本気で生きる異世界生活 (弐ノ月)
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第0話 プロローグ:命の尊さ

はい、どーも弐ノ月です。
今回はリゼロ要素は0です。
次話からリゼロ1話目ですのでご了承です。
おかしいところがあれば報告おねがいします。


ーー命。

どの世界でも必ず存在していて、大事なものだ。

だから命とはなにか、どんなに大切かというのを嫌というほど教えられる。

僕も小さい頃から先生とかに叩き込まれたが、当時の僕はイマイチ理解できなかった。

無理もなかったと思う、その時はあって当たり前だし命が消える瞬間なんて

テレビのニュースかアニメでしか見たことがなかった。

ーーあの事件までは。

 

ある日のことだった。

14歳で中学生だったときに両親と両親の友達とで当時人気の喫茶店でお茶を

しながら談笑に浸っていた。

でも、その楽しげなひと時はすぐに消え去った。

ーーバン!!と入り口が勢いよく開いたように聞こえて、振り向こうとしたときにキャーーー!と

女の人の叫び声が聞こえたと思えば、バン!バン!と耳鳴りが起こるような大きな破裂音が鳴り響いた。

 

「動くな!動いたり、叫んだりしたら全員撃ち殺すぞ!!」

 

男の怒号が聞こえて、強盗かなにかだとすぐに悟る。振り向いて顔をみようとすると

 

「凛音!危ないからそのままおとなしくしてなさい!」

 

お母さんに小声ながらも切羽詰まった声で制される。

そして僕は悟った。選択や行動を間違えれば僕は死ぬ、と。

恐怖と不安がこみあげてくる。

それと同時に冷静になるのを感じる。

このまま下手に動けば自分だけじゃない、両親やその友達まで死んでしまうかもしれないと危惧する。

それに自分はまだ14歳、正確にはあと一週間と少しで15歳になるのだがそれは今どうでもいい。

今は、この状況をなんとかするか、このまま動かずに状況が進展するのを待つか。

そんなの、僕が決めれるようなことじゃない。

 

「立て籠もっている強盗!この喫茶店は完全に包囲されている!観念してでてくるんだ!」

 

警察らしい男の怒号が外から聞こえてくる。

 

「ハッ!お前らみてえな税金泥棒に捕まるかよ!」

 

そう暴言を吐いてもっている銃を外の警察に向けて発砲する。

また耳をつんざくような破裂音が連続で耳を攻撃する。

 

「くそ、あいつらあのままだと、こっちにも危害を加えるかもしれないぞ。」

 

「どうする?」

 

「最悪、やるしかないな」

 

「わかった。」

 

なにか小声で話し合っているようだが僕には何を話しているのか聞こえなかった。

父さんと友達が話し合っているときにちらりと強盗っぽい覆面の男たちがなにか言い争っているように

せわしなく口を動かしているように覆面越しから見えた。

それをじっと静かにみていると、覆面男と目があった。

ーーまずい!!

 

「おい、ガキ。ちょっと人質になってくれや。」

 

「・・・ぇ?」

 

呆けた声しか出せなかった。そのまま手を掴まれて強引に連れて行かれそうになる。

 

 

「凛音!!お前、凛音を離せ!人質になら私がなる!だからーー」

 

「いやだねー、お前のような大人より、このガキの方がいうことを聞かせやすいしな」

 

父さんが僕に代わって人質になってくれようとしたみたいだけど、覆面男は相手にしなかった。

 

「さあ、ガキ!人質の役目を果たしてくれよ?・・・ハハハハハ!」

 

寒気が走る。嫌だ、こんな奴の言いなりになるなんて・・・絶対に!!

 

「おい!ガキ暴れるな!」

 

物のように抱きかかえられている状態から脱するためにもがく。

 

「よし、今だ!お前たち、いくぞ!」

 

「「おう!」」

 

お父さんとその友達が一斉にそれぞれ覆面の男たちに襲い掛かったーー

 

ーー3年後ーー

 

「・・・ハッ!」

 

目が覚めたと同時に息が戻る。

体の芯まで冷たくなって、体中汗が纏わりついていて気持ち悪い。

 

「シャワー、浴びるか」

 

はあ、ここのところずっとだ。

あの忌まわしい悪夢、そして僕の人生の進路の岐路でもあった。

 

「・・・ッ!!」

 

今でも思い出すたびに頭痛がする。

もし、あそこで違う選択を取っていたら、なにか変わっていただろうか。

いや、いくら後悔しても今は変わらない。でも、つい考えてしまう。

 

あの結果、父さんと母さん、両親の友達の死そして覆面男たちの射殺。

最悪な結末を迎えてしまった。

僕の馬鹿なプライドで動いたせいで、皆死んだ。

母さんは僕に銃を向けてきた僕を人質にした覆面の男から庇って出血多量で死んだ。

その時に、母さんに言われた言葉は今でも忘れない。

 

「ごめ、んね凛、音、もうすぐ誕生日なのに、祝、ってあげ、られなくて、ごめんね」

 

「あ・・・え・・・う」

 

呆然として、家族が死んだっていう事実が受け入れられなかった。

その事件の後は、僕は親戚で引き取り手が見つからず、一人暮らしということになるところだった。

不幸中の幸いというべきか、親の資産はかなり多かったので大学をでても大丈夫なくらいあった。

今は一人暮らしなんて当たり前なんて思っているが、始めた当時は寂しくて孤独感が襲ってきて

わんわん泣いていたな。僕はこの事件のせいで人の命に対する価値観が大きくずれてしまった。

命は尊い。でも例外が存在する。

どんなに大切な命でも、それを塵のようにも思わぬ残酷なことをする命も存在すると。

だから、僕はその少しでもその大切な方の命を救えたら、僕のような人が減るんじゃないかと思う。

だから僕は医者を目指した。さすがに予備校に通うのは無理だから独学になっちゃうけど

どうしてもなりたいんだ、人の命を救えるひとに。周りの大切な人たちをもう失わないために。

 

「あ・・・ノートとペンが切れたんだっけ・・・・」

 

買いに行かなきゃと思ってバスルームから出て髪を乾かしてから服を着る。

時計と財布と携帯と護身用の警棒。

警棒は父さんの友達が護身用具の店をやっていたためオーダーメイドで昔作ってくれたものだ。

これを使ったことはまだないが、持ってると落ち着くのでズボンと後ろのシャツにうまく仕込む。

なにかあれば少し前かがみになれば振りぬける位置に調整する。

 

「・・・これでよし。母さん、父さん・・・いってきます」

 

手を合わせていつものように一言かけてから出かける。

もちろん返事があるはずもないが。

玄関からお気に入りのスニーカーを履いて外に出る。

 

「やっぱり暗いなー」

 

今はほとんど深夜ともいえる時間で近くの道路なども人通りが少なくて少し不気味だ。

 

「んー、早く買いにいこ」

 

そういって少しスピードをあげる。

それが第二の僕の人生の岐路だとも気づかずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちゃんと書けてるかすごい不安です。
今後の話にかなり関わってくる話なので、ここでミスると後々修正が面倒になるので
最初は大事だよね、うん。


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キャラ設定

注意!このキャラ設定はネタバレを防ぐために少しずつ
キャラクターを出していきますのでこのキャラがいない!というのは
仕様なので、心配しなくともいずれ出ますので心配無用です!


キャラ設定

 

綾瀬 凛音(あやせ りお)

 

この小説の主人公。

スバルと同じくして現実世界から召喚された高校生。

女の子のような名前で女顔だがちゃんとした男性。

小さい頃からその容姿で勘違いをされてどうやれば勘違いされないか悩んでいる。

 

その容姿のせいで男性にさらわれる事件があったため、護身術として

強制的に体術と剣術を習わされた。そしてラノベ好き。

 

性格:かなりおとなしめに見えるが顔見知りの前ではかなり活発。

   友達思いで自己犠牲が目立ち、自分の命の優先順位が低い。

   ただ、友達が危ない目に遭うと小さい頃に習っていた剣術と体術で

   助けようとする。

   

   ちなみにとある事件から命の尊さに関しては人一倍理解している。

   その事件のせいで現実世界では医者志望だった。

   

菜月 昴(なつき すばる)

 

原作での主人公。

無知無能、無力無謀の四拍子かけた綾瀬と同じ高校生。

綾瀬と同時期に異世界召喚され、綾瀬と同じく異世界召喚という

わけのわからない状況に翻弄されていく。

 

性格:物怖じしない性質と持ち前の図々しさで逆境を弱音を吐きつつ

   抗っていくが、時々感情が爆発して失敗することも。

 

   (公式キャラクター紹介から抜粋)

 

エミリア

 

原作でのヒロイン。

スバルをチンピラに絡まれているときに助けて

邂逅を果たす、それが事件のきっかけになるとは知らずに。

精霊使いで精霊であるパックと行動を常に共にしている。

 

性格:お人好しで面倒見の良い性格だが、本人はそれを認めようとしない。

   精霊のパックには甘えるような表情を見せる。

 

   (公式キャラクター紹介から抜粋)

 

パック

 

灰色の体毛、まん丸の瞳にピンク色の鼻で体長と同じくらいのしっぽを揺らしている

手のひらサイズの二足歩行の子猫。

精霊使いであるエミリアの保護者兼精霊。

 

性格:長閑なマイペースな性格。

   エミリアの行動には基本的には口出しせず、保護者目線で

   付き合っている。エミリアを娘同然に思っており、エミリアに

   惚れているスバルに対しては口撃が厳しかったりする一面も。

   

   (公式キャラクター紹介から抜粋)

 

ほかにもでてくるキャラがいますが万が一原作を見ていない人のために

紹介は最低限とか言いたいところですが、原作キャラの紹介は

ほとんど公式から抜粋しているので、紹介してもあまり変わりませんが

登場人物が増えてくればまた新しくキャラ設定を書きます。

 

今後はこんな感じでキャラが増えていくと思うので定期的という感じでいこうかなと

いまは思っているので、なにかここダメって思った方はぜひ感想に!!

 

 

 

 

 

 

 




キャラ少なくてごめんなさい。


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第1話 邂逅

どーも弐ノ月です。

投稿遅くなってすいませんでした!
原作一から読んでたら遅くなりました。

それでも誰かの性格がおかしかったらもうスルーしちゃってください。はい。


皆さんこんばんは、綾瀬 凛音です。

ただいま、深夜帯をまわり、午前1時弱です。

正直にいって、出かけたことに若干の後悔を覚えつつ、コンビニに向かっている。

 

ーー数分後ーー

 

某有名コンビニ店に着いた。

道中黒猫がいたので愛でようと思ったら引っ掻かれて逃げられました。イタイ。

黒猫に嫌われるとか、不吉なことが起きそう。

帰りに通り魔に襲われたりとかしないかな?(汗)こっわ、もう夜道歩けないよ。

とと、ノートとペン買わなきゃ。

 

「580円になりまーす」

 

「はいはい、ぴったり、っと」

 

「レシートはいりますか?」

 

「いらないです」

 

よし、ノートとかも買ったし、小腹がすいた時のために、カロリーメントも買ったし

これでまた集中できる。

 

「・・・お、ギザ10、っとうおっ!?」

 

不意に一緒に隣りのレジで会計をしてもらっていたツンツン頭で三白眼でジャージを着た子が10円を落とした。

それが僕のところまで転がってきた。

 

「よ、っしょと・・・はい」

 

「あ、すんません、拾ってもらっちゃって」

 

「敬語はいいよ、見たところ同年代みたいだし。それにギザ10なんでしょ?今時は珍しいから大切にしときなよ、お守り代わりにでも」

 

そう冗談めかして言うと、相手は苦笑しながらそうだなっと同意を示しながら

ギザ十を受け取る。

 

「じゃあ、僕は家に帰るよ、あとすこしで受験だしね」

 

「お、受験生なのか?もしかしなくても頭がよかったりする?」

 

「いいや、僕はまだ高3ではないよ。進路が進路だから早めに勉強しとかないときびしいからね。そういう君こそ、こんな時間にコンビニになんて補導されちゃうよ?」

 

「いや、俺は学校行ってないからやることねえだけだよ。それにこんなツラだし、補導されたことなんてねえよ。」

 

「あ・・・ごめん、嫌なこと思い出させちゃったみたいで」

 

「気にすんなよ、んじゃ、俺も家に帰ってゲームの続きでもするわ」

 

「ちゃんと睡眠はとりなよ?」

 

「わかってるよ」

 

お互いに軽い雑談を交わしてからお互いに帰路につくーーはずだった。

隣のジャージ君(仮称)が目をこする

 

「あれ・・・ま、こんな時間までゲームしてればしゃあねえか」

 

そんなジャージ君を見ていると、なんだか立ち眩みに似た感覚を覚える。

目の前の風景が霞む。

 

「ん・・・」

 

霞んでぼやけた視界を治そうと少し強く瞬きをする。

そのおかげかはたまた勝手に霞が引いて行ったのかは定かではないが

視界がもとに戻った・・・が一つ問題が発生した。

 

「なんだこれ・・・どう、どうなってーー」

 

「異世界召喚ってやつうううううううううううう!!!???」

 

「・・・はい?」

 

目の前の風景に驚くより、ジャージ君がいるという事実が一番びっくりした。

この人とは長い付き合いになりそう・・・

はあ~、黒猫の呪いなのかな~(泣)

 

と、とりあえず状況を整理しよう、冷静に情報整理も医者に必要な技術・・・かも!

 

まず、第一に、ここはどこか?という疑問について。

 

最初に僕たちがいたのはコンビニだ。

にも、関わらず周囲に広がるのはいかにも異国といえそうな街並みが広がっていて

人が賑わっているーーいや、正確にはその中には頭に猫のような耳が生えていたり

全身が毛むくじゃらの動物人間とも呼べる人たちがいる。

この時点で大方予想がついているが、結論を述べようか。

 

・・・9割9分の確立で異世界だ。残りは僕の頭が勉強のし過ぎでイカレた、だ。

まあ、こういうふうにまともなことを考えられてるから、ないと思うので視野には

入れていない。

 

さて、この異世界だということに若干興奮している三白眼の子に話しかけて話を進行させていこうかな。

 

「ねえ、そこの大声で召喚説を力説している、ジャージ君?」

 

「は、はいナンデショウ?」

 

「そんな、固まらなくても僕だよ僕。こっち向いてみなよ」

 

「・・・ああ、なんだあんただったのか、いやーほかにも召喚された見知らぬやつがいて、俺のおちゃめな行動を見られてたら一生の心の傷を負うところだったぜ」

 

「召喚説は否定しないんだ・・・まあ、それが一番可能性としてはありえそうだけどね。」

 

「まあ、とりあえずこんな状況なんだし、俺とタッグを組んでこの辺りを一緒に探索して情報収集しないか?」

 

うーん、なんかこの子、話してると調子狂うなあ

 

「そ、そうだね、とりあえず名前は知っとかないと後々困るから今ここで済ませようか。」

 

「だな、やれるフラグはできるだけ建てておかないと!」

 

「それは僕じゃなくて女の子に対していいなよ・・・はなしが反れたね。おほん、僕の名前は綾瀬 凛音。綾取りの「綾」に瀬戸際の「瀬」で名前は凛々しいに音でリオって

読むんだ。こんな容姿だけど、立派な男だからよろしくね」

 

「お前、薄々感づいてたけど、男だったんだな・・・」

 

「確かに僕の顔は傍から見れば中性的だし、髪も長いから見間違えるのも無理はないよ。君が初めてってことではないから慣れちゃってるけどね」

 

「そうか・・・さってと、俺の番だな」

 

そういってジャージ君は奇妙なポーズをとって

 

「俺様の名前は菜月 昴!天衣無縫の無一文!ゲームのチャットのタイプの速さは誰にも負けないんでよろしく!」

 

「ちょっと何言ってるかわかんないけど、よろしくスバル」

 

「おう!よろしくリオリン!」

 

「り、リオリン?それって僕のこと?」

 

「おう、凛音って鈴のイメージだからリンリンみたいな感じでリオリンだ!」

 

うわぁ~、なんかいらない愛称つけられた~・・・また女の子っぽいし。

 

「その愛称、知り合いとかの目の前で絶対に言わないでよ・・・」

 

「ええ~俺のネーミングセンスが輝いてたのにな~可愛いとおもうぜ?」

 

「可愛いのが問題なんだよ!」

 

「見た目に合うように考えたのに・・・じゃあ、リオンでどうだ?」

 

「愛称をつけるのは確定なんだね・・・ああもうそれでいいよそれで」

 

「リオン?」

 

「そう、これから僕は仲の良い人の前ではリオンって名乗るから、もうこの話は終わり!」

 

これじゃキリがないよ。スバルはフランクだけど空気が読めないのが悲しいなあ・・・。

とりあえず、情報収集ってことで今いる噴水がある広場から近くの商店街のような通りに行こうかな。

 

「いくよ、スバル!」

 

「おう」

 

現実でいう商店街のような風景で売ってるものは初見が多いが所々に現実世界と同じものが見受けられる。

果物とか調味料とか。

 

「お、リンゴだ。スバルリンゴあるよ。」

 

「お、ほんとだ。ほしいなこれ」

 

「現実の通貨使えるか試してみる?」

 

「そうだな、使えたら食べてえな」

 

「ん?なんだ兄ちゃんこの辺では見ない服装だな。リンガいるのか?」

 

「リンガ・・・?ああ、リンゴのことリンガっていうのか」

 

「変な響きだね、リンガ、リンガ・・・しっくりこねえな、違和感をかんじるな」

 

「そうだね、ねえおじさんリンガこれで買えるかな?」

 

そういって100円などの硬貨を見せる。

 

「ああ?こんなのルグニカじゃつかえねえよ。ってことはお前ら文無しか?」

 

「これが使えないならそうなるかな。じゃあ物々交換とかできるかな?」

 

「物によるな」

 

「じゃあ、これとかどうかな?」

 

そういってボールペンをみせる

 

「これはボールペンっていって、複数のインクのケースが入っててここをこうすると・・・」

 

そういってボールペンの周りについてるインクのケースを出すための突起を下におろす。

 

「これで紙に、このボールペンの中にあるインクの量だけ書けるよ?色もたくさんあるし。」

 

「見たことねえな・・・まあ珍しいもんっぽいし、リンガ6つで手を打つが?」

 

「いいよ、それで」

 

「じゃあ少し待ってろ」

 

そういってリンガを袋に詰めだす

 

「凛音、さすがだな!」

 

「スバルにさすがって言ってもらえる程僕のこと知らないと思うけどね」

 

そういいながら苦笑する

 

「いいや、俺は凛音のことよく知ってるぜ!」

 

「ふーん」

 

「興味なさげだなあ・・・俺泣いちゃうぜ?」

 

「スバルがそこまでメンタル弱いと僕の負担がすごそうだね」

 

そんな話をしているうちにリンガのおじさんが戻ってきたみたいだ。

 

「はいよ、リンガ6つな、あのぼーるぺん?ありがとな」

 

「気にしなくていいよ。大事に使ってね。」

 

「もらいもんだからな。当たり前だ」

 

「それじゃあな、おっさん!今度はちゃんとした金で買いに来るからな!」

 

「ちゃんと働き口見つけろよー!文無しどもー!」

 

背中に激励(勘違いによる)を受けながらその店をあとにする。

 

「さて、食糧もゲットしたことですし、この辺り散策してみますかね」

 

「そうだな、もしかしたらその辺からスライムみたいな奴出てくるかもしれないしな」

 

「まさか、ゲームじゃないんだから・・・」

 

ーー数分後ーー

 

「・・・スバル」

 

「なんでしょうか綾瀬サン?」

 

スバルをジト目で見ながら名前を呼ぶ

 

「どうやらスバルはフラグを立てるのが上手いみたいだね。しかもさらに悪くして」

 

「アハハー・・・ホントニゴメンナサイ」

 

こんな話を交わす理由は僕たちの目の前に広がる光景にある

 

「おい、おめえら金目の物おいてけ」

 

「おとなしく置いていけば命だけは助けてやるよ」

 

「はやくしな!」

 

これである。いかにもチンピラといった感じの男にまるで煙突のような巨体の男に丸々太った身長の小さい

男たちが路地裏にて僕たち二人に脅迫されているところである

 

「まったくどうするのこれ?」

 

「・・・ここは俺の異世界で新たに目覚めた力を見せつけるところだろ!」

 

「ちょ、ま」

 

意味の分からない言葉を言いながら三人のチンピラに殴り掛かる

 

「おお、来てる来てる俺の能力が覚醒してるぜ!」

 

「うわあ~傍から見れば痛いやつだよそれ」

 

大男とチビの男が吹っ飛ばされる

そしてピアスをつけた男に殴ろうと走りだすと

 

「しゃあーーーっっ!!」

 

叫びながらピアスがナイフを二刀流でこちらに構えてきた

それでスバルが急停止して

 

「ああースイマセンデシタナメタタイドシテゴメンナサイイノチダケハオミノガシクダサイ!!」

 

さっきの威勢はどこにいったのか日本古来から伝わる土下座をしながら見苦しく命乞いをしている

 

「さっきはよくもやってくれたな」

 

「コノヤロー」

 

さっき倒れていた大男とチビも起きあがってスバルに怒りの矛先を向けているようだ。

これではスバルが危ない・・・助けなきゃ、助けなきゃ・・・助けなきゃ!!

頭が冷たくなるような錯覚に陥る。

 

そのときに僕の横を金髪の少女が走り抜けていく

 

「なんかアレな現場だけどごめんな!アタシは忙しんだ、兄ちゃん達強く生きろよ!」

 

ーー生きる

 

その言葉を聞いて少しだけ我にかえる。

落ち着け、まだ手を出すには早い、まだ方法があるかもしれない

 

「今ので興醒め・・・とかないかな?」

 

「むしろ水を差されて腹が立ってるぜ」

 

チンピラどもはお構いなしにスバルを痛めつけようとしてくる

やっぱり僕がーー

 

「そこまでよ、悪党」

 

鈴のように澄んだ声がした

振り向けば、銀色の髪に薄紫の瞳の美少女がいた

スバルやチンピラもこの場所に似合わない服装、容姿、そして全員に振り向ける敵意のようなものを向けていた。

 

なぜだかわからないが敵意を向けられているにも関わらず、嫌な気などはしなくて

その娘の見た目不相応に強がっていたのですこし微笑ましく思った。

 

これがスバルに次ぐ二度目の邂逅であった。

 

 

 

 




出来が悪いかもしれないけど許してください。


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