君が横に居ると言うことは (先詠む人)
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第1話 そう呟いてから青年は二度寝する

どうも、最近駆逐艦娘達にお父さんと呼ばれる青年の話を書いた別作品でランキングに載っていた先詠む人です。

この作品を読んでくださるかたの中の『リアルでもダメになりたくないなぁ…( ̄▽ ̄;)』の読者でもあるかたにまず先に言っておかないといけないのはこの三点です。

・隼人を独り暮らしにしました。(自由度をあげるため)
・雷香を成人女性レベルまでこちらに来る際に成長させました。(一つ目の変更の関係で)
・玲奈を含めた深海棲艦要素は出しません!!(玲奈が可愛いので出したいですが我慢してあちらで愛でます。)

以上三点に気を付けて読んでください。


 艦隊これくしょんって言うゲームが最近アニメ化した関係でか巷で結構人気になっていたりする。

 

 このゲームについて詳しいことはWikipedia先生とかの方が正確で詳しいだろうけど掻い摘んで言うと

 

 WWⅡ(第2次世界大戦)で戦った旧日本海軍の戦艦などの軍艦を美少女へと擬人化した艦娘。彼女たちを提督として指揮し、突如現れた深海棲艦によって奪取された全世界の海を取り戻していくというゲーム

 

 ってことになるらしい。

 

 司令部レベルは25……とはいっても俺自身の運がいいのか、それとも何か別の要因が絡んでいるのかは知らないんだけど、今の俺じゃあ絶対攻略不可能だと思ってた明石さんをゲットできるイベント海域を攻略しちゃってたり、ネットで調べた建造レシピの駆逐艦レシピを適当に回せば暁型の4人がかなり早めに揃ったり………してたのが家の鎮守府だった。

 正直、明石さんの時は操作ミスによる大破進軍だったからいつだれが轟沈するのかわからない冷や汗ものだったけど、誰も欠けることなく攻略できたのは本当に良かった。……良かった。

 

 だけど、それはあくまでも『艦隊これくしょん』という画面の向こうに存在する俺が触れ合えることは絶対にありえない存在どうしの話…のはずだった………。4月のあの日までは。

 

 

 

 今年の三月までは俺、岡本隼人は鉛筆と消しゴム片手に問題と格闘する受験生だった。

 それで、去年の一年間は受験戦争と言う荒波の真っただ中を突っ切って駆け抜けてきた。そして、辛うじて浪人することなく無事に大学の入学式をスーツを着て参列できたのは1週間前のこと。艦これを始めたのもそれから10数日前のことだった。

 

 始めたのはその頃と言っても、艦隊これくしょん。通称”艦これ”と言うコンテンツ自体を俺は高校生の時から名前とかどんな子がいるか程度は知っていた。

 

 理由は高校時代の俺の数少ない友達がやっていて、俺に教えてくれたからそれで知ったんだ。

 

 まぁ、受験生(高校生)の時に色々とあったんだよ。

 

 周りを見渡せば

 

「パ◯ドラで降臨イベントやってるからそれに対抗するために云々かんぬん。」

 

「◯ンストで今~~(ホニャララ)のピックアップしてるから課金がどうこう」

 

「◯猫で新しい職種が追加されたからイベントをどうこう」

 

 みたいな感じでスマホにダウンロードして遊ぶソシャゲ(ソーシャルゲーム)の話ばかり。

 

 俺は、親が高校に入るときにスマートフォン(スマホ)は校則で禁止されています。とか書かれていたからと、俺に携帯を買ってはくれたが、買ってくれたものはガラパゴス携帯、通称ガラケーだった。

 

 なのに、俺が入学する直前になって学校側が急にスマホ解禁と宣言したせいで俺を含めて家族全員衝撃を受けた。

 

 そんな中で勿論、他の生徒たちはみんなスマホを買っていてそれで意気揚々とスマホ片手に歩きスマホでソシャゲをしながら学校に登校。

 俺は自分の家からライトノベルを持ち出してそれを公共交通機関では読みはすれど、歩きの時は全く見ずに登校。

 

 そんな感じだった。

 

 勿論常識的にもスペック的にもガラケーにソシャゲを入れられるわけがなく、俺が使えるのはネット回線とメールと通話とワンセグだけ。

 

 そんな状況で周りが四六時中ソシャゲの話をしているのについていけるわけがなく、俺は一人、図書室にこもって勉強するしかなかった高校3年だった……。

 

 ……と、暗い話はここまでにしとこうか。

 

 一昨日、大雨の中で大学から家に帰る途中で俺は迷子を見つけて、その子の親を一緒に探したんだ。

 最悪、交番に連れて行って保護してもらえばいいかなとは思ったけれど、あいにくとこういう時に限って近くに交番は無くて、暫くの間俺とその子は町を雨に打たれながらうろうろしていた。

 

 俺は傘を持って差していたんだけどその子は傘を持ってなくて、だから一緒に探してあげてる間中ずっとその子に傘が被るように位置を調節しながら歩いてたのがいけなかったのか俺は風邪を引いた。

 

 その時は特に何の違和感もなかったのだけど一人暮らししている家に帰ってみたらやけに寒気がして仕方がない。鼻も止まらなくなってきたから慌てて俺は風邪薬を飲むために何か簡単なものを作って食べようとしたんだけどそのままその場に倒れてしまった。

 

 その後に偶然支援物資を持って家にやってきた母さんがそんな状態の俺を見つけて慌てて駆け寄ってきて俺のおでこを触り、その熱さに驚いてから慌てて車でかかりつけの病院まで運んだらしい。そこで親が医師に言われたのは

 

 「ウイルス性の風邪ですね。扁桃腺もかなり腫れている上に高熱も出ているみたいですのでしばらく薬を飲んで安静にしてあげていてください。」

 

 だったというのを目を覚ましたらかなり怒った様子の母さんから聞かされた。

 

 医師の診断を受けた後も俺が起きることは無かったため、母さんが心配してずっとついていてくれたらしい。その日は結局、親父の飯を作らないといけないとかで俺のことを心配そうにしながら実家に帰って行った。

 

 次の日は少し熱が下がっていたとはいえ、いまだに高熱が出ていたために、大学の講義も高校卒業後に始めたCDレンタルショップでのバイトも休んで丸一日寝込む羽目になった。そんな状態だってのにデイリー任務はせき込んだり、頭くらくらしながらちゃんとこなしてたわけなんだけど。頭が痛くなったからそれ以上することはできなかった。 

 

 それで頭痛に耐えながら俺はベッドに潜り込んで昨日は寝た。

 

 そこからついさっき起きるまでずっと俺は自分の部屋のベッドで寝てたんだけど、いつもの朝のアラームで目が覚めた。

 そんで、熱のせいで動かしづらい体を動かして鳴り続けるそれ(アラーム)を漸く止めたときに気付いたんだけど・・・・・・

 

 まず第一にベッドで寝てる俺の横に誰か、というか俺がよく画面越しに見てる茶髪の少し勝気そうな瞳の八重歯が可愛い少女を20才にまで成長させたシリーズに出てくる某二次作品の女性のような顔がくてーってしている。その顔は大人の魅力を感じさせるものだったが…

 

 

 どうも熟睡してるみたいで、口からよだれがかなり垂れている。ぶっちゃけそのせいでかなり可愛さが台無しになっていた。

 最後に、俺が寝る前には何もなかった俺のでこの上に、もうだいぶぬるくなった濡れタオルがある。

 

「………………。」

「すぅ、すぅ、すぅ、すぅ………。」

 

 なんか、朝起きたら本来なら画面の向こうの存在、艦これでの俺の秘書艦、通称ダメ提督製造機である"雷"を二十歳にしたような見知らぬ女性が現実(こっち)の俺の部屋で寝てた。それと、着てる服のサイズがあってないからか色々とエロい。

 だから俺はこの光景を幻覚と判断することにした。

 

「だめだ俺まだ熱が高いみたいだ…幻覚が見えるとかそうとうだな……」

 

 そう一人つぶやいてから俺は二度寝した。




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