破壊者は愛する者たちを守るために戦う (ダーク・リベリオン)
しおりを挟む

プロローグ 故郷への帰還の時

かつて、天災と呼ばれた一人の科学者の発明したISと呼ばれるパワードスーツによって世界は大きく変化した

 

 

IS。正式名称『インフィニット・ストラトス』は女性しか扱えず

 

 

それによって男と女の格差は裏返った

 

 

世界がISを中心にしてから数年の時が流れた

 

 

しかし、そんな世界に突如としてある出来事が訪れていた

 

 

これはひょんなことからISを動かした二人の少年の物語である…

 

 

 

 

 

 

 

 

【アメリカ N国】

 

 

 

とある賑やかな笑い声が鳴り響くとある街並み

 

 

そしてここはとある喫茶店、そこの外側のパラソル付きのテーブルに座る少年が一人

 

 

「……ふぅ~。ここの紅茶はやっぱうまいな〜♪この紅茶も今日で飲めなくなるとは悲しいね〜」ズズズ

 

 

彼の名は『神童 士』あまり世界では知られてはいないが彼はこの世界で初ISを動かした男である

 

 

この事実を知るのはごく限られた者しか知らない

 

 

そして士が再び紅茶をすすっていると

 

 

 

ピピピピピピピピ

 

 

 

突然携帯が鳴り響く

 

 

 

「はい、もしもし~?」

 

 

『はっ、は~いつっくん。あなたの愛しい束さんだよ~♪』アセアセ

 

 

携帯から聞こえる陽気な声に思わず苦笑いをする

 

 

電話の相手はまさにこの世界を良くも悪くも狂わせた現況こと「篠ノ之 束」その人である

 

 

「はいはい。で、どうしたんだ束さん。もう出発の時間だったっけ?」

 

 

士は今、とある理由にて彼女と行動を共にしているのだった

 

 

そしていろいろな国に多少の滞在はするもある程度の期間を終えると他のアジトに移動しながら暮らすという生活を

 

 

かれこれ数年の間続けていた

 

 

『いや、そうじゃないんだけど大変、大変なんだよ〜!とにかく一度戻ってきて〜!』

 

 

なにやら慌てた様子で束が一方的に通話を切った

 

 

「いったいどうしたんだろ?まぁ、とりあえず行ってみればわかるか」

 

 

ブルン!ブロロロロロロロロロロ!!

 

 

そう言うと士は近くに止めていたバイクに跨り、ヘルメットを被りバイクのエンジンをかけ

 

 

 

 

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

 

 

 

 

 

束が待つ自分たちのアジトに向かって走っていくのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【篠ノ之束&神童士のアジト】

 

 

 

バイクで疾走する士はしばらくして人気のない場所まで来ていた

 

 

ここには束が待っている自分たちアジトに戻ってきた士はバイクを適当な場所に止めると

 

 

近くにある大きな岩に近づく

 

 

そして何かを探すかのようにあたりに手を当てていると

 

 

なにやら岩の一部が開き、中に番号入力式の装置が設置されていた

 

 

士は暗証番号を入力すると

 

 

グララララ!

 

 

突然、地面が揺れ出し、そして地面の一部が開いていき、中から階段が出現した

 

 

出現した階段を士は降りていき、それと同時にゲート状の地面が再び元の位置に戻っていった

 

 

最初は暗かった室内だがゲートが閉まるとともに明かりがともしはじめていき

 

 

士はそのまま階段を降りていった

 

 

階段を下り、たどり着いた場所はなにやら機械のコードやなにやらがごちゃごちゃしていて

 

 

実に汚いと言った場所だった

 

 

そんな場所に一台の機械仕掛けの椅子が置かれており

 

 

椅子の方からカタカタとキーボードを叩く音が聞こえる

 

 

士はその椅子の方に歩いていく

 

 

「束さん。今帰ったよ」

 

 

「あっ、つっくん。おかえり〜♪」

 

 

椅子に座りながらキーボードを叩く束に顔を見せると

 

 

束はキーボードを叩くのをやめて帰宅してきた士を歓迎する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず一息つこうということになり、束にコーヒーを入れてあげ、束は嬉しそうにコーヒーを飲む

 

 

「で、束さん。急に俺を呼び戻した訳はなんなんです?」

 

 

士は束に呼び戻した事情を尋ねる

 

 

「あっ、そうだったね。…つっくん。これを見てくれる?」

 

 

そう言うと束はとある機械を士の前に差し出すと起動ボタンを押す

 

 

 

ヴゥゥン!

 

 

 

するとある画像が表情される

 

 

そしてその内容とは

 

 

「世界で初のISを動かした男。『神童一夏』?……って、えぇぇぇぇぇーーー!!!!!????」アセアセ

 

 

「まぁ、驚くよね〜。なんたって自分以外の男が、しかも弟のいっくんがISを動かしちゃったわけだし」

 

 

皆が慌てていた原因がこれだと束はそう告げ、少々、皮肉じみたことをつぶやく

 

 

「まっ、まさか一夏のやつもISを動かすとは…」アタフタ

 

 

「言っちゃなんだけど、束さん的にはつっくんがIS動かしたことの方が意外だったな〜。いっくんの場合はちーちゃんの弟でもあるからその可能性は高かったし」

 

 

「だよね〜」

 

 

実は士と一夏、そして話しにもあった千冬とは実際の血のつながりはなく、義姉弟関係なのである

 

 

「でね。つっくんを呼び戻したのはいっくんのことを教えるだけじゃないんだ」

 

 

「どういうこと?」

 

 

士が尋ねると束がそれに答えた

 

 

「なにはともあれ、いっくんがISを動かしちゃったからつっくんを匿う必要性が半減したってことでさっきしゅんちゃんから連絡が来たの」

 

 

「えっ?母さんから?」

 

 

「うん。「直ちに日本に戻ってつっくんもいっくん同様IS学園に入学するように。学費等はこちらが出す」っていってたよ」

 

 

「いきなりすぎやしないかな~?しかもこっちの都合はおかまいなしk「ちなみに逆らったら仕置きのフルコースだって言ってたよ」Aye,ma'am!」アセアセ

 

 

少々めんどくさそうな顔をしながら呟く士だったが逆らえばおしおきと言われ、士は怯えたように立ち上がり敬礼とともに「命令を実行します、上官」の意味をこめたこの言葉をつぶやくのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして長らく度を続けてきた束との別れの時が来た

 

 

「はぁ…これでつっくんと束さんの楽しい逃亡生活も終わりか~束さん少しさみしいな~」ショボーン

 

 

「俺もだよ。束さんにはいろいろ世話になったしな」シュン

 

 

「それはお互いさまだよつっくん♪」

 

 

「そうかな」テレ

 

 

他愛ないやり取りもしばらくは見納めだと思うとさみしい気持ちになる士だったが

 

 

あまり留まると別れにくくなると思い

 

 

心を押し込め、荷物を束が作った人参型ジェット機に積み込んだ

 

 

「既にその自動ジェットに目的地の座標を組み込んでおいたからつっくんを安全に目的地に送ってくれるよ」

 

 

「…見送りありがとな束さん。学園に入学してからも定期的に連絡は入れるから」

 

 

「うん♪」

 

 

 

ウィィィィン……ガシャ

 

 

ギュイィィィィィィィィィン!!

 

 

 

『じゃあ~ね~つっく~ん♪』フリヒリ

 

 

モニター越しから束の手を振る姿を見て士は笑みを浮かべるのだった

 

 

 

 

ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!!

 

 

キラーン☆

 

 

 

ジェット機は勢いよく空へと舞い上がり、エンジン全開で空の向こうへと消え去っていくのだった

 

 

「頑張ってね。つっくん」ボソッ

 

 

束は少し不安気に、しかしそれとともに士なら大丈夫という想いを抱きながら空に舞う士の乗るジェット機を眺めていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか、こんな展開になるとはな……元気にしてるかな?一夏、それに千冬姉」

 

 

機内にて突然の事態に驚きの言葉を呟きながらも家族との再会に期待に胸膨らませる士だった

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1話 再会する姉弟

ここはIS学園、全国から集まったIS操縦者を育てる育成校である

 

 

その学園に今、彼はやってきた

 

 

「ここが…IS学園か」

 

 

そう、神童士である

 

 

士はこれから生活をしていく学園を眺めていた

 

 

「さて、行くとするか…どうせ一夏と同じクラスなんだろうな~」

 

 

なまじ男の数が2人しかいないのだ

 

 

当然といえば当然のこと

 

 

つまらないことを考えるより、一夏をびっくりさせたほうが面白いかなと思っていた時だった

 

 

「あの~?すみません。もしかして神童士くん…ですか?」

 

 

「えっ?」

 

 

突然声をかけられ振り向いた先には緑の髪にメガネをかけ、そしてやたら胸のデカい女性が自分に声をかけていた

 

 

「あっ、あの~?」

 

 

「あ、はいそうです…それであの、あなたは?」

 

 

「はい。私、このIS学園の教員で1年1組の副担任を務めている山田真耶です。よろしくお願いします」ペコリ

 

 

「これはこれはご丁寧に」ヘコヘコーカサス

 

 

士に声をかけていたのは1年1組の副担任の真耶だった

 

 

丁重な挨拶をする真耶に士も挨拶で返した

 

 

「ところで先生がどうしてここに?」

 

 

「それはもちろん神童くんを迎えに来たんですよ。神童くんは1組の生徒としてこの学園に通うということになってますので」

 

 

「あぁ、なるほど」

 

 

「はい。では教室に案内しますね」

 

 

真耶から事情を聞いて納得する士は

 

 

教室に連れてくと言う真耶について行くのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【1年1組 教室】

 

 

真耶について行くこと数分して目的地である1組の教室にたどり着いた

 

 

「こちらが1組の教室です。これからよろしくお願いしますね」

 

 

「はい、こちらこそ」

 

 

「さてと、士くんのことを紹介しなくては」

 

 

そう言って真耶が扉に手を掛けようとした時だった

 

 

『決闘ですわ!!』

 

 

『上等だ!やってやるよ!』

 

 

「「!?」」

 

 

すると突然、教室からものすごい怒鳴り声が聞こえた

 

 

「なっ、何かあったみたいです!ここで待っててくださいね!」アタフタ

 

 

そう言うと真耶は教室に入っていった

 

 

『いっ、いったいどうしたんですか!?』

 

 

真耶が入って尚も教室は騒がしかった

 

 

「(先生も戻ってこないし……とりあえず入ってみるか)」

 

 

待ちくたびれた士は独断で教室に入ることにした

 

 

 

バタン!!

 

 

 

『!?』ビクビクウガ

 

 

士がドアを開けた先には弟の一夏と金髪少女がもめ合っており

 

 

他の生徒達もいきなりの士の登場にびっくりした様子だった

 

 

 

 

 

 

 

 

士たちが到着する数分前

 

 

 

教室では数日後に行われるクラス対抗戦に出る代表を決める話しになっており

 

 

生徒達は一夏を推薦し、突然の事態に右往左往していると

 

 

それを聞いたセシリアが席から立ち上がり意義を唱えた

 

 

「実力差からいけば代表はエリートであるこのわたくしが務めるべきです!物珍しさからと軽々しく決められてはこまります!」

 

 

黒板側の方まで行きながら自分のほうが優れていると主張するセシリアだったが

 

 

それを聞いた一夏は頭にカチンときた

 

 

「おいおい、ちょっとまてよ。流石に言い過ぎなんじゃねぇか?」

 

 

一夏もまたセシリア同様、黒板側のほうに行きながらセシリアと対峙する

 

 

「あら、極東の猿風情がわたくしに異議申し立てするというのですの?」

 

 

「お前、俺だけじゃなくて日本のことまで馬鹿にしやがったな!…だったら言わせてもらうけど、そっちも紅茶ぐらいしかしか自慢できるモノないだろうが!」ビシッ

 

 

「あっ、あっ、あなたねえ!わたくしの祖国を侮辱しますの!?」

 

 

「先に侮辱したのはそっちだろうが!!」

 

 

ワンワンキャーキャーピーピーと言い争いを続ける一夏とセシリア

 

 

「神童くん。オルコットさん落ち着いてください」アタフタイガ

 

 

真耶も混ざり、なんとか止めようと奮闘するも、クラスの全員が呆れ返っていたとき

 

 

 

バタン!!

 

 

 

「「っ!?」」

 

 

『!?』

 

 

ちょうど士が教室に入ってきたのだった

 

 

「あれ?さっきまで騒がしかったのに急に静まりかえったな?」

 

 

士は自分の突然の登場に驚く生徒たちをよそにあたりをきょろきょろ見回す

 

 

そして士の目に何年ぶりに会う最愛の弟、一夏の姿が映る

 

 

「ふっ…」

 

 

ゆっくりと士は一夏の方に歩み寄る

 

 

「…はっ!?あっ、あなた誰ですの!いきなり入ってきて!?」

 

 

我に返ったセシリアが問いただす

 

 

「ごめんね金髪の素敵なお嬢さん。ちょっとそこを通してくれますか?」

 

 

「っ!?」

 

 

自分に突っかかろうとするセシリアを士は紳士的な態度で驚いている彼女の隙をついて回避した

 

 

そしてセシリアをやり過ごし、一夏の前に立つ

 

 

「あっ!?…お前誰だよ!急に入ってくるなんてびっくりするじゃねぇか!」

 

 

先ほどのセシリアと同じような発言をする一夏に対して士はかけていたサングラスをしまいながら語りかける

 

 

「俺だよ一夏」

 

 

「ん?」

 

 

士が静かに語りかけるも一夏はキョトンとした顔で首を傾げた

 

 

「なーにが「俺だよ」だ?だいたいなんで俺の名前を知ってんだよ?俺はお前なんて知らないぞ?」

 

 

「そうか?…ふっ、例えお前がそうであっても、少し合わなかったくらいで弟の顔がわからないわけないだろ?」

 

 

自分のことを知らないと主張する一夏に対して、士は尚も優しげに語りかける

 

 

「弟〜?…あのな、俺を弟って呼ぶのは千冬姉と、昔俺のせいで死んでしまった…しっ、死んだ…っ?」

 

 

士の問いにイラっとしたような言い方で答えようとする一夏だったが

 

 

改めて自分の目の前にいる男の顔をまじまじと見つめた

 

 

すると、徐々に男を見るたびに猛烈な懐かしさを感じ、それとともに過去の記憶が蘇る

 

 

自分と血のつながりはないが姉の千冬と共に家族として一緒に暮らしたい兄の存在のことを

 

 

終いには目元に涙が溜まり始めていく

 

 

「………!?(;◎◇◎)」エネル顔風

 

 

一夏はついに気づいた。彼の正体が誰なのか

 

 

「つか兄ィィィィィィ!!!???」トテトテトテトテザザァァゴチーン!

 

 

驚きのあまり、後ろにすっ飛んで行き、勢い余って後ろの壁に頭をぶつけた

 

 

「嘘だ!!……っ〜!」ナキナキンタロス

 

 

「昔、2人でカレーの材料買いに行った時に迷子になって探しに来た千冬姉に怒られたあと、仲良くカレー食ったな」

 

 

「あぁぁぁ………つか兄ィィィィィィ!!!!」

 

 

「うごっ!?」

 

 

「うわぁぁぁぁははははーー!!!」ナキナキンタロス

 

 

一夏は正体に気づくやいなや一目散に駆け寄り、士を抱きしめながら大泣きした

 

 

「なんだよいったいどこに行ってたんだよ!俺てっきり死んだんだと〜、うわぁぁあーん!?」

 

 

自分との再会を涙を流しながら喜んでいる一夏に嬉しい気持ちになる士はそのまま語りかける

 

 

「ありがとな一夏。…無事でいてくれて良かった」

 

 

「っ!?」

 

 

「あの時以来、お前が元気でいてくれてほしいと願わない日はなかった」

 

 

「でも、でもつか兄ィィ、あの時俺がもっと早く千冬姉を連れて来ればつか兄が攫われることはなかったんだぁ〜」

 

 

過去にあったある出来事により、自責の念に囚われていた一夏だったが

 

 

「気にするな。お前が無事でいてくれただけで俺は嬉しい、あの時、もしあぁなってなければ俺と千冬姉は大切な家族を失うとこだった」

 

 

「うぅぅぅ……うわぁぁ〜ははは〜!!」

 

 

「ありがとな一夏。生きててくれてありがとう」

 

 

嬉しさのあまり、泣きじゃくりながら床に倒れこむ一夏にお礼を述べる士だった

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで、お前、もう1人謝罪すべき相手がいるんじゃないのか?」

 

 

「」ビクッ

 

 

突然、背筋が凍りつくほどの寒いものが背中を走る

 

 

そして恐る恐る後ろを向くと…

 

 

「久しぶりだな。…バカ者が」

 

 

そこには彼と一夏の姉の千冬が立っていた

 

 

「えっ、えっとー……呂布?」

 

 

 

バシコォォォォォン!

 

 

 

「ブラスト!?」

 

 

出席簿の角で頭を叩かれた士はあまりの痛さに悶絶する

 

 

「関羽の次は呂布ときたか、全くお前らときたら…」

 

 

呆れ気味に千冬はつぶやく

 

 

「しかし、そんなことはどうでもいい…」

 

 

「ふぇ?」

 

 

「ちょっとこい、お前には聞きたいことも話したいこともいろいろあるのでな」

 

 

「えっ!?あっいやちょっと千冬姉!?待って待って!!説教だけは勘弁ンンンンン!!!」

 

 

 

必死に抜け出そうとするも力及ばす、士は教室から連れ去られるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この……大バカ者がァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

 

 

「ヒエェェェェェェェェェ〜〜!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、戻ってくるまでの間、千冬からものすごいほどの説教を受けたと言う……

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話 大和撫子な幼馴染

士は束との逃亡生活を終えて、家族である一夏たちの元に戻るため

 

 

一夏が入学したIS学園へと入学することとなり

 

 

学園ついた士はこれからいく自分のクラスの副担任を務める山田真耶と遭遇し

 

 

彼女の案内のもと、転入先である1年1組の教室にたどり着いた

 

 

しかし到着して早々、室内からとてつもなく騒がしい音が聞こえ

 

 

真耶が先んじて入っていったが、なかなか戻らないので

 

 

こちらから入ろうと思い立ち教室内に入る

 

 

すると自分の登場に驚きのあまり静まり返る生徒たち

 

 

そんな彼女たちをよそに士はやっと逃亡生活を始めた日からずっと再会することを願っていた一夏と再会する

 

 

最初こそ不信に思っていた一夏だったがそれが士だと知るや否や感動のあまり泣きじゃくった

 

 

しかし、嬉しい再会だけに終わらず、士は背後から漂うオーラに振り向き

 

 

自分の姉がここの担任であり、行方をくらませていた自分に対してすごいお怒りであることを知った

 

 

そして姉に連れて行かれ、強烈な説教を食らうのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説教を受けてから数分後~

 

 

 

「っと。言うわけで、急遽お前たちに転入生を紹介する…と言っても全員既に顔は見ているがな、といわけでさっさと自己紹介をしろ」ギロボライダー

 

 

「わ、わかったからそう怖い顔で睨まないでくれよ」アセアセンゴクドライバー

 

 

冷汗をたらしながらみんなのほうを向いて挨拶をかわす

 

 

「初めまして、俺の名は神童士。既にわかってると思うがそこにいる一夏とここにいる千冬姉の姉弟だ。急遽このクラスでみんなとISを学ぶことになった。みんな宜しくな、ちなみに趣味は音楽を聴くことと、好きなものはスイーツだ。以上!」

 

 

そう言うと士は自己紹介を終えた

 

 

『』シーン

 

 

「……あれ?」キョトン

 

 

しかし周りはまるで人形なのかと思うくらいなんの反応もなかった

 

 

それを見た士が目を丸くしながら小首をかしげる

 

 

「つ、つか兄!今すぐ耳を閉じたほうがいい!!」

 

 

「ふぇ?」

 

 

突然一夏が士にそう呼びかけながら急ぎ耳を閉じた

 

 

その刹那

 

 

「きっ…」

 

 

「き?」

 

 

「「「「「「「「きゃ~~~~~!!!!」」」」」」」」

 

 

「○△×□~~!?」キーン

 

 

静かだったはずだった教室は一気に黄色い声援に包まれ、それだけでもうガラスなどが割れてもおかしくないほどだった

 

 

そして耳を塞ぐのが間に合わなかった士はそれにより耳がキーンっとなり、

 

 

意識が遠のきそうになるほどの衝撃を体感した

 

 

「驚いたわ!まさか千冬さまと神童くんにもう1人姉弟がいたなんて!」

 

 

「この人も神童くんと同じくらいかっこいい~♪」

 

 

「すっ…すごいな…」アセアセイヴァー

 

 

「な~…」アキレモン

 

 

あまりのことに思わず苦笑いをしてしまう士と一夏だった

 

 

「ところで。まだわたくしとの話しは終わってませんわよ?」

 

 

そう言うと先ほど一夏ともめていた金髪少女ことイギリスの代表候補生「セシリア・オルコット」が再び士たちの前に顔を現す

 

 

「おや、さっきの金髪のお嬢さんじゃないか、何か用か?」

 

 

「用があるのはあなたではなく、あなたの弟さんにですわ。先ほどはこの方に邪魔されてしまいましたが、改めて言いますわ!神童一夏、あなたに決闘を申し込みます!」

 

 

「俺だって受けてたつぜ!」

 

 

「えっ?決闘ってなにが始まるの?」

 

 

来て想像、決闘と言う穏やかじゃない単語に士は小首を傾げる

 

 

「それは私が説明してやろう」

 

 

すると千冬が士に一夏とセシリアがいがみ合っている理由を説明する

 

 

「今、このクラスのだれが代表としてクラス対抗戦に出るのかを決めていてな。皆、神童弟を推薦したのだが。どうやらオルコットはそのことが不満のようでな」

 

 

「なるほどね」

 

 

士に説明を終えると千冬は一夏とセシリアの方に歩み寄る

 

 

「いつまでやっているつもりだバカ者ども?」

 

 

「ちっ、千冬姉!」

 

 

「しっ、神童先生!」

 

 

「いがみ合う元気があるのなら決闘の日まで取っておけ。お前たち二人のうち勝ったものをクラス代表とする。それでいいな?」

 

 

千冬が若干睨むように2人を見ると2人は体をビクつかせながらうなづいた

 

 

ということで数日後に一夏とセシリアのクラス代表をかけた決闘を行うことになった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時間は休み時間になった

 

 

 

 

 

士と一夏はおしゃべりしていた

 

 

「なんかいろいろ大変なことになったな一夏~?」

 

 

「あぁ…でも一度決めたからには負けるわけには行かねぇぜ!」

 

 

「それでこそ俺と千冬姉の弟だ。がんばれよ」カタトントン

 

 

「おう!」

 

 

士の励ましでセシリアとの戦い、絶対にかつと決意を固める一夏だった

 

 

 

 

 

 

 

 

「…士」

 

 

「えっ?」

 

 

その時、自分を呼ぶ声に振り向いた先には黒髪の綺麗な大和撫子という言葉がよく似合う女子が立っていた

 

 

「もしかして…箒か?」

 

 

「あぁ…まさか、本当にお前なのか?」アセアセイヴァー

 

 

箒は士が現れたことに驚きを隠せなかったようで、かなり動揺してるようだった

 

 

「…よ、よぅ。久しぶりだな箒」ポリポリ

 

 

士もまた箒の姿を見て驚きを隠せなかった

 

 

「……」プルプル

 

 

「箒?どうした?」

 

 

自分と再会した箒だったが、体をプルプルし始める

 

 

士は気になったのか箒の顔を覗こうとした

 

 

 

 

その時

 

 

 

 

ダキッ

 

 

 

 

「っ?」

 

 

「ファっ!?」

 

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

 

「……////」ギュ

 

 

いきなり箒が士を強く抱きしめた

 

 

さっきまで静まり返っていた周りから徐々に騒ぎ出していた

 

 

「えっ、…えぇっと〜……ほっ、箒?」

 

 

困惑しながらも自分を抱きしめている箒に尋ねる

 

 

「っ!?すっ、すまん私としたことがつい////!?」アタフタイガ

 

 

「い、いや。ちょっとびっくりしただけだから気にすんな…久しぶりだな箒」

 

 

「あぁ……あぁ…」ジワ

 

 

士は箒に優しく声をかけ、頭を撫でながら再会を喜ぶ

 

 

箒のほうは嬉しさとともに目元に涙が溜まっていた

 

 

こうして二人もまた再会の喜びに吹けていた

 

 

しかしこれによってクラスの子達からキャーキャーという声や自己紹介の時とは違う騒がしさが教室内に響き渡るのだった

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話 狂いし物語り、 セシリアの異変!?

箒との再会を終えた士は

 

 

真耶が渡した学園側が用意した『1024』室の鍵を手に部屋についた

 

 

その際に驚いたのは、なんと隣の『1025』室が一夏と箒のいる部屋だったのだ

 

 

そして何があってか、箒がクラス代表を決めるべくセシリアと戦うことになった一夏の特訓に付き合うことになり

 

 

剣道の修行を始めたわけだが、どうにも再会するまでの間にすっかり怠けていたようで

 

 

昔のようには行かず、てんでダメだった

 

 

それを目の当たりにした箒は怒りに燃え、「性根を叩き直す!」などと言いながらすごい剣幕で一夏をビシバシとしごく修行期間を過ごしていった

 

 

そしてとうとう、その日は来た

 

 

一夏とセシリアによるクラス代表選が

 

 

試合が行われる会場は二人の戦い、何より男でISを使う一夏の戦いを見ようと

 

 

集まった生徒達でいっぱいになっていた

 

 

そして一夏がスタンバっている待機部屋には士や箒が応援しに来ていたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~…」

 

 

「どうした一夏、ため息なんかついて?」

 

 

開始前からいきなりため息を吐く一夏に士が突っ込みを入れる

 

 

「いや、だってさ…ISのこと教えてくれるって話しのはずが、結局ISについてなんもわからないまま、剣道の練習するだけで当日になっちまったんだぜ?」ジー

 

 

「…ふん」プイプイブキ

 

 

「目をそらすな!」プンスカ

 

 

一夏が箒をジロっと見つめ、そっぽをむいた箒にムッとしながらそうぼやいた

 

 

「おいおい、箒を責めるなんてお門違いもいいとこだぞ?そもそもこうなったのはちゃんとISにつて勉強しなかったお前のせいなんだから、自業自得だ」ロンパ

 

 

「うっ…相変らず手厳しいことで」グサグサイガ

 

 

士の手痛い発言が一夏の心にささったのだった

 

 

「ありがとうな箒、こいつの修行をつけてくれて」

 

 

「た、大した事はない。久しぶりにあったというに弛んでいたあいつにお灸を据えてやっただけのことだ///

 

 

「たとえそうでも、面倒を見てくれたんだ。お礼くらい言わなきゃ失礼だよ」

 

 

「士…そ、そうか。ならば一応受け取ってやるとしよう///」エッヘン

 

 

箒は士からお礼を言われ、少々誇らしげそうな顔をした

 

 

 

 

 

 

「おい、神童弟」

 

 

「なんだ千冬姉?」

 

 

 

バァンッ!

 

 

 

「痛って!?」

 

 

「神童先生と呼べと言っているだろうが馬鹿者が。それより、到着したぞお前専用のISが」

 

 

「へっ、俺専用の?」

 

 

いわれるがままに千冬に先導され、ピット搬入口につくと

 

 

プシューという音と共に防壁扉がゆっくりと開いていき、その中には『白』がいた

 

 

「ほ~、これが一夏のISか」

 

 

「…こいつが俺の」ピタ

 

 

一夏は自分専用のISに目を奪われ、そっと手を触れてみるとなにかを感じ取ったようであった

 

 

「なんだかやれそうな気がしてきたぜ」

 

 

「そうか、それとそいつの名称だがそいつの名は『白式』だ」

 

 

「白式…こいつが俺のISの名前か」ジーン

 

 

千冬から名を聞いた一夏はさらに心を躍らせるのだった

 

 

「さて時間もない。早速装着してもらう」

 

 

「おう!」

 

 

そして千冬の支持のもと一夏は白式を装着する

 

 

『access…』

 

 

するとそれとともに白式の全ての回路が活動を開始する

 

 

「一夏、気分とか平気か?」

 

 

「あぁ、ばっちりだぜ!」

 

 

「そっか」

 

 

士が心配そうに声を掛けるも一夏は大丈夫と言わんばかりの笑みを見せ

 

 

それを見た士も安堵したようにつぶやいた

 

 

「神童、オルコットが既にピットインしたようだ。急げ」

 

 

「OK!」

 

 

千冬に支持され、一夏はピットゲートに進み、ガシャンという音とともにゲートが開いていった

 

 

「つか兄、千冬姉。それから箒」

 

 

「「「?」」」

 

 

「行ってくるぜ!」

 

 

3人のほうを振り返り、ただ一言、そう告げる

 

 

「…ふん」ニコ

 

 

「あぁ…いってこい」

 

 

「負けるなよ一夏」

 

 

千冬はニッコリと笑い、箒と士がエールを送り

 

 

そして一夏はアリーナに向かって飛び出していった

 

 

アリーナに出てきた一夏を待っていたのは

 

 

「…きましたか」

 

 

ISを装着したセシリアが一夏を見下ろしていた

 

 

「おう、勝負だ!」

 

 

そして一夏はそんなセシリアとの戦いに身を投じるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、士たちは二人の戦いをピットルームのモニターで観戦していた

 

 

『さあ、踊りなさい。わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲(ワルツ)で!』

 

 

『ぐっ!』

 

 

モニターごしからもわかるほど戦いの流れはセシリアが握っていた

 

 

そして一夏はそんなセシリアの攻撃を為すすべもなく喰らい続けていた

 

 

「何をしているんだ一夏のやつ、あれじゃ格好の的になるだけではないか!」グヌヌ

 

 

一夏がセシリアにいいようにやられているのを見た箒は苦虫を噛む思いだった

 

 

「落ち着け箒、勝負は始まったばかりだ」

 

 

「そ、それはそうだが」アセアセンゴクドライバー

 

 

「それに一夏とてこのままやられるなんてことさせるわけがないさ」

 

 

弟の強さを信じている

 

 

士の目にそう思わせるものを感じ、箒もそれ以上は言わなかった

 

 

すると先ほどまで防戦一方だった一夏が武器を手にセシリアに挑んでいく

 

 

少しずつだが、戦いの流れが変わり始めていった

 

 

そして一夏がセシリアの隙をついて突進しようとする

 

 

しかし、それをよんでいたセシリアが取っておいた隠し玉のミサイルで一夏を迎撃し

 

 

一夏は爆発とともに爆煙の中に消えていった

 

 

そして数秒たった時、爆煙の中から光り輝くものが

 

 

「千冬姉」

 

 

「あぁ、どうやら間に合ったようだな」

 

 

「っ?」

 

 

士と千冬は何かに気づいたようで、キョトンとする箒も再び画面に目をむける

 

 

すると爆煙が晴れていき、そこに現れたのは形状が変化したIS(白式)とそれを操る一夏だった

 

 

一次移行(ファースト・シフト)完了だな」

 

 

「あぁ」

 

 

二人は嬉しそうな顔で一夏を見守っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一次移行(ファースト・シフト)?…あなた今まで初期設定の状態で戦っていたというの!?」アセアセンゴクドライバー

 

 

「そうみたいだな。でもこれでようやく守ることができる。俺の大切な人たちを…っ!」ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン

 

 

「っ!?」

 

 

今までセシリアが優勢で戦いを勧めてこれたのはまだ白式が初期設定の機体だったから

 

 

しかし今、この戦闘を経て一次移行(ファースト・シフト)した白式の性能はそれをはるかに超えていた

 

 

「ぐっ、落ちなさい!」

 

 

 

ビュン!ビュン!

 

 

 

高速で移動する一夏を狙うも速すぎて攻撃が当たらなかった

 

 

「おりゃあぁぁ!!」

 

 

 

ドスッツ!

 

 

 

「きゃあぁぁぁぁ!!!」

 

 

翻弄され、身動きが取れない隙に一夏がセシリアに蹴りをかます

 

 

一夏は止めを刺すべく、装備している剣状の武器『雪片二型』を手にセシリアに突っ込んでいく

 

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

「っ!?」

 

 

「これで終わりだァァァァァァ!!!!」

 

 

この一撃で一夏の勝ち、誰もがそう思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!」ピキィィィィィィィン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ、なに!?」

 

 

やられていたはずのセシリアが突然、一夏の渾身の一撃を片手で受け止めた

 

 

「…」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

しかもなにやらうつむいているセシリアから先ほどとは何か違う雰囲気が漂う

 

 

「…(ニヤ)」ゴォォォォォォ!

 

 

「っ!?」

 

 

そして顔を上げるとともに不敵な笑みを浮かべるセシリアの全身から薄気味悪いオーラようなものが噴き出し、青く澄んでいた瞳が赤く不気味な光を放っていた

 

 

「」ブン!

 

 

「うっ、うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ヒュウゥゥゥゥゥン

 

 

 

ドスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

 

 

 

「ガハッ!?」

 

 

攻撃を受け止めたセシリアは急降下するとともにその勢いで一夏を壁に激突させる

 

 

さらにそのままでは収まらずセシリアは何度も何度も壁に一夏を叩きつけ

 

 

挙句の果てには観客席に張り巡らされたシールドにすら叩きつけた

 

 

当然、何度も叩きつけられた影響でシールドに亀裂が出来ていき、危険と感じた生徒達はその場から避難した

 

 

そしてあらかた叩きつけた一夏を最期は地面目掛けて投げつけた

 

 

「グッ…ぐぅぅ…」

 

 

「……」

 

 

 

ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!

 

 

 

「がっ…ガハッ!?」ドバッ

 

 

一夏が悶えてる隙にセシリアが向けて放ったビームが一夏の左胸を打ち抜いた

 

 

血を吹き、仰け反る一夏だったが

 

 

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

 

 

 

それに追い討ちをかけるようにセシリアがビームを連発

 

 

そしてそれらは一夏の手や足、脇などを貫いた

 

 

一夏はたくさんのビームを受けたダメージによって地面に落下した

 

 

【「……ふ、ふふふふ…キャハハハハハハハ!!」】

 

 

すると先ほどまで無言だったセシリアが急に発狂したように笑いだした

 

 

【「すごい、すごいですわ。なんだか急に体のそこから力が溢れてくる!なんて素晴らしいのかしら、キャハハハハハハハ!」】

 

 

セシリアは自分が突然パワーアップしたことに狂ったように喜びの声を上げる

 

 

【「まだ立ち上がる力を残していましたか。いかがかしら?所詮あなたごときがわたくしに勝つことなど不可能だったのですわ」】

 

 

「グッ…グゥウゥ…」

 

 

痛みに悶える一夏を見下すセシリアはそう告げる

 

 

【「さぁ、そろそろ終わりにして差し上げましょう。そして二度とわたくしに逆らえないようその体にたっぷりと恐怖を植え付けやりますわ」】バッ!

 

 

そう言うとセシリアは重傷を負った一夏に接近し止めを刺そうとする

 

 

 

 

 

だが、その時だった

 

 

 

 

 

『ATTACK RIDE・BLAST』

 

 

【「「っ!?」」】

 

 

突然、セシリアに向かって数発の光の弾丸が飛んできた

 

 

セシリアはそれを回避する

 

 

それとともに何者かが一夏をかばうようにセシリアの前に立ちはだかる

 

 

【「っ?」】

 

 

セシリアは自分の前に立ちはだかる者の姿をその目に移した

 

 

全身の殆どの箇所をマゼンタと黒で彩り、腰にはベルトを巻きつけたパワードスーツらしきものを装備した者が立っていたのだった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話 狂いし物語りを破壊(修正)する者

クラス代表を決めるべく、決闘をすることになった一夏

 

 

箒との剣道での修行の日々を終え

 

 

ついに当日となり、士たちに見守られながらセシリアとの戦いに望んだ

 

 

序盤こそ苦しめられた一夏であったが、一次移行(ファースト・シフト)に移行した百式を操り

 

 

徐々にセシリアを押して行った

 

 

そして一夏がセシリアに止めを刺そうとした時、異変は起きた

 

 

一夏の渾身の一撃を受け止め、そのすぐ後に彼女の体からは不気味な漆黒のようなオーラが吹き出していた

 

 

さらにそれによりセシリアの力は高まり、押していた一夏に圧倒的な力を振るいねじ伏せたのであった

 

 

そして重傷を負った一夏に引導を渡すべくセシリアが急接近する

 

 

しかしその時だった

 

 

セシリアに向かって数発の光の弾丸が飛んできた

 

 

慌ててセシリアが回避した隙に謎の人物が一夏を庇うかのようにセシリアを睨みつけているのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【「あなた何者ですの?…これはわたくしとそこにいるぶ男との決闘ですのよ?」】

 

 

「その割には…ちょっとやりすぎなんじゃねぇか?」

 

 

割り込まれたことにムッとしたセシリアは謎の人物に物申すも

 

 

向こうも引き下がる気は毛頭ないようだった

 

 

そんな時、一夏は謎の人物の声に聞き覚えがあった

 

 

「ま、まさか?つか兄…なのか?」

 

 

「おう、大丈夫か一夏?」

 

 

「あっ、あぁ…てか、なんだよそれ?ISなのか?」

 

 

「まぁ簡単にいえばこの姿の名はディケイド。その他は後にしとこうぜ。…まずは」

 

 

自分の姿に驚いている一夏をなだめた士はセシリアに目を向ける

 

 

【「なるほど、つまり弟が無様に負けるのを黙って見てられずにしゃしゃり出たと言ったとこですか?男同志の友情など暑苦しさこの上ないですわね」】

 

 

「口が過ぎるぞお嬢さん。あんまり人の悪口は言うもんじゃないぞ」

 

 

【「ふん。このわたくしに説教など笑止千万ですわ!今のわたくしに逆らえばどうなるのかあなたにも思い知らせてあげますわ!」】

 

 

そう言うとセシリアはその手にした巨大な特殊レーザーライフル「スターライトmkIII」を士めがけてビームを放つ

 

 

士は背後の一夏を守るべく左脇についているカードホルダー兼専用武器「ライドブッカー」でビームを打ち返していく

 

 

【「いかがですか?あなたにも踊っていただきますわ。このわたくしが奏でる円舞曲(ワルツ)を!」】

 

 

そう言いながらセシリアがライフルを連発する

 

 

「(きりが無いな…なら)」

 

 

『ATTACK RIDE・BARRIER』

 

 

士は「ディケイドライバー」にカードを挿入すると士の前にバリアーが展開され

 

 

セシリアの攻撃を防ぐ

 

 

「今のうちだ。立てるか一夏!?」

 

 

「な、なんとか…」グヌヌ

 

 

一夏は傷ついた体をゆっくりと起こした

 

 

「よし、なら今すぐに離れろバリアーも長くは持たない!」

 

 

「で、でもつか兄…!」

 

 

その時、バリアーの効果が切れ始め、透明になっていく

 

 

「もたもたしてんな!早くいけ!」

 

 

「っ!?…ぐっ!」

 

 

士の一喝で一夏は悔しさで唇を噛み締めながらもその場から離脱した

 

 

それを確認すると士もバリアーが完全に消える前に後ろに退避することで難を逃れた

 

 

【「ふん。守りを固めるだけで精一杯のようですわね」】

 

 

セシリアがそんな二人をあざ笑う

 

 

「はぁ…翔べないってのはやっぱりキツいね~」

 

 

士はこの状況をどうするべきかと悩んでいた

 

 

「つか兄!」

 

 

そこに一夏が駆けつける

 

 

「つか兄、俺も戦うぜ!」

 

 

「一夏」

 

 

「このままじゃ俺たちに勝ち目はない、だから!」

 

 

一夏は真剣な目で士に語る

 

 

「…ふ、わかったよ。そんじゃ頼むぜ」

 

 

「おう!!」

 

 

士は一夏の熱意を感じ取り、共闘することを承諾した

 

 

【「ふん。勝てないとわかって二人で挑むのですか?いいでしょう。まとめてかかってらっしゃいな!」】

 

 

セシリアは余裕の表情を浮かべていた

 

 

「一夏、俺が援護する迷わず突っ込め」

 

 

「わかったぜつか兄!」

 

 

「よし……いけ!」

 

 

「おう!!」

 

 

士の相図とともに一夏がセシリアに挑む

 

 

「やあぁぁぁぁ!!」

 

 

【「ふん。突っ込むことしかできないなんて滑稽ですわ!」】

 

 

小馬鹿にしながら一夏にむけてセシリアがビームを放った

 

 

「…こいディケイダー!!」

 

 

一夏とセシリアが戦っているその間に士は一枚のカードを自分の前方に翳す

 

 

するとカードが光を放ち、そこから1台のバイクが出てきた

 

 

それはディケイド同様、白・黒・マゼンタの色のディケイドの専用のバイク「マシンディケイダー」だった

 

 

そして士はマシンディケイダーに跨がるとドライバーにカードを挿入する

 

 

『ATTACK RIDE・SIDE BASSHAR』

 

 

するとディケイダーは形を変えてゆきスマートブレインが開発した可変型バリアブルビークル「SB-913 V サイドバッシャー」へと変身した

 

 

「ふっ、はぁぁ!!」

 

 

そしてハンドルを操作しながらセシリアにむけて4連装光子バルカン砲「フォトンバルカン」を放つ

 

 

【「っ!?」】

 

 

士の攻撃に気づいたセシリアはそれを避けるも

 

 

「やあぁぁぁぁ!!」

 

 

【「なっ!?」】

 

 

 

ガキィィィィィン!!

 

 

ジジジジジジジ!!!

 

 

 

その隙を突き一夏が雪片を振り下ろし、セシリアは間一髪スターライトを盾がわりにしてそれを防いだ

 

 

セシリアがこの状況を打破するべく一夏に蹴りを入れる

 

 

しかし、それによって出来た隙を士は逃さなかった

 

 

今度はサイドバッシャーのもう片方の手から6連式ミサイルを発射する

 

 

【「っ、ブルーティアーズ!!」】

 

 

セシリアはビットを放ち、ミサイルを迎撃するもブルーティアーズの数ではミサイルを全てを撃ち落とせず

 

 

内2つがセシリアに向かっていく

 

 

【「これ式のことで!!」】

 

 

慌てながらも残りのミサイルを残り2基のミサイルポットから発射し、それを相殺する

 

 

【「ふ、この程度でやられるほどあまくh「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」っ!?」】

 

 

ミサイル同士の爆発で発生した爆煙の中から一夏が飛び出してきた

 

 

「やあぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

ジャキン!ジャキィィィィィィィィィン!!

 

 

 

一夏の斬撃によりセシリアはブルーティアーズの羽根を切り裂いた

 

 

 

【「きゃあぁぁぁぁ!!!」】

 

 

 

それによりセシリアは地面に向かって落下する

 

 

【「グッ…ただでは、やられませんわ!!」】

 

 

 

ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

 

 

 

セシリアが悪あがきと言わんばかりにビームを撃つ

 

 

「なっ、ぐあぁぁぁぁ!!!」

 

 

「一夏!?」

 

 

ライフルのダメージを喰らい、ISが強制解除されてしまった一夏は真っ逆さまに落ちていく

 

 

「一夏ぁぁぁ!!!」

 

 

それを目にした士が叫ぶ

 

 

「任せろ!!」

 

 

「っ!?」

 

 

その時、士の真横を黒い大きな影が通り過ぎ、一夏を救出し、落下を阻止した

 

 

「大丈夫か一夏?」

 

 

「ほ、箒!お前が助けてくれたのか?」

 

 

「あぁ、まぁな」

 

 

一夏を助けたのは「打鉄」を纏った箒だった

 

 

それを見た士は内心ホッとしていた

 

 

【「グッ…侮っていました。まさかここまで追い詰められるとは…」】

 

 

「どうだ?俺の弟も結構やるだろう?」

 

 

【「ぐっ!?」】

 

 

なんとか受けみをとって着地するセシリアの前には士が声をかけた

 

 

【「許しません、許しませんわ!このわたくしにこれほどの屈辱を与えるなんて…インターセプターっ!!」】

 

 

セシリアは最後の武器であり、今まででも滅多に使わなかった接近戦用のショートブレードを手に士に襲いかかる

 

 

【「えぇぇい!!」】

 

 

「ふっ!」

 

 

ガキィィィィィン!

 

 

ライドブッカーとインターセプターがぶつかり合う

 

 

【「わたくしは、強い!誰よりも強いのです!!」】グヌヌ

 

 

「それはどうかな?…俺にはお前が力に溺れて慢心しているようにしか見えないぞ?」

 

 

【「黙りなさぁぁい!!!」】

 

 

セシリアはインターセプターをおおきく振りかぶって士に斬りかかった

 

 

「「つか兄(士)!?」」

 

 

一夏と箒が叫ぶ

 

 

「……………っ!!」

 

 

 

バシィィィン!!!

 

 

 

【「なっ!?」】

 

 

「力に溺れて慢心してるようなやつに…………俺は倒せないぜ」ニヤ

 

 

セシリアの渾身の抜刀を士は見事、弾き返した

 

 

【「あなた…何者ですの!?」】

 

 

「俺か?俺は………"通りすがりの仮面ライダー"だ。覚えておけ」キリッ

 

 

仰け反りながらもはなたれたセシリアの問いに士は静かに応えた

 

 

「決める……っ」

 

 

『FINAL ATTACK RIDE・de、de、de、DECADE』

 

 

バックルに今までのカードと色が違う黄色いカードを挿入すると

 

 

セシリアの前に15枚のホログラム状のカード型エネルギーが現れる

 

 

「はっ!」バッ

 

 

士は飛び上がると15枚のカードの中をくぐり抜ける

 

 

「はぁぁぁぁ……」

 

 

【「っ!?」】

 

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

【「ぐっ、きゃあぁぁぁぁ!!!!」】

 

 

ディケイドの必殺技「ディメンションキック」がセシリアに炸裂し

 

 

セシリアはその勢いでシールドエネルギーが0となり、ISが強制解除された

 

 

気を失うとセシリアから黒い靄はすぅ~っと消えていくのだった

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話 事件後の面会

クラス代表戦にて突如として狂気と化したセシリアは一夏をとことんというほどに痛めつけ

 

 

止めを刺そうとした時、セ彼女の撃ったビームを切り裂き一夏を庇うように前に立つ影が

 

 

その正体は見たことのないマゼンタカラーの全身装甲(フルスキン)のISに身を包んだ士だった

 

 

士と一夏の連携によってセシリアは倒れ、こうしてクラス代表戦時に起きたこの事件は幕を閉じたのだった

 

 

 

 

 

 

 

セシリアとの事件が終わったあと、士は今までの出来事を目撃していた千冬たちから質問攻めを受けていた

 

 

 

「さて、そろそろ説明してもらおうか士。あのISはなんなんだ?」

 

 

「そうだぞ。あんな全身装甲(フルスキン)のISは見たことがないぞ?」

 

 

「しかもなんかバイクとかの姿が変わってたよな?」

 

 

「見ていて驚きでしたよ」

 

 

各々がそれぞれの質問や感想を述べた

 

 

「落ち着け落ち着けって。ちゃんと説明してやるからさ」

 

 

そう言うと士は千冬たちの前にバックルとブッカーをだした

 

 

「これ、あのISに巻かれていた…っ?」

 

 

「こいつが俺のIS、名はディケイド…このバックルで変身し、このブッカーの中のカードを使って戦うんだ」

 

 

ブッカーからカードを取り出しみんなに見せた

 

 

「こんなカードでね~?」

 

 

「不思議なものだな?」

 

 

「ですね~?」

 

 

一夏と箒、そして真耶は士から渡されたカードを不思議そうな顔をしながら眺めていた

 

 

 

 

 

「千冬姉」

 

 

「なんだ士?」

 

 

「セシリアは?」

 

 

「あぁ、オルコットならお前にやられたあと医務室に送られた。…もっともあいつは今回、いろいろやらかした。そのため医務室に監視役を数名配置した。目覚めたとしてもそれ相応の処罰は覚悟してもらうことになるだろうな」

 

 

士の質問に千冬はセシリアの現在の状況を教えた

 

 

千冬の顔は若干怒りをみせていた

 

 

「千冬姉。頼みがある」

 

 

「頼みだと?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦︎♦︎♦︎♦︎セシリアのいる医務室

 

 

 

 

 

セシリアは現在、室内に1人、外の扉に2人の監視役がついていた

 

 

「うん…うぅ…ん?ここは?」

 

 

意識が戻り、ボヤける視界の中、セシリアが最初に見たのは室内に誰かが入ってきて室内の監視役と数秒の会話を交わし

 

 

監視役の人のかわりに自分の寝そべるベットの横に腰掛ける人物だった

 

 

「おや、目が覚めたんだなセシリア」

 

 

「あ、あなたは…神童士?」

 

 

部屋に入ってきたのは士だった

 

 

千冬からセシリアのいる病室を聞いて、話がしたいと頼み込み

 

 

数分の面会時間という短い時間を条件に一時監視役の人に席を外してもらったのだ

 

 

「どうしてあなたがここに?」

 

 

「なぁに、ちょっと様子を見に来たんだ。結構きついの喰らわせちまったからさ…身体は大丈夫か?」

 

 

心配そうな顔でセシリアに声をかける

 

 

それを見たセシリアは士の意外な反応に困惑する

 

 

「…わたくしはどうしてこんなところに?」

 

 

セシリアはどうしてここにいるのかを士に訪ねた

 

 

「覚えてないのか?」

 

 

「確か、あなたの弟さんと戦いの途中から記憶が飛び飛びになっているのですが……何があったんですの?」

 

 

「そのことなんだが」

 

 

士はセシリアにことの一部始終を語った

 

 

彼女が突然強さを増して一夏をかなりボコボコにするまで痛めつけ、さらにはその過程でアリーナに被害をおよぼしたこと

 

 

そしてそんな彼女を自分と一夏が倒したことなどを

 

 

洗いざらい話した

 

 

「そんな…わたくしがそのようなことを」

 

 

士から話しを聞いたセシリアは自分が仕出かしたことの恐ろしさに驚愕した

 

 

「なぁセシリア、そうなった時なにか感じなかったか?」

 

 

「なにかですか?……う~ん」

 

 

自分がどうしてそうなったかを士が訪ね、セシリアは記憶を辿った

 

 

「……ぼんやりとですが」

 

 

「っ?」

 

 

「あの時は体から力が湧いたのに興奮して我を忘れていましたが。今に思うと、なにか得体の知れない力に支配されていたような気がします……そのせいでわたくしは」

 

 

セシリアは自身の行いに罪悪感を感じたのかしょぼんとした顔をしていた

 

 

「そっか…まぁ、お前が正気に戻ったんならいいや」

 

 

「えっ?」

 

 

「さてと。俺はそろそろ帰るとするかな。一応大丈夫だとは思うがあんまり無理とかすんなよ」

 

 

椅子から立ち上がり、自分の体を気遣いながら部屋を去ろうとする士を見たセシリアは

 

 

「…どうしてわたくしにそのようなお言葉をかけるのですか?」

 

 

「えっ?」

 

 

出口前に差し掛かった士に声をかけた

 

 

「わたくしはあなたの弟さんに酷い暴言を吐き、侮辱をしましたのよ?なのにどうして?」

 

 

「……正直、怒ってないって言えば嘘になる。俺とて家族の侮辱をしたお前に怒りを抱いている」

 

 

「っ!」ビクッ

 

 

表情こそ変わらないものの

 

 

目は正直にモノを言うと言わんばかりに怒りがこもっていた

 

 

彼の心の内を知ってセシリアはぶるっと震えた

 

 

「でも、お前もまた俺たちのように苦難な道を歩いてきたと知ったら怒ってばっかもいられなくてな」

 

 

「…どう言う、事ですの?」

 

 

「お前のことは調べさせてもらった。オルコット家の娘として生まれ、両親や使用人たちと一緒に暮らしていたことや、その両親が他界したこと。親の遺産を狙う者たちから一生懸命頑張って自分の居場所を守りきったこととかな」

 

 

「っ…」

 

 

士の言っていたことは全てあっていた

 

 

自分は遺産を狙う者達から、遺産を守る為に来る日も来る日も必死で勉強をし

 

 

その一環として受けたIS適正試験でA+と高い成績で、国から提示された条件を承諾し

 

 

それにより遺産と家、そしてなにより大切な家族との思い出守ることができた

 

 

「お前のその努力には感服する。…だがなセシリア。一夏も形は違えど今まで幾度となく大変な日々を送り、必死に生きてきたんだ。とても日々をな…」

 

 

「っ…」

 

 

一夏のことを語る士はなんとも悲しそうな顔でつぶやいた

 

 

「あいつもあいつなりに日々頑張りながら毎日を過ごしてるんだ……だから、自分の知識だけで男はこうだって思うのは間違ってるよ」

 

 

「……」

 

 

「世界には俺たちがまだ知らないことや学ぶべきことがたくさんある。自分の知識が全てじゃない。相手と話したりぶつかってみたりすれば今まで見えなかったものも見えてくるんだ」

 

 

「自分の知識だけがすべてじゃない…」

 

 

士の言葉に思うところがあったのか、考え込む

 

 

どうすればいいのか?

 

 

どうしたらいいのかと

 

 

「…もし一人じゃ無理だってんなら」

 

 

そう言いながらセシリアを見ていた士は彼女の近くまで行くと彼女と目と目を合わせる

 

 

「俺が傍にいてやるよ。そんで一緒に見たり考えてやるから…だから、ちょっとでいいからさ、考えを改めてくれよ」ニコ

 

 

優しそうに笑みを浮かべながら士はセシリアにそう注げた

 

 

「…あなたは、何者なんですの?」

 

 

セシリアの問いに士は彼女の頭を撫でながら笑顔で囁いた

 

 

「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えとけ」

 

 

「っ…」

 

 

満遍の笑みと小さくサムズアップをしながら士はそう言った

 

 

 

コンコン!

 

 

 

「おっと、そろそろ時間みたいだな。じゃあ行くとするわ。早く戻って来いよ。待ってんからな♪」

 

 

「はっ……はいっ!」

 

 

セシリアとそのようなことを交わし終えた士は部屋を去って帰っていった

 

 

「……ふふ、不思議な方ですわね。神童…士さん」

 

 

ぼそっと彼の名をつぶやきながらセシリアはなにやら嬉しそうな笑みを浮かべるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話 偶然の再会

セシリアとの戦い後、士は千冬たちから質問責めにあっていた

 

 

自分のISについてあらかた教え終えた士は千冬にセシリアがどこにいるかを尋ね、1人セシリアのいる医務室へと向かった

 

 

面会の許可をもらい、士はセシリアと今回の出来事や彼女の身を気遣うかのような話しをした

 

 

そして面会時間が終了するに伴い、士はセシリアに早く元気になれよと言い残し医務室を後にした

 

 

 

 

 

 

 

それから一週間程度の時がたった

 

 

 

 

 

 

「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実戦してもらう」

 

 

授業の一環として飛行操作の訓練をすることになり、生徒たちは校庭に集まっていた

 

 

「まずは実際にやってもらう、神童弟、オルコット。お前たちからだ」

 

 

「えっ!?おれ!?」

 

 

「はい!」

 

 

自分が最初だということに一夏は驚きの顔を浮かべる

 

 

それとは逆にセシリアは素直に良い返事をした

 

 

あれから一週間たち、本人の謝罪などもあり、なんとか許しをもらい授業に復帰したのである

 

 

そして2人はISを展開する

 

 

「よし、飛べ!!」

 

 

 

 

 

一夏とセシリアが飛び立っていった

 

 

 

 

 

 

「ん〜、ぎこちないな一夏のやつ?」

 

 

「まったくだな」

 

 

「あっ、セシリアがフォローしてくれてる。やっぱり根はいいやつなんだなあいつも」

 

 

「ふん。どうだかな?」

 

 

一夏とセシリアの飛行操作を見て一夏の飛行技術がぎこちないことを呟く士と箒

 

 

そんな時、セシリアが一夏の近くに寄り添い飛行操作のコツを教えているような感じだった

 

 

士はセシリアが本当は優しい人だったことに満足気な顔をし、逆に箒は事件のせいかあまりセシリアにいい印象は持っていなかった

 

 

「神童弟、オルコット。次は急降下と完全停止をやってみせろ。目標は地表十センチだ」

 

 

千冬の指示のもと急降下と停止の指示を受け、先んじてセシリアがやってみせる

 

 

素早く急降下し、それでいて綺麗に完全停止をセシリアはやってのけた

 

 

「よし、見事だったぞオルコット、列に戻れ」

 

 

「はい。ありがとうございます…」

 

 

千冬にそう言われ、列に戻るセシリアはその足でチョコチョコと士の方へと歩み寄る

 

 

「あっ、あの…士さん」

 

 

「よぉ、セシリア。飛んでる時とかさっきの着地とか綺麗に出来てたな。それから一夏のやつに飛び方とか教えてくれてありがとう」

 

 

「…っ!いっいえ、大したことではありませんわ。それよりも…そうですか…ふふ。…綺麗でしたか、そう褒めてもらえて嬉しいですわ///」

 

 

もじもじするセシリアを士が褒めるとセシリアは頬を赤くして嬉しそうにニコニコしていた

 

 

「…」グィッ

 

 

「いてててて!?なっ、箒!?なんだよ?なんでつねるんだよ?」

 

 

「お前が鼻の下を伸ばしてるからだ」

 

 

「っ?」

 

 

なんでつねられたかも怒ってる理由もわからない士は不思議そうに小首をかしげる

 

 

そんなやり取りをしてるうちに次は一夏の番になった

 

 

「よし!うおォォォ!!!!」

 

 

一夏もセシリアと同じくらいの勢いで急降下する

 

 

「よし!そろそろって……あれ!?ととと、止まらない!?」

 

 

「あっ!?あのバカ!?」

 

 

異変に士が気づいてももう遅かった、飛行操作に慣れているセシリアならまだしも素人同然の一夏が成功するわけもなく

 

 

「うわぁぁぁぁぁー!?」

 

 

どんどんと猛スピードで一夏が士たちの元に向かって落下してくる

 

 

このままではみんなが危なかった

 

 

「たく、しょうがない!」

 

 

このままではまずいと士がバックルを腹に押し立てベルトを巻きつけ、ライドブッカーからガードを取り出す

 

 

 

「変身!」

 

 

 

『KAMEN RIDE・DECADE』

 

 

 

効果音が鳴り響くとともに士の周りに複数の影のようなものが現れ、それが士に重なる

 

 

そして色が灰色から鮮やかなマゼンタへと変わり、士は変身を完了させた

 

 

「(なるほど、あぁして変身するのか)」

 

 

千冬はディケイドの話しはきいていたが、実際にどのようにしてなるのかをこの場で理解した

 

 

そしてこの場の誰もがその光景に驚いていた

 

 

「ちょっと痛いだろうが我慢しろよ一夏!」

 

 

「はぁぁ!?それってどういう!?」

 

 

 

 

『ATTACK RIDE・BLAST』

 

 

 

 

「ふっ!!」

 

 

 

ババババババババババ!!

 

 

 

「ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

ドスゥゥゥゥゥン!!

 

 

 

 

「よし、OK」

 

 

「いやいやいや!?OKじゃねぇよ!何すんだよつか兄!?」

 

 

「仕方ないだろ、あの場合は他に方法がなかったんだ。だいたい、あぁでもしなかったらみんなが怪我してたんだぞ?」

 

 

「うっ、そっ、それは…」

 

 

落下してくる士を止めようにも時間がないので一夏をライドブッカーで撃つとともに吹き飛ばし生徒たちとの衝突を阻止したのである

 

 

そのことに突っ込みを入れる一夏だったが、あのままだったら大変なことになっていたであろうことを指摘され、何も言い返せなくなってしまった

 

 

「神童兄の言う通りだぞ。これを機にもっと鍛錬を積むことだ。いいな?」

 

 

「はっ、は〜い」

 

 

千冬にも叱られしよれた花のようになった一夏であった

 

 

 

 

 

授業がひと段落して時刻は夕方

 

 

「おっと、もうこんな時間か?みんな食堂で準備してるんだろうな」

 

 

あの後、士は千冬に呼ばれ、用事を済ませた頃にはこんな時間になっており

 

 

他のみんなは一夏がクラス代表になったことを祝うパーティーの準備の最中だったため、急ぎ食堂に向かっていた

 

 

「ん〜?あっれ〜?おっかしいわね?」

 

 

「っ?」

 

 

しかし、ふと士の目にあるものが止まった

 

 

地図を片手に困ったような声をあげる小柄な少女が立っていたからだ

 

 

「受付ってどこにあるのよ?だーもう!!ほんと無駄に広いわねこの学園!!」

 

 

苛立ちのせいか急に怒鳴り声をあげる少女を不便に思ったのか士は彼女に声をかけることにした

 

 

「あの~?なにかお困りかな?」

 

 

「えぇそうよ!受付の場所がわからないのよ?」

 

 

士が声をかけると少女は振り向いた

 

 

「ってあれ?鈴?鈴じゃんか、久しぶりだな〜♪」

 

 

「ってなんだ士か〜、びっくりさせないでよね」

 

 

「「あははは……………」」

 

 

平然と会話したかと思ったらお互いにまるで時が止まったかのように固まってしまった

 

 

「って、りんんんんんんん!?」

 

 

「つかさあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?何で!?ナンデアンタガ!?」

 

 

我に返った2人は驚きの声をあげる

 

 

「嘘…だって、一夏があんたはもう死んだって?」アセアセイヴァー

 

 

「い、いや。じつはいろいろあってな…ところでなんでお前がここに?」

 

 

「あたしはね。明日からこの学園に転入するのよ」

 

 

「ほへ~。そうなんだ」

 

 

鈴から説明を聞いて士は納得する

 

 

「ていうか生きてたんならなんで帰ってこなかったのよ!」

 

 

「っ!?」ビクビクウガ

 

 

いきなり怒鳴り散らしながら鈴が士に詰め寄ってきた

 

 

「あたしがどんな思いだったかあんたに分かる!?……一夏からあんたが死んだってきいて、あたし…あたし…」

 

 

士の胸に顔をうずめながら鈴は泣いていた

 

 

「…ごめんな。鈴」ナデナデンオウ

 

 

そんな彼女を優しく抱きしめ頭を撫でた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着いたか?」

 

 

「えぇ、もう大丈夫よ」

 

 

あのあと、数分もの間泣きじゃくった末に鈴は落ち着きを取り戻した

 

 

「で、さっきの話しなんだが、ここに転入するんだよな?」

 

 

「えぇそうよ…あっそうだここで会えたのならちょうどいいわ!ねぇ士、ここの場所分かる?」

 

鈴は士に紙を渡した

 

「…本校舎一階総合事務受付?なるほど、ここに行く予定だったのか」

 

 

「この学園広すぎてわかりづらいのよ」

 

「まぁ、確かに広いからなこの学園。いいぜ案内するよ」

 

 

「本当!サンキュー♪」

 

 

ようやく着けることに喜びを感じた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで受付所までついた二人

 

 

「そういえばさ、あんたって何組なわけ?一夏も同じクラスなんでしょ?」

 

 

「まぁな。俺ら同じ一組だよ」

 

「そう、一組ね」フムフム

 

 

なにか考え込む鈴に士は小首をかしげる

 

 

「あっ、わりぃ鈴。俺そろそろいくわ」

 

 

「えっ?なんで?」キョトン

 

 

士がなぜそう言うのか鈴は不思議そうな顔を浮かべる

 

 

「これから一夏のクラス代表昇任祝いのパーティーがあるんでな」

 

 

「えっ?一夏ってクラス代表なの?」

 

 

「あぁ、まぁな。あいつにとってもいい経験になるだろうしさ」

 

 

クラス代表となることで成長してくれるであろうと一夏に期待する士は嬉しそうな顔でそういった

 

 

「そっか…」

 

 

嬉しそうな士の顔を見て以前と変わってないことに鈴は安堵する

 

 

「てなわけだから、またな鈴。転入したらクラスに遊びにこいよ」

 

 

「わかったわ」

 

 

そう言いながら士はパーティーが行われる食堂に急いでいった

 

 

「…さてと、あたしも受付済まさないとね」

 

 

そして鈴も転入の手続きのため受付所に向かうのだった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話 鈴からの宣戦布告!

セシリアとの事件が終わり、士たちは復帰したセシリアとともに授業を行った

 

 

内容は飛行訓練であり、基本的に飛ぶことのできない士は不参加となり、一夏とセシリアが手本を見せることになった

 

 

2人はISを纏いて宙を飛び、その後の千冬の指示で急降下着陸のテストを行い

 

 

セシリアは見事成功、しかし肝心な一夏はそれを真似をすればできるであろうとたかをくくり、結果止まれなくなり

 

 

その先には士やクラスメイトたちがいた

 

 

この危機によりやむなく士はディケイドへと変身し、ブラストを放って一夏を撃ち落とすとともに落下位置をずらして危機を脱した

 

 

授業が終わった夕方、一夏のクラス代表昇任パーティのために食堂に向かっていた士はそこで思わぬ人と再会

 

 

士や一夏にとってももう1人の幼馴染の鈴とであった

 

 

久しぶりの再会に2人は喜んだが、互いにすべき事があったため、また学校で会おうと約束し、その場を後にしたのであった

 

 

 

 

 

 

 

「なぁつか兄、本当なのかよ鈴がここに転入したって?」

 

 

「あぁ、間違いないぜ」

 

 

「そっか…ちょうど一年ぶりだったかなか?」

 

 

「まぁ、そんなとこかな」

 

 

鈴とあった翌日のこと、士が鈴にあったことを一夏に教え

 

 

一夏も鈴がこの学園に転入したと聞いて驚いていた

 

 

「先ほどから士さんたちは何を盛り上がっているのでしょう?」

 

 

「なんでも昨日、久しぶりに知り合いと会ったらしい」

 

 

その様子を遠くから箒やセシリア、そして他のクラスメイトたちが噂していた

 

 

「あっそういえばさもうすぐ対抗戦だけどみんな知ってる?二組の代表変わったんだって?」

 

 

ふと、忘れてたことを思い出したかのようにクラスメイトの1人、相川 清香が昨日二組の代表が変わったことを箒たちに教えた

 

 

「変わった?」

 

 

「うん。昨日急に、なんでも中国から来た転入生の子がなったらしいよ?」

 

 

「ちょっと待ってください。昨日、転入生?…篠ノ之さん。あなた先ほど士さんが知り合いと再会したって言ったましたわよね?…もしやその方って?」

 

 

「っ!?」

 

 

セシリアの問いかけに箒のみが気づき、ハッとなる

 

 

そんな時だった

 

 

「頼もう!」

 

 

『っ?』

 

 

一組全員に聞こえるほど大きな声で叫ぶ女性の声、振り向いた先にはIS学園の制服に身を包んだ鈴がいた

 

 

「よっ、来たか鈴。制服姿なかなか様になってんじゃねぇか」

 

 

「ふふーん。当然でしょ♪」

 

 

制服が様になっていることを士が褒めると得意げな表情を浮かべて鈴はそういった

 

 

「おぉ!鈴、鈴じゃねえか!?」

 

 

「久しぶりね一夏。あんたも元気してた?」

 

 

「あったりまえだろ」

 

 

士と一夏と鈴は昔に戻ったかのように楽しくおしゃべりに興じていた

 

 

「ところで鈴。お前別のクラスなのか?」

 

 

「まっ、まぁね…なんだかんだあって二組のクラスに転入を」

 

 

「そっか…別々のクラスなのか」

 

 

「うん…」

 

 

さっきとはうって変わってどよ〜んとした空気になってしまう

 

 

「まっ、なっちゃったもんは仕方ないわよ。そんなことよりもあたしがここにきたのにはもう1つ訳があるのよ」

 

 

「「もう1つ?」」

 

 

「そっ、二組の代表として今日は一組に宣戦布告に来たってわけ!」

 

 

宣戦布告といい一組を指差す鈴

 

 

「何かっこつけてんだ鈴、似合わなねぇよw」

 

 

「言ってやるなよ一夏」

 

 

だが、そんな鈴の似合わない態度に一夏は笑いながらそう言い

 

 

士はそんな一夏に呆れた

 

 

「なんてこと言い出すのよあんたは!?」

 

 

鈴も一夏の物言いに怒鳴る

 

 

「おい、いつまでそこで突っ立てるつもりだ?」

 

 

「ふぇ?」

 

 

バシコーン!

 

 

すると突然、鈴の背後から声が聞こえ

 

 

鈴が振り向いた瞬間、叩かれてしまった

 

 

「痛った~い!なにすんの!?」

 

 

いきなりのことにカチンときた鈴が怒鳴るも、そこにいたのは

 

 

「げっ、ちっ、千冬さん!?」

 

 

そう、千冬だったのである

 

 

「神童先生だ。さっさと自分の教室に戻れ、邪魔だ」

 

 

「あっはい、すみません」

 

 

千冬姉が鈴にそう言うと教室に入った

 

 

「後でまた来るわよ」

 

 

「おう、了解~」

 

 

そう言うと鈴は士たちと別れ、二組に戻っていった

 

 

そしてその一部始終を目撃した箒とセシリアはむっするのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドン!

 

 

 

「士!」

 

 

「どったんよ箒にセシリアも?」

 

 

授業が終わるやいなや

 

 

士はいきなり、箒とセシリアに問い詰められていた

 

 

「どういうことかきっちり説明しろ!なんなんだあいつは!?」

 

 

「そうですわよ!随分と親しそうに見えましたけど!?」

 

 

「わかったわかったから。落ち着いて」アセアセイヴァー

 

 

二人の剣幕の凄さに士は冷汗を垂らす

 

 

「おいおい二人とも、あんまつか兄を責めんなよ?なんだかしらないけど鈴は俺たちの幼馴染なだけだよ」

 

 

「幼馴染?」

 

 

「あぁ、簡単にいえば箒がファースト幼馴染で、鈴がセカンド幼馴染ってことだ」

 

 

言い寄られれる士を助けるため一夏が鈴が自分と士とどういう関係なのかを説明する

 

 

「なになに?なんの話ししてんの?」

 

 

『っ?』

 

 

一夏が説明している中、授業終えた鈴が再び一組を訪れた

 

 

「おっ、鈴乙~」

 

 

「また来たわよ」

 

 

そう言いながら士たちの会話に混ざった

 

 

「しかしどういうことだ?士たちに別の幼馴染がいたなど私は知らんぞ?」

 

 

「そんなこと言ったらあたしだって」

 

 

「たしかちょうど入れ違えに転校してきたんだったな。小学5年のころに?」

 

 

「ってことになるわけね」フムフム

 

 

互いに自分たちを知らない理由が入れ違えになったことが原因であることに納得する二人だった

 

 

「ところでさ、士このあと暇?」

 

 

「えっ?」

 

 

「よかったらさ、まだあたし学園を把握しきれてないからさ。士に案内してほしいな~って」エヘヘ

 

 

「「っ!?」」ビックリポン

 

 

鈴が照れくさそうにそういうとそれを聞いた箒たちは危機感を感じた

 

 

「ん~、まぁべつにかまわn「悪いがそれは無理だ先約が入っているのでな!」ふぇ?」

 

 

士が鈴の頼みを聞き入れようとした時、そこに箒とセシリアが割り込む

 

 

「今日はこのあとわたくしたち全員で一夏さんの特訓に付き合うことになってるんですのよ!」えっ?ちょ、何それ聞いてない!?」

 

 

一夏も突然特訓するなどと言われて驚く

 

 

「でもそれならあんたたちだけでもいいんじゃ?」

 

 

「士も一夏には強くなって欲しいよな!?」

 

 

「えっ?…あぁ、まぁ」アセアセイヴァー

 

 

「だそうだ。強くするなら特訓が一番、全員で力を合わせて一夏を強化するぞ!」

 

 

妙に張り切る箒とセシリアに困惑する士たちだった

 

 

「だったらあたしも手伝ってあげよっか?」

 

 

「あなたは別クラスでしょ!?敵の施しは不要ですわ」

 

 

断固として譲らない二人だった

 

 

「しゃあない、鈴。悪いけど案内はまた今度でいいか?どうにもこのままじゃ収集がつきそうにないからさ」

 

 

「…しょうがないわね」ショボーン

 

 

少ししよれたような顔をする鈴がかわいそうに思えた士は鈴に語りかける

 

 

「すまないな。侘びに今度、なんか奢るからそれで許してくれよ」

 

 

「本当?」

 

 

「あぁ」

 

 

なにか奢るからと、鈴をなんとか説得する

 

 

「そういうことなら了解、その話し忘れないでよ?」ニヤ

 

 

「もちろん」

 

 

「それじゃあたしは行くわね。一夏。やるからには強くなんなさいよ!対抗戦での勝負期待しているわよ!」

 

 

そういうと鈴は教室を後にした

 

 

「…さて、じゃあ行くか?場所はアリーナでいいんだよな?」

 

 

「あぁ」

 

 

「構いませんわ」

 

 

鈴が帰ったあと、士たちは一夏の特訓をするためアリーナに行くことに

 

 

「あの?俺の意見は?」

 

 

「「「ある訳無いだろ(でしょ)?」」」

 

 

「そ、そんな…」ガクガクウガ

 

 

このあと、一夏が3人からビシバシと鍛えられ、終始ひどい目にあうことになるのは言うまでもないことであった

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8話 招かれざる来訪者

思わぬ形で士と一夏は小学5年ごろからの付き合いであったもう1人の幼馴染、鈴と再会した

 

 

再会とともに鈴は自身が隣の二組に入ったこと、さらには自分たちのいる一組に宣戦布告しにきたことをつけだ

 

 

そん中鈴が幼馴染と知るやいなや士に鈴との関係を問いただす箒とセシリアに苦笑いを浮かべた

 

 

そしてほぼ強引な形で鈴とのクラス対抗戦に向けて一夏は士、箒、セシリアのスパルタ教育を施され肉体、精神ともにボロボロの涙目になったのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地獄のような特訓を終えて、いよいよクラス対抗戦の日がやってきた

 

 

既に会場は試合を見るべく集まった生徒たちや学園関係者たちによって埋め尽くされていた

 

 

そんな中、士たちは試合に臨む一夏とともにアリーナの待機室で試合の対戦相手が誰になるのかと考えていた

 

 

「おっ。抽選が始まるみたいだな」

 

 

一夏のその声を聞いて全員が画面に目を向ける

 

 

モニター映像に映ったクラス代表たちの顔が描かれたカードがシャッフルされていき、そして対戦相手が選ばれた

 

 

「おいおい、まじかよ?」

 

 

「まぁ、こうなるだろうなとはよんでたけどな」

 

 

シャッフルの結果、選ばれた対戦相手は鈴だった

 

 

「こんなに早く鈴と当たるなんてな」

 

 

「そうだな」

 

 

「神童弟、そろそろ時間だ。凰の方は既にインしているそうだ。お前も早く準備しろ」

 

 

そんな2人の元に千冬が歩み寄り、鈴が既にアリーナに出ていると教えた

 

 

「さてと、じゃあいっちょ気合いいれてくかな!」

 

 

「やる気だな一夏」

 

 

「当たり前だろ。伊達につか兄たちに鍛えられてないっての」

 

 

「そっか」

 

 

元気そうな顔を浮かべる一夏に安堵するように士は微笑む

 

 

そして一夏が両足をカタパルトに固定する

 

 

「一夏、頑張るのだぞ!」

 

 

「頑張ってくださいね一夏さん!」

 

 

箒とセシリアもまた士とともに一夏にエールを送る

 

 

「おう!ありがとなみんな……じゃあ、言ってくるぜ!」

 

 

そう叫んだ瞬間、カタパルトが射出され、一夏はアリーナへとインする

 

 

「まさか一回戦からあんたと当るとはね」

 

 

「ああ、俺もびっくりだよ」

 

 

「でもまぁ、なったからには全力でやらせてもらうわよ。手加減無しで本気で行くからね!」

 

 

「おう、来やがれ!俺も全力で相手するぜ!」

 

 

鈴が自身の専用機の専用武器「双天牙月」を構え、一夏もまた「雪片二型」を手に構える

 

 

そして睨み合いを続ける中、タイミングよく試合開始のブザーが鳴り響き、一夏と鈴は互いにぶつかり合うのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、士たちはというと鈴のパワーに押され気味な一夏の様子をモニター越しから観戦していた

 

 

「一夏…」

 

 

「なにをしてらっしゃいますの一夏さん!?わたくしとの特訓の成果を見せるチャンスだというのに!」

 

 

「落ち着けセシリア」

 

 

一夏の防戦一方な姿にセシリアが声を荒げ、それを士がなだめる

 

 

「で、ですが士さん」

 

 

「鈴のやつだって伊達に中国代表じゃねぇ。一夏が苦戦するのももっともだ。ここはそれを踏まえて一夏がどう挑むのか、俺たちにしてやれるのはあいつを信じて見守ってやることだけだ」

 

 

士のその言葉に反応するかのように序盤こそ押されていたが、徐々に一夏も勢いを出してきたのか、いい勝負になってきた

 

 

「…ふっ、信じてるのだな一夏のやつを?」

 

 

「当たり前さ。なんだってあいつは俺たちの弟なんだからよ」

 

 

モニターに映る一夏を見ながら士は一夏の勝利を信じ、疑いと言ったような顔をしていた

 

 

そんな士の顔を見て箒とセシリアも笑みをこぼすのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合に身を投じている一夏たちは

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

 

「はぁ…はぁ…け、結構やるじゃない。あれだけ撃った「龍砲」をかわすなんて。士ってばどんな鍛え方したのよ?」

 

 

「はぁ…へへ。当たり前だろ。こちとらつか兄たちからビシバシと鍛えられたんだ。あんなんでやられたらつか兄たちに顔が立たねえよ!」

 

 

「言ってくれるわね〜?」

 

 

士と鈴は全力を尽くし、互いに息が上がってきていた

 

 

「…鈴!」

 

 

「何よ?」

 

 

ふと一夏が鈴に声をかけ、鈴は小首を傾げる

 

 

「お互いにいい加減、そろそろ決着つけようじゃねぇか?」

 

 

「ふーん。言うわね?でも残念ね。この勝負で勝つのはあたしよ!」

 

 

「いいや、俺だ!」

 

 

「だったらやってみなさい!」

 

 

決着をつけるべく一夏と鈴が全力で突っ込んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、その刹那

 

 

 

 

 

 

 

ドバアアアァァァァン!!!!

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

「なっなに!?」

 

 

 

突然アリーナ上空のシールドが破壊され、何かが落ちてきた

 

 

 

「いったい何が?」

 

 

「一夏、あそこに何かいるわ!?」

 

 

「なに?」

 

 

鈴が指差すと煙の中から歩いてくる巨大な影があった

 

 

そして煙の中から抜け出て現れたのは不気味な雰囲気を漂わせた謎のISだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ何!?何がおきましたの!?」

 

 

「なんなんだあの妙なISは!?」

 

 

「システム破損、どうやらアリーナの遮断システムを突き破ったようです!」

 

 

「…話は後だ。試合は中止だ!生徒達は直ちに退避しろ!」

 

 

セシリアと箒が驚きの声を上げ、真耶が状況を分析し、千冬はアリーナの生徒や関係者たちに避難を促した

 

 

突然の状況で慌ただしくなっている中

 

 

「……ゴーレムか」

 

 

士はなにやらボソッと呟いた。まるであのISのことを知っているかのように

 

 

「(一夏、鈴。気をつけろよ…)」

 

 

そしてゴーレムと相対している一夏と鈴の身を案ずるのだった

 

 

「神童先生!?」

 

 

「どうした山田くん?」

 

 

「敵IS、神童くんと凰さんに攻撃を開始しました!」

 

 

どうやら敵の方から攻撃を仕掛けてきたようであった

 

 

「神童弟、凰。聞こえるか?」

 

 

それを知った千冬が急ぎ通信機で一夏たちに語りかける

 

 

『はい』

 

 

『あぁ、聞こえるぜ千冬姉』

 

 

一夏たちも通信システムをオンにして千冬の通信を聞く

 

 

「緊急事態により、今から教員チームをそちらに派遣する。それまでの間なんとか持ちこたえろ、くれぐれも無茶はするな……山田くん。直ちに準備を」

 

 

千冬は通信を終えると真耶に教員チームを向かわせるよう指示をだす

 

 

真耶もまた指示をうけてすぐさまに教員たちに連絡を取った

 

 

そして教員たちの出撃準備が整った

 

 

「神童くん、凰さん、準備が整いました。直ちに離脱してください!すぐに先生達がISで制圧しに行きます」

 

 

『わかりました。応援に来るそうよ!!』

 

 

『わかった!』

 

 

指示をうけて一夏たちがその場から避難しようとした時だった

 

 

 

pppp

 

 

 

「っ!?こっ、これは!?」

 

 

「どういうことだ山田くん?もう教員たちが到着してもおかしくないはずだが!?」

 

 

「大変です。アリーナの遮断シールドが!」

 

 

 

《シールドLEVEL4》

 

 

 

「なっ!?遮断シールドがLEVEL4に設定!?」

 

 

「しかも扉が全部ロックされて……まさか、あのISの仕業かしら?」

 

 

「やられた……どうやらそのようだな。これでは非難することも救援に向かうこともできない……山田くん!直ちに学園の三年の精鋭たちを集めてシステム・クラックを」

 

 

「はい!」

 

 

真耶が再び連絡を回す

 

 

「っ…」

 

 

顔には出してないが千冬もまたなにもできないことに歯がゆさを感じていた

 

 

「っ!?神童先生!大変です!神童くんが!?」

 

 

「なに?」

 

 

モニターを見ると一夏と鈴がISと交戦していた

 

 

「お前たち!なにをしている!?」

 

 

指示を無視して勝手な行動をとっている一夏たちに千冬が通信機で話しかける

 

 

『わるい千冬姉。でも、増援が見込めない今、みんなを守れるのは俺たちだけだ。だからここは俺たちに任せてくれ、なんとか時間を稼いでみせる!』

 

 

「しかし「千冬姉、借りるぞ」士?」

 

 

通信の途中で士が千冬から通信機を借りた

 

 

「一夏、任せていいんだな?」

 

 

『あぁ、なんとかしてみせる。だから信じてくれ』

 

 

「……わかった。遮断シールドを解除し次第、俺たちも応援に行く」

 

 

『おう!』

 

 

士は一夏の言葉を信じて任せてみることにした

 

 

「鈴、聞こえるか?」

 

 

『なに?』

 

 

次に士は鈴の方へ通信する

 

 

「すまない、一夏のサポートを頼む。おそらく一夏だけじゃあいつを足止めしきれないだろう」

 

 

『…士、OK!任されたわ!』

 

 

「助かる。だが、お前も無理はするなよ?」

 

 

『平気よ。大船に乗った気でいなさいって』

 

 

鈴の強気な物言いに安心しながら士は通信を止めた

 

 

「士…」

 

 

「千冬姉、確かに一夏の言う通りだ。今あいつを足止めできるのはあいつらだけだ。そして俺たちが今すべきことは早く救援に行けるよう準備しておくことだ」

 

 

「……そうだな。ならばぐすぐずはしてられないな。…山田くん!」

 

 

「はい!」

 

 

士の意見を聞き入れ、すぐに救援に向かえるように準備を急がせる

 

 

「(俺たちが到着するまで負けるなよ一夏、鈴)」

 

 

モニターの画面に映る一夏と鈴を眺めながら内心そう呟く士だった

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9話 今の俺たちにできること

士たちからの特訓を受け、ついに一夏のクラス対抗戦が幕を開けた

 

 

抽選の結果、一夏の対戦相手はなんと鈴であった

 

 

そして試合が始まり、一夏と鈴は互いの全身全霊をもって挑んだ

 

 

一夏と鈴、両者ともに互角の勝負を繰り広げ、決着をつけようとした時

 

 

突如としてアリーナの外壁を突き破り、アリーナに進入してきたのは謎のISだった

 

 

この事態を目の当たりにし、千冬が生徒たちの避難、並びに標的の殲滅を教員たちに通達するも

 

 

謎のISのシステムのハッキングにより、遮断フィールドをLevel4に設定されたことで

 

 

教員たちによるISの排除はもちろんのこと避難しようとした生徒たちも閉じ込められる事態に陥られた

 

 

解除しようにも時間がかかる

 

 

それまでなにもできないのかと言う歯がゆさに皆が怒りを感じていると

 

 

一夏がシステム復旧まで時間を稼ぐと申し出る

 

 

その一夏の思いを受け取った士は一夏にISの足止めを任せて、自分たちは復旧に全力で取り掛かることになり、

 

 

士の期待に応えるべく一夏と、同じく一夏を守るよう頼まれた鈴がISに戦いを挑むのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おりゃあぁぁぁ!!!」

 

 

一夏が雪片でISに切り掛かるも

 

 

そのゴツく重量そうな見た目とは逆に一夏の攻撃をすんででかわすほどの素早さを見せつけた

 

 

そして太い大木のようなその剛腕を一夏に振り下ろそうとした瞬間

 

 

「そうはさせないわよ!」

 

 

一夏を援護すべく飛んできた鈴がISに向かって全力でタックルし、突然の攻撃に対処できずISは吹き飛ばされた

 

 

「ついでにこれもくらっときなさい!」

 

 

自身のタックルで怯んでいるISに連続で龍砲を連発する

 

 

空気弾がISに直撃するとともに凄まじい爆発を引き起こした

 

 

「どんなもんよ!」

 

 

「やったか!」

 

 

先の攻撃で仕留められたかと期待する

 

 

 

 

ドスン!ドスン!ドスン!

 

 

 

 

「「っ!?」」

 

 

しかしやはりあの装甲には効かなかったのかぴんぴんしていた

 

 

「くっ、なんて硬いやつ!?どうしよう一夏?」

 

 

攻撃が効かなかった相手に次なる手があるのかと不安気になりながら鈴は一夏に尋ねる

 

 

「相手がどんなに強くても関係ない!つか兄は俺たちを信じてこの場を任せたんだ。やるってからにはとことんやってやる!」

 

 

その問いに一夏はそう強く答えた

 

 

「…ふっ、言うじゃない一夏のくせに」

 

 

「一夏のくせには余計だ!」

 

 

「その調子、その調子。…でもそうは言ってもどうやってあいつを倒せばいいのかしら?」

 

 

「…っ!」キュピン

 

 

その時、一夏は何かを閃いた

 

 

「…鈴、頼みがある」

 

 

「なによ?」

 

 

「さっきのあの技をフルパワーで放ってくれ」

 

 

「えっ?な、何言ってんのよあんた?さっきのを見てなかったの!?あいつの装甲は並みの硬さじゃないのよ!?フルパワーでやってもダメージが通るかどうか?」

 

 

一夏の提案を聞いた鈴はその内容に驚き無茶だと言うが

 

 

「大丈夫だ。俺に考えがある」

 

 

「考え?」

 

 

「俺を信じろ」

 

 

「…わかったよ。あんたのその作戦に乗ってやるわ!」

 

 

秘策があるかのように訴える一夏の真剣な眼差しに鈴は一夏の作戦にかけることにした

 

 

「いいか、まず俺が注意をそらすからお前は発射の準備を!」

 

 

「OK!」

 

 

「よし、いくぞぉぉぉぉぉ!!」

 

 

作戦を確認し、一夏はISに向かっていく

 

 

ISは一夏を撃ち落とそうとビームを撃つ

 

 

「おりゃぁぁぁ!!」

 

 

攻撃を回避し、雪片で反撃

 

 

さらにそこからISとの攻防へと発展していく

 

 

「……よし!一夏!準備OKよ!!」

 

 

「いいぞ鈴!撃て!」

 

 

「了解!全力行くわよぉぉぉ!!」

 

 

 

ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

 

 

 

フルパワーの龍砲がISに向かっていく

 

 

しかし、その直線コースに一夏が飛んできた

 

 

「ちょ!?なにやってんのよ!?」ビックリ

 

 

突然の一夏の行動に鈴が驚く

 

 

「…これでいいのさ」フッ

 

 

「えっ?」

 

 

 

バァァン! ビリリリリ!!

 

 

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

鈴の龍砲が一夏に直撃した瞬間、一夏のシールドエネルギーが格段に跳ね上がり、雪片の刀身も伸びた

 

 

「すっ、すごい」ビックリ

 

 

「くらえぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

パワーアップした一夏がISに一直線に向かっていく

 

 

迎撃せんとビームを連発するも全て弾かれた

 

 

「やあぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

ザシュゥゥゥゥン!

 

 

 

そしてついに雪片の斬撃が強固なISの体に傷をつけた

 

 

体に電磁波が走り、怯むも

 

 

ISは最後の抵抗を試みようとする

 

 

「一夏!!」

 

 

「っ!」

 

 

 

ヒュゥゥン!! ガシッ!

 

 

 

「使って!!」

 

 

「サンキュー!おりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!」

 

 

 

ザシュザシュザシュザシュ! ザシュゥゥゥゥン!

 

 

 

鈴が投げた片方の双天牙月を手に、雪片との二刀流を駆使してISをメッタ斬りにする一夏

 

 

その攻撃により、抵抗虚しくISは一夏の前に崩れ去ったのだった

 

 

「…ふぅぅ~」

 

 

ISを倒したことにホッとした一夏はその場に尻餠をつく

 

 

「一夏!」

 

 

「鈴」

 

 

そこに鈴が急いで駆けつける

 

 

「作戦って聞いてどんなものかと思ってたけど、まったく無茶するんだから」プンスカイザ

 

 

鈴が作戦の内容がああいうものだったとしり、無茶をした一夏を叱る

 

 

「悪い悪い、でもあのISの装甲を破るにはああしたほうがいいかなってさ」

 

 

咄嗟に思いついた作戦故に鈴の叱りもごもっともだった

 

 

「本当、そういう自分の身を顧みないとこ士そっくりね」アキレモン

 

 

「えへへ、つか兄は俺の目標だからな」

 

 

「無茶ばっかりするのが目標なわけなの?」

 

 

「違うわい」

 

 

そういった他愛ないやり取りをしながら二人はケラケラと笑い合うのだった

 

 

「じゃあそろそろ戻りましょ。コイツを倒したこと報告しなきゃ」

 

 

「そうだな。今ごろみんなも解放されてるだろうしな」

 

 

そう言いながら士たちの元に戻ろうとした時だった

 

 

 

ガゴガゴ

 

 

 

「「っ!?」」

 

 

後ろから金属音が

 

 

そして振り返ったさきには

 

 

倒したはずのISがまるで何かに上から糸で釣られているかのように浮き上がる

 

 

「ど、どういうことよ!?機能は完全に停止したはずじゃなかったの!?」アセアセイヴァー

 

 

「いや、機能は停止してた間違いない!」

 

 

「じゃああれはどういうことなのよ?」

 

 

機能が停止したはずのISが再び動き出したことに驚きを隠せない2人だったが

 

 

事態はそれだけにとどまらなかった

 

 

『ッ!!!』ゴォォォォォォ!!

 

 

「「っ!?」」

 

 

さらにISは全身から薄気味悪いオーラようなものを噴き上がらせる

 

 

 

「な、なんなのよあれ?」

 

 

「…この感じ、あの時と似てる」

 

 

クラス代表決定戦の時、セシリアが突然狂暴化し、暴れた時の感じに似てると一夏は思った

 

 

そんなことを思っていた一夏だったが

 

 

ことはそんな余裕すら与えないのだということをすぐに思い知ることになった

 

 

ビュゥゥゥゥン!!!

 

 

「「っ!?」」

 

 

ISがものすごいスピードで突進して来たのだ

 

 

「っ!?」

 

 

「一夏!」

 

 

ISの狙いが一夏だと分かり、鈴が一夏を突き飛ばす

 

 

「きやぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

「鈴!?」

 

 

一夏をかばってISの鉄拳をまともに食らった鈴は地面に叩きつけられ、そのダメージによってISが強制解除された

 

 

「くそっ!よくも鈴を!うおぉぉぉ!!」

 

 

怒りのままにISに斬りかかる一夏だったが

 

 

ガキン!

 

 

「なっ、なに!?」

 

 

雪片のパワーが不足してるということを踏まえても先ほどとはまるで違うという感じにISの装甲は強固なものとなっており、雪片の斬撃を通さなかった

 

 

「ぐっ!?ぐぃぁぁぁ!!!」

 

 

隙ありと見たかISが一夏に強烈な一撃を食らわせ、さらに両手をハンマーのように叩きつけられ

 

 

一夏はすごい勢いで先ほどの鈴の二の舞を演じることになってしまった

 

 

「ぐぅ…くっ、くそぉ……っ!?」

 

 

なんとか立ち上がろうとする一夏が見たものは

 

 

今まさに自分たちにビームを撃とうと構えるISの姿だった

 

 

ビームのチャージ音が鳴り響き、一夏はここまでかと式を悟った

 

 

 

その時だった

 

 

 

ビュゥゥゥゥン!!

 

 

 

突然ISに向かってビームが飛んで来て上級反射でISはビームを止めて防御姿勢をとった

 

 

「なっ、なんだ?」

 

 

この事態に一夏たちが驚いていると

 

 

「一夏さん!凰さん!」

 

 

「「っ?」」

 

 

自分たちを呼ぶ声の方に目を向けるとそこにはブルーティアーズを展開してISを狙撃したセシリアとその横には士の姿があった

 

 

「「つか兄(士)!」」

 

 

「待たせたな2人とも、よく耐えてくれたな。…ここからは俺がやる」

 

 

ISを睨み据えながら士はそう呟くのだった

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第10話 狂いし機械人形に破壊と制裁を

謎のISの出現により大混乱となったクラス対抗戦

 

 

アリーナにいた一夏と鈴は生徒たちの避難と士たちが遮断シールドを解除するまでの時間稼ぎをかって出た

 

 

そして2人は互いに互いをカバーしあい、一夏の機転もあり、見事ISを撃破

 

 

勝利を喜び合った

 

 

しかしその刹那、倒され機能も停止していたはずのISが突如再起動する

 

 

さらにその時、一夏はセシリアとの戦いの時のことを思い出し、彼女が突然凶暴化した時に感じたものと同じものを感じた

 

 

不気味なオーラを湧き上がらせながらISが2人に襲いかかる

 

 

先の戦いでパワーが残っていない一夏たちはなすすべなく叩きのめされてしまった

 

 

もはやこれまでかと思われた時、2人のピンチに遮断シールドを解除し終え、駆けつけてきた士たちがいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一夏、鈴。…よく頑張ってくれたな」

 

 

「つか兄…」

 

 

「士」

 

 

士が2人に感謝の言葉を送る

 

 

「つか兄…でも俺…」

 

 

倒したと思っていて油断してこんな状態になってしまった自分の不甲斐なさが悔しいと言いたげな一夏を見た士は

 

 

すぐに一夏の思いに気づくとともに頭をポンポンと叩く

 

 

「…何も言うな。一夏、大丈夫。お前は良くやったさ」

 

 

「つか兄…」

 

 

「お前らのおかげで無事シールドが解除できてみんなを避難させられたよ。それだけでも十分やったさ、あまり自分を責めるな…あとことは俺に任せろ」

 

 

「…っ」

 

 

一夏に励ましの言葉を述べると士は正面をISに向けた

 

 

「セシリア」

 

 

「はい、お側に」フワフワ

 

 

士の呼びかけに答えるようにセシリアが駆けつける

 

 

「頼む、一夏たちを安全な場所に…得に鈴はひどい怪我のようだから」

 

 

「そ、そんな士、あたしはべつに…っ!」ガタガタック

 

 

「おっと!…ほら、無茶すんなって」

 

 

「うっ…うう…」

 

 

心配は不要だと言いたげに立ち上がる鈴だったがやはり先ほどのダメージのせいかすぐに倒れ込む

 

 

「てな感じだし、頼めるかセシリア?」

 

 

「はい!おまかせくださいませ!二人はわたくしが責任をもって安全な場所にお連れしますわ!」キリッ

 

 

「ありがとうセシリア。ほんとお前は頼りになるよ」ニコニコーカサス

 

 

「っ///!?」ドキドキングフォーム

 

 

自分を頼ってそう言ってくれた士がみせた笑みを見たセシリアは顔を赤らめた

 

 

「つ、つつつつ、士さんに褒めていただけるなんて…あぁ~今わたくし、とっても幸せ~♪」クネクネバー

 

 

「-リア?……おーいセシリア~?」

 

 

「っ!?」ハッ!

 

 

幸せに酔いしれていたセシリアは自分を呼ぶ声にハッと我に帰った

 

 

見るとそこには唖然とした表情で自分を見る一夏たちの姿が

 

 

「何かってに盛り上がってんのよあんた?」アキレモン

 

 

「っ///!!」ハズハズシュウダン

 

 

さっきからの自分の姿を見られたセシリアは顔をトマトのように真っ赤にするのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

向こうでコントまじりのことをしてる中、士は傷つけたISを鋭い視線で睨みつけていた

 

 

方やISの方もじっとその場で立たずんでいた

 

 

「おう、よくも派手にやってくれたな鉄くずやろう」ギロッ

 

 

【『…』】

 

 

士はそう言い放つもISの方は相変らず無言のままだった

 

 

「覚悟しろよ、今からお前を木っ端微塵にしてスクラップ工場行きにしてやるからな」スッ

 

 

その声は先ほど一夏たちに放っていた優しい口調ではなく、ドスの効いたような怖いと言う感じだった

 

 

そして士はディケイドライバーを身につけ、バックルを開くとともにライドブッカーからカードを取り出す

 

 

「変身!」

 

 

ISに向けてカードをかざすとともにそのままカードをバックルに挿入する

 

 

 

『KAMEN RIDE・DECADE』

 

 

 

効果音とともに全身が覆われるとともに士はディケイドに変身を完了させた

 

 

「さぁ、お前を破壊してやる…」

 

 

そう言うとソードモードにしたライドブッカーを手にとった

 

 

【『ッ!!』】ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

 

 

相手を排除すべきと考えたISは士に向かって突進してきた

 

 

 

バキィィィィン!! ザザァァ! ギギギギ!

 

 

 

「っ!!」グヌヌ

 

 

士は突き出されたISの拳をライドブッカーでガードする

 

 

その際、パワーで押され、地面を引きずった

 

 

「っ!!」

 

 

つばぜり合いの中、士はライドブッカーでISを払いのける

 

 

 

『ATTACK RIDE・BLAST』

 

 

 

「くらえ!!」

 

 

 

ババババババババババババババ!

 

 

 

後ろに下がった隙にバックルにブラストのカードを挿入し、トリガーを引いて弾丸を連発させる

 

 

 

【『…』】キンキンキンキキン!

 

 

「…っち」

 

 

弾丸は全弾命中こそしたものの思いのほか装甲が硬いせいか全て弾かれてしまった

 

 

「厄介だな…」

 

 

士は少々面倒な想いにかられた

 

 

「ならば、ここはひとまず」

 

 

何を思ったのか士はライドブッカーを脇に戻すとそこから一枚のカードを取り出す

 

 

それのカードには今の自分のディケイドの姿ではないクワガタのような姿をした戦士が描かれていた

 

 

「コイツで行ってみるか。…変身!」

 

 

 

『KAMEN RIDE・KUUGA』

 

 

 

カードを挿入した瞬間、新たなる効果音とともにディケイドの体が変化し、次の瞬間、士はディケイドから挿入した戦士の姿へと変わっていた

 

 

「「「っ!?」」」

 

 

これを見た一夏たちはその光景に驚きの顔を浮かべていた

 

 

【『ッ!!』】ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!

 

 

驚く一夏たちは対照的にそんなことは関係ないと言わんばかりにISが迫ってきた

 

 

しかし士は見切ったかのように攻撃をかわすとともに逆にカウンターを食らわせていく

 

 

それらの攻撃のせいでISの動きが鈍ってきていた

 

 

「すっ、すげぇ…」

 

 

「互角どころか一方的に押してる…っ」

 

 

それを見ていた一夏たちは驚くばかりであった

 

 

 

 

 

 

「よし、次はこいつでいくか」

 

 

『FORM RIDE・KUUGA・DRAGON』

 

 

ある程度ダメージを与えた士は新たなカードを取り出し、バックルに挿入し、クウガのスピード特化型形態『ドラゴンフォーム』へと姿を変えた

 

 

「いっ、色が…」

 

 

「変化しましたわ」

 

 

フォームチェンジをした士に唖然としていると

 

 

「…ちょうどいい、一夏!」

 

 

「っ?」

 

 

突然、士が一夏を呼ぶ

 

 

「な、なんだつか兄?」

 

 

「ちょっとそこに落ちてるパイプを貸してくれ」

 

 

「パイプ?」

 

 

一夏は士の言ってる意味がわからなかったが、ふと自分の近くにISが壊したアリーナの瓦礫に紛れて落ちているパイプがあったことに気づく

 

 

「これのことか?」

 

 

「そうだ。そいつを貸してくれ」

 

 

「こんなのがなんの役に?」

 

 

士がなぜこんなパイプを要求したのかわからない一夏だったが、士を信じる一夏は言われるがパイプを投げた

 

 

「サンキュー!」

 

 

そして士が一夏が投げたパイプを手に取った瞬間、なんの変哲も無いパイプが徐々に形を変え、その姿を六尺棒のような武器に変えた

 

 

「パイプを武器に変えた!?」

 

 

自分の渡したパイプが武器に変わったことに一夏は目を疑った

 

 

「おりゃ!うりゃ!せりゃ!!」

 

 

クウガ・ドラゴンフォームとなった士はその専用武器『ドラゴンロット』を巧みに使い、ISに連続で攻撃を食らわせていく

 

 

「まだまだいくぜ」

 

 

『FORM RIDE・KUUGA・TITAN』

 

 

さらに攻めるべく、ドラゴンフォームから攻撃、防御に特化した形態『タイタンフォーム』へとフォームチェンジした

 

 

「せぇい!」

 

 

専用武器『タイタンソード』を振るい、強力な斬撃でISを切っていく

 

 

「そりゃあ!」

 

 

次に繰り出した士の斬撃によってISは後方へと吹き飛ばされ、地面を転がっていった

 

 

ISは限界にまできている自分の体を立ち上がらせると、これ以上はさせまいと両手からバルカンを連射する

 

 

「決める」

 

 

そういうと士は必殺の一撃を放つべく、バックルにカードを挿入する

 

 

 

『FINAL ATTACK RIDE・ku,ku,ku,KUUGA』

 

 

 

必殺音が鳴り響くとともに士はゆっくりとISの方へと歩いていく

 

 

危険を感じたのかISはバルカンを放ち、士の接近を阻止しようとするも

 

 

タイタンフォームの生体鎧によって頑丈となった士の肉体はバルカンの攻撃などもろともせず歩いていく

 

 

そして攻撃範囲内に来た瞬間、バルカンでダメならとISがその豪腕で士を叩き潰そうと振り下ろそうとした瞬間

 

 

「おりゃあぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

ザシュゥゥゥゥン!!

 

 

 

 

 

 

振り下ろすよりも先に士がタイタンフォームの必殺技。『カラミティタイタン』を決めた

 

 

貫かれた部分から漏れ出した電気が発生し、それとともに体のあちこちが破裂していき次の瞬間

 

 

 

 

 

ドバァァァァァァァン!!

 

 

 

 

士を巻き込んでISは凄まじい勢いで爆発した

 

 

「つ、つか兄!?」

 

 

爆風が収まるとともに一夏たちが士の無事を願う

 

 

 

 

とこ…とこ…

 

 

 

 

すると爆煙の中から足音が聞こえ、煙を振り払って現れたのは変身を解除きて自分たちの方に歩み寄る士だった

 

 

「つか兄!」

 

 

一夏が呼びかけると士は笑みを浮かべながらサムズアップをした

 

 

「士!」

 

 

「士さん!」

 

 

士が無事だとわかるやいなや嬉しそうな顔で一夏たちは彼の元に駆けつけていくのだった

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第11話 フランスとドイツの転校生

倒したはずのISが黒いオーラを纏いながら活動を再開させ

 

 

体力、エネルギー等が消耗した一夏たちを追い詰めていった

 

 

その猛威にもはやここまでと死を悟ろうとした2人の元に

 

 

遅れて駆けつけた士たちが助けに来た

 

 

そして士はISと対峙に圧倒的な力の差を見せつけ、木っ端微塵にし

 

 

こうして士はISから一夏たちと生徒たちの命を守ることができたのであった

 

 

 

 

 

 

 

クラス対抗戦の謎のIS襲撃事件から数日がだった日のこと

 

 

「「ふぁぁ〜」」

 

 

「どうした?2人して大口あけてあくびなんぞして?」

 

 

「何かあったのですか?」

 

 

兄弟揃って大あくびをしている2人に箒とセシリアが問いただす

 

 

「いや〜、実はさ昨日レンタルDVD借りてて、つか兄と一緒に見てたんだけどどれもすんげぇ面白かったもんで」

 

 

「つい時間を忘れてたから寝不足でな…ふぁぁ〜」

 

 

「まぁ、お二人とも」くすくす

 

 

「まったく、夜ふかしは体に良くないぞ」

 

 

セシリアは可笑しそうに、箒は呆れた顔でそう呟いた

 

 

そんなやりとりをしている士たちをよそになにやら教室がなにやら騒がしかった

 

 

「なぁ一夏、今日って何かあったか?」

 

 

「俺に聞くのかよ?…俺にもさっぱりだよ」

 

 

士に話しをふられた一夏だったがもちろん知るよしもないのでお手上げだと言う仕草をとる

 

 

「2人は何か知ってるか?」

 

 

「いや、私もさっぱりだ」

 

 

「わたくしもですわ」

 

 

箒とセシリアもまた知らずにいるようであった

 

 

「あれれ〜?つっち〜たち知らないの〜?」

 

 

「「「うわっ!?」」」

 

 

と、その時、突然背後から話しかけられ振り向いた先にはクラスメイトの本音がいた

 

 

「のほほんさん!?」

 

 

「な、なんだのほほんさんかびっくりしたよ」

 

 

「えへへ〜、ごめんね♪」

 

 

一夏たちのツッコミにもおどけた感じで謝る本音だった

 

 

「で、本音ちゃんは何か知ってんの?」

 

 

「もちろん♪なんでもね今日は転校生が来るらしいよ〜」

 

 

「「「「転校生?」」」」

 

 

本音が言うにはこのクラスに転校生が来ると言う

 

 

「しかも、なんとなんと2人も来るんだよ〜」

 

 

「転校生が2人も?」

 

 

「うん♪」

 

 

転校生が来ると言うのも驚きなのに、さらに2人も来ると聞き、ますます驚きの顔を浮かべた

 

 

「のほほんさん。転校生ってどんな子だとかわかる?」

 

 

一夏が興味本意で本音に尋ねる

 

 

「うんとね〜、確か1人はドイツの代表候補生さんで〜、もう1人はフランスの代表候補生の人なんだって〜」

 

 

「へー、代表候補生が2人も」

 

 

ドイツとフランスの二国から代表候補生が揃って転校すると聞いてさらに興味を示す一夏

 

 

「なぁなぁ、つか兄も気になるよな?……あれ?」

 

 

そして一夏が士に声をかけると、なぜか士は難しい顔をしていた

 

 

「つか兄?…おーいつか兄!」

 

 

「っ!?…なっ、なんだよ一夏、急に声出すなよ!?」

 

 

「いや、つか兄がぼーっとしてたからだろ?」

 

 

「あっ、あぁそうか…それは悪かなったな」

 

 

一夏に詫びを入れる士だったが、やはり何か様子がおかしかった

 

 

「(フランスからの転校生…いや、考えすぎだな。あいつだって確証もないのにな)」

 

 

何やら1人、考え事をする士であった

 

 

「授業の時間だ。さっさと席に付け」

 

 

するとそこに千冬たちが入ってきて授業を始めると言い出し

 

 

それにより皆、席に座る

 

 

「はい、みなさん。これから授業を始めるわけですが、その前にみなさんにお知らせです」

 

 

そして次は真耶が口を開き、お知らせがあると言い出した

 

 

「もう何人かは知ってる方もいるでしょうが、今日はみなさんに転校生を2人、紹介します」

 

 

先ほど本音が言った通り、このクラスに転校生が来るようであった

 

 

「ではまずは1人ずつ入ってもらいましょう。ではどうぞ入ってください」

 

 

真耶がそう言うとドアが開き、中から1人の少女が入ってきた

 

 

「では、自己紹介をお願いします」

 

 

「……」

 

 

「あ、あら?」

 

 

入ってきたのは銀色の長髪で片目に眼帯をつけた少女だった

 

 

しかし、少女は無言のままだった

 

 

しかもその際に彼女はちらっと一夏の方を向いていた

 

 

この事態に真耶はどうすべきかおどおどしていた

 

 

「ボーデヴィッヒ、挨拶をしろ」

 

 

「はい教官…ドイツから来た。ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

 

千冬の言葉は素直に聞き、自己紹介をするも、すぐさままた無言になってしまう

 

 

「あ、あの〜?以上ですか?」

 

 

「以上だ」

 

 

キッパリと言い切ったラウラは自己紹介を終えるとなぜか目の前にいる一夏の方に歩みよった

 

 

一夏は彼女がなぜ自分の元に来たのかわからずにいた

 

 

「…貴様がっ!」

 

 

「っ!?」

 

 

するとラウラは一夏に何やら憎しみを抱いてるかような表情を向け、一夏に張り手をしようとした

 

 

 

その時

 

 

 

ガシッ

 

 

 

「……っ?」

 

 

「おいおい、あってそうそうに何しようとしてるんだい?」

 

 

「っ!?」

 

 

「つか兄」

 

 

しかし、張り手を繰り出す前にいつの間にか横にいた士に腕を掴まれていた

 

 

「握手にしてはちょっとオーバーだな。ドイツの握手ってのはこんな風に荒っぽいのか?」

 

 

「っ!?は、離せ!」

 

 

掴まれていた腕を強引に振り解きラウラは士を睨みすえる

 

 

「(この男、何者だ?私が気づかぬうちに間合いに入ってくるとは)」

 

 

いともたやすく間合いに入ってきた士をラウラが危険視する

 

 

「つ、つか兄」

 

 

「心配いらねぇよ一夏。この子、少し気が立ってるだけだからさ」

 

 

一夏が心配そうな顔をしていたため、士はそう言い聞かせる

 

 

「(つか兄?…確かさっきもあいつは奴のことを兄と言っていたな。どう言うことだ?教官の弟は神童一夏だけではないのか?……っ)」

 

 

士を見ていたラウラは自分が知りうる千冬の姉弟図に士の存在はなかったため、疑問を浮かべていたが

 

 

ふとラウラは昔のことを思い出した

 

 

以前千冬が士の存在をほのめかすようなことを言っていたことを

 

 

「教官、この男は何者なんですか?」

 

 

「ここでは教官ではなく神童先生と呼べ。…そいつは私の弟だ」

 

 

「っ!?」

 

 

千冬の口からそう聞いて、ラウラが抱いていた疑問は確信へと変わった

 

 

「……そうか、貴様が教官の言っていた」

 

 

確信を得た瞬間、ラウラは先ほど一夏に向けた時と同じように士を睨みすえる

 

 

「貴様、名は?」

 

 

「俺か?俺は神童士だ」

 

 

「ならば今ここで言わせてもらうぞ神童士!私は貴様と神童一夏を認めない!貴様らが教官の弟など、絶対に!」

 

 

ラウラは士を指差し、あからさまに敵意むき出しの表情を浮かべていた

 

 

「お前が認めようが認めなかろうが、俺と一夏が千冬姉が姉弟であることに変わりはない、そうやって育ったんだからな」

 

 

「だっ、黙れ!!」

 

 

士はあくまで穏便に済まそうとそう語りかけるも、ラウラはなおも噛み付いてくるように怒鳴りちらす

 

 

「そこまでだ」

 

 

そんな2人の間に千冬が割って入り、2人を止めた

 

 

「まったく、自己紹介早々に面倒ごとを起こすな。もう1人も控えてるんだ。そこまでにしておけボーデヴィッヒ」

 

 

「はっ、はい…」

 

 

ラウラは千冬の指示に渋々了承し、真耶の隣の方まで戻っていった

 

 

「神童兄、お前も席に戻れ」

 

 

「へーい」

 

 

千冬に言われた通り士もまた自分の席に戻っていった

 

 

「えっ、えーっと、なんかいろいろありましたが、気を取直してもう1人の転校生さんに来てもらいましょう。」

 

 

「(あのラウラって子がドイツの代表候補生ってことは次はフランスか……いや、考えすぎたって俺)」

 

 

自分の勘違いだと言い聞かせ、気を落ち着ける

 

 

「では入ってきてください」

 

 

真耶が呼びかけると

 

 

ドアが開き、もう1人の転校生が入ってきた

 

 

そして転校生は自己紹介を始める

 

 

「みなさんこんにちは。フランスから来たシャルル・デュノアです。これからよろしくお願いします」

 

 

もう1人の転校生であるシャルルは先ほどのラウラとは真逆に明るく自己紹介をする

 

 

しかし、そんなシャルルを他所に皆はぽかんとしていた

 

 

なぜかと言うと、その答えはシャルルにあった

 

 

「えっ?男?」

 

 

「はい、この学園に僕と同じ境遇の子がいると聞いて」

 

 

おもむろに尋ねる女子生徒にシャルルはそう答えると

 

 

「……きっ」

 

 

「きっ?」

 

 

「「「「「「「「「「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」」」」」」

 

 

「っ!?」

 

 

シャルルが男だと知るや否や、いつものごとく歓喜の声がクラス内に響き渡る

 

 

「まっ、マジかよ…俺たち以外にも男のIS乗りが居たんだな…すげぇなつか兄!」

 

 

騒ぐ女子達につぎ、一夏も男仲間が増えたと喜びにあふれていた

 

 

しかし士はと言うと

 

 

 

「………!?(◎◇◎;)」エネル顔風

 

 

 

途轍もなくびっくりしたと言う顔を浮かべながらその場に固まっていたのであった

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第12話 士とシャルルと一夏の黒歴史

波乱のクラス対抗戦を終えた士たちは日々の学園ライフに勤しんでいたが

 

 

そんなある日、クラスに2人の転校生が来るということで学園はそのことで大はしゃぎであった

 

 

授業の時間となり、千冬たちが2人の転校生を連れてきたが、まず最初に入ってきた銀髪の眼帯をつけたドイツの代表候補生ラウラ・ボーデヴィッヒは一目見るやいなや一夏に敵意を向け

 

 

叩こうとした手を士に止められ、さらに士が一夏と千冬の姉弟だと知ると士にも敵意を向けながら元の位置に戻った

 

 

そして次に現れたのは金色の髪をなびかせ、男性用の制服を着た美少年が現れ、丁寧に自己紹介をする

 

 

すると女子たちが3人目の男が来たということでクラスが歓喜の声に包まれた

 

 

一夏も自分たち以外の男が来たということで喜ぶ

 

 

しかし、それとは真逆に士の方は途轍もなく驚いたような顔をしているのであった

 

 

 

 

 

 

 

「男子!3人目の男子!」

 

 

「しかもうちのクラス!」

 

 

「美形!守ってあげたくなる系の!」

 

 

シャルルが挨拶をかわしたとともに教室内は壮絶としていた

 

 

「あははは…な、なんだか賑やかなクラスだね」ポリポリ

 

 

クラスのみんなの反応を見てシャルルは少し驚いたように頬をぽりぽりと軽くかいていた

 

 

しかし、シャルルは直ぐ様目を別の方に向けた

 

 

シャルルの目に映るものそれは士だった

 

 

自分が入るやいなやものすごい驚いていた

 

 

それを見たシャルルは少し申し訳なさそうな顔をしながら士に軽く手を振るのだった

 

 

「では、挨拶も済んだところで今日は二組と合同でIS実習を行ってもらう。各人着替えて第二グラウンドに集合。それから神童兄弟、デュノアの面倒を見てやれ、同じ男子同士だしな。では解散!!」

 

 

千冬の号令で皆、実習のための準備に取り掛かり始めた

 

 

ちなみにラウラに至っては終始こちらを睨みつけていた

 

 

「よぉ、名前はシャルルだったよな?俺は神童一夏。よろしくな」

 

 

「あっ、うん。よろしくね神童くん」

 

 

「一夏でいいよ」

 

 

「うん。わかったよろしくね一夏」

 

 

一夏とシャルルが挨拶をかわす

 

 

「おい一夏、挨拶もいいがさっさとしないと遅れるぞ」

 

 

「あっ、やっべぇ、そうだった!?」アセアセイヴァー

 

 

士に指摘され、一夏があわてふためく

 

 

「ともかく急ぐぞ。…ていうことで」ガシガシグルド

 

 

「っ!?」ビックリポン

 

 

「とりあえず一緒に行こうか、なぁ~、シャ・ル・ル・く~ん」ニッコリ

 

 

「あぁ~…うん」アセアセイヴァー

 

 

シャルルの手を握り、ニッコリ笑顔で語りかける士

 

 

しかしその目は明らかに笑ってはいなかった

 

 

「じゃあいくぞ!」ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!

 

 

「ふぇぇ~」ア~レ~

 

 

「えっ、ちょつか兄!?」ビックリポン

 

 

士は駆け出した瞬間、変身してもいないのにまるで555のアクセルフォームのような超スピードで教室を飛び出した

 

 

それに驚き、ひるんだ一夏も慌てて二人を追った

 

 

 

 

 

更衣室に向かって廊下を士とシャルル

 

 

そんな中、シャルルは士に握られた手を見て嬉しさと懐かしさを感じた

 

 

「あ、あの、士」

 

 

「シャル、少し待て。お前も言いたいことや聞きたいことはあるだろうけど、こっからちょっと厄介なことになるからよ」

 

 

「えっ?どういうこと?」

 

 

士の言っていることがわからないシャルはキョトンとしていたが、すぐにその答えを知る事になる

 

 

「噂の転校生発見!!」

 

 

「しかも神童君兄も一緒よ!!」

 

 

「ほら、おいでなすった!」

 

 

「えっ、なに?」

 

 

更衣室に急ぐ二人の行く手を多数の女子たちが取り囲む

 

 

「神童君の紺色の茶髪もいいけど金髪もいい!」

 

 

「見てみて二人が手つないでる~♪」

 

 

「「「「「「きゃあぁ~♪」」」」」」

 

 

「あ~もう、面倒くさ」アキレモン

 

 

自分たちが手をつないでいることに黄色い歓声をあげる女子たちを新底面倒と感じる士だったが、同時にチャンスとも捉えていた

 

 

なぜならそこには新聞部の副部長である黛 薫子がいたのだから

 

 

すかさず士が薫子に近づいて耳打ちをする

 

 

「どうも黛さん、この前の件はお世話になりましたね~」ジド目

 

 

「あはははは…でもこちらとしてもいいもの取らせてもらって大助かりよ」アセアセイヴァー

 

 

一夏のクラス代表就任祝いの時に何かしらあったらしく、そのことを突きつけられて苦笑いする薫子だった

 

 

「ところで~、今俺らちょ~っと急いでるんだよね~。このままじゃ千冬姉にお然りを受けちゃうからさ、通してくんな~い」

 

 

「えぇ…でも、せっかくのスクープを見逃す訳には」

 

 

新聞部としてはそこに特種があるのに見逃すのはという顔をしていた

 

 

「心配いらねぇよ。誰もただで通してくれなんて言わないよ~」ゴソゴソーサラー

 

 

そう言うと士は懐から一枚の写真を薫子に見せびらかす

 

 

その写真を見た瞬間、薫子の顔色が変わる

 

 

「し、神童くん!これって!?」アセアセイヴァー

 

 

「俺たちのこの状況よりは劣ってるかもだけど、それもそれなりにネタに出来ると思うぜ~」

 

 

「う、う~ん…確かに~」

 

 

士から手渡された写真を薫子がすごい顔でまじまじと見つめる

 

 

「まぁまぁ~、詳しいことは本人に聞いてみ~?どうせもうすぐ来るんだしさ~♪」

 

 

そして士が薫子に更なる誘惑を誘う

 

 

「じゃ、俺たちは先を急ぐからあとよろ~♪」ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン

 

 

「あっ、ちょ神童くん、まだ話しは!?」

 

 

「構わず振り切るぜ!」ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン

 

 

そう言い残して薫子たちの静止も効かず、シャルルを連れて更衣室に行ってしまった

 

 

「もう~」プンスカ

 

 

士たちに逃げられ、薫子も女子たちもしてやられたことにご立腹だった

 

 

「はぁ~はぁ~はぁ~はぁ~」ゼェゼェ

 

 

その時、背後から息切れして苦しそうな声が

 

 

見てみるとそこには一夏の姿が

 

 

「全く、つか兄ってばいつの間にあんなに足速くなったんだよまったくもう」ハァハァ

 

 

超スピードで飛び出した士たちを全力で追いかけてた一夏だったが追いつく訳もなくようやくここまで来といったところだった

 

 

「神童弟くん…ぐふふ」キュピーン

 

 

『ぐふふ』キュピーン

 

 

「うん?…な、なんだ?」アセアセ

 

 

一夏を目撃した瞬間、さっきまで不機嫌だった女子たちが目の色を変え

 

 

まるでカモが来と言わんばかりの顔を浮かべた

 

 

「者ども囲め~!」

 

 

『おー!』タタタタタ

 

 

「ちょ?な、なんなんだよ!?」

 

 

薫子の指示のもと女子たちが一斉に一夏を取り囲む

 

 

「ちょっと、俺、急いでんだけど!?」

 

 

急いで通してアピールを続ける一夏にゆっくりと薫子が近づく

 

 

「ねェ神童く~ん」ニッコリ

 

 

「な、なんですか?すいませんが急いでるんでようならまた今度にしてくれませんか?」

 

 

「大丈夫大丈夫。すぐ済むよ~、君が私の質問に答えてくれたらね~」

 

 

「し、質問?」

 

 

言っていることがわからない一夏に薫子が先ほど士に手渡された写真を見せつける

 

 

すると写真を見た瞬間、一夏の顔色が一気に悪くなった

 

 

「な、なんでその写真が!?」アセアセイヴァー

 

 

「私もびっくりしちゃったわ~、君にもこんな時期があったなんてね」ニヤニヤ

 

 

薫子が見せびらかした一夏が壮絶に慌てる写真

 

 

その時、一夏の脳裏にその光景が蘇る

 

 

 

 

 

『闇を照らす眩き光、人は俺のことをmr.ライトロードと呼ぶ! 闇に輝く銀河よ!復讐の鬼神に宿りて我がしもべとなれ! さぁ、懺悔の用意は出来ているか! 光よ俺に力をかせ! ここから出ていけぇぇぇ!!』

 

 

 

思い出せば思い出すほど記憶のそこから溢れ出る自分の黒歴史の数々に一夏が顔を青ざめる

 

 

 

 

「神童くんってばバリバリの中ニ病だったなんてね~」ニヤニヤ

 

 

「どどど、どうしてその写真が!?自分でも反省してすぐに捨てたはずなのに!?」

 

 

「さ~て、詳しく教えてくれるかしら~mr.ライトロードさ~ん♪」

 

 

「あぁ~…あぁ~」(((゜Д゜;)))

 

 

このあと、まるで警察の取り調べかのように問建てられたのは言うまでもない

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編
番外編 新年だよ!全員集合!


IS学園の食堂、現在ここは新年会の会場となっており、学園のみんなはそれぞれワイワイとはしゃいでいた

 

 

そしてもちろん彼らも

 

 

「ぷはぁ〜…まさか、新シリーズで新年を迎えることになるなんて思わなかったよ」

 

 

「だよな〜、しかも前作だと俺、いなかったしな」

 

 

「まぁ、前作の俺は千冬姉に拾われた設定になってて、千冬姉は一人っ子設定になってからな」

 

 

「うぅ〜、俺、出てこれてよかったよ〜」

 

 

新作で出てこれたことに感動の涙を流す一夏だった

 

 

「士、一夏」

 

 

「「っ?」」

 

 

自分たちを呼ぶ声がする方を見てみると

 

 

こちらの方へと近づいている箒たちがいた

 

 

「おー箒、セシリア。あけおめことよろ〜」

 

 

「今年もよろしくな2人とも」

 

 

「あぁ」

 

 

「こちらこそですわ♪」

 

 

新年初の挨拶を交わし、笑い合う士たち

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待ったぁぁぁぁぁ!!??」クワッ!

 

 

 

 

 

 

「「「「っ!?」」」」ビクビクウガ

 

 

 

しかし、突然の大声に士たちはびっくりした

 

 

その大声がした方に目を向けるとそこには

 

 

「鈴!シャル!ラウラ!簪!楯無さん!」

 

 

ISの残りのヒロインズがそこにいた

 

 

「おいおい、どうしたんだよお前ら?」

 

 

一夏が恐る恐る訪ねてみた

 

 

「どうしたの?じゃないわよ!何あたしたち抜きで楽しそうにしてんのよ!」

 

 

「そうだよ!僕たちだってISのメインキャラなのにぃ!」

 

 

「私を差し置いて嫁と新年を過ごそうだなどと、絶対に許さんぞ!」

 

 

鈴たちが激おこプンプンな顔をして怒鳴りつけた

 

 

「そ、そんなこと言われても〜」アセアセイヴァー

 

 

「士く〜ん」

 

 

「た、楯無さん?」

 

 

「酷いじゃないの、私だって君と新年を祝いたかったのに勝手に進めるなんて…お姉さん、怒っちゃうわよ〜」プンスカプンスカル

 

 

いつの間にか後ろに回ってきた楯無がソファー越しから士に抱きつき、その際に楯無の大きくて柔らかい2つの膨らみが背中に当たる

 

 

「あっ、いやだから〜」オドオドリアン

 

 

「士~」

 

 

「かっ、簪?」

 

 

楯無のじゃれつきに困り果てているとそこには簪がいた

 

 

「ぐすっ…ずるいよ士~…わ、私も…士と一緒に祝いたかったのに」シクシクロカゲ

 

 

簪は今にも泣きそうな感じで目をうるうるさせていた

 

 

「あーもう!ちょい落ち着けやお前らぁぁぁぁぁ!!」クワッ!!

 

 

『!?』ビクビクウガ

 

 

士が怒鳴るとともにみんなが静まり返る

 

 

「だぁ…だぁ……まったく、好き勝手言いやがって、お前らの気持ちもわかるけどしょうがないだろうが!……みんなまだ"本編に登場してないんだから"!」

 

 

『ガーン!』ゼツボウダ~ゼツボウダ~

 

 

本編に出てない、その言葉を聞いた鈴たちは絶望して今にもファントムを生み出してしまいそうな勢いなくらい落ち込んだ

 

 

「皆さん。士さんのいう通りですわ〜、何せあなた方はまだ本編にでてませんし〜♪」ニコニコーカサス

 

 

「うむ。だからここは私たちに任せてお前らはあっちで楽しんでいたらどうだ〜?」

 

 

セシリアと箒が本編ですら出さないようなゲス顔で鈴たちを邪険に扱う

 

 

ちなみに箒が指差した場所には『本編未登場キャラ』と看板の書かれたスペースがあった

 

 

「くっそ〜!自分たちだけ先に出てるからっていい気になってムカつく〜!」ムカムカイザ

 

 

「なんのことです〜?無駄な抵抗はやめて早くあそこに行ってしまいなさいませ〜♪」

 

 

露骨に『未登場キャラ』スペースへと追いやろうとするセシリアに鈴たちはイライラを募らせ

 

 

それを見て士と一夏は苦笑いするのだった

 

 

 

 

 

 

 

「でもさ~、なんでまたこの作品をリニューアルしたんだろうな?」

 

 

「えっとたしか~?」

 

 

「それは俺が説明してやるよ」

 

 

「「えっ?」」キョトン

 

 

一夏の問いに士が答えようとした時、二人の背後から何者かの声が聞こえ、二人が振り向いた先にいたのは

 

 

「よっ♪」

 

 

「なんだよ~、誰かと思ったらつか兄か、驚かせんなよw」

 

 

「や~、わりぃわりぃw」

 

 

「あははははw……はっ?」

 

 

最初こそ軽い感じでそれこそ笑っていた一夏やそれを見ていた箒たちであったが、次第に顔から冷汗が垂れていき

 

 

『ホギャァァァァァァァァァァ!!!!!????』ビックリポン

 

 

「つか兄ぃぃぃぃぃぃ!!!!????」

 

 

「ドッペルゲンガー!!!????」

 

 

はっとなり気づいた瞬間、びっくり仰天というような顔を浮かべた一夏と箒

 

 

もちろんこれにはセシリアたちもびっくりしていた

 

 

「よ、旧俺」

 

 

「あけおめだな新俺」

 

 

「いやなに普通に会話してんのよあんたら!?」アセアセイヴァー

 

 

驚いている自分たちをよそに士同士で普通に会話していることに鈴が突っ込みをいれる

 

 

「つ、つか兄が二人…来るぞ遊馬!!」キリッ

 

 

「てぇ!?あんたもあんたで何言ってんのよ!?しかもなんか雰囲気が若干別のキャラになってるし!?」

 

 

一夏のセリフと豹変ぶりに再度突っ込みをいれる鈴だった

 

 

 

 

 

 

「おちついたかお前ら?」

 

 

「な、なんとかな」ゼェゼェ

 

 

あまりのことで混乱していた一夏たちだったがようやく落ち着いたようである

 

 

「で、旧俺、結局こうなったのってなにが理由だったんだ?」

 

 

「まぁ、俺の時『破壊者の力を手にし、ISの世界に転生しました 』から視聴者の皆さんからいろいろ「話しをなぞってるだけ」とか「オリジナリティが足りない」とか言われてて、作者も悩んだ末に考えついたのがこのリニューアル作品ってわけさ」

 

 

「そんなことが…でもさ、正直な気持ち、旧つか兄はこれで良かったのか?」

 

 

「確かに寂しい気持ちもあるけど、でも今の作品、視聴者のみなさんにも好評みたいだし、みんなが喜んでくれるなら俺的にはこういう感じでも良かった気もするから大丈夫さ」

 

 

一夏の問いに複雑な思いを浮かべるも、悔いはないという顔を浮かべて一夏にサムズアップをした

 

 

「ありがとな旧俺…でも安心してくれ、これからもお前の分まで視聴者のみんなを喜ばせる作品にさせてみせるから」

 

 

「…あぁ、頼んだぜ新俺!」スッ

 

 

「おう!」コン

 

 

互いに拳と拳を軽くぶつけた

 

 

その時

 

 

 

ピカァァァァァァン!

 

 

 

『!?』

 

 

突如()の身体が光りだすとともに徐々に身体が透けていく

 

 

さらには透けていくとともに光が()に吸収されていく

 

 

そして()が完全に消えた

 

 

「つか兄?」

 

 

沈黙を続ける士に一夏が恐る恐る尋ねると

 

 

「おう、なんだ一夏」ニコ

 

 

嬉しそうな顔を浮かべながら一夏に返事をした

 

 

「なんだったんだ今の?」

 

 

「どうもないさ、ただ俺は"託された"…ただそれだけさ」

 

 

士はそう言うと満遍な表情を浮かべていた

 

 

「よーし!みんな、なにはともあれ、今年一年。またよろしくな!」

 

 

「ふっ…」ニコ

 

 

「はい♪」ニコ

 

 

「えぇ!」キリッ

 

 

「こちらこそ」ニッコリ

 

 

「それ以外の異論は認めんぞ」ニコ

 

 

「お姉さんも同意しちゃうね~♪」ニッコリ

 

 

「うん」ニコ

 

 

今年もよろしくというその言葉に皆が返事を返した

 

 

「じゃあ閉めにもう一回視聴者のみんなに挨拶すっか!」

 

 

『おー!』

 

 

「ほら、一夏。なにぼーっとしてんだ?お前もこい♪」

 

 

「お、おう!」

 

 

 

 

 

みんな集合!

 

 

 

 

 

「てなわけでみなさん。今後共この作品『破壊者は愛する者たちを守るために戦う』を」

 

 

 

 

 

 

『是非ともよろしくお願いします!!!!!』

 

 

 

 

 

END

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編 コラボ! 士と朧、遭遇 前編

今回はSOUR様から自分のキャラとコラボしてほしいと言うコラボ企画を持ち込まれたため、急遽制作しました


SOUR様の考えたオリ主とオリライダーが出てきます


では本編をどうぞ


それはある日の出来事、本来ならば決して交わることのない異なる世界に生きる2人のライダーの物語りである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつもと変わらぬ朝、街には人々が賑わい、仕事や学校に行く人たち、そんな風景が広がっていた

 

 

 

 

 

だが、始まりはいつも突然に起こるものである

 

 

 

 

バキュウゥゥン! ボバァァァン!

 

 

 

 

 

『きゃあぁぁぁぁぁ!!!』

 

 

平和なひと時はあっという間に壊され、あたりに響くのは人々の凄惨な悲鳴や、崩れ落ちた建物、強烈な異臭が漂っていた

 

 

 

「っ!?」

 

 

「街が!?」

 

 

「な、なんだよこれ!?」

 

 

「…ひどいな」

 

 

そこに駆けつけたのは学園の休日を利用して士と一夏の友人である五反田弾の家に遊びに来ていたのである

 

 

変わり果てた街の姿を見て士と一夏、弾とその妹の蘭は唖然としていた

 

 

 

 

ドババババババン!

 

 

 

 

その刹那、彼らの近くの建物が雷光の直撃を受けて爆発した

 

 

「これは…っ」

 

「つか兄、あれ!」

 

 

一夏が指差す方を見ると、こちらに向かって歩み寄る四つの影があった

 

 

その姿を見た時、一夏と弾は目を疑い、蘭は恐怖で震え上がる

 

 

歩み寄ってくるのは装飾品を見に待とうオオカミのような姿をした怪人『ン・ガミオ・ゼダ』

 

 

ステンドグラスのカブトムシのような姿をした怪人『ビートルファンガイア』

 

 

刺々しい体に両腕に鋭き鋭利な鎌をつけたカマキリのような姿をした怪人『パラドキサアンデッド』

 

 

白く灰色い虎のような姿をした怪人『タイガーオルフェノク』がいた

 

 

「ばっ、化け物!?」ガクブル

 

 

蘭はあまりの怖さにたまらず声をあげる

 

 

「つか兄、あいつらはいったい何者なんだろう?」

 

 

「よくは知らんが、ともかくこれ以上被害を拡大せるわけには行かない。一夏、ここは俺たちであいつらを食い止めるぞ」

 

 

「わかった!…来い!白式!!」ピカァァァァァァン!

 

 

一夏はブレスレットを天にかざすとともに白式を展開した

 

 

「…弾」

 

 

「なんだ?」

 

 

「俺と一夏で時間を稼ぐ、その間にお前らは街の人たちを避難させてくれ」

 

 

「お、おう任せとけ!いくぞ蘭!」

 

 

街の人たちの避難の誘導を任された弾は早速行動に出た

 

 

「一夏さん!」

 

 

「蘭、どうした?」

 

 

「あの…無理はしないでくださいね」

 

 

どこか不安そうな顔を浮かべながら蘭は一夏の身を案じていた

 

 

「おう、心配すんな。俺とつか兄にかかればあんな奴ら屁でもないって!」

 

 

「…はい」

 

 

「おーい蘭!早く来いよ!」

 

 

「う、うっさいわね!今行くから!…では一夏さん、御武運を!」

 

 

そう言いのこすと蘭は先に進んでいる弾を追いかけていった

 

 

「…ふっ」クスリ

 

 

「ん?なんだよつか兄、何笑ってんだよ?」

 

 

唐突に笑みを浮かべる士に一夏が尋ねる

 

 

「いや、別に…お前も愛されてるなってな」

 

 

「っ?」

 

 

「さて、そろそろやるか…変身」

 

 

『KAMEN RIDE・DECADE』

 

 

バックルにカードを挿入し、ディケイドへと変身を果たす

 

 

「っしゃぁ!行くぜ!!」

 

 

「…ふっ!」

 

 

それぞれ、ライドブッカーと雪片を手に怪人たちに向かっていくのだった

 

 

 

 

 

 

「みんな!こっちだ!」

 

 

「慌てないで!落ち着いて行動して!」

 

 

士たちと別れた弾たちは早速街の人たちを避難させていた

 

 

逃げ惑う人たちを安全な場所に誘導すべく

 

 

「…ここらへんの住人はあらかた避難させられたな」

 

 

「…一夏さん、大丈夫かな?」

 

 

蘭は今も怪人たちと戦っているであろう一夏のことを思う

 

 

そんな時だった

 

 

 

♫~♪~

 

 

 

「「っ?」」

 

 

ふと二人の耳に聴こえてくるはハーモニカの音色

 

 

「どこから?」

 

 

「お兄、あそこ!」

 

 

蘭が指さした先にはハーモニカを吹き鳴らしながら士たちが戦っている方に向かおうとしている男がいた

 

 

「お、おいあんた、そっち行っちゃダメだって!」

 

 

慌てて弾が警告するも男は聞いてないのかそのまま進もうとする

 

 

「ちょ、ちょっとまって!」

 

 

尚も進んでいく彼の手を蘭が引き止めた

 

 

「あなた何考えてるんですか!向こうは今大変なことが起こってるんですよ!?」

 

 

「……ふっ、ご忠告どうもありがとうお嬢さん」

 

 

男は蘭の澄んだ瞳を見て笑みをこぼし、蘭の頭を撫でた

 

 

その際、蘭は彼の首元に奇妙な紋様があることに気づくと言葉を失った

 

 

「でも大丈夫だよ。自分の身は自分で守れるから、じゃあ」

 

 

そう言うと男は再びハーモニカを吹き鳴らし去っていってしまった

 

 

「なんなんだあいつ?」

 

 

「…さぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃

 

 

「ふっ、ぬぅ!!」

 

 

「くっ、うおぉぉぉ!!」

 

 

士と一夏は4体の怪人たちに苦戦を強いられていた

 

 

ディケイドである士はそれほど苦しいわけではないものの

 

 

ISを着てるというだけで所詮は生身である一夏には厳しい戦いだった

 

 

さらに士はあることに勘付いていた

 

 

「(こいつら、一見すれば俺たち二人を相手にしてるが…狙いが一夏ばかりに集中してる)」

 

 

自分にはあしらう程度で戦い、先に弱い者から潰すと言わんばかりに一夏を狙っていた

 

 

「ぐっ、ぐは!!」

 

 

一夏が後方へと吹き飛ばされた隙にパラドキサアンデッドが鎌を構え、タイガーオルフェノクが掌を前方に翳すとともに力を集中し、真空刃と光弾を放つ

 

 

「ぐあぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

二つの技の直撃を受けてISは解除され、一夏はその場に倒れた

 

 

「一夏…ぐぅぅぅ!!!」

 

 

それを見た士は激怒した

 

 

「邪魔だ!!」

 

 

向かってくる怪人たちをなぎ払い、士は一夏のもとに駆け寄る

 

 

「大丈夫か一夏!」

 

 

「つか兄、すまねぇ」

 

 

「しゃべるな、待ってろ今安全な場所に」

 

 

敵の攻撃で傷を負った一夏を早く連れて行こうとする士だったが

 

 

 

バキュウゥン!

 

 

バババババ!!

 

 

ビュゥゥゥゥゥン!!

 

 

ビリリリリリリリ!!

 

 

 

 

「「っ!?」」

 

 

 

 

ボバアァァァァン!!

 

 

 

 

「「うわあぁぁぁぁ!!!」」

 

 

4体の怪人の一斉放火を受けて士たちは吹き飛ばされる

 

 

「ぐあっ!!」

 

 

「がはっ…あぁ~!!」

 

 

二人が負ったダメージは相当なものだった

 

 

そんな二人の苦しむさまを見て怪人たちは不敵な笑い声を上げていた

 

 

最早これまでかと思われた時だった

 

 

 

♫~♪~

 

 

 

「な、なんだ?」

 

 

「…ハーモニカの音?」

 

 

周囲に音色が響く

 

 

ふと怪人たちが何かに気づいたように士たちから目をそらす

 

 

士たちもその方角を見てみるとそこには石段の最上段の上でハーモニカを吹き鳴らす男がいた

 

 

全員の目線が男に集中した時、男はハーモニカを吹くのをやめた

 

 

「…よぉ、随分と面倒なことになってるみたいだな。大丈夫か?」

 

 

男は士と一夏に声をかける

 

 

「お、お前は?」

 

 

「俺か?…まぁ、対したもんじゃねぇよ。俺はただの…『仮面ライダー』さ」

 

 

「っ!?」

 

 

「正直、面倒なことは嫌いだけど、さっきの子みたいな子が悲しむ顔をするのは見てて気持ちいいもんじゃないからよ…お前らにはここで消えてもらうぞ」

 

 

そう言うと男は変わった形の銃を手にし、もう片方にはディケイドが使うのと同じカードを手にしていた

 

 

男はそのカードを銃に挿入する

 

 

『KAMEN RIDE』

 

 

効果音が流れる中、男は前方に向けて銃を構える

 

 

「…変身」

 

 

呟くと同時にトリガーを引く

 

 

『CLIMB』

 

 

打ち出された光が3つの残像を作り、男の周囲を行きかい

 

 

重なるとともに男はディケイドに似た戦士「クライム」に変身した

 

 

それを見て怪人たちはクライムを排除すべく仕掛ける

 

 

「はあっ!」

 

 

それに合わせてクライムも銃弾を放つ

 

 

ビートルファンガイアとパラドキサアンデッドは銃弾を食らい吹き飛ばされるも、残ったタイガーオルフェノクとガミオ・ゼダが襲いかかる

 

 

「ふっはっ!」

 

 

しかし、クライムは冷静にかつ的確に攻撃をかわす

 

 

さらにジャンプして距離をとる

 

 

その際、ホルダーから二枚のカードを取り出した

 

 

クライムは手にしたカードを銃に挿入する

 

 

『KAMEN RIDE・DIAC』

 

 

『KAMEN RIDE・UROBOROS』

 

 

「はっ!!」

 

 

トリガーを引くと放たれた光から二人のライダーが現れた

 

 

その姿は方や大きなニ枚の翼が特徴のライダーで、もう一方は見た目は龍騎やリュウガに似てはいるがその色は白く染まっていた

 

 

「はっ!」

 

 

「ふっ!」

 

 

召喚された二人の戦士は武器を手に怪人たちに突進していく

 

 

「す、すげぇ…」

 

 

「あいつ…なにものだ?」

 

 

クライムの力を目にし、唖然としていた

 

 

「決めるか」

 

 

状況から今が好奇と言わんばかりにクライムは必殺の一撃を決めるべくカードを挿入する

 

 

『FINAL ATTACK RIDE・cl、cl、cl、CLIMB』

 

 

銃口を向け、今まさにその一撃をはなたんとする

 

 

「はぁっ!!」

 

 

トリガーを引くとともに高エネルギーの光弾が放たれた

 

 

 

アオォォォォォ!!ボワァァァァ!!

 

 

 

しかし直後、ガミオ・ゼダが黒い霧を作りだし、怪人たちの姿が見えなくなる

 

 

 

ボバアァァァァン!!

 

 

 

爆発の衝撃が当たりに響く

 

 

「~~…や、やったか!?」

 

 

あたりに充満した煙が晴れて目線を戻すと怪人たちの姿はどこにもなかった

 

 

「っち、後一歩のところで逃げられたか」

 

 

「ま、まじか…」

 

 

敵には逃げられてしまったようである

 

 

「あんたら大丈夫か?」

 

 

「あぁ、この通りな。助けてくれてありがとよ」

 

 

「気にするな」

 

 

変身を解いて男が二人に近づき、士たちの身を気遣う

 

 

「にしてもあんた強いな。まるでつか兄みたいだぜ」

 

 

「そうか」

 

 

「俺は神童一夏、でこっちが兄貴のつか兄だ」

 

 

「よろしく」

 

 

一夏は自分と士の自己紹介をする

 

 

「ところであんたは?」

 

 

「俺か?俺は神崎 朧だ」

 

 

謎のライダー。クライムこと神崎 朧、果たして彼はなにものなのだろうか?

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編 コラボ! 士と朧、遭遇 後編


前回の続きです


前回のあらすじ

 

 

突如、平和だったはずの街を破壊し、縦横無尽に暴れ狂う怪人の集団が襲った

 

 

偶然にも居合わせた士と一夏は怪人たちを止めるべく戦いに望む

 

 

しかし怪人たちの猛攻の前に為すすべもなくやられてしまった

 

 

だが、そんな彼らの前に謎の男「神崎 朧」が現れた

 

 

朧は仮面ライダークライムへと変身し、怪人たちを後一歩まで追い詰めるも

 

 

必殺技が決まる直前、逃亡を許してしまい、倒すことが出来ずでその場は収まったのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にありがとな朧、お前のお陰だぜ」

 

 

「別に、対したことじゃねぇよ」

 

 

「しかし驚きましたよ。まさか士さんのようなISを持ってる人がいたなんて」

 

 

「あぁ、最初見た時、無防なやつだってひやひやしたもんだぜ」

 

 

あれから士たちは助けてくれた礼を兼ねて朧を弾と蘭の家に招き入れた

 

 

「なぁ朧、お前さこのあたりじゃ見ない顔だけどどこから来たんだ?」

 

 

「まぁ、簡単に言えばちょっと遠いとこからさ、それからずっと旅をしている」

 

 

「へぇ~、旅人なんですか」

 

 

「あぁ」

 

 

朧が旅人だと聞いて若干興味を抱く一同

 

 

「ところでさ、見た時からずっと気になってたんだけどよ。あんたの首元のそれ、なんかドラゴンみたいなの、それってタトゥーかなんかか?」

 

 

『っ!?』

 

 

「…気になるか?」

 

 

弾がみんなが触れずにいた話題をだしたことで弾と聞かれた本人以外は冷汗をたらし

 

 

朧のほうは首の紋様に手を当てる

 

 

「(ちょっとお兄!空気よみなさいよ!)」

 

 

「(で、でもよ、気になるじゃんか)」アセアセ

 

 

場の空気を凍らせた弾を蘭が咎める

 

 

「…別に対したことじゃない、気にしないでくれ」

 

 

そんな二人を朧がなだめる

 

 

そうは言うもののやはり空気が重かった

 

 

「あっ、やべっ」

 

 

「ん?お兄、どうしたの?」

 

 

「いやそれがよ~、さっき士たちにだしたから茶菓子がきれちまってたw」

 

 

脚である朧のために菓子でも出そうとしたが生憎茶菓子がきれていた

 

 

「も~、なにやってんのよお兄!」

 

 

「あははは」アセアセ

 

 

「しょうがないわね…一夏さん、士さん、神崎さん。あたしたちちょっと茶菓子を買いに行くんで待っててください、ほら行くよお兄」

 

 

「へいへ~い」

 

 

蘭と弾はみんなに出す菓子を買いに出かけたのだった

 

 

「っと、わりぃつか兄、朧。おれちょっとトイレいってくるわ」ワタワタ

 

 

モゾモゾとしながら一夏はトイレに直行するのだった

 

 

そしてその場には士と朧が残った

 

 

士は一夏たちがここを離れる前からじっと朧を見ていると

 

 

「気づいてるんだろ?俺が"異世界"から来たって」

 

 

「あぁ、なんとなくだがな」

 

 

あの戦いを見ていた士はそのことをうすうすとは言え感じていた

 

 

「一つ質問いいか?」

 

 

「なんだ?」

 

 

「俺もお前のその紋様が気になっててな。弾はタトゥーか何かと言っていたが、俺にはそうは見えない、さらに言えば…お前、ただの人間じゃないだろ?」

 

 

朧を見る士の目は真剣そのものだった

 

 

それを見ていた朧は一同くすりと笑い、すぐに顔色を変えた

 

 

「これはいわば呪いみたいなものさ、有無であり有無でもなく神であって神では無く人であり人でもなく中途半端な存在であり中途半端な存在では無く抑止力であり抑止力でも無く自分であり自分でも無く俺であり俺でも無い、つまりそれは―――だから…だよ」

 

 

「……そうか、ならもう俺から言うことはない」

 

 

二人は会話をし終えるとそのまま一夏が戻ってくるまで黙り込んでいるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数分後

 

 

 

 

 

 

 

「にしてもおせぇな弾たち、菓子買うくらいすぐに済むはずだろうがな~?」

 

 

買いだしに行ってから中々帰ってこない弾たちのことを話していると突如ガラガラと家の戸が開く音がした

 

 

「やっと戻ったか、おせぇぞだ…ん!?」

 

 

『っ!?』

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

 

入って来たものを見て士たちは驚いた。何故ならそれはボロボロの傷だらけの姿をした弾だったからだ

 

 

「弾!しっかりしろ、お前どうしたんだその怪我は!?」

 

 

「いっ、いちか!」

 

 

駆け寄って来た一夏に弾が涙目でしがみ付く

 

 

「た、助けてくれ、蘭が…」

 

 

「蘭?…そう言えば姿が見えないな?」

 

 

一緒にいたはずの蘭の姿がいないことに気づく

 

 

「何があった弾?」

 

 

「蘭が…蘭が拐われたんだ!」

 

 

『っ!?』

 

 

弾の言葉から衝撃発言を受けてその場の全員が驚く

 

 

「どう言うことだよ、説明しろよ」

 

 

「俺たちが買い物を終えて帰ろうとした時、突然奴らが現れて蘭をっ!」

 

 

「まさかそいつらってさっきの?」

 

 

「いや、あいつらとはまた別の奴らだった…俺は蘭を助けようとしたんだが結果はこのざまさ」

 

 

大事な妹を拐われ、おまけにボロボロに負かされた。男として、兄としてこれ以上の屈辱はなかった

 

 

「つか兄、奴ら蘭をどうするつもりなんだろ?」

 

 

「…わからない」

 

 

奴らが蘭を誘拐するメリットは何かと士は考えていた

 

 

「そのことだけだよ、奴らのうちの1人が蘭を連れてく前に俺に言ったんだ「この女を返して欲しければ街から少し離れた廃墟に来い、仮面ライダーどもよ」と俺に伝えるように言ってきたんだ」

 

 

それを聞いて士と朧は察したように互いに頷く

 

 

「奴らの狙いが俺らだってんなら…」

 

 

「行くしかねぇ…みたいだな」

 

 

「お、お前ら〜」ウルウル

 

 

蘭を助けるために2人は敵地に行こうとする

 

 

「でもよ、これはきっと罠だぜつか兄」

 

 

「わかってるさ…だがたとえ罠でも俺たちは行かなきゃいけねぇんだよ」

 

 

「つか兄…」

 

 

「…一つ俺に策があるが、どうする?」

 

 

ふと朧が蘭を助ける秘策を提言した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街から離れた廃墟にたどり着いた士と朧は中に入った

 

 

 

「お望み通りきてやったぞ!」

 

 

敵に自分たちが来たことを叫ぶと

 

 

次第に四方から足音が聞こえる

 

 

そして現れたのは前回の戦いで取り逃がしたガミオ・ゼダたちと

 

 

蘭を攫った輩である。ワニのような厳つい風貌をした『アリゲーターイマジン』、アブラムシのように且つ、刺々しい姿をした『フィロケセラワーム』、昔話にも出てくるとされる顔が牛、体が鬼である『牛鬼』が現れた

 

 

「ずいぶんと歓迎されてるようだな」

 

 

「みたいだな…それはともかくとして、蘭はどこだ!」

 

 

士が怪人たちに蘭の居場所を尋ねると

 

 

ビートルファンガイアとアリゲーターイマジンの背後から手を縄で縛られた蘭を連れた別の怪人が

 

 

牛のような姿にガミオと似たり寄ったりの装飾品を身につけ、手には杖を携える『バッファローロード』が現れた

 

 

「つ、士…さん」

 

 

「蘭…貴様らっ!」

 

 

恐怖に震える蘭を見て怒りが頂点に登りそうな勢いだった

 

 

「落ち着け士…約束通りきてやったんだ。さっさとその子を離せ」

 

 

朧が蘭を解放するよう要求する

 

 

するとバッファローロードが手にしてる杖を2人の方にむける

 

 

「貴様らが持つそれらを捨てろ、さもなくばこの娘の命はない」シャキン

 

 

「ひぃっ!?」

 

 

バッファローロードは士たちに変身アイテムを捨てなければ蘭を命を奪うと要求してきた

 

 

「………わかった。言う通りにするから蘭には手を出すな」

 

 

要求を聞き入れ、士と朧は変身アイテムを前方に放り投げた

 

 

「ふっ…やれ」

 

 

変身アイテムを捨てたのを確認するとバッファローロードは他の怪人たちに士たちを襲わせる

 

 

「ぐっ!があっ!?」

 

 

「ぶっ!ごほっ!?」

 

 

7体の怪人から殴る蹴るを受け、そんな2人の苦しむ様を見てバッファローロードは笑っていた

 

 

「もうやめて2人とも!私のことは構わず2人は逃げて!」

 

 

見るに耐えかね、蘭は自分の身も厭わぬ覚悟で2人にここから逃げるように言う

 

 

「へっ、へへへ…そいつは出来ない相談だな」

 

 

「…えっ?」

 

 

「悲しんでる女の子を見捨てるほど俺たちは人間できてないんでね」

 

 

めためたに痛めつけられても蘭を見捨てようと言う考えは2人にはなかった

 

 

「で、でもこのままじゃ!」

 

 

「ふっ…大丈夫さ、だって俺たちは仲間がいるんだからよ」

 

 

蘭は士の言っていることがわからなかったが、すぐにその意味を知ることになる

 

 

 

 

バリィィィィン!

 

 

 

 

『っ!?』

 

 

「らぁぁぁぁん!」

 

 

「一夏さん!?」

 

 

突如、背後の壁を突き破り、バッファローロードめがけて突進する一夏が現れた

 

 

「くそっ!」

 

 

「きゃあっ!?」

 

 

「朧!!」

 

 

「させるか!」

 

 

 

バキュウゥン!

 

 

 

「なに!?ぐあっ!」

 

 

「お前らにもお見舞いしてやる!」

 

 

 

バババババ!

 

 

 

突然の事態にバッファローロードら蘭を亡き者にせんとする

 

 

しかしそれを朧が隠し持っていた武器でバッファローロードを撃つとともに油断していた他の怪人にも回転しながら弾丸を食らわせた

 

 

そしてその隙に一夏は蘭を奪還、無事救出に成功する

 

 

「大丈夫だったか蘭?」

 

 

「一夏さん…こ、怖かったです〜」

 

 

助けられたことで緊張が解けて一夏になき浮いた

 

 

「士!」

 

 

「っと、サンキュー」

 

 

士は朧からディケイドライバーを受け取った

 

 

「うまく行ったなつか兄、朧」

 

 

「奴らのことだ。絶対彼女を人質にとって俺たちに変身させないために何かすると思っていたからな」

 

 

「まさに朧の考え通りだな」

 

 

敵が予想通りの反応であったがために蘭の救出がスムーズに運べた

 

 

「おのれ…許さんぞ貴様ら!」】

 

 

バッファローロードが怒りとともにあの黒いオーラをわき上がらせるとともに他の怪人たちにも同じようなことが起こる

 

 

「一夏!蘭を連れて離れろ!」

 

 

「つか兄…わかった!」

 

 

「士さん!朧さん無理しないでくださいね!」

 

 

士の指示通りに一夏は蘭とともにその場から離脱した

 

 

「……さて、これで心置きなくやれるってもんだぜ」

 

 

2人が離れたことを確認するや士は怪人たちを睨み据える

 

 

そんな時、ふと朧が自分の服をぎゅっと掴む、そして一気にひっぺがし、上半身をはだけさせる

 

 

怪人たちに背を向ける朧の体には全身にあの紋様が浮かんでいた

 

 

「……お前たちは俺を本気で怒らせた。か弱い女の子を恐怖に陥れ、体だけでなく心までも傷つけた…」

 

 

『ガッチョーン!』

 

 

朧は先ほど怪人たちを撃った武器を今度はベルトとして装着した

 

 

「貴様らが犯した罪は重い!」

 

 

そして朧はゲームカセットのようなアイテムを取り出し、ボタンを押す

 

 

『バーサク・ウォリアーズ!!』キュィーン

 

 

すると廃墟全体をウェーブが包み、それとともに周りにがまるで戦後の荒地を思わせるように岩に刺さった武器が出現した

 

 

「これは?」

 

 

「このゲームはバーサク・ウォリアーズ。プレイヤーが襲いかかってくる無数の敵を様々な武器でなぎ倒していく無双爽快アクションゲームだ」

 

 

「ゲーム?」

 

 

士は朧の言っていることにキョトンとするが朧は構わずカセットをベルトの窪みに刺しこむ

 

 

『ガシャット!』

 

 

音声がなるとともに朧がベルトのスイッチを押す

 

 

『バグルアップ!狂人・超絶・最強無双!バーサク!バーサク・ウォリアーズ!』

 

 

前方に画面ゲートが出現し、それが通り過ぎるとともに朧はもう一つの姿『仮面ライダームゲン』に変身する

 

 

「へぇ〜、かっこいいじゃんか…じゃあこっちもやりますか」

 

 

『KAMEN RIDE・DECADE』

 

 

カードを挿入し、ディケイドに変身する

 

 

「さぁ、やるぜ!」

 

 

「おう!」

 

 

士と朧は敵に向かって疾走する

 

 

8対2と言う不利な戦いにも関わらず、2人は思いのままに力を振るい、敵を圧倒する

 

 

「ふっ、はぁっ!」

 

 

「はっ!やぁっ!」

 

 

士はライドブッカーを使い怪人たちを切り裂き、朧は銃弾を浴びせる

 

 

だが、敵もやられるだけではないフィロケセラワームが加速し、高速のスピードで2人を翻弄する

 

 

「ちょこまかと!」

 

 

「任せろ」

 

 

『ATTACK RIDE・CLOCK UP』

 

 

カードを挿入し終えるとともに士はフィロケセラワームと同等のスピードを発揮する

 

 

「はぁぁぁ!!」

 

 

追いつかれた挙句、顔面に全力パンチを受けてフィロケセラワームは地べたを転がる

 

 

「やあぁ!!」

 

 

さらにそのまま他の怪人たちにも加速の勢いを込めた斬撃を食らわせた

 

 

「さすがだな。俺も負けてられないな」

 

 

朧は駆け出すとともに岩に刺さっている武器を引き抜き、それを構えながら敵に突進する

 

 

壊れれば次の武器を、また壊れればさらに次の武器をと言うように敵に反撃の隙を与えず怒涛の攻撃を繰り出した

 

 

「はぁぁぁ!!」

 

 

「うりゃぁぁ!!」

 

 

2人の攻撃を受けた怪人たちはダメージのせいかふらついていた

 

 

「決めるか」

 

 

「そうだな…やるぞ」

 

 

今度こそ、戦いに決着をつけるため、この必殺技に全てをかける

 

 

『FINAL ATTACK RIDE・de、de、de、DECADE』

 

 

『CRITICAL・END』

 

 

士はカードを、朧はドライバーについたAとBのボタンを同時に押し、さらにそこからAのボタンを押した

 

 

そして2人は同時に宙を舞い、士の前方にはカードが、朧の足にはエネルギーが収束される

 

 

「「はぁぁぁ……やぁぁぁぁぁ!!!」」

 

 

 

ボバアァァァァン!

 

 

 

凄まじいエネルギーの蹴りが怪人たちを直撃、怪人たちは断末魔を上げながら大爆散し、士たちは見事勝利を収めるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕焼けが世界を包む

 

 

士は朧の旅立ちの見送りをしていた

 

 

 

「本当に一夏たちに別れの一つも言わないでいくのか?」

 

 

「あぁ、俺はまだ旅の途中だからよ、それにあまり長居すると別れが辛くなるかもだからさ」

 

 

「そうか…」

 

 

話しが一息ついた時

 

 

 

ズウゥゥゥン!

 

 

 

2人の目の前に灰色のオーロラのカーテンが出現する

 

 

「お別れのようだな」

 

 

「…元気でな」

 

 

「お前もな」

 

互いに励まし合い、拳を合わせる

 

 

そして朧は荷物を入れたバックを背負い、カーテンに近づく

 

 

しかし、ふと朧は立ち止まり、手にしていた1枚のカードを見つめ、一瞬驚くとともに笑みを浮かべた

 

 

「士!」

 

 

「っ!…これは?」

 

 

朧から渡されたのはクライムのカードだった

 

 

「そいつはお前にやるよ…またどこかで会えることを祈るぜ」

 

 

「ふっ、…俺もさ」

 

 

笑みを見せ終えると朧はカーテンを潜っていき、同時にカーテンが消えた

 

 

「つか兄!」

 

 

すると後ろから自分を呼ぶ声が聞こえ振り返るとそこには一夏たちがいた

 

 

「ここにいたのか…あれ、朧は?」

 

 

「あいつならもう行ったよ」

 

 

「そ、そんな…助けてもらったお礼がしたかったのに」

 

 

蘭は少しガッカリとしていた

 

 

「大丈夫さ、あいつならまたひょこっと現れるはずさ、その時には好きなだけお礼を言えばいいさ」

 

 

「…はい!」

 

 

士の助言で蘭は次に会える時は精一杯ありがとうを言うこと心に決めた

 

 

「まぁ、今日はいろいろあったけど、お前らのおかげで助かったわ、よかったら礼がてら家で晩飯食ってくか?今日はどんだけ買ってもタダでいいぜ♪」

 

 

「それいいわね、たまにはお兄もいいこと言うじゃん♪」

 

 

「たまには余計だ」

 

 

せっかくのいい気分を台無しにされ、弾はムッとする

 

 

「マジか、じゃあお言葉に甘えさせてもらうぜ、なぁつか兄!」

 

 

「あぁ、そうだな」

 

 

先を行く一夏たちを尻目に士は朧に渡されたクライムのカードを見て少しの笑みを浮かべながら、一夏たちの後を追うのだった

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。