメージを与えてしまう。

 

そして空いた穴からシグーは逃げ出して、俺達は母艦の先端部分に着陸する。

 

 (さて。この後が最初の山場だな)

 

ある程度の自由度のある立場にはいたいからな。

 




ヨハンの目は、某大総統の様な超人を可能とします。
またもう一つのすり抜けは、時空間とこの目があってこそできる芸当です。

ただ、相手に間接的に触れていなければならず。
某うちはの方の様な自由度はありません。MSの操縦席で発動しても、機体は普通に攻撃くらいます。
まぁ間接的に触れる方法例は、自身と融合しているELSが対象に触れていたら可能です。

今回キラ達には、少なからず考えるきっかけはできたと思います。
原作だと目に見える能力ばかりに目が行き、内面は考慮されてないですからね。

え、フレイどうするって?海軍式訓練とFF式訓練どちらをご所望ですか?


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ミゲルがまだ死なないぞ~!


少し疲れている作者です。
UA10万越え、お気に入り700感謝の極みです。


 

 

 アークエンジェルが地表に停泊し、俺とキラも近くに降りる。

 

 「ラミアス大尉!」

 

ストライクの手から、サイ達とラミアスが下され。

その姿を見た、軍人が駆け寄ってくる。

 

 「バジルール少尉」

 

 「ご無事でなによりでした」

 

 「貴方たちこそ、よくアークエンジェルを。お陰で助かったわ」

 

 『キラ出るぞ』 『わかりました』

 

通信で二人はコクピットから出る事を決める。

 

 「おいおい…一人は子供。もう一人は若けぇ兄ちゃんじゃねえか」

 

外見はな…。内心でヨハンは呟く。

 

 「ラミアス大尉。これは…?」

 

 「一人は傭兵らしいわ」

 

少し苦い顔をしながら、キラではなくヨハンの事は伝える。

 

 「へ~。こいつは驚いたな。地球軍第七艦隊所属、ムウ・ラ・フラガ大尉。よろしく」

 

その後所属と階級を共に述べ。ムウは乗艦許可を貰いたいと言う。

しかしナタルは、艦長以下主だったものは戦死し、序列でいえばラミアスがそうだと言う。

 

 「な、なんですか?」

 

近づいてくるムウ達にキラは警戒している様だ。

 

 「君、コーディネーターだろ?」

 

互いに驚く。当てられた事に驚く者。コーディネーターだと言う事に驚く者だ。

 

 「はい…」

 

その言葉に銃を向ける者がいたが

 

 「それよりも、次の襲撃に備える方が先じゃないかな?」

 

 「貴方は…?」

 

ナタルから質問をされる。

 

 「名前はヨハン。戸籍も身分を証明する物もない人間だ」

 

 「それで奴さんがまた来ると?」

 

 「一機奪取に失敗したんだ。破壊する事を考えるだろう」

 

 「「そんな?!」」

 

 「俺も奴らが攻撃を仕掛けてくるのに賛成だな」

 

 「…わかりました。ヨハンさんはナチュラルなのか調べさせてもらいます」

 

 「問題ない」

 

 

――――――――――――――――――――――

 

ヨハンはコーディネーターと判断されず。

ナチュラルと判断された。機械が少し古いため、イノベイター的な物は発見されなかったらしい。

 

そんなヨハンは、ある程度の自由と共に、フリーの傭兵としてブリッジにいる。

かなりの緊急時以外での離脱が許可されたのだ。

これは金銭による契約が難しかったので、許可された物だ。

 

 「コロニー内の避難はほぼ100%完了しているという事だけれど。

 さっきので警報レベルが9に上がったそうよ」

 

 「シェルターは完全にロックされちまったってわけか。

 あぁ。けど、そんじゃあのガキ共はどうすんだ?」

 

 「え?」

 

 「もうどっか探して放り込むってわけにも…いかないじゃないの」

 

 「彼らは軍の機密を見たため、ラミアス大尉が…」

 

 「あれはキラにしか動かせなかっただろうな。そうだろうラミアス大尉?」

 

ラミアスの脳裏には、満足に動かせずキラに助けてもらった自分がいた。

 

 「えぇ、その通りです」

 

 「そして。そのMSに乗ってもらわなければ生きられない。不甲斐無い自分をまず知らねばな」

 

 「今度はフラガ大尉が乗られれば!」

 

 「おい無茶いうな。あの坊主が最適可したOSを見てないのか?」

 

 「MSはそんなひょいひょい乗り換えられん。それとあいつは子供で、能力は高いが人殺しの経験等ない。

 あの子供たちにある程度の配慮はしなければならん。軍人なら臨機応変に対応しろ」

 

ヨハンの言葉に、ナタルとラミアスは黙ってしまう。

ナタルはガチガチの軍人家系故に、思考が硬い。

戦場は生き物で、教科書どおりには進まないのだから。

 

 ヨハンはブリッジを後にした。

 

 「ヨハンさん。前に言っていた事、今になってわかりました」

 

 「そうか。恐らく敵はまた攻めてくる。そして、自分は人を生かすも殺すもできる。兵器に乗っている事を知るだろうな」

 「だが忘れるな。自分が一体何のために戦うのかをな」

 

キラから目線を切り、サイ達を見るヨハン。

 

 「君たちもキラにおんぶにだっこで良いのか?キラの帰る家。守らなくていいのか?」

 

子供たちには時間が必要だと考え、彼らの元を去り。格納庫のマードックに会いに行くヨハン。

 

 「おぉ、兄ちゃんか。それにしても凄いなこの機体」

 

 「まぁな。エネルギーの補給は?」

 

 「それは問題ない。だが兄ちゃん、一体どうやってこいつを?」

 

 「自分で作ったのさ」

 

精確にはFFでだが。ヨハンは少し笑いながら誇らしげにしていると。

マードックにガッシリと掴まれる。

 

 「え?」

 

 「なら兄ちゃんも整備出来るってことだな。よし人員確保だぞぉ!!」

 

 「「「うぉおお!!」」」

 

 「あ、ちょっと待てぇ!」

 

 

マードックにメビウス・ゼロ等の整備を手伝わされるのであった。

 

 

 「んで。兄ちゃん敵さんはまた来るのかい?」

 

 「あぁ、今度は確実に仕留められると思っている。武装を持ってな」

 

 「か~っ!物資もロクにねぇってのに」

 

 「さっさと動いた方が賢明だろうな」

 

 「あぁ、俺もそう思うね」

 

 

 

 





かなり短めです。
ミゲルのとこまで書くと、ずるずる切れなくなっちゃうんで。


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ミゲルが落ちるぞぉー!→…


キングダムのカイネを元ネタにしてます。
まぁミゲルは傅抵ポジで、速攻忘れられます。


 

 

 整備を手伝い、休憩をしていた時。警報が鳴り始めた。

 

 「コロニー全域に電波干渉。Nジャマー、数値増大!」

 

 「なんだと!」

 

 「チィ。やっぱこっちが出てくまで、待つ気はないか、あの野郎~」

 

ムウが愚痴を言っている時に、格納庫から通信が入る。

ヨハンからだ。

 

 「こっちも出るぞ。今更相手は壊す事など、なんとも思わないだろうしな」

 

 「そんな……」

 

 「楽だぜ?こっちは発砲できない、向こうは撃ち放題だ」

 

 「避難ブロックの無い場所に、デカい一撃を先制で撃て。壊れるのが遅いか早いかだ」

 

 「それは正しいのかもしれません。ですが、艦長は私です。よってそれは認められません」

 

 「了解だ」

 

その時格納庫に走りこんでくる音が。

 

 「ヨハンさん!」

 

 「キラか?どうした」

 

 「まだ漠然とだけど、友達を守るために…僕は戦います!」

 

 「わかった。なら早く乗り込め」

 

二人がそれぞれの機体に乗り込む。先に出撃するのはヨハンだ。

 

 「アスカローネ ヨハン出る」

 

 アスカローネはマウントポジションのまま、外に向かって飛びだし。

既に侵入しているジンに向かって、加速していく。

 

ミサイルを両手に持った、重爆撃装備の機体。

腰近くに装備していた、小型ミサイルでアスカローネを牽制しようとするが。

 

 「ふん。そんな攻撃は当たらんな」

 

粒子制御のされていない様な、単純なミサイルではヨハンには当たらない。

ツインビームライフルをロール回転しながら撃ち、ジンのコクピットブロックに当たり、敵は爆散する。

 

 それを見ていたのであろう、もう一機の同じ装備のジンが。

アークエンジェルに向け、4発のミサイルを発射する。

 

 「俺に攻撃するより、アークエンジェルを狙うか。だが!」

 

ミサイルは全て撃ち落とされる。

アークエンジェルの傍で爆発したものは、在ったにせよ直撃はない。

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 何なんだ!目の前の機体は!

あり得ないぞこの機動性!

 

もはや打つ手なしのジンはビームサーベルで両断される。

 

 「くっ!アスラン、お前はあっちの機体をやれ!」

 

 「な、待てミゲル!」

 

アスランは何となく感じていた。

恐らく目の前の相手は、自分たちよりも格上の存在だと。

 

コーディネーターでも、あり得ない動きをしているのだ。

勝てるビジョンが湧かない。

 

ビームサーベルを互いに出し、すれ違い様に攻撃を繰り出すが躱された。

そしてその間に、ミゲルはストライクに落とされていた。

 

撃墜される間際に放ったビーム攻撃が、最後のアンカーを消飛ばし。

コロニーは崩壊していく。

 

 (まずい、この状況は不利だ!)

 

 アスランは今の崩壊中のコロニーの中。

相手が確実に行動できる技量があり、隙を晒したと思っていた。

だが、相手の機体はこちらを一瞥して。母艦に戻っていった。

 

一体何を思って、撃墜しなかったのか…

アスランにはまだわからなかった。

 

 

 ヨハンからすれば、アスランを殺す事は非常にリスキーである。

まずキラとザラ議長がどうなるか分からなくなるのだ。

だからこそ、バレ無い程度に手を抜き。どさくさに紛れ、帰還するつもりだったのだ。

 

 

 アークエンジェルでヘリオポリス崩壊を見ていた。学生組は言葉も出ない様子。

フラガもその光景を見てぼやく。

 

 「…こうまで簡単に…脆いとはな…」

 

 「X-105ストライク、アスカローネ!聞こえているなら応答しろ!」

 

 「あ、はい。…こちらストライク…キラです」

 

 「無事か?」

 

 「はい。ただヨハンさんは…」

 

 「俺がどうしたって?」

 

ストライクの後ろから、のそりとアスカローネが顔を見せる。

 

 「どわぁあ!!」

 

 「…速やかに帰投。こちらの位置は分かっているな」

 

 「問題ない」 「…はい」

 

その返事により通信は切れる。

 

 「キラ。わかっただろう?中立が絶対に平和という事ではない事が」

 

 「…そうですね。でも…」

 

 「後で話なら幾らでも付き合うさ。先に戻ってるぞ」

 

ヨハンは通信を切り、先に母艦へ戻った。

だがキラはその途中救命ポッドを見つける。

 

―――――――――――――――――――――

 

 「アスカローネ帰還しました」

 

 「こちらブリッジ、ナタル・バジルールだ。ヨハン至急ブリッジに来てほしい」

 

 「了解した」

 

アスカローネのエネルギー補給等をマードックに任せ、ヨハンはブリッジに向かう。

そしてこの後どう動くべきか意見を求められた。

 

 「成程、まずアルテミスはやめた方が賢明だ。少し調べれば出ると思うが補給は受けられないだろう。

 ならば、アルテミス方向にデコイを発射。デブリベルトに向かった方がいいな」

 

 「そんな、あそこには亡くなった人たちが…」

 

 「腫物の様に扱うのではなく、次代へ生かすために使うべきだ。

 それにムウの機体も直っていない。整備する時間は必要だ」

 

 「……」

 

 「ストライク帰投しました。ですが、救命ポッドを一隻保持してきています」

 

 「恐らく救助艦はしばらくこないな。ならば、入れた方がいい。

 軍人は市民を守るためにいるんだ。だろ、バジルール少尉?」

 

ヨハンの言葉に溜息を吐きながら、キラに了承する事を伝える。

アークエンジェルの正規軍人は、何となくだがヨハンが軍に精通した人間だと感じていた。

ナタルの場合で言えば、まるで現場を知る高位の軍人であり。

人間的に大きく感じる存在だと思っている。

一言でいえば、アークエンジェルのクルーの皆は知らずのうちに頼っているのがヨハンなのである。

 

 「わかりました。…ただデブリベルトの件は、人手が必要です。ヨハンさんから彼らに説明を」

 

 「問題ない。それぐらいはやるさ」

 

 

 

 「あー。実は一番近いアルテミスには、良識ある軍人はおらず。そこで補給や君たちの身柄を預ける事はできない」

 

 「…それって入ったら軟禁されるって事ですか?」

 

 「その通りだ。極秘建設のこの艦は、居ない事になってる。それにキラ君を認めるとも思えない」

 

 「…それじゃあ水なんかは?」

 

 「デブリベルトの残骸から貰う。勿論これは墓荒らしではなく、俺たちの糧にするためだ。

 より良い時代を彼らのためにも俺達は生きて作らなきゃいけないんだからな」

 

 「ちょっと何でコーディネーターなんかの物を!……」

 

フレイが叫ぶが、ヨハンは目を鋭くして彼女を見る。

 

 「どうした、続きを話せばいい。勿論働かざる者食うべからずとの言葉がある通り

 地面から食料や水が湧いてくるわけではない。そんな中での発言だと考えての事だろうからな」

 

 「……」

 

ヨハンの言葉に黙るフレイ。そして気の毒そうな目をする学生組。

 

 「そ、そんなのお父さんが!」

 

 「君のお父さんなら知っている」

 

 「なら!」

 

 「穏健派を謳う、過激派ブルーコスモスの一員であることをな」

 

ヨハンの言葉に静まるその場。

 

 「浅はかな考えだな、自分で何もせず他力本願であまつさえ他人に何かを求めるなど。

 はっきり言おう、唾棄すべき汚物に等しいと。少しは状況を考えて物事に向き合え」

 

戦艦でセレブ気分で要られても困る事は事実。

そして彼女は何も生み出していない中、喚いているだけである。

 

 「さて君たちはどうする。この状況の中、自らの何かを売り込み、対価として飯を食べるか

 彼女のように、周りが必死に働く中。自分だけは違うと思い文句を言う。どちらにする?」

 

 「ヨハンさん…でも俺キラみたいに…」

 

 「カズイ君。キラは万能ではないよ?例えばパイロットとして出ている間。

 母艦にキラはいないんだ。母艦で君の持つ技術や経験は、生かせるとは思わないか?」

 

ヨハンの言葉は、カズイにとっては天啓に等しかった。

劣等感や自身の無力を嘆いていた彼は、確かにそうだ。と思えたのだ。

これは以前ヨハンに言われた、キラの帰る場所を守るという言葉も影響していた。

カズイは目を輝かせ、他の学生組も自主的に何かをしようと行動し始めたのだ。

 

 キラは自分の友達が自分を支えようとしている事を見て。

勇気づけられた気持ちになった。

 

 「さて、フレイ嬢。その腐った性根は正さねばな、行くぞ」

 

 「あ、ちょっと…キラぁーー!!」

 

 「あはは……」

 

キラ。苦笑いである。

ヨハンの片目が憤怒の光を帯び、鬼の目をしていたのを見て触れない事にしたのである。

フレイはムウ監修の元。軍隊式訓練を行い、まずは体力を作る作業になった。

恐らくは整備班に配属されるだろう。

 





キラの友達ええ奴や~!
本作では、キラの周りは良い状態です。

ヨハンから滲み出るオーラ。
軍のトップっぽい感じするわ~ってのがクルーの気持ちです。
ナタルはヨハンに好印象を抱いており、敬意を払ってます。

フレイに関しては、何もせうベッドに入るなんて許しません。
働け馬鹿者!マードックさんの荷物運びからだ!



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電波少女ラクス

毎回誤字指摘等をしてくれる方々有難うございます。
作者、最近筆がイマイチ進まず。
執筆が難航しています。大凡の全体像は決まっているのですが
そこまでの過程や手段を決めるのが…。

あ、続きはあとがきで


 

 

 デコイをアルテミスへ射出して、慣性航行で進行しているアークエンジェル。

 

 「ふー……」

 

既にアークエンジェルには、アルテミスが落ちた情報が伝わっている。

だがアークエンジェルはいまだ。補給もままならず、敵の目を掻い潜りながら進まねばならない。

 

 「アルテミスが落ちたってことは、敵さんはそっちに向かってくれたか」

 

 「しかし我々の艦がいない事には、既に気が付いているでしょう」

 

 「そうね、時間との勝負ってところかしら」

 

一応ヨハンの部下という形で母艦運営に関わっている、学生組には既に。

避難民へは過度な期待を持たせないため、月の基地につくまで安心させる発言はしない様伝えている。

 

 そんな学生組の中の一人。フレイ・アルスターだが…

 

 「ほらほら、遅いぞ。もっと素早く走れ走れ!」

 

背後からヨハンに、軍刀を振り回され死にもの狂いで走っていた。

眼から謎の怪光線を放ちながら、迫る超人から必死に逃げるフレイ。

 

 「ちょっとー!毎回思うけど、なんでその武器取り上げられないのよ!!」

 

 「日ごろの行いがいいからだ!」

 

誰も彼の軍刀を没収していいですか?と聞けないだけである。

フレイは基本的には、体力作りの日課の後。

マードック等に工具や、資材を教えてもらい。

他は食堂の戦士に料理を教わる。食堂ではもっぱら皿洗いだが。

 

 彼女も彼女で、一応新鮮な日々を楽しくは感じているようだし。

周りに置いて行かれまいと、日夜頑張っているのだ。

そしてヨハンの事で悟った事は、彼の前で不用意な発言はしない方が長生きできる。という一つの教訓だった。

 

 「って感じでね…。もう、サイ!聞いてる?」

 

 「ははは。フレイ、ヨハンさんは厳しいけど優しい人だよ」

 

 「そうそう、色々教えてくれるし」

 

 「でも宇宙服と命綱だけで、外の空間に出されて戻ってこいってのは怖かったな」

 

サイとトールは笑いながら、ヨハンについて語るが。

その後のカズイの言葉に目が遠くなる。

彼らは死の恐怖を体験するという名目で、外に放り出され。自分の力で生還しろと言われたのだった。

キラは少し抗議をした様だが、帰ってきた答えは

 

 「死の恐怖を知り、乗り越えなければ生き残れない。それが戦場だ」

 

と一喝されたと言う。キラも経験はあるようで苦笑いだったが。

 

そんな会話をしていると、管制室から連絡が来た。

 

 「これより、目の前のデブリベルトから物資を補給します」

 

 「よし。キラと俺はMSに乗って周囲を警戒しよう」

 

 「フラガ大尉以下、クルーは皆ワークローダーで収容を急ぐぞ」

 

 「「ハッ!!」」

 

休憩時間の合間に作られ、避難民とも一緒に作った折花を献花し、作業を開始する。

みな痛々しい光景に、胸を痛めながらも。生きるため作業を行い、祈りも同時に捧げた。

 

 

 「どうやら、つい最近に戦闘が起きていた様だな」

 

警戒に当たっている二人が目にしているのは、ボロボロの2隻の船。

それらを見ていた時。レーダーが敵影を感知する。

即座にデブリに隠れ、補足した位置を確かめる。

強行偵察型のジンがいたのだ。

 

そのジンも作業をしている。ワークローダーに気が付き、銃を構えようとしている。

 

 「運がなかったな」

 

それまでの一連の動作を見ていたヨハンは、敵がそこまで腕の良いパイロットではない事に気が付く。

ツインビームライフルを2発撃つだけで、ジンのど真ん中に命中させ。脅威を排除した。

一方キラも、何か発見したらしく。ポッドを抱えていた。

 

 「あのヨハンさん、これ…」

 

 「アークエンジェルで中身を確かめるしかないな」

 

 「わかりました」

 

 「一旦戻るぞキラ」

 

 

――――――――――――――――――

 

 「つくづく君は、落とし物に縁があるらしいな」

 

 「空けますぜ」

 

その声に、銃を構える兵士たち。

だが……。

 

 「恐らく銃は要らないな。この大きさだと人ひとり分しかない。

 要人には違いないが、戦闘の能力はないだろう」

 

 「それは何か確信は?」

 

 「兵士として優秀なら、最初から出撃している。そして破壊された船が2隻という所だ」

 

 「成程な。戦闘隊員をわざわざ余らせる事は、あちらさんもしないな」

 

その言葉に銃を持つ者は、銃口を下げ出方を見る事にする。

マードックも一応の結論が出たとして、ハッチを開ける。

 

 「ハロー、ハロー?ハローラクス!」

 

 

能力は低いが、間違いなく外見はハロだった。

しかもピンクである。

 

 (タチハロにピンク…無いな)

 

 「ありがとう。ご苦労様です」

 

中からは、ラクス・クラインが出てきた。

彼のエイプリル・フール・クライシスを決定した、シーゲル・クラインの娘だ。

凡そ10億程の人間を殺した父親を持つという気持ちは、ないのであろう。

まぁでなければ、戦争中に慰問等しないだろうな。

 

 「あら?あらら?」

 

体が流れていくラクスを掴んだキラ。

そのキラの制服を見て。

 

 「あら?これはザフトの艦ではありませんのね」

 

そんな言葉にラミアスとナタルは

 

 「ふぅ~…」

 

 「はい?」

 

と片方は頭を痛め、もう片方は唖然としているのだった。

 

 

 「ポッドを拾って頂いて、有難うございました」

 

アークエンジェルのある一室。

そこがラクス・クラインに仮で与えられた部屋であり。

ムウ、ラミアス、ナタル、俺がこの娘と話しをする場所となっている。

 

 「私はラクス・クラインです」

 

 「それは既に知っている」

 

 「あ、こちらはお友達のピンクちゃんです」

 

 「は~……」

 

 「やれやれ…」

 

あまりの天然具合に頭を痛める俺達。

 

 「クラインね~。かの、プラント現最高評議会議長もシーゲル・クラインと言ったが…」

 

 「あら、シーゲル・クラインは父ですわ。ご存知ですの?」

 

 「当たり前だ。君の父は何億人もの人間を殺す決定を下した人だからな」

 

そんな事等知らなかったのかわからないが。ラクスは驚いている様子だ。

 

 「はー。そんな方がどうしてここに?」

 

 「私ユニウスセブンの追悼慰霊のための、事前調査に来ておりましたの」

 

その後詳細が彼女から話される。

地球軍の船と出会った事。揉め事に発展し、争いが始まった事等をだ。

 

 「なんてことなの…」

 

 「だが君も迂闊だな。戦争中にも拘わらず呑気に慰霊等」

 

 「まぁ何故ですの?」

 

 「君が真に彼らの魂の安らぎを願うなら。戦争が終わり平和になる様努力せねば。

 戦争をやっているかぎり、安らげるはずもないのだからな」

 

まぁ墓の傍で何か月もドンパチやってる時点で、ただの建前なんだと感じるがな。

 

 「それは…そうですわね」

 

 「おいヨハン!」

 

ムウが少し言い過ぎだろうと言った具合に、詰め寄ってくるが。

 

 「彼女はプラントではアイドルらしいが。このまま籠の中の鳥のような状態では、利用されるだけだろう。

 大事なのは彼女が平和を願っているなら。どうしたいか、どうしたら良いかだ」

 

 「取りあえず貴方は、しばらく拘束されますが…」

 

 「仕方ありませんわ。お仕事ですもの」

 

 

ラクスについて決まった頃。彼女にフレイから食事が渡される。

フレイは当初難色を示していたそうだが、サイ達に

「ヨハンさんにバレたらヤバイよ」と言われ、彼女は自身の警報が鳴っている事に気が付き。

持って行った様だった。

 

 「フレイも、もう少し柔らかくなればな…」

 

 「そりゃ難しいよ。お父さんがガチガチらしいし」

 

 「俺らの両親とか大丈夫かな~…」

 

アークエンジェルが補給を済ませ、月を目指し始めた頃。

プラントの方でも、艦隊が彼らを追いかけ始めていた。 




ヨハンは新人を宇宙にバンジーさせる。
Fate/goを夏ぐらいから始めたのですが、☆5がナイチン女史、モーさん、ネロ・プライドですね。
嫁王は2枚引いて宝具がLv2になりました。
槍と馬が☆4がいなくて困り物ですね。

ちょっと更新ペースが落ちます。
書き溜めができればいいんですが、インスピが湧かないと書けないんですよね。


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合流できず戦闘へ…


息抜きにFate作品書いてました。
復帰の一回目は短めです。


 

 

 ザフトの一同…

彼らは、通称足つきを追いデコイに釣られてアルテミスを落とした。

 

 「しっかし、敵さんもやるねぇ~」

 

 「ディアッカ関心している場合か!足つきを逃したんだぞ!」

 

 「気にするなイザーク。既に足つきは捕らえた」

 

 そう彼らの観測班が、足つきと思われる母艦の噴射光を捕捉したのだ。

そしてある程度の、補給を済ませた事も……。

 

 「では彼らがラクスを……」

 

 「いや違うな。この画像を見ればわかる」

 

モニターに映し出されたのは、現場宙域と戦闘があったと思しき艦。

 

 「あの足つきの攻撃では、こうはなるまい」

 

 「そうですね、艦の原型がこれ程残っている筈がない」

 

 「それで隊長、我々の今後は?」

 

 「地球軍の別艦隊を捕捉した。恐らくは出迎えだろう、これを我々は慎重に追う」

 

 「「了解!!」」

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 「また、ここに居なくてはいけませんの?」

 

 「マイド、マイドー。」

 

部屋から脱走していた彼女は、すぐに捕えられ部屋に戻された。

 

 「ええ、そうですよ」

 

 「詰まりませんわ…ずーっと一人で。私も向こうで、皆さんとお話しながら頂きたいのに…」

 

 「皆仕事で忙しいのさ、輪に入りたいならなんか働きな」

 

ヨハンはマードックと共に作業をしていたのか、疲れた表情でラクスに告げた。

その言葉に陰ながら見ていた学生組が、首を大きく縦に振る。

 

 フレイは一際大きく頷き、その通り!とでも言いたげだった。

 

一方管制室。

 

 「…ん?ん!はぁ!艦長!」

 

 「ん?」

 

何かを捕らえた、アークエンジェルは主要メンバーを管制室に集める。

 

 「間違いないの!?」

 

 「間違いありません!これは地球軍第8艦隊の、暗号パルスです!

 

 「追えるのか?」

 

 「やってますよ。解析します!」

 

 『こちら…第8艦隊先遣…モントゴメリー…アー…エンジェル…応答…』

 

 「ハルバートン准将旗下の部隊だわ!」

 

 「「うはぁぁ!」」

 

 「探してるのか!?俺達を!」

 

 「位置は!?」

 

 「まだかなりの距離があるものと、思われますが…」

 

 「だが、合流できれば…!」

 

 そんな喜びの声を上げるブリッジに、一人冷静な人間がいた。

そうヨハンである。彼からすれば、二つの陣営の戦力を比較した時。

現時点の戦力で考えた場合。地球は相手の三倍程の、兵力が無ければ安全とは言えない。

そして、それをわかっている人間が、圧倒的に少ない事が分かっているヨハンは苦言を呈す。

 

 「申し訳ないが、些か喜び過ぎだろう。それと先遣隊は恐らく落ちる」

 

 ヨハンの声にどよめく一同。その中で一番早く、思考を切り替えたのはムウだった。

 

 「そいつはどういう事だ?」

 

 「ムウ。お前から見て地球とザフトの戦力を比較したとき。『安全に地球軍が、宇宙で合流するには』どれ位戦力が必要だと思う」

 

その言葉にムウは、顔を厳しくし自身の考えを述べる。

 

 「約三倍だ…」

 

 「「そ、そんな!?」」

 

戦場に出て戦っていた。ムウのあまりにも冷酷無比な答え。

それは喜んでいたブルッジの面々を、凍り付かせるには十分だった。

 

 「相手はGを4機奪取していて、圧倒的地の利を得ている。そんな中、多寡が一部隊しか来ていない…」

 

 「じゃああの艦は……」

 

 「正にザフトからすれば、鴨でしかないな」

 

 「「……」」

 

それ程に地の利というファクターは大きいという事を、彼らも少なからず理解していたのだ。

 

 「では彼らとの合流は?」

 

ラミアス艦長が、ヨハンに問う。

 

 「それは向かった方がいい。データは残るからな、だが俺達は追われている。

 あまり悠長に事をやる時間はない」

 

 「やれやれ…、月軌道まで行かないとダメか」

 

 

―――――――――――――――――――

 

 学生組にも、まだ安心するのは早いと、連絡が回され。

避難民にも、恐らくは厳しいだろう事は伝えられた。

 

 先遣隊の中に、フレイの父親がいる事がわかったが。

学生組の共通の考えとして、あんな少ない数でどうして大丈夫と思ったんだろう?

という疑問と、ダメさ加減の再確認がなされただけだった。

 

フレイの父親に関して言えば、フレイ・アルスターからの発言は。

 

 「パパは何を考えてるのよ。もぉ!」

 

という悲痛な叫びだった。

その言葉はヨハンに扱かれている最中であったのは、言うまでもない事である。

 

そんなモントゴメリを捕捉した時。敵を感知する。

 

 「ん?あ!…これはっ!」

 

 「どうしたの?」

 

 「ジャマーです!エリア一帯、干渉を受けています」

 

 「やはり、ヨハンの予測通りか!!」

 

 「総員、第一戦闘配備!繰り返す!総員、第一戦闘配備!」

 

ナタルの声が艦内に響き、戦闘が始まる事を告げた。

 

 

 





まずアークエンジェルぐらいの母艦がないと
宇宙空間では、普通の戦艦とMAなんてポンコツですよね。
数の力で押すぐらいしか、出来ないと考え。
三倍ぐらいと考えました。パイロットの平均技能もザフトの方が上ですしね…


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読み合いを制す

作者スランプ気味です。
今更ですが、SEED話NAGEEEE!!!


 

 

 クルーゼ隊…

 彼らの作戦は、救援に出る機体と足つきの分断である。

 

 「すると、あの補給艦には足つきは釣られない。という事ですか?クルーゼ隊長」

 

 アスランがクルーゼに確認する。

 

 「あぁ、向こうには優秀なアドバイザーがいる様だ。それはアルテミスでわかる」

 

 アルテミス方向にデコイを発射する。奇策を用いた相手だと、指摘する。

 

 「それでイザーク達は母艦ですか」

 

 「残ったG一機と謎の機体。恐らくどちらかを護衛に残すだろう」

 

 そこを攻めると告げる。

 イザーク達の母艦は回り込んでいるのだ。

 

クルーゼは謎の機体のパイロットに期待していた。次はどんな手をうってくるのかと……。

 

 

 ―――――――――――――――――――――

 

 

 アークエンジェル 

 

 ブリーフィングルームには、実働部隊が集まり。事前に作戦を決めていた。

 

 「恐らく敵さんは、あの艦を餌に俺達の兵力を分断する気だな」

 

 「成程……では何もせず離脱すると?」

 

 「おぃおぃ、そいつは不味いんじゃない。なんたって…」

 

 ムゥの目線の先には、フレイ・アルスターがいた。

 あの艦には彼女の父が乗っているのである。

 

 「勿論最大限努力するが、戦場に出て安全な場所等ない。

 それに、相手はこのアークエンジェルを落としたいと考えている。

 ならばGを何機か回してくるだろう」

 

 「成程、攻と守を分けるのですね」

 

 「あぁ。キラはあっちの艦に行くGと対峙だ。落とさなくていい足止めだ。

 下手にG以外を相手取ると、エネルギーを持っていかれる」

 

 「わかりました」

 

 「ムゥは救援だ。G以外を落としてあっちを逃がせれば逃がせ。

 俺は母艦の防衛をする。俺の予想では、アークエンジェルにGを3機使うだろう」

 

 「ヨハンさん一人で大丈夫ですか?」

 

 「おぃおぃ坊主そりゃ愚問だろ。ヨハンの機体は普通じゃないぜ?

 落とすんじゃなく、防衛なら問題ないだろうさ」

 

 「「ハハハ!!ちげぇねえ!」」

 

 「それでは、大尉達は戦闘準備をお願いします」

 

 「オーライ」

 

 

 

 そして始まった戦い。

 管制から出撃コールが出される。

 

 「メビウスゼロ・フラガ機、リニアカタパルトへ」

 

 「ボウズ先に行ってるぞ!」

 

 「分かりましたムウさん!」

 

 メビウス・ゼロが先に宙域に向かう。

 

 「カタパルト、接続!エールストライカー、スタンバイ!システム。オールグリーン!」

 

 キラの目には、既に戦闘が始まっている様子が映っている。

 

 「進路クリア!ストライク、どうぞ!」

 

 ミリアリアからのコールを受けてキラはイージスと衝突する。

 

 

 

 「か~予想通りか!!

 

 ムウは素早くモンドゴメリーに通信を行う。

 

 「こちら、アークエンジェル所属 ムウ・ラ・フラガ大尉だ。さっさと離脱しろ!敵はひきつける」

 

 その言葉にジョージ・アルスターはふざけるなと、声を出そうとした段階で。

 艦長から肘鉄を喰らい、意識を刈られる。

 

 「わかった。こちらは月軌道に応援を要請しておく、すまない」

 

 

 ジンを複数撃破しながら、モンドゴメリーは離脱を開始。

 ムウは、アークエンジェルに戻り始める。

 

 「キラ、何故お前がこんなことを!」

 

 「僕は友達を守りたいんだ。アスラァァアン!!」

 

 

 ビームサーベルが幾度も交差しながら、イージスとストライクは戦闘を続けていた。

 それを影から狙うのは、クルーゼの機体である。

 

 「悪いがその機体、壊させてもらう!」

 

 その時何かの予感めいた物。狙われている感覚を覚えたクルーゼは、回避行動をとる。

 

 するとそこを狙撃しながら旋回していく、メビウス。

 

 「またムウ貴様か…」

 

 「これは…クルーゼか!」

 

 

 

 ――――――――――――――――――――――――――

 

 

 「モンドゴメリー安全圏内まで離脱!」

 

 「こちらに向かってくる熱源を感知!ブリッツ、バスター、デュエルです!」

 

 「ヨハンに発進許可を出せ!それとブリッツにはミラージュコロイドがあります。

 アンチビーム爆雷の準備を」

 

 「了解。アンチビーム爆雷を装填。艦尾ミサイルを対空榴散弾頭に換装!」

 

 

 「アスカローネ、ヨハン出撃する」

 

 マウントポジションの状態で、出撃するアスカローネ。

 そのコクピットの通信画面には、ラミアス艦長が映っていた。

 

 『それでは、ラクス・クライン嬢は』

 

 「あぁ、モントゴメリーが離脱したのなら。ある程度戦闘したのち

 保護を明かし、引き渡した方が賢明だな。両者にとってもな」

 

 『わかりました。恐らくフラガ大尉とキラ君は、そろそろ限界に近いはずです。

 健闘を祈ります』

 

 通信が切られ、G三体と交戦状況に入る。

 しかし三体で射線を隠していた敵攻撃により、回避行動をしていたアークエンジェルはダメージを受ける。

 

 「中々うまいな!」

 

 デュエルのビームサーベルを交わし、バスターにツインビームライフルと撃つ。

 撃ちながらも、背後からのデュエルの攻撃を、まるで背後に目でもあるかの様に躱す。

 

 「この俺を無視するだと!」

 

 「くっそ!コイツ本当にナチュラルかよ」

 

 

 対峙している二人は、この相手にやりづらさを感じていた。

 悉く攻撃が躱され、しかも動きが滑らかであり速いのだ。

 

 「バリアントてぇ!!」

 

 アークエンジェルもブリッツを狙い。バリアントを撃つが、躱された後ミラージュコロイドで姿を隠される。

 その瞬間。管制室の面々は、言われずともアンチ爆雷を発射。

 

 ビームの射角を計算し、榴散弾頭を撃つ。

 

 「さすがですね。特性を良く理解していらっしゃる!」

 

 そんなニコルを背後から狙っていた人物がいた。

 …そうヨハンである。

 

 「隙を晒したな!」

 

 バスターとデュエルに、それぞれ蹴りとライフルでのフックを決める。

 

 「ぐわぁあああ!!」

 

 「くっそお!」

 

 バスターは苦し紛れにミサイルを放つが、アスカローネは既にフライトポジションに変形して。ブリッツに向かっていた。

 デュエルは体制を立て直し、追いかけるが。ディアッカはその前にニコルに危機を知らせようとした。

 

 そして迫る機体をディアッカにより知った。ニコルは回避行動をとる。

 だが……

 

 「な、左腕を!」

 

 連射性を生かしたアスカローネの一射が当たり。片腕を持っていかれる。

 だが背後からは、既に立ち直った二機が迫っている。

 

 「さすが赤服三人か。簡単にはいかないな」

 

 

 「このぉ、よくもやってくれたなぁ!!」

 

 イザークは自身のコクピットに蹴りを入れた、目の前の機体に加速しながら迫る。

 ビームサーベルを振りかざしてくるデュエルに、変形しながら曲芸染みた動きでビームサーベルを交差させるヨハン。

 

 「中々楽しかったが、ここまでだ」

 

 接触回線により、ヨハンとイザークは声だけだが接触する。

 

 「なんだと?!」

 

 訝しむイザークに対し、オープン回線にて戦場にある声が響く。

 

 その人物は、プラントであまりにも有名な

 

 

 「私はラクス・クラインです。両軍とも戦闘をただち中止してください。

 私は今、地球軍の方々に救助され。この艦に乗っています」

 

 

 クライン嬢の引き渡しが為される事となる。




 毎回誤字修正してくださり感謝です。
それと中々アイディアが浮かばず遅くなりました。


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札の切り方

作者スランプにもがく。
短めですが、すいません。




 

 

 「戦闘中止だと!馬鹿な、そのような事」

 

 「残念ながら事実だ。オープンで見ただろう?」

 

二機は互いに距離をとり、一時戦闘を中断。

宙域のプラント側は混乱しているようで、対応を纏められないでいる。

 

 「イザークここは退却だ。母艦から信号弾が撃たれた」

 

 「くっ…!!」

 

 「アスラン…」

 

ニコルとディアッカも退却を開始。

正し、アスラン・ザラにはご足労願った。

これはクライン嬢からの、オーダーだったからである。

 

 「ちぃ、つくづく厄介だな。あのお嬢さんは」

 

クルーゼは舌打ちをし、混乱の原因である人物に苛立ちを露わにする。

まさかこの様な形で、戦闘が止められ。足つきに結果的に有利に働く、状況を生んだ事を感じ取ってだ。

 

 「ひゅ~凄いねあの嬢ちゃんのネームバリューは」

 

 「ムゥさん。でも…」

 

 「俺達にとっても、このまま月まで連れていくのは相当リスキーなのさ」

 

 「その通り。だからここで彼女という札を切ったんだ」

 

 恐らく月軌道のハルバートン提督に情報が届けられ。

既にある程度の部隊数を伴って、こちらに向かっているはずだ。

それを見越した今回の作戦は、成功と言えるだろう。

 

 

 アークエンジェルとクルーゼ旗下の母艦では、通信が行われていた。

 

 『そちらの要求。つまり君たちの現宙域の離脱はわかった。

 だが、本当にラクス・クライン嬢はいるのかね?』

 

 ブリッジに移るモニターには、仮面をつけた怪しい男性。ラウ・ル・クルーゼがいた。

対するアークエンジェルの応対相手は、ラミアス艦長。

 

 「それはこの後、貴方方のパイロットである。アスラン・ザラに確かめて頂きます。

 無論貴方方が、クライン嬢の命より我々の抹殺を選べば。どうなるでしょう?」

 

 

 『それは挑発かな?我々がその様な事をすると?』

 

 「いえ、ただの忠告です。彼女の意に反する行動をすれば、危ないという…」

 

 『……忠告感謝する』

 

 

 その最後の言葉と共に、モニター通信は終了する。

無論クルーゼも、最初は渡された後。すぐさま攻撃をしかけるつもりだったが

相手の艦長の言葉。彼の脳裏での計算では、罠が張られている事をはじき出していた。

 

鵜呑みにした訳ではなく、自信がある目。そして告げた言葉がクルーゼを警戒させていたのだ。

 

 

――――――――――――――――

 

 

 アークエンジェルのハッチは開けられ、イージスから出てくるアスラン。

彼の目の前には、先ほどまで戦っていた。ストライク、そして三人と戦っていたアスカローネ。

二つの機体と、そこから出ていた二人のパイロット。

キラとヨハンを見つける。そして近くにいたラクスも。

 

 「アスラン!」

 

 「ラクス!本当に…」

 

 「えぇ、地球軍の方々に保護してもらっていましたの」

 

 「テヤンデー!!、テヤンデー!!」

 

 

 実際にラクスが本当に保護されていた事を知ったアスラン。

彼は最初は警戒していたが、彼女の目を見て無粋だと持ったのか。

銃をホルスターにしまった。

 

 「では、アスラン・ザラ君。指揮官への連絡を頼むよ」

 

 「了解しました。…え~と」

 

 「ヨハンさんですわ、アスラン」

 

 「そういう事だ。それとキラと少し話をしていけ。こんな時だからこそな」

 

 

 そう言い残し、やる事は終わったとばかりにキラを残し。

早々とその場を退散していく。

 

だが、彼はそのまま割り当てられた部屋にはいかず。

単身艦隊の真下に、すり抜けていきタチハロを出す。

 

 (お~!!随分久しぶりです総帥!)

 

 (そうだな、しかしそれよりもだ。プラントには潜入出来たか?)

 

 (既に展開済みです。それとネットにも収集端末を潜らせときました!)

 

 (上出来だ。そろそろ地上に降りる事になる。FFに連絡をいれておけ)

 

 (あいあいさ~!)

 

 

 FFの出番は迫っていた。むしろこの戦争の終結へのカウントダウンかもしれない。

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 プルプルと震え、同期が済んだタチハロは近くのメンバーに詳細を知らせた。

 

 「博士~、そろそろらしいです!」

 

 「そうか、まぁ元の世界からも。連絡が来とるし丁度いいか」

 

 (だろうな、しかしタチハロのデータを見る限り…)

 

 「旧世紀に近いな、それも核か……」

 

 「アンティークや掘り出し物があるやもしれんな」

 

 「わぉ~!!歴史的な価値を持つ物があるかもってことでしょ!」

 

 「「たのしみぃ~!!」」

 

 

 タチハロは、各個体差があり。

好む物が違ったりするが、未知の物品から得られる情報に歓喜していた。

 

ある者は、旧世紀に近い日本を観れる可能性に喜び。

女性陣は化粧品や、食材に関心を。

荒熊親子は、義憤を猛らせていた。

 

 

 CE世界にはない、その巨大な戦艦とMA技術。

最初に知るキラはこう語る。

 

 「勝てる訳ないよ、あれは…」

 

 

 

 次回、ハルバートン提督と相まみえる。



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高らかに宣言

更新が不定期で、すいません。
これからは、ある程度のペースは保てると思います。


 

 

 ラクス嬢の無事を確認したアスランは、上司である。ラウ・ル・クルーゼに連絡を入れた。

そしてヨハンに言われた通り、キラと少しばかり会話をする事になる。

 

 「キラ…どうしてお前が……」

 

 「あの後、皆を守るためにヨハンさんの部下にしてもらったんだ」

 

 「ヨハンって言うと…」

 

アスランの脳裏には、先ほど出会い意味深な事を言った、大人が浮かんだ。

 

 「うん。それと色々考えさせられたよ。

 ヨハンさんが歴史を学べって言ってたんだけど、その意味を少しは分かった気がしたよ」

 

 「でもお前は!!」

 

アスランは、お前はコーディネーターだろう?!と口にしようとしたが。

それを制するように、キラは言葉を続けた。

 

 「アスラン、コーディネーターだからナチュラルだからで、決めつけちゃだめだよ。

 大事なのは、なんで戦争が起きたのか。それの解決策は?って考えないと…。

 まぁこれもヨハンさんの受け売りなんだけど」

 

 アスランはキラの言葉を聞いたとき、自分が知っていたキラが大きくなっている事を感じた。

昔の頼りない姿から成長した事を感じさせた。

そして、確かに自分がよく考えたり、調べもせず決めつけていた。

その可能性を問われた気がした。

 

 「ふふ…アスラン。貴方が感じた事は、戻った後ゆっくり考えたらいい事ですわ。

 私も少しあの方に影響を受けましたし。今は戻りましょう母艦へ」

 

 

 こうして三人の小さな話し合いは、終わりを告げた。

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 「しかし、いいんですかねぇ?メネオラスの横っ面になんかつけて」

 

 「ハルバートン提督が、艦をよく御覧になりたいんでしょう。後ほど、自らも御出になるということだし。閣下こそ、この艦とGの開発計画の一番の推進者でしたらかね」

 

 「民間人はこの後、メネラオスに移って、そこでシャトルに乗り換えだってさ。あ!でも俺達どうなるんだろ…?」

 

 

 カズイの言葉に答えたのはヨハン。

形式上彼らの上司である。

 

 「民間人の乗り換えは結構だが。すんなり帰れるとは思えないな。

 それと俺達は恐らく、この後の面会に呼ばれるだろう。

 それに……決めねばならないからな」

 

ヨハンの神剣な表情に、ミリアリアとトールがひそひそ話し合う。

 

 「……ねぇ、決めるって何を?」

 

 「ん~、給料かな?」

 

 「はぁ、そんな訳ないでしょ!あの顔はもっと大きい決断ってことよ」

 

 

 しかし学生組がお金を気にするのも事実。

だがまさか、あんな事になるとわ……

 

 

 「艦長。ストライクの事、どうなさるお積りですか?」

 

 「どうって?」

 

 「彼を下すか否かと言う事です。今はヨハンの部下として乗ってもらっていますが。

 この後は…どうなるか」

 

 「問題ない」

 

 「「!!」」

 

二人の会話をこっそり聞いていたヨハンが、彼女たちに告げた。

 

 「詳しくはこの後ハルバートン提督との会談の時、話をするが所属が変わるだろう」

 

 「それは一体?」

 

 「地球軍は今のままでは、戦争を終わらせる力が無いという事だ。

 それに如何に優秀とて、心も強靭だとは限らない。じゃあ後ほど会おう…」

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 「ん?おぉーー!いやぁ、ヘリオポリス崩壊の知らせを受けた時は、もう駄目かと思ったぞ。

それがここで、君達と会えるとは…」

 

 「ありがとうございます!お久しぶりです、閣下!」

 

 「先の戦闘中との報告を受けて、気を揉んだ。大丈夫か!?」

 

 「ナタル・バジルールであります! 」

 

 「第7機動艦隊、ムウ・ラ・フラガであります」

 

 「おおー、君が居てくれて幸いだったぁ。

 ああー、そして彼らが…?」

 

 「はい、艦を手伝ってくれました、ヘリオポリスの学生達です。

 今は形式上、こちらのヨハンさんの部下という形で、働いてもらっています」

 

 「君達の御家族の消息も確認してきたぞ。皆さん、御無事だ!」

 

提督の声に、安堵の声を上げる学生組。

そしてフレイは父親と合ってきたようだが、強烈に叱責を浴びせたらしい。

それを受けたフレイ父は、意気消沈し自分の娘だけでも逃がせ等の言を言わなかったらしい。

 

 そして紹介されたヨハンは、ハルバートン提督と握手をする。

だが、二人はひそかに目でやり取りをしていた。

 

 一体何者なのか、一切の情報がないヨハンを見定めようとする提督に対し

ヨハンは目で、この後教える事を告げる。

 

互いに言葉を交わしたわけではないが、少なくとも

虚言を吐く様な目でない事と、鋭い眼差しを見た事で理解したのだ。

 

 

「とんでもない状況の中、よく頑張ってくれたなぁ。私からも礼を言う」

 

握り合った手を解き、学生たちに向かう提督。

 

 「閣下、お時間があまり…」

 

 「うむ。ヨハンと言ったかね、君にも同行願いたい」

 

 「了解した」

 

 

 ナタル、ラミアス、ムウ。そしてヨハン達は一室の元。

ハルバートン提督と向かい合う。

ちなみにホフマンには、退場を願った。

これは、ハルバートン提督が事前に告げたらしい。

 

 「彼の物とは、余人を交えず話し合う。くれぐれも入ってくるな」

 

と言われたホフマンは訝しんだが、命令にしたがったようだ。

 

 

 「さて、では改めて聞こうか。君が、何者なのかをヨハン君」

 

ハルバートン提督に聞かれたヨハンは、装いを変える。

 

 「元地球連邦軍、総帥。現FF総帥、ヨハン・ゾルダーク。別世界の者だ」

 

ヨハンの服には、元帥位の勲章と、FF組織の紋。紛れもない本物の軍服を着た。

軍人最高位の人間として、彼らの前でその正体を明かした。

 

 

 

 

 





 ヨハン変身!

まさかの最高位の人間ヨハンにどう反応する?!ハルバートーーン!!

ホフマン?知りません


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敢えて言おう。まだまだだね!!


CE世界のナチュラルと00世界のナチュラルの性能が段違い。
軍人たち白目。


 

 

 ヨハンがハルバートン提督達に、自身の出自を明かした。

それに対してラミアス艦長達は、固まっている。

いや、服装がいきなり変わったり。軍人のトップと言われて混乱しているのだろう。

 

 だがハルバートンだけは、変わらず鋭い眼差しだった。

 

 「……成程。こちらでも君の事は調べたよ。君の戸籍等の経歴の類は一切なかった」

 

 静かにヨハンを見つめ語りだすハルバートン。

 

 「しかし、君の話が事実なのかを証明は出来ていないのではないのかね?」

 

 「そうだな。では、アークエンジェルの主だったクルー。そして学生たちを格納庫に集めてくれ。

 俺の話を真実だと証明するとなれば、それは大きな意味合いを持つ」

 

 やっと復帰した三人は、そんな真剣な顔をしている二人を見て回復したようだ。

そしてラミアス艦長が、まず質問する。

 

 「『大きな意味』とは?」

 

 「第四勢力の存在証明に他ならないからだ」

 

 ハルバートン提督が、ヨハンが答えるより先に答える。

そう。今行われている戦争は、オーブ・連邦・プラントが密接に関わっている。

そこに新たな陣営が出現するという事になるのだ。

 

 「…わ、わかりました。至急隊員たちに知らせてきます」

 

三人が退出する。

どうやら残るべきではないと考えた様だ。

 

 「ヨハン総帥と呼んだ方がよろしいか?」

 

 「お好きに。私は貴方たちの上官では、ありませんから」

 

 「では…総帥と。貴方、いいや貴方方と言った方がいいか…

 我々の世界に一体。何を求めてやって来たのですか?」

 

 「我々は未知を求めて、次元転移を行いこの世界にやってきました。

 それと我々は、その世界の事は基本的には『その世界の人間』が解決すべきという持論を持っています」

 

 「成程。悪戯に武力介入を行い、意のままに支配する事は本意ではないと?」

 

 「その通りです。しかし解決が不可であり、要請または依頼があれば。

 例えば、我々は『この戦争』を終わらせる事ができる」

 

 

 ヨハンの言葉に、ハルバートン提督は驚愕した後。

一体どうやって終わらせるのか、何故今までしなかったのかを問いただそうとしたが。

直ぐに冷静になった。

理由は明白。彼が先程口頭で言った通りだからだ。

そしてその考えに自分も異論はなかった。

 

 ハルバートン提督との会話が終わり、メンバーが集まった事がムウより知らされた。

 

―――――――――――――――――――

 

 

 「さて、ではお見せしたいと思う」

 

 「つっても、ここには何にもないけど…」

 

 「今から行くのさ。…ELS!」

 

 ヨハンの体からELSが蜘蛛の巣状に広がり。全員を包む、その光景に一同は驚いている間に本拠リーブラに到着する。

 

 

 「「「なっなんじゃこりゃ~!?」」」

 

 「これは?!」

 

 「ようこそ、リーブラへ。そして私達の歴史を知って欲しい」

 

 そこから語られた話は、CE世界の人間には考えられない世界だった。

 

記録映像と、ヨハン達の記憶映像を混ぜた動画を見たのだ。

 

 核兵器は禁止され、エネルギーとして太陽光システム。そして軌道エレベーター開発。

様々な紛争を経験した後、世界は三つの大国間に分かれ冷戦構造になる。

AEU、人革連、ユニオン。そして現れるソレスタルビーイングという存在。

武力介入を行うCBと三ヶ国の連合が、戦い。変革が起き始める…

 

FFの総帥ヨハンの説明もされる。

元々は体の良い捨て駒として、生み出された三人。

だが見返す事を誓い。雌伏を続け遂には、世界を…人々を変えた。

 

2年が経ち、ヨハンは軍のトップであると同時に特別国家の長になっていた。

世界は平和の意味を考え、緩やかに変わり始めた。

だが、地球外変異性金属異性体が来訪する。

イノベイターによる対話が行われ、ELSの真意を知る事になる。

 

 

 クルー達とハルバートン提督は、各々差はあれど驚いてはいたが。同時に納得もしていた。

ある者はその操縦スキルの高さに、ある者は見識の広さに。

マードック等は太陽炉に興味深々の様子だったが……。

またムウは、ナチュラルであるコーラサワーやニール。グラハム等のパイロットとしての実力に唖然としていた。

キラは……タチハロをチラッチラチラっと見ていた。見かねたフレイに頭を叩かれたが。

 

 

 「「……」」

 

 「どうだね? 我々からすれば、コーディネーターは新たな人類ではなく。強化人間の一種なのだ。

 進化とは、人間が操作出来る物ではない。自然の成長と共になっていくものなのだよ」

 

 「成程、目の前の未知なる機械とMS。そして戦艦と技術系譜が異なる事。

 確かに君の証明はされたな。では具体的な展望を聞かせてくれ。

 これは大西洋連邦のハルバートンではなく、一人の人間ハルバートンとして聞く。

 どうやって、戦争を終わらせる?」

 

 ハルバートンの問いは、全員の心情を言葉にした物である。

リーブラに来たもの達は感じたのだ。

決して虚言で言ったのではない。

具体的な道が見えているのだと、そしてそれは彼らには可能だと。

 

 その目線を受けてヨハンは答える。

 

  「三ヶ国に宣戦布告する」

 

 

 彼らは、またしても茫然となるのだった。





UA約15万お気に入り850越えしました!
感謝です!!



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FF本拠、リーブラにて

 

 三ヶ国に戦争を仕掛けるという。ヨハンの話……

その詳細について、心当たりのあるハルバートン提督が聞いた。

 

 「まず、連合についてだが。彼らと同盟を結び、戦争に勝った場合。

連合が主張している事が認められる事になる。そして、過激派ブルーコスモスも容認する事となる。

それは我々としては、容認できない事だ」

 

 「それは……。じゃあプラントは?」

 

 ラミアス艦長が目下の戦闘対象であった、プラントについて聞く。

 

 「同じように、プラントもコーディネーター至上主義がいて容認できない。

それと、血のバレンタインは実は宣戦布告後にされた事だ。戦術的に相手の補給源を絶つのは正しいだろう」

 

 「でも、アスランの家族は!!」

 

 キラは、友達の家族が亡くなった行為が正しいと言われた事に反論する。

 

 「それは政治家のミスなんだ。現在の最高評議会の面々は、少なからず失敗している事になる」

 「そして核が…。と声高に叫ぶが、そもそもコロニーの構造に欠陥がある。

Nジャマー投下での、半永久的なエネルギー危機を発生させたのも問題だろう」

 

 「え?つまりどういうこと?」

 

 「トール君と言ったね。地球では核によるエネルギー問題への解決が厳しくなっているのだ。

つまり、インフラを整える事ができない。そしてNジャマーは撃ったプラントさえ、その分布を知らないのだよ」

 

 「次にオーブだが。この国家は双方を容認している立場にある。

だが我々は、そもそも完璧ではない人間が人間を生み出す事に問題があり。

そして、法を踏みにじりコーディネーターを産んだ親世代に。その責任があると主張する我々。

今のプラントを認めている、オーブを勝者にした場合。それらは主張できず、オーブの様に双方の在り方を認める事になる。

つまり三ヶ国ではない新たな陣営が必要なのだ」

 

 「成程。君の言う通りテロ紛いが横行する連邦と、遺伝子操作や出生操作をするプラント。

どちらでも容認できない事は把握した。では、君たちの掲げるお題目はなんだ?」

 

 「貴方方からの依頼です。世界の健全化を図って欲しいというね」

 

 「「……」」

 

 「ふむ…それで君たちの戦力というのは…」

 

 「では、それを見せるために…。タチハロ!」

 

 「なんですか~総帥!」 「漸くお呼びかかったよ~」 「あれが他の世界の人達か~」

 

 

 ヨハンの言葉を受けて、騒がしくタチハロがワラワラ集まってくる。

 

 「あの~。ヨハンさんこの機械?は…」

 

 「失礼な!僕たちには立派なタチハロって名前があるんだよ!」

 

 「ただの機械じゃないんだ~!」

 

 「あ、はい」

 

 サイはタチハロに封殺された。

 

 「では、タチハロに乗ってください。タチハロ、格納庫だ。それと並行して集めてくれ」

 

 「「了解~!!」」

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 格納庫に到着すると、厳しい表情の二人がヨハンを捕まえる。

 

 「まったく、遅いわよヨハン。連絡しなさいよ!」

 

 「そうだぞ馬鹿者。それで彼らが?」

 

 「あぁ、報告していた人達だ」

 

 

 「おぃおぃ。ヨハンその二人は?」

 

 「あぁ、まぁ奥さんだな」

 

 「「奥さん?!」」

 

 「こう見えて、ヨハン兄も40超えてるしね~」

 

 「ネーナ、こう見えては余計だ」

 

 

 奥さんが居る事に、ナタルやムウも驚きと。負けた…という感情を男に感じさせるのであった。

 

 「ごほん!…それで目の前のこれらが例の?」

 

 「えぇ、我々FF独自の太陽炉です。

 まぁ修理中の機体もありますから、半分といった所ですかね」

 

 「これで、まだ半分か……」

 

 ハルバートンの目の前にいるのは、ガローネ。ガーリオンといった種類だ。

まだエース級の人間が乗る特別機は見せていない。

 

 「凄いですねヨハンさん。独立志向型AIやこんなMSまで……」

 

 「それに見て、あの母艦の大きさを。アークエンジェルの三倍ぐらいかしら?」

 

 「俺の兄弟のミハエルとネーナしか、まだここにいないが。他にもメンバーはいるぞ」

 

 「提督……」

 

 「ラミアス艦長。私は彼らに頼むべきだと思うがどうかね?」

 

 「僭越ながら、恐らくこの場の皆がそう感じていると思います」

 

 「ははは!他の世界との交流等、夢にも思わなんだが。

 彼らの様な人達でよかったと、心から思うよ」

 

 

 アークエンジェルのクルーや整備員は、タチハロのデータベースにある機体を閲覧したり。

疑似体験電脳空間の模擬戦を閲覧。マードック等、まだ見ぬ技術に胸を躍らせている。

 

 学生組は、ミリアリアとフレイはリーサ達とガールズトークを開始。

男子は、別の男性FFメンバーの私室を見て回る様だ。

 

 

 「兄貴~、あっちのMSどうだったんだ?!」

 

 「そうだな、あっちにもガンダムが存在していたぞ」

 

 「マジでか!?」

 

 

 どこかで、「ガンダムタイプとは…私はついているな!」

という声が上がった気がしたが、気にしないでおこう。

 



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CEに帰還。強者の匂い


 今年はこれで終わりかもしれないです。
失速が激しい!!


 

 SEED世界の人間である、ハルバートン達はヨハンが実は別世界では超有名な事を知る。

地方の大統領や、連邦大統領の名前がわからなくとも、ヨハン・ゾルダークの名は知られているのだ。

 CE世界では、普通の人間にとってはMSはコーディネーター等しか動かせない。

だが、00世界ではごく普通に乗り回されている。

そして練度も高いのだ。

VRシミュレーターを試しにキラがやってみたが、あの意外に腕がたつコーラサワーに勝てなかった。

 

 これにはアークエンジェルクルーもビックリである。

情報で知ってはいても、目の前で見せられてはどうしようもない。

 

ちなみに、調子に乗っていた炭酸はネーナに絞められた。

 

 

 「いや~参ったね。残念だけど練度が違いすぎるぜこりゃ」

 

 「フラガ少佐……」

 

 「ラミアス艦長も感じただろ? ヨハン達のMSがどんなものか。バッテリー一つ取っても差がありすぎだ」

 

 「あ~。俺にとっちゃ。あの不思議な機械が整備を手伝ってくれるってのが、整備員としては興味がありますな」

 

 皆、思い思いの感想を述べる。

彼らにとっても未知というのは、胸を躍らせるらしい。

 

 「よし。なら他のメンバーを尋ねたらいかがかな?」

 

 【我々の拠点たる。この場所には貴重な生物等も生息している】

 

 

 その言葉に最も食いついたのは、若い学生たち。

 

 「まじか! どんな動物かな?!」

 

 「可愛い動物いるかしら? 」

 

 

 この時彼らはまだ知らなかった。

 

可愛いを遠いすぎている事に。

 

 絶滅してしまった、種がいまだ残っており。

サーベルタイガーを筆頭にニホンオオカミ・イッカク等。

 

明らかにデカイサイズで生息しているのだ。

それを放し飼い状態になっているのを、見た時の彼らは……

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 グラハムの部屋で刃の潰されていない、刀コレクションや掛け軸。

荒熊夫妻と子熊のアットホームな家。

放し飼いの動物たちを見て回った、彼らは再度集合していた。

 

 「さて。我々FFの母艦はご覧の通り、巨大であまりにも目立つ。

 なのでまず、アークエンジェルで降下してから。行動を開始する。

 それと恐らく、ザフトとの戦闘になるだろう。

 ハルバートン提督には、後ほどある物を渡す以上だ」

 

 「あの……ヨハンさんの本当の専用機って? 」

 

 「ふふふ……見てからのお楽しみだ」

 

 怪光線を出すヨハンに何も言えなくなる面々。

00世界の者は、全員知っているので心の中で対面する敵が哀れだと思っているだけだ。

 

 

 「では元の場所に戻るぞ」

 

再び不可思議な感覚と共に、次は元の場所に戻っていた。

 

 

 

 「ハルバートン提督。我々は? 」

 

 「ラミアス君。君たちには予定通り降下してもらう」

 

 「時間はそれ程たってはいないが、猶予は余りないぞ」

 

 「わかっているとも。では諸君しばしの別れだ! 」

 

 

 ハルバートン提督は、自らの旗艦に戻っていった。

 

アークエンジェルの面々も、MSの整備。弾薬燃料の補給を急ぐ。

既にザフトはすぐ近くに来ている。

 

 最初でしくじる訳にはいかない。

 

 地球降下作戦がいよいよ、始まろうとしていた。

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

 クルーゼ隊は一つ所に集まり、作戦会議をしていた。

 

 「ラクス嬢の手前。明言はしなかったが、足つきは今だ月軌道付近にいる」

 

 「それを叩くのは解りますが。隊長? 例のMSについては……」

 

 クルーゼ隊のアスランを除く、ニコル・イザーク・ディアッカが思案顔で尋ねる。

あの脅威の動きを見た後では、無策で突っ込む事は下策といえるだろう。

 

 「ふ、案ずるな。他の部隊には月軌道艦隊と足つきを妨害してもらう」

 「我々の狙いは……」

 

クルーゼはデスクに浮かぶ、MS画像を指し告げる。

 

 「厄介なこのMSだ」

 

アスカローネの戦闘映像が映されていた。

 

 

 この時、アスランはラクスと再会した時の会話を思い出していた。

 

 「―――アスラン。あの方は他者とは一線を画すお方の様です」

 

 「さっき会ったヨハンという人の事ですか? 」

 

 「えぇ。図らずも私の浅慮な行為と、短慮な振舞いを指摘して頂きましたの。

 アスランも何か言われたのでしょう? 」

 

 そう、ラクスも言っていた様にキラに合わせてくれた。

そしてキラに誰かに言われたからではなく、自分で考え答を出すべきとも……

 

キラに影響を与え、更には凄腕のパイロット。

明らかに何か裏がある。

そして―――。

 

 自分たち4人で、あの人に勝てない予感。

理屈ではなく、まだ上がある気がするのだ。

 

 

 図らずも、それが正しい事は地球にてわかる事となる。

そして。それが分かった時とは、世界が大きく動くその瞬間であった。

 



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降下作戦始動

 新年明けましておめでとうござ…もぅ二月ですけどね。
何と言いますか、書く気力が中々でず。さらに書こうと思った内容を忘れてしまった始末でした。

 とりあえず新年、最初の一話始まりま~す。


 

 ヨハン達の本拠、リーブラから戻った一行。

ハルバートン提督と副官等と避難民についての対応を協議。

ザフトがアークエンジェルの降下作戦を見逃すはずがない、という事で現状維持となった。

勿論軍の行動理由としては、避難民護送と位置付けた。

 

 これらの情報は、大西洋連邦からオーブ連合首長国に報告が行く手筈となっている。

だがその情報より早くFFにより、避難民が護送されてくる可能性もあるが……

 

 話し合いが終わり、クルー達が持ち場に付き始めたと同時に。

 

 「総員第一種戦闘配備! 繰り返す、総員第一種戦闘配備! 」

 

 艦内にアラートが鳴り響き、敵の襲来を告げる。

 

 「全館!密集陣形にて迎撃態勢へ」

 

ハルバートン提督の声と共に、艦隊が集まり始める。

一方アークエンジェルも

 

 「戦闘よー!また戦闘ー!」

 

小さな幼女が通路を走る。

彼女の手には、二つの折り紙を折って作った花がある。

ヨハンとキラに渡そうと彼らを探していたのだ。

 

 そこへ丁度二人が通る。

 

 「あ!お兄ちゃんたち! 」

 

 「ん?なんだいお嬢ちゃん」

 

 ヨハンがしゃがみ目を合わせる。

横ではキラが焦りの気持ちを持っていたが、それを手で制してまで、彼女の言葉を聞こうとする。

 

 「はい!守ってくれたお礼!」

 

 そう言ってヨハンとキラに直接手渡す。

手渡し終えた彼女は笑顔を浮かべ、「頑張ってね~!!」と元気よく廊下を走り去る。

 

 「あの…ヨハンさん」

 

 「待ってでも受け取った価値あっただろ? 」

 

そう言ってヨハンは、キラの心臓の上を指で差す。

 

 「ここの中が教えてくれるさ」

 

 そう告げて二人ともMSに向け走り出す。

キラも確かに感じていた。今までの行動が報われたような。

そして不思議と暖かで、若干の重たさを持つ物を。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 アスカローネに乗り込んだ俺に、ムウからの通信が入る。

 

 「奴さんやっぱ来たけどさ、どうするヨハン?」

 

 まず間違いなく俺をフリーにしてはおかないだろう。

かと言ってこの厳しい状況の中は、キラにとっては相当キツイ物がある。

 

 「ムウは雑魚の牽制と、キラの援護を頼む」

 

告げたと同時にモニターには、キラも映し出される。

 

 「ヨハンさん僕は…」

 

 「キラは母艦の周囲を固めてくれ、恐らくこの戦線は長く持たん。

 降下開始の時に雑魚がいると困るしな。敵主力MSは任せろ」

 

 「了解しました! 」

 

 通信が切れた後、ELS経由で本拠からの通信を受ける。

 

 〔ヨハン、こちらは主力MSの修理が終わったぞ。予定通りでいいんだな? 〕

 

 予定とは、勿論地上に降りてから展開を開始する事。

無論丸見えの状態では、作戦を開始したりはしない。

予定では、砂漠に降下した後。降下ポイント直下にタチハロで空洞を作成。

そこに母艦をテレポートさせる。

 

 「あぁ、問題ないアークエンジェルに待機させてあるタチハロにも

 既にこの事は伝えてある。来れる段階になったら直に頼む」

 

 〔了解した。武運を」

 

 

 「アスカローネ、出撃どうぞ!」

 

 「アスカローネ ヨハン・ゾルダーク出る! 」

 

 俺が出た後に、ムウ・キラの順番で出撃していく。

既に敵もMSをかなりの数、発進させたようだ。

 

 

 「見つけたぞ! サーカス野郎!! 」

 

 デュエル、イザーク・ジュールか! 

どうやらこの前の事が相当印象的だったらしい。

 

 「ふ…。一人だけではな! 」

 

ビームサーベルをこちらも取り出し、光の十字が描かれる。

そこにバスターからの砲撃とブリッツが来るが、予想通りだな。

 

 「おいおい、俺はまだしもブリッツの攻撃まで?! 」

 

 「やはりダメでしたか…」

 

 「気配を感じるからな、まだ俺を抑えるには足りないな! 」

 

バズーカ等を所持し、こちらに近づくジンを排除しながら相手をする。

その時何か悪意の様な物が、こちらに向けられているのに気が付く。

 

 「チッ! ラウ・ル・クルーゼか!! 」

 

頭上から突撃機銃を撃ちながら、迫ってくる。

それを回避し、シグーへ逆に接近しブリッツ等の方向へ蹴り飛ばす。

 

 「ぐぅ…やはりフェイズシフト装甲は余り使えないようだな! 」

 

当たりだ。この後を考えればフェイズシフトは多用できない。

 

 「当たりだが、俺を落とすにはまだ足りないな! 」

 

 「このぉ! 」

 

 「いけませんイザーク! 」

 

 イザークは不用意に俺に突っ込んできた。

今まともに動けるのはバスターだけ。

 

 「当たらなければ、どうと言う事はないな! 」

 

 後転し足から生やしたビームサーベルで、デュエルの攻撃を抑え。

右腕のシールドで、デュエルの腕を切り飛ばす。

 

 「ぐわぁあああ!! 」

 

 「イザーク!! 」

 

 「本当に何者だよ、こいつ! 」

 

イザークを守るように3機が密集する。

その時アークエンジェルから通信が。

 

 「ヨハン戻って、降下シークエンスに入るわ」

 

 「了解した。聞こえたなキラ、ムウ」

 

味方機へと通信を開き確認する。

 

 「はい、周囲は大丈夫です! 」

 

 「了~解だ! 」

 

 しかしアスランは……。

まさか?!

 

 母艦の方向から、光が発生し懸念が当たった事を告げる。

 

 「やはりか、急ぐか」

 

 月軌道防衛艦隊がやられていく中、それらを無視してアークエンジェルへと急ぐ。




 クロスアンジュ久しぶりに見ると
実体弾多い事に気づきました。


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