ゼルダの伝説 時のオカリナ〔?〕 (クグイ)
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1話

どーも書くたび書くたび迷想することで有名なクグイです。この前新作のゼルダPV見て時のオカリナ面白かったなぁ。あれ、そういや弓やらいろんな道具使うリンクってエミヤと共有する点ちょっとだけあるなという謎の発想から作らせていただきました。暇つぶしでいいので読んでもらえると助かりますwそれではどうぞ!


ジューっとベーコンの脂が熱せられたために起こる高音と、香る卵焼きの仄かな甘い匂い。ベーコンエッグを皿に乗せ、フライパンで焼いていたパンも皿に乗せる。

 

一度いつもの食卓の前に寝巻きから緑色の服に着替え、変わらない日常を謳歌しようとした。

 

昨夜見た夢はなんだったのだろうか。朧気ながらも、何か起こる気がしないでもないが、きっと気のせいだろう。今はだいたい7時程。みんなもこのくらいに起きるから、コキリの森は一層騒がしくなる。まだ眠たい気もするが、これから新たな1日が始まろうとしているのだ、二度寝なんて勿体無い。

 

そう思って窓を開けると、ちょうど白い何かが急に入ってきた。

 

「おぉ!」

 

「起きなさーい!ってあれ?起きてるじゃない?デクの木様が言うには寝ぼけてるって聞いたのに……。」

 

それは1年前までの話なんですよ妖精さん。

 

そう、コキリ族には一人一人パートナーである妖精がつく。色は様々だし性格も違う。だけど、俺にはその妖精が付いていない。そのおかげで結構苦労もしたものだ。コキリ族は9割型人格者だからいじめなんて起きなかったけど、イジリはあったのでその度その度飽き飽きしていたものである。

 

「それで、君は何しに来たんだい?」

 

「君じゃ無いわよ。私はナビィ。宜しくね」

 

白い光で顔が見えないため、声のトーンでしか妖精の感情が見えないからアレだが、それなりな感情らしい。

 

「それよりも、貴方に大切な話があるの!デクの木様のところに来て!」

 

大事な話とはなんだろうか?考えても恐らく見当もつかないためとりあえず

 

「とりあえず、朝ごはん食べてもいいかい?」

 

ちょっとマイペースかもしれないが、朝ごはんとは相当大事な役割を持つ。後々大事な役割を果たす可能性があるなら食べないという行為は論外と言っていいだろう。

 

「いいけど、できるだけ早くしてね!」

 

そう急かされたら逆にゆっくりしたくなるのは何故だろうかと、この物語の主人公、リンクは思うのだった。

 

 

 

さっさと食べ終え、ベットの下に置いておいた大きめの箱から剣と鞘、それと盾を持ち運び、妖精の力でしまっておいてもらう。

 

「それにしても便利だよね妖精の異次元ポケット」

 

「4次元ポケットみたいな言い方やめてくれる?あっちは科学の力でこっちは偉大なる魔法の力よ。それよりも、なんで貴方がコキリの剣を最初から持ってるのよ。彼処妖精の加護なきゃ石に潰されて簡単にお陀仏なのに」

 

妖精の加護とは、体の耐久力と言うか、体力などを底上げしてくれるものなのだ。それであれば大きい岩に踏まれようがまあまあ痛いだけで済む。まぁ耐久力以上のダメージを負えば流石に助かりはしないが。

 

「仕事終えて暇だったから取っておいた。みんな怖がるけどアレ岩のルーティンさえ掴めば案外簡単だったよ?」

 

その言葉に絶句するナビィ。彼処は加護ありきでも突破が難しいため、外界からの人間に剣を盗まれないよう設備覚めたものが、簡単だったと言い放った。まぁ取った本人がコキリ族だからある意味問題無いわけではあるのだが。無論、盾は店で買ったものだ。

 

家から出て、梯子を降りようとするが、ふとやってみたいことができた。

 

「ねえナビィ。今俺って加護受けてる状態?」

 

「そうよ。デクの木様に貴方と協力しなさいって言われてるわって貴方何しようとーー!?」

 

瞬間梯子の後ろを向いて、高さ5メートル程の高さをバク転して飛び降りる。

 

ズドンっと大きな振動が彼の体を襲うが、ちょっと笑いを隠せないでいた。

 

「おお!すげえ!彼処からジャンプして傷一つねえ!」

 

「貴方何危なっかしいことを!びっくりしたじゃない!」

 

ギャーギャーうるさい相棒を尻目に、とりあえずデクの木様のところにいこうとした時、ふと声が聞こえた。

 

「リンク〜!」

 

その可愛らしい声と、輝かしい妖精が付いている。

 

ややジト目な青目の短髪で、この森きっての美少女で、リンクの幼馴染のサリアだ。

 

「おはよう!今日も早いね」

 

「そうでもないよ。それより、なんで今日は来たの?」

 

別段、幼馴染といってもそういう関係ではないから、事情がない時は会いに来る必要もない。

 

「ちょっと妖精がリンクの家の方に行くからもしかしたらと思ってね。そっか、リンクにも妖精が来たんだね」

 

ふふっと笑う彼女は可愛らしい。緑色の髪を揺らす彼女は妖精の方に目を向ける。

 

「まあね。それより、デクの木様が呼んでるらしいんだ」

 

「デクの木様が呼んでるの?すごいじゃないデクの木様とお話が出来るなんて!あたしまだここにいるから、後で何かあったか教えてね!」

 

おう、と返事をしてデクの木様の方に向かう。「随分仲よさそうね」

 

「幼馴染なんだしそんなもんだろ」

 

ふーん、とナビィはそのまま黙ってしまう。案外寡黙なのかもしれないと思った。さて、では冒険の始まりと行きますかっと。帽子をかぶり、気合を入れて走り出すのであった。

 

 

 

「おいおいデクの木様のとこに行きたきゃってあれ?コキリの盾持ってんじゃん」

 

デクの木様のところに行くための一本道に勝手に1人で立って門番をしているミドに出会う。昔から何故か俺のことを敵視している彼は何かと苦手なリンクだった。

 

「あ!?コキリの剣!?チッキショー!でも弱いもんは剣持っても弱いんだからんな!」

 

急に1人で騒ぎ立てる男の子を見て引き気味の2人。

 

「絶対に認めないからなお前のこと!クソ、どうしてデクの木様もサリアもお前のこと……」

 

何か聞き捨てならないことを聞いたが、気のせいだろう、そうだろうと自分に言い聞かせ、一つ礼を言ってデクの木様に向かう。

 

「彼、サリアのこと好きっぽいわね」

 

「だな。あいつも悪い奴じゃないから、頑張ればあいつを振り向かす事も頑張りゃなんとかなるかもな」

 

「動揺しないのね」

 

「幼馴染ってだけで好きじゃないからな。大切に思うことはあれど、そういう目で見はしねえよ」

 

途中、デクババと呼ばれる食虫植物の進化系が現れるが、コキリの剣の前では雑魚も同然。

 

一度突っ込んでくる花の部分をバックステップで避け、切りつけると枝のように直立する習性を利用すればそこまで倒すのが難しい相手ではない。そうして一度きりだが何故かコキリの剣より攻撃力が強いデクの棒とある相手において相当な能力を発揮するデクの実を用意して、

 

遥かに雄大な大木、デクの木様に会うのだった。

 

「久しぶりじゃなリンクよ」

 

その入り方になんだかんだ嫌な予感がし始めるリンクだった。

 



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