魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている (ゼルガー)
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人物紹介のまとめ
また後々に更新します。
【比企谷八幡】
主人公。総武高二年のオカルト研究部の部員
とある魔法使いの弟子。一人前になる前に師匠の魔法使いが死んだので、まだ半人前だと思っているが実際は既に一人前と認めてもらっている。その言葉を言われる前に老衰で亡くなってしまった。
原作よりも超人間不信。例え、元家族であっても疑う。そして、妹(ヤンデレ)が嫌い。
目は腐りを通り越して濁っている。Fateの衛宮切嗣と言峰綺麗と同じ目をしている。
唯一、身内と認めた人間にだけは信用と信頼を置いている。
得意な魔法は、無詠唱で魔法を発動できること。(実際は脳内で高速で詠唱している)
典型的な魔術師タイプ。魔法薬を作ったり実験したりするのが趣味。魔法薬の実験の効果で魔力は高レベル。裏世界で効果な値段で取引されるほど希少価値が高い。
魔法使いとしての実力も高く、山程度なら吹っ飛ばせるし、国一つ脅せる。だが、メンドクサイのでやらない。
もし、サーヴァントとして召喚されたら間違いなくキャスタークラス。最優のセイバーに引けを取らないステータスになる。
【一色いろは】
一応ヒロイン。総武高一年のオカルト研究部部員
八幡の弟子。だが、余計なモノを作ったり暴走したりするので名前では呼ばれず「馬鹿後輩」と呼ばれている。だが、本人はまんざらでもないので、先輩と呼んでいる。
中学時代に、自分の周りにいた男子たちに強姦されそうになった所を八幡に偶然救われた。八幡曰く、俺の目の前でなければどうでもいいが、自分の目の前でやられると目覚めが悪いとのこと。
それ以降、八幡に懐く。強姦のトラウマで男子恐怖症となり、クラスでもひとりぼっちになった。八幡は認めようとしないが、同類である。両親と八幡以外の人間は嫌い。
魔法使いとしての才能は高いが、魔法薬に関しては何故かドジスキルが働く。錬金魔法の才能は無い筈だが、何故か魔導具の制作は得意と言う異常。
八幡依存症の重症患者。ヤンデレではないが、八幡の為なら容赦なく手を汚せる。
得意な魔法は、儀式魔法。八幡の魔法薬の実験の所為で魔力は高く、毒に対する抵抗も高い。
【雪ノ下雪乃】
元奉仕部部長で、現在はオカルト研究部の部員。
原作とは違い、人当たりが良くなっている。毒舌なのは変わりないが、平気で人を気付つける罵倒はしない。めぐりとは姉関係で知り合い、性格が良くも悪くも改善されている。少なくとも、クラスに友達は何人かいるのだが、ダメ教師はそれを信じずに自己判断で孤独体質と決めつけて奉仕部に連行した。
親の方針で一人でも生きている為に自立の一環で一人暮らしをしている。と言っても、週に一回は実家に帰っている。住んでるマンションは原作と同じ。
母は雪女、父は人間の半妖で、体が溶けたりすることは無いが、暑いのが苦手。一定の妖力を開放すると外見が雪女の姿に変化する。
ちなみに姉は人間の血が濃いので雪乃みたいに変化は出来ない。
パンさんと寒いところが大好き。
【城廻めぐり】
錬金術師の一族。総武高校の生徒会長にしてオカルト研究部の部長。
作者自身もどうしてこうなった!?と頭を抱える崩壊キャラ。いろんな意味で悪ノリし過ぎた結果、バーサーカーになってしまった。あるぇ?癒し系先輩の設定はどこに消えた?
身内を守るためなら慈悲も容赦も無い。スプラッタな場面を見てもニコニコしている。
彼女の先輩である陽乃も「一番敵に回したくない」と言っている。
尊敬する陽乃の妹である雪乃の事を妹のように可愛がっており、自分と同じ異端である八幡といろはの事も身内としてみている。
いろはから譲り受けたレイジングハートで自称魔法少女めぐりんとして、日夜悪と戦ってる。かもしれない。
愛用の武器は、殺しても生き返るエスカリボルグ。
【平塚静】
原作以上に悪化しているダメ教師。他の教師からの評価も低く、生徒からの信頼も無い。教育委員会やPTAからも問題視にされている暴力教師。めぐりにOHANASHIされても全く懲りない。
裏設定だが、実は鬼の血が流れており、生まれながらにして悪の心を持っている。その為、モテないし嫌われている。が、本人に自覚は無い。それも鬼の血が原因で回りを見下し、自分の思い通りにならないと気が済まない傲慢な性格になっている。
今後の読者の要望次第でラスボスになる可能性がある。
ちなみに、奉仕部が無いことを未だに知らず、オカルト研究部を奉仕部と勘違いしている。んでもって、オカルト研究部に顧問(アザゼル先生)がいるのにも関わらず、自分が顧問だと思い込んでいる。
【比企谷小町】
八幡の実の妹。実の両親に愛されて育ったが、本人はそんなものは興味なく、八幡の愛にしか欲しくなかった。故に、実の両親を血のつながった他人としか見ていない。
八幡が絶縁した時、兄を失った喪失感と、両親に対する憎悪で覚醒。先祖返りで、白蛇の力に目覚めた。八幡と小町の祖先は、白蛇に仕えていた現人神。(元ネタは、化物語の撫子。設定は東方projectの東風谷早苗)
心が病み、闇に墜ちたことで現人神の力が邪神となり、実の両親を食した。イメージとしては、Fateの黒桜。
原作の外見とは違い、長髪で目が腐っている。オニウム(別名お兄ちゃん成分)を摂取すると、原作のような目に戻る。
ヤンデレで、八幡に近づく女を許さない。
【葉山隼人】
犠牲者その1のゼンラーマン。哀愁漂わせるイケメン。八幡ですら哀れんでいる。
いろはが開発したレイジングハートの影響で、起動するたびに葉山の服が弾け飛ぶ。
警察にも同情され、親にも慰められ、クラスメイト達からも同情の涙を流されている。
ただし、女子は大喜びである。
これがきっかけで、原作のようなみんな平等主義が薄れつつあるのは皮肉である。
彼が露出に目覚めるのはそう遠くない未来かもしれない。
実は八幡の唯一の天敵。何故なら彼はトマト大好き人間だからだ。トマトが嫌いな相手には容赦しない。
【由比ヶ浜結衣】
空気が読めるアホの子。ビッチっぽい今時JKの恰好をしているが、純情な乙女。
一年前にパートナーである犬神のサブレを車から救ってくれた八幡にお礼をしたいと思っていたが、勇気が出ずにいた。
二年になりようやく勇気が出たので、どうすればいいのか担任に相談しようとしたら何故か生徒指導の平塚に無理やり相談に乗らされた挙句、奉仕部に行くように言われた
そこからは本編通り、奉仕部は既になく、オカルト研究部に相談することになった。
最大の欠点は、料理。普通のクッキーの材料で何故か暗黒物質(見た目は普通)を創造し、オカルト研究部全員の胃を破壊し、翌日欠席にさせた。
ゲスト
【アザゼル先生】
ハイスクールD×Dより。
めぐりが召喚した堕天使。元いた世界に何時でも戻れるし、今戻っても面倒ごとが多いので休暇の感覚で教師になってくれた。
面倒見が好いが、発明好きなのは変わらず、いろはと気があう。
無意識にめぐりに苦手意識を持っている。
【言峰綺礼】
Fateシリーズより
いろはがレンゲを触媒に召喚したサーヴァント。ちなみにクラスもサーヴァント。
特にやることもないので、中華料理店を営業している。のちにこの世界の自分とであり、至高の麻婆を目指すことになる。
【一色族】
一色慧は食戟のソーマから。一色あかねと一色ももはビビッドレッド・オペレーションから。保登心愛と保登モカはご注文はうさぎですか?から。
一色つながりと中の人つながりで一族扱いになっている。
【公野鳴善】
にゃのはと一緒!の主人公。不思議な生き物チヴィットのにゃのはと出会い、ほのぼのとした日常を生きている。
八幡とは中学時代の同級生で、唯一無二の親友。高校になってから疎遠になっていた。
八幡が虐めれらてても絶対に味方となり支えていたが、中二の告白事件で八幡が変わってしまい、卒業式まで中学に来なくなってしまった。彼の自宅に行っても、いなかった。
高校二年となり、無事に再会。人嫌いの八幡も彼だけは別で元の親友に戻った。
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている
俺は比企谷八幡。小学生だ。
何時からかは忘れたけど、気が付いたら虐められていた。
親や先生に助けを求めても相手にされず、俺が悪いと言われた。
誰も助けてくれない。誰も俺を必要としない。
日に日に、俺はこんな日常が嫌になってきた。
そんなある日、俺は一人の老人に出会った。
老人は俺の目を見て、何かを悟った顔をして俺にこう言った
―――お主、魔法使いになってみたくはないかの?
正直、胡散臭かった。けど、これが俺と師匠の出会いでもあった。
俺を信じてくれない、愛してくれない家族の家に居たくなかった俺は、師匠が住んでいた古びた洋館に住み込んだ。
どうせ親は妹さえいればいい。俺が居なくても気にしない。そう思った。
師匠はなんでも知っていた。俺にいろんな知識を教えてくれた。
世間一般の学力だけでなく、師匠の魔法をいろいろと伝授してくれた。
けど、師匠は次第に寝たきりが多くなった。歳の所為と言っていたけど、俺に出会ってからそれはひどくなっている。
そして、最後の日。師匠は俺の姿が見えないのに俺がそこにいると確信して寝た状態で俺に語り掛けた。
「いいか八幡。魔法使いってのはなボッチで寂しがりやなんじゃ」
「はぁ・・・・・・まあ、俺はボッチなので間違ってないですけど」
「ワシが何を言いたいかだが・・・・・・魔法使いは魔法使いを探してしまうのじゃ」
「それって、師匠が俺を魔法使いにしたように・・・・・・ですか?」
「そうじゃ。自分にはそのつもりが無くても、自然と同類を見つけようとする。そして、気が付けば弟子にしようとするのじゃ」
「魔法使いって面倒ですね」
「ワシもそう思う。だから覚えておくといい。魔法使いは孤独じゃ。誰にも理解されず、誰からも相手にされない。異端であるが故に数は増えない」
「じゃあ、俺も?」
「わからん。ワシを含む魔法使いたちはどいつもこいつもロクデナシで孤独であった。だからこそ、期待しているのかもしれんな」
「期待?」
「何、ちょっとした老婆心じゃ。弟子には幸せになってほしい。ワシらが長年求め続けてきた【本物】を見つけてくれる。そう思うのじゃ」
「本物?本物ってなんだよ?」
「さあのぉ・・・・・・結局、死ぬまでに見つけることはできなん・・・・・・だ・・・・・・・」
「お、おい師匠?・・・・・・師匠!!」
師匠は死んだ。老衰だった。
魔法使いでも歳には勝てないのだと理解させられた。
だけど、不思議と涙は出なかった。悲しいはずなのに。
そして、師匠が亡くなってから数年後、俺は今も師匠の洋館に住んでいる。もう、家族とは縁を切っている。
妹は未練というか泣いていたが、親に愛されているアイツの事などしらん。
そういえば、変わったことが一つだけあった。それは・・・・・・
「せんぱーい!この魔法薬の調合ってどうするんでしたっけ?この秘薬と魔獣の血液を2:1?」
「ちょっ!?お前、それ絶対に調合するなよ!?それは秘薬じゃなくて火薬だ馬鹿後輩!!!」
「ば、馬鹿とは何ですか馬鹿とは!こーんな可愛い後輩に向かって!・・・・・あ」
「あ」
チュドーーーーーン!!
「「けほっ・・・・・・」」
「て、てへ☆」
「こっ――――――この馬鹿後輩ーーーー!」
「ごっごめんなさーーーい!」
拝啓、あの世にいる師匠へ
俺に弟子・・・・・・いや、一つ年下の魔法使いの後輩ができました。
ああそうだ。俺はこいつを弟子とは認めん!魔法使いの才能は認めよう。だが、同類じゃない。
はぁ、一年前に複数の男に強姦されそうになったのを助けたのが運の尽きか。
ホント、気が付いたら弟子入りしてたし・・・・・・あれ?これ、師匠が言っていたヤツと同じ?い、いやいや。俺はミトメタクナイ。
しかも住み込みで。こいつの両親が挨拶に来たときはマジでビビった。なんだよ、俺なら任せられるって?勘違いしちゃうだろうが。しなけど。
いろんな意味で良い性格しているあざとい馬鹿後輩こと一色いろは。頭は良い癖に魔法薬の調合となると何故かミスる。謎だ。
「それはそうと、先輩。私も先輩と同じ高校に入学したんですよ!褒めてください!」
「いや、知ってるし。つか、誰が勉強を教えたと思っている。あと、学校では俺に話しかけんなよ?俺はボッチだからな」
「はぁ?」
何その目。なんかゾクってくるからヤメテ。
「そういえば先輩。あの作文、本気で出す気ですか?」
「ん、まあな。テキトーに思い付きで書いたから内容は滅茶苦茶だな。一年間の思い出とかボッチには無理だろ」
「えー?可愛い後輩との思いではないんですかー?」
「はいはい、あざといあざとい。担当はあの平塚先生だぞ?お前の事とか書けるかよ」
「あー、あの独身で有名な。外見詐欺の先生ですよね」
入学したての生徒に言われる平塚先生・・・・・・・まあ、同情はしない。
俺は他人が嫌いだからな。
「んじゃ、寝る前に片付けるぞ」
「了解でーす!」
・・・・・・なんか嫌な予感がするな。やっぱり、課題を書き直そうか?
いや、やっぱ面倒だわ
比企谷八幡
魔法使いの弟子。一人前になる前に師匠の魔法使いが死んだので、まだ半人前だと思っている。
実際は、既に一人前と認めてもらっているが、その言葉を言われる前に亡くなってしまった。
原作よりも超人間不信。例え、元家族であっても疑う。
目は腐りを通り越して濁っている。Fateの衛宮切嗣と言峰綺麗と同じ目をしている。
唯一、身内と認めた人間にだけは信用と信頼を置いている。
得意な魔法は、無詠唱で魔法を発動できること。(実際は脳内で高速で詠唱している)
一色いろは
魔法使いの弟子の弟子。八幡は自分を一人前と思っていないので、後輩扱い。だが、本人はまんざらでもないので、先輩と呼んでいる。
中学時代に、自分の周りにいた男子たちに強姦されそうになった所を八幡に偶然救われた。八幡曰く、俺の目の前でなけえばどうでもいいが、自分の目の前でやられると目覚めが悪いとのこと。
それ以降、八幡に懐く。強姦のトラウマで男子恐怖症となり、クラスでもひとりぼっちになった。八幡は認めようとしないが、同類である。両親と八幡以外の人間は嫌い。
魔法使いとしての才能は高いが、魔法薬に関しては何故かドジスキルが働く。
八幡依存症の重症患者。ヤンデレではないが、八幡の為なら容赦なく手を汚せる。
得意な魔法は、儀式魔法
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている②
科学が進歩したこの現代社会に過去のオカルトはすでに迷信となっている
そんな現代にも、まだオカルトは残っている。理由?そんなの決まっている。
俺自身が、オカルトだからだ。
「んで、俺になんか用っすか?」
「比企谷・・・・・・お前、わかってて言ってるのか?この、課題についてだ馬鹿者」
「ああ、それっすか」
正直、適当に書きまくって指定された文字数さえ埋まればいいと思ってたしな。
つか、こんなことで何で呼び出されてんの?そこまで変な風に書いた記憶はないが?
「君はテロでも起こす気か?特に最後の『人間なんて滅びればいい』は何だ?舐めてるのか?」
いや、それは本心だな。馬鹿後輩以外の人間は俺にとっては有象無象でしかない。目の前にいる教師も例外ではないな。
「はぁ、君は本当にその目のように腐っているな。根性というか性根が腐っている」
いや、なんで他人である教師にんなこと言われなきゃなんねーんだよ。
目は腐ってねーよ。死んでるだけだ。
「んじゃ、とっとと書き直してきますよ。ていうか、ふざけて書いているのは俺だけじゃないと思うんすけど、なんで俺だけ呼び出しなんすか?」
「うむ・・・・・・君のが特にひどいからだ」
いや、嘘だろ。目が泳いでたし、言葉も一瞬詰まった。何かあるな。
面倒ごとは全て生徒に押し付けるこの教師のことだ。俺になにか面倒ごとを押し付けようとしてそうだ。
はぁ、こんなの相手に使いたくはねーけど、読心術を使うか。まあ、深いところじゃなくて表面の思想だけ読むとしよう。
『ふう、危ない危ない。前から目をつけていたコイツに彼女の面倒を見させる計画が消えるところだった。問題児を一纏めにすれば私に押し付けられる厄介ごとはこの二人に押し付けられる。そうすれば、暇ができて婚活もできる!』
お、おう・・・・・・この教師サイテーだろ。そして、そんな考えだから結婚できないと気が付けよ。
さて、面倒ごとは御免だし、馬鹿後輩以外の人間には関わりたくはない。と、言うことで・・・・・・
「あ、先生。こんな駄文を書いたお詫びにコーヒーでもどうぞ。ブラックですけど」
「お、いいのか?悪いな。んぐんぐ・・・・う・・・ん・・・・・・」
流石だな。効果は速攻か
あらかじめ用意しておいた缶コーヒーを手渡してやる。もちろん、ただの缶コーヒーじゃない。中身は魔法で入れ替えた魔法薬だ。味はコーヒーだけど。
これは、一種の催眠状態にすることができる。まあ、催眠といってもそこまで強力ではない。
簡単に言えば、今この時の記憶を消してしまうだけだな。気が付けば自宅のベッドだろう。そして、課題の事も心で計画していたこともきれいさっぱり忘れていることだろう。
ちなみにこの魔法薬は馬鹿後輩が実験の失敗で偶然見つけた調合で作ったものだ。爆発オチしかないアイツにしてはよくやった方だろう。
「じゃあ、俺は帰りますね」
「ああ・・・・・・気を付けてな・・・・・・」
さてと、馬鹿後輩には先に帰るように指示したし、スーパーの特売で買い物をして帰るか。
このときの俺は、この教師をまだ甘く見ていた。
正確には、この教師のクズっぷりをな。
◇
「せんぱーい、聞いてくださいよー!」
「んだよあざといな。暑苦しいから抱き着くな」
帰宅したと同時に玄関で抱き着かれた。うっとうしいな。
「んで、なんだ?また実験の失敗か?」
「違います!あ、いえ違わなくはないんですけど・・・・・・」
あ、嫌な予感。こいつ、今度は何をした?
「その・・・・・・儀式魔法に失敗しちゃいました☆」
は?・・・・・・いや、マジで?儀式魔法が大得意のこの馬鹿が?
「えっと、先輩の師匠が所有していた召喚の儀式を試してみたんです。この本です」
「師匠の?ああ、サーヴァント召喚か。過去の英霊を呼び出す奴だろ?だが、これは召喚に必要な膨大な魔力と触媒、サーヴァントを維持するため魔力がたくさん必要だぞ?ペーペーのお前には不可能のはずだが?」
「あの、召喚には成功しちゃったんです」
・・・・・・・なんですと?
「ちなみにこれが令呪です。サーヴァントに対する命令権です」
「い、いやいやいや。半人前以下のお前が何で召喚できちゃってんの!?俺でも無理だぞ!?」
「私の属性が儀式魔法に偏ったせいですかねー?」
属性。それは俺達魔法使いには重要なものだ。ゲームにあるようなエレメントの属性とは違う。アレも属性ではあるが、俺達魔法使いにはエレメントは関係ない。
俺達で言う属性とは、自分たちが使用できる魔法の種類の事だ。大まかに分けて5つある。潜在魔力?そんなもん才能と努力でいくらでも伸びる。
【攻撃】・・・・・・その名の通り、攻撃魔法だ。エレメント属性の魔法もこれに入る。
【補助】・・・・・・防御魔法や飛行魔法、転移魔法とバリエーションが豊富なのが補助。サポート系と言えば早い。
【回復】・・・・・・癒しの魔法。ただし、蘇生は禁術なので使えん。生贄を用意とかする気は無い。
【錬金】・・・・・・魔法に関するモノを作るスキル。魔法薬もこれに入る。馬鹿後輩はコレの属性が皆無に等しいから失敗するのだ。
【儀式】・・・・・・召喚や強力な魔法を発動するのに必要な装置を生み出すスキル。馬鹿後輩が優れている属性だな。
魔法使いはこの5つの属性でA~Eまでの五段階評価で分けられている。
馬鹿後輩の場合は、【攻撃】D 【補助】B 【回復】B 【錬金】E 【儀式】Aだな
ちなみに俺は、【攻撃】A 【補助】A 【回復】D 【錬金】A 【儀式】Dとなっている。
師匠曰く、これでも才能がある方らしい。普通の魔法使いでも一つでもBあればいい方だそうだ。
認めたくはないが、馬鹿後輩の儀式は俺以上だ。なのに、失敗だと?召喚しているのにか?
「で、そのサーヴァントはどうした?」
「えっと、その・・・・・・厨房で料理してます」
「・・・・・・・は?」
マジで?過去の英雄が?
俺は半信半疑で洋館の厨房を覗いてみた
そこにいたのは・・・・・・え?
つづく
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている③
厨房に入った俺は絶句した。そこにいたのは、神父服を着た男が中華鍋を振るう姿だった。
いや、それも異様な状況かもしれない。それ以上に目に映ったのは、中華鍋に入っている真っ赤なナニカだ。
あ・・・・・・アレは何だ?遠くから離れてても俺にはわかる。絶対に碌なモノでは無い。
「む、すまないが厨房には入らないでもらおう。今は私の神聖な領域なのだ。出来上がるまでしばし待つがいい」
「え?あ、ハイ」
いや、もう何も語るまい。
数分後、俺達の夕食はこの神父服の男が作った真っ赤な料理が置かれていた。
ちなみに馬鹿後輩にはせめてもの情けで天津飯になっていた。こいつ、さりげなく頼んでいたな。
改めて、俺は目の前に置かれた真っ赤なナニカを凝視する。そして止めた。目が痛くなってきた。
見た目でもう辛い。ぐつぐつと地獄のマグマのように煮えたぎり、俺を引き込もうとしている幻覚を見た。
向かいに座る神父を見る。神父は全く同じものをハフハフしながら無我夢中でソレを食べていた。え?マジで食い物なの?
でもって、コレはなんなの?
匂いは・・・・・・刺激しか感じない。赤を除けば見た目は麻婆豆腐だ。そう、見た目を除けばな。
「ハフハフ・・・・・んぐ。―――食わんのか?」
「―――いただきます」
もう、覚悟を決めた。逆らってはいけないオーラをこの神父は放っている。
レンゲを手に持ち、ゆっくりと麻婆をすくって口に入れた
「――――っ!?っーーーー!!?」
辛っ!?ものすごく辛い!?く、口の中が辛さで満たされていく!?
ふんだんに使われた香辛料と煮えたぎった熱が俺の舌を焼いていく。辛さの刺激が脳天を一気に貫いていく。
だが、しかしっ!それ以上に・・・・・・美味い。
意外かもしれないが、この極限まで極められた辛さの中に全ての旨みが凝縮されている!
理性では辛い(カライ)、辛い(ツライ)、もう止めろと叫んでいる。なのにも関わらず俺のレンゲの手は止まらない。
もっと、もっとこの旨みを味わいたい。この辛いのか痛いのか熱いのかわからなく感覚がたまらなく良い!
「せ、せんぱい?ちょっとせんぱい?!」
「はふはふっ・・・・・あふあふっ・・・・んぐ。―――食うか?」
「いや、食べませんよ!?」
そうか・・・・・美味いのに
「ふっ、よろこべ少年―――おかわりはいくらでもある」
「ああ―――おかわりだ!」
感謝しよう。麻婆は至高の料理だと教えてくれたことをな。
しかし馬鹿後輩よ。なぜ、畏怖の目で俺を見る?
◇
とまあ、衝撃の麻婆というちょっとした出来事はあったが別段と問題は無かった。
でだ。
「アンタが馬鹿後輩が召喚したサーヴァントでいいんだよな?」
「うむ。まあ、私自信は英雄でも無ければ偉人でもない。【セイギノミカタ】に敗れ去った外道と言ったところだ」
反英霊・・・・・・ってわけでもなさそうだな。どう見ても胡散臭い神父だ。目に関しては俺と同類かもしれんが。
「で、馬鹿後輩。なにが失敗なんだ?俺には成功した風に見えるが?俺に麻婆を食わせてくれたし」
「え?だって、過去の英霊じゃないんですよ?失敗じゃないですかー」
ああ、そういうことか。
「ちなみに神父を召喚した触媒は?」
「そこらへんにあったレンゲです」
おい、そんなもので召喚するんじゃねーよ。
「さて、私はこうしてサーヴァントとして召喚されたわけだが・・・・・・何をすればいい?今の私は、その少女の令呪によって縛られている」
「えー?考えてませんよー」
だと思った。あ、そうだ
「なあ。俺の所有している空店舗があるんだが、そこで料理店を開いてみないか?」
「ほう?神父であるこの私がか?」
「ああ。正直、アンタの麻婆に惚れたからだ」
でもって、あの麻婆を広めたい
「ふっ、いいだろう。主に仕える身ではあるが、麻婆を広めるのもまた一興か。少年、名は何という?」
「俺は比企谷八幡、半人前の魔法使いだ」
「比企谷八幡か。その名、覚えておこう。私は言峰綺礼。元聖堂教会の神父だ」
なんとなくだか、俺はこの神父と気が合う気がした。
「・・・・・・何というか、合わせてはいけない人達を合わせた気がしますね」
後日、神父に与えた店舗【中華料理泰山】は有名となっていた。人気のメニューはやはり至高の麻婆だ。ちなみに俺も常連だ。
余談だが、馬鹿後輩も勇気を出して食べようとしたが、一口でノックダウンした。情けないな。
今日も千葉は平和です
◇
おまけ
言峰神父のクラスはサーヴァント。どこぞの虎と同じです。
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている④
それは、自宅の洋館で起こった出来事。
魔法少女いろはす☆
私は一色いろは。何処にでもいるような超絶可愛い美少女高校生♪
そんな私には誰にも言えない秘密があるのです!それは・・・・・・
実は私、魔法少女なんですよー!
不思議な呪文でどんな事もミラクル解決☆
魔法の言葉は、マジカル☆いろはすー!
「・・・・・・・・・おい、馬鹿後輩。なんだ、これは」
「えへ☆」
「俺、言ったよな?魔法薬の調合のレポートを書けって。何で、今時ガキも書かないような小説なんか書いてるんだ!ていうか、挿絵が無駄に上手いのが腹立つ!」
「えー、いいじゃないですか。実際、私って魔法少女だと思うんですよー」
「魔法使いの弟子の後輩だろうが・・・・・・いや、まあ魔法学は教えているが」
「実は先輩、魔法の杖を作ってみたんですよー」
おい、この馬鹿後輩は何を言っている?
てか、なんだそのステッキは?ハ●ー・ポッ●ーに出てくるような杖じゃなくて、魔砲をバンバン撃ったり収束砲撃をぶちかます魔法少女詐欺のアニメに出てくるようなメカメカしい杖だった。
「もちろん、ちゃんとこだわって作りました」
「どこに?」
「アニメの魔法少女のようにちゃんと変身できます!」
「・・・・・変身、したいのか?高校生になるお前が?」
「高校生のプリ●ュアがいるんですから問題ないです。おばあちゃんのプ●キュアもいましたし」
「キュアムーン●イトの事を言ってるのか?それに・・・・・いや、どうでもいい。てか、錬金のランクがEなのによく作れたな」
「言峰さんが協力してくれました。物凄くいい笑顔で」
その時点で嫌な予感しかしねーよ。あの神父、他人の不幸が大好物という愉悦キャラだ。きっと、ろくでもない仕掛けをしたに決まっている
「一番こだわったのは、変身バンクです!王道でちゃんと素っ裸になります「おい!」・・・・・・他人が」
・・・・・・は?
「私が裸になるわけないじゃないですかー。え?ひょっとして期待してました?ごめんなさいもっと親密になって愛してるって言ってくれてからお願いしたいので無理です」
「何でふられてんだよ。つか、誰が裸になるんだよ」
「さあ?そこらへんはテキトーですし。まあ、女性ではないのは確実です。試してみます?ひょっとしたら先輩がキャストオフ!するかも知れませんよ?」
「おい馬鹿止めろ」
「じゃあ、使ってみましょう!仮にも乙女なので、魔法少女には小さい頃に憧れてたので一度なってみたかったんです!」
「それが本音か!お、おいホントにやめろ!俺はまだ清純でいたいんだ!」
「マジカル☆いろはす!メーイクアップ!」
「掛け声古っ!?」
◇
~総武高校、グラウンド~
「隼人ーーーー!頑張るしーーー!」
「キャーーー!葉山先輩ーーーー!」
「頑張ってーーーー!葉山くんーーーーー!」
「っべー、流石隼人くん、人気ぱねーわ」
「翔!パスしてくれ!一気に決める!」
「オッケー、隼人くん!任せるっしょ!」
「よしっ!行くぞ!うおおおおお!」
≪キャストオフ!≫←葉山のユニホームがはじけ飛んだ
「・・・・・・え?」
『・・・・・・え?』
「は、隼人君。ま、マジパネーわ」
「は、隼人の全裸!?きゅー・・・・・・・」
「キャーーーーーーーーーーー!!!」(黄色い悲鳴)
パシャパシャパシャ!(携帯のカメラで撮る音)
「・・・・・・俺が、俺が一体何をしたっていうんだ」
しばらくの間、彼は全裸でグラウンドにたたずんでいた。
無数の女性との歓声とチームメイトたちの同情の視線が彼を余計に苦しめることになった。
彼の足元のサッカーボールが虚しく転がっていた
◇
「あれ?無事だ。ほっ、俺じゃなかったか。よかったー」
「ちっ・・・・・・まあいいです。どうですか先輩!私の魔法少女姿は!」
「あざとい」
「それだけ!?」
可愛いのは認めるが、なんか素直に認めたくはない
「つか、その衣装どう見ても白い悪魔(25)の衣装だろうが」
「いいじゃないですかー。砲撃くらい撃てますし」
んなの俺でもできるわ。
取り敢えずこの馬鹿後輩の頭を叩き、レポートの再提出を命じた。
そういえば、そろそろあの教師に施した記憶操作の催眠効果が切れる頃か・・・・・掛けなおすか
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑤
「・・・・・・なあ、馬鹿後輩」
「何ですか、先輩?」
「なんで、俺達ここにいるんだろうな?」
「諦めましょう。目をつけられた私たちが悪いんです」
「・・・・・・はぁ」
「いやー、二人がオカルト研究部に入ってくれてうれしいよー!」
「ていうか、アンタ生徒会長でしょうが。城廻先輩」
そう、俺達はこの総武高校の生徒会長が部長を務めている部活に強制入部させられたのだ。
事の始まりは今朝の事だった
◇
「先輩、学校までホーキングしましょう!」
「嫌だ。人に見つかる。ていうか、自転車で十分だろ」
「ずべこべ言わずにレッツゴー!」
「ちょっおまっ!?アーーーーーッ」
とまあ、こんな感じで馬鹿後輩が運転する箒で総武高校まで飛ぶ羽目になった。まあ、人に見つかると面倒なので必死こいて認識疎外の魔法を展開し続けた。
帰ったら説教だ。
が、ここで問題が発生した。馬鹿後輩が降りたのは屋上。非常に面倒だが、下駄箱で靴を履き替えないといけない手間があるがそこはどうでもいい。
そう。問題なのは、人に見つかるってことだ。
「え!?そ、空から生徒が!しかも箒に乗って!?」
「うげっ!?見つかった!!しかも生徒会長に!?」
「だから言っただろうが馬鹿後輩」
「せっ先輩!認識疎外の魔法はどうしたんですか!?」
「展開中。まあ、まれに効果が無い人間もいるらしいな」
「ひょ、ひょっとして魔法少女!?」
「あ、アレ?なんか様子が・・・・・・」
「よかったじゃねーか。憧れてたんだろ?魔法少女に」
「い、いやー、アレはちょっとしたノリと言うか・・・・・・先輩に見てもらいたかっただけどいうか」
「じゃ、じゃあ!昨日のサッカーの試合中に葉山君の服がキャストオフしたのも魔法なのかな!かな!」
「「いえ、違います。まったく知りません」」
「あ、違うんだ」
あ、間違いなく馬鹿後輩の仕業だ。でも俺は知らぬ存ぜぬを貫き通す。馬鹿後輩も同じ考えだったようだ。
つか、葉山の服が脱げたのか。・・・・・・リア充でカーストトップのイケメンとは言え、哀れすぎる。俺だったら自殺するな
「先輩、記憶操作の魔法は使えないんですか?某教師には使ったんでしょ?」
「もう使っている。残念ながら、生徒会長には魔法が効かないらしい」
「うえっ、マジですか」
別名マジックキャンセラー。師匠から聞いた話だが、一切の魔法が通用しない人間が一億人に一人の割合で存在するらしい。
と言っても、完全に無効にするわけではないので対処法はあるそうだ。
さて、どうする?正攻法で行ってみるか?
「生徒会長、俺たちが魔法使いっていうの黙ってくれませんか?」
「うん、いいよー!」
「「え、いいの!?」」
うっそ、マジで!?なんなのこの人?普通、弱みに付け込んで脅してくるよな?な?
い、いや。これがこの人の作戦なのかもしれない。
「だって私、錬金術師だからねー。一般人への秘匿は大事だもんね」
「「・・・・・・は?ハァッ!?」」
衝撃の事実。何と、生徒会長は錬金術師だったのだ
「じゃっ、じゃあ記憶操作の魔法が効かなかったのは・・・・・・」
「マジックキャンセラーのアクセサリーを装備してるからね。ほら、このペンダントがそうだよ」
うげっ、なんだよこの対魔力の高いペンダント。俺でも作れねーよ。
「実は、城廻家って昔から続いてる錬金術師の家系なんだー。で、私はその次期当主なの」
「マジですか」
「身近にそんな人がいたなんて・・・・・・」
成り上がりの俺達とは違うか。代々、血筋を守ってきた家系ってところだろ。
「それはそうと、二人にお願いがあるの!オカルト研究部に入って!」
「「は?」」
◇
で、気が付けばあれよあれよと入部していた。どうしてこうなった
「活動内容は、世界中のオカルトを調べる事・・・・・ですか。私達自身がオカルトなのに」
「いやー、私一人じゃ部として認められないって言われててね。それに、隠れ蓑が欲しかったんだ」
「錬金術師に魔法使いの弟子にその後輩。まあ、人目には付きたくはないっすね」
それに、まだこの人を信用したわけじゃねーけどな。
他の有象無象とは違い、まともには見えるが。
「めぐり先輩。錬金術なら魔法薬も作れるんですよね?」
「作れるよー。レシピさえ知ってれば」
「弟子にしてください!」
オイこら馬鹿後輩。お前の師匠は一応俺だろうが。
「だって、先輩厳しいんですよ?めぐり先輩ならきっと優しく教えて「じゃあ、ビシバシと教えないとね!大丈夫、人間の脳って丈夫だから!」判断を間違えた!?助けて先輩!?」
少しは懲りろ。
「そういえば比企谷君、さっき君たちの入部申請するときに平塚先生が探してたよ?」
あ、やべ。すっかり忘れてた。
どうすっかな・・・・・。あの教師、俺を厄介な部活に入れさせようとしてんだよな。
でもまあ、もう入部してるしな
『二年F組比企谷八幡。今すぐ職員室に来い』
・・・・・・今のはあの教師の声か。来いって命令かよ。常識が無いのか?
「先輩。もしかしなくても・・・・・・」
「十中八九、奉仕部とかいうふざけた部に入れさえようとしている」
「けど、オカルト研究部に入ったなら「あの教師の事だ。兼部しろとか言いかねない」ですよねー」
さて、どうする?もう一度、記憶を消すか?
「ふっふっふー。比企谷君、ここは部長である私に任せてよ!最近の平塚先生ってちょっと横暴すぎるって言われてるからちょうどいいかも」
あ、やっぱり言われてんのか。
「陽さんの妹さん一人しかいない部は正直、生徒会としては認められないしね。ちょうど、彼女も引き込みたかったんだー。・・・・・・あの子は平塚先生の玩具じゃないんだよ」
あ、アレ?なんか怒ってる?
「二人とも、ちょっと待っててね?すぐに終わらせるカラ・・・・・」
「ひっ!?」
城廻先輩は恐怖に震える俺達を置いて部室から出て行った。
「・・・・・・俺、城廻先輩だけは絶対に怒らせない」
「・・・・・・私もです」
つづく
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑥
総武高校の旧校舎に存在する空室。そこが俺達オカルト研究部の部室だ。
部室には生徒会長であり部長でもある城廻先輩の私物・・・・・・オカルト関連の資料で埋め尽くされていた。
俺と馬鹿後輩は先ほど修羅と化した先輩を見送り、待つ間にオカルトの資料を読んでいたのだが・・・・・・
「せ、先輩。これって、ほとんどが魔導書ですよね!?」
「ああ。しかも中世時代に失ったハズのレアものまでありやがるっ!師匠ですらこんなの持ってなかったぞ」
「・・・・・・何者なんですか、めぐり先輩って」
「少なくとも、ただの錬金術師の末裔じゃねーな」
人の皮膚で作られた禁断の魔導書も数冊あるし、古き世界の神を崇めた本もあった。
おい、馬鹿後輩。それらには触れんなよ。発狂するから。
そして数分後。城廻先輩は戻ってきた・・・・・・・・・右手に禍々しい血で染まった金棒を持って
「ごめんねー、遅くなっちゃった☆」
「「一体何をしてたんですか!?」」
こわっ!?マジで怖い!?笑顔でテヘペロされても引くわっ!
「あ、コレ?エスカリボルグって言うんだ。昨日偶然錬金出来ちゃったから平塚先生に使ったの」
「いやいやいや、何に使ったんですか!?い、いやーーーーー聞きたくナーーーイ!!!」
少なくとも、あの血を見る限りは・・・・・・お、恐ろしい。
「大丈夫よ、お二人さん。あのダメ教師は残念ながら無傷で生きてるわ」
「「生きてるの!?っていうか、誰!?」」
気が付けば、先輩の背後に見知らぬ女性が立っていた。
いや、本当に誰?
「あ、この子がさっき言ってた陽乃さんの妹さんの雪ノ下雪乃ちゃんだよ!かわいいでしょー」
「え?いや、そうじゃなくて」
「安心しなさい、そこの目が死んでる人。この人と会話がかみ合わないのはいつも通りよ」
いつも通りかい!
「さり気に先輩の目の事言われてんますね。事実だけど」
「帰ったらスパルタで修行な?」
「イヤーーー!?藪蛇だったーーー!」
本当に学習しないなお前は。
んで、雪ノ下。何があったんだ?怖くて聞きたくはないけど。
「そうね。説明してあげるわ」
雪ノ下から語られたのは、あのダメ教師のことからだった。
雪ノ下は俺と同級生で国際科の二年J組にいるそうだ。新学期が始まり、いつも通りに過ごしていたら、あのダメ教師が現れて強制的に奉仕部という部に突然入部させられたそうだ。
入部の理由は、姉とは違い雪ノ下が孤独体質だったからだそうだ。何その理由?マジ横暴。
ああ、こいつも被害者だったか。
何をするわけでもなく、ずっと部室にいるだけ。時間の無駄を過ごしてきたそうだ。
で、今日になって城廻先輩の手によって解放されたそうだ。目が虚ろなダメ教師が退部してオカルト研究部に入るように指示したとか。
目が虚ろ・・・・・・ああ、あの金棒でナニカしたんですね。聞きたくないけど。いや、ニコニコしないでください城廻先輩。
「城廻先輩には感謝してるわ。私の勘では、あの教師に関わるときっと碌な目に合わないって言っていたの。本当、よくもパンさんと過ごす時間を奪ってくれたわね。いつか報復してやるわ」
「先輩、雪ノ下先輩も別の意味で怖いです」
「大丈夫だ、問題ない」
城廻先輩に比べれば可愛いものだ。
「それにしても、オカルト研究部なのに錬金術師の部長に魔法使いの部員がいるなんて、オカルトの存在が一体何を研究するのかしら?」
「「って、ばれてる?!」」
「あ、大丈夫だよ二人とも。雪乃ちゃんも存在がオカルトだからー」
はい?おいおい。今日だけでいろいろありすぎておなか一杯なんですけど?
今度は何だ?宇宙人か?未来人か?超能力者か?ハ○ヒか?
「そうね。私だけ教えないのはフェアじゃないわ。実は私は――――――」
その時、俺と馬鹿後輩はとてつもない寒気に襲われた。
そして、雪ノ下の服装が学生服から真っ白な和服に一瞬で変わった。しかも、体中に雪風が舞っている。
「雪女なの。半妖だけどね」
どうやら、俺のハイスクールはカオス一直線らしい
◇
おまけ。平塚先生撲殺ダイジェスト
「平塚先生~☆」
「ん?城廻か。何の用だ?お前は呼んでないぞ」
「アハハ♪平塚先生、最近ちょっとオイタがすぎるよ?」
「何?喧嘩を売っているのか?いくら生徒会長でも許さんぞ?私のこの手が光ってうなる!結婚したいと輝き叫ぶ!愛と怒りと悲しみのぉ!シャーーイニング―――」
「へー、気に入らないと暴力ですか。じゃあ、私も暴力でお返ししますね?」スチャ
「ちょっ!?な、なんだその棘付きの金棒は!?どこから出した!?」
「雪乃ちゃんや比企谷君は、先生の玩具でも都合のいい道具じゃないんだよ?少シ、頭冷ヤソウカ?」
「ひっ!?目のハイライトがっ?!よっよせ!私が悪かったからそれを私にっ!?い、いやあああああああああ「えいっ♪」ピギャ」グチャッ
「あーあ、脳髄が辺り一面に飛び散っちゃった。さっすがエスカリボルグ!破壊力抜群だね☆。それじゃせーの・・・・・・ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー!」
「あーうー・・・・・・あー?」目が映ろ
「うん、目が映ろになってていい感じだね☆じゃあ、雪乃ちゃんを奉仕部から退部させてオカルト研究部に入部させよー!」
「うーあーうー・・・・・・」コクン
つづく
人物紹介②
【雪ノ下雪乃】
原作とは違い、人当たりが良くなっている。毒舌なのは変わりないが、平気で人を気付つける罵倒はしない。めぐりとは姉関係で知り合い、性格が良くも悪くも改善されている。少なくとも、クラスに友達は何人かいるのだが、ダメ教師はそれを信じずに自己判断で孤独体質と決めつけて奉仕部に連行した。
親の方針で一人でも生きている為に自立の一環で一人暮らしをしている。と言っても、週に一回は実家に帰っている。住んでるマンションは原作と同じ。
母は雪女、父は人間の半妖で、体が溶けたりすることは無いが、暑いのが苦手。一定の妖力を開放すると外見が雪女の姿に変化する。
ちなみに姉は人間の血が濃いので雪乃みたいに変化は出来ない。
パンさんと寒いところが大好き。
【城廻めぐり】
錬金術師の一族。
作者自身もどうしてこうなった!?と頭を抱える崩壊キャラ。いろんな意味で悪ノリし過ぎた結果、バーサーカーになってしまった。あるぇ?癒し系先輩の設定はどこに消えた?
身内を守るためなら慈悲も容赦も無い。スプラッタな場面を見てもニコニコしている。
彼女の先輩である陽乃も「一番敵に回したくない」と言っている。
尊敬する陽乃の妹である雪乃の事を妹のように可愛がっており、自分と同じ異端である八幡といろはの事も身内としてみている。
【平塚静】
原作以上に悪化しているダメ教師。他の教師からの評価も低く、生徒からの信頼も無い。教育委員会やPTAからも問題視にされている暴力教師。
裏設定だが、実は鬼の血が流れており、生まれながらにして悪の心を持っている。その為、モテないし嫌われている。が、本人に自覚は無い。それも鬼の血が原因で回りを見下し、自分の思い通りにならないと気が済まない傲慢な性格になっている。
今後の読者の要望次第でラスボスになる可能性がある。
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑦
前回のあらすじ。
衝撃の事実。生徒会長は錬金術師で、雪ノ下雪乃は半妖の雪女だった。
???「ちょっと待つし!アタシの出番はどうなるし!」
ゼルガー「あーうん。ちゃんと出すよ?まだ先だけど」
???「ふざけんな作者ーーー!!!」
ゼルガー「それでも、出番があるあの二人よりマシでしょ」
葉山「ハハ・・・・・ハハハハ・・・・・・そうか、俺は全裸になる運命なのか」
平塚「結婚したい・・・・・・」
???「あーうん。ちゃんとした出番になるなら我慢する」
ゼルガー「それじゃー本編いってみよー」
衝撃の告白から数分。俺達は異色の親睦会を開いていた。
普通の人間相手なら絶対に無視して帰ろうとしたんだが、俺達と同じ異端の存在が相手なら話は別だ。
裏の情報を絞れるだけ搾り取ってやる。
「おー、すっげー。このかき氷、マジでウメー」
「そうですねー。氷がふわっふわで、シロップじゃなくて小豆と抹茶と白玉だけなのにとても美味しいですよー」
それ、宇治金時って言うんだよ馬鹿後輩
「さっすが雪乃ちゃん!氷のスペシャリストだね!」
「べ、別にそんなに褒められても嬉しくないわよ。氷の専門家としてこれくらい出来て当然よ」
つか、なんで俺らかき氷食ってんだろう?まあ、別にいいか。美味いし。
雪女としての力を見せてあげると言われたら何故かかき氷を作り始めたんだよなー。意味はわかんねーけど、氷の専門家としてのプライドがあるらしい。
「しかしすげーな雪ノ下。俺も氷の魔法は一応使えるが、純粋な氷を生み出すことはできねーぞ」
俺が使うのは、あくまで魔力で生み出した氷。というか、凍らせるだけなので氷は作れない。
古代魔法なら氷河レベルの氷は作れるが、食用ではねーな
「何言ってるんですか。無詠唱の魔法を使いこなし、マルチタスクなんていう分離思考を会得した変態の癖に」
「お前、帰ったら神父特製麻婆食わす」
「ピギャッ!?」
「「神父特製麻婆?」」
「天国に昇天するような旨さと地獄のマグマのような辛さの麻婆だ」
「へー、美味しそうだね」
「・・・・・・私は遠慮するわ。体質的に熱いのはダメなの」
ああ、雪女だしな。城廻先輩ならきっと気に入ると思う。俺はそんな予感をしている。
「あ、めぐり先輩は錬金術が使えるんですよね!これ、私の自信作なんですけどどうでしょう!」
「んー、ステッキかな?見た目もなかなかいいねー!」
「・・・・・・比企谷君、これってひょっとして」
「ああ。魔法の杖だ。碌でもないけどな」
「その・・・・・見た目が昔アニメで見た白い悪魔が持ってたアレなのだけど?」
「・・・・・・服装がその白い悪魔と同じになって、魔法少女に変身する」
ただし、服がはじけ飛ぶけどな。自分以外の男限定でな。
俺は既に障壁を張ってるから服が消える心配はない
「えーー!?こ、これ魔法少女になれるの!」
「ハイ、ソウデスヨー。コレデ魔法少女ニナレルネ」
なんでカタコトなんだよ。つか、嬉しそうだな先輩
「ちなみに、このステッキの名前は?」
「面倒なのでレイジン○ハートでも構いませんよー。AIは無いので喋りませんが」
喋ったらこえーよ。つか、お前に魔道具製作の才能はねーから無理だろ。
「じゃあ、試してみよっか。原作道理に・・・・・・我、使命を受けし者なり。契約のもと、その力を解き放て。風は空に、星は天に、そして不屈の魂はこの胸に。この手に魔法を。レイジングハート、セットアップ!」
《Stand by Ready, set up.》
・・・・・・は?
「「しゃっ、シャベッターーーーー!?」」
あまりの出来事に俺と馬鹿後輩は驚きで叫んでしまった。
◇
~今日の葉山くん~
「いや~、昨日は散々だったね隼人くん」
「ああ。服を貸してくれて感謝するよ翔」
「それにしても隼人くんの服がキャストオフするなんて・・・・・・ウッヒャーーーー!キマシタワーーーー!」
「ちょっ!?擬態しろし!」
「へ、へー。アタシがいない時にそんなことあったんだー(うわぁ、いなくてよかったー)」
「そういえば結衣、アンタどこに行ってたの?」
「えっとね、平塚先生に呼ばれたんだ。でも、先生いなかったから今日もう一度職員室に行くつもり」
「あー、悪い意味で有名な先生か。気をつけなよ?アンタ、騙されやすいんだから」
(((オカンだ・・・・・・)))
「じゃ、じゃあアタシ行ってくるね。さっさと用事は終わらせたいから。あ、先に帰ってて!遅くなるかもしれないから!」
「あーはいはい、行ってきなー」
「てかさ、隼人くんの服がハジケ飛んだのってマジウケルっしょ!ある意味魔法じゃね?」
「はっはっは、流石にそれはないよ翔」
「そーそー。魔法なんてありえないって戸部っち」
(隼人の裸・・・・・・気絶しててちゃんと見れなかった)
「それじゃ、そろそろ帰り支度しようか。結衣も遅くなるって言ってたし、俺も新しいジャージを買いに行きたいし《キャストオフ!》・・・・・・な・・・あ?」
「「「え?」」」
「・・・・・・これは夢だ」
『きっキャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!』←女子の歓声。悲鳴ではない
「隼人くん、マジで呪われてね?」
「ちょ、優美子!?人のこと言えないけど、鼻血がっ!」
「・・・・・・」チーン
「・・・・・泣きたい」
◇
光が収まった時、そこには白い悪魔の衣装を着た先輩の姿があった
「魔法少女めぐりん!リリカルマジカル頑張ります☆」
《Welcome, new user.》
「ちょっとまって!?なんでその杖喋ってるの!?私、そんな機能付けてない!」
《自己進化しました》
「急に流暢な日本語になった!?」
「もしかして、こいつの錬金レベルの低さが原因で、ある意味失敗したのか?」
《Yes.マイスターの失敗が原因で自我を手に入れました。そして、この人こそ私のマスターにふさわしい》
「よろしくね、レイジングハート」
《All right.》
「失敗っていうなーーー!」
な、なんか渡してはいけない人にとんでもないモノを渡した気がする。なんてことをしてくれたんだ馬鹿後輩。
(ああ、お茶が美味しいわ。なんというか、退屈しない部活になりそうね)
なんか知らんが、雪ノ下が微笑みながらこっちを見てお茶を飲んでいる。この状況を放置する気かよ。
「エスカリボルグとレイジングハートがあれば、怖いものはないね☆」
うん、絶対に逆らうのだけは止めておこう。俺はまだ死にたくない
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑧
前回のあらすじ!
ゼルガー「めぐりんが白い悪魔と化した」
椛「みんなーやっほー!知ってる人はお久しぶり―!仮面ライダー冥王こと、不破椛なのー!」
ゼルガー「うげっ、冥王!?何でココに!?」
椛「えー、だってぇ私の同類がいるんでしょ?じゃあ、見るっきゃないの!」
↑戦闘狂、ドS、砲撃好き、斬り合い好き、残虐MAX(男の一物をハサミで切り落とした前例が有る)、ある意味ヤンデレ
ゼルガー「さっさと次元の狭間に戻って、他の天満ファミリーと虚無って来いよ・・・・・・」
椛「戦いは嫌いじゃないけど、たまには癒しが欲しいの」
↑自分が楽しければそれでいい快楽主義者
ゼルガー「・・・・・・始まるよ」
~自宅~
全く、今日は色々とありすぎて疲れた。
風呂から出た俺は、冷蔵庫からキンキンに冷えたMAXコーヒーを取り出して、一気飲みする。
っくーーーーー!美味い!この甘ったるいのがたまらん!
「ひぇんはい・・・・・・あひゃひにもくらひゃい」
訳※先輩、私にもください
「ぷっ、クスクス。お、お前そのたらこ唇似合ってるぜっ!」
「むーーーー!」
「ほれ、やるよ。飲みたいんだろ?」
「んぐんぐ・・・・・まだ口がヒリヒリしまひゅ」
部活を終えて直ぐ、俺は馬鹿後輩を引きずって泰山に向かった。
もちろん、お仕置きとして麻婆を食わすためにな。
序に、俺と何故か一緒に来た城廻先輩も食べることにした。雪ノ下は一緒ではない。
馬鹿後輩は隙あらば逃げようとしたが、俺と言峰神父が逃がす訳ないだろう。
俺が魔法で拘束し、馬鹿後輩の首筋にレイジングハートとエスカリボルグを突きつける先輩
そして、いい笑顔で麻婆を差し出す神父。まさに最強の布陣だな。
結局馬鹿後輩は涙目で食べきり、気絶した。
「なんなの人間の食べ物じゃないです。ていうか、なんで先輩たちはソレを美味しそうに食べれるんですか!?」
「美味いからだろ」
城廻先輩も気に入ってくれてよかった。言峰神父も先輩を気に入ってくれたし、言うことなしだな。
「なあ馬鹿後輩。レイジングハートを起動するときの欠陥は直さなくていいのか?先輩が言っていたが、葉山隼人が全裸になったらしいぞ?しかも今日も」
「え?あー・・・・・・別にいいんじゃないんですか?上っ面だけのイケメンなんて」
お前、結構酷いな。でもまあ、その評価は間違ってないか。
一応奴とはクラスメイトではあるが、一度も話したことは無い。俺って基本的に教室では一人で過ごしている。
魔法で人払いの結界を常時展開してるから誰も俺を気にしたりはしないんだけどな。
たまに暇つぶしでクラスの様子を見るときがある。その中で、トップカーストに入るリア充が目に入った。それが葉山のグループだ。
「クラスメイトの女子にも人気が高いみたいなんで、私も一度は目にしたことあるんですよー。正直幻滅です。アレってみんな平等に仲良くしようーってオーラを放ってて正直好きじゃないですね。顔はイケメンですけど、いざとなったら何もできない人ですね」
「すげーなお前。初対面でそこまで見破るのか」
「先輩には負けますけど、人を見る目はありますよ。サッカー部のマネージャーにスカウトされましたけど、関わりたくないので断りました。あ、その時にうっかり呪いをかけた気がしますね」
それだ。絶対それが原因だよ。
確かに好きに離れない人種かもしれないが、俺達に何かしたわけじゃねーから全裸は止めてやろう?な?
「えー?でも女子は喜んでますよ?私は喜びませんが(むしろ、先輩の・・・・・・きゃっ♪)」
「まあ、イケメンだしなぁ・・・・・・。俺としてはどうでもいいから、やっぱお前に任せるわ」
「了解です!」
ったく、こういう時は聞き分けいいんだよなぁ
「あ、そういえばこの前お買い物した時に先輩そっくりの女の子見かけました!」
「・・・・・・何?」
「どことなく、先輩そっくりの気配でしたし、アホ毛なんかも同じで・・・・・あ、目が腐りかけてたのが印象でしたよ!」
・・・・・・いや、まさかな。アイツは俺と違って目は澄んでて、性格は馬鹿後輩と同レベルのはずだ。
それに、家族の縁は切ったんだ。もう、他人なんだ。俺の身内は、不本意だがこの馬鹿だけだ。
「知らねーなそんなの。んなことよりも、今日はみっちりと魔法薬の勉強をさせるぞ?城廻先輩の弟子になろうとしやがって」
「ちょっ!?てか、嫉妬ですか!?止めてください死んでしまいます!」
「大丈夫だ。先輩も言ってたろ?人間の脳は丈夫なんだよ・・・・・・・フェニックスの尾はたくさん用意してある」
「死ぬ事前提じゃないですか!ヤダー!慈悲を!可愛い後輩に慈悲をください!」
馬鹿後輩は泣き叫ぶが、慈悲は無い。これも愛情だから、しっかり受け取れ。
決して、嫉妬したわけじゃねーからな。だから、こう言ってやる
「さあ、地獄に行こうか」
「いやァーーーーーー!!!」
数時間後、一色いろはと言う名の馬鹿後輩の死体が出来上がった。
余談だが、今日の夜に城廻先輩がレイジングハートの性能を試すために何度も変身を試したらしい。
おそらくだがきっと、全裸の犠牲者(葉山)が何度もキャストオフしたに違いない。同情はするが、俺は助けたりするつもりはない。
てか、翌日それを知った雪ノ下が腹を抱えて爆笑していた。ザマアwwwって感じで。昔、葉山と何かあったのだろうか?まあ、どうでもいいが
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑨
と言うよりも、過去作のアレをクロスします。アレも東方の設定が混じってるので。
俺にはある習慣がある。
それは、早朝に散歩することだ。
何?基本的にぐうだらで座右の銘が「押してダメなら諦めろ」の俺がそんなことする筈ないだと?
まあ、正直な所俺もそう思う。社会人失格で、将来働きたくないと思ってるしな。
てか、魔法使いだからどうとでもなるし。
馬鹿後輩はまだ寝ている。最初の頃はアイツも一緒に散歩していたが、朝の眠気には勝てなかったようだ、
ていうか、夜遅くまで座学を頭に叩き込んでやって、何度か死んだしな。今日は土曜日だから高校も休みだ。
たぶん、昼まで寝てるだろ。
「あれ?八幡君じゃないか。久しぶり!」
「ん?お前、鳴善か。久しぶりだな。中学の卒業式以来か」
「うん。相変わらず目が死んでるね」
まさか、散歩していたら中学時代の同級生に出会うとはな。
こいつは名前は公野 鳴善(こうの なるよし)。俺の数少ない友達で、唯一の理解者である一人だ。
「うんうん、高校に入ってから疎遠だったから心配してたけど大丈夫そうだね。目は死んでるけど、死んでないね」
「いや、意味わからん」
「そうかな?わかりやすいけど」
「お前だけだよ。そういや、お前の幼馴染の博麗達は元気か?」
「あーうん、元気だね。色々あるけど」
なんだ、その含みのある顔は。てか、ずっと気になっていることがある。
さっきからずっと、鳴善の頭の上でスピーと寝息を立てて寝ているナニカ。それが気になって仕方ないんだけど?
「なあ・・・・・その頭に乗ってるソレは何だ?」
「え?猫だよ」
「いやいや・・・・・・いやいやいやいやいや。猫じゃねーだろ!猫耳にしっぽが生えてても猫じゃねーよ!」
ぬいぐるみサイズの少女に猫耳にしっぽとかねーよ!ていうか、外見がどう見ても某魔砲少女の主人公だろ!?
「あ、八幡君には猫に見えなかったか」
「・・・・・・説明プリーズ。ナニソレ?」
「この子は【にゃのは】って名前で、子猫のチヴィット族で、僕の家で飼ってるんだ。あと、他にもチヴィット族の子がたくさんいて、友達の家にいるんだ」
にゃのは?チヴィット族?・・・・・・てか、にゃのはって名前がまんまだし、チヴィットってなのセントのアレだろ?
・・・・・・・・・考えるのは止めた。この世には理解できない以上の事があるんだ。きっとそうだ。
漫画のキャラが実在していたとか、俺にはどうしようもないしな。
「あ、そろそろ帰らないと。お母さんがまた暴走するかもしれないし」
「・・・・・・お前のお袋さん、相変わらず変態なのか?」
「・・・・・・うん。僕とお父さんの胃がそろそろ限界かも」
「そうか・・・・・・今度、胃薬送るぞ」
「ありがと、八幡君」
コイツの母親である公野 朱莉(こうの あかり)という人物は、一言で言うと変態。そして最強。
俺が絶対に敵に回したくない人種で、魔法を使っても勝てないと悟った人だ。
そして、俺達は中学の時にはできなかったメルアドを交換した。
いやだって俺、中学の時はまだ携帯持ってなかったしな。
「じゃあね。また中学時代みたいに遊ぼうね!」
「おう。またな」
「その時は僕の彼女のジークを紹介するよ!」
・・・・・・リア充かよ!しかもジークって外人かい!
久しぶりに会った友人が彼女持ちだった。
え?俺は同棲しているだと?馬鹿を言うな。馬鹿後輩だぞ?ありえん。
◇
滅多に歩かない散歩コースを久しぶりに歩いていると、見覚えのある神社が目に入った。
鳴善に再会したのが原因か?まさか博麗神社に来ることになるとはな
「しかし、相変わらず寂れてんな。参拝客来てるのか?」
「来てるわよ。相変わらず失礼な奴ね、八幡」
「おわっ!?」
いきなり背後から声がっ!?振り向くと、脇が出ている巫女服の女の子がそこにいた。
「は、博麗?驚かすなよ」
「ふん。昔のアンタなら気づいてたでしょうに。ぬるま湯に浸かって鈍ったんじゃない?」
「ぐぬぬ・・・・・反論は出来ないな」
まあ、否定はしない。馬鹿後輩に出会ってから俺は変わったのかもしれない
「まあ、相変わらず目が死んでて何よりね」
「それ、俺らしいって意味だよな?そうだよな?」
「うっさいわね。それより、お賽銭よこしなさい。タダでは帰さないわよ」
「・・・・・・相変わらずなのはお互いさまだな」
博麗霊夢。この博麗神社の巫女で、中学の頃の同級生。
鳴善とは幼馴染らしいが、二人は親友だから恋愛はないそうだ。現にアイツは別のヤツを彼女にしたらしいが。
「それにしてもアンタ、今年は何かあるわね。気をつけなさい」
「なんだ、心配してくれんのか?珍しい」
他人にはかなりドライな此奴が俺を心配?無いな
「心配なんかしないわよ。元同級生が死んでお墓を作るのが面倒なだけよ」
「物騒すぎるわ!」
俺、死ぬの!?やめろよ縁起でもない
「なら、ご利益のあるお守りを買いなさい。友人価格で少しは安くするわ」
「・・・・・・商売上手な奴め」
仮にも友人に売りつけるか普通。いや、こいつにとっては普通か。幼馴染の鳴善にも昔から容赦なかったな。
「ああそうそう。気を付けるついでに、一つ注意しなさい。特に、血縁にはね。この数日の間にアンタは一つの選択をするわ。その選択次第で、アンタの運勢が吉か凶かに決まるわ。」
「・・・・・・ご忠告どうも」
此奴の勘や予言は嫌と言うほど当たる。魔法使いの予言以上には。
はぁ、俺に安息は無いというのか?
それにしても血縁か・・・・・・十中八九、小町の事だろう。
今更、俺にどうしろと言うんだよ。なあ、神様よ。
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑩
なので、とある外道が二人いても何の不思議でもありません。
※麻婆注意!
【食戟のいろはす】
先輩と私が同居している洋館の家事は基本的に二人が分担して行われている。
しかし、料理だけは私が担当している。これだけは譲れない。
何故なら、私の両親の実家は有名な割烹料理で、お爺ちゃんから直々に料理を習ったことがあるからだ。
「うん。今日もだし巻き卵が上手く出来ましたね」
お皿に盛りつけているだし巻き卵は綺麗な焼き色をしており、形も芸術的だった。
「遠月学園かぁ。興味はあるけど、先輩がいない学校には興味ないしねー。あ、慧兄さんは元気に・・・・・・やってるんでしょうね、あの露出狂」
思い出すのは、5人いる従兄弟の一人である一色慧。親の実家である「割烹いっしき」の跡取り息子で、遠月の十傑、第七席になっていると噂で聞いた。
本当は私も料理人を目指したかったけど、遠月は中学からじゃないと厳しいし、何よりも面倒。料理で競いたくはないですし、先輩に美味しいって言ってもらえるだけで幸せです。
そして、のんびりと魔法使いライフを送った方が有意義な気がします。
「あかねちゃんとももちゃん、心愛とモカ姉さんにも最近会ってませんねー。露出狂はともかく、久しぶりに会いたくなってきました」
一色慧は父親の兄の息子さんで、一色あかねと一色ももは父の弟の娘さん。保登心愛と保登モカは母の姉の娘さんだ。
慧兄さんは一つ年上。あかねちゃんは年下の中学生。ももちゃんは小学五年生。心愛は同い年で、モカ姉さんは年上の成人女性。
そういえばこの間、心愛からのメールで喫茶店で住み込みで働いてるって聞いたけど、大丈夫かな?あの子、いろんな意味で心配になるんだけど。
ていうか、チノちゃんって誰?ちゃんと紹介してくれないと私わからないよ?「チノちゃん可愛いーーーー!」とか「チノちゃんに嫌われたー!」とか、意味が分からない。
ただでさえ、容姿と声が似てるからあんまり暴走してほしくはないんだけどね・・・・・・
あかねちゃんとももちゃんは年下だから、お姉ちゃんぶることができます。
ももちゃんもお爺ちゃんに料理を教わったりしてるから上手で、家事も得意。すごく出来た小学生です。
それに比べ、あかねちゃんは・・・・・・マヨラーさえなければなー。
どこぞの世界のマヨラー(鬼の副長・正義の壊し屋・古の魔法使い)を彷彿させるので、いい加減やめてほしい。マヨネーズはカロリーが高いから過剰摂取は止めるようにお爺ちゃんにも怒られてるのに本当にこりません。
モカ姉さんは、私の憧れの女性ですね。ご実家のパン屋さん「Hot Bakery」の看板娘をしてて、とても優しい人ですね。心愛がうらやましいです。
ま、まあ私には先輩がいますし?
「おーい、馬鹿後輩。そろそろ飯にしようぜ」
「あ、はーい!今用意します!」
「お、今日のだし巻き卵美味そうだな。お前って本当に料理上手だな」
「えへへー。もっと褒めてもいいんですよ!」
「はいはい、あざといあざとい」
私、幸せです!
◇
【遂に出会った衝撃の麻婆】
「・・・・・・」
「・・・・・・」
中華料理泰山。それは一色いろはによってサーヴァントとして召喚された言峰綺礼が経営する飲食店だ。
その店になんと、彼と全く姿が同じの男が来店したのだ
「麻婆に引き寄せられて来てみれば、なるほど・・・・・・貴様は私か」
「そういう貴様も私だな」
「「フフッ・・・・フフフフフフフフフフフ」」
何とも不気味な絵面である。
説明するならば、来店したこの男もまた言峰綺礼。ただし、この世界に元々存在しており、高校の教師をしている。(ぶっちゃけ、「にゃのはと一緒!」の登場人物である)
「ふっ、私自身なら言葉は不要」
「その通りだ。ここでやることはただ一つ」
「「至高の麻婆を食すこと」」
この瞬間、たまたま来ていた他の客は悟った。出会ってはいけない二人が出会ってしまったと。
そして、店主言峰と教師言峰による究極の麻婆の合作が生み出されることになった。
後日、魔法使いの弟子とその後輩、錬金術師がこう語る。
「あまりの美味さと辛さに、俺の死んだ目が生き返るところだった。また食べたい・・・・・・タベタイタベタイアアマーボーサイコウ」
「あれはまさしく地獄のマグマをじっくり長時間煮込み続け、この世全ての負をありったけ混ぜ込んだ、そんな感じの赤、紅、アカでした。目で見ただけで死んだかと思いました」
「アレはまさに至高にして究極の料理でした。じっくり一口ずつ味わって食べたかったけど、それよりも先に脳と舌が欲してしまって、気が付いたらお皿が空になってました」
中華料理泰山。一部の人には大人気である。
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑪
【魔法少女めぐりん】
今日は休日。でも大学の受験勉強を控えてるので、今日も予備校に通ってます。
あ、私の成績は優秀だよ。伊達に生徒会長はしてません!
いろはちゃんから貰ったレイジングハートのおかげで、錬金術の研究もはかどるから大助かりだよ!分離思考のおかげで、勉強しながら研究できるしね!
そういえば最近、錬金術で作った失敗作が逃げ出して困ってるんだよねー。本当、困っちゃう。
「だ・か・ら、大人しくやられてね?」
「「「「誰が大人しく消されるか!」」」」
「消すって何?」
「ガメル、貴方はそのままでいなさい・・・・・」
うーん、偶然できた生物のコアメダルに人格が宿るのは予想外だったなー。賢者の石の劣化版なのに。
赤い鳥メダルがアンク、緑の昆虫がウヴァ、黄色の猫系がカザリ、青の海産系がメズール、灰色の重量系がガメル。
名付けるなら、グリードかな?まさに、人の欲望そのものって感じだし。
でも、放置できないんだよね。生みの親としてはとても心苦しいし、悲しい
「いやいやいや、アンタすっげー歪んだ笑みを浮かべてるよね!?殺す気満々だよね!?」
「くそが!俺は絶対に生き延びてやる!伊達に昆虫のグリードやってねーんだ!」
「ってアレ?アンクは?」
「え?嘘っ?!居ないわ!」
「「「アイツ、一人で逃げやがった?!」」」
「メズール、おなかすいた」
アンクには逃げられちゃったか。まあ、仕方ないよね。オーズドライバーも持ちされられちゃったけど、まあいっか
「レイジングハート、行くよ」
≪OK,Mymaster≫
「セットアップ」
≪弾けて消えるがいい≫
◇
~警察署~
「君ねー、いくら何でも服が弾け飛ぶとか信じられるわけないでしょ?これ、立派な猥褻だよ?」
「信じてください・・・・・・お巡りさん」
「全く、イケメンなのに残念だねぇ。ご両親はご立派な弁護士なのに」
「俺は・・・・・・俺は何も」
「じゃあ、見せてくれないかい?服が弾け飛ぶの?」
「俺の意思じゃないんで≪キャストオフ!≫・・・・・・ね?弾けたでしょ?」
「・・・・・・・俺が悪かった。カツ丼、おごってやるよ」
「ありがとう、お巡りさん・・・・・・うっううっ・・・・・・」
◇
今の私は白い衣装を身に纏った魔法少女!
「出たなっ!白い魔王!」
「くっ、なんて威圧だ。さすが僕たちの創造主だ」
「早く逃げないと、私達のメダルを壊されるわ!」
「じゃあ、誰かおとりになるしかない!お前らやれよ!」
「はぁ!?ここはしぶといウヴァでしょう!」
「ガメル、この馬鹿達を置いて逃げるわよ!」
「え?うん、わかったー」
うーん、私としても女の子に攻撃するのは気が引けるから、逃げてもいいけどねー。女の子はね。
「でも逃がさない」
≪ディバインバスター!≫
「しゅーと☆」
ちゅどーーーーん☆
「いやあああああああああああああ!?」
「めずうううううるうううううううううううう!?」
命中♪さあ、受験勉強のストレスをどんどん発散させちゃうよ!
「ガメルっ!?メズール!?」
「くっ、貴重な盾がっ!」
「そういえば、誰が魔王だって?魔王ははるさんの称号だよ?」
「「はるさんって誰だよ!?」」
―――だったら、冥王なんてどうかな?私の力の一部を君に授けちゃうの♪
よくわからない電波が頭にきた気がしたけど、問題ナッシング♪
「さあ、恐怖の悲鳴と断末魔のオーケストラを奏でようね♪」
≪フルチャージ!≫
レイジングハートの杖先に魔力が集中していく。これは、ディバインバスター以上の?ううん、もっとすごい!
「必殺!エンド・オブ・ワールド・ブレイカーーーー!」
≪微塵に砕けなさい≫
「「ぎゃああああああああああああああ!?」」
私が放った砲撃に二体のグリードは飲み込まれて消えた。
でも、飲まれる瞬間に体の一部を分離してた。ちぇ、逃がしたか。でもいいや、またストレス発散できるし
「それじゃ、そろそろ予備校に行こうかな。行こうか、レイジングハート」
≪Yes,master≫
余談だけど、何故か予備校の建物が崩壊してた。ついでにその周囲の建物も。なんでだろ?
次の日には元通りになってたけどね♪
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑫
意外な人物がオカ研の顧問に!
そして、独神は懲りない
休日が明け、一日の授業を終えた俺達は旧校舎の部室に集まっていた。
「皆にお知らせがあります!オカ研の顧問の先生が決まりましたー」
「「「おー!」」」パチパチパチ
まあ、あの独神じゃなければ誰でもいいけどな。
「ご紹介します!アザゼル先生です!」
「おー、今日からオカルト研究部の顧問になったアザゼルだ。まあ、よろしくな」
なんかすっげーやる気を感じないおっさんが来たんだけど!?ていうか、こんな教師見たことね―よ!?
っていうか、うん?この気配は・・・・・・
「ひょっとして、堕天使?」
「お、気が付いたか坊主。まあ、グレゴリの堕天使総督をやってたんだが、そこの嬢ちゃんに召喚されてな。まあ、暇だったから教師することにしたんだわ。まさか、平行世界に呼ばれるとは思わなかったぞ」
・・・・・・・城廻先輩、アンタ何を召喚してんですか。
「あ、頭が痛いわね。伝説の堕天使ともいえる存在を簡単に召喚して、教員にするなんて・・・・・・」
「えっへん!はるさんに頼みました!」
「姉さんに?でもあの姉さんは・・・・・・ああ、なるほど」
おい、雪ノ下。何で遠い目をしてるんだ?そんなにおっかないのか、お前の姉は
「・・・・・・会えばわかるわ。会えばね」
「「?」」
俺と一色は理解ができず、首を傾げた。一体何者なんだ?
「つか、このオカルト研究部もメンバー濃いなぁ。俺が元いた世界のオカルト研究部の面々も濃かったけどな。魔法使いが二人に半妖。そして部長は錬金術師・・・・・・でいいんだよな?な?」
城廻先輩に関しては俺も同意見です。錬金術師を超えたナニカですよね絶対に。
「んじゃ、俺は他の教員にあいさつ回りしてくるから後は適当にやっててくれ。この世界には神器がなさそうだし、休暇だと思ってゆっくりしたいしな」
そう言って、アザゼル先生は部室から出て行った。堕天使だけど、人間臭いしいい人っぽいな。苦労してそうだけど。
「それじゃあ今日の活動は、失われた古代文明の遺跡について「し、しつれいしまーす」んー?」
城廻先輩が今日の活動を発表しようとしたとき、部室の扉が突然開いて誰かが入ってきた。
「って、何でヒッキーがここにいるし!?」
「オイこら、誰がヒッキーだ。俺は引きこもりじゃねーぞ」
魔法使いだから引きこもりと思われがちだが、俺はアウトドア派だ!
「あら?貴女は2年F組の由比ヶ浜さん?」
「え?知ってるんですか雪ノ下先輩?っていうか、F組って・・・・・・ジー」
そう睨むな、馬鹿後輩。俺のクラスだな。つか、こいつ見覚えがある。
一年前に車に惹かれそうになった犬を助けだことがあるんだが、その時の犬の飼い主がこの女だったはずだ。
まあ、俺は魔力障壁で無傷だったからすぐにその場を立ち去ったハズ・・・・・・なんだが?
「ええ。ちょっと事情があって彼女を知ってるのだけど。でも、どうして貴女がオカルト研究部に?」
「えっ?ここって、悩みを解決してくれる奉仕部じゃないの?平塚先生に聞いてきたんだけど?」
その言葉を聞いて、俺達は頭を抱えた。何を考えてるんだ、あの教師は!
「えっと、いいかな由比ヶ浜さん?私はオカルト研究部部長の城廻めぐりって言うんだけど、それ本当?」
「え!?せ、生徒会長!?はっはい!悩んでたことがあって担任の先生に相談しようとしたら平塚先生に声を掛けられて、そしたらここを紹介されたんです」
「ふーん・・・・・・・お仕置きが必要かな」
「「「「ひっ!?」」」」
そのセリフを呟いた先輩の目に光は宿っていなかった
部員である俺達は愚か、由比ヶ浜も先輩の表情に悲鳴を上げた。わかる、わかるぞその気持ち!
「ちょっとゴメンねー?私、職員室に用事が出来ちゃった☆せっかく来てくれた由比ヶ浜さんにも悪いし、私が戻ってくる間に相談に乗ってあげてねー?」
出来れば、その右手に持っているエスカリボルグを振り回さないで欲しかったです。
先輩が出て行った後、怯えている由比ヶ浜を馬鹿後輩と雪ノ下が落ち着かせ、空いている椅子に座らせた。
「さてと、俺は少し席を外すな?年頃の女子の悩みなら男子がいない方がいいだろ?」
「ええそうね。申し訳ないけど、それでお願い」
「オッケーが出たら私がメールで知らせますね先輩!」
「おー、頼むな馬鹿後輩」
ていうか、なんで由比ヶ浜は俺をチラチラ見るんだ?
取り敢えず一服として自販機に向かうことにする。一息つくときはMAXコーヒーに限るしな。
道中、独神の断末魔が聞こえた気がしたが、俺には無関係だ。自業自得だし、大人しく地獄に墜ちて欲しい。
自販機に着くと、そこには見覚えのある男がいた。同じクラスメイトで、トップカーストの葉山だった。
「ん?君は・・・・・・ヒキタニ?」
「比企谷だ。間違えやすいかもしれんが、間違えんな」
「あ、あはは・・・・・・ごめん」
ん?何でコイツ、こんなに元気ないんだ?しかもこいつが飲んでるのって・・・・・・MAXコーヒー?
「ん?ああ、コレかい?何というかね・・・・・・この現実は苦いから、コーヒーくらいは甘くていいって思えてね」
なんかどっかで聞いたことがあるセリフだな。・・・・・・いや、俺のセリフだよ!現実の部分を人生にしたら完全に俺のセリフだよ!パクんな!
ていうか、お前本当に何があった!?今まで興味が無くて気が付かなかったがマジでやつれてるぞ!?
「昨日もさ、警察の人にお世話になるし、同情されるし、すぐに服が弾け飛ぶし。これから先、俺は一体どうなるんだろうな・・・・・・」
レイジングハートが原因か!!!いや、もう許してやれよ!流石の俺も見てらんねーよ!?
いや、言っても無駄だと思うけど。
「そ、そうか・・・・・強く生きろ葉山」
「ああ。ありがとう比企谷」
その場を去る葉山の背中は哀愁が漂っていた。
数分後、遠くから葉山とその他の悲鳴が聞こえた。きっと、城廻先輩がアレを使ったんだろう。
葉山が去った方向に、俺は自然と敬礼のポーズをとっていた。
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑬
哀愁漂う葉山を見送り、人数分の飲み物(雪ノ下は野菜ジュース、馬鹿後輩はいろはす、由比ヶ浜は無難にファンタ)を買い、部室に戻ってきた。
「どうだ、相談は終わったか?」
「ええ。彼女の相談の内容は無事に聞けたわ。・・・・・・その事で話したいことがあるの」
「ん?」
なんだ?雪ノ下の様子が少しおかしいな?
「あー、先輩。昨年の入学式の時に事故ったじゃないですかー?」
「ん?ああそうだな。犬を庇って車に跳ね飛ばされたな。無傷だったが。んで、由比ヶ浜がその飼い主だろ?」
「「「え?」」」
んだよ、その反応
「しっ、知ってたのヒッキー!?」
「まあな。どうでもいいからついさっきまで忘れてたけどな」
「ひどっ!?」
「で、なんで雪ノ下の様子がおかしくなるんだよ?」
あの時、高級車を運転してたのはダンディーな執事のおっさんだったぞ?慰謝料払いますって言ってきたが丁重にお断りしたけどな。
「えっと、その・・・・・・実は私、あの時その車に乗ってたの」
「ん?ああーそういうことね」
つまりアレか?罪悪感を感じてると?はっ、バカバカしい。
「んな下らんことで罪悪感を感じるな。俺が何者か、お前だって知ってるだろうが」
「でも」
「お前はただ乗ってただけ、一番の被害者だろうが。犬のリードを手放した由比ヶ浜も悪いし、考えなしで助けに行った俺も悪い」
ぶっちゃけ、もっとマシな助け方があったと思う。だって俺、魔法使いだし。
「あーうん。ごめんね、雪ノ下さん。私もサブレの散歩でしっかりとリードを握ってればよかったんだけど・・・・・・あの子、人間以上に力があるから」
「比企谷くん・・・・・・由比ヶ浜さん・・・・・・ありがとう」
「良い話ですねー・・・・・・ん?ちょっと待って下さい」
どうした、馬鹿後輩?
「由比ヶ浜先輩、今「人間以上」って言いませんでしたか?」
「え?うん。だってサブレは犬神だ・・・・・・し・・・・・・あっ」
途端、由比ヶ浜は表情を青ざめ、慌て始めた
「しっしまったーーー!?犬神は秘密って約束だったのに!?喋っちゃったーーーーーーー!!!」
俺は思った。コイツもオカルト関係者かよ。そして、アホの子だ。
取り敢えず、買ってきたジュースを飲ませて落ち着かせること数分。
血まみれのエスカリボルグとレイジングハートを持って帰ってきた城廻先輩も合流し、改めて由比ヶ浜の話を聞くことにした。
何故、血まみれなのかは知らないし、聞く気は無い。この世には知らないほうがいいこともある。
「へー、私がOHANASHIしてる間にそんなことあったんだー」
「そうっスね。ああ大丈夫だぞ由比ヶ浜。ここにいる部員は全員、オカルト関係者だ。ちなみに俺は魔法使い」
「私はその見習い後輩です!」
「雪女の半妖よ」
「魔法少女めぐりん♪っじゃなくて、錬金術師だよ」
先輩、絶対本気でしたよね?口には出しませんけど。
「うえっ?!ここって魔窟だったの!?」
「魔窟は酷いなー。で、由比ヶ浜さんはどんなオカルト関係なの?」
「えっと、私自身はそんなに凄くないんですけど、一応犬神使いの一族です。本家である川平家の分家ですけど」
犬神使いか。伝承では色々あるが、川平と言えば有名だな。人の姿をとることも出来る巨大な犬の化生で、その本性は「破邪顕正」。
霊能力を持つ血族との盟約関係となり、邪を破り正しきを顕す存在と言われている。
まあ、師匠の受け入りだけどな。
「由比ヶ浜があの川平家の分家とはな。驚いたな」
「あ、あはは。パートナーのサブレに結構振り回されてるから未熟なんだけどね」
あの時の子犬だろ?伝承では巨大な犬の筈だが・・・・・・
「サブレはまだ生まれてそんなに経ってないの。人の姿もつい最近会得したばかりだし」
「つまり、外見通りの子犬だったと」
「うん。私もサブレも修行中なんだよ」
「つまり、私と同じってことですね!なかーま、なかーま!」
「はいはい、お前は黙ってようなー」デコピン!
「あいたっ!?」
はァ、俺が知り合う人はどいつもこいつも、まともじゃないのかよ。
「あ、そういや結局由比ヶ浜の依頼って何だったんだ?」
「え?ああうん、雪ノ下さんには迷惑を掛けちゃったけど、サブレを救ってくれたヒッキーにお礼のクッキーを作ってプレゼントしたいって思ってたんだけど、今までちゃんと作ったことがないから手伝ってほしいって依頼なんだ」
成程ー・・・・・・俺の?
「いやいや、気にすんな。お礼はいらんぞ?」
「ううん、これは私のケジメだから」
律儀なヤツ
「で、どうする?」
「うーん。ここはオカルト研究部であって、奉仕したりボランティアする部じゃないんだけどねー。まあ、いいか!それなら、みんなでお菓子を作ろー!」
「わーい!」
「まあ、仕方ないわね」
「城廻先輩!一色ちゃん!雪ノ下さん!ありがとう!」
「いろはで良いですよー、結衣先輩」
「私も雪乃で良いわよ」
「めぐりって呼んでね?」
「じゃっ、じゃあ!ゆきのんに、いろはちゃんに、めぐり先輩って呼びます!」
「「オッケー!」」
「ゆ、ゆきのん!?」
さりげなく、名前呼びにしてるし。まあ、俺には関係ないけど。後、雪ノ下。困惑してるわりには、悪い気してないだろ?顔がニヤけてるぞ
「先輩はいいんですかー?いろはって呼んでもいいんですよー?」
「いいんだよ。苗字のほうが俺は呼びやすいし、お前は馬鹿後輩で十分だ」
「酷いっ!?」
お前は一生馬鹿後輩だ。別に、恥ずかしいとか思ってねーからな。
そして、俺達は部室を閉め、アザゼル先生に事情を話してから家庭科室に向かうことにした。
だが、俺達はこの時知らなかった。このお菓子作りが更なる混沌を生み出すことを。
由比ヶ浜を除く全員が後悔することになろうとは、まだ知らなかった。
翌日、由比ヶ浜を除く俺達は全員、体調不良で学校を欠席した。
~次回予告~
捨てた筈の血縁。
二度と会うことはない、そう思っていた。
だが、そいつは俺の前に現れた。
前の俺と同じような、死んだ目じゃなくて腐りかけた目をして。
再会するのは、かつての妹。
「お前は・・・・・・。なんで、今更俺の前に?」
「やっと・・・・・・やっとやっとやっとやっと!見つけた。アハ、アハハハハ!会いたかったよ、お兄ちゃん?」
「昔の面影が無くなっているな。俺は会いたくはなかったぞ・・・・・・小町」
次回もお楽しみに
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑭
「くっ、まだ腹が痛い。とっておきの魔法薬を複数使ったのに、後遺症が酷すぎる・・・・・・」
数分トイレに籠り、痛む腹を抑えて魔法薬を飲むためにキッチンに向かう。
途中、自室から出てきた弱り切った馬鹿後輩と鉢合わせした。
「せ、せんぱーい・・・・・・万能薬、まだ残ってませんかぁ。正直、乙女としてトイレに籠りたくないんですけどぉ」
「ストックはまだある・・・・・・くそっ、油断した。まさか由比ヶ浜が暗黒物質を錬金するとは思わなかった」
「見た目は普通でしたし、材料も普通。その結果がアレですかぁ・・・・・・何で同じものを食べた結衣先輩だけが無事なんですか?納得いきませんよぉ」
「口に入れた瞬間、意識が逝った上に未知の味覚が口いっぱいに広がり、胃に入れた瞬間にまた意識を持っていかれた。常に魔法薬を持ち合わせてなかったら俺達は病院行きだったぞ」
「は、はい。この日ほど、魔法薬に感謝したことはありませんね」
あの後、俺達は部長が考案したお菓子作りを実行した。
城廻先輩や雪ノ下、馬鹿後輩が調理したクック―は美味かった。店に出してもおかしくない位の出来だった。
だが、その至福の時間が終わったのは、由比ヶ浜がクッキーを調理し終えた時だった。
ハッキリ言おう、マズイ。この世のモノとは思えないほどにマズイ。
半妖の雪ノ下も死にかけ。あの先輩ですら死にかけた。
俺がとっさに魔法薬を飲ませなかったらアウトだったな。
「ちっ、また胃がズキズキしてきた。少しコンビニに行って、茶碗蒸しでも買ってくる。流石に何も食わないのもよくないだろ。エビと松茸、どっちがいい?」
「あー、じゃあエビでお願いします。正直今、調理したい気分じゃないです」
「だろうな」
馬鹿後輩は魔法薬を飲むと、自室に戻っていった。
コンビニは歩いて5分もかからないので、本当に便利だ。
時間はすっかり夜で、街灯が道を照らしている。
「少し冷えるな・・・・・・四月の後半だしなぁ。おお、寒い」
明日には体調も良くなるだろう。んで、絶対に由比ヶ浜を〆る。
俺のゲンコツとデコピンは男女平等なんだよ。
しばらく歩くと、ふと違和感を感じた。
確かに今の時間は少し遅い。だが、それでも交通量は普通で、この時間帯でも通行人とすれ違ったりする。
なのにも関わらず、未だに人とすれ違っていない。それどころか、周りの民家に明かりが点灯していなかった。
「どういうことだ?」
「それはね、邪魔されたくないから結界を張ったんだよ?」
「っ!?お前は・・・・・・!」
気が付かなかった。いつの間にか、俺の目の前に誰かがいた。
否、誰かじゃない。俺はソイツを知っている。
いや、そもそもだ。ソイツが俺の目の前にいる事自体がオカシイのだ。
何故だ。何でお前が・・・・・・・なんで
「なんで、今更俺の前に・・・・・・?」
「やっと・・・・・・やっとやっとやっとやっと見つけた。ずっと、ずっとずっっっと探したんだよ。アハ、アハハハハ!会いたかった、会いたかったよ、お兄ちゃん?」
「昔の面影が無くなっているな。俺は会いたくはなかったぞ・・・・・・小町」
そう、昔の面影がまったくない
くりくりっとしてた愛らしい目は、かつての俺のように腐っており、目の下に隈ができている。
髪も綺麗なショートから、ぼさぼさしたロングに
ハキハキしてて、誰にでも懐きそうな雰囲気が完全に消えて、人を寄せ付けない暗いオーラを纏っている。
そして何より、太陽のような笑顔をしていたのに、今は気味が悪い笑みを浮かべている。
一目で小町とわかる要素は、アホ毛と顔だけだ。
比企谷小町。俺と血を分けた二つ下の実妹。
俺とは違い、両親や親戚に愛され、可愛がられた存在。両親とは違い、俺に懐いていた気がするが、俺は鬱陶しかった。小町が俺に懐く度に、親父は俺を憎悪して体罰をし、お袋は体罰を容認して飯すら食わせてくれなかった。
だから、俺は小町が嫌いだった。
俺が師匠の養子となり、ケジメとして家族の縁を切った時を最後に別れた。アイツは泣き叫んで俺を引き留めようとしたけど、俺はそれを無視した。
それが、一色に出会う一年前の事だ。
「お兄ちゃんがいけないんだよ?小町を置いていくから・・・・・・あんなクズどもを押し付けるから」
「・・・・・・小町?」
やはり、様子がおかしい。俺が知る小町は、少なくともあの両親をクズとは言わなかったと思うのだが?
「小町はね、ずっと知ってたんだ。父親がお兄ちゃんに暴力を振るったり、母親がお兄ちゃんに酷いことしたり。でもね、小町は我慢したんだよ?あの時はお兄ちゃんを救える力がなかったから。あのクズどもからお兄ちゃんを奪って、復讐できるその日まで」
「お、おい?」
「なのに、お兄ちゃんはそんな小町の気も知らないで勝手に出て行っちゃった。せっかく、二人っきりで暮らしていけると思ったのに全部全部ぜーーーーんぶ、台無しになった!」
ちょ、ちょっと待ってください。こ、小町さん?え、なんですか?ひょっとしてその性格って、俺が気が付かなかっただけで・・・・・・元々?
「そうだよ?お兄ちゃんには可愛い妹っていう風に見えるように演技してたんだよ?醜い小町を隠すために偽ってたんだよ?」
え、えー・・・・・・今知った衝撃の事実なんですけど
「だからね?お兄ちゃんが居なくなったなら、あのクズたちはもうイラナイよね?お兄ちゃんを苦しめた分、苦しんでもらってから食べちゃった」
・・・・・・食べた?
ふと、気が付くと俺と同じ黒髪だった小町の髪が真っ白に染まり始め、うねうねと動き始めた。
そして、髪の先端が数本にまとまり、蛇の頭に変化していった。まるで、神話のメデューサのように
え?なにこれ?新展開?この小説ってバトルは無いんじゃないの?
「だからね、お兄ちゃんを小町のモノにするの。誰にも邪魔されないように、手足を斬ってずっと監禁して・・・・・ね。それと、お兄ちゃんにずっとくっ付いてる雌は邪魔だから食べちゃうけどね」
馬鹿後輩の事か。普段ならともかく、今のアイツではこの小町を相手にするのは無理だろう。
正直な話、今も小町は嫌いだ。だが、情が無い訳じゃない。
嫌いになる前は一応は可愛がっていた事もあった。俺を思ってくれていたのは・・・・・・まあ、少し嬉しい
だが、それでも・・・・・・馬鹿後輩を殺すって言うんなら話は別だ。
「小町、お前が誰を食べるだって?調子に乗んなよ。お前が誰に喧嘩を売ってんのか教えてやる」
この際、小町が何者で、どんな異能がある化け物になったのかなんぞ知ったことじゃない
「ぼっちを貫き通した魔法使いの弟子の実力、見せてやるよ」
・・・・・・実戦なんかしたことないけどな!
◇
その頃、いろはは・・・・・・
「せんぱい遅いなー。歩いて5分のコンビニにどれだけ時間掛かってるんですか?はぁ、仕方りませんね。迎えに行きましょう。べ、別に先輩が心配だからって訳じゃないですよ!?茶碗蒸し!そう、茶碗蒸しを早く食べたいだけです!・・・・・・・一人はさびしいです」
続く
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑮
シリアス「(´・ω・`)そんなー」
ギャグ「(=゚ω゚)ノただいまー」
髪が白い蛇と化した小町は不気味な笑みを浮かべたまま、俺を睨みつけている。
さて、どう戦うか。魔法薬の材料集めで異界でモンスターとは戦ったことある。しかし、対人戦は一回もない。
おまけにここは市街地だ。小町が結界を張ったと言っていたが、あまり派手な魔法は使えない。
・・・・・・まあ、いつもの俺らしい魔法を使うしかないか。
「へー、魔法使いかぁ。まるでおとぎ話だねっ!」
「っ!」
それは直感だった。嫌な予感がした瞬間、空中に飛び上がり、その場から離脱した。その判断は正しかった。
俺がいた場所は黒い触手みたいなナニカが生えており、地面が飲み込まれていた。
「なんだ、アレは」
「えー、なんで避けちゃうかなぁ?クズ達もこれで食べてあげたのに」
オーケー、アレは危険だ。あの黒い触手は触れただけでアウトだ。浮遊魔法を駆使し、小町を見下ろしながらそう結論付けた。
ならどうするか?答えは簡単。もう、詠唱は終わっている。
戦わずして勝つ。それが俺の戦法だ
「今度こそ、ちゃんと食べてあげるよ」
「残念だが、もう終わりだ」
「は?何言ってるのかな、ごみいちゃんは」
「俺に勝ちたいなら、俺に思考させない。それが唯一の勝利条件ってことだよ」
―――パチンッ!
少しカッコつけながら、右手で指ぱっちんをする
「何を言って・・・・・・なっ!?」
「足元注意ってな?」
すると、小町の地面がキレイに消えて直径3メートル深さ10メートルの落とし穴になった。
言っておくが、本当に地面が消えたわけじゃない。消えたように見えているが、実際は湾曲空間で広がっているだけだ。
名付けて、ディバイディングトラップ。
落っこちた小町は触手を使って出てこようとはせず、その中でじたばたしていた。
成程、あの触手の制御はそこまで精密には出来ないってことか。こいつはラッキーだ。
「お、落とし穴!?卑怯だよお兄ちゃん!!って、ひっ!?中に大量のゴキブリーーーーーーーーーーーーー!?いやああああああああああああああああ!?」
「俺には座右の銘がいくつかある。『押してダメなら諦めろ』『使えるものはなんでも使う』。そして、『卑怯は敗者の戯言』。ハッキリ言ってやるよ、小町。卑怯?最高の褒め言葉だ」
正々堂々?正義?はっ、そんなもん糞食らえ。俺達裏世界の人間は異端なんだよ。そして、お前も同じだ。
だから、元兄として元妹に教授してやろう。一度手を汚した人間の末路をな。
右手から高熱の炎を。左手から高圧の電気を。二つのエネルギーは一つとなり、プラズマを生み出す。
異界で編み出した俺が今使える最高の攻撃魔法。名前は無い。だが、山一つ消し飛ばす威力はある。
これをわざわざ使うためだけに、小町を湾曲空間の中に閉じ込めたんだしな。せめてもの慈悲だ。これで苦しまずに決してやる。
「クズの親だったとはいえ、人を殺したんだ。それに俺を殺そうとしたんだ。お前も殺される覚悟があるってことでいいな?」
「ひっ!?い、いや。死にたくない・・・・・・まだお兄ちゃんを手に入れてないのに!」
「さよならだ、元妹。先に地獄に墜ちてろ」
そして、俺は魔法を解き放っ「はい、そこまでですよー」ゴドスッ!
「ジェロニモッ?!」
あ、魔法が・・・・・・。あと、頭が痛い。なんか鈍器で殴られた。
俺を殴った相手を見ると、それは笑顔の笑みを浮かべて怒り状態でレイジングハートと同じアニメに出てきた槌を持った馬鹿後輩の姿だった。
てか、またあのアニメの武器を作ったのかよ
「な、何しやがる!馬鹿後輩!」
「こんな街中で極大魔法を使おうとしている先輩にお仕置きですよ?気が付きませんでした?結界の外まで魔力が漏れてましたよ」
え?マジで?やっべ、小町に集中しすぎて冷静さを失ってたか。
「あ・・・・・・あああ・・・・・・あう」
あ、小町が気絶してる。しかも俺の殺気にやられたのか、漏らしてやがる。
白かった髪も黒に戻ってるし、今は大丈夫ってことか。
「うわぁ、先輩女の子相手に何してやがるんですか?犯罪?」
「ざけんな。殺されそうになってたんだよ」
「先輩が?この子に?殺しても死ななそうな先輩を?」
「よーっし、その喧嘩買ってやる。明日から城廻先輩と一緒に魔法薬講座だ」
「わっはーい、藪蛇だったー。ぜーんぜんうれしくなーい!」
・・・・・・でもまあ、一応感謝してやる。さすがの俺も、元妹とはいえ、手を汚したくはなかった。
「じゃあ、この子は私が運びますね。帰ったら、OHANASHIしてくださいね」
「あいよ」
気絶している小町の寝顔は、俺がよく知る昔の小町そのものだった。
小町がこうなった原因は一応、俺にもあるみたいだし、不本意だが自宅に連れて帰ることをしぶしぶ了承するしかなかった。
「ところで馬鹿後輩。その槌以外にも作ってないだろうな?」
「え?さ、さー?」
「・・・・・・帰ったら全部出せ。モノ次第では没収だ」
「そんな!」
葉山の哀愁を見ていないからそう言えるんだよ!
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑯
翌日、腹痛も無事完治した俺達は早朝から部室に集まることになった。
理由?それはもちろん・・・・・・
「あひゃひゃひゃーー!ごーめーんーなーさーいー!ゆーるーしーてー!アッハハハハハッハ!!!」
「アハハ~、だーめ☆」
「反省しなさい、結衣さん」
元凶である由比ヶ浜に報復するためだ。
現在、城廻先輩監修のお仕置きで、簀巻きにしてからのくすぐりの刑にしていた。
俺としては軽い方だと思うが、それどころではない
「クンカクンカお兄ちゃんの臭い・・・・・・ハアハア」
「ねえ小町ちゃん?先輩から離れてくれないかなー?(妹だからって調子に乗らないでよね)」
「はぁ?お兄ちゃんに近づく女狐が何を言ってるんですか?貴女こそ離れてください(○ね、雌○がっ!)」
馬鹿後輩と愚妹が俺に引っ付いて離れてくれない。つか、愚妹よ中学はどうした?貴様は受験生じゃねーのか?
「中学?お兄ちゃんが居なくなった中学校に行く意味は無いよ」
「へー、それじゃあ先輩と同じ高校には入れないってことですね~♪」
「ムカッ!」
あー、暑苦しい。ていうか先輩、HRも近いですしそろそろお仕置きはその辺で。
「そうだね~じゃあ、止めよっか雪乃ちゃん」
「ええそうね」
「はーはー・・・・・・苦しかった」
「おう、お疲れさん由比ヶ浜」
「もう二度とクッキーは作りません・・・・・っていうか、ヒッキーって妹いたんだね」
「そうね。とてもご兄弟がいるようには見えなかったわね」
「まあ実際、実家とは縁を切ってたしな」
流石に両親をコイツが食い殺したとは言えねーな。
「お兄ちゃんに近づく雌がこんなに・・・・・・ふしゃー」
お、おい!またあの蛇の力を使う気か!?
「駄目だよー小町ちゃん?ここでは暴力はご法度だよ?うふふ~♪」レイジングハート起動&血だらけエスカリボルグ装備
「ひぃっ!?ごめんなさい、殺さないで!!!」
うわぁ、あの小町が涙目で命乞いしてる。流石城廻先輩
ていうか、レイジングハートを起動したってことは・・・・・・
―――キャーーーーー♪!!!
―――アハハ、そろそろ俺諦めた方がいいのかな?
―――ちょっ?!隼人君、正気に戻るっしょ!大岡と大和も着替えを持ってくるべ!
―――お、おお!
―――それな
―――ちょっ、優美子!?は、鼻血!っていうか、ソレ私のアイデンティティなんだけど!?
―――は、隼人の裸・・・・・ぶふー
OK、葉山。頼むから目覚めるなよ。
「それで比企谷くん、小町さんはどうするのかしら?」
「今日のところは仕方ないからここに居させてくれ。顧問のアザゼル先生にも頼むつもりだ。正直、目を離すと何を仕出かすかわからん」
「・・・・・・妹さん、嫌いなの?」
「言いたくはないがな。まあ、昔色々あったんだよ。つか、やけに気にするな雪ノ下?何かあんのか?」
「そうね・・・・・・小町さんの気持ちも分からなくはないから。私も妹だからね」
「ふーん」
上の子と下の子。何か感じることがあるのか?
「でも、小町ちゃんって珍しいね~。まさか白蛇の力を使えるなんて」
「ひうっ・・・・・はっ、はい。小町は白蛇に仕えていた現人神の子孫で、その先祖返りなんです」
「・・・・・・はぁ?俺、そんなこと知らねーんだけど?ていうか、俺もなのか?」
「多分ね。小町がこの力を自覚したのは、お兄ちゃんが居なくなってからだし」
ちっ、両親が居なくなったのは痛いな。先祖のルーツを調べられねーじゃねーか
「でも確か、親戚に東風谷っていう守矢神社に仕えてる一族がいるはずだよ。昔、クズどもに連れていかれたことがあったよ」
「東風谷・・・・・・ねぇ」
まあ、どうでもいいか。俺、魔法使いだし。
「ていうかお前らいい加減に俺から離れろ。暑苦しいんだよ」
「「嫌」」
「ヒッキーって年下に懐かれやすいのかな?」
「知るか」
「でも、ウチのサブレもヒッキーに会いたがってたよ」
「お前の犬神にか?」
「うん!今度連れてくるね!あ、それとめぐり先輩!これ、入部届だよ!」
「はい、確かに受け取りました。これで結衣ちゃんも部員だね~」
「よろしくね、みんな!」
まあ、俺としては暗黒物質を作らなければ何でもいい
「それじゃ、放課後にまた集まろうね!あ、小町ちゃんは大人しくしてよーね?ね?」
「「「「はい」」」」
「は、はい・・・・・・怖いよぉ」
まあ、その意見には同意してやるよ小町。
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑰
いつも通りの授業を受け、特に何もなく放課後になった。
同じクラスの由比ヶ浜、馬鹿後輩と合流し、部室に向かった。
しかし、部室の前で部長と雪ノ下が困惑した表情を浮かべていた。
「おーっす、部長どうしたんすか?」
「えっと、めぐり先輩もゆきのんもなんで入らないの?」
「何かあったんですかー?」
心当たりとしては、小町が何かやらかしたか?
「えーっと、うん。まあ確かに比企谷君の妹さんの事も含まれてるのよね」
「でね、小町ちゃんがもう一人の人ともめてるって言うか・・・・・・入り辛いんだ」
成程。まあ、小町関係なら血縁で俺の責任になるな。
仕方ない、中の様子は・・・・・・
「ねえ、さっさと出て行ってくれないかな?小町はお兄ちゃん以外には興味ないんだけど?」
「OK、八重歯ガール。そう殺気を出さないでくれ。俺は友である八幡に用があって来たんだぜ」
「ていうか、カッコつけててナルシスト?ぶっちゃけ三枚目ですね」
「ふっ、知り合いの毒舌女からよく言われるよ」
俺はそっとドアを閉めた
「さあ、帰るか」
「「「ダメ」」」
ですよねー
はあ、このまま何も見なかったことにしたかったんだけどな
俺は意を決して扉を開け、中にいる人物に声を掛けた。
「俺に何の用だ。材木座」
「少し手伝ってほしいことがるのさ、マイフレンド八幡」
◇
日本人には珍しい銀髪。制服の上に赤いスカーフ。そして帽子をかぶったキザなナルシスト。それがこの男、材木座義輝。
まあ、一応知り合いである。お互い、群れるのは好きじゃないから知り合いってことで体育の時間にコンビを組んだりしている。
俺の数少ない、友人の一人ではある。
「エンドレスフロンティアで共に戦った事がある戦友に対しても相変わらず冷めた男だな」
「ほざけ、自称さすらいの賞金稼ぎ(バウンティハンター)」
エンドレスフロンティア。それは俺が普段口にしている異界の事だ。
しょっちゅう、魔法薬の調合に必要な材料を取りに行く時がある。
だが、中には強いモンスターとかいるわけだ。ドラゴンとか。
ぶっちゃけ、俺一人だと面倒だから、その世界の賞金稼ぎに依頼して行動を共にするのだが、まさかこの男が地元の人間だと知らずに行動を共にしてしまったのだ。っていうか、こいつ向こうだと偽名使ってたからわからなかった。
ちなみに小町は再び簀巻きにしている。やかましかったからな。
「ヒッキー、エンド・・・・・・なんとかって何?」
「エンドレスフロンティアな。様々な“世界”、あらゆる“人”、そして“刻”さえも混ざり合う、通称「未知なる無限の開拓地」。限りなく近く、限りなく遠い世界に存在している異世界だ」
「私と先輩は魔法薬の調合に必要な材料を集めるためによく行くんですよねー」
「俺の師匠が作ったゲートのおかげでな」
あれが無いと、材料集めができん。
「比企谷君、その世界ってどんなところなのかしら?」
「この世界において俺達は異端だが、向こうの世界ではどこにでも存在する当たり前になる。化け物、幻想種、亜人、妖怪となんでもござれだ。過去に魔女狩りに会った魔法使いや、神秘の衰退で絶滅の危機を恐れた幻想種が逃げ込んだ世界とも言われてるな」
「あ、私も行ったことあるよー」
部長なら行っても不思議じゃないから別にいいです。
「んで、俺に何の用だ?対人戦限定で言えば俺よりも強いし、頼れる相棒の毒舌ロボ女や刀使いの女がいるだろう」
「いやまあ、そうなんだが・・・・・まあ、色々あるんだよ。それで、頼みたい事なんだが・・・・・・」
この材木座の依頼がまさかあんなことになるとは、この時の俺は知る由もなかった。
次回予告
比企谷八幡だ。
ったく材木座の奴め面倒な依頼を持ってきやがって。報酬は多めに貰うからな。
それにしても、材料調達以外で異界に来るのは久しぶりか。おまけに何故か部活メンバー全員で行くことになってるし・・・・・・めんどくせー
材木座の依頼である物を手に入れてとっとと帰りたいぜ。ま、簡単にはいかねーのが異界の厄介な所なんだよなぁ
んじゃ、次回も見てくれよなー。
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑱
戸塚ファンのみなさん、ごめんなさい
pixivのアンケートの結果、異世界に行ってても葉山は全裸になります。
残念ながら、平塚先生には無害になりました。
冥王の塔
何時の時代、何の目的で建てられたのは一切不明。
塔の中はダンジョンとなっており、各フロア迷路となっている。しかも、中の迷路はランダムとなっており、毎回構造が違っている。
塔の最上階が何階なのかは不明。上に上がるたびに迷路の難易度が上がり、モンスターの強さも上がる。故に途中でリタイアする冒険者が後を絶たない。
それでも、挑戦する冒険者の数は多い。なぜなら、最上階には秘宝があると言い伝えられているからだ。
―――私の宝が欲しいの?なら、探せ!この世の全てをそこに置いてきた!by冥王
明らかにどこぞの漫画のパクりっぽいセリフが古文書に書かれていたらしい。
つか、なんだよ冥王って。聞いただけですっげー関わりたくないんだけど?
「んで、その冥王の塔に挑戦したいから俺の力を借りたいと」
「ああ。生憎、アシェンとカグヤは別件でな。俺一人で挑むには少し厳しい。だから、お前の魔法を借りたい」
「成程なー。いざとなれば、魔法で脱出すればいいしな。んで、何時行くんだ?時間のズレもあるだろ?」
「ああ。今のところ、こちらの一日が向こうの一週間と言ったところだ。まだ不安定ではあるが問題はないだろう」
まあ、向こうで一週間過ごしても、こっちでは一日だしな。
「んじゃあ、今度の日曜日か?」
「そうだな。ゲートは俺のを使うか?俺の戦艦に直行できるぞ?」
「そうさせてもらう。俺のだと、街の外だしな。さてと・・・・・・馬鹿後輩はともかく、お前らも行く気なのかよ」
そう、馬鹿後輩はいつも一緒に行ってるから別にいいが、他の面々が行く気満々の顔をしていた。何でだよ
「え?私はいつも行ってるから大丈夫だよ~。それに、何故かわからないけど冥王って言葉に惹かれるんだー」
止めてください部長。俺達が死んでしまいます。
「私はダンジョンには興味ないけど、半妖として人間以外の種族に興味あるわ」
「私も行ってみたいかも!あ、その時はサブレも連れていくね!」
「可愛い妹を置いていくなんて、小町的にポイント低いよお兄ちゃん!」
まあ、半妖と犬神使いには興味あるよな。てか、なんだよそのポイントは。見た目は可愛くても、中身がアレな時点で連れていきたくねーよ!監視の為に仕方なく連れていくけどよ・・・・・・
こうして、俺達は一週間後の日曜日にエンドレスフロンティアに行くことになった。
◇
【翌日の昼休み】
「ああ、平和だ・・・・・・お、この唐揚げ美味いな」
「平和ですねー・・・・・・えっへん、自信作です!」
俺と馬鹿後輩はいつものベストプレイスで昼飯を食っていた。特別棟の一階保健室横。臨海部に位置する総武高校はお昼を境に風向きが変わる。
朝方は海から吹き付ける潮風が飼えるように陸側から吹く。その風を感じながら食事するのが俺の唯一の愉しみである。
ちなみに昼食は、馬鹿後輩が作った特製の弁当だ。コイツの実家が有名料理店だからか知らんが、俺以上に料理が上手だ。
しかし、昨日も散々だった。自宅に帰った後の馬鹿後輩と愚妹の醜い争いがな。まあ、争う分は別にいい。だが、俺を巻き込むな。
はぁ、胃薬が欲しい。
「あれ?ヒッキーといろはちゃん?こんなところで食べてたの?」
「んあ?由比ヶ浜か」
「あ、やっはろーです結衣先輩!」
「うん、やっはろー!」
なんだその頭が悪そうな挨拶は。何?流行ってんの?
「俺達はいつもここで食ってんだよ。お前こそどうした?何時もなら教室でいつものグループとつるんでるんじゃねーのか?」
最近、哀愁が漂ってきた葉山のグループとな。
「あーうん。なんかちょっと居辛くてね。だから、ゆきのんと一緒にご飯食べてたの。でね、ちょっとゲームをして負けたからバツゲームでジュースを買いに来たんだ」
「バツゲーム?ああ、アイツ負けず嫌いって感じだもんな」
「そうですねー。雪乃先輩って勝負に熱くなるって感じに見えますしね」
「うんうん。でね、勝った時に無言で小さくガッツポーズをして、それを私に見られて顔を真っ赤にするところなんか本当に可愛かったんだ!」
ほう、それはそれは。アイツにしては意外な面だな。
「今までグループでやってたバツゲームと違って、心から始めて楽しいって思えたんだぁ。だから思うの。私が本当に欲しかったのってこういうのじゃないかなって」
本当の意味で楽しめる友達ってことか。俺にとっての鳴善か。アイツは俺にとって、心から信頼できた友達だったな。
「なあ、由比ヶ浜。それでいいんじゃねーの?今までが楽しくなかったなら、これから楽しめばいい。雪ノ下が本当の意味で友達って言えるなら、胸を張って言えよ?」
「えー?なんか先輩らしくないセリフですねー。誰のパクりですか?」
「パクりじゃねーよ。口は禍の元って教えたよなぁ?」
「ヴェアアアアアアアア?!アイアンクローはヤメテェエエエエエエエエエエエエエ!?」
ムカついたので、馬鹿後輩の顔をアイアンクローしてやった。少しは反省しろ
「あ、あはは。仲がいいね」
「まあな。付き合いは長いしな。認めたくはないが、俺の弟子だし」
「認めたくないんだ!?」
「俺がまだ未熟だからな」
でなきゃ、とっくに認めてるっつーの
さてと、飯を食うかっと
「あれ?由比ヶ浜さんと比企谷くん?」
そう思っていたら、俺達に声を掛けてきた存在がいた
「あ、さいちゃんだ!やっはろー!」
「うん、やっはろ!」
「・・・・・・おい由比ヶ浜、知り合いか?」
「何言ってるのヒッキー、クラスメイトだよ!戸塚彩加だよ!何で覚えてないの!!」
「え?・・・・・・・いやいやいや!」
ちょっとまて!アイツがクラスに居たら流石の俺も覚えてるぞ!?
「アイタタ・・・・・・うわぁ、先輩のクラスにあんな濃い人いたんですね」
「いや、俺は今初めて知った。この、女顔の癖に筋肉モリモリの巨体は」
そう、顔は美少女だ。だが、体は筋肉がミッチリと鍛えられたマッスルで、体格も巨体。顔と身体のバランスが全然取れてない違和感MAXのヤツなんて俺は知らん!!!
「あ、そういえばさいちゃんマッスルモードになってるね。だからヒッキーも気が付かなかったんじゃないかな?」
「あーそっか。じゃあ、戻るね。よっと」
次の瞬間、不思議なことが起こった。ソイツの肉体が一瞬で収縮して、普通の弱弱しい肉体になっていた。身長も馬鹿後輩と同じくらいに・・・・・・正真正銘の女子にしか見えなくなった。
俺と馬鹿後輩は顎が外れんばかり、唖然としてしまった。
「じゃあ僕は教室に戻るねー。また後でね、由比ヶ浜さん、比企谷くん!マッスルマッスル~♪」
「うん、またねさいちゃん!」
戸塚と呼ばれた奴はそのままクラスに戻っていった。あの肉体を見た後で、女子とは思いたくないから多分男子だろう。男子であってくれ頼むから。
「先輩・・・・・さっきの人、人間ですよね?」
「わからん。だがコレだけは言える。人間と言われても絶対に信じられん」
「ですよねー」
気が付けば由比ヶ浜はいなくなっていた。たぶん、雪ノ下のところに戻ったのだろう。
魔法使いの癖に現実を受け止めきれない俺達は、弁当を無言で食べ終え、それぞれのクラスに戻った。
途中、葉山の悲鳴が聞こえた気がしたが、そんなことはどうでも良い気がした。
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑲
ったく、昼間はショッキングなシーンを見ちまった。
てか、なんで由比ヶ浜は動揺してねーんだよ。いや、マジで
「ってことがあったんですよー。本当に驚愕でした」
「戸塚さんだったかしら?ええ、彼は私のクラスでも有名人ね。いろんな意味で」
「三年でも有名だね。見た目の女の子なのに、男の子なんでしょ?」
「ああ、漢の子でしたね」
断じて、男じゃなくて漢だ。顔だけなら男の娘かもしれんが、あれじゃあ漢の娘だ。
「そういえば由比ヶ浜さんは?一緒じゃないのかしら?」
「放課後の掃除当番で教室に残ってるよ。もう少ししたら来るんじゃねーか?」
「そう。じゃあ、待ってるのもアレだし紅茶でも入れてあげるわ。何がいいかしら?」
「んじゃ、ダージリンで頼むわ」
「あ、私はアッサムでお願いしますね!ミルクティで飲みたいので」
「じゃあ、私はアールグレイでお願いね」
「それじゃ、入れてくるわ」
~そして数分後~
「みんなー!おっまたせー!って、お茶会してる!?」
「おー、由比ヶ浜遅かったな」
「ゆきのん、私にもちょうだいよ!」
「はいはい、由比ヶ浜さんはどの種類がいいかしら?」
「え?紅茶に種類ってあるの?」
ああうん、やっぱりコイツはアホの子だったか。
「って、違った。あ、あのね?実は平塚先生がまたオカルト研究部に依頼者を押し付けたみたいなんだ。私が偶然、ゴミ捨てしてたら依頼主に出会っちゃって、奉仕部を探してたって」
またあの教師かよ。由比ヶ浜の時といい、二度目だぞ
「へー、ふーん。早めにアレの開発を進めた方がいいかもしれませんねー」
「おい馬鹿後輩、何を企んでいる」
「え?ひゅ~ひゅ~」
「アイアンクロー・・・・・・」
「ひっ!?」
また碌でもないモノでも作ったんだろう。
オラ、さっさと吐け
「え、えっとですね・・・・・・三式斬艦刀です」
「何でそんなの作った!?」
「だって、かっこいいじゃないですか!我に断てぬモノ無しって言ってみたいんですよ!」
「そういう問題じゃねー!」
なんてもん作ってんだ!
「えーっと、話を戻すね?私としてもどうしたらいいのかわからないから、とりあえず連れてきちゃった」
「そうなの?しょうがないなぁ、来ちゃってるなら入ってもらおうかな。呼んでくれる?」
「はい!さいちゃーん、いいよー!」
「うん。失礼します」
さいちゃん?お、おいそれってまさか・・・・・・俺と馬鹿後輩は顔が真っ青になっている。
部室に入ってきたのは、まさに昼の時の戸塚だった。まあ、マッチョにはなってなかったが。
「あ、比企谷君と一色さんもいたんだね。」
「お、おう。戸塚」
「こ、こんにちわです、戸塚先輩」
「えへへ、こんにちわ」
ああ、この外見だけなら美少女に見えるな。だが男・・・・・・いや、漢だ
「実はお願いがあって、奉仕部を探してたんだけど・・・・・・まさかそんな部が無いなんて知らなかったんだ」
「ううん、気にしないで戸塚君。平塚先生は後で私がOHANASHIしておくからね」
その笑顔が怖いです、先輩。
「それで戸塚君は一体何の用があって、奉仕部に用があったのかしら?」
「うん。僕が所属しているテニス部についてなんだけど・・・・・・強くして欲しいんだ!」
・・・・・・何言ってんだコイツ?いや、あの筋肉マッチョで弱い?いやいやいや
「えっと、何かの冗談ですか戸塚先輩?戸塚先輩って強そうに見えるんですけど・・・・・・」
「俺もそう思う」
「ううん、僕の事じゃないよ。他の部員なんだ」
つまり、戸塚以外の部員はやる気とかが少なく、戸塚以外の勝率がかなり低いそうだ。
二年生にして部長を務める戸塚としては全国を本気で目指しており、他の部員にやる気を出してもらいたい。
「難しい問題だな。戸塚個人ならともかく、他の部員のやる気を上げるのは流石になぁ。やる気のない奴にやる気を出せと言われても、反抗するのが人間ってもんだろ」
「ですねー。飴と鞭でご褒美を上げる為にやる気を上げても長続きしませんしね」
「そっか。ごめんね、無理言っ「え?大丈夫だよ?」え?」
戸塚の声を遮ったのは、なんと先輩だった
「その問題、このオカルト研究部部長兼生徒会長の私にまっかせなさーい!」
な、なんという頼れる年上オーラっ!どこぞのクズ教師とは大違いだ!
「戸塚君、部員は全員テニスコートにいるのかな?」
「え?はい」
「じゃあ、案内してくれる?あ、みんなは着いてこなくて大丈夫だよ!いつも通り、オカルト研究しててねー!雪乃ちゃん、代理お願いね~」
「あ、はい・・・・・・大丈夫かしら」
笑顔の先輩は戸塚を連れて部室から出て行った。雪ノ下じゃないが、本当に大丈夫か?
翌日、アザゼル先生から聞いた話だと、城廻先輩と戸塚を含むテニス部全員が学校を休み、山籠もりの合宿をしているそうだ。
いや、マジでどうしてそうなったし。先輩は何を考えてるんだよ・・・・・・
放課後、俺たちは心配になり、先輩が向かったという山に行くことにした。一応、テニス部の部員に謝罪の意味を込めた差し入れのおにぎりを持って
「アザゼル先生から貰った地図だとこの辺の筈なんだが・・・・・・」
「っていうか、めぐり先輩は何でこんな山奥に?」
「はぁ、はぁ・・・・・・半妖とはいえ、流石に体力が・・・・・・山道嫌いだわ」
「頑張ってゆきのん!あ、でも息を切らしてるのゆきのんだけみたいだよ?」
「えっ!?・・・・・・体力、付けた方がいいわよね」
人間の俺達以下の体力ってやばくねーか雪ノ下?
「あっ、ねえねえヒッキー!アレじゃない?」
「ん?ああ、確かにあの姿は先輩だ・・・・・・・な?」
俺の言葉はそこで途切れた。いや、目の前に広がる異様な光景に絶句してしまった。それは他の三人も同じだったようだ。
「まったく、何たるザマだ!貴方達は最低のウジ虫だ、ダニだ、この宇宙で最も劣った生き物だ!いいか糞虫共!私の愉しみは貴方達の苦しむ顔を見ることだ!ブタのように醜い声で鳴きやがって恥ずかしくないのか!」
軍服姿の先輩が、テニス部員全員に丸太を抱えて足場の悪い地面を走らせ、更に酷い罵倒していた。平行世界の雪ノ下でもここまでの罵倒はしない。いや、平行世界の雪ノ下とか何言ってんだ俺。
おまけに、滑って転んだテニス部員の一人に追い打ちをかけるような罵倒を浴びせ、泣かせて無理やり走らせていた。もし俺があの罵倒を先輩から受けたら、絶対に自殺する自信がある。それと、先輩の背後に白い服を着た茶色の短髪女性(胸絶壁)の幻影が見える気がする。
「・・・・・・俺、ここに来た事を後悔してんだけど」
「・・・・・・私もです先輩」
「・・・・・・今日から私、人の悪口を言うの止めるわ。見てるだけで、心が苦しいわね」
「・・・・・・と、とりあえず差し入れだけ渡してから帰ろうよヒッキー、ゆきのん、いろはちゃん」
「「「賛成」」」
俺達は嫌がる足を無理やり動かし、先輩の所に向かった。
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている⑳
差し入れから翌日、城廻先輩は未だに山籠もりから戻ってきていない。
正直、俺の中には不安で埋め尽くされている。
~回想~
「あ、皆来てくれたんだね」
「ええ。差し入れを持ってきました。っていうか、コレなんですか?」
「見ての通り、訓練だよ」
「「「「いやいやいやいや」」」」
その言葉に俺達は首を振って否定した。さすがにこれは無い。
「え?でも効果はあるよ?陣内高校の生徒会長さんから貰った練習を参考にしてるから間違いないよ!だって、最弱のラグビー部が日本一に輝いたしね!」
それ、絶対に裏があるって。
「でも差し入れかぁ・・・・・・うーん」
「どうしたんですか?何か問題でも?」
「えーせっかく握ったのにー?」
「結衣先輩は握っただけですけどね・・・・・・もうポイズンクッキングは嫌です」
それは俺も同意だ。差し入れのおにぎりの9割は雪ノ下と馬鹿後輩が料理した。俺か?何故かさせてもらえなかった。何故だ・・・・・・
「まあ、勿体ないし仕方ないか。貴方達、喜びなさい!24時間ぶりのご飯だ!ありがたく食べなさい、この豚共!」
・・・・・・鬼過ぎるだろ、先輩。
~回想終了~
とまあ、あと二日はみっちり鍛えてやると言っていたので、もう放置することにした。正直、関わりたくはない。訓練中に何度もレイジングハートを起動させてたから、きっとアイツはまた犠牲になってるんだろうと思うと涙が止まらなかった。
山登りに憑かれたので、ゆっくりと休もうかと思ったその夜、馬鹿後輩に一つの電話が来た。
それは、馬鹿後輩の従姉妹からだった。
「あー、もしもし?こんな夜遅くに何の用なのココア?」
『ふぇーーーーん!助けていろはちゃーーーーーん!』
うおっ?!スピーカーじゃないのに俺にまでよく聞こえがる!?ってか、耳を直に当てていた馬鹿後輩が耳を抑えて苦しんでる。お、おい大丈夫か?鼓膜が破けたから回復魔法をかけてるって?なら大丈夫か。
「こんの馬鹿ココアーーー!いきなり叫ぶな!耳が痛いわーーーー!」
『ふぇ?あ、ごめんね』
「くっ、このっ・・・・・・はぁ。で、何ですか?何時ものココアなら私じゃなくて、モカ姉を頼るでしょうに」
『あ、あはは・・・・・・実はね、住み込みで働いてるバイトの手伝いをして欲しいの』
「住み込み?そういえば、ココアは実家から出たんだっけ」
『うん。ラビットハウスっていう喫茶店だよ!それでね、チノちゃんが可愛いの!』
「あーはいはい。以前メールに書いてあった自称妹でしょ?」
『そうなの!コーヒー入れるの上手で、とってもおいしいの!』
「・・・・・・ココアって、IQは高いのに文系が本当に残念ですよね。それで、そのラビットハウスっていう喫茶店の助っ人に来てほしいってことでしょ?何時?」
『うん!明日』
「は?」
『じゃあお願いね!』
「え?ちょっとココア!?あ、切られた・・・・・・我が従姉妹ながら、全然話を聞かないですね。あー、先輩?明日、少し付き合ってもらえませんか?」
え?何で俺に振るの?嫌だよメンドクサイ。
「かわいい後輩が頼んでるのに無視する気ですか?」
「だって俺、小町を監視する役目があるし」
「あー。それがありましたね」
ちなみに、小町は我が家の地下で封印中。魔法陣で力を封じてる真っ最中だ。あの不気味な力は厄介だから、早めに何とかしたい。
「つか、俺に頼むくらいなら雪ノ下と由比ヶ浜を誘え。面倒くさいのは御免だ」
「ちぇー。まあいいです、お二人にも頼むつもりでしたし。それと一緒に来てくれないなら、先輩の秘蔵の書物を全部処分「待て待て待て。仕方ねーな、言ってやるよ」さっすが先輩!頼りになるぅ!」
この女・・・・・何時か後悔させてやる。ん?秘蔵の書物が何かだと?決まってんだろ、魔導書だよ。師匠が大事に保存していた、コルキスの魔女メディアが書いたと言われるものだ。
金にしたら末代まで遊んで暮らしてもお釣りがくるんだぞ。それをこの馬鹿後輩は処分だぁ?書いた本人が知ったら怒ってるだろうな。
仕方ない、小町の封印を強化しておくか。早めに俺達比企谷家のルーツを探らねーとな。
◇
おまけ
「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん」
「・・・・・・元とは言え、妹の愛が重い。はぁ、どうしてこうなった」
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!お兄ちゃん!お兄ちゃんーーーーーうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!お兄ちゃんの綺麗な黒色の髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
昔より死んだ目で小町と同じアホ毛で昔から変わらない捻デレなお兄ちゃんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
クズ親が居なくなってよかったねお兄ちゃん!あぁあああああ!かわいい!お兄ちゃん!かっこいい!あっああぁああ!
今日も私に会いに来てくれて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!妄想なんて現実じゃない!!!!あ…封印中だしよく考えたら…
こ の お 兄 ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?小町の封印を強化しに来たお兄ちゃんが小町を見てる?
強化中のお兄ちゃんが小町を見てるよ!お兄ちゃんが小町を見てるよ!魔法使いのお兄ちゃんが私を見てるよ!!
蔑んだような目でお兄ちゃんが小町を見下してるよ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!小町にはお兄ちゃんがいる!!やったよ蛇神様!!ひとりでできるもん!!!
あ、小町の恋人のお兄ちゃぁぁああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあぁ蛇神様ぁあ!!お兄ちゃんに近づく雌ブタは消えろぉぉおおおおおお!!!
ううっうぅうう!!小町の想いよお兄ちゃんへ届け!!小町のお兄ちゃんへ届け!」
・・・・・・次元の狭間に封印してもいいよね?
注意※小町のキャラが崩壊してます
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている㉑
ここはラビットハウス。馬鹿後輩の従姉妹が住み込みで働いている喫茶店だ。
そう、馬鹿後輩が電話で無理やり引き受けてしまった依頼の店だ。ちなみに、由比ヶ浜と雪ノ下はここにはいない。
和菓子専門店と紅茶専門店の方に助っ人に駆り出されている。もちろん、由比ヶ浜はウェイトレスとしてだが。雪ノ下は紅茶の入れ方を学ぶついでだと紅茶専門店に行っているが・・・・・あのうさ耳と制服は大丈夫なのか?
この店の名前にラビットと書かれているが、動物が放し飼いにされている喫茶店ではなく、マスコットのウサギが一匹いる程度の喫茶店だ。
どうみても、白い塊にしか見えないけどな。てかアレ、動物に魂が憑依しているがいいのだろうか?
「あーもう、先輩手伝ってください!手が足りません!」
「ぼっちの俺に接客なんかできるわけねーだろうが・・・・・・。いらっしゃいませお客様、席はこちらになります。ご注文は何に致しますか?」キリッ
「接客できてますよね!?」
ふっ、対人用の演技力を甘く見るな。ちなみに、死んだ目を隠すために魔眼殺しの眼鏡を掛けている。これで普通に見えるはずだ
「いろはちゃんの先輩ってすごいね!」
「ふぇ?い、いえいえ別に!普段はいい加減でズボラで優しくないんですけどね!」
「そうなの?インテリって感じでかっこいいけど?」
「先輩がインテリ?(ヾノ・∀・`)ナイナイ」
おーし、馬鹿後輩。あとで説教だ。誰がお前に勉強を教えているのかはっきりさせようじゃないか。
「すまんな比企谷。ココアのヤツが勝手に応援を要請したみたいで」
「気にすんな天々座。こういうのも悪くは無い」
「いや、ココアは相手の返事も聞かずに一方的だったらしいしな。ホント、申し訳ない」
「だから、お前が謝んなって。あの手の天然には慣れてる」
主に城廻先輩だけど。あの人、何やってんのかな?
◇
~山奥~
「あはは、やっぱり君はすごいね戸塚君」
「はぁ・・・はぁ・・・気が高まるぅ・・・あふれるゥ!うぁあああああああああ!!!」
「他の部員たちはみんな気絶しちゃったのにね。君はやっぱり特別だよ!だから、私も本気を出してあげるね!」
穴ぼこだらけになった山中にて、空中に浮かぶ二つの影。
方や筋肉が膨張し、白目でオーラを噴出している戸塚。
方や、白い法衣に身を包み、レイジングハートとエスカリボルグを構えるめぐりん。
めぐりはエスカリボルグを消し、目を静かに閉じた。
「テトラテュス・グラマトン」
その言霊を唱えた時、めぐりの背後に別の女性の影が浮かび上がり、静かにめぐりと一つになっていく。
すると、めぐりの髪が黒から茶色に変化し、目つきも釣り目に変わり、狂気の笑みを浮かべた
「あはぁ♪さあ、恐怖の悲鳴と断末魔のオーケストラを奏でよう!」
※イメージBGM「ダークプリズン」
レイジングハートは彼女に憑依している存在の武器へとみるみる姿を変えていく。
その武器はまさに薙刀。しかし、血塗られた妖刀のように禍々しかった。
「ふ、フハハハハハ!その程度の実力でこの僕を超えることなど出来ぬゥ!!」
「神具ネオ・メイオウガッシャー。抵抗など無意味。相転移出力、最大限。縮退圧、増大。重力崩壊臨界点突破・・・・・・さあ、見せてあげようか。世界崩壊の終焉を!」
「何なんだぁそれはぁ・・・・・・僕は悪魔だぁ!」
「なら、私は冥王だよ。さあ、眠りなさい。エンド・オブ・ワールドブレイカー、デットエンドシュート!」
めぐりが持つ薙刀の刃先から放たれたのは、重力にとって極限まで縮退された砲撃が、いろんな意味で覚醒している戸塚に向かって放たれた
「ハハハハハ、ハーーッハハハハハハハハハ!!!!」
戸塚はそれを手に収縮していたエネルギー弾をテニスラケットで解き放った。
二つのエネルギーが衝突し、周囲は光に包まれた。その日、地図からその山が消え去った。
◇
「おっと、地震か?あっぶねーな」
食器を洗っていると、突然店が大きく揺れた。
「物騒ですね、先輩ー」
「あ、あの八幡さん。このコーヒーはどうでしょう」
「ん、香風「チノです」いや、か「チノ」・・・・・・チノ。このオリジナルブレンドだが、酸味が少し強いな。もう少し抑えてもいいと思うぞ」
「ありがとうございます、お兄ちゃん」
「ふぁっ?!」
お、おまっ!なんてセリフを!?そ、そんなことを言ったら・・・・・・
「チノちゃんのお姉ちゃんは私だよ!妹は渡さない!」
保登、お前は何を言っている。
「先輩、やっぱり年下好きなんですかぁ?」
馬鹿後輩、俺はノーマルだ。んでもって、なんで膨れてる?
「お兄ちゃん!小町は私だけだよ!妹の座は渡さない!」
「どうやって封印を説いてきた愚妹!?」
「血のつながりは関係ないです。それと、ココアさんをお姉ちゃんと呼びたくないです」
「ちょっ、チノちゃん!?」
予想通り、来やがった!?煽るなチノ。ココア、哀れだな
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている㉒
ラビットハウスでのバイトから翌日。
城廻先輩から連絡があり、テニス部の山籠もりブートキャンプが無事に終了したそうだ。
放課後、俺達オカルト研究部は部長の指示でテニスコートに集まっていた。なんでも他校から対戦相手を呼んだそうだ
「滅茶苦茶不安だ・・・・・・」
「ですよね・・・・・・不安です」
「大丈夫だって。ヒッキーもいろはちゃんも心配し過ぎだし!めぐり先輩はちゃんとテニス部を強くしてくるって!」
「いえ、結衣さん。比企谷君達が不安がっているのはそういうことじゃないのよ」
だよなぁ。対戦相手が滅茶苦茶心配だ。どんな魔改造してくるのやら・・・・・・
「それにしても、めぐり先輩達や対戦相手の他校チームもまだ来ませんねー?」
「そうだな・・・・・・雪ノ下、城廻先輩から連絡は?」
「無いわね。一度、連絡してみようかしら?」
と、雪ノ下がスマホを取り出そうとした時だった。
「あっ、テニスコート空いてんじゃん。なら、あーしテニスやりたいんだけど、この場所開けてくんない?」
「ゆ、優美子!?」
「ん?何で結衣がいるし」
ん?アイツらは確か、俺がいるクラスの上位カーストグループじゃねーか。
「結衣さん、あの人たちはお知り合い?」
「う、うん。クラスメイトで同じグループの皆なんだけど・・・・・・」
「そう。申し訳ないけど、これからここでテニス部の試合が行われるから諦めてくれないかしら?」
「は?アンタ何?空いてんだからいーじゃん」
うわ、マジ暴君。そういや三浦って奴、クラスで仕切ってる女王とか言われてたっけ。関わりたくないからシカトしていたが。
「どうします先輩?アレ、一度言い出したら引きませんよ?」
「と、言われてもな。ぶっちゃけ、生徒会とテニス部顧問の教師の許可でここは貸し切ってるわけで、正式な試合がこれからあるわけだ。その時点でアイツらに使用権利は無いが、肝心の選手がまだ来てないときた。両方の選手が居ればまだよかったんだが・・・・・」
催眠魔法でも使って、強制的に退去してもらうか?
「まあまあ、落ち着きなよ優美子。どうやら正式な試合があるみたいだし、今回は諦めないよう?」
「えー、いくら隼人の言うことでも、あーしはテニスがしたいしー」
「俺の顔を立てると思ってさ。お願いだよ」
「う、うむむ・・・・・・」
お?皆平等主義の葉山が珍しい。まあ、三浦を説得してくれるならありがたいが。
「じゃあ、あーしと一回試合するし!それで負けたなら大人しく下がってやるっての」
「「「「「は?」」」」」
お、おいおい何言ってんだよアイツ。てか、葉山も唖然としてるぞ。どこまで暴君なんだよ!?
「ちょ、ちょっと優美子?!流石にそれは「隼人は黙ってるし!ここで引き下がったらあーしのメンツが潰れるし!」」
「ま、マジ三浦っべー」
「だな」
「それな」
「あー、最近鼻血で貧血気味だからストレス溜まってたっけ・・・・・・本当なら私のポジションなのになぁ」
なんか知らんが、眼鏡っ子が物凄い悲壮感にあふれてるんだが?
んで、どうするんだよ?
「みんな!待たせたね!」
こ、この声は!?
「無事、テニス部の強化合宿終わったよ!」
「「「めぐり先輩?!」」」
い、いつの間に帰って来たんですか城廻先輩!?
「話は聞かせてもらったよ。でも大丈夫!他校の相手が来るまであと三十分あるから、前哨戦でテニス部が相手をできるよ!そうだよね、戸塚君?」
「はい・・・・・・大丈夫・・・・・・です」
戸塚の目がすっげー虚ろなんですけど!?
「んー、戸塚君は部長だし、ここは他の部員に行ってもらおうかな。そうだね、鈴木くんお願いね」
「はっ!了解であります!」
なんか軍人みたいになってるんですけど?!
「は?こんな無個性っぽい奴が相手?ざけてんの?」
「・・・・・・」<●><●>
「アンタ何とか言ったらどうなの!」
「・・・・・・」<●><●>
「ちっ・・・・・・さっさと始めるし!」
お、おい。あの鈴木とかいう奴、物凄い目なんだが?死んだ目の俺以上に危ない目だぞ。
「せ、先輩。なんかすっごく嫌な予感が・・・・・・」
「安心しろ。俺もだ。なっなあ鈴木だったか?本当に大丈夫か?」
「はっ!自分は大丈夫であります!」
「・・・・・・・不安しかねー」
流石に不安で心がいっぱいなので、相手にダブルスはどうだろうか?と進めてみた。いや、三浦一人だと何が起こるかマジでわからないからだ
「あ、ああ。俺もそれがいいと思う。すまないな比企谷、俺は止めたんだが・・・・・・」
「気にすんな。あの城廻先輩が仕込んだんだ・・・・・・絶対に何かある」
「ダブルスには俺が出てやりたい所なんだが、生憎体操着が無くてね。今日買いに行く予定だったんだけど・・・・・・」
「・・・・・・なんつーか、苦労してんのな」
「言わないでくれ、涙が出てくるから」
と、言うことで戸部って奴が三浦と組むことになった
鈴木は田中って奴と組んだみたいだ。・・・・・・田中の目もヤバイ。
「それじゃあ、試合前に激励するよ!すぅ・・・・・・野郎共!私達の特技は何だ!!!」
『殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!!』
「この試合の目的はなんだっ!?」
『殺せっ!! 殺せっ!! 殺せっ!!』
「私達は総武高校を愛しているか!? テニス部を愛しているかっ!? 」
『ガンホー!! ガンホー!! ガンホー!!』
「OK! 行くぞっ!!」
『うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!』
激しく不安だ・・・・・・見ろ、オカルト研究部全員はもちろん、対戦相手の三浦と戸部も目を見開いて怯えてるぞ。
応援に来たであろう野次馬の生徒たちも唖然としているな。
「比企谷・・・・・・優美子と翔は無事に終わると思うかい?」
「わからん・・・・・・祈れ」
そして、ついにリア充グループと魔改造テニス部員のダブルスの死合が始まった。
後、さっきの激励の所為かは知らんが、戸塚が前に見た筋肉マッチョモードになって、しかも白目をむいて、物凄いオーラを発していた。別の意味でパワーアップしてやがった。
つづく
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている㉓
既に引退していますが、どうしても続きが読みたいと知り合いに言われ、美味しいものを御馳走になってしまったので、友人が飽きるまでこの作品は書きます。条件として投稿速度は遅くしてます。
それは、三浦と戸部にとっては悪夢の出来事だった
田中「戸部ぇ、三浦ぁ、試合に勝ちたいそうだなぁ?勝てるといいなぁ?ふふふ・・・ハハハハハハハハ!アーッハッハハハハハハハハ!!」
鈴木「今日の俺は紳士的だぁ・・・・・・楽に仕留めてやんよぉ」
田中「なんなんだぁ今のはぁ?」
鈴木「死ぬか!消えるか!土下座してでも生き延びるのかぁ!!」
田中「雑魚がいくら群れようと、この俺に勝つことなど・・・・・・出来ぬゥ!!!」
鈴木「今死ね!すぐ死ね!骨まで砕けろォ!!ぶるぁぁあああああ!!」
以上、ダイジェストでした。
試合後の三浦と戸部?ああうん、可哀想だったな。
「もうダメだ、おしまいだ・・・・・・勝てるわけないわよ」
「あ、悪魔だっしょ」
俺以上に目が死んでやがるな。てか、アイツらマジで人間か?テニスじゃなくてテニヌだったぞ。テニプリも真っ青だ。
葉山達が必死に慰めてるが効果なさそうだな。さて、対戦相手が来たみたいだが・・・・・・戸塚達と同じ匂いがプンプンしやがる。さっきの試合以上にカオスになる予感がする。
俺のアホ毛センサーがビンビンに反応してんだぞ?
「せ、先輩。嫌な予感がビンビンなんですけどー」
「奇遇だな、俺もだ」
ってこれ、逃げていいですか?
いやうん、逃げよう
「逃がさないよ?」
あ、無理ですね。我らが部長が見張ってましたよ。と思ったら足元に魔法陣が。
ひょっとして馬鹿弟子?
「ふっふっふー。この一色いろはを甘く見たらいけませんよ!こんなこともあろうかと、転移魔法を用意してました!」
ナイス!帰ったら昨日作った魔法薬を飲ませてやる
「えっ、それバツゲームじゃないですかーヤダー!」
「あっ!?こら二人とも!?」
「え!?ちょっとアタシ達だけおいて逃げちゃうの!?」
「嘘でしょ?!このカオス空間に置いていくっていうの!?」
「「わが身が可愛いんです。じゃ、また明日!」」
涙目の結衣と雪乃、黒いオーラを出し始めた部長を置いて俺達は転移した。
そう、転移したんだ―――
―――異世界に(大汗)
「なあ馬鹿後輩」
「何でしょうか先輩」
「お前、転移先はちゃんと設定したのか?」
「・・・・・・てへ☆」
「失敗作の実験体な」
「ぎゃぴィ?!」
不幸なことに、ランダム転移となってしまい、俺達の世界に帰るための座標が分からない。
いや、時間をかければわかる。俺の自宅が目印になってるからそこを座標設定すればいい。ただ、特定に時間がかかるだけで。
っていうか、早く帰らないとヤバイ。
自宅には封印しているヤンデレ化した妹がいる。
もし、早急に帰らなかったら・・・・・・想像したくない。
「仕方ない。座標を特定する為にも住居を確保するぞ。一応検索魔法で近場に人里があるってわかったしな」
「はい・・・・・・ごめんなさい」
「過ぎた事は気にすんな。師匠の無茶振りに比べたらちょっとだけマシだ」
「ちょっとだけ!?」
やかましい後輩はさておき、とりあえずあらゆる世界の言語が通じるために制作した翻訳できる魔法薬を飲んでおく。
これで異世界の文字や言語でも日本語として認識できる。我ながら便利な薬を作ったものだ
さて、街っぽい所に着いたな。入口の看板には・・・・・【ようこそ、ベルゼルグ王国のアクセルの街へ】と書かれている。
王国ねぇ。まるで中世時代みたいだな。この世界は俺達の世界と違って神秘が薄れてなさそうだから魔物とか普通にいそうだな。
んじゃ、しばらく生活する為に工房を作るための住居と資金を集める方法を模索しないとな。
「先輩!この街にはギルドがあるみたいですよ!!ほらほら!」
「あー?1000エリスってこの世界の金がないと入れないから無理。それにこの世界に住む気はないからアトリエでもやって金を稼ぐぞー」
「りょーかいでーす」
だが、俺はこの時甘く考えすぎていた。
この先出会う連中の所為で、帰る時間が遅くなってしまうということに。
「この駄女神ーーーー!」
「駄女神っていうなーーーーー!」
何だろうか、先行きが物凄く不安になる叫びが聞こえた気がする。
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている㉔
馬鹿弟子の転移設定のミスで異世界に跳ばされてしまった俺達は、アクセルという名前の街で元の世界に戻るための生活資金を稼ぐことにした。
だがまあ、無一文でバイトなんぞ出来る筈もないので、俺が所持している魔法薬を売ることにした。
「んで、ここがマジックアイテム屋ねぇ」
「魔法薬、買ってくれるといいですね?」
アホ、俺の魔法薬は裏世界では億単位の値段で流通してんだぞ。
神秘が薄い世界であの値段だ。神秘に溢れてるこの世界では需要は少ないかもしれんが、そこそこの値段になるだろう。
取り敢えず、俺達は店の中に入ってみた。そこにいたのは、茶髪ロングヘヤーの女性だった。
「あ、いらっしゃいませー」
「すいません、魔法薬の買い取りってやってます?」
「え?いえ、買い取りはやってないですけど・・・・・・どんな魔法薬なんですか?」
っと、そういえば俺の手持ちの魔法薬は・・・・・・
「身体強化の魔法薬、透視の魔法薬、気配遮断の魔法薬、千里眼の魔法薬、性別変化の魔法薬、年齢詐称の魔法薬だな」
「うわ、どれも戦闘に特化してない役に立ちそうにない魔法薬ばっかですね先輩」
「うっせ。急な転移だから持ち合わせが少ないんだよ」
まあ、事実役に立たないモノばかりだな。というか、性別変更とか年齢詐称とか誰得って感じだな。
「買い取ります!!」
「「え・・・・・・」」
「ち、ちなみに魔法薬の効果はどれほどですか?!」
「え、えーっと個人差はあるが、半日から丸一日だな」
ちなみに、性別変更と年齢詐称以外は全部馬鹿後輩で実験してある。
この二つは本来、馬鹿後輩にお仕置きする為に用意したモノだったしな
「成程、見たこともない成分も混じってるみたいですし・・・・・・私の勘が正しければこれは高値で売れます!あ、お見積りはこれでどうでしょう?」
元の世界よりも格安の値段だが・・・・・・まあ、神秘に溢れたこの世界なら十分か。
元の世界に帰るまでの間だけだしな。
取り敢えず工房を含めた一軒家と生活費は何とかなりそうだな。
魔法具は俺の魔法袋に収納してるし、問題ないな。
「そういえば、お二人は見ない顔ですけど冒険者ですか?」
「いや、ただの旅の魔法使いだ」
「私はその弟子ですよー」
「え?冒険者じゃないんですか。意外ですね・・・・・・グールなのに魔法使いって」
ちょっと?俺の目は死んでるけど、グールじゃないよ?普通の人間だよ?
◇
その後、「ご贔屓してくださいねー」と店主に言われてその場を去った。
んで、役所で安い一軒家を購入して、俺の魔法で家を強化し、改造した。日本の何処にでもある一軒家風に。だってこの世界には電気もガスもないんだぞ?
現代社会に慣れてしまってるから仕方ないね。
地下室に工房を作り、錬金術用の巨釜を用意したり、魔法薬の貯蔵庫とか、様々なレシピを用意した。
これで、アトリエは完成だな。
「あ、先輩!私冒険者になりました!クラスはアルケミストだそうです!」
はい?何してんのお前?
「だって、先輩がアトリエを開くなら依頼が必要ですよね?だから、私が冒険者になって依頼を受けて材料を集めて、先輩が依頼の品を作ればいいんですよ!」
ほう、馬鹿の癖に意外と考えていたのか。
馬鹿の癖に
「二回も言われた?!ふえええええええええん!こうなったら絶対に先輩をぎゃふんと言わせてやるーーーー!」
はいはい、ぎゃふん。
さて、どうなることやら。
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魔法使いの俺に弟子がいるのは間違っている㉕
馬鹿弟子の転移ミスによって異世界に跳ばされた俺達は何とか元の世界に戻る為の触媒を集めることが出来た。
ただ、クズなニート野郎や駄女神、どうしようもないドM女騎士に爆裂魔法ジャンキーに出会ってしまい、メンドクサイ目にあったが、何とかなった。
そこに馬鹿弟子が加わるから、本当にめんどくさかった。
アトリエを引き払うのは勿体ないが、施設や道具は全て俺の圧縮空間に収納してるから元の世界で展開できる。
さあ、帰ろう。俺達の世界へ!
・・・・・・ってなったらどんなに良かっただろうか
馬鹿弟子がまたやらかしたおかげで様々な平行世界を彷徨う事になっちまった。
人理が崩壊した最後のマスターがいる世界
次元世界が存在する魔導師の世界
ゲッター線でヤベー事になってる世界
自称神がいるドクターライダーの世界
絶唱する少女たちがいる世界
人類保管計画が存在する世界
俺達が歩んだ歴史とは違うIFの世界
そして
「ご主人様、次の書類の判子をお願い」
「あいよ漣」
「ヘーイ、テートク!ティータイムにするネー!」
「金剛、悪いがまだ書類が終わってない」
「提督さん、卵焼きたべりゅ?」
「飯食ったばっかだろ瑞鳳。せめて晩飯にしてくれ」
「提督!夜戦!夜戦しよ!」
「やかましいぞ川内。夜の模擬戦ならしてやるから書類の邪魔はするなよ」
「提督さん!一緒に遊ぶっぽい!」
「だから夕立、今は・・・・・・」
「提督、お腹すきました」
「お前はさっき食べたばっかだろ加賀ぁ!!!」
「提督!新兵器開発したのでアトリエ貸して!」
「夕張、そう言ってアトリエを爆破したの忘れてないか?」
「せんぱーい!また魔宝具の開発失敗して工廠を壊しちゃいました!てへ?」
「こんの馬鹿弟子ぃぃぃぃいいいいいいい!!」
「ふええええええええええん!またげんこつされたーーーーー!」
そう、何故か俺は異世界の日本の千葉で鎮守府の提督をしている。
原因は俺にもあるから何も言えない。
今から一か月前の事だった。元の世界に戻れずこの世界に転移してしまったのだが、転移先がこの鎮守府だった。
この千葉鎮守府は大本営に見捨てられた鎮守府で、多くの艦娘と呼ばれる少女が死んでしまったそうだ。元々いた提督は逃げ出してしまったらしい。
たった一人取り残された艦娘の駆逐艦の漣だけたった
しかも丁度転移した時、大規模艦隊が鎮守府に侵攻し、漣たった一人で戦いを挑んでいるところだったんだ。
そう、たった一人の最終決戦!
・・・・・何言ってんだ俺
とまあ、見捨てるわけにもいかないから俺の魔法と馬鹿弟子の魔道具で敵を全て薙ぎ払ってやった。
ちなみに馬鹿弟子は魔導師の世界でオリジナルのレイジングハートの持ち主と出会い、レイジングハト改を開発してしまったのだ。
葉山の奴、大丈夫か?馬鹿弟子曰く、部長に渡した一号機に付属していたおまけは変更してないと言っていたが・・・・・・
◇
体育館、バスケの授業にて
「何故だ・・・・・・暫くは平穏だったのに・・・・・・具体的に言えば二年くらい。(´;ω;`)ブワッ」
「隼人くん、どんまいっしょ!」
「それな」
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