アナザーストーリー〜トラウマの原因をぶち壊したら、その世界はどうなるか。 (袖野 霧亜)
しおりを挟む

霧亜からのお知らせとプロローグ的なアレ。

待たせたな! そして皆様! なんと本編が1000文字を越えてないため一時的に非公開とされていました! 申し訳ありません! てか知りませんでした! これから気をつけます!

つーわけでこっちに霧亜からの報告載せときますね。これで文句言われたら何も言えねぇ。また書き直しになるな。


 えー、おはこんばんにちわ袖野霧亜です。元から知ってるわカスという方はありがとうございます。てめぇなんか知らねぇよクズがという方は初めまして。さて、このお話は現在俺が書いている「トラウマの原因が覆されたら、その世界はどうなるか。」のアナザーストーリーです。かおりがヒロインではなく、オリキャラである三木美咲ちゃんがヒロインで、まぁ「トラウマ(ry」と今作の相違点は───、

 一、美咲がかおりより先に八幡と接触している。

 一、八折じゃなくて八オリ。

 一、美咲ちゃんの距離の詰め方。

 一、かおりと千佳が若干放置。

 一、美咲ちゃんが好きになってきた俺氏。

 ………うーん、とりあえずこんなもんか。え? なんでこんなことを書いてるのかって? まぁなんでかって聞かれるとアレだな。特に理由は無いよ。でも、上のやつを使って俺が今後どんな感じで書いていくのか予想するのは楽しくない? もし合ってたら「いぃぃぃぃよっっっっっっっしゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」ってなるし、違っても「うわぁー! こういう流れだったかー!」っていう感じにもなるし。俺も他の作品でこれやっててね、意外と楽しいからぜひ皆にもやってもらいたかったんだよね。ん? 最後のやつはいらなくないか? だって? うっせぇんだよどシロートが! あ、待って殴ろうとしないでブラウザバックしないで待ってごめんなさい許して何でもしないから! まぁとりあえず俺が美咲ちゃん好きなのわかっててほしいわけ。OK?

 さて、この作品での隼人の立ち位置を一応念のため言っておくよ。

 ハ ヤ × ハ チ は ね ぇ か ら な !

 いや、「トラウマ(ry」書いてる時もホモ展開くるか!? っていうコメントが結構あったからとりあえず言っておくよ。いやマジでなんであんなくるの? って思ったもん。まぁモブ(♂)を八幡に告白させたから来るのは当然だと俺も思うよ? でもまさか『はやはちキマシタワー(ブハァ)』なんてコメが来るとは思ってもなかったんで(ちょっと誇大表現してます)………。まぁ隼人は二次創作だと報われない感じや悪役がありますからね、いい感じにしてあげたいのですよ。一応言っておくけど俺は原作キャラで嫌いなキャラはいないから。アンチモノとか書けません(キリッ)。

 んー、とりあえず自己紹介やら今後の予定は以上だね。じゃあ中学生編を少し書いちゃおうか。てか皆もこっちの方が見たいだろ? 小学生編は「トラウマ(ry」を読んでね。回顧←この漢字があるやつだから。

 それでは皆々様、大変長らくお待たせいたしました。これより始まりますは「Another Story〜そもそもトラウマの原因をぶち壊したら、その世界はどうなるか」です。ごゆるりとお楽しみください。


「………不幸だ」

 

 ポツリとこぼしてしまった独り言。俺、比企谷八幡は嘆いていた。現在中学の新入生の俺なんだが、まー俺が小学生の頃にやらかした噂がそよ風が吹くがごとく広まっていった。よってこの学校でもボッチは確定した。あ、そうそう。スマホでとあるアプリを入れてボッチってうとうとすると「僕がいるさ by ○imeji」って出てくんだけどあれなかなかイライラするよね。俺は好きでボッチじゃねぇんだぞ? 見る度に心がガリガリ削れていくのがわかる。もうアレだ。鉄球でガラスコップを砕く感じだな。削ってねぇじゃん粉砕! 玉砕! 大喝采! って感じじゃん。○イバコーポレーションの社長の海○さんかよ。青眼の白龍でフィーバーしてんじゃねぇか。あ、わからない? 大丈夫俺もわからないから。

 

 今俺は学校の席でぼんやりと本を読んでいる。読書はいいぞ。1人で居ても別に何も言われないし惨めな思いはしないからな! その代わり誰からも話しかけられないけどさっきも言った通り俺はボッチだからマイナス要素がない。やはり俺の読書をするのは間違っていないんだ!

 

『何アイツスゴいニヤニヤしてるんだけど』

 

『うわ〜。気持ち悪いね』

 

『仕方ない。ひ、ひ、ひー? ヒキニク君だもん』

 

 ちょっと? 普通にに俺に聞こえるように言わないでくれる? 気持ち悪いのはわかったけどヒキニクって何? ハンバーグにされちゃうの? あ、今日の晩ご飯ハンバーグにするか。まだお天道様が天辺にいるのに晩ご飯の話するなんて八幡ってば食いしん坊さんね! はい気持ち悪い。こんな事考えたり1人でにやぁと笑うから怖がられるんだよ。怖がられてるんじゃなくて気持ち悪がられているじゃないのかと聞かれれば気にするなとしか言いようがないね。いやほら、怖いって言われるより気持ち悪いって言われた方が傷つくじゃん? あ、知らない? そうですか………。

 

 しかし俺も甘かったな。まさか小3の出来事がここまでズルズルと引きずってくるなんて思ってもみなかったしぶっちゃけると小5くらいで収まるかなとか思ったりしてた。もうこのまま中学でもボッチ確定だな。

 

 はぁ………。もういいや、帰りになんか面白そうな本探して帰ろ。どうせ他にお金の使い道ないだろうしな。妹に貢ぐ以外は。あ、ついでになんか買ってってやるか。晩ご飯の買い物もしないとならんしな。

 

 その日俺はラノベという存在に出会い、これからの学校生活が変わっていくことを俺はまだ知るわけがなかった。




お気に入り登録と感想、投票してくれると嬉しいな♪お願い☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

やはり俺が文化祭準備をサボるのは間違っていない。

おーまたー。いやー、ごめんねー遅くなっちゃって〜。土日にフルで入ってたから書く気力が無くてね。まぁアレだ。金欠気味だったからバイト入れないとさ、ね?

とりあえず来週までに出さなきゃいけないレポートと次の週からテスト始まるんでまた遅くなります(›´ω`‹ )

んじゃまぁ続きださっさと読めぇ! 


 入学してから早半年、授業を無くした代わりに文化祭の準備にてんやわんやな教室を抜け出し屋上に続く扉の横で読書タイムへ突入する。抜け出してもいいのかだって? どうせ知ってるか? 俺が読んだラノベの中にこんな名言がある。「バレなきゃ犯罪じゃないんですよ」だ。つまり俺はバレないように抜け出してここまで来たのだ。後はチャイムが成ったらなんてことないように教室に入れば問題ない。

 

 あ、ちなみに今読んでいるのはライトノベルだ。半年前にたまたま目に付いた本が気になり読み始めたところどっぷりとはまってしまい家にいる時はだいたい読んでいるほどだ。学校じゃ普通の小説だけどな。ラノベは絶対に持ってこない。もし学校で無くしたりしたら死ぬか不登校になるレベルにまでラノベにはまっている。もうオタクでもいいよ。今の俺を見てそう思うなら。

 

 しかし今なぜ絶対に持ってこないと宣言していたのにもかかわらずラノベを読んでいるのかというと、これは別に俺のではないからだ。あ、違うよ? ただ図書室で借りただけだからね? 決して盗んだわけじゃないからな!

 

 おっと、ようやく主人公が動き始めたか。この主人公やる時はやってくれるんだけどやり始めるのが致命的なまでに遅いんだよな。来た時には仲間が半死状態になりかけてるし。あれ? それ遅すぎない? コイツ本当に主人公なん? なんて思いつつ1行1行ねっとり、じゃなくてじっくり読むか。

 

「…………」

 

 静かな場所はいい。ほんのりと雑音が混じっているがこれはこれでなかなか風情がある。静かすぎずうるさすぎず、このひと時は俺は割と好きだ。考えてみろ、自分の近くでギャーギャーと猿みたいに騒がれたらどうだ? 集中も読む気も失せる。静かすぎると寂しい気持ちになる。読む本によってはいいかもしれないが明るい感じの本の場合気分が上がらない。まぁ持論のため皆が皆当てはまるとは思わないがな。

 

 

 

 しばらく読み続けていると授業を終える鐘が鳴る。ふぅ、いい具合に集中して読めた───

 

「なっ!?」

 

「?」

 

 いつの間にか俺の前に見知らぬ女の子がいた。え、ナニコレどういう状況?

 

「………」

 

 ちょっと、いつまでも無口でいないで何か喋ってくださいよ。あれ? もしかしてこれは置物なの? んなわけないか。ていうかこれは俺から話しかけないと物語が進まないっていうヤツ? おい早く丸ボタン押せよ。なんならスキップ押してもいいから。………まぁ特に何も変わるわけねぇよな。なら覚悟を決めて話しかけるか。

 

「あ、あにょ、どちらしゃまでしょうか?」

 

 あ、噛んだ。盛大に噛んだな。し、仕方ないだろ? まともに人と話すのは妹を除いて数年ぶりなんだから!

 

「同じクラスの者です」

 

 お? まさかの引きも嫌な顔もされずに返してくれたぞ? これは八幡的にポイント高い! いつどこで使えるかわかんねーけど。

 

「いつからそこにいたんだ?」

 

「その本の主人公が出てきた時くらいから」

 

 結構最初っからいたんですねわかります。てかそんな前からいたのに気付かなかったのか。逆にすごくない? 俺の集中力。

 

「つーか授業中、というか文化祭の準備中だったろ? サボりか?」

 

「少なくとも私より先に教室を抜け出してここでサボっていたサボり谷君には言われたくないね。あぁ、妬ましい。君くらい存在感なければ簡単に抜け出せたのに」

 

 なんか目線がキツいが多少優越感を覚える。ふははははは! ねぇ、どんな気持ち? ねぇねぇ、どんな気持ち? NDK? NDK?

 

 あれ? その前にサボり谷君ってなに? ちゃんと比企谷って呼んでくれない? まぁ俺もクラスのヤツの名前覚えてないしクラスのヤツらはヒキニクとかヒキガエルで覚えているからお互い様だよな。え、そんなわけないって? そーなのかー。

 

「まぁいいや。とりあえず教室をに戻ろう。いい加減戻らないとバレそうだし」

 

 と脳内で考え事を完結しているとそう言われた。しかしコイツと一緒に戻るわけにはいかないためトイレに一時避難しよう。終わった直後にトイレに行っていた体で戻れば問題ないだろう。まぁ俺の場合そもそも普通に戻っても特に問題ないがな。どうせ無視されるのがオチだろ。

 

「そうか、君はトイレで時間を潰すんだね。私と一緒に戻らないように、時間を潰す目的で」

 

 えー、なんでわかんだよ。

 

「そして君は次に『エスパーかよコイツ』と思うだろう」

 

 エスパーかよコイツ………はっ!?

 

「な、なぜわかった?」

 

「私だからかな?」

 

 コテンと首を傾げる。元がかわいいためか不快感がない。前にクラスのヤツがやっていたのをうっかり見たことがあったがあれはもう金を積まれても見たくないほどのものだった。うっかり俺の席が酸っぱい匂いを発するところだったな。

 

「その本の感想を聞きたかったけど仕方ないね。君は余り目立ちたくないみたいだし。それじゃまた」

 

 そう言うと俺に背を向けて階段を降っていった。………何だったんだ? 同じクラスって言っていたがご存知の通りクラスのヤツの名前覚えてないため知らない。まぁいいだろ。どうせもう関わることは無いんだからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう思っていた時期が、俺にもありました。




読んでくれてありがとう! お気に入り登録と感想、投票してくれると嬉しいな☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

やはり俺が屋上扉前の踊り場で暇潰しするのは間違っていない。

美咲「………」

霧亜「………あ、あの、美咲ー、ちゃん?」

美咲「………ずるい」

霧亜「はい?」

美咲「なんでかおりは比企谷とイチャイチャしてたのに私は未だに名前も知らないただの赤の他人のままなの? 私言ったはずだよね? 早く比企谷とイチャラブチュッチュしたい、って」

霧亜「落ち着け、俺はそんなチュッチュさせるつもりないぞ。イチャイチャくらいはさせるが」

美咲「まさかの超純愛系とかに行く気じゃないよね? 一切ちゅーも無いとかだったりするの? もう比企谷だけを連れて他の世界に逃げ込みたいんだけど」

霧亜「それは彼に頼んでね。とりあえず今回少し進展させておいたから。後は君の努力次第だ!」

美咲「いや、作者の頑張り次第だと、」

霧亜「おっと、君はほっておくとすぐにメタイ話に持っていこうとするね。八幡がNTRるような作品書くよ? もちろん君がヒロインで」

美咲「………」

霧亜「わかった、わかったから無言で土下座しないで僕が悪かったよ!」

美咲「ぐすっ、ひ、比企谷、に、酷いこと、ひっく、しないでね?」

霧亜「………出番だ未来の八幡!」

八幡「へ? どこここ? ていうかアンタ誰?」

霧亜「あー、えーっとね………それよりもそこに美咲ちゃんいるから! 後はよろしく!」

八幡「え、ちょ、………行っちまったか。んで、何泣いてんだよ」

美咲「ひ、比企谷?」

八幡「なんで苗字呼びなんだ?」

霧亜(あー、ゴメンゴメン。その子は時間軸で言うと中学2年生の時の美咲ちゃんだから。後は………わかるよね?)

八幡(こ、コイツ! 直接脳内に!? じゃなくて、は? 何なんこれ。夢?)

霧亜(まぁ夢だと思ってくれていいよ。とりあえず美咲ちゃんをあやしてくれないかな? いや、原因は俺にあるけど君がやってくれた方が早そうだし)

八幡(責任を俺に押し付けんなよ………。しょうがねぇな)

美咲「ん、ひき、がや?」

八幡「おう。悪いな、俺にはこれくらいしか出来ないからな」

美咲「………頭撫でるだけ?」

八幡「ま、まぁそこは許してくれ。俺からはこれ以上の行為を自分からするのは無理そうだ」

美咲「………それは私からしにいけば受け入れるって意味だよね」

八幡「………好きにしろ」

美咲「………うん、やっぱり比企谷は捻デレさんだね」

八幡「うっせ」

霧亜(いやー、やっぱり八幡に任せて正解だったわ。さてさーて、俺もそろそろ引き上げるか………ってもう1000文字近いんですが。バカだねぇ俺も。それじゃあ皆さま長らくお待たせいたしました。これを書く前まで悪夢にうなされていた男が書き上げましたそれではどうぞ!)



(ちなみに内容は家族がゾンビ化して自分に襲いかかってくるっていうのを何度もループする、というものでした。かなり怖かったです。家族殺してもダメ、俺が死んでもダメ、外に出ようとしてもダメ。止めようぜマジで。)


 

 あの日から時は流れて文化祭当日。俺はついにクラスの出し物でシフトを割り振られなかった。まるでこのクラスに比企谷八幡なんていう人物がいないかのように。あれ? 俺の認識阻害スキル強すぎやしません? ああ神よ、私にどのような試練を言い渡すおつもりですか。どうして私めをこれからもボッチであることを強いるのですか。しかしこの傲慢たる八幡、このような試練をも打ち砕きましょう。

 ………1人で何してんだアホくせぇ。まぁ特にこの文化祭で行きたい所とか小町や母ちゃんが来るわけでもないから暇なんだよな。しょうがねぇな、またいつもの所で読書するか。今は文化祭で立ち入り禁止になっているはずだから誰も来ないだろう。つまり今の俺には格好のベストプレイスなのだ。しかしそこに行く前に昼メシを確保しなければならない。文化祭と称して親から昼メシ代は貰っていてチョロまかして俺のポケットに仕舞うのもいいが成長期に食事抜きはいけない、と思う。ていうか腹空かせて読書に集中出来ないなんてことがあったら本末転倒なのでしっかりと食べることにすっか。

 

 

 

「ふぅ、やっぱりここはヒンヤリしてるな」

 

 夏のような暑さはどこかに行ってしまい、ここでの読書もしやすくなってきた。たまに寝ちまうこともあって何度午後の授業に遅れそうになったことか。しかし俺は悪くない、悪いのはこの快適空間だ。………嘘ですごめんなさい俺が悪いから今後もここにいさせてくれ。

 何故か謝らなくてはいけない感じがして即座に謝ったが何だったんだ? ま、まさか誰かが俺のことを見ていて心を読んでいたのか!? ンなわけ無いですよね。いかん、最近ラノベに影響を受けてこういう考えが増えてきがするぞ。アレだろ、たしか世間一般でいう中二病というやつだろ? アレにはならないよう気をつけねぇとな。ただでさえ今終わってる立ち位置にいるんだ。それを教室で「ぐ、ぐあぁぁぁぁ! お、俺の右手に封印されし邪竜が、目覚めようとしているっ!」なんて言い始めた日にはもうこの学校での居場所なくなって引きこもりになるだろうな。ちなみに今の俺の居場所はこの空間と自分の机だ。いつも快眠をありがとう、と感謝の意を込めつつ扉の横にもたれかかるように座る。さてと、まだ時間はたっぷりあるからな。今日はミステリー系の読むとするか。たっぷり時間があるから自分で謎解きしながら読むとするか。じっちゃんの名にかけて! てな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ん、ん? あ、寝ちまってたか」

 

 高校名探偵よろしく謎を解きながら読み進んでいたがどうやら眠ってしまったらしい。ふむ、まだ窓から明かりが差し込んでいることからうたた寝レベルでの睡眠かな? つーかまだ下でガヤガヤしてるしまだ終わってないのだろう。

 

「まぁいいか。続き続きっと」

 

「その前に君はクラスの手伝いをすべきだ、と私は注意しておく」

 

「うひゃっ」

 

 いきなり声を掛けられたため気持ち悪い声が出てしまう。うん、キモいな俺って。さすがに自虐しますわ。

 

「やぁ、随分と暇そうにしてるじゃないか」

 

「………どちら様で?」

 

 いや、なんかどっかで見たことあるけどイマイチ思い出せん。まぁ先生以外はよほどのことがない限り人の顔と名前は覚えないからな。だが数学教師、貴様はダメだ。授業内容は的外れ、自分の武勇伝(笑)を延々と話続ける、俺でもわかるミスを指摘するとそれを否定してくる。この3つの事からクラスの奴らから童帝と呼ばれているあの教師は顔も名前も覚えようとは思わない。てか最後の童帝はどっから来たんだよ。誰だこんなおもしろ、じゃなくて酷いあだ名付けた奴。これで本当に童貞だったらいいセンスだと思うぞ。

 

「まさか忘却の彼方に行ってしまっているとは。君もなかなかじゃないか」

 

「とりあえずそのノリ止めてくんねーか? 変な感じがする」

 

「………わかった」

 

 え、ちょ、そんなしょんぼりすんなよ。俺が悪いみたいじゃねぇか。あ、俺が悪いんですねごめんなさい。

 

「それで、君はどうしてここにいるのかな?」

 

「あ、あぁ。特にやることが無いからな。とりあえずここで時間を潰してたんだよ」

 

「ほほぉ、つまり今、君は、暇、ということ、なんだね?」

 

 なんでそんなに意味ありげに言うんですかね。なんか少し嫌な予感がプンプンしてきたぜ! ここはクールにここを去るしかないな。

 

「あー、実は」

 

「嘘だッ!」

 

「これからって、早すぎんだろ否定してくんの。なに? 新手の嫌がらせか何かですか? それとも雛見沢症候群とかにかかってるんですか?」

 

「まぁぶっちゃけさっきまで寝ていたのとミステリー小説を携えている君にこの後用事があるわけが無いという推理をしただけさ。どう? 当たってる?」

 

 ちょっと、そんな凄いキラキラした目で俺を見ないで。うっかり惚れそうになるほどかわいいから。てか若干それが素なんじゃねーの? とか思ったけどそもそもコイツを知ってるわけじゃないんだから何が素なのかわかるはずないだろ。

 

「チッ、そうだな。どうせ暇だが、それがどうした」

 

「そうか、それなら話は早い」

 

 話? 一体何の話だ? 俺に用がある奴なんているはずが、

 

 

「今から私とデートをしよう」

 

 

 ………はい?




だいたい前書きに1200、本編を2100で書いてる時点でおかしいんだよね。なんだよ1200って。俺が昔から書いてる作品と同じくらいの文字数じゃねぇか。

………こほん。ご愛読ありがとうございます♪ お気に入り登録や感想、投票してくれると嬉しいな☆


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

やはり俺が文化祭デートをするのは間違っているはずだ①

霧亜「どーも、袖野霧亜さんだぞ☆2ヶ月も待たせて申し訳ない」

美咲「許さない。ギルティ以外の選択肢はない」

霧亜「いや、たしかに2ヶ月近く投稿しなかったことに関しては謝らなくてはならない。あー! バイトが忙しいんじゃぁぁぁぁあああ!」

美咲「それで? また投稿は遅くなるの?」

霧亜「いんや、来月からかなり減らしてもらうから多分大丈夫。まぁ他の作品もあるからそれも並行してやっていくから2週に一回出せたら………いいよね」

美咲「願望なのね」

霧亜「実際これ3日かけて書いたし」

美咲「もっと激しく頑張りなさい」

霧亜「また倒れる一歩手前になるからヤダ」

美咲「なら早めに出しなさい」

霧亜「はーい。じゃあ雑談もそこそこに本編へどーぞ!」


「八幡、次はあそこに行こう」

 

「………あぁ」

 

「元気ないけどどうしたの八幡? 大丈夫? ハグする?」

 

「遠慮する」

 

「そう、なら行こう」

 

 えー、私、比企谷八幡はただ今名も知らぬクラスメイト(?)に連れ回されております。さて、

 

 

 

 

 

 

 ど う し て こ う な っ た。

 

 

 

 

 

 いや待て落ち着け、素数だ。こういう時には素数を数えて落ち着くんだ。1、2、3、4、5………あれ? そもそも素数ってなんだっけ? 俺、数学、出来ない。あ、その前に算数すら怪しいところあったな。今後のためにも勉強しとかねぇとな。

 

「………なぁ」

 

「何? トイレ?」

 

「そうじゃなくて、なんでお前俺の名前知ってんだよ」

 

「前会った時に覚えた」

 

「いや、その時名乗った覚えもないんだけど」

 

「細かいことは気にすんなよ!」

 

「お前キャラブレしすぎじゃね? なんで物静かな感じからアホの子みたいなテンションに変わんだよ」

 

「私が話す時無意識にアニメやマンガのセリフがポロッと出ちゃう時はだいたいそんなもんだよ。それより八幡」

 

「なんだよ」

 

「さっきからお前って言ってるけどさ、もしかして───」

 

 そう、先程からコイツのことは「お前」としか呼んでいない。しかしそれは仕方のないこと。なぜなら俺はコイツを知らないからな。だから『僕は悪くない』。

 

「私のこと妻だと勘違いしてる?」

 

 何故そうなった。

 

 てっきり名前を知らないことについて言及されるのだろうと心構えしていたため、予想の斜め上を飛び越えたものが飛んできてうっかりエラーをしてしまった。いや、これも俺は悪くないはずだ。てか今どきそんな呼び合いをしている夫婦っているもんなのか? いや、いないだろう。だが待て、もしかしたらコイツの親はそう呼び合っているという可能性もあるため一概にコイツが悪いとは限らなくなってきた。では何が悪いか? クラスメイトの名前を覚えていない俺が悪いことになる。よし、これで証明終了だ。結局俺が悪いことになるのかよ。

 

「違う」

 

「違うの!?」

 

「なんでそんなに驚いてんだよ」

 

「え、なんとなく?」

 

「さいですか」

 

「じゃあなんで私のことお前呼びするんだろ? 私の名前呼ぶの恥ずかしかったりする? 別に呼んでくれてもいいのよ? デート中だし」

 

「べ、べちゅに恥ずかしくなんてねぇし」

 

「あ、噛んだ。かわいい」

 

「うっせ。あとこれはデートじゃないだろ。ただの人避けかなんかだろ」

 

「君如きが人払いの魔法を使えるわけないでしょ?」

 

「ちょっと? たしかに俺は魔術師じゃないからその判断は妥当だが言い方辛辣すぎない?」

 

「あ、そっか。私の名前を知らなかったのか」

 

 ぽんっ、と手を叩いて正解を導き出す。いや、無視しないでくれません? あとなんでまずその答えが最初に出てこないん? もしかして俺が知らないだけで学校のヤツはだいたい知ってるとか? うわっ、俺ってもしかして時代に取り残されてる? まぁボッチだからどうでもいいけど。

 

「まさか私を知らないとは思いもよらなかったよ。ほら、私、かわいい」

 

「なんで単語で切って話すんだよ。幼稚園生か」

 

「まぁそれはどうでもいい。私は三木美咲。気軽に美咲ちゃんって呼んでくれていいよ」

 

 いや無理だろ。いきなりそんな下の名前で呼べるほど俺の肝は据わっていない。別にチキンとかそんなんじゃない。ただ一人の期間が長すぎて苗字すら呼べない自信がある。あれ、もしかしてコミュ障こじらせてない? 大丈夫か俺…………。

 

「つーか、なんで俺のこと八幡呼びしてんだよ」

 

「あ、嫌だった?」

 

「別にそういうわけじゃねぇけど」

 

「なら八幡でいいよね」

 

「いやだから」

 

「次何か反論しようとしたら女子トイレに連れ込んでメチャクチャにするよ?」

 

 何をするつもりだよ何を。あ、もしかして女子トイレにコイツの仲間がいて俺を陥れるつもりなんだな? わかっている。俺を陥れるために色々してきたヤツは結構いたからな。ほとんど返り討ちにしたけど。どうやったかって? 元クラスメイトの人のやり方をパクっ、じゃなくてリスペクトさせてもらった。

 

「よし、じゃあ早く行こう。あともう少しで終わっちゃう」

 

「そうだな。俺はあっち行ってみるからお前はそっちを頼む」

 

「わかった。それじゃあ1秒後にここに集合ね」

 

「なんでだよ。それじゃあどこも回れねぇぞ」

 

「逆になんで別々に行こうとしているのかな?」

 

 あらやだ、この子地味におこだわ。

 

「違うのか?」

 

「それだとデートじゃないじゃん」

 

「そもそもこれがデートなのか疑わしいけどな」

 

 ていうか俺は一切デートするとは言ってないしな。

 

「………こうなったら奥の手を使うしかないか」

 

 おや? なにやら不穏な空気が出てきたぞ? こういう時はだいたい逃げるが勝ちだな。よし、そうと決まればさっさとここから離脱を───

 

「…お願い八幡。私と一緒に文化祭まわろ?」

 

「───っはぁー。わかったよ」

 

 いや、違うんですよ。こんな涙目で上目遣いとかされたら断れるわけない。逆に問おう。断れる人間がこの世に存在するのか、と。もし断るヤツいたらなかなかの精神力の持ち主か枯れ果てたヤツかそもそも女の子に興味ないヤツだな。俺のサイドエフェクトがそう言っている。そんなもの持ってるんけねぇけど。

 

「ふむ、やはり比企谷は御しやすいっと」

 

「ん? 今なんか言ったか?」

 

「別に何も?」

 

「御しやすいとか言ってた気がするんだが」

 

「なんで主人公補正の難聴属性ついてないの!」

 

 それでキレられても困るんだが。それに俺は主人公と言うよりただのボッチAだからな。目もよければ耳もいいというわけだ。つまり俺はハイスペックボッチなのだ!

 

「まぁいいや。とりあえず行こう」

 

「へいよ」

 

 こうして俺は三木とやらと文化祭散策へと向かうのだった。めでたしめでたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いやまぁ、特にめでたくもなんともないけどな。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

やはり俺が文化祭デートをするのは間違っているはずだ②

うおっす皆久しぶり! お兄さんだぞ☆ とりあえず色々後書きに書いたからそれ見てね。あ、あと???の人はまだ名前出せないだけで名前はあるよ。


「ほら八幡、あそこに入ってみない?」

 

 そう言って行きたいところを指を指しながら俺の袖を摘む。ちょっと? 勘違いしちゃうから辞めてな? うっかり惚れて告白しちゃうから。まぁどうせ振られると思うけどな。

 

「ってこれウチのクラスじゃん。ヤだよ。それどんなバツゲーム?」

 

「私とのデートをご褒美じゃなくてバツゲーム扱いなんて………、酷いっ。酷いわ八幡っ」

 

「おい止めろ。こんな所で泣いたフリするな周りからの視線が痛いから。あの、ホントにすんませんしたぁ! 何卒許してくださぁい!」

 

 くそっ、なんで俺は自分の教室の前で全力で土下座してんだよ………。もし明日から噂が流れてたら絶対引きこもりになってやる。

 

「ふむ、それでは入りましょう。あぁ、安心しなさい。さすがにそのままの格好で入らせたりはしないわ」

 

「は?」

 

「とりあえずこれを着けるといいわ」

 

 そう言うとどこからか取り出したブツを俺に渡してきた。………え、いやあの、コレだけっすか? 余り効果無いじゃないですか。ていうか渡すならもっと早く渡してくれませんかねぇ?

 

「よし、準備はいいね? ではいざゆかん! 我等が戦場へ!」

 

「はぁ………。もうどうにでもなれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし帰ろう。今すぐに早急に盛大に帰ろう」

 

「盛大に帰るってどうやる? ダイナミックに窓からお邪魔しましたーをした後そのまま先生に盛大に怒られるつもり?」

 

「さすがにそこまではしないが」

 

「ていうか八幡ってまさかこういうの苦手なの?」

 

「いや、実際に怖いのは人だ。人が関わるものは大抵怖い」

 

「なるほど、つまり私といる時はうっかり惚れそうで怖いのだねぇ?」

 

 うっわうっざ。自分でそういうこと言っちゃうんだ。まぁ実際うっかり告白しちゃいそうになってるけども。なっちゃってるのかよ。チョロ過ぎるだろ俺。

 つーかコイツの口調コロコロ変わるな。気まぐれにも程があるっつーか、なんだ? アニメのキャラがコイツの中にギッシリ詰まってる感じだな。あ、ヤバい。コイツの素が見たくなってきた。まぁ今日限りの付き合いになるだろうから見るどころか関わることは無いし別にいいけど。

 

「ふっふっふ、大丈夫だよ八幡。なぜなら私がいるからねっ」

 

 おいやめとけ幼児体型。無い胸張ってもそこまでエロくないから。とか言いつつそっちに目がいっているのは八幡との秘密ダゾ☆ ………うっわきもっ。

 

「八幡は人とオバケだったらどっちが怖い?」

 

「ん、まぁどっちかって言ったら人だな」

 

「なんでさ?」

 

「オバケはまだ俺に害を与えてないからな。それなら現在進行形で俺に害を与えようとしてる人とかマジ死すべし」

 

「へーん」

 

 何その変な相槌。初めて聞いたんだけど。

 

「まっ、怖かったら私に抱きつくといい。女子の間でも抱き枕にしたいと評判がいいのだぞ?」

 

「あ、そういうのはいいんで」

 

「ガード堅いっ! 八幡は何をどうしたらこうなったのやら…」

 

 そんなこんなでやっとこさ教室から出た俺達はまたブラブラと散策するのであった。

 

 

 

 ところで結局オバケとか1人も出てこなかったけど、どうしたうちのクラス? 全員ボイコットでもしたのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと! 美咲と一緒にいたヤツ誰!?」

 

「どうしてだぁぁぁ! 我等のマスコットの三木美咲がどうしてクソイケメンとぉぉぉ!」

 

「嘘だッ! 認めない! 認めたくない!」

 

「でもどうして? 悔しいのに感じちゃう!」

 

「「「お前は黙ってろ!」」」

 

「とにかくこんなことしている場合じゃねぇ! あんなラブラブカップル感を見せつけられて黙っていられるか!」

 

「いくぞ皆の者! 文化祭? 知ったことか! 今俺達が優先すべきことは」

 

「「「あの2人を尾行することだ!」」」

 

「待てお前達! 勝手は許さん!」

 

「「「い、委員長! しかし!」」」

 

「………うちのクラス全員にこの事を伝えろ。これは俺達だけの問題じゃない! 全学年に関わることだ! 失敗は許されないぞ!」

 

「「「!」」」

 

「だがクラスの出し物をほったかしにするのは以ての外だ。スリーマンセルを組み交代して監視する! いくぞお前達! 俺達の文化祭は………これからだ!」

 

「「「うおおおおおおお!」」」

 

 

 

 

 

 この後たまたま見回りをしていた校長にめちゃくちゃ注意された。




???「はいどーも、そのうちオリジナル小説で出てくる予定の主人公(仮)さんです。主に変わって俺が来ました〜」

美咲「遅い…、更新が死ぬほど遅い…! ブッ殺してやる!」

???「落ち着けぇ! まぁとりあえず待って。今主が書くのに飽き始めてるんだから」

美咲「知らんな。ところでなんで私と同じオリキャラのクセにアンタの方が上な感じがあるの?」

???「それはお前、俺の方が主に産み出されてるんだし」

美咲「納得いかない」

???「まぁまぁ、とりあえずまだ主の心が折れてるからまた遅れるってさ」

美咲「また…だと…!? 私と八幡のラブラブ生活はいつになったら出てくるの!」

???「さぁ? そもそも君は彼と付き合う事から始めないとね」

美咲「ちくしょおおおおお!」

???「それでは次回もお楽しみに☆」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

選択肢は時として、残酷にも自分を苦しめるものとなる。

 

「んー、満々満足っと」

 

 現在地はここ、俺のお気に入りの屋上の扉の前にいる。自分のクラスから出てから数時間、ずっと三木に連れ回され続けた俺は疲労困憊状態だ。かなりキツい。肉体的にもキツいがなにより一番キツいかったのは精神面だ。何? 周りからの視線が槍のように突き刺さってくるんですけど。刺し穿つ死棘の槍ゲイボルグとか受けてた気分だったわ。いや、あんなの何発もくらってたら俺死ぬけど。なんなら一回目の刺突を受ける前に死ねるまである。あ、あと腹もだいぶキツい。コイツ色んな食べ物買うくせに3分の1食べて俺に押し付けて来るからかなり腹が膨れている。肉体も精神も内臓もやられるとかどんなデー、ゲフンゲフン。まぁ、その、なんだ? 男女の付き合いだよ。晩飯入るかな?

 

「………そうかよ」

 

 あまり元気が残っていないため小さな声で反応した。いや、あのそんな何か言った? みたいな顔しないで? もう何度も言い直したくないくらい疲れてるの。

 

「いやぁ、ありがとうねぇ。1人でいると複数人からお誘いがありそうだったから助かったよ」

 

「………人気ありそうだもんな、お前」

 

「ふっふっふー。実際に人気あるからね、私は」

 

「………とりあえず今日はもういいか? 早く家に帰りたいんだが」

 

 もうクタクタなんですよね。普段から運動どころか動くことがあまりないからしんどいし。

 

「何言ってるのさ。まだ文化祭は終わりじゃないぜ?」

 

「どうせ俺の存在を認識されてなんか無いから途中で帰ってもバレんだろ。大丈夫だ、問題ない」

 

「なら私が先生にチクってしまおう。比企谷君が文化祭をサボタージュしましたーって」

 

「なんでだよ」

 

「無闇にフラグ建ててくるから成立させようとしているだけじゃないか。だから『僕は悪くない』」

 

 どこの過負荷マイナスさんですかねぇ………。落ち着いて考えると、いやまぁ落ち着かなくてもわかるけど俺ってばもしかしてめっちゃ面倒臭いことに巻き込まれてはいませんかねぇ? 明日明後日は休日だから家でゴロゴロ出来るけど、もし、万が一噂が蔓延ってたらまた………。

 

「ま、今日のお礼としてそのメガネをプレゼントしよう。大事に扱っておくれ」

 

「いやそれは悪い気もするから金は払う。いくらだ?」

 

「今プレゼントだと言ったばかりだろうに。お代はいらないよ」

 

「いやでもなぁ」

 

「今回の報酬だ。それとも何か? 貴様はゲームでも報酬を貰わない主義か?」

 

「………有難く頂戴いたします」

 

 ヤバい何この娘。いきなり超高圧的っていうか殺し屋みたいになって怖いんですけど。あと怖い。

 

 俺が受け取ることを了承するとさっきまでの殺気に近い何かが消し飛んでほんわかとした雰囲気を優しい笑みと共に出してきた。

 

「うん、それでいいの。最初から素直に受け取りなよね」

 

 見蕩みとれてしまった。その笑顔に。数秒息が止まっていただろう。いや、息だけじゃない。瞬きすることも忘れて彼女を見つめてしまった。直ぐに正気に戻って顔を逸らすがおそらくコイツにはバレているだろう。しかし照れる気持ちはあるものの、悪い気はしなくもない。おかしいな、もしかしてルート入っちゃったか? いや待て落ち着け比企谷八幡! 俺に限ってそんなことはありえない! 早く来い伏線崩壊者フラグクラッシャー! お前の働きが今後の俺の運命を左右するぞ! ………なんか厨二っぽくて嫌だなこの二つ名。もうちょいマシなの無かった?

 

「あ、そういえば忘れていたことがあった」

 

「なんだ? 買い忘れたものとかあったのか?」

 

 まさかまだ食いたいものがあるとか言わないだろうな? もうやめて! 俺の胃袋はもう限界なの!

 

「んーん、違う違う。あったとしてももうお金無いし」

 

「そこはまぁあったら出す、と言いたかったが今日は特に何か買う予定とか無かったから持って来てないんだ。スマン。で、何を忘れてたんだ?」

 

「えーっと、これはどうしようもないというかアレがアレな理由で………」

 

 どうにも歯切れが悪く言いかねているが、まさか何かのイベントに出るはずだったのにそれをすっぽかしたとかか? いや、それなら放送が流れるか。折角の文化祭なのに放送委員の皆さんお疲れ様です!

 

「まぁとりあえず言ってみろよ。俺に出来ることならするからよ」

 

「そこで何でもって付けないところ、いいと思うよ。ならちょっと張り切っていこうか」

 

 どういう事だ? と聞く前に大きな声で、扉の方に目掛けて言い放つ。

 

「そこの人達。私は怒ってないから素直に出てきなさい。ストーキングしてるのバレてるからね?」

 

「っ!?」

 

 やっちまった! 普段の俺なら気付くはずなのにいつもより多い視線から目を背けすぎて認識出来なかった………!  どうする? ストーキングされてたってことはここに来るまでの道のりから付けられてたってことだから………。あぁぁぁダメだ絶対なんか起こるし起きたら起きたで三木の評判も落ちる。それだけは避けなくてはならない。

 

 

 

 

 ふと、昔のことを思い出した。あの時と同じことをすれば、何もかも収まるんじゃないか? と。

 

 

 

 

 しかしこれは自己犠牲も甚だしい。ただでさえ今の俺の立ち位置は厳しい。今はまだ直接的な被害は被ってはいないがまたアレをしたらもう終わるな。しかし、もう手段を選ぶことは出来ない。分岐点は既に俺の目の前にある。しかも後ろにあったはずの道はどんどん崩れていってるときた。

 

 そしてゆっくりと、着実に、俺の運命を決める時が迫る。




???「やぁやぁ。僕だよ」

美咲「やぁやぁ。私だよ」

???「いやぁ困ったことが起きたよ。もう過去に触れるところが出てきたんだけど、まだ出さなくてもいいよね? 今出すのは勿体ないというか、八折の方を見れば理解できるから出さなくてもいいって思ってるんだけど?」

美咲「まぁ欲しいっていう人がいるならコピペしてこっちにも載せれば?」

???「運営さんに怒られたりしないかな?」

美咲「怒られたら消せばいいだけ」

???「ま、そこら辺は俺らの役目じゃないからどうでもいいか」

美咲「そーそー、全部の主にやらせればいいのさ。どうせ主が全部やるんだから」

???「まぁそうだね。ところでなに? あのフラグクラッシャーって。どうしたの?」

美咲「主が高校生の頃本当に言われたことらしいよ? ヤバいウケる」

???「こらこら、折本が伝染ってるよ」

美咲「ま、とりあえず彼はたまにリアルで起きたことをネタにする事あるしね。9割方フィクションだけど」

???「それもそうだ。おっと、それじゃあそろそろ終わりにしようか。馬鹿みたいに長い後書きで台本形式なお喋りなんて今どき流行らないよ?」

美咲「それでもやるのが主」

???「違いない。それじゃあ───」

???・美咲「ご愛読、ありがとうございました。お気に入り登録、感想、投票してくれると嬉しいな☆」












???「やっぱりこれあざとくない?」

美咲「もう諦めた」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

やはり俺が手綱を取られるのは間違っていてほしい。

謝罪は後書き。


 下の階から足音が複数、なんで単数じゃないんだよ。折角の文化祭なのに暇人なのん? 1年に1回しかない文化祭だよ? こんな事してないでもっと楽しんでこいよ………じゃなくて! 現実逃避は止めろ。今やるべき事はこの状況の打破だ。屋上に逃げ込むか? いや、既に俺の存在は知られている。それは愚策だ。なら一かバチか階段を突破するか? これもダメだ。ヘタすると階段から転げ落ちる。何か……何か無いか!?

 焦りから鈍くなった思考回路を働かせるが遂に階下から人が来て───

 

「やっぱりかおりだ。やっほー」

 

 ………………へ?

 

「やっほー。いつから気づいてたー?」

 

「うーんと、階段を上がる時?」

 

「あっちゃ〜。やっぱりあそこでバレちゃってたか」

 

「あんな風に見つめられてたら気づく」

 

「そんなに見てた? ウケるんだけど!」

 

「わーい、ウケるウケるー」

 

 ……何この状況? あれ? 八幡てっきり野郎共がヒャッハーしに来るとか思って身構えてたのに三木の知り合いと思われる女子が3人だけでなんか凄い肩すかし喰らった気分なんだけど。

 

「あ、八幡。かおりだよ」

 

「折本かおりです。美咲の友達」

 

「違う。顔見知り」

 

「友達じゃなかった! ウケる!」

 

 …………友達じゃない宣告喰らってウケるか? 何コイツちょっと頭大丈夫? 

 

「あー、それで折本だっけか? なんで俺達の後を付けてたんだ?」

 

「そりゃあ美咲が男連れて歩くなんて珍しい光景みれば誰だって尾行するでしょ!」

 

 まぁそうだよな。三木はクラスのマスコットというカテゴリーに属しているカースト上位に入る程の人気者だ。そいつがいきなり男を連れて文化祭を……その、なんだ、楽しんでるなんてことになったら誰だって気になってしまうだろう。さらに言ってしまえばその相手が俺ともなると尚更大問題になることは必須事項になって俺はこの学校に居られなくなるだろう。何それ俺の立場窓際社員よりきわっきわじゃない? 少し押されたら即死コースだったの?

 

「あ、ところでかおりぃ、どうだい? 八幡はなんやかんや言うけど私に振り回されてくれるくらいいい人ですぜ?」

 

「? あー、なるほど、そういうことね」

 

 なんか女子2人で話しちゃって八幡空気に。折本の後ろにいる人達もヒソヒソと話し合ってるし。ていうか振り回している自覚あるならやめて欲しかったなぁ。周りからの視線が痛いし歩き回ったせいで疲れた。もう家に帰っていいよね? どうせ打ち上げとか呼ばれないだろうし。あれ? そもそも打ち上げの話すら聞いてなくない? いつもの俺の情報網だと1ヶ月前から話題になってるはずなのに。

 

「───よし、じゃあ行くよ八幡」

 

「……ん? あぁすまん。なんだって?」

 

 考え事してたら何も聞いてなかったわ。え、いくって何? とうとう天に召される? ありえないだろうか? いや、ありえなく無い。クラスメイトに三木とずっと一緒にいたのは俺だよって言われたら殺しにかかってくるかもしれん。物理的に、社会的にも殺しに来たらどうしようもない……。

 

「えっ、私からの告白を八幡が受けてくれたから今から愛の逃避行───」

 

「じゃなくて打ち上げだよ打ち上げ。もう文化祭は終わる頃で片付けも明日やれば問題なし。もう皆身支度始めてる頃だから行くよって話だよ」

 

「……ちっ」

 

「舌打ちされた! ウケる!」

 

 打ち上げ? 何それ、俺を処刑させに行くの? 嫌だなぁ。

 

「嫌だなぁ」

 

「ちょ、比企谷まで冗談言ってたら話が進まないから! ほら行くよ!」

 

 へ? 何? 口に出てた? 八幡思わず断っちゃってた? どんだけ行きたくないんだよ、俺。まぁ処刑されるっつーんだったら誰でも行きたくねぇわな。

 

「いや行かねーよ。なんで自分から処刑場に行かなきゃならんのだ。それに俺はこの後用事があんだよ」

 

「えー? ちなみに用事って?」

 

「プリキュアを録画してんだよ。それを観るから帰る」

 

『『「…………は?」』』

 

 え、なんでそんなに引いてるの? だってプリキュアだよ? 観るでしょ?

 

「八幡、一般的な中学生はプリキュアはもう卒業してる」

 

「なん…だと…?」

 

 バカな、クラスの連中はプリキュアをもう観ていないだと? そんな話信じられるか。ちょっとプリキュアを布教してみようかしら?

 

「なんでそんなにショック受けてんの……キモっ」

 

「あのそんなガチトーンで言わないで。泣きそうだから」

 

「いや別に観るのはいいけど、人に言わない方がいいよ。たぶん私らと同じ反応すると思うし?」

 

「そ、そうか。気をつける」

 

 っべー。クラス替えの最初の自己紹介でうっかりプリキュアが好きですなんて言ってたら今の俺の立ち位置更にヤバけなってた所だったわー。ナイスプレー昔の俺。

 

「よし八幡。どうしても来ないと言うなら私は容赦しないぞぅ?」

 

「は? 何、何されんの俺」

 

「何もしないさ。ただ、来なかったら今日無理矢理一緒に居させられたのは君だとばらし、プリキュアが嫁でいつもそれを観て発情している奴だとクラスの人たちに、」

 

「よっし行くかー! なんだかとっても行きたい気分になったなー!」

 

「素直な子は好きだよ」

 

 うっわ、凄いいい顔してやがる。こういう時、殴りたいこの笑顔! って言えばいいって親父も言ってた気がする!

 

「美咲………」

 

「しょうがない。こうでもしないと来ないし」

 

「いや、そっちじゃなくてホントに顔が悪人にしか見えなくてウケるんだけど」

 

「おや? そういえばかおり達には私達を尾行してた罪が───」

 

『『「すみませんでした」』』

 

「ちゃんと謝れる子も好きだよ。さぁそろそろ戻ろうか。せっかく八幡も来る気になってくれたことだし、ね?」

 

 ちょっ、こっち見ないで。そんな『逃げたら……わかるよね?』って目で見ないで。わかってるから、わかってるから! 大切なことだから2回言ったよ。

 その後、俺と三木達は(間隔をあけて)自分の模擬店をしていた教室に戻り、打ち上げ(処刑場)へと向かうことになった。願わくば、大騒ぎとかにならない事を…………。




主「本当にごめんなさい」

???・美咲「バーカバーカ」

主「バカじゃないもん! じゃなくて、どうも皆さん。主こと霧亜です。今回は5ヶ月も期間を開けてしまい申し訳ありませんでした」

???「ほらほら、何してたか説明」

主「運転免許を取得の為に短期の通いで自動車学校へ、まぁこれは1ヶ月で取りきったね。これが春休みの出来事。4月からは部活動の部長としての役割、バイトや文化祭の実行委員としての仕事、あとは学生証と運転免許証も一緒に財布を盗まれるという事件が起きたり、本編の彩加の出番が無くなることに気づいてそれをどうするか悩んだり、後は友達付き合いで遊びに行ったりしてました」

???「ははっ、財布盗まれるって草生えるわ」

主「やかましい。少しは産みの親をいたわれ。若干メンタルブレイクしかけて人類滅べば幸せになれるとか思い始めたからね?」

実咲「うわー、重症だー」

???「美咲ちゃん、あの人に近づかないでおこ?」

主「あーもう話が進まない! とにかく本当に遅くなってしまい申し訳ありませんでした! また遅れるかもしれませんが長い目で見てやってください!」

???「ところで主。俺が出る作品はまだかい?」

主「こんなことしでかした後でそれ言うか? 出来ても俺ガイルシリーズを完結させてからだ」

???「それ5年後くらいになりそうなんだけど?」

主「まぁそうなるよねぇ………。まぁとりあえず完走したら書き始めるよ」

美咲「内容と流れは大方決まってるみたいだしいいんじゃない?」

???「その頃にはもう働いてるだろうけどね」

主「まぁそれでもやると思うよ? 未来のことはわかんないけど」

???「ふーん? まぁいいや。どうせ『俺』が出るのはこの先数年はないって事だね?」

主「すまんのぉ、適当に生み出しておいて出番も無しとか」

???「いいよ。どうせ俺が出る小説が出ても俺がちゃんと出るのは後半になるのも知ってるし」

主「………ちょっと短編でこっちに出すか」

美咲「私と八幡の距離が変わらないのもなんとかしてね!」

主「わかったわかった。じゃあそろそろ終わりにしますか」

???・美咲・主「ご愛読、ありがとうございました。お気に入り登録、感想、投票してくれると嬉しいな☆」

























???「ねぇ主? そろそろこれやめよ?」

主「それは常々思ってたから考えとく。」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

眼鏡があろうがなかろうが関係なく、俺達は捕えられる運命だった。

 文化祭も特に(俺のあれこれを抜けば)何事も無く終わりを迎え、とうとう打ち上げ会場に着いてしまった。帰りたい気持ちでいっぱいなのだが明日からの俺の学校生活を守るためなので諦めよう。

 しかしどうしたものか。端っこに座ることを許すような感じじゃなかったし、メガネかけた状態の俺は俺じゃないみたいだから俺だってバレる可能性大だし……。仕方ない、もうここまで来たらどうにでもなってしまえ。押してダメなら諦めろ、ってやつだ。人生何事も諦めが肝心だ。後は流れに身を委ねよう。

 

「あ、八幡。メガネは没収ね。どうせあってないようなもの、でしょう?」

 

「ん、おぉ。わかった。ほれ」

 

 制服のポケットに仕舞っておいたメガネを取り出し三木に手渡す。三木の言うとおり確かにあってもどうせ意味ない。着けた状態で店に入ったとしても何かしらの理由で外すはめになったらあっという間に学校に広まってある事無い事振り撒かれてギリギリあった俺の立場が消失してしまう。再来年から小町も同じ学校になるから絶対に避けなくてはならない。俺のせいで小町に何かあったら壊れる自信がある。だから、それだけは全力で回避行動をとる。

 

「さぁー始まってしまいました! 八幡君によるチキチキ☆バレたら色んなものがアウトだよ! 皆にバレないように隠密ゲーム! いえーい!」

 

「ぶん殴るぞこんちくしょう」

 

 割とマジメに俺のこれからの人生が関わってるからな? 遊び感覚でこんな事されたんじゃ堪らないんだけど?

 

「あ、うん。全力全開で冗談だから安心おし。絶対悪いようにしないことをかおりに誓うから」

 

「なんで折本なんだよとばっちりもいいところじゃなねぇか血も涙もないのか」

 

「いやぁ、かおりならなんとかしてくれそうかなーという押し付けを、ね? ついでに今回私達のデートを邪魔した罰」

 

「……デートではないだろ」

 

「あ、照れた。かんわいいぃぃぃ!」

 

「うっせ」

 

 俺の照れ顔でかわいいとか頭おかしいんじゃねぇのか? いや、別に自虐ネタとかじゃなく純粋にキモいだろ、俺の照れ顔。

 

「じゃあそろそろ行くかぁね。皆中で待ってるだろうし」

 

「……おう」

 

 若干胃の奥からこみ上げるものがあったが、それをなんとか押し込め店の中に入る。呼吸がいつもよりしにくくて足取りも不安定だ。今自分の顔を見たらとても負の感情で酷い面持ちになっているだろう。まぁ普段から酷い眼してるからそれが顔全体に広がっただけだって思えばそうでも───いや、さり気なく結構重めな自分で自分にディスりをいれてるわ。少し、ほんの少しだけ傷ついた。ホント、少しだけだからね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おまたせ」

 

『来たぞ! ひっとらえて奥に詰め込め!』

 

『『『応!』』』

 

「「へ?」」

 

 打ち上げ会場の部屋に入るなりおそらくクラスメイトと思われるヤツの号令で複数人に囲まれそのまま脱出不可能な場所まで連れていかれる俺と三木。いやあのちょっと待ってもらっていいですかね? いきなり大勢の人に囲まれるとぼっちには大ダメージだから! 連れてかれる最中カーストトップの三木でさえ「あ、や、まっ」とかまともに言葉も発せられずにいたからね? 

 

『ふぅ、とりあえずファーストミッションは完了だね。男子、そっちは任せた』

 

『よし任された。さぁ比企谷、俺達とお話といこうぜ?』

 

「おい三木! 今悪いようにされそうなんだが謀ったのか!?」

 

「し、知らない! ホントに!」

 

 ……嘘はまぁついてないみたいだな。ほら見てご覧? 今にも泣きそうよあの娘。じゃあ誰が──

 

『ぷっ、比企谷と美咲のテンパりっぷり面白すぎ、ウケる!』

 

『か、かおり! みんなにどんな説明したらこんなことになったの!?』

 

『え? とりあえず言われた通りに言っただけだよ? あとはあれよあれよと……』

 

『とにかくはーなーしーて! 八幡に酷いことしたらダメなんだからー!』

 

 ──よし、後で折本を絶対に許さないリストにぶち込むことにしよう。今は、

 

『さぁ比企谷。お話タイムだ。安心しろ、三木もあー言ってるし酷いことはしない。……比較的には』

 

 今は、この状況の打破について考えることに集中しないといけないからな。

 ていうか小さく比較的にって言ったよね? 酷いことされちゃうのか? そんなこと言って比較的じゃなく酷いことするつもりなんでしょ? エロ同人みたいに! ……おえ、気持ち悪い。

 

「……んで、話ってなんだ?」

 

『あー、まぁこの質問の答え次第で全部終わりなんだけど……』

 

「そのためだけに仰々しいマネしたのかよ……」

 

 なんなのこのクラス。もしこれが三木関係のものだったらコイツらどんだけ三木のこと好きなんだよ。怖ぇよ。あと怖い。

 

『んで、三木のことなんだが……お前アイツとどんな関係なんだ?』

 

「はぁ……、なんなのお前ら三木のこと好きすぎない? もう崇拝レベルじゃないの?」

 

『まぁ……な。たしかにそう言われると否定出来ない。それで、どうなんだ?』

 

「別に何もねぇよ。実際アイツと喋ったの数日前だしな。そもそも存在自体を知ったのが最近───」

 

『…………嘘だ』

 

 ガッと肩を掴まれ言葉を途中で遮られた挙句嘘つき呼ばわりですかそうですか。いや待て何で嘘だとか言うんだ。俺はこの世に生を受けた時から嘘なんて一つもついたことない。割と最近嘘ついた事ある気がするけどそれは気のせいだ。そうに決まっている。

 

「おい、最後まで言わせろよ。ついでに嘘じゃねぇよ」

 

『いや嘘だろ? クラスどころか学年全員が知ってるんだぞ? 噂ぐらいは知ってるだろ?』

 

「あー、まぁクラスに癒し系のマスコットキャラがいるって聞いたことはあるくらいだな。他は知らん」

 

『……も』

 

「も?」

 

『『『もったいない!!!』』』

 

「うおっ」

 

 なんだよ、いきなり叫ぶなよ店迷惑だろ。叫びたいならカラオケ行ってこい。俺は行かないけど。

 

『予定変更だ。これから三木美咲がどういう人物か徹底的に教え込む時間にする』

 

「おい今から打ち上げするんじゃないのか」

 

『そんなものより今は最も重要なものがある!』

 

 ダメだ。人の話を聞く気が無い。ていうか、

 

「ていうか、その教えるものとかどうせお前らが知ってる三木のことだろ。なら問題ない。今日1日振り回されてよくは知らないが多少はどういうやつか知ったつもりだし、それに俺は他人から聞かされた人物像ほど信用ならないものは無いからな」

 

 あ、でも知ったつもりですらないかもな。だってアイツ個性がちぐはぐだし。アレだ、自分の好きなキャラの好きなところだけを抜き取って自分のものにしてる感じだからなかなか掴みにくいところがある。……まぁさっき別れされられた時は少しアイツの素が見れた気もしたが、やっぱり違う気がするし。なんというか、手のかかる男主人公の幼なじみ系ヒロインみたいな感じ。わかるかな? あ、わからない? そうですか……。

 

『────』

 

 ん? どうしたんだこいつら急に黙って。

 

『『『──し』』』

 

「し?」

 

『『『師匠ぉぉぉぉぉぉおおおお!』』』

 

「うひぃ!?」

 

 ちょっ、いきなり詰め寄らないでくれる!? ぼっちは心が弱いんですよ!? 変な声が出だじゃん!

 いやそれより師匠って何ですか……。どういう状況なのこれ。ひっそりと隅っこ暮らしするつもりが大所帯で隅っこ暮らしし始めるとか意味がわからない。それ以上に師匠が意味わからないのだが……。

 

「あ、あにょ、少し離れてもらっちぇもいいでしゅか? ちきゃい……」

 

 なんとか声を発せたもののそれは十分に舌が回らずに噛み噛みになった言葉だった。くっそ恥ずかしい…………!

 

『あ、あぁ悪い。興奮が抑えられなかった。いや、もう大丈夫。とりあえず聞きたいことは聞いて追加質問も布教、じゃなくてPR活動もしなくて大丈夫みたいだしな』

 

「あ、あぁそうでしゅか。じゃあ僕は少し疲れたからこれで……」

 

『え、いやまだ来たばっかだろ?』

 

「体もだけど、ここに来るまでと来てからの心労がかなりキツいんだよ……」

 

『そ、そうか。今日はごめんな?』

 

「いや、大丈夫だ。それじゃ」

 

 若干震える足を手で支えつつなんとか帰路につく。途中「ま、待って私も一緒に──」という声が聞こえなくもなかったが、今はそんな余裕は無く、そのまま帰ることにした。あぁ、家に小町いるかな? 今の俺の状態を見たら心配するだろうからどこかの公園で休憩してから帰ろう。

 

 

 

 

 その後、疲れのせいか思考回路がほぼ止まっていた俺はどこにも寄らずそのまま帰宅してしまい小町に心配をかけてしまった……らしい。なぜらしいなのかは察してくれ。




どうも皆さん、主の霧亜さんです。夏休みも終わりましたね。私は夏休みの間燃え尽きてました。何もしたくなく、ただそこで生きてるみたいな感じでした。

あ、いつもの寸劇みたいなのですが、どうにも長過ぎて本編と区別がつかない人もいたのでこうやって一人ずつやっていこうかなーとか思ってたり。前の寸劇のままでよければTwitterにでもDMでも直接リプでもして貰えたら嬉しいです。まぁ別に感想でもいいとは思うけど、あんまりそういうことしてると運営さんに目をつけられそうなので……。

まぁそんなわけでとりあえずこれで後書き終了! 遅れてごめんなさい! 新規さんはお気に入りに追加してくれたり元からしてくれてる人たちも感想くれると嬉しいなっ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

やはり俺の人生がここで終わってしまうのは間違っている。

 三木のせいでドタバタした文化祭、そして打ち上げを乗り切った俺は休日をめいいっぱいフル活用して体力を(お使いや料理を手伝ったりペットの猫であるカマクラにいい具合に睡眠妨害を受けたせいで)半分まで回復。気力を小町で補充した。そんな俺は休日明け初の学校となったわけだが……、とても顔を出しにくい。今すぐUターンで家の自分のベッドの中に入っていたい。これは逃亡ではない。戦略的撤退である。だから許してくれるはずだよね! 誰に許しを乞うわけでも無いけども。

 おそらく自意識過剰でなければ、教室に入ったら文化祭でのアレコレとか根掘り葉掘りある事無い事言わされそうだし。いや無い事は言わされたらマズいだろ。どんなテクニック使われたらそんな事させられるんだよ。是非ご教授願いたい。

 

「はぁ…………」

 

 1つ、大きめの溜息をつく。参ったな。最近、というか文化祭の時からどんだけ溜息ついたんだろうな。幸せがどんどん遠のいていく。ただでさえ薄幸な気がするのにこれ以上俺から幸せを奪おうとか人生ハードを超えてジェノサイドを天元突破するんじゃねぇの? ちなまに俺の幸せの大部分を補ってくれるのは小町とお袋とカマクラ。親父? 知らんな。

 しーあわっせはーあっるいってこないだーから歩いて行っくんだねー♪ 1日1歩、2日で2歩、3歩進んで厭離穢土(おんりえど)♪ いやそこ極楽浄土じゃねーのかよちくしょう……。ここまで来ると『やはり俺の人生計画は破綻している。』とかそんな感じで小説出したら売れる気がするぞ。誰か書いてくんねーかな。俺が書いてもいいけど。これまでの俺の人生を元に取捨選択して何巻かに分けて単行本化するっていうのは。……誰も読むどころか手もつけてくれなさそうだけど。

 

 さて、そろそろ現実逃避は止めるか。あれこれ考えてたけど結局教室の前に着いてしまった。今更帰るのも気が引けるしここは覚悟を決めて入るとしよう。頼むシンジ君、君のあの日の勇気の半分でもいいから俺に分けてくれ……!

 

「おいそこの凡俗」

 

「うひゃあああ!?」

 

 横合いから突然声をかけられておおよそ一般男子学生が出してはいけないような声が出てしまった! 恥ずかしい! もう嫌だ八幡お家に帰る!

 

「ってなんだ三木か驚かせやがっ」

 

「貴様打ち上げで(オレ)を見捨てたな?」

 

「…………ひゃい?」

 

「貴様の行いは万死に値する。よって我の全てを持って貴様を葬ることにした」

 

「…………あの、ギルさん?」

 

「が、我は寛容だからな。貴様にチャンスを与えてやろう」

 

「…………」

 

「今ここで己の行いを懺悔しその命で詫びをいれるなら赦してやらんことはない。さぁ、どうする?」

 

「…………それ結局」

 

 死ぬじゃんと続けようとしたがすんでのところで口を紡ぐ。なんとなくだが、それ以上口を開いたら容赦無く殺されそうだと思ったからだ。ふえぇぇぇ、怖いよぉ……。

 

「……まぁ冗談さ。私もそこまで鬼じゃないし王の財宝も持ってるわけでもないしね」

 

「…………そうか」

 

 助かったのなら俺はもう何も言うまい。言ったら言ったで何かされそうで怖いとかそんな理由で何も言わないわけじゃないよ? 本当だよ? ハチマンウソツカナイ。

 しかし怒っていたのは間違いはなさそうなのだが、打ち上げの時俺が帰った後何があったんだろうか。まぁもう俺には関係の無い話ではあるからどうでもいいが。……なぜ関係がないかって? そりゃそうだろ。高々文化祭を一緒に回った(連れ回された)だけで友達になったわけでもなし。もうこれで俺に関わる要件は終わっているはずだろうからいつも通り俺は日陰で面倒事に巻き込まれない、不自由の無い生活が戻ってくる。さらばだ三木よ。Forever。

 

「まぁ待てい。まだ話は終わっていないのだよ」

 

「ぐぇっ」

 

 三木に背を向けて教室に入ろうとしたら背中の方を掴まれ身長差かからかどうかは知らんがそのまま首が良い具合に締まり、快い声が鳴り響く。まぁ嘘ですが。単に情けない声を出してしまった現実から目をそらしたかっただけです。

 ていうか何? まだ用事が終わってないの? もう完結させちゃったんだけど。

 

「……なんだよ」

 

「なぜ八幡は教室に入っていいと思ってる」

 

「え? これもしかして新手のいじめの始まりかなんかなの?」

 

「私がこの程度のいじめをするわけないじゃないですかー」

 

 えーなにそれーもっと悪質ないじめ出来るよって意味ですかーやっだー。……ホント女子怖い。

 

「君は打ち上げの時の事を忘れてはいなかぁねぇ?」

 

「忘れるわけないだろ。……もしかしてそれ関係のか」

 

「エサクタ」

 

「……ちなみに俺が帰った後」

 

「八幡の好感度急上昇」

 

「嘘だろ……お前何をした」

 

「何もしてない」

 

「何もしてないはずが無いだろ。あの俺が───」

 

「その八幡が、だよ」

 

 好かれるわけがない、と続けようとしたがその言葉をかき消すように三木が言葉を被せてきた。本当に何があったんだろうか。好かれる要素皆無、三木も何もしてない。だとしたらどこで好感度が上がるイベントが発生した? うーん……、

 

「まるで意味がわからん」

 

「なんでわかんないんだよ! わかれよなこれくらい!」

 

「某ゾンビが出てくる自他ともに認める天才魔法少女風に言われてもなぁ……」

 

 いや、何がどうなったら俺の好感度が上がるんだ? フラグも何も無かったはずじゃん。誰か俺に対してアクションでも起こしてくれていたら気付くはず……。

 

「よし、もう面倒臭いから教室で確かめてみようか」

 

「はっ? いやちょっと待っ」

「はいどーん!」

 

「うおっ!? いきなり何すんだ……よ?」

 

 教室に押し込まれ三木に文句を言おうとそちらを向くと背中からクラス中からの目線が痛いほどに突き刺さってくるのを感じおそるおそるそちらを見やる。するとあらどうしたことでしょう。教室に居る人全てから夥しいほどの感情が突き刺さってくるではありませんか。

 

 あ、俺、今日、死ぬのかな。

 




主「余だよ」

三木「私だよ」

主「八幡くん大丈夫かしら?」

三木「大丈夫じゃなかったら私とのフラグが無くなるけどね」

主「なら大丈夫だね」

三木「次回予告!」

主「八幡、絡まれる・受け入れる・逃亡するの3連コンボでお送りするよ」

三木「なぜに逃亡!?」

主「お楽しみに!」













???「尚、予告が合っているかは神のみぞ知る、とのことです☆」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

逃げるは恥ですらなく、役に立たないはずが無い。

 前回のあらすじ! 教室にぶち込まれたら教室中から不思議な事に、不思議な事に! 大事な事だから2回言った! ものの見事に視線を集めていた。俺に。

 …………今日が俺の命日にならない事を祈ってさっさと自分の席に着こう。うん、そうしよ───

 

『比企谷! おはよう!』

 

「ひぇ!?」

 

 は、は? なんでいきなり挨拶してきてんの? やめてくれよ一瞬吐きそうになっただろ。俺が慣れねぇことしに来てんじゃねえよ。心が折れるなんてもんじゃないんだぞ?

 例えを出していこう。子供の頃、親が飲んでいたお酒と自分が飲んでいた飲み物を間違えて飲んでしまった時の衝撃。高熱を出しているのにも関わらずにかなり刺激の強い食べ物を食べた瞬間。そしてめちゃくちゃ苦い粉薬をうまく飲めなくて喉に張り付いたあの時! あの感覚が今俺の中で起きている……。いやまぁ、多少違うかなーってものはあるけど、だいたいそんな感じだ。うん。

 叶うならば、今この状況全てが夢で起きたら自分のベッドの上だったなんてオチでありますよう願い奉る。いや、もう現実逃避乙とでもなんとでも言えばいい。今の俺にとって最も理想的なものを並べて現実から目を背ける事が大切なんだ。頼むよー。もう俺に心的に疲れるような事をしないでくれー。

 

『くっ……ふふっ……。何、比企谷、今の声……ウケる…………!』

 

 どこぞの誰かさんは声を押し殺して(し切れてはいないが)笑ってるのが辛うじて聞こえてきた。いや、なんでその声が聞き取れた。他に何かあるだろ。ほら、よく耳を澄ましてみろ……………………何も聞こえねぇ!? え、もしかして今の声のヤツ以外の声どころか音が無いのか!? 嘘だろ……? ほ、ほら、クラスメイトとの談笑とか俺を嘲るとかあるだろ? 何してんだよお前らしっかり仕事しろよ! いや別に罵ってほしいとかそういうマゾヒスト的発言じゃないのよ? 言葉は発してないけど。

 ところでこれって俺は返事とかした方がいいのか? いや、した方がいいのだろう。俺に向けての挨拶なのだから然るべき対応をするのが礼儀というものだ。いいか? いいな俺! キッチリとした笑顔と「おはよう」の四文字を口からこぼすだけでいいんだ。それで会話は終了だ。よし、最終確認だ。いいか? いくぞ?

 

「お、おひゃ! ……おはよう」

 

『『『…………っ!』』』

 

 あああああ! 噛んだ畜生! 何が「おはよう」の四文字を口からこぼすだけだ! それすら出来ないまでに俺のコミュ力は衰えてんのか! 三木とは話せてたのになんでここでは役に立たないんだ俺のコミュ力! 見てみろよお前! 全員漏れなく笑うのを必至に堪えてるぞ! くっ、殺せ! 情けは無用だ!

 盛大に恥をかいてしまったが、まぁいい。よくないけどいいんだ。どうせもう口を開く事は無いはずなんだ。このまま何事も無かったかのように自分の席にたどり着いて寝る体勢に入ればもう何も起こらない。ついでに俺も予鈴まで起きることは無い。勝ったッ! 第3部、完!

 

「───そんなことさせると思うかいベイビー」

 

「ンがッ!」

 

 く、首っ、首がっ!? いつぞやかやられた首絞めが極まって!?

 

「あ、ごめんごめん」

 

「ぐっ、げっへぇ……。意識が飛びかけた……」

 

 首はダメなんだって。軽く意識を刈り取ったり死ぬ事だってあるんだから。

 

「んだよ。頼むからもう寝かせてくれ」

 

「はいはい、あともうちょい頑張っておくれ。ていうか君は今の状況と打ち上げの時の事を忘れたのかい? それなのにいつも通りに過ごそうとして何しようとしやがってんだって話さね」

 

「いや知らねぇよ。わからなくもないけど俺には知った事じゃない。俺は1人でいるのが───」

 

「好きなわけないじゃろ。なんでお主が我等から嫌われてるとか思ってるのか知らないけどなぁ。勝手に自分で壁を作って我等から離れているだけじゃないのかい?」

 

「───ンなわけあるかよ。知らないわけないだろ? 俺が昔何したかなんて」

 

「それくらい知ってるわ。ていうか今も同じことしてたら私が君に話しかけるわけない。違う?」

 

「………………」

 

 いや、そうじゃなくて、今もあの時みたいな事をやってるやってないの話じゃなくて、俺嫌われてるんだよね? だって皆俺の陰口言いまくってただろ? 俺の勘違いなわけないでしょ?

 

「ま、とりあえずこの教室に君を嫌ってる人は居ないから安心したまへ。無関心な人はちらほら居るけど」

 

『そういう訳で、これからはちゃんと宜しくしてもらうぜ』

 

 うおっ。いきなり会話に入り込むなよさっき挨拶してきた人。ぼっちであるが故に社交性が著しく失われてるんだから。

 しかしどうしたものか。ぼっちだからこそやってきた人間観察で鍛えた俺の観察眼でこの男子生徒を見ても嘘偽りが全く感じ取れない。まさか本当に俺と宜しく……っは! もしかして宜しくじゃなくて夜露死苦の方なだったりするわけないか。いつの時代のつっぱりだよ。

 さて、とりあえずコイツや他のクラスの奴らもどうやら俺に対して特に何も無いらしいならよしとするか。別に元々は好きでぼっちを拗らせてたわけじゃないしな。…………信用をするかしないかは全く別の話だけどな。

 

「あぁ、ならまぁ、宜しく頼む。んじゃそういう事で」

 

「だから寝るなっての」

 

「3度もくらってたまるか!」

 

 すんでのところでガードが間に合う。いや、ガードじゃないな。ちょっと襟を掴んで固定してるだけだし。しかしいい加減学習しろよ。もしかして寝ようとした俺が悪いのか? 違うよな? 違うと言ってくれバーニー!

 

「ふっ、学習してくれて嬉しいわ」

 

「俺に学習させるなお前が学習しろ」

 

 まさか俺に学習させにきてたとは驚きを隠せない。いや、調教の方が正しい気もしてきた。

 

「とにかく、これから集団リン、じゃなくて質問タイムだから頑張って」

 

「おい待てリンチって言いかけたよね? 絶対今リンチっていいかけたよね?」

 

『よしお前ら! 集団リン、じゃなくて質問タイムだ! かかれぇ!』

 

「ブルータス、お前もか! じゃない! 勘弁してくれ、頼む、な?」

 

「かかれ!」

 

『『『おー!』』』

 

『好きな人のタイプとかは?』

 

『ご趣味は?』

 

『来季のオススメのアニメとかある?』

 

 あぁ、もうダメだ。俺のメンタルが…………。

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

「あ、ちょっと!?」

 

『比企谷!?』

 




はーい、僕こと???さんでーす。というわけでさっさと報告しないとね。

まぁ報告ってほどでもないけど、とりあえずこれとこれの元になった主の作品をさっさと終わらせるってことね。まぁそれでも両方とも70話近くまでやることになるけど。
あ、どうしてさっさと終わらせるのには理由があって、まーたこりずに新しいネタが思いついたらしくてね。でもまた連載増やすと失踪不可避かもしれないとか言ってなら更新ペースを上げるみたい。まぁそれでも週一本とかその程度らしいけどね。
ま、それだけ。ついでにあっちの方では言ってないけど、3年前くらいに書き始めて書く事に萎えた作品をリメイクする気があるみたい。やる可能性はひっくいけど。

???のお兄さんにより主の代弁終了! じゃあまた執筆に戻らせます……。

主「えっ、もうやるの? ホントにさっき書き終えたばっかりなのだけれど?」

美咲「はいはいはよはよ」

主「そんなまっさか〜』



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

すーぱーにげにげもーど

タイトルがおかしいのは気にしないでくだちい。


 走る。現実から、現状から、逃げるようにでは無く、本当に逃げる為に走る。ダメだ。アレは。数年ばかりどのグループの輪にも馴染むどころか入ろうとする事すらしなかった俺にはあの空間にいるには無理が…………いや違う、そうじゃない。そんなんじゃない。じゃあなんだ? なんなんだ? わかるか? わからない。わからないんだ。ただ、理性が逃げろと命令してきた。それだけだ。それだけで逃げ出した。何言ってるのかわからない? 安心しろなんやかんや言って俺もよくわかってない。とりあえず逃げたくなったから逃げ出した。そんだけだ。

 

「はぁっ……はぁっ……! けほっ……ぐぅ…………」

 

 気がつけば家の前まで走っていた。どうしよう、鞄はちゃんと持ってたけど今から学校に行ける気もしねぇしな…………。仕方ない。どうせ家には誰もいないしサボるか。一応着替える前に学校には連絡入れとくけど。

 

 

 

 さて、学校にも連絡したし明日からどうするかなぁ。ぶっちゃけ打ち上げの時からの出来事全てが無かった事にしてくれてると助かるんだけど、無理だよなぁ。完璧にやらかしたからなぁ。ま、今回の事で俺に嫌悪感を抱いてくれて離れてくれるっていう有り得なくもない未来に期待してお着替えして寝るとするか。

 頑張れ明日の俺。お前にすべてを託して布団に潜るぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………ん? あれ? ここどこだ?」

 

 見慣れた風景だが、なんだ? なんで俺こんなとこにいるんだ? 学校じゃ───、

 

「あぁ、そういや休んだったか。寝ぼけてるな。顔でも洗って昼飯食うか」

 

 おそらく昼くらいにはなってるだろうし下に降りるついでに飯でも食っちまおう。なんかあったかな……。さすがに休んでるから外に買いに行く事も出来ないから家にあるもので何とかしないといけない。

 自室の階下にある洗面所に向かう途中、未だに寝ぼけていたのか階段を降りる最中滑って転げ落ちそうになりそうになったが体制をなんとか立て直してゆっくりと降りる。ここで滑り落ちて身動きが取れなくなったら小町が帰ってくるまで放置状態になるからかなり怖い。ナイス俺。普段から多少なりとも鍛えててよかった。

 そんなどうでもいい事がありつつも俺はなんとかたどり着いた洗面所で顔を洗い台所へ向かう。何かあるかなーと冷蔵庫を開けたり食べ物がありそうな棚の中を探し、今日のお昼は味噌ラーメンに決まった。インスタントではあるがここに野菜やら肉(今回はウインナーを使用)を切ってぶち込んでおけばそれなりに腹は膨れる。

 さーて! よい子のみんな! 八幡☆クッキングがはっじまーるよー! ……やめよう。これは虚しい。

 今日使う具材は次の通りで、

・味噌ラーメンを1袋

・白菜1/16

・人参1/3

・玉ねぎ1/4

・コーン缶1/2

・ウインナーが1袋半

 となっている。

 早速鍋に適量の水を入れて火にかける。その間に白菜と人参、玉ねぎを切っていく。白菜はざく切り、人参は短冊切り、玉ねぎは薄切りだ。ウインナーは長ネギの容量で薄切りにする。小口切りだと火を入れたあと見た目が悪いからな。

 鍋の中の水が沸騰してきたらインスタントラーメンの袋から中にある乾麺と粉末スープの入った袋と七味取り出し、乾麺のみを沸騰した鍋に入れていく。俺は野菜の食感を残しておきたいのでここで乾麺と共に切った人参と玉ねぎ、ウインナーを入れてタイマーを3分にセットして待つ。食感が要らないなら先に切った野菜を入れて数分後に乾麺を入れる。その間にコーン缶に入ってる水分を抜く為にプルタブを上げて出来た隙間から水分を捨てていく。残り1分になったら白菜とコーンを入れ、粉末スープの入った袋から粉末スープを器に出してから鍋の中を箸で麺をほぐす。タイマーが鳴ったらアラームと火を止める。鍋の中のもの(出来るならお湯を先に移してから粉末スープと馴染ませる)を入れて粉末スープが全体に混ざるように箸でかき混ぜる。

 こうして出来上がったのが具沢山の味噌ラーメンだ。まぁコーンは火にかけずに出来上がったラーメンの上から乗せるだけでもいいんだが、俺はなんとなく火にかけている。特に理由は無い。

 ちなみにここにバターを入れて味噌バターラーメンとかも美味しいと思うんだが、入れる量を間違えると味が悪くなるので今回はやめておく。

 出来上がったラーメンと箸を食卓の自分の席に運び椅子に腰掛ける。さぁ、この世の全ての食材に感謝を込めて頂きます!

 

 

「ふう、食った食った」

 

 自分でも気づいていなかったのか、いつもより箸が進みすぐに食べ終わってしまった。後は片付けをして昼食をすれば完璧なのだが、食後に来るのんびりしたい気持ちが勝ち椅子にもたれかかる。平日の昼からこんな事するなんて贅沢にも程があると思うがやめられない。怠惰デス! と言われても仕方ないぐらいぐでーっとしている。しかしいつも勤勉に過ごしている俺はたまには休息が必要だ。ん? いつも休んでるだろって? いやいや前まではさて置き、さて置けちゃうのかよ……。じゃなくて、最近は色々やってたと思うのですよ? だから今朝だってキャパオーバーしたんだし。ね? 頑張ってるでしょ? それしか頑張ってないじゃんとか言わないでね泣きそうになるから。

 

 さて、唐突な飯テロも終わった事だしもう少し寝るとするか。小町が帰ってきても問題無い。基本小学校の時の事件以来俺は小町より先に帰るようにしているし、俺が寝てる間に小町が帰ってきたとしても真っ先に俺を探しに俺の部屋に来るはずだから安心して眠れる。パーフェクトだ八幡。それではおやすみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 寝る前の歯磨きは忘れずにな。




遅くなりました。昨日出そうかと思ったのですが寝てしまいました。ごめんなさい許してください! 特に何もしないけど。

とりあえずまた頑張って書きます。投稿し始めてもう一年経つのにこれしか書けてねぇのかこの猿ぅ。とか言わないでね!

とりあえず次である程度終わらせて、カットカットしつつ高校生編に進みたいですねぇ。やってやります。やってやりますとも!

そんなわけでまた次回もよろしくお願いしますm(_ _)m


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

日本人も日本語をちゃんと使えていない。

ギリギリ投稿出来たぁ!


 逃走劇を繰り広げた次の日、小町に今朝から登校する時間ギリギリまで昨日はなぜ学校を休んだのか問いただされたがなんとか回避に成功し無事学校に着いた。いや、無事じゃないな。これから俺の中の爆心地へと特攻しなくてはならないからな。

 ……嫌だなぁ。帰りたいなぁ。還りたいなぁ。家でも土にでもいいから今すぐここから立ち去りたい。昨日はかなり雰囲気悪くしたから針のむしろになりそうだからなぁ……。くそっ、恨むぞ昨日の俺! なぜ真剣に今日の対応策を考えなかったんだ! 

 ……まぁいい。昨日の俺も含め今日の俺なんだ。甘んじて受け入れるとしよう。だが昨日の俺。お前は絶対に許さないからな。受け入れるとは言ったが許すとは言っていない。マジ許さねぇ。ギルティ以外の何物でもないわ。やっぱり受け入れるのやめたい。そこら辺にポイ出来ないかなー……。まぁそんな事出来るわけありませんよね知ってました。知ってましたけどやっぱり現実逃避をしたいわけでありまして……。

 そんな現実逃避から戻ってきた俺は現在自分のクラスの教室の前。……しんどいなぁ。扉が大きく見えるの何でかなぁ? まともに現実が見れなくなるほど切羽詰まっているのかな? もしそうなら今日も逃げ帰りたいなぁ。とはいえ今日もやらかしたら本格的に引きこもりになって小町に見捨てられそうだからやらないけど。どんな時でも小町が優先な妹思いな兄、ポイント高い!

 

「ンな事考えてる場合じゃないんだよなぁ……」

 

 小さくボヤき、教室の扉を開いて中に入る。覚悟は決まってはいないがいずれ入らなきゃいけないんだからさっさと入るに限る。中の様子を見ずに俺の席に向かい机に突っ伏すようにして座る。完璧だ。なんか色んな所から視線を感じるが気のせいしよう。それに昨日ほぼ一日中寝たのにも関わらず眠いから1限が始まるまで寝るとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼休みに入ってました。

 

 いや違うんだ聞いてくれ。たぶんお前らの予想通りかもしれないが一応聞いてくれ。あと今俺が誰に話しかけているか知らんがとりあえず言い訳をさせてくれ。

 俺はちゃんと1時間目の授業までには起きて受けるつもりだったんだ。それなのに4時間目のチャイムが俺の目覚ましになっていたんだ。参った。いやぁ本当に参ったなぁ! 別に熟睡し過ぎて周りからの視線を気にしなくなってよかったとかそんな事は一切考えてない。そして一切言い訳にすらなっていないような……。しかしこの際気にしないでおこう。

 だがまぁそれでも今朝よりかは頭が冴えてきた。そんな冴えた頭で今後の事をちょっと考えたが、いつも通り何も無かったかのように過ごせば何も問題ない。俺は俺らしく、いつも通りの生活をすればいいのだ。そうすればクラスのヤツらもそうそう突っかかっては来ないだろう。よし完璧だ。やはり睡眠というのは生物にとってとても重要な行為なんだと再確認出来た。三大欲求の1つに含まれるだけの事はある。褒めてつかわすぞ睡眠欲!

 

「比企谷」

 

「ひゅっ!? ゴホッゴホッ!」

 

「比企谷!?」

 

 ヤバい。ビックリしてむせた。あと周りからの視線が集まって二重の意味で辛い。

 

「けほっ、三木か。にゃ、にゃにか用か?」

 

「昨日の事なんだけども、悪かったなと思ってね」

 

「あ、あぁその事か。別に気にしなくてもいいぞ。なんならもう俺に気を回す必要性すらないまである」

 

「……! そう。わかった」

 

 なぜだろう。三木に伴ってクラスの雰囲気が沈んだ気がする。……え、俺が悪いのか?全然思い当たる節が無いんだが。

 

「話は終わりか? 俺はもう行くぞ」

 

「……ん」

 

「んじゃ、またな」

 

 自分で作った簡易弁当と読書用の本を持って教室から出ていつもの屋上へと続く扉の前に向かう。何か後ろ髪を引っ張られる感じがするが気にせず前を向いて歩こう。後ろを向きながら歩くとコケるからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼休みが終了したどころか帰りのホームルームも終わっていました。

 

 いや待て聞け。本日2度目のやらかしだけど聞いてくださいお願いします。

 昼飯を食べ終わって少し読書していたら寝すぎで逆に眠くなってしまい睡魔と争わずに身を任せてしまったらこんな時間になってしまったんだ。理由がしょうもなくて恥ずかしいんだけど。ていうか俺寝すぎじゃない? 今夜は寝られるかな?

 座って寝てたから体が凝り固まってしまい暫く動くのがダルかったが手で凝った所を揉みほぐしてダルさを解消させ、自分の荷物を取りに行くためにベストプレイスから教室に向けて足を進める。

 歩き始めて数分。何事も無く教室にたどり着いた。やったね八幡! 無事に帰れるよ!

 

 

 

 なんて事はなく、教室に入った瞬間おそらくクラスメイトであろう人達にドナドナされ場所は体育館裏に移る。

 どうしてかな? 何で俺は男女混じりの集団に囲まれてるのかな? もう動悸が止まらないんだけど。……はっ! もしやこれ動悸では無くトキメキなのか!? という事はつまりこの胸の鼓動は恋による高鳴りなのか! ンなわけないか。くだらね。

 

『比企谷八幡、だったけか』

 

「ひゃ、ひゃい」

 

『お前、よくも俺達のマスコットの三木を泣かせたな』

 

「い、いや、別にそんにゃつもりはにゃくてでしゅね」

 

 集団からの圧力が強すぎて噛み噛みになる。もうやだみんな怖い。目で殺しにかかってこないでくれよインドの英霊の集まりかなんかなの?

 

『まさかもう二度と関わるなとか言いやがって。確かに俺らが悪かったと思うが──』

 

「ちょ、ちょっと待て。なんだそれ」

 

 二度と関わるな? 俺そんな事言ってなくない? いや、本当に言った覚えないんだが。

 

「俺が言ったのは俺に気を使わなくていいって言ったんだぞ?」

 

『は? その後二度と気を使わなくていいって』

 

『『『「???」』』』

 

 なんか凄い話が食い違ってる気がする。なんでこんなに違う伝わり方してるんだ?

 

「俺があの時言ったのは無理してクラスに馴染ませるようにしなくていいって感じの意味合いなんですが、そっちはどんな伝わり方したんだ?」

 

『さっきも言ったけど、二度と俺に関わるな、って感じだな。お前が授業が始まっても教室に戻らなかったから気分を悪くして昨日みたいにっ帰ったんじゃないか、っていう話に……』

 

「なるほどな。しかしそれでもおかしいな」

 

『何がおかしいんだ?』

 

 いや何がおかしいって、教室から出る時最後に言ったよな?

 

「俺、アイツに『またな』って言ったのになんでこんなめんどくさい事になってるんだ? 絶縁の意味でも含んでたかこれ?」

 

『『『……あっ』』』

 

 どうやら勘違いが拗れてここまで大きな話になったようだ。よし、これで一件落着だな。ならもう俺帰っていいよね? お疲れ様でーす。

 

 

 

 

 

『ヤバいな。これ三木に早く知らせた方が……』

 

『もう帰っちゃったよな。足取りがすげぇ悪かったけど……』

 

『大丈夫! この事は既にメールで送っておいた!』

 

『『『ナイスっ!』』』

 

『よし、後は明日次第だな。比企谷──ってあれ?』

 

『あれ? 比企谷は?』

 

『……帰った、のかな?』

 

『なら私達も帰ろ。張本人がいないんじゃ話が進まないし』

 

『だな』




やっと書けたよー! 疲れたぁ! もうやだ少しでもシリアス雰囲気を出すの辞める! 俺には無理だ!

さぁ、次回のアナザーストーリーは、

八幡、誤解を解く。
三木、解を得る。
折本、空気だね。

の3人が中心(笑)だよ! 次回もゆっくり読んでね!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

テストおわり、進級済ませ、受験終了

 体育館裏でのドナドナ事件を解決した翌日、教室のど真ん中でクラスメイトに囲まれつつ三木と話す場を設けさせられ、ではなく設けてもらい、誤った解を正しい解に変換させ無事全てのゴタゴタを解決させることが出来た。皆もそんな現状になった為ものすごくゆるーくなってしまった。それが他のクラスにも伝わってしまったのかいつの間にか学校全体がゆるーい空気が蔓延していった。

 別に悪い事ではない。寧ろ張り詰めた空気が蔓延するよりかはずっと良いはずだ。事実、皆楽しそうだしな。

 だがしかし、俺達はまたしても危機に直面していた。

 

『どうしたんです? 今回の小テスト』

 

『『『…………』』』

 

 英語の女の先生が俺達を見下ろす。いや違う。俺達が小さくなってるから見下ろされている様に感じているだけだ。決して先生は悪くない。寧ろ俺達にしか非がある、と言いたいがただ、ただほんの少し言い訳をするというならそう、異様な存在感を放つ『ヤツ』を気にしない程俺達は祭りの後の寂しさすら吹き飛ばす勢いでエンジョイしてしまった俺達がいけないのだ。言い訳じゃないじゃん自分達が悪い事を肯定してるじゃん。認めちゃってるじゃん、俺達が悪い事。

 

『最高得点が50点満点で27点……。いつもなら満点を叩き出してくれる子も沢山いるのに……。流行ってますか? 集団ボイコットとか……』

 

『『『…………』』』

 

 き、気まずい……。この先生どうしたらこんなに穢れを知らずに生きて来たの? とこの学校の8つの不思議の内の1つに数えられるくらいこの先生は有名なのだ。え? 知るかそんなキャラ? じゃあ今覚えてくれ俺も覚えるから。って俺はもう既に知ってるんだった。八幡うっかり。

 

『先生は知っていますよ。最近皆さんだけでなく学校全体がもう緩みまくってるって職員室でも話題として取り上げられてます。ですが皆さん? 忘れてはいけないもの、ありますよね?』

 

 一呼吸おく。

 

『中間テスト、忘れてませんよね?』

 

『『『うわああああああ!?』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んで姉さん? 俺に何の用?」

 

「いつものお勉強会開いてプリーズ」

 

「まぁそんな事だよね知ってた」

 

 放課後、SHR(ショートホームルーム)が終わってすぐに三木グループ+α(帰ろうとしたところ捕まった)は隣のクラスにいる三木の双子の弟、三木(きざみ)に勉強を教えてもらう為にお願いしに来た。どうやら俺の現国がいつも2位なのはこいつのせいらしい。それでいて他の教科も安定して高得点を叩き出すという……何それ勉強面ハイスペック過ぎない?

 

「お前が比企谷八幡?」

 

「ん、まぁそうだが」

 

「姉さんが苦労かけまくってるみたいでゴメン。何かやらかしたら俺に言って。なんとかするから」

 

「おう、その時は任せるわ」

 

 何だよこいつ超がつくほどまともな人じゃねーか。三木の弟だって聞いたからまたおかしな、じゃなくて変なのが出てくるんじゃないかとヒヤヒヤしたぜ。

 

「場所は?」

 

「図書室」

 

「わかった」

 

 会話短すぎない? それだけで伝わるものなの? 俺と小町の間でそんな事出来ないんだけど。この兄妹には俺と小町の間には無いものを持っているのかもしれない。いいなぁ! 羨ましいなぁ! 俺も小町とそれくらいの仲になりたいなぁ! あ、やっぱり嫌です。小町とたくさんお話したいです。

 

 

 

 

 

 場所は変わって構内にある図書室。テストが近いからか人が疎らだがいる。しかしなんとか人数分の椅子を確保出来たので数人で使うような大きな机に寄せて囲うように座る。しかし普段は6人位で使う物なため少し狭く感じる。あと周りからの視線が突き刺さる。しかしながら流石にそれにも慣れたので気にしない方向で。

 ちなみに俺は計算がある理数系科目が壊滅的だったのでそこを徹底的に叩き込まれた。曰く、公式さえ抑えておけば文系が出来ている俺ならそこそこ点数が取れるらしい。とにかくテストまでの間は公式をひたすら反復練習すればいいと言われたのでそうしていた。

 

 そうこうしているうちにテストも無事に終わり、テストの返却が終わっていった。驚いた事に理数科目、特に数学と物理が平均点には届かなかったがそれでも半分近くの点数は採れた。現国はいつも通り2番手でした。その事について三木弟に伝えたら、

 

「俺に勝てるのは俺だけだ」

 

 意味がわからんがドヤ顔だった。そしてコイツはやっぱり三木の弟なんだなぁと再認識させてもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからまた緩い空気が流れ始めて今度は期末テストが迫ってきたがこれも刻(姉と区別つかなくなるから名前で呼べと言われた為刻と呼ぶ事になった)の勉強会で乗り切る。

 年も明け特にこれといったイベントもなく3年生を送り出し、俺達は2年生へと進級した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待てこれはどう考えてもおかしい」

 

「何が?」

 

「中間テストから進級までの間よりも文化祭での出来事の方が内容が濃すぎて今日までの出来事が薄っぺらい感じがするのは気のせいか?」

 

「知らないなぁそんな事。ていうか早くプリント出しておくんなし。帰るのが遅くなる」

 

 プリントというのは進級と同時に配られた進路調査票の事だ。はっきり言って今の俺としては進学しか道が無いからそこに丸をつければ終わりというものなのだが貰った時に担任の話を一切聞かずプリントの内容を確認せずにをクシャクシャにした状態でカバンに突っ込んだから帰宅しようとした所を三木にプリントの事を聞かれて初めて知ったって感じだな。

 

「ほれ、これでいいのか?」

 

「……よし、クリアだ。じゃあこれ出してくる」

 

「おう、頼んだ」

 

「……あぁ、そうだ比企谷」

 

「なんだ?」

 

 出口に向かって歩き始めたと思ったら歩みを止めこちらを向く。そしていつも百面相の如く豹変する顔からは今までに見たことが無い真剣なというか、真面目な表情を顔に出していた。

 

「比企谷は高校、どこにするか決まった?」

 

「気が早いな。まぁ一応総武に挑戦しようかなと思っていたが、する必要性が無くなったし海浜総合とかそこら辺だと思うぞ」

 

 必要性が無い、というよりする必要性があった問題が今となっては解決された為もうどうでも良くなってしまった。理由がなんであれ、コイツのおかげで。流石にずっと悪意に晒され続けたいとかいう願望は無いからこの学校から誰も行けないであろう総武に行こうとしてただけで今はもうモチベーションも何も無いな。

 

「そっか……じゃなくて、そうかそうか。ならばいい」

 

「それがどうかしたのか? ていうかキャラブレ気をつけろよ」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

「一気に心配になったんだが」

 

 まぁたいした問題じゃない事はなんとなく察せるから本当に大丈夫なんだろう。てかあったら絶対折本……は無いとしても仲町さんとかに話したりするだろう。俺? 最初から選択肢にあるわけないじゃないですか。

 

「おーい、美咲と比企谷まだ終わらないのー? 早く帰らなーい?」

 

「あぁ、折本か。スマン今終わらせた」

 

「遅すぎ。なんか奢って」

 

「中学生の懐事情舐めんな。もう財布の中はすっからかんで何も出ねぇよ」

 

「何それウケる!」

 

「ほれ三木。折本の介護は俺がやっとくからはよ言ってこい」

 

「わかったーお願いねー」

 

「スルー!? てか介護って何!?」

 

 喧しいな新学期早々。コイツこのまま成長するんじゃねぇか? ……想像したらマジでありえそうでウケるわ。

 

「ま、あまり気にしなくていいか」

 

「ん? なんか言った?」

 

「いんや、別に」

 

 しばらくはこのまま続いていくであろうこの環境でゆるーく生きていくとするさ。俺達の旅はこれからだ、みたいな感じでな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな事を考えていたら、いつの間にか高校受験が終わっていた。




主「初めて3000文字超えた」

???「ちょっと待って物語端折りすぎじゃない?」

美咲「あとさり気なく私の弟出てたよね?」

主「刻くんは初めて書いた二次創作俺ガイルの中で出した美咲の弟っていう設定の子なんだよ。まぁ駄作すぎてボツにしたけど」

美咲「元々の設定が自分から女装するシスコンだった変態ね」

???「何それどういうこと?」

主「美咲と顔が似てるからねぇ。ちなみに双子じゃなくて1つ歳下って設定にしてたんだよね。美咲を出すって事にしてから絶対刻くんも出すって決めてたし」

美咲「ちなみに名前はコープスパ○ティーに登場するキャラから取ってきたらしい」

???「その隠し方は悪意を感じる」

主「というわけで、次からは高校生編が始まります。ゆーっくりみていってね!」

???・美咲「無理やり切り上げたなこの野郎」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

決意表明

 高校の入学式が始まるまでの間の春休み期間。この限られた時間の中で諸君らは何をするだろうか? 学校側から出された課題をする者、高校デビューの為の自分磨きをする者、特に何もせずだらだらと過ごす者等々、人それぞれだろう。

 何しろ義務教育が終わったのだ。各々が自分で何を成すか決めることが出来るのだ。選択科目や文理のどちらの道を行くかを決められるのだ。なんと素晴らしきかな高等教育。産まれて15年と数ヶ月でこれからの人生に向けて成長をしなくてはならないのだから。この歳でもう既に将来やりたいことが見つかっている者ならばその手の高等教育機関に向かうのだが俺のような人達はとりあえず自分の学力に合った学校に行くのだろう。なので高校に入ったからと言って特に今は何かを成し遂げるだとか、そういうものは無いのだ。

 

 なので、俺は今回のテーマに沿った作文を作ることは出来ないと言っても過言ではない。

 

 

 

 

 

 

 

「ダメでしょこれ」

 

「ダメかなぁ」

 

「ダメだろうなぁ」

 

「ダメ」

 

「相変わらず捻くれた事を書くねぇ」

 

「全員してなんだよ。何がいけないって言うんだ」

 

 春休み最終日の正午より少し前、学校側から出された課題を終わらせる為に近くの図書館に集まった俺たちはなんとなく、入学式に合わせて提出する『高校生になったら』という作文を見せ合うことになり、俺の物を見せたところ三木たちによるダメの雨嵐が殺到した。酷くない? かなりの傑作だと思うんだけど。

 

「何がダメって、何もかもダメでしょ。いや、確かに納得出来る部分はあるけどさ」

 

「納得出来るなら問題無いな」

 

「いやだからダメだって」

 

 はて、何が問題なのだろうか。確かに『高校生になったら』というお題からは少し外れているかもしれないがそれに目を瞑ればこれ以上に無い良い文章だと思うのだが。

 

「まず何がダメかって高校に入ったらどういうことがしたいかとかが書かれてないこと。そもそも高校に入っても何もする気ないぜヒャッハー! みたいな文章だからアウトじゃんじゃん?」

 

「いや実際何かを成し遂げたいが為に海浜に来たんだ! みたいなスポ根魂とかそういうのも無いし、そもそも俺はあそこに何も求めてない」

 

「ならいいか」

 

「「「ダメって言ってるでしょうがこのアホ2人!」」」

 

「千佳たちハモってるウケる!」

 

 そんなに俺の書いたものはダメだったのか。仕方ない、後でぱぱっと書き直すか。たぶん忘れるだろうけど。

 

「おいお前ら、ここ一応図書館だからもうちょい静かにしろ。それよりそっちの3人は課題の写しやらなくていいのか。だいぶ時間経ってるぞ」

 

 そっちの3人、というのは三木、日月(ひづき)氏神(うじがみ)の3人のことである。え? 三木は知ってるけど他の2人を知らない? いやまぁなんだ、俺も三木たちとつるむようになって3ヶ月くらいした後にやっと名前を知ったくらいだから。それまで普通に不便が無くて名前を聞くのをすっかり忘れてたなんて言えない。さすがに失礼すぎるのでこの事は誰にも教えずに墓の中まで持っていくつもりだ。

 

 日月絆奈(きずな)、いつものメンバーの1人で妹が1人いる千葉県に住む姉。3年になってから俺と妹談議をよくするようになった。さすが千葉。兄弟愛も姉妹愛も深いな。俺のせいで妹が可愛く見えてきてしまった。責任をとれ! などと言ってきたのは懐かしい思い出だ。

 氏神環奈(かんな)、こちらもいつものメンバーの1人で1人っ子だ。俺と日月の妹談議に付き合っていたら妹が欲しくなっていた時に三木が妹を攻略するギャルゲーの存在を教え、少し危ない所まで落ちかけた。今はたしなむ程度で落ち着いている。

 

「ふっ、(おれ)はいざとなれば刻に見せてもらえば問題無いのさ」

 

「妹を愛でてたらいつの間にか時間が流れてたのが悪い」

 

「妹の攻略に勤しんでしまってた。反省はしてる。後悔はしていない!」

 

「日月と氏神、妹に理由を押し付けるんじゃない。妹を愛でながら他のことをするのは難しいに決まってるだろうが。常に妹のことを考えながら生活してきた俺とは年季が違うんだからな」

 

 24時間364日、ほぼ年がら年中妹の事を考えているからな。1日足りないのはあれだ、気にすんな。俺にだってそんな時はある。

 

「くっ、さすが比企谷! 私達とは格が違う!」

 

「絆奈と環もは十分シスコンをこじらせ過ぎでしょ。もともとそんなんじゃなかったでしょ?」

 

「違う、違うのかおり! 私だって元々妹なんてー! とか思ってたの! でも比企谷がいい顔で妹の事を語ってくるから!」

 

「比企谷……、あたしらが居ない時に何を……」

 

 待て、そんな目で俺を見るな。いいだろ別に。妹と弟を嫌いな千葉県民はいないもんだと思ってたからどれだけ素晴らしいものなのか懇切丁寧に教えてあげただけだ。あとは知らん。元々その才能があっただけだ。俺は悪くない。

 

「はいはい、さっさと集中してやっちゃってよ。午後から遊びに行くんでしょ?」

 

「「はーい」」

 

 さすがこの中で唯一のまともな存在、仲町さんだ。俺とかがやると必ずまた雑談になるからちゃんと作業させるなら仲町さんの存在は必要不可欠だな。今後何かしらあったら仲町さんに任せよう。

 

「あ、そうだ比企谷君。今のうちにさっきの作文書き直しちゃいなよ。どうせ忘れたとか言うんだから」

 

 ……本当に、何かしら作業する時には仲町さんは必要だなぁ。




???「新しいメンバー紹介のコーナー!」

三木「まぁ本当は最初からいたんだけどねぇ。いままで出る機会がなかったからとりあえず出しておいたよ」

???「まぁ本文に書かれてること以上に言うこと特にないんだよねぇ。日月は明るい茶髪に短髪で氏神が黒髪セミロングってくらいしか考えてないし」

三木「そもそも設定すら全く考えてなかったって噂が……」

???「ほとんど行き当たりばったりに加えて所々にフラグを建設するような書き方するから……」

三木「まぁそんなこんなで今の状況だから、ここから盛大に全力全開全身全霊でオリジナルストーリーに原作と上手く絡めていかないとね」

???「海浜に行ってる時点で無理だと」

主「それをするのが俺クオリティー」

???「いきなり現れないで主」

三木「投稿遅すぎ。もっと早く書け」

主「本当にごめんなさい。ちょっと荒野行動にハマってしまいやっちゃってました」

???「マジで待ってる人そこそこいるからね? 前も感想で来てたじゃないか」

三木「そのコメに深夜に気づいてすぐ書いた時は驚いたけどね」

主「俺はやらないとやれない男だから」

三木・???「意味わからん」

主「はいはいそれじゃあ締めるよ」

???「無理やり締めようとするな」

主「今回も遅くなってすみませんでした! 次もたぶん遅くなりますので首をキリンくらい長くして待っていてください! お疲れ様でした!」

三木・???「無理矢理すぎぃ!?」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ラーメンよりカロリーの高い飲み物ってそれなんてス○バ?

 自己紹介、読んで字のごとく自分を他者に説明をするものである。あらゆる場面で発生するそのイベントは多くの人が頭を悩ませる。例えば小学生の頃、この時にどれだけ面白いことを言えるかがクラスの人気者、もしくはカーストトップの座に君臨できるかが決まってくるのだ。もはやこれは一種の戦争に近いものがあると考えられる。何故か? 答えは簡単。誰しも一人ぼっちになりたくないからだ。惨めで寂しい気持ちになりたくないからだ。だからほとんどの人はそんな風になりたくないから頑張ってネタを作ろうと努力するし時には他人の真似、模倣をする。

 

 だが俺は違う。そもそも独りでいる事に耐性を持っているのも理由の1つだが、俺にはここで無理に明るく振る舞って媚を売らずとも居場所が既にあるのだ。うん、万事問題ない。問題ないはずなんだが……。

 

 

 

「何故俺は正座させられているんだ……」

 

 

 

「自覚無し。重石を2個ほど抱かせよう」

 

 

 

「いきなり拷問に移ろうとするな説明しろ説明を」

 

 

 

 ちなみに今は普通に教室の床で正座をしているがそこはもうどうでもいい。いやどうでもよくねぇよなんだ教室の床で正座させられているっていうこの状況は。めっちゃ注目されてるじゃねぇか。針のむしろだわ。前代未聞だろ突然教室の床で正座させられるやつなんてそうそういねぇだろ。そんなそうそうない事をさせられている俺ってばマジスペシャルな人間だな。ふっ、また人間としての格が上がってしまった……。

 

 

 

「くだらない事を考えている。アイアン・メイデンの用意を」

 

 

 

「それもう処刑だよね? その中に入った八幡君は生きてないと思うの」

 

 

 

 ていうか実際に存在していたかどうかはわかっていないがエリザベートの拷問器具の1つであるアイアン・メイデンをただの一般教室に持ってこようとするな。拷問器具って部類に入ってはいるが軽く人を殺せる構造してるからな?

 

 

 

「それで、俺はなんで正座させられてんだよ。わけがわからないよ」

 

 

 

「私的にはインキ○ベーターは好きじゃない。ギロチンの用意を」

 

 

 

「もういいよその流れは。飽きたわ」

 

 

 

「私がせっかく考えてあげた自己紹介をやらなかったから憂さ晴らしする為に正座させてるんだよ言わせんな恥ずかしい」

 

 

 

「恥じるべき箇所は無かった気がするんですが?」

 

 

 

「俺がルールなんだよ。抗うな。従え」

 

 

 

「おぅふ……ジャイアニズム……」

 

 

 

 助けてドラちゃん。またミサイアンが虐めてくるんだ。頼むからコイツの思考回路をどうにかできるビックリドッキリメカを出しておくれー。

 

 その前にミサイアンって語呂悪すぎるな。後で呼び名を考えておこう。

 

 

 

「はいはい、周りの目も少し痛くなってきたし終わりにしなよ。ていうか早く帰ろう。お昼御飯食べに行こうそうしよう。ハリーハリー」

 

 

 

「刻も家に帰ったらお説教だから」

 

 

 

「ハヤクイコーオナカスイタナー」

 

 

 

 ナイスだ刻。お前のおかげで俺への注目が多少なくなった。お前のその勇姿は3秒位までは覚えておこう。……はて? 俺は何故助かってんだ? 不思議だ……。

 

 

 

「それで、どこに食いに行くつもりだ? ラーメン?」

 

 

 

 正座させられていた件を避けるように昼飯の事に話をずらしていく。折角刻が身を削って作ってくれた逃げ道なのだ。乗るしかない、このビッグウェーブに!

 

 

 

「ラーメン……。なりたけに行こうそうしようハリーハリー」

 

 

 

「決まりだね。じゃあ折本達にも連絡入れておくよ」

 

 

 

 この後体重を気にする乙女達をス○バのチョコレート クランチ フラペチーノとかいう呪文のような商品よりもラーメンの方がカロリーが低い事を懇切丁寧に説明してほぼ無理矢理連れていきめちゃくちゃすすった。

 

 

 

 

 

 

 

 この時、ラーメンの魅力に囚われた仲町さんがラーメン屋の探索するようになったのはまだ俺しか知らない。




主「今回短い理由は読んでて分かるかもだけど、ここからまた次の日の事を書くとまーた変に長くなるから一旦ここで切らせてもらうよ」

美咲「許さない死刑」

主「もうやめてくれぇ! サルモネラ菌が3月の間ずっと潜伏されてた挙句学校が始まる前日にインフルに苛まれてたんだよォォォ!!! しかもバイト先では2人も辞めるのに誰も新しい子が入ってくれないから平日週4で働いてんだからァァァァ!!! 心が折れるわ!」

???「ダメです」

主「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙もう知らん終わりったら終わりだァァァァ! 次回も何とか頑張るから見捨てないでぇぇぇぇぇ!!!!」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

やはり俺達の担任が恐ろしいのは間違いだと信じたい、そんな人生だった。

全ては後書きを見て……疲れたよ……。


『高校生活を振り返って』

 氏名・比企谷八幡

 

 高校生活が始まり早1年が経ち、2年生となった。だがしかし、正直言って1年の時の記憶は殆ど無い。

 本来ならばあれこれと嘘でもでっち上げてでも何かしらの事を書かなくてはいけないのだろうが、事実何も無かったから書きようがないのだ。

 今の俺の学校生活は中学時代と殆ど変わっておらず、特にこれと言った変化は見受けられないのだ。

 それならばその日常を書けと言うのならば仕方が無いのでそれを綴っていくとしよう。

 まず1つ目、おぞましき文化祭。1年の時の出し物は女装喫茶なるものだった。あれは酷かった。当然俺も女装させられた上で詰め物までされたが、何故か脱がされた。余程似合わなかったのだろう。その証拠に男子が顔を真っ赤にして「お前は本番まで絶対に着るな!」と釘を刺される程だったからだ。不思議な事に部門賞で最優秀賞を貰って驚いたのは今でも鮮明に覚えている。

 2つ目、仲町さんとのラーメン屋発掘の旅。いつぞやかにいつものメンバーを普段は行かないようなラーメン屋に無理矢理連れていったのだが、その時にどハマりしたらしく、ちょくちょくあちこちに出回っているようだ。しかし1人では中々回りきれないので俺が駆り出され、一杯のラーメンを2人で分け合って効率性を高めた。俺もラーメンは好きなので積極的に着いて行ったが、その後カロリーを消費するとかで運動を半強制的に協力させられた。おかげでだいぶ運動は出来るようになったがもう少し抑えてほしい。

 3つ目、秋にあった競歩大会。道は同じだが男女で違う距離を走るか歩かなくてはならない。なので先に男子が先にスタートをするのだが走るのも面倒なので三木弟と共にのんびり歩きつついつものメンバーと合流した。多少道草を食っても十分ゴール出来るように設定されている所がとても良心的で、特に何をするでもなくただただ風景を眺めながら散歩気分を味わえたのはとても良いものだったと思う。毎年違う季節、もしくは違う場所で競歩大会をするのも悪くないと思う。ちなみにこの件は目安箱に入れさせてもらっている。

 4つ目、日月と氏神との妹談義。これは割愛してもいいんじゃないかと言われるかもしれないが()()()重要な話なので見てもらいたい。まず3人のうちリアルで妹がいるのは2人。残りの1人はまぁそういう事だが敢えて触れないでおこう。中学時代に俺のせいで2人がシスコンになったらしいのだが、それは違うだろう? 千葉の兄と姉はすべからくして妹が家族的な意味合いで好きなのだ。元々持っていた可能性が目覚めてしまっただけなのだ。なので俺は悪くないし責任を取るつもりも無い。そもそも妹を愛でるのは兄、もしくは姉の務めであり人生においても重要なファクターだ。何故嫌悪する必要があるのだろうか。正しく愛を注いでやり多少のワガママを聞いてあげれば良好な関係になるのは必然なのに。そもそも妹が反発したりするのは兄や姉が好かれる努力を怠ってきた結果ではないだろうか。声を高らかにして言いたい。妹とは限りなく近しい存在であり他人である。他人に対して無理矢理あれこれ命令して好かれると思っている人間はそうはいないだろうが、無意識にそういう事をしている兄と姉はいるのではないだろうか。そこが良好な関係を結べていない兄弟と俺達との違いだ。1度、全力で妹を甘やかしたり一緒に遊んだりしてみてはどうだろう? 千葉の人間ならば、きっと気づくはずだ。妹の存在がどれほど素晴らしいものかを。ついでに言っておくと俺には弟がいないのでブラコンでは無いが、弟の事でも先程書いた通り限りなく近しい他人なので好かれる努力を怠らないでほしい。

 最後に折本主催のサイクリング大会。あれは中々大変だった。一体どこまで行くつもりなんだと何度ペダルを回したことか……。まぁその道中折本が下調べしていた美味しいものがある所に行けたからプライマイゼロだな。ただ次の日は折本を除く全員もれなくまともに歩くことは叶わなかった。

 以上が去年の出来事だ。

 

 

『高校生活を振り返って』

 氏名・三木美咲

 話をしよう、あれは今から36万……いや、1万4000年前だったか、まぁいい、私にとってはつい昨日の出来事だが、君たちにとっては多分明日の出来事だ。

 彼には72通りの名前があるから、なんて呼べばいいのか。

 確か最初に会ったときは、八幡、そうあいつは最初から言う事を聞かなかった。

 私の言うとおりにしておけばな、まぁいいやつだったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このクソ文章について何かしらの申し開きがあれば聴いてやるから歯ァ食いしばれ」

 

「ボディーランゲージは苦手なのでせめて普通の対話を求めます!」

 

 春休み明けに提出の課題について昼休みの職員室に呼び出され、初手から暴行に持っていこうとする目の前の担任教師に対して土下座する勢いで頭を下げ許しを乞う。怖ぇよ何この教師。睨みきかせたらもうヤクザ顔負けの顔面してるんだからドスの効いた声出さないでくれようっかりチビりそうになるだろうが。

 

「三木姉。お前は何か言い訳はあるか?」

 

「それ書く前日に元ネタになったゲームやってたら書きたくなってしまいました。反省も後悔もしてます」

 

 隣の三木を盗み見るといつもの調子は何処へか。すくみ上がって素らしきものが出てきている。ほらご覧よ奥さん。お顔真っ青にしてガッタガタ震えまくってますわよ? あらやだ怖すぎるわこの担任。クラス替えまだかしら?

 

「比企谷。お前のは再提出するにあたって直すところは……わかっているな?」

 

「は、はいっ……!」

 

「三木姉。お前も…………分かってなかったら晒しあげるからな?」

 

「ち、ちなみに何を晒すおつもりで……?」

 

「……………………」

 

「何っ!? 何なんですか!? 私は何を晒されそうになっているんですか! ちょ、さっきまでの形相は何処に行ったんですか! 今の仏のような微笑みされても逆に怖いんですけど!」

 

「狙ってやってるからな」

 

 もうやだこの鬼畜教師。早くこの人の前から消えたい。

 

「まぁいいわ。それよりお前らには他にも罰則与えっから放課後また俺んとこに来い。ちょっと生徒会の雑用をお手伝いさせてやっから」

 

「「あ、ありがとうございます。失礼しました」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんで、どうだったの比企谷、美咲?」

 

「「いっそ殺してくれって頼みたい程の凄みだった」」

 

「それホントに教師?」

 

 教室にて俺達が戻るのを待っていた折本達と飯を食べつつ事情聴取が執り行われた。

 

「教師なのは間違いないんだが、もっと適職あっただろ。三木とか怖がりすぎてかなりレアな状態になったしな」

 

「怖かった……。すごく怖かった……!」

 

「おーよしよし、こっちおいでー」

 

 日月と三木がくっついているとなんか本当に姉妹みたいな感じがするのはなんでだろうか。どっちが姉でどっちが妹だろうか、という質問をしたら確実に日月が姉を立候補するんだろうなー。

 

「ちゃんと書かないから行けないんだよ。俺はちゃんと注意したからね」

 

「うっ、刻が虐める……」

 

「虐めてない。自業自得だって言ってるだけ」

 

 刻よ、最後のは俺にも刺さる言葉だから。なんならちらっと俺の方にも目線を向けないでくれ。わかってるから。俺が悪いってわかってるから。

 

「そんでー? 書き直しとか言い渡されたの?」

 

「あー、実は放課後に生徒会の手伝いを命じられてな。悪いけどお前等は先に帰っててくれ。いつ終わるかわかんねぇし」

 

「比企谷……、逃げたらどうなると思う?」

 

「あの顔を思い出せ。どうなるかわかるだろ」

 

「…………」

 

 全てを理解してしまったのか、多少良くなった顔色がまたしても青くなってしまった。とはやトラウマとなって住み着いてしまったようだ。おお、可哀想な三木よ。変わってあげられるなら変わってあげたいくらいだ。嘘です無理ですごめんなさいやっぱり無しでお願いします。

 

「とにかく、そういう訳だから俺と三木は奴隷になったからあとは頼んだ」

 

「奴隷とか! 奴隷商人が似合いすぎててウケる!」

 

「……かおり。絶対それあの先生の前で言うんじゃないわよ?」

 

「まだ命が惜しいならな」

 

 なお、後日何故か担任に俺達の話の内容が伝わっていて全員漏れなくトラウマを植え付けられたそうな……。




主「疲れた」

???「もう駄目だ」

美咲「お終いだァ」

主「なんだよもう疲れたよ俺は。死ぬぞいい加減」

???「4連勤が終わったと思ったら今度はインターンの準備と試験だからねぇ」

美咲「ゲームのイベントも復刻ばっかりだけど素材欲しいから回ったり欲しいキャラいるから引いてみたりしてみたけどダブりしか出ないから心臓麻痺起きそうになったりねぇ」

主「それに遅れた分少し多めに書くかーってなったら3000文字超えたよ。初めての出来事だよちくしょうめ」

???「本編も若干文章が気に食わないから1から全部書き直したいって言ってるしね」

美咲「止めておきな。どうせ途中でキレるんだから」

主「本気で1から投稿し直そうと思ったからなぁ」

???・美咲「アホだ」

主「まぁそんなわけでまーた遅くなるから首をキリンくらい長くして待ってておくんなし……」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

生徒会長、夜巡夜一表る。(しかし特にイベントは無い)

 放課後、うちの担任の先生に連れられて生徒会室にたどり着いた俺と三木は奴隷の如くこき使わされた。一切の休憩も無く、ただ黙々と作業をし続け、ある時には飲み物を買わされに行かされた。最早ここでの俺達の人権なんてものは無く、本格的に俺の想像している社畜像と似たり寄ったりな状況が作られていた。許すまじ、先生め。未だに名前を知らないから呪禁さえ唱えることが出来ないのが歯痒いところだ。

 

 ──また、以上の文章は全て悪意のある改稿である。

 

 働いた時間は下校時刻までだからせいぜい2時間とそこら程で、話すことも無いから黙々と作業をし続け、飲み物を買いに行ったのだって生徒会長に皆の分も買ってきて欲しいとお金を渡しながら頼まれたからだ。人権が無い? そんなわけあるか。なんなら俺達の分は奢ってくれたまである。更にいえば俺達のスペックに合った仕事を振り分けてくれたから楽といえば楽だったし。あれ? これ結構理想的な仕事じゃない? 

 それと念の為、先生の尊厳の為に言っておくが、ここには先生はいない。まるで先生に命令されて仕事をさせられているような物言いをしたが先生は他にやる事があるらしいからここではない別のところにいる。つまり、かなり悪意のある文章の改編をしたのだ。良い子のみんなは絶対にこんな書き方をしたり文章だけで全てを知ってしまったような考えはやめようね! 百聞は一見にしかずって言葉があるくらいだからね! 自分が実際に見たものを信じよう!

 まぁだからと言って先生への恨みは無いわけじゃないからやっぱり呪いをかけたいけども。

 

「2人共お疲れ様。今日は助かったよ」

 

 この人物がうちの生徒会長である夜巡(よめぐり) 夜一(よるいち)先輩である。姿形としては俺より5、6センチ程高いが、だいたい俺と似たような感じの肉付きをしている。体全体から優しい人オーラが溢れ出ており、三木が浄化しかけたからそれが大変だった。アイツ曰く、「己が穢れている気分になってくる」との事だ。意味がわからん。

 

「いえ、俺達は罰なのでしょうがないですよ」

 

「そういえばそれで連れてこられたんだっけ。何したの?」

 

「『高校生活を振り返って』とかいう宿題をふざけて書いたらこんな事になってました」

 

「柊先生相手にそんな事するの君らくらいだろうね……」

 

 そもそもあんな事するやつがホイホイ居てたまるか。うちの担任があんな感じだって知ってたらもっとマシなもんを作って何事も無く平穏に暮らしてたわ。ここで最初から真面目に書けばいいのにとか言ってはいけない。普段から真面目にサボる事を考えている人ならわかるはずだ。

 ていうかあの先生って柊なのね。覚えておこう。

 

「柊先生は自分の顔面がかなり怖いのをわかってる上で更に極道顔負けの表情するから余計に怖いんだよ」

 

「「それは身をもってわかってます」」

 

「それでも話してみると数ある教師の中でもまともな教師だから困った事があったら1番最初に相談した方がいいよ。必ず解決策を貰えるか先生自ら乗り込んで問題が無かったことになるまで徹底的に潰すから」

 

 最後のやつで安心が無くなり恐怖が産まれた。なにしたんだよあの教師。秘密裏に問題を起こした何人かフルボッコにでもしてトラウマ植えつけたの?

 

「さて、雑談もそこそこに終わらせて早く帰ろうか。オレは先生に鍵返しに行ってくるからキミらは先に帰っててね」

 

「分かりやしたー。じゃー夜巡センパイお疲れ様っでしたーっす」

 

「お疲れ様でした」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんでまだ学校にいんだよ」

 

 正確に言うと学校の敷地内にある駐輪場だが、まぁそれは置いといていいだろう。それより話の焦点を当てたいのはなぜまだ刻達が残っているのかだ。あれ? 先に帰ってていいよって言わなかったっけ?

 

「待ってたんだよ。何させられたか聞いて場合によってはおちょくるためにね」

 

「サイッテー」

 

「褒めるなよ恥ずかしい」

 

 褒めてねぇよ。今のが褒め言葉になるのかコイツ……。さてはMか?

 

「どちらかと言うと俺はSがいい」

 

「心を読んだ上で願望言うんじゃねぇよ。知らねぇよそんな事」

 

「はいはい、どうでもいいから早く帰ろーよ。てかどっか寄っていかない?」

 

「「疲れたから直帰する」」

 

「ハモってるし! ウケる!」

 

「「ワーソーダネー」」

 

 これが俺の日常であり、いつもの光景だった。これがずっと続いて欲しかったが、神はそれを許してはくれないらしい。なぜなら、

 

「比企谷、今日からお前を生徒会雑務に任命する」

 

 なぜなら、今日から俺は生徒会に入ることになってしまったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 ……………………昨日の今日で何故こうなった。






夜巡 夜一とは?

海浜高校の生徒会長。唯一のまともなオリキャラ。一人っ子。原作の城廻めぐりの名前と性質をすこーし借りた。性別は♂。

柊 椛とは?

強面。八幡のクラスの担任教師。担当教科は国語。生徒会の顧問も担当する。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。