喰い荒らされた世界で・・・ (水無月 蒼次)
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プレイヤー二人の異世界移転
古参プレイヤーの異世界移転


ハーメルンで書くのは初めてです。
二次小説としては処女作です。
ゴッドイーターはまりすぎの中毒患者です。
バーストから始めました。
好きなアラガミはハンニバル神速種
嫌いなアラガミは極地適応型グボログボロ
好きな武器はショートブレードとチャージスピア
お気に入りの装備は四神刀 朱雀 スーリャ・パシーマ極 アイギス 極
この小説に出てくるペンネームにもなってる水無月 蒼次って言うキャラクターは自分が実際に使用しているキャラクターで所々実話が入ってます。
例えば神速種を準備運動で殺したりね。ほんとは12:48で片付けたんだけど。


俺は今、夢にまで見た戦場・・・

アラガミに食い荒らされ人類が居住不可能となってしまった大地にいる。

そして今は、体長3m弱のゴリラみたいなアラガミ、コンゴウの堕天種と戦っている。

いや、語弊がある。戦っているのは俺じゃない。

戦っているのは俺のゲームアバター。

プレイヤーとしての姿をした俺の影だ。

今俺は、ポイントAでお馴染みの携帯用ゲーム機で現在の戦闘に介入して単騎でコンゴウ堕天の相手にしている。

俺の名前は山澤 明史(ヤマサワ アキフミ)ゴッドイーターバーストからゴッドイーターをプレイしている古参プレイヤーだ。

今、俺が居るのは「嘆きの平原」という円形のエリアで中央に巨大な竜巻がそびえ立っている。

この竜巻はかなり前から存在しておりいっこうに消滅する気配はない。

 

俺は装甲車の運転席で画面に集中する。

俺の携帯用ゲーム機の画面には青い髪に猫耳を付け黒いシャツの上から白いコートを着た青年が映っていた。彼の名前は水無月 蒼次、実質俺がこの機械で動かしているからもう一人の俺と言っても過言じゃない。

彼は今バスターブレードを使ってコンゴウの相手をしている。

俺は馴れない武器の操作に手間取りながらコンゴウの尻尾を切り落とす。

この世界ではゲームではなかった相手に傷を付けたり相手の一部を切り落としたりと言ったことができる。

・・・がこの世界ではゲームではあったリンクエイドが無い。

つまり死んだら終わりと言うことだ。

別に彼は死んだとしてもリザルト画面を見てアナグラに戻れば彼はちゃんとこの画面の中にいるし呼び出せば出てくる。だが彼以外は一度戦闘不能になったら最後二度とこの世界にも元の世界にも復帰できないのだ。

 

俺は、チャージクラッシュでコンゴウの顔面を叩き割る。

コンゴウの顔面に深々と身長を超える長さの剣が潜り込む。

俺はステップで下がり剣を引き抜く。

血が吹き出し、内部で発光するオラクル細胞が露出する。

俺はジャンプコマンドを入れ、落下攻撃をコンゴウの背中に叩き込む。

背中のパイプが砕け散り発光するオラクル細胞が露出する。

コンゴウが凍りついた空気中の水蒸気の固まりを発射しようと力むが氷の粒の固まりは出なかった。

氷の粒の固まりの代わりにコンゴウの全身から血が吹き出した。

 

「フィナーレだ」

 

俺はコンボ捕食のコマンドを入れる

彼は跳び、コンゴウの背中に彼が持つ神機から伸びた銀色の禍々しいアラガミが食らいつきコンゴウのオラクル細胞を背部からごっそり喰い千切った。

コンゴウの背にはポッカリと穴が開いた。

彼は回転して着地する。

 

「堕猿大鎧 堕猿大面 堕猿血晶 の三つとコンゴウ堕天のコア一つね」

 

コンゴウ堕天は黒い霧を吹き出し、霧散していった。

俺もつい一週間前までは普通に高校生やってたんだけどな・・・

 

一週間前俺はいつも通り学校帰ってきて、荷物を片付けてゲーム機を手にしてソロでハンニバル神速種を狩っていた。これはただの準備運動だ。

ハンニバル神速種を14:30で片付けて俺は難易度14のDLCのチャレンジミッション曼珠沙華をスタートした。

enemyはスサノオ、カリギュラ、ハンニバル神速種

どれもなかなかに強くソロでとなるとそこそこ手こずるがNPCを三人連れていけば楽勝で勝てる相手だった。俺はさっさと三体を片付けた。

どうにも味気なかったからネットに接続してオンラインにした。

別に友達の連絡した訳でもない。

野良パーティーを組んでプレイするつもりだった。

そこに二人が入ってきた。

一人はリンクと言うプレイヤーでもう一人はクラウンと言うプレイヤーだった。

暫く三人で難易度13,14をプレイした。

チャットも使用していたため声で誰がしゃべっているのかわかる。 

バンダースナッチをクリアしたあとクラウンが調子を変えて喋りだした。

 

「君達強いね、君達もっとこの世界を楽しみたくないかい?」

「ああ、より楽しめるならそれに越したことはない」

「そうですね、もっと楽しめるなら楽しみたい」

「ならおいで此方に・・・」

 

クラウンの声が怪しく聞こえた

画面が急に明るくなり辺りを真っ白にした。

 

「おいで、ーーー喰い荒らされた世界へーーー」

 

そうクラウンが言ったのがチャットでの会話の最後だった。

聞こえていた声が電子音特有のノイズの混じった音から人の声独特な生々しさを持った音に変わる。

 

「ようこそ、ゴッドイータープレイヤーの楽園、アラガミに食い荒らされ世界へ」

 

クラウンの声が聞こえる。

 

「まあ、ここは僕らが夢見た世界だから僕の名前はクラウンだよ。そうだろ?水無月 蒼次君にリンク君?」

「まあそうだな」

 

本音を言うと本名を明かすとマズイ気がした。

 

「僕と一緒に遊んでくれた君達には些細だけどプレゼントをしようと思う。その夢の機械に何か一つ力をあげよう。何を受け取るかは君達が選ぶといい。君達が何かを強く願うときその想いが選択の合図になる。じゃあこの世界で僕に面白い戦いを見せておくれ。期待しているよ・・・」

 

光は収まり周りの風景がハッキリと見えてくる。

俺は黒いゲーム機を手にしてバーチャルのなかで何度も訪れ何度もTPSで見た廃墟の教会がある作戦エリア「贖罪の街」の教会の内部に立っていた。

教会の入り口は一つだけだからここは無印の世界で間違いないだろう。

 

「贖罪の街だよな・・・作戦エリア・・・戦場か・・・神機もないしどうしたものか・・・」

 

「グゴォォォォ」

 

アラガミの咆哮だ。

 

「ダンドンッダンドンッ」

 

銃声かな?

 

「ザシュッ」

 

斬ってるなー

 

「ズンッドシッドシッドシッドシッグギャーーッ」

 

出てきたのは体長2mぐらいの恐竜みたいなやつで尻尾が大きくなっていてとげが生えていて、顔と背を覆う白い外骨格が特長の小型アラガミ、オーガテイルだ。

 

「ヤバイな、倒す方法は・・・ない。逃げる方法は有るけど難しい。ヤバイ殺されるっ。リンク!クラウン!頼む助けてくれ!!」

 

「助けてくれ!!」そう叫んだときゲーム機の画面が急に明るくなり俺の前に青い髪に猫耳を付けて白いコートを着た青年が現れた。

画面には青年とオーガテイルが映っており画面のはしに黒い髪の男が映っていた。

間違いないこれは今の状況だ。

男は動かない。

オーガテイルが男を尻尾で吹っ飛ばす。

同時に画面の中のアバターも後ろに吹っ飛ばされた。

男は動かない。

アバターも動かない。

 

「おい、兄ちゃん戦わねーと死ぬぞ!」

 

返事がない

ふいに俺の指がゲーム機のアナログパットに触れたと同時に男が少し動いた。

 

「そう言うことか。ここからが古参プレイヤーの反撃だ!」

 

俺はオーガテイルを前にゲーム機の画面に集中する。

周りから見ればとんだ自殺行為だろう。

命の危険のある怪物の前でゲーム機をいじってるなんて狂ってるね。

が俺はゲーム機を操作する。

俺は画面の中のオーガテイルを斬りつける。

男は目の前のオーガテイルを斬りつける。

俺は画面の中のオーガテイルに俺が作ったバレットを撃ち込む。

男は目の前のオーガテイルに俺が作ったバレットを撃ち込む。

俺は画面の中のオーガテイルを対地強襲特殊式・銀爪で喰らう。

男は目の前のオーガテイルを対地強襲特殊式・銀爪で喰らう。

俺は画面の中のオーガテイルの顔面ににショートブレードで斬りつける。画面の中のオーガテイルは血を吹きながら倒れた。

男は目の前のオーガテイルの顔面にショートブレードで斬りつける。目の前のオーガテイルは血を吹きながら倒れた。

 

「よし、倒せた。行くぞ俺!外にいるゴッドイーターの応援に行くぞ!」

 

俺はゲーム機を操作しながら走る。




はい、読みにくいのは知ってます。
分かりにくいのも知ってます。
なにぶんまだ小説を書き始めて日が浅いので。
ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。


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古参プレイヤー戦闘に介入

今回は自分が作ったバレットのレシピを紹介します。
接爆弾ver. Mi は消費オラクルポイント691ダメージ3944(ベース銃を使用しての試射の数値)の発射の難しいブラスト専用のバレットです。(やってる人なら他の銃身じゃ発射出来ないことにお気づきだと思いますが)
今回はこのバレットのレシピを紹介します。

M 狙撃弾通常
┗M球:敵に貼り付く/時間経過で威力強化
 ┣LL 爆発/通常
 ┣LL 爆発/通常
 ┗LL 爆発/通常

というとってもシンプルな作りのバレットです。
691も使うのに3944程度程度じゃ満足できない?
大丈夫です。
節約Lv10 トリガーハッピーLv10 銃攻撃力Lv10 を付けて墓石之銃・斑糲 極を使って撃てば役450の消費で41068の威力を発揮してくれます。
汎用性は低いですが使い勝手がいいバレットです。
どうぞお試しください。


俺はゲーム機を操作しながら移動する。

教会の出口に着いた。

思った通り第何部隊かはわからないがゴッドイーター達が戦闘を行っていた。

今、ゴッドイーター達が相手にしているのは虎のような大型種背中の赤いマントが特長のヴァジュラ神属種ヴァジュラだ。

なかなかの強敵(初期から見れば)だが既にヴァジュラは顔面を叩き壊されており勝負がつくのは時間の問題に思えた。

が俺はそんなことは気にせず、ゲーム機を操作して男もとい蒼次を動かしてヴァジュラの腹部に接爆弾ver.Miを撃ち込む。

 

ダンッかなりの大きさの音が廃墟にこだまする。

蒼次はその場で方を揺らして息をする。

画面左上のオラクルゲージがどっと減る

 

すかさず俺は叫ぶ

 

「退避しろ!」

「邪魔だ一般人はさっさと逃げろ!」

「退避するのはお前だ!」

「早く隠れてください!」

 

全否定、俺は一般人だ。だが蒼次は一般人じゃない。

多分お前らより実力もあるぞ?

あーあ、とうとう忠告を聞かなかったな。

 

蒼次は息を整え再び静止する。

 

直後ヴァジュラの腹部に付けた球体が爆発してヴァジュラの腹部から首までを消し飛ばした。

三人は吹き飛び地面に転がった。

 

俺は蒼次を動かしてチャージ捕食でコアとその他を喰らう。

 

「獣神翼 獣神爪 獣神牙 とコア一つねまあまあかな?」 

 

「お前ら何者だ?アナグラでお前みたいな神機使いは見たことがない。新入りか?」

 

いまいち凄そうに見えない男が問い詰めてくる。

 

「お前らねー、蒼次君?こんなかに戻ってくれる」

 

蒼次は戻らない。

俺はメニューを開くと一番下のリタイアという所が帰投になっている。

俺はそこを押すと蒼次は消え画面はアナグラの出撃ゲート前に切り替わった。

 

「これで俺らは俺らから俺になったわけで、でと俺は極東支部に行かなきゃならない。君達も「正体不明の謎の神機使いに助けられコアを回収されました」じゃマズイでしょ?だから俺を極東支部に連れてってくれない?」 

「まあ待て待てお前さんはゴッドイーターじゃないな?」

「ああ、腕輪着けてないからな。だが俺の影はゴッドイーターなんだよ。俺は影を操ってたこの機械で」

「極東支部に連れていくのはいいとして、さっきのヴァジュラのコアを渡してくれるか?」

「蒼次出てきてくれ」

 

蒼次は出てこない

俺はゲーム機を操作して出撃ゲートから出る。

すると蒼次が出現した。

 

「さっきのヴァジュラのコアをくれとさ」

俺は蒼次からヴァジュラのコアを受けとり彼に渡した

「いやー助かった。じゃあ約束通り極東支部に連れてってやる。極東支部に何をしに行くんだ?蒼次だっけ?」

「俺は山澤 明史。極東支部にはゴッドイーターになりに行くんだ。いや正確には違うゴッドイーターとして雇ってもらいに行くと言った方がいいか。どちらにしても極東支部に行って支部長さんに会わないと話が始まらないな。出来れば無線機借りてもいや細工をしたと思われると嫌だな、支部長さんにアポ取っといて。」

「まあ、良いが。アポを取っても取らなくてもお前さんはどうせ支部長に会うことになったさ。ヒバリちゃん支部長にこのあとそっちに客人が行くと伝えてくれ」

『どう言うことですか?』

「極東支部に就職希望の正体不明のゴッドイーターを保護した。どちらにしても正体不明のゴッドイーターはマズイだろ?」

『はい、では支部長に連絡しておきます』

「アポ取っといたぜ。まあ先ずは自己紹介だ。俺はリンドウ。雨宮リンドウだ。今日はこいつらの実地訓練の監査官だ。」

「俺はアラン・リードだ」

「私は飛島 ツバメです。訓練生です」

「俺は山澤 明史。俺のアバター、平たく言うと影が水無月 蒼次、しばらくよろしくな」

「さっさと帰るぞ」

 

リンドウの指示で俺たちは護送車で移動を開始した。

 

「明史よ、お前さんどっからきた?」

「俺は・・・別の世界から来た。アラガミの居ない世界から」

「別の世界ね・・・。わざわざこの世界に来るなんてよっぽどの変人だな」

「俺だってこんなことになるなんて想いもよらなかった」

「まあ、人生そんなもんだ。アクシデントは日常茶飯時、そんなかで如何に楽に楽しく生きるかそれが大切だと俺は思うんだ」

「リンドウは俺の話を信じてくれるのか?」

「別にこんなことで嘘をつかれてもなんの問題もないし嘘をついてもなんの利益もないからな」

「ありがとう。信じてくれて」

「誰も信じるなんて一言もいってないぞ」

「あんたはきっと信じてくれるからな」

 

俺はリンドウに言うのだった。




新キャラが何人か出てきましたね。
彼らの紹介をしましょう。

アラン・リード訓練生 ♂ 18
身長183cm
第一世代型神機/ロングブレード

飛島 ツバメ訓練生 ♀ 17
身長163cm
第一世代型神機/アサルト

水無月 蒼次強襲中尉 ♂ 17
身長182cm
第二世代型神機/ショートブレード ロングブレード バスターブレード チャージスピア ヴァリアントサイズ アサルト ブラスト のいずれか。

澤山 明史 ♂ 17
身長166cm
所持品
・PSvita


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リンク転移 謎の機体アポロとアルテミス

リンクは明史とは違う場所に転移した。

リンクこと神田 澄はエイジス島の近くの廃棄物処理場に転移した。

 

「ここはどこ?あれは・・・全然できてないけどエイジス?」

 

俺は果てしなく巨大な島を眺める

そしてどうするか考える。

地面に座り込んで考える。

 

ここは多分ごみ処理場だ。

だとしたら多少人が居るだろう。

誰かに頼んで本島に送ってもらう。

誰に頼む?

そこら辺の人

そこら辺に人がいるか?

居ない

 

そうして考えている内にアラガミが来てしまった。

どうするか。

相手は劣化版サリエル

ゲームなら数秒で片づけただろう。

でも今はゲームじゃない。

そんなとき俺の目に有るものが止まった。

ゲームの時の強敵ツクヨミのような形をしていて。

無印のボスだったアルダノーヴァに近い表面で、白に金色のカラーリングの物体に。

俺はクラウンの言葉を思い出した。

 

「強い想いが選択の合図になる」

 

俺はこの場を切り抜ける力が欲しいと願った。

ゲーム機の画面にnow lording という文字が点滅する。

SYSTEM ON LINEと表示された。

Oracle Mobile Weapon Prototype-002 Artemis と表示された。

 

画面に外の映像が映る。

ゲーム機のコマンドに合わせてアルテミスが動く。

 

「これが俺のゲーム機の力・・・」

 

俺は□ボタンを連打する。

アルテミスは三日月状の天輪を手にして弓のように展開して神属性の矢を放つ。

劣化版サリエルはあっという間に蹴散らされ無惨にごみ処理場のゴミになった。

 

俺はアルテミスの操縦をミスってゴミの山を崩す。

ゴミの山からアルテミスと同じカラーリングのアルダノーヴァ男神のような形の物体が出てきた。

画面にゴミの山から出てきた物体が映り説明書きが出てくる。

 

Oracle Mobile Weapon Prototype-003 Apollo

Artemis の兄弟機

Artemis の外部バッテリー兼操作ユニット

搭乗可能

 

ArtemisとApolloを同期します。

同期完了

 

Apollo起動します。

 

アポロが浮き上がり。

オラクル細胞が金色に発光する。

 

Apollo Hacci open

と画面に表示されアポロの背部ハッチが開きコックピットが開かれる。

 

「乗れってことかな?」

 

リンクはアポロに乗り込む

 

画面にHacci close と表示され

ハッチが閉まった。

アポロの内部は球形になっており幾つかのボタンとレバーがありその他の壁を液晶モニターが敷き詰められている。

 

「へー、うんわからない」

 

あっさりとリンクはアポロを直接操作することを止めた。

リンクはアポロとゲーム機を同期する。

そうアポロのコックピット(・・・・・・)の操縦方法は解らないが、慣れ親しんだゲーム機の操作なら出来ると思ったのだ。

ゲーム機の画面に外の風景とアポロの背中が映し出される。

リンクはアナログパットを弄んでアポロの動かし方を練習する。

 

「ゴッドイーターそのままだ、どうにかなる」

 

リンクはアルテミスとアポロを接続して(腕で抱えて)アポロを上昇させる。

 

「よし、いざ極東支部へレッツゴー」

 

アポロは高速で飛行を開始した。

 

途中サリエルに遭遇した。劣化版を大量に引き連れている。

アルテミスのホーミングレーザーが劣化版を撃ち落とす。

数は減ったが効果は薄い

こんなときはアポロの大口径ビームで凪ぎ払ってしまえばいい。

アポロのビームが敵の群れに突っ込み大量に劣化版を撃墜した。

俺はアルテミスに同期を切り替える。

アルテミスの天輪を弓にして射撃する。

サリエルは素早く動いてかわす。

アルテミスの弓を剣に変形させる。

 

「変型出来るんだー」

 

実は知らなかった。ただ癖で銃形態から剣形態に変型させようとしてしまっただけだ。

が終わりよければすべてよし。結果がすべてだ。

アルテミスに追撃させる。 

アルテミスが神属性が追加された剣を持ってサリエルを追うアルテミスがサリエルの胴体と尻以下を切り分ける。

サリエルは二つになって落下していった。

 

「なんとかなった。さあ行こうか」

 

アルテミスは再びアポロの腕に乗り

アポロは極東支部に向かって飛んでいった。




はい、新兵器投下です。
とは言っても、自分が考えたこんなのカッコいいなをなんとなく理屈付けて文章にしただけですが・・・
アルダノーヴァ、バーストの時の奴は二体で一体とは名ばかりな単独戦闘が可能な敵だったのに・・・
今となってはそんなギミックはなく・・・
両方のHPを合算して0になったら倒れる、ただダメージリソースが二つあるだけになってしまって・・・
僕は本当に悲しいよ
だから多少そのギミックをアルテミスとアポロに追加します。
アポロはアルテミスとゲーム機無しで活動可能です。(操縦できるパイロットは必要)
アルテミスはゲーム機かアポロの制御下にないと活動出来ません。
こういう設定にして置きます。


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異世界転移者二名のせいで極東支部は大忙し

かなり適当です。
小説に関してもバレットに関しても感想募集中です。
あと最近、ソロで神速種を約5:30で倒しました。
かなりうかれてます。


「六時方向から極東支部に向かって高速で接近するオラクル反応を感知、距離20km600秒でこちらに到着します」

「至急どこかに対処させろ第二部隊が近くにいたはずだ。急行させろ」

「リンドウさんが率いる新人研修部隊が帰還した模様。部外者を連れてきたようです」

「あの、アホは・・・至急対処しろ。」

「リンドウさん曰く正体不明のゴッドイーター出そうでです。」

「ゴッドイーターに正体不明の者など存在しない。フェンリルの管理下以外ではゴッドイーターにはなれないからな。急ぎ腕輪を照合しろ。」

「正体不明のゴッドイーターが支部長に面会を要求しています。」

「そんな危険なやつを支部長に会わせられるか!」

「支部長に伝えろとのことです。エイジス計画の内側のことを俺は知っているだそうです。」

「なんのことだかさっぱりだ。腕輪を照合して、データベースの確認後。支部長室に引っ張っていけ!急げ!」

「高速で接近するオラクル反応第二部隊の配備ポイントに到着まであと30秒です。第二部隊聞こえますか?オラクル反応の到着予想時刻まであと30秒です」

「オラクル反応第二部隊の配備ポイントを通過依然として高速で移動中こちらへの到着予想時刻まであと240秒です。」

「第二部隊どうなっている!」

『ヒバリちゃん、アラガミ来ないけど計器の故障じゃない?』

「第二部隊のポイントには出現していないとのことです。」

「空か!滞空迎撃用意急げ!」

「滞空迎撃準備完了しました」

「今いるゴッドイーターを出撃させろ。」

「オラクル反応到着まで乗り30秒。オラクル反応照合ライブラリ検索なんですかこれはSSクラスの極秘事項です」

「何?支部長以上でないと閲覧不可だと?現場の最高権限を使用。ヒバリ開け」

「了解です。これはオラクル反応は・・・オラクル起動兵器アルテミスとアポロです」

「兵器だと?迎撃中止。支部長、オラクル起動兵器アルテミスとアポロが極東支部に接近しました。」

「ああ、こちらのモニターで確認した。あれは廃棄した筈だったんだが。もうすでにアラガミに侵喰されたか迎撃、撃破を許可する。」

「了解しました。」

「ピーザザッ極東支部応答願う。こちらオラクル起動兵器アポロ及びアルテミス。極東支部応答願う。こちらオラクル起動兵器アポロ及びアルテミス。」

「アポロ搭乗者から通信です。」 

「こちら極東支部、武装を解除して支部の屋上に着陸しろ。ただし下手なことをすればこちらは迎撃する。」

「了解」

 

その直後極東支部に騒音が鳴り響いた。

アルテミスとアポロが着陸したのだ。

 

「アルテミス、アポロの着陸を確認」

「私は上の確認に行く。ヒバリお前は仕事を続けろ」

 

ツバキはエレベーターで昇っていった。

ツバキが向かった先屋上には白をベースに所々金色の装飾が施された機械人形があった。

そのころリンドウと明史は支部長室に到着した。

 

「アポロの搭乗者はお前か?」

 

ツバキは出てきた黒髪の青年に銃を向ける。

 

「そうです。僕がアポロ、アルテミスの搭乗者です」

「ゴッドイーターではないな」

「はい、僕はゴッドイーターではありません」

「この世界には僕に関するデータは一つもありません。データ照合をしても無駄ですよ」

 

「入りたまえ」

「雨宮リンドウ少尉以下一名入ります」

「でと、君が正体不明のゴッドイーターだな?水無月 蒼次君 2071年フェンリル極東支部入隊の新型神機使い

2071年 第一部隊隊長に就任

今は2069年7/23だ。確かにこの腕輪はフェンリルの物だ。だが彼は今から2年後に入隊する筈の人間だと腕輪のデータが言っているんだ。どういうことか教えてもらおうか」

「そうだな、俺が昨日までいた世界、二年後の世界を知る世界から俺は彼を連れてここにやって来た。それだけの話です」

「では聞こう。君は何者だね?」

「俺は山澤 明史、彼のマスターです」

「ほう?お前は何を知っている」

「全てです。この先の未来のことを俺は知っています」

「例えば?」

「エイジスに隠された方舟のこととか、あんたの人類救済計画とか秘密裏に建造育成されている青いコアと特異点のこととか」

「わかった。要求は何だ?」

「俺を雇ってください、彼込みで。彼の討伐履歴見ましたよね?現在確認されているものもいくつかいたでしょう。例えばヴァジュラとかグボログボロとかなその数をあなたは見たはずです。まあデマだと言われてはこちらも打つ手なしですが、貴方方フェンリルの技術が俺みたいな一般人に細工ができるチャチな代物だって言うのと同義語ですよ?」

「わかった。君達を雇わせてもらう。くれぐれも先程の件は内密に。下がってよし」 

「雨宮ツバキ大尉以下一名入ります。支部長オラクル起動兵器アルテミスとアポロの搭乗者を連行しました。」

「アポロに搭乗?中々の腕じゃないか。あれは操縦が難しすぎるという理由で廃棄された品だ。乗れる人間がいるなら是非とも近くに置いておきたい。どうだろうか天才搭乗者殿?」

 

ツバキの横にいた青年は声を発する。

 

「リンク・ロードです。僕を雇って頂けるのですか?」

 

なんとリンクだった。

 

「ああ、せっかく作った機体だ。ごみ処理場でスクラップにするよりは乗れる人間が乗ってアラガミを掃討した方が作った甲斐があったってものだ。どうだろうか雇われてくれるかね?」

「謹んでお請けします」

「ツバキ大尉ご苦労だった。下がってよし」

 

俺達は部屋を出る

 

「やあリンク半日ぶりかな?」

「その声は蒼次かな?」

「ああ、今は山澤 明史と名乗っている。」

「お互い無事で良かったよ」

「お前ら知り合いか?」

「電話で話しただけですけどね」

「まあ、知り合いが多いのは良いことだ」

 

俺達は別々のエレベーターに乗り込み各々の方向に移動した。



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転移者二名と訓練生二名部隊配属

最近、カリギュラを狩りまくってます。
カリギュラを3:30で狩れるようになりました。
正直作業だと思います。


「でお前さん、これからどうする?」

「俺は何の指示も受けてないから、そうだなとりあえずエントランスで指示を待つかな。俺の予想ではその内ツバキさんと一緒に指示が来るから」

「その予想の根拠は?」

「現在の様子を見るにツバキさんは教練担当者、俺の現状は新入り作業員となると教育のために教練担当が俺のところにくる。現在の教練担当者はツバキさんと言う感じで話がループする」

「それで?」

「現在、自室が与えられていない俺の居場所として分かりやすいのはエントランスか戦場となればエントランスに居るのが皆のためになる」

「だいたいは正しいな。だが居場所はたぶんどこでもいい」

『第二部隊は至急出撃ゲート前に集合してください』

「こんな感じで放送が入るからな。と言うことで今から俺の部屋に来い」

「リンドウさんの部屋ですか?」

「ああ、そうだが嫌か?」

「いえ、俺はいいですけど。先客が居るのでは?」

「先客?」

 

俺達はベテラン神機使いの居住区画に着きエレベーターから降りる。

 

「あの突き当たりの部屋がリンドウさんの部屋ですよね?」

 

部屋の前に人が居る。あの露出の多い服装の女性はサクヤさんだろう

 

「ああ、お前さんの言ったとおり。先客がいた。お前さんの予想は当たるな」

「でしょう?」

『訓練生二名と新型神機使いとアポロの搭乗者は至急エントランスに集合せよ繰り返す・・・』

「ほらね」

「だな、あいつ等のことを頼むな」

「そういう展開だったらな、じゃあ俺はエントランスに行くよ」

 

俺は再びエレベーターに乗りエントランスへ向かう

俺は途中で蒼次を呼び出した。

エレベーターがエントランスに着き俺はゲーム機を操作しながら降りる

エレベーターを降りるとアランとツバメとリンクがいた。

 

「遅い!」

「すいませんでした!」

 

つい反射でそう叫んでいた。

 

「つまらないことで死にたくなかったら私の命令には全てYesで答えろ。いいな?」

「・・・・・・」

「わかったら返事をしろ!」

「はい!」

 

こんなシーン見た覚えがあるぞ・・・

 

「お前たちとっていいニュースであり悪いニュースである」

「悪い?」

「お前たちの配属先が決まった」

「俺、第一部隊がいいな~

 

とアランが呟いたがその願望は直ぐに打ち砕かれた

 

「お前たちは新しく設立された部隊第零部隊に配属されることが決定した」

「なぜ第零部隊何ですか?普通なら流れを見て第一三部隊を設立するのでは?」

「お前たちの中に普通じゃない奴が二、三人いるからな」

「普通じゃない?」

「そうだ、未来の情報や極秘事項を知り現在開発途中の新型神機を使用する神機使いを操る男と、これまた現在開発途中の新型オラクル機動兵器の試作機を操作出来る男とかな」

 

ツバキは蒼次を含めて俺らに視線を向けてきた

 

「と言うわけで完全秘匿の極秘部隊、第零部隊が設立されお前らが配属された。第零部隊の功績が外部に公開されることは無い。公開されたとしてもある程度偽装されてだな」

「そんなー」

 

アランが落胆して声を出す

 

「お前等の任務は緊急性の高いアラガミの撃退及び討伐、そして他部隊の援護だ。」

「緊急性の高いアラガミの討伐・・・」

 

ツバメが呟いた

 

「それと今回の件でお前等の階級、役職が更新された。アラン・リード訓練生、飛島 ツバメ訓練生、双方共に上等兵に昇格だ。水無月 蒼次中尉、特務少尉に降格だ。リンク・ロード、特殊機動兵曹長に任命。山澤 明史、オペレーターとして採用なお水無月 蒼次特務少尉と同一人物という事情故に貴殿を特務少尉に任命。本部隊の隊長は現在は未定である。次の作戦終了後改めて任命される。それまでの間の指揮は私が取る」

「いえ、それには及びません雨宮大尉。その仕事は俺が引き受けさせてもらいます」

 

割って入って来たのはリンドウだった

 

「お前は第一部隊の責務があるだろ」

「次の作戦までの間なんて長くても二、三日、短ければあと数分でしょう?その間に比較的隊長としての活動期間が長い俺がこいつらを一つの部隊として成り立つように教導するってのはどうでしょう?大尉?」

「勝手にしろ。しかし失敗した場合は・・・解っているな?」

「了解であります」

「では後のことは任せた」

 

ツバキさんはエレベーターに乗って行ってしまった。

 

「と言うことでこれからしばらくお前等を指揮することになった雨宮 リンドウだ。まあほとんどの奴は顔見知りだな」

「リンク・ロード特殊機動兵曹長です。アルテミスとアポロを操作搭乗します」

「うむ、資料にもそう書かれている。しばらくよろしくな。俺からの命令は三つ死ぬな、死にそうになったら逃げろ、そんで隠れろ、運が良けりゃ隙をついてぶっ殺せ。」

「リンドウさん、それじゃ四つです」

 

リンクがつっこむ

 

「悪い悪い、まあとにかく生き残れ、生きてりゃ後は万事どうとでもなる。にしても特務少尉ね~お前は危なそうだからもう一度言っとくが死ぬなよ」

「出撃するのは俺じゃなくて蒼次ですけどね」

「お前も戦場に呼ばれるだろうからな」

「まあ、そうなりますよね・・・オペレーターが戦場に出るとか聞いたことないですけどね」

「まあな」

「第零?部隊に出撃要請です。空母艦跡にヴァジュラの群れを確認。数は・・・10・・15・・23!他の部隊と協同で対応するレベルです。今から連絡を取ってみます」 

「いやいい、直ぐ出る。アラン、ツバメ、出るぞ。リンクは例の奴で来い。明史お前はヒバリちゃんの横でオペレーター業務を勉強しろ。」

「よろしくお願いします。蒼次行ってこい」

 

やはり返事はない。

俺はゲーム機を操作して蒼次を動かす

画面には屋上の映像が映っている。

リンドウ達はヘリに乗り込んだ。

蒼次も乗り込んだ。

 

「あの、インカムどうぞ」

「ありがとう、こちら明史、聞こえますか?」

『おう、聞こえてるぞ』

『聞こえてます』

『感度良好問題なしだ』

『こちらアポロOK だ』

「聞こえてるなら良かった。リンドウ隊長作戦は?」

『ヴァジュラの群れの先頭に降りて前から潰す』

「リンドウさん達は作戦通りに降下してください。降下のタイミングは自分が出します。リンクは群れの後方に向かってくれ。アポロは大口径ビームが使えるよな?」

『ああ、確かに使える』

「アポロとアルテミスを駆使して後方から数を減らしてほしい。その機体なら楽勝だろ?」

『言われなくても』



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第零部隊初陣

はっきり言って現実見てません。
理解はしてますが、俺は夢見がちな文を書く!


『こちらアポロ群れの後方上空に到着した』

「リンドウさん作戦開始です。降下してください」

『行くか』

『行くぞっ』

『行きますっ!』

『・・・・』

 

四人は降下もとい落下していった。

三人が着地する。

 

蒼次はヴァジュラの尻尾に真珠色の捕食形態で食らいつき食いちぎった。

そのまま落下しつつ銃に変形してエクスプロージョンXと言うのは名ばかりなLL爆発を顔面に撃ち込み爆風で後ろに吹っ飛んだ。

 

ヴァジュラの顔面は無惨に吹き飛ばされ原形をとどめていなかった。

 

『お前ら!食い荒らせ!』

『ラジャー』

 

アランが顔面破壊ヴァジュラに走っていき、顔面直前で跳び首から胴に向かって神機を突き刺した。

そのまま神機を支えにしてヴァジュラの背に乗り、神機を引き抜き捕食形態でコアを引き抜き地面に降りる。

 

『まず、一匹』

『おりゃっ、二匹目』

 

リンドウは正確にコアの位置に向かって神機で切り裂きコアを破壊した。

コアの位置がわかったのは多分、歴戦の勘だ。

 

『アラン危ない!』

 

ツバメのスナイパーライフルが閃光を放ち

アランのすぐ目の前のヴァジュラの肩に細胞を深々と埋め込んだ。

 

群れの反対側で虹色の閃光が炸裂し三匹のヴァジュラが宙を舞う

紫電が炸裂し血渋きと黒煙が上がる。

 

『おうおう、派手だな』

「リンク、後方に回り込まれている。後退しろ」

『了解、対処する』

「リンドウさん、後方に回り込まれている。前は二人に任せて後ろを片付けてください。アランとツバメはリンドウさんとの間を余り開けないようにリンドウさんに合わせて下がってください」

『了解』

『ちっ』

『りょ了解です』

「蒼次はこのまま前を支えます」

 

俺はゲーム機を握り直す。

今日はスーリャ・パシーマ極で来ている。

俺のお気に入りだ。

蒼次が持つ大砲から。

狙撃弾が発射される。

その狙撃弾は一瞬でヴァジュラの腹部に着弾し五発のLサイズレーザーで腹を穴だらけにした

ヴァジュラが悲痛な叫びをあげる

俺は気にせず撃ちまくる。

あっという間にヴァジュラは倒れた。

 

「やっぱり二年後より弱いな」

 

俺はそう呟いて次のヴァジュラを撃ち殺す。

リンドウは次々ヴァジュラを殺していく。

アランとツバメは上手く連携をとって前線を支える。

 

虹色の閃光が空で炸裂し地に降り注ぐ。

真下にいたヴァジュラ達が吹き飛ばされる。

 

「ヴァジュラの残存数16残りまだまだ居る。気を抜くなよ」

 

だがヴァジュラの数は着々と減っていった。

特に群れの後方で。

とうとうアルテミスとアポロが見えた。

残存数は12

大分減ったな。

 

「リンドウさん、退路を拓いてください。このままではリンクに巻き添えを食らいます。下がってください。ここからは俺とリンクで数を減らします。リンドウさん達はそれ以上前に進まないように抑えておいてください。」

『了解した』

『俺だってやれる!』

 

アランはヴァジュラに突っ込み。ヴァジュラの顔面を捕食した。

が微妙にコアには届かなかった。

頭を失ったヴァジュラの爪がアランを弾き飛ばす。

アランは左腕から血を流して地面に転がった

 

「アラン大丈夫か!?ツバメ、アランのフォローを頼む。リンク吹き飛ばせ」

『ラジャー、皆伏せろ!』

 

アルテミスの月天輪から大口径ビームが発射され周囲を凪ぎ払った。

ビームは大雑把にヴァジュラを凪ぎ払い、五匹焼き切った。残存数7

 

リンドウが一匹殺す。

残存数6

 

蒼次が一匹殺す。

残存数5

 

アルテミスが一匹殺す。

残存数4

 

アポロが二匹殺す。

残存数2

 

蒼次が一匹殺す

残存数1

 

あと一つ反応があるのにそこには影も形もなかった。

 

「討伐対象残り1、警戒怠るな」

『計器の故障じゃないの?』

「地下か!一旦散開」

 

蒼次以外の全員がその場を離れる。

地面がひび割れ、地の底からヴァジュラが飛び出してきた。

蒼次は爪で弾き飛ばされた。

HPバーもゴッソリ減った。

 

『この雑魚が!』

 

アランが走りだしヴァジュラの下に滑り込み、腹部を食いちぎった

アランの神機には青く輝く球体がくわえられていた。

 

『よしっ、殺してやった』

 

アランは左腕を庇いながら立ち上がった。

左腕からはドクドクと血が溢れていた。 

 

「ヒバリさん、医療班に待機要請出して頂いても?」

「はい、医療班への待機要請の場合はそこのボタンを押して要件を話せばOK です」

 

俺はボタンを押してマイクに向かって話す

 

「こちら第零部隊所属オペレーターの山澤 明史です。負傷者が出ました。対応をお願いします。」

 

「医療班に待機を要請しました。アランは戻ったら医務室へ行くように」 

『蒼次は大丈夫なのか?』

「大丈夫なんじゃないかな?目立った外傷とかある?」

『いや、無い』

「だったら大丈夫だ。アランはちゃんと医務室に行くように。気をつけて帰ってくるように」

 

俺はインカムを外す

 

「皆さんが無事帰ってくるまで見張るのがオペレーターの仕事です。もう一度インカムを付けてください」

「・・・はい」

 

俺は再びインカムを付けた。

 

「山澤さんこれからオペレーターとしてよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします。ヒバリさん」

 

ツバキさんが歩いてきた。

 

「被害報告」

「アラン・リード上等兵が負傷しました。」

「ヴァジュラ20以上だったな。その戦況でその成果が?」

「計23体のヴァジュラの殲滅に成功」

「コアの回収は」

「傷物ばかりです」

「リンドウがやったな、あいつは切羽詰まるとコアに関係なく殺すからな。まあ数が数で戦力差も大きかっただろう。それも致し方ないか」

「そう言っていただけるとありがたいです」

「帰投後、全員支部長室に出頭するように」

「了解です。こちら明史、全員帰投後支部長室に出頭するようにとのことです」

『了解だ』

『了解』

『了解です』

『了解した』

「では、今後もしっかりな。」

 

ツバキさんは再び歩き去っていった。



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任務完了 リーダー就任

四人が帰投して支部長室に入ってきた。

ちなみに明史は先に支部長室に来ていた。

 

「先ずは祝辞を言わせてもらおう。初陣の成功おめでとう。早速だが山澤特務少尉、戦果の報告を頼む」

 

「了解です。今回の戦闘によりヴァジュラ計23匹の掃討に成功、死者は無し、アラン・リード上等兵が軽傷を負いました。」

 

「数だけを見れば充分すぎるほどの戦果だ。だがアルテミスとアポロの存在を考慮すればもう少し戦い方があったのではないかと思うが・・・そう言った所は今後の実戦の中で磨いていけばいい。さて、君達が気になっているであろうこと、リーダーの任命をしようじゃないか」

 

リーダー任命

果たして誰になるのか

正直誰になるのかさっぱりわからない。

 

「正直、私も決めかねていてね。リーダーの資質はあるものの前線に立たない者、リーダーの資質はあるものの基本として単独行動をせざるを得ない者、前線に立つものの少々腕に問題があるもの、前線に立つものの柔軟な思考が出来ないもの、どうしたものかリンドウ君、君はどう考える」

 

「自分ですか、自分は山澤特務少尉とリンク特殊起動兵曹長を推します。今回の戦闘における最大功労者はリンク特殊起動兵曹長です。しかしそうなるように指揮したのは山澤特務少尉です。なので二人のダブルヘッダーでどうでしょうか」

 

「ダブルヘッダーか、面白いな。確かに一理ある。当面はそれで行こう。では隊長二人以外は下がってよし。ご苦労だった。」

 

明史とリンクを除く他全員が退室した。

 

「君達には、他の隊の隊長以上の権利が与えられる。私のお抱え部隊という名と一緒にな。この意味を理解してくれると有難い。ではデーターベースを更新しておくように以上だ下がってよし」

 

明史とリンクは退室した。

 

「君たちには期待しているよ。」

 

このとき支部長の目的を知っているのは明史とリンク以外では存在しなかった。

 

(明史)はターミナルの情報を更新する。

自室は一応ベテラン区画にあるらしい。

リンクの隣部屋だ。

現在の階級は特務少尉、役職はオペレーター

オペレーターでこの階級はスゴいんじゃないか?

と俺は思ってる。

続いて蒼次の情報を更新する。

こっちに関しては簡単にしか書けない。

俺は彼に関して何でも知っているようで何も知らないのだ。

知っていることは階級と容姿ぐらいだ。

ささっとターミナルに書き込む。

討伐履歴に関してはこっちに来てからのやつだけ書き込む、ゲームの時のやつも書き込むとエライことになるからな。まだ2069年だよ?まだクアドリガとかボルク・カムランとかシユウ堕天とか出てないよ?そんななのにハンニバル神速種とかカリギュラとかウロボロス堕天とかアルダノーヴァとか書いたら混乱するだろ?

そんなこんなで自慢したいという心を押さえつけつつオーガテイル×1ヴァジュラ×24と書き込む。

そうして書き込みを終了して。

俺は自室へ移動する。



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保管庫と自室の元プレイヤー

迷惑メールが来ました。
拓哉を名乗ってます。
ガチな詐欺メールです。
takuya1113-s-j@to.to.softcomk.com
このアドレスからくるお誕生日おめでとうメールに注意してください。


リンクは保管庫にいた。

神機保管庫ではなくオラクル兵器の保管庫だ。

まあ考えればわかるよね?

 

リンクはアポロの中で説明書を読んでいた。

今回の戦闘でゲーム機でしか操作できないのは問題だと感じて操作方法を調べている。

 

二十分程時間がたった。

 

リンクは額にしわを寄せていた。

比較的操縦はうまい方だと思っているが、これは使いこなせるようになるのにかなり時間がかかるだろう。

支部長の言っていたことは本当らしい。

こんな機体、普通は実践で使用するなど考えられない。

 

リンクはそのままアポロの操縦席でゲーム機をいじる。

 

「ゲームだった時は楽だったなー」

 

リンクはゲーム機の中で任務を発行する。

リンクはその後整備班に声をかけられるまでそこでゲームをし続けた。

 

 

明史は自室にいた

自室で蒼次の装備を点検していた。

 

「やっぱりブラスト、いやスナイパーもいいかもしれないな、いやアサルトとか?」

 

独り言を言いながら蒼次の装備を考えながらバレットを量産する。

更に装備を作りまくる。

 

 

ふとオペレーターの仕事について思い出しノルンのデータベースを見る。

 

そこに書かれていたことを要約すると

・オペレーターの仕事は部隊が戦いやすいように情報を伝える、アダプターみたいな役割

・戦場の神機使いやその他の人間がスムーズに動けるように指示を出す、CPUみたいな役割

と書かれていた。

が具体的なマニュアルはなかった。

やはりヒバリさんに教えてもらうしかないかな・・・

明史はベッドに倒れ込む。

 

コンコンコン

 

ノックの音だ。

呼び鈴があるだろうに。

俺は起き上がりドアを開ける。

 

「よう、引っ越し終わったか?」

 

ドアの向こうにいたのはリンドウだった。

 

「上がるぞー」

 

リンドウさんが部屋に入ってくる。

別に見られると困る物がある訳ではないから気にしない。

 

「リンドウさん何か用ですか?」

 

「さっきは話せなかったからな、ちょっと話でもなんてな」

 

「でも俺から話せることなんてほとんどないですよ?」

 

「お前が住んでたっていう世界の話を聞かせてくれよ」

 

「俺がいた世界ですか、アラガミはいませんでした。でもその分醜悪で貪欲な人間が住んでいましたね」

 

「アラガミが現れる前の世界か・・・やっぱり平和で命の危険なんてほとんどない世界だったんだろうな」

 

「命の危険は無かったですね。その分、歪で欲にまみれてて俺はあの世界が嫌いです」

 

俺は一瞬、自分でなに言ってるのかわからなくなったが続けた

 

「人間というアラガミが闊歩する世界でしたよ。よりよいものを得るために他者を蹴落としより良くするために他者をねじ伏せる。得られるものは貪欲にかき集め、得られないものはどうにかして得られるようにする、離れていくものには食らいついてでも留める」

 

「欲望ねー、お前さんはこの世界にきてよかったと思うか?」

 

「それは・・・」

 

しばらくの沈黙が部屋を漂う

 

「まあ、わからないわな。俺にもわからない。だが俺はここに大事な物があるからなそれを守るためにもここでアラガミを斬り伏せないといけねぇ。大事な物があるうちは戦い続けるさ。お前も死ぬなよ」

 

リンドウは出て行った。

 

「守りたいものか・・・」

 

俺は再びベッドに倒れ込んだ



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晩飯は工場産のジャイアントとうもろこしだ

久々です。
戦闘はありません。


一時間ぐらいベッドで倒れていた俺は起き上がり。

配給を受け取りに行こうと思ったが、どこに行っていいのかわからない。

ゲームの時は配給の受け取りなんて物はなかった。

いやあったが描写されてなかった。

途方に暮れた俺は隣の部屋に行く。

 

「リンクー、配給ってどこで受け取るの?」

 

「配給?知らん。俺は適当に冷蔵庫に入ってた物を食ったけど?」

 

そうだった、冷蔵庫があったな。

 

「もしかして、空だった?」

 

「いや、ありがとう。冷蔵庫の存在を忘れていた。」

 

「いや、いいんだけど」

 

「じゃあ俺は冷蔵庫を見に戻るよ」

 

「じゃあな」

 

俺は部屋に戻って冷蔵庫を開ける。

 

中にはビールが数本、レーションが幾つか、そして長さが50cm程のジャイアントとうもろこし約二十本

 

「こっこれが、ジャイアントとうもろこしか」

 

作中に何度か出てきた伝説のとうもろこしが今目の前に

よし今日の晩御飯はジャイアントとうもろこしに決定

 

ジャイアントとうもろこしをどう料理してやろうか。

 

ちょっと待て、俺って料理出来たっけ?

 

普通の男子高校生だったもので料理は専門外なり。

 

「まあ、とりあえず茹でてみるか」

 

一応、家庭科の授業で基礎は習った。

卵焼きとかちょっと茹でるだけなら出来る自信があった。

 

俺はキッチンにあった鍋に水をはって、コンロの上に置く。そしてとうもろこしを入れてみる。

 

半分まで入ったがもう半分が入らない。

 

「うん、無理だ」

 

少し考える

 

「思い付いた!」

 

俺はとうもろこしを3/1ぐらいにずつに折る。

 

折ったら入るでしょ。

 

だが全部は入らなかった。

 

「うん、そうだね」

 

俺はとうもろこしを一つ鍋から取り出した。

 

二つなら入るよね。

 

とうもろこしは入った。

 

手に持っているとうもろこしをどうするか。

 

俺はとうもろこしを拭いて冷蔵庫にしまった。

 

完璧だろ?

 

俺は火をつけてとうもろこしを茹でる。

 

「あとは待つだけ。ん?いつまで煮るんだっけ?」

 

俺は少し考える

 

「まあ適当でいっか」

 

そして適当に煮た。

適当に火から上げてお湯を捨てる。

そしてとうもろこしを持つ

 

「アッチャ、あっつ、マジ熱いって」

 

俺はとうもろこしを放り投げてしまった。

とうもろこしが床を転がる。

俺は手を水で冷やす。

そして気づいた。

 

とうもろこしもこうやって冷やせばいいんだと

 

俺はとうもろこしが1/3入った鍋に再び水を入れる。

 

さて落ちたとうもろこしをどうするか・・・

ああ、こんなとき長い箸が有ればな~

あるじゃん

菜箸あるじゃん

 

俺は菜箸でとうもろこしを拾って流水で洗って鍋に入れた

 

完璧だな

 

俺はとうもろこしが冷えたのを確認してとうもろこしを取り出す

 

「うん、晩飯にはちょっと彩りがあれだけどいただきます」

 

俺はとうもろこしをかじる。

そして気づいた。

 

このとうもろこし・・・茹だってない。



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いざ、マルチプレイなり

ご無沙汰です。
最近別のやつをやっていてGEが疎かになっています。
自分、最初に言ったと思いますが、ショート、ブラスト、タワーの組み合わせが好きなんですが、スピアとアサルトとシールドも結構使うんですよ。
まあ、これは2の影響ですが。
で、まあアサルトは特にエディットしなくても十分強い弾があるのであまりしてないんですが
スピアの時にあることに気づいたんです。
相手の突進技にチャージグライドで迎え撃つとダメージ与えて食らわずに貫通出来ることがあることに。
タイミングとかかなりシビアですがこれ使えると、人によっては殆どの攻撃に当たらずに尚且つカウンターを入れれるようになるかも知れませんね。


どうにかしてとうもろこしを食べ終わり、俺はゲーム機をいじっている。

ハンニバル神速種を殺してやっぱり手ごたえがないと思いもっと面白く遊べる縛りは無いものかと考えている。

あー暇だーー

やっぱり戦場に出たい。

もっとがっつり殺しまくりたい。

もっと面白くならないものか。

もっと戦略ではめ殺しにしたい。

戦術的な戦いをしたい。

NPCじゃ戦略的な戦いは出来ないしそんなものじゃ満足できない。

ああ〜〜こういうのを殺神衝動というんだろうか

ああーーどうしようもないなーーー衝動が抑えられないーーー

こんな時は数少ない元プレイヤーにメールだ。

俺はターミナルのキーボードを嬲る。

 

『明史だけど、起きてる?起きてたらメールよろしく。チャンネルは1ね』

 

『了解なり。チャンネル1だなチーム作って待っててくれ』

 

すぐに返事が来て驚きだ。

俺はチームを作成する。

するとすぐに画面にリンクという文字が表示された。

俺はマルチプレイを始める

 

そしてゲームの中のヒバリさんに話しかけ、曼珠沙華を難易度+15で受注する。

 

その直後、警報音が鳴り響く

 

『旧空母跡地にて強力なオラクル反応を検知、第一第二第三の各隊は至急会議室に集合してください。繰り返します。旧空母跡地にて強力なオラクル反応を検知、第一第二第三の各隊は至急会議室に集合してください。繰り返します・・・・・・』

 

「なあ、これって俺たちの任務と同じじゃね?」

 

『いや、まだわからないな。だが、いつ出撃命令が来るか、わからないからなサクッと殺して準備しよう』

 

俺たちは画面の中の出撃ゲートから出撃する。

 

次の瞬間画面が切り替わり愚者の空母の風景が映し出される。

だが風景はいつもと違って夜の闇の中だった。

 

『これはさっきの警報が俺らのだった可能性がさらに増えたな』

 

「さっさと終わらせるぞ、スサノオは神機と口を狙え、カリギュラは顔面とブレード他の壊せるところも全て壊せ、神速種は逆鱗以外と頭部重視で」

 

『アイアイサー』

 

俺たちはスサノオを蹂躙する。

剣を壊した時はスカッとした。

カリギュラは完膚なきまでに叩き潰した

神速種は手慣れた作業だ。

そんなこんなで22分かけて終了した

 

そして再びアナウンスが入った。

 

『旧空母跡地にて観測されたオラクル反応の消失を確認。出撃した部隊は調査の終了後直ちに帰投せよ』

 

「確定じゃね?」

 

『確定だな、ばれずに済んで本当に良かった』

 

「このことに関しても調査を進めないとな」

 

『だな、俺たちはこの機械のことを知らなすぎている』

 

「だな」

 

今日はここでマルチプレイを終了した。




本文中の曼珠沙華ですが、この状況ではやってません。
自分オールラウンダーなソロプレイヤーなので(……と言うよりも周りにゴッドイーターをやっている知り合いがいないので)マルチプレイをしていません。
でも通常難度でソロで15:27だったのでそこから計算して、今回の結果にしています。
ソロの時はカリギュラに手間取ってかなり時間食っちゃいましたwww
スサノオは4分ちょっとで片付きました。
カリギュラに7分ぐらい使っちゃいましたね。
愛しの神速種には4分使っちゃいましたね。
状況としてオラクルがMAX貯まってた神速種が一番簡単に倒せましたwww
まあ顔面にエクスプロージョンを何発も叩き込んだだけですけどね。
まあ、今日はこんなところです。
次回が何時になるかわかりませんがこれからもボチボチ更新してくんでよろしくお願いします。


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ペイラーサカキのアラガミ講座

今回は、現状のアラガミの過小評価の理由が含まれています。
後から言い訳してすいません。


「君たちはアラガミと戦ってる時、前に同種と戦った時より硬くなったとか感じたことがあるかい?」

 

いきなり話し出したサカキ博士

ちょっと現状把握も兼ねて状況を見直して見ようと思う

 

現在2069 7/24午前10:18

現在地 サカキ博士の研究室

部屋にいるのは明史(オレ)、リンク、アラン、ツバメ

現在サカキ博士の講習の真っ最中だ。

 

「何度かありましたね。」

 

「それがなんでか知っているかい?」

 

「アラガミが学習して進化するからだろ」

 

「その通り、正確には…」

 

サカキ博士が詳細説明をしようとしたところにリンクが口を挟む

 

「アラガミが多種多様な偏食因子を捕食することによって俺たちの使う神機が効きずらくなるからですね」

 

リンクはさらっと答えた

 

「よく知っているね、彼の言った通り。アラガミが多くの偏食因子を取り込んだ結果、神機が効きづらくなり硬くなったように感じるというものだね。これが進んでいくといつか神機がほとんど効かなくなってしまう。それを防ぐためにはこちらも多種多様な偏食因子を入手するしかない、その為にも我々はアラガミがこの世から消滅する時まで永続的にアラガミを倒し続けないといけない事になるわけで」

 

俺も口を挟む

 

「だがアラガミがこの世から消滅する時が来るときは終末捕食が起こるまではあり得ない。終末捕食が起こった場合、人類は絶滅してしまう。幾つかの場合を除いて。故に俺たちは永遠にアラガミと戦い続けるしかない」

 

「だいたいは彼の言う通りだ。彼の言う幾つかの方法と言うのは、あるだろうと言われている逃げ道のことだが、それがあるということは現時点では全く確証がない。現状、打つ手がないとしか言いようがないんだ。」

 

「じゃあ俺たちはその逃げ道が見つかるまで終わりのないモグラ叩きを続けるしかないってことか」

 

アランが口を挟む

 

「それを探すのが我々フェンリルの目的であり義務なのだよ。今日はここまでにしようか。終末捕喰についてはノルンのデータベースを参照しておくように」

 

アランとツバメとリンクが部屋を出て行く

 

「サカキ博士、逃げ道が見つかっていないっていうのはウソですよね?」

 

「ウソではないよ。私の仮説はただの仮説に過ぎず、机上の空論でしかない。例え確立されてもそれは打開策ではなく延命処置だ」

 

「確かに現在、人に限りなく近い又は人とコミュニケーションを取ることが出来るアラガミは発見されていないし、あなたの仮説は彼らの求めていた打開策ではありません」

 

「君は未来を知っているんだったね」

 

「未来の情報は教えませんよ」

 

「私は肩書きの通り科学者なんだ。非科学的で科学的な確証を得ることができない情報を信じるような真似はしないよ」

 

「では、現在の段階でその糸口を掴んでいる人物がいる、とだけ言っておきます。では博士失礼します。」

 

俺は部屋を出る

 

「ヨハン、君は大きな失敗を犯した。彼を僕に接触させたのは大きすぎる失敗だよ」

 

サカキ博士は普段通りの顔で呟くのだった。

 

 

俺は第二訓練場に移動する。

 

オペレーターが訓練場で何をするのか?と疑問に思うが今から行うのは基本兵装を用いた訓練だ。

 

オペレーターも基本兵装ぐらい使いこなせないとマズイと思ったから練習してみることにしたのだ。

 

このことに関してはツバキさんもこころよく許可してくれた。

 

俺は手始めにスタングレネードの使い方を確認する



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輝け!スタングレネード

何をするにもまずは、説明書を見るべきだ。

 

暴発とかしたら、蒼次は無事かもしれないけど、俺はただでは済まない。

 

俺は説明書を探す。

 

が説明書はなかった。

 

そりゃそうだ箱に入っている訳でもない手榴弾モドキに説明書が付いている訳がない。

 

となれば、それっぽく試すしかないな。

 

映画とかで時々見る手榴弾のピンみたいなのを抜く

 

チンッ

 

簡単に抜けた。

 

そして投げる。

 

ダンッ

 

俺から距離1.5mほどで爆発して、スタングレネードという名前の手榴弾は衝撃と閃光と轟音で俺をふっ飛ばした。

 

「こうなるのが嫌だって言ったのに」

 

蒼次は無傷だ。

 

「君は無傷ね、うん知ってる」

 

俺は更にスタングレネードを手に取る

 

ピンを歯で噛み、引き抜きそのまま投げる。

 

手榴弾を歯でピンを抜いて投げる。

一度はやってみたいと思うよね?

 

落下した場所でスタングレネードが爆発して閃光と轟音を解き放つ

 

「この閃光が戦場で起こるのは傍迷惑もいいとこだな」

 

俺は次に、箱に入ったにホールドトラップを手に取る。

 

「こいつを素早く設置できれば、多分俺でもアラガミから逃げられる」

 

俺は地雷みたいな外見の筒状の物体を箱から取り出し床に置く。

 

嬉しいことにこれには説明書が付いていた。

 

設置方法

1.地面に置きます。

2.上部を180°回転させます。

3.飛び出た本体上部を押す

4. 0.5秒後に起動します。

 

注意

・間違った用途でしようしないでください。

・高温多湿の場所での保管は避けてください。

・精密機器です。強い衝撃を与えると破損したり、機能不全を起こし爆発する場合があります。

・製品の間違った使用により何らかの損害を被った場合、当社は一切の責任を負いかねます。

以上、フェンリル社対アラガミ兵装開発部

 

異常にデリケートな製品らしい。

 

保管場所まで気を使わなくてはいけないらしい。

 

一応、兵器の端くれが、それも戦場で持ち歩かれる物がこんなにデリケートでいいのか?

 

トラップとは思えない説明書をもとの位置に戻し床に置いたトラップを手に取る。

 

「これを置いて……」

 

床にトラップを置く

 

「上部を回す?」

 

俺は筒の上部を回す

 

カチカチカチカチカチ……

 

なんか怖い

 

カチッ、ジャコッ、

 

上部が回らなくなり、飛び出してきた。

 

ああ、この出てきたやつを押してもとの位置に戻せばOKだな

 

俺は飛び出してきた上部を押し込む。

 

ガチャッ

 

地雷から黄色い光が出始める

 

俺はその場から離れる

 

「なんか、検体が無いと成功したのかわかんないな」

 

俺は光に触れる

 

バチッ

 

「アババババババ」

 

トラップが作動したようだ

これ、どのぐらいの効果時間あるのかな?

大型アラガミで30秒

ーーーー人間だと?

 

※ゲームの場合は人間には作動しません。

 

グボグボの体長が4m高さ3m横幅3mとして

俺が身長1.7m肩幅0.7m横幅が0.4mとして

グボグボは俺の・・・75.6倍の体積を持つ

 

グボグボに対するトラップの効果時間が約30秒、俺に対するトラップの効果時間は何秒か?

 

30×75.63=2269秒

37分はこのままか……

にしても痺れる。

対人用としては効果が高すぎる気もする。

 

急に痺れが取れて、体が動くようになった。

 

「あれっもう37分たった?」

 

俺はゲーム機の時計を見る

30秒しか経ってない。

 

「そうか!内部燃料の限界を考慮してなかった」

 

効果時間=威力の計算をしていたが、実は効果時間=内部燃料の量だったのだ。

 

でも、二度とトラップの発動中に触れるなんてバカなことはしない

 



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シユウ堕天 出現

俺は基本兵装の訓練を終えて廊下を歩いている。

 

『業務連絡 業務連絡 新種のアラガミ、シユウの変異種を確認、極東支部は現時点で仮にこれをシユウ堕天と呼称することを決定しました。

シユウ堕天討伐の為のブリーフィングのため第零、第一の各隊は至急ブリーフィングルームに集合してください』

 

「シユウ堕天登場か」

 

俺はブリーフィングルームに向かって歩く。

 

幸いブリーフィングルームはここから一番近いエレベーターを昇ってすぐだ。

 

俺はエレベーターに乗る。

 

リンクはアルテミスに改造を施していた。

改造と言ってもバレットをエディットしていただけだが

 

『業務連絡 業務連絡 新種のアラガミ、シユウの変異種を確認、極東支部は現時点で仮にこれをシユウ堕天と呼称することを決定しました。

シユウ堕天討伐の為のブリーフィングのため第零、第一の各隊は至急ブリーフィングルームに集合してください』

 

「シユウ堕天出現か~暫くは楽だな」

 

リンクはエディットを終了して、ブリーフィングルームに向かって歩く。

 

俺がブリーフィングルームに着くと、先に着ていた人がいた

 

俺、結構早く着たと思ったんだけどなー

 

「結構早く着ていた」それは、俺を含めて三人しかいない部屋が証明していた。

 

部屋にいるのはヒバリさんとソーマさんだ。

 

こっちの世界ではソーマさんとは初対面だ。

 

「はじめまして。山澤 明史です」

 

「ああ、ソーマ・シックザールだ、覚えなくていい。死にたくなければ、俺には関わるな。」

 

うん、想像通りだ。

 

「人類初の偏食因子の生体転写の成功例。P73偏食因子を先天的に投与された最初で最後の人間ですね」

 

「それを誰に聞いた?」

 

「気を悪くしたなら謝ります。すいませんでした。誰に聞いた訳でもないですよ。俺はこの世界の未来を知っているから」

 

「別に怒った訳じゃない。極秘事項を喋りだしたから少し驚いただけだ」

 

「極秘事項だとは知らなくて、すいませんでした」

 

「気にするな、幸いここにはそれを知っている人間しかいないからな」

 

ソーマはヒバリに視線を向けた後、入り口の扉に視線を向けると、

ツバキさんが入ってきた。

 

「まあ、とにかく俺にあまり関わるな。死ぬぞ」

 

俺は適当に椅子に座る。

 

続々と人が入ってくる

 

五分程で全員が集合した。

 

一番最後はリンクだ。

距離的にもしょうがないだろう。

 

「さて、全員集まった所でブリーフィングを始める」

 

スクリーンにシユウ堕天の映像が写し出される。

 

「今、皆に見てもらったアラガミが今回確認されたシユウの変異種シユウ堕天だ。調査報告によると、こいつは雷を操る力を得ているらしい。なお、通常種より格段に固くなり滑空速度も上昇しているとのことだ。ここまでで質問がある者は」

 

「はい」

 

「山澤特務少尉どうかしたか?」

 

「シユウ堕天の雷を操る能力に付いて詳しくお願いします」

 

「通常種が使っていた熱エネルギー弾に雷を纏わせることを可能にしたと調査報告書には書かれている。それ以外の能力があるかもしれないから、よりいっそう用心が必要だ。他に質問がある者」

 

「今回発見されたシユウ堕天は一体だけですか」

 

「リンク・ロード特殊起動兵曹長、質問は手を挙げてからしろ。今回、発見されたシユウ堕天は三体だ。五体ほど通常種を引き連れているとのことだ。他に質問がある者?いないな、では話を進める」 

 

スクリーンの映像が切り替わる。

 

「今回こいつらが確認されたのは極東支部から北西に約70km行った所の平野だ。我々はそこから50km南頭に下った嘆きの平原から鉄塔の森にそいつらを誘導し、一掃する。待ち伏せを第一部隊が誘導と監視を第零部隊が行う。質問がある者は?」

 

「誘導と監視に不向きなアランとツバメを待ち伏せに回して頂いてもよろしいですか?」

 

「何故だ?」

 

「リンクの操縦するアポロとアルテミスの機動力で誘導する場合、アランとツバメにはそれについていくだけの機動力が無いので待ち伏せの方で第一部隊のヘルプに回らせた方が効率がいいかと」

 

「ちょっと待てよ、それは聞き捨てならないぞ!俺らがノロマだって?だから待ち伏せのヘルプに入れだと!冗談じゃない!」

 

「ちょっとアランっ」

 

「黙らないね!初めて会ったときから気に食わなかった。突然現れていきなり隊長だ上官だって信用できないし従えないね!」

 

「アラン・リード上等兵着席しろ。澤山 明史特務少尉、どう言うことか説明してもらおう」

 

「隊内に蟠りが残っていた。それだけです。」

 

「今回の件は不問とするが、以後任務に差し支えないように改善しておけ。それでアラン・リード上等兵と飛島 ツバメ上等兵を第一部隊のヘルプに回らせるのは構わんが、当人たちの了承を得た上で行うように、作戦発動は群れが嘆きの平原の半径10km圏内に入ったらだ。以上、検討を祈る」

 

ツバキさんが退室する。

 

「おい!異世界人!特務少尉だか隊長だかオペレーターだか知らないが、俺はあんたの指示には従わない覚えとけ!」 

 

アランは大股で歩いていった。

 

「アランが失礼なことをすいませんでした山澤さん」

 

「いや、君は悪くない。アランの言うこともわかる。悪いがアランのことを頼む。本来は俺が言って折り合いをつけるべきなんだろうが・・・俺も今は冷静じゃない。すまないな」

 

「はい、では失礼します」

 

ツバメはアランを追いかけていった。

 

「リンクお前もなんかあるのか?」

 

次にやって来たのは、リンクだった

 

「別に、お前の作戦に不満がある訳じゃない。俺もアルテミスとアポロと蒼次だけでこれぐらいならどうにかなるとすら思った」

 

「俺もそれは考えた。だがツバキさんの顔に泥を塗るようなことはしたくなかった」

 

「まあ、それもそうだが。俺ならそうしたと言うことだ。アランの件は、お前の言い方が悪かったな」

 

リンクはそのまま歩いていった

 

「どうしたもんか・・・」

 

「よう、扱いにくい部下を持つと大変だな」

 

「リンドウさん」

 

「まあ、気の合わない奴とはトコトン話して、それでもダメなら拳で話して折り合いをつける。それしか無いだろ?」

 

「それしか無いですよね」

 

「アランも悪い奴では無いんだ。ただ怒りの沸点が低いだけで。

あいつのこと、嫌わないでやってくれや」

 

「まあ、なんにせよ同じ隊の仲間ですからね」

 

「まあ、頑張れや」

 

リンドウさんは歩いていった。

 

俺は溜め息を吐いて立ち上がり出口に向かう

 



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オペレーターが戦場に出てもいいじゃないか

俺はエントランスのオペレーター用のデバイスを見ながら考えていた。

 

「明史さん?聞いてますか?」

 

隣にいるのはヒバリさん、俺のオペレーターとしての先輩である。

 

「ここのボタンを押すと医療班に連絡出来ます」

 

「あっはい。聞いてます」

 

「やっぱりアラン君のこと気にしてるんですか?」

 

「気にしてない……訳じゃないけど」

 

「そうですよね、ダブルヘッダーのお抱え部隊と言っても一応隊長ですもんね」

 

「でも、どうしていいか」

 

「前にリンドウさんが言ってました。ソーマさんのことで悩んでいた時のことを話してくれた時に、相手も自分もゴッドイーターなら一緒に戦場に立てばそれで戦友になれるとかって」

 

「戦友か、俺はここに来てからまだ一日しか経ってないもんな。そりゃ信用しろ何て難しいに決まってる。ヒバリさんありがとうございました。俺、次回の作戦で戦場に立つために準備してきます」

 

俺はカウンターから出てエレベーターに向かう。

 

向かう先は支部長室だ。

 

そして支部長室の前に来た。

俺は意を決してノックする。

 

「澤山 明史特務少尉入ります」

 

「何のようだね?明史特務少尉」

 

「次回のシユウ堕天討伐についてですが」

 

「ああ、新種のシユウを討伐する作戦だったな。君たちはシユウ堕天の群れの誘導だったはずだね。それがどうかしたかね」

 

「次回の作戦で自分、前線で指揮をしようと考えています。それにあたってアポロの通信システムいえ、オペレーター用の通信システムと同様の物を積んだ装甲車を作製していただけないでしょうか」

 

「オペレーターが前線指揮か面白いな。君の場合、蒼次君の運搬というのもあるだろう。わかった、この件は整備班に連絡を入れておこう。作戦の発動までに装甲車を改造しておくようにと」

 

「ありがとうございます」

 

「今回の代償は今後の成果で返してくれ以上だ」

 

「失礼します」

 

俺は支部長室からでる。

 

そう、俺は装甲車に乗り前線でオペレーターをしようとしたのだ。

 

アラガミの前に装甲車なんて意味無いって?

 

そんなのわかってる。

 

何も最前線に行こうってんじゃない。

戦場の近くまで行くだけだ。

 

そんな言い訳を自分にしながら俺は居住区画を歩く。

 

そこそこ歩いた

 

自分の部屋は既に後ろだ。

 

俺は足を止める。

 

アランの部屋の前だ。

 

頭では解っている。解っているが……

 

俺の頭をアランの言葉が横切る。

 

「くっ……」

 

俺は呼び鈴を鳴らす

 

『誰だ?』

 

「明史だ、一つ言っておきたい事がある。今回の作戦、俺も戦場に出ようと思う。お前がヘルプに回るかどうかはお前が決めればいい。決まったら言ってくれ。例え誘導に参加するとしてもな。それだけだ」

 

俺は踵を返す

 

『おい、ちょっと待て』

 

アランが出てきた

 

「あんたオペレーターだろ?神機無いだろ?なんで戦場に出るんだ」

 

「やっぱり、隊長なんだし戦場に立たないとな。それが例え足で纏いだとしても。それに戦場に居た方が良いこともあるって事だ。じゃあよく考えろよ」

 

俺は歩きだした。

 

実際俺は泣きたくなるほど怖かった。 

 

まともな武器も持たずに戦場に出ることは死を意味する。

 

この世界は仮想(ゲーム)の世界だが、紛れもない現実(ホントウ)の世界だった。

 

ここで死ねば俺は死ぬし、ここで喰われれば俺はリスポーンする訳では無く、消滅するのだ。

 

どんなに知り尽くしたゴッドイーターの世界でも、神機無しでは俺はただの人間であり。

一個の被捕食者なのだ。

 

俺は逃げたい自分に、必死になって言い訳をして、叫びたい気持ちを喉元で抑え込み、恐怖を噛み潰した。

 

リンクもアランもツバメもリンドウさんもいつもこんな気持ちで出撃してるんだ。

初めてわかった。

初めて知った。

 

俺は部屋に戻りベッドに倒れ込み束の間の眠りについた。

 

そして自分の前に適合試験の台が置かれている夢を見た。

 



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ツバメ アラン 訪問

俺が眠り初めてから一時間後

 

『ブーーーーー』

 

呼び鈴がなっている。

 

俺は返事をする

 

「ふあ~あ、入ってくれ」

 

『はい』

 

ドアが開き入ってきたのはツバメだった。

 

「どうかした?」

 

「いえ、やっぱり誘導に参加してもいいですか?」

 

「それは君がってことかな?それともアランが?」

 

「両方です」

 

「アランにはもう言ってあるんだけど。自分のやりたい方に参加してくれ。俺はこれに関して強制することは出来ないし、したくないからな」

 

「ありがとうございます」

 

「今回は俺も戦場に出る。囮ぐらいなら神機が無くても出来るからな」

 

「囮ですか、それって物凄く危険なんじゃ・・・」

 

「ああ、無茶苦茶危険だ。それでもやりたいんだ。大丈夫だ死にはしない。俺は蒼次を動かしているとき戦場の全てを把握している。俺のことは気にせずアランのフォローを頼む」

 

「はい……」

 

「どうした?なんか歯切れが悪いが。言いたいことがあるならハッキリ言ってくれ俺は鈍いからそうそう気づかないぞ」

 

「いえ、オペレーターが戦場に出ていいのかちょっと疑問に思っただけです」

 

「いいんだ、オペレーターだって外に出たいさ」

 

『緊急連絡、第一防壁に小型アラガミの群れが強襲第二部隊は至急出撃してください』

 

小型アラガミが攻めてきたらしい

 

『ブーーー、アランです』

 

「入ってくれ」

 

ドアが開きアランが入ってきた。

 

「俺は、やっぱり誘導をやる」

 

「そうか、なら良かった」

 

「ん?良かった?」

 

「良かったんだ」

 

「特に理由は無いが安心した」

 

「こっちとしては不安でしょうがないんだけどな」

 

「俺が戦場に出ることか?」

 

「そうだ。なんで非戦闘員が戦場に出るんだよ、犬死にして終わりだって」

 

「もしも、俺が死んだら後のことはリンクがやる。何の問題もない」

 

「いや、問題大有りだ。隊長が犬死にとか聞いたことないぞ。ツバメからも何とか言ってやってくれ」 

 

「考え直しては頂けないでしょうか?」

 

「悪いが支部長に専用装甲車を作って貰ったばっかりだ」

 

 

『ブーーー、リンクだが、とうもろこし茹ですぎちゃって食べないか?』

 

「食べる食べる、とりあえず中入って」

 

「とうもろこしはキッチンでいいか?」

 

リンクが入ってきた

 

「リンクさんからも言ってやってください。無茶だって」

 

「えっ、俺?無茶だ、言ったぞ?」

 

「ほら、リンクさんもこう言ってます。考え直して、ヒバリさんの横でオペレーターやったらどうですか?」

 

「アランどうした?やけに必死だな。山澤がなんかやらかしたか?」

 

「次の作戦で戦場に出るって」

 

「出たらいいんじゃないか?」

 

「しかも装甲車でですよ」

 

「いいんじゃないか?俺にはよくわからん」

 

「と言うことだ。俺には考え直すつもりは一切ない。と言うことで俺が死んだらリンク、後頼むな」

 

「おい!面倒事を押し付けるな!」

 

「俺を、死なせたくなかったら頑張って仕事してくれや」

 

「なんで誘導なんて面倒なことをするやら」

 

「それは、被害を最小限にするため……」

 

「俺と蒼次だけでもあのぐらいなら片付く。それこそ物の20分だ」

 

「まあまあ、落ち着けリンク。今回は俺が囮をやりつつ蒼次を操作、リンクは俺の護衛をしつつはみ出した奴の片付けだ、アランは俺と来い、ツバメはヘリで上空から援護射撃。弾が切れたらそのままヘリで待機してくれ。今回の作戦の目的は誘導となってるが、俺は殲滅してもいいと思っている。質問ある?」

 

「何故俺があんたと一緒なんだ?」

 

声を発したのはアランだった 

 

「俺だけだと味気なくてアラガミを釣れないかも知れないからな、先に蒼次と一緒に奴らをフルボッコして奴らの意識をこっちに持ってこい。このときはリンクはどっかに隠れてて」

 

「そう言うことか囮を一緒にやれってことか」

 

「囮だけじゃないぞ。装甲車の運転もだ」

 

「はあ?なんで俺が」

 

「装甲車で移動中にブレード型のお前がどうやって攻撃するんだよ?」

 

「それは、近づいてきた奴を………」

 

「相手はシユウだ、お前が攻撃出来るぐらいまで近づいてきたら確実に装甲車は吹っ飛ばされるし、その時点で作戦失敗だ。だから俺は蒼次を操作しつつオペレーターをやる。お前は装甲車を運転しろ。」

 

「でも俺、運転したことねーよ?」

 

「まあ簡単だ、サイドブレーキ上げて、エンジンつけて、アクセル踏みゃ前に進むだろ、ブレーキ踏みゃ止まるだろ、バンドルきれば曲がるだろ?リンクあってるよな?」

 

「だいたいは」

 

「そう言う事だ、この世界には既に道路交通法は無いからスピード無制限、免許証要りません、その他制限ありません。他の車とぶつからなければOKだ。頑張れよアラン」

 

リンクは出ていった。

 

「アランなんとかなるよ。隊長もこう言ってるし」

 

「まあ、安心しろ。死ぬときは俺も一緒だ」

 

「あんたと一緒かよ」

 

「俺と一緒に車内で死にたくなかったら頑張れ」

 

「隊長、アランのことよろしくお願いします。どうか生きて帰してください」 

 

「俺共々、生きて帰ってくるから安心しろ。ツバメも援護射撃しっかりな」

 

「はい」

 

「さっ、そろそろ任務じゃないか?」

 

『業務連絡 業務連絡 シユウ堕天が予定ポイントから20km地点を通過、作戦の準備に取りかかってください』

 

「さっ出撃準備だ」

 

「りょーかいです」

 

「了解しました」

 

俺たちは部屋を出る



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完成 専用装甲車?

俺は部屋を出て、二人と別れてから、乗り物関連の格納庫に来ていた。

ちなみにアポロとアルテミスも出撃前はここにある。

   

「オペレーター用の改造装甲車出来てますか?」

 

「やあ、君だね。装甲車で戦場に出ようって言うオペレーターは」

 

そこに居たのはサカキ博士だった。

 

「はい、自分です」

 

「いや、面白い事を考えたみたいだから私も微力ながら協力しようと思ってね」

 

確か支部長は整備班に連絡すると言ったはずだ。

なぜ博士が?

 

「なぜ私がここにいるのか、疑問に思っているみたいだね」

 

「はい」

 

「時間が無いから簡単に答えよう。私が以前作った物の中に君の要望の小型のオペレーター用通信機があるんだ。それを取り付けようと思ってね」

 

「ありがとうございます」

 

「それ以外にも追加で対アラガミ装甲をつけたり、してたら時間がかかってしまってね。だけどかなり高性能な装甲車になっているはずだよ」

 

「出撃できますか?」

 

「もちろんだよ。すぐに出てくれたまえ。これ、車のキーね」

 

「ありがとうございました」

 

俺は装甲車に乗り、エンジンをかける。

そして窓を開ける。

 

「博士、出口どっちですか?」

 

「あそこの大きいハッチがそれだ。Nと書かれている方のハッチに向かってくれたまえ」

 

俺はアクセルを踏みハッチの前に車を進めるとハッチが開く。

 

「では、いってきます」

 

俺はアクセルを少しずつ踏んでいった。

 

暫く緩やかな登り坂が続きやがてハッチが見えてきた。

 

このハッチも自動で開く 

 

そのあと、何枚かハッチを越えたあとやっと外に出た。俺は車道を一直線に走って外壁のゲートに着くと職員に止められた。

 

「階級と名前と任務内容を答えろ」

 

検問だ

 

「第零部隊隊長山澤 明史特務少尉だ。任務内容はシユウ堕天討伐作戦の前線指揮。で、通っていいか?」

 

「はっ、お通りください」

 

やっぱり支部長のお抱え部隊の隊長と言うのはかなり影響力があるな

 

俺はゲートが開いたのを確認して走り出す。

 

ナビ通りに走ればOKだ。

 

サカキ博士達の改造のおかげで操作性は多分一般の乗用車よりもいいし、普通の装甲車より速度も出る。俺は外に出てからは時速100kmで爆走した。『ピーガッ、もしもし聞こえるかい?明史君、聞こえたら返事をしてくれ』

 

「感度良好です」

 

『それは良かった。いや、随分ゆっくり走ってるからエンジンにトラブルでもあったのかと思ってね』

 

これでも時速100kmは出ている。

確かにアナログ式のスピードメーターの右恥には450と書かれているが

 

『もっと飛ばしちゃって大丈夫だよ。急がないと間に合わなくなるよ?』

 

「了解、事故らない程度に急ぎます」

 

俺はアクセルを踏み込む

 

『ガチャンッ、「事故らないってなんだよ!おいっ!障害物なんて主砲で吹き飛ばしちまえ!」「いや~悪いね、こっちも色々やったから皆興奮しちゃって」』

 

主砲って言った?

それじゃ装甲車じゃなくて戦車だ

 

前方に崩れた建物、俺は恐る恐るan object canonと書かれ周囲が警戒色で囲まれた赤いボタンを押す。

 

車体の前方から物凄い衝撃とロケットが出る。

 

衝撃で車体は一瞬浮き上がり、ロケットにより前方の障害物は吹き飛び更地になった。

 

『見たか!俺、特製ロケットランチャーの威力www』

 

『その近くにabout Aragami canonって書いてあるボタンがあるだろ?それは私が作った対アラガミ用麻痺ミサイルだ。時間稼ぎにはなるだろう』

 

整備班の話を聞きながら俺はバンドルを切る

 

そうすること20分程で巨大な竜巻を讃える平原に到着した。

 

「こちら明史、アラン、応答願う」

 

『どうした?』

 

「到着したか?」

 

『ああ、降下準備完了』

 

「今から蒼次がお前のビーコンを頼りにそっちに行く」

 

俺はゲーム機を手に持ち蒼次を呼び出し、アランの反応に向かって走らせる。

 

「降下開始、ツバメはその場で援護射撃」

 

『ラジャー』

 

アランが降下する

 

降下とほぼ同じタイミングで蒼次がRPGをシユウ堕天に向けて射つ

 

RPGは真っ直ぐシユウ堕天の下半身に向かって飛び大爆発を起こした。シユウ堕天の下半身は部位破壊を起こし、所々発光するオラクルが露出している。

 

「派手に行くぞ!」

 

『了解、喰い荒らす!』

 

アランと蒼次による攻撃がシユウをボロボロにしていく。



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隊長二人と部下二人

夢見がちな文ですいませんね



明史が市街地を爆走している頃

アランとツバメのヘリ組は出撃準備を終えてヘリへの乗り込み作業中だった。

 

「アラン、早く乗って」

 

ツバメは肩からかなり大きな鞄をかけて言う。

 

「へいよ、でも隊長大丈夫かな?」

 

アランはヘリに乗り扉を閉める

 

「リンク隊長?リンク隊長がそこらのアラガミに負けるわけないでしょ?」

 

「リンク隊長じゃなくて明史隊長。明史隊長には蒼次がいるけど、蒼次を動かしてるとき隊長はほとんどノーガードなんだ、なのに戦場に出るとか」

 

「さっき隊長が言ってたんだけど、隊長は蒼次さんを動かしているとき、どんな方法かはわからないけど戦場の全てを把握しているらしいよ?」

 

「そんなの嘘に決まってるね。あの人、結構嘘つくからさ」

 

「でも、嘘には思えないんだよね。だって戦場の全てを把握してなかったらオペレーターなんて出来ないし、この前のヴァジュラの群れの時も敵の数と位置を全部把握してるみたいだったよ?出なかったらあのエントランスから敵に回り込まれたから距離を開けずに後ろに専念しろなんて指示出せるはずがないし」

 

「でも、そんな超人みたいなこと……」

 

「異界人には出来るんじゃない?」

 

「でも、そんな魔法みたいなことが出来るわけない」 

 

「私、ちょっと聞いちゃったことがあって、この前サカキ博士の講座の後でサカキ博士が『君は未来を知っているんだったね』とか言ってたから、明史隊長は未来を知っているんじゃないかな?それでこの前の作戦の状況を最初から知っていたとか」

 

「それじゃあ蒼次を動かしてるときだけじゃないじゃん」

 

「何にしても未来を知っている様な人だから戦場の状況を知るぐらい出来るんじゃない?」

 

「謎な人だ……」

 

「それを言うならリンク隊長も謎な人だよ?」

 

「リンク隊長は明史隊長ともとから知り合いらしいから謎なのもしょうがないだろ」

 

「でも、私リンク隊長みたいな人好きだなぁ、ミステリアスだけど優しいの…」

 

「リンク隊長って優しい、のか?」

 

「昨日、茹でたトウモロコシ持ってきてくれたわよ?」

 

「それ、俺の所にも来たよ。もとから少食であんまり食べられないけど冷蔵庫いっぱいだからって。明史隊長の部屋にも有った気がする」

 

「それが優しいんじゃん」

 

「ただ単に余ったからな気がする」

 

「さっきのブリーフィングでアランと明史隊長を交互に見てたわよ?」

 

「単に気になったんだろ?俺だってそうするし」

 

「えーそうかな?」

 

「それにこの前明史隊長の部屋で問題発言してたじゃん。『この程度(・・・・)俺と蒼次だけでも十分』とかなんとか」

 

「それは蒼次さん凄い実力の持ち主だもん。一撃でヴァジュラ倒しちゃってついでにコアも回収してるんだから。それにリンク隊長のアポロとアルテミスは二個大隊に匹敵する力を持ってるし」

 

アランの脳裏に虹色の閃光が煌めく

 

「確かに、問題発言ではあるけどしっかり現実を見ているとも言える」

 

「カッコいいよね、リンク隊長」

 

アランは話についていけなくなり居眠りを始めた。



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シユウ堕天討伐作戦開始

アランはヘリから飛び降りる。

 

普通なら死ぬ高さだ。

 

だが彼ら、ゴッドイーターはこの程度じゃ死なない

 

アランは躊躇なく飛び降りる。

 

下のシユウの頭に神機を突き刺し、そのまま宙返りの要領で縦に割る

 

シユウは頭を切り裂かれてなお腕を動かしている

 

気弾を発射するが目が見えてないのか検討違いな方向に射っている

 

アランはシユウの下半身の皮膚を削ぎ落とす。

 

そしてコアがあると思われる所を捕食する。

 

シユウの胴にポッカリと穴が開いた。

 

「おぉー、バースト!」

 

アランの体が発光する。

 

『アランっ受け取れ!』

 

「えっ、何を?」

 

直後、蒼次の神機から弾丸が発射される。

それはアランを追って飛び、着弾した。

 

すると更にアランが光る。

 

二発目がアランに着弾してアランが更に発光する。

 

「おおーっ力が湧いてくる」

 

アランはシユウの表皮を切り刻みシユウのコアを喰らう

 

『アランそこから南に走れ、コイツらは蒼次がなんとか抑える』

 

蒼次はスタングレネードを使った俺は振り返らずに走る

 

『残り200mだ、あと30秒以内』

 

二度目の閃光と轟音が戦場を駆け巡る

 

「よし乗れ」

 

俺は窓を開けて言う

 

アランが入ってきた

 

「後部のドアを開けといてくれ蒼次が来る」

 

アランはバックドアを開けると戦場からまた閃光が来た

 

「じゃあ、運転よろしく、俺が行けって言ったらアクセルを踏んで真っ直ぐ進め」

 

蒼次が走って来た、250メートル程の間隔を開けてシユウ達を引き連れて

 

蒼次が装甲車に乗り込む

 

「行けっ!」

 

アランはアクセルを踏む

 

俺はバックドアを閉める

 

「さてと、頑張って逃げろよ?捕まったらしまいだ。リンク後ろからアルテミスの弓で狙いながら追尾、逃げようとしたら殺してよし。

ツバメお仕事だ、車に近すぎるシユウを射て」

 

『了解だ』

 

『了解です』

 

俺はゲーム機を片手に助手席に座る

 

「さてと、ナビの指示通りに走ってくれ。障害物は気にしなくていい」

 

俺は蒼次を動かしバックドアを開け、無属性連射弾を射ちまくる。

 

怒り狂ったシユウ達が走って、飛んで、転びながら追ってくる

 

離脱するシユウが出始めた。

 

上空から虹色の流星が飛んできて離脱しようとしたシユウの上半身を焼いた。

 

近づき過ぎたシユウに蒼次がminRPGをプレゼントし、ツバメが狙撃弾をおまけする。

 

そうしている内にシユウ堕天二匹だけになってしまった。

 

目的地まであと5km持つか?(シユウ堕天が)

 

蒼次はバックドアを閉める。

 

「こちら山澤、攻撃のペースを落としてくれ」

 

あとちょっとだ

 

「こちら第零部隊もうすぐ旧工業地帯に着く第一部隊に連絡してくれ。アラン俺たちは旧工業地帯に到着後コイツらから一気に距離を取って撤退する」

 

「ラジャー」

 

「こちら山澤あと30秒程で作戦エリアに突入する」

 

そして俺たちは作戦エリアに突入した。

 

『シユウ堕天二体の作戦エリア新入を確認した。おっ始めるぞ!』

 

リンドウさんから入電だ。 

 

『第一部隊、交戦を開始』

 

ヒバリが報告する

 

「アラン、どうする?お前は戦場に出るか?それとも俺と帰るか?

それとも?」

 

「ああ、あんたと戦場に出る。あんたの戦場は通信機の前で俺の戦場はアラガミの前だ。支援頼む!」

 

アランはバックドアから飛び出しシユウ堕天を一体引き付けた。

 

『蒼次に援護射撃させる、アラン、奴を叩き潰せ』

 

俺はマップを見ながら言う

 

「リンク、悪いが周辺の雑魚を掃討してくれ」

 

『彼処にいる騎士虫だな?』

 

「ああ、俺はここで待機する」

 

騎士虫(ボルク・カムラン)の反応が消滅する

 

シユウ堕天の反応も消滅した。

 

「終わったか」

 

アランが戻ってくる

 

「さっ帰ろうぜ、隊長」

 

「ああ、帰るか」

 

俺はゲーム機のスタートボタンを押し、帰投を選択し、その直後出撃ゲートを選択する。

俺の隣に蒼次が現れる。

 

これがこの二日間の進歩かな

 

『オペレーターは皆さんが無事帰ってくるまで見守るのが仕事です』

 

ヒバリさんの言葉が繰り返される

どうやら俺はスッカリオペレーターのようだ。



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シユウ堕天討伐作戦終了後

俺たちは、車を走らせて極東支部まで戻ってきた。

 

アランは早々に部屋に戻った

 

俺は格納庫でサカキ博士に呼びつけられていた

 

「ただいま戻りました」

 

「やあ、無事に戻ってこれて何よりだよ」

 

サカキ博士は所々凹み焼け焦げ、窓ガラスの割れた装甲車を眺める

 

「まあ、かなりボロボロになってはいるけど

一応装甲もちゃんと機能したみたいだね」

 

何度もエネルギー弾が当たったことで装甲車はボロボロだ。

だがバラバラになっていないのは明らかにこの装甲のおかげである

 

「おかげで命拾いしました」

 

「うんうん、新種のアラガミに対してもそれなりの抵抗力をみせたみたいだね」

 

「より多くの偏食因子を練り込めば更に効きづらくなるんですよね?」

 

「理論上ではね」

 

「サカキ博士、一つ聞きますけど、極東地域でこれまでにボルグ・カムランが確認されたことは?」

 

「無くはない、けど限りなく少ないね」

 

「作戦の道中見かけたんですよ、ボルグ・カムランを。リンクに言ってとりあえず処分しましたが、今後ボルグ・カムランが極東地域にも頻繁に現れるようになるかもしれないので対策を考えておいてください」

 

「なぜかはわからないが、極東はアラガミが集まってくるんだよね。私としてはそこが魅力でもあるのだがね」

 

「では博士、失礼します」

 

「ああっ、これからもよろしく頼むよ」

 

俺は格納庫を出る

 

次に向かうのはヒバリさんの所だ。

 

理由は、戦場に出ると伝えるのを忘れて出てしまったため心配をかけてしまったかもしれないから

(もしも心配されてなかったら、それはそれで悲しい)

 

俺はエントランスまで戻ってきた。

 

受け付けにはヒバリさんがいる

 

「ヒバリさん、ただいま戻りました」

 

「どこ行ってたんですか?オペレーターが仕事を放棄したら現場が回らなくなるんですよ!何度も言ったじゃないですか!」

 

「まず、どこに行ってたかですね。誘導の指揮をするために前線に行っていました。仕事は放棄していません。完璧にこなして対象は第一部隊に引き継ぎました」

 

「オペレーターが前線指揮?何ふざけたこと言ってるんですか!あなたが前線で倒れたら前線で命を賭けてる皆さんが危なくなるんです!自分が如何に重要な役割を果たしているのか自覚してください!」

 

「自分が如何に重要な役割を果たしているのかなんてわかってます。でも、俺は自分の安全を確保するために仲間を危険な目に遭わせるぐらいなら、自分が肩代わりして出来うる限りのことをして戦場に立ちます。俺はそう言う人間です」

 

ツバキさんが職員を引き連れて歩いてきた

 

「山澤 明史特務少尉、貴様は遊んでいるつもりか?作戦は遊びではない!今回のような軽率な行為は皆を危険な目に遭わせる。貴様は事の重大性を理解しているのか?」

 

「理解しております」

 

「では何故、戦場に出た?」

 

「それが皆のためになると考えたからです」

 

「今の貴様と話したところで時間の無駄だ。こいつを拘束しろ!」

 

俺は無抵抗で職員に拘束される

 

だがそこに思いがけない声が響く

 

「それには及ばない、今回の件はこの私が許可を出したのだ」

 

(よろず屋やその他の来客を含む)全員が声の発生源の方を向く

そこには支部長が立っていた。

 

「シックザール支部長、何故こちらに?」

 

「何、格納庫にある新種のシユウの攻撃を何発も受けてなおも原型を保った装甲車を一目見ておこうと思ってね。私の部下を放して貰えるかな」

 

職員は戸惑ったが最終的に俺を放した。

 

「雨宮大尉の気持ちは察するが彼は今回の作戦でリスクに見合うだけの戦果を上げている。ならばあながち彼が戦場に出たのは問題ないのでは無いかね?彼が犯したミスは一つ他の者に報告していくことを忘れたことだ。この手のケアレスミスは注意すれば直る、その点は雨宮大尉に任せる。では私は失礼する」

 

支部長は歩いていった。

 

「山澤、支部長のおかげで懲罰房は免れたが今後も戦場に出るつもりなら貴様にもそれ相応の訓練を受けて貰う」

 

「了解しました」

 

「では、ターミナルから申請しておけ、後程お前用に訓練プログラムを組んでやる」

 

ツバキは荒らげた声を無理矢理戻す

 

「ありがとうございます」

 

「精進しろよ」

 

ツバキさんは歩いていった。

 

「と言うことでこれからは戦場に出るので……」

 

「もう私から貴方に教えることはありません」

 

これは免許皆伝と言うやつでは?

 

「貴方に教えても意味がありません」

 

違った免許皆伝じゃなくて破門だ。

あーあ、まあ通信機の使い方はおぼえたし、任務の発行手続きのし方も報酬の支払いも出来る、あとは指揮だけ極めればOKのはずだ

 

「…短い間でしたが、お世話になりました」

 

俺は挨拶だけしてその場を離れた。

 

 

アランはヘリで帰ってきたツバメと一緒にいた。

 

「隊長タフだよな、神機持たずに戦場に来て蒼次さん操りながらオペレーターとしての仕事もしてるんだ。仕事が出来るってああいう人を言うんだろうな」

 

「リンク隊長も凄かったですよ、同時に二機を操縦してるんです。それに射撃の精度が凄いんです。百発百中でしたよ」

 

「うちの隊長二人は超人かー」

 

「超人かどうかはわかんないけど異世界人ではあるよね」

 

「やっぱり敵うわけ無いもんな」

 

「肉弾戦闘ならあの二人に勝てるんじゃない?」

 

「あの二人だよ?山澤隊長には勝てそうな気がするけどリンク隊長には無理でしょ」

 

「そうかな?アランも充分強いと思うけど…」

 

「俺は、いつかあの二人に追い付けるかな?」

 

「そのうち追い付けるよ。だってこれからも私達仲間でしょ?」

 

「だな、必死に追いかければきっと追い付けるよな」

 

アランとツバメは廊下を歩いていった。



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閑話 大空タツミ

お久しぶりです。
なろうの方が忙しくてこっちが疎かになってしまいすいませんでした。


明史とアランがシユウを引き連れて爆走しているとき

 

防壁まで攻めてきた小型アラガミを対処するため出撃していたタツミが帰ってきた。

 

「帰ってきたらヒバリちゃんが笑顔で出迎えてくれる。こんなに嬉しいことは他に無いぜ」

 

と彼は言っているがヒバリの表情はそんなに明るくない、むしろ暗い。

 

「…おかえりなさい、タツミさんブレンダンさん」

 

「ヒバリちゃん?どうしたの?なんかあった?」

 

「山澤さんが…いえ、なんでもありません」

 

「ヤマサワ?ヤマサワ…ヤマサワ…そんな奴居たか?ブレンダン先生」

 

「ああ、この前入った新人で、いきなり戦場に現れて、リンドウさんの獲物のヴァジュラを横取りしたとかなんとか、入隊早々部隊長とかなんとか噂になってたな」

 

「ヴァジュラ殺したってことは神機使いだろ?何処の部隊長だよ?」

 

「確か存在しないはずの部隊だったはずだ」

 

「存在しない?部隊長になってんなら存在してるだろ?なぁ?ヒバリちゃん?」

 

「第零部隊です」

 

「いくらなんでもそれは無いわ。だって数字って一から始まるだろ?」

 

「一の前は零だろ?」

 

「んだけどさー、なんで新人部隊長がヒバリちゃんに関係あるんだ?神機使いだろ?なら最初の指示はツバキさんからじゃないのか?」

 

「まあ、関係ぐらいあるだろ」

 

「でも、今の話でいくと新人神機使いの部隊長がヒバリちゃんになんか失礼なことをしたってことに……でも、今は殆どのゴッドイーターが出撃してるか寝てるぞ?それなのにどうやって」

 

「山澤さんは神機使いじゃないんです。山澤さんは私の後輩です」

 

「えっ、後輩ってことは神機使いじゃなくてオペレーター?」

 

「はい、もう作戦が始まっているのにまだ来ないんです」

 

「つまりその新人オペレーターが仕事サボってると?」

 

「いえ、サボってはいない様なんですが」

 

ヒバリがインカムをタツミにわたす

 

タツミがインカムを耳に当てると男性が指揮をとる声が聞こえる。

 

タツミはインカムを返す

 

「山澤さんの足取りをたどったところ北の第一防壁のゲートが最後に確認された場所なんです」

 

「第一防壁!?そりゃ自殺行為だ神機も持たずにピクニックなんて洒落になってないぞ」

 

「生存の可能性は低いな」

 

「で、問い合わせた後でサカキ博士が「山澤君はサボりじゃないからね」とだけ」

 

「サカキ博士がそう言うならそうなのだろう」

 

「どちらにしても帰ってきたらその新人にはガツンと言ってやらないとな」

 

『こちら第零部隊、もうすぐ旧工業地帯に着く第一部隊に連絡してくれ』

 

「第零部隊より入電、まもなくシユウ堕天が作戦エリアに侵入します」

 

ヒバリは表情を変えてオペレーター業務を始める。

 

 

タツミはターミナルに向かう

 

「第零部隊と」

 

タツミは第零部隊のデータを見る。

 

「アポロとアルテミス、なんだそりゃ?水無月 蒼次 操縦者 山澤 明史 特務少尉?操縦?どうみても人の名前だけどな?」 

 

タツミは蒼次のデータを見る

そこにはたいしたことは書かれていなかった

 

「水無月 蒼次 特務少尉、自称第二世代型神機使い?なんだそりゃ。入隊が……2072年!?こりゃデマだな」

 

タツミはターミナルを終了する

 

そして明史が帰還後

エントランス

 

 

「あれ?ヒバリちゃんまたアイツがなんかやらかした?」

 

明史は無事に帰ってきたのに、ヒバリの表情は暗い

 

「山澤さんは何もしてません。悪いのは私なんです」

 

「ヒバリちゃんが悪いことなんて万に一つもありえない」

 

これはかなりの贔屓だ

 

「私、勢いでつい破門を言い渡しちゃったんです」

 

「それは、その、あれだ。山澤が悪い!……んじゃないかな……そんなに気になるなら謝ってくればいいじゃん。謝っても「許してやんなーい」とかする奴は幼稚園児だ!それもヒバリちゃんが謝ってくれてるのに許さない奴は人間じゃない」

 

「謝ったら許してくれるでしょうか?」

 

「許してくれる。というか許さないって回答を俺は許さない!」

 

「本当にそうですか?」

 

「元々、アイツがバックレて外に出たのが悪いんだし」

 

「タツミさん、ありがとうございました」

 

「俺はヒバリちゃんのためならなんでも出来るぞ」

 

ヒバリは歩いていった。




タツミファンの皆さん、「こんなのタツミさんじゃない」 という感想を持った方、感想欄で長文で長々と抗議して下さい。以降それを元にタツミさんを書くので。


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逃げ切れ!猛攻のオーガテイル

更新です。
改良してほしいバレットが有ったら評価のとこのコメントとか感想のついでとかTwitterのダイレクトメールとかでバレットの構成を送って下さい。
俺なりに改良して返します。



俺は、必死になって荒野を走っていた。

 

後ろから迫るオーガテイル

 

俺はロールで回避する

 

オーガテイルが俺に食らいつかんと跳ぶ

 

俺はオーガテイルの懐に転がり込みそのまま走り抜ける

 

オーガテイルがまた追ってきた

 

俺はロールで回避するがオーガテイルはそれを読んでいたのか俺の腹に食らいつく

 

『ビーーー』

 

ブザーが鳴り響く

 

俺に食いついたオーガテイルが止まり

俺を囲んでいた荒れ地は消滅して装甲板で囲まれた訓練場が姿を現した。

 

『これで四回目だ。お前はこの30分で四回死んだ』

 

ここは訓練場

俺は訓練用プログラムで訓練していた。

 

『訓練でこんなでは戦場に出られるようになるのはいつになるのか』

 

ツバキさんが呆れたように言う

 

俺はもう戦場に出てるんだって

 

『結果を発表する。最長生存時間12分、撃破数0、ランクはDだ』

 

いやいや撃破数とか無理だろ?

と言うのもツバキさんの指示で俺はあの超便利道具「ゲーム機」を置いてきていた。

 

ツバキさん曰く、「いつもそれがあるとは限らんさらにいつもそれが使えるとも限らない。そのためにも自らを鍛えろ」とのことで……

 

『ゴッドイーターとは思えんな、戦闘能力は一般市民並みだな』

 

いや、一般市民ではないけどゴッドイーターじゃないからね

 

『そんなんで戦場に出られても迷惑だ。さあもう一度』

 

俺は立ち上がる。

訓練場の殺風景な装甲板が幻のように霧散し、風が吹きすさぶ荒野が現れた。

仕組みはわからない。

 

そして俺がもと居た場所には無惨に食い荒らされた人型の肉塊が転がっていた。

 

『そうなりたくなかったらしっかりやるんだな』

 

俺はスタングレネードを持つ

 

『ビーーー』

 

ブザーが鳴り響きオーガテイルが現れた。

 

俺はオーガテイルにスタングレネードを投げつける

 

スタングレネードが閃光と轟音を放出する

 

俺は即座に罠をしかける。そして走るオーガテイルと罠の延長線上を走る

出来るだけ遠くにオーガテイルから離れるんだ

 

『ガンッ』

 

訓練場の壁に激突した。

 

「痛たた、壁は消えないのか……」

 

オーガテイルが走ってくる俺は出来る限りオーガテイルから離れるために走る

 

「はあ…はあ…長い」

 

制限時間は15分

 

15分間逃げ切る又はエネミーを撃破すればクリアだ。

 

神機を、持たない俺は撃破することはできない。

つまり15分間走り続けるしかないのだ

 

あと10分

 

俺は走って逃げる

 

オーガテイルが跳ぶ

 

俺はロールで回避する

 

俺は更にロールで逃げる

 

俺は走って、転がって逃げる

 

『残り5分』

 

俺は既に息は絶え絶えだ 

 

そんな状態で更に走る

 

息が苦しくなり視界がクリアになる

 

オーガテイルが転ける

 

脳ミソに膜が張ったかのように何も考えられなくなる。 

視界は更にクリアになっていく。

 

『残り1分』

 

あと1分だ、あと少しなんだ。

 

俺は最後のトラップを仕掛ける

 

オーガテイルがかかる

 

これで大丈夫だろう

 

そう思ったとたんに視界が暗くなり何も見えなくなった。

 

俺は辺りを見回すが見えない 

 

俺は手探りで壁づたいに走る

足音がドンドン大きくなる

俺は咄嗟にロールした。

オーガテイルが着地する音がする。

俺はおぼつかない足取りで走る

オーガテイルの咆哮が聞こえ背中に風を感じる

直後、衝撃が俺を突き飛ばす

俺は宙に浮いた

とても長く感じた

そしてブザーが鳴り俺は背中から床に叩きつけられた。

 

焼けた砂と瓦礫に叩きつけられたのではなく鋼鉄製の無機質な床に叩きつけられたのだ

 

『訓練終了だ。結果は最長生存時間15分 撃破数0。ランクはB一応合格だ。だがこれに甘んじて訓練を怠ることの無いように』 

 

視界が戻って俺の目に殺風景な訓練場が映る 

 

どうやら俺は逃げ切れたらしい。

 

俺は不安定な脚で立ち上がる



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先輩と後輩と熱血漢

お久しぶりでーす。
ゴッドイーターオンラインのオープンβいつからかな~
超楽しみ
それ以上に家庭用新作が楽しみだけど
よしっ、神速種を神速で狩るかな。


俺は訓練を終えて、訓練場を出るとヒバリさんが居た

 

(おっと、これは説教コースじゃないか?)

 

俺は心の準備をする。

罵詈雑言を言われても心が折れないように

 

「こんにちは…」

 

俺は何を言ってるのか

(何が「こんにちは…」ださっきも会ってるだろ!)

 

「ヒバリさんも訓練ですか?」

 

んな訳あるか!俺とは違うんだよ!

 

「私は、訓練では無いです」

 

(おいおい、どうすんだよ、超気まずいぞ)

 

「……山澤さん、さっきはすいませんでした。勢いでなんか色々言っちゃって」

 

「いえ、こちらこそ心配かけてすいませんでした」

 

(とりあえず社交辞令だ)

 

「これからも私の話……聞いてくれますか?」

 

「ヒバリさんが話してくれるなら」

 

「話します、頑張って教えるのでこれからも私の話を聞いてください」

 

「ありがとうございます」

 

ヒバリは床に腰を下ろした

 

「大丈夫ですか?」

 

俺は手を差し伸べる

 

「緊張で腰が抜けちゃって…」

 

ヒバリは手を掴む

 

そこに廊下の向こうから走ってくる人影がある

 

赤いジャケットを来た黒髪の第二部隊隊長が走ってくる。

 

(今のタイミングでタツミさんはちょっと勘弁してほしい。)

 

「おいっ!そこのお前!ヒバリちゃんに何してる!」

 

(これはヤバイパターンだ)

 

俺は咄嗟に蒼次を呼び出して盾にする。

 

タツミは蒼次に激突して蒼次は突き飛ばされた。

 

「すまんな、蒼次」

 

俺は蒼次を戻す。

 

「お前、山澤 明史だな?」

 

「はい、そうですが?」

 

「後輩の癖に先輩のヒバリちゃんに迷惑かけてんじゃねーよ」

 

「あの……タツミさん?山澤さんは今回は何もしてませんよ?」

 

「急に現れてヒバリちゃん独占なんて天と支部長とツバキさんが許しても俺が許さん!」

 

「別に独占したつもりは・・・・・・(あっカノンちゃんの真似がしたくなってきた)」

 

俺はヒバリを引っ張りあげる

 

「すいませんね、山澤さん」

 

「それになんでヒバリちゃんが床にへたりこんでんだ、お前がなんかしたんだろ!?」

 

「俺は心配はかけましたけど、これに関しては何もしてません(抑えろ抑えろここで爆破したら廊下が壊れてツバキさんにいくら請求されるかわからん)」

 

「あの~タツミさん?私の話を……」

 

「こうなれば俺と勝負しろ!先輩の偉大さを教えてやる」

 

「何で勝負しますか?(よしきた。ボロボロにしてやる)」

 

「疑似戦闘って知ってるか?訓練室で出来る訓練じゃなくて疑似的な戦闘だ」

 

「はい、まあ(やったね、カノンちゃんの真似をしよう)」

 

「それでどっちが多くアラガミを倒したかで勝負だ」

 

(殲滅戦で数で勝負か……おもしろい。こんどリンクとやってみるかな)

 

「じゃあやりますか?俺は俺の能力を使いますけどね」

 

「おうともよ、好きに使いやがれ」

 

俺は訓練場に逆戻りだ




ほんと途切れ途切れになっちゃってすいませんね。
MH3GとかGERとか艦これとかが忙しくて中々書けなくて笑笑
まあ、こっちではこんな感じでなあなあに書いてくつもりなんでよろしくお願いいたしまーす。


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熱血漢と模擬戦闘

だが今回は疑似戦闘だ、しかも勝負だ。

別に俺の戦場訓練じゃない。

だから俺は戦場に立つ必要がない。

 

今度は俺は観戦室に行く

 

『おいお前!降りて正々堂々勝負しろ!』

 

「言ったはずです能力を使うと」

 

俺はゲーム機を構える

 

訓練場に蒼次が出現する。どういう仕組みなのか場の空気で神機を持っていたり持っていなかったり変わるが、今は持っている。

 

「じゃあ始めます」

 

殺風景な訓練場の風景が一変して嘆きの平原そっくりになる

 

地面からオーガテイルが大量に湧き出る。

 

俺はサクサクOPを貯める

 

タツミは順調に狩っている

 

OPをマックスまで貯めた俺は銃形態で次々とオーガテイルを撃ち抜く。

 

あっという間に俺とタツミの撃破数の差は縮まった。

 

俺は手を緩めずOPを貯めつつバンバン撃ち殺す。

 

安全重視で狩るタツミは囲まれないようにしながら確実に仕留めていく

 

俺は目につく敵を片っ端から撃ち殺す

 

蒼次が後ろを取られたが攻撃される前に沈める

外すことは殆どない

 

そして疑似戦闘終了

 

結果は37対48

 

蒼次の圧勝

 

「俺は認めない!お前みたいなヤツがヒバリちゃんの後輩だなんて……」

 

「ちょっとタツミさんっ!?」

 

ちょっと頭に来た俺は誤射姫の真似をすることにする。

 

俺が作ったバレット

C(カノンちゃん)O(お仕置き) B(爆発)を往生際の悪い熱血漢の足下に射つ

 

COBはタツミの足下で小さな爆発を起こして衝撃でタツミを転ばせた

 

「何するんだ、危ないだろ!」

 

「五月蝿いですね、あんまり五月蝿いとさっきのオーガテイルみたいにしますよ?」

 

俺はまたタツミの足下を爆破する

 

「そんなことするヤツはこうだ!」

 

タツミが蒼次を殴り飛ばす

 

「すまん、蒼次」

 

「どうだ参ったか?」

 

蒼次は何もなかったかのように立ち上がる。

がHPは少し減っている。

だいたいオーガテイルのジャンプ攻撃を食らったぐらい減った

 

「このっ降りてこい!」

 

「はー、降りればいいんですね?」

 

俺は降りる

 

「このクズ野郎!」 

 

タツミのパンチが俺の顔面にめり込み俺を吹っ飛ばす

 

「あたたた……」

 

俺は蒼次にもう一発射たせようと画面を覗くと無表情で歩くヒバリさんが映っていた。

 

「タツミさん、私貴方のこと誤解してたみたいです」

 

ヒバリがタツミの頬を打つ

 

それは甲高い音を訓練場に響かせた

 

タツミは硬直(フリーズ)している。

 

ヒバリは俺に手を貸す

 

「山澤さん大丈夫ですか?」

 

「まあ一応は」

 

「とりあえず医務室ですね。医務室まで送ります。」

 

ヒバリは俺に肩を貸して訓練場を出る

 

俺達が訓練場を出たあとも暫くタツミは硬直していた。



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ヒバリとタツミ

「内容が薄い、面白くない」と言うご指摘を頂きました。
正直な所を言うと「対応不可能」ですが、ここでは言い訳させて下さい。
まだ始まったばかり、まだ一章終わって無いですし、正直まだ準備段階、布石を置きまくってる所なのでもう少し待ってくれますか?
何卒よろしくお願いします。



俺はヒバリに連れられて医務室に来た。

 

「そこに座ってください」

 

俺は椅子に座る

 

「全身ボロボロですね」

 

確かに俺は全身、擦り傷と切り傷と打撲傷だらけで所々内出血して青くなっている。

服も所々破れてボロボロだ。

 

ヒバリは傷を一つ一つ丁寧に手当てしていく。

 

「タツミさんに殴られた所凄く腫れてますけど大丈夫ですか?」

 

「かなり痛いけど大丈夫だと思う」 

 

「タツミさんいい人なんですけど、時々歯止めが効かなくなってこんな風に……」

 

愛する人のためならしょうがないのかもしれない、と言うことにして実際はもう一発COBを叩き込んでやり気持ちを抑え込む。

 

「タツミさんホントにいつもはいい人なんです。だから嫌ってあげないでください」

 

「はい、彼がいい人なのは知ってます。俺は未来を知ってますから」

 

「未来を?」

 

「はい、未来を。未来で彼はいい人でした」

 

「未来ででしたってなんか変ですけどわかる気がします」

 

「ヒバリさんは彼のことが……」

 

「いいえっ!何にもありません」 

 

ヒバリは怖い顔で話を遮る

あの設定はほんとうだったようだ。

 

「嫌いになってしまいましたか?」

 

「そんなことは……」

 

「なら、大丈夫です」

 

「ホントに何にも無いんです!」 

 

「手当てありがとうございました。では、一つアドバイスを、嫌いじゃないなら、たまには食事に誘われてあげてもいいんじゃないですか?」

 

明史は出ていった。未来で彼に幸多からんことを等とは微塵も思ってないが一先ずそう言っておいた。

 

「ホントに何にも無いのに……」

 

 

明史は部屋に戻る

 

「あ~あ、この服結構気に入ってたんだけどこれは捨てた方がいいな」

 

俺はもとの世界から着ていた服をゴミ箱に捨てる

 

「はー、これからはフェンリルの制服しかないな~」

 

俺はターミナルから服を取りだし着替える

 

神機使い用の丈夫なやつじゃなくてオペレーター用の見た目重視の制服だ(イマイチわからない方はGERB 真壁テルオミを参考にしてください)

 

「う~ん、なんかな~俺のイメージと違う。まあ予想より柔らかくて動きやすいからいっか」

 

明史は二、三度スクワットする。

 

「他の服も幾つか欲しいな、発注してみるかな」

 

そして暫くターミナルのキーボードを叩く 

 

「へー、結構色々あるんだな。どうせなら第零部隊の制服でも作ってみようかな」

 

明史は更にキーボードを叩く

 

「こんなとこかな?一応皆に聞いてみるかな」

 

明史は作成した制服のデザインを三人に送るべくまたキーボードを叩くのだった。

 

数分後、「そんなもの必要ないだろ」とリンクから返信が着てはっと我に帰った。

 

「確かにそれもそうか」

 

そして「やっぱり無し」と言うメールを三人に送るのだった。




COBの構成を紹介します。
弾丸M普通「仲間に命中時」
└爆発M
です。
実用性は殆ど無し、ほんとにただの遊びです。


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リンクと二機と楠リッカ

明史がタツミに殴り飛ばされた頃

 

リンクはアポロとアルテミスのある保管庫に向かっていた。

理由は特にない。

 

リンクが保管庫に着くと先にアポロとアルテミスを眺める人影があった。

 

俺はその人物を知っていた

 

「はじめまして、楠リッカさん」

 

リンクは後ろから声をかける

 

「君は確かこの二機の搭乗者の」

 

「リンク・ロード 特殊起動兵曹長です。リンクでいい」

 

「私は楠 リッカ、神機整備部所属のメカニックだよ」

 

「こいつらに何か用か?」

 

「別に用って程じゃないよ。ちょっと見たかっただけだよ。凄いよねこの二機。神機と同じ制御機構を機械で行っているんだ。これが神機に応用出来れば」

 

「誰でも神機を扱えるようになる」

 

「そう、わざわざ辛い思いしてゴッドイーターにならなくていい」

 

「ああ、これが神機に応用出来ればな」

 

「ねえ、君はこれに乗ってアラガミと戦うんでしょ?どうなの?やっぱり怖い?」

 

「俺は怖くない。望んでやっていることだから」

 

「望んで?そっか好きな仕事をできているなら君は幸福者だ」

 

「リッカさんは幸福者じゃないのか?」

 

「私は幸せだよ。人の役に立つ物を作れる。人を守るための道具を作れる。私にとってこれほど嬉しいことはないよ」        

 

リッカは続ける

 

「でも同時に私のミスで人が命を落とすかもしれない、私が神機をもっといい状態に仕上げられなかったから、誰かがアラガミに喰われるかもと思うと、私は怖くてしょうがない」

 

「なあ、怖くないって言ったの嘘だ。俺は確かに怖くない。でも誰かが死ぬのは嫌なんだ。だから俺は誰も死なせずに済むように、誰も失わないように一匹でも多くアラガミを倒す」

 

「ふーん、君みたいな思考の人は嫌いだな。自分のことを大切にしない人って言うの?そういう人って直ぐに死んじゃうんだ」

 

「俺は自分が可愛いばっかりの人間のが嫌いだな。グズでノロマで何も出来ない。なのに何かをしようとする。出来ないなら隠れていればいいのに」

 

「どうも君とは気が合わなそうだね」

 

「同感だ」

 

「そういう所は気が合いそうだね」

 

「そうだな」

 

リンクとリッカの会話は途絶えたままそのままの状態でそこそこの時間が経った

 

リンクはゲーム機をいじっている

 

「さてとテスト飛行と行こうか」

 

アルテミスが浮き上がる

 

リンクはアルテミスを操作して肩に乗る

 

「さてと夜の遊覧飛行と行きますか」

 

「ちょっと君ー、出撃許可は出てないはずだよ!」

 

「俺が許可したからいいんだよ」

 

「君、何様のつもり?」

 

「支部長のお抱え部隊長様のつもりだけど?なんなら君も来る?」

 

リンクは肩から手に移動しアルテミスの手をリッカの近くまで下げる

 

「私は遠慮しとくよ」

 

リンクはリッカを引っ張りあげる

 

「さてとアルテミス出発」

 

アルテミスは立ち上がり滑るようにハッチに向かう

 

「君はもうちょっと人の話を聞いた方がいいよ」

 

「リッカさんはもうちょっと遊ぶべきだな」

 

アルテミスは外に向かう通路を進む

 

三枚目のハッチまで着たところで

 

『リンク・ロード特殊機動兵曹長、何をしている』

 

ツバキさんからアルテミスの通信機を通したお叱りだ

 

「これよりテスト飛行に行ってまいりまーす」

 

「ちょっと君、相手はあのツバキさんだよ?」

 

『楠 リッカ整備員をどこへ連れていくつもりか?』

 

「整備士としての視点から改良点を指摘していただこうと思いまして、では私共は行くので」

 

リンクはハッチを手動(※アルテミスの手で動かして)で開いて外に出る

 

「ねぇ君、こんなことしてホントに大丈夫」

 

「大丈夫、大丈夫どうせ後でツバキさんからお叱りを受けるだけだから」

 

「昇進とかに影響があるんじゃないの」

 

「俺はフェンリルにいつまでもいるつもりはないから」 

 

「そっか、このご時世にフェンリルから抜けようとする変人は君ぐらいだよ」 

 

「そうかな?俺は向こうでやり残した事があるから、さっさとクラウンを見つけ出して大口径ビーム叩き込んで向こうに帰る」

 

「向こうって?」

 

「ディスプレイの向こう側」

 

「ディスプレイの向こう側って言うとカメラの前?」

 

「いや、ディスプレイの前」

 

「ディスプレイの前か、まるで私たちがカメラの前に居るみたいだね」

 

「まあそんなことで俺はここに長居するつもりはない、もちろん死ぬつもりも無い」

 

「その自信は何処から来たのか教えてくれるかな?」

 

「自信なんて持ってない、持ってるのは便利なゲーム機と確信だ」

 

「ゲーム機と確信か、それじゃあ自信なんて持ってるわけないか」

 

「語弊があったな、俺は死なない」

 

「君のそういう所は好きだなー」

 

「まだ会って数十分だ、その程度で俺を理解したつもりになるには早いと思うけど?」

 

「きっとこの先長い付き合いになると思うからゆっくり君を理解していくよ」

 

「確かに長い付き合いになるな最低四年の長い付き合いに」

 

アルテミスは夜空の下を悠々と飛行していた。



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リンク 特務出撃

作者:「こないだのアレが以外とショックだったから更新頻度を上げようと思います」
明史:「とうとうコッチでもこの方法をとり始めたか」
作者:「これ楽しいんだよ」
明史:「これでなろうの奴等に一歩近づいたぞ」
作者:「気にしてたんだー」


翌日、リンクは支部長室に呼び出されていた。

 

「呼び立ててしまってすまない、至急やってもらいたい仕事がある」

 

「特務ですか」

 

「そうだ、君に隠し事は通用しないんだったね。内容を説明しよう、平原エリアにとてつもなく巨大なオラクル反応を検知した。今回はそれを討伐及びコアを剥離してほしい」

 

「相手はウロボロスですね。同行者は…」

 

「リンドウ君とソーマを同行させる」

 

「山澤特務少尉で…」

 

「山澤君にはオペレーターとしての研修をツバキ大尉のもとで受けてもらっている」

 

「任務、了解しました」

 

「いい結果を期待するよ」

 

リンクが部屋を出ると外でリンドウが待っていた

 

「よお、少年」

 

「どうもはじめまして、リンク・ロード特殊起動兵曹長です」

 

「今回の作戦に同行する雨宮リンドウだ。お互い妥協はしないでいこうぜ」

 

リンクとリンドウは歩いていった。

 

その頃、明史は…

 

「貴様、計算はもっと素早くしろ!」

 

「はいっ!軍曹殿!」

 

「私は軍曹ではない!大尉だ!肝に銘じておけ!」

 

「了解です!」

 

ツバキさんのスパルタ指導を受けていた。

 

 

「そんじゃ、全員揃った所でミーティングだ。今回の対象は平原の覇者ウロボロスだ。やつはその巨体故にちょっと踏みつけられただけで俺達はぺちゃんこになっちまう。と言うことで基本的に中距離戦闘を心がける、近接型の俺達が言うのもなんだが。隙ができたらあいつの触腕を叩ききる。隙が出来ない内はなるべくやつの注意をアルテミスとアポロからそらす。ここまでで質問は?」

 

「………無い、ただぶった切るだけだ」

 

「質問、今回の対象のコアはだいたいどの辺にあるのかわかりますか?」

 

「残念ながらコアがどこにあるかはわからない、そこはオラクル反応の中央付近にあるとしてやつを攻撃する」

 

「了解しました。ではウロボロス狩りといきましょう」

 

ウロボロス討伐部隊は出撃して行った。

 

数十分後、平原エリア

 

鈍い音と地響きが響いている

 

「やっこさんが歩いてるな」

 

リンドウの視線の先には平原となった旧市街地を闊歩する巨大なアラガミの姿があった

 

『予想より大きい』

 

「どんな奴も鱈腹喰えばデカクなる。そんだけだろ?」

 

『討伐部隊の作戦エリア到着を確認、作戦許可が降りました。降下してください』

 

ヒバリがインカム越しに言う

 

「了解、切り伏せる」

 

「時間か…」

 

リンドウとソーマが降下した。続いてアルテミスが降臨する。

ただ垂直に降下しただけだが、その姿はまさしく降臨という言葉が似合うものだった。

 

『いきなりだが、消し飛べ!』

 

無線機からリンクの声が轟き

 

上空から巨大な虹色の光の柱が降りてきて、ウロボロスの複眼と触腕を焼きつくした。

 

アルテミスが月天輪を変化させて創った剣でオラクル細胞を削ぎ落とす

 

「おいおい、俺ら来なくてもよかったんじゃないか」

 

リンドウは側面から両足を切りつける

 

ウロボロスの傷口が蠢き、触腕が再生していく

 

あっという間に触腕と複眼が再生し、無数の触手が触腕から分岐して伸びる

 

「こりゃ、近接型には荷が重い」

 

リンドウとソーマが伸びた触手を切り伏せる

 

『何度でも消し飛ばしてやる!』

 

上空が煌めき四本の虹色の光の柱が降りてきてウロボロスの中央を避けてそれ以外を焼き付くした。

 

「うおっとっと、危なっかしーな。リンクっもうちょっと考えて撃て!」

 

「くっ」

 

『もうあと五秒で光が消えます。コアを剥離してください』

 

「コアを剥離ったってこんなデカブツ神機で喰える訳ねえし」

 

「俺がやる」

 

ソーマが神機に捕喰形態を取らせる。

神機の顎はみるみる巨大になっていく。

ソーマの腕輪から徐々にオレンジ色の痣が広がる

 

そして光が消えて青白く発光する硬質なオラクル細胞に包まれた青く発光する球体が姿を現す。

 

「喰らえっ」

 

通常の二倍程まで巨大になった神機の顎がコアをオラクル細胞から喰い千切りそれを飲み込んだ。

 

「コア剥離成功、まっこんなもんか…」

 

ソーマの腕輪から広がった痣はみるみる内に小さくなっていき最後には見えなくなった。

 

『任務完了、帰投準備に入る』

 

アポロが降りてくる。

 

「今回の作戦、俺ら必用だったか?」

 

「コアの回収係りだな」

 

フェンリルマークの着いたヘリが上空で旋回している、リンドウ達とヘリから降下してきた回収班は残ったウロボロスの細胞を解体して運ぶ

 

 

『アラガミの沈黙を確認、帰投準備に入ってください』

 

「ふっ、君たちはつくづく楽しませてくれるな。これからも期待しているよ」

 

支部長は支部長室の端末で作戦の一部始終を見ていた。

 



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オペレーター 実地訓練

作者:「前回はリンク君の無双回でした」
明史:「じゃあ今回は俺の無双回か!?」
作者:「そんなわけないじゃん(´ ̄▽ ̄`)」


散々ツバキさんにしごかれた明史はヘリで移動していた。

 

そして最後に実地訓練を行うと言うことでヘリで旧市街地エリアに向かって移動している。

 

訓練内容は旧市街地エリアにて救難信号を確認、アラガミによる被害の可能性が高いため神機使い三名を派遣する。

現場に急行しアラガミを掃討及び生存者を救出せよ。

 

完全に任務(おしごと)だ。

 

※なおこの作戦にはオペレーターが実地訓練と称して一名参加する

 

と言う注釈付きだ

 

で派遣されたのが……リンクを除く第零部隊

 

「実地訓練じゃなくて実戦じゃん、しかも今俺、装甲車整備中だし」

 

「隊長どうにかなりますよ」

 

「なんかあっても俺達が居るから大丈夫だろ」

 

『山澤、ちゃんと降下しろよ?』

 

「ツバキ大尉、一つよろしいですか?自分神機使いではないので降下出来ません」

 

『普通に降りればいいだろ、やり方はいくらでもある』

 

「……了解しました」

 

パラシュートも一応背負っとこう、念のため…

 

「降下かー最初は俺もビビったな~でも以外と大したことなかった」

 

「それは偏食因子で肉体が強化されているから」

 

「蒼次に掴まって降りればいっか、毎度毎度蒼次には迷惑かけてるけど……救難信号の座標に到着、オーガテイルが群がっている。数は13。先ずは上から射って数を減らします。ツバメ、撃ち方用意、射撃開始」

 

明史は言うと同時にゲーム機の画面に映されたオーガテイルに照準して射つ

 

四発……これは今、蒼次がRPGを射てる弾数だ

 

ツバメの神機には弾数で表示されているが蒼次の神機にはバーで表示されている。

 

根本的に神機が違うのだ。

 

明史は四回ゲーム機の□ボタンを押して次の指示を出す

 

「降下開始」

 

アランが先に飛び降りる

 

明史は蒼次に捕まりゲーム機を操作し蒼次を飛び降りさせる。

 

途中で空中ジャンプして勢いを殺して地面に降りる。

 

「なんとか降下成功。これより掃討する」

 

俺はヘイトを蒼次に集めさせつつスタングレネードを投げつける

視界と画面が共に白くなる。

 

そして蒼次を巧みに動かしてオーガテイルを殲滅する。

 

かかった時間は59秒

 

一人五匹潰せばいいならこの程度だろう

 

「掃討終了、生存者なし。捜索を続行します」

 

『深追いはするなよ?』

 

「了解」

 

『こちらアラン、乗り捨てられた車を発見したかなり損傷が激しい。死体の類いはない。ヘリに戻る。』

 

『こちらツバメ、成果なし。ヘリに戻ります』

 

「アラン、ツバメ一度合流しよう、16時の方向ヘリから距離1300mの地点に大型種の反応がある。迎撃の準備をしておいてくれ」

 

『了解だ』

 

『了解しました』

 

「さてとサクッと殺して帰ろう」

 

明史は蒼次に掴まる

 

 

その頃エントランス

 

「ふーー、ビールが待ち遠しいぜ」

 

「さてとさっさと戻って神速種でも……」

 

ウロボロス討伐に行っていた面々は支部長室から帰ってきた所だった。

 

「旧市街地エリアに巨大なアラガミ反応を探知、大型種です」

 

「山澤の言っていた通りか、既に山澤が対処済みだ。だが一応監視は怠るな」

 

「はい、了解です」

 

ツバキはエレベーターに向かって歩いていった。

 

「他の皆は仕事中?」

 

「はい、現在第零部隊は旧市街地エリアにて大型種と遭遇、現在警戒しつつ迎撃用意をしています」

 

「まあ、蒼次が入ればほとんどのアラガミは敵じゃないから気にすることでもないかな。問題は二人があの人外じみた動きについていけるかだな」

 

「蒼次さんはそんなに強いんですか?私にはどうもそうは見えないのですが」

 

「まあ、意思が無いから強そうに見えなくても仕方がないが、蒼次のスペックはかなり高い、それを明史が使うから強い。俺が使ったとしてもあそこまで能力を引き出すことは出来ない」

 

「山澤さんに合っていると?」

 

「山澤用にカスタマイズされていると言った方がいいだろう」

 

「言ってることがよくわからないです」

 

そしてアナウンスが流れる

 

『第七部隊がウロボロスの撃破及びコア剥離に成功、技術部各班は至急第七格納庫に集合してください』

 

 

「はい、合流した」

 

山澤は蒼次に捕まって地面を滑ってきた

 

リザレクションやった人ならわかるはず

捕喰形態(プレデターフフォーム)のプレデタースタイルの一種「高速滑走式・鮫牙」で滑ってきたのだ

 

「速いからいいよね鮫牙、反応まで後800m種類はボルグカムランだ」

 

「訳のわからない方法で着たけどまあいいや、視界に入ってきたら戦うってことで」

 

「迎撃とバックアップの準備終了しました」

 

「ボルグカムランの弱点は盾と口だ。盾は爆破に弱い。壊してしまえば後は簡単だ。口は貫通系の攻撃、レーザー弾とかに弱い。切断に弱いのは尾だが攻撃するのにリスクが伴う」

 

「まあ、殺しゃあいいんだろ?」

 

「口を、狙えばいいんですね?」

 

「まあ、ようは死ななきゃいいってことで」

 

前方の建物が崩れて砂埃が舞い上がる

 

そして砂塵の中から鈍く銀色に光る騎士風の巨大蠍が現れる

 

「あれがボルグカムラン。さてと手はず通りに」

 

蒼次が神機を変形させる

 

「狙いはそのデカイ盾だ」

 

明史は△ボタンを押す

 

蒼次の神機の銃口とボルグカムランの右の盾の間に一筋の線が結ばれ瞬く間に消える。

 

「狙撃成功、怒って走ってくるぞ出迎える準備をしろ」

 

蒼次が走り出す

 

ボルグカムランが走ってくる

 

神機を変形させて鮫牙で迎え撃つ

 

結果は蒼次が喰らって逃げた。

 

ツバメが射撃する。

 

一発、二発、三発、四発

紅い光線がボルグカムランの口に吸い込まれるように飛んでいく

 

「全員、衝撃に備えろ!」

 

直後盾に付いていた紅い球体が大爆発をおこす。

 

衝撃がアランを転ばせる。

 

狙撃していたツバメを仰け反らせる。

 

明史はゲーム機を庇う様に伏せたため特に影響なし

 

蒼次は見事に吹き飛んだ。

 

煙が消えるとさっきまであった盾は見事にバラバラになり、口も崩れて中が露出している。

 

「さっさと殺して帰ろう」

 

蒼次は昇瀑からの真珠烏からのブレードの二連撃を挟んで真珠烏の繰り返しで空中戦闘をしていた。

 

「うわ、何あれ。滞空時間長すぎだろ」

 

アランはそう呟いて尾を切り落とす

 

「よしと次は前足を砕くかな」

 

明史は□ボタンを長押ししてRボタンで弾種を切り替える。

 

「さっ、爆発を召し上がれ」

 

前足、後ろ足をエクスプロージョンXとは名ばかりのLL爆発で吹き飛ばす。

 

するとボルグカムランが急に動きを止めて力なく地面に伏した。

 

「よしと、コアを回収して撤収しよう。アランやって」

 

「はいよ」

 

アランは壱式でコアを捕喰する。

 

「これをどうしたものか……いや問題ないか」

 

フェンリルマークをつけた大型ヘリがこっちに向かって飛んでくるのが見えた。

 

『回収班は到着したか?』

 

「視認しました」

 

『ご苦労、気を付けて帰投しろ』

 

俺とアランはヘリに戻る

 

 

「これはっ、かなり大きな群れだね……」

 

ペイラーサカキは研究室のディスプレイに映された物を見てそう呟いた。

 

それは地図だった

アラガミが現れる前は愛知県と静岡県の県境辺りのところ地図だ。

 

そして地図は一部真っ赤だった。

 

いや、赤い点が大量にあるのだ。

 

「数にして約数千と言った所かな?まあ現状の戦力があればどうにかならないでもない規模だね」

 

サカキ博士はディスプレイをスリープモードにして部屋を出た。



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サリエル急襲

明史達が帰ってきた直後

 

『緊急連絡、西北西の防壁が突破されました。目標は外部居住区の一切を無視してこちらに向かってきています。現在支部内にいるゴッドイーターは至急屋上に集合、目標の迎撃に当たって下さい。非戦闘員は至急3F以下の階へ後退してください』

 

とアナウンスが入った。

 

「帰ってきてそうそうこれか」

 

「サクッと殺して終わらせてやる」

 

「外部居住区を襲ってないのはいいですけど、妙ですね」

 

「なんにせよ急がなきゃ不味いってことだ」

 

「あっリンク隊長」

 

「挨拶は後だ、相手が何かもう判ってるんだろ?明史」

 

「動きと反応からして相手はサリエル、建物の一切を無視してこっちに向かって一直線だ」

 

「さりえる?」

 

「一言で言うと蝶の女神だ。見た方が速いさっ行くぞ」

 

第零部隊(リンクと明史を除いた三人?)は屋上に向かっていった

 

そして約240秒後屋上

 

「俺らしか居ねーじゃん」

 

「私達は一応特務用の極秘部隊なのですが…」

 

『だからこそだろ』 

 

『何だかんだで極東はアラガミの激戦区だから、猫の手も極秘部隊の手も借りたいのが現状なんでしょ。目標まで後500』

 

『視認した。かなりの数だ。サリエルが5、劣化版がざっと500と言った所か』

 

「俺は暫く出番ないから下がっとく」

 

『迎撃開始、リンク手始めに派手に吹き飛ばせ』

 

『イエッサー、主砲発射用意』

 

アルテミスがアポロの腕に乗り、アポロの主砲の前に天輪が浮く

プレイした人ならわかる構図だ。

 

『カウント10で発射する。閃光に注意しろ。

10、9、8、7、6、5、4、3、2、1』

 

その直後、アポロの胴から光弾が放たれ直後サリエルとサリエル劣化版ズが虹色の光柱に穿たれて四散して外部居住区に落下していた。

 

既にサリエルの群れの七割が消滅している。

残り三割、サリエルが二体、劣化版サリエルが約150ぐらいだ。

 

『リンク、もうちょっと考えて射て。下に被害が出るだろ。ツバメ、生き残ったサリエルを撃ち落とす。デカイのを潰せば後は驚異じゃない』

 

「了解です」

 

ツバメの神機から赤い光線が放たれる。

1、2、3、4・・・・

光線に撃ち抜かれた劣化版サリエルは次々と落下していく。

 

蒼次も頑張ってバルファちゃん専用弾を射つが、そんなに数射てない。

 

残り、サリエル1、劣化版45

 

『やってらんないな。リンク、蒼次を敵の真っ只中に放り込んでくれ』

 

『そんなことして大丈夫なのか?』

 

「えっ、銃で射てばいいじゃん」

 

「そんなことして大丈夫なんですか?」

 

『問題ない。やってくれ』

 

『まあ、大丈夫か』

 

アポロが蒼次を掴んで、投球のフォームで投げる

俺は敵の直ぐ近くでエアステップをして体勢を整えて劣化版を斬って喰らってを開始する。

 

「やってるやってる、でも俺にあれができるかって言うと力一杯無理なんだけど」 

 

アランは空中で神機を振り回す蒼次を眺めて呟いた。

 

『彼処に行くか?』

 

「俺は超人じゃないから投げられても困る」

 

『俺は行くが、乗ってくか?』

 

「じゃあ乗せて貰おうかな」

 

アランは人蹴りでアルテミスの肩に飛び乗る

 

『よし、振り落とされるなよ』

 

アルテミスは天輪を剣に変形させて戦場に飛び込んでいった。

 

 

カチカチカチッ

 

『あたっ、手がつった』

 

明史がそう言った途端劣化版サリエルを踏み損ねた蒼次が落下していき、途中で消滅した。

 

『蒼次は無事か?』

 

『落下中に戻したからなんとか。今外部居住区を走ってる』

 

『そうか、こっちはもうすぐ片付く』

 

『緊急連絡、北東北の防壁が突破されました。アラガミは外部居住区への攻撃を開始。』

 

『俺は北東北に行く。ツバメら240秒後に下に車をつけるからそこから降下してくれ。アランとリンクはそのまま群れを殲滅。終了後はリンクに任せる』

 

「了解だ」

 

『了解した』

 

『了解です』

 

ツバメは最後とばかりに光弾を射ちまくる

 

『よしアラン、あと20匹だ。さっさと終わらせるぞ』

 

「了解、さっさと終わらせて北東北の応援だな」

 

『いや、外を片付けに行く。このままだときりがない』

 

「了解だ」

 

アランとリンクはサリエルの群の処理を続ける




明史:「これって本来防衛班の仕事だよな?」
作者:「そだね」
明史:「なんであの熱血漢いないの?」
作者:「別件で出撃中」
明史:「あっそう、なら仕方ないね」


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外部装甲壁破損 後編

明史は屋上の人々に指示を出した後、装甲車まで走って急いで発車準備を終えて、今は車両用ゲートを出て極東支部の建物の西北西の真下、つまりツバメの降下地点付近まで着ていた。

 

「ツバメ、降下してくれ」

 

『了解です』

 

その直後車体にかなりの衝撃が走る

 

『乗車しました』

 

「じゃあ北東北に向かって飛ばすからしっかり掴まってろよ」

 

『了解です』

 

明史は蒼次を戻して北東北に向かう

 

 

その頃リンクとアランは、着々とサリエルの群れを掃討していた。

 

『あと数匹だ頑張れ』

 

リンクはアルテミスの天輪を弓に変形させて残りの数匹を撃ち落とす

 

「リンクさん、俺の仕事がありません」 

 

『そうかじゃあサボっといてくれ。報告書にも「サボってた」ってしっかり書いとくから』

 

「そんな殺生な」

 

『さっ外を片付けに行くぞ』

 

「了解しました。サー」

 

リンクとアランを乗せたアポロとアルテミスはサリエルが入ってきた方角に向かって移動を開始した。

 

 

「前方にオーガテイル5、コンゴウ2、ボルクカムラン1」

 

『視認しました』

 

「やれるか?」

 

『やります』

 

前方のオーガテイルに向かって光弾が飛ぶ

 

「援護してくれ」

 

蒼次がボンネットの上に出現して走り出しコンゴウを斬り倒す

即座に切り替えてボルクカムランに一発

そしてもう一度切り替えてコンゴウを斬り捨てる

 

「やっぱりコッチの世界のアラガミは柔らかいな」

 

蒼次はまた切り替えてエクスプロージョンXでボルクカムランの盾を吹き飛ばし、その爆風で前足を吹き飛ばした。

 

赤い光線がボルクカムランの口の中に入っていきボルクカムランを貫通して何処かで消滅した

 

その間に神機を変形させて尻尾を切り落としコアを捕食した。

 

「第二弾くるぞ!オーガテイル8グボグボ4」

 

『了解、迎撃します』

 

赤い光弾がオーガテイル達を正確に撃ち抜いて行く、一撃では止まらない奴には二発目三発目と満足するまで光弾を喰わせる

 

あっという間にグボグボだけになった。

 

ソウジはグボグボの尾鰭に回り込んでエクスプロージョンで吹き飛ばす。

ジャンプして背鰭と砲頭を破壊する。

そしてコアを捕食する。

 

他も同様に射って喰ってして片付ける

 

『隊長!避けて!!』

 

俺は咄嗟に運転席から飛び出した。

 

戦闘に夢中になっていて気づかなかったのだ。

自分の上に現れた薄緑色の雲に…

 

なんとか直撃は逃れたが装甲車の運転席部分は見事に溶け出し圧力で歪んで見るも無惨な状態になってしまった。

 

俺は蒼次を呼び戻す

 

俺の方にグボグボの砲頭が向いている

俺は避けようとサイドステップを踏む

 

グボグボの側面に赤い光弾が直撃して砲頭が少し逸れる

 

この二つのお陰で水の砲弾の直撃は免れたが風圧で吹っ飛ばされ、ゲーム機は明後日の方向に飛んでいってしまった。俺自身は蒼次の居る方向に吹っ飛ばされ蒼次に激突する。

 

「隊長!逃げてください!」

 

ツバメの叫ぶ声が聞こえた

 

グボグボがコッチに向かって着ている

 

俺は立ち上がろうと地面に手をつこうとするが蒼次が下敷きになっていた。

 

そしてなぜか俺の右手に腕輪と神機があり蒼次の右手に腕輪と神機が無いと言う異様なことが起こっていた。

 

俺は迷わず剣を立てて装甲を展開した。

グボグボの食い付きを盾でガードして、グボグボを剣で斬りつけ、口を突き刺して、変形させバルファちゃん専用弾を撃ち込んだ。

 

コアが破壊されたからか急にグボグボの目から光が消えてオラクル細胞が黒い霧となって溢れだした。

 

「なんとかなったか」

 

「隊長…それは?」

 

「蒼次の神機かな、なんかよく解らないけどくっついた」

 

俺はゲーム機を拾う

 

画面には蒼次が写っておりその手には腕輪と神機が無い

 

「それ、大丈夫なんですか?」

 

「たぶんね、でも偏食因子投与されたらヤバそうだから早く外したいかな」

 

俺は蒼次を戻す

 

が腕輪と神機は戻らなかった。

 

再び蒼次を出すが変化はない

 

「どうしよう。これは普通の手段では絶対に外れないから…」

 

「くっついた時に何かした覚えは?」

 

「地面に手をつこうとして…蒼次の手が有って…あっそうか!」

 

俺は蒼次に重なるように蒼次の後ろに立って神機を右手に持った

 

「これを蒼次に渡せば…」

 

俺は蒼次の右手に自分の右手を重ねた。

 

すると不思議なことに腕輪と神機が一瞬で俺の右手から消えて、蒼次の右手に現れた

 

「謎は深まるばかり…」

 

「不思議ですね、サカキ博士なら何か解るかも知れませんが」

 

「一応、訊いてみるか」

 

その後何度か同じ事を繰り返した所、蒼次の右手に自分の右手を重ねれば腕輪と神機の受け渡しが出来る事が判明した。

そしてそれが俺と蒼次の間でしか出来ない事も…

 

 

『アラン、準備はいいか?』

 

「大丈夫です、にしても数が多いですね」

 

『ざっとオウガテイルが75、コンゴウが10、シユウが10、グボが10ってとこだな』

 

「二人でやるのはキツく無いですか?」

 

『先ずは俺の極太ビームで露払いをする。お前は残った奴を殺れ』

 

「了解です」

 

『なら、作戦開始だ。対閃光防御、カウント5で発射する。発射回数は15、所要時間は30秒と言った所だ。

5、4』

 

アランは目をつぶり手で覆う

 

『3、2、1』

 

その後は連続的に爆音がして何かが焦げる臭いがした。

 

『射撃終了、よし行け!』

 

アランは反射的に飛び降りた

 

そしてよく見るとオウガテイルがあと10数匹とコンゴウ、シユウ、グボがそれぞれ一体ずつしか残っていなかった。

 

「隊長が強すぎて俺の仕事が…」

 

アランはそう呟いていちばん近くに居たオウガテイルを斬り伏せる

 

次々と近くに居る敵を斬り伏せる

 

これだけでも神機使いとして優秀な方だ。

 

順調に倒していき、あっという間にシユウだけになった。

 

シユウの下半身はとても固かった。剣撃の有効な部位は頭と拳だ。

ジャンプしても頭には届かず、拳に当てるのは至難の技だ。

 

だが俺には関係なかった。

 

既に神機は励起状態であり、正直なんでも切れそうだった。

 

俺はシユウを袈裟斬りにして傷跡から少し見えたコアを捕食しようと跳び、捕食形態をとらせるといつもと違う形に変形してシユウの胴体をまるごと食らった。

 

『作戦終了、お疲れさん』

 

「なんか発動した…」

 

『そいつは空中捕食の中の滞空近接式・レイブンって言うんだ。ある一定以上の功績を上げた者しか使用できない捕食形態って話だけど、発動しちゃった物はしちゃった物でしょうがないってことで』

 

「………」

 

『まあ、事故だ。報告書には事故で上等兵がレイブンを使用したとでも書いとくさ。じゃあ帰るぞアルテミスに乗れ』

 

「了解です」

 

アランはアルテミスの肩に登る

 

アルテミスとアポロは戦場の跡の上を悠々と飛んで行った。



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外部装甲壁破損 帰還後

作者:「お久しぶりです」
明史:「更新速度上げたんじゃないのかよ」
作者:「なんだかんだ言っても不定期更新だし」


リンクとアランがアナグラに戻ると、エントランスでツバキさんが待っていた。

 

「戻ったか、ツバメ上等兵はどこだ?」

 

「ツバメはまだ外です、そのうち戻ってきますよ。なんたって蒼次と明史が一緒ですから」

 

「そうか、リンク・ロード特殊機動兵曹長アラン・リード上等兵。飛島 ツバメ上等兵と共に支部長室に出頭しろ」

 

「了解です」

 

「以上だ持ち場に戻れ」

 

「アラン、何かやったのか?」

 

「俺は…なにも?心当たりは無いな。ツバメも呼ばれてるってことは悪い知らせでは無いと思いたい」

 

「昇格かもな」

 

「昇格?ちょっと早くないですか?」

 

「俺らは普通の部隊じゃないからな。何てったって支部長のお抱え部隊だからな」

 

「そうでしたね」

 

「ただいま戻りました」

 

「あっツバメ、支部長室に出頭しろってさ」

 

「えっ?私ですか?」

 

「俺もだけどな」

 

「じゃあ行くか」

 

三人はエレベーターに乗り込んだ。

 

 

その頃明史は…

 

「いや、君が無事で良かった。装甲車はまた作ればいいけど君はまた作る訳にはいかないからね」

 

「そう言って頂けると気が楽です」

 

「装甲車はまた君用に改造しとくから心配しないで」

 

「それで、その現象のことだけど」

 

「だけど?」

 

「端的に言おう、その現象について今までに似た現象の目撃報告、ウワサの類いも存在していない。つまり全く未知の現象だ」

 

「つまり、全くわからないと言うことですか?」

 

「残念ながらね。それによりどんな影響があるかも現状では特定し難い、調べるには念入りな検査が必要だ。と言うことで今から私の研究室まで来てくれるかな?」

 

「わかりました」

 

 

そして三人は、

 

「第零部隊隊長リンク・ロード特殊機動兵曹長以下二名入ります」

 

「今回の戦闘での奮闘ありがとう。君たちが居てくれたお陰で極東支部の損害は最小限に抑えられた。そして、君たちを呼んだのはアラン・リード上等兵と飛島 ツバメ上等兵の昇格についてだ」

 

「昇格ですか」

 

「そうだ昇格だ。上等兵から准将に昇格だ。昇格おめでとう。だが呼んだのはそれだけが理由ではない。君たちは既に聞いたかね?今極東に迫りつつあるアラガミの大群について」

 

「いえ、聞いておりません」

 

「そうか、直に全員に展開する予定だが君たちには先に展開しておこう。現在極東支部の西200kmにアラガミの大群が形成されつつある。その数は数千と試算されている」

 

「数千ですか」

 

「支部内通常神機使いと他支部からの応援を募ったとしてもそれ相応の被害を受けると思われているが、今日の事態を引き起こした装置、アラガミ誘引装置とアポロ、アルテミス、蒼次と言うイレギュラー的な存在があることである程度被害を抑え込むことが可能かつ大量のコアを入手出来る可能性が出来た。今作戦で私は第零部隊の存在を大々的に使用しよう考えている」

 

「つまり秘匿が解かれると?」

 

「そう言うことだ。詳細は山澤 明史特務少尉の居る時に正式に通達する。以上だ下がってくれたまえ」

 

三人は退室する

 

 

「じゃあ、神機を持ってくれたまえ。ダミーアラガミを投入するからそれを撃破してくれ」

 

「了解」

 

明史は神機を持って訓練場に居た。

 

扉が開いて、メタリックなオーガテイルが入ってくる。

 

「よいしょっと」

 

明史は神機を降り下ろしダミーオーガテイルを粉砕する。

 

「柔らかい」

 

「じゃあ次々投入するよ」

 

オーガテイルがワラワラ出てくる

 

それを次々切り捨てる。

 

それを続けること30分

 

「終了だよ。上がってくれたまえ。」

 

そしてそのまま博士の研究室に連行されて色んな謎の機械で調べられる。

 

「うむ、侵喰の痣もない。至って健康だ。少々目に疲れが見えるけど」

 

「なんの問題もなしですか?」

 

「ああ、君は健康だ。神機を事前検査なしで振ったとは思えないぐらいね」

 

「つまり?」

 

「この神機は君を捕喰しないのだろう。それが私の出した結論だ。きっと君と彼が特異な存在故に起こった現象だろう。だけど多用はしないように。オラクル細胞は多種多様な進化を遂げ状況を覆す力を持つ。くれぐれも用心するようにね」

 

「はい、わかりました」

 

明史は研究室を出た。

 

「さてと、面白いことになってきたね。」

 

 

「あっ明史隊長」

 

「三人一緒は珍しいな」

 

リンクとアランとツバメがエレベーターから出てきたとこだった。

 

「支部長室に出頭した帰りです」

 

「俺は例の現象についてサカキ博士の検査を受けてきたところ」

 

「例の現象と言うと?」

 

「蒼次についてのことで変化があってな」

 

「興味深いな、どうなったんだ?」

 

「蒼次の腕輪と神機が俺の右手に移った」

 

「対した進歩は見込めそうにないな」

 

「謎が深まっただけだな」

 

「いつになったら帰れるのやら」

 

「クラウンのやつが出てきたらじゃないか?」

 

「クラウンか~、壁の外で生きるのは色んな意味で難しいから、何処かその辺の支部に居ると思われるな。なんにせよ生き延びないとな」

 

「捜すにはもっと権限が欲しいな」

 

「だな、と言うことで次の討伐対象は派手に行くぞ」

 

「次?今日はもう嫌だぞ」

 

「お前なら知ってるんじゃないかと思ったんだが知らなかったか。アラガミの大群の件」

 

「大群?方角と規模は?」

 

「方角は西、規模は数千って話だ」

 

「数千か、なら派手にやって目立ちまくるかな。じゃあアラン、訓練付き合ってくれ」

 

「えっ何で俺!?」

 

「まあまあ、トウモロコシやるからさ」

 

「まあそれなら…何てなってたまるか!」

 

「じゃあツバメでいいや。訓練付き合って」

 

「いいですよ。」

 

「でアランも来る?」

 

「俺はいいや、部屋でバガラリー見るから」

 

「リンクは…来る?」

 

「俺は寝る」

 

「あっそう、じゃあツバメよろしく」

 

「はい、でも銃のことしか教えられませんからね」

 

「連携の面での指導お願いします。」



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ツバメ 明史 訓練

そして、二人は神機を持って第一訓練場に行く。

 

『では準備が完了しましたので、フィールドを展開します』 

 

ヒバリのアナウンスの後に訓練場の風景が霞んで消えて荒野が出現する。

 

『ダミーヴァジュラ投入します。』

 

霧のようにヴァジュラが出現して動き出す。

 

『ダミーヴァジュラ、ウォームアップ終了、訓練を開始してください』

 

ヴァジュラが動き出す。

 

「じゃあ、ツバメはなんか気になる事があったら言って」

 

「了解です」

 

明史は神機を持ってヴァジュラを中心に回るように移動して尻尾を切り落とす。

 

「柔らかい柔らかい、スッパスッパ切れる」

 

明史は尻尾に続いて後ろ足を半ばで切断する。

 

「よく、切れる剣だこと」

 

そしてヴァジュラが跳べないのを良いことに明史は前足と頭を切り落としてコアを切断する。

 

「こんなヤワヤワなのじゃ訓練にならないからもっと固いの用意して」

 

『では耐久性能を5%上昇させた個体を投入します』

 

「じゃあツバメ、どんどん狩るよ」

 

「あっはい」

 

ヴァジュラの死体が消えて新しいヴァジュラが出現する。

 

「さて、今度からはスパスパ行こうか」

 

明史はヴァジュラの前をジグザグに走って頭に向かって行き、コアを一突きして顔を真っ二つにする。

 

「次々行くよー、ツバメ?ちゃんと射ってくれる?」

 

「いえ、射つ暇がないなって」

 

「適当でいいから。ヒバリさん?シユウ追加でよろしく」

 

『追加ですか?』

 

「追加でよろしく」

 

『わかりました』

 

ヴァジュラとシユウが出現する。

 

「ツバメ、ちゃんとついてきてね」

 

「はい、なるべく頑張ります」

 

明史は神機に感覚を集中する。

 

視界がクリアになりスローになる。

 

更に感覚を集中させる、体が飛躍的に軽くなり視界が360゚に拡張され三人称視点になる。

 

「おいおい、TPSになるのかよ」

 

明史は走りだし、ヴァジュラの雷撃が届く前にヴァジュラの間合いの内側に入りコアに真上から剣を突き刺し、そのまま棒高跳びの要領で剣を支えに跳んで剣を引き抜く。

 

明史自身はそんなに跳んだつもりはなかったのだが、かなりの跳躍を見せて訓練場の壁に激突した。

 

「あー、いったー。壁無くしてくんないかな」

 

明史はシユウに向かって跳んで頭を潰す。

 

シユウは頭から胸まで剣が下りて沈黙した。

 

「うん、偏食因子による身体強化が行われたみたいだ」

 

赤い光弾がシユウの頭のあった場所を通って壁に衝突して消滅する。

 

「あれ?速すぎた?」

 

「速すぎます」

 

「次行くよ、サリエル追加よろしくー」

 

『わかりました』

 

死体が煙るように消えて新たにヴァジュラとシユウとサリエルが出現する。

 

「さーて、どんどん慣らして行こうか、次はエアステップ踏んじゃうよ」

 

明史も調子に乗ってきた。

 

調子に乗った明史はエアステップの準備運動にライジングエッジでヴァジュラの顔を切り裂きコアに切れ目を入れる

そのあとエアステップを踏んでシユウの胸部に移動後胸部を喰らい、エアステップを踏んで空中ジャンプしてサリエルを切りつけようとする、ここまでは良かった。

そして剣を二回振って滑空攻撃に入る所でサリエルの範囲攻撃

 

作者:「ありがちですよね。俺も空中でやるとよくやる」

 

弾かれた明史は地面に転がる

 

「隊長!」

 

ツバメの神機から放たれた光弾は見事にサリエルを撃ち抜いた。

 

「この、金蝿が!」

 

明史は神機を変形させてRPGで上半身を粉砕した。

 

「あー、痛い痛い」

 

「隊長、調子に乗りすぎですよ」

 

「まあまあ、こういう失敗をするための訓練でもあるってことで」

 

「まだ続けますか?それとも今日は止めますか?」

 

「もう一戦だけやって終わるか。ヒバリさん、三体とも片付けちゃってボルグカムラン出して」

 

『はい、最後ですよ。訓練用ダミーアラガミですがくれぐれも怪我の無いようにお願いしますね』

 

「了解です」

 

三つの死体が消えてメタリックな巨体が出現する。

 

「さあ、仕上げだ」

 

「私、要りましたか?」

 

「居てくれて助かってるよ?自分の欠点が良く解る」

 

「それならいいですけど」

 

明史は銃をカムランの盾に向ける。

 

「俺、銃のことも教えてもらおうとおもってたけどさー、かなり適合率が高いからか知らないけど視界にレティクルがあるんだよね、合わせて射てば大概当たるからさ、必要ないかなって」

 

「そうですか?」

 

ツバメは少し冷えた口調で言う。

 

業務モードが怒りモードかわからない。

 

作者:「怒りで活性化かな?」

 

ツバメの神機がカチャンと音を立てる。

バレットが切り替わったようだ。

 

明史の神機から赤い弾丸が吐き出されカムランの盾に当たって爆発、盾を爆砕した。

 

俺はバレットをRPGから専用シリーズに切り替える

 

そして一発、二発

カムランの頭に当てる

 

そして変形させて走りだし尾を切り上げて喰らう。

そして変形させつつ着地してカムランの口の少し下を撃ち抜こうと銃を向けると

 

赤い弾丸と一緒に青い球体が飛び出してきた。

 

そしてカムランとコアが消滅する。

 

『訓練終了です』

 

「銃を使えばこのぐらいの事は出来るんですよ」

 

「流石は現役神機使いだね」

 

どうやらどっかでツバメの琴線に触れたらしい。

ここはおとなしく教えて貰うことにしよう。

 

「次回は銃の訓練も頼むよ」

 

「私の訓練は厳しいですよ?」

 

「この程度なら楽勝だよ。次はもっと厳しいの期待するからね」

 

こうして一回目の明史の訓練は終了した。

 

 

「やあ、ヒバリ君」

 

「榊博士、どうされましたか?」

 

「いや、彼の様子を観に着ただけだよ。どうかね?彼の戦闘は」

 

「正直、普段からは全く想像が付かない戦闘内容です」

 

「ふむ、彼の適合率を見せてくれるかな?」

 

「はい、只今」

 

「こっこれはっ…明史君とあの神機の適合率がこれほどの物とはね」

 

「適合率100%…」

 

「だがこれなら次の作戦での勝利も確実の物となる」

 

「ですが、所々に経験不足から来ると思われる致命的なミスがあります。次回の作戦での投入は見合わせるべきかと」

 

「次の作戦での彼の生存率を上げるためにもなるべく早い彼の教導が必要だね」

 

「そうですね。現状で次の作戦での彼の生存率は50.8%とほぼ半分の確率しかありません」

 

「そうだね。私が支部長から聞いた話によると次の作戦で第零部隊は大群のど真ん中に投入されるらしい。彼らの火力を持って敵陣を内側から喰い破るつもりらしい。」

 

「それって、特攻させるってことですか?」

 

「表向きには新型オラクル機動兵器アルテミスとアポロを使用して広範囲殲滅を行うとなっているものの、実際はただ敵地に突っ込むだけの特攻となんら変わらないね。彼を生かすためにも彼を少なくとも第一部隊の面々と並ぶぐらいまで育てないとね」

 

ヒバリは絶句する。

今までも幾つかあった。

激戦区に人を送り大打撃を与えるという作戦は、しかしここまで勝算がなく犬死にに近いことはなかった。いつも何かしらの勝算があって行われてきた戦法だったが、今回はアポロとアルテミスがあると言うだけだった。

いくらアポロとアルテミスが高火力だからと言っても限界がある。

アポロとアルテミスの二機を操縦する操縦席は一つしかない。

これが今までアポロとアルテミスの操縦が不可能と言われてきた由縁だ。

そんな機体を戦場に出すことは、動かない車をスクラップ工場に放り込む事と同義だった。

 

「いくらアポロとアルテミスと言っても限界があるんじゃ」

 

「いや、アポロとアルテミスは古き神話の太陽神ヘリオスと月の女神セレーネーを元に作られた機体だ。アポロの内にはオラクル細胞を利用した半永久オラクル増殖炉が内蔵されおり、オラクル細胞を無限に増殖させエネルギーを無尽蔵に作り出している。そしてアルテミスはそのエネルギーを吸収変換することで半永久的に活動することが可能になっている。二機が揃っている内はあの二機に限界は存在しない。限界があるとすれば搭乗者のリンク君だね」

 

「二機の内の一機が欠けた場合はどうなるんですか?」

 

「アルテミスはアポロが欠けるとエネルギー源が無くなることで約五分で活動を停止する。逆にアポロはアルテミスが欠けるとエネルギーを放出する場を失い無限のエネルギーを有限のタンクに溜め込み、大爆発を引き起こすだろう。その時に溜め込まれたエネルギー量にもよるがまあ、軽く極東支部をまるごと消し去ることは出来るだろうね。爆発までは大体五分ってとこだろうね」

 

「そんな…」

 

「支部長はアポロの自爆も視野に入れているようだよ」

 

「支部長は彼らを使い潰すつもりなんですね」

 

「そこまでは私にもわからないだが用心するに越したことは無いと思うよ。では私も戻るよ」

 

サカキ博士は管制室から出ていった。



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元プレイヤー 後悔

「よう、明史」

 

「リンドウさん、どうしてここに?」

 

「どうしてって言われてもな、ここ俺の部屋の前だし」

 

「あっそうでしたね。すいません」

 

「いや、謝らなくてもいいんだが」

 

「すいません、リンドウさんはどちらへ?」

 

「あ?俺はサクヤの所に配給ビール貰いに行くとこだ」

 

「リンドウさんはすごいですね。こんな環境で普通に振る舞えるなんて」

 

「なんかあったのか?」

 

「いえ、大した事ではないんですよ。死者は出ていませんし」

 

「さっきの襲撃の事か、まあアレで済んだだけマシだな。もしお前さんがここに居なければここはもう無かったかもしれなかったんだ。あんまり深く考えるな。多少の被害は取り戻せばいい。少なからずお前さんらはアナグラとアナグラに済む人たちを守ったんだ。それは誇っていいんじゃないか?それじゃあな」

 

リンドウは歩いていった。

 

そして明史も自室に戻る。

 

「…クソッタレ、もっとやりようがあったんじゃないのかよ。俺は何をやっているんだ…」

 

確かに死者は出なかったが、外部居住区の三割が焼け野原になった。

 

外部居住区の住民も死者こそ出なかったものの重症患者が大量に出た。

 

「俺はどうすればいいんだ…」

 

リンクならさっさとクラウンを捜しだして帰ればいいと言うだろう。

 

アランなら片っ端からアラガミをぶっ殺せばいいと言うだろう

 

ツバメは、戦場に立たずに後方でオペレーター業務に専念すればいいと言うだろう。

 

ヒバリさんは戦場に立つのを止めるように言ってくるだろう。

 

リンドウさんならなんと言うだろうか…

 

「どうしたら良かったんだ」

 

 

「ねえアラン、明史隊長呼んできて」

 

「えっ俺!?」

 

「リンク隊長に頼むのはちょっとアレだから」

 

「ツバメが行ってくればいいだろ?明史隊長と仲いいじゃん。一緒に訓練してきたんだろ?」

 

「一緒に訓練したとはちょっと言えないかな。アランの方が仲良さそうだし」

 

「リンク隊長、なんとかしてくださいよ。」

 

「なんとかって言われてもな…具体的に何をどうしたらいいんだ?」

 

「だから、明史隊長を元気づけるんだって」

 

「なんでそんなことせにゃならん。第一必要ないだろ。さっきもいつも通りだったし」

 

「アレは空元気ですよ」

 

「ってツバメが聞かないんだ」

 

「それで俺の部屋に押し掛けてきたと?お前ら解ってるのか?この隣が山澤の部屋だって…」

 

「そうなんですか?」

 

「知らずに今まで過ごしてたのか」

 

「ここアナグラの壁は思った以上に紙っぺらだぞ?隣に筒抜けつまり、今の会話もバッチリ隣に届いている筈だ」

 

「え?」

 

「と言うことで態々呼びに行くまでもないな」

 

「そう言えば明史隊長と仲がいい人って誰だ?」

 

「特別仲がいい人は…」

 

『ヒバリさん?』

 

「言われてみると一番一緒にいた時間が長いのはヒバリさんですね」

 

「まあ、オペレーター同士だしな」

 

「じゃあヒバリさん呼んでみる?」

 

「やめとけやめとけ、ヒバリさんは忙しいから」

 

「そうですか…」

 

「ではやっぱりアランに行かせましょう」

 

「そんなことしないでも」

 

リンクは壁を三度叩く

 

「ちょっと来てくれ」

 

『ちょっと待ってくれ』

 

そして数分後明史が入ってきた。

 

「で、どうした?」

 

「二人がどうしても呼べって言うからさ」

 

「で、どうかしたか?」

 

「ほらいつも通りじゃん」

 

「なんでもお前が落ち込んでるってツバメが」

 

「そ、そう言うことは普通ら皆がってことにするものじゃないですか!?」

 

ツバメは顔を赤くして同意を求めるようにリンクとアランの顔を交互に見る

 

「生憎だけど俺はそんなまどろっこしい思考は持ち合わせてないんでな」

 

「まあツバメが心配しまくってたのは事実だし」

 

「心配してくれてありがと、でも俺は大丈夫だ」

 

明史は何気なくそう返す

 

「山澤?どうした?熱でもあるのか?」

 

「明史隊長、何処か悪いんじゃないですか?医務室まで付き添いますよ?」

 

ツバメは顔を赤くしたまま硬直している。

 

明史:(あれ?何かミスったか?)

 

「明史隊長がデレた…」

 

「あっそういうやつね…」

 

「あの無愛想な明史隊長が珍しい…」

 

「ほんとに頭打ったんじゃないか?」

 

「やっぱり俺嘘ついた。なんか調子悪いから今日の所は部屋に戻るわ。」

 

「山澤、もしかして今回の戦闘で出た被害のことか?」

 

「死者は出ていない…だが」

 

「それでも外部居住区にかなりの被害が出たのは事実だ。だがお前が居なければ被害は更に拡大し死者も三桁じゃ足りないぐらい出ただろうな。それでもお前は自分を責めるって言うのか」

 

「俺はこの世界を甘く見ていたんだ。俺はこの世界が俺のよく知るあの世界だからと言ってなめすぎていたんだ。ここは紛れもなくゴッドイーターの世界であり今の俺達の現実なんだ。それを今回の戦闘で思い知らされた。そして今まで手を抜いて来たことを後悔した。俺にはもっと出来ることがあったのに。アラガミ防壁が破られる十分前、俺はあのゲーム機の力で既に極東支部に接近中のアラガミの種類、数、速度を知っていたのに誰にも言わなかった。戻ったらアナウンスが入ることも予測していて俺達なら楽に片付けられると踏んでいた。全ては俺が手を尽くさなかった為に生まれた被害なんだ」

 

「なら、その罪を償え。これからの行動でな」

 

リンクはまるで明史を見ないようにするかのように視線をずらした。

 

アランとツバメは自分達の存在を無視した会話の流れについていけずに石像のように固まっている。

 

明史は右手にゲーム機をぶら下げて立ち尽くした。

 

『明史、いるか?』

 

リンドウさんが明史の部屋に来たようだ

 

『留守か』

 

「リンドウさん、隣ですよ」

 

『ああ、そっちか』

 

明史はリンクの部屋から出る

 

「よう、お前も配給ビール飲むか?」

 

「遠慮します。まだ未成年なんで」

 

「そうかそうか、ならこっちにしとけ」

 

リンドウはソーダを差し出してくる。

 

「ありがとうございます」

 

「じゃまするぞー」

 

リンドウがリンクの部屋に入る

 

「おう、チーム揃って飲み会か?ちと空気が違うな。なんかこう葬式みたいな空気だな。じゃあ、あれか?皆揃って反省会か?んな詰まらんもんやってないで飲み会にしようぜ」

 

「すいません、リンドウさん今はそんな気分じゃ…」

 

「抜かせ、先輩に付き合うのも、後輩の大事な仕事だぞ?それにお前らはまだ若いんだ生い先長い人生だ反省会なんかしてても損だぞ?どいつもこいつもバタバタ死んでくここでは生きてる内に楽しまないと後悔するぞ?」

 

「じゃあ俺は一っ飛び夜の散歩に行くんで後はそっちでやっといてください。部屋は使ってもらって構わないので」

 

リンドウはリンクの襟をガッシリ掴む

 

「よーし、宴会の空気を悪くする虫を捕まえたぞ」

 

「そんな強引な…」

 

「そこにいる宴会の空気を悪くする虫も捕まえとくか?」

 

「いえ、俺は大丈夫ですよ。もう既に飲んでるんで」

 

「そうだったな、アラン。お前ちょっと飲み物と食いもん適当に買ってこい。金は後で払ってやるから」

 

「しょうがないなー」

 

アランは出ていった。

 

「にしてもお前らは喋らんな~お前らはまじめすぎなんだよ。もっとこうパーっと楽しくやるのが幸せに生きるコツだぞ?なあ明史?そう思うだろ?」

 

リンドウは隣に居る青髪の少年の肩を叩く

 

「あれ!?明史はどこいった?」

 

「いつの間にすり替わって」

 

「明史ならさっきアランの後ろにピッタリ張り付いて出ていきましたよ」

 

「おいおい、逃げ足は俺の十八番だって言うのに」

 

「ヤバクなったから逃げたんでしょ。そんで隠れますよ」

 

「それから隙をついてぶっ殺すんですよね?」

 

そして全員の視線が蒼次に向く

そして気づく、神機と腕輪が無く代わりにゲーム機を持っていることに

 

「山澤のやつ神機なんか持ってどこに行くやら」

 

「こいつの神機って外れたのか…」

 

リンドウは興味深そうに蒼次を見ていた

 

 

明史は走っていた。

神機を右手に持って外部居住区の瓦礫の山を駆けていた。

 

神機とより深い所で適合することで体を更に強化して走っていた。

 

目指すは瓦礫の山の影になっている場所

 

そこにたどり着くと瓦礫の山が崩れて白い尾が出てきた。

 

「見つけた」

 

明史はその尾の持ち主の胴に剣を突き刺した。

 

白い尾の持ち主は咆哮を上げてその体を横たえた。

 

明史はそれの鬼の仮面を切りつけて砕いた。

 

「取り残しがあったか…」

 

咆哮を聴いたオーガテイルがわらわらと出てくる。

 

「さあ、俺を殺してみやがれ。ちょっとやそっとじゃ死んでやらねーぞ」

 

明史は剣を振り、銃を射ち、オーガテイルを喰らった。

 

瓦礫の山の所々から硝煙と霧散したオラクル細胞による黒い霧が立ち上っている。

 

そして明史は屍体に囲まれた血の海の上に立ち尽くしている。

 

どの屍からも黒い霧が立ち上っている。

 

この霧は何処かへと風に流されていき、何処かで再びオーガテイルとして生まれ直して再び俺の前に立ち塞がるのであろう。

 

瓦礫の山が音を立てて崩れ、オーガテイルが跳んでくる

 

明史はそれを上回る高さに跳びオーガテイルの首を一閃する。

 

オーガテイルはあっさり切断され、血潮を振り撒きながら血の海に転がり海を拡げた。

 

明史は血の海に降り立ち、次なる敵を求めて歩きだした。

 

「俺はこの現実を生き抜いて見せる。見てろよクラウン…この世界の誰よりも生き抜いてやる」

 

明史は瓦礫の山の間を歩いていった。

 

 

「おい、これヤバイんじゃないのか?」

 

明史が置いていったゲーム機には赤い点が幾つも点在しおり、そのなかに緑の点が一つ存在している。

きっとこれが明史だろう。

そして緑の点に近づいた赤い点が次々に消えていくのだ。

 

「おいおい、こりゃ助太刀に入った方がいいんじゃないのか?」

 

「行きましょう」

 

「俺は待ってるよ。今二機を出すのは得策じゃない。アランが戻ってきたら言っとくからそっちは頼むな」

 

「わかりました」

 

ツバメとリンドウはゲーム機を持って走っていった。



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元プレイヤー 再会

明史は残っていたオーガテイルをあらかたなます切りにし終えたところだ。

 

「俺はアラガミを駆逐する。もう二度とこんなことになるのは嫌だから」

 

明史は血に濡れた剣を一振りして血を払う。

 

明史の後ろには血の海が長々と伸びていた。

 

硝煙を書き消す様に雨が降り始める。

 

血の海を雨が穿ち、赤黒い水溜まりに変える。

 

瓦礫の山を雨が穿ち、土埃をあげる。

 

明史は雨のなかを進んでいった。

 

 

「アラガミ反応が全て消失しました。隊長まであと少しです」

 

「よっしゃ、じゃあ迎えに行きますかな」

 

リンドウとツバメはそのままの速度で進んでいった。

 

 

明史は歩いて壁にたどり着く。

 

壁はアナグラよりも遥かに大きく、圧倒的な存在感を放っている。

 

すると急に雨が止み辺りを支配していた闇が一瞬で消え去った。

次の瞬間、俺は真っ白な場所足下に床が在るとも無いともわからない場所にいた。

 

「やあ四日ぶりだね、やっと君は君の力をまともに使える様になったんだね。」

 

「これのことか?」

 

明史は神機を掲げる

 

「そうそう、リンクの力にも先があるけど彼が気づくのはまだまだ先だろうね」

 

「リンクの力?」

 

「僕は君達のvitaに一つ力を与えた二人ともこの力は十分に使いこなせている。でもvitaの力に頼る余り自分達の力を忘れてしまったようだね」

 

「俺達の力?」

 

「そう君達の力だ。君の場合は『制御』する力だ。元はただの才能だ。それが次元を越え、そして僕の力が宿ったvitaの力を借りることで力を得た」

 

「いままでの四日間もそうじゃなかったのかい?オペレーターとして場を制御する。隊長としてチームを制御する。プレイヤーとして蒼次を制御する。そして今、ゴッドイーターとして蒼次の代わりとして神機を制御している。あらゆる事象を制御するそれが君の力だ。」

 

「なら、リンクは…」

 

「さあね、リンクの力はまだ欠片も目覚めていない。だから僕にもわからないでもいつかきっと目覚める筈だよ。さて元気にしていることもわかったし僕は帰る。健闘を祈るよ」

 

周りの白い空間が硝子のように砕けて辺りは雨の降り頻る闇夜に戻った。

 

「制御する力か…」

 

『隊長ー、明史隊長ーー』

 

ツバメが呼ぶ声が聞こえる。

 

『おーい、明史ーー。途中でバックレた罪は重いぞーー』

 

リンドウさんも一緒らしい。

 

明史は声の方に向かって歩いていった。

 

 

明史が白い空間に入った頃、ツバメ達は

 

「リンドウさん!?隊長の反応が消失しました」

 

「圏外に出たとかじゃなくてか?」

 

「忽然と消えました…」

 

「まさか、喰われちまったんじゃないよな、とりあえず急ぐぞ。もしかしたら間に合うかもしれん」

 

「隊長が死ぬなんて…」

 

「そういうことは今は考えるな、一先ず明史を探そう。遺体になってなきゃいいが」

 

二人は明史が消えたポイントに向かって走っていった。

 

 

そして時は戻り

明史は二人と合流する。

 

「隊長、無事ですか?」

 

「大丈夫だ、怪我はない。リンドウさんも心配をかけました。」

 

「いや、これも仕事だな。かなりの数だったようだが大丈夫か?」

 

「大丈夫ですよ」

 

「隊長忘れ物です」

 

ツバメはvitaを明史に差し出す。

 

「持ってきてくれたのか、ありがとう」

 

「さて、戻って飲み直すか。お前の奢りでな」

 

「マジですか…(蒼次ごめん、散財する)」

 

そして三人はアナグラに戻っていった。



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