ご注文は従兄ですか??? (naogran)
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プロローグ「初めての出会いと再会」

今回ご注文はうさぎですか?の小説を初めて制作します。基本アニメ基準です。


それは、ある少女の出会いから始まった。

 

???「おぉ・・・・!」

 

『綾部楽兎』当時15歳。彼は香風家にホームステイとして2週間住む事となった。彼が見てるのは、薄水色のストレートロングヘアで、ポニーテールをして、うさぎのぬいぐるみを持っている可愛らしい少女だった。

 

少女の名は『香風チノ』当時6歳。香風家の一人娘。

 

楽兎「タカヒロさん、この子が。」

 

タカヒロ「ああ、紹介しよう。私の娘のチノだ。そして君の従妹だ。」

 

男性の名前は『香風タカヒロ』。チノの父親で、楽兎の叔父。

 

楽兎「俺の従妹か・・・」

 

チノは楽兎を見て少し怯えていた。

 

楽兎「宜しくチノちゃん。」

 

握手しようと手を伸ばすが、母の後ろに隠れた。

 

楽兎「あれ?チノちゃん?タカヒロさんもしかして・・・」

 

タカヒロ「ああ、すまないね、チノは人見知りで家族以外話すのが苦手なんだ。」

 

楽兎「そうですか・・・」

 

 

 

 

 

 

その後タカヒロはラビットハウスのホールで働き、母は別室で家事をし、楽兎とチノは同じ部屋にいた。

 

楽兎「チノちゃん?お兄ちゃんは悪い人じゃないからこっち来ても良いんだよ?」

 

だがチノは楽兎から少し離れる。

 

楽兎「やっぱりそう上手く行かないか・・・」

 

そこにチノの母が入って来た。

 

母「大丈夫楽兎君?顔が真っ青よ?」

 

楽兎「大丈夫ですよサキさん、人見知りの子と慣れ始めるのも経験の一つですから・・・」

 

母の名前は『香風サキ』。チノの母親で、楽兎の叔母。

 

サキ「あまり無理はしないでね?」

 

楽兎「分かってますよ。俺の母さんも無理せずに色々やって経験してきた女性ですから。」

 

彼の母親は、チノの母であるサキの姉で、彼にとって香里は叔母にあたる。因みに父親は1年前病気で他界している。

 

楽兎「兎に角サキさん、俺は大丈夫ですから、お気になさらず。」

 

サキ「そう?チノの事頼むわね。」

 

部屋から出て別室に移動した。

 

楽兎「・・・そうだ!親父が好きだったジグソーパズルでもやるか!」

 

自分のバッグからうさぎのジグソーパズルを取り出して、パズルを始める。それを見たチノは、少しずつ楽兎に近付く。

 

楽兎「これ結構難しいんだよな〜、形が合わない・・・」

 

すると横にチノが座ってきた。

 

楽兎「え?チノちゃん?」

 

チノ「私も、やっても良いですか?」

 

楽兎「っ!良いよ!やろう!」

 

2人は一緒にジグソーパズルをやる。

 

 

 

 

 

 

そして数分後にパズルが完成した。

 

楽兎「よっしゃー!出来たー!ありがとうチノちゃん!」

 

チノ「やりましたね。お兄ちゃん。」

 

楽兎「お、お兄ちゃん!?」

 

お兄ちゃんの発言でびっくりしてしまった楽兎。

 

チノ「あ、あの、私何か変なこと言いました?」

 

楽兎「いや、急にお兄ちゃんって言ったからびっくりしただけで。あ、呼び方はお兄ちゃん以外でも良いんだよ?」

 

チノ「ふふっ。では楽兎さん。」

 

笑顔で楽兎の名前を言うチノ。すると楽兎はチノの頭を優しく撫でる。

 

楽兎「楽兎さんかぁ、その方が馴染みやすいね。それに笑顔が眩しい。」

 

楽しく会話をしている2人をサキが微笑ましく見てる。

 

 

 

 

 

 

そして2週間が経ち、楽兎が帰る時になった。

 

楽兎「タカヒロさん、サキさん、チノちゃん、お世話になりました。」

 

タカヒロ「こちらこそお世話になったね。チノと遊んでくれてありがとう。」

 

サキ「チノ、楽兎君と遊んで楽しかった?」

 

チノ「とても楽しかったです。」

 

楽兎「それでは香風家の皆さん、会える日は分かりませんが、何処かまたお会いしましょう。」

 

帰ろうとするが、チノが楽兎の服の袖を掴む。

 

楽兎「チノ、ちゃん?」

 

チノ「楽兎さん、行かないで下さい・・・」

 

行かないで欲しいと言うチノ。楽兎は笑顔でチノの頭を撫でる。

 

楽兎「チノちゃん、会える日が分からなくても何処かで偶然会えるかもしれないよ?だからチノちゃんもお兄ちゃんに負けない位頑張ってね。」

 

チノ「・・・・はい!」

 

楽兎「では改めて!またお会いしましょう!」

 

こうして楽兎は自分が住む町に帰って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから7年後、楽兎は大学を卒業し、荷物が入ったバッグを引っ張りながら木組みの家と石畳の町に訪れてた。

 

楽兎「あれから7年か。こんな日が来るの早いな。昔と変わってないな。」

 

町を歩きながら懐かしむ。そしてある場所に向かった。その場所は。

 

楽兎「ラビットハウス。変わってないな。よっしゃ入るか。」

 

そしてドアを開けて入店するとあの少女がいた。チノだった。

 

チノ「いらっしゃいませ。」

 

???「いらっしゃいませ。」

 

入店した楽兎はカウンター席に座る。

 

楽兎「(チノちゃん変わってないね。)お嬢さん、カプチーノ下さいな。」

 

チノ「かしこまりました。」

 

楽兎(本当に変わってないな。それにあの紫の髪の子はアルバイトかな?)

 

カウンターの前には、紫の髪でツインテールをしている少女がいた。チノはずっと楽兎を見ている

 

???「どうしたんだチノ?あのお客様の事気になるのか?」

 

チノ「何だか見覚えがあるような。」

 

そして楽兎のもとにチノがカプチーノを持ってきた。

 

チノ「お待たせしました。」

 

カプチーノを楽兎の前に置く。

 

楽兎「どうも。」

 

カプチーノを啜る楽兎。

 

楽兎「美味いね。昔と変わらないこの味。」

 

チノ「あのお客様、もしかして・・・楽兎・・・さん?」

 

楽兎「あ、気付いた?そうだよ。君の従兄の、綾部楽兎だよ。久し振り。」

 

チノ「っ!!楽兎さん!!」

 

楽兎本人だと聞いてチノは楽兎に抱き付いた。

 

???「チノ!?」

 

楽兎「チ、チノちゃん苦しい・・・!離してくれる・・・?」

 

チノ「あ!すみません、嬉しくて。」

 

楽兎「俺も嬉しいよチノちゃん。おっと!そこの子に自己紹介しなきゃな。初めまして、チノちゃんの従兄の綾部楽兎だ。20歳だ。」

 

???「従兄でしたか、私はリゼです。」

 

楽兎「宜しくなリゼ。それと俺と話す時は普通に私語で接してくれればありがたいが。」

 

リゼ「そうか?じゃあ楽兎でどうだ?」

 

楽兎「馴染みやすいな。OK!それにしても本当に久し振りだねチノちゃん。」

 

チノ「はい!お久し振りです!それで楽兎さんは何でここに?」

 

楽兎「先月に大学を卒業してな、ラビットハウスの店員として働く事となったんだ。この事はタカヒロさんと話しをしたんだ。タカヒロさんはいる?」

 

チノ「父なら奥の部屋にいますよ。」

 

楽兎「そうかありがとう。俺今も場所覚えてるから問題ない。じゃあ後でね。」

 

奥の部屋に向かう楽兎。

 

リゼ「チノに従兄が居たなんて初めて聞いたな。」

 

チノ「とても格好良くて頼りになる従兄です。」

 

 

 

 

 

 

そしてタカヒロの部屋。

 

タカヒロ「楽兎君、久し振りだね。」

 

楽兎「久し振りですねタカヒロさん。サキさんの葬式以来ですね・・・」

 

タカヒロ「そうだね。サキが亡くなってからもう7年かぁ・・・」

 

楽兎「あの時チノちゃんは部屋に閉じ籠ってしまってましたものね・・・」

 

タカヒロ「・・・・・」

 

楽兎「そんなに落ち込まないで下さい。タカヒロさんまで悲しんだら、天国に居るサキさんが安心出来なくなりますよ?悲しい事を忘れて、楽しい事を考えたら安心出来るはずですよ。」

 

タカヒロ「・・・ありがとう、君は本当に優しいね。」

 

???「わしはここで見守ってるからな。」

 

楽兎「うお!?ティッピーが喋った!?もしかしてその声、マスター!?」

 

アンゴラうさぎのティッピーが喋った事にびっくりした楽兎。

 

ティッピー「そうじゃ。死んだ後何故か魂が此奴に移ってしまってな。この事はわしら以外内緒じゃぞ?」

 

楽兎「そうか・・・タカヒロさん。今日からお世話になります。」

 

タカヒロ「こちらこそ。じゃあ楽兎君、君に制服を差し出そう。妻が君の為にと。」

 

楽兎「え!?サキさんが俺の為に!?」

 

 

 

 

 

 

男性更衣室に案内され、そこに1着の服があった。青い服、白のズボン、白い靴が用意されていた。

 

楽兎「俺の制服・・・」

 

タカヒロ「今日から君の制服になる。じゃあ楽兎君、初めての仕事を頑張って。分からなかったらチノやリゼ君に聞くと良い。」

 

楽兎「ありがとうございますタカヒロさん。」

 

タカヒロは更衣室を出た。その後制服に着替えた。

 

楽兎「おお!これはクールだな!さて初仕事行きますか!」

 

 

 

 

 

 

ホールに楽兎が出て来た。

 

楽兎「お待たせ2人とも。」

 

チノ「やっと来ましたね。」

 

リゼ「おお!制服格好良いじゃないか。」

 

楽兎「ありがとうなリゼ。さて改めて、今日からお世話になります綾部楽兎です。お2人方、宜しくお願いします。」

 

チノ「宜しくお願いします。」

 

リゼ「ああ!宜しく!」

 

こうしてラビットハウスの店員となり楽しく仕事を堪能した楽兎。

 

 

 

 

 

 

その夜、チノの部屋にノックが聞こえた。

 

チノ「誰ですか?」

 

ドアを開けると、楽兎が入って来た。

 

チノ「楽兎さん。」

 

楽兎「チノちゃん、ちょっとお話でもしない?」

 

チノ「良いですよ。」

 

楽兎「じゃあお邪魔します。」

 

2人はベッドに座って会話する。

 

楽兎「チノちゃんの部屋懐かしいなぁ。俺がホームステイした時一緒に遊んでたよなぁ。」

 

チノ「あの頃が懐かしいですね。」

 

楽兎はチノの姿を見てた。

 

チノ「ん?どうかしたんですか?」

 

楽兎「いや、チノちゃん大きくなったなーって思ってただけ。」

 

チノ「む〜、子供扱いしてませんか?」

 

これにはチノがムッとした。

 

楽兎「ごめんごめん。でも昔は俺から遠ざかってたよね。やっぱり最初、家族以外の人と接するのが苦手だった?」

 

チノ「そうでしたね。最初楽兎さんの事が怖かったです。」

 

楽兎「う〜ん、そう言われると何かちょっとショックだな〜。ん?」

 

突然チノが楽兎に抱き付いた。

 

楽兎「チノちゃん?」

 

チノ「でも、楽兎さんに会えて私嬉しいです。私に優しくしてくれて。それに今でも私の事を覚えてくれて。」

 

楽兎「嬉しいね。チノちゃんがそう言ってくれると。」

 

微笑んでチノの頭を撫でる。

 

楽兎「ねえチノちゃん、そろそろ離してくれない?」

 

チノ「数年会わなかった罰です。」

 

楽兎「可愛い罰だなおい。」

 

 

 

 

 

 

数分後にチノが眠り、楽兎がベッドに寝かせて布団を被せる。チノを優しく撫でて部屋から出る。

 

楽兎「明日からも宜しくね。チノちゃん。」

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙

      タカヒロ:速水奨
        サキ:水樹奈々
     ティッピー:清川元夢

感想や評価など宜しくお願いします。


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##ホームステイ日記##
日記その1「喫茶店」


今回からサイドストーリーを製作します。
このストーリーは本編の前日談とプロローグのディレクターズカットです。
話数は5話です。


木組みの家と石畳の町に、キャリーバッグを持った1人の少年がやって来た。その少年は『綾部楽兎』。

 

楽兎「ここが木組みの家と石畳の町かぁ。凄く長閑な町だ。観光地として最適だな。」

 

 

 

 

 

 

彼がこの町に来た理由は数日前。

 

みくる『え?楽兎がホームステイ?』

 

楽兎『ああ。母さんから勧められてな。』

 

緑羽太『ホームステイかぁ。お前外国へ行くのか?』

 

幼馴染みの茶度緑羽太と鴨田みくると教室でその事を話してた。

 

楽兎『いや国内だ。場所は木組みの家と石畳の町にある喫茶店だ。そして期間は2週間。』

 

みくる『木組みの家と石畳の町?』

 

緑羽太『そこって、結構のどかな場所じゃねえか。観光地として最適な場所って評判が良い。所で何で喫茶店なんだ?』

 

楽兎『俺の母さんの妹がこの喫茶店のマスターの息子と結婚しててな。』

 

緑羽太『それでか!お前の母さんの妹さん綺麗だったな〜。』

 

楽兎『お前美人しか興味無えのか?』

 

みくる『私だってれっきとした美人よ?』

 

緑羽太『みくるは面倒臭そうだからパス。』

 

みくる『何ですって!?』

 

緑羽太『あばす!!』

 

みくるが緑羽太に強烈ビンタをする。

 

楽兎『ホームステイかぁ。楽しみだな。』

 

 

 

 

 

 

そして現在に至る。

 

楽兎「えっと、場所はこの先を曲がって・・・ん?」

 

目の前にうさぎが居た。

 

楽兎「この町、うさぎが居るのか。もふもふしてそうだな。おっといっけね!早く行かなきゃ。」

 

うさぎを後にして目的地の喫茶店へ向かう。

 

 

 

 

 

 

そしてその喫茶店に前に到着した。

 

楽兎「ここか。ラビットハウスか。見るからにしてうさぎが居そうな感じ。」

 

喫茶店ラビットハウス。入ろうとしたが。

 

楽兎「あれ?今日閉店?」

 

閉店だった。

 

楽兎「あれー?日程間違えた?いやそんなはずは無い。今日って母さん言ってたけど・・・仕方無い、ちょっとこの町の観光巡りでもするか。」

 

観光巡りを始めようとしたその時。

 

???「あら楽兎君じゃない!」

 

楽兎「え?」

 

目の前に綺麗な女性が楽兎を見付けて名前を呼んだ。

 

楽兎「あ!サキさん!」

 

サキ「久し振りね!」

 

その女性の名は『香風サキ』。楽兎の叔母で既婚者。

 

サキ「どうしたのこんな所で?」

 

楽兎「今日から2週間ホームステイしに来たんです。」

 

サキ「あ!そうだったわね!姉さんから聞いてたわ。」

 

楽兎「所でサキさん、今日ラビットハウス閉店ですか?」

 

サキ「そうなのよ。でもホームステイで来た楽兎君を入れてあげるわ。」

 

楽兎「ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

 

そして香里に付いて行ってラビットハウスに入って行く。ホールにダンディな男性が居た。

 

サキ「あなた。楽兎君が来ましたよ。」

 

楽兎「タカヒロさん!」

 

タカヒロ「やあ楽兎君。久し振りだね。」

 

男性の名は「香風タカヒロ」。サキの夫でラビットハウスのマスターの息子で楽兎の叔父。楽兎がタカヒロと握手する。

 

タカヒロ「最後に会ったのは1年前だったかな?」

 

楽兎「そうですね。去年の親父の葬式に会ってましたね。」

 

タカヒロ「今日からホームステイに来たんだね。」

 

楽兎「そうです。母さんから聞いてますよね?」

 

タカヒロ「ああ、恵美さんから聞いてるよ。部屋に案内するよ。」

 

 

 

 

 

 

3人は、サキの部屋に入って行く。

 

楽兎「改めましてタカヒロさん、サキさん。2週間お世話になります。」

 

タカヒロ「こちらこそ。」

 

サキ「宜しくね。」

 

楽兎「初めてなので、ちょっと緊張してます・・・」

 

サキ「大丈夫よ。ゆっくりしてね。そうだわ!楽兎君、ちょっと待ってくれる?すぐに戻って来るからね。」

 

部屋を出たサキ。

 

楽兎「サキさん、どうしたんですか?」

 

タカヒロ「楽兎君に言ってなかったね。実は、私とサキの間に子供が居るんだ。」

 

楽兎「ええ!?初耳ですよそれ!」

 

タカヒロ「ちょっとしたサプライズだよ。」

 

楽兎「サプライズ、ですか。」

 

サキ「お待たせ楽兎君。」

 

部屋に戻って来たサキ。

 

サキ「ほらチノ、ご挨拶して。」

 

後ろから1人の少女が顔を出した。

 

楽兎「おぉ・・・・!!」

 

顔を出したのは、薄水色のストレートロングヘアで、ポニーテールをして、うさぎのぬいぐるみを持っている6歳くらいの可愛らしい少女だった。

 

楽兎「タカヒロさん、この子が。」

 

タカヒロ「ああ、紹介しよう。私の娘のチノだ。そして君の従妹だ。」

 

楽兎「俺の従妹・・・」

 

少女の名は『香風チノ』。チノは楽兎を見て少し怯えていた。

 

楽兎「宜しくチノちゃん。」

 

握手しようと手を伸ばすが、サキの後ろに隠れた。

 

楽兎「あら?チノちゃん?タカヒロさんもしかして・・・」

 

タカヒロ「ああ、すまないね、チノは人見知りで家族以外話すのが苦手なんだ。」

 

楽兎「そうですか・・・」

 

 

 

 

 

 

その後タカヒロはラビットハウスのホールで整理し、サキは別室で家事をし、楽兎とチノは同じ部屋にいた。

 

楽兎「チノちゃん?お兄ちゃんは悪い人じゃないからこっち来ても良いんだよ?」

 

だがチノは楽兎から少し離れる。

 

楽兎「やっぱりそう上手く行かないか・・・」

 

そこにサキが入って来た。

 

サキ「大丈夫楽兎君?顔が真っ青よ?」

 

楽兎「大丈夫ですよサキさん、人見知りの子と慣れ始めるのも経験の一つですから・・・」

 

サキ「あまり無理はしないでね?」

 

楽兎「分かってますよ。俺の母さんも無理せずに色々やって経験してきた女性ですから。兎に角サキさん、俺は大丈夫ですから、お気になさらず。」

 

サキ「そう?チノの事頼むわね。」

 

部屋から出て別室に移動した。

 

楽兎「・・・そうだ!親父が好きだったジグソーパズルでもやるか!」

 

自分のバッグからうさぎのジグソーパズルを取り出して、パズルを始める。それを見たチノは、少しずつ楽兎に近付く。

 

楽兎「これ結構難しいんだよな〜、形が合わない・・・」

 

すると横にチノが座ってきた。

 

楽兎「え?チノちゃん?」

 

チノ「私も、やっても良いですか?」

 

楽兎「っ!良いよ!やろう!」

 

2人は一緒にジグソーパズルをやる。

 

 

 

 

 

 

そして数分後にパズルが完成した。

 

楽兎「よっしゃー!出来たー!ありがとうチノちゃん!」

 

チノ「やりましたね。お兄ちゃん。」

 

楽兎「お、お兄ちゃん!?」

 

お兄ちゃんの発言でびっくりしてしまった楽兎。

 

チノ「あ、あの、私何か変なこと言いました?」

 

楽兎「いや、急にお兄ちゃんって言ったからびっくりしただけで。あ、呼び方はお兄ちゃん以外でも良いんだよ?」

 

チノ「ふふっ。では楽兎さん。」

 

笑顔で楽兎の名前を言うチノ。すると楽兎はチノの頭を優しく撫でる。

 

楽兎「楽兎さんかぁ、その方が馴染みやすいね。それに笑顔が眩しい。」

 

楽しく会話をしている2人をサキが微笑ましく見てる。

 

 

 

 

 

 

その日の夕食。

 

サキ「どう楽兎君?チノと楽しめた?」

 

楽兎「ええ。チノちゃんと一緒にパズルを完成させたんです。」

 

サキ「そう。良かったわね。チノはパズルが好きだからね。お爺ちゃんの趣味で影響を受けたのよ。」

 

楽兎「そうなんですか。今マスターは居るんですか?」

 

タカヒロ「今はちょっと出張だよ。少ししたら帰って来るよ。」

 

 

 

 

 

 

その夜。楽兎は部屋に入ってベッドの布団に入る。

 

楽兎「初めてのホームステイ、ちょっと緊張したけど、この先楽しめそうだな。」

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

        チノ:水瀬いのり

      タカヒロ:速水奨
        サキ:水樹奈々

     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ

作者「と言う訳で、サイドストーリーの1話終了しました。今後とも頑張ります。」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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日記その2「体験とピクニック」

翌朝、楽兎が目を覚ました。

 

楽兎「あ〜気持ち良く寝れたな〜。ホームステイの2日目か。」

 

するとノックが聞こえた。

 

楽兎「どうぞ。」

 

ドアが開く。サキが入って来た。

 

サキ「おはよう楽兎君。ぐっすり寝れた?」

 

楽兎「ええ。」

 

サキ「良かった。朝食の準備が出来たよ。着替えて降りて来て。」

 

楽兎「分かりました。」

 

サキが部屋から出た。

 

 

 

 

 

 

楽兎はすぐに私服に着替えてキッチンへ向かって朝食を食べる。

 

タカヒロ「そうだ楽兎君、来て2日目だけど、仕事の体験をしてみないか?」

 

楽兎「え?体験ですか?」

 

タカヒロ「そう。喫茶店の仕事はどんな感じか経験させようと思ってね。」

 

楽兎「そう言う事ですか。じゃあちょっとやってみましょう。」

 

タカヒロ「分からなかったら遠慮せずに言って良いよ。」

 

 

 

 

 

 

朝食を済ませて、更衣室へ行ってバーテンダーの制服を試着する。

 

楽兎「バーテンダーの制服ってこんな感じですか。」

 

タカヒロ「うん。とても似合ってるよ。」

 

楽兎「あ、ありがとうございます。」

 

更衣室から出ると、香里とチノが居た。

 

香里「まあ楽兎君!似合ってるわ!」

 

楽兎「褒められると、恥ずかしいですね。」

 

チノ「とても格好良いです楽兎さん!」

 

楽兎「え?そう?チノちゃんありがとう。」

 

タカヒロ「さて、じゃあやってみようか。」

 

楽兎「はい。」

 

 

 

 

 

 

ホールへ向かって、体験をする。お客にコーヒーを差し出したり、コーヒーを作ったりもした。

 

楽兎「ふぅ〜。喫茶店の仕事って結構疲れるんですね。」

 

タカヒロ「どうだった?」

 

楽兎「楽しいです。コーヒー作るのって楽しいですね。」

 

タカヒロ「気に入ってくれて良かった。」

 

 

 

 

 

 

その日の夕方。閉店の時間が来た。

 

楽兎「あっと言う間だったけど、喫茶店の仕事って良いな。」

 

タカヒロ「楽兎君お疲れ様。上がって良いよ。」

 

楽兎「あ、お疲れ様ですタカヒロさん。タカヒロさん、喫茶店の仕事ってどう思ってるのですか?」

 

タカヒロ「そうだね、大変な事はあるけど、それでもお客さんの為に思うとそれが楽しくなってね。」

 

楽兎「強いんですね。」

 

タカヒロ「そこまでじゃないよ。」

 

 

 

 

 

 

こうして2日目が終わって、その後も3日後も体験をする。

 

 

 

 

 

 

7日目。楽兎が香風家一家と一緒に草原に来てお弁当を食べていた。『今日は天気が良いのでピクニック行こう』とサキが言ったからだった。

 

楽兎「いや〜。満開の快晴だな〜。天気が良いと気持ちが良いな〜。」

 

チノ「はい。」

 

楽兎「そう言えばチノちゃん、チノちゃんが持ってるそのもふもふしてる物は何なの?」

 

疑問を持ってる楽兎が見てる物は、チノが持ってる白いもふもふした謎の生き物だった。

 

チノ「ティッピーです。可愛いですよ。」

 

楽兎「ティッピー?」

 

サキ「ティッピーはアンゴラうさぎなのよ。チノが大事に可愛がってるのよ。」

 

楽兎「アンゴラうさぎですか。チノちゃん、ちょっと触らせて?」

 

チノ「はい。」

 

ティッピーを楽兎に貸す。楽兎が頬すりする。

 

楽兎「うわもふもふしてる!結構気持ち良いな。チノちゃんって動物が好きなの?」

 

チノ「好きですけど・・・」

 

少し暗い顔をする。

 

楽兎「どうしたの?」

 

サキ「実はね、チノは動物が懐かない体質だから、ティッピーしか懐かれないの。」

 

チノ「お母さん・・・」

 

楽兎「そうだったんですか。まあ成長すれば動物が懐いて来るかもだよ?」

 

チノ「そうだと良いんですが・・・」

 

楽兎「そうだチノちゃん!ちょっとバドミントンやらない?」

 

チノ「バドミントン?」

 

楽兎「やり方は分からないかもだけど、教えながらやろうよ。」

 

チノ「はい。」

 

楽兎「じゃあこのラケット持って。」

 

 

 

 

 

 

チノにラケットを持たせて、靴を履いてバドミントンをする。

 

サキ「楽兎君、チノと上手く馴染めてますね。」

 

タカヒロ「そうだな。チノも楽しそうで良かった。」

 

楽兎「じゃあ俺がこのシャトルをラケットで飛ばすから、チノちゃんは飛んで来たシャトルを上手く見てラケットで返してみて?」

 

チノ「はい。」

 

楽兎「じゃあ行くよ〜!」

 

シャトルをラケットで上へ飛ばす。チノがシャトルを見る。そしてラケットを振るが、外れてしまった。シャトルはチノの後ろに落ちた。

 

チノ「難しいですね・・・」

 

楽兎「大丈夫大丈夫!失敗は誰にだってあるよ!次は集中してやってみよう!」

 

もう1回シャトルを上に飛ばす。シャトルを見て、チノがラケットを振るが、また外れた。

 

楽兎「少しずつコツを掴めば上手くなれるよ!」

 

 

 

 

 

 

その後も3回、4回やったが、全く当たらなかった。

 

チノ「はぁ・・・はぁ・・・」

 

楽兎「やばい、俺も疲れて来た・・・これで最後にしよう!行くよー!」

 

5回目の挑戦。楽兎がシャトルを飛ばす。チノがシャトルを見てラケットを振ると、遂にシャトルに当たって、返しに成功した。

 

チノ「やりました楽兎さん!」

 

楽兎「流石チノちゃん!上達早いね!」

 

するとシャトルが楽兎の頭に直撃した。

 

楽兎「痛っ!」

 

チノ「楽兎さん!?」

 

楽兎「ごめんごめん。褒める事に夢中になってた。」

 

チノ「楽兎さん、もう1回やっても良いですか?」

 

楽兎「チノちゃん、よし!じゃあ行くよ!」

 

 

 

 

 

 

その後も2人はバドミントンを楽しくやった。そして時間が過ぎて夕方になった。

 

サキ「2人共!そろそろ帰りましょう!」

 

楽兎「そうですね!チノちゃんそろそろ、ん?」

 

チノはその場に座った。

 

楽兎「チノちゃん?」

 

チノに近付くと、チノは目を閉じて寝てしまってる。

 

楽兎「あらら、疲れて寝ちゃってますね。」

 

サキ「よっぽど楽しかったかしら。」

 

タカヒロ「楽兎君、チノを背負ってくれる?」

 

楽兎「はい。」

 

 

 

 

 

 

サキがチノを楽兎の背中に乗せる。そしてラビットハウスへ戻って行く。

 

タカヒロ「楽兎君、ピクニックどうだった?」

 

楽兎「最高でしたね。幼い頃を思い出します。親父と一緒にサッカーした時を思い出しますね。」

 

タカヒロ「それは良かった。」

 

サキ「明日は何処にしましょうか?」

 

楽兎「いやいやサキさん、毎日ピクニックは疲れますよ。」

 

サキ「冗談よ。」

 

ホームステイ1週間経過。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

        チノ:水瀬いのり

      タカヒロ:速水奨
        サキ:水樹奈々

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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日記その3「風邪とジャズ」

8日目、楽兎は早起きした。

 

楽兎「おはようございますタカヒロさん。」

 

タカヒロ「おはよう楽兎君。」

 

楽兎「あれ?サキさんは?」

 

タカヒロ「サキは今、チノの部屋へ行ってる。」

 

楽兎「え?」

 

タカヒロ「今日チノが風邪を引いてしまって。」

 

楽兎「風邪!?まさか昨日のバドミントンやって・・・」

 

タカヒロ「でもそこまで酷い熱じゃないよ。」

 

楽兎「そうですか。」

 

 

 

 

 

 

その後サキがキッチンへ戻って来た。

 

サキ「熱は38度あったわ。」

 

楽兎「心配ですね。チノちゃんが風邪を引いてしまったから。すみませんサキさん、昨日バドミントンをやったせいで。」

 

サキ「楽兎君は気にしなくて良いよ。すぐに元気になるよ。」

 

楽兎「う〜ん、サキさんお願いが。」

 

サキ「何?」

 

楽兎「俺も看病手伝わせて下さい。」

 

サキ「え?」

 

楽兎「俺もチノちゃんに何か役に立つ事が出来たらと思って。」

 

サキ「良いわよ。助かるわ。」

 

 

 

 

 

 

朝食を済ませて、チノの部屋へ向かう。そしてサキがドアをノックして部屋に入る。

 

サキ「チノ、楽兎君も来てくれたよ。」

 

チノ「お母さん・・・楽兎さん・・・」

 

楽兎「チノちゃんが心配だから看病しに来たよ。具合はどう?」

 

チノ「頭が痛いです・・・」

 

楽兎「今日は安静にしてね。」

 

チノ「はい・・・」

 

サキ「私りんご切って来るわ。」

 

楽兎「はい。」

 

サキが部屋から出る。

 

楽兎「ごめんねチノちゃん。」

 

チノ「何でです・・・?楽兎さんが何で謝るんです・・・?」

 

楽兎「いや、昨日バドミントンで無茶させた事で謝りたくて。」

 

チノ「気にしてませんよ。私がバドミントンを楽しくやったせいですから。」

 

楽兎「まあ、昨日楽しそうにやったよね。」

 

チノ「はい。」

 

楽兎はチノをジッと見る。

 

チノ「楽兎さん?」

 

楽兎「いや、こうして見ると、妹みたいだなって思っちゃって。」

 

チノ「妹ですか?」

 

楽兎「うん。俺チノちゃんと同じ一人っ子だから、兄弟や姉妹が居る家族が羨ましくて。」

 

チノ「兄弟・・・」

 

楽兎「まあ、別にそこまで羨ましいとか思ってないけど。」

 

チノ「では、私が楽兎さんの妹になってあげましょうか?」

 

楽兎「え?チノちゃんが俺の妹に?」

 

チノ「私も一人っ子ですから。」

 

楽兎「いやでもチノちゃんは俺の従妹だよね?別にやらなくても。」

 

チノ「そうですか・・・」

 

楽兎「呼び方は何時も通りで良いよ。」

 

チノ「はい。」

 

そこにサキが来た。

 

サキ「お待たせ。」

 

りんごを持って来た。

 

サキ「楽兎君。食べさせてあげて。」

 

楽兎「はい。」

 

爪楊枝を持ってりんごを刺してチノの方へ近付ける。

 

楽兎「はいチノちゃん。」

 

りんごを食べるチノ。

 

チノ「美味しいです。」

 

楽兎「良かった。食べれるようになったら元気になれるよ。」

 

その後もりんごを食べて、全部食べ終わってそのまま寝た。

 

サキ「今日はありがとうね楽兎君。」

 

楽兎「いえいえ、チノちゃんと会話出来たから大丈夫ですよ。」

 

サキ「何の会話したの?」

 

楽兎「俺が一人っ子だから兄弟や姉妹が居る家族が羨ましいって。」

 

サキ「だったら、楽兎君の妹をチノにしたらどうかな?」

 

楽兎「え?いや求めてませんよ。」

 

サキ「大丈夫よ。チノも喜んでくれると思うわ。」

 

楽兎「サキさんどんだけ〜。」

 

サキ「それと楽兎君、今度は楽兎君が風邪引いたら大変になるわね。チノと一緒に部屋に居たからね。」

 

楽兎「俺の体は強いですよ。簡単に風邪は引きません。」

 

 

 

 

 

 

だが翌日の9日目、非常事態が起こった。何と楽兎が風邪を引いてしまった。

 

サキ「きっと昨日のチノの熱が移っちゃったらしいわね。」

 

楽兎「まさか昨日の言葉がフラグになるとは・・・」

 

チノ「じゃあ私が楽兎さんを看病してあげます。」

 

楽兎「良いけど、また風邪引かないようにね・・・」

 

この日は風邪を引いて少し憂鬱になった楽兎であった。

 

 

 

 

 

 

翌日の10日目。夜のラビットハウス。大勢の客の前でタカヒロが仲間達と一緒にジャズをやっていた。楽兎とサキも鑑賞していた。

 

楽兎「タカヒロさんジャズやってたんですね。」

 

サキ「ええ。とっても良い演奏よ。」

 

楽兎(バーカウンターに立ってるのが、マスターかぁ。中々渋いな。)

 

サキ「さてと、そろそろ行かなきゃ。」

 

楽兎「え?何処へですか?」

 

サキ「私も参加するの。楽兎君楽しみにしていてね。」

 

楽兎「は、はい。」

 

その場から離れて準備しに行く。

 

楽兎「サキさんも演奏するのかな?」

 

そしてサキが戻って来た。

 

楽兎「え!?」

 

戻って来た香里を見た楽兎が驚いた。サキが純白ドレス姿で登場した。そしてステージに立つ。タカヒロ達が演奏して香里が歌う。歌姫のような歌声で歌う。

 

楽兎「凄い・・・サキさん・・・セリーヌ・ディオンに匹敵する歌声を出してる・・・」

 

 

 

 

 

 

そして演奏が終わって全員が一礼する。お客達が拍手喝采する。楽兎も拍手する。サキとタカヒロが楽兎の方へ行く。

 

タカヒロ「楽兎君、どうだった?」

 

楽兎「凄いです!俺感動しちゃいました!」

 

タカヒロ「ありがとう。」

 

楽兎「サキさんの歌声癒されましたね。」

 

サキ「ありがとう楽兎君!」

 

楽兎「夫婦揃って素晴らしいですね。」

 

タカヒロ「褒めても何も無いよ?」

 

楽兎「あはは、そうですね。」

 

ジャズを楽しく鑑賞出来た楽兎であった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

        チノ:水瀬いのり

      タカヒロ:速水奨
        サキ:水樹奈々

作者「ちょっと今回ぎこちない感じでしたけど、3話目が終わりました。」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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日記その4「パズルとボトルシップ」

楽兎「ジグソーパズルかぁ。」

 

11日目。楽兎がチノの部屋に飾られてるジグソーパズルを見ていた。

 

楽兎「ねえチノちゃん、このパズルは誰の?」

 

チノ「私のお爺ちゃんです。完成したのを私の部屋に飾ってくれてるんです。」

 

楽兎「そっかー。俺もパズル好きだからね。多くは無理かな?」

 

チノ「私もパズルをやってお爺ちゃんに自慢したいです。」

 

楽兎「成る程。自分の力でマスターに勝ちたいんだね。」

 

チノ「そうでした。まだ完成していないパズルがありました。」

 

未完成のパズルを取り出したチノがパズルをやる。パズルの絵は草原のうさぎだった。

 

楽兎「何処まで出来た?」

 

チノ「半分まで出来たんです。楽兎さんは手を出さないで下さい。」

 

楽兎「頑張って。」

 

 

 

 

 

 

その後チノはパズルに集中する。

 

 

 

 

 

 

パズルを初めて数時間後。

 

チノ「何処にも嵌りません・・・」

 

楽兎「大丈夫?」

 

チノ「大丈夫です。まだやれます!」

 

楽兎「そう?頑張って!後もうちょっと!」

 

その後もパズルをやる。そして。

 

チノ「やっと出来ました・・・!」

 

楽兎「やったねチノちゃん!」

 

チノ「楽兎さんの応援のお陰です!ありがとうございます!」

 

喜ぶ楽兎とチノを香里が廊下から見て微笑む。チノは初めてパズルを1人で完成させたのだった。

 

 

 

 

 

 

12日目。楽兎は部屋である映画を観ていた。そこにサキが入って来た。

 

サキ「楽兎君、何をしているの?」

 

楽兎「懐かしい映画を観てるんです。」

 

観ていたのは、タイタニックだった。

 

サキ「懐かしいわねタイタニック。姉さんも大好きな映画だわ。」

 

楽兎「母さんも大好きだから、一緒に観ようって誘われた頃を思い出します。」

 

サキ「私ももう10回くらい観てたわ。そうだわ!タイタニックと言ったら。」

 

楽兎「ん?」

 

 

 

 

 

 

タイタニックを観終わって、ボトルシップの部屋に来た。

 

楽兎「凄え!ボトルシップがこんなに!」

 

サキ「これは全部お義父さんのボトルシップなの。」

 

楽兎「いや〜。良い趣味してますね。」

 

サキ「そして私もお気に入りなのはこれ!」

 

楽兎「凄え!!」

 

そこにあったのは、タイタニックのボトルシップだった。しかも沈没時の時を再現した物だった。

 

楽兎「沈没してる時の再現なんて凄いですね・・・これを見てると脳内で映画のシーンが思い浮かんで来ますね。」

 

サキ「タイタニックはとってもロマンチックな映画よねー。私もタイタニック乗ってみたいな〜。」

 

楽兎「いやサキさん、タイタニックは昔の豪華客船ですよ。現代にはもう沈没してますよ。」

 

サキ「言ってみただけ。」

 

楽兎「サキさんって、お淑やかに見えるけど、たまにはっちゃけますよね。」

 

サキ「う〜ん、多分お母さんの遺伝かな?」

 

楽兎「それで良いんですか?」

 

何だかんだで楽しい雰囲気を出してるサキだった。そしてホームステイの終わりが近付く。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

        チノ:水瀬いのり
        サキ:水樹奈々

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日記その5「ホームステイの最後」

14日目。ホームステイ最終日。楽兎は部屋で荷物の整理をしていた。

 

楽兎「これで全部か。にしても、本当この2週間楽しかったな〜。」

 

部屋中を見回る。

 

楽兎「体験したりバドミントンしたり風邪引いたりジャズ鑑賞したりもしたな〜。」

 

するとノックが聞こえた。

 

タカヒロ「楽兎君、準備は出来た?」

 

楽兎「はい。もう何時でも。」

 

タカヒロ「そうか。降りて来てくれる?今日はご馳走だよ。」

 

楽兎「ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

 

キッチンへ降りて、ご馳走をいただく。

 

タカヒロ「早いものだね。もう2週間が経ったね。」

 

楽兎「そうですね。あっという間でしたね。」

 

サキ「もうちょっと居て良かったのに残念ね。」

 

楽兎「いえ、ずっと居たら、友人達や家族に遠分会えませんし。」

 

サキ「それもそうね。」

 

 

 

 

 

 

そして、楽兎が帰る時間になった。ラビットハウス前。

 

楽兎「タカヒロさん、サキさん、チノちゃん、お世話になりました。」

 

タカヒロ「こちらこそお世話になったね。チノと遊んでくれてありがとう。」

 

サキ「チノ、楽兎君と遊んで楽しかった?」

 

チノ「とても楽しかったです。」

 

楽兎「それでは香風家の皆さん、会える日は分かりませんが、何処かまたお会いしましょう。」

 

帰ろうとするが、チノが楽兎の服の袖を掴む。

 

楽兎「チノ、ちゃん?」

 

チノ「楽兎さん、行かないで下さい・・・」

 

行かないで欲しいと言うチノ。楽兎は笑顔でチノの頭を撫でる。

 

楽兎「チノちゃん、会える日が分からなくても何処かで偶然会えるかもしれないよ?だからチノちゃんもお兄ちゃんに負けない位頑張ってね。」

 

チノ「・・・・はい!」

 

サキ「じゃあ楽兎君、姉さんに宜しくね。」

 

楽兎「はい!では改めて!またお会いしましょう!」

 

こうして楽兎は自分が住む町に帰って行く。

 

 

 

 

 

 

そして楽兎は帰宅した。

 

楽兎「ただいま母さん。」

 

楽兎の母「おかえり楽兎!ホームステイどうだった?」

 

楽兎「何て言うか、随分楽しめたよ。」

 

楽兎の母「良かった!写真撮って来た?」

 

楽兎「撮って来たよ。」

 

デジカメを取り出して、母にギャラリーを見せる。

 

楽兎の母「サキは元気そうね。まあ!この子がチノちゃん?」

 

楽兎「そうだけど。」

 

楽兎の母「あらまあ可愛いわね〜!」

 

楽兎「テンション高いよ母さん。」

 

楽兎の母「ねえ楽兎、将来ラビットハウスで働いたらどう?」

 

楽兎「え?俺が?でも母さんは。」

 

楽兎の母「大丈夫!あなたはあなたのやりたい事を選びなさい?」

 

楽兎「母さん。」

 

楽兎の母「この際俳優になっても良いかもね。」

 

楽兎「そこまで求めてねえよ。」

 

 

 

 

 

 

そして翌日。学校へ登校する。

 

みくる「楽兎ー!」

 

緑羽太「ホームステイお疲れさん。」

 

楽兎「よう2人共。2週間振りだな。」

 

緑羽太「ホームステイどうだった?」

 

楽兎「楽しめたよ。サキさんがはっちゃけ過ぎたけど。」

 

みくる「良いな〜。私も行きたかったな〜。」

 

楽兎「お前なぁ。」

 

緑羽太「そう言えばお前、ラビットハウスの娘さんと遊んだって?」

 

楽兎「ああ、これ見るか?」

 

スマホを取り出して、チノの写真を見せる。

 

緑羽太「可愛いな〜!お前ロリコンにならなかったか?」

 

楽兎「んな訳無えだろ。俺は健全だぞ。でもたまにチノちゃんに近付いた事があったけど。」

 

みくる「自覚あるのね。」

 

 

 

 

 

 

ホームステイが終わった楽兎はその後、高校を経て、緑羽太とみくるとは違う大学へ進学した。その期間中に、普通二輪と自動車免許を取得した。愛車のバイクはCB400SB。

 

 

 

 

 

 

これが楽兎が体験したホームステイの日記だった。

 

 

 

 

 

 

その1年後、楽兎の叔母で、チノの母親のサキが亡くなり、楽兎はサキの葬式に参加した。

 

 

 

 

 

 

葬式の後。楽兎はチノの部屋に入った。

 

楽兎「チノちゃん・・・」

 

部屋に入ると、チノが窓の外を見て涙を流していた。

 

チノ「・・・楽兎さん・・・」

 

楽兎「大丈夫・・・?」

 

チノ「楽兎さん・・・お母さんが・・・」

 

泣いてるチノを楽兎が抱擁した。

 

チノ「っ・・・?」

 

楽兎「チノちゃん・・・俺もサキさんが亡くなった時はとても辛いよ・・・チノちゃん、我慢せずに泣いて良いんだよ?人は誰でも泣く事があるから。」

 

チノ「楽兎・・・さん・・・っ・・・」

 

そのままチノが静かに泣いた。楽兎はチノが泣き止むまで抱擁し続けた。

 

 

 

 

 

 

そして時が経ち、大学を卒業してラビットハウスの店員になった楽兎は、チノが寝た後、部屋に戻ってホームステイのアルバムを見て懐かしんでた。

 

楽兎「懐かしいな〜。でもサキさん亡くなったのが残念だなぁ・・・夢で再会出来たら良いな。」

 

アルバムを閉じて電気を消して布団に入って寝る。

 

 

 

 

 

 

楽兎『あれ?何だこの空間?』

 

目が覚めた時に目に映ったのは、真っ白な空間だった。

 

楽兎『何だここ?夢だよな?』

 

???『楽兎君。楽兎君。』

 

楽兎『え?その声・・・』

 

目の前に光が現れた。光が去ると、サキが立っていた。

 

楽兎『サキさん!!』

 

サキ『久し振りね!元気してた?』

 

楽兎『ええ元気ですよ。今日から俺ラビットハウスで働く事になったんです。』

 

サキ『そうなの!?嬉しいわ!チノも喜んでくれたでしょ?』

 

楽兎『亡くなっても元気ですね・・・』

 

サキ『えぇ。病気で亡くなっちゃったけど、何時でも天国から見守ってるわ。』

 

楽兎『そう言われると暖かい気持ちになりますね。』

 

サキ『チノは元気?』

 

楽兎『えぇ、元気ですよ。俺と再会して凄く喜んでました。』

 

サキ『良かった。また会いましょうね。』

 

楽兎『夢だけですが、何時かまた会いましょうね。』

 

サキ『ええ!またね。』

 

すると空間全体が光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

そして現実に目が覚めた楽兎は起き上がって、窓を開けて空を見る。

 

楽兎「サキさん、おはようございます。」

 

サキと夢で再会した楽兎は新しい生活を始めるのである。

 

「THE END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

        チノ:水瀬いのり

      タカヒロ:速水奨
        サキ:水樹奈々

     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ

      楽兎の母:桑島法子

作者「と言う訳で、サイドストーリーが早く終わりました。まあ短いと私でも思いますが、上手く出来たなと思ってます。次回は最終回後のストーリーを製作します。」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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##1期編##
1羽「ひと目で、尋常でないもふもふだと見抜いたよ」


『2羽目になりました。今回からあの少女が登場します。』

本編スタート。






楽兎がラビットハウスの店員になって数日が経ったある日。木組みの家と石畳の町に、1人の少女がやって来た。

少女「綺麗ー!可愛い町ー!」

少女の名前は「ココア」。彼女は町を見渡して興奮した。

ココア「ここなら楽しく暮らせそう!」






町中を少し観光して、目的地に向かう為地図を見る。

ココア「うーん、ここがこうで、あっちがそっちで、うーん、まあ良いか!」

地図見ても分からなかった。取り敢えず進む。途中で迷ったりもしたけど、そこでココアはある店に目を付けた。

ココア「喫茶店、ラビットハウス?ラビット!」






その時ココアは想像していた。店の中に沢山のうさぎが居る事を。






ココア「入ってみようっと!」

そう思ったココアはラビットハウスに来店した。そこに、アンゴラうさぎのティッピーを頭に乗せたチノと、テーブルを拭いている楽兎が居た。

チノ「いらっしゃいませ。」

楽兎「いらっしゃいませ。」

ココア「うっさぎ〜♪うっさぎ〜♪」

歌を歌いながらうさぎが居ないかキョロキョロ見渡す。だが、うさぎの姿は何処にもいない。

ココア「うさぎがいない・・・」

楽兎(あの子どうしたんだ?)

ココア「うさぎがいない・・・?うさぎがいない!!」

うさぎを探し回ったがうさぎがいないと言ったココア。この時楽兎とチノはこう思った。

楽兎・チノ(何だこの客?)


その後席に座ってメニューを見るココア。そこにチノが水が入ったコップを置く。するとココアはチノの頭に乗ってあるティッピーを見た。

 

ココア「もじゃもじゃ?」

 

チノ「これですか?これはティッピーです。一応うさぎです。」

 

ココア「うさぎ?」

 

楽兎(あの子うさぎが好きなのか?)

 

チノ「ご注文は?」

 

ココア「じゃあそのうさぎさん!」

 

チノ「非売品です。」

 

するとココアはがっかりした。

 

ココア「せ、せめて・・・せめてもふもふさせて!」

 

チノ「コーヒー1杯で1回です。」

 

ココア「じゃあ3杯!」

 

楽兎「3杯かよ・・・」

 

 

 

 

 

 

チノと楽兎が3つのカップに3杯のコーヒーを淹れる。

 

楽兎「うーん良い香りだ。チノちゃん、俺も運んで行くよ。」

 

チノ「お願いします。」

 

 

 

 

 

 

2人はココアにコーヒーを差し出す。

 

チノ「お待たせしました。」

 

ココア「コーヒー3杯頼んだから、3回触る権利を手に入れたよ!」

 

チノ「冷める前に飲んで下さい。」

 

ココア「ああ!そ、そうだね!」

 

ティッピーに触ろうとするが、チノに止められて、まずは1杯のコーヒーを飲む。

 

ココア「この上品な香り、これがブルーマウンテンかぁ!」

 

チノ「いいえ、コロンビアです。」

 

続いて2杯目のコーヒーを飲む。

 

ココア「この酸味!キリマンジャロだね!」

 

楽兎「それが先ほど言ったブルーマウンテンです。」

 

最後に3杯目のコーヒーを飲む。

 

ココア「安心する味!これインスタントの!」

 

チノ「うちのオリジナルブレンドです。」

 

ココア「え?うん!全部美味しい!」

 

 

 

 

 

 

そしてティッピーをもふもふするココア。ティッピーは冷や汗をかいていた。ココアは満足していた。

 

ココア「もふもふ気持ち良い〜あ!いけないよだれが。」

 

するとその時。

 

ティッピー「ノ〜〜〜〜〜!!!」

 

突然叫び声を上げるティッピー。

 

ココア「あれ?今、このうさぎ叫ばなかった?」

 

チノ「気のせいです。」

 

ココア「それにしても、この感触癖になるな〜♪」

 

今度はティッピーを顔ですりすりする。

 

チノ「もう良いですか?」

 

またもやその時。

 

ティッピー「ええい!早く離せこの小娘が!」

 

またティッピーが叫んだ。

 

ココア「何かこの子に、ダンディーな声で拒絶されたんだけど!?」

 

チノ「私の腹話術です。」

 

ココア・楽兎「え!?」

 

チノ「早くコーヒー全部飲んで下さい。」

 

楽兎(チノちゃん、いくら腹話術と言えど、あんなダンディーな声は女性には絶対不可能な気がする。)

 

 

 

 

 

 

コーヒーを飲みながら、窓の外を見るココア。

 

ココア「私春からこの町の学校に通う事になったの。」

 

チノ「はぁ。」

 

ココア「でも下宿先探してたら迷子になっちゃって。」

 

チノ「下宿って?」

 

ココア「道を聞くついでに休憩しようと思ったけど、香風さん家ってこの近くのはずなんだけど知ってる?香る風って書くんだけど・・・」

 

楽兎「その家なら。」

 

チノ「香風はうちです。」

 

ココア「え!?すご〜い!これは偶然を通り越した運命だよ!」

 

チノ「私はチノです。ここのマスターの孫です。」

 

ココア「私はココアだよ!それであなたは?」

 

楽兎「俺は綾部楽兎。チノちゃんの従兄だ。普通に接してくれればありがたいな。」

 

ココア「そっかー!宜しくねチノちゃん!楽兎君!」

 

チノ「はい。ココアさん。」

 

楽兎「ああ、宜しくな。」

 

ココア「後は高校の方針でね、下宿させて頂く代わりに、その家でご奉仕しろって言われるんだよ。」

 

楽兎「つまりうちで働くって訳だな。」

 

ココア「そうそう!」

 

チノ「っと言っても、家事は私と楽兎さんで何とかなってますし、お店は十分人手が足りてますので、何もしなくて結構です。」

 

ココア「いきなりいらないご宣言されちゃった・・・」

 

楽兎「チノちゃん何か失礼な事言ってるように思えるんだが・・・」

 

ココア「取り敢えず挨拶はしたいんだけど、マスターさんは留守?」

 

チノ「祖父は去年・・・」

 

ココア「っ!そっか・・・今はチノちゃんと楽兎君で切り盛りしてるんだね・・・」

 

楽兎「いやそんな事無いぞ?チノちゃんの親父さんもいるし、後バイトの子がもう1人・・・って!?」

 

するとココアがチノをギュッと抱きしめた。

 

ココア「私を姉だと思って何でも言って!」

 

突然抱き締められて困惑するチノ。

 

ココア「だからお姉ちゃんって呼んで?」

 

チノ「じゃあ、ココアさん。」

 

ココア「お姉ちゃんって呼んで!」

 

チノ「ココアさん。」

 

ココア「お姉ちゃんって呼んで!」

 

楽兎「おいココア、早速働いてくれるか?そんな事を繰り返したら話にならないだろ?」

 

ココア「任せて!」

 

楽兎「切り替え早!じゃあチノちゃん、ココアを更衣室に案内してあげて。」

 

チノ「はい。」

 

 

 

 

 

 

ココアに更衣室を案内するチノ。そしてロッカー前に止まる。

 

チノ「このクローゼットを使って下さい。」

 

ココア「ありがとー。」

 

チノ「制服持って来ますね。」

 

制服を持って来る為チノが更衣室を後にする。

 

ココア「うわー!制服着れるんだね!制服制服♪・・・あ!!」

 

するとココアが何か違和感を感じ取った。

 

ココア「誰も居ないはずなのに・・・誰かに見られてるような・・・」

 

クローゼットの取っ手を握り、勇気を出してクローゼットを開ける。

 

 

 

 

 

 

そこにいたのは、なんと下着姿のリゼだった。

 

ココア「し、下着姿の、泥棒さん・・・?」

 

リゼ「完全に気配を殺したつもりなのに・・・お前は誰だ!?」

 

すると何処からか拳銃を取り出してココアに銃口を向ける。

 

ココア「うわっ!?わわわ私は!今日からここにお世話になる事となったココアです!」

 

ビビりながら両手を上げるココア。

 

リゼ「そんなの聞いて無いぞ!怪しい奴め!」

 

ココア(今のこの状況で怪しいのは、どっちだろう・・・?)

 

丁度その時、ココアの制服を持ったチノが来た。

 

チノ「何かあったんですか?」

 

ココア「!!チノちゃん強盗が!!」

 

リゼ「と、違う!知らない気配がして隠れるのは普通だろ!」

 

ココア「じゃあその銃は何!?」

 

リゼ「護身用だ!」

 

拳銃のマガジンを抜く。

 

リゼ「私は、父が軍人で、幼い頃から護身術と言うか色々仕込まれているだけで・・・普通の女子高生だから信じろ!」

 

ココア「説得力無いよー!」

 

チノ「あの、制服。」

 

 

 

 

 

 

そしてラビットハウスの制服を着るココア。

 

ココア「うわー!!可愛いーー!!」

 

制服を着て好評するココア。

 

チノ「良いです。似合ってます。」

 

リゼ「ああ。悪く無いな。」

 

チノ「ココアさん、彼女がここのバイトのリゼさんです。」

 

ココア「本当にバイトさんだったんだ。」

 

チノ「リゼさん、先輩としてココアさんに色々教えてあげて下さい。」

 

リゼ「きょ!教官と言う事だな!」

 

少し照れるリゼ。

 

チノ「嬉しそうですね。」

 

リゼ「この顔の何処がそう見える!?」

 

ココア「宜しくね!リゼちゃん!」

 

リゼ「上司に口を聞く時は!言葉の最後にサーを付けろ!」

 

ココア「落ち着いて!サー!」

 

 

 

 

 

 

更衣室から出ると、楽兎が来た。

 

楽兎「やっと着替え終えたか。」

 

チノ「楽兎さん?どうかしました?」

 

楽兎「ココアに初めての仕事を誘ってやろうと思って今来た。ココアとリゼ、倉庫からコーヒー豆を運びに行くぞ。チノちゃんは店の方を頼める?」

 

チノ「はい。」

 

 

 

 

 

 

倉庫に到着した3人。

 

リゼ「じゃあ、このコーヒー豆の入った袋をキッチンまで運ぶぞ。」

 

楽兎「無理しないようにな。」

 

ココア「う、うん!」

 

コーヒー豆の入った袋を軽々と持ち上げて肩に乗せるリゼと、両肩に乗せる楽兎と、頑張って持ち上げようとするココア。

 

ココア「重い・・・!これは普通の女の子にはきついよ・・・!ねえリゼちゃん・・・!」

 

リゼ「はっ!!え!?あ、ああ!た、確かに重いな!うん、無理だ!普通の女の子には、無理だ。」

 

そう言って袋を無理矢理置くリゼ。

 

楽兎(おいリゼ!?何で乙女全開になってんだ!?)

 

ココア「小さい袋だけ運ぼうか・・・」

 

今度はさっきのより小さい袋を持ち上げようとするが少し重かった。だがリゼは軽々4つ持ち上げて両肩に乗せる。

 

ココア「小さいのでも重い・・・!1つ持つのがやっとだよ・・・!」

 

リゼ「う!うわ!ああ確かに!1つ持つのがやっとだ!1つ。」

 

またもや乙女全開し、無理矢理袋だけ1つ持ち上げるリゼ。

 

楽兎(普通の女の子に憧れてるなこのお嬢さんは。)

 

 

 

 

 

 

その後、ホールで働く4人。

 

リゼ「ココア、メニュー覚えとけよ?」

 

そこにリゼがメニューをココアに渡す。

 

ココア「うん。ありがとう。」

 

メニューを見るココア。

 

ココア「コーヒーの種類が多くて難しいね。」

 

楽兎「俺最初多くて分からなかったが、今は全部覚えたからな。」

 

リゼ「そうか?私は一目で暗記したぞ?」

 

ココア「すご〜い!」

 

リゼ「訓練してるからな。チノなんて香りだけで、コーヒーの銘柄当てられるし。」

 

ココア「私より大人っぽい!」

 

楽兎「だけど砂糖とミルクが必須なんだ。」

 

ノートで顔を隠すチノ。

 

ココア「ふふっ。なんか今日一番安心したー!いいなー、チノちゃんもリゼちゃんも、私も何か特技あったらなー。楽兎君は何か特技あるの?」

 

楽兎「特技かー、俺はシンプルだけど料理かな?」

 

ココア「良いね!料理男子って奴だね!ん?チノちゃん何持ってるの?」

 

チノ「は、春休みの宿題です。空いた時間にこっそりやってます。」

 

楽兎「どうチノちゃん?宿題少し進めた?」

 

チノ「はい。」

 

するとココアが数学の宿題の問題を見て能力を発揮した。

 

ココア「あ!その答えは128で、その隣は367だよ?」

 

楽兎「え?」

 

リゼ「っ!・・・ココア?430円のブレンドコーヒーを、29杯頼んだらいくらになる?」

 

難しい問題をココアに出したリゼ。すると。

 

ココア「12470円だよ?」

 

チノ・リゼ「!!??」

 

楽兎「暗算!?」

 

圧倒的な暗算能力に3人はびっくりした。

 

ココア「私も何か特技あったらなー。」

 

リゼ(こいつ、意外な特技を・・・!)

 

楽兎(それに自覚無し!?)

 

するとドアのベルが鳴った。

 

ココア「いらっしゃいませ!」

 

早速お客様を接客するココア。

 

女性客「あら?新人さん?」

 

ココア「はい!今日から働かせて頂くココアと言います!」

 

お客様にお辞儀するココア。

 

女性客「宜しくね。キリマンジャロお願い。」

 

ココア「はーい!」

 

接客ぶりを3人が見ていた。

 

リゼ「ふーん?ちゃんと接客出来てるじゃないか。」

 

楽兎「初めてにしては上出来だな。」

 

チノ「はい。心配無いみたいですね。」

 

嬉しそうにココアがはしゃぐ。

 

ココア「やったー!私!ちゃんと注文取れたよ!キリマンジャロお願いします!」

 

リゼ「あー。」

 

チノ「偉い偉いです。」

 

楽兎「何か反応酷くない?」

 

 

 

 

 

 

その後お客様が続々来店して大忙し。途中でリゼにぶつかりまた銃口を向けられたココア。その後店が落ち着いたところでココアがチノに質問してきた。

 

 

 

 

 

 

ココア「ねえねえチノちゃん!この店の名前ラビットハウスでしょ?うさ耳着けないの?」

 

チノ「うさ耳なんて着けたら違う店になってしまいます。」

 

ココア「リゼちゃんとかうさ耳似合いそうだよね。」

 

リゼ「そんなもん着けるか?」

 

するとリゼが、バニーガールとなった自分の姿を想像して顔を赤くした。

 

リゼ「・・・!!露出度高過ぎだろ!!」

 

ココア「うさ耳の話だよ!?」

 

楽兎「何を想像してたんだ?」

 

ココア「教官!じゃあ何でラビットハウスなのですか?サー!」

 

リゼ「そりゃあティッピーがこの店のマスコットだからだろ?」

 

ココア「あ、んーでも、ティッピーうさぎっぽくないよ?もふもふだし。」

 

楽兎「じゃあ逆にどんな店名が良いんだ?」

 

ココア「ズバリ!もふもふ喫茶!!」

 

リゼ「そりゃ、まんま過ぎるだろ?」

 

楽兎「そうでも無いみたいだぜ?チノちゃんを見てみろ。」

 

リゼ「?」

 

チノ「もふもふ喫茶!」

 

リゼ「気に入った!?」

 

 

 

 

 

 

その後楽兎がラテアートを始めた。

 

ココア「ん?楽兎君なにやってるの?」

 

楽兎「ラテアートだ。カフェラテにミルクの泡で絵を描くアートだよ。例えばこんな風に。」

 

出来た作品は、満開の花だった。

 

ココア「へぇー!」

 

楽兎「実はこの店でサービスをやってるんだ。これも人気の一つだ。どう?描いてみる?」

 

ココア「絵なら任せて!これでも金賞貰った事があるんだ!」

 

リゼ「町内会の小学校低学年の部っとか言うのはなしな。」

 

ココア「・・・・」

 

さっきの言葉で固まってしまったココア。

 

リゼ「まあ手本としてはこんな感じに。」

 

リゼが描いたラテアートは、花とハートと猫の顔の3つ。

 

ココア「わー!凄い上手い!」

 

リゼ「そ、そんなに上手いか?」

 

ココア「凄いよ!リゼちゃんって絵上手いんだね!ねえ!もう1個作って!」

 

リゼ「しょ、しょうがないな、特別だぞ?」

 

ココア「本当!?」

 

リゼ「やり方もちゃんと覚えろよ?」

 

すると器用にミルクを淹れて、そして高速で絵を描く。

 

リゼ「うおおおおおおお!!!」

 

そして出来たのは本物の戦車だった。そして煙までも再現されていた。

 

リゼ「出来たー!」

 

ココア「うわー!うまーい!」

 

リゼ「まったく!そんな上手くないって!」

 

ココア「いや・・・上手ってレベルじゃないよ・・・て言うか・・・人間技じゃないよ・・・」

 

楽兎「ティーガーかよ。」

 

ココア「よーし!私もやってみるよ!」

 

リゼ「頑張れ。」

 

ココアのラテアート初挑戦。カフェラテにミルクを注ぐ。

 

ココア「あう・・・何か難しい・・・イメージと違う・・・」

 

リゼ「どれ?」

 

ココアが描いた絵はうさぎだったが、口と耳が失敗してしまってる。

 

リゼ(か!可愛いー!!)

 

ココア「わ!笑われてる!?」

 

リゼが笑い堪えてるのは、可笑しくて笑い堪えてるのではなく可愛いから笑い堪えてるのだった。

 

ココア「もう・・・チノちゃんも描いてみて?」

 

チノ「私もですか?」

 

そしてチノもラテアートを始める。

 

ココア「リゼちゃん、楽兎君、どんなのが出来るのか楽しみだね。」

 

リゼ「確かチノが描くラテアートって。」

 

チノ「出来ました。」

 

出来たラテアートは、ピカソに似た作品だった。

 

ココア「こ!これは!」

 

楽兎「ピカソ!?」

 

ココア「チノちゃんも仲間!」

 

チノ「仲間?」

 

リゼ「ち、違うぞココア?こう言う絵は、私達のと一緒にしちゃ・・・」

 

 

 

 

 

 

時間が過ぎて夕方になった。ラビットハウスは閉店した。

 

ココア「お疲れ様!」

 

リゼ「お疲れ!」

 

楽兎「お疲れさん!」

 

 

 

 

 

 

女子更衣室にココアとチノとリゼが入り、男子更衣室に楽兎が入る。

 

リゼ「ココアは、今日からこの家で寝泊まりするんだよな?」

 

ココア「うん!そうだよー!チノちゃん、今日の夕食一緒に作ろうね!」

 

チノ「1人で出来ますよ。」

 

ココア「えー!?私も手伝うー!」

 

チノ「大丈夫です。」

 

リゼ(っ!!楽しそう・・・)

 

 

 

 

 

 

男子更衣室では楽兎が私服に着替えていた。

 

楽兎「ふぅー、ココアはかなりテンション高い子だったなー。しかしあれだけの元気で和ませるってのはありがたいかもな。」

 

するとそこに、チノの父親のタカヒロが入って来た。

 

タカヒロ「楽兎君、お疲れ様。」

 

楽兎「あ!タカヒロさん!どうもお疲れ様です!」

 

タカヒロ「仕事はどうかね?」

 

楽兎「大分慣れてきましたね。チノちゃんとリゼのお陰で楽しくなりましたね。」

 

タカヒロ「それは良かった。私はそろそろ行かなくては。」

 

楽兎「そうでしたね。」

 

 

 

 

 

 

外ではリゼが帰る時だった。

 

リゼ「じゃあな!」

 

チノ「お疲れ様でした。」

 

ココア「バイバーイ!」

 

 

 

 

 

 

リゼが帰った後のキッチン。

 

チノ「夕飯はシチューで良いですか?」

 

ココア「野菜切るの任せて!」

 

チノ「いえ、1人で大丈夫です。」

 

エプロンを着けた後、髪を結ぶチノ。

 

ココア「えー?んー・・・あ!チーノちゃん!」

 

チノ「はい?」

 

野菜を切るチノに見せたものは、4人の顔が描かれたラテアートの写真だった。

 

ココア「じゃじゃーん!」

 

チノ「これは・・・」

 

ココア「さっき密かに作ってたの!」

 

チノ「私達・・・?」

 

ココア「そうだよー!」

 

するとドアのノックが聞こえて、出て来たのは、タカヒロと楽兎だった。

 

ココア「楽兎君?それと何者?」

 

チノ「こちら父です。」

 

タカヒロ「君がココア君だね。この家も賑やかになるな。今日から宜しく。」

 

チノがタカヒロへ寄る。

 

ココア「お、お、お世話になります!」

 

タカヒロ「こちらこそ。」

 

お辞儀をしてる瞬間、ティッピーがタカヒロの頭に乗った。

 

タカヒロ「チノを宜しく。楽兎君、後は頼んだよ。」

 

楽兎「はい。」

 

タカヒロ「じゃ。」

 

ココア「は、はい!」

 

タカヒロが店に向かった。チノは野菜切りの続きを始めた。

 

ココア「お父さんは一緒に食べないの?」

 

楽兎「実はラビットハウスは夜になるとバーになるんだ。チノちゃんの親父さんはそのマスターなんだ。」

 

ココア「へぇー!そうなんだー!なんか裏世界の情報提供しそうで、格好良いね!」

 

チノ「何の話ですか?」

 

そしてシチューがそろそろ出来そう。

 

ココア「そろそろかな?」

 

チノ「もうすぐです。」

 

楽兎「皿出さなきゃな。」

 

ココア「えへへ!何かこうしてると姉妹みたいだねー!」

 

チノ「姉妹、ですか?・・・・・・ココアお姉ちゃん、ですね?」

 

その時ココアが大興奮した。

 

ココア「うおーーーー!!!もう1回言ってーー!!」

 

 

 

 

 

 

シチュー食べてる時も。

 

ココア「お願い!もう1回!」

 

皿洗ってる時も。

 

ココア「お願い・・・もう1回・・・」

 

楽兎(何この可愛い生き物?)

 

 

 

 

 

 

その後チノは風呂に入り、残りの片付けは楽兎がやってる。

 

チノ「はぁ・・・」

 

すると、ココアがシャワールームにやって来た。

 

ココア「チノちゃーん!一緒に入ろ?ココア風呂だよ!」

 

チノ(ココア風呂?)

 

2人は背中合わせで風呂に入ってる。

 

ココア「はぁ〜気持ち良いね〜生き返る〜♪ねぇ!今日は一緒の部屋で寝て良い?」

 

チノ「一緒の、ですか?」

 

ココア「うん!荷物まだ届いてないし、いっぱいお話したい事あるし。」

 

チノ「(お話・・・一緒に寝る・・・私にちゃんと出来るかな?)ふ、不束者ですが、お手柔らかに、お願いします・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃リゼの部屋。

 

リゼ「聞いてくれよワイルドギース。今日新人が入って、こいつが中々変わった奴でさ、練習用のラテアートが余りまくって大変だったよー、当分はカフェラテは飲みたくないなー。」

 

するとリゼは、ぬいぐるみと話してると察して、布団に潜り込んだ。

 

リゼ「寂しくない!寂しくないよー!!」

 

 

 

 

 

 

同じ頃チノの部屋では、ココアがチノの髪をドライヤーで乾かしている。そこに楽兎も居た。

 

楽兎「ふぅー、風呂サッパリしたなー。」

 

ココア「そう言えばティッピーは?」

 

チノ「父と一緒にバーで働いています。」

 

ココア「そっかー、ギューっとして寝たかったのになー。」

 

楽兎「ティッピーは抱き枕じゃねえぞ?それにギューっとやったら苦しむだろ?」

 

ココア「じゃあチノちゃんをギューっとして寝ようかな?」

 

チノに抱き付いた瞬間、チノがぬいぐるみで顔に直撃させた。

 

楽兎「チノちゃんもギューっとやったらチノちゃんも苦しむだろ?」

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスのバーでは、ティッピーとタカヒロが会話をしていた。

 

ティッピー「やれやれ、大変な事になりそうじゃ。」

 

タカヒロ「チノも、仲良くなれると良いな。」

 

ティッピー「ココアと言ったかあの娘あっという間に店に馴染んちまった、チノにはああ言う友達が合ってるのかもしれん。」

 

タカヒロ「ん?フッ。」

 

ティッピー「だがその、勝手に抱き付かれると困ると言うか、わしもほら今はこんな体だけど一応あれだし。」

 

体をコロコロ転して逆さまになるティッピー。

 

タカヒロ「なんだ、楽しくなりそうじゃないか親父。」

 

ティッピー「だぁー!バカモン!お前にわしの気持ちが分かるかー!」

 

するとお客様は来店して来た。

 

タカヒロ「いらっしゃい。」

 

ティッピー「話を聞けーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

その頃リゼの部屋では、携帯の着信音が鳴り響く。

 

リゼ「メール?ココアから?」

 

布団から出てメールを見ると、4人の顔のラテアートの写真が受信されてあった。

 

リゼ「あいつ、こんなの作ってたのか?・・・壁紙にしておこう。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃チノの部屋では、ココアが夜空を見上げていた。

 

チノ(ココアさん・・・)

 

ココア「シチューもう1杯おかわりすれば良かった・・・」

 

楽兎(そんな事かよ。)

 

ココア「チノちゃん!楽兎君!この町、とっても素敵だね!」

 

チノ「そう、ですか?」

 

ココア「うん!」

 

チノの方へ駆け寄り、両手を握る。

 

ココア「私、この町に来て良かった!これから沢山楽しい事ありそう!」

 

チノは少し唖然としたが、自然に笑う。

 

チノ「ココアさん、宜しくお願いします。」

 

楽兎「俺からも宜しくなココア。」

 

ココア「チノちゃんのお姉ちゃんとして頑張るね!」

 

チノ「やっぱりちょっと待って下さい。」

 

ココア「えー?今日は一緒の布団で寝ーる!」

 

チノ「うっ・・・」

 

楽兎「頑張ってチノちゃん。」

 

こうして楽しい1日を過ごした3人であった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙

     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨
       女性客:笹本菜津枝

ティッピー「次回はココアが学校に行くらしい。新しい学校に緊張するココアは、1人の少女と出会う。それはーーー」

タカヒロ「何だって!?お楽しみに。」

次回『小麦を愛した少女と小豆に愛された少女』

感想や評価など宜しくお願いします。


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2羽「小麦を愛した少女と小豆に愛された少女」

ココア『ここは木組みの家と石畳の町。私ココアは、春からこの町の高校に通う為、引っ越して来ました。下宿先のラビットハウスでバリバリ働いてます。妹も出来ました!』

チノ「妹じゃないです。」

然りげ無くココアはチノにギュッと抱き付く。

ココア「この前お客様に、ココアちゃんはシスターコンプレックスだねって言われちゃった!」

チノ「え・・・?」

楽兎「シスコンだと?」

ココア「響きが格好良いよね!リゼちゃーん!聞いてー!私シスターコンプレッックスなんだって!」

リゼ「え!?あ・・・そ、そうか・・・」

ココア「シスターコンプレッックス!シスターコンプレッックス!」

楽兎「ヤバイな、意味も知らず連呼している・・・」

チノ「楽兎さん、シスターコンプレッックスって確か・・・」

楽兎「ああ、姉妹に溺愛する意味。気を付けろよチノちゃん。」

チノ「はい。」


数日後、ココアは部屋で高校の制服を試着していた。メガネを掛けて椅子に座って本を読む文学少女になりきったり、リボンを解いてカーディガンを肩に掛けて不良少女になりきったりなどもしていた。

 

チノ「そろそろ行きますよ。」

 

ココア「あ!!」

 

そこに中学の制服姿のチノが来た。

 

ココア「チノちゃんの中学校の制服可愛いー!」

 

チノ「そうですか?」

 

するとココアは、チノが被ってる帽子を見て想像した。帽子の中にティッピーがいるだろうと。目をキラキラさせて帽子の中を見るが、ティッピーは入ってなかった。

 

ココア「あれ・・・?」

 

チノ「何を期待してたんですか?」

 

 

 

 

 

 

そして登校の時間になり、2人は楽兎とタカヒロに挨拶する。

 

ココア「行ってきまーす!」

 

チノ「行ってきます。」

 

タカヒロ「ああ、行ってらっしゃい。気を付けて。」

 

ココア「はーい!」

 

 

 

 

一緒に登校する。

 

ココア「チノちゃんもこっちの方向なんだ!」

 

チノ「こっちの方向なんです。」

 

ココア「じゃあ!これから途中まで一緒に!」

 

チノ「行けますね。」

 

一緒に登校出来ると喜んだココア。

 

チノ「では私はこっちです。」

 

ココア「早っ!?」

 

もうチノと別れて登校する。

 

 

 

 

チノが歩いた先に2人の少女がいた。同級生のマヤこと「条河麻耶」と、メグこと「奈津恵」だった。

 

マヤ「おっはよーチノー!」

 

メグ「おはよー!」

 

チノ「おはようございます。」

 

マヤ「じゃあ張り切ってーレッツゴー!」

 

チノと合流した時点で学校に向かう3人。

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスでは、楽兎が店内を掃除していた。

 

楽兎「ふぅー。なんかチノちゃん達が居ないと静かだなー。」

 

タカヒロ「楽兎君、コーヒー豆を持って来てくれないかな?」

 

楽兎「はい。」

 

 

 

 

 

 

一方ココアは鼻歌を歌いながら1人学校に向かった。すると正面に制服姿のリゼと対面した。

 

ココア「おっはよー!リゼちゃーん!」

 

リゼ「っ!・・・」

 

ココア「おおー!リゼちゃん制服格好良いー!」

 

リゼ「べ、別に普通だろ?」

 

ココア「ブレザーも良いなー!ねぇねぇ!制服交換してみない?」

 

リゼ「自分の学校行けよ。遅刻するぞ?」

 

ココア「あ!うん!じゃあまたお店でね!」

 

リゼ「ああ!迷子になるなよー?」

 

ココアは自分の学校に向かう。

 

リゼ「なんか心配だ・・・」

 

再び学校に向かうリゼ。しかし。

 

ココア「あ!リゼちゃん!また会ったねー!」

 

なんとココアとまた対面した。

 

ココア「じゃあまたねー!」

 

この時リゼはこう思った。

 

リゼ「迷ってる・・・学校への道分かってるのか?」

 

ココア「心配しなくても大丈夫だよー!」

 

また再び学校に向かうリゼ。だがしかし。

 

ココア「凄〜い!また会ったー!」

 

またココアと対面した。また別れてまた学校に向かう。またしかし。

 

ココア「あれあれ?まただ〜!」

 

リゼ(わ!私は異次元に迷い込んだのか!?)

 

困惑するリゼ。だがココアは。

 

ココア「どうしたの?もしかして、迷子?」

 

自分が迷子だと自覚が無かった。

 

 

 

 

 

 

またまた別れてリゼが学校に向かう。そこに。

 

楽兎「リゼじゃねえか。どうしたんだ?そんな暗い顔して?」

 

途中で楽兎と対面した。タカヒロからコーヒー豆の買い出しを頼まれた為、買い出し最中だった。

 

リゼ「楽兎!私やっと異次元から抜け出せた!」

 

楽兎「おいどうしたんだ!?ってか異次元って何だ?」

 

リゼ「実は・・・」

 

これまでの出来事を楽兎に説明した。

 

楽兎「成る程、要するにココアは自分が迷子だと自覚してないって事になるな。」

 

リゼ「私もう疲れたよ・・・」

 

楽兎「今後俺が悩みの相談に乗ってやるよ。それよりリゼ、学校に行った方が良いぞ?」

 

リゼ「そうだな。じゃあ後でなー。」

 

楽兎「ああ!」

 

こうしてリゼは気分を変えて学校に向かった。楽兎は買い出しへ向かう。

 

 

 

 

 

 

その頃ココアは公園に来ていた。

 

ココア「あ!」

 

すると何かを見つけて駆け寄る。見付けたものは白い野良うさぎだった。

 

ココア「あれは・・・噂に聞く、野良うさぎ!」

 

野良うさぎを抱いて満足する。

 

ココア「もふもふ天国だー!・・・あ!」

 

するとまた何かを見付けた。

 

ココア「栗羊羹!?」

 

今度は栗羊羹だった。その栗羊羹を持ってるのは、和服を着た長い黒髪で大和撫子のような少女だった。その少女は栗羊羹を持って野良うさぎに向けている。

 

少女「おいでー。おいでー。」

 

だが野良うさぎは栗羊羹を食べようとしなかった。

 

少女「食べないわねー、うちの子は食べるのにー。ん?・・・あら?」

 

その時少女は栗羊羹をじっと見るココアに気付いた。

 

少女(うさぎじゃなくて、女の子が食い付いちゃった。)

 

 

 

 

 

 

公園のベンチに座って栗羊羹をココアに差し出す。ココアは栗羊羹を美味しそうに食べてる。

 

少女「ココアちゃん?暖かそうな名前。私は千夜よ。」

 

少女の名前は「宇治松千夜」。

 

ココア「千夜ちゃん!深みを感じる名前だね!この栗羊羹!凄く美味しいね!」

 

千夜「気に入ってくれた?それ私が作ったの。」

 

ココア「和菓子作れるの?」

 

千夜「ええ!それは私の自信作!幾千の夜を行く月。名付けて千夜月!栗を月に見立てた栗羊羹よ!」

 

ココア「何か格好良い!意味分かんないけど!」

 

千夜「私達気が合いそう!それに、私と同じみたいね!」

 

ココア「そうなの?あ!」

 

公園の時計を見ると、9時前になっていた。

 

ココア「入学式遅刻しちゃう!千夜ちゃん!一緒に行こう!」

 

千夜「え?でも今日は・・・」

 

ココア「早く!」

 

千夜を引っ張って走って学校に向かうが、また公園に戻って来た。

 

ココア「あーれれ!?戻って来ちゃった!?」

 

走り疲れたのか千夜が凄くばててる。

 

千夜「ちょ・・・ちょっと待って・・・あのね、うちの学校、入学式は明日なの・・・」

 

ココア「え?」

 

千夜「だから、入学式は明日よ?」

 

すると顔を赤くしたココアが手で顔を隠し、恥ずかしがってその場に縮こまる。

 

ココア「うわー!恥ずかしーー!!!」

 

千夜「面白い子。ココアちゃんが迷わないように、一緒に学校へ下見に行きましょ?」

 

ココア「め!女神様!」

 

 

 

 

 

 

そして千夜がココアと一緒に学校へ下見に来た。

 

千夜「ここが、明日から通う高校よ。」

 

ココア「私の新しい学び舎かぁ。見てるだけでワクワクしてくるよー!ここで青春時代を過ごすのかー。友達と泣いて笑って!時には喧嘩して!」

 

千夜(ああ!ここは中学校だったわ!卒業したの忘れて間違えちゃった。)

 

下見に来たのは中学校だった。これが千夜の鬼畜の始まりだった。

 

 

 

 

 

 

その後、チノは学校を終えて下校する。

 

マヤ「チノー!また明日ー!」

 

メグ「じゃあねー!」

 

 

 

 

 

 

2人と別れて帰宅する。店では、掃き掃除している楽兎とテーブルを拭き掃除しているココアが居た。

 

チノ「ただいま。」

 

ココア「あ!」

 

楽兎「おかえりチノちゃん!」

 

チノ「ココアさん、高校の方はどうでしたか?」

 

ココア「っ!!この町って、可愛い建物が多くて素敵だよねー!」

 

話を誤魔化そうと別の話をするココア。

 

チノ「そうですか。高校はどうでしたか?」

 

ココア「まるで、童話の中の町みたいだね!」

 

チノ「楽兎さん、ココアさんどうかしました?」

 

楽兎「実は、今日入学式だと思って登校したら明日と間違えちゃったって言ってた。」

 

チノ「そうでしたか。」

 

ココア「バラしちゃダメー!」

 

 

 

 

 

 

翌日ココアは高校の入学式を終えて千夜と下校する。

 

ココア「千夜ちゃんと同じクラスになるなんて!」

 

千夜「ココアちゃん、学校でも迷子になっててびっくりしちゃった。」

 

ココア「あ!良い匂いー。」

 

千夜「パン屋さんよ。」

 

パン屋のパンを見る2人。

 

ココア「可愛い!」

 

千夜「パンが?」

 

ココア「実家がパン屋さんで、よく作ってたんだ。また作りたいな〜。」

 

千夜「お手製なの?凄〜い!」

 

ココア「パンを見ていると、私の中のパン魂が高ぶってくるんだよ!」

 

千夜「分かるわー!私も、和菓子を見ているとアイデアが溢れてくるの!」

 

ココア「うんうん!」

 

千夜「でもでも、何より好きなのは・・・出来た和菓子に名前を付ける事!」

 

ココア「格好良い・・・!!」

 

 

 

 

 

 

夕方のラビットハウスでは、ココアがチノにパン作りの話をしていた。

 

チノ「大きいオーブンならありますよ。おじいちゃんが調子乗って買った奴が。」

 

ティッピー「ポ。」

 

顔を赤くして照れるティッピー。

 

楽兎(調子に乗って買ったのかよ爺さんよぉ・・・)

 

ココア「本当!?今度のお休みの日、皆で看板メニュー開発しない?焼きたてパン美味しいよー?」

 

リゼ「話ばっかしてないで仕事しろよ?」

 

するとリゼのお腹が鳴った。

 

ココア「焼きたてって、凄く美味しいんだよ?」

 

リゼ「そんな事分かってる!」

 

またお腹の音が鳴り、リゼが赤面してしまった。

 

楽兎「おいリゼ大丈夫か?」

 

 

 

 

 

 

休みの日、パン作りをする事に。千夜も参加する事になった。

 

ココア「同じクラスの千夜ちゃんだよ。」

 

千夜「今日は宜しくね。」

 

ココア「チノちゃんとリゼちゃん!」

 

チノ「宜しくです。」

 

リゼ「宜しく。」

 

ココア「そしてチノちゃんの従兄の楽兎君。」

 

楽兎「宜しく頼むな。」

 

するとティッピーに目を付けた千夜。

 

千夜「あら?そちらのワンちゃん。」

 

チノ「ワンちゃんじゃないです。」

 

ココア「この子はただの毛玉じゃないよ?」

 

ティッピー「ええ!?」

 

千夜「まぁ、毛玉ちゃん?」

 

ティッピーを優しく撫でる千夜。

 

ココア「もふもふ具合が格別なのー!」

 

千夜「癒しのアイドルもふもふちゃんね。」

 

チノ「ティッピーです。」

 

リゼ(誰かアンゴラうさぎの品種って説明してやれよ。)

 

 

 

 

まずは下準備。

 

リゼ「ココアがパンが作れるなんて意外だったなー。」

 

ココア「えっへへー。」

 

チノ「褒められてないと思います。」

 

ココア「さぁやるよー!皆!パン作りを舐めちゃいけないよ!少しのミスが完成度を左右する戦いなんだからね!」

 

麺棒を持って熱く燃え始めた。

 

リゼ「ココアが珍しく燃えている・・・このオーラ・・・まるで歴戦の戦士のようだ・・・!今日はお前に教官を任せた!宜しく頼むぞ!」

 

ココア「サー!イエッサー!」

 

千夜「私も仲間にー!」

 

敬礼する3人。

 

チノ「暑苦しいです。」

 

ココア「各自、パンに入れたい材料提出ー!」

 

リゼ「イエッサー!」

 

千夜「サ、サー!」

 

楽兎「暑苦しいな。」

チノ「暑苦しいです。」

 

ココア「私は新規開拓に、焼きそばパンならぬ焼うどんパン作るよー!」

 

千夜「私は、自家製の小豆と、梅と海苔を持って来たわ。」

 

チノ「冷蔵庫に、いくらと鮭と納豆にごま昆布がありました。」

 

リゼ「楽兎、これってパン作りだよな?」

 

楽兎「リゼ、お前の言葉は間違ってないぞ?俺とリゼは正常だ。俺ブルーベリージャム持って来た。」

 

リゼが持って来た材料はマーマレードとイチゴジャム。楽兎が持って来た材料はブルーベリージャム。

 

ココア「まずは強力粉とドライイーストを混ぜて。」

 

強力粉とドライイーストを混ぜてボールに入れる。

 

チノ「ドライイーストってパンをふっくらさせるんですよね?」

 

ココア「そうそう!よく知ってるねー。チノちゃん偉い偉い。乾燥した酵母菌なんだよ?」

 

チノ「攻歩菌?あ・・・!!」

 

何かを想像したのかチノが怯える。

 

チノ「そ、そんな危険なものをいれるくらいなら・・・パサパサ感で我慢します・・・!」

 

楽兎「チノちゃん、酵母菌はパンをふっくらさせる為の菌なんだよ。危険な菌じゃないよ。」

 

チノ「そう、でしたか・・・ふぅ・・・」

 

楽兎の説明でホッとするチノ。

 

ココア「はい。ドライイースト。」

 

ボールにドライイーストを入れて、円を書くように捏ねる。その後皆もパンの生地を捏ねる。

 

チノ「パンを捏ねるのって凄く体力がいるんですね?」

 

千夜「腕が・・・もう動かない・・・」

 

左肩を回す千夜。

 

チノ「リゼさんと楽兎さんは平気ですよね?」

 

リゼ「な、何故決めつけた?」

 

楽兎「まあ俺男だし、力仕事は楽勝ってな。」

 

ココア「千夜ちゃん大丈夫?手伝おうか?」

 

千夜「ううん。大丈夫よ。」

 

リゼ「頑張るなー。」

 

千夜「(ココアちゃんの手間を取らせる訳には行かないもの。皆に、付いて行けるって見せなきゃ!)ここで折れたら武士の恥ぜよ!息絶える訳には行かんきん!」

 

楽兎「何故坂本龍馬?」

 

 

 

 

そしてパンの生地が綺麗な丸に仕上がった。

 

ココア「そろそろ良いかな?モチモチしてて凄く可愛い!」

 

千夜「生地が?」

 

楽兎・チノ「凄い愛だ。」

 

生地をボールに入れてラップを掛ける。

 

ココア「1時間程寝かせまーす。」

 

 

 

 

 

 

そして1時間後。生地が大きくなった。麺棒で伸ばしてそれぞれパンに形を作る。形が出来たパンは鉄板に乗せる。

 

千夜「チノちゃんはどんな形にしたの?」

 

チノ「おじいちゃんです。小さい頃から遊んで貰ってたので。」

 

千夜「おじいちゃん子だったのね。」

 

チノ「コーヒーを淹れる姿はとても尊敬してました。」

 

楽兎「チノちゃんはおじいちゃん子だからね。」

 

オーブンにパンを入れる。

 

チノ「ではこれから、おじいちゃんを焼きます。」

 

ティッピー「わーーー!!」

 

楽兎「何か火葬するように聞こえるんだが・・・」

 

ココア「千夜ちゃん、ちょっと良い?」

 

千夜「何?」

 

ココア「じゃじゃーん!千夜ちゃんにお持て成しのラテアート!」

 

うさぎの絵が描かれたラテアートを千夜に見せる。

 

千夜「わぁー!可愛いー!」

 

ココア「今日は会心の出来なんだ!」

 

千夜「味わって頂くわね。」

 

カフェラテを飲もうとするが、ココアが残念がる。千夜がココアを見ると笑顔になり、また飲もうとすると、またココアが残念がる。またココアを見ると笑顔に、今度こそ飲むと。

 

ココア「あぁ・・・傑作が・・・」

 

千夜(の、飲みにくい・・・)

 

やっとカフェラテが飲めた。

 

ココア「チノちゃん、さっきからオーブンに張り付きっぱなしだね。」

 

オーブンの中をじーっと眺めてるチノ。

 

楽兎「興味津々になってるな。」

 

リゼ「そんなに楽しいか?」

 

チノ「どんどん大きくなって来てます!あ!おじいちゃんがココアさんと千夜さんに抜かれました!リゼさんと楽兎さんだけ遅れてます。もっと頑張って下さい。」

 

楽兎「俺に言うなよ。」

リゼ「私に言うなよ。」

 

 

 

 

 

 

そしてそれぞれのパンが焼きあがった。

 

5人「いただきまーす!」

 

パンを試食する。

 

千夜「美味しい!」

 

チノ「ふかふかです。」

 

リゼ「流石焼きたてだなー!」

 

楽兎「匂いも完璧だな!」

 

ココア「これなら看板メニューに出来るね!」

 

千夜「この梅干しパン!」

 

ココア「この焼うどんパン!」

 

チノ「この焦げたおじいちゃん。」

 

リゼ「どれも食欲をそそらないぞ?」

 

楽兎「色々カオス過ぎる。」

 

するとココアがバスケットに入ってあるもう1つのパンを出した。それはティッピーの形をしたパンだった。

 

ココア「じゃーん!ティッピーパンも作ってみたんだ!」

 

千夜「まあ可愛い!」

 

チノ「お・・・」

 

リゼ「看板メニューはこれで行けそうだな。」

 

千夜「食べてみましょう。」

 

ティッピーパンを触るチノ。感触は凄くモチモチしてた。

 

チノ「モチモチしてる。」

 

ココア「えへへー。美味しく出来てると良いんだけど。」

 

5人はティッピーパンを試食する。

 

チノ「ん?」

 

千夜「まあ!」

 

ココア「リゼちゃんが持って来たイチゴジャムだよ?美味しいね!」

 

リゼ「あ、ああ・・・でも・・・何か、エグいな・・・」

 

楽兎「めっちゃ流血してる・・・」

 

齧った瞬間、口と目からジャムがはみ出てる。一見すると流血してるように見えた。これには流石に引いた楽兎とリゼだった。

 

 

 

 

 

 

数日後、ココアとチノとリゼと楽兎はある場所に向かっていた。

 

ココア「この辺りだと思んだけど。」

 

 

 

 

 

 

数日前。

 

千夜『パン作りでお世話になったお礼に、うちの喫茶店に招待するわ。』

 

実は数日前のパン作りで、千夜が言ってた。

 

 

 

 

 

 

ココア「どんな所か楽しみだね!」

 

チノ「何て名前の喫茶店ですか?」

 

ココア「甘うさ、だったかな?」

 

ティッピー「甘うさとな!!」

 

ココア「チノちゃん知ってるの!?」

 

チノ「おじいちゃんの時代に張り合っていたと聞きます。」

 

まだココアは、チノの腹話術だと信じている。

 

リゼ「ここじゃないのか?看板だけやたら渋い。面白い店だな。」

 

そしてその喫茶店に着いた。

 

ココア「俺、兎、甘い?」

 

楽兎「甘兎庵な。昔の看板は右から読んでたんだ。後俺じゃなくて(いおり)と読むんだ。」

 

4人「こんにちはー。」

 

来店すると、そこに和服を着た千夜の姿があった。

 

千夜「あら!皆!いらっしゃい!」

 

ココア「あー!その服、お店の制服だったんだ!初めて会った時もその格好だったよね?」

 

千夜「あれは、お仕事で羊羹をお得意様に配った帰りだったの。」

 

ココア「あの羊羹美味しくて3本行けちゃったよー!」

 

リゼ「3本丸ごと食ったのか?」

 

するとテーブルに座ってる黒いうさぎに目を付けたココア。

 

ココア「うさぎだー!」

 

千夜「看板うさぎのあんこよ。」

 

リゼ「置物かと思ったぞ。」

 

千夜「あんこは、よっぽどの事がないと動かないのよね。」

 

チノが近付く。するとあんこがチノの頭のティッピー目掛けてジャンプした。そしてチノがバランスを崩すが。

 

楽兎「チノちゃん!」

 

後ろに立って転ぶチノを受け止めた楽兎。

 

リゼ「チノ!楽兎!」

 

ココア「チノちゃん!楽兎君!大丈夫!?」

 

楽兎「俺は大丈夫だ。チノちゃんは?」

 

チノ「びっくりしました。」

 

楽兎がチノを立たせる。

 

ティッピー「うわ〜〜〜〜〜〜!!!!」

 

あんこが逃げるティッピーを追い掛け回す。

 

リゼ「縄張り意識が働いたのか?」

 

千夜「いえ、あれは一目惚れしちゃったのね!」

 

チノ「一目惚れ?」

 

千夜「恥ずかしがり屋君だと思ってたのに、あれは本気ね。」

 

ココア「あれ?ティッピーってオスだと思ってた。」

 

チノ「ティッピーはメスですよ?中身は違いますが。」

 

 

 

 

 

 

4人はテーブル席に座る。

 

千夜「私も抹茶でラテアートを作ってみたんだけどどうかしら?」

 

ココア「わー!どんなの?」

 

千夜「ココアちゃんみたいに可愛いのは描けないんだけど、北斎様に憧れていて。」

 

抹茶のラテアートには浮世絵や富士山などの葛飾北斎の作品だった。

 

ココア「浮世絵?」

 

楽兎「葛飾北斎かよ。」

 

千夜「芭蕉様にも憧れていて・・・」

 

もう一つのラテアートには、川柳が書かれていた。

 

楽兎「松尾芭蕉もかよ。しかも風流だな。」

 

千夜「後、はい。お品書きよ。」

 

4人に品書きを差し出し、メニューを見る4人。だが中は。

 

リゼ「煌めく三宝珠、雪原の赤宝石、海に映る月と星々・・・」

 

楽兎「何だこれ?中二病のセリフか?」

 

チノ「?」

 

メニュー名で困惑する楽兎とリゼとチノ。

 

ココア「わー!抹茶パフェも良いし!クリーム餡蜜も白玉も捨て難いなー!」

 

リゼ「分かるのか!?」

 

楽兎「通訳者ここにあり!?」

 

何故かココアはメニュー名が分かるようだ。

 

ココア「じゃあ私!黄金の鯱スペシャルで!」

 

リゼ「よく分からないけど、海に映る月と星々で。」

 

チノ「花の都三つ子の宝石。」

 

楽兎「俺も花の都三つ子の宝石。」

 

千夜「はーい。ちょっと待っててねー。」

 

厨房に向かう千夜。

 

ココア「和服ってお淑やかな感じがして良いね。」

 

リゼ「うん・・・」

 

チノ「着てみたいんですか?」

 

リゼ「いや!そう言う訳じゃ!」

 

ココア「リゼちゃんならきっと似合うよ!」

 

リゼ「そ、そうか?」

 

和服を着た自分を想像するリゼ。

 

ココア「うん!」

 

だがココアは、丁半をしている和服姿のリゼを想像していた。

 

ココア「すっごく格好良い!」

 

リゼ「うんうん!」

 

丁度そこに千夜が戻って来た。

 

千夜「お待ちどうさまー。リゼちゃんは海に映る月と星々ね。」

 

リゼ「白玉栗善哉だったのか。」

 

千夜「チノちゃんと楽兎さんは、花の都三つ子の宝石ね。」

 

チノ「餡蜜にお団子が刺さってます。」

 

楽兎「面白いなこれ。」

 

千夜「ココアちゃんは、黄金の鯱スペシャルね。」

 

ココア「おーー☆」

 

リゼ「鯱がたい焼きって無理がないか?」

 

千夜「さあ!召し上がれー。」

 

4人「頂きます!」

 

黄金の鯱スペシャルを食べるココア。

 

ココア「うーん!美味しい!」

 

海に映る月と星々を食べるリゼ。

 

リゼ「!!」

 

花の都三つ子の宝石を食べるチノと楽兎。

 

チノ「このお団子、桜の風味!」

 

楽兎「抹茶アイスが凄く甘いな!」

 

千夜「あんこは栗羊羹ね。」

 

するとあんこがココアのパフェを見つめる。

 

ココア「どうしたの?」

 

チノ「こっちのを食べたいのでしょうか?」

 

ココア「しょうがないなー、ちょっとだけだよ?その代わり、後でもふもふさせてねー。」

 

1口掬ってあんこに向ける。しかし。

 

ココア「本体まっしぐら!」

 

千夜「あらあら。」

 

パフェ本体にガツガツかぶり付いた。

 

 

 

 

 

 

リゼ「それにしても、この善哉美味しいなー!」

 

チノ「うちもこのくらいやらないとダメですね。」

 

千夜「あ!それなら、ラビットハウスさんとコラボなんてどうかしら?盛り上がると思うの!コーヒー餡蜜とか!」

 

ココア「良いね!タオルやトートバッグなんてどうかな?」

 

チノ「私、マグカップが欲しいです!」

 

リゼ(ん?)

 

千夜(料理の方じゃなくて?)

 

楽兎(グッズの方かよ。)

 

 

 

 

 

 

その後4人は完食した。

 

4人「ごちそうさまでした!」

 

ココア「チノちゃん、あんこには触らないの?」

 

楽兎「チノちゃんはティッピー以外懐かないらしいんだが。」

 

だがチノは勇気を出して恐る恐るあんこに近付く。人差し指であんこの耳を触ると耳がピクンっと反応した。今度はあんこの背中を撫でてから、持ち上げる。顔に近付けた後、見事頭に乗せた。

 

ココア「すごーい!もうこんなに仲良く!」

 

リゼ「頭に乗せなきゃ気が済まないのか!?」

 

楽兎「チノちゃんああやらないと気が済まないらしい。」

 

あんこを頭に乗せたチノはドヤ顔する。

 

 

 

 

 

 

楽兎「じゃあ皆、そろそろお暇するか。」

 

千夜「皆さん、また来て下さいね。」

 

ココア「うん!私の下宿先が千夜ちゃんの家だったら、ここでお手伝いさせて貰ってたんだろうなー。」

 

千夜「今からでも来てくれて良いのよ?従業員は常時募集中だもの!」

 

リゼ「それ良いな!」

 

チノ「同じ喫茶店ですしすぐ慣れますね。」

 

千夜「じゃあ部屋を空けておくから。早速荷物をまとめて来てねー。」

 

楽兎「おい誰か止めてやれよ!!」

 

 

 

 

 

 

店を出た4人。千夜が見送る。

 

ココア「千夜ちゃん!またねー!」

 

チノ「ごちそうさまでした。」

 

リゼ「またなー!」

 

楽兎「今度会おうなー!」

 

そして4人は千夜に見送られながら帰る。

 

ココア「昔はあの店とライバルだったんだね。」

 

チノ「今はそんな事関係無いですけどね。」

 

楽兎「っつかライバルだったとは初耳だな。」

 

ココア「私達もお客さんに満足して貰えるように頑張らなきゃね!」

 

リゼ「だな!」

 

だがこの4人は忘れ物をしていた。チノの頭にはあんこが乗せられたままだった。

 

 

 

 

 

 

そんなティッピーは今、甘兎庵で千夜月を食っていた。

 

ティッピー(何じゃこの栗羊羹!?甘過ぎるわ!甘過ぎ甘過ぎ!美味過ぎ美味過ぎ!甘過ぎ甘過ぎ!)

 

その後なんとかティッピーを持って帰った4人であった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美

        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

ティッピー「食器のスベスベ感が堪らん。わしのこのふわふわのもこもこ感も堪らんものがあるがな。公園に居たら、キャーキャーと。」

タカヒロ「フッ。」

ティッピー「何故笑った!?」

次回『初めて酔った日の事憶えてる?自分の家でキャンプファイヤーしようとしたわよね』

感想や評価など宜しくお願いします。


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3羽「初めて酔った日の事憶えてる?自分の家でキャンプファイヤーしようとしたわよね」

ある日の朝。開店前のラビットハウスではココアとチノがコーヒーを飲み、リゼと楽兎は準備を進めていた。

チノ「美味しい。」

ココア「うん!私もコーヒー大好き!チノちゃんが淹れてくれたコーヒー飲んだから余っちゃったんだよ。何でかな?えへへ〜。」

チノ「でもココアさんは味の違いが分からないじゃないですか。ただのカフェイン中毒ですよ。」

ココア(中毒扱いされた・・・)

苦笑いしながら心の中でそう呟くココア。

リゼ「さぁ!そろそろ開店だぞ!」

ココア「はーい!」

テーブル席から立ってカップを片付けようとするココア。

ココア「ラビットハウスのカップってシンプルだよね。」

チノ「シンプル・イズ・ベストです。」

ココア「もっと色んなのあったら、きっと皆楽しいよ!」

チノ「そうでしょうか?」

ココア「この前面白いカップ見付けたんだ!皆で買いに行かない?」

リゼ「へぇ〜、どんな?」

ココア「えっとねー、ロウソクの炎が揺れて、良い匂いがしてね!」

楽兎「それアロマキャンドルだろ?」

ココア「!!」


後日、4人でカップ専門店に来店した。数多くのカップが陳列されていた。

 

ココア「うわー!可愛いカップがいっぱーい!」

 

多くのカップを見てはしゃぎ回るココア。

 

リゼ「あんまはしゃぐなよ?」

 

その束の間、ココアがバランスを崩して目の前の棚に頭をぶつけた。上に置かれた写真立てが落ちるが、チノが見事キャッチし、倒れそうなココアをリゼが見事受け止め、ガタガタ揺れる棚を楽兎が抑えた。

 

リゼ・チノ・楽兎(予想を裏切らない!)

 

ココア「えへへ〜、ごめんねー。あ!可愛い!」

 

チノが持ってる写真には、カップに入ってるうさぎの写真だった。

 

ココア「ティッピーも入ってみたら、注目度アップだよ!」

 

リゼ「でもそんな大きなカップは無いだろ?」

 

チノ「ありました。」

 

するとチノがティッピーが入りそうなでかいカップを持って来た。

 

リゼ「あるのかよ!!」

 

楽兎「まさかの実在!?」

 

頭に乗せてるティッピーを、でかいカップに入れる。

 

4人「・・・・・」

 

ココア「何か違う。」

 

チノ「ご飯にしか見えないです。」

 

楽兎「腹減ってきたな。」

 

ティッピー「む!?」

 

 

 

 

その後もカップを見て回るココア。

 

ココア「あ!これなんて良いか!あ!」

 

すると誰かの指と重なった。その相手は金髪でカチューシャを着けている少女だった。その少女はリゼと同じ学校の制服を着ていた。

 

チノ「こんなシチュエーション漫画で見た事あります。」

 

リゼ「よく恋愛に発展しそうだな。」

 

するとそんな言葉を聞いたのかココアは何かを期待していた。

 

少女(何か意識されてる!?)

 

楽兎(ココアが恋に堕ちた!?)

 

リゼ「あれ?シャロじゃん。」

 

少女の名前は「桐間紗路」。

 

シャロ「リ!リゼ先輩!?どうしてここに!?」

 

チノ「知り合いですか?」

 

リゼ「私の学校の後輩だよ。ココア達と同い年。」

 

ココア「え?リゼちゃんって年上だったの?」

 

リゼ「今更!?」

 

楽兎「遅!」

 

シャロ「先輩はどうしてここに?」

 

リゼ「バイト先の喫茶店で使うカップを買いに来たんだよ。シャロは何か買ったのか?」

 

シャロ「いえ、私は見てるだけで十分なので。」

 

リゼ「見てるだけ?」

 

シャロ「ええ。この白く、滑らかなフォルム〜。フォハハ〜。」

 

カップを手に取って感動するシャロ。

 

ココア「それは変わった趣味ですな〜。」

 

リゼ「お前が言う!?」

 

楽兎(毎日もふもふしてるココアが言う台詞か!?)

 

チノ「2人は学年が違うのに何時知り合ったんです?」

 

シャロ「それは、私が暴漢に襲われそうになった所を助けてくれたの・・・」

 

ココア「へぇ〜!格好良いな〜!」

 

リゼ「ん?」

 

 

 

 

 

 

シャロの回想では、シャロが人気の無い路地に、暴漢の男2人に囲まれてしまい、諦めようとしたその時。

 

リゼ『伏せろ!』

 

突然リゼが現れて、男達は驚いた。

 

リゼ『この私が!断罪してくれる!』

 

男達にハンドガンの銃口を向ける。

 

 

 

 

 

 

リゼ「違う!そんな事言って無い!本当は!」

 

シャロ「ああ!言っちゃダメです!」

 

 

 

 

 

 

リゼの回想。シャロが路地で立ち止まって怯えていた。目の前に木を咥えた野良うさぎがいた。

 

シャロ(あれは野良うさぎ!?噛まれる!怖い!通れない!)

 

するとそこにたまたまリゼが気付いて。

 

リゼ『ああ、また通行の邪魔してるな?しっし!』

 

野良うさぎは木をその場に吐き捨ててその場を去った。これがシャロとリゼの出会いだった。

 

 

 

 

 

 

リゼ「って訳だよ。」

 

その話を聞いたココアとチノと楽兎がじっとシャロを見る。

 

シャロ「うさぎが怖くてわ!悪い!?あ!」

 

するとカップを持って。

 

シャロ「こ、このティーカップどう?」

 

別の話題をしようとするシャロ。

 

チノ「話を誤魔化そうとしてますね。」

 

シャロ「違うの!ほら見て。この形、香りがよく広がるの。」

 

チノ「へぇ〜、カップにも色々あるんですね。」

 

そしてもう一つのカップを持ってココアに見せる。

 

シャロ「こっちは持ち手の触り心地が工夫されているのよ。」

 

カップの取っ手を触るココア。

 

ココア「あ!気持ち良い!成る程ねー。」

 

リゼ「詳しいんだな!」

 

シャロ「上品な紅茶を飲むには、ティーカップにも拘らなきゃです。」

 

チノ「うちもコーヒーカップには丈夫で良いものを使ってます。」

 

ココア「私のお茶碗は実家から持って来た拘りの一品だよ!」

 

リゼ「何張り合ってるんだ?」

 

楽兎「ああでも、うちコーヒーの店だからカップもコーヒー用じゃないといけないしな。」

 

シャロ「ええ!?そうなんですか!?リゼ先輩のバイト先行ってみたかったのに・・・」

 

ココア「あれ?もしかしてコーヒー苦手?」

 

シャロ「はい・・・」

 

ココア「砂糖とミルクいっぱい入れれば美味しいよ?」

 

シャロ「に、苦いのが嫌いな訳じゃないのよ!」

 

チノ「では何が?」

 

シャロ「・・・カフェインを摂り過ぎると、異常なテンションになるみたいなの。」

 

ココア「コーヒー酔い!?」

 

シャロ「自分じゃよく分からないんだけど・・・」

 

リゼ「飲めなくても良いから遊びに来なよ。」

 

楽兎「そうそう。コーヒー以外でも持て成してやるよ。」

 

シャロ「っ!!はい!!」

 

するとおしゃれなデザインが入ったカップを見付けたココア。

 

ココア「あ!このカップおしゃれだよー?」

 

だが値段を見ると5万円もする高級なカップだった。

 

楽兎「と思ったら高え!」

 

チノ「5万円・・・」

 

シャロ「アンティーク物はそれくらいするわよ。」

 

楽兎「アンティークか。確かに年代物は高いよな。」

 

リゼ「あー、これ・・・」

 

 

 

 

 

 

再びリゼの回想。幼い頃。

 

使用人『え?処分しようとしたんですが、いるんですかお嬢様?』

 

幼いリゼ『うん!』

 

使用人が処分しようとしてたあのカップを欲しいと言った。

 

 

 

 

 

 

リゼ「昔的にして打ち抜いた奴じゃん。」

 

4人「!?」

 

一方ティッピーはカップに入ったまま寝ていた。その後もカップを見て回る5人。

 

ココア「チノちゃん、お揃いのマグカップ買おうよ!」

 

チノ「私物を買いに来たんじゃないですよ?」

 

ココアとチノの楽しい会話を見たリゼが羨ましがっている。

 

シャロ「(先輩が羨ましそうに見てる・・・)・・・あ!!」

 

すると2つの色違いのマグカップを見付けてリゼに見せる。

 

シャロ「これなんて、色違いのセットで、か、可愛くないですか?」

 

リゼ「あー!それ可愛いなー!」

 

片方のうさぎの絵が描かれてるカップを持つリゼ。

 

シャロ(あー!ってようく見たら、恋人用!?)

 

持ってるマグカップはマフラーの絵があり、恋人用のカップだった。

 

リゼ「よーし買うか!シャロに一つあげるよ。」

 

シャロ「あー!ありがとうございます!!」

 

ココア「シャロちゃんって高いカップに詳しくて、お嬢様って感じだね!」

 

シャロ「お嬢様!?」

 

チノ「その制服の学校は秀才とお嬢様が多いと聞きます。」

 

ココア「おまけに美人さんだし完璧だね!」

 

シャロ「そ・・・それリゼ先輩に言いなさいよ!」

 

リゼ「シャロにとっては、このカップも小物同然だろうなー。」

 

シャロ「あ!あなたが言うの!?」

 

仕方なくお嬢様のポーズを取り。

 

シャロ「末代まで家宝にしますけど!」

 

お嬢様口調でセリフを言うシャロ。

 

ココア「お嬢様ポーズだ!本当カップを持つ仕草に気品があるよね!」

 

シャロ「普通に持ってるだけなのに。」

 

チノ「髪もカールしてて風格があります!」

 

シャロ「癖毛なんですけど。」

 

チノ「やっぱりキャビアとか食べるんですか?」

 

シャロ「そ!そう言う事は、リゼ先輩に聞いた方が。」

 

リゼ「うーん、私がよく食べるのはジャンクフード?後レーションのサンプルとか。」

 

ココア「レーション?」

 

楽兎「軍人が食べる携帯軍用食。リゼ、お前レーション食うのかよ。」

 

リゼ「即席で食べられる物って良いよなー!」

 

シャロ「分かります!卵かけご飯とか美味しいですよね!」

 

ココア「きっと卵てキャビアの事だよ!」

 

チノ「うんうん!」

 

楽兎「キャビアはチョウザメの卵を塩漬けにした三代珍味の1つだ。」

 

その時ティッピーの鼻ちょうちんが割れて、ティッピーが目を覚ました。

 

 

 

 

 

 

その後4人はシャロと別れて帰った。シャロの帰り道に千夜と会った。

 

千夜「あらシャロちゃん!おかえりなさい。」

 

暗い顔で帰ってき来たシャロは、千夜の前で悲しそうに縮こまる。

 

シャロ「リゼ先輩に余計なイメージ持たれた・・・後頭に変な生き物も・・・」

 

千夜「ココアちゃん達に会ったのね。」

 

シャロ「絶対内緒よ?」

 

千夜「何が?」

 

シャロ「私がこんな家に!住んでるって言う事よおお!」

 

甘兎庵の隣の物置を指すシャロ。実はあの物置はシャロが住んでる家なのだ。

 

千夜「慎ましやかで良い家だと思うけど?」

 

シャロ「フンだ!」

 

千夜「うふっ♪」

 

 

 

 

 

 

その夜。リゼは部屋でテレビを観て、カップを見ていた。

 

 

 

 

 

 

同じ頃シャロはベッドで横になり、カップを見ていた。そして顔を下にして叫んだ。

 

シャロ「フォアアアアアア!!!」

 

 

 

 

 

 

翌日。千夜が甘兎庵の正面を箒で掃除してると、隣の家からシャロが出て来た。

 

シャロ「行ってきます。」

 

手に持ってるのは、チラシが入った封筒だった。

 

千夜「それは何?」

 

シャロ「今度働くお店のチラシよ?」

 

千夜「私も1枚下さいな。」

 

シャロ「・・・別に良いけど?」

 

千夜にチラシを渡すシャロ。すると千夜がチラシを見て驚いた。

 

千夜「こ・・・これは・・・!」

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスでは、開店前に準備をしていた。するとその時。

 

千夜「シャロちゃんがー!大変なのー!」

 

ココア「何事!?」

 

突然千夜がやって来た。

 

千夜「シャロちゃんが!こんなチラシを持って来て!きっと!如何わしいお店で働いているなど!」

 

チラシにはロップイアーを着けた女性のシルエットと、フルール・ド・ラパンと書かれていた。

 

ココア「なんと!」

 

千夜「怖くて本人に聞けない!」

 

リゼ(フルール・ド・ラパンって、ただの喫茶店じゃ。)

 

コーヒーを千夜に差し出すココア。

 

千夜「どうやってシャロちゃんを止めたら良いの?」

 

ココア「仕事が終わったら皆で見に行かない?」

 

チノ「潜入ですね。」

 

リゼ「潜入!?お前ら!ゴーストになる覚悟はあるのかー!」

 

潜入の言葉を聞いて突然やる気になったリゼ。

 

ココア「ちょっとあるよー!」

 

リゼ「潜入を甘く見るなー!」

 

ココア・千夜「サー!」

 

リゼ「よーし!私に付いて来い!」

 

ココア・千夜「イエッサー!!」

 

チノ「何処に潜入に行くんです?」

 

楽兎「チラシに書いてある喫茶店じゃねえのか?まあそんな事より仕事だ。」

 

 

 

 

 

 

仕事を終えて、フルールを潜入する5人。外から身を潜める。何故か楽兎だけ私服を着ていた。仕事が終わってすぐに着替えたからである。

 

ココア「千夜ちゃんとシャロちゃんって幼馴染みだったんだね。」

 

千夜「そうなの。だから放っておけなくて。」

 

楽兎(幼馴染みか。彼奴ら今頑張ってるだろうな。)

 

リゼ「良いか?慎重に覗くんだぞ?」

 

身長にそーっと店内を覗く。そこに見えたのは。

 

シャロ「いらっしゃいませー!」

 

ロップイアーを着けて制服を着て、笑顔で接客してるシャロの姿があった。

 

シャロ「・・・?・・・何で居るのよー!!」

 

気配をキャッチしたシャロが5人を見付けた。

 

 

 

 

 

 

5人はフルール・ド・ラパンに来店した。

 

シャロ「ここはハーブティーがメインの喫茶店よ。ハーブは色んな効能があるのよ。大体勘違いしたの誰?」

 

ココア「私達、シャロちゃんに会いに来ただけよー?」

 

手を上げてココアが言った。

 

チノ「如何わしいってどう言う意味です?」

 

リゼ「こんな事だろうと思った。」

 

千夜「ん?」

 

全員千夜を見る。しかし千夜は突然シャロの両手を握って。

 

千夜「その制服素敵!」

 

話を逸らした。

 

シャロ(こいつか!)

 

楽兎(千夜の野郎、話を無しにしやがった。)

 

ココア「でもシャロちゃん可愛い!うさ耳似合うー!」

 

シャロ「店長の趣味よ。あ!!」

 

リゼが真顔で見てるのを察したシャロ。

 

シャロ(こんな格好・・・リゼ先輩には見られたくなかった・・・あの目は軽蔑な目よ・・・)

 

だがリゼは、ロップイアーを着けた自分を想像していた。

 

リゼ(ロップイアーも良いかもしれない。)

 

シャロ「そ!それより何で制服なのよ!」

 

ココア・千夜「!!」

 

千夜「つい急いじゃって。」

 

女性客A「店員さーん!注文お願ーい!」

 

女性客B「こっちも頼むわー!」

 

2人の女勢客がココアと千夜に注文をお願いする。

 

ココア・千夜「少々お待ち下さーい!」

 

2人はノリに乗って接客する。

 

シャロ「紛らわしい事やめてよー!」

 

 

 

 

 

 

5人はテーブル席に座る。

 

ココア「せっかくだからお茶してても良いかな?」

 

シャロ「しょうがないわね。」

 

5人にメニューを差し出す。

 

リゼ(ハーブティーの種類ってよく分からないなー。)

 

メニューを見ると、ハーブティーの種類が多い。

 

ココア「やっぱダンデライオンだよね!」

 

チノ「飲んだ事あるんですか?」

 

ココア「ライオンみたいに強くなれるよ!」

 

リゼ「たんぽぽの意味分かってないな?」

 

シャロ「迷うなら、それぞれに合ったハーブティーを私が選んであげる。ココアはリンデンフラワーね。リラックス効果があるわ。」

 

ココア「へぇ〜!」

 

シャロ「千夜はローズマリー。肩こりに効くのよ。」

 

千夜「助かるー。」

 

シャロ「チノちゃんは甘い香りで飲みやすいカモミールはどう?」

 

チノ「子供じゃないです。」

 

シャロ「リゼ先輩は、最近眠れないって言ってましたから、ラベンダーがオススメです!」

 

リゼ「おー!」

 

シャロ「楽兎さんはエゾウコギが合いますね。」

 

楽兎「ああ、疲労回復や運動能力の効果があるハーブティーだな。そいつは助かる。」

 

チノ「あ!ティッピーには腰痛と老眼防止の効果があるものをお願いします。」

 

リゼ「ティッピー、そんな老けてるの!?」

 

ティッピー「ポッ・・・」

 

楽兎「頬染めてる。」

 

ハーブが入ったガラスのティーポットにお湯を入れると赤く染まった。

 

ココア「うわー!赤く染まった!キレーイ!」

 

青色のハーブティーにレモンを入れると一瞬にしてピンク色になった。

 

チノ「こっちはレモンを入れたら色が青からピンクになりました。」

 

千夜「面白いわねー。」

 

するとシャロがクッキーを持って来た。

 

シャロ「あの、ハーブを使ったクッキーはいかがでしょう?私が焼いたんですが。」

 

リゼ「シャロが作ったのか!どれ。」

 

クッキーを一口食べるリゼ。

 

リゼ「美味しい!」

 

シャロ「良かったー。」

 

美味しいと言われて顔を赤くする。

 

ココア(シャロちゃんが真っ赤だー!)

 

千夜(こっちの方が見てて面白ーい。)

 

2人もクッキーを頂く。しかし。

 

ココア「このクッキー甘くない!?」

 

千夜「そんな事ないわよ?」

 

楽兎「あー、それギムネマ・シルヴェスターだな。」

 

ココア「え!?」

 

シャロ「ギムネマとは、砂糖を壊す物の意味!それを飲むと一時的に甘みを感なくなるのよ!」

 

ココア「そ・・・そんな効能が・・・!」

 

千夜「シャロちゃんはダイエットでよく飲んでいたのよね?」

 

シャロ「言うなバカー!」

 

楽兎「千夜って人の秘密を簡単に暴露してるな。(あれ?味覚が無くなってもダイエットにならないんじゃ・・・)」

 

 

 

 

ハーブティーを飲み終えた。

 

千夜「沢山飲んじゃった〜。」

 

ココア「お腹の中で花が咲きそうだよー。」

 

シャロが片付けようとすると。

 

チノ「何かお手伝い出来る事があったら言って下さい。」

 

シャロ「ありがとう。チノちゃん年下なのにしっかりしてるのね。妹に欲しいくらい。」

 

ココア「あ!!」

 

シャロがチノを撫でると嬉しそうな顔をするチノ。

 

ココア「チノちゃんは私の妹だよー!」

 

シャロ「何言ってるの?」

 

チノ「私は楽兎さんの妹です。」

 

楽兎「そうなるな。俺の従妹だからね。」

 

リゼ「仮にもしチノがシャロの妹になったら、楽兎は2人の兄って事になるな。」

 

ココア「うぅ〜・・・」

 

楽兎「確かにそうなるかもな。有能な妹2人が出来たみたいな。」

 

シャロ「3人はリラックス出来ました?」

 

リゼ「確かにリラックスしたけど。」

 

千夜「少し肩が軽くなったような。」

 

楽兎「何か気分が楽になってきたな。」

 

チノ「少し元気になった気がします。」

 

リゼ「流石にプラシーボ効果だろ。」

 

ココア「ねぇシャロちゃん、ハーブティーって自分の家でも作れるの?」

 

シャロ「そうね、自家栽培する人もいるわ。」

 

するとココアが爆睡した。

 

チノ「ココアさんが寝ています。」

 

シャロ「今喋ってたのに。」

 

リゼ「ハーブティー効き過ぎ。」

 

 

 

 

 

 

その後チノと楽兎がラビットハウスに戻って掃除をしてると、ココアが戻って来た。

 

ココア「ハーブティー作ろー!これで出来るかな?」

 

1つの草を持って来た。

 

楽兎「ココアそれ・・・雑草だぞ。」

チノ「ココアさんそれ・・・雑草です。」

 

 

 

 

 

 

ある雨の日、千夜とシャロがラビットハウスに訪れてた。

 

楽兎「雨か。」

 

ココア「こんな天気なのに遊びに来てくれてありがとね。」

 

シャロ「ちょうどバイトもなくなったし。」

 

千夜「でも、私達が来た時は晴れていたのに。」

 

シャロ「誰かの日頃の行いのせいね。」

 

ココア「シャロちゃんが来るなんて珍しい事なんてあったのかな?」

 

シャロ「あえ!?」

 

丁度リゼがコーヒーを持って来た。

 

リゼ「お待たせ。コーヒー苦手なのに大丈夫か?」

 

シャロ「す、少しなら平気です。」

 

コーヒーを手に取るシャロ。

 

シャロ(先輩が淹れてくれたコーヒーだもの。)

 

 

 

 

 

 

すると一瞬に全部飲み切ってハイテンションになってしまった。

 

シャロ「皆ー!今日は!私と遊んでくれてあっりがとー!イッエーイ☆」

 

ココア「時間が空いたら何時でも来てね。」

 

シャロ「良いの?行く行くー!あ!」

 

するとチノに抱き付いてもふもふする。

 

シャロ「チノちゃんふわふわー!!」

 

リゼ(ココアが2人になったみたいだ・・・)

 

楽兎(もし妹になって酔ったら苦労しそう・・・)

 

 

 

 

その後外の雨が段々激しくなってきた。

 

ココア「雨が強くなってきたね。」

 

チノ「風もです。」

 

楽兎「最早豪雨だな。」

 

リゼ「迎えを呼ぶから、家まで送ってやるよ。」

 

千夜「はっ!!」

 

すると千夜は以前シャロが言った事を思い出す。

 

 

 

シャロ『家バレしたくなーい!』

 

 

 

千夜「いえ!私が連れて帰るわ!」

 

シャロを背負って帰る。

 

 

 

 

だがすぐ倒れてしまった。

 

ココア「千夜ちゃーーーーん!!!」

 

楽兎「明日土曜で休みだから泊まらせよう。」

 

 

 

 

その後2人をバスルームへ案内する。

 

チノ「お2人は先にお風呂どうぞ。」

 

千夜「ありがとう。」

 

リゼ「私まで泊まって良かったのか?」

 

ココア「リゼちゃん、お泊まり緊張してる?」

 

リゼ「い、いや〜、ワイルドなキャンプしか経験した事ないから、こんなの初めてで・・・」

 

ココア「ワイルド?」

 

 

 

 

 

 

その後4人はチノの部屋に入った。

 

リゼ「チノの部屋って、チノって感じだよな。」

 

ココア「あ!!」

 

楽兎「え」

 

するとココアがチノの学校の制服を見付けて試着した。楽兎は部屋から出た。

 

ココア「じゃーん!チノちゃんの制服着てみたよ!」

 

着替え終えたと同時に楽兎が入って来た。

 

楽兎「うわっ、違和感何処行った?」

 

リゼ「そのまま中学校行っても、違和感無くて心配だな。」

 

ココア「本当!?ちょっと行って来る!」

 

チノ「待って下さい。外は大雨です!」

 

楽兎・リゼ「そう言う問題じゃない!」

 

 

 

 

 

 

その頃千夜とシャロは風呂で体の疲れを癒していた。

 

千夜「はぁ〜。リゼちゃん達とお泊まり出来て良かったねー。」

 

シャロ「別に良くないし。」

 

千夜「本当は皆と会いたかったのよね?」

 

シャロ「会いたくないし。」

 

千夜「シャロちゃん本当は楽しくないのね?」

 

シャロ「楽しくなくないし・・・って、ん?」

 

千夜「チノちゃんギューしたらふわふわよね?」

 

シャロ「ん?そんなココアみたいな事したら迷惑じゃない。」

 

千夜「うふふっ♪」

 

今まで自分がやってきた事にシャロは覚えていない。

 

 

 

 

2人が浴室から上がって、チノから借りたパジャマに着替えた。

 

シャロ「チノちゃんにパジャマ借りたのは良いけど、ちょっと可愛過ぎない?」

 

千夜「本物のお嬢様みたい。」

 

シャロ「何時もはジャージなのに。」

 

2人がチノの部屋に向かってる途中、チノの部屋の前で待ってる楽兎を見付けた。

 

楽兎「ようお2人さん。サッパリしたか?」

 

千夜「あら楽兎さん。」

 

楽兎「お、シャロ!チノちゃんのパジャマ似合ってるじゃん。可愛い可愛い。」

 

シャロ「いえ、私はそんな可愛くは・・・」

 

楽兎「否定すんなよ。俺が言うから間違いない。」

 

シャロ「そ、そうですか・・・?」

 

楽兎「ああ。自分に自信を持てば自分でも可愛いと思えるぞ?」

 

シャロ「あ、ありがとうございます・・・」

 

すると部屋の中からノックが聞こえた。

 

楽兎「お、やっとか。じゃあ入ろっか。」

 

ノックの合図で部屋に入る3人。

 

シャロ(リゼ先輩に笑われたりしたらどうしよう・・・)

 

するとシャロが見たのは、チノの制服姿のリゼだった。

 

リゼ「なっ!?」

 

楽兎「ワオ。違和感皆無。」

 

恥ずかしくなったリゼがカーテンに隠れる。

 

リゼ「これは違う!じゃんけんで負けて!!」

 

シャロ「フォアアアアアア!!」

 

リゼを見たシャロが目をキラキラさせる。

 

ココア「じゃあチノちゃん、お風呂行こ?」

 

チノ「はい。」

 

リゼ「お!おい!!」

 

ココアとチノがリゼそっちのけで浴室に向かう。

 

 

 

 

その後制服姿のリゼを見てまだ目をキラキラさせてるシャロと、ボトルシップを見る楽兎。すると浴室から2人が上がった。

 

ココア「上がったよー!」

 

チノ「まだやってたんですか?」

 

楽兎「着させたのはどっち?」

 

リゼ「じ、じゃあお風呂に行って来る。ん?なんかココアの匂いがするぞ?」

 

ココア「えっへへー!私の匂いって何ー?」

 

リゼ「飲む方のだよ!」

 

入浴剤の袋を見せた。

 

ココア「ぱーん!入浴剤でした!これでリゼちゃんも甘い匂いに。」

 

リゼ「余計な事を。」

 

 

 

 

 

 

風呂に入るリゼ。満足に浸かっていた。

 

リゼ「悔しいが悪くない。」

 

 

 

 

 

 

最後に楽兎が躊躇いながら風呂に入る。

 

楽兎「何か、女の子が入った後に俺が入ったら犯罪な気がするんだが・・・」

 

 

 

 

 

 

その後楽兎が風呂から上がって、全員がチノの部屋でコーヒーを飲む。

 

ココア「何か一気に賑やかになったね。」

 

千夜「こんな機会だから、皆の心に秘めてることを聞きたいんだけど。」

 

シャロ(これは好きな人を暴露する流れ・・・ちょっと待ってヤダヤダ、心の準備が・・・)

 

千夜「飛びっ切りの怪談を教えて。」

 

シャロ(恋をしたような瞳で言うな!)

 

楽兎「あざと気に言うなよ。」

 

チノ「怪談ならうちのお店にありますよ。」

 

ココア「うー!」

 

リゼ「そうなのか?」

 

楽兎「初耳だぞ?」

 

怖がるココアはリゼに抱き付く。

 

チノ「リゼさんとココアさんと楽兎さんはここで働いてますけど、落ち着いて聞いて下さい。」

 

リゼ「ゴクリ・・・」

 

チノ「この喫茶店は夜になると・・・」

 

4人「キャーーーー!!!」

 

突然雷が鳴り、4人の少女達が悲鳴を上げた。楽兎はビクッとした。

 

チノ「目撃情報が沢山あるんです。父も私も目撃しました。」

 

ココア「そ・・・それは・・・」

 

チノ「暗闇に光る目・・・ふわふわで小さく・・・白い物体!」

 

リゼ(一生懸命怖がらせようとしてるけど・・・)

 

楽兎(どうしよう・・・チノちゃんの夢を壊せない・・・)

 

千夜「コホンッ。とっておきの話があるの。切り裂きラビットって言う実話なんだけど。」

 

突然デカい雷が鳴ったと同時に部屋が停電した。

 

シャロ「て、停電!?」

 

楽兎「タカヒロさんは大丈夫なのか?」

 

チノ「落ち着いて下さい。こんな時の為に。」

 

ライターの火を点けて、ロウソクに火を灯した。

 

リゼ「よりによってロウソクか!」

 

楽兎「逆に怖えよ・・・」

 

千夜「盛り上がって来ちゃった・・・」

 

 

 

怪談話・切り裂きラビット。

 

千夜「昔ある喫茶店に一匹のうさぎが居ました。そのうさぎの周囲では次々と殺人事件が・・!」

 

それと同時に雷が再び鳴った。

 

楽兎「うおっ!?」

 

4人「キャーーー!!」

 

千夜「と言う訳なの。お終い。さぁ、怪談はこれくらいにして、もう寝ましょ?」

 

ココア「ぜ・・・絶対取り憑かれる・・・・」

 

ココアとシャロは絶望的に怖がっていた。

 

楽兎(皆可哀想な気がするな。)

 

 

 

 

 

 

その夜、全員が寝静まった時間に、シャロが起きた。

 

シャロ「トイレ・・・」

 

ぬいぐるみを抱いてロウソクを点けてトイレに向かう為ドアを開けると。

 

シャロ「きゃあああ!!」

 

楽兎「え!?シャロ?」

 

シャロ「え・・・?楽兎、さん・・・?ど、どうしたんですか・・・?」

 

目の前に立っていたのは幽霊ではなく楽兎だった。

 

楽兎「いやぁ〜、トイレの帰りだったんだ。シャロもあれか?トイレか?」

 

シャロ「は、はい・・・」

 

楽兎「どうした?」

 

シャロ「あ、あの・・・」

 

怯えるシャロに、楽兎が笑顔で撫でる。

 

シャロ「え?」

 

楽兎「怖いなら俺が付いてってやるよ。1人より2人の方がマシだろ?」

 

シャロ「あ、ありがとうございます・・・」

 

2人はトイレに向かう。

 

楽兎「さっきは驚かせてごめんな。」

 

シャロ「いえ、大丈夫です・・・」

 

すると不可思議な音が響いた。

 

シャロ「っ!!!・・・もう・・・千夜のせいで怖くなったじゃない・・・」

 

楽兎「よくあるよな。怖いものや怖い話聞いたら眠れないって。おまけにトイレすら行けないのは辛い。」

 

するとシャロが足に何かをぶつけた。

 

シャロ「キャーーーー!!!」

 

楽兎「どうしたシャロ!?」

 

シャロ「何かがぶつかって・・・!」

 

楽兎「ぶつかった?って、リゼ!?」

 

ぶつかった正体を照らすと、体育座りしてるリゼが居た。

 

シャロ「リゼ先輩!?」

 

楽兎「お前何してんの?」

 

リゼ「ロ・・・ロウソクの火が消えて、動けなくなった・・・訳じゃないぞ・・・?」

 

楽兎「そう言いながら怯えてるじゃねえか。」

 

シャロ「一緒に行きましょ?」

 

リゼ「そ、そうだな・・・」

 

震えながらリゼが同行しようとしたその時、また雷が鳴った。

 

リゼ・シャロ「キャーーーーー!!!」

 

2人は雷にびっくりしてお互い抱き合う。

 

シャロ(はぁー、雷様〜〜!)

 

楽兎(キ、キマシタワー・・・)

 

 

 

 

 

 

その後トイレに行って部屋に戻った3人はまた寝た。そして満開の朝になり、早起きしたチノがカーテンを開ける。

 

楽兎「ん?おはようチノちゃん。」

 

カーテンが開いたと同時に楽兎が起きた。

 

チノ「おはようございます楽兎さん。」

 

続いて千夜が起きた。

 

千夜「おはようチノちゃん。」

 

チノ「おはようございます。」

 

続いてシャロが起きた。

 

シャロ「おはよう・・・」

 

千夜「シャロちゃん、寝言で今日は特売なのーーんぐ!!??」

 

話してる途中にシャロが口封じした。

 

シャロ「そそそ!そんな事言っててもここで言うな!!」

 

続いてリゼも起きた。リゼが横をみると、ドアの前で寝ているココアが居た。

 

リゼ「何であんな場所に?」

 

チノ「匍匐前進の夢でも見ているのでしょう。」

 

楽兎「あの体勢結構痛いぞ。」

 

とても幸せそうな顔で夢を見てるココアであった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼

     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨
        部下:茂木たかまさ
       女性客A:葉山いくみ
       女性客B:板野清夏

ティッピー「好き嫌いなく何でも食べてればチノもわしのようにふわふわのもこもこに。」

タカヒロ「親父の場合、ふわふわなのかデブデブなのか。」

ティッピー「なぬ!?」

次回「ラッキーアイテムは野菜と罪と罰」

感想や評価など宜しくお願いします。


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4羽「ラッキーアイテムは野菜と罪と罰」

ある朝のラビットハウス。ココアとチノは朝食を食べていた。目玉焼きやサラダ、更にパンまでもあった。ココアはクロワッサンを堪能していた。朝食は楽兎とタカヒロが作っていた。するとココアはある物を見て嫌がっていた。それは自分が嫌いなトマトジュースだった。同じくチノもある物を見た。それは、嫌いなセロリだった。






その後2人は登校する。

ココア「チノちゃん、好き嫌いせずにセロリも食べなきゃダメだよ?」

チノ「そう言うココアさんだってトマトジュース一口も飲んでませんでしたよ?」

ココア「えへへ〜。でも私より、チノちゃんの方が好き嫌い多いよ?我慢して食べなきゃ大きくなれないよ?」

チノ「心配はいらないです。ココアさんと同じ年の頃には私の方が高くなってます。」

ココア「そっか〜。あ!でもチノちゃんって、毎日ティッピーを頭に乗せてるよね?それで身長伸びるのかな?」

チノ「はっ!!」

ココアの言葉で察したチノだった。


チノが学校に到着して下駄箱の方へ向かうと、クラスメートのマヤとメグが居た。

 

マヤ「おっはよーチノ!」

 

メグ「おはよーチノちゃん。」

 

チノ「マヤさん、メグさん。」

 

2人「ん?」

 

チノはマヤとメグを見て、2人の真ん中に立ってまた2人を見る。チノの行動に首を傾げる2人。するとチノは安心したのかホッコリとした表情を見せた。

 

メグ「そんなに休み中私達に会いたかったの?」

 

マヤ「照れるじゃーん!」

 

 

 

 

 

 

昼休み。チノはマヤとメグの3人で弁当を食べる。チノが弁当箱の蓋を開けると、可愛いうさぎの形をしたご飯が盛られていた。因みにこのうさぎはタカヒロの自信作だった。

 

マヤ・メグ「可愛いー!」

 

するとチノはセロリを見て、箸で掴む。マヤとメグはゴクリと喉を鳴らす。

 

チノ「頂きます・・・」

 

マヤ「お!チノが!」

 

勇気を出してセロリ1本食べる。

 

メグ「セロリ食べてる!」

 

そして頑張ってセロリをゴックンと飲む。

 

チノ「好き嫌いを克服すれば少しは身長が伸びると思って。」

 

マヤ「沢山食べて沢山寝なきゃね!」

 

メグ「チノちゃん偉い!」

 

マヤ「うちの親も、夜更かしするとチビのままだぞ!ってうるさくてさー。」

 

チノ「よく寝る人なら身近にいますけど。」

 

メグ「あ!あのチノちゃんの喫茶店に居るスタイル良い人?」

 

リゼを思い浮かぶ。

 

マヤ「寝ると育つってやっぱ本当なんだなー。」

 

チノは頭の中で想像した。

 

リゼ『ふぁー・・・寝不足・・・』

 

ココア『今日はお昼ね日和だよ・・・』

 

シャロ『カフェインはダメなの・・・』

 

左からシャロ、ココア、リゼと背の低い順に並んでいた。

 

チノ「そうとは限りませんよ。」

 

メグ「あれ〜?」

 

マヤ「じゃあ、寝る以外の方法だと・・・あ!ジャンプすると伸びるって聞いたよ!」

 

メグ「バナナも良いって言うよね!」

 

チノ(ジャンプ、バナナ。)

 

 

 

 

 

 

帰り道の時。

 

チノ「ジャンプ・・・」

 

人が居ない事を確認したチノは、スキップする。それを千夜が気付かれないように後ろから見ていた。

 

千夜(楽しい事があったのかな?ほほえま〜。)

 

だが千夜は勘違いしていた。

 

するとチノは途中でスキップを止めた。

 

チノ(スキップじゃ効果が薄いかな?赤い石畳の所をジャンプして渡って帰ろう!)

 

そして赤い石畳だけ着地しながらジャンプして渡る。するとチノの横にうさぎが現れた。チノはうさぎを見て目をキラキラさせたが、目の前の電柱に頭をぶつけてしまって、頭を抑える。

 

千夜(チノちゃんが暑さのせいで・・・暑さのせいでーーー!!)

 

またもや千夜は勘違いしていた。

 

 

 

 

 

 

その後帰る途中にチノが、スーパーを見付けた。

 

チノ「バナナ・・・」

 

バナナを買う為来店するチノ。スーパーの中に見覚えのある少女を見付けた。シャロだった。彼女は何かを呟いていた。

 

シャロ「タイムセールまで後10分だから、それまでにもやしと・・・あー、後魚が割引だったわね、玉ねぎ3玉100円に、キャベツ半分で50円、これで1150円だから・・・よし!1500円以内におさまりそうね!」

 

チノ「シャロさん?」

 

シャロ「ヒイッ!?」

 

チノ「うわっ!?」

 

突然声を掛けられてシャロがびっくりして、シャロの反応でチノもびっくりした。その後2人は買い物をする。

 

チノ「シャロさんみたいなお嬢様でも、スーパーに来るんですね?」

 

シャロ「え?えぇ、まあ・・・(どうしよう・・・タイムセールまで時間が・・・)」

 

チノ「どうかしたんですか?」

 

シャロ「ん?(いけない、何とか誤魔化さなきゃ!)え、えっとー・・・あ!あれ!あれが欲しいんだけど、ギリギリ手が届かなくて・・・」

 

チノ「お互い苦労しますね。」

 

誤魔化す作戦として、すぐ横の商品棚の上を見付けて取ろうとするが、手が届かない。シャロとチノがその商品を取ろうと何回もジャンプするがギリギリまだ届かない。そんな2人を偶々リゼが見付けた。

 

リゼ(何だあれは!新しい訓練か?)

 

訓練だとリゼが勘違いしてる。シャロとチノは何回もジャンプして取ろうとするが全然届かない。そこにリゼが上の商品を取ってシャロに差し出した。

 

リゼ「ほら。」

 

シャロ「リ、リゼ先輩・・・!!」

 

チノ「リゼさん奇遇です。」

 

リゼ「外から訓練してるのが見えたから、サバイバルを想定した訓練か?」

 

チノ「ただの買い物ですよ。」

 

一方シャロはリゼから受け取った理由で満足な表情をしていた。

 

シャロ(背が小さくて良かったー!)

 

持ってるのは高級なすっぽん汁だった。

 

リゼ「すっぽん汁とは、渋いな・・・」

 

これは流石のリゼも少し引いた。

 

 

 

 

 

 

その後帰ってきたココアとチノの為に楽兎がキッチンでお互い苦手な物を取り出した。

 

楽兎「チノちゃん、セロリバーガーだ。ココアはトマトジュース。」

 

2人は苦手な物を持つ。

 

ココア「一緒に克服しよう!チノちゃん!」

 

チノ「はい!」

 

楽兎「頑張れ!」

 

2人「せーの!」

 

同時にセロリパンとトマトジュースを口に入れる。だがしかし。克服出来なかった。

 

楽兎「ダメか・・・」

 

 

 

 

 

 

その後店に顔を出した。

 

リゼ「ど、どうした!?誰にやられた!?」

 

ココア「トマトジュース・・・」

 

チノ「セロリ・・・」

 

リゼ「野菜?」

 

楽兎「そう。」

 

チノ「好き嫌いを克服しようとしてたんです・・・何でも食べないと大きくなれませんから。」

 

リゼ「チノは大きくなりたいのか?」

 

チノはその言葉に頷く。

 

リゼ「そうか。」

 

楽兎「そうだ!」

 

そこで楽兎が思い付いた。

 

楽兎「チノちゃんが大きく声を出せば、チノちゃんの存在が上昇するかもしれないぞ?」

 

チノ「錯覚ですか?」

 

楽兎「じゃあ俺が言った後に続いて言ってみて。行くよ?いらっしゃいませ!」

 

チノ「い、いらっしゃませ・・・」

 

楽兎「チノちゃん、声が小さいよ?頑張って!」

 

発生練習の繰り返しをしてる途中に、お客様が戸惑っていた。

 

楽兎「あっはは、いらっしゃいませ・・・ヤバい・・・俺恥かしい・・・!」

 

 

 

 

 

 

夕方・女子更衣室。

 

チノ「やっぱり地道に頑張ります。」

 

ココア「頑張って好き嫌い克服しようね!」

 

チノ「沢山食べて沢山寝て、最低でもココアさんより大きくなります!」

 

リゼ「そうしたら、ココアはもふもふする側じゃなくて、される側だな。」

 

ココア「それでも良いかも!」

 

チノ「あ、私抱き付いたりしなので大丈夫です。」

 

その言葉を聞いたココアはショックした。

 

ココア「チノちゃんは大きくなっちゃダメー!食べちゃダメー!寝ちゃダメー!」

 

無理矢理チノの身長を縮めようとココアがチノの頭を押し込む。それをリゼが止めた。

 

リゼ「何無茶言ってるんだ?」

 

ココアは泣き顔で悲しむ。すると自分の携帯が光ってる事に気付いた。携帯を見ると、千夜からのメールが着信されていた。

 

ココア「千夜ちゃんからメールだ。」

 

メールを見ると『チノちゃん夏バテみたいなの!ちゃんと栄養と睡眠とらせてあげて!(○>_<○)』と書かれていた。あの時の事を勘違いしている千夜だった。

 

ココア「チノちゃん!栄養摂って!いっぱい寝なきゃダメー!」

 

チノ「どっちですか?」

 

 

 

 

 

 

別の日のラビットハウス。チノがカップを見ながらお客様と会話をしている。

 

ココア「チノちゃん何してるのかな?」

 

楽兎「コーヒー占いだ。チノちゃんの占いはよく当たると評判なんだ。」

 

ココア「ほほーう?お天気占いでよく当たる私と張り合うとは、中々やるね!」

 

リゼ「何で勝負になってるんだ?」

 

その後チノにやり方を聞く事にした。

 

ココア「さっきのコーヒー占いってどうやるの?」

 

チノ「やり方自体は簡単ですよ。まずコーヒーを飲み干します。次にカップを逆さにしてソーサーに被せます。そうやってカップの底に出来たコーヒーの模様で、運勢を占うんです。これがコーヒー占いこと、カフェドマンシーです。おじいちゃんのカフェドマンシーは当たり過ぎて怖いって有名でした。私はカプチーノしか当たりませんが・・・」

 

楽兎「それでもチノちゃん十分凄いぞ?」

 

ココア「うー!私もやってみたい!」

 

と言う訳でココア達も挑戦する事に。ティッピーもコーヒーを飲んでる。飲み干した後ココアがカップの底を見る。

 

ティッピー「よっこらしょっと。」

 

ジャンプしてチノの頭に乗るティッピー。

 

ココア「チノちゃんは・・・空からうさぎが降ってくる模様が浮かんで来たよ!」

 

チノ「そうは見えませんが・・・本当だったら素敵ですね。」

 

ココア「リゼちゃんは・・・コインが沢山見える!金運がアップするのかな?」

 

リゼ「おー!欲しかった物が買えるのかな?」

 

ココア「楽兎君は・・・周りの女の子達に誘われ続けるのが見える!」

 

楽兎「逆ナンかよ!?あんま嬉しくないな・・・」

 

ココア「ティッピーは・・・セクシーな格好で、皆の視線を釘付けだよ!」

 

するとティッピーが突然やる気に。

 

ココア「あれ?ティッピーどうしたの?」

 

チノ「ティッピーも占いたいみたいです。」

 

ココア「おお!どっちが当たるか勝負だね!」

 

そしてティッピーもカフェドマンシーで占う事に。

 

ティッピー「ココアの明日の運勢は・・・雨模様!と言うより、水玉模様!正直外出しないのが吉じゃ。」

 

ココア「だって。」

 

リゼ「いや、お前の運勢だから。」

 

ティッピー「では、リゼの運勢も。おー!リゼは将来器量のある良き嫁になるじゃろう!」

 

リゼ「私が?まさかー!」

 

ティッピー「昨日は夕食後ティラミス一つじゃ足りず、キッチンに侵入した。」

 

何故バレた!?みたいな表情でびっくりしたリゼ。

 

ティッピー「実は甘えたがり、褒めると調子に乗りよる。適当に流すのが無難。ギャーーーーー!!!!」

 

我慢出来ずにティッピーに強い1発チョップした。

 

リゼ「この毛玉めー!ただの性格診断じゃないかー!」

 

ココア「当たってるんだ・・・」

 

ティッピー「次は楽兎の運勢も。んー・・・お主は何れ、1人の女性から可愛がられるじゃろう?」

 

楽兎「また逆ナン的な!?俺ちっとも嬉しくねえよ・・・」

 

チノ「楽兎さん、何で嬉しくないんですか?」

 

楽兎「実は、俺ガキの頃からよく年上の女の子達に追い掛け回されたのがトラウマなんだ。追い掛け回す女の子曰く「理想のイケメン弟!」ってよく・・・」

 

チノ「それは気の毒ですね。」

 

 

 

 

 

 

後日、ココアの学校では。

 

生徒A「もうすぐテストだねー。」

 

生徒B「全然勉強してないよー。」

 

もうすぐテストが始まるのだった。

 

千夜「カフェドマンサー?それってネクロマンサー的な?」

 

カフェドマンシーを千夜に教えるが、マンシーをマンサーと間違えてた。

 

ココア「千夜ちゃんって、どうしてそう言う知識が豊富なの?違うよ。カフェドマンシー。」

 

千夜「ごめんなさい。あ!占いと言えば、私、手相なら見られるの。」

 

ココア「本当?見て見て!」

 

自分の手相を千夜に見せる。ココアの手相を見る千夜。

 

千夜「ココアちゃんには、魔性が秘めた相があるわ。」

 

ココア「魔性!?」

 

千夜「・・・・・・・・実は私にもあるの!」

 

ココア「お揃いだねー!」

 

生徒2人「魔性?」

 

 

 

 

 

 

昼になり、外で弁当を食べる2人。

 

千夜「そのお弁当、美味しそうね。」

 

ココア「本当?今日はねー、自分で作ったんだけど自信作なんだ。特にこの卵焼きの焼きかげっ!!??」

 

突然空からあんこが降って来て、ココアの弁当箱にジャストミートした。

 

千夜「あらあらー。」

 

あんこをどかすが、ココアの弁当がぐちゃぐちゃになってしまった。

 

 

 

 

 

 

その後コロッケパンを買ったココア。

 

千夜「ごめんねココアちゃん、あんこったら、よくカラスに攫われるの。」

 

ココア「良いの良いの!この学校のコロッケパン、食べてみたかったんだー!」

 

食べようとしたその時。

 

千夜「ココアちゃん!!」

 

突然千夜がココアのスカートを掴んだ。落ちそうになったコロッケパンをココアが見事キャッチした。

 

千夜「コ、ココアちゃん・・・パン、パン、パン・・・・」

 

ココア「パンならキャッチ出来たよ?」

 

千夜「違うの!多分・・・昼休み前にトイレに行った時から、コ、ココアちゃんの水玉が・・・!」

 

ココア「はっ!」

 

ショックしたココアはコロッケパンを落としてしまった。もう食べられない。

 

 

 

 

 

 

その後何も食べてないココアは千夜と下校する。ココアはあんこを抱いてる。

 

ココア「何だか今日は付いてない気がする・・・」

 

千夜「そんな日もあるわよ。」

 

すると。上から水が入ったジョウロが降ってきて、ココアがその水に濡れてしまった。

 

女性「ごめんなさい!手が滑ってジョウロが!」

 

千夜「コ、ココアちゃん・・・?」

 

だがココアは笑顔になっていた。

 

ココア「あんこが濡れなくて良かった!」

 

千夜「ココアちゃん・・・!!」

 

ハンカチでココアの頭を拭く。

 

ココア「千夜ちゃんありがとう。」

 

千夜「ううん、こちらこそ。お礼と言ってはなんだけど、シャロちゃんの喫茶店に寄って行かない?ご馳走するから。」

 

ココア「ええ?良いの?やったー!」

 

 

 

 

 

 

フルール・ド・ラパンに来店したココアと千夜。しかしシャロが。

 

シャロ「なんてもの連れて来てるのよ!!やめてー!!こっち来ないでー!!

 

ココアを見て怖がっていた。

 

ココア「ガーン・・・私、そんな不幸オーラ出てたんだ・・・」

 

千夜「シャロちゃん、小さい頃、あんこによく齧られて以来ちょっと恐怖症で。」

 

ココア「なんだ・・・あんこの方か。」

 

怖がっていたのはココアではなく、ココアの頭に乗ってるあんこの方だった。するとあんこがシャロに飛び付いた。シャロがクルクル回ってパニック状態になってしまった。

 

ココア「ちょっとってレベルじゃないよ!?」

 

その後あんこに慣れたシャロは、ココアにロールケーキを差し出した。

 

シャロ「お待ちどうさま。」

 

ココア「わーい!」

 

やっと食べられるとココアがロールケーキを美味しそうに食べる。あんこはシャロのロップイアーを齧っていた。

 

シャロ「こいつが来るなんて、今日は付いてない!」

 

付いてないの言葉を聞いたココアは、トラウマを思い出したのか表情が暗くなった。

 

ココア「付いて・・・ない・・・」

 

千夜「せっかくココアちゃんが忘れていたのに、付いてないなんて言っちゃダメ!」

 

シャロ「え!?(よく分からないけど、面倒臭い・・・)。」

 

やっと食べ切れたココア。千夜が奢り、シャロがお釣りを渡す。

 

シャロ「はいお釣り。ん!?な、何よ?」

 

すると千夜がシャロの手相を見る。

 

千夜「シャロちゃんの手相も見てあげる。えーっと・・・片思い中で、しかも全く相手に通じない相があるわ。障害だらけのそうね。後、金運がひ・・・」

 

シャロ「これ以上言うなバカーー!!」

 

千夜「クシュン!!」

 

ココア「わ!?」

 

シャロが痺れを切らせ、お釣りをシャロに投げるが、タイミング良くくしゃみが出て避けた。投げたお釣りは後ろのココアにヒットした。

 

シャロ「あ!!ごめんココア!!」

 

 

 

 

 

 

その後ラビットハウスに帰ったココア。

 

ココア「チノちゃん!リゼちゃん!楽兎君!今日は私の占い当たってた?」

 

リゼ「え?」

 

3人「・・・」

 

リゼ「いや、別に何もなかったけど?」

 

ココア「そっかー・・・私、あんこが上から降ってきたり、スカートめくれちゃったり、シャロちゃんにお金ぶつけられちゃったりして大変だったよー。占い勝負はティッピーの勝ちだね。って、どうしたの?」

 

リゼ「今後、占いは止めた方が良いぞ?」

 

楽兎「そうだ。自分の為にな。」

 

ココア「何で!?」

 

 

 

 

 

 

数日後。リゼを除いたココア達5人は図書館に訪れた。

 

ココア「わー!この図書館大きいねー!」

 

シャロ「何処に連れて行かれるのかと思ったら。」

 

千夜「あの辺で良いかしら。」

 

ココア「うんうん!眺めも良いし!」

 

 

 

 

 

 

景色が見える窓際のテーブルに座る5人。

 

チノ「勉強しに来たんじゃないんですか?」

 

楽兎「もうテストの時期か。」

 

シャロ「チノちゃんはどうして図書館に?」

 

チノ「小さい頃に読んだ本をもう1度読みたくて。でもタイトルが思い出せないんです。」

 

楽兎「内容は覚えてるの?」

 

チノ「えっと・・・正義のヒーローになりたかったうさぎが、悪いうさぎを懲らしめるんですが、関係ないうさぎまで巻き込んで大変な事になってしまうんです。更に主人公を追ううさぎまで現れて、途中も戦ったりもするんですけどーーーー」

 

楽兎・ココア・千夜・シャロ(そんなに覚えてるのに、また読みたいんだ・・・)

 

ココア「そう言えばチノちゃんもテスト近いって言ってたよね?」

 

千夜「それなら、シャロちゃんと楽兎さんに教えて貰ったら?」

 

楽兎「俺は良いとしてシャロもか?」

 

千夜「ええ!特待生で、学費が免除されているくらい優秀なの。」

 

楽兎「特待生!?」

 

ココア「へぇー!凄い!美人で頭まで良いなんて!」

 

チノ「悲の打ち所がないです!」

 

ココア「眩しー!」

 

両目を隠すココアとチノ。

 

シャロ「そ、そんな・・・」

 

千夜「おまけにお嬢様だなんて完璧すぎるわ。眩しー。」

 

そして千夜は煽るように目を見せたり隠したりもした。

 

楽兎「皆煽ってるな・・・」

 

こうして勉強会が始まった。

 

千夜「それじゃあココアちゃん、今日は宜しくね。」

 

ココア「うん!」

 

シャロ「え?千夜が教えてあげるんじゃないの?」

 

千夜「違う違う。私が教えて貰うの。」

 

シャロ「嘘でしょ!?」

 

ココア「私数学と物理が得意なんだー。」

 

楽兎「それならココアがチノちゃんに教えてあげれば良いんじゃねえのか?」

 

ココア「んー・・・私、総合順位で言えば平均くらいだし・・・」

 

シャロ「そんなに足を引っ張ってる科目があるの?」

 

ココア「これ・・・」

 

するとココアが見せたのは、英語と国語と歴史の文科系のテストの点数だった。英語が12点。国語が8点。歴史が23点。

 

シャロ「文系が絶望過ぎる!」

 

楽兎「酷いなこれ・・・」

 

ココア「本はいっぱい読むんだけどねー。」

 

チノ「ココアさんは教え方があれなので頼りになれません。」

 

ココア「あれ!?」

 

千夜「そうなの?分かりやすいのにー。」

 

楽兎「多分千夜は波長が合うんだろ?」

 

ココア「仲良しだもんねー!」

 

千夜「ねー!」

 

シャロ「放っておいて勉強しましょ?チノちゃん。」

 

チノ「はい。」

 

その後シャロと楽兎がチノに勉強を教える。

 

シャロ「この問題は、さっきの答えをここに当て嵌めて。」

 

楽兎「こっちの問題は、あの答えを当て嵌めれば完璧だ。」

 

チノ「おー!シャロさんの教え方、楽兎さんと同じく凄く分かりやすいです。」

 

シャロ「嬉しい!チノちゃんみたいな妹が居たら毎日だって教えるのに。」

 

ココア「うわ!?」

 

ショックしたココア。

 

チノ「私もシャロさんみたいな姉が欲しかったです。」

 

楽兎「シャロ、一緒にチノちゃんの勉強教えてあげようか?」

 

シャロ「はい!」

 

ココア「私いらない子だーーーーー!!!!」

 

テーブルに俯せて大声で叫ぶココア。

 

シャロ「図書館では静かに!」

 

楽兎「他のお客さんに迷惑だろ?」

 

千夜「チノちゃんは将来、私達の学校とシャロちゃんの学校、どっちに行きたい?」

 

ココア「チノちゃんにはセーラー服が似合うよ!」

 

シャロ「ブレザーの方が絶対可愛いわよ!」

 

千夜「私は袴姿が良いと思うの。」

 

シャロ「何時の時代よ?」

 

ココア「楽兎君!この3つのどれが良いと思う?」

 

楽兎「お、俺に聞くなよ。」

 

チノ「袴は兎も角、そろそろ決めないといけませんよね。悩みます・・・」

 

シャロ「将来の事を決めるのは難しいわよね。」

 

楽兎「分かる分かる。」

 

ココア「将来かー。私はパン屋さんか、弁護士さんになりたいなー。」

 

 

 

将来を想像。

 

ココア『私ココア!街の国際弁護士!』

 

 

 

シャロ「何か可笑しい!」

 

楽兎「何故弁護士!?」

 

ココア「あ!ちょっと間違えチちゃった。やり直し。」

 

 

 

また想像する。

 

ココア『私ココア。街の国際弁護士よ。』

 

セクシーでクールなココアが浮かんだ。

 

 

 

シャロ「等身の問題じゃなくて!」

 

楽兎「セクシーさ増してる!?」

 

千夜「立派な夢ね!ココアちゃん!」

 

ココア「えへへ〜。千夜ちゃんの夢は?」

 

千夜「私は、自分の力で、甘兎をもっと繁盛させるのが夢。」

 

チノ「私も、家の仕事を継いで立派なバリスタになりたいです。」

 

ココア「バリスタも格好良いね!」

 

シャロ「チノちゃんならなれるわよ。」

 

楽兎「応援するよ。」

 

シャロ(私は取り敢えず、今の貧乏生活から脱却したい。)

 

ココア「決めた!私街の国際バリスタ弁護士になるよ!」

 

チノ「街の国際から離れて下さい。」

 

楽兎「ココアなら多分一生食って行けない気がする。」

 

 

 

 

 

 

時間が過ぎてあっと言う間に夕方になった。

 

ココア「何処かなー?チノちゃんの本。」

 

チノ「これだけ本が多いと、探すのは大変そうです。」

 

ココアとチノと楽兎は、チノが読みたい本を探し回っていた。

 

楽兎「1冊ずつ探すのは疲れるな。」

 

ココア「正義・・・悪・・・あ!本のタイトル分かったかも!」

 

チノ「ほ、本当ですか!?」

 

楽兎「内容だけで!?」

 

ココア「今まで気付かなかったけど、私達、本の趣味が合うのかもしれないね!」

 

手を伸ばすココア。その手に伸ばそうとするチノ。そしてチノの手を掴んでその本がある場所へ走り出す。

 

楽兎「おい待てよ!」

 

 

 

 

 

 

その頃千夜とシャロ。シャロはテーブルに俯せていた。

 

シャロ「わたしが千夜たちと同じ学校だったらどうなってたんだろう・・・」

 

千夜「今の学校、後悔してるの?」

 

シャロ「せめて・・せめてリゼ先輩と同じ学年だったら・・・」

 

千夜「(本当にしてた・・・)正直窮屈よね。学費免除が理由でエリート学校に入れても。私なら周りがお嬢様だらけで気を使って疲れちゃう。でも待って、もしシャロちゃんが私達と同じ学校だったら。」

 

シャロ「だったら?」

 

千夜「人数合わせ的に私とココアちゃんが違うクラスになってたかも!そんなの困るわ!」

 

シャロ「嘘!?」

 

千夜「なんて冗談。」

 

シャロ「い、いい加減からかうのは止めてよ!」

 

千夜「シャロちゃんだってホントは分かってるんでしょ?学校以外だってこうして会えるんだもの。私達大人になってもずっと一緒。」

 

シャロは千夜の言葉を聞いて感動したのか、顔を赤くした。

 

 

 

 

 

 

その頃ココア達は、チノが読みたい本を探してた。

 

ココア「確か、ここに!」

 

脚立を使って、本を探すココア。

 

ココア「あ!あったよー!」

 

遂に本を見付けたココア。

 

チノ「やりましたね!」

 

ココア「えっへへー。ちょっとは頼れるお姉さんになれたかな?」

 

本をチノに差し出すココア。

 

チノ「ココアさん・・・」

 

本を受け取るチノ。

 

ココア「見付かって良かったねー!」

 

楽兎「ああ!ん?チノちゃん?」

 

チノ「ココアさん・・・・・・・・・・・・・・・・・これじゃない!」

 

本のタイトルは罪と罰だった。

 

楽兎「罪と罰かよ。」

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼

        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨
        女性:櫻井浩美
     女子生徒A:小澤亜李
     女子生徒B:田頭里奈
     女子生徒C:松田颯水

タカヒロ「私は友が軍人で幼い頃からシェイクアウト優雅や色々仕込まれてるだけで、普通のバーテンダーだから信じろ!」

ティッピー「何を!」

次回「ココアと悪意なき殺意」

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5羽「ココアと悪意なき殺意」

チノが通ってる中学校。体育館でマヤがバドミントンのラケットを2つ持ってポーズを取っていた。

マヤ「こうかな?・・・こう?」

チノ「マヤさん、何をしているんですか?」

マヤ「勝った時のポーズを考えてるの!チノもメグも同じチームなんだから、一緒に!」

チノ「負けたら意味無いじゃないですか?」

メグ「じゃあ勝たなきゃね。今度の試合。」

マヤ「ほら、こう?こう?こうかな?」

ポーズを考えてる最中に色んなポーズを取るマヤ。






ラビットハウスでは、ココアがバレーのスパイクの練習をしていた。そこにリゼとチノと楽兎が来た。

リゼ「何やってんだ?」

ココア「もうすぐ私の学校で球技大会があるんだよ。千夜ちゃんと練習するから、その間バイト出られなくなるけど良いかな?」

チノ「良いですよ。頑張って下さい。」

即許諾を得た。

ココア「え?本当に?」

楽兎「忙しい訳じゃないだろ?」

そこにタカヒロが来た。

ココア「あの、止めないん、ですか・・・?」

タカヒロはココアにグッドのサインを出してその場を後にした。

ココア「そっか・・・・」

ココアは渋々2階へ上がる。

リゼ「止めて欲しかったのか?」

チノ「あの、リゼさんに楽兎さん、お願いが。私も授業でバドミントンの試合があるんですが・・・あの・・・ちょ、調子が悪くて・・・練習に付き合って貰えませんか?」

楽兎「ああ。俺は即OKだ。」

リゼ「良いよ!親父直伝の訓練を叩き込んでやるよ!」

その言葉でチノがビビる。

チノ「あの、でも私も人間なので・・・殺さない程度に・・・」

リゼ「私を何だと思ってる?」

楽兎(親父直伝の訓練って、何か見てみたい気分がする。)


夕方、リゼとチノが動きやすい服に着替えて、練習出来そうな場所を探す。後ろから楽兎がバドミントンのネットと柱を持って来てる。あの時タカヒロが楽兎に『チノの練習に付き合ってくれるか?』と言ってくれたからである。

 

リゼ「結局、ココアとあまり変わらない時間にバイト上がられちゃったな。」

 

楽兎「早めに仕事変わってくれたタカヒロさんの為に上達しないとな。」

 

チノ「ティッピーが頭に乗ってたら、2倍の力が出せるんです。嘘じゃないです・・・」

 

バドミントンのラケットを軽く振りながら話すチノ。リゼと楽兎はクスッと笑う。

 

チノ「嘘じゃないです・・・」

 

リゼ「お!この辺の公園だったら良いかな?ん?」

 

チノ「ん?」

 

楽兎「どうしたリゼ?」

 

リゼ「あれは・・・」

 

公園でリゼが見たものは、死んでるかのように倒れてるココアだった。

 

チノ「ココアさん?」

 

リゼ「死んだふりにハマってるのか!?」

 

そして千夜。

 

楽兎「千夜も!?何があったんだ!?」

 

そして現場に到着した3人。木の棒でココアの周りに線を書くチノ。

 

チノ「この状況、どう見ます?」

 

リゼ「ふむ、現場に残された物は・・・1つのボール。」

 

楽兎「何で殺人現場になってるんだ?」

 

リゼ「あ!!球技大会の練習と言うのは建前で、お互い叩きのめし合ったと言う事か!」

 

ココア「どうしたらそう見えるの!?」

 

倒れたココアが起き上がってリゼにツッコんだ。

 

リゼ「生きてたか。」

 

楽兎「当たり前だろ?死んでたら大惨事だぞ?」

 

千夜「バレーボールの練習をしてたの・・・」

 

倒れてた千夜がフラフラしながら立ち上がる。

 

チノ「それがどうしてこうなったのですか?」

 

千夜「ボールのコントロールが上手く行かなくて・・・」

 

 

 

 

 

 

バレーの練習中、千夜が息を切らしてた。

 

千夜『ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・もう無理・・・私当日休むから・・・』

 

ココア『努力あるのみだよ!今度はトスで返してね。』

 

ボールをトスして千夜にパスする。

 

千夜『トス・・・トス?・・・トス!?トスって何!?』

 

だが間違えてスパイクした。ボールがココアの顔面にジャストミートして倒れた。

 

千夜『体力の・・・限界・・・』

 

それ同時に体力を使い切った千夜も倒れた。その数分後にリゼ達が来たと言う事になる。

 

 

 

 

 

 

ココア「千夜ちゃん・・・和菓子作りと追い詰められた時だけ力発揮するから・・・」

 

話を聞いたリゼとチノは寒気を感じてガクガク震えていて、楽兎は少し引いていた。

 

リゼ「これじゃ、チームプレーも難しいな。」

 

ココア「顔に当てたら反則なんだよ?」

 

千夜「嘘!?知らずにやってたわ!」

 

ココア「え!?・・・わざとじゃないよね・・・?」

 

チノ「確か顔面はセーフじゃなかったですか?」

 

楽兎「それドッジボール。」

 

千夜「なーんだ。良かったー。」

 

ココア「全然良くないよ!」

 

その後楽兎が柱を立てて、ネットを張る。

 

楽兎「よしOK!何時でも練習出来るぞー!」

 

リゼ「よし。チノー!私達も練習するぞー!」

 

チノ「はい!」

 

リゼ「行くぞー!」

 

シャトルを飛ばしたリゼ。チノが返そうとするが、位置が合わず外してしまった。

 

チノ「す、すみません・・・」

 

リゼ「あっはは。落ち着いてやれよ?」

 

チノ「は、はい!」

 

楽兎「何だろう?この和む雰囲気は?」

 

リゼ「次行くぞー!」

 

チノ「お願いします!」

 

ココア「私そっち行きたい!」

 

楽兎・リゼ「ダメだ。」

 

千夜「せめて、関係ない人を当てちゃう癖を直さないと・・・」

 

ココア「今度はレシーブで返してねー!」

 

リゼ「チノー!行くぞー!」

 

だがしかし。

 

ココア「わ!?」

 

リゼ「あ!!」

 

ココアがボールを勢い良く飛ばして、リゼの手が滑ってラケットが飛ぶ。2つが飛んでいく方向には千夜が立っていた。

 

ココア「千夜ちゃん!!」

 

リゼ「危ない!!」

 

直撃されそうになる。だがしかし。

 

千夜「あ!靴紐が。」

 

しゃがんで靴紐を結ぶ千夜。ボールとラケットをギリギリ避けた。

 

楽兎「避けた!?回避能力高っ!」

 

チノ「自分の危険は回避出来るんですね。」

 

ココア「リゼちゃん!交代してー!」

 

泣きながらリゼに頼む。

 

リゼ「しょうがないなー。」

 

 

 

 

 

 

そんな5人を、橋の上から見てる女性が居た。その女性は、人気小説家の「青山ブルーマウンテン」。

 

青山「楽しそー。あ、バレーボールとバドミントン。2つの勢力の激しい戦い、必殺技の応酬、書けるかも。タイトルは、そう・・・撲殺ラビットレシーブ!!」

 

そう言った後、その場を歩き去る青山。

 

チノ「ココアさん、バドミントン出来るんですか?」

 

ココア「任せて!」

 

左右に飛びながら構えるココア。チノがシャトルを飛ばす。

 

ココア「私の華麗なる振りを見ててね!」

 

だが、シャトルに当たらず頭に当たってしまった。これにはチノが呆れる。

 

ココア「見ないでー!」

 

チノ「どっちですか?」

 

両手で両目を隠すココア。その時。

 

ココア「見な、ぐわ!!!」

 

千夜「ああ!!ごめんなさい!!」

 

またもや千夜のボールが顔に激突した。

 

千夜「私・・・周りに迷惑掛けてばっかり・・・」

 

縮こまった千夜は自虐的な言葉を言う。ココアはフラフラしながら立ち上がる。

 

楽兎「何かさっきからココアしか当たってない気がするんだが・・・」

 

チノ「だとしたら、それは愛です!ココアさん!私に華麗なる顔面レシーブを見せて下さい!」

 

ココア「そんな愛嫌だ!!」

 

リゼ「よし!みっちり鍛えてやるからな!」

 

ココア「何で私の特訓になってるの!?」

 

楽兎「おい誰か止めろよ。」

 

丁度そこに私服姿のシャロが来た。

 

シャロ「千夜ー!おばあさんが帰りが遅いって心配してたわよー!」

 

千夜「あら?シャロちゃん!」

 

リゼ「お!シャロもちょっと寄ってくかー?」

 

シャロ(リゼ先輩!?気を抜いた私服を見られた・・・!こ、こんな事なら、着古した服で来なければ良かった・・・)

 

ココア「その格好なら動きやすいし大丈夫だよー。」

 

シャロ(やるきまんまんだと思われてる!)

 

ココア「被害者・・・人数は多い方が楽しいよー。」

 

シャロ(被害者!?)

 

楽兎(ドス黒い言葉を耳にしたぞ?)

 

チノ「それでは、バレー勝負を始めます。」

 

何故か強制的にシャロも参加される事となった。

 

シャロ「何で!?」

 

千夜「頑張りましょうね♪」

 

シャロ(先輩に勝てる気がしない・・・)

 

するとココアがシャロの両手を握った。

 

ココア「シャロちゃん、今こそあの状態になるべきだよ。」

 

シャロ「え!?で、でもそんな事・・・恥かしい・・・」

 

ココア「ちょっと待ってて!すぐ戻るから!」

 

シャロ「待って!まだ使うって決めてない!!」

 

そしてココアがシャロに与えたのは。

 

シャロ「バリーボール大好きー!!」

 

カフェインたっぷりのコーヒーだった。

 

チノ「カフェインでドーピングしましたね。」

 

ココア「うん!」

 

カフェインを飲んだシャロはハイテンション状態になってしまった。

 

リゼ「お!シャロやる気だなー!」

 

楽兎(何なんだ?このカオスな空間は?)

 

チノ「それでは試合開始です!」

 

リゼ「行くぞー!」

 

そしてバレーの試合が始まった。リゼがシャロにサーブする。シャロがそれを返す。その後リゼがレシーブ、リフティング、スパイクと連続で決める。

 

千夜「フレー。フレー。」

 

リゼ「あれ?」

 

千夜は何もせずにリゼを応援してる。その後シャロも次々と決めていく。

 

シャロ(ヘーイ!リゼ先輩に情けない所見せられないです!)

 

今度はココアも次々と決めていく。

 

ココア(チノちゃんに格好良いところを見せなきゃ!)

 

そしてココアとシャロが同時にトスする。そして。

 

千夜「はっ!!あ!!」

 

遂に千夜がトスをマスターした。

 

リゼ「凄いぞ千夜!」

 

チノ「やっとトス出来るようになりましたね!」

 

千夜「うん!ありがとう!皆のお陰よ!」

 

リゼ「頑張ったな!」

 

ココアとシャロはもう体力の限界寸前だった。楽兎が2人の背中を摩る。

 

楽兎「おいお前ら大丈夫か?もうやめとけ。」

 

千夜「これで、球技大会で勝てるかもしれないわ!よーし!」

 

3人「エイエイオー!!」

 

楽兎(こっちの心配もしろよ。)

 

 

 

 

 

 

後日。中学校ではバドミントンの試合。チノのチームがマッチポイント。

 

メグ「チノちゃん頑張ってー!」

 

マヤ「もう1点獲れば、私達のチームの勝ちだよ!」

 

チノ「リゼさんに教えて貰ったサーブを使う時が来たようです!」

 

マヤ「そ、そんな技、一般人相手に使う気か!?」

 

そしてチノがリゼ直伝の技を放つ。

 

チノ「パトリオットサーブ!!!」

 

 

 

 

 

 

その後ラビットハウスでは、ココアが球技大会から元気に帰って来た。

 

ココア「球技大会勝ったよー!」

 

リゼ「千夜の奴、大丈夫だったのか?」

 

ココア「千夜ちゃんだけ種目をドッジボールの子と交代して貰ったんだけど、避けるのだけは上手くて、ボールが全然当たらないの。」

 

楽兎「何故最初からドッジボールにしなかったのか?あれだけの回避能力で抜擢されたのか?」

 

ココア「チノちゃんの方はどうだったの?」

 

チノ「あの・・・せっかくリゼさんが毎日練習に付き合ってくれたのですが・・・」

 

 

 

 

 

 

あの時。チノが放ったパトリオットサーブの直後の出来事。

 

チノ「パトリオットサーブ!!!」

 

リゼ直伝の必殺技を放ったチノ。だがしかし、シャトルがネットに引っ掛かってしまった。

 

メグ「引っ掛かっちゃった!!しかも反動で吹っ飛んでる!!」

 

マヤ「意味無え!!」

 

パトリオットサーブの反動でチノが吹き飛んで倒れてしまった。

 

チノ「きょ・・・今日のところは・・・これくらいにしといて・・・あげますガクッ・・・・」

 

倒れた後に気を失った。

 

マヤ「チノーーーーーー!!!!」

メグ「チノちゃーーーん!!!!」

 

その後なんとか起きたチノ。

 

チノ「負けたのに本当にやるんですか?」

 

メグ「せっかく練習したんだからねー。」

 

マヤ「行っくよー!せーの!!」

 

3人「勝利のポーズ!!」

 

負けたのに勝利のポーズを披露したチノ達3人だった。

 

 

 

 

 

 

数日後のラビットハウス。チノは何か考え事をしていた。

 

ココア「どうしたのチノちゃん?」

 

チノ「あ、いえ、もうすぐ父の日なので、何を贈ろうかと思いまして。」

 

ココア「そっかー!父の日か!」

 

楽兎(父の日かぁ。親父はもう死んじまってるしな・・・でもタカヒロさんに何か贈るか。)

 

その時、リゼが勢い良く帰ってきた。

 

リゼ「明日から私は!他の店でのバイトをする事にした!!」

 

3人「え?」

 

リゼ「シフトを少し変えて貰ったから、宜しく。」

 

ココア「リゼちゃんが軍人から企業スパイに・・・!」

 

チノ「スパイなんて頼んでませんよ・・・!」

 

リゼ「軍人じゃないし!スパイでもない!」

 

ココア「しゃ、じゃあどうして?私達にはもう飽きたの!?」

 

リゼ「変な言い方するなー!」

 

楽兎「どうしたんだ?何かトラブルでも?」

 

リゼ「実は・・・」

 

 

 

 

 

 

それはリゼが敷地内でバドミントンの練習をしていた時。

 

リゼ「パトリオットサーブ!パトリオットサーブ!パトリオットーサーブ!!」

 

パトリオットサーブを放った瞬間、手が滑ってラケットが飛んで、目の前の木にぶつけて反射して、リゼの父親の部屋のガラスを割ってしまった。更に災難が。

 

リゼ「親父のコレクションのワインを、1本割ってしまったんだ。」

 

親父のワインを割ってしまったのである。

 

 

 

 

 

 

リゼ「だから、父の日に親父が飲みたがってたビンテージワインを贈って、罪滅ぼしがしたい!!」

 

チノ「女子高生がそんな高価な酒を・・・」

 

楽兎「いやリゼは自分が飲みたいって言ってねえぞ!?それに未成年の飲酒は犯罪だぞ。」

 

リゼ「プレゼントなら、未成年でもワインを買えるし、バイトを掛け持ちしようかと!」

 

ココア「成る程ー!それで、何処でバイトするの?」

 

リゼ「まずは・・・」

 

 

 

 

 

 

最初にバイトするのは、甘兎庵。部屋の戸を開ける千夜。

 

千夜「上手く着れたかしら?」

 

リゼ「ま、待て!まだだ。着物には慣れなくて・・・」

 

着物を上手く着れてないリゼ。

 

千夜「あら着方が違うわ。左前にならないようにね。」

 

着方を教える千夜。

 

リゼ「す、すまない、最初から素直に、着付けを頼めば良かったな・・・」

 

千夜「あ!そうだわ!」

 

リゼ「ん?」

 

千夜「!!・・・・想像以上に似合う・・・!」

 

リゼの胸に包帯を巻き、リゼの髪を結んだ千夜。リゼがサムライになりきってる。

 

リゼ「ちゃんと着せろ!」

 

千夜「リゼちゃんが着てくれるから、ミリタリー月間にしようと思うの!」

 

迷彩の軍事ヘルメットを被る千夜。

 

リゼ「しなくていい!」

 

千夜「抹茶の迷彩ラテアートよ。」

 

迷彩ラテアートを差し出す千夜。

 

リゼ「悪くは無いが気持ち悪い!」

 

そして2人はモデルガンを持つ。

 

千夜「私もモデルガンを装備してみました!」

 

リゼ「何だこのイメージ!?ついポーズを取ってしまった!?」

 

千夜「こんなに連続でツッコまれるの初めて!ついはしゃいじゃった☆」

 

リゼ「わざとボケてないよな?」

 

そしてリゼがバイトを始めた。トレーにおしぼりと水を乗せる。

 

リゼ「あんまり見つめるなよ?」

 

シャロ「あ!!・・・すみません・・・とっても良くお似合いなので・・・」

 

和服姿のリゼを見つめているシャロ。おしぼりと水を置く。

 

リゼ「それでなにをすっあ!・・・しますか?」

 

シャロ「あ・・・えっと・・・この、黒曜を抱く桜華って何ですか?」

 

メニューを見て、質問をするシャロ。

 

リゼ「黒曜を抱く?・・・・えっと・・・」

 

すると千夜が桜餅を持って来た。

 

千夜「はい。こちら新作の、黒曜を抱く桜華よ。」

 

リゼ「ああ、桜餅か。」

 

シャロ「相変わらずね。お客さん混乱しないの?」

 

千夜「初めてのお客様には指南書をお配りしてるわ。」

 

シャロ「なら、最初から普通の名前で良いじゃない。」

 

千夜「そうかしら?こちら新作の桜餅です。」

 

普通の名前で言う千夜。だがしかし。

 

千夜「ダメよ!!普通過ぎる・・・!!私・・・負けちゃう!!」

 

あまりにも普通と思い、普通の名前を否定する千夜。

 

シャロ「誰によ?」

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスでは、ココアとチノと楽兎がタカヒロに贈る物を考えていた。

 

ココア「私達はチノちゃんのお父さんに何を贈ろうか?」

 

チノ「実用的な物が良いんですが。」

 

ココア「それなら、手作りネクタイなんてどうかな?水玉とか。」

 

楽兎「おい水玉はアカンやろ?」

 

チノ「うさぎ柄ぐらいじゃなきゃ、父は喜びませんよ。」

 

楽兎「喜ぶのか?」

 

ココア「うさぎ柄良いね!!今度生地買ってきて、3人で作ろう?」

 

チノ「可愛い生地が見付かると良いですね。」

 

ココア「そうだねー!」

 

楽兎「まあ頑張って作らねえとな。」

 

 

 

 

廊下では、3人の話を聞いたタカヒロは嬉しそうに喜んでた。

 

タカヒロ「うさぎ柄・・・」

 

 

 

 

 

 

その夜、甘兎庵のバイトを終えたリゼ。

 

シャロ「あ、あの・・・リゼ先輩、明日からは、フルール・ド・ラパンでもバイトするんですよね?」

 

リゼ「甘兎と日替わりで、宜しくな。」

 

シャロ「はい!楽しみにしています!では明日!」

 

リゼ「またなー!」

 

シャロが遠くまで行き、曲がり角えお曲がる。リゼは帰っていく。そしてリゼの姿が無い事を確認して、自分の家に戻ったシャロ。

 

千夜「お帰りなさい。」

 

シャロ「う・・・うるさいわね・・・」

 

 

 

 

 

 

翌日。フルール・ド・ラパンの更衣室。リゼがフルールの制服を着ていた。するとそこにシャロが来た。

 

シャロ「服のサイズ、大丈夫でしたか?」

 

リゼ「問題無い。」

 

シャロ「・・・・・・」

 

リゼ「へ、変だったら、正直に言えよ?」

 

シャロ「いえ、先輩が着ると、この制服、如何わしさが増すな・・・と。」

 

リゼ「どう言う意味だ?」

 

店の表に出た2人。

 

シャロ「あの先輩、いらっしゃいませの時は、恥ずかしいとは思いますが、仕草を変えて、いらっしゃいませー!っと、こんな感じでお願いします。」

 

リゼ「分かった・・・い・・・い・・・いらっしゃいませー!」

 

仕草を変えて言ったリゼ。だが逆にシャロが恥ずかしがる。

 

リゼ「って!お前が照れてどうする!?///」

 

シャロ「すみません!何故かいけない物を見た気がして・・・・///」

 

するとお客様が来店してきた。

 

リゼ・シャロ「いらっしゃいませー!」

 

 

 

 

 

 

翌日の甘兎庵。

 

リゼ「いらっしゃいませー!」

 

 

 

 

 

 

翌日のラビットハウス。

 

リゼ「いらっしゃいませー!」

 

シャロから教えて貰った仕草で接客するリゼ。

 

チノ「リゼさん?」

 

ココア「リゼちゃんそのポーズ可愛い!」

 

リゼ「いや!これは・・・その・・・そうか?」

 

ココア「うん!」

 

チノ「はい。」

 

楽兎「ああ。」

 

 

 

 

 

 

バイトして数日後。フルール・ド・ラパンで考え事をしてるリゼ。

 

シャロ「バイトの掛け持ち、疲れませんか?」

 

リゼ「このくらい大丈夫だよ。そう言えば、シャロはどうしてバイトしてるんだ?」

 

シャロ「そ・・・それは・・・!!こ、ここの食器が凄く気に入っていて・・・決してお金に困ってると言う訳では、無くて・・・えっと・・・」

 

自分が貧乏だと言えなくて、食器の話で誤魔化すシャロ。

 

リゼ「親に頼らず、お金使いたいもんな。」

 

シャロ「え、ええ!初めて自分のお金で好きな物を買えた時って、嬉しいですよね!」

 

リゼ「ああ!感動したなー!」

 

 

 

 

 

 

一方ココア達は、タカヒロに贈るうさぎ柄のネクタイを作っていた。

 

ココア「あー!また失敗した・・・」

 

ミシンで生地を縫うココア。だが何回も失敗してしまう。

 

ココア「ミシンって難しいね。」

 

楽兎「まああれだけ失敗してるからな。」

 

横を見る楽兎。そこにはココアが失敗してしまった生地が何枚も置かれていた。

 

チノ「今更ですが、楽兎さんとココアさんまで父の日のプレゼントに気を使わなくて良いんですよ?」

 

ココア「えー!?やだやだ!そんな寂しい事言わないでよー!楽兎君はお父さんに何か贈らないの?」

 

楽兎「ああ、実は俺の親父、中学の時病気で他界したんだ・・・」

 

ココア「そうだったんだ・・・ごめんね・・・」

 

楽兎「いや、気にするな。親父は天国から見守ってくれてるよ。」

 

ココア「チノちゃんのお父さんは、私のお父さんも同然だよ!一緒に作らせてよー!」

 

一緒に作りたいと言ったココア。だが、チノの方がミシン上手かった。

 

ココア(私より、上手かった・・・)

 

楽兎(やはりチノちゃん上手いな。)

 

 

 

 

 

 

今日は父の日。マヤとメグが下校していた。

 

メグ「今日は父の日だからね?帰ったらお父さんにご馳走作ってあげるの。」

 

マヤ「へぇー!凄いねー!」

 

メグ「マヤちゃんは何かしないの?」

 

マヤ「私は、肩たたき券をあげるのだー!」

 

メグ「良いねー!」

 

マヤ「でしょー?」

 

 

 

 

 

 

フルール・ド・ラパンの更衣室では、リゼとシャロが着替えていた。

 

シャロ「あ、あの・・・今日でバイト終わりですね。リゼ先輩・・・」

 

リゼ「ああ!」

 

シャロ「こ、このままここでバイトしませんか?先輩、凄く輝いてました!」

 

リゼ「シャロ?いや、遠慮しとくよ。この店の色に染まるのは、自分に合わないからな。」

 

シャロ「先輩・・・」

 

リゼ「ところで、この後ワイン見に行くけど、一緒に行くか?」

 

シャロ(先輩!!若干染まってまーす!)

 

リゼの頭にロップイヤーが着いてるままだった。

 

 

 

 

 

 

その後シャロと一緒にワインの専門店に来店したリゼ。しかし、店から出た2人は残念な顔をしていた。

 

シャロ「お金が足りませんでしたね・・・」

 

リゼ「予想以上に高級品だった・・・」

 

毎日日帰りバイトをしたが、お金が足りなかった。

 

シャロ「うーん・・・・・・あ!!」

 

するとシャロが何か閃いた。

 

 

 

 

 

 

それは食器の専門店だった。ワイングラスを触って興奮するシャロ。

 

シャロ「このグラス!の透明感堪りませんよね?」

 

リゼ「陶器フェチと言うか、器ならなんでも興奮するんだな。」

 

シャロ「今ならセットがお得みたいです!」

 

リゼ「親父とペアグラスは流石にキツイだろ!?」

 

シャロ「両親用とか、考えないんですか?」

 

リゼ「ああ、成る程。」

 

シャロ「こんなに頑張ったんですから、どんな物でも、喜んでくれますよ。」

 

リゼ「ありがとうシャロ。」

 

シャロ「はい!」

 

 

 

 

 

 

その夜。ココア達は遂にタカヒロに贈るネクタイを完成した。

 

ココア「間に合ったー!喜んで使ってくれると良いねー!」

 

チノ「ココアさん。」

 

ココア「何?」

 

チノ「今気付いたのですが、父が仕事中にいつも付けているのは蝶ネクタイです。このネクタイを付けてくれる機会はあるんでしょうか?」

 

ココア「こんなに頑張ったんだから、どんな物でも喜んでくれるよ。」

 

チノ「それとこれとは別です。」

 

 

 

 

 

 

その後、タカヒロがココア達が作ってくれたネクタイを着けて楽兎に見せた。

 

タカヒロ「楽兎君どうかな?」

 

楽兎「凄く似合ってますが、タカヒロさん本当にうさぎ柄で良かったのですか?」

 

タカヒロ「チノとココア君が一生懸命父の日までに作ってくれたんだ。これを使わずにいられないからね。」

 

楽兎「嬉しそうで何よりです。良い娘さんを持ちましたね。あ、そうだ!」

 

懐から四角い箱を出した。

 

楽兎「タカヒロさん。これ、俺からの贈り物です。」

 

受け取った箱を開けるタカヒロ。

 

タカヒロ「ティーカップかい?」

 

楽兎「はい。何時もタカヒロさんにお世話してますし。飲む時に使ってくれたらなぁって。」

 

タカヒロ「ありがとう楽兎君。大切に使わせて貰うよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃リゼは、自分の父親の部屋に向かっていた。

 

リゼ(直接渡すのは、恥ずかしいからな。)

 

父の部屋に入ると、そこにある物が机に置かれていた。

 

リゼ「ん?あのワイン、私が割ったのと同じ・・・」

 

何と以前にリゼが割ってしまったワインが置かれていた。

 

リゼ「なーんだ、手に入ってたんじゃないか、ちゃんと仕舞っとけよ。」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスのバーでは、ティッピーが何かを探していた。

 

ティッピー「わしの秘蔵のワインが1本見当たらないんじゃが・・・」

 

タカヒロ「ああ。あれなら、昔馴染みに譲っちまったよ?」

 

ティッピー「なあ!?何で!?何でじゃ!?あれは!わしが取っておいた秘蔵のワイン!ワーイン!!」

 

実はあのワインは、タカヒロが譲ってあげた物だったのだ。

 

 

 

 

 

 

そしてリゼはワイングラスを机に置いて部屋から退室した。

 

リゼ(今はこんなプレゼントしか出来ないけど、何時かこのグラスで一緒に飲めたら良いな。)

 

この日は良い父の日になった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼

        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

ティッピー「うーんあの娘まだわしの事を。」

タカヒロ「どの娘だ?」

ティッピー「ほらあの!青、青山ブルブル「青ブルマ!?」略すな!!」

次回「お話をするお話」

感想や評価など宜しくお願いします。


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6羽「お話をするお話」

こに2人のバイトが居た。この春から下宿しているココアと、リゼ。そしてラビットハウスに1人の店員が居た。チノの従兄の楽兎である。

リゼ「お待たせしました。」

お客様にコーヒーを差し出す。

リゼ「ごゆっくり。」

その場を離れたその時。

女性客A「ねぇねぇ、あのツインテの子可愛くない?」

女性客B「可愛い。ツインテ超似合ってる!」

女性客達の話を聞いたリゼは、窓で自分の髪を整える。

リゼ「良いか?ああ言う客の冷やかしは、気にするなよ・・・・気にするなよ?」

ココア「リゼちゃんったら窓ガラスを鏡代わりに。」

楽兎(可愛いと言われたから気にしてるのか。)

その時リゼはある物を見て驚いた。

リゼ「な、何だ!?その頭は!?」

それはツインテールをしているティッピーだった。

ココア「ティッピーは今イメチェン月間中なんだって!ツインテ可愛いね!」

リゼ「さっきのはどっちに対してだ!?」

駆け足で裏に入ったリゼ。

ココア「気にするなって言ってたのに。」

チノ「乙女心は複雑みたいです。」


今日はラビットハウスが休みの日。チノが朝起きて、部屋のカーテンを開ける。天気は満開の快晴だ。

 

チノ「今日は良い天気です。こんな日は部屋でボトルシップを。」

 

するとそこにココアが部屋のドアを開けた。後ろに楽兎もいた。

 

ココア「お散歩に行こー!」

 

チノ「休みの日は家でのんびりしたいです。後少しで、作りかけのボトルシップが完成するんです。」

 

楽兎「お!もうすぐ出来上がるのか?」

 

ココア「それなら、公園で作って、川に浮かべて流そうよ!」

 

チノ「ボトルシップって、何か分かってますか?」

 

楽兎「ココア、ボトルシップは工芸だから。浮かべたら壊れるだろ?」

 

 

 

 

 

 

そして仕方無く散歩する事になった。

 

チノ「この坂道からは、街が一望出来ます。」

 

ココア「うわぁー!良い眺めー!」

 

坂道の天辺から街が見える。

 

ココア「自転車があったら、チノちゃんを後ろに乗せて、この坂を滑走するの!」

 

チノ「2人乗りはダメですよ?」

 

ココア「あ!その前に、自転車の乗り方教えて貰わなきゃね。」

 

チノ・ティッピー・楽兎「ええーーー!!??」

 

ココア「私、夕日の中で何度も倒れながら特訓するのが憧れで。」

 

楽兎(コロコロ話が変わっていく。自転車かぁ、俺は今バイクに乗ってるけど実家に置いてあるからな。)

 

 

 

 

 

 

次に向かう途中。

 

ココア「あ!リゼちゃんだー!」

 

チノ「洋服を選んでますね。」

 

洋服店で服を選んでるリゼを発見した。

 

ココア「リゼちゃんって感じの服だねー。」

 

チノ「私達があまり着ない系統の服です。」

 

ココア「あ!」

 

するとリゼは1着の服を見て目を輝かせていた。

 

楽兎「ちょっと笑顔になってる。ひょっとしたら気に入った服を見付けたようだな。」

 

だがリゼは、その服を見て葛藤していた。

 

ココア「何やら葛藤しているようですなー。」

 

チノ「そっとしておきましょう。」

 

 

 

 

 

 

次に向かったのは、のどかな風が吹いてる公園。ベンチで3人が座ってる。

 

ココア「ぽかぽかして気持ち良いねー。」

 

チノ「はいー。何だか甘い香りもするし。」

 

ココア「そう言われてみれば・・・あ!クレープ屋さんだー!」

 

横を見ると、奥にクレープ屋の屋台があった。

 

ココア「チノちゃん!楽兎君!ご馳走するよ!」

 

チノ「良いんですか?」

 

楽兎「俺も良いのか?俺の分は俺が払うけど?」

 

ココア「お姉ちゃんに任せなさい!」

 

楽兎「俺年上だけど、まあココアがそう言うなら。」

 

クレープ屋の屋台に向かった。そこに居た店員は。

 

ココア「シャロちゃん!?」

 

シャロ「ん?ココア!?チノちゃんと楽兎さんまで!?」

 

クレープの屋台でバイトしているシャロだった。

 

楽兎「シャロはクレープ屋でもバイトしているんだな。」

 

ココア「シャロちゃん多趣味だねー。」

 

シャロ「そ!そうよ!多趣味よ!悪い!?」

 

楽兎「おいおいクリームが。」

 

出来上がったイチゴクレープを3人に差し出した。

 

シャロ「はい。お待たせ。」

 

ココア「ありがとー!頂きまーす!」

 

3人がクレープを食べる。

 

ココア「んー!美味しい!はい。シャロちゃんもあげる。」

 

クレープをシャロにあげる。

 

シャロ「私仕事中よ?」

 

ココア「まぁまぁ一口だけでも。」

 

シャロ(一口・・・クレープなんて、滅多に食べられないし・・・)

 

仕方なくクレープを頂こうとするが。『ベシャ!!』と何かが落下してクレープがグチャグチャになってしまった。落ちて来たのはあんこだった。

 

ココア「また空からあんこが!?よりによって、クレープの上に落ちなくたって!ねえシャロちゃん?」

 

シャロはココアよりショックしている。

 

楽兎「ココアよりショックしてるぞ!?」

 

するとそこに。

 

千夜「待ってー!」

 

駆け足であんこを追い掛けている千夜が来た。

 

千夜「やっと・・・追い付いた・・・」

 

ココア「千夜ちゃん!またカラスにあんこ攫われたんだ。」

 

楽兎(またって、何回も誘拐されてんだ。それにクレープの上に落ちるなんて鬼畜過ぎるな。)

 

チノ「何時もと制服が違います。」

 

千夜「気付いた?今月は、レトロモダン月間なのー!」

 

制服は、オレンジ色で頭にリボンを着けている。

 

シャロ「甘兎もその内、フルール・ド・ラパンより如何わしくなるんじゃない?」

 

千夜「そう・・・それなら・・・脱ぐわ。」

 

シャロ「ここで脱がないでよ!」

 

楽兎「脱ぐんじゃねえよ!俺見たくないわ!」

 

チノの両を隠すココア。後ろに振り向く楽兎。

 

 

 

 

 

 

その後3人は、公園でうさぎと遊んでいた。

 

ココア「もふもふ天国最高ー!」

 

楽兎「すっげえ懐いてくるな。」

 

チノ「良いんですよ、私にはティッピーがいますから・・・」

 

ココア(動物が懐かない体質って言ってたっけ?)

 

楽兎(チノちゃんが自暴自棄になってしまった。)

 

ココア「きっと、チノちゃんは口とか毛並みとかがうさぎに似ているから、動物嫌悪されてるんだよ。」

 

チノ「意味分かって言ってます?」

 

楽兎「それフォローの言葉になってるのか?」

 

するとココアはチノに抱き付く。

 

ココア「それなら!私がチノちゃんをもふもふすれば、寂しくなくて解決だねー!」

 

チノ「何も解決してませんが。」

 

すると、チノが聞き覚えのある声が聞こえた。

 

???「あー!チノじゃーん!」

 

それと同時にココアは何所かへ行った。

 

チノ「マヤさん、メグさん。」

 

クラスメートのマヤとメグだった。

 

メグ「映画観に行ってたのー。」

 

チノ「そうでしたか。」

 

マヤ「喫茶店の仕事が休みだって知ってたら、誘ったのにー。」

 

メグ「今度チノちゃんも一緒に行こうねー。」

 

マヤ「チノ、隣にいるのは?」

 

チノ「私の従兄です。」

 

楽兎「君達がチノちゃんの友達かー。何時もチノちゃんがお世話になってるよ。従兄の綾部楽兎だ。」

 

マヤ「この前話してた従兄かー!私マヤだよー!」

 

メグ「メグですー。宜しくお願いします。」

 

楽兎「マヤちゃんとメグちゃんか。宜しくね。」

 

チノ「所で、どんな映画を観てきたんです?」

 

マヤ「私は、アクション物が良いって言ったんだけど、メグがさー。」

 

メグ「今流行ってる映画でねー、すっごく泣けるんだー!パンフレットも買っちゃったー。」

 

パンフレットを見せるメグ。『うさぎになったバリスタ』と言う映画だった。

 

チノ・ティッピー・楽兎(人ごととは思えないタイトル!?)

 

チノ「あれ?ココアさん?」

 

楽兎「あれ?何処行ったんだ?」

 

 

 

 

 

 

その頃ココアは、1羽のうさぎを追い掛けていた。

 

ココア「待って待ってー!」

 

そしてうさぎが止まってる隙を見て捕まえた。

 

ココア「捕まえたー!」

 

???「珍しい色のうさぎですねー。」

 

ベンチに1人の女性がいた。青山ブルーマウンテンだった。

 

青山「良かったらどうぞ。」

 

ココア「良いんですか?」

 

青山さんの隣に座るココア

 

ココア「お散歩ですか?」

 

青山「はい。閃きを求めて彷徨っているんです。」

 

ココア「閃き?」

 

青山「私、小説家なんです。」

 

ココア「小説家さん!格好良い!ペンネームは何て言うんですか?」

 

青山「青山ブルーマウンテンと言います。」

 

ココア(不思議な名前だ。)

 

青山「書いた小説が最近映画化したりしました。」

 

ココア「凄い!(私も、街の国際バリスタ弁護士としてパンを焼きながら小説家の道を生きるのも良いかもしれない。)。」

 

なんて考えてるココアに。

 

チノ「ココアさーん?」

 

楽兎「おーいココアー!」

 

チノと楽兎の声が聞こえた。

 

ココア「チノちゃん達が探してる!」

 

青山「それではまた、彷徨ってきます。」

 

ココア「行ってらっしゃい。」

 

青山さんはまた彷徨いに行った。丁度そこにチノ達が来た。

 

楽兎「探したぞ?」

 

ココア「ごめんごめん。」

 

チノ「ココアさんは知らない人と気軽に話せるんですね。」

 

ココア「チノちゃんも喫茶店のお客さんと話せてるよ?」

 

チノ「いきなり世間話はしませんし。話すのは、得意じゃないです・・・」

 

ココア「でもさっきの友達とは楽しそうに話してたよ?」

 

チノ「あの2人が積極的に話しかけてくれなかったら友達になれてなかったです。」

 

ココア「そんなことないよ!私にチノちゃんの腹話術の技術があれば世界を狙ってたのに!」

 

楽兎「頑張ってくれ。」

チノ「頑張って下さい。」

 

 

 

 

 

 

そして夕方になった。

 

ココア「次は何処へ行こうか?」

 

チノ「そうですね・・・・・・リゼさん?」

 

???「はい!!(バ、バレた・・・・!?)。」

 

チノの声に反応した女性が戸惑っている。その女性の正体は、髪を下ろして別人みたいになってるリゼだった。

 

チノ「人違いでした、失礼しました。」

 

リゼ「え?」

 

ココア「さっき見かけた時と服も髪型も違うもんね。」

 

リゼ(見られてたのか!?)

 

ココア「ん?でもリゼちゃんって言ったら振り向いたよ?」

 

リゼ「あ!き、聞き間違えました・・・私その・・・ロゼと言う名前なので・・・」

 

楽兎(おいリゼ、いくら何でもバレバレになるだろ?)

 

チノ「そうですか。でもびっくりです。ロゼさんによく似た人がうちの喫茶店にいるんです。」

 

楽兎(バレてねえのかよ!!)

 

ロゼ(リゼ)「ほ、本当?是非行ってみたいわ。」

 

チノ「ラビットハウスというお店です。お待ちしています。」

 

ロゼ(リゼ)「ええ、いつか必ず。じゃあ。」

 

その場を歩き去るロゼ(リゼ)。

 

チノ「私人見知りするんですが、今の人は何故かいきなり会話が出来ました。」

 

ココア「やったね、チノちゃん!」

 

チノ「もしかしてこれはココアさんの影響!?」

 

ティッピー(いやあれはリゼじゃろう。)

 

確実に気付いてるティッピー。

 

リゼ(カットモデルを頼まれたのはまだしも、買った服をすぐ着たくなってしまったなんて・・・)

 

ティッピー(そんなこと言えないとか考えてる顔じゃったなあ。)

 

 

 

 

 

 

こうして3人の散歩が終わり、夜のラビットハウス。チノの部屋ではココアとチノがいた。

 

ココア「足くたくたー。疲れたけど楽しかったね!」

 

チノ「今日は休日なのに、色んな人と話しました。」

 

するとココアは自分の部屋に向かおうとする。

 

チノ「あの、ココアさん?」

 

ココア「分かってるよ。明日は学校だから早く寝ないとでしょ?じゃあおやすみ。」

 

部屋に戻るココア。だがチノは寂しそうだった。

 

チノ「おじいちゃん・・・お父さんとバーにいるんだった・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃楽兎の部屋では、楽兎は夜空を見ていた。するとドアのノックが聞こえた。

 

楽兎「ん?はーい。」

 

ドアを開けたのはチノだった。

 

楽兎「あ。チノちゃんどうしたの?」

 

チノ「今日は何だか落ち着きません。お話していたい気分です。でも楽兎さんが迷惑なら・・・」

 

楽兎「ああ良いよ。そう言えば、さっきココアが俺に貸してくれたDVDがあるんだけど。見れるかな?」

 

チノ「会話が盛り上がらない気がします・・・」

 

楽兎「確かにそうだな・・・」

 

DVDのタイトルは「うさぎたちの沈黙」。

 

 

 

 

 

 

翌日のラビットハウス。ココアが更衣室のロッカーを見るが、制服が何処にも無かった。店に顔を出した。

 

ココア「遅れてごめん!制服が無かったんだけど、ん?」

 

そこでココアは見た。チノのクラスメートのメグがココアの制服を着ていて店の手伝いをしていた。

 

メグ「あ!おかえりなさーい!」

 

ココア「私の制服!?もしかして私リストラ!?」

 

メグ「ん?」

 

マヤ「おーいチノー!楽兎ー!このモコモコしたの可愛いなー!倒したら経験値入りそー!」

 

リゼの制服を着て、ティッピーを頭に乗せているマヤもいた。

 

楽兎「マヤちゃんそれモンスターじゃないから。経験値入らないから。後ドラクエじゃないから。」

 

ココア「リゼちゃん!?何時の間にこんなにちっちゃく・・・」

 

マヤ「ちっちゃ!?」

 

ココア「あれ?よく見たら違う?」

 

マヤ「リゼって、この制服の持ち主?」

 

すると制服からモデルガンを取り出した。

 

マヤ「クローゼットにこれがあったけど、その人、裏の仕事も引き受けてるの?」

 

ココア「リゼちゃん!大変な物を置き忘れてるよー!」

 

楽兎「リゼ・・・護身用なら持ち帰っておけよ。」

 

チノ「マヤさん!ティッピー返して下さい!」

 

ココア「チノちゃん、ごめんね遅くなって。所で2人は昨日の・・・」

 

チノ「私のクラスメートです。手伝ってくれてるんですよ。」

 

マヤ「マヤだよー!」

 

メグ「メグですー!」

 

ココア「そっかー!ありがとー。マヤちゃんメグちゃん。」

 

マヤ「お礼なんか良いってー。ね!メグ。」

 

メグ「楽しいし、制服も可愛いしねー。」

 

ココア「2人とも良く似合ってるよ!後もう2色増えたら悪と戦うのも夢じゃないよ!」

 

マヤ「マジでー!?私ブラックが良いー!」

 

メグ「私ホワイトー!」

 

チノ「何と戦うんですか?」

 

ココア「ライバル店かな?」

 

楽兎「それただの営業妨害だろ?迷惑だろ?」

 

ココア「えへへ〜。」

 

メグ「えっと・・・ココアさん?」

 

ココア「あ!私の事は、お姉ちゃんって呼んでね!」

 

目をキラキラさせてるココア。

 

楽兎「メグちゃん気にしなくて良いぞ?」

 

ココア「ほらー!まずはチノちゃんが皆のお手本を見せて?はい!お姉ちゃんって!」

 

チノ「どうしてこの流れで呼んで貰えると思ったんですか?」

 

ココア「えへへ・・・」

 

メグ「チノちゃん羨ましいな〜。こんな優しそうなお姉さんと一緒に暮らせて。」

 

チノ「!?」

 

楽兎(騙されてる!?)

 

ココア「いえいえ。姉らしい事は何も出来ませんが、これパンのお裾分けだよ!」

 

懐からパンが入ったバスケットを取り出した。

 

楽兎「何時作ったんだよ!?」

 

メグ「わぁ〜!ありがとうございます!」

 

パンを一口かじるメグ。すると衝撃が走った。

 

メグ「お料理も上手!どうしてこんな素敵な人だって教えてくれなかったの!?」

 

楽兎「ココアはパンしかまともに作れねぇぞ!?」

チノ「ココアさんはパンしかまともに作れないんですよ!?」

 

丁度そこにリゼが来た。

 

リゼ「すまない!部活の助っ人に駆り出されて!ん?」

 

ココア「あ!リゼちゃん!紹介するね!」

 

マヤとメグを自分に寄せた。

 

ココア「私の新しい妹達です!」

 

リゼ「嘘を吐くな。」

 

楽兎「察しが早いな。」

 

リゼ「そうだ!私とした事が、あれを無くしたみたいで、誰か見てないか!?」

 

マヤ「もしかしてこれ?後ゴンバットナイフも入ってたけど、こっち?」

 

今度はモデルガンだけでなく、コンバットナイフも取り出した。これにはチノが怯え、ティッピーは怒った。

 

ティッピー「リゼー!うちに物騒な物を持ち込むのでない!」

 

リゼ「素人が扱える物じゃない。返せ。」

 

マヤ「そのセリフ格好良い!リゼって、役者目指してるの?それとも、ミリオタ?」

 

チノ「ん?楽兎さん、ミリオタって何ですか?」

 

楽兎「ミリオタはミリタリーオタクと言う略でな。まあ簡単に言うと、軍事的な物が趣味って言うんだ。」

 

チノ「そうなんですか。」

 

マヤ「まぁそう言う事だな。私も!CQCとか出来るよ!」

 

CQC(クロース・クォーターズ・コンバット)・軍人が使う近接格闘術。

 

リゼ(こいつ!CQCに精通しているのか!?軍の関係者か!?)

 

メグ「マヤちゃんったら、またテレビの影響を受けてる。」

 

リゼに近付きマヤがじっくり見る。

 

マヤ「リゼって、立ち振る舞いが普通の女の人とは違うねー!憧れちゃうなー!」

 

リゼ「やっぱり私って浮いてる!?」

 

メグ「ココアちゃんは私の目標にするねー!」

 

ココア「そんな事初めて言われたー!」

 

マヤ「ねえチノ?」

 

チノ「は、はい。」

 

マヤ「チノはどっちに憧れてるの〜?」

 

チノ「憧れ・・・強いて言えば・・・・楽兎さんとシャロさん?」

 

楽兎・ココア・リゼ「ですよね!」

 

マヤ「ねえチノ!今日はこのまま手伝って良い?」

 

チノ「は、はい。勿論。」

 

メグ「ありがとー!じゃあ私コーヒー淹れて来るねー!」

 

マヤ「あ!私もやってみたーい!」

 

チノは2人を見て何かを思った。ココアとリゼはテーブル席に座る。

 

ココア「リゼちゃんと一緒にお客さんしていようかな?」

 

リゼ「何か新鮮だなー!」

 

そこにメグがコーヒーを持って来た。

 

メグ「はい。どうぞー。」

 

ココア「ありがとー。あ!メグちゃん、コーヒー豆は生のまま食べない方が良いよ?」

 

メグ「えへへ!知ってるよー!」

 

リゼ「親の影響を受けると、殺伐とした考え方が身に付いて大変だよなー。お互い。」

 

マヤ「お互い?」

 

4人同士の会話を見てるチノ。

 

チノ「おじいちゃん、楽兎さん、この気持ち、何なんでしょうか?」

 

ティッピー「んー。」

 

楽兎「何だろうなー。考えてみようか。」

 

 

 

 

 

 

翌日2人は、甘兎庵に来店した。

 

千夜「はい。どうぞー。」

 

お茶を差し出す千夜。

 

チノ「ありがとうございます。」

 

楽兎「ごめんな千夜、仕事中に。チノちゃんが相談したいって言って来たから。」

 

千夜「ううん。あんこに会うついででも、チノちゃんが私に相談してくれて、嬉しいわ。」

 

チノ「千夜さん・・・」

 

千夜「それで、そのお友達がどうしたの?」

 

チノ「時々お店に来るようになって、ココアさんとリゼさんの妹のようになってて。」

 

千夜(シャロちゃんに教えたら何て言うのかしら?)

 

チノ「それに、モヤモヤするんです・・・」

 

楽兎「チノちゃん嫉妬してるのか。」

 

チノ「しっと・・・?誰にですか?」

 

千夜(自覚が無いのね!)

 

楽兎(まさかの自覚無しですかい!?)

 

あんこを頭に乗せた。

 

チノ「ココアさんは、年下だったら誰でも良いんです。」

 

千夜(誤解を招く発言だわ!)

 

チノ「リゼさんはマヤさんに親近感を覚えてしまったみたいですし、メグさんもマヤさんも、まるで私の事を忘れてしまってるみたいでした・・・」

 

楽兎「そんなに落ち込んでたのか?」

 

すると千夜が、チノの肩に手を乗せた。

 

千夜「チノちゃん、寂しいんならいっその事、うちの子になっちゃいましょ!」

 

チノ「余計ややこしい事に・・・」

 

楽兎「うちの子になろうって、明らかに誘拐と同じだろ?」

 

???「あの〜、もしかして、ラビットハウスさんのお孫さんでしょうか?」

 

チノの後ろから女性の声が聞こえた。青山ブルーマウンテンだった。

 

チノ「そうですが。」

 

楽兎「俺はチノちゃんの従兄ですが。」

 

チノ「おじいちゃんのお知り合いですか?」

 

青山「ラビットハウスには、学生だった頃よくお邪魔していました。でも最近は、心の準備が。」

 

楽兎「心の準備ですか?」

 

青山「モヤモヤしてしまう気持ち、分かります。とても大切な人達に囲まれているんですね。」

 

チノ「私、どうしたら良いのか分からないんです。こんな気持ち初めてで・・・」

 

青山「初めてですか?だったら、良い事なのかもしれません。」

 

チノ「良い事?」

 

青山「きっと、心が教えてくれているんだと思います。あなたは、あなたが思っている以上に、その人達の事が好きなんだって。すみません、差し出がましい事を。では、私はこれで。」

 

小説の原稿用紙をバッグに入れて、お会計を済ませて店から出た。

 

チノ(不思議な人だ。)

 

千夜「私ったらダメね。チノちゃんの相談にちゃんと乗れなかったわ。」

 

楽兎「俺もだ。チノちゃんごめんね。」

 

チノ「そんな事ないです。聞いて貰えて心が軽くなりました。」

 

すると誰かが来店した。フルール・ド・ラパンの制服姿のシャロだった。携帯の画面を向けてパニック状態だった。

 

シャロ「リリリリリリゼ先輩にいいいいいい妹が出来たってどう言う事ーーーー!?」

 

チノ「メールしたんですね・・・」

 

楽兎「シャロがパニックになってる・・・」

 

千夜「フフッ♪」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスでは、ココアが何かを考えてた。

 

ココア「ねえリゼちゃん、私、チノちゃんがあの2人と仲良くしてるのを見てたら、嬉しいんだけど、ちょっと寂しくなっちゃったんだ。きっと、私の知らないチノちゃんの一面を、いっぱい見ているんだろうな。」

 

リゼ「ココア・・・私だってそう言うの、分からなくも無いぞ?私だけ、ここに住み込んでない訳だし・・・」

 

ココア「ん?何か言った?」

 

リゼ「何も言ってない!」

 

ココア「えへへ。何て言ったの?」

 

リゼ「何も言ってない!」

 

 

 

 

2人の会話を、こっそり聞いていたチノとティッピーと楽兎。

 

チノ「おじいちゃん、楽兎さん、モヤモヤしてたのは、私だけじゃなかったみたいです。」

 

ティッピー「んー。」

 

楽兎「そうだな。誰にでもモヤモヤする事だってあるから大丈夫だよ。さてチノちゃん、仕事をやろうか。」

 

チノ「はい。」

 

 

 

 

2人がホールに出て来た。

 

ココア「おかえりー!」

 

リゼ「開店準備始めるか!」

 

チノ「はい!」

 

楽兎「ああ!」

 

3人は開店の準備を始めた。

 

ココア「やっぱり、この4人で仕事してる時が一番落ち着くねー!」

 

リゼ「そうかもな。」

 

ココア「リゼちゃんがコーヒー豆を挽いたり、楽兎君が料理したりして、チノちゃんがお客さんに運んで、私は・・・日向ぼっこ?」

 

リゼ「さぼるな!!」

 

楽兎「働け!!」

 

 

 

 

 

 

後日の中学校の教室。

 

メグ「チノちゃんおはよー!」

 

チノ「おはようございます。」

 

マヤ「その、もう、具合大丈夫?」

 

チノ「ん?何の事です?」

 

マヤ「最近、ずっと元気無かったじゃん?」

 

メグ「声掛け難かったから心配だったの。我慢しちゃダメだよ?」

 

マヤ「そうそう。変なところで遠慮するからさ。」

 

チノ「・・・・・・・・大丈夫ですよ。今、治ったみたいです。」

 

マヤ「今治ったの!?」

 

チノ「何でー?」

 

こんなに楽しい友達を持って幸せになったチノであった。

 

 

 

 

夕方、ココアがティッピーと夕焼けの空を眺めていた。

 

ココア「夕焼けが綺麗だねー。ティッピー。私、お姉ちゃんとして、チノちゃんのお手本になれるような生き方出来てるのかな?」

 

ティッピー(小娘が何を言う。)

 

ココア「リゼちゃんとは仲良くなれたけど、まだ、変な子だって思われてないかな?」

 

ティッピー(リゼの方が気にしてるじゃろ。)

 

???「年頃の女の子の接し方は難しいですよね。」

 

ココア「青山さん!?」

 

隣で体育座りをしている青山ブルーマウンテンがいた。

 

青山「奇遇ですね〜。まあ、可愛らしいうさぎー。」

 

撫でられて赤くなるティッピー。

 

ティッピー(ギクッ!!)

 

ココア「青山さんが書いた小説読んだよ!うさぎになったバリスタ、凄く面白かった!」

 

青山「本当!?実は、主人公にモデルがいるんです。」

 

ココア「おー!どんな人なの?」

 

青山「昔、お世話になった喫茶店のマスターです。お店が経営不振の時に、いっそうさぎになりたーい!って愚痴ってたのを参考にしました。映画化される程売れるようになったと報告したいんですが、忙しくて間が空いてしまい。」

 

ココア「久し振りで緊張しちゃうんだね。」

 

青山「はい。」

 

ココア「でもうさぎになりたいなんて、お茶目なんだねー!」

 

青山「実にユーモラスです。白いお髭が素敵な、根は優しいおじいさんなんですよ。」

 

自分だと体を震え続けてるティッピーであった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼

        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨
      女性客A:石上静香
      女性客B:大空直美

タカヒロ「次回ご注文はうさぎですか?、2人の心が離れる時、新たなる気持ちの変化を齎す。」

ティッピー「Call Me Sister!」

タカヒロ「お楽しみに。」

次回「Call Me Sister」


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7羽「Call Me Sister」

ある朝の甘兎庵。店の中からガラガラと音が響いた。そして。

シャロ「いやああああああああーーーー!!!」

中からシャロが逃げ出した。逃げてる理由は、トラウマのあんこが追い掛けて来たからである。

シャロ「いやああああああーーーー!!!来ないでーーーーー!!!」






遂に裏路地まで追い詰められたシャロ。

シャロ「それ以上近付いたら、舌噛むから!」

自分の舌を噛むシャロ。その時。






???「待て!!」

シャロ「!!」






救世主が現れた。先輩のリゼだった。

シャロ「あ・・・!!!」






リゼのお陰で救われたシャロ。あんこはリゼが抱えてる。

シャロ(うさぎ恐怖症の私を、よく助けてくれるリゼ先輩は、憧れの存在。)

リゼ「こいつ、よく見ると可愛いなー!」

シャロ(もし、私が先輩のような性格だったら、貧乏でも堂々としていられたのかな?)






想像するシャロ。

シャロ『特売だ!道を開けろ!!』

モデルガンを持って、周りの客達を退かす。そして堂々と前へ進む。






シャロ「は!ごめんなさい!!ごめんなさい!!私ったらいけない想像を!!」

リゼ「いけない想像!?」


ある日のラビットハウス。今日のチノはちょっと不機嫌になっていた。

 

リゼ「ココア、今日のチノ、機嫌悪くないか?」

 

楽兎「お前何か知ってるのか?」

 

ココア「え?そうかな?」

 

 

 

 

 

 

回想するココア。

 

ココア『チノちゃーん!もふもふー!』

 

チノ『止めて下さいココアさん。』

 

もふもふしようとするが拒否られたり。

 

 

 

 

うさぎのラテアートが出来て満足になるココア。

 

チノ『ココアさん邪魔です。』

 

しかし途中で皿を運んでるチノにぶつかってミルク溢したりと。

 

 

 

 

 

 

ココア「チノちゃんは何時も私にツンツンだよ?」

 

リゼ「何時もそんなあしらわれ方してんの?」

 

楽兎「お前チノちゃんに甘過ぎだろ。」

 

 

 

 

そこでリゼと楽兎は、昨日何があったのかを聞く為チノを裏に呼んだ。

 

リゼ「何かあったのか?」

 

楽兎「俺とリゼが相談に乗ってあげるよ?」

 

チノ「昨日、ココアさんと私の部屋で遊んでる時に。」

 

 

 

 

 

 

それは昨日の夜、ココアがチノの部屋で遊んでる時。

 

チノ『ちょっとお手洗いに。』

 

ココア『行ってらっしゃーい!』

 

トイレに向かったチノ。

 

ココア『ん?』

 

するとココアはチノのやり掛けのパズルに目を付けた。

 

 

 

 

 

 

チノ「戻って来たら、毎日少しずつやるのが楽しみだったパズルがほぼ完成状態に。」

 

何とトイレに行ってた間、ココアがパズルを勝手にやってしまったのだった。

 

リゼ「え!?」

 

チノ「しかも、1ピーズ足りなかったんです。」

 

楽兎「うわぁー!凹み率100%・・・・」

 

 

 

 

 

 

この事をココアに告げると。

 

ココア「えー!?チノちゃん喜ぶと思ったのにー!」

 

楽兎「お前がチノちゃんの楽しみを台無しにしたから、あんなに機嫌が悪くなったんだよ。」

 

ココア「で、でもパズルのピースは最初から無かったよ?」

 

リゼ「無くしたのはココアだと思ってないのだろうけど、楽しみが取られてショックだろうな。」

 

ココア「・・・私・・・私・・・お姉ちゃん失格だーーーーーー!!!」

 

そう叫んで店から飛び出した。

 

リゼ・楽兎「先に謝っとけよ・・・」

 

 

 

 

 

 

夕方になってもココアは帰って来ない。

 

リゼ「ココアが帰って来ない・・・」

 

楽兎「チノちゃん、ココアに悪気は無かったんだから許してあげたらどうだ?」

 

チノ「ですが・・・あんな態度を取ってしまった以上、普通に話すのが恥ずかしくて・・・」

 

楽兎「分かるよその気持ち、凄く気不味いよな。」

 

リゼ(気付いて無かったけどな。)

 

するとそこに。

 

ココア「チノちゃーん!!」

 

帰って来なかったココアがパズルの箱を持って帰って来た。

 

ココア「新しいパズル買ってきたから許してー!」

 

チノ「8000ピース!?」

 

楽兎「多!」

 

ピースの数は何と8000だった。

 

 

 

 

 

 

その夜、何故か千夜とシャロを招き入れた。

 

シャロ「協力して欲しいって・・・」

 

千夜「これなの?」

 

8000ピースのパズルが進まなかった為、千夜とシャロを招いた。

 

ココア「手伝って〜・・・」

 

チノ「始めたものの終わらないんです・・・」

 

シャロ「1回崩しちゃえば?」

 

ココア「勿体無いよー!」

 

楽兎「それに、シャロ見ろよ。今のリゼを止めるのは不可能になった。」

 

パズルで楽し気上昇になってるリゼ。

 

リゼ「楽しい・・・!!」

 

シャロ「た、確かに・・・仕方ないわね!手伝ってあげるわよ!」

 

ココア「本当ー!?」

 

そして6人でパズル完成を目指す。

 

千夜「ジグソーパズルなんて久し振りー!」

 

ココア「端から作って行くのが楽なんだよねー。」

 

だが千夜は、持ってるピースが合わなくて困っていた。

 

シャロ「チノちゃんが作った所と合体ー!」

 

チノ「合いそうですね。」

 

シャロが作った所とチノが作った所がピッタリ合った。

 

ココア「こっちも、リゼちゃんが作ってた所と合体だよー!」

 

リゼとココアのピースがピッタリ合った。千夜は頑張って合うピースを探すが、どれも合わなかった。

 

千夜「シャロちゃん・・・1ピースも合わせられない役立たずが、ここに居ても良いのかしら・・・」

 

シャロ(急にネガティブになった。面倒臭い。)

 

自暴自棄になり自虐的になってしまった千夜。

 

シャロがピースを嵌めようとしたその時、リゼと重なってしまった。

 

シャロ「せせせせ先輩からお先にどうぞ・・・!!」

 

リゼ「いや、シャロの方が合ってるっぽいし。」

 

シャロ「そ、そんな事無いです〜!」

 

リゼ「だってほら、形が。」

 

シャロ「いいえ!先輩が先に!」

 

リゼ「いや、シャロが。」

 

すると千夜がピースを嵌めるとピッタリ合った。

 

千夜「あー!嵌ったー!」

 

リゼ・シャロ「・・・・」

 

千夜「あ!」

 

シャロ「どうしたのよ?」

 

千夜「ううん、何でもないわ。」

 

 

 

 

 

 

一方その頃ラビットハウスのバーでは、ティッピーがうさぎの絵が描かれた額縁を見て満足していた。

 

ティッピー「んー。格好良いのー。息子よ、何時見てもわしにそっくりだと思わんか?」

 

タカヒロ「そろそろ、それも飽きてきたな。」

 

ティッピー「何じゃと何じゃと!?飽きてきたじゃと!?」

 

 

 

 

 

 

同じ頃ココア達は、集中力が切れてた。

 

楽兎「皆集中力のバッテリーが切れ掛かってるな。」

 

リゼ「おーい!ハートマークが出来たぞー!」

 

何故かリゼからピンク色のオーラが溢れ出ていた。

 

シャロ「リゼ先輩!疲れてるなら休憩して下さい!!」

 

ココアを見るチノ。ココアは1ピースをじっと見て動く気配も無い。

 

チノ「(ココアさん、さっきからピース見つめながら動かない。)そ、その、責任取ろうとしないで下さい・・・私、もう怒って・・・」

 

だがココアは寝ていた。

 

チノ「寝てる!?」

 

ココア「あ!」

 

チノの言葉で目が覚めたココア。

 

ココア「も、もう一息!頑張らなくっちゃ!もう少しで完成だもん!」

 

チノ「そうです!」

 

シャロ「ラストスパートね!」

 

千夜「ええ!!」

 

楽兎「よっしゃ!この勢いで行けばコンプリートだ!」

 

皆気を取り直してやる気を見せた。

 

リゼ「これ、下に何も敷いてないけど、どうするんだ?」

 

楽兎「あ。」

 

その時皆の動きが固まってやる気が切れた。

 

楽兎「ヤバい、考えて無かった。」

 

千夜「私、さっき気付いてたのに、この空気になるのが怖くて言えなかった・・・もっと早く言ってれば、私のせいで・・・」

 

シャロ「余計空気が重くなるから、自分を責めるのはやめて!!」

 

すると、シャロのお腹から音が鳴った。

 

ココア「お腹空いたねー。ホットケーキ作ってくるよー!」

 

チノ「あ!手伝います!」

 

楽兎「俺も行く。皆後頼む。」

 

3人はキッチンに向かった。

 

リゼ「あの2人、自然に仲直りしたみたいだな。」

 

シャロ「え!?喧嘩してたんですか!?」

 

リゼ「だって、何時も以上にチノの口数少なかっただろ?」

 

シャロ「何時もあんな感じじゃないんですか?」

 

千夜「チノちゃん照れ屋だから。」

 

リゼ「・・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃キッチンでは、ココアがホットケーキを焼いていた。

 

楽兎「ココア、上手く出来るのか?」

 

ココア「私ね、最近ホットケーキ宙に浮かして返せるようになったんだよー?見ててねー。行っくよー!えい!」

 

ホットケーキを宙に高く浮かせた。するとケーキがチノの頭に直撃されそうになった。

 

楽兎「チノちゃん!!」

 

だが楽兎がチノを下がらせた。だが代わりに自分の顔に熱々のホットケーキが直撃した。

 

楽兎「熱っちーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

チノの部屋。

 

リゼ「えっと・・・」

 

ココア「うわーん!!チノちゃんが口聞いてくれないよ!!」

 

リゼ「自分でどうにかしろよ。」

 

 

 

 

 

 

キッチンでは、チノがホットケーキを焼いていた。あの時楽兎がチノを救ったが、チノがもう少しで直撃されそうになったと怒ってしまった。ココアは椅子に座って泣いてた。

 

楽兎(熱かった・・・チノちゃん、俺が直撃受けたから許してあげても良かったのに・・・)

 

そして楽兎は顔を上にして顔面に水袋を乗せてココアの隣に座ってる。

 

ココア(完璧に嫌われた・・・)

 

チノ「そろそろ焼き上がるので、先に運んで・・・ら、楽兎さん・・・」

 

楽兎「ん?どうしたチノちゃん?ん?」

 

何とココアがケチャップを使ってテーブルの上にダイングメッセージを書いていた。『死してつぐないます』と書かれていた。

 

 

 

 

 

 

チノの部屋。

 

リゼ「これか?」

 

チノ「大変です!ココアさんがケチャップで死んでます!」

 

リゼ「え!?」

 

 

 

 

 

 

キッチンに戻ったチノは、ココアの顔を拭いてあげてる。

 

ココア「ごめんねチノちゃん・・・」

 

チノ「私も素っ気ない態度を取ってしまいました・・・楽兎さん、顔は大丈夫ですか?」

 

楽兎「もう治ったし大丈夫だよ。火傷寸前で助かった。」

 

ココア「でもね、初めて姉妹っぽい喧嘩出来て、ちょっと嬉しかった!かも。」

 

チノ「え?」

 

ココア「うさぎも気を引きたくて、死んだふりをするんだよ?」

 

チノ「ココアさんはうさぎと言うより笑顔が、ウーパールーパー。」

 

ココア「ウーパールーパーかぁ。複雑!!」

 

楽兎「どんな例えだよ。」

 

 

 

 

 

 

その後ホットケーキを食べた6人。

 

千夜「ごちそうさまでしたー。」

 

リゼ「美味しかったなー。」

 

シャロ「はいー。」

 

ココア「この知恵の輪難しいね。」

 

知恵の輪をやってるココア。

 

チノ「おじいちゃんが作ってくれたんです。」

 

リゼ「チノって、パズルゲーム好きなんだな。」

 

チノ「難しくて何度挑戦しても出来なかったんですが、いつか自分の力で解いて、おじいちゃんをアッと言わせて見せます!!」

 

楽兎(そのおじいちゃんならここに居るけどな。)

 

リゼ「しかし、最初にやってたパズルのピースは何処に行ったんだろうなー。」

 

シャロ「そう言うのって、忘れた頃に見つかりますよね。」

 

楽兎「あるある。俺も何度かあったな。」

 

千夜「シャロちゃんは学校にランドセル忘れたまま帰って来た事があったわ。」

 

シャロ「!!!」

 

楽兎「まだ爆弾発言かよ。」

 

千夜「明日学校行けなーいって泣いてー。」

 

シャロ「リ、リゼ先輩の前で昔の話はやめてよ!!」

 

そう言ってベッドを叩いた。叩いた反動でティッピーが飛んだ。

 

ティッピー「お!」

 

するとティッピーから何か小さい物が落ちてきた。

 

ココア「チノちゃん、これって・・・」

 

チノ「なくなったピース・・・」

 

なんとあの時のパズルのピースだった。

 

ココア「良かったー!これで完成だねー!」

 

チノ「はい!」

 

楽兎「おいココア!知恵の輪が!」

 

だが、ジャリと音が響いた。

 

ティッピー「あら。」

 

ココア「あ・・・」

 

嬉しさのあまり、知恵の輪を一瞬にして解いてしまった。

 

リゼ・シャロ「あぁ・・・・」

 

千夜「まぁ。」

 

ココア「あ、あはははは・・・・」

 

楽兎「言わんこっちゃない・・・」

 

怒ったチノは頬を膨らませた。

 

チノ「ココアさん!」

 

ココア「はい。お姉ちゃんって・・・」

 

チノ「呼びません!!」

 

楽兎「前途多難だな・・・」

 

 

 

 

 

 

翌日。ココアが学校に登校した。途中で千夜に出会った。

 

ココア「おはよー千夜ちゃん!」

 

千夜「おはようココアちゃん。チノちゃんのご機嫌直った?」

 

ココア「朝になったら許してくれたよ。あれ?穴がー!」

 

なんと千夜のタイツに穴が空いてた。

 

千夜「やだ!!」

 

ココア「このままだと目立っちゃうね絆創膏で穴を塞ぐのと、ペンで肌を黒くするの、どっちが良い?」

 

千夜「大丈夫よ。」

 

するとタイツをその場で脱ぐ千夜。

 

ココア「その手があったかー!」

 

 

 

 

 

 

その後白ソックスに履き替えた千夜。昼になり、ココアと弁当を食べる。

 

ココア「おじさんの作った栗きんとん美味しいねー!」

 

千夜「えぇ・・・」

 

だが千夜は弁当一口も食べてなかった。

 

ココア「お弁当食べないの?」

 

千夜「食欲無くて・・・」

 

ココア「(何か落ち込んでる?)悩み事があったら言ってね。」

 

千夜「ありがとう。でも良いの。これは私の問題だから。」

 

 

 

 

 

 

その後ラビットハウスに帰って来たココアは3人に千夜の事を話した。

 

リゼ「千夜が落ち込んでる?」

 

ココア「そうなの。」

 

チノ「私が怒ってる時は気が付かなかったのに、千夜さんの様子がおかしい時は気が付くんですね。」

 

ココア(あ!チノちゃん!ジェラシー!?)

 

チノ『お姉ちゃんの鈍感。ぶ〜。』

 

ココア「チノちゃんの事はちゃんと見てるよ!」

 

チノ「え?」

 

ココア『一緒にお風呂に入ってくれない時は、そう言う年なんだなーって気を遣ったり、反抗期の対処を考えたりしてるもーん。』

 

リゼ「考えてると言うか・・・」

 

楽兎「お前は思春期の娘に対する父親かよ。」

 

チノ「実は・・・私に悩みが・・・」

 

ココア「辛い事があったら我慢せずに私の胸に飛び込んでおいで!」

 

リゼ「相談に乗るから何でも言えよ?精神のブレは戦場では命取りになるからな。」

 

悩むチノに必死に相手にしたがる2人。

 

チノ「成長が止まった気がします・・・」

 

ティッピー「精進あるのみじゃ。」

 

楽兎「チノちゃん頑張って。」

 

ココア・リゼ「スルー!?」

 

 

 

 

 

 

更衣室で着替える3人。

 

ココア「心配だから、千夜ちゃんの様子を見に行ってくるよ。」

 

チノ「外はもう暗いですよ?」

 

リゼ「何かあったら心配だな。これ貸してやる。撃つ時は、脇を締めて両手で構えろよ?」

 

グロック17のモデルガンをココアに貸す。

 

ココア「私が捕まるから!」

 

 

 

 

 

 

その夜ココアは甘兎庵に向かった。そしてもう1人。

 

楽兎「何で俺まで行かなきゃいけないんだよ?」

 

ココア「私のボディーガードとして連れて行くの。」

 

楽兎(別にボディーガードはいらないだろ?)

 

 

 

 

 

 

そして甘兎庵の前に着いた2人。しかしそこに居たのは。

 

ココア「ん?シャロちゃん?」

 

体育座りして落ち込んでるシャロだった。

 

楽兎「お前千夜の家の前で何落ち込んでんだ?」

 

シャロ「朝、起こしに来た千夜とちょっと揉めてしまいまして・・・」

 

楽兎「だから落ち込んでたのか?」

 

シャロ「追い掛けて来たのを振り切って学校に行ったんですけど・・・・」

 

 

 

 

 

 

朝の出来事。

 

千夜『シャロちゃーーーーん!!!ああ!!』

 

追い掛ける途中転んでしまった。

 

 

 

 

 

 

シャロ「罪悪感が・・・」

 

ココア「それで仲直りしたいんだね。」

 

シャロ「でも!千夜だって悪いのよ!成長するようにって、毎朝しつこく牛乳を押し付けて来るの!胸が無いからって!!」

 

ココア「身長の心配だと思うよ!?」

 

楽兎「何この鬼畜感!?」

 

シャロ「うぅぅ・・・」

 

楽兎「よしよし。」

 

泣いてるシャロを楽兎が撫でる。

 

ココア「千夜ちゃん凄く落ち込んでたよ?あんなにショボンとしてるの見たの初めて。」

 

シャロ「そ、そんなに?」

 

ココア「幼馴染みって良いなー。」

 

シャロの手を掴んでシャロを立たせる。

 

ココア「行こ!一緒に会えば、恥ずかしくないでしょ?」

 

シャロ「お店に入り難いのはそう言う理由じゃなくて!」

 

店を覗いてあんこを見る。

 

シャロ「彼奴が怖いの!私の顔を見るなり噛み付いて来るから!」

 

楽兎「そう言えばシャロはうさぎ恐怖症だったな。しかも1番のトラウマがあんこだったとは。」

 

ココア「それなら私に任せて!私が守るよ!」

 

 

 

 

 

 

作戦を思い付いて来店する。

 

千夜「いらっしゃいませー、え?え!?ああ!!ご、強盗!?」

 

来店して来たのは、モデルガンを持ってるココアと、紙袋を被ってるシャロと、般若のお面を被ってる楽兎だった。

 

ココア「私だよ私!」

 

楽兎「俺だ!楽兎だ!」

 

般若のお面を外す。

 

千夜「あ!ココアちゃん、楽兎さん、どうしたの?あぁ・・・」

 

突然フラフラになって倒れそうになる。

 

ココア「だ、大丈夫!?お昼も食べてなかったし!」

 

楽兎「昼食ってねえの!?」

 

千夜「食欲が無いの・・・」

 

シャロ「もうオーダーストップしてる時間よね!キッチン、借りるわよ!!」

 

被ってる紙袋を破く。その時あんこがシャロを追い掛ける。

 

シャロ「ノーーーー!!!」

 

追い掛けられて外に逃げるシャロ。

 

ココア「キッチンはそっちじゃないよ!?」

 

楽兎「今助けるぞ!!」

 

 

 

 

 

 

その後シャロを助けた後、キッチンで夕食を作る。シャロが味噌汁を味見する。

 

シャロ「こんなもんね。」

 

ココア「お味噌汁作ってるシャロちゃんって、意外と様になってるねー。お母さんが恋しくなっちゃった。」

 

シャロ「な!や、やめてよー!」

 

ココア「所でお母さん、さっきからワカメの増殖が止まらないの。」

 

シャロ「入れ過ぎ!!」

 

 

 

 

その後ココアはタマネギを切る。連続で切ったお陰で泣いてしまった。楽兎とシャロも巻き込まれた。

 

ココア「タマネギで涙が止まらないよー!」

 

シャロ「娘なら邪魔しないでよー!」

 

楽兎「がぁー!目が染みるー!!」

 

千夜「2人共、私の為に夕食作ってくれてるの?」

 

シャロ「しょ、食欲無いって言うから、食べやすくて体に良いものを。」

 

千夜「嬉しい!でもシャロちゃんはお母さんって言うより・・・生活に困っても、愛があれば大丈夫!っな新妻役でお願いするわ。」

 

シャロ「ちゃっかり会話聞いてるんじゃないわよ!」

 

楽兎「世の男子が理想する新妻だなおい。」

 

シャロ「・・・その・・・」

 

千夜「ん?」

 

シャロ「朝は逃げてごめんなさい・・・」

 

千夜「シャロちゃん・・・!」

 

ココア「ね!千夜ちゃんも元気出して!」

 

千夜「ごめんなさい!そのね・・・」

 

 

 

 

 

 

今日の昼の時。

 

ココア『お弁当のおかず、交換しよ?』

 

 

 

 

 

 

千夜「チノちゃんのお父さんが作った栗きんとんが、私の作った和菓子より美味しかったなんて、恥ずかしくて言えなくて・・・」

 

ココア「そうだったんだー!」

 

楽兎「何だろう・・・この鬼畜感は・・・」

 

千夜「そう言えば!今朝渡したかった物だけど。」

 

シャロ「ん?牛乳じゃなかったの?」

 

千夜「これがうちの木に引っ掛かってたの。」

 

シャロ「ニャ!?」

 

楽兎「な!?」

 

袖から取り出したのは、シャロの下着だった。

 

千夜「追い掛けても逃げるように学校へ行っちゃうんだもん。」

 

シャロ「これ振り回して走ってたんじゃないんでしょうねー!?この和菓子バカー!」

 

ココア「白かー。」

 

楽兎「シャロが可哀想になってきた・・・・」

 

 

 

 

 

 

翌日のチノが通ってる中学校。

 

メグ「チノちゃんの今日のデザートは牛乳寒天?」

 

チノ「デザート感覚でカルシウムが摂れて、背も伸びるかもしれないと。」

 

マヤ「へぇー。」

 

チノ「あは良くば胸も大きく・・・」

 

マヤ「合理的!?」

 

メグ「効果あるのかな?」

 

 

 

 

 

 

同じくココアが通ってる高校。

 

千夜「あ!これ、うちの寒天デザートより美味しい・・・」

 

ココア「は!!」

 

 

 

 

 

 

後日、公園でシャロがチラシ配りをしていた。

 

シャロ「フルール・ド・ラパンでーす!ハーブのお店でーす!」

 

通りかかった女性がチラシを受け取った。

 

シャロ「ありがとうございまーす!残りのチラシは・・・」

 

チラシの上に木を咥えた野良うさぎが座っていた。

 

シャロ「あああああああ!!!そそそそそこ退きなさいよ!!どどど退きなさいってば!!!」

 

うさぎ恐怖症なので言葉しか抵抗出来ないシャロ。そこにリゼと楽兎がチラシを持って公園に来た。

 

リゼ「ん?」

 

シャロ「退いて下さい!お願いします!お願いします!お願いします!」

 

うさぎに向かって土下座をしてるシャロを発見した。

 

楽兎(シ、シャロ・・・?)

 

リゼ(うさぎに土下座してる・・・)

 

シャロ「お願いします!お願いします!」

 

リゼ「ほら。」

 

野良うさぎを持って退かした。

 

シャロ「リゼ先輩!!」

 

楽兎「シャロ大丈夫か?」

 

シャロ「楽兎さん!」

 

野良うさぎを降ろして逃がした。

 

楽兎「達者でなー!」

 

シャロ「あ、ありがとうございました・・・その服で外に居るなんて珍しいですね。」

 

リゼ「ココアが企画した、夏のパン祭りのチラシ配り担当に任命された。」

 

チラシには、『パン祭り。焼きたてパンが食べ放題』と書かれていた。

 

シャロ「食べ放題・・・」

 

楽兎「シャロも来てみたらどうだ?」

 

シャロ「は!!土曜日は1日中バイトなので・・・」

 

リゼ「そっか、残念だな・・・」

 

シャロ「メロンパン、お腹いっぱい食べたかったな・・・」

 

楽兎「お裾分けしてやるから楽しみにしてろよ?」

 

シャロ「あ、ありがとうございます。」

 

リゼ「さて、やるか。」

 

配る時、腰を少し曲げてチラシを前に出す。

 

リゼ「こうやって配れば、受け取ってくれるのか?」

 

シャロ「はい。」

 

リゼ「フルール・ド・ラパンを宜しくお願いしまーす!」

 

楽兎「リゼ!無意識にフルールの宣伝になってるぞおい!!」

 

 

 

 

 

 

一方ラビットハウスでは、チノがチラシを見て何かに気付いた。

 

チノ「!!!」

 

ココア「どうかした?」

 

チノ「ココアさん・・・ラビットハウスのスペルが間違っています・・・・」

 

ココア「え!?」

 

チノ「ハウスじゃなくてホース、馬です・・・」

 

チラシの『Rabbit House』が、『Rabbit Horse』になっていた。

 

ココア「やっちゃった・・・看板にも馬付けたら解決・・・」

 

チノ「しませんよ・・・それに、うぇるかむかもーんって、どうしてかっこつけて変な言葉使おうとするんですか・・・!」

 

ティッピー「わしの似顔絵が気持ち悪い。」

 

ココア「私のミスが町中に知れ渡る!チラシ回収して来るー!!」

 

チノ「確認しない私がバカでした・・・」

 

ココアは急いで回収に向かう。

 

 

 

 

 

 

その頃リゼ達は順調にチラシ配りをしていた。楽兎は別行動中。

 

シャロ「お願いしまーす!」

 

???「あのー。」

 

シャロ「はい?」

 

声を掛けたのは青山ブルーマウンテンだった。

 

青山「このお店は、いかがわしいお店なのでしょうか?」

 

シャロ「普通の健全な喫茶店です!」

 

青山「成る程ー、耳を着けた少女達を拝みながらお茶をする・・・ふむふむ。」

 

シャロ「拝む!?」

 

青山「こう言った思考もあるんですね。近日伺いますので、何卒よしなに。」

 

そう言いながらシャロの太ももを見てる。

 

シャロ「太ももに向かって話さないで下さい!!」

 

青山(目を合わせて話せないせいで、誤解されてしまったみたい。)

 

リゼ「是非来て下さーい!」

 

チラシを受け取る青山。

 

青山(これはラビットハウスのチラシ?マスター・・・久し振りにお会い・・・ラビットホース?違うお店だったみたい。)

 

勘違いをしてしまった青山はそのまま去って行く。

 

ココア「チラシ配りストップー!!」

 

リゼ「え?」

 

ココアとチノが駆け付けて来た。

 

チノ「あ!シャロさん!」

 

ココア「スペル間違えちゃった・・・」

 

リゼ「え?」

 

チラシを指差すココア。それを見たリゼは。

 

リゼ「見落としてた!!しょうがない、残りは書き直して!」

 

突然風が吹き始めた。風でチラシが舞い上がっていく。

 

ココア「うえぇーーー!!!」

 

バラまかれてしまったチラシを拾う。木に引っ掛かってるチラシを取ろうと、チノがココアの背中に乗って取ろうとする。

 

チノ「動かないで下さい。」

 

ココア「本当に馬になるなんて・・・」

 

すると木から何かが落ちた。

 

チノ「あ、大きい虫が落ちました。」

 

リゼ「うわぁー!!なんて事をー!!」

 

虫がリゼの頭に落ちた。リゼは虫が苦手で怯えてしまった。

 

シャロ「意外な一面ですね。」

 

するとシャロが虫をすぐ追い払う。

 

リゼ「おー、お前も意外と逞しいな。」

 

シャロ「家の隙間からよく入って来るん・・・何でも、ないです・・・ッ!!!」

 

するとシャロが何か寒気を感じた。先程の野良うさぎが戻って来てシャロの足をペロペロ舐めてた。

 

シャロ「きゃああああああ!!!!」

 

リゼ「でも、うさぎがダメなんだな・・・」

 

チノ「あれ?楽兎さんは?」

 

楽兎「おーい!」

 

そこに別行動していた楽兎が戻って来た。

 

楽兎「戻って来たぞ。」

 

ココア「楽兎君、チラシはどうなったの?」

 

楽兎「ああ、別行動してる時チラシに違和感感じて見たら、ホースになってたんだ。お陰で全部配る事なく俺の手元に全部ある。」

 

ココア「良かったー。」

 

楽兎「どうしたシャロ?またうさぎが襲って来たのか?しかしさっきの叫び声は?」

 

リゼ「いや、シャロの足を舐めてたんだ。」

 

楽兎「ああ成る程、でもうさぎが舐めてる理由は親愛の証だけどな。」

 

ココア「このちっちゃい子なら大丈夫でしょ?」

 

1羽の子うさぎをシャロに差し出し、うさぎを受け取ってじっと見る。

 

シャロ「か、噛まないなら・・・」

 

うさぎを見つめるシャロ。

 

シャロ「きゅ、きゅわー・・・・」

 

ココア「え!?うさぎって鳴くの!?」

 

チノ「そんなにはっきりとは鳴かないかと。」

 

シャロ「え!?」

 

 

 

 

 

 

幼少期の頃、千夜から教えられた言葉を思い出した。

 

千夜『うさぎは、キュウって鳴くのよ?』

 

シャロ『本当?』

 

それは千夜のジョークだった。

 

 

 

 

 

 

シャロ(帰ったら問い詰める・・・!!)

 

 

 

 

 

 

その夜、パン祭りの後、千夜のところに訪れた。

 

ココア「今日はパン祭りに来てくれてありがとね!」

 

千夜「無事に成功して良かったね。」

 

ココア「千夜ちゃんあまり居られなかったから、はい!お裾分け!」

 

お裾分けのパンを差し出すココア。

 

千夜「ありがとー!」

 

ありがたく受け取る千夜。

 

リゼ「それで、シャロの家知らないか?」

 

千夜「え?」

 

ココア「バイトで来れなかったから、お裾分けしたくて。きっと赤い屋根の大きなお家に住んでると思うんだけど。」

 

楽兎「シルバニアファミリーかよ。」

 

千夜「えっと・・・」

 

すると千夜の隣の家からドアの音が鳴った。

 

シャロ「夕食買い忘れちゃった。ん?」

 

家からシャロが出て来た。皆と偶然会ってしまった。

 

シャロ「あ・・・・!!!」

 

チノ「もしかして私達は・・・」

 

リゼ「大きな勘違いをしていた・・・」

 

チノ「今まで勝手に妄想の押しつけを・・・お嬢様とか関係なく私の憧れなので・・・」

 

シャロ「気遣わせちゃってる!?」

 

楽兎「チノちゃん、無理しなくても良いよ?」

 

ココア「ところで、シャロちゃんの家は何処?」

 

シャロ「この物置よー!!」

 

ココア「え!?」

 

千夜の隣の物置がシャロの家だと知って驚いた。

 

リゼ「そっか、うちの学校の特待生ってシャロだったんだな。」

 

シャロ「その、言い出せなくて・・・」

 

リゼ「よし!フェアになるよ!私も秘密を教えよう!」

 

シャロ「え?」

 

耳元で自分の秘密を教える。

 

リゼ「あのな、うさぎのぬいぐるみに、銃のミニチュアを背負わすのにハマってるんだ。可笑しいかな?」

 

シャロ「分かります!私もぬいぐるみの近くに小物の食器とか置くのが好きですー!」

 

千夜(同じベクトルなのかしら?)

 

楽兎「リゼ優しいな。」

 

 

 

 

 

 

ココア達と別れた後、シャロがベッドで転がっている。

 

シャロ「もう恥ずかしい・・・こんな家に居られて・・・」

 

千夜「でも分かったでしょ?お嬢様じゃなくても、皆幻滅したりしないわ。シャロちゃんはシャロちゃんよ。」

 

シャロ「千夜・・・」

 

千夜「けど2人だけの秘密がバレちゃってちょっと残念。」

 

シャロ「何でよ。」

 

千夜「さ、パン食べましょ。」

 

シャロ「私のティーカップコレクション勝手に使うな!あ!メロンパンいっぱい入ってる!」

 

千夜「良かったわね。」

 

この夜、シャロはメロンパンをいっぱい食べたのだった。

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスのバーでは、ティッピーが驚いてた。

 

ティッピー「何じゃこりゃー!わしの絵が・・・」

 

うさぎの絵の額縁が、ココア達が完成させたパズルに変わっていた。パズルには、寄り添ってる5羽のうさぎと、その隣に1羽の白うさぎが座ってる。

 

タカヒロ「新しいのにしておいた。」

 

ティッピー「何だと!?」

 

タカヒロ「よく見ろよ親父、この6匹誰かに似てるだろ?」

 

ティッピー「何?」

 

パズルをよく見るティッピー。

 

ティッピー「ま、これはこれで悪くない。よく見たら真ん中のはわしに似とるしなあはっはっは。」

 

新しい絵が変わっても満足になったティッピーでだった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斉藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼

        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

タカヒロ「愛、それは人を素直にさせる。」

ティッピー「わしも素直にこの気持ち・・・」

タカヒロ「チノは、夕焼けの方が心に染みるみたいだぞ?」

ティッピー「わしは、いやわしも!」

次回「プールに濡れて 雨に濡れて涙に濡れて」

感想や評価など宜しくお願いします。

『因みに私の好きなパンは、カレーパンとガーリックパンです。』


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8羽「プールに濡れて 雨に濡れて涙に濡れて」

ある日のラビットハウス。

リゼ「600円になります。1000円お預かりしたので、400円のお返しです。」

4人「ありがとうございましたー!」

今日もラビットハウスは忙しい。お客が出た瞬間、千夜とコーヒーで泥酔してるシャロが来店して来た。

シャロ「いえーーい!たのもーーー!」

ココア「テンションが高い!?」

楽兎「おい、シャロのそのテンションはまさか・・・」

千夜「貧乏がバレてしまった恥ずかしさに耐えられないって言うから、ヤケコーヒー巡りを勧めたの。」

リゼ「もっと違う物を勧めろよ!」

千夜「ここで3軒目。」

楽兎「多いわ!酒たったらヤバイぞ!」

シャロはココアと遊んでいた。

千夜「でも見て。あの晴れやかな顔。」

リゼ「カフェインで可笑しくなってる顔だな・・・」

チノ「シャロさん、コーヒー好きになってくれて嬉しいです!」

楽兎「チノちゃん、それ違うと思うぞ?」

ココア・シャロ「アーループースー一万尺♪」

アルプス一万尺で遊んでる2人。

リゼ「酔い潰れるほど悩んでたんだな・・・」

千夜「皆気にしないって、シャロちゃん自身分かってるんだけどね。」

リゼ「ああ。私なんか、シャロのお嬢様らしさを見習いたいくらいだ。(その方が、あの学校では、周りと馴染めそうだし。)」






想像するリゼ。クレー射撃をしてるリゼ。

リゼ『ご覧いなってまして?お父様。射撃は淑女のたしなみです。』

メイド『お疲れ様ですお嬢様。ご休憩にコーヒーをどうぞ。』

そこに、1人のメイドがコーヒーを持って来た。カップはかなり小さい。

リゼ『あら!ありがと!』

コーヒーを飲むリゼ。すると自然に赤くなる。再びクレー射撃を始める。今度は4つ同時に撃ち落とした。使ってる銃は、アメリカのバレット社が設計したバレットM82だった。

リゼ『ははははは当たった当たった!全弾ぶち抜いてやったよ!』

狂ったようにバレットを打ちまくるリゼ。






リゼ「はっ!戦場の悪魔が誕生した!?」

千夜「そのフレーズ素敵ね。」

楽兎「お前何を想像してたんだ?」


ココア『今日は仕事の汗を流す為に、皆で温泉プールに遊びに来ました。』

 

温泉プールに着いた6人。

 

ココア「うわー!お城みたいだねー!」

 

リゼ「古い建物を改造した名残だな。」

 

千夜「私、水着で温泉初めて。」

 

シャロ「泳ぐのとお風呂が一緒に出来て一石二鳥ね。」

 

早速中に向かう。

 

チノ「あ、浮き輪持って来れば良かった・・・」

 

ココア「あ!これなら持って来たんだけど・・・これ。」

 

バッグからフィンを取り出した。

 

ティッピー「足ひれ・・・」

 

チノ「いりません。」

 

楽兎「どうやって入ったんだ?」

 

 

 

 

 

 

更衣室前に来た6人。

 

楽兎「じゃあ俺ティッピー連れて行くから後で合流ねチノちゃん。」

 

チノ「はい。」

 

楽兎はティッピーを連れて男子更衣室に向かった。

 

 

 

 

 

 

ココア達は女子更衣室それぞれ水着に着替えてた。

 

千夜「ココアちゃん!良く似合ってるわ!」

 

ココア「ありがとー!実はビキニ初挑戦なんだ。」

 

千夜「チノちゃんの水着も可愛いわね〜!」

 

ココア「でしょー!」

 

千夜「どうしてココアちゃんが自慢気なの?」

 

何故か自慢気になってるココア。

 

チノ「千夜さんは何時もとイメージが違って素敵です。」

 

千夜「普段なら、もっと落ち着いた色を選ぶんだけど、若い人達と遊ぶんだから、冒険しないとね。」

 

チノ「千夜さんは何歳なんですか?」

 

ココア「お!リゼちゃんは?」

 

その頃リゼは、丁度水着に着替え終えたところだった。ロッカーの戸を閉めたら、横からココアが覗いてた。

 

リゼ「な、何だ?」

 

水着をじっくり見るココア。

 

ココア「素材を活かした味付けって感じー!」

 

リゼ「はぁ!?」

 

訳が分からない言葉を発言したココア。その頃シャロも着替え終えてた。

 

シャロ(千夜からの水着のおさがり・・・少し緩いけど・・・紐をきつく締めれば・・・行ける!)

 

水着の紐をきつく締める。そこにココアが覗く。

 

ココア「シャロちゃん。」

 

シャロ「ん?」

 

ココア「紐が食い込んでるよ?」

 

シャロ「察してよ!」

 

 

 

 

 

 

男子更衣室では楽兎が海パンに着替え終えてた。

 

ティッピー「どうじゃ楽兎、お前から見て今のチノをどう思ってる?」

 

楽兎「チノちゃんはもうすっかり大きくなって、7年間会わなかったけど、再会出来た時覚えてくれてて嬉しかったな。それに、昔より逞しくなった気がする。」

 

ティッピー「じゃが、お前にチノはまだ早いじゃがの。」

 

楽兎「冗談はやめてくれよ。俺は、チノちゃんを大事に可愛がってるからな。じゃあ行くか。」

 

ティッピーを桶に入れて浴場へ向かう。

 

 

 

 

 

 

その頃女子更衣室では、リゼとチノが髪を整えてた。

 

チノ「あのリゼさん、良かったら私の髪も結んでくれませんか?」

 

リゼ「ああ。良いよ。」

 

チノの髪を器用に結ぶリゼ。

 

リゼ「こんな感じでどうかな?」

 

チノ「素敵です。ありがとうございます。」

 

ココア「チノちゃん可愛いー!」

 

シャロ「先輩凄いです!」

 

千夜「リゼちゃんは本当に器用ね。」

 

リゼ「じ、自分の髪が長いから、髪を結ぶ機会が多いだけで・・・」

 

千夜「ねえ、私の髪も結ってくれない?」

 

リゼ「い、良いけど・・・」

 

ブラシで千夜の髪を整える。

 

シャロ(私も髪が長ければ、自然な流れで先輩に髪を結んでもらえたのに・・・)

 

ココア「おー!手慣れた手捌き。」

 

チノ「華麗です。」

 

リゼ「ふ・・普通だ。」

 

ココア「こんなに上手な人今まで見たことないよ!」

 

リゼ「ホントに普通だって!私なんか!」

 

褒められ過ぎて千夜の髪が異常なまでに派手になってた。

 

ココア「わー!凄過ぎるよーーー!!」

 

シャロ「こ、これは流石に・・・」

 

だが千夜は満足していた。

 

シャロ「あれ?満足してる?」

 

 

 

 

 

 

プールに出て来た5人。そこに楽兎が待っていた。

 

楽兎「お!皆来たか!」

 

ココア「お待たせー!」

 

楽兎「はいチノちゃん、ティッピー。」

 

桶に入ってるティッピーを返す。

 

チノ「ありがとうございます。楽兎さんの身体、凄く素敵です。」

 

楽兎「俺の身体、休みの時は少し鍛えてるからね。」

 

 

 

 

 

 

その後温泉プールで満喫する。

 

シャロ「気持ち良い〜♪」

 

ココア「小さい頃、銭湯で泳いで怒られた事を思い出すな〜。」

 

シャロ「ここは銭湯じゃないけどね。」

 

ココア「シャロちゃんは今でもよく銭湯に行くの?」

 

シャロ「たまにね・・・たまに。こんな大きい所じゃないけど・・・」

 

ガッカリするシャロ。

 

千夜「うちのお風呂を借りてる話でもしてるのかしら?」

 

ココアとシャロが入ってるお湯の温度を確かめる千夜。

 

千夜「緩いわ。こんなのお風呂じゃない!」

 

チノ「千夜さんは江戸っ子ですね。」

 

3人はお湯に浸かって満足する。

 

リゼ「おい毛玉、このくらいの温度なら、お前も入れるんじゃないか?」

 

千夜「あっちにティッピーにぴったりのサイズの桶があったわよ?」

 

チノとティッピーは気不味い雰囲気に圧倒され、顔の半分を潜る。

 

リゼ「あ、嫌がるなよ。温泉嫌いなのか?」

 

千夜「濡れたら普通のうさぎになるの?」

 

チノの顔にリゼと千夜の胸が近付いて来て顔を赤くしてる。

 

ココア「ここの温泉は高血圧や関節痛に効果があるらしいよ。」

 

チノ「成長促進に効果はありませんか・・・?」

 

シャロと同じようにガッカリするチノ。

 

 

 

 

 

 

その頃楽兎はプールで泳いでいた。

 

楽兎「ぷはぁー!ふぅ・・・久し振りのプールで泳ぐと気持ち良いな!」

 

 

 

 

 

 

チノ「今日はあまり人はいませんね。」

 

ティッピー「この温泉の強者共とあいまみえるを楽しみにしていたんじゃがのー。」

 

チノ「では、私と差しますか?」

 

ティッピー「勝負じゃチノ!」

 

チノとティッピーはチェスで勝負をしている。

 

ココア「1人2役やってる。」

 

リゼ「中々レベル高いな。」

 

シャロ「こっちはこっちで泳ぎましょうか。」

 

千夜「あ、私泳ぐのはちょっと・・・」

 

リゼ「私、深いプールで泳いだ事がないんだけど・・・」

 

ココア・千夜・シャロ・楽兎「意外!?」

 

泳いだ事がないリゼ。初めて知った4人は目を丸くした。

 

ココア「じゃあ私が教えてあげるよ!」

 

泳ぎ方を教えようと自信満々になるココア。だが。

 

ココア「見て見てー!これがクロールだよー。」

 

クロールしようとするが、背泳ぎ状態で手足をバタバタする。

 

シャロ「泳ぎ方を覚え直した方が良いわね。」

 

楽兎「お前は泳ぎが下手なアメンボか。」

 

ココア「じゃあこれから、リゼちゃんが泳げるように特訓を始めます!」

 

シャロ「待って、泳ぐなら念の為軽くストレッチした方が良いと思うの。」

 

リゼ「うん。準備運動は大切だよな。」

 

開脚して、前に体を倒すリゼ。

 

ココア・シャロ「柔らかい!!」

 

圧倒的に体が柔らかい。

 

楽兎「俺も結構柔らかいぞ。」

 

余裕でブリッジする楽兎。

 

ココア「シャロちゃん!」

 

シャロ「え?」

 

ココア「肉体美の表現なら負けてられないね!」

 

シャロの足を持って膝で立たせてるココア。

 

リゼ「何してる・・?」

 

ティッピー「良い勝負じゃった。」

 

チノ「はい。」

 

チノとティッピーのチェス勝負が終わった。そこに千夜が来た。

 

千夜「チノちゃーん、私とお手合わせしましょう。チェスってやったことないんだけど、将棋とよく似てるんでしょ?」

 

チノ「良いですよ。勝負です。」

 

今度はチノと千夜のチェス勝負。

 

千夜「せっかくだから何か賭けてみない?私が勝ったらティッピーが、びしょ濡れになったらどうなるのか見せてもらうのはどう?」

 

チノ「分かりました。私が勝ったらココアさんに私をお姉さんと呼んでもらうことにしましょう。」

 

ココア「何で巻き込まれてるの!?」

 

千夜「では。」

 

チェスを始める2人。

 

 

 

 

 

 

ココア「まずは息止め勝負!」

 

リゼ・シャロ・楽兎「何でそうなるんだろう・・・」

 

ココア「せーの!」

 

4人同時に息止め勝負を始める。息を止めて潜る。余裕で息止めしてるリゼと楽兎。しかし横を見ると。

 

リゼ・楽兎「ぶはああ!?」

 

なんとココアが死んだように浮かぶ。びっくりしたリゼと楽兎が咳き込む。

 

シャロ「だ、大丈夫ですか!?」

 

ココア「私の勝ちー!」

 

リゼ「紛らわしい潜り方をするな!」

 

楽兎「焦ったじゃねえか!!」

 

ココア「じゃあ2回戦!」

 

シャロ「まだやるの!?」

 

2回戦が始まり、同時に潜る。3人がココアを見ると、うさぎのジェスチャーをしていた。

 

リゼ(な、何だ?うさぎのジェスチャー?)

 

次に右を指す。

 

シャロ(右?)

 

リゼ(いや、銃か?)

 

今度はナルシスト。

 

楽兎(全然分かんねー。)

 

リゼ(ナルシストか?)

 

4人が立つ。

 

ココア「なーんだ?・・・答えは全部リゼちゃんでしたー!」

 

リゼ「私はそんなんじゃない!!」

 

楽兎「最初のうさぎのジェスチャーしてもリゼだと分からないぞ?」

 

チノ「追い詰めました。」

 

千夜「まだまだよ?」

 

2人の会話を聞いて焦るココア。

 

ココア「千夜ちゃんが負けたら、私のお姉ちゃんとしての威厳がー!」

 

急いでチノ達のところへ駆け寄る。

 

 

 

 

 

 

シャロ「と、とりあえずビート板を使って練習しましょう!」

 

リゼ「ビート板じゃなくて手を引っ張る奴!あれがやりたい!」

 

シャロ(リゼ先輩以外と子供だ・・・)

楽兎(リゼさん以外と子供だ・・・)

 

シャロの手を持って泳ぎの練習をするリゼ。横から楽兎が見る。

 

楽兎「良い感じだぞリゼ。そのペースだ。」

 

シャロ「先輩ってスポーツ万能かと思ってました。」

 

リゼ「泳ぐ機会がなかったからな。授業もなかったし。年下に教わるって、何だか恥ずかしいな。」

 

シャロ(手を引っ張られてるこの状況は恥ずかしくないのだろうか?)

 

リゼ「シャロが溺れても助けられるぐらい上手くなってやるぞ!」

 

シャロ「そ・・そんな迷惑かけませあっ!!クォぉぉぉぉ・・・」

 

何かに反応したのか、プールに沈むシャロ。

 

リゼ「もう想定訓練か!?」

 

シャロ(緊張して足がつった・・・)

 

想定訓練ではなく、シャロが足をつっただけだった。楽兎がシャロを引き上げる。

 

シャロ「すみません楽兎さん・・・」

 

楽兎「あんまり無茶はするなよ?」

 

シャロ「はい・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃ココア達は、チェスを楽しんでた。

 

ココア「千夜ちゃん頑張って!そこでチェストだよ!」

 

千夜「チェックメイトって言いたいの?」

 

ティッピー「ここで負けたらわしがあられもない姿に・・・」

 

チノ「ティッピーうるさいです。」

 

ティッピー「はい・・・」

 

ココア「一兵卒が女王に逆らおうなど、貴族に生まれ変わってからにしろー!」

 

千夜「ココアちゃん!駒になりきるのやめてもらえる?」

 

ティッピー「チノ!今じゃそこだ!」

 

ココア「千夜ちゃん上!後ろ!」

 

チノ・千夜(集中出来ない・・・)

 

周りの応援のせいで集中出来ない2人。

 

 

 

 

 

 

外は夕方になってた。リゼが見事なクロールをしている。

 

シャロ「先輩流石です!」

 

楽兎「上達早いなリゼ!」

 

リゼ「シャロと楽兎の特訓のお陰だよ。」

 

シャロ「リゼ先輩は飲み込みが早いですから。」

 

楽兎「逆に俺達ほとんど何もしてなかったしな。」

 

リゼ「泳ぐのがこんなに楽しいとは思わなかった。ありがとなシャロ!楽兎!」

 

褒められて顔を赤くするシャロ。

 

リゼ「じゃあ次は。」

 

シャロ「え?」

 

シャロの手を握って、フィンを取りに行く。

 

リゼ「あれを使って深い所へ行こうなー!」

 

シャロ「それは私にも無理です先輩〜・・・」

 

 

 

 

 

 

女の子A「何だこれ?」

 

女の子B「柔らかーい。」

 

女の子A「美味しそー。」

 

その頃ティッピーが3人の女の子に突っつかれたり引っ張られたりなどやられていた。

 

ティッピー(チノ〜助けてくれ〜!)

 

すると楽兎がティッピーが入ってる桶を持った。

 

楽兎「ごめんね君達、これうちの従妹の大事な物なんだ。遊んでくれてありがとね。」

 

手を振って女の子達と別れてティッピーを救った。

 

ティッピー「助かった・・すまないな楽兎・・・」

 

楽兎「良いって事よ。あんたが居なかったらチノちゃんが悲しむからな。」

 

 

 

 

 

 

外はすっかり夜になって、バルコニーから夜景を眺めているココアと千夜とチノと楽兎。

 

ココア「わー!夜景が綺麗ー!気持ち良いー!」

 

千夜「夜風は心地良いわね。こうやって耳を澄ませば、あの光一つ一つから街の営みが聞こえてきそう。」

 

チノ「素敵です。」

 

ココア「あのお家今夜は妹さん特製カレーだって。良いなー。」

 

千夜「あの家のご夫婦、今夜は修羅場ね。」

 

楽兎「台無しだろ。」

チノ「台無しです。」

 

シャロ「買ってきたわよー!」

 

リゼとシャロがジュースを買って戻って来た。

 

リゼ「皆で飲もー!」

 

コーヒー牛乳の瓶の蓋を開ける。シャロはコーヒーがNGなのでフルーツ牛乳にしてる。

 

5人「コーヒー牛乳で!」

 

シャロ「フルーツ牛乳で!」

 

6人「カンパーイ!」

 

ココア「お姉ちゃん!コーヒー牛乳はこうやって飲むんだよ!」

 

リゼ「チノが勝ったのか・・・」

 

楽兎「そのようだな。」

 

 

 

 

 

 

数日後。ココアが通ってる高校。

 

千夜「うさぎのマスターがCGかどうか確かめなきゃね。」

 

ココア「そうだねー・・・」

 

今日のココアは眠たそうになってる。

 

千夜「後あのコーヒー豆のシーン、あれを映画でどう表現するのか見ものだわ!」

 

ココア「千夜ちゃん楽しそうだねー・・・」

 

千夜「だって皆と映画だもの。チケットをくれたお客さんに感謝しなきゃ!」

 

 

 

 

 

 

以前甘兎庵で、うさぎになったバリスタのチケット6枚くれたのだった。

 

青山『あのー、これ良かったら。貰い物が余ってるんです。』

 

くれたのは青山ブルーマウンテンだった。

 

 

 

 

 

 

千夜「ココアちゃんは眠そうね。」

 

ココア「夕べ、チノちゃんに私の修業の成果を見せようと思って・・・コーヒーの銘柄当てクイズしたんだ・・・」

 

千夜「コーヒーの飲み過ぎであまり眠れなかったのね。」

 

ココア「今までずっと起きてたから・・・」

 

机にうつ伏せるココア。

 

千夜「え!まさか寝てないの!?ちょっとこの後映画観に行くのよ・・・!」

 

ココア「コーヒー飲めば夜まで持つと思う・・・」

 

千夜「えー!」

 

 

 

 

 

 

同じ頃リゼとシャロが通ってるお嬢様学校。

 

リゼ「所で、待ち合わせは直接映画館で良いんだっけ?」

 

シャロ「はい・・・」

 

今日のシャロは眠たそうになってる。

 

リゼ(眠そうだな。映画が楽しみで眠れなかったのか?私も遠足の前とか眠れないタイプなんだよな。)

 

シャロ(バイトの疲れが一気に出ちゃった。昨日はやけに忙しかったし・・・あ!先輩つまらなそう!そんなに私と一緒が退屈ですかー!?)

 

お互い勘違いをしていた2人であった。

 

リゼ「所で、待ち合わせは直接映画館で良いんだっけ?」

 

シャロ「え?」

 

 

 

 

 

 

同じ頃。チノが通ってる中学校。放課後の掃除をしている。

 

マヤ「わー、ねみー。ココアと夜更かしなんてするんじゃなかったわー。」

 

チノ「変な声当てないで下さい。」

 

後ろでチノが思ってる事を勝手に言うマヤ。

 

マヤ「チノって何時も眠そうな顔してるよね?」

 

チノ「何時もじゃないです。仕事中はお客さんにこんな顔見せません。」

 

マヤ「へー、仕事中は目つき変わるんだ。」

 

メグ「もしかして頭の上にティッピーが乗ってると覚醒するのかな?」

 

マヤ「成る程ー!」

 

チノ「掃除して下さい。」

 

マヤ「チノの目を覚ます為に、頭の上に乗せる代わりの物を考えよう。」

 

黒板にモップ、にわとり、わたと書くマヤ。

 

メグ「後他にはー・・・」

 

チノ「良いから掃除して下さい!」

 

外を見ると雨が降ってきた。

 

チノ「雨・・・」

 

 

 

 

 

 

高校では、ココアと千夜が入り口に立っていた。

 

千夜「雨か・・・映画今日じゃない方が良かったかしら。」

 

ココア「ううん、せっかく今日はみんな揃ってバイト休みなんだし、えい!行こう千夜ちゃん!小雨の中走るのも気持ちいいよ!

 

小雨が降ってる中、ココアが走り出した。

 

千夜「ココアちゃん・・・!」

 

ココア「誰が一番乗りするかな?」

 

走ってる途中、滑って転んでしまった。

 

ココア「チノちゃんたちは大丈夫かな・・・?」

 

千夜「ごめんなさい!楽しそうに走るから黙ってたけど、私折り畳み傘持ってるのー!」

 

相変わらずの鬼畜。

 

 

 

 

 

 

同じ頃、お嬢様学校では、リゼとシャロが入り口に立っていた。

 

シャロ「雨ですね。傘持ってきてません。」

 

リゼ「困ったなぁ。止むまで待つべきか、迎えを呼ぶか・・・」

 

シャロ「そういえば軍人さんって邪魔になるから傘をささないって聞いたことあるんですけど、本当ですか?」

 

想像するリゼ。片手に傘を持ち、片手でマシンガンを打つ。

 

リゼ『片手じゃ照準が定まらない!』

 

想像終了。

 

リゼ「確かに手が塞がってると不便だよな・・・・・走るぞ!!」

 

雨の中全速力で走り出すリゼ。

 

シャロ「先輩!私ったら余計なことを・・・!」

 

 

 

 

 

 

同じ頃楽兎は、傘をさして映画館へ向かっている。

 

楽兎「生憎の雨か。」

 

 

 

 

 

 

出掛ける前。

 

タカヒロ『楽兎君、もうすぐ雨が降りそうだから傘を持って行くと良いよ。』

 

楽兎『そうですね。雨雲が広がってますしね。でも良いんですかタカヒロさん?俺はまだ仕事やれますが。』

 

タカヒロ『大丈夫だよ。チノ達と一緒に楽しんで来なさい。』

 

楽兎『ありがとうございます。では行って来ます。』

 

 

 

 

 

 

そして今に至る。

 

楽兎「まあ、折角の機会だから楽しんで鑑賞しないとな。」

 

 

 

 

 

 

その頃ココア達は、もう映画館に到着していた。そこにチノが到着した。帽子にティッピーが入ってた。

 

チノ「遅くなりました!」

 

ココア「あ!チノちゃん!大丈夫だった?」

 

リゼ「雨なんて予想外だったからな。」

 

ココア「あはは!皆びしょ濡れだね!」

 

シャロ「でも目は覚めたかも。」

 

リゼ「確かに眠気吹っ飛んだな!」

 

ココア「あ!私も眠いの忘れてたよ!」

 

チノ「なんとか起きてられるかもしれないです。」

 

千夜「実は私も眠かったの・・・」

 

ココア「え!?初耳だよ!?」

 

するとココアが空を指した。

 

ココア「あ!皆見て!」

 

空が晴れて雨が止んだ。

 

ココア「雲の間から光が!」

 

チノ「綺麗です。」

 

シャロ「これが映画だったらエンドロール流れてもおかしくないです。」

 

リゼ「終わるの早いな。」

 

楽兎「お!皆揃ったな。」

 

そこに楽兎が到着した。

 

チノ「楽兎さん。」

 

千夜「あの光の差し込み方は天使の階段って呼ばれてるのよ。」

 

チノ「素敵です。」

 

ココア「そうなの?わたしおてんとうさんの鼻水って教わったけど。」

 

楽兎「・・・・・・台無だろ。」

 

 

 

 

 

 

全員合流したところで映画館に入る。

 

リゼ「待った。これ使ってくれ、体育で使わなかった奴だから。」

 

カバンから綺麗な白いタオルを出したリゼ。

 

ココア「流石リゼちゃん!頭拭いてあげるねー。」

 

タオルでチノの頭を拭く。

 

チノ「良いです、私はあまり濡れなかったので。」

 

楽兎「チノちゃんは傘持ってたんだな。」

 

チノ「途中でティッピーが持って来てくれました。」

 

楽兎「器用だなおい!」

 

リゼ「とりあえず中に入ろっか。」

 

ココア「私ポップコーン買ってくる!他にジュース飲む人ー!」

 

ポップコーンを買いに行くココア。その間にチノ達はシアター内に入る。

 

チノ「私もよく子供扱いされるんです。」

 

シャロ「分かるわ。」

 

楽兎「ねぇチノちゃん、子供扱いって言ってたけど、俺もチノちゃんを子供扱いしてるのかな?」

 

チノ「楽兎さんは別ですよ。」

 

千夜「本当にくせ毛凄いのに・・・」

 

 

 

 

 

 

シアター内で、うさぎになったバリスタを鑑賞。既にココアが泣いている。

 

ココア(開始5分で涙腺が・・・お姉ちゃんなのにチノちゃんの隣で泣いちゃダメ。)

 

同じくチノも泣いていた。

 

チノ(泣いてるのココアさんにバレたくない。絶対からかわれる・・・)

 

泣いてるココアの隣に泣く声が聞こえた。

 

ココア(チノちゃん・・・?そうだよね、感情に素直になるべきだよね。)

 

ポケットティッシュをチノにあげる。だが泣いてたのはチノではなくティッピーだった。ティッシュで鼻をかむココア。

 

リゼ(映画館初めてだけど、スクリーンって大きいな!うちのテレビより大きいんじゃないかな?)

 

家のテレビと比べてるリゼ。

 

千夜(メニュー名に使えそうね。)

 

メモする千夜。

 

シャロ(静まれお腹!ケチらずに何か買っておけば良かった・・・!)

 

お腹を抑えるシャロ。

 

楽兎(本当に良く出来た映画だな。俺が評論家だったら好評価あげたいくらいだな。)

 

じっくり映画を楽しんでる楽兎。

 

 

 

 

 

 

その頃、青山ブルーマウンテンはある場所へ向かっていた。ラビットハウスだった。

 

青山「ラビットハウス・・・遂に来てしまいました。」

 

ドアの前に立って、取っ手を握る。

 

青山(マスターに会えたら、胸を張って目を見て話さなきゃ。)

 

そしてドアを開けて来店する。

 

タカヒロ「お待たせしました。スパゲッティボンゴレでございます。」

 

女性客にスパゲッティボンゴレを差し出してるタカヒロがいた。

 

タカヒロ「いらっしゃいませ。」

 

青山「マスター以外の男の人と目を合わせてしまいましたー!」

 

タカヒロ「え?」

 

ラビットハウスから逃げてしまった青山。タカヒロは唖然としてる。

 

 

 

 

 

 

その頃映画館では、上映が終わっていた。

 

女性A「凄い良かったね!」

 

女性B「面白かったー!」

 

チノ「後半寝てたんですか!?凄く良かったのに。皆さんと語り合えないじゃないですか!!」

 

ココア「し、小説は読んだから・・・」

 

リゼ・千夜・シャロ(あまり内容覚えてない・・・)

 

楽兎(映画面白かったな〜。)

 

ココア「でも主人公のうさぎになったおじいちゃん格好良かったね!」

 

同意するかのように頷くチノ。

 

千夜「ライバルの甘味処のおばあさん、あの情熱には心打たれたわ!」

 

シャロ「何処かで聞いた話ね。」

 

千夜「下らない事で争ってたけど・・・」

 

リゼ「おじいさんも良かったけど、ジャズで喫茶店の経営難を救ったバーテンダーの息子さんはもっと格好良かったな!」

 

チノ「まるで父みたいでした。」

 

ティッピー「ほえー!ほえー!」

 

今日のティッピーは少し怒っていた。

 

ココア「今日のティッピーは表情豊かだね!」

 

リゼ「一番楽しんでたんじゃないか?」

 

楽兎「でもまあ本当に良く出来た作品だったな。(モデルが心当たりがあるな。帰ってタカヒロさんに聞いてみるか)」

 

リゼ「あ、ちょっとトイレ。」

 

ココア「待ってるね。」

 

トイレに向かうリゼ。その間に待つ。

 

ココア「リゼちゃんが戻って来たら・・・チノちゃん?眠いの?」

 

眠たそうな表情をしているチノ。

 

チノ「いえ・・・平気です・・・」

 

ココア「カモン!家までおんぶしてあげる!」

 

しゃがんで背を見せるココア。

 

楽兎「チノちゃんは子供じゃねえよ。」

 

ココア「大丈夫!気にしないよ!」

 

チノ「私が気にします。」

 

ココア「えー?」

 

チノ「えーじゃなくて、ココアさんがおんぶしたいだけじゃないですか?」

 

千夜「やめておいた方が良いわよ、ココアちゃんも眠いんでしょ。」

 

シャロ「倒れたりしたら悲惨よ。」

 

ココア「それなら!」

 

丁度トイレからリゼが戻って来た。

 

リゼ「ん?うわ!?」

 

何かを見て驚いた。ココアとシャロと千夜がチノを運んでた。まるで騎馬戦のように。

 

リゼ「騎馬戦でも始めるのか!?」

 

楽兎「ここで騎馬戦やったら迷惑だろ?」

 

チノ「やっぱり楽兎さんに頼みます。」

 

楽兎「そうしなさい。」

 

 

 

 

 

 

その夜、楽兎がタカヒロにラビットハウスについて相談した。

 

楽兎「え!?じゃあタカヒロさんがジャズで救ったんですか!?」

 

タカヒロ「ああ。あの頃はとても盛り上がってたよ。お陰でラビットハウスも経営難から救われたよ。」

 

楽兎「(やっぱりあの小説と映画と同じだ。)凄いですね。タカヒロさんのジャズはホームステイの時に聴いた事があって、凄く良かった思いがあったなー。今もやってるんですか?」

 

タカヒロ「今はもうやっていないんだ。」

 

楽兎「そうですか。今度機会があったらやってくれませんか?また聴きたくなってしまいまして。」

 

タカヒロ「ああ。良いとも。」

 

 

 

 

 

 

翌日のラビットハウス。

 

ココア「心がバリスタなら、例えうさぎだってコーヒーを淹れられるんだ!」

 

昨日の映画のセリフを言うココア。

 

リゼ「あ、それ昨日の映画の台詞だな。」

 

ココア「えへへ〜。私も本格的にバリスタ目指してみようかな?それでリゼちゃんはバーテンダーかソムリエになるの。」

 

チノ「すぐ影響されて・・・」

 

ココア「大人になっても、4人一緒にここで働けたら素敵だね。」

 

リゼ「パン屋さんと弁護士は良いのか?」

 

ココア「あ!最近小説家も良いかなって。」

 

 

 

 

 

 

その夜、チノが怒りながら3杯のコーヒーをココアに差し出す。

 

ココア「どうして怒ってるの・・・?」

 

チノ「本気でバリスタ目指したいなら、コーヒーの違いくらい当ててみて下さい!」

 

ココア「あ・・・」

 

そこに楽兎が入って来た。

 

楽兎「何だココア?もしかしてバリスタになる為にコーヒーの違いを当てたいのか?」

 

ココア「チノちゃんにそう言われて・・・」

 

楽兎「良い香りだな。チノちゃん、ちょっと良いかな?」

 

チノ「ちょっと待って下さい。今同じ物を持って来ます。」

 

ココアと同じコーヒー3杯持って来た。

 

チノ「どうぞ。」

 

楽兎「ありがと。じゃあ。」

 

1杯目の香りを匂って啜る。2杯目も匂って啜る。最後の3杯目も匂って啜る。

 

楽兎「流石チノちゃん。左からマンデリン、ロブスタ、モカだね。」

 

チノ「凄いです!流石楽兎さんです!」

 

楽兎「褒められてら照れるな。ココア、このくらい見分け付くぐらい頑張れよ。」

 

ココア「はーい・・・」

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼

        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨
       メイド:諏訪彩花
      女の子A:巽悠衣子
      女の子B:優木かな

青山・ティッピー「・・・・・・・・・」

ティッピー「ん?」

青山「ん?」

次回「青山スランプマウンテン」

感想や評価なの宜しくお願いします。


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9羽「青山スランプマウンテン」

これは数年前のある人の物語。バーテンダーの制服を着た1人の男性が公園のベンチにうさぎを置いて座る。

老人「はぁ・・・苦労して建てた念願の喫茶店だが、経営が軌道に乗らんのう・・・ん?」

その老人はうさぎ見た。

老人「いっそ、うさぎになれたらどんなに楽かのう・・・」

すると誰かがうさぎを掴む。

老人「ん!?」

うさぎを掴んだのは、可愛らしい少女だった。少女はうさぎを膝の上に乗せて老人の隣に座った。

少女「おじいちゃんこんにちは!」

老人「こんにちは。」

少女「おじいちゃん、このもふもふしたの何?」

老人「うちで飼ってるうさぎだ。」

少女「良い匂いがする〜!」

うさぎの匂いを嗅ぐ少女。

老人「コーヒーの匂いじゃよ。うちは喫茶店やっとるからなぁ。」

少女「おじいちゃんのご注文は、うさぎさんになる事なの?」

老人(聞かれてた!?)

すると少女は老人に近寄り、左手を持った。

少女「おじいちゃんにおまじないを掛けてあげるね。何時かうさぎさんになれますように〜。」

老人におまじないを掛ける少女。2人は笑い合う。

???「ココアー、もう行くよー!」

もう1人の少女が、少女の名前を呼んだ。実はおまじないを掛けた少女はココアだった。うさぎを置いて姉と思われる少女に駆け寄る。

ココア(幼少期)「待って!お姉ちゃん!置いてっちゃやだー!」

お姉ちゃん「ほら、もう行くよ。誰と話してたの?」

ココア(幼少期)「うさぎさんのおじいちゃん。」

お姉ちゃん「うさぎさん?」

話をしながら何処かへ行く2人。老人はうさぎを撫でた。

老人「同じうさぎでも、お前みたいなのにはなりたくないな。夏は暑っ苦しそうだ、冬は暖かそうだが。さーて、お前が居ないとチノが寂しそうにするからな、帰るか、ティッピー。」

実はこの老人は、ラビットハウスの初代マスターでありチノの祖父だった。後に老人の魂は、ティッピーに入ったのだった。






現実のラビットハウスでは、カウンター席にココアがティッピーを枕にして寝ていた。今までのはティッピーの夢だった。今のティッピーはココアの枕にされて苦しそうな状態だった。

チノ「あ、またティッピー枕にして・・・」

楽兎「ティッピーが可哀想だろ。」

ココア「お姉ちゃん、置いてかないで・・・」

チノは何故か顔を赤くした。


ラビットハウスで皿洗いをしてる4人。

 

リゼ「あ!そうだ!私またバイト休むかも。」

 

チノ「え?」

 

ココア「何か用事なの?」

 

リゼ「部活の助っ人頼まれたんだ、演劇部の。」

 

ココア「演劇部!凄い!」

 

楽兎「演劇部かぁ。」

 

チノ「時々助っ人してる部活って演劇部だったんですね。」

 

ココア「リゼちゃんって声が通るし暗記も得意だし役者さん向きだよ!」

 

リゼ「そ・・・そうかな?」

 

褒められて嬉しいのか、顔を赤くした。

 

チノ「演劇・・・童話とか良いですよね。」

 

楽兎「童話か、赤ずきんやアリスなんかも良いよな。」

 

リゼ「今度やるのはそんな可愛い物じゃないけど・・・」

 

ココア「どんなダークメルヘンやるの?」

 

 

 

 

 

 

想像。赤ずきん姿のリゼが銃を構える。

 

リゼ『食らえー!』

 

発砲するリゼ。

 

 

 

 

 

 

楽兎「何で赤ずきんが銃持ってんだよ。」

 

リゼ「どうしてそうなる!?普通の奴だ普通の!」

 

チノ「何を演じるのか教えて下さい。」

 

ココア「教えて教えて!」

 

リゼ「わ、笑うなよ?・・・・・・オペラ座の怪人のヒロイン、クリスティーヌだ。」

 

楽兎「オペラ座の怪人かぁ。凄え名作じゃねぇか。ってか助っ人がヒロインやるのか?」

 

リゼ「・・・・・」

 

チノ「嬉しそうですね。」

 

リゼ「そんな訳あるか!」

 

皿を持ってプルプル震える。

 

ココア「力み過ぎてお皿割れそうだよ!落ち着いてクリスティーヌ!」

 

リゼ「日常でその名前で呼ぶな!」

 

ココア「私も犬の役ならやったことあるよ、ワンワン。」

 

リゼ「犬じゃない!優雅でお淑やかな若いオペラ歌手の役だ!」

 

途端に皿がバキッと真っ二つに割れてしまった。

 

楽兎「あ!」

 

リゼ「あ。」

 

チノ「優雅で・・・お淑やか・・・」

 

怖がりながら震えるチノ。

 

リゼ「す・・・すまない、弁償する。」

 

楽兎「でもなリゼ、何時も通りのお前じゃちょっとクリスティーヌ役は無理かもだぞ?」

 

リゼ「確かに、私にはお淑やかな演技は難しいかもしれない・・・」

 

ココア「あ!お淑やかさなら、千夜ちゃんとシャロちゃんがアドバイスしてくれるかも。」

 

そう言って千夜にメールするココア。

 

 

 

 

 

 

その頃甘兎庵。千夜の携帯の受信音が鳴った。

 

千夜「ココアちゃんからだわ。」

 

メールの内容は、「リゼちゃんがそっちに特攻するって\(^o^”)」だった。

 

千夜「うちのお店潰しに来るの・・・?」

 

 

 

 

 

 

その後甘兎庵に来たリゼ。

 

リゼ「と言う訳で、千夜に学びに来たんだ。」

 

千夜「せっかく頼ってくれたんだから、本腰入れて指導しなきゃね。」

 

リゼの肩に手を乗せる。

 

千夜「任せて!魑魅魍魎も恥じらう乙女にしてあげる!」

 

リゼ「ま・・・任せた!」

 

すると1着の白いワンピースを持って来た。

 

千夜「まずこれを着て。髪もいじらせてね。後モデルガンは没収。」

 

白いワンピースを着たリゼ。何時もと違うイメージになった。

 

千夜「完成!これなら何処から見ても立派な淑女よ。」

 

リゼ(この格好・・見覚えがある・・・)

 

それは、あの時カットモデルを頼まれた後にココア達とすれ違って会った時と同じだった。

 

花の鉢を持って早速練習開始。

 

千夜「さあ早速練習よ。まずは小手調べにこの花を愛でてみましょう。」

 

リゼ「イエッサー!ところでこの格好に意味あるのか?」

 

千夜「勿論、形から入るのは大事よ。と言う訳で・・・」

 

メガネを掛けた千夜。そして。

 

千夜「ダメですわ!クリスティーヌさん!全然腰が入ってなくてよ!」

 

リゼ「お前も役に入るのか!?これで殴って人格変えた方が早くないか!?」

 

千夜「その考え自体が宜しくなくてよ!」

 

何故か千夜も役作りする。

 

青山「素晴らしいです。物事に全力でぶつかるその姿、とても花ざかりの乙女です。」

 

団子とお茶を堪能している青山ブルーマウンテン。

 

リゼ「誰?」

 

千夜「小説家の青山さんよ。ほら、この間皆で観に行ったうさぎになったバリスタの作者さん。」

 

リゼ「ああ!」

 

千夜「青山さんにはメニュー名を考えるのを時々手伝ってもらってるの。」

 

リゼ「共犯者か。」

 

青山「苦悩の果てに素敵なメニュー名を思いついた瞬間、笑顔を咲かせる千夜さんもまた素敵な乙女です。」

 

リゼ「詩人だ。」

 

千夜「そう言う青山さんは?」

 

青山「私はまだ苦悩してます。」

 

リゼ「人の事励ましてる場合か?」

 

原稿はまだ真っ白なままだった。

 

 

 

 

 

 

同じ頃のラビットハウス。

 

ココア「リゼちゃん、踊ったり歌ったりするのかなー?」

 

チノ「それはミュージカルでは?」

 

ココア「夜のバータイムで格好良く踊ればお客さんが集まるかも!」

 

楽兎「それ格好良いのか?」

 

ココア「超格好良いよ!チノちゃんは劇で何の役やったことある?」

 

チノ「私は木の役を積極的にやりました。」

 

楽兎「渋!?」

 

チノ「木は良いです。不動のあり方は心をあらわれます。」

 

ティッピー「そうじゃ。」

 

ココア「そっかー!踊る木って言うのも新鮮かも!」

 

チノ「木は動かないから良いんです!」

 

楽兎「重くて動けねえだろ!」

 

 

 

 

 

 

その頃シャロは駆け足で甘兎庵に向かっていた。

 

シャロ「リゼ先輩、甘兎で用事あるって何だろう?」

 

甘兎に到着したシャロ。だが入り口前に止まる。

 

シャロ(彼奴は怖いけど・・・このくらいの困難・・・!)

 

あんこの事で心配だった。そして勇気を出してドアを開ける。

 

シャロ「こんにちはー!」

 

ドアを開けると、怖いお面を着けた千夜が目の前に立っていた。

 

シャロ「ヒィーーーーーーー!!!!」

 

 

 

 

トラウマがまた増えて端っこで縮こまるシャロ。頭にあんこが乗ってる。

 

シャロ「何で・・・・何で・・・・」

 

千夜「ごめんねシャロちゃん。リゼちゃんの役作りのためにオペラ座の怪人のファントム役になりきっていたの。やっぱりこっちの方がファントムっぽいかしら?」

 

リゼ「そもそも代用品として可笑しい・・・」

 

般若のお面も用意してあった。

 

千夜「シャロちゃん、リゼちゃんはシャロちゃんの意見を参考にしたいらしいの。」

 

突然シャロがやる気になった。

 

シャロ「分かりました!それを使い鬼と仏の気持ちになって先輩に指導しろと言う事ですね!」

 

リゼ「お面は関係ないぞ。」

 

シャロ「違うんですか?」

 

あんこがシャロの手を優しくかじってる。

 

リゼ「シャロに習いたいのは上品さなんだ、コツを教えてくれ。」

 

シャロ「コツと言われても・・・これは生き抜くために無意識に身についた処世術のようなもので。」

 

リゼ「そんな過酷なものだったのか!?」

 

青山「なるほど。最近のウェイトレスさんは世渡りするのも大変なんですね。」

 

団子食べながら語る青山。

 

シャロ「この前公園で会った変な人!」

 

千夜「小説家の青山さんよ。」

 

シャロ「え?この人が?」

 

青山「ウェイトレスさんって、ホールを舞うアイドルみたいなものですね。」

 

シャロ「そんな風に見えてるんですか?」

 

青山「同時に、ホールで戦うファイターでもありますよね。」

 

シャロ「イメージが主に私じゃないですか!?」

 

リゼ「アイドルで・・ファイター・・・」

 

千夜「満更でもなさそう。」

 

 

 

 

 

 

場所が変わってラビットハウスでは。

 

ココア「思ったんだけど、リゼちゃん本当は演劇部に入りたいんじゃないかな?」

 

チノ「それはあり得ますね。」

 

ココア「役作りに真剣に取り組むくらいだもんね。」

 

チノ「そしたら、このバイト辞めてしまいますね。」

 

ココア「え!?そ、そんなの悲しいよ・・・リゼちゃん・・・」

 

チノ「リゼさん・・・」

 

楽兎「リゼ・・・」

 

ココア「私CQCなんて出来ない!リゼちゃんの代わりにこの喫茶店を守ることなんて出来ないよー!」

 

楽兎「リゼはガードマンかよ。」

 

 

 

 

 

 

急いで甘兎庵に来た。

 

ココア「リゼちゃんの本心を聞きに来たよー!」

 

だがそこに居たのはロゼだった。

 

ココア「ロゼちゃん!!」

チノ「ロゼさん!!」

 

楽兎(リゼ!?何やってんだ!?)

 

ロゼ「お、お久し振りです!魑魅魍魎も恥じらう乙女です!」

 

千夜(クリスティーヌが降臨したわ!)

 

シャロ(あの台詞を教えたの誰!?)

 

チノ「ロゼさん、うちの喫茶店に来てくれるの待ってたんです!」

 

ロゼ「ごめんなさい・・・まさか覚えててもらえたなんて思わなくて・・・」

 

ココア「そっか・・・チノちゃんは私より、ロゼちゃんみたいな人に憧れてるんだね・・・」

 

楽兎「それは多分違うぞ?」

 

するとココアが逃げ出した。

 

楽兎「おいココア!?」

 

チノ「ココアさん!?待ってください、話が終わってません!」

 

ココアを追いかけるチノ。

 

リゼ(何しに来た・・・!?)

 

楽兎「おいリゼ、またロゼになりきってたのか?」

 

リゼ「楽兎、あの時知ってたのか?」

 

楽兎「一瞬でな。まあ2人には言わん。」

 

ティッピー「こんな店二度と近付かん!」

 

青山(この声・・・マスター!?お元気そうで何よりです。)

 

外であんこにかじられてパニック状態になってる。

 

リゼ「やっぱこんなの柄じゃないよな。クリスティーヌは断るよ。」

 

シャロ「そ・・そんな・・やり・・・」

 

青山「やりたいことを諦める必要が何処にあるんでしょう。」

 

言おうとした時、青山に持ってかれた。

 

シャロ「(言いたいこと取られた・・!)あ・・・青山さんの言う通りです!その格好すごく似合ってます!」

 

千夜「こんなに可愛いのに勿体無いわ。」

 

楽兎「今までに無い経験だぞ?今の内に積み重ねた方が良いぞ?」

 

リゼ「(今更だが恥ずかしくなってきた・・・)ありがとう、私頑張ってみるよ。後勢いで来てしまったけど、こういうのって人に聞くもんじゃないな。」

 

千夜「聞く相手が悪かったのよ。」

 

シャロ・楽兎「自分で言う?」

 

 

 

 

 

 

後日、演劇の写真をココア達に見せるリゼ。

 

ココア「わー!これがリゼちゃんの演じたクリスティーヌかぁ。」

 

楽兎「銃持って怪人と戦ってるぞ。」

 

手榴弾や銃を持ってるリゼが写されていた。

 

リゼ「最初から脚本を私のキャラに合わせたかったみたいだ。せっかくお淑やかさのコツが分かってきたのに・・・悔しいから別の役でリベンジしてやる!」

 

楽兎「おう!頑張れよ!」

 

ココア「そんなのダメー!」

 

だがココアとチノに止められた。

 

リゼ「似合わない役はやるなと!?」

 

 

 

 

 

 

数日後のある日、チノが学校から下校中。すると1枚の紙ヒコーキがチノの頭に当たって落ちた。紙ヒコーキを拾うチノ。

 

青山「すみませーん!思わぬ方向へ飛んでしまってー!」

 

そこに青山が駆け足で紙ヒコーキを追う。

 

チノ「青山さん、良いんですか?原稿用紙こんなにして。」

 

青山「その・・・辞めたんです。小説家。」

 

チノ「えー!?」

 

何と青山が小説家を辞めてしまった。紙ヒコーキを広げると、でっかく失職と書かれてた。

 

 

 

 

 

 

その後ラビットハウスでは、帰宅したココアが焦ってた。

 

ココア「ごめーん!また遅刻しちゃった!私の制服洗濯中だっけ!?」

 

そこでココアが見たのは、ココアの制服を着てる青山だった。

 

青山「おかえりなさいませ。ココアさん、このお店で働いてたんですね。」

 

するとココアが崩れた。

 

ココア「今度こそリストラだー!」

 

青山「失職ですか?実は私もさっきまで・・・」

 

チノ「制服間違えてます!青山さん。」

 

その後着替えた青山とココア。

 

ココア「青山さん小説家辞めちゃったの!?」

 

楽兎「就職先に困ってたから、とりあえずうちに来て貰ってる。」

 

青山「凄くピッタリです。まるでこの仕事が天職かのような。」

 

リゼ「本当にそれで良いのか?」

 

青山「あのところで、白いお髭のマスターは?私ずっとお会いしたくて。」

 

チノ「知らなかったんですか?」

 

青山「え?」

 

ココア「チノちゃんのおじいちゃんはもう亡くなられてるの。」

 

青山「え?でもこの前お声を聞きましたよ?」

 

 

 

 

 

 

それは甘兎庵に居た時。

 

ティッピー『こんな店二度と近付かん!』

 

マスターとティッピーの声が一緒だったので、まだ居ると思ってた青山だった。

 

 

 

 

 

 

ココア「会いた過ぎて幻聴を聞いてるんだ!代わりにこっち白いお髭をもふもふして心を癒してください!」

 

楽兎「お前勝手に!」

 

ティッピーを持って眺める青山。ティッピーの顔はチノの祖父そっくりだった。

 

ココア「青山さん・・・」

 

青山「この子気に入りました。特に目を隠してるところがとても共感できます。」

 

リゼ「よく見たら毛が凄い!」

 

楽兎「何時の間に老けた!?」

 

チノ「ちょい悪な感じが気に入ってるみたいです。」

 

青山(マスターと同じコーヒーの匂い・・・信じられません・・・・本当にいなくなってしまったんですか?もう小説の感想を聞かせてくださることはないんですか・・・?)

 

悲しそうに昔を思い出す青山。

 

 

 

 

 

 

翌日、ココアが千夜と下校している

 

千夜「青山さん、最近来ないと思ったらラビットハウスで働いていたのね。」

 

ココア「小説の方はスランプみたいなんだ。」

 

千夜「そうなの?」

 

ココア「昼間も時々手伝ってくれてるよ。」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスに帰ってきたココアとお邪魔してる千夜。何故か人生相談窓口をやってる青山。

 

ココア「この受付よく出来てるでしょ!」

 

千夜「あの・・・これは一体・・・」

 

青山「このお店に貢献するために自分しか出来ない事をやろうと思いまして。人のお話を聞くのが好きなので、タカヒロさんがお客さんの愚痴を聞いているのを参考にしました。」

 

楽兎「タカヒロさんそんな事もしてたのか?」

 

ココア「タカヒロさん?」

 

チノ「父です。」

 

千夜「素敵!とても良い考えだと思うわ。」

 

ココア「千夜ちゃんの為にこんなのも作ってみたよ。」

 

手相占いの看板だった。

 

ココア「特技は活かしてなんぼだよねー。」

 

千夜「ねー。」

 

リゼ・楽兎「・・・」

 

早速青山に相談してみる事に。

 

青山「特技を活かせると良いのですけど、何故か皆さん愚痴って下さらないんです。」

 

ココア「青山さんってミステリアスだから、皆一歩引いちゃうのかもね。」

 

リゼ(そう言う問題じゃないだろ。)

 

青山「マスターは人のお話を聞くのがとてもお上手でした。私もそんなマスターのように一息つける存在になれたら。」

 

ココア「そっか。」

 

千夜「ファンシーさがもっと出たら学生の子も話しやすいかしら。」

 

チノ「ぬいぐるみも配置してみましょう。」

 

早速ぬいぐるみを置いてみる事に。

 

青山「こ・・・こんな可愛い物に見つめられたら、呪われる!」

 

ココア・チノ・千夜「呪われる!?」

 

楽兎「呪われやすいのは人形の方だぞ?特にアンティーク人形はな。」

 

千夜「兎に角、数をこなせば相談しやすいオーラが出るんじゃないかしら。」

 

 

 

 

夕方になってシャロもラビットハウスに来た。

 

千夜「と言う訳で、日々思い悩んでいそうな子を連れて来たわ。」

 

シャロ「日頃の鬱憤発散しろって言われても・・・」

 

コーヒーをシャロに差し出した。

 

青山「よくいらっしゃいました。おもてなしのコーヒーです。」

 

シャロ「あ、でもこの後バイトが・・・」

 

リゼ「ああ、それ私がブレンドしたんだ。」

 

シャロ「ええ!?」

 

リゼのブレンドコーヒーをゴクゴクと飲むシャロ。

 

楽兎「おいシャロ!またコーヒー酔いが目覚めるぞ!?」

 

またコーヒー酔いしてしまうのかと思いきや、シャロの目から涙が出て来た。

 

シャロ「あれ?何か涙出てきた・・・」

 

ココア「まさかブレンドの具合によって酔い方が変わる!?」

 

リゼ「そんなバカな!」

 

楽兎「まあ、酔わなくて良かったけど・・・」

 

すると泣きながら悔しがるシャロ。

 

シャロ「やってらんないですよー!また今月も厳しくてうさぎにも噛まれて・・・!」

 

リゼ「まあ落ち着け。」

 

シャロの頭を優しく撫でる。

 

青山「私もこう言うのがやりたかったんです!」

 

するとココアが1通の手紙を差し出した。

 

ココア「悩める相談者さんからお手紙が届いたよ。」

 

千夜「だんだんご意見ボックスみたいになってきたわね。」

 

青山「妹が野菜を食べてくれません。このままじゃ何時までたっても小っちゃい妹のままです。お返事を書かなくてはいけませんね。」

 

チノがその手紙の内容を見る。

 

ココア(そのままでも全然オッケーなのですが、セロリが嫌いな子でも食べてくれるお料理を教えてくれたら嬉しいです。)

 

手紙を見て怒ったのか、自分が書いた手紙を差し出すチノ。

 

チノ「私もお手紙貰って来ました!自称姉が自分も嫌いなのに野菜を押し付けてきて困ってます!」

 

リゼ・楽兎(お互い直接言え!)

 

青山「急に忙しくなってきましたね。」

 

お返事を書く青山。

 

シャロ「あの・・・そんな簡単に小説家辞めちゃって良かったんですか?」

 

青山「本当は続けていたかったんですが・・・」

 

リゼ「やりたい事諦めるなって私に言ったのは誰だよ!?」

 

ココア「おー!リゼちゃんが熱い!」

 

リゼが青山に激励を送った。

 

青山「実は・・・マスターに頂いた万年筆を無くしてしまって以来、さっぱり筆が乗らなくて・・・他の万年筆じゃダメなんです・・・」

 

リゼ「確かに・・・手に馴染んだ物じゃないとなぁ・・・」

 

楽兎「分かるぞその気持ち。」

 

チノ「あの、何処で無くしたのか分からないんですか?」

 

青山「ココアさんと初めて会ったあの日までは確かに持っていたんですけど・・・」

 

 

 

 

 

 

その言葉を頼りに、公園で無くした万年筆を探す。

 

ココア「私と初めて会った日に無くしたなら、ここに落ちてるんじゃないかな?」

 

楽兎「あ!チノちゃん。どう?見つかった?」

 

ベンチの真下を探すココアと楽兎。そこにチノが来た。

 

チノ「見つかりません、本当にここなんですか?」

 

すると1羽のうさぎを見付けた。

 

ココア「わーい!うさぎだー!」

 

うさぎを見付けて追い掛ける。

 

楽兎「おい探す気あんのかよ!?」

 

茂みの中も探す。

 

チノ「ピンポイントでここに落ちてるなんて思えません。ね、ティッピー。」

 

楽兎「ティッピー?」

 

だがティッピーは、1本の万年筆を見ていた。チノがティッピーの前でしゃがむ。ティッピーの頭に万年筆が乗ってる。

 

チノ「もしかしてこれですか?」

 

すると渡して欲しいと言ってるのか、ティッピーがジャンプする。

 

チノ「え?私が渡すんですか?それでも良いですけど・・・えっと・・・お爺ちゃんとティッピーがこうなった理由は良く分かりませんが、内緒にするって窮屈じゃないですか?お爺ちゃんとしか話そうとしない私の事を思って内緒にする必要はもうないんですよ。だから励ましてあげて下さい。」

 

楽兎「ティッピー、チノちゃんの言う事に乗ったらどうだ?」

 

 

 

 

 

 

その夜青山は、自分が書いた小説を見る。

 

青山(せめてこの小説だけは読んでもらいたかったな・・・)

 

ティッピー「面白かった。が、主人公より息子の出番が多かった。」

 

 

 

 

チノの部屋では、チノとココアと楽兎が本を読んでた。

 

青山「た・・大変ですー!このぬいぐるみからマスターのお声が!」

 

ティッピーではなく違うぬいぐるみを持って来た。

 

ココア「えー!?」

 

チノ・楽兎「それじゃない!」

 

 

 

 

 

 

ココア『こうして万年筆が戻って来た青山さんは小説家に戻りました。バーテンダーもハマったらしく時々手伝ってくれます。』

 

そしてシャロに新作を見せた。シャロは驚いてた。タイトルは「カフェインファイター」だった。なんと主人公のモデルはシャロ自身だった。

 

ココア「私もチノちゃんのおじいちゃんに会ってみたかったなー。」

 

リゼ「私が来た頃はもう居なかったからな。」

 

ココア「楽兎君は会った事あるの?」

 

楽兎「俺は中学の頃ホームステイでラビットハウスに来た事があってそこで会った事があってな。」

 

青山「マスターは何時も見守ってますよ。困った時はひょっこり出て来て、私達を助けて下さるんです。次はティッピーさんの身体を借りて話し出すかもしれません。」

 

ココア「ちょっと怖いな・・・」

 

リゼ「そう言うの止めてくれよ・・・」

 

楽兎(もうティッピーに乗り移ってるけどな。)

 

こうして小説家に完全復帰した青山ブルーマウンテンであった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼

青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨
     ココアの姉:茅野愛衣

ティッピー「チノ最近ココアの影響を受け過ぎてないか?心配じゃ。」

タカヒロ「良い友を持てたな。」

ティッピー「え?それはわしの孫じゃからの!」

タカヒロ「俺の娘だ!」

次回「対お姉ちゃん用決戦部隊、通称チマメ隊」

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10羽「対お姉ちゃんお兄ちゃん用決戦部隊、通称チマメ隊」

甘味処甘兎庵。そこにココアが来店した。

千夜「いらっしゃませ。」

ココア(私のクラスメイトの千夜ちゃん。甘味処甘兎庵の看板娘さんです。)

千夜「兵どもが夢の跡、お待ちどうさま。」

新作の兵どもが夢の跡。『あまうさ』と書かれた5本の旗が飾られてた。

ココア「わー今度の新作もすごいねえ!まるで本物の戦場だよ。あ!でもちょっと味は物足りない気がするかな。」

千夜「ココアちゃんもそう思う?やっぱり、形から入らなきゃダメね。」

兜を被る千夜。

ココア「おー!」


今日のラビットハウス。ラテアートを作ってるリゼ、コーヒー豆を磨り潰すチノ、テーブルを拭いてる楽兎。今日はやけに静かだった。

 

リゼ「ココアが居ないと静かだな。」

 

 

 

 

 

 

それは以前。

 

チノ『テスト前の連休だから。』

 

リゼ『千夜の家で勉強合宿?』

 

ココア『そうなの!と言う訳でチノちゃん、ティッピー貸して?』

 

チノ『何を企んでるんです?』

 

ココア『私、もふもふしないと寝れないから!』

 

チノ『安眠グッズじゃないです!』

 

楽兎『ティッピーを枕にする気かお前?』

 

ココア『じゃ、じゃあせめて夜を越すために、今からもふもふ成分の蓄えを!』

 

そう言ってチノにもふもふするココア。

 

楽兎『何だよもふもふ成分って!』

 

リゼ『お前は冬眠する熊か!?』

 

 

 

 

 

 

今に至って、現在ココアは甘兎庵へ勉強合宿しているのだった。

 

チノ「でも今は静かですが、これから騒がしくなります。」

 

リゼ・楽兎「え?」

 

チノ「マヤさんとメグさんがお泊りに来るんです。」

 

楽兎「マヤちゃんとメグちゃんが?」

 

するとドアが開く音が聞こえた。来店して来たのはマヤとメグだった。

 

マヤ「やっほー!チノー!リゼー!楽兎ー!」

 

メグ「お世話になりまーす。」

 

マヤ「ココアの代わりにお店を盛り上げるよ!」

 

メグ「頑張ろうねー。」

 

リゼ「ココアが居たら喜んだろうに。」

 

楽兎「確かに。」

 

 

 

ココア『妹がいっぱい!』

 

 

 

マヤ「今日は宜しくー!」

 

チノ「はい。」

 

リゼ「んー・・・」

 

チノ・マヤ・メグ「ん?」

 

リゼ「小さいのが3人彷徨くと、名前を間違えそうになるな。」

 

チノ「私も!?」

 

リゼ「チノ、マヤ、メグでまとめて、チマメだな。」

 

マヤ・メグ「何かヤダー!」

 

チノ「私も!?」

 

楽兎「どんな部隊だよ。」

 

 

 

 

 

 

その後女子更衣室に移動し、バーテンダーの制服に着替えたリゼ。

 

マヤ「うわー!リゼ格好良いー!」

 

メグ「バーテンダーの制服素敵ー!」

 

リゼ「そ、そうか?ほら、働くならこの制服着ろ。」

 

自分の制服をマヤに貸す。

 

マヤ「良いの!?じゃあモデルガンも貸してくれたり?」

 

リゼ「調子に乗るな!」

 

マヤ「ちぇー。」

 

リゼ「じゃあ、着替え終わったらホールまで来いよ。」

 

マヤ・メグ「はーい!」

 

ホールに向かうリゼ。更衣室で制服に着替える2人。

 

マヤ「私のレベルじゃ、まだ制服までって事みたい。」

 

メグ「じゃあもっと経験積まないとね。」

 

制服に着替えた後、マヤが持ってる箒をティッピーに向けた。

 

マヤ「レベルアップするぞー!」

 

ティッピー「あわわわわわわわわわ!!」

 

マヤ「覚悟ー!」

 

ティッピーは怯えていた。

 

チノ「ティッピーは魔物じゃないです!」

 

マヤ「テッテレー!」

 

レベルが上がったマヤ。

 

 

 

 

 

 

その頃楽兎とリゼは仕事をしている。

 

マヤ「お待たせー!」

 

リゼ「ん?」

 

楽兎「え?」

 

なんとマヤがメグと同じツインテールをしていた。

 

マヤ「私達が働いてる間はツインテデーね。」

 

メグ「お揃いー。」

 

リゼ「妙なルールを・・・」

 

楽兎「世の男子が堕ちそうだな・・・」

 

マヤ「リゼの真似ー。」

 

チノ「まあ良いでしょう。」

 

ティッピー「悪くはないな。」

 

チノとティッピーもツインテールしていた。

 

マヤ「メグー!本物のリゼはどーれだ?」

 

メグ「え?えっと・・・えっと・・・」

 

マヤ「皆ツインテだから見分け付くかな?」

 

メグ「わ、ワカンナイヨー。」

 

リゼ「律儀に乗らなくて良い!」

 

メグ「だってー・・・」

 

楽兎「微笑ましいなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

一方その頃甘兎庵は大忙しだった。ココアが手伝いをしていた。

 

ココア「らっしゃい!本日のおススメはみぞれ天竜おろしだよ!メニューです!お会計ですね!お茶ですね!」

 

見事に接客をこなしてるココア。

 

ココア「あがり二丁!それと翡翠スノーマウンテン追加で!」

 

千夜「あいよ!今朝仕上がったばかりの氷削り中よ!」

 

ココア「へーい!翡翠スノーマウンテンお待ち!生きのいい氷削りたてだよ!」

 

青山「まあ!ピッチピチですね!」

 

翡翠スノーマウンテンに感動してる青山ブルーマウンテン。

 

千夜「凄い!こんな気持ちの良いお仕事は初めて!就職しちゃう?」

 

ココア「まだまだ私と踊ってもらうよ!」

 

周りを気にせず踊ってるココアと千夜。

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスでは、マヤとメグが手伝いをしていた。

 

メグ「お待たせしましたー。」

 

女性客「あら?私が頼んだのはカプチーノよ?」

 

メグ「あ!すみません!」

 

カプチーノではなくミルクココアを差し出してた。

 

メグ「間違えてミルクココア出しちゃった。」

 

リゼ「ん?飲み物作ってるのって・・・」

 

楽兎「まさか!チノちゃん!何でミルクココアばっかり作ってるの!?」

 

何時の間にか無意識にミルクココアを大量に作ってしまったチノ。

 

チノ「何時の間にこんなに・・・」

 

リゼ「まさか・・・ココアシック!?」

 

 

 

 

 

 

同じ頃甘兎庵では。

 

ココア「は、はぎゅ!!」

 

ココアがくしゃみをしていた。

 

千夜「あら?大丈夫?」

 

ココア「変なの・・・チノちゃんが寂しがってるのかな?」

 

 

 

 

 

 

また場所が変わってラビットハウス。チノがミルクココアを見て疑問を抱いてた。

 

楽兎「俺がカプチーノ持って行くよ。お待たせしましたー!」

 

出来たカプチーノを持って女性客の方へ行く。

 

メグ「とりあえず飲も?」

 

大量のミルクココアを飲む事に。

 

 

 

 

 

 

また場所が変わって甘兎庵。青山があんこを見ていた。

 

青山「あなたって、本当に動きませんね。」

 

ココア「分からぬかー。不動こそが王者の姿だと言う事を。道化は無駄に騒ぎ喜劇を演じるという。狩人は来るべき時に備え静かに牙を研ぐのだ。」

 

青山「何をする気ですか!?」

 

ココア「大地の掟だ。食物連鎖において我々が上に立っているだけの事。全ては自然が生み出す必然。」

 

あんこが喋ってるのではなく、ココアがカフェインファイターを音読していただけだった。

 

青山「ココアさん!」

 

ココア「ん?」

 

青山「私の書いた本、音読しないで下さい!」

 

ココア「えー?」

 

青山「は・・・恥かしい・・・!」

 

自分が作った作品を音読されるのを恥ずかしがってる青山。

 

 

 

 

 

 

その頃チノ達は、ミルクココアを全て飲み干した。

 

メグ「飲み切ったねー。」

 

 

 

 

 

 

キッチンでは、リゼがパスタを茹でていた。

 

マヤ「ねぇリゼ、私にもアルゼンチン教えて。」

 

リゼ「アルゼンチン?社会の宿題でも教えて欲しいのか?」

 

メグ「アルデンテの事じゃないかな?」

 

マヤ「そう!それそれ。」

 

楽兎・リゼ「通訳か!?」

 

チノ「メグさん達は以心伝心なんです。」

 

楽兎「へぇー。」

 

チノ「私とリゼさんも心が通じ合えば・・・」

 

 

 

リゼ『エスプレッソミックスサンドだな!』

 

と想像した。

 

 

 

リゼ「言葉なしで通じ合いたいならハンドシグナル教えてやるよ。」

 

チノ「ハンドシグナル?」

 

楽兎「主に軍隊が使う奴だ。手のサインだけの指示で行動する。それでリゼ、例えばどんな?」

 

リゼ「これが撃て。っでこれが弾よこせだ。」

 

右手を前に出したり、右手を上下に振る。

 

チノ「そんなの使わないです。」

 

楽兎「全部軍用じゃねえか。」

 

リゼ「そうか?あはは・・・」

 

マヤ「じゃあリゼ!」

 

リゼ「な、何だ?」

 

ジッとリゼを見つめるマヤ。

 

マヤ「私は今、何を思っているでしょう?」

 

リゼ「ん?えっと・・・銃貸してとか?」

 

マヤ「ブブー!」

 

メグ「はいはーい!」

 

マヤ「はいメグ!」

 

メグ「仕事が終わったら温泉プールへ行って疲れを取ろうー!」

 

マヤ「ピンポーン!」

 

見事的中した。

 

チノ「凄い・・・!」

 

楽兎「凄え・・・!」

 

マヤ「この前、チノに話聞いてから行きたかったんだー!もうリゼー、それくらい分かってくれないとー。」

 

リゼ「分かるか!」

 

ティッピー(そうじゃよ。)

 

 

 

 

 

 

その頃甘兎庵では、仕事が終わってた。

 

千夜「勉強合宿だったのにお仕事まで手伝ってもらえて何時もの倍楽しかったわ。」

 

ココア「ふぅ〜、謎の充実感があったよ。」

 

千夜「うちの店には同世代の子は居ないからラビットハウスさんが羨ましい。」

 

ココア「また何時でも手伝いに来るよ。」

 

千夜「ココアちゃん・・・嬉しい!素早く着せ替え出来るように頑張るわ!」

 

帯を素早く引っ張ってココアをコマのように回す。

 

ココア「脱ぐのは1人でも出来るよー!」

 

 

 

 

そして着替え終わって、勉強開始。そこにシャロが呼ばれて来た。

 

シャロ「で、2人で勉強を教え合うなら私を呼ぶ意味あるの?」

 

ココア「私達の集中力が切れそうになったら。」

 

千夜「ハリセンで引っ叩いて欲しいの。」

 

ハリセンを持ってる千夜。

 

ココア「あれ?課題のプリントどこやったっけ?」

 

千夜「やだ・・・これだわ。」

 

課題のプリントでハリセンを作ってしまっていた。

 

シャロ「帰って良い?」

 

早速勉強開始。まずは英語。

 

ココア「コーヒーのおかわりを下さい。あいど・りけ・そめ・もれ・・・Coffee!」

 

シャロ「りけじゃなくてlikeでしょ。そめもsomeで、もれはmore。」

 

丁寧に発音を教えるシャロ。

 

ココア「Coffee!」

 

シャロ「どうしてそこだけ良い発音なのよ。」

 

千夜「Green Tea!」

 

ココア「Coffee!」

 

千夜「Green Tea!」

 

ココア「あいど・らいく・さむ・もあ・Coffee!」

 

千夜「あいど・らいく・さむ・もあ・Green Tea!」

 

CoffeeとGreen Teaだけ良い発音を言う2人。通じ合ったのかグッドする。

 

シャロ「帰っていい!?」

 

これにはシャロも怒ってる。

 

ココア「んー・・・千夜ちゃん、英語のノート見せてくれる?」

 

千夜「良いわよ。」

 

ココア「この前の授業中うたた寝しちゃって。」

 

千夜「はい。」

 

ノートを貸す。

 

ココア「ありがとう!千夜ちゃんまとめ方上手いから黒板見るより分かりやすくて助かるよ。ん?・・・・あれ?ぴかぴか主義、黄金色の岩、ゴールデンスパイラル・・・」

 

ノートに書かれてたのは、千夜のメニュー名のアイデアだった。

 

千夜「やだー!それメニュー名のアイディアノートだわ。」

 

ココア「なーんだ!あっはははははは!」

 

シャロ「もう帰って良い!?」

 

これにはシャロもかなり激怒。

 

 

 

 

 

 

その頃チノ達は、温泉プールに来ていた。

 

マヤ「温水プール楽しみー!」

 

メグ「ワクワクだねー!」

 

リゼ「はしゃぎすぎてはぐれるなよ?・・・ん?チノは?」

 

野良うさぎを触ろうとしてるチノを見付けた。

 

チノ「あ!野良うさぎがいたので・・・」

 

楽兎「チノちゃん、段々ココアっぽくなってない?」

 

チノ「え・・・?」

 

 

 

 

 

 

その頃順調に勉強しているココア達。次は数学。計算するココア。

 

ココア「出来た!」

 

シャロ「計算間違ってるわよ?」

 

ココア「え?そんな事ないよ!」

 

シャロ「ほらここ。」

 

間違い箇所を教えるシャロ。

 

千夜「シャロちゃんも計算強いわよね。」

 

シャロ「何よ!ケチな買い物で鍛えられてるとでも言いたいの?」

 

ココア「私の暗算も古代エジプト文明に通用するよ!」

 

シャロ「さっきのところ計算し直してもやっぱり間違ってる。」

 

ココア「じゃあどっちが沢山素数言えるか勝負だよ!」

 

シャロ「何で素数よ!?」

 

素数で争うココアとシャロ。

 

 

 

 

 

 

その頃温泉プールでは、マヤとメグが元気に遊んでいた。リゼはビーチチェアでゆったりしていた。楽兎はお湯に浸かっていた。チノはティッピーとチェスをしていた。

 

チノ「おじいちゃん、お友達を泊めるのは初めてでちゃんともてなせるか不安です。」

 

ティッピー「ん〜。」

 

チノ「今思えばこう言う時はココアさんに頼りっきりでした。」

 

???「ありのままのお前で接すれば良い。」

 

チノ「あれ?おじいちゃん声・・・青山さん!?」

 

何時の間にか青山がそこに居た。

 

青山「ってマスターならきっと言うと思うんです。」

 

チノ「あ・・あの・・ここへは良く来るんですか?」

 

青山「小説のアイディアはどこに転がっているか分かりませんから。ではではー。」

 

また何処かへ彷徨いに行った。

 

マヤ「チノー!見て見てーリゼと楽兎に買ってもらったー!二手に分かれて銃撃戦やろうぜ!」

 

チノ「は・・・はい。」

 

水鉄砲で銃撃戦をする事に。リゼ・チノペア、マヤ・メグペア、そして楽兎に分かれた。

 

リゼ「よーし!スタートだ!」

 

チノ(リゼさんが輝いてる!)

 

楽兎(テンション高え・・・)

 

テンションが上がったのか、何時もより輝いてるリゼ。

 

メグ「ねえ、これどうやって水入れるの?」

 

マヤ「使い方分かってなかった。」

 

水鉄砲の使い方を把握していなかったこの2人。

 

楽兎「ズコー!」

 

リゼ「そう言う事は先に言え!」

 

メグ「ごめーん。」

 

 

 

 

 

 

そして銃撃戦スタート。リゼは物陰に隠れながら相手を探す。

 

リゼ(こっちか?)

 

 

 

その頃楽兎は、物陰に隠れてる。

 

楽兎(まずはリゼからだ。)

 

 

 

その頃チノは物陰に隠れていた。そこに彷徨いに行った筈の青山が来た。

 

青山「そんな所でどうしたんですか?」

 

チノ「メグさんマヤさんには以心伝心のチームワークがあると思うのでリゼさんに任せて隠れているんです。あ、そうだ、ティッピーは人前で濡れるの嫌がるので預かっててくれませんか?」

 

ティッピーを青山に預けようとするが。

 

青山「困りましたね、実は私・・・・マヤさんに銃を託されてまして。」

 

後ろに水鉄砲を隠し持っていた。

 

チノ「え!?」

 

青山「リゼさんの居場所を聞いて来いと。」

 

するとティッピーを人質?にする。

 

ティッピー「わしを人質にする気か!?」

 

するとそこに。

 

リゼ「はあーーーー!!!」

 

青山「はうっ!」

 

ティッピー「わ!?」

 

リゼが水鉄砲を放ち、青山と何故かティッピーに直撃させた。

 

チノ「ティッピー!」

 

リゼ「メグも見付けたぞ!」

 

プールに隠れてるメグを見付けて直撃。

 

メグ「うわ!?見付かっちゃったー。」

 

楽兎「貰ったぞリゼ!!」

 

後ろから楽兎が現れた。

 

リゼ「しまった!」

 

 

 

 

”ツルッ”

 

 

 

 

楽兎「え?」

 

しかし足を滑らせてしまい。

 

楽兎「グヘア!」

 

床にビターンした。

 

リゼ「貰ったぞ楽兎!」

 

水が楽兎の顔に直撃。

 

楽兎「ブヘッ!ちくしょうやられた〜。」

 

チノ「マヤさんは何処です?」

 

リゼ「そんな簡単に口を割る訳・・・」

 

するとメグが指差して。

 

メグ「あっち!」

 

マヤ「なっ!?」

 

簡単に場所を教えた。

 

楽兎「教えちゃった!?」

 

リゼ「バカ正直だったか!?」

 

マヤ「メグのアホー!」

 

青山「悪役って楽しいですね。」

 

水に濡れたティッピーは体を細める。

 

楽兎「今回はチノちゃんとリゼの勝ちだな。」

 

そして銃撃戦はリゼ・チノペアの勝利。

 

 

 

 

 

 

その頃まだ勉強中のココア達。ココアはまだ素数を数えていた。

 

ココア「9649・9661・9677・9679・9689。」

 

シャロ「何時まで数えてるのよ、勉強しなくて良いの?」

 

ココア「あ!アルバム発見!」

 

棚にあったアルバムを発見。

 

シャロ「何処まで脱線するのよ!?」

 

早速アルバムを見る。

 

千夜「それは確か・・・」

 

高校入学前の写真を発見した。

 

シャロ「高校入学前の写真ね。」

 

ココア「千夜ちゃん浮かない顔してる。」

 

シャロ「私と学校が遠くなるから友達できるか不安がってたんだっけ。ホント心配性なんだかうぐ!?」

 

千夜に口封じされた。千夜は顔を赤くしていた。

 

ココア「へえー意外!」

 

 

 

 

 

 

その頃チノ達は、夜景を眺めていた。

 

楽兎「夜景綺麗だなぁ〜。」

 

メグ「先生!お風呂上りにコーヒー牛乳飲もう!」

 

コーヒー牛乳を持って来たチマメ隊。

 

リゼ「先生?」

 

楽兎「俺とリゼが?」

 

マヤ「リゼと楽兎の事先生だって。」

 

メグ「つい学校にいる感覚だった。体育の先生みたいだからかな?」

 

楽兎「あ〜成る程ね。」

 

リゼ「(先生・・・教官でなく。)何故隠れている!?」

 

何故かリゼの後ろに青山が隠れている。

 

青山「すみません、先生と聞いて。担当さんがここまで原稿を取りに来たのかと。」

 

楽兎「おいおい・・・」

 

 

 

 

 

 

その後帰宅する5人。

 

マヤ「プール面白かったなー!」

 

メグ「ねー!」

 

チノ(今日の報告ってするべきなのかな?)

 

ココアにメールしようとするチノ。

 

メグ「早くココアちゃんとお話したい?」

 

チノ「そ・・そんな事言ってないですが・・。」

 

マヤ「最近のチノはよく顔に出るし。」

 

チノ(こ・・これが以心伝心・・・)

 

リゼ「よし!ラビットハウスまで競争だ!私と楽兎が勝ったらお前らは明日からチマメ隊だ!」

 

楽兎「え!?俺も走るの!?」

 

全速力で走り出すリゼと楽兎。

 

チノ・マヤ・メグ「えー!?やだー!」

 

 

 

 

 

 

その頃ココアとシャロは、お風呂に入っていた。

 

ココア「でもあれだな、千夜ちゃん自身の昔話って新鮮だったな。」

 

シャロ(これって何時もの私が恥ずかしい思いをするのと逆かも!?)

 

自分の秘密をリゼの前で暴露されるのを想像するシャロ。

 

シャロ「気が合う友達見付られて喜んでるみたいだからこれからも仲良くしてあげてね。」

 

ココア「え?お湯流す音で聞こえなかったよ。」

 

さっきのお湯の音で声が聞こえなかったココア。シャロは恥ずかしくなったのか、お湯に潜った。

 

シャロ(どっちにしろ恥ずかしい・・・)

 

風呂から上がった後も勉強する3人。途中でシャロが寝た。

 

ココア「ねえねえシャロちゃん寝ちゃった。」

 

寝てるシャロに布団を被せる千夜。

 

千夜「バイトばかりで疲れているのよ。強がってるけど今の学校で不安も多いと思うからこれからも仲良くしてあげてね。」

 

ココア「もしかして入学前に不安だったのってシャロちゃんの心配してたのもある?」

 

内緒にして欲しいのか、指を口に当てる千夜。

 

ココア「良いな。幼馴染って羨ましい。私も2人と一緒の夢があったらな。」

 

千夜「思い出なら、これからだって一緒に作っていけるわ。」

 

ココア「そっか!じゃあ前髪を切ってみよう!」

 

千夜「そこなの!?」

 

 

 

 

 

 

同じ頃、チノとマヤとメグとティッピーは、チノの部屋に集まっていた。

 

マヤ「夜はこれからだよ!何して遊ぶ?」

 

チノ「クロスワードやりましょう。」

 

メグ「心理テストは?」

 

マヤ「もっとはじけろよ!」

 

チノ「でも、私の部屋で遊べる物はチェスくらいしか・・・」

 

するとドアのノックが聞こえた。ドアを開けたのは、父のタカヒロだった。娘達の為に買ったボードゲームを持って来ていた。

 

チノ「お父さん?」

 

タカヒロ「盛り上がるよ。」

 

 

 

 

 

 

その頃楽兎は風呂に入ってた。今回もぎこちない様子。

 

楽兎「女の子が入った後の風呂に入るとかもう本当に犯罪としか思えねえ・・・」

 

 

 

 

そして風呂から上がり、部屋に戻る途中。

 

楽兎「ふぅ〜・・・」

 

メグ『料金所で蜂の巣にされちゃったよぉ・・・またスタートに戻っちゃった・・・』

 

楽兎「何やら楽しそうな声が。ん?」

 

チノの部屋のドアの前に立つタカヒロが居た。

 

楽兎「タカヒロさん?」

 

タカヒロ「楽兎君。」

 

手招きしてドアを指差す。楽兎がドアを覗くと、チノ達3人がボードゲームで楽しく遊んでる。

 

楽兎「賑やかですね。あれって、昨日タカヒロさんが買ったボードゲームですよね?チノちゃん達へのプレゼントだったんですね?」

 

タカヒロ「2人がお泊まりに来るってチノから言われたからね。」

 

楽兎「タカヒロさんは凄いなぁ。俺もチノちゃん達へ何かしてやりたいなぁ・・・」

 

タカヒロ「楽兎君は十分やってくれてるよ。チノの面倒を見てくれてるからね。」

 

楽兎「そうですね。」

 

 

 

 

 

 

その頃チノ達は、ボードゲームで遊んでる。

 

マヤ「あはは!面白いねチノ!」

 

チノ「はい!」

 

だがチノは不安になっていた。

 

 

 

 

その頃ココア達。千夜の携帯にメールが来た。

 

千夜「あらチノちゃんから。」

 

チノが送ったメール『ココアさんがご迷惑をおかけしてませんか?』

 

ココア「チノちゃん私が居なくて寂しくなってるのかな?」

 

チノが送ったメール『この前千夜さんが見たがっていた濡れティッピーを今日撮ってきました。』

 

濡れティッピーとチノとマヤとメグの写メ付き。

 

ココア「ウェ!?凄く満喫していらっしゃる!」

 

千夜「しおしおで可愛い!待ち受けにしておきましょ。」

 

ココア「私も行きたかったー・・・」

 

その時寝ていたシャロが起きた。

 

 

 

 

 

 

その頃チノは、廊下でココアに電話を掛けようとしていた。その時ココアから電話が来た。

 

チノ「も・・・もしもし。」

 

ココア『チノちゃん、写真見たよ。楽しかった?』

 

チノ「は、はい・・・楽しかったです。」

 

するとココアが泣いてしまった。

 

ココア『私も一緒に遊びたかったな・・・』

 

チノ「え?泣く程ですか?でもココアさんと暮らし慣れてなかったら緊張してしまって、2人を家に呼ぶ事も無かったのかもしれません。」

 

ココア「そっかー!」

 

シャロ「泣いたり笑ったり忙しいね。」

 

ココア「明日には帰るから。うん!おやすみ。」

 

電話を切るココア。

 

千夜「ねえココアちゃん、私達も楽しそうな画像を送りましょうよ。」

 

 

 

 

 

 

その頃リゼの部屋。リゼの携帯にメールが届いた。

 

ココアが送ったメール『チノちゃん!こっちは前髪パッツン祭りだよ。』

 

写メには3人が前髪がパッツンと切られたいた。

 

リゼ「何故このメールを私に?この髪型流行ってるのか?」

 

 

 

 

 

 

場所が変わって甘兎庵。

 

千夜「シャロちゃん、今から怖い話する?」

 

シャロ「もう寝るの!」

 

布団に潜るシャロ。

 

ココア「やっぱりもふもふしないと落ち着かないな。」

 

あんこを連れて来たココア。シャロが怖がる。

 

シャロ「やめて!そんなの連れて来ないで!」

 

千夜「それなら、代わりにシャロちゃんはどう?」

 

シャロ「そ・・そうよ、私をもふもふしなさいよ!」

 

ココア「もふもふに自信があるとは強気だねえ。」

 

シャロ「無いから!」

 

千夜「まるで狩人に追われるうさぎね。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃チノの部屋では、チノとマヤとメグが一緒のベッドに寝ていた。楽兎は寝ている3人を確認する。

 

楽兎「チノちゃん、マヤちゃん、メグちゃん、おやすみ。」

 

部屋のドアを閉めて自分の部屋に戻った。

 

 

 

 

楽兎「ふぅ〜・・・さってと寝るか・・・」

 

欠伸しながらベッドへ向かう。するとスマホにメールが来た。

 

楽兎「ん?メール?ココアからか?」

 

メールを見るとそこには。

 

楽兎(え!?彼奴からか!?高校以来会ってなかった彼奴が!?)

 

送信相手を見ると楽兎が驚いた。早速メールを見る。すると楽兎は安堵の表情をした。

 

楽兎(まさかまた会えるとはな。今度会えるのは冬辺りだな。)

 

メールを送信して電気を消してベッドに潜って寝る。

 

 

 

 

 

 

ココア達もぐっすり寝ていた。

 

 

 

 

そしてシャロは可笑しな夢を見た。

 

シャロ『あ、あれ!?』

 

なんとココア達が通ってる学校の生徒になっていた。制服もココア達と同じだった。

 

ココア『授業中居眠りするなんて珍しいね。』

 

千夜『早く行きましょう。』

 

ココア『購買のパン売り切れちゃうよ。』

 

シャロ『ま・・・待ってー!』

 

走るがココア達に追い付けない。

 

 

 

 

そして目を覚ました。

 

シャロ「私の所持金52円!!!な・・・なんて夢・・・」

 

 

 

 

ココア「シャロちゃん、私のメロンパンいる・・・」

 

千夜「そんなに食べたら午後の授業も寝ちゃうかと・・・

 

2人もシャロの夢と同じ夢を見ているらしい。

 

シャロ(二度寝したら続き見れるのかな?)

 

 

 

 

 

 

翌朝。リゼが前髪を切っていた。切った後の自分を鏡で見る。

 

リゼ「お・・・可笑しいかな?」

 

 

 

 

 

 

外は雪が降っていた。リゼはラビットハウスに向かっていた。

 

リゼ「(彼奴ら、ちゃんとやってるかな?)ん?楽兎?」

 

楽兎「ん?ようリゼ。」

 

そこに楽兎と会った。右手にコーヒー豆が入った紙袋を持ってる。

 

リゼ「どうしたんだ?そんな所で。」

 

楽兎「タカヒロさんからコーヒー豆の買い出しを頼まれて、それで今戻ってる途中なんだ。」

 

リゼ「そっか。」

 

楽兎「リゼ、一緒に来るか?」

 

リゼ「ああ。」

 

2人はラビットハウスに向かった。

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスでは、マヤが何かを思い付いてた。

 

マヤ「ねえねえチノ、メグ。喫茶店と言えばやってみたい事があったんだ。」

 

チノ「何ですか?」

 

メグ「何?」

 

マヤ「えっとねー。」

 

 

 

 

その頃2人はラビットハウスに着いた。

 

リゼ「今日はお客として入ってみよう。」

 

楽兎「それではリゼ、いらっしゃいませ。」

 

リゼ「ああ。」

 

ドアを開けてリゼを来店させる。

 

リゼ「ん?」

 

楽兎「ただいまー。ん?」

 

ドアを開けるとそこには。

 

 

 

 

チノ・マヤ・メグ「おかえりなさい!お姉ちゃん!お兄ちゃん!」

 

マヤ「妹喫茶だよ!」

 

 

 

 

ランドセルを背負ってポーズを取ってる3人が待っていた。

 

リゼ「な、ななな何してる!?1列に並べ!チマメ隊ー!」

 

楽兎「俺達を堕とせると思ったら間違いだぞー!」

 

3人は怯えた。

 

マヤ「教官と兄貴には効かなかった!?」

 

チノ「やっぱりココアさんにしか効きませんね。」

 

その頃ココアは気持ち良さそうに寝ていた。こうして楽しいお泊まりをしたチマメ隊であった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼

        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨
       女性客:村中知

タカヒロ「今年はどうする?」

ティッピー「何が?」

タカヒロ「クリスマスだよ。クリスマス。」

ティッピー「今年は静かな聖夜を。」

チノ「大クリスマス会開催です!」

タカヒロ・ティッピー「え?」

次回「少女は赤い外套を纏いウサギを駆りて聖夜の空を行く」

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11羽「少女は赤い外套を纏いウサギを駆りて聖夜の空を行く」

あっという間に季節が流れ、冬が訪れた。今日はクリスマスイヴ。6人は街のクリスマスマーケットに来ていた。多くのクリスマスグッズやイルミネーションなど。

ココア「わー!クリスマスマーケットだ!」

6人の目の前には巨大なクリスマスツリーが立っていた。

千夜「ココアちゃんは、こう言うマーケットって初めてなのよね。」

ココア「うん!」

初めてのクリスマスマーケットでテンションが上がるココア。

チノ「落ち着いて下さい!」

ココア「もうテンション有頂天だよ!何処から行く?」

チノ「!」

リゼ「来て早々目的を見失うなー!」

チノ「今日は店のツリーに飾るオーナメントを買いに来たんですから。」

楽兎「そうだ。遊びに来たんじゃないからな。目的を忘れるなよ。」

ココア「ああ、そうだった。」

シャロ「舞い上がっちゃう気持ちも分かるけどね。」

リゼ「折角だし、用事が終わったら色々見て回るか。」

千夜「そうしましょう。」

ココア「わーい!」

またもやテンションが上がるココア。

チノ「落ち着いて下さい!」

ココア「チノちゃんこっちだよー!」






6人はマーケットを回る。

千夜「皆、クリスマスメニューは決めた?」

リゼ「ああ、今年は4人で考えたんだよな。」

チノ「頑張りました。」

楽兎「考えるのが大変だったな。」

ココア「クリスマス限定ですんごい豪華なパンケーキを作るんだ!」

千夜「素敵ねー!」

チノ「甘兎庵では何か出すんですか?」

千夜「うちは今年もターキーを出すの。」

リゼ「甘味処でターキー!?」

楽兎「ターキーって七面鳥だろ!?そんな物出すのか!?」

シャロ「何故か評判良いらしいです・・・」

ココア「じゃあうちはピザ焼こうよ!」

楽兎「ピザ!?何故そう思った!?」

チノ「回したピザ生地でお皿を割るのが目に見えます。」

楽兎「ココアならやりかねないな。」

ティッピー「若かりし頃のわしなら回せた!」

楽兎(あんたがピザ回す所見た事無えけど。)

リゼ「チノって時々凄い冗談言うよな。」

楽兎(まだ腹話術って信じてる。)

チノ「シャロさんは当日バイト尽くしですか?」

シャロ「あ・・・ええ、時給が良いから。ホントはクリスマスくらいゆっくり休めたら良いんだろうけど・・・」

ココア「じゃあバイト終わりにクリスマスパーティーしようよ!」
チノ「じゃあバイト終わりにクリスマス会しませんか!」

シャロ「あ!」

ココアとチノのセルフが見事にハモった。

リゼ「完璧にハモったな!」

楽兎「見事なシンクロ!」

ココア「わー!チノちゃんとハモれる日が来るなんて!」

チノ「ち・・・違います!ココアさんが言ったのはクリスマスパーティー。私が言ったのはクリスマス会です。」

ココア「一緒だよー!ご馳走食べてケーキ食べてコーヒー飲んで朝まで踊り明かそうよー!」

チノ「踊りませんし明かしません。そもそもクリスマスと言うのは心静かに祝うもので・・・」

ココア「チノちゃ〜ん!」

また抱き付こうとするココア。それを離そうとするチノ。

千夜「2人とも本当の姉妹みたい。」

楽兎「本当に微笑ましいな。」

ココア「チノちゃーん!」

リゼ「兎も角皆で集まるのは賛成だな。」

千夜「そうだわ、皆でプレゼント交換しない?」

リゼ「それ良いな!シャロは予定大丈夫か?」

何故かシャロが泣いていた。

リゼ「シャロ?」

シャロ「こ・・・今年は・・・大福にロウソクの夜じゃないのね・・・」

楽兎・ココア・チノ・リゼ「今までどんなクリスマスを・・・?」


その後もマーケット内を回ると、ココアが何かを感じた。

 

ココア「さっきから、何だか甘ーい匂いが。」

 

チノ「確かに。」

 

千夜「あんこでも煮てるのかしら?」

 

リゼ「まさか。」

 

シャロ「彼処じゃない?」

 

シャロが指差した先にあったのは、フルーツや雪だるまや雪うさぎの形をしたマジパンだった。

 

リゼ「可愛いー!」

 

楽兎「マジパンか。」

 

シャロ「マジパンですね。ケーキの上とかに載ってる。」

 

チノ「マジパンって何でマジパンって言うんです?」

 

ココア「マジなパンだからね。本気で可愛い子振ってるんだよ!」

 

リゼ「え?これパンなのか?」

 

楽兎「正確には、擦り潰したアーモンドと砂糖を練って作るお菓子だ。」

 

ココア「え、えっと・・・ま・・マジなんだから・・マジなんだから種族の壁くらい越えられるんだよ!」

 

千夜「無理しないで!」

 

楽兎「後マジパンの元の名前はマルチパンって言うんだ。それが由来となってマジパンって言うようになったんだ。」

 

リゼ「詳しいな楽兎は。」

 

楽兎「まあな。」

 

 

 

 

 

 

クリスマスグッズの店に来店した。

 

ココア「わー綺麗!オーナメントってこんなに種類あるんだ!」

 

千夜「うちはどれを飾ろうかしら。シャロちゃんの家も飾ってみない?華やかになるわよ?」

 

シャロ「今のままで良いわよ。」

 

ココア「でっかい天使像!」

 

リゼ「こんなのもあるんだな!」

 

天使像を見てるココアとリゼ。すると千夜が何か閃いた。

 

千夜「テーマは救世主の生まれた馬小屋!」

 

シャロ「馬小屋!?」

 

千夜「ダメかしら?」

 

シャロ「ダメに決まってるでしょ!」

 

 

 

 

チノはどんなのを飾ろうか迷っている。

 

ココア「リゼちゃん、ちょっと良いかな?」

 

リゼ「どうした?」

 

2人がチノに気付かれないようにコソコソ話す。

 

ココア「実は私、クリスマスの夜にチノちゃんの枕元にプレゼントを置いてびっくりさせたいんだ。」

 

リゼ「へえ!」

 

ココア「でもどういうのがチノちゃん喜ぶかな?」

 

リゼ「こう言うのはどうだ?」

 

選んだのは牙を生やした怖いうさぎのぬいぐるみだった。

 

ココア「別の意味でびっくりだね!」

 

リゼ「冗談だよ。お、そのオルゴールとか良いんじゃないか?」

 

メリーゴーランドのオルゴールを見付けた。

 

ココア「わー、良いかも。これとぬいぐるみ一緒なら、万が一泣き出しちゃってもきっと笑顔になれるよ。」

 

リゼ「ぬいぐるみは渡さなくていい。」

 

 

 

 

楽兎「何が良いかな〜ん?」

 

すると楽兎が何かを見て喜ぶ。

 

楽兎「これチノちゃんが欲しがっていた奴だ。プレゼント用に買おう。」

 

 

 

 

その頃チノはオーナメントを買って外に出た。外では雪が降っていた。

 

チノ「あ、雪。」

 

他の皆も外に出て降って来る雪を見た。

 

リゼ「綺麗だな。」

 

シャロ「ずっと空を見上げていると、吸い込まれちゃいそうです。」

 

ココア「フォフォフォ。」

 

そこにココアが遅れて来た。

 

チノ「ココアさん、何処行ってたんですか?」

 

ココア「えへへ〜、ココアサンタからちょっと早いプレゼントだよ。手出して。」

 

5人は手を出した。

 

ココア「はい。」

 

そしてココアが差し出したのは、小さな袋に入ったマジパンだった。

 

リゼ「これ私が気になってた奴!」

 

シャロ「ココア・・・」

 

ココア「私が食べたかったから。」

 

楽兎「マジパンは砂糖の塊だぞ?」

 

千夜「でも、どうして急にプレゼントしてくれたの?」

 

ココア「私、子供の頃の夢はサンタさんだったからね。」

 

リゼ「夢が多いな!」

 

ココア「本当は皆の寝床に侵入して夢を運びたかったんだけど。」

 

シャロ「怖い!」

 

楽兎「怪し過ぎるわ!」

 

ココア「ねえさっき話してたクリスマスパーティー、ラビットハウスでやらない?」

 

シャロ「良いわね!」

 

千夜「大丈夫かしら?チノちゃん。」

 

ティッピー「構わんとも!夜は貸し切りじゃ!」

 

楽兎「太っ腹だな。」

 

リゼ「普段自分が働いてる所でパーティーなんて、何か不思議な感じだな。」

 

チノ「じゃあ、メグさんとマヤさんも誘って良いでしょうか?」

 

ココア「わー、良いねえ!うっはー!楽しみ過ぎて眠れないかも!」

 

シャロ「クリスマス当日に倒れるわよ。」

 

ココアに近付き、千夜が小さく呟く。

 

千夜「ココアちゃんは十分サンタさんよ。」

 

ココア「え?今何て?」

 

千夜「ううん、何でもない。」

 

楽兎「じゃあこの後何処へ行くか?」

 

チノ「屋台でお菓子を買いたいです。」

 

シャロ「後、イルミネーション!」

 

千夜「全部行きましょう!」

 

ココア「じゃあ走って行くよ!」

 

リゼ「行くぞ!」

 

チノ「走ったら転びますよ!」

 

楽兎「おい待てよ!」

 

6人はそれぞれの場所に戻った。

 

 

 

 

 

 

そして、ラビットハウスでは多くのお客達で賑わっていた。外で行列が並んでいた。

 

リゼ「限定パンケーキお待たせ致しました。」

 

クリスマスの限定メニューのパンケーキ。ココアがパンケーキを作ってる。

 

ココア「この後のパーティー、皆来られるかな?」

 

リゼ「千夜もシャロも仕事忙しいからな。」

 

チノ「限定パンケーキ4つお願いします!」

 

ココア「人の事心配してる場合じゃなかった。」

 

チノ「ココアさん、招待状にまた「うぇるかむかもーん」とか書いてませんよね?」

 

ココア「大丈夫!今度は漢字にしたから!」

 

招待状には『さぁ 聖なる夜の時間だ 来るがよい!』と書かれてた。夜の漢字だけ赤くなっていた。

 

チノ「大丈夫じゃない!」

 

 

 

 

キッチンでは楽兎がパンケーキを焼いていた。

 

楽兎「考えて出て来たのはパンケーキとは。なんかパンケーキ食いたくなってきた・・・はっ!アカンアカン。よっ!ほっ!はっ!」

 

3つのフライパンのパンケーキをリズム良くひっくり返す。

 

楽兎「母さん直伝のパンケーキコンボ!」

 

 

 

 

 

 

その頃甘兎庵では。

 

千夜「そうだわ!せっかくだしパーティーで一発芸を披露しましょ。シャロちゃんとのコントも良いわね。でもこのネタまだ完璧ではないのよね・・・ううん、ココアちゃんとチノちゃんの開くパーティーだもの!妥協は許されないわ!」

 

あんこを傘に乗せて傘回しをする。

 

青山「わー!」

 

 

 

 

 

 

その頃シャロは外でチラシ配りをしていた。サンタの服を着ていた。

 

シャロ「お願いしまーす!お願いしまーす!うぅ〜寒い・・・こんな日にもチラシ配りだなんて・・・パーティー間に合うかな?集まるならお鍋が良いなー。その後にケーキが待ってて・・・あれ?この状況何処かで見た事が・・・」

 

思い出すとそれは。

 

想像のシャロ(マッチ買って下さい。)

 

明らかにマッチ売りの少女だった。

 

シャロ「ちがーう!!」

 

頑張れシャロ。

 

 

 

 

 

 

その後外では静まる雰囲気が漂っていた。

 

 

 

 

 

 

そんな中ラビットハウスでは。

 

マヤ・メグ「こんばんはー!」

 

うさ耳を着けたマヤと、トナカイの耳を着けたメグが来た。

 

マヤ「パーティーグッズは完璧だよー!ってあれ!?」

 

メグ「ラビットハウスが混んでる!」

 

マヤ「珍しい!」

 

既にほぼ満席状態だった。

 

ココア「パンケーキが話題になったみたいなの。」

 

チノ「座って待ってて下さい。と言うかずっとそれ付けて来たんですか?」

 

マヤ「もち!」

 

メグ「似合う?」

 

ココア「もう!そんなの持って来て・・・気持ちを抑え切れないじゃない!」

 

チノ「ココアさん仕事中です!」

 

手をプルプル震えながらクラッカーを持ってる。

 

 

 

 

 

 

しばらくすると、仕事を終えた千夜が来た。

 

千夜「こんばんは。あら、大繁盛?」

 

ココア「千夜ちゃん!マヤちゃんたちと席で待っててね。」

 

千夜「特製和菓子を持って来たんだけど・・・」

 

白い箱を差し出す千夜。

 

メグ「え?これ和菓子?」

 

マヤ「違う違う、メグ。そこは・・・」

 

メグ「あ!こ・・・これってケーキやないかい!」

 

とメグが突っ込む。

 

千夜「あー惜しい。もう少し勢いが欲しいわね。」

 

チノ「お待たせしてすみません、お客さんなのに・・・」

 

千夜「でも本当に忙しそうね。」

 

マヤ「じゃあさ、お手伝いするよ!」

 

メグ「お邪魔じゃなければ。」

 

リゼ「邪魔なもんか。助かるよ。」

 

ココア「持つべきものは友と妹だね。」

 

楽兎「妹付きかよ。」

 

そこにココアが限定パンケーキを持って来た。

 

マヤ「これがクリスマス限定パンケーキ!?」

 

メグ「美味しそう!」

 

限定パンケーキに見惚れてる2人。

 

マヤ・メグ「これ食べてから頑張るよ!」

 

ココア「いきなりおさぼりさん!?」

 

楽兎「良いじゃねえか。マヤちゃんメグちゃん召し上がれ。」

 

 

 

 

 

 

その後、仕事を終えたシャロが到着した。

 

シャロ「私間に合いましたか!?」

 

楽兎「お!シャロ!間に合って良かったな。」

 

リゼ「シャロ!走って来なくても良かったのに。」

 

シャロ「え?何で皆お仕事ムードなの?」

 

皆が仕事の手伝いをしている。

 

千夜「忙しいから手伝ってるのよ。」

 

シャロ「よ・・・ようやくお仕事から解放されたと思ってたのに・・・」

 

ガッカリしたシャロがその場で崩れる。

 

楽兎「お、おいシャロ大丈夫か?」

 

ココア「シャロちゃんは座ってて良いよ。」

 

シャロ「座ってろ・・・ですって・・・?そんなの自分自身を許せないわ!」

 

リゼ「限界を超えて覚醒した!?」

 

仕事ムードに入ったシャロが本気を見せた。

 

シャロ「2番テーブル!ミックスサンドとアメリカン!限定パンケーキとカフェオレ!」

 

メグ「は、はい!」

 

シャロ「3番テーブル!ナポリタンと限定パンケーキ!ブレンドツー!」

 

リゼ「ラジャ!」

 

チノ「シャロさん凄い接客ぶりです・・・!」

 

楽兎「本気モードになって発音が良くなってる・・・!」

 

マヤ「なんの!負けてらんないよ!」

 

 

 

 

しばらくして。

 

ココア「これでようやく本来の仕事に戻れるよ・・・」

 

リゼ「休憩してる暇はないぞ。」

 

疲れてるココアをメニュー表で軽く叩くリゼ。

 

ココア「鬼教官!戦場の死神!うわあああん!!」

 

リゼ「褒め言葉だ。」

 

メグ「ゆ、夕焼けの糸のお客様・・・」

 

そこにナポリタンを持って来たメグ。

 

ココア「夕焼け!?」

 

リゼ「メグ!それはただのナポリタンだ!」

 

メグ「え!?」

 

千夜「聖なる山の頂き・赤と白の誘惑、お待ちどうさま。」

 

ココア「何か凄いの来ちゃった!」

 

千夜「あ、ごめんなさい。いつもの癖で。」

 

リゼ「即興で思い付くのもある意味凄いけどな。」

 

千夜「なんなら一夜でメニュー全部書き変えてても良いのよ。」

 

ティッピー「させぬぞ!」

 

シャロ「混乱を招くメニュー名変更は禁止!後限定パンケーキを追加で4つ!」

 

千夜「はーい。」

 

ココア「シャロちゃんがリゼちゃん以上に鬼教官!」

 

メグ「でも、シャロさんが来てからお客さんの回転が良くなったね。」

 

リゼ「よし!私達も気合を入れて働くぞ!」

 

ココア「おー!」

 

女性客A「美味しかったー。」

 

女性客B「ねー。」

 

その時女性客がパンケーキを完食したのを見て、シャロがリゼに目の光信号を送った。

 

シャロ「3番さん食後のエスプレッソ!」

 

リゼ「ラジャ!」

 

マヤ「つまみ食いしたいよー。」

 

モールス信号でメグに伝えるが。

 

メグ「だーめ。」

 

優しい対応で即断られた。

 

 

 

 

 

 

その頃キッチンでは千夜がパンケーキを焼いていた。

 

チノ「あ!」

 

千夜「ん?」

 

チノ「バターが切れてしまいました。」

 

冷蔵庫の中のバターの在庫が切れてしまった。

 

ティッピー「困ったのう、クリスマスは休んどる店も多いし・・・」

 

千夜「大丈夫。バターって作れるのよ。」

 

チノ「千夜さん!」

 

千夜「こうやって生クリームを振っていれば・・・」

 

生クリームが入ったビンを振る。何回も頑張って振る。しかしバテてしまった。

 

チノ「千夜さん!」

 

楽兎「どうしたのチノちゃん?非常事態でも起こったの?」

 

そこに楽兎がキッチンに来た。

 

チノ「実はバターが切れてしまって。」

 

楽兎「それで千夜がクリームを振って作ろうとしたんだな。俺に任せろ。」

 

生クリームが入ったビンを持って素早く振る。

 

楽兎「もう少しだ。」

 

僅か1分でバターが完成した。

 

楽兎「よっしゃ!バター完成だ!」

 

チノ「凄いです楽兎さん!」

 

楽兎「実は俺の母さんパティシエやっててな、特にバター作りが天才級なんだ。」

 

 

 

 

 

 

メグ「しょ、少々お待ち下さい・・・えっと・・・」

 

ホールではメグが会計をしていた。だが計算が苦手なのか困っている。そこにココアが来て教えた。

 

ココア「3620円だよ。」

 

メグ「あ!お待たせしました!3620円です!」

 

お客さんが代金を払う。

 

女性客C「はい。」

 

メグ「丁度頂きます。」

 

ココア・メグ「ありがとうございましたー!」

 

メグ「ありがとう!ココアちゃん!」

 

ココア「焦らなくても大丈夫だからね。千夜ちゃんなんて、お客さんに国家予算並のお金を請求した事あるらしいから。」

 

メグ「それは焦った方が良いかも・・・」

 

 

 

 

 

 

その後もラビットハウスはお客達が絶える事無く賑わってる。皆仕事を頑張ってる。

 

少女「可愛いー!何これー?」

 

ティッピーにすりすりする少女。

 

女性客D「このパンケーキ凄く美味しいです!」

 

チノ「ありがとうございます。」

 

女性客から感謝の言葉を貰ったチノ。リゼが戦闘機のラテアートを持て成す。

 

女性客E「格好良い!」

 

リゼ「そ、そうですか?言って貰えれば何でも作りますよ。」

 

楽兎(今度はF-2かよ。リゼって本当職人技が多いな。)

 

千夜「メグちゃん、次のお皿用意お願ーい。」

 

メグ「はい!」

 

ココア「ありがとうございましたー!」

 

皆その後もお仕事を頑張る。

 

 

 

カウンターからチノとティッピーが店内を見る。

 

ティッピー「わしはもっと隠れ家的な静かな店を望んでいたんじゃがのう。」

 

チノ「こう言うのも楽しいです。」

 

ティッピー「ん?ん〜ふふふふ。」

 

これにはティッピーも同意。

 

 

 

 

 

 

そしてラビットハウスが閉まり、いよいよクリスマスパーティが始まる。

 

ココア「今日は働いたねー!」

 

シャロ「もうクタクタよー・・・」

 

リゼ「でも、なんか楽しかったなー!」

 

千夜「やり切ったって感じよねー!」

 

そして何時の間にか青山ブルーマウンテンも居た。

 

青山「今日は、私とタカヒロさんと楽兎さんでお料理を出すので楽しんで下さいね。」

 

全員「はーい!」

 

楽兎と青山がキッチンへ向かう。

 

ココア「チノちゃん!乾杯の挨拶して!」

 

チノ「え!?・・・・」

 

周りを見ると、皆が笑顔でチノを見ていた。

 

チノ「お、お疲れ様でした。乾杯!」

 

全員「カンパーイ!メリークリスマス!」

 

 

 

 

 

 

キッチンではタカヒロと楽兎が料理を作っていた。青山はターキーを見惚れていた。

 

タカヒロ「それ運び終ったら、青山君も参加して来なさい。」

 

青山「いえ!お料理と目を合わさなければ大丈夫です!」

 

タカヒロ「ん?」

 

しばらくして。

 

楽兎「・・・ふぅ〜、料理完成。」

 

豪華なフルコースが完成した。

 

タカヒロ「楽兎君、君も参加して来なさい。」

 

楽兎「はい。」

 

料理をトレーに乗せる。

 

楽兎「では行って参ります。」

 

出来上がった料理を持って行く。

 

 

 

 

楽兎「皆お待たせー!」

 

そして料理が全て運び終えた。ターキーやケーキ、更にサンドイッチやピザなど豪華なご馳走ばかりだった。

 

ココア「凄ーい!!」

 

メグ「美味しそーー!!」

 

楽兎「ふぅ、クリスマスだからご馳走たっぷりだ。」

 

シャロ「凄いご馳走!夢じゃないわよね!?」

 

楽兎「シャロ、これは夢じゃなく現実だ。」

 

リゼ「よし!ターキーを解体するか!」

 

懐からナイフを取り出した。

 

千夜「うちの小麦色の誘惑は、特別な隠し味を使ってるのよ。」

 

チノ「甘兎庵ではターキーにもそんな名前が付いているんですか。」

 

タカヒロは腕組みしてクリスマスパーティーを見守っていた。

 

青山(頑張った皆さんに、飲み物を作りましょう。)

 

ジュースを作ってる青山。

 

マヤ「ねえねえ!交換したプレゼントもう開けても良い?」

 

チノ「皆で一斉に開けましょう。」

 

ココア「せーの!」

 

一斉にプレゼントを開ける。

 

メグ「わー!美味しそうなクッキー!」

 

リゼ「うさ耳パーカー!似合うかな私に?」

 

ココア「わー!あの怖いうさぎだ!」

 

チノ「市松人形!?」

 

楽兎「まさかのモデルガン!?しかもデザートイーグル.50AE。」

 

クリスマスパーティーが一気に賑やかになった。

 

ティッピー「こんなに賑やかなラビットハウスは初めてじゃ。」

 

青山「は!マスターの声がはっきり聞こえます!これが奇跡の夜!」

 

こうして楽しいクリスマスパーティーが終わった。それぞれ皆帰って行く。

 

 

 

 

 

 

その夜、外は雪が積もっていた。巨大なクリスマスツリーが光っている。皆それぞれ静かな夜に就寝している。だがココアは違っていた。

 

ココア(本番はここからだよ!)

 

チノにクリスマスプレゼントを置く為にサンタクロースになりきっていた。

 

ココア(枕元にプレゼント置かなきゃ!お姉ちゃんとして。チノちゃん絶対サンタさんに来て欲しがってたもん。)

 

チノ『靴下は万が一の為です。』

 

そしてこっそりとチノの部屋に入った。チノはぐっすり寝ていた。ココアがチノが寝ているベッドに近付く。その後ろからタカヒロと楽兎がこっそり見ていた。

 

タカヒロ(どうやらココア君も、同じ考えだったようだね楽兎君。)

 

楽兎(そうですね。)

 

 

 

 

 

 

そして翌朝。今日はクリスマス。寝ていたチノが目を覚ます。

 

チノ「は!パンパン!」

 

クリスマス用の靴下がパンパンに入ってた。そしてその横に紙に包まれた1つの箱が置いてあった。すぐにパンパンに入ってたプレゼントを開ける。その中に入ってたのは。

 

チノ「わー!私が欲しかった立体パズルと可愛いオルゴール!こっちは・・・」

 

今度は横に置かれた箱を開ける。その中には。

 

チノ「あ!私が欲しかったボトルシップ!」

 

箱の中に入ってたのは、チノが欲しがっていたボトルシップだった。

 

チノ「それとココアさん!?」

 

横にココアがぐっすり寝ていた。

 

ココア「メリークリスマス・・・」

 

そんなココアに微笑むチノ。

 

 

 

 

 

 

その後着替えて、ホールにオルゴールを持って行き、オルゴールを流す。

 

リゼ「おはよう。」

 

楽兎「おはようチノちゃん。」

 

チノ「おはようございます。」

 

リゼ「お、それって。」

 

楽兎「チノちゃんが欲しがっていたオルゴールか。」

 

チノ「今年のサンタさんは3人来たみたいです。」

 

リゼ(おじさんとココアと楽兎か。)

 

楽兎(チノちゃん、喜んでくれて良かった。)

 

チノ「1人はおっちょこちょいだったみたいですけどね。」

 

楽兎「そうなのか。そのサンタさんなら身近にいるかもね。」

 

するとパジャマ姿のココアが出て来た。

 

ココア「大変だー!起きたら私の部屋にプレゼントでサンタさんが!」

 

リゼ「お前が驚いてどうする!?」

 

チノ「本当におっちょこちょいです。」

 

ココア「え?何の話?」

 

チノ「おっちょこちょいのサンタクロースです。」

 

楽兎「本当にな。」

 

今年は楽しいクリスマスを過ごしたのだった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼

        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨
      女性客A:下地紫野
      女性客B:高橋未奈美
      女性客C:綾瀬有

ティッピー「どうじゃ?たまには3人で一緒に風呂に入るか?」

チノ・タカヒロ「いやです(いやだ)。」

ティッピー「昔のように・・・」

チノ・タカヒロ「いやです(いやだ)。」

次回1期最終回「君のためなら寝坊する」

次回で1期編最終回です。感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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12羽「君のためなら寝坊する」

ある冬の朝。外では雪が辺り一面積もっている。チノの部屋では、チノとココアが一緒のベッドで寝ていた。

チノ「ん?」

目を覚ましたチノはココアを起こす。

チノ「ココアさん起きて下さい。ココアさんホント起きて下さい。」

起こそうとしてもココアが起きない。チノは先に洗面所へ行く。それと同時にココアが起きた。

ココア「チノちゃん・・・?」

洗面所で、チノとココアが歯磨きをする。

チノ「何で私の部屋で寝てたんですか?」

ココア「えっと、確かね・・・先に寝ちゃったチノちゃんが袖を離してくれなかったんだよ。夕食後に焼いたパンの美味しそうな匂いがしたのかなあ?」

チノ「美味しそうだったんだと思いますよ。」

ココア「え?」

真顔で即返答したチノであった。


その後ココアは、千夜と一緒にマーケットに来ていた。

 

千夜「うーん、パンって言うより小麦粉の匂いかしら?優しい匂いよ。」

 

ココア「それ・・どっちにしてもパンだよね。」

 

千夜「私は?」

 

ココア「千夜ちゃんはね、暖かくて包み込んでくれるようなわびさびを感じさせる匂いだよ。」

 

千夜「わびさび?」

 

ココア「年末もこのマーケットは色んな物が売ってるね。お使いで来たのに楽しくなっちゃう。チノちゃんと楽兎君も来れば良かったのに。」

 

千夜「クリスマスの時とは違った感じで楽しいわね。」

 

ココア「お肉やフルーツの匂いでお腹が減って、ん?」

 

偶然買い食いしているリゼとシャロを見付けた。

 

ココア「リゼちゃんが買い食いしてる!?」

 

リゼ「ココア!千夜!」

 

同時にリゼも2人を見付けた。2人はケーキを食べていた。すると千夜はシャロを見て冗談を言う。

 

千夜「シャロちゃんが試食してる!?」

 

シャロ「ちゃんと買ったわよ!」

 

リゼ「けど良く2人とも気づいたよな、こんなに人が多いのに。」

 

ココア「お腹空いてたから。」

 

千夜「シャロちゃんはハーブの香りが漂ってるから。」

 

シャロ「え?嘘?ヤダ!そんなに染み付いてる?」

 

自分の服を嗅ぐシャロ。

 

リゼ「冗談だから確認しなくて良いんだぞ?」

 

ココア「リゼちゃんは硝煙の危険な香りがするから近付くとすぐ分かるよ。」

 

リゼ「ええ!?」

 

リゼも自分の服を嗅ぐ。

 

ココア「冗談だから確認しなくて良いんだよ?」

 

 

 

 

 

 

その後ココア達は近くのベンチに座って食べる。ココアと千夜はドーナツを買って食べてる。

 

ココア「動いてるとお腹が減るから仕方ないよね。」

 

シャロ「何時もじゃないからね・・。」

 

千夜「普段はお仕事で忙しいけど、こうしてると私達普通の高校生らしいわね。」

 

リゼ「確かに。」

 

ココア「この街は空気も澄んで綺麗だね。良い匂いするし。」

 

シャロ「それは手に持ってるドーナツの匂いでしょ?」

 

千夜「そう言われれば慣れちゃって気にしてなかったわ。」

 

リゼ「冬だから余計に空気が澄んでるな。」

 

ココア「皆で深呼吸してみようよ。はい吸って・・・吐いて・・・」

 

皆で深呼吸する。

 

リゼ「ボーっとしてきた・・・」

 

シャロ「何か忘れてるような・・・」

 

千夜「明日は日曜日かしら・・・?」

 

ココア「社会に貢献する使命を抱いてたような気がする・・・」

 

完全に目的を忘れてしまったこの4人。

 

 

 

 

 

 

その頃チノと楽兎はココアが帰って来るのを待っていた。

 

チノ「遅いですね・・・ただのお使いなのに。」

 

楽兎「ああ、彼奴何所かでサボっているな?」

 

チノ「おじいちゃん、楽兎さん。」

 

楽兎「ん?どうしたの?」

 

チノ「私コーヒーの匂い大好きです。緑茶とハーブの匂いも素敵です。でも、最近安心する匂いが増えたみたいです。まだかな・・・?」

 

そう言ってチノがカウンターに伏せて目を瞑る。楽兎は微笑んでチノの頭を撫でる。

 

楽兎「チノちゃん良かったね。俺とチノちゃんが最初に会った時は、初めて家族以外の俺に近付いたよな。俺、また会える日がとても不安だったな。今でも独りぼっちなのかな?って思ってたら、ここまで成長出来たなんて、俺何だか嬉しくなっちゃうな。」

 

今日のラビットハウスは安らぎな空気に包まれている。

 

 

 

 

 

 

その頃ココア達は携帯に表示されてる時間を見て焦っていた。現在の時刻は14時18分。

 

ココア「いけない!もうこんな時間!!急いで帰らなきゃ!!」

 

全速力で帰る4人。

 

ココア「帰る前に急いでチノちゃんへのお土産買わなきゃ!!」

 

リゼ「私も!急がないと遅刻する!!」

 

シャロ「減給はいやー!」

 

千夜「こんな日もあるわねー。」

 

こうして間に合ったココア達。

 

 

 

 

 

 

ココアがラビットハウスの更衣室で制服に着替えてると。

 

マヤ・メグ「お邪魔しまーす!!」

 

ココア「あれー?どうしたの?」

 

マヤとメグが来ていた。

 

マヤ「宿題で調べ物あってさー。」

 

メグ「この喫茶店にインタビューで来たの。」

 

2人が来た理由は職業レポートの宿題をする為であった。

 

マヤ「率直に聞きます。」

 

メグ「この喫茶店を預かる者としてのやりがいは何ですか?」

 

ココア「お客様の笑顔です!」

 

チノ「ココアさんバイトですよね。」

 

ココア「チノちゃん!」

 

何時の間にかチノが来た。

 

チノ「それに店の事は店主である父に聞いて下さい。」

 

ティッピー「決して楽ではないが、この息詰まる現代社会の中ここを癒しの場として一杯のコーヒーを求め訪れる客の為にと思うとやりがいはある。帰りの際はまた来るよマスターの一言はああ彼にとってここは第二の家なのだと・・・」

 

いきなりティッピーが語りだした。チノがティッピーの口を塞ぐ。

 

マヤ「チノが語り始めた!」

 

チノ「それより早く着替えて下さい。」

 

メグ「私手伝うー。」

 

ココア「じゃあお願いしようかな。」

 

メグがココアに制服を着させる。

 

メグ「こうやってお手伝いしてみたかったんだー。」

 

ココア「ありがとう、メグちゃん。」

 

メグ「あ!裏表逆!」

 

制服が裏表逆になってしまった。表に直して、次はリボン。

 

メグ「えっと・・・リボンどうやって付けるんだっけ?」

 

マヤ「1人で着た方が早くね?」

 

メグ「ふえぇーん・・・ごめーん・・・」

 

正論を放ったマヤ。

 

 

 

 

 

 

制服に着替えたココアは、ホールに向かった。リゼと楽兎が仕事をしていた。

 

リゼ「ココア、チマメはどうした?」

 

ココア「チノちゃんのお父さんにインタビュー中だよ。」

 

リゼ「そうか、職業レポートか。中学の冬休みの宿題で出たなぁ。懐かしいな!」

 

ココア「楽兎君は職業レポート何処でやったの?」

 

楽兎「俺は、母さんがパティシエやってたからパティシエのレポートを書いたんだ。」

 

ココア「凄〜い!お母さんパティシエやってたの?」

 

楽兎「今もやってるんだ。今じゃ母さん、もうプロ顔負けに上達してるんだ。」

 

ココア「それで、リゼちゃんはお父さんに聞いたの?」

 

リゼ「私は軍人になるつもりは無い!けど・・・あの頃はやんちゃだった・・・」

 

ココア「え?」

 

リゼ「花屋さんに行くなんて!」

 

ココア「それ普通だよ!」

 

楽兎「可愛いなおい!」

 

 

 

 

 

 

その頃チマメは、タカヒロの部屋に来ていた。マヤとメグがタカヒロにインタビューする。

 

マヤ「この喫茶店の、やりがいや拘りは何ですか?」

 

タカヒロ「一杯のコーヒーを大切に、豆にも拘って、お客様に安らぎのある静かな空間と時間を提供する。先代までに無いお客様の立場に立った接客を・・・」

 

すると痺れを切らせたティッピーが怒った。

 

ティッピー「何じゃと!お前よりわしの方がお客の立場に立っておるわ!」

 

怒るティッピー。しかしタカヒロは。

 

タカヒロ「フッ。」

 

ティッピー「なぬ!?」

 

笑って返した。

 

マヤ「チノが二代目に宣戦布告!?」

 

 

 

 

 

 

タカヒロへのインタビューは終わり、ホールに向かう。

 

マヤ「個人経営って大変なんだな。」

 

メグ「この辺競争が激しいみたいだね。」

 

リゼ「お!インタビュー終わったみたいだな。」

 

チノ「甘兎庵とフルールドラパンもありますしね。」

 

マヤ「その喫茶店にもインタビュー行ってみたいね。」

 

リゼ「それならココア、休憩時間にでも連れて行ってやったらどうだ?」

 

ココア「え?私これでも仕事あるんだよ?」

 

チノ「その仕事は私が代わりにやりますから、ココアさん連れて行ってあげて下さい。」

 

楽兎「そうそう。ココアは思う存分妹達と回って楽しんで来い。」

 

ココア「わー!妹たちの頼みなら断れないなあ。」

 

マヤ「え?良いの?」

 

メグ「良かったー!ココアちゃんなら安心だね!」

 

リゼ「偵察か・・・気を抜いたらやられるぞ!」

 

マヤ・メグ「やられる!?」

 

チノ「リゼさんの冗談ですよ。」

 

 

 

 

 

 

こうしてココアとマヤとメグの3人は、最初に甘兎庵に訪れる。

 

千夜「あら!チノちゃんのお友達の。サービスするわよ。」

 

ココア「学校の宿題で千夜ちゃんの所にインタビューに来たんだよ。」

 

メグ「ずばり!ラビットハウスとは敵対関係なんですか?」

 

ココア「張り合ったのは昔で、今は違うんだよ。」

 

千夜「良きライバルと思ってるわ。」

 

ココア「そうなの?」

 

千夜「最近チノちゃんのお父さんがジャズやってたって聞いて、音楽も出来なきゃって気付かされたの。でも!楽器無いから歌います!」

 

何処からかカラオケセットが出て来た。

 

マヤ「すげー!」

 

メグ「カラオケ居酒屋みたいー!」

 

マヤ「でもさ、バイトしてると勉強とか大変じゃない?」

 

メグ「両立するのって難しくないですか?」

 

ココア「働くことも勉強の内だよ!」

 

千夜「メリハリ付けてこなせば大抵何とかなるものよ。」

 

マヤ「何か格好良く見えるな!メグ!」

 

メグ「凄いんだね!マヤちゃん!」

 

キラキラする2人。

 

千夜「ココアちゃん今度数学教えてね、ちょっとピンチなの・・。」

 

ココア「私も文系全般教えて欲しいかな・・・」

 

ガクガクする2人。

 

 

 

 

 

 

そして次に向かったのは、フルール・ド・ラパン。

 

シャロ「いらっしゃいませー。」

 

マヤ「うさぎっぽさが負けてる!」

 

メグ「ラビットハウス完敗だよー!」

 

ガクガク震えるマヤと目をキラキラしているメグ。

 

マヤ「しかもこのスカート丈!」

 

シャロ「何!?」

 

スカートを抑えるシャロ。

 

ココア「大胆さも負けてる!」

 

メグ「歌いだしても可笑しくない衣装だね。」

 

シャロ「歌!?」

 

ココア「歌うサービスあったっけ?」

 

シャロ「無いわよ!服よりもハーブティー気に入って欲しいな。」

 

だがしかしココアは震える。

 

ココア「リラックスした隙にやるつもりだ!」

 

シャロ「何でよ!」

 

マヤ「お店の決めポーズもやってよ。」

 

シャロ「無茶振り!?」

 

マヤ「ラビットハウスではこんな!」

 

左にココア、右にメグ、真ん中にマヤ勝手ポーズを取る。

 

シャロ「先輩でさえやっているというなら・・・」

 

リゼもやってると思ってるシャロは、勇気を出してウィンクしてピースするポーズを取る。

 

シャロ「これがサービス!!」

 

ココア「でもリゼちゃんには却下されたんだよね。」

 

シャロ「ター・・・」

 

その事を聞いたシャロは恥ずかしくなった。

 

ココア「職業インタビューならあっちに小説家さんも居るよ。」

 

そこに青山ブルーマウンテンがハーブティーを飲んでた。

 

マヤ「あの人小説家だったの?メグ行ってみよ!」

 

メグ「うん!」

 

シャロ「今の職業インタビューだったの?」

 

ココア「あれ?言ってなかった?」

 

2人は青山にインタビューする。

 

メグ「是非、小説家さんになった経緯とやりがいを教えて下さい。」

 

青山「私のような者でも参考になれば・・・」

 

マヤ「うんうん!」

 

青山「きっかけはある方に勧められて、やりがいは・・・」

 

マヤ「やりがいは?」

 

メグ「やっぱり人を感動させられる時ですか?」

 

青山「そうですね・・・」

 

すると突然体を横にしてテーブルの下から店員さんの太もも辺りを覗く。

 

青山「店員さんを観察しても怪しまれません。」

 

メグ「人間観察って奴ですね。」

 

マヤ「これただ覗いてね?」

 

またもや正論を放ったマヤ。

 

 

 

 

 

 

その後フルール・ド・ラパンでハーブティーを頂いた3人は、次の場所へ向かう。

 

ココア「お金が・・・」

 

財布の中は空っぽ寸前。

 

マヤ「和菓子とかハーブクッキーとか美味しかった。」

 

メグ「色々話も聞けたしね。」

 

ココア「じゃあそろそろ帰ろっか。」

 

メグ「もう帰るの?」

 

マヤ「他の喫茶店もインタビューしようよ。」

 

ココア「ダメ!遅くなったらチノちゃん心配させちゃうよ。」

 

すると2人はある事に閃いた。

 

マヤ「お願い!姉貴!」

 

メグ「もっと一緒に居たいね、ココアお姉ちゃん!」

 

妹の仕草攻撃でココアを感動させる。

 

ココア「わー!もう!遅くなったらチノちゃんに怒られるんだからね。」

 

マヤ「チノとどっちが姉か分かんねえな。」

 

メグ「うふふ。」

 

これにはココアも断われなかった。

 

 

 

 

 

 

それぞれ回って、ラビットハウスに戻った。

 

マヤ「リゼー帰ったよー。」

 

リゼ「お!どうだった?」

 

マヤ「将来私達が、ここのライバルになる可能性がある!」

 

リゼ「寝返る気か!?」

 

楽兎「まさかの裏切り者参上!?」

 

チノに近付くメグは、こっそり話す。

 

メグ「私はね、チノちゃんが素敵なお姉さん達と友達で良いなと思ったよ。」

 

チノ「お姉さん・・・」

 

メグ「将来あんな人達みたいになれるかなあ?」

 

チノ「メグさんだけでもそのままでいて下さい。」

 

 

 

 

 

 

翌日のラビットハウス。

 

ココア「行って来まーす!」

 

楽兎「行ってらっしゃい!気を付けてよー!」

 

ココアとチノが買い物に出掛ける。

 

 

 

 

 

 

ココア「見てー!雪が積もりまくりだよー!雪うさぎ作るよ!」

 

積もった雪で雪うさぎを作る。

 

チノ「先に買い物に行っちゃいますよ?」

 

ココア「完成!」

 

一瞬にして雪うさぎが出来上がった。

 

チノ「あ、可愛いです。」

 

ココア「このくらいで見とれるとはまだまだ子供だねえ。」

 

チノ「どっちが・・・」

 

ココア「このまま新学期まで雪が残ってたらきっと学校で雪合戦だね。武者震いするなー。でも千夜ちゃんに球投げられたらと思うとゾッとしてきた。」

 

するとチノは、ココアを見て何かに気付いた。

 

チノ「ココアさん、ちょっと腰低くして下さい。」

 

するとココアはファイティングポーズを取る。

 

チノ「構えろって意味じゃないです。」

 

手招きするチノ。

 

ココア「ん?」

 

ココアの額に顔を当てる。すると。

 

チノ「凄い熱!ココアさん・・・」

 

なんとココアが風邪を引いてしまった。急いでラビットハウスに戻る。

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスで。ドアが開いた。

 

楽兎「ん?チノちゃんにココア?もう買い物済ませたのか?」

 

チノ「楽兎さん大変です!ココアさんが風邪を引いてしまいました!」

 

楽兎「何だと!?」

 

焦ってココアの額に手を当てると。

 

楽兎「熱っ!おいおいマジかよ・・・!」

 

 

 

 

 

 

ココアの看病をする事となってしまった。そこに千夜がお見舞いに来てくれた。

 

千夜「ココアちゃん、お大事にね。」

 

ココア「お見舞いありがとね。色々持って来て貰っちゃって。」

 

千夜が持って来たのは、桃缶ニンニクとりんごだった。

 

チノ「桃缶とリンゴとニンニク・・・?」

 

ココア「ニンニクを首に巻くと風邪に効くんだよね。」

 

チノ「普通は焼いたネギじゃ・・・」

 

千夜「そう!病魔が立ち去るのよね。」

 

チノ「ニンニクで撃退するのは吸血鬼です。」

 

楽兎「ココアをドラキュラにすんな。」

 

リゼ「風邪って聞いたけど大丈夫か?」

 

そこにリゼが来た。手に持ってる皿の上にはうさぎりんご3個あった。

 

ココア「わー!リゼちゃんが剥いてくれたの?」

 

リゼ「刃物の扱いは任せろ。チノにリンゴうさぎにしろって言われたけど、これの何処がうさぎか分らなくて、こっちの方がうさぎっぽくないか?」

 

銃とヘルメットを被ったうさぎりんごを見せる。爪楊枝を銃に見立て、りんごの頭をヘルメットに見立たせてる。

 

ココア「凄い!」

 

楽兎「彫刻!?」

 

千夜「可愛い!」

 

チノ「普通のうさぎは銃構えません。」

 

すると今度は、マヤとメグがお見舞いに来た。

 

マヤ「ココアー大丈夫?」

 

メグ「この前無理させちゃったかな?」

 

ココア「2人ともありがとー。お姉ちゃんは大丈夫だよ。ちょっと熱があるだけ。」

 

マヤ「早く良くなって雪だるま作ったり雪合戦しよう!」

 

メグ「良いねー!」

 

チノ「暫くは安静です。」

 

リゼ「風邪が完全に治るまでは無理だな。」

 

千夜「そうよ、ココアちゃんは今悪魔と戦ってるの。」

 

チノ「病魔です。」

 

メグ「だからニンニク持ってるんだ。」

 

千夜「そうなの。十字架も持って来るんだった。」

 

マヤ「十字架ならリゼのナイフの方が格好良いよ。」

 

楽兎「何で悪魔と対立してんだよ。キリスト教徒かよ。」

 

ココア「あっはははは・・・ゴホッ!ゴホッ!」

 

笑い過ぎてココアが咳き込んだ。

 

チノ「ココアさん!また熱出てるじゃないですか!ちゃんと寝ないとダメです。」

 

リゼ「ゆっくり安静にして寝ろよ?皆行くぞ。」

 

千夜「また来るわね。」

 

マヤ「ちゃんと寝ろよー。」

 

メグ「ココアちゃんお大事にね。」

 

ココア「皆ごめんね。」

 

リゼ達は部屋から出た。

 

チノ「病人はちゃんと言うこと聞いて下さい。」

 

ココア「ごめんね、チノちゃん・・・楽兎君・・・」

 

チノ「大丈夫ですから。」

 

楽兎「安静してろよ。」

 

 

 

 

 

 

一方千夜は、シャロの家に来た。

 

千夜「シャロちゃん!どうして起きてるの!?」

 

何とシャロも風邪を引いていた。彼女はドテラを着て、熱さまシートを額に貼っていて、テーブルで勉強していた。

 

シャロ「寝てても暇なだけだし。」

 

千夜「ダメよ、寝てなきゃ治らないわよ。さあ!ニンニクを巻いて梅干しをおへそに!」

 

またニンニクを取り出した。

 

シャロ「巻かないわよ!あんたのおばあちゃんが言う民間療法は絶対間違ってる!」

 

千夜「あのね・・・治るって思い込みの効果は大事よ。」

 

シャロ「本当はこの方法信じてないでしょ・・・帰って良いわよ。長くいると移っちゃうし。」

 

千夜「移すと治るってのは迷信だったのかしら?」

 

シャロ「捨て身の看病だったの!?」

 

千夜がカバンから本を出してシャロの横に座って読む。

 

シャロ「何してんの?」

 

千夜「寝るまで居るわ。この本読み終わるのに時間かかるし。」

 

シャロ「・・・・」

 

優しい千夜に、シャロは密かに顔を赤くした。

 

 

 

 

 

 

その頃、チノはお粥を持ってココアの部屋に入る。だがココアの様子が可笑しい。

 

チノ「リゼさんがお粥作って帰りましたよ。」

 

ココア「チ・・・ノ・・・」

 

何とココアが苦しんでいた。チノがその異変に気付いた。

 

チノ「苦しいんですか!?私に出来る事だったら何でも言って下さい!」

 

ココア「チ・・・チ・・・」

 

チノ「何ですか!?ココアさん!」

 

ココア「地中海風オマールエビのリゾットが食べたいな・・・」

 

チノ「え?地中海?」

 

額に手を当てると。

 

チノ「凄く熱いじゃないですか!早くお薬を!」

 

さっきより熱が上がっていた。薬を飲ませようとするが。

 

ティッピー「チノ!風邪薬が切れておるぞ!」

 

薬が無くなっていた。

 

チノ「え!?近くのお店はもう閉まってますし、父は仕事中です・・・どうしましょう・・・」

 

ティッピー「家が近い千夜に貰いに行くのはどうじゃろう?」

 

チノ「おじいちゃんナイスアイディアです!今から走って行けば一時間掛からず帰って来られます!」

 

ティッピー「だが外は雪が積もって危険じゃ・・・」

 

そう言われてチノが困る。苦しんでるココアを見て決心した。

 

チノ「私・・・行って来ます!」

 

急いで千夜の家に向かう。

 

ティッピー「チノ・・・そうじゃ!」

 

ある事を思い付いた。

 

 

 

 

 

 

楽兎の部屋に向かう。

 

ティッピー「楽兎!楽兎!」

 

するとドアが開き、中から楽兎が出て来た。

 

楽兎「ティッピー慌ててどうした!?」

 

ティッピー「お願いがあるんじゃ!聞いてくれるか?」

 

楽兎「何でも言ってくれ!」

 

 

 

 

 

 

その頃チノは1人で夜の雪道の中を歩いていた。千夜から薬を貰いに行く為である。

 

チノ「沢山降ってる・・・朝になったら雪かきしなくちゃ・・・」

 

???「夜道に1人で歩くのは危ないよ?チノちゃん。」

 

チノ「楽兎さん?」

 

後ろからコートを着た防寒姿の楽兎が歩いて来た。

 

楽兎「一緒に行こ?」

 

 

 

 

2人は千夜の家に向かう。

 

楽兎「ティッピーから『チノを頼む』って言われて来たんだ。」

 

チノ「ありがとう楽兎さん、一緒に来てくれて。」

 

楽兎「仕方無いよ。夜道だと危ない事があるからね。それに、チノちゃんの大事な姉があの状態で心配だからね。」

 

照れて怒ったチノが楽兎にポカポカ叩く。

 

チノ「お姉ちゃんじゃありません!ココアさんはココアさんです!」

 

楽兎「ごめんごめん!冗談冗談!」

 

チノ「でも・・・」

 

楽兎「ん?何?」

 

チノ「ココアさんの匂いは、嫌いじゃありません。」

 

 

 

 

 

 

その頃ココアの部屋では、青山がホットワインを持って来た。

 

青山「あのー、お加減如何ですか?ホットワインをお持ちしました。ココアさん、あらあら。これでは治りませんよ。」

 

ココアは寝ていた。布団を掛け直す青山。

 

青山「クシュッ!何だか私も寒くなってきましたね。」

 

持って来たホットワインを飲む青山。

 

青山「あー美味しい。流石マスターのワインです。身も心も温まります。あらら?どうしたんでしょう・・・ココアさんが二人も。もう一度出直して来ます・・・」

 

部屋を後にした。ドアが閉まったと同時にココアが目を開けた。

 

ココア「チノちゃん・・・」

 

結局青山は何しに来たのやら。

 

 

 

 

 

 

そしてチノと楽兎は甘兎庵に着いた。電気はまだ点いてる。するとシャロの家から千夜が出て来た。

 

チノ「千夜さん!」

 

楽兎「おい千夜!」

 

千夜「チノちゃん!あら、楽兎さんも一緒で。」

 

チノ「あの!風邪のお薬があったら譲って頂けないでしょうか!?ココアさんのお薬切れてしまって・・・」

 

千夜「良いわよ。幾つ?」

 

ドテラから幾つかの風邪薬を取り出した。

 

チノ「持ち歩いてるんですか!?」

 

楽兎「応急用かよ!」

 

千夜「ちょっとね。」

 

チノ「シャロさん風邪ですか?」

 

楽兎「まさかシャロも!?」

 

千夜「ほら、早くお薬持ってココアちゃんの所に。」

 

風邪薬をチノに渡す。

 

チノ「はい、ありがとうございます!」

 

楽兎「ありがとな千夜!恩に着るぜ!」

 

急いで帰る2人を千夜が見送る。

 

千夜「私も急がないと。」

 

 

 

 

 

 

そして2人は無事帰って来た。チノは薬を持ってココアの部屋に入った。

 

チノ「ココアさん!お薬貰って来ました!」

 

ココア「チノちゃん・・・?」

 

チノ「大丈夫ですか?」

 

ココア「少し落ち着いてきた・・・あれ?おでこどうしたの・・・?」

 

おでこが赤くなってた。

 

チノ(雪で滑って頭から転んだって言ったら笑われる。)

 

ココア「ああ、雪ではしゃいでスノボごっこしたら転んだんだね、危ないよ・・・」

 

チノ「普通に転びました。」

 

ココア「チノちゃん、もし風邪移しちゃったら私が全力で看病するからね。」

 

チノ「私はそんなに柔じゃないです。リゼさんに鍛えられたので。」

 

 

 

 

 

 

翌朝、チノが風邪を引いてしまった。顔は真っ赤になっている。ココアはすっかり元気になってる。

 

ココア「私の風邪は移らなかったけど、おたふく風邪になるなんて。」

 

チノ「何故か負けた気がします・・・」

 

ココア「ちゃんと安静にしてなきゃダメだよ?今度はお姉ちゃんが看病するからね。」

 

チノ「1人で大丈夫です・・・熱もまだ微熱ですし・・・」

 

ココア「病人はちゃんと言う事聞かなきゃダメだよ?」

 

チノはそっぽ向くが、嬉しそうな顔をした。

 

 

 

 

 

 

楽兎の部屋でも予想外の事態が起こってた。

 

タカヒロ「楽兎君、具合はどうかね?」

 

楽兎「ええまあ、まさか、俺まで風邪になるなんて・・・あの時と同じ感じ・・・」

 

何と楽兎も風邪を引いてしまったのだった。タカヒロがお粥を持って来てる。

 

楽兎「すみませんタカヒロさん、風邪を引いてしまって面目無い・・・」

 

タカヒロ「気にしなくて良いよ。今日はゆっくり安静にしてなさい。」

 

楽兎「ですね。」

 

 

 

 

 

 

ココアは外に出て買い物に出掛ける。すると途中で自分が雪うさぎを見付けた。小さな雪うさぎが3匹出来てた。そして横には、雪戦車に乗ってる雪うさぎがあった。

 

リゼは部下達に見送られながら外出する。

 

千夜とシャロは外に出ると同時に顔を合わせた。笑う千夜だが、シャロはそっぽ向く。しかし笑顔で千夜を見た。

 

ティッピーとタカヒロは台所で会話をしていた。ティッピーはプルプル震えてた。

 

マヤとメグは雪道を歩きながら会話をしていた。するとマヤが走り出した。追い掛けるメグ。

 

青山ブルーマウンテンは、マヤとメグを見て微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

翌日のラビットハウス。チノはすっかり元気になって仕事をしていた。

 

リゼ「おたふく風邪良くなったのか?」

 

チノ「おはようございます、もう治りました。」

 

リゼ「まさかまだ掛かってなかったとはなあ。おたふくって頬っぺがこーんななるんだよな。」

 

ティッピーのほっぺを引っ張る。そこに楽兎が来た。

 

楽兎「やっと仕事に戻れたー!」

 

リゼ「楽兎!すっかり元気になったな。」

 

チノ「楽兎さんおはようございます。」

 

楽兎「おはようさんチノちゃんにリゼ。風邪から解放されたからな。休んだ分張り切って頑張らねえとな。」

 

リゼ「そう言えばココアは?」

 

チノ「まだ起きてないみたいですね。」

 

リゼ「全く。」

 

チノ「・・・ちょっと起こして来ます。」

 

楽兎「俺も起こしに行くよ?」

 

チノ「私で大丈夫です。」

 

ココアを起こしに行くチノ。

 

楽兎「チノちゃん、すっかりココアの妹になった気分だな。」

 

リゼ「そうだな。」

 

 

 

 

 

 

ココアの部屋に入ると、ココアはまだ寝ていた。鳴ってる目覚まし時計を切って起こす。

 

チノ「ココアさん開店の時間ですよ、起きて下さい。」

 

ココア「パンが焼けたらラッパで知らせてね・・・」

 

寝言を言ってるココア。

 

チノ「風邪治って今日から一緒に働くんじゃないんですか?」

 

ココア「あと20分〜・・・」

 

まだ寝言言ってるココア。そこでチノは、顔をココアの耳に近付き、こう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チノ「お姉ちゃんのねぼすけ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると突然ココアが起きて、チノの額とぶつかった。

 

チノ「どうして目覚ましより小さな声で起きるんですか!?」

 

ココア「えーどうしてかな?」

 

余程痛いのか強く額を抑える。

 

こうしてラビットハウスにまた新しい日々が始まった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼

        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

ココア「チノちゃん!さっき何て言ったの?」

チノ「何も言ってません。」

やっと1期編が終わりました。チノとティッピーの場面は作者のちょっとした欲で楽兎に変えました。
次回はちょっとオリジナル1話を投稿します。その次は2期編に突入します。

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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##オリジナル##
オリジナル「再会の友」


今回オリジナルとしてオリキャラ達の視点で送ります。


女性店員「いらっしゃいませー!お客様は2名ですね。こちらの席へどうぞー。」

 

今日のシャロは、何か気になっていた。自分がバイトしているフルール・ド・ラパンに元気で活発な新しい店員が入って来た事を。その女性は、赤い髪で綺麗なストレートな髪型をしている。

 

シャロ(あの人、凄い接客振り・・・)

 

その女性にシャロは唖然と見ていた。

 

女性店員「ありがとうございましたー!」

 

すると突然シャロに近付く女性店員。

 

女性店員「あなたがシャロちゃんね?」

 

シャロ「え!?あ、はい。そうですけど・・・」

 

女性店員「やっぱり!彼奴が言ってた通り可愛いね!」

 

シャロ「え?彼奴って、誰なんですか?」

 

女性店員「それは後で話すわ。あ!私新しく入った店員の鴨田みくるよ。宜しくね。」

 

シャロ「あ、はい。宜しくお願いします。」

 

 

 

 

 

 

また別の場所では、緑色の髪でショートヘアの髪型をしている1人の男性がカメラで公園の写真を撮っていた。

 

男性「凄くのどかな街だな。雰囲気も最高だ。」

 

そして休憩なのか、近くのベンチに座る。

 

男性「ふぅ〜、写真家の仕事もたまには休憩も大事だよな。お!そうだ!またあの小説読もうかな。」

 

バッグから「うさぎになったバリスタ」を出して続きを読む。

 

男性「いや〜、この小説面白いな〜。映画も面白かったし。この作者の青山ブルーマウンテンさん天才だろ。」

 

???「あの〜。先程名前を呼びました?」

 

男性「はい?」

 

声を掛けて来たのは青山ブルーマウンテン本人だった。

 

男性「えっと、あなたは?」

 

青山「私青山ブルーマウンテンと申します。」

 

男性「え!?この小説の作者さん本人!?」

 

青山「はい。」

 

男性「マジか!凄くお淑やかなお方だ。そうだ!もし良かったらこの色紙にサインして下さい!実は俺の両親あなたのファンなんです。」

 

青山「まあ!嬉しいですね。」

 

色紙にサインをする。

 

青山「書けましたわ。」

 

男性「よし!両親が喜ぶぞ〜!あ!申し遅れました。俺茶度緑羽太です。カメラマンをやっております。以後お見知り置きを。」

 

名刺を渡す。

 

青山「はい。ではまた何処かでお会いしましょう。」

 

また何処かへ彷徨う青山ブルーマウンテン。

 

緑羽太「まさか初っ端から青山さんと出会えるとは思ってなかったな。あ!彼奴にメールしないとな。」

 

スマホを取ってメールする。

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスの男子更衣室では、楽兎のスマホの着信音が鳴った。

 

楽兎「ん?」

 

メールを見ると。

 

楽兎「彼奴からか?もう来たのか。」

 

 

 

 

 

 

着替えてホールに出て来た。

 

楽兎「皆お待たせ。」

 

チノ「楽兎さん遅いですよ。」

 

楽兎「ごめんごめん。ちょっと彼奴からメールが来たから夢中になっちゃって。」

 

ココア「彼奴って、誰なの?」

 

リゼ「楽兎の友達か?」

 

楽兎「まあね。」

 

すると誰かが来店して来た。

 

4人「いらっしゃいま・・・せ?」

 

4人は唖然としていた。何故なら、来店して来たお客が不審な格好をしていた。サングラスとマスクを身に付けていた。不審なお客はカウンターに座る。

 

リゼ(何だあのお客?)

 

楽兎(何だ此奴!?)

 

チノ「ご注文は?」

 

男性「カフェオレ頂戴。」

 

チノ「畏まりました。」

 

ココア「楽兎君、あのお客さん何なの?」

 

楽兎「俺に聞かれても、ん?」

 

不審なお客は、楽兎に顔を向けて目をチラリと見せた。楽兎は苦笑いをした。

 

楽兎(此奴・・・)

 

カフェオレを淹れて、不審な客に持って行くチノ。

 

チノ「お待たせしました。」

 

カフェオレを置く。

 

男性「ありがとう。」

 

マスクを外してカフェオレを飲む。

 

男性「うーん!流石カフェオレ!これぞ正に!天使の味〜!」

 

ココア・チノ・リゼ「お客様!?」

 

楽兎「おい、そろそろ顔見せたらどうだ?緑羽太。」

 

3人「え?」

 

男性「やっぱチラ見しなきゃ良かったな。」

 

不審な男性はサングラスとマスクを取って正体を見せた。

 

緑羽太「高校以来だな楽兎。」

 

楽兎「それは俺のセリフだぞ緑羽太。」

 

チノ「楽兎さん、お知り合いですか?」

 

楽兎「ああ、俺の幼馴染みの。」

 

緑羽太「茶度緑羽太です。宜しく。」

 

不審な男性の正体は、さっき公園でカメラ撮影していた茶度緑羽太だった。

 

 

 

 

 

 

ココア「私ココアだよ!」

 

チノ「チノです。初めまして。」

 

リゼ「宜しくな。私はリゼだ。」

 

緑羽太「ココアちゃんとチノちゃんとリゼか。楽兎〜、お前両手に花持ってるじゃねえか?」

 

楽兎「茶化すなよ。」

 

ココア「それで、緑羽太君って何の仕事してるの?」

 

緑羽太「カメラマンさ。街のあらゆる場所を取ってるんだ。アルバム見るか?」

 

撮影したこの街のアルバムを見せる。

 

リゼ「凄い!こんなに撮ってる!」

 

楽兎「っつかお前、何時ここに来んだよ?」

 

緑羽太「クリスマスイブの日に来たんだ。こっそり潜んでたんだ。後彼奴も来てるぜ?」

 

楽兎「彼奴って?」

 

すると千夜とシャロが来店して来た。

 

ココア「千夜ちゃんにシャロちゃん!いらっしゃい!」

 

千夜「今日ちょっとここに行きたいって言うお客さんを連れて来たわ。」

 

ココア「お客さん?」

 

女性「ここがラビットハウスかー。可愛い喫茶店ね。」

 

その女性はフルールで働いてた鴨田みくるだった。

 

楽兎「みくる!?」

 

みくる「あ!楽兎!久し振り!」

 

シャロ「楽兎さん知り合いなんですか?」

 

楽兎「俺のもう1人の幼馴染みだ。」

 

みくる「鴨田みくるです。」

 

もう1人の幼馴染みの鴨田みくる。

 

楽兎「っつかみくるもあれか?緑羽太と同じ頃に来たのか?」

 

みくる「いや、緑羽太が引っ越した後の3日後に引っ越して来たのよ。」

 

楽兎「連絡ぐらい送れよ。」

 

緑羽太「いやな?それじゃ面白くないと思ってな。ズバリ!サプライズだ!」

 

楽兎「そんなサプライズいらねえ。」

 

緑羽太「ひでぇ!?」

 

楽兎「ごめんな千夜にシャロ、みくるを連れて来て貰っちゃって。」

 

シャロ「いえ、別に気にしてはいません。」

 

みくる「そうそう別に気にしてないよ。本当にシャロちゃんは可愛いねー!」

 

シャロ「あ、ありがとうございます・・・」

 

楽兎「ああ気にするなシャロ、みくる可愛もの好きだからな。それでみくる、お前仕事は何してるんだ?」

 

みくる「フルールで働いてるわ。シャロちゃんと同じ雇用形態だから。」

 

楽兎「そこの店長は甘いのか?」

 

チノ「楽兎さんの幼馴染みはとても面白い人達ですね。」

 

楽兎「まあそうだな。何時もテンション高いしな。ココアと同じくらいだ。」

 

ココア「何で私に例えるの!?」

 

緑羽太「さて、俺はそろそろ行くよ。」

 

楽兎「良いのか?もうちょっとここに居ても。」

 

緑羽太「俺はカメラマンだから、また明日も会えるぜ。じゃあな。」

 

みくる「私もじゃあね。」

 

2人はそれぞれの場所へ向かう。

 

千夜「面白い人だったわね。」

 

楽兎「本当に俺もそう思うな。」

 

こうして幼馴染みの2人と再会出来た楽兎であった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼

     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ

次回は2期編に入ります。宜しくお願いします。


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オリ主&オリキャラ紹介

今回オリ主とオリキャラを紹介します。


オリ主紹介。

 

綾部楽兎(あやべらくと)

 

年齢・22歳→23歳

誕生日・6月10日

血液型・B型

身長・168Cm

体重・64kg

性格・優しい、マニアック、常識人

得意料理・ラタトゥイユ

 

モデル・鈴木勝大

 

髪型・メンズウルフで赤髪

 

私服・青のシャツ、白のジャケット、紺のジーンズ、白のスニーカー

 

大学を卒業したラビットハウスの店員であり、香風家に住み込んでいる青年。

実はチノの従兄であり、13歳の頃にラビットハウスでホームステイの経験があり、当時6歳のチノと遊んだ事がある。

チノの母のサキは叔母であり、彼の母の妹にあたる。

チノの父のタカヒロの甥っ子。

父親は12歳の頃病気で他界した為、母と2人で暮らしていた。

かなりのマニアックである。特にミリタリー系に興味がある。

料理も上級であり、1日置きに朝ごはんや夕ご飯を作っている。

1番の得意料理はフランスのラタトゥイユ。

好きな食べ物はカルボナーラ。

嫌いな食べ物はオクラ。

アルコール系の酒全般を苦手としており、本人曰く「酔わないけど吐く」。

ノンアルコールは別。

兄弟が居る家庭に憧れており、従妹であるチノを妹のように可愛がっている。

毎日チノとココアの後に風呂に入る為、毎日ぎこちない様子。

 

愛車・ST250 Eタイプ

 

呼び方

ココア→ココア

チノ→チノちゃん

リゼ→リゼ

千夜→千夜

シャロ→シャロ

マヤ→マヤちゃん

メグ→メグちゃん

タカヒロ→タカヒロさん

 

呼ばれ方

ココア→楽兎君

チノ→楽兎さん

リゼ→楽兎

千夜→楽兎さん

シャロ→楽兎さん

マヤ→楽兎・兄貴

メグ→楽兎さん

タカヒロ→楽兎君

 

かなりの学力があり、チノの宿題を教える事もある。

懐かれやすい体質であり、うさぎや猫などの動物が寄って来る事も。

実家は母親が経営するケーキ屋であり、母の影響でお菓子作りも得意。

父親がジグソーパズルが好きだった為、その影響で多くのパズルを完成している。

夢の中でサキと極稀に会えるようになった。

 

イメージキャスト・斎藤壮馬

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

オリキャラ紹介

 

茶度緑羽太(さどりょうた)

 

年齢・22歳→23歳

誕生日・3月10日

血液型・AB型

身長・169Cm

体重・65kg

性格・活発、元気、常識人

得意料理・オムライス

 

モデル・馬場良馬

 

髪型・緑色の髪でショートヘア

 

私服・緑のシャツ、紺色のジャケット、青いのジーンズ、緑のスニーカー

 

凄腕の若手カメラマンであり、楽兎の幼馴染みの青年。

写真以外にもビデオカメラを使用している。彼曰く『動画は俺の趣味』。

最近この街に引っ越して来た青年で、現在一人暮らしをしてる。

両親は写真展を経営している。妹がおり、妹も写真展で手伝いをしている。

高校卒業と同時に、楽兎とは違う大学に通っていて、楽兎と会うのは高校以来だと言う。

アホみたいな一面もあるが、常識的な知的を持ってる。

自動車免許を取得している。

 

愛車『N-ONE』

 

呼び方

ココア→ココアちゃん

チノ→チノちゃん

リゼ→リゼ

千夜→千夜ちゃん

シャロ→シャロ

マヤ→マヤ

メグ→メグちゃん

タカヒロ→マスター

 

呼ばれ方

ココア→緑羽太君

チノ→緑羽太さん

リゼ→緑羽太

千夜→緑羽太さん

シャロ→緑羽太さん

マヤ→緑羽太

メグ→緑羽太さん

タカヒロ→緑羽太君

 

最近ラビットハウスの常連になり、毎日来店してる。

 

名前の由来は「緑茶」

 

イメージキャスト・相葉裕樹

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

鴨田(かもだ)みくる』

 

年齢・22歳→23歳

誕生日・9月3日

血液型・A型

身長・167Cm

体重・63kg

性格・元気

得意料理・パスタ

 

モデル・小宮有紗

 

髪型・赤い髪で綺麗なストレート

 

私服・青い服、オレンジのジャンパースカート、茶色のローファー

 

楽兎のもう1人の幼馴染みであり、現在フルール・ド・ラパンで働いてる。

シャロと同じ雇用形態だと言う。

家族は両親のみ。

両親は現在海外で働いてる為、一人暮らししている。

緑羽太と同じ大学に通ってた為、緑羽太と同じく高校以来楽兎に会ったと言う。

シャロが大好きで、抱き締めちゃいたいくらい好み。

 

呼び方

ココア→ココアちゃん

チノ→チノちゃん

リゼ→リゼちゃん

千夜→千夜ちゃん

シャロ→シャロちゃん

マヤ→マヤちゃん

メグ→メグちゃん

タカヒロ→マスター

 

呼ばれ方

ココア→みくるちゃん

チノ→みくるさん

リゼ→みくる

千夜→みくるさん

シャロ→みくるさん

マヤ→ミックー

メグ→みくるさん

タカヒロ→みくる君

 

名前の由来は「カモミールティー」

 

イメージキャスト・三森すずこ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

綾部恵美(あやべえみ)

 

年齢・非公開

血液型・A型

身長・172Cm

体重・67kg

性格・元気、テンション高い、ポジティブ

得意料理・オムライス

 

モデル・桑島法子

 

髪型・黄色でツインテール

 

私服・青の服、黄色のジャケット、緑のロングスカート、青の靴。

 

楽兎の母親。

チノの母親であるサキの姉で、チノの叔母。

凄腕のパティシエで、ケーキAYABEを経営している店長。

常にテンション高く、挫けても負けても気にしない性格である。

テンションが高いのは、両親の遺伝を受け継いでると言ってる。

タカヒロからは恵美さんと呼ばれてる。

楽兎にラビットハウスを勧めた人物。

ペットにネザーランドドワーフのポッポを飼っている。

ポッポはケーキAYABEの看板うさぎで人気が高い。

ケーキAYABEの一番人気なのはチョコケーキである。

 

呼び方

緑羽太→緑羽太君

みくる→みくるちゃん

ココア→ココアちゃん

チノ→チノちゃん

リゼ→リゼちゃん

千夜→千夜ちゃん

シャロ→シャロちゃん

マヤ→マヤちゃん

メグ→メグちゃん

タカヒロ→タカヒロ君

 

呼ばれ方

緑羽太→恵美さん

みくる→おばさん

ココア→恵美さん

チノ→恵美さん

リゼ→恵美さん

千夜→恵美さん

シャロ→恵美さん

マヤ→おばさん

メグ→おばさん

タカヒロ→恵美さん

 

イメージキャスト・桑島法子

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『ポッポ』

 

種類・ネザーランドドワーフ

 

大きさ・手の平サイズ

 

綾部家のペット。

とても人懐っこく、ケーキAYABEの看板うさぎの人気者。

懐かれない体質のチノにも懐く良い奴。

うさぎ嫌いなシャロを克服させようと接してる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

月野美未子(つきのみみこ)

 

年齢・非公開

血液型・B型

身長・166Cm

体重・64kg

性格・優しい、怖い

得意料理・お菓子全般

 

モデル・立石晴香

 

髪型・ロングポニーテール

 

楽兎の母の綾部恵美が経営する「ケーキAYABE」の副店長。

とても優しい性格であり、客達からの人気が高いが、怒らせるとかなり怖い。

これまで追い払った迷惑客数は数十人にも及ぶ。

幼い頃からパティシエを夢見ており、お菓子教室にたまたま居た恵美からスカウトされて副店長になった。

 

イメージキャスト・真堂圭

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「ケーキAYABE」

 

店長・綾部恵美

副店長・月野美未子

従業員・10人

バイトスタッフ・5人

 

看板うさぎ・ポッポ、もう1羽のロップイヤー

 

楽兎の実家で、母親の恵美が経営してる人気のケーキ屋。

商品はショートケーキやパンケーキやチョコレートケーキ。

更にクレープもある。

ウッドデッキもあり、そこで出来立てのケーキを食べる事も出来る。

 

人気商品・チョコレートケーキ

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『ラミン・アサム』

 

年齢・17歳

誕生日・1月9日

血液型・B型

身長・157Cm

体重・59kg

性格・元気、ツッコミ

得意料理・パン

 

モデル・其原有沙

 

髪型・赤髪サイドテール

 

私服・赤い服、黒のスカート、赤いスニーカー

 

ココアの幼馴染み。

小学校時代に留学生としてやって来た。

自分に興味を持ち始めたココアと大の仲良し。

現在は高校に通いながら、ベーカリー保登のアルバイトをしている。

 

名前の由来は「ラミン」と「アッサム」

 

イメージキャスト・小林愛香

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茶度紅音(さどあかね)

 

年齢・18歳

誕生日・5月21日

血液型・O型

身長・159Cm

体重・62kg

性格・元気

得意料理・卵料理

 

モデル・中山莉子

 

髪型・緑髪で綺麗なストレート

 

私服・緑のブラウス、赤いズボン、赤色のローファー

 

緑羽太の妹で高校3年生。

高校に通いながら、実家の写真展の手伝いをしてる。

絵心は最上級であり、写真の画像もそっくりそのまま絵に描く事も。

花火大会の情報を嗅ぎ付けて、兄達と再会した。

幼い頃から楽兎とみくる達に可愛がられてる。

 

名前の由来は「紅茶」

 

イメージキャスト・稗田寧々



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オリジナル朗読会2014

今回ラビットハウスティーパーティー2014の朗読会を製作しました。

因みにキャラ名はキャストの方々で行きます。


ある日のラビットハウス。

 

速水奨「もうすぐ夏が終わる。残暑も和らぎ、虫の声も聞こえる今日この頃、皆様は、如何お過ごしでしょうか?因みに私は、可愛い娘達が学校から帰って来るまで1人店のお留守番です。今日楽兎君達はお休みで遊びに行ってる。」

 

早見沙織「タカヒロさんは、誰とお話しになっていらっしゃるのですか?」

 

速水奨「いや、青山君以外にもお客さんがいっぱい居るような気がしてね。」

 

早見沙織「あら、何だかキラキラしてますね。」

 

目の前の観客席がキラキラ輝いてた。

 

速水奨「ははは。」

 

早見沙織「夏休みが終わって、チノさん達は今日から学校ですね。この季節の変わり目、少し肌寒く感じられるようでありながらも、過ぎ行く夏を惜しむように乙女達が春から着続けた夏服の最後の時期もまた、実に観察しがいがあります。」

 

速水奨「ははははははははは。青山君は、季節を問わず相変わらずだね。あのぉ・・・捕まらないように、気を付けるんだよ?」

 

早見沙織「ありがとうございます!あら?そう言えば、ココアさん達が居ないラビットハウスはとても静かですね。」

 

速水奨「そうだね。心無しか、ティッピーまでも大人しくて、まるでぬいぐるみのようだ!」

 

ティッピーを上に投げてキャッチする。

 

早見沙織「タカヒロさん。」

 

速水奨「ん?」

 

早見沙織「それは、ただのぬいぐるみです。」

 

速水奨「えええ!?」

 

ティッピーがぬいぐるみだと驚く。

 

早見沙織「ああ、チノさん達はそろそろ帰って来る頃ですか?」

 

速水奨「うん。でも少し遅れているようだね。そうだ青山君!小説も進んでいないようだし、もし良かったらチノ達の様子を見て来てくれないか?」

 

早見沙織「はい分かりました。様子見は得意とする所です。では行って参ります〜。皆様さよなら〜。」

 

観客席から拍手が喝采された。

 

 

 

 

 

 

その頃公園では。

 

内田真礼「もう、秋の気配ですね。」

 

種田梨沙「そうだなぁ。この夏服もそろそろ終わりかな?」

 

徳井青空「お〜い!リゼ〜!シャロ〜!」

 

種田梨沙「お!チマメのマじゃないか!」

 

徳井青空「ちょ!普通にマヤって言えよ・・・」

 

種田梨沙「ん?チとメはどうした?」

 

村川梨衣「はぁはぁはぁ、マヤちゃ〜ん!待って〜!」

 

水瀬いのり「はぁ、はぁ、はぁ、マヤさんは何で急に走り出すんですか・・・?」

 

徳井青空「いや〜私って、考えるより、まず先に手が出るタイプだから。」

 

水瀬いのり「意味が分かりませんし、使い方も間違ってます・・・」

 

内田真礼「チノちゃんメグちゃんこんにちは。」

 

村川梨衣「あ〜!こんにちは〜!」

 

水瀬いのり「偶然ですね、お2人も学校帰りですか?」

 

種田梨沙「ああ。今日は二学期の初日だから学校も半日だけで早かったんだ。」

 

内田真礼「バイトまで時間もあるので、公園でも散歩しようかってリゼ先輩に誘われて。」

 

村川梨衣「そうなんだ〜!私達もちょっと寄り道して行こうか?って!」

 

水瀬いのり「私はすぐお店に戻らないといけないんですが・・・」

 

徳井青空「まぁまぁ。良いじゃんたまには!そんなんだから、あんまり遊びに行けないまま夏休みも終わっちゃったんだよ〜!」

 

村川梨衣「でも、お泊まりもしたし、プールにも行ったよ?」

 

徳井青空「そりゃあそうだけどさ、海とか遠出もしたかったじゃん?」

 

種田梨沙「海かぁ・・・確かに、自然の厳しさはサバイバル訓練をするのに持って来いだ!砂浜の走り込みもハードだしな!」

 

内田真礼「リゼ先輩は、普通にリゾートとか楽しまないんですか・・・?」

 

種田梨沙「え?訓練は楽しいじゃないか。」

 

徳井青空「リゾート行く意味無くね?」

 

水瀬いのり「まぁリゼさんらしいですけどね。」

 

 

 

 

 

 

斉藤壮馬「全く、リゼは相変わらずだな。」

 

 

 

 

 

 

水瀬いのり「あ、楽兎さん。」

 

斉藤壮馬「やあチノちゃん。リゼにシャロもマヤちゃんにメグちゃんも。」

 

種田梨沙「楽兎、今日店は休みなのか?」

 

斉藤壮馬「いや、毎日働き三昧で、今日は休みなさいってタカヒロさんから言われてな。それで暇だから公園の方に来たって訳だ。それにしても5人とバッタリ会うなんて、何の話をしてたんだ?」

 

徳井青空「夏休みの話をしてたんだ〜。」

 

斉藤壮馬「夏休みかぁ。学生時代が懐かしいな〜。海行ったりキャンプしたり肝試ししたりしたな〜。」

 

徳井青空「良いな〜。私も海行きたいな〜。」

 

村川梨衣「でも、来年にでも行ってみたいね。」

 

種田梨沙「もしそうなら水着は慎重しないとな。海まで行ってプールの時のスクール水着って訳にはいかないだろ?」

 

徳井青空「そうなの?じゃあ私、リゼの奴借りるよ!」

 

水瀬いのり「それは無理ですよマヤさん。リゼさんや千夜さんは以外と大きいんです。私達では太刀打ち出来ません。」

 

徳井青空「何処が?」

 

水瀬いのり「い、いや・・・身長とか・・・胸とか・・・」

 

徳井青空「大丈夫だよ!成長期だし!1年も経てばきっとこう!リゼに匹敵するナイスバディに!」

 

村川梨衣「マヤちゃん・・・・・・・・無理だよ!!!!」

 

観客席から笑い声が響き渡る。

 

斉藤壮馬「メグちゃんが爆弾発言しちゃった!?」

 

徳井青空「じゃあシャロくらいで良いや!」

 

内田真礼「わ、私くらいで良いってどう言う意味・・・?何か妥協っぽい扱いなんですけど・・・」

 

水瀬いのり「そうですね・・・胸の成長に効果のある温泉とか・・・何か良い方法は無いものでしょうか?せめてココアさん以上には!」

 

村川梨衣「ああ・・・結構切実に悩んでたんだね・・・」

 

斉藤壮馬「何だか悲しくなってきちゃった・・・」

 

種田梨沙「あ・・・まぁ!成長の話は置いといて、自分に似合うデザインとかそう言うので探せば良いんじゃないか?」

 

徳井青空「私に似合う水着?」

 

内田真礼「そうねぇ、ちょこちょこ動いてそうだから、丈夫で動きやすくて・・・」

 

斉藤壮馬「ガンガン動いていて水着が外れる心配も無くて・・・」

 

水瀬いのり「流行のデザインより実用性って事ですよね。」

 

村川梨衣「う〜ん・・・スクール水着で良いんじゃない?」

 

徳井青空「何かヤダ!!」

 

斉藤壮馬「確かにスクール水着なら動きやすくて良いかもな。」

 

徳井青空「兄貴まで!?」

 

佐倉綾音「あーー!!リゼちゃんとシャロちゃんと楽兎君が私の妹達を取ったーー!!」

 

種田梨沙「ビックリした・・・何だココアかぁ。って言うか取ってないし!誰が妹達だ!この自称姉め!!」

 

斉藤壮馬「それに俺はチノちゃんの従兄だ!」

 

水瀬いのり「はぁ・・・相変わらず見境がありませんね・・・」

 

佐藤聡美「あらあら、皆お揃いね。」

 

内田真礼「千夜、そっちも学校終わったの?」

 

佐藤聡美「ええ。甘兎庵が今日お休みだからラビットハウスさんに寄って行こうかなと思って、ココアちゃんと一緒だったの。」

 

村川梨衣「そうなんだ〜!あ!丁度良かった!今マヤちゃんにどんな水着が似合うかなって話してたの!ココアちゃんどう思う?」

 

佐倉綾音「マヤちゃんの水着?う〜ん・・・・・スクール水着じゃない?」

 

徳井青空「またかよ!私はもう良いから!じゃあリゼだったらどんな水着が似合う?」

 

種田梨沙「わ、私は・・・別にどんなんでも・・・」

 

佐倉綾音「リゼちゃんは素材が活かした味付けが良いよね!!」

 

種田梨沙「人を料理みたいに言うな!」

 

斉藤壮馬「それじゃあR指定になっちまうだろ!俺は却下!!」

 

佐藤聡美「今年のビキニも良かったけど、もっと大胆に紐みたいなので攻めてみたいわね〜。」

 

斉藤壮馬「何でだ!!それもR指定になっちまうだろ!!」

 

内田真礼「リ、リゼ先輩が・・・ヒモ・・・」

 

斉藤壮馬「ああシャロが混乱してる!シャロ!正気に戻れ!」

 

種田梨沙「そうだシャロ!想像するな!着ないから!」

 

村川梨衣「逆に可愛いワンピースとかは?フリルが付いてたりして、チノちゃんとお揃いっぽい感じで。」

 

佐倉綾音「チノちゃんとお揃いなら!姉として私が着るよ!!」

 

内田真礼「逆でしょ!普通妹が姉の真似をするんでしょ?」

 

佐倉綾音「え、いやぁ・・・チノちゃんが恥ずかしがって中々真似てくれないから私の方から近付こうかと・・・」

 

水瀬いのり「は、恥ずかしがってませんし!第一ココアさんが真似してたらお店が大変な事になっちゃいます!」

 

斉藤壮馬「確かにそうだな。そうれだったら閉店せざるを得なくなるぞ。」

 

佐倉綾音「えぇー?」

 

佐藤聡美「とりあえず、リゼちゃんの水着は、可愛い系のワンピースって方向で良いのかしら?」

 

種田梨沙「ええ、いやぁ・・・でも・・・可愛いとか・・・悪くはないかも・・・」

 

徳井青空「リゼだって運動系なんだから、もうスクール水着で良くね?」

 

種田梨沙「え?」

 

斉藤壮馬「何故?」

 

村川梨衣「わぁ〜似合うかも〜!」

 

種田梨沙「ええ!?」

 

村川梨衣「私の貸してあげようか〜?あ!ちょっと小さいかもだけど。」

 

斉藤壮馬「いやいやメグちゃん!貸さなくても良いよ!リゼだとサイズ合わないから!」

 

内田真礼「リ、リゼ先輩が海辺で・・・ピチピチのスクール水着・・・」

 

種田梨沙「こらシャロ!想像するな!大体夏が終わるのに水着の話は来年で良いだろ?」

 

佐倉綾音「いやいやぁ。ここまで来たら、いっそラビットハウスで水着フェアをやってみたらどうかな?」

 

種田梨沙「それは・・・如何わし過ぎるんじゃ・・・」

 

斉藤壮馬「はぁ・・・頭痛ぇ・・・」

 

 

 

 

 

 

早見沙織「ココアさん、ナイスアイデアです。」

 

 

 

 

 

 

佐倉綾音「わああああ!!青山さん!?」

 

水瀬いのり「い、一体何時から・・・?」

 

早見沙織「そうですね、リゼさんが紐の水着を着るお話の辺りでしょうか。」

 

種田梨沙「いや着ないし!!」

 

早見沙織「来年の夏、少し成長した皆さんが海辺で恥じらいながらもちょっと大胆な姿を表す、想像するだけで胸がいっぱいになって、出て来るタイミングを逸してしまいました。」

 

斉藤壮馬「いや青山さん、あなたの想像は現実になりませんよ。」

 

徳井青空「青ブルマは相変わらずだな〜。」

 

村川梨衣「マヤちゃん、そのあだ名はどうかと思うけど・・・」

 

早見沙織「それでチノさん、ラビットハウスの水着フェアは何時から?」

 

水瀬いのり「やりません!祖父が聞いたら激怒しそうです!」

 

佐藤聡美「そうねぇ。フルール・ド・ラパンより、如何わしい感じになっちゃうかしら?」

 

内田真礼「うちの店は如何わしくないし!!」

 

佐倉綾音「所で、青山さんはどうしてここに?」

 

早見沙織「あらいけません、タカヒロさんにチノちゃん達の帰りが遅いから、様子を見て来て欲しいと頼まれていたんでした。」

 

水瀬いのり「それを先に言って下さい。」

 

佐倉綾音「それじゃあ、チノちゃん、リゼちゃん、楽兎君、急いで帰ろ?皆もラビットハウスにおいでよ!」

 

村川梨衣「うわあ!良いの?」

 

徳井青空「またお店の制服着させてよ!」

 

佐藤聡美「シャロちゃんも行くでしょ?」

 

内田真礼「コーヒーは飲まないわよ。」

 

種田梨沙「まぁ、夏の話はまた来年だな。」

 

斉藤壮馬「帰ったら凄く賑やかになるな。」

 

全員が一礼して朗読会が終わった。観客席から拍手喝采。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼

        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
青山ブルーマウンテン:早見沙織
      タカヒロ:速水奨


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オリジナル朗読会2016

これ最初見た時凄くカオス過ぎて笑いました。


ある日、ココアは千夜とシャロと3人で買い出しをしていた。

 

佐倉綾音「千夜ちゃんシャロちゃん、2人共今日は付き合ってくれてありがとね。」

 

佐藤聡美「ココアちゃんの誘いなら何時でもOKよ。」

 

内田真礼「お店の買い出しは分かるけど、プレゼントも探してるってどうしたの急に?」

 

佐倉綾音「今度ラビットハウスで大きなパーティがるんだけど。」

 

佐藤聡美「リゼちゃんから聞いてるわ。凄く大きな会場を借りてするんでしょ?」

 

佐倉綾音「うん!お客さんもいっぱい来てくれるらしくて!だから今日はチノちゃんと手分けして買い出ししてるんだ!」

 

内田真礼「いっぱいってどれくらい?」

 

佐倉綾音「えっと・・・5千人は来るって!」

 

内田真礼「いっぱい所じゃないわよね!?」

 

佐倉綾音「それで人手が足りないから、お姉ちゃんにも来てもらってるんだけど、お礼にプレゼントか何かしたいなぁっと思って。」

 

佐藤聡美「そうね〜、モカさん相手だと、何かサプライズが欲しいものね。う〜ん、難しいわ〜。」

 

佐倉綾音「2人は幼馴染みだし、今まで何度もプレゼントしあったりしてるの?」

 

内田真礼「そうねぇ、でもプレゼント交換って言うより、何だか私が一方的に貰う事の方が多い気が・・・」

 

佐藤聡美「気にしなくて良いのよシャロちゃん。私がしたくてプレゼントしてるんだから。」

 

佐倉綾音「へぇ〜!どんなの?」

 

佐藤聡美「そうね〜、お米とか、おかずとか、生活用品なんかもたまに。」

 

内田真礼「千夜のお下がりの洋服とか。」

 

佐倉綾音「それって、プレゼントって言うより・・・田舎のお母さんの仕送りみたいだね・・・」

 

内田真礼「うぐっ!!た、確かに・・・」

 

佐藤聡美「でも、シャロちゃん家に行くと、色んなハーブティーとかご馳走してくれるし、おあいこよ。」

 

佐倉綾音「へぇ〜!私もお姉ちゃんには何かして貰ってばっかりだったな・・・どうやって返したら良いんだろう?」

 

佐藤聡美「そこまで気にしなくて良いんじゃない?」

 

佐倉綾音「でも・・・」

 

内田真礼「ココアはお姉ちゃんの事になると、固くなるって言うか、気を遣うわよね。」

 

佐倉綾音「うん・・・お姉ちゃんはずっと私の憧れだったから、成長した所を見せたいって気持ちが強くなっちゃって。」

 

内田真礼「そんなに格好付けなくても大丈夫よ。普段通りのココアでも良いじゃない。」

 

佐倉綾音「普段の私?」

 

内田真礼「うん。そんあに外行きの態度は似合わないって事よ。人の心の中に土足で入り込んですぐ馴染めるのがあんたの才能じゃない。」

 

佐倉綾音「そっか!普段通り・・・そうだね!もっと自然な姿を見せるよ!パーティの間も、日向ぼっこの定位置を確保して・・・」

 

内田真礼「そこはちゃんとやりなさいよ!!」

 

佐藤聡美「うふふ♪パーティを立派にやり切って、笑顔のココアちゃんを見せるのが、きっと一番のプレゼントよ。」

 

佐倉綾音「うん!ありがとう!千夜ちゃんシャロちゃん!!」

 

内田真礼「じゃあ、早い所買い出しを済ませてお店に戻りましょ!モカさん1人でお店で待ってるの?」

 

佐倉綾音「大丈夫だよ。楽兎君と緑羽太君とみくるちゃんがお留守番してるよ。それとここに来る途中で青山さんに会ったから、ラビットハウスに来て下さいってお願いしておいた!何かから逃げてる所だったみたいで、『喜んで〜』って言ってたよ。」

 

佐藤聡美「きっと、また締め切りなのね。」

 

 

 

 

 

 

そしてその頃。

 

水瀬いのり「マヤさんメグさん、買い出しに付き合ってくれてありがとうございます。」

 

村川梨衣「全然気にしなくて良いよ〜。」

 

徳井青空「リゼが居れば、重い荷物を持ってもらえるしね〜!」

 

種田梨沙「おいおい言っておくが私はパワーキャラじゃないぞ?」

 

村川梨衣「う〜ん、それにしても凄い荷物だね〜。」

 

徳井青空「やっぱ5千人のパーティとなると準備も大変だね。」

 

水瀬いのり「ええ。しかも昼夜2回です。それだけのお客様に喜んでもらえるお持て成しを考えるとこれは最早、戦いと言っても過言ではありません!」

 

種田梨沙「つまり会場は戦場。5千人の戦場・・・これは巨大な訓練の一環と言う事か!!」

 

徳井青空「あわわダメだよチノ!またリゼに変なスイッチが入っちゃうよ!」

 

種田梨沙「こらチマメ隊!!訓練中はリゼではなく!教官と呼べぇー!!言葉の後ろにはサーを付けろ!」

 

徳井青空「うわー!始まっちゃった!サー!」

 

村川梨衣「は、はいー!リゼ教官!サー!」

 

水瀬いのり「お、落ち着いて下さいリゼさんサー・・・」

 

種田梨沙「う〜ん、何か気になる奴も居たがまぁ良いか。えっと〜、所でチノは買い出し以外に何か探し物があったんだよな?」

 

水瀬いのり「はい。お手伝いに来てくれてるモカさんに、何かプレゼントを用意出来ればと。」

 

徳井青空「モカ姉と言えば、サプライズ的な物?」

 

水瀬いのり「そうですね〜、パーティのお客様へのサプライズは用意してあるのですが・・・」

 

種田梨沙「おおっとチノ!そこまでだ!」

 

水瀬いのり「あ!はい、そうでした。マヤさんメグさんは幼馴染みですから、プレゼント交換も何度もしてるのかと思って、何かアドバイスをいただければと。」

 

徳井青空「う〜ん、ずっと一緒だったから逆にプレゼントとかあんまりした事無いな〜。」

 

村川梨衣「そうだね〜。私はマヤちゃんが楽しそうならそれが何よりのプレゼントだったかも。」

 

水瀬いのり「良いお話ですね。」

 

徳井青空「でも、兄貴には良くプレゼントを頼んでるよ?漫画買って来て〜!おやつ欲しい〜!って。」

 

種田梨沙「それはプレゼントじゃなくて、パシリに使ってるだけじゃないか?」

 

水瀬いのり「台無しですね。」

 

種田梨沙「でもチノ、モカさんもきっとココアやチノが楽しそうな所が見れればそれが何よりのプレゼントじゃないか?」

 

水瀬いのり「あ!そうだと嬉しいですね!では早くラビットハウスに帰りましょうか!」

 

種田梨沙「ああ!」

 

 

 

 

 

 

そしてその頃ラビットハウスでは。

 

相葉裕樹「ふぅ〜。やっぱここのコーヒーは美味いな〜。」

 

三森すずこ「本当。ラビットハウスは長閑だね〜。」

 

斉藤壮馬「お前ら呑気だな〜。」

 

三森すずこ「そう言えば何で私と緑羽太は何でここに居るんだっけ?」

 

斉藤壮馬「忘れたのかよ!?言っただろ?ココアがラビットハウスに来いって言われたからだろ?」

 

相葉裕樹「そうだった忘れてたぜ!コーヒーを飲むのに夢中になってた。それで俺達だけか?」

 

斉藤壮馬「いや、彼処にモカさんが居る。」

 

茅野愛衣「はぁ〜・・・ココア・・・チノちゃん・・・早く帰って来ないかな・・・」

 

相葉裕樹「モカさんは相変わらずだな。」

 

三森すずこ「そうだね〜。」

 

茅野愛衣「でも、買い出し終わったら皆も来るって言うし。えへ、えへへ、楽しみだな〜。」

 

早見沙織「えへへへ。そうですね〜。」

 

茅野愛衣「あ!あ、青山先生!何時の間にいらしたんですか!?」

 

早見沙織「いえ、ココアさんから、モカさんがこちらにいらっしゃるのでお相手をっと頼まれまして。」

 

相葉裕樹「青山さんは相変わらず神出鬼没だなぁ。」

 

早見沙織「それに今日は、大きなパーティだそうですから、日頃お世話になってるラビットハウスのお手伝いを是非っと思いまして。いえ!決して、締め切り日に編集から逃げてる途中とか、追っ手が来たから匿って下さいとか、そう言う訳ではありませんよ?」

 

斉藤壮馬「もう秘密バラしちゃってる!?」

 

三森すずこ「青山さんは本当に相変わらずだね〜。」

 

茅野愛衣「噂には聞いていましたが、本当なんですね・・・」

 

早見沙織「モカさんはお留守番ですか?」

 

茅野愛衣「はい、買い出しを手分け出来る程まだこの街には詳しくありませんし、でも青山先生!私や楽兎君と緑羽太君とみくるちゃん含めて、ここに居る皆さんは先生の新作を待ってますから!ここに居る皆さんは先生の新作を待ってますから!!」

 

目の前の観客席から歓声が上がった。

 

相葉裕樹「何で2回も言ったんだ?」

 

茅野愛衣「せめて、ココア達が帰って来るまでお仕事しませんか?」

 

早見沙織「えぇ〜そうですね〜、ではお手伝いいただけますか?」

 

茅野愛衣「はい!私達に出来る事があれば喜んで!楽兎君達も手伝ってくれる?」

 

斉藤壮馬「え!?俺達もですか!?」

 

相葉裕樹「ええ喜んで!」

 

斉藤壮馬「緑羽太!?」

 

三森すずこ「私も手伝い参加しま〜す!」

 

斉藤壮馬「みくるも!?まあ手伝いますよ。」

 

茅野愛衣「ありがとー!因みに今原稿はどのくらいまで?」

 

 

 

 

 

 

早見沙織「真っ白です。」

 

 

 

 

 

 

斉藤壮馬・相葉裕樹・三森すずこ・茅野愛衣「え?」

 

早見沙織「ほら、美しいでしょ?この純白の原稿用紙。」

 

斉藤壮馬「いやいや青山さん!純白ならまだ進んでないでしょ!?」

 

茅野愛衣「つまり・・・まだ一文字も書いてないと・・・?」

 

早見沙織「はい・・・今回の題材が見付からなくて・・・」

 

三森すずこ「やっぱり小説家って大変なんだね。」

 

相葉裕樹「何か良い方法は無いのだろうか?」

 

茅野愛衣「う〜ん・・・あ!身近な人をモデルにするのはいかがですか?」

 

早見沙織「あ!はい!私の得意とする所です。ただ、ラビットハウスは個性的な方が多いので、誰を主役にすれば良いのか・・・」

 

斉藤壮馬「確かにそうですね。」

 

茅野愛衣「任せて下さい青山先生!こんな事もあろうかと、事前にアンケートを取っておきました!」

 

斉藤壮馬「モカさん何時の間に!?」

 

茅野愛衣「誰が一番小説の主人公に向いているか!」

 

早見沙織「まぁ!夜の部もなんてイベントな方なんでしょう!」

 

茅野愛衣「ありがとうございます!お姉ちゃんに任せなさーい!」

 

観客席から歓声が上がった。

 

茅野愛衣「では早速行きますよ!こんな順位になりました!」

 

三森すずこ「どうぞー!」

 

 

 

 

 

 

後ろのモニターに順位が出た。12位メグ、11位マヤ、10位モカ、9位千夜、8位みくる、7位青山、6位緑羽太、5位楽兎、4位ココア、3位チノ、2位リゼ、1位シャロの順位になった。

 

 

 

 

 

 

早見沙織「あら〜。これは参考になりますね〜。」

 

茅野愛衣「えへへ〜。」

 

相葉裕樹「俺は楽兎の下かぁ。まあまあだな。」

 

三森すずこ「え〜?何で私は低いの〜?」

 

早見沙織「1位のシャロさんは、一度モデルにしましたので、えっと・・・あ!私は7位に入ってるんですね!私をモデルにするならば・・・『正直、昼の部の映像化が怖い』。」

 

斉藤壮馬「かなりカオスなタイトルになりましたね?」

 

茅野愛衣「それは・・・ノーコメントで!」

 

早見沙織「そうですね、あ!そうです。私、シャロさん、ココアさんをモデルに、『アイムエンタープライズは不滅だ』。」

 

茅野愛衣「それは良いですね!!」

 

相葉裕樹「確かに3人は同じ所属事務所でしたね。」

 

早見沙織「良いアイデアですよね〜!」

 

相葉裕樹「じゃあ俺達3人はこの際忍者になっても可笑しく無えな!」

 

斉藤壮馬「何故忍者!?」

 

三森すずこ「良いわねそれ!人も知らず世も知らず影となりて悪を打つ!格好良いかも!」

 

楽兎「ただのハリケンジャーじゃん。」

 

早見沙織「あ!こう言うのはどうですか?折角ですから、この会場のお客様をモデルにして、『パシフィコの中心でごちうさへの熱烈な愛を叫ぶ』とかいかがですか皆さん?」

 

観客席から熱烈な歓声が上がった。

 

茅野愛衣「じゃあ折角ですから!心がぴょんぴょんするんじゃ〜って言うのを皆で言ってもらいましょうよ青山先生!」

 

早見沙織「見たいわぁ〜!じゃあせーので行きますか?」

 

茅野愛衣「行きましょ行きましょ!」

 

早見沙織「折角ですから、私の右側の皆さんもせーのって言って下さい。一緒に、ぴょんぴょんってして下さいね。せーの!」

 

 

 

 

 

 

全員「心がぴょんぴょんするんじゃ〜!」

 

 

 

 

 

 

早見沙織「ありがとうございます〜!」

 

茅野愛衣「これで新作に手が付けられますね!」

 

早見沙織「創作意欲が沸いて来ました!」

 

 

 

 

 

 

水瀬いのり「ただいまです。」

 

茅野愛衣「あ!チノちゃんおかえり!」

 

斉藤壮馬「おかえりチノちゃん。買い出しお疲れ様。」

 

水瀬いのり「ただいま楽兎さん。モカさんすみません、お留守番させてもらっちゃって。緑羽太さんとみくるさんも。」

 

相葉裕樹「良いよ良いよ。楽兎と世間話しただけで留守番のイライラなんて消えるよ。」

 

三森すずこ「そうよチノちゃん。毎日でも頼んでも良いのよ?」

 

水瀬いのり「いえ、毎日は無理ですね。」

 

徳井青空「お!モカ姉と緑羽太とミックーだ!」

 

村川梨衣「モカお姉ちゃん緑羽太さんみくるさんこんにちは〜!」

 

三森すずこ「こんにちはマヤちゃんメグちゃん!」

 

相葉裕樹「ヤッホー2人さん!」

 

斉藤壮馬「マヤちゃんメグちゃんおかえり。」

 

種田梨沙「こらー!ちゃんと中まで荷物を運ぶんじゃ〜!」

 

相葉裕樹「リゼが何かの癖に取り憑かれた!?」

 

斉藤壮馬「ようリゼおかえり。荷物手伝うぞ。」

 

種田梨沙「ああすまない。」

 

茅野愛衣「マヤちゃんメグちゃんリゼちゃん、相変わらず可愛いねグヘヘへ!」

 

種田梨沙「ああ!!モカさん!こ、こんにちは・・・」

 

茅野愛衣「グヘヘへへへへへ!」

 

種田梨沙「何で手を広げて聖寄って来るんです・・・わーーーーーーーーー!!!!」

 

茅野愛衣「わーーーー!そりゃあ存分にもふもふする為に決まってるでしょ〜?グヘヘへへへへ!!」

 

種田梨沙「うぅぅぅぅ・・・・・」

 

斉藤壮馬「モカさんリゼがパニック状態に陥ってますよ!?」

 

三森すずこ「モカさん!私ももふもふして下さい!」

 

斉藤壮馬「みくる!?」

 

茅野愛衣「喜んで〜!もふ〜!」

 

三森すず子「むぎゅ〜!」

 

種田梨沙「何でみくるまで・・・・」

 

相葉裕樹「もうアカンなこの状況・・・」

 

佐倉綾音「たっだいまー!!」

 

早見沙織「あら!おかえりなさい!」

 

相葉裕樹「噂をすればココアちゃんが帰って来た!」

 

茅野愛衣「遅いぞココア〜?」

 

佐倉綾音「ごめんごめん。でもこれでパーティの準備はバッチリだよー!」

 

佐藤聡美「こんにちは〜。」

 

内田真礼「はぁ・・・意外に重かった・・・」

 

茅野愛衣「千夜ちゃんシャロちゃん!久し振り〜!」

 

内田真礼「こんにちはモカさん!ねぇココア。」

 

佐倉綾音「ん?」

 

内田真礼「チノちゃん達の荷物と合わせてこれで全部?」

 

佐倉綾音「そうだよ〜!後は腕に寄りを掛けて料理を作ってパーティに備えるよ!」

 

種田梨沙「う〜ん、じゃあ役割分担しようか。料理に飾り付けに・・・」

 

水瀬いのり「これだけ料理が多いとメニュー表も作った方が良いかもしれませんね・・・」

 

佐藤聡美「じゃあ!一層の事お料理の名前も付け直しましょうよ!」

 

徳井青空「でも、こんなに忙しいのに誰が担当するのさ〜。」

 

村川梨衣「千夜さんでも1人で付け切れる量じゃないね。」

 

斉藤壮馬「でも改名したらお客さん達が困るだろ?改名は却下だ。」

 

早見沙織「うふ、うふふふふ。お任せ下さい!」

 

佐倉綾音「青山さん?」

 

斉藤壮馬「また嫌な予感・・・」

 

早見沙織「こんな事もあろうかと私、ラビットハウスの常連客の皆様に、事前にアンケートを取っておきました!」

 

水瀬いのり「何時の間に・・・」

 

相葉裕樹「因みにアンケートの回答者達の中に俺も含まれておりま〜す!」

 

三森すずこ「緑羽太何時の間に。」

 

早見沙織「伊達にお店にいびりたっておりませんよ?題して、『一番ネーミングセンスのありそうなキャラ』発表〜!」

 

種田梨沙「何かデジャヴを感じる!!」

 

早見沙織「さぁさぁさぁ。気にせずランキングどうぞ〜。」

 

 

 

 

 

 

後ろのモニターに順位が出た。12位楽兎、11位みくる、10位緑羽太、9位マヤ、8位メグ、7位モカ、6位ココア、5位チノ、4位シャロ、3位リゼ、2位青山、1位千夜の順位になった。

 

 

 

 

 

 

早見沙織「おおー!これは参考になりますね〜。じゃあ今回は・・・シャロさんのネーミングセンス見せて下さい。」

 

内田真礼「え・・・私?じ、じゃあ、リゼ先輩をイメージして・・・グレープジュースをベースに、紫のダンソーレージン!」

 

佐倉綾音「リゼちゃんだと軍人っぽいから、海軍カレーは飲み物!って言うのはどう?」

 

斉藤壮馬「何でカレー!?」

 

水瀬いのり「どうも最近ラビットハウスがコーヒーのお店だと言う事を忘れられてる気がするので、お店の顔であるティッピーとコーヒーを掛け合わせた『ブラックティッピーじゃ〜!』」

 

佐藤聡美「成る程成る程〜!頂き!甘兎庵でも参考にしようかしら〜?」

 

種田梨沙「パーティまでやる事がいっぱいだなー!」

 

斉藤壮馬「今日は大忙しになるな!」

 

相葉裕樹「写真家の俺なら賑やかな店をバッチリ撮ってやるぜ!」

 

三森すずこ「お客さん達を楽しませる為に張り切ろう!おー!」

 

水瀬いのり「頑張りましょう!ラビットハウス開店以来の賑わいですから!あ、でもモカさん・・・」

 

佐倉綾音「お姉ちゃんごめんね!」

 

茅野愛衣「あ・・・ココア、チノちゃんどうかしたの・・・?」

 

佐倉綾音「本当は折角来てくれたお姉ちゃんにプレゼントとか用意したかったんだけど、準備出来なくて・・・」

 

茅野愛衣「こら!そんな事気にしなくて良いの!」

 

水瀬いのり「え?」

 

茅野愛衣「私にとっては、ココア達もお客さんも、皆がニコニコしてるラビットハウスが何よりのプレゼントだから!だから今日は、一生懸命接客して最高のパーティにしてね!」

 

佐倉綾音「お姉ちゃん・・・うん!!」

 

内田真礼「だから言ったでしょ?」

 

佐藤聡美「ね?ココアちゃん。」

 

種田梨沙「言った通りだろチノ?」

 

水瀬いのり「はい!」

 

斉藤壮馬「良い話だな〜。姉妹愛最高だな。」

 

相葉裕樹「心がポカポカするんじゃ〜。」

 

三森すずこ「緑羽太にも癖が取り憑かれたの?」

 

茅野愛衣「でも、まあそこまでプレゼントしたいって言ってくれるなら〜・・・全員もふもふさせてもらおうかな〜?あ!勿論1人1人ね。まずは、チノちゃんから〜。もふ〜!」

 

水瀬いのり「そう言う所本当にココアさんと一緒ですね・・・」

 

茅野愛衣「もふ〜!」

 

斉藤壮馬・相葉裕樹・三森すずこ「台無しだ。」

 

佐倉綾音「お姉ちゃん!私頑張るよ!もっと最高のパーティにしたいからもう一回買い出しに行って来るねー!」

 

種田梨沙「うええ!?待てよココア!私も行くから、マヤもメグも付いて来い!!」

 

徳井青空・村川梨衣「はーい!!」

 

佐藤聡美「私達も行きましょうかシャロちゃん!」

 

内田真礼「しょうがないわね。」

 

水瀬いのり「モカさん楽兎さんすみません、またお留守番お願いします!」

 

斉藤壮馬「ああ。行ってらっしゃい!気を付けてね!」

 

水瀬いのり「はい!ココアさん待って下さ〜い!」

 

相葉裕樹「行ってらっしゃ〜い!」

 

三森すずこ「気を付けてね〜!」

 

茅野愛衣「え!?ちょ、ちょちょちょっと待って!皆の事ももふもふさせてよー!!!」

 

早見沙織「うふふ。やっぱりラビットハウスは、賑やかで良いですね〜。」

 

三森すずこ「モカさん、私が居ますから思う存分もふもふして下さい!」

 

茅野愛衣「みくるちゃん・・・うん!もふもふ〜!」

 

三森すず子「むぎゅむぎゅ〜!」

 

斉藤壮馬「みくるってあんな性格だったっけ?」

 

相葉裕樹「いや俺も初めて見たぞ。」

 

早見沙織「楽しい夜の部になりそうです。」

 

そして全員一礼して朗読会が終わった。観客席から拍手喝采。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

     茶度緑羽太:相葉裕樹

     鴨田みくる:三森すずこ

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼

        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
青山ブルーマウンテン:早見沙織
        モカ:茅野愛衣

ラビットハウスティーパーティー行きたかったですね。
仕事で行けなかったですけどね(笑)。


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##2期編##
13羽「笑顔とフラッシュがやかましいこれが私の自称姉です」


季節は冬。街はこの日もマーケットは多くの客で賑わっている。

マーケットの人「どう?美味しそうでしょ?」

1人の女性客がりんごを取って買った。

マーケットの人「はいありがとうね。」

この街に1人の少女が歩いていた。少女の名は『香風チノ』。喫茶店ラビットハウスの娘である。両手には、マーケットで買った食材とパンが入った袋を持っていた。そして彼女の頭に乗ってるのは、アンゴラうさぎの『ティッピー』。そして彼女は、ラビットハウスに帰って来た。そこには。

リゼ「お!チノ!おかえり!」

バイトのリゼ。

楽兎「おかえり!チノちゃん。」

チノの従兄の楽兎。そして。

ココア「チノちゃん!おかえりなさーい!」

もう1人のバイトで自称姉のココア。彼女は帰って来たチノに抱き付いた。

チノ「ただいまです。」

こうして新しい日常が始まった。


開店前に更衣室で着替えるチノとココア。

 

チノ「写真ですか?」

 

ココア「うん!手紙と一緒に写真も実家に送ろうと思って!」

 

チノ「それは良い考えですね。」

 

ココア「お母さんも喜んでくれると思うんだ!」

 

チノ「はい。」

 

制服に着替えたココアは、カメラを持って被写体をチノに向けた。

 

ココア「じゃあチノちゃん!こっち向いて!」

 

チノ「え?街の写真じゃなくてですか?」

 

ココア「皆の写真だよ!はいチノちゃん!撮るよー!」

 

だがチノは戸惑っていた。

 

チノ「でも・・・」

 

ココア「笑ってー!」

 

チノ「早く行かないとリゼさんと楽兎さんに怒られますよ・・・」

 

急いでホールへ向かうチノ。

 

ココア「あ!待って!」

 

 

 

 

 

 

ホールでもココアはチノの写真を撮りたがっていた。

 

ココア「チノちゃん!こっち向いて!」

 

ティッピー「ハァイ☆」

 

後ろに向くティッピー。

 

チノ「仕事があります・・・」

 

ココア「笑ってー!」

 

シャッターを何枚も切るココア。そして撮った写真を見る。ティッピー以外どれもブレてた。

 

ココア「うーん!ブレてても可愛い!」

 

楽兎「ブレてても良いのかよ。」

 

ココア「リゼちゃんも撮るよ!」

 

リゼ「ええ!?ちょっと!」

 

バラを咥えて銃を構えるリゼ。ココアが写真を撮る。

 

リゼ「バラはいるのか?」

 

ココア「え?気に入らない?だったら!首を傾けて、口に手を当てて!」

 

リゼ「こ・・・こうか?」

 

ココア「ニコッ!」

 

リゼ「ニコッ!」

 

満面な笑みを見せたリゼ。ココアが何枚も撮る。

 

リゼ「すぐに消せー!」

 

恥ずかしながらココアを勢い良く揺らすリゼ。

 

ココア「これもダメなんてわがままだなあ〜!」

 

楽兎「やべぇ、リゼの満面な笑みに見惚れて撮っちゃった。」

 

スマホでリゼの満面な笑みを撮った。

 

リゼ「楽兎消せーーーー!!」

 

楽兎「銃を向けるな!!消すから!!」

 

すぐに写真を消した。

 

ココア「じゃあ楽兎君も撮るよ!」

 

楽兎「俺もか?」

 

コーヒーを淹れてる姿を撮る。

 

楽兎「これで良かったのか?」

 

ココア「うん!じゃあチノちゃんも!」

 

チノ「わ・・私は良いです・・・」

 

ココア「そんな事言わないでこっち見て!笑って!」

 

チノ「コーヒー豆の在庫を確認しないと・・・」

 

倉庫に向かうチノ。

 

ココア「チノちゃん・・・」

 

リゼ「あまり無理強いするなよ?」

 

ココア「恥ずかしがる事ないのに・・・」

 

リゼ「写真苦手な人だって居るからさ。」

 

ココア「うーん・・・」

 

 

 

 

 

 

コーヒー豆を持ってホールへ向かう途中、窓ガラスに映る自分を見るチノ。頑張って笑顔を作るが、否定した。

 

チノ(ココアさんのようには出来ないです・・・)

 

ティッピー(健気じゃのう・・・)

 

隠れながらチノを見てる楽兎。

 

楽兎(チノちゃん、頑張れ。)

 

 

 

 

 

 

翌日、ココアは千夜と帰ってる。街をカメラで撮るココア。

 

千夜「その写真を実家に送るの?」

 

ココア「うん!雪が残ってる街並みも良い感じ!千夜ちゃんも撮るよ!」

 

千夜「ピース!」

 

ピースする千夜と写真を撮る。互いの頭の後ろからピースして写真を撮る。キリッとした顔で写真を撮る。

 

ココア「良いね!未来の甘兎庵女社長の貫録が出てきたよ!」

 

千夜「ホントに?サインの練習本格的に始めた方が良いわね!この前雑誌の取材を受けたのよ。」

 

ココア「取材?」

 

千夜「甘兎庵、大手チェーンへの第一歩!」

 

ココア「雑誌ができたら見せてね!」

 

千夜「もちろん!サインもするわ!」

 

ポーズを取る千夜を撮るココア。

 

 

 

 

 

 

そして甘兎庵に帰った千夜とお邪魔してるココア。

 

千夜「え?働いてる所を撮るの?」

 

ココア「うん!お母さん着物とか好きだから喜ぶと思うの。だから何時も通りの姿撮らせてね。」

 

千夜「はーい。キリッ!」

 

あんこが乗ってるテーブルに肘を付けて格好良くポーズを取る千夜。

 

ココア「何時も通りでって言ったよね!」

 

今度は3つのお盆にお茶が入ったの湯呑みを乗せてバランスを取る。頭、右手、左手それぞれ1つずつ持ってる。

 

千夜「はっ!お盆三刀流!」

 

ココア「それでこそ何時もの千夜ちゃんだよ!チノちゃんも千夜ちゃんみたいに撮らせてくれたら良いのに・・・」

 

千夜「照れてるだけよ。」

 

ココア「お姉ちゃんに照れる必要なんてないのに・・もう一年近くも一緒にいるんだから・・・」

 

千夜「あんまり無理強いしちゃダメよ?でもどうしても笑わせたい時は私が力になるわ。」

 

ココア「ありがとう!千夜ちゃん!さすが親友だね!」

 

千夜「試したい漫才のネタがたまってるのよ!」

 

ココア「千夜ちゃんは漫才やりたいだけだよね・・・」

 

 

 

 

 

 

次にココアが向かったのはフルール・ド・ラパン。シャロとみくるが働いていた。何故かシャロが困っていた。

 

シャロ「お客様・・・店員の写真撮影はやめてください!」

 

カメラを太ももに向けられて困っていたのだった。

 

みくる「ココアちゃん何しているの?」

 

ココア「お姉ちゃんたちバニーガール喜ぶと思って!」

 

シャロ「うちはそういう店じゃないんだけど!」

 

ココア「でも・・・さっき撮ったシャロちゃん、気品オーラが足りない気が・・ちょっとこれ持って座ってくれる?」

 

シャロ「ん?」

 

ティーカップを持って座って、足を組んで、お嬢様ポーズをする。

 

ココア「それでこそ何時ものシャロちゃんだよ!」

 

みくる「本当にお嬢様みたいね!」

 

シャロ(普段の・・・私って・・・)

 

何故ココアが写真を撮ってるのか理由を訊く。

 

シャロ「チノちゃんの笑顔が撮りたいの?」

 

ココア「うん・・・でもはずかしがってそっぽ向いちゃって・・・」

 

シャロ「然り気無く撮ったら?」

 

ココア「私がカメラ持ってるだけで警戒しちゃって・・・」

 

シャロ「無理矢理撮ろうとしたんでしょ?」

 

みくる「私もそう思うわ。」

 

ココア「もう!懸賞金出すから撮ってきて!」

 

シャロ「懸賞金!?で・・・でも・・・お金の問題じゃなくて・・・」

 

ココア「リゼちゃんの格好良い写真を付けるから!」

 

リゼ『シャロ!』

 

ワインを持った軍服姿のリゼ。

 

シャロ「惑わされないんだから!」

 

みくる「シャロちゃん大丈夫?」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスに戻ったココア。緑羽太が来てる。

 

ココア「あとはチノちゃんだけなの!ちょっとだけで良いから撮らせて!」

 

チノ「そ・・・そう言われましても・・・」

 

緑羽太「なぁ楽兎、ココアちゃんは何してるんだ?」

 

カフェオレを飲んでる。

 

楽兎「皆の写真を実家に送りたいって事で写真を撮ってるんだ。」

 

ココア「お願い!可愛い妹が出来たアピールをお姉ちゃんやお母さんにしたいの!」

 

チノ「ですが・・・」

 

リゼ「チノ、ちょっとだけココアに協力してやったらどうだ?」

 

楽兎「そうそう。ほんのちょっとだから。そんな長くないよ。」

 

チノ「少しだけですよ・・・」

 

ココア「ホント!?ありがとう!」

 

そして被写体をチノに向ける。チノはトレーで顔を半分隠してる。

 

ココア「チノちゃん、もっと笑顔で!」

 

チノ「難しい事言わないで下さい・・・」

 

緑羽太「ココアちゃん、強引になり過ぎてない?」

 

リゼ「そうだ!どうせなら二人並んだ所を撮ってやるよ。」

 

楽兎「お!ナイスアイデアだなリゼ。」

 

ココア「ホント!?チノちゃん、一緒なら恥ずかしくないよね?」

 

チノ「は、はあ・・・」

 

 

 

 

早速チノの隣にココアが立つ。

 

ココア「チノちゃんに合わせるから無理に笑わなくても良いからね。」

 

チノ「そうですか・・・なら・・・」

 

ティッピー「わしもチノに合わせよう。」

 

ココア「リゼちゃん!お願いね!」

 

リゼ「ああ、撮るぞー。」

 

2人の写真を撮るリゼ。写真を確認する。写ったのは・・・

 

 

 

 

 

 

目が暗い2人の写真だった。

 

リゼ「これは陰気な喫茶店だな・・・」

 

楽兎「通夜かよ・・・・・・」

 

緑羽太「こんな怖ぇ写真は流石の俺も初めてだ・・・」

 

ココア「笑って下さい・・・お願いします・・・!」

 

泣きながらお強請りする。

 

リゼ「泣きながら言うなよ!」

 

チノ「なんだか証明写真みたいですね。」

 

こっそりチノが笑ってた。

 

リゼ「ココア!シャッターチャンスだ!」

 

 

 

 

だがココアは外に出た。

 

リゼ「居ない!」

 

楽兎「タイミング悪っ!」

 

チノ「撮れなくて良いんです。ココアさんにとって私は我が子を谷に突き落とすライオンです。這い上がって来た時に笑顔の写真を撮らせてあげるんです。多分。」

 

緑羽太「多分って・・・」

 

リゼ「照れてるだけって正直に言えよ。くすぐったら笑うだろ?ほれほれ〜。」

 

するとリゼがチノの脇腹をくすぐる。チノは笑うことなく怖がっていた。

 

チノ「やめて下さい・・・」

 

楽兎「おいリゼやめろ!」

 

しかしすぐに止めた。

 

リゼ「罪悪感と言うか犯罪な気がして・・・私にはこれ以上は無理だ・・・」

 

楽兎「お前これ以上ヤバかったら猥褻行為だぞ?」

 

緑羽太「さっきの行為、俺らがやったら大罪確定だな・・・」

 

 

 

 

 

 

ココア「漫才コンビの相方連れてきたよ!コントでチノちゃんを笑わせるからね!」

 

外に出たココアが千夜を連れて戻って来た。

 

リゼ「千夜!仕事中じゃないのか?」

 

千夜「それはそれ。これはこれだから。」

 

チノ「どれですか!?」

 

千夜「私達接客業なんだし笑顔は大事よね。」

 

ココア「じゃあ一枚もらおうかな?」

 

千夜「良いわよー!撮りなさーい。」

 

悪魔のような笑顔で黒いオーラを出す千夜。

 

ココア「ち・・千夜ちゃん!?良いね!良いですね!こんな眩しい笑顔見た事ないよ!」

 

ツッコむどころかココアもボケて千夜の写真を撮る

 

リゼ「何処がだ!」

 

楽兎「ツッコンでねぇ!」

 

そこにリゼと楽兎がツッコむ。

 

ココア・千夜「はい!ナイスツッコミ!」

 

リゼ・楽兎「私(俺)も参加してたのか!?」

 

ココア「これであなたも漫才コンビの一員です!」

 

リゼ「何がだよ!」

 

楽兎「俺も巻き込むなー!」

 

すると微かだが、チノが笑った。

 

千夜「ココアちゃん!」

 

ココア「チノちゃん!」

 

そこにココアが撮った。

 

チノ「こんな事までして、ココアさんは本当にしょうがないココアさんです。」

 

ココア「チノちゃんの笑顔撮れたよ!わーい!やったー!」

 

チノは照れて顔を隠した。

 

ココア「笑顔!笑顔!」

 

写真を見るが、チノは笑顔じゃなく嘲笑をしていた。

 

リゼ「それ・・・笑顔じゃなくて・・・嘲笑だ・・・」

 

緑羽太「えー?チノちゃん、シャッターを切ると同時にやったのか?逆に凄ぇ・・・」

 

 

 

 

 

 

翌日、喫茶店の雑誌を見る心の準備をしていた。今日も緑羽太が来ていた。

 

ココア「心の準備は出来た?行くよ!皆!」

 

千夜「OKよ。」

 

そして雑誌を開く。そこには甘兎庵の記事が載せられていた。

 

リゼ「おおー!」

 

ココア「甘兎庵が雑誌に紹介されてる!」

 

チノ「千夜さん素敵です!」

 

ココア「すっごーい!こんなに大きな特集記事なんだね!」

 

シャロ「何もわざわざここで読まなくても。」

 

千夜「1人だと緊張で怖くて・・・」

 

ココア「分かる!私も通知表1人で見るの怖くて・・・」

 

2学期の通知表を出した。

 

リゼ「2学期のだろ!?早く見ろよ!て言うか学校に返せ!」

 

緑羽太「俺も給料明細見るの怖いんだよな・・・」

 

給料明細10枚出した。

 

楽兎「何故見ないんだ!?ってか10枚あんのかよ!」

 

リゼ「でもこの甘兎庵の記事小さくないか?」

 

千夜「ううん、良いの。お店を大きくするって夢の第一歩だから、小さくても嬉しい!」

 

みくる「千夜ちゃん強いね〜。」

 

ココア「こっちにフルール・ド・ラパンも載ってるよ。」

 

フルール・ド・ラパンの記事も載っていた。

 

シャロ「え?何時の間に!?」

 

千夜「うちより大きく載ってるわ!」

 

シャロ「今小さくても嬉しいって・・・!」

 

緑羽太「本音が漏れた!?」

 

みくる「千夜ちゃん趣旨変わってない?」

 

チノ「ラビットハウスには取材来てもらえてません・・・」

 

ティッピー「周りのお店は載ってるのにのう・・・」

 

ココア「何時かきっと来るよ!それよりも今いるお客さん為の為に真心を込めてコーヒーを淹れなきゃ!」

 

シャロ「今・・・私達しかお客居ないけど・・・」

 

緑羽太「ここに1人居るぞー!」

 

楽兎「お前以外のお客様だよ。」

 

 

 

 

 

 

そこに青山ブルーマウンテンが来店した。

 

青山「人が少ない所は落ち着きます。」

 

ココア「救世主だー!」

 

すると青山は雑誌を見た。

 

青山「あ、この雑誌、私のグルメレポートも載ってるんです。ほら。」

 

グルメレポートの記事に青山の写真が載っていた。

 

ココア「そんなお仕事もしてたの!?」

 

みくる「グルメレポートは副業なの?」

 

ココア「あ、リゼちゃんのスナップ写真が。」

 

その次のページにはリゼのスナップ写真も載せられていた。

 

リゼ「ああ!」

 

シャロ「素敵です!先輩!」

 

楽兎「リゼ何時の間に?」

 

リゼ「そう言えばこの間買い物してる時に撮られたんだった。お、このパン屋さんって・・・」

 

スナップ写真の下には、ベーカリー保登の記事が載せられていた。

 

ココア「これ、私の実家のお店だよー!」

 

シャロ「そんな所まで取材を?て言うかパン美味しそう・・・」

 

みくる「本当ね。どれも食べたくなるわね。」

 

千夜「素敵そうな場所にあるのね。」

 

チノ「良い雰囲気です。」

 

ココア「そ・・・そうかな・・・?ん?」

 

ページを捲ったココアが見た記事は。

 

ココア「このケーキ屋さんは?」

 

そこにケーキAYABEと言う名の店が載ってあった。

 

リゼ「ケーキAYABE?」

 

楽兎「この店・・・母さんのケーキ屋じゃねえか!」

 

シャロ「え!?楽兎さんのお母さん?」

 

楽兎「俺の母さんパティシエでケーキ屋やってるんだ。この店結構評判が高いんだ。特にチョコケーキが1番だ。」

 

緑羽太「後このケーキ屋、楽兎の実家だ。」

 

すると本に何かが零れ落ちた。

 

ココア「何かティッピーが凄い悔しい顔してる!」

 

ティッピーが悔し泣きしていた。

 

楽兎(ティッピー、自分の喫茶店が載ってなくて悔しいって言ってそうだな。)

 

シャロ(先輩の載ってる本・・・欲しい・・・でも今月もお金が・・・)

 

リゼのスナップ写真のページを見てるシャロ。千夜はハサミを取り出した。

 

千夜「切り抜いてあげましょうか?」

 

シャロ「良いの?」

 

千夜「シャロちゃんの為だもん。」

 

ページを切ってシャロにあげる。

 

千夜「はい、シャロちゃん。」

 

シャロ「あー・・・ありがとう・・・」

 

リゼ「シャロ、何を切り抜いてもらったんだ?」

 

シャロ「あ!あの・・・これは・・・その・・・!実は前から憧れていて・・・!」

 

リゼ「そうだったのか!?」

 

リゼがびっくりしていた。実はスナップ写真の記事の裏には、筋肉執事喫茶の記事があったからである。

 

リゼ「ま、まぁ人の趣味はそれぞれだからな・・・」

 

シャロ「いや・・・!そうじゃなくて!」

 

チノ「暇です。」

 

千夜「チノちゃん、ラビットハウスが取材されなくて落ち込んでるのかしら?」

 

ココア「チノちゃん・・・私に任せて!」

 

何か閃いたココア。

 

ココア「チノちゃん!」

 

チノ「はい?」

 

ココア「これ見てごらん!三姉妹喫茶だよ!」

 

三姉妹喫茶の絵を雑誌に貼っただけだった。

 

チノ「どう反応したら!?」

 

青山「楽しい雰囲気のお陰で、今日もおいしいコーヒーが飲めそうです。」

 

席に座った青山。するとその時。座ってた椅子が壊れて落ちてしまった。

 

ココア「青山さん!」

 

チノ「大丈夫ですか!?」

 

青山「良い椅子ですね・・・お店の歴史を身体で感じました。まさか!これはマスターのお叱りの意志!仕事しないから!?」

 

リゼ「あ・・・頭打ったのか!?」

 

楽兎「この椅子直せそうにないな・・・新しいの替えるか。」

 

チノ「こんなオンボロのお店じゃ取材が来ないのも納得です・・・」

 

ティッピー「オンボロですまんのう・・・」

 

シャロ「そんな事ないわよ。このテーブルの傷一つにもお客さんとの思い出が詰まっているのよ。」

 

テーブルに愛情を込めるシャロ。

 

チノ「それココアさんが付けた奴です。」

 

今度はティーカップに愛情を込める。

 

シャロ「このカップだって、沢山のコーヒーを注がれて。」

 

チノ「それココアさんが割ったので新調した奴です。」

 

シャロ「ココアーー!」

 

怒ったシャロはココアをポカポカ叩く。

 

ココア「何で怒られてるの!?」

 

千夜「年季が入ってる事は、思い出があるって事よ。」

 

チノ「年季・・・ですか・・・」

 

千夜「こうやると刻まれた思い出をお店自身が教えてくれるわ。」

 

壁に顔を付けて耳を澄ます。

 

ココア「あー!ロマンチック!」

 

チノはテーブルに顔を付けて耳を澄ます。

 

千夜「第一章ラビットハウス誕生。」

 

チノ「あの・・・」

 

緑羽太「それ千夜ちゃんが言ってるだけじゃねえのか?」

 

すると電話が鳴った。

 

リゼ「お客さんからかも!また来るって言ってくれてたしさ!」

 

電話に出るリゼ。

 

リゼ「はい!ラビットハウスです!」

 

ココア「ほら、リピーターさんはちゃんと居るよ。」

 

チノを撫でるココア。すると。

 

リゼ「バカ!来るんじゃない!」

 

突然怒ったリゼは電話を切る。

 

楽兎「どうしたリゼ!?」

 

リゼ「親父の部下達が、客が居ないなら自分達が行くって・・・」

 

チノ「何でうちの状況知られてるんですか・・・」

 

みくる「何処かに盗聴器仕込まれてるんじゃない?」

 

楽兎「無いだろ。」

 

緑羽太「大丈夫だぜチノちゃん!毎日俺が来てやるから心配ない!」

 

チノ「でも緑羽太さんは、カメラマンの仕事があるんじゃないんですか?」

 

緑羽太「カメラマンは自由だから気にするな。」

 

楽兎「ならラビットハウスの写真を何枚か撮ってくれるか?」

 

緑羽太「お安い御用だぜ。ラビットハウスの知名度を上げさせる為にな。」

 

 

 

 

 

 

翌日。チノがマヤとメグ一緒に下校している。

 

マヤ「へえー雑誌かー!ラビットハウスが載るのも時間の問題だね!」

 

チノ「そうでしょうか?」

 

メグ「そしたら私達有名人の友達かー。」

 

チノ「有名人って・・・」

 

マヤ「有名人になったら誘拐とかされるかもしれない!」

 

それを聞いたチノとメグは怯えた。するとメグが防犯ブザーを出した。

 

メグ「大丈夫!何かあったらこれで守る!」

 

チノ「防犯ブザーですか?」

 

メグ「これ、羊の鳴き声なんだよ。」

 

紐を引っ張ると。

 

 

 

防犯ブザー「メェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 

 

 

羊の鳴き声のブザーが鳴った。

 

マヤ「鳴らしちゃった!」

 

チノ「可愛い。」

 

マヤ「取材が来たら、ちゃんと話せる?」

 

チノ「父と楽兎さんが居るので。」

 

メグ「インタビューの練習しようよ。」

 

マヤ「噂の人とは、どう言う関係なんですか!?」

 

チノ「誰の事ですか!?」

 

メグ「この写真をばら撒いて欲しくなければ全部話して下さい!」

 

チノ「脅し!?何時撮ったんですか?その写真!」

 

自分の寝顔の写真を見せられたチノ。チノが逃げる。逃げるチノを追い掛けるマヤとメグ。

 

マヤ「人気者になった後のパパラッチごっこ!」

 

チノ「必要ありません!」

 

マヤ・メグ「待てー!待て待て!」

 

 

 

 

 

 

その日の夕方、楽兎とココアがテーブルを拭いてる。そこにタカヒロが来た。

 

タカヒロ「今日も一日お疲れ様。もう上がって良いよ。」

 

ココア「はーい!お疲れ様でした!」

 

楽兎「お疲れ様ですタカヒロさん。」

 

男子更衣室に向かう楽兎。

 

タカヒロ「あ、そうだ、ココア君。」

 

ココア「ん?はい?」

 

タカヒロがココアを呼び止めて何かを伝えた。

 

 

 

 

 

 

その頃チノは、部屋で写真を見ていた。

 

ティッピー「結局、取材には来なかったのう・・・」

 

チノ「ココアさんみたいにもっと笑ったら・・・お客さん来てくれる・・・?」

 

楽兎「チノちゃん。」

 

そこに楽兎が部屋に入って来た。

 

チノ「楽兎さん。仕事お疲れ様です。」

 

楽兎「チノちゃんってさ、笑顔作るの苦手だよね?」

 

チノ「そう、ですが・・・」

 

楽兎「でもさ、俺とティッピーとタカヒロさんにだけ笑顔見せてるよね?もしかしたら、馴染んでる人にしか笑顔作れないのかな?」

 

チノ「馴染んでる人?」

 

楽兎「チノちゃんはもうココア達と馴染んでるから、少しずつ笑顔の練習したらどう?」

 

するとチノは、ほっぺを引っ張って笑顔を作ろうとした。

 

楽兎「いや、別に無理にやらなくても・・・」

 

ココア「迷える子うさぎが居るよ。」

 

すると後ろからココアが来た。右手にはうさぎのパペットを着けていた。

 

ココア「チノちゃん腹話術上手だから私も練習してるんだ!チノちゃん元気かい?」

 

パペットを動かしながら喋るココアだが口が明らかに動いてる。

 

楽兎「おい口動いてんぞ。」

 

ティッピー「わしの真似事など20年早いわ。」

 

ココア「流石だね!よーし、わしと腹話術で勝負じゃ。」

 

楽兎「だから口動いてんぞ。」

 

チノ「ココアさんにはお爺さんの声は出せませんよ。」

 

楽兎(そりゃそうだろ。あんなダンディーな声出せる訳ねぇし。ってかまだチノちゃんの腹話術って信じてるのかい。)

 

ココア「チノちゃん!さっきお父さんから聞いたんだけどね。」

 

チノ「何です?」

 

ココア「笑顔になれる報告があるよ。」

 

廊下からタカヒロが聞いてた。そして静かに去って行った。

 

 

 

 

 

 

翌日、再び皆がラビットハウスに集まった。

 

ココア「行くよー!皆!」

 

リゼ「ああ。」

 

千夜「お・・・OKよ。」

 

シャロ「焦らさないでよ。」

 

緑羽太「この雰囲気あの時のデジャブか?」

 

楽兎「そうでなかったら良いんだけどな。」

 

ココア「せーの!」

 

そして雑誌を開く。そこには、ラビットハウスの記事が載せられてた。写真には、ココアとチノとリゼの集合写真と、楽兎の個人写真が載せられており、横のページには、バータイムの記事とタカヒロの写真も載せられていた。

 

千夜「わー!チノちゃんのお爺ちゃんの事が語られてるわ。」

 

シャロ「苦労してこの喫茶店建てたのね。」

 

ティッピー「うんうん。」

 

みくる「良かったねチノちゃん!」

 

ココア「チノちゃんのお父さんの写真も!」

 

リゼ「バータイムの記事でかいな!って三姉妹って言ったの誰だ!?」

 

ココア「エヘヘ!」

 

するとチノが笑顔になった。すると誰かがチノの笑顔の写真を撮った。撮ったのは楽兎だった。

 

チノ「何するんです楽兎さん!?」

 

楽兎「ごめんねチノちゃん。ココアに頼まれちゃって。」

 

そっぽ向いたチノ。だがいやでもなく笑った。

 

チノ「本当にしょうがないココアさんです・・・」

 

 

 

 

 

 

数日後の夕方、ココアが実家に送る手紙と写真をポストに投函して帰った。

 

 

 

 

ホールではチノと楽兎が居た。

 

ココア「チノちゃん!」

 

チノ「はい?」

 

ココア「どう?この写真立て。私の部屋に飾ろうと思って!」

 

写真立てを見せたココア。ココアとチノのツーショット写真が写ってた。

 

チノ「そ・・その写真立て・・!」

 

ココア「可愛いでしょ!お店の棚の奥にあったんだ!」

 

チノ「そ・・・それ、私が昔作った物です・・・こんな出来損ない使わないで下さい!」

 

怒って取り上げる。

 

ココア「出来損ないじゃないよ。そのライオンの木彫り細工可愛くて凄く好きだな。」

 

楽兎「あ。」

 

チノ「これはタンポポなんです・・・顔の付いたタンポポなんです・・・」

 

ココア「え!?か・・・か・・・可愛いよ・・・!ライ・・・タ・・・タンポポ・・・!」

 

楽兎「怒らせちゃったな。」

 

 

 

 

 

 

その夜、写真立てを見て昔を思い出すチノ。それはサキがまだ生きてた頃、膨れっ面になったチノをサキが撫でてくれた事を。

 

ティッピー「懐かしいやり取りじゃったな。お前の母親と褒め方が同じじゃ。」

 

チノ「全然違いますよ。」

 

この日、チノが微かに笑顔になった事をティッピー以外知らなかった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

   マーケットの人:八百屋杏

ティッピー「この感じ思い出すのー。」

タカヒロ「久し振りで緊張してるのか?」

ティッピー「マスターのわしが緊張する訳ないだろ!」

タカヒロ「親父。」

ティッピー「何じゃ?」

タカヒロ「マスターは俺だ。」

ティッピー「なぬ?」

次回「灰色兎と灰かぶり姫」

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14羽「灰色兎と灰かぶり姫」

ある日の夜、チノの部屋に3人が居た。チノが2人に怪談話を語ってる。

チノ「本当にこの喫茶店には、白いフワフワしたお化けが彷徨ってるんですよ!」

ココア「うんうん!(怖がらせようと頑張ってるなー。ティッピーの事なのに。)」

毎回チノの怪談話はティッピーの事ばかりだと確信してるココア。

楽兎(チノちゃん、毎回ティッピーの事ばかり語ってるが・・・)

チノ「本当なんですって!白いフワフワしたお化けが・・・」

ココア「分かってるよー。」

楽兎(ココアお前、反応が可笑しいだろ?)

ココアの反応を見てチノはムッとした。






その頃バータイムでは、タカヒロがグラスを拭いて、ティッピーがカウンターの上でゴロゴロ転がっていた。

ティッピー「ゴロ、ゴーロゴロ、ゴーロゴロ、ゴーロゴロ、ゴーロゴロ、ゴーロゴロ、今日は暇じゃのうー。」

タカヒロ「親父、少しはジッとしてたらどうだ?」

ティッピー「こんな暇な時にジッとしていられるか。」

すると誰かが来店した。

タカヒロ「いらっしゃいませ。」

ティッピー「え?」

来店したお客を見てティッピーが驚いた。






その頃チノは、まだ2人に怪談話を語っていた。

チノ「ノックの音がして、白いフワフワしたお化けが・・・」

突然ノックの音がした。チノはビクッと怖がる。

ココア「はーい!誰かな?」

楽兎「タカヒロさんかな?」

チノ「お・・・お化けかもしれませんよ・・・?」

ココア「そうかもねー。今開けまーす。」

ドアを開けるとそこには。

ココア「白いフワフワしたシャロちゃん!?」

ガクガク震えてるシャロだった。あの時バータイムに来たお客はシャロだった。

楽兎「シャロどうした!?」

シャロ「物置でも良いから匿ってくれない!?」

ココア「夜逃げ!?」

楽兎「亡命!?」


シャロに紅茶を差し出す。そして夜逃げの事情を訊く。

 

チノ「シャロさんの家で怪現象?」

 

シャロ「ええ・・・天井から変な物音がするし・・・帰ったら、部屋に葉っぱが盛られてるし・・・千夜は起きないし・・・」

 

それは、天井に不気味な音や、玄関に何処からか葉っぱが盛られたりの連続だった。

 

ココア「それは、お化けかネズミの仕業だよ!」

 

シャロ「え!?」

 

チノ(コ、ココアさん・・・いくらシャロさんの家が慎ましやかだからと言って・・・)

 

シャロ「うぅ・・・」

 

チノ「うさぎがこっそり家を借りているのかもしれません。」

 

シャロ「もっと地獄!」

 

チノ「凄く可愛いです!」

 

シャロ「イヤー!」

 

楽兎「チノちゃんから見たら可愛いけど、シャロから見たらヤバイだろ?」

 

ココア「うさぎのお化けかも!」

 

うさぎのぬいぐるみを見せるココア。シャロの口から魂が抜けてる。

 

チノ「魂が出てます!」

 

楽兎「成仏するなー!」

 

部屋の床に3つの布団を敷く。

 

ココア「3人で一緒に寝れば怖くないよね。」

 

シャロ「あ・・・ありがとう・・・」

 

ココア「あ!怪談の続きしなきゃ!」

 

シャロ「私がここに来た理由忘れたの!?」

 

ココア「チノちゃん怪談上手くなれるように頑張ってるみたいなんだよ。マヤちゃんメグちゃんを怖がらせたいんだって。」

 

シャロ「なるほど!」

 

突然シャロがやる気になった。

 

シャロ「私を頼って何でも話してみて!」

 

チノ(頼りに来たのはシャロさんでは・・・)

 

楽兎(立場逆になってるな。)

 

 

 

 

 

 

翌日の夕方、家の前でリゼを待ってるシャロ。今日学校でリゼに家にお化けが出たと話した。

 

リゼ『お化けが出る!?それは解明しないとな!』

 

シャロ『家に来てくれるんですか!?』

 

リゼ『得体の知れないのがいたらイヤだろ?』

 

シャロ『とびっきりの茶葉を用意します!お気に入りの食器も!』

 

リゼ『私も相応の武器を用意しよう。親父に頼んで!』

 

シャロ『武器!?』

 

 

 

 

 

 

今もリゼを待ってる。そこに。

 

リゼ「待たせたな、シャロ!」

 

シャロ「あ!」

 

しばらくしてリゼが来た。武器を持って来てる。

 

リゼ「色々準備があってさ。」

 

シャロ「(準備って・・・)あ!リゼ先輩!足!」

 

リゼの左足には包帯が巻かれていた。

 

リゼ「ちょっと体育の時挫いちゃって。この程度の怪我支障ない!」

 

足を挫いても平気なリゼ。

 

シャロ「そ・・・そうですか。無理しないで下さいね。あ、じゃあ、じゃあどうぞ。」

 

千夜「シャロちゃーん!」

 

後ろから千夜が駆け寄ってきた。

 

シャロ「千夜。」

 

千夜「ココアちゃんから聞いたのよ!どうして!?」

 

シャロ「な・・・何が?」

 

千夜「どうして私を頼らなかったの!?」

 

シャロ「あんた着信履歴見てないでしょ!」

 

昨日の夜、シャロが千夜に電話しようとしてたが、千夜はその時爆睡してたのだった。千夜が携帯を見ると、着信履歴がシャロばかりであった。

 

千夜「あら?ごめんなさい。」

 

シャロ「もう・・・」

 

リゼ「良かったら千夜もお化け退治、協力してくれないか?」

 

千夜「そうね。」

 

シャロ「じ・・・自分の喫茶店の隣がお化け屋敷なんてイヤでしょ?」

 

千夜「甘兎庵の隣が、お化け屋敷・・・」

 

甘兎庵の隣がお化け屋敷だと想像する千夜。

 

千夜「OKよ!」

 

シャロ「良くない!」

 

千夜「楽しそう!」

 

シャロ「楽しくなーい!」

 

嫌がる所か喜んでた。

 

 

 

 

 

 

そして2人を家に招き入れる。

 

リゼ・千夜「お邪魔しまーす。」

 

シャロ「狭い部屋ですが、適当に座って下さい。今、紅茶淹れますね。」

 

リゼ「ああ、ありがとう。」

 

この時、1つの影が忍び寄ってるのを知る由も無かった。

 

シャロ「リゼ先輩、どっちのカップにしますか?」

 

千夜「それよりも・・・」

 

突然、千夜とリゼが、落ちてる雑誌に目を向けた。シャロが2人が見てる方向に目を向けるとそこには、落ちてる雑誌が勝手に動いてた。

 

リゼ・千夜・シャロ「ポルターガイスト!」

 

ポルターガイストが発生した。

 

リゼ「これで潜入のつもりか!笑わせるなー!」

 

シャロ「きゃーーーー!!」

 

勢いよく雑誌を取るとそこに居たのは。

 

 

 

 

 

 

シャロ「不良野良うさぎ!?」

 

葉っぱを咥えた右目に傷がある灰色の野良うさぎだった。

 

 

 

 

 

 

千夜「屋根裏か何処かに住みついていたのね。」

 

野良うさぎがシャロの前に咥えてた葉っぱを置いた。

 

千夜「もしかして家賃の代わり?」

 

リゼ「義理堅い不良だ!」

 

このうさぎかなり礼儀正しかった。しかしシャロは泣いていた。

 

リゼ「シャロ?」

 

シャロ「これ・・・私が裏庭で育てたハーブ・・・」

 

リゼ「それは辛い・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスでは、ココアが箒で掃き掃除をして、楽兎がテーブルを拭いてた。

 

ココア「チノちゃん、リゼちゃんシャロちゃん家寄るから遅くなるって。」

 

チノ「そうですか。私も、シャロさんのように怪現象を体験すれば、リアリティのある怪談ができるでしょうか?」

 

ココア「そこまでするの!?」

 

楽兎「チノちゃん、無理しなくても良いと思うが・・・」

 

チノ「マヤさんメグさんを怖がらせたいのと、この機会に私もお話が上手くなれたらなーと。」

 

ココア「大丈夫!チノちゃんのお話なら、皆ホニャホニャにできるよ。」

 

ティッピー「それは怪談としてどうじゃろ?」

 

楽兎「確かに。」

 

ココア「でも、苦手を克服しようと頑張ってるんだね!偉い偉い!」

 

ティッピーを撫でるココア。チノはムッとしていた。

 

ココア「よーし!お店は私に任せてシャロちゃんのお手伝いをしておいで!」

 

チノ「え!?こ・・・怖いです!」

 

ココア「やっぱり怖いよね!でも!これは試練だよ!」

 

チノ(ココアさんにお店任せるの怖い!)

 

ティッピー(わしもじゃ!)

 

お化けではなく、ココアに店を任せるのが怖いだけだった。

 

楽兎「おいココア、俺はどうなんだよ?」

 

 

 

 

 

 

その頃リゼ達は、野良うさぎを見送ってた。

 

リゼ「ごめんな、葉っぱは家賃として受け取れないから、住む場所は他をあたってくれ。」

 

野良うさぎはリゼの説得でその場を去った。

 

シャロ「やっと静かになる。」

 

千夜「背中に哀愁を感じるわ。」

 

シャロ「こんな物まで用意して、私の家なんかの何処が良いのよ。」

 

すると野良うさぎが、突然戻って来た。

 

シャロ「受け取ったつもりじゃないんだから!」

 

リゼ「この際仲良くしてみたらどうだ?」

 

シャロ「え!?」

 

千夜「うさぎへのトラウマを克服するチャンスかも。」

 

リゼ「ああ。」

 

シャロ「先輩がそう言うなら・・・」

 

うさぎを克服しようとするシャロだが、明らかに怖がっていた。

 

リゼ「無理はするな。」

 

千夜「シャロちゃんファイト!」

 

シャロ「どうしてこんな事に・・・」

 

千夜「何だか子供を見守る親みたいね。」

 

シャロ「マ”ァ”ー!!!」

 

リゼ「私達が両親?」

 

千夜「どっちがお母さん?」

 

リゼ「それは千夜っぽい。」

 

するとシャロは泣いてしまった。

 

リゼ「泣くほど!?」

 

千夜「やきもち?」

 

 

 

 

 

 

野良うさぎを甘兎庵に入れた。野良うさぎに名前を付ける事になった。

 

千夜「名前を付けてあげたら愛着が湧くんじゃない?」

 

シャロ「そ・・・そう?名前・・・名前・・・エリザベス・・・ベアトリクス・・・ヴィクトリア・・・出来るだけ高貴な・・・」

 

リゼ「何か無いか?変わった名前付けるの得意だろ?」

 

千夜「そうだわ!灰色だからごまぼたもちは?」

 

リゼ「それは喫茶店のメニューに付けろ。」

 

シャロ「すっごい普通。」

 

するとリゼが名前を思い付いた。

 

リゼ「ワイルドギースはどうだ?潜入技術は未熟だけど立派な兵士になるぞ!」

 

シャロ「ワイルドギース・・・ワ・・・ワイルドギース。」

 

ワイルドギースは名前が気に入るかのように耳をピクンとさせた。

 

シャロ「き・・・気に入ったの?この名前。」

 

今度は咥えてる葉っぱを揺らした。そうやら気に入ったらしい。

 

シャロ「そうね・・・先輩が付けてくれた名前だし似合ってるかも。」

 

千夜「シャロちゃんがうさぎに微笑んで!」

 

シャロ「見間違いよ!」

 

すると誰かが来店した。

 

リゼ「チノ!その格好はどうした!?」

 

頭にお札を貼り、十字架とお札を持って、数珠の首飾りを身に付けていた。店の方はココアと楽兎に任せてる。

 

チノ「何が起きたか分からないですけど、解決したみたいですね・・・あ、うさぎです!」

 

千夜「ワイルドギースって言うの。宜しくね、チノちゃん。」

 

チノ「はい。宜しくお願いします。」

 

するとワイルドギースがティッピーに咥えてた葉っぱを飛ばした。

 

チノ「ティッピー!」

 

ワイルドギースを撫でるリゼ。シャロが怯える

 

リゼ「怯えると警戒されるぞ。」

 

シャロ「あ・・・はい!」

 

青山「こんにちはー。」

 

そこに青山ブルーマウンテンが来店した。

 

リゼ「青山さん。」

 

千夜「いらっしゃいませ。」

 

青山「まぁ、凛々しいうさぎさんです。」

 

チノ「前髪が素敵です。」

 

シャロ「ちょ・・・ちょっと怖いけどね。」

 

千夜「シャロちゃんとお似合いよね。」

 

シャロ「何処がよ!」

 

するとワイルドギースがリゼに向かって飛び付いた。リゼがキャッチするが、怪我してる足を捻って尻餅付いた。

 

青山「ナイスキャッチ!」

 

リゼ「いきなり飛び付くなよ。ビックリするだろ?」

 

シャロ「先輩大丈夫ですか!?」

 

リゼ「ああ、大丈夫だ。シャロも撫でてみたらどうだ?」

 

シャロ「大丈夫ですか!?」

 

千夜(シャロちゃん周りが賑やかになって何だかとっても嬉しい。)

 

するとシャロにワイルドギースが飛び付いた。

 

シャロ「きゃーーーー!!」

 

千夜「あらまあ!」

 

 

 

 

 

 

翌日、シャロが庭で何かを作ってた。そこにココアと千夜と楽兎が来た。

 

ココア「シャロちゃん!私もワイルドギースに会いに来たよ!」

 

千夜「あれ?ウサギ小屋作ってたの?」

 

シャロ「はっ!」

 

作ってたの、ワイルドギースのうさぎ小屋だった。ガムテープと段ボールで出来た立派な小屋だった。

 

楽兎「立派な小屋だな。」

 

千夜「あんなにイヤがってたのに、ツンデレね。」

 

シャロ「ち・・・違うわ!これは・・・もし噛まれたら逃げ込む・・・私の家だから!」

 

ココア「シャロちゃんの家がより慎ましやかに!」

 

シャロ「慎ましやかって言うな!」

 

千夜「立派な家よね。」

 

シャロ「千夜・・・おバカ!!!」

 

ワイルドギースが楽兎に近付いた。

 

楽兎「お前がワイルドギースか。本当に凛々しいなお前。」

 

ワイルドギースはシャロ足の周りをグルグル歩く。

 

シャロ「な、何!?」

 

楽兎「お!お前ご機嫌上昇だな。シャロ、ワイルドギースは今機嫌上昇だぞ?」

 

シャロ「え?そうですか?」

 

楽兎「うさぎが人の足の周りをグルグル歩くってのは、嬉しい時の合図だ。此奴、飼い主が見付かって良かったな。」

 

 

 

 

 

 

数日後、リゼの捻挫が悪化したのを聞いたチノ達3人。お見舞いに行く事になった。

 

チノ「リゼさん、捻挫が悪化したって大丈夫でしょうか?」

 

ココア「電話じゃ大した事ないって言ってたけど心配だね。」

 

そして目の前に巨大な豪邸が見えた。

 

ココア「リゼちゃん家ってこれだよね?」

 

チノ「はい。」

 

楽兎「らしいな。にしても立派なお屋敷だなぁ。」

 

ココア「メイドさんが居たりして!」

 

チノ「入口でお迎えされたらどうしましょう。」

 

ココア「流石にそれは凄過ぎかな?」

 

入り口を見ると、メイドではなく、黒服でサングラスを掛けてる2人の男達だった。

 

部下A「おい、異常ないか?」

 

部下B「異常なし。」

 

男達を見て3人が怯えた。

 

チノ「ココアさん?」

 

ココア「私が囮になるから先に行って!」

 

チノ・ティッピー・楽兎「え!?」

 

ココア「そのお見舞い用のメロンパン、絶対にリゼちゃんに渡すんだよ!」

 

チノ「命より大事な物なんですかー!?」

 

ココアが男達に立ち向かう。しかし男達は。

 

 

 

 

 

 

部下B「お嬢のお友達ですかい。」

 

部下A「ですかいですかい。」

 

部下B「ようこそいらっしゃいました。お嬢も喜びます。どうぞこちらへ。足元にお気を付け下さい。」

 

楽兎「ありがとうございます。」

 

チノ(凄く紳士的でした。)

 

男達は紳士的なリゼの部下であった。入り口の門を開け、3人を招き入れた。

 

 

 

 

 

 

チノ「ここで働いているのは、ああ言う方達なんですね。」

 

楽兎「そうらしいな。流石リゼだ。優秀な部下を持ったな。」

 

ココア「あ〜!人を見かけで判断してしまった!接客業失格だよー!」

 

失敗してしまったココアは罪悪感を覚えてしまった。横のドアからリゼが出て来た。

 

リゼ「あれ?チノに楽兎じゃないか。」

 

チノ「あ、リゼさんこんにちは。」

 

楽兎「ようリゼ、見舞いに来たぜ。」

 

 

 

 

 

 

3人はリゼの部屋に入った。

 

リゼ「わざわざ来てくれなくても良かったのに。」

 

ココア「心配だったしリゼちゃん家来てみたかったから。」

 

チノ「凄く立派なお宅です。父がリゼさんのお父さんに宜しくと言ってました。」

 

リゼ「伝えておくよ。」

 

楽兎「それに引き換え、何で緑羽太がここにいるんだ?」

 

リゼの部屋に緑羽太がカメラで部屋を撮っていた。

 

緑羽太「俺がカメラで街を撮っていた所、リゼと部下に偶然出会って、俺を招き入れたんだ。」

 

楽兎「そうか。悪いなリゼ。此奴まで。」

 

リゼ「気にするなよ。」

 

するとノックの音が聞こえた。

 

リゼ「どうぞ。」

 

シャロ「先輩、お茶をお持ちしました。」

 

メイド服姿のシャロと千夜と何故かみくるが居た。シャロが紅茶を持って来た。

 

チノ「メイドさんが居ました。」

 

シャロ「来てたの!?」

 

ココア「シャロちゃん!ここでもバイトしてたんだ!」

 

千夜「ええ、ついに天職を見付けたみたいなの。」

 

シャロ「おバカ!罪滅ぼしよ!」

 

ココア・チノ・楽兎「罪滅ぼし?」

 

それは、ワイルドギースがリゼに飛び付いて、リゼが怪我した足を挫いしまった時の事を。

 

シャロ「あれで捻挫が悪化して・・・あの時私がワイルドギースを止めていれば・・・」

 

リゼ「だからシャロのせいじゃないって。」

 

楽兎「みくる、お前までメイドになってたのか?」

 

みくる「どう?可愛いでしょ?私メイド服着てみたかったの。」

 

楽兎「ああ、昔そう言ってたな。にしても似合うな。ロングスカートとはセンス良いな。」

 

緑羽太「俺ミニスカートが良かったな。」

 

すると緑羽太の頭にビンタする楽兎。

 

緑羽太「イテッ!」

 

楽兎「お前がただ中を覗きたいだけだろ!」

 

リゼ「そ・・・それよりせっかく来たんだし・・・あ・・・遊んでいかないか?」

 

トランプを取り出すリゼ。

 

緑羽太「良いな!」

 

楽兎「そうだな。皆で遊ぶと楽しいしな。」

 

ココア「怪我に響くといけないし、そろそろ帰るよ。」

 

リゼ「え!?」

 

シャロ「名残惜しいですが、私達も仕事があるので。」

 

リゼ「ええ!?」

 

緑羽太「え!?ちょっと!?」

 

チノ「では失礼します。」

 

楽兎と緑羽太以外部屋を出ようとした。

 

リゼ「ま・・・待って!」

 

また捻挫した足が響いた。

 

ココア「リゼちゃん!?」

 

リゼ「動くな!」

 

何処からか拳銃を取り出して銃口を向けた。全員両手を挙げた。

 

楽兎「おいリゼ!グロック17を皆に向けるな!」

 

ココア「お・・・落ち着いて・・・!」

 

怖がりながら後ろに下がるココア。すると何かにぶつかり、何かが倒れてしまった。倒れたのは望遠鏡だった。望遠鏡のレンズと三脚が壊れてしまった。

 

ココア「ラビットハウスを担保に入れて弁償だ!」

 

チノ「うちを巻き込まないで下さい!」

 

楽兎「おいココア落ち着け!リゼ、望遠鏡壊れたが大丈夫か?」

 

リゼ「良いって。安物だから気にするな。それよりせっかくだからもう少しいてくれよ。そうだ、何かゲームとか。」

 

緑羽太「ゲーム良いね!皆もやろうぜ!」

 

ココア「お嬢様・・・身体でお返しするから・・・」

 

チノ「お店を担保にするのは勘弁を・・・」

 

楽兎「ダメだ、パニック状態になってる・・・」

 

 

 

 

 

 

こうしてココアとチノは、弁償の為メイドとして働く事になってしまった。

 

ココア「凄く良い匂いがする!」

 

千夜「もう誰も着てない古いやつみたいだけど。」

 

緑羽太「メイド服姿のココアちゃんとチノちゃん!これはレアだぜー!」

 

カメラで撮影する緑羽太。

 

ココア「お嬢!私達に命令してみて!」

 

リゼ「では、一列に並べ!」

 

ココア「お嬢って言うより教官っぽい!」

 

シャロ「もう!仕える身なら言葉遣いから直しなさい!解雇するわよ!」

 

ココア「はい!お嬢様!」

 

シャロ「何で!?」

 

みくる「楽しそうだねー。」

 

 

 

 

 

 

廊下に移動した5人。楽兎と緑羽太とリゼは部屋へ待機する。

 

ココア「さあ!皆でお屋敷のお掃除大会だよ!」

 

千夜・みくる「おー!」

 

チノ「何でこんな事に・・・」

 

ココア「千夜ちゃんの仕事着が着物以外って新鮮だね。」

 

千夜「たまには洋装も良いわね。ロングスカートでクルクルしてみたり?」

 

クルクル回る千夜。

 

ココア「似合ってるよ!本物のメイドさんみたい!」

 

だがクルクル回り過ぎて壁に倒れた。

 

千夜「三半規管が・・・!」

 

シャロ「ダメイドか!!」

 

 

 

 

 

 

ココアとチノは、他のメイド達と一緒に部屋で掃き掃除をしていた。そこに部下の1人が入って来た。

 

チノ「いらっしゃいませ。」

 

部下「え・・・?」

 

顔を赤くする部下。

 

チノ「あ!つい喫茶店のつもりで・・・」

 

ココア「チノちゃんたらお茶目さんね。」

 

怒ったチノはバケツをココアに渡す。

 

チノ「ココアさんも早くこのコーヒー持って行って下さい!」

 

ココア「それバケツ!」

 

部屋の窓ガラスを雑巾で拭くココア。すると外で掃き掃除してるシャロと千夜とみくるを見付けた。

 

ココア「シャロちゃん達だ!」

 

手を振るが3人は気付かない。

 

ココア「ダメだ・・気付いてもらえない・・・」

 

チノ「何かサインでも送ってみたらどうです?」

 

外で掃き掃除してる3人。すると3人が何かを見た。

 

千夜「ん?」

 

シャロ「ん?」

 

みくる「ん?」

 

ココアが箒の持つ部分に雑巾を結んで横に振っていた。

 

シャロ「降参の合図・・・?」

 

千夜「城が落ちたわ・・・」

 

みくる「私達の負けだわ・・・」

 

白旗は降参の合図なので、やられたとしか思ってない3人。

 

 

 

 

 

 

その頃リゼと楽兎と緑羽太は部屋で待機中。

 

リゼ「何故か置いてかれた気分だ・・・なあ?ワイルドギース。私だけ、このカチューシャも付けてないし。あ!」

 

ティッピーを頭に乗せるリゼ。

 

リゼ「意外とバランス取り難い!」

 

バランスを崩してティッピーを落としてしまった。

 

リゼ「チノ・・・凄いな・・・!楽兎と緑羽太はどうなんだ?この状況。」

 

楽兎「凄く退屈だ。暇過ぎる休みくらい退屈だ。」

 

緑羽太「分かるぞぉその気持ち。俺達は昔からアウトドア派だからな。」

 

するとティッピーは部屋の周りを見る。

 

ティッピー「この部屋にはお前らしい物が足りんのう。」

 

リゼ「チノの腹話術の声が!」

 

緑羽太「何だって!?まさかこの部屋の何処かに忍び寄ってるのか?」

 

楽兎(いやリゼよ、チノちゃんの声はここまで届く訳無いと思うが・・・後緑羽太は何を言ってるんだ?)

 

リゼ「私らしい物・・・あれを見せたら楽しんでくれるかな?」

 

緑羽太「あれって何だ?」

 

リゼ「楽兎なら凄く楽しめると思うぞ?」

 

楽兎「俺なら楽しめる物?」

 

 

 

 

 

 

そこでリゼは、楽兎と緑羽太とココアとチノとみくるをある部屋の前まで連れて来た。

 

ココア「リゼちゃんの見せたい物って?」

 

みくる「何か可愛い物?」

 

リゼ「た・・・大した物じゃないんだけど・・・」

 

部屋のドアを開けて入る。部屋には、高級なソファーと額縁とシャンデリアがあった。するとリゼが部屋の端っこに置いてある戦車の砲塔を横に向けた。すると額縁が裏にひっくり返ると、沢山のモデルガンが飾られていた。

 

ココア・チノ・みくる・楽兎・緑羽太「おー!」

 

これには5人がびっくりした。特に楽兎は目をキラキラさせてた。

 

ココア「こ・・・これは!?」

 

リゼ「私のコレクションルームだよ。」

 

ココア「すっごーい!」

 

楽兎「HK G36、Hk SL8、AKS-74U、ドラグノフ狙撃銃、MG34機関銃、AR-15.308、M16A3、バレットM82!此奴は凄いコレクションだなリゼ!!」

 

リゼ「喜んでくれて何よりだな。」

 

楽兎「こっちはフランキ・スパス12、SIG SAUER P226、ベレッタM92、ショットガン No.3 スーパーSSII、SR-25、M16A4、SVU、FN SCAR、ミニミ軽機関銃!どれも立派だな!」

 

みくる「楽兎が凄くテンションが高いね。」

 

緑羽太「まあ、彼奴昔からミリオタだからな。」

 

楽兎「おまけにこっちはM9 フラッシュライト装備、デザートイーグル、M1911A1、H&K MP7、FA-MAS、SCAR-L、AR-15、M16A4 M203 グレネードランチャー装備!なあリゼ、これ全部取って良いか?」

 

リゼ「ああ。偽物だけど気になったら手に取っても・・・おっと敵襲か!?」

 

ノックが聞こえて戦闘態勢に入る。

 

ココア「敵襲!」

 

ドアを開けたのは千夜でシャロがお茶を持って来た。

 

千夜「失礼しまーす。」

 

シャロ「先輩お茶淹れて来まし・・・」

 

ココア「シャロちゃん敵襲だって!」

 

シャロ「イヤーーーーーーー!!!」

 

銃口を向けられてビックリするシャロ。だがお茶を上に投げてしまい、ピンポイントでリゼに当たって溢れてしまった。

 

千夜「あらまあ。」

 

楽兎「リゼ!!」

 

シャロ「ぎゃーー!!すみません!今拭きますから!」

 

チノ「それティッピーです!」

 

雑巾代わりにティッピーを持って行くシャロ。

 

ティッピー「苦しい・・・!やめろ!やめないか!」

 

シャロがティッピーを強く押し込む。

 

千夜「慌てないで。」

 

ココア「着替え持って来たよ。」

 

シャロ「ハッ!?」

 

ココアと千夜がメイド服を持って来た。リゼがメイド服を着た。

 

シャロ「この服・・・」

 

ココア「リゼちゃんのクローゼット勝手に開けるの悪かったから。」

 

シャロ「せ・・・先輩にメイド服なんて・・・」

 

リゼ「いや・・・これで良い・・・」

 

シャロ「え?」

 

みくる「あら?気に入ったみたいだね。」

 

 

 

 

 

 

その頃楽兎と緑羽太はモデルガンを取ってポーズを取っていた。

 

楽兎「凄いなこりゃ。」

 

緑羽太「本物と同じクオリティだな。」

 

みくる「私にも混ぜてー!」

 

楽しんでる2人の間に入ったみくる。

 

 

 

 

 

 

千夜「そうだわー。皆メイドさんになった所でアレにしましょ。」

 

5人で王様ゲームならぬお嬢様ゲームをする事に。くじを引いたチノ。当たりを引いた。

 

チノ「当たってしまいました・・・」

 

ココア「チノちゃんがお嬢様ね!」

 

王冠を被せるココア。

 

チノ「私こう言うの苦手で・・・」

 

ココア「なーんでも命令して良いんだよ!抱き締めて欲しい?モフモフして欲しい?」

 

チノ「じゃあココアさん。もっと真面目に仕事して下さい。」

 

ココア「なんて無慈悲な命令を!?」

 

チノ「コーヒーの味を覚えて下さい。セロリを食べて下さい。寝坊しないで下さい。」

 

リゼ「普段と何も変わらないな・・・」

 

楽兎「苦手なセロリ押し付けてるな。」

 

ココア「じゃあ次千夜ちゃん。」

 

今度は千夜が当たりを引いた。

 

千夜「今度は私がお嬢様よ。」

 

ココア「愛のある命令をお願いね・・・」

 

千夜「くるしゅうない。面を上げい。」

 

すると扇子を広げてソファーに横たわる。

 

ココア「お殿様!」

 

千夜「違ったかしら?」

 

リゼ「かなり和風だったな。」

 

千夜「じゃあ、パンが無いならうさぎの餌を食べれば良いじゃなーい。」

 

シャロ「革命が起きそうな台詞ね。」

 

リゼ「畏まりました。ではうさぎの餌をご用意致します。」

 

お嬢様ゲームを楽しんでる5人。

 

楽兎「何だかリゼも楽しんでるよな。」

 

緑羽太「確かに。楽しそうで何よりだな。」

 

みくる「本当だねぇー。青春だねー。」

 

するとリゼが何か視線を感じた。視線を感じる方を見ると顔を赤くした。そこに居たのは、髭を生やした眼帯の男性が見ていた。その男性は微笑んでた。

 

リゼ(親父に見られた!!)

 

男性の正体は、リゼの父親だった。

 

 

 

 

 

 

数日後、リゼの捻挫が完治されて、ラビットハウスに無事復帰した。

 

リゼ「足はもう大丈夫だ!心配掛けたな。」

 

楽兎「なぁに大丈夫さ。完治されて良かったな。」

 

緑羽太「完全復帰を果たしたな。」

 

ココア「お帰りなさいませ、お嬢様。」

 

リゼ「お嬢様とかやめてくれよ・・・」

 

ココア「メイドさんごっこ、楽しかったね。」

 

リゼ「シャロはもちろん、千夜のお嬢様役が意外にもはまってたりな。」

 

ココア「リゼちゃんも楽しんでたし、なりきってたよね。」

 

リゼ「な・・・なりきってなんかない!」

 

ココア「あ!そう言えばチノちゃんたらうっかり使用人さんにね。」

 

チノ「ココアさん!」

 

話そうとするが、チノに止められた。そこに青山が来店した。

 

青山「こんにちはー。」

 

リゼ「お帰りなさいませ!お嬢様!」

 

敬礼して笑顔で接客するリゼ。

 

楽兎「リゼが、もうメイドになりきってる。」

 

緑羽太「今度はあの癖を完治させないとな。」

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

       部下A:濱野大輝
       部下B:村田大志

タカヒロ「この店で、白いふわふわしたお化けを見たんだ。」

ティッピー「何じゃと?」

タカヒロ「本当だ。足元にゴロゴロと迫って来て・・・」

ティッピー「怖い!」

次回「回転舞踏伝説アヒル隊」

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15羽「回転舞踏伝説アヒル隊」

学校の美術室で互いの似顔絵を描く授業をしているココアと千夜。

ココア「変な顔になっちゃったらごめんね。」

千夜「私こそ似なくて・・・」

千夜作のココアの似顔絵を見せる。ココアの顔が浮世絵風になってた。

ココア「浮世絵!?」

千夜「写実的な絵は苦手なの。もっと絵が上手ければ甘兎庵のメニューだって華やかに出来るんだけど・・・」

ココア「成る程!よし!それ頂き!」

アドバイスを頂いたココアが早速描く。しかし。

ココア「ダメだ・・・ラビットハウスの場合・・・全部同じになったよ・・・」

コロンビア、マンデリン、モカの絵を描いた。名前は違うが、絵は全く一緒だった。

千夜「バリスタさんなら見分けられるのかしら?」


学校が終わり、一緒に下校するココアと千夜。

 

千夜「北斎様は、美人画の他にマンガも描いていたのよ。」

 

ココア「へー!雑誌に連載してたのかな?」

 

千夜「そのマンガじゃなくて・・・あら?」

 

ココア「ん?わー!」

 

噴水広場にチマメ隊を見付けた。3人は咲いてる花を見ていた。

 

ココア「チノちゃん!マヤちゃん!メグちゃん!」

 

マヤ「お!ココア!」

 

駆け寄って3人に抱き付くココア。

 

ココア「可愛い妹達!」

 

チノ「やめて下さい!」

 

千夜「皆、何してたの?」

 

メグ「千夜ちゃん、こんにちは。」

 

マヤ「うちの学校、芸術月間なんだ。」

 

ココア「芸術月間?」

 

メグ「それで今度写生大会と創作ダンス発表会があって、写生で何描こうかなーって街中なら何処でも良いの。」

 

チノ「はあ・・・写生大会にダンス、どちらも下手っぴなので念入りに準備しないと・・・」

 

メグ「私チノちゃんの絵好きだよ。」

 

落ち込むチノを励ますメグ。

 

チノ「ありがとうございます。」

 

ココア「自信持って!チノちゃんの描く絵、とっても前衛的なんだから!」

 

チノ「だから悩んでるんです・・・!はあ・・・何を描こう・・・」

 

ココア「私が描くならこんな構図かな?この風景いいな!名画確定だね!」

 

指で四角を作り、カメラに見立てて真ん中を見る。

 

ココア「は!野良うさぎ発見!」

 

するとうさぎがおしっこした。

 

ココア「あ!おしっこした!私の名画が汚された気分!」

 

マヤ「さっきから何言ってんの?」

 

メグ「千夜さん!」

 

千夜「ん?」

 

メグ「人物画だったら千夜さん絵になりそう!和風美人さんだし!」

 

千夜「まあありがとう!私で良ければオプションサービスするわ。」

 

想像では、兜を被って、刀を肩に乗せる。

 

マヤ「兜って!難易度上昇してね!?」

 

今度は鎧姿を想像する。

 

千夜「鎧の方が良いかしら?」

 

マヤ「どうせなら喫茶店描いてみたいな!甘兎庵とか!」

 

千夜「それならサービスでお店をデコレーションしてあげる。いらっしゃいませ!」

 

看板にイルミネーションがデコレーションしてる想像をする。

 

ココア「千夜ちゃんは商売上手だね!」

 

 

 

 

 

 

その後チノ達と一緒に帰るココア。

 

ココア「バイバイ!」

 

千夜「またね!」

 

チノ「またです。」

 

マヤ・メグ「じゃあね!」

 

途中で千夜と別れた。

 

ココア「創作ダンスは3人チームなの?」

 

マヤ「そう!私とメグとチノで!」

 

メグ「まだ振付決まってないんだ。」

 

マヤ「まあなんとかなるよ!」

 

ココア「頑張ってね!チノちゃん、写生大会は何描くか決まった?」

 

チノ「いえ・・・」

 

すると4人は、フルール・ド・ラパンを見付けた。

 

ココア「フルールドラパン!うん!絵になると思うよ!」

 

メグ「お洒落だねー!」

 

チノ「はい、でも難しそうです。窓も多いし。」

 

マヤ「建物はパースを掴めば上手く描けるって聞いた事あるよ。」

 

チノ「パース?」

 

マヤ「そうそう、パース。なあメグ!パースって何だっけ?」

 

メグ「え!えーと・・ココアちゃん、パースって何だっけ?」

 

ココア「お答えしましょう!ちょっと待っててね。チノちゃん、パースって何だっけ?」

 

チノ「え!あれ・・・」

 

マヤ「まあ早速描いてみよう!」

 

 

 

 

 

 

フルールではシャロとみくるが働いてた。するとシャロが外を見た。

 

シャロ「ん?」

 

みくる「どうしたのシャロちゃん?ん?」

 

外を見ると、外から4人が対象物の大きさを測るように。ペンの角度を90度に立てて、片目で見ている。

 

メグ「このポーズ何?」

 

マヤ「画家っぽいポーズ。」

 

チノ「画家っぽい・・・」

 

ココア「うん!」

 

シャロ「ホームラン予告!?」

 

みくる「おお!野球選手でも目指すのかな?」

 

マヤ「私達に風景画はまだ早いと思うんだ。」

 

メグ(建物描くの面倒臭いんだ・・・)

 

心の中でそう突っ込むメグ。

 

マヤ「果物や花瓶のデッサンから始めよう。何か面白い物無いかな?」

 

メグ「ラビットハウスの中なら面白い物ありそうだね。」

 

チノ「コーヒーミルとか蓄音機ですか?」

 

ココア「私の働いてる姿とかどう?」

 

自分が働いてる姿を想像する。

 

ココア『いらっしゃいませ!』

 

チノ「動いたらダメです!」

 

ココア「可愛い妹たちの為なら、石膏像になる覚悟もあるよ!」

 

チマメ隊「えー・・・!」

 

 

 

 

ラビットハウスで絵を描く事に。マヤがペンを90度立てて片目で、グラスを拭いてるリゼを見る。

 

マヤ「うーん・・・これって何か意味あるの?」

 

リゼ「知らないでやってたのか?今からお前を描くぞっていう宣戦布告!なんて。」

 

メグ「じゃあティッピーに宣戦布告!」

 

信じてしまったメグ。

 

リゼ「(信じた!)ち・・・違うぞ・・・本当はモチーフの大きさを測る為にだな・・・」

 

緑羽太「マヤちゃん達は何をやってるんだ?」

 

モカを飲んでる緑羽太。

 

楽兎「写生大会の授業で、何を書こうかと探してるんだ。」

 

そこで今度はティッピーを描く事に。

 

ティッピー「ソワソワソワソワソワソワ・・・くせっ毛とか大丈夫か?」

 

チノ「何時もと全く変わりません。」

 

楽兎と緑羽太とココアが3人を見て、リゼがコーヒーミルで豆を挽いてる。

 

マヤ「動いたら経験値にするぞ!」

 

ティッピー(特技はぬいぐるみ達と同化する事じゃ。)

 

そして3人は、ティッピーの絵を描いたが。

 

メグ「綿飴にしかならない・・・」

 

チノ「シンプルなほど難しいんですね。」

 

マヤ「第二形態とかないの?」

 

ココア「進化出来る?」

 

ティッピー『ティッピー!ティッピー!ティッピー!』

 

羽を生やして飛んでる自分を想像するティッピー。

 

楽兎「何か怖いな・・・」

 

緑羽太「無茶あり過ぎ・・・」

 

そして2枚目も描いたが、どれもイマイチだった。

 

チマメ隊「うーん・・・」

 

ココア「リゼちゃんと楽兎君の絵も見てみたいな!ラテアート上手だし。」

 

リゼ「え?美術は好きじゃないんだけど・・・」

 

楽兎「俺もあんま絵は得意じゃないし・・・」

 

2人が描く。

 

リゼ「こ・・・こんな感じかな?」

 

楽兎「どうだ?」

 

2人が描いたティッピーは、毛先が綺麗で繊細なティッピーの絵だった。

 

チマメ隊「おー!」

 

チノ「な・・・なんて繊細な毛先のティッピー!」

 

緑羽太「楽兎相変わらず上手いな。」

 

楽兎「これくらい普通だ。」

 

3人がリゼと楽兎に教え欲しいと申し込む。

 

マヤ「コツ教えて!」

 

メグ「私も教えて欲しいな!」

 

リゼ「こう言うのはちょっと・・・」

 

チノ「お願いします!」

 

楽兎「いやぁ参ったな・・・」

 

ココア「そのくらいでお姉ちゃんぶってんじゃないよ!」

 

描いてと言った本人が怒ってた。

 

リゼ「お前が描けって言ったんだろ!」

 

楽兎「理不尽だなおい!!」

 

描いた絵をリゼに見せるマヤ。

 

マヤ「見て!」

 

リゼ「ギャグマンガか!?」

 

ココア「キュピズム!」

 

メグ「楽兎さん、チノちゃんとマヤちゃんに比べて私の絵って普通?」

 

楽兎「いや、そんな事ないと思うぞ?」

 

チノ「はあ・・・私はメグさんの絵の方が好きです。」

 

メグ「お互いちょびっとだけ交換出来たら良いのにね。」

 

マヤ「普通は何を描いても受け入れられるよ!フリーダム!」

 

メグ「そっか!普通って凄いんだね!世界中が普通で満ちてたら良いのにな。」

 

マヤ「普通なのに世界レベル!?」

 

緑羽太「もしかしたらメグちゃんは純粋な存在なのかな?」

 

マヤ「あ!ねえ兄貴。」

 

楽兎「ん?マヤちゃんどうしたの?」

 

マヤ「聞きたい事があるんだけど、パースって何?」

 

楽兎「パースかぁ。パースはパースペクティブと言う略で、簡単に言えば、遠近法、遠近図法の事を言うんだ。例えばこんな風に。」

 

ラビットハウスの中の絵を描く楽兎。

 

楽兎「はい出来た。こんな感じだ。」

 

ラビットハウスの奥までも細かく描き上げた。

 

マヤ・メグ「おー!」

 

チノ「凄いです!楽兎さん流石です!」

 

ココア「そのくらいでお兄ちゃんぶってるんじゃないよ!」

 

楽兎「本当理不尽だなお前!」

 

 

 

その後3人は、テーブルに置かれてるカップとティーポットとりんごのデッサンを描く。

 

チノ「やっぱり・・・下手っぴです・・・」

 

自暴自棄になったチノ。すると聞き覚えのある声が聞こえた。

 

青山「個性という立派な色を持ってますよ。」

 

チノ「青山さん。」

 

楽兎「青山さん何時の間に!?」

 

緑羽太「楽兎の言った通り神出鬼没だな。」

 

青山「もっと堂々と見せて下さい。せっかく良い物を持ってらっしゃるんですから。」

 

チノ「あの・・・青山先生と呼ばせて下さい!」

 

青山「え?はい、呼ばれ慣れてますから。」

 

ココア「青山さんを見てお姉ちゃんらしい事を思い付いたよ。」

 

リゼ「ん?」

 

ココア「妹達の才能を褒めて伸ばせば良いんだ。」

 

リゼ「ほう。」

 

ココア「皆頑張ってるね!私からの差し入れだよ。」

 

3人にお茶を差し出す。

 

メグ「ありがとう!ココアちゃん!」

 

マヤ「気が効くね!」

 

チノ「今日は少しだけしっかりしてます。」

 

ココア「やったーーー!」

 

3人に褒められたココア。

 

リゼ「逆だ・・・」

 

楽兎「お前が褒められてどうする?」

 

 

 

 

 

 

そして3人が描いた絵を壁に飾る事に。

 

ココア「今日描いた絵をお店に飾ってみたよ!」

 

チノ「期間限定ですよ・・・」

 

ココア「皆の頑張りの温もりに包まれてるみたいだね。」

 

マヤ「もっと真面目に描けば良かった・・・!」

 

メグ「恥ずかしいな・・・」

 

リゼ「一番恥ずかしいのは・・・シャロだろ・・・」

 

マヤ「お店描くの難しかったから。」

 

緑羽太「何かシャロが可哀想になってきたな・・・」

 

楽兎「トラウマ植え付けられそうだな・・・」

 

 

 

 

 

 

数日後、チノが写生大会で描いた絵を見せる。

 

チノ「あの・・・写生大会の時の絵見てもらえますか?」

 

ココア「このラビットハウス!」

 

リゼ「凄く良い!」

 

楽兎「ああ!立派だ!」

 

褒められて笑顔になるチノ。

 

リゼ「個性を貫いたのか!」

 

ココア「見て!時代を変える力強い絵って評価が書いてある。」

 

ティッピー「ほう。」

 

チノ「わ・・・私はバリスタを目指すんです!画家にはなりませんよ!」

 

ココア「あ、でも点数は低いんだ。」

 

リゼ「趣旨が違うからな。」

 

チノ「私の信念の前では些細な事です。」

 

楽兎「大丈夫さ。少しずつ経験積めば上手くなれるから。」

 

 

 

 

 

 

夜のバータイムでは、ティッピーが絵を見ていた。

 

ティッピー「たまにはこう言うのも良いじゃろ。」

 

タカヒロは高速でグラスを拭いた。

 

ティッピー「いや良くないな!」

 

これにはティッピーもダメだった。

 

 

 

 

 

 

数日後、チマメ隊は、体育館で創作ダンスの練習をしていた。マヤはやる気だが、チノとメグは体育座りしていた。

 

マヤ「メグもチノも創作ダンスの授業やる気無さ過ぎ!曲も振付も決まってないのうちらのチームだけだよ!」

 

チノ「踊りで芸術性を表現しろと言われても、運動苦手な私ができる事は風に揺れる木くらいです。」

 

メグ「じゃあ私お花ー。」

 

チノ「後はマヤさんが風になれば・・・」

 

メグ「テーマは「風にも負けず雨にも負けず」だねー。」

 

ゆらゆら揺れるチノとメグ。花と木のように揺れる。

 

マヤ「クールじゃねー!!」

 

風ではなく嵐になるマヤ。

 

マヤ「ほらほら立って!じゃあウォーミングアップするよ。適当な曲流して。」

 

 

 

 

 

 

ラジオで曲を流してウォーミングアップを始める。

 

マヤ「まずはウサギみたいにジャンプ!」

 

マヤ・メグ「ぴょん!ぴょん!」

 

うさぎのようにジャンプするマヤとメグ。チノはジャンプしない。

 

マヤ「そこですかさず・・・ムーンウォーク!」

 

メグ「えー!?」

 

マヤ「そしてターン!」

 

ムーンウォークとターンを見事に披露するマヤ。

 

メグ「ム・・・ムーンウォーク・・・あ!」

 

バランスを崩してしまい、倒れたメグ。

 

チノ「のんびりなのがメグさんの良いところです。」

 

マヤ「どうしたんだよ!メグ!チノは踊ってすらいねー!」

 

チノ「実は・・・」

 

マヤ「お!CD持って来たの?」

 

チノ「父が持ってた物です。」

 

タカヒロが持ってたCDを持って来てたチノ。

 

マヤ「どれどれー。」

 

早速再生する。オーケストラのような曲だった。

 

マヤ「へえー!良い曲じゃん!」

 

メグ(は!この曲は!?)

 

するとメグが突然。

 

メグ(か・・・身体が勝手に!)

 

操られてるのかのように突然踊り出した。

 

チノ「は!」

 

踊り出したメグにビックリしたチノ。

 

チノ「この曲に魔法の力が・・・!」

 

マヤ「あー、メグはね、お母さんがバレエ講師だから昔習ってたんだ。知らなかった?」

 

メグ「やっちゃった・・・」

 

恥ずかしくなったメグ。

 

チノ「成る程。身体に染み付いてるんですね。」

 

マヤ「私もやってた。」

 

チノ「え!?」

 

マヤ「続かなかったけど。」

 

チノ「(私がバレエを踊れたらこの課題はクリア出来ていた!)あの・・・今からメグさんの家で習うのって大変なんでしょうか?」

 

メグ「え!うちで?」

 

マヤ「バレエを混ぜた創作ダンスか。楽しそう!」

 

メグ「お母さん喜ぶだろうなー!お試しでやってみる?」

 

チノ「は・・・はい!」

 

マヤ「レオタードが無いなら水着でも良いよ。」

 

チノ「はい!」

 

メグ「マヤちゃん!嘘教えちゃダメ!」

 

チノに嘘を教えるマヤ。

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスに帰ったチノは、何時もと違ってた。

 

ティッピー「今日は景色が高い気がするのう。」

 

チノ「つま先立ちで仕事します。」

 

なんとつま先で歩いてた。

 

ココア「はー!」

 

チノ「私バレエを始めるんです。」

 

ティッピー「まさか・・・わしの喫茶店・・・捨てられるの!?」

 

チノ「あの二人に追い付くんです!」

 

リゼ「ここの仕事ばっかりだったチノが習い事なんてな。」

 

楽兎「今度創作ダンスでバレエをするらしいからつま先で歩いてるんだ。」

 

リゼ「成る程。」

 

ココア「も・・もしもし・・ち・・千夜ちゃん!チノちゃんの身長がきゅ・・・きゅ・・・急に伸びたの!ううん・・悪い物は食べてないはずだけど!」

 

千夜に電話しているココア。

 

 

 

 

 

 

後日、チノはバレエ教室でバレエを習い始める。講師はメグの母。

 

メグ「大丈夫?」

 

余程疲れたのか、バテるチノ。

 

チノ「バレエって・・・もっと綺麗に出来るものかと思ってました・・・凄く汗をかくし・・・身体が付いて・・・いきません・・・」

 

メグ「初日だから無理しないでね?」

 

マヤ「そんなんじゃトウシューズへの道は遠いぞ。」

 

チノ「トウシューズ!?」

 

トウーシューズとは、バレエを踊る時に履く靴の事である。

 

チノ「そんな・・・!」

 

メグ「あれは身体作りがしっかりできてないと履けないんだよ。」

 

チノ「私は白鳥になれないアヒルの子です・・・うー・・・」

 

メグ「私達も履いてないよ。」

 

そしてレッスンを再開する。数々のレッスンを経験するチノ。

 

 

 

 

 

 

あれから数日後。

 

メグの母「はいそのまま!アンドゥトロワ!アンドゥトロワ!」

 

片足を上げてバランスを取る。チノは大分上達してきてる様子だった。

 

メグの母「はいそこまで。じゃあ休憩しましょう。」

 

チノ「ど・・・どうでしたか?」

 

メグ「うんうん!慣れて来てるよ。」

 

マヤ「たった数日でそれだけできれば大したもんだよ。」

 

チノ「そ・・・そうですか・・・?」

 

ココア「そうだよ!」

 

そこに寝転がって片足を上げいてるココアと、椅子に座って見学してる楽兎と緑羽太とみくるが居た。緑羽太の前に3脚を立ててビデオカメラで撮っていた。

 

チノ「ココアさん!?」

 

マヤ「すげー寛いでるし!」

 

チノ「何故ここに?」

 

ココア「最近凄く頑張ってるから差し入れだよ。メグちゃんのお母さんがぜひ見学してって言ってくれたの。」

 

楽兎「俺達はココアの誘いで見学しに来てるから心配無い。」

 

緑羽太「ここはカメラ撮影禁止だけど、特別に許可を頂いてるから大丈夫だ。」

 

みくる「そして何でココアちゃんがこんな体勢になってるのかと言うと。」

 

ココア「試してたら・・・足つっちゃって・・・!」

 

チマメ隊「え!?」

 

 

 

 

 

 

休憩に入り、ココアが持って来た差し入れのクッキーとコーヒーをいただく。

 

マヤ「美味しい!」

 

メグ「ラビットハウスのコーヒーも美味しいね!」

 

ココア「痛かった・・・」

 

ようやく足が治ったココア。相当痛かったらしい。

 

マヤ「ダンスのテーマを喫茶店にするのは!?」

 

チノ「喫茶店!」

 

メグ「こうかな?コーヒー豆が挽かれてる様!」

 

挽かれるように回転するメグ。

 

チノ「なるほど!」

 

マヤ「コーヒーを淹れる様!お客様にコーヒーをお出しする様!」

 

チマメ隊「どうぞ!」

 

3人同時にポーズする。

 

ココア「生贄を捧げる儀式かな?」

 

緑羽太「ココアちゃん、それは違うぞ?」

 

 

 

 

 

 

その後、今度はリゼが差し入れのケーキを持って来た。

 

リゼ「チマメ隊!今日は私が差し入れだぞ!」

 

メグの母「もっと手を伸ばしてー!」

 

ココアもレッスンを受けてた。

 

リゼ「ココア!?」

 

 

 

 

 

 

その後、今度は千夜とシャロが見学に来た。

 

千夜「ココアちゃんに見学に誘われたのよ。」

 

シャロ「しょうがないわね・・・バレエにはちょっと興味あるし。」

 

教室に入る2人。

 

千夜「失礼しまーす。」

 

メグの母「足をまっすぐにー!」

 

リゼもレッスンを受けてた。

 

シャロ「リゼ先輩!?」

 

千夜「リゼちゃん!?」

 

楽兎「みくるはやらないのか?」

 

みくる「私はここで保護者気分を味わいたいわ。」

 

 

 

 

 

 

リゼとシャロとメグが華麗な踊りを魅せた。マヤは悔しがっていた。

 

チノ「既に私より上手い・・・」

 

マヤ「こっちの先輩も良いとこ見せてよ!」

 

千夜「合点承知よ!」

 

ココア「最高のパ・ド・ドゥをお見せするよ!」

 

ココア・千夜「アン!ドゥ!どっこいしょ・・・・」

 

綺麗に魅せるが、最後千夜が支え切れず、ココアの頭が床にぶつけてしまった。

 

チノ・マヤ「見てられない!」

 

リゼ「ココア達はこうやりたかったのか?」

 

シャロと一緒にグラン・パ・ド・ドゥを華麗に披露したリゼ。周りが拍手する。

 

メグ「わー!2人共綺麗!」

 

マヤ「白と黒の白鳥かよ!」

 

チノ「黒は黒鳥です。」

 

みくる「黒の白鳥だったらもう白鳥じゃないよ。」

 

リゼ「決めるぞ、シャロ。」

 

シャロ「は・・・はいーーーーーーーーー!!」

 

リゼがシャロを高速回転させた。

 

マヤ「すげー!目が追い付かない!」

 

緑羽太「後でスロー再生するか。」

 

回ったシャロが倒れた。

 

ココア「倒れた。」

 

幸せそうな顔をしていた。

 

マヤ「でも幸せそう!」

 

楽兎「もうリゼはプロレベルだな。」

 

 

 

 

 

 

メグの母「シャロちゃん、リゼちゃん、是非うちの生徒にならないかしら。」

 

それを見たメグの母はリゼとシャロをスカウトした。

 

リゼ「いや、バイトがあるので。」

 

シャロ「私お金が・・・あ!いえ!私もバイトが!」

 

メグの母「2人共才能あるわ。」

 

マヤ「メグのお母さんが忙しそうだから、私がココアと千夜のコーチするね。」

 

ココア・千夜「はい!コーチ!」

 

マヤ「メグはチノ担当!」

 

メグ「うん!うふふふ。」

 

嬉しそうに笑うメグ。

 

チノ「メグさん?」

 

マヤ「まず基本の足はこう!」

 

ココア・千夜「はい!」

 

リゼ「やっと解放された・・・」

 

シャロ「ホントはやりたかったな・・・(お金さえあれば・・・)」

 

メグの母のスカウトから解放された。

 

ココア「見て見て!」

 

リゼ・シャロ「ん?」

 

ココア「後ろに滑りながら歩けるようになったよ!」

 

ムーンウォークを魅せるココア。

 

千夜「バレエって凄いわー!」

 

リゼ「それムーンウォーク!」

 

楽兎「マイケル・ジャクソンじゃん!!」

 

メグ「あははははは!もう!何がなんだかだよ!」

 

楽しそうに笑うメグ。メグの母は自分の娘を見て微笑んだ。

 

マヤ「お!ここであんなに楽しそうなメグ、久し振り!」

 

チノ「そうなんですか?」

 

マヤ「人前で踊るの恥ずかしくなって以来やめちゃったからさ。あがり症だし。」

 

チノ「でもバレエされてるメグさんは凄く素敵です。私も何時かあんな風になれるでしょうか?きっとメグさんは明日の創作ダンス発表も輝いてます。」

 

マヤ「あれ!?振付決めてなくね!?」

 

創作ダンスの事を忘れていた。

 

 

 

 

 

 

数日後、創作ダンスを終えたチノが帰って来た。

 

チノ「ただいまです。」

 

ココア「おかえり、チノちゃん!」

 

緑羽太「お!帰って来たか。」

 

リゼ「創作ダンスの発表会どうだった?」

 

チノ「まあまあです。来年はもっと上手く出来ると思います。」

 

リゼ「そっか。」

 

ココア「うん!」

 

楽兎「チノちゃんなら上手く出来るぞ。」

 

ココア「ん?ティッピー!?」

 

ティッピーは泣いていた。嬉し泣きのようだ。

 

リゼ「チノがバレエでしばらく喫茶店から離れてたからな。」

 

チノ「ティッピー・・・大袈裟です。」

 

ティッピー「チノが帰ってきた・・・!」

 

ココア「そうだ!私ピルエット出来るようになったんだよ!アン!ドゥ!トロわあ!!」

 

ピルエットをするが、壁にぶつかった。

 

楽兎「何やってんだよ。」

 

するとチノがピルエットを綺麗にこなせた。

 

楽兎「チノちゃん凄いな・・・」

 

緑羽太「よし!俺達もバレエ始めようぜ!」

 

楽兎「何でだ!?やらねえよ!」

 

リゼ「何時か本当に履けるかもしれないな、トウシューズ。」

 

また新しい経験を重ねたチノであった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

      メグの母:井上喜久子

タカヒロ「親父、1つ聞きたいことがある。」

ティッピー「何じゃ?」

タカヒロ「この絵は、何時まで飾っているんだ?」

ティッピー「店が潰れるまで。」

次回「ココア先輩の優雅なお茶会チュートリアル」

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16羽「ココア先輩の優雅なお茶会チュートリアル」

季節はもうすぐ春。チノはマヤとメグと一緒に下校して、途中で桜の木を見た。

チノ「あ・・・」

目の前に桜の花びらが落ちて来て、片手でキャッチしてそのままバレエのようにクルクル回って綺麗に決まった。それを見たマヤとメグは拍手した。

マヤ「おー!チノすっかりバレエにはまったよね。」

メグ「自然にターンしちゃうほどにね。」

チノ「ち・・・違います。これは・・・その・・・す・・・酔拳です!昨日テレビでやった映画で観たんです!」

酔拳とは、中国武術の一種で、まるで酒に酔っ払ったかのような独特な動作が特徴的な拳種に冠せられた総称である。1978年に酔拳が映画公開され、ジャッキー・チェンが主演をした。

マヤ「おー!」

メグ「わー!」

マヤ「何だそれー!」

メグ「その言い訳マヤちゃんみたい!」

チノは笑った。






途中でマヤが何かを見た。

マヤ「ん?花を持った高校生が多いね。」

メグ「今日高校は卒業式だよ。」

それはココアと千夜が通ってる高校の卒業生達だった。手には花と卒業証書があった。

マヤ「そう言えば、進路どうしようかな?」

チノ「もう考えなくてはいけない時期ですね。卒業式と言えばココアさんは・・・」

メグ「まだ卒業しないでしょ?」

チノ「進級出来るんでしょうか?」

マヤ「そっちか!」

メグ「大丈夫だと思うよ。」

チノ「言ってみただけです。」

ココア「チノちゃーん・・・!」

チマメ隊「ん?」

声がした方を見ると、何とココアが泣きながら歩いてた。

チマメ隊「大丈夫じゃなかった!?」


公園にで、どうして泣いてたかをココアに尋ねる。

 

ココア「卒業式に感動しちゃって・・・」

 

マヤ「なーんだもう。」

 

メグ「びっくりしたよー。」

 

泣いてた理由は進級出来なかったのではなく、卒業式に感動したからである。

 

ココア「それに、私がこの街に来てからもうすぐ一年経つんだなーって思ったら・・・あっと言う間だね!」

 

チノは嬉しそうな笑顔をした。するとそこに。

 

リゼ「あ、いたいた。ココアー。」

 

4人「ん?」

 

そこにリゼとシャロと千夜が来た。

 

シャロ「何で泣いてんのよ。」

 

ココア「だって・・・」

 

チノ「待ち合わせしてたんですか?」

 

リゼ「ああ。進級祝いにお茶しようって。」

 

シャロ「美味しい喫茶店見付けたの。」

 

千夜「チノちゃん達も一緒にどうかしら?」

 

チマメ隊「は!」

 

メグ「もしかして・・・!」

 

マヤ「他の店に浮気!?ラビットハウスから卒業するの?」

 

チノ「は!?」

 

ココア「違うよ!」

 

即否定するココア。そしてこの公園にあの3人が居た。

 

緑羽太「もうちょい上かな?」

 

楽兎「なあ緑羽太、これ何時までやるんだ?」

 

緑羽太「後2時間かな?」

 

みくる「または4時間かな?」

 

楽兎「しんどいわ!後2倍に増やすな!」

 

ある3人とは楽兎達だった。緑羽太がカメラを楽兎に向けて、楽兎がY字バランスをしていた。みくるは緑羽太の後ろから観察。

 

チノ「楽兎さん?」

 

楽兎「ん?おー!皆お揃いでどうしたんだ?」

 

リゼ「今日ココアと千夜の高校が卒業式だったから進級祝いにお茶しようとしてたんだ。て言うか楽兎、何でY字バランスしてるんだ?」

 

楽兎「いや、何かやる事ないから適当に何かやってくれって緑羽太が。」

 

緑羽太「もう良いぞ楽兎。お疲れさん。俺達も入れて良いか?」

 

楽兎「関節痛え・・・」

 

千夜「折角だし、3人も一緒に。」

 

みくる「良いわね!じゃあ早速行こう!」

 

 

 

 

 

 

こうして全員で喫茶店でお茶する事になった。場所は川沿いにある喫茶店。席は、高校生組と中学生組と大人組にそれぞれ別れた。

 

チノ「満席ですね。」

 

メグ「高校生組と大人組と席離れちゃったね。」

 

マヤ「私もあんな風に大人っぽくなりたいなー。」

 

チノ「大人っぽい?」

 

マヤ「後輩に、お茶して行こうぜって自然に誘うのー。」

 

チノ「成る程!」

 

メグ「ナチュラルに誘えるかなー?」

 

マヤ「じゃあメグ、ちょっとやってみ。」

 

メグ「え!?」

 

マヤ「ほらほら。」

 

メグ「で・・・出来るかな?えーと・・・コホン!」

 

お茶会に誘うチュートリアルをするメグ。

 

メグ「き・・・君可愛いねー!い・・・い・・・一緒にお茶して行かない・・・!?」

 

チノ「怪しいナンパです。」

 

マヤ「あはははははは!」

 

メグ「も〜う!」

 

マヤが笑ってチノとメグも笑う。

 

 

 

 

シャロがお茶をお嬢様みたいに優雅飲む。

 

メグ「シャロさんのお茶を飲む姿がお嬢様だよ!」

 

チノ「大人って感じです。」

 

メグ「私もあんな高校生になりたいなー。」

 

 

 

 

するとシャロが女性店員を呼んで、1枚の紙を見せた。

 

シャロ「この券、まだ使えますか?」

 

女性店員「無料券ですね。」

 

この喫茶店の無料券だった。

 

 

 

 

チノ「抜け目ないです!」

 

メグ「憧れるなー。」

 

マヤ「良いのかよ!?」

 

 

 

 

突然ココアが何かを感じた。

 

ココア「何だか妹を取られてる気がするよ!」

 

千夜・シャロ「ん?」

 

ココア「そうだ!」

 

 

 

 

 

 

その頃大人組は、何気ない会話をしていた。

 

みくる「何だか3人集まると昔を思い出すねー。」

 

楽兎「そうだな。幼稚園の頃からずっと一緒だったもんなー。」

 

緑羽太「もうあれから19年かぁ。時が経つの早いもんだな。」

 

みくる「ねぇ楽兎、どうしてラビットハウスで働こうと思ったの?」

 

楽兎「あー、そうだな、ラビットハウスの未来が見たいからかな?」

 

緑羽太「未来をか?」

 

楽兎「ああ。チノちゃんは将来バリスタになりたいって言ってたんだ。その姿を見届けたいからラビットハウスで働こうと思ってたのさ。それに母さんがラビットハウスで働くのを勧めてくれたんだ。」

 

緑羽太「楽兎ってさ、チノちゃんの事を大事にしてるよな?もしかして、一人っ子だからなのか?」

 

楽兎「まあな。緑羽太には妹が居るから羨ましいんだ。チノちゃんを見てると、本当の妹みたいで可愛くてさ。」

 

みくる「そうなんだ。じゃあ私が楽兎のお姉さんにしてあげても良いわよ?」

 

楽兎「いらねえよ。」

 

 

 

 

その頃中学生組は、大人っぽい事をしていた。優雅にお茶を飲むメグ。

 

メグ「こ・・・こうかな?大人っぽい?」

 

チノ「少し優雅になりました。」

 

そこに女性店員が何かを持って来た。

 

女性店員「失礼します。アフタヌーンティーセットです。」

 

ティーセットだった。

 

マヤ「おー!すげー!」

 

メグ「素敵ー!」

 

チノ「頼んでませんけど。」

 

女性店員「あちらのお客様からです。」

 

注文したのはココアだった。チノ達にグッドのサインを出した。

 

チノ「バーじゃないんですから・・・」

 

 

 

 

ココア(喜んでくれてる。可愛い妹達にお姉ちゃんからプレゼントだよ!)

 

 

 

 

マヤ「ありがとう!ココア!いただきまーす!」

 

メグ「待って!」

 

マヤ「ん?」

 

メグ「これって食べる順番があるって聞いた事があるよ。」

 

マヤ「マジで!?」

 

メグ「サンドイッチからだっけ・・それともスコーンから?えーと・・・えーと・・・」

 

チマメ隊「ごくり・・・」

 

食べる順番を考える3人。因みにティーセットの食べる正式な順番はサンドイッチ・スコーン・ペストリー(ケーキ)である。

 

マヤ「つまりこれを優雅に食べなきゃ・・・」

 

メグ「大人のレディにはなれない・・・ど、どうしよう・・・」

 

チノ「ここはシャロさん達を真似すれば・・・」

 

マヤ「それだ!」

 

高校生組を見る3人。しかし3人は驚いた。

 

チマメ隊「ホットドッグ食べてるー!」

 

なんとホットドッグを食べてた。

 

チノ「これ・・・どうすれば・・・」

 

メグ「向こうにも同じ物が!」

 

高校生組の席にティーセットが来た。

 

マヤ「真似するチャンス!」

 

チマメ隊「じー!」

 

 

 

 

高校生組をじーっと見る3人。ココアがまた何かを感じた。

 

ココア「ん?羨望の眼差しを感じるよ。」

 

千夜「いいえ。観察されているのかもしれないわ。」

 

ココア「観察!?」

 

リゼ「どうして?」

 

千夜「尊敬に値する先輩であるかどうか!」

 

リゼ・ココア「大袈裟な!」

 

ココア「そっか・・・分かったよ!」

 

シャロ「納得した!?」

 

ココア「皆!私の相対性理論の説明どうだった?」

 

リゼ「頭が良いアピール!?」

 

千夜「特殊相対性理論と一般相対性理論なら、特殊の方が好きだわ。」

 

リゼ「乗っかった!?」

 

シャロ「い・・・今どき、般若心経の暗記なんて楽勝よね。」

 

リゼ「シャロまで!?」

 

突然訳の分からない会話を始めた。

 

 

 

 

それを大人組が聞いた。

 

楽兎「般若心経って、難易度高いだろ。」

 

緑羽太「それに何だ?特殊相対性理論って、ココアちゃんアインシュタインにでもなりたいのか?」

 

みくる「凄く訳の分からない会話だわ。」

 

 

 

 

そして中学生組も。

 

チノ「特殊相対・・・」

 

マヤ「良く分からないけど、食べる前にお喋りを楽しむらしいね。」

 

メグ「成る程。大人っぽい会話をしなくちゃ・・・!えーと・・・えーと・・・」

 

マヤ「あ、私この前初めて兄貴をパシリに使ったよ!」

 

メグ「それは大人じゃないよ!こ・・・今度ラビットハウスのバータイムにお邪魔しちゃおうかな!」

 

マヤ「大人っぽい!」

 

チノ「よ・・・夜更かししちゃおうかな!」

 

マヤ「良いぞー!」

 

大人っぽい会話をする3人。

 

 

 

 

ココア「お姉ちゃんは許しませんよ!」

 

 

 

 

チマメ隊「聞かれてる!」

 

ココアに筒抜られた。

 

青山「アフタヌーンティーですか?楽しそうですね。」

 

何処からか青山ブルーマウンテンが突然現れた。

 

メグ「青山さん!」

 

チノ「あの・・・これの食べ方知ってますか?」

 

青山「ん?普通に食べるのはダメなんですか?」

 

メグ「普通・・・?そっか、普通で良いのかな?」

 

マヤ「待って!青山さんの普通は私達と違うかもしれない。」

 

青山(え?私普通じゃないんですか・・・?)

 

 

 

 

ココア「チノちゃん達が青山さんと話してる。」

 

リゼ「深刻な話っぽいぞ。」

 

千夜「青山さんに意見を求めてるんだわ。」

 

リゼ「何のだよ?」

 

千夜「もしかしたら・・・観察していたけど彼奴は尊敬出来ないって!」

 

ココア「そんな!」

 

リゼ「おいおい。」

 

そこに青山が来た。

 

青山「こんにちは。」

 

ココア「青山さん!こんにちは。」

 

リゼ・シャロ・千夜「こんにちは。」

 

青山「チノさん達に言われて観察しに来ました。」

 

チマメ隊「言っちゃダメです!」

 

ココア「そ・・・相対性理論か・・・」

 

千夜「特殊と一般と・・・」

 

シャロ「し・・・色即是空・・・く・・・空即是色・・・」

 

ココア「わ・・・私は宇宙ひも理論好きだな・・・」

 

千夜「あら・・・珍しい・・・私もよ・・・」

 

シャロ「え!?み・・皆そうなの?ぐ・・・偶然ね・・・私も・・・」

 

訳の分からない会話をまたしてるココアと千夜とシャロ。だがリゼは、チノ達を見て、席を外す。それと同時にチノ達も席を外し、リゼの後を追う。

 

 

 

 

リゼが向かったのはパウダールーム。後ろからチノ達が付いて来る。するとリゼが後ろに振り向くと、チノが後ろを振り向き、更にはメグが後ろに振り向き、そしてマヤが後ろに振り向き、まるでドミノのように後ろに振り向いた。リゼはチマメ隊が付いて来る理由を尋ねた。

 

リゼ「え?ティーセットの食べ方が分からなくて観察してた?」

 

チノ「は・・・はい・・・行動を真似てたら思わず付いて来てしまいました・・・」

 

リゼ「そんな堅苦しく考えなくても良いよ。」

 

マヤ「でも大人のレディには・・・!」

 

リゼ「こう言うのは楽しく食べれば良いんだよ。マナーなんてお互いが楽しむ為のものなんだから。」

 

マヤ「教官の教え、心に染みるよ!」

 

リゼ「え・・・?」

 

敬礼してリゼにお礼を言うチマメ隊。

 

 

 

 

その頃大人組は、ティーセットを見てた。

 

緑羽太「ティーセットかぁ。」

 

みくる「食べる順番は何なのかな?」

 

楽兎「最初にサンドイッチ、次はスコーン、そしてペストリーだ。」

 

緑羽太「そうなのか?お前物知りだな。」

 

楽兎「まあ、俺は何でも熱中する癖あるからな。」

 

 

 

 

その頃リゼとチノ達がパウダールームから戻って来た。

 

千夜「あ、戻って来たわ。」

 

ココア「席空いたからくっ付けて貰ったんだよ。」

 

高校生組と中学生組の席がくっ付いてた。

 

ココア「じゃーん!クジ引きで席をシャッフルしよう!」

 

リゼ「自分だけ後輩達と同じ卓になるように仕組むなよ。」

 

ココア「平等だよ!私、皆とお茶会出来るだけで楽しいんだから!」

 

 

 

 

クジを引いた結果。

 

マヤ「これ美味しい!」

 

メグ「うん!本当だー!」

 

マヤ「こっちのも食べてみてよ!」

 

メグ「うん!」

 

チノ達とは遠い席になってしまったココアが凹んだ。

 

リゼ「一番遠い席になったからって凹むなよ。」

 

ココア「と・・・遠い・・・」

 

メグ「あの、一つ聞きたい事が・・・」

 

ココア「何何何?何でも聞いて!」

 

チマメ隊「特殊相対性理論と一般相対性理論って何が違うんです?」

 

さっきの会話を聞かれたのか、ココアと千夜とシャロが固まった。

 

リゼ(調子乗ったばっかりに・・・)

 

心の中でツッコミながらお茶を飲むリゼだった。

 

 

 

 

 

 

夕方になり、お茶会は終了した。

 

緑羽太「あぁ〜たっぷり飲んだ〜!」

 

楽兎「ったく、飲み過ぎなんだよ緑羽太は。」

 

みくる「また今度お茶会したいねー。」

 

ココア「私もっと頑張ろう!」

 

リゼ「ああ。頑張れ。」

 

ココア「もっと触れて!」

 

リゼ「じゃあ何だ?」

 

ココア「もっとちゃんとお姉ちゃんとして成長しなきゃって!チノちゃん!カバン持ってあげようか?」

 

チノ「あ、いえ、結構です。」

 

ココア「お姉ちゃんに遠慮しないで良いんだよ。」

 

チノ「遠慮してません。」

 

ココア「じゃあおんぶしてあげる。遠慮しないでー!」

 

早歩きで逃げるチノをココアが追い掛ける。

 

チノ「してません!」

 

ココア「チノちゃーん!」

 

 

 

 

 

 

そしてラビットハウスに帰って来たココア達。ココアの部屋の机に1通の手紙が置かれていた。

 

ココア「お姉ちゃんからだ!今回は返事が早いなー。ん?」

 

 

 

 

 

 

翌朝、早起きするチノ。ココアの部屋へ向かい、ココアを起こす。

 

チノ「ココアさん、朝ですよ。」

 

ドアをノックするが、返事が来ない。

 

チノ「ココアさん?入りますよ。」

 

ドアを開けて部屋に入ると、ベッドの布団が膨らんでた。仕方なく揺らして起こす事に。

 

チノ「ココアさん、春休みだからって寝坊はダメですよ。ココアさん。」

 

やむ得ないを得ないと思い、布団を上げるとチノが驚いた。

 

チノ「ぬいぐるみ!?」

 

布団の中には、ココアではなくぬいぐるみだった。

 

ココア「おはよう、チノちゃん。」

 

チノ「は!」

 

ココア「朝食が冷めちゃうよ。」

 

後ろに振り向くと、ココアがナルシストのように立っていた。右手には焦げたホットケーキを乗せた皿を持っていた。

 

チノ「何時もと違う!でも焦げてる!」

 

ココア「朝食が済んだら特殊相対性理論と一般相対性理論の違いを教えてあげるわっ!」

 

チノ「ココアさん・・・」

 

様子が可笑しいココア。

 

 

 

 

 

 

その後チノがリゼにその事を伝える。

 

リゼ「ココアの様子が変?」

 

ココアは元気良く窓拭きをしてる。

 

リゼ「確かに・・・」

 

ティッピー「何時もより動きが機敏じゃ。」

 

今度はティッピーを機敏に撫でる。

 

ティッピー「何じゃこりゃ・・・」

 

リゼ「ティッピーの撫で方も機敏だ!」

 

ココア「いらっしゃいませ。」

 

青山を機敏に接客するココア。青山は唖然としてた。

 

リゼ「客の招き方も機敏だ!」

 

楽兎「どうしたんだ?今日のココアは?」

 

緑羽太「何か変な物でも食ったのか?」

 

今日の緑羽太はカプチーノを飲んでる。

 

ココア「お席へご案内します。」

 

青山「ジェントルメーン!」

 

優雅に席を案内する。

 

チノ「違うお店みたいなのでやめて下さい。」

 

楽兎「ここはホストクラブか?」

 

チノ「そう言えば、何時もと分け目が逆です。」

 

リゼ「本当だ。」

 

ココアの分け目が右ではなく左になっていた。

 

リゼ「偽物かもしれない!そうだ!」

 

チノ「もふもふもふもふ・・・」

 

ロープでチノにぬいぐるみを縛ってもふもふ作戦を決行する。

 

リゼ「もふもふ尽くし!これなら我慢出来ずに抱き付いて来るはず!」

 

楽兎「さぁココア、何時もと違うお前でも我慢出来ないだろ?」

 

これには流石のココアも動揺してる。だがしかし。

 

ココア「真面目に仕事しなきゃダメだよ!」

 

誘惑に勝ってしまった。

 

チノ「何故か分かりませんが凄く悔しいです。」

 

リゼ「地味にショックだな・・・」

 

緑羽太「もふもふが負けただと?」

 

 

 

 

 

 

コーヒーを運びながらリゼは思う。

 

リゼ(気を張り過ぎて、熱を出さないと良いけど。)

 

楽兎「おいリゼ!下!」

 

リゼ「え?」

 

するとリゼが何かを踏んだ。

 

リゼ「思った矢先に!?」

 

何とココアがぶっ倒れてた。

 

リゼ「しっかりしろ!」

 

チノ「どうしてこんなになるまで・・・」

 

ココア「明後日・・・」

 

リゼ「明後日?」

 

ココア「お・・・」

 

チノ「お?」

 

楽兎「ココア、お・・・とは何だ?」

 

ココア「お姉ちゃん来るんだよ・・・ガクッ・・・」

 

力尽きたかのように倒れたココア。

 

チノ・楽兎「それとどう関係が?」

 

 

 

 

 

 

氷水が入った袋を頭に乗せて冷やす。ココアは落ち着いた。

 

リゼ「つまり、頑張っている所を姉に見せたかったのか?」

 

ココア「うん。もっとしっかりしなきゃって、チノちゃんのお姉ちゃんとしてちゃんとやってるって。」

 

チノ「ココアさんのお姉さんって厳しいんですか?」

 

ココア「安心して!凄く優しいよ!お兄ちゃんも2人居るけど、躾て従えてる姿が格好良いんだ!」

 

リゼ「躾てって調教師か!?」

 

楽兎「ココアって末っ子だったのか。」

 

緑羽太「初めて知ったぞ?」

 

チノ「調教・・・私・・これ以上何かされるんです・・・!?」

 

またロープにぬいぐるみと一緒に縛られてるチノ。

 

リゼ「怯えてしまった!(そっか・・だから姉に憧れてたのか・・末っ子なりの苦労もあったんだろう。)よし!協力するぞ!良いとこ見せよう!」

 

ココア「ありがとう!」

 

リゼ「でも姉妹が沢山いて羨ましいな・・・一人っ子としては。」

 

ココア「リゼちゃん・・・」

 

楽兎「リゼ、分かるぞその気持ち。俺も一人っ子だからな。」

 

ココア「リゼちゃんも私の妹って紹介するからね!チノちゃんと一緒に!」

 

リゼ「普通に友達で良い!」

 

楽兎「リゼの方が年上だろ?」

 

 

 

 

 

 

その後、皆をラビットハウスに呼んだ。

 

千夜「お姉ちゃん修行?」

 

シャロ「何それ?」

 

ココア「どうしたらしっかりして見えると思う?お姉ちゃんに成長した姿を見せたいの!」

 

シャロ「そう言われても・・・」

 

リゼ「とりあえずさっきから怯えてるチノを安心させてみろ。」

 

まだ怯えてるチノを楽兎が支える。

 

楽兎「チノちゃん大丈夫?水持って来ようか?」

 

シャロ「大丈夫。私が付いてるから。」

 

チノを優しく撫でるシャロ。

 

ココア「分かった!大丈ー夫!私が付いてるから!」

 

チノを元気に撫でるココア。

 

リゼ「同じ台詞なのにこの違い・・・」

 

緑羽太「ドリブルしながら撫でてる・・・」

 

千夜「うーん、そうだわ!リゼちゃんたちが少しドジな姿を見せたら。」

 

リゼ「え?」

 

千夜「反対にココアちゃんがしっかり見えるんじゃ。」

 

リゼ「逆転の発想!?ん?しかし協力すると言ってしまったし・・・」

 

ココアがジッとリゼを見てやって欲しいと眼差しで強請る。

 

緑羽太「何あの眼差し?捨てられた子犬状態か?」

 

リゼ「分かった!やってみる!」

 

チノ・シャロ・ティッピー・楽兎・緑羽太「えー!」

 

千夜「じゃあ始めましょう。」

 

 

 

 

 

 

チュートリアルスタート。

 

千夜「注文をお願いしたいんだけど。」

 

チノ「え・・・えーと・・・わ・・・私コーヒーの区別がつかないので・・・」

 

リゼ「ココアー!助けてー!」

 

チノ「私数学苦手ですから間違ってコーヒー缶1トンも注文してしまいました・・・」

 

ティッピー「このドジっ子!」

 

リゼ「ココア、パンって火炎放射器でも焼けるのかな?」

 

楽兎「一瞬で焦げるわ!!」

 

だがココアはそんな2人を見て泣いてしまった。

 

ココア「わーん!こんな2人見てられないよー!」

 

リゼ「お前の為だぞ!」

 

緑羽太「凄いシュール・・・」

 

今度はマヤとメグを呼んだ。

 

マヤ「次は私達がココアを鍛えるよ!」

 

マヤ・メグ「おー!」

 

ココア「宜しくです!サー!」

 

窓を指でなぞり、ホコリを確認するマヤ。

 

マヤ「ココアさん、まだホコリが残っていてよ?」

 

ティッピー「何か始まった。」

 

チノ「姑です。」

 

メグ「このフリスビーを取っておいで!」

 

ココア「ワン!」

 

フリスビーを見てココアが犬になった。

 

メグ「ほーら!」

 

マヤ「所でこれ何の特訓?」

 

楽兎・リゼ「おい!」

 

緑羽太「もう茶番だなこりゃ。」

 

ココア「お姉ちゃんらしくなりたいから、妹役をやってほしいんだよ。」

 

マヤ「オッケー!」

 

メグ「じゃあ皆で一緒に!お姉ちゃん!パンが食べたいな!」

 

3人一緒にココアにお強請りする。

 

チノ「私・・・」

 

マヤ「私は宿題手伝って!」

 

チノ「私も・・・」

 

ココア「後でね〜!」

 

シャロ「あれ何時まで続くんですか?」

 

リゼ「ココアが無意味と気付くまで・・・」

 

緑羽太「気の遠いな。」

 

 

 

 

そしてチュートリアルが終わった。

 

ココア「皆今日は私の為にありがとね!ほんの気持ちのカフェラテだけど。」

 

マヤ・メグ「わー!」

 

シャロ「あ、これココアが描いたの?」

 

ココア「ん?」

 

千夜「初めて貰った時から凄く上手くなってる!」

 

花のラテアートを見せた。前より上達していた。

 

チノ「ずっと見てきたから気が付きませんでした。」

 

リゼ「ちゃんとした成長の証があるじゃないか。」

 

楽兎「凄いな、俺より上手いと思うな。」

 

緑羽太「努力の賜物だなこりゃ。」

 

ココア「は。」

 

メグ「ココアちゃん、すごーい!」

 

マヤ「すげー!格好良い!」

 

ココア「よーし!今もっと凄い物振る舞うからねー!」

 

皆から褒められて元気になったココア。

 

マヤ「3Dラテアートって奴見てみたい!」

 

ココア「任せて!」

 

メグ「楽しみ!」

 

チノ「店員として成長してても姉としてはまだまだです。」

 

リゼ「そうか?」

 

ココア「出来たー!3Dラテアート!じゃん!」

 

チノ「ただのティッピー!」

 

ティッピー「はあ。」

 

でかいティーカップにティッピーを乗せただけだった。

 

 

 

 

 

 

その夜、甘兎庵でシャロと千夜が会話していた

 

シャロ「ココアったら、何時まで経ってもしっかりしたお姉ちゃんにはなれないわね。」

 

千夜「そお?ココアちゃんは良いお姉ちゃん出来てると思うけど。」

 

シャロ「言葉で言っても態度で示さないと。」

 

千夜「そうね。」

 

シャロ「ココアはお姉ちゃんが来るってだけで慌てすぎなのよ。ドーンと構えてれば良いのに。」

 

千夜「そうね。」

 

シャロ「チノちゃんだって最近ココアといると楽しそうなのに。」

 

千夜「そうね。シャロちゃん、ココアちゃんとチノちゃんの事が心配?」

 

シャロ「ココアはもうちょっと自分に自信持てって思っただけよ。」

 

千夜「なら、シャロちゃんも自信持っていかないとね。」

 

シャロ「はあ!?なんで私の話なのよ!?」

 

千夜「シャロちゃんの事、心配だわ。」

 

シャロ「何で私が心配なのよ!」

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスのバータイムでは、タカヒロがカクテルをシェイクしていた。

 

タカヒロ「一年振りの再会か。それは楽しみだろうな。」

 

ティッピー「楽しみでもあり不安でもあるじゃろうな。あのココアも珍しく悩んでおったわ。姉としての成長か。生意気な悩みじゃな。そんなもの無理せずとも伝わるもんじゃよ、家族ならな。」

 

タカヒロ「親父。」

 

ティッピー「何じゃ?」

 

タカヒロ「たまには良い事言うんだな。」

 

ティッピー「ここにも生意気な息子がおるな!」

 

 

 

 

 

 

翌朝、遂に今日はココアの姉が来る日。

 

楽兎「今日がココアの姉が来る日か。」

 

リゼ「そろそろ駅に着く頃だろ?本当に迎えに行かなくて良いのか?」

 

チノ「自分でお店まで来るからココアさんには仕事しているようにって手紙に書いてあったそうですが。そうですよね?ココアさん。」

 

だがココアは返事すらしない。

 

楽兎・リゼ・チノ「ん?」

 

リゼ「ココア!?」

 

ココアを見ると、目のハイライトが消えていた。

 

チノ「ココアさんが緊張で固まってます!」

 

リゼ「おい接客業!!」

 

楽兎「返事が無い。ただの屍のようだ。」

 

リゼ「おい勝手に殺すなよ!ちゃんと仕事しろって書いてあったんだろ?おい・・・おい!ココア!」

 

チノ「ココアさんのお姉さん、どんな人なんだろう。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃鉄道では、特急列車が走ってた。そして客車の中に1人の女性が外を見てた。

 

女性「あ!」

 

そして木組みの家と石畳の街が見えてきた。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

        女性:茅野愛衣
      女性店員:三上由理恵

ティッピー「これは大変な事になるな!」

タカヒロ「具体的にはどうなるんだ?」

ティッピー「それは、凄い事になるんじゃ。」

タカヒロ「凄い?」

ティッピー「大変って事じゃ!」

次回「ひと口で普通のもちもちだと見抜いたよ」

遂に次回ココアの姉が登場します。感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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17羽「ひと口で普通のもちもちだと見抜いたよ」

特急列車が走ってる鉄道。その客車の中に、うさぎになったバリスタを読んでる女性が居た。女性の名は「モカ」。ココアの姉だ。もうすぐ列車は、駅に到着する。






その頃ラビットハウスでは、ココアがそわそわしていた。

リゼ「少しは落ち着けって。」

ココア「うーん、でも!」

チノ「お姉さん、駅に着いた頃ですね。」

ティッピー「ココアの姉か、楽しみじゃのう。」

リゼ「ティッピーが孫を待つおじいちゃんみたいな顔してるぞ!」

ティッピー「しみじみ。」

楽兎「ココアのお姉さんかぁ。」


そして列車が駅に到着し、モカが木組みの家と石畳の街を見て懐かしむ。

 

モカ「木組みの街、何年振りかなあ。昔と全然変わってない!」

 

地図を見てラビットハウスへ向かう。その途中、川の船に乗ってる男性に挨拶する。

 

モカ「こんにちはー!」

 

男性はモカに手を振った。

 

モカ「ラビットハウスはこの道を・・・あ!」

 

すると目の前にうさぎが居た。するとモカはうさぎを見て目をキラキラさせた。

 

モカ「うさぎ!」

 

するとうさぎが逃げた。

 

モカ「あ!追い掛けっこ?よーし!待てー!」

 

うさぎを追い掛けるモカ。

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスでは、ココアがまだそわそわしてた。緑羽太はコロンビアを飲んでる。

 

リゼ「落ち着けって。」

 

楽兎「気持ちは分かるけど。」

 

ココア「う・・・うん!」

 

チノ「でも確かにお姉さん遅いですね。もうとっくに着いても良い頃です。」

 

ココア「ちゃんと地図書いたのに・・・もしかしたら迷ってるのかも!私探してくる!」

 

リゼ「おい!」

 

チノ「ココアさん!」

 

ココアは姉を探す為店を出た。

 

緑羽太「行っちゃった。」

 

リゼ「ココアが迷わなきゃ良いけどな。」

 

チノ「そうですね。でもこの街に来た頃はココアさんが道に迷ってばかりだったのに、少しは頼もしくなったような気がします。」

 

リゼ「そうだな。」

 

するとリゼの携帯の着信音が鳴った。

 

リゼ「お、ココアからだ。」

 

メールを見ると、うさぎの写メが貼られてた。

 

リゼ「おい!姉はどうした!?」

 

チノ「でも可愛いです!」

 

楽兎「相変わらずだな。」

 

 

 

 

 

 

その頃モカは追い掛けて捕まえたうさぎを持ってモフモフしてた。

 

モカ「モフモフ!モフモフ!モフモフ!気持ち良い?」

 

青山「ウサギ、好きなんですか?」

 

モカ「ん?・・・はい!」

 

後ろに振り向くと、青山ブルーマウンテンが居た。

 

 

 

 

 

 

その頃シャロと千夜は、桜が実る道を歩いてた。

 

千夜「桜の木の秘密って知ってる?」

 

シャロ「何の話?」

 

千夜「どうして綺麗なピンク色の花を咲かせるのか。それはね・・・」

 

シャロ「ちょっと待って!怖い話しようとしてんじゃないでしょうね・・・」

 

千夜「とても切ない秘密よ。」

 

シャロ「ど・・・どんなよ・・・」

 

千夜「それはね・・・」

 

耳元で秘密を語る千夜。するとシャロは。

 

シャロ「知ってるわよその話。有名な文学じゃない。その程度で私を怖がらせようなんて。」

 

怖がる所か知ってるように笑う。

 

千夜「む〜!」

 

膨れっ面で怒る千夜はシャロにイタズラを仕掛ける。

 

千夜「あ!空からあんこ!」

 

シャロ「わー!」

 

嘘でシャロが怖がる。まだあんこを克服出来てないらしい。

 

千夜「あ、ココアちゃん。」

 

シャロ「え?」

 

目の前に走ってるココアを見付けた。

 

千夜「ココアちゃーん!」

 

ココア「千夜ちゃん!シャロちゃん!お姉ちゃんがラビットハウスに来なくて・・・!」

 

千夜「え?」

 

シャロ「そう言えば今日って言ってたわね。」

 

ココア「迷ってるんじゃないかな?」

 

シャロ「携帯は?」

 

ココア「お姉ちゃん、機械苦手で持ってないんだ!」

 

千夜「私達も一緒に探しましょう。」

 

シャロ「そうね。」

 

ココア「ありがとう!」

 

千夜「どんな人なのか教えてくれない?」

 

ココア「え・・・えーと・・・女の人!」

 

シャロ「そりゃ姉だしね!」

 

千夜「落ち着いて!ココアちゃん!そんなボケはいらないわ!」

 

シャロ「あんたが言うの!?」

 

ココア「ちょっとお姉ちゃんのモノマネしてみるね!」

 

制服の袖を巻くる。

 

ココア「こんな感じ・・・!お姉ちゃんに任せなさーい!」

 

ウィンクしてガッツポーズするココア。だがシャロと千夜はノーリアクションしてる。

 

シャロ「自分の真似?」

 

千夜「何時ものココアちゃんだわ。」

 

 

 

 

 

 

一方その頃、モカは青山と公園で会話をしていた。

 

青山「まあ、そんな遠い所から遥々妹さんに会いに来られたのですか。」

 

モカ「はい。妹ったら全然帰って来れなくて。会うのは一年振りなんです。」

 

青山「久し振りの再会ですか。それならサプライズで変装してこっそり訪れたら面白そうですね。」

 

モカ「良いですね!私サプライズとかドッキリ大好きなんです!ナイスアイディアです!ありがとうございます!」

 

すると青山はモカが持ってるうさぎになったバリスタの小説を見た。

 

青山「あ、その本。」

 

モカ「ご存じですか?サプライズとイタズラ心満載で素敵なんです!私大好きで!」

 

青山「まあ!」

 

モカ「「どうしてこんなになるまで焙煎したんだ!」って台詞が格好良くて!映画になってて私何回も泣いてしまって・・・!」

 

青山「ありがとうございます。」

 

モカ「それで作者さんがこの街の出身なんですって。」

 

青山「あ、あの、それって私ですー。」

 

モカ「おやおやドッキリですか?チッチッチ!引っ掛かりませんよ?」

 

青山「あらー?」

 

作者が目の前だとモカは気付かない。

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスではチノがコーヒーを作ってた。

 

リゼ「帰って来ないな。」

 

チノ「はい。」

 

楽兎「彼奴何処かでサボってるのか?」

 

緑羽太「メールとかすれば良いのに。」

 

 

 

 

 

 

外では、モカがラビットハウス前に到着した。

 

モカ「ここが・・・ラビットハウス!」

 

 

 

 

 

 

想像するモカ。それはサングラスとマスクを身に付けて、店内に入る。そこにココアが立っている。

 

ココア『お客さん・・・どうかしましたか?』

 

困惑するココア。するとモカがサングラスとマスクを外してバラす。

 

モカ『実は私でした!』

 

ココア『全然気付かなかったよ!もう!お姉ちゃんたら!』

 

久し振りに会えたモカに抱き付くココア。

 

モカ『ココアは甘えん坊なんだから!』

 

ココア『お姉ちゃん!』

 

 

 

 

 

 

完璧なサプライズを企画し、モカはサングラスとマスクを身に付けた。

 

モカ(グフフ!サプライズ!)

 

そしてラビットハウスに来店する。

 

リゼ「いらっしゃいま・・・せ・・・」

 

サングラスとマスク姿のモカを見て困惑するリゼ。モカは彼方此方ココアを探してた。

 

楽兎(な、何だあの客は!?)

 

モカ(ココアが居ない・・・ココアが居ない・・・ココアが居ない!?)

 

リゼ「お・・・お好きな席へどうぞ。」

 

窓際の席に座って、メニューを見る。チノがモカに近付き。

 

チノ「ご注文は?」

 

モカ「じゃあオリジナルブレンドとココア特製厚切りトーストを。」

 

チノ「畏まりました。」

 

ティッピー「ん?」

 

チノ「ブレンドとトーストをお願いします。」

 

リゼ「あ・・・ああ。」

 

すぐにトーストを切るリゼ。

 

モカ(んー・・・今の子がチノちゃんで・・ティッピー。あの子がリゼちゃん?皆写真で見るより可愛い!そして、あの2人は、あの子が楽兎君で、もう1人は楽兎君の幼馴染みの緑羽太君か。うん、中々イケメンだね!落ち着いたお店、コーヒーの良い匂い!ココアは厨房かな?それとも休憩?早く戻って来ないかなー!サプラーイズ!)

 

リゼ「あの風貌・・・スパイか、あるいは運び屋か?」

 

緑羽太「もしくは麻薬の密売人か?」

 

チノ「他の発想はないんですか・・・」

 

ティッピー「芸能人とか花粉症とかあるじゃろ。」

 

楽兎「まあ、有名な女優とかは変装とかするよな。でもあれ見た感じシュールな感じ。」

 

ブレンドとトーストを持って行くチノ。

 

チノ「お待たせしました。」

 

モカ「ありがとう。」

 

ブレンドとトーストを差し出す。モカはキョロキョロ見て、マスクを下げてブレンドを一口啜る。

 

モカ「うーん、美味しい!どれどれ、ココアが焼いたパンはどうかな?」

 

今度はトーストを手に取って匂いを嗅ぐ。

 

モカ(香りは良し。)

 

一口食べる。するとテーブルを強く叩いた。

 

モカ「このパンもちもちが足りない!」

 

チノ・リゼ・楽兎「お、お客様!?」

 

モカはバッグを開けた。中には白い粉が入ってた。

 

チノ「白い粉!?」

 

楽兎「まさかコカインか!?」

 

緑羽太「ヘロインか!?」

 

リゼ「やっぱり運び屋かー!?」

 

銃を取り出すリゼ。

 

モカ「私が教えてあげる・・・!」

 

チノ「な・・・何を・・・」

 

モカ「本物の・・・!」

 

リゼ「本物の運び屋の怖さをか!?」

 

楽兎「大麻で何をする気だ!?」

 

モカ「本物のパンの味を、この小麦粉で!」

 

大量の小麦粉を見せるモカ。

 

チノ「パ・・・パンの味・・・!?」

 

リゼ「小麦粉と言いつつ何かの暗号だな!お前は誰だ!怪しい奴!」

 

銃口をモカに向けるリゼ。

 

楽兎「その粉は何だ!?コカインかヘロインか!?」

 

緑羽太「アヘンかモルヒネか!?」

 

モカ「私?そう・・・私は・・・」

 

サングラスとマスクを外して名を言った。

 

 

 

 

 

 

モカ「私です!」

 

リゼ・チノ・楽兎・緑羽太「本当に誰ー!?」

 

 

 

 

 

 

その後モカは4人に自己紹介する。

 

モカ「妹のココアがお世話になってます。姉のモカです。」

 

リゼ「おー!」

 

チノ「ココアさんのお姉さん。」

 

ティッピー「おー。」

 

チノ「こちらこそ。」

 

楽兎「お世話になっております。」

 

ティッピー「イテッ!」

 

4人が一礼する。チノに乗ってたティッピーが落ちた。

 

 

 

 

ココアが居ない理由をモカに教える。

 

モカ「そっか・・・ココアは私を探しに行ったの。大丈夫だからラビットハウスで待っててって手紙に書いておいたのに。」

 

チノ「何所かですれ違ったのでしょうか?」

 

モカ「相変わらずそそっかしいなあ。」

 

4人「うんうん!」

 

同意するかのように4人が頷く。

 

モカ「あなたリゼちゃんでしょ?そしてチノちゃんとティッピー。そっちは楽兎君と緑羽太君ね。話は聞いてるよ。」

 

チノ「そ、そうですか。」

 

リゼ「どうも。」

 

緑羽太「ありがとうございます。」

 

チノ(確かにココアさんに似てます。)

 

楽兎(雰囲気がココアと似てるな。)

 

モカ「こーんな分厚い手紙に写真も沢山送って貰ったの!」

 

写真にはろくなものが無かった。

 

リゼ「彼奴ろくなの送ってないな・・・」

 

楽兎「どれもシュール過ぎる・・・」

 

緑羽太「俺だったらこんな写真送らねえぞ・・・」

 

モカ「皆可愛い〜エヘヘ〜。」

 

リゼ・緑羽太「何処が!?」

 

その後ティッピーを撫でるモカ。

 

モカ「チノちゃん、中学生でお仕事なんて凄いね。」

 

チノ「マスターの孫として当然です!」

 

モカ「可愛い!可愛い!」

 

次にモカは、楽兎と緑羽太を見る。

 

モカ「楽兎君と緑羽太君は中々イケメンだねー。」

 

楽兎「え?そうでしょうか?」

 

緑羽太「そう言って貰えると、ありがたいです。」

 

モカ「楽兎君は確か、チノちゃんの従兄だよね?」

 

楽兎「あ、はい。」

 

モカ「可愛い妹を持てたねー。」

 

楽兎「あ、ありがとうございます。」

 

今度はリゼの頭を撫でる。

 

モカ「リゼちゃんも可愛いね!」

 

リゼ「わ・・・私は高校生ですけど・・・」

 

モカ「私から見たら可愛いの!」

 

撫でられ過ぎて、リゼの顔が真っ赤になった。

 

リゼ「あ!真っ赤になるのも可愛いな!可愛い!可愛い!」

 

それでもまだリゼを撫でる。

 

チノ「あのリゼさんがされるがままに!」

 

緑羽太「もしかしたら、可愛いって言われ慣れてないのか?」

 

楽兎「急な乙女になったな。」

 

リゼ「う・・・ううううううう・・・・うおあああああああ!!!」

 

痺れを切らせたリゼが逃げて、柱の後ろに隠れてこっちを見た。

 

モカ「逃げられちゃった。」

 

楽兎「こっち覗いてる。」

 

チノ「まるで怯えるうさぎみたいです。」

 

モカ「うさぎならこっちにも居るようだね。」

 

チノ「あ、モフモフしますか?」

 

ティッピーを差し出そうとする。しかしモカは、チノを優しく抱く。

 

モカ「よしよし!」

 

リゼ「っ?」

 

楽兎「え?」

 

緑羽太「なぬ?」

 

モカ「あー、チノちゃんって本当にモフモフなんだね!あったかーい!」

 

チノ(お母さんのような安らぎ・・・)

 

母の温もりを感じた。

 

リゼ(チノが完全に捕まってしまった・・・!)

 

楽兎(あの顔、サキさんの温もりを感じてる・・・)

 

今度はまたリゼに目を向けた。

 

モカ「ん?」

 

リゼ「っ!」

 

モカ「隠れてないでおいでー!」

 

リゼ「ち・・・近寄るな!」

 

銃で脅すリゼ。しかし。

 

モカ「リーゼちゃん!」

 

リゼ「脅しが効かない!?」

 

脅しの効果は無効だった。抱き付かれたリゼはそのままモフモフされた。

 

モカ「捕まえた〜!」

 

リゼ「わああああああああああああ!」

 

 

 

 

モフモフされて恐怖を感じたリゼ。モカはノリノリでご機嫌上昇してる。

 

モカ「わー!満足満足!」

 

チノ「だ・・大丈夫ですか?リゼさん。」

 

リゼ「わ・・・私が・・・モフモフされるなんて・・・!」

 

モカ「おー!」

 

楽兎「リゼの天敵がここに現れたな。」

 

緑羽太「おーいリゼー、大丈夫か?」

 

リゼ「モ・・・モカさんには休んでて貰った方が良いんじゃないのか?」

 

チノ「そうですね。モカさん、良かったらココアさんの部屋で。」

 

モカ「大丈夫!ココアが帰って来るまでお店のお手伝いするよ!」

 

チノ「いえ、お客さんにそんな事・・・」

 

楽兎「そうですよ。モカさんはお客様なんで・・・」

 

モカ「お姉ちゃんに任せなさーい!」

 

左手で右腕を掴み、右腕でガッツポーズする。モカからとてつもない輝きのオーラが放たれた。

 

チノ「こ・・・これが・・・」

 

リゼ「頼れる姉オーラ・・・!」

 

チノ「何時ものココアさんが・・・」

 

リゼ「茶番のようだ・・・!」

 

楽兎「メガマブシー!!」

 

緑羽太「目が!目があああああ!」

 

 

 

 

 

 

その後モカと一緒にパン作りをする事に。楽兎と緑羽太はホールで待ってる。

 

モカ「そろそろかな?」

 

するとオーブンが鳴った。

 

モカ「お!出来たみたい!」

 

オーブンからドリュールを出した。

 

リゼ「良い香り!小麦粉って本当に小麦粉だったのか。」

 

チノ「輝いてます!」

 

モカ「ドリュールだよ。」

 

チノ「同じドリュールでも、何時ものココアさんが塗った感じと違って見えます。」

 

リゼ「ああ。」

 

 

 

 

 

 

焼き上がったドリュールをホールに持って来た。

 

モカ「さあ!召し上がれ!」

 

4人「いただきまーす!」

 

ティッピー「わしも。」

 

ドリュールを食べる4人とティッピー。

 

チノ「モカさん・・・このパン・・・美味し過ぎて涙が・・・」

 

食べた瞬間、チノとリゼとティッピーが涙を流した。

 

楽兎「今までに食べたドリュールより、これが断然美味い!」

 

緑羽太「同感だ!此奴はイケる!このサクッとした食感が堪らん!ドリュール最高!」

 

モカ「ありがとう!チノちゃん、リゼちゃん!楽兎君、緑羽太君!」

 

 

 

 

 

 

外からココア達が窓から覗いてた。

 

シャロ「なーんだ。探す必要なかったんじゃない。」

 

千夜「ココアちゃんのお姉さん、凄く馴染んでるわね。チノちゃんとリゼちゃんとまるで3姉妹みたい。」

 

ココア「3姉妹・・・」

 

仲間はずれされたかのようにココアが泣いてしまった。

 

シャロ「泣いちゃった!?」

 

千夜「ココアちゃん!?」

 

ココア「お姉ちゃんがあっと言う間に私のお姉ちゃんとしての立場を・・・!」

 

シャロ「だ・・・大丈夫よ!ほ・・・ほら!私達も3姉妹!」

 

千夜「天下だって獲れるわ!」

 

シャロ・千夜「おー!おー!おー!おー!おー!おー!・・・」

 

2人はココアの手を繋いで3姉妹と連呼して励ます。嬉しくなったココアは涙を拭いた。

 

ココア「ありがとう!千夜ちゃん!シャロちゃん!」

 

シャロ「でも・・・ちょっと入りづらい雰囲気ね・・・」

 

ココア「確かに・・・」

 

シャロ「先輩・・・」

 

モカがチノとリゼの手を繋いで『おー!おー!』と声を上げてた。楽兎と緑羽太は苦笑いしてる。

 

千夜「そうだわ!」

 

 

 

 

 

 

何か閃いた千夜。それは、コートを着てサングラスとマスクで変装して帰る提案だった。ラビットハウスに帰って来たココア。しかし。

 

リゼ「お、おかえり、ココア。」

 

チノ「モカさんずっと待ってます。」

 

ココア「え!?もうバレてる!?」

 

チノ「あ、メールのウサギ、可愛いかったです。」

 

そこに姉のモカが目の前に立つ。

 

モカ「ココア・・・その変装はダサい!」

 

ココア「は!」

 

リゼ「さっき同じ光景見たぞ!」

 

楽兎「最初に変装したあなたが言う事ですか!?」

 

戸惑ってるココア。しかしモカは嬉しそうにココアに近付く。

 

モカ「久し振り。元気そうで良かった。」

 

サングラスとマスクを外してココアの顔を見て嬉しくなる。ココアは着ていたコートを脱ぎ捨ててモカに抱き付く。

 

ココア「お姉ちゃーん!」

 

モカ「よしよし。」

 

1年振りに会えた姉妹。ココアの頭を撫でるモカ。

 

 

 

”パシャ”

 

 

 

シャッター音を聞いたココアが後ろを見ると、皆微笑ましく見ていた。緑羽太が姉妹を撮影していた。

 

緑羽太「再会した姉妹、感動するな〜。」

 

しかしココアは恥ずかしくなっていた。

 

ココア「み・・・皆の前で恥ずかしいよ!」

 

モカから離れてチノの頭に乗ってるティッピーを撫でる。

 

ココア「私もここらじゃしっかり者の姉で通ってるんだから。」

 

チノ「しっかり者の・・・」

 

リゼ「姉!?」

 

楽兎「おいココア?」

 

前に出たココアが、左腕を掴んでガッツポーズする。

 

ココア「お姉ちゃんに任せなさーい!って!ふん!」

 

褒められたがってるココアは小さくジャンプする。

 

チノ「褒められたがってます。」

 

リゼ「シッポ振る犬みたいだな。」

 

楽兎「ぴょんぴょん跳ねてるな。」

 

モカ「コホン。ココアも帰って来た所で、私から一つご報告があります。」

 

ココア「報告?」

 

モカ「実は・・・数日間このラビットハウスに泊まらせて頂く事になってるんです!」

 

ココア「ホント!?」

 

モカ「予めマスターに許可は頂いてます。」

 

リゼ「お!」

 

ティッピー「わし聞いてない!」

 

楽兎(昨日タカヒロさんが電話してたのはこの事だったのか。)

 

モカ「ムフ!」

 

するとモカが「ビックリしただろう」と言ってるように小さくジャンプする。

 

チノ「ビックリしただろうって顔してます。」

 

リゼ「確かにココアと血の繋がりを感じる。」

 

緑羽太「まさに遺伝だな。」

 

ココア「そうなんだ!お姉ちゃんゆっくりしていけるんだね!あ、それじゃウェルカムドリンクを!」

 

 

 

 

 

 

シャロと千夜を招き入れて紹介する。

 

千夜「初めまして。」

 

シャロ「あ、こんにちは。」

 

モカ「こんにちは、千夜ちゃん、シャロちゃん。2人の事もココアの手紙に沢山書いてあったよ。」

 

千夜「それってどんな!?」

 

シャロ「変な事書いてあったんじゃ・・・!」

 

モカ「2人共モフモフしたらとても気持ち良いんだーって!」

 

シャロ「モフ・・・?」

 

千夜「嬉しい!」

 

ドン引きするシャロと嬉しそうに笑う千夜。

 

楽兎「もうココアはモフモフしか頭が無いのか?」

 

???「私もモフモフしたいな〜。」

 

楽兎「それお前の欲望・・・ってみくる!?」

 

後ろから突然みくるが現れた。

 

楽兎「お前何時からそこに!?」

 

みくる「4人がドリュールを食べてる時から、気配を消して隠れてたの。」

 

緑羽太「お前は空き巣か!」

 

モカ「あ!あなたがみくるちゃんね。楽兎君と緑羽太君の幼馴染みね。」

 

みくる「はい!宜しくお願いしますモカさん。私もモフモフすると気持ち良いですよ?」

 

楽兎「自分で言うか?」

 

緑羽太「ココアと化してるな此奴。」

 

そこにココアがカップを持って来た。

 

ココア「あ・・・お待たせ・・・あのね・・・これ・・・」

 

モカ「ん?」

 

ココア「ラテアートなんだけど・・・」

 

花のラテアートをモカに見せるココア。前より上手くなてる。

 

モカ「ココアが作ったの!?凄い・・・お姉ちゃんサプライズ負けしちゃった・・・」

 

これにはモカも驚いた。

 

チノ「これはココアさんの成長の証なんです。」

 

楽兎「一生懸命練習した成果です。」

 

モカ「そっか・・・お客さんの為に練習したんだね。立派だよココア。」

 

ココア「エヘヘ。」

 

褒められて笑うココア。しかしリゼが。

 

リゼ「ラテアートの練習してるか、日向ぼっこしているかのどっちかだもんな。」

 

ココア「デヘヘ。」

 

これまでの事をバラしてしまう。だがココアは笑ってた。

 

モカ「ココア!?」

 

ココア「デヘヘ・・・」

 

モカ「デヘヘじゃないでしょ!」

 

こうしてモカは数日間ラビットハウスに泊まる事になった。

 

 

 

 

 

 

その夜、ココアの部屋に集まった4人。

 

モカ「よーし!今日は夜更かしを許す!」

 

ココア「やったあ!聞いて欲しいお話が沢山あるんだよ!ね?チノちゃん。」

 

チノ「私は別に・・・あ、コーヒー淹れて来ます。」

 

キッチンへ向かう。

 

ココア「あのねあのね!お姉ちゃん!」

 

モカ「うんうん、ココア落ち着いて。」

 

ココア「うん!」

 

モカ「深呼吸してから話そう。」

 

ココア「うん!」

 

楽兎(本当に微笑ましいな〜。兄弟がいる家族が羨ましい。)

 

チノは2人を見て部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

その頃バータイムではタカヒロがカクテルをシェイクしていた。

 

ティッピー「お前、ココアの姉が泊まるのを黙ってたな。」

 

タカヒロ「ちょっとしたサプライズだよ。驚いただろ?」

 

ティッピー「まあな。」

 

シェイクしたカクテルをグラスに注ぐ。

 

タカヒロ「わざわざ宿を取らなくても空いてる部屋があるんだし、ココア君と積もる話もあるだろう。」

 

ティッピー「それにチノもその方が楽しめるだろう。と言う事じゃな。お前にしてはナイスサプライズじゃ。」

 

タカヒロ「フッ。」

 

ティッピー「だけどわしには言っておいても良かったんじゃないか?」

 

タカヒロ「親父は黙ってられないだろ。」

 

ティッピー「そうじゃな。・・・・・・・ん?何じゃと!?このー!」

 

怒ったティッピーが飛び跳ねる。

 

 

 

 

 

 

その頃コーヒーを持って来たチノ。

 

チノ「お待たせしました。」

 

楽兎「チノちゃん。しっ。」

 

口元に指を当ててる楽兎。

 

チノ「ん?」

 

楽兎が横を指差すとそこには。

 

 

 

 

 

 

チノ「寝てる!?」

 

 

 

 

 

 

ココアとモカが添い寝ていた。

 

楽兎「会話してる最中に寝ちゃったんだ。この姉妹本当に仲良しだな。」

 

チノ(これが姉妹・・・)

 

テーブルにコーヒーを置いて、布団を被せる。そーっと部屋から出ようとしたが、2人を見て、また出ようとしたが、布団に入り、3人一緒に寝る。その時楽兎は部屋のドアの前に立っていた。

 

楽兎「良い夢を楽しんでね。」

 

電気を消して、自分の部屋に戻って行く。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

        モカ:茅野愛衣

モカ「マスター、今日から私もお世話になります。」

タカヒロ「何時でも自分の家だと思って、来て良いんだよ。」

ティッピー「ここはわしの家じゃが。」

モカ「じゃあ、ここで働きます!」

タカヒロ「え?」

ティッピー「なぬ!?」

次回「木組みの街攻略完了(みっしょんこんぷりーと)

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18羽「木組みの街攻略完了(みっしょんこんぷりーと)

モカは、昔を語った。それはココアの幼少期の頃だった。

ココア『お揃い!ココアの宝物!』

モカと同じ髪飾りを着けていた。

モカ「ココアは昔から私の真似が大好きでした。」

ココア『2、3、5・・・』

素数を数えるココア。

ココア『お兄ちゃん、素数数えよ。』

兄『うん。』

2人でパンを作る。生地を頑張って捏ねる。

モカ『そうそう上手!』

そして立派なパンが出来上がった。2人は喜んだ。

六法全書を持ってるココアは、兄にお願いする。

ココア『六法全書読んで!』

兄『え!?』

腕まくりしてガッツポーズするモカ。

モカ『お姉ちゃんに任せなさーい!』

ココア『おお!任せなさい!』

任せなさいのポーズを真似したココア。






そして現在に戻る。キッチンでパンを焼いてる。

モカ「4兄弟の末っ子だから、色んな影響を受けちゃったみたい。」

チノ「成る程。」

楽兎「その気持ち良く分かりますよモカさん。」



その頃ココアは、まだ誰も起きてないと思って張り切ってた。

ココア「今日は朝食作ってお姉ちゃん達に良いところ見せるんだ!」



そしてキッチンに入る。

ココア「いっちばーん!」

しかし。

チノ「おはようございます。」

モカ「おそようだぞ。」

楽兎「やっと起きたか。」

既に3人が起きてたのを見て、膝を付いた。

ココア「がーん!」

モカ「何事!?」

そして手を床に付けてガッカリする。

ココア「奪われる・・・妹も仕事もプライドも・・・!」

チノ「まだ寝ぼけてます。」

楽兎「おーい目を覚ませー。」

モカ「おやおや?早起きも出来ないのにチノちゃんの姉を名乗れるのかな?」

余裕で挑発するモカ。

ココア「な、名乗れるもん!」

モカ「ホント?」

ココア「どっちがチノちゃん好みのパンを焼けるか勝負だよ!お姉ちゃん!」

綿棒を持って宣戦布告するココア。

モカ「ココアが作れる程度のモチモチパンで私に挑む気?」

綿棒と余裕を持ってるモカ。

楽兎「一触即発が・・・!」

チノ「わ・・・私の為に2人が・・・!」

ティッピー「わしの為に争わないで・・!」

モカ「2キロの小麦粉から自由にパンを作る!それでどう?」

ココア「望むところだよ!」

チノ「2キロ!?」

ティッピー「ダメじゃ!」

楽兎「合計4キロって腹いっぱいになるわ!」


その後パンを作ったココアとモカ。そして多くのパンを持って皆を誘った。バスケットには、ドリュールやフランスパンやサンドイッチ等が入ってた。

 

シャロ「それで・・・パンを作り過ぎちゃったから皆でピクニック?」

 

ココア「うん!」

 

皆で湖畔でピクニックする事となった。

 

千夜「お天気も良くて。」

 

リゼ「気持ち良いなー。」

 

みくる「春は長閑だねー。」

 

緑羽太「桜が満開なこの湖畔、良い景色だ!」

 

テンション高い緑羽太がビデオカメラでピクニック風景を撮る。

 

ココア「それじゃあ、パン大食い大会始めるよー!」

 

リゼ「雰囲気が台無しだ!」

 

楽兎「胃袋を壊す気か!」

 

モカ「ただし、この中にマスタード入りスコーンがありまーす!」

 

ティッピー「ブハー!」

 

どうやらティッピーが、マスタード入りのスコーンを食べてしまって吐いてしまったようだ。

 

千夜「奇遇です!私もロシアンルーレットぼたもち持って来たの!」

 

チノ「え!?」

 

モカ「ウフ。」

 

千夜「ウフフ。」

 

意気投合したモカと千夜は互いに微笑んだ。

 

リゼ「最悪の意気投合だー!」

 

楽兎「鬼畜コンビ誕生か!?」

 

そんな中シャロはドリュールをバスケットに戻した。

 

リゼ「もう食べないのか?」

 

楽兎「腹いっぱいか?」

 

シャロ「美味しそうだけどすぐお肉が付く体質なので・・・」

 

楽兎「あぁ〜、分かる。」

 

すると突然モカがシャロをモフモフし始めた。

 

シャロ「な・・・何を・・・!?」

 

モカ「モフモフモフモフ!うん!もっとモフモフしてて良いと思うよ!」

 

シャロ「な・・・何ですか!?その判断基準・・・」

 

しかしモカの笑顔を見ると、ドリュールを手に取って食べる。

 

シャロ「じゃあ・・・いただきます。」

 

モカ「うんうん!」

 

緑羽太「口説かれた!」

 

みくる「モカさんの説得力が半端無いわ!」

 

ココア「いやー!私の友達がドンドンお姉ちゃんの妹になっていくよー!」

 

楽兎「友達もお前の妹に含まれるのか?」

 

 

 

 

 

 

パンを食べ終わった後、湖畔の周りを歩く。

 

ココア「お腹いっぱい!」

 

リゼ「腹ごなしにランニングするか。」

 

緑羽太「お!じゃあ俺もランニングしちゃおうかな?」

 

千夜「それはちょっと・・・あ、ボート乗り場があるわ。」

 

湖畔のボート乗り場を発見した。

 

チノ「ボートって乗った事ないです。」

 

ココア「おー!気持ち良さそう!皆で乗ろうよ!」

 

モカ「それならくじ引きで4組に分かれて競争するってのは?」

 

シャロ「4組に分かれて・・・」

 

リゼ(楽しいな!)

 

シャロ(はい!)

 

リゼとペアになってるのを想像するシャロ。

 

千夜「1位になったチームの人は何でも命令出来る事にしましょ!」

 

楽兎「はぁ!?」

 

シャロ「雰囲気壊すルール作るなー!」

 

緑羽太「王様ゲームか!」

 

モカ「あ、でもあなた達3人はどうしよう?」

 

みくる「私達はこのチームで行きます!」

 

 

 

 

 

 

こうしてクジ引きによって、4組に分かれた。リゼ・千夜チーム。モカ・チノチーム。ココア・シャロチーム。そして楽兎・緑羽太・みくるチームに分かれた。

 

シャロ(先輩と違うボートになっちゃった・・・)

 

千夜「一番最初に向こう岸の木にタッチした人が勝ちにしましょ。」

 

リゼ「あれか。よーし!」

 

岸にある桜の木を指した。

 

ココア「悪いけど、皆私の言う事聞いてもらう事になるからね!」

 

チノ「やる気満々です!」

 

ティッピー「レディー・ゴー!」

 

同時にモカがありえないスピードで漕いだ。

 

モカ「私に追い付いてごらーん!」

 

ココア「わー!チノちゃんが連れ去られる!」

 

 

 

 

 

 

リゼ・千夜チームは、応援してる千夜とオールを漕ぐリゼ。

 

千夜「フレー!フレー!フレー!・・・」

 

リゼ「こう言うのって楽しいな。」

 

 

 

 

 

 

オールを楽しそうに漕ぐココア。

 

ココア「なんだかデートみたいだね。」

 

シャロ「一応勝負なのよ。」

 

ココア「大丈夫!これでスピードアップ間違えなし!」

 

缶コーヒーを出した。

 

シャロ「私に頼る気!?」

 

 

 

 

 

 

楽兎・緑羽太・みくるチームでは、楽兎が漕いでた。

 

緑羽太「なあ皆、ボートに乗るの中学生以来だよな。」

 

みくる「あ!あの時かぁ。懐かしいわねー。」

 

楽兎「本当あの時お前らはしゃいで落っこちた事あったよな。今回は大丈夫か?」

 

みくる「大丈夫!もう私達は注意しながら乗ってるから。」

 

緑羽太「そうそう!そう言うこった!ってのわ!?」

 

立ち上がった瞬間。

 

”バシャーン!!”

 

バランスを崩して湖に落っこちた。

 

みくる「緑羽太!?」

 

楽兎「言わんこっちゃない・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃リゼ・千夜チームは。

 

千夜「フレー・・・フレー・・・フレー・・・」

 

落ち込みながら応援してる千夜。

 

リゼ「ん?千夜、何か考え事か?」

 

千夜「ヤダ・・・顔に出てた?」

 

リゼ「私で良ければ相談に乗るぞ。」

 

千夜「ありがとう。あのね、さっきココアちゃんが言ってたでしょ。友達皆モカさんの妹になるって。」

 

リゼ「どうもあの人にはペースを崩されるな。ど・・・どうした?」

 

千夜「あのね・・・」

 

リゼ「うん。」

 

千夜「私だけ・・・モカさんにモフモフされてない・・・私・・・妹っぽくないのかしら・・・?」

 

リゼ「き・・・気のせいだ!ほら!」

 

オールを千夜に差し出す。

 

千夜「ん?」

 

リゼ「千夜も漕いでみろよ!気分が晴れるぞ!」

 

千夜「じゃあ・・・少しだけ。」

 

オールを持って千夜も漕ぐ。頑張って漕ぐと、前に進んだ。

 

リゼ「おー!動いてる動いてる!」

 

ココア「わー!千夜ちゃん頑張ってる!」

 

シャロ「でも・・・全然進んでないけど・・・」

 

前に進んでるのではなく、回ってただけだった。

 

千夜「もうダメ・・・」

 

限界に達した千夜の背中をリゼがさする。

 

リゼ「自滅させてしまった!」

 

この隙にリゼ・千夜チームを追い抜いたココア・シャロチーム。

 

ココア「よーし!残るはお姉ちゃんとチノちゃんチームだよ!」

 

 

 

 

 

 

モカ・チノチームでは、チノがオールを漕いでいた。

 

チノ「成る程。身体全体を使って漕ぐのがコツなんですね。」

 

モカ「そうそう。体重をかけて。」

 

チノ「よいしょっ!」

 

するとティッピーが落ちて流されていく。

 

ティッピー「流されていく・・・時代の濁流に・・・」

 

チノ「ティッピー!」

 

モカ「早く助けなきゃ!これに掴まって!」

 

何処からか綿棒を出した。

 

チノ「何処に隠し持ってたんですか!?て言うか届きません!」

 

 

 

 

 

 

ココア「お姉ちゃんがあんなに遠く・・・私また負けちゃうのかな?」

 

モカ・チノチームがまた遠ざかって行く。

 

シャロ「ココア?」

 

ココア「あのね・・・私・・・」

 

 

モカ『あっがりっ!』

 

 

幼い頃トランプで負けた時を思い出したココア。

 

ココア「お姉ちゃんに一度も勝てた事がないんだ・・・」

 

シャロ「ココア!(何か辛い事があったのね・・・)」

 

ココア「私・・悔しさのあまり家出を考えた事もあるんだ・・・」

 

シャロ(そこまで深刻な事が・・・!?)

 

ココア「妹だから勝てなくてもしょうがないのかな?ババぬ・・・」

 

シャロ「らしくないわ!」

 

突然ココアに強くビンタしたシャロ。ボートに流されたティッピーが這い上がった。

 

シャロ「なら、姉より勝る妹になりなさい!立つのよ!ココア!」

 

ココア「立ったら危ないよ!」

 

シャロ「チノちゃんにそんな情けない姿を見られても良いの!?」

 

ココア「あ!私・・・目が覚めたよ・・・!」

 

シャロ「(はっ!私ったらまたココアが傷付くかもしれないのについ焚き付けるような事を・・。)もう良いから、後は私に任せなさ・・・」

 

コーヒーを飲もうとした時ココアが取り上げた。

 

ココア「これは私がケリをつける事だよー!」

 

シャロ「ココアが飲むのー!?」

 

コーヒーを全部飲み干すココア。そして本気を出してオールを全速力で漕ぐ。スピードが愕然と上がった。

 

シャロ「いやー!」

 

飛ばされそうになるシャロ。

 

ココア「私はこの戦いで、お姉ちゃんを超える!」

 

そして遂に、モカ・チノチームを抜いた

 

ココア「あ!」

 

シャロ「ぬ・・・抜いた!ココア!」

 

ココア「シャロちゃんありが・・・!」

 

喜んだその時、1艘のボートがありえない速さでココア・シャロチームを追い抜いて、岸の桜の木をタッチした。

 

ココア・シャロ「えー!」

 

タッチしたのは、リゼ・千夜チームだった。

 

 

 

 

 

 

こうしてボート競争が終了した。バテる千夜。

 

モカ「優勝はリゼちゃん千夜ちゃんチームね!」

 

リゼ「千夜の火事場の馬鹿力凄かったよ!」

 

ココア「最後にブースト掛かるなんて・・・」

 

楽兎「切り札は最後に取っていたんだな。」

 

モカ「そこまでして叶えたいお願いがあったのかな?」

 

千夜「あの・・・私をモフモフして下さい!」

 

全員「えー!?」

 

モカ「お安い御用!」

 

千夜をモフモフするモカ。

 

ココア「千夜ちゃんまで取られちゃったよ!」

 

緑羽太「それだけの為に・・・・勝ったのか・・・・・」

 

ガクガク震える緑羽太。

 

リゼ「ん?緑羽太どうした?まさか落ちたのか?」

 

楽兎「バランス崩して湖に落っこちた。」

 

みくる「もう注意してあげたのに。」

 

緑羽太「今度は気を付ける・・・・」

 

 

 

 

 

 

帰り道、落ち込んでるココア。

 

ココア「あーあ、やっぱりお姉ちゃんには敵わないな。」

 

チノ「モカさんには弱点が無さそうです。」

 

モカ「そうかな?」

 

ココア「そうだよ。」

 

モカ「そんな顔しないで。帰りにスーパー寄って行こうよ。ココアの好きな物なんでも作ってあげるよ。」

 

ココア「なんでも!じゃあお姉ちゃん特製のハンバーグが食べたい!」

 

モカ「お姉ちゃんに任せなさーい!」

 

嬉しくなったココアが思った。

 

ココ「(は!こうやってすぐ甘えちゃうから、お姉ちゃん超えが出来ないんだ・・!)私先に帰る!」

 

察したココアは走って帰る。

 

リゼ「ココア?」

 

シャロ「どうしたの?」

 

チノ「ココアさん!待って下さーい!ココアさーん!」

 

ココアを追い掛けるチノ。

 

モカ「あ・・・」

 

 

 

 

 

 

その夜、ココアの部屋に集まった3人。楽兎は部屋に居る。

 

モカ「そうだ!三人でお風呂入ろうか!」

 

ココア「わーい!私洗いっこした・・・は!(甘えてるとこチノちゃんに見られちゃう!)」

 

 

 

想像するココア。

 

ココア『わーい!お姉ちゃーん!』

 

チノ『甘えん坊です。』

 

想像終了。

 

 

 

ココア「ひ・・・1人で入る!」

 

1人で風呂に向かうココア。

 

チノ「ココアさんが1人でお風呂・・・珍しい・・・」

 

モカ「ココア・・・」

 

 

 

 

 

 

風呂ではココアは落ち込んでた。

 

ココア「やっぱり一緒に入れば良かったかな・・・」

 

 

 

 

 

 

モカはバータイムに居た。タカヒロが牛乳をでかいジョッキに注いでた。

 

タカヒロ「お待たせしました、ミルクです。」

 

ミルクを勢いよく飲んだモカは、泣きながらマスターに訴える。

 

モカ「マスター・・・何だかココアが冷たいよー・・・!」

 

タカヒロ「年頃の子は色々ありますからね。」

 

ティッピー(弱点はココアか。)

 

モカ「ココア・・・!」

 

 

 

 

 

 

翌朝モカは、ココアの部屋に入ろうとしたが。

 

ココア「お姉ちゃん入っちゃダメ!」

 

モカ「チノちゃんのお友達だよね・・・私も一緒に・・・」

 

ココア「ダメなの!いい?入っちゃダメ!」

 

入っちゃダメと言ったココアがドアを閉めた。モカは泣き崩れた。

 

モカ「うぅ・・・」

 

リゼ「ど・・・どうした!?」

 

楽兎「モカさん!?」

 

モカ「妹の姉離れが深刻に・・・」

 

楽兎「ココアが冷たくなったのか?」

 

リゼ「深刻なのは姉の方だなー。ココアは何か忙しいみたいだから、私が街を案内するよ、甘兎庵に行こう。」

 

楽兎「俺も同行しますよ。モカさん行きましょ?」

 

モカ「う・・・うん・・・」

 

 

 

 

 

 

甘兎庵に向かう3人。だがモカは違和感を感じた。

 

モカ「リゼちゃん、エスコートしてくれると言う割にはちょっと距離が・・・」

 

何故かリゼがモカから1メートル程離れながら歩いてた。

 

リゼ「うっ!モ、モフモフ対策で・・・」

 

モカ「まあ、リゼちゃんの後ろ姿も可愛いから良しとしましょ。」

 

徐々にリゼに近付くモカ。リゼは危機感を察した。

 

リゼ「や・・・やっぱり後ろはダメだ!て言うか近付くなー!」

 

全速力で逃げて案内放棄するリゼ。

 

モカ「案内放棄!?」

 

楽兎「あの時のトラウマが抜け切れてないのか。ん?」

 

横を見ると、モカが楽兎をじっーと見ていた。

 

楽兎「あの・・・モカさん?俺の顔何か付いてます?」

 

モカ「楽兎君、よく見たら本当にイケメンねー。私ちょっと惚れちゃった。」

 

楽兎「ウェ!?いやそれだけは・・・・こっち見ないで下さーーーーい!!」

 

全速力で逃げる楽兎。

 

モカ「あれ!?」

 

逃げながら楽兎は思った。

 

楽兎(まさか、去年に試したあのカフェ・ド・マンシーが当たったのか!?まさかの伏線回収!?)

 

 

 

 

 

 

その頃甘兎庵では、シャロも来ていた。そこに。

 

リゼ「うわー!た・・・助けてくれ!」

 

モカから逃げて来たリゼが来店してシャロに抱き付く。

 

シャロ「先輩!?」

 

千夜「いらっしゃーい。」

 

シャロ「ど・・・ど・・・ど・・・どうしたんですか!?」

 

リゼ「命までモフられる!」

 

シャロ「え?」

 

楽兎「誰か助けてくれー!」

 

今度は楽兎が逃げて来た。

 

リゼ「楽兎!?」

シャロ「楽兎さん!?」

 

楽兎はカウンターの後ろに隠れる。

 

千夜「いらっしゃーい。」

 

リゼ「お前も逃げて来たのか!?」

 

シャロ「ど、どうしたんですか!?」

 

楽兎「逆ナンの過去が蘇る!」

 

するとそこに。

 

モカ「リーゼちゃん、楽兎君、見ー付けた!デュフフフフフ〜!」

 

徐々にモカが近付く。

 

リゼ「ひー!」

 

楽兎「・・・・!!」

 

恐怖のあまり完全に怯えるリゼと楽兎。

 

シャロ「(あの2人がタジタジに・・・!)な!」

 

勇気を出してリゼを守るシャロ。

 

モカ「逃げると追い詰めたくなっちゃうぞ〜!」

 

千夜「その気持ち分かります!」

 

リゼ・シャロ・楽兎「分かるなー!!」

 

モカ「千夜ちゃん!その制服いけてる!」

 

千夜「本当ですか?シャロちゃんの働いてる喫茶店の制服もミニスカで可愛いんですよ!」

 

あんこがシャロに飛び付いた。

 

楽兎「あんこ離れろ。」

 

シャロからあんこを離した。

 

モカ「行ってみたいなー。ねえシャロちゃん。」

 

シャロ「ん?」

 

モカ「私もまだまだミニスカで働けるかな?どう思う?」

 

胸を見てシャロが怯えた。

 

シャロ「やめましょう・・・トラウマになる子も居るんですよ・・・」

 

モカ「トラウマ?」

 

 

 

 

その後モカの事情を訊く事に。

 

シャロ「ココアが冷たい?」

 

モカ「そうなの・・・何か余所余所しくて・・・」

 

シャロ「あの、それは。」

 

リゼ「シャロ。」

 

シャロ「ん、あ、いえ、なんでも・・・」

 

モカ「ん?」

 

千夜「モカさん、おもてなしのアイスココアです。」

 

モカ「冷え冷え・・・今のあの子にそっくり・・・」

 

冷えたアイスココアを持って、気分が暗くなったモカ。

 

シャロ「空気読みなさいよ!」

 

楽兎「モカさんに死体蹴りすんな!」

 

千夜「暑いから冷たい物が良いかと思って。」

 

楽兎「だったら冷えた緑茶か麦茶でも出してくれよ!」

 

 

 

 

 

 

その夜、チノと風呂に入ってるモカ。シャンプーでチノの髪を洗う。

 

モカ「はーい。じゃあ目を瞑って。」

 

桶に入ってるお湯で泡を流す。浴槽に入る2人。

 

チノ「明日帰っちゃうんですね。」

 

モカ「ええ、色々ありがとう。」

 

チノ「賑やかで楽しかったです。」

 

モカ「うん!私も。可愛い妹と弟も増えたし。」

 

チノ「ココアさんは昔からあんなにやかま・・・賑やかなんですか?」

 

モカ「うん、実家に居た時もあんな感じ。甘えん坊で私の真似してばっかりだったけど。甘えん坊の妹は、もう写真の中だけしか残ってないのかな?」

 

チノ「あ・・・」

 

モカ「ココアが、ぐれてブラックココアになったらどうしよう。」

 

マフィア姿のココアを想像するモカ。するとチノがその場を立った。

 

チノ「私が居るから大丈夫です!心配いりません!」

 

モカ「チノちゃん・・・心強い妹で私嬉しいよ!」

 

嬉しくなったモカはチノに抱き付く。

 

チノ「モカさん・・・危ないです・・・!」

 

 

 

 

 

 

翌朝。モカが実家に帰る日を迎えた。ケースに荷物を入れる。すると4枚の写真を見た。それは、ココアとの思い出の写真だった。ケースを閉めて、悲しく階段を降りるモカ。するとその時。

 

ココア「ウェルカムカモーン!」

 

うさぎの着ぐるみを被ったココアが突然現れた。

 

モカ「な・・・何?」

 

突然モカの手を掴んで連れて行く。

 

ココア「こっちへ。」

 

ホールへ入らせるココア。

 

ココア「入れ。」

 

今度は銃をモカに向けた。

 

ココア「これが木組みの街の・・・」

 

もうダメだと思ったモカ。

 

 

 

 

しかしココアが、銃を上に向けて紙吹雪を放った。それと同時に皆がクラッカーを鳴らした。

 

 

 

 

メグ「サプライズパーティの!」

 

マヤ「始まりだよー!」

 

モカ「え?」

 

テーブルには、ナポリタンやサンドイッチやケーキやフランスパン等の豪華なご馳走が並んでた。タカヒロが全員分のコーヒーを淹れてた。楽兎が次々と料理を運んで来た。緑羽太がビデオカメラでパーティを撮影していた。状況が分からないモカに説明する。

 

千夜「モカさんが元気無いから。」

 

シャロ「さよならパーティを皆でやろうってココアが計画したんです。」

 

みくる「モカさんにサプライズしようって言ったんです。」

 

モカ「え?」

 

ココア「ココアじゃないよ!この街のマスコットキャラ着ぐみんだぴょーん!」

 

するとモカは怒ってココアに抱き付いた。

 

モカ「ココアー!元気無いのはあんたのせいでしょ!」

 

強く抱き締めるモカ。痛がるココア。

 

ココア「ギブギブ!」

 

マヤ「マヤでーす!この銃私が買ったんだよ!」

 

メグ「メグです!この被り物私が選んだの!」

 

モカ「そうなんだ!うーん、メグちゃんマヤちゃん!良いセンスだ!」

 

マヤ「やったー!モカ姉って呼んで良い?」

 

メグ「モカお姉ちゃーん!」

 

2人を抱くモカ。

 

ココア「順調に甘え上手な妹に育っているようだね!」

 

チノ「急にあの2人の将来が心配になってきました。」

 

モカ「ココア!この子達も私へのプレゼントかな?」

 

ココア「違うよー!もう!お姉ちゃんは見境が無さ過ぎ!」

 

モカ「うん?聞き捨てならないなあ!」

 

チノ「あの・・・喧嘩は・・・」

 

マヤ「あのくらいなら兄貴と何時もやってるよ!」

 

メグ「じゃあ心配無いね!」

 

軽い痴話喧嘩するココアとモカ。

 

チノ「あのくらい・・・姉妹なら普通・・・成る程。そんなものなんですね。」

 

マヤ「面倒臭くなったらCQCでねじ伏せれば完璧だね!」

 

チノ「な・・・成る程。」

 

メグ「それマヤちゃん家だけだと思うよ。」

 

ココア「もう!エヘヘン!実は今日はなんと!」

 

モカ「ん?」

 

ココア「お姉ちゃんが大ファンの青山ブルーマウンテン先生に来て貰いました!」

 

みくる「どうぞー!」

 

ココアがドアを開くと、青山ブルーマウンテンが立っていた。

 

青山「ど・・・どうも。」

 

モカ「あ・・・あなたは公園の!?」

 

青山「ココアさんのお姉さんだったんですね。」

 

モカ「本当に作者様だったなんて・・・!こ・・・これにサインを!」

 

何処からか麺棒を出した。

 

チノ「その麺棒一体何処から!?」

 

青山「はい。」

 

麺棒にサインする青山。しかし。

 

青山「あ!失敗してしまいました。」

 

ココア「字がでかい!」

 

麺棒にサインを書いたが、字がでか過ぎた。

 

モカ「ありがとう!大切にします!」

 

サイン入りの麺棒を嬉しく受け取る。

 

みくる「どう?ちゃんと撮れてる?」

 

緑羽太「ああ。良い思い出がまた生まれたぜ。」

 

タカヒロ「さあ皆、料理が冷めない内に。」

 

楽兎「沢山食べて盛り上げよう!」

 

全員「はーい!いただきまーす!」

 

パーティが始まって料理を食べる。緑羽太が集合写真を撮る等楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

夕方の駅、別れの時が来た。

 

ココア「お姉ちゃん元気でね。」

 

モカ「うん、ココアも。」

 

ココア「あ!そうだ!見て見て!お姉ちゃんとお揃い!」

 

サイドテールをして、モカとお揃いにするココア。モカは昔を思い出した。

 

幼いココア(お揃い!ココアの宝物!)

 

思い出したモカは感動した。

 

ココア「お姉ちゃん?」

 

モカ「ううん、そうだ!私もココアの真似!」

 

今度はモカがココアと同じ髪飾りを着けた。

 

ココア「お姉ちゃん、まだそれ持ってたの?」

 

モカ「勿論!ココアとお揃い!だって私の宝物だもん!」

 

ココア「お姉ちゃん・・・」

 

モカ「それと、ココアにこれを渡す時が来たようだね。」

 

ココア「これ・・・大切にするって言ったよね!?」

 

サインして貰ったばかりの麺棒をココアに見せた。そこにチノがカップコーヒーを持って来た。

 

モカ「チノちゃん!」

 

チノ「モカさん、これ列車の中で飲んで下さい。」

 

モカ「ありがとう、チノちゃん。ココアもたまには帰って来なさい。お母さんが待ってるんだから。」

 

ココア「でも、チノちゃんが寂しがるから。」

 

チノ「わ・・・私を引き合いに出さないで下さい!しょうがないココアさんですね!」

 

ココア「チノちゃん・・・」

 

チノ(い・・言い過ぎたでしょうか?でも・・・)

 

怒らせてしまったと思うチノ。

 

ココア「本当は私が寂しいの!ごめんね!」

 

チノ「喧嘩にすらならない!」

 

怒ってる所かココア自身が寂しいと本音を吐いてチノに抱き付く。

 

モカ(あーそっか。もう私の真似じゃなくて本当のお姉ちゃんなんだ。)

 

するとチノはココアにCQCを繰り出した。

 

ココア「何これ!?」

 

チノ「CQCです!多分!」

 

モカ(ココアがこの街の学校に通いたいって言い出した時はとっても驚いた。小さい頃に旅行に来てからこの木組みの街が大好きだったからって。)

 

CQCを受けてるココア。すると列車のベルが鳴った。

 

モカ「ねえココア。」

 

ココア「あ。」

 

モカ「この街に来て良かったね。」

 

ココア「うん!」

 

そしてモカは列車に乗り、列車が発車した。客車の窓からココアとチノに手を振る。ココアとチノもモカに手を振る。こうしてモカとの楽しい日々は終わってしまった。

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスに帰って来た2人。

 

楽兎「おかえり2人共。見送って来た?」

 

チノ「はい。」

 

楽兎「そっか、楽しかったなぁ。あそうだ!これ、2人に見せなきゃ。」

 

そう言って楽兎が出したのは、花のラテアートだった。

 

チノ「ココアさん、これ・・・」

 

ココア「これは・・・」

 

チノ「モカさんが・・・」

 

楽兎「ああ。モカさんから、2人に見せてねって言われてな。」

 

このラテアートを作ったのはモカだった。ココアより上手く仕上がってる。

 

ココア「私より上手い!」

 

チノ「見事なサプライズ返しです。ずっとうちで働いて貰いたかった。」

 

ココア「あ!」

 

ティッピー「即採用じゃ!」

 

楽兎「同じく。」

 

ココア「あ!もー!!お姉ちゃんは妹達の心を奪って去って行くよー!」

 

最初の最後でサプライズを成功したモカであった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

        モカ:茅野愛衣
     ココアの兄:原田薫

ココア「お姉ちゃん帰っちゃった・・・」

ティッピー「賑やかで楽しかったのにのぅ。」

タカヒロ「お、お父さんに、任せなさーい!」

ココア「お父さん!」

ティッピー「なぁ!?」

次回「甘えん坊なあの子はシャボン玉のように儚く消える」

何だかモカさんのようなお姉ちゃんが欲しくなったって気がします。

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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19羽「甘えん坊なあの子はシャボン玉のように儚く消える」

ある日のラビットハウス。千夜とシャロと緑羽太とみくるがマシュマロココアを飲んで満喫していた。

シャロ「このマシュマロココア美味しい!」

緑羽太「和む味だ〜。」

みくる「落ち着くわ〜。」

ココア「良かった!」

シャロ「手伝おうか?」

ココア「ありがとう。でも後これだけだから大丈夫だよ。」

皿を拭くココア。

リゼ「こっちは任務完了だ。」

ココア「お疲れ様!」

楽兎「お疲れさん。」

リゼ「ん?ココア・・・それ・・・」

ココア「ん?」

リゼ「随分とシミが付いてるぞ。」

制服の胸元に、茶色のシミが付いてた。

ココア「あれれ!お仕事頑張ってる証拠だね!」

リゼ「シャロのホットココアを味見しようとしたんだろ。」

シャロ「そうなの?」

楽兎「隠れて飲んだのかよ。」

ココア「ちゃんと洗うよ!すぐ乾きそうだし。」

千夜「麗らかで良い日和よね。」

みくる「今日は長閑な日だね。」

チノ「それは困りましたね。」

ココア「チノちゃん!?」

楽兎「何が困ったの?」

チノ「実は洗濯機が壊れてしまいまして、修理の人が来るのは明日になるらしいので。」

なんと洗濯機が壊れてしまって何故かティッピーが真っ黒焦げになってた。

チノ「洗濯するならコインランドリーに・・・あれ?ココアさん?」

何時の間にかココアがいなくなった。そこにドアが開くと、ココアが巨大なタライを持って来た。

ココア「さあ!お洗濯しよう!」

チノ「手洗いですか!?」

手洗い洗濯開始。


ラビットハウスの裏庭で、鼻歌を歌いながら制服を洗濯するココア。

 

チノ「あの・・・ココアさん。」

 

ココア「チノちゃんもリゼちゃんも着替えておいでよ!纏めて洗ってあげるから!」

 

リゼ「ああ。」

 

早速私服に着替えに行くリゼ。

 

チノ「リゼさん!」

 

また鼻歌歌いながら力強く洗濯するココア。

 

みくる「昔の人は洗濯をああやって洗ってたのよね。」

 

緑羽太「ああ。結構大変なんだなやっぱ。」

 

楽兎「おい小学生の頃授業で体験しただろ?」

 

みくる「おっとそうでした!」

 

チノ「そんな力いっぱいだと・・・」

 

シャロ「生地が傷んじゃうわよ!!」

 

ココア「シャロちゃん!?」

 

痺れを切らせたシャロが叫んだ。

 

シャロ「もう見てらんない!洗濯とはこうやるのよ!力を入れれば良いってもんじゃないの!こうやって汚れた部分を外向きにして両方の手でこう・・・」

 

丁寧に洗濯の仕方を教えるシャロ。

 

ココア「流石シャロちゃん!私もやってみる!こんな感じ?」

 

シャロ「もっと力を抜いて!」

 

ココア「はい。」

 

チノ「シャロさんが指導してくれるなら安心です。」

 

千夜「シャロちゃんは手洗いに慣れてるものね。」

 

シャロ「褒められてもあんまり嬉しくない・・・」

 

緑羽太「シャロは良いお嫁さんになりそうだな。」

 

楽兎「千夜、褒めてるのかからかってるのかどっちだ?後緑羽太は何言ってんだ?」

 

ココア「よ!は!」

 

洗ってる途中で泡が増えた。

 

シャロ「ココア、これ洗剤多過ぎない?」

 

ココア「え?でもよく落ちるならいっぱいいるでしょ?」

 

シャロ「適量があるのよ!」

 

ココア「わー!こんなにシャボン玉が!」

 

シャロ「泡立て過ぎよ!」

 

チノ「凄いです!こんなに沢山!」

 

空を見上げると、無数のシャボン玉が中に舞い上がってた。

 

緑羽太「幻想的だな!撮っておこっと。」

 

カメラで撮影する緑羽太。ココアが両手で輪っかを作り、息を吹き掛けてシャボン玉を作った。千夜も手で輪っかを作り、息を吹き掛けてシャボン玉を作った。

 

ココア「どっちが多くのシャボン玉を作れるか勝負だね!」

 

千夜「負けてられないわ!」

 

急に勝負する気になったココアと千夜。

 

シャロ「洗濯は!?」

 

すると今度はチノも洗濯する気になった。

 

チノ「私にもシャボン玉の作り方を教えて下さい。」

 

シャロ「チノちゃんまで!?」

 

楽兎「何時の間に着替えた!?」

 

緑羽太「チノちゃんがノッてるなんて珍しいな。」

 

 

 

 

リゼ「着替えて来たぞ。ん?」

 

私服に着替えたリゼが制服を持って来た。

 

シャロ「あ、先輩。」

 

リゼ「シャボン玉って、洗濯してたんじゃ?綺麗だけど。」

 

1個のシャボン玉を割ったリゼ。すると。

 

千夜「は!」

 

リゼ「え!?」

 

千夜「私の渾身のシャボン玉が!儚いものね・・・私の人生も・・・きっと・・・」

 

自分が作ったシャボン玉を割られたショックで気を失った千夜を支えるココア。千夜の体が灰色になった。

 

ココア「千夜ちゃーん!」

 

リゼ「本当に洗濯してるのか!?」

 

みくる「逆に千夜ちゃんの芝居も儚いけどね。」

 

楽兎「まさかの鬼畜返し?」

 

シャロ「せ・・・先輩・・・そ・・・その制服洗いましょうか?」

 

リゼ「え?良いのか?」

 

シャロ「はい!」

 

制服を丁寧に洗うシャロ。

 

リゼ「上手いもんだなー。」

 

千夜「リゼちゃんの制服、気合い入れすぎて破かないようにね。」

 

シャロ「そんな失敗ありえな・・・は!」

 

何かを見たシャロ。

 

シャロ(脇が破れてる・・!)

 

リゼの制服の脇が破れてしまってた。シャロに戦慄が走った。

 

シャロ「まさか・・・気合いで・・・!」

 

リゼ「ああ、そこ、昨日引っ掛けて。」

 

シャロ「これって軍法会議にかけられますか!?」

 

リゼ「落ち着け!何言ってる!?」

 

シャロ「で、でも・・・!!」

 

リゼ「大丈夫だ!」

 

チノ「あれ?楽兎さん、ココアさんは?」

 

楽兎「あれ?さっきまで居たんだけど・・・」

 

何時の間にかまたココアがいなくなってた。

 

 

 

 

探しに行くチノと楽兎は廊下を探索する。

 

チノ「ココアさーん!ココアさーん!」

 

楽兎「おーいココアー!何処だー?」

 

すると2階から不可思議な音が聞こえた。その音は階段を降りて来た。

 

チノ「コ・・・ココアさん?」

 

楽兎「チノちゃん下がって。何か来る。」

 

チノが楽兎の後ろに隠れる。

 

???「チノちゃーん!助けてー!」

 

楽兎・チノ「ん?」

 

突然階段から白い物体が現れた。

 

チノ「わああああああ!!!」

楽兎「どわーーーーー!!!」

 

 

 

 

悲鳴を聞いた皆が急いで駆け付ける。

 

リゼ「どうした?チノ!」

 

シャロ「チノちゃん?」

 

緑羽太「楽兎どうした!!」

 

みくる「楽兎!」

 

チノ「た・・・助けて下さい!」

 

楽兎「このお化け野郎!チノちゃんに近付くな!!」

 

白いお化けに襲われそうなチノから守ってる楽兎がお化けを押してる。

 

シャロ「わ!お化けー!」

 

緑羽太「お化け発見!」

 

ビデオカメラでお化けを撮影する緑羽太。

 

楽兎「おい緑羽太!こんな時にビデオ撮ってる場合か!」

 

緑羽太「だったら待ってろ!今掃除機持って来る!」

 

楽兎「ルイージマンションでもねえから!!」

 

チノ「わ・・・私美味しくないです!食べないで下さい!やめて下さい!」

 

楽兎「おいこのお化け野郎!チノちゃんを食べるなら俺を食え!!」

 

千夜「成仏しなさい!」

 

みくる「悪霊退散!!」

 

リゼ「こら!チノから離れろ!」

 

お化けを引っ張ると、中からココアが出て来た。

 

ココア「あれ?皆どうしたの?」

 

リゼ「カーテン?」

 

千夜「ココアちゃん?」

 

ココア「カーテンも洗おうと思ったんだけど重くて・・・」

 

チノ「もう驚かさないで下さい!」

 

楽兎「ビビったじゃねえか!っつか畳んで運べよ!」

 

ココア「えへへ、ごめんねチノちゃん、楽兎君。」

 

 

 

 

 

 

カーテン全部持って来た。

 

シャロ「このカーテン全部洗うの?」

 

千夜「この量はきついんじゃないかしら?」

 

ココア「大丈夫!手洗いの底力見せてあげるよ!」

 

シャロ「何処からその自信が出て来るのよ!」

 

ココア「さあやるよ!」

 

カーテンと水と洗剤が入ったビニールプールにココア、チノ、リゼ、千夜、シャロが入る。

 

ココア「行くよー!お洗濯ー!お洗濯ー!」

 

足踏みしてカーテンを洗う。

 

千夜「お洗濯ー!お洗濯ー!」

 

シャロ「お・・・お洗濯ー!」

 

リゼ「お・・・お・・・お洗濯ー!お洗濯ー!」

 

途中でチノがココアの足を踏んでしまった。

 

チノ「すみません。」

 

ココア「チノちゃん軽いから全然痛くないよ!いっぱい踏んでも大丈夫!」

 

チノ「もう踏みません。」

 

少々拗ねたチノ。

 

楽兎「皆活き活きしてて楽しそうにやってるな。」

 

緑羽太「この光景を見ると、本当の子供みたいだな。」

 

ビデオカメラを回してる緑羽太。

 

みくる「って事は、私達は子供を見守る親みたいだね。」

 

5人は楽しく歌いながら洗濯する。

 

 

 

 

そして時間が過ぎて1時間後。

 

シャロ「もう一時間も洗ってるのに・・・」

 

リゼ「ぜ・・・全然終わらないな・・・」

 

チノ「きりがない・・・です・・・」

 

1時間経ってもカーテンの洗濯が終わる事無く、5人の足に限界が来てしまった。

 

ココア「そんな・・・人間の力じゃ機械に敵わないの・・・?」

 

千夜「諦めちゃダメよ!力を合わせれば必ず勝てるわ!」

 

ココア「千夜ちゃん・・・!皆!私に力を貸して!」

 

両手を挙げて太陽に力を求めるココア。

 

リゼ「もう貸してるから足を動かせ。」

 

チノ「全くです。」

 

楽兎「元気玉かよ。」

 

千夜「ちょっと休憩しましょう。」

 

ココア「賛成!」

 

 

 

 

 

 

休憩に入った。千夜がお盆に乗せてある8杯の緑茶を持って来た。

 

千夜「甘兎庵特製緑茶よ。」

 

ココア「おっ茶!お茶!」

 

チノ「綺麗な色です。」

 

千夜「1個だけ青汁を混ぜてみました。皆でドキドキを楽しみましょう。」

 

シャロ「余計な事を・・・」

 

楽兎「ロシアンルーレット・・・?」

 

ココア「よーし!私これね!」

 

チノ「じゃあこれを。」

 

シャロ「全くもう。」

 

リゼ「悪意がないのが逆に怖いな。」

 

みくる「でも何か楽しそうな感じ。」

 

緑羽太「これ何かの罰ゲームか?」

 

楽兎「逆に何かイラつきな感じがする。」

 

それぞれの緑茶を取る。最後の1杯を千夜が取る。

 

千夜「では、せーの!」

 

全員「乾杯!」

 

乾杯して緑茶を飲む。

 

 

 

すると千夜が崩れた。そうやら青汁を混ぜた緑茶を飲んだ。

 

リゼ「自滅した!」

 

緑羽太「天罰下った!?」

 

 

 

 

 

 

洗濯を再開する。

 

リゼ「そっち引っ張って。」

 

シャロ「あ、はい。」

 

洗ったカーテンを引っ張って干す。

 

チノ「ようやく終わりが見えましたね。」

 

ココア「これでラストだね。汚れはみんな落ちたからね!」

 

するとチノの制服のボタンが取れてしまった。

 

ココア「は!」

 

リゼ「ボタンも落ちた・・・」

 

ココア「き・・・きっと綻びてたんだよ!でもぬいぐるみは完璧な出来だよ!」

 

ぬいぐるみの目も取れてしまった。

 

チノ「目ー!」

 

みくる「ぬいぐるみの目がバルスしたわ!」

 

楽兎「ムスカか!」

 

緑羽太「目が!目があああ!」

 

楽兎「真似せんでええ!」

 

制服を見たチノは何か思い付いた。

 

チノ「この機会に制服をリニューアルしますか。」

 

ココア・リゼ「リニューアル?」

 

千夜「それならミニスカートの着物なんてどう?」

 

シャロ「絶対フリル付きのエプロンドレスよ!」

 

リゼ「ミニスカ・・・フリル・・・」

 

ミニスカとフリルを着てる自分を想像する。目がキラキラしてた。

 

楽兎(あ、この子ミニスカとフリルが気に入ったらしいな。)

 

ココア「私は着ぐるみが良いなー!ティッピーの!」

 

チノ「夏は暑そうです。」

 

ティッピーの着ぐるみを想像する。

 

楽兎「カービィみたいだな。」

 

ココア「大丈夫!夏服もあるよ!」

 

ティッピーの被り物を想像する。

 

チノ「服ですらない!」

 

緑羽太「酸欠するぞ。」

 

リゼ「でもこの制服、それなりに愛着があるんだよな。」

 

シャロ「それ分かります。私今ではうさ耳がない仕事服は落ち着かなくって。」

 

リゼ「洗脳されてる!」

 

緑羽太「ま、まあシャロの言う事は分かる気がする。」

 

シャロ「先輩のフルールの制服、凄く似合ってましたよ。」

 

リゼ「お・・・」

 

千夜「甘兎の制服だって。」

 

リゼ「お・・・」

 

嘗て父の日までにワインを買う為に甘兎庵とフルール・ド・ラパンでバイトをした事を思い出した。

 

リゼ「い・・・今まで出た案をローテーションで回すのは・・・」

 

ココア「リゼちゃんもティッピーのコスプレしたいの?」

 

リゼ「それもありかも・・・は!いやちょっと待て!」

 

 

 

 

 

 

こうして洗濯が終わって制服やカーテン、更にティッピーが優しい風に揺られてる。

 

ココア「壮観だねー。」

 

シャロ「飛ばされないようにね。」

 

その束の間、突然風が強くなり、チノのハンカチが飛ばされた。

 

チノ「言われたそばからハンカチが・・・!」

 

リゼ「よっと。」

 

見事にリゼがハンカチをキャッチした。

 

チノ「ありがとうございます。」

 

楽兎「ナイスキャッチだ。リゼ。」

 

千夜「今、シャロちゃん家のパンツも飛ばされた気がするわ。」

 

シャロ「そう簡単には飛ばされないわよ!」

 

リゼ「ん?」

 

だが千夜の予想が当たった。シャロのパンツが飛ばされたのだった。

 

青山「あら?」

 

歩いてた青山ブルーマウンテンの頭に乗った。

 

 

 

 

 

 

その夜、ココアとチノは制服のボタンを縫っていた。

 

ココア「ねえ、この制服って何処で買ったの?」

 

チノ「母が作ったんです。」

 

ココア「作ったの!?器用だね。」

 

チノ「私が大きくなったら、友達と一緒に働けるようにって、三色色違いにしてくれたんです。」

 

ココア「へぇ〜。」

 

チノ「黄色や緑色の作りかけまであるんですよ。困ったものです。それと楽兎さんの制服も母が作ったんですよ。」

 

ココア「そうなんだ!沢山友達呼んで欲しかったんだよ。千夜ちゃんもシャロちゃんも似合うんじゃないかな。」

 

ラビットハウスの制服を着た千夜とシャロを想像する。千夜は緑色でシャロが黄色の制服を着てる。

 

チノ「千夜さんには甘兎が、シャロさんにはフルールの仕事がありますから。」

 

ココア「でもね!そんなに愛情こもってる服なら簡単にリニューアルするとか言っちゃダメだよ!プンプン!」

 

チノ「で・・・ですが・・・」

 

ココア「待ってて!解れた所も全部仕立て直すから!」

 

 

 

 

 

 

作業は翌朝まで続いてた。そして。

 

ココア「よーし!完成!」

 

途中で寝てたチノが起きた。するとチノが驚いた。

 

チノ「・・・ココアさん!」

 

 

 

 

 

 

早速制服を着て仕事を開始。シャロと千夜と緑羽太が来店した。3人は驚いた。

 

シャロ「せ・・・先輩・・・!」

 

千夜「あら〜。」

 

緑羽太「何じゃこりゃ!?」

 

何とココアとチノとリゼの3人の制服がミニスカとフリルになっていて、まるでアイドルのようだった。

 

ココア「いらっしゃいましー!」

 

チノ「今日仕事が終わったら直します。」

 

楽兎「ヤバイ、仕事やりにくそうな感じ。」

 

緑羽太「ど、どうだ?アイドルデビューする?」

 

楽兎「調子に乗んな。プロデューサーかお前は。」

 

シャロ「先輩・・・!」

 

リゼ「何も言うな!」

 

シャロ「凄くプリティです!」

 

千夜「負けてられないわ!」

 

シャロ「え!?」

 

何故か千夜が負けてる。

 

 

 

 

 

 

数日後、ココアとチノと楽兎が買い物に出掛けてた。

 

ココア「晩御飯何にしよっか?今日は何が安いんだっけ?」

 

チノ「サンマが安いはずです。」

 

ココア「サンマかー。」

 

チノ「ココアさんはもっと魚を食べるべきです。」

 

楽兎「魚は美味いぞ。特に魚介ラーメンは美味いぞ。」

 

ココア「カレーかな?」

 

チノ「話聞いてますか?カレーだったらそろそろ嫌いな野菜を克服するべきです。人参も食べて下さい。」

 

ココア「あ。」

 

チノ「私は昨日アスパラを一口食べられました。だからもう十分です。」

 

ココア「チノちゃん、チノちゃん!」

 

チノ「ですから昨日アスパラを一口・・・」

 

ココア「そうじゃなくてね。」

 

チノ「何ですか?」

 

ココア「お姉ちゃんには敬語を使わなくて良いんだよ。」

 

チノ「・・・ココアさんは誰に対してもため口ですね。」

 

楽兎「俺なんかココアより年上だぞ?」

 

ココア「私のモットーは会って三秒で友達だからね。」

 

チノ「ポジティブで羨ましいです。私はずっと周りに居たのはお客さんや年上の人ばかりだったので、癖が直らなくて。」

 

楽兎「癖って直すのは難しいんだよね。分かるよチノちゃん。」

 

ココア「そっか!じゃあ練習しよう。」

 

チノ「練習?」

 

目の前に、千夜とシャロとみくるが歩いてた。

 

千夜「あ、チノちゃん、ココアちゃん、楽兎さん。」

 

シャロ「3人も買い物?」

 

楽兎「ああ。今日の晩飯のな。みくるは何で2人と?」

 

みくる「途中偶然出会ったの。」

 

ココア「丁度良い所に!ほら、チノちゃん。」

 

チノ「は・・・はい・・・千夜さ・・・ちゃん・・・シャロさ・・・ちゃん・・・みくるさ・・・ちゃん・・・こ・・・こんにち・・・!」

 

シャロ「ち・・・チノちゃん?」

 

千夜「トイレでも我慢しているの?」

 

みくる「チノちゃん大丈夫?」

 

 

 

 

 

 

6人はマーケットに入り、事情を話した。

 

千夜「そんな事だったの?チノちゃんらしいのが一番よ。」

 

シャロ「無理する事無いわ。」

 

みくる「そうよ。少しずつ経験するのが一番よ。」

 

チノ「そうですか。」

 

ココア「そうそう、無理する事無いよ。」

 

シャロ「けしかけたあんたが言う?」

 

千夜「シャロちゃんだってリゼちゃんの前だとちょっと固くなるんだから。」

 

シャロ「よ・・・余計なお世話よ!ほら先輩だもの!」

 

ココア「柔らかくなるコツはどんな時でも笑顔だよ!ほら笑って!」

 

シャロ「愛想笑いで私に勝てると思ってるの?」

 

ココア「愛想笑いなのに眩しい!」

 

シャロの愛想笑いは輝いてた。

 

チノ「シャロさん、何を作るんですか?」

 

シャロ「カレーで良いかな。」

 

千夜「それなら皆で一緒に作って食べない?」

 

ココア・シャロ・みくる「ナイスアイディア!」

 

チノ「です!」

 

マーケットから出ながらチノはタカヒロに電話した。

 

チノ「はい、お父さん。そうです。シャロさんの家で皆でご飯食べてから帰ります。」

 

千夜「沢山買ったわね。」

 

シャロ(今月も厳しいのに・・・でも・・・リゼ先輩も来てくれるかな?)

 

携帯を見てシャロが心の中で呟く。

 

千夜「シャロちゃん、リゼちゃんも誘ってみれば?」

 

シャロ「そ・・・そうね。千夜がそう言うなら電話してみるわ。」

 

携帯でリゼを夕ご飯を誘う。

 

リゼ『もしもし、シャロ?』

 

シャロ「あ・・・あの・・・先輩。皆でカレーパーティしようって話してて。」

 

千夜(リゼちゃんの前だとちょっと固くなるんだから。)

 

シャロ「う・・・」

 

リゼ『シャロ?』

 

シャロ「い・・今から私の部屋に来ちゃいなYO!」

 

リゼ「(YO?もしかして流行ってるのか?)あ・・・ああ!行くYO!」

 

シャロ「乗ってくれた!YO!YO!YO!」

 

千夜(迷走してるわ。)

 

誘いに成功したシャロがラッパーみたいに喜んだ。

 

みくる「そう言えば、緑羽太はどうするの?」

 

楽兎「彼奴?彼奴は多分家で飯食ってるかもな。」

 

???「呼んだ?」

 

楽兎「どわっ!?お前!!」

 

後ろから緑羽太が出て来た。

 

緑羽太「晩飯の材料が切れたから買い物しようと思ってたら皆おったからこっそり近付いたんだ。」

 

楽兎「ストーカー犯にでもなるのかお前は?」

 

千夜「だったら緑羽太さんも一緒にどうかしら?」

 

緑羽太「え?良いのか?」

 

みくる「あなたが居ないと何か寂しそうだから。私達が。」

 

緑羽太「じゃあお邪魔します。」

 

 

 

 

 

 

その夜、シャロの家でカレーを作る。

 

チノ「隠し味に少しハチミツを。」

 

みくる「そしてすったりんごも入れる。」

 

リゼ「最後にこれだ!」

 

チョコレートを出した。

 

ココア「高そうなチョコレート!」

 

リゼ「親父の部下が持って来た土産だけど、甘いの苦手だから皆で食べろって。」

 

ココア「わーい!頂きまーす!」

 

チノ「頂きます。」

 

楽兎「どれどれ?」

 

チョコを食べる楽兎。

 

楽兎「!?」

 

すると急に口に手を押さえてトイレへ向かった。

 

緑羽太(ん?)

 

リゼ「これを一粒。」

 

カレーにチョコを投入する。

 

シャロ「カレーにチョコレート?」

 

リゼ「味に深みが出るんだ。」

 

千夜「へえー。」

 

シャロ「流石先輩!」

 

リゼ「後はこのまま暫く煮込んで・・・ん?」

 

チノを見てリゼが驚いた。チノの顔が何故か赤くなってフラフラしてた。

 

リゼ「チノ?」

 

シャロ「顔真っ赤!」

 

千夜「ブランデー入りだったのね。」

 

緑羽太「え?」

 

例のチョコを食べてみる。

 

緑羽太「本当だ!酒の匂いが結構する!」

 

ココア「全く、だらしない子ね!それでも私の妹なの!?」

 

いきなりココアが怒鳴った。何故ならココアの顔が赤くなって酔っていた。

 

リゼ「ココアも!?」

 

シャロ「洋酒入りのお菓子で酔うなんてありえない!」

 

リゼ「カフェインで酔う奴が居たような・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃楽兎はトイレから出て来た。

 

楽兎「ああスッキリしたー、酒は勘弁してくれよ・・・ん?」

 

目の前に誰かが立っていた。その人物は、楽兎目掛けて走って来た。

 

楽兎「え?」

 

???「楽兎お兄ちゃーん!」

 

楽兎「ちょ、のわ!?」

 

 

 

 

 

 

その頃、ココアはまだ酔っていた。

 

ココア「おほほー!そんな事ではロザリオを渡せなくってよ!おほほー!」

 

リゼ「高級な食べ物で性格までお嬢様に!」

 

緑羽太「もう完璧に酔ってる!」

 

みくる「ココアちゃん大丈夫!?」

 

フラフラしてテーブルに顔を置いた。

 

ココア「何かシャロちゃんの学校に行った夢を見たよ・・・」

 

シャロ「私の学校そう言うイメージ?」

 

緑羽太「シャロはリゼと同じ学校の生徒だぞ?」

 

そしてココアが酔いから覚めた。

 

ココア「あ、あれ?チノちゃんは?」

 

リゼ「お前がいきなり怒鳴るから逃げて行ったぞ。」

 

ココア「あ・・・」

 

するとドアが開く音が聞こえた。出て来たのは楽兎だった。

 

みくる「楽兎?何処行ってたの?」

 

楽兎「トイレ行ってた。ブランデー入りのチョコで苦しんでた。」

 

緑羽太「吐き気は治まったか?」

 

楽兎「まあな。俺アルコールはダメだがノンアルコールは飲めるからな。」

 

ココア「楽兎君。チノちゃんは何処か知らない?」

 

楽兎「ああ。チノちゃんならここに。」

 

後ろから、泣いてるチノが出て来た。

 

 

 

 

 

 

チノ「ごめんね・・・お姉ちゃん・・・お兄ちゃん・・・良い子になるからもう怒らないで・・・」

 

 

 

 

 

 

6人「何事ー!?」

 

楽兎「・・・・」

 

チノが酔い過ぎて甘えん坊な妹みたいになってしまった。

 

千夜「ココアちゃんの思いがようやく通じたのね!」

 

ココア「苦労の日々だったよ!こっちおいでおいで!」

 

チノの目の前に座り、おいでと誘う。するとチノがココア目掛けて飛び出した。

 

チノ「お姉ちゃーん!」

 

ココア「チノちゃーん!」

 

チノ「千夜お姉ちゃーん!」

 

ココア「見境無ーい!」

 

だがココアではなく、ココアの後ろに居た千夜目掛けて抱き付いたチノ。

 

緑羽太「おい楽兎、チノちゃんどうしちまったんだ?」

 

楽兎「あの洋酒チョコが原因だろうな。さっきトイレから戻ろうとした瞬間、チノちゃんが俺目掛けて抱き付いて来たんだ。」

 

みくる「酒って怖いんだね・・・ん?」

 

目の前にチノが寂しそうに緑羽太とみくるを見詰めていた。

 

みくる「チノちゃん?」

 

緑羽太「どうしたの?」

 

するとチノが2人に飛び付いた。

 

チノ「みくるお姉ちゃーん!緑羽太お兄ちゃーん!」

 

緑羽太「おわっ!?」

 

みくる「きゃあ!」

 

2人に抱き付いた。

 

みくる「何か新鮮だね。私の妹として迎え入れるわ。」

 

緑羽太「みくる止めろ。チノちゃん、離してくれる?」

 

 

 

 

今度はリゼを見詰める。

 

チノ「リゼお姉ちゃん・・・料理のお手伝いするよ。」

 

リゼ「(新鮮・・・!)あ・・・ああ。じゃあ使わなかった人参片付けてくれるかな?」

 

チノ「うん!」

 

人参を差し出したリゼ。

 

リゼ「はぁ〜・・・」

 

ココア「争いたくなかったけど仕方無いね・・・」

 

リゼ「!?」

 

ココア「お姉ちゃんの座を賭けて勝負だよ!」

 

リゼ「悪いが今回ばかりは譲れそうにないな。」

 

突然勝負を始めた2人。

 

 

 

楽兎「姉の座って・・・」

 

緑羽太「まぁ兄の座はお前にあるしな。」

 

 

 

その頃チノはシャロの膝枕で寝ていた。シャロはチノの頭を優しく撫でてる。

 

チノ「シャロお姉ちゃん・・・」

 

シャロ「可哀想に・・・酔いから覚めた時、羞恥心で死にたくなるのよ。」

 

楽兎「何その説得力ある台詞?」

 

ココア「ラビットハウスでは何時もこんな感じだよ。」

 

シャロ「技決められてるのが?」

 

ココアが笑顔になってCQCを喰らってる。

 

緑羽太「余裕ありそうだね。」

 

そこにワイルドギースが部屋に入って来た。

 

ココア「ワイルドギース!」

 

シャロ「うげ!?」

 

楽兎「おおワイルドギース!久し振りだな!」

 

ワイルドギースは楽兎を見て耳をピクッと動かして挨拶した。

 

ココア「仲間に入りに来たの?」

 

チノ「人参が欲しいの?」

 

シャロ「ダメよ!ご飯は各自調達って約束でしょ!」

 

チノが持ってる人参を取り上げた。

 

ココア「2人の間にも距離があるね。」

 

千夜「ゆっくりで良いのよ。目指せ!うさぎ愛され系女子!」

 

シャロ「好かれてるから困ってるのよ!」

 

するとチノが四つん這いでココアに近付く。

 

ココア「チノちゃん?」

 

チノ「お姉ちゃん・・・今の私の方が好き?」

 

ココア(は!あの時・・・)

 

彼女は思い出した。

 

 

 

 

ココア『お姉ちゃんには敬語を使わなくて良いんだよ。』

 

あの時言った言葉を思い出したのだった。

 

 

 

 

ココア(もしかして・・・私が言った事・・・気にして・・・)

 

するとワイルドギースがシャロが持ってる人参目掛けて飛んだ。

 

緑羽太「ワイルドギースが飛んだ!」

 

シャロ「いやー!」

 

ワイルドギースを投げるシャロ。

 

ココア「ごめんねー!」

 

シャロが投げたワイルドギースがチノの頭に直撃した。

 

ココア「チノちゃーん!」

 

泣きながらココアがチノを抱く。

 

チノ「は!」

 

ワイルドギースのお陰でチノが酔いから覚めた。

 

ココア「ごめんね。ごめんね、チノちゃん!何時ものチノちゃんが大好きだから!」

 

それを聞いたチノの顔が真っ赤になった。

 

チノ「あ・・・あの・・・別に酔ってないです・・・」

 

ココア「ん?おー!愛の力で戻った!」

 

チノ「い・・・今までの全部演技ですから・・・」

 

リゼ(無理がある。)

 

千夜(照れ隠し?)

 

シャロ(記憶が残るタイプね。)

 

楽兎(自覚あるのか?)

 

緑羽太(でも否定してる。)

 

みくる(認めてないのかな?)

 

チノ「演技ですからー!」

 

 

 

 

そんなこんなしてる間にカレーが出来上がった。

 

ココア・チノ・千夜・シャロ・みくる「わー!」

 

楽兎・緑羽太「おー!」

 

全員「頂きまーす!」

 

カレーを食べるココア達。

 

ココア・チノ・千夜・シャロ・みくる「美味しいー!」

 

楽兎・緑羽太「美味い!!」

 

リゼ「家庭でも出来る軍隊カレーだ!ん?」

 

ココアとチノの皿には人参だけが残っていた。

 

リゼ「こら!ニンジンも食べろ!」

 

ココア「お母さん、大目に見て?」

 

チノ「お・・・お姉ちゃんの言う通りです。」

 

姉妹らしくなるこの2人。

 

リゼ「こう言う時だけ姉妹らしくなるな!」

 

みくる「可愛らしい姉妹ですなぁ〜。」

 

楽兎・緑羽太「お前な・・・」

 

 

 

 

そしてカレーを完食した。

 

ココア「いただきましたー。」

 

緑羽太「あ〜腹一杯だ〜!」

 

楽兎「いやー食った食ったー。」

 

千夜「皆で食べると美味しいわね。」

 

リゼ「小分けにしといたから残ったの後で食べて。」

 

タッパーに小分けしたカレーを入れたリゼ。

 

楽兎「おお、サンキュー。」

 

シャロ「先輩!一生掛けて頂きます!」

 

リゼ「大袈裟な・・・」

 

緑羽太「腐るぞ。」

 

千夜「今の関係の方が楽みたいね。」

 

チノ「ん?チョコも空になってます。」

 

ブランデー入りのチョコがもう無くなってた。

 

ココア「シャロちゃんが一番食べてたね。」

 

楽兎・緑羽太・みくる「え!?」

 

千夜「確か・・・チョコにもカフェインが入ってるって聞いた事が・・・」

 

全員「あ・・・!」

 

もう手遅れだった。シャロが寄っていた。

 

シャロ「今日は帰っちゃ・・・・・・・・・・やだーーーーー!」

 

皆に向かってジャンプした。

 

全員「わーーーーー!!!」

 

ココア「チノちゃんの次はシャロちゃんが!」

 

千夜「私はこっちのシャロちゃんも好きよ。」

 

リゼ「は・・・離してくれー!」

 

みくる「シャロちゃーーーーん!!!」

 

ジャンプしたみくるがシャロを抱いて、頬をスリスリする。

 

みくる「もお〜、シャロちゃんったら可愛いんだから〜〜!スリスリ〜!」

 

シャロ「は・・・離して下しゃ〜い!!」

 

楽兎「みくるがシャロを抑えてる・・・」

 

緑羽太「シャロの対抗手段が1つ見付かったな・・・」

 

波乱万丈な夕ご飯を頂いた8人であった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

タカヒロ「洗濯機が壊れた原因って・・・」

ティッピー「最近の奴は貧弱じゃなぁ。」

タカヒロ「やっぱり。」

ティッピー「何が?」

タカヒロ「入ったんだな。」

ティッピー「テヘ。」

次回「スニーキングストーキングストーカーストーリー」

酔ったチノちゃん可愛かったですね。この回のチノちゃん見て堕興奮したファンはどれくらい居るのか気になります。

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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20羽「スニーキングストーキングストーカーストーリー」

もうすぐ春休み終了が近付く季節。シャロは家で制服にアイロン掛けしてる。

シャロ「よし!アイロン掛けOK!靴磨き完璧!」

制服と靴が綺麗になっていた。

シャロ「これで新学期を気持ち良く迎えられそう。お化けが出そうな家でも心は錦なんだから!」

するとベッドの下からワイルドギースが出て来て、片方のローファーを咥えて走った。

シャロ「あ、こら!」

するとワイルドギースが何かを見た。

シャロ「ん?」

ワイルドギースが見た方向を見るとそこにいたのは、黒いオーラを醸し出してる千夜が窓の外から見てた。

シャロ「あー!!!驚かさないでよ!」

窓を勢いよく開けて千夜に怒る。

千夜「あのね・・・シャロちゃん・・・」

シャロ「ん?どうしたの?」

何故か千夜が泣いてた。

千夜「あのね・・・ココアちゃんと・・・喧嘩しちゃった・・・」

なんと千夜は、ココアと喧嘩してしまった。


その夜、千夜を元気付けようとするシャロは、千夜にハーブティーを差し出す。

 

シャロ「まままままずはこここここれでも飲んでおおお落ち着きなさい!心が鎮まるハーブティーよぉぉ!」

 

逆にシャロが動揺している。更にカップの中にはハーブティーすら無い。

 

千夜「私よりシャロちゃんの方が動揺してるみたい・・・」

 

シャロ「喧嘩ってこの前家で一緒にカレー作った時はあんなに仲良くしてたじゃない!あんた達の絆はダイヤのように固いんじゃなかったの!?」

 

千夜「ダイヤってハンマーで割れるのよ・・・」

 

シャロ「え!?」

 

ダイヤモンドはハンマーで割れます(実話)。昔トリビアの泉でありました。

 

千夜「あのね、うちの学校クラス替えがあるでしょ?」

 

 

 

 

 

 

今日の昼、ココアと千夜はクレープを食べ歩きしてた時。

 

ココア『良い天気!気分も爽快だね。』

 

千夜『もうすぐ始業式ね。』

 

ココア『そうだね。』

 

千夜『不安だわ。ほら二年生になるとアレは避けて通れないじゃない?』

 

ココア『何で?私凄く楽しみ!千夜ちゃんなら上手くやってけるよ。』

 

千夜『は・・・!』

 

ココア『はむ。』

 

美味しそうにクレープを食べるココア。

 

 

 

 

 

 

千夜「ココアちゃんは私と違うクラスになっても寂しく無いんだわああああああああん!!!!」

 

号泣しながら千夜は叫んだ。

 

シャロ「それで言い争いを!?」

 

千夜「ううん。ココアちゃんに向かって少し頬を膨らませてみたわ。」

 

シャロ「分かりにくいわ!」

 

 

 

 

 

 

千夜はココアに向かって膨れっ面を見せたが、ココアが振り向いた瞬間に膨れっ面を止めた。

 

ココア『美味しいね。』

 

 

 

 

 

 

千夜「どうしよう・・・」

 

シャロ「どうしようってそれって喧嘩?」

 

千夜「ぐす・・・」

 

シャロ「うーん。」

 

 

 

 

 

 

翌日、フルール・ド・ラパンにチノ達を招いて、昨日千夜が言ってた事について相談する事にしたシャロ。

 

シャロ「て事がありまして相談したかったのでわざわざ来て貰ってすみませんリゼ先輩。チノちゃんもありがとう。楽兎さんと緑羽太さんも。」

 

チノ「いえ、丁度買い物に出ようと思っていましたから。ココアさんと千夜さんにそんな事件が。」

 

リゼ「だけどそれって喧嘩か?」

 

シャロ「私もそう言ったんですけど。」

 

緑羽太「ココアちゃんは千夜ちゃんの気持ちが分かって無いのかも知れないな。」

 

チノ「困ったものです。ココアさんは天然で仕出かすんです。」

 

それはこの前、ココアがチノのやり掛けのパズルをまた無意識に完成してしまったのだった。

 

リゼ「うんうん。」

 

楽兎「またやってしまったのかココアは。」

 

シャロ「千夜もそう言う所あるわね。」

 

チノ「あの2人はマイペースお騒がせコンビです。」

 

みくる「まあそれがあの2人の良い所かもね。」

 

リゼ「じゃあ私達は・・・振り回され隊だな。」

 

シャロ(格好悪い!)

 

チノ「何でも部隊にしたがるんですね。」

 

緑羽太「でもリゼ、上手い事言ったな。」

 

楽兎・みくる「何処が?」

 

シャロ「にしても。」

 

リゼ「ん?」

 

シャロ「どうしたら良いと思います?」

 

リゼ「ああ・・放っておいても大丈夫なような気もするけど、振り回されついでに、ココアにメールしておくか。千夜とちゃんと話し合えって。ちょっとすれ違っただけだから大した問題じゃないだろう。」

 

ココアにメールする。

 

シャロ「そうですよね。」

 

ティッピーはハーブティーをストローで飲んでる。

 

チノ「あの、クラス替えって中学には無いんですけど。」

 

シャロ「そう言えばうちの高校にも無いわね。」

 

楽兎「俺達が通ってた高校もクラス替えは無かったよな?」

 

緑羽太「無かったな。」

 

みくる「それは覚えてるわ。」

 

チノ「誰とクラスメイトになるのかって運なんでしょうか?」

 

シャロ「さあ、学力や特性で決めるって聞くけど。」

 

リゼ「もし中学にクラス替えがあってしかも運だったら、チマメ隊が解散して新チームを結成してたかもな。」

 

マヤ・メグ『今日からエダマメ隊だよ!』

 

チノ「エダマメ隊!?そ・・・それは困ります!」

 

シャロ「運だったら、私ちょっと自信あります。」

 

5人「ん?」

 

シャロ「実は商店街のくじ引きで・・・ハズレ賞のボールペン!使い心地抜群だったんです!」

 

リゼ「運が良いのか悪いのか!?」

 

チノ「ボールペン・・・」

 

 

 

 

 

 

夕方、シャロとみくるのバイトが終わり、6人で道を歩いてる。

 

チノ「こっちです。マヤさんたちと見つけた穴場のお店なんですよ。」

 

シャロ(今日のチノちゃん、何時もより子供っぽい。)

 

チノ「新学期用の文房具を買いに行こうと思っていたんです。」

 

リゼ「新学期かー。」

 

楽兎「もう春休みが終わるのか。」

 

緑羽太「季節が流れるのは早いもんだな。」

 

みくる「分かる分かる。」

 

シャロ「リゼ先輩も何か買いたい物あるんですか?」

 

リゼ「特には・・・」

 

チノ「そのお店は流行り物や。」

 

リゼ「流行り!?」

 

チノ「可愛い文房具でいっぱいなんですよ。」

 

リゼ「可愛い!?」

 

するとリゼは、シャロの左腕を掴んだ。

 

シャロ「え!?」

 

今度はチノが、シャロの右腕を掴んだ。

 

シャロ「え!?」

 

そしてシャロを引っ張って走り出した。

 

リゼ「早くしないと日が暮れるぞ!」

 

チノ「急ぎましょう!」

 

シャロ「子供が2人ー!」

 

楽兎・緑羽太・みくる「待てー!!」

 

3人も後を追い掛ける。

 

 

 

 

 

 

そしてその文房具屋に来店した。

 

リゼ「おー!」

 

シャロ「素敵なお店ね。」

 

チノ「ですよね。」

 

楽兎「ほんと可愛い文房具ばかりだな。」

 

リゼ「お!これは機能性が良さそうだな。」

 

1本のボールペンを手に取ったリゼ。

 

チノ「父が使ってる奴みたいです。」

 

リゼ「え!」

 

チノ「リゼさんはもっと中学生の目線になるべきですね。」

 

リゼ(少し歳が離れただけでこの言われよう・・・)

 

シャロ「チノちゃん、見て見て。これコーヒーミル型鉛筆削りだって。」

 

チノ「素敵です!とても渋みがあります!」

 

コーヒーミル型鉛筆削りを見て、チノが輝いた。

 

リゼ「中学生なのに渋みって・・・」

 

みくる「あ!このペン可愛い!」

 

ボールペンを見て目をキラキラさせてるみくる。

 

リゼ「私は流行りとか良く分からないからな・・・」

 

シャロ「ならば私にお任せを!」

 

リゼ「シャロは分かるのか?」

 

シャロ「色々勉強してるんですよ。クラスの子と話題合わせるのもあの学校で生き抜く術ですから。」

 

リゼ「く・・・苦労してるんだな・・・」

 

シャロ「例えば・・・そうですね・・・あ!」

 

するとシャロは、ピンク色のステラードブラッシュを手に取った。

 

シャロ「このステラードブラッシュはラメの文字が書けるんです。ガールズテンプレラは可愛い文字をリボンに印刷できて凄く便利なんですよ。」

 

チノは理解してるが、リゼは混乱してる。

 

リゼ「ステ・・・て・・てんぷら・・・?」

 

シャロ「こっちのライナーはマスキングテープになってて文字の上から貼れて。」

 

チノ「私も使ってます。」

 

リゼ「暗号だ・・・!解読班は何処だ・・・!」

 

全然理解出来てないリゼ。

 

チノ「師匠と呼ばせて下さい。」

 

シャロ「でも私使った事ないの。」

 

緑羽太「リゼ、この先、相当苦労しそうな事が起きるかもしれないな。」

 

リゼ「買う物決まったか?」

 

チノ「見せ合いっこしませんか?」

 

シャロ「そうね、じゃあせーので。」

 

リゼ「ああ。」

 

3人「せーの!」

 

チノ「あ!」

 

リゼ「あ!」

 

シャロ「あ!」

 

色違いだが、同じペンが3人合った。

 

シャロ「意外と趣味が似てるんですね。」

 

リゼ「そうだな。」

 

チノ「後は、アンゴラウサギの下敷き。」

 

リゼ「手榴弾型消しゴム。」

 

シャロ「お徳用ノート。」

 

リゼ「ああ・・・」

 

シャロ「ペンが被ったのは奇跡ね・・・」

 

 

 

 

 

 

それぞれ文房具を買った後、夕方の道を歩く。

 

チノ「良い買い物が出来ました。」

 

リゼ「そうだな。」

 

シャロ「予定外の出費だったけど凄く楽しかったから良しとしま・・・あ!」

 

突然シャロが何かを見て怯えた。目の前にフラフラしながら立ってる千夜を見付けたからである。

 

緑羽太「目の前にゾンビが現れた!」

 

楽兎「馬鹿野郎!よく見ろ!」

 

千夜「あ・・・皆・・・」

 

シャロ「千夜!どうしたの!?」

 

千夜「公園へ行こうと思って・・・ココアちゃんから果たし状が来たから・・・」

 

6人「果たし状!?」

 

メールには「夕刻の4時半、公園にて待つ。飾る言葉などいらぬ、覚悟と心意気のみ持ち来たれ。あ、お菓子はあるからね♡」と来ていた。

 

シャロ「余計な遊び心を!」

 

みくる「ココアちゃんが中二病に覚醒したの!?」

 

楽兎「それこそ異常だろ!」

 

緑羽太「最後の文だけ可愛くしてるな。」

 

 

 

 

 

 

そして6人は公園の茂みに隠れながら、ココアと千夜の会話を聞く。

 

リゼ「ここから見守っていよう。」

 

ココア「えー!?クラス替えあるの!?」

 

リゼ「今知った!」

 

楽兎「今更!?」

 

クラス替えの事をココアが初めて知った。

 

ココア「千夜ちゃん、良いお姉ちゃんになれるか不安だったのかと!」

 

生徒達『お姉様ー!』

 

チノ「とんだ勘違いです!」

 

千夜「だから私なら上手くやっていけるって言ったの?」

 

ココア「う・・・うん!」

 

千夜「そっちも心配した方が良いかしら!?」

 

シャロ「しなくて良い!」

 

楽兎「千夜、全1年生の姉になるのか?」

 

緑羽太「もしくは保育士?保育士なら資格がないと意味無えけど。」

 

チノ「何時も通りの2人でしたね。」

 

リゼ「喧嘩なんて可笑しいと思ったよ。」

 

シャロ「帰りましょう。」

 

リゼ「だな。」

 

6人はこっそり帰る。

 

ココア「そうなんだ・・・クラス替えがあるんだ・・・」

 

千夜「ココアちゃん・・・」

 

ココア「あ!チノちゃん良い所に!」

 

6人が帰ってる姿をココアが見付けた。

 

チノ「ん?」

 

 

 

 

 

 

ココア「はい!よーし!」

 

買って来たコーヒーをココアと千夜が飲む。

 

シャロ「何する気よ?」

 

緑羽太「どうやらコーヒー占いのカフェドマンシーをやるようだな。」

 

ココア「ティッピー!コーヒー占いだよ!明日の運勢を占って!」

 

ティッピー「よっしゃ。」

 

コーヒーを飲み干してティッピーにカップの底を見せる。

 

千夜「どうかしら?」

 

ココア・千夜「ごくり・・・」

 

ティッピー「うーん・・・明日の2人は今までの行いの報いが来るじゃろう。」

 

ココア「報いって!?」

 

千夜「それじゃあ一緒のクラスには・・・!」

 

何処からか饅頭を出した千夜。

 

千夜「わ・・・私達の強運を舐めてもらっては困るわ!」

 

ココア「ロシアンルーレット!」

 

だがしかし、2人ともハズレを食べてしまい倒れてしまった。

 

みくる「何やってるの?」

 

楽兎「ハズレの饅頭を食べて倒れてるな。」

 

シャロ「ホントに何してんだか。あのね、もしクラスが別々になったってそれで終わりじゃないでしょ。」

 

リゼ「同じ学校なんだし。」

 

チノ「休み時間には会えます。」

 

シャロ「どうせ授業中はお喋るする訳にはいかないんだし。」

 

ココア「そ・・・そうだね。」

 

千夜「ええ。」

 

ココア「あ!クラス違っても教科書の貸し借りができるし!」

 

千夜「そ・・・それちょっと憧れだったわよね!」

 

ココア「クラスの出来事を報告し合うとか!」

 

千夜「1日に二つの学園生活を楽しめるなんて!」

 

ココア「なんか悪くない気がしてきた!」

 

千夜「寧ろそれはそれで楽しみになってきたわ!私達・・・クラスは離れても・・・」

 

ココア「心は何時も隣の席だよ!皆!心配してくれてありがとう!」

 

千夜「もう大丈夫よ!」

 

すっかり元気なった2人。6人は呆れてる。

 

リゼ「勝手にしてくれ・・・」

 

楽兎「好きにしな。俺の手には負えねえよ。」

 

 

 

 

 

 

翌日の夕方、千夜を待ってるシャロ。

 

シャロ「クラス替えどうなったかな?昨日はああ言ってたけど別々のクラスになっちゃったらやっぱり落ち込むだろうし、そしたら励まして・・・」

 

そこに千夜が走って帰って来た。するとシャロが微笑んだ。その理由は、またココアと同じクラスになって嬉しくなった千夜を見て微笑んだからである。

 

 

 

 

 

 

ところが翌日。

 

7人「春休みの宿題忘れた!?」

 

なんとココアと千夜が春休みの宿題を忘れてしまったのである。結局4人で勉強する事になった。

 

ココア「助けてー!明日までに提出しないと進級早々補習なの!」

 

チノ「行いの報いが来る・・・ティッピーの占い当たりですね。」

 

楽兎「クラス替えの報いかと思ったら、宿題の方の報いだったのか。」

 

シャロ「ここの回答!」

 

リゼ「間違ってる!」

 

ココア「鬼教官が2人!」

 

千夜「でも心強い!」

 

シャロ「結局振り回されるのね。」

 

チノ「私も予習します。」

 

リゼ「うん。」

 

チノも加わった。

 

ココア「あ!何で3人とも同じペンなの?」

 

チノ達のペンが一緒になってるのを見た。

 

シャロ「私達は振り回され隊だからよ。」

 

リゼ「そう言う事!」

 

チノ「秘密の絆です。」

 

ココア・千夜「あー・・・ん?」

 

 

 

 

 

 

数日後、チノは中学校でマヤとメグに今までの事を話した

 

マヤ「へえ、そんな事があったのか。」

 

メグ「高校はクラス替えがあるんだね。」

 

マヤ「お、気が早い話だけどさ二人はココアとリゼの高校どっちに進学したい?」

 

チノ「うーん、普通はココアさんと千夜さんの学校になるでしょうね。」

 

マヤ「やっぱり?」

 

メグ「えーとね。」

 

チノ・マヤ「ん?」

 

メグ「私はお母さんに、リゼさんとシャロさんと同じ学校に行くようにって勧められているけど。」

 

マヤ「え!」

 

チノ「そうだったんですか。」

 

マヤ「あそこお嬢様学校だよ!ごきげんよう症候群になるよ!」

 

リゼ『ごきげんよう。今日はごきげんなお天気でごきげんですわ。』

 

お嬢様になったリゼをイメージするマヤ。

 

マヤ「って不治の病だよ!」

 

メグ「リゼさん病気なの?」

 

マヤ「でもそっか・・・別の高校になっちゃうかもしれないのか・・・」

 

 

 

 

 

 

放課後になり、生徒達が下校の時間になった。

 

チノ「一緒に帰りましょう。」

 

リゼ「うん。ん?あれ?マヤちゃん?」

 

マヤ「ちょっと急用。」

 

チノ・メグ「ん?」

 

今日のマヤは何か急いでる。

 

 

 

 

 

 

同じ頃、リゼとシャロが通ってるお嬢様学校でも放課後の時間になってる。

 

同級生A「ごきげんよう。」

 

同級生B「ごきげんよう、また明日。」

 

リゼ「また。」

 

 

 

 

 

 

2人の同級生と別れて下校するリゼ。その後ろからマヤが気付かれないように付いて来る。するとリゼが何かを感じたのか途中で止まる。

 

リゼ「何か視線を感じる・・・」

 

マヤ「ん!」

 

気付かれたと思ったマヤはドキドキしてる。

 

リゼ「誰だ!出て来い!」

 

すると茂みの中からうさぎが出て来た。

 

リゼ「!?」

 

マヤ「私に気付くなんて流石リゼ!」

 

リゼ「は!・・・・・・」

 

マヤ「ん?」

 

赤面するリゼ。うさぎは去って行った。

 

リゼ「な・・・何か用か?」

 

マヤ「尾行ごっこ!」

 

リゼ「ん?ま・・・まあ・・・私を一瞬でも騙せたのは褒めてやろう・・・」

 

マヤ「ん?リゼ何か顔赤いよ。」

 

リゼ「今日は暑いからな・・・」

 

マヤ「そうかな?」

 

 

 

 

 

 

その後マーケットから出た2人。

 

リゼ「ほら、アイスでも食べろ。」

 

アイスをマヤにあげる。

 

マヤ「わーい!ありがとう!」

 

リゼ「尾行ごっこなら私も昔はよくやったな。」

 

マヤ「そうなの?」

 

その後2人で帰る。

 

マヤ「ねえ、リゼ。」

 

リゼ「ん?」

 

マヤ「ちょっと聞きたい事あるんだけど。」

 

リゼ「尾行のコツだな?」

 

マヤ「そうじゃなくて。」

 

リゼ「よーし!特別に教えてやる!あれを見ろ!」

 

マヤ「ん?」

 

リゼが目の前に指差すと、そこには、青山ブルーマウンテンが歩いてた。

 

マヤ「小説家青山ブルーマウンテン!」

 

リゼ「行く先々に現れる神出鬼没で不思議な存在だ。どんなルートを歩くのか興味がある。尾行するぞ!」

 

マヤ「イエッサー!」

 

青山を尾行する事となった2人。物陰に隠れながら青山を尾行する。

 

リゼ「あまり近付きす過ぎずに一定の距離を保つのが大事だ。」

 

マヤ「イエッサー!」

 

青山を尾行してる2人を尾行してる人物がいた。

 

シャロ(2人で何処へ行くのかしら?)

 

なんとシャロだった。尾行してる2人を尾行する。そして青山は、カップの店の中を見てる。その後ろの花壇の後ろから覗いてるリゼとマヤ。だがマヤはジャンプしながら覗いてる。

 

リゼ「こら!」

 

マヤ「良く見えないよ!」

 

リゼ「ちょっとは落ち着け!」

 

マヤ「私が止まった時は死ぬ時だから!」

 

リゼ「お前はマグロか!?バレるだろ!」

 

マヤ「これってCQC!?」

 

ジャンプしてるマヤを抑えるリゼ。それを後ろから見てるシャロ。

 

シャロ「先輩・・・あんなに楽しそうにじゃれあって!わー!て言うか私何してるの!?盗み見なんてバレたら嫌われる!」

 

勘違いをしてるシャロ。

 

リゼ「あれ?さっきからあまり動かないな。」

 

マヤ「何見てるんだろ?」

 

それは、後ろに向いて、頭を抱えてるシャロを見ている。

 

青山(シャロさんが頭を抱えている。何をしているのでしょうか。新作のためにじっくりと観察させていただかなくては。それにしても・・・)

 

リゼ・マヤ「どうして・・・」

 

シャロ「何故・・・」

 

青山「動かないんでしょう?」

 

リゼとマヤを見てるシャロを見てる青山を見てるリゼとマヤ。可笑しな三つ巴状態になってしまった。すると。

 

シャロ「な!ば・・・ば・・・ば・・・バイトがー!私のバカー!」

 

バイトに遅刻しそうなり、走るシャロ。

 

リゼ「シャロ?」

 

青山「待って下さーい!」

 

シャロを追い掛ける青山。

 

リゼ「青山さん!」

 

マヤ「待ってよ!青ブルマ!」

 

リゼ「その呼び方はやめろ!」

 

すると青山がこけてしまった。

 

マヤ「こけた!」

 

リゼ「尾行はもうやめだ!」

 

急いで駆け付ける。

 

リゼ「大丈夫か?」

 

青山「早くシャロさんを追って下さい!」

 

リゼ「え?」

 

青山「私が見守るシャロさんが最近ストーカー被害に遭ってるらしいんです!この間店に行った時に怪しい気配を感じるって!」

 

リゼ「お前だよ。」

 

実はリゼとマヤは、ある2人に尾行されてるのを知らなかった。

 

青山「え?私はネタを探すためにシャロさんを尾行して観察していただけですが。」

 

リゼ「それだよ。」

 

青山「あらまあ。」

 

尾行してたのは、チノとメグだった。

 

メグ「私達の尾行気付いてないみたいだね。」

 

チノ「刑事になれそうですね。」

 

メグ「じゃあ私達コンビだね!ターゲットを追い詰めよう!二羽兎の刑事だね!」

 

チノ「に・・・二羽兎・・・おー!」

 

すると目の前にうさぎを見付けた。

 

チノ「あ、うさぎです。」

 

メグ「それは見逃せないねー。」

 

 

 

 

 

 

再び歩くリゼとマヤを尾行する。

 

メグ「ドキドキだね。」

 

チノ「スリルがあります。」

 

メグ「ううん、違くてね。」

 

チノ「ん?」

 

メグ「チノちゃんと2人っきりってあんまりなかったから楽しいなって。」

 

純粋なメグを見てチノは顔を赤くした。

 

チノ「(な・・・何かお話しなくては!)アイスが溶けそうです!」

 

メグが持ってるアイスが溶けそうになってる。

 

メグ「あ!危ない危ない!何時も落としちゃうからチノちゃん居て助かったよ。」

 

だが溶けて落ちてしまった。

 

チノ「今落ちましたが・・・!」

 

メグ「あ、アリだよ。」

 

チノ「見失ってしまいます。」

 

 

 

 

 

 

そんな2人をココアと千夜が変装しながら尾行してる。サングラスを身に付けて、帽子とコートを着ている。

 

ココア「チノちゃんとメグちゃんったら。」

 

千夜「私達の尾行に気付いてなかったみたいね。顔見知りを尾行する時はイメチェンスタイルで!」

 

ココア「千夜ちゃんのアイディアは完璧だね!」

 

走ってるチノとメグを追い掛ける2人。

 

千夜「でもどうして2人の後を?」

 

ココア「妹達を見かけたら見守るのがお姉ちゃんたちの役目だよ!」

 

メグ「リゼさんと働くのって楽しそうだよね。」

 

チノ「そうですか?」

 

ココア「私も褒めて褒めて!」

 

千夜(自分の噂話が聞きたいだけなのかしら・・・)

 

心の中からそうツッコむ千夜。

 

 

 

 

 

 

マヤ「公園!ジェラート食べたい!」

 

リゼ「またアイスか。」

 

公園にあるアイス屋の屋台でアイスを買おうとすると。

 

リゼ「あれ?シャロ?」

 

シャロ「先輩!」

 

屋台でバイトしてるシャロを見付けた。

 

マヤ「ここでバイトしてたんだ。」

 

シャロ「じぇ・・・ジェラートですか?えーと・・・」

 

リゼ「じゃあ。」

 

ココア「今日はこの格好だとちょっと暑いね・・・」

 

千夜「我慢よ・・・これを脱ぐのは使命を放棄した時だけ!」

 

ココア「そ・・・そっか。」

 

千夜「全ては形から!」

 

ココア「う・・・うん!」

 

だがココアと千夜は暑苦しいのか、息を漏らす。チノとメグは、後ろから邪悪な気配を感じて怯えていた。

 

 

 

 

 

 

リゼとマヤはベンチに座りながら話をする。

 

マヤ「ねえリゼ。ちょっと聞きたい事があるんだけど。」

 

リゼ「何だ?」

 

マヤ「今の学校楽しい?」

 

リゼ「そうだな。設備はしっかりしてるし射撃場はないけど良い所だよ。」

 

マヤ「射撃場は無えよ。」

 

そう言ったマヤは悲しそうな表情をする。

 

マヤ「友達と進む学校が違ったらもう親友じゃなくなっちゃうのかな?本当はね、チノとメグと3人で同じ高校に行きたかったんだ。」

 

チノ・メグ「あ!」

 

マヤ「そう考えてたら居ても立っても居られなくなっちゃって。リゼならこの気持ち分かってくれるかなーって。ほら私、考えるより先に手が出るタイプだから!

 

高速でジャブするマヤ。

 

リゼ「手が出たらダメだろ!行動するタイプだよ!そうだな。私がよく会ってる奴らは学年も学校も違うけどそれはそれで楽しいぞ。何時も一緒にいるだけが友達じゃないだろ。大丈夫だ。」

 

マヤ「あ・・・うん!そうだね!私もリゼと遊べて楽しいもん!」

 

リゼ「遊んでたのか・・・」

 

 

 

 

 

 

メグ「マヤちゃーん!」

 

チノ「そんな事考えてたなんて!」

 

感動したチノとメグが姿を見せた。

 

千夜「リゼちゃん!」

 

ココア「私達ズッ友だよ!」

 

今度はココアと千夜が出て来た。

 

リゼ「お前ら何なんだ!?」

 

青山「ストーカーの輪がとっても美しかったです。」

 

いつの間にか青山が左のベンチに座って聞いていた。

 

リゼ「何時からそこに!?」

 

緑羽太「泣ける話をありがとうリゼにマヤちゃん!」

 

みくる「泣き過ぎだよ緑羽太は。」

 

楽兎「お前昔から涙脆いよな。」

 

リゼ「お前らもか!!」

 

右に3人が居た。

 

 

 

 

 

 

ココア「シャロちゃーん!」

 

シャロ「ん?」

 

ココア「ジェラート下さいな。」

 

千夜「私にも。」

 

アイスを買いに来たココアと千夜。

 

シャロ「あんた達何してんのよ?てか何その恰好?」

 

そして皆アイスを食べながら会話する。それを見るマヤは何かを感じた。

 

マヤ「(色んな制服が沢山・・・)変なの!」

 

チノ・メグ「ん?」

 

 

 

 

 

 

だがそんな10人を尾行してる者が居た。

 

ティッピー「帰りが遅くて心配だから探してみたら、こう言う事じゃったか。」

 

街灯の物陰から覗いてるティッピーだった。そしてティッピーを尾行してる人物が居た。

 

タカヒロ「親父、孫達が心配だったなら、一言言って行けよ。」

 

木の物陰から覗いてるタカヒロだった。そしてマヤは満面な笑みをして満足していた。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

      同級生A:富田美優
      同級生B:尾高もえみ

リゼ「気になってる事があるんですが。」

タカヒロ「何かな?」

リゼ「ティッピーはここで何をしているんですか?」

ティッピー「仕事ー。」

タカヒロ「マスコットだよ。」

ティッピー「てへー。」

リゼ「なーんだ。」

次回「毛玉は特攻し無慈悲なボタンは放たれる」

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21羽「毛玉は特攻し無慈悲なボタンは放たれる」

ある夏のある日、チノは甘兎庵に来ていた。チノはお茶を飲んでる。

チノ「美味しい。」

千夜「良かった。新しい緑茶「エメラルドの涙」。好評ね。おばあちゃんも気に入ってくれたのよ。」

チノ「おばあちゃん・・・千夜さん、私達それぞれの喫茶店の跡継ぎになるんですよね。」

千夜「そうね。」

チノ「ラビットハウスと甘兎庵はライバルで深い因縁があったみたいですが、」

千夜「え?」

チノ「それは私達の世代には関係ないですよね?お互い頑張りましょう。」

千夜「深い・・・因縁?」

チノ「あれ・・・?」


その後ラビットハウスに帰って来たチノは、カウンター席に俯せていた。

 

ココア「チノちゃん凹んでる・・・」

 

リゼ「そんなにショックだったのか・・・」

 

チノ「因縁を持ってると思っていたのはきっとおじいちゃんだけです。」

 

ティッピー「なぬ!」

 

楽兎「ティッピーがショックした。」

 

リゼ「向こうからはガン無視だったって事か。」

 

ココア「おじいちゃん!」

 

リゼ「勘違いだったか・・・」

 

ココア「可哀想!」

 

緑羽太「また相談に乗ってやるよ。」

 

ティッピー「憐れむな!」

 

 

 

 

 

 

そこでココアとリゼと緑羽太はフルール・ド・ラパンに来て、シャロに事情を説明した。

 

ココア「と言う訳で本当に因縁があったのか調べたいと思います!」

 

シャロ「何でうちに・・・仕事中なんだけど・・・」

 

リゼ「千夜の幼馴染として何か知ってたら教えてくれないか?」

 

緑羽太「分かる事があれば良いから話してくれるか?」

 

ココア「天国のおじいちゃんが泣いているよ!」

 

シャロ「そう言われても・・・」

 

ココア「誤魔化す気だね?シャロちゃん。」

 

シャロ「ん?」

 

ココア「リゼちゃん連れてきたのは尋問上手そうだからだよ!」

 

リゼ「尋問!?」

 

シャロ「えー!」

 

 

 

 

 

 

尋問を想像するシャロ。椅子に座ってる軍服姿のリゼがムチを持ってる。シャロは椅子に座られてロープで縛られてる。

 

リゼ『さあ情報を吐くんだ。』

 

シャロ『うう・・・』

 

リゼ『そうしたらこの美味しそうなメロンパン、私が食べさせてやろう。』

 

メロンパンをシャロ顔に当てるリゼ。

 

シャロ『ああー!』

 

 

 

 

 

 

尋問されても嬉しそうな表情をするシャロ。緑羽太はシャロの想像を読んでた。

 

緑羽太「これ尋問よりただのご褒美だろ?」

 

シャロ「か・・・覚悟は出来てます!さあ先輩尋問して下さい!」

 

緑羽太「期待してる!?」

 

リゼ「え・・・な・・・何だか分からないが・・・どんと来い!」

 

シャロ「はい!」

 

リゼ「じゃ・・・じゃあ何か心当たりは無いか?」

 

シャロ「えーと・・・そんな記憶があるような無いような・・・やっぱり何も分かりません。」

 

リゼ「そっか・・・残念だな。」

 

ガッカリするリゼ。シャロは裏切られたと思った。

 

シャロ(先輩の期待を裏切ってしまった・・・)こうなったら頭を打って思い出します!」

 

手に持ってるトレーで自分の頭を何回も叩く。

 

リゼ「シャロ!そこまでしなくても!」

 

何回も叩き過ぎて気絶してしまった。

 

リゼ「シャロ!」

 

緑羽太「おいシャロ!」

 

ココア「シャロちゃん!」

 

気絶したシャロはそのまま仁王立ちして気絶してしまった。

 

緑羽太「気絶しちまった・・・」

 

青山「あのー。」

 

ココア「青山さん!」

 

青山ブルーマウンテンが話し掛けて来た。

 

青山「私昔のマスターを知ってますから聞いていただければ。」

 

リゼ「シャロの努力が無駄に!」

 

緑羽太「いやシャロも努力してたぞ!?」

 

青山「マスターはおヒゲが素敵で、淹れてくれたコーヒーは創作意欲をかきたてました。」

 

リゼ(何の話なんだ・・・?)

 

青山「中でもコーヒーあんみつはとても独創的で。」

 

ココア「そんなメニューもあったんだ!」

 

リゼ「成る程、幻のメニューか。」

 

ココア「私も食べてみたかったな!

 

青山「では、あの美味しさを文字で表現しましょう。」

 

ココア「自分の仕事して!」

 

シャロ(何かを・・・思い出しそうな気がする・・・)

 

 

 

 

 

 

何かを思い出したシャロ。それは幼い頃に遡る。千夜とシャロは、ラビットハウスに偵察に行こうとするが、シャロは怖がっていた。

 

千夜『ラビットハウスに偵察に行くわよ。』

 

シャロ『ヤダ!怖いよ!』

 

千夜『おばあちゃんのお手伝いしないと。』

 

シャロ『だって鬼ジジイがいるって聞いたよ。』

 

千夜『大丈夫。』

 

シャロの頭を撫でる。

 

シャロ『千夜・・・』

 

千夜『うちのおばあちゃんだって鬼ババアよ。』

 

シャロ『意味分かんないよ!』

 

余計シャロが怖がる。そしてラビットハウスに来店してのメニューを見る。

 

千夜『これってメニュー』

 

シャロ『ブルーマウンテン、キリマンジャロ?魔法の呪文みたい。』

 

メニューを見て2人は何故か怯えてた。

 

シャロ『凄く強そうなメニュー・・・!』

 

千夜『おばあちゃん負けちゃう!帰ってなんとかしなくちゃ!凄いメニューを考えるわよー!』

 

シャロ『わー!』

 

シャロを引っ張って店から出た。その2人をマスターは見ていた。

 

ティッピー『今のは何じゃ。』

 

回想終了。

 

 

 

 

 

 

シャロ(あの子が変なメニューを作る切欠になったのは・・・私!?)

 

 

 

 

 

 

フルール・ド・ラパンから出て、ラビットハウスに帰る最中。

 

ココア「コーヒーあんみつは美味しそうだけど、結局何も分からなかったね。」

 

緑羽太「また何か分かりそうになるかもな。」

 

リゼ「因縁と言えばうちの親父も戦友の話をよくしてたな。」

 

ココア「戦友?」

 

緑羽太「リゼの親父さんのか?」

 

リゼ「ああ。ライバル関係から任務を切欠に無二の友人になったらしい。」

 

ココア「へえー。」

 

リゼ「今は引退してバーテンダーやってるらしいけど。」

 

ココア「バーテンダー!チノちゃんのお父さんみたいだね。」

 

リゼ「そうだな。最初は仲が悪い方が後々上手くいくのかもしれないな。」

 

緑羽太「まあ喧嘩する程仲が良いと一緒なのかもな。」

 

ココア「私も最初はリゼちゃんに銃を向けられたな。」

 

それは、初めてリゼと会ったが、いきなり銃を向けられたあの時を思い出したココア。

 

緑羽太「そんな事があったのか!?怖ぇよ!」

 

ココア「殺したいほど憎かったなんてこれからもっと仲良くなれそう。」

 

リゼ「こ・・・殺す気は無かったぞ!」

 

ココア「ホントかな?」

 

リゼ「当たり前だろ!」

 

ココア「リゼちゃんとは今は親友だもんね。」

 

リゼ「今はってなんだよ!前からだろ・・・」

 

ココア「え?何て?」

 

リゼ「何でもない!急ぐぞ!チノと楽兎が待ってる!」

 

ココア「あー!待って!」

 

緑羽太「置いて行くなー!」

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスでは、チノと楽兎が掃除をしていた。そこに3人が帰って来た。

 

チノ「おかえりなさい。」

 

楽兎「帰って来たか。」

 

ココア「ただいまー!」

 

緑羽太「何も情報が入らなかった。」

 

楽兎「そうか。まあ後々分かってくるかもな。」

 

チノ「ティッピーを何処かで見ませんでしたか?」

 

ココア「ん?」

 

リゼ「まさか・・・おじいさんの因縁を晴らそうと特攻を!?」

 

チノ「そうかも・・・あ・・・いやいやあり得ません。うさぎですから。」

 

ココア「ん?」

 

そこに、鉢巻を巻いて、旗を背負ってるティッピーが現れた。

 

ティッピー「戦が始まる!いざ!」

 

チノ「やろうとしてた!」

 

ティッピーから熱いオーラが出てる。

 

ココア「ティッピー本気だね!」

 

リゼ「心無しか毛が逆立って見える!」

 

楽兎「暑苦しいオーラが!」

 

緑羽太「彼奴天下を取るつもりか!?」

 

ココア「よーし!その覚悟に敬意を払って私も手伝うね!」

 

鉢巻を巻くココア。

 

チノ「やめて下さい!仕事して下さい!」

 

ココア「準備オッケー!」

 

チノ「ああ・・・」

 

ココア「リゼちゃん!特攻の基本を教えて!」

 

リゼ「戦死する事が前提だからオススメは出来ないな。」

 

緑羽太「結局教えるのかよ!」

 

ティッピー「どりゃーーーー!!」

 

チノ「ティッピー!」

 

 

 

 

 

 

甘兎庵に特攻を始めるティッピー。皆も後を追い掛ける。そして甘兎庵に到着した。

 

ティッピー「ババアを出せ!ババア!」

 

リゼ「何処からか声が!」

 

楽兎(ティッピーが喋ってるだけだろ!)

 

そこに千夜が木刀を持って挑んで来た。

 

千夜「何だか分からないけど相手になるわ!そいや!」

 

ティッピーと千夜の対決。だがしかしチノがティッピーを抑えて勝負終了。

 

チノ「ティッピーそこまでです。お騒がせしました、お仕事の最中に。」

 

千夜「あら、もうおしまい?」

 

ココア「もう!ティッピー、仲良くしなくちゃダメだよ。」

 

緑羽太「なあ千夜ちゃん知ってるか?昔ラビットハウスではコーヒーあんみつを出してたって事を。」

 

千夜「え?」

 

チノ「そうなんですか?」

 

楽兎「情報手に入ってるじゃねえか!」

 

ココア「チノちゃん裏メニューがあるの黙ってたね?」

 

チノ「何の話です?」

 

ココア「コーヒーあんみつのように、ティッピーと甘兎庵も仲良くできるよ。」

 

千夜「コーヒーあんみつなら、昔うちでも出してたみたい。」

 

ココア「え!」

 

千夜「ラビットハウスとコラボしてたって聞いた事があるわ。」

 

5人「コラボ!?」

 

 

 

 

 

 

しばらくして、千夜がお品書きを持って来た。

 

千夜「お待たせー。はいこれ。」

 

お品書きをチノが受け取る。

 

チノ「この中にコーヒーあんみつが。」

 

千夜「宣伝のためにラビットハウスと甘兎庵、お互いのお店で出したんですって。」

 

ココア「へえー。」

 

千夜「特製のあんこが美味しいって評判になって。」

 

チノ「あ・・・おじいちゃんはそれが気に入らなかったのかも。」

 

リゼ「まさか、コーヒーが注目されなくて拗ねたのか?」

 

チノ「自分のコーヒーに相当な拘りを持っていましたから。」

 

楽兎「そりゃあ落ち込むわな。」

 

チノ「辛かったんですね。」

 

リゼ「大人げない・・・」

 

するとティッピーが落ちて、あんこに捕まれてた。

 

千夜「でもコーヒー羊羹を出した時は、コーヒーが美味しいって評判になっておばあちゃんが拗ねたみたい。」

 

リゼ「どっちもどっちだ!」

 

緑羽太「互いに拗ねたのか。」

 

あんこに押さえ付けられたティッピー

 

ティッピー「あー!どいて!」

 

千夜「私からは楽しそうに見えたなー。」

 

チノ「深刻な因縁じゃなかったんですね。」

 

千夜「ココアちゃんに感謝ね。」

 

ココア「え?何で?」

 

千夜「だって私達が出会ってなかったらラビットハウスさんとこうしてお友達になれなかったもの。」

 

チノ「ん?」

 

すると千夜は、チノに小指を向けた。

 

千夜「約束。」

 

チノ「え。」

 

千夜「私達お互いの店の立派な看板娘になりましょうね。」

 

チノ「あ・・・はい!」

 

指切りげんまんをして約束を交わした。

 

 

 

 

 

 

そして5人は帰って行った。千夜は厨房へ行って祖母に尋ねた。

 

千夜「おばあちゃん、もう一度コーヒーあんみつ出してみない?」

 

祖母「やなこった。あのジジイが化けて出てくるよ。」

 

嫌がる祖母だが、千夜は嬉しそうになった。

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスに戻って来た5人。

 

リゼ「千夜って甘兎庵を大きくするのが夢だったよな。」

 

ココア「女社長だって。格好良いな。」

 

チノ「大人の女・・・!」

 

楽兎「どうしたチノちゃん!?」

 

チノ「私・・・街中の喫茶店をフランチャイズ化します!」

 

リゼ「千夜に影響された!」

 

緑羽太「それはやめろ!」

 

ココア「頑張れ!チノちゃん!じゃあまずはメニュー名を改める所から始めようね!」

 

チノ「はい!」

 

メニュー表を書き加えようとしてる。

 

緑羽太「励ましてる場合か!」

 

ココア「えっと・・・漆黒の。」

 

チノ「ダークネス。」

 

ココア「暗黒卿・・・黒炭の如き。」

 

チノ「一番暗き時・・・ダーケストアワー。」

 

楽兎・緑羽太・リゼ・ティッピー「やめろーー!!」

 

これには4人は怒った。

 

 

 

 

 

 

数日後のある日、チノは甘兎庵の制服を着て接客をしていた。中学校の宿題の職業体験をしている。

 

チノ「いらっしゃいませ・・・」

 

来店した女性客を席に案内する。

 

チノ「こちらへどうぞ。め・・・メニューです。」

 

だが緊張してる模様だった。そこに千夜が相談する。

 

千夜「着物って動き難いかしら?」

 

チノ「何かしっくりこなくて・・・は!」

 

するとあんこに目を向けたチノは、あんこを頭に乗せる。するとチノがやる気になった。

 

チノ「これで千のお客さんも捌けます。」

 

千夜「しっくりってそっち?」

 

女性客「お願いしまーす。」

 

チノ「はい!ただいま!ご注文承ります。」

 

明らかに本気モードに入ったチノ。

 

 

 

 

チノ・千夜「ありがとうございました。」

 

女性客を見送った。

 

千夜「チノちゃん、お疲れ様。」

 

チノ「はい。それにしても私に近いサイズの着物なんてあったんですね。」

 

千夜「昔友達のために作ったんだけど着て貰う機会がなくて。でもラビットハウスの跡継ぎさんがうちで働いてくれるなんて、こんな嬉しい事は無いわ。」

 

チノ「千夜さん・・・私も千夜さんに色々教えて貰えて嬉しいです!」

 

千夜「うちとの誤解も解けたし、本当に夢みたい。私・・・私・・・」

 

すると千夜が、嬉しそうにその場に崩れた。

 

千夜「幸せぇ〜!」

 

チノ「千夜さん!」

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスでは、リゼがポットを拭いて、ココアがティッピーをモフモフしていて、楽兎がモップで床掃除をしている。

 

リゼ「チノは今頃甘兎庵で働いているのか。」

 

ココア「千夜ちゃんに影響されて・・・こんな事になってなきゃ良いけど・・・」

 

 

 

 

 

 

チノ『今日から抹茶派です。コーヒー派に宣戦布告です。』

 

千夜『甘兎庵看板姉妹!』

 

チノ『爆誕!』

 

甘兎庵に寝返ったチノを想像した。

 

 

 

 

 

 

ココア「ヴェアアアアアアア!!チノちゃん取られる!」

 

叫びながらティッピーと一緒に倒れたココアはそのまま気絶した。ティッピーは泡を出しながら気絶した。

 

楽兎「ただの中学の職業体験だろ。たった3日間だけなんだから大袈裟なんだよ。ったく・・・」

 

横を見ると、マヤがテーブルを拭いていた。マヤの職業体験はラビットハウスだった。

 

楽兎「マヤちゃんは、こんな変わり映えのしない仕事場で良かったの?」

 

するとマヤは嬉しそうにクルクル回る。

 

マヤ「ここ、慣れてるから楽なんだー。」

 

リゼ「甘い!」

 

マヤ「ん?」

 

リゼ「大切な授業の一環だろ!厳しく行くぞ!」

 

マヤ「本当はね・・・リゼとココアと楽兎、3人と仕事してるチノが羨ましくて、私が代わりをしたかったの。」

 

ティッピーを頭に乗せて純粋な言葉を言ったマヤ。

 

ココア「マヤちゃーん!厳しくしちゃダメ!」

 

泣いてるココアがマヤに抱き付く。

 

リゼ・楽兎「いや、厳しくしなきゃダメだ!」

 

マヤ「へっ!」

 

小悪魔のような笑み。

 

 

 

 

 

 

フルール・ド・ラパンでは、メグが職業体験をしに来てた。フルールの制服を着てる。

 

みくる「メグちゃん制服可愛いよー!」

 

シャロ「め・・・メグちゃん、どうしてうちに来ちゃったの?」

 

メグ「えへへ。この制服で働いているシャロさんとみくるさんがキラキラして見えたから。」

 

シャロ(ピュア!)

 

みくる(天使!)

 

するとシャロとみくるが何か視線を感じた。

 

青山「期待の新人さんですねー。」

 

テーブルの下から青山が覗いてた。

 

シャロ「守らなきゃ!」

 

青山「何からですか?」

 

みくる「分かるでしょ。」

 

メグ「ん?」

 

するとまたみくるが何か視線を感じた。

 

緑羽太「激レアのメグちゃん!何か見逃せないな!」

 

メグ「緑羽太さん!」

 

みくる「何やってるの緑羽太?」

 

緑羽太「いや、フルールの制服姿のメグちゃんが珍しかったからつい。」

 

みくる「転売しないでよ?」

 

緑羽太「するかアホ!!」

 

 

 

 

 

 

その頃甘兎庵では、チノが千夜の祖母と対面してた。

 

祖母「ふーんそうかい。あんたがあいつの孫かい。」

 

チノ「は・・・はい!」

 

祖母「厳しく行かせて貰うよ。」

 

チノ「はい!」

 

祖母「間違えてコーヒー淹れたら、ただじゃおかないからね。」

 

チノ「はい!(やっぱり緊張する・・・)」

 

千夜「チノちゃんチノちゃん。」

 

チノ「ん?」

 

千夜「食い逃げだ!発砲許可!頭を狙え!」

 

突然銃を構えながらリゼのモノマネをした。チノは怯えた。

 

千夜「リゼちゃんのモノマネだったんだけど、緊張を解そうと思って・・・逆効果だったかしら?」

 

祖母「これ千夜。」

 

千夜「あ!じゃあ次はココアちゃんのモノマネやりまーす!」

 

祖母「千夜。」

 

チノ「仕事そっちのけな所が既にそれっぽいです。」

 

祖母に注意されてもそっちのけな千夜は、ガッツポーズしてココアのモノマネをする。

 

千夜「お姉ちゃんに任せなさーい。」

 

チノ「ダメです。本当に姉オーラが出てしまってます。美化されてます。でも私のために普段やらない事までしてくれてありがとうございます。」

 

千夜「良いのよ。ラビットハウスごっこは1人でよくやってるから。」

 

チノ「え!」

 

祖母「ほら何時までも遊んでないで、後は任せたよ。」

 

チノ・千夜「はい。」

 

その後厨房で餅を作る。

 

千夜「そうそう、上手よ、チノちゃん。」

 

チノ「は・・・はい。シャロさんはあんこが苦手だからここで働かないんですか?」

 

千夜「そうね。最近はちょっと慣れて来たみたいなんだけど、それよりもお隣さんだから気恥ずかしさがあるんじゃないかしら。私もうちに来ないって言い難いし。」

 

チノ(千夜さん、バイト仲間が居なくて寂しそうなのにモノマネするほど・・・幼馴染って難しいです。)

 

餅をティッピーの形にした。

 

チノ「(そして練り切りも難しい。うーん。)でも私、お2人が一緒に働いてる所見てみたいです。」

 

千夜「あ・・・」

 

チノ「帰って来たら、誘ってみたらどうですか?」

 

千夜「そ・・・そうね。ありがとう、チノちゃん。じゃあ後で誘ってみようかしら。」

 

チノ「はい。」

 

外では千夜の祖母が静かに聞いていた。

 

 

 

 

 

 

その後、千夜は外で竹箒で掃除をしてると、シャロが帰って来た。

 

千夜「あ!おかえり、シャロちゃん!」

 

シャロ「ただいま。何か楽しそうね。」

 

千夜「分かる?実はね、甘兎庵に可愛い新人さんが入ったの!(3日間だけだけど。)」

 

シャロ「チノちゃんの事ね。)奇遇ね、私も可愛い後輩が出来たの。(3日間だけだけど。)」

 

それを聞いた千夜は悔しそうに膨れっ面になった。

 

シャロ「何その顔!?」

 

 

 

 

 

 

夕方、千夜が部屋で悲しそうに落ち込んでた。

 

千夜「フルールを満喫してるみたい・・・とても甘兎庵で働く気なんて無さそう・・・」

 

チノ「聞いてみなきゃ分かりませんよ!ファイトです!」

 

落ち込む千夜をチノが励ます。

 

千夜「そうね。」

 

 

 

 

 

 

元気になった千夜は、シャロの家に入って来た。手には何か荷物を持っていた。

 

千夜「ちょっと言いかしら?これお裾分けの和菓子なんだけど。何してるの?」

 

入ると、シャロが刺繍をしていた。

 

シャロ「可愛い後輩ってバレエが出来る子で、スピンを見せて貰ったんだけど、服を引っ掛けちゃって。私がけしかけちゃったから、これはちょっとした罪滅ぼしね。」

 

すると千夜はまた怒った。

 

千夜「うちの子だって帯回しには自信があるのよ!」

 

想像する千夜。

 

千夜『よいではないかー!』

 

それはチノの帯を回しをしている。想像終了。

 

千夜「コマのようにね!」

 

シャロ「コマって・・・」

 

千夜「私もう行くわ。」

 

お裾分けの和菓子を置いてすぐに帰って行った。

 

シャロ「何なのよ・・・ん?」

 

すると風呂敷と一緒にあった1枚の手紙を見付けたシャロは、その手紙を見る。

 

シャロ「はっ!」

 

 

 

 

 

 

その頃チノは、千夜の部屋で職業体験レポートを書いていたが、中々進まなかった。

 

チノ「職場体験レポート・・・難しいです。」

 

するとチノの携帯が鳴った。電話に出る。

 

チノ「もしもし。」

 

ティッピー『チノ、休憩中か?』

 

チノ「はい、おじいちゃん。」

 

ティッピー『敵地の様子はどうじゃ?』

 

電話相手はティッピーだった。

 

チノ「どうと言われても、何を報告すれば良いんですか?」

 

すると千夜の祖母が入って来た。

 

祖母「あんた、良く見ると仏頂面があのジジイにそっくりだね。」

 

ティッピー『ババアの声、大きなお世話じゃ!』

 

すると千夜の祖母がもなかを差し出した。

 

祖母「疲れてんなら、あのジジイが嫌いだった最中でも食べな。」

 

チノ「あ・・・あの・・・」

 

祖母「羊羹も欲しいのかい?ジジイに似て業突く張りだね。」

 

今度は羊羹をチノに差し出した。

 

チノ「い・・・いや・・・」

 

祖母「喉が詰まったらどうするって?」

 

チノ「あ、ああ・・・」

 

泣きながら怯えるチノ。

 

祖母「だったら茶を飲めば良いだろ。」

 

今度はお茶を差し出した。

 

祖母「足りなかったらそう言うんだよ。全くジジイに似て図々しいわい。好きなだけ休憩してな!ゆっくりするんだよ!」

 

千夜の祖母は部屋から出た。もなかを食べるチノ。

 

チノ「美味しい!なんて優しいおばあちゃん!」

 

厳しそうに見えた千夜の祖母はとても優しいと思ったチノ。

 

ティッピー『ダメじゃ!食ったら虫歯になるぞ!チノ聞いているのか?チノ!チノ!』

 

注意を聞いてないチノは電話を切ってお茶を飲む。するとそこに千夜が帰って来た。

 

チノ「おかえりなさい。どうでしたか?」

 

千夜「それがね・・・」

 

すると廊下からドタドタと音が響いた。その音は次第に近付き、戸が開いた。開けたのはシャロだった。

 

シャロ「もう!素直に直球で言いなさいよ!」

 

千夜「シャロちゃん!」

 

何故シャロが来たかと言うと、それはシャロがあの手紙を見たからであった。

 

 

 

 

 

 

手紙に書かれた内容は「シャロちゃんと同じ制服を着て一緒に働きたいの」と書かれてた。

 

 

 

 

 

 

シャロ「全く・・・そしたら私も・・・直球で返すんだから・・・!」

 

フルールの制服を千夜に差し出した。

 

千夜「ヤダ・・・変化球だわ。」

 

 

 

 

 

 

受け取った千夜はフルールの制服を着て嬉しそうに喜んだ。

 

チノ「着てしまってます。ノリノリです。千夜さんがフルールで働きたいと思ってるって勘違いされてませんか?」

 

千夜「そうね。」

 

チノ「私が着た着物も本当はシャロさんに用意した物だったんじゃ?」

 

千夜「見て、シャロちゃん、とっても嬉しそう。」

 

シャロ「もう!うちには絶対興味ないって思ってたのにしょうがないわね!」

 

嬉しそうなシャロ。

 

チノ「きっと一緒に働きたいって思いは同じだったんです。」

 

千夜「まあその気持ちが分かっただけでも今日は十分だわ。本当に一日だけ働いてみようかしら。」

 

シャロ「本当にって何よ!」

 

チノ(なんだかレポートに書いておきたい出来事です。)

 

 

 

 

 

 

すると千夜が着てるフルールの制服のボタンが取れてしまった。そのボタンはシャロの頬に当たって落ちた。

 

 

 

 

 

 

千夜「ああ!きつくて胸のボタンが・・・腰回りは大丈夫なのに・・・」

 

チノ「あれのサイズは・・・?」

 

シャロ「私と同じよ・・・」

 

千夜「ボタン見付からないわ。」

 

チノ「凄い・・・」

 

シャロは笑ってるが、完全に殺気を醸し出してた。

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスでは、ココアと楽兎がリゼとマヤを見送ってた。

 

ココア「遅くまでお疲れ。」

 

楽兎「明日も宜しくな。」

 

リゼ「また明日な。」

 

マヤ「ココア、楽兎、じゃあね!」

 

こうして2人は帰って行った。するとココアの携帯に受信音が鳴った。

 

ココア「チノちゃんからメールだ!帰って来たら今日の話沢山聞けると良いね、ティッピー。」

 

メールを見ると、夕飯にお呼ばれしたので帰りは遅くなります。」と送られて来た。

 

ココア「ありゃ?」

 

次のメールを見ると、「千夜さんいわく甘兎庵看板姉妹爆☆誕」のメールと、チノと千夜がポーズを取ってる写メまで送られて来た。

 

楽兎「看板姉妹って。」

 

するとココアが叫んだ。

 

ココア「ヴェアアアアアアアアアアアアア!!!チノちゃんたら!!!」

 

これには楽兎がびっくりした。

 

 

 

 

 

 

その後、チノにメールが来た。

 

ココア『ラビットハウス新三姉妹で対抗だよ!』

 

そしてリゼとマヤと一緒に写ってる写メまでも送られて来た。するとまた受信音が鳴った。送って来た相手は楽兎だった。

 

楽兎『チノちゃん、ココアは嫉妬してるから気にしなくて良いよ。』

 

チノ「全くココアさんは、しょうがないココアさんです。」

 

千夜「ボタンあったわー!良かった!」

 

やっと取れたボタンを見付けた。

 

シャロ「やっぱりフルールで働かなくて良いわ。」

 

千夜「え?どうして?」

 

シャロ「なんでもよー。」

 

千夜「似合うと思うんだけど・・・」

 

するとシャロは痺れを切らせて怒った。

 

シャロ「もう!うるさい!早くそれを脱ぎなさいよ!」

 

千夜「おやめになってー!」

 

逃げる千夜を追い掛けるシャロ。そんな2人を見て微笑んだチノであった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

     千夜の祖母:一城みゆ希
       女性客:M・A・O

祖母「ジジイを出しな。」

タカヒロ「今は・・・出掛けております。」

祖母「じゃあまた来るから、羊羹置いとくよ。」

タカヒロ「ありがとうございます。え?」

次回「Eを探す日常」

ココアの叫びが中毒になってしまいました。

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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22羽「Eを探す日常」

ある日のお嬢様学校の体育館では、バスケット部の助っ人に来てたリゼが華麗なドリブルを披露してる。

女子生徒A「リゼ先輩の蹂躙走行よ!」

女子生徒B「私も蹴散らしてー!」

そして高くジャンプして、見事ダンクシュートを決めた。それを見てた生徒達はリゼに黄色い声援を送った。照れながら手を振るリゼ。

シャロ「せ、先輩ー!!」

生徒達に押しつぶされながらリゼに叫ぶシャロ。

リゼ「シャロ?」






次はテニス部の助っ人に参戦。パトリオットスマッシュを放つ。

女子生徒C「パトリオットスマッシュ炸裂よー!」

そしてボールが速くなり、リゼにポイントが入った。またもや黄色い声援を受けたリゼは、照れながら手を振った。

シャロ「せ!先輩ーー!!」

女子生徒達の後ろからジャンプしてリゼに叫ぶシャロ。

リゼ「ん?」






その後のラビットハウス。

ココア「絶対、シャロちゃんも部活で青春で汗を流したかったんだよ!ね!千夜ちゃん!」

千夜「え!?・・・あ、そうね・・・(リゼちゃんを見てたんだと思うんだけど・・・)」

リゼ「やっぱりか・・・バイトばっかりだもんな・・・」

千夜「シャロちゃんを誘ってあげたらどうかしら?きっと喜ぶわ。」

緑羽太「そうだな。シャロ絶対乗ってくれるぞ?」

リゼ「そうだな、誘ってみるか!」

ココア「私も部活入ってみたかったな〜。」

チノ(うちの仕事嫌ですか?)

心の中でチノがツッコむ。

楽兎「お前バドミントンとバレーろくに出来ないだろ?」

青山「ラビットハウスで部活動を始めてはどうでしょう?」

ココア「そうかー!」

麺棒をバット代わりにして構える。

チノ・楽兎「仕事して下さい(仕事しろよ。)」

青山「部活、懐かしい響きですね。」

リゼ「もしかして文芸部だったとか?」

青山「ピンポンです!締め切りを守れ守れって、厳しい後輩が居たんですよ。」

リゼ(その頃から締め切り破ってたのか・・・)

青山「文芸部と吹きや部と、どっちにしようか随分悩みました。」

チノ・ティッピー「吹き矢!?」

楽兎「吹き矢部って意外だな。」

千夜「吹き矢!!お婆ちゃんが名人で昔一緒に遊んだわ。シャロちゃんが凄く上手だったの!」

ココア「へぇー。あ!ダーツ喫茶があるなら、吹き矢喫茶があっても良いじゃない!」

チノ「な・・・なる程!」

ティッピー「せめてダーツにして!」


翌日、リゼがシャロに部活の助っ人をしないかと誘ってみた。

 

シャロ「わ、私も一緒に部活の助っ人ですか!?」

 

リゼ「うん。人数が足りない部員の代わりをするんだ。」

 

シャロ「私、足引っ張らないか心配です・・・」

 

リゼ「練習の付き合いだから、気軽に楽しめば良いよ。」

 

シャロ「じ、じゃあ!」

 

こうしてシャロも助っ人をする事になった。

 

 

 

 

 

 

更衣室で体操服に着替える。着替え終えたシャロは、髪を束ねるリゼを見惚れてた。リゼは自分の髪をポニーテールにした。

 

シャロ「ポニテ・・・」

 

リゼ「皆凛々しい方がらしいって言うから。」

 

シャロ「らしい?」

 

リゼ「部員を蹴散らす荒れ狂う黒馬みたいで気合いが入るって!」

 

シャロ「練習ですよね!?」

 

助っ人する前から常に本気モードに入ってるリゼ。

 

 

 

 

 

 

早速ソフトボール部の助っ人として参戦する。

 

リゼ「行くぞシャロ!」

 

シャロ「はい先輩!」

 

 

 

 

 

 

次は演劇部。今回はシャーロック・ホームズ。リゼがホームズで、シャロがワトソンの役を演じる。

 

リゼ「行くぞシャロー!」

 

シャロ「はい先輩ー!」

 

 

 

 

 

 

次に2人はある部活をこっそり見ていた。それは庶民研究部。部室には、昭和時代のテレビや、棚が置かれており、畳が敷かれてた。

 

部員A「特売と言うのは、特別なあなたに売ると言う意味で。」

 

部員B「素晴らしい響きですわ。特売!」

 

リゼ「行けるかシャロ?」

 

シャロ「先輩、庶民研究部の奴らは履き違えてまーす!」

 

 

 

 

 

 

その後助っ人のスケジュールを確認する。

 

シャロ「部活の助っ人詰め込み過ぎー!私が管理しまーす!!」

 

 

 

 

 

 

リゼ「悪いなシャロ!」

 

今度は乗馬部。華麗な飛び越えを見せた。

 

シャロ「乗馬部の次は被服部。30分後に吹き矢部。」

 

するとシャロは、乗馬部の部員達からこんな話を耳にした。

 

乗馬部員A「リゼ先輩素敵だわー!」

 

乗馬部員B「色んな部活を助っ人して、まるで伝説のあの方みたい!」

 

乗馬部員C「あ!それ聞いた事ある!」

 

シャロ「ん?」

 

 

 

 

 

 

夕方、シャロはリゼにタオルを差し出す。

 

シャロ「どうぞ。」

 

リゼ「ありがとう。」

 

タオルで汗を拭く。

 

リゼ「それであの方って?」

 

シャロ「聞いてみたんですけど、神出鬼没、過去に多くの部活を適当なアドバイスで勝利に導いたと言う、その名もミス・エメラルド!」

 

リゼ「エ、エメ!?」

 

シャロ「部活の助っ人ついでに、その人の情報も集めてみませんか?(才色兼備・文武両道・・・きっとリゼ先輩のような・・・)き、興味ありませんか?」

 

リゼ「ううん。シャロが楽しめるなら良いよ。」

 

シャロ「はい!」

 

 

 

 

 

 

次に助っ人に向かったのは、被服部。部長と刺繍する2人は、部長にミス・エメラルドについて話す。

 

被服部長「ミス・エメラルド?」

 

シャロ「聞いた事ありませんか?」

 

被服部長「あるけど、ただで教えても面白くないわね。」

 

シャロ「え?」

 

被服部長「どちらがリゼさんに相応しい服をコーディネート出来るか勝負よ!」

 

シャロ「勝負!?」

 

リゼ「何故私!?」

 

突然の勝負宣言。シャロは顔を赤くした。

 

シャロ「リゼ先輩に似合う服・・・」

 

リゼ「やる気になってる!?」

 

被服部長「負けたらあなたにこれを着てもらうわ!」

 

そこにあったのは、白い布で被せてある衣装があった。

 

被服部員A「こ、こんあの着られないわ!」

 

被服部員B「お母様に怒られちゃう!」

 

シャロ「い、一体どんな服を・・・?」

 

被服部長「と・・・とても私達には着れない過激な衣装よ・・・」

 

シャロ「どんな・・・?」

 

そして布を取るとそこにある衣装は。

 

被服部長「これよ!」

 

シャロ「あ・・・フルールと大差無い・・・」

 

それは、不思議の国のアリスのアリスのエプロンドレスだった。リゼは目をキラキラさせていた。そして赤いカーテンの向こうで衣装に着替えたリゼが待機している。

 

被服部長「まずは被服部の作った衣装から・・・行くわよ。3、2、1、ジャン!」

 

 

 

 

 

 

カーテンを開くと、軍服姿のリゼが立っていた。

 

 

 

 

 

 

被服部員A「先輩素敵!」

 

被服部員B「薔薇と爆薬の番人降臨だわ!」

 

そして何故かシャロが崩れた。

 

シャロ「デ、ディテールに差がありすぎる・・・戦う前に負けました・・・」

 

リゼ「不戦敗!?」

 

被服部長「では勝負に負けたシャロちゃん・・・どうぞ!」

 

 

 

 

 

 

カーテンを開くと、シャロがアリスの服を着ていた。

 

 

 

 

 

 

被服部員A「可愛らしいわー!」

 

被服部員B「お人形さんだわー!」

 

シャロ「まあ、こういうの慣れてますし!」

 

するとリゼは、後ろのテーブルに置かれてある衣装に目を付けた。

 

リゼ(こっちも可愛いのに・・・)

 

 

 

 

 

 

最後に向かったのは、吹き矢部。またミス・エメラルドについて話す。

 

吹き矢部長「ミス・エメラルドの話?ゲームに勝ったら教えようかな?」

 

シャロ「皆さん勝負お好きですね!」

 

吹き矢部長「リゼ。その代わりうちらが勝ったら入部してよ。ハンデつけるから。」

 

リゼ「分かった!」

 

シャロ「軽い!」

 

リゼの軽い返答。

 

シャロ「良いんですか!?そんな安請け合いして・・・」

 

リゼ「的を撃つのは射撃で慣れてるし、私が点数を引き離すから大丈夫。」

 

勝負開始。リゼが構える。

 

リゼ「よーし!やるぞー!」

 

だがしかし、3本とも全部外れてしまった。

 

リゼ「意外と難しい!!」

 

シャロ「先輩ーーー!!!」

 

どうやらリゼは、射撃と吹き矢は別のようだ。

 

吹き矢部長「はい。シャロちゃんの番。」

 

シャロ「あ、はい!」

 

次はシャロが前に立つ。

 

シャロ(私が挽回しないとリゼ先輩が吹き矢部に入る事に・・・でも先輩ですら負けたのに・・・)

 

さっきのリゼを見たせいでプレッシャーに取り憑かれてしまい緊張する。

 

リゼ「ごめんなシャロ!」

 

吹き矢部長「早くー。」

 

シャロ(勝てる訳無い・・・!)

 

吹き矢部長「早く早くー。」

 

煽る部長。そしてシャロが吹き矢を飛ばす。

 

シャロ(えい!)

 

飛ばした矢は、なんと的のど真ん中にジャストミートした。

 

シャロ「!?」

 

リゼ「おお!」

 

吹き矢部長「やるねー。」

 

シャロ(まぐれよ!)

 

2本目を飛ばす。またど真ん中にジャストミート。

 

リゼ「おおお!」

 

吹き矢部長「的、小さいのに替えるね。」

 

大きいサイズの的を小さいサイズの的に取り替える。そして3本目。なんと小さい的のど真ん中にまたジャストミートした。

 

リゼ「おおおお!!」

 

余裕だった部長が笑顔を崩して驚いた。

 

シャロ「カ・・・カフェインも摂ってないのに・・・私にこんな力が・・・」

 

リゼ「凄いぞシャロ!」

 

シャロ「あ、ありがとうございます!」

 

リゼ「特殊部隊に推薦できる腕前だー!」

 

シャロ「嬉しいけど遠慮しておきまーす!」

 

リゼ・シャロ「イエーイ!!」

 

リゼ「ところで何を勝負したんだっけ!?」

 

シャロ「忘れました!」

 

完全にど忘れして勝負したこの2人。その時部長が話した。

 

吹き矢部長「翠さんについてでしょ?」

 

リゼ「翠さん?誰だ?」

 

シャロ「もしかしてミス・エメラルドの本名!?」

 

吹き矢部長「実は私も良く知らないんだ。文芸部だったとかは聞いてるけど。」

 

リゼ「文芸部ねー。」

 

吹き矢部長「あちこちの部活を渡り歩いてたらしいけど、そんな彼女を連れ戻せる後輩が居たそうだよ。」

 

リゼ「ふーん。」

 

シャロ「そんな人が。」

 

吹き矢部長「それよりもう一吹きして行かない?」

 

リゼ「よし!リベンジだ!」

 

シャロ「また勧誘!?」

 

またもや勝負に乗ったリゼを強制に引っ張るシャロ。

 

シャロ「得るべき情報は得ました!これ以上の戦闘は無意味です!」

 

リゼ「シ、シャロ!?」

 

 

 

 

 

 

更衣室に戻って制服に着替える。

 

リゼ「結局、ミス・エメラルドの正体は謎のままだったな。」

 

シャロ「そうですね・・・先輩、もしかしてずっとその髪型で?」

 

ポニーテールにしてるリゼ。

 

リゼ「こっちの方が似合うって言われると・・・」

 

シャロ「い・・・何時もの2つ結びも大好きですけど!私の方がいろんな先輩見てますし、格好良いのも、可愛いのも、全部含めてリゼ先輩です!でもポニテも時々見たいんで・・・」

 

するとリゼは笑った。

 

リゼ「今日は私の方が引っ張られたり叱られたり。噂の翠さんの気分だ。」

 

束ねた髪型をストレートにする。シャロは見惚れてる。

 

リゼ「でも良かった。シャロが楽しんでくれたみたいで。」

 

シャロ「はい!」

 

リゼ「あ!そうだ!手伝って欲しい事があるんだけど。」

 

 

 

 

 

 

下校中に、リゼはポストに大量の手紙を投函した。

 

リゼ「悪いな。」

 

シャロ「良いんですよ。リゼ先輩のお手伝いなんて嬉しいです!」

 

リゼ「助かったよ。おかげで可愛く出来た。ココアを見てたら、私もあんな風に皆を楽しませられたらなって。」

 

シャロ「はい!」

 

 

 

 

 

 

甘兎庵では、千夜が竹箒で外の掃き掃除をしていた。そこにシャロが、スキップしながら帰って来た。

 

シャロ「ただいまー!」

 

千夜「おかえりなさいシャロちゃん。」

 

シャロ「千夜聞いて。リゼ先輩が今度皆で・・・何それ?」

 

服に挟んである1枚の紙を見て気付いた。

 

千夜「あのね、ココアちゃんがシャロちゃんの為にって。」

 

シャロ「ココアが?」

 

1枚の紙をシャロに見せる。

 

千夜「どう?」

 

それは、ラビットハウス吹き矢部のチラシだった。しかも部員募集中。

 

シャロ「何でまた!?」

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスでは、青山ブルーマウンテンが仕事をしていたが、原稿は白紙のままだった。

 

青山「あの。」

 

ココア「はーい!」

 

青山「ブルーマウンテンのおかわりをいただけます?」

 

ココア「チノちゃーん!おかわりお願いしまーす!」

 

緑羽太「青山さんまだ進んでないのか。」

 

楽兎「無茶言うなよ。小説家ってのはアイディアが大事なんだ。そう簡単に思い付かねえよ。」

 

ココア「どうぞ。」

 

ブルーマウンテンを差し出す。

 

青山「ありがとうございます。」

 

ココア「ねぇ青山さん。本当の名前何て言うの?ブルーマウンテンじゃないんでしょ?」

 

青山「秘密です。皆さんにとっては私は青山ブルーマウンテンで・・・」

 

するとドアが開く音が聞こえた。そこに現れたのは。

 

 

 

 

 

 

凛「見付けましたよ青山先生!」

 

 

 

 

 

 

青山「あ。」

 

ココア「誰・・・?あれ!?」

 

テーブルの下に隠れる青山。完全に丸見え。

 

青山「私の担当です・・・」

 

担当の名は「真手凛」。青山担当の編集者である。

 

凛「連絡が付かないと思ったらやっぱりラビットハウス!ふらふらしてるの高校の時からほんっと変わらない!」

 

青山「あーあーあーあー。」

 

耳を塞いで、あーあーと言う青山。

 

凛「こら!聞こえないふりするな!無駄な抵抗はやめなさい!早く原稿書きなさい!青山先生!いえ・・・翠ちゃん!」

 

青山ブルーマウンテンの本名「青山翠」。彼女こそ、リゼとシャロが探してたミス・エメラルドの正体である。

 

ココア「翠ちゃん・・・」

 

チノ「翠さんでしたか。」

 

楽兎「本名が初めて明かされた!?」

 

凛「締め切りは1週間も過ぎてるんですよ!」

 

青山を無理矢理引っ張って連れて行く。

 

 

 

 

 

 

数日後。今日のラビットハウスは休み。

 

チノ「とっておきのボトルシップ・・・お休みの今日に相応しい相手ですね・・・」

 

ボトルシップに勝負を申し込むチノ。だがそこにココアが元気良く入って来た。

 

ココア「チーノーちゃん!あーそーぼー!良い天気だよー!外に出て遊ぼうよー!虫取りなんてどうかな?せっかくのお休みに1人じゃ寂しいよ?」

 

するとチノはココアの頭にティッピーを乗せた。

 

ココア「ん?」

 

 

 

 

 

 

そしてココアを部屋から追い出した。

 

ティッピー「わしを身代わりに!?」

 

そしてドアを閉めた。

 

ココア「チノちゃん!?」

 

楽兎「どうしたココア?」

 

そこに楽兎が来た。

 

ココア「あ!丁度良かった!楽兎君!あーそーぼー!」

 

楽兎「えらい元気だな・・・まあ暇だし付き合うか。」

 

 

 

 

 

 

そして2人は、シャロの家に向かってる。シャロはベッドに倒れてる。

 

シャロ「疲れた・・・流石にバイト詰め込み過ぎた・・・明日に備えて休まないと・・・」

 

そしてココアはシャロの家のドアの前に立つ。

 

ココア「シャーローちゃーん。あーそーぼー。」

 

楽兎「お前小学生かよ。」

 

シャロ「し・・・死んでしまう!」

 

ココア「私と遊ぶと!?」

 

楽兎(いや多分シャロ疲れてると思うけど・・・)

 

 

 

 

 

 

今度は隣の甘兎庵に来店した。

 

千夜「ココアちゃん、楽兎さんいらっしゃい。どう?似合うかしら?甘兎庵浴衣週間!」

 

花柄の浴衣を着ている千夜。

 

楽兎「涼しそうだな。」

 

ココア「うん!とっても可愛い!」

 

千夜「ココアちゃんも夏スタイルはまり過ぎ!」

 

ココア「千夜ちゃんは遊べないよね?」

 

千夜「ごめんね。でも、ちょっと気が早いんじゃ・・・あら?」

 

ココアが持ってる虫取りカゴに何かある事に気付いた。

 

千夜「それって・・・」

 

ココア「虫取りカゴだよ!」

 

千夜「それは分かるけど・・・あら~楽しそう。」

 

虫取りカゴにティッピーが入ってる。ティッピーは鼻歌を歌いながら楽しそうな表情をしてる。

 

楽兎(ティッピーは狭い場所が好きなのか?ってか苦しくねえの?)

 

 

 

 

 

 

次に向かった場所は、リゼのお屋敷だった。

 

ココア「リゼちゃんなら私の気持ち分かってくれるよね。」

 

楽兎「まあリゼなら乗ってくれるかもな。」

 

インターホンを押すココア。

 

ココア「リーゼーちゃん。」

 

インターホンを押したが、反応は無し。

 

ココア「あーそーぼー!」

 

今度はインターホンを連打する。すると使用人の声が聞こえた。

 

使用人「ちょちょちょおやめ下せぇ!お嬢は明日の準備で大忙しで・・・」

 

楽兎(明日の準備ってあれの事か。)

 

ココア「準備って何?戦争?良いよ!付き合うよ!」

 

使用人「いやひでぇ誤解だ・・・とにかく今日は無理ですのでお引き取りを・・・」

 

 

 

 

 

 

その後道を歩く2人。

 

ココア「兵士を育てるのは戦場なのに・・・」

 

楽兎「戦場だけで兵士が育てれると思ったら大間違いだぞ?」

 

すると目の前に青山ブルーマウンテンが走って来た。

 

青山「あらーココアさんに楽兎さん!丁度良かった・・・少し付き合ってくれますか?」

 

ココア「青山さんも暇なの!?」

 

楽兎「ん?あれは。」

 

凛「こらー!」

 

後ろから担当の凛が走って来た。

 

凛「見付けましたよ先生!」

 

青山「あのー、私ココアです~。ぶつかった拍子に魂が入れ替わ・・・」

 

だがそんな脅しは効かなかった。凛は青山の腕を引っ張って連れて行った。

 

青山「あの・・・まだセリフが・・・」

 

凛「締め切り2週間と3日も過ぎてますよ!」

 

楽兎「達者でー。」

 

 

 

 

 

 

夕方になり、ラビットハウスに帰って来た。

 

ココア「ただいまー・・・」

 

ホールにタカヒロが居た。

 

楽兎「タカヒロさんただいま。」

 

タカヒロ「おかえり。そうだココア君。」

 

ココア「ん?」

 

するとタカヒロは、ココアにコーヒーメーカーを差し出した。

 

タカヒロ「これを持って行きなさい。」

 

ココア「コーヒーメーカー?」

 

コーヒーメーカーを受け取る。

 

タカヒロ「これで、チノを支えてやってくれ。」

 

ココア「わ、私に出来るでしょうか!?」

 

タカヒロ「笑顔にさせるのは、君の仕事さ。」

 

ココア「はい!」

 

タカヒロ「楽兎君も、チノを支えてやってくれるか?」

 

楽兎「ええ勿論。チノちゃんは俺の従妹ですから。」

 

 

 

 

 

 

その頃チノは、ボトルシップに集中している。するとノックが聞こえた。

 

ココア「チーノーちゃん。コーヒー淹れよー!」

 

チノ「パターン変えてきた!今日中に終わらせたいので集中させて下さい!」

 

ココア「折角持って来たのになー・・・」

 

チノ「ココアさんは明日の支度出来てるんですか?」

 

だがココアの返事が帰って来ない。ドアを開けるとココアの姿は無かった。

 

チノ「ココアさん?」

 

 

 

 

 

 

夜が過ぎて、翌朝。朝に目が覚めたココアは、ある声を耳にした。

 

マヤ「おっはよー!」

 

メグ「おはようございます!」

 

みくる「やあ皆おはよう!今日は良い天気だねー!」

 

緑羽太「やっほーっす!お楽しみの日が到来したぜ!」

 

それは、皆が挨拶してる声だった。外を見ると、千夜達が集まっていた。

 

 

 

 

外に出た。緑羽太の後ろには軽自動車が停まっていた。

 

ココア「この集まりは何かな・・・?」

 

千夜「ココアちゃんまだパジャマなの!?」

 

シャロ「早く着替えてらっしゃいよ!」

 

メグ「今日から泊りがけで!」

 

マヤ「山に遊びに行くんでしょ!」

 

みくる「山で自然を楽しもうよ!」

 

緑羽太「自然を撮影して思い出残そうぜ!」

 

ココア「そうなの!?私の気持ちが皆に通じたんだ~!」

 

シャロ「何の事?」

 

ココア「え?」

 

千夜「今日と明日、皆で山に行こうってリゼちゃんが誘ってくれたでしょ?」

 

ココア「リゼちゃんのお誘い?」

 

シャロ「招待状が来たでしょ?」

 

ココア「招待状?」

 

マヤ「これだよー!」

 

皆がココアに見せたのは招待状が入った1枚の封筒だった。あの時ポストに投函したのは招待状だったのだ。だがココアは何も知らなかった。

 

ココア「招待状なんて来てない・・・」

 

シャロ「え!?」

 

ココア「私が誘っても誰も・・・なのにリゼちゃんの一声でこんな・・・!もー!何なの皆ー!もー!もー!」

 

牛みたいにココアが怒った。

 

千夜「ココアちゃんが牛みたいに!」

 

緑羽太「ボイラーみたいに熱くなってる!?」

 

ココア「引き籠っちゃうからー!」

 

マヤ「グレたー!?」

 

部屋に猛ダッシュするココア。チノと楽兎を通り過ぎて。

 

チノ「ココアさん!?」

 

楽兎「おいココア!?」

 

丁度外では、リゼがジープに乗って来た。

 

リゼ「お待たせー!」

 

緑羽太「ああリゼ!ちょっと助けてくれるか?」

 

リゼ「ん?どうした?」

 

 

 

 

 

 

ココアの部屋の前に皆が集まってココアを説得する。

 

リゼ「おーい、もう行くぞー!」

 

ノックするが出て来る気配は無い。

 

メグ「今日の事知らなかったみたい。」

 

リゼ「まさか!?ココアにだけ招待状届いてなかったのか!?手紙って届いて当たり前だと・・・」

 

楽兎「何処かで郵送ミスが起こったのか?」

 

リゼ「いや、そんなはずは・・・」

 

するとチノは、1枚の手紙を持って来た。

 

チノ「いいえ届いてます。ココアさんの制服のポケットに入れっぱなしに・・・」

 

リゼ「見てないだけか・・・」

 

楽兎「自分が悪いだけじゃん。」

 

招待状を読んでなかっただけだった。

 

千夜「でもどうしてあんなに怒ったのかしら?」

 

シャロ「昨日ココアが誘いに来てたような・・・」

 

チノ「あ!私もボトルシップに夢中になり過ぎて、あまり構ってあげられませんでした・・・」

 

罪悪感が芽生えてしまったチノ。

 

メグ「ココアちゃんココアちゃん。どうか気を静めて出てきて下さい・・・」

 

マヤ「やっぱ生贄が必要なんじゃね?」

 

楽兎「何処の儀式!?」

 

リゼ「生贄・・・じゃ・・・じゃあ私を好きなだけもふもふして良いから・・・」

 

するとドアが少し開いた。

 

ココア「よ~し。1人ずつ入っておいで。」

 

リゼ「全員かよ!」

 

楽兎・緑羽太「俺らもかよ!!」

 

メグ「じゃ・・じゃあ私が!」

 

リゼ「待てメグ!お前には荷が重すぎる!」

 

みくる「私達に任せてメグちゃん!」

 

シャロ「ほ・・・本当に出て着てよ!ココアが居ないと落ち着かないわ!」

 

リゼ「私だってココアが居なければこんな計画思い付かなかった!」

 

楽兎「2人の言う通りだ!出て来てくれ!」

 

緑羽太「お前が居ないと俺達気が済まないんだ!」

 

千夜「でも私が一番ココアちゃんだーい好き!」

 

リゼ・シャロ「なぁ!?」

 

楽兎「此奴!!」

 

緑羽太「ぶべら!!」

 

ココア「私も皆がだーい好き。」

 

リゼ「なら出て来い!」

 

楽兎「いい加減にしてくれ!」

 

メグ「私達は何する?」

 

マヤ「漫才とか?」

 

すると、チノがドアの前に立った。

 

リゼ「チノ?」

 

シャロ「チノちゃん?」

 

マヤ「チノ・・・」

 

メグ「チノちゃん・・・」

 

楽兎「おいチノちゃん、何をするんだ?」

 

みくる「まさか自分が生贄になる気なの!?」

 

緑羽太「だったら全力で止めるぞ!?」

 

そして勇気を出したチノはココアを説得する。

 

チノ「コ・・・ココアさん!あーそーぼー・・・」

 

 

 

 

 

 

ココア「良いよー!!」

 

 

 

 

 

 

突然着替えたココアが部屋から出て来た。

 

チノ「・・・やれやれです。」

 

 

 

 

 

 

こうして元気になったココアと皆が外に出た。

 

ココア「私が皆に本気で怒る訳無いよ!」

 

シャロ「ええ!?」

 

楽兎「まさか今のはお前の演技!?」

 

リゼ「しょうがない奴め・・・」

 

緑羽太「参ったぜ・・・こりゃ一本取られたな。」

 

そこにチノが、クロスワードの本を持って出て来た。

 

マヤ「あー、チノー!アウトドアなのにインドアな事を!」

 

するとココアがクロスワードの本を取り上げた。

 

ココア「だーめ!没収だよー!」

 

チノ「そ、そうですよね・・・」

 

緑羽太「よっしゃ!皆揃った事だし、出発するか!」

 

みくる「リゼちゃんのジープじゃ私達乗れないから緑羽太の車で行こう!」

 

楽兎「なあ緑羽太、俺に運転やらせてくれるか?」

 

緑羽太「え?お前バイクの免許しかないだろ?」

 

楽兎「実は大学時代、こっそり車の免許を取得したんだ。」

 

免許証を見せると、普通自動車免許が載っていた。普通二輪も載ってる。

 

みくる「うわホントだ!」

 

緑羽太「俺達が知らない間に取得するとは、やるなぁお前!よっしゃ!運転宜しく!」

 

楽兎「任せとけ!」

 

軍用車に乗るココア達と、軽自動車に乗る楽兎達。ジープが出発した。

 

緑羽太「初運転大丈夫か?」

 

楽兎「もしヤバそうだったら運転代わっても良いぞ。ではタカヒロさん、行って来ます!」

 

緑羽太「行って参りますマスター!」

 

みくる「楽しい思い出を持って帰ります!」

 

軍用車に続いて軽自動車も出発した。タカヒロは皆に手を振って見送る。

 

タカヒロ「行ってらっしゃい!」

 

ティッピー「気を付けてなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

そして車は街を出た。

 

マヤ「コテージってどんなかな?」

 

メグ「楽しみだねー!」

 

チノ(そう言えば、街を離れるの初めて・・・おじいちゃんもお父さんもお留守番。)

 

自分の頭に手を当てる。

 

チノ「私、アウトドアなんて楽しめるのかな?」

 

するとココアが、チノの頭に麦わら帽子を被せた。

 

チノ「ココアさん?」

 

ココア「えへへー。」

 

チノ「(ティッピーが居るみたい。)ありがと・・・」

 

ココア「クロスワード解けたよ!」

 

没収したクロスワードをやってるココア。

 

ココア「あー!また解けた!」

 

チノ(本当に大丈夫かな・・・山・・・どんな所なんだろう・・・)

 

 

 

 

軽自動車の中では。

 

緑羽太「久し振りに味わう山だ楽兎!」

 

楽兎「ドジるんじゃないぞ緑羽太。」

 

みくる「山、凄く久し振りだねー!」

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

       使用人:村田太志
       真手凛:木村珠莉
      被服部長:諏訪彩花
     吹き矢部長:大西沙織
     庶民部員A:田澤茉純
     庶民部員B:甘束まお
     庶民部員C:高野麻里佳

ティッピー「う〜ん。」

青山「う〜ん。」

ティッピー「うん?」

青山「あ!」

ティッピー「は!?」

青山「うんうんなるほどー。」

ティッピー「怖い~!」

次回「スターダスト・マイムマイム」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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23羽「スターダスト・マイムマイム」

リゼの招待で山に出掛けたココア達。山に到着し、川が流れてる岩場を見渡す。

チノ「す・・・凄いです・・・まさに自然の脅威です!」

緑羽太「こいつは凄いとしか言えませんぜチノさん!」

デジカメで撮影するチノと緑羽太。

ココア「大自然だー!この雰囲気実家に帰って来たみたい!」

シャロ「え!?実家ってこんな山奥だったの!?」

千夜「へぇー!」

チノ「素敵な所にあるんですね。」

ココア「うん!チノちゃん何時か連れて行ってあげる!お母さんもお姉ちゃんも大喜びだよ!」

チノ「あ・・・ありがとうございます・・・」

俯いて顔を赤くした。

リゼ「おーい行くぞー!」

楽兎「置いてくぞー!」

ココア「あ!うん!行こうチノちゃん!」

手をチノに差し伸べる。

チノ「・・・はい。」

ココアの手を握るチノ。


そして目的地のコテージに到着した一行。コテージの中はとても広かった。

 

千夜「素敵なコテージねー!」

 

リゼ「親父が好きに使って良いって。」

 

シャロ「映画みたい!」

 

メグ「お人形さんの家のよう!」

 

マヤ「早く探検しに行こうぜ!」

 

ココア「沢山遊びたいし、バーベキューも楽しみだね!」

 

みくる「ヤバイよ!興奮度が上昇してきた!」

 

リゼ「食料とかは、親父が用意したって言ってたから。」

 

早速リゼが食料が入ったクーラーボックスを開ける。だがしかし。

 

リゼ「のわああああああ!!!????」

 

楽兎「おわっ!?どうしたリゼ!?」

 

リゼ「大変だ!いきなりとんだハプニングだ!」

 

ココア「どうしたの?」

 

リゼ「クーラーボックスが空だ!」

 

全員「えーーーー!!!???」

 

何とクーラーボックスの中は何も入って無かった。

 

リゼ「携帯は圏外だし、近くの街までは20キロまであるし・・・」

 

緑羽太「よっしゃリゼ!俺の車で買い出しへ行くぞ!」

 

リゼ「すまない緑羽太!」

 

ドアを開けて買い出し出掛ける緑羽太とリゼ。

 

みくる「緑羽太流石ね。」

 

楽兎「彼奴結構気が効く事をするよな。」

 

だがしかし。

 

リゼ「うわああああああ!!!!!」

緑羽太「ぎゃあああああ!!!!!」

 

叫びながらダッシュで緑羽太とリゼが戻って来た。

 

ココア「緑羽太君どうしたの!?」

 

リゼ「こっちもハプニングが発生した!!」

 

マヤ「どうしたの!?」

 

楽兎「どうした!?まさか熊が出たのか!?」

 

緑羽太「いや!俺の車が持ってかれた!!」

 

全員「えーーーーーー!!!???」

 

何と緑羽太の車がリゼの部下達によって持ってかれたのだった。

 

楽兎「リゼ、自転車とか無いか!?」

 

リゼ「いや、ここに自転車は無い!」

 

楽しみにしてたチノがガッカリした。

 

リゼ「だ、大丈夫だ!食料は我々で調達しよう!!」

 

チノ「急にサバイバルに!?」

 

ココア「心配いらないよ!実家で大自然に鍛えられた私と!」

 

シャロ「しょ・・・食料のやりくりに・・・!」

 

ココア・シャロ「鍛えられた私達が居ればね!」

 

マヤ「チノー!釣りしよう釣り!」

 

チノ「あ、はい。」

 

メグ「私は山菜採りに行ってみたいなー!」

 

千夜「じゃあお供させて貰おうかしら?」

 

みくる「それなら私も入れてよ山菜採りに!」

 

千夜「かごか何か探しましょ?」

 

メグ「はーい!」

 

ココア「よーし!大物釣るよ!」

 

リゼ「逞しい小隊を持てて嬉しいよ・・・!」

 

涙を拭くリゼ。

 

ココア「何時小隊になったの!?」

 

千夜「リゼちゃーん!チェーンソー見付けたんだけど、持って行った方が良いかしら?」

 

リゼ「何を狩るつもりだ!?」

 

楽兎「お前はジェイソンか!!」

 

みくる「あれ?チェーンソーって免許必要だったっけ?」

 

緑羽太「業務使用だけだな。」

 

 

 

 

 

 

こうしてそれぞれ分かれて食料を調達する事に。山菜採り組は千夜、メグ、みくるの3人。

 

リゼ「あまり遠くに行くなよー?」

 

みくる「分かってるよー!」

 

千夜「心配掛けないようにしなきゃ。」

 

メグ「ねー。」

 

ココア「昔良くやんちゃしてお姉ちゃんに心配かけて怒られたなぁ。」

 

チノ「そうなんですか?」

 

ココア「三輪車で山越えしようとしたりして。あの頃は若かった・・・」

 

チノ(今と変わらない気がします・・・)

 

緑羽太「やる事が派手だねー。」

 

チノ「今日はモカさんの代わりに私が怒りますね。」

 

ココア「怒られる設定なの!?チノちゃん待ってー!」

 

釣り組も早速出発した。

 

 

 

 

 

 

山川に到着した。

 

リゼ「よーし。この中で釣りの経験者は?」

 

楽兎「俺。」

 

緑羽太「俺も。」

 

楽兎と緑羽太が手を上げた。だがココア達4人は未経験だった。

 

リゼ「お前ら任せろって言ったじゃないか!」

 

ココア「何とかなるって!」

 

シャロ「魚を捌く位なら・・・」

 

マヤ「何だ、素人集団かよ。」

 

チノ「先が思いやられます。」

 

リゼ「お前らも初めてだろ・・・」

 

緑羽太「まぁ経験豊富な俺達が付いてるから安心しろって。」

 

楽兎「殆ど大人組に頼りっきりだな。」

 

 

 

 

釣り開始。ウキを川に投げ込む。

 

ココア「どっちがいっぱい釣れるか勝負だよ!」

 

シャロ「何でよ・・・あ!!掛かった!」

 

ココア「私も!」

 

2人同時に掛かった。魚は抵抗するかのように暴れる。そして。

 

ココア・シャロ「同時!!??」

 

マヤ「おおーー!!」

 

同時に魚を釣り上げた。そして釣れた魚をバケツに入れる。

 

マヤ「大きいなぁ・・・チノ!負けてらんないよ!」

 

チノ「はい!」

 

ココア「一緒に釣れるなんて私達息が合い過ぎだよ!」

 

シャロ「偶然よ!あ、また!」

 

ココア「また!」

 

またもや同時に掛かった。そして。

 

ココア・シャロ「同時!!??」

 

また同時に釣り上げた。そして今度は同時に釣り上げた魚が2人の顔に直撃した。

 

リゼ「さっきから仲が良いのか悪いのやら。」

 

余裕で魚を釣り上げたリゼ。

 

楽兎「俺達釣りするの何時頃以来なのかな?」

 

魚を釣り上げた楽兎。

 

緑羽太「中学以来だったな。」

 

同じく魚を釣り上げた緑羽太。今度はマヤに掛かった。

 

マヤ「わ!掛かった!リゼどうしよう!ヤバーイ!」

 

リゼ「落ち着け。慌てずにそう、ゆっくり引き上げて。」

 

教えられた通りにマヤが竿を引く。そして釣れた。

 

マヤ「やった!人生で初めて釣った魚だよ!こいつと一緒に写真撮って!」

 

リゼ「分かった分かった。」

 

スマホでマヤと魚を撮る。釣れた魚をバケツに入れる。

 

マヤ「ふふーん!」

 

するとマヤが木陰に座った。

 

マヤ「はぁ~・・・大満足・・・もう釣りは良いや。」

 

リゼ「おい!」

 

楽兎「飽きるの早!」

 

シャロ「マヤちゃんリゼ先輩に怒られるから・・・」

 

リゼ「撮ってあげたんだから次は私も撮れよ!」

 

シャロ「そこなんですか!?」

 

緑羽太「リゼ怒る所間違ってるぞ!?」

 

 

 

 

その頃チノは1匹も釣れずにいた。

 

楽兎「チノちゃん、どう?」

 

チノ「私だけ釣れない・・・」

 

楽兎「ん〜・・・何か良い方法は無いのか?」

 

ココア「良い案があるよ!」

 

チノ「ココアさん?」

 

楽兎「何するんだ?」

 

するとココアが後ろからチノに抱き付く。

 

ココア「こうするの!私のパワーを分けてあげる!」

 

チノ「意味ないと思いますが・・・」

 

楽兎「お前がモフモフしたいだけだろ。」

 

ココア「チノちゃんもふもふ~!」

 

チノ「それ所では・・・」

 

楽兎「おいココア。」

 

するとチノの竿が引っ張られた。

 

楽兎「チノちゃん来たよ!!」

 

ココア「せーの!!」

 

竿を上げると、魚が釣れた。

 

ココア「釣れたー!」

 

楽兎「凄え!」

 

ココア「楽しい?楽しい?」

 

チノ「納得いきませんね・・・」

 

楽兎(あ、自分の力で釣り上げたいのか。)

 

 

 

 

 

 

その頃山菜採り組は、鼻歌を歌いながら山菜を探している。

 

千夜「あ!きのこ発見!」

 

だがそのきのこはドス黒いオーラを発していた。

 

みくる「シ、シャグマアミガサタケ・・・?」

 

千夜「この練り餡に似た傘。きっと味もあんこのような上品な甘さよ。

 

メグ「な、成る程!」

 

今度はまたヤバそうなきのこを発見した。

 

みくる「マンドラゴラ・・・?」

 

千夜「こっちは一見腐ったような外見でも、腐りかけが一番美味しいって言うわよね。」

 

メグ「そ・・・そうなんだ!」

 

毒キノコを採取した。

 

みくる「メ、メグちゃん・・・?」

 

メグ「千夜さんと一緒で良かった~!」

 

きのこを採ったメグは嬉しそうだった。

 

千夜(あれ、明らかにヤバイ奴よね・・・)

 

そうやら千夜はメグのツッコミを求めてる。今度は不可思議な動きをしてるきのこを発見した。

 

千夜(でも次こそはメグちゃんもつっこんでくれるはず!)

 

みくる「もうあのきのこはダメ!」

 

 

 

 

その頃釣り組では、チノは粘ってる。

 

ココア「私達は釣り場を変えるけど、チノちゃんはどうする?」

 

チノ「ここで粘ります!」

 

ココア「じゃあ後でね。」

 

緑羽太「楽兎、俺ココアちゃん達と同行するけど。」

 

楽兎「ああ。2人を頼むな。」

 

緑羽太「OK。」

 

シャロ「上流の方が釣れるかしら?」

 

緑羽太「上流か。もしかしたらイワナとか釣れるかもな。」

 

ココア、シャロ、緑羽太は上流へ向かう。

 

楽兎「チノちゃんどう?釣れそう?」

 

 

 

だが数分経ってもチノの竿に反応は無い。

 

チノ(せめて日陰に移動した方が良かったかな・・・)

 

楽兎「段々暑くなって来たな・・・」

 

チノが額の汗を拭くと、被ってた帽子が落ちた。

 

チノ「あ!」

 

帽子は川に流された。

 

チノ(ココアさんの帽子が!)

 

楽兎(チノちゃん?)

 

異変に気付いた楽兎がチノを追い掛ける。帽子を追い掛けるチノ。そしてチノは川に入った。

 

楽兎(ちょ!?)

 

川に入ったチノが帽子に近付く。楽兎も川に入る。

 

チノ「待って!待って!待って!」

 

楽兎「危ない!っ!?」

 

躓いて左足を怪我した。そして、チノが帽子を取った。

 

チノ「やりました!!う、うわっ!」

 

帽子を取れたチノ。だがしかし、川に流されていく。

 

チノ「岸に・・・!」

 

楽兎「チノちゃん!掴まって!」

 

チノ「ら、楽兎さん!」

 

楽兎の腕を掴んだ。

 

 

 

 

近くの岸に上がった。

 

楽兎「チノちゃん大丈夫・・・!?」

 

チノ「はい・・ココアさんの帽子が取れました・・・」

 

楽兎「良かった・・・っ!」

 

チノ「だ、大丈夫ですか・・・?」

 

楽兎「大丈夫、ちょっと左足を捻っただけ・・・」

 

チノ「よいしょ・・・楽兎さん戻りましょう。」

 

楽兎「それなんだけどチノちゃん、俺達かなりヤバイ所に来てしまったんだけど・・・」

 

チノ「え?」

 

それを聞いたチノが周りを見回すと、楽兎の言葉を理解したかのようにガクガク震えた。

 

 

 

 

 

 

チノ「な、中州!?」

 

何と2人は中州に上がってしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

楽兎「チノちゃんを背負って戻ろうとしても、左足に痛みが走りそう・・・」

 

チノ(ど・・・どうやって戻ろう・・・私泳げないのに無我夢中で・・・)

 

楽兎「!!」

 

遠くを見た楽兎が何かを閃いた。遠くにマヤとリゼの姿が見えた。

 

楽兎「チノちゃん!手を振ろう!向こうの2人に知らせよう!!」

 

 

 

 

 

 

その頃マヤとリゼ。マヤが2人が手を振ってるのに気付いた。

 

マヤ「あ!チノと兄貴があんな所に!」

 

チノと楽兎は2人に助けを求めて手を振ってるが。

 

マヤ「やっほー!チノー!兄貴ー!」

 

リゼ「チノと楽兎が中州まで行くなんて珍しくアクティブだな。」

 

マヤ「そうだね!」

 

リゼ「自然には人を大胆にさせる力があるんだな!」

 

2人は助けを求めてるのに気付いてない。今度はチノがジャンプしながら手を振る。

 

リゼ「私も来いって?しょうがないなぁ!」

 

何故かリゼが服を脱いで2人の所まで泳ぐ。

 

 

 

 

 

 

そしてリゼがチノを引っ張って助けた。楽兎もチノを後ろから押して向こう岸に着いた。

 

マヤ「チノー!大丈夫!?」

 

チノ「はい・・・」

 

リゼ「まさか戻れなくて困ってたとは・・・」

 

チノ「あ、ありがとうございました・・・リゼさん・・・」

 

楽兎「すまないなリゼ。俺の左足が痛んでいたから・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃ココアとシャロと緑羽太が戻って来た。

 

ココア「釣り対決は私の勝ちだね!」

 

シャロ「だから勝負とかしてないし・・・」

 

緑羽太「2人共凄かったな。全部同時に釣り上げるなんてな。良いコンビだな。」

 

シャロ「いえ、だからそんなつもりじゃ・・・ん?」

 

岸に4人居る所を見た。

 

 

 

 

シャロ「服のまま泳ぐなんてはしゃぎ過ぎです!」

 

リゼ「完全には否定出来ない・・・」

 

緑羽太「チノちゃんと一緒に流されたのか!?」

 

楽兎「まあな・・・でもリゼと一緒にチノちゃんを救出出来たから良かった・・・」

 

緑羽太「左足大丈夫か?包帯と氷袋あるぞ。」

 

楽兎「ありがとな・・・」

 

ココア「川に入った!?どうして泳げないのにそんな事・・・」

 

チノ「ココアさんの帽子が川に流されてしまって・・・あ、でもやりました!どうです?さっきのより大きいんですよ?それにこんなに元気です!」

 

帽子の中には魚が入ってた。その魚はさっき釣れたのより大きかった。するとココアがチノの額にチョップした。

 

チノ「痛っ!?」

 

ココア「帽子よりも魚よりもチノちゃん大事!」

 

チノ「は・・・はい・・・」

 

ココア「無茶な事しちゃ駄目。」

 

チノ(私がモカさんの代わりって言ってたのに逆にココアさんに心配かけちゃって・・・)

 

心の底から反省するチノ。だがしかし。

 

 

 

 

 

 

ココア「でも一番駄目なのは一瞬でもチノちゃんから目を離してしまった私!」

 

チノ「私赤ちゃんじゃないんですから・・・そこまでじゃないですから!」

 

自分の頭に何回もチョップするココア。

 

楽兎「おい姉としての威厳はどうした!?」

 

すると今度はマヤが川に溺れていた。

 

リゼ「マヤ!?」

 

緑羽太「マヤちゃん溺れてる!?」

 

シャロ「私が!」

 

今度はシャロがマヤ助けた。

 

シャロ「マヤちゃん大丈夫!?」

 

マヤ「水着、下に着てたから泳いでたの。」

 

シャロ「なーー!?」

 

楽兎「何・・・だと・・・!?」

 

溺れてたのではなく、泳いでただけだった。

 

リゼ「何だとー!?」

 

バケツに水を入れてマヤにかける。

 

リゼ「1人だけちゃっかりした裏切り者め!シャロも怒ってやれー!」

 

シャロ「私も下に水着着てるんです・・・何かあったらと・・・」

 

リゼ・楽兎「お前もか!」

 

実はシャロも水着を着ていた。

 

緑羽太「まさに備えあれば憂いなしだな。」

 

 

 

 

 

 

そこに山菜採り組が戻って来た。

 

メグ「彼処ー!」

 

川で遊んでるココア達を見付けた。

 

ココア「私からもお仕置きだよー!」

 

だがマヤはチノでガードした。

 

チノ「巻き添い!?」

 

今度はやり返えされた。

 

ココア「やり返された!」

 

シャロ「もう!マヤちゃんったら・・・ってチノちゃん!?」

 

マヤではなく、チノがやり返した。

 

チノ「あ・・・つい勢いでお返しを・・・」

 

ココア「やんちゃチノちゃん!どんと来ーい!」

 

シャロ「遠慮しなくて良いのよー!」

 

マヤ「もっとやれー!」

 

ココア・シャロ「やれー!」

 

だがチノは引いていた。

 

リゼ「引いてるぞー。」

 

緑羽太「ご褒美を求めてるみたいに言うな。」

 

千夜・メグ「私達も!」

 

千夜「突撃~!」

 

メグ「まぜて~!」

 

ココア「あ!おかえりー!」

 

リゼ「どうだ?きのこ採れたか?」

 

千夜「大量よ~!」

 

カゴの中は毒キノコだらけだった。

 

シャロ「それ毒キノコ~!」

 

千夜「正しいツッコミありがとう~!」

 

シャロ「全然ありがたくないわよ!」

 

みくる「あの毒キノコ食べたら小さくなるかも。」

 

緑羽太「マリオか。」

 

みくる「あれ?楽兎、足どうしたの?」

 

楽兎「ああ、ちょっとな。でもすぐ回復出来る。」

 

ココア「ねぇ、ここでスピンしたら竜巻起こせるのかな?」

 

メグ「え?」

 

千夜「失敗したら水かけ総攻撃ね。」

 

メグ「えー!?」

 

緑羽太「ちょいちょい。」

 

メグ「・・・大自然よ!私に力をー!!ナチュラルリバーモーメントーーー!!!!」

 

高速スピンするメグ。水が周りに飛んだ。

 

 

 

 

 

 

水遊びをした後、服を乾かす。シートの上で寝るココア達。

 

ココア「焼き魚美味しかったねー。」

 

千夜「私のおにぎりはどうだった?」

 

シャロ「持って来てたって言うの遅過ぎ・・・」

 

ココア「でも美味しかったよー!」

 

リゼ「倉庫に保存食もあったしー。夕食もどうにかなりそうだな。」

 

シャロ「食後に横になるなんて、だらしないかしら?」

 

リゼ「だーれも見てないし。たまには良いだろう。」

 

するとココアが起き上がりカメラで撮った。

 

ココア「だらしない皆の姿いただき!さらば!」

 

シャロ「こらー!」

 

リゼ「消せー!」

 

ココアを追い掛けるシャロとリゼを撮る千夜。

 

楽兎「あー痛みが無くなったー。」

 

緑羽太「治るの早くね?」

 

みくる「治って良かったー。」

 

楽兎「みくる、あの毒キノコ達はどうした?」

 

みくる「元の場所に置いて来たよ。」

 

メグ「ハプニングいっぱいだね~。」

 

マヤ「食料が無かったり水遊びになったり。」

 

チノ「ココアさんに怒られたり。」

 

メグ「えー!?何か悪い事したの!?」

 

マヤ「チノ、泳げないのに川に入っちゃってさー。」

 

メグ「怒られたって何時もみたいに「も~。ぷんぷん」って感じじゃなくて?」

 

チノ「そんな感じじゃなかったです・・・でも・・・あったかい感じでした。」

 

 

 

 

 

 

その夜、突然非現実的な出来事が起こった。なんとコテージにゾンビが大量発生した。

 

リゼ「これでも喰らえー!」

 

ハンドガンでゾンビを倒すリゼ。

 

リゼ「シャロ!」

 

シャロ「はい!」

 

リゼから受け取った銃でゾンビの頭部を撃ち抜く。

 

 

 

 

千夜「容赦しないわよ!」

 

チェーンソーでゾンビを脅す。

 

 

 

 

みくる「これって結構ヤバイ状況!?」

 

ナイフでゾンビを刺し殺す。

 

緑羽太「どんどん出て来るぞこいつら!」

 

マチェットでゾンビを切り裂く。

 

楽兎「これじゃきりがない!」

 

ブレードでゾンビを切り裂く。

 

 

 

 

マヤとメグを守るココア。バットを持ってる。

 

ココア「ここは私が!チノちゃんを頼んだよ!」

 

メグ「は、はい!」

 

するとゾンビがココアに襲い掛かる。そしてココアの首に噛み付いた。

 

マヤ「ココアー!」

メグ「ココアちゃーん!!」

 

噛み付かれたココアはそのまま感染された。

 

 

 

 

 

 

それを聞いたチノは怯えた。

 

マヤ「って事になってるんだ。」

 

メグ「千夜さん達がゾンビ軍団に応戦してるけど時間の問題だよ・・・」

 

チノ「早く逃げないと!・・・身動きが取れない・・・」

 

逃げようとしても動けない。

 

チノ「あれ・・・寝袋・・・?確か私木陰で横になってたはずじゃ・・・」

 

身動きが取れない理由は寝袋に入ってたのである。

 

メグ「うぅ・・・」

 

するとメグが苦しむ。

 

マヤ「まさかさっきゾンビにやられた傷で感染!?」

 

メグ「く・・・食っちまうぞ~!」

 

寝袋に入ったままテントから逃げるチノ。だがリゼ達は平然とバーベキューをしていた。

 

千夜「あ!チノちゃんが起きたわー。」

 

リゼ「ぐっすり寝てたから寝袋に移動させてやったぞ。」

 

楽兎「こっちに来てチノちゃん。バーベキューを楽しもうぜ!」

 

チノ「あの・・・」

 

シャロ「ん?どうしたの?」

 

チノ「ゾンビが・・・」

 

リゼ「ゾンビって?」

 

チノ「皆ゾンビに・・・」

 

ココア「何言ってるのチノちゃん。私達が、ゾンビになる訳ないよ~。」

 

振り向いたココアの顔には、赤い物が付いてた。これはただのケチャップだったが、チノにはそれが血だと思い込んで、気絶してしまった。

 

全員「あーーー!!!」

 

ココア「やり過ぎた~!?チノちゃんケチャップ!ケチャップだから!前もやったでしょ!ケチャップ~!」

 

緑羽太「心臓マッサージだ!!輸血パックだ!!」

 

楽兎「勝手に殺すな!!ってか輸血パックなんてあるか!!」

 

 

 

 

 

 

誤解が解かれてバーベキューを始める。

 

ココア「ごめんチノちゃん!焼きマシュマロで許して!」

 

チノ「いただきます。どうしてコテージを使わないんですか?」

 

千夜「それが、電気が点かない上にベッドが足りなくて・・・」

 

シャロ「テントと寝袋があったからもうこっちで良いやって。」

 

チノ「楽兎さん、足は大丈夫ですか?」

 

楽兎「ああ、完治したから走れるようになった。」

 

リゼ「皆ごめんな、食料が無かったり、電気が点かなかったり、ハプニングだらけで・・・誰の仕業か心当たりはあるけど・・・もっとのんびりした休日を想像してただろ?」

 

ココア・千夜・シャロ「もっとハードなの想像してたから大丈夫!」

 

リゼ『ワニを捕獲したぞー!』

 

ワニを捕まえたリゼを想像する。

 

リゼ「そうなのか!?」

 

楽兎「ああ。こうしてサバイバル体験がまた出来たんだし。」

 

緑羽太「そうそう。こんな楽しいサバイバルは俺達初めてだったしな。面白かったよ!」

 

するとメグが眠たそうにあくびをした。

 

千夜「そろそろ寝ましょうか。」

 

チノ(私さっき起きたばっかり・・・このままだと・・・一人で夜を過ごす事に!)

 

マヤ「待ってよー!寝るの早すぎ!」

 

リゼ「マシュマロもこんなに残ってるぞ!」

 

みくる「わーいマシュマロが沢山!」

 

ココア「その通り。」

 

懐からタカヒロから受け取ったコーヒーメーカーを出した。

 

メグ「コーヒーメーカー!」

 

マヤ「寝かさない気だな!」

 

チノは安心したかのようにホッと言った。

 

 

 

 

そしてコーヒーを皆で飲む。

 

リゼ「お店から持って来たのか?」

 

ココア「うん!リゼちゃんもどうぞー!」

 

チノ「うちのコーヒーの味・・・」

 

マヤ「美味しいー!」

 

楽兎「タカヒロさん気が効くー!」

 

ココア「一番最初に寝た人は罰ゲームだよ!」

 

チノ「罰ゲームって・・・」

 

シャロ「罰ゲーム!?楽しそう~!」

 

既にカフェイン酔いしてるシャロ。

 

千夜「もうカフェイン酔いしてるわ。」

 

緑羽太「シャロがカフェインで酔っちまった・・・」

 

みくる「テンションが高いよシャロちゃん!」

 

シャロ「火を囲んで踊るわよ!ヘイカモン!ほら皆、マイムマイムするわよ!」

 

リゼ(シャロにとってはもう罰ゲームになってるような気が・・・)

 

 

 

 

 

 

そして全員火の周りに立って手を繋ぐ。

 

ココア「マイムマイムってどんなだっけ?」

 

チノ「さぁ・・・」

 

緑羽太「知らねえのかよ!」

 

マヤ「適当に回れば良いんだよ!」

 

シャロ「レッツゴー!」

 

そして全員高速でスピンするかのように回る。

 

ココア「どう?チノちゃん楽しい?」

 

チノ「凄くバカみたいです!」

 

ココア「それが良いんだよ~!」

 

そして千夜はクラクラしていた。

 

リゼ「千夜がやばい!」

 

千夜「大丈夫・・・皆の為にも死んでもこの手を・・・!!」

 

チノ「既に死にそうです!」

 

楽兎「ヤバイヤバイヤバイ!!」

 

緑羽太「遠心力が半端ねぇーーー!!!」

 

みくる「これがバレエのスピンなのかしら?」

 

マヤ「じゃあ一斉に手を離すよ~。せーの!」

 

同時に皆の手が離れて、飛ばされた。千夜は後ろに飛ばされたが見事に立った。

 

メグ「クルクルクルー・・・」

 

ただメグ1人だけ回っていた。

 

マヤ「勝者メグー!!」

 

メグの勝ち。

 

みくる「流石バレエだねメグちゃん!」

 

楽兎「おうぇ・・・」

 

緑羽太「気持ち悪ぃ・・・」

 

この2人は吐きそうな表情をしてる。

 

シャロ「あっはははは!この休日凄く楽しいです!先輩ー!」

 

いきなりリゼに抱き付いた。

 

リゼ「お、おい!」

 

チノ「私もです!」

 

千夜「リゼちゃんのお陰だわ。」

 

楽兎「充実感が半端無かったよ!っておうぇ・・・」

 

ココア「ありがとう!」

 

するとリゼが嬉しそうに泣いた。

 

リゼ「良かった・・・」

 

マヤ「嬉し泣きだー!」

 

 

 

 

 

 

その夜も皆で楽しむ。

 

マヤ「よく考えると高校生組と大人組と遊べるって変な感じ。」

 

メグ「私達に合わせてくれてるんだよ~!」

 

ココア「出来た~!二刀流マシュマロで最強モード!」

 

リゼ「こっちは2倍刺しだぞ~!」

 

シャロ「わ・・・私は理想の焼き加減。」

 

それぞれのマシュマロを見せる。

 

千夜「そろそろ男爵の金脈が食べ頃ね。」

 

アルミホイルの中からジャガバターが出て来た。

 

シャロ「ジャガバター!?」

 

リゼ「そんな兵器が!!」

 

ココア「お恵みをー!」

 

緑羽太「ヤバイ、更に腹減ってきた・・・」

 

楽兎「お前さっきマシュマロをガツガツ食っただろ!?」

 

マヤ「本当に年上なのかなぁ?」

 

チノ「はしゃぎ過ぎです」

 

メグ「そんな所も憧れるよ~。」

 

すると夜空に流れ星が降って来た。

 

マヤ「あ!流れ星!」

 

チノ「願い事・・・!また皆で・・・皆で遊べますように!」

 

願い事を言ったチノに微笑むマヤとメグ。

 

チノ「あの・・・願い事言えたら叶うって本で読んだ事が・・・私だけ・・・?」

 

マヤ「ううん。そうじゃなくて。」

 

メグ「また一緒に遊びたいね!」

 

チノ「・・・はい!」

 

するとまた流れ星が降って来た。

 

ココア「お姉ちゃんを超えられますように!」

 

千夜「甘兎庵世界進出~!」

 

シャロ「お腹いっぱいメロンパン!」

 

3人の願い事を聞いて呆れたチノ達。

 

楽兎「何だ?今の願い事。」

 

緑羽太「もう子供の願い事だな。」

 

みくる「でも何だか可愛いね。」

 

リゼ「今回ハプニングを仕掛けた犯人にちょっと罰が当たりますように!」

 

ココア「根に持ってる!」

 

リゼ「当然!」

 

ココア「でもコテージに居たらこの星空は見られなかったよ。」

 

リゼ「それもそうか!」

 

 

 

 

 

 

その頃、ラビットハウスでは、ある男性の罰が当たった。コップに入ってる酒が突然男性のズボンに溢れた。その男性はリゼの父だった。

 

リゼの父「タカヒロ、この酒俺に攻撃を仕掛けて来たぞ。」

 

タカヒロ「普通に溢しただけだろ?」

 

リゼの父「勝手に倒れたんだよ。」

 

タカヒロ「誰かがお前に、罰が下るよう祈ったんじゃないか?」

 

リゼの父「何でだ?ハプニングがあった方が盛り上がるだろ?」

 

だがタカヒロはジッと見ている。

 

リゼの父「代わりの酒を。」

 

タカヒロ「別料金だぞ。」

 

リゼの父「なら吹き矢で勝負だ。俺が勝ったらお前の奢りだぞ。」

 

タカヒロ「良いだろう。だが俺が勝ったら5倍の料金を貰う。」

 

リゼの父「受けて立つ。」

 

タカヒロ「砂漠の戦場を思い出すな。あの時のように勝つのは俺だ。」

 

リゼの父「いや、勝つのは俺さ。最後の作戦の時のようにな。」

 

そして2人が吹き矢対決を始めた。

 

 

 

 

 

 

同じ頃、青山ブルーマウンテンとティッピーがバルコニーで流れ星を眺めていた。

 

青山「今の流れ星でしょうか。ティッピーさんも一緒に願い事しましょう。」

 

ティッピー(チノ達が楽しんでるようにと祈っておくか。)

 

青山「マスターがティッピーさんの体を借りてお話してくれますように。」

 

ティッピー「青山が真面目に原稿書きますように。」

 

青山「っ!さっそくお叱りの声が!?本当に、願いは叶うんですね。頑張らなくっちゃ!」

 

ただティッピーが喋ってるだけ。

 

 

 

 

 

 

その頃キャンプ場では、ココアがクロスワードを読んでる。チノがココアに歩み寄る。

 

チノ「あの、ココアさん、この帽子返しますね。街の外に出るのが不安だった私のために・・・ティッピーの代わりだったんですよね。ありがとうございました・・・」

 

だがココアは寝ていた。寝顔をカメラで撮る。チノは怒ったが、何かを閃いた。

 

 

 

 

 

 

翌朝、太陽が昇って来た。シャロの顔にケチャップが付いてた。

 

シャロ「朝日が綺麗ー!」

 

千夜「マメちゃん達はまだ寝てるわね。」

 

シャロ「沢山はしゃいだもの。何か顔にケチャップって笑えるわねー。」

 

千夜「同じゾンビのドッキリなんて効くかしら?」

 

リゼ「ココアなら驚くだろう。まぁ一番早く寝た奴が罰ゲームって約束だからな。」

 

楽兎「ってか何で俺達まで?」

 

緑羽太「良いじゃねえか。良い流血っぷりだぞ。」

 

みくる「血じゃなくてケチャップだけどね。」

 

ココア以外全員顔にケチャップを付けていた。先に寝たココアへのドッキリだと言う。寝てるココアの横には、顔にケチャップが付いてクロスワードを読んでいるチノが座っていた。

 

チノ(昨日の夜のドッキリは本当にびっくりしたんですからね。早く起きて下さいココアさん。)

 

しばらくして、寝ていたココアが目を覚ました。

 

ココア「チノちゃん、おは・・・」

 

チノ「がお〜!食っちまうぞ〜!」

 

ゾンビになりきってるチノにココアが怯える。

 

リゼ・シャロ・千夜「ココアーーー!!!」

 

今度は3人がココアに襲い掛かる。

 

ココア「きゃーーーーーーーー!!!!」

 

叫んで外に逃げるが。

 

楽兎・緑羽太・みくる「お前を食っちまうぞ〜!」

 

ココア「きゃーーーーーー!!!!」

 

今度は顔にケチャップが付いてる楽兎と緑羽太とみくるがココアに襲い掛かる。ココアはパニックになりながらその場を逃げ惑う。全員が笑う。

 

楽兎「緑羽太、トマトジュースでも飲むか?」

 

みくる「いちごでも食べる?」

 

緑羽太「貰おうか。ってかあんなに叫んだココアちゃん初めて見たぞ。」

 

楽兎「ああ。鼓膜が破れそうな程高音だったな。」

 

こうして楽しいキャンプを満喫したココア達であった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

      リゼの父:東地宏樹
      ゾンビA:村田太志
      ゾンビB:柳田淳一
      ゾンビC:岩澤俊樹
      ゾンビD:野瀬育二
      ゾンビE:綿貫竜之介

リゼの父「タカヒロ。」

タカヒロ「何だ?」

リゼの父「この白いもふもふしたものは何だ?」

タカヒロ「気にするな。」

ティッピー「気にして!」

リゼの父「喋ったぞ!?」

タカヒロ「気にするな。」

次回最終回「宝物は君の決定的瞬間」

いよいよ次回で最終回です。今回の回はいきなりがっこうぐらしが始まりましたね。3期放送して欲しいですね。

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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24羽「宝物は君の決定的瞬間」

キャンプが終わって後日、全員がラビットハウスに集まっていた。

ココア「キャンプに行った時の写真をお見せしまーす!」

それは、キャンプに撮った多くの写真を見る為であった。

リゼ「こんなに撮ってたのか!」

千夜「凄く綺麗~!」

シャロ「撮るの上手ね。」

ココア「流石緑羽太君と私の妹~!」

リゼ「お前が撮ったんじゃないのかよ!」

殆どの写真はチノと緑羽太が撮った写真ばかり。するとココアは1枚の写真に気付いた。

ココア「この素敵なお嬢さんは誰かな?」

その写真に写ってる人物は、麦わら帽子を被って、白ワンピースを着ているまるで絵に描いたような女性だった。

シャロ「何言ってんの?ココアでしょ。」

ココア「え!?」

この写真の人物はココアだった。

リゼ「本気で分からなかったのか?」

ココア「これが私!?ミー!?」

楽兎「これがお前、ユーだよ。」

リゼ「驚き過ぎだろ。」

皆もココアの写真を見る。

シャロ「確かに大人びて見えるわね。」

千夜「今度1枚貰って良いかしら?」

みくる「貴婦人な雰囲気が出てるねー!」

リゼ「チノ才能あるよー!」

チノ「奇跡の1枚です。」

緑羽太「流石チノちゃん、俺の技術を遥かに超えてる・・・!」

ココア「ちょっと皆まで!?」


ココア「チノちゃんカメラ?」

 

デジカメで撮るチノ。

 

チノ「キャンプで写真撮ったらハマってしまって、皆さんをじっくり撮らせて貰えませんか?」

 

リゼ「今撮るのか?」

 

被写体をリゼに向ける。

 

チノ「テーマは自然体です。何時も通りでどうぞ。」

 

するとリゼが控え目なポーズをする。

 

リゼ「改めて言われると、難しいな・・・」

 

楽兎「段々チノちゃんの趣味が増えてるようだな。」

 

緑羽太「カメラかぁ、今度良い撮り方を教えようかな?」

 

ココア「チノちゃん!」

 

チノ「ん?」

 

ココア「ポーズ入れた方が楽しいよ!」

 

千夜とシャロの手を握って高く上げるココア。だがチノは不機嫌だった。

 

ココア「あれ!?凄い温度差を感じるよ!?」

 

みくる「自然体だから子供みたいなポーズは無いと思うけど。」

 

今度はシャロと千夜にケーキと紅茶を差し出す。

 

チノ「お2人はお喋りしている所を撮らせて下さい。」

 

千夜「OKよ!」

 

シャロ「はーい!」

 

チノ「緑羽太さん、私の撮った写真を見てくれますか?」

 

緑羽太「良いよ。」

 

チノの後ろに緑羽太が立つ。シャロと千夜の後ろにココアが仕事をしてる。シャロが持ってるカップとココアの位置が重なって撮った。今度は千夜が持ってるフォークの先がココアと重なって写真を撮った。まるで刺されたかのように。これの連続でチノはココアに怒った。

 

チノ「どうして邪魔してくるんですか!」

 

ココア「えー!?仕事してるのに怒られた!?」

 

緑羽太「見事に重なってるな、ある意味凄いかもな。」

 

その後、チノが今までに撮った写真のギャラリーを見る。カップからココアが出て来る写真や、巨大なケーキを食べてる千夜とリゼの写真等。

 

リゼ「この写真面白いな!」

 

楽兎「まるでトリックアートみたいだな。」

 

ココア「じゃあこんなのもどうかな?」

 

閃いたココア。被写体をティッピーに向ける。

 

ティッピー「自然体。」

 

リゼ・千夜「ジャーン!」

 

ココア・シャロ「ジャーン!」

 

ティッピーの左右からリゼと千夜が出て来て、ティッピーの左右上からココアとシャロがジャンプして出て来たタイミングで撮る。シャロはジャンプしてバテる。写真は上手く撮れた。

 

シャロ「ジャンプ疲れた・・・」

 

千夜「可愛い〜!」

 

緑羽太「俺、チノちゃんに負けたかも・・・」

 

楽兎「負けんの早!」

 

リゼ「おっと!何時までもサボっていられないな!仕事に戻るぞ!」

 

だがチノがリゼの制服を掴んだ。

 

チノ「私も撮って下さい・・・」

 

リゼ「え!?」

 

 

 

 

 

 

その後チノは、楽しそうに写真を何枚も撮る。

 

チノ「良いですね。渋いです!」

 

ティッピー「今日はトリートメントしたからな。」

 

テーブルに置かれてるティッピー。前の端っこには、筋肉のポスターが貼られてる。まるでティッピーの身体が筋肉の身体をしてるかのように。

 

リゼ(ココアの入れ知恵で、本来の目的から離れてきてる。)

 

するとココアは被写体をチノの後ろ姿に向けた。

 

ココア(写真に集中するチノちゃんを。)

 

リゼ(後ろから後ろから撮られてるとも知らずに。)

 

シャロ(先輩の後ろ姿を!)

 

チノの後ろ姿にカメラを向けるココアの後ろ姿にカメラを向けるリゼの後ろ姿にカメラを向けるシャロ。すると千夜がチノ達の正面を見事にシャッターを切った。

 

千夜「ベストショット!」

 

リゼ「何がだ!?」

 

千夜が撮った写真を緑羽太が見る。

 

緑羽太「千夜ちゃん流石だな。こんな面白い写真を収めるとはな。」

 

シャロ「ベストショットって・・・ん?」

 

するとシャロは携帯の時計を見て焦った。

 

シャロ「あ!もうバイトの時間!」

 

チノ「シャロさん大丈夫ですか?」

 

シャロ「最近ね、時間を忘れちゃうのよ・・・」

 

みくる「良くあるね。その気持ち。」

 

リゼ「シャロ!」

 

千夜「あらあら。」

 

ココア「それは、どう言う事かな?」

 

シャロ「し・・・知らないわよ~!」

 

被写体をシャロに向けたチノだったが、ココアのせいで店から出てしまった。

 

チノ「ココアさんが逃がしました。」

 

ココア「私が!?」

 

チノ「もう少しだったのに・・・」

 

みくる「おっと!私もサボってられないわね!楽兎、緑羽太、またね!」

 

楽兎「ああ。」

 

緑羽太「じゃあなみくる!」

 

みくるも急いでバイトに向かう。

 

ココア「そう言えば、何でそんなに自然体に拘るの?」

 

リゼ「わざわざ仕事場にまでカメラ持って来るなんて。」

 

楽兎「何か何時ものチノちゃんと違うような。」

 

リゼ「何か隠してないか?」

 

ココア「お姉ちゃん達に言ってごらん!」

 

するとチノが不意打ちにシャッターを切った。リゼが驚いたが、ココアは絶妙なタイミングでポーズした。

 

リゼ「うぅ・・・変な顔撮られた~・・・」

 

チノ「いきなりキメ顔出来るなんて・・・」

 

緑羽太「ココアちゃん何か特別な力が宿ってるのか?」

 

千夜はその光景を見て微笑んだ。

 

チノ「そろそろお店の掃除しますよ。」

 

ココア「はーい!楽しかったキャンプも終わって、私も一人の労働者に戻って行くよ。」

 

ティッピー「お前が労働を語るか。」

 

リゼ「千夜はもう1杯コーヒー飲んで行くか?」

 

千夜「そうね、いただこうかしら。」

 

額縁を拭き掃除してるココア。すると額縁の裏から1枚の紙が出て来た。

 

ココア「あれ?」

 

リゼ「どうした?」

 

ココア「こんな所に何か挟んでたんだけど。」

 

紙を広げる。そこに書かれたのは。

 

リゼ「シストの地図だ!懐かしいなぁ・・・宝物を見つけて中身を一つ自分のと交換するんだっけ。」

 

ココア「シスト?」

 

楽兎「シストはフランスで人気のリアル宝探しゲームだ。俺達も昔学校でやってたな。」

 

緑羽太「やったやった。懐かしいな〜!」

 

チノ「街にいくつ地図が隠されてるんでしょう?」

 

リゼ「私は沢山クリアしたぞ。」

 

千夜「凄いわ!私はシャロちゃんと少しだけ。」

 

ココア「この街では、皆やったことあるんだ・・・私もやってみたい・・・」

 

シストをやった事が無いココアは羨ましそうに思った。

 

チノ「それじゃあ、今度一緒にやりますか?」

 

ココア「え!?良いの!?」

 

チノ「はい。ではマヤさんとメグさんを誘って良いですか?」

 

ココア「勿論だよ!お姉ちゃんとして頑張るよ!」

 

緑羽太「俺達も久々にやりたくなってきたな。」

 

楽兎「チノちゃん、俺達も参加しても良いかな?」

 

チノ「はい。勿論です。」

 

楽兎「じゃあ決定だな。」

 

 

 

 

 

 

明後日、6人でシストをする事になった。

 

ココア「皆!宝物は持って来たかな?」

 

マヤ「勇者の折れた剣!」

 

メグ「宝石みたいなボタン!」

 

チノ「難破船のボトルシップ。」

 

楽兎「5色のビー玉。」

 

緑羽太「カメラのレンズ。」

 

ココア「良いね良いね!どれも冒険心をくすぐられるよ!」

 

メグ「ココアちゃんは?何持って来たの?」

 

するとココアは自慢気に小ちゃいティッピーを取り出した。

 

ココア「ティッピーの抜け毛で作った分身ティッピー!」

 

マヤ「一番いらねー!」

 

ティッピー「なぬ!?」

 

 

 

 

 

 

こうしてシストを始める。宝探し開始。緑羽太はビデオカメラで撮影する。

 

緑羽太「冒険気分でビデオを回すか。」

 

楽兎「バッテリー大丈夫か?」

 

緑羽太「昨日たっぷりバッテリーを食わせたから大丈夫だ。」

 

マヤ「リゼも来れば良かったのに〜。」

 

チノ「リゼさんがお留守番してくれたから、今日来れたので。」

 

マヤ「じゃあリゼに感謝だね!」

 

楽兎「帰ったら何か褒美でもあげるか。」

 

ココア「私、初心者だけど頑張って引っ張って行くからね!」

 

メグ「頼もしいなー!私達まだクリアした事無いしねー。」

 

ココア「そうなんだ!」

 

メグ「確か一番最初は中学入学してすぐだったよね?」

 

マヤ「そうそう。あれがチノとの出会いだったな~!」

 

 

 

 

 

 

それは、チノとマヤとメグが中学に入学した時の事だった。この時の3人はまだ知り合ってもなかった。

 

先生「はい。次の人。自己紹介をお願いします。」

 

その場に立ってチノが自己紹介をする。

 

チノ「香風智乃です。将来の夢は立派なバリスタです。」

 

自己紹介を終えたチノ。この時マヤとメグはチノを不思議に思った。

 

メグ「マヤちゃん。バリスタって何かな?」

 

マヤ「ゲームや映画で見た事あるよ。矢とか石とか撃ち込む兵器だ!すげー!」

 

メグ「人生の壁をぶち壊したいのかな!?」

 

明らかに勘違いをしてるこの2人。その昼、チノは1人で本を読んでる。

 

メグ「クールな感じだね。」

 

マヤ「きっと腕の立つバリスタに違いない!」

 

そしてマヤとメグはチノに興味を持ってチノに話し掛ける。

 

マヤ「ねぇ。私達の仲間になってよ!」

 

メグ「さっきシストの地図を見つけたの!」

 

チノ「な・・・何ですかいきなり・・・」

 

マヤ「バリスタの力が必要なんだ!」

 

メグ「重要な戦力なんだよ!」

 

マヤ「チノが仲間に加わった!」

 

マヤ・メグ「てってれー!」

 

これが3人の出会いだった。

 

 

 

 

 

 

ココア「へぇ〜そんな事があったんだ!初耳〜!」

 

マヤ「それ以来仲良しだよね~!」

 

メグ「変な勘違いしててごめんね。」

 

緑羽太「強引に仲間に入れた時チノちゃん困ってたように思えるんだが。」

 

楽兎「まあ良いじゃねえか。2人共ありがとね。俺チノちゃんがこの先どうなるか心配だったから。2人が仲間になってくれて良かったよ。」

 

マヤ「良いって良いって!」

 

ココア「その時のシストはそんなに難しかったの?」

 

マヤ「えっとねー。」

 

メグ「マヤちゃんがすぐ寄り道して・・・」

 

チノ「メグさんが違う遊びを提案して。」

 

マヤ「チノがもう疲れたって言って。」

 

メグ「誰のせい?」

 

マヤ「誰のせいだ?」

 

チノ「誰のせいでしょうか?」

 

楽兎・緑羽太「皆のせいだ。」

 

ツッコミがハモった2人。

 

ココア「でも今回は大丈夫!お姉ちゃんが付いてるからね!」

 

チノ「ココアさん方向音痴でしたよね!」

 

楽兎「この先が思いやられるわ。」

 

ココア「大丈夫だよ!ちゃんとこの地図見てれば行けるよ!この絵を全部組み合わせ・・・」

 

早速地図を見て考える。

 

ココア「そこから導き出され・・・王冠・・・」

 

チノ「うさぎ・・・お店・・・分かりました!有名な帽子屋さんの事じゃ!」

 

緑羽太「それだ!」

 

ココア「分かった!甘兎庵であんみつ食べろって事だね!」

 

だがココアは違っていた。

 

マヤ「凄ー!さすがココア!その発想は常人じゃ出来ないよ!」

 

メグ「流石だねー!」

 

チノ「ただあんみつ食べたいだけでしょ!ココアさんがいかに甘い考えか証明してみせます!」

 

楽兎「俺も協力するぞチノちゃん!」

 

2人は情熱に燃えてる。

 

緑羽太「あの2人が燃えてるぞ、奴らしくもねぇです。」

 

 

 

 

 

 

大分歩いて多くの家が建ってる真ん中まで来た。

 

マヤ「秘密の抜け道を使お。そっちの方が近道だよ!」

 

ココア「冒険してるみた~い!」

 

緑羽太「こんな道もあったのか。」

 

メグ「昔の宝探しの時に見付けたの。あの時は葉っぱで塞がれてて・・・」

 

 

 

 

 

 

以前、草で生い茂った扉の目の前で止まってしまったあの時。

 

マヤ『近道なのに通れない・・・』

 

メグ『やっとここまで来たのに・・・』

 

マヤ『ここでチノの!』

 

メグ『出番だね!』

 

チノ『これがバリスタの力!』

 

指からバリスタを発射させたチノ。生い茂った扉が破壊された。回想?終了。

 

 

 

 

 

 

マヤ「あれは凄かったなー!」

 

ココア「チノちゃんそんな事出来たの!?」

 

チノ「捏造です。」

 

緑羽太「そんな力が現実に起こったら凄いな。」

 

楽兎「っつかさっきの捏造、やったとしても誰かに迷惑掛けられるんじゃねえの?」

 

ココア「私と出会う前はそんな事出来たのかと思ったよ!」

 

チノ「バリスタはコーヒーを淹れる職業ですから・・・マヤさん達は、何時も適当な事ばかり言って脱線ばかり・・・」

 

ココア「この街って本当に綺麗だよね。」

 

チノ「そうですね。」

 

ココア「寄り道したくなる場所ばっかりだし。」

 

チノ「そうですね。」

 

ココア「寄り道するとそれだけ沢山遊べるよね。もしかしてチノちゃんと会った頃の2人はもっと仲良くなりたくて脱線ばっかりしてたのかな?」

 

チノ「そう・・・!」

 

楽しそうに話ししてるマヤとメグを見て何かを感じたチノ。

 

チノ「ココアさん・・・今度はちゃんと皆でクリアしたいです!」

 

ココア「うん!」

 

マヤ「チノー!」

 

メグ「チノちゃーん!」

 

マヤ「公園の方に何かあるような気がする!」

 

チノ「2人共サボってないで頑張って行きますよ!」

 

するとチノは、マヤとメグの腕を掴んで歩く。3人は笑顔になった。

 

チノ「ココアさん、楽兎さん、緑羽太さんも行きますよー!」

 

ココア「はーい!」

 

楽兎「OKー!」

 

緑羽太「今行くよー!」

 

 

 

 

 

 

そして公園の近くまで来た。するとココアが看板を見付けた。

 

ココア「あ!これチノちゃんが言ってた帽子屋の看板じゃない?」

 

それはシストに書かれている帽子屋の看板と同じだった。メグが宝箱を持って来た。

 

メグ「植木の影に隠れてた宝箱が置いてあったよ!」

 

緑羽太「でかしたぞチノちゃんメグちゃん!」

 

ココア「チノちゃん凄い!」

 

ティッピーを撫でる。

 

マヤ「よーし!開け!」

 

宝箱を開けるが、中は空っぽだった。

 

マヤ「あれ?」

 

メグ「何でー!?」

 

ココア「ねぇ。ここまでの道のりを覚えてる?沢山の物を愛して、ちょっぴり憎んで。魂に刻まれた思い出の絆。それが・・・宝だよ!」

 

楽兎「中二病?」

 

チノ「側面に新しい地図がくっ付いてました!」

 

マヤ「やっぱりー!」

 

メグ「可笑しいと思ったよ!」

 

ココア「あ!わ、私も知ってたよ!わざとだよわざと!」

 

楽兎「お前それ今知ってて言ったよな?」

 

 

 

 

 

 

新しい地図を見付けた一行は、その地図を頼りに目的地へと足を運んだ。

 

メグ「地図によるとこの先にお宝があるみたいだけど・・・」

 

ココア「子供しか通れない・・・」

 

宝がある場所へ通ずる穴を見付けたが、穴が小さかった。

 

緑羽太「どうやら、俺達2人は完全無理だな。」

 

楽兎「そうなるな。」

 

だがその穴はチノ達3人が入れるくらいの大きさだった。

 

 

 

 

 

 

無事に通れたチマメ隊。

 

チノ「通れてしまった。」

 

メグ「ギリギリだったね~。」

 

マヤ「余裕だ・・・」

 

チノ「ココアさんは通れないんじゃ・・・」

 

ココア「この先は選ばれしホビット族だけが通れる道!私がここでティッピーと召使いが追手を食い止めるよ!」

 

楽兎・緑羽太「誰が召使いだ!!」

 

メグ「そうだったんだ!」

 

チノ「楽しそうです。」

 

マヤ「先に行くかー!」

 

 

 

 

 

 

目の前には、まるでおとぎの世界のような光景が広がっていた。

 

マヤ「中々神聖な場所だねー!」

 

チノ「ここの何処かに宝箱が・・・あ!」

 

目の前の壁の穴に置かれてる宝箱を見付けたチマメ隊。

 

チノ「これです!中身は・・・」

 

宝箱を開けるとそこに入ってたのは。勲章のピンバッジやうさぎのオモチャ、貝殻などが入ってた。

 

マヤ「おお!勲章ピンバッジ!格好良い!」

 

メグ「色んな人がここを訪れてたんだねー!」

 

マヤ「後は、甘兎庵の割引券?」

 

チノ「肩たたき券まであります。」

 

ココア「3人共大丈夫ー?」

 

遠くからココアの声が聞こえた。

 

チノ「早く戻らないとココアさん達置いて来たままです・・・」

 

マヤ「ストップ!」

 

するとマヤがチノを止める。

 

マヤ「今日の宝探しは昔より楽しんでたよね?」

 

メグ「ココアちゃんのお陰なのかな?」

 

マヤ・メグ「ちょっと妬いたよ?」

 

チノ「ぜ・・・絶対気のせいです!」

 

否定するチノ。

 

マヤ「ここはホビットの憩いの場~!」

 

ココア「そんな!私だって体は大きくても心は小ちゃいんだから!」

 

マヤ「アハ!心が小ちゃかったらダメじゃん!」

 

メグ「ココアちゃんもホビットだったら良かったのに。」

 

楽兎「その心配は無いぞホビット諸君!」

 

緑羽太「俺達は既にホビットを守るナイトになったのだ!」

 

ココア「そんなー!」

 

チノ「結局ココアさんはクリア出来ませんでしたね。宝箱を動かすのは置いた本人しか出来ないルールですし・・・」

 

メグ「その事でね。」

 

マヤ「考えがあるんだけど。」

 

マヤ・メグ「私達でね!」

 

2人はチノにある提案をした。

 

 

 

 

 

 

その夜、ココアは1人で風呂に入ってた。

 

ココア(シストまたやりたいなぁ・・・後でチノちゃんに相談してみよ。)

 

 

 

 

 

 

その頃チノは、部屋でシストの写真を見ていた。写真は全て緑羽太が現像してくれた。

 

ココア「あ!チノちゃんお願い聞いてくれるかな?」

 

風呂から上がったココアは、チノの部屋に近付く。

 

ココア「チーノちゃん!」

 

部屋に入ると、チノは体を震えていた。

 

チノ(ほとんどが面白写真・・・ココアさんが関わるとどうして・・・)

 

ココア(怒りで肩が震えてる・・・?)

 

本当はチノは写真を見て笑い堪えてるのだが、ココアはそれが怒ってると勘違いをしている。

 

ココア「チノちゃん・・・」

 

チノ「コ・・・ココアさん!」

 

ココア「私のせいでそんな写真ばっかりになってごめんね・・・」

 

チノ「別に怒ってた訳では・・・」

 

ココア「チノちゃんの理想は・・・このお姉さんだよね!」

 

チノ「それもココアさんじゃないですか!」

 

貴婦人のようなココアの写真を見せる。

 

ココア「だって・・・」

 

チノ「確かにその写真のココアさんはしっかりして見えますけど・・・」

 

ココア「私まだまだだなぁ・・・全然チノちゃんに相応しいお姉ちゃんになれてない・・・もっとこの写真みたいに大人っぽかったら・・・チノちゃんの自慢の姉になれてる気がするんだけど・・・今の私じゃ自慢にもならないよね・・・なーんてね!!」

 

今のはココアの冗談だったが、チノは怒っていた。

 

ココア「あれ?チノちゃん・・・?」

 

怒ったチノが突然ぬいぐるみをココアに投げた。受けたココアは倒れた。

 

チノ「わ・・・私はココアさんがこの街に来て良かったと思ってますが!ココアさんのバカー!」

 

ココア「や・・・やったな!」

 

今度はココアがチノに枕を投げた。

 

チノ「何で何時も勝手に決め付けて・・・!」

 

投げ返そうとするが、ココアは笑いながら涙を流していた。

 

チノ「すみません・・・そんなに痛かったですか・・・?」

 

ココア「違うよ・・・」

 

チノ「だって・・・泣いてるじゃないですか・・・」

 

ココア「それはね・・・内緒だよ!」

 

チノにぬいぐるみを投げる。チノは枕で反撃する。

 

 

 

 

 

 

その騒がしい出来事は1階のバータイムに響いてた。

 

ティッピー「今夜は一段と騒がしいのぉ。まあこれくらいの方が静か過ぎなくて良い。案外慣れて来たわ。」

 

タカヒロ「何時か店が潰れるかもな。」

 

ティッピー「何じゃと!?潰れるのは困る!お前もっと頑張って繁盛させい!」

 

タカヒロ「喋るうさぎが居る面白い喫茶店として売り出せば流行るかもな。」

 

ティッピー「お前にわしの気持ちが分かるか!」

 

 

 

 

 

 

その頃楽兎の部屋では、ココアとチノの声を聞いていた。

 

楽兎「急に騒がしくなってきたな。あの2人はとても楽しそうな感じがするけど、チノちゃんは今でもココアと一緒に居て嬉しそうかな?」

 

 

 

 

 

 

その頃ココアは、チノの机にある物を見付けた。

 

ココア「あれ?これって・・・」

 

チノ「あ!それはダメです!」

 

1枚の手紙を手に取ったココア。

 

ココア「お姉ちゃんからチノちゃん宛てに手紙!?」

 

それは、チノ宛てに届いたモカからの手紙だった。ココアが手紙を読む。

 

ココア「実は、ココアが送って来る写真は面白ばかりなので、もう少し普通の写真をお願い出来るかな?ど、どうして私に秘密で!?」

 

あの時写真に興味を持った理由はこの事であったのだ。

 

チノ「モカさんに見られるって知ったら、ココアさん格好付けますよね?」

 

ココア「そんな!私は何時でも自然体だよ!」

 

櫛で髪を整える。

 

チノ「意識しまくってるじゃないですか!」

 

 

 

 

 

 

翌日の午後、チマメ隊が集まってた。

 

マヤ「例の用意は出来てるよね?」

 

チノ「準備OKです!」

 

メグ「喜んでくれるかな?」

 

 

 

 

 

 

3人が別々に分かれて、マヤは甘兎庵に来た。千夜にシストの地図を差し出す。

 

千夜「シストの地図?」

 

マヤ「新しく中学生組で隠したからね!私達はレベル高いよ~!後この割引券使える?」

 

千夜「勿論よ!」

 

 

 

 

 

 

その頃メグは、フルール・ド・ラパンでシャロとみくるに地図を渡す。

 

メグ「これ・・・頑張って作ったので受け取って下さい!」

 

シャロ「ラブレター!?」

 

みくる「シストじゃん!懐かしい!」

 

 

 

 

 

 

チノはラビットハウスでココアとリゼ、更に楽兎と緑羽太にシストの地図を渡した。

 

チノ「ココアさんリゼさん、楽兎さんと緑羽太さんにもこれを。」

 

リゼ「これは・・・」

 

チノ「この前お留守番して貰ったお礼に私達が隠しました。今度は私が留守番しますので4人も。」

 

リゼ「私達に挑戦状だな!」

 

ココア「前は私だけクリア出来てないからね!受けて立つよ!」

 

楽兎「こりゃあ受けなきゃ損するな!」

 

緑羽太「隠された財宝を必ず見付け出してやるぜ!」

 

チノ「頑張って下さいね。」

 

 

 

 

 

 

そしてある場所では、郵便から沢山の手紙を受け取った女性が居た。ココアの姉のモカだった。

 

モカ「ご苦労様ー!」

 

彼女の前には、実家であるベーカリー保登があった。手紙を受け取り、急いで母に報告する。

 

モカ「お母さーん!見て見て!来たよー!」

 

ココアの母「何?どうしたの?」

 

モカ「ココアとチノちゃんから。」

 

早速写真を見る。今まココアやチノが撮ってきた写真を見てモカはホッコリする。

 

モカ「良い!凄く良い写真だよ〜!チノちゃんありがとう!」

 

ココアの母「元気そうで安心したわ。」

 

するとモカはあの写真を母に見せた。

 

モカ「これ・・・誰?」

 

ココアの母「あなたの妹よ。」

 

モカ「ええ!?マイシスター!?」

 

貴婦人のような自分の妹を見て驚いたモカ。するとチノが送った手紙の中に数枚の写真が出て来た。

 

モカ「ん?この写真は・・・」

 

それは木組みの街の風景の写真だった。これは全て緑羽太が撮った写真だった。

 

モカ「緑羽太君が撮った写真だ〜!綺麗に撮れてる!」

 

そして緑羽太からの手紙も読んだ。

 

緑羽太『モカさんへ。お久し振りですね。チノちゃんやココアちゃんが撮った写真だけだと物足りないだろうと思って、チノちゃんにお願いして一緒に送りました。街並みは昔と変わりませんので是非お部屋に飾って下さい。また機会があれば、また遊びに来て下さい。今度はモカさんの写真を撮って差し上げますよ。茶度緑羽太より。』

 

モカ「ありがとう緑羽太君、大事にするね。ココアのも見てみよう!」

 

今度はココアの写真を見る。

 

モカ「こっちに帰って来ないかな〜?じゃないと、また私から会いに行っちゃうぞ?やっぱり、ココアが送って来る写真は面白いものばっかり!こう言うのも大好きだけど。」

 

そしてココアからの手紙を読む。

 

ココア『お姉ちゃん久し振り。元気ですか?お姉ちゃんに大事なお知らせがあります。』

 

モカ「何かな~?」

 

ココア『私から内緒でチノちゃんを取ろうとしたので1ヶ月お姉ちゃんとは文通しません!』

 

モカ「そんなつもり無いのに~!ココア~!」

 

こうして文通を禁止させられたモカはショックした。

 

 

 

 

 

 

後日、シストが無事クリア出来たココア達は、カフェでお宝を見せ合いこをする。

 

ココア「それじゃあ皆!手に入れたお宝を見せてごらん!」

 

リゼ「この勲章。これ小さい時に集めてたんだ。」

 

マヤ「やっぱり!リゼはそれを選ぶって思ってたよ!」

 

リゼ「マヤが入れた奴だったのか~!」

 

千夜「私はトゥーシューズのキーホルダーよ。可愛い。」

 

メグ「何時でも華麗に舞えるようにお守りだよ~。」

 

千夜「じゃあバレリーナみたいにくるくる回りながら接客できるかしら~?」

 

シャロ「落ち着かない喫茶店ね・・・私はこの可愛い小さな本よ。ん?」

 

その小さな本の中に何かが挟んであった。

 

シャロ「これは一体・・・?」

 

メグ「それ青山さんのだー!」

 

リゼ「もう一回みんなで遊べるな!」

 

それは青山ブルーマウンテンからのシストの地図だった。

 

千夜「良かったわねシャロちゃん。」

 

シャロ「またぁ?しょうがないわね・・・」

 

楽兎「俺はこの9x19mmパラベラム弾の薬莢だな。」

 

マヤ「それ私のだ!流石兄貴!」

 

楽兎「これマヤちゃんのだったか。まああの時予想は付いてたけど。」

 

緑羽太「俺はCDだな。これメグちゃんの?」

 

メグ「そうだよ!」

 

緑羽太「帰って何の曲か聴いてみようかな?みくるは?」

 

みくる「私はこの勲章だね。リゼちゃんとお揃いね。」

 

シャロ「ココアは?」

 

ココア「この変な顔の人の写真!」

 

自分の変顔写真を出した。

 

シャロ「それ自分じゃない・・・?」

 

ココア「ミー!?それは私が宝ってことだよね・・・チノちゃん・・・」

 

だがチノはぐっすり寝ていた。

 

チノ「お店を・・・もっと盛り上げないと・・・」

 

寝言を行ってるチノに、ココアが耳元で呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ココア「お姉ちゃんに任せなさい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チノ「うん・・・」

 

ココアの声を聞いたのか返事をした。チノは起きた。ココアはすぐ椅子に座った。

 

チノ「あれ・・・?ココアさん・・・私寝てました・・・?」

 

ココア「そう?」

 

チノ「何か声が聞こえたような・・・」

 

ココア「何も言ってないよ?」

 

リゼ「ココア聞いてくれよ、さっきシャロがさぁ。」

 

ココア「え?何何?」

 

シャロ「リ、リゼ先輩!?もう千夜のせいでしょ!!」

 

千夜「あら?私はメグちゃん達と紅茶飲んでたわよねー?」

 

マヤ・メグ「ねー!」

 

ココア「チノちゃんもこのクッキー食べる?」

 

チノ「むぅ〜、いただきます。」

 

楽兎達はココア達の光景を見て微笑んだ。

 

緑羽太「何だか俺達3人は幸せな日々を送ってるかもしれないな。」

 

みくる「本当楽しそうな仲間達に恵まれたよね私達は。」

 

楽兎「でもまだまだだ、俺達の日常はこれから続くんだからな。」

 

「THE END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

        モカ:茅野愛衣
        先生:種崎敦美
     ココアの母:皆口裕子

やっとご注文は従兄ですか?が完結しました。ここまで長かったような短かったようなと気がします。

それと次に投稿する新作をどっちか考えてるんですが、1つはきんいろモザイク(1期と2期)か、あんハピ♪のどっちかにします。

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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##アフター##
アフター1「身内との再会」


最終回後のストーリーを製作します。


季節は夏。木組みの家と石畳の町に1人の女性がやって来た。女性の右手には、キャリーバッグ。左手には、ペット用のキャリーバッグを持っていた。

 

女性「久し振りに来たわ。この町に。小さい頃の時と変わらないわねー。」

 

その女性はある場所へ向かって行く。

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスは今日も忙しい。

 

緑羽太「今日のラビットハウスは忙しいようだな。」

 

楽兎「最近お客さん達が多くなってきてるからな。日頃の努力の成果のお陰かもな。」

 

リゼ「楽兎、会話してないで仕事しろよ?」

 

楽兎「ああ悪い。じゃあ緑羽太後でな。」

 

すぐに楽兎は仕事に戻って行く。

 

 

 

 

 

 

そして時間が過ぎて、店は落ち着いた。

 

ココア「ふぅ〜。疲れた〜。」

 

緑羽太「お疲れさんだねココアちゃん。皆も。」

 

チノ「こんなに忙しいのは久し振りでした。」

 

楽兎「去年のクリスマスの時以来かな?」

 

チノ「そうですね。」

 

そこに、1人の女性客が来店した。

 

4人「いらっしゃいませー!」

 

楽兎「あれ?」

 

リゼ「楽兎どうした?」

 

楽兎「いや、何でもない。」

 

その女性客は緑羽太の隣の席に座った。

 

女性「あら!可愛いお嬢さん3人が居るわね。」

 

チノ「あ、ありがとうございます・・・」

 

女性「じゃあ、そこのお兄さん!カプチーノ下さいな☆」

 

楽兎「え、あ、はい。」

 

急いでカプチーノを淹れる。

 

楽兎「どうぞ。」

 

女性「ありがとうね。」

 

カプチーノを啜る。

 

緑羽太(何だこのお客は?)

 

女性「はぁ〜。やっぱりカプチーノは落ち着くわね〜。ねえそこのお兄さん、私を覚えてる?」

 

楽兎「え?」

 

ココア「私を覚えてる?もしかして・・・楽兎君の彼女!?」

 

リゼ「え!?お前彼女が居たのか!?」

 

楽兎「居ねえよ!っつか、いい加減からかうの止めろよ、母さん。」

 

チノ「お母さん?」

 

女性「あら?バレちゃった?」

 

楽兎「声と姿でバレるだろ。」

 

女性「やっぱり変装して入った方が良いかな?」

 

楽兎「もう遅えよ。」

 

ココア「楽兎君の、お母さん?」

 

女性「そうです。初めまして。綾部恵美です。息子の楽兎がお世話になっています。」

 

この女性の正体は、楽兎の母の『恵美』だった。

 

チノ「こ、こちらこそ。」

 

恵美「まぁ!あなたがチノちゃん?」

 

チノ「は、はい。」

 

恵美「初めまして!可愛い姪っ子〜!」

 

急にチノを抱き締めた。

 

チノ「く・・・苦しい・・・」

 

楽兎「おい母さん・・・」

 

ココア「お母さんとても綺麗だね。」

 

楽兎「まぁな。一瞬見れば姉みたいな顔だ。」

 

恵美「緑羽太君も久し振りだね。」

 

緑羽太「久し振り恵美さん。昔より変わってないね。」

 

恵美「そう?嬉しいわね〜!」

 

 

 

 

しばらくして、千夜とシャロとみくるが来店した。

 

千夜「こんにちはー。」

 

シャロ「来たわよー。」

 

ココア「あ!千夜ちゃんにシャロちゃんにみくるちゃん!」

 

恵美「あ!みくるちゃん!久し振り!」

 

みくる「あ!おばさん!お久し振りです!」

 

シャロ「え!?この人急にみくるさんを見て喜んだけど!?」

 

楽兎「脅かせてごめんな。この人俺の母さんなんだ。」

 

シャロ「え!?楽兎さんのお母さん!?」

 

恵美「あなた達が千夜ちゃんとシャロちゃんね。」

 

千夜「はじめまして。」

 

シャロ「は、はじめまして。」

 

恵美「楽兎から話は聞いてるわよ。2人もとても可愛いわね〜。」

 

シャロ「いえ、そんな・・・」

 

楽兎「おい母さん、大概にしろよ?」

 

恵美「ああごめんごめん。」

 

楽兎「ほんで母さん、今日は何故この町に来たんだ?店はどうしたんだ?」

 

恵美「ふっふっふ。実はね、今日から数日間、このラビットハウスで泊まり込む事になりました!」

 

楽兎「マジかよ!」

 

恵美「うちの店は副店長に任せてあるわ。それとタカヒロ君にも連絡済みだからね。」

 

楽兎「タカヒロさんにも連絡済みかよ。」

 

緑羽太(っつか、この展開前にも見たぞ。デジャヴか?)

 

恵美「と言う訳で、楽兎、ココアちゃん、チノちゃん、数日間宜しくお願いします。」

 

チノ「こちらこそ。」

 

ココア「お世話になります!」

 

 

 

 

 

 

その後、恵美はタカヒロに挨拶する為、タカヒロの部屋に向かった。

 

恵美「久し振りねタカヒロ君。」

 

タカヒロ「お久し振りですね恵美さん。」

 

恵美「最後に会ったのはあの人の葬式かしら?」

 

タカヒロ「そうですね。」

 

恵美「今まで妹を幸せにさせてくれてありがとうね。」

 

タカヒロ「いえ。サキが居てくれたお陰で私も幸せでした。」

 

 

 

 

 

 

その頃ホールでは。

 

ココア「楽兎君のお母さんとっても綺麗だね。」

 

楽兎「まあ、それを言うなら母さんに言ってくれ。」

 

緑羽太「恵美さんのテンション、俺達のガキの頃から変わってなかったな。」

 

楽兎「母さんの家庭、結構テンション高い家庭って言ってたしな。」

 

リゼ「そんなにテンション高いのか?」

 

楽兎「ああ。負けても挫けても常にテンション高めで気にしなかったりなどだな。」

 

チノ「私の母もあんな感じでした。」

 

楽兎「まあ遺伝だからな。」

 

 

 

 

 

 

その夜、皆がチノの部屋に集まった。

 

楽兎「そう言えば母さん、そのキャリーバッグは何だ?」

 

ペット用のキャリーバッグを見て疑問に思う。

 

恵美「そうだったわ!来た時に見せるの忘れてたわ。」

 

ペット用のキャリーバッグを開けて、中を探る。

 

恵美「この子を連れて来たわ。」

 

出したのは、茶色で両手サイズのネザーランドドワーフの子うさぎだった。

 

ココア「わあー!うさぎだー!!」

 

恵美「ネザーランドドワーフのポッポよ。楽兎はこの前携帯の写真を見たでしょ?」

 

楽兎「ああ、この前母さんから写メが来たからな。結構小さいんだな。もう1匹居たっけ?」

 

恵美「ええ、その子が今看板うさぎをやってるよ。」

 

楽兎「何時の間に2匹飼ったんだ?」

 

恵美「ねえチノちゃん、ちょっと抱いてみる?」

 

チノ「え?私ですか?」

 

恵美「チノちゃん気に入るかなって思って。」

 

チノ「でも私、ティッピー以外の動物はちょっと・・・」

 

楽兎「実はチノちゃんはティッピー以外の動物は懐かないんだ。」

 

恵美「そうだったの?でも大丈夫よ。この子とっても人懐っこい子だから。」

 

チノ「は、はい・・・」

 

ポッポをチノに抱かせる。するとポッポはチノを見てすりすりした。

 

チノ「わぁ・・・可愛いです!」

 

恵美「でしょでしょ!」

 

楽兎「良かったなチノちゃん!」

 

チノ「はい!」

 

ココア「ねえチノちゃん!私にもポッポちゃんをもふもふさせて!!」

 

チノ「もう少しこのままで。」

 

ココア「えー私ももふもふしたいー!だったらチノちゃんと一緒にもふもふする!」

 

ポッポとチノちゃんをもふもふする。

 

チノ「やめて下さいココアさん!」

 

恵美「ココアちゃんってもふもふが好きなんだね。」

 

楽兎「まあな。でもこうして見ると、本当の姉妹みたいだな。」

 

ティッピー(チノもまた成長したようじゃな。)

 

楽兎(お?ティッピーの口からその言葉が出るとはな。)

 

ティッピー(当然じゃ。チノはわしの孫じゃからな。)

 

楽兎(そして俺の従妹でもあるからな。)

 

母と再会した楽兎と、ポッポと馴染む事が出来たチノであった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

      綾部恵美:桑島法子

作者「最初は楽兎の母が登場した回になりました。」

感想や評価や誤字脱字など宜しくお願いします。


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アフター2「2人の日常」

作者「久々のオリジナルです。」


ある朝。チノが目を覚ました。楽兎から貰ったワンピースに着替えてココアの部屋のドアをノックする。

 

チノ「ココアさん、朝ですよ。」

 

ドアをノックするが、返事が来ない。

 

チノ「ココアさん?入りますよ。」

 

ドアを開けるが、ココアの姿は無かった。

 

チノ「あれ?ココアさん?」

 

楽兎「チノちゃん?」

 

そこに楽兎が来た。

 

チノ「楽兎さん。ココアさんは?」

 

楽兎「ココアはさっき甘兎庵に行ったよ。」

 

チノ「甘兎庵ですか?」

 

楽兎「うん。もうすぐ実力テストだから甘兎庵で勉強合宿するって言ってた。」

 

チノ「そうですか。」

 

楽兎「朝食出来てるよ。早く行こう?」

 

チノ「はい。」

 

 

 

 

 

 

キッチンで朝食を食べる。スクランブルエッグとサラダとトーストとクロワッサン。

 

楽兎「タカヒロさん、何時に出るんですか?」

 

タカヒロ「8時頃だね。」

 

チノ「え?お父さん何処かへ行くんですか?」

 

タカヒロ「ああ。」

 

楽兎「タカヒロさんは今日昔馴染みの人に久々に会いに行くって。」

 

タカヒロ「楽兎君、ラビットハウスは今日お休みだからチノとお留守番宜しくね。」

 

楽兎「はい。」

 

 

 

 

 

 

そして8時になった。

 

タカヒロ「じゃあ行って来るね。」

 

楽兎「行ってらっしゃい。」

 

チノ「行ってらしゃいお父さん。」

 

タカヒロが出掛けた。

 

チノ「そう言えば恵美さんは?」

 

楽兎「母さんは始発の列車で実家に一時帰省してる。」

 

チノ「そうですか。私達はどうしましょうか。」

 

楽兎「じゃあチノちゃん。一緒に散歩でもしない?」

 

チノ「そうですね。」

 

 

 

 

 

 

2人はティッピーとポッポを連れて散歩に出掛ける。

 

楽兎「気持ちの良い天気だ。」

 

チノ「そうですね。」

 

ポッポは楽兎の肩に乗ってる。

 

楽兎「こんな天気の良い日はチノちゃんと自転車で2人乗りしたいな。」

 

チノ「危ないですよ?」

 

楽兎「言ってみただけ。ねえチノちゃん、彼処行かない?」

 

チノ「何処へですか?」

 

楽兎「思い出の場所。」

 

 

 

 

 

 

その場所とは、昔ピクニックした草原だった。楽兎が草の上で仰向けになり、その横にチノが草の上に座る。

 

チノ「懐かしいですね。」

 

楽兎「思い出すな〜。チノちゃんとバトミントンした頃を。もし今もサキさんが生きてたらまたピクニックしてるかもね。」

 

チノ「そうですね・・・」

 

楽兎「ああごめんチノちゃん・・・」

 

チノ「いえ。でも今度は皆で行きたいですね。」

 

楽兎「そうだね。」

 

???「あれ?楽兎にチノちゃん?」

 

チノ「え?」

 

楽兎「緑羽太にみくる?」

 

そこに緑羽太とみくるが楽兎とチノを見付けて声を掛けた。

 

緑羽太「どうしたんだ?こんな所で。」

 

楽兎「今日ココア達が居ないから一緒に散歩してたんだ。」

 

みくる「そうだったんだ。それにしても、この町にこんな広い草原があったなんて。」

 

チノ「この公園は私と楽兎さんの思い出の場所なんです。」

 

みくる「そうなの?」

 

楽兎「ああ。俺がホームステイしてる時に一度ピクニックにここに来たんだ。チノちゃんとバトミントンやった頃が懐かしいな。」

 

緑羽太「そうなのか。」

 

みくる「出来た!」

 

そこにみくるが花冠を持って来た。

 

楽兎「みくる何時の間に花冠を?」

 

みくる「はいチノちゃん。」

 

そしてチノに花冠を乗せた。

 

チノ「私にですか?」

 

みくる「きゃ〜!チノちゃん可愛いよ〜!」

 

チノ「え?そ、そうですか?」

 

みくる「うん!凄く可愛いよ!」

 

楽兎「みくるがココアと化したな。」

 

緑羽太「らしいな。でもチノちゃん可愛らしくなってるな。写真撮ってあげるよ。」

 

カメラでチノを撮る。

 

楽兎「お前ら少しは大概にしろよ。チノちゃんごめんね。騒がしい幼馴染み持ってしまって。」

 

チノ「い、いえ、楽兎さんは本当に面白いですね。」

 

楽兎「それってどう言う意味?」

 

ティッピー(全く騒がしい幼馴染みじゃの。)

 

楽兎(悪いなティッピー。)

 

緑羽太「じゃあな楽兎にチノちゃん!」

 

みくる「まったね〜!」

 

その後2人は歩き去った。

 

楽兎「ふぅ〜・・・全く相変わらずだな彼奴らは。」

 

チノ「でも嬉しいです。この花冠可愛いです。」

 

楽兎「ま、まあチノちゃんが満足なら良いか。」

 

 

 

 

 

 

次に向かったのは町を一望出来る丘に来た。

 

チノ「今日も眺めが良いですね。」

 

楽兎「そうだね。それに本当に長閑な町だね〜。ねえチノちゃん。」

 

チノ「何ですか?」

 

楽兎「今更思うんだけど、チノちゃん俺の事どう思ってる?」

 

チノ「楽兎さんのですか?」

 

楽兎「うん。時々内心で思ってるんだ。何時もココアと一緒だから。」

 

チノ「そうですね〜。確かにココアさんは私の事を妹と思っていますが、そんなココアさんは嫌いじゃないですね。」

 

楽兎「そっか〜。」

 

チノ「でも、私を支えてる楽兎さんも好きですよ。」

 

楽兎「え?」

 

チノ「幼い頃の私を何時も元気付けてくれてましたし、それに今でも私を支えてくれてますから。感謝しています。」

 

笑顔で楽兎を見る。

 

楽兎「チノちゃん・・・」

 

微笑んだ楽兎がチノを撫でる。

 

楽兎「ありがとうチノちゃん。俺これからもチノちゃんを支え続けるからね。」

 

チノ「はい。」

 

???「あれ?楽兎にチノじゃないか。」

 

そこにリゼとシャロが偶然会った。

 

チノ「リゼさんにシャロさん?」

 

楽兎「2人共どうしたんだ?2人も散歩か?」

 

シャロ「はい。私はリゼさんから散歩を誘われたんです。」

 

リゼ「ココアと一緒じゃないのか?」

 

楽兎「ああ。甘兎庵で実力テストの勉強合宿だって。おっと!?」

 

するとポッポがシャロ目掛けて飛び込んだ。

 

シャロ「きゃあ!」

 

ポッポはシャロの肩に乗って座った。

 

楽兎「あらら、ポッポ完全にシャロに懐いたな。」

 

シャロ「私に・・・?」

 

楽兎「どうだシャロ?あんこよりはマシだろ?」

 

シャロ「そ、そうですね。」

 

すると上空からあんこが降って来て、シャロの前に落ちた。

 

シャロ「イヤアアアアアア!!!」

 

リゼ「シャロ!!」

 

あんこが徐々にシャロに近付く。するとシャロの肩に乗ってたポッポがあんこの前に着地して邪魔をする。

 

楽兎「ポッポ?彼奴シャロを守ってるのか?」

 

???「待ってー!」

 

そこにココアと千夜が走って来た。

 

楽兎「ココアに千夜?またあんこが攫われたのか?」

 

千夜「そうなの・・・」

 

あんこは千夜の方へ行った。

 

ココア「皆どうしたの?こんな所で。」

 

リゼ「私はシャロと散歩してたんだ。そしたら楽兎とチノに会ったんだ。」

 

楽兎「お前ら2人共勉強はどうしたんだ?」

 

ココア「少し甘兎庵のお手伝いをしてたんだ。」

 

千夜「ココアちゃんが手伝ってくれて助かってるわ。」

 

楽兎「手伝いをするのは良いけど、勉強もしっかりやれよ?成績下がったらこの先どうなるか分かってるだろ?」

 

ココア「あ!そうだった!じゃあね皆!」

 

千夜「またねー。」

 

2人は急いで甘兎庵に戻って行く。

 

リゼ「じゃあ私達も行くかシャロ。」

 

シャロ「は、はい。楽兎さんにチノちゃん。また。」

 

楽兎「ああ。じゃあな。」

 

チノ「さようなら。」

 

リゼとシャロは散歩を続ける。

 

楽兎「いやぁ〜ポッポ、お前勇敢だなぁ。」

 

チノ「シャロさんを守るなんて凄いです!」

 

すると返事したかのようにポッポが耳をピクッとさせた。

 

 

 

 

 

 

そして夕方になり、2人は帰ってキッチンに居た。

 

チノ「夕ご飯はどうします?」

 

楽兎「そうだね〜。」

 

冷蔵庫の中を調べる。

 

楽兎(ナスに玉ねぎにトマトとか色々あるな。タカヒロさんに頼んでおいて良かった。)

 

タカヒロが用意してくれた野菜を出す。

 

楽兎「チノちゃん。俺が夕飯作ってあげるよ。」

 

チノ「え?何を作るんですか?」

 

楽兎「それは出来上がってのお楽しみ。待っててね。」

 

エプロンを着けて料理する。

 

 

 

 

数分後。皿に盛り付けた。

 

楽兎「出来たよチノちゃん。」

 

テーブルに料理を置いた。

 

チノ「これは?」

 

楽兎「ラタトゥイユだよ。フランス南部にあるプロヴァンス地方と言う所の家庭料理。俺の得意料理なんだ。食べてみて?」

 

チノ「はい。いただきます。」

 

スプーンで掬って、一口食べると。

 

チノ「美味しいです!」

 

楽兎「そう?良かった。俺も食べるか。」

 

自分の皿に盛り付けて食べる。

 

楽兎「うん美味い!自画自賛だけど出来てるな。それとチノちゃん、この中にある食材が入ってるんだ。」

 

チノ「ある食材?」

 

楽兎「実はセロリなんだ。」

 

チノ「え?セロリが?」

 

楽兎「そう。最初レシピ見た時、材料にセロリが載ってあったんだ。」

 

チノ「でもセロリの味はしませんでした。」

 

楽兎「でしょ?チノちゃん、苦手な物は少しずつ克服しようね。」

 

チノ「そうですね。何時かココアさんに勝ってみせます!」

 

熱く燃えてるチノを見て楽兎が少し苦笑いした。

 

楽兎「チノちゃんって負けず嫌い?」

 

その後チノ、楽兎の順に風呂に入って上がった。

 

 

 

 

 

 

夜になり、楽兎の部屋。

 

楽兎「いやぁ〜久々の散歩だったな〜。」

 

するとノックが響いた。

 

楽兎「ん?はい。」

 

ドアを開けたのはチノだった。ぬいぐるみを抱いてた。頭にティッピーを乗せてた。

 

チノ「楽兎さん、今日は一緒に寝ても良いですか?」

 

楽兎「え?俺と?」

 

チノ「今日は、私1人だとちょっと心細かったので・・・」

 

楽兎「良いよ。」

 

電気を消灯して、楽兎とチノが一緒のベッドに入る。

 

楽兎「ホームステイの頃を思い出すね。1回だけ一緒に寝た時の事覚えてる?」

 

チノ「はい。楽兎さん恥ずかしがってましたね。」

 

楽兎「うん。あの頃のチノちゃん可愛かったから、見てるだけで惚れてたよ。」

 

チノ「か、可愛い・・・?」

 

楽兎「今でも可愛いよ。チノちゃん。」

 

チノ「・・・・・」

 

顔が赤くなるチノ。すると2人の間にポッポが入った。

 

チノ「ポッポ?」

 

楽兎「一緒に寝たいようだね。」

 

チノ「本当に人懐っこいですね。ポッポ。」

 

楽兎「俺と母さんの自慢の子うさぎだからな。ポッポが居たお陰でチノちゃんやシャロと馴染めるようになって良かった。ん?」

 

チノが目を瞑って寝ている。楽兎は寝てるチノを優しく撫でる。

 

楽兎「おやすみ、チノちゃん。」

 

 

 

 

 

 

翌朝。楽兎がカーテンを開ける。

 

楽兎「ふぅ〜。気持ちの良い朝だ。」

 

チノ「ん・・・?」

 

楽兎「お。おはようチノちゃん。」

 

チノ「おはようございます楽兎さん。」

 

 

 

 

 

 

起きた2人は制服に着替えてラビットハウスで働く。

 

リゼ「おはよう楽兎、チノ。」

 

チノ「おはようございますリゼさん。」

 

楽兎「リゼおはよう。」

 

そこに1人目の客が来た。

 

緑羽太「ヤッホー!」

 

楽兎「よう緑羽太。」

 

チノ「いらっしゃいませ緑羽太さん。」

 

緑羽太「お!そうだ!焼き立てホヤホヤの写真持って来たぞ。」

 

昨日撮ったチノの写真を見せた。

 

楽兎「本当良く撮れてるな。」

 

緑羽太「当ったり前よ!これでも俺カメラマンだからな!」

 

チノ「何だか私の写真を見ると自分でも少し恥ずかしいですね・・・」

 

楽兎「分かるよその気持ち。」

 

リゼ「これ昨日撮ったのか?」

 

楽兎「ああ。緑羽太とみくると会った時に撮った奴なんだ。みくるが一瞬にして花冠作ってチノちゃんに被せたんだ。」

 

チノ「楽兎さん。」

 

楽兎「ん?」

 

チノ「また今度散歩行きましょうね。」

 

楽兎「勿論だよ。今度はココアに内緒で行こうね。」

 

久々の散歩を堪能した楽兎とチノだった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
      タカヒロ:速水奨

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アフター3「帰省」

夏休み中のある日、楽兎が都会へやって来た。

 

楽兎「めっちゃ久し振りだな〜。」

 

彼が都会に来た理由は、この都会が楽兎の故郷なのだった。

 

緑羽太「いや〜久々過ぎて笑い転げるな〜!」

 

楽兎「何で笑い転げるんだ?」

 

みくる「何でだろうね〜?」

 

そして緑羽太とみくるもこの都会に帰省した。

 

 

 

 

 

 

帰省する前日チノ達に言ったのだった。

 

チノ『帰省ですか?』

 

楽兎『うん。明日故郷へ顔見せたいと思ってな。それと久々に実家へ帰りたいしな。だからしばらくの間、皆でラビットハウス任せても良いかな?』

 

リゼ『ああ。私達に任せろ。』

 

ココア『そうだよ!楽兎君は実家で楽しく過ごしてね!』

 

楽兎『ありがとな。』

 

チノ『楽兎さんだけですか?』

 

楽兎『いや、緑羽太とみくるも一緒に帰省する。』

 

 

 

 

 

 

そして現在に至る。

 

楽兎「にしても今見ると木組みの街とのギャップが激しく感じるな。さてと、俺の実家へ行くか。」

 

緑羽太「よっしゃ!早く行こうぜ!」

 

みくる「早く早くー!」

 

緑羽太とみくるが全速力で走り出した。

 

楽兎「元気過ぎるなおい。」

 

 

 

 

 

 

数分歩いて、ケーキAYABEに到着した。ここが楽兎の実家なのである。

 

楽兎「帰って来たな。」

 

そしてドアを開ける。

 

恵美「あ!楽兎!緑羽太君にみくるちゃんまでもどうしたの?」

 

そこに恵美と1人の女性が居た。

 

楽兎「今日から2日間だけど帰省しに来たんだ。」

 

緑羽太「俺も故郷が恋しくて来ちゃいました。」

 

みくる「宿泊場所は楽兎の実家でしようと考えてます。」

 

恵美「そうだったの!ゆっくり懐かしんでね。」

 

楽兎「ありがとう。にしても、美未子さん久し振りですね。」

 

美未子「お久し振りですね楽兎さん。緑羽太さんにみくるさんも。」

 

女性の名前は「月野美未子」。ケーキAYABEの副店長で優しい性格で、楽兎の家に同居している。

 

 

 

 

 

 

3人は楽兎の部屋に入る。部屋にはテレビやゲーム機が置いてあり、更にジグソーパズルが飾られてた。

 

楽兎「懐かしいな〜。」

 

緑羽太「本当だな〜。」

 

みくる「小さい頃は良く皆ではしゃいでたよね〜。」

 

楽兎「あの頃が懐かしいな。さて、彼処へ行くか。」

 

緑羽太「何処へだ?」

 

楽兎「親父へ会いに行く。」

 

みくる「待って!私も行く!」

 

緑羽太「俺もおじさんに会いたい!」

 

楽兎「じゃあ行くか。」

 

 

 

 

 

 

3人はガレージに行って、楽兎がフルフェイスヘルメットを被ってST250 Eタイプに乗り、緑羽太とみくるは恵美の車に乗る。

 

楽兎「ST久し振り過ぎるな。」

 

みくる「おばさんの車なんだから慎重にね。」

 

緑羽太「分かってるって。」

 

エンジンを掛けて墓地へ向かう。

 

 

 

 

 

 

そして墓地に到着して降りて、楽兎の父親の墓の前に立って拝む。

 

楽兎「親父、帰って来たよ。」

 

みくる「おじさん、お久し振りですね。」

 

緑羽太「久し振りに会いに来ましたよ。辰昌さん。」

 

父親の名前は「綾部辰昌」。生前の職業は大工であり、周りからとても信頼されて「辰さん」とも呼ばれてたが、楽兎が中学の頃に病気で他界した。

 

 

 

 

 

 

その後楽兎の実家に戻って晩飯を食べる。今日の晩飯は、唐揚げやポテトサラダやビーフンだった。

 

恵美「久し振りの実家はどう?」

 

楽兎「懐かしく感じるよ。それと木組みの街とギャップが激しいけど。」

 

恵美「分かる分かる。私も久々に帰った時そう思ってたわ。」

 

みくる「でもすぐに慣れましたけどね〜。」

 

緑羽太「そうそう!」

 

楽兎「本当にマイペースだなお前ら。」

 

美未子「本当に賑やかなお友達ですね。」

 

楽兎「美未子さんそれ褒めてるんですか?」

 

美未子「褒めてますよ。」

 

恵美「あ!そうだ!今日のデザート用意してたんだ!どうぞ!」

 

取り出したのは、チョコレートバナナパンケーキだった。

 

みくる「チョコパンケーキだ!美味しそー!」

 

楽兎「バナナ乗ってる。これって新メニュー?」

 

恵美「いいえ、家オリジナルのデザートよ?」

 

楽兎「だったら商品化もしろよ。」

 

緑羽太「パンケーキかぁ。最近食ってねえな〜。」

 

恵美「でもその前にご飯を全部食べてからね。」

 

緑羽太「そうでした!」

 

みくる「早く食べたい!」

 

楽兎「これじゃまるで学校の給食だな。」

 

 

 

 

 

 

そしてその後晩飯を食べ終えた。

 

楽兎「ふぅ〜美味かったな〜。」

 

緑羽太「ブフォッ。」

 

みくる「食べた食べた〜。」

 

恵美「それじゃあチョコレートバナナパンケーキをどうぞ。」

 

緑羽太・みくる「いただきまーす!」

 

楽兎「切り替え早。」

 

チョコレートバナナパンケーキを食べる。

 

みくる「美味しいー!」

 

緑羽太「超美味え!」

 

楽兎「パンケーキ甘いな。」

 

恵美「そう?良かった。」

 

 

 

 

 

 

その夜、楽兎の部屋に3人が寝ている。楽兎はベッド、緑羽太とみくるは個別の布団に入っている。みくるは既に寝てる。

 

緑羽太「なあ楽兎。」

 

楽兎「ん?」

 

緑羽太「お前何で、俺達と違う大学へ進学したんだ?」

 

楽兎「その事か。実は俺が通ってた大学は、母さんと香里さんの母校だったんだ。」

 

緑羽太「そうだったのか?」

 

楽兎「ああ。彼処の大学はとても人気でな、何しろ合格出来た受験生はたったの100人未満なんだ。」

 

緑羽太「そんなに難しい大学だったのか?」

 

楽兎「いや、受験の問題がかなりベリーハードなだけで、大学の内容はとても楽しくてな。」

 

緑羽太「お前良く入学出来たもんだな。」

 

楽兎「まあな。入学の為に色々勉強してた甲斐があったよ。その後卒業してラビットハウスで働く。そして現在に至る。」

 

緑羽太「お前結構苦労してたんだな。」

 

楽兎「まあな。そろそろ寝るぞ。明日は午後に帰るぞ。」

 

緑羽太「そうだな。おやすみ楽兎。」

 

楽兎「ああ。おやすみ緑羽太。」

 

 

 

 

 

 

そして翌日。

 

楽兎「じゃあ美未子さん。俺達はまた向こうへ戻りますね。」

 

美未子「お気を付けて下さいね。これ、向こうの方々へのお土産です。」

 

ケーキが入った箱を渡す。

 

楽兎「ありがとうございます。」

 

恵美「ごめんね美未子ちゃん。また任しちゃって。」

 

美未子「いえいえ。私にお任せ下さいね。迷惑な客は私が追い払いますね。」

 

緑羽太「大丈夫なのか?」

 

楽兎「美未子さんは優しい人だが、怒らせると鬼教官みたいに怖いからね。」

 

みくる「それじゃあまた帰って来ますね!」

 

美未子「はい。行ってらっしゃいませ。」

 

楽兎「じゃあ皆行くか。」

 

恵美「お店お願いね美未子ちゃん。」

 

4人は駅へ歩いて行く。

 

 

 

 

 

 

そして夕方になり、ラビットハウスに戻って来た。

 

楽兎「ただいまー。」

 

ココア「あ!おかえりー!」

 

緑羽太「おっと!皆お揃いだなー。」

 

みくる「皆ただいまー!」

 

シャロ「みくるさんおかえりなさい。」

 

千夜「シャロちゃんみくるさんが居なくて寂しがってたわよね。」

 

シャロ「言うなバカー!」

 

みくる「そうだったの?寂しがるシャロちゃんに私が元気を分けてあげるー!」

 

そう言ってシャロに抱き付いた。

 

シャロ「みくる・・・さん・・・やめて下さい・・・」

 

チノ「おかえりなさい楽兎さん。緑羽太さんも恵美さんも。」

 

楽兎「チノちゃんただいま。」

 

マヤ「おかえり兄貴!緑羽太!おばさん!」

 

メグ「おかえりなさい。」

 

緑羽太「お!マヤちゃんにメグちゃんもただいまー!」

 

ココア「帰省してどうだった?」

 

楽兎「懐かしく感じたよ。」

 

緑羽太「俺も故郷が恋しかったしな〜。」

 

リゼ「そうか。」

 

恵美「そうだわ!これ実家からのお土産だよ!」

 

ケーキを取り出した。

 

ココア「ケーキだ!」

 

恵美「チョコレートケーキだよ。うちの店の人気の商品なの。」

 

マヤ「ケーキだ!食べて良い?」

 

楽兎「ああ。皆へのお土産だ。」

 

包丁でケーキをカットして皆が食べる。

 

ココア「うーん!美味しい!」

 

チノ「凄く美味しいです!」

 

リゼ「流石楽兎のケーキ屋だな!」

 

千夜「本当に美味しいわ!」

 

シャロ「こんなに美味しいチョコケーキ初めてです!」

 

マヤ・メグ「美味しい!」

 

恵美「気に入ってくれて良かったわ。」

 

緑羽太「流石だな。お前のケーキ屋のチョコケーキは。一気に人気が高まったな。」

 

楽兎「母さん色々拘るからな〜。」

 

みくる「レシピとかあるかな?」

 

楽兎「無理だな。全部企業秘密だ。」

 

みくる「ぶ〜。」

 

こうして楽兎達の帰省は終わり、チョコケーキの評判が上がったのだった。

 

「END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ

     月野美未子:真堂圭
      綾部恵美:桑島法子


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「〜Dear My Sister〜」

ある日の木組みの家と石畳の街。今日も長閑な日。

???「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

???「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

???「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

3人の少女が何処かへ走って行く姿が見えた。シャロと千夜とみくるだ。

???「はぁ・・・はぁ・・・」

疲れた千夜が止まった。

シャロ「千夜!大丈夫!?」

みくる「千夜ちゃん!」

千夜「はぁ・・・はぁ・・・」

シャロ「無理しないで?後から来ても良いのよ?」

みくる「そうだよ。無理したら体に毒だよ?」

千夜「だ・・・大丈夫・・・だって、急がないと・・・急がないとココアちゃんが!!」






この街にある駅。列車が到着した。

チノ「大丈夫ですか?ココアさん・・・」

ココア「えぐっ・・・ひっく・・・」

泣いてるココア。

リゼ「もう泣くなって。」

楽兎「落ち着けよ。」

それでもココアは泣き止まない。

緑羽太「ココアちゃん、落ち着け?」




そこに、シャロと千夜とみくるが来た。

チノ「千夜さんとシャロさんとみくるさんです!」

千夜「ココアちゃーーーん!!!」

ココア「千夜ちゃーーーーん!!!」

2人はお互いを抱き締めた。

ココア「千夜ちゃん・・・私、忘れないよ・・・皆と過ごした日々の事・・・」

千夜「私だって・・・ココアちゃんの事、忘れない・・・」

ココア「今まで・・・本当にありがとおおおおお!!!!」

楽兎「おい周りに見られてんぞ?恥ずかしい。」




更にマヤとメグも来た。

マヤ「ココア達何処だろ〜?」

メグ「はぁ・・・もう・・・マヤちゃんが遅れるから・・・」

マヤ「あ!彼処だ!」

ココア達を見付けて再び走り出した。

メグ「え!?ま、待って〜〜!!」




ココア「・・・き・・・今日は・・・泣かないって、決めてたのに・・・」

千夜「ほら、シャロちゃん・・・」

シャロ「うん・・・これ、ハーブクッキー・・・」

ハーブクッキーをココアにあげた。

シャロ「む・・・向こうへ行っても連絡くらいしなさいよ?」

ココア「・・・うん!ありがとうシャロちゃん!・・・皆ありがとおおおおお!!!!」

再び号泣した。到着したマヤとメグがリゼの後ろに隠れた。

チノ「マヤさん!メグさん!」

メグ「何!?どうしちゃったの!?」

マヤ「え!?何!?転校するの!?」

楽兎・緑羽太・リゼ「一週間帰省するだけだ・・・」

みくる「帰省だけで大号泣するのかな?」

チノ「全くもう・・・」

ティッピー「やれやれじゃ。」

麦わら帽子をココアの頭に乗せた。ハンカチでココアの涙を拭いてあげる。

チノ「しっかりして下さい。ほんの少し離れるだけじゃないですか。」

楽兎「一週間後にまた会えるんだからな。」

ココア「でも寂しいんだもん!!!」

楽兎「全く・・・」

リゼ「お姉ちゃんがそんな事で良いのか?」

緑羽太「何時までも泣いてたらお姉ちゃんの威厳が崩れるぞ?」

ココア「っ!・・・はい!」

千夜「でもココアちゃん、どうして急に帰る事になったの?」

みくる「教えて教えて?」

ココア「それがね、お姉ちゃんから手紙が来たの。」

楽兎「モカさんからの手紙?」

モカからの手紙を見せた。

千夜「ココア、元気?チノちゃんと仲良くしてる?実は最近、うちの店が凄く忙しくなっちゃって。」

シャロ「でも、ココアは帰って来なくて良いからね。本当に大丈夫だから。本当よ?お姉ちゃん達で何とかするからね。」

マヤ「P.S チノちゃん達の写真、いっぱい撮って来てね。」

メグ「モカより。」

ココア「お姉ちゃんも帰って来て欲しいんなら言えば良いのに。」

リゼ「モカさんらしい。」

楽兎「だな。」

ココア「あっ!」

うさぎのぬいぐるみを取り出した。

ココア「チノちゃん!私が居ない間は、この子を私だと思って!はい!」

チノ「これ私のじゃないですか!?」

楽兎「ココア・・・」

そしてチノを抱き締めた。

ココア「元気でねーーーー!!!」

チノ「ぐるじい・・・です・・・」

楽兎「ココア、チノちゃんが苦しんでるぞ。」

マヤ「心配しないで!ココア!」

メグ「私達もお店手伝いに行くからね!」

ココア「ありがと!マヤちゃん、メグちゃん!私が居ない間は、お姉ちゃんの座はリゼちゃんに預けるよ!」

リゼ「え!?」

マヤ「宜しくね!リゼ姉!」

メグ「リゼお姉ちゃん!」

リゼ「お、お姉ちゃん・・・ゴホン。お前ら!厳しく行くからな!」

マヤ・メグ「イエッサー!」

楽兎「内心嬉しそうだな。」

緑羽太「チョロいな。」

今度は楽兎と緑羽太に寄った。

楽兎・緑羽太「ん?」

マヤ「宜しくね!楽兎兄!緑羽太兄!」

メグ「楽兎お兄ちゃん!緑羽太お兄ちゃん!」

楽兎「お、おいおい・・・」

緑羽太「何か、恥ずかしいな・・・」

みくる「あれあれ?2人共照れてる〜?」

楽兎「いや、俺にはチノちゃんが居るし慣れてる。」

緑羽太「それに俺、マジの妹が居るからな。そうだココアちゃん、これ俺が撮った写真だ。モカさんやお袋さんへプレゼントしてくれ。」

今まで撮った写真の束をココアに渡した。

ココア「緑羽太君ありがと!」




”ジリリリリリリリ”




駅のベルが鳴り響いた。

楽兎「ん?発車のベルが。」

チノ「ほら、早く行って下さい。」

楽兎「乗り遅れるぞ。」

ココア「う、うん。」

荷物を持って、列車に入る。

ココア「チノちゃん!!毎日電話するから!!」

チノ「折角の帰省ですから、毎日は禁止です。」

ココア「そんな!!・・・皆、チノちゃんを宜しくね!」

チノ「っ!?」

ココア「きっと、1人で寝れないと思うから、後好き嫌いをしないようにちゃんと注意してあげてね?それと・・・」

チノ「いいからさっさと行って下さーーーい!!!」

怒ったチノ。

ココア「えへへへへへ〜!」




そして、ココアを乗せた列車が発車した。ココアが窓を開けて、皆に手を振る。

ココア「それじゃあ!!行って来まーーーす!!!」

マヤ・メグ「行ってらっしゃーーい!!!」

楽兎「気を付けるんだぞーー!!!」

緑羽太「またなーーーー!!!」

みくる「元気でねーーーー!!!」

千夜「行ってらっしゃーーーーーい!!!」

チノ「全く、しょうがないココアさんです。」


列車の車内。ココアは今まで撮って来たデジカメの写真を見ていた。沢山の楽しい思い出を残してる。モカさんが来た日、皆でキャンプした日など。

 

 

 

 

しばらくして、ココアは列車の窓を開けた。緑豊かな景色が広がっていた。

 

ココア「わぁ〜!気持ち良い風〜!」

 

???「本当ですね〜。」

 

ココア「ん?」

 

聞き覚えのある声が聞こえた。後ろを見ると・・・

 

 

 

 

 

 

青山「うふふふ。」

 

ココア「青山さん!?」

 

 

 

 

 

 

小説家の青山ブルーマウンテンも乗車していた。

 

青山「ココアさんは旅行ですか?」

 

ココア「実家に帰る所なの。青山さんは?」

 

青山「私は、自分探しの旅です。」

 

ココア「何か格好良い!!」

 

青山「街では花火大会の準備が始まる頃ですが、そんな時期に敢えてバカンスと言うのも悪くないですね。」

 

ココア「へぇ〜、花火大会やるんだ。知らなかった。」

 

青山「去年は雨で中止でしたものね。」

 

ココア「へぇ〜。」

 

"バンッ"

 

突然ドアが開く音が響いた。

 

 

 

 

 

 

凛「自分を探す前に、小説のネタを探して下さい!!青山先生!!」

 

 

 

 

 

 

担当編集者の真手凛が来た。

 

青山「あら。」

 

凛「ほら!次の駅で降りますよ!折角だから取材して行きましょう!」

 

そのまま青山を連行した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ラビットハウスでは。楽兎とチノがグラスを拭いていた。緑羽太はコーヒーを飲んでる。

 

楽兎「よし、ピカピカになった。」

 

緑羽太「あぁ〜、落ち着く〜。」

 

すると、裏手のドアが開いた。

 

チノ「っ!ココアさん!」

 

リゼ「ん?」

 

出て来たのはリゼだった。

 

チノ「あ、リゼさん・・・」

 

楽兎「ようリゼ。」

 

緑羽太「おっす。」

 

リゼ「ココアは、もう実家に着いた所かな?」

 

楽兎「多分かもな。」

 

チノ「どうでしょう・・・この街からかなり離れてるみたいですから。」

 

リゼ「無事に着くと良いな。」

 

緑羽太「大丈夫だ。ココアちゃんなら無事に着けるさ。」

 

リゼ「じゃあ私は上がるけど、後は宜しくな。」

 

チノ「はい。お疲れ様でした。」

 

楽兎「お疲れさん。」

 

チノ「・・・」

 

スマホをジッと見てる。

 

リゼ「大丈夫か?」

 

チノ「こ、こっちは大丈夫です!」

 

リゼ「・・・何かあったら、頼れよ?」

 

楽兎「どうしたリゼ?」

 

リゼ「な、何でもない!」

 

そのまま更衣室へ行った。

 

チノ「うちの店って、広いですね。」

 

楽兎「確かに。今見ると広いな。」

 

ティッピー「お客が沢山来られるようにしたからな。」

 

緑羽太「相変わらずの腹話術だな。チノちゃん。」

 

楽兎「けど、店は静かだな。」

 

ティッピー「言うな!」

 

チノ「この感じ、すっかり忘れてたような気がします・・・最近は、お客さんが居なくても寂しくなかったような・・・」

 

ぬいぐるみをポンと突っ突いた。

 

チノ「何ででしょうね・・・」

 

楽兎「多分、チノちゃんに変化が起きたんだろう。」

 

チノ「変化ですか?」

 

楽兎「うん。今までは1人で寂しくなかったけど、ココア達と触れ合って行く内に寂しい感じが出たのかも知れない。」

 

チノ「・・・」

 

楽兎「けど、何か寂しい感じがするな。」

 

緑羽太「ああ。ココアちゃんが居ないと賑やかにならないな。」

 

楽兎「・・・チノちゃん。」

 

チノ「は、はい。」

 

楽兎「大丈夫?何かあったら俺にも頼ってくれよ?」

 

緑羽太「お客の俺にも頼ってくれて良いんだぞ?」

 

チノ「・・・・はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃ココアは、バスに乗っていた。バス停に到着し、ココアが下車する。

 

ココア「わぁ〜!全然変わってないな〜!」

 

町並みの風景を見渡した。

 

 

 

 

その後実家へ向かう。自然溢れる森を抜け、綺麗な川が流れる橋を抜け、そして・・・

 

ココア「あ!」

 

実家であるベーカリー保登に着いた。

 

ココア「やっと着いた!」

 

そして、玄関前まで来た。

 

ココア「よし!」

 

ドアノブを握り、ドアを開ける。

 

 

 

 

モカ「ココア!?」

 

ココアの母「急に帰って来るなんて!」

 

帰って来たココアを見てびっくりした。

 

モカ「もう!連絡してたら迎えに来てあげたのに〜!」

 

ココアの母「びっくりしたわ〜!」

 

ココア「えへへへ〜!」

 

 

 

 

さっきのはココアの想像だった。

 

ココア「えへへへへ〜。サプライ〜ズ!」

 

そしてドアを思いっ切り開けた。

 

ココア「たっだいま〜!!」

 

 

 

 

モカ「いらっしゃいませ〜!」

 

ココアの母「ラビットハウスへようこそ!」

 

???「お客様〜!お待たせしました〜!」

 

ラビットハウスの制服を来たモカとココアの母と1人の女の子がココアを出迎えた。

 

モカ「お客様、此方の席へどうぞ。」

 

ウッドデッキにココアを座らせる。

 

ココア「え?」

 

ココアの母「ウエルカムドリンクのカフェラテで〜す!」

 

???「どうぞお召し上がり下さい!」

 

カフェラテを飲むココア。

 

ココア「美味しい〜!って、3人共何してるの!?」

 

ノリツッコミした。

 

ココアの母「大成功〜!」

 

モカ「サプラ〜イズ!」

 

???「やったー!」

 

モカ「お母さん!ラミンちゃん!ココアびっくりしてるよ!」

 

ココア「もしかして、この為にわざわざ衣装を作ったの!?」

 

モカ「うん!ティッピーも似てるでしょ?」

 

頭の上にティッピーそっくりのぬいぐるみが乗ってある。

 

ココアの母「ココアがあんまり帰って来ないから、よっぽどラビットハウスが気に入ってるのかなって。」

 

ラミン「ココアって昔から好奇心旺盛だったよね〜。」

 

ココア「そ、それは・・・」

 

モカ「それなら一層、実家がラビットハウスになっちゃえばココアが帰って来るかなって。」

 

ココアの母「お母さん達も安心しているのよ?ホームステイ先が素敵な所で。」

 

ラミン「でもおばさん、何時も寂しがってるってモカさんから教えられたんですよ?」

 

ココアの母「モ、モカ!」

 

モカ「えへへ〜。別に恥ずかしがらなくても良いじゃない。」

 

ココア「お母さん・・・・」

 

ココアの母「おかえり。ココア。」

 

ココア「お母さん・・・!!ただいま!!」

 

泣きながら母に抱き付いた。

 

モカ「おやおや?ラビットハウスのお姉ちゃんは、何処へ行ったのかな?」

 

ココア「・・・今だけ良いの!」

 

モカ「そうね。それじゃあ私も、おかえり〜!のもふもふ〜!」

 

ギュッとココアを抱き締めてもふもふした。

 

ココア「あははは!」

 

ラミン「ココア〜!おかえり〜!」

 

ココア「ただいまラミンちゃん!」

 

彼女の名前は「ラミン・アサム」。海外からの留学生でココアの幼馴染みで、高校とベーカリー保登でバイトの両立をしてる。

 

ココアの母「ココア、ちょっと大きくなったんじゃない?」

 

モカ「本当だ!背が伸びてる!」

 

ラミン「嘘!?私追い付かれちゃうかも!」

 

ココア「えへへへ〜。」

 

 

 

 

 

 

その後のココアの部屋。

 

ココア「わぁ〜!昔のまんまだ〜!」

 

モカ「当たり前でしょ?まだ2年も経ってないんだから。」

 

ココア「わ〜い!」

 

ベッドに飛び込んだ。

 

ラミン「嬉しそうね。ココア。」

 

ココア「うん!早速チノちゃんに電話しなきゃ!」

 

モカ「あ、この辺りは電波が届かないから、携帯は使えないんだよ?」

 

ココア「え?えーーーー!?うちってそんな山奥ーーー!?」

 

モカ「大丈夫。町まで下りれば繋がるから。」

 

ココア「うぅぅ・・・チノちゃん・・・」

 

ラミン「元気出してココア。」

 

モカ「うちの電話からラビットハウスに掛けなよ。」

 

ココア「そっか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃ラビットハウスでは。電話が鳴っていた。

 

楽兎「ん?電話?ココアからか?」

 

電話に出たチノ。

 

チノ「はい、ラビットハウスです。」

 

リゼの父『タカヒロは居るか?』

 

相手はリゼの父だった。

 

チノ「リゼさんのお父さんですか。」

 

リゼの父『そうだ。花火大会の事で相談があると伝えてくれ。』

 

チノ「はぁ、花火大会・・・」

 

楽兎「花火大会?そっか、もうそんな時期になったね。タカヒロさん、リゼの親父さんと何を相談するんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃ココアは。

 

ラミン「どう?繋がった?」

 

ココア「ありゃ、話し中?」

 

モカ「また後で掛けてみなよ。」

 

ココア「そうだね。」

 

ラミン「え?繋がらなかったの?」

 

ココア「うん。誰かと話し中みたい。」

 

ラミン「そっか。チノちゃんって言う子の声聞きたかったな〜。」

 

モカ「明日の予定は決めてるの?」

 

ココア「うん!お姉ちゃん達のお手伝い!」

 

モカ「帰って来たばっかりなんだから、ゆっくりすれば良いのに。」

 

ラミン「そうだよ。帰った後に働くとしんどくなるよ?」

 

ココア「う〜ん・・・じゃあ寝坊して、町に遊びに行っちゃおうかな!」

 

ココアの母「ココア〜!モカ〜!もうすぐご飯だから、お風呂入っちゃいなさ〜い!」

 

ココア・モカ「はぁ〜い!」

 

ラミン「じゃあ私も帰らなきゃ。じゃあねココア。モカさん。」

 

ココア「うん!またね〜!」

 

モカ「また明日ね〜。」

 

ラミンは家へ帰って行った。

 

モカ「よ〜し!久し振りにココアの髪を洗ってあげよう!」

 

ココア「本当?やったー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜のラビットハウス。チノが風呂に入ってる。

 

チノ「電話・・・来なかった・・・」

 

彼女は寂しがっていた。

 

 

 

 

その頃、楽兎は部屋に居た。母親の恵美も居た。

 

恵美「もうすぐ花火大会の時期が来るわね。」

 

楽兎「ああ。母さんは行くのか?」

 

恵美「そうね。久し振りに大はしゃぎでもしちゃおうかな?」

 

楽兎「いや、それは勘弁してくれ。俺が小さい頃、母さんはしゃぎ過ぎて俺と逸れた事あったよな?」

 

恵美「そうだったわね。」

 

 

 

 

 

 

翌日のラビットハウス。今日は休日で閉店。緑羽太とマヤとメグが遊びに来てる。

 

マヤ「ココアが居ないと静かだな〜。」

 

メグ「今頃何をしているのかな〜?」

 

緑羽太「家の手伝いとかしてるかもな〜。」

 

 

 

 

アイスココアを作ったチノ。

 

 

 

 

マヤ「そう言えばさっき、シストの地図を見付けたんだ!」

 

緑羽太「え!?マジで!?」

 

メグ「わぁ〜!後で遊ぼうね!」

 

 

 

 

またアイスココアを作ったチノ。

 

 

 

 

マヤ「あれ?アイスコーヒーを注文したのに、これアイスココアじゃん!」

 

緑羽太「あれ?俺もアイスココアだ!」

 

メグ「飲むまで気付かないなんてうっかりさ〜ん!」

 

緑羽太「あっちゃ〜。」

 

3人「あはははははは!」

 

 

 

 

またまたアイスココアを作ったチノ。

 

 

 

 

楽兎「え?チノちゃん?」

 

マヤ「おいチノ!これアイスココア・・・」

 

楽兎・緑羽太・マヤ・メグ「全部アイスココア!?」

 

無意識にアイスココアばかり作っていた。

 

チノ「っ!!!」

 

楽兎(チノちゃんがココアシックに取り憑かれた!?)

 

緑羽太「あ〜、楽兎、チノちゃん、そのアイスココア全部くれ。」

 

チノ「は、はい。」

 

楽兎「良いけど、飲み過ぎて鼻血出すなよ?」

 

緑羽太「構へん構へん。」

 

するとそこに、リゼが来た。

 

リゼ「お前ら!!休日をダラダラ過ごすな!!」

 

マヤ「何か騒がしいの来た!!」

 

緑羽太「騒がしいお嬢さんが来たな。」

 

リゼ「もっとしっかりしろ!来年は中学生だろ!」

 

楽兎「おいリゼ間違えてんぞ。この子達、来年は高校生だろ?」

 

リゼ「どっちも変わらん!」

 

楽兎「おい!」

 

チノ「大違いです。」

 

マヤ「そうだよ!まだ100%中学生だし!」

 

チノ「私も足して200%です。」

 

メグ「私も足して300%!」

 

リゼ「小学生か!!」

 

緑羽太「微笑ましいチマメ隊だな。」

 

箒を”バンッ”と床に叩いた。

 

リゼ「今日は店を大掃除だ!その弛んだ精神を整理整頓してやる!!」

 

チマメ隊「サーイエッサー!」

 

楽兎「何時の間に清掃モードに入った?」

 

リゼ「ほら!楽兎に緑羽太もやれ!」

 

緑羽太「え!?俺達も!?」

 

リゼ「お前達の精神も整理整頓してやる!!」

 

楽兎「俺達まで巻き込むなよ!!」

 

リゼ「私は倉庫を掃除して来るから、ここはお前達で綺麗にしておけ。」

 

チマメ隊「サーイエッサー!!」

 

倉庫へ向かったリゼ。

 

 

 

メグ「今日のリゼさん、気合入ってるね。」

 

マヤ「鬼軍曹って感じ!」

 

モップで床掃除する楽兎と緑羽太。

 

緑羽太「ってか何故俺達もやらなきゃならねえんだ?」

 

楽兎「巻き込まれたからしゃあねえだろ?それに俺達、小学校時代は掃除でめっちゃ綺麗にしただろ?」

 

緑羽太「ああ。あの頃はめっちゃ張り合ってたな。」

 

窓拭きをするチノ。

 

チノ「この軍学校のような空気、リゼさんと出会ったばかりの頃を思い出します。」

 

メグ「ええ!?昔2人に何が!?」

 

緑羽太「教えてチノちゃん!」

 

チノ「出会いは突然でした。」

 

 

 

 

 

 

それは、楽兎が来る前の事だった。

 

チノ『え!?』

 

女子更衣室に入ると、着替え中のリゼが居た。チノは怯えてる。

 

チノ『だ、誰ですか・・・!?』

 

リゼ『・・・お前こそ誰だ!』

 

ハンドガンを構えた。チノは両手を挙げて両膝を付いた。

 

チノ『わ・・・私はここのマスターの孫のチノです・・・』

 

リゼ『そ、それはすまなかった。』

 

制服に着替えたリゼ。

 

リゼ『私はリゼ。親父の紹介でここに配属された。今日からお前が上司だな?宜しく。』

 

怖い顔をしたリゼを見て、チノが更に怯える。

 

チノ『う・・・う・・・うわあああああああ!!!』

 

怖くなって逃げ出した。

 

リゼ『逃げるな!!』

 

 

 

 

チノ「それから、どっちが先輩か分からない日々が始まりました。」

 

 

 

 

メニュー表を見るリゼ。そして。

 

リゼ『サーチノ!メニューの暗記完了!』

 

チノ『早いです・・・』

 

一瞬にして全メニューの暗記出来た。

 

 

 

 

次はラテアート。チノがやるが、途中でバランスを崩して失敗した。

 

リゼ『脇を締めて、標的をよく見ろ!』

 

チノ『コーヒーは的じゃないです!!』

 

 

 

 

次は発声練習。

 

チノ『カ、カフェラテ・・・』

 

リゼ『声が小さい!!カフェラテ、カフェモカ、カプチーノ!!』

 

チノ『カ、カフェラテ、カフェモカ、カプチーノ!』

 

リゼ『うん!良くなったな!』

 

 

 

 

チノ「そして、気付きました。リゼさんは怖い訳ではなくて・・・」

 

 

 

 

リゼ『体力作りの基本はランニングだ!一緒に走らないか?』

 

 

 

 

チノ「本当は・・・一緒に居ると疲れる。」

 

 

 

 

これがリゼとの初めての出会いだった。

 

メグ「2人にそんな時代があったんだね。」

 

マヤ「よく今みたいに仲良くなったよね。」

 

楽兎「俺からみたら、何か微笑ましいな。」

 

緑羽太「もうリゼが上司で良いんじゃねえのか?」

 

チノ「これをリゼさんがくれたのが切っ掛けだった気がします。」

 

持ってるうさぎのぬいぐるみを見る。

 

マヤ「へぇ〜。餌付けされたのか。」

 

楽兎「え、餌付け?」

 

チノ「違います!」

 

メグ「眼帯が良い味出してるね〜。」

 

緑羽太「リゼみたいなうさぎだな。」

 

チノ「リゼさんの家に片割れが居るんですよ。」

 

メグ「私も欲しいな〜!」

 

マヤ「私も!そしたら皆でお揃いじゃん!」

 

楽兎「何か、俺も欲しいな。」

 

緑羽太「俺も俺も!」

 

チノ「お揃い・・・」

 

マヤ「これ、何処で買えるんだろ〜?」

 

緑羽太「何処のメーカーだ?」

 

 

 

 

リゼ「それは軍事機密だ。」

 

 

 

 

マヤ・メグ「軍事機密!?」

 

楽兎「ってか聞こえてたのか!?」

 

緑羽太「流石軍人の娘だ。」

 

チノ「こ、これに一体何が・・・?」

 

リゼ「ぬいぐるみの事は忘れて任務に戻れ!」

 

マヤ・メグ「・・・えへへ〜。」

 

両手を構えて、リゼに飛び付いた。

 

マヤ・メグ「それーーーー!!!」

 

そのままくすぐる。

 

リゼ「な、何を!?」

 

マヤ「言え!何処のルートで入手した〜!」

 

リゼ「尋問する気か!?」

 

楽兎「可愛い尋問だな。」

 

メグ「答えろ〜!」

 

リゼ「止めろーー!!おい!や、止めろ・・・!!止めろ!!おい!!・・・」

 

ハンドガンを持った。

 

リゼ「そんなに欲しければ2人分用意してやる!!」

 

マヤ・メグ「鉛玉を!?」

 

楽兎「落ち着けリゼ!!」

 

緑羽太「どうどう!!」

 

 

 

 

 

 

しばらく掃除して、ピカピカになった。

 

チマメ隊「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

楽兎「き、綺麗になった・・・」

 

緑羽太「お、俺もうアカン・・・疲れた・・・」

 

チノ「こ、こんなに疲れる掃除、初めてです・・・」

 

マヤ「はふ〜・・・」

 

メグ「でも、すっごく綺麗になったね〜!」

 

楽兎「確かに。今までにない輝きが広がってる・・・」

 

緑羽太「頑張った甲斐があるね〜・・・」

 

リゼ「頑張ったお前達にご褒美を用意したぞ。」

 

マヤ「ご褒美!?」

 

緑羽太「マジか!!」

 

リゼ「お前達の新しいスケジュールだ!!」

 

ご褒美はスケジュール表だった。

 

チマメ隊「鬼軍曹!!」

 

リゼ「楽兎と緑羽太にもスケジュールだ!!」

 

スケジュール表を渡した。チマメ隊より睡眠時間が短い。

 

楽兎・緑羽太「閻魔軍曹!!」

 

リゼ「フッ、褒め言葉だ。」

 

楽兎・緑羽太「褒めてねえよ!!」

 

メグ「あ!このうさぎの絵好き〜!」

 

真ん中にあるうさぎの絵が気に入った。

 

リゼ「っ!!」

 

嬉しくなったリゼが笑顔になった。しかしすぐにムッとした。

 

マヤ・メグ「一瞬緩んだ。」

 

楽兎「嬉しい癖に。」

 

緑羽太「ほんまチョロいなリゼは。」

 

 

 

 

 

 

夕方になった。

 

リゼ「それじゃあまた明日な。」

 

楽兎「ああ。」

 

メグ「チノちゃん、楽兎さんまたね〜!」

 

マヤ「ばいばーい!」

 

チノ「お疲れ様でした!」

 

緑羽太「また来るからな〜!」

 

楽兎「待ってるぜ〜!」

 

帰って行く4人。するとマヤが2人に手を振った。それに続いて3人も手を振った。楽兎とチノも手を振った。

 

楽兎「ん?チノちゃん?」

 

帰って行く4人を見て、チノは少し残念な顔をした。

 

楽兎「行こうか。」

 

チノ「はい。」

 

 

 

 

 

 

一方、みくるとシャロと千夜は。

 

千夜「バイト上がりなのに手伝ってくれてありがとう。シャロちゃん、みくるさん。」

 

シャロ「本当よ。買い物の荷物持ちなんて。」

 

みくる「でもこんなに何を買って・・・全部ココア!?」

 

袋の中にはココアが大量に入ってた。

 

みくる「ち、千夜ちゃん?」

 

千夜「昨日から急に飲みたくなって。」

 

みくる・シャロ「まさかのココアシック!?」

 

ココアシックに取り憑かれた千夜だった。

 

千夜「あら?」

 

公園を見ると、リゼがベンチに座っていた。

 

 

 

 

 

 

公園。リゼが考え事をしていた。

 

千夜「リゼちゃん。」

 

シャロ「先輩。」

 

みくる「リゼちゃん。」

 

リゼ「っ!千夜、シャロ、みくる。」

 

千夜「どうしたの?ボーッとしちゃって。」

 

シャロ「珍しいですね。」

 

みくる「何黄昏てるの?悩みがあるなら何でも言ってみて?」

 

リゼ「いや、私じゃなくて昨日からボーッとしてるのはチノでさ・・・」

 

みくる「チノちゃんが?」

 

リゼ「・・・チノとはココアと楽兎が来る前からバイト仲間だったけど、最初は怖がられて、仲良くなるのに時間が掛かったんだ。」

 

みくる「そうだったんだ。」

 

リゼ「私はココアみたいに、明るく接するのは向いてないし・・・楽兎みたいに、優しく接するのは向いてないから・・・」

 

千夜「・・・」

 

シャロ「・・・」

 

みくる「・・・」

 

リゼ「だから・・・ココアが居なくても寂しさを感じる暇が無いくらいにハードスケジュールを組み立てた!」

 

シャロ「ええ!?」

 

みくる「ハードスケジュール!?」

 

千夜「ぶっ飛んだわね〜!」

 

リゼ「私、空回ってるのかな・・・」

 

千夜「空回リゼちゃんね。」

 

シャロ「こら!!」

 

みくる「上手い。」

 

シャロ「みくるさんまで!?」

 

千夜「うふふ。リゼちゃんらしい思いやりだと思うわ。」

 

シャロ「わ、私も!バイトをいっぱい入れた時の方が、現実を忘れられますし!」

 

リゼ「・・・シャロは逞しいな!」

 

シャロ「・・・」

 

みくる「私も、シャロちゃんと一緒に居ると気持ちが落ち着くの〜!ギュー!」

 

ギューっとシャロを抱き締めた。

 

シャロ「や、止めて下さいみくるさん!」

 

千夜「じゃあ、気分転換にパーっとしましょ?」

 

リゼ「え?」

 

シャロ「考え込むのは良くないですよ!」

 

リゼ「え!?」

 

みくる「そうだよ!辛い事があったら、楽しい事を考えれば吹っ飛ぶよ!」

 

リゼ「ええ!?」

 

3人はリゼを引っ張って行った。

 

リゼ「えええーーー!?」

 

千夜「甘兎庵でココア祭りよー!」

 

みくる「楽しいココアパーティーだよー!」

 

リゼ「甘味処じゃなかったのか!?」

 

シャロ「気にしちゃダメです〜!」

 

みくる「気にしたらその時点で負けだよー!」

 

 

 

 

 

 

その頃楽兎は部屋に居た。

 

楽兎「リゼの奴、俺と緑羽太を厳しくしやがって。睡眠時間が5時間だと?寝不足でぶっ倒れるわ。」

 

 

 

 

そしてチノも、部屋に居た。

 

チノ「ふぅ・・・ん?」

 

リゼから貰ったぬいぐるみを見る。するとスマホの着信音が鳴った。

 

チノ「もしもし?」

 

ココア『チノちゃん!!』

 

急な声にびっくりした。

 

チノ「ココアさん・・・」

 

通話相手はココアだった。

 

ココア『連絡遅くなってごめんね!うち、携帯の電波が繋がらなくて。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃ココアは、町でチノに電話していた。

 

ココア「今町まで来てるんだ。そっちは変わりない?」

 

チノ『忙しいですよ。とっても。』

 

ココア「あ、それって観光客がいっぱい来たから?」

 

チノ『え?』

 

ココア「花火大会があるって聞いたよ。今年は皆で見るのかな?」

 

チノ『皆の都合が合うかも分からないので特には・・・』

 

ココア「ええ!?ダメ!!皆で思い出作らなきゃ!!チノちゃんが誘わないなら私が誘っちゃうよ!!」

 

楽兎『実家でどうやって花火大会を誘うんだ?』

 

ココア「あ!楽兎君!」

 

楽兎『ようココア。無事に実家に着いて良かった。』

 

チノ『大体当日まで帰って来れるんですか?』

 

ココア「ん〜・・・お店の手伝いもあるし、状況次第かな?でね、チノちゃんに話したい事がいっぱいあってね!まず電車で青山さんに・・・」

 

チノ『長くなりそうなのでストップです。』

 

ココア「そっか。会った時に話す事無くなっちゃうもんね!じゃあ大事な事以外は連絡禁止!チノちゃんもお土産話は用意しておく事!」

 

チノ『え!?そ、そんな事言われても・・・もう切りますよ。』

 

ココア「あのぬいぐるみを私だと思って、一緒に寝て・・・」

 

チノ『寂しくないです!!』

 

怒鳴られて切られた。

 

ココア「切れた。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラビットハウス・チノの部屋。

 

チノ「切ってしまいました・・・」

 

楽兎「チノちゃん、凄く怒鳴ってたね・・・」

 

チノは、ぬいぐるみを持ってベッドに飛び込んだ。

 

楽兎「チノちゃん・・・」

 

チノ「あれ?」

 

楽兎「どうしたの?」

 

チノ「楽兎さん、よく見ると縫い目が粗いです。」

 

ぬいぐるみの縫い目が粗い事に気付いた。

 

楽兎「・・・本当だ、何か粗いな。不良品かな?」

 

チノ「それにタグもない・・・」

 

楽兎「え?タグがない?」

 

 

 

 

 

 

ぬいぐるみをプレゼントされた時。

 

リゼ『これ、親父がプレゼントしろって。』

 

チノ『あ、ありがとう、ございます・・・』

 

ぬいぐるみを貰った。

 

チノ『(可愛い・・・眼帯が付いてるけど。)何処で買ったんですか?』

 

リゼ『軍事機密だ。』

 

彼女の右手の指には、絆創膏が貼られていた。

 

チノ『指、怪我してますが・・・』

 

リゼ『これ以上詮索するな!!そいつの名前はワイルドギース。優秀な傭兵部隊から取った名前だ。』

 

チノ『可愛くないです。』

 

リゼ『な!?何〜!?』

 

チノ『可愛くないです!むぅ!』

 

リゼ『・・・ぷっ、あははははは!』

 

怒ってるチノの顔を見て、リゼが笑った。

 

 

 

 

 

 

楽兎「これ、手作りか?」

 

チノ「いえ、まさか・・・でも、そう考えると・・・」

 

楽兎「手作り・・・縫い目が粗い・・・」

 

チノは気付いた。

 

 

 

 

このぬいぐるみを作ったのはリゼ本人だって事を。

 

 

 

 

チノ「ぷぷぷ〜。」

 

枕に顔を突っ込んで笑い堪えた。

 

楽兎「チ、チノちゃん?どうしたの?急に笑って。」

 

チノ「可愛い・・・」

 

楽兎「な、何が可愛いの?」

 

チノ「・・・内緒です。」

 

楽兎「ん?」

 

 

 

 

 

 

翌日のラビットハウス。みくるとシャロと千夜も遊びに来てる。

 

リゼ「マヤーーー!!何で宿題やって来てないんだ!!」

 

夏休みの宿題のノートが真っ白。

 

マヤ「だってテレビが面白くて〜。」

 

リゼ「言い訳禁止だ!」

 

マヤ「ひえ〜!」

 

メグ「私はスケジュール守ったよ〜。」

 

マヤ「メグの裏切り者〜!」

 

千夜「あらあら。確かに賑やかだわ。」

 

チノ「そうですね。」

 

みくる「ちゃんと規則を守るなんて、メグちゃん良い子ね。」

 

緑羽太「リゼが教官と化してるな。」

 

楽兎「ああ。」

 

ネザーランドドワーフのポッポは、シャロに撫でられてる。

 

楽兎「シャロ、ポッポの事が気に入ってるみたいだな。」

 

シャロ「ええ。とても良い子です。ポッポのお陰でうさぎ嫌いが少し克服出来たかも。」

 

楽兎「そうか。」

 

シャロ「この子、大事にしてるのね。」

 

ぬいぐるみを見る。

 

チノ「はい。とても大切です。リゼさんのお手製ですから。」

 

リゼ「・・・・っ!?」

 

さっきの言葉を聞いたリゼが赤面した。

 

リゼ「な、なななななな・・・何時気付いて!?」

 

チノ「ビンゴでした!!」

 

楽兎「え!?このぬいぐるみ、リゼお手製!?」

 

メグ「え〜!?凄い!作り方教えて欲しいな〜!」

 

マヤ「この前、私達にもくれてやるって言ったよね?」

 

リゼ「そ、それは・・・」

 

シャロ「お、お金出すので私も!!」

 

リゼ「え!?」

 

千夜「私は伊達政宗みたいなうさぎが良いわ〜。眼帯がお揃いに出来そ〜。」

 

リゼ「ええ!?」

 

みくる「私にも作り方教えて!お父さんとお母さんにプレゼントしたいの!」

 

リゼ「えええ!?」

 

楽兎「俺も欲しいな〜。」

 

緑羽太「俺も欲しい〜。」

 

リゼ「お・・・お前ら・・・そんなに煽てて・・・喜ぶと思っているのか〜〜〜!!」

 

満面な笑みを見せた。

 

全員「最高の笑顔!!」

 

”パシャ”

 

リゼ「っ!?」

 

緑羽太「リゼの弱みゲット!」

 

リゼ「や、止めろ緑羽太!!」

 

マヤ「おやおや?鬼軍曹の面影はどちらへ〜?」

 

メグ「どちらへ〜?」

 

リゼ「う・・・う・・・うわああああ!!!」

 

逃げ出した。

 

マヤ「あ!お姉ちゃ〜ん!作り方教えてよ〜!」

 

メグ「リゼお姉ちゃ〜〜ん!!」

 

緑羽太「教えねえとお前の笑顔の写真を皆に配るぞ〜!」

 

リゼ「ああもう!!早く帰って来てくれ!!ココアーーー!!」

 

チノ「っ!ココアさんと言えば・・・昨日電話が来ました。家じゃ電波が届かなくて、携帯使えないみたいです。」

 

リゼ「どんな山奥だよ!?」

 

みくる「サバイバル生活してるのかな?」

 

緑羽太「んな訳あるか。」

 

シャロ「もう!心配させて〜!」

 

千夜「シャロちゃん心配だったの・・・?」

 

シャロ「え?そ、そんな訳!!」

 

千夜「メール来なかったけど、忘れられた訳じゃなかったのね!!」

 

シャロ「泣いてるーーー!?」

 

また千夜が泣き出した。

 

千夜「良かったーーーーー!!!」

 

シャロ「全くココアは。」

 

緑羽太「まぁ、無事で良かったじゃねえか。」

 

リゼ「チノ。ココアからの電話で元気になったみたいだな。」

 

チノ「心配させられたから、少し安心しただけです。」

 

楽兎「そんな否定しなくても良いのに。」

 

チノ「今も昔も、リゼさん優しいですね。ありがとうございます。」

 

リゼ「チノ・・・うん!」

 

チノ「そ、それで・・・あの、皆さん・・・」

 

リゼ「ん?」

 

シャロ・千夜「ん?」

 

マヤ・メグ「ん?」

 

緑羽太・みくる「ん?」

 

チノ「・・・・・」

 

楽兎「チノちゃん、頑張れ。」

 

チノ「・・・み、皆さんで・・・い、一緒に・・・花火大会、行きませんか?」

 

皆を誘った。チノは恥ずかしがる。

 

 

 

 

マヤ「あったり前じゃん!!」

 

 

 

 

チノ「え?」

 

メグ「チノちゃんから誘ってもらえた〜!」

 

シャロ「その日はバイト入れないわ!」

 

千夜「私もお休みにするわ!」

 

みくる「私もバイト休み入れる!」

 

緑羽太「皆で思い出いっぱい撮ろうぜ!」

 

リゼ「決まりだな!」

 

チノ「・・・・」

 

楽兎「チノちゃん、俺も花火大会行くよ。」

 

チノ「・・・はい!」

 

メグ「ココアちゃんにいっぱいお土産買わなきゃ!」

 

マヤ「それ逆〜!私達がもらう方〜!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明け方のベーカリー保登。朝6時になって、目覚まし時計が鳴った。ココアが目覚まし時計を止めて起きた。

 

ココア「・・・よ〜し!お母さん達より早く開店準備して、驚かせちゃお〜!ん?パンの焼ける匂い・・・」

 

パンの匂いがした。

 

 

 

 

着替えて店へ向かった。

 

ココア「おはよう・・・」

 

モカ「おはようココア!」

 

ラミン「ココア!おはよう!」

 

ココアの母「ココアもう起きたの?」

 

ココア「3人より早く起きたつもりなのに・・・」

 

ココアの母「じゃあ、早速モカと一緒に手伝ってもらおうかしら。」

 

ココア・モカ「サーイエッサー!」

 

ココアの母「サー?」

 

ラミン「イエッサー?」

 

モカ「では!我ら4銃士ならぬパン銃士!」

 

麺棒を持って、上に掲げる。

 

4人「今日もいざ焼かん!!」

 

 

 

 

パン作り開始。

 

モカ「捏ねて!」

 

パンを捏ねる。

 

ココアの母「丸めて!」

 

パンを丸める。

 

ラミン「鉄板に乗せて!」

 

パンを鉄板に乗せる。

 

ココア「焼く!」

 

パンを竃で焼く。

 

 

 

ココアとモカがハイタッチする。

 

モカ「腕を上げたみたいだね!」

 

ココア「私達姉妹の息もバッチリだね!」

 

ココア・モカ「あ。」

 

ココアの母「え?」

 

ラミン「え?何?」

 

ココア「イエーイ!」

 

モカ「4姉妹もバッチリだね!」

 

ココアの母「お母さん、そんなつもりで見てた訳じゃないのよ?本当よ?」

 

ラミン「4姉妹って・・・何か良いかも。」

 

 

 

 

パンを陳列する。

 

モカ「よし!開店準備完了!」

 

ラミン「ふぅ〜、後は開店して、お客様達来るのを待つだけだね。」

 

ココア「お母さん、他に何か手伝う事ある?」

 

ココアの母「じゃあ、町まで配達を頼んで良い?これよ。」

 

紙袋に入ったパンを渡した。

 

ココア「勿論だよ!」

 

モカ「私用意して来るね。」

 

ラミン「私も。」

 

ココアの母「お願いね。」

 

ココア「うん!懐かしいな〜。昔はお姉ちゃんと歩いて町を回たっけ。」

 

幼い頃、モカと一緒に町を歩いて配達した事があった。

 

ココアの母「そうそう。よくお使いを頼んだのよね。」

 

 

 

 

店を出た。

 

ココア「久し振りにお姉ちゃんとゆっくりお散歩〜。」

 

モカ「さぁ、後ろに乗って!」

 

ラミン「はいヘルメット!」

 

2人は小型二輪に乗って待っていた。

 

ココア「お姉ちゃんは何時も私の想像の上へ行くよ!」

 

 

 

 

3人は配達に出掛ける。

 

ココア「こう言うの苦手だと思ってたのに〜。」

 

モカ「ふっふ〜ん!サプライズ成功〜!」

 

ラミン「私は免許取るのに苦労したよ〜。」

 

 

 

 

町中。

 

ラミン「今日も長閑だね〜。」

 

橋の上から海を眺めるココア。

 

ココア「わぁ〜!気持ち良い〜!」

 

モカ「ココアを何処へでも連れてってあげるよ。」

 

ココア「お姉ちゃん最高!」

 

モカ「イエーイ!」

 

ラミン「ヤッホー!」

 

 

 

 

配達先の家に到着。

 

モカ「おはようお婆ちゃん!焼き立てのパンをお届けに来ました!」

 

お婆ちゃん「は〜い。何時も悪いわね〜。」

 

ラミン「いえいえ。」

 

お婆ちゃん「あらココアちゃん!帰ってたのね。」

 

そのココアは気分悪くなっていた。

 

お婆ちゃん「まぁ、大丈夫?」

 

モカ「はしゃいでウィリーまでしちゃって・・・」

 

ラミン「モカさん、気を付けないとダメだよ?」

 

 

 

 

配達を終えて、少し休む。

 

ココア「爽やかな朝は、ここでご飯が1番だね!」

 

ラミン「今日も海が綺麗だね〜。」

 

ココア「あそうだ!ここなら電波繋がるかな?」

 

携帯を取り出した。

 

ココア「あ!メールいっぱい来てる!リゼちゃんからも、千夜ちゃんからもシャロちゃんからも!楽兎君に緑羽太君にみくるちゃんのメールも来てる!」

 

ラミン「嬉しそうだねココア。」

 

チノのメールも来ていた。『花火誘えました』

 

ココア「あ!偉い偉〜い。」

 

モカ「携帯撫でてどうするのよ・・・」

 

サンドイッチを食べる。

 

ラミン「美味しい〜。」

 

モカ「ここ、よくお父さん達と一緒に来たのよね。」

 

ココア「皆都会で元気にしてるかな?」

 

モカ「皆頑張ってるよ。」

 

ココア「そっか〜。私なんてまだまだだね。」

 

ラミン「そんな事ないよ。ココアはいっぱい頑張ってるんだから。」

 

ココア「ありがとうラミンちゃん。」

 

モカ「そう言えば、ココアは進路の事考えてる?」

 

ラミン「そうそう。ココアの将来は何?」

 

ココア「小説を書きつつ、街の国際バリスタ弁護士!」

 

ラミン「国際、バリスタ弁護士?」

 

モカ「一つに絞りなさい!」

 

ココア「だよね〜。でも、本当はお姉ちゃんって呼ばれれば誰でも良いんだ。」

 

モカ「ん〜?今聞いた職業、どれも一切関係ないぞ〜?」

 

ココア「その道を極めれば、お姉ちゃんに通ずるんだよ!」

 

ラミン「あのぉ〜、ココアさん?」

 

モカ「ねぇ、ココアが1番最初になりたかったものって覚えてる?」

 

ココア「ん?」

 

モカ「魔法使い!」

 

ラミン「あ!確かあの時!」

 

 

 

 

幼い頃。

 

ココア『おねえちゃん!うさぎさんにな〜れ!』

 

魔法のステッキを振った。するとモカがうさぎのぬいぐるみに変身した。

 

ココア『おねえちゃん!?もどって!もどって!!!』

 

泣きながら呪文を唱え続ける。

 

モカ『サプライ〜ズ。』

 

カーテンの裏に隠れただけだった。

 

 

 

 

モカ「あの時のココア・・・思い出すだけで・・・」

 

ラミン「もうココアは可愛いんだから・・・」

 

2人は笑い堪えてる。

 

ココア「むぅ〜!」

 

モカ・ラミン「ひぃっ!?」

 

ココア「お姉ちゃん、ラミンちゃん嫌い!」

 

モカ・ラミン「えーーー!?」

 

 

 

 

 

 

ベーカリー保登に戻った3人。ココアは不機嫌になりながら仕事の手伝いをしてる。嫌われたモカとラミンが落ち込んでる。

 

モカ「嫌いって・・・お姉ちゃん嫌いって・・・」

 

ラミン「ラミンちゃん嫌いって・・・冗談なのに・・・ココア・・・」

 

ココアの母「ただの照れ隠しでしょ?」

 

ラミン「それは分かりますよ・・・でも・・・」

 

モカ「あの目は本気だった・・・」

 

ココアの母「そうかしら?」

 

モカ「ココアの姉妹は・・・もうチノちゃんだけなのかな・・・」

 

ココアの母「お母さんに任せなさい!元気の出るご飯を作る?お風呂沸かしておく?」

 

モカ「お母さん・・・」

 

ラミン「おばさん・・・」

 

ココアの母「それとも・・・私が代わりに妹になる?」

 

モカ・ラミン「無理があるよ!?」

 

するとその時。

 

”ドドドドドドドドド”

 

ココア「な、何この音!?」

 

モカ「始まる!ブレッドファーストコンタクトが!!」

 

ラミン「戦闘態勢開始!!」

 

ココアの母「お客さん達の足音よ?ほら、手紙にも書いたでしょ?ココアが居ない間、ちょっとお客さんが増えたの。」

 

ココア「ちょっと増えた所じゃないよね!?」

 

モカ「それでは、開店前にお母さんから一言!」

 

ココアの母「・・・・・さっき手首捻っちゃったの。病院行って来るわ〜。」

 

病院へ行った。

 

ココア・モカ・ラミン「ええーーーー!?」

 

モカ「こうなったら私達3人で乗り切るしかないね!ココア!ラミンちゃん!」

 

ラミン「はい!」

 

ココア「うん!ラビットハウスで更に磨いた接客術を披露する時だよ!」

 

モカ「期待してるよ!」

 

ココア「はい!」

 

ラミン「いざ開店!」

 

開店した。

 

 

 

 

長蛇の列が並んでる。

 

ラミン「はい!食パン1斤にアンパン2つにクロワッサンが4つですね?」

 

ココア「あれ!?私の接客術は!?」

 

パンの袋詰めしてる。

 

モカ「3番目のお客様は760円になります!ご用意してお待ち下さい!4番目は820円になります!5番目のお客様は750円になります!」

 

ココア「順番待ちのお客さんまで・・・!」

 

ラミン「流石モカさん、侮れない・・・!」

 

モカ「もっと早く!袋詰め3秒目標に!シュパパパパパパパパ!」

 

超高速で袋詰めを披露する。

 

ココア「フォローまで完璧!!」

 

 

 

 

そして数時間後。

 

モカ「ありがとうございました〜!」

 

やっと店が落ち着いた。

 

モカ「ふぅ〜・・・ようやく一段落したね。」

 

ココア「ラビットハウス1ヶ月分くらい働いた気がする・・・」

 

ラミン「ココア大丈夫?」

 

モカ「よく付いて来れたね。」

 

???「さぷらいずのおねえちゃん!」

 

そこに1人の女の子が来店した。

 

モカ「来たな?」

 

ラミン「いらっしゃい!」

 

女の子「さぷらいずぱん、ひとつください!」

 

モカ「はい、どうぞ。」

 

サプライズパン。

 

モカ「今日の中身は何でしょ〜う?」

 

ラミン「さぁ召し上がれ〜。」

 

サプライズパンを食べる女の子。

 

女の子「っ!ぱんのなかにぱんがはいってるよ!」

 

モカ「大正解!」

 

ラミン「流石だね〜!お姉ちゃん関心しちゃったよ〜。」

 

女性客A「あの、さっき買ったサプライズパンに当たり券が入ってました。」

 

サプライズパンを買った女性客が来た。

 

モカ「おめでとうございまーす!お好きなパンをプレゼント!」

 

ラミン「どうぞ!お選び下さい〜!」

 

女性客B「また全部中身が違うの?凄いわね〜!」

 

ココアの方に、女の子が寄った。

 

女の子「あのね、このまえはね、りんごがまるごとはいってたんだよ?」

 

ココア「へぇ〜!凄いね〜!」

 

女の子「うん!」

 

モカ「どちらになさいますか?」

 

女性客B「ねぇ、どのパンにする?」

 

女性客A「ん〜、どうしようかな〜?」

 

 

 

 

 

 

その日の夜のリビング。

 

ココア「手の怪我大丈夫?」

 

ココアの母「うん。ココアとモカとラミンちゃんが手伝ってくれたお陰で助かっちゃった。夏の思い出、沢山作ってるのね。」

 

テーブルの上には、ココアと緑羽太が撮った写真がある。

 

ココア「うん!明日は花火大会があるんだって!チノちゃんにいっぱい写真撮ってもらうんだ!」

 

ココアの母「ココアは行かなくていいの?」

 

ココア「だって、お母さんお店大変そうだし、急に予定を替えるなんて・・・」

 

ココアの母「・・・お母さんね、この手の怪我嘘なの。」

 

ココア「ウェエエエエエ!?」

 

何と手の怪我は嘘だったのだ。

 

ココアの母「うふふ、仲良くしてる3人が見たくて。ごめんね。」

 

ココア「も〜!!」

 

ココアの母「けど、ココアの思い出の写真ももっと沢山見たいな。」

 

ココア「っ!」

 

ココアの母「ココアはどうしたい?」

 

ココア「・・・・・私は・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃ラビットハウスでは、チノが風呂に入ってる。

 

チノ「ふぅ・・・」

 

すると誰かが来た。

 

マヤ「ヤッホーチノ!一緒に入ろー!」

 

メグ「マメ風呂だよ〜!」

 

チノ「えええええ!?」

 

チマメ隊が風呂に入る。

 

マヤ「今日はお泊まりだからね!チノのお父さんには予約済みだよ!」

 

メグ「明日は花火大会だもん!今年は皆で行けそうで嬉しいな〜!」

 

マヤ「まさかチノから誘われるなんてね〜!」

 

メグ「昔は興味なさそうにしてたのに〜!」

 

チノ「・・・・・」

 

何も言わずに顔を湯に浸かる。

 

チノ「・・・昔は関係ないです・・・」

 

メグ「あ!照れてる〜!」

 

マヤ「シャボン玉攻撃〜!」

 

チノ「明日が楽しみだからって、落ち着きがないです。2人共・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃ケーキAYABEでは。

 

美未子「そうですか。花火大会ですか。」

 

恵美『そうなの!美々子も来れば良いのに〜。』

 

美未子「いえ、私は店を切り盛りするのが役目ですから。こう見えて副店長ですから。」

 

恵美『じゃあ、今度機会があったら花火大会行こうね?それと、5日後に帰って来るから待っててね。』

 

美未子「はい。ではまた。」

 

電話を切った。

 

美未子「花火大会・・・懐かしいわね〜。昔はお父さんとお母さんと一緒に行ったわね〜。さてと、風呂に入ろうかな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスのチノの部屋。チノ達の浴衣が用意されていた。

 

チノ「わぁ〜!」

 

千夜「逸る気持ちを抑えきれなかったの。明日はどの浴衣が良い?」

 

チノ「どれも素敵です!千夜さん、ありがとうございます!」

 

シャロ「浴衣なんて、子供の時以来ね。」

 

みくる「私も子供の時以来着てなかったな〜。」

 

千夜「シャロちゃんは大きくなってから、うちの着物の制服さえ着てくれなくなったのにね〜。」

 

シャロ「だって、お揃いみたいで恥ずかしいじゃない・・・」

 

みくる「シャロちゃん可愛い〜。」

 

千夜「うふふ。皆で着るのが夢だったから、嬉しい!」

 

シャロ「・・・しょうがないわね!」

 

緑羽太「楽兎楽兎!カメラ用意したぞ!」

 

楽兎「来たか。」

 

緑羽太「容量は普段よりいっぱいだ!」

 

恵美「さて、明日は楽しまなくちゃ!」

 

楽兎「逸れないようにな。」

 

チノ「っこのピンクは、ココアさんに似合いそうですね。」

 

千夜「あ!チノちゃんもやっぱりそう思う?」

 

部屋の端では、リゼがぬいぐるみを縫っていた。

 

メグ「わぁ〜!可愛い〜!リゼさんありがと〜!」

 

リゼ「ま、まだ作り掛けだ。」

 

マヤ「わぁ〜い!手伝いた〜い!」

 

リゼ「危ない!マヤは宿題しろ!スケジュールが乱れてるぞ!」

 

マヤ「私のは海賊っぽくするんだ〜!」

 

メグ「私はグルグルのにしたい!」

 

マヤ「それどんなのだよ〜!」

 

 

 

 

リゼ「ふぅ・・・少し休憩だ・・・」

 

楽兎「お疲れさんリゼ。」

 

ベッドに座る2人。リゼの横にチノが座った。

 

楽兎「チノちゃん?」

 

チノ「今夜は凄く賑やかです。」

 

リゼ「だな。」

 

楽兎「そうだな。」

 

リゼ「作り方教えてたら、徹夜になりそうだ。」

 

楽兎「寝不足になるな。」

 

チノ「皆さん、お泊まりですね。」

 

楽兎「ああ。」

 

3人は微笑み合う。

 

チノ「リゼさん、私にもぬいぐるみ作り手伝わせて下さい。」

 

楽兎「俺にも手伝わせてくれ。」

 

リゼ「ああ。問題はココアのなんだけど・・・どんなのが良いかな〜?」

 

チノ「ん〜・・・あの。」

 

リゼ「ん?」

 

チノ「私がデザインしてみても良いですか?」

 

楽兎「チノちゃんがデザインを?」

 

チノ「はい。」

 

リゼ「へぇ〜。何かイメージがあるのか?」

 

チノ「えっと・・・こう、ステッキを持ってですね、魔法使いみたいなのはどうでしょう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真っ白な空間。

 

楽兎『あれ?この空間、懐かしいな。』

 

???『楽兎君!』

 

楽兎『うおっ!?』

 

後ろから誰かに抱き付かれた。

 

楽兎『サ、サキさん!』

 

チノの母で楽兎の叔母のサキだった。

 

楽兎『もう、驚かさないで下さいよ。』

 

サキ『うふふ、ごめんね。でも久し振りね楽兎君。』

 

楽兎『お久し振りですサキさん。去年の春以来ですね。』

 

サキ『そうだね〜。今は夏だね。ん?その顔、何か嬉しそうね。』

 

楽兎『実は、チノちゃんが花火大会を誘ってくれたんです。』

 

サキ『え!?チノが!?』

 

楽兎『はい。皆を誘ったんです。』

 

サキ『凄い凄〜い!チノが自分から誘うなんて、逞しくなったのね。』

 

楽兎『流石サキさんの娘さんですね。』

 

サキ『いいえ、それを言うなら俺の従妹でしょ?』

 

楽兎『・・・そうですね。』

 

サキ『楽兎君がチノと一緒に居れて安心したわ。』

 

楽兎『俺も、チノちゃんと一緒に居れて幸せです。』

 

サキ『楽兎君、チノ達と楽しんでおいでね。』

 

楽兎『はい。またお会いしましょう。』

 

サキ『うん!じゃあね。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜の街。ここに幼少期のココアが居た。

 

ココア「私は魔法使いだよ!皆うさぎにしちゃうよ〜!え〜い!」

 

魔法のステッキを振って、沢山のうさぎを作った。後ろからチノが来た。

 

ココア「ん?ああ!お姉ちゃん誰?」

 

チノ「ココアさん、こんなにうさぎを増やしてどうするんですか?」

 

ココア「でも、戻し方分からないよ?」

 

チノ「では、別のものに変えてしまいましょう。」

 

するとチノが魔法少女に変身した。

 

チノ「カフェラテ、カフェモカ、カプチーノ!」

 

呪文を唱えると。

 

ティッピー「わしじゃよ。」

 

うさぎがティッピーに変身した。

 

ココア「わぁ〜!凄〜い!もふもふのうさぎさんだ〜!」

 

チノ「2人で力を合わせれば、もっと凄くなりますよ。」

 

ココア「よ〜し!じゃあ一緒に!」

 

チノ「カフェラテ!」

 

ココア「カフェモカ!」

 

チノ・ココア「カプチーノ!!」

 

空に向けて光を放った。光が降り注ぎ、うさぎ達が次々とティッピーに変身した。

 

巨大ティッピー「もふもふじゃ!」

 

ココア「わぁ〜!もふもふ天国だ〜!もふもふ〜!もふもふ〜!」

 

 

 

 

 

 

そしてココアの部屋。

 

ココア「もふもふ〜・・・」

 

今もふもふしてるのは自分の母親だった。

 

ココアの母「ココア〜、起きてちょうだい。」

 

ココア「もふもふ〜・・・」

 

そこにモカがドアを開けた。

 

モカ「お母さん!ココアを起こしに行ったのに、何でもふもふされてるの!?」

 

ココアの母「ついうっかり〜。」

 

モカ「ほらココア!もう起きないと今日中に帰れないよ!」

 

ココア「うぅ〜・・・おはようチノちゃん・・・」

 

モカ「もう!心はとっくに向こうだよーー!!お母さんも早く用意!!」

 

ココアの母「はぁ〜い。」

 

ココア「私のコスチューム忘れないでね〜・・・・・」

 

モカ「え?コスチューム?」

 

ココア「魔法少女のコスチューム・・・・」

 

モカ「ココアの寝坊助ーーーーー!!!!」

 

 

 

 

リビング。ココアが朝食を食べてる。

 

モカ「ココア、トランクは送っておくで良いんだよね?」

 

ココア「うん!このパンおいひい〜・・・」

 

ココアの母「最後まで慌ただしかったわね〜。」

 

モカ「あれ!?お母さん、手は治ったの!?」

 

ココアの母「え?・・・3人が頑張ってる所を見たら、治っちゃった。」

 

モカ「治んないよ!絶対演技だったんでしょ!?」

 

ココアの母「うふふ。」

 

モカ「も〜う!」

 

 

 

 

そしてココアが向こうへ帰る時が来た。

 

ココア「お母さん!次はチノちゃん達も一緒に連れて来るからね!」

 

ココアの母「はぁ〜い。っと、その前に。」

 

ココア「ん?」

 

優しくココアを抱いた。

 

ココア「お母さん?」

 

モカ「ほらココア!早く乗って!」

 

ラミン「遅れちゃうよ!」

 

ココア「あ!待って待って!じゃあお母さん!」

 

ココアの母「行ってらっしゃいココア。気を付けててね。」

 

ヘルメットを被って、モカの後ろに乗る。

 

ココア「行って来まーす!」

 

ラミン「出発!!」

 

アクセルグリップを捻って出発した。

 

 

 

 

駅へ向かう。

 

ココア「駅まで送ってくれてありがとね!」

 

モカ「お安い御用さ!」

 

ラミン「もうココアが行っちゃうのかぁ。早いね〜。」

 

ココア「また何時か帰って来るから。」

 

ラミン「うん。」

 

ココア「あのねお姉ちゃん。」

 

モカ「ん?」

 

ココア「私ね、将来の夢は沢山あるけど、1番の憧れはやっぱりお姉ちゃん!!私も、お姉ちゃんみたいに皆を楽しませる人になりたいな!」

 

モカ「・・・・・・!!」

 

ココア「お姉ちゃん?」

 

ラミン「モカさん?どうしたの?」

 

モカ「・・・私になろうなんて、10年早いぞ。」

 

ココア「うん!だからまずはチノちゃんのお姉ちゃんになる!ちゃんとお姉ちゃんって呼んでもらえるようになるんだ!」

 

モカ「・・・・・・・・」

 

ココア「・・・・お姉ちゃん。」

 

モカ「ココア?お姉ちゃんになろうって人が、相変わらず甘えん坊だな。」

 

ココア「良いの。ここでは私は妹なんだから。」

 

モカ「・・・さぁ!発車まで時間がない!もっと飛ばすよ!ラミンちゃん!付いて来て!」

 

ラミン「うん!」

 

アクセルグリップを更に捻ってスピードを上げてウィリーする。

 

ココア「うわああああああ!!!ウィリーは止めてーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方。街は花火大会の準備を進めている。

 

 

 

 

ラビットハウスでは。

 

リゼ「よし!完成!」

 

遂にココアのぬいぐるみが完成した。

 

千夜「皆〜!チノちゃんの着付けが終わったわ〜!」

 

恵美「良い感じになったよ〜!」

 

浴衣姿のチノが来た。

 

マヤ「ティッピー巾着だ!」

 

メグ「わぁ〜!似合う〜!」

 

みくる「浴衣姿のチノちゃん可愛い〜!」

 

緑羽太「良いね!早く撮りたい!」

 

千夜「じゃあ次は、シャロちゃんの着付けをするわよ。」

 

シャロ「え!?私!?」

 

メグ「あわわわわわ!」

 

マヤ「早く終わらせなきゃ!」

 

チノ「楽兎さん、どうですか?」

 

楽兎「ああ。似合ってるよチノちゃん。」

 

グラスを拭いてるタカヒロの方へ歩み寄る。

 

楽兎「タカヒロさん、チノちゃんの浴衣姿どうですか?」

 

タカヒロ「よく似合ってるよ。チノ。」

 

チノ「・・・」

 

タカヒロ「楽しんでおいで。」

 

チノ「・・・はい!」

 

タカヒロ「楽兎君、チノを宜しくね。」

 

楽兎「はい!」

 

するとポッポがチノの肩に乗った。

 

チノ「ポッポ?」

 

楽兎「”ピィ!”」

 

指笛を吹くと、ポッポが楽兎の肩に飛び移った。

 

楽兎「ポッポも花火大会見に行きたいって言ってそうだな。連れて行くか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃ココアは、列車の中で小説を読んでいた。

 

ココア(早く皆に会いたいな〜。お姉ちゃんに貰った青山さんの新作。これで長旅も寂しくなかったよ。)

 

読んでる小説は、青山ブルーマウンテンの新作のベーカリークイーン。

 

ココア「ん?」

 

本に挟んでる何かを見付けた。『この本に青山さんのサインぷりーず❤️モカ&お母さん』と書かれた手紙が挟んであった。

 

ココア「抜け目ない!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街では花火大会で賑わっていた。

 

千夜「皆早く〜!」

 

シャロ「もう!はしゃぎ過ぎ!」

 

リゼ「よっぽど浴衣が嬉しかったんだな。」

 

千夜「ほら輪投げ!皆でやりましょー!」

 

マヤ「あはは!もう遊んでるよ〜!」

 

メグ「私もやりた〜い!」

 

楽兎「賑やかで良いな。」

 

緑羽太「良いね〜!賑わってて良いね〜!」

 

風景をカメラで撮り続ける。

 

恵美「どれもこれも遊びたいな〜!」

 

はしゃいでる母親。

 

楽兎「常にはしゃいでる方達もここに居るな。ん?」

 

チノはキョロキョロしている。

 

楽兎「チノちゃん?どうしたの?」

 

チノ「・・・・」

 

マヤ「ほら!チノも早く!」

 

チノの手を引っ張って走る。

 

楽兎「マヤちゃん!」

 

チノ「待って下さい!」

 

リゼ「ん?射的か。何か欲しいものはないか?シャロ。」

 

シャロ「え?あ・・・私だって、吹き矢は得意なんです!勝負しましょう!リゼ先輩!」

 

リゼ「おお?やる気だな?望む所だ!」

 

 

 

 

輪投げでは。

 

メグ「アン・ドゥー・トロワ!」

 

3つの輪が全部当たった。

 

千夜「凄いわメグちゃん!」

 

綿あめを食べてる楽兎とチノとマヤ。

 

マヤ「腕を上げたなメグ。」

 

楽兎「凄いなメグちゃん。」

 

チノ「マヤさんは1個も取れてませんでしたよね?」

 

大量の景品をゲットしたメグ。

 

メグ「こんなに取れちゃった〜!」

 

マヤ「あはは!何その景品!」

 

千夜「ココアちゃんが喜びそう。」

 

チノ「いかにも好きそうですね。」

 

楽兎「はしゃぎそうだな。」

 

メグ「じゃあこれがお土産だね〜!」

 

千夜「喫茶甘兎庵で〜す!お店で浴衣試着もやってま〜す!」

 

あんこの団扇を持って宣伝してる。

 

マヤ「宣伝かぁ!」

 

メグ「商売上手!」

 

閃いた2人は、チノの後ろを押した。

 

チノ「っ?」

 

マヤ「ラビットハウスにも来て下さ〜い!」

 

チノ「え?」

 

メグ「綿あめみたいなうさぎが居るよ〜!」

 

チノ「あ、あの・・・」

 

楽兎「2人共?」

 

お婆ちゃん「あらあら、今度伺ってみようかしら?」

 

シャロ「イエーイ!フルール・ド・ラパンも宜しくね〜!」

 

楽兎「シャロ、コーヒーで酔っちまったか。」

 

リゼ「コーヒー味のかき氷を食べてしまったんだ・・・」

 

チノ「そんなので酔ったんですか!?」

 

楽兎「コーヒーのシロップ!?カフェイン入ってんの!?」

 

みくる「珍味だねぇ。このコーヒーシロップ。」

 

緑羽太「ってか何故それを食べたんだシャロは?」

 

シャロ「見て〜!リゼ先輩に射的で、打ち上げ花火当ててもらったの〜!」

 

リゼ「これからもっと大きい花火見るのになぁ。」

 

千夜「家の中で打ち上げちゃダメよ?」

 

シャロ「はぁ〜い!じゃあ甘兎で上げる〜!」

 

千夜「止めてね?」

 

恵美「見て見て楽兎!景品いっぱい取れたよ〜!」

 

大量の景品を持った恵美が戻って来た。

 

楽兎「母さん何時の間に!?」

 

マヤ「おばさん凄い!」

 

メグ「私よりいっぱい持ってる〜!」

 

恵美「ふふ〜ん!」

 

楽兎「調子に乗ってんなこのお袋さんは。」

 

緑羽太「いやぁ〜、色々撮れた〜!」

 

楽兎「緑羽太お前もはしゃぎ過ぎだっての・・・ん?」

 

緑羽太の傍に立ってる少女を発見した。

 

リゼ「ん?緑羽太、その人誰だ?」

 

緑羽太「ああこの子?」

 

楽兎「紅音じゃねえか!」

 

みくる「あ!紅音ちゃん!」

 

紅音「楽兎兄ちゃん!みくる姉ちゃん久し振り〜!」

 

マヤ「緑羽太、その人誰?」

 

緑羽太「この子、俺の妹だ。」

 

紅音「茶度紅音です。初めまして。」

 

少女の名前は「茶度紅音」。緑羽太の妹である。

 

恵美「あら紅音ちゃん!」

 

紅音「おばさん!お久し振りです〜!あ!皆さん初めまして〜!」

 

チノ達の方へ走って、皆と握手を交わした。

 

楽兎「何で紅音が?」

 

緑羽太「実は花火大会をやるって嗅ぎ付けて来たって。」

 

楽兎「成る程な。」

 

みくる「見ない内に、紅音ちゃん大きくなったね。」

 

楽兎「もう受験生だっけ?」

 

緑羽太「ああ。今年の秋に俺とみくるが通った大学に受験するんだ。」

 

楽兎「へぇ〜。」

 

マヤ「ねぇ!何処で花火見ようか?」

 

リゼ「そうだなぁ・・・」

 

千夜「それなら、青山さんに穴場スポットがあるって教えてもらったの。」

 

緑羽太「マジか。青山さん有能だな。」

 

 

 

 

穴場スポットの丘の上。

 

マヤ「おお〜!!」

 

街の景色が一望出来る展望台。

 

みくる「綺麗〜!」

 

メグ「こんな場所知らなかったよ〜!」

 

リゼ「ココアが居たら、はしゃいで走り回ってそうだな。」

 

千夜「うふふ。浴衣なのにね。」

 

楽兎「街が綺麗だなぁ。」

 

緑羽太「絶景ポイント!」

 

カメラで街を撮る。

 

紅音「兄ちゃん、私も撮りたい。」

 

緑羽太「おう。」

 

 

 

 

”ヒュルルルル・・・パーン!”

 

 

 

 

打ち上げ花火の音が響いた。

 

恵美「何?」

 

シャロ「イエーーイ!!」

 

マヤ「思ったより派手じゃ〜ん!」

 

リゼ「それ、今上げるのかよ!?」

 

チノ「1番はしゃいでるのはシャロさんでしたね。」

 

楽兎「コーヒーのお陰でテンション高くなってるな。」

 

するとチノのスマホの着信音が鳴った。

 

チノ「ココアさん!」

 

すぐに電話に出る。

 

チノ「はい!」

 

しかしすぐに切れてしまった。

 

チノ「ココアさん?」

 

楽兎「ん?チノちゃんどうしたの?ココアから電話来たのか?」

 

チノ「ココアさんからでしたが・・・切れました。」

 

楽兎「え?」

 

メグ「ココアちゃんが間違って携帯押しちゃったのかな?」

 

マヤ「ココアならありえる〜。」

 

チノ「・・・皆で一緒に見たかったなぁ・・・ココアさん・・・」

 

楽兎「大丈夫だチノちゃん。ココアならすぐに来る。」

 

チノ「楽兎さん・・・」

 

 

 

 

 

 

???「皆!!!」

 

”ヒュルルルル・・・”

 

 

 

 

 

 

チノ「え!?」

 

楽兎「え!?」

 

聞き覚えのある声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

”ドーン”

 

ココア「ただいまーー!!」

 

打ち上げ花火と同時に、浴衣姿のココアが帰って来た。

 

 

 

 

 

 

リゼ・マヤ「たーまやー!」

 

シャロ・千夜「たーまやー!」

 

緑羽太・紅音「かーぎやー!」

 

恵美・みくる「かーぎやー!」

 

メグ「綺麗〜!」

 

楽兎・チノ「・・・・・」

 

ココア「私を見てーーーーー!!!」

 

夜空に無数の花火が打ち上がった。

 

全員「あはははははは!」

 

千夜「おかえりなさい!ココアちゃん!」

 

みくる「ココアちゃんおかえり!!」

 

2人はココアに抱き付いた。

 

リゼ「帰って来てるなら連絡しろよ。」

 

ココア「サプラ〜イズだよ!」

 

緑羽太「ココアちゃんらしいな本当に。」

 

千夜「でも、皆で見れて嬉しい!」

 

ココア「えへへ〜!」

 

恵美「でもどうしてここが分かったの?」

 

ココア「青山さんに着付けと、この場所を教えてもらったんだ〜!暗くて迷いそうだったけど、誰かが信号弾上げてくれたお陰で、辿り着けたよ!」

 

シャロ「そ、それは良かったわね・・・」

 

楽兎「シャロの打ち上げ花火のお陰だったのか。ポッポ行け!」

 

するとポッポがココアに飛び付いた。

 

ココア「ただいまポッポちゃん!」

 

ポッポは嬉しそうに耳をピクピクさせた。

 

マヤ「私達からも、サプラ〜イズ!」

 

メグ「これ、屋台で取った景品!」

 

多くの屋台で取れた景品をココアにプレゼントした。

 

ココア「何これ!凄い可愛い!そうだリゼちゃん!帰って来たからには、お姉ちゃんの座は返してもらうよ?」

 

リゼ「初めから預かってないぞ!!」

 

マヤ「またまた〜!しっかりお姉ちゃんしてたのに〜!」

 

メグ「リゼお姉ちゃん!」

 

みくる「リゼお姉ちゃ〜ん!」

 

リゼ「お前ら!!」

 

ココア「やっぱりリゼちゃんとは決着付けないといけないみたいだね。」

 

リゼ「だから何の話だ!!」

 

チノ「あの、ココアさん!」

 

”ドーーン”

 

ココア「わぁ〜!見てチノちゃん!凄〜い!」

 

花火を見て感動した。

 

チノ「・・・・・」

 

街の夜空に無数の花火が打ち上がった。

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスのウッドデッキでは。

 

凛「先生〜!明日締め切りですよ〜!」

 

青山「大丈夫ですよ。素敵な子達を見ていたら、思い付いたアイデアがあるので。」

 

凛「もう、先生は筆が乗ったら早いのは知ってますから・・・」

 

青山「では、取り敢えず。」

 

2人「カンパーイ!」

 

ビールで乾杯した。

 

凛「これが終わったら一緒に頑張るよ!翠ちゃん!」

 

青山「それなら、応援しながら着て欲しい服があるのですが。」

 

凛「うん!私何どもやるよ!」

 

青山「あの頃を思い出しますね〜。」

 

凛「ん?」

 

 

 

 

店内では、リゼの父とSP達も働いていた。

 

リゼの父「お待たせ致しました。」

 

お客にビールを持って行って、カウンターに立ってるタカヒロの方へ。

 

リゼの父「どう言う事だ?タカヒロ。」

 

タカヒロ「吹き矢勝負に負けての1日店員。何処が可笑しい?」

 

リゼの父「負けたとは言え、ここまで働かされるとは聞いてねえぞ。」

 

お客が来店した。

 

リゼの父「いらっしゃいませ!ただいまご案内致します!」

 

タカヒロ「おい。」

 

リゼの父「何だ?」

 

タカヒロ「お前、わざと負けたろ?」

 

リゼの父「なっ!?そんな訳・・・ないだろ・・・」

 

タカヒロ「次は本気で来いよ?」

 

リゼの父「当たり前だ。」

 

 

 

 

 

 

丘の上。

 

ココア「綺麗だね〜。皆と一緒に見られて良かった〜。」

 

紅音「本当に綺麗〜。」

 

チノ「私も、勇気を出して誘ってみて良かったです。」

 

楽兎「チノちゃん、また1歩成長したね。」

 

チノ「はい。」

 

するとココアがデジカメで皆を撮った。緑羽太と紅音と千夜とマヤがポーズを撮り、他の皆は驚いた。

 

リゼ「何だよ!?」

 

みくる「急に何!?」

 

ココア「私の新しい思い出だよ!お姉ちゃんとお母さんにまた送ってあげるんだ〜!」

 

チノ「あの、ココアさん・・・」

 

ココア「ん?」

 

チノ「さっき、ちゃんと言えてませんでした・・・」

 

緊張するチノに、楽兎が肩に手を置いた。

 

楽兎「頑張れ。」

 

チノ「・・・・・・」

 

勇気を出して、ココアに右手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

チノ「おかえりなさい!ココアさん!」

 

ココア「・・・っ!ただいま!」

 

2人は手を握った。

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスでは、青山が小説を書き、凛がチアリーディングの服で青山を応援する。

 

 

街中では、シャロがハイテンションではしゃぎ回ってる。そしてココアも祭りを楽しんだ。

 

 

緑羽太が集合写真を撮った。紅音が集合写真の絵を本物そっくりに描いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日のラビットハウス。ココアが早起きしてパンを作っていた。

 

ココア「あ!チノちゃんおはよう!」

 

起きたチノが来た。

 

チノ「お、おはようございます。ココアさん。」

 

楽兎「ようココア。」

 

起きた楽兎も来た。

 

ココア「おはよう楽兎君!」

 

楽兎「俺達より早起きだなんて、珍しいな。」

 

チノ「お客さん用のパンを焼いてたんですか?」

 

ココア「えへへ〜。向こうで教えてもらった事を試したくて。」

 

楽兎「そうか。」

 

 

 

 

ホールに来た。

 

ココア「さぁさぁ!開店の時間だよ〜!」

 

楽兎「あんまりはしゃぐなよ?」

 

ココア「あれ?」

 

カウンターの上に、ぬいぐるみ達が置かれてあった。

 

ココア「この子達・・・!何時の間に兄弟が増えたのかな?」

 

楽兎「リゼに教わって。」

 

チノ「皆で作りました。眼帯がお揃いです。」

 

魔法使いうさぎのぬいぐるみを見せた。

 

チノ「この子が、ココアさんのです。」

 

ココア「わぁ〜・・・・!!」

 

楽兎「めっちゃ目をキラキラさせてる。」

 

ココア「可愛い〜〜〜〜!!!!手品師かな?何か胡散臭くて格好良いね!」

 

楽兎「魔法使いだ。」

チノ「魔法使いです。」

 

ココア「ありがと〜!このマジシャンうさぎ、大切にするよ!!」

 

楽兎「だから魔法使いだっての。」

 

チノ「それはココアさん自身をイメージしてて・・・」

 

ココア「わぁ〜い!本当に可愛いな〜!これでチノちゃんとお揃いだね!」

 

チノ「くすっ。」

 

楽兎「ん?」

 

ぬいぐるみ達に寄り添うポッポが居た。

 

ココア「ポッポちゃん?」

 

楽兎「ポッポ、ぬいぐるみが自分の兄弟だと思ってるな。」

 

チノ「嬉しそうですね。」

 

楽兎「ポッポ、兄弟が増えて嬉しいか?」

 

ポッポは耳をピクピクさせた。

 

ココア「えへへ〜。何だかこの服を着るのも久し振りな気がするよ〜!それにこの雰囲気、落ち着くなぁ〜。丸で・・・」

 

楽兎・チノ「丸で?」

 

ココア「第2の家だね!」

 

チノ「え・・・?」

 

楽兎「ココア・・・」

 

すると早速お客が来店した。

 

楽兎「お!」

 

ココア・チノ「あ!」

 

3人が並ぶ。

 

楽兎・ココア・チノ「いらっしゃいませ!ラビットハウスへようこそ!」

 

「THE END」




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
        モカ:茅野愛衣

     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨
        サキ:水樹奈々  
      綾部恵美:桑島法子   
      リゼの父:東地宏樹
     ココアの母:皆口裕子
   ラミン・アサム:小林愛香
      茶度紅音:稗田寧々
     月野美未子:真堂圭
       真手凛:木村珠莉
     お婆ちゃん:所河ひとみ
       女の子:赤尾ひかる
       女性客:小原好美


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「〜Sing For You〜」

数年前。

???「何処行ったんだろう?」

1人の少年が誰かを捜している。すると。

???「らんらんらんらんらん♪らんらんらんら〜ん♪」

少年「ん?」

可愛らしい歌声が聞こえた。

少年「あ、居た。」

噴水広場にある花畑の上で歌を歌ってる少女を発見し、少女に歩み寄る。

少年「チノちゃん!」

チノ「あ!楽兎さん!」

彼は綾部楽兎。15歳。香風家の一人娘・チノの従兄で、香風家へホームステイしている。チノは走って、しゃがんでる楽兎に飛び込んだ。

楽兎「おっと!ここに居たんだね。何してたの?」

チノ「お花を見ていたんです!」

楽兎「へぇ〜。ここの花畑、本当に綺麗だねぇ〜。そうだ。」

花畑の花を、チノの髪に添えた。

楽兎「どうかな?」

チノ「わぁ!ありがとうございます!」

彼は従妹のチノを妹のように可愛がっており、チノも楽兎を兄のように慕っている。そこに、2人の人物がやって来た。

チノ「あ!お母さん!お父さん!」

それは、チノの両親だった。母のサキと、父のタカヒロ。

楽兎「よっと。」

ゆっくりとチノを下ろした。チノはサキの胸に飛び込み、サキがチノを抱っこする。楽兎がティッピーを持って来た。楽兎とタカヒロはチノとサキを見て微笑む。











数年後のラビットハウス。ココアとリゼが首を揺らしている。

ココア「今日も平和だね〜。」

リゼ「だからってサボるなよ〜。」

楽兎「そう言ってるリゼもサボるなよ〜。」

緑羽太「そう言いながら楽兎もサボるなよ〜。」

今日もラビットハウスは平和である。だがその時。

マヤ「メディック!」

メグ「メディーック!!」

楽兎・緑羽太・ココア・リゼ「ナニゴト!?」

突然マヤとメグが来店して、気絶したチノを連れてメディックを要請した。椅子を用意してチノを横にさせる。

楽兎「チノちゃんどうしたんだ!?」

リゼ「誰にやられた!?」

ココア「チノちゃん!!取り敢えず水を!!」

メグ「それは水じゃないよ?」

ココア「砂糖とミルクは必要ですか!?」

リゼ「敵は何処だ!?」

緑羽太「何処からでも来やがれ!」

あたふたするココアと、拳銃を構えて警戒するリゼと、ビデオカメラを構えて緑羽太。

楽兎「お前ら落ち着けよ!」

メグ「そうじゃなくて!」

マヤ「敵なんて居ないって!」

リゼ「違うのか?何があった?」

気絶していたチノが目を開けた。

チノ「わ、私・・・・」

楽兎・緑羽太・ココア・リゼ「私・・・?」

チノ「音楽会の・・・合唱のソロパートに選ばれてしまいました・・・」

気絶した理由は、音楽会の合唱ソロパートに選ばれたからだった。

楽兎「ソロパート!?」

ココア「おめでとー!」

ティッピー「ナイスじゃ〜!」

リゼ「だ、大丈夫か・・・?」

ココア「生きてて良かった〜・・・!!」

緑羽太「大抜擢だなチノちゃん!」

チノ「落ち着いて下さい・・・」

メグ「チノちゃんアカペラのテストに選ばれたんだから!先生のお墨付きだよ!」

チノ「で、ですが・・・先生の前で歌うのと大勢の前で歌うのは違います・・・」

楽兎「分かるよチノちゃん。人前だと緊張するよな〜。」

ココア「私達も観に行って良いの?」

チノ「来ないで下さい!と言うか、思わず引き受けてしまいましたけど・・・やっぱり・・・私・・・」

マヤ「嫌なら今からでも断る事も出来るんだよ?」

チノ「断る・・・」

メグ「一緒に先生の所へ行く?」

ココア「え?断っちゃうの・・・?」

チノ「・・・・」

楽兎「チノちゃん。」

チノ「?」

楽兎「断るか、挑戦するかは、チノちゃんが決める事だよ。チノちゃんはどうしたい?」

チノ「楽兎さん・・・私・・・やってみます!!」

決意したチノがソロパートを引き受けた。

緑羽太「おぉ!」

ココア「チノちゃ〜〜〜ん!!」

喜んだココアがチノを抱き締めた。

ティッピー「チノ〜〜〜〜〜〜!!!」

チノ「止めて下さい!リゼさん、楽兎さん、お願いがあるんですが・・・」

リゼ「何だ?」

楽兎「お願い?」

チノ「特訓をお願い出来ますか!?」

楽兎「特訓?」

リゼ「まずはハンドガンの分解からだ!!」

楽兎「そっち!?マガジン抜くな!」

チノ「そう言う特訓ではなくて・・・」

リゼ「よし選べ!」

特訓コースを見せる。『てくてくうさぎコース』と『よちよちうさぎコース』の2つ。



『てくてくうさぎコースのメニュー欄』

ランニング
うさぎ跳び
各種筋トレ
発声練習
教官の家での潜入訓練

『よちよちうさぎコースのメニュー欄』

ランニング
発声練習



マヤ「よちよちうさぎコース・・・ランニングと発声練習だけ!?」

メグ「てくてくうさぎコースは、筋トレとかある厳しめのコースだね・・・」

緑羽太「それと教官の家での潜入訓練って無意味な気が・・・」

チノ「てくてくうさぎコースでお願いします!」

マヤ・メグ「厳しめの選んだ!?」

リゼ「やる気だなチノ!」

楽兎「でも大丈夫?無理に選ばなくても・・・」

チノ「いいえ、私は本気です!」

楽兎「おぉ・・・本気になったチノちゃんの威圧が・・・」

チノ「ココアさん、少しの間お店をお願いします!」

ココア「・・・そうだね。3人がお店を空けるのは寂しいけど・・・行っておいで!」

チノ「ココアさん・・・」

ココア「ラビットハウスは・・・」

緑羽太・ココア・マヤ・メグ「リコマメ隊に任せて!!」

チノ「不安しか無い・・・」

楽兎「何気に緑羽太まで入るなよ・・・」


後日、てくてくうさぎコースの特訓開始。

 

 

 

まずはランニング。リゼが先導し、チノが走り、楽兎がチノの後ろを走る。

 

チノ「はぁ・・・はぁ・・・!」

 

リゼ「もっと足を上げて!手を振って!」

 

楽兎「俺が後ろから支えるから!」

 

チノ「はい!」

 

 

 

 

次はうさぎ跳び。

 

チノ「ぴょん・・・ぴょん・・・!」

 

リゼ「もっと高く!こうだ!恥を捨てろ!ぴょん!」

 

チノ「ぴょん!」

 

楽兎「キツそうだな・・・」

 

 

 

 

次は整地ローラー。

 

リゼ「腰を入れろ!」

 

チノ「・・・う・・・動きません・・・!」

 

楽兎「何故整地ローラー・・・?」

 

 

 

 

次は引っ張りタイヤ。

 

リゼ「1日毎に倍にするぞ!」

 

チノ「・・・!!」

 

楽兎「何故タイヤまで・・・!?」

 

 

 

 

次は川の丸太の上でバランス。

 

リゼ「良いぞ!本物の鶴の様だ!!」

 

チノ「な・・・何か意味あるんでしょうか・・・これ・・・」

 

楽兎「どうかな・・・?」

 

 

 

 

夕方。発声練習。

 

チノ「カフェラテ!カフェモカ!カプチーノ!カフェラテ!カフェモカ!カプチーノ!」

 

リゼ「大切なのは腹式呼吸だ!腹から声を出せ!」

 

楽兎「チノちゃん頑張れ!」

 

チノ「カフェラテ!カフェモカ!カプチーノ!」

 

リゼ「良いぞ!昔より声が出せる様になっている!その調子だ!!」

 

チノ「カフェラテ!カフェモカ!カプチーノ!」

 

リゼ「よし、今日はこれぐらいにしておくか。」

 

楽兎「チノちゃん、水。」

 

水の入ったペットボトルをチノに渡す。

 

チノ「はい・・・ありがとうございました・・・」

 

リゼ「それにしても本当びっくりしたなー。」

 

チノ「私も、ソロパートに選ばれると思ってませんでした・・・」

 

リゼ「その事じゃなくて、チノがソロを決心した事がだよ。」

 

チノ「?」

 

楽兎「俺もびっくりだよ。チノちゃん自ら決心するなんて。流石俺の自慢の従妹だよ。」

 

チノ「それは・・・す、少しでもお店の宣伝になれば良いと思っただけです。」

 

リゼ「本当かぁ〜?それが本当の理由か?」

 

楽兎「嘘はいけないよ?正直に言ってごらん?」

 

チノ「す、全てはお店の為です!」

 

リゼ「こっち向いて話せよ〜。」

 

楽兎「ほらチノちゃん、恥ずかしがらないの。」

 

チノ「じ、尋問しても無駄です!」

 

 

 

 

 

 

特訓を終えて、ラビットハウスへ帰って来た。

 

チノ「?」

 

リゼ「?」

 

楽兎「?」

 

店の看板に、『歌姫誕生 期間中カプチーノ半額』と、チノの絵があった。

 

楽兎・リゼ「何だコレーー!?」

 

チノ「ココアさんーー!?」

 

 

 

急いで店に入る。

 

ココア「お帰りチノちゃん!」

 

マヤ「お帰り〜!」

 

メグ「お疲れ様〜!」

 

緑羽太「歌姫様のお帰りだ!」

 

恵美「どう?良い成果出れた?」

 

既に飾り付けをしていた。

 

楽兎「な、何してんだお前ら!?後緑羽太はビデオカメラ回すな!!母さんも何してんだよ!!」

 

チノ「い、今すぐ飾り付けを止めて下さい!!」

 

ココア「タカヒロさんがOK出したんだよ?」

 

チノ「え!?お父さん!?」

 

楽兎「タカヒロさん許しちゃったんですか!?」

 

マヤ「ココア、これは何処〜?」

 

『チマメ』の天井飾り。

 

ココア「ドアの所に貼っといて。」

 

メグ「オッケー。」

 

緑羽太「ココアちゃん、このビデオカメラでキッチリとチノちゃんの勇姿を収めとくからな!」

 

ココア「流石緑羽太君!!期待してるよ!!」

 

恵美「ココアちゃん、チノちゃんの特大ポスター完成したよ!」

 

ココア「ありがとー恵美さん!!」

 

チノ「だから貼らずに撮らずに作らないで下さい!!!」

 

楽兎(チノちゃんが声を張れるようになったのって、ツッコミのお陰だろうな・・・)

リゼ(チノが声を張れるようになったのって、ツッコミのお陰だろうな・・・)

 

心の中でツッコむ2人であった。

 

 

 

 

 

 

翌日も特訓は続く。

 

チノ「カフェラテ!カフェモカ!カプチーノ!カフェラテ!カフェモカ!カプチーノ!」

 

リゼ「良いぞ!声が出てる!」

 

楽兎「昨日より良いぞ!」

 

少年A「あはは!」

 

少年B「待て待てー!」

 

後ろの2人の少年が通り過ぎた。チノは両手で口を塞いだ。

 

リゼ「恥ずかしがるな。戦場では何事にも動じないメンタルが必要だ。」

 

チノ「戦場ではないですが・・・」

 

楽兎「まぁリゼの言葉に一理ある。恥ずかしがり屋でも、特訓すれば克服出来る。チノちゃんも克服出来ると思うよ?」

 

チノ「そうですか・・・・?」

 

楽兎「そこでなんだが、人前で歌える練習も兼ね備えた方が良いな。」

 

リゼ「うん!それも良い!」

 

チノ「・・・・」

 

 

 

 

 

 

甘兎庵に全員集合。

 

千夜「第1回!カラオケ大会in甘兎庵!!」

 

ココア・リゼ。シャロ「おぉ〜!」

 

みくる「イエーイ!ドンドンパフパフ〜♪!」

 

全員が拍手をする。

 

シャロ「チノちゃんの歌の特訓ですか?」

 

リゼ「場慣れさせようと思ってさ!」

 

シャロ「成る程!先輩流石です!」

 

緑羽太「ビデオカメラで、チノちゃんの克服の手助けをするぜ!」

 

楽兎「まぁ確かに。それも効果的かもな。」

 

青山「偶々通り掛かったのですが、楽しそうですね。」

 

リゼ「青山さん!?」

 

みくる「何処から出て来たんですか?」

 

千夜「じゃあ今夜の歌姫をご紹介しま〜す!大きな拍手でお迎え下さい!ラビットシンガー!」

 

ステージにチノが立つ。

 

チノ「み、皆さん・・・宜しくお願いします・・・」

 

ココア「チノちゃーん!」

 

チノ「き・・・今日は・・・足元の悪い中・・・」

 

シャロ「雨降ってたっけ?」

 

緑羽太「いや、今日は晴れだぞ?」

 

リゼ「歌う前から緊張してる・・・」

 

チノ「私の為にお集まり頂き・・・あ・・・ありがとうございます・・・!この晴れの日に・・・」

 

リゼ「入学式か!!」

 

シャロ「雨なの!?晴れなの!?」

 

緑羽太「凄え心配!!」

 

千夜「私達をただのうさぎだと思って?」

 

ココア「そう!うさぎだよ!ぴょんぴょんっと!チノちゃんが緊張しない様に、歌に集中出来る様に皆も!」

 

みくる「行くよ!レッツぴょんぴょん!」

 

チノ「・・・・」

 

ティッピー(逆に集中出来んじゃろう・・・)

 

シャロ「うさぎじゃダメよ!チノちゃん困ってるじゃない。チノちゃん!私達の事は、ただの饅頭だと思って!」

 

饅頭みたいにまん丸になる。

 

リゼ「よし私も!」

 

青山「私も!」

 

みくる「じゃあ私も!」

 

楽兎・緑羽太「逆に無意味じゃ・・・」

 

チノ「え、えっと・・・その・・・」

 

ココア「チノちゃん緊張解れないね・・・」

 

チノ「・・・・・ん?」

 

足元にポッポが歩き回る。

 

楽兎「ポッポもチノちゃんを応援してるけど・・・」

 

チノ「ポッポ・・・・」

 

ココア「そうだ!お手本見せてあげるよ!」

 

チノ「お手本?」

 

 

 

 

お手本の準備に入る。

 

ココア「ちょっと待ってね〜♪」

 

みくる「少々お待ちを〜♪」

 

シャロ「え、ええ!?ちょっとココア!?みくるさん!?」

 

2人がシャロを店の奥へ連れて行く。

 

楽兎「おい緑羽太、これって・・・」

 

緑羽太「あぁ、今察した・・・」

 

 

 

 

準備完了。

 

シャロ「皆〜!今日は来てくれてありがとー!」

 

カフェイン導入され、シャロがアイドルみたいになった。

 

チノ「シャロさん!?」

 

リゼ「カフェイン入れたな!?」

 

楽兎・緑羽太「やっぱり・・・」

 

青山「わぁ〜!可愛いですね〜!」

 

ココア「はいはーい!カフェインアイドルコンサートの始まりだよ〜!」

 

みくる「思う存分楽しんで行って下さいね〜!」

 

シャロ「皆ー!盛り上がってるー!?」

 

みくる・青山「わぁー!」

 

シャロ「イエーイ!!ん〜?掛け声が聞こえないぞ〜?」

 

楽兎・緑羽太・チノ「完全になりきってる・・・」

 

シャロ「Hi Hi High☆聴いてね!イエーイ!!」

 

 

 

 

 

 

『Hi Hi High☆』

 

 

 

 

 

 

歌ったシャロに拍手喝采。

 

チノ「凄い!本当にアイドルみたいでした!」

 

青山「ビビッと来ました!良い原稿が書けそう!!」

 

緑羽太「シャロの勇姿、バッチリ収めたぜ!」

 

シャロ「っ!!・・・・・わ、私引退します!!!探さないで下さーーーい!!!」

 

楽兎・チノ「カフェイン抜けた!?」

 

シャロが逃げた。

 

チノ「シ、シャロさん!?」

 

ココア「シャロちゃん!?」

 

みくる「もう待ってよ〜!」

 

逃げたシャロを追う。すると千夜が立ち上がった。

 

リゼ「千夜?」

 

千夜「あの程度でアイドルとは笑わせるわね!!」

 

リゼ「千夜に火が点いた!?」

 

楽兎「ライバル心が燃えてる!?」

 

 

 

 

衣装に着替えた千夜に、ココアと青山とみくるが懐中電灯を照らす。みくるはシャロを抱いたまま。

 

千夜の祖母「懐中電灯だなんて、全く近頃の若いもんは。」

 

持ってるリモコンを押した。すると天井が開き、ミラーボールが現れた。

 

楽兎・緑羽太・リゼ「ミラーボール出て来た!?」

 

千夜の祖母「強欲だねぇ。そんなにキラキラが欲しいだなんて。」

 

音楽が流れた。演歌風。

 

リゼ「演歌かよ!?」

 

千夜の祖母「素材が良いんだから、もっと輝けば良いじゃないか。」

 

千夜「ありがとー!」

 

千夜の祖母「花の命は短いが、乙女の命はけっこーう長い!遥かなる時を越え、千の夜を語り継ぐ!現在のシェヘラザード!甘兎庵の看板娘が歌います!」

 

 

 

 

 

 

『振り向けば月、いいえ団子』

 

 

 

 

 

 

その後も彼女達の歌が続く。チノが微笑み、楽兎は見惚れ、緑羽太は沢山のビデオカメラを回す。

 

チノ「あ、あの!」

 

ココア・リゼ・千夜。シャロ「ん?」

 

リゼ「わ、悪い!チノそっちのけで楽しんでしまった・・・」

 

シャロ「振り回されまくってますね。」

 

ココア・千夜「何に振り回されているのかな?」

 

シャロ「あんた達よ!この振り回し隊!」

 

ココア「振り回し隊?そう、私達は・・・」

 

ココア・千夜「振り回し隊!イエーイ!!」

 

楽兎・緑羽太・みくる「ユニット結成した!?」

 

シャロ「くっ・・・先輩!チノちゃん!振り回され隊で応戦よ!!」

 

楽兎・緑羽太・みくる「ユニット再結成した!?」

 

ココア「チノちゃんはこっちに入れたいね!」

 

リゼ「チノは振り回さないだろ!」

 

振り回し隊と振り回され隊のチノ奪い合いが始まった。

 

チノ「振り回され隊は私だけで十分です!!!!!」

 

楽兎・緑羽太・みくる・ココア・リゼ・千夜・シャロ「嘗てない大声!?」

 

青山「歌姫三歩、一両村っと。何か違う気もしますが、まぁ良いでしょう。良い原稿が書けそうです。」

 

楽兎「・・・俺達は何隊だ?」

 

緑羽太「う〜ん・・・見守り隊だな。」

 

みくる「こっちも結成したね!」

 

 

 

 

 

 

その夜、ココアが浴槽の掃除をする。

 

ココア「ご苦労様クロワッサン〜♪頑張るあなたにメロメロメロンパン♪」

 

 

 

 

一方タカヒロの部屋では、タカヒロが着替え中にココアの歌が聞こえてる。

 

タカヒロ「フフッ。」

 

 

 

 

キッチンでも、楽兎とチノが食器洗い中にココアの歌が聞こえてる。

 

チノ「変な歌です・・・」

 

楽兎「何ちゅう歌だよ・・・」

 

そこにタカヒロが来た。

 

チノ「お父さん!」

 

楽兎「タカヒロさん!」

 

タカヒロ「明日は音楽会だな。」

 

チノ「は、はい。その、緊張して、ちゃんと出来るか不安で・・・」

 

タカヒロ「お母さんがよくバータイムに歌っていた事、覚えてるかい?」

 

チノ「ハッキリとは・・・」

 

タカヒロ「楽兎君は覚えているよね?」

 

楽兎「はい。懐かしいですね。」

 

タカヒロ「お母さん歌う前、実は何時も凄く緊張してたんだよ?」

 

チノ「え?」

 

楽兎「え、意外です。」

 

タカヒロ「もう無理、今日はあなたが歌って。と、毎回言われたよ。フフッ。」

 

チノ「そうだったんですか・・・」

 

楽兎「サキさんはずっとはっちゃけっていましたら、恥ずかしがり屋だったなんて凄く意外です・・・」

 

タカヒロ「うん。でもね、歌い出すと楽しくなって来るって言ってた。」

 

チノ「?」

 

タカヒロ「自分の歌に喜んでくれる人が居る。それが嬉しいってな。喜んでくれる人は、楽兎君もそうだよね?」

 

楽兎「えぇ。サキさんの歌を喜ぶ人は俺も含みます。サキさんの歌、感動したの今でも覚えていますよ。」

 

チノ「・・・・」

 

タカヒロがチノを優しく撫でる。

 

チノ(喜んでくれる人が居る・・・)

 

 

 

 

 

 

部屋で家族の思い出のアルバムを見る。中にはホームステイに来てくれた楽兎との思い出も。

 

楽兎「どれも懐かしいね。」

 

チノ「はい。」

 

楽兎「あ、これ俺と一緒に寝た時の写真だね。」

 

チノ「この頃の私、楽兎さんに凄く懐いてましたね。」

 

楽兎「そうだったね。本当の妹みたいで可愛かったよ。勿論、今でも可愛いよ。」

 

チノ「や、止めて下さいよ・・・」

 

そこにココアが来た。

 

ココア「お風呂湧いたよ〜!」

 

楽兎「ビックリしたぁ・・・」

 

チノ「コ、ココアさん・・・いきなり入って来ないで下さい・・・」

 

ココア「チノちゃん楽兎君、何見てるの?」

 

チノ「昔の写真です。」

 

楽兎「思い出のアルバム。」

 

ココア「これチノちゃん!?わぁ!今と変わらない!!」

 

チノ「全然違います!何年経ってると思ってるんですか!」

 

ココア「ねぇ楽兎君、小さい頃のチノちゃんってどんな子だったの?」

 

楽兎「そうだなぁ〜・・・ちょっと人見知りだけど、俺に凄く甘えてたよ。」

 

ココア「へぇ〜!」

 

チノ「楽兎さんも何言ってるんですか!」

 

楽兎「いやぁごめんごめん。でも昔からチノちゃんは変わらないね。」

 

ココア「うん!さっきの言葉は、今と変わらず可愛いって事だよ!」

 

チノ「え・・・?」

 

ココア「お?やっぱり今の方が可愛いかな?」

 

楽兎「でも昔も今も可愛いよな。」

 

チノ「な、何言ってるんですか・・・」

 

ココア「あれ?」

 

楽器を弾いてるタカヒロとリゼの父と、歌ってるサキの写真を発見。

 

ココア「これ、タカヒロさんとリゼちゃんのお父さん?」

 

チノ「そうです。」

 

ココア「この真ん中の人は?」

 

チノ「母です。」

 

ココア「えぇ〜!?チノちゃんが歌上手なのは、お母さん似なんだね!!」

 

チノ「上手かは分かりませんが・・・でも私・・・」

 

はっちゃけてるサキの写真。

 

チノ「ここまでアクティブじゃないです!」

 

ココア「弾けてるね!!」

 

楽兎「いやぁ〜、はっちゃけてますねぇ〜。あの頃が懐かしいですねぇ〜。」

 

 

 

 

 

 

2人で入浴。

 

ココア「ふぅ〜・・・気持ち良い〜・・・」

 

チノ「私、本当は断ろうと思ったんです・・・」

 

ココア「え!?」

 

チノ「でも、お父さんが時々お母さんの歌を聴いてたのを思い出して、お母さんの様に・・・ううん、そこまでじゃなくても・・・頑張れたら喜んでくれるかなって。」

 

 

 

 

バータイムでは楽兎も来ており、カフェラテを飲みながらタカヒロと一緒にサキの歌を聴いている。

 

 

 

 

ココア「チノちゃん・・・」

 

チノ「それと・・・」

 

ココア「それと?」

 

チノ「い、いえ。何でも無いです。」

 

ココア「よ〜し!お姉ちゃんからの応援歌だよ!」

 

チノ「応援歌?」

 

ココア「ご苦労様クロワッサン〜♪可憐に華麗なカレーパン♪」

 

チノ「その変な歌はご実家のテーマソングですか?」

 

ココア「ラビットハウスのテーマソングだよ!」

 

チノ「パンの事しか歌ってない!?」

 

ココア「さぁチノちゃんもご一緒に!」

 

 

 

 

 

 

バータイムでは。

 

タカヒロ「バゲット化けて出るよ♪」

 

ティッピー「誰が化けうさぎじゃ!!」

 

楽兎「お、化けうさぎが喋りましたね。」

 

ティッピー「楽兎!お前までわしを馬鹿にするのか!」

 

楽兎「どうだろうねぇ〜?」

 

 

 

 

 

 

夜明け前、楽兎とココアが家から出て何処かへ向かう。タカヒロは2人を見送った。チノはまだ部屋で寝ている。

 

 

 

 

 

 

甘兎庵。

 

シャロ「こんなんじゃ終わらないわよ?」

 

ココア「チノちゃんが中々寝なかったの。やっぱり緊張してるからかな?よし。どう?」

 

『チノちゃんお姉ちゃん”ってよんで♡』のオリジナルうちわの完成。

 

ココア「これでチノちゃんがお姉ちゃんって呼んでくれるかな?」

 

シャロ「何のアピールよ!?」

 

楽兎「合唱中に言えるか!」

 

千夜「こんなのはどうかしら?」

 

『冷やし抹茶はじめました 甘兎庵』の宣伝うちわ。

 

楽兎「自分の店の宣伝うちわ!?」

 

シャロ「チノちゃんの応援グッズ作るんじゃなかったの!?」

 

千夜「冷やし焙じ茶の方が良かったかしら?」

 

楽兎・シャロ「そう言う問題じゃない!!」

 

ココア「千夜ちゃんにしてはメニュー名が普通過ぎるって事だよ。」

 

シャロ「そう言う問題でもない!!」

 

みくる「でも千夜ちゃんらしい!」

 

楽兎「お前まで千夜を味方にする気か!?」

 

千夜「逆に羊羹を温かくして・・・」

 

シャロ「違ーーーーーう!!!!」

 

楽兎「はぁ・・・緑羽太の方は?」

 

緑羽太「おう!これだ!4K画質を装備し、録画時間が倍の最新ビデオカメラ!これでチノちゃんの本当の勇姿を収めるぜ!」

 

楽兎「マヤちゃんとメグちゃんの勇姿も撮れよな?」

 

緑羽太「任せとけって。チマメ隊や他のクラスの勇姿をこの手に!」

 

ココア「ん〜、やっぱり電飾点けた方が目立つかな?」

 

シャロ「迷惑でしょ!」

 

みくる「目立ったら逆効果だよ?」

 

ココア「チノちゃんに良い所見せたいの!」

 

シャロ「それ良い所じゃなくて、悪い所よ・・・」

 

みくる「良い所見せたいんだったら、ラビットハウスで頑張れば良いと思うよ?」

 

千夜「そうだ!お店のミラーボールを持って行ったらどうかしら!」

 

ココア「目立つね!」

 

シャロ「追い出されるわよ・・・」

 

楽兎「それ以前に持ち込み禁止だろ。」

 

ココア「あ!マラカス!テキーラ!ハラペーニョ!」

 

千夜「法螺貝もどうかしら!」

 

楽兎「口動かしてないで手を動かせ!!」

緑羽太「口動かしてないで手を動かせよ!!」

みくる「口動かしてないで手を動かして!!」

シャロ「口動かしてないで手を動かしなさい!!」

 

ココア・千夜「はーい!お母さん!お父さん!」

 

楽兎・緑羽太「誰がお父さんだ!!」

シャロ・みくる「誰がお母さんよ!!」

 

シャロ「ほらココアはお茶作って!千夜は法被縫って!私は鉢巻縫うわ!」

 

ココア・千夜「おぉー!」

 

 

 

 

 

 

夜明け。いよいよ音楽会。

 

 

 

 

中学校の音楽堂に保護者等のお客達が入る。

 

 

 

音楽堂の裏。

 

マヤ「いよいよだね!」

 

メグ「ココアちゃん達来てるのかな?あれ?チノちゃん緊張してる?」

 

チノ「え・・・?」

 

マヤ「体が少し震えてるよ?」

 

メグ「いざとなったら私がバレエでフォローするから!!」

 

チノ「私より緊張してませんか!?」

 

マヤ「こうやってチノの緊張を吸収してるから安心して!!」

 

チノ「2人の方が心配になってきました!!」

 

2人の方が緊張していた。

 

メグ「キンチョウキュウシュウ〜!!」

 

マヤ「あはは!今のメグの喋り方、宇宙人みたい!」

 

メグ「ワレワレハウチュウジンダ〜!!」

 

マヤ「あはは!ワタシモウチュウジンダ〜!!」

 

チノ「くすっ。」

 

マヤ「あ!チノやっと笑った!」

 

チノ「え?」

 

メグ「その調子でね!」

 

チノ「はい。ありがとうございます。」

 

アナウンス『お待たせしました。次は、3年生による合唱・木もれび青春譜です。』

 

 

 

 

ステージに3年生が立つ。

 

チノ「・・・・・」

 

やはりまだ緊張している。

 

マヤ「・・・」

 

メグ「・・・」

 

チノ「・・・・・」

 

ココア(チノちゃ〜ん!)

 

チノ「・・・!?」

 

観客席を見ると、ココア達が見えた。緑羽太がビデオカメラを回している。

 

ココア「チノちゃ〜ん!」

 

小声でチノを呼ぶ。

 

メグ「あれ?ココアちゃん達?」

 

マヤ「来てくれたんだ。」

 

チノ(来なくて良いって言ったのに・・・あんな衣装やうちわまで作って・・・全くもう。私の歌で、喜んでくれる人が居るのなら。)

 

緊張が解れたチノが、歌い出す。

 

 

 

 

『木もれび青春譜』

 

チノ『青葉揺らす風が 胸をくすぐる まだ知らない未来の 予感が吹き抜けてく♪』

 

3年生『澄み渡る空(見上げるたび) 光るメロディ(降りそそぐ) 希望乗せて 君のもとへと 陽ざし浴びて(キラキラ揺れて) 流るる運河(反射してる) ほら 笑顔が(笑顔が) 集まる場所で 木もれびの旋律 こころあずけて 慈しみ育む この絆♪』

 

 

 

 

来てくれたのは、タカヒロとリゼの父と恵美も。3人も法被を着て、鉢巻を巻いてる。

 

恵美「癒しの歌声ね。」

 

リゼの父「何で俺まで・・・」

 

タカヒロ「良く似合ってるぞ。」

 

リゼの父「何・・・?」

 

 

 

 

そして楽兎は、密かに涙を流してる。

 

楽兎(チノちゃん・・・)

 

彼の手には、サキの遺影を持っている。更にティッピーは感動して涙を流してる。

 

ティッピー「チノ〜〜〜・・・チノ〜〜〜〜〜!!!」

 

 

 

 

 

 

音楽会が終わって夕方。チノが家路を急いでる。

 

チノ(上手く歌えたかな・・・?皆来てくれて・・・緊張していても・・・楽しく歌ったってお母さんの気持ち・・・少し分かった気がする・・・!!)

 

 

 

 

ラビットハウスに着いた。

 

チノ「た、ただい・・・ま?」

 

入ると、また皆が飾り付けしていた。

 

ココア・リゼ・千夜・シャロ「お帰り〜!」

 

みくる「歌姫様〜!」

 

恵美「チノちゃんお疲れ様〜!」

 

チノ「またやってるーー!?」

 

ココア「チノちゃん・・・凄く良かったよ・・・」

 

リゼ「とっても誇らしかったぞ!勲章物だ!」

 

チノ「飾り付けは止めてって・・・」

 

すると合唱で歌った歌が聞こえた。

 

チノ「こ、この歌・・・」

 

千夜「チノちゃんの歌、録音したのよ!」

 

チノ「録音!?」

 

緑羽太「おまけに録画完備!」

 

チノ「録画まで!?」

 

シャロ「何回聴いて心に来るわぁ〜。」

 

恵美「あの歌、本当に感動したわぁ〜!」

 

ココア「そうだ!レコード作ろう!お客さんにも配るよ!」

 

チノ「レコード・・・!」

 

リゼ「それ面白いかもな!歌姫の喫茶店って感じで!」

 

千夜「甘兎庵でも流すわ!そうだ、グッズ展開しても良いかも!シャロちゃんも協力してね?」

 

シャロ「しょうがないわね!妥協しないわよ!」

 

みくる「私も手伝う!」

 

緑羽太「収録なら俺に任せろ!」

 

ココア「ティッピーもそれで良いよね?」

 

ティッピー「うぅ・・・うぅぅ・・・」

 

恵美「賛同してるみたいね。」

 

ココア「楽しみだね!チノちゃん!」

 

チノ「本当に・・・・・・・」

 

ココア・リゼ・千夜・シャロ・緑羽太・みくる「ん?」

 

チノ「本当にしょうがないお姉ちゃん達です!!!!!!!!」

 

ココア・リゼ・千夜・シャロ・緑羽太・みくる・恵美「嘗てない大声!!!!!」

 

 

 

 

一方タカヒロは、部屋でコーヒーを飲みながら亡き妻サキのレコードを聴いてる。楽兎もコーヒーを飲みながら聴いてる。

 

楽兎「本当、何回聴いても良いですね・・・サキさんの歌・・・」

 

タカヒロ「あぁ。」

 

楽兎「・・・・・」

 

タカヒロ「楽兎君、チノの歌に感動しているね。」

 

楽兎「ええ・・・サキさんに見せてあげたかったです・・・チノちゃんの歌・・・」

 

今も涙を流してる楽兎だった。

 

 

 

 

 

 

数年前、楽兎とチノはサキの歌に感動してる。

 

サキ「さぁ!チノもご一緒に!せーのっ!」

 

チノ「・・・っ!」

 

 

 

 

 

 

夢の中の真っ白な空間。

 

楽兎『ここって事は、サキさんが来たんだな?サキさん!サキさーん!・・・あれ?』

 

返事が来ない。

 

楽兎『居ないのか?』

 

すると後ろから。

 

サキ『ばぁっ!!』

 

楽兎『おわっちょ!?』

 

後ろからサキに脅かされて飛び跳ねた。

 

サキ『うふふっ、久し振りね楽兎君!』

 

楽兎『サキさん・・・いきなり驚かさないで下さいよ・・・心臓バクバクしてます・・・』

 

サキ『ごめんなさいね。次来た時はビックリさせてあげようかなぁ〜って。』

 

楽兎『全く・・・天国でも相変わらずはっちゃけてますね・・・』

 

サキ『私、チノの合唱観れて感動したわ。』

 

楽兎『観れた?あ、もしかして俺が持ってた遺影から?』

 

サキ『えぇ。凄く感動したわ。そして楽兎君、チノの歌を聴いて泣いてたでしょ?』

 

楽兎『バ、バレてる・・・そ、そうですね。チノちゃんの歌と、何よりチノちゃんが彼処まで成長したって思うと涙が・・・』

 

サキ『楽兎君のその言葉、分かるわぁ〜。』

 

楽兎『それとサキさんって、恥ずかしがり屋だったんですね?』

 

サキ『え!?ど、何処でそれを・・・?』

 

楽兎『タカヒロさんから聞きました。チノちゃんもその話を聞きました。』

 

サキ『嘘、主人が・・・?もぉ・・・チノと楽兎君に言わないで言ったのにぃ・・・』

 

赤面して恥ずかしがる。

 

楽兎(可愛い・・・)

 

サキ『で、でも2人だけなら大丈夫だね。他の皆には内緒だよ?』

 

楽兎『分かってますよ。サキさん、これからもチノちゃんの成長を見守って行きます!チノちゃんの従兄として!』

 

サキ『うん!チノを宜しくね!』

 

 

 

 

 

 

数日後の公園。

 

チノ「音楽会、本当に不安だったんですよ。」

 

楽兎「うん。俺もそれ、良く分かるよ。」

 

チノ「でも、全力で歌を楽しんでるココアさん達を見て、やるなら私も全力で楽しもうかなって。」

 

ティッピー「賑やかなのも、偶には役に立つな。でもその言葉、わしに言っても仕方無いぞ?」

 

チノ「そうですね。楽兎さん。」

 

楽兎「うんうん。そうだねチノちゃん。」

 

チノ「帰ったらちゃんと伝えます。」

 

楽兎「ん?チノちゃん、見て。」

 

チノ「?」

 

花畑の花を見た。それは、小さい頃に遊んだ花だった。

 

チノ(お母さん、私は今、素敵な人達と一緒です。だから・・・)

 

すると風が吹き、花びらが舞った。

 

楽兎(サキさん、お元気ですか?チノちゃんはまた一歩成長しました。俺はチノちゃんの歌を喜び、涙を流しました。その事はまだ皆には内緒です。これからもチノちゃんの従兄として、チノちゃんの成長を見守って行きます。)

 

『END』




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

        チノ:水瀬いのり

       ココア:佐倉綾音
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨
        サキ:水樹奈々
      綾部恵美:桑島法子
      リゼの父:東地宏樹
     千夜の祖母:一城みゆ希

       子供達:石橋桃
           七瀬彩夏

第3期へ続く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
タカヒロ「いらっしゃいませ。Daydream Cafeへようこそ。」

楽兎「ごゆっくり、お楽しみ下さい。」



『Daydream Cafe』歌:チノ、楽兎、タカヒロ

チノ・楽兎・タカヒロこころぴょんぴょん待ち? 考えるふりして もうちょっと近づいちゃえ 簡単には教えないっ こんなに好きなことは内緒なの♪」

タカヒロ「ふわふわどきどき内緒ですよ♪」

楽兎・チノ「はじめがかんじん つーんだつーんだ♪」

チノ・楽兎・タカヒロ「ふわふわどきどき内緒だって いたずら笑顔でぴょんぴょん♪」



タカヒロ「扉開けたとたん 見知らぬ世界ヘと♪」

チノ「そんなのないよ ありえない♪」

楽兎「それがありえるかも ミルク色の異次元♪」

チノ「コーヒーカップ 覗いたら♪」

タカヒロ「私が 私を 見つめてました♪」

チノ「なんで?♪」
楽兎「なんで?♪」

チノ「ふたりいる?」
楽兎「うそ!♪」

タカヒロ「困りますね♪」
楽兎「きっと♪」

タカヒロ「おんなじ趣味♪」
楽兎「だから♪」

チノ「誰を♪」
楽兎「見つめるの?君でしょ!♪」

チノ「君だけ見てるよ♪」

タカヒロ「これは夢♪」
チノ「カップの夢♪」
楽兎「飲みほして♪」

チノ・楽兎・タカヒロ「おしまい?♪」



チノ・楽兎・タカヒロ「いつもぴょんぴょん可能! 楽しさ求めて もうちょっとはじけちゃえ (ぴょんぴょんと) 一緒なら素敵だーい! 君に言わせたいから♪」

チノ「言いなさいっ♪」

チノ・楽兎・タカヒロ「こころぴょんぴょん待ち? 考えるふりして もうちょっと近づいちゃえ (ぴょんぴょんと)簡単には教えないっ♪」

楽兎「こんなに好きなことは♪」
チノ「好きだってことは…わわわ!♪」

チノ・楽兎・タカヒロ「内緒なの♪」

タカヒロ「ふわふわどきどき内緒ですよ♪」

楽兎・チノ「はじめがかんじん つーんだつーんだ♪」

チノ・楽兎・タカヒロ「ふわふわどきどき内緒だって いたずら笑顔でぴょんぴょん♪」



チノ「日常のなかにも 不思議の交差点♪」

楽兎「それならあるね ありえるん♪」

チノ「ありえない角度に 切り分けたケーキが♪」

タカヒロ「さすらいウサギ 呼んじゃったよ♪」

チノ「私も♪」
タカヒロ「私と♪」

チノ・タカヒロ「驚きました♪」

楽兎「なんで? なんで? しゃべるウサ?♪」
チノ「まじ!♪」

楽兎「困りました♪」
タカヒロ「熱い♪」

楽兎「お茶を飲んで♪」
タカヒロ「そうだ♪」

チノ「ついに♪」
楽兎「見つけたよ君への♪」

チノ「君との運命♪」
楽兎「いいよね夢♪」
チノ「恋の夢♪」
タカヒロ「初めての♪」

チノ・楽兎・タカヒロ「ときめき?♪」

チノ・楽兎・タカヒロ「胸がらんらん歌う! スキップしながら はにかんで誘ってよ(らんらんと)一緒なら無敵だーい!本音かくせなくなる♪」

タカヒロ「本音だっ♪」

チノ・楽兎・タカヒロ「あしたらんらん希望?今すぐがいいな はにかんで誘ってよ (らんらんと)一瞬だけ耳もと♪ほんとは好きなんだと(好きなんだつまり…ななな!)囁く♪」



チノ・楽兎・タカヒロ「これは夢 カップの夢 飲みほしておねがい!♪」

タカヒロ「いつもぴょんぴょん可能! 楽しさ求めて もうちょっとはじけちゃえ♪」
楽兎「ぴょんぴょんと♪」

チノ「一緒なら素敵だーい! 君に言わせたいから♪」
楽兎「言いなさいっ♪」

チノ・楽兎・タカヒロ「こころぴょんぴょん待ち? 考えるふりして もうちょっと近づいちゃえ (ぴょんぴょんと) 簡単には教えないっ こんなに好きなことは (いいよね夢 恋の夢 好きなんだつまり…ななな!)内緒なの♪」

チノ・楽兎・タカヒロ「ふわふわどきどき内緒ですよ はじめがかんじん つーんだつーんだ ふわふわどきどき内緒だって いたずら笑顔で ぴょんぴょん♪」

『END』


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##BLOOM編##
25羽「にっこりカフェの魔法使い」


ここは木組みの家と石畳の街。この街には、多くの野良うさぎが住んでおり、多くの人々が住んでいる長閑な街。

青山「今日も暑いですねぇ〜。ラビットハウスでアイスコーヒー日和です。」

小説家の青山ブルーマウンテン。




この街にある小さな喫茶店。ラビットハウス。彼女はこの喫茶店の常連客。

青山「あら?」

看板を見ると、『冷やしコーヒーはじめました。』と書かれてあった。

青山「冷やしコーヒー?」

ラビットハウスへ入店。

青山「こんにちは〜。」

ココア「へいらっしゃい!美味しいコーヒー冷えてるよ!」

楽兎以外の全員が浴衣を着ていた。

青山「甘兎庵と間違えましたーー!」

甘兎庵と勘違いして店を出た。

ココア「間違ってないよ!!」

楽兎「浴衣着てる時点でアウトだろ。」

緑羽太「確かに。」


浴衣から何時もの制服に着替え終えた。

 

チノ「やっぱりこの制服が一番落ち着きます。」

 

ラビットハウスの看板娘の香風チノ。楽兎の従妹。

 

リゼ「浴衣は見た目が涼しそうで良いと思ったんだけどな〜。」

 

バイトの天々座リゼ。元軍人の娘。

 

ココア「そう!そこだよ!お客さんに何度も『その服暑くない?』って聞かれてきたよ。」

 

バイトの保登ココア。自称チノの姉。

 

楽兎「皆の制服長袖だもんな。リゼは何回聞かれた?」

 

ラビットハウス店員の綾部楽兎。チノの従兄。制服は夏服。

 

リゼ「今年はまだ2回だ。」

 

楽兎「ココアは?」

 

ココア「私は4回!」

 

ティッピー「23回。」

 

ココア「ティッピーの優勝!」

 

看板うさぎのティッピー。チノの祖父に憑依されて喋れる。

 

緑羽太「何の勝負だ?」

 

カメラマンでラビットハウスの常連客の茶度緑羽太。楽兎の幼馴染み。

 

リゼ「せめて、上着とリボンを取ってみるか。」

 

 

 

 

その後、店の外では。

 

マヤ「冷やしコーヒー?」

 

チノの親友の1人の条河麻耶。

 

メグ「アイスコーヒーとどう違うのかな〜?」

 

チノの親友の1人の奈津恵。

 

 

 

 

2人が店に入る。

 

マヤ「冷やしコーヒー2丁ー!」

 

ココア「キンキンに冷えております。」

 

上着とリボンを外したココア達。

 

マヤ「あれ?新しいバイトの人!?ココア達は!?」

 

メグ「ピンク、紫、水色が居ないね!」

 

チノ「色で認識されてる・・・」

 

緑羽太「キンキンに冷えてやがる〜!」

 

一方の緑羽太は冷やしコーヒーをガブガブ飲んでる。

 

緑羽太「これ良いね!夏に最適!」

 

楽兎「あんま飲み過ぎんなよ?」

 

 

 

 

その後。

 

ティッピー「キンキンに冷えておるわい。」

 

冷やしコーヒーをティッピーがストローで飲んでる。

 

チノ「やはりベストは必要ですね。」

 

マヤ「イメージカラーは大事だよ?」

 

メグ「色々なカラーの制服があるのが、ラビットハウスの良い所だからね。」

 

チノ「色んな色・・・」

 

リゼ「じゃあ今まで通り、この制服で・・・」

 

楽兎「いやでも、真夏でも長袖は暑いだろ?せめて衣替えとか・・・」

 

ココア「そうだよ!無ければ作れば良いんだよ!」

 

チノ・リゼ「え!?」

 

楽兎・緑羽太「作る!?」

 

チノ「私達で作る・・・」

 

ココア「今こそ私達3人の力を合わせる時だよ!」

 

リゼ「そ、そうか!」

 

ココア「涼しくするぞー!頑張って夏の制服を作るぞー!」

 

チノ・リゼ「おーーー!」

 

メグ「何かこの喫茶店。」

 

マヤ「暑苦し〜!」

 

チノ(夏の制服!)

 

緑羽太「そう言や楽兎、お前の夏服マスターの借りてるのか?」

 

楽兎「え?これか?生前のサキさんが作ってくれたんだ。俺への特注品。」

 

緑羽太「へぇ〜。良い叔母さんを持ったもんだな。」

 

 

 

 

 

 

後日。夏服の材料を買いに行ったが。

 

ココア「ふにゃ〜・・・・・」

 

チノ「ココアさん夏バテです!」

 

ティッピー「早くも燃え尽きたか・・・」

 

楽兎「まだ店すら着いてねえぞ。」

 

緑羽太「それに店を出てから数分しか経ってねえぞ。」

 

そこにジュースを買って来たリゼが、ココアの頬にジュースを当てた。

 

ココア「ほわぁ!」

 

リゼ「ほら。」

 

ココア「ありがとう・・・」

 

リゼ「まずは半袖シャツと、薄手のスカートを買おう。既製品で良いだろう。その後、ベストを作る為の生地を買いに・・・うわっ!?」

 

さっきのジュースを頬にお返しをされた。

 

リゼ「お前本当は元気だろ!?」

 

ココア「そんな事ないよぉ・・・」

 

そう言いながらベンチに倒れてしまった。

 

緑羽太「あ〜あ、言わんこっちゃない。」

 

リゼ「本当に調子悪いなら、背負ってやるから乗れ。」

 

ココア「嫌だそんな!チノちゃんの前で!ダメだよ〜。恥ずかしいよぉ〜。」

 

そう言いながらリゼの背中に乗った。

 

リゼ「言ってる事とやってる事が逆だ・・・」

 

楽兎「楽したいだけだろお前。」

 

リゼ「全く、世話の焼ける奴だなぁ・・・」

 

こっそりとココアがチノに手招きした。チノがココアの背中に乗って、リゼが2人背負う事に。

 

リゼ「お、重!!2人も背負えるかーーー!!」

 

緑羽太「いやリゼならこのまま行けそうだな。元軍人の親父さんの娘だろ?」

 

リゼ「どんな理由だよ!!」

 

楽兎「ほら2人共。リゼから降りろ。」

 

 

 

 

商店街に来たが。

 

リゼ「はぁ・・・はぁ・・・」

 

チノ「リゼさんがバテました。」

 

ココア「私達を背負ってくれたばっかりに・・・」

 

緑羽太「リゼしっかりしろ。ジュース買って来たぞ。」

 

リゼ「す、すまない・・・」

 

楽兎「呉服店に来たのは良いが・・・」

 

今日の呉服店はセールをやっていて、女性客が押し掛けていた。

 

楽兎「運悪く今日はセールでごちゃごちゃ状態・・・」

 

チノ「もう1度この中に連れてはいけませんね・・・」

 

楽兎「リゼ、お前は休んでろ。」

 

リゼ「いや・・・まだ・・・体力はある・・・」

 

フラフラになりながらも呉服店へ向かう。

 

楽兎「おいおい無茶すんなよ?」

 

呉服店前に着いたが、女性客が邪魔で入れない。そして弾かれた。

 

チノ「リゼさん!!」

 

緑羽太「もう止めろ!お前の体力が限界だぞ!」

 

リゼ「ま・・・まだだ・・・!!私はどんな敵でも背を向けない・・・!!」

 

楽兎「玉砕する気だ!」

 

そこに1人の救世主が。

 

リゼ「シャロ・・・!?」

 

フルール・ド・ラパンのアルバイトでリゼの後輩の桐間シャロだった。

 

シャロ「リゼ先輩は下がっていて下さい!これは私の戦場です!」

 

リゼ「半袖シャツと・・・スカートを頼む・・・」

 

シャロ「はい!!」

 

彼女は女性客の中を軽々と掻い潜った。

 

リゼ「・・・!!」

 

ティッピー「頼もしい!」

 

シャロが掻い潜っている間に。

 

千夜「あら?ココアちゃん達も来てたのね?」

 

甘兎庵の看板娘でココアの親友の宇治松千夜が来た。

 

ココア「千夜ちゃん!」

 

みくる「おや?お2人も来てたのね?」

 

楽兎・緑羽太「みくる!」

 

更にフルール・ド・ラパンのバイトで楽兎と緑羽太の幼馴染みの鴨田みくるも来た。

 

みくる「ここで何してるの?」

 

楽兎「実はだな・・・」

 

 

 

 

シャロが戻って3人に訳を話した。

 

千夜「成る程〜。ラビットハウスの夏の制服を。」

 

みくる「それで。」

 

シャロ「シャツとスカートを確保して来ました!」

 

ココア「シャロちゃん!」

 

チノ「凄いパワーでした!」

 

リゼ「素晴らしい戦いだった!」

 

緑羽太「あぁ〜、この戦いをYoutubeに収めたかったな〜。」

 

楽兎「他のお客に迷惑だろ。」

 

シャロ「皆で力を合わせて夏の制服を作るって素敵ですね!」

 

千夜「仲が良くて羨ましいわ〜。」

 

ココア「2人もお揃いの夏制服を作れば良いんだよ!」

 

シャロ「私、甘兎庵で働く気ないし。」

 

千夜「え!?」

 

その発言で千夜の心に傷が出来てしまった。

 

千夜「うわあああん!!」

 

シャロ「ちょっと!何なの!?」

 

泣きながら去って行く千夜をシャロが追う。

 

リゼ「忙しくて奴等だな・・・」

 

みくる「でも良いコンビ。じゃあね皆。」

 

2人を追って行くみくる。

 

 

 

 

セールが終わった呉服店に入る。生地を色々見る。

 

チノ「この水色、今と変わりなくて好きです。」

 

リゼ「私も良い紫見付けた!」

 

楽兎「ん〜・・・」

 

緑羽太「何探してんだ?」

 

楽兎「チノちゃんにぴったりな服を作ってプレゼント出来たらな〜って。」

 

ココア「・・・ピンクがない。」

 

全員「え!?」

 

ココア「品切れ?」

 

リゼ「まさか!!そんな訳あるか!!」

 

楽兎「まだ何処かにあるはずだ!!」

 

チノ「ピンクじゃないココアさんって!!」

 

緑羽太「隈なく探すぞ!」

 

ピンクの生地を見付けたが。

 

リゼ「これは蛍光ピンク!」

 

チノ「こっちはドット柄!」

 

楽兎「マゼンタ!」

 

緑羽太「水玉模様!」

 

ココア「控えめにスパンコールとかどう?」

 

リゼ「目立つ気満々だな・・・」

 

楽兎「眩しいだろ・・・」

 

するとチノがココアの手を握り。

 

チノ「ココアさん!諦めてはいけません!他の店も探してみましょう!」

 

ココア「チノちゃん・・・そうだね!!」

 

 

 

 

他の店を探したが、ピンク色が無かった。

 

 

 

 

遂にはチノまでもバテてしまった。公園で休憩する事に。

 

チノ「はぁ・・・はぁ・・・」

 

ココア「チノちゃん大丈夫!?」

 

チノ「大丈夫です・・・少し疲れただけです・・・早く次の店に・・・」

 

ココア「無理しちゃダメだよ!」

 

リゼ「困ったなぁ・・・何軒回っても、理想のピンクが見付からない・・・」

 

チノ「入荷を待ってたら夏が過ぎてしまいます・・・」

 

緑羽太「早く3人の夏服をカメラに収めたいのに〜。絶対バズると思うんだよな〜。」

 

楽兎「ん?チノちゃん、そのメモ帳見せて?」

 

彼女の持ってるメモ帳を見る。

 

チノ「あ、それは・・・」

 

描かれていたのは、ココアの夏服のデザインだった。だが絵が下手だった。

 

楽兎「何だこれ・・・?」

 

緑羽太「ピカソか・・・?」

 

リゼ「ちょっと理解する時間をくれ。」

 

ココア「これ凄く可愛いよ!」

 

楽兎・緑羽太「へ?」

 

リゼ「もしかして、徹夜したのか!?」

 

チノ「うん・・・」

 

ココア「それで余計に疲れて・・・」

 

楽兎「しっかりしてるとは言え、無理しなくても良いのに。」

 

チノ「・・・・」

 

ココア「よし!お姉ちゃんに任せなさい!」

 

チノ「え!?」

 

緑羽太「出たー!ココアちゃんの決め台詞!」

 

ココア「ホラホラ!ウェルカムカモーン!」

 

背中を見せて手招きする。

 

チノ「何ですかそれ!!!」

 

楽兎「チノちゃん、甘えたらどう?たまには。」

 

チノ「楽兎さん・・・」

 

緑羽太「さて、そろそろ晩飯の支度をしないと。じゃあな皆!」

 

楽兎「おう。またな。」

 

緑羽太「制服完成楽しみにしてるぞー!」

 

ここで緑羽太と別れた。

 

 

 

 

 

 

夕方。

 

女の子A「確かに頂いたわ!あなたの夏休みも私のもの!」

 

女の子B「待てー!怪盗ラパーン!」

 

女の子C「私の夏休みを返せー!」

 

近所の女の子達が怪盗ラパンごっこをしていた。

 

 

 

 

チノ「やっぱり降ろして下さい。」

 

ココア「ダメダメ♪」

 

チノ「でも、早く理想のピンク色の生地を探さないと・・・スパンコールは嫌ですが・・・」

 

リゼ「焦らなくても良いんだよ。」

 

楽兎「無理は禁物。」

 

ココア「何とかなーる♪何処かにあーる♪」

 

チノ「何処かに・・・」

 

ココア「そう!何処かに!・・・あれ?」

 

リゼ「どうした?」

 

楽兎「何かあったのか?」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスの倉庫。

 

チノ「倉庫に何の用ですか?」

 

ココア「えっとね・・・何か前に見た気がするんだよね。」

 

リゼ「何を?」

 

ココア「手品セット!じゃなくて。」

 

リゼ「何で手品セットが!?」

 

楽兎「あれ、サキさんの?」

 

チノ「はい。母の趣味です。」

 

ココア「うさぎのおもちゃ〜!」

 

カタカタ動くうさぎのおもちゃ。

 

リゼ「ヒィッ!?」

 

チノ「母と昔遊んだおもちゃです。」

 

楽兎「サキさんの遺産って個性的だな・・・」

 

ティッピー「ワシが買った。」

 

楽兎(お前か。)

 

チノ「でも、これはちょっと整理した方が良さそうですね。ごちゃごちゃです。」

 

リゼ「ああ・・・」

 

楽兎「夏休み中に整理するか。」

 

ココア「あった!!ホラこれ!」

 

何と倉庫にピンク色の生地を発見した。

 

ココア「前に倉庫で見た気がしたんだよねぇ〜!」

 

チノ「り、理想のピンクです!」

 

リゼ「チノのお母さんが遺してくれた生地か!」

 

チノ「これでココアさんのベストが作れますね!」

 

楽兎「サキさん助かりました!」

 

ココア「ううぅぅ・・・お”があさーーーーん!ありがどぉぉぉーーーー!!」

 

チノ「私のお母さんです。」

 

楽兎「俺の叔母だぞ。」

 

リゼ「コ、ココア!裏地を見ろ!」

 

チノ「っ!」

 

ココア「ん?」

 

裏地にうさぎの絵があった。

 

ココア「これは・・・!?」

 

楽兎「うさぎ柄!?」

 

チノ「リバーシブルだから問題ありません!」

 

 

 

 

早速制服を作る事に。チノの部屋に入ると。

 

楽兎「母さん?」

 

恵美「あ!皆来たわね?」

 

楽兎の母親で、ケーキAYABEの店主でパティシエの綾部恵美が入っていた。

 

チノ「恵美さん、どうしたんですか?」

 

恵美「タカヒロから、ココアちゃん達の夏服を作るって聞いたから。裁縫道具をギッシリ用意しておきました!」

 

ココア「凄い!ありがとう恵美さん!」

 

楽兎「じゃあ皆、夏服頑張ってな。母さん、3人を頼むよ。」

 

恵美「任せておきなさい!じゃあねー!」

 

 

 

 

夏服製作開始。

 

リゼ「じゃあ早速寸法を測るぞ!」

 

ココア・チノ「イエッサー!」

 

ココア「あ!10年後はナイスバディになる予定だから緩めにお願いね♡」

 

リゼ「10年も着るのか!?」

 

恵美「でもココアちゃん、10年もラビットハウスで働くの?」

 

リゼ「あ。」

 

ココア「えへへ〜。ついうっかり。」

 

リゼ「将来の事はちゃんと考えてるぞ。」

 

チノ「くすっ。」

 

 

 

 

夏服製作が続き。

 

チノ「ん?」

 

ココアとリゼが眠ってしまった。

 

恵美「あらら、寝ちゃったみたいね。」

 

2人は寝ているココアとリゼのブランケットを被せた。

 

チノ「10年後・・・どんな私達になってるのかな?」

 

 

 

 

 

 

一方のラビットハウスのバータイム。楽兎は水を飲んでる。

 

ティッピー「そうじゃな・・・倉庫もいっぱいだし、雑貨や何かを今度の古物市(プロガント)で売ろうと思うんじゃがな。」

 

楽兎「彼処なら気軽に色んな物が売れますし。」

 

タカヒロ「古物市か。良いんじゃないか?埃を被せておくより、大切にしてくれる人に出会う方がずっと良い。」

 

ティッピー「そうじゃろそうじゃろ?」

 

楽兎「そうだタカヒロさん!化けうさぎも売れると良いですね!」

 

タカヒロ「うん。良いと思うな。」

 

ティッピー「そうじゃな。売れるかな?」

 

楽兎「ティッピーの事だぞ?」

タカヒロ「親父の事だぞ?」

 

ティッピー「何じゃとーーーー!?」

 

怒って体当たりしたが、楽兎が片手で受け止めた。

 

タカヒロ「大丈夫。高く売ってやる。」

 

楽兎「生活費として費やしてやるぜ。」

 

 

 

 

 

 

数日後。古物市(プロガント)

 

ココア「今日のラビットハウスは一味違うよー!いらっしゃいませー!」

 

チノ「並び終えました!」

 

リゼ「小隊整列完了!」

 

楽兎「こっちは異常なし!」

 

恵美「これでOKだわ!」

 

リゼ「更に古着も整列完了だ!」

 

ココア「コーヒーを捨てた雑貨ラビットハウス開店だよ〜!」

 

ティッピー「捨てとらーん!!」

 

古物市(プロガント)は多くのお客達で賑わっている。

 

ココア「他のお店は活気が出て来たね〜!」

 

楽兎「ウェ!?こっちは暗い顔!?」

 

当のチノとリゼは暗い顔をしていた。

 

チノ「これ需要あるんでしょうか・・・」

 

カタカタ動く兎のおもちゃ。

 

リゼ「色々持って来たが、無駄だったかな・・・」

 

ココア「2人共笑顔笑顔!」

 

楽兎「暗い顔してると誰も来ないぞ?」

 

そこに、1人のお婆さんが来た。

 

お婆さん「これ、手作りなの?器用ね〜。孫に買って行くわ。」

 

軍隊うさぎ1羽とボトルシップを買ってくれた。

 

チノ・リゼ「あ、ありがとうございます!」

 

ココア「うん!良い笑顔!」

 

恵美「自然な笑顔!良いわ!」

 

リゼ「う、売れた!」

 

チノ「売れました!あの、こっちは大丈夫そうですし。折角なので他のお店も見て来て下さい。」

 

ココア「良いの!?」

 

リゼ「そうだな。ココアは古物市(プロガント)が初めてなんだろ?」

 

ココア「やったー!」

 

恵美「楽兎。ココアちゃんと一緒に他のお店を回ってみたらどう?」

 

楽兎「そうだな。レアな物とかありそうだし。」

 

 

 

 

2人で古物市(プロガント)を回る事に。

 

楽兎「他の店も凄いな〜。」

 

ココア「感性に突き刺さる物ばかり!これは1日居ても飽きないよ!」

 

楽兎「ん?」

 

向こうを見ると店をカメラ撮影してる男性を発見した。

 

楽兎「緑羽太!」

 

緑羽太「ん?お〜!楽兎にココアちゃん!」

 

その人物の正体は緑羽太だった。

 

ココア「ヤッホー緑羽太君〜!」

 

楽兎「お前ここで何してるんだ?」

 

緑羽太「イベントで古物市(プロガント)開催のチラシが掲示板に貼ってあったから来てみたんだ。どんな賑わいなのかカメラで撮影していたんだ。チノちゃんやリゼと一緒じゃないのか?」

 

楽兎「チノちゃん達も古物市(プロガント)に参加してるんだ。サキさんの雑貨整理の為に。後母さんも来てる。」

 

ココア「あれ!千夜ちゃん!!みくるちゃん!!」

 

千夜「ココアちゃん!?」

 

みくる「あ!楽兎に緑羽太ー!」

 

荷物を持ってる千夜とみくると偶然会った。

 

ココア「随分満喫してるね!」

 

千夜「あ、これはね・・・」

 

楽兎「色々買ってるみたいだな。」

 

緑羽太「あれ?シャロと一緒じゃないのか?」

 

みくる「シャロちゃんなら・・・」

 

シャロ「千夜ああ!!また掘り出し物よ〜!」

 

ココア「シャロちゃん!?」

 

シャロ「ココア!?楽兎さんに緑羽太さん!?取り乱した・・・」

 

緑羽太「その荷物ってまさか。」

 

みくる「うん。全部シャロちゃんが見付けたアンティーク物だよ?」

 

千夜「うふふ。うちのお嬢様ったら、古物市(プロガント)になると張り切っちゃうから・・・」

 

みくる「でもシャロちゃんの笑顔可愛かったわ〜。」

 

シャロ「今日は素敵な陶器と出会う日。だらしない姿で臨めないの。」

 

ココア「お嬢様の余裕を感じるよ!」

 

緑羽太「可憐だねぇ〜!!」

 

シャロ「さっ。千夜、みくるさん、次行くわよ。」

 

千夜「ふぅ・・・ちょっと休んで良いかしら・・・」

 

すると千夜がフラついてさっきシャロが買ったカップを落とした。

 

シャロ「千夜!?ロイヤルラビットのティーカップゥ!!」

 

スライディングキャッチ。

 

ココア「必死!!」

 

楽兎・緑羽太・みくる「ギリギリ!!」

 

スライディングキャッチしたロイヤルティーカップの安否を楽兎が確かめる。

 

楽兎「シャロ、ティーカップ無事だぞ。」

 

シャロ「よ・・・良かった・・・」

 

緑羽太「シャロ、しっかりしろ。」

 

スライディングで倒れたシャロを起こしてあげた。

 

シャロ「ありがとうございます・・・」

 

千夜「シャロちゃん・・・私よりカップの方が大事なのね・・・」

 

シャロ「あーもう!面倒臭いわね!」

 

みくる「泣かないの千夜ちゃん。ホラ。」

 

泣いてる千夜をギューっと抱き締めた。

 

女性「さあさあ!見てって見てって!お買い得だよ!!」

 

ココア「あのお店は活気があるね〜。」

 

千夜「叩き売りよ。話術や交渉で購買意欲を煽っているのよ。」

 

緑羽太「昔バナナの叩き売り見た事あったよな?」

 

楽兎「バナナの叩き売り懐かしいな〜。」

 

シャロ「一種のテクニックね。」

 

ココア「格好良い!私も出来るかな!?」

 

千夜「叩き売りの基本と言ったら・・・よってらっしゃい見てらっしゃい。」

 

ハリセンで叩き売りを真似する。

 

ココア「マイハリセン持って来れば良かった!」

 

シャロ「マイハリセンって・・・」

 

千夜「えっ!?シャロちゃん自分のハリセン持ってないの!?相方なら持ってて貰わないと・・・」

 

シャロ「持つかーーー!!」

 

楽兎「漫才師でも目指すんかい。」

 

ココア「あ!そろそろチノちゃんの所へ戻らないと。」

 

シャロ「え!?先輩達も来ているの?」

 

千夜「何処ら辺で売ってるのかしら?」

 

ココア「付いて来て!チノちゃんとリゼちゃんと恵美さん良い笑顔で売り子やってるから!」

 

楽兎「今日母さんも参加してるんだ。」

 

みくる「おばさんも?会うの楽しみ〜。」

 

 

 

 

 

 

チノ達の所に戻ってみると。

 

ココア「どんよりしてるー!?」

 

3人がどんよりした顔をしていた。

 

緑羽太「うぉ・・・グローバルフリーズが蔓延してる・・・!!」

 

楽兎「どんよりだ・・・!!」

 

千夜「あらあら。」

 

楽兎「え!?売れ残ってるのサキさんの遺産だけ!?」

 

チノ「ガラクタしか見えないでしょうか・・・」

 

ココア「こんなに素敵なのに・・・」

 

シャロ「素敵?」

 

恵美「もうこうなったら私の命でサキに償いをしないと・・・」

 

楽兎・緑羽太・みくる「自決すんな!!」

 

千夜「アピール力が足りないんだわ!」

 

4人がハリセンを握った。

 

千夜「見せてやりましょう!私達の叩き売りを!!」

 

ココア・シャロ・みくる「おーーーー!」

 

リゼ「ど突き漫才かーーー!!!」

 

 

 

 

叩き売り開始。

 

千夜「いらっしゃいませー!」

 

女性客A「ん?」

 

千夜「このうさぎのおもちゃ、表情が良いでしょ?職人の拘りを感じるわ。」

 

女性「そう言われると・・・じゃあ下さいな。」

 

千夜「ありがとうございます。」

 

シャロ「100?それじゃあ今日の夕飯もやし炒めだわ!」

 

女性客B「じゃあ200で!」

 

シャロ「よし売った!」

 

ココア「2体セットじゃなきゃ必殺技が出来ないよ!」

 

子供A「わーい!売って売って!」

 

ココア「毎度ありー!」

 

みくる「このぬいぐるみから溢れ出て来る癒しの雰囲気が見逃せないよ〜!」

 

女の子A「うわぁ〜可愛い!私に下さい!」

 

みくる「お客さん見る目があるね〜!」

 

チノ「4人が輝いて見えます・・・」

 

リゼ「本当に喫茶店店員か・・・?」

 

楽兎「バイトだぞ。1人看板娘だけど。」

 

リゼ「よし!私も負けずに呼び込みだ!」

 

負けるまいと思ったリゼが呼び込みを始める。

 

チノ「あ!あわわ・・・私は何を・・・」

 

楽兎「チノちゃん、俺達も呼び込みしようよ。」

 

チノ「そ、そうですね。」

 

リゼ「チノ!!楽兎!!大変だ!お母さんと逸れたらしい!!」

 

女の子「うわあああああん!」

 

チノ「え!?」

 

楽兎「迷子!?」

 

泣いてる迷子の女の子を連れて来た。

 

リゼ「お母さん捜して来る!チノと楽兎はこの子の事を宜しく!」

 

楽兎「分かった!迅速に頼むぞー!」

 

恵美「どうしたの?泣かないで?お母さんが来るまでおばさん達と遊ぼ?」

 

女の子「・・・う・・・うん・・・」

 

恵美「楽兎。緑羽太君。あやしてあげて?」

 

楽兎「あ、ああ。」

 

緑羽太「よし!お嬢ちゃん、見てて?この魔法のステッキを伸ばしてしんぜよ!ぐぬぬぬぬぬ・・・!!」

 

力を念じる。そして。

 

”ゴスッ!!”

 

緑羽太「ハウッ!?」

 

楽兎「おおい緑羽太!?」

 

緑羽太「み・・・鳩尾が・・・鳩尾が・・・!!」

 

その場に倒れて悶える。

 

恵美「見ちゃダメだよ?物凄く痛いから。」

 

右手で女の子の目を隠して痛々しい光景を見せない。

 

女の子「?」

 

チノ「えっと・・・そんなに泣くと、目がうさぎさんみたいになっちゃいますよ?」

 

女の子「う・・・うさぎさん・・・?」

 

チノ「そ、そうです!えっと・・・こんな風に。」

 

カタカタ動く兎のおもちゃを見せた。

 

女の子「それ・・・目が赤くない・・・」

 

チノ「そ、そうですね。こ、この兎さんは笑う事も出来るんです。」

 

女の子「え?」

 

兎のおもちゃをカタカタ動かす。

 

女の子「・・・変なの!ふふふ!」

 

チノ「フフッ。変ですよね。」

 

ようやく女の子が笑ってくれた。

 

チノ「はい。差し上げます。」

 

女の子「え?良いの!?」

 

兎のおもちゃを女の子に差し上げた。

 

楽兎「サキさんのおもちゃが役に立ったな。」

 

緑羽太「そ・・・そのようだな・・・」

 

恵美「緑羽太君、大丈夫?」

 

緑羽太「ノ、no problem・・・」

 

リゼ「おーーいチノーー!!楽兎ーーー!!」

 

チノ「リゼさん!」

 

リゼ「見付かったぞー!」

 

母親を連れて来た。

 

女の子「お母さーーーん!!!」

 

楽兎「良かった。」

 

女の子「お姉ちゃん!お兄ちゃん!おばさん!ありがとー!!」

 

母親と手を繋いで行った。

 

楽兎「もう迷子にならないでねー!」

 

チノ「お姉ちゃん・・・!」

 

リゼ「良かったな!チノ!」

 

楽兎「サキさんのおもちゃ、気に入って貰えて良かったな!」

 

チノ「はい!気に入ってくれました!」

 

ティッピー「あの子なら大切にしてくれそうじゃのう。」

 

チノ「はい!」

 

 

 

 

 

 

その夜。ラビットハウス。

 

ココア「皆お疲れー!」

 

全員「お疲れ様ー!」

 

古物市(プロガント)の打ち上げが始まった。

 

楽兎「いやぁ〜、色々大変だったけど楽しかったな〜。」

 

緑羽太「すっかり鳩尾の痛みが消えたし。」

 

ココア「あ!そうだ!お店番してたチノちゃんとリゼちゃんにプレゼントがあるんだ!」

 

リゼ「あ、ありがとう!」

 

ココア「綺麗だったからいっぱい買って来たよ!」

 

買って来たものは。

 

チノ「ドアノブ!?」

 

カラフルなドアノブコレクションだった。

 

シャロ「冷静になると悟るのよね。不要な物が増えていく理由を。」

 

千夜「あるあるね。」

 

楽兎「ドアノブマニアの人おったんかい・・・」

 

恵美「これ店のドアに取り付けたら更に繁盛するかも!」

 

緑羽太「恵美さん!それだけで更に繁盛出来るのはどうかと思いますが!?」

 

シャロ「ん?アンタ!それ!」

 

千夜「リゼちゃんの古着買ったの♪」

 

シャロ「ハアァァァァ!?」

 

千夜「新鮮な気持ち〜。」

 

何とリゼの古着を買ったのだ。

 

シャロ「くぅっ・・・!わ・・・私も・・・」

 

リゼ「シャロも買おうとしてくれたのか?」

 

シャロ「あ!いえ・・・先輩のですとその・・・サイズが合いませんし。」

 

リゼ「あ。サイズ小さめの余ってたけど、どうかな?」

 

シャロ「え!?」

 

実際に着てみた。

 

シャロ「このシャツ・・・先輩の匂い・・・」

 

リゼ「シャロー!?」

 

みくる「逝かないでーー!!」

 

シャロが気を失ってしまった。

 

ココア「じゃあ私の着れなくなった服はチノちゃんに!」

 

チノ「似合いませんよ・・・」

 

ココア「ピンク似合うよ!きっと!」

 

チノ「似合いません・・・」

 

仕方無く試着してみると。

 

ココア「ほら似合う!」

 

楽兎「チノちゃん似合うよ!可愛らしくて!」

 

チノ「楽兎さん・・・」

 

みくる「わぁー!可愛いー!」

 

緑羽太「ピンクの服を来たチノちゃん・・・新鮮!!」

 

ココア「えへへ。私もチノちゃんの服ちょーだい。」

 

チノ「それだとただの交換です!」

 

緑羽太「そうだ。俺も面白い物ゲットしたんだ。」

 

みくる「何何?」

 

緑羽太「これだ。」

 

取り出したのはイースターエッグだった。

 

楽兎「イースターエッグか?」

 

緑羽太「そうだ。これでイースターエッグ探しでもやろうぜ今度。」

 

みくる「それ楽しみ〜!私はね、麦わら帽子買ったんだ〜!」

 

紙袋から緑色の麦わら帽子を取り出して被った。

 

みくる「どうかしら?」

 

千夜「まぁ可愛い!」

 

みくる「ありがと千夜ちゃん!」

 

緑羽太「楽兎は何か買ったのか?」

 

楽兎「シークレットだ。」

 

緑羽太「えー?何だよー。教えてくれても良いのに〜。」

 

リゼ「チノー。今日の成果を計算してみたぞ。」

 

チノ「ありがとうございます。」

 

リゼ「こんな感じになった。」

 

チノ(ラビットハウスより売上が良い・・・!?喫茶店を盛り上げないといけないのに・・・)

 

ラビットハウスより成果が上だった。

 

シャロ「気負い過ぎよ?」

 

ココア「私に任せて!これでお店を盛り上げるから!」

 

チノ「手品セット!それ売れ残ってたんですか!?」

 

売れ残ったマジシャンキット。

 

ココア「違う違う。気に入ったから私が買ったんだよ〜。」

 

チノ「え?」

 

売れ残ったのではなくココアが買ったのだった。

 

ココア「今日は物にも歴史がある事を学んだよ。この手品道具の歴史は私が新しく作りたいの!」

 

チノ「歴史・・・」

 

ティッピー「まぁ好きなようにやってみるが良い。」

 

ココア「ティッピーの許可も下りた事だし!始めちゃうよー!」

 

 

 

 

マジックショー開演。

 

ココア「それではココアマジックショータイーム!」

 

みくる「わーい!」

 

緑羽太「ショータイムをしっかり収めるぞー!」

 

ココア「では!この杖に注目!」

 

チノ「新しい歴史が始まってしまいます・・・」

 

リゼ「鳩か!?鳩が出るのか!?」

 

緑羽太「あ、多分あれは・・・」

 

千夜「ライオンが良いわね♪」

 

シャロ「食べられちゃうわよ!」

 

ココア「この杖が伸びて・・・」

 

杖に念じると。

 

”ゴスッ!!”

 

ココア「グハッ!!」

 

腹にジャストミート。

 

楽兎「鳩じゃなく鳩尾だったな・・・」

 

みくる・恵美「上手い。」

 

緑羽太「あ・・・トラウマが・・・」

 

ココア「説明書読んだのにな・・・よぉし!もう1度だよ!」

 

リゼ「次は期待して良いんだな?」

 

千夜「ココアちゃんなら、また期待に応えてくれるわ!」

 

シャロ「それ失敗なんじゃ・・・」

 

みくる「うん。失敗フラグ満々。」

 

ココア「この帽子から花が出たら拍手お願い!そーれ!!」

 

杖で帽子を叩くと、帽子から花が出て来た。

 

チノ「わぁ!」

 

 

 

 

 

 

その夜。チノの部屋。

 

楽兎「チノちゃん。」

 

チノ「楽兎さん?」

 

楽兎が入って来た。手には紙袋が持ってあった。

 

チノ「どうしたんですか?」

 

楽兎「俺も古物市(プロガント)で買って来た物をプレゼントしたくて。」

 

紙袋からある物を取り出した。

 

楽兎「これ。」

 

チノ「わぁ・・・!」

 

可愛らしい水色のワンピースだった。

 

楽兎「これ見てチノちゃん気に入るかなって思って買ったんだ。」

 

チノ「可愛いワンピース・・・」

 

楽兎「今はもう夜だし、明日着てみたらどう?じゃあねチノちゃん。おやすみ。」

 

部屋から出た。

 

 

 

 

 

 

翌朝の楽兎の部屋。

 

チノ「楽兎さんおはようございます。」

 

楽兎「おはようチノちゃん・・・ん?お〜!」

 

チノを見て喜んだ。昨日買ったワンピースを着てたからだった。

 

楽兎「チノちゃんそのワンピース!」

 

チノ「はい。着てみました。どうですか?」

 

楽兎「可愛いよチノちゃん!やっぱり俺の予想は当たってた。俺サイコー!」

 

チノ「自画自賛ですか?」

 

楽兎「ナハハ。チノちゃん、ココアのお下がりも大切にしようね。」

 

チノ「はい。」

 

 

 

 

 

 

後日。ラビットハウス。

 

ティッピー「夏仕様〜♪」

 

ポニーテールのティッピーがウキウキしてる。

 

ココア「どうかな?新しい夏の制服!」

 

チノ「良いです!似合ってます!」

 

リゼ「あぁ!悪くないな!」

 

楽兎「良いね!」

 

遂に、ラビットハウスの夏制服が完成したのだ。

 

ココア「私がこの制服を初めて着た時と同じ反応・・・」

 

チノ「?」

 

リゼ「そうだっけ?」

 

ココア「2人共似合ってるよ!」

 

チノ「で、でも。このデザイン変じゃないですか?あんまり自信無くて・・・」

 

ココア「10年は着たい位良いよ!」

 

リゼ「じゃあ10年経ったらまたチノにデザインして貰おうかな〜?」

 

楽兎「おいおい、あんまりチノちゃんをからかうなよ?」

 

リゼ「よし!開店の準備だ!」

 

ココア「今日も手品で盛り上げるよー!」

 

チノ「あ、あの!ココアさん!リゼさん!楽兎さん!」

 

ココア「ん?何?チノちゃん。」

 

楽兎「どうしたの?」

 

チノ「・・・これからも・・・宜しくお願いします!!」

 

ココア「此方こそ!」

 

リゼ「宜しく!」

 

楽兎「お願いします!」

 

全員が一礼した。

 

ココア「これからも一緒に頑張ろうね!チノちゃん!」

 

チノ「はい!」

 

 

 

 

開店後。緑羽太が来店した。

 

緑羽太「やっほー!」

 

ココア・チノ・リゼ「いらっしゃいませー!」

 

楽兎「いらっしゃい緑羽太!」

 

緑羽太「おお!夏服可愛いじゃないか!」

 

楽兎「3人と母さんで作った夏服だ。」

 

緑羽太「この時を待っていた!3人の夏服の写真を撮ってあげよう!」

 

ココア「良いね!2人共!一緒に撮ろうよ!」

 

チノ「そうですね。」

 

リゼ「折角だからな。」

 

緑羽太「じゃあ撮るよー!はいチーズ!」

 

3人の夏服姿を撮影した。ラビットハウスの新しい物語が始まった。

 

 

 

 

その日の午後。恵美は実家へ帰って行った。

 

『END』




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨
      綾部恵美:桑島法子

       女の子:広瀬ゆうき
           篠原侑
           石橋桃

    おばあちゃん:河村梨恵

タカヒロ「この感じ久し振りだな。」

ティッピー「待ち侘びておったわい!」

タカヒロ「今更だが俺等2人って、誰からか求められてるのか?」

ティッピー「わしは求められておるぞ!!」

次回「幼馴染ハート強奪事件」

作者「遂にBLOOM編スタートしました!」


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26羽「幼馴染ハート強奪事件」

夜・とある美術館。多くの警官達が厳重警備に当たっていた。

警部「ん〜・・・」

厳重警備に当たっている理由は、『今宵 ローズヒップ・ルビーを頂戴します』と怪盗ラパンからの予告状が届いたからである。

警部「ふんっ。例えラパンと言えど、この警備を掻い潜れる訳が・・・」

しかしその時、ローズヒップ・ルビーから突然花吹雪と煙が噴射された。

警部「なっ!?」

煙が晴れると、宝石がカードに摩り替わってしまった。

警部「っ!?」

廊下から走る足音が響いた。

警部「外だ!!」




美術館を出ると。

???「お待たせしたわね!皆さん!」

美術館の屋根の上にライトを照らした。月をバックに現れた怪盗ラパンが立っていた。

ラパン「怪盗ラパン参上!!ローズヒップ・ルビーは頂いたわ!」

警部「くぅ・・・!!捕まえろ!!!」

ラパン「ロイヤルストレートフラッシュ!!」

トランプのカードを警官達に投げた。すると警官達が一気にメロメロに陥ってしまった。

ラパン「これで警部さん達のハートは私のもの。私に盗めない物はないのよ!皆さん、ごきげんよう!」

警部「待てーーーー!!」

ナレーション『見事、我々の心を盗んだラパン。あぁ、美しき怪盗よ。明日は何処に現れる?』

〜See You〜




ココア「今週も面白かったね!怪盗ラパン!」

楽兎「やっぱ毎週見逃せないな!」

3人が観ていたのは、怪盗ラパンと言うアニメだった。

チノ「盗むのって、物だけじゃないんですね。」

ココア「宿題忘れてた!!」

楽兎「大事な物を奪われてしまったな。」

ココア「おのれラパン!!私の時間を盗むとは!!」

急いで宿題しに走った。

楽兎「自業自得だな。」
チノ「自業自得です。」


ある日のシャロの家。シャロは怪盗ラパンのBlu-rayを持ってベッドの上で仰向けになっていた。

 

シャロ「借りて来たのは良いけど・・・テレビが無かった・・・」

 

彼女の家はテレビが無かったのだ。そこに千夜とみくるが入って来た。

 

千夜「シャロちゃーん。ホラー映画でも観て涼みましょ?」

 

みくる「怖いけど面白いよ?これ。」

 

シャロ「ウチじゃ観れないわよ。」

 

千夜「百物語やりましょ?」

 

みくる「どんな怪談があるのか聞かせて?」

 

シャロ「気分じゃないわ。」

 

千夜「肝試ししましょ?」

 

みくる「3人1組になりましょ?」

 

シャロ「毎日毎日しつこいわよ。」

 

千夜「臆病になったものね。」

 

シャロ「ずっと断ってるけど!!」

 

みくる「でもそんなシャロちゃん大好き!」

 

シャロ「何で恋してるんですか!!」

 

 

 

 

一方外では。

 

???「チームビーンズ。現場に到着しました!先に到着した潜入兵、作戦遂行中。」

 

 

 

 

???「ラジャー。フェイズ2に移行する。さぁ!腰を抜かして貰うよ!作戦開始!」

 

???「イエッサー!!」

 

謎の集団が作戦を開始した。

 

 

 

 

シャロ「そもそも何なのよ?その格好は?」

 

みくる「幽霊のコスプレ、可愛いでしょ?これでシャロちゃんに憑依してあげる〜。」

 

そう言いながらシャロに抱き付いた。

 

シャロ「や、止めて下さい・・・」

 

千夜「フフッ。甘兎庵は今、ホラー週間なの。うらめしや〜。」

 

シャロ「そ、そんなもので怖がる訳・・・」

 

???『きゃああああ!!』

 

みくる・千夜・シャロ「ん?」

 

 

 

 

外では。

 

マヤ「まさか!甘兎庵の隣にあったなんて!!」

 

メグ「兎小屋・・・壁の蔦・・・特徴が一致し過ぎてるよ!!」

 

マヤ「街で噂の幽霊小屋だ!!」

 

シャロ「私の家ーーーーー!!!」

 

マヤ「え?シャロ?」

 

メグ「シ、シャロさん後ろ!幽霊が!!」

 

シャロ「ん?」

 

後ろに振り向くと。

 

シャロ「ギャアアアアアア!!!」

 

正体はただのみくると千夜だった。

 

 

 

 

2人を招き入れた。ワイルドギースはマヤに撫でられてる。

 

シャロ「何時の間にか・・・家が街の心霊スポットになっていたなんて・・・」

 

マヤ「学校で噂になってるよ?」

 

みくる「どんな噂なの?聞かせて?」

 

マヤ「辺りに漂う、獣とハーブの匂い。夜、そのオンボロ小屋の前を通ると・・・中から女の子の啜り泣く声が聞こえると言う・・・」

 

 

 

 

『止めて・・・止めて・・・そのハーブだけは・・・止めてーーーー!!!』

 

 

 

 

シャロ「そんな噂が・・・」

 

みくる「それシャロちゃんとワイルドギースの日常茶飯事じゃ?」

 

マヤ「それと、私達3人を誘いに来たんだよ?」

 

みくる・千夜・シャロ「え?」

 

メグ「3人と同じで、私とマヤちゃん幼馴染みなの。この5人で遊びたいな〜って。」

 

マヤ「そうそう!幼馴染みペア同士、冒険に行こうよ!」

 

シャロ「ぼ、冒険?」

 

千夜「まぁ!楽しそう!」

 

みくる「幼馴染みペアって言っても、私1人じゃ・・・」

 

???「お待たせしましたー!」

 

そこに緑羽太がドアを開けた。後ろに楽兎も。

 

みくる「緑羽太!楽兎!」

 

緑羽太「幼馴染みペアなら、こっちは幼馴染み3人衆!」

 

楽兎「みくる、誘いに来たぜ。」

 

みくる「ありがとー!」

 

千夜「どう?シャロちゃん。」

 

シャロ「今から?ん〜・・・しょうがないわね。良いわよ。」

 

千夜「本当!?嬉しい!」

 

みくる「シャロちゃんありがとー!ギュー!」

 

シャロ「く、苦しいです・・・」

 

楽兎「おいみくる落ち着け。」

 

 

 

 

 

 

冒険の舞台は、とある山。その山は不気味を醸し出しており、真っ暗で何が出るか分からない場所。楽兎・緑羽太・みくる組と、マヤ・メグ組が先導する。

 

シャロ「ううぅぅ・・・」

 

千夜「・・・」

 

マヤ「何とか上手く誘えたね。」

 

メグ「うん。良かった。」

 

楽兎「後は計画通りに移行すれば。」

 

緑羽太「全てが完了する。」

 

みくる「私のさっきの演技、最高だね。」

 

千夜「そう言えばマヤちゃん、メグちゃん。」

 

マヤ・メグ「ひゃっ!?」

 

メグ「な、何!?」

 

千夜「・・・2人って双子みたいに仲良しさんね。」

 

メグ「双子・・・?」

 

マヤ「真逆のタイプだよ!千夜とシャロだって、真逆のタイプだよね?」

 

シャロ・千夜「ん?」

 

マヤ「ホラ!髪型とか!千夜とメグはロングだけど、私とシャロはミディアムレアだし!」

 

シャロ「お肉の焼き加減?」

 

楽兎「2人の人肉とか嫌だな・・・」

 

マヤ「大きさも全然違うじゃん!」

 

シャロ(はっ!大きさ・・・大きさ・・・大きさ・・・)

 

身長じゃなく、胸の大きさと勘違いしてしまった。

 

楽兎(あの顔、勘違いしてるな。)

 

シャロ「マヤちゃん!!ハートが大きければ良いのよ!!」

 

マヤ「ん?うん!!ハートはでかく行こうね!シャロ!」

 

メグ「よく分からないけど楽しそう!」

 

千夜「ね〜。」

 

みくる「私って、そんなにでかいかな?」

 

自分の胸を触る。

 

みくる「あ、ちょっとでかいかも。」

 

緑羽太「地雷踏むな!」

 

 

 

 

 

 

しばらく進むと、看板があった。

 

楽兎「やっと着いたな。」

 

緑羽太「作戦開始。」

 

マヤ「うん。それじゃあ!肝試しの説明するよ!」

 

シャロ「え!?肝試し!?」

 

マヤ「この先に小屋があるから、1週して帰って来よう!」

 

シャロ「肝試しって言った!?」

 

メグ「私達が先に出発するから、千夜さん達は少し待ってスタートしてね!」

 

千夜「は〜い!」

 

シャロ「今肝試しって言ったよね!?」

 

楽兎「じゃあまずは俺達からスタート!みくる、行くぞ?」

 

みくる「う、うん。」

 

緑羽太「レッツゴーゴー!」

 

 

 

 

少ししてからマヤとメグが出発した。

 

 

 

 

そして、千夜・シャロ組がスタートした。

 

シャロ「肝試しじゃない・・・これは冒険・・・私達を待っているのは夢とロマン・・・」

 

 

 

 

マヤ「あははははは!」

 

 

 

 

遠くからマヤの笑い声が聞こえ、シャロが元気になった。

 

シャロ「あ!マヤちゃん楽しそう!」

 

千夜「あの子は恐怖を手懐けているだけよ?腹を括りなさい。シャロちゃん。」

 

 

 

 

木陰に緑羽太とリゼが水鉄砲を持って隠れている。

 

リゼ「よし、作戦通りだな。」

 

緑羽太「行くぜリゼ。」

 

リゼ「ああ。」

 

水鉄砲を2人に照準を合わせる。

 

リゼ「2人共覚悟しろ。」

 

緑羽太「恐怖を思い知れ。」

 

水鉄砲を発射。

 

 

 

 

千夜「クシュン!!」

 

しかしタイミング良く千夜がくしゃみをし、水がシャロの顔に直撃した。

 

 

 

 

リゼ「ん?」

 

緑羽太「避けた?なら俺が!」

 

今度は緑羽太が発射。だが千夜がカラスの鳴き声を聞いて止まり、またシャロに水が直撃した。連射するが、千夜の頭に木の葉が落ち、更に三角巾が解けて止まってしまい、全てシャロに命中するばかり。

 

リゼ「千夜だけ全然当たらない・・・」

 

緑羽太「後でシャロに謝罪しなきゃ・・・ってか千夜の奴、回避スキル高過ぎ・・・」

 

 

 

 

シャロ「あ・・・雨かしら・・・?」

 

千夜「ん?」

 

 

 

 

リゼ「ま・・・待ってぇ・・・」

 

緑羽太「置いて行かないでぇ・・・」

 

 

 

 

2人の呻き声に2人が怯えた。

 

千夜「きゃっ!何か、女性と男性の泣き声聞こえない!?」

 

シャロ「聞こえないーーー!!」

 

千夜「で、でも!!」

 

怯える千夜の手を、シャロが握ってくれた。

 

千夜「っ!」

 

シャロ「ほら早く!」

 

千夜「手がビショビショ・・・」

 

シャロ「全部気のせいよ!急いで!」

 

千夜「フフッ。」

 

シャロ「ん?」

 

千夜「昔と逆になっちゃったわね。昔は、怖がるシャロちゃんを私が引っ張ってたのに。もう昔のシャロちゃんじゃないんだなぁ〜って。」

 

シャロ「当たり前でしょ!私だって少しは成長してるのよ!!ワイルドギースとだって暮らしてるし、昔よりちょっとだけうさぎが強くなくなったし・・・」

 

懐中電灯を落として、千夜の両手を握った。

 

シャロ「怖がるアンタの手を引っ張って行く事だって出来るんだから!!」

 

千夜「・・・・シャロちゃん・・・そうね!頼もしいわ!」

 

シャロ「当然よ!」

 

 

 

 

ティッピー『立ち去れ〜。立ち去れ〜。』

 

 

 

 

シャロ「ギャアアアーーーー!!!!」

 

怖がって千夜に抱き付いた。

 

千夜「シャロちゃん、手・・・」

 

シャロ「怖いーー!!幽霊ーーー!!」

 

千夜「ん?あれ!!」

 

前方にぬいぐるみに囲まれてるティッピーとポッポがあった。

 

千夜「な〜んだ。ただのぬいぐるみだったのね。」

 

シャロ「うさぎ怖いーーーーー!!!!」

 

彼女は逃げ出してしまった。ティッピーは嬉しそうに頬を赤らめ、ポッポは嬉しそうに口を動かした。

 

 

 

 

シャロ「イヤーーーーーーーー!!!!!」

 

千夜「ま、待ってーーーーー!!!」

 

走ってる最中に石に躓いた。

 

千夜「シャロちゃん!!」

 

同じく千夜も石に躓いた。

 

 

 

 

目の前の泥の水溜りに転んでしまった。

 

 

 

 

ココア・みくる「うらめしや〜!!」

 

幽霊の姿をしたココアとみくるが驚かそうとしたが。

 

ココア「・・・?」

 

みくる「え・・・?」

 

泥まみれで恐ろしい姿になった千夜に背筋が凍った。

 

ココア・千夜・みくる「ギャアアアーーーー!!!!!」

 

シャロ「・・・ん?ギャアアアーーーー!!!!」

 

泥まみれで幽霊の3人を見てシャロも絶叫した。

 

ココア「お、お化け!!」

 

逃げ出したが、転んでしまった。

 

みくる「い、嫌!来ないで!!」

 

腰を抜かしてパニックになった。そこに楽兎達が駆け寄った。

 

リゼ「おーーい!」

 

チノ「大丈夫ですか!?ココアさ・・・ん?」

 

楽兎「み、みくる?」

 

みくる「た・・・助けて・・・」

 

緑羽太「な、何だこの状況・・・?」

 

 

 

 

 

 

その後、2人に訳を話した。

 

メグ「内緒にしててごめんなさい!」

 

マヤ「全部ココアとみくるが仕組んだ事だったの。」

 

シャロ「ココアとみくるさんが元凶!?」

 

ココア「イエーイ!サプラーイズ!」

 

シャロ「イエーイじゃないわよ・・・もう、リゼ先輩もグルだったなんて・・・」

 

リゼ「待ってる方も怖かったから、おあいこだ!」

 

みくる「私は千夜ちゃんと一緒に居た時から作戦遂行してたの!ビックリしたでしょ?」

 

マヤ「そう言えば、チノと楽兎は何処に居たの?」

 

メグ「姿が見えなかったけど・・・」

 

楽兎「俺はずっと気配を消して2人を監視してたんだ。」

 

リゼ「何処の兵士だよお前・・・」

 

チノ「私はティッピーにここは任せろって言われたんです。」

 

リゼ「逃げたな?」

 

チノ「逃げてないです。」

 

ココア「怖かったんだね!?お姉ちゃんが来たからもう大丈夫だよ〜?」

 

チノ「寧ろ今のココアさんの方が怖いです。」

 

楽兎「チノちゃん、怖かったなら俺と一緒に居れば良かったのに。」

 

チノ「それを忘れていました。」

 

ココア「そんなぁ・・・」

 

千夜「でも、どうして急に肝試ししようと思ったの?」

 

ココア「最近シャロちゃんが遊んでくれないって、千夜ちゃん悩んでたから。」

 

千夜・シャロ「あっ!」

 

みくる「ココアちゃんが私に相談しに来てくれてね、一緒に肝試し計画を作ったんだよ。」

 

千夜「私とシャロちゃんの為に・・・」

 

リゼ「私はサバイバルゲームを提案したんだけどな。」

 

緑羽太「俺はバズり大会を企画してたんだけどな〜。」

 

千夜「ココアちゃんはソウルメイトよ!」

 

ココア「良いって事よ!」

 

みくる「そのソウルメイトに私も混ぜて〜!」

 

2人をギューっと抱き締める。

 

シャロ「それだけでこの肝試しを企画したの!?その行動力は率直に尊敬するわ・・・まぁ、千夜も楽しめたみたいだし、いっか。私もそれなりに楽しめたし。」

 

千夜「ん?」

 

ココア「シャロちゃんも楽しかった?」

 

シャロ「ち、千夜も楽しめて良かったって言ったのよ!!」

 

みくる「もぉ〜、素直じゃないんだから。可愛い〜!」

 

シャロ「だから止めて下さい!もう、暗くなったし帰るわよ。」

 

千夜「はぁ〜い♪」

 

メグ「今回の作戦、成功なのかな?」

 

マヤ「ん〜・・・多分、大成功だよ!」

 

緑羽太「仲睦まじい幼馴染みの2人。尊いね〜!」

 

 

 

 

 

 

その後、甘兎庵の浴室。ココアと千夜とシャロが一緒に入ってる。

 

ココア「ふぅ〜・・・気持ち良い〜・・・ありがとね。千夜ちゃん。」

 

千夜「あんな格好で帰らせたら、またこの街に怪談が生まれちゃうわ。」

 

シャロ「これ以上増えられても困るわよ。」

 

千夜「本当はね、今回の肝試し、ドッキリだって薄々気付いてたの。」

 

ココア「え?」

 

シャロ「もぉ〜!何で黙ってたのよ!幾ら怖い事が好きだからって!」

 

千夜「ううん。ホラーや怪談とかは二の次で、昔みたいにシャロちゃんと冒険気分を味わいたかっただけなの。」

 

シャロ「っ!?」

 

千夜「だから、今回の肝試しは本当に楽しくて、つい内緒にしちゃった。ごめんなさい。」

 

シャロ「千夜・・・も、もう!あれ位全然平気よ!」

 

千夜「シャロちゃん・・・?」

 

シャロ「その・・・今夜位、ホラー映画祭してあげても良いわよ?」

 

千夜「!!」

 

ココア「2人共良かったね!」

 

シャロ「ココアも、今日はありがとう。」

 

ココア「シャロちゃん・・・怒る所かお礼なんて、熱でもあるの!?風邪引いた!?」

 

シャロ「・・・何で言葉通りに受け取らないのよーーーーー!!!!」

 

 

 

 

その後。シャロに緑羽太からの謝罪の電話が来た。

 

緑羽太『本当にすみませんでしたー!水をぶつけてしまって!!』

 

シャロ「あ、あの・・・大丈夫ですよ・・・?」

 

 

 

 

 

 

ある日のラビットハウス。

 

ココア「怪盗ラパン、参上!私に盗めない物は無いのよーー!!」

 

千夜「似てる似てるー!」

 

みくる「ラパンそのもの!」

 

緑羽太「本当にラパンにハマってるねー。」

 

女の子「あ!ラパンだ!」

 

お客さんの女の子がココアのラパンのモノマネに反応した。

 

ココア「狙った獲物は逃がさない!」

 

女の子「逃がさない!」

 

チノ「ココアさん、仕事中に遊ぶのは・・・」

 

楽兎「気持ちは分かるが、今は抑えろ。」

 

ココア「あ!ごめんごめん。チノちゃんも後で遊んであげるからね。」

 

チノ「そ、そう言う意味じゃないです!!」

 

楽兎「子供扱いしてね?」

 

リゼ「その怪盗ラパンって流行ってるのか?」

 

チノ「大人気です。」

 

緑羽太「俺の部屋にグッズや現時点までのBlu-ray揃ってるぜ?」

 

ココア「アクションも多いから、リゼちゃんも楽しめると思うよ?」

 

チノ「原作は青山さんなんですよ?」

 

 

 

 

青山『ウフフフ♪』

 

 

 

 

リゼ「へぇ〜!青山さんはヒットマンだな!」

 

楽兎「それを言うならヒットメーカーだろ?」

 

千夜「そう言えば、怪盗ラパンって、何処かシャロちゃんに似てない?」

 

チノ「外見はシャロさんがモデルだったり・・・」

 

楽兎「確かにそうだな。初めて見た時はシャロだって言っちゃったし。」

 

ココア「ん?あ!!」

 

チノ「どうしたんですか?あ!」

 

窓の外から店内を覗いてる怪盗ラパンの姿が。

 

 

 

 

店の外。

 

ココア「怪盗ラパン!!」

 

シャロ「ヒェーーーー!!!え、ええっとその・・・わ!私にぬ、ぬ、盗めない物は無いのよーーーー!」

 

楽兎「シャロじゃねえか。どうしたんだ?シャロもラパンごっこか?」

 

シャロ「え!?そ、その・・・」

 

ココア「何か事情があるみたいだね?良かったらお話聞くよ?」

 

楽兎「理由があるなら話してくれ。」

 

シャロ「ココア・・・楽兎さん・・・」

 

ココア「ちょっと待って!そのマスク何処で手に入れたの!?私も欲しい!!」

 

シャロ「私の話は!?」

 

楽兎「シャロ、入ってくれ。」

 

シャロ「は、はい。」

 

 

 

 

彼女を招き入れ、事情を聞いた。

 

シャロ「実は今・・・フルール・ド・ラパンが怪盗ラパンとコラボしてるの。」

 

みくる「そうそう。怪盗ラパンは子供達にも人気のアニメでね、子供達がお店に来るようになったんだけどね・・・」

 

 

 

 

シャロ『怪盗ラパン!華麗に参上!』

 

女の子A『警部ー!』

 

女の子B『ふわふわ〜!』

 

シャロ『私の営業スマイルが通用しない!?』

 

 

 

 

みくる「ラパンより警部に人気があってね・・・」

 

楽兎「警部、どんだけ人気あるんだよ・・・」

 

シャロ「ラパンが主役なのに人気が無いなんて・・・その、ちょっと責任感じちゃって・・・」

 

ココア「ラ、ラ、ラパンとラパンがコラボ!?ラパンとラパンが!ラパンなラパンでパパンとパン!?」

 

チノ「落ち着いて下さーーい!!!」

 

緑羽太「ココアちゃんがバグった!?」

 

楽兎「それで、何でさっきウチを覗いてたんだ?」

 

シャロ「ラビットハウスを覗いてたのは、ココアを観察する為だったんです・・・」

 

ココア「私を?」

 

シャロ「子供とも、すぐ仲良くなれるでしょ?」

 

リゼ「あぁ。確かに。」

 

楽兎「凄く子供に懐かれてたし。」

 

ココア「普通にしてるだけなんだけどなぁ〜。」

 

楽兎「自覚無し?」

 

シャロ「心の中に土足で入り込んで馴染んじゃう・・・その才能が羨ましい・・・」

 

ココア「私はお話するのが好きなだけだよ!」

 

シャロ「立派な才能よ!」

 

ココア「大袈裟だって〜。」

 

シャロ「人の心を盗む怪盗ココアだわ!!」

 

ココア「シャロちゃんがこんなに褒めてくれるなんて何か企んでるのーーーー!?」

 

シャロ「素直に褒めてるのーーーー!!!」

 

みくる「またココアちゃんがバグった!?」

 

落ち込むシャロの両手をココアが握った。

 

ココア「でもシャロちゃん。無理して私の真似しなくたって良いんだよ?」

 

シャロ「え?」

 

ココア「私には分かる。子供達が求めてるのは、ラパンの服を着たお姉さんじゃない!!ラパンそのものなんだよ!!!」

 

シャロ「ラパンそのもの!?そんな・・・どうしたら良いの・・・!?」

 

ココア「なるんだよ!!シャロちゃんが、怪盗ラパンに!!!」

 

 

 

 

 

 

その夜。ラビットハウスにて。

 

ココア「怪盗ラパン鑑賞会!始まるよ〜!」

 

みくる「わーい!」

 

シャロ「鑑賞会?」

 

ココア「ラパンを研究して、ラパンになりきる事が出来たら、子供にも大人気だよ!」

 

千夜「ラパンと言うキャラクターを、その魂をシャロちゃんの身体に刻み込むのよ!」

 

シャロ「わ、分かったわ!!」

 

リゼ「初めて観るんだけど、楽しめるかな?」

 

シャロ「私も少ししか観た事なくて・・・分かる範囲で良ければ説明しますね!」

 

リゼ「任せた!」

 

楽兎「ココアー!準備出来たぞー!」

 

ココア「うん!それじゃあ始めるよー!」

 

再生ボタンを押した。

 

 

 

 

始まったのは、何故か時代劇。

 

ナレーション『血と硝煙の香水を纏いながら、鉄の獣を駆ける男達が居た。』

 

男「ふん!!」

 

拳銃を向けた。

 

 

 

 

シャロ「1話は随分と硬派なんですね・・・」

 

リゼ「好きだなぁ〜、こう言うの。」

 

チノ「ココアさん、違う番組再生してます。」

 

ココア「えへへ〜。」

 

緑羽太「本当の再生スタート!」

 

 

 

 

物語はクライマックスへ。海岸の上の墓に花を手向けてる警部。

 

警部「子供には、本当に寂しい思いをさせてしまっているよ。だが、俺は必ずラパンを捕まえてみせる!君が守ろうとした宝石、マローブルーの涙。ラパンは、その秘密を握っているはずだ。」

 

 

 

 

シャロ「うえぇ〜〜〜ん!」

 

リゼ「くっ・・・!!」

 

みくる「うわああ〜〜〜ん!!」

 

ココア「シャロちゃん!?」

 

千夜「リゼちゃんまで!?」

 

楽兎「みくる!?」

 

3人が泣いてしまった。

 

チノ「3人共、大丈夫ですか!?」

 

シャロ「警部に、こんな過去が・・・私・・・奥さんと子供を大事にします・・・!」

 

千夜「感情移入し過ぎよ?」

 

シャロ「私、ラパンの事よく分かってなかったわ・・・決めポーズだって全然決まってなかったし、決めポーズの所だけ、もう1回観ても良い?」

 

ココア「勿論だよ。」

 

楽兎「巻き戻すぞ。」

 

チノ「でもシャロさん、そこまで頑張らなくても・・・」

 

シャロ「ううん。子供達は、本物のラパンに会いに来てるのよ。だから、完璧なラパンを演じて、絶対に喜ばせてみせる!!」

 

チノ「シャロさん・・・」

 

千夜「こうなったらシャロちゃんは止められないわね。昔から凄く頑張り屋さんだもの。」

 

緑羽太「熱心に頑張るシャロ。応援するぜ!」

 

 

 

 

視聴完了後。緑羽太が撮影し、シャロがカードを投げた。

 

楽兎「おっと!」

 

投げたカードを楽兎がキャッチした。

 

シャロ「カードの投げ方はこう!」

 

楽兎「良いぞシャロ!完璧だ!」

 

シャロ「肘の角度は60度前後。手は第10話の角度!これが理想ね!怪盗ラパン!」

 

ココア「参上!」

 

何故かココアもポーズ取ってる。

 

シャロ「私に盗めない物はないのよ!」

 

緑羽太「カーット!OKだ!」

 

千夜「完璧よ!シャロちゃん!」

 

リゼ「あぁ!凄く良くなったな!」

 

チノ「ココアさんのは盆踊りですか?」

 

ココア「違うよー!」

 

シャロ「腕の角度を確認すべきね。」

 

みくる「ココアちゃん、一から特訓だね。」

 

チノ「シャロさんのラパン、凄く格好良いです!きっと子供達にも分かって貰えます!」

 

シャロ「チノちゃん・・・」

 

励ましてくれたチノを抱き締めた。

 

シャロ「うん!私頑張る!!」

 

楽兎「シャロ嬉しそうだな。」

 

ココア「ああ!!チノちゃんのハートが盗まれた!!」

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

千夜「ん〜!朝陽が目に染みるわ〜。」

 

リゼ「華やかな怪盗稼業の裏に、あんな過去があったなんてな!怪盗ラパン、彼女の生き様には心惹かれる物がある!」

 

緑羽太「帰ったらまた視聴し直すぞー!」

 

みくる「私も1話から見なくちゃ!」

 

シャロ「ココア!」

 

ココア「ん?」

 

シャロ「はい、これ。」

 

差し出したのは、ラパンのマスクだった。

 

ココア「ラパンのマスク!!貰っちゃって良いの!?」

 

シャロ「はしゃぎ過ぎ。」

 

楽兎「でも良いのか?」

 

シャロ「お店に沢山あるから大丈夫ですよ。」

 

ココア「わあぁ〜!ありがとうシャロちゃん!」

 

シャロ「お礼を言うのは私の方。助かったわ。本当にありがとう!」

 

ココア「っ!もしかして・・・」

 

シャロ「ん?」

 

ココア「このマスクには・・・相応の見返りが必要なんじゃ・・・!?」

 

シャロ「どうして私の言葉を素直に受け取らないのよーーーーーー!!!!」

 

楽兎「あははは・・・」

 

 

 

 

 

 

フルール・ド・ラパン。怪盗ラパン絶賛コラボ開催中。

 

シャロ「お待たせしたわね!皆さん!」

 

子供達「わぁ〜!」

 

シャロ「怪盗ラパン参上!」

 

完璧な怪盗ラパンになったシャロが現れた。

 

シャロ「私に盗めない物は無いのよ!」

 

子供達「ラパーーン!!」

 

シャロ「そ、そうよ!ラパンよ!」

 

 

 

 

店内に幼馴染み3人組が居た。

 

楽兎「シャロの奴、嬉しそうだな。」

 

緑羽太「完璧にラパンだな。」

 

みくる「特訓した甲斐があったね。」

 

 

 

 

シャロ(何か肩の力が抜けたかも。)

 

すると誰かが現れた。

 

ココア「シャロちゃん!応援に来たわよ!!」

 

シャロ「え!?」

 

千夜「皆ー!そいつは偽物よー!」

 

ココア「本物のラパンは私だーー!!」

 

子供達がココアに集まった。

 

 

 

 

楽兎「ココア・・・?」

 

緑羽太「何してんだ・・・?」

 

みくる「千夜ちゃん、嘘言ってる・・・」

 

 

 

 

シャロ「ぐぬぬぬ・・・営業妨害だわーーーーー!!!」

 

 

 

 

夕方。ココアと千夜は楽兎達から説教を受けた。

 

『END』




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

       女の子:七瀬彩夏

        警官:濱本大史
           綾瀬貴尋
           小船彰人

        警部:中野泰佑

タカヒロ「怪盗タカヒロ参上!予告は頂いて行くぞ!これでこのバーのお客さんのハートは、俺の物!」

ティッピー「捕まえろー!!」

次回「世界のすべては私の経験値」


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27羽「世界のすべては私の経験値」

今日も長閑なこの街。

ココア「ん〜・・・!気持ちの良い朝だね〜!ピッカピカの朝!ピッカピカのお姉ちゃん!」

チノ「全く意味が分かりません。お姉ちゃんだと言うなら朝自分でちゃんと起きて下さい。楽兎さんだって朝自分で起きてますよ。」

ココア「えへへ〜。」

チノ「何で照れるんですか?じゃあ。」

ココア「また後でね〜!」

2人はそれぞれの学校へ登校する。するとココアがチノに向かって。

ココア「チノちゃーん!後半年経ったら、こっちの道に来られるねー!」

チノ「え?」

ココア「同じ高校に通える日が楽しみだよー!」

チノ「まだ何処へ行くかは決めてませんからー!」

ココア「ヴェ!?」

全速力でチノの目の前まで来た。

ココア「じゃあ今すぐ決めようよ!!決めて!!どう!?決めた!?」

チノ「そんな簡単に言わないで下さい!遅刻しますよ?」

ココア「ウェルカムカモーンだよー!」




しばらく歩いたチノが、考え事をした。

チノ「高校・・・」


中学校。

 

チノ「高校の?」

 

マヤ「説明会?」

 

メグ「うん!2人も一緒にどうかなって。志望校まだ決めてないよね?」

 

マヤ「メグの志望校って、あのごきげんよう高校でしょ?」

 

 

 

 

生徒達『ごきげんよう!』

 

リゼ『ごきげんよう!』

 

シャロ『ごきげんよう!』

 

ごきげんよう高校とは、リゼとシャロが通っているお嬢様学校の事である。

 

メグ『ごきげんよう!』

 

リゼ・シャロ・メグ『ごきげんよう!』

 

 

 

 

マヤ「メグがごきげんよう症候群になってしまう!!」

 

メグ「もう、大袈裟だよ。そんな風にならないって。」

 

マヤ「あの学校、堅苦しそうだし、倍率高いし、授業も結構難しくて、試験も多いし、大変そうだよ!」

 

想像しただけでガクガク震えてしまった。

 

チノ「詳しいですね。」

 

マヤ「ホラ!前にリゼが言ってたじゃん?」

 

メグ「そうだっけ〜?」

 

チノ「私はまだ志望校は決めてませんし、参考になるかも知れないので良いですよ。」

 

マヤ「!」

 

メグ「良かった〜!実は1人だとちょっと不安だったんだ〜。」

 

マヤ「はぁ・・・分かった!私も行くよ!メグとチノがごきげんよう症候群になったら大変だし。」

 

メグ「ありがとうマヤちゃん!じゃあ、見学の届け出しとくね!」

 

マヤ「・・・・・」

 

チノ「?」

 

何かを考えてるマヤに、チノが疑問を抱いた。

 

 

 

 

 

 

同じ頃、ココアと千夜が通う高校では。

 

委員長「と言う訳で、文化祭の出し物は喫茶店に決めました。実行委員長は、実際に喫茶店で働いている千夜さんに。同じくココアさんが副委員長に決まりました!」

 

ココア「は〜い!」

 

千夜「力の限り頑張ります!」

 

もうすぐ文化祭が開催される為、出し物を決めていた。

 

ココア「そう!私達が実行委員に選ばれた以上!」

 

千夜「妥協と敗北は許されないわ!!今年の文化祭は!!」

 

ココア「戦争です!!」

 

クラスメート達「大袈裟な!!」

 

千夜「やりましょう!ココアちゃん!」

 

ココア「うん!千夜ちゃん!」

 

ココア・千夜「私達に〜・・・任せなさーい!!」

 

お決まりのポーズ!2人バージョン。ここでクラスメートのレイが挙手した。

 

レイ「はーい!経験者と言っても、ココアと千夜が働いている所想像出来ませーん!」

 

ココア「フッフッフッ。私達の別の顔を知らない人も居るみたいだね。千夜ちゃんのお盆三刀流は名人の域だよ!!」

 

カノ「仕事関係無い!?」

 

千夜「それだけじゃないわ。ココアちゃんの日向ぼっこ振りは、お客さんの関心して褒める程よ!!」

 

カノ「サボってんじゃねえか!?」

 

千夜「どう?」

 

ココア「凄いでしょ?」

 

クラスメート達「凄くねえよ!!」

 

 

 

 

 

 

夕方の下校道。

 

ココア「ワクワクする喫茶店にして、チノちゃんに楽しんで貰うんだ!この高校に通いたいなって思うように!そうそう!千夜ちゃんの司会進行、凄く良かったよ!いよっ!文化祭実行委員長!」

 

しかし千夜は乗る気しなかった。

 

ココア「千夜ちゃん?」

 

千夜「わ、私・・・皆を仕切るなんて初めてで・・・無事成功出来るのかしら・・・!?」

 

ココア「千夜ちゃん!?」

 

急に千夜が怯えた。

 

千夜「こんなんじゃ将来・・・甘兎庵社長として・・・やっていけないわあああああ!!!」

 

その場で泣き崩れた。

 

ココア「千夜ちゃん!?」

 

千夜「こんなにプレッシャー感じるなんて思わなかったの!!!うっ・・・うっ・・・!」

 

泣き崩れた千夜をココアが優しく抱擁した。

 

ココア「よーしよし。一緒に頑張ろうね〜。」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウス。

 

ココア「私、明日から文化祭の準備で、しばらくバイト休ませて貰います!」

 

チノ「凄く張り切ってますね。」

 

ココア「フッフッフッ。楽しみにしててよ?ワックワクのモッフモフだよ!!」

 

楽兎「全然分からん。」

 

緑羽太「あはは・・・」

 

リゼ「ココアのクラスは何をやるんだ?」

 

ココア「飲食店だよ!今年は地域と協力するの!」

 

楽兎「地域と協力?壮大だな。」

 

ココア「うん。街の畑で採れた野菜や果物を提供してくれるんだって!」

 

リゼ「へぇ〜!」

 

ココア「だから出し物は飲食店が多いの!」

 

チノ「収穫祭って感じですね。」

 

楽兎「チノちゃん、ラビットハウスも協力したら店の宣伝になるかもだよ?」

 

チノ「そうですね!」

 

ココア「皆でティッピー帽子被るとか!」

 

リゼ「良い宣伝になりそうだな!提案してみてくれ!」

 

ココア「どうせなら!ティッピーも教室に居て貰おうよ!」

 

ティッピー「なぁ!?」

 

チノ「人気出そうです!」

 

ティッピー(何故コーヒーを提供するのではなく、ワシの提供なんじゃー!?)

 

楽兎「ティッピーを教室に置いたら、子供達からモフモフされまくりだな。」

 

緑羽太「ティッピーモフモフだからなぁ。」

 

ココア「そうだ!楽兎君!」

 

楽兎「何だ?」

 

ココア「ポッポちゃんも出そうよ!」

 

楽兎「ポッポも?」

 

そこにポッポがカウンターに飛び出た。

 

楽兎「ポッポ、出れそうか?」

 

ポッポは口を動かした。

 

楽兎「・・・ちょっと考えてみるか。」

 

緑羽太「そうだ!紅音も文化祭に誘ってみるか。」

 

LINEで妹の紅音を誘ってみる。

 

 

 

 

 

 

夜の甘兎庵。千夜が喫茶店の意見を纏めていた。シャロとみくるが手伝いに来てる。

 

千夜「学校でも作れる料理。皆の意見を纏めると・・・」

 

シャロ「大変ね。実行委員長。」

 

みくる「余程プレッシャーに圧倒されたんだね。」

 

千夜「この予算じゃ、カーテンのグレードを下げないと行けないわ・・・」

 

シャロ「ねぇ、どんな感じかちょっと見せて?」

 

みくる「私もみたい。」

 

千夜「ダメ!!クラスの皆との秘密だから!!」

 

シャロ「っ!?プゥ!」

 

みくる「ムゥ!」

 

怒ってむくれた。

 

千夜「はっ!一瞬シャロちゃんとみくるさんがフグになった気が・・・」

 

シャロ「き、気のせいよ!」

 

みくる「幻だよ!」

 

シャロ「まぁ頑張りなさい。」

 

 

 

 

 

 

一方、ラビットハウス・ココアの部屋。

 

ココア「リゼちゃんとシャロちゃんの高校の見学会!?」

 

楽兎「メグちゃんの誘いで?」

 

ココア「良いなぁ〜。私も行きたいなぁ〜。」

 

チノ「ココアさんは自分の学校へ行って下さい。」

 

ココア「えへへ・・・」

 

楽兎「チノちゃん、説明会って保護者同伴とかある?」

 

チノ「はい。確かあったってメグさんが言ってました。」

 

楽兎「なぁ、俺を同伴してくれるか?チノちゃんの従兄だし、それにリゼとシャロの高校はどんな感じか見てみたいし。」

 

チノ「良いですよ。ココアさんの学校って、どんな感じなんですか?」

 

ココア「楽しいよ!面白いよ!モフモフだよ!」

 

楽兎「全然分からん・・・」

 

チノ「何ですか?モフモフって・・・」

 

ココア「ん〜・・・リゼちゃんの学校も楽しそうだな〜。」

 

楽兎「でも彼処、この街のお嬢様学校だろ?偏差値高そうな感じ。」

 

ココア「ん〜・・・あ!もしチノちゃんが気に入っちゃったら・・・!?」

 

チノ「そのまま受験するかも知れないですね。」

 

ココア「オーマイガー!!」

 

ベッドにぶっ倒れてしまった。

 

楽兎「あ、撃たれた。」

 

ココア「わ・・・私の・・・妹と一緒に高校見学が・・・で・・・でもそれがチノちゃんの選んだ道なら・・・お姉ちゃんは・・・」

 

チノ「・・・フッ。」

 

ココア「っ!?もお!お姉ちゃんをからかっちゃいけないんだよ!?」

 

楽兎「俺の従妹だぞ?」

 

チノ「はいはい。」

 

 

 

 

 

 

後日。学校の説明会の日。

 

メグ「2人共こっちだよー!」

 

今日のメグはウキウキしていた。

 

チノ「メグさん楽しそうです。」

 

マヤ「テンション高いなぁ〜。」

 

チノ「楽兎さん、緑羽太さん、みくるさん、同伴してくれてありがとうございます。」

 

楽兎「良いよ良いよ。」

 

緑羽太「俺も、2人の高校がどんな所か見てみたいし。」

 

みくる「私も、シャロちゃんに会いたいし。」

 

楽兎・緑羽太「お前は何しに来たんだよ!!」

 

 

 

 

いざ、学校の前に立った。

 

マヤ「何だこれ!?ラスボスの城か!?」

 

チノ「ここまで近付いたのは初めてです。」

 

楽兎「凄え学校だなぁ。」

 

緑羽太「まぁお嬢様学校だし。女子校だし。」

 

みくる「さてと、シャロちゃん何処かな〜?」

 

メグ「よし、行こう!」

 

マヤ「おぉ行った!メグは勇者だなぁ!」

 

チノ「お姫様の皮を被った勇者です。」

 

 

 

 

受付で楽兎達が保護者同伴の名札を貰った。

 

 

 

 

講堂で説明会が開かれた。

 

凛『OGの真手凛です。今は出版社に勤めています。』

 

 

 

 

チノ(あの人、確か青山さんの・・・)

 

楽兎(青山さんの担当者だ・・・)

 

 

 

 

凛『ーーーー少しハードルが高いかと思っていましたが、先生に勧められて、特待生で入る事になりました。』

 

 

 

 

マヤ「ふぅ〜ん、特待生ね〜。」

 

みくる「シャロちゃんと同じだね。」

 

メグ「し〜。」

 

みくる「おっとごめんね。」

 

 

 

 

凛『本当にやっていけるのか、付いて行けるのだろうかと、そんな私に思わぬ出会いが待っていました。誰かと出会う事によって、人は自分に秘められた新しい可能性を知り、成長する事が出来るのです。私は1人の先輩と出会った事により、人生が大きく変わりました!私は知ったのです!出会いが大切だと!』

 

 

 

 

チノ(出会いが大切・・・出会いが人生を変える・・・)

 

初めてココアと出会ったあの日を思い出した。

 

チノ(そう言う事もあるのかも・・・)

 

 

 

 

凛『先輩に振り回される日々は、私に充実した経験と、未来への道を開く切っ掛けを与えてくれました。』

 

すると後ろにスクリーンが下りた。

 

凛『そして・・・』

 

後ろのスクリーンに・・・

 

 

 

 

 

 

青山ブルーマウンテンの指名手配書が映し出された。

 

 

 

 

 

 

全員「おぉー!!」

 

チマメ隊(青山さーーん!?)

 

楽兎・緑羽太・みくる(指名手配されてるー!?)

 

凛『今でもその先輩に振り回されています!!!この人見掛けたら連絡下さーーーーい!!!』

 

 

 

 

 

 

説明会が終わった。

 

マヤ「ん〜〜〜!はぁ〜〜〜。」

 

チノ「良いお話でした。」

 

メグ「青山さんの担当さんだったんだね。」

 

楽兎「指名手配までされるとは・・・」

 

みくる「懸賞金凄かったね・・・」

 

緑羽太「凛さんご苦労様です・・・」

 

メグ「素敵なお話だったな〜。よぉ〜し!合格するぞ〜!」

 

みくる「頑張ってメグちゃん!応援してるよ!」

 

マヤ「やっぱ私、堅苦しいのは無理だ・・・体がイーってなる・・・」

 

メグ「慣れれば大丈夫だよ!」

 

マヤ「そうかな・・・?」

 

メグ「そうだよ!試しにお淑やかなマヤちゃん見てみたいなぁ〜!」

 

マヤ「お淑やか?無理だって。」

 

チノ「見せて下さい!」

 

みくる「お願い!見せて!」

 

マヤ「えぇ〜?もう、仕方無いなぁ〜。じゃあ、オホン。」

 

お淑やかモード発動!

 

マヤ「あら、お2人共。ごきげんYO。」

 

投げキッスした。

 

チノ「真面目にやって下さいYO。」

 

メグ「巫山戯ないでYO。」

 

マヤ「だから無理って言ったのに!!」

 

楽兎「でもまぁ、マヤちゃんらしいね。」

 

緑羽太「あんな感じに勧誘されたい自分がここに。」

 

みくる「あ、それ私も。」

 

楽兎「おい。」

 

マヤ「さ!帰るよ!」

 

メグ「あ!ちょっとその前にお手洗い行って来るね!えっと・・・あの辺で待っててね!」

 

天使の銅像を指差した。

 

 

 

 

しばらくしても、メグが戻って来ない。

 

チノ「メグさんがお手洗いから戻って来ません。」

 

マヤ「花に見惚れて、蝶を追い掛けて、迷子になってそう。」

 

 

 

 

メグ『待ってぇ〜!』

 

 

 

 

楽兎「小学生か!」

 

マヤ「この学校広いし。」

 

チノ「メグさんらしいです。」

 

”ブーブー”

 

楽兎「ん?母さんだ。ちょっと電話して来る。」

 

チノ「はい。」

 

その場を離れて恵美と電話する。

 

マヤ「ちょっと探しに行こ?」

 

チノ「え?待ってた方が・・・」

 

緑羽太「どうする?」

 

みくる「私達も行こ?」

 

緑羽太「楽兎を置いて行くんかい。」

 

4人はメグを探しに行った。

 

 

 

 

しかし、メグは近くのガーデンベンチに居た。

 

メグ「マヤちゃんチノちゃん、楽兎さん達も何処行っちゃったの?もぉ、すぐ迷子になるんだから。」

 

楽兎「メグちゃん?」

 

メグ「楽兎さん!」

 

そこに楽兎がメグを見付けた。

 

楽兎「やっと戻って来た。さて、帰ろうか。」

 

メグ「楽兎さん、マヤちゃん達は何処ですか?」

 

楽兎「皆なら彼処に・・・あれ?」

 

天使の銅像を見たが、チノ達の姿が無かった。

 

楽兎「居ない?」

 

 

 

 

その頃マヤとチノは。

 

マヤ「メグ居ないねぇ〜。っで、ここ何処?」

 

チノ「メグさんを探していたのに自分が迷子になるなんてマヤさんらしいです。」

 

 

 

 

 

そして緑羽太とみくるは。

 

緑羽太「あれ?2人は何処だ?」

 

みくる「あれ?さっきまで付いて来てたのに?」

 

 

 

 

その頃楽兎とメグは、4人を探していた。

 

楽兎「待てって言われたのに何処行ったんだ?」

 

メグ「むぅ。」

 

???「今度吹き矢部、大きな大会に出るんだ〜。」

 

???「助っ人か?」

 

メグ「この声!」

 

楽兎「リゼか?」

 

そこの角を覗いた。

 

 

 

 

結良「リゼ、頼める?」

 

リゼ「任せとけ!」

 

吹き矢部部長の狩手結良の誘いにリゼが乗った。

 

結良「やった〜!シャロちゃんも一緒にね。では、ごっきげんよう。」

 

リゼ「じゃあな!」

 

 

 

 

メグ(リゼさんあんなに頼られて・・・)

 

楽兎(リゼ、人望厚いなぁ。)

 

メグ(凄いなぁ・・・)

 

 

 

 

結良が去った後。

 

メグ「リゼさーん!」

 

リゼ「ん?メグ!?楽兎まで!?」

 

楽兎「おっすリゼ。」

 

メグ「ごきげんよう。」

 

リゼ「ご、ごきげんよう。じゃなくて!何故ここに!?」

 

楽兎「ああ、それはだな・・・」

 

メグ「マヤちゃんとチノちゃんが迷子なの・・・」

 

楽兎「緑羽太とみくるがどっか行っちまってな・・・」

 

リゼ「え?」

 

 

 

 

その頃マヤとチノは、校舎内の階段に座っていた。

 

チノ「メグさん居ませんね。楽兎さんに緑羽太さんにみくるさんも。」

 

マヤ「はぁ・・・地下のラビリンスに迷い込んじゃったのかな?」

 

チノ「あ!シャロさん!」

 

 

 

 

シャロ「特売は5時半、この為にバイトは休んだし。序でに夜の半額セールも狙って・・・」

 

 

 

 

マヤ「シャロー!メグと楽兎達見てなかった?」

 

シャロ「見てないわ。賞味期限は・・・」

 

チノ「こっちには来てないみたいですね。」

 

シャロ「・・・はっ!!何で居るのーーーー!?」

 

ノリツッコミ炸裂。

 

マヤ「戻って来た!」

 

シャロ「誰かに見付かったら・・・」

 

チノ「私達説明会に・・・」

 

シャロ「来て!こっちよ!」

 

話を聞かずに2人を連れて行く。

 

 

 

 

更衣室。

 

シャロ「早くこれに着替えて!」

 

学校の制服。

 

チノ「えっと・・・」

 

マヤ「これって・・・」

 

シャロ「早く!不法侵入がバレたら大変よ!」

 

チノ「不法侵入ではなくて・・・」

 

マヤ「説明会が・・・」

 

シャロ「外で見張っているから、急いで!!」

 

話を聞かずに外へ見張りに行った。

 

チノ・マヤ「・・・・」

 

 

 

 

その頃緑羽太とみくるは、生徒達に聞き込みをしていた。

 

緑羽太「ありがとう。じゃあね。」

 

みくる「チノちゃん達を見てなかったなんて。」

 

緑羽太「楽兎も見てないのか。くそっ、彼処で素直に待ってれば良かった。」

 

 

 

 

しばらくして、チノとマヤが学校の制服に着替えた。

 

チノ「シャロさん、見学会があった事を知らなかったんでしょうか?」

 

マヤ「面白いから黙ってよ?でもこの制服、落ち着かない・・・」

 

 

 

 

制服に着替えたチノとマヤをシャロが先導する。

 

シャロ「良い?私の真似をするの。自然に胸を張って堂々と!」

 

2人も胸を張って堂々とした。

 

生徒「ごきげんよう。」

 

シャロ「ごきげんよう。」

 

チノ・マヤ「ごきげんよう。」

 

シャロ(良い感じよ?)

 

チノ・マヤ(うん!)

 

アイコンタクトで通じた。

 

シャロ「それは真似しなくて良いの!」

 

マヤ「あのぉ〜、お下げがトルネードの子を見ませんでしたか?」

 

2人の生徒にマヤが聞き込みした。

 

シャロ「物怖じせずに訊けるのね。」

 

チノ「ゲームを攻略してる感覚かと。」

 

マヤ「チノー!話せたー!もっと堅苦しい人達かと思ってたよ!」

 

チノ「どうでしたか?」

 

マヤ「その事だけど・・・校舎の西側に目撃情報がないって!情報伝達に優れる生徒会役員だったから信用出来る!!」

 

チノ「この短時間でそこまでの情報を!?」

 

マヤ「しかもお茶会に誘われた!!」

 

チノ「お茶会!?」

 

シャロ「えぇ・・・!?」

 

 

 

 

 

 

その頃緑羽太とみくるは、中庭に居た。

 

緑羽太「はぁ・・・何処にも居ねえなぁ・・・」

 

みくる「電話してみたら?」

 

緑羽太「チノちゃん達持って来てないし、楽兎はマナーモードにしてるから。」

 

みくる「ん?」

 

2人の生徒に付いて行くチノ達を見付けた。

 

みくる「緑羽太!あれ!」

 

緑羽太「あ!見付けた!何処行くんだ?」

 

みくる「尾行してみよう。」

 

 

 

 

 

 

お茶会に誘われた3人は。

 

チノ(これが本物のお嬢様のお茶会・・・)

 

生徒会役員A「私最近手料理に夢中で。マヤちゃん、オススメ食材ないかしら?」

 

マヤ「もやし!便利だよね!」

 

生徒会役員A「もやし?」

 

シャロ「マ!?もやしはカレー粉と炒めるだけで美味しいと聞いた事あるわ!」

 

生徒会役員B「シャロさん博識〜!」

 

生徒会役員A「もやしって何?」

 

マヤ「待ったー!意義あり!!炒めるよりお味噌汁に入れるの好き!!」

 

シャロ「茹でたら食感を楽しめないでしょ?」

 

マヤ「茹で派!!」

 

シャロ「炒め派!!」

 

2人の戦いが勃発した。

 

生徒会役員B「私シャロさん派。」

 

生徒会役員A「私マヤちゃん派。っで、もやしって何?」

 

チノ(本物の・・・お嬢様の・・・)

 

 

 

 

そのお茶会をこっそり覗いている2人は。

 

みくる(もやしだけで彼処まで勃発するの・・・?私茹で派だけど。)

 

緑羽太(譲れない戦いが始まっちまったな・・・あ、俺炒め派。)

 

 

 

 

その頃メグは。

 

メグ「リゼさんの制服、ちょっと大きい・・・でも、もう制服を着る事が出来るなんて〜!」

 

志望校の制服を着れて大満足。

 

リゼ「メグ。」

 

メグ「は、はい!」

 

リゼ「良いか?不法侵入がバレないようにマヤ達を探せよ?それにしても、何で楽兎達がこの学校に?まさか・・・不法侵入にまで染められているのか・・・?」

 

メグ(リゼさん勘違いしてるけど楽しそう!)

 

リゼ「敵地に潜入したつもりで任務に当たれ!!」

 

メグ「サ、サー!!」

 

 

 

 

更衣室の外では。

 

楽兎「何でリゼは人の言う事を聞かねえのかな・・・?話そうとしたら遮りやがって・・・後でこっ酷く説明しないとな・・・」

 

 

 

 

その頃社交ダンス部の部室では。

 

マヤ「何で私達、社交ダンス部の部活に混じってるんだろう?」

 

チノ「これも一種の情報収集なのかも知れません。」

 

マヤ「でも!何だかこの学校意外と面白い!!」

 

華麗にダンスを披露した。

 

チノ「本当、マヤさんは何でも楽しんでしまうんですね。」

 

マヤ「・・・ねえチノ、飛び込んでみないと分からない世界ってあるんだね!」

 

チノ「飛び込んで?」

 

マヤ「それに、経験値が増えた気がする!」

 

チノ「シャロさんのような気品オーラが!」

 

マヤのレベルが上がった。

 

シャロ「?」

 

 

 

 

その頃リゼとメグは、

 

生徒達「ごきげんよう。」

 

リゼ「ごきげんよう。」

 

メグ「ご、ごきげんよう。」

 

リゼ「よし、良い感じだぞ。」

 

メグ「サー・・・」

 

 

 

 

後ろの角から楽兎が。

 

楽兎「こっそり付いて来いって言ってるけど・・・これじゃあ本当の不法侵入者じゃねえか・・・」

 

 

 

 

リゼ「ん?」

 

2つの指を目に翳してから前に出した。

 

メグ「え?目潰し?」

 

リゼ「前を見ろ!」

 

メグ「え?」

 

前を見ると、5人の生徒が此方に歩いて来てる。

 

メグ(生徒になりきらなきゃ!なりきらなきゃ。)

 

リゼ・メグ「ごきげんよう。」

 

生徒2人「ごきげんよう。」

 

リゼ・メグ「ごきげんよう。」

 

チノ・マヤ・シャロ「ごきげんよう。」

 

バッタリ会った。

 

5人「え!?」

 

楽兎「お!」

 

緑羽太・みくる「あ!」

 

 

 

 

 

 

その後事情を説明した。

 

リゼ「学校見学会だったなら言えよ・・・!」

 

チマメ隊「ごめんなさ〜い。」

 

楽兎「リゼ!説明会って言おうとしたのに話を遮りやがって!少しは人の話を聞け!!」

 

リゼ「すまない・・・私とした事がつい・・・」

 

緑羽太「でも無事に会って良かった。」

 

シャロ「知ってたのに忘れてた・・・」

 

みくる「忘れるなんて、シャロちゃん可愛い〜!」

 

メグ「でもワクワクしたね!マヤちゃん!」

 

マヤ「うん・・・勧められていたこの高校の特待生試験、考えてみようかな?」

 

チノ・メグ「え!?」

 

楽兎・緑羽太・みくる「え?」

 

リゼ「おいおい、ボケてないで真剣に進路考えろよ〜。」

 

マヤ「いや!真剣な話なんだけど!!」

 

リゼ・シャロ「え!?」

 

メグ「先生に勧められていたの!?」

 

マヤ「うん・・・」

 

チノ「初耳です!」

 

楽兎「先生からの推薦!?」

 

メグ「確かに。マヤちゃん実は成績良いもんね。」

 

緑羽太「優秀なの!?」

 

チノ「飽きっぽいですけど、好奇心の力は凄いですし。」

 

みくる「その好奇心が成績優秀に繋がってるの?」

 

リゼ「今まで計算尽くで私達をからかって楽しんでたんじゃ・・・!?」

 

マヤ「だ、だって・・・ここ苦手意識あったし・・・でも。」

 

シャロ「礼儀作法とか、窮屈にならない?私馴染むのに凄く苦労して・・・」

 

マヤ「シャロは肩に力入り過ぎだよ〜!それに学費免除になれば、親を楽に出来るかな〜って。」

 

リゼ「マヤ・・・」

 

シャロ「マヤちゃん!入学したら、もやし料理沢山教えてあげる!!」

 

マヤ「もっと先輩らしいアドバイスしてよ!!」

 

楽兎「何でもやし?」

 

チノ「前から薄々思っていましたが、マヤさんは私達に内緒が多いです。」

 

メグ「先生にこの学校を勧められてたのに、教えてくれなかったよね?前にリゼさんに相談しに飛び出して行った事もあったし。」

 

チノ「ありました。」

 

マヤ「・・・・ひゅ〜ひゅ〜。」

 

口笛吹いて誤魔化す。

 

チノ「でも、本当は繊細な気遣い屋さんなのはお見通しです。」

 

メグ「そうだね〜。私達思いの寂しがり屋さんなのも知ってるんだから。」

 

マヤ「・・・リゼーー!!あの2人黙らせてよーーーー!!」

 

照れてリゼに抱き付いた。

 

リゼ「その気持ち分かるぞ。」

 

楽兎「あはは・・・」

 

メグ「マヤちゃん、本当に照れてる!」

 

チノ「貴重です!」

 

緑羽太「写真に収めたいけど、止めとこ。」

 

みくる「マヤちゃん可愛い〜!」

 

マヤ「むぅ・・・そうだ!チノも一緒の高校になれば!」

 

チノ「照れてるの誤魔化しています。」

 

マヤ「そうじゃなくて!それもあるけど、チノもこの高校に入れば!」

 

メグ「そうだね!3人ずっと一緒!」

 

3人は手を繋ぎ。

 

マヤ「チマメ隊!3人でごきげんようって言おう!ごきげんよう!」

 

メグ「ごきげんよう!」

 

チノ「クスッ。2人共ごきげんよう症候群になってます。」

 

リゼ「もしココアと千夜がこの学校だったら、こんな風に騒がしかっただろうな。」

 

シャロ「ですね〜。想像しただけで五月蝿い・・・」

 

???「ごきげんよう!」

 

???「ごきげんよう!」

 

そこに、聞き慣れた声が聞こえた。

 

リゼ「あの声は!?」

 

???「聞き慣れた声が!」

 

???「見慣れたツインテが!」

 

全員「!!」

 

 

 

 

何とココアと千夜がそこに居た。

 

 

 

 

ココア「リゼちゃん!シャロちゃん!」

 

千夜「ごきげんよう。どうしてここに?」

 

シャロ「こっちの台詞!!」

 

楽兎「あれ?お前達、その制服どうした?」

 

ココア「文化祭の資材借りに来たら、被服部と仲良くなって着せてくれたの!」

 

千夜「私達、今日だけお嬢様〜!」

 

ココア「あ!チノちゃん!メグちゃんもマヤちゃんまでその制服!!」

 

千夜「皆すっかり馴染んでるわね〜。」

 

ココア「イエーイ!!」

 

チノの手を握って万歳した。

 

ココア「皆でお嬢様ー!」

 

千夜「イエーイ!」

 

チノ「イエーイ。じゃないです。」

 

リゼ「全く。」

 

シャロ「何をやって。」

 

結良「イエーイ!」

 

何時の間に居た結良が2人の手を握ってイエーイと言った。

 

リゼ・シャロ「わあ!?」

 

結良「リゼ〜、さっきのシャロちゃんの件なんだけど〜。」

 

千夜「何時もシャロちゃんがお世話になっております。」

 

みくる「お世話になってます。」

 

シャロ「ち、ちょっと止めてよ!」

 

結良「どう致しまして〜。」

 

ココア「リゼちゃんとっても良い子じゃましょ?」

 

リゼ「お母さんか!!」

 

結良「そうだね〜。」

 

千夜「これからも、シャロちゃんとリゼちゃんを。」

 

ココア「宜しくお願いします。」

 

みくる「ウチの可愛いシャロちゃんを宜しくお願いします。」

 

結良「任せて〜。」

 

リゼ「止めろ!!」

 

シャロ「恥ずかしい!!」

 

みくる「だって本当の事じゃないの?」

 

シャロ「だからってそれは!!」

 

 

 

 

メグ「この学校、楽しく過ごせそうだね!」

 

マヤ「うん!」

 

楽兎「リゼの言う通り、騒がしくなったな。」

 

緑羽太「だな。」

 

チノ「・・・高校かぁ・・・」

 

果たして、チノの志望校は見付かるのか。

 

『END』




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
       真手凛:木村珠莉
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

      狩手結良:大西沙織
       委員長:日笠陽子
        レイ:田澤茉純
        カノ:嶺内ともみ
     生徒会役員:会沢紗弥
           前田佳織里

ティッピー「チノ、高校は決まったかのう?心配じゃ〜。」

タカヒロ「どんな制服も似合いそうだ。」

ティッピー「ワシは、ブレザーが着てみたいのう!」

タカヒロ「親父の事じゃない!」

次回「あったかもしれない日常」


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28羽「あったかもしれない日常」

ある日の高校。文化祭の喫茶店の準備をしている。

あんず「ん〜・・・この設計図の配置じゃ風水的に良くないわね・・・」

千夜「そうなの!?」

あんず「気の流れはこっちから来ているから、遮らない方が良いわ。」

今はクラスメートのあんずが、風水を使って配置を決めている。

千夜「難しいのね・・・」

あんず「大丈夫!修正は私に任せて!」

千夜「でも・・・」

カノ「私の居候先が大工さんだから、大工道具は任せろ〜。」

レイ「千夜は1人で色々抱え込み過ぎ。」

千夜「皆・・・」

ココア「遠慮せずに仕事を投げ付けるのも社長だよ?」

協力してくれるクラスメート達に、千夜が笑顔になった。

千夜「素晴らしい社員達に恵まれて幸せ!」

レイ「何時社員になった!?」

そこに、クラスメートのミキとカリンが走って戻って来た。

ミキ「社長!!あのブドウジュースの店とC組が組むらしいって!!」

全員「え!?」

レイ「ええ!?彼処のジュース狙ってたのに!!」

カリン「他のクラスも人気店と協力してるって!」

なっちゃん「このままじゃボツ個性の店になっちゃう!」

千夜「それなら、内装の個性で勝負ね。」

ココア「ああ!お嬢様学校から備品とか借りるのはどうかな!」

レイ「ナイスココア!」

カノ「よし!クラス代表として委員長!行って来てくれ!」

だが委員長は固まってしまっている。

委員長「あの高校第一志望だったんだよねぇ・・・」

カノ「委員長?」

千夜「では、社長と副社長が行くわ!」

ココア「副社長?」

なっちゃん「待って!!あの学校は油断した瞬間、ごきげんよう症候群になるって聞いた事が!!」

千夜「絡まれたらメンチ切るわ!」

ココア「キルゥよ?」

レイ「無理すんな。」

千夜「委員長の仇、取って来るわ〜!」

委員長「ウチの高校の実力見せてやれー!」

あんず「借りに行くんじゃ・・・?」

ココア・千夜「うおおおおーーーーー!!」






そして今に至る。

ココア「と言う訳で、リゼちゃんとシャロちゃんの高校に来たの。」

楽兎「備品を借りる為に来るとか、結構根性あるな。」

チノ「これ、全部借りたんですか?」

千夜「そう!勝ち取って得た戦利品よ?」

ココア「胸を張ってクラスに凱旋出来るね!」

千夜「社員達もきっと喜ぶわ〜。」

緑羽太「社員達?」

チノ「賑やかそうなクラスですね。」

みくる「でも、何で彼処の制服を着たままなの?」

ココア「皆に見せたくて!」

千夜「社員達もきっと驚くわ〜。」

チノ「え?もしかして今から戻るんですか?」

ココア「文化祭の準備をしなくちゃならないからね。」

チノ「は、はい。頑張って下さい。」

楽兎「文化祭、楽しみにしてるからな〜。」

ココア・千夜「ごきげんよう〜。」

チノ「ご、ごきげんよう・・・です・・・」

楽兎「ごきげんよう症候群に感染したな。」


夕方。ココア達の高校。

 

あんず「ココアと千夜遅い・・・」

 

カノ「もしややられてしまったのでは・・・?」

 

レイ「あの2人に限って・・・」

 

するとドアがバタンと開いた。

 

ココア「皆!」

 

千夜「待たせたわね!」

 

全員「!」

 

カノ「戻って来た!」

 

ココア・千夜「ごきげんよう〜。」

 

カノ「洗脳されてるー!?」

 

ココア「お嬢様学校の被服部の皆と仲良くなって着せて貰ったの。」

 

カリン「備品は?」

 

ココア「バッチリ!色んな部活の勝負に勝って集めて来たよ!」

 

ミキ「勝負?」

 

ココア「めくるめく大冒険だったよぉ〜!」

 

 

 

 

吹き矢部、新体操部、けん玉部等の勝負に勝ったのだ。

 

 

 

 

あんず「そこまでしてクラスの為に・・・」

 

カノ「そこ感動する所かー?」

 

ココア「まずは、吹き矢部から勝ち取ったお面!!」

 

よく分かんないお面。

 

全員「おぉー!」

 

なっちゃん「よく分かんないけど凄ーい!」

 

千夜「校長先生にも勝って、オブジェも借りちゃった!」

 

黄金のうさぎのオブジェ。

 

全員「きゃぁー!」

 

なっちゃん「間違い無く一眼惹きそう!」

 

ミキ「これがお嬢様の恩恵・・・」

 

委員長「うん・・・」

 

カノ「あやかれー!」

 

全員「ははー!」

 

あんず「これ・・・飾るの・・・!?」

 

吹き矢部のお面から不吉のオーラが。

 

 

 

 

早速準備に入った。

 

ココア「リゼちゃんとシャロちゃん、びっくりしてくれるかな?」

 

あんず「お嬢様学校の子だっけ?」

 

ココア「うん!大切な友達!」

 

レイ「どんな子なの?」

 

ココア「えっと・・・リゼちゃんは銃を持ってて、得意技はCQCだよ!」

 

全員「!?」

 

カノ「やばくね・・・?」

 

千夜「シャロちゃんは、カフェインを飲むを手が付けられなくなっちゃうの。」

 

カノ「やばいのが来るぞ・・・!」

 

委員長「丁寧なお持て成しをしなくては・・・殺られてしまうかも知れん・・・!」

 

完全に誤解してしまった。

 

 

 

 

メニューのシチューを調理。

 

委員長「千夜ー!メニューの味の確認をお願いしたいんだけど。」

 

千夜「はーい!」

 

シチューを味見してみる。

 

千夜「もうちょっと濃厚の方が良いかも。」

 

委員長「ふむふむ・・・よし、濃厚だな?」

 

カノ「実行委員長の千夜が、クラス委員長より委員長してる。」

 

レイ「うん。頼もしくて安心するよね。」

 

ココア「でしょー!私の自慢の親友なんだから!」

 

カノ「そうだなぁ〜。千夜って、ココアと一緒だとポンコツになるのか・・・」

 

ココア「え!?どう言う意味!?」

 

カノ「冗談。」

 

千夜「い、今・・・私が社長みたいって聞こえた気が・・・」

 

レイ「言ってないない。どっちかって言うと、クラスの番長?」

 

千夜「番長!素敵〜!」

 

カノ「それで良いのか・・・?」

 

千夜「ココアちゃんのポジションは?」

 

レイ「そうだなぁ・・・」

 

ココア「ワクワクワクワク!」

 

レイ「クラスの妹!」

 

2人でココアを撫でる。

 

ココア「もー!私にだってチノちゃんって言う妹が居るんだからね!!!もーーー!!」

 

 

 

 

その後、ココアと千夜が廊下を歩く。

 

千夜「さっきのココアちゃん可愛かったわ。」

 

ココア「千夜ちゃんだってさっきの不安吹き飛んでる。」

 

千夜「?」

 

ココア「これなら甘兎庵社長として、立派に頑張れるよ!」

 

千夜「・・・ココアちゃんだって頼もしいわよ?だって、楽しいのはココアちゃんが居てくれるからだよ!ココアちゃん!」

 

ココア「千夜ちゃん!」

 

手を繋いだ。

 

ココア・千夜「えへへ〜。」

 

ココア「よぉーし!残りの準備も頑張ろう!」

 

千夜「うん!」

 

ココア・千夜「おーーー!」

 

 

 

 

 

 

ある日のラビットハウス。

 

ココア「いよいよ明日だね!」

 

千夜「えぇ!準備は万端!クラスが1つになったって感じがしたわ!」

 

楽兎「明日はいよいよ文化祭。」

 

緑羽太「今日紅音が来る予定だ。」

 

みくる「どんな文化祭かなぁ〜?楽しみ!」

 

シャロ「むぅー。」

 

リゼ「楽しそうだな・・・」

 

対照的にこの2人はムッとなってしまっている。

 

ココア「どうして頬っぺ膨らませてるの?」

 

リゼ「え!?そんな顔してたか!?」

 

千夜「シャロちゃんも、前から様子が変よ?」

 

シャロ「べ、別に可笑しくなんか!!」

 

チノ「青山さん、解析をお願いします。」

 

楽兎「うわ青山さん!?」

 

みくる「来てたんですね!?」

 

青山「お2人の学校生活の別の顔に、寂しさと嫉妬してますね。」

 

リゼ・シャロ「嘘ーーー!?」

 

ココア「うへへへへ〜。」

 

リゼ「な、何だよ・・・!」

 

1枚の封筒をリゼに差し出した。

 

ココア「これ!文化祭の招待状!」

 

リゼ「た、楽しみにしてる・・・」

 

千夜「私達ね、シャロちゃん達にも楽しんで貰いたいから頑張ってたのよ?」

 

招待状をシャロにも。

 

シャロ「あ、ありがとう・・・」

 

ココア「勿論楽兎君達にも!」

 

楽兎「ありがとな!」

 

緑羽太「これで文化祭の思い出が撮れそうだ!」

 

みくる「楽しみ〜!」

 

ココア「そして・・・チノちゃん!」

 

チノ「・・・ありがとうございます!」

 

ココア「期待しててね!」

 

ジョッキを持って千夜と乾杯。

 

千夜「私達の!」

 

ココア「ビヤホール!」

 

チノ・リゼ・シャロ「え!?」

 

楽兎・緑羽太・みくる「ビヤホール!?」

 

???「何か物凄く熱くなってるね・・・」

 

緑羽太「あ!紅音!!」

 

ラビットハウスに緑羽太の妹の紅音が来店した。

 

紅音「皆さん、お久し振りです。」

 

ココア「紅音ちゃん!いらっしゃいませ!」

 

紅音「それで、ビヤホールって聞いたんだけど・・・まさか未成年飲酒でも犯させるつもりなの・・・!?」

 

楽兎「いや、違うと思ぞ?」

 

ココア「紅音ちゃん!これ、文化祭の招待状だよ!」

 

紅音「ありがとうココアちゃん!」

 

緑羽太「紅音、例の奴持って来たか?」

 

紅音「勿論!超高画質機能搭載の超最新カメラ!これでバズる事間違い無し!」

 

楽兎「動画をアップすんのか?」

 

 

 

 

 

 

翌日。遂に文化祭が開催。多くの生徒達や客達で賑わっている。

 

チノ「わぁ・・・!ここが・・・ココアさんの高校・・・!」

 

シャロ「へぇ〜。ウチの高校とは違うノリですね〜。」

 

リゼ「あぁ!盛り上がっているな!」

 

楽兎「何だか、青春時代を思い出すな。」

 

緑羽太「だな。」

 

みくる「ん〜!高校時代の頃が懐かしいねぇ〜!」

 

メグ「テントとお店でいっぱいだ〜!」

 

マヤ「行こう!」

 

チノ「あ!待って下さい!」

 

チマメ隊が走って行く。

 

リゼ「おーい!はしゃいでハメ外すなよー!」

 

シャロ「クスッ。先輩、皆さん、私達も行きましょ?」

 

 

 

 

多くのお店がいっぱいある。

 

リゼ「へぇ〜!本格的だなぁ〜!」

 

紅音「良いよ良いよ!どれもこれも良いよ!」

 

マヤ「見て見て!」

 

リゼ・シャロ「ん?」

 

楽兎「ん?」

 

メグ「泡のヒゲ〜。」

 

2人がビールを飲んでしまっている。

 

リゼ「おい未成年ーーーー!!!!」

 

緑羽太「何してんのーーー!!??」

 

マヤ「リンゴジュースだよ〜!」

 

リゼ「え!?あぁ、そうなのか・・・」

 

みくる「本当だ!リンゴの匂いだ!」

 

楽兎「ビックリしたぁ・・・」

 

シャロ「ビール風にしてあるのね。」

 

紅音「泡が凄いリンゴジュース!」

 

緑羽太「お2人共!こっち向いてー!」

 

メグ「あのお店で売ってたの!」

 

紅音「どれどれ〜?あ!あれってティッピー!?」

 

全員「ん?うわあっ!?」

 

 

 

 

ティッピー「フォッフォッフォッ。」

 

 

 

 

巨大なティッピーを被ったディアンドル姿の謎の人物がこっちへ向かって来てる。

 

緑羽太「な、何者だこの方は・・・!?バルタンみたいな笑い声してる・・・!」

 

楽兎「も、もしかして・・・ココアか・・・?」

 

その人物がチノの方に顔を向けた。

 

チノ「・・・・!!」

 

謎の人物「っ!〜〜〜〜〜。」

 

楽兎「おい、まさか・・・」

 

 

 

 

謎の人物「ヒゲチノちゃんだーーーーーーー!!!!!!」

 

楽兎「ギョエエエエーーーー!!!!!」

チノ「ウワアアアアーーーー!!!!!」

 

 

 

 

とんでもない声を荒げながら楽兎に引っ張られて逃げるチノを追う。

 

???「待って待ってチノちゃん!!私だよ!!ティッピー帽子作るって言ったでしょ!?」

 

チノ「っ!この声!」

 

楽兎「っと!」

 

止まってその人物を見る。ティッピーの被り物を外すと、ココアの顔が出て来た。

 

楽兎「ココアお前!!!」

 

チノ「ココアさん!!それは帽子じゃなくて被り物です!!」

 

ティッピー「化け物じゃ!」

 

楽兎(お前が言うか!!!)

 

 

 

 

ココア「皆をウチのクラスにご案内〜!」

 

シャロ「教室でビヤホールって聞いたけど。」

 

ココア「ラビットハウスのバータイムみたいな感じ☆」

 

 

 

 

校舎内。ココア達の教室の前に来た。兎のオブジェがあった。

 

シャロ「ヒィッ!」

 

みくる「大丈夫。私が付いてる。」

 

ココア「ここだよ〜!9名様、ご到着〜!」

 

 

 

 

 

 

入ると、内装が本格的なバータイムみたいになっていた。

 

 

 

 

 

 

チノ「う、ウチより凄い!!」

 

楽兎「タカヒロさんが見たら驚きそうだ・・・!」

 

千夜「いらっしゃいませ〜!オーナーの千夜です!」

 

マヤ・メグ「いらっしゃいましたー!」

 

みくる「いやぁ〜〜ん!!ディアンドル姿の千夜ちゃん可愛い〜〜〜!!!」

 

紅音「千夜さん!こっち向いて!」

 

シャロ「テーマはオクトーバーフェスト?」

 

千夜「そう!」

 

マヤ・メグ「オクトーバーフェスト?」

 

千夜「何ちゃってビール祭りを楽しみましょ?」

 

マヤ・メグ「おーー!」

 

千夜「早速常連になりたいって言う作家さんも居るのよ。」

 

青山「この文化祭の活気で、執筆活動が捗ります!」

 

楽兎「青山さんに凛さん!?」

 

シャロ「仕事しちゃってる!?」

 

千夜「編集者さんも応援に来たの。」

 

凛「明日が締め切りー!青山先生ファイトーーー!!!」

 

シャロ「修羅場の応援なんだけど!?」

 

リゼ「リンゴジュースで酔ってないか!?」

 

千夜「雰囲気で酔う人なのよね〜。」

 

緑羽太「俺達の周りは個性的な人ばかりだな・・・」

 

楽兎「それな。」

 

あんず「そこのあなた達!」

 

そこにあんずがタロットカードを持って現れた。

 

あんず「タロットで出たんだけど、ココアの下宿先のチノちゃんと楽兎さんね?」

 

楽兎「あ!何時もココアがお世話になっております!」

 

チノ「だ、ダメ姉がお世話になってます!!」

 

ココア「ファー!い、今の聞いた!?姉だってーー!!」

 

マヤ「ダメは良いの?」

 

メグ「良いみたい〜。」

 

リゼ「ん?」

 

 

 

 

委員長「良かった・・・思ってたより普通の人達だ・・・」

 

レイ「警戒態勢解除!」

 

カノとなっちゃんが顔を出した。

 

 

 

 

シャロ「何でしょう?」

 

リゼ「あ!よく分からないが!敵の素性が曖昧なまま警戒を解くんじゃない!!」

 

委員長・レイ・カノ「イ、イエッサー!!」

 

なっちゃん「サー!!」

 

チノ「早くも軍曹に!?」

 

楽兎「何か誤解してるみたいだな。」

 

 

 

 

席に座って待っていると。

 

カノ「お待たせ〜!」

 

9人分のリンゴジュースが来た。緑羽太と紅音がビデオカメラでリンゴジュースを撮ってる

 

緑羽太「これが噂のリンゴジュース!」

 

紅音「ビールみたいに泡が立ってるね!」

 

リゼ「凄いな!重くないのか?」

 

カノ「大工手伝ってるし。」

 

シャロ「きっと先輩も出来ますよ!」

 

レイ「リゼちゃんも強そうだね!カノと腕相撲勝負どう?」

 

リゼ・カノ「ん?」

 

 

 

 

何故か腕相撲勝負する事に。

 

レイ「それじゃあ準備は良いかな?」

 

リゼ「何時でもOKだ!」

 

カノ「負けないよ!」

 

リゼ「あぁ!」

 

緑羽太「今回のリゼ選手の対戦相手はココアちゃんのクラスメートのカノ選手!さぁ今宵に始まった腕相撲大会の勝利はどちらに舞い降りて来るのか!!」

 

楽兎「実況始まった。」

 

レイ「レディー・・・ゴー!!」

 

 

 

 

そして、勝利の栄光を手にしたのは・・・

 

リゼ「勝ったーーーー!!!」

 

緑羽太「リゼ選手の勝利ーーー!!それでは皆さん、またお会いしましょう。」

 

リゼ「・・・」

 

負けたカノに手を伸ばす。

 

カノ「・・・フッ。」

 

友情の絆が芽生えた。

 

マヤ「リゼー!シャロー!衣装体験出来るってー!」

 

みくる「ディアンドル可愛いねー!」

 

紅音「お兄ちゃん見て見てー!」

 

チマメ隊、みくる、紅音がディアンドル姿で登場。

 

シャロ「先輩!着てみませんか!?」

 

リゼ「わ、私はいい・・・」

 

楽兎「リゼ、甘えてみたらどうだ?」

 

リゼ「いや、私は流石に・・・」

 

 

 

 

試着してみる。

 

リゼ・シャロ「おぉー!」

 

楽兎「ワオ!メガマブシー!」

 

緑羽太「良いよ良いよ!ディアンドルの天使達降臨!!」

 

カノ「よし!そのまま働いても違和感無いな!」

 

リゼ・シャロ「え!?」

 

レイ「部活の出し物と時間被っちゃって!すぐ戻るから!」

 

そのまま行ってしまった。

 

リゼ・シャロ「身代わり!?」

 

楽兎「まさかの生贄フラグ!?」

 

緑羽太「これどう言う事だ!?」

 

千夜「ちょっとしたスケジュールミスで・・・」

 

ココア「うん・・・ウチのクラス流ジョークだよ・・・」

 

楽兎「お前等かよ!」

 

リゼ「顔が青いぞ・・・」

 

シャロ「凄く震えてるし・・・」

 

仕方無く働く事に。

 

シャロ「ほら!注文取って来るから!」

 

リゼ「想定内の事態だ!」

 

ココア「2人共・・・!!」

 

千夜「頼もしい・・・!!」

 

マヤ「チマメ隊も出動するよ!」

 

メグ「プレッツェル美味しい〜♡」

 

リゼ「食べるか手伝うかどっちかにしろーー!!」

 

青山「ずっと座ってたら鈍ってしまうので。」

 

凛「酔いも覚めてきました。」

 

楽兎「誰が客で誰が店員なんだここは!?」

 

委員長「外回りって誰が行ってる?」

 

ココア「ああ!!忘れてた!!あ、あれ!?ティッピーの被り物何処に・・・?」

 

メグ「彼処ー。」

 

ココア「ん?」

 

 

 

 

なんとチノがティッピーを被っていた。

 

 

 

 

ココア「ティッピーオンティッピー!?」

 

楽兎「あの子もしかして!?」

 

マヤ「悪戯でチノに被せたら人気者になっちゃった〜!」

 

楽兎「マジか!流石チノちゃん!」

 

ココア「ガクッ!私の時は皆逃げたのに・・・」

 

楽兎「多分、お前自覚なさそうだな。」

 

女の子「ばいばーい!」

 

マヤ「このまま宣伝して来ても良い?」

 

千夜「でも、そこまでさせる訳には・・・」

 

チノ「いえ。皆さんがお店を盛り上げたい気持ち、凄く分かります!」

 

ティッピー「チノ・・・!」

 

チノ「だから・・・やらせて下さい!本物の喫茶店の孫娘として!」

 

ココア・リゼ・千夜・シャロ「チノさん!!!」

 

楽兎・緑羽太・みくる「頼もしい!!!」

 

 

 

 

皆で店を手伝う事に。

 

シャロ「すみませーん!向こうのテーブルの注文お願いしまーす!」

 

青山「お待たせしましたー。泡の不思議なジュースです。」

 

凛「ジュース2個追加でーす!」

 

リゼ「ご注文のジュース8つお持ちしましたー!」

 

端のテーブル席に楽兎と緑羽太が座っている。

 

楽兎「文化祭に来たはずなのに、皆張り切っちゃってるな。」

 

緑羽太「これはこれで楽しそうだな。」

 

みくる「お陰で大繁盛してるみたいだし。」

 

紅音「私、ここ好きかも!」

 

リンゴジュースを持って来た。

 

楽兎「このリンゴジュース、癖になるな。」

 

緑羽太「お嬢ちゃ〜ん!おかわり〜!」

 

そこにクラスメート達が戻って来た。

 

なっちゃん「オールスタッフ交代!!」

 

あんず「後は任せて!」

 

千夜「ありがとう。もう大丈夫よ。」

 

ココア「はーい!早速チノちゃんと合流して・・・」

 

委員長「ちょっと待ったーー!!手伝ってくれたお礼に、ここの制服で出歩いてみない?」

 

リゼ「ええ!?」

 

シャロ「そんな!悪いわ!!」

 

みくる「え!?良いの!?」

 

紅音「わぁ〜!」

 

委員長「代わりに!今度そちらのお嬢様高校の制服着させて欲しい!!」

 

ミキ「それが目的か委員長!」

 

 

 

 

 

 

その頃チマメ隊は外回りをしている。

 

女子生徒「可愛いー!1枚写真良いですか?」

 

チノ「どうぞ。そして、ラビットハウスも宜しくです!」

 

メグ「何時もより積極的だよ?」

 

マヤ「顔を隠すと恥ずかしくないって奴か〜。それとも、この学校の空気が合ってるのかな?」

 

メグ「こっちの学校も楽しいもんね〜。」

 

 

 

 

そしてリゼとシャロとみくると紅音が、この高校の制服を着て出て来た。

 

シャロ「千夜達、素敵な友達を持っててちょっと安心しました。」

 

リゼ「そうだな。」

 

みくる「可愛いよこの制服!」

 

紅音「私も・・・この高校に入れば良かったかも・・・」

 

楽兎「似合ってるぜ皆。」

 

緑羽太「こっち見てー!」

 

カメラで制服姿の4人を撮影した。

 

ココア「リゼちゃん!シャロちゃん!」

 

リゼ・シャロ「ん?」

 

ココア「みくるちゃん!紅音ちゃん!」

 

みくる・紅音「何?」

 

ココア「楽兎君!緑羽太君!」

 

楽兎・緑羽太「おう。」

 

ココア「じゃあ、まず最初に何処から回ろうか?」

 

千夜「他のクラスの出し物、偵察して良いかしら?」

 

 

 

 

まず最初は演劇部の出し物。怪盗ラパンの舞台。

 

 

 

 

お団子とお茶を堪能。

 

 

 

 

軽音部のライブ。

 

 

 

 

これらを回り終えて、ベンチでソフトクリームを食べる。

 

ココア「美味しい〜♡」

 

千夜「幸せ〜♡」

 

楽兎「いやぁ〜、色々面白かったな。」

 

緑羽太「お陰でメモリーが満杯になりそうだ。」

 

みくる「紅音ちゃん、どうだった?」

 

紅音「凄く楽しい!ウチの高校の文化祭と同じように楽しい!」

 

シャロ「満喫してるわね。」

 

リゼ「偵察はどうした?」

 

シャロ「私達が2人のクラスメートだったら大変そうですね・・・」

 

リゼ「クラスメートかぁ・・・私は1つ年上だけど・・・」

 

シャロ「でも、誕生日が1ヶ月と少し遅かったら、リゼ先輩と同級生ですし。変わらないですよ!」

 

紅音「私も。誕生日が遅かったら皆と同級生で楽しそうだったかもね。」

 

リゼ「そうか・・・変わらないかぁ。変わらないのに先輩呼びか〜。」

 

シャロ「あっ!リ・・・リゼ・・・さん・・・」

 

リゼ「あはははは!」

 

シャロ「も・・・もっとフレンドリーに・・・リ・・・ゼ・・・ちゃん・・・?」

 

リゼ「ん〜?」

 

シャロ「ま、まさか呼び捨て!?リ・・・リ・・・リ・・・」

 

考え過ぎてパンク寸前。

 

リゼ「無理するな!!」

 

紅音「シャロちゃーーーん!!」

 

 

 

 

 

 

チマメ隊は、ジュースを飲んで休憩している。

 

マヤ「高校生組と大人組発見!」

 

遠くに高校生組と大人組が歩いているのを発見。高校生組は何だか楽しそうにはしゃいでいる。

 

チノ「・・・」

 

メグ「他の人達と馴染んでて分からなかったよ〜。」

 

写真部部員「写真部でーす!思い出綺麗に印刷しまーす!」

 

チノ「?」

 

マヤ「チノ?」

 

チノ「・・・・」

 

ティッピーの被り物を被って、写真部の生徒に寄る。

 

チノ「ちょっと良いですか?」

 

写真部部員「あ!はーい!はっ!!」

 

 

 

 

 

 

夕方。文化祭が終わった。

 

メグ「チノちゃん、ティッピー被ったら積極的だったね〜。」

 

チノ「ビールで酔ってたんです!」

 

マヤ「あはは!あれジュースじゃ〜ん!」

 

するとチノが立ち止まった。

 

マヤ「チノ?」

 

メグ「どうしたの?」

 

チノ「・・・文化祭の雰囲気、とても気に入りました。色んな人が居て、ワクワクして、きっと楽しく過ごせるだろうって。」

 

そう思っているチノに、マヤとメグがチノに抱き付いた。

 

マヤ「ココアと一緒が良いのか〜!」

 

メグ「そんなにココアが好きか〜!なんてね〜。」

 

マヤ「でも、チノ1人で大丈夫?」

 

チノ「だ、大丈夫です!」

 

メグ「本当〜?」

 

チノ「子供じゃないんですから!・・・私、決めました!」

 

 

 

 

 

 

そしてリゼとシャロは。

 

シャロ「楽しかったですね!リゼ先輩!」

 

リゼ「ココアと千夜も本当楽しそうで良かった!あ、そう言えば・・・」

 

ポケットから1枚の封筒を出した。これはチノから貰った物だった。

 

リゼ「チノ、何くれたんだ?」

 

封筒の中に入っていたのは・・・

 

リゼ・シャロ「あっ!」

 

 

 

 

そして楽兎と緑羽太とみくると紅音は。

 

楽兎「楽しかったなぁ〜!」

 

緑羽太「思い出いっぱい撮れたし、これを部屋に飾らないとな。」

 

みくる「ねぇ、来年も皆で一緒に行こうよ!」

 

紅音「うん!お兄ちゃん、また誘ってね?」

 

緑羽太「おう!勿論!」

 

楽兎「そうだ、チノちゃんから貰ったこの封筒。」

 

緑羽太「何が入ってるかな〜?」

 

みくる「ワクワク♪」

 

紅音「どれどれ〜?」

 

封筒を開けると。

 

楽兎・緑羽太「お!」

 

みくる・紅音「わぁ!」

 

 

 

 

 

 

高校。ココアと千夜が文化祭の後片付けをしている。

 

ココア「夢みたいな時間だったねぇ〜。」

 

千夜「まだフワフワしてるわ・・・」

 

ココア「そうだ!チノちゃんから貰った今日の記念!」

 

チノから貰った封筒。

 

千夜「開けてみましょ?」

 

封筒を開けると。

 

千夜「あ!」

 

ココア「あ!」

 

 

 

 

リゼ・シャロ「フフッ♪」

 

 

 

 

楽兎・緑羽太「良いな。」

 

みくる・紅音「良いね。」

 

 

 

 

千夜「顔が緩んでるわ。」

 

ココア「私達、同じ学校だったらこんな感じだったかな?」

 

あんず「おーい!実行委員長!副委員長ー!」

 

カノ「打ち上げ始めちゃうぞー!」

 

千夜「はーい!」

 

ココア「すぐ掃除道具片付けて来るー!」

 

封筒を置いて、箒を片付けに行く。チノから貰ったのは・・・

 

 

 

 

 

 

文化祭を楽しんでいるココア達と楽兎達の素敵な写真だった。

 

 

 

 

 

 

夜。ココアの部屋。

 

チノ「ココアさん、参考書貸して下さい・・・」

 

部屋にココアは居なかった。

 

チノ「あ!」

 

ココアの制服があった。

 

チノ「似合うかな・・・?」

 

制服を持って、電気を点けて鏡を見る。

 

チノ「カーディガンは何色にしよう?」

 

戻って来たココアが興奮した。

 

ココア「ふぁ〜〜〜〜〜!チノちゃーーん!ギューーー!!」

 

チノ「うあっ!ちょっ!痛いです!!離れて下さい!!ココアさーーん!!」

 

ココア「もう離さないよーーー!!」

 

楽兎「何だ何だ?何の騒ぎ?」

 

そこに楽兎が来た。

 

チノ「ら、楽兎さーーん!!助けて下さい!!」

 

楽兎「よく分からんが、任せろ〜。」

 

『END』




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
      茶度紅音:稗田寧々
       真手凛:木村珠莉
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

       委員長:日笠陽子
        レイ:田澤茉純
        カノ:嶺内ともみ
       あんず:桑原由気
     なっちゃん:貫井柚佳
        ミキ:伊藤彩沙
       カリン:白城なお

ティッピー「ぶははー!それどうしたんじゃ!?」

タカヒロ「ココア君から文化祭の土産だ。」

ティッピー「実は私も被りたかったんじゃが!」

タカヒロ「デカくなるだけじゃないか。」

次回「彼女は熱き旋風 彼女は気ままなそよ風」


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29羽「彼女は熱き旋風 彼女は気ままなそよ風」

ある日のラビットハウス。

ココア「皆!盃は持ったね?」

チノ「盃・・・」

リゼ「何で私まで・・・?」

この3人は千夜と一緒に盃する事になってる。

楽兎「盃って、何すんの?」

千夜「義兄弟の盃よ!チノちゃんも私達と同じ学校へ行くんだから!」

チノ「まだ願書すら出してないです。」

緑羽太「気が早い盃だな。」

ココア「それでは!我ら再びあの校舎で会おうぞ!!」

千夜「おーー!」

チノ「お、おー。」

ココア・チノ・リゼ・千夜「かんぱーい!」

青山「コーヒー、頂けますか?」

ココア・チノ・リゼ・千夜「っ!?」

チノ「青山さん!?」

楽兎「何時の間に!?ってか何故カウンターに立ってる!」

”バァン!!”

そこに誰かが入って来た。

凛「青山先生はここですか!?」

それは、青山の担当の真手凛だった。

楽兎「真手凛さん?」

凛「先生ー!」

千夜「青山さんには何時も甘兎庵をご贔屓にして頂いて。」

凛「え!?あ!いえ、此方こそ!い、い、今名刺を!」

千夜「お気遣いなく〜。」

チノ「あ、あの・・・青山さんなら・・・」

千夜・凛「ん?」

楽兎「外ですよ?」

窓の外から手を振ってる青山を発見した。

凛「あーーー!!先生!!待ちなさーい!!」

店を出て青山を追う。

リゼ「忙しい人達だな・・・」

緑羽太「嵐のような人達だな。一日中走り回ってそうだな。」

チノ「マラソンみたいです。」

ココア「あ!そう言えば今月、ウチの学校マラソン大会だよ?」

楽兎「そうなのか?」

千夜「え!?マラソンって事は・・・走るのよね・・・!?」

リゼ・緑羽太「当たり前だろ!」

ココア「お姉さん兼先輩として良い所見せなきゃ!!ね?」

千夜「はっ!!お姉ちゃん兼先輩・・・!必ず完走してみせるわ!!義兄弟の盃に誓って!!」

楽兎・ココア・チノ・リゼ・緑羽太「おーーー!」


翌日。夜明け前にリゼがランニングをしている。

 

リゼ「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。」

 

途中、橋の下から声が聞こえた。その声の主は・・・

 

リゼ「うわっ!千夜!!」

 

ダンベルを持ってタイヤを引っ張っている千夜が。

 

千夜「あ、リゼちゃん!爽やかな・・・朝・・・ねぇ・・・」

 

リゼ「何してるんだ!?」

 

千夜「マラソン大会の特訓!!」

 

リゼ「山岳地帯でも走るのか!?」

 

 

 

 

特訓を中断し、リゼが千夜に巻かれてるロープを解いてあげる。

 

リゼ「ったくもう・・・」

 

千夜「ココアちゃんと一緒に完走したくてトレーニングしてたの。」

 

リゼ「これはやり過ぎだ。」

 

千夜「リゼちゃんは毎朝走ってるの?」

 

リゼ「いやぁ、今朝からなんだ。実は最近甘い物食べ過ぎて体重が・・・そうだ!!今日から一緒に走らないか!?」

 

千夜「え!?でも私、走るの凄く遅くて・・・」

 

リゼ「大丈夫!千夜に合わせるから!!」

 

千夜「・・・・あ!!」

 

リゼ「ん?」

 

ある事を思い付いた千夜は・・・ロープをリゼと一緒に結んで離れないようにさせた。

 

リゼ「・・・」

 

千夜「これなら置いて行かれないわ!リゼちゃんGOー!」

 

リゼ「犬の散歩かよ!!」

 

 

 

 

このまま街中を走る。

 

リゼ「空気が清々しくて気持ちが良いな〜!」

 

千夜「はぁ・・・はぁ・・・そうね・・・!」

 

リゼ「早朝の街って、何時もと違って見えるよな〜!」

 

千夜「はぁ・・・はぁ・・・どのお店も・・・まだ開いてないし・・・」

 

リゼ「静かな街って、何だか新鮮だ〜!」

 

千夜「・・・・」

 

徐々に千夜のペースが落ちて行く。

 

リゼ「それにしても、ココアと完走したいが為に特訓まで始めるなんて!友情の為に己と戦う決意をしたお前を尊敬いいい!?千夜!?」

 

離れていないが、千夜がバテてしまった。

 

千夜「・・・もう・・・無理・・・」

 

リゼ「まだ走り始めたばかりだぞ?」

 

千夜「グルルルルル・・・・」

 

リゼ「散歩を嫌がる犬かよ・・・」

 

 

 

 

 

 

その日の学校。

 

千夜「痛たたた・・・脹脛が・・・筋肉痛かしら・・・?」

 

ココア「筋肉痛?珍しいね。」

 

早朝で無理に走ったせいで筋肉痛が生じてしまった。

 

千夜「実は今朝から大会に向けて特訓を始めたの!」

 

ココア「凄〜い!!」

 

千夜「当日は!甘兎庵旋風を吹かせてやるんだから!!そしてココアちゃんと絶対ゴールする!!」

 

マラソン大会に向けて千夜が燃え始めた。

 

ココア「わぁ!この気迫・・・!1位を目指す為なら私すら切り捨てる覚悟を感じる!!」

 

 

 

 

 

 

その後、ラビットハウス。

 

ココア「と言う訳で!千夜ちゃんに置いて行かれないように、朝ジョギングを始めます!!」

 

楽兎「急だな。」

 

ココア「リゼちゃん!楽兎君!付き合って!」

 

リゼ「早起き出来るのか?」

 

ココア「私を誰だと思ってるの!?早起きと言えばパン屋さん!!パン屋さんの娘と言えばこの私!!ココアだよ!!」

 

緑羽太「モカさんを忘れてないか?」

 

リゼ「ふぅ〜ん、分かった。」

 

楽兎「絶対起きろよな?」

 

ココア「うん!目覚まし宜しくねチノちゃん!」

 

チノ「嫌ですよ。」

 

リゼ「自分で起きろよ!!」

 

ココア「皆でジョギング頑張ろーー!!」

 

ティッピー「は〜あ・・・」

 

 

 

 

 

 

翌日の早朝。先にリゼと合流した楽兎がチノに電話する。スピーカーON。

 

チノ『もしもし、チノです。』

 

楽兎「チノちゃん、ココアは?」

 

チノ『ココアさん、起きません。』

 

楽兎・リゼ「だと思った。」

 

案の定ココアは爆睡中。

 

楽兎「ごめんなチノちゃん。起きたらまた連絡してね。とっちめるから。」

 

チノ『はい。』

 

電話を切った。

 

千夜「遅れてごめんなさ〜〜〜い・・・!!」

 

頑張って走って来た千夜に、リゼが撫でた。

 

リゼ「千夜は偉い!」

 

楽兎「誇らしいぞ!」

 

千夜「え?」

 

 

 

 

3人で朝のジョギング。

 

千夜「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・もう限界・・・」

 

リゼ「後少しだ!頑張れ!」

 

楽兎「千夜!やれば出来る!」

 

千夜「つ・・・疲れを誤魔化す為に・・・掛け声を出しても良いかしら・・・?」

 

リゼ「じゃあしりとりしよう!あー、あー、アップルパイ!」

 

楽兎「いー、いー、勇ましい。」

 

千夜「い・・・い・・・磯辺焼き・・・!」

 

リゼ「きー、きー、キャンディ!」

 

楽兎「いー、いー、委員会。」

 

千夜「いち・・・ご・・・大・・・福・・・黒・・・豆・・・寒・・・天・・・白・・・玉・・・餡・・・蜜・・・抹・・・茶パフェ・・・甘味は是非甘兎庵へーーーーー!!!!」

 

楽兎・リゼ「宣伝カーか!!」

 

 

 

 

陽が昇り、休憩を挟んだ。

 

千夜「はぁ・・・」

 

楽兎「やったな千夜。」

 

リゼ「よく頑張ったな。」

 

するとリゼがポケットから何かを出した。

 

リゼ「ホラこれ!」

 

千夜「スタンプカード・・・?」

 

リゼ「こう言うのがあると達成感があるだろ?」

 

千夜「・・・リゼちゃん!私頑張るわ!!」

 

リゼ「その意気だ!!ココアに追い付け追い越せの精神で行くぞーーーー!!」

 

楽兎「おーーーー!!」

 

千夜「・・・・」

 

リゼ「ん?どした?」

 

千夜「甘兎庵でもスタンプカード導入しようかしら?」

 

リゼ「全部溜まったらどうなるんだ?」

 

楽兎「何か特典が付くのか?」

 

千夜「90分熱々お汁粉飲み放題!」

 

楽兎「わんこそばか!」

 

リゼ「嬉しいかどうか、微妙な線だな・・・まぁ兎に角、明日も頑張ろう!」

 

楽兎「俺も協力するぜ!」

 

千夜「はい!!」

 

 

 

 

 

 

後日。フルール・ド・ラパン。

 

シャロ「えー!?千夜が特訓!?」

 

みくる「本当なの?」

 

ココア「そうなの。」

 

シャロ「そう言えば・・・毎朝ジョギングしてるって・・・運動苦手なのに、毎日続いているみたいね。」

 

みくる「マラソン大会の為に特訓なんて、千夜ちゃん成長したねぇ〜。」

 

ココア「何か最近目付きが、リゼちゃんっぽくなって来てるんだよ!」

 

みくる「リゼちゃんの性格に感染されたのかな?」

 

ココア「私このままじゃ置いて行かれちゃう!!」

 

シャロ「千夜と一緒にジョギングすれば良いじゃない。」

 

みくる「そうだよ。」

 

ココア「千夜ちゃんに隠れて特訓したいの!!」

 

みくる「千夜ちゃんを驚かせたいんだね?」

 

ココア「そうなの!!」

 

シャロ「面倒臭いわねぇ・・・」

 

ココア「シャロちゃん!みくるちゃん!一緒にジョギングしよ?」

 

みくる「うん!良いよ!」

 

シャロ「嫌よ。」

 

ココア「お願いシャロちゃん!お願ーい!」

 

みくる「シャロちゃんもジョギングしようよ!そしたら私のシャロちゃん成分が蓄えられるの!」

 

シャロ「みくるさんって何をしたいんですか・・・?・・・ココア、本当にちゃんと起きるんでしょうね?」

 

ココア「勿論だよ!!」

 

 

 

 

 

 

翌日の早朝。楽兎とリゼが待っていると。

 

千夜「お待たせーーー!!」

 

今日も千夜が時間通りに来た。今日の千夜はツインテールになってる。

 

リゼ「お!その髪型!」

 

楽兎「気合入ってるな!」

 

千夜「ウフフ♪走る時の願掛けよ!名教官みたいに走れるようにね!」

 

リゼ「あ!」

 

千夜「さぁ!今日も地獄の果てまで進軍だーーーー!!!」

 

リゼ「それ私のつもりじゃないよな!?」

 

楽兎「おーい待てーーー!!」

 

 

 

 

 

 

一方シャロとみくるは早起きしたが、チノからのLINEでココアがまだ寝てる光景に唖然としてる。

 

シャロ「・・・・だと思ったわよ!!!!!」

 

みくる「気持ち良さそうね〜。」

 

 

 

 

 

 

その頃3人は、丘の上へ向かってジョギング。

 

リゼ「もう少しで坂道に登り切りだ!!」

 

楽兎「頑張れ千夜!!やれば出来る!!」

 

千夜「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ!!」

 

 

 

 

そして、坂道を登り切り頂上へ到達。

 

リゼ「やったな千夜!!」

 

楽兎「ミッションコンプリート!!」

 

千夜「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・自分が・・・こんなに・・・走れるなんて・・・!!知らなかった〜・・・!」

 

リゼ「ん?」

 

楽兎「お!」

 

陽が昇った。

 

リゼ「綺麗だなぁ〜!」

 

千夜「本当〜!」

 

楽兎「良いね〜!陽の光を浴びると気持ち良いな〜!」

 

千夜「リゼちゃんと楽兎さんとの特訓で、色んな発見が出来たわ!」

 

リゼ「大会が終わっても続けてみるか?」

 

千夜「ううん。私目標が無いと頑張れないの。」

 

リゼ「じゃあトライアスロンとか興味無いか?」

 

千夜「響きだけで死ぬ自信はあるわ。」

 

楽兎「玉砕覚悟?」

 

リゼ「今のお前とココアなら、完走出来るはずだ!!」

 

千夜「ありがと〜!リゼちゃんと楽兎さんと一緒だったから、毎朝頑張れたの!本番、楽しんで来るわね!」

 

リゼ「私達は戦友だ!」

 

楽兎「健闘を祈る!」

 

3人がお互いに敬礼し合った。

 

千夜「これ、今までのお礼に。」

 

渡したのは、甘兎庵の和菓子食べ放題券。

 

リゼ「甘兎庵のスタンプカード!もう出来たのか?」

 

楽兎「いや、これは・・・」

 

千夜「和菓子の食べ放題券よ〜!」

 

楽兎「カロリー無視かよ!!」

 

リゼ「私がジョギングを始めた理由、言ったよな!?」

 

 

 

 

 

 

そして、マラソン大会当日。街中を全校生徒が走る。

 

マヤ「ココア達来ないね。」

 

緑羽太「さぁ現れてくれ!このカメラに2人の勇姿を収めてやる!」

 

チノ「あ!」

 

 

 

 

千夜「はぁ・・・!はぁ・・・!はぁ・・・!」

 

 

 

 

マヤ「千夜だ!!」

 

メグ「ココアちゃんは!?」

 

ココアは千夜のツインテールを掴みながら走ってる。

 

チノ「千夜さんの髪を手綱のように掴んでます!」

 

楽兎「馬かよ!!」

 

緑羽太「折角の勇姿が台無しだ!!」

 

リゼ(千夜、目標通り、ココアを見捨てずに連れて来たんだな!!それでこそ戦友だ!!)

 

千夜「リゼちゃーーーん!!楽兎さーーーーん!!」

 

楽兎・リゼ「ん?」

 

千夜「ツインテール役に立ってるわーーーーー!!!」

 

楽兎・リゼ「嬉しくない!!」

 

メグ「もう少しだよーーー!!」

 

マヤ「頑張れーーーー!!」

 

みくる「行け行けーーーー!!」

 

 

 

 

ココア「千夜ちゃん・・・もう・・・ダメ・・・」

 

千夜「諦め・・・ないで・・・!!ココアちゃん・・・!!一緒に・・・完走するの!!!(格好良いお姉ちゃん兼先輩に!!なるのよーーーー!!!)」

 

ゴールまであと少し。

 

ココア「あぁ・・・・・」

 

そして遂に。

 

千夜「あははははは♪」

 

2人で完走を果たした。

 

 

 

 

マラソン大会終了後。

 

リゼ「お疲れー!」

 

マヤ「凄かったよー!」

 

みくる「千夜ちゃん、ご褒美にギュー!」

 

頑張った千夜をギューっと抱き締めた。

 

千夜「みくるさん・・・ありがとう・・・」

 

シャロ「まさか千夜が完走出来るなんて〜。」

 

緑羽太「2人の勇姿、バッチリカメラに収めたぜ!」

 

ココア「信じてたよ!千夜ちゃんなら絶対やり遂げるって!」

 

千夜「私だけの力じゃないわ。毎朝一緒に走ってくれたリゼちゃんと楽兎さんとココアちゃんのお陰よ!」

 

ココア「えへへ〜。」

 

シャロ「むぅ・・・私も先輩と一緒に走りたかったなぁ・・・」

 

リゼ「お!?じゃあ一緒にやるか!?早速明日から特訓だーーー!!目指せトライアスローーーン!!」

 

シャロ「はいー!・・・って、今最後何て言いました!?」

 

ココア「皆で頑張ろー!!」

 

千夜「おーーー!!」

 

シャロ「ココアは来ないでしょーーー!!」

 

全員「あはははははは!」

 

こうして、千夜とココアがマラソン大会で完走を果たして、緑羽太が2人の勇姿をカメラに収める事に成功した。

 

 

 

 

 

 

ある日の公園。ココアと千夜が散歩していた。

 

ココア「ん〜〜〜!はぁ〜〜!良い天気だねぇ〜。」

 

千夜「ねぇ〜。」

 

ココア「あ!青山さん!」

 

青山「あら!こんにちは〜。」

 

青空を眺めている青山と会った。

 

ココア「そんなにおめかししてどうしたの?」

 

青山「どうしましょう・・・」

 

ココア・千夜「ん?」

 

青山「オフを頂いたのですが、何をすれば良いのか分からなくて・・・」

 

ココア・千夜「え?」

 

千夜「青山さんは何時も原稿に向かってるものね。」

 

ココア「じゃあ!私達と遊ぼうよ!」

 

青山「え?良いんですか!?」

 

千夜「勿論!青山さんは何がしたい?」

 

青山「えっと・・・では、童心に帰って・・・鬼ごっことかどうでしょう!」

 

ココア「良いね!」

 

青山「では、早速鬼役に電話しますね。」

 

ココア「誰だろうね?」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウス。

 

凛「青山先生はここですか!?」

 

楽兎「うわ!凛さん!?」

 

チノ「き、今日は来られてませんが・・・」

 

リゼ「青山さんの担当さん?」

 

緑羽太「ど、どうしたんですか?」

 

凛「はい!真手凛と申します!」

 

名刺を渡した。

 

凛「何時も先生がお世話になっております!」

 

楽兎「どうもご丁寧に。」

 

チノ「原稿の催促ですか?」

 

凛「いえ!今日はオフなので!」

 

チノ「では何を?」

 

楽兎「何故ラビットハウスへ?」

 

凛「青山先生と鬼ごっこです!!」

 

楽兎・チノ・緑羽太「何時もと変わらない!!」

 

 

 

 

 

 

仕事を終えて、凛と一緒に青山を探す事に。緑羽太はビデオカメラを持って青山を捜索。

 

凛「先生の戯れに付き合って貰って良いんですか?」

 

チノ「ココアさん達も協力してると連絡が来たので。」

 

リゼ「この5人で捕まえよう!!」

 

5人が手を重ねる。

 

リゼ「チーム振り回され隊!結成だな!」

 

楽兎「青山さんを見付けるぞー!」

 

緑羽太「いざ、出陣!」

 

楽兎・チノ・リゼ・緑羽太・凛「エイ!エイ!オー!」

 

凛「あぁ・・・何だか、学生時代を思い出します。」

 

緑羽太「あ!凛さん!」

 

リゼ「後ろ!!」

 

凛「え!?え!?」

 

楽兎「彼処!!」

 

凛「あーー!!」

 

向こう側から手を振ってる青山を発見。

 

 

 

 

向こう側。

 

ココア「青山さん!見付かってるよ?」

 

千夜「早く逃げましょ?」

 

 

 

 

凛「待てーー!!」

 

 

 

 

青山「さぁ、行きましょ?」

 

 

 

 

住宅街。

 

凛「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

リゼ「見失ったか!!」

 

チノ「あ!後ろです!!」

 

後ろの道を通り過ぎる3人を発見。

 

リゼ「あ!」

 

凛「先生!!」

 

楽兎「追うぞ!!」

 

リゼ「待てーーーー!!」

 

緑羽太「追跡だーーー!!!」

 

 

 

 

商店街。

 

リゼ「何処に隠れた!?」

 

凛「ここは一旦作戦を立てて・・・」

 

緑羽太「凛さん!!カフェに居ます!!」

 

カフェでゆったりしてる3人を発見。

 

凛「待てーーーーー!!!」

 

ココア・千夜・青山「あははははは♪」

 

 

 

 

公園。

 

楽兎「あ!噴水だ!」

 

噴水に座ってる3人を発見。また逃げられた。

 

 

 

 

商店街の石階段。

 

リゼ「あ!後ろ!!」

 

 

 

 

ベンチ。

 

凛「むむむむ・・・」

 

地図を見てる凛の後ろから青山が見てる。

 

チノ「後ろです。」

 

 

 

 

石橋の上。また逃げられてしまった。

 

チノ「全然捕まりませんね・・・」

 

リゼ「ちょっと休憩するか。」

 

楽兎「チノちゃん、ジュース買って来たよ。」

 

チノ「ありがとうございます・・・」

 

ジュースを貰った。

 

楽兎「凛さんもどうぞ。」

 

凛「あ、ありがとうございます・・・」

 

ジュースを貰った。

 

緑羽太「良いねこの映像。ドキュメンタリーみたいで面白いな。」

 

凛「私、肝心な時に間が悪くて・・・」

 

ティッピー「ん?」

 

チノ「あ!」

 

 

 

 

川を見ると、ゴンドラに乗ってるココア達を発見した。

 

 

 

 

チノ「い、居ました!!」

 

ティッピー「うわーーーーー!!」

 

チノ「ティ、ティッピーーーー!!」

 

体を起こした反動でティッピーが落ちてしまった。

 

 

 

 

しかし、ココアが見事キャッチ。

 

ココア「キャッチ!」

 

 

 

 

凛「ここはやっぱり5人で手分けして・・・」

 

チノ「凛さん!青山さんが!」

 

凛「え!?」

 

見に行くが。

 

チノ「ああ!いやそっちに!!」

 

反対側へ行ってしまった。

 

凛「あれ?」

 

リゼ「しっかりしろーーー!!」

 

凛「う〜〜〜ん・・・!」

 

楽兎「犬ですかあなたは・・・?」

 

 

 

 

ゴンドラ。

 

青山「凛ちゃん、すっかりチノさん、リゼさん、楽兎さん、緑羽太さんと打ち解けたみたいですね。」

 

ココア「私も早く仲良くなって、凛ちゃんさんもラビットハウスの常連さんに!!」

 

千夜「でも捕まらないとお話出来ないわ。」

 

青山「では、頃合いを見て捕まりましょう!」

 

千夜「3人でね!」

 

ココア「捕まる時は一緒だよ!」

 

青山「小説なら、ここで裏切り者が出たら盛り上がりますね!」

 

ココア「あははは!青山さんったら〜!」

 

 

 

 

ゴンドラを降りた後。

 

チノ「ココアさーーーん!」

 

ココア「ん?」

 

チノ「ココアさーーーん!」

 

遠くからチノがこちらに向かって走って来てる。

 

ココア「チ、チノちゃん!?」

 

千夜「他の4人はどうしたのかしら?」

 

青山「これは罠です!」

 

千夜「え?」

 

青山「あんな風に手を振りながら走って来るなんて、チノさんらしくないと思いませんか?」

 

チノ「早く来て下さーい!ココアさーーん!」

 

ココア「チノちゃんが呼んでる〜〜〜!」

 

チノに飛び込もうとしたが、千夜と青山に腕を掴まれた。

 

青山「騙されてはなりません!」

 

千夜「チノちゃんはもう、ココアちゃんが知ってるチノちゃんじゃない!彼女は鬼なのよ!」

 

チノ「ココアさーーーーん!!」

 

満面の笑みで両手を広げた。

 

ココア「チノちゃん!!例えチノちゃんが鬼だとしても、姉としてチノちゃんとハグチャンスを逃す訳には行かなーーーい!!」

 

自分の腕を掴んでる2人を振り解いてチノへダイブする。

 

千夜「ココアちゃーーーーーん!!!」

 

ココア「チノちゃーーーーーん!!!今お姉ちゃんが行くからねーーーーー!!!」

 

そして、チノとのハグに成功したが。

 

チノ「ココアさん、捕まえました。」

 

リゼ「よくやったチノ!!」

 

楽兎「ナイスハニートラップ!!」

 

ココア「えへへへ〜〜〜♡」

 

緑羽太「ココアちゃん、逃げる気力が0だ。」

 

青山「ココアさん・・・私達を裏切って、チノさんに着くんですね・・・」

 

千夜「ココアちゃんは愛に生まれて愛に生きたのよ・・・」

 

青山「ココアさん・・・あなたの事は・・・忘れません・・・」

 

千夜「じゃあ青山さん、次に行きましょうか!」

 

青山「そうですね!」

 

切り替えが早いこの2人。

 

 

 

 

 

 

夕方になっても鬼ごっこは続く。

 

凛「待てーーーーー!!」

 

住宅街の分かれ道で千夜と青山が二手に分かれて逃げた。

 

凛「二手に分かれた!!」

 

リゼ「千夜は任せろ!!」

 

凛「お願いします!!」

 

緑羽太「楽兎!!青山さんを頼む!!」

 

楽兎「OK!!後で会おう!!」

 

 

 

 

逃げる千夜をリゼと緑羽太が追う。

 

リゼ「速くなったな!特訓した成果か!」

 

緑羽太「流石、楽兎が言ってた通りだ!」

 

千夜「皮肉なものね。その教官と部下に追い掛けられるなんて。でも、もう誰も私の足を止められな・・・」

 

リゼ「あ、行き止まり。」

 

走る先は行き止まりだった。

 

緑羽太「さぁ千夜。どうする?」

 

観念した千夜がその場に座り込み。

 

千夜「さぁ!煮るなり焼くなり好きになさい!」

 

リゼ「潔い・・・」

 

緑羽太「もうちょっと抵抗しよ?ね?」

 

 

 

 

 

 

マーケット会場。

 

凛「先生・・・一体何処へ・・・?」

 

楽兎「青山さん・・・何処へ消えた・・・?」

 

すると2人の足元にカードが突き刺さった。

 

凛「きゃあ!?」

 

楽兎「何だ!?」

 

 

 

 

シャロ「皆さん!怪盗ラパン!参上!」

 

 

 

 

怪盗ラパンに扮したシャロが居た。

 

楽兎(シャロ!)

 

シャロ「フルール・ド・ラパンでは、怪盗ラパンとのコラボ開催中でーす!」

 

ココア・凛「怪盗ラパンだーーー!!」

 

楽兎「シャロだぞ。」

チノ「シャロさんです。」

 

凛「も、もっと近くに来ても良いかな・・・?」

 

チノ「ただのファンです。」

 

ココア「担当さんが作家さんの1番のファンって奴だね。」

 

凛「あ、あの・・・よ、良かったら、写真を・・・お?」

 

すぐそこにシャロをローアングルから眺めてる青山が居た。

 

青山「つい癖で、シャロさんを覗き込んでしまいました〜。」

 

みくる「分かりますよ青山さん!シャロちゃんは何処から見ても可愛いですからね!」

 

シャロ・凛「え!?」

 

青山「では〜。」

 

凛「あ!待てーーー!青山セクハラマウンテーーーン!!」

 

再び逃げ出した青山を凛が追う。

 

シャロ「トォ!」

 

みくる「ワオ!怪盗らしいジャンプ!」

 

リゼ「私達も行くぞ!」

 

楽兎「みくるも行くぞ!」

 

みくる「合点承知の助!!」

 

 

 

 

 

 

逃げる青山を追った先には。

 

ココア「わーーーー!!」

 

広場の真ん中にメリーゴーランドが。

 

ココア「凄ーい!何これ!?可愛いー!」

 

緑羽太「メリーゴーランドだ!」

 

チノ「うさぎのカルーセルですね!」

 

ココア「皆乗ろうよー!」

 

リゼ「青山さん捜すのが先だろ!?」

 

凛「あ!」

 

 

 

 

青山「凛ちゃーん!こっちですよー!」

 

 

 

 

メリーゴーランドに乗ってる青山を発見した。

 

凛「乗ってる!?」

 

ココア「私達も突撃だよーー!」

 

シャロ「ようやく捕まえられるわね!!」

 

ココア「早く乗らないとーーー!!」

 

シャロ「そっち!?」

 

リゼ「私達も乗るぞーー!!」

 

千夜「ウフフフ♪」

 

シャロ・凛「えーー!?」

 

楽兎・緑羽太・みくる「目的忘れてる!?」

 

凛「もぉー・・・ん?」

 

メリーゴーランドに凛が見惚れた。

 

凛「綺麗・・・!」

 

 

 

 

すっかり夜になり、ココア達がメリーゴーランドを楽しんでいる。

 

凛「カルーセルに乗るなんて子供の時以来・・・」

 

青山「確かに。」

 

凛「・・・フフフ。」

 

青山「ウフフ♪こうしていると思い出しますね〜。高校時代の事。どんな手を使っても凛ちゃんが追い掛けて来てくれるから。どんどんエスカレートしちゃって。こんなにはしゃいでいる私をマスターが見たら・・・何て言うかな?」

 

 

 

 

 

 

高校時代。ラビットハウス。

 

青山『完成しました!』

 

マスター『おぉ、そうか!おめでとう。』

 

青山『書き上げる事が出来たのは、お借りしたこの万年筆のお陰です!ありがとうございました!』

 

マスター『その万年筆は君が持ってなさい。』

 

青山『え?』

 

マスター『未来の小説家に持って貰う方が、万年筆も幸せだろう。』

 

青山『マスター・・・ありがとうございます!必ず幸せにします!』

 

マスター『頼んだよ。』

 

青山『次に書く話は、もう決まってるんです。』

 

マスター『次も最初に読ませてくれ。』

 

青山『約束ですよ?』

 

 

 

 

 

 

ティッピー「学生の頃と変わらん。」

 

青山「ん?」

 

ティッピー(やれやれ。)

 

青山「天の声が!マスター!?マスター!」

 

メリーゴーランドが止まった。

 

凛「青山先生。」

 

青山「はい。」

 

凛「どれだけ間が悪くても、捕まえるまで絶対諦めません!それにしても・・・お休みの日まで翠ちゃんを追い掛けるなんて思わなかったよ。」

 

青山「楽しかったですよ?本当に。それに、私達らしいじゃないですか。」

 

凛「ウフフフ♪そうだね!」

 

青山「はい。」

 

手を凛に伸ばした。

 

凛「翠ちゃん!捕まえた!」

 

彼女が伸ばした手を握った。

 

青山「捕まっちゃいました。」

 

ココア「エヘ。」

 

凛「アハ!」

 

ココアと凛がピースで交わした。

 

『END』




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
       真手凛:木村珠莉
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

青山「今日は良い日が出来ました〜♪」

タカヒロ「これで原稿も捗りそうか?」

青山「あー。いたたたー。きんにくつーだー。」

タカヒロ「青山君・・・」

青山「あーーー。」

次回「うさぎの団体さんも大歓迎です」


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30羽「うさぎの団体さんも大歓迎です」

ある日。シャロはチラシ配りの為公園に来ていた。しかし、野良うさぎ達に怯えていた。

シャロ「チ・・・チノちゃん・・・まだ・・・?」

チノ「間合いを計ってるんです。」

野良うさぎ達はシャロの周りに集まり、チノがその野良うさぎ達にゆっくりと近付く。

チノ「不用意に近付くと、モフる前に逃げられます。」

楽兎「何で俺じゃなくてシャロにお願いしたんだ?」

チノ「今です!とりゃああーーーーー!!」

ダッシュして野良うさぎ達に飛び込もうとしたが、転んでしまってシャロにぶつかった。

楽兎「チノちゃん!シャロ!」

チノ「す、すみませんシャロさん!」

楽兎「ん?チノちゃん!周り見て!」

チノ「え?」

周りを見ると、野良うさぎ達はチノを見て逃げなかった。

チノ「うさぎが・・・逃げない・・・?」

1羽の野良うさぎを抱っこ出来た。

チノ「うさぎが逃げない!うさぎが逃げない!」

野良うさぎをモフモフ出来、チノが興奮した。

チノ「これは夢!?」

ティッピー「ジェラシー・・・!」

チノ「抱っこ出来たのポッポ以外初めてです!シャロさんと一緒だからモフモフ出来・・・」

一方シャロは、野良うさぎ達に囲まれて気絶中だった。

楽兎「シャローーーー!!!」

チノ「ち、ちょっと待ってて下さい!」

急いで野良うさぎ達を退かした。

シャロ「あ・・・ありがとう・・・」

チノ「失礼します!」

シャロ「え?」

楽兎「チノちゃん?」

何故かチノがシャロの隣に寝転んだ。すると他の野良うさぎ達が集まって来た。

シャロ「っ!?楽兎さん助けて下さーーーーい!!!」

楽兎「待ってろシャロ!今助けてやるぞーーー!!!」

色々な災難に遭ったシャロであった。


ある日の中学校。生徒達の髪がキラキラ光っていた。

 

マヤ「何か最近、雰囲気変わった子が増えた?」

 

メグ「卒業アルバムの撮影が近いから、皆オシャレしてるんだよ。」

 

チノ「卒業・・・」

 

メグ「私達も頑張ってみる?」

 

マヤ「たった1日の為に?まっさか〜!」

 

チノ「全くです。」

 

3人は一斉にポーズを取った。

 

メグ「どんな時でも自然体!」

 

マヤ「それがチマメ隊!」

 

チノ(その時、私達は思ってもみませんでした。まさか裏切り者が現れる事になろうとは・・・)

 

このチマメ隊の裏切り者は一体誰なのか・・・

 

 

 

 

放課後。メグが1人で帰り道を歩いている。

 

メグ「自然体とは言ったけど、ちょっと切り揃えたいなぁ〜。癖っ毛も少し直せたらな〜。・・・そうだ!シャロさんに相談してみよう!!シャロさんとは髪質が似てるし、良い美容院とかオススメのトリートメントとか知ってるかも!」

 

 

 

 

そのシャロは今、千夜とみくるに髪を切って貰っている最中。

 

千夜「今日はどうします?」

 

シャロ「何時も通り。」

 

みくる「畏まりました。」

 

 

 

 

メグ(お家カット!?)

 

消火栓の裏から偵察。

 

 

 

 

みくる「では濡らしま〜す。」

 

霧吹きでシャロの髪を濡らす。

 

シャロ「冷た!!」

 

みくる「こらこら。余所見しちゃダメだよ?千夜先生、準備完了しました〜。」

 

千夜「ありがとうみくるさん。」

 

カットハサミを持った。

 

シャロ「朝起きると、頭が小鳥の巣みたいになってるのよねぇ・・・」

 

千夜「多めに空いておくわね。」

 

 

 

 

メグ「(千夜さんのカット、凄く優しそう。それに、素敵な雰囲気!)私もあんな風に切って貰えたらなぁ・・・」

 

 

 

 

千夜「あら?」

 

シャロ「メグちゃん!」

 

みくる「ヤッホー!」

 

メグ「あ!こ、こんにちは!」

 

千夜「メグちゃんも仲間に入りたい?」

 

メグ「え?わ、私も!?えっと・・・ん?」

 

千夜「さぁ!一緒にレッツモフモフ〜!」

 

みくる「ん〜!気持ち良い!」

 

髪をモフモフする。

 

シャロ「え!?動けない事を良い事に!!」

 

カット再開。

 

千夜「モフモフじゃなくて、髪を切って貰いたかったのね。」

 

メグ「千夜さんさえ良ければ・・・」

 

千夜「任せて!アルバム撮影の為に髪を切るなんて!サロン・ド・千夜!一世一代の大舞台だわ!」

 

みくる「よっ!千夜様!」

 

シャロ「ちょっと待って!!メグちゃんの髪は私が切るわ!!」

 

千夜「え?」

 

シャロ「だって千夜が切ったら・・・前髪こんなになるじゃなーーい!!」

 

前髪がぱっつんとなっていた。

 

みくる「あ、本当だ。」

 

千夜「シャロちゃんが切ってもこんなになるわ!」

 

同じぱっつんとした前髪。

 

メグ「じゃあ、ワイルドギースを手入れしたのは?」

 

千夜・シャロ「私達ーーー!!」

 

メグ「自信満々!?」

 

みくる「ん〜。綺麗な前髪に整っていますなぁ〜。ワイルドギース様〜。」

 

千夜「私がメグちゃんの前髪に引導を渡すわ!」

 

シャロ「引導を渡してどうするのよ!」

 

千夜の祖母「2人共!喧嘩は止しな!」

 

みくる「あ!千夜ちゃんのお婆ちゃん!」

 

千夜の祖母「その生意気天然ウェーブは、私が引き受けるよ!」

 

千夜「お祖母ちゃん!」

 

千夜の祖母「ん〜。ゆるふわが似合いそうだけどつまらんねぇ〜。一層の事、ストレートパーマにしちまう手もあるね!」

 

ツインテールに使うシュシュを外し、みくるがメグにシートを被せた。

 

千夜の祖母「千夜。あんこに使っている奴、何処にやったかいね?」

 

メグ(どうなっちゃうの・・・!?私・・・)

 

すると後ろからみくるに抱かれた。

 

メグ「ひゃっ!」

 

みくる「大丈夫だよメグちゃん。千夜ちゃんのお婆ちゃんを信じよう?」

 

メグ「みくるさん・・・」

 

みくる(あ〜、メグちゃんもモフモフで気持ち良いね〜♡)

 

 

 

 

 

 

同じ頃マヤは、雑貨屋に居た。

 

マヤ「ヘアアクセかぁ・・・」

 

鏡に自分を映す。

 

マヤ「髪短いから、どうしようもないんだよねぇ・・・せめてアホ毛直らないかなぁ?一層こうやって纏めたら。」

 

前髪を結んだ。

 

緑羽太・リゼ「ぷっ・・・!!」

 

後ろで緑羽太とリゼが笑い堪えていた。

 

マヤ「な!何見てるんだよ!!」

 

2人に訳を話した

 

リゼ「ふぅ〜ん。イメチェンかぁ。」

 

緑羽太「卒業アルバムに残す写真かぁ。そうだ、俺今度マヤちゃん達の学校の卒業アルバムの撮影係りを依頼されてるんだ。」

 

マヤ「そうなの?」

 

緑羽太「ああ。」

 

マヤ「写真って、ずっと残るじゃん?このアホ毛だけでもどうにかならないかと思ってさ。」

 

リゼ「よぉ〜し。ちょっとジッとしてろよ?」

 

クリームを出して、マヤのアホ毛を直そうとするが、アホ毛が直らない。

 

リゼ「何だこの強靭なアホ毛は!?」

 

緑羽太「寄生生物か何かか!?」

 

リゼ「よぉし・・・これでどうだ!」

 

花のヘアピンでアホ毛を直した。マヤの髪が可愛く仕上がった。

 

緑羽太「おぉ!可愛い!」

 

マヤ「・・・ないない!ちょっと派手過ぎだよ・・・」

 

リゼ「・・・・・!!!」

 

マヤ「ん?ホラまた笑って〜!」

 

リゼ「何でお前は似合うんだよ!!!」

 

緑羽太「泣いてる!?」

 

マヤ「リゼも試したの?・・・じゃあ私が選んであげる!!」

 

リゼ「え!?い、いやぁ・・・自分で・・・」

 

マヤ「お!リゼにはこれが似合うよ!」

 

紫色の四葉のクローバーのヘアピン。

 

マヤ「ホラね!」

 

緑羽太「おぉ!似合いそうだな!」

 

リゼ「そ、そうか・・・?自分じゃよく分からない・・・」

 

緑羽太「鏡で見てみろよ。」

 

マヤ「リゼにはこう言う大人っぽいの似合うって。私には似合わないから羨ましいなぁ・・・」

 

緑羽太「そんな事ないと思うぞ?マヤちゃんにもピッタリなヘアアクセが見付かるかも知れないぞ?」

 

マヤ「そうかなぁ・・・」

 

リゼ「マヤも、これなら似合うんじゃないか?」

 

黄色の四葉のクローバーのヘアピン。

 

マヤ「本当!?」

 

リゼ・マヤ「じゃあ、お揃いで!!」

 

緑羽太「おぉ。ハモった。」

 

リゼ・マヤ「あ!」

 

マヤ「発想までお揃いにさせないでよーーー!!」

 

リゼ「私のせいじゃないだろ!!デコマヤ!!」

 

胸を叩くマヤのおでこにデコピン。

 

マヤ「っーーー!」

 

 

 

 

 

 

休日のラビットハウス。

 

チノ「ちょっと伸びたかな?アルバム撮影の時に目が隠れちゃったら困るし。」

 

 

 

 

キッチン。

 

チノ「何時も通り自分で・・・」

 

楽兎「チノちゃん、髪切るの?」

 

チノ「はい。アルバム撮影の為に前髪を。」

 

楽兎「じゃあ、俺が切ってあげようか?」

 

チノ「良いんですか?ん?」

 

楽兎「ん?何だあのフワフワしたうさぎは?」

 

テーブルの上にフワフワしたうさぎが居た。

 

ティッピー「ほ〜れ!どうじゃ〜?」

 

その正体は、ふわふわにトリミングされたティッピーだった。

 

チノ「お爺ちゃん!?」

 

楽兎「ティッピー!?その髪どうした!?」

 

ティッピー「ココアがトリミングしたんじゃ!」

 

楽兎・チノ「えええーーーー!?」

 

ティッピー「全くココアの奴と来たら、こんな大袈裟にサラサラにしおって。ワシは毛玉を取りたかっただけなのに。」

 

チノ「この手触り、モフモフへの情熱が発揮されている!」

 

楽兎「モフモフへの執着心が功を奏したな!」

 

チノ「もしや、ヘアカットも上手!?いえ、うさぎ限定かも!」

 

そこにココアが帰って来た。

 

ココア「ただいまぁ〜!」

 

楽兎「ようココア。お帰り。」

 

チノ「私の髪もトリミングして下さい!」

 

ココア「・・・ええーー!?」

 

 

 

 

ベランダでチノの髪をカットする事に。

 

ココア「痒い所はございませんか?」

 

チノ「美容院ごっこですか?」

 

ココア「今日は肌寒いですね。ブランケットをどうぞ。」

 

チノ「ありがとうございます。」

 

ココア「雑誌、此方に置いておきますね。温かいコーヒーをお持ちしましょうか?何ならおやつにパンも焼きますよ?」

 

楽兎「髪を切るんじゃないのか?」

 

ココア「はぁ〜い!」

 

楽兎「チノちゃん、もしココアが失敗したら俺に切らせてくれ。」

 

チノ「お願いします。」

 

ココア「大丈夫だよ楽兎君!私を信じて?」

 

楽兎「既にそのセリフがフラグとしか思えないんだが・・・」

 

チノの髪を櫛で整える。

 

ココア「こうしてると、家族って感じしない?」

 

チノ「美容院は何処へ?」

 

ココア「えへへ。私も実家に居た時は、お姉ちゃんに切って貰ったなぁ〜って。」

 

楽兎「モカさんか。」

 

チノ「そう言えばココアさんも髪伸びてますね。」

 

ココア「最近伸ばしてるんだぁ〜。少しでもお姉ちゃんに近付けたらなぁ〜って。」

 

楽兎「モカさんと同じ髪型・・・違和感無さそう。」

 

チノ「伸ばしたからってモカさんのようになれる訳では・・・あ!(否定しちゃいけない!折角ココアさんがしっかりしてるのに!)」

 

ココア「本日はどうなさいますか?毛先を少し揃えます?」

 

チノ「絶対素敵にカットしてくれると信じてます!ココアさんの好きにして下さい!」

 

ココア「え!?何そのプレッシャー!?もう信頼してくれてるんだよね?お姉ちゃん嬉しいよ!さぁお嬢さん!覚悟しな!!」

 

楽兎「時代劇か。」

 

ココア「絶対素敵なカットにするからね!」

 

楽兎「おいココア、無理すんなよ?」

 

ココア「大丈夫!お姉ちゃんにお任せて!」

 

楽兎「フラグ臭がプンプンする・・・」

 

チノ「ココアさん、緊張してます?」

 

ココア「でも失敗したらピコハンで叩いて!!」

 

楽兎「何故ピコハン!?」

 

チノ「普通のカットで良いので失敗しないで下さい!」

 

 

 

 

順調に髪をカットして行く。

 

楽兎「上手い上手い。」

 

ココア「お客さん、進学先お姉ちゃんの通ってる学校に決めたんだって?」

 

チノ「そうです。」

 

ココア「お姉ちゃんと一緒に登校して、学校も一緒で、放課後はラビットハウスのお手伝いして、おはようからおやすみまでお姉ちゃんと一緒だね!」

 

チノ「やっぱり違う学校にするかも。」

 

ココア「え!?」

 

そのショックでうっかりチノの前髪を切ってしまった。

 

楽兎「あ・・・」

 

ピコハンをチノに差し出した。

 

チノ「今言うべき冗談ではありませんでした・・・」

 

ココア「お詫びに私も散髪してーーー!!」

 

楽兎「伸ばすんじゃねえのかよ!?」

 

ココア「やっぱり私は私だし・・・髪を伸ばしても、お姉ちゃんになれる訳じゃないんだね・・・」

 

チノ「でも、何時もの好きも素敵ですよ?」

 

ココア「え?」

 

 

 

 

キッチンでは、タカヒロが皿を洗っていると。

 

楽兎「タカヒロさん。」

 

タカヒロ「ん?」

 

前髪が同じのココアとチノが出て来た。

 

タカヒロ「おや。」

 

ココア「えへへ〜。」

 

タカヒロ「お揃いかい?」

 

チノ「いえ。失敗しました。」

 

ココア「そんな事ないよ!チノちゃんは上手だよ!」

 

タカヒロ「そうだね。2人共よく似合ってるよ?」

 

チノ「っ!」

 

楽兎「こうして見ると、本当の姉妹みたいだ。」

 

ココア「えへへ〜!」

 

 

 

 

 

 

翌日の中学校。

 

チノ(自然体って言ってたのに、2人に何て言おう・・・)

 

マヤ「チノー!おっはよー!」

 

メグ「おはよー。」

 

チノ「おはようございま・・・え!?」

 

2人の髪も自然体になっていた。マヤはヘアピン、メグはストレート。

 

チノ「2人共それ!!」

 

メグ「ひ、秘密〜・・・」

 

マヤ「ちょっと色々ありまして・・・」

 

チノ「何か大人っぽいです!」

 

マヤ「そ、そう?それを言うんだったらチノまで。」

 

メグ「素敵な雰囲気だよ〜?」

 

チノ「わ、私は偶然の結果です・・・」

 

マヤ「2人共気合入れて来るって思ってたからね〜。」

 

メグ「そんなつもり無かったんだけど〜・・・」

 

チノ「前髪位、すぐ伸びますし。」

 

チマメ隊「あはははは!・・・裏切り者ーーーー!!!」

 

この中の裏切り者は、全員であった。

 

 

 

 

 

 

ある日。

 

ココア「ラビットハウスのパン祭り!!」

 

リゼ「パスタもありまーーす!!」

 

チノ「美味しいコーヒーもあります!!」

 

楽兎「どうぞお越し下さーーい!!」

 

ココア「パパンパンパンパン祭り〜!!」

 

今日はラビットハウスのパン祭りのチラシ配り。そこでシャロとみくると偶然会った。

 

ココア「シャロちゃん!みくるちゃん!」

 

シャロ「またパン祭りやるのね?」

 

みくる「へぇ〜!楽しそう!」

 

ココア「食欲の秋で食べ放題だよ!」

 

リゼ「今回は来れそうか?」

 

シャロ「そうですね・・・貰ったメロンパン、美味しかったなぁ〜。」

 

チノ「あ、今度のパン祭りは私の新作コーヒーも。」

 

リゼ「っ!」

 

青山「パン祭りですかぁ〜。今回は、お邪魔しますね。」

 

ローアングルからシャロとみくるを眺めてる青山を発見。

 

シャロ「また目線を下にーーー!!」

 

みくる「いやぁ〜ん、恥ずかしい〜。」

 

楽兎「青山さん、何故ローアングルから?」

 

凛「青山先生ーーーー!!原稿ーーーーー!!」

 

遠くから凛が青山を追って現れた。

 

ココア「あ!凛ちゃんさんだ!パパンパンパンパン祭りだよ〜!!」

 

リゼ「歌うな!!」

 

楽兎「止めるな!!」

 

みくる「そして逃げた!!」

 

青山「スーーーー!」

 

凛「食べ放題?そうですね。時間が空けば・・・」

 

ココア「パン祭り来たら、青山さん捕まえられるよ!」

 

凛「行きます!」

 

楽兎・みくる「切り替え早!!」

 

チノ「あの、コーヒーも・・・」

 

凛「パパンパンパンパン祭りでしたっけ?絶対行きますから!!」

 

青山「楽しみですね〜!」

 

花壇からこっちを見てる。

 

リゼ「あ!そんな所に!」

 

凛「先生!待てーーーー!!」

 

リゼ「本当に来れるのか?」

 

楽兎「来るだろう。」

 

ココア「あれ?チノちゃんは?」

 

シャロ「あ!彼処!!」

 

 

 

 

公園の上で座り込んでるチノを発見した。

 

ココア「チノちゃーーーーん!!」

 

楽兎「どうしたんだチノちゃん・・・って、あれ!?」

 

何故かチノが草を口に咥えて不良っぽくなっていた。

 

シャロ「ワイルドギースを乗せてグレてる!?」

 

みくる「ワイルドギースに憑依された!?」

 

チノ「ラビットハウスはパン屋さんじゃない・・・だぜ!皆コーヒーが嫌いなん・・・だぜ!」

 

ココア「ワイルドチノちゃん!?」

 

リゼ「不良チノだーーー!!」

 

楽兎「こんなチノちゃん初めてだーーー!!」

 

ココア「も、元に戻るんだぜ!!」

 

シャロ「新しい腹話術!?」

 

リゼ「草食べるなーーー!!」

 

みくる「戻って来て!!チノちゃん!!」

 

緑羽太「ほほ〜う。ワイルドギースに憑依されたチノちゃん。これはスクープになりますなぁ〜。」

 

何処からか現れた緑羽太がワイルドギースに憑依されたチノを撮影している。

 

楽兎「緑羽太!!」

 

みくる「どさくさに紛れてチノちゃんを撮ってる!?」

 

千夜「あらあら。皆どうしたの?」

 

今度はあんこを抱っこした千夜が現れた。

 

ココア「千夜ちゃん!チノちゃんがワイルドギースに憑依されて・・・」

 

千夜「それならあんこも、ライドオン。」

 

ワイルドギースを持って、あんこをチノの頭に乗せた。

 

シャロ「チノちゃんで遊ばないの!!」

 

ココア「あ!!」

 

するとチノの目が変わり、無言になってしまった。

 

リゼ「今度はあんこみたいになった!?」

 

千夜「まぁ!降霊術だわ!」

 

シャロ「あんこ生きてるでしょ!?」

 

ココア「チノちゃんカムバーック!!」

 

緑羽太「チノちゃんは一体、どんな体質を持ってるんだ?もしくは、ワイルドギースとあんこに何か特殊な力でも宿ってるのか?信じるか信じないかは、あなた次第!」

 

楽兎「ノリに乗んな!!」

 

チノ「フ・・・フフ・・・」

 

笑い堪えながら立ち上がった。

 

全員「?」

 

チノ「す、すみません・・・ちょっと悪戯しちゃいました。」

 

楽兎「なぁんだ悪戯かぁ・・・本気だと思ったよ・・・」

 

ココア「も〜!本気で拗ねちゃったのかと思ったよーー!!」

 

千夜「やんちゃになったわね〜。」

 

リゼ「ココアににてきたなぁ・・・」

 

シャロ「末恐ろしい子ですね・・・」

 

ココア「?」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスのパン祭り。

 

ココア「お客さん、来てくれると良いなぁ・・・」

 

リゼ「珍しく弱気だな。」

 

ココア「この前実家に帰った時、お姉ちゃんとの実力の差を思い知らされてね・・・」

 

リゼ「ココアがそんなだと、私まで不安になって来るだろ?」

 

チノ「ココアさんのパンもリゼさんのパスタも、美味しいから大丈夫です。」

 

楽兎「俺とチノちゃんが保証するから安心しろ。」

 

リゼ「チノ・・・楽兎・・・」

 

ココア「そこにチノちゃんと楽兎君のコーヒーがあって最強だね!」

 

楽兎「あぁ。」

 

チノ「今更フォローしても遅いですよ。」

 

ココア「あれ?まだ拗ねてる?」

 

チノ「拗ねてないん・・・だぜ。」

 

楽兎「チノちゃん。後で慰めてあげるから。」

 

チノ「大丈夫なん・・・だぜ。」

 

楽兎「ワイルドギースの力が残ってるな・・・」

 

すると店のドアが開いた。

 

チノ「っ!」

 

 

 

 

緑羽太「来ましたぜーーー!!」

 

メグ「お腹空かせて来たよーーー!!」

 

マヤ「店中のパンを食べ尽くすぞーーー!!」

 

 

 

 

皆が来てくれた。

 

リゼ「おいおい、食べ尽くすなよ〜。」

 

ココア「マヤちゃんのお腹がいっぱいになるのが先か、パンを捏ねる私の腕が限界を迎えるのが先か、勝負だよ!」

 

マヤ「望む所だ!!」

 

チノ「席にご案内して下さい。」

 

 

 

 

その後、お客達が増えて来た。

 

緑羽太「おぉ!このキリマンジャロ、今まで飲んだ奴と比べて美味いな!」

 

楽兎「だろ?俺オリジナルでブレンドしたんだ。」

 

シャロ「ん〜。パンの良い匂い〜。」

 

みくる「美味しそうな匂いだね〜。」

 

千夜「漉し餡パンも粒餡パンもある!ココアちゃん本気ね!」

 

ココア「ご注文は何にしますか?」

 

シャロ「メロンパンとクロワッサン。後、一緒にコーヒー貰える?」

 

みくる「シャロちゃん!?」

 

ココア「カフェインで酔っちゃっても良いの?」

 

シャロ「今日は飲みたい気分なの。」

 

メグ「ウフフ。バータイムのセリフみたい。」

 

マヤ「私も飲みたい気分だよ〜。」

 

千夜「私は抹茶を。」

 

シャロ「コーヒーで飲みなさいよ!」

 

みくる「私はカプチーノにしようかな?」

 

ココア「私はモカチーノ!」

 

楽兎・リゼ「ココアは仕事しろ!!」

 

オリジナルコーヒーが完成。

 

チノ「お待たせしました。」

 

コーヒーの上に花の形のホイップクリームと、ティッピーのクッキーが付いてる。

 

マヤ「何か可愛いの来たー!」

 

チノ「スペシャルブレンドコーヒーです。」

 

メグ「ホイップでお花作ってるー!」

 

チノ「今日の為に頑張ってブレンドしてみました。」

 

千夜「飲むのが勿体ないわぁ〜。」

 

シャロ「ゆっくり味わって頂きましょ?」

 

スペシャルブレンドコーヒーをシャロが飲む。すると。

 

シャロ「っ!うわああああーーーーーーー!!!」

 

天空から落ち・・・

 

 

 

 

花畑の上で天使になった。

 

天使シャロ『美味しい〜。何て良い香りなの〜?』

 

天使ココア『ホラ。シャロちゃんも花冠。』

 

そこに天使のココアとチノが来た。

 

天使チノ『何時もお疲れ様です。』

 

天使ココア『シャロちゃん、手を出して?』

 

天使シャロ『手?』

 

手を握った。そこに天使になったリゼと千夜も加わり。

 

天使達『ランランラララ〜ン♪カフェインで目がランラン〜♪カフェインを巡れ〜♪』

 

天使シャロ「暖かみを感じる〜。」

 

 

 

 

シャロ「これが・・・天国・・・」

 

当の本人はふわふわしていた。

 

楽兎「シャロがふわふわしてる・・・」

 

ココア「このコーヒー、何入れたの?」

 

チノ「気持ちを込めただけです!」

 

みくる「ふわふわしたシャロちゃんも可愛い〜♡」

 

凛「あの!スペシャルブレンド、私にも1つ!」

 

楽兎「凛さん!」

 

リゼ「コーヒー苦手って聞いたけど・・・」

 

凛「・・・て、天国が見たくて・・・!」

 

リゼ「シャロの反応は特別だから!!」

 

楽兎「凛さん無理は禁物!!」

 

青山「編集者としての好奇心ですね。」

 

スペシャルブレンドを飲んでみる。

 

凛「・・・!美味しい!」

 

チノ「っ!」

 

凛「コーヒー自体の苦味や酸味が少ないし、クリームのお陰で凄く飲みやすいです。」

 

チノ「周りにコーヒー苦手な人や、あまり飲めない人が多いので。」

 

凛「そっかぁ。飲みやすくしてくれてるんですね!確かに。チノさんの温かみを感じます。」

 

チノ「温かみ・・・あ、ありがとうございます!」

 

リゼ「頑張った甲斐があったな!」

 

楽兎「流石だチノちゃん!」

 

ココア「このスペシャルブレンド、定番メニューにしよう!そしたら凛ちゃんさんが常連になってくれるかも!」

 

凛「はい!これがあれば、青山先生の徹夜にも付き合えます!」

 

青山「ーーーーーーー」

 

目のハイライトが消失した。

 

楽兎「あ、青山さんがバグった。」

 

ココア「頑張って!青山さん!」

 

1人の少女が、スペシャルブレンドコーヒーを見ていた。

 

少女「・・・ママ!私もお花のコーヒー飲みたい!」

 

母親「まだ早いでしょ?」

 

チノ「あの。良かったら、ココアにしてお持ちします。」

 

母親「良いんですか?」

 

少女「お花作る所、見てもいい?」

 

チノ「いいですよ。」

 

 

 

 

スペシャルブレンドコーヒーを作る。

 

女の子A「上手だねぇ〜!」

 

チノ「ありがとうございます。」

 

女の子B「お花以外は作れる?」

 

チノ「そうですね。モフモフのうさぎさんなら作れるかも。」

 

少女「モフモフ!?見た〜い!」

 

 

 

 

ココア「チノちゃんがお姉ちゃんに見えるよ。」

 

リゼ「ココアに似て来たなぁ。」

 

楽兎「チノちゃん成長したなぁ。」

 

ココア「チノちゃんが私に似てるなら、私は今の私で良いかな?」

 

リゼ「?」

 

ココア「てへへ〜。何でもない!ん?あ!お花失敗した奴だ!」

 

失敗したスペシャルブレンドコーヒーがあった。

 

ココア「私も飲んでみよう。」

 

失敗したスペシャルブレンドを飲んでみる。

 

ココア「・・・あれ?普段のブレンドと違いが分からない。」

 

チノ「ココアさんは最初からコーヒーの区別出来てないじゃないですか。」

 

ココア「違うよ!だってチノちゃんのコーヒーは、最初から全部凄く美味しいもん!!」

 

チノ「っ!!・・・」

 

ココア「チノちゃん?」

 

チノ「いえ、気を遣ってくれてるのかと思ってました・・・」

 

千夜「ココアちゃん!注文いいかしら?」

 

みくる「こっちもお願い!」

 

ココア「あ!はーい!」

 

メグ「チノちゃん、何か良い事あった?」

 

マヤ「顔がニヤけてる〜。」

 

チノ「ニヤけてません!」

 

楽兎「またまたぁ〜。チノちゃん、素直になってもいいんだよ?」

 

チノ「楽兎さん・・・もう・・・」

 

楽兎・マヤ・メグ「えへへ。」

 

 

 

 

 

 

夕方。パン祭りが終わり、後片付け。

 

リゼ「今日のパン祭りも大盛況だったし!」

 

ココア「うん!3人のお陰だよ!やっぱり私達最強兄妹!」

 

チノ「何ですか?それ。」

 

楽兎「俺は長男か。」

 

リゼ「チノのコーヒーも大好評だ!」

 

チノ「え?」

 

ココア「ラテアートも小ちゃい子達に大人気だったし!」

 

楽兎「あぁ!チノちゃん立派なお姉ちゃんだったぞ?」

 

チノ「お姉ちゃん・・・私が・・・」

 

リゼ「うん!頑張ったな!チノお姉ちゃん!」

 

ココア「偉い偉い!」

 

楽兎「お姉ちゃん、よく出来ました!」

 

3人がチノを撫でる。

 

チノ「か、からかわないで下さい!表の看板を下げて来ます!」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウス入り口前。

 

チノ「すぅ〜・・・はぁ〜・・・おじいちゃん、私は少し変われたんでしょうか?」

 

ティッピー「そうじゃなぁ。」

 

チノ「温かみって、何でしょう・・・?うさぎにだって、1人だと逃げられてしまうのに・・・」

 

ティッピー「チノ。振り返ってみるんじゃ。」

 

チノ「ん?・・・ん?あ!」

 

後ろを振り向くと、1羽の野良うさぎがこっちを見ていた。ゆっくりと手を伸ばし、野良うさぎを撫でた。野良うさぎは逃げずに撫でさせてくれた。

 

チノ「・・・いらっしゃいませ!」

 

『END』




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
       真手凛:木村珠莉
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

        母親:櫻井浩美
       女の子:本泉莉奈
           金子彩花
           柴田芽衣

     千夜の祖母:一城みゆ希

ティッピー「サラ〜。サラサラサラサラ〜。サラサラじゃ〜!」

次回「今夜は幽霊とだって踊り明かせるHalloween Night!」


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31羽「今夜は幽霊とだって踊り明かせるHalloween Night!」

千夜「後は・・・ここに飾れば・・・これでよしっと!」

今日はハロウィン。甘兎庵をハロウィン仕様に飾った。

千夜の祖母「全く困ったもんだねぇ。このよく出来た飾り付けを見たら、大喜びで死者の魂が戻って来ちまうよ。あのジジィが化けて出て来たらどうしようねぇ・・・くわばらくわばら・・・」




そのジジィはティッピーに憑依して存命中。ラビットハウスでもハロウィンの飾り付けが行われていた。

楽兎「チノちゃん、こっちもOKだよ!」

チノ「ありがとうございます。」




店内。ココアがマジシャンの練習をしている。

ココア「これがこうなって・・・こうして・・・こう!・・・え?あれ?ん〜・・・難しいなぁ・・・よし!もう1回!ハロウィン当日までには出来るようになるぞ〜!」

チノ「ココアさーん!」

ココア「ん?」

リゼ「おーい!店開けるぞー!」

楽兎「そろそろ出て来ーい!」

ココア「はーい!今行くよー!」


ハロウィンラビットハウス開店。

 

マヤ「トリックオアトリート!お菓子よこせー!しゃー!」

 

メグ「よこさないと食っちまうぞー!ガウー!」

 

狼のマヤとメグ。

 

緑羽太「オカシヲヨコセ〜!デナイトクウゾ〜!」

 

ゾンビの緑羽太。

 

リゼ「こっちもハロウィン仕様だ!」

 

ココア「ヴァンパイアで対抗だよ!」

 

ヴァンパイアのココアとチノとリゼ。

 

楽兎「こっちはドラキュラで行くぜ!」

 

ドラキュラの楽兎。

 

ココア「お菓子が欲しければモフモフさせて〜!」

 

マヤ「趣旨が変わってる!?」

 

チノ「どんなヴァンパイアですか?」

 

緑羽太「ラクト〜!オカシヲヨコセ〜!」

 

楽兎「飴玉でも食っとけ。」

 

緑羽太「クレーーーーー!!」

 

飴玉をパクリと食べた。

 

チノ「飴玉で喜ぶゾンビ初めて見ました・・・」

 

ココア「チノちゃ〜ん!血を吸っちゃうぞ〜!」

 

チノ「店員に演技なんて必要ありません。」

 

リゼ「ふ〜ん?でも昨日。」

 

 

 

 

昨日。チノの部屋。

 

チノ『がおー・・・がおー・・・って、ヴァンパイアってどんな感じかな?』

 

練習してるチノを楽兎とリゼがこっそり見ていた。

 

 

 

 

今日。

 

チノ「見られてた!?ガブッ!」

 

リゼ「ギャーーーー!!!」

 

チノ「ガブッ!」

 

楽兎「ギョエエエエーーー!!!」

 

怒って2人の腕を噛み付いた。

 

マヤ「共食いだ!!」

 

ココア「いいなぁ〜!」

 

緑羽太「噛まれたいの!?」

 

ティッピー「はぁ〜・・・」

 

メグ「じゃあ私達、フルールと甘兎でお菓子貰って来る!」

 

リゼ「やる気満々だな!」

 

マヤ「イベントは満喫しなきゃ!」

 

緑羽太「じゃあ楽兎、また後でな!」

 

楽兎「おう!」

 

 

 

 

フルール・ド・ラパン。

 

マヤ・メグ・緑羽太「トリックオアトリート!」

 

シャロ「マメちゃん!いらっしゃい!」

 

みくる「よく来たわね!緑羽太!」

 

赤ずきんのシャロとみくる。

 

マヤ「赤ずきんだー!」

 

メグ「お菓子くれなきゃ食べちゃうぞ〜!」

 

緑羽太「オカシヲヨコセ〜!」

 

シャロ「ふふ〜ん。はい、お菓子!」

 

みくる「どうぞ!」

 

マヤ「ありがと〜!ん?」

 

周りを見ると、シャロとみくる以外の店員達も赤ずきんのコスプレをしていた。

 

メグ「イベント期間はやっぱり忙しいね。」

 

マヤ「大変だね。」

 

緑羽太「皆頑張ってるな〜。」

 

シャロ「でも時給良いしね。ほら、最近厳しいし・・・」

 

可哀想に思えたマヤとメグと緑羽太が閃いた。

 

マヤ「シャロ!手出して!」

 

シャロ「ん?」

 

手を出すと、3人からお菓子を渡された。

 

メグ「私達からもお菓子あげるね。」

 

マヤ「これで少しもだしにして。」

 

緑羽太「俺からのお菓子も受け取ってくれ。」

 

シャロ「マメちゃん・・・緑羽太さん・・・お菓子も良いけどお肉食べたーーーい!!!」

 

マヤ「赤ずきんじゃなくて!!」

 

メグ「狼だった!!」

 

緑羽太「本能覚醒!?」

 

みくる「いやぁ〜ん!狼シャロちゃん可愛い〜!」

 

興奮してシャロを抱き締めた。

 

シャロ「や、止めて下さ〜い!ガブッ!」

 

みくる「あ〜ん!噛まれても平気だよ〜!」

 

緑羽太「どんだけポジティブなんだお前・・・」

 

 

 

 

甘兎庵。

 

千夜「ようこそ。魔女の館へ。」

 

魔女の千夜が出迎えた。

 

メグ「え?ここ・・・」

 

マヤ「甘味処じゃなかったっけ?」

 

緑羽太「急に魔女の家になったのか?」

 

千夜「魔女のサバトが始まります。」

 

緑羽太「ウィザード?」

 

 

 

 

店内。あんこはかぼちゃを被ってる。3人はお品書きを見る。

 

メグ「月光も届かぬ悪霊と兎どもの宴・・・」

 

緑羽太「赤い月滴る魔女のサバト・・・」

 

マヤ「メニューが何時にも増して独自の世界観だ・・・」

 

緑羽太「相変わらず分かんねぇ・・・」

 

千夜「お茶をどうぞ。」

 

お茶を置いた瞬間。

 

千夜「うっ!!」

 

突然千夜に痛みが走った。

 

マヤ「千夜!?」

 

メグ「ど、どうしたの!?」

 

緑羽太「苦しいのか!?」

 

千夜「ひ、左手が・・・疼く・・・!!」

 

メグ「演技も迫真的!?」

 

緑羽太「何か中二病っぽい!」

 

マヤ「甘兎が1番凝ってるねぇ〜!」

 

千夜「違うの〜。本当に怪我しちゃって、ちょっとドジしちゃったの。」

 

緑羽太「マジモンの包帯かよ!」

 

メグ「休んだ方がいいんじゃ・・・」

 

千夜「ううん。楽しんで来てくれるお客さんが居るんだもの!頑張りたいの!あ痛たたた・・・!」

 

メグ「やっぱり休んだ方が・・・」

 

緑羽太「無理すると痛みが広がるぞ?」

 

千夜「大丈夫よ。お祖母ちゃんもあんこも居てくれてるし。」

 

マヤ「メグ!緑羽太!」

 

メグ「うん!そうだねマヤちゃん!」

 

緑羽太「力になるぜ!」

 

マメが千夜の両手を握り、緑羽太が千夜の前で膝を突く。

 

マヤ「私達、千夜の使い魔になるよ!」

 

メグ「魔女と契約ね!」

 

緑羽太「魔女様。何なりと。」

 

千夜「フフフ。魔女との契約は魂の契り!そなたらはもう、私からは逃げられぬ!!」

 

マヤ「すぐ受け入れた!!」

 

緑羽太「魂と言っても、俺ゾンビだから既に死者だぞ?」

 

千夜「あ。」

 

 

 

 

その後もお客さん達が次々と来店した。

 

マヤ「お待たせ!月とかぼちゃの塔の召喚完了!召喚の代償として、一口頂戴ね?」

 

千夜「雰囲気出てるわ〜。使い魔レベル1アップよ。」

 

使い魔レベルアップ。

 

マヤ「演じるには世界観を掴まなきゃね。ニャ〜ン!」

 

メグ「え?これ狼の仮装じゃないの?」

 

マヤ「え!?猫のつもりだった!」

 

千夜「犬かと思ってたわ!」

 

マヤ「ま、何でもいいや。」

 

メグ「立派な化けぎつねになる為に頑張ります!」

 

千夜「自分達の設定を掴めてないの!?」

 

緑羽太「まず自分のキャラを掴まなきゃ意味ないだろ?」

 

千夜「やるからにはちゃんと設定してやりきらなきゃダメじゃない!」

 

3冊の魔女設定ノートを出した。

 

メグ「魔女設定ノート!?」

 

マヤ「それ全部千夜が書いたの!?」

 

 

 

 

設定を叩き込んだ後。

 

メグ「かぼちゃ頭の吸血王降臨!眷属になっちゃえ〜!ごゆっくり〜!」

 

千夜「使い魔レベル2アップよ!」

 

使い魔レベルアップ。

 

メグ「やった〜!」

 

マヤ「メグの方がポイント高い!!何でだよ!!メグなんて使い魔の皮を被ったただの天使じゃん!!」

 

緑羽太・千夜「え!?それって褒めてない!?」

 

メグ「悔しかったらその本物の刃で有効活用してみろー!」

 

緑羽太「対抗した!?」

千夜「対抗したわ!!」

 

メグ「千夜さんの使い魔ならツッコミ位してみろー!」

 

マヤ「上等!刃ツッコミ見せてやらー!」

 

千夜(どうしよう・・・私が適当にポイント付けたせいで・・・)

 

緑羽太「2人共落ち着いて!」

 

千夜「お、お菓子あげるから落ち着いてーーーー!!」

 

それを聞いた2人がハイタッチした。

 

メグ「作戦成功!!」

 

千夜「え?」

 

マヤ「まだお菓子貰ってないからイタズラしちゃった!」

 

メグ「えへへ〜!」

 

緑羽太「演技だったんかい。」

 

千夜「そう・・・イタズラ好きな使い魔にはお仕置きが必要ね。」

 

マヤ「魔女の怒りに触れてしまった!!」

 

緑羽太「逆鱗に触れたな。」

 

こうして2人は甘兎庵で手伝う事になってしまった。

 

 

 

 

夕方。甘兎庵閉店後。

 

千夜「2人共。手伝ってくれてありがとう。お礼にかぼちゃタルト食べて行って。お祖母ちゃんの特製よ。」

 

マヤ・メグ「頂きまーす!」

 

千夜「1個だけわさび入りよ?」

 

マヤ・メグ「ロシアンルーレット!?」

 

緑羽太「相変わらずの鬼畜だなぁ。素直に全部甘くすれば良いのに。」

 

千夜「緑羽太さんもどうかしら?」

 

緑羽太「俺も生贄かよ!?」

 

マヤ「ど、どれがわさび・・・!?」

 

メグ「あ、当たりませんように・・・!!」

 

緑羽太「へ、変なプレッシャーが・・・!!」

 

メグ「・・・こっち!」

 

前列の右から2番目。

 

マヤ「こっち!」

 

前列の左から2番目。

 

緑羽太「これだ!」

 

後列の真ん中。

 

マヤ・メグ・緑羽太「・・・・!」

 

恐る恐る食べようとする。

 

千夜「なんて嘘〜!」

 

マヤ・メグ・緑羽太「え?」

 

千夜「わさびなんて入ってないの。今日は凄く楽しかったわ!ありがとう!」

 

マヤ「千夜・・・」

 

メグ「千夜さん・・・」

 

緑羽太「千夜・・・」

 

千夜「さぁ。食べて食べて。」

 

マヤ「うん!」

 

4人がかぼちゃタルト食べた。

 

千夜の祖母「わさびなら2個仕込んどいたよ!」

 

メグ「え!?」

 

マヤ「本物の魔女だ!!」

 

千夜「うっ!!」

 

緑羽太「ぐへあ!!」

 

わさび入りの2個をこの2人が食べてしまった。

 

マヤ・メグ「当たったー!?」

 

緑羽太「き・・・今日の鬼畜は千夜の祖母ちゃんだったな・・・」

 

 

 

 

街中。

 

メグ「送って貰わなくても大丈夫なのに。」

 

緑羽太「俺が付いてるのに。」

 

千夜「買い物のついでだから良いの。」

 

緑羽太「まぁでも、良い物が撮れたし。」

 

高性能のデジカメにハロウィン甘兎庵の写真が入ってる。

 

メグ「ラビットハウスもフルールも頑張ってたよ。千夜さんは会いに行かないの?」

 

千夜「忙しいのに邪魔になるわ。」

 

マヤ「向こうも同じ考えだったりして。」

 

メグ「私達を召喚した位なんだから会えるよ!」

 

マヤ「ねー!」

 

緑羽太「俺の場合、皆に呼び出されて蘇ったけどな。」

 

千夜(あれって召喚って言うのかしら?)

 

メグ「私達はこっちだから!」

 

マヤ「またねー!」

 

緑羽太「じゃあなー!」

 

千夜「ばいばーい!」

 

橋の所で3人と別れた。

 

千夜「痛たた・・・」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウス。

 

チノ「お疲れ様でした。」

 

ココア「ばいばーい!気を付けてねー!」

 

楽兎「じゃあなー!」

 

リゼ「あぁ!また明日!」

 

 

 

 

その帰り道。

 

リゼ「ん?千夜!」

 

痛そうにかぼちゃを運んでる千夜を発見した。

 

千夜「あ!リゼちゃん!」

 

リゼ「手首怪我してるのか!?貸してみろ!」

 

千夜「え!?で、でも・・・」

 

荷物を持ってあげた。

 

リゼ「丁度かぼちゃを持ちたい気分だったんだ!」

 

千夜「どんな気分!?」

 

リゼ「いいから!」

 

 

 

 

 

 

一方シャロとみくるは甘兎庵の前で座り込んでいた。

 

みくる「千夜ちゃん遅いなぁ〜。」

 

千夜「シャロちゃん!?みくるさん!?」

 

シャロ「ん?」

 

みくる「千夜ちゃん!それにリゼちゃんも!」

 

千夜「どうしたの?家の鍵無くしちゃった?」

 

シャロ「違う!!よく効く傷薬!お祖母ちゃんに聞いたの。」

 

みくる「千夜ちゃんが無理して頑張ってたって。」

 

千夜「ちっちゃい怪我なのに・・・」

 

シャロ「何言ってるのよ!私が風邪引いた時は散々お節介した癖に・・・」

 

千夜「ありがとう!ねぇ、3人共夕飯食べて行かない?私が作るから!」

 

リゼ「その手でか!?」

 

みくる「無茶だよ!無理したらまた傷が!」

 

シャロ「そうよ!千夜は大人しくしてなさい!私がやるから!」

 

千夜「良いお肉があるのよ!」

 

シャロ「お肉!?」

 

みくる「伏線回収した。」

 

千夜「デザートはかぼちゃのタルト!1つだけわさびが入ってるわ!」

 

リゼ・シャロ「わさび!?」

 

みくる「Russian!?」

 

千夜「確率は4分の1!」

 

 

 

 

 

 

翌日。今日もハロウィン祭り。

 

 

 

 

甘兎庵。

 

千夜「昨日3人と別れた後に、偶然リゼちゃんとシャロちゃんとみくるさんに会ったわ。使い魔召喚の話をしていたかしら?」

 

マヤ「本当に召喚しちゃったか〜!」

 

メグ「私達4人で力を合わせたらもっと凄いの呼べちゃうかも!」

 

マヤ「まさか〜!」

 

緑羽太「いや俺ゾンビだし、そんな魔力無いぞ?」

 

千夜「やってみましょうか。」

 

マヤ「ええ!?」

 

緑羽太「本気!?」

 

 

 

 

召喚の儀式が始まった。千夜とマヤとメグが魔法陣に入って手を繋ぎ、緑羽太は伏せて祈りを込める。

 

千夜「我らの魂の祈りを聞き、この混沌の世界に全ての闇の王を招き入れたまえ!今宵、この4つの魂を捧げる!いでよ!魔界の使者ーーー!!」

 

ココア「トリックオアトリート!!」

 

マヤ「来ちゃった!!」

 

メグ「凄ーい!」

 

チノ「あれ?マヤさんメグさん?」

 

楽兎「緑羽太?何で伏せてるんだ?」

 

マヤ「まさか召喚が成功するとは!!」

 

チノ「?」

 

緑羽太「もごごごご・・・」

 

楽兎「起きてから言え!」

 

ココア「はい!ウチの新作スイーツを食べて貰いたかったんだ〜!」

 

新作スイーツが入った箱を差し出した。

 

千夜「ありがとう!私もココアちゃんに降臨した吸血王を食べて貰いたいと思ってたの!」

 

ココア「何か分からないけどありがとう!!」

 

マヤ「魔女と吸血鬼が馴れ合ってる!!」

 

緑羽太「同盟を結んだな。」

 

ココア「でもモフらせてくれなきゃあげなーい!奇襲攻撃!」

 

チノ「シャー!」

 

楽兎「モフモフを要求すんな!」

 

千夜「甘いわ!」

 

メグ「迎え撃つよ!」

 

マヤ「新・千マメ隊で!」

 

緑羽太「新たなチーム結成!?」

 

チノ「・・・千マメ・・・!?私の立場は・・・」

 

外されたチノが崩れてしまった。

 

楽兎「チノちゃん!?」

 

マヤ「効果は抜群だー!」

 

チノ「ほ、本気でイタズラしちゃいます!!シャーーー!!」

 

逃げるマメをチノが追う。しかし、前に出た千夜にぶつかった。

 

千夜「マメちゃんったら小悪魔ね。チマメのチはチノちゃんのものだから。安心して。」

 

チノ「はい・・・千夜お姉様・・・」

 

楽兎「おぉ。チノちゃんを僕にしたな。」

 

緑羽太「これが魔女の力か!」

 

ココア「あわわわわわわわわ・・・・・・・!!!!」

 

妹を取られたココアが崩れてしまった。

 

楽兎「あっちは陥落してるな。」

 

ティッピー「効果は抜群じゃな。」

 

マヤ「こっちも楽にしてあげた方が・・・」

 

千夜「ココアちゃーん!いらっしゃーい!」

 

ココア「もー!2人共モフモフの刑だよーーー!!!」

 

楽兎「何だか楽しそうだな。」

 

緑羽太「賑やかでいいね〜。」

 

マヤ・メグ「あははは!」

 

ティッピー「やれやれ・・・」

 

 

 

 

 

 

夜。ハロウィン祭りは大盛り上がり。怪盗ラパンのチノが橋の上で誰かを待っていた。

 

チノ「憧れてた怪盗ラパン、変じゃないかな・・・?」

 

リゼ「怪盗め!逮捕してやる!」

 

チノ「警官リゼさん!?」

 

警官のリゼがラパンチノを見付けた。

 

リゼ「チノ、よく似合ってるじゃないか!」

 

千夜「お待たせ〜!」

 

チノ「あ!千夜さん!うわあーー!?」

 

同じラパンの千夜が到着した。

 

リゼ「千夜もラパンか!」

 

チノ「被りました。」

 

シャロ「先輩ーーーー!!遅くなりましたーーーー!!」

 

同じラパンのシャロが到着。

 

リゼ「シャロ!!何で皆ラパンなんだ!!」

 

シャロ「衣装代節約で・・・」

 

千夜「1回着てみたかったの。ねー!」

 

チノ「はい。」

 

リゼ「まぁ、シャロは何時もの仕事着だし。他の格好も見たかったなぁ〜。」

 

シャロ「っ!!いいえ!!逆に先輩がラパンになるべきです!!」

 

リゼ「ど、どうして私が!?」

 

緑羽太「おーーい!」

 

みくる「皆ーーー!!」

 

警部の緑羽太と警官のみくるが到着した。

 

チノ「緑羽太さん!みくるさん!」

 

緑羽太「お!ラパンが3人揃ってるな!ラパンレンジャー!お前達をこのパトレンジャーが逮捕する!」

 

みくる「上手い!」

 

千夜「捕まえてみなさーい!」

 

みくる「賑やかで楽しそうね。」

 

千夜「ハロウィンって、本来は使者の魂が戻って来る日よね。」

 

シャロ「仲間だと思わせる為に冥界の仮装をする・・・最近は何でもありね。」

 

チノ「そうすると、ココアさんが1番本来の趣旨に合った仮装なんでしょうか?」

 

千夜「ココアちゃんは何の仮装なの?」

 

チノ「・・・魔法使いです!」

 

 

 

 

 

 

一方魔法使いのココアは。

 

ココア「迷った・・・」

 

案の定迷ってしまった。

 

ココア「何時もの街なのに今日は違って見えるよ・・・まるで異世界みたい!」

 

楽兎「ココアーーー!!」

 

そこにルパン三世(青ジャケット)の楽兎がココアを発見した。

 

ココア「楽兎君!」

 

楽兎「急に逸れるなよ!」

 

ココア「ごめんね。面白そうなのがあったからつい。所で・・・ここ何処?」

 

楽兎「ん?な、何だここ?何時もの街が違う雰囲気を醸し出してる。」

 

ココア「それより、チノちゃんとティッピーを探さなきゃ!!」

 

楽兎「ココア!危ない!」

 

ココア・子供「うわああ!!」

 

走った瞬間、ココアが子供とぶつかってしまった。

 

子供「う・・・う・・・うわあああああん!」

 

ぶつかって泣いてしまった。

 

ココア「だ、大丈夫!?えっと・・・迷子かな・・・?」

 

楽兎「大丈夫?怪我はない?」

 

子供「・・・うん・・・」

 

ココア「私達も迷子を捜してるの。6人組の!!」

 

子供「え!?」

 

楽兎「迷子は俺らなんじゃ?」

 

ココア「お姉ちゃんに任せなさーい!」

 

楽兎「何か不安だ・・・」

 

ココア「この魔法のステッキをよく見て!花が!ぐふっ!!」

 

ステッキが伸びて、ココアの腹に直撃した。

 

楽兎「だ、大丈夫か?」

 

ココア「じ、じゃあ!別の魔法でキャンディを出すよ!」

 

しかしキャンディが溢れ落ちてしまった。

 

ココア・子供「・・・・」

 

楽兎「うううっ・・・!!!」

 

右手に力を込めて、その右手を子供の前へ出し。

 

楽兎「ほいっ!」

 

小さな花が右手から出た。

 

子供「わぁ!」

 

楽兎「今は、これが精一杯。」

 

子供に花を渡すと、楽兎の右手から色々な国旗が出て来た。

 

楽兎「どう?」

 

子供「わぁ〜・・・」

 

母親「居た居た!こっちよー!」

 

子供「っ!お母さーん!!」

 

ようやく母親と合流出来た。

 

子供「何が魔法よ!へーたくそー!」

 

ココア「ええ!?」

 

楽兎「辛辣。」

 

子供「お兄ちゃん!ありがとう!」

 

楽兎「どう致しまして!もう迷子にならないでねー!」

 

ココア「うえええええん!!」

 

お礼を言われた楽兎が子供に手を振り、下手くそと言われたココアが泣いてしまった。

 

楽兎「おいチノちゃんの姉が泣いてどうする!!」

 

するとそこに謎の人物がココアの後ろから右手を出し、右手を握り締めると、沢山のキャンディが出て来た。

 

ココア「わあ!!」

 

楽兎「え!?」

 

後ろを向くと、仮面を着けた魔法使いの女性が立っていた。

 

ココア「誰・・・?魔法使い・・・?」

 

楽兎(え?この人まさか・・・)

 

女性はココアのステッキを前に出した。

 

ココア「私のステッキ?」

 

そのステッキを指で撫でると、ステッキに花が満開した。

 

ココア「わああ!!」

 

楽兎「花が!!」

 

ココア「おぉ〜!あ!ティッピー見っけ!!おや?よく見ると瞳が違うような・・・」

 

そのティッピーは睫毛を生やしていた。

 

楽兎「何時もより若き乙女感が出てるな・・・」

 

ココア「うさぎ違いだね!」

 

怒ったティッピー?がキャンディを投げてココアに攻撃した。

 

ココア「痛っ!(もうキャンディが出ないと見せ掛けてからのフェイント!?出来る!!)」

 

女性は楽兎を見て微笑んだ。

 

楽兎「・・・!?」

 

ココア「あの!今の手品を教えて下さい!!妹達を喜ばせたいんです!!」

 

女性「・・・フフッ。」

 

指でお金をジェスチャーした。

 

ココア「え!?金出しなの!?」

 

女性「あ!」

 

OKジェスチャーに直した。

 

ココア「あ、あれ!?オッケー!?って、ジェスチャー間違えたんかい!!」

 

女性「・・・」

 

笑って誤魔化した。

 

楽兎(この人まさか・・・)

 

 

 

 

 

 

一方チノ達は、ココアの電話に出てる最中だった。

 

千夜「・・・ココアちゃん出ないわね・・・」

 

緑羽太「楽兎も出ねえぞ。彼奴何やってるんだ?」

 

チノ「どうしちゃったんでしょう・・・」

 

リゼ「捜しに行くか!まるでココアと楽兎がお宝みたいだ!!」

 

衣装チェンジしたリゼとシャロが戻って来た。

 

チノ「服交換したんですね・・・」

 

みくる「うんうん!警官シャロちゃん似合ってる!」

 

千夜「いえ。そのお宝、私が頂戴しましょう!」

 

リゼ「ココアと楽兎が捕まえた者が本物のラパンだ!」

 

チノ「お2人と勝負ですか。望む所です!」

 

シャロ「コラーー!!ラパンはそんな事言わないのーーーー!!」

 

緑羽太「待てーラパーン!!」

 

みくる「逮捕だぞー!」

 

リゼ「警官と警部来たーー!!」

 

シャロ「ホラ!ココアと楽兎さんを捜しに行くわよ!!」

 

緑羽太「見付けたら逮捕だー!」

 

リゼ「ん〜・・・でも皆仮装してるから、捜すの大変だなぁ・・・」

 

すると千夜がある作戦に出た。

 

千夜「コ、ココアお姉ちゃーーーん!!」

 

全員「!?」

 

千夜「ココアちゃんならこれで反応すると思って・・・」

 

リゼ「確かに!!」

 

シャロ「手分けしましょうか!!」

 

緑羽太「他の人にも迷惑なんじゃ・・・」

 

みくる「ココアお姉ちゃーん!何処ー!」

 

緑羽太「乗っちゃった!?」

 

シャロ「お、お姉ちゃーん!」

 

リゼ「姉貴ーーー!!」

 

千夜「姉者ーーー!!」

 

みくる「お姉ちゃーん!!」

 

チノ「これで引っ掛かるココアさんって・・・」

 

緑羽太「流石にちょっと引くわ・・・」

 

リゼ「ホラ!チノも!」

 

チノ「は、はい!」

 

みくる「緑羽太も早く!」

 

緑羽太「俺も!?しゃあねぇなぁ・・・姉ちゃーーーん!!」

 

チノ「コ、ココアお、お姉ちゃーん!」

 

リゼ「声が小さい!合唱の時の特訓を思い出せ!!」

 

チノ「・・・・・っ!!ココアお姉ちゃーーーーーん!!!!!」

 

 

 

 

 

 

ココア「はっ!!」

 

楽兎「ココア?どうした?」

 

ココア「楽兎君!何か聞こえた!」

 

楽兎「聞こえた?」

 

女性「・・・」

 

橋の下を見ると、チノ達がココア達を捜してる光景が見えた。

 

 

 

 

チノ「ココアお姉ちゃーーーん!!」

 

 

 

 

女性「フフッ。」

 

 

 

 

チノ「え!?」

 

何かを感じたチノが上を見た。

 

リゼ「どうした?」

 

チノ「いえ・・・」

 

 

 

 

 

 

ココア「・・・ほい!!」

 

手からキャンディが出て来た。

 

楽兎「おぉ!」

 

ココア「あ!出来た!!」

 

女性「ウフフ。」

 

拍手でココアを褒める。すると女性の頭に乗ってるティッピー?が何かを言った。

 

女性「あ。」

 

ココア「え?」

 

女性は2人に手を振った。

 

ココア「ばいばい?」

 

女性は楽兎にウィンクした。

 

楽兎「!」

 

女性はかぼちゃのオブジェの後ろにしゃがむと、光となって消えた。

 

ココア「おぉ〜!消えるマジック!!凄い!!」

 

楽兎「・・・・・」

 

ティッピー「ココアーー!!楽兎ーー!!」

 

後ろを振り向くと、そこにティッピーが居た。

 

楽兎「ティッピー!!」

 

ココア「ティッピーーーー!!このモフモフと顔の渋みは間違いなくティッピー!後変な声も!」

 

楽兎「褒めてんのかそれ?」

 

ココア「で、でも・・・今私が呼んだのは・・・まさかおばけ!?」

 

リゼ「居たぞ!お宝だーー!!」

 

ココア「ん?」

 

そこに3人の怪盗ラパンが参上した。

 

千夜「逃がさないわーー!!」

 

チノ「怪盗ラパン参上!!」

 

ココア「大量のラパン!?」

 

楽兎「ラパンレンジャー!?」

 

緑羽太「見付けたぞルパン!!逮捕だーーー!!」

 

3人のラパンの後ろから警部の緑羽太と警官のみくるが参上した。

 

楽兎「ゲッ!とっつぁん!!」

 

緑羽太「逃がすかー!」

 

逃げたルパンにワッパを投げた。

 

楽兎「ぐえっ!!」

 

右手にワッパが掛かり、片方のワッパが街灯に掛かった。

 

緑羽太「無駄な抵抗は止めろ。」

 

楽兎「流石昭和ヒトケタ!」

 

緑羽太「誰がじゃ!」

 

ラパン達はココアを捕まえた。

 

千夜「私が最初にタッチしたのよ!」

 

リゼ「私が最初に目が合ったぞ!」

 

チノ「最後に全部持って行くのがラパンです!」

 

ココア「もぉ〜。私がお宝だなんてそんなやだも〜。そんな取り合わないでよ〜。」

 

警官のシャロがココアに手錠した。

 

シャロ「心配を掛けた罪で逮捕!」

 

チノ「全く・・・迷子になるなんて、本当にココアさんはココアさんです。」

 

千夜「バツは皆に奢りね!」

 

ココア「ごめんなさーい!・・・ん?」

 

チノ「どうしたんですか?」

 

ココア「ちゃんとお礼を言えなかたっと思って・・・」

 

チノ「誰にですか?」

 

ココア「誰・・・誰だろう?」

 

楽兎「・・・・」

 

その人物に心当たりがある楽兎は夜空を見上げた。

 

 

 

 

 

 

ハロウィン祭りが終わりに近付いた。

 

リゼ「楽しかったなぁ〜!」

 

シャロ「今年のハロウィンも終わりですね。」

 

千夜「ご先祖様も空に還って行くのね〜。」

 

緑羽太「来年も楽しみだ!」

 

みくる「来年はいっぱいお菓子を貰わなくちゃね!」

 

チノ「・・・・」

 

楽兎「チノちゃん?」

 

夜空を見上げるチノを見て、楽兎も夜空を見上げた。

 

ティッピー「大丈夫じゃよ。」

 

チノ「え?」

 

ティッピー「ワシは天国に門前払いされたままじゃ。」

 

大好きな祖父をチノが泣きながら抱き締めた。

 

楽兎「チノちゃん。」

 

泣いてるチノを楽兎が優しく抱いた。

 

ココア「チ〜ノちゃん!」

 

チノ「?」

 

ココア「お姉ちゃんが習いたての魔法を見せてあげよう!」

 

チノ「え?魔法?」

 

右手をチノの顔の横に出し、手を開くとキャンディが出て来た。

 

チノ「っ!!」

 

ココア「あれ?固まる程びっくりしちゃった〜?ヒャッホー!」

 

チノ「いえ・・・」

 

 

 

 

 

 

小さい頃。チノはサキの手品に驚いた。

 

チノ『・・・』

 

楽兎『凄え・・・!』

 

サキ『チノ。いい?よく見ててね?』

 

今度はチノの肩に手を置いて、手を開いた。

 

サキ『はい!』

 

チノ『っ!!』

 

またキャンディが出て来た。

 

楽兎『サキさん凄いです!』

 

サキ『チノは何時もこれで元気が出るわね!』

 

楽兎『よぉし!チノちゃん!俺の手品を見せてあげるよ!このステッキにご注目ー!』

 

ステッキを片手で振り回したが、手が滑って上へ飛んでしまった。

 

楽兎『あれ?』

 

ステッキは楽兎の頭に当たった。

 

楽兎『痛てっ!えへへ、失敗失敗・・・』

 

サキ『うふふふふ。』

 

チノ『あはははは。』

 

 

 

 

 

 

現在。

 

チノ「母がその手品、得意だったので・・・」

 

楽兎「思い出すなぁ〜。」

 

ココア「・・・」

 

リゼ「おーい!置いて行くぞー!」

 

ココア「お!行こ!」

 

チノの手を握って走る。

 

楽兎「お、おい待てよー!」

 

ココア「ねぇ!もっとお母さんの話聞かせて!」

 

チノ「ええ!?」

 

ココア「他にどんな手品が得意だったの?どんな人だった?モフモフも好き?」

 

チノ「走るか質問するかどっちかにして下さい!!」

 

青い光が夜空彼方へ昇って行った。

 

 

 

 

 

 

その夜。楽兎は夢の中の空間でサキと出会った。

 

楽兎『サキさん。やっぱりあの時の女性の方はサキさんだったんですね。』

 

サキ『えぇ。久し振りに会えて嬉しかったわ。』

 

楽兎『夢の中以外にハロウィンでも会えるなんて。』

 

サキ『楽兎君、前より逞しくなったわね。』

 

楽兎『恐れ多いですよ。まだまだです。』

 

サキ『あの頃を思い出すわ〜。楽兎君がチノに手品見せようとしてステッキを頭にぶつけちゃった時を。』

 

楽兎『あ、あれは恥ずかしいので止めて下さい・・・』

 

サキ『チノ、成長してるわね。』

 

楽兎『はい。』

 

サキ『頼もしいお兄ちゃんとお姉ちゃんを持って良かったわ。』

 

楽兎『そのお姉ちゃんはまだまだチノちゃんに甘々ですけどね。』

 

サキ『楽兎君。来年のハロウィンもまた会いましょうね。』

 

楽兎『はい!楽しみにしてます!今度はタカヒロさんも会わせますね!』

 

サキ『うん!あ、そうだ!』

 

楽兎『ん?』

 

サキ『トリックオアトリート!』

 

楽兎『い、いきなりですか!?俺何もないですよ!?』

 

サキ『ないなら悪戯だぞ〜!こちょこちょ〜♪』

 

楽兎『ギャーーー!!!』

 

夢の中でサキに悪戯された楽兎であった。

 

『END』




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

        チノ:水瀬いのり

       ココア:佐倉綾音
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨
        サキ:水樹奈々

       女の子:石見舞菜香
        母親:小松奈生子

     千夜の祖母:一城みゆ希

タカヒロ「今夜は久々にジャズでも演奏するか。君も聴いてくれているといいんだが。なぁ、サキ。」

次回「スタンプ スリープ スタディ スマイル」


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32羽「スタンプ スリープ スタディ スマイル」

ある朝のラビットハウス。まだぐっすり寝ているココアに楽兎とチノが起こしに来た。

チノ「ココアさん、朝ですよ。」

ココア「んむ〜・・・」

楽兎「起きろココア。何時まで寝る気だ?」

ココア「んむ〜・・・」

楽兎「仕方無え、秘密兵器を出すか。チノちゃん。」

チノ「はい。」

秘密兵器投入。

???「早く起きなきゃCQC掛けちゃうぞ。お姉ちゃん。」

お姉ちゃんと言う言葉を聞いたココアがビクッと反応した。

ココア「どんと来〜い〜。」






リゼ「そうか。じゃあ遠慮無く!」

ココア「リゼちゃーーーーん!?」

起こしに来たのはチノじゃなくリゼだった。






その後4人で朝食を食べる。タカヒロが朝食を作ってる。

ココア「リゼちゃん、どうしてウチに居るんだっけ・・・?」

チノ「忘れてる・・・」

楽兎「覚えとけよ・・・」

リゼ「昨日親父と喧嘩して家出したって言っただろう。」

ココア「そうだそうだ。夜遅くに来たからお泊まりしていたんだっけ?」

チノ「理由は聞きませんでしたけど、何が原因で喧嘩したんですか?」

楽兎「もしや、余程深刻な理由か?」

リゼ「そうじゃないんだ。・・・しょ・・・」

楽兎・ココア・チノ「しょ?」






リゼ「小学校の先生になりたいって言ったら笑われた・・・」






ココア「小学校の!?」

チノ「先生!?」

楽兎「先生になったリゼ・・・」




リゼ『行くぞお前らー!』

生徒A『リゼ先生ー!』

生徒B『リゼ先生ー!』

リゼ『明日に向かってキックオフ!あはははは!』




先生になったリゼを想像してココアとチノが微笑んだ。

リゼ「ほらー!!お前達まで笑う!!」

楽兎「リゼがまさかの小学校の先生・・・プフッ!」

リゼ「楽兎ーーー!!お前まで笑うなーーー!!」

楽兎「悪い悪い・・・」

家出の理由は進路で小学校の先生と話したら父親に笑われて喧嘩になったのである。


ラビットハウスのホールで掃除する。リゼはまだ膨れっ面状態。

 

ココア「ごめんよリゼちゃん・・・面白くて笑ったんじゃないんだよ・・・?」

 

チノ「素敵な夢だと思います!」

 

楽兎「そうそう。微笑ましくてちょっとニヤけちゃっただけだ。」

 

リゼ「やっぱり私が先生なんて向いてないかも知れないな・・・鬼軍曹先生と呼ばれるのがオチだ・・・」

 

チノ「それはそれで慕われてるような・・・」

 

ココア「ココア先生に任せなさい♪」

 

楽兎「ココア先生?」

 

ココア「リゼちゃんが良い先生になれるように特別授業だよ!」

 

リゼ「特別授業?」

 

 

 

 

ラビットハウスで日向ぼっこ。

 

ココア「まずは光合成してリラックスだよ。」

 

リゼ「理科の授業も兼ねてる。」

 

楽兎「天気良いなぁ〜。」

 

 

 

パンケーキを作るリゼ。

 

ココア「生徒の胃袋を掴む物は・・・」

 

リゼ「生徒の信頼も掴む!」

 

楽兎「良い出来だ。」

 

 

 

 

部屋の掃除を、リゼがエプロンを借りて掃除をする。

 

ココア「子供はよく散らかすから。」

 

リゼ「忍耐力の特訓だ。」

 

楽兎「少々手伝え・・・」

 

 

 

 

何故か昼寝もする。リゼがココアとチノに囲まれてる。

 

ココア「そしてお昼寝〜。」

 

チノ「お昼寝〜。」

 

リゼ「お昼寝〜・・・って待て待て待て!!」

 

楽兎「ただ自分が面倒臭いだけだろ!!」

 

布団をバッと取り上げる楽兎。

 

リゼ「ただの甘えん坊ココアだったぞ!!」

 

ココア「お姉ちゃんの座は譲れないけど、先生は譲るよ。」

 

リゼ「つまり飽きたんだな。」

 

楽兎「何時ものパターンだな。」

 

チノ「全くココア先生はダメダメですね。先生は私に交代です。」

 

リゼ「こっちはやる気だな!」

 

楽兎「流石チノちゃん!」

 

 

 

 

宿題。

 

チノ「さぁリゼさん、この問題を先生を教えて下さい。」

 

楽兎「ズコー!」

 

リゼ「先生と言うより生徒だろ。」

 

ココア「はーい先生ー!出来ましたー!」

 

リゼ「お!早いな!」

 

ココア「褒めて褒めてー!」

 

うさぎのハンコを取り出して、ココアの額に押した。

 

ココア「何何?」

 

鏡で自分の額を見る。

 

ココア「わぁ!可愛いご褒美〜!」

 

リゼ「冗談のつもりだったんだけど・・・気に入ったのか?」

 

ココア「うん!」

 

チノ「子供っぽいです。」

 

楽兎「確かにそうだね。」

 

チノ「小学生より子供っぽいです。」

 

ココア「ちょっと羨ましそう!」

 

楽兎「おでこ見せてる。」

 

 

 

 

しばらくして。

 

チノ「出来ました!」

 

リゼ「よーし!偉いぞ!」

 

頑張ったチノの額にスタンプを押した。

 

ココア「チノちゃんお揃いだね!」

 

チノ「出来ました!」

 

ココア「早!」

 

楽兎「凄え!」

 

リゼ「凄いな!じゃあ手を出せ!」

 

右手の甲にスタンプを押した。チノはココアに自慢に見せた。

 

ココア「くっ・・・!やるねチノちゃん・・・!」

 

楽兎「相変わらずの負けず嫌いだな・・・」

 

 

 

 

 

 

夕方になり。

 

チノ「出来ました!」

 

ココア「まだ欲しがるの!?」

 

リゼ「スタンプに貪欲過ぎる!!」

 

楽兎「このままじゃスタンプチノちゃんになっちまう!!」

 

 

 

 

 

 

今日の夕食は、ナポリタンとサラダとコンソメスープ。

 

楽兎・ココア・チノ・リゼ「頂きまーす!」

 

ココア「・・・ん〜!リゼちゃん特製ナポリタン凄くボーノだよ〜!」

 

そう言いながらチノの頬を突っ突く。

 

チノ「自分の頬っぺでやって下さい・・・」

 

楽兎「珍しくチノちゃんに反抗してる・・・」

 

リゼ「3人共サラダも食べろよ。」

 

ココア「はーい!」

 

楽兎「お!リゼ!このサラダ美味いな!」

 

リゼ「そうか!」

 

チノ「セロリ・・・」

 

リゼ「頑張って食べた子には、食後のデザートがあるぞ!」

 

ココア「デザート!?」

 

リゼ「プリンだ!フルーツを飾ってプリンアラモードにしても良いぞ!」

 

チノ「プリンアラモード!」

 

ココア「あらも〜!はい先生!サラダを丼1杯分食べるので、プリン2つ下さい!」

 

チノ「あ!ココアさんずるいです!私も食べます!」

 

楽兎「何だこの微笑ま〜な姉妹喧嘩は?」

 

リゼ「プリンは1人1個だ!」

 

 

 

 

 

 

その夜、3人で風呂に入る。チノは額と両手にハンコを押されて満足してる。

 

ココア「今日いっぱいリゼちゃんに甘えちゃったな〜。」

 

リゼ「まぁ居候の身だし。ってココアもか。」

 

ココア「今度は私達に甘えても良いんだよ?」

 

リゼ「甘え!?そうだなぁ・・・また皆で家庭料理が食べたい・・・」

 

チノ「皆で?」

 

リゼ「普段1人で食事する事が多いから、食卓が賑やかなのが嬉しいなって・・・」

 

チノ「リゼさん、好きなだけウチに居て下さいね!」

 

リゼ「え?」

 

ココア「ここから学校通っちゃいなよ!」

 

チノ「そしたらリゼさんお手製ナポリタン食べ放題ですね!」

 

リゼ「バータイムでバイトしたりして!」

 

ココア「夢が広がるね〜!」

 

チノ「広がりま・・・うわあーーーー!!」

 

リゼ「どうした!?」

 

チノ「スタンプが・・・消えてます!!」

 

ココア「イヤーーーーーーーー!!!!」

 

リゼ「そんなに気に入ってたのか・・・落ち着け!また押してやるから!」

 

 

 

 

その後楽兎が風呂に入る。相変わらずのぎこちなさ。

 

楽兎「・・・女の子3人が入った後の風呂に入ると更に罪悪感が・・・」

 

 

 

 

その後楽兎が風呂から上がると。

 

リゼ「ホラ!スタンプカード作ったぞ!」

 

チノ「ありがとうございます!」

 

ココア「これで私達の絆は消えないね!」

 

リゼ「重いな・・・」

 

楽兎「何だ?スタンプカード?」

 

リゼ「ああ。楽兎のもあるぞ。」

 

楽兎「あ、ああサンキュー。(ラジオ体操みたいだな。)」

 

チノ「でもリゼさんが来てくれた思い出です。勉強も、リゼさんが教えてくれたお陰で捗りました!」

 

ココア「リゼちゃんはやっぱり先生に向いてるよ!」

 

リゼ「そ、そうかな・・・?」

 

ココア「でも、どうして小学校の先生なの?」

 

楽兎「そうだ。そこを聞きたい。」

 

リゼ「小学校を意識したのは、チマメ隊の相手をしたのが切っ掛けだ。」

 

楽兎「ほえ?」

 

ココア「教官と教師って似てるもんね!」

 

チノ「っ!?つまり・・・私達・・・小学生・・・!?」

 

楽兎「チマメ隊はもう中3だけどな・・・」

 

ココア「このスタンプって、勉強の他に何したら増えるの?」

 

リゼ「そうだなぁ・・・人を喜ばせた数だけ・・・なんて。」

 

ココア「じゃあリゼちゃんに付けまくれー!」

 

リゼ「何で!?」

 

チノ「覚悟して下さい!」

 

リゼ「私は何もしてないぞ!!」

 

楽兎「あらら〜。リゼ頑張れ〜。」

 

 

 

 

 

 

翌日の高等学校。

 

千夜「ココアちゃん、さっきの小テストどうだった?」

 

ココア「リゼちゃんに教えて貰ったからバッチリ♪やっぱり認められてく楽しみがあると、頑張れるのかな?」

 

チノ「どう言う事?」

 

ココア「じゃーん!これ作って貰ったんだー!いいでしょー!」

 

リゼが作ったスタンプカードを見せた。だがしかし。

 

千夜「あっ!私もリゼちゃんから貰ったわ!」

 

ココア「被ってる!!」

 

以前のマラソン特訓の時に貰ったスタンプカードを見せた。

 

千夜「マメちゃん達も持ってるわよ?」

 

ココア「何人に手を出してるのリゼちゃん!?もうこうなったら、生徒からの下克上だよ!!」

 

千夜「一緒に天下取りましょーう!」

 

 

 

 

 

 

その頃楽兎は、外で散歩していた。

 

楽兎「ん?」

 

公園でうさぎを撮影してる緑羽太を発見した。

 

楽兎「緑羽太。」

 

緑羽太「ん?おお楽兎!」

 

楽兎「今日はうさぎの撮影か?」

 

緑羽太「ふっふっふ。実はな、ただの撮影じゃない。ある人物から貰ったある物の為に撮影してるんだ。」

 

楽兎「ある人物から貰ったある物?」

 

緑羽太「ででーん!厳しい裏腹に可愛い物が大好きな軍曹から貰ったスタンプカード!!うさぎの写真を撮って送るとスタンプが貰えるんだ!」

 

楽兎「それ・・・俺も持ってるけど。」

 

緑羽太「何ですとーー!?」

 

 

 

 

 

 

午後のラビットハウス。

 

メグ「こんにちは〜。」

 

チノ「メグさんいらっしゃい!」

 

緑羽太「こんにちは〜。」

 

楽兎「おっす緑羽太!」

 

緑羽太「リゼ、これ。」

 

うさぎの写真をリゼに渡した。

 

リゼ「ありがとう!」

 

スタンプカードにスタンプを押した。

 

緑羽太「増えてる増えてる♪」

 

リゼ「メグ、今日は1人なのか?」

 

メグ「うん!ココアちゃんからラビットハウスで塾を開くって聞いてたんだけど・・・」

 

チノ「塾!?」

 

楽兎「聞いてないぞ!?」

 

 

 

 

ココア「待ってたわ。理科教師のココア先生よ!秘密の実験始めましょ?」

 

 

 

 

先生になったココアがそこに居た。

 

リゼ「理科教師!?」

 

ココア「イエース!」

 

チノ「でも、ココアさんの教え方分かり難いですよ。」

 

ココア「ワーッツ!!」

 

緑羽太「おぉ。クリティカルヒット。」

 

チノ「教師役ならここに適任が居るのに。」

 

メグ「リゼさんも受験で大変かと思って・・・」

 

リゼ「私は大丈夫なんだけどな・・・」

 

そんなリゼの頬をココアが突っ突いた。

 

ココア「リゼちゃんったら、生徒取られて拗ねないの。」

 

リゼ「拗ねてない!」

 

ココア「妬かないの。」

 

突っ突くココアの腕を力強く掴んだ。

 

リゼ「妬いてない!!」

 

ココア「手が本気!!」

 

メグ「先生同士の確執!!」

 

緑羽太「楽兎、Kilimanjaro Please。」

 

楽兎「OK。」

 

 

 

 

その後メグが勉強を捗り、ココアがコーヒーが入ったビーカーを置いた。

 

ココア「私に教わって同じ高校に行きたくなった?」

 

メグ「私はリゼさんと同じ所に行くから。」

 

ココア「だよね・・・」

 

メグ「お母さんの出身校だし。」

 

ココア「それが本当にメグちゃんの意思なの!?」

 

メグ「そうだよ〜。」

 

ココア「そうなの?」

 

リゼ「授業しろよ・・・」

 

緑羽太「三者面談みたいだ・・・」

 

”ピロリンピロリン”

 

メグ「移動教室の時間だ!チノちゃんも来なよ!」

 

チノ「え?」

 

 

 

 

 

 

移動教室の場所は。

 

千夜「私が国語教師の千夜先生です!宜しくね!」

 

チノ「普通に甘兎庵です。」

 

千夜「この問題は、主人公の心情を立場や状況、情景描写から読み取るのよ。」

 

メグ「はい!」

 

授業開始。

 

チノ「・・・・」

 

千夜「チノちゃん、凄い集中力ね・・・!」

 

チノ「仕事も勉強も、ちゃんと両立して行きたくて。千夜さん達は凄いです!私も頑張るんです!」

 

千夜「チノちゃん・・・!問題!今の先生の気持ちを考えてみましょう〜♪」

 

チノ「え!?」

 

メグ「はい!嬉しい!です!」

 

千夜「正解でーす!」

 

チノ「もう、2人共・・・」

 

千夜「ウフフ。冗談よ。隣の塾も頑張ってるし、気合入れなきゃね!」

 

メグ「隣の塾?」

 

千夜「偵察に行ってみる?」

 

 

 

 

隣の塾はシャロの家。

 

千夜「お勉強中だから静かにね?」

 

覗くと。

 

メグ「マヤちゃん!?」

 

 

 

 

先生役はシャロとみくる。生徒のマヤに勉強を教えてあげてる。

 

マヤ「あ!勝手に覗いてんなよーーーー!!!」

 

 

 

 

3人を招き入れた。

 

メグ「慌てる事ないのに〜。一緒に勉強しようよ〜。」

 

マヤ「・・・・・!!」

 

チノ「何も恥じる事はありません。」

 

マヤ「ううぅぅ・・・!!特待生試験を受けるからちょっとアドバイス貰いに来ただけ!!シャロ!!みくる!!黙ってないでフォローしてよーー!!」

 

シャロ「私達はちょっと手伝ってるだけよ。」

 

みくる「特待生試験をやり遂げたいけど、あんまり自信が無いから勉強見て貰いにむぐ!?」

 

マヤ「やっぱ黙っててーーー!!」

 

物凄い勢いで口止めされた。

 

 

 

 

勉強再開。

 

マヤ「最初から3人で勉強すれば良かったなぁ〜。」

 

メグ「でも、3人で居るとお喋りしたくなっちゃう。」

 

チノ「そうですね。」

 

ベッドの上でマヤがワイルドギースを出してゴロゴロする。

 

マヤ「勉強ばっかだと息苦しくなっちゃうよね〜。ちょっと休憩〜。」

 

シャロ「コラー!!ゴロゴロしないの!!だらしないわよ!!」

 

ジャージ姿で煎餅持って説教した。

 

千夜「シャロちゃん、その格好だと説得力ないわ〜。」

 

シャロ「この格好の方が家だと気合入るんだもん・・・」

 

マヤ「一緒に遊ぼうよ〜!」

 

みくる「マヤちゃん、我儘言わないの。」

 

チノ「そうですよ。折角先生が居るんですから、今日は勉強を頑張りましょう。」

 

メグ「そうだよマヤちゃん。そんな事してると・・・」

 

”ピロリンピロリン”

 

リゼからのラインが来た。

 

 

 

 

『チマメ隊 勉強が終わり次第温水プールに集合!』

 

 

 

 

メグ「リゼさんに喝を入れられるよ!!」

 

マヤ「見抜かれてる!?」

 

みくる「流石リゼちゃん!!」

 

 

 

 

 

 

一方ラビットハウスでは。

 

タカヒロ「お前の娘、ウチに居た方がいい教師になれそうだぞ?」

 

リゼの父親『タカヒロ!どうにか説得してくれ!交渉得意だろ!』

 

電話でリゼの父親と会話していた。

 

タカヒロ「後先考えずに突入するのが、お前の得意技だったろ?」

 

リゼの父親『グッ・・・!』

 

 

 

 

 

 

温水プール・女子更衣室。

 

マヤ「メグ太った?」

 

メグ「え!?」

 

チノ「はい。特に胸回りが。」

 

メグ「・・・・!!」

 

 

 

 

温水プール。

 

リゼ「チマメ隊!」

 

チマメ隊「イエッサー!」

 

リゼ「受験には体力が必要だ!」

 

チマメ隊「イエッサー!」

 

リゼ「疲れた頭には、糖分が必要だ!」

 

チマメ隊「イエッサー!ん!?」

 

リゼ「だから、差し入れのお菓子を作った。」

 

懐から大量に作ったクッキーを出した。

 

チマメ隊「わぁー!」

 

メグ「あ!わ、私は遠慮します・・・」

 

リゼ「クッキー、嫌いだったか!?」

 

メグ「マヤちゃんとチノちゃんが、食べ過ぎると豚になるって言うから・・・」

 

マヤ「そんな事言ってないって!!」

 

メグ「だって、さっき太ったって・・・」

 

リゼ「メグ。2人はメグの成長に嫉妬してるんだ!全く子供っぽいな!」

 

チノ「うぅっ!!」

 

マヤ「悔しいけどその通りだ!!」

 

 

 

 

温水プールに浸かる。

 

マヤ「お!チノ!一緒にチェスやろうよ!」

 

チノ「マヤさんがチェスですか?」

 

マヤ「うん!高校入ったらチェス部と戦いたいんだ!」

 

チノ「今日は泳ぐ練習をします。泳ぐのちょっと楽しいかもって思うようになったので。」

 

マヤ「へぇ〜!じゃあどっちが先に向こうまで行けるか競争しよ!」

 

チノ「え!?」

 

浮き輪に乗ってるメグが、2人の光景を見守っていた。

 

メグ「本当に2人は凄いなぁ〜。」

 

チノ・マヤ「ん?」

 

メグ「えへへ〜♪」

 

マヤ「ホラホラ!チノもメグも位置に付いて!レディー・・・ゴー!!」

 

スイミング対決開始。チノとマヤがもう向こうまで行ってしまった。

 

メグ「ま!待って待ってーーー!!」

 

 

 

 

ゴールした2人。

 

マヤ「無理しなくていいからー!」

 

チノ「メグさんはマイペースで!」

 

”ザブーン!”

 

チノ・マヤ「あ!!」

 

メグが犬神家の如く沈んでしまった。

 

マヤ「メグーーー!!」

 

しかし、それを見ていたリゼがメグを引き上げた。

 

メグ「・・・・・」

 

リゼ「もう大丈夫だぞ!メグ!」

 

チノ・マヤ「オオーーー!」

 

男らしいリゼに2人が惚れた。

 

 

 

 

休憩を挟んだ。メグをビーチチェアに座らせる。

 

リゼ「水は飲んでないみたいだ。」

 

メグ「・・・・・」

 

マヤ「大丈夫か?メグ・・・」

 

メグ「・・・・・」

 

リゼ「どうしてこんな無茶をしたんだ?」

 

メグ「マヤちゃんとチノちゃんが・・・どんどん先に行っちゃう気がして・・・」

 

チノ「メグさん・・・」

 

メグ「2人共・・・自分の考えで志望校を決めて・・・新しい事にチャレンジして・・・置いて行かないでーって、焦っちゃったのかも・・・」

 

マヤ「メグ・・・」

 

メグ「でもね!私もあの高校で新しい自分を見付けたいの!頑張って追い付くから、マヤちゃんもチノちゃんも待っててね!」

 

チノ・マヤ「うん!」

 

リゼ「焦る必要なんてない。私から見れば3人共立派に成長している。良い友達を持ったお陰だ!」

 

マヤ「それに、良い先生もね!」

 

リゼ「え!?」

 

チマメ隊「リゼ先生大好きーー!!」

 

リゼ「・・・・!!」

 

 

 

 

 

 

その夜の帰り道。

 

リゼ「なぁ、このメンバーでプールに行った事前にもあったな!」

 

チノ「1年前位ですね。その時は楽兎さんと一緒でしたね。」

 

リゼ「あの時はチマメ隊って呼ばれるの嫌がってたな?」

 

マヤ「ラビットハウスまで競争してたもんね!またやる?」

 

メグ「うん!じゃあ私達が勝ったら・・・」

 

チノとマヤの手を握って走った。

 

メグ「これからもずっとチマメ隊だーーーー!!」

 

リゼ「お、お前らーーー!!もう気に入ってるだろ!!」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウス。

 

リゼ「ただいまー!」

 

帰った瞬間、ココアの部屋でココアに壁ドンされた。

 

ココア「リゼちゃんどう言う事!?」

 

リゼ「何だお前ら!?」

 

そこにココア以外に千夜とシャロが居た。

 

ココア「1人だけ抜け駆けしてチマメ隊と温水プールでエンジョイするなんて・・・」

 

千夜「皆もこれを持ってたの、どう言う事かしら?」

 

シャロ「悪い先輩です。」

 

リゼ「ヒィ!?」

 

ココア「ちょっとツラ貸しなよ。キッチンで話そう。」

 

リゼ「わ・・・私はそんなつもりじゃ・・・」

 

 

 

 

 

 

キッチンへ行くと、豪華なご馳走がズラリと並んであった。

 

ココア「なーんちゃってー!今夜は家庭料理パーリナイだよー!イエーイ!」

 

シャロ「リゼ先輩の為に頑張りました!」

 

千夜「腕に寄りを掛けて作ったのよ!」

 

みくる「肉じゃがに唐揚げにハンバーグ!」

 

シャロ「そしてもやし炒め!」

 

緑羽太「俺達からリゼへのサプライズだ!」

 

リゼ「私の為に・・・!!」

 

千夜「何時も私達が困った時に、特訓してくれるお礼よ!」

 

シャロ「先輩、何時も頑張ってますから!」

 

ココア・千夜・シャロ・みくる・チマメ隊「ありがとう!リゼ先生!」

 

楽兎・緑羽太「教官への感謝の意を!」

 

リゼ「・・・・・全員ハンコ付けてやるーーーーー!!!」

 

千夜「きゃーっ!ご乱心よ〜!」

 

みくる「どんと来てーーー!!」

 

楽兎「落ち着けリゼーーー!!」

 

緑羽太「ギャーー!!ハンコ攻撃で俺に10のダメージ!!」

 

ティッピー「ヤレヤレ。」

 

 

 

 

全員がハンコを押され、料理を食べる。

 

楽兎「両頬にハンコまみれ・・・」

 

緑羽太「これはこれで良いかもな。」

 

みくる「あはは!緑羽太顔中ハンコまみれ。」

 

 

 

 

料理はあっと言う間に完食。

 

シャロ「先輩!洗い物のお手伝いをしま・・・す?」

 

リゼは気持ち良さそうに寝ちゃっていた。

 

楽兎「あらら、寝ちゃってるな。」

 

千夜「可愛い寝顔ね。」

 

マヤ「プールで疲れたんだね。」

 

メグ「リゼさん、私が溺れそうになったのを助けてくれたんだ。」

 

ココア「ヒュー!流石リゼちゃん。」

 

楽兎「まさに教官だな。」

 

シャロ「何時も助けてくれるのよね。キャンプの時も頼りになったし。」

 

みくる「でもリゼちゃんのお父さんの策略で色々大変だったけど。」

 

チノ「音楽会のソロパートの練習や、球技大会の時も鍛えてくれました。」

 

緑羽太「俺達の教官。なんて頼もしいんだ。」

 

ココア「何時もありがとう。」

 

チノ「リゼ先生。」

 

ハンコをリゼの額に押した。それと同時にリゼが起きた。

 

ココア「あ!先生で起きた!」

 

リゼ「お姉ちゃんで起きるお前に言われたくない!!」

 

CQC炸裂。

 

ココア「グエエエーー!!」

 

するとそこに、タカヒロが入って来た。

 

楽兎「タカヒロさん!どうしたんですか?」

 

タカヒロ「リゼ君。お迎えだぞ。」

 

彼の後ろから、リゼの父親が顔を出した。

 

みくる「あれ?リゼちゃんのお父さん?」

 

緑羽太「そう言えば喧嘩中だったな。」

 

リゼ「・・・・」

 

リゼの父親「・・・・・」

 

 

 

 

車の助手席にリゼを乗せて帰る途中。車内は気不味い空気になっている。

 

リゼの父親「・・・・・オホン!なぁ、腹は減ってないのか?この近くに美味いレストランがあって・・・」

 

リゼ「もう食べた。」

 

リゼの父親「え?あ、あはは。そうだったな・・・パーティーしてたもんな・・・俺も軽く摘んでるが、大丈夫だ。」

 

リゼ「・・・そうか。」

 

リゼの父親「・・・・よぉし!俺の十八番!戦場あるある条項をここで1発!」

 

リゼ「止めろ。」

 

リゼの父親「はい・・・はぁ・・・」

 

 

 

 

石橋の上で車を停めた。

 

リゼ「?」

 

リゼの父親「・・・まだ子供だと思ってたお前が、小学校の先生なんて立派な夢を持って、正直嬉しかった。」

 

リゼ「っ!!・・・でも笑った癖に。」

 

リゼの父親「そ、それはだな!涙を・・・誤魔化したくて・・・」

 

リゼ「・・・?」

 

リゼの父親「俺のつまらないプライドで・・・お前を傷付けてしまったな・・・」

 

リゼ「・・・そう言う時は、何て言うんでしょう?」

 

リゼの父親「?」

 

リゼ「私は親父から習ったぞ?」

 

リゼの父親「っ!・・・ごめんなさい・・・」

 

リゼ「はい。よく出来ました。」

 

自分の父親の額にハンコを押した。

 

リゼの父親「な、何だ!?何をしたんだ!?お、おい!?」

 

リゼ「さぁ〜。何でしょう〜?」

 

リゼの父親「おでこに何をしたんだ!?おい!?」

 

リゼ「あははははは!」

 

こうして、リゼ親子の仲は修復された。

 

『END』




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

        生徒:古木のぞみ
           山根綺

      リゼの父:東地宏樹

リゼの父親「いらっしゃいませ!今夜のお客さんにピッタリのカクテルをご用意しております!」

タカヒロ「ウチで働いてみないか?」

リゼの父親「お断りします!」

次回「やきもち風味のカモミール」


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33羽「やきもち風味のカモミール」

これは、ある2人の小さい頃のお話。

シャロ『これ、千夜にあげる!』

それは千夜とシャロのお話。シャロは千夜に小さな冠をあげた。

千夜『シャロちゃん・・・』




2人は坂を駆け上がる。

千夜『シャロちゃん!早く!早く!』

丘の上に着き、千夜が朝陽に向かって両手を広げた。

千夜『この街は私が支配するわー!』

シャロ『ヒィィィ!!』






そして現在。甘兎庵では。

千夜「はぁ・・・ここにも無い・・・何処に行ったのかしら・・・?大切な物なのに・・・」

彼女が失くした大切な物とは。


ある日。ココアと千夜が通う高校。

 

レイ「え〜、投票の結果。我がクラスの生徒会長候補は、宇治松千夜さんに決まりました!」

 

千夜「わ、私が!?」

 

ココア「千夜ちゃんおめでとう!」

 

委員長「何でだーーーーー!?」

 

カノ「どんだけ自信あったんだ・・・?」

 

なっちゃん「まあまあ。僅差だったじゃん・・・」

 

あんず「千夜は文化祭で大活躍だったでしょ?皆期待してるのよ。」

 

委員長「それは確かに・・・」

 

ココア「千夜ちゃんのプロデュースは私に任せて!立派なプレジデントにしてみせるよ!」

 

千夜「ココアちゃんがファーストレディーね!」

 

カノ「この2人をセットにして大丈夫かな・・・?」

 

正直不安しかなかった。

 

 

 

 

 

 

夕方。シャロが学校で渡された生徒会役員選挙についてのプリントを見ながら帰ってる。

 

シャロ「はぁ・・・私が生徒会長に推薦されるなんて・・・ん?」

 

丁度甘兎庵に着いた。

 

 

 

 

甘兎庵に入る。

 

シャロ「千夜〜。ん?」

 

入ると、千夜が悩んでいた。

 

千夜「ダメ!こんなんじゃ全然伝わらないわ!!」

 

シャロ「メニュー名のスランプ?珍しいわね。」

 

千夜「ううん。生徒会長選挙の演説の原稿・・・」

 

シャロ「え!?」

 

千夜「私、推薦されちゃって・・・」

 

シャロ「それで、引き受けたの・・・?」

 

千夜「うん!皆納得して推薦してくれたんだもの。期待に応えなきゃ!」

 

シャロ「ふぅ〜ん。ん?」

 

ノートを見ると、演説の原稿ではなく生徒会役員の改名を書いていた。

 

シャロ「こ、これは・・・演説を考えなさいよ!!」

 

千夜「だってぇ〜、難しいのよぉ・・・そうだ!委員会の改名を公約にしようかしら!」

 

シャロ「それで票を入れるのはココア位よ・・・」

 

 

 

 

 

 

後日。洋服店でリゼが服を選んでいる。

 

リゼ「う〜ん・・・髪を下ろした方が大学生っぽいかなぁ・・・?う〜ん・・・ん?」

 

外を見ると千夜が見えた。

 

リゼ「千夜!!」

 

 

 

 

一方千夜は雑貨屋に来ていた。

 

千夜「ん〜・・・これなら代わりになるかしら・・・?」

 

冠のストラップ。

 

リゼ「千夜!」

 

千夜「!?」

 

リゼ「頼む!私を大人にしてくれ!」

 

千夜「わ、私が!?」

 

 

 

 

 

 

レコード店前にシャロが立っている。

 

千夜「シャロちゃ〜ん!」

 

シャロ「ん?」

 

後ろに振り向くと、千夜とロゼになったリゼが立っていた。

 

シャロ「え?えっとぉ・・・こ・・・こんにちは・・・」

 

千夜「まさか誰か分からないなんて言わないわよね?シャロちゃん。」

 

シャロ「試されてる・・・!?」

 

リゼ「これでどうかな?」

 

手の銃をシャロに向ける。

 

シャロ「リゼ先輩!?」

 

リゼ「気付くの遅いぞ?」

 

千夜「私がコーディネートしてみました〜!」

 

リゼ「大学生になるんだし、大人っぽくなりたくて。こう言う規格でもないと、イメチェンする機会がなくてな・・・」

 

シャロ「・・・・・」

 

リゼ「やり過ぎたかなぁ?誰も私だって気が付かな・・・」

 

シャロ「超絶似合ってます!!そんなおバカ私だけです!!」

 

ココア「あー!千夜ちゃんとシャロちゃんと知らない美人さんだー!」

 

レコード店から楽兎とココアとチノが出て来た。

 

チノ「学校のお友達ですか?」

 

楽兎(リゼ、またロゼになってる。)

 

シャロ「へ?」

 

リゼ(気付いてない!?楽兎は既に気付いてるけど・・・)

 

ココア・チノ「ああ!」

 

チノ「あなたは!!」

 

ココア「ロゼちゃん!!」

 

リゼ(そっち!?何て記憶力・・・!)

 

楽兎(何故リゼだと気付かないんだ・・・!?)

 

ロゼ「ご、ご無沙汰しております・・・チノさん、ココアさん。」

 

チノ「お久し振りです!あの、良ければお店に来て下さい!約束しましたよね?」

 

ココア「コーヒー飲んで語り明かそう?」

 

ロゼ「え、えぇ。是非・・・」

 

楽兎(何処まで騙されてるんだ?この2人・・・)

 

リゼ(本当に私だって気付いてないのか?フフ〜ン。)

 

悪巧みが閃いた。

 

ココア「1名様ご案内〜!」

 

チノ「ご案内です!」

 

ロゼ「あ、あのぉ。」

 

ココア・チノ「ん?」

 

ロゼ「良かったら今日1日制服を着て、働いてみたいなぁ〜!」

 

シャロ「キャラが変わった!?」

 

楽兎「大人っぽいロゼは何処に!?」

 

ココア「どうする?チノちゃん。」

 

チノ「リゼさんは今日お休みですし、働いて貰えると助かるかも。」

 

 

 

 

4人はコソコソと会話してる。

 

千夜「誤解を解かなくて良いの?」

 

楽兎「このままじゃずっとロゼって認識されるままだぞ?」

 

リゼ「気付かない方が可笑しいだろう?」

 

楽兎「まぁ確かにそうだが・・・」

 

リゼ「この間なんか家出して、お泊まりして、同じ飯を食べたんだぞ?今じゃ戦場を共に駆け抜けた友だ。」

 

シャロ「た、確かに・・・」

 

リゼ「もしや・・・私だと気付いてからかっているのかも知れない・・・」

 

楽兎「あ、それありえるかもな。」

 

リゼ「だろ?」

 

 

 

 

チノ「ロゼさん!是非お願いします!」

 

ロゼ「ありがとうございます〜!」

 

リゼ(こうなったらラビットハウスに潜入し、心理戦を仕掛けて確かめる!演劇部の助っ人で培ったこの演技で!)

 

ロゼ「さぁ〜!コーヒーと香りとダンスしに参りましょう〜!」

 

ココア「参りましょう〜!」

 

シャロ「大丈夫かなぁ・・・?」

 

楽兎「不安だ・・・」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウス。女子更衣室。

 

ロゼ「どうでしょうか?」

 

ココア「似合うよ〜!リゼちゃん本人みたい〜!」

 

リゼ(本人だ!)

 

ココア「ねぇ!CQCって知ってる?」

 

リゼ(あ!此奴、分かった上で試してるのか!?良いだろう。受けて立つ!)

 

ロゼ「軍人さんが使う近接戦闘術ですが、それが何か?」

 

ココア「合格だよ!これでロゼちゃんもラビットハウスCQC部のメンバーだね!」

 

リゼ(何時の間にそんなもの結成した!?)

 

 

 

 

ホール。

 

緑羽太「成る程。ロゼになってココアちゃんとチノちゃんに心理戦を仕掛けるって訳か。」

 

みくる「何かドキドキだね。何処でバレるかハラハラするよ。」

 

楽兎「けど、2人は知った上で騙されてるフリをしてるかもだぞ?」

 

みくる「それもありえるかも。」

 

 

 

 

しばらくしてマヤとメグがやって来た。

 

マヤ「こんにちは〜!」

 

メグ「勉強させに貰いに来たよ〜!」

 

ロゼ「いらっしゃ〜・・・」

 

楽兎(マヤちゃんにメグちゃん!?)

 

マヤ「あれ?リっ!?」

 

言おうとしたが千夜とみくるに口止めされた。ココアとチノにまだバレていない。

 

みくる「マヤちゃん、メグちゃん。」

 

千夜「実はあのね?」

 

2人に耳元で訳を話した。

 

メグ「っ!」

 

マヤ「面白そ〜!」

 

チノ「ロゼさんとお知り合いですか?」

 

メグ「えと・・・う、ウチのバレー教室の生徒さんなの!す、凄くターンが上手な人でねー!」

 

リゼ(ナイスフォローだ!)

 

メグ「そして!じ、実は!バレー拳法の使い手で、昼は大学生、夜は闇の・・・」

 

みくる「メグちゃん落ち着いてー!」

 

リゼ(可笑しな設定になってるー!?)

 

チノ「バレー拳法って何ですか?」

 

ココア「見たーい!」

 

ロゼ「バレー拳法はお店を破壊してしまうので・・・」

 

マヤ「そうだよ!バレー拳法は正義の為にしか振舞ないんだ!」

 

リゼ(そうだ!ナイスフォロー!)

 

マヤ「でも、バレー接客なら出来るんじゃないかな!?」

 

リゼ(フォローが無茶振りになってどうする!!)

 

みくる「マヤちゃんメグちゃん、パニックになって無茶言わないの。」

 

メグ「ごめんなさ〜い。」

 

マヤ「ちょっと言い過ぎちゃったかな?」

 

 

 

 

青山「ではロゼさん、スペシャルブレンドとチョコケーキをお願いします。」

 

 

 

 

シャロ「青山さん!?何時の間に!?」

 

青山「ウフフ♪」

 

緑羽太「また現れたな?神出鬼没の小説家。」

 

楽兎「凛さん来るかもな。」

 

リゼ(ここでボロを出す訳にはいかない・・・!)

 

 

 

 

出来たスペシャルブレンドとチョコケーキを持ってバレー接客を開始。

 

ロゼ「スペシャルブレンドとチョコケーキになりま〜す!」

 

ココア「凄ーい!」

 

チノ「一瞬リゼさんの勇ましさと重なって見えました!」

 

ロゼ「ギクッ!?」

 

青山「ロゼさんは、私の文芸部と食レポの後輩なんです。」

 

ロゼ「食レポ?の後輩とは?」

 

青山「大丈夫です。ケーキを食べたらこの台詞を。」

 

予め書いておいた台詞の紙をロゼ(リゼ)に渡した。

 

ロゼ「は、はい・・・」

 

青山「はい。あ〜ん。」

 

ロゼ「あ〜ん・・・」

 

チョコケーキをロゼ(リゼ)に食べさせた。

 

ロゼ「わぁ〜!口の中に天使の香り!舌も脳も溶けちゃいそう〜!」

 

千夜「チョコケーキに何入れたの!?」

 

楽兎「いや、何もないぞ?」

 

 

 

 

しばらく落ち着いた後。ロゼ(リゼ)端っこの席に座ってぐったりしている。

 

リゼ(あぁ・・・心理戦を仕掛ける所か、味方に裏切られてばかりのようだ・・・)

 

楽兎(相当疲れてんな。あの子。)

 

チノ「ロゼさん。」

 

ロゼ「は〜い・・・」

 

チノ「私もロゼさんの隣で日向ぼっこしても言いですか?」

 

ロゼ「え、えぇ勿論・・・」

 

隣にチノが座った。

 

チノ「最近日向ぼっこにハマってて、ココアさんと日向ぼっこ対決しているんです。」

 

ロゼ「ん?」

 

チノ「リゼさんが居たら怒られるんですけど、最近は忙しいせいか、お休みの日が増えて・・・ちょっと寂しいです・・・」

 

リゼ(私が居ない所で、そんな事を・・・)

 

 

 

 

その後コーヒー豆の入った袋を運ぶ。

 

ココア「ロゼちゃん大丈夫・・・?」

 

ロゼ「え?わあ!コーヒー豆の袋って重いのね〜。」

 

楽兎(わざとらしい。)

 

すると目の前に誰かが現れた。

 

ココア「わあーーー!!」

 

ロゼ「誰だ!!」

 

すかさずモデルガンを向けた。現れたのはタカヒロだった。

 

タカヒロ「フッ。」

 

笑って去って行った。

 

ロゼ「何だ。ただのタカヒロさんか。驚かせるなよココ・・・ア!!」

 

楽兎(あ、やっちまったな。)

 

もう言い逃れは出来ないと思ったが。

 

ココア「ごめんねリゼちゃん。」

 

リゼ「気付いていたのか・・・?」

 

楽兎「お前、既に知っていたんかい・・・」

 

ココア「えへへ〜。私を侮らないでよ〜。」

 

ロゼの髪をツインテールにした。

 

ココア「ほら!こうするとリゼちゃん!」

 

リゼ「すまない・・・気付かれないのが寂しくて、確かめるような事を・・・」

 

ココア「今日のリゼちゃんも素敵だけど、自然体のリゼちゃんはもっと好きだよ?」

 

リゼ「ココア・・・目にゴミが入った・・・」

 

楽兎「何だ?泣いてるのか?」

 

リゼ「目にゴミが入っただけだよ・・・」

 

ココア「えへへ〜。」

 

 

 

 

ホールに戻って、ロゼの事を話した。

 

マヤ「な〜んだバレてたのか〜。」

 

メグ「リゼさんの演技は凄かったけど、ココアちゃんにはすっかり騙されちゃった〜。」

 

千夜「流石名女優ね〜!」

 

みくる「リゼちゃん、将来女優になれるかも!」

 

ココア「・・・そでしょ・・・?」

 

千夜「ん?」

 

 

 

 

 

 

ココア「嘘でしょ!?リゼちゃんがロゼちゃんって嘘でしょーーーー!?」

 

 

 

 

 

 

緑羽太「ガチで知らなかったの!?」

 

ココア「楽兎君以外皆気付いてたの!?最初から!?」

 

シャロ「じゃあココアは何時気付いたの・・・?」

 

ココア「銃構えた所だよ!!」

 

楽兎「雰囲気で気付いてなかったんかい。」

 

ココア「あわわわ・・・私すっごくおバカな子じゃん・・・!ずっと一緒だったのに・・・あんなに傍に居たのに・・・」

 

楽兎「あんなに一緒だったのに?」

 

千夜「失恋ソングの歌詞みたいね・・・」

 

ココア「チノちゃんも何冷静になってるの・・・!?皆私を騙してもうーーー!!」

 

チノ「ロゼさんは何処に?」

 

ココア「状況に付いて行けてない!?」

 

楽兎「ロゼなら女子更衣室に居ると思うけど?」

 

 

 

 

女子更衣室で、ロゼがリゼに戻った。

 

リゼ「よし!」

 

チノ「恥ずかしい・・・何で気付かなかったんでしょう・・・」

 

リゼ「からかって悪かったな・・・これでどうだ?」

 

チノ「はい・・・何時ものリゼさんです・・・」

 

リゼ「やっぱり無理して背伸びするもんじゃないなぁ。」

 

チノ「いえ、ロゼさんの時も素敵でした。イメチェンしても、全然良いと思います。」

 

リゼ「そ、そっかぁ・・・ありがとう・・・じゃあまたイメチェンしてみようかな?あ、チノはまた私だって分からなくなるかな?」

 

チノ「もう・・・そんな事ないです・・・」

 

リゼ「あはは。」

 

 

 

 

 

 

ホールに戻るとそこには。

 

モカ「リゼちゃ〜ん!久し振り〜!」

 

リゼ「モカさーーーん!?」

 

勿論ココアである。

 

モカ(ココア)「会いたかったわよ〜!再会のもふもふ〜!」

 

もふもふされてぶっ倒れてしまった。

 

ココア「死んだフリ!?」

 

みくる「リゼちゃんしっかりしてー!」

 

チノ「何の騒ぎで・・・モカさん!?」

 

モカ(ココア)「チノちゃ〜ん。久し振り〜。」

 

チノ「い、今ココアさんを呼んで・・・」

 

モカ(ココア)「サプラ〜イズ!」

 

だがカツラが取れてしまった事に気付かないままチノをもふもふした。

 

楽兎「あ、外れちまった。」

 

 

 

 

その後。チノが2人を説教する。

 

チノ「ココアさん。」

 

ココア「はいぃ・・・」

 

チノ「今度からかったら2人共おやつ抜きです!!!」

 

楽兎「可愛いなおい!」

 

ココア・リゼ「もうしません!」

 

 

 

 

 

 

ある日の甘兎庵。

 

ココア「じゃーん!選挙用のポスターが出来たよー!」

 

シャロ「選挙と言うより甘兎庵の宣伝になってるじゃない・・・」

 

楽兎「にしても千夜が生徒会長に立候補されるなんてな。」

 

みくる「私、生徒会長千夜ちゃんのお側になりたいです!」

 

緑羽太「いや無理だろ。」

 

千夜「何だか恥ずかしいわぁ〜・・・」

 

ココア「推薦状も書いたんだよ?青山さんに手伝って貰ったんだ!」

 

チノ「ほぼ書いて貰ってましたよね?」

 

楽兎「自分は何もしてなかったよな?ほぼ。」

 

ココア「彼女の紡ぎ出す和菓子は、王道でありながら確かに個性が存在しています。あんこの繊細で上品な甘さは、故郷の長計を・・・」

 

リゼ「ただの食レポだろ。」

 

千夜「嬉しいけど照れちゃうわ〜。」

 

緑羽太「その食レポ、誰が共感持てるんだ?」

 

チノ「あ、あの!私も推薦状を書いてみたのですが・・・」

 

リゼ「おぉ!読んでみてくれ!」

 

チノ「普段は優しく誠実で、仕事に於いては責任感は強く、妥協しないその姿勢は、生徒を引っ張り導き手として理想的であり・・・」

 

千夜「いやぁ〜ん!もうダ〜メ!褒められ過ぎて爆発しそう〜!」

 

楽兎「千夜がぶっ壊れてる・・・」

 

ココア「チノちゃん!その調子でお姉ちゃんも推薦してごらん!」

 

楽兎「いやそれは・・・」

 

チノ「何時もお寝坊さんで、人参もダメで、コーヒーの区別も出来ず。」

 

ココア「うううぅぅ・・・」

 

みくる「正論だらけの推薦状ね。」

 

楽兎「正論状だな。」

 

リゼ「推薦文はチノに任せるとして、演説は大丈夫なのか?」

 

千夜「それが、まだ書けてないの・・・甘兎庵のアピールなら幾らでも出来るんだけど・・・自分をアピールするのって難しくて・・・」

 

リゼ「もっと堂々としてないと生徒会長らしくないな!動じず臆せず冷静に!」

 

千夜「でもどうすれば・・・」

 

ココア「リゼちゃんのモノマネしてみたら?」

 

リゼ「え!?」

 

緑羽太「それは止めといた方が・・・」

 

しかし千夜がリゼのモノマネで覚醒した。

 

千夜「貴様ら1人1人では小さな飛騨が、私の元で1つになり、地獄の業火になると確信している!!」

 

ココア「良いねー!」

 

みくる「それで良いの!?」

 

千夜「立て!生徒諸君!私と共に青春と言う戦場を駆け抜けよう!!」

 

リゼ「私はそんな事言わない!!」

 

楽兎「軍人ならそれを言うと思ってるのか?」

 

 

 

 

新作を持って来た。

 

千夜「秋の空、轟く音はおめでたい。お待ちどう様!」

 

みくる「美味しそう!」

 

楽兎「おめでたいって、たい焼きのダジャレか。」

 

緑羽太「けど秋のメニューにピッタリだな。」

 

リゼ「そう言えば、シャロも生徒会長に推薦されたって聞いたけど。」

 

シャロ「あ。でも、私はもう・・・」

 

千夜「そうだったの!?何で言ってくれなかったの!?」

 

シャロ「言おうとしたわよ・・・」

 

千夜「シャロちゃんが生徒会長になったら・・・」

 

シャロ「ん?」

 

 

 

 

生徒会長シャロ『購買部の特売制度を設けまーす!!』

 

 

 

 

ココア・千夜「格好良い〜!」

 

みくる「って言うか可愛い〜!」

 

シャロ「そんな事するか!!」

 

チノ「シャロさんまで生徒会長になったら、こうやって集まる機会が減りそうです・・・」

 

シャロ「いや、だからその・・・」

 

ココア「会議の時はコーヒーとパンの出張するからねぇ・・・」

 

千夜「そんな大袈裟よ・・・まだ当選した訳じゃないのに・・・」

 

シャロ「そうよ。だって私特訓・・・」

 

リゼ「そうだぞお前らーーー!!そんなにしんみりするなーー!!生きていればまた会える!!笑顔で応援してやろう!!」

 

千夜「1番大袈裟・・・」

 

楽兎・緑羽太・みくる「あーもうしっちゃかめっちゃか。」

 

すると店のドアが開いた。

 

千夜「あ!いらっしゃーい!」

 

お婆ちゃんA「あら〜。可愛いお店だ事。」

 

お婆ちゃんB「千夜ちゃん、4人だけど良い?」

 

千夜「大丈夫ですよ〜!お好きな席にどうぞ〜!」

 

4人のお婆ちゃんが来てくれた。

 

ココア「千夜ちゃん!」

 

千夜「うん!」

 

 

 

 

接客開始。

 

ココア「はーい!お待ちどう様ー!はいはーい!あがり3丁おめでたい2丁!此方のお嬢さん、5人目の曾孫が生まれたってよー!」

 

千夜「あいよー!何時もより多めに振り掛けておりまーす!」

 

 

 

 

リゼ「相変わらず息ピッタリだな。」

 

楽兎「あのコンビ、凄く似合ってるな。」

 

千夜「こうして働く千夜さんを見る機会も少なくなるんですね。」

 

シャロ「そうね・・・」

 

みくる「千夜ちゃんに会えないの寂しくなるなぁ・・・」

 

緑羽太「けど何れ会えるかもな。」

 

 

 

 

ココア「うんうん!輝いてるね〜!」

 

千夜「金粉を乗せると華やかになるわよね〜。」

 

ココア「違うよ?千夜ちゃんの事!」

 

千夜「え?」

 

ココア「働いている時の千夜ちゃんは、キラキラしてるよ!」

 

 

 

 

シャロ「っ!!」

 

 

 

 

 

 

小さい頃を思い出した。千夜の頭に小さな冠が乗っていた。

 

 

 

 

 

 

ココア「選挙もその調子で輝こうね!」

 

千夜「目指せ金粉!」

 

ココア「イエーイ!延べ棒ー!」

 

 

 

 

 

 

夕方。

 

ココア「寒くなって来たねぇ〜。」

 

緑羽太「ひえぇ〜寒!」

 

楽兎「だんだん冷えて来るなぁ〜。」

 

千夜「帰ったら暖かくしてね?」

 

千夜の祖母「何だい?もう帰るのかい?」

 

緑羽太「おや。千夜のお祖母ちゃん。」

 

リゼ「ああ、お邪魔しました。」

 

千夜の祖母「んじゃ、これ持って行きな。」

 

紅白饅頭をくれた。

 

ココア「紅白饅頭!!」

 

千夜「お祖母ちゃん・・・!」

 

千夜の祖母「そう言えば、ジジィもウチの饅頭好きだったわねぇ〜。バカが出る前に食っちまうんだよ?」

 

チノ「ありがとうございます。」

 

ココア「千夜ちゃーん!また明日から選挙活動頑張ろうねー!」

 

千夜「うん!」

 

楽兎「当選楽しみにしてるぞー!」

 

緑羽太「じゃあなー!」

 

5人が帰って行った。

 

千夜「さあ!スピーチ原稿考えなきゃ!」

 

みくる「千夜ちゃん張り切ってるね。」

 

シャロ「はい・・・」

 

千夜の祖母「何だい?」

 

みくる・シャロ「え?」

 

千夜の祖母「欲しがり屋さんだねぇ。もっと持って行きな。」

 

5パック出された。

 

シャロ「あ、ありがとうお祖母ちゃん・・・」

 

みくる「でもこんなに・・・」

 

千夜の祖母「そうだ!メニューも持って行きな。取って来るから。」

 

後ろに振り向くと、千夜の祖母の簪に小さな冠があった。

 

シャロ「あ!待って!お祖母ちゃん!」

 

みくる「シャロちゃんどうしたの?」

 

 

 

 

 

 

その夜。千夜は1人でスピーチ原稿を考えている。

 

千夜「はぁ・・・」

 

するとみくるとシャロが来た。

 

シャロ「はい。」

 

千夜「え!?」

 

シャロ「あったわよ。」

 

小さな冠を千夜に差し出した。

 

千夜「あ!」

 

シャロ「探していたんでしょ?」

 

千夜「気付いてたの!?」

 

シャロ「当たり前でしょ?アンタ何か変だったし。そもそもあんこに乗ってないし。」

 

千夜「で、でも!部屋中探したのに見付からなったんだよ!?一体何処に・・・」

 

みくる「千夜のお祖母ちゃんが簪にしてたんだよ?」

 

千夜「えええーーー!?全然気付かなかったーーー!!ずっと一緒だったのに、あんなに傍に居たのに!!」

 

みくる「あんなに一緒だったのに?」

 

シャロ「失恋ソングの歌詞みたいになってるわよ・・・」

 

冠をあんこに被せた。

 

千夜「見付かって本当に良かったぁ〜。」

 

みくる「その冠って、思い出の物?」

 

千夜「えぇ。シャロちゃんに貰った世界征服の社長のシンボルだもの。」

 

シャロ「そんなつもりであげてない!」

 

千夜「当選したらこれ被って挨拶しましょうね。」

 

シャロ「恥ずかしいわ!」

 

みくる「でも良いかもね。」

 

シャロ「何処が!?後、私生徒会長の推薦辞退したから。」

 

みくる「そうなの!?」

 

千夜「え!?あ、バイト忙しいから?」

 

シャロ「それもあるけど・・・それだけじゃなくて・・・自分で考えてよね!!!」

 

彼女は去って行った。

 

みくる「あらら。行っちゃったね。」

 

千夜「・・・またシャロちゃんに貰っちゃったわね。ずーっと一緒よ。あんこも、この王冠も。」

 

みくる「千夜ちゃん、その王冠にどんな思い入れがあるのか私に教えてくれる?」

 

千夜「私達がまだ小さかった頃にね。」

 

 

 

 

 

 

小さい頃。

 

シャロ『これ、千夜にあげる!』

 

それは千夜とシャロのお話。シャロは千夜に小さな冠をあげた。

 

千夜『シャロちゃん・・・』

 

シャロ『えへへ!』

 

千夜『ありがと〜!』

 

 

 

 

2人は坂を駆け上がる。

 

千夜『シャロちゃん!早く!早く!』

 

丘の上に着き、千夜が朝陽に向かって両手を広げた。

 

シャロ『千夜!?』

 

千夜『この街は私が支配するわー!』

 

シャロ『ヒィィィ!!』

 

千夜『ん?違うの?この王冠は、甘兎庵の社長になって世界征服しろって事でしょ?』

 

シャロ『ち、違うよー!甘兎庵でキラキラしてる千夜が見たいだけだよー!』

 

千夜『そうなの!?えへへへ!』

 

シャロ『あはははは!』

 

千夜『じゃあ2人で、キラキラした社長になりましょ!』

 

シャロ『え!?私も社長なのー!?』

 

 

 

 

 

 

みくる「もう何それー!可愛いんですけどー!」

 

千夜「あの頃が懐かしいわね〜。」

 

みくる「本当2人が大親友だって事が改めて分かったよ。そうだ!千夜ちゃん!」

 

千夜「ん?」

 

みくる「私から生徒会長になる為にの願掛けに受け取って!ギュー!」

 

笑顔で千夜を優しく抱いた。

 

千夜「みくるさん・・・」

 

みくる「頑張ってね。千夜ちゃん。」

 

 

 

 

 

 

後日。甘兎庵。

 

シャロ「千夜ー。お醤油貸してー。」

 

ココア「あ!シャロちゃん!」

 

楽兎「来たかシャロ。」

 

千夜「いらっしゃーい!」

 

シャロ「何かのお祝い?」

 

ココア「生徒会長就任のパーティーだよ!」

 

シャロ「え?そ、そうなんだ・・・」

 

緑羽太「ここの飾りはここで良いか?」

 

みくる「良いよ!」

 

シャロ「千夜・・・生徒会長当選お、おめ・・・」

 

すると誰かがドアを開けて入って来た。

 

委員長「今日は私の生徒会長当選祝いに集まってくれてありがとー!」

 

それは委員長だった。

 

シャロ「え!?」

 

ココア「待ってたよー!」

 

緑羽太「いよ!委員長!」

 

楽兎「祝え!新生徒会長の誕生の瞬間を!」

 

 

 

 

シャロ「千夜が当選したんじゃ・・・」

 

みくる「それがね。」

 

千夜「推薦は辞退したの。」

 

シャロ「え!?」

 

千夜「この王冠と一緒。大切な物はすぐ傍にあるのに、見えなくなっていた。来年もここで、皆の居場所を作って行きたい!」

 

シャロ「私も似たような理由・・・」

 

千夜「え?」

 

シャロ「皆との時間が減るのはちょっと寂しいし、この方が私にとって1番の・・・」

 

千夜「ちょっと待って?」

 

シャロ「え?」

 

千夜「せーので答え合わせしましょう?」

 

シャロ「うん!」

 

千夜・シャロ「せーの!私にとって、1番キラキラ出来る気がするの!」

 

みくる「これから皆で一緒に居られるなんて、もう私感激ー!ご褒美のもふもふー!」

 

千夜「いやぁ〜ん!」

 

シャロ「もう、しょうがないですねぇ。」

 

生徒会長を辞退した2人は、これからもずっと皆と一緒居る事を選んだ。

 

『END』




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

        チノ:水瀬いのり

       ココア:佐倉綾音
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
      タカヒロ:速水奨

     リゼの父親:東地宏樹
       委員長:日笠陽子
        レイ:田澤茉純
        カノ:嶺内ともみ
       あんず:桑原由気
     なっちゃん:貫井柚佳

     お婆ちゃん:仲村かおり
           所河ひとみ

     千夜の祖母:一城みゆ希

タカヒロ「幼馴染み。親友。良い響きだな。」

リゼの父親「戦友ってのも、良い響きだろ?」

タカヒロ「何だ?もう酔ってるのか?」

リゼの父親「素直じゃねぇなぁ。」

次回「ハートがいっぱいの救援要請」


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34羽「ハートがいっぱいの救援要請」

季節が流れ、街はクリスマスシーズンに包まれた。

ココア「ようこそ!フルール・ド・ラパンへおいでませ!」

ある日。ココアはフルール・ド・ラパンでバイトを始める事になった。

シャロ「挨拶が違ーう!」

みくる「必要以上に胸を張っちゃダメだよ?」

ココア「何で胸?」

みくる「そこは察して?」

シャロ「全く・・・金欠だからフルールでもバイトするって?」

ココア「シャロちゃんの真似だよ〜?バイトの掛け持ち〜!」

みくる「でもココアちゃん、古物市でドアノブとかチノちゃんの手品セットとか買ってたじゃん?それで金欠になったんじゃないの?」

シャロ「そうよ。」

ココア「でもシャロちゃんも人の事言えないでしょ?ティーセットとか。」

シャロ「うぅ・・・」

みくる「似た者同士だね。」

ココア「私達〜!お財布空っぽでもハートはいっぱい胸いっぱ〜い!」

シャロ「歌うの踊るの一緒にするなー!いっぱいなーい!」

踊って歌いながらシャロの頬をスリスリする。

みくる「仲良いね〜。」

ココア「みくるちゃん!撮って!」

スマホをみくるに貸した。

みくる「はいはーい!こっち向いてー!」

ココア「イエーイ!」

最高の1枚が撮れた。


更衣室のロッカーを開けたココア。

 

シャロ「何してるの?」

 

取り出したのは貯金箱。

 

みくる「貯金箱?」

 

ココア「最後の砦・・・お気に入りキグミン貯金箱を割る時が来たよ・・・!」

 

シャロ「割るタイプの奴!?」

 

みくる「何で持って来てるの!?」

 

ハンマーを振り上げた。

 

ココア「キグミン覚悟ー!ソイヤー!」

 

”パリーン!”

 

シャロ「キグミーン!」

 

みくる「ご冥福をー!」

 

キグミン貯金箱を割った。そして中身は・・・

 

ココア「ご・・・52円!?そんな・・・5000円位あると思って・・・シャ・・・シャロちゃん・・・?」

 

後ろを向いたシャロが自分の財布の中身を確認する。

 

シャロ「フッ!私の方が10円多いわ!」

 

ココア「こんな事で張り合いたくないよー!」

 

みくる「あんま変わんないんじゃ・・・(私の残高はまだ50万ある。節約しておいて良かった。そう言えば楽兎は・・・)」

 

 

 

 

楽兎『残高?200万位かな?』

 

 

 

 

みくる(楽兎はあんまり欲しい物は我慢する主義だからね。緑羽太は・・・)

 

 

 

 

緑羽太『俺の残高?軽く数千万あるぞ?』

 

 

 

 

みくる(SNSとか色々やってるから広告収入がガッポリだねぇ。)

 

 

 

 

フルール・ド・ラパンのホール。

 

ココア「リゼちゃんもここでバイトした事あるよね〜?」

 

みくる「あ〜。前にシャロちゃんから聞いた事があった。」

 

シャロ「そうねぇ。あの時は急にお金が必要になったのよねぇ。」

 

みくる「確か、割ってしまったお父さんのお気に入りのワインを買う為だったのよね?」

 

シャロ「そうです。」

 

ココア「そう!私も!」

 

シャロ「何か欲しい物でもあるの?」

 

みくる「教えてココアちゃん?バイトを掛け持ちして何が欲しいの?」

 

ココア「どうしよっかなぁ〜?言っちゃおうかなぁ〜?」

 

シャロ「勿体振るの止めなさいよ!」

 

ココア「あのね!」

 

青山「こんにちは〜。」

 

教えようとしたタイミングで青山が来店した。

 

青山「鋭気を養いに来ました〜。もう覗いたりしないので、追い出さないで下さ〜い。」

 

ココア「おいでませ!青山さん!」

 

ハンマーを持ってやって来た。

 

青山「ええ!?鈍器!?」

 

シャロ「何時まで持ってんのー!」

 

みくる「早く仕舞って仕舞って!」

 

 

 

 

出来たカモミールを青山に差し出した。

 

ココア「はい!カモミールお待ち!淹れ立てだよ!あったかい内に飲んでくんな!」

 

青山「わぁ〜。粋が良いですねぇ〜。」

 

カモミールを飲む。

 

青山「癒されます〜。ハーブティーって本当良い物ですね〜。」

 

ココア「だよね〜!」

 

 

 

 

彼女の接客をシャロとみくるが覗いてる。

 

シャロ(何だか変な感じ・・・ココアと一緒にフルールで働くなんて・・・)

 

みくる(もしかしたら私、ココアちゃんの事が好きになっちゃうかも。)

 

こっちに気付いたココアが手を振った。みくるも手を振った。

 

シャロ「べ、別に楽しんでなんかないし!」

 

みくる「またまた〜。」

 

 

 

 

 

 

フルールのバイトが終わったシャロが次のバイトへ向かった。

 

シャロ(次のバイトはクレープ屋さん!)

 

クレープ屋に到着。

 

ココア「いらっしゃいませー!新人のココアです!」

 

シャロ「居るし!!」

 

何とここでもバイトしてるココアだった。

 

 

 

 

ココア「ふぅ〜。シャロちゃんは何時もこんなに働いて凄いねぇ〜。」

 

シャロ「な、慣れればそんな事ないわ!ん?付いてるわよ?全く。」

 

頬っぺに付いてるクリームを取ってあげた。

 

ココア「えへへ〜。ありがとう。ん?」

 

緑羽太「ジ〜・・・」

 

ココア「緑羽太君!」

 

緑羽太「ハロー。」

 

スマホを向けながら2人を撮影してる緑羽太がそこに立っていた。

 

シャロ「従業員の撮影禁止ですよーーーー!!」

 

緑羽太「おぉ。激しい注意事項。何でココアちゃんがここでバイトを?」

 

ココア「実はね。」

 

バイトを掛け持ちしてる理由を話した。

 

緑羽太「そうかぁ。金欠だからかぁ。ココアちゃん、俺もココアちゃんを応援してるぜ!」

 

ココア「ありがとう緑羽太君!」

 

緑羽太「ココアちゃん、ジェラート下さいな!」

 

ココア「はーい!やっぱり難しい・・・」

 

シャロ(でも、こんなのも悪くないかも・・・)

 

 

 

 

クレープ屋のバイトが終わり、次のバイトへ。

 

シャロ(次は本屋さんのバイト!・・・)

 

クレープ屋でココアと一緒に働いた時を思い出す。

 

シャロ(ココアが居なくなって、ちょっと寂しいなんて思ってないんだから!)

 

 

 

 

本屋に到着すると、青山ブルーマウンテンのサイン会が開催されていた。

 

ココア「あ!よく会いますな〜!」

 

シャロ「居るしー!」

 

怪盗ラパンのコスプレをしたココアとまた会った。

 

みくる「ヤッホーシャロちゃん!」

 

シャロ「みくるさん!?」

 

同じくラパンのコスプレをしたみくると会った。

 

みくる「ココアちゃんに誘われちゃった。」

 

 

 

 

 

 

一方ラビットハウスでは、リゼが大量のトーストを作っていた。

 

チノ「リゼさん、トーストの注文は受けてないです。」

 

リゼ「え!?あぁそうか・・・」

 

楽兎「何でこんな大量に?」

 

緑羽太「多いなぁ・・・」

 

リゼ「ココアが焼いたパンを見てると、騒がしかった頃を思い出してさ・・・」

 

チノ「バイト掛け持ちしてるだけですよ。」

 

リゼ「分かってるって・・・」

 

楽兎「そう言うチノちゃんも、何でコーヒー大量に作ってるの?」

 

チノ「え?」

 

リゼ「それ、全部キリマンジャロか?」

 

チノ「シャ、シャロさんに迷惑掛けてないか心配してたら何故かこんなに・・・」

 

緑羽太「心配性だなぁ。」

 

チノ「は、はい。」

 

マヤ「2人共上の空かよ〜。」

 

メグ「それ誰が食べるの?」

 

緑羽太「チノちゃん、リゼ、大量に下さいな!」

 

楽兎「腹壊すぞお前?」

 

全員「あはははは!」

 

ティッピー「はぁ・・・この店大丈夫かのう・・・」

 

 

 

 

 

 

一方本屋では。

 

凛「今日はサイン会の為に、青山作品の衣装を着て下さってありがとうございます!」

 

みくる「いえいえ。」

 

ココア「凛ちゃんさんと青山さんは、何の作品の格好をしてるの?」

 

みくる「うさぎの被り物でバータイムの服・・・何の作品なの?」

 

青山「うさぎになったバリスタです!ピョンピョンピョーン!」

 

みくる「あ〜!」

 

シャロ「はしゃいでる大人にしか見えないわ!」

 

ココア「でも青山さんも面白い事考えるね!」

 

シャロ「付き合うなんて優しい担当さんですね。」

 

みくる「まさに一心同体ですね!」

 

凛「すすす・・・すみません・・・」

 

ココア「凛ちゃんさんの案だったか!!」

 

 

 

 

 

 

夕方でもクリスマスシーズンは賑わっていた。

 

ココア「もうすぐ青山ブルーマウンテン先生のサイン会が始まりまーす!」

 

シャロ「整理券のお持ちの方、本屋にお並び下さーい!」

 

みくる「列を乱れないで下さーい!」

 

ココア「早くプレゼント資金貯まらないかなぁ〜?」

 

シャロ「プレゼント?」

 

みくる「もしかして掛け持ちの理由って?」

 

ココア「そう!クリスマスの!」

 

シャロ「だからバイトを?」

 

ココア「そうだよ!シャロちゃんもみくるちゃんも楽しみにしててね!」

 

シャロ「そんな!折角働いたお金なんだから、自分の為に使ってよ!」

 

ココア「使ってるよ!」

 

シャロ「え?」

 

ココア「私が楽しいから勝手にやるの。選ぶ時間が大好きだから〜!」

 

シャロ「・・・」

 

みくる「ココアちゃん・・・」

 

ココア「例えば〜・・・シャロちゃんにキングメロンパンをあげるのを想像するよ?」

 

シャロ「っ!?キングメロンパン・・・!」

 

ココア「そう!その顔が見たいの!」

 

シャロ「キングメロンパン・・・」

 

キングメロンパンに飛び込む自分を想像した。

 

ココア「リゼちゃんだったら〜・・・戦場を跳ね渡る兎!」

 

の本を2人に見せた。

 

ココア「かな?」

 

みくる「確かに喜びそう!」

 

シャロ「違うわ!先輩は絶対こっちのうさぎ七変化よ!」

 

の本をココアに見せた。

 

シャロ「きっと喜んでくれるわ。先輩の喜ぶ顔が見たい〜。」

 

みくる「リゼちゃんの笑顔・・・私も見たいなぁ〜。」

 

ココア・シャロ・みくる「あはははは!」

 

ココア「私達〜!お財布空でも〜!」

 

シャロ「ハートはいっぱい〜!」

 

ココア「胸いっぱ〜い!」

 

シャロ「いっぱいな〜!」

 

 

 

 

リゼ「その歌流行ってるのか?」

 

 

 

 

ココア・シャロ「え!?」

 

みくる「ヤッホーリゼちゃん!」

 

リゼ「ようみくる。」

 

シャロ「リゼ先輩!?」

 

マヤ「私達も居るよー!」

 

メグ「こんにちは〜!」

 

楽兎「久し振りだなココア。」

 

緑羽太「さっき振り!」

 

チノ「ココアさん、今日はここでバイトしてたんですね。」

 

ココア「出たな?チマメ隊!」

 

マヤ「出たー!」

 

ココア「ラビットハウスはどうしたの?お客が誰も来ないからって臨時休業?」

 

ティッピー「失敬な!お客は来とるわい!」

 

チノ「行って来なさいって言う父の言葉に甘えて来ました。」

 

リゼ「折角のサイン会だし!」

 

緑羽太「この期をの逃さない!」

 

楽兎「母さんにプレゼントしなきゃな。」

 

 

 

 

青山「まぁ!皆さん来て下さったんですね!」

 

マヤ「青山さん!サイン会開催おめでとう!」

 

リゼ「おめでとう!」

 

チノ「おめでとうございます!」

 

緑羽太「これは、俺達からの気持ちです!」

 

青山「素敵なお花〜!」

 

楽兎「凛さんもどうぞ。」

 

凛「え!?私も!?」

 

メグ「それと差し入れだよ〜!」

 

ティッピー「ワシ!?」

 

青山「まぁ!皆さん、ありがとうございます!」

 

すると誰かが来た。

 

ココア「千夜ちゃん!」

 

千夜「よかった・・・間に合ったわ・・・私も青山さんにお祝いよ!見て!この写真!」

 

それは、ココアとシャロの2ショット写真だった。

 

青山「グッジョブ!」

 

ココア・みくる「グッジョブ!」

 

シャロ「没収ーーーーーー!!!」

 

全員「あはははは!」

 

シャロ「あ、私達何も用意してなくて・・・」

 

ココア「お金も胸も寂しいの・・・」

 

シャロ「アンタの胸は寂しくないでしょー!」

 

みくる「シャロちゃん、悲しくなったら私に飛び込んでいいわよ?」

 

シャロ「遠慮します!」

 

千夜「微笑ま〜。」

 

緑羽太「微笑ま〜。」

 

青山「微笑ま〜。」

 

凛「今日は素晴らしい1日でした!本当にありがとうございました!!」

 

リゼ「まだサイン会始まってない!!」

 

楽兎「凛さん気が早いですよ!!」

 

青山「皆さんからの、一足早いクリスマスプレゼントみたいですね。」

 

マヤ「クリスマスプレゼント・・・ねぇ!今年もクリスマス会するの!?」

 

メグ「プレゼント交換もしたいなぁ〜!」

 

ココア「お姉ちゃんに任せなさ〜い!」

 

マヤ・メグ「わーい!」

 

チノ「また金欠になりますよー!」

 

緑羽太「クリスマス会・・・俺達は初参加だな。」

 

みくる「うん!とても楽しそう!」

 

楽兎「お前等も来いよ。賑やかだぞ〜?」

 

リゼ「プレゼント交換かぁ・・・いいな!でも、誰に当たってもいい物を選ぶのって中々難しいよな・・・」

 

千夜「そうねぇ・・・」

 

青山「それなら、シークレットサンタはどうでしょう!」

 

チノ「シークレットサンタ・・・」

 

 

 

 

外で皆がくじ引きを始めた。

 

チノ「皆さん、準備はいいですか?」

 

ココア「自分が引いたくじに書かれている相手にプレゼントを用意するんだね!」

 

チノ「では、せーの!」

 

全員「シークレットサンター!」

 

くじを一斉に引いた。

 

メグ「ねぇ!千夜さんは誰に・・・って聞いちゃダメだったぁ!」

 

千夜「ウフフ。うっかりバレちゃいそう。クリスマスまで誰が自分のサンタか分からないのよね。楽しみだわ!」

 

シャロ「・・・」

 

ココア「シャロちゃんは誰かな?見〜せ〜て〜!」

 

シャロ「もう・・・見せたら意味ないでしょ?」

 

抱き締めようとするココアを華麗に避けた。

 

リゼ「凄いぞシャロ!プロの動きだ!」

 

チノ「お疲れ様です。」

 

シャロ「内緒にするの一苦労ね・・・って、顔がムズムズしてる!?」

 

チノ「皆が・・・皆に内緒なんて・・・こそばゆくて・・・パーティに秘密のサンタ。楽しみがいっぱいです!」

 

シャロ「そうね・・・選ぶ時間が大好きだからって、誰かさんが言ってたわ。」

 

そんなシャロが引いた名前はココアだった。

 

チノ「?」

 

シャロ(あの子、新しい貯金箱必要なんじゃ・・・)

 

横の店にあるうさぎの貯金箱をジッと見る。それはココアに似ていた。

 

シャロ「似てる。」

 

千夜「もしかしてココアちゃんのシークレットサンタ!?」

 

シャロ「ちちちち違うし!!」

 

ココア「シャロちゃん何見てるの〜?」

 

シャロ「こっち来るなーーーーー!!」

 

楽兎(・・・チノちゃん、俺がシークレットサンタになったな。)

 

引いた名前はチノだった。

 

 

 

 

 

 

本屋では。

 

女性「新刊、楽しみにしてますね!」

 

青山「ありがとうございます。」

 

凛「これからも、応援宜しくお願いします!」

 

ティッピー「チノぉ・・・」

 

取り残されたティッピーが涙を流した。

 

 

 

 

 

 

翌日。楽兎とチノが街を歩いていた。

 

チノ「煌びやかですね。」

 

ティッピー「あぁ。クリスマスシーズンはどの店も書き入れ時じゃからな。力が入っとるわい。」

 

チノ「でも、今年のウチの営業は慎ましやかになりそうです。ココアさんもリゼさんも。」

 

 

 

 

ココア『サンタさんが思った以上に人気で、お客さんや子供達にも期待されちゃって。バイトもう少し続けて欲しいって・・・』

 

リゼ『来週発表会の演劇部の子が怪我して、代役任されてしまって・・・』

 

ココア『ごめんねチノちゃん!楽兎君!』

 

リゼ『すまん!バイト休ませてくれ!』

 

 

 

 

楽兎「でも俺が一緒だし、チノちゃん1人で抱え込むのは・・・え?」

 

チノ「お、お店2人位で頑張れますし・・・!」

 

楽兎「チノちゃん震え過ぎ。」

 

チノ「寒いからです!」

 

すると誰かがチノの両目を隠した。

 

楽兎「え?」

 

???「だーれだ?」

 

チノ「こ、この声はココアさん!?もうバイト中に何して・・・」

 

楽兎「チノちゃん、ココアじゃないぞ?」

 

チノ「え?」

 

後ろを振り向くと。

 

 

 

 

 

 

シャロだった。

 

 

 

 

 

 

チノ「今の声シャロさん!?」

 

シャロ「ココアに似てたかしら?」

 

チノ「は、はい・・・欲望まる出しな間抜けな雰囲気とかソックリでした!」

 

シャロ「そ、そう?」

 

楽兎「いや、褒めてないでしょそれ?」

 

すると誰かがシャロを目隠しした。

 

???「誰だ!」

 

シャロ「この凛々しい声はリゼ先輩!?少し声作ってても分かりますからね!!」

 

しかし声の主は千夜だった。

 

千夜「ばぁ〜。」

 

シャロ「・・・全然先輩に似てないのよーーーー!!」

 

千夜「騙されたのに〜。」

 

シャロ「騙されてないわよ!!」

 

楽兎「相変わらず賑やかな2人だな。」

 

ティッピー「寒いのに元気じゃのう。」

 

 

 

 

千夜「ココアちゃんのバイトのお迎え?」

 

チノ「は、はい。雨が降りそうなので傘を。」

 

シャロ「チノちゃん、楽兎さん、2人で店を回すって本当なんですか?」

 

楽兎「聞かれちゃった・・・」

 

千夜「大丈夫?」

 

チノ「ち、父も居ますし。大丈夫ですよ。」

 

千夜「2人で無理は禁物よ?って、私もハロウィンの時にリゼちゃんに言われた事なんだけど。」

 

シャロ「フンッ!先輩が言うなら、もっとこんな感じね!頼りたいなら、遠慮なく支援要請しろ!!」

 

チノ・千夜「おぉ〜。」

 

楽兎「雰囲気がリゼに似てる〜。」

 

 

 

 

2人と別れてココアを迎えに行く。

 

チノ「2人共楽しそうでした。」

 

楽兎「あぁ。このマーケットの雰囲気が心を浮かれさせてくれるみたいだな。」

 

???「ねぇ〜買って買って〜!」

 

チノ「この声は・・・」

 

楽兎「聞き覚えのある声が・・・」

 

 

 

 

メグ「じゃないとリゼお姉ちゃんって連呼するよ〜?」

 

リゼ「や、止めろって!」

 

マヤ「リゼ先生って呼ぶからね〜!」

 

リゼ「お、おい!」

 

 

 

マメにお強請りされてるリゼを発見。

 

チノ「リゼさんにマヤさんにメグさん。」

 

楽兎「3人で何してんだ?」

 

マヤ「あ!チノに楽兎だー!」

 

メグ「チノちゃーん!楽兎さーん!」

 

リゼ「助けてくれー!此奴等にしつこく集られてるんだー!」

 

チノ「嬉しそうですね。」

 

楽兎「満面な笑みで助けを求めんな。」

 

マヤ「ホラ!チノも一緒に!」

 

チノ「は、はい!・・・買って・・・買って・・・下さい・・・」

 

頑張ってリゼにお強請りした。

 

マヤ・メグ「買ってー!」

 

チノ「買って下さい・・・!」

 

リゼ「わ、分かった!私の負けだ。ん?楽兎どうした?」

 

楽兎「ダ、ダメだ・・・さっきのチノちゃんのお強請りでニヤニヤが・・・!」

 

両手を顔を隠してニヤニヤを抑える。

 

リゼ「おい・・・」

 

観念したリゼが3人にワッフルを買ってあげた。

 

チマメ隊「美味しい〜!」

 

楽兎「ワッフルが欲しかったのか。」

 

リゼ「ちゃんと勉強もするんだぞ?」

 

マヤ「するよ〜!勉強勉強〜!」

 

メグ「私もリゼさんみたいな高校生になるんだぁ〜!」

 

チノ「確かに。リゼさんは頼りになりますしね。」

 

楽兎「リゼ、お前頼られてるな。」

 

リゼ「ああああーーーーーー!!!」

 

楽兎「ど、どうしたリゼ!?」

 

リゼ「さ、財布・・・忘れた・・・」

 

楽兎「はぁ!?」

 

チノ「頼りになると思った矢先に・・・」

 

マヤ「もう、しょうがないなぁ。」

 

リゼ「マヤ・・・」

 

マヤ「たまには私を頼ってくれてもいいんだよ〜?」

 

リゼ「集っといて調子いいな・・・!」

 

マヤ「えへへ。」

 

 

 

 

3人と別れてココアを迎えに行く。

 

チノ「3人共楽しそうでした。」

 

楽兎「浮かれてたねやっぱり。」

 

ティッピー「そうじゃなぁ。チノも・・・」

 

女の子A「わぁ〜い!こっちだよ〜!」

 

女の子B「待って待ってお姉ちゃ〜ん!」

 

双子の姉妹が楽兎とチノの周りを走り回った。

 

楽兎「おぉ?ちょ、ちょっと?」

 

女の子B「お姉ちゃ〜ん!」

 

姉妹はそのまま走って行った。

 

楽兎「元気だね。」

 

ティッピー「ワシと踊るか?ん?」

 

チノ「遠慮します!」

 

楽兎「うさぎとどうやって?」

 

ティッピー「ショボーン・・・」

 

 

 

 

しばらくして、広場のマーケットに到着した。

 

ティッピー「ここは何処じゃ?」

 

チノ「何だか迷ったような気がします・・・」

 

楽兎「異世界に入って来た感じだ。」

 

チノ「あ。わぁ〜!」

 

お店のスノードームを見付けた。

 

楽兎「スノードーム。綺麗・・・ん?チノちゃん彼処!」

 

チノ「え?」

 

 

 

 

ココア「いらっしゃ〜い!美味しい焼き栗だよ〜!」

 

女の子C「1袋下さい!」

 

ココア「はぁ〜い!メリークリスマス!」

 

 

 

 

チノ「サンタさん・・・」

 

楽兎「ココア頑張ってるな〜。」

 

 

 

 

夜になり、ココアのバイトが終わった。

 

ココア「今日も楽しかった〜!迎えに来てくれてありがとう!チノちゃん!楽兎君!」

 

楽兎「いやいや。」

 

チノ「バイトって焼き栗屋さんだったんですね。ちょっと冷えて来ました・・・」

 

楽兎「手が冷てえぇ・・・」

 

ココア「はい!栗!」

 

チノ「?」

 

手を開いたが、栗は無かった。しかし握って開くと。

 

ココア「はい!」

 

栗が2個出て来た。

 

チノ「!!」

 

楽兎「出て来た!」

 

ココア「あったかいよ〜!」

 

チノ「手品、上手になりましたね・・・」

 

楽兎「秘密裏に特訓してたな?」

 

ココア「えへへ〜。」

 

焼き栗を貰った。

 

チノ「あったかい・・・前にサンタさんに憧れているって言ってましたもんね。」

 

楽兎「ある意味ココアの夢が叶ったみたいだな。」

 

ココア「あはは!そうかもねぇ〜。」

 

焼き栗を食べる。

 

楽兎「栗美味え〜。」

 

ココア「あ!降って来た?」

 

楽兎「雨?って、傘は!?」

 

チノ「あ!傘何処かへ置いて来てる!?うぅぅ・・・」

 

楽兎「チノちゃん!」

 

崩れるチノを楽兎が支えた。

 

チノ「何の為の迎えなのか・・・うぅ・・・」

 

ココア「でもこれ・・・雪だよ?」

 

楽兎「え?」

 

チノ「!?」

 

降って来たのは雪だった。街中に沢山の雪が降って来た。

 

ココア「傘がないから、踊りながら帰れるね!」

 

チノの手を握って踊った。

 

ココア「ヒャッホー!ハートはいっぱい胸いっぱ〜い!」

 

チノ「は、恥ずかしい!あー栗が落ちるー!」

 

楽兎「あはは。ココア楽しそうだなぁ。」

 

”ツルッ!”

 

ココア「わああ!!ぐええー!!」

 

楽兎「ココア!?」

 

滑って転んでしまった。

 

ココア「転んだ・・・」

 

チノ「とばっちりです・・・」

 

楽兎「もうしっちゃかめっちゃかだねぇ〜。」

 

 

 

 

しばらく歩いてると、何かの行列が見えた。

 

チノ「この行列・・・何でしょう?」

 

ココア「繁盛してるお店なんだねぇ〜。」

 

チノ「そんなお店、近くにありましたっけ?」

 

楽兎「何処かのイベントか何かか?」

 

ココア「あ!ウチだ!」

 

それは、ラビットハウスの行列だった。

 

楽兎「何だとーー!?」

 

チノ「ありえない!?」

 

ティッピー「バカな・・・!!」

 

ココア「自虐だよ!?」

 

 

 

 

ラビットハウスに入ると。

 

リゼの父「おかえり!!」

 

ココア「リゼちゃんのお父さん!?」

 

楽兎「お、親父さん!?」

 

リゼの父「タカヒロの娘達、そして甥っ子よ!俺はただの援軍だ!」

 

楽兎「タ、タカヒロさん・・・これは一体・・・」

 

タカヒロ「以前、青山君の担当さんが取材してくれただろ?」

 

チノ「はい。凛さんが。」

 

タカヒロ「その雑誌が発売されたんだ。ウチの店を大々的に宣伝してくれたんだ。」

 

楽兎「あ、これが例の雑誌。表紙にラビットハウスのコーヒーが載ってる。」

 

チノ「それでこんなにお客さんが・・・」

 

緑羽太「お〜い楽兎〜!お客さんが多くて賑やかだぜ〜!」

 

楽兎「緑羽太お前も来てたんか!」

 

チノ「嬉しいですけど、今月いっぱい忙しくなりそうですね・・・ココアさん・・・ん?」

 

当のココアはティッピーを枕にして寝ていた。

 

チノ「寝てるーーーー!?」

 

楽兎「お前ーーー!?」

 

ティッピー「おもだい・・・!!」

 

ココア「私のお店・・・バリバリ働いて・・・稼がなきゃ・・・私皆のサンタさんなんだし・・・」

 

チノ「ココアさん・・・サンタ・・・」

 

 

 

 

ココア『サンタさんになったの〜!』

 

リゼ『演劇部の代役を・・・』

 

マヤ『受験〜!』

 

メグ『勉強〜!』

 

 

 

 

チノ「皆忙しいし・・・ひ、人出はないけど・・・が、頑張れます・・・た・・・多分・・・」

 

楽兎「あーチノちゃんがパニックになってるー!」

 

リゼの父「よし!ウチの屈強な兵隊を派遣してやる!」

 

チノ「え!?」

 

楽兎「援軍追加!?」

 

タカヒロ「クリスマスの雰囲気ぶち壊しだな。ホラ、運んでくれ。」

 

リゼの父「任せろ!」

 

ココア「大丈夫だよー!私バリバリ働くからーー!!」

 

寝ていたココアがバッと起きた。

 

チノ「え!?」

 

 

 

 

制服に着替えた直後、ココアが寝てしまった。

 

チノ「制服に着替えたら寝てしまいました・・・」

 

楽兎「バリバリ寝ちゃったな・・・」

 

ティッピー「昼からズーッと働いていたからのう・・・」

 

楽兎「制服、ちょっと寒そうだぞ。」

 

チノ「半袖のままですし。」

 

布団を被せた。

 

楽兎「ってか夏服から冬服に衣替えしてないでしょ?」

 

チノ「そうでした。暖房が効いてると気にならなくて。」

 

楽兎「暖房だけで過ごす気かよ・・・俺ももう冬服に衣替えしてるぞ?」

 

ティッピー「ワシもとっくに冬毛に早変わっておる。フワフワ〜。」

 

楽兎「モフモフの対象になるな。」

 

チノ「えっと・・・冬服は何処に・・・」

 

 

 

 

クローゼットを開けた。

 

チノ「・・・あ!」

 

見付けたのは、黄色と緑色のラビットハウスの制服だった。

 

チノ「黄色と緑色の・・・」

 

楽兎「サキさんの作り掛け・・・」

 

 

 

 

チノの部屋。

 

ティッピー「ほう?作り掛けの制服をココアが完成させておったのか。」

 

楽兎「俺達が知らない間に。」

 

チノ「このサイズ、きっとあの2人に合いますよね?」

 

ティッピー「あの2人?」

 

楽兎「千夜とシャロか?」

 

チノ「はい。」

 

ティッピー「チノー!商売敵を頼る気か!?」

 

楽兎「お前少々黙ってろ。」

 

ティッピー「ムググ!?」

 

チノ(今の時期忙しいに決まっている。けど!)

 

スマホを取って、電話する。

 

千夜『チノちゃん?』

 

チノ「あ、あの千夜さん。その、千夜さんとシャロさんに・・・支援要請です!」

 

新たな救援の派遣を開始した。

 

『END』




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
       真手凛:木村珠莉
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨
      リゼの父:東地宏樹

       女性客:望田ひまり
       女の子:長縄まりあ
           藪島朱音

ティッピー「今年はティッピーサンタになるぞ!お前がトナカイじゃ!」

タカヒロ「俺なのか?」

ティッピー「ワシがトナカイやるより歩いた方が速いじゃろ?」

タカヒロ「歩いて配るのか?」

次回「にっこりカフェと十色の魔法使い」


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35羽「にっこりカフェと十色の魔法使い」

ある日の学校。

ココア「今日の授業も終わり〜。」

千夜「さぁ!バイトの時間よ!」

ココア「支度早!?」

今日の千夜は張り切っていた。

ココア「千夜ちゃん。私の代わりにラビットハウスのヘルプに入ってくれてありがとね。」

千夜「良いのよ!焼き栗屋さんも大変なんでしょ?」

ココア「うん。サンタさんがお客さんや子供達に人気出ちゃって・・・それに、ラビットハウスがあんなに忙しくなるなんて思ってなかったし・・・」

千夜「チノちゃんの事は心配しないで!」

ココア「うん!宜しくね!」

千夜「お姉ちゃんの役目は、私に任せなさ〜い!ヒャッハー!」

ハイテンションでラビットハウスのヘルプへ向かった。

ココア「テンション高くない!?」

千夜「待ってて!マイスイートシスター!」

ココア「姉としての危機を感じるよーーー!!千夜ちゃーーーん!!」


お嬢様学校では、リゼが演劇部の助っ人に向かっていると。

 

シャロ「リゼ先輩!」

 

リゼ「ん?」

 

シャロ「今から演劇部の助っ人ですか?」

 

リゼ「あぁ。私の代わりにバイト入って貰って悪いな。シャロ。」

 

シャロ「いえ!何か新鮮で楽しみです!えへへ〜。チノちゃんの事は任せて下さい!先輩の分も、ラビットハウス楽しんで来ますね!行って来ます!」

 

リゼ「た、頼んだ!(何だろう・・・ちょっと寂しい・・・)」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスでは、行列が出来ていた。

 

女性客A「ここが雑誌に載っていたお店ね?」

 

女性客B「うさぎの看板可愛い〜!」

 

 

 

 

店内でもお客さんで賑わっていた。

 

緑羽太「今日も賑やかだな。」

 

楽兎「凛さんに感謝しなきゃな。」

 

チノ(今日は千夜さんとシャロさんが助っ人に・・・でも、更衣室から出て来ない・・・あの制服合わなかった・・・?)

 

 

 

 

更衣室では。

 

千夜「乗せ方がなってないわ!お客さんにお尻を向けないの!」

 

何と2人はワイルドギースとあんこを連れて来たのだ。2羽を頭に乗せてる。

 

シャロ「こ、これに何の意味が!?」

 

千夜「チノちゃんとお揃いにして、喜んで貰うのよ!」

 

シャロ「気合入れ過ぎて引かれるわ!」

 

 

 

 

ホールでは。

 

楽兎「千夜とシャロ遅いな。」

 

緑羽太「まだ着替えてんじゃね?」

 

すると丁度そこに。

 

千夜「チノちゃん!楽兎さん!お待たせ!」

 

シャロ「ど、どうかしら・・・?」

 

ラビットハウスの制服姿の2人が参上した。

 

楽兎「おぉ〜!」

 

チノ「よ・・・良く似合ってます!!」

 

千夜「良かったぁ〜!」

 

シャロ「ほっ・・・」

 

緑羽太「ワオ!良いじゃん!良いじゃん!スゲーじゃん!」

 

何気なく最新デジカメで2人を撮影している。

 

シャロ「り、緑羽太さん止めて下さい!」

 

楽兎「似合ってるぞ2人共。ん?シャロ、何でワイルドギースを後ろ向きにしてんだ?」

 

シャロ「その・・・恥ずかしくて・・・」

 

楽兎「なんなら代わりにポッポでも乗せるか?彼奴の方がマシだろ?」

 

シャロ「いえ、大丈夫です。」

 

 

 

 

ティッピー「はぁ〜・・・」

 

あんことワイルドギースに戯れられてるティッピーが落ち込んでいた。

 

 

 

 

チノ「看板うさぎが増えました。」

 

楽兎「ポッポ含めて4羽か。」

 

千夜「仲良くてほほえま〜」

 

シャロ「それにしても、大きなツリーね。」

 

ホールの隅に巨大なクリスマスツリーがある。

 

チノ「リゼさんのお父さんからのプレゼントです。」

 

楽兎「特注品らしいぞ。」

 

シャロ「飾りが無くて寂しいわね。」

 

チノ「急だったので用意してなくて・・・」

 

千夜「飾り!」

 

甘兎庵の宣伝用グッズで飾り付けした。

 

千夜「これでよしっと!宣伝の為にグッズ持って来ておいて良かったわぁ〜!」

 

シャロ「何が良いのよ!」

 

楽兎「お客さんが混乱するわ!」

 

チノ「甘兎に支配されて行く・・・」

 

ティッピー「ワシの店が・・・」

 

 

 

 

午後3時。お客さん達がどんどん来店して行く。

 

千夜「シャロちゃん!お願い!」

 

シャロ「3番テーブルのオーダーね?任せて!2番テーブルの片付けね!」

 

千夜「分かってる!それから!」

 

シャロ「予約の確認ね!」

 

楽兎「2人共、息ピッタリだな。」

 

チノ「これが幼馴染みコンビネーションと言う奴ですね?」

 

千夜「でしょ〜?」

シャロ「そんなのない!」

 

楽兎・チノ・緑羽太「息が合ってるような合ってないような・・・」

 

 

 

 

夕方。店も大分落ち着いた頃。

 

シャロ「〜♪」

 

チノ「シャロさん楽しそうです。」

 

楽兎「鼻歌歌ってるな。」

 

千夜「私も同じ気持ちよ?」

 

チノ「千夜さん・・・」

 

千夜「だって、私達がこの制服を着るなんてありえなかった事だもの。」

 

チノ「そうですね。」

 

楽兎「でもまさか、サキさんが他の制服を残していたなんて思ってなかったな。」

 

緑羽太「チノちゃんのお袋さんに感謝しなきゃな。」

 

千夜「それにしても、ウキウキし過ぎかしら?」

 

今日のシャロはウキウキ全開。

 

チノ「まさか、コーヒーの匂いでカフェイン酔いしたなんて事は・・・」

 

シャロ「酔ってましぇ〜ん!」

 

千夜「酔ってるわ!?」

 

楽兎「シャロー!?」

 

匂いだけでシャロが酔ってしまった。

 

 

 

 

シャロ「フルール流ハーブティー花の滝よぉ〜!」

 

滝の軌道を描きながらコーヒーを入れた。

 

女性客C「わぁ!湯気がお花みたい!」

 

 

 

 

チノ「過剰なサービスが始まってる!?」

 

楽兎「勝手に導入された!?」

 

千夜「負けてられない!」

 

チノ「こっちの闘士にも火が点いた!?」

 

緑羽太「千夜!?」

 

新メニューを開発。

 

千夜「あの遠い日に封じめられし禁断のコラボ!コーヒー餡蜜!どうですか!?」

 

ティッピー「待て待てー!甘兎庵とフルールに店が乗っ取られとる!!止めるのじゃチノー!・・・ん?」

 

当のチノは3Dラテアートを提供した。かなり呪われそうなラテアート。

 

チノ「今なら3Dラテアート、サビース中です!」

 

楽兎「あ、悪意しか感じねぇ・・・」

 

ティッピー「楽兎ー!3人を止めてくれー!」

 

楽兎「いやぁ、こうなっちまった以上止め切れねえよ・・・」

 

緑羽太「俺も流石にこの空気を止めるのは無理があるなぁ・・・」

 

ティッピー「あ・・・悪夢じゃ・・・」

 

千夜「甘兎フルールラビットハウスの看板娘隊〜♪」

 

シャロ「私達看板娘隊がいっちば〜ん!」

 

チノ「また新しい部隊が誕生した・・・」

 

ティッピー「悪夢が・・・」

 

楽兎「電車ごっこ始まった・・・」

 

緑羽太「無限列車に入った・・・」

 

 

 

 

 

 

夜になり、バイトの時間が終わった。

 

千夜「それじゃ、お疲れ様〜!」

 

シャロ「明日は来れないけど、またお手伝いは来るから!」

 

楽兎「何時でもOKだぜ。」

 

千夜「あんことワイルドギースは置いて行くから使ってね?」

 

シャロ「何の役に立つのよ!?」

 

チノ「本当にありがとうございます。」

 

楽兎「また来てくれよな〜!」

 

千夜「じゃ!」

 

シャロ「おやすみなさ〜い!」

 

チノ「あ、あの!」

 

千夜・シャロ「ん?」

 

チノ「今日は凄く楽しかったです。お2人も困った事があったら・・・私も絶対駆け付けます!」

 

楽兎「俺もだ。お前達のピンチに駆け付けるからな!」

 

千夜とシャロは笑顔で応え、家へ帰って行った。

 

緑羽太「さてと、そろそろ俺も帰るか。帰って今日の写真をアップするか。じゃあなお2人さん。」

 

楽兎「おう。また明日な〜。」

 

チノ「おやすみなさい。」

 

緑羽太も帰って行った。

 

チノ「さて、看板を片付けて・・・」

 

後ろに振り向くとそこには・・・

 

 

 

 

 

 

リゼ「何とかなったみたいだな。」

 

 

 

 

 

 

楽兎「リゼ!?」

 

チノ「リゼさん!?」

 

ツリーの後ろにリゼが隠れていた。

 

チノ「スニーキング・・・!?」

 

楽兎「お前何してんだ!?」

 

リゼ「気にするな!」

 

楽兎「気にするわ!」

 

リゼ「でも、あの2人が来れない日はどうするんだ?」

 

チノ「その時は父と私と楽兎さんで頑張れます!」

 

リゼ「実は・・・」

 

チノ「え?」

 

楽兎「実は?」

 

リゼ「私なりに援軍を用意したんだ。」

 

チノ「援軍・・・?」

 

楽兎「リゼの言う援軍って・・・もしや・・・」

 

チノ「もしかして・・・リゼさんのお父・・・い、いえ!リゼさん関係の援軍は怖がられるので!!」

 

ティッピー「そうじゃそうじゃ!」

 

ココア「大丈夫!別の援軍だから!」

 

店の陰からココアが出て来た。

 

楽兎「ココア!?」

 

チノ「何時からそこに居たんですか!?」

 

楽兎「え?別の援軍って・・・もしや・・・」

 

ココア「それはその時のお楽しみ!ね?」

 

リゼ「うん!」

 

チノ「はぁ・・・」

 

ココア「お店大丈夫だった?千夜ちゃんとシャロちゃんと上手く連携取れた?」

 

チノ「そうですねぇ・・・心無しか、何時もより絶好調だったような。」

 

楽兎「取れたって言うか、取られたな。」

 

ココア「嘘ぉ!?ラビットハウス3姉妹が1番だよね!?」

 

チノ「う〜ん・・・どうでしょう?」

 

リゼ「お、おいチノ!?」

 

ココア「楽兎君もラビットハウス3姉妹が1番だよね!?」

 

楽兎「それを信じるか信じないかは、お前達次第だ。」

 

リゼ「ら、楽兎!?」

 

楽兎・チノ「えへへ。」

 

 

 

 

 

 

翌日のラビットハウス。楽兎とチノはキッチンでパンケーキの生地を作っている。楽兎は生クリームを作っている。

 

ティッピー「今日は誰も助っ人が来られない日じゃな・・・大丈夫か?チノ。楽兎。」

 

楽兎「午後からはタカヒロさんが手伝ってくれるから大丈夫だろう。」

 

チノ「それに、あんことワイルドギースもお泊まりさせてくれたので、寂しくありません。ポッポも居ますので。早くモフモフしたいです!」

 

楽兎「それって、俺が居なくても寂しくないって事?」

 

チノ「いえ。楽兎さんが居ないと寂しいですよ。」

 

楽兎「良い子だ。」

 

笑顔でチノを撫でる。

 

 

 

 

ホールに戻ると、樽の上に居たあんことワイルドギースの姿がなかった。

 

チノ「あれ?居ない!?」

 

楽兎「嘘ぉ!?」

 

チノ「何処へ・・・!?」

 

すると樽の裏からポッポが顔を出した。

 

楽兎「ポッポ!」

 

ポッポは走って楽兎の肩へ登った。

 

楽兎「お前、あの2羽は何処へ行ったんだ?」

 

するとポッポはカウンターの方を見た。

 

楽兎「カウンター?」

 

???「俺達はここだぜ?」

 

楽兎・チノ・ティッピー「!?」

 

 

 

 

ワイルドギース「取り敢えずモーニングセットを貰おうか?」

 

あんこ「僕は和定食!」

 

 

 

 

楽兎「喋ってる!?」

 

チノ「お、おおおお米はまだ炊けてなくて・・・と言うか遂に喋れるように!?」

 

楽兎「いやチノちゃん。この声は・・・」

 

 

 

 

マヤ「見てー!この制服!ココアと!」

 

メグ「リゼさんが作ってくれたんだよ〜!」

 

 

 

 

ラビットハウスの制服姿のマヤとメグが現れた。

 

チノ「マヤさん!?メグさん!?」

 

楽兎「2人共!」

 

チノ「どうして・・・!?」

 

マヤ「どう?どう?ビックリした?」

 

楽兎「ココアの言う援軍って、2人だったんだな!」

 

マヤ「そうだよ〜!」

 

メグ「ねぇ。マヤちゃんの制服、チノちゃんと被ってない?」

 

マヤ「被ってないよー!チノのはコバルトブルー!私はスカイブルーだし!メグこそ!ココアとピンク被ってる!」

 

メグ「私はサーモンピンクだもん!」

 

マヤ「や〜い!鮭ピンク鮭ピンク〜!」

 

メグ「サーモンだもん!ね?チノちゃん?楽兎さん?」

 

楽兎「まぁ確かに色は違うね。」

 

チノ「・・・・」

 

マヤ・メグ「ん?」

 

一方チノは、制服を着た2人に固まっている。

 

メグ「あれ?チノちゃん固まってる?」

 

マヤ「どうしちゃった?」

 

メグ「チノちゃん?」

 

するとチノが涙を流した。

 

マヤ・メグ「涙ー!?」

 

楽兎「チ、チノちゃんどうしたの!?」

 

チノ「泣いてません!誘っても大変かなって思ってたからビックリして・・・」

 

楽兎「チノちゃん大丈夫?ホラ、ポッポをモフモフしなさい?」

 

チノ「泣いてませんってば!」

 

マヤ「大変なのはチノも楽兎もでしょ?」

 

メグ「そうだよ〜!」

 

チノ「その制服、今回の為だけに?」

 

マヤ「だって来年も着るし!」

 

メグ「高校生になったら正式にバイト始められるもん!」

 

チノ「・・・!」

 

楽兎「マヤちゃん・・・メグちゃん・・・」

 

チノ「ううぅぅ・・・」

 

抑え切れず嬉し泣きした。

 

楽兎「チノちゃん。」

 

泣いてるチノを優しく撫でる。

 

楽兎「良かったね。チノちゃん。」

 

メグ「マヤちゃんが泣かせた〜!」

 

マヤ「嬉し泣きならメグも同罪じゃん?」

 

メグ「ホラ。泣かないで?」

 

ポケットからハンカチを出した。チノはハンカチで涙を拭き、マヤがティッピーを撫でる。

 

マヤ「よしよし。」

 

メグ「チノちゃ〜ん。」

 

楽兎「2人共ありがとう。チノちゃんの為に。」

 

マヤ「良いって!」

 

メグ「だって私達チマメ隊だもん!」

 

 

 

 

隅にあるクリスマスツリー。

 

マヤ「和風のクリスマスツリーだね!」

 

楽兎「リゼの親父さんからの手土産だ。」

 

メグ「天辺が寂しいよ?」

 

マヤ「飾りが無いもんね。」

 

チノ「何か飾りを探さなきゃですね・・・」

 

メグ「やっぱりお星様が良いかな?」

 

マヤ「買って来る?」

 

メグ「ん〜・・・」

 

 

 

チノ「お爺ちゃん。楽兎さん。」

 

ティッピー「ん?」

 

楽兎「何?」

 

チノ「私、沢山の人に助けられています。この気持ちを、何時か返せる人になりたいです。」

 

ティッピー「そうじゃな。」

 

楽兎「チノちゃん。応援してるよ。」

 

 

 

マヤ「やっぱティッピーを天辺に刺すしかないよね!」

 

ティッピー「刺す!?」

 

楽兎「ティッピーを!?」

 

メグ「じゃあ刺そっか!」

 

チノ「何時の間にそんな話に!?」

 

 

 

 

本物のティッピーじゃなく、ティッピーのぬいぐるみを刺す事に。マヤとメグが四つん這いになり、背中にチノが乗る。

 

マヤ「行け!チノ!」

 

メグ「これがチマメ隊の力ー!」

 

楽兎「皆頑張れ!!」

 

チノ「とりゃーーー!!」

 

ティッピーのぬいぐるみを投げた。するとぬいぐるみが見事天辺に刺さった。

 

チマメ隊「やったー!刺さったー!」

 

楽兎「スゲー!!」

 

メグ「星の代わりに手作り綿ティッピー!素敵!」

 

チノ「これでツリーらしくなりました!」

 

マヤ「チマメ隊サイコー!」

 

チマメ隊「サイコー!」

 

 

 

 

後日のラビットハウス。今日も行列が出来ている。今日の夜は皆でクリスマスパーティーを開く予定。

 

マヤ「メリークリスマス!ラビットハウスへようこそー!」

 

メグ「ご予約のお客様!此方へどうぞー!」

 

千夜「2番3番6番テーブルお願〜い!」

 

シャロ「そんな一気に無理ー!」

 

リゼ「チノ。1番にキリマンジャロ2つ・・・ん?」

 

チノ「ほへ〜・・・」

 

今チノはボケーっとしていた。

 

リゼ「魂抜けてる!?」

 

ボケーっとしてるチノを楽兎が揺さぶる。

 

楽兎「チノちゃんしっかりして!!」

 

チノ「皆さんの制服が夢みたいで・・・」

 

ティッピー「ここは天国か・・・?」

 

楽兎「現実だ!!」

 

緑羽太「あはは。チノちゃん幸せそう。」

 

みくる「良かったね。チノちゃん。」

 

 

 

 

夕方になっても、ココアは帰って来ない。

 

チノ「ココアさん、パーティーまでに帰るって言ってたのに遅いな・・・焼き栗屋さんも忙しいのかな・・・?」

 

楽兎「心配なら、俺が見に行こうか?」

 

チノ「はい。お願いします。」

 

”バンッ!!”

 

楽兎・チノ「!?」

 

 

 

 

ココア「サンタさんだよー!ホーッホッホ!」

 

 

 

 

サンタクロースココア参上。

 

チノ「コ、ココアさん!?」

 

楽兎「サンタで来た!?」

 

ココア「ホーッホッホ。良い子には出来立ての焼き栗だよ〜。」

 

子供達に焼き栗を与えている。

 

ココア「美味しいよ〜。ホーッホッホ。」

 

子供A「わぁ〜!」

 

子供B「サンタさーん!わーい!ありがとう!」

 

チノ「焼き栗屋さんの格好のままで来るなんて・・・」

 

楽兎「ちょっと予想が外れたな・・・」

 

マヤ「バイト代栗に消えてそう。」

 

メグ「ありえる!ありえるよ〜!」

 

ココア「ホーッホッホ!皆の分もあるからね!栗〜!」

 

リゼ「なりきってる!?」

 

緑羽太「憑依されたのか!?」

 

ココア「なーんて!」

 

 

 

 

サンタクロースからラビットハウスのココアに戻った。

 

 

 

 

ココア「じゃーん!正体はココアでした!フッフン!」

 

チノ「皆さん知ってます。」

 

 

 

 

夜もクリスマスシーズン真っ盛り。

 

チノ「ココアさん。リゼさんと2人で作り掛けの制服を完成させてたなんてビックリしましたよ。」

 

ココア「サプライズだったでしょ?」

 

楽兎「今までで1番のサプライズだったぞ。」

 

チノ「リゼさんも手伝っていたなんて。」

 

リゼ「裁縫は苦手じゃないし。」

 

楽兎「女子力高いなぁ〜。」

 

ココア「でも、こうしてカラフルな服が揃うと、チノちゃんのお母さんがやりたかった事が分かるよ。」

 

チノ「え!?母は何を!?」

 

ココア「せーの!」

 

 

 

 

 

 

ラビレンジャー「ラビレンジャー爆誕!!」

 

 

 

 

 

 

新たな部隊・ラビレンジャー。お客さん達が拍手した。

 

チノ「ば、爆誕!?」

 

ティッピー「ワシの喫茶店が・・・」

 

楽兎「スーパー戦隊が爆誕・・・あれ?緑羽太とみくるは?」

 

緑羽太「おーい楽兎ー!」

 

楽兎「お前等何処行って・・・た!?」

 

 

 

 

 

 

何と緑羽太とみくるがバーテンダーの制服を着ていた。

 

 

 

 

 

 

緑羽太「ダブルバーテンダー参上!」

 

黒のバーテンダーの緑羽太。

 

みくる「ジャジャーン!」

 

グレーのバーテンダーのみくる。

 

楽兎「お、お前等何だいきなり!?」

 

緑羽太「いやぁ〜。俺も皆の輪に入りたくて。」

 

みくる「マスターにお願いしたら、制服を用意してくれてね。」

 

楽兎「お前等・・・ここの制服似合ってんな。ってか緑羽太お前、接客とか大丈夫なのか?」

 

緑羽太「心配すんな。写真展で鍛えた接客術を甘く見るなよ?」

 

楽兎「喫茶店と写真展は別物だが・・・」

 

緑羽太「さてと楽兎。俺達のあのポーズやるか!」

 

楽兎「あのポーズ?もしかして子供の頃にやったあの?」

 

みくる「決まってるでしょ?せーの!」

 

 

 

 

 

 

楽兎・緑羽太・みくる「ラビトラフォース!アタック!」

 

 

 

 

 

 

新たな部隊・ラビトラフォース。こっちもお客さんが拍手した。

 

楽兎「決まった!」

 

緑羽太「皆見てるー!」

 

みくる「イエーイ!」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスが閉店し、いよいよクリスマスパーティーが始まった。テーブルの上に豪華なご馳走が並べられた。

 

マヤ「じゃあ!シークレットサンタの正体、明かして行こうぜー!」

 

ココア「私のサンタさん誰かな誰かな?」

 

シャロ「誰だと思う?」

 

ココア「・・・・ねぇ皆!」

 

シャロ「私よーーーー!!」

 

ココア「お!シャロちゃんだったのーーー!!」

 

シークレットサンタのシャロに頬ずりした。

 

シャロ「くっ付くなー!」

 

みくる「シャロちゃーん!!シークレットサンタの登場だよー!」

 

シャロ「みくるさん!?」

 

シークレットサンタのみくる参上。

 

 

 

 

早速シャロから貰ったプレゼントを開けてみる。

 

ココア「わぁ〜!可愛い貯金箱!大切にする!絶対割らない!」

 

シャロ「ウフッ。その顔が見たかったのよ。」

 

ココア「ねぇ!皆見てー!これ見てー!」

 

シャロ「落ち着きなさい!」

 

みくる「シャロちゃん。これプレゼント。」

 

シャロ「あ、ありがとうございます。」

 

貰ったプレゼントを開けた。

 

シャロ「わぁ!」

 

それは、ティーカップだった。

 

みくる「シャロちゃんティーカップが好きだって言うから、気持ちを込めて選んだの。」

 

シャロ「ありがとうございます!大事にしますね!」

 

リゼ「シャロ。」

 

シャロ「はい?」

 

リゼ「シャロのもう1人のサンタ、私なんだ。」

 

シャロ「ええ!?リゼ先輩ーーー!?」

 

 

 

 

プレゼントを開けた。シュガーポットが入っていた。

 

シャロ「シュガーポット!?」

 

リゼ「本当に欲しい物をあげたかったけど・・・尾行して調べる訳にはいかなかったから。」

 

シャロ「いえ!!嬉しいです!!ありがとうございます!!それに!!」

 

リゼ「ん?」

 

シャロ「先輩のストーキング!どんと来ーい!!」

 

リゼ「乗り気!?」

 

みくる「それ犯罪だよ!?」

 

リゼ「ん!?」

 

後ろに振り向くと、ココアが立っていた。

 

ココア「リゼちゃん。」

 

リゼ「私のサンタはお前か!?」

 

 

 

 

プレゼントの中は。教師セットだった。

 

ココア「教師の威厳が増したよ!実用的!」

 

シャロ「素敵でーす!」

 

みくる「リゼ先生ー!」

 

リゼ「ネタに走っただろーー!!」

 

 

 

 

そして千夜は、シークレットサンタのメグからプレゼントを貰った。

 

千夜「帯留めだわ!素敵ー!」

 

メグ「可愛いから私もお揃いの買っちゃった!」

 

千夜「メグちゃん着物着るの?」

 

メグ「その・・・来年甘兎でもバイトして、お着物着られたらって思ってたから・・・」

 

千夜「メグちゃん・・・!」

 

マヤ「聞いてない!!」

 

チノ「ウチと掛け持ちですか!?」

 

ココア「私に憧れてたんじゃなかったの!?」

 

緑羽太「千夜。」

 

千夜「ん?」

 

緑羽太「シークレットサンタの登場だぜ?」

 

千夜「緑羽太さん!」

 

 

 

 

プレゼントを開けた。プレゼントは緑色のワンピース。

 

千夜「まぁ!可愛い服!」

 

緑羽太「そのワンピース、千夜に似合いそうだなって。」

 

千夜「嬉しい!ありがとう緑羽太さん。」

 

 

 

 

マヤ「フフーン!なら私もフルールで働いちゃうもんねぇ〜!」

 

千夜「ちょっと待ったー!」

 

マヤ「ん?」

 

千夜「マヤちゃんのサンタは私。新作ゲーム・ラビットクロニクルよ?」

 

マヤ「やっぱ働くのは甘兎にするー!」

 

千夜「あらあら。」

 

シャロ「ちょっと千夜ー!」

 

緑羽太「チョロくない!?」

 

 

 

 

チノ「メグさん。」

 

メグ「チノちゃん?」

 

チノ「メグさんの事、沢山考えて選びました。アロマポットです。」

 

プレゼントのアロマホットをメグに与えた。

 

チノ「是非当店を本業としてご贔屓に。」

 

メグ「恐れ入ります。」

 

楽兎「お歳暮?」

 

リゼ「おーい!あっちこっちで買収が始まってるぞー!」

 

みくる「賄賂?営業?」

 

緑羽太「いやぁ〜しっちゃかめっちゃかだね〜。」

 

 

 

 

マヤ「チノのサンタは私!ミニチュアチェスセット!今度勝負しようね!」

 

チノ「あ、ありがとうございます!でも、これ高くなかったですか?」

 

マヤ「実はメグにも出して貰ったんだ。」

 

メグ「何時もお世話になってるからね。」

 

チノ「そんな・・・それは私の方なのに・・・お返しし切れない位・・・」

 

千夜「じゃあ、乾杯しましょう!」

 

チノ「か、乾杯!?」

 

 

 

 

乾杯を始めた。

 

チノ「み、皆さんに乾杯です!!」

 

マヤ「おぉ!チノが率先した!」

 

ココア「チノちゃんカンパーイ!」

 

全員「カンパーイ!!」

 

凛「さぁ!チノさんと楽兎さんが頑張って焼いたケーキですよ!」

 

ココア「凛ちゃんさん!?」

 

マヤ「何でここで働いてるの!?」

 

凛「くっ!私がこのお店を雑誌に載せてしまったせいで・・・皆さんが大変になったので・・・罪滅ぼしです!」

 

楽兎「いやそれありがたい事ですよ!?寧ろ凛さん救世主ですよ!!」

 

チノ「そ、そうですよ!お客さんが沢山来てくれてありがたかったですが!!」

 

リゼ「あれを見てくれ!!」

 

チノ・凛「ん?」

 

 

 

 

アフタヌーンティーセットを頬張ってる青山を発見した。

 

 

 

 

凛「青山先生!?」

 

楽兎「頬張ってる!?」

 

青山「美味しいですぅ〜。」

 

楽兎「何時の間にここに・・・!?」

 

ココア「さぁ皆!注目!」

 

全員「ん?」

 

ココア「よーく見ててね?ワン!ツー!スリー!」

 

マジシャンハットから紙吹雪が舞った。

 

チノ「っ!!」

 

全員「わぁ〜!」

 

緑羽太「良いぞこれ!!」

 

ビデオカメラで収めてる。

 

ココア「ココアサンタからの、皆へのクリスマスプレゼントだよー!」

 

テーブルを杖で叩くと、プレゼントが出て来た。

 

全員「おぉ〜!!」

 

シャロ「全員に!?」

 

千夜「ココアちゃん・・・!」

 

みくる「嬉しいよ・・・!」

 

マヤ・メグ「ありがとー!」

 

リゼ「ありがとう!!」

 

チノ「ココアサンタさん・・・!!」

 

緑羽太「ココアちゃーーん!!」

 

楽兎「感謝の気持ちでいっぱいだ!!」

 

ココア「ううん。此方こそありがとうだよ。その顔を見せてくれて・・・そして・・・私のお店を守ってくれて!!」

 

チノ「父の店です。」

 

楽兎「そうだ。ココア、ちょっと杖貸して。」

 

ココア「ん?」

 

杖を借りた。

 

楽兎「チノちゃん。」

 

チノ「楽兎さん?」

 

楽兎「チノちゃんのもう1人のサンタだよ。」

 

杖で自分の右手を叩くと、1つのプレゼントの小箱が出て来た。

 

全員「おぉ!」

 

楽兎「受け取って。」

 

チノ「あ、ありがとうございます!開けて良いですか?」

 

楽兎「どうぞ。」

 

 

 

 

プレゼントを開けた。

 

チノ「わぁ!」

 

それは、アパタイトのネックレスだった。

 

チノ「ネックレス!」

 

楽兎「色々考えて、ちょっと奮発してアパタイトのネックレスにしたんだ。チノちゃん。アパタイトの宝石言葉、何か分かる?」

 

チノ「え?」

 

楽兎「アパタイトの宝石言葉は、絆を強める・繋げるだよ。これからもチノちゃんが皆との絆を強める事を応援してるよ。勿論、俺達従兄妹としての絆もね。」

 

チノ「楽兎さん・・・!」

 

嬉し涙を流したチノが楽兎に抱き付いた。楽兎がチノを撫でる。

 

楽兎「嬉しいんだね。良かった。」

 

チノ「やっぱり楽兎さんは、私のお兄ちゃんです。」

 

ココア「チノちゃんが楽兎君に取られたーーー!!」

 

楽兎「だから!俺はチノちゃんの従兄だっての!!」

 

全員「あはははは!」

 

 

 

 

タカヒロ「フッ。」

 

ティッピー「タカヒロよ。」

 

タカヒロ「ん?」

 

ティッピー「チノの母は想像していただろうか?作り掛けの制服が完成するのを。」

 

タカヒロ「・・・」

 

ティッピー「新しく2色の制服が作られる事を。これは彼奴が夢見ていた以上の光景じゃ。」

 

タカヒロ「・・・そうだな。」

 

 

 

 

 

 

その夜。ココアの部屋の前でチノが深呼吸をしていた。

 

チノ(今年は私がサプライズサンタさんです。去年のサプライズの仕返しですよ。)

 

ゆっくりとドアを開けた。ココアは寝ている。

 

チノ「・・・」

 

ココアの寝顔に、チノが微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

”ジリリリリリ!!!!”

 

 

 

 

 

 

ココア「サンタの時間だ!!」

 

チノ「ええ!?」

 

突然の目覚まし時計。

 

ココア「チノちゃん!?」

 

チノ「こう言う時だけはすぐ起きるんですから!!」

 

 

 

 

部屋の電気を点けた。

 

ココア「えへへ〜。サプライズサンタさん同士だね。はい!開けて開けて?」

 

プレゼントを開けた。うさぎの目覚まし時計だった。

 

チノ「わぁ!うさぎの時計!」

 

ココア「目覚まし機能付きだよ?ずっと一緒に居るから、普段使える物が良いかなって。」

 

チノ「うぅ・・・私のプレゼントが普通に感じてしまいます・・・サプライズが叶わないです・・・」

 

ココア「ん?」

 

 

 

 

 

 

翌朝。ラビットハウスのカウンターにスノードームを置いた。

 

リゼ「ココア!」

 

楽兎「おはよう!」

 

ココア「おはようリゼちゃん!楽兎君!昨日は楽しかったね!」

 

楽兎「あぁ。」

 

リゼ「ん?チノは?」

 

ココア「さっき覗いてたらまだ寝てたよ?」

 

リゼ「寝坊か?珍しい。」

 

楽兎「後で起こしに行こうか。」

 

ココア「えへへ。遅くまで起きててくれてたもんね。」

 

 

 

 

『おっはよー!朝だよー!お姉ちゃんと一緒にレッツダンース!』

 

チノ「うわああーーーーーー!!」

 

 

 

 

突然チノが目覚まし時計を持って出て来た。

 

チノ「この五月蝿い音の止め方を教えて下さい!!」

 

ココア「早速使ってくれてる!!」

 

楽兎「何だその目覚まし音!?ココアの声!?」

 

チノ「止まらないんです!!」

 

ココア「止めなくていいのに。」

 

チノ「もう五月蝿いですーーー!!」

 

ココア「あー。止め方はそうじゃなくて、このボタンをね。」

 

蝶ネクタイのボタンを押したが、鳴り止まない。

 

ココア「あ、あれ?可笑しいなぁ・・・」

 

チノ「ココアさーーーん!!」

 

リゼ「お前ら五月蝿ーーーい!!」

 

ティッピー「この騒々しいのも、想像以上じゃのう。きっと。」

 

楽兎「ちょっと貸してみろ!」

 

目覚まし時計を借りた。

 

楽兎「止まれーーーー!!」

 

蝶ネクタイのボタンを強く押した。すると音が鳴り止んだ。

 

楽兎「と、止まった・・・」

 

ココア「良かったぁ・・・」

 

楽兎「ココア、お前もうちょっとマシな目覚まし音作れよ!」

 

ココア「えへへ〜。ごめんね〜。」

 

『END』




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
       真手凛:木村珠莉
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨

       女性客:八巻アンナ
           河野ひより
           咲々木瞳

ティッピー「楽しい時間も終わりか。来週からどうしたら・・・」

タカヒロ「ご注文は親父ですか?始めるか?」

ココア「私もやりたーーい!!」

チノ「させません!!」

楽兎「ココアを止めろーーー!!」

次回「その一歩は君を見ているから踏み出せる」


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36羽「その一歩は君を見ているから踏み出せる」

ある冬の夜。チノが部屋で家族のアルバムを見ていた。

楽兎「懐かしいねぇ〜。どれも。」

チノ「はい。」

ココア「チノちゃん!」

チノ「ん?」

後ろからココアの手が出て、ココアが手を握って開くと、バラが出て来た。

チノ「ココアさん!」

ココア「どう?お花も出せるようになったんだよ!」

チノ「毎日練習してましたもんね。」

楽兎「また上達してるなぁ〜。」

ココア「えへへ〜。褒めて褒めて〜。」

チノ「はいはい。偉い偉いです。」

楽兎「流石だな。」

ココア「それとね!今はマジックしながら歌も練習してるんだよ!ごーくろーうーさまークロワッサン♪」

楽兎「何で歌も?」

チノ「歌は必要なんですか?」

ココア「チノちゃんのお母さんみたいに、喫茶店を盛り上げられればなぁ〜って!」

チノ「!」

楽兎「サキさんの影響を受けてるな。」

チノ「賑やかな喫茶店になりそうですね。」

ココア「あ!皆でジャズの演奏会も良いかも!ラビットハウスディナーショーみたいな!」

チノ「もう喫茶店じゃないですか。」

楽兎「ただの音楽隊だな。」

ココア「勿論!チノちゃんボーカルだよ!」

チノ「ええ!?」

ココア「チノちゃん!今から練習しよう!」

チノ「もう私は歌いません!」

楽兎「でもチノちゃん、音楽会で綺麗な歌声披露したじゃん?」

チノ「そうですけど!!」

ココア「チノちゃん!さんはい!」

チノ「歌いませんからーーー!!」


ここはベーカリー保登。ココアの実家のパン屋。

 

モカ「ようこそラビットハウスへ!本日のおすすめはモカブレンドで〜す!」

 

ラミン「もう1つのおすすめはアッサムでーす!」

 

ラビットハウスの制服を着たモカとラミンが楽しそう。

 

ココアの母「またラビットハウスごっこ?」

 

モカ「お母さんこそノリノリの癖に〜!」

 

ラミン「ちゃっかり頭に手作りティッピーぬいぐるみ被ってますね!」

 

モカ「ココアと楽兎君ったらクリスマス終わった途端にこんな写真を送って来るし。」

 

それは、ラビレンジャーとラビトラフォースの写真だった。

 

モカ「お姉ちゃんも仲間に入れてよ!!皆と一緒に・・・こんなに楽しそうに・・・」

 

ラミン「本当、ココア羨ましい・・・」

 

ココアの母「楽しそうなら良いじゃない。」

 

 

 

 

数年前。

 

ココア『どう?中学の制服!大人っぽい?』

 

ラミン『似合ってるかな?』

 

中学生になったココアとラミンが制服を着て、当時高校生のモカに見せた。

 

モカ『うんうん!ココアもラミンちゃんも今年から中学生だね!』

 

ココア『お姉ちゃんみたいなしっかりもんになるよ!高校もお姉ちゃんと同じ制服着られるかなぁ〜?』

 

モカ『あはは。もうこれは姉離れが出来そうにないなぁ〜・・・』

 

ラミン『本当、ココアってモカさんに懐いてるもんね。』

 

 

 

 

 

 

そして今。モカは突っ伏ししていた。

 

モカ「あの頃は・・・ずっと一緒だと思ってた・・・」

 

ラミン「妹離れ出来ない姉の発言・・・」

 

ココアの母「これからお客さんが来るのに、死んだ目になってないの。ココアへの手紙を書くわよ。モカとラミンちゃんが寂しくて落ち込んでるって。」

 

モカ「はっ!!それはダメ!!」

 

ラミン「うわあ!!」

 

モカ「そうだね・・・何時までも落ち込んでいられない!よぉ〜し!!」

 

 

 

 

テラスでコーヒーを淹れた。

 

モカ「今日来るお客さんの為に、細粉から淹れてみました!」

 

ココアの母「わぁ〜!本格的〜!」

 

モカ「お母さんには最初の1杯目をプレゼント〜!」

 

淹れてくれたコーヒーを飲む。だがすぐに吹いた。

 

ココアの母「不味っ!」

 

モカ「ちょっ!酷くない!?」

 

ラミン「・・・ブー!何これ不味い!!」

 

モカ「ラミンちゃんも!?」

 

自分が淹れたコーヒーを飲み、すぐに崩れた。

 

モカ「ブッ!うぇ〜〜〜!!丸で泥水・・・」

 

ココアの母「私より酷い感想ね・・・ココアへ。お元気ですか?今日モカが・・・」

 

モカ「お母さん!?」

 

手紙をすぐに取り上げた。

 

モカ「そんな事知れたら悪影響でしょーーーー!!」

 

ラミン「必死!!」

 

ココアの母「ウフフ。じゃあ、良い事書かなきゃね。」

 

モカ「っ!お母さん・・・!」

 

ココアの母「前にモカが作ったラテアート。あれ実はマスターからこっそりと・・・」

 

モカ「何でバラすのーーー!?」

 

あの時のラテアートはタカヒロにこっそり教えて貰った成果だった。

 

 

 

 

開店時間。行列が出来てる。

 

モカ「・・・・」

 

ラミン「モカさん。元気出して?」

 

ココアの母「まだ落ち込んでるの?」

 

モカ「だって・・・」

 

ココアの母「もっとココアにダメな所見せても良いんじゃない?」

 

モカ「良いお手本にならなきゃと思うと、つい・・・」

 

ココアの母「ココアだって、今は立派なお姉ちゃんよ?」

 

モカ「・・・そうかも知れないけど・・・」

 

ラミン「そこん所、ココアとそっくり。流石姉妹。」

 

モカ「・・・・」

 

ラミン「おばさん。」

 

ココアの母「うん。皆さーん!モカの頑張ってる所!教えて下さーい!」

 

ラミン「誰かモカさんの長所教えてくれませんかーー!」

 

女性A「ゴッドシスター!」

 

老婆「サプライズの鬼かね?」

 

女の子「小麦の女王様!」

 

女性B「お姫様かもね?」

 

モカ「み・・・皆さん・・・!!」

 

褒められたモカがベルを持って上機嫌になった。

 

モカ「ありがとうございまーーす!!今日はサプライズパンサービスでーーーす!!」

 

ココアの母「何時もの調子に戻って来たわね。」

 

ラミン「良かった良かった。」

 

モカ「よし!コーヒー作りのリベンジ!ココア達に顔向け出来ないもんね!」

 

ココアの母「離れている2人だから、高め合えるのかもね。」

 

モカ「出来たよ!飲んでみてお母さん!ラミンちゃん!」

 

ラミン・ココアの母「ブーーー!」

 

ココアの母「さっきのより酷い・・・」

 

ラミン「飲めたもんじゃない・・・」

 

モカ「泥水以下!?」

 

 

 

 

 

 

数日後の街。この日は雪が降ってる。

 

 

 

 

ラビットハウスに1つの箱が届けられた。

 

ココア「お姉ちゃん達から荷物が届いたよーーー!」

 

リゼ「モ・・・モフモフされたトラウマが・・・」

 

みくる「トラウマが蘇ってる。」

 

緑羽太「あらら。拒絶反応起こしてる。」

 

シャロ「先輩!?」

 

千夜「中身は何かしら?」

 

ココア「お姉ちゃん特製のシュトーレンだー!」

 

みくる「うわぁ〜!美味しそう!」

 

ココア「それと!頼んでおいた中学の頃の制服!」

 

リゼ「何故!?」

 

ココア「だってこの前チノちゃんが、中学のココアさんってどんなでしょうねって言ってたから。」

 

楽兎「その為だけに!?」

 

チノ「制服見たいとは言ってません!!」

 

 

 

 

試着した。

 

ココア「わぁ〜!懐かしい〜!」

 

チノ「着てるーー!!」

 

楽兎「若返った!?」

 

千夜「ココアちゃん素敵!中学生にしか見えないわ!」

 

シャロ「それって褒めてるの!?」

 

緑羽太「いや辛辣だな。」

 

ココア「えへへ〜!13歳に戻った気分だよ〜!」

 

みくる「中学生のココアちゃん可愛い〜!モフモフしてあげる〜!」

 

ココア「みくるちゃ〜ん!くすぐったいよぉ〜!」

 

抱き締めてココアをモフモフする。

 

チノ「それなら私より年下ですね。」

 

ココア「え!?」

 

楽兎「チノちゃんの妹になったな。」

 

ココア「チノ・・・お姉ちゃん・・・」

 

チノ「妹よ!です!」

 

全員「嘗てないドヤ顔!!」

 

ココア「お姉ちゃんの高校の制服も付いて来た〜!」

 

何故かモカの高校時代の制服も送られた。

 

楽兎「モカさんの制服まで!?」

 

リゼ「ココアはよくモカさんと同じ高校を選ばなかったな。」

 

ココア「本当は迷ったんだよ!今の学校の制服も可愛いし!」

 

楽兎「制服が可愛い?」

 

チノ「制服だけで決めたんですか?」

 

ココア「そうだ!チノちゃんこれ着てみる?」

 

チノ「え?」

 

 

 

 

モカの高校時代の制服を試着した。

 

チノ「ちょっとぶかぶかです。」

 

楽兎「おぉ!似合うな!」

 

緑羽太「ナイスですね〜!ナイスですね〜!」

 

リゼ「モカさんの高校の制服も可愛いな!」

 

ココア「お姉ちゃ〜〜〜ん!チノお姉ちゃ〜〜〜ん!」

 

妹になったココアがチノを追い回す。

 

チノ「しつこい妹です!」

 

楽兎「テンションが高い・・・」

 

 

 

 

シュトーレンを食べる。

 

千夜「ん〜!モカさんのシュトーレンも完璧な味!」

 

みくる「うんうん!これ今までのシュトーレンより美味しいよ〜!」

 

シャロ「太る!太っちゃうわ!」

 

ココア「お!でへへへ〜。」

 

シャロ「何でココアが嬉しそうなのよ!」

 

緑羽太「ココアちゃんが作った訳じゃないでしょ?」

 

ココア「えへへ〜。秘密!だって知ってるんだ。沢山失敗しても、努力で失敗を撥ね退けて来た事。そんな所も、ずっとずーっと憧れてるんだよ?よーし!私もスペシャルのシュトーレンを作るよー!お姉ちゃんに打ち返しちゃうぞ!」

 

楽兎・リゼ「その前に着替えろ!!」

 

千夜「はいはーい!私達の中学の頃の話も聞いて貰いたーい!」

 

みくる「何それ聞きたい!!聞かせて!!」

 

シャロ「止めてよ!!黒歴史よー!!」

 

ココア「黒歴史って何〜?」

 

リゼ「止めてやれよ〜。シャロにも恥ずかしい過去位あるだろ?」

 

シャロ「先輩!フォローになってません!」

 

 

 

 

チノ「・・・」

 

ティッピー「チノ?」

 

楽兎「どうしたの?」

 

チノ「この服、何処かで見た事あるような・・・」

 

楽兎「見た事ある?」

 

チノ「はい・・・」

 

 

 

 

 

 

一方ベーカリー保登では。

 

モカ「じゃーーん!お母さんの昔のアルバム見付けちゃったー!」

 

ココアの母「はっ!!」

 

ラミン「見たい見たい!」

 

モカ「私と同じ高校だったんだぁ〜!」

 

ラミン「本当だ!私と同じ高校の制服着てる!」

 

ココアの母「か、返しなさい!!」

 

すぐにアルバムを取り上げる時、必死な顔をした。

 

ココアの母「ぐぬぬぬぬぬ!」

 

モカ「丸で別人のような力!?お母さん分かった!離す!離すから!」

 

手を離した。ココアの母が後ろに転がって行った。

 

モカ「お母さーーーん!!」

 

ラミン「おばさん大丈夫ーーー!?」

 

 

 

 

水を持って来た。

 

ラミン「はい。おばさん。」

 

ココアの母「ありがとう。」

 

モカ「お母さんドジで天然だから、友達も苦労してそう。」

 

ココアの母「天然だったのは、寧ろ友達の方よ。」

 

モカ「え?」

 

ラミン「友達が?」

 

ココアの母「歌や手品が上手くて、姉妹みたいに仲良しだったのよ?」

 

モカ「へぇ〜。何て名前だったの?」

 

ココアの母「うさぎちゃん。」

 

モカ・ラミン「うさぎちゃん?」

 

ココアの母「そう。サキちゃんだから、うさぎちゃん。」

 

実はココアの母は、チノの母のサキと高校時代の親友だったのだ。写真には2人の2ショット写真がある。

 

モカ「うさぎちゃんかぁ〜。可愛いあだ名!」

 

ココアの母「そうね。うさぎちゃんにはお姉さんも居たのよ。」

 

モカ「お姉さん?どんな人なの?」

 

ココアの母「うさぎちゃんみたいに元気で、でも勉強が物凄く得意だったのよ?」

 

その2ショット写真の下には、楽兎の母の恵美の高校時代の写真もあった。

 

ラミン「へぇ〜。」

 

ココアの母「うさぎちゃん、今は遠くへ行ってしまったけど・・・」

 

ラミン「え?」

 

モカ「・・・」

 

ココアの母「さぁ!夕ご飯の支度をしなくっちゃ!」

 

モカ「えぇ〜!お母さんが恥ずかしい写真が見たい〜!」

 

ラミン「おばさんお願い!写真見せて〜!」

 

ココアの母「ダ〜メ!バカみたいにはしゃいでいるもの。」

 

 

 

 

 

 

都会・ケーキAYABE。

 

恵美「ヘックション!」

 

美未子「店長、風邪ですか?」

 

恵美「ん〜・・・誰か噂しているのかな〜?」

 

美未子「この写真、本当楽しそうですね。」

 

ここでもラビレンジャーとラビトラフォースの写真が郵送されていた。

 

恵美「本当ね。サキにも見せてあげたかったわ。」

 

美未子「私も、店長の妹さんに会ってみたかったです。」

 

恵美「サキはとても元気で、私の可愛い妹だったのよ。」

 

 

 

 

 

 

都会の公園では。

 

紅音「皆楽しそう〜。」

 

茶度家にココアと楽兎が送った写真が届いたのだ。

 

紅音「私もまたラビットハウスでコーヒー飲みたいなぁ〜。」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウス・チノの部屋。

 

チノ「やっぱりあの制服と同じ・・・お母さんは、ずっとこの街に居た訳じゃなかったんだ・・・街の・・・外の世界・・・」

 

 

 

 

 

 

時は正月になった。青山と凛がホットワインで乾杯してる。

 

凛「先生!明けましておめでとうございます!」

 

青山「はい〜!おめでとうございます!」

 

凛「先生が珍しく原稿を早く上げてくれたので、ゆっくり出来そう!」

 

青山「私もやれば出来たんですねぇ〜。所で、折角のお休みなのに先生なんですか?」

 

凛「せ、先生が何時もギリギリだから仕事モードが抜けてないんです!・・・だよ。」

 

青山「ウフフフ♪」

 

凛「もぉ〜!こうなったら今日は徹底的に付き合って貰うからね!!翠ちゃん!!」

 

青山「はい!そのつもりです!今年も宜しくお願いしますね!凛ちゃん!」

 

改めて乾杯した。

 

 

 

 

別の場所では。

 

ココア「はぁ〜。ホットワイン温まるね〜。」

 

チノ「これジュースですよ。」

 

楽兎「お前まだ未成年だろ。」

 

ココア「年が明けたって感じがしないねぇ〜。」

 

楽兎「ココア、実家に顔出さなくても良いのか?冬休みなんだし帰省とか。」

 

ココア「うん!チノちゃんや楽兎君達と一緒に居たいしね!」

 

チノ「帰るのが面倒なだけでは?」

 

ココア「違うよー!今の皆とは、今しか思い出作れないもの。それにここに来て、故郷の良い所を見直す事が出来たよ。」

 

チノ「そこまで考えていたなんて、衝撃です。」

 

楽兎「全くだな。」

 

ココア「あれ?褒められてるの?」

 

すると何処からか雪玉が。

 

ココア「あいた!!」

 

楽兎「ぐはっ!!」

 

メグ「ありゃ!当たっちゃった!」

 

マヤ「雪まみれ〜!」

 

楽兎「マヤちゃんメグちゃん!」

 

チノ「雪合戦なんてワンパク中学生です。」

 

楽兎「別の意味で衝撃を受けたな。」

 

リゼ「ごめん!今の私だ!」

 

楽兎・チノ「ワンパク高校3年生!」

 

雪玉を投げたのはリゼだった。

 

緑羽太「良いの撮れたぜー!」

 

楽兎「緑羽太!お前何撮ってんだ!?」

 

緑羽太「雪合戦を目撃しててさ。思い出残そうと。」

 

ココア「楽しそう!私も交ぜてー!」

 

千夜「皆〜!ガレット・デ・ロワ作って来たわ〜!」

 

みくる「もう1ホール作って来たよー!」

 

楽兎「え?マジで?」

 

ココア「ガレット・デ・ロワ?」

 

ガレット・デ・ロワとは、公現祭で食べるフランスのお菓子。つまりパイの事である。ガレット・デ・ロワを2ホール出した。

 

ココア「わぁ〜!美味しそう!」

 

シャロ「新年のパーティーで、家族と友達と食べるのよ。」

 

リゼ「切り分けたパイの中に指輪が入っていた人が、その年の王様になれるんだ。」

 

千夜「王になった者は、皆に何か1つ命令出来る権利が与えられるわ!」

 

ココア「何と!?」

 

楽兎「おぉ!」

 

マヤ「知ってる〜!」

 

メグ「ねぇ〜!」

 

千夜「では始めましょう!王の冠を懸けた戦いを!」

 

ココア・チノ・リゼ・千夜・シャロ・マヤ・メグ「これに決めたー!」

 

切り分けた7つの中の1つを選んだ。

 

楽兎・緑羽太・みくる「これだー!」

 

切り分けた3つの中の1つを選んだ。

 

ココア「私が当たったら皆を妹にするんだぁ〜!」

 

メグ「じゃあ私はココアちゃん達にお姉ちゃんになって貰いた〜い!」

 

千夜「私は。えっと・・・」

 

シャロ「千夜とココアには当たりませんように・・・」

 

リゼ「暴君が誕生しない事を祈る。」

 

マヤ「こう言うのって無欲な人に当たるんだよねぇ〜。」

 

楽兎「チノちゃんが幸せになって欲しいなぁ〜。」

 

緑羽太「今まで以上に映える写真を見付けてやる!」

 

みくる「皆をもっとモフモフしたいなぁ〜!」

 

”ガチン!!”

 

全員「?」

 

チノ「あ・・・当たってしまいました・・・」

 

楽兎「チノちゃん!!」

 

リングを当てたのはチノだった。

 

マヤ「チノ!?」

 

メグ「チノちゃんおめでとう!!」

 

リゼ「チノが引き当てたか!」

 

シャロ「凄い音したけど大丈夫!?」

 

千夜「チノちゃんが王様ね。」

 

緑羽太「祝え!新たなる王の誕生を!」

 

楽兎「ウォズ?」

 

みくる「どんなお願いかな〜?楽しみ!」

 

ココア「さぁ我々にご命令を!」

 

楽兎以外の全員がチノに手を差し伸べた。

 

チノ「い、いきなり全員に!?」

 

千夜「何なりと、命令に従うわ!」

 

シャロ「何がお望み?」

 

楽兎「チノちゃん、お願い事は何?」

 

チノ「え、えっと・・・えっと・・・」

 

命令が思い付かなかった。

 

楽兎「えっと・・・思い付かないの?」

 

チノ「は、はい・・・」

 

リゼ「よぉ〜し1回解散だ!皆も買いたい物があるだろう?」

 

マヤ「賛成〜!」

 

千夜「流石リゼちゃん!ナイスアイデアね!」

 

リゼ「帰るまでに思い付けば良いんじゃないか?」

 

シャロ「その方がチノちゃんの考えが纏め易そうですし。」

 

メグ「気楽にね〜!チノちゃん!」

 

みくる「何時でも待ってるよ!」

 

ココア「お姉ちゃんに甘えたくなったら、すぐに命令発動してね!」

 

チノ「・・・」

 

緑羽太「ココアちゃん!行くぞー!」

 

ココア「はぁ〜い!待って〜!」

 

楽兎「皆行っちゃったね。」

 

残ったのは楽兎とチノとティッピーだけになった。

 

ティッピー「やれやれ。どうしたものかのう。チノ。」

 

楽兎「王様は民の心に耳を傾けるのも良いかも知れないんじゃない?」

 

チノ「・・・民の心・・・」

 

 

 

 

皆を探していると、マヤを発見した。彼女は海の絵を眺めていた。

 

マヤ「・・・」

 

楽兎「マヤちゃん?」

 

チノ「マヤさん。絵に興味があるんですか?」

 

マヤ「海を見てたら、私の冒険魂が滾って来ちゃった。」

 

チノ「冒険魂・・・」

 

楽兎「冒険スピリッツ。」

 

マヤ「チノは海興味ない?ボトルシップ好きなんでしょ?」

 

チノ「冒険出来たら楽しそうですね!」

 

マヤ「大嵐に遭ったり、漂流したり無人島体験したりしょう!!」

 

チノ「それ遭難しているじゃないですかーーー!!」

 

楽兎「生きて帰って来れるの!?」

 

 

 

 

他の皆を探していると。

 

千夜「あら!チノちゃん!楽兎さん!」

 

チノ「千夜さん!」

 

楽兎「どうしたんだ?」

 

千夜「見て見て?」

 

ランプ専門店に飾っているランプを見せた。

 

チノ「わぁ〜!珍しい色がいっぱいのランプのお店です!」

 

千夜「特にこのお香は珍しいわ!お香を通して世界の香りもお店のヒントをくれるかも。」

 

チノ「こうやってアイデアを取り入れてるんですね〜。」

 

楽兎「ん〜。心が和むなぁ〜。」

 

千夜「新しい何かを感じるわ〜。」

 

チノ「甘い匂い〜。」

 

楽兎「香ばしい匂い〜。」

 

チノ「素敵な世界の匂いです〜。」

 

千夜「あ!これ隣の屋台のワッフルの匂いだわ!」

 

楽兎「おい。」

 

 

 

 

シャロ「ん〜・・・」

 

本屋で立ち読みしてるシャロを発見した。

 

チノ「シャロさん参考書ですか?」

 

シャロ「これは!違うの!世界の色んなカフェの本よ。どれも素敵でしょ?」

 

楽兎「おぉ〜!オシャレだなぁ〜!」

 

チノ「古城カフェ!図書館カフェも!」

 

楽兎「面白いカフェが盛り沢山だな!」

 

チノ「世界って広いんですね!」

 

シャロ「ハーブティーの癒し空間。あ!ウチと被ってる!!」

 

チノ「祖父の代から続くカフェ!?ウチとも被ってます!」

 

ティッピー「何じゃと!?」

 

楽兎「な!これ、ウチのケーキ屋と被ってるぞ!?」

 

シャロ「私達も負けてないわよね!?」

 

チノ「負けてません!多分!」

 

楽兎「多分!?」

 

シャロ「そうよね!多分!」

 

楽兎「多分で大丈夫なのか?」

 

 

 

 

次に出会ったのは。

 

メグ「チノちゃ〜〜〜ん!楽兎さ〜〜〜ん!買う物が思い付かないよ〜〜〜!!」

 

楽兎「メグちゃん?」

 

チノ「どうしたんですか?」

 

メグ「高校生組に勉強でお世話になってるから、何かお返しがしたいなぁ〜って。」

 

チノ「そうだったんですね。分かりました!私も手伝います!」

 

楽兎「俺も手伝うよ!」

 

メグ「ありがとう2人共!」

 

チノ「思い付かない時は、発想を逆転させると良いって聞いた事があります!」

 

メグ「物・・・形のない物・・・思い出作りとか?」

 

楽兎「思い出作り・・・」

 

メグ「あ!更にこれを逆転させて!」

 

楽兎「待ってメグちゃん!今ので充分じゃない!?」

 

メグ「え?」

 

 

 

 

次に出会ったのは、リゼだった。リゼは旅行に使うスーツケースを見ていた。

 

楽兎「リゼ。何してるんだ?」

 

リゼ「学校の友達と卒業旅行で必要な物を見てたんだよ。」

 

チノ「卒業旅行・・・」

 

リゼ「チノ達も卒業だろ?何処かに行ったりしないのか?」

 

チノ「考えてませんでした・・・そもそも何処に行けば良いんでしょうか・・・?」

 

リゼ「ん〜・・・例えば都会とか?」

 

チノ「都会・・・行った事ないです。」

 

リゼ「楽兎って確か都会で生まれたんだよな?」

 

楽兎「そうそう。」

 

リゼ「チマメがもし都会に・・・行ったら・・・やはりお前等だけじゃダメだ!!!」

 

チノ「何を想像したんですか!?」

 

楽兎「遭難でも浮かんだのか!?」

 

 

 

 

次はみくると出会った。公園で猫をモフモフしている。

 

みくる「モフモフ〜!」

 

楽兎「みくる。何やってんだ?」

 

みくる「見て分からない?公園に居た猫をモフモフしてるんだ〜。」

 

楽兎「うさぎに猫が紛れたのか。何か珍しい。」

 

みくる「何時か猫が沢山居る場所へ行ってみたいなぁ〜。」

 

チノ「猫が沢山居る場所・・・」

 

みくる「チノちゃんも猫モフモフしたい?」

 

チノ「良いんですか?」

 

みくる「気持ち良いよ〜?」

 

猫をモフモフしてみる。

 

チノ「か、可愛い・・・」

 

 

 

 

次に出会ったのは緑羽太だった。緑羽太は街並みを撮影している。

 

緑羽太「この街も良いけど、色んな街も撮ってみたいな。」

 

楽兎「海外とかか?」

 

緑羽太「まぁそんな所だな。海外旅行で色んな風景を撮ってSNSに投稿して、世界中の皆に風景の素晴らしさを伝えたいんだ。」

 

チノ「海外旅行・・・」

 

楽兎「行ってみたい国があるのか?」

 

緑羽太「やっぱイギリスかな?おとぎの国を撮ってみたい!」

 

 

 

 

最後にココアと出会ったが。

 

チノ「で、ここで何をしているんですか?ココアさん。」

 

彼女は雪の上で大の字で仰向けになり、両手を上下振ってる。

 

ココア「雪に埋もれてみたかったの〜。」

 

楽兎「小学生かお前は。」

 

チノ「その行動力はある意味尊敬します。」

 

ココア「今日は沢山褒められるなぁ〜。」

 

楽兎「褒めてねえよ。」

 

ココア「こうして空を見てると、故郷と繋がってるんだな〜って。」

 

チノ「外の世界を知って、故郷がもっと好きになる・・・」

 

ココア「カレー匂いだ!!」

 

チノ「え!?」

 

楽兎「カレー!?」

 

ココア「しかもただのカレーじゃない!香りだけで職人の技を感じる!!」

 

チノ「確かにお腹が空きますね。」

 

楽兎「そう言われると腹が減ったな。」

 

ココア「一緒に行こう!新作のカレーパンのヒントになるかも!」

 

チノ「・・・しょうがないココアさんです。」

 

ココア「チノちゃん早く!」

 

チノ「ま、待って下さい!ココアさーーん!」

 

楽兎「おい待てよ2人共ーーー!!」

 

 

 

 

 

 

ラビットハウスでは。

 

リゼの父「正直面倒臭え。」

 

タカヒロ「そう言うな。俺もお前の演奏に期待してるんだ。」

 

リゼの父「フッ。そうなのか?」

 

タカヒロ「態度は三流だが、演奏は一流だからな。ま、他に人が居ないし。」

 

リゼの父「おい!そうやって素直になれないようじゃ、何時まで経っても成長しないぞ。」

 

タカヒロ「フッ。素直になれないのはお互い様だろ?」

 

リゼの父「俺は!リゼのお陰で、少しは素直になったぞ?大体戦場ではお前は何時も!」

 

タカヒロ「ありがとうな。」

 

リゼの父「え?何で?急に素直になりやがって。・・・ん?・・・フッ。」

 

タカヒロ「取り敢えず新曲やるからな。久々に練習しとけよ?」

 

リゼの父「分かってるって。1番良いの間近で聴かせてやるさ。」

 

タカヒロ「あぁ。最高の演奏にしよう。」

 

 

 

 

 

 

一方10人は。

 

チノ「決めました。王の命令を発動します!」

 

全員「・・・!」

 

緑羽太「チノちゃん、命令は如何に・・・」

 

チノ「リゼさんが大学受かったらそのお祝いと、チマメ隊の卒業旅行を兼ねて、皆さんと外の世界に行ってみたい。これが私の命令です!」

 

みくる「おぉ〜!」

 

楽兎「王様、その命令しかと受け止めました。」

 

ココア「ええ!?お姉ちゃんになって欲しいんじゃないの!?」

 

リゼ「それは提案であって命令じゃない!」

 

チノ「そ、そうなんですか!?」

 

楽兎「まぁまぁ2人共。チノちゃんが言ってるんだから良いじゃないか。」

 

ココア「でも!」

 

千夜「勿論大賛成よ!」

 

シャロ「でも命令は考え直しね!」

 

チノ「えぇぇ・・・?」

 

メグ「まずは目の前の受験だね!」

 

マヤ「一緒に頑張ろうね!リゼ!」

 

リゼ「あ〜・・・実は私、話しそびれたけど・・・この前大学に無事受かったんだ。」

 

全員「えーーーーー!?」

 

楽兎「マジか!!凄えじゃんリゼ!!」

 

みくる「凄い!おめでとうリゼちゃん!」

 

緑羽太「流石俺達のリゼだ!!」

 

リゼ「あはは・・・ってうわあ!?」

 

突然雪玉を投げられた。

 

ココア「初耳だよ!!」

 

チノ「さっきのお返しです!!」

 

リゼ「お、おい!!何なんだこの祝い方は!!」

 

千夜「影で努力してたのね!!」

 

シャロ「良かったですね先輩!!」

 

ココア・千夜「リゼちゃーーーーん!!」

チノ・メグ「リゼさーーーーーーん!!」

シャロ「リゼ先輩ーーーーーーーー!!」

マヤ「リゼーーーーーーーーーーー!!」

 

リゼ「うわあああ!!」

 

6人が一斉にリゼに飛び込んだ。

 

リゼ「あはははは!うん!ありがとう!」

 

楽兎「凄いなぁ〜こりゃ!」

 

緑羽太「良い瞬間バッチリ焼き付いたぜ!」

 

みくる「改めておめでとう!リゼちゃん!」

 

シャロ「先輩!何処に行きましょっか!」

 

リゼ「皆で温泉なんてどうかしら?」

 

マヤ「海が良いよ!海!ねぇリゼ!海行こうよ!」

 

メグ「都会も良いなぁ〜!皆と行けば怖くないし!」

 

リゼ「分かった分かった!じゃあ皆ゆっくり考えよう!」

 

ココア「今日はラビットハウスで朝まで皆で考えるよ!」

 

ティッピー「何!?」

 

楽兎「朝まで!?」

 

マヤ「やったー!」

 

メグ「良いね〜!」

 

シャロ「何でココアが勝手に決めるのよ!」

 

千夜「楽しそうね!」

 

みくる「ねぇ!シャロちゃんもどう?行きたいでしょ?」

 

シャロ「そりゃあ行けたら嬉しいですけど・・・」

 

緑羽太「皆の意見を書かないとな。」

 

リゼ「チノ。楽兎。皆でお邪魔しても良いかな?」

 

楽兎「俺は構わんが、チノちゃんは?」

 

チノ「・・・いえ。」

 

リゼ「え?」

 

楽兎「チノちゃん?」

 

チノ「これは、私からの命令です。」

 

彼女が下す命令は・・・

 

 

 

 

 

 

チノ「今からウチに来て、朝まで遊ぶ事!!」

 

 

 

 

 

 

全員「やったーーー!!」

 

楽兎「こりゃあ、賑やかなパーティーになるなぁ〜。」

 

みくる「今日は朝までウルトラ遊ぶよ〜!」

 

ココア「チノちゃん!それじゃあラビットハウスまで競争だよ!よーーい、ドーン!!」

 

緑羽太「よっしゃ行くぜーーーー!!」

 

リゼ「1番は貰ったーーー!!」

 

千夜「私に追い付けるかしら?」

 

シャロ「待ちなさいよーーーー!!」

 

みくる「私が1位を取ってやるぞーーー!!」

 

マヤ・メグ「ホラホラ早くーーーー!!」

 

楽兎「チノちゃん!早く行こ?」

 

チノ「ま、待って下さーーーーい!!」

 

今日はラビットハウスで朝までパーティーしたのだった。

 

 

 

 

 

 

その夜。楽兎は夢の中でサキと出会った。

 

サキ『チノったら、すっかり逞しくなったわ〜。』

 

楽兎『これもチノちゃんの成長のお陰ですよ。』

 

サキ『やっぱり、楽兎君がお兄ちゃんで良かったわ。』

 

楽兎『やっぱり照れますねぇ〜・・・あ、そうだ。』

 

サキ『ん?』

 

楽兎『サキさん、夢の中で稀に俺にだけ会えますよね?どうしてなんですか?』

 

サキ『楽兎君。それはね、あなたの部屋に飾ってある私の形見のタイタニックのボトルシップあるじゃない。』

 

楽兎『え?まさかその力で?』

 

サキ『そうなんじゃないかなぁ〜?私もよく分からないの。』

 

楽兎『・・・サキさん、チノちゃんやタカヒロさんにまた会いたくなりませんか?もし会いたいなら・・・』

 

サキ『その気持ちだけで充分よ。私は天国からあなた達を見守るのからね。でも・・・機会があったらまた会いたいわ。』

 

楽兎『・・・そうですか。』

 

 

 

 

 

 

数日後。楽兎とココアとチノが展望台に居た。

 

ココア「まさかあんな命令を下すなんて思ってなかったよ。」

 

楽兎「俺もだ。予想外の命令だったな。」

 

チノ「あれは、自分でもビックリしました。ココアさんの変な影響かも知れませんね。」

 

ココア「うぐっ!」

 

楽兎「ありえるな。それ。」

 

ココア「そ、それでもお姉ちゃんは嬉しいよ!」

 

楽兎「お兄ちゃんも嬉しいぞ?」

 

チノ「正直まだ実感が湧かないですし、新しい世界を知るのはちょっとだけ怖いです・・・」

 

ココア「そうだね。」

 

チノ「でも、皆さんと一緒に新しい景色を見たいって思ったんです。」

 

ココア「チノちゃん・・・」

 

チノ「こ、これも、変な影響でしょうか?」

 

ココア「多分ね!」

 

楽兎「ココアの影響受けまくりだね!」

 

チノ「リゼさん、千夜さん、シャロさん、マヤさんにメグさん、緑羽太さんにみくるさん。皆さんと遊んでると、色んな発見があって楽しいと思ったんです!だから。」

 

ココア「うん!私も!皆となら、何処だって楽しい場所になるよ!きっと!」

 

楽兎「俺達はこれからも、新しい思い出が作れるかもな。」

 

チノ「・・・この話は終わりです。帰りますよ。」

 

ココア「あー!待って!カレンダーにメモするから!」

 

チノ「全くもう。本当にしょうがないココアさんです。」

 

楽兎「そう言っても、チノちゃん内心嬉しいんじゃないの?」

 

チノ「べ、別にそんな事ありませんよ。」

 

楽兎「チノちゃんは成長したんだから、素直になっても良いんじゃないの?」

 

チノ「そんな事ありませんって。・・・でも、皆さんと私を繋ぎ合わせてくれたのは・・・」

 

ココア「出来た!」

 

楽兎・チノ「ん?」

 

ココア「チノちゃん新たな1歩記念日!」

 

携帯のカレンダーにチノの記念日を入れた。

 

楽兎「どんな記念日だよ。祝日でもないし。」

 

チノ「・・・ココアさん。」

 

ココア「ん?」

 

チノ「今の私は可笑しいので序でに言っておきます。飽く迄序でです。」

 

ココア「ん?」

 

チノ「あの・・・ありがとうございます!ココアさん!」

 

楽兎「よく言えたね。チノちゃん。」

 

これからも彼女達の日常は続いていく。

 

『THE END』




         キャスト

      綾部楽兎:斎藤壮馬

       ココア:佐倉綾音
        チノ:水瀬いのり
        リゼ:種田梨沙
        千夜:佐藤聡美
       シャロ:内田真礼
        マヤ:徳井青空
        メグ:村川梨衣
     茶度緑羽太:相葉裕樹
     鴨田みくる:三森すずこ
青山ブルーマウンテン:早見沙織
       真手凛:木村珠莉
     ティッピー:清川元夢
      タカヒロ:速水奨
        サキ:水樹奈々

        モカ:茅野愛衣
     ココアの母:皆口裕子
   ラミン・アサム:小林愛香
      綾部恵美:桑島法子
      リゼの父:東地宏樹
      茶度紅音:稗田寧々
     月野美未子:真堂圭
         客:峯田茉優
           所河ひとみ
           赤尾ひかる


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