英雄を知る破壊者と問題児達が異世界から来るそうですよ? (星詠みの観測者)
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異世界に呼ばれましたよ?

はい!皆様おはこんばんにちは!
連載中の小説が滞っているにも関わらず
新しい作品書き出す馬鹿な作者の星詠の観測者です!

息抜きがてらに書いていたら以外と形になってしまったので・・・更新は遅いと思いますがよろしくお願いします!


「人類最古の英雄王の実力、その真意学ばせてもらう!」

 

「よかろう!我が全力を持ってして相手をしてやろう・・・せいぜい多くを学んでゆけ!」

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

「黒の剣士の実力、その心が示す真意学ばせてもらう!」

 

 

「いいぜ、俺も全力で相手してやる!」

 

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それはある1人の青年の物語

 

 

 

「銀の鴉の実力、その力の真意学ばせてもらう!」

 

 

「僕から学ぶ事なんて無いと思いますが・・・先輩の為にも負けられません!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

「ふぅ・・・かなりの世界を回ってきたな・・・」

 

 

俺の名前は神無月龍夜(かんなぎりゅうや)何処にでもいる・・・って言うと色々と弊害があると思うが、まぁごく普通?の人間だ

まぁ、ちょっと人間と言うには疑わしいがな

「しかし・・・やっぱりすげぇな『英雄』と呼ばれる人物達は・・・」

俺は今『アクセル・ワールド』の世界に渡り

銀の鴉「シルバー・クロウ」との戦いを終え自分の世界へと戻ってきたところだ

 

 

 

 

 

これが俺が自分が普通の人間だと思わない理由だ

俺には昔から「異世界を自由に行き来する能力」がある

と言っても俺自身にその能力がある訳では無い

俺が持っている「金と銀で出来た懐中時計」を使う事で世界を行き来している。実はもう一つあるんだが・・・まぁ置いておくか

そこで俺は異世界へと行きその世界の「英雄」または「主人公」と呼ばれる人達と闘い、その人達の戦闘技能、または心意気などを学ばせてもらっている

 

 

何故かって?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実は俺にもわかってない。

俺は気づいたらずっと1人でいた、持っていたものは懐中時計ともう一つの能力の象徴のある武器(・・・・)があった

そして謎の使命感、それは「人類進化の為の探究」

人類が進化する為に必要な知識を集めると言った物だった

何故俺にあるのかわからないが、とにかくやってみようと思った、その方が面白そうだったから

 

 

「腹も減ったし、飯にするか」

 

と、俺はキッチンへと向けて歩き出した

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

俺の今いる所について説明しようと思う

現在俺がいる所は宇宙にある広大なステーションで、ここにいるのは俺1人だけである

何故こんな施設があるのか、何故俺1人しかいないのか、

俺は何の為にここにいるのか、そもそもどうやってここに来たのか

全て謎のままである

もしかすると、人類進化の為の探究についての研究所みたいな所かもしれないが真意はわからない

 

 

「今日はこんな感じかな?」

 

考えてもわからない事だらけだが、俺が何者なのかを知るために、これからも人類進化の探究を続けて行こうと思っている

それに、そっちの方が面白そうだしな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、さしあたっては腹ごしらえとしますかね!

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ・・・ご馳走様でした」

 

 

 

 

 

 

食べ終えた飯の皿を片付け、俺が就寝とかに使ってる部屋へと戻った

「さて、今の時間は・・・と、10時過ぎくらいか」

懐中時計を開いて時計を見てみる

まぁここ宇宙だし、時計これしか無いから午前か午後かは、

わからないんだけどな

「飯も食ったし、風呂に入って今日は寝ようかな?」

と言うが早いが風呂に入ろうと思い準備をしようとしていた時にふと、机の上に手紙が置いてあった

 

 

 

 

 

「はぁ?」

一体どうやったらロックのかかっている俺の部屋に手紙が置いてあるのか

「いや、そんな事どうでもいい・・・いや、良くないけどさ?」

一体誰からだよ?ここには俺以外の人間は居ないはずだろ

気になったので、手に持って中身を見てみると

『悩み多し異才を持つ、少年少女に告げる。その才能を試すことを望むのならば、己の家族を、財産を、世界の全てを捨て、箱庭に来られたし』

読み終えた途端、手紙から眩い光が瞬いた

「うぉ!?」

と咄嗟に目を庇う為に手紙から一瞬目を逸らすと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は空へと放り出されていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な!?一体何が!?」

俺は部屋に居たはずだぞ?

まぁいい、とりあえず今はこの状況をどうにかするか!

(見たとこ上空4000m位か?このままだと地面にぺっちゃんこだな・・・下、湖みたいだけど・・・まぁ威力は殆ど殺せないか)

落ちながら冷静に考えてみる

ふと、周りを見ると

俺と同じくらいの年齢の青年が1人、あとは少女が2人に猫が一匹か・・・

(彼らも手紙を貰ったのだろうな・・・)

十中八九そうだと思う

(なら、助けない手は無いな!)

まずは我が身からだがな!

「翼よ、来れ!」

思い浮かべるは、純白の翼。所謂天使等についているものだ

「はぁ!」

それにより、俺は身体を安定させる

(よし!次は彼らだな!)

安定させた俺は彼らに向けて手を伸ばし、ある魔法を唱える

『三界の理・天秤の法則・律の皿は左舷に傾くべし!』

対象者の重力を操る魔法

黒魔「グラビティ・コントロール」を発動させる

すると

 

「ん?」

『えっ?』

 

急に自分達にかかるGが軽くなった事にそれぞれ驚いていた

説明しないとな

「そのまま、自分の身体を安定させる感じでいれば、ゆっくり降りられるぜ」

と言っておく

「おう、了解だ」

「わかったわ!」

「了解」

と言って3人ともすぐさま身体を安定させる

(凄いな、魔術に怯みもしないとは・・・)

彼等も手紙に書かれていた『異才』と言うものを持っているのだろう

(もしくは順能力が高いかのどっちかだな)

俺達4人はゆっくりと地面に降り立った

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「し、信じられないわ!問答無用で引きずり込んだ挙句、そのまま外に放り出すなんて!」

 

 

と、喋り方からしていかにもお嬢様って感じの子が言った

 

 

「右に同じだ、クソッタレ。場合によっちゃあその場でゲームオーバーだぜ、これ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」

と格好からしていかにも『問題児』って感じの青年が言った

 

「石の中に呼び出されたら、動けないと思うのだけど?」

最もな疑問だな

「俺は問題ない」

「お前は孫悟空か?」

反射的につっこんじまった

「そう、身勝手な人ね」

「やはは」

と、一連の会話を終えたところであたりを見渡してみる

 

 

見た事ない景色だな・・・

 

 

 

「・・・ここ何処なんだろう?」

と猫(三毛猫か?)を抱えた少女がポツリとつぶやいた

 

「さあな・・・わからん」

本当どこだよここ?

 

 

「まぁとりあえず・・・確認だがお前達のとこにも、あの変な手紙が来たのか?」

「そうだけど、そのお前と言う呼び方は変えてちょうだい。

私の名前は、久遠飛鳥よ以降気を付けて。

それで、そこの猫を抱えた貴女は?」

 

「・・・春日部耀、以下同文」

 

「そう、よろしく春日部さん。それで、いかにも凶悪そうなアナタと、不思議な力で私達を助けてくれた貴方は?」

 

「高圧的な自己紹介をありがとよ。・・・見たまんま野蛮で凶悪な、逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃ったダメ人間なので、用法と容量を守った上で、適切な態度で接してくれよお嬢様?」

 

「そう、取り扱い説明書をくれたら、考えてあげるわ」

 

「ハハッマジかよ、今度作っとくから覚悟しとけよ、お嬢様」

やはは

と笑って十六夜の紹介が終わった

 

「俺の名前は神無月龍夜だ。助けた事に感しては別に何でも無いから気にしないでくれ。」

 

「そう、わかったわ。以降よろしくね神無月君」

これで各員自己紹介は終わったな

 

 

 

 

 

 

 

(う、うわぁ・・・これまた、手強そうな人達ばかりなのですよ・・・あの金髪の人と白髪に黒髪が混じっている人は特になのですよ・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

ふーん・・・なるほどねぇ・・・

 

 

 

「ま、ここにいてもしょうがないから・・・そこにいる誰かさんに説明でもしてもらおうかな?」

 

 

(な!?)

 

 

 

「あら、貴方も気づいていたの?」

 

「当然、十六夜達も気づいてただろ?」

 

「当然、かくれんぼじゃあ負け無しだぜ俺。

春日部も気づいていただろ?」

 

「風上に立たれたら嫌でも分かる」

 

「へぇ・・・面白い奴だなお前」

 

 

ま、全員気付いてたってことだわな

 

「さて・・・さっさと出てきて欲しいんだが、俺はこう見えて警戒心が高い方でな・・・襲っちまうぞ?」

と若干の脅しをかけてみる。

すると

「い、いやですね〜襲うなんて物騒な・・・」

その時問題児達4人はこう思った

 

『イタズラ仕掛けるなら、今がチャンス!』と・・・

 

 

 

「十六夜!」

「OK!」

と言って出てきた奴目掛けて殴りかかっていった

「ちょぉ!」

といいながら木の上に飛び上がったぞ

「へぇ、ウサギか?」

本当だ、まるでバニーガールみたいな格好してる

木の上に飛び上がった人間ウサギ(仮)を今度は耀が木の上に飛び上がり追いかける

というか、二人とも凄い跳躍だな

さてと、俺は

「来れ、流水の蒼穹!」

蒼色の弓を取り出し、魔力を込めて矢を作る

「ちょ、ちょっと待って下さ・・・」

と耀を振り切ったのか人間ウサギ(仮)は外に出てきた

すると、飛鳥が

「鳥達よ、彼女の足を止めなさい!」

と、言うと飛んでいた鳥達が彼女の足止めをしだした

「な、なんですか!?」

今がチャンス!

「威力低めに・・・穿つは顎!」

と言って水で出来た矢を放った

すると・・・

「ふぎゃ!」

スコーン!と言う音ともに人間ウサギ(仮)の頭にヒットして

空から落ちてきた

「い、いたたた・・・」

といいながら、腰をさすっている人間ウサギ(仮)に4人で近寄り取り囲む。

「あ、あはは・・・」

と言いながら、ウサギは乾いた笑みを浮かべた

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、いやだなあ御四人様、そんな怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?古来から孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんなウサギの脆弱な心臓に免じてここは1つ穏便に・・・」

「断る」 「却下」 「無理」 「不可能」

 

「あっは、取りつくシマもございませんね♪」

と言ってガックリと項垂れる黒ウサギ

 

その際、耀が不思議そうに黒ウサギの側に立ち

そして・・・

「えい」

「ふぎゃ!」

黒いウサ耳を根っこから鷲掴みし、力いっぱい引っ張った

 

「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでなら受け入れますが、

初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜くとは、何事ですか!?」

 

「うーん・・・好奇心?」

 

「ご自分でも理解出来てないなら、やらないでください!」

 

哀れである

 

「へえ?このうさ耳本物か?」

と言って十六夜が右側を掴む

「・・・じゃあ私も」

今度は飛鳥が左から

「じゃあ俺は、この尻尾かな?」

と言って俺が尻尾を掴む

すると

「はうぁ!・・・し、尻尾はダメでございますぅ〜・・・」

となんか色っぽい声を出して、固まってしまった

「おっと、ごめんごめん」

と言って手を離す

しかし

「いくぜ、お嬢様!」

「いいわよ、十六夜君」

 

この問題児2人はそうでは無かった

 

「えっ?ちょ、ちょっとお待ちを!」

 

『せーの!!』

 

左右に力いっぱい引っ張られた黒ウサギは、言葉にならない悲鳴を上げた

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「あ、有り得ない・・・有り得ないのですよ。話を聞いてもらうために小1時間も消費してしまうなんて・・・学級崩壊とはきっとこのような状況をいうに違いないのです」

 

「悪かったから、話を進めてもらえないか?」

 

1通り黒ウサギをいじり倒した後、俺達4人は岸辺に座り込み、彼女の話を聞くだけ聞こうという程度に耳を傾けた

 

「それでは、気を取り直しまして・・・

ようこそ、『箱庭の世界』へ!我々は御四人様にギフトを与えられた者達だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼンさせていただこうかと召喚いたしました!」

 

「ギフトゲーム?」

 

「そうです!既にお気づきだと思いますが、皆様は普通の人ではございません!その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。『ギフトゲーム』はその恩恵を用いて競うゲーム。そしてこの箱庭の世界は恩恵の保有者が面白おかしく生活出来るために作られたステージなのでございますよ!」

 

なるほどね、要はこの世界『箱庭』は膨大なゲーム盤って事かな?・・・何処かの盤上の世界を思い出すよ

 

そして、気になることも言っていた

(普通の人間では無い・・・か)

薄々と感じていたのだが、やっぱりそうだったのか・・・

(修羅神仏や、悪魔、精霊、星・・・ねぇ?)

残念だが、この力授かった物では無さそうなんだよな・・・

(ま、おいおい調べていくか・・・)

 

 

とそんな事を考えているうちに、飛鳥、耀の2人が黒ウサギに質問していた

 

ん?内容はきちんと聞いていたよ

ギフト保有者の事、コミュニティの事、主催者の事ギフトゲームのチップの事、ゲームの開始方法

後はギフトゲームが法とは似て非なる物という事

しかし、暇を持て余して修羅神仏がゲーム開催って・・・

そんなんでいいのかこの世界

 

そして、話の続きは黒ウサギのコミュニティに行ってからと黒ウサギが提案したところ、今まで聞いていた十六夜が

「待てよ、まだ俺の質問が残ってるぜ」

威圧的な声を上げて立ち上がった、その顔は軽薄な笑みではなく、至って真剣な顔をしていた

それに気づいた黒ウサギは、少し身構えながら聞き返した

 

「・・・・・・どのような質問ですか?ルールですか?それともゲームそのものについてですか?」

 

そう聞き返した黒ウサギの言葉を鼻で笑い

 

「ハッ!そんな物はどうでもいい、心底どうでもいいぜ。俺が聞きたいのは手紙に書かれていたことたった一つだけだ。」

と言って俺達を、この周りを、世界を見渡した後言った

 

 

 

「この世界は・・・面白いか?」

 

 

俺も、飛鳥も、耀も黙って黒ウサギの返答をまった

 

 

「・・・Yes!ギフトゲームは人を超越した者達だけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界よりも格段に面白いと黒ウサギは保証します!」

 

と言って満面の笑みを浮かべた

 

「・・・そうか、なら楽しみにしておくぜ」

と言って十六夜もまた笑った

 

 

 

(さて、成り行きとはいえこの先どうなるのかな?)

 

 

俺の元いた世界よりも格段に面白いそうだしな・・・

十六夜と同じく楽しみにしよう

この世界で繰り広げられる、神魔の遊戯を・・・

 




いかがでしたか?
今書いてる小説はこれも含めて
必ず完結まで持っていこうと思います!
頑張りますので応援よろしくお願いしますm(*_ _)m


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問題がおきたそうですよ?

はい!皆さんおはこんばんにちは!
毎度お馴染みの星詠みです
最近熱くなってきましたね(笑)
そんなことよりさっさと勧めましょうか!
では、ご覧下さい!


「ジン坊ちゃーん!新しい方達を連れてきましたよー!」

外門前の街道から黒ウサギと女性が2人歩いてきた

 

「お帰り、黒ウサギ。そちらの女性2人が新しい人達?」

 

「そうです!こちらの御二方が・・・えっ?」

くるりと後ろを振り返り、カチンと固まる黒ウサギ

 

「え、えーと後2人いませんでしたっけ?全身から『俺問題児!』ってオーラを放っている殿方と優しげな雰囲気持った『俺問題児?』って感じの殿方が」

 

「ああ、十六夜君と龍夜君の事?2人なら十六夜君が「ちょっと世界の果てでも見に行くぜ!」と言ってそれに龍夜君が

「面白そうだな、俺も付いていこう」と言って駆け出していったわよ?」

あっちにね。と言って指差した方角は上空4000mから見た断崖絶壁。

 

「な、なんで止めてくれなかったのですか!?」

 

「止めてくれるなよって言われたもの」

 

「ならなぜ黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」

 

「黒ウサギには言うなよと言われたから」

 

「嘘ですよね!?実は面倒くさかっただけですよね、御二人様!」

 

『龍夜(君)に言われたけど面倒だったのも事実』

 

ガクリと前のめりに倒れる黒ウサギ

そんな黒ウサギを尻目に先程からいた少年、ジン=ラッセルは蒼白になって叫んだ

 

「そ、それが本当なら大変です!世界の果てにはギフトゲームの為に野放しにされている幻獣がいます!」

 

「幻獣?」

 

「は、はい。ギフトゲームを持った獣を示す言葉で、世界の果て付近の幻獣には、強力なギフトを持ったものがいます!出くわせば最後、人間では太刀打ち出来ません!」

 

「あら、それは残念。もう彼はゲームオーバーなのかしら?」

 

「参加前にゲームオーバー?・・・斬新?」

 

「冗談を言っている場合じゃ無いですよ!?」

ジンは事の重大さを2人に訴えるが2人とも肩を竦めるだけである

その時、黒ウサギがため息を吐きつつ立ち上がった。

 

「はぁ・・・ジン坊っちゃん、御二方のご案内をお願い致します」

 

「わかったよ、黒ウサギはどうする?」

 

「問題児様方を捕まえに参ります。・・・箱庭の貴族と謳われる黒ウサギを馬鹿にしたこと、後悔させてやります!」

立ち上がった黒ウサギは怒りのオーラを全身から醸し出し

艶のある黒髪を淡い緋色に染め上げ、外門目掛けて高く飛び上がり外門の柱に水平に張り付き

「一刻程で戻ります!皆さんはゆっくりとしていてくださいませ!」

と言って全力で飛び上がり、あっという間に視界から消え去っていった

髪の毛を抑えていた飛鳥は

 

「箱庭のウサギは随分早く飛べるのね。感心するわ」

 

「ウサギ達は箱庭の創始者の眷属。力もそうですが、様々ななギフトの他に特殊な権限も持ち合わせた貴種です。彼女なら大丈夫だと思いますが・・・」

 

「そう、なら私達は先に箱庭に入るとしましょう。エスコートは貴方がして下さるのかしら?」

 

「は、はい!コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです11になったばかりの若輩ですがよろしくお願いします。御二方のお名前は?」

 

「久遠飛鳥よ。そこの猫を抱えているのが」

 

「春日部耀、よろしく」

ジンが自己紹介をし、飛鳥と耀もそれに倣い一礼した。

 

「さ、それじゃあ箱庭に入りましょうか。そうね・・・軽い食事でもしながらお話を聞かせてもらえると嬉しいわ」

と言ってジンの手を引き、笑顔で箱庭の外門をくぐった

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああもう!一体全体何処まで言ってしまったのですか、あの問題児様方わ!?」

黒ウサギが2人を探し始めて早くも半刻が過ぎた

全然見つからない2人の事に自分勝手すぎると憤るのと同時に不安な気持ちもあった

(この辺りは特定の神仏がテリトリーにしています。もし、彼等のゲームに参加させられたら・・・!)

焦りを募らせ走る黒ウサギ、しかし周囲の森から聞こえる魑魅魍魎たちの呻き声が聞こえ、彼女は十六夜達がこの道を通ったか聞くことにした

 

「あのー森の賢者の様方。もしよろしければこちらの道を通ったお方がどちらに行ったかご存知でしょうか?」

と聞いてみるが

『・・・・・・』

と誰も答えない

その時

「よろしければ私が案内しますよ、黒ウサギのお嬢さん」

と静かな森から蹄の音が響き、現れたのは・・・

ユニコーンと呼ばれる幻獣だった

 

「こ、これは珍しいお方が!一本角よコミュニティは南側のはずですけれども?」

 

「それはこちらの台詞ですよ。東側で公式ゲームの時以外で兎を見る事が出来るとわ・・・と、それはさておき貴女が探している人達は私の向かう方角と同じだと思います。

森の住人曰く、彼等は水神の眷属にゲームを挑んだそうですから」

 

「うわお・・・」

とガックリ膝をつく黒ウサギ

世界の果てと呼ばれる断崖絶壁には箱庭の世界を八つに分かつ大河の終着トリトニスの大滝がある

その辺に住む水神の眷属となると龍か蛇神のどちらかであろう

 

「よりにもよってなんて事を・・・」

 

「泣いている暇はないぞ。もし知人なら急いだ方がよい

私の背に乗っていくかい?」

とユニコーンが提案するが

 

「いえ、大丈夫なのです!教えて貰っただけではなく、乗せてもらうなんてできませんよ!」

と断った

ユニコーンは苦笑し

「わかった。気を付けてくれ、君の問題児君達にもよろしく」

黒ウサギは頷くと一気にトリトニス大河目指して駆け抜け、数瞬後には大河の岸辺に出た

 

「一体何処に・・・」

 

「ん?お前黒ウサギか?どうしたんだその髪の色」

 

「あら?黒ウサギ?おぉ綺麗な髪の色だな〜」

 

と背後から2人の声が聞こえた

2人とも無事らしい・・・が黒ウサギの胸中には怒りしかなく勢いよく振り返り

 

「もう、一体何処まで来ているんですか!」

と怒鳴った

 

『世界の果てまで来ているんですよ、ってそんな怒んなよ』

と笑いながら2人が声を揃えて言った

 

「しかし、黒ウサギって凄いな」

 

「ああ、遊んでいたとはいえこんな短時間で俺達に追いつくとはな」

 

「当然ですよ。黒ウサギは箱庭の貴族と呼ばれる優秀な貴族ですよ?その黒ウサギが・・・」

ここまで言って黒ウサギは疑問に思った

(黒ウサギが、半刻以上もの時間、追いつくことが出来なかった?)

黒ウサギは箱庭の世界、創始者の眷属である

その脚は疾風より速く、その力は生半可な修羅神仏では手が出せない程である

その黒ウサギに気づかれず姿を消すことも

追いつけ無かった事もよくよく考えればおかしな話である

 

「ま、まあともかく!御二方がご無事でなによりです水神にゲームを挑んだと聞いて、冷や冷やしました・・・」

と言っていると

 

「ん?水神?」

「あぁアレの事か?」

 

と言って十六夜が水面を指差す

すると

 

『まだだ・・・まだ試練は終わってないぞ、小僧共ォ!!』

と言って十六夜が指していたーーー身の丈30尺はある巨大な大蛇が姿を現した

 

「蛇神・・・!ってなんでこんなに怒っているのですか!?」

と黒ウサギが問いかけると

2人は笑いながら

 

「いや、なんかさ偉そうに試練を選べとか言ってきたからさ?」

と龍夜がいい

 

「俺達を試せるかどうか試させてもらったのさ!」

十六夜が締めた

 

『人間風情が付け上がるな!この程度で倒れるか!!』

と言った直後瞳を光らせ風を巻き起こし、水柱が立ち上った

あの水柱に巻き込まれたが最後容赦なく胴体が千切れ飛ぶだろう

 

「お二人共下がっ・・・」

黒ウサギが庇おうとするが

 

「いや、黒ウサギこそ下がってくれ」

と龍夜がいい

 

「そうだぜ、黒ウサギ。これは俺達が売って彼奴が買った喧嘩だ!」

と十六夜が言い放った

それを聞いた蛇神は

 

「その心意気は買ってやろう。それに免じ、この一撃を・・」

 

「凌いだら勝利ってか?甘いぜ?」

 

「決闘ってのは勝者が決まって終わるんじゃない。敗者を決めて終わるんだよ!」

 

2人は傲慢な物言いをし、黒ウサギと蛇神も呆れて閉口した。

 

『フン・・・それが貴様らの最期の言葉だ!』

蛇神の雄叫びに川の水が巻き上がり3本の水柱が出来上がる

それは、蛇神よりも遥かに高く巻き上げた水は何百トンにも及ぶ

これこそが時に嵐を呼び、生態系さえ崩す神格のギフトを持つもの力だった

 

「十六夜さん!龍夜さん!」

黒ウサギが叫び、水柱が2人を襲う・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

筈だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ・・・しゃらくせえ!!」

 

「この程度で・・・俺を止められると思うな!!」

 

と2人は正拳突きを繰り出し、その拳により巻き起こされた暴風で嵐を薙ぎ払った

 

「嘘!?」

「何だと!?」

驚愕する二つの声、蛇神は全霊の一撃を弾かれ放心した

その瞬間を2人は見逃さなかった

 

先に龍夜が近づき

「おらよ、くらいな!怒号犀(どごうさい)!」

 

と言ってショートアッパーを放ち、跳ね飛ばす

「ぐぅっ!?」

蛇神は空え舞い上がった

 

「クソ、出鱈目だ!」

と言いながら何かをしようとするが

 

「させるかよ・・・天の鎖(エルキドゥ)!」

と龍夜が叫ぶすると

 

「な、何!?」

蛇神の周りに黄金色の波紋が浮かび上がったと思うと

そこから鎖が飛び出てきて、蛇神を縛り付けた

 

「十六夜、今だ!」

と合図をする

 

「OK!任された!」

そう言って悠々と蛇神の頭上に飛び上がり

 

「ま、中々に楽しめたぜ、オマエ!」

と踵落としでたたき落とした

その衝撃で河川が氾濫し、森が水浸しになる。

全身を濡らした龍夜と十六夜は

 

「くそ、ずぶ濡れになっちまった。クリーニング代ぐらいは出るんだよな、黒ウサギ?」

 

「俺もよろしく頼むぜ?」

 

と冗談めかしながら黒ウサギに言った




いかがでしたでしょうか?
ココ最近やれ卒論だの、やれアルバイトだのと結構ハードな日常になっています・・・
更新速度は更に落ちる可能性がありますが・・・
それでも読んで下さると嬉しいです!
では次回、もしくは別作でお会いしましょう!


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真実を語られるそうですよ?

はい!皆さんおはこんばんにちは!
暫くは書き溜めのあるこちらの投稿になると思われる
星詠みです
さて、それではどうぞ!


黒ウサギは驚愕していた

先程十六夜と龍夜の2人が倒した蛇神を見て、パニックに陥っていた

(人が・・・神格を倒した!?そんな出鱈目な・・・)

そして、黒ウサギは思い出す

彼等を召喚するギフトを与えた主催者の言葉を・・・

 

「彼等は間違いなく・・・人類最高クラスのギフト保有者よ、黒ウサギ」

 

俄には信じ難い言葉だった。信用できる相手だったが主催者の言葉を眉唾に思っていたのも事実だったのだから

 

(信じられない・・・けれどもし本当なら・・・コミュニティの再建も夢じゃないかもしれない!)

と黒ウサギが密かに興奮していると

 

「おーい?どしたの黒ウサギ?」

 

「ボーッとしてると胸とか脚とか尻尾とか揉むぞ?」

 

と正面の龍夜、背面の十六夜がいい、十六夜に至っては脇下から胸に、ミニスカートとガーターの間から内股に絡むように腕を伸ばしていた

 

「え、きゃあ!」

と言って横に飛び退く黒ウサギ

 

「な、え、ば、お、お馬鹿ですか!200年守った黒ウサギの貞操を傷つけるおつもりですか!?」

と顔を真っ赤にして叫ぶ黒ウサギ

 

「200年守った貞操?うわ超傷つけたい」

 

「俺は何もして無いんだが・・・それより十六夜、黒ウサギの言ってることを噛み砕けば、同意の上ならいいらしいぜ?」

 

「お、マジか。なら黒ウサギを落として見ようかな?」

 

と割かしガチ目に話す2人

「この、お馬鹿様達は!」

 

と言いながら何処からともなくハリセンを取り出し2人の頭を叩いた

叩かれた2人は笑顔で笑いあっている・・・

 

「ま、今はいいか。後の楽しみにしておくか」

 

「落とす時は手伝ってやるよ、十六夜」

と2人して笑い合う

 

そんな2人をみて黒ウサギは

「さ、左様ですか・・・」

と項垂れ、呟いた

気を取り直した黒ウサギは2人に問いかけた

 

「と、ところで十六夜さん、龍夜さん蛇神様は生きていますか?」

 

「命までは取らねえよ。戦いは楽しいが殺すのは面白くないしな。世界の果てにある滝を拝んだら箱庭に戻るさ」

 

「元々それが目的だったしな。ソイツに出会ったのは偶然だからな、何も殺す必要性は皆無だよ」

とあながちまともな事を言った

 

「そうですか・・・ならギフトだけでも戴いておきましょう。ゲームの内容はどうであれ、勝者は十六夜さんたちです。蛇神様も文句は無いと思いますので」

「あん?」

「うん?」

ふたりが怪訝な顔で黒ウサギを見つめる

「基本的に神仏とゲームを奇想的には力、知恵、勇気と言った3つの中から選べるのですよ。御二方は御本人を倒されましたから、きっと凄いのが戴けますよ!これでコミュニティも力を付けることができるのです」

と小躍りしそうな足取りで大蛇に立ち寄る黒ウサギ

 

 

しかし・・・2人は今の黒ウサギの話を聞いていて確信した事があった

なので、2人は黒ウサギの前にたった。

十六夜に関しては不機嫌そうだ

 

『・・・・・・』

 

「ど、どうされましたか?何か気に障りましたでしょうか?」

 

「別にぃ?お前の言ってることは正しいぜ?勝者が敗者から何かを得る。それはギフトゲームでは真っ当なことなんだろうよ。だから不服はねえ・・・だけどな黒ウサギ」

十六夜から笑みが消え、龍夜も真剣な顔になる

 

「なあ、黒ウサギ俺達に何か隠し事は無いか?」

 

「・・・何のことでしょうか?箱庭の事ならきちんとお答え・・・」

 

「違うよ、俺と十六夜が聞きたいのはそんな事じゃない・・・いや、回りくどいのは無しにしよう。黒ウサギ・・・どうして君達のコミュニティは俺等を呼び出す必要があったんだい?」

 

黒ウサギはポーカーフェイスを貫いていたが、動揺はかなり激しかった

黒ウサギがひた隠しにしたかったもの・・・

それはコミュニティの現状だ

 

「それは・・・言ったとおりですよ。皆様に面白おかしく・・・」

 

「ああ、そうだな。俺も初めはそう思ったよ・・・だかな黒ウサギ俺には・・・いや他の奴らもそうだったかもしれないが・・・黒ウサギが必死に見える」

そこまで言われ、初めて表情に動揺が浮かんだ

 

「先に謝っておくよ、ごめんな黒ウサギ。失礼だけど黒ウサギ達のコミュニティはかなりの最弱なのかもしくは・・・何か理由があって衰退したコミュニティなんだろう?それで俺達は打開策として呼び出された」

 

「そう考えれば、今までの言動、行動更に俺がコミュニティに入るのを拒否した時の必死さ、勝手にここまで来たことによる怒り・・・全てに合点がいく」

 

「それに、黒ウサギ言ったよな『力を付けることができる』ってもし、本当に力のあるチームならそんなこと言わないと思うんだよな」

 

「あっ・・・」

すっかり失念していた。確かに言った力が付けられるって

まさか、そんな事に気を払っていたなんて・・・

 

「それでだ黒ウサギ、俺達にはまだ他のコミュニティを選ぶ権利があると思うんだが・・・どうだ?」

 

「・・・」

 

「沈黙は是也だぜ?黒ウサギ」

 

「この状況でだんまりだと悪化するだけだ。俺達が他所に行ってもいいのか?」

 

「や、だ、駄目です!待って、いやお待ちください!」

 

「だから、待ってるだろ黒ウサギ」

 

「ああ、だから話してくれないか?君達の事を」

 

と十六夜は石の上に腰を下ろし、龍夜は木に背中を預けながら聞く姿勢をとった

 

「・・・・・・話せば協力をして頂けますか?」

 

「ああ、面白ければな」

 

「君次第だよ、黒ウサギ」

2人は笑って言うが目が笑っていない

黒ウサギは2人の瞳を見つめて、意を決して語り出した

 

「分かりました・・・では、私達のコミュニティの惨状についてお話致します」

 

黒ウサギも手近な岩に座りこみ話し始めた

 

 

「まず初めに・・・私達のコミュニティには名乗るべき名がありません。よって呼ばれる時の名前は名無し・・・ノーネームと言う蔑称で呼ばれます」

 

「へぇ・・・その他大勢扱いかよ。」

 

「名無しか・・・」

 

「次に私達にはコミュニティの誇りである旗印もありません。この旗印にはテリトリーを示す大事な役割を担っています」

 

「なるほど・・・」

 

「ふぅん?それで?」

 

「最期に・・・実はと言うと中核を成していた仲間達は1人も残っておらず、ゲームに参加できるだけのギフトを持っているのは・・・123人中の黒ウサギとジン坊ちゃんだけで残りは10歳以下の子供ばかりなのですよ!」

 

「わお!」

 

「もう崖っぷちだな!」

 

「ホントですよねー♪」

と言って黒ウサギは項垂れた

 

「それでどうしてそうなったんだ?」

 

「託児所でもしていたのかい?」

疑問思った2人は黒ウサギに問いかける

 

「いえ、全て奪われたのです。箱庭最大にして最悪の天災・・・『魔王』の手によって」

 

「ま、魔王!?」

 

「魔王・・・か」

十六夜は瞳を輝かせながら、龍夜は訝しげに呟いた

「それで、その魔王とやらは全力で潰しても誰からも咎められることの無い素敵で不敵なゲス奴なんだろ?」

 

「どうして、闘おうと思わないんだい?」

 

「魔王の持つ力はかなり強力なものですかなりの力をもつコミュニティでなければ太刀打ち出来ないでしょう。さら魔王には主催者権限(ホストマスター)と言う特権階級を持つ修羅神仏です。その力故にギフトゲームを挑まれたら最期、誰も断れません。私達はその魔王によってゲームに参加させられコミュニティを・・・コミュニティとしての活動していくために必要なもの全てを奪われてしまいました。」

 

黒ウサギ達のコミュニティは地位も、名誉も、仲間も全て奪われ、残されたのは廃墟と子供達だけだった

 

「けど、名前も旗印も無いのは不便だな。」

 

「何より縄張りを主張出来ないのは相当手痛いな・・・新しくコミュニティを立ち上げては駄目なのか?」

と十六夜と龍夜は黒ウサギに尋ねる

 

「か、可能です・・・ですがそうした場合コミュニティの完全解散を意味します。それでは駄目なのです!私達は・・・仲間達の帰ってくる場所を守りたいのです!」

それは黒ウサギが初めて口にした本心だった

 

「茨の道なのは承知の上です・・・けど私達は仲間が帰る場所を守り、コミュニティを再建して・・・いつの日か名と旗印を取り戻し掲げたいのです!その為には十六夜さん達のような強大なギフトをもつプレイヤーに頼るしか無いのです!どうか・・・どうかそのお力を我々のコミュニティに貸していただけないでしょうか!?」

 

「・・・そういう事か」

 

「魔王から誇りと仲間をねぇ・・」

 

目に涙を浮かべ、泣きながらも深く頭を下げて懇願する

(ここで断られてしまったら・・・私達のコミュニティは・・・!)

 

十六夜は組んだ足を組み直し、龍夜は腕を組み直し3分間考え込んだ後

 

「いいぜ、黒ウサギ」

 

「同じく、問題ねぇな」

 

「・・・・・・えっ?」

 

と放心する黒ウサギの元に2人共歩より

 

「俺なんかの力で良ければいくらでも貸してやるよ」

 

「ヤハハ、そう言うこった・・・だから、泣くなよ黒ウサギ・・・」

と言って黒ウサギをそっと抱きしめる十六夜

 

「十六夜さん・・・龍夜さん!あ、あり、ありがとう・・・ございます!」

と言って涙を流す黒ウサギ

そんな黒ウサギを十六夜は笑いながら抱きしめ続け、龍夜は側で見守っていた

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大変お見苦しいお姿をお見せしました・・・」

泣き止んだ直後恥ずかしさで顔を真っ赤にした黒ウサギはそういった

 

「ヤハハ、別に役得だったから構わねぇよ」

 

「ははっ、いい物が見れたよ」

と笑いながら茶化す2人

 

「も、もう!お二人共やめてください!」

 

ごめんごめんと口先だけ謝ってく2人

そこで十六夜が

「ま、それはさておきさっさとあの蛇起こしてギフトを貰って来いよ。」

 

「その後は川の終端にある滝と、世界の果てを見に行くよ」

 

「は、はい!分かりました!」

と言って蛇神の側に行き、蛇神と何かを話している姿を眺めていると、青白い光か黒ウサギの手に集まり

黒ウサギがピョンと跳ねて十六夜達の前に出てきた

 

「見てください!こんな大きな水樹の苗を貰えました!これで水の事には困ることは無くなりますよ!」

と言って抱きしめながらクルクル飛び回る

 

「それは良かったな」

 

「喜んでもらえて何よりだ」

と2人も満足そうに言った

 

「さて、随分日が暮れてきたな」

「そうだな、日が落ちると虹が見えなくなるかもしれないからな・・・急ぐぞ、黒ウサギ」

と言って2人は急いで歩きだす。

黒ウサギも慌てて2人を追いかけた

それから暫く歩いた3人は、ようやくトリトニスの滝にでる

 

「お・・・・・・!」

 

「へぇ・・・すげぇなこれ!」

と2人は目の前の風景に見とれた

「どうですか?横幅の全長2800mもあるトリトニスの大滝でございます。こんな滝お2人の故郷にも無いのでは?」

と黒ウサギが問いかけると

 

「・・・ああ、素直にすげぇな」

 

「ホントに・・・いい物が見れたよ」

と素直な気持ちを述べた

 

「トリトニスの大滝か・・・」

と龍夜は呟く

 

「どうされましたか?」

と黒ウサギが尋ねる

 

「いや・・・これがホントにそうなら」

 

「黒ウサギここの上流に遡ればアトランティスでもあるのか?」

と十六夜が言ったり龍夜は驚き

 

「ほぉ・・・知ってたのか十六夜」

 

「ヤハハ、俺は結構博識なんだぜ?・・・それでどうなんだよ黒ウサギ」

と自慢げに言った十六夜は黒ウサギに尋ねた

 

「どうでしょうか?黒ウサギは箱庭の外の事には余り存じ上げません。しかし・・・箱庭の上層にコミュニティを移せれば、閲覧できる資料の中にあるかも知れませんよ?」

 

「なるほどね・・・」

 

「要は知識を欲するなら手柄を立てろって事か・・・いいじゃんわかりやすくて」

 

「いえいえ、ロマンを追求されるのなら・・・と言う黒ウサギの勧めですよ?」

 

『それはどうもご親切に』

と言って2人は踵を返した

「どうされましたか?」

 

「いや、そろそろ戻ろうかってね?」

 

「まぁいいもんは見れたし、さっさと箱庭に行こうぜ黒ウサギ」

と言って歩き始める2人。黒ウサギはその背中を見ながら苦笑し

(初めからきちんとお話しておけば良かったな・・・ジン坊ちゃん大丈夫でしょうか?)

と思っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして箱庭に着いた時ガルド・ガスパー率いるコミュニティ『フォレス・ガロ』とコミュニティを掛けたギフトゲームを行うと聞いて卒倒するのであった




いかがでしたでしょうか?
ラ!の小説とISの方も執筆はしており、構想も出来ているのですが・・・如何せん動かし方が自分の求めている物となんか違うな?と思ったりヤベェ全然違う事になってるよこれ
ってな感じでずっと訂正ばっかりで、尚且つ文字数も少ないという
真面目にスランプです・・・
更新を心待ちにしている皆様には大変申し訳ございませんが何度も言いますが失踪、未完の状態で終わらすことは絶対致しませんので心よりお待ちください
m(*_ _)m


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ギフトの鑑定に向かうそうですよ?

皆さんおはこんばんにちは!
今回は少し短めです!


「なんであの短時間でフォレス・ガロとゲームをする事になっているのですか!?しかも明日!敵のテリトリーの中で!一体どういう心算があってのことですか!?」

 

『ムシャクシャしてやった。今は反省している』

 

「黙らっしゃい!」

と激怒する黒ウサギ

 

(ま、黒ウサギが怒るのも分かるが、飛鳥達の言い分も分かる)

3人が戻ってきて、話しを聞く限りでは飛鳥達のやったことは分からなくもないと思うが、いささか不用心でもあった

話の内容としては、どうやら相手方の方から飛鳥達の勧誘に来たそうで、更にジンのコミュニティの事を話したそうだ。その上で黒ウサギ共々コミュニティに来ないか?と誘ったが断られた上に、自分のやってきた罪を露見させられ、激昂。そこから飛鳥がギフトゲームを提案したという事だ。

 

「落ち着け黒ウサギ、別にいいじゃねぇか。喧嘩売るには事足りる理由だったんだから許してやれよ」

とニヤニヤしながら見ていた十六夜が止めに入った

 

「十六夜さんはいいかもしれませんが・・・このゲームで手に入るのは自己満足だけなんですよ?」

 

「まぁ確かに自己満足かもしれないな。時間をかければ立証できる罪を、取り逃がすリスクを背負ってまで短縮したんだからな」

 

「だが、時間がかかるのもまた事実ってことだろ?要は」

と龍夜も会話に参加する

 

「そういう事よ、あの外道を裁くのにそんな時間かけたくないわ。それにね黒ウサギ私はあの外道が私達のコミュニティの活動範囲内で野放しにされてる事も嫌なのよ。ここで逃がしたくは無いわね」

 

「僕も同意見だと思ってる、彼は野放しにしてはならない」

ジンも同調する姿勢を見せた

 

「・・・・・・分かりましたよ、腹立たしいのは黒ウサギも同じです。まあフォレス・ガロ程度なら十六夜さんと龍夜さんがいれば楽勝ですけど」

と言った黒ウサギの言葉に対して、飛鳥と十六夜は怪訝な顔をして

 

「何言ってんだよ、俺は参加しないぞ?」

「当たり前よ。貴方なんて参加させないわ」

と言い放った

 

「だ、駄目ですよ!同じコミュニティの仲間なのですから協力しないと・・・」

 

「そう言う事じゃねぇよ黒ウサギ」

十六夜が真剣な顔で黒ウサギを制する

 

「この喧嘩は、コイツらが売って、ヤツらが買った。その勝負に俺が手を出すのは無粋だって言ってるんだよ」

 

「あら、分かってるじゃない」

と飛鳥も賛同する

 

「龍夜さんはどうなのですか!?」

と龍夜に助けを求める黒ウサギ

一方の龍夜は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ・・・・・・この団子上手いな」

1人で団子を食べていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何をしているんですか、このお馬鹿様!!」

とハリセンで叩こうとするが

 

「おいおい、団子が落ちるだろう」

と言ってヒョイっとかわした

「フリーダムすぎるのですよ!?龍夜さん!?」

と激怒する黒ウサギ

まぁ悪かったって、と言いながら団子を食べきった龍夜は

 

「うーん・・・十六夜と飛鳥が言う事は最もだと思う。筋も通ってるしな・・・だが、すまんなこのゲーム俺は参加する」

と真剣な顔をしていった

「へぇ、何故かしら?教えて下さる?」

と飛鳥が食ってかかる

 

「ま、しいていうなら・・・嫌な予感がするんだよ。下手すれば飛鳥達の中から誰か死ぬかもしれないっていう感じの予感が・・・な?」

 

と真剣な顔て言った

「無粋なのは分かってる。だが、こんな所で仲間を失いたくは無い。だから参加はするが基本的に飛鳥達にゲームの攻略は任せるってところだ。頼むよ飛鳥」

 

と言って手を合わせてお願いしてみる

対して飛鳥は少し考え

 

「・・・そう言うなら分かったわ、正し、言ったとおり基本は私達に任せてちょうだいね。」

どうやら折れたようだった

 

「サンキュー飛鳥。無論飛鳥達に命の危険があった場合、容赦無く介入するからな?」

 

「ええ、構わないわよ」

 

とお互い納得し、龍夜の参戦が決まった

 

「もう、お好きになさってください・・・」

と肩を落とした黒ウサギだった

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「では、そろそろ行きましょうか。本当は皆さんの歓迎会をしようとお店を予約して色々と手続きもしていたのですが・・・今日はお流れになってしまいまして・・・また、次回にでも・・・」

 

「いいよ、別に。崖っぷちの状態でやらせる程俺達は酷い人間じゃ無いぜ?」

と龍夜が言った

 

「やるなら豪勢にしようや、その為に俺達も頑張るからよ。その時またセッティング頼むぜ黒ウサギ」

 

と4人は微笑みながら黒ウサギを見た

 

「・・・・・・すいません、ありがとうございます。皆様に楽しんでいただけるようにしますので、お任せ下さい!」

と笑顔になった黒ウサギ

 

「ありがとうございます、皆さん。・・・それじゃあ今日はコミュニティに帰る?黒ウサギ」

 

「あ、ジン坊ちゃんは先にお帰り下さい。ゲームが明日なら『サウザンドアイズ』に皆さんのギフト鑑定をお願いしないと。この水樹もありますし」

と言って手に持った水樹を掲げた

 

「サウザンドアイズ?コミュニティの名前か?」

 

「Yes!サウザンドアイズは特殊な瞳を持つ者達のコミュニティであり、箱庭の全てに精通する超巨大商業コミュニティでもあります!この近くに支店もありますので丁度良いかと。」

 

「ギフトの鑑定って?」

 

「勿論、皆様の力や起源などを鑑定する事なのですよ。皆さんも自分の力の出処は気になると思いますし」

 

それを聞いた4人は複雑な表情をする

思う事はあるが拒否する言葉は無く、5人と一匹はサウザンドアイズに向かう

 

道中黒うさぎ以外の4人は興味深そうに街並みを眺めた

 

「桜の木・・・では無いはずよね?真夏になっても咲き続けるはずがないもの」

 

「いや、まだ初夏になったばかりだぞ。残っていてもおかしくないだろ?」

 

「・・・?今は秋だったと思うけど」

 

「ん?いや、冬の間違いじゃないか?」

 

ん?と4人は首をかしげた

 

「皆さんはそれぞれ違う世界から召喚されていますので、元いた時間軸以外にも歴史や、世界観、文化、生態系など所々違うところがあるのですよ」

 

と黒うさぎか笑いながら説明した

 

「へぇ・・・パラレルワールドってやつか?」

 

「正しくは立体交差平行世界論ってやつだな」

 

「そうですね、今からこの説明を始めますと、1日2日ではできませんのでまたの機会という事に」

 

と言って黒うさぎは振り返った。どうやら店に着いたらしい

 

さて、どんな所なのかな?




いかがでしたでしょうか?
次回かの和装ロリが出てきますよー


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和装ロリが白夜の王らしいですよ?

えー皆々様お久しぶりでございます

星詠の魔術師でございます

この度はほんとーにお待たせしました!
いや、なんかもうねリアルで色々あって書いては消しての繰り返しをずーっとしてました(´・ω・`)

でも、ようやく納得のいくものが出来たので投稿したいと思い、投稿しました!

楽しんでくれるといいなーと思っていますm(*_ _)m


店に着いたはいいがどうやら閉める前だったらしく、女性店員が暖簾(のれん)を下げようとしているところだった

 

「待って」

 

「待ったなしですお客様、残念ながら本日の営業は終了しました」

 

もはや聞く耳持たずと言った様子だった

 

「流石は大手商売コミュニティてか?押し入りはごめんくださいって事だろ?」

 

「文句があるならばどうぞ、他所のお店へ。その場合あなた方は今後出入りを禁じますので」

 

「出禁!?これだけで出禁とか舐めすぎでございますよ!?」

 

黒ウサギに対し冷ややかな目をした店員が言った

 

「なるほど・・・箱庭の貴族である月の兎のお客様を無下にあつかうのは失礼ですね、では入店許可を貰ってきますのでコミュニティのお名前をお伺いしても?」

 

「・・・・・・うぅ」

 

「俺達はノーネームつてコミュニティなんだが?」

 

「なるほど、ではどこのノーネーム様か確認したいので旗印の方をお見せ頂いても?」

 

「ぅぅ・・・」

と黒ウサギは小声で呻き

 

「わ、・・・私達に旗は・・・」

 

「いぃぃぃぃやっほぉぉぉぉ!久しぶりじゃのぅぅぅぅくーろーうーさーぎー!!!」

 

と叫びながら飛び込んで来た和服をきた少女に抱きつかれそのまま、街道にある、浅い水路まで吹き飛んだ

 

「うにゃゃゃゃゃゃゃ!?!?!?」

 

黒ウサギの可愛らしい悲鳴が聞こえ、4人は目を丸くした

 

「・・・おい定員、今のはこの店のドッキリサービスか?なら俺も別バージョンで頼む」

 

と十六夜が言うと

 

「ありません」

 

「なんなら、有料でも」

 

「やりません!」

 

真剣に考える十六夜にキッパリと言い切った店員

 

「し、白夜叉様!?ど、どうして貴女様がこのような下層に!?」

 

「ムフフ・・・黒ウサギが来る予感がしたからに決まっておろう!ふへへ・・・やっぱり黒ウサギは触り心地がええのぅ〜」

 

ここがええのか?ここがええのか?とペットを撫で回す飼い主の様な雰囲気を漂わせながら飛び込んできたロリっ子(白夜叉)が黒ウサギを撫で回していた

 

「い、いい加減にして下さい!と言うかちょっと離れてください!」

 

と言って白夜叉と呼ばれた少女の頭を掴み、店にに向かって投げつけた

 

「ぬぉぉぉ!?」

 

錐揉み回転しながら飛んできた少女を飛鳥と耀を守る様に前に立った十六夜が受け止め・・・ずに左へ受け流し、死角から飛んできたにも関わらず、涼しい顔で飛んできた少女を龍夜は受け止めた・・・足で

 

「お、おんし飛んできた少女を足で受け止めるとは何事じゃ!?それにそっちの小僧も受け流すとは何様じゃ!?」

 

「十六夜様だぜ、和装ロリ」

 

「龍夜だ、ま、反射的に足が出ちまったんだよ」

 

と笑いながら自己紹介する2人

 

「貴女はこの店の関係者の人?」

 

「うむ、そうだとも。サウザンドアイズの幹部の白夜叉様じゃよご令嬢。仕事の依頼ならその発育のよい胸をワンタッチで」

 

「オーナー、それでは売上が伸びません」

 

と冷静な声で店員が釘をさした

 

「うぅ・・・まさか濡れることになるなんて」

 

「まぁしょうがねぇな」

 

「ええなんたって」

 

「俺達は上空4000mの高さから湖目掛けてスカイダイビングさせられたんだからな」

 

「因果応報だね・・・」

 

「うぅぅ・・・」

 

濡れた服を絞る黒ウサギ

 

「まぁよい、話があるのなら中で聞こうか」

 

「よろしいのですか?」

 

「よい、身元の保証なら私が責任をもつボスに睨まれても責任をとる。」

 

「そうですか・・・」

 

むっとした顔をする店員を尻目に5人と一匹は店内へと入った

 

「生憎と店はもう閉めた後でな。私の私室で我慢してくれ」

 

個室というにはやや広い部屋に腰を下ろした

 

「改めて自己紹介じゃ、私は4桁の門2345外門に本拠を構えているサウザンドアイズ幹部の白夜叉じゃ。黒ウサギに昔からちょくちょく手を貸しておる美少女と認識しておいてくれ」

 

「はいはい、お世話になっております」

 

と投げやりに受け流す黒ウサギ

 

「外門って?」

 

と疑問に思った耀が質問した

 

「箱庭にある階層を示す外側にある門の事です。若いほど中心に近く強大なコミュニティや猛者たちが住んでいるのです」

 

と黒ウサギが描く上空から見た箱庭の図を見た4人は

 

「・・・超巨大タマネギ?」

 

「どちらかというと、超巨大バームクーヘンではないかしら?」

 

「そうだな、バームクーヘンだな」

 

「そういや、バームクーヘンって木の年輪を表した菓子らしいぜ?」

 

と関係ない話で盛り上がる4人に黒ウサギはガクリとを落とした

 

「はは、上手いこと例える。その例えなら今居るのは1番外側の世界の果てと向き合う場所になる。あそこには強力なギフトを持ったもの達がおるぞ・・・その水樹の持ち主とかの?」

 

と言って黒ウサギの持つ水樹に目を向けた

 

 

「して、誰が、どのようなゲームで勝利したのだ?知恵か?勇気を試したのか?」

 

「いえいえ、こちらは十六夜さんと龍夜さんが素手で蛇神さまを叩きのめしてきたのでございますよ。」

 

「なんと!それは真か黒ウサギ?」

 

「ええ、本当でございますよ♪」

 

と黒ウサギは嬉しそうに言った

 

「そう言えば、白夜叉様はあの蛇神様とお知り合いだったのですか?」

 

「かっかっ、アレに神格を与えたのはこの私だよ。かなり前・・・まぁ何百年も前の話だがの」

 

とそれを聞いた十六夜は瞳を光らせながら問いた

 

「てことは・・・お前はあの蛇より強いってことか?」

 

「当然じゃ。私は東側の階層支配者(フロアマスター)じゃぞ?この東側にあるコミュニティでは並ぶ者のおらぬ、最強のなのじゃ」

 

最強・・・その言葉を聞いた十六夜、飛鳥、耀の3人は目を輝かせた

 

「そう・・・ならば貴女のゲームをクリアすれば私達は東側最強のコミュニティを名乗れるという事かしら?」

 

「うむ、そうなるの」

 

「なるほど、分かりやすい話だな」

 

そう言って3人は白夜叉に闘争心剥き出しの目を向けた

 

「抜け目ないのぉ〜依頼に来ながら、私にゲームを挑むとは」

 

「え、ちょ、ちょっと待ってくだい!」

 

「よいよい、私を退屈しておってのう」

 

と黒ウサギを制した

 

「ところで、おんしはいいのかのう?この私を倒せるかもしれないチャンスだぞ?」

 

と一人無言を決め込んでいた龍夜に聞いた

 

「・・・まだ、お前という人物がどんな者かわからないからな・・・部の悪い勝負はしない主義なんでね」

 

「ほぉ・・・」

 

「まぁ、お前という人がどんなのか見極めてからだな挑むのは」

 

と言ってまた静かになった

 

先程十六夜と共に蛇神を打ちのめした時とはうって変わって、純粋な闘士を込めて、しかし今ここで挑むという訳ではなく抑え込むように口をつぐんだ

 

「かっかっ、おぬしも面白いやつよの」

 

と言って3人に向き直り

 

「一つ・・・ゲームの前に確認しておこう」

 

と言ってサウザンドアイズの旗印の紋が入ったカードを裾から取り出し笑みを浮かべて言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お主たちが望むのは・・・挑戦か?・・・それとも純粋な決闘か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直後白夜叉以外のこの場にいた者達は驚愕に目を見開いた

 

全員が投げ出されたのは白き雪原と凍りついた湖、そして水平に太陽が回る世界だった

 

「おいおい・・・なんだよ、これ」

 

突如として現れた景色に十六夜は驚きを隠せなかった

 

そしてその反応を見た白夜叉は満足そうに言った

 

「もう1度問おう、お主らが望むのは私ーーー白き夜を司る、太陽と白夜の星霊・・・白夜叉の試練への挑戦か?・・・それとも対等な決闘か?」

 

と笑みを浮かべながら問いかけた

 

 

 

 

 

 

「くくく・・・あははははは!」

 

 

 

とこの場に似使わぬ笑い声がこだました

 

 

「む、どうかしたか?」

 

白夜叉はその笑い声をあげた人物・・・龍夜へと問いかけた

 

「なるほどね・・・水平に回る太陽・・・ね」

 

と言って1人納得したように頷いた

 

「・・・そういう事か、白夜と夜叉この世界そのものがお前を象徴するものって事か・・・」

 

「ほぅ・・・なかなかキレが良いのう?その通り、この世界こそ私が持つゲーム盤の一つだ」

 




久しぶりの投稿過ぎて話の流れとか絶対に覚えて無いですよね(笑)

本当遅くなって申し訳ございませんでしたm(*_ _)m

少しずつ、少しずつ活動を再開させていただきますので

ラブライブ!、ISの方をお待ちの読者様ももう少しお待ちください!
m(*_ _)m
必ず投稿致しますので!

では、次もこの作品になると思いますので、よろしくお願いします!


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皆様の実力が試されるそうですよ?

はい、皆様おはこんばんにちは

ご無沙汰しております、星詠でござりまする・・・

割と真面目にやばいと感じています。本当に執筆遅くて申し訳ない(´・ω・`)

の癖に新作のプロットが出来つつあるからほんとに阿呆だろ私

そのうちふらっと投稿されるかもしれないので興味あったら見てください

・・・そんな事より残りも進めろって話ですよね(笑)


「これだけの広さを持つ土地が、ただのゲーム盤ですって!?」

 

「如何にも。さて、では再び問おうかのう?おんしらが望むのは試練への挑戦か?はたまた対等な決闘か?」

 

と白夜叉は凄みを効かせながら、問いかけた

 

「・・・十六夜、飛鳥、耀」

 

と先程まで笑っていた龍夜が、真剣な声音で呼びかけた

 

「悪いことは言わねぇ、試練への挑戦にしときな。正直俺らじゃかなわねぇよ・・・。十六夜お前ならわかるだろ?」

 

「・・・わかってるよ、正直格が違い過ぎる」

 

と両手を挙げながら十六夜は言った

 

「参った、こうも凄いもん見せられちゃあどうしようもない。降参だ、白夜叉」

 

「かか、そうか。では試練を受けるということだな?」

 

と白夜叉は笑みを浮かべ言ってきた

 

「ああ、それでいい・・・だがな」

 

「うむ?なんじゃ?」

 

十六夜はその瞳に闘士を滾らせて言った

 

「この世界で過ごしながら、力をつけて・・・いつか、いつかお前に対等な決闘を挑んでやるよ」

 

「無論、俺も同じだぜ白夜叉。今の俺の実力じゃあ到底お前には敵いそうにない。だが・・・俺には・・・俺達にはやるべき事があるんでね?このままにしとく理由にはいかんのよ。」

 

「そういうこった、だから今回は黙ってお前に試されてやるよ、魔王様?」

 

と闘士を剥き出しながら2人は白夜叉に言い放った

 

 

「くくく・・・おんしらは本当に面白い。して、残り2人も同じか?」

 

と2人に問いかけると

 

「・・・ええ、そうね今回は試されてあげるわ」

 

「うん、右に同じ」

 

と2人も返した

 

「そうか・・・では、おんしらを試すとしよう。さて、どんなゲームがよいかのう?」

 

と白夜叉が考えていると遠くに見える山脈から甲高い声が聞こえてきた

 

「うん?何今の声、聞いたことない声だった」

 

「ほう・・・彼奴なら丁度おんしらを試すのによいかもしれんな」

 

といって山脈に向かい手招きすると、巨大な獣が大空から4人の前に現れた。その獣は鷲の翼を持ち獅子の身体をした獣だった

 

「こいつは・・・まさか」

 

「グリフォン!・・・凄い、本物!?」

 

「さよう、此奴こそ鳥獣の王にして、"力" "知恵" "勇気"の全てを備えた、ギフトゲームを代表する獣じゃ」

 

「はは、コイツはスゲェや神話や逸話に出てくる名だたる獣の中でも、まさかグリフォンを拝めるとわな」

 

「ふふ、そうか。では試練について説明しよう。そうじゃのう・・・おんしら4人とグリフォンで先程の3つのうちのいずれかを比べ、背中に跨って湖畔を1周出来ればゲームクリアということにするかのう」

 

と言って白夜叉は紋の入ったカードを取り出した。すると虚空から輝く羊皮紙が現れ、それにゲームの内容を記述していった

 

 

『ギフトゲーム"鷲獅子の手綱"

ゲーム参加者 逆廻十六夜 久遠飛鳥 春日部耀 神無月龍夜

 

・クリア条件 グリフォンに乗り、湖畔の1周

 

・クリア方法 "力" "知恵" "勇気"のいずれかをグリフォンに認められる

 

・参加者側敗北条件 降参、或いは参加者が勝利条件を満たせなくなった場合

 

宣誓上記内容を尊重し、御旗と誇りとホストマスターの名の元に、ギフトゲームを開催する。 "サウザンドアイズ"』

 

「さて、これでよいかのう、では誰が挑戦する?」

 

と白夜叉が言うと

 

「私がやる。と言うか私にやらせて」

 

と耀が自信満々に言った

 

「了解だ春日部、先手は譲ってやるよ」

 

「気を付けてね、春日部さん」

 

「頑張れ、耀」

 

「うん、頑張るよ」

 

と言ってグリフォンに近づき、耀はグリフォンと話を始めた

 

「へぇ、耀のやつグリフォンと対話してんのか」

 

「どうやら、そうみたいだな。春日部のギフトは動物・・・いや、生物全般に関わる何かなのかもな」

 

と十六夜と龍夜は2人で耀のギフトについて考察していた

 

そして、話を終えた耀がいざグリフォンに跨ろうとしたとき

 

「あ、ちょい待ち耀」

 

と龍夜が声を掛けた

 

「ん?どうしたの龍夜」

 

不思議そうに首を傾げる耀

 

「いやなに、グリフォンに跨って1周すんなら多分、てか絶対その格好じゃさみぃと思うからよ・・・と、ほれこれをつけときな」

 

と言って龍夜は黄金の波紋の中から豪華でありながら、かなりしっかりとした造りをしたマントを耀に渡した

 

「・・・これ、すっごく高価な物そうだけどいいの?」

 

「ソイツは『王者のマント』って言ってな冷気や灼熱から自分の身を守ってくれる代物だ。なに、ちょっとやそっとじゃ壊れんから、遠慮なく使ってくれ」

 

と言った

 

「うん、わかった。ありがたく使わせてもらうよ」

 

と言ってマントを羽織り、今度こそグリフォンの背に跨り、飛翔し加速しながら湖畔を回り始めた

 

「大丈夫かしら、春日部さん」

 

「なに、春日部なら大丈夫だろう。・・・それより龍夜、さっきあの蛇神を縛った黄金の鎖も、マントを出した金色の波紋から出してたよな。それってなんだ?」

 

と十六夜が疑問に思っていた事をぶつけた

 

 

「あれか?うーん、まぁ俺のギフトみたいなもんかな?」

 

「あら、随分便利そうなギフトを持っているのね」

 

「確かに、なかなか面白いギフトもあるもんだな」

 

「まぁ俺にもよくわかんけどな・・・と、どうやら戻ってきたようだぜ?」

 

と言って3人は話を切り上げ、湖畔の方を見ると丁度、こちらに向かって戻ってくるところだった

 

そして、耀の勝利が決まった所で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

耀の手から手綱が離れ、グリフォンの身体から落下した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「春日部さん!!!」

 

 

 

 

 

切羽詰まった声で黒ウサギか叫び助けに行こうとした所で、十六夜と龍夜が彼女の手を掴んだ

 

 

「十六夜さん、龍夜さん!は、離してーーーー」

 

「まぁ待て、黒ウサギ」

 

「大丈夫だ、黒ウサギ」

 

そういった2人はじっくりと耀を見ていた

 

すると

 

 

「えっ・・・」

 

「おっ、スゲェな」 「な?大丈夫だろ? 」「凄いわね春日部さん!」

 

4人とも驚きに満ちていた

 

それもそうだろう、なぜなら耀は空をまるでそこに道があるように歩いてこちらに向かって来ているのだから

 

そして、慣れない飛翔をする耀に近づいたのは、苦笑した十六夜だった

 

「やっぱ春日部のギフトは、他の生き物の持つ特性を手に入れる事の出来るギフトだったんだな」

 

「むぅ・・・違う、これは友達の証。けど、どうしてわかったの?」

 

 

「なんとなく。ま、お前が黒ウサギにあった時に風上が〜って言ってたろ?普通の人間じゃ到底出来ない。なら春日部のギフトは他種族の能力を何らかの形でギフトとして手に入れるもんじゃないかと思ってな。けど・・・それだけじゃ無さそうだな」

 

「確かにな、グリフォンのスピードが実際どんくらいか分からんが少なくとも俺の知っている生物の中で、あんなスピードに耐えられる生物は地球にはいねぇと思うしな」

 

興味津々な2人の視線を躱し、飛鳥と黒ウサギの元へ向かった

 

「うむ、たいしたものだこのゲームはおんしの勝利だ。ところで・・・おんしのそのギフトは先天性のものかのう?」

 

白夜叉も耀のギフトに興味を持ったらしく、聞いてきた

 

「ううん、違う。お父さんから貰ったこの木彫りのおかげ」

 

と言って首にかけていたペンダントを取り出して見せた

 

「どれどれ・・・・・・これは」

 

「材質は楠の神木ですね、しかし神格は残っていませんね。・・・中心に向かう幾何学線に、中心に円状の空白」

 

「んー?耀、親父さんの知り合いに生物学者の人っている?」

 

「私のお母さんがそうだよ」

 

「となるとこの図形は・・・系統樹を表してんのか、白夜叉?」

 

「おそらくのぉ・・・ということは・・・、いやはやこれは凄い!人の手で作られたとするのなら、おんしの父は神代の天才じゃ!まさか、人の手で系統樹を完成させ、ギフトとして確立させるとは!正真正銘"生命の黙示録(ゲノムツリー)"として過言のない名品じゃ!」

 

耀の見せたペンダントを見て、黒ウサギ、十六夜、龍夜、白夜叉がそれぞれの考察を述べ再度確認した白夜叉が言った

 

「この木彫りの円形は生命の流転いわゆる輪廻を表し、再生と消滅を輪廻の中で繰り返しながら進化して行く、世界の中心へと進む事を表している。うむ、これは凄いぞ実にアーティスティックな作品じゃ。わしが買取りたいぐらいじゃ!」

 

「ダメ」

 

「むぅ・・・こればかりはしょうがないのぉ・・・」

 

「それでですが白夜叉様、実は私達はギフトの鑑定をお願いしに来たのでありますよ」

 

と黒ウサギがここに来た経緯を今更乍に話した

 

「む、鑑定とな・・・よりにもよって専門外なのじゃが・・・」

 

「そこを何とか出来ないのか、白夜叉」

 

「うむむ・・・」

 

と少し悩むと

 

「ふむ・・・試練を無事クリアしたおんしらには何かしらのギフトを与えなければならんのぉ・・・まぁよいか、先行投資ということじゃ贅沢じゃが良いものをやるかのぉ」

 

と言って白夜叉が手を叩くと4人の前に輝くカードが現れた




はい、という訳で(何が!?)今回の更新はここまでです

ではまた次回お会いしましょう

因みに新作はBanG Dream!×仮面ライダーエグゼイドの作品となっております

私初のオリ主5人という何ともチャレンジャーな事をしております


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