女神様と召使いの転生物語 (血濡れの人形)
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女神と召使いの転生物語の章
一ページ目 神様と召使い


新作書いちゃった・・・やばいです。更に駄文まで入るとはこれは酷い・・・

こんな作品でよければ、どうぞご覧ください


~神界~

 

そこのある家に、その二人はいた。

 

「神よ、少しは服をちゃんとに着てください」

 

「別にいいじゃない、それに、そんな堅苦しいのもなし。前からいってるでしょ?」

 

「そうはいきませんよ、一応主従関係ですから」

 

それを聞くと、少女は頬をふくらませ、

 

「そんなことを言うと、仕事をあなたに押し付けるわよ?」

 

と、書類は山を指差して言う。

 

「ひでぇ、わかった、変えるからとりあえずやってくれ」

 

「それと、あなたあてに手紙よ」

 

そういうと、女性は少年に手紙を投げる。

 

「神ともあろう人が、そんなんじゃ色々やばいんじゃないか?」

 

「そんなことより早く、手紙開けなさいよ」

 

「へいへい」

 

そう言って、少年が封を開けると、中には、

 

「何々?『人ならぬなんじらに、試練を与えん』んだこれ」

 

少年がその一文を読み上げると同時に、二人は淡い光につつまれる。

 

「いや、まじでなんだよこれ、ふざけないでくれないかと言いたいが、そんなこと言ってる場合じゃねえ」

 

「てか何で私まで巻き込まれてるのよ!ちょっとドール!」

 

「名前呼ぶなってんだ。あ、これもうだめかも。サヨナラ絆」

 

「なに諦めの言葉いってんのよ!何とかしなさい!」

 

それを聞いて、ドールは無理だと言おうとしたが、それは叶わず、気がつくと、

 

「どこ、ここ」

 

あたり一面草原が広がっていた。

 

「ん、うぐ、むぐ、ぷはぁ、誰よ、急にこんな所に私を呼び出して!」

 

すると、すぐ近くから聞きなれた女性の声が聞こえる。

 

「絆か?もしかしてそこにいるのかな?」

 

そう言って、ドールが探し始めると、何やら手に柔らかい感触が、

 

「なんだろ、これ」

 

ムニムニ

 

「ひゃ」

 

「ボールか?なにか違うような」

 

すると、頬にすごい衝撃をくらい、ドールは倒れる。

 

「いつつ、とりあえず灯りを」

 

そう言って、ドールは火打ち石を使い、どこからか取り出したランタンに灯りをつける。

 

「さてと、さっきの感触の正体はっと」

 

と、さっきまで自分がいたであろう場所を見ると、そこには胸を隠した絆が・・・

 

「ん?」

 

ここで、ドールは先程の感触を思い出す。

 

「まさか・・!絆だった、のか?」

 

「そうよ?さぁ、カクゴシナサイ」

 

そのあとむちゃくちゃ殺されかけた。

 

~数時間後~

 

「いい加減止めませんかねぇ・・・!」

 

「い・や・よ」

 

そう言って、絆はさらに刀に力を込めてくる

 

「まじでこれきついからっ!」

 

そう言って、ドールはそのまま刀の側面に力をいれ、

 

バキン

 

と、破壊する。

 

「あぁ、斬鉄剣が・・・!」

 

「そんな物騒なもんだったの!?てかよく俺手が切れなかったなぁおい!」

 

なんて会話をしていると、近くから、

 

『グルァ』

 

という鳴き声と共に狼が襲いかかってくる。

 

「ふざけるなし!絆!なにか武器ってあるか!?」

 

「さっきので全部壊れちゃった」

 

頭を軽くコツンと叩きながら、舌を出してテヘッみたいな感じにしている絆に、ドールは、

 

「何でだよ!けど可愛いから許す!しょうがない、こうなったら・・・!」

 

そう言って、ドールは狼の突撃してくるタイミングに合わせて、おもいっきり殴る。

 

ゴキャ

 

という鈍い音と共に、狼の頭は吹き飛ぶ。

 

「はぁ、大丈夫か?絆」

 

「えぇ、ドールが守ってくれたしね♪」

 

「そか、なら、近くに村がないか探すぞ?」

 

そう言って、ドールは歩き始めるが、絆は、

 

「足いたいからおぶってぇ!」

 

と、その場に座り込んで言う。

 

「おいおい、全く、しょうがないな」

 

そう言って、ドールは絆を両手で抱き上げる。

 

「ふわっ」

 

絆の反応を楽しみながら、ドールは村がないかと探し始める。

 

「ドール、お姫様抱っこはどうかと思うわよ?」

 

「そんなことより、絆は村がないかとかわからないか?」

 

「そんなことってなによぉ」

 

と言いながら、ドールは移動する。

 

「ちょっと待ってね?」

 

そう言うと、絆は目を瞑る。

 

「見つけた。ここから北の方角に一キロ先の森の中」

 

そう言って、絆はある場所を指差す。

 

「わかった、した噛まないようにきょうつけてくれよ?」

 

そう言って、ドールは少し力をこめてから、その方角へ走り出す。

 

~十秒後~

 

「ついたけど・・・これはきつそうだな」

 

ドールの目の前にはかなり広い森が広がっていた。

 

「足場もデコボコね」

 

「しゃあない、練習の成果を見せてやる!」

 

そう言って、ドールは空を飛び始める。

 

「お、おぉう、やっとできた」

 

そうして、ドールは村の方へ飛んでいく。




ちなみに、絆はヒロインの予定です。


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二ページ目 異世界で、情報なんて、もらえない

すっかり存在を忘れてた作品を投稿!


~???の村近く~

 

あれから数分後、ドールはすぐ近くに人の気配を感じた。

 

「ドール、見えてきたよ」

 

絆が指差す先に、薄暗くて見えにくいが、人工的な建造物が見えた。

 

「うっし、後少しだな」

 

そういって、ドールは絆をゆっくりと地面におろすと、自分のポーチを漁り始める。

 

「さて、この世界ではこいつら、いったいいくらで売れるかねぇ」

 

それからすぐ、ドールは様々な種類のインゴットを取り出す。

 

「相変わらず、そのポーチは不思議がいっぱいだねぇ」

 

「そんなこと言うなって、まあ、特に否定できんがな!(ドヤァ」

 

ドールのドヤ顔にいらついてか、絆はおもいっきりグーで殴る。

 

「あだっ」

 

「そんなことより、準備が終わったならとっとと歩く!」

 

「へいへ(ボンッ」

 

ドールが返事をしている途中に、村の方から爆発音が聞こえ、さらに、クレーターが見える。

 

「・・・めんどくさ」

 

ドールがそう呟くと、直後、後方から声をかけられる。

 

「おい!そこの平民!貴様らはあの獣共に雇われたんだな!」

 

その声の方向を見ると、そこにはすっごくぷよぷよした体型の金ぴかな指輪等をつけている男と、

 

それを守る、騎士のような装備をした数十名がいた。

 

「いや、ちげえですけど」

 

と、ドールがいうと、そいつは、

 

「貴様のような平民が私にくちごたえするな!ん?お前の隣の女はすげえかわいいじゃねえか、

 

そいつを俺に寄越せばさっきの件に関しては取り消してやる!その女を寄越せ!速く!」

 

と、叫びながら絆の事を手招きしている。

 

「その様なボロボロな平民と一緒にいるより、私といた方が得だろう!」

 

ちなみに言うと、ドールの服がボロボロな理由は、ここに来る途中に、絆に当たりそうな枝を折りながら、

 

所々に仕掛けられたワイヤートラップの様なもの外す時についたものだったり、

 

爆裂魔法(イオランク)が地面に罠として設置されていて、それをドールがかばった結果だったり、

 

ドールの背中にいた絆が前に移動しようとした結果だったりと、なにかと言って絆が理由だったりする。

 

「・・・あ”?」

 

あっ、やばい、絆が切れた。ドールがそう思った時にはもうすでに時遅し、

 

「なにふざけたこと言ってんのよ!貴方みたいな脂っぽいやつなんかより、ドールのほうがよっぽどいいわよ!」

 

「おいばか絆、それだと面倒ごとのもとになりそうなこというと「おい貴様!」うっせえ!おめえが原因だろうが!」

 

絆の言葉とドールの言葉が引き金となり、ついに男が切れる。

 

「全員、男の方は殺せ!女の方は捕まえろ!俺好みの女に調教してやる!」

 

「・・・は?」

 

直後、騎士達がドールに襲いかかる。

 

「・・・それってさぁ、人の恋人に手ぇ出すってことか?なぁ!」

 

それにたいして、ドールはそこら辺にあった木の棒を使いすぐ近くまで来ていた騎士の鎧ごと首の骨をへし折る。

 

ゴキャ

 

「・・・で、次は?」

 

ドールが少し殺気を出しながら話しかけると、騎士達はゆっくりと下がり始める。

 

「ドール、あの脂っぽいの残しといて、私が絶望を見せてあげるから・・・!」

 

そんな光景を横目に、絆がそう話しかける。

 

「あいよ、さてと、行くぞ雑魚共」

 

絆の言葉に反応した後、再びドールは騎士達の方を向き、ニタァと笑みを浮かべる。

 

「ヒッ!」

 

ドールの笑みを見て、何を感じたのか、数名の騎士達はそんな小さい声をあげて、剣を落としてしまう。

 

そのすきに、木の棒を投擲して騎士の頭部に突き刺す。

 

「ひとぉり」

 

そして、最初に首の骨をへし折った騎士の持っていた剣を投げ、二人の首をはね飛ばす。

 

「さんにぃん」

 

その後、地面に手を突き刺して、そのままたたみがえしの用量で手を上げる。

 

そして、そのまま倒れた地面に七人が押し潰される。

 

「じゅうにぃん」

 

後五人ほどになったとき、ドールは背後から殺気を感じ、横に一回転する。

 

スパン

 

そんな音と共に、先ほどドールのいた場所の近くにあった木に無数の切り傷が付き、

 

付近にいた騎士たちも切り刻まれる。

 

「うへぇ、全滅かよ・・・」

 

そういって、ドールが手で頬を拭うと、その手には血が付いていた。

 

「ったく、誰だ?こんなことしたのは」

 

そういって、ドールは殺気を出した人物をさがし、見つける。

 

「閃華を・・・妹をどこにやった・・・貴様らっ!」

 

両手に木の枝を持ち、その先端部分を赤い液体が滴り落ちる。その持ち主は、銀髪の、金色の目をした、

 

猫耳と尻尾のようなものがある少女だった。

 

「・・・まさか、あの木の枝で、俺はダメージくらったのか・・・?」

 

いや、そんなはずはない、と、頭のなかで否定した後、でも、もしかしたら・・・と、考える。

 

「村の皆も、戻ってきたら、村そのものが無くなっていた、だれだ、村に、皆にあんなことをしたのはっ!」

 

それをきき、少し考えた後、ドールは男の方を指さし、

 

「あいつかな、さっき攻撃したのは、おそらくあいつの雇った魔法使い辺りだろ、つまりあいつが全部悪い」

 

それを聞いてか、猫耳少女は男の方を向く。

 

「な、なんだ!貴様のその態度は!私を誰だと思っている!私h」

 

男はなにか叫んでいたが、それは途中で首をはねられた事で最後まで言えず、地面には首が一つ、転がる事となった。




猫耳は正義!(個人の意見です)


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三ページ目 理解と食事

サブタイが思い付かなかったんです。でもたぶん間違ってはいない、かな?


「・・・さっきはごめんなさい。それと、教えてくれてありがとう」

 

男の首をはねた少女は、振り返りそう言う。

 

「きにすんな、それで、これからお前はどうすんだ?」

 

「・・・しばらく旅をする。耳と尻尾さえ隠せれば良いだけだから。それと、お前じゃなくて涼華(りょうか)」

 

そう言って、絆の方を見て、

 

「貴女、ほんとに人間?何だか違う気がする」

 

と言うが、絆は特に表情を変えずに、

 

「気のせいだよ!」

 

と言う。

 

「そう、それじゃ、私はこれで・・・」

 

そこまで聞いたあと、涼華は去っていった。

 

「・・・さてと、どうすっか、とくにここの情報」

 

「諦めて町を探そうよ。お金の価値が知りたい」

 

「・・・そういや、死体漁れば出てくるかね」

 

「触りたくないよ?私」

 

そう言いながら、絆は死体から距離をとる。

 

「わかってたよ、少し待っててくれ、一分で終わる」

 

~一分後~

 

「ふむ、こいつらの持ってる種類は、銅貨、銅板、青銅貨、青銅板、銀貨に銀板、最後に金貨っと」

 

「・・・あぁ、なるほど」

 

ドールが全ての死体を調べ終わると、絆はなにかを思い出したようにそう呟く。

 

「どした?何か思い出したのか?」

 

疑問に思ったのか、ドールが絆に聞くと、

 

「うん、この世界についてね」

 

と、絆は答える。

 

「・・・あっ」

 

そして、それを聞いたドールは、そんな声をだしたあと、

 

「ここ、絆の担当世界か!そういや、金の価値も同じだな、だとすると、金貨の後に金板、白金貨、白金板だな」

 

と、先ほどえられなかった情報を出していく。

 

「そうだね、そして、ここはたぶん獣の森の西側、さっきの村は天野の家系の村ね」

 

「確か、ここを中心に、北西側に帝国、南西側に騎竜王国、東側全体が魔界だったな」

 

「うん、魔界は魔王、でも今はいないと思う。帝国は帝王ガルム、騎竜王国は騎竜家の誰だたかがおさめてるはず」

 

そういうと、二人はうなずいて、

 

「「騎竜王国に行こう」」

 

と、声をあわせていう。そして直後、

 

グー

 

という音が、絆の方から聞こえる。

 

「・・・」

 

「その前に、腹が減ったから飯だな、パンとミルクでいいか?」

 

「うん・・・」

 

そして、ドールはそれを聞かなかった事にして、絆にたいしてそういい、パンと牛乳を取り出す。

 

「ほら、あんぱん、食うだろ?」

 

「もちろん!ミルクとあんぱんは最強!」

 

絆はそういうと、ドールからあんぱんをもらい、そのまま食べ始める。

 

「全く、慌てて食うと喉にt「ングッ!」言わんこっちゃない、ほら、大人しくこれでも飲んどけ」

 

ドールが注意しようとした直後、絆はそんな声をあげるが、ドールは牛乳を絆に渡し、絆はそれを飲み、

 

「ぷはー、あー、死ぬかと思った!」

 

と言いながら、牛乳の入ったコップを近くにあった切り株の上におく。

 

「ハッ、神の死因があんぱんによる呼吸困難とか笑うしかねえ」

 

「むぅ~、笑い事じゃ無いよ!」

 

「そうか?案外笑えるし、まずその程度で俺が殺すわけ無いだろ?」

 

そう言いつつ、ドールはあんぱんをかじり始める。

 

「そうだけど、なんか納得いかない・・・」

 

それに続くように、絆もあんぱんを食べ始める。

 

それから数分後、森の中から何か叫び声のようなものが聞こえたが、それはまた別の話。




誤字脱字、疑問や感想待ってます!


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四ページ目 プラチナドラゴンからの逃走

~獣の森・南西地区~

 

そこで、とある二人組が、叫び声のようなものをあげつつ、背後にいる『プラチナドラゴン』から逃げていた。

 

「ドール!なんとかしてぇ!」

 

「無茶言うな!そっちこそ何かできないかなぁ、絆!」

 

「できるんだったったら言わないってば!うぅ、うっかりしてた。西側はゼクスのなわばりだったのにぃ」

 

ちなみに、この『プラチナドラゴン』は、『ゼクス』という名前で、十二体の魔王級の魔物の一体である。

 

『チュー』

 

すると、目の前に十匹ほどの黒いネズミが出てくる。

 

「チッ、このタイミングでかよっ!」

 

「うぅ、ダークナイトラットって・・・」

 

この『ダークナイトラット』は、闇耐性と物理防御がずば抜けて高く、かわりに、光耐性が低い魔物である。

 

「耐性が低いのは光!絆!」

 

ドールはそう言いながら、剣を使い絆の方へ行く『ダークナイトラット』を『ゼクス』の口もとに投げる。

 

グシャ

 

直後、そんな音が後方から聞こえる。

 

「わかってるよぉ、『ライトランス』」

 

そして、前方にいる『ダークナイトラット』に向け、絆が白い槍を作り、発射して殺すが、一瞬隙が出来てしまう。

 

「ッ!絆!」

 

「え?うわっ!」

 

その瞬間を狙ってか、『プラチナドラゴン』がブレスを吐いてくるが、

 

それにたいして、ドールが盾を構えた状態で絆を抱き寄せる事で防ぐ。

 

しかし、完璧には防ぎきれず、少し絆の方に飛ぶが、ドールが腕を使いそれを防ぐことで、絆のダメージを無くす。

 

「うへぇ、腕一本殺られちまったよ」

 

「のんきにいってる場合じゃない!とりあえず抜くよ!って、うわっ!」

 

ドールの腕に刺さったプラチナの破片を抜こうとした直後、ドールが絆を持ち上げ、そのまま走りはじめてしまう。

 

「腕治すから止まって!」

 

「んなこと言ってる場合じゃねえッ!後ろにもうきてんだよ!クソドラめっ!」

 

そう言いながら、ドールは背後にいる『プラチナドラゴン』を見る。

 

「って、は?」

 

しかし、そこで見たのは、両手両足、片翼を失い、地面に落ちていく『プラチナドラゴン』だった。

 

「・・・借りは返した。この子はもらっていく」

 

その声とともに、涼華が現れ、ドラゴンを持ち上げ、両手両足、片翼を回収したあと、ゆっくりと去っていく。

 

その手には、小さな剣が握られていた。

 

「・・・この子を治せば、復讐の道具になる・・・でも、まだ足りない、もっと殺さないと・・・」

 

そんな声が聞こえた。それが実際に言っていたのか、それとも、幻聴だったのかは、はっきりとはしなかった。




プラチナドラゴン

全身がプラチナでおおわれており、世界に一体しかいない特殊なドラゴン。

一定期間たつか、鉱石を食べることにより、ブレスに使うプラチナを生成する。

魔王級の魔物、十二体のうちの一体、絶対とも言える防御力を誇る。

ダークナイトラット

魔王級の魔物、十二体のうちの一体の、ダーク・ナイト・ラットの産み出した弱い魔物。

闇属性耐性、物理防御の高い黒いネズミ。

光属性耐性が低く、回復魔法でダメージを食らう。はっきり言うと、初級光魔法で死ぬ。

肉は美味しいらしく、食べると闇耐性と物理防御が一時的に上がる。


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五ページ目 騎竜王国の入り口にて

~騎竜王国 入り口~

 

「そこの貴様ら!止まれ!」

 

あれから一時間後、ドール達は全力で走り、騎竜王国の入り口から、普通になかに入ろうとしたが、

 

近くにいた騎士風の男に声をかけられる。

 

「ん?どうした?」

 

ドールが疑問そうに騎士風の男に聞くと、男は呆れながら、

 

「どうしたではない、中へ入るためには通行許可証か、身分を証明できるものがないといけないこともしらんのか?」

 

と言う。

 

「・・・そういやそうだったっけか、ねえ、それって今ここで作れるか?

 

道中白いドラゴンに襲われて、そんときに無くしちまったんだ」

 

それにたいして、ドールは嘘と本当の事を混ぜながら言う。

 

「白いドラゴン?まさか、プラチナドラゴンにでも襲われたのか?だとしたら災難だった、な?」

 

そう言いながら、男はドールの腕を見て固まる。

 

「・・・おい、その腕に刺さってるのは、プラチナか?」

 

少しして、男がドールの腕に指をさしそういうのにたいし、

 

ドールが疑問そうにそちらを見ると、プラチナの破片が刺さったままだった。

 

「あっ」

 

思わずそんな声を出すドール、そして、そんなドールを哀れむような視線が男からあびせられる。

 

「・・・だから治すって言ってたのに、バカ」

 

それに追い打ちをかけるように、絆がそう言うと、プラチナの破片をその場で抜き、すぐに回復させる。

 

「・・・それで、冒険者用のカードでもいい、作ってもらえるか?」

 

そんな光景を見ていた男がまた固まっていたので、ドールが声をかけると、

 

「!? あ、あぁ、今準備する、少し待っててくれ」

 

と言って、入り口の近くにある扉をあけ、なかに入っていくが、それからすぐに、カードのようなものを持ってくる。

 

「ここに名前を書いてくれ、それ以外は書かなくていい」

 

そして、そのカードを二人に渡し、羽ペンもどきも渡す。

 

「名前だけ?」

 

ドールは疑問そうに思いながらも、自身の名前を書いていく。すると、自動的にステータスが表記され始める。

 

「それで大丈夫だ。彼女の方もできたかな?」

 

そう言って絆の方を見る男にたいし、絆はにっこりと笑みを浮かべ、

 

「うん、問題ないよ!」

 

といったあと、

 

「それで、これで通してもらえるのかな?」

 

と言って、カードを差し出す。

 

「おう、少し待ってくれ」

 

そう言いながらドールと絆のカードを確認したあと、

 

「入っていいぞ」

 

と言いながら、扉を開ける。

 

「それと、犯罪を起こした場合、そのカードが紅く染まるからな?」

 

扉がしまる前に、男が注意してくる。

 

「そうか、きょうつけさせてもらうよ」

 

ドールが言い切ると同時に、扉はバタンという音と共に閉まるのだった。




絆が全然喋らない、どうしよう・・・でもきっと次回は・・・!


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六ページ目 騎竜王国にて

~騎竜王国 表通り~

 

なかに入り、まず最初に目に入ったのは、大勢の人だった。

 

「・・・とりあえず宿探しだな、後はアイテムの売却」

 

「そうだね、でも、行動しやすいように細い通路通っていこうか」

 

二人はそう言うと、人の少なそうな路地の中へ入っていく。

 

「移動してる最中に、身分についてだな。今の俺たちは平民」

 

「そのしたに奴隷、上には貴族、その上に国王の親衛隊、その上に王だね」

 

「貴族になるには、一定の功績をあげれば上がれるな、奴隷は主人が金をつんで、奴隷ギルドに渡せば平民になれる」

 

ドールが言い終わると同時に、少し広い場所へ出る。中央に噴水らしきものがあり、なにやら人が集まっている。

 

「・・・言ってたらこれか、フラグとはよく言うものだ」

 

その方向を見てみると、そこには左目、右腕、左足を失った、

 

ここに来る前に助けられた、涼華に似た雰囲気の少女の獣人がいた。

 

「どうするの?」

 

「無視する以外ないだろう?金もあまりないんだし」

 

そう言って、ドールが歩き始めようとしたとき、少女が小さい声で、

 

「だ、か、わた、を、か、て・・・おね、ちゃん・・・りょ、か、ね、ちゃん・・・」

 

といったあと、そのまま意識を失ったのか、床に倒れる。

 

「・・・聞こえたか絆」

 

「うん・・・どうするの?」

 

「どうするも何もない、少し先に行っててくれ、ちょっと奴隷ギルドに行ってくる、三人で宿に登録しておいてくれ」

 

そう言うと、ドールは人ごみのなかに入り、少女を持ち上げる。よく見てみると、小さな傷がいくつもついている。

 

「・・・大丈夫だからな、少しだけ待っててくれ」

 

持ち上げた辺りから、周囲の人間から変なやつを見るような視線をあびせられるが、

 

ドールはそれを無視し、足に力を込め大きくジャンプをして、屋根の上に乗る。

 

すると、絆が宿を探している様子が見える。

 

「さてと、まず買えるかどうかわからんし、まずは資金調達だな、奪った金は絆に渡してるし」

 

そう言うと、ドールは先ほど人だかりのできていた場所とは別の方向へ走り始める。

 

~騎竜王国 武器屋~

 

「いらっしゃい、何を探して?」

 

そんなこんなで、金属を売るならと、ドールは武器屋に入り、カウンターにいる店員に、そう声をかけられる。

 

「悪いが、買い物に来たわけではなく、売却目的だ。俺には今のところ使い道がないものでな」

 

ドールはそう言うと、少女をおんぶしている状態で、ポーチから五つインゴットを取り出す。

 

「・・・一つ銀貨五枚」

 

ドールはそれを聞き、にやりと笑ったあと、

 

「嘘だね、この金属は、ここらには滅多に流れてこない代物だ、白金貨一枚」

 

と、値上げ交渉を始める。

 

「悪いが、それは無理な相談だ、銀貨九枚」

 

「そうかそうか、なら、金板五枚、それに金貨も五枚でいいよ」

 

「・・・金貨九枚、これ以上は譲らん」

 

「ならいいや、違うところを探す。せめて金板二枚と金貨九枚はもらいたいしな」

 

そう言って、ドールが店から出ようとすると、男は舌打ちをし、

 

「わかった。それで交渉は成立だ」

 

といって、白金貨一枚、金板四枚、金貨五枚を取り出し、袋に入れる。

 

「案外儲けてんのな」

 

ドールはそう言うと、袋をとり、インゴットをおいたあと、店を後にした。

 

「くそが、これが売れなかったら赤字で店がつぶれるってんだ」

 

そんな声が、店から聞こえた気がした。

 

~騎竜王国 奴隷ギルド~

 

「おい、こいつを買う、早く準備しろ」

 

ドールは受け付けに行くと同時に、背中の少女を男に見せてそう言う。

 

「はいはい、すこしまちな」

 

そう言うと、男は首輪の様なものを取りだし、

 

「あんた名前は?」

 

と、聞いてくる。

 

「ドールだ」

 

と答える。

 

それを聞くと、男はその首輪の一部に何か書いていく。

 

「これをその子の首につけろ、それが奴隷の証だ。名前が彫ってあるものの言うことをすべて聞く、

 

お前が死ねと言えば死ぬ、食えと言えば食う、そう言う風にさせる首輪だ。注意して使え」

 

といって、ドールに首輪を渡してくる。

 

「ったく、誰が悲しくてこんなくそみたいな仕事を・・・」

 

心のそこから嫌そうな顔で、男はそう呟いていたが、その声をドールは無視し、少女に首輪をつける。

 

「・・・また何かあったら世話になるかもしれない、名前を聞いておいてもいいか?」

 

「できればそんなことになるのは、解放するときにしてくれ、白金板一枚で解放できる。

 

そうだな、名前くらいならいいか。俺の名前はペーストだ」

 

ちゃっかりと解放するときの金額まで教える辺り、かなり良心的な人物なのだろう。

 

「そうか、そんじゃ、またな、ペースト」

 

「あぁ、金ためてからこいよ。具体的には白金板一枚」

 

そこでも言うか、と、思わず心の中で思い、苦笑いを浮かべる。

 

「そういや、絆どこにいるんだろ」

 

そのまま外に出たあと、そう呟いた直後、

 

「ドール!」

 

という絆の声が聞こえる。

 

「よかったぁ、移動してなかった」

 

「おぉ、ナイスタイミング」

 

ドールはそう言いながら、絆の方へ移動して、絆から、

 

「宿が全部うまってたから、どうしようか聞こうと思ったんだ!」

 

と、にこやかに言われ、固まる。

 

「・・・金ならできた。ついでだ、どっかに活動拠点として、家買うぞ。水とかは魔法で十分だ」

 

そう言いながら、絆の手をとり、家を探す。

 

それからすぐ、ドール達は家を金貨一枚で買うのだった。



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七ページ目 マイハウスにて

~騎竜王国 マイハウス 台所~

 

少し前に見つけた家を購入したあと、ドールは台所で料理を作っていた。

 

「しかし、案外いい物件が見つかったな。

 

まあ、それはそれとして、飯、あの女の子の分はあっさりしてる方がいいのかな?」

 

ドールは一人、そう呟くと、小麦粉を取りだし、麺を作っていく。

 

「それならうどんだな、肉ものっけりゃ問題ないだろ。付け合わせに天ぷらも作っておくか」

 

そう言いながら、ドールは野菜や肉を取りだし、食べやすいサイズに切り、揚げていく。

 

「そういや、この世界って調味料が貴重なんだったな。次からそれをうって収入源にするか」

 

そう言いながら、麺を茹でている間に、うどん用のつゆ、そして、天ぷら用に塩を用意する。

 

「さすがに子供の前で酒は飲めんからな、とりあえず調味料棚にぶちこんどこう」

 

そう言うと、ドールは酒瓶を取りだし、そのまま足元にある棚に入れる。

 

「おっと、このままだとふやふやになっちまうな」

 

と言いながら、ドールは麺をお湯から取りだし、水を使って冷やす。

 

「器はこれでいいか」

 

そう言うと、ドールは大、中、小の器を取りだし、麺を入れ、つゆをかける。

 

「これで、冷やしうどんの完成だな」

 

ドールが作り終わり、そう言うと、絆の、

 

「目が覚めたよー!」

 

という声が聞こえる。

 

「わかった!ちょうどいい、飯出すからリビングに連れてきてくれ」

 

「了解なのだ!」

 

ドールは絆の返事を聞き、お茶を用意したあと、うどんの器を持ち、そのまま運んでいく。

 

~騎竜王国 マイハウス リビング~

 

中に入ると、もうすでに、絆と少女が座っていた。少女は落ち着かないようで、まわりをキョロキョロ見ている。

 

「絆、台所に天ぷらがあるんだが、取ってきてくれるか?」

 

「天ぷら!わかった!取りに行ってくる!」

 

「つまみ食いするなよ?」

 

ドールがそう言うと、絆は目をそらす。

 

「・・・食ったかどうかは分かるからな?そしたら、絆の天ぷらが俺とこの子のお腹の中に入るから」

 

「わかったよう、それじゃあ、取ってくるね!」

 

絆はそう言うと、そのまま扉を開けたあと、天ぷらを取りに行く。

 

「はぁ、さてと、とりあえず聞きたいんだけど、君の名前は?それと、どの器で食べたい?」

 

ドールが聞くと、少女はビクビクしながら、

 

「天野、閃華です・・・えっと、小さいのでいいです」

 

「本当?遠慮してない?って、そうだな、前もって言ってないんだし、これが普通なのか」

 

ドールは閃華の言葉を聞き、そういったあとため息をつく。

 

「閃華ちゃん、俺達は君を奴隷としてではなく、一人の人間として見てる。

 

だから変に命令もしないし、君が意見することに問題もない。

 

なんならわがままをいってくれて構わない。

 

遠慮する必要もないし、捨てるなんてこともする気はない。

 

今は何をいってるかわからなくていい。

 

だけど、これだけは覚えておいてほしい。俺は君を買った。

 

だが、一人の人間、いや、うちの家族として君にはいてほしい。

 

それで、しつこいかもしれないけど、もう一回、今のを踏まえた上で聞く。

 

君はどの器で食べたい?」

 

ドールの言いたいことがいまいち分からなかったのか、閃華は首をかしげるが、少し考えたあと、

 

「あの、大きい器でもいいんですか?」

 

と、聞いてくる。

 

「もちろん、閃華が好きなのを選べばいいよ」

 

グー

 

ふと、そんな音が聞こえる。

 

「あ、あはは、流石に天ぷら持ってきてからおあずけの時間が長いかなぁ~なんて」

 

その音の発信源である絆は、そう言いながら天ぷらの方をジッと見てる。

 

「えっと、中くらいのでお願いします」

 

その中、閃華はそういい、絆の方を見る。

 

「私は大きいので!」

 

「そんじゃあ、間接的に俺は小さいのだな、よし、トッピングしまくろう(一人五個の天ぷら)。そんじゃあ、頂きます」

 

「「いただきます!」」

 

ドールの言葉に続き、絆達もそういったあと、そのまま食べ始める。

 

「そういえば、ドール、七味ってある?」

 

「おう、七味以外にも一味もあるぞ。閃華も使うか?」

 

ドールはそう言いながら、二つの赤い容器を取り出す。

 

「七味って何でしょうか?」

 

「これを少し入れると美味しくなるんだよ!」

 

そう言いながら七味を入れる絆から容器を受け取ったあと、

 

少し入れようとするが、蓋が緩くなっていたのか、逆さにした直後、中の七味が全て閃華の器の中に入ってしまう。

 

「あっ」

 

「はは、やっちまったな。どうする?器、交換するか?まだ俺ならいける量だ」

 

そう言いながら、ドールは器を閃華に差し出す。

 

「えっと、その、すみません・・・」

 

「きにすんな。絆に比べれば問題無さすぎる量だ」

 

そう言いつつ、ドールは閃華の食べていた器を取り、少量だけ七味を移す。

 

「ほら、食べな」

 

「はい・・・ありがとうございます・・・」

 

閃華は申し訳なさそうにしながらも、渡されたうどんを食べ始める。

 

~召使い、女神、獣人少女食事中~

 

「ごちそうさま」

 

「ごちそうさま(でした)」

 

全員が食べ終えたあと、ドールは器を全て片付けたあと、閃華の方へ行く。

 

「閃華、話したくないなら良いんだが、その傷、一体どこでうけたのか聞いていいか?」

 

ドールがそう聞くと、閃華は少し驚いた後、

 

「・・・なんでですか?」

 

と、聞いてくる。

 

「まあ、いろいろと事情があるんだよ。相手の方も、やったからにはやられる覚悟あるだろうし」

 

ドールの最後の方の言葉がうまく聞き取れなかったのか、閃華は首をかしげるが、

 

「まあ、そのくらいなら」

 

と言って、話始める。




ミスって全く関係ないの投稿してました!すみません><


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八ページ目 閃華の過去

~騎竜王国 マイハウス リビング~

 

「まず、腕がこうなったのは、私がもう少し小さい頃に、プラチナドラゴンの巣の方に行っちゃったからです」

 

そう言いながら、閃華は失った片腕の付け根の辺りに手を当てる。

 

「その時は、お姉ちゃんとかくれんぼをしていて、お姉ちゃんに見つからないように、奥に進んでいきました」

 

~回想~

 

「ここまで来れば見つからないかな?」

 

「閃華!そっちの方は駄目!」

 

お姉ちゃんが急に叫んだと思ったら、いきなり、私がいたところに影が出てきて、

 

私がその方向を見ると、『プラチナドラゴン』がいたんです。

 

「えっ?」

 

その直後、右腕が急に無くなって・・・

 

そしたら、お姉ちゃんが『プラチナドラゴン』を蹴って、そのまま遠くに飛んでいって。

 

「お姉、ちゃん?」

 

私がそう言ったら、お姉ちゃんが少しあせった表情で、

 

「腕の傷口を見せなさい!」

 

っていいながら、回復薬を取り出して、私の傷口にかけた後、

 

「少し痛むだろうけど、大丈夫?」

 

「う、うん」

 

「ならよかった。さあ、村に戻りましょう」

 

そういって、お姉ちゃんは私を持ち上げて、そのまま家に帰ったの。

 

~回想終了~

 

「それが、私が右腕を失った時の話です」

 

「プラチナドラゴン・・・またおまえか・・・いや、何でもない、続けてくれ」

 

思わずドールがそう呟いたのが聞こえたのか、閃華はその事にたいして何か言おうとしていたが、

 

その前にドールがそういって、、閃華の方を見る。

 

「・・・わかりました。それじゃあ、それから何年かした、今月の最初の方のことになります」

 

~回想~

 

その日は、お姉ちゃんが少し遠くにでかけていて、大人の男の人も全然いなくなってて、

 

そしたら、変な人達がいっぱいきて、

 

残った大人の男達が武器をもって、頑張って女の人や、私みたいな子供を逃がそうとして立ち向かったんですが、

 

すぐに全員殺されちゃって、そしたら、その人達が、檻みたいなのの中に私達を入れて、

 

そのまま荷車でこの国まで連れてこられたんです。

 

そして、それから少しした後、急にその檻みたいなのの中から出されて、首輪を付けられてから、

 

大きなお屋敷の前につれてこられたと思ったら、頭を何かで叩かれて意識を失って、

 

気が付くと、鉄格子のある、小さな部屋に倒れてて、

 

そしたら、太っていて、キラキラしたものをいっぱいつけた男の人が、ニヤニヤしながら、私の事をそこから出して、

 

「こっちにこい、貴様に最初の仕事がある」

 

といって、それから少ししたところにある、木で出来た扉の前にたたされた後、中に入れられました。

 

「これから二日間、貴様はそこで、なにもせずに立っていろ。動くことは許さん」

 

そう言うと、男は鍵を閉め、そのまま去っていきました。

 

~回想終了~

 

「二日間何があったのかは言いたくありません。

 

それから二日後に、左目、その一日後に左足を無くして、それからすぐに捨てられました」

 

「・・・その屋敷の材料ほどんなのだった?」

 

「えっと、確か石が積み上げられてて、まわりに比べて色なんて全然ない、そんな感じだったと思います」

 

ドールはそれを聞くと、ゆっくりと立ち上がった後、

 

「そうか・・・その足とかじゃ不便だろ?明日までに最低足だけは作っておくから、今はゆっくりと寝てな」

 

と言い、扉を開け、それから、閃華を持ちあげた後、ベットのある部屋に連れていく。

 

「ドールー!準備出来た?」

 

玄関の方から絆がそう言うのが聞こえる。

 

「そろそろいく!さてと、そんじゃあ、俺らはやることがあるから、先に寝てな」

 

そんな絆の声に反応した後、ドールは閃華にそう告げて、そのまま部屋を出る。



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九ページ目 潜入!どっかの貴族宅

~とある屋敷前~

 

「・・・見張りが二、二人とも傭兵かなにかだろ。戦闘慣れしてそうだし、何より隙がない」

 

「それじゃあ、眠らせる?」

 

絆の言葉に、ドールは、

 

「いや、絆の能力で殺す。絆、あの二人をこの石と共有させて」

 

といって、ひびのはいった石を絆の方へ渡す。絆は、その意味を理解したのか、苦笑いし、

 

「さらりとエグいこと考えるね」

 

と言いながら、その石に能力をかける。

 

「よし、そしたら、近くにいる通行人の足元に転がしとk「やっといた、というより、もう潰されてる」あっはい」

 

見てみれば、見張りが二人とも潰れて、バラバラになっていた。近くを通っていた犬は、驚いたのか大きな声で鳴く。

 

「・・・通行人も、石を踏んでしまっただけで、人殺しの手伝いをしてしまったなどと思うまい」

 

「それ、私に指示したドールの言っていい事じゃないよ?原因は間違いなくドールだし」

 

「それいっちゃあ終わりだよ。まあいい、行くぞ、ここの一番偉そうなのを消す」

 

絆の呆れを込めたようなセリフに、苦笑いでそう言い返した後、ドール達は屋敷の中へと足を踏み入れた。

 

~屋敷内部~

 

「・・・人の気配が無い?」

 

「いや、一つだけある。とはいっても、ギリギリ人間の域なだけで、後一歩踏み外したらもれなく人外だな」

 

ドールは苦笑いを浮かべ、絆の方を見る。

 

「うん、それはいいんだけどさ、後ろにスケルトンがいるんだけど、どうする?」

 

「え?」

 

絆の言葉に驚き、後ろを向くと、

 

そこには二体のスケルトンが、なにかに引き寄せられるようにゆっくりと歩いていた。

 

「? なんだか様子が変だな」

 

通常、スケルトン等の死霊系の魔物は、生き物の魂を求めさ迷っている。

 

なので、人間や動物が近くにいる場合、優先してそちらを殺そうと襲いかかってくるのだが、

 

「気が付いてない・・・?いや、それよりも、あの方向には人間モドキ(勝手に呼んでるだけ)がいるはず・・・」

 

「・・・もしかして、集魂の儀式をやってるんじゃないかな?あれならあの行動にも納得できる」

 

「はぁ?あれって禁呪だろ?こんなところでやろうもんなら直ぐに気付かれて捕まるはず・・・」

 

ドールがそんな声を出している間にも、スケルトンはゆっくりと歩いていく。

 

「・・・考えてても仕方がない、とりあえず後をつけるぞ」

 

「了解」

 

結局、ドール達は少し距離を開けた状態で、ゆっくりとついていくのだった。

 

~大部屋前~

 

スケルトンが部屋の扉を開け、中に入る。少しだけ開いた扉の方から、なにかが腐ったような臭いがする。

 

「・・・絆、俺、あの中に入りたくないんだけど」

 

「・・・私なんだけどさ、でもたぶん、入らないと進まないよ?むしろ中の奴が強化されるかも」

 

ドールはそれを聞いて、扉の前にたった後、

 

「知ってるよ・・・しゃあねえ、男は度胸、全ては入ってから考えよう!」

 

といって、扉を蹴り飛ばす。

 

「扉壊すなっ!」

 

思わずそう叫ぶ絆の言葉を無視し、ドールは大部屋の中へと入っていくのだった。



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十ページ目 VSオーガ戦 その1

~大部屋~

 

中に入って、まず一番最初に目に入ったのは、大量のバラバラになった死体と、

 

それを貪るように喰らっている、巨大な男?の姿だった。

 

「これは・・・オーガか?」

 

その姿は、頭部に短い角が生えていて、筋肉は異様なまでに盛り上がっている。

 

『GURAAAAAAA!』

 

オーガはドール達に気が付いたのか、叫びながらドールに向けて走り始める。

 

「ドール!あの角の長さなら、私達だけで簡単に殺せる!行くよ!」

 

「承知した!」

 

ドールはそう言うと、オーガに少し近付き、

 

「拳ノ型『虚撃』」

 

と呟き、オーガを攻撃する。オーガは、危険を感じたのか、腕を前にして、防ぐような動作を取る。が、

 

ゴシャ

 

という音をだし、オーガは上へ飛ばされる。

 

「絆、もしかしてこいつ、まだ意識あんの?」

 

そう言いながら、ドールは上げている片手を下げ、再び構え直す。

 

「それだったら奇跡だね。術者なら意識は死んでておかしくない感じだけど」

 

絆がそんなことをいっている間にも、オーガは立ち上がり、攻撃を仕掛けてくる。

 

「確かになっと」

 

ドールはそう返すとオーガの攻撃を避け、

 

「拳ノ型『双撃』」

 

脇腹の辺りに二発攻撃をするが、

 

ゴン

 

という音を出し、ドールの攻撃は、オーガの脇腹ではなく、腕によって防がれてしまう。

 

「防がれた!?」

 

『グルァァァ!!』

 

ドールが驚いた一瞬をつき、オーガはドールの頭部へ拳を当てる。

 

ドゴン

 

という音をたて、ドールは壁に叩きつけられる。

 

「ドール!」

 

絆は、ドールの近くへ走り、そのまま怪我の具合を確認した後、

 

「なに油断して攻撃を喰らってるの!ドールがいないと私何も出来ないんだよ!」

 

といって、ドールの頬を引っ張りつつ、回復魔法を使う。

 

「ちょ、痛い痛い!頬が千切れるから!」

 

ドールはそう言いながら、地面をベシベシと叩き、降参の合図を送る。

 

「はぁ、それで、少しは落ち着いたかな?」

 

それを見た絆は手を離した後、ドールに問いかける。

 

「あぁ、もう大丈夫だ」

 

「ならよかった」

 

絆はそれを聞き、満足そうにニコリと笑みを浮かべた後、そのまま横に転がる。

 

そして、ドールもそれに会わせて絆とは逆の方へ転がる。

 

ドゴン

 

直後、先程までドール達がいた場所へ、オーガの拳が降り下ろされていた。

 

「絆、屋敷のどこかから武器を取ってきてくれ!」

 

ドールはそう言いながら、ドールは即座に立ち上がり、足元のあるであろう魔方陣を探し始める。

 

「分かったけど、その間に死なないでよ!」

 

絆はそう言うと、部屋から出ていく。

 

「はっ、誰がやられるかってんだ」

 

そう言うと、ドールは床の一部にある魔方陣を見つけ、腕を下ろした状態で、

 

「三分だ、その間にそこの邪魔な陣壊して、貴様の進化を止めてやる」

 

と言い、そのままオーガに向けてゆっくりと歩き始める。

 

『GURAAAA!!』

 

それに反応するように、オーガは大きく声を上げるのだった。




前回スケルトンが出てきたのに説明入れてなかったので、それも追加で!

スケルトン
人が白骨化したものに、悪霊等がとりついたもの
その肉体の生きていた当時の道具を使い、人を攻撃してくる
殺した人間の人数によって、少しずつ肉をもち、最終的にはゾンビになる

オーガ
今回出てきたオーガは下級のオーガと呼ばれる部類
オーガは角の長さによって強さが変わる
下級は1~4cm程、中級は4~8cm程、上級は8~12cm程
それを越えると再び角が短くなり、代わりに本数が一本から二本へと増える
それは、妖鬼と呼ばれる種類で、これも、下級、中級、上級に別れる
それの上位個体で、神鬼と呼ばれる最高位の魔物がいるが、
これは魔物ではなく、魔神に分類される
昔、勇者を殺したのも、神鬼と言われている
オーガの中級は、多少の知力をもち、上級になると罠を使ってくるので、
単独で倒すには様々な準備が必要となる


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十一ページ目 VSオーガ戦 その2

~大部屋~

 

「さてと、すくねぇ知能で自爆しないとかは止めてくれよ?」

 

ドールはそう言いながら、オーガとの距離を縮めていく。

 

『GURUAAA!!』

 

オーガは叫びながら走り、ドールの前に来ると腕を大きく振り上げる。

 

「このくらいなら受け流す!」

 

ドールはそう言いながら、オーガの攻撃をそらし、

 

「本当はあれの使用許可がおりればいいんだがな、『肉体強化・アタック』、人形式近接格闘術『一刀必殺』!」

 

そのままの流れで、オーガの腕の間接部に腕を突き刺す。

 

ベキャリ

 

そんな音と共に、オーガの片腕は折れる。

 

『GUGA』

 

オーガはそんな声をあげ、一、二歩後ろに下がる。

 

「アタックエンチャントすれば攻撃は通るのか・・・なら、人形式近接格闘術『双破撃』!」

 

それに反応して、ドールは腹部へ打撃を加える。

 

ブクリ

 

その攻撃が原因でか、オーガの体が膨らむ。

 

「もいっちょ!人形式近接格闘術『一点突破』」

 

ドールはそう言うと、腕を少し戻した後、再び突き刺す。

 

ブチブチ

 

そんな音をだし、オーガの胸元にドールの腕が刺さり、オーガはそのまま更に膨らみ、

 

パン

 

という音をだし、破裂した。

 

「もう一段階進化してたらヤバかったな」

 

ドールが自分の手を見ながらそう呟く。

 

実際、ドールの爪は剥がれかけており、突き刺した腕には小さな切り傷の様なものがあり、

 

一部指が変な方向へ曲がっている。

 

「絆に見せたら間違いなくぶっ飛ばされるよな・・・はぁ」

 

「うん、そうだね、とりあえず歯を食い縛りなさい」

 

ドールが絆の声がした方を向くと、そこでは、絆が殴る準備をしていた。

 

「えっちょっま」

 

ドゴ

 

それからすぐ、ドールの顔面に絆の拳が突き刺さり、

 

ドォン

 

という音をだし、ドールは再び壁に埋まる。

 

「全く、何で無茶するのかな?まあ、それはともかく、全ての傷を治しましょう『オールヒール』」

 

絆は、そんなドールを無視し、ドールの傷を治すために、高位の回復魔法を唱える。

 

ゴキゴギ

 

そんな音を出しながら、ドールの指は元の状態に戻り、傷も治り始める。

 

「いつつ、なんだかんだ言って、絆の一撃が一番痛い」

 

「よく言うね、ピンピンしてるじゃない」

 

ドールが立ち上がりながら言うのを見て、絆はそう言う。

 

「まあな、さて、やることやんねえとな。絆、剣プリーズ」

 

ドールがそう言うと、絆は無言で、殴った手とは逆の方に持っていた剣をドールに渡す。

 

「さてと、後は問題の魔方陣だが、確かここら辺にあったはずだな」

 

絆から剣を受け取ったドールは魔方陣に向けて剣を突き刺し、魔方陣を壊す。

 

「こんなもんでいいだろ。絆、帰るぞ。閃華の義手とかも作んないといけないし」

 

「そうだね、それに、こんな騒ぎがあると、騎士団も動き始めるだろうしね」

 

二人はそう言うと、閃華の待っているはずの家へ帰っていくのだった。

 

それから数時間後、騒ぎを聞き付けた騎士団が、屋敷の中から魔方陣等を見つけ、

 

その屋敷の関係者が取り調べを受けたというが、それはまた別の話。




集魂の儀式の説明

詠唱
肉体に縛られし魂よ
我が元に集え
『集魂の儀式』

儀式という名前通り、魔方陣等を使い儀式場を作らなければならない。
儀式の使用者は、贄になった魂の分だけモンスター化する。
スケルトン等の死霊系を集め、贄にする事により、少しずつ強化されていく。
↑の理由によって、時間が経つに連れて、そのモンスターは強くなっていく。
モンスターの魔石や素材も触媒となる。
昔は、散魂の儀式の前準備として使われていたが、危険性が高くなりすぎたため、禁呪指定された。


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十二ページ目 義足製作と休憩

~マイハウス~

 

ドールは家につくと、絆の方を向き、

 

「さてと、絆は先に寝てていいぞ。義足とかは俺しか作れんだろう?」

 

と言い、作業用の部屋を探そうと移動した直後、絆が、

 

「そうだね、それじゃ、また明日」

 

と言って、頬にキスをする。

 

「なっ」

 

いきなりで一瞬驚いたが、その間に絆は自室へと戻ったため、

 

ドールは気持ちを切り替え、作業部屋を探しに歩き始めるのだった。

 

~マイハウス 石造りの部屋にて~

 

ドールは、家の部屋の中から、一番頑丈そう(と言うより燃え移らなそう)な部屋を探しだし、

 

「さてと、とりあえずは鉄で作っておくか。あの金属とかは色々と準備が必要だしな」

 

そう言いながら、ドールは鉄を取りだし、さらに、昔に作った溶鉱炉や、金属の加工に必要な器具を揃えていく。

 

「まず作るのは外装だな、細かいパーツは製作するのに目がいたくなっていくるし・・・」

 

~十分後~

 

「後はここをこうして」

 

~さらに十分後~

 

「うっし、細かい部品作るか」

 

~日が登り始める頃(大体五時間ほど)~

 

「脚は出来た!眠いから俺は寝る!」

 

ドールがそう言いながら、そのまま地面に倒れこみ、寝息をたて始めた直後、

 

「ドール!おはようだ・・・よ?」

 

絆が部屋のなかに入り、地面で寝ているドールを見て、苦笑いを浮かべ、

 

「全く、こんなところで寝てると風邪引いちゃうと思うんだけどな?まあいいや」

 

と言いながら、ドールの頭を少し持ち上げ、その隙間に脚を入れる。

 

「これ、一回やってみたかったんだよね」

 

絆はそう言いながら、ドールの頭をなでなでして、

 

「お疲れ様、そして、これからもよろしくね」

 

と言う。

 

「あぁ、これからも頼むぞ、絆・・・」

 

直後、ドールが返事をしたと思い、聞かれた恥ずかしさからか、絆はまるで茹でたタコのようになる。

 

しかし、ドールがそのまま、穏やかな寝息をたて始めたため、意識を戻し、頬を膨らませると、

 

「むぅ、聞かれてたんじゃないかってびっくりしちゃったよ」

 

と言いながらドールのほっぺを突っつき始める。

 

~その頃の閃華~

 

「ふわぁ~・・・あれ?なんだかふかふかして・・・って、これ、ベットですか?それにここは・・・?」

 

目が覚めると、知らないところにいた閃華は、周りの状況を確認すると、

 

「暖かい・・・」

 

と言いながら、そのまま再び布団を被ろうとして、

 

「あれ?これなんだろう?」

 

と言いながらも、よほど眠気が残っていたのか、考えることをやめ、再び眠りについた。

 

それから一時間後、ドールの目が覚め、そのまま起こそうとして、

 

思わず起こすのを躊躇うほどに、可愛い寝顔だったらしい。



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十三ページ目 朝

サブタイは完全に雑です。


~マイハウス 閃華の部屋~

 

「違和感はないか?閃華」

 

ドールは閃華を起こし、座らせたあとに義足を付けてそう言う。

 

「はい・・・どちらかというと、違和感が無いことに違和感を覚えると言いますか・・・」

 

「そうか、それはよかった」

 

ドールはそう言うと、立ち上がり、

 

「さてと、まずは歩けるか試してみてくれ。不都合があれば直すから」

 

と言うと、閃華の事を立たせる。

 

「ふえっ!?」

 

が、いきなりで驚いたのか、そのままバランスを崩し、

 

ドールに寄りかかる(と言うより抱きつく)形で動きを止めてしまう。

 

「っと、すまないな、急に立ち上がったせいでバランス崩させちまったか」

 

「だ、だいじょうぶでしゅ」

 

閃華はそう言いながら、ドールから離れる。

 

「す、すみませんでした」

 

閃華が少し顔を赤くしながら謝る。

 

「いや、むしろ悪いのは俺だろ。急にたったのが原因だろうしな」

 

ドールはそう言いながら、閃華に再び義足の確認をしようとして、

 

「・・・このやり取りはなかったことにします。それと、足の方は問題なさそうです!」

 

と、答えられる。

 

ドールは、閃華自身が気にしないといったので、そのままその記憶を頭のすみに追いやり、

 

「そうか、それはよかった」

 

と答える。

 

「ドール!ご飯の準備まだー?」

 

リビングの方から、絆のそんな声が聞こえる。

 

「少し待ってろ、いま行く!閃華、とりあえずリビングに行こうか。一応聞いておくが、歩けるよな?」

 

「心配してくれるのはいいですが、本人のいったことは信じるべきだと思います」

 

閃華が頬を膨らませてそう言うので、ドールは、それもそうだな、と言うと、閃華と共にリビングに向かうのだった。

 

~マイハウス リビング~

 

「ドール!私はお腹が減ったのだ!」

 

リビングに入って早々、絆はそう言いながら立ち上がる。

 

「お前は子供か!て言うか、俺の頬を突っついてる暇があるなら、普通に作れただろうが!」

 

「私が作った食べ物は、なんでかみずみずしかったり、パサパサしてたり、冷たかったりするんだよ!

 

前に私の作ったの食べた香華(こうか)ちゃんと白華(びゃくか)ちゃんが、

 

顔を青くしながら美味しいって言ってたのを私は覚えてる!あれはおいしくない時の反応だよ!」

 

二人がそんなことを言い争っていると、閃華が笑いをこらえるような声を出している事に気が付く。

 

「ドール、とりあえずこの話は後にしよう。閃華ちゃんにこれ以上笑われたら、私引きこもる自身がある」

 

「そうか?むしろ、場がやわらかくなったことに喜ぶべきじゃないか?」

 

「私にそんな芸人根性は無い!」

 

家の外にいた鳥たちが、絆の声に驚き、バサバサと飛び立っていく音が、近所に響き渡るのだった。



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十四ページ目 トースターの謎

明けましておめでとうございます!こんな作品ですが、今年もよろしくお願いします!


~マイハウス キッチン~

 

「朝だし、軽いものにするか」

 

あれから数分後、絆のお腹がなったことにより、料理を作りに来たドールは、そんな風に悩むと、

 

「簡単なスクランブルエッグとトースト、ベーコンでいいか」

 

と言い、卵、食パン、ベーコンを取り出し、それぞれ焼き始める。

 

まず、フライパンにバターをひき、その中にといた卵(三個分)を入れる。

 

それとへいこうして、ベーコンを卵を入れたのとは別のフライパンに入れ、表面に焦げ目が少しつく程まで焼く。

 

ベーコンの状態を確認しつつ、卵をゆっくりとかき混ぜるようにする。

 

固さに関しては、白身が少し残る程度に焼くので、もうそろそろ良いだろうと思い、

 

ドールはスクランブルエッグを皿に盛り付ける。

 

後はベーコンとトーストだが、トーストの方はトースターを準備していたため、今は中に入れて放置(焼いて)している。

 

~三分後~

 

「とりあえず、ベーコンはこれでいいな。トーストは大丈夫かね?」

 

そういって、ドールが確認しようとすると、トースターの蓋が勝手に開く。

 

「よし、いい感じに焼けてるな」

 

「いや、まずはなんで勝手に開いたんですか!?」

 

いつの間にかドアの辺りに立っていた閃華は思わず突っ込んでしまうが、ドールはそれを無視し、

 

「さてと、せっかくこっちまで来たなら、持っていくの手伝ってくれないか?」

 

と、何事もなかったように閃華に言う。

 

「・・・わかりました」

 

閃華はものすごくなにか言いたそうだったが、言われた通りに皿(二人分)を運んでいった。

 

「・・・よし、これで問題ないな。いやぁ、助かった。あのトースターの蓋に関しては、俺も分からんからなぁ」

 

ドールは、閃華がいなくなったのを確認したあとに、そう呟くと、焼いていたパンの枚数を確認し、

 

「・・・一枚足りないか。このトースター、実は呪われてんじゃねえの?毎回一枚消えるんだけど」

 

勿論のように、製作者はドールなのだが、作った本人すら分からないので、ドールはいつも、一枚多く焼くのである。

 

「さてと、それじゃあ、とりあえず持っていくか。絆がそろそろ騒ぎ出しそうだしな」

 

ドールがそう言うと、リビングの方から、

 

「ドール!早く来ないと全部冷めちゃうよ!」

 

と言う、絆の声が聞こえる。

 

「分かった!今行くから少し待て!」

 

ドールはそう言うと、自分の皿を持ち、キッチンから出ていくのだった。

 

『ん~。この食感は70点位かな~まだまだだね、ドール君♪』

 

誰もいなくなったはずのキッチンで、そんな声が聞こえた。




最後に出てくるのがサブタイの理由です。


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十五ページ目 朝食後の会話

~マイハウス リビング~

 

あれから、食事を終えたドール達はリビングで何かしらの飲み物を飲みながら、義手について話し合っていた。

 

「閃華、義手を作るのに、ちょっと時間がかかりそうなんだ。主に材料の問題で」

 

ドールがそう言うと、絆が、

 

「ドールなら草からでも作れた気がしたけど、鉄の方がいいの?」

 

と言いながら、ドールの方をジーッっと見る。

 

「流石に草は無理だ。木とかに比べると、圧倒的に耐えられる魔力の量と質が違う」

 

ドールは絆にそう返すと、閃華の方を向き、

 

「でもまあ、できないって訳でもないんだ、だから、閃華に前もって聞いておきたくてな」

 

と言いながら、木材を取り出し、説明し始める。

 

「まずは木材、これは、魔力が多く込められないが、簡単に作れるし、なにより軽いが、

 

魔力が少ないから、動作が少し遅くなる」

 

次に、ドールは鉄を取り出し、

 

「次は鉄、魔力を多く込められないが、作るのにも難易度が高く、重い、ただし、動作が速くなる」

 

そう言うと、ドールは二つを机の上に置き、

 

「動作に関して言うなら、予備の木製の義足があるから、足だけなら確認できる。やるか?」

 

と言い、木製の義足を取り出す。

 

「えっと、それじゃあ少しだけ」

 

閃華はそう言うと、(食事中に説明を受けた通りに)鉄製の義足を取り外し、木製の義足を付ける。

 

「あれ?なんだか違和感が・・・」

 

閃華はそう言いながらに首をかしげる。

 

「それじゃあ、立ち上がってみろ」

 

ドールがそう言うと、閃華はうなずいたあとに立ち上がろうとして、バランスを崩して、片手を地面についてしまう。

 

「あれ?なんでバランスを崩しちゃったんだろう」

 

閃華は、自分がなぜバランスを崩してしまったのか分からず、

 

困惑しているようだったが、そこでドールの説明が入る。

 

「閃華は今、なんでバランスを崩したのか分からない状態だろうから説明するが、

 

そこで、さっき説明した動作の遅さが大きく関わってくるんだ」

 

そう言うと、ドールは黒い板と白い石を取り出し、人の絵の様なものを書きながら詳しく説明していく。

 

「まず、人の行動する時の実際に動かせる速さを1とする。

 

次に、木材に伝わるのが、それに比べて遅い2とする。

 

そうすると、動作を行うにも、1~2という差が生まれてしまう。

 

そうなると、必然的に、バランスを崩しやすく、更に、動きにくくなってしまう、と言うのが原因だ。

 

それに比べると、鉄の方が、1,2っていう、動作の誤差が少ないからバランスを崩しにくいんだ」

 

ドールの説明を聞き、閃華はうなずいたあとに、

 

「つまり、動かすときにうまれる差のせいで、バランスを崩しやすくなってるんですね?」

 

と、自分にわかりやすいようにまとめると、立ち上がり、椅子に座ったあとに、義足を取り替える。

 

「それで、義手は鉄が貯まるまで待つか?」

 

ドールはそう聞くと、閃華は、

 

「はい、お願いできますか?」

 

と言いながら、無い方の腕の付け根に手を当てるのだった。



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十六ページ目 冒険者ギルドにて

~冒険者ギルド~

 

ドール達は、冒険者登録をするために、冒険者ギルドに来ていた。周りを見れば、様々な武器を持つものがいる。

 

「さてと、とりあえず受付まで行くか」

 

閃華が、あまりの人の多さに怯えているのか、動かないのを見て、ドールはそう言うと、閃華の手をひく。

 

「それじゃあ私はこっち!」

 

そんな二人を見て、絆は、ドールの閃華の手を繋いでいないほうの手を握る。

 

「全く、ほら、早くいくぞ?」

 

ドールはそう言うと、そのままの状態で受け付けにいく。

 

すると、そこには一人の困っている女性と、その女性の前で、なにやら文句を言っている男が居た。

 

「なぁ、聞いてくれよぉ、この間パーティー組んだやつがよぅ、

 

回復魔法使えるくせに、一切回復してくれねぇんだよ」

 

「そんなこと言われても困りますよ。ここはお悩み相談なんてやってないですから!」

 

「あぁ?そんなこと言ったって、どうせ暇なんだろぉ?冒険者になりたがるやつなんて、この頃いやしねぇんだから」

 

男のその言葉をきき、女性は、

 

「それだけだったら本当に文句なんて言いませんよ!こっちは書類仕事だって溜まってるんですから!

 

て言うかいい加減そこをどけや!」

 

と言って、男を遠くに殴り飛ばす。そして、その方向には、止めようか悩んでいたドールがいて、

 

ドールは咄嗟に、男の急所を蹴り、そのまま天井すれすれまで男を飛ばしたあと、入り口に向けて再び蹴る。

 

「だぁ~びっくりした。受付さん、流石に、新人になりたいやつがいるときに、その行動はまずいと思いますよ?」

 

ドールがそう言うと、受付の女性は、ピクリと反応したあと、

 

「す、すみません!この頃、冒険者になろうとする人が少なくって、並んで待っている人が、

 

大抵さっきみたいな人だから、そのまま投げてしまいました!」

 

と言いながら、ドール達に謝罪する。

 

「いや、まあ問題はないんだが、とりあえず、登録出来るかな?」

 

ドールはそう言いながら、受付の近くに、二人を連れて歩いていく。

 

「はい!それでは、この玉に触れてもらえますか?」

 

受付の女性は、そんなドール達を見ながら、紫色の玉を取り出す。

 

「それと、とりあえずこの玉の説明をさせていただきますね。

 

この玉の名前は鑑定球(かんていきゅう)、触れた人物のステータスや能力を見ることからそう言われています。

 

この玉で出る物は、ステータス、その人物の持っている特殊な能力、犯罪を犯したかどうかの三つに分けられます。

 

なお、ステータスプレートと言うものがあり、そちらのほうは、触れたときに私の方から渡させていただきます。

 

なにか他に、聞きたいことなどはございますか?」

 

受付の女性が言い終わったタイミングで、ドールは、

 

「そう言えば、これって他人に見せることってあるのか?」

 

と、受付の女性に聞く。受付の女性はそれにたいして、

 

「いえ、確認できるのは本人だけです。パーティーを組むときは、場合によっては見せることがあります。

 

また、その場合でも、能力だけは見られません。能力に関しては、自分自身で言わない限り問題はありません

 

不安だと言うのなら、今実際にやって見せましょうか?」

 

受付の女性はそう言うと、鑑定球に手を置く。

 

「まぁ、私はもうすでにステータスプレートは持ってるんですがね。ほら」

 

鑑定球が薄く光ったが、反応はそこで終わり、受付の女性は、ポケットからステータスプレートを取り出して見せる。

 

そこには、

 

名前 空野 鈴(そらのすず)

 

体力 1.000.000.000.000\100.000.000.000.000

 

筋力 測定不能

 

器用度 測定不能

 

視力 右 3.0 左 3.0

 

魔法攻撃力 測定不能

 

魔法防御力 測定不能

 

素早さ 測定不能

 

魔力量 999.999\999.999.999.999

 

という風に表記されていた。




はい、最後の最後で変なの出てきましたね。あの人のお話は次回をお楽しみにと言うことで!


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十七ページ目 ステータスプレート

はい、もう本格的にサブタイが雑ですね。


~冒険者ギルド~

 

鈴のステータスプレートを見たドール達は、あり得ないものを見るような目で鈴のほうを見る。

 

「なにさその目は、言っておくけど、私は人間だからね?勇者と旅していただけの、ただの人間だからね?」

 

鈴の言葉に、ドールは我にかえると、

 

「なんでこんな所で普通に働いてるの!?」

 

と、思わず叫ぶが、鈴はそんなドールを見て苦笑いを浮かべたあと、

 

「なんか皆そんな反応するから少しつまらないね。

 

そんなの、勇者は殺されて、命からがら生き残った私が、もう危ないことに手を出したくないからよ。

 

魔神クラスなんて次見たら全力で逃げ出すわ」

 

と、なにを当たり前のことをと言うようにドールに話しかける。

 

そしてそれを聞いたドールは、

 

「・・・それもそうか。ちなみに、その魔神クラスのやつって、中央の森にいる、鬼のことか?」

 

と、少し落ち着いた口調で、自身の記憶にある情報を引っ張り出し、鈴に話しかける。

 

「・・・よく中央にいるって知ってるね。

 

まだその情報を知ってるのは少ないと思うんだけどな。

 

でも、うん、まぁ、そいつだよ・・・」

 

鈴は、悲しそうな表情で、少し下を向きながら、ドールの言葉に反応する。

 

「・・・なあ、もしかしたら知ってるかも知れないから聞いておきたいんだが」

 

ドールがそう切り出すと、なんのことかと、鈴はドールの方を向き、

 

「魔神クラスの魔物って、中央にいるのだけじゃないって知ってるか?そして、中央の奴が一番弱いことも」

 

直後、かなり驚いたような顔になった鈴は、ドールに聞こうとして、

 

「すまんが、詳しくは言えないから却下で。それと、ステータスプレートを三枚くれ。ついてこれてない二人の分な」

 

と、質問される前に、断るドールに、苦笑いをしながら、鈴はステータスプレートを三枚渡し、

 

「まあ、気が向いたら教えてよ。そしたら、それに関しての情報料って事で、色々と手助けも出来るしね!」

 

と言うと、立ち上がり、

 

「それじゃあ、私はもう帰るから、あとのことはよろしく!」

 

と言い、そのまま外に出ていく。片手には、紅い表紙の本を持っていた。

 

「・・・あれ私服だったのか。じゃねえや、おーい、二人の方は、ステータスプレート、どうなった?」

 

ドールがそう言いながら、二人の方を向く。

 

「うん、ちゃんと表示されてるよ。ほら」

 

絆はそう言うと、ステータスプレートを見せてくる。そこには、

 

名前 包合 絆

 

体力 100.000\100.000

 

筋力 50

 

器用度 100

 

視力 右 2.5 左 2.6

 

魔法攻撃力 500.000

 

魔法防御力 エラー

 

魔力 エラー

 

と、表記されていた。

 

「ふむ、やっぱり、絆のステータスは一部おかしいな、魔力が特に」

 

ドールがそう言うと、絆は苦笑いをしながら、

 

「でも、ドールはもっと酷いでしょ?色々と」

 

と言いながら、ドールのステータスプレートを見る。

 

名前 ドール

 

体力 ?\?

 

筋力 900.000.000.000.000

 

器用度 800.000

 

視力 (制限)右 4.0 (制限)左 4.0

 

魔法攻撃 100

 

魔法防御 900.000.000.000

 

魔力 100.000

 

(封印中)殺傷力 エラー

 

「うん、やっぱりおかしいね。て言うか、最後のこの欄何なの?物騒だよね」

 

ドールは頬をかきながら、

 

「やっぱり不味いよなぁ、どうにか隠蔽しておかないと」

 

ドールが小声でそう言っていると、閃華が口を開き、

 

「ドールさん、この未来確定の魔眼と、善悪を見分ける聖眼、未来を確認する邪眼ってなんですか?」

 

と、二人の対して聞く。

 

「なっ、そのスキルって」

 

ドールが驚きながら絆の方を向くと、絆は頷き、

 

「閃華ちゃん、絶対に私達以外にその眼のことと、それ以外のスキルを言っちゃ駄目だよ?

 

場合によっては、世界が敵になるかもしれないからね?」

 

と、閃華に向かって話ながら、そのまま閃華の手を繋ぎ歩き始める。

 

ドールは閃華のもう片方の手を取ると、そのまま一緒に歩き始めるのだった。

 

なにかを考えた様子で・・・




感想、誤字脱字、それ以外にもなんかここおかしいだろ!

とかありましたら、どんどん言ってください。出来る限り直します。


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十八ページ目 とりあえず昼食食べてから考えよう

久しぶりに投稿。


~マイハウス~

 

「というわけでお昼作って」

 

これが家に帰った直後の絆の一言。

 

ちなみに時刻は十一時五十分である。

 

そして朝食は七時ごろである。おなかが減ってもおかしくはない。

 

「何がというわけなのか詳しく聞かせろ」

 

「あの、たぶんもうそろそろ十二時だからだと思います」

 

「正解だよ閃華ちゃん!鈴ちゃんと話してたからもうお昼を作り始めていいころだよ!」

 

「ちゃんずけしてやるなよ!これでもあの人お前より年上だぞ!?せめてさんにしろ!」

 

「フッフッフ、そこは抜け目なしですよ。許可はとったからね!」

 

本人いわく堅苦しいのが嫌いらしい。

 

まぁ、本人が許可したならもはやなにも言うまい。

 

「はぁ、それじゃあ作ってくるが、なにか要望はあるか?」

 

「じゃあおにぎりで!」

 

「了解、具はなにがいい?閃華もなにか食べたいのあれば言ってくれ」

 

そういいながら、ドールは調理場のドアを開ける。

 

「え?えぇっと、鮭でお願いします」

 

「私ツナマヨ!あれおいしいし!」

 

「はいよ。そんじゃ、しばらくまってな」

 

二人の注文を聞き、ドールは厨房に入っていくのであった。

 

~料理中~

 

「できたぞ。結構作ったから、焦らずに食えよ。

 

味は鮭とツナマヨと昆布とウィンナーだな」

 

そういいながら、ドールは三つの皿を持って厨房から出てくる。

 

「思ったのですが、一体どこからこれだけの食材を出しているのでしょうか」

 

「気にしてはいけないぞ。七不思議みたいなものだと思っておけばいい。

 

もっとも、それほど多くあるわけではないがな」

 

とても大きな嘘である。食用の動植物がかなり多くある。

 

動物は、各十頭ずつ、野菜などは、十ダースほどある。

 

とはいっても、あくまで現在食べられるように加工されてるのが、という意味だが。

 

加工されてないのはそれにプラスして各二十頭分ほどである。

 

野菜は増えない。だって畑がないですから。種とクワとジョウロあるから、

 

作ろうと思えば作れるけれど。

 

閑話休題

 

「まあ、気にせず食べるといい。ほら、そこのやつみたいに」

 

「え?」

 

ドールが指さした方を見た閃華は、

 

「んむ?」モキュモキュ

 

小さく首をかしげながらお握りを頬張る絆を見る。

 

「というか絆、おまえ、きちんといただきますはしただろうな?」

 

ドールは絆を見ながらそう尋ねる。絆は食べているものを飲み込むと、

 

「なにいってるのさ、言わないとごはん抜きにされるんだから、当然言うって」

 

と答える。本人、一回それでごはんが出てこなくってガチ泣きしたため、

 

記憶に濃く残っているのだろう。

 

「ならいいがな。それじゃあまぁ、俺たちも食おうか」

 

「はい」

 

そういって、二人は手を合わせると、

 

「「いただきます」」

 

といって、それぞれ食べ始めるのだった。



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女神と召使いの転生物語 外伝
外伝 一ページ目 青髪青目の女性


貴族の屋敷のその後のお話です。


~とある貴族の屋敷~

 

そこには、騒ぎを聞き付けた騎士達が、何事かと集まり、突入しようとしていた。

 

その中に一人だけいる赤髪赤目の女性は、何かを待つように腕を組み、

 

「全く、あいつはまだこないのか。先程ここに来るように言っただろうに」

 

と言うと、組んでいた手をおろし、騎士達の中から出ていく。

 

「すみません香火(こうか)さん!遅れてしまいました!」

 

直後、先程まで待っていた女性の声が聞こえ、香火は、そう言った青髪青目の女性に向けて、容赦なく殴りかかる。

 

「ちょ、まっ」

 

香火の拳をかわしきれず、思い切り顔面に拳をくらった青髪青目の女性は、顔をおさえながら、

 

「痛いですよー!酷いじゃないですか!」

 

と、香火に向けて抗議するが、

 

「ほう?ならば集合時間にこれなかった理由を聞こうじゃないか。なぁ、蒼華(そうか)」

 

と言いながら、蒼華の事を睨む香火に、一瞬ビクッとなり、

 

「そ、それはその・・・香火さんを探すのに迷ったと言いますか、人が多くいる場所にいくとばれると言いますか」

 

と、小さな声で言い訳のようなものを始めるが、香火は頷くと、蒼華を立たせた後に、

 

「まあたしかに、お前の場合、ばれると面倒なのは確かだな」

 

と、あきれ半分と言うように小さい声で蒼華に話す。

 

「え、えへへ、まあね。っと、それよりで、状況は?」

 

「そうだな、いまから説明するはずだが、取り敢えず私が知っている範囲で話そう」

 

香火がそう言うと、蒼華も真面目そうな顔で香火のほうを見る。

 

「いまから十分ほど前、この屋敷のほうから、魔物のような叫び声がしたと、近くに居た騎士達に連絡があった

 

そして、騎士達がかけつけてみると、その屋敷の庭に、バラバラ、いや、粉々といった方がいいか?

 

まあ、そんな門番の死体が放置されていた。それも、かなり新しいものだ」

 

蒼華はそれを聞くと、何かを考えたあと、

 

「それは、もしかして、魔物が屋敷の中に侵入したときの死体なのかな?

 

でも、魔物がそんなこと出来るだけの知能は無いはず」

 

と言うと、更に考え、一つの答えを見つけ、まさかそんなはずはないと、首を横に振って、その考えを捨てる。

 

そんな蒼華の動きを見ていた香火は、こいつは何をしているんだと言わんがばかりの目で見るが、

 

「まあ、その考えを持った者も多く居たが、全員が全員、そのあとにそんなはずはないと行っていたらしいぞ?」

 

と言い、屋敷のほうを見る。

 

「なにせ、ここ一年間、この街に魔物が出たことなど、一回も無いからな」

 

と言いながら、笑みを浮かべる。

 

「突撃ー!」

 

どうやら、二人が話している間にも、説明が終わってしまったらしく、騎士達が屋敷に入っていく。

 

「蒼華!私達も「探索終わりました!」はやっ!」

 

それから数秒もしていないが、騎士達がぞろぞろと中から出てくる。

 

「一部屋だけ、魔法陣と、大量の死体があったことなどから、集魂の儀式が行われていたのだと思われます!」

 

「さらに、その部屋の中でオーガの死体が見つかりました!

 

おそらく、これが魔物のような叫び声の原因だと思われます!」

 

「オーガの死体は、打撃跡と、オーガの手の大きさにあわないことから、

 

何者かによって殴り殺されたのだと思われます!」

 

騎士達は、それぞれ別々の報告を上げていく。

 

そんな光景を見ていた香火は、蒼華がいなくなっていた事に気付かなかった。

 

~その頃の蒼華~

 

それは、石造りの部屋だった。その部屋で、オーガの死体を見た蒼華は、

 

「やっぱり、この手のサイズ、昔、ぼこぼこにされてた私の従者についてたのと同じくらいだね」

 

と言いながら、拳の跡を見る。

 

「この跡は・・・双撃かな?て言うことは、絆達も来てるのかな?なら、楽しみだな♪」

 

蒼華はそう言うと、スキップしながら外に出ていくのだった。




蒼華は今後、本編に確実に絡んできます。

これから先も、本編のその後の出来事を、このような形であげると思います。


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