Smile to again~笑顔をもう一度~ (ものぐさ レオ)
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第壱話 「変?」
瑞樹レオです。
この小説は約3年前に書いていたもので、今回はそれに手直しを入れながら投稿していこうと思います。
それでは、どうぞ!
青空の中に光る太陽の日差しを感じながら、二人の少女は登校する。
「ねえ、やっぱりこの学校…普通とは違う気がするんだけど」
「はい?変…といいますと?」
「え、嘘!
「??」
頭上にたくさんの『?』を浮かべ苦笑いをするのは、
「いい?まず、学園の名前の中に『時代』って入ってるのが何かひっかかる!そんなのわざわざ学園名に入れるものなの?それから、何と言ってもこの校舎!ザ・和風って感じなんですけど!なのに、建物内は普通に洋風っていうね。はじめて来た時は『はあ!?』ってなったよ」
一気に言いたいことを言ってので、呼吸が荒くなっている隣の友人に笑美里は優しく微笑みかける。
「この数日間でそんなにたくさん思うことがあったのですね。ですが、姫ちゃん。学園名も校舎も、もう変えようのないものですから、わたくしたちがあれこれ言っても仕方がないのではないでしょうか?それよりも、わたくしは学園の良いところを見つけてみたいです」
「笑美里、なんかズレてるよ?…まあ、でもそうだよね。悪いところより良いところを見つけるほうが良いよね」
二人は笑いあった。
そうこうしているうちに昇降口まで来ていた二人は、そこで立ち止まった。
「姫ちゃん?靴箱はこちらですよ」
「あー、ごめんごめん。クラスの確認してた。たまにあるんだよねー、ド忘れ」
あはは、と笑いながら笑美里のところまで駆け寄る姫奈。
「分かります。ありますよね、そういうことって」
「一応確認しとくね。あたしが1年E組で、笑美里がA組だよね」
「はい、あってます。明日からは確認しなくても入れるといいですね」
「うん、そうだね。あっ、あたしこっちだから!じゃあね!」
大きく手を振る姫奈を笑美里は何か言いたげな目で見つめる。
「ん?どうしたの?」
「あ、いえ!なんでもありません」
笑美里は、慌てたように首を横にブンブンと振った。
姫奈の後姿を見えなくなるまでじっと見ていた笑美里は、ゆっくりとうつむいた。
「わたくしにとって姫ちゃんは、かけがえのない存在。ですが、姫ちゃんはわたくしのことをどう思っているのでしょう…。姫ちゃんはどなたに対しても優しい。それはとても素晴らしいことですのに、どうしてわたくしは『嫉妬』などという醜い感情を持ってしまうのでしょう…」
はい、これで第壱話終了です。
短くなってしまい、すみません!
でも、実はこの壱話、1018文字なのですが、3年前に書いたものを見ると、B5サイズのノートに大きな字で11行しか書いてなかったんです。
頑張って引き伸ばしてみました!
どうしても会話が多くなってしまいがちなのですが、そこらへんは大目に見ていただければと思います。
皆さま、今後とも私、瑞樹レオをよろしくお願いいたします。
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