リボーンの世界に呼ばれてしまいました ~小話~ (ちびっこ)
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第1話 (目次・注意事項)

初めに……

 

ここは「リボーンの世界に呼ばれてしまいました」の

リクエストなどを載せてる場所です

なので……本編?を知らないと全くわからないです

リクエストですけど半分ノリで書いてます

お気に召さない場合は私の力不足です……すみません……

リクエスト以外は私の気分で書いてます

 

そして、ここに載せてる作品は……

 

『『『激甘注意報!!!』』』が発令してます(笑)

 

本編?より……多分糖度が高いと私は思います……

苦手な方はUターンしてくださいね?

 

 

で、この1ページは注意事項と目次にさせていただきます

注意事項はこれですね

目次には……リクエスト内容……

何ページから何ページに載せてるか……

そして軽くいいわけを書きます

各話の最後にも必ず後書き(いいわけ)を書きますけどね

ノリで書いちゃったんで……いいわけの量が多いんです(笑)

では、この下が目次(予定)になります

 

 

 

 

 

 

 

1、

注意事項、目次

 

 

2~4、

リクエスト作品

『10年後の2人の絡みを見たい』

  未来編に出てきた未来のその後で書きました

  ちょっと大人の雰囲気あり?

  これは90パーセントノリで書きました……

 

 

5~7、

原作沿いの雲雀さんの誕生日

  主人公の誕生日のリクエストありまして

  主人公の誕生日を原作の流れで書いたので

  雲雀さんの誕生日も原作の流れで書いてみました

  主人公が中2の時の5月5日です

 

 

8~12、

リクエスト作品

『主人公の誕生日』

  未来編後を主人公の誕生日にしました

  詳しい日にちは決めてないです(笑)

 

 

13~17、

リクエスト作品      

『主人公がツナ君たちと

 どこかへ遊びに行って雲雀さんが乱入』

  時期は付き合う前

  ……乱入してないかも……(汗)

  私の力量ではこれが限度でした

  すみません……

 

 

18~21、

リクエスト作品

『ホワイトデー』

  特に詳しい希望はなかったため

  1年の時にみんなにあげたバレンタインチョコ

  (本編に書いた話)のお返し?をもらった話です

 

 

22~26、

リクエスト作品

『雲雀さん(現在)と主人公(10年後)の出会い』

  素直じゃない雲雀さんが大人の主人公にドキドキ?

  未来編後で……という……リクエストだったんで……

  10年バズーカで5分だけ入れ替わりにしたんです

  なので10年後の優視点と現在の優視点を両方書きました

  すると……問題が発生しました……

  10年後の雲雀さんが……甘すぎる!!(爆)

  暴走しちゃって現在の雲雀さんのドキドキ?が

  ものすごーく霞んでしまいました……すみません……

  この話は『激甘警報』なのでお気をつけください(笑)

 

 

27~33、

リクエスト作品

『学園祭』

  未来編後に学園祭的なものというリクエストですが……

  私の学園祭の記憶がかなり古いんです……(笑)

  いろいろツッコミ出来ると思いますけど許してください……

  内容を忘れてるので……王道?で書きました

 

 

34~37、

リクエスト作品

『ボンゴレ式修学旅行、来る!』

  優を絡めたバージョンのボンゴレ式修学旅行、来る!

  ということで……見ながら書きました。完全版?のほうです

  でも完全版に追加したのとあんまり絡めてないんですけどね

  見てないとわからないと思います……すみません……

 

 

38~42、

リクエスト作品

『学校にヴェント登場』

  時期は未来編後

  これは大変でした 駄文ですね

  ヴェント=バトルなので……(笑)

  珍しく甘さがない?です

 

 

43~46、

リクエスト作品

『酔っ払った優』

  マンガに出てきた未来の世界で書きました

  43、44はヴァリアーで。

  時期はヴェント活動禁止中の時

  45、46はボンゴレで。と言ってもツナ君です

  ちょっと獄寺君と雲雀さんが出ます

  みんなと絡ませるのは難しかったんです……

  これで勘弁してください……

  時期はヴェント活動休止前です

  ものすごいネタです。特にヴァリアー(笑)

  変にやりきった感が出ました!←えw

 

 

47~51、

クリスマス企画

『優が1年のときのクリスマスイブ』

  クリスマス企画とか言いながらイブの話w

  糖度は少ない方かな?

 

 

52~53、

エイプリルフール企画

『優のウソ』

  時期は主人公が中2の4月1日です

  ツナ君と雲雀さんの2パターンです

 

 

54、

一周年企画

『ハルのハルハルインタビュー デンジャラス』

  にじファンの時から数えて一周年たったので

  特別にアニメバージョンです

  ヴェントのインタビュー

 

 

55、

一周年企画 リクエスト作品

『優の日常』

  一周年企画のネタを悩んでいれば

  まさかのリクエストをしてくれました

  時期は風紀委員に入ってからということで付き合ってます

  悩んだ結果、付き合った次の日にしました

  日常っぽくなってない気がするww

 

 

56、

誕生日企画 リクエスト作品

『10年後の2人』

  10年後の2人のリクエストをもらったんですが

  ネタが思いつかなく誕生日と一緒に書きました

  しかし、いつものごとく……

  誕生日企画といいながら誕生日の日ではありません

  もう少し甘くしようと思ったんですが難しかったです

 

 

57、

リクエスト作品

『デザートにパイナップルを用意して骸をからかう』

  残念ながらクロームちゃんは出番なしになりました

  クロームちゃんがいる場所でパイナッポーネタで

  からかう勇気が主人公にはないので……w

  時期は継承式編が終わって

  雲雀さんが骸を咬み殺すために黒曜中に行くまでの間

  ちなみに雲雀さんが出ませんので糖度0です

 

 

58、

リクエスト作品

『ベルと優の絡みを見たい』

  時期は未来から帰ってからヴァリーアーに行った時です

  VSヴァリアー編の時より苦手じゃない雰囲気になってます

  でもベルにあまり絡んでない気がします……

  雲雀さんは当然出ませんので今回も糖度0です

 

 

59~63

『学校』

  本編終了後に読んでください

  ネタバレが含まれてます

 

64~67

『拉致』

  本編終了後に読んでください

  ネタバレが含まれてます

 

 

68、69

『パイナッポー』

  本編終了後に読んでください

  ネタバレが含まれています

 

 

70

七夕企画、リクエスト作品

『本編終了後の甘い二人』

  私の中では激甘です

  久しぶりに書いた気がするww

 

 

71

『苦いクッキー』

  本編終了後の2人です

  69話から1ヶ月後ぐらいかな?

  あまーぐらいと予想。ちょっと苦味もあります

 

 

72

『約束通り海に出かけて……』

  本編終了後に読んだほうがいいかも?

  妖怪づかいツナを書くための肩慣らし?で書きました

  久しぶりに書いたのに甘いww

 

 

73~85

ハロウィン企画

『妖怪づかいツナ』

  原作崩壊します。ヒバリンやばいです

  注意事項があるので必ず読んでください

 

 

86

『ガマン』

  本編終了後に読んでください

  ネタバレが含まれてます。

  「R15」で雲雀さん視点です。

 

87

『紙切れ一枚』

  時期系列は未来編開始前です。

  詳しく言えば、優がボスのユニちゃんを発見したぐらい。

  つまりミルフィオーレ結成前ですね。

  三人称で大人雲雀さん視点よりで書きました。

  「R15」です。

 

88~89

『2人の未来』

  87話を書いた結果、続きを書きたくなりました。

  時期は未来の2人が未来編が終わり落ち着いたころです。

  途中で「R15」っぽい言葉が出てきます。

 

 

90~

『未来のお話』

  本編の2人の未来を書きました。




ハーメルン様では、リクエストは感想ではなく、メッセージや活動報告にお願いしますね。


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第2話

タイトルはカットします
アットノベルス様ではないのでつけるのが難しく……
それにリクエスト作品が多いのでタイトルがつけにくいんです
面倒かもしれませんが目次を見てください


なるほど……過去から来た私は大変だったみたいだね

過去から来た私が特殊能力のこととかを話して

私とずれると困ると思ったから黙ってたけど……

まさかみんなにデメリットまで話すとは思わなかったなぁ……

 

「恭弥さん」

 

「なに」

 

「……ごめんなさい」

 

「どうしたの」

 

「今までずっと黙ってたことがあって……

 過去から来た私は

 みんなに話しちゃったみたいなので……」

 

「……ふぅん

 僕はまだ知らないのに?」

 

……怒ってる!!!

 

「あの……その……」

 

「はぁ……話して」

 

「はい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……沈黙が長い

 

「……優」

 

「はい……」

 

「反動で眠くなるんだね」

 

「……そうです」

 

「いつ気付いたの」

 

「えっと……リング戦の後……」

 

「ふぅん

 体調が悪いって言って寝てたのは

 特殊能力の反動だったんだ」

 

「……そうです

 ユニちゃんに会いに行ってて……

 その反動で……」

 

「ふぅん」

 

「あ……でも……」

 

「なに」

 

「恭弥さんがいるから使えました……」

 

「……どういうこと」

 

「元々精神世界に行けるのは……

 お師匠さんの能力のおかげなので……

 実は疲れやすいんですよね……」

 

過去から来た私は

まだ気付いてないと思うけどね

私にはそんな能力ないから疲れるんだよ

1日1時間で本当に良かったんだよね

リング戦の時に朝から相手してもらった日は

恭弥さんとディーノさんが戦ってる時に昼寝しちゃったしね

 

「疲れるのに特殊能力使ってさらに疲れてたんだね」

 

……怒ってる!!

さらに声が小さくなったもん!!

 

「……そうです

 回復するのは精神状態によってかわるんですよ……」

 

「へぇ」

 

「恭弥さんが近くにいないと……

 私は多分1日中寝込むことになるんですよ

 恭弥さんがいると……半分ぐらいで済むんです……

 安心するので……」

 

 

 

 

 

 

 

うぅ……沈黙が怖い……

いつまでたってもこの沈黙は怖い……

 

ぐいっ

 

「きゃ!」

 

ぎゅ……

 

こ、これはもしかして……

 

「恭弥さん……?///」

 

「もうそれを使わないでね」

 

やっぱり許してくれたみたい!!

 

「そのつもりです

 相性関係なく相手の精神世界に行くのは

 相手の精神が壊れる可能性がありますので……

 もし……使うときは先に恭弥さんに言います」

 

「……わかった」

 

「はい!……んっ」

 

 

 

はふ……///

いつも思うけど恭弥さんはうますぎる……

私の反応を見て攻めてくるし……

 

「手加減しないよ」

 

「え……」

 

「言ったよね

 覚悟してって」

 

「で……でも……///」

 

手加減してくれないと困るよーーー///

次の日が死んじゃう……

 

「僕まだ怒ってるんだけど」

 

「……わかりました」

 

うぅ……自業自得だね……

 

「優」

 

「なんですか?」

 

「もう隠し事ないよね」

 

「……た……多分……」

 

トン

 

ドサッ

 

あ、肩を押されて倒れてしまった

これはやばい

ここはベッドだし……

 

「僕の目を見て言ってね」

 

そんな目で見ないでーーー!!!

心臓が……おかしくなる……///

 

「た、多分……大丈夫と思います……///

 話せない内容以外は話したつもりです///」

 

「わかった」

 

「はい///」

 

「顔が真っ赤だよ」

 

「……それはしょうがないです///

 私の弱点はいつまでたっても……

 変わらないんですもん……///」

 

あ……笑った……///

 

「今から優の弱点を全部教えてもらうよ」

 

や、やばい……

なんか最大級の危険が迫ってる気がする……!

 

「ひゃ///」

 

み……耳が……///

 

「逃がさないよ」

 

あ……もう絶対逃げれないや……

 




10年間黙ってたんでね
恐ろしいことになるという話ですw
……ウソですw
10年たっても敵いませんという話のつもりで書きましたw
主人公は10年たっても雲雀さんの前では一緒ですw


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第3話

「ん……」

 

「おはよう」

 

「……おはようございます」

 

今何時だろう……

え!?うそぉ!もうこんな時間!?

 

「す、すみません……急いで作りますね」

 

「優はゆっくりしときなよ

 僕が作るよ」

 

「え……でも……」

 

「すぐ起き上がれるの?」

 

「……か、風を使えば……」

 

「そこまでして作らなくていい」

 

「で、でも……恭弥さん……

 私が起きるのを待ってたんじゃ……」

 

「寝顔を見てたかっただけだよ」

 

む、昔はこんなにストレートに言わなかったのに///

あ……笑った……///

……ダメじゃん!

 

「やっぱり私が作ります!

 恭弥さん怪我してるんですよ!!」

 

顔の怪我を見て思い出すなんて……

忘れてたことに自己嫌悪に陥るよ……

 

「ふーん

 僕が元気ってこともう忘れたんだね

 あれだけじゃわからないんだ」

 

カアアアァ……///

 

自分の顔が……真っ赤になったのがわかった……

うー……笑ってる!!

 

「今日はこれぐらいで許してあげるよ」

 

た、助かった……

 

「大人しくしてるんだよ」

 

うわー……ほっぺに……///

 

「は、はい……///」

 

10年前から来た私……

本当に大丈夫だったのかな……?

説明するのは最低でも1日たってからするように

恭弥さんに頼んだけど絶対大変だったと思う……

だってキャラが違いすぎるもん!!

 

多分会った瞬間に原作のイメージが崩れたと思う……

ガラガラと音をたてて崩れるぐらい衝撃的だっただろうなー

ずっと一緒にいた私が振り回されて遊ばれてるんだよ!!

10年前の私なんて……

 

・・・・・

 

うん……なんかゴメンね

過去から来た私に謝りたくなったよ

……取りあえず起きよう……

 

 

 

 

 

 

 

「……大人しくしてるように言ったよね?」

 

「え!? 大人しくしてましたよ?

 スーツに着替えただけですしー」

 

「どうしてスーツなの」

 

「その……特殊能力のことを黙ってたんでね

 ツナ君に報告しに行こうかと……」

 

今まで黙ってたから怒られるだろうなー

でも怒られるのはまだいい方だよねー

まっすぐな目でお願いされる時の方が堪えるし……

……頑張ろう

 

「ダメだよ」

 

「……へ?」

 

「今日は大人しくしてること」

 

「え……でも……」

 

「……少し無理させたからね

 今日は大人しくすること」

 

うぅ……なんか甘やかされてる気がする……

 

「約束ね」

 

「……はい」

 

 

 

 

 

 

美味しかった♪

この食べた余韻がいいんだよねー

 

「恭弥さん」

 

「なに」

 

「これからどうするつもりですか?」

 

「もう少し並盛にいるよ」

 

「それもそうですねー

 まだ少し風紀が心配ですよね」

 

「そうだよ

 それに今リングがないからね

 少し考えないといけない」

 

「んー私が奪ってきましょうか?」

 

私を狙ってる人から奪えばいいしー

 

「ダメだよ」

 

……即答しなくても……

 

「優は強力なリングを持ってないんだ

 何かあったらどうするの?」

 

「……恭弥さんが普段使ってた

 リングよりいいんですけど……」

 

Bランクのリングを使ってるし……

 

「僕がリングを持つまでは許可できない」

 

……そこまで心配しなくても……

まぁ元々風のリングは貴重だからね……

リングを使い捨てに出来ないもんねー

まぁ貴重になってるのは……

本当に私以外に使える人がいないのか

調べてるためにマフィアが持ってるのもあるし

私を捕まえるためには強力な風のリングは

私が手に入れないようするために

いろんなところが手を回してるんだよねー……

でも……私って……

 

「Aランクのリングを持ってるので

 もしもの時に使えますし……」

 

う……言ったら機嫌が悪くなった……

事実を言っただけなのに……!

まぁヴァリアーから渡されたリングだもんね……

このリングをつける時はヴァリアーと行動する時だし……

それに……ヴェントの活動を再開するから

呼び出しがかなり増えるんだろうなー

活動してないって言ってるのに

たまにベルさんが拉致しに来たしね……

それもちゃんと術士を連れて来る対策をして……

ってか、なんで私の居場所がわかるんだろ?

王子の勘なのかな?

恭弥さんとイタリアに行ったときは必ず見つかるんだよねー

バトルを止める私の苦労を少しは考えてほしい……

 

「優」

 

「はい?」

 

な、なんか……今……嫌な笑いをしなかった!?

 

「……恭弥さん?……ん///」

 

 

 

 

 

はふ……///

恭弥さんの肩にもたれかかって少し休もう……

 

「しばらく優を大人しくさせることに決めた

 勝手に外に出そうだしね」

 

「え……?」

 

ふわっ

 

!?

もたれてたから抱きやすかったと思う

それでも簡単に持ち上げすぎだよ!!

 

「恭弥さん!?」

 

スタスタスタ……

 

む、無視!?

歩くのを止める気配がない!?

 

「今日は大人しくするようにって

 恭弥さんが言ったんですよ!?」

 

ぜ、全然聞いてないよーーー!!!!

 




主人公が1番の被害者という話w
雲雀さんはすごい学校ラブなんでねー
もし……もし恋愛方向に行くと……
これは普通にありえそうで怖いですねw
……私には絶対無理だwwww


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第4話

……全部私が悪いんだよね?

ユニちゃんに会いに行ったから体調悪くて

寝込んでたからずっと我慢させて……

過去からの私のために我慢したのがきっかけだよね……?

 

……うん

恭弥さんに我慢はさせていけないことがわかった

元々恭弥さんに我慢させることが間違いなんだよね

身に沁みたから……

草壁さん同情するような目で見ないでください……

ちょっと泣きたくなるんで……グスッ

 

「風早さん私がしますので……」

 

「大丈夫ですよ

 少しだけでも動きたいんです」

 

毎日寝てるのは辛いのー!!

掃除をするぐらいは動きたいのーー!!

 

「……わかりました」

 

うぅ……やっぱり草壁さんは大人だよ……

歩けないから風で浮いて移動してるのに

動けてないっていうツッコミを入れない……

 

「……何してるの」

 

「あ……おかえりなさい……」

 

見つかっちゃった……

 

「何してるの」

 

「ごめんなさい……

 ちょっと動きたくて……」

 

うぅ……怒ってるかも……

でもずっと寝るのも辛いんです……

 

「怒ってないから顔あげなよ」

 

ほ、本当かな……?

……信じて顔をあげるよ?

これで不機嫌な顔とか嫌だよ!

あ……優しい顔だ……

 

「外はどんな感じでした……?」

 

「過去から来た優が囮になってた効果が出てたよ

 少ししかいなかった」

 

あ……やっぱりまだいるんだ……

 

「大丈夫だよ

 本当に気付かないぐらいだったよ」

 

「そうですか……」

 

いつ風紀が戻るのかな……

 

「それに僕の欲しい物もあったからね」

 

「へ?」

 

……リングじゃないですか……

まぁあんまり良くなさそうだけどね

でも……恭弥さん……リング持ってないのに……

咬み殺せちゃったんですね……

 

恭弥さんだったら

匣兵器を出す前に倒せる可能性あるもんね

まぁ普通はそんな危険なことしないけどね

強敵だったら終わりだしね……

 

「よく怪我しなかったですね……」

 

「群れていたから咬み殺せば当たりだった」

 

……それも複数だったんだ

気付かないっていう意味がわかったよ

あまりにも動きが素人過ぎてマフィアと思わなかったんだ

つまりここにはいないと思うけど

念のために下っ端に探させてたっていうレベルか……

 

それにしても……恭弥さんの運がいいのか……

相手の運が悪すぎるのかわからない……

うん……深く考えるのは止めよう……

 

「疲れたでしょ?

 先にお風呂入ります?」

 

「そうだね」

 

 

 

 

 

 

……なんか久しぶりにゆっくりしてるね

いや、私はずっと寝てたからゆっくりしてたけどね

でも恭弥さんにお酒を注ぐのは久しぶりだし……

 

「やっぱり違う」

 

「へ?」

 

「過去から来た優は

 お酒を注ぐのが初めてだったみたい」

 

そうだろうねー

過去から来た私がしたことあるわけないよ

まぁXANXUSさんにしていたらわからないけどね

 

「ふふ

 そんなに慣れてなかったんですか?」

 

わざわざ言ったってことはそうだよね?

 

「そうだね

 必死に入れてたよ」

 

あーその光景が目に浮かぶよ

大人の色気たっぷりの恭弥さんに

お酒を注ぐのはものすごく緊張しただろうなー

 

「それは面白かったんでしょうね」

 

「かわいかったよ」

 

う……なんか過去の自分に言われると変な気分だ……

 

「優も飲むかい?」

 

「え!? いいんですか?」

 

「いいよ」

 

わーい♪久しぶりのお酒だー♪

 

「でも一気に飲んじゃダメだよ」

 

「わかってます!」

 

もう学習したもん!

 

「優はお酒の失敗が多いからね」

 

う……

 

「すぐ寝ちゃう時はいいけど

 それ以外の時は大変だからね」

 

うぅ……

 

「それも覚えてないしね」

 

うぅぅ……

 

「僕がいないところでは飲んじゃダメ

 って言ったのに飲んだことあるしね」

 

……恭弥さんがいじめる……(泣)

 

「いじめてないよ

 事実を言っただけだよ」

 

……何も言ってないのに……

 

「で、でも……私も飲むつもりはなかったんです……

 お酒入ってるのに気付かなかったんですもん!」

 

「わかってるよ

 優は僕との約束やぶらないからね」

 

「そうですー」

 

ムー!ムー!

ほっぺた膨らましてすねてやるーー!!

 

「すねないの」

 

ほっぺたつままれて空気が抜けた!!

ムー!!

じゃぁ今度は口を尖らせよう!!

 

「まぁだけど……

 優がここまでわかりやすく

 感情を見せるようになったのはいいことだよね」

 

へ?どういうこと?

 

「過去から来た優を見て思ったよ

 見ていられなかった

 過去の僕がしないと意味がないことを

 僕がしてしまいそうだった」

 

「……そうですか」

 

「からかうとすぐ反応するけど

 肝心なことは一切言わないし態度に出そうとしない

 そして溜め込んで結局耐え切れなくなって泣くんだ

 僕はそんなに頼りにならないのかって思ったよ

 今の僕は過去から来た優より10歳年上なのにね」

 

「……違いますよ」

 

「?」

 

「……甘えかたがわからないんです

 一言いうだけでも……楽になるのにね……

 それがわからなくて溜めて泣くしか出来ないんです

 泣けば恭弥さんが気付いて慰めてくれるから……

 そうやって甘えるしか出来ないんです」

 

「そう……」

 

「でももう大丈夫ですよ」

 

「……そうだね

 あれから優も泣く数が減ったからね」

 

「はい」

 

「……少し飲むペース速い」

 

「大丈夫ですー」

 

パッ

 

「あー!」

 

取り上げられたーー!!

私のお酒ーー!!

 

「おあずけ」

 

うー睨んでやる!!

 

「怒ってもかわいいから意味ないよ」

 

////

……私が態度とか出るようになったのは……

恭弥さんがはっきり言うようになったからな気がしてきた……///

 




過去から来た主人公を見て雲雀さんが思ってたことでした
10年後の雲雀さんは知らないですけど
雲雀さんのおかげで実は過去から来た雲雀さんに聞く前に
少し甘えれるようになっています
まぁビミョーな違いなのでわかりにくかったと思いますけどねw

これで10年後の優と雲雀さんの絡みは終わりです
次は雲雀さんの誕生日です!といっても……
最初の1話は雲雀さんの誕生日じゃないですけどねw


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第5話

うわーここが京子ちゃんの家かー

 

「あんた初めてだった?」

 

「うん

 いつも花の家じゃない?」

 

「そういえば優と遊ぶ時はいつも私の家だったわね」

 

「そうだよー」

 

ピンポーン

 

……花はちゃんとチャイムを鳴らすね

良かったよ……

 

 

 

 

 

 

あれ?ハルちゃんがいてるねー

遊んでたのかな?

 

「はひ! 優ちゃんじゃないですかー!」

 

「久しぶり?

 あれ? でもこの前も会ったよね?」

 

「そうですよー」

 

「あんたたちも仲良いの?」

 

「「うん」」

 

「で、何話してたのよ」

 

 

 

 

 

あーハルハルインタビューしてたのね

……本当にこれやってたんだ……(笑)

 

「ハハハ! あんた達だけで

 大人の話になるわけないでしょー?」

 

「「なんで?」」

 

私は花の意見に賛成だねー

私達にはまだ早いもん

 

「だってあんた達、精神的にまだ子どもだもん

 女同士でキャッキャやってるのが一番楽しいんだからさ」

 

「そうそうー」

 

「優ちゃんも同じ意見ですか……

 じゃぁ大人っぽい話ってどんなのですか?」

 

「ん? 優を見ればわかんない?」

 

「「「え?」」」

 

「……なんで優もビックリしてんのよ

 この中で一番進んでるじゃない」

 

いやいやいや……何も無いって……

 

「そうだったんですか!?」

 

「そうだったんだね!」

 

「ごめん……

 全く心当たりないんだけど……」

 

「はぁ……雲雀恭弥といい感じじゃない」

 

「えー!! 違う違う違う!!

 一体何を勘違いしてるの!?」

 

なんつー恐ろしいこと言うんだ……

 

「はひ! ヒバリさんですか?」

 

「あれ? ハルちゃん知ってるの?」

 

京子ちゃんの疑問はわかる……

私も知ってると思わなかったよ

ハルちゃんと雲雀先輩って接点あったんだー

 

「はい! この前インタビューしました!」

 

「ハル……すごいわね

 インタビュー魂かしら……」

 

「はひ?」

 

……確かにすごいね……

まぁハルちゃんの様子を見ると

雲雀先輩の恐ろしさを知らなさそうだけどね

んー雲雀先輩のインタビューか……

 

「……ちょっと内容知りたいな」

 

……なんか花がニヤニヤしてるのが嫌だ……

 

「いいですよー」

 

あ、きれいにファイルしてるんだー

 

パラッ

 

「…………何コレ

 誕生日ぐらいしかわかってないじゃないの」

 

へぇ

5月5日なんだー

……雲雀先輩の写真だ

 

「それが覚えてないって言われたんです!

 まじめに答えてくれなかったんです!」

 

「……ハルちゃん……

 多分……本当に覚えてないと思うよ……」

 

「そうなんですか!?」

 

「……うん

 興味ないことは覚えてないんだ……」

 

「そうだったんですか……」

 

「あんたの方がわかるんじゃないの?」

 

「私だって……詳しく知らないよ……」

 

「でも優ちゃんとは仲いいよね?」

 

……京子ちゃんも勘違いしないでよ

 

「仲良くないと思うけど……」

 

「あんたが膝枕してたって噂はどう説明するのよ」

 

「はひ! 大人の女性がいました!///」

 

大人じゃないってツッコミしたいけど……その前に……

 

「ちょっと待って!!

 そんな噂とかたってるの……?」

 

「「うん」」

 

……京子ちゃんまで知ってるのーーー!?

 

「まぁ半信半疑って感じよ」

 

「……良かった」

 

「で、実際どうなのよ」

 

「あれは枕がほしいだけだよ……

 昼寝するたびに呼び出しされるだけだし……」

 

「そう

 わざわざあんたを呼ぶんだね」

 

何その笑みはーーー!!

 

「ほ、他には何かありますか!!」

 

え……変な方向にインタビューになってるよ……

 

「何もないって……

 ご飯食べに来るから作ってるぐらいだけだし……」

 

「そんなことまでしてたの!?」

 

「だってお腹すいたから早く作って

 って言われたら作るしかないよ!?

 花だって雲雀先輩に言われたら作るでしょ!!」

 

「……まぁそうね」

 

「はひ? 何でですか?」

 

「……怒らせるとまずい人なんだよ」

 

あ、京子ちゃんまでうなずいたよ(笑)

 

「ハル! 今度会うときは気をつけなさいよ!

 怒らせるとどうなるかわからないからね!

 わかった? 京子もね!」

 

「うん」

「大丈夫ですよー!」

 

あ、雲雀先輩のことを

知ってるか知らないかで差が出たねー

京子ちゃんも大丈夫だよとかいいそうなのにねー

 

「ハルちゃん……あのね……

 雲雀先輩にこの町で出来ないことはない

 って思ったほうがいいからね……」

 

「優ちゃんなんの冗談ですかー」

 

しょうがない……

 

「教えてないのに電話番号を知ってたり

 勝手に合い鍵持ってたりするんだよ……

 朝起きたらリビングに普通にいてたりするんだよ!?

 もう私はいろいろ聞くのをやめた……」

 

「ぷっ! あははは

 そんなことできるわけないじゃないですかー!」

「「…………」」

 

……京子ちゃんと花にビミョーな顔された……

 

「出来るんだって……

 引っ越してきてからケイタイ買って

 まだツナ君にしか教えてないのに知ってたんだよ……」

 

「ツナさんが教えたんじゃないですか?」

 

「その時はツナ君と雲雀先輩が

 話したことも無かったのに……?」

 

「…………デンジャラスな人です!!」

 

だからさっきから言ってるじゃん……

 

「ハルちゃんにわかってもらえたし……

 話かえようか……」

 

このまま話していけば私が立ち直れない気がする

 

「「「……うん」」」

 

「で、では……気を取り直して

 誕生日と血液型教えてください!」

 

あー……そうだった

 

「私は4月20日牡羊座のA型よ!」

 

「私は3月4日の魚座のO型です!」

 

「えっと……わたs……ごめん……

 電話に出てもいいかな……?」

 

話してる途中で鳴らないでよね……

 

「「「……うん」」」

 

「もしもし……?」

 

『今すぐ学校来てね』

 

ブチッ

 

切られた……!

 

「……ごめん!

 今すぐ学校行かないといけなくなった!

 ま、またね!!」

 

うーーみんなと遊んでたのにーー!!

あ!制服に着替えないといけないよね!?

急がないと……!!

 

ダダダダ……

 

「あの2人……絶対付き合うことになるわ……

 優が逃げれるわけないと思うし……」

 

「「?」」

 

「あんた達は子どもすぎよ!

 ま 優も気付いてないと思うけどね……」

 




主人公が雲雀さんの誕生を知った日を書きました
詳しくわかりませんけど……
これは主人公が1年生の3月ぐらいの時かなー?
花とハルちゃんが出会ってないとおかしいので
5巻以降なのは確実になりますからねー
なので……バレンタインが過ぎてるので……
ちょっと雲雀さんのことが気になってますw
まぁ無自覚ですけどね


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第6話

うーん……ここにもいないかー

今日は学校休みだけど雲雀先輩はいると思ったのにー

見回りでもしてるのかなぁ……

それとも……特別な用事あるのかも……

 

……そうだよねー

今日は大事な日だよねー

まぁ用がなかったら来るよね?

本いっぱい持ってきたし

ここで読みながら待っておこうかな?

 

 

 

 

 

 

 

プルルルル……

 

「?」

 

僕からの電話に出ないとは珍しいね

気付いてすぐ慌ててかけてくる姿が目に浮かぶよ

 

 

 

 

 

 

 

はぁ……来ないなー……

うーん……電話しようかな?

でも特別な用だったら嫌だし……

もう少し待ってみよう!

まだ本があるしねー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ

 

……いない

 

「はぁ……困った子だね……」

 

忘れて出かけるとケイタイの意味がないよ……

……冷蔵庫に下ごしらえしたものがあるね

何か忘れて慌てて買いに行った……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『いい加減にしないと風邪ひくぞ……』

 

神様ありがとー

でも大丈夫だよ

 

『……もう遅い

 あきらめろよ』

 

じゃぁ……後30分……

 

『……さっきからずっと同じことを言ってるぞ』

 

……気のせい

 

『気のせいじゃないだろ……

 せめて電話しろって言っても無理か……

 オレが何度もケイタイをとりに行けって言ったのに……』

 

だって……取りに帰ってる途中で……

すれ違ったら嫌だったんだもん……

時計はここから見えるから問題ないし……

 

『はぁ……』

 

それに電話かけちゃ……迷惑かも知れないし……

私がここで待つのは迷惑かけないし……

 

『……後30分だけだぞ

 30分過ぎたら帰れ

 もう遅い、このままだと風邪引くからな

 約束だぞ』

 

……はぁい

 

『(はぁ……これで無自覚なのか……)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンポーン

 

「ツッ君ー!

 今、手が離せないのー!」

 

「えー……」

 

オレこの休み全然遊べてねーのに……

人使い荒すぎだっつーの……

 

ガチャ

 

「はぁーい……ヒ、ヒバリさん!?

 な、なんでーーー!?」

 

それにヒバリさんがチャイムを鳴らしたーー!?

そういえばオレの部屋は雨戸を閉めたままだった……

 

「……うるさい」

 

か、咬み殺されるーー!?

 

「す、すみません!!

 どうかしたんですか……?」

 

またリボーンがなにかヒバリさんに言ったんじゃ……

 

「……風早優 知らない?」

 

「え? 優ですか?

 オレ……旅行に行ってて

 この休みはずっと会ってないですけど……」

 

「そう」

 

「優に何かあったんですか?」

 

「君には関係ないよ」

 

「で、でも……」

 

「……最低でも2時から

 どこに行ったのかわからない」

 

「ええ!?

 そ、そういえば京子ちゃんとハルに会った時に

 優は用事があるから遊べなかったって言ってたような……」

 

「……へぇ」

 

「でも……もう8時過ぎてるし……

 優はオレ達と遊ぶ時は遅くなる前に絶対帰るし……」

 

優は1人暮らしだからすることいっぱいあるから……

 

「ケ、ケイタイは……!」

 

「家にあった」

 

「……そうですか」

 

あれ?何で家にあるの知ってるんだろ?

い、いやそんなことより優だよ!

 

「オレ……探します!」

 

「いらない」

 

「で、でも……」

 

「風紀委員を使ったほうがはやいからね

 ……君に連絡するように言うよ」

 

「は……はい……」

 

優……大丈夫かな……

 

 

 

 

 

 

「君! そこで何してる!」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

「……風早さんでしたか……すみません」

 

あ、草壁さんだったんだ……

 

「私のほうこそ……すみません……」

 

「……どうかしたんですか?

 もう遅い時間ですし……」

 

「あ……なんでもないです……

 えっと……もう学校閉まります?」

 

「……はい

 今日のお昼から委員長は用事があるらしく……

 私が学校の戸締りを……」

 

あ……用事あったんだ……

そっか……やっぱりそうだよね……

 

「……委員長に用事ですか?」

 

「……すみません!

 戸締りするんですよね? すぐ帰りますね!」

 

「……もう遅いですしお送りしますよ」

 

あ……何も聞かないでくれた……

 

「大丈夫ですよー

 家が近いんでね」

 

「いいえ

 何かあってからでは遅いので……」

 

……草壁さんって心配性だったんだ

 

「じゃぁ……今日はお言葉に甘えます!

 お願いします!」

 

「はい

 少し中で待っててください

 すぐ終わりますので……」

 

「ありがとうございます

 ゆっくりで大丈夫ですからね?」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

……まだ帰ってない

 

プルルル……

 

『お疲れ様です! 委員長!』

 

「風紀委員を今すぐ集めて」

 

『は、はい!』

 

「頼んだよ」

 

『お、お待ちください!

 委員長!!』

 

「……なに」

 

『すみません……

 今すぐ集合はかけますが……私だけ……

 少しばかり遅れてもよろしいでしょうか……?』

 

「……君……本気で言ってるの?」

 

『……申し訳ございません

 先に風早さんをお送りするべきかと思い……』

 

「どこにいるの」

 

『……学校ですが……』

 

今までずっと学校にいた……?

 

「何してたの」

 

『私も先ほどお会いしまして……

 応接室の前にいたことしか……』

 

応接室の前?

 

「……わかった

 もう集合かけなくていいよ」

 

『……わかりました

 彼女は今、応接室にいます』

 

「そう」

 




今回はすれ違いでした
なので……次が甘いです
それにしても草壁さんはいい仕事をしましたw


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第7話

はぁ……会えなかったなぁ……

いつもここに座ってるのにね……

 

ガチャ

 

ん?扉があいたよね

あ、草壁さんか……

 

「お疲れ様です

 戸締りは終わりました?」

 

あれ?返事がない?

 

「どうかしま……」

 

……なんで……草壁さんが連絡した……?

 

「君 何してたの?」

 

「草壁さんから何か聞きました?

 違いますよー?

 学校に忘れ物があったので

 ちょっと取りに来ただけですよ?」

 

「……明日から学校なのに?」

 

「宿題にどうしても必要だったんですよー

 今日、家でしてたんですけどー

 やっぱり無いと困っちゃって……

 遅い時間ですけど取りに来たんですよー」

 

「ふぅん」

 

「雲雀先輩は今日は用事って聞きましたけど……

 終わったんですか?」

 

「君には関係ないよ」

 

……そうだよね

関係……ないよね……

 

「……ごめんなさい

 帰りますね!!」

 

「……草壁が送るって聞いたけど?」

 

「心配してくれただけですよー

 走って帰るので大丈夫ですって

 伝えといてもらえませんか?」

 

「いやだ」

 

「……そうですね

 すみません……

 じゃぁ廊下で待ってますね!」

 

「ここにいればいいよ

 この時期の夜に廊下はまだ寒いからね」

 

「そんなに寒くないですよ?」

 

「へぇ 知ってるんだ」

 

あ……しまった……

 

「ちょ……ちょっとこの前……

 廊下で待ってたことがあって……」

 

「6時間以上も?」

 

な、なんで知ってるの……?

 

ガシッ

 

え……?

手をつかまれない……?

 

「……君はウソつきだね

 冷たくなってるよ」

 

「……どうして……ばれたんですか……?」

 

私……騙せたと思ったのに……

 

「ケイタイ……家に忘れてたよね?」

 

「あ、はい」

 

「2時ごろにかけた」

 

「え? そうだったんですか?」

 

「そうだよ

 君から連絡が無いし夕方に家に行ったんだ

 じゃぁ君がいなかった」

 

「……それは……ばれますね……」

 

家で宿題してたって言ったからね……

 

「そうだね」

 

「私に何か用事だったんですか?」

 

「……君もあったよね

 はやくいいなよ」

 

「……雲雀先輩からで……」

 

「いやだ」

 

「……今日……私の家で……

 晩ご飯を食べませんかって誘うかと……」

 

「……電話で済むよね?」

 

「……雲雀先輩……今日……

 特別な用事があるかも知れないから……

 電話しちゃダメかなって……」

 

「……特別な用事?」

 

「今日……誕生日ですよね……?」

 

「どうして知ってるの」

 

「えっと……緑中の女の子が

 インタビューしに来ませんでした……?

 その子に教えてもらったんです……

 雲雀先輩の誕生日……」

 

「……ああ

 赤ん坊が連れてきた人ね」

 

「……それだと思います

 大事な日だから……用事あるかも知れないし……

 なかったら……学校に来ると思って……」

 

「……それでずっと待ってたのかい?

 ケイタイを取りに戻らずに?」

 

「……帰ったりすれば……

 雲雀先輩が来る気がして……」

 

「はぁ……」

 

「でも……やっぱりそうでした」

 

「なにが」

 

「草壁さんに止めらたから今いるんです……

 だから帰ったら会えなかったと思って……」

 

「……帰っても会えたよ」

 

「へ?」

 

「夕方に君の家に行ったって言ったよね?」

 

「はい……?」

 

「ずっと待ってた」

 

「……そっか

 私……バカでしたね……」

 

神様の言うとおり取りに帰れば良かったんだ……

 

「そうだね」

 

パッ

 

あ……ずっと手を握ってたんだ……

…………////

な、なんか恥ずかしい……///

 

すぅー……

 

え!え!ええええ!?

い、今……く、口に……/////

 

「……やっぱり寒かったんだね

 冷たかったよ」

 

……手で触って……確かめたの……?////

 

「だ、大丈夫です!////

 治りました!!////」

 

か、顔がすごく熱いもん///

 

「……僕……誕生日だし……

 いい思いしてもいいよね?」

 

ん?いい思い?

 

「あ、はい!

 今日の晩ご飯は豪華ですよ!!」

 

あれ……?

雲雀先輩が動きが止まったような……

 

「あ、あの……もしかして……

 もう食べました……?」

 

待ってる間に……食べたのかな……

でも……しょうがないよね……

せっかく用意してのに意味がなかったなぁ……

 

「……帰るよ

 僕 お腹すいた」

 

良かったーー!!

 

「はい!」

 




激甘注意報レベルと思う……
注意報というには糖度が足りなかったかな?
自分ではもう感覚がわかりませんww

これで雲雀さんの誕生日は終わりです
次は主人公の誕生日です


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第8話

書類が多いとしんどいけど……

雲雀先輩と一緒に帰れるのが嬉しいんだよねー

わざわざ途中で送ってもらうのは嫌だけど

遅くまで一緒に頑張った時は好きなんだよね♪

 

「優」

 

「なんですか?」

 

「明日の放課後の予定は?」

 

ん?明日?

予定を聞くなんて珍しいね

 

「そうですねー

 冷蔵庫がそろそろ空っぽなので

 買い物に行こうと思ってます」

 

「……なにそれ」

 

「え!? 大事なことですよ!!」

 

私のご飯!!

 

「……それは明日じゃないとダメなの?」

 

ん?明日に何かあるのかな?

 

「後1日ぐらいは大丈夫なので

 買い物は明後日でも大丈夫ですよ?」

 

「そう

 明日あけといてね」

 

「いいですけど……何か用事ですか?」

 

「……僕の誕生日は覚えてるのに

 自分の誕生日は忘れるんだね」

 

「あ……言われて見れば明日ですね」

 

というか……誰にも言ってないのにね

あ、入学手続きの書類か……

 

「興味なさそうだね」

 

「そうですねー

 自分の誕生日は全く興味ないです」

 

「どうして?」

 

「んーヒミツです」

 

「優」

 

……言いたくないなー

 

「僕を無視するとはいい度胸だね」

 

はぁ……

 

「無視してすみませんでした

 今日は送ってくれてありがとうございました

 ではまた明日学校で」

 

ガシッ

 

うーん……腕が捕まったか……

やっぱり無理だったねー

こういう日は必ず一緒にご飯を食べるもんね

 

「ご飯食べていきますか?」

 

「当たり前だよ」

 

 

 

んー……空気が悪い……

まぁ原因は私なんだけどね

さっさとキッチンに逃げよう(笑)

 

「優」

 

行かせてよーー

 

「なんですか?」

 

「今日泊まるからね」

 

「わかりましたー

 ご飯作ってる間にお風呂入りますか?」

 

「そうだね」

 

あ……しまった!!

食べ終わってからのほうが良かったよね??

ご飯を作ってる間は1人でいるのにーー

食べた後、私がお風呂入ってる間以外は

微妙な空気のまま雲雀先輩とずっと一緒にいるの!?

いつもの癖って怖いね

 

 

 

 

 

 

 

 

ご飯食べ終わったしお風呂入ってしまって

今はまったりする時間だけど……空気が悪いよ!!

それも空気を読んだのか……ミントが静かだしね……

はぁ……しょうがない……

 

「雲雀先輩」

 

「なに」

 

「誕生日って毎年迎える誕生の記念日ですよねー」

 

「そうだね」

 

「誕生を祝えてもらえなかった人は

 祝ってもらう資格があるのかな……」

 

「何言ってるの」

 

「小さいころから

 預けられた家で誕生日の日に言われたんですよ

 いろいろとね

 すごく嫌な気分になるんですよ

 だから自分の誕生日が嫌いなので興味ないんです」

 

「……もう誰も言わないよ」

 

「私もそう思ったんですけどねー

 去年は夢で言われちゃいました(笑)」

 

ガルルルルー

 

「ミントどうしたの?」

 

さっきまで静かだったのに……

 

ガルッガルッ

 

「あ、そっか

 寝る時はミントがいるもんね

 夢から守ってくれるの?」

 

ガルルルッ!

 

きゃー!!任せろって感じで胸張ってる!!

すっごいかわいい!!

 

「ミント大好き♪」

 

ぎゅ

 

ガルル♪

 

かわいすぎる!!

抱きしめて寝たいよ……

でも寝てる間にもし苦しめてしまったら

嫌だからやっぱりこれは我慢だね!!

 

「…………ミント」

 

ガルッ?

 

「僕がいない時は頼むよ」

 

ガルルル!!

 

「優と2人で話がしたいんだ

 少し向こうに行ってほしい」

 

ガルッ!!

 

あ、私の部屋に行っちゃった

ミントにお礼言ってないのにー

っていうか……私のミントだよね?

ものすっごい雲雀先輩のいうこと聞いてない?(笑)

まぁいいけどね

お礼は後で言えばいいしね

 

「優」

 

「なんですか?」

 

「これから優の誕生日の夜は必ず一緒にいるからね」

 

「大丈夫ですよ?

 ミントがいますからね」

 

あれ……?怒ってる……よね……?

私……変なこと言った……?

 

「決めたからね 

 約束だよ」

 

「は、はい!」

 

……もう怒ってない……?

今のは返事をしなかったら何かが危なかった……

何が危ないかはわからないけど……

 




主人公の誕生日前日でした
ミントに先を越された雲雀さんw
そして次は雲雀さんが出てこないww
前の話から雲雀さん頑張れwwって感じですねww


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第9話

んー今日はどこに行くんだろう……

ちょっと楽しみになって来た♪

うん!初めてかもしれない!!

後1時間の授業が長いなー

 

「優ちゃん」

 

「どうしたの? 京子ちゃん」

 

「今日一緒に帰らない?」

 

「あ……ごめん

 今日も用事があるんだ」

 

「そっか……」

 

う……京子ちゃんが落ち込んじゃった……

ごめんよーーー!!

 

「最近忙しすぎじゃない?

 今日は風紀委員の仕事ないんでしょ?

 優は他にも何かしてるの?」

 

「んー……今日は違うけど

 ご飯の配達とかしてるよー」

 

「あんた……何してるの……」

 

「ご飯をちゃんと食べてるか

 わからない子がいるから様子見に行ってるの」

 

「もしかして……クロームちゃん?」

 

「そうだよー」

 

「京子知ってるの?」

 

「うん

 私も今度一緒に行きたい!」

 

「んーあそこは危ないからそれはダメ」

 

「そっか……」

 

あ、また落ち込ませちゃったよーーー!!

 

「でも予定があえばクロームちゃんが

 こっちに来てくれるから普通に会えると思うよ?」

 

「ほんとに??」

 

「うん♪」

 

良かった……笑顔になった……

なんかツナ君の気持ちがわかるね(笑)

 

「ちょっと待ちなよ! 危ないってなによ!?

 危険なところに行ってるの!?」

 

「大丈夫♪ 大丈夫♪」

 

「その笑顔が不安だわ……」

 

え!?なんで!?

 

「ちょっと沢田!」

 

あれ?なんでツナ君呼んだの?

 

「ん? なに?

 (黒川花がオレに用事? 珍しいなー)」

 

「優が危ないところ行ってるらしいから

 今度からあんた着いて行きなさいよ」

 

「え!?」

 

「大丈夫だよー

 というか……ツナ君が行けば余計危ないしー」

 

「? どういうこと?」

 

「クロームちゃんのところだよ

 ツナ君がいけば危ないからねー」

 

すっごい怖いって顔してる(笑)

 

「あ、雲雀先輩にはあそこに

 私が行ってるって言わないでね

 たまに骸君と話すからばれると

 機嫌直すのすっごーーーい大変だからね」

 

「そうだろうね……」

 

あれ?電話?

ヴェント用……それもヴァリアー……

この前行ったから多分来いっていう内容じゃないよね?

んー急用?

 

「ちょっとごめん

 電話に出るね」

 

「「「うん」」」

 

『う゛お゛ぉい!!』

 

ブチッ

 

う……耳が……私は耳もいいんだよ!!

つい切ってしまった私は悪くないと思う!!!

あ……教室中に声が響いたみたいだね……

みんな私を見てるよ……

獄寺君と山本君もこっちに来ちゃったね

 

「ゆ、優……」

 

「なぁ今の声って……」

 

「……おめぇやっぱバカだろ

 なんであいつに連絡先教えてるんだよ!?」

 

「えへへ」

 

笑って誤魔化そう(笑)

 

「優……あんた……

 この前の王子?っていう人も思ったけど……

 変な人と知り合い多くない? 大丈夫なの!?」

 

「多分大丈夫♪」

 

「多分ってあんた……」

 

あ、花が呆れたね(笑)

だって暗殺部隊だもん

多分っていいたくなるんだもん!!

お!ケイタイがまた鳴ってるよ

やっぱりまたかかってきたね

 

「みんな耳ふさいだ方がいいよー」

 

ケイタイは机に置いたほうがいいね

 

ピッ

 

『てめぇ切るんじゃねぇ!!!!』

 

怒ってるね(笑)

 

「鼓膜がやぶれると思ったんです!

 スピーカーにしてないのに声が漏れてます!

 声を小さくしてください!!」

 

『チッ』

 

大きな舌打ちが聞こえたんだけど……(笑)

もう大丈夫かな?

 

「で、どうしたんですか?」

 

『隊服が今日届くはずだぁ

 サイズ確認しとけぇ!!』

 

「ええええ!?

 どういうことですか!?」

 

『んもぉちゃんと言ってあげないと~

 はぁ~い 優ちゃん♪』

 

ルッス姐さんがいるなら

最初からルッス姐さんがよかった……

全部丁寧に教えてくれるし……

 

『今日優ちゃんの誕生日でしょー

 私たちからのプ・レ・ゼ・ン・ト♪』

 

「ちょ、ちょっと待ってください

 なんで今日が私の誕生日って知ってるんですか!?」

 

「「「「え!?」」」」

 

あ、しまった……

みんながいるのを忘れてた……

 

『ちょっと調べればわかることよ?』

 

「……そうですか」

 

個人情報関係ないね……

 

『心配しなくても

 優ちゃんの服の上に羽織るタイプよ~

 次に会いに来る時と任務の時はその格好で来てねぇ』

 

「いろいろ聞きたいですけど……

 とりあえず後者の方の意味が

 わからないんですけど……」

 

『大丈夫よぉ

 困った時にしか言わないわぁ』

 

「……完全に私の誕生日を利用してません?」

 

『気のせいよ~♪』

 

絶対気のせいじゃないと思う……

 

『ひーめ♪

 隊服の他に一緒に入ってるのは

 オレからのプレゼントだぜ♪』

 

「え!?

 この前……人形買ってもらったのに悪いです……」

 

お金を受け取ってくれなかったんだよね……

 

『姫が気にしねーぐらいのもんだぜ?』

 

すごい!!

高いもの渡すと私が気にして返すってわかってるね!!

 

「じゃぁ誕生日教えてくださいよー」

 

『12月22日♪』

 

「絶対お返ししますね!!」

 

『ししっ♪』

 

あ、チャイムが鳴ってる

 

「すみません

 授業が始まってしまったので……」

 

『りょーかい

 またな♪』

 

「はい!

 ありがとうございました♪」

 

……しまった!!

ベルさんに誘導されて

隊服はいらないって言うタイミングを逃した!!

あー授業が始まったよーーー!!

それにしてもツナ君が心配そうにしてる……

放課後すぐに雲雀先輩のところにいけなさそう……




今回はヴァリアーと絡みました
主人公には個人情報保護法がないww
雲雀さん、リボーン、ヴァリアーに勝手に調べられていますw


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第10話

うわー授業が終わった瞬間みんな来たよ……

まぁ本当はサボろうとしたのを

私が嫌って言ったからなんだけどね

私は一応風紀委員だもん

でも何で京子ちゃんと花まで?

 

「優ちゃん 今日誕生日だったの??」

 

あ……こっちのことを忘れてた……

 

「そうだよー」

 

「ちょっと教えといてよ

 何も用意してないじゃない」

 

「ごめんごめんー」

 

ハルちゃんのインタビューの時に回避出来たから

さりげなくこの話題にならないようにしてたもん

 

「ゆ、優……さっきの電話……」

 

ツナ君が心配してるけど花がいるからねー……

京子ちゃんは知ってるから別にいいんだけど……

 

「誕生日プレゼントとして

 向こうの制服を送ったんだってー

 だからいつでもこっちに来ていいってことだと思う」

 

「へ?」

 

「ん? どういうことだ?」

 

「風早!! てめぇ!!」

 

獄寺君だけわかったね(笑)

 

「獄寺君!? ど、どうしたの!?」

 

「私がほしいって言ったわけじゃないからね

 向こうが誕生日プレゼントとして渡したんだよ?

 そこを忘れないでよ?」

 

「ウソじゃねぇんだな!」

 

「ちょっとー

 私も獄寺君と一緒でツナ君が大好きなんだよ?

 それを忘れないでほしいなー」

 

「んなーーー!!///」

 

「なになに!?

 なんの修羅場なの?」

 

花が変なところで食いついてきた(笑)

さっきまではよくわかんないって顔してたのにねー

 

「ツナ君がモテモテで大変なの♪」

 

暗殺部隊とかに悪いの意味でモテモテ♪

 

「やるじゃん 沢田!」

 

「なーー!!」

 

完全にからかってるね(笑)

 

「じゃぁ私は帰るねー」

 

「待ちやがれ

 詳しく説明しやがれ!」

 

「オレも知りてぇんだけど……」

 

「そ、そうだよ!

 詳しく教えてよ!」

 

あ、ツナ君の復活が早かった(笑)

 

「みんなゴメン!!

 明日にしてーー

 今日は用事があるんだ!!」

 

「へ? そうなの?」

 

「鈍いわねー

 優は今日誕生日なのよ

 今からデートよ! デート!」

 

……はっきり大声で言わないでほしい///

 

「花 優ちゃんが恥ずかしがってるよ」

 

うぅ……京子ちゃん……

私に注目するようなこと言わないで……

さらに恥ずかしいよ……///

 

「京子がとどめをさしてるよ」

 

「え?」

 

「まっ それが京子よね

 あんたら誕生日デートの邪魔する気?

 聞きたい話は明日でいいよね?」

 

あ……みんないいって言ってくれた……///

 

「私たちには明日デートの内容教えなさいよ」

 

「えええ!?」

 

「話せる内容だけでいいわよ」

 

は、話せる内容だけって……/////

 

「花のバカ……」

 

「真っ赤な顔して言っても説得力ないわよ

 ほら さっさと行かないと

 こっちに被害が来るんだからね」

 

「ご、ごめん……」

 

花の言ってることは正しいね……

遅かったら雲雀先輩が見に来ると思うし……

 

「と、とりあえず……

 今日家に届くっていってたから

 受け取ることが出来れば

 明日のほうが詳しくわかると思う!」

 

「う、うん

 わかった」

 

「じゃぁみんなまた明日!!」

 

早く行かないと!!

みんなが咬み殺されちゃう!!




小話を書いて思ったのが
主人公が一番仲のいい女子は黒川花の気がしてきたw
小話は黒川花の出番が多くなってますw


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第11話

今日は私のために待っててくれてるんだよね?

うわーなんか凄く嬉しいなー

 

コンコン

 

「失礼しまーす♪」

 

「やぁ 遅かったね」

 

もう少しで様子を見に行くところだったのかも……

 

「……すみません

 ちょっとしたトラブルがあって遅くなりました」

 

「そう 行くよ」

 

「はい!」

 

 

 

 

バイクで行くんだー

久しぶりに乗る気がするなー

あ、未来で乗ってなかったからか……

 

カポッ

 

へ?あ、ヘルメットね

ん……?

 

「じ、自分で止めれますよ!///」

 

カチッ

 

言ってる間に止められちゃった……

か……顔が近い……////

 

「……機嫌いいみたいだね」

 

「はい

 こんなに自分の誕生日が楽しみなのは初めてです!」

 

「そう」

 

あ……笑った……///

 

んーどこに行くんだろうね

教えてくれなさそうだし

このまま任せるしかないよねー

 

 

 

 

 

ん?塩のにおい?

 

「海に向かってます?」

 

「そうだよ」

 

 

 

 

やっぱり時期がずれてるから人がいないね

いや、人がいる時期はダメだしね

海を見にきたのに咬み殺した山を見ることになる(笑)

 

それにしてもいい量の風だね

座ってるけど砂が目に入らない量の風だよ

まぁ私は風に好かれてるからね

いい意味でだけど……

 

「気持ちいい風ですね」

 

「そうだね」

 

「そういえば……

 初めてここに来たときもいい風でした」

 

「へぇ

 いつ?」

 

「雲雀先輩に連れてきてもらった時ですよ」

 

「初めてだったのかい?」

 

「そうですよー

 夏に海の誘われたんですけど

 泳げないんで全部断りましたよ」

 

水着だとおしゃぶりが隠せないからねー

 

「そう」

 

「そういえば……

 初めてどこかに連れて来てもらったのが海でしたね」

 

「だからここにしたんだ」

 

「へ?」

 

「僕が優に初めて並盛を案内したところだからね」

 

覚えてくれてたんだ……

 

「……嬉しいです……すごく……」

 

雲雀先輩の町だもんね

この場所は私の中で特別かも……

 

「優」

 

「なんですか?」

 

「欲しいものある?」

 

「……わがまま言っていいですか……?」

 

「いいよ」

 

「……イヤだったら言ってくださいね……?」

 

「早くいいなよ」

 

「……写真……」

 

「?」

 

それだけだとわかんないよね……

雲雀先輩は好きじゃないと思うし……

 

「一緒に……とりたくて……

 イヤだったらいいんですよ……?」

 

「……優は欲がないね」

 

「……あります

 すっごくあります」

 

「?」

 

「ハルちゃんがインタビューした時に……

 雲雀先輩は無視してたんですけど……

 ハルちゃんと……一緒にとったでしょ・・?

 それ見たとき……ちょっと羨ましくて……

 頼みたかったけど……ずっと頼めなかった……

 あ! イヤだったらいいんですよ!!」

 

あ……優しい顔だ……

 

「カメラある?」

 

「……ずっと……持っていたんです……」

 

「そう 貸しなよ」

 

 

 

 

 

 

 

うぅ……宝物かも……

 

「いつでも言ってね」

 

「へ?」

 

「写真を撮りたい時」

 

うー優しすぎる……!

 

「あ、ありがとう……」

 

「でも優がデジカメ持ってたのは知らなかったよ」

 

まぁそうだろうねー

 

「だって撮ったことないですもん」

 

「そうなのかい?」

 

「はい」

 

「どうして?」

 

「写真を撮りたいって思ったのが……

 この町に来てからで……

 でも……私……ここにいちゃいけない気がして……

 頼みたくても頼めなかった……

 自分から思い出を残そうとすると……

 何かあった時……離れれなくなると思って……

 でも雲雀先輩のおかげで頼める勇気が出来ました」

 

居場所が出来たから……

 

「そう」

 

「あ、でも……」

 

「どうしたの?」

 

「今まで写真とったことがないから

 どのタイミングで頼めばいいのか

 わからないんですよねー」

 

声のかけ方がわからないんだよねー

 

「優が言えばいつでも撮れるよ」

 

なんでいつも言ってほしい言葉を

言ってくれるんだろう……

 

ぐいっ

 

ぎゅ

 

ここは外なのに……

あ……そっか

誰にも見えないようにしてくれてるのか……

 

「……これは……うれし涙ですよ……?」

 

「知ってる」

 

「……先に写真とってよかったです……」

 

「そうだね」

 

ふぅ……落ち着いた

 

「もう大丈夫です」

 

「わかった」

 

あ……離れた……

言いたいことを言おう……

 

「雲雀先輩の町を

 これからいっぱい撮っていきますね」

 

「また案内するよ」

 

「ありがとう……」

 

うぅ……幸せすぎて死にそう……

 




すごくどこに行こうか悩んだんですよねー
主人公って雲雀さんが連れて行ってくれたら
どこでも喜びそうなんでねー悩んでここにしました

写真を撮れたのは未来編後だから出来ました
撮ろうと誘われたら大丈夫だったんですけどね


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第12話

「そう 良かったじゃない」

 

「そうだね!」

 

「うん♪」

 

2人とも話を嬉しそうに聞いてくれたなー

 

「でも、あんた肝心なこと話してないわよ」

 

「へ?」

 

「へ?じゃないわよ

 そ・れ」

 

あうぅ……///

 

「まっ 話したくない気持ちもわかるけど

 まさか……あの雲雀恭弥がね~……」

 

うぅ……///

こ、これは恥ずかしい!!///

 

「優ちゃんは特別なんだね♪」

 

ゴンッ

 

「優ちゃん!?」

 

「……また止めを刺したわね……」

 

「え?」

 

……恥ずかしくて顔あげれないよーー!!

このまま机に顔を伏せておこう……

 

「シンプルでいいわね

 ちょっと貸してよ」

 

ガバッ!

 

「ダ、ダメ!!

 絶対ダメ!!」

 

あ……今のは……

 

「はーなー!!」

 

うー2人とも笑ってるーー!!

からかわれたよーー!!

つい勢いよく顔をあげてしまったよーー!!!

 

「悪い悪い」

 

うー……本当に悪いと思ってるのー……

 

「にしても……

 優が素直に受け取ったのが意外だわ……

 高そうなのものは絶対受け取らないと思うのに……」

 

「そうだね」

 

「やっぱ京子も思う?」

 

「うん」

 

「一体どんな手を使ったのか……」

 

……や、やばい

話さないといけない方向になりそう!!

きゃー!ナイスタイミング!!

 

「で、電話出るね!!」

 

「ちっ」

 

ちょ!?舌打ちしないでよ!?

 

『優?』

 

「あ、すみません

 どうしたんですか?」

 

『屋上来て』

 

「あ、はい

 すぐ行きます」

 

『待ってるよ』

 

屋上ってことは……昼寝だね

念のためにひざ掛け持って行こう……

 

「ご、ごめん

 ちょっと……」

 

「お熱いことで何より……」

 

「はーなー!///」

 

からかわないでよーー!!///

 

「優ちゃん 風邪引かないようにね」

 

あ、ひざ掛けを持ってるからか……

 

「京子ちゃんゴメンね!

 ありがとう!!」

 

「ちょっと私には?」

 

「……行ってきまーす」

 

スタスタスタ……

 

「ちょっと花はからかいすぎたね」

 

「そうね

 まっ 元気出たみたいで良かったわ……」

 

「……花……」

 

「やっぱり京子も気付いてたんだ

 最近なんか元気なかったでしょ

 沢田達は気付いてないみたいだけど

 これだから同学年の男は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……危なかった……

あのままだと貰った経緯を

話すまで逃げれそうになかった……

 

・・・・

・・・・

・・・・

 

「ん……」

 

「おはよう」

 

「おはようございます……」

 

「今年は大丈夫だったみたいだね」

 

「あ……はい……」

 

いつもは先に学校行ってるのに……

昨日だけじゃなく今日も

私のためにいてくれたんだ……

 

「ありがとう……」

 

あ……笑った……///

 

ガルルーー

 

か、かわいい……

ミントは?ミントは?って感じだ!!

 

「ミントもありがとうね♪」

 

ガルッ♪

 

よしよしー

 

…………ん?

えっと、アニマルリングは首から提げてるし……

ボンゴレリングは中指にあるね

じゃぁ……薬指にある……これは……なに?

 

「ひ、雲雀先輩!?」

 

「なに」

 

「こ……これ……」

 

「……ああ」

 

……『ああ』って……

今思い出したみたいな反応された……

 

「ヴェントの時はつけなくていいよ」

 

……なんか話がかみ合ってないよね!?

 

「そういう意味じゃなくて……」

 

「昨日は誕生日だったよね」

 

「そ、そうですけど……

 プレゼントは貰いましたよ!?」

 

写真を一緒に撮ってもらったし……

 

「誕生日に1つしかあげてはいけない

 決まりはないよね?」

 

確かにそうだね

 

「で、でも……」

 

これ……高そうだし……

 

「昨日受け取って返さなかったんだ

 今更いらないって言わないよね」

 

まぁそうだよね

1日たってるのに今更だよねー

でも……昨日……受け取った……?

受け取った記憶ないし……

 

・・・・

 

寝てる間につけたのーー!?

だから昨日早く寝ようとしてたの!?

 

ガルル

 

……なに……首をウンウン振ってるの……

 

「ミント……つけたとき……

 気付いてたの……?」

 

ガルッ!

 

「教えてよー!!」

 

ガルルゥ

 

嫌だって首ふらないでよ……

本当に……私のミントだよね……?

ちょっと疑いたくなる……

 

「……本当にいいんですか……?」

 

「いいよ」

 

「……ありがとう///

 すごく……うれしい……///

 大事にしますね……///」

 

あ……笑った……///

…………そうだよね!!

どこがいいかなー?

 

ゴソゴソ……

 

「……何してるの」

 

「大事に閉まっておこうかと……」

 

「はぁ……」

 

あれ?なんで溜息?

 

「ヴェントの時はつけなくていいって言ったよね?」

 

「あ、はい」

 

「ヴェント以外の時は?」

 

えーっと……つけとく?

 

「ええ!? だってこれ……高そうですし……

 傷ついたりしたら大変です……」

 

こんな高いもの貰って傷つけたら……

やっぱり大事に閉まっておくのがいいよね!

 

「……僕は使ってほしいんだ

 だからその指にずっとつけといてね」

 

「あ……はい……///」

 

 

 

 

…………うん

寝てる間に渡されたなんて……

やっぱり……言えないね……

 




はっきり言わないと主人公には伝わりませんw
なので……未来の雲雀さんが主人公に
素直になるのは当然の結果ですねw

これで誕生日は終わりです
ちなみにベルからのプレゼントはかわいいクッションですw
書こうか悩んだんですけどこれはカットしましたー
次は……
『主人公がツナ君たちとどこかへ遊びに行って雲雀さんが乱入』
あんまり乱入出来てないんですけどねー
そこまで甘くないと思います


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第13話

並盛山って結構遠いんだね

原作で何度か来てた気がするけど

まさかバスで1時間かかるとは思わなかった……

まぁそのバスの中が大変で

ランボ君がバスの降車ボタン押そうとしたりして……

ツナ君と必死に防いだよ(笑)

私の膝の上にいたら大人しくなることに

もっと早く気付けばよかった……

 

「ツナ君大丈夫……?」

 

着いたばっかりなのに疲れてるよ……

 

「なんとか……優がいて助かったよ……」

 

本当に日曜日のお父さんって感じだねー

 

「このあほ牛!

 10代目に迷惑かけやがって!!」

 

ガンッ

 

「うわあああ!!」

 

「コラ! すぐ殴らないの!!」

 

「あ!?」

 

「まぁまぁ落ち着けって

 オレも風早の言うとおりだと思うぜ」

 

「ランボ君大丈夫ー?」

 

よしよしー

 

「グスッ」

 

とりあえず……抱いておこう……

抱いてたほうが安心だしね……

んーそれにしても珍しいよねー

ハルちゃんとか誘ってると思ったんだよねー

 

「このメンバーって誰が決めたの?」

 

「へ?」

 

「栗拾いするしか聞いてなかったからさー

 誰が来るか知らなくて

 女の子が私だけと思わなかったの」

 

だってもう後悔してるもん

このメンバーだけだと危険度高いし……

栗拾いって聞いて原作がなかったと思って

来たのが失敗だったよ……

覚えてないだけで原作あったかも……

 

「オレだぞ」

 

「リボーン君だったんだー」

 

うん……ますます危険度があがったよ

 

「今から栗拾いで勝負だぞ」

 

「んなーーーっ!!」

 

やっぱりそうなるんだね(笑)

 

「栗拾いで勝負ってどうするんですか?」

 

「簡単だぞ

 栗を多く拾ったほうが勝ちだ

 勝てばオレから豪華商品が出るぞ」

 

リボーン君からの商品ねー

あんまりいいものじゃないんだろうねー

多分ツナ君には10代目の座とかだと思う(笑)

 

「へぇー

 面白そうだな!」

 

「んー負けるとどうなるの?」

 

「負けても何もねぇぞ」

 

「えええ!?

 (こいつのことだから何かあると思った……)」

 

負けても何もないのか……

じゃぁ参加してもいいかなー

 

「そっかー

 でもこれって個人戦?

 私とランボ君は不利じゃないの?」

 

「ああ

 今回は2つにチームを分けたぞ」

 

ということは……

ランボ君とは別チームにしないとバランス悪いよね

んー獄寺君とは仲良くないんだよねー

ランボ君と獄寺君の組み合わせは怖すぎるからないか……

ツナ君はランボ君の保育係だしねー

私と獄寺君は決まってて山本君はどっちかだね

あれ?でも獄寺君とツナ君が離れると獄寺君が怒るよね?

まぁ……誰でもいいや……

安全だったら……うん……無理だね(笑)

 

「チームは山本・獄寺・ランボのチームと

 ツナ、優のチームだぞ」

 

「へ?」

 

まさかこの組み合わせとは……

 

「(この組み合わせやばいって!!

  オレは優と2人のほうが絶対安全だけど……

  向こうのチームが危険すぎる……)」

 

「待ってください! リボーンさん

 なんでオレと10代目がチームが別なんスか!」

 

まぁそうなるよねー

 

「ボスがいないところで

 ファミリーの連携をとるのも右腕の仕事だぞ

 お前ら2人にしてどっちがいいかも見れるしな」

 

あーなるほど……

 

「で、ですが……

 こいつの相手は無理ッス」

 

ランボ君の指をさして言ったよ……

まぁでも……

 

「それは……私も賛成かな……

 ランボ君と獄寺君は危ないと思う……」

 

「そ、そうだよ!」

 

「あほ牛の保育係が出来れば

 右腕に決定なのは今でもかわってないぞ」

 

「……オレ……ランボ大好きです」

 

それは無理があると思う……

あ、ツナ君も同じようなリアクションだよ(笑)

 

「山本君お願いね……」

 

「山本……頼むね……」

 

……チームはもう変更できないと考えて

山本君に頼むって私達って……(笑)

 

「ハハッ

 任せとけってな!」

 

「10代目! なんで山本に頼むんスか!?」

 

それは……しょうがないと思う……

 

「そういえば……

 勝手に栗拾いとかしていいの?」

 

「ヒバリの許可はとってるぞ」

 

風紀委員怖っ!!まじで怖っ!!

山まで管理してるの!?

 

「んなーーー!!

 ヒバリさんの許可いるのーーー!?」

 

あ……ツナ君の反応を聞くと……

そうだよね

風紀委員じゃなくて雲雀先輩が怖いんだよね

うーん……それがわからなくなってきたんだよねー

まぁいいか……

 

「今から3時間後ここに集合だぞ」

 

結構時間長いね……

 

「よーい スタート!」

 

パンッ

 

……銃をむやみに撃ってるのは

誰もツッコミいれないんだね(笑)

 

「山本! さっさと着いて来い!!

 10代目! また後で会いましょう!」

 

きれいな礼だねー

 

「ツナ、風早またな!」

 

「う、うん……」

 

「ランボ君お願いねー

 気をつけてねー」

 

うわー行くの早いなー

 

「じゃぁオレ達も行こうよ」

 

「それは嫌かもー」

 

「え!?」

 

「今から3時間後って何時?」

 

「えーっと……今10時半だから……13時半だよ?」

 

「じゃぁ途中で絶対お腹減るよ?

 後で買う予定だったから今何も持ってないよね?」

 

「あ!」

 

「おにぎりでも買って山に入ったほうがいいと思う

 私は獄寺君達みたいに

 何度も山登ったり下りたりするのはしんどいよー」

 

本当はツナ君のためだけどね

あっちはランボ君がお腹すいて途中で下りても

体力あるから楽勝だからねー

 

「そ、そうだね!!

 (オレこっちで良かったーー!!)」

 

「んじゃ行くぞ」

 

「リボーン!

 あっちに行ったんじゃなかったのかよ!?」

 

「腹減るからな」

 

リボーン君もこっちのほうがいいって思ったのね(笑)

 

「まぁ行こうよー」

 

「う、うん」

 




時期的は保育係が決まった後で
イーピンちゃんがまだ来てないぐらいで書きました
なので獄寺君とは全く仲良くなっていません

リクエスト通り……
みんなと遊びに出かけたんですけどー
なぜかこんなことに……w


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第14話

んー……応急処置の道具はあるしー

軍手は持ってきてるし……

山に登る前にお手洗い行くこと……

後は……

 

「ツナ君もうちょっとかかる?」

 

「ご、ごめん!」

 

「大丈夫だよ?

 まだかかるなら選び終わってお手洗いに行ったら

 ちょっとここで待っててほしいんだー」

 

「え!?」

 

「すぐ帰ってくるよー」

 

「う、うん……」

 

 

 

 

まさか協力してくれるとは思わなかったなー♪

 

「お待たせー♪

 ちょっと遅かったかな?」

 

「ううん

 大丈夫だよ」

 

やっぱりツナ君は優しいなー

 

「ありがとー

 じゃぁ出発しよっか?」

 

「そうだね

 獄寺君達大丈夫かな……」

 

「うーん……どうだろう……

 無事に戻ってくることを願ってるよ」

 

「……そうだね」

 

 

 

 

 

 

 

「野球バカさっさと着いて来い!」

 

「なぁ」

 

「なんだよ!」

 

「ツナ達はすぐ出発しなかったけど

 なんかあるのかな?」

 

「なっ! そうなのか!?」

 

「獄寺気付いてなかったのか?

 途中後ろ振り返ったら町に戻ってたぜ?」

 

「10代目には何か考えが……」

 

「ガハハハ!」

 

「うっせぇ! あほ牛!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「優、ペース大丈夫?」

 

女の子だから心配してくれてるんだー

やっぱりツナ君は優しいなー

 

「大丈夫だよー

 あ、ツナ君そこを右でお願いー」

 

「へ?」

 

「ここの山は私はじめてだからね

 あんまり舗装されてる道から外れれば

 迷子になる可能性があるから舗装されてる道の近くで

 栗の木があるところ教えてもらったの」

 

「そうなの!?」

 

「うん

 それに農園じゃないしね

 闇雲に歩いても栗の木を見つけるのは大変だよ?」

 

まぁ空から見ればすぐ見つかると思うけどね

 

「もしかして……さっき……」

 

「そうだよー

 1番山に近い家で聞いてみたんだ

 まぁすぐ教えてくれなかったんだけどね」

 

「そうなんだ……」

 

「雲雀先輩が管理してるからね

 許可ないととっちゃダメみたいで

 信用してくれなくてねー」

 

雲雀先輩が凄いと改めて思ったね

教えてくれればラッキーだよねーと思って聞いたら

まさかそんな理由で断られるとは思わなかったし……

 

「どうやって聞いたの?」

 

「雲雀先輩に電話して協力してもらったの」

 

「ええええ!?」

 

「とってきた栗で料理するって条件でね

 じゃぁ雲雀先輩が電話で言ってくれてたら

 すぐに教えてくれたんだよねー」

 

「そ、そうなんだ……」

 

「うん

 雲雀先輩の許可がないととれないから

 舗装してる道から近くても

 結構残ってる可能性あるよー」

 

「あ、ありがと……

 (オレこっちで本当に良かったーー!!)」

 

「(自分に出来ることを考えて最善を尽くそうとするな

  やっぱ優の頭の良さはファミリーに必要だな)」

 

なんかリボーン君からの視線を感じる……

気のせいかな……後ろだからわかんないんだよねー

 

「リボーン君疲れてない?

 抱っこしようか?」

 

「問題ねぇぞ」

 

んー話題をふって振り返って見たけど

わからなかったなー……

 

「あ……本当にあった……」

 

「なかったら困るよー

 ウソの情報を教えたってことで

 咬み殺しに来ちゃうからね」

 

「ヒバリさんやっぱこえーーー!」

 

さてと、軍手を出さないとねー

 

ゴソゴソ……

 

「あ……軍手……」

 

「もしかして用意してなかった?」

 

「う、うん……

 オレ……ダメだね……」

 

「予備があるから大丈夫だよ?」

 

「ありがと……

 準備いいね……」

 

「一枚じゃ痛かったら嫌だから

 念のために何枚か持ってきてたの

 トゲが刺さってもピンセットあるから言ってね?

 もちろん救急箱もあるからね」

 

「オレ……」

 

「ん?」

 

「今日何度も優と一緒でよかったって思ってるよ……」

 

でもこれは栗拾いの最低限の持ち物なんだけどなー

ツナ君達はいつも勢いで乗り切りすぎだよね(笑)

 

「そう言ってもらえると嬉しいよ~♪

 頑張って拾おうね♪」

 

「う、うん

 (優ってすごいよな……

  オレ……こんな穏やかな休みは久しぶりだよ……)」

 




主人公はいろいろ準備する慎重派です
リボーンのキャラにいないのが不思議……w
いないからこそリボーンに観察されています
まぁ戦力としては見てないですけどね
本当になんでリボーンのキャラにいないんだろうw


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第15話

いやー3時間で結構頑張ったねー

家に帰って何を作ろうかなー

やっぱり栗ご飯かな?

でも……ゆで栗もおいしいよねー

ちょっとゆで栗用で干そうかな♪

 

「山本達遅いね……」

 

あ、食べることしか考えてなかった(笑)

 

「そうだねー

 まぁ3時間ちょうどで戻ってくるとは

 思ってなかったけどね」

 

「え!?」

 

「え!? 戻ってくると思ってたの!?」

 

そっちのほうがビックリだ!!(笑)

 

「……それもそうだね

 でも迷子とかだったらどうしよーーー!!」

 

ツナ君は本当に心配性だね

 

「んー大丈夫だよ」

 

「で、でも……」

 

「多分そろそろわかると思うしー」

 

「へ?」

 

ドカァン!

 

「ほらね? とりあえず行ってみようよー」

 

獄寺君とランボ君どっちの仕業かな?

まぁ煙が目印だねー

 

「……うん

 (優ってやっぱりすごいんじゃ……)」

 

「なんで優はわかったんだ?」

 

「今まで獄寺君とランボ君が爆弾とか使わず

 一緒にいたのが異常だと思うけど?

 栗拾い中に行かないと行けないかなって

 思ってたんだけどねー」

 

獄寺君はよく我慢したほうだと思う

 

「優って……どこまで知ってるの……?」

 

「ん? ダイナマイトや手榴弾のこと?

 それとも……

 ツナ君がマフィアのボンゴレ10代目候補のこと?」

 

「な、なんで知ってるのーーー!?」

 

これは10代目候補のリアクションだね

 

「なんとなくわかるって……

 山本君とハルちゃんの話を聞けばねー

 2人ともマフィアごっこと思ってると思うけどね」

 

というか……山本君とハルちゃんの話を聞いて

わからないのが不思議なぐらいだよ……

まぁ少しわかりにくいからね……

山本君は擬音語だけで話すときがあるし

ハルちゃんはツナ君のカッコよさだけを話すからね

 

「後、リボーン君が自己紹介で言ってた

 殺し屋っていうのも本当だよね?」

 

「そうだぞ」

 

「ち、違うよ!!

 それはこいつの冗談だって!」

 

バキッ

 

「いってぇーーー」

 

「大丈夫……?」

 

今、指を変な方向に曲げたよ……

包帯を巻いてあげよう……

 

「どうして本当だと思ったんだ?」

 

「1番の理由は雲雀先輩が

 リボーン君に興味をもってることかな?

 後は獄寺君の態度とか?」

 

「そうか

 (観察力も十分だな

  やっぱり優はファミリーに必要だな)」

 

「ゆ、優……」

 

「大丈夫だよ

 私はツナ君のことわかってるつもりだよ?

 このことを広めてほしくないと思ってるし

 10代目になりたいって思ってないよね?」

 

「そ、そうなんだ!!

 (やっとオレのことわかってくれる人がいたーー!)」

 

なんか……すっごい感動してる……

 

「私はツナ君とリボーン君の前以外では

 よくわかってないフリしとくよ

 みんなに気付かれると困るよね?」

 

「う、うん!!」

 

「そういうことで私はツナ君の味方だからね?

 頑張ってねー」

 

「わかったぞ

 (これはオレの手伝いはしねぇってことだな

  でも邪魔はしないか……ニヤリ)」

 

……なんか笑った気がする……

それは怖いな……

 

「うわああああ!」

 

「ランボ君の泣き声っぽくない?」

 

「う、うん……急ごう!」

 

ツナ君って本当に面倒見いいよねー

いいお父さんになりそうだよ

 

「そうだね

 爆発の音が無くなったから目印がないしね」

 

「うん!」

 

煙はすごいんだけどねー

でも煙じゃはっきりと場所がわからないからね

だから煙はもういいや……

ちょっと風で煙を流すことにしよう

 

 

 

 

 

 

うーん……

獄寺君がランボ君を泣かしたって感じかな?

 

「ツナ! 風早!」

 

「10代目!?」

 

……ランボ君を後ろに隠したよ(笑)

まぁ首を絞めてたからね……

 

「何があったの……?」

 

「な、なにもないスよ!! 10代目!!」

 

「山本君教えてー」

 

「いや……それがさ……」

 

獄寺君が言うなってジェスチャー送ってるよ

 

「ゆ、優ーーー!!!

 うわあああ!!」

 

もう説明は後でいいや……

 

「……獄寺君……ランボ君が泣いてるから……」

 

抱っこするから隠さないでほしい……

 

「オレ……ランボと仲良いッスよ……」

 

あ……なるほどね……

 

「リボーン君

 もう3時間たってるから

 保育係の試験は終わってるよね?」

 

「そうだぞ」

 

ぐいっ

 

……ランボ君を押し付けられた

 

「ゆ、ゆう……」

 

あーあ……目にいっぱい涙を浮かべてるよ……

 

よしよしー

 

「ランボ君どうしたの?」

 

「お腹すいたーーー!!」

 

「「え!?」」

 

あ、ツナ君と一緒にビックリしちゃったよ

 

「み、みんな……食べてなかったの!?」

 

「ああ 集合時間過ぎてるし

 腹が減ったって泣いちまうし

 道がわかんなくなっちまってなっ」

 

……山本君に頼んだのも失敗だったかも……

 

「それでこのアホ牛が手榴弾を投げてきやがって……」

 

あ、それでイラっとして首しめたのね……

 

「ランボ君……とりあえず……

 おにぎり1個だけあるからそれで我慢してね?

 山下りたらいっぱい食べようね?」

 

「グスッ」

 

ゴソゴソ……

 

あったあった

んー鮭だったら食べれるよね?

梅干が残ってたら食べれなかったかも……

いやー助かった!

 

「てめぇなんで持ってんだ!?」

 

「私のお昼ごはんの分が余ってたの」

 

「10代目の分は!!?」

 

「ご、獄寺君大丈夫だよ

 オレは食べてるよ」

 

獄寺君……ツナ君が優先なのも知ってるけどさ……

先に小さい子を優先させようよ……

それにツナ君だったら絶対我慢してあげると思うし……

 

「風早、持ってきてたのか?」

 

「持ってきてないよー

 集合時間が13時半だったから

 お腹減ると思うから山に登る前に買いに行こう

 ってツナ君に言ったの」

 

「そっかそっか」

 

「てめぇオレらにも言えよ!!」

 

「ご、ごめん……

 体力あるからお腹減ったら

 途中で下りると思ってて……」

 

「そうだよなー

 オレ達は体力あるもんな」

 

「ッチ」

 

……舌打ちされたけど……

これは……私が悪いのかな……?

まさか迷子になるとは思わなかったし……

 




主人公とツナ君は危険度0でしたww
まぁ主人公が危険をなくそうと必死ですからねー
リボーンがふっかけても全て回避しようとするからです
ちなみに負けても何もなかったのは
何かあった場合は主人公が絶対参加しないと
リボーンはわかっていたからです


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第16話

ランボ君おにぎり食べたし下山だね

それにしても爆弾使ったけど

火が広がらなくて良かった……

山火事とかなったら雲雀先輩が怖すぎるよ……

 

ザッ

 

ん?誰だろ?

 

「やあ」

 

「あれ? 雲雀先輩?」

 

どうしてここにいるんだろ?

 

「ヒ、ヒバリさん!?」

 

「てめぇ何しにきやがった!!」

 

「用事があってね

 それよりさっきの煙は誰の仕業だい?」

 

…………ピーンチ!

もっと早くに煙を流せばよかった!!

ランボ君はよくわかってないと思うけど半泣きだね……

生存本能なのかな……

 

「ハハッ 

 ちょっと迷子になっちまってな SOSだぜ」

 

おー山本君ナイス!!

 

「ふぅん

 君がいるのに迷子になったんだ」

 

ん?これって私のこと?

 

「私は救出のほうですよー

 煙を見て来ました」

 

「そう

 でも群れすぎだよ」

 

……そっちの問題あったーー!!

 

「ひいいいい!!」

 

「ちゃおッス」

 

「やっぱり会えたね 赤ん坊」

 

あ、リボーン君に会いたくて来たのかな?

いつするかは知らなかったと思う

でも私が電話したから今日ってわかったんだろうねー

 

「オレとバトルしてぇんだな

 こいつらに勝てればしてもいいぞ」

 

「なーーー!!」

 

「リボーン君、危ないよ!!」

 

今のみんなの強さだったら

雲雀先輩に勝てるわけないし……

 

「いいよ

 皆つぶすつもりだったし

 さっさとはじめよう」

 

ダメだー!

もうバトルする気満々だ!!

 

「おめぇらこいつらの中には優も入ってるぞ

 勝たねぇと優の番が来るぞ」

 

「な!! なんで優もーーーー!?」

 

あらー私もバトルしないといけないのか……

うーん……リボーン君に目をつけられて

ファミリー試験とか受けるのは嫌だ……

我慢するしかないか……痛いんだろうなー……

 

「……帰る」

 

「「へ?」」

 

ツナ君とまた声がかぶっちゃったよ

 

「お腹すいた 帰るよ」

 

あれ?これ私に言ってる?

あ、そっか

ご飯作るって言ったもんね

 

「えっと……栗拾いの対決で勝ったら

 ツナ君が豪華商品もらってね

 後、ランボ君のことよろしくねー

 またね?」

 

「う、うん……」

 

 

 

 

へなへなへな……

 

「た、助かった……」

 

腰が抜けてしまったよ……

 

「10代目大丈夫スか!?」

 

「う、うん……」

 

「いやーオレもびびっちまったぜ」

 

「今回も優のおかげだな」

 

「もともとはお前のせいだろーー!!

 バトルとか言うなよ!?」

 

「まぁまぁ落ち着けって!

 大丈夫だったしなっ!」

 

そ、そうだけど……

 

「おめぇら栗は集まったのか?」

 

「オレらは全くだぜ

 栗の木が見つかんなくてよー」

 

「え!? そうなの!?」

 

「10代目はあるんですか?」

 

「う、うん

 ほら……」

 

袋にいっぱいにあるし……

 

「流石10代目ッス!!」

 

「すげぇな! ツナ!

 大量じゃねぇか!」

 

「いや……オレじゃなくて……

 優が見つけてくれて……」

 

「またまたご謙遜を!!」

 

「ほ、ほんとだって!!」

 

ガーン!

全然聞いてねぇー……

 

「今回の勝負はツナ達の勝ちだな

 小僧豪華商品ってなんだ?」

 

「優はいらねぇって言っちまったからな

 まぁツナの場合は立派な10代目になるために

 みっちりオレが今から鍛えてやるぞ」

 

「なーーーーっ!!!」

 

「風早の場合はなんだったんだ?」

 

「入ファミリー試験合格だぞ」

 

「なに言ってんだよ!!!!」

 

「リボーンさん!

 何言ってるんですか!!」

 

「優の頭の良さはファミリーに必要だからな

 今回の栗拾いの状況判断は問題ねぇレベルだったぞ」

 

「絶対ダメ!

 優を危ないことに巻き込むのは反対だからな!!」

 

「マフィアごっこだろ?

 風早も入れようぜ」

 

山本意味わかってねぇーー……

 

「今1番ツナの右腕に近いのは優だからな

 おめぇら頑張れよ」

 

「な!? 右腕はオレっス!」

 

「ツナの性格はわかってるし

 ランボの保育係になれるからな」

 

「あのヤローが……」

 

「ご、獄寺君!!

 優は入れないから大丈夫だよ!!」

 

このままだと獄寺君が優に何かしちゃうよ!!

そんなの絶対ダメだ!!

 

「本当スか!?」

 

「う、うん!!」

 

ほっ……よかった……

 

「(やっぱりツナが1番反対するな

  優はオレが来る前から友達だったらからな

  何か理由をつけてファミリーに入れねぇとな)」

 

 

強さを必死に隠してても

リボーンに目をつけられる優だった……

 




……やっぱり乱入できてないですねー
すみません……
リボーンに目をつけられてたんですけど
実はツナ君が必死に守ってくれてたという話でしたw


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第17話

お腹減るとバトルやめるんだねー

知らなかったなー

あれ?止まった?

 

「どうかしたんですか?」

 

「なんでもないよ」

 

んー教えてくれないんだね

あれ……?もしかして……

 

「……すみません」

 

「なに」

 

「歩くの遅くて……」

 

「……別に」

 

この反応はやっぱりそうだったんだ

考えてたから歩くペース遅くなってて……

わざわざ待ってくれてたんだね

ツナ君と一緒で一応女子だから待っててくれたみたい

まぁ私がいないとご飯を食べれないしねー

あ……

 

「雲雀先輩」

 

「なに」

 

「ちょっと失礼しますね」

 

「?」

 

やっぱり身長高いよねー

 

「髪にカエデの葉がついてました」

 

「そう」

 

髪についてた姿かわいかったなー……

 

「君」

 

「は、はい!」

 

やばい!

かわいいって思ってたのばれた!?

 

「……それどうするの?」

 

あ、まだ持ってるもんねー

いやー心の中読まれたと思ったよ……

 

「きれいだったので栞にでもしようかな

 って思いましてー」

 

かばんの中に直そうー

なにかあったら嫌だしね

 

「それ君の髪の色に似てるよね」

 

「あ、本当ですね」

 

「その色は生まれつき?」

 

「そうですよー

 染めていたら風紀乱すことになりますからね」

 

「そうだね」

 

「まぁこの髪はあんまり好きじゃないんで

 本当は染めたいですけどね」

 

「どうして?」

 

「母親の親戚の周りに誰もいないんですよ

 だから多分父親の方だと思います

 でも父親が誰かわからないんでねー

 誰の子かわからない子っていつも言われてましたよ

 だからどうしても好きになれませんでした」

 

あー思い出しただけでテンション下がってきたよ……

本当は目の色もだけどね……

それは特殊能力のおかげで

色がかわったからラッキーだったねー

 

「……僕は好きだけど」

 

「へ?」

 

スッ

 

ええええ!?

わ、私の髪を触ってる……雲雀先輩が!?

 

「きれいな色と思うよ」

 

初めてほめられた……!

どうしよう……凄くうれしい……

 

「あ……ありがとう……///」

 

あ……笑った……///

 

「雲雀先輩の髪も黒くてきれいですし

 サラサラしてますよねー」

 

「……いつ触ったの」

 

あー!しまった!!

 

「……さ、さっき……」

 

「いつ」

 

や、やっぱり誤魔化せなかった!!

 

「……雲雀先輩が寝てる時に……

 頭をなでました……」

 

うぅ……変に恥ずかしいよーー!!

コソコソ悪いことして見つかった気分だ!!

それに勝手に触ったから……咬み殺されるかも……

 

「……僕は葉が落ちる音でも起きるから気をつけてね」

 

「あ……でも……」

 

あ、しまった!!

またやってしまった!!

 

「なに」

 

「……なんでもないです……」

 

「早くいいなよ」

 

「……何度もしてて……起きないですよ……?」

 

……恥ずかしいよー///

 

「……そう」

 

怒るか何か言ってーー!!

普通の返事がさらに恥ずかしいよーー!!

うぅ……顔あげれないよ……///

 

ぐぃっ

 

「きゃ!」

 

いきなり引っ張られた!?

 

「はぁ……前を向いて歩きなよ」

 

「へ?」

 

あ……木にぶつかるところだったのね……

 

「すみません……」

 

「君って頭いいけど時々ぬけてるよね」

 

それは……自覚してます……

 

「僕がいない時気をつけてよ」

 

「あ、それは多分大丈夫ですよ?」

 

「?」

 

「雲雀先輩の前でばっかり失敗しちゃうんです」

 

……うん

普段だったら絶対言わないのに

雲雀先輩の前だとつい言っちゃったりするもんね

この前の作戦考えた時とかひどかったしね(笑)

 

「そう」

 

あ、やっと下りれたー

意外と遠かったね……

まぁ迷子になってたんだから当然か……

あ、バイクで来たんだー

そういえば……

 

「雲雀先輩」

 

「なに」

 

「お腹が減ってるんですよね?

 栗料理は時間かかるんでー

 明日にしましょうか?」

 

「今日でいいよ」

 

「じゃぁ軽く先に何か作りますね?」

 

「いらない」

 

へ?お腹すいてるんじゃないの?

 

「……君って本当にぬけてるよね

 普段は問題ないのにね」

 

えええ!?

今の会話のどこで思ったの!?

 

「さっさとかぶりなよ」

 

あれ?これって私のヘルメットだよね

いつも持ってるのかな……

邪魔じゃないのかな?

 

「あ、はい」

 

 

 

 

 

夜に予定通り栗ご飯を2人で食べたんだけど

やっぱり時間かかったけどお腹大丈夫だったのかな……

でも食べてる量はいつもとかわらない気がする……

まぁいいか……

 

 




雲雀さんが主人公が自分のことに対してのみ
鈍感ということに気付いた話でしたww
ただ超鈍感ということにはまだ気付いていないので
これから苦労していくwww

これで乱入?の話は終わりです
次はホワイトデーです
この話はほんのちょっとしか雲雀さん出てきませんよー


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第18話

今日は学校休みだからゆっくりしようかなー

まぁ呼び出しがなかったらだけどね

思ってる側からケイタイが鳴ったよ

ゆっくり出来なさそうだね(笑)

あれ?雲雀先輩からじゃない……

リボーン君からだ……珍しいねー

 

『ちゃおッス』

 

「リボーン君おはよう!

 どうしたの?」

 

『ランボが優に会いたいってウゼーんだ

 ツナの家に来てくれねぇか?』

 

この前ちょっとしか会わなかったもんねー

10年バズーカの故障で

小さい大人ランボがずっといたしね

 

「すぐ行くよー

 ランボ君に何して遊ぶか考えといて

 って伝えといてくれる?」

 

『わかったぞ』

 

よし!急いで準備しよう!

 

 

 

 

 

 

ピンポーン

 

あれ?ツナ君が出たね

ランボ君だと思ったんだけど……

 

「優!? どうしたの?」

 

「さっきリボーン君がランボ君が

 私に会いたいって言ってる

 って聞いたから来たんだけど……」

 

「今、ランボは母さんと買い物に

 いってると思うけど……」

 

「え!? そうなの!?」

 

あれ?なんで私をツナ君の家に?

 

「よっツナ! 風早!!」

 

「山本君おはよう」

 

「山本! どうしたの?」

 

「小僧に呼ばれてなっ」

 

あれ?山本君も?

 

「10代目ーーー!!!

 右腕のオレが来たからもう安心スよ!」

 

「え!? ご、獄寺君どーしたの……?」

 

「リボーンさんから聞きましたよ

 10代目がピンチと!!」

 

「いやいやいや! 何もないって……」

 

んーこれはリボーン君がみんなを呼んだのね

私はトラブルに巻き込まれるのが嫌でよく断るから

ランボ君の名前を使ったんだねー

 

「ツナ君、リボーン君はどこ?」

 

「ちゃおッス」

 

「リ、リボーン!!」

 

あれ?なんかコソコソ話してるね

 

 

 

 

 

「な、なんで優まで呼んでんだよ!!」

 

「なんだ?

 優が嫌いなのか?」

 

「ちがうよ!!

 お前絶対危ないことするだろ!!

 優を巻き込むなよ!!」

 

「今回は優のために集まったんだぞ」

 

「え?」

 

 

 

 

コソコソ話って言っても

耳がいいから聞こうと思えば

実は普通に聞けるんだよね

まぁ聞くのはやめてあげるけど

プライバシー侵害だし緊急っぽくないしね

 

「お前ら忘れたのか?

 今日はホワイトデーだぞ」

 

あ、そういえばそうだね

 

「優からバレンタイチョコもらったんだろ

 今日返さないとダメだぞ」

 

「「「あ」」」

 

「別n!?」

 

く、口ふさがれた!

 

「今日はボンゴレ的

 ホワイトデー大会だぞ」

 

……口実をつけて何かしたいだけだね

だって山本君と獄寺君は他の人から

いっぱいもらってたしー

ツナ君は京子ちゃんとハルちゃんにもらってるしね

 

 

 

 

 

みんなはツナ君の部屋に普通に移動するんだね……

いやツナ君はいろいろツッコミしてたけどね

それにしても人数多いねー

買い物から帰ってきたランボ君がいるし

フゥ太君までいるからねー

チョコあげたからかな?

イーピンちゃんがいないのはお礼に

チャーハンギョウザ作ってもらったからかな?

また食べたい……すごく美味しかったんだよねー

 

「ルールは簡単だぞ

 今から優を喜ばせばいいんだぞ

 最下位は優のパシリな」

 

「「「なっ!?」」」

 

いや……パシリなんて頼まないから大丈夫だよ

 

「点数は優がつけるんだぞ」

 

「え!? 私が!?」

 

「優が喜ばなければ意味ないからな」

 

てっきりリボーン君がつけると思ってた……

まぁいいか

最下位に誰がなっても何もないしね

 

「10点満点な」

 

「わかったー」

 

それにしても……

まさかプラカードを持って

審査する立場になるとは思わなかった……

 

「あ、リボーン君確認させてー」

 

「なんだ?」

 

「今回の大会中のことを

 点数つければいいんだよね?」

 

「そうだぞ」

 




なぜかこうなるww
これがリボーンマジック!!ということにしようww
そういえば京子ちゃんのお兄ちゃんにあげてない……
まぁ接点が少ないからしょうがないですよねー


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第19話

みんな悩んでるねー

用意してないと思うしねー

本当に急に思いついたんだろうね

振り回されるみんなは大変だよねー

 

「じゃぁ僕からするね

 優姉に何でも言ってランキングするよ!」

 

「ず、ずるい……」

 

ツナ君……子どもだから許してあげようよ……

 

「ハルちゃんから聞いてるよー

 フゥ太君はいろんなランキング占えるんだよね」

 

「そうだよ!」

 

「んーちょっと考えるね……」

 

とりあえず考えてるっぽい雰囲気を

出すために目をつぶろう……

うーん……ランキングだもんね……

 

神様ー

 

『なんだ?』

 

私のことを調べると全部ヒミツになるの?

 

『そうだな

 今だけ無効にしようか?』

 

そんなことできるの!?

 

『ああ

 任せとけ!』

 

ありがとー!!

うわー聞いてみたいことあったんだよねー

 

「あのね! フゥ太君!

 私が将来一体何になりたいって思ってるのか

 ベスト3だけ教えてほしい!!」

 

「あれ? 将来なってることをランキングしないの?」

 

「それは未来がわかって面白くないし

 それに何になってるか想像つくしね」

 

「そうなの!?」

 

マフィアだよ

1位は絶対マフィアだもん

ツナ君が継がなくても私はマフィアになってるよ

 

「うん。なりたくないんだけどねー

 だから夢ぐらいみてもいいかなってー

 フゥ太君やっぱり無理?」

 

「大丈夫だよ」

 

おお……ブツブツ言ったと思ったら……

いろいろ浮いてるよ……

 

「……なんかすごいね」

 

「そういえば……優は初めて見るんだね」

 

「うん

 噂は聞いてたけどねー」

 

「ランキング……第3位は……ツナ君が……」

 

「え!? オレ?」

 

なんでツナ君が出てきたんだろ……?

 

「ボンゴレ10代目になった場合

 困ったときに助けるだね」

 

「な、なんでーー!!!」

 

「へぇー

 ツナ君が10代目だったら

 ボンゴレに入りたいんだねー」

 

なりたいって思ってることの中に

マフィア関連があるんだー

ツナ君のためっていうのが私らいしね

 

キラン!

 

あ、リボーン君の目が光ってるよ(笑)

 

「右腕はオレだからな!」

 

「右腕はオレなっ!」

 

「私は右腕には興味ないなー」

 

「優は頭がいいし参謀だな」

 

なるほどー

リボーン君は私が弱いと思ってるからねー

まぁ計画立てる時に私が1番危ないところを

担当するっていうのも出来るからいいかもね

 

「それいいかもねー」

 

「何いってんのーー!?」

 

ナイスリアクションだね(笑)

 

「第2位は……」

 

あ、続いてるね

 

「雲雀先輩の役に立つことだね」

 

「え!? そうなの!?」

 

「な、なにそれーー!!」

 

あ、今回は私のほうがリアクションはやかったねー

うん……獄寺君は……

10代目を差し置いてとか言ってるね(笑)

それにしてもこのランキングはビックリだ……

 

「第1位は……」

 

うわー緊張してきた!!

 

「お嫁さんだね」

 

////

な、なんかすごく恥ずかしい///

 

「フ、フゥ太君……もうランキングはいいよ……」

 

「うん」

 

それにしても……

あまりにも女の子って感じの結果だったから

誰からもツッコミがなかったよ……

 

「あ、10点ね」

 

「わーい♪」

 

ピョンピョン飛び跳ねてる姿はかわいいねー

 

「次は誰だ?」

 

「ランボさんだもんね!」

 

「ラ、ランボ!? 用意してるの!?」

 

「ランボさんはえらいもんねー

 お前らとは違うもんね」

 

ガンッ

 

「グピャ!

 うわあああ!」

 

あー止めれなかった……

また泣いちゃったね……

 

「うぜぇ!!」

 

よしよしー

 

「ゆ、優……グスッ」

 

「獄寺君、今のはマイナス3点ね」

 

「なっ!? ふざけんなっ! てめぇ!!」

 

「ルール上は問題ねぇぞ

 優を喜ばすことが今回の点数だからな

 優を悲しませるとマイナス点がつくんだぞ

 だから今回の大会中は気をつけないと

 点数が下がっていく可能性あるぞ」

 

「そ、そうなのーーー!?」

 

「最初に優はルールに気付いて

 確認してたじゃねぇか」

 

「こりゃ獄寺にはきついルールかもな」

 

「ぐっ……」

 

「獄寺はバカだもんねー!」

 

「こ、このアホ牛!!」

 

あ、また殴ろうとしてる……!

 

「私のパシリだったら

 ツナ君の右腕は出来ないよねー」

 

「なっ!!!」

 

「そうだぞ

 優のパシリをしてツナの右腕は

 カッコワリィから候補にもはいらねーな」

 

「そ、それはないスよ!!

 リボーンさん!!」

 

これで獄寺君はランボ君を殴ることは

大会中ないだろうねー

まぁこれ以上は点数が下がらないように

ランボ君は私が抱いておこう……

 

「ランボ君は何を考えてくれたの?」

 

「ランボさんはねー

 とっておきの物あげるもんね」

 

「ん? 何?」

 

ゴソゴソ

 

……この頭には一体何が入ってるんだろうね

 

「ほい これあげるー」

 

え……あめ?

 

「いいの?

 ランボ君の大好きなものだよ?」

 

「これ2つはいってるから1つあげるー」

 

「全部あげねぇのかよ!?」

 

獄寺君って普段あんまりツッコミしないのに

ランボ君のことはよくツッコミするよね

 

「わかってないなー

 美味しいのを2人でわけるのがいいんだよ?

 ランボ君ありがとうね♪」

 

よしよしー

 

「今から一緒に食べる?」

 

「食べるもんね」

 

「んー多分ブドウとイチゴ味だね

 どっちがいい?」

 

「オレっちはブドウがいいもんね」

 

「わかったー

 はい、あーん」

 

もぐもぐ……

 

「んー美味しい!!

 ランボ君にも10点!!」

 

「やったもんね!!」

 

「優は採点が甘すぎる……」

 

「そんなことないよー

 こんな小さな子が大好きな物を

 食べるのを我慢して半分わけてくれたんだよ

 10点あげないとダメだよ」

 

「ハハッ

 そうだな!」

 




ホワイトデーの時期なので
ビミョーに獄寺君と仲良くなってます
前の話と比べると少しわかりやすいと思います

ちなみにランキングの2位と3位の差はほんの少しです
1位と2位は離れてますけどねww


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第20話

「次はオレだ!」

 

……獄寺君って何をするんだろ……

あんまりいい予感がしないよねー

 

「風早がファミリーの一員になるためには

 10代目のよさを「却下」なっ!?」

 

「獄寺君のことだもん

 ツナ君の話ばっかりするってことでしょ?

 それはいいよ」

 

「(ガーン!

  オレもそんな話してほしくないけど

  聞きたくないって言われるのはショックだ……)」

 

「10代目の話をきかねーとは……」

 

「まぁまぁ落ち着けって」

 

怒ってるね(笑)

でも女子だから我慢してるのかな?

ダイナマイトは出してないねー

 

「前に獄寺君に言ったでしょ?

 ツナ君のことを知ってるのは私のほうが早いんだよ?

 私のほうが先輩って忘れちゃダメだよ♪

 ツナ君のいいところは獄寺君より知ってるもん」

 

「オレのほうが10代目のことわかってるぞ!!」

 

「2人とも何いってんのーーー!!」

 

「風早っていつからツナと友達なんだ?」

 

「んー初めて話したのはGWは過ぎてたと思うよー

 話をしてすぐ好きになっちゃったの♪」

 

「なーーー!!///」

 

「ガハハハ

 ツナ顔真っ赤だもんね!!」

 

あ、本当だね

私はハルちゃんと違って好きとか言わないもんねー

 

「ダメツナのどこを好きになったんだ?」

 

……リボーン君それ失礼だよ

 

「ツナ君の言った言葉がすごく心に刺さったんだ

 その後にツナ君が友達になりたいって

 私に言ったけど実は私のほうが友達になりたい

 って思ってたんだよねー

 ツナ君が言わなかったら私が絶対言ってたよ」

 

そうなんだよねー

話してすぐ原作とか関係なく

友達になりたいって思ったんだよねー

それにすっごいあれは嬉しかったんだよねー

 

「へぇー

 ツナは何いったんだ?」

 

「ヒミツ♪」

 

「優姉教えて!!」

 

う……すっごいキラキラした目で言われた……

んーどうしようかなー

 

「大事にしてるから私から言いたくないなー

 ツナ君が覚えていたら教えてもらってー」

 

「ツナ兄!!」

 

あ、ダメだね

全く覚えてないって顔してるよ(笑)

 

「久しぶりに思い出して嬉しくなっちゃった

 きっかけは獄寺君と山本君だね

 2人とも10点ね♪

 獄寺君にはさっきのマイナスはなしにしとくよ」

 

「おっラッキーだな」

 

「さすが10代目!!

 ありがたい言葉を残してるおかげスよ!!」

 

「あ、それもそうだね

 ツナ君にも10点だね♪」

 

「(オレ何もしてねーー!!

  それに覚えてないし……)」

 

「ってみんな同じ点数じゃねぇーか?」

 

それでいいんだって……

みんな10点でいいよ

誰もパシリにならないしね

 

「まだ終わってねぇぞ」

 

「へ?」

 

みんな出したよね?

 

「オレも優からチョコもらったからな」

 

あ……そういえば……

 

「でも、リボーン君のおかげで

 今日は楽しかったから別にいいよ?」

 

というか……リボーン君からのものって怖いしね

 

「じゃオレからは2つな

 1つはそれな」

 

あ、やっぱりこれは避けられないんだ……(笑)

 

「優は将来なりたくないものになるんだな」

 

「んーそうだね」

 

「だったらボンゴレに入れ」

 

結局マフィアだね(笑)

 

「リボーン!! 何言ってんだよ!!」

 

「いいじゃねーか

 優は将来なりたくないものになるんだぞ

 ランキングで3位に入った

 10代目を継いだツナを助けるほうが

 優のためを考えるといいだろ」 

 

「お、お前! この前の授業参観の時も

 優をボンゴレに入れる気でいただろーー!!」

 

「え!? そうなの!?」

 

そういえば……ランボ君が答えたのに私に言ったね

あれは狙ってたからなのか……

 

「優の頭がいいからな

 これからのマフィアの時代には必要だぞ」

 

「ダ、ダメだ!!

 優を危ないことに巻き込むのは反対!!」

 

「んー私は別にいいよー」

 

「ゆ、優!!!!」

 

「あ、でもツナ君が10代目に継けばだよ?

 ツナ君のためだから入りたいんだもん

 だから今は入らないよ?」

 

「ああ

 それでいいぞ」

 

「じゃぁリボーン君も10点!」

 

「まだオレのは終わってねぇぞ」

 

「え?

 でも私の就職先を紹介してくれたんでしょ?」

 

「今日オレがこれを開いたのも

 入ってるんだったらまだだぞ」

 

ん?どういうことだろ……

 




ツナ君達まじで何もしてないww
主人公はツナ君がひどい目にあうのを回避させた
と思ってくださいww
何かすることになったら
必ずツナ君がかわいそうなことになるんで……w


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第21話

後書きが長いですよー


ヴオオオオン……

 

この音って……バイク……?

まさかそんなわけないよね……?

確かに……あげたけど……

 

「やあ」

 

「「「なっ!?」」」

 

ま、窓から来ちゃったよーーー!!!

 

「ヒ、ヒバリさん……

 ど、どうしてここに……」

 

「君たちと遊びに来たんじゃないんだ

 赤ん坊が僕に借りを返さなくていいのか

 って言われて来たんだけど……」

 

そういえば……ヒミツって言った後一瞬いなかった……

私が絶対教えないと思ってツナ君が覚えてなさそうだから

リボーン君は興味なくなって

トイレでも行ったのかと思ってたけど……

雲雀先輩に電話してたのーー!?

 

「僕は赤ん坊に借りを作った記憶ないんだけどね

 何かあったかい?」

 

「優に借りがあるだろ?」

 

「リ、リボーン君!! ないよ!!」

 

そんなの……恐ろしすぎる……!!

 

「なに」

 

「ヒバリは優からバレンタインチョコを

 もらってねぇのか?

 ツナ達はさっきその分の返しはしたぞ」

 

シーン……

 

……こ、この沈黙が怖すぎる!!

ツナ君たちは恐ろしくて何も言えないよね……

そういう私も言えないんだけどね……

 

スタスタ……

 

や、やばい……私のところに来るよーー!!

え!?咬み殺されるの!?

とりあえずランボ君をツナ君のところに

避難させないとダメだね!!

 

「うわっ!」

 

あ、いきなり預けたからビックリさせてごめん……

うわーもう目の前に来たよーーー!!

ト、トンファーが来る!?

 

・・・・・

 

…………あれ?

怖いから目をつぶったけど……

全然痛くない……目を開けても大丈夫……?

ん?……袋だよね?

 

「手……出しなよ」

 

「あ、はい」

 

……渡されたけど……これ……なに?

 

「借りは返したよ

 じゃぁね」

 

「え…………?」

 

 

 

 

 

「ゆ、優!!」

 

「うわあ!!

 いきなりどうしたの!?」

 

「……さっきから呼んでたんだけど……」

 

「え!?

 ご……ごめん……」

 

全然気付いてなかった……

 

「ヒバリが暴れるかと思って冷や冷やしたぜ……」

 

「こ、怖かった……」

 

あ、ランボ君も半泣きだ……

 

「フゥ太君、ランボ君ビックリさせてゴメンね……

 私も咬み殺される覚悟しちゃったよ……」

 

「なぁ風早それ何なんだ?」

 

「……袋?」

 

「それは見ればわかるだろーが」

 

「それもそうだね……開けてみるよ」

 

んーなんだろうね

 

・・・・・

 

「優?」

 

「ひ、雲雀先輩……

 なんで持ってたのかな……?」

 

「「「え?」」」

 

だ……だって……これ……

見せたほうがわかりやすいよね……

 

「……ブレスレットだよな?」

 

「……女物に見える」

 

……獄寺君……

目をゴシゴシこするのはあんまり良くないよ……

まぁ私もそこが気になったけど……

 

「ヒ、ヒバリさん……

 用意して持ってたんじゃ……」

 

「そ、それはないって!!」

 

うん!それは絶対ないよ!!

雲雀先輩がそんなことするわけないし……

 

「着けてみねーのか?」

 

「え!? 私がつけていいのかな……」

 

これ……落し物とかじゃない……?

 

「ヒバリが優に渡したんだ

 つけていいだろ」

 

「う、うん……」

 

……シンプルだけどかわいい……

 

「サイズ……ちょうどみたいだね……」

 

「あ……ほんとだ……」

 

え……どうしよう……

すごい嬉しい……

例え借りを作るのが嫌だから用意してたとしても……

 

「リボーン君……」

 

「なんだ?」

 

「リボーン君に10点以上あげたい場合は

 どうすればいいの……?」

 

「またチョコのお菓子くれ」

 

「う、うん!

 絶対あげるね!!」

 

今日……雲雀先輩は家に来るかな……

晩ご飯……張り切って作ろう……!

 

「ツ、ツナ君!!」

 

「え!? なに?」

 

「バレンタインのお返ししたほうがいいと思うよ!

 京子ちゃんとハルちゃんからもらったよね?」

 

「う、うん……」

 

「今すぐ用意して渡しに行ってね!!」

 

「えええ!?」

 

「獄寺君と山本君が

 買い物に付き合ってくれるはずだよ!!

 ほら! 急いで!!」

 

よし!背中を押そう!

 

ぐいぐい……

 

「えええ!?」

 

「何でも嬉しいと思うけど

 物をあげるのが難しかったら花とか嬉しいよ!!」

 

「は、花ー!?」

 

「1本の花でもすっごい嬉しいと思うよ!

 後はケーキ屋で焼き菓子を買って一緒に渡すとかいいよ

 返さないとツナ君が私のパシリね!」

 

「なーー!!」

 

「じゃ私は帰るよ!」

 

「え!?」

 

「今からスーパーに行って買い物するの!」

 

「スーパー?」

 

「食材買いに行くの!

 みんなまたねー!!」

 

ダダダダダ!!

 

 

 

 

優……すごい急いで帰ったな……

 

「……すげぇな

 風早があんなにもテンション高いの初めて見たぜ」

 

「……明日槍でも降るんじゃねぇのか?

 ヒバリのヤローもおかしかったしよ……」

 

「今回はオレとヒバリの圧勝だな

 おめーらはまだまだだな!」

 

「リボーン!

 ヒバリさんが用意してるの知ってたのかよ!」

 

優があそこまで喜ぶなら

オレだって用意してたのに……

 

「知らねーぞ」

 

「「「え!?」」」

 

「優の性格だとオレがこれを開いただけで

 10点はもらえるのはわかってたからな

 さらに優が喜ぶことをすれば

 またチョコのお菓子食えるからな

 ヒバリにかけただけだぞ」

 

「んなーー!

 お菓子が目的だったのー!?」

 

「美味かったからな

 優は普段お菓子はつくらねーからな

 それに今回は偶然ボンゴレに入りたいって

 わかってラッキーだったしな」

 

「それは絶対ダメだ!!

 優を巻き込んだらお前でも許さないからな!!」

 

「それよりツナ」

 

「話そらすなよ!!」

 

「京子達にお返し渡しにいけよ

 このままだとツナは優のパシリだぞ」

 

「そ、そうだった……

 山本、獄寺君今から買い物付き合って……」

 

優の分もちゃんと用意して渡そう……

 

「もちろんスよ!」

 

「ああ

 行こうぜ」




リボーンが普通に主人公に頼むと
ビアンキが作ってしまうので口実がほしかったんですw
ちなみに雲雀さんが渡したのは当然高価ではありません
これで終わりだったんですけ次の日を書いてしまったww
この下は次の日ですw




昨日雲雀先輩がご飯食べに来てくれてよかった♪
頑張ってご馳走作ったけど全部食べてくれたしね♪
だから休みに呼び出されたけど不満ゼロだったよ!
「風早さん」
あれ?草壁さんが私に話しかけるなんて珍しいねー
「どうしたんですか?」
「すみません
 1日遅れまして……」
「へ?」
「バレンタインデーのお返しです」
「えええ!?
 用意してくれたんですか!?」
「この様なことは不慣れでして……
 喜んでもらえるかどうか……」
この袋って……『ラ・ナミモリーヌ』だ!
「うわー! すごい嬉しいです!!」
「喜んでもらえてよかったです」
「ありがとうございます!!」
わーい♪焼き菓子かな?楽しみ♪
あ!そうだ!
「今、雲雀先輩はなにしてます?」
起きたと思ったら『帰っていいよ』だったから知らないんだよね
「応接室で書類をしていますが……
 どうかしたんですか?」
「じゃぁ書類手伝いますよー」
「いいのですか?」
「はい♪」



カキカキカキ……

「終わったー!」
「はやいね」
「ちょっと頑張りました♪」
「そう」
「雲雀先輩!」
「なに」
「少し休憩してお茶いかがですか?」
「そうだね」
「草壁さんも少しは休憩したほうがいいですよ?」
「ありがとうございます」
ふふ♪楽しみ♪

カチャカチャ……

きゃー!!美味しそなパウンドケーキだよ!!
草壁さんいい趣味してる!!
「雲雀先輩どうぞ♪」
「……なにこれ」
「草壁さんからバレンタインのお礼もらったんですよ♪」

ガタッ!

「……へぇ」
あ……機嫌が悪い……?
「ご、ごめんなさい……
 甘いの……好きじゃなかったんですよね……
 一緒に食べたほうが美味しいと思ったんです……」
「……それで書類手伝ったのかい?」
「はい……
 ごめんなさい……さげますね……」
そんなに嫌だとは思わなかったなー……
「……食べるから置いといて」
「無理しなくていいですよ……?」
「少し疲れたからちょうどいい」
良かったーー!
「草壁さんには貰ったものをすぐここでみんなと食べるのは
 ちょっと失礼かなって思ったんですけどねー
 いつもお世話になってるお礼で渡したのに
 お礼貰って1人で食べるのが悪い気がしたんですよー」
「そ、そうですか……」
「そうですよー
 昨日もみんなからもらったんですけどねー
 たった2種類で量も少なかったのに……」
うーこんなにもいろいろくれるなら
もっと頑張ればよかった!!
来年は絶対もっといいの渡そう!!



片付けも完璧だし帰ろう!!
「草壁さんありがとうございました!!
 すごく美味しかったです♪」
「……いえ……」
「じゃぁ今日は帰りますね?
 あ! 今日は家でご飯食べますか?」
「食べる」
「了解しました
 お先に失礼しますね?」
「わかった」

バタンッ

「……草壁」
「は、はい……」
「君は何もらったの」
「……ク、クッキーと……マドレーヌを……」
「そう」
「(……咬み殺されない……?
  それに機嫌がいい気がする……)」
「見回りしてくる」
「は、はい!」



~後書き~
私が草壁さんだったらドナドナの音楽がずっと流れてるw
そんな気持ちになりましたww
雲雀さんが機嫌がいい理由はわかると思います
実はこれはふと思いついて書いた内容ですww
本編にいれるほどの内容ではないので後書きに入れました

次はバズーカ入れ替わりの話です
私の中では1番甘いかなー?と思います!
なので……『激甘警報』発令しましたww
まぁ次の1話だけは甘くないです
はい。そうです。次の1話「だけ」ですよww


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第22話

んー……眠い……

学校集会ってなんで話が長いんだろうねー

特に校長先生の話……

さっきから聞いてるけど終わらないかなー

サボってる獄寺君が羨ましいってすごい思うよ

一応学校行事?だから雲雀先輩だって参加してるのにねー

でも早く終わってくれないと機嫌悪くなるんだよねー

だって集会ってことは群れてるんだもん(笑)

まぁ当然……雲雀先輩はかなり離れているけどね

 

……気のせい?

いや……気のせいではないと思う……

 

「ガハハハ!!

 ランボさん登場だもんね!!」

 

……校長先生の前に出ちゃったよーーーー

みんなの頭の中は多分……

「なんだこのアホなガキ……」とかだろうね

私はかわいいと思うんだけど……

 

チラッ

 

あ、ツナ君が「ランボ何してんだよ!?」って思ってそうだよ

 

「……君……不法侵入だよ」

 

ま、まずい……!!雲雀先輩が出てきちゃう!!

雲雀先輩が怒ってる姿見ただけで

ランボ君が半泣きだよ!!

 

「あのガキ死んだ……」

 

誰……今言ったの!?

不吉なこと言わないでよ!!

あ、でも事実かも……急いで行かないと!!!

 

「雲雀先輩ごめんなさい!!」

 

ま、間に合った……

 

「ゆ……ゆう……?

 うわあああ!!!」

 

あ、私の顔見て安心して泣いちゃった……

それほど怖かったんだね……

 

「……はぁ……処理しといてね」

 

……処理って……

いや……助かっただけましかもね……

 

「は、はい!」

 

ん?足元に……?

あ、ランボ君か……とりあえず抱くかな?

 

ぎゅ

 

「ランボ君、家に帰ろうねー」

 

あ、ランボ君の家=ツナ君の家にしちゃった(笑)

それにしてもすごく泣いてるよ……

そこまで怖かったのか……

 

チャッ

 

……10年バズーカだ

自分に向けてだから入れ替わろうとしてるよ……

まずい……すっごいまずい

大勢の前で入れ替わることは当然だけど……

もし……もし私も一緒に入れ替わった時がまずい!!

未来の私がヴェントの行動中だったら……さ、最悪だ!!!

 

絶対一緒に入れ替わらないって言えないよね!?

だってイーピンちゃんも一緒に入れ替わったりするもん!

どうする!?考えろ……考えろ……

この距離で風を使って

避けたり止めたりするのはおかしすぎる……

ランボ君をいきなり離すとランボ君が落ちて

それこそ角度の問題で

私にバズーカが当たる確立がすごく高い

バズーカをずらす……できるけど……

みんなから見ればすっごい違和感だよね……?

いきなりバズーカの方向が変わったようにしか見えないと思う

バズーカの直線状に立たないようにしゃがむ……

出来るけどこれも一般人を超える……

いや……手だけでランボ君を抱いて

手をあげたまま1度しゃがんで

目に見えないぐらいの速さですぐ立つ!!

これだ!!これしかない!!!

流石私だよ!!一秒もない時間で解決策を考えたよ!!

 

ぐいっ

 

「へ?」

 

ドカアン!!

 

……今……ひっぱったの……雲雀先輩だよね……?

私と同じようなこと考えてたんだ……

未来の私がヴェントの行動中だった時が

すっごいまずいってわかったから助けてくれたんだ……

つまり今から10年後の雲雀先輩が来るんだよね!?

ど、どうやって……誤魔化せばいいのーーー!?

そっちは考えてなかったーーー!!

け、煙を風で……すぐ流れないようにしたけど……

そんなにもたないよね!?

ずっと煙があったらおかしいもん……

 

「「「「「うわあああああ!!!!」」」」」

 

へ?何これ……

えーーっと今の状況を説明すると……

みんな必死に走って離れていきます

こけてても必死に起きて逃げてるって感じだよ

 

……なるほど

10年バズーカだけど……

みんなから見ればバズーカというおもちゃを

子どもが私に向かって撃とうとした……

これだけでもう雲雀先輩が

この後にどんな行動に出るかわからないよね……

 

でも私をかばって撃たれた……

そして……この煙の量……

すっごい機嫌悪いって誰でも思うよね

近くにいれば咬み殺されるって思うもん

まぁ煙は私が流さないようにしてるからだけどね

 

いやーすごい逃げっぷりだねー

逃げてないのはツナ君と山本君と風紀委員ぐらいだよ

先生まで必死に逃げちゃったしね(笑)

まぁ山本君は10年バズーカのこと知ってるから

問題ないって感じで笑顔だねー

京子ちゃんは多分花が連れて行ったんだろうなー

「京子!ボーっとしてないで逃げるよ!」って感じでね

京子ちゃんのお兄ちゃんは

みんなが走ったから「極限!競争だな!」とか言って

先頭で走ってそう……(笑)

ツナ君はみんなの必死に逃げる姿にビックリして

怖くなって小さくしゃがんでるよ……

風紀委員は逃げたいけど逃げれないんだろうな……

 

 




最初、主人公を入れ替えたらいいと思ってたら……
だめじゃん!!未来編後のリクエストだ!
ってことは……未来のことがわかってるから
主人公ってむやみにバズーカ当たれない!?と思い
雲雀さんに当てればいいやー……どうやって!?w
ってことですごい悩みましたww
この状況だと雲雀さんがバズーカに当たっても
そこまで違和感がないはずです……w


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第23話

モクモクモク……

 

チャキ

 

誰もいない……?

念のためにトンファーを構えたけど

部屋の中だし警戒する必要はなかったかな?

 

スッ……

 

でも僕の知らない場所だ……

まぁ10年後だからね

……窓はない……ドアは2つ……

 

カチャ

 

ドアが開いた!?

 

チャキ!

 

「……誰?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んー失敗しちゃったよ……

まさかシャツを汚すとは思わなかった……

でも恭弥さんがいきなり抱きしめたのが悪いんだもん!

グロスがついたのはしょうがないよねー

 

カチャ

 

!?

ドアを少し開けただけなのに……

こっちにすごい殺気が……これは恭弥さんが……?

何があったの!?敵……?このアジトがばれた……?

でも……ここは地下だ……窓はない……

特殊な方法でこのアジトに入ったとしても

恭弥さんがいる部屋に入った時点で倒してるはずだし

絶対何か音が聞こえるはずだよ

それに私が奥の部屋にシャツを取りにいったのは知ってるし

この奥の部屋は出入り口が1つ……つまりここしかない

私に殺気を向けてるのはおかしい……

ってことは……恭弥さんは私がシャツを探してる間に

部屋を1度出て……そこに敵が入ってきた……?

 

「……誰?」

 

恭弥さんの声……?すごく似てる……

でも恭弥さんじゃないよね……?

だって「誰?」って聞いたもん

風で探って見たけど……1人だね……

私は着物だからねーどう考えても一般人に見えるよね

油断を誘って倒すべき?

恭弥さんがすぐ戻って来るから任せるべき?

あ、敵はここにいる1人とは限らないから

恭弥さんがすぐに戻って来れないかもしれないし

やっぱりこの人は私が倒すべきだね

 

スタスタスタ……

 

あ、こっちに来る……

殺気に当たって動けなくなった一般人のフリをしよう

……ドアが完全に開く

 

カチャ……

 

「「!?」」

 

えっと……小さい恭弥さん……?

うん……トンファーを出してるし……

そうだよね……?

 

「…………優?」

 

ビックリしすぎて声がでない

首を縦に振ろう……

 

コクコクコク……

 

「はぁ……すぐ出てきなよ」

 

スッ……

 

あ、トンファーを直したね

声を出してないのに信じてくれたんだ……

 

「殺気がしたので……何かあったと思って

 殺気に当たって動けなくなるぐらい

 弱いフリをして油断を誘うつもりでした」

 

「……そう」

 

うわー私のほうがちょっと高いかも!!

……小さい恭弥さんだ……

か、かわいい……すっごいかわいいけど……

こっちを見てくれないよーーーー

最初の数秒しかこっち見なかった!!

もっと見たいよーー!!

 

「10年バズーカに当たったんですか?」

 

「……そうだよ」

 

んー話しかけてもこっちを見てくれないね

 

「どうかしたんですか?」

 

「……なにが」

 

「こっちを見ないので……」

 

……無視?

あれ?耳が赤いよね

もしかして風邪!?

 

スッ……

 

「んー熱はないかな?

 後で必ず測ってくださいよ?」

 

手で測っただけでは心配だしねー

 

「聞いてます?」

 

あれ?なんで返事ないんだろ?

 

「恭弥さん?」

 

あ!こっち見た!!

うー……もう我慢できない!!

 

ぎゅっ

 

あまりにもかわいすぎて飛びついちゃった♪

あれ?なんか変……?

でも何が変かわからないなー

んー……とりあえず離れてみよう

 

あれ?顔が赤くなってない?

だってほっぺたが赤いもん

やっぱり恭弥さん風邪かも……

 

「恭弥さん……

 あんまり無理しないでくださいね……」

 

あ!目をそらした!

無理する気満々だよ!!

 

「戻ったら必ず休んでくださいね?」

 

返事ないし横を向いちゃった……

うーん……あの方法をとるかなー

 

・・・・

 

バッ!

 

あ、今だね

目を合わせていわないと……

 

「約束ですよ?」

 

「……わかった」

 

あれ?

普段はほっぺだけじゃ足らないって言うのに……

まぁいいか

約束してくれたらいいしね

 

「もうすぐ5分ですか?」

 

「……後2分ぐらいと思う」

 

もう時間がないなー……

 

「恭弥さん」

 

「……なに」

 

「小さい私をよろしくお願いしますね」

 

「わかった」

 

あ、こっち見てくれて言ってくれた

でも……すぐ逸らす……

もういいもん

言いたいことだけ言うもん

 

「私は恭弥さんのことが大好きです

 いつも恭弥さんは優しくて大好きです

 10年たっても……ううん……

 私が生きてる間はずっとです」

 

「……どういうこと?」

 

あ、こっちを見たね

 

「何かあるかわからないでしょ?

 もしかしたら私が先に死んじゃうかも

 知れないとかあるでしょ?

 病気とかだったら恭弥さんでも守れないでしょ?

 そういう意味ですよー

 あ、私は今病気にかかってるわけじゃないので

 安心してくださいね?」

 

「……わかった」

 

「私はずっと恭弥さんが大好きです

 でも私の思いに縛られないでください

 好きなように……自由に生きてる恭弥さんが

 私は大好きなんですからね♪」

 

「わかってるよ」

 

10年前でも恭弥さんは恭弥さんだね

 

「ふふ♪

 よかった♪」

 

あ、また横向いちゃった……

 

「あ!」

 

「……なに」

 

「ごめんなさい」

 

また同じ失敗しちゃったよ

濡れたハンカチないよね……

時間ないし……普通のハンカチで取れるかな……

 

「あ、動かないでくださいよ!

 少しグロスがついてるんですよー」

 

んー消えたかな?

 

「多分これで大丈夫ですよ♪」

 

「…………そう」

 

やっぱり顔赤いよねー

 

「絶対休んでくださいよ?

 熱がありそうです」

 

「……わかったよ」

 

「はい!」

 

ボワン

 




リクエストの場面でしたー
本当は後半に持ってくるべきと思うんですけど
このタイミングがいいと思い前半に出ました
うーん……リクエストで書いてたドキドキ?感が
もっと表現出来たらよかったんですけどねー
私の腕ではこれが限度でした……

珍しく主人公が主導権?を握りました
なので……やりたい放題になったwww


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第24話

ボワン

 

あ、恭弥さんが帰ってきた♪

 

「おかえりなさい♪」

 

「ただいま」

 

少し機嫌よさそうだね

過去でいいことがあったのかな?

 

「過去の僕に会ったんだね」

 

「はい

 でも……少し体調が悪そうでした……」

 

「……はぁ……」

 

え?何で溜息?

 

「……熱がありそうだったんだよね?」

 

「……はい

 少し顔が赤かったです……

 大丈夫かな……」

 

「それは問題ないよ」

 

「でも恭弥さんはすぐ無理するから……」

 

「大丈夫だよ

 僕が言ってるんだよ

 信じられないの?」

 

「そうですよね!」

 

「そうだよ」

 

それに過去の私も気付くと思うしね!!

体力をあげれば恭弥さんだったらすぐ治るよね!

 

「優」

 

「なんですか?」

 

「過去の僕と何話した?」

 

「えっと特に話はしてないですね」

 

もう少し話が出来ればよかったなー

うーん……ちょっと残念だね

 

「……何したの」

 

「いや……その……///」

 

「はぁ……」

 

「ご、ごめんなさい……

 あまりにも可愛かったので……

 抱きしめちゃったりしました」

 

「……ふぅん」

 

聞いたのは恭弥さんだよ!?

怒らないでよーーー!!!

 

「僕には滅多にしてくれないのにね」

 

……すっごい意地悪な顔だ……

今しないと絶対機嫌悪くなるよね!?

うぅ……恥ずかしいのにーーー!!

 

ぎゅ

 

あ、肩幅とかが違うからさっき変だと思ったのかな?

 

ぎゅっ

 

「あ……」

 

さっき変って思ったのは……

これかも……抱きしめ返してくれなかったからだ……

 

「なに」

 

「過去から来た恭弥さん……

 抱きしめたの……嫌だったのかな……」

 

「それはないよ」

 

「で、でも……抱きしめ返してくれなかった……」

 

「ビックリしたんだよ」

 

「そうなのかなぁ……?」

 

「そうだよ

 僕はずっと優が好きだからね」

 

「あ、ありがとう……んぁっ」

 

 

 

 

 

はふ……///

あれ?なんか見てる?

私の顔に何かついてるのかな?

口元はすぐ拭ったし……

んー他には何もないよね?

 

「……出かけるのが嫌になった」

 

「えええ!?

 ダメですよ!!」

 

恭弥さんは今からツナ君に会いに行く予定だよ!?

 

「問題ないよ」

 

本当に出かける気なくなってるよ……

草壁さんに頼む気だ……

 

「んー私がかわりに話を聞いてきますね」

 

草壁さんの仕事が私のせいで増えてるのに……

これ以上増やしたら悪いし……

 

「今が1番不安定な時期って忘れてないよね?

 1人の身体じゃないんだよ?」

 

そうだけど……

心配しすぎだと思う……

 

「じゃぁツナ君にこの場所を教えますよー」

 

この場所を教えたくないから

そっちに行くって恭弥さんが言ったからねー

これは効果あると思う!!

 

「はぁ……わかった……」

 

やっぱり効果あった!!

それにしても……なんでこんなに……

……わがままなんだろ……

 

「お願いしますね

 多分……私のことだと思いますし……」

 

恭弥さんに話したいって言ったからね

この時期に私に聞かせたくないんだろうなー……

ツナ君も心配しすぎだよねー

 

「問題ないよ

 優は安静にしといてね」

 

「はい!」

 

「行ってくるよ」

 

え!?

 

「あ、あの……」

 

「なに」

 

「シャツ……着替えてください……」

 

そのままで行かないでよーー///

誰がつけたかすぐわかっちゃうんだから!///

 

「……ああ

 そうだね」

 




10年後って感じの話にしましたw
これで前の話で主人公が
ちょっと精神的に不安定だったのがわかると思います
そして雲雀さんがさらに過保護になってます
まぁ主人公は侵入者を倒そうとする思考回路なので
今回は絶対雲雀さんが正しいですw


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第25話

んーとりあえず風紀委員の人は

出て行ってもらわないといけないね

10年後の雲雀先輩のことを説明するのは大変だしね

 

ブワッ

 

……わぁ……すごい殺気が……

まぁ煙で隠してるからね……

 

「い、委員長……」

 

おお!草壁さんすごい!

この殺気に当たっても話しかけれるんだね

 

「草壁さん!

 すみませんが体育館の外で待っててくれますか?」

 

あ、私の声で殺気がおさまったね

 

「ですが……」

 

「これはおもちゃのバズーカで煙がすごいだけです

 怪我とかはしてないですので安心してください!」

 

「……わかりました」

 

おお!

草壁さんの指示で風紀委員が出て行ってくれてるね

察してくれる草壁さんは本当に大人だね

 

「ツナ君と山本君もねー

 ランボ君をよろしくー」

 

顔が真っ青なんだよねー

それにランボ君を雲雀先輩に会わせるはまずいと思うしね

 

「ん? いいのか?」

 

「で、でも……」

 

「……邪魔だよ」

 

……こわっ!?

すっごい機嫌が悪そう……

 

「ゆ、優!! ランボかして!!

 山本!! 行くよ!!」

 

「お、おう?」

 

おーすっごい速いよ

さて……無事にみんな出て行ったね

 

「雲雀先輩お待たせしました

 すみません」

 

煙を流そうー

 

「……10年バズーカであってるよね?」

 

「は、はい///」

 

……かっこいい……///

 

「僕が入れ替わることはないと思うけど」

 

「その……私をかばってくれて……」

 

「じゃぁいいよ」

 

あ……優しい顔だ……///

 

「でも……すみません……」

 

「問題ないよ」

 

でもスーツだから何かしてたと思うし……

あ……

 

「どうしたの?」

 

声が出せない……

出すと泣いちゃいそうだもん……

首を横に振ろう……

 

フルフル……

 

「どうして泣きそうなの?」

 

……私のことなんか気にしなくていいのに……

 

「……雲雀先輩」

 

「なに」

 

「私……自由に生きてる雲雀先輩が好きです……」

 

「知ってるよ」

 

「だから……私の思いに縛られなくて

 ……良かったのかな……」

 

笑顔で言わなきゃ……!

 

「隣に私がいなくても

 雲雀先輩が幸せだったらすごく嬉しいです!」

 

「……何いってるの」

 

「私のことは気にしなくていいですよ?

 大事な人がいますでしょ?」

 

「……僕は優が大事だよ」

 

「ウソつかなくていいですよー

 今幸せですか?」

 

「優!!」

 

ビクッ!

 

雲雀先輩が大きな声を出して怒った……

そんなの初めてだ……

 

「……少し声が大きかったね

 僕……何かした?」

 

フルフル……

 

雲雀先輩は何もしてないよ……

 

「はっきり言ってほしい

 時間が少ないんだ

 優を悲しませたまま僕は戻りたくない」

 

「…………なぃ……」

 

ぎゅ

 

雲雀先輩がしゃがんで抱きしめてくれた……

なんでそんなことするんだろう……

 

「……聞こえなかった

 声小さくてもいいから僕の耳に向かって言って」

 

「……私……10年たっても絶対出来ない……」

 

凄く自信がある……

 

「なにを?」

 

「シャツに……キスマーク……」

 

そんなこと私は絶対しないもん……

私には見せ付けるようなことは出来ないもん……

つまり雲雀先輩がそれを許した人がいるってことだよ……

 

「はぁ……」

 

「ご、ごめんなさい!

 この未来になるかわからないし……

 せっかく雲雀先輩が隠してくれてたのに……

 離してくれていいですよ??」

 

「いやだ」

 

「もうウソつかなくていいんですよ?」

 

……離れた

私……なにをしたんだろうね……

嫌われちゃったんだ……

これから嫌われちゃうのかなぁ……

 

ぐいっ

 

あ、顎を掴まれた……?

 

「好きだ」

 

え……

 

「んっん!?」

 

な、なにこれ……

……た、食べられてる気分……

 

 

 

 

 

はぁ……はぁ……///

息が出来なかった……

 

「……これ以上は過去の僕に悪いよね」

 

こ、これ以上ってなに!?

もう私の許容範囲を超えてるよーーー(泣)

 

「僕は嫌なことは死んでもしないのは知ってるよね?

 わからないならまたするけど?」

 

……この目は……本気だよね……?

 

「わかった?」

 

コクコクコク……///

 

縦に振らなかったら絶対もう一度してた……

 

「これは僕が急に優を抱きしめたからついた」

 

「そうなんですか……?」

 

「そうだよ

 新しいシャツを用意してもらってたところ」

 

「そうだったんですか……

 ご、ごめんなさい!!

 勝手に勘違いして……」

 

「いいよ

 今は得した気分だからね」

 

/////

と、得って……///

 

「と、というか!!

 説明してくれれば良かったんですよ!?」

 

「説明しても信じなかったと思うけど?」

 

う……

 

「少しは僕の気持ちにも気付いてよね」

 

「へ?」

 

「優はいつまでたっても鈍感だからね」

 

「そんなことないです!

 誰が誰を好きとかすぐわかるんですよ!」

 

私はそんなに鈍感じゃないもん!

 

「はぁ……」

 

溜息……信じてくれてないー!!

 

「そろそろ時間だね」

 

「あ、そうですね」

 

「最後に優からしてよ」

 

「えええ!?」

 

な、何いってるの!?

 

「こっちでいいよ」

 

……ほ、ほっぺた……

 

「はやくしなよ」

 

う……逃げれない……

 

「し、失礼します……」

 

うぅ……恥ずかしいよ……///

 

「体に気をつけるんだよ

 風邪とかひかないように」

 

「……最後にすっごく子ども扱いじゃないですか?」

 

「小さいからしょうがないよ」

 

あ、頭を撫でられた……

 

ボワン!

 




10年後の雲雀さんが暴走した理由は
主人公が暴走したからでしたww
一度マイナス思考に入るとそのまま突き進むww

私はこの話が激甘と思ったので警報を発令しました
甘くない!って思われたら……すみません……


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第26話

ボワン!

 

おお!雲雀先輩が戻ってきた!!

あれ?顔が赤い?

 

「雲雀先輩大丈夫ですか?」

 

「……なにが」

 

「少し顔が赤いです

 熱かも……」

 

「……問題ないよ」

 

「で、でも……」

 

どうしよう……

手で熱を測ったら嫌だと思うし……

保健室に行ってDrシャマルから体温計を借りてこよう!

 

「……優に治してもらうよ」

 

「あ! そうですね!

 先に私の体力を渡しますね!!」

 

そうだよ!

抵抗力?とかはあがるはずだよね!

 

「違うよ」

 

ぐいっ

 

「へ?」

 

ぎゅ

 

どうして抱きしめてるの……?

触るだけで体力はあげれるのを知ってるのに……

 

「……どうしたんですか?///」

 

「……落ち着くからこのままね」

 

「は、はい///」

 

 

 

 

 

あ……離れた……///

 

「……やっぱりこの顔が一番いい」

 

「え……?」

 

どういう意味?

 

「優の赤い顔を見るのが楽しい」

 

//////

うー絶対赤くなっちゃうから治せない……

 

「……赤くなるのは雲雀先輩のせいです!」

 

「だから楽しいんだ」

 

うぅ……いじめて楽しんでるってことだね……

 

「未来の僕とはなに話したの」

 

「んー……」

 

うわあああ!/////

キ、キスを思い出しちゃった……////

 

「……何したの」

 

あわわわわ……////

 

「なに」

 

フルフルフル……///

 

必死に首を横に振るしかない……!

あんな内容を言えるわけないもん……///

 

「はやくいいなよ」

 

「……食べられた……です……///」

 

そんな感じのキスだった……///

 

「はぁ……意味をわかって言ってよね」

 

え?意味って?

 

「……なんでもないよ」

 

ふむ?

まぁいいか……

 

「……食べられた……ね……」

 

……なんか嫌な笑いが……

 

ぐいっ

 

ま、また……つかまれた!?

 

「んっん////」

 

 

 

 

 

はぁ……はぁ……///

だ、だから息が出来ないよ……

 

「……呼吸しないと死ぬよ」

 

「雲雀先輩が……私を……

 窒息死させようとしてるんです!!///」

 

「2度目だよね?」

 

「そ、そうですけど……///」

 

2度目でも無理だもん!!

 

「ふぅん

 やっぱりそうだったんだ」

 

い、今なんか失敗した……?

 

「雲雀先輩……?」

 

ぐいっ

 

「きゃっ!」

 

なんか力が強い!

 

ぎゅっ

 

「ひゃ……ん……あっ///」

 

は、離れたけど……またつけられた……///

なかなか消えないんだよ!?

ど、どうしよう……///

 

「……呼吸の仕方は

 これから覚えれば問題ないよね」

 

え……今なんて……?

 

「ゆっくり覚えても大丈夫だよ」

 

「あ、あの……///」

 

「僕は何度もしてもいいしね」

 

「え、えっと……」

 

よくわからないけど……

なんか逃げ腰になっちゃう……

 

ガシッ

 

今度は腕を掴まれた!?

 

「逃がさないよ」

 

……獲物を見る目だよーーー!!!

 

「……これぐらいで許してあげるよ」

 

助かったーーー!!!

ちょっと泣きかけたよ……グスッ

 

「あ、あの……」

 

「なに」

 

「今日……書類してもいいですか……?」

 

今日1日は絆創膏で

何とかするしかないんだもん……

明日からどうしよーー!!考えないと……

 

「しょうがないね

 いいよ」

 

た、助かった……

 

「ありがとうございます!」

 

「行くよ」

 

「は、はい!」

 




これもすごく甘いですね
後から読み直して思いましたww

この話で入れ替わりは終わりです
次は学園祭です
あんまりみんなと絡んでないんですよねー
そしてツッコミ満載ですけどスルーしてくれると嬉しいですw


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第27話

学校に通ってるのに授業じゃなくて書類ばっかり……

まぁしょがないけどね

もうすぐ学園祭だしねー

 

「あ……」

 

「どうしたの?」

 

「すみません

 今日のHRの時間は授業に出てもいいですか?」

 

「何かあったの?」

 

「学園祭があるじゃないですかー

 クラスの出し物や担当とか決まってると思うんですよねー

 ちゃんと顔出して聞かないとと思いまして……」

 

「優は風紀委員だから免除すればいいよ」

 

「でも私は当日は役に立たないんでね

 クラスの子に当日は手伝うって言いましたよ」

 

私は弱いから見回りはなしになってるからねー

それにトラブルがあってもそういうことに

私が口を出すと他の風紀委員が不満に思うと思うしね

まぁ絶対態度に出さないけどね(笑)

 

「そう」

 

んー確か……去年はおにぎりを作ったよね

ツナ君のせいで食べれなかった

男の子達の勢いがすごくて決まったんだよね(笑)

そういえば……その時もおにぎり持って行ったような……

 

「優」

 

「え、あ、はい」

 

「……なに」

 

「あ、すみません

 去年の学園祭を思い出してました」

 

「そう」

 

「えっと、どうしたんですか?」

 

「当日は……それ……外しといてね」

 

ん?どっちかな?

あ、目線はこっちだね

 

「風紀委員の腕章ですか?」

 

「そうだよ」

 

んー心配なのかな?

 

「大丈夫ですけど……

 トラブルが増えると仕事が増えると思いますし

 了解しましたー」

 

「何かあれば連絡するように」

 

……いや……だから……

私は……強いんだって……

 

「……返事は?」

 

「はい?」

 

「……はぁ……」

 

いや……だからなんで溜息をつくの……

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりー」

 

「優ちゃん!」

 

「風紀委員の仕事が終わったの?」

 

「ううん

 まだ残ってるけど学園祭で何すればいいか

 知らないからこっちに来たの」

 

書類もまだ提出してなかったしねー

 

「そういえば話してなかったわね

 今年は喫茶店よ」

 

「そうなんだー

 私の担当は決まってる?」

 

「裏方が良かったみたいだけど

 調理するのも流れとかあるから

 悪いけど違うのにしたわよ」

 

「いいよー

 それは私のせいだしね

 じゃぁ接客のほうかな?」

 

「違うわよ」

 

「へ?」

 

じゃぁ何だろ?

 

「宣伝よ。宣伝。」

 

「……もしかして……

 教室出て……紙を配ったりする……あれ……?」

 

「そうよ」

 

「えーーー!!

 いやだいやだいやだ!!」

 

それは勘弁してーーーー!!

 

「文句言わないの」

 

「言いたくなるよ!!

 去年は確かマスコットみたいな

 おにぎりの人形を着てなかった!?」

 

あれはどこから借りてきたんだよっ!?

ってツッコミしたくなったもん……

 

「優ちゃん 大丈夫だよ!」

 

「え?」

 

「今年はメイド服だよ!」

 

……全然良くないよ!?

京子ちゃん……すっごいかわいい顔して……

何……言ってるの!?

 

「……だ、誰か……かわって……」

 

無理だ……

私には無理だ……

ランボ君達と遊ぶ時にノリで怪獣のマネとかはいいけど

今回はそういうのと絶対違うもん!!

あれは子ども相手だからアリなんだ!!!

 

「残念だけど女子はみんなメイド服だからね

 宣伝も兼ねて1日中着るからね

 担当終わったからって抜いじゃダメよ」

 

逃げ道がない……!?

 

「……喫茶店って……

 メイド喫茶だったんだ……」

 

テンション下がった……

 

「違うよー

 メイド執事喫茶だよー

 男の子は執事服着るの」

 

両方かよ!?

 

「……現実的に無理じゃないの……?

 服に一体どれぐらいお金かけるの……」

 

クラス全員分の服とか絶対無理だよねー

だから着ない人とかわってもらおう

 

「ハルの学校で使ったみたいで貸してくれるのよ

 いろんな種類の服があるみたいよ」

 

ハルちゃーん!!

頑張らなくていいのにーー!!

 

「でもあそこって女子中じゃなかった?」

 

男の子はムリでしょ

 

「男装もしたんだって

 サイズを少し直すだけで使えるみたい」

 

……そこの学校のノリがわかんない……

 

「……宣伝は他に誰が……」

 

時間を短くしてもらって応接室に引きこもろう……

 

「私ら3人と沢田と獄寺と山本よ」

 

あ……メンバーは良かった……

 

「男子と女子でペアで組んで交代制だから

 時間は短くならないからね!」

 

釘刺されたーー!!

 

「感謝しなさいよ

 沢田が宣伝にするって言ってたから一緒にしてあげたのよ

 それに宣伝は簡単だから普段参加してない

 優には楽だと思ったのよ」

 

そうだよね……

配るのが面倒なだけであって……

覚えることはないもんね……

 

「……ありがと」

 

「今日は宣伝のみんなと話し合いをしてね

 終わったら服を決めるんだよ!」

 

「……わかった……」

 

……うぅ……免除すれば良かった……

いやだーー!!

コスプレとかしたくないからそういう流れになったら

ハルちゃんからずっと逃げてきたのにーー!!!

 




中学の学園祭って確か飲食系は保健所?で禁止だった気が……
まぁスルーしてくださいw
メイド喫茶……wこれが王道って言った理由ですw
ネタが思いつかなくて……w
ハルちゃんの学校はなぞですよねー
かぶりものとか普通にあるのが不思議ww


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第28話

……諦めたよ……

諦めたよ……諦めたよ……(泣)

 

「ちっ めんどくせぇ」

 

同志よ!!

あ、ちょっと違うか(笑)

 

「ちょっと真面目にしなさいよ!

 あんたらは私らとペア組むんだからね!」

 

「ああ!?」

 

「ご、獄寺君!」

 

ツナ君がんばれー

京子ちゃんに嫌われたくないと思うしー

必死に説得してねー

……うん……なんか違うことも……

いろいろ諦めてしまってるね……

助けてあげる気力が無くなってる……

ダ、ダメだ!!!やる気を出さないと!!

 

「さて……どうする?

 誰と組みたいか希望ある?」

 

……花……意地悪な質問はやめようね……

ツナ君見ながらニヤニヤ言うのはかわいそうだよ……

ってか……このメンバーだと……

 

「希望がないなら私が決めていい?」

 

「「「え?」」」

 

「いい組み合わせがあるんだけどねー」

 

「いいわ

 それにするかは別だけど話して見なさいよ」

 

あ、みんなうなずいたね

 

「まず1番の問題なのが……獄寺君!」

 

「なっ!?

 オレのどこが問題なんだよ!」

 

「獄寺君のことだからツナ君が宣伝にしたから

 『オレも一緒にします!』って決めたでしょー」

 

その光景が目に浮かぶよねー

 

「ハハッ すげぇな

 その通りだったよな?」

 

「うるせぇ!

 それのどこが問題なんだよ!!」

 

「これは男女ペアだよ?

 ツナ君と一緒に行動するんじゃないんだよー

 2時間女の子と一緒に行動出来るの?

 普段あんまり女の子と話さないよね」

 

「……出来なくは……ねぇ……」

 

「私とだったら正直すっごい楽でしょ?

 花とは話したことある?

 京子ちゃんとは話したことあると思うけど

 長時間話したことないよね?」

 

私には文句を言えるからねー

 

「…………」

 

あらー黙り込んじゃった(笑)

獄寺君もそう思ったけど認めたくないのかな?(笑)

 

「……これは優の意見に賛成ね

 嫌よ……隣でイライラされるのは……」

 

「花……」

 

「オレも……その方がいいと思う……」

 

「ハハッ みんなの意見が一致したぜ

 風早すげぇのな!」

 

……いや……考えたらわかるでしょ……

 

「そうなってくるとー

 残りの2ペアは誰でも大丈夫に見えるけど

 実はものすっごい問題があるんだ」

 

「「「「?」」」」

 

「学園祭って保護者とか外部の人も来るよね?」

 

「ああ

 それが関係あんのか?」

 

「あるよ

 ツナ君の周りには誰がいる?」

 

「え!? オレ!?」

 

「絶対来ないでって言っても……

 リボーン君やランボ君が来て

 ツナ君に100%何かしていくね」

 

「不吉なこと言わないでよーーー!!」

 

だって事実だし(笑)

 

「そうなってくると……」

 

「山本!! 一緒に組むわよ!!」

 

「え? あ、ああ……いいけどよ……」

 

「へ?」

 

「あ……花は小さい子はダメだったね……」

 

「そ、そうよ!!

 じんましんが出るのよ!!」

 

「ということで……

 この組み合わせが1番いいと思うんだー

 まぁツナ君と京子ちゃんが組んでもいいならね」

 

「ツナ君……私でもいい?」

 

「オレでいいなら……」

 

……泣いてる……

すっごい感動してるよ(笑)

 

「えっと、この組み合わせでいいのかな?」

 

あ、みんなうなずいたねー

 

「あ、ツナ君」

 

「優……ありがとう……」

 

「これが1番良かったからね

 それと……もう1つ伝え忘れがあった」

 

「ん? なに?」

 

「リボーン君は女の子に優しくするのがモットー?だし

 ランボ君は京子ちゃんと仲がいいから

 2人が何かしてくるとしても京子ちゃんと一緒にいれば

 被害が少なくなる確率が高いよ?」

 

まぁ被害はあると思うけどね(笑)

 

「……優……」

 

ものすっごい感動的な目で見られた……(笑)

私が一緒にいれば回避できる確率が更にあがるんだけどねー

だから提案しない私を許してね♪

 

「じゃぁ決まったし……

 服を選んでいいよね!!」

 

「……あんた……服を早く選ぶために……

 提案したんじゃないわよね?」

 

ギクッ

 

な、なんでばれたんだ!?

 

「だ、だって……担当グループのことが

 決まってからしか選んじゃいけない

 って……言ってたし……

 いろんな種類があるっていったけど……

 早く決めないと……なくなると思うし……」

 

いやー!!みんなそんな目で見ないでよー!!

私にとっては重要なことだったんだよ!?

 

「ゆ、優……」

 

ちょ、ツナ君まで……そんな目で見ないでよ……

考えればわかるでしょーー!

 

ぐいっ

 

「え!?」

 

急に引っ張るぐらい許してよ

大きな声で言えないんだからね

 

「……おしゃぶりを隠せそうな服を選ばないと

 困る私の気持ちになってよ……(ボソッ)」

 

「あ……」

 

もういいもん……グスッ

しゃがみこんで床に「の」の字を書いてやる……!

 

「ご、ごめん……

 オレ気付かなくて……」

 

イジイジ……

 

「優まだいけないわよ

 まだ誰がどの時間を担当するか決まってないわ」

 

「あ……そうだった……

 私はいつでもいいよ……」

 

イジイジ……

 

「く、黒川花と京子ちゃんは希望の時間ある?」

 

「特にないけど……」

 

「私も……」

 

「じゃ、オレ達が決めてもいい?」

 

「「うん?」」

 

「優、服を見てきなよ」

 

ガバッ!

 

な、なんて優しいんだ!!

急いで行かなければ!!

 

「ツナ君!! ありがとーー!!」

 

ダダダダダ……

 

「ちょ……京子! 追いかけるわよ!」

 

「うん」

 

スタスタスタ……

 

「……風早なにかあったのか?」

 

「どれも大してかわらねぇだろ……」

 

「おしゃぶりを隠せそうな服じゃないと困るんだよ……」

 

「「あ」」

 




獄寺君って普通に女の子と話してるシーンがないような……w
いつも少し何かがずれてる印象が……ケンカ腰……観察とかw
そういうわけでこの組み合わせになったので
今回は獄寺君と少し多めに絡みます
まぁ少しですけどね


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第29話

はぁ……着ないといけないのか……

…………はぁ……

 

「優ちゃんどうしたの?」

 

京子ちゃんすっごいかわいい!!

 

「すごく似合ってるよー

 かわいい!!」

 

「ありがとう」

 

うん……かわいい……

 

「優、早く着替えはじめなよ」

 

「……着る気がしなくて……」

 

「あんたねぇ……いい加減あきらめなさいよ!

 まだ私は完全に着替え終わってないし

 私のと交換するわよ!」

 

それだけはやめてーーー!!!

 

「着替えます!!」

 

「……まったく……急いで選んだと思えば

 1番露出が少ない服を選んで……もったいない……」

 

いやいやいや!これが1番ましなんだって!!

おしゃぶり隠せそうだし……ロング丈だしね!!

 

・・・・・

 

はぁ……着てしまった……

ついに着てしまった……(泣)

 

「……今度は着替えるのが早すぎよ」

 

だっておしゃぶり見られちゃいけないんだもん

 

「癖だから気にしないでー」

 

……これからみんなに見られるのか……はぁ……

 

「あ! 花もかわいいねー

 すごく似合ってるよ!!」

 

「当然よ!」

 

あ……当然なんだ……

まぁ事実だからいいけどね

 

 

 

 

 

 

「「「「男子ー! いいもの見せてあげるわよーー」」」

 

……みんな……よく言えるね……

 

男の子もみんなカッコいいねー

あ、ツナ君が京子ちゃんを見て顔が赤くなってるね……

良かったねー……

 

「ちょっと! 優!

 なに私の後ろに隠れてんのよ」

 

「……隠れるぐらい許してよ……///」

 

「ははーん! 恥ずかしいんだ!」

 

「……うるさい///」

 

「沢田! 鼻の下伸ばしてないでちょっと来なよ!」

 

「なっ!?///」

 

「ツナ君来ちゃダメーー!!」

 

「えっ? えっ?」

 

「獄寺! 山本! あんた達も来なよ!」

 

「……何だよ」

 

「どうしたんだ?」

 

「ダ、ダメだって!!」

 

「……いい加減諦めなさい!」

 

ドンッ!

 

ひゃーーー!!!////

あわわわ……あわわわ……////

 

「「「…………」」」

 

「押した私が言うのはなんだけど……

 もう少し落ち着きなよ」

 

「だって……花が……(泣)」

 

「悪かったわよ

 で、あんたら黙ってないで感想は?」

 

「……あ、ああ

 すっげぇ似合ってるぜ!」

 

「う、うん!!

 優似合ってるよ!」

 

「……馬子にも衣装」

 

「やっぱりそうだよね!!

 制服に着替えていいよね??」

 

「「「…………」」」

 

「ダメに決まってるでしょ……」

 

だよねー……はぁ……

 

 

 

 

 

 

「委員長! まもなく学園祭が始まります!!」

 

「そう」

 

「それと風早さんが朝お見えになって……

 委員長に伝言を……」

 

「……どうして僕を呼ばなかったの」

 

「す、すみません……

 急ぎではないとのことで……」

 

「……わかった

 用件は何?」

 

「クラスの担当が終わり次第

 こちらの部屋で過ごしていいかと……」

 

「……1人でかい?」

 

「はい……

 私も確認したのですが……

 カギを借りる時に委員長に連絡するそうです」 

 

「……わかった」

 

 

 

 

 

 

 

担当の時間が朝1番でよかったー……

終わったらすぐ応接室に逃げよう……

出来るだけ応接室で過ごすぞー!!

 

「……めんどくせぇ」

 

「今回は珍しく私もしたくないよ……」

 

「サボるか……」

 

「それはダメだよ……

 グループの責任になるから

 ツナ君も怒られることになるよ……」

 

「風早! 真面目にしやがれ!!」

 

えー……さっきと態度が違う……

まぁやる気が出たみたいだし……

 

「……獄寺君」

 

「なんだよ」

 

「モテるんだし……客寄せお願いね♪」

 

「なっ!?」

 

「私は瓜と一緒に獄寺君が目当てで

 集まった人に紙を配ってるよー」

 

にょおーん♪

 

あ、出てきたよ(笑)

冗談で言ったのにね

というか……どうやって炎を吸い取ったの?

まぁ指につけてるからねー

イラっとしたことで炎ともしたのかな?

そこまで客寄せが嫌だったんだねー……

 

「コラ! 瓜!!

 出てくるんじゃねぇ!」

 

フー

 

「瓜は私と一緒にいたいんだよねー?」

 

にょおん♪

 

「……なんでオレじゃなくて……風早に……」

 

「まぁいい機会じゃないの?

 私と獄寺君が一緒にいれば懐きやすくなると思うしね

 瓜は私の肩の上で大人しくしてるよね?」

 

にょんにょん♪

 

「……だから……なんで……」

 

獄寺君頑張れ!(笑)

 

 

 

 

 

 

「2-Aでメイド執事喫茶してますので

 よかったらきてくださいねー」

 

いやー獄寺君の人気すごいねー

立ってるだけで集まってドンドン紙が減っていく(笑)

でも……そろそろまずいね

イライラしてくるかも……

 

「獄寺君ー!

 ちょっと伝え忘れたことあるのー

 あっちに行こう」

 

「ここで言えばいいだろ……」

 

それだと意味がないんだって……

よし!無理矢理引っ張ろう!

 

ぐいっぐいっ

 

「いいからいいから♪」

 

「お、おい!! 離せ!!」

 

 

 

 

 

 

んーここでいいか……

 

「離せ!!」

 

「あ、ごめんごめん」

 

獄寺君ってやっぱり女の子に優しいよねー

文句は言ってるけど振りほどこうとはしなかったもん

 

「なんだよ」

 

「ん? 何が?」

 

「てめぇさっき言ってただろうが……

 伝え忘れたとか何とか……」

 

「人が多すぎて少し疲れたでしょ?

 休憩しようっていう意味だよ」

 

「……あんがとよ」

 

「気にしない気にしない♪」

 

瓜がかわいいなー

頭を撫でてあげよう♪

 

よしよしー

 

にょおん♪

 

「……おめぇは大丈夫なのかよ……」

 

「ん? 何が?」

 

「……おめぇの方にも来てただろ……」

 

「そうだよ!

 獄寺君ってやっぱり凄い!

 男の人にも憧れるぐらいもてるんだね!」

 

人気があるとは知ってたけど

そこまでとは思わなかったんだよねー

 

「……おめぇ……やっぱバカだろ……」

 

「へ? なんで?」

 

「……風早……今日1日瓜といろ……

 炎……注入してやるから……」

 

「え? いいの!?」

 

「……ああ

 少しは役に立つだろ……」

 

ん?役に立つって?

あれ?応接室に引きこもるって教えたっけ?

ミントはここでは出せないしすごい嬉しいかも!!

 

「瓜! 獄寺君の許可が出たよ!

 今日1日一緒に遊ぼうねー♪」

 

にょお~ん♪

 

やっぱりかわいい……

 

「……ヒバリの苦労がわかった気がする……」

 

「ん? 今何か言った??」

 

「……なんでもねぇ」

 

ふむ?

まぁいいか




まさかの瓜が登場w
未来編後では主人公との獄寺君の関係が悪くないのでこうなりました
小話は獄寺君との関係の違いがよくわかりますねw


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第30話

これは疲れるね……

獄寺君の人気が凄かったし……

今はまだ落ち着いてるからいいけど……

 

「優! 獄寺君!」

 

あ、ツナ君と京子ちゃんだー

 

「10代目!」

 

おお……すごいね

疲れてたのに元気になった(笑)

 

「交代の時間?」

 

「「うん」」

 

「ツナ君ツナ君」

 

コソコソ話をするために引っ張ろう

 

ツンツン……

 

「へ? どうしたの?」

 

「ツナ君も似合っててカッコイイから

 自分のことで大変かも知れないけど

 京子ちゃんから目を離さないでね?

 今は落ち着いてるけど

 いっぱい人が集まると凄いことになるんだ」

 

「う、うん

 わかった

 優は大丈夫だったの?」

 

「私は全くだよー

 獄寺君は大変そうだったけどねー」

 

「そうなんだ……」

 

「……違います……10代目……

 こいつがバカなだけです……」

 

「え?」

 

「もう! また言ったー

 さっきからバカって何度も言うんだよ

 すっごいショックなんだよねー」

 

シャャ!

 

「だあぁ!」

 

……うん

ツナ君と2人で微妙な反応になってしまったよ……

まぁ瓜がひっかいたからね……

 

「……獄寺君……大丈夫……?

 なんか……ごめんね……」

 

私が言わなかったら

多分獄寺君をひっかかなかったと思うし……

 

「う、瓜……出してるんだね……」

 

「今日1日一緒に遊んでいいって

 獄寺君が言ってくれたの♪ ねー」

 

にゃん♪

 

「かわいいね!」

 

「うん♪」

 

京子ちゃんもかわいいよ♪

 

「……さっきからヤローが寄ってくるのに

 自分が原因って気付いてないんスよ……

 瓜がいれば何かあった時

 少しは役に立つからはずですから

 風早と一緒にいろって言ったんスよ」

 

「そ……そうだったんだ……」

 

「瓜がいなければわけわからねーヤローに

 何度もホイホイ着いて行こうとしたんスよ

 話を聞けばクラスのところまで案内しろとか……

 それが口実って気付かねーで……」

 

「獄寺君……お疲れ様……」

 

「10代目……!

 その言葉だけでオレは……」

 

「(そ、そんなに大変だったんだ……)」

 

あれ?京子ちゃんと一緒に和んでたら

なんか2人で話してるねー

 

「どうしたの?」

 

「う、ううん……

 何でもないよ!」

 

何だろ?

まぁいいか……

 

「じゃぁ私は戻るねー

 獄寺君はツナ君と一緒にいるのかな?」

 

「あったりめぇだ!」

 

……ツナ君がショック受けてる(笑)

2人だけで頑張りたかったんだろうなー

でもこれは予想できる範囲だよねー

まぁ人が集まったら獄寺君は離れる可能性あるけどね

だって獄寺君の人気が凄いもん

あーそう思うと……

 

「さっきみたいなことになったら大変だよね

 私は全く問題ないし

 瓜は獄寺君と一緒にいた方がいいと思う」

 

「……いいから連れて行け」

 

うーん……いいのかなぁ

私は一緒の方が嬉しいけど……

 

「……本当にいいの?」

 

「ああ」

 

「ありがとー

 ツナ君と京子ちゃんも頑張ってね?」

 

「「うん」」

 

 

 

あ、瓜も一緒に応接室行ってもいいのかな?

ダメだったら屋上にいようかなー

まぁとりあえず電話しようー

 

プルルル…………

 

んー出ないね

やっぱり忙しいのかな?

多分見回りとか大変なんだろうね

トラブルが起きたら

雲雀先輩が咬み殺しに行くと思うしねー

 

「お腹減ったね

 何か食べよっか?」

 

にょおん♪

 

 

 

 

 

もぐもぐ……

 

やっぱり人がいないところでいるのはいいね

見られるのは慣れたけど嫌なものは嫌だしー

ご飯買ってる時に

知らない人に学校の案内を頼まれたりしたけど・・

正直これ以上この姿でウロウロしたくなくて

困ってたら瓜が威嚇してくれたんだよねー

「この子人見知りが激しいから」って言って

断る口実が出来てすごく助かった……

今度獄寺君に何かお礼しよう……

 

ピクッ

 

「瓜? どうしたの?」

 

誰か来るのかな?

でも今日は屋上は立ち入り禁止で

閉まってることになってるんだけどね

まぁ風紀委員は監視のために利用するけど……

あ……本当に誰か来るね

風紀委員だったらいいけど……

念のため隠れるか……

 

ガチャ

 

んーこれは不良っぽいねー

学校の生徒に見えないなー

これ以上あがって来ないことを願おう……

 

・・・・

 

 

さて……どうしよう……

これってどう考えてもカツアゲだよねー

雲雀先輩からはまだ連絡ないしー……

 

プルルル……

 

『お疲れ様です。風早さん

 どうかしましたか?』

 

草壁さんは手があいていたみたい

小さな声で話そう……

 

「実は今……

 応接室の方の屋上にいるんですけど

 不良がカツアゲしてるんです」

 

『すぐに風紀委員を向かわせます』

 

「すみません

 お願いします……」

 

『問題ありません

 風早さんは隠れておいてください』

 

「わかりました

 あ、後……少し人数が多いです」

 

『わかりました』

 

コレで大丈夫かな?

今の時間……この近くの見回りは……

3人ぐらいに配置させたはず……

でも屋上あがる階段近くに風紀委員がいたよね?

私は顔パスで屋上をあけてもらったんだけど……

失敗したかも……

トラブルがあって離れてる間に侵入されたのかも……

うーん……これは私の責任だね……

屋上をあけてもらうんじゃなかったなー

 

ガチャ

 

「君達! 屋上は立ち入り禁止だ!

 そこで何をしている!!」

 

お!風紀委員登場だ!!

草壁さんすること早いね!

あれ……?なんかもめてるね……

素直に聞かないみたい……バトルになりそう……

よく考えたらこの学校でカツアゲしようと思う人は

風紀委員に従うタイプじゃないか……

 

・・・・・

 

……風紀委員が負けそうじゃない?

まぁ人数が負けてるし意外と相手が強い……

連携がとれてるからねー

うーん……大丈夫かなぁ……

 

シャー!!

 

「な、なんだこの猫は!」

 

「瓜!?」

 

いつの間に!?

 

ギロッ

 

あ……しまった……

不良と目があってしまったよ……

 

「この髪の色……噂の女じゃねぇのか?」

 

……やっぱりこの髪は目立つんだねー

京子ちゃん達と帰るときに

カツラとかかぶってるのは正解だったんだねー

今日は獄寺君と一緒だったから使わなかったけど

こっちは完全に失敗だったね……

 

「人違いですよー

 私のことは気にせずにー……では……」

 

よし、私は何も見てないフリをして

梯子を降りて屋上から退散しよう

 

「お前らこの女を捕まえろ!!」

 

……ですよねー

 

「お逃げください!!」

 

あ……守ってくれるんだ……

当然といえば当然か……

 

フー!!

 

瓜も守ってくれてるねー

でも人数の差がやっぱり出てる

梯子を使ってのぼってきたよ

 

「下手な抵抗するなよ」

 

……すっごいニヤニヤ顔で言われた

 

「……全力でお断りします♪

 とりゃー!」

 

素人っぽく掛け声してみた(笑)

のぼり終わるところ蹴っただけなんだけどね

 

「ぐへぇ!」

 

……なかなか痛かったみたい……

変な声が聞こえた……

まぁ落ちちゃったからねー

 




腕章とってもトラブル発生しました
主人公がトラブルに巻き込まれるのは珍しいかも……
出来るだけ回避させるためにいろいろ対策してますんでね
だから友達(女の子)と帰るときは
腕章をとってカツラをかぶってましたww
主人公の1番の特徴は髪の色と思いますからね
そしてカツラをかぶる理由を話せば普通に納得される環境ですw
今回は獄寺君と行動してて
すぐひきこもる予定だったので使わなかったのが失敗でした


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第31話

優の近くで風紀が乱れてる……?

 

「……どういうこと」

 

それに僕にじゃなく草壁に連絡した……?

 

「わかりません

 すぐに近くにいる風紀委員を数名

 現場に向かわせたんですが……

 まだ連絡が……」

 

……電話をかけよう

優は普段からマナーにしているから

大丈夫なら出るはずだ……

 

プルルル……

 

『あ、お疲れ様です

 急ぎの用事終わりました?』

 

元気そうだね

それにいつもの優の声の大きさだ

 

「……解決したんだね」

 

『草壁さんから聞いたんですか?』

 

「そうだよ

 どうして僕に連絡しなかったの」

 

『あれ? 担当の時間が終わった時に

 1度電話したんですけど……

 間違って違う人にかけたのかな?』

 

はぁ……

優はたまに抜けてるからね……

 

『手が空いてるなら来てほしいです

 ちょっと困ってるんですよねー』

 

「……すぐ行く」

 

『ありがとうございまーす』

 

ダッ

 

「私も行きます!」

 

 

 

 

 

 

 

「呼び出す手間が減っt……グヘッ!」

 

……話してる途中にごめんね

ちょっと気持ち悪かったの……

 

「この女……ふざけやがって……」

 

あら……困ったねー

梯子のところ以外からものぼってきたよ

 

シャア!!

 

「うわあ!!」

 

「瓜! ありがとう!」

 

ニャオオオン!

 

成長してなくても素人には楽勝みたい

獄寺君に瓜を借りてて良かったー

私は一般人レベルを超えること出来ないしね

まぁ下で風紀委員の人が頑張ってるから

なんとかなってるんだよねー

風紀委員がやられるときついなー……

1人ぐらい偶然を装って気絶させてもいいかな?

 

ガチャ

 

あれ?ドアが開いた音がしたよ

かなり早いね

急いで来てくれたのかな?

 

「おい! 早く女を捕ま……」

 

うん……咬み殺してる音が聞こえるよ……

もう大丈夫だねー

あー……変に疲れた……

 

「瓜ありがとー

 すっごく助かったよ!」

 

にょんにょん

 

よしよしー

 

ん?静かになった?

 

「後、頼んだよ」

 

「はい!」

 

あ、もう終わったんだね

それに草壁さんも来てくれたんだー

終わったなら顔を出してもいいよね?

 

「すみません

 助かりましたー」

 

「「…………」」

 

あれ?2人ともどうしたんだろ?

 

「……風早さん……その服装は……?」

 

服装?

 

・・・・・・・

 

ひゃーーー!!!///

あわわわ……あわわわ……////

メイド服って忘れてたーーー!!

どうしよーー見られる心の準備をしてなかった!!

 

「「………」」

 

「ぁ……あの……クラスの出し物で……

 今日1日……クラスの女子は……

 この服装なんです……!///」

 

着たくてきたわけじゃないんですー!!

変な目で見ないでーーーー!!

 

にょお~~ん♪

 

あ……恥ずかしくて抱きしめたら……

瓜がすごく喜んでる……

 

「……それで屋上にいたのかい?」

 

「……はぃ……恥ずかしくて……

 担当が終わったら……出来るだけ……

 人がいないところに行きたくて……

 応接室にいたいなって思ってました……」

 

「はぁ……」

 

う……あきれてる……

似合ってないと思うしね……

 

ふわっ

 

「へ?」

 

これって……あれだよね……?

ってか、いつの間に……

 

「動かないでね」

 

「はい?

 きゃっ!」

 

は、速い……

重たいのに……よくスピードが出せるね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

立ち入り禁止の場所ばっかりを

通ってくれて助かった……///

 

ドサッ

 

ソファーにおろしてくれた///

 

「あ、ありがと……///」

 

シャー!

 

急に移動したから怒ってるのかも!?

 

「う、瓜ダメだよ!

 大人しくしててね?」

 

にょん♪

 

よかったー

雲雀先輩はひっかけば小動物でも容赦ないからね

 

「……なにこれ」

 

「あ、獄寺君が朝に今日1日貸してくれる

 って言ってくれて……

 さっきかなり活躍してくれましたよー?

 ありがとうね♪」

 

にょお~ん♪

 

あ!また獄寺君にお礼をしないと!!

 

「……担当……何したの」

 

「えっと宣伝です

 校門のところでチラシを配ってました」

 

「……そう」

 

「獄寺君って凄いんですよー

 女の子にもてるのは知ってたんですけど

 男の人にも憧れられててもてるんですよ!

 チラシが凄く減ってビックリしました!」

 

「……ふぅん」

 

あれ?機嫌悪くなった?

ん-獄寺君と一緒だったのが嫌だったのかな?

 

「獄寺君と一緒に宣伝したのは

 消去法で私になっただけですよ?

 それに獄寺君は女の子に囲まれてて

 私とは大して一緒にいませんでしたし……」

 

「はぁ……」

 

あれ?溜息?

 

「……何もなかったんだよね?」

 

「はい?」

 

さっきいろいろあったのに何で聞いたの?

 

「……なんでもないよ」

 

ふむ?まぁいいか……

 

ドカン!

 

「……何かあったみたいですね」

 

多分ツナ君達と思うけど……

だって爆弾みたいな音だったし……

 

「……行ってくる

 優はここにいてね」

 

「はい!

 出たくないのでひきこもります!」

 

「わかった」

 

「いってらっしゃーい」

 

雲雀先輩も大変だなー……

もう少し一緒にいたかったけど

イベントすると風紀が乱れやすくなるからねー

だからしょうがないよねー

 




今回は会話がずれすぎwの話でしたww
本当に雲雀さん頑張れって感じですねー
私は応援してますよ!←えw


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第32話

瓜がかわいすぎる!!

だってすっごい甘えて来るんだもん!

ミントは違うからねー

だっていつも私がミントに甘えるんだもん(笑)

 

ガチャ

 

「ひゃん!」

 

うー……今のはくすぐったかった……

 

ガシッ

 

あれ?瓜が急に浮いた?

首のところを捕まえられてるね

誰の仕業だろう……振り返ってみよう

 

「あれ? 雲雀先輩?」

 

見回りをしなくていいの?

……何かあったのかも……機嫌が悪そう……

あ、瓜が暴れてるね

この部屋に瓜がいるのが嫌だったのか……

あれ……?気のせいかな……

なんか前にも……デジャヴ?

 

「お疲れ様です

 やっぱり瓜はこの部屋ダメでした……?

 今すぐ出て行きますね……すみません……」

 

「……今日は許してあげるよ

 ひっかかないようにしてね」

 

「ありがとうございます!」

 

フー

 

あ、離してもらえたけどちょっと怒ってるね

んー膝の上に乗せようかな?

 

「瓜こっちにおいで?」

 

にょん♪

 

うん!かわいい!!

 

「優」

 

「はい?

 わぁー!」

 

わたあめだーー

 

「食べていいんですか?」

 

「いいよ」

 

わーい♪

もしかして私が好きなのを覚えてたのかな?

夏祭りの時に食べてたし……

 

「ありがとうございます!!」

 

あ……笑った……///

 

もぐもぐ……

 

んー!美味しい!!

幸せーー!!

かぶりつくのもいいけど

ちぎって食べるのもいいんだよねー♪

 

「…………ちょうだい」

 

あれ?珍しいね

普段は甘いもの食べないのにねー

 

「どうぞどうぞー」

 

雲雀先輩が持ってきたのに

私の物扱いしちゃったよ(笑)

 

「こっちがいい」

 

ガシッ

 

あれ?右手を掴まれた?

…………パクッって感じだね

パクって何を……?

ええええ!!!!!!

 

「ひ……ひばりせ……んぱぃ……///」

 

「……甘い」

 

「……ゎ……わたがし……ですから……///」

 

「そうだね」

 

あ……顔が近い……

これって……///

 

んみゃーー!!

 

へ?私の下から聞こえたよね?

 

「あああ!!

 ご、ごめんね!瓜!!」

 

持ってたわたがしが瓜の上に……

いつ落としたのーー!!

きゃー!どうしよー!!

瓜がちょっとベトベトしてるよーー!

 

「……はぁ……後でまた来るよ」

 

「す、すみません……」

 

ど、どうしよーー

甘いものって食べさせないほうがいいんだった?

なめちゃまずいのかも……大丈夫なのかな……

うーん……お風呂に入れたほうがいいのかも……

でも水を嫌がるかも……

 

「う、瓜……嫌だと思うけど……

 少し塗らしたタオルで拭くよ……?」

 

あ、ちょっとテンション下がってる……

 

「ご、ごめんね……

 私のせいで……」

 

にょおん

 

首を振ってくれてるよ……つまり……!

 

「許してくれるの!?

 ありがとーー!!」

 

ぎゅ

 

にょお~ん♪

 

あ、抱きしめたのはいいけど……

ちょっと私もベタついた(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「わー!!かわいいーー!!」」」」

 

片付けの時間になかったから戻ってきたら

女の子達が瓜にメロメロだ!(笑)

まぁ瓜はちょっとビックリして

私から離れないけどね……

 

「風早さんのネコですか?」

 

ネコじゃないんだけどねー

まぁいいか……

 

「違うよー

 獄寺君のだよー」

 

「「「「うそー!!」」」」

 

「バッ! 余計なこと言うんじゃねぇ!!」

 

「え……だって本当のことだし……」

 

あ……また女の子に囲まれてる……

もてる人は大変なのね……

瓜を口実に仲良くなりたいんだ……

そこまでとは思わなかったよ……ゴメンね……

助けてあげれるかな……

 

「あのね、みんな……獄寺君のネコだけど……

 獄寺君に懐いてないんだ……」

 

「「「「え!?」」」」

 

うん……おかしい気持ちはわかるよ……

 

「だから抱かせてほしいって頼んでも……

 難しいと思うよ……?」

 

あ、みんな信じてない顔してる……

まぁいいか……

少しみんなが離れて獄寺君と話せるようになったしね

 

「獄寺君ありがとうね

 すっごく瓜が活躍してくれたよー」

 

「……なんかあったのか?」

 

「雲雀先輩の弱点ってことで

 ちょっと不良に絡まれたんだよ

 じゃぁ瓜が雲雀先輩が来るまで

 ひっかいたりしてくれて

 時間稼ぎをしてくれたんだよー」

 

「そうか」

 

「その前にも知らない人に案内とか頼まれて

 断りにくかったら瓜が威嚇して断れたんだ

 もしかしたら不良のところに

 連れて行かれるところだったかも……

 瓜がいなかったら本当に危なかったよー」

 

「……それは違うだろ……」

 

「ん? 何か言った?」

 

小さい声で言ったから聞こえなかったんだよねー

 

「……なんでもねぇよ」

 

ふむ?まぁいいか

 

「瓜、今日はありがとうね♪」

 

にょお~ん♪

 

「また遊ぼうね?

 はい 獄寺君」

 

「ほら こっちに来い」

 

シャー!

 

「っでぇ!」

 

フー

 

……さっきまでご機嫌だったのに……

でもクラスのみんなが理解した(笑)

 

にょんにょん

 

あら……足元に来たね……

 

「んーまだ私と一緒にいたいの?」

 

にょおん♪

 

「……だから……なんで風早に……」

 

「……知らないってば……」

 

ドンマイ!(笑)

んー小さい声でいうか……

 

「獄寺君……

 炎が切れるまで一緒にいるね……」

 

「……ああ」

 

 

 

 

 

 

 

うー!制服だーー!!

あー生きてるってすばらしい(笑)

 

にょんにょん♪

 

瓜も嬉しそうだねー

私が嬉しそうだからなのかな?

 

「このネコ……優にしか懐いてないの?」

 

「んー獄寺君にだけ懐いてないと思うよ?

 だって京子ちゃんはひっかかれないよね?」

 

「うん

 でも抱くことは出来なかったよ?」

 

「え!? そうなの!?」

 

「ハルちゃんと何度か試したんだけどダメだったの」

 

「そうだったんだ……

 んー獄寺君はひっかかれたりするけど

 肩とかには乗るからどっちが懐いてると思う?」

 

「……すごいビミョーだわ」

 

にょおん♪

 

「ま あんたが1番なのはわかったわ」

 

「そうだね

 優ちゃんといるといつも嬉しそうだもんね」

 

「懐かれてるのは嬉しいんだけど……

 獄寺君より懐かれるのは悪い気がするんだよねー……」

 

あ、2人ともうなづいちゃった(笑)

 




雲雀さんとのあまーい話なんだけど……
半分は瓜とのラブラブ話のような……ww
なんでこうなったww


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第33話

うわー……書類がいっぱいだ……

 

「これは全部……今日に出来た書類ですか……?」

 

「そうだよ」

 

まじか……

まぁ借りた物とかの返却書類とかもあるしね

これは私の仕事だし……頑張ろう!!

 

にょおん♪

 

おお!瓜も応援してくれてるよ!

 

「……まだいたんだ」

 

「あ、すみません

 もう炎は注入してないんですけどね

 獄寺君に返したら嫌がって……」

 

「書類は汚さないでよ」

 

「大丈夫ですよー

 瓜、私の肩で大人しくいててね?

 何かあったら言ってね?」

 

にょん!

 

よしよしー

 

瓜もかしこいなー……

どうして獄寺君には懐かないんだろう……

 

 

 

 

 

 

よし……返却物の書類のチェック終了!

後は壊れてないかを確認してサインだね!

……というか……頭が良くなったことを……

全部学校の書類を覚えることに使ってるような……

まぁいいけどね

あーでも瓜が戻っちゃって癒しがないなー……

後でミントに甘えよう……

 

「草壁さん」

 

「どうかしましたか?」

 

「こっちの書類は不備があるんで

 もう一度各クラスと文化委員に返して

 再提出をお願いします

 こっちは問題ないので返却物を見てきますね」

 

「え!?」

 

「え?」

 

見てきちゃダメだったのかな?

 

「……もう……終わったのですか?」

 

「あ、はい

 各クラスの借りた物は覚えてるので返却は楽でした」

 

申請用紙のチェックのほうが面倒だったよ

バラバラで来るし……

クラスごとにわけないといけないし……

文化委員にまとめろよって言いたくなった……

 

「……それはすごいですね」

 

「私は書類だけですからね

 見回りはしてないですしー

 雲雀先輩と草壁さんのほうが大変ですよ」

 

「ですが……

 本当は風早さんもどちらも出来ますし……

 強さを隠してる努力もしてるのでは……」

 

「まぁそうですね

 正直今日は変に疲れました

 不良に見つかった時に『お逃げてください』

 ってみんなに言われて……悪い気がしました」

 

「……そうですか」

 

「草壁さん」

 

「はい」

 

「私はいつまでここにいれるかわかりません

 雲雀先輩のこと……頼みますね」

 

「……わかりました」

 

「まぁ私にとってここは大事な場所なんでね……

 出来るだけここにいたいです

 なので……手は出しません

 ひどい人でごめんなさい」

 

「問題ありません

 風早さんが手を出すことを

 委員長は望んでいませんから」

 

あ……だから草壁さんは

『隠れておいてください』って言ったんだね……

 

「……いつも……何も聞かないでくれて……

 すごく……助かってます……

 ありがとうございます……」

 

うぅ……ちょっと潤んでしまった……

 

「か、風早さん!?」

 

「……ごめんなさい

 ちょっと気が緩んでしまいました

 もう大丈夫です」

 

「……は、はい」

 

ガチャ

 

あ、雲雀先輩だ

 

「お、お疲れ様です!!

 委員長!!」

 

「お帰りなさーい」

 

「…………副委員長」

 

「は、はい!!」

 

「覚悟は出来てるのかい?」

 

「お、お待ちください!! 委員長!!」

 

咬み殺そうとしてない!?

 

「ええ!? どうしたんですか!?

 草壁さん何かしちゃったんですか……?」

 

ずっと私と一緒に書類してたのに……

 

「…………君じゃないみたいだね」

 

ん?何のことだろう?

とりあえず……草壁さんが

咬み殺されずにすんだのは良かった……

 

「……お腹すいた

 帰るよ」

 

「あ、はい

 これは明日でいいんですか?」

 

「いいよ」

 

「わかりました

 草壁さんまた明日よろしくお願いします」

 

「は、はい

 お疲れ様でした」

 

「後……頼んだよ」

 

「はい! 委員長!

 お疲れ様でした!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んー……雲雀先輩いつもより元気ない?

やっぱり疲れたのかな?

 

「ただいまー」

 

もうこれって癖だよねー(笑)

 

ぐいっ

 

「へ?」

 

ぎゅ

 

「……どうしたんですか?///」

 

帰っていきなり抱きしめるなんて珍しい……

 

「……今日、僕のせいで嫌な思いしたよね?」

 

「ええ!? してないですよ!」

 

「…………わかった」

 

あ……離れた……

不良に絡まれてたことを気にしてるのかな……

 

「雲雀先輩」

 

「なに」

 

ぐいっ

 

・・・・

 

……久しぶりに自分からしちゃった///

 

「……大好きです……///

 ご飯作ってきますね!!」

 

ガシッ

 

「……手……離してください/////」

 

捕まっちゃったよーー///

恥ずかしくて雲雀先輩のほうに向けれないのに……///

 

「いやだ」

 

「……どうすれば離してくれます……?」

 

「さっきの言葉を僕の目を見て言えば離してあげる」

 

えええええーーーー

さっきの言葉ってあれだよね……?

うぅ……こうなったらやけだ!!

向いてやるーー!!

 

「……ぁ……///」

 

「どうしたの?」

 

うぅ……すっごいいじわるだ……

 

「……だ……大好き……で……す……///」

 

もう恥ずかしくて無理!!

 

ぐいっ

 

「きゃっ!」

 

ぎゅ

 

また抱きしめられた……///

 

「……離してくれるんじゃ……///」

 

「手は離したよね?」

 

そ……そんなぁーーー……////

 

 

 

 

 

 

 

 

~数日後~

 

ご飯を食べた後の日向ぼっこっていいよねー

それに雲雀先輩がいるから私達以外誰もいないしね

 

ガチャ

 

あれ?誰か来ちゃったよ

 

「ヒバリィー! どこにいるのだー!」

 

この声は……下を覗いてみようかな?

 

「はぁ……うるさい」

 

「おお! ここにおったか!」

 

あ、やっぱり京子ちゃんのお兄ちゃんだったね

 

「……なに」

 

「これをヒバリに渡してくれと頼まれてな!」

 

手紙みたいだねー

雲雀先輩に渡す人がいるんだー

 

「……貸しなよ」

 

カサッ

 

「…………」

 

あれ?雲雀先輩が固まった?

 

「どうかしました?

 何か不都合なことがありました?」

 

「それはないぞ!

 京子の友達の黒川からだしな!」

 

「へ? 花から?」

 

「ああ」

 

なんで花から?

というか……私に頼めばいいのにね

わざわざ京子ちゃんのお兄ちゃんに頼むなんて……

凄く気になる……

 

「私も見ていいですか?」

 

「…………」

 

あれ?まだ固まってる?

勝手に見ていいかな?

 

チラッ

 

・・・・・

 

「はーなー!!///」

 

何を渡してるのーー!?///

 

「ひ、雲雀先輩!

 友達が変なもの渡しちゃったみたいですみません!

 捨てますのでください!!」

 

なんでポケットにいれるのー!?

 

「受け取ったって伝えといて」

 

受け取らないでよ!?

 

「おう

 またな!」

 

京子ちゃんのお兄ちゃんも行かないでよ!?

 

「見回りしてくる」

 

「ま、待ってください!!」

 

行っちゃったよーー!!!(泣)

 

 

 

 

 

 

 

「はーなー!!!///」

 

「その様子だとあんたも見たのね」

 

「何、変なものを雲雀先輩に渡してるの!?」

 

普段は一切関わろうとしないのに……!

 

「変なものじゃないわよ

 学園祭の写真よ」

 

そうだけど……

 

「なんかあれは違う!!」

 

私の写真だし!!

それもメイド服……(泣)

 

「もうデータは無いから

 恥ずかしかったら捨てればいいわよ」

 

どうやって捨てればいいのー!?

 

「ま 頑張んなさい」

 

「花のバカーーー!!///」

 




たまには雲雀さんにいいことがないと……ww

これで学園祭は終わりです
次はボンゴレ修学旅行来るです
これは見ないとわからないと思いますので
先に謝っておきます……すみません


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第34話

「ボンゴレ式修学旅行?」

 

……何それ……初めて聞いたし……

 

「そうだぞ

 明日行くからな」

 

え……それも明日なんだ……

もうちょっと早く言ってよね……

 

「ちょっと待ってね

 行ってもいいか聞いてみるね」

 

「問題ねぇぞ

 ヒバリも行くからな」

 

「えええ!?」

 

うそぉーーー!

雲雀先輩も一緒に行くのー!?

 

「じゃぁ一泊二日だからな 用意しとけよ」

 

「わ、わかった……」

 

えー急いで用意しないとーー!

あ!雲雀先輩の返事待ちだったから

私には言わなかったのかな?

とりあえず……急がないと……

 

 

 

 

 

 

 

……雲雀先輩……どこに行くつもり……

 

「あ、あの……」

 

「なに」

 

「危ないですよ?」

 

「問題ないよ」

 

うん……

バスの上に乗って行くのは決定なのね……

まぁ雲雀先輩が普通に乗るわけないか……

 

「気をつけてくださいね

 何かあったら呼んでください」

 

「わかった」

 

 

んーバスの中に入ったけど……

どこに座るべき?

ってか、バスに乗ったらツナ君がもう座ってた……

いつから乗ってたんだろう……

 

「10代目の右隣はオレだぞ!」

 

ツナ君と獄寺君は一緒に座るのか……

 

「タケシ兄! 一緒に座ろう!」

 

「ああ いいぜ!」

 

山本君とフゥ太君が一緒に座るんだね

リボーン君の隣はビアンキさんが譲るわけないし……

うーん……どうしよう……

京子ちゃんとハルちゃんに一緒の席を譲るべきかな?

あ、でも兄弟で座るかも……

 

「優はオレと一緒だもんね」

 

あれ?ランボ君にさそわれたよ

イーピンちゃんと座ると思ったんだけどなー

 

「いいよー」

 

よく考えると私と一緒のほうが危なくないしね

 

「イーピンちゃんも一緒に座る?」

 

コクン

 

「じゃぁ一緒に座ろう♪」

 

……なんか私が保育係な気がする(笑)

まぁいいけどね

 

 

 

 

 

あ、やっとツナ君が起きたねー

ん?みんなと行くって知らなかったのかな?

なんかショック受けてるしねー

というか……運転手がジャンニーニさんって

まずいと思うのは私だけなのかな……

誰もツッコミしないから問題ないのかな?

 

「クロームにも声をかけたんだが来なかったんだ」

 

「そうですか……」

 

「一緒に行きたかったね……」

 

「ごめんね

 私も声をかけたら良かったねー……」

 

「はひ! 優ちゃんは悪くないです!」

 

「そうだよー!」

 

「ありがとー

 んークロームちゃんにお土産を買おうね?」

 

「「うん」」

 

うん……2人ともかわいいね……

 

「あ、それと京子ちゃんのお兄ちゃん」

 

「なんだ?」

 

「雲雀先輩は来てますよ?」

 

「「「え?」」」

 

「ゆ、優……ヒバリさんは来ないよ……

 団体行動とか絶対ムリだし……」

 

「私も思ったんだけどねー

 屋根にいるよ?」

 

「えええええ!?」

 

ナイスリアクション(笑)

 

「あ、危ないって……」

 

「私も言ったんだけどねー

 普通にバスに乗る気は絶対ないよ」

 

「そ……そっか……」

 

「ランボ! カッテニサワルノダメ!!」

 

ん?なんだろ?

 

「あ、ランボ君 それは大事な物なんだ

 使ってもいいけど大事にしてね?」

 

「ほーい」

 

……わかってるのかな……

 

「ランボ! 優の大事な物だから汚したりするなよ!」

 

やっぱりツナ君が保育係だね(笑)

 

「……あれ?

 大事な物ってクッションなんだ……」

 

「そうだよー

 長時間移動するかなって思って持ってきたの

 誕生日プレゼントにもらったから大事なんだー」

 

「へぇー……」

 

「はひ! キュートなクッションです!」

 

「あれ?

 ハルちゃんからのプレゼントじゃなかったんだね」

 

「違いますよー

 一体誰からのプレゼントですか?

 女の子からもらったんですよね?」

 

あ、かわいいから女の子と思ったのかな?

京子ちゃんが知らないってことは

花からじゃないってわかってるから聞いたんだね

 

「違うよー」

 

「「「「え!?」」」」

 

あれ?みんなビックリした……

なんでだろ……

 

「優……それって……」

 

ん?

 

「……ヒバリのヤローからか……?」

 

「へ? 違うよ?」

 

あ……なんかみんなほっとした(笑)

まぁ雲雀先輩からもらったと思うと

それはビックリするよねー

 

「そういえば……

 ツナ君たちにちゃんと話してなかったね」

 

「え?」

 

「これはベルさんからだよー

 この前一緒に送ってくれたの

 凄いのがなぜか私の好みがわかってるんだよねー」

 

「「「「…………」」」」

 

「はひ? 誰ですか?」

 

「んー王子?」

 

「??」

 

「まぁ気にしないで?

 滅多に会えない人だからねー

 実はこれもらう前にもうさぎさんの人形もらったし

 お礼するつもりなんだー

 でも何が喜ぶかわからないから

 今度みんな相談にのってほしいのー」

 

「「うん」」

 

「「「「…………」」」」

 

あれ?ツナ君たちからは返事なかったね

ベルさんの趣味はやっぱりわからないからかー……

 

「10代目……

 こいつはやっぱバカと思うのはオレだけですか……?」

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

へぇー最初は名古屋なんだー

 

「ボンゴレ城だがや」

 

方言だ(笑)

ってか、ボンゴレ城ってなに?(笑)

ランキング名古屋名物1位なんだ(笑)

どこからツッコミいればいいかわかんない……

これはツナ君にツッコミ丸投げだね

 

わー本当にボンゴレ城あるよ……

冗談と思ってた……

あ……ランキングにある時点で冗談じゃないか……

 

キョロキョロ

 

あれ?雲雀先輩は?

んー探しに行こう♪

 

 

 

 

 

 

……いてた

いてたけど……

 

「あの……雲雀先輩……」

 

「なに」

 

「……何してるんですか?」

 

「群れてたからね」

 

……ですよねー

観光スポットに行けば

群れてる人のほうが多いと思うんだけどねー……

この不良っぽい人たちは運が悪かったね

咬み殺した山になっちゃったよ……

 

ざわざわ……

 

うわー騒ぎで人が集まってきた!

このままだと2次災害が起きるよ!!

 

「あ、あの!」

 

「なに」

 

「一緒に写真とりたいから……

 景色のいいところに行きませんか……?」

 

「いいよ」

 

2次災害回避ーー!!

そして写真とってもいい許可もらえたーー!!

うー嬉しすぎる!!

 

 

 

あ、みんなボンゴレ城で何かしてるよ

まぁいいか

 

「ここで撮ってもいいです?」

 

ボンゴレ城が背景に入ってるしねー

 

「いいよ」

 

カシャ

 

うー幸せー!!

あ……笑った……///

 

「うわああああああ!」

 

「へ?」

 

ザバァン!

 

「ツナ君!?」

 

今のって絶対ツナ君だったよね!?

ツナ君が水堀に落ちたよね!?

私がいない間に何があったんだろう……

 

「ちょっと行ってきますね!」

 

「はぁ……わかった」

 

 

 

 

うわー……本当に落ちてたよ

ビショビショだし……

 

「ツナ君……大丈夫……?」

 

「……最悪だよ……」

 

「えっと……何してたの……?」

 

「リボーンが……

 屋根までロープで登って……

 金のレオンと一緒に記念撮影するって……」

 

「あ……そうなんだ……」

 

つまりリボーン君に振りまわされたんだね

 

「うーん……ツナ君ちょっとゴメンね?」

 

「え?」

 

ふわっ

 

「う、浮いた!?」

 

「屋根についたらコントロールしないから

 気をつけてね?」

 

「あ……ありがと……」

 

「問題ないよー

 いってらっしゃーい」

 

いやー大変だねー

ってか……京子ちゃん達も見えるんだけど……

屋根の上に登るの……怖くないのかなぁ……

 




主人公をどこに座らせるべきが悩みましたw
京子ちゃんのお兄ちゃんの隣に座ろうとすれば
兄弟で座ると思ったので……
ここが1番いいかなと思いました


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第35話

次は大阪だ!

……お腹すいた……

 

「優 行くよ」

 

「へ?」

 

「お腹すいた」

 

「はい!

 私もお腹すいたと思ったところです!」

 

わーい♪

ご飯だー!

ん?なんか今……

 

「どうしたの?」

 

「うーん……多分気のせいです」

 

「そう」

 

今のなんだったんだろ……

 

 

 

 

 

……お好み焼き食べようとしたら……

どこにツッコミいれたらいいの!?

クロームちゃん達が来た!(笑)

さっきのは骸君の気配だったんだねー

雲雀先輩に隠れて手を振っとこう♪

 

カアァァァ

 

きゃー!照れてる!!

クロームちゃんすっごくかわいい!!

あ、骸君だー……

って、出てきちゃったよ!?

いやいやいや……バトルになるよ!?

 

『食べないのですか?

 焦げますよ』

 

……誰のせいで食べるのが

遅くなってると思ってるんだよ……

ってか……今、頭に語りかけるのやめてよねー

 

チラッ

 

きゃー雲雀先輩が骸君を見ちゃったーー!!

あ、クロームちゃんに戻ってた……

良かった……

 

『クフフフ

 顔に出てますよ』

 

なんか……ムカツク……

 

「……どうかしたの?」

 

「え!?」

 

顔を見られてた!?

 

「減ってないよ」

 

あ……違うみたい……良かった……

 

「ご、ごめんなさい

 少しボーっとしてました」

 

あ……雲雀先輩が食べ終わっちゃうよー

急がないと……!

 

ガブッ

 

「アッ」

 

熱いーー!

 

「飲みなよ」

 

雲雀先輩が水を用意してくれた!!

すっごく助かります!!

 

ゴクゴク……

 

「……ちた……やけどちまちた……」

 

うぅ……

 

「……ゆっくり食べなよ

 待っててあげるから」

 

「……あい」

 

全部骸君のせいだ……

今度パイナッポーって呼んでやる……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい天気ですねー」

 

「そうだね」

 

私もついに屋根デビュー(笑)

だってツナ君がハイパーモードになって

バスを引っ張って北海道に向かってるんだもん

飛んでるから空だと見られる可能性少ないしー

ヴェントになってもいいかなって思ったんだもん

それにしてもこれはすごいね(笑)

写真をとっておかないと……

でもハイパーモードが終わったらどうするんだろ?

 

「あ……スタミナ切れだーーー!!」

 

あ、やっぱりそうなるんだねー

みんな落ちてる……

私1人だけ無事だよ……

……どうするべき?

とりあえず制御とくかな?

 

ゴソゴソ……

 

あれ?なんかバスから羽がはえたよ

んーおしゃぶりを出さなくていいみたい

 

スタッ

 

とりあえず屋根の上に到着!

あ、飛行モードって言ってるし問題ないんだね

 

「雲雀先輩、怪我はないですか?」

 

「問題ないよ」

 

……それはすごい(笑)

だってバスが落下してたのに……

バスから落ちる気配がなかったしね

 

「ツナ君大丈夫ー?」

 

ロープでひっぱってたから

今はバスにぶら下げられてる状況だし……

 

「助けてーーー!」

 

うーん……ミントを出すかな?

 

ガルッ♪

 

「お願いがあるの

 ツナ君助けてあげてほしいんだ

 私もフォローするけどね」

 

ガルル!

 

「雲雀先輩、気をつけてくださいね?」

 

「?」

 

「ずっと空気抵抗が少なくなるように

 風を操ってるんですよー

 ツナ君を助けるために

 念のために私もそっちに力を使うんで……」

 

「……手かしなよ」

 

「へ?」

 

「僕は大丈夫だけど優が危ない」

 

「あ、ありがとうございます……///」

 

落ちないように守ってくれるんだ……///

えへへ……///

嬉しいなーー///

 

「早くしてーー!!」

 

あ……ごめん……

 

 

 

 

よしよしー

 

ガルッ♪

 

「ミントお疲れ様♪」

 

「……死ぬかと思った……

 優……ありがと……」

 

「ミントのおかげだよ?

 お礼はミントにお願いねー」

 

「そ、そっか

 ミントありがとう」

 

ガルル♪

 

あ、てれてるー

かわいい♪

 

「どうする?

 このままここにいる? バスの中に入る?」

 

「えーっと……ひっ!?」

 

「どうしたの?」

 

なんか顔色が悪くなったけど……

 

「な、なんでもないよ!!

 オ、オレ……バスの中に戻るよ!!」

 

「わかったー

 ミントもう1度頼める?」

 

ガルル!

 

「あ、ありがとう……」

 

 

 

 

 

 

 

 

クシュン!

 

「……大丈夫?」

 

「少し……寒くなりましたね」

 

もう北海道だと思うしねー

 

「中に入りなよ」

 

「まだ大丈夫ですよー

 バスの中に上着があるんで

 着いたらちゃんと着ますよー

 だから……一緒にいちゃダメですか……?」

 

「……いいよ」

 

「ありがとうございます!」

 

よかったー♪

 

 

 

 

 

「うわー雪祭りだ!」

 

すごい……でっかいリボーン君達だ!

かわいい!!!

でもこの雪像ってどうやって作ったんだろ?

 

「よっ」

 

「ディーノさん!

 どうしてここに?」

 

あ、ロマーリオさん達がいてよかったー

雪が積もってるところだから危なすぎるからね(笑)

 

「リボーンが雪像作れって言ってきてよ」

 

「ええ!?

 これディーノさん達が作ったんですか!?」

 

「そうだぜ」

 

……ディーノさん達いい人すぎ……

 

「ありがとうございます!

 すっごいいい思い出が出来ました!!」

 

「優にそう言ってもらえると

 頑張ったかいがあったな」

 

あ、なんかすごく嬉しいなー

思わずニコニコになっちゃった♪

 

「じゃぁ次は僕の思い出のために咬み殺されなよ」

 

「……ツ、ツナ達のところに顔出してくる!

 またな!」

 

「はい♪」

 

逃げるの早いなー(笑)

あ、写真撮っておこう♪

 




なぜクロームちゃん達が大阪にww
そしてディーノさんアニメでは一言も話してなかった!!
ツッコミが多すぎですねー
それにしてもツナ君は
原作より助かったのか微妙なところですねw


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第36話

おー福岡に到着!

ってか、なんで大阪に行った後に行かなかったの?

まぁいいか……

 

「あれ? どこに行くんですか?」

 

「お腹すいた」

 

雲雀先輩はよく食べるもんねー

 

「行くよ」

 

「あ、はい」

 

完全に別行動だけど

まぁいいか……

泊まる場所は後でリボーン君に聞いたらいいしねー

それに雲雀先輩が何をするかわからないしね

一緒にいた方が安全だよねー

 

 

 

んーやばい!!ラーメン美味しい!!

でも……失敗したかも……

 

「どうしたの?」

 

「晩ご飯のことを考えてなかったと思いまして……」

 

「優はやせすぎだよ」

 

うわーお世辞でも嬉しい!!

 

「んーそれはないと思いますけど……

 でも私が心配してるのはそういう意味じゃなくて

 晩ご飯が食べれないかもっていう意味です

 私は食べれる時に食べておかないとまずいんです」

 

「?」

 

「もし力を使っちゃったら

 ずっと寝ることになるんでね

 1度1日中寝たことがあったんですよ

 もうお腹が減って大変でした……」

 

「そう」

 

「だから私は食べれる時に食べないとダメなんですよ

 太りすぎたら運動したらいいですしね

 でも1度に食べれる量は決まってるので

 時間を少し開けないと晩ご飯が食べれないかも……

 って思いましてー……」

 

「宿に泊まるんだよね?

 先にお風呂はいればいいよ」

 

「そうですね

 それがいいですねー」

 

 

 

 

 

 

 

 

んーここに泊まるのかー

宿の名前……漢字で書いてるけど……

ボンゴレって読めるよね?

トラブルがないといいんだけど……大丈夫かな?

 

「じゃぁお風呂に入ってきますね」

 

「僕も入ってくるよ」

 

「はい!」

 

 

 

おー温泉だー!!

このメンバーだったらおしゃぶりさげてても

何も言わないから入れるんだよねー♪

嬉しいなー♪

 

ガルッ♪

 

ミントも嬉しそう♪

 

「優ちゃん!」

 

「はひ! 今までどこに行ってたんですかー」

 

「ごめんごめん

 雲雀先輩と一緒にいてたの」

 

「そうだったんだね」

 

「うん

 1人だと何するかわからなかったしねー」

 

「「?」」

 

「名古屋で群れてるって言って

 いろんな人を咬み殺してたんだよ」

 

「はひ? 咬み殺すですか?」

 

「んーまぁ気にしないでー」

 

ぎゃーぎゃー

 

なんか隣が騒がしいなー

 

「ツナ君たちなんだか楽しそうだよ」

 

楽しそうっていうか……うるさすぎじゃない?

なんか知ってるような声が聞こえるし……

気のせいだよね?

 

 

 

 

 

 

 

せっかく温泉でのんびり出来ると思ったのに……

ヴァリアーが慰安旅行にきてて偶然会っちゃうし……

それにボンゴレVSヴァリアーのお湯がけ合戦が始まるし……

なんでみんなやる気なのーー!?

 

「風呂場で群れてる奴は咬み殺す」

 

ドガッ

 

「うおおお!?」

 

バシャン!

 

ヒ、ヒバリさんまで参戦!?

レビィ・ア・タンを咬み殺したし……

それになんで温泉に来てるのにトンファーもってんのーー!?

 

「鮫特攻!

 お湯かけバージョン!!」

 

「ふぅん

 それだけかい?」

 

やっぱヒバリさんすげー!

トンファーを回転させて

スクアーロがかけてくるお湯を全部飛ばしてるよ!!

 

「っつーか……こいつらがいるってことは

 隣に姫がいるんじゃね?」

 

ピタッ

 

シーン……

 

2人の攻撃が止まった……?

 

「やっぱ隣に姫の気配するじゃん♪」

 

隣って女湯だよな……?

そっか……

ヒバリさんと一緒で戻ってきて温泉に入ってるんだ

優が……温泉に……///

 

「うししっ」

 

笑ってるーー!!

何考えてんのーー!?///

た、大変だ!止めないと!!

 

「う゛お゛ぉい!

 なに考えてやがる!? カス王子!!」

 

「ん? 後で会いにいこーって思っただけだぜ?」

 

な、なんだ……

オレの勘違いだったのか……

 

「つ・ま・り……

 スクのほうが変な想像したのねぇ」

 

「なっ!?

 あんなガキ興味あるわけねぇだろ!!」

 

「あらぁ優ちゃんはいい意味で着痩せしてるのよぉ

 サイズ聞いたけどいい体系してるわよ?」

 

「変なこと言ってんじゃねぇ!」

 

「さっきから何言ってんのーー!?///」

 

ゴゴゴゴゴ……

 

「お……おい……ツナ……

 やべぇぜ……」

 

「へ?」

 

山本どうしたんだろ……

 

「もうすぐで女湯だもんね」

 

あ!ランボが女湯に行きそうだよ!

止めないと!!

 

ビシャ!

 

「ぐぴゃ!」

 

「ラ、ランボ!?」

 

い、今のって……ヒバリさんの仕業……?

ヒバリさんがランボに湯をかけた……?

 

「ここにいる全員……咬み殺す!!!」

 

ヒバリさんがすっげー怒ってるーー!!!

 

「ヒ、ヒバリさん……

 お、落ち着いてください!」

 

ボワン!

 

「な、なんで!?

 獄寺君が10年バズーカに!!

 もう何がどうなってんのーー!?」

 

 

 

 

 

 

ふぅ……いいお湯だったねー

あれ?

なんか10年後のヴァリアーがいたような……

いや……それはないよねー

のどが渇いたしジュースを買いに行こうー

 

あ、雲雀先輩だ

私と一緒でのどが渇いたのかな?

 

「お風呂どうでした?」

 

ガシッ!

 

「へ?

 わわわっ!!」

 

すっごい引っ張られてるんだけど……

 

「どこか行くんですか?」

 

あれ?無視された……

 

「のどが渇いてるんですけど……」

 

「持ってる」

 

あ、私がいつも飲んでるものだよ

私の行動を読んで買ってくれてたんだねー

ん?部屋に着いちゃったよ

 

「朝までここから出ないでね」

 

「へ?」

 

「わかった?」

 

「でもご飯の準備もありますし……」

 

「僕が用意する」

 

「いいんですか?」

 

「いいよ」

 

 

 

 

 

 

 

……すごい……みんなが料理を運んできた(笑)

ロールとミントが

雲雀先輩の言うことを聞くのはわかるけど……

まさか漢我流と瓜まで聞くとは思わなかった……

 

「美味しそうです♪

 ありがとうございます! 雲雀先輩!」

 

あ……笑った……///

 

 

 

 

 

「ふぅ……いっぱい食べました……」

 

「そうだね」

 

「んー片付けぐらい私がしますよ?」

 

「ダメだよ」

 

「少しは動きたいです……」

 

このままだと太っちゃうよーー

 

「……わかった

 終わったらすぐ戻ってくるように」

 

「はい!」

 




お湯かけバージョンww
アニメを見て爆笑しましたww

それにしてもスクアーロはいじりやすい……
ちなみに雲雀さんは咬み殺すことより
主人公が部屋から出さないほうがいいと思い
離脱したのでアニメ通りに途中からいないですw
でも結局主人公のお願いを聞いてしまうというオチw


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第37話

R-15?までは行かないと思います


よし!洗い物終了♪

お!いいところに!!

 

「京子ちゃん、ハルちゃん」

 

「どうしたの?」

 

「どうしたんですか?」

 

「雲雀先輩が部屋を別に用意してくれてて

 そこからあまり出るなって言われてるの」

 

「はひ?」

 

「そうなの?」

 

「うん。私もよくわからないんだけどね

 とりあえずその部屋で泊まることにするよ

 クロームちゃんのお土産は明日の朝に

 一緒に買いに行きたいんだ……いい?」

 

「「うん」」

 

なんていい子達なんだ!!

 

「ありがとー!

 じゃぁ部屋に戻るね

 怒られちゃうから……」

 

「「うん。おやすみ~」」

 

「おやすみ~♪」

 

 

 

本当にいい子達ばっかりでよかった……

 

「ひーめ♪」

 

あれ?ベルさんだ……

さっきのは見間違えじゃなかったんだねー

でも10年後と思ったから

やっぱり見間違え?よくわかんなくなってきた……

 

「ベルさん! こんばんは~

 あ! 誕生日プレゼントありがとうございました!!

 すごくかわいかったです♪」

 

「ししっ♪

 いこーぜ」

 

ぐいっ

 

「あ、ごめんなさい

 すぐ戻るように言われてるんですよー」

 

「やだね」

 

んー困った……

プレゼントもらったしなー……

 

「じゃぁ……ちょっとだけですよ?

 怒られちゃいます……」

 

「りょーかい♪」

 

 

 

 

マーモンちゃん以外いるんだねー

みんなはご飯食べてるけど……

とりあえず挨拶だよね?

 

「XANXUSさん こんばんは!」

 

……ちぇ……

返事ぐらいしてくれてもいいのに……

 

「おい」

 

「はい?

 あ、お酒ですか?」

 

コップを持ってるし注げってことなんだろうねー

んーついでにみんなにも注いであげよっかな?

 

 

 

 

「んまぁ! ありがとうねぇ~」

 

「いえいえ~」

 

「う、うむ!

 悪い気はしないな!」

 

「それは良かったです♪」

 

「姫 オレには?」

 

「ベルさんはまだお酒ダメですから

 ジュースでいいです?」

 

「ししっ♪」

 

「スクアーロさんはお酒でいいですよね?」

 

「……ああ」

 

じー……

 

「なんだぁ!」

 

「スクアーロさんの髪がきれいだなー

 って思って……手入れの仕方が気になります」

 

雲雀先輩に髪をほめらたことがあるし

もっときれいにしたいんだよねー

 

「スクはすごい勢いで髪を洗ってるわよぉ?

 優ちゃんには合わないと思うわ~」

 

「んーそれは残念です……

 さて……私は戻りますねー」

 

これ以上いれば本当に怒られる

 

「優ちゃんも一口飲んで行ったら?

 注いであげるわよ?」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

やっぱりルッス姐さんは面倒見がいいよねー

ヴァリアーの中で1番頼りになるね!

 

ゴクゴク……

 

ほわぁん///

 

「優ちゃんどうしたの?

 顔が赤いわよ?」

 

「へ?」

 

お風呂に入ってから時間がたってるよね……?

 

「ちょっとぉ!?

 これお酒入ってるんじゃないの!?

 誰が入れたの!?」

 

「オ、オレではないぞ!!」

 

「う゛お゛ぉい!

 こいつの仕業だぁ!」

 

「ししっ♪

 だってオレも飲みたいんだもん♪」

 

「んまぁ!

 最初からジュースをお酒にすり替えてたのね!

 優ちゃん大丈夫!?」

 

「……ちょっとポカポカします……

 部屋に戻ってすぐ寝ます……」

 

「そのほうがいいわぁ」

 

「はい……では……」

 

ふわぁ……お酒ってこんな気分になるんだー……

ボカボカ気持ちいなー……

 

 

 

 

 

 

「遅かったね」

 

「少しヴァリアーのみんなに捕まりました……」

 

「すぐ戻ってくるように言ったよね?」

 

ごしごし……

 

ポカポカ気持ちがいいけど眠たい……

目をこすりたくなる……

 

「……何かあったの」

 

「ちょっと間違ってお酒を飲みました……

 眠たいです……」

 

「はぁ……はやく寝なよ」

 

1人は嫌だなー……

 

「一緒に寝たいな……」

 

「……いいよ」

 

やっぱり雲雀先輩は優しいなー

んーわがまま言っていいかな……?

 

ツンツン……

 

「なに?」

 

浴衣の袖を引っ張っても怒らないなー

やっぱり雲雀先輩は優しいなー

わがまま言おう……

 

「……キス……したいです……」

 

「…………」

 

ぐいっ

 

「ん……」

 

ふわぁ……気持ちいい……

 

「……寝るよ」

 

「……もう少ししたいな……」

 

だって短かったんだもん……

 

「……我慢できなくなる」

 

「イヤ……ですか……?」

 

「…………」

 

ふわっ

 

わーい

お姫様だっこだーー!!

 

ドサッ

 

あれ?布団の上だし……寝ろってことなのかな?

したかったなぁー……

 

「優……いいの?」

 

ん?してくれるのかな?

うなずけばしてくれるかも……

 

コクン

 

「止めないよ?」

 

「したいで……ん……んぁっ……」

 

やっぱり雲雀先輩とのキスは気持ちいなー……

 

すぅ……すぅ……

 

「……はぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……」

 

んーよく寝た!!

今日は目覚めがいいなー

 

「おはようございます!」

 

「……おはよう」

 

あれ?なんか疲れてる?

 

「あんまり寝てないんですか?」

 

「……そうだよ」

 

「何かあったんですか?」

 

「……はぁ……覚えてないんだね」

 

「へ? 何かありました?」

 

「……なんでもないよ」

 

ふむ?まぁいいか

あ!今日は朝からクロームちゃんのお土産を

買いに行くって2人と約束してたんだ!

急いで準備しないと!!

 

 

 

 

 

みんなとおそろいのストラップ♪

嬉しいな~♪

あれ?バスに乗ったけど……みんな疲れてるねー

 

「ツナ君大丈夫?」

 

「……一睡も出来なかった……」

 

「え!? そうなの!?」

 

「……うん……」

 

「何かあったんだね

 寝てて気付かなかったよ

 だから雲雀先輩も疲れてたんだねー」

 

「え?」

 

「なんかすごく眠そうだったよ?」

 

「そうなんだ……

 (ヒバリさんはいなかったんだけどな……)」

 

 

 

 

 

 

最後は東京タワーなんだねー

あ、リボーン君の顔がついてる(笑)

ってか……みんないるよ♪

 

「楽しかったですね♪

 また行きたいです!」

 

「そう」

 

「はい! あの……」

 

「なに」

 

「みんなと行くのも私は好きですけど……

 ……2人だけで行ってみたいな……///」

 

キャー!言っちゃった!!

 

「…………次は止めないよ」

 

「へ?」

 

「なんでもないよ」

 

ふむ?

まぁいいか……




間違ってはいけないのは……
主人公は「キス」がしたいんですww
これ重要なので間違わないでくださいねww
主人公の思考回路は本当にお子様ですからね!
この前の話で雲雀さんにいいことがあったと思えば……
やっぱり頑張れwwって感じですねww


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第38話

コンコン

 

「よろしくお願いします!!」

 

ん?草壁さんが雲雀先輩に頭を下げてるね

それもよろしくお願いします?

んー……草壁さんが雲雀先輩に頼むって珍しいよね

 

「どうしたの?」

 

あ、扉を開けて固まってるから

雲雀先輩が疑問に思っちゃったね

 

「なんか聞いちゃいけない内容だったかな

 と思いまして……」

 

「問題ないよ」

 

「そうですか……」

 

雲雀先輩が問題ないって言っちゃうと

草壁さんは問題があっても

問題がないというしかないんだけど……

 

「明日の朝に委員長ご指導を受ける予定なので……」

 

あ、そういうことね

たまに雲雀先輩が風紀委員に指導ということで

鍛えてあげてるからねー

明日のご指導よろしくお願いしますってことだったんだね

まぁでも……ぶっちゃあれって……

ただの雲雀先輩の暇つぶしで

鍛えてるというより一方的に咬み殺してるだけだよ

指導なんて全く何もしてないし……

あれを指導といえる草壁さんがすごい(笑)

 

「明日するんですかー

 頑張ってくださいね」

 

「はい!」

 

みんな怪我をいっぱいするんだろうね……

保健室に行ってもDrシャマルだし

治療なんてしてくれるわけないから大変だね

いや……その前に保健室とか行かないか……

みんな大変だなー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神様ー

 

『なんだ?』

 

私の攻撃ってやっぱり軽い?

 

『そうだなー

 優は手数で戦うタイプだからな』

 

そうだよねー……

 

『どうしたんだ?』

 

いやー白蘭さんと戦った時に思ったんだけど

型をよまれるとこの戦法って最悪だよ……

 

『あーそうだな

 まぁその分ミントの竜巻の攻撃力と

 形態変化で補ってるんだろ?』

 

まぁそうだけど……

 

『それに枷を外したから

 形態変化も少し変わってるんだろ』

 

うん

懐中時計のサイドにボタンが増えてたから

押せばミントが出てきた時はかなりびびったよ……

 

『ああ

 まぁ形態変化に力を使ってるからか

 威力やスピードが落ちてるのはしょうがないか……』

 

そうだねー

まぁミントが小さくなってたから

それはすぐ想像できたのがよかったよ

 

『そうだな

 ミントは優の欠点を補ってるのはわかってるのに

 まだ心配なのか?』

 

当たり前だよ……

毎日神様と戦ってても勝てる気がしないもん……

 

『あーそれはわりぃ(笑)』

 

神様だから強いっていうのはわかってるけど……

1度くらいは当てたいよ……

 

『頑張れー(棒読み)』

 

……ひどい

 

『しょうがないだろ

 オレは神様だからな

 当てようと思っても無理だぞ』

 

ちぇ……

 

『で、どうしたんだよ

 オレに当てたいっていうだけじゃないだろ?』

 

へ?

 

『優は珍しくこういう話を自分からするんだ

 何かあるんだろ?』

 

神様には隠せないねー

未来のこと考えててさー……

 

『あーエンマ達のことか……』

 

うん……

本当はツナ君達と戦わないようにしたいんだけど

リングに血を浴びせないと……

これからのことを考えると危ないからね……

戦うことを避けちゃいけないのはわかってるんだけど

止めたいし……変に悩んじゃって……

 

『そうだなー……

 難しいところだな……』

 

うん……

まぁ原作をかえるのは難しいから

結局何も出来ないかも知れないけど……

 

『確かに……

 未来に行った時ほとんど原作がかわってなかった

 多分、戻す力が大きすぎるんだろうな』

 

そうなんだよねー……

だから結局鍛えるってことにしか浮かばなくて……

 

『そうだな……』

 

よし!決めた!!

 

『ん?どうした?』

 

明日雲雀先輩とちょっとバトルしよー

 

『なんでそうなる……』

 

雲雀先輩の戦闘スタイルは

私が能力を使わなかったら苦手なタイプだから

普通に私は鍛えられるしー

そして私と戦ってちょっとでも雲雀先輩が強くなったら

怪我する確率が減るし……

 

『あーそうだな

 俺と戦うだけじゃなくて

 実戦もある程度したほうがいいからな』

 

そうそうー

ツナ君とガチバトルした時も思ったけど

やっぱり実戦はちょっと違うしさ

 

『ああ

 条件をつけてギリギリにしないと

 本気が出せないとか……困った性格だ』

 

……ごめんなさい

 

『まぁ優もわかってるから嫌だけど

 実戦するんだろ?』

 

うん

ツナ君たちは嫌がると思うからさー

でも雲雀先輩だったら問題ないと思うからね

 

『バトルマニアだからな』

 

そうそうー

で、明日ちょうど朝から風紀委員を鍛えるという名の

暇つぶしをするみたいだしね

 

『……最悪な暇つぶしと思うのは俺だけか?』

 

んーそうなんだけど……

風紀委員のみんなはそこまで嫌がってないというか……

 

『なんで風紀委員は雲雀恭弥を

 尊敬してるのかがわからん……』

 

……そうだね

リボーンの話の七不思議の1つにしてもいいと思う

 

『……ああ』

 




今回の話は糖度ゼロです
最後まで糖度ゼロかも?
そして珍しくバトル……なので駄文です!!
だから期待しないでください


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第39話

あれ?まだ雲雀先輩がいないね

まぁ時間を聞かなかったからなー

それにしてもみんな朝から頑張るね

きれいに並んで待ってる姿がすごいよ……

私は少し眠い……

あ!刀を先に出しておかないと……!

 

カチッ

 

よし、これで顔を出してもいいかな?

いきなり空から現れるのもビックリすると思うし

普通に歩いていこうかなー

 

スタスタスタ……

 

「誰だ!?」

 

あ、しまった

私ってすごく怪しい格好してるんだった

今のこの声でみんなにものすごくにらまれるし

草壁さんからも殺気を向けられてるよ

 

“あー……悪い

 僕は君達と敵対する気はないんだ

 雲雀恭弥に用事があるだけだよ”

 

「委員長に何の用だ」

 

やっぱり草壁さんが代表して話すんだね

 

“僕も君達と一緒で

 少し彼に相手をしてもらうだけだよ”

 

あ、みんなの警戒心が強まった(笑)

 

“彼が来てから顔出すべきだったか……”

 

うーん……ピリピリしてるよ

草壁さんに正体教えてもいいけど

未来の記憶がないみたいだし巻き込むのは悪いしなー

しょうがない……試すか……

 

“僕はあの木の下でいるから

 彼が来たら教えてくれ”

 

「「「「!?」」」」」

 

おお!みんなビックリしたね

いきなり距離をつめて

草壁さんの目の前に来たからねー

いきなり現れたようにしか見えないと思うしね

 

“僕は争いごとが嫌いだから問題ないが……

 相手の力量がわかるぐらいは訓練したほうがいい

 殺気を出した時点で僕に殺されても文句言えないぞ?”

 

ヴェントの時は出来るだけスキがないようにしてるからね

わかる人は普通にわかるし……

 

「「「なっ……!!」」」

 

お!殴りかかってきたよ

みんな短気だねー

 

「ま、待て!!」

 

まぁこれぐらいなら簡単に避けて離れるけどね

やめようとしたのは草壁さんだけだね

 

「「「「!?」」」」

 

“草壁哲也はギリギリ合格だな……

 いいことを教えてあげるよ

 今日の朝、雲雀恭弥に指導してもらえると

 僕は君から聞いたぞ?”

 

「!?」

 

多分これで草壁さんはわかると思うんだよねー

 

“じゃぁな”

 

あーなんか疲れたね

慣れないことはするんじゃないね

呼ばれるまで木の下でボーっとしよう♪

 

「「「待て!!」」」

 

「手を出すな!!」

 

「「「副委員長!?」」」

 

「……大丈夫だ

 私は彼に心当たりがある」

 

「だ、誰ですか!?」

 

「……話すには委員長の許可がいる

 委員長と敵対する人物ではない」

 

「……わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「おはようございます!!!!」」」

 

「さっさとはじめるよ」

 

「い、委員長!!」

 

「なに」

 

「その……」

 

珍しいね

草壁哲矢が口ごもるなんて……

 

チラッ……

 

「?」

 

どこを見ているの?

 

「ワオ! いつからいるんだい?」

 

「15分ほど前から……」

 

「へぇ」

 

本当に珍しいね

優がヴェントの姿でいるよ

何かあったのかな?

 

 

 

 

 

「ヴェント何してるの?」

 

あれ……?雲雀先輩だね

 

「ヴェント?」

 

ヴェント……?

あ、そうそう思い出した

 

“あー悪い

 少しウトウトしてた……”

 

半分寝てたね(笑)

 

「そう 何してるの?」

 

“僕も少し鍛えようかと思ったんだ”

 

「へぇ 珍しいね

 何かあったの?」

 

“師匠とは精神世界で戦うだけだから

 少しは実戦をしようと思ったんだ

 だから付き合ってくれ”

 

「僕は君とはしたくないんだけど……」

 

ええええ!?

雲雀先輩が嫌がるとは思わなかった……

 

「君に怪我をしてほしくないからね」

 

あ、そっか……

 

“そうだったな

 君に頼むのは悪いか……”

 

しょうがない……

面倒だけど週末にイタリアに行って

スクアーロさんに頼もうかなー

この前イタリア行った時にすればよかった……

でもスクアーロさんに頼むと

本気で殺されそうなのが問題だけど……まぁいいか

 

「……誰かに頼むとか考えてないよね?」

 

“ん? そうだぞ?”

 

「はぁ……わかった」

 

へ?

 

「僕が相手してあげるよ」

 

“いいのか?”

 

「いいよ」

 

なんで良くなったんだろ……

まぁいいか

雲雀先輩が相手してくれるのが1番いいしね

 

“炎なしで頼む

 あー刀を匣から出してるのは許してくれ”

 

「わかった」

 

“助かる

 それと……僕は能力は使う気ないから

 そのつもりでいてくれ”

 

「……本気かい?」

 

“ある程度は鍛えてるから

 すぐ倒れることはないよ”

 

「……わかったよ」

 

“まぁ僕は最後でいいよ

 彼らを先に優先してくれ”

 

「すぐ終わらせるよ」

 

……本当にすぐ終わらせそう

 

 

 

 

 

 

……瞬殺!って感じだね……

まぁしょうがないと言えばしょうがないけど……

 

“もう少し手加減してあげろよ……”

 

「いやだ」

 

だよねー

これでもかなり手加減してあげてるしね……

 

“お手柔らかに頼むよ”

 

「わかった」

 




草壁さんは未来の記憶が届いてないことにしましたww
まぁ結局教えちゃいましたけどね


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第40話

んーどうやら先攻を譲ってくれるみたい

そういえばトンファーって刀に強いんだよねー

まぁ自分で不利な条件出したし……しょうがない

さて……頑張りますかー

とりあえず突っ込んでみよう!

 

ガキッン

 

うん……すごい音だ……

やっぱり力負けしてるねー

おっと!そんなこと考えてたら

刀を抑えてない方のトンファーを突き出してきたよ

まぁ当然バックステップで避けるけどね

これ以上力勝負しても勝ち目がないのはわかってるし

1度離れた方がいいしね

 

ぎゃ!

雲雀先輩も私が後ろに避けると思って突っ込んできたよ

でもスピードは私のほうが速かったみたい

連続攻撃を回避できたもん

 

つまり……スピードは私が勝ってるけど

パワーは雲雀先輩に負けてるから刀が捕まるとやばい

 

そんなこと考えてたら

雲雀先輩がまた突っ込んで来たよ

つまり私と逆のことを考えたんだろうね

とりあえず後ろに下がって距離をまたとったけど……

このままだとまずいね

リーチの差が出てくるもん

今は私の刀の方があるけど……

 

ヒュンヒュンヒュン……

 

ですよねー

トンファーを回転できる分

そっちの方がリーチが長くなるし威力が強くなるよね

元々、体格の差でも負けてるから辛いのに……

まじで私に怪我してほしくないって思ってるのかな?

楽しくなってて忘れてそう(笑)

このまま避け続けても意味がないから

今度は私から攻めさせてもらうよ!

ということで、また突っ込む

 

ガキッン!

 

うん!防がれたけど

今度は私のほうに軍配があがったね

スピードで翻弄して雲雀先輩が気付くのが少し遅れたから

力がそこまで込めれなかったのと

私が体を回転しながら出した一撃だったからね

あ、でももう1個のトンファーが来るからやっぱり負けかな

うーん……今度は最小限の動きで避けることにして

雲雀先輩から出来るだけ離れないでおこう

 

ヒュ……

 

うん……この音……当たったら痛いんだろうね……

トンファーは確かに刀とは相性悪いけど

直線的だから避けやすい

蹴りとかも同じで避けやすいしね

それに避けれないなら受け流したらいいしね

まぁ気を抜いた瞬間終わりだけど……

 

さて……私が勝つには……

最低でもトンファーを1つにしないとね

普通の構えだと腕からひじにふっついてるから

流石にそれを崩すのは難しい……

雲雀先輩の攻撃パターンで多いのは

そのまま殴る、突き出す、回転をかけて殴るだね

そして忘れてはいけないのは刀を捕まえる仕掛けがあるだね

1番いいのは回転をかけて殴るタイミングだよねー

その時が1番弾きやすいよね

 

「避けてばっかりだね」

 

“避けてる理由はわかってるのに聞くなよ……”

 

まじで……って無視された(笑)

多分当たらないことに腹が立ってきたんだろうねー

でも戦況は雲雀先輩の方が有利だと思う

あまり離れないように避けてるけど

バックステップを使って避ける回数がかなり増えてる

まぁわざと増やしてるのもあるけどね

理由はリーチが足りないと思わせて

トンファーで回転をかけて殴る回数を少しずつ増やすため

さて、ありがとう

罠にかかってくれたね♪

 

「!?」

 

ガッ!

 

おーいい感じにトンファー飛んでいったよ

でも今のはやばかった

 

私は雲雀先輩が右のトンファーを突き出すとわかったから

突き出したトンファーをスレスレに避けて突っ込んだ

それじゃぁ本来私がいたはずの位置に

左手のトンファーを回転させて殴ろうとしたのを

雲雀先輩が無理矢理止めたんだよねー

そしてその無理矢理止めたトンファーのまま殴ろうとした

攻撃は最大の防御っていうぐらいだし

多分攻撃を無理にでも仕掛けて私が離れるようにしたんだと思う

あのままだと一撃を食らう位置に私がいたからね

 

まぁ確かにこのまま突っ込んでいけば雲雀先輩の懐に入るよ

だから懐に入って一発入れるのもいいと思う

でも一発を入れたら終わりじゃないんだ

そう考えると最初の予定通り狙いはトンファーを減らすだね

無理矢理止めた左のトンファーの握りは甘くて

そこに何とか一発いれて飛ばしたからね

 

正直、私の考えが甘かった

握りが甘いのでギリギリだったよ

雲雀先輩が無理に行動したから飛ばせたんだ

私の計画のままだったら

回転させたトンファーを飛ばせなくて

そのままカウンターを食らったね

これは本当にラッキーだった

まぁ運も実力のうちって言うしね

後はトンファーが飛んでいったほうに

雲雀先輩が行かないように気をつけないと……

 

ジャララララ

 

……そうでした

このトンファー……チェーンもあったんだ……

片方だけになったけどさらにリーチ差が出来たよ

迂闊に近寄れなくなったねー

でも片方しかないからまだ勝機はあるよね?

た、多分……

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよ! 山本」

 

「よぉ」

 

「よぉツナ! 獄寺!

 はえーじゃねぇーか」

 

「今日はオレ日直なんだ」

 

「そうだったか?

 じゃぁ獄寺もか?」

 

「オレは10代目の手伝いだ!」

 

そ、そうだったんだ……

偶然同じに朝から用事があって

道で会っただけと思ってたけど……

オレをあそこでずっと待ってたんだ……

 

ざわざわざわ……

 

「何かあったの?

 様子が変だけど……」

 

それにいつもこんなにも人がいた?

 

「もう朝練の時間が過ぎてるのに

 まだ学校に入れないんだ」

 

「そうなの!?」

 

「ああ

 練習したいんだけどな

 風紀委員が開けにこねーんだよなー」

 

風紀委員が開けてたのー!?

 

「面白いことになってるぞ」

 

「リボーン! なんでここにいるんだよ!?」

 

朝からいないから母さんが探してたのに……!

 

「リボーンさん何かあるんですか?」

 

「雲雀とヴェントがグランドで戦ってるぞ」

 

「「「なっ!?」」」

 

「な、なんであの2人が!?」

 

「しらねぇぞ

 ケンカでもしたんじゃねぇのか?」

 

「んなーー!!

 と、とにかく止めないと!!

 確かあっちのフェンスが壊れてた!!」

 

あそこからグラウンドにいけるよ!!

 

ダッ!!

 

「10代目! オレも……ってはえぇ……」

 

「……ああ

 小僧乗ってけ」

 

「サンキューな」

 

ダッ!!

 

「小僧状況はどうなってるんだ?」

 

「わずかにヴェントの方が有利だな」

 

「まじスか!?」

 

「ああ

 トンファーが1つ転がってたからな

 ヴェントがヒバリの隙を突いたんだろ

 だがヒバリも負けてねぇぞ

 今ヴェントは攻撃をかわすのに精一杯だったからな」

 

「ハハッ

 やっぱ2人ともつえーな」

 

「バカ!

 そういう問題じゃねぇだろ!?」

 

 

 

 

 

 

うーん……このまま避け続けると

体力と集中力の勝負になるね

それに……問題が出てきたし……

そうなってくると……雲雀先輩のほうが強いよね

だって寝ずにずっと戦うことが出来るぐらいだもん……

私はそこまで集中力は持たないね……

つまり勝負をかけないと私の負けは決定だね

 

ガキッ!

 

よし!予定通り刀にチェーンが絡まった

そして刀を離して一気に間合いを詰める!!

 

「!?」

 

あ!雲雀先輩がビックリしてるねー

といっても一瞬ですぐに蹴りを入れるのはさすがだね

でもそれは予想通りの軌道だよ

そこにしか出来ないように誘導したからね!

これを避けて一発いれて気絶出来れば私の勝ちだ!!

出来なかった場合は私の負けだね!

 

まぁ私の負けだろうなー

だって一撃で雲雀先輩が気絶できるとは思えない

何度か急所を狙ったけど全部避けられてるんだよねー

やっぱり雲雀先輩は強いなー

 

「危ない!!」

 

「「!?」」

 

ドンッ

 

いきなり押された!?

……ツナ君!?

え……このままだと地面に背中がすりそう……

風!ヘルプミー!!

 

ドサッ……

 

よかった……

時間がなかったし2人分だったけど

少しは衝撃を抑えられたね

だって背中が痛くないもん

 

「ま……間に合ったーー」

 

えっと……どういうこと?

とりあえず……

 

“彼の攻撃……当たってないか?”

 

「う、うん

 オレは大丈夫だよ」

 

“それは良かった……”




……戦闘シーン……これで勘弁を……w


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第41話

怪我がないとわかったし……

 

“あーどうしたんだ?”

 

「そ、そうだ!! ヴェントどうしたの!?

 ヒバリさんと何があったの!?」

 

“何もないぞ?”

 

「へ?

 ヒバリさんとケンカしたんじゃ……」

 

あ、勘違いしたのか……

 

“違うぞ

 少しは実戦したほうがいいと思って

 手合わせを頼んだんだ”

 

「え!? そうなの?」

 

“ああ

 心配かけたみたいだな……悪い……”

 

「ううん・・

 オレが勝手に勘違いしたんだ」

 

普段だと怖がってこういうのに近づかないのに

私のために飛び出して助けようとしてくれたんだ……

嬉しいなー♪

 

“ありがとうな”

 

「う、うん?」

 

あら……よくわかってなさそうだね(笑)

 

「いつまでその体勢でいるつもりなんだい?」

 

ん?体勢?

そういえばツナ君の顔が近いね

んーツナ君が私にまたがってる?って感じだね

 

「……ゴ、ゴメン!!///」

 

あれ?ツナ君の顔が赤いね

何でだろ?

 

「ヒ、ヒバリさん! すみません!!!」

 

今度は雲雀先輩に謝ってるし……

というか、雲雀先輩の機嫌が悪そうだよ

あ、そっか

バトルの邪魔されたもんねー

とりあえず……座るか……

ずっと寝転がってるのも変だしね

 

キョロキョロ……

 

“何かあったのか?

 みんなが固まってるけど……”

 

それにしても避けるのに集中しすぎて気付かなかったよ

風紀委員のみんなが起きてて固まってるんだよねー

 

「おめぇが原因だ!」

 

あ、獄寺君と山本君とリボーン君だよ

 

“僕が原因?”

 

「ヒバリとまともに戦える奴がいれば

 ビックリするのは当然だぞ」

 

あ、それもそうだね

 

「それにヴェントの姿は

 はっきり見えてなかったと思うしな」

 

……確かに

私はスピードがやばかったからねー

雲雀先輩は動かず避けたもんね

まぁ雲雀先輩の手は見えてなかったと思うけど(笑)

 

「やっぱ2人ともすげぇのな!

 オレも負けてられねーな」

 

なぜか山本君に闘争心がついた(笑)

まぁいいか……

あ、雲雀先輩がどこか行っちゃう

ツナ君達が来たからこれ以上いたら群れちゃうからねー

ってか……そろそろ登校時間だよ

 

“あー悪い

 登校時間に近づいてきた

 彼に付き合ってくれたお礼言って帰るよ

 じゃぁな”

 

「う、うん!」

 

おーやっぱり凄いね

雲雀先輩が行こうとすれば

きれいに道ができるのが……(笑)

どこまで風紀委員は雲雀先輩を尊敬してるんだろ……

 

“雲雀恭弥!”

 

ピタッ

 

ざわっ……

 

あ、雲雀先輩の動きが止まったから

まだバトルすると思ったのかな?

みんながざわついたよ(笑)

 

「なに」

 

“手合わせしてくれてありがとう”

 

「問題ないよ」

 

ざわっ……

 

またざわついた(笑)

今度は並んで歩いてるからだろうねー

そういえば……風早優の時は

みんなの前では必ず1歩後ろを歩くしね

草壁さんだけ普通だなー

まぁ正体がわかってるのもあると思うけど

わかってなくてもー

雲雀先輩が隣を歩くを許した人物と

すぐ認識して平常心で受け入れそう……

 

“2人とも少し熱くなってしまったな

 お互い怪我をしない間に

 ちょうど終わって良かったな”

 

「そうだね

 後で連絡する」

 

今じゃダメなんだね

つまり風早優に用事かな……

それかここでいえない内容なんだね

ん?なんか校門の方がうるさいね

 

“何かあったのか?”

 

「君と手合わせするから草壁が門を開けるのを

 遅らせたほうがいいか聞いてきたからね」

 

ってことは……

この騒ぎは開いてないからか……

 

“あーそれは悪いことしたな……”

 

「問題ないよ」

 

おー雲雀先輩が開けに行ったらみんな門から離れる(笑)

これはこれで凄いよねー(笑)

 

“じゃぁ僕は行くよ”

 

「またね」

 

“ああ

 じゃぁな”

 

 

んー開けた後にすぐ学校に入って行ったから

応接室か屋上に行ったのかな?

私は1度家に帰ろう

シャワー浴びる時間あるかなー

いや、絶対浴びるぞ!

というか……雲雀先輩と一緒に話してた

私にもみんなが離れていく(笑)

まぁ怪しいしね

さっさとこの場から離れるべきか……

 

いやーみんながビックリしてるねー

人垣をかきわけるのが面倒だったから

飛び越しただけなんだけどねー

……あれ?これもかなりすごいことか……

最近感覚がおかしくなってきた……

まぁいいや(笑)

さっさと家に帰ってシャワーだね!

 

 

 

 

この後、雲雀恭弥に仕えてる忍者?がいる

風早さんを守るために専属忍者?を雇ったなど

いろんなうわさが飛び交った……

 




なぜかネタ話になったw
おかしいな……w
終わりっぽく見えますけど後1話あります


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第42話

電話は何かなーと思ったら応接室に来てだったよ

書類があるのかな?

ってか、考えてる場合じゃないねー

急がないと間に合わない……

早くシャワー浴びよう!

 

ガルルゥ

 

あらー心配してそうだね

 

「大丈夫だよ

 シャワー浴びてくるね?

 だから後でお願いね?」

 

ガルッ!

 

バタン

 

バサッバサッ……

 

 

 

 

 

 

これは一体何だろうか……

窓の外に恐竜らしき動物が飛んでいる……

ただ恐竜にしては凶暴に見えない

それに恐竜は絶滅危惧種だ

恐竜に見えるが違う生き物か……

それより……なぜここに……

 

「……い、委員長」

 

「なに」

 

ガルッ!

 

「ワオ! ミントどうしたの?」

 

……委員長はこの動物を知っている

名前はミント……覚えておかなければ……

 

ガブッ!!

 

「委員長!?」

 

凶暴な動物だったのか!?

その前にミントという動物が委員長の手を噛むなんて……

恐る恐る委員長を見てみたが……

少し考えていた……どういうことだ……?

 

「……怪我してたんだね

 でも怪我をさせたことじゃなくて

 気付かなかったことに怒ってるんだね」

 

……カパッ

 

咬んでいた委員長の手を離したことに

安堵の溜息をつきたくなったが

委員長が言っていた怪我というのは……

 

ガルルルゥ……

 

「怒ってないよ

 それより黙って出てきたんだよね?

 もう戻りなよ」

 

ガルッ……

 

「教えてくれてありがとう」

 

ガルッ!

 

バサッバサッ……

 

委員長が噛まれても咬み殺さないとは……

これは風早さんに関係することでは……?

いや、考えるより先に……

 

「委員長! 大丈夫ですか!?」

 

「問題ないよ

 牙を立ててなかったしね」

 

ミントという動物は

委員長の手を銜えただけだったのか……

 

「……そうですか

 今のは……」

 

「優の恐竜」

 

……やはり風早さんが関係していた

だが……恐竜とは……?

いや、これ以上は聞かない方がいいだろう

必要になれば委員長が話してくれるはずだ

 

「……わかりました

 風早さんが怪我したのですか……?」

 

「みたいだね

 全部避けたはずだけど……」

 

私には風早さんの姿が見えなかったので判断が出来ない

委員長には手応えがなかった

確か……風早さんの武器は刀……

可能性があるとすれば……

 

「……委員長」

 

「なに」

 

「すみません

 湿布薬を買いに行ってもよろしいでしょうか?」

 

「……頼んだよ」

 

他の物をおっしゃらなかった

委員長も同じことを考えだったんだろう

 

「……屋上に持ってきて」

 

「はい!」

 

急いで行かなければ……

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ……さっぱりしたー

……ん?

 

「ミント!」

 

ガルッ!?

 

「この装置は壊れたら困るんだから

 触っちゃダメって言ったよね?」

 

ガルル……

 

うーん……反応を見ると覚えてたみたいだね

 

「ミントがわけもなく触らないよね

 ごめんね?」

 

ガルルルゥ

 

よしよしー

 

多分落ちそうになってたのかな?

ミントが慌てて直そうとしてたのかも……

置き場所を考えなおそう

 

さて……さっさと着替えないとねー

それにしても私ってミントの使い方を間違ってるよね

口から風が出るから威力を調節して

髪を乾かしながらクシで梳いてもらうなんて……

すごい贅沢だよね(笑)

でも髪を乾かしてる間に他のことが出来るんだよねー

 

 

 

 

 

 

 

コンコン

 

「失礼しまーす」

 

あ、やっぱり書類だねー

いっぱい机に乗ってたよ

 

「さて……頑張りますかー」

 

ガシッ

 

「っ……どうかしました?」

 

「……これは後でいい

 屋上行くよ」

 

「あ、はい」

 

なんとか……誤魔化せたかな……?

うーん……早く回復してくれればいいんだけどねー

ちょっと不便だし……先に昼寝でよかったね

まぁ回復できなくても風でフォローすれば問題ないか……

 

 

 

 

……あれ?寝転ばないね

 

「どうしたんですか?」

 

「……手……大丈夫?」

 

あ……ばれてたんだ……

 

「やっぱり雲雀先輩には敵いませんねー」

 

「……そうだね」

 

「雲雀先輩の攻撃が早くて……

 受け流した時に何度か体の回転を入れれなくて

 腕がちょっと痛くなりました」

 

「……わかった」

 

「ばれちゃったし……

 後で湿布もらってきます」

 

ばれるなら初めからつけとけば良かった……

Drシャマル……いないことを願おう……(笑)

 

「今、草壁が用意してる」

 

「へ?」

 

「そろそろ戻ってくるはず」

 

「そうですか……」

 

また草壁さんに迷惑かけちゃった……

 

「今日は付き合ってくれてありがとうございました」

 

「役に立った?」

 

「はい

 制限して戦ったのであれが多分今の私の限界です

 わかって良かったです」

 

「そう」

 

「もう少し鍛えないといけませんね」

 

「優はしなくていいよ」

 

「頑張ります!」

 

ミントの形態変化を考えると

身体は鍛えたほうがいいからねー

 

「……攻撃する前に刀を握り直す」

 

「へ?」

 

「優の癖だと思う

 僕に怪我してほしくないから一瞬躊躇した

 受け流す時にはしなかった」

 

そんな癖あったんだ……

神様と戦う時には躊躇しないと思うし……

リボーン君に言われなかったのは本当に斬るために

峰を返すから気付かなかったんだろうねー

それ以外は当たるとは思わなかったから

躊躇しなかったと思うしねー

 

「ありがとうございます!

 すごく参考になりました!」

 

「そう」

 

絶対これ白蘭さんにもばれてたよね

特殊能力使っても最後は私がしないといけないし……

それに多分白蘭さんと戦った時には

この癖は直らなかったのかも知れない……

早いうちに気付いてよかった!!

後で神様と相談しよう!!

 

「雲雀先輩」

 

「なに」

 

「私ってわがままですよねー」

 

「どうして?」

 

「全部ほしいって思ってます」

 

「?」

 

「諦めるべきことを諦めたくないんです

 だからみんなに迷惑をかけてます」

 

「……問題ないよ」

 

「お願いがあります」

 

「……なに」

 

「私が周りの目を見れなくなった時は

 怒ってほしいです」

 

もし私のせいで風紀が乱れて

もう雲雀先輩の手におえなくなったのに

そのことに私が気付かなくなった時が1番怖い

だってそれは本当は気付いているのに

ここにいたいから見ないフリをしてることだもん

 

「これもものすごくわがままだと思います

 でも誰かに言われるなら雲雀先輩が言ってほしい

 まぁ……そうならないように気をつけますけどね」

 

「……安心していいよ」

 

「へ?」

 

「僕が見てるから」

 

「……ありがとうございます」

 

「……寝る」

 

「はい

 おやすみなさい」

 

「……おやすみ」

 




ミントは雲雀さんのいうことを聞いたのは
全部主人公が嫌な思いをしないと思ったからです
だから雲雀さんに反抗?したりもします
滅多にないですけどねー

それにしても「優の恐竜」って……
全く説明になってないww草壁さんは大変ですねーw

これでこの話は終わりです
あまり甘くなかったと思います
次は「酔っ払いの優」です
完全なネタですので温かい目で見てくださいw


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第43話

これはヴェント活動停止中の優が

仕事でイタリアに来ていた時に

いつものようにベルに連れさられて

アジトに来てご飯を作った日の1日である

 

 

 

んーご飯の片付け終わったしー

これからどうしようかな?

ん?もしかして……

 

「お酒いります?」

 

「……あ゛あ゛」

 

おー当たった!

 

「優ちゃんはお酒にも詳しいのぉ?」

 

「20歳を過ぎたときに

 最低限の知識として覚えましたよ」

 

あ、そういえばXANXUSさんには作ったけど

みんなの前で作るのは初めてだったかもー

 

「姫は酒のまねーの?」

 

「お酒好きなんですけどねー

 酔っちゃうので禁止って言われてます」

 

「酔うとはまだまだガキだ!」

 

「そうですねー

 大変なことになるみたいなので

 絶対飲みませんよー」

 

 

 

 

 

 

 

「何してんの?」

 

「優ちゃんが酔ってる姿みたくなぁい?」

 

「ししっ

 同感♪」

 

「でしょ?

 こっそりジュースに混ぜてるのよぉ」

 

「どうなってもミーは知りませんよー」

 

「大丈夫よぉ

 酔っ払いなんてかわいいもんよ♪」

 

 

普段、ストッパー役はルッスーリアである

そのルッスーリアが実行犯になってしまったため

止める人物はいなくなってしまった……

この時にスクアーロが聞いていれば

恐らく今からおきる事態は回避出来ていただろう……

 

 

 

 

「全然変わらないじゃないの?」

 

「姫の酔ってる姿見れねーじゃん」

 

「酔ってると思いますよー

 さっきから眠そうですよー」

 

いかにも残念そうに話す2人に

優が目を何度もこすっていることを教えるフラン。

ベルとフランが普通に話すことが珍しい

この異常事態に気付いたのはスクアーロだった

 

「う゛お゛ぉい!!

 何コソコソ話してんだぁ」

 

「こっそり優ちゃんのジュースに

 お酒を混ぜて観察中なのよぉ」

 

「あ゛あ゛!?」

 

「んもぉ怒鳴らないでよー

 ちょっとした好奇心だったのよぉ

 そんなに強いお酒は混ぜてないわぁ」

 

「チッ」

 

舌打ちをしながら優のところに向かうスクアーロ

ルッスーリアはその姿を見て心の中で

やっぱりお兄ちゃんね~と感心していた

スクアーロに知られれば間違いなくぶっ飛ばされていたので

声には出さなかったが微笑ましく見ていた

 

「何してるのだ!!」

 

「もぉ何度も同じ説明させないでよぉ

 優ちゃんのジュースにお酒を混ぜて飲ませたの

 今観察中よぉ」

 

「ふん

 ばかばかしい!!」

 

スクアーロの声で事態に気付いたレヴィ

ばかばかしいといいながらチラチラと優を見ていれば

フランじゃなくても変態雷親父と思うだろう

それほど彼は残念な行動をしていた

 

 

 

 

「さっさと寝ろぉ!」

 

「ふぇ?

 シュクアーロしゃん?」

 

呂律が回っていない優を見て一瞬固まったスクアーロ

そんなスクアーロに心配する声をかける優

しかしそれは言葉になっていなかった

 

「…………(思いっきり酔ってじゃねぇかぁ!!)

 ルッス! こいつを何とかしろぉ!?」

 

「あらぁ本当に酔ってたのねぇ

 優ちゃん大丈夫~?」

 

「ルッチュ姐しゃん?」

 

「んまぁ!! かわいいわぁ!!」

 

「恭弥しゃんはどこでしゅか?」

 

「ここにはいないわよぉ?」

 

いないと聞いた瞬間に優の目に涙が溜まり始めた

いきなりのことで慌てるルッスーリアとスクアーロ

彼らは優が泣いたところも1度も見たいことがない

慌てるのは当然のことだった

 

「ちょっとぉ!?

 優ちゃん泣かないでぇ!!」

 

「姫を泣かすんじゃねぇーよ」

 

優が泣きそうになったため

お酒を飲ませることに賛成したのにあっさり寝返るベル

人としては最低だが

彼は王子なので彼は何をしても許されると思っている

本来ならば必ず何か言われていたが

ルッスーリアはベルの発言より

いつ落ちてもいいぐらい目に涙をためている優を

どうするべきかを優先して考えていたため見逃された

しかし考えている間に状況は最悪になった……

 

ふわっ

 

「「「「!?」」」」

 

「な、何が起きてるのだ!!」

 

「これって姫の暴走じゃねぇ?」

 

「う゛お゛ぉい!!

 くだらねぇことするからだぁ!!」

 

「どうなっても知らないって

 ミーは言いましたよー」

 

浮いている食器や家具が容赦なく急所に狙い……

避けたり防いで壊れると小さく軽くなるため

急所を狙う数が増えるという悪循環が起き

そして何とかスキを着いて直接押さえ込もうとすれば

浮かべられ壁に叩きつけて振り出しに戻るという

優の無双が始まった……

 

 

 

 

ガン!

 

「ぬおおお!?」

 

「チッ! キリがねぇ!!」

 

スクアーロはこの状況でも考えていた

優が泣き始めた原因は何か……

そして1つの答えが浮かんだ

 

「フラン! ヒバリの幻覚を出せぇ゛!!」

 

「人使い荒いですねー」

 

「さっさとしろぉ!!」

 

サァ……

 

「優」

 

「恭弥しゃん……?」

 

ピタッ

 

「「「「「止まった……」」」」」

 

スクアーロの考えは正解だった

雲雀恭弥がいれば暴走は止まる

そう……雲雀恭弥が本当にいれば……

 

「……違う」

 

ふわっ

 

「う゛お゛ぉい!!

 見破られてるんじゃねぇ!!」

 

「使えねー」

 

「ミーは悪くありませんー

 優さんが幻覚に強すぎるのが問題ですー」

 

「ちょっと本当にどうするのぉ!?」

 

仮にも彼らは暗殺部隊のエリート集団

ここまで手こずるのは理由があった

もし優を傷つけて止めた場合……

優は許すが許さない人物が何人もいることが

わかっていたため下手に止めれないということと

もし優が気にしてここに来なくなった場合

優が作ったご飯はXANXUSが文句を言わずに

食べることを知っていたので

下手に手が出せない状況が続いていた

ちなみにここにいる全員は後者の理由が

ほぼ頭に占めていたため手が出せなかった

そして……事態は急変した

入り口のドアがぶっ飛ばされたのだ

 

ドカッ

 

「るせぇ」

 

そう……あまりにもうるさすぎて

XANXUSが原因をカッ消しにきたのだ

 

ピタッ

 

「「「「「……止まった」」」」」

 

「あーじゃんじゃしゅしゃんだー♪」

 

優がのんきにXANXUSの名前を呼ぶ

このままだと優がカッ消されると思ったルッスーリアは

元々の原因は自分だったため

恐る恐る話しかけることにした

 

「ボ……ボス……

 優ちゃんは……ちょっと酔ってるのよぉ……」

 

決死の思いでルッスーリアは話しかけたのだが

優はそれに気付かなかった……

 

「うりゅしゃかったでしゅか?」

 

「…………」

 

「ごめんにゃちゃい……

 にゃまえ……とりゃないでくだしゃい……」

 

「…………くだらねぇ

 さっさと寝ろ」

 

スタスタスタ……

 

「……寝ましゅ……

 おやしゅみなちゃい……」

 

スタスタ……

 

今まで苦労していたのがウソのように

優は大人しく部屋に戻っていった

 

「……さ……流石ボスだ……」

 

「姫の様子見てこよーっと」

 

「名前って何ですかー?」

 

「ヴェントって名前をつけたのはボスなのよぉ

 優ちゃんはそれを大事にしてるのよ

 怒られてとられると思ったんじゃないのかしら・・」

 

「そうなんですかー」

 

「くだらねぇこと言ってねぇで

 さっさと片付けろぉ゛!!」

 

「隊長ーベル先輩が逃げましたー

 それに明日優さんが片付けると思いますー

 だからミーも寝ますー」

 

「う゛お゛ぉい!! ……チッ」

 

そして、結局優に片付けさせることになった……

 

 

 

 

 

「ひーめ?」

 

「ベルしゃん……」

 

「ボスは怒ってないから大丈夫だぜ?」

 

「本当でしゅか……?」

 

「間違いねぇって」

 

「よかったでしゅ♪」

 

「ししっ♪

 ん? まだ使ってんの?」

 

「あい!

 うしゃぎしゃんがいにゃいと寝れましぇん!!」

 

「ししっ♪」

 

「寝ましゅ!

 じゃんじゃすしゃんに怒られましゅ!」

 

「りょーかい

 おやすみ♪」

 

「おやしゅみなしゃいでしゅ!」

 




これはノリで書きましたww
ノリが強すぎるため載せるのをやめたんですけどねー
リクエストがあったので載せちゃった話です


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第44話

んーよく寝たー

今日は目覚めがいいね♪

 

 

「おはようございまーす」

 

あれ?部屋が汚い?

そういえばドアがなかったもんねー

それにしても珍しく朝からみんないるなー

 

「優ちゃん大丈夫……?」

 

「大丈夫って?」

 

「「「「…………」」」」」

 

「それより部屋がなんか汚いんですけど……

 また……ケンカしたんですか……

 暴れるだけ暴れて片付けはしないんですか……

 まぁ私がいるときは私がするからいいですけど

 それ以外の時はルッス姐さんや部下の人させて……

 あんまり迷惑をかけちゃダメですよ?」

 

「あのね……優ちゃん……」

 

「ルッス姐さんダメですよ!

 たまには怒らないといけないと思いますよ?」

 

ルッス姐さんは女性?だから

掃除とかをさせすぎだと思う!!

 

「……そ、そうねぇ……」

 

「「「「!?」」」」

 

「ルッス姐さんになに殺気を向けてるんですか!!」

 

「う゛お゛「静かにしてください!

 スクアーロさんは作戦隊長なんですよ!!

 もう少し自覚して行動してください!!

 示しがついてないから止めさせる命令してるのに

 部下が突っ込んで無駄死にさせたりするんです!」ぐっ……」

 

全く……大声出して話せば私が折れると思って!!

私だってたまに怒ることだってあるんだ!!

 

「レヴィさんも何笑ってるんですか!!

 部下の人達からいろいろ言われてますよ!!」

 

「なにぃ!?」

 

「どうしてレヴィさんが幹部なのかっていう声が多いです!」

 

「誰が言ったのだ!!」

 

「それは言えません

 レヴィさんのいいところが

 伝わってないからそういうことが起きるんです!

 もったいないので普段から気をつけて行動してください!」

 

「……う、うむ」

 

よし!レビィさんは怒っても

ほめるところを言えばちゃんと考えてくれるんだよね

 

「こいつにそんなのあんの?」

 

「あります!

 ベルさんは周りがしてくれてる優しさを

 少しは知ってくださいよ!」

 

「だってオレ王子だしー

 当たり前じゃん」

 

もう!王子だと何でも許されると思って!!

 

「王子かも知れませんけど……

 でも知ってほしいことがあります」

 

「ん?」

 

「ヴェントの活動は停止中なので

 今、私は風早優としての行動して仕事をしています

 急に拉致すれば私の仕事は進みませんよね?

 だから私はイタリアに来ないほうがいいんです

 でも本当は私がたまにここに顔を出したいのを

 恭弥さんは知ってるからベルさんが拉致してもいいように

 イタリアに来た時は仕事を減らしてくれてます

 まぁ……ベルさんが来たらムカついて

 本気で怒ってるからわかりにくいですけどね……」

 

「これはベル先輩のボロ負けですねー」

 

「……うっせ!」

 

いつも私を拉致してベルさんが

恭弥さんをバカにするけど……

あれは恭弥さんの優しさで勝ってるんだもん!

言わないでおこうと思ったのに……!

全然反省しないから言っちゃったじゃん!!

 

「そしてフラン君!」

 

「なんですかー」

 

「今言ったから……

 ちょっと尊敬しにくいかもしれないけど

 もう少し敬ったほうがいい!」

 

「いい天気ですねー」

 

「真面目に考えないとフラン君の秘密ばらすよー」

 

「すみませーん

 考えますので許してくださーい」

 

「んまぁ! 優ちゃんはこの子の弱みを握ってるのねー」

 

「んー私は別に話しても問題ないと思うけど

 フラン君が黙っててほしいらしいです」

 

被り物が幻覚って何で言っちゃダメなんだろ?

 

「優さーん

 これ以上は言わないでくださーい」

 

「あ、そうだね

 ルッス姐さん、すみません……」

 

「いいわよぉ

 優ちゃんのおかげでしばらくは楽できそうだわぁ」

 

ルッス姐さんにはいつもお世話になってるから

少しは役に立ててよかった♪

 

「それは良かったです♪

 じゃぁ片付けますねー」

 

「手伝うわ~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

「優ちゃんはお酒飲むことは

 誰に止められてるのぉ?」

 

「恭弥さんにですよー

 許可がないとダメって言われました

 だから時々しか飲めないんですよねー」

 

「飲めばどうなるか知ってるの……?」

 

「あ、はい」

 

って……ルッス姐さんの顔を見て話してたらダメだね

掃除しながら話さないと進まない!!

 

「まぁ私は記憶がないんですけどねー

 恭弥さんに聞けば……どうやら……

 すごく甘えるらしいです……///」

 

「そ、そう……」

 

うー……お酒好きなんだけどなー……

でも後で聞けば恥ずかしいんだよなー

 

「あ! でもツナ君の前で飲んだ時は

 違うかったみたいですけどねー」

 

「そうなの!?」

 

「はい

 ツナ君と2人でいた時に飲んでて

 その後に獄寺君が来て酔って寝そうだったので

 恭弥さんに連絡してくれたことがありましたので」

 

「ど、どうなったか知ってるの……?

 (やっぱり暴走したのかしら……)」

 

「んー獄寺君の話によると

 恭弥さんが来たらすごい甘えてたみたいです……

 だからツナ君にも同じことしたのか!?

 って感じで次の日の朝1番に聞かれましたよ

 ツナ君は教えてくれないので私に聞いたみたいです」

 

「それで……してたのぉ……?」

 

「獄寺君に聞いて急いで聞きに言ったんですけど

 私にも教えてくれませんでした

 でもそういうことはしてないから安心して

 って言われたんですよねー

 だったら教えてくれたらいいのにーとか思います」

 

「そ、そうねぇ……」

 

「はい

 それにそのことを恭弥さんに

 言ったら想像ついたみたいです

 でも教えてくれないんですよねー」

 

「そ、そう……

 (今回は運が悪かったのねぇ……)」

 

「まぁ飲んだら怒られちゃうし……

 だからルッス姐さん頼みますね?」

 

「た、頼むって何をかしら……?」

 

「私ってお酒飲んでることに全然気付かないんですよね

 だからベルさんがもしいたずらしたら大変でしょ?

 ルッス姐さんは私の嫌がることするわけないのでー

 もしもの時に止めてもらおうと……

 お願いしようかと思ったんですけど嫌でした……?」

 

「ま、任せなさい!

 私がそんなことさせないわ!」

 

「やっぱりルッス姐さんは頼りになります!!

 ありがとうございます♪」

 

「……き、気にしなくていいわよぉ……」

 

 

 

 

優が帰ってからも

しばらくヴァリアーが平和だったとか……

 

 




完全にネタ話ですねw
1度載せようとしてやめた理由がわかったと思いますww


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第45話

「このジューチュおいちいねぇー」

 

優ってお酒ダメだったんだ……

先に聞けば良かったなー……

このままここにいるのはまずいと思うし……

連絡しないとな……ヒバリさんに咬み殺されそう……

 

「ちゅな君!」

 

「ど、どうしたの……?」

 

「京子ちゃんとハルちゃん

 どっちがしゅきなの?」

 

ゴホゴホ!!

 

変なところに入った……

 

「どっちぃ?」

 

「ゆ、優……飲みすぎたね……

 ヒバリさんに連絡するよ」

 

「や!」

 

「ちょ!? 優!?」

 

や、やばいって……近い……

普段の優だったら絶対ありえない距離だよ……

 

「答えてくれるまで……ヤなの!」

 

ケイタイ……今の間に取るとは……

オレもまだまだだな……

 

「ど、どーして聞いたの?」

 

「ふぇ?」

 

…………ダメだ

完全に酔っ払いだ……

 

グイグイ……

 

「優……落ち着こうね……

 服が伸びちゃうしね……」

 

「むー!! ちゅな君!!」

 

「はい、はい……」

 

とりあえずこの部屋から出ないと

通信手段がないんだよなー……

急いで出よう……

 

「聞いてにゃいーー!!」

 

ポカポカポカ

 

優が怒って殴ってきた……

 

「ゆ、優……痛いから……ね?」

 

本当はたいして痛くないけど……

下手に動けないんだよなー

……わかっててやってるんじゃ……

 

「ちゅな君のびゃか……」

 

「ゆ、優!?」

 

どうしよう!?

優が泣きそうだよ!!

えーっと……この場合どうするんだ!?

 

ゴンッ

 

「う……」

 

優に頭突きされたよ……

泣いてると思って覗き込んだのがまずかった……

その前に……優が頭突きをするとは……

そんなに痛くなかったけど……なんかショックだ……

 

「にゃおったーー!!」

 

「へ?」

 

にゃおった?って……なおった……だよな

何がなおったの?

 

「ちゅにゃ君がにゃおったー!」

 

オレがなおった?

……考えても意味ないか……

酔っ払いの言動だし……

 

「ちゅにゃ君がここにしぃわをよしぇてたの!

 今にゃおったの!!」

 

ここって……眉間に……?

 

「ゆっくりやしゅんでにゃい?

 ひしゃしぶりに会ってビックリしたのー」

 

そういえば……

最近なんか忙しかったかも……

 

「しゃしょってデートしゅれば?」

 

「あはは……」

 

出来れば苦労しないって……

あ……だから最初に……

京子ちゃんとハルの名前を出した……?

 

「ミャフィアのボシュににゃってー

 ありゃしょいをなくしゅためにぃ

 ちゅにゃ君が頑張ってりゅよ?」

 

「う、うん」

 

「みんにゃがーしゅあわせににゃるために

 がんばってりゅー……ちゅにゃ君しゅごい!」

 

「オレだけじゃないよ

 みんなもだよ」

 

「しょうだけどー

 ちゅな君が願ってりゅから力ににゃるのー」

 

「……ありがとう」

 

「でもー」

 

「でも?」

 

「みんにゃがしゅあわせはいいことだよぉ?

 しょのにゃかにちゅな君も入ってりゅ?」

 

「入ってるよ」

 

「じゃーちわ寄せにゃいの!!

 バトリュの時に寄っちゃうにょは

 いっちょだからわかるよぉ?

 でもーひゅだんはダメにゃの!」

 

「……そうだね

 優、ありがとう」

 

「ちゅにゃ君にほめりゃれたー!

 うれちぃうれちぃ!」

 

ブンブン……

 

「わわわ……」

 

オレの手を掴んで飛び跳ねるよ……

さっきまで真剣な話だったと思うんだけどな……

 

コンコン

 

「10代目少しよろしいでしょうか」

 

「ご、獄寺君はやく入ってきて!」

 

バンッ!

 

「10代目! どうかしましたか!?」

 

ピョン♪ピョン♪

 

「…………」

 

オレの手を掴んで飛び跳ねてる優を見れば

獄寺君でもビックリするよな……

 

「優がお酒ダメだと知らなくて……

 飲ませちゃったんだ……」

 

「そ、そうでしたか……

 ですが……連絡してもらえたら……」

 

「それが優にケイタイ取られちゃって……」

 

「風早! 10代目に迷惑かけるんじゃねぇ!」

 

「ごめんにゃちゃい……」

 

また泣きそうだ……

 

「なっ……」

 

多分優は酔ってるけどちゃんと話せばわかると思う

オレに迷惑かけたから泣きそうなんだよな?

つまり……

 

「優、大丈夫だよ

 オレは怒ってないよ」

 

「……うちょじゃにゃい……?」

 

「ウソじゃないよ」

 

「よかったぁー」

 

ピョン♪ピョン♪

 

……またオレの手を掴んで飛び跳ねてるよ

でも泣くよりはいいし……

 

「獄寺君……悪いんだけど……

 ヒバリさんに連絡してくれる?」

 

「は、はい……」

 

 

 

 

 

「こいつ……酒弱かったんスね……」

 

「みたいだね

 オレもびっくりしたよ

 それにしても……オレ……生きた心地がしないよ……」

 

あれから眠くなったのか

静かになったのはいいんだけど……

手を離してくれないんだよなー

ヒバリさんがこれから来るのに……

 

「……やっぱり無理矢理はがしましょう」

 

「でも……泣くのも困るんだよ……」

 

泣かせたらそれはそれで……

ヒバリさんが怖いし……

 

「う?」

 

「優、離してくれるの?」

 

「ごきゅでりゃ君もしちゃいの?」

 

「「…………」」

 

このままだと獄寺君も優に捕まるな……

 

「ごぎゅでりゃ君もちゅな君がしゅきだもんねー

 ちゅないだら?」

 

……優と獄寺君じゃなくて……オレと獄寺君だったんだ……

 

「ちゅにゃがにゃいにゃらー

 やきもちきんち!」

 

「……ああ」

 

やっぱり……わかってて言ってるんじゃ……

 




完全に酔っ払いですね
そして主人公が頭突きww
ツナ君がショック受けたのは私がそう思ったからですw
なんでこんなキャラに……wっていつも思うけど
嫌いというわけじゃないんでね
頭突きをすれば私が思ってる優のイメージがーー(泣)
と……心の中でショックを受けたww


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第46話

「……悪かったな」

 

「優はどこ」

 

「こっちだ」

 

 

 

 

 

ヒバリさんがすぐにむかえに来てくれて助かった……

優はオレの手を離さないまま寝そうだったし……

 

「ちゅにゃ君」

 

「なに?」

 

「ちゅにゃ君がーまたしゅわ寄しぇたらー

 にゃおしゅねー」

 

「うん 助かるよ」

 

「しょのかわりー」

 

「ん? どうしたの?」

 

「しょのたびにー

 デートしゃしょうこと!」

 

「あはは……」

 

だから出来れば苦労しないって……

 

「しゃしょえにゃいにゃらー

 わたちとデートちよ!」

 

「ええ!?」

 

「2人のーしゅきそうなばちょー

 おちえてあげりゅよ?

 そちてそこにしゃしょおう!」

 

そうか……

オレが誘えるきっかけを手伝ってくれるんだ……

場所を教えてもらっても

その場所のことを何も知らなかったら

出かけた時にいろいろ困るから

一緒に行こうって言ったんだ

 

「最初は優と出かけようにするよ」

 

「やったぁー!

 やくちょくー♪」

 

「うん」

 

ガチャ

 

「おい! ノックぐらいしろ!」

 

よかった……

ヒバリさんが来てくれた……

 

「ちゅな君とデートたのちみだー!」

 

「「「…………」」」

 

これってまずいよな……?

殺される自信がある……

 

「……優」

 

「にゅ? 恭弥しゃんだーー!!

 ちゅにゃ君!」

 

「……な、なに?」

 

「おてて離すー

 ありがとー!」

 

「……う、うん……」

 

……すごい

普段の優だったら考えれない……

オレ達の前でヒバリさんに抱きつくなんて……

 

「恭弥しゃん!」

 

「……なに」

 

「ちゅきでしゅ!」

 

「わかった」

 

「……嫌いににゃった……?」

 

「なってないよ

 だから帰るよ」

 

「でもいちゅもと違う……」

 

……優が泣きそうだ

オレ達がいるからヒバリさんには酷だ……

この部屋から急いで出るか……

 

「優」

 

「……ぁぃ……」

 

「後でね」

 

「……あとでぇ……?」

 

「そうだよ

 楽しみにしててね」

 

「あい!」

 

……慣れてる

優が酔っ払うのはよくあることなんだ……

 

「あとでがいっぴゃい!

 ちゅにゃ君とデートと

 恭弥しゃんのおたのちみー!」

 

……オレのことは今は忘れてほしかった

 

「そう」

 

ヒバリさん……普通だ……

咬み殺されるか……

最低でも睨んでくると思ったけど……

 

「帰るよ」

 

「だっこー!」

 

すごい……本当に慣れてる……

でもヒバリさんがオレ達の前でお姫様抱っこした……

 

「優、眠いんだよね?

 寝ていいよ

 楽しみは明日にしよう」

 

「んー……そうちまちゅ!」

 

……優が寝た後が怖いんだけど……

あ……寝ちゃったよ……

 

「ヒ、ヒバリさん……今日はすみません……」

 

「…………次はない」

 

「は、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

助かった……

優のことになるとヒバリさんは特に怖いんだよな……

 

ガシッ

 

「10代目!!」

 

「ど、どうしたの!? 獄寺君」

 

いきなり両肩を掴んで……

 

「問題ありませんでしたか!?」

 

「え?」

 

今回のことはヒバリさんに許してもらえたし……

獄寺君も見てたけどな……

 

「オレがいない間に風早が

 10代目に何かしませんでしたか!?」

 

さっきの様子を見て思ったんだろうな……

確かにあの優はオレもビックリしたよ

 

「大丈夫だよ

 優はオレにそういうことしないから」

 

あれはヒバリさんだからしたんだよ

 

「本当ですか?」

 

「うん

 ちょっと困ったのは本当だけどね」

 

「……やはり10代目に迷惑を……」

 

「大丈夫だよ

 忙しかったけど会ってよかった……」

 

「……そうですか」

 

「うん……それに……」

 

「どうかしました?」

 

「……ううん

 なんでもないよ」

 

「…………はい」

 

優しか風の波動を持ってないとわかってからも

何度も会ったりしたけどいつも笑ってるから

みんなの前では本音を出せないと思って機会を作って

今日会ったのに結局オレが楽にしてもらったよ……

優といるとオレはボスって忘れてしまうんだよなー

本当に優には敵わないな……

まぁ少しは頼ってほしいけど……

それはオレの役目じゃないんだな……

 

それに……あれが優の本音だ……

オレと一緒でみんな笑ってほしいから優は笑ってるんだ

大事なことを忘れてたな……

 

 

 

……ちなみに……獄寺は……

ツナがしみじみ思っていたのを見て

やっぱり自分に話せないほどの出来事があったと思い

朝早くから確認の電話をかけたことにより

優の寝起きが最悪になり

昨日酔っ払ったことを伝えるのに15分以上かかったのに

覚えてないと言われ脱力した……




主人公はツナ君には弱音を吐きません
ツナ君が笑ってる姿が好きだから
気を使いすぎて難しい顔してるのは嫌っていう
主人公のわがままを書いた話のつもりです


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第47話

……オレ達……何してるんだろ……

山本は本当に心配してるし……オレも心配だけどさ……

本当にこんなことしていいのかな……

それに獄寺君がなんかブツブツいって怖いし……

で、でも……

 

「ツナ君 どうしたの?」

 

「な、なんでもないよ!!」

 

イブに京子ちゃんと過ごせるなんて……

やっぱり幸せだーーーーー!!!

 

 

 

 

 

 

~22日の終業式~

 

HRが終わったし……冬休みだーーー!!!

 

「ガハハハ!

 ランボさん登場だもんね!!」

 

また……学校に……

ヒバリさんに見つかったらどうするんだよ!!

 

「ランボ!! 学校に来るなって言っただろ!!」

 

「優! 今からオレっちと遊ぶ約束だもんね!」

 

全然聞いてねーー!

 

「ツナ君ゴメン……

 今日一緒に遊ぶ約束してたんだけど……

 まさか学校まで来るとは思わなかったんだ……」

 

「ゆ、優は悪くないよ!!」

 

悪いのはランボだし……

 

「本当にゴメンね……

 あれ? ランボ君、イーピンちゃんは?」

 

「知らないもんね」

 

「……ツナ君の家に1度行ってから公園に行こうね」

 

「ほーい」

 

まったく……ランボのやつ……

イーピンを置いてきたな

 

「優ちゃん!」

 

きょ、京子ちゃんだ!

……冬休み入ると会えないんだ……

それはそれで寂しいよな……

 

「どうしたの?」

 

「クリスマスに予定ある?

 お昼に花と一緒に遊びに行こうって話してたの」

 

う、うらやましい……

で、でも優だったらオレも一緒にって言ってくれるかも!

 

「そうなの?」

 

「そうよ

 女だけでクリスマスよ!」

 

ガーン!!

 

「25日のお昼だよね?

 24日じゃないよね?」

 

「うん」

 

「じゃぁ大丈夫だよー」

 

「その言い方だと24日に予定あるみたいね」

 

「15時ごろに……ちょっと……」

 

優がはっきりしない返事するなんて珍しいなー

 

「怪しい……

 ははーん! デートね!」

 

「えーっと……まぁ……」

 

ピシッと音がするぐらいクラスの男子が固まった……

優ってそんなに人気あったんだ……

そ、その前に……ゆ、優が……デート……?

 

「遅いぞーー!!」

 

「あ、ゴメンね?

 詳しい時間とかまたメールして!

 そっちにあわせるから! またね!」

 

行っちゃったし……誰とデートするんだろ……

まぁ優が幸せだったらオレはいいし……

 

「「「沢田!!!」」」

 

「み、みんなどうしたの!?」

 

いつの間にかクラスの男子がオレを囲んでる……

 

「風早さんとデートするのはお前か!?」

 

「オ、オレが!? ちっ違うよ!!」

 

「じゃぁ誰だよ!!」

 

「さぁ……?」

 

……ここって教室だよな……?

膝から崩れてる奴がいたり、壁に頭をぶつけてる奴もいる……

地獄図みたいだ……

 

「…………君、何してるの?」

 

な、なんでここに……

 

「夢なら覚めてほしいんだ!!」

 

「ふぅん

 それで僕の学校を傷つけてるんだ」

 

ぶつけてた頭より学校の壁の方が大事なのーー!?

 

「……ヒ、ヒバリさん……?」

 

「一生……目を覚まさないようにしてあげるよ」

 

こえーーー!!

 

「ちゃおッス ヒバリ」

 

リ、リボーン!?

またヒバリさんに余計なことするんじゃ……

 

「赤ん坊かい?

 今取り込み中だよ」

 

「聞きたいことがあるんだ

 すぐ終わるぞ」

 

「なに」

 

「ヒバリは24日に何してるんだ?」

 

「特に決めてないけど

 風紀委員の仕事をしてると思う」

 

「優のデートの相手はヒバリじゃなかったのか

 サンキューな」

 

ドカッ!

 

咬み殺したーーー!!

こえーー!!

ほっ……帰っていった……

学校を傷つけた奴だけで良かった……

 

「京子も誰かしらねぇのか?」

 

あ!今度は京子ちゃんに!!

 

「うん」

 

「きょ、京子……先に帰るわよ!」

 

「え?」

 

黒川花は何か用事あるのか?

すごい急いでたけど……オレには関係ないか……

 

「お前らもしらねぇのか?」

 

「ん? ああ」

 

「興味ないスよ」

 

「ツナ! 24日に優をつけるぞ!」

 

「はぁーーー!?」

 

「優はお人よしだからな

 変な男と付き合ってるかもしんねーぞ」

 

……コイツのいうとおりかも

なんか心配になってきた……

 

「優ちゃん大丈夫かな……」

 

「京子ちゃん……」

 

「でもよー 小僧

 そういうのはやっぱダメじゃね?」

 

「普通はな

 でも相手を誰もしらねぇんだ

 もしもの時はどうするんだ?」

 

「「「…………」」」

 

「自業自得……」

 

きょ、京子ちゃんの顔が真っ青になってるーー!!

獄寺君お願いだからもう何も言わないでーー!!

 

「優のデートの邪魔をするのも悪いからな

 問題なさそうだったら

 そのまま帰ればいいだろ」

 

で、でも……もし優にばれて……嫌われたら……

 

「そうだね!!」

 

きょ、京子ちゃん!?

まさかのやる気ーーー!?

 

「ツナ いいのか?

 京子だけだともしもの時危ねぇぞ」

 

そ、そうだよ!

 

「オ、オレも行くよ!」

 

「オレも心配だかんな

 着いていくぜ」

 

「……あいつはどうでもいいが……

 10代目にお供します!!」

 

ガーン!

優をどうでもいいって言ったよ……

 

「じゃ、24日の14時に学校に集合な

 それから優の家の近くで待ち伏せだぞ」

 




ちなみに主人公が話してる時に黒川花が帰らなかったのは
主人公の近くにランボがいたけど
主人公と黒川花の距離が離れてたからです


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第48話

うー!急がないと!!

 

『優が時間に追われるって珍しいな』

 

私の計画ではとっくに終わってたよ……

でもなんか予定が入るの!

 

『じゃぁ昨日は断ればよかっただろ……』

 

小さい子に言われると……つい……

 

『自業自得だな』

 

……そうだね

 

『あーそうそう

 1日早いけどクリスマスプレゼントだ』

 

へ?

おお!いきなり袋が……

って……いいの?

私は用意してないよ?

 

『ああ』

 

わーい!ありがとー♪

 

 

 

 

んー……ちょっと眠い……

昨日はちょっと夜更かししたもんね……

まぁ最後のはするつもりなかったのに

やってしまったからねー

とりあえずご飯食べて出かける準備しよう……

 

ガチャ

 

「やあ」

 

あ、珍しい朝ごはん食べにきたんだ

学校がないと私はゆっくり起きるから

あんまり来ないのにねー

まぁゆっくりって言っても8時半に起きるけどね

 

「おはようございます」

 

……最初は恥ずかしかったのに

もう慣れてしまった……

なんか女の子として間違ってる気が……

まぁいいか……

顔洗って着替えよう

 

 

……似合ってる?

 

『似合ってるぞー』

 

でも……普段は制服以外でスカートは履かないし……

 

『ヒバリに聞いてみろよ』

 

えええ!?

そんなの聞けないって……

聞けてもにらまれるだけだよ……

 

『じゃぁオレの言葉を信じろ』

 

うん!

神様ありがとう♪

 

『ああ』

 

ガチャ

 

……雲雀先輩が固まった……?

やっぱりスカートは似合わないよね……

でも神様が似合ってるって言ってくれたし!!

 

「急いで用意しますので待っててくださいね」

 

「……わかった」

 

 

 

 

 

 

ふぅ……食べた食べた

そうだ……言っておかないと……

 

「今日は用事があって出かけてますので

 学校に行けませんよー」

 

「……用事ってなに」

 

「えーっと……ちょっと……」

 

「なに」

 

普段は聞いてこないのに!

な、なんで!?

よし!話をそらそう!!

 

「雲雀先輩! 夜はどうします?

 ここで食べるなら用意しますよ

 いらないなら私は食べてくるんですけど……」

 

「……食べる」

 

良かった……

 

「わかりました」

 

「それで何の用事?」

 

う……逃げれてなかった……

 

「えっと……その……」

 

や、やっぱり言わないとダメなの!?

ドンドン機嫌が悪くなっていくし……

 

「……よ、夜に話します!!

 約束します!!」

 

「……風紀は乱さない?」

 

「へ……? 風紀ですか?」

 

「そうだよ」

 

なんでいきなり風紀……?

まぁいいか

 

「風紀は乱さないです」

 

ってか……いつも思うんだけど……

雲雀先輩は乱してもいいのが不思議だよね(笑)

まぁ雲雀先輩だからね……

 

「……この町から出ない?」

 

「へ? 出ませんよ?

 歩いて出かけますし……電車とかも乗りませんよ?」

 

「……わかった

 いつでも電話に出れるようにしといてね」

 

「あ、はい

 わかりました」

 

おお!許して?もらったかも!

 

「……それで行くの?」

 

それって?

 

「もしかして……服ですか?」

 

「そうだよ」

 

「新しい服なんですけど……

 やっぱり似合ってないですか……?」

 

「…………」

 

何も言わないけど……機嫌が悪くなってる……

そんなに似合ってないのか……

 

「すみません……

 不快な思いをさせてしまいました……

 今度から雲雀先輩の前では着ないようにしますね……」

 

「……問題ないよ」

 

雲雀先輩に気をつかわせてしまった……

 

「すみません……」

 




ヒバリさん……ガンバ!w


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第49話

優の家を見張ってるけど……

本当にこんなことしていいのかな……

 

「おっ出てきたぜ」

 

「そ、そうだね!」

 

「あ……」

 

「京子ちゃんどうしたの?」

 

「私服でスカートを見るのが初めてだったから……」

 

そ、そういえば・・見たことなかったような……

やっぱりデートなんだ!!

 

「ツ、ツナ君……どうしよう……」

 

「へ?」

 

京子ちゃんどうしたんだろ……

 

「えっと……みんな何してるの?」

 

ゆ、優ーーー!?

まだつけてないのに見つかったーー!!

 

「あっいや……その……」

 

ど、どうしよう……

まさかこっちに来るとは思わなかった……

 

「今からみんなで出かけるのな」

 

さすが山本!!

 

「てめぇのことなんてどうでもいいんだよ!

 オレは10代目についてきてるんだ!!」

 

獄寺君余計なこと言わないでーー!!

 

「よくわかんないけど……

 みんなで楽しんできてね?」

 

「う、うん」

 

「あ、ツナ君」

 

「どうしたの?」

 

小さな声だけど……オレになんかあるのかな?

 

「京子ちゃんとイブに遊べてよかったね♪」

 

「んなーーー!?///」

 

「あ! 急いでるんだった!

 京子ちゃんまた明日遊ぼうね?」

 

「うん」

 

「またね!」

 

本当だ……

京子ちゃんとイブに会えるって……幸せだーーー!!

 

「お、おい! ツナ!

 風早が行っちまうぜ!」

 

「へ……? あ!!」

 

そ、そうだった!!

 

 

 

 

 

 

優のあとをつけてるけど……

歩いてるだけで待ち合わせとかしてなさそうだよな……

 

「優ちゃんが持ってる荷物なんだろうね」

 

優の荷物?

そういえば優の体にしては少し大きい荷物だよな

見た感じはただの紙袋だし……

 

「本当だね」

 

「……男に渡すんじゃないスか?」

 

あ!今日はクリスマスイブだ!!

 

「そうだよ!

 すごいよ! 獄寺君!」

 

「もったいないお言葉……光栄です!!」

 

そこまで感動しなくても……

 

・・・・・

 

優がクリスマスプレゼントを渡すほどの相手なのに

オレは誰か知らないんだ……

優の1番の友達と思ってたのにな……

 

「どうしたんだ? ツナ」

 

「う、ううん

 なんでもないよ!

 あ! 優が店に入る!」

 

ここって……最近できた喫茶店だよな?

たしか……母さんがお茶が美味しいし

まだ有名じゃないから穴場とか言ってたような……

 

「ツナ君……どうする?」

 

本当だ……

このまま外で待つか……店に入るか……

 

「オレは10代目についていくだけです」

 

グギュルルー……

 

すごい音がなってしまった……

 

「ははっ! オレ達も入って何か食おうぜ!」

 

「う、うん!!」

 

 

 

 

 

 

「ここからだとあんま見えねぇな」

 

「う、うん……」

 

「……もう誰かいるみたいスよ」

 

「え!?」

 

「私も思う……

 誰かと話してそう……」

 

いつ来たのーー!?

 

「簡単なことだぞ

 相手が先に来てただけだぞ」

 

「リ……リボーン!?」

 

い、いつの間に……

それになんか食ってるし……

 

「お前! 自分の分は自分で払えよ!!」

 

「サイフ忘れた

 京子貸してくれ」

 

「うん」

 

「きょ、京子ちゃん! いいよ!!

 オレが出すから!!」

 

「そうか

 ツナのおごりだな

 お前らドンドン食え」

 

「んなーーー!!!」

 

「おっ! ツナ太っ腹!!」

 

「ありがとうございます! 10代目!」

 

「ちょっと……みんな……」

 

「ツナ君……いいの……?」

 

「……う、うん

 頼んでいいよ!!」

 

とほほ……お金足りるかな……

あ……優が紙袋を渡してる……

やっぱりプレゼントだったんだ……

 

「どーしたんだ?」

 

「あ……いや……

 優の1番の友達はオレだと思っててさ……

 そりゃオレが勝手に思っただけだし……

 優はどう思ってるかは知らないけど……

 何も知らないって寂しくて……」

 

「ツナ……」

 

「そうだね……」

 

「……今からしめてきます」

 

なんでそうなるのーー!?

や、やばい!

優のところに向かってる!!

止めないと!!

 

 

 

「おい!!」

 

間に合わなかったーー!!

 

「あれ? 獄寺君?」

 

「獄寺君じゃな~い」

 

え……この声……

な、なんでーーーー!?

 




誰でしょう??
とか言ってみましたけど想像できると思います


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第50話

うーん……ツナ君達……

今日はどうしたんだろ……

なんで私をつけてるんだろ??

多分リボーン君が何か言ったんだろうねー

んー……まぁあのメンバーだったらいいか……

それにしても雲雀先輩から何度もかかってくるなー

それもかけてくるのに用はないっていうし……

……まぁいいか

 

キョロキョロ……

 

まだ来てないかな?

 

「優ちゃん こっちよ~」

 

最悪だ!!

待たせちゃったよ!!

 

「す、すみません!

 お待たせしました!」

 

「大丈夫よ」

 

嫌な顔しないなんて優しいなー

それにしてもいつ見ても若いよね

20代前半に見える……

 

 

 

 

 

 

「おい!!」

 

ん?獄寺君が来ちゃったよ

隠れてつけてたんじゃなかったの?

とりあえず知らないフリだね

 

「あれ? 獄寺君?」

 

「獄寺君じゃな~い」

 

「お、お母様……」

 

あれ?ビックリしてる?

そういえばあの位置からは

ツナ君のお母さんは見えなかったかも……

ってか、お母様って呼んでるんだ(笑)

 

「……か、母さん

 どうして……優と一緒に……?」

 

「あら ツッ君も一緒だったの?

 まぁ! たくさんのお友達もいるじゃない!」

 

「ど、どうして……」

 

なんでそんなにビックリしてるんだろ?

ツナ君のお母さんはみんなにあいさつしてるし

ここは私が説明すべきかな?

 

「ツナ君のお母さんにお願いがあって……

 外で会う約束してたの」

 

「お、お願いって……?」

 

「ランボ君達にクリスマスプレゼントを

 渡そうと思ったんだけど……

 今日の夜に枕元に置いた方が喜ぶかなって思ってね

 ツナ君のお母さんにお願いしたんだ」

 

「そうなのよ~

 ツッ君も昔はサンタさんが来たって

 すごい喜んだじゃない」

 

「…………」

 

「……風早……今日はデートじゃなかったか?」

 

「へ? デート?」

 

デートって……そのままの意味……だよね?

 

「えええ!? 私が!?

 そんな相手いないよ……」

 

「でも花にデートって言ってなかった?」

 

花に?うーん……あ!

 

「ランボ君がいたから言えなかったんだー

 言っちゃ夢を壊しちゃうかな?って思って

 花の言葉にのっただけだよー」

 

「そうだったんだね♪」

 

「うん♪」

 

京子ちゃん今日もかわいいなー♪

……ん?ツナ君が腰抜けてる?

 

「ははっ

 オレ達の心配しすぎだったな!」

 

「ん? 心配?」

 

「……誰も相手を知らないし

 もし何かあったときはどうするんだ

 って……リボーンが言って……

 それで……オレ達……心配で……」

 

えええ!それでつけてたの!?

うわー……ツナ君達には悪いけど……

すごい嬉しいかも……でも……

 

「リボーン君はこの話を聞いてたと思うんだけど……」

 

だって……ツナ君のお母さんと

今日会う約束した時にリボーン君いてたし……

リボーン君はサンタさんとか興味ないと思うから

いてても気にせず話したしね

でもツナ君のお母さんに協力してもらったから

小さい子ってことでリボーン君の分もあるし……

だから直接渡すねって約束したもん

 

「なあ!?」

 

「お前らの観察力を鍛えるのに

 ちょうど良かったからな」

 

完全にツナ君はからかわれたんだ……

……ごめんね……ツナ君……

 

「ハハッ

 こりゃ小僧にやられたな!」

 

「さすがリボーンさんです!」

 

「ツナ君……ごめんね……」

 

「……優は悪くないよ」

 

……本当にゴメンよ

 

 

 

 

 

「優」

 

みんなと帰ってるけど……

少し離れた場所から声かけられたなー

これはわざとしたね……ちょっと怖いな……

 

「どうしたの? リボーン君」

 

「今日ツナ達がつけてたのに気付いていただろ」

 

「あ、ばれてた?」

 

「何度かこっちを見てたからな」

 

「ツナ君が何度か叫んでたからねー」

 

気付かないほうがおかしいと思う……

 

「なんで知らないフリをしたんだ?」

 

「だって私が気付いて止めさせると

 ツナ君が京子ちゃんと会う

 口実がなくなる可能性あるでしょ?

 今日はクリススイブだからねー」

 

「なるほどな

 (やっぱりツナのことを1番わかってるし

  観察力も十分だな)」

 

こうしてリボーンは改めて

優をファミリーに入れようと思った




前の話の最後で想像がついた人が多いと思います

ちなみに……黒川花にデートと言われた時の返事に
「えーっと……まぁ(それでいいか)……」
という言葉が隠れていましたw

それと神様が言っていた
「じゃぁ昨日は断ればよかっただろ……」は
22日にランボ君たちと遊んだことです
ビミョーなフェイクでした


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第51話

チキンがもうすぐ焼けそうだ!!

 

「もうちょっとで出来ますので

 待ってくださいね~♪」

 

今日は張り切ったからご馳走だね♪

 

「……機嫌いいみたいだね」

 

「はい♪」

 

「……何かあったの?」

 

「いろいろあったんですよ♪」

 

「ふぅん」

 

ツナ君達と過ごせて楽しかったしね♪

こんなクリスマスは初めてだなー……

 

「今日は何してたの」

 

「あ、それはご飯を食べてからでもいいです?」

 

「……わかった」

 

「ありがとうございます♪」

 

 

 

 

ちょっと量が多いかなって思ったけど

雲雀先輩には問題なかったねー

そして食後には……ケーキだね!!

小さいホールケーキが売ってて良かった♪

 

「……もう食べれないって言ってなかった?」

 

「ケーキは別腹です!」

 

……残念な子みたいな目で見ないでよ

女の子には普通だと思うし!!

あ……そうだ……ケーキ食べる前に……

 

「雲雀先輩」

 

「なに」

 

「やっぱり何でもないです……」

 

自信がなくなってきた……

 

「早くいいなよ」

 

「……あの……良かったら……」

 

……今思うと小さい袋だし……見た目が悪いな……

うぅ……開けてる……緊張してきた!!

 

「……へぇ」

 

「いや、その、雲雀先輩はプレゼントとか

 興味なくていらないと思うけど……

 こういうのだったら嬉しいかなぁと……

 一応……コースターなんです……

 思ったより柄をいれるのが難しくて

 学校の校章が少し変かも知れないですけど……」

 

「……君の手作りかい?」

 

「は、はい……

 すみません……下手で……」

 

「ありがとう」

 

「は、はい!!」

 

うわー雲雀先輩に初めてお礼言われた!!

 

「余った毛糸で作ったので……

 本当はお礼言われるものじゃないんですけどね」

 

「……ふぅん」

 

なんか機嫌悪くなった!!

余った毛糸って言ったのがまずかった!?

そりゃそうか……あまりものって聞こえるよね……

 

「そ、それで……ラッピングの袋がなくて……

 お昼に買いに行こうと思っていたら……

 雲雀先輩に聞かれて……ちょっと困りました

 そのまま渡すのはちょっと嫌だったので……」

 

「……用事はそれだったの?」

 

「えっと、ツナ君の家に居候してる小さな子達に

 クリスマスプレゼントを渡そうかなって思って

 セーターや手袋を作ったんですけど

 枕元に置いてもらうためにツナ君のお母さんと

 外でこっそり会う約束がありましたよ?」

 

「……へぇ」

 

「はい。それで……

 その小さな子の前でツナ君に今日の予定聞かれて

 とっさにデートってウソをついちゃって

 じゃぁ心配されて私のあとをつけてたみたいで……

 心配かけたお詫びにみんなにおごることになりましたよー」

 

「……ふぅん」

 

「でも……心配してくれたことが嬉しくて……

 機嫌が良かったんです♪」

 

「そう」

 

「はい♪」

 

「……もし僕が心配すれば嬉しい?」

 

「…………ぷっ! あはは!」

 

「なに」

 

笑ったから機嫌が悪くなった……

でも……今のはしょうがないよ!!

 

「雲雀先輩が私なんかを

 心配するわけないから面白くて……」

 

「…………」

 

うーん……機嫌が悪いなー……

そんなに笑ったのがムカついたのか……

 

「んーそうですねー

 もし心配してくれたら……すごく嬉しいですね」

 

「そう」

 

おお!機嫌が少しよくなったっぽい!!

まぁ雲雀先輩は学校の風紀は心配するからねー

絶対ないって感じで笑われるのが嫌だったんだろうね

でも雲雀先輩が私が誰と付き合ってるか心配で

後つけたりしないから笑うのはしょうがないよねー

 

「あ……」

 

「なに」

 

「もし私が好きな人が出来て付き合ったら

 雲雀先輩と会う数が減ることになるんですねー」

 

んーあんまり想像できないかも……

 

「……どうして?」

 

「優先順位がかわりますし……

 だから雲雀先輩と先に約束してても

 断ることになるかも知れないですしねー」

 

まぁそれは滅多にないと思うけどね

私は先に約束したほうを優先するからね

 

「……へぇ

 僕を優先しないんだ」

 

こわっ!!

……私……一生……付き合うこと出来ないかも……

 

「……雲雀先輩を倒せるぐらい強い人を探します」

 

……候補……すくなっ!?

 

「いないよ」

 

「……そうですね

 いるとは思いますけど……

 性格とかを考えると難しそうですね……」

 

「いないよ」

 

……どれだけ自分が強いと思ってるんだろ……

まぁ一般人ではいないと思うしね……

 

「……雲雀先輩が私を飽きるまで

 付き合うこと出来なさそうですね……」

 

まぁ高校生ぐらいまでそういうのはないか……

 

「さぁね」

 

「へ? あ! そっか!

 優先順位を雲雀先輩が1番でもいい人を

 探せばいいんですね!!」

 

「はぁ……」

 

あれ?なんで溜息?

……それもそうだね

普通いないよね……

んーツア君ぐらいじゃないと無理な気がしてきた

ってことは……本当に飽きるまで無理な気がしてきた

まぁ私にそんな人が出来るとは思えないしー

深く考えるのはやめよう

 

「……それ……似合ってるよ」

 

「へ?」

 

それって?

 

「……服」

 

「あ、ありがとう……///

 実はクリスマスプレゼントでもらったんです///」

 

「……誰に?」

 

「私の保護者になってる人ですよ」

 

確か書類上はそうなってるって言ってた……

私の保護者はあしながおじさんみたいな人らしい(笑)

まぁ私が1人暮らしを出来るようにするためなんだろうね

 

「そう」

 

神様ーー!

雲雀先輩が似合ってるって言ってくれたよ!!

 

『当たり前だろ

 オレが優に似合うクリスマスの服を選んだんだ』

 

それもそうだねー

元々ある服も神様が準備してくれたもんね

私の趣味に全部あってるしねー

いつもありがとうね♪

 

『ああ

 (本当は明日もヒバリの反応を楽しみたかったのに……

  まぁ優が喜んだからいいか……)』

 




雲雀さんが晩ご飯を家で食べるって言ってた時の
心の中の「よかった……」は話がそれたというのと
プレゼントを渡せることができるという意味もありましたw

並盛の校章の柄は難しいと思うんですよねー
私はかぎ針が苦手なのでかぎ針だけで出来るかは疑問です
でも子ども用の糸は細いので棒針とかぎ針を使えば
私は作れると思ったので書きました
まぁ出来るけど面倒なので私は絶対作りませんww

そして今回のことを1番利用したのは
リボーンではなく神様だったという話でしたww

これでクリスマスの小話は終了です
一年なのでそこまで甘くなかったと思います
まぁ駄文なのは相変わらずですけどねw


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第52話

今日ってエイプリルフールだよねー

まぁ私はアルコバレーノなのに黙ってるしー

原作を知ってるのに知らないフリをしてるから

いつもウソをついてるんだけどねー

でも私はウソをつきたいわけじゃないしね

そういう意味では今日は堂々とウソをつけるよねー

それに昨日は桜を見て泣いちゃったしねー

ツナ君のリアクションを見て元気になろう

 

んーあんまり本格的にウソをつくのは嫌だし

言った瞬間にウソってわかる内容にしようかなー

うーん……いいのがないかなー……

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーンポーン

 

「ツッ君ー!

 ちょっと出てー」

 

「えー……ったく」

 

昨日はビアンキに追い掛け回されて筋肉痛なのに……

 

「はぁーい……どちらさま?」

 

「こんにちはー」

 

「ゆ、優!?

 どうしたの?」

 

約束してたっけ?

 

「ランボ君たちと遊ぼうかなって思ったの

 毎日だとツナ君も大変でしょ?」

 

オレ……優と友達でよかったーー!!!

 

「それに昨日は帰っちゃったからね」

 

あ……そうだ

ヒバリさんが桜クラ病にかかったから

一緒に帰ったんだ……

 

「ヒバリさんは大丈夫だった……?」

 

今度会った時に咬み殺されたらどうしよう……

 

「多分、大丈夫だと思うよー

 帰るときにはそこまで怒ってなかったと思うしね」

 

た、助かったーーー!!

 

「あ! そうそう……」

 

「どうしたの?」

 

「あの後ね、雲雀先輩と付き合うことになったよ」

 

………ヒ、ヒバリさんとーーーー!?

そりゃ優とは何度か群れてるところを見たけど……

ヒバリさんって優のことが好きだから一緒にいたんだ……

そうだったんだ……

オレ……全然気付いてなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?おかしいなー

ツナ君のリアクションがない……

ウソとバレバレだからツッコミする気にもならないとか?

うーん……やっぱりこのネタはなかったか……

 

「ツナ君……ごめん……」

 

リアクションが困る内容で……

 

「え!? あ! ご、ごめん!!

 オレ……気付いてなかったんだ……」

 

ごめんね……

ツナ君は騙されるフリをすればよかった

って思ってわざわざ私に謝ってくれたよ……

もう少し本当っぽい内容を言えばよかった……

 

「そうだよねー

 もう少し脈略があった方が良かったよねー」

 

「そ、そうだね……」

 

ツナ君に気を使わせてしまったよ!!

ゴメンよ!!

 

「いつまで玄関で話してるんだ?」

 

あ、リボーン君だ

 

「そ、そうだ!!

 あがって!!」

 

「ありがとー」

 

よし!

気を取り直してランボ君たちと遊ぼう!

 

 

 

 

 

 

 

 

まさかヒバリさんと優が……

優は平然とランボたちと遊んでるし……

ビックリしてるのはオレだけなんだ……

 

「どうしたんだ?」

 

コイツは知ってたのかな……?

 

「そ、それがさ……

 優がさっきヒバリさんと付き合ってるって……」

 

「そうか」

 

やっぱり知ってたのーー!?

 

「オレ……全然気付いてなかったんだ……」

 

「流石優だな

 わかりにくいウソをついたな」

 

「へ?」

 

ウ、ウソ……?

 

「今日は4月1日だぞ」

 

し……4月1日……?

 

「んなーーーーーっ!?」

 

全部ウソだったのーー!?

 

「ツナもまだまだだな」

 




息抜きに書いた話です
今から雲雀さんバージョンを書きます
まぁネタは一緒です


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第53話

……私って意外とチャレンジャーだね

簡単にツナ君に見破られたからって

今度は雲雀先輩を騙そうと考えるなんて……

まぁ騙す内容は雲雀先輩は絶対興味がないことだし

そこまで構える必要はないか……

 

「雲雀先輩」

 

「なに」

 

「実はツナ君と付き合うことになりました♪」

 

ふふん!

これはすぐわかるウソじゃないよねー

だって私とツナ君は本当に仲いいからねー

雲雀先輩だとありえないと思うけど

ツナ君だとありえるかもって思えると思うもん!

 

「……それ……本気で言ってるの?」

 

……なんでばれるんだろう

すぐ本気で言ってないことをわかるなんて……

そんなに私ってわかりやすいのかな?

うーん……

 

「……僕がそれを許すと思ってるの」

 

「えっと……雲雀先輩?」

 

なんかこっちに来るよ!!

もしかして怒った!?

えー!!エイプリルフールでも

雲雀先輩にウソをつくのは許されないことなのー!?

 

「ご、ごめんなさい……」

 

と、とりあえず謝ってみたけど……

まだ怒ってそう……

 

「……それは僕の気持ちをわかって謝ったの?」

 

「はい……

 今……わかりました……」

 

本当に知らなかった……

ここまで雲雀先輩がウソをつかれることが嫌いなんて……

 

「…………帰る」

 

え……まだご飯を食べてないのに……?

 

「……もう来ないから」

 

もう……って……ずっと……?

もしかして嫌われた……?

あ……でもしょうがないよね……

ウソつかれることがここまで嫌いなら

遅かれ早かれ嫌われてたと思うし……

だって……私はウソばっかりついてるもん……

 

「ま、待ってください!!」

 

「……なに」

 

「今まですごく楽しかったです……」

 

「……そう」

 

最後なのに……

こっちを見てくれなかったな……

あ……そっか……

 

「ウソをついた私を信じられないですよね……」

 

「……ウソってなに」

 

「へ?」

 

「ウソってなに」

 

「え……っと……

 ツナ君と付き合ってるっていうウソを……

 今日はエイプリールフールだから……

 でもそんなに雲雀先輩がウソが嫌いとは知らなくて……」

 

「……僕は今ものすごく機嫌が悪い」

 

「私がウソつきだからですよね……」

 

「……今回は許してあげてもいいけど?」

 

「ほ、本当ですか!?

 あ……でも……私はウソつきだし……」

 

今回許してもらえてもまた嫌われると思うし……

 

「……君はうそつきと覚えておくよ

 最初から知っていれば問題ないからね」

 

「……は、はい!

 ありがとうございます!!」

 

「……君も覚えておいて」

 

「はい?」

 

「僕は君の逃げ道をもう残さないと決めたよ」

 

「えっと、どういう意味ですか?」

 

「さぁね」

 

えー教えてくれないの?

 

「お腹すいた」

 

「あ、はい

 今すぐ作りますねー」

 

んー逃げ道を残さないってどういう意味だろ?

うーん……あ!

ウソをついたら雲雀先輩が許すまで逃げれないとか?

……それは怖いな……

 




少し短かったですけど雲雀さんバージョンでした
もう少しネタ話にするつもりだったのに主人公が暴走したww


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第54話

リボーン君が珍しく雲雀先輩のアジトに来たと思ったら

まさかこんなことになるとは……

実はこういうのはあんまり好きじゃないんだよねー

それにヴェントで呼ばれたから下手にしゃべれないし……

まぁハルちゃんのために頑張るけどさ

それに癒してくれる存在がいるしねー

というか、このセットをツナ君のアジトで

作ってることに誰もツッコミいれないんだね……

うん……深く考えるのはやめよう

 

「はい!

 みなさんお待ちかねのハルのハルハルインタビュー

 デンジャラスのコーナーです!!」

 

うわ……始まったよ……

 

「今日のゲストはオレが呼んだんだぞ」

 

「そうなんです!

 今日のゲストはすっごくミステリアスな人

 ヴェントさんです!!」

 

……間違ってはいないか

うわー……ついにゴンドラが降りてしまった……

 

“……どうも”

 

「なんとヴェント君は

 ハルのお友達の京子ちゃんの命の恩人なんです!!」

 

……ビミョーに恥ずかしいからやめてほしい

 

にょおーん♪

 

なぜか瓜が喜んだ(笑)

 

「はひ!? 瓜ちゃんじゃないですか!?」

 

“ああ

 ご飯をあげれば離れなくなったんだ”

 

ずっと後ろについてくるんだよねー

あげすぎれば獄寺君に怒られると思ってやめたのにね

まぁ癒してくれるから私は別にいいんだけどね

でも雲雀先輩のアジトには連れて行っちゃダメだから

戻る時には獄寺君に返さないと……

 

「そうです!!

 ヴェントさんのご飯は美味しいんです

 ハルはとろけちゃいましたーー」

 

ものすごいうっとりした顔された……

 

「ヴェントはいろんな奴の胃袋を掴んでるからな」

 

これはほめてるのか……?

 

“普通に作ってるだけだぞ?

 沢田綱吉のお母さんの方が美味しい”

 

私はちょっとひと手間をしてるだけだし……

 

「確かにママンの料理もうめーが

 ヴェントは1人ずつ味をかえて作ってるだろ」

 

なんで知ってるの……

 

「そ、そうなんですか!?」

 

“あーまぁな”

 

これはもう癖なんだろうねー

人の顔色をみるのが……

まぁ役に立ってるからいいか

 

「そ、そういえば……

 ヴェントさんは向こうのアジトであのデンジャラスな

 雲雀さんの料理を作ってるんですよね?」

 

“そうだぞ?”

 

「こ、怖くありませんか?

 ハルは怖くて怖くて……作れません……」

 

そこまで怖がらなくても……

まぁデンジャラスな人というのは否定しないけどね

 

“彼は何でも食べてくれるぞ?

 意外と優しいんだ”

 

まぁ甘いものは食べないけどね

でも気が乗れば食べるから嫌いではないんだよね

 

“彼みたいにみんなは好き嫌いがないわけじゃないだろ?

 少しだけ気にして作ってるだけだよ

 僕の予想では沢田綱吉は苦いものが得意じゃないだろ?”

 

「当たりだぞ」

 

リボーン君はやっぱりツナ君のことをよく知ってるねー

 

「ハルは知りませんでした……」

 

えええ!?

ハルちゃん落ち込まないでよ!?

 

“確信があったわけじゃないぞ?

 彼はコーヒーが苦手だからそう思っただけだ”

 

でもツナ君はわかりやすいと思う

だって顔に出るもん

XANXUSさんとかの味付けは勘だったし……

もう今はルッス姐さんに聞いたから問題ないけどね

ルッス姐さんはやっぱり頼りになるね

 

“それに苦手なものがあっても

 彼は君が一生懸命作ったものなら喜んで食べるよ”

 

ええ!? ハルちゃんが泣き出した!?

 

“ぼ、僕は何かまずいこと言った……?”

 

「違いますー……ハル……嬉しくて……」

 

あ、そっちね

 

「い、今からツナさんに作ります!!

 ツナさん待ってくださーーーい!!」

 

えー……行っちゃったよ……

 

“……もう帰っていいか?”

 

「責任とってヴェントがしめろよ」

 

まじか……

 

“……ハルハルインタビューはこれで終わりだぞ”

 

も、もうこれでいいよね!?

なんか恥ずかしい!!

瓜を抱いて今すぐ空に飛んで逃げよう!!

 

ふわっ

 

“……またな”

 

にょおーん♪

 

「ちゃおちゃお」

 




一周年企画なのに微妙にグダったww


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第55話

……本当に私は雲雀先輩と付き合ってるの?

いや、だってさ……昨日急に彼女とか言われたけどさ……

特に何もないんだもん!!

 

昨日は普通に授業を受け家に帰って寝た

で、いつも通りノソノソと起きて準備したけど

雲雀先輩は来なかったし……

もし朝ご飯を食べるなら7時半までに来るからね

うーん……やっぱり私の幻聴だった?

でも腕章があるし……

あ!書類を私にさせるためか……

 

・・・・・

 

そうだよねー

雲雀先輩が私なんかと付き合うわけないよねー

……なんで私は勘違いしたんだろう……

少し泣きたくなるのは気のせいだよね……?

はぁ……

ああ!大変だ!!

ツナ君達に言っちゃったよ!!

訂正しなければ……!急いで学校に行こう!!

 

 

 

 

 

 

……訂正したかったけど出来なかった

まさか学校についてすぐ電話がかかってくるとは……

でもやっぱり書類があるしそうだよねー

頑張るか……

 

「はぁ……」

 

「どうしたの?」

 

「凄い量だなーと……

 書類頑張りますね」

 

「そう」

 

……ふむ

やっぱり私の勘違いだったみたい

雲雀先輩はいつもと変わらないし……

はぁ……

 

 

 

 

 

 

 

……さて、どうしてこうなった?

書類していたらお昼休みになったから

ご飯を食べたいから雲雀先輩に許可をもらったのはいい

でも、なんで2人でご飯を食べることになったの?

まぁいいか……

屋上の風は気持ちよくて好きだしねー

 

「……僕のは?」

 

「へ?」

 

「僕の分は?」

 

えええ!?

雲雀先輩の弁当なんか知らないよーー!?

 

「……ど、どうぞ」

 

わ、私のお弁当が……(泣)

 

「……僕は何か買って食べるよ

 少し待ってて」

 

「い、いいですよ!

 私が何か買って食べますし……」

 

「待ってて」

 

行っちゃった……

うーん……今度からは弁当もいるの?

でもいらない時はどうしよう……

今でもいらない時はちょっと困ってるのに……

あ!クラスの子にあげよっか!

毎日パンで飽きてる子もいると思うしねー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご飯を食べたら雲雀先輩のお昼寝に付き合って

その後は書類……

私ってクラスに顔を出すことは出来るの?

ちょうど見回りから帰ってきたし聞いてみよう

 

「雲雀先輩」

 

「なに」

 

「私は授業を受けなくなるんですか?」

 

「受けたいの?」

 

「えっと……まぁ……」

 

毎日ここに引きこもるのは精神的にしんどいよ……

 

「……わかった

 書類がない日は受ければいいよ

 それとある日は終わればいいよ」

 

つまり私の仕事のスピードで受けれるか決まるのか……

頑張ればツナ君達と会えるし遊べるんだろうねー

 

「あ、はい

 わかりました」

 

まぁ頑張るしかないよねー

 

 

 

 

 

 

やっと終わったーーー!!

何度か手伝ったことはあるけど

やっぱりわからないところがあるから時間がかかったよ

だってもう放課後だし……

 

「終わった?」

 

「あ、はい!」

 

「そう 行くよ」

 

へ?また?今度はどこに?

あ、また行っちゃったよ

つまり行くしかないと……

 

 

 

 

 

 

 

これって見回りだよね?

だって商店街を歩いているんだもん

私はしなくていいって説明を受けたのに……

まぁいいか……

どうせ私は後ろをついて歩くだけだしね

 

おお!少し時期が早いのに白菜が安い!!

ここは遅くまで開いてたよね?

 

「なにかあるの?」

 

あ!少し歩くのが遅くなったことがばれた!!

 

「何もありませんよ!」

 

まさか帰りに白菜を買う予定を立ててたとは言えない

 

「……そう」

 

「はい」

 

ほっ……ばれてないみたいで助かった……

 

「……お寿司は好き?」

 

「へ? あ、はい」

 

「そう」

 

 

 

 

 

 

 

えっと……ここって……確か……

 

ガラッ

 

あ、入っていっちゃったよ

 

「へい! いらっしゃい」

 

やっぱり山本君のお父さんだね

まさか初の絡みが雲雀先輩と一緒とは思わなかった

ってか、山本君のお父さんが何かしちゃった!?

えええ!?咬み殺すの!?

あれ?違うかも……普通にカウンターに座ったし……

 

「はやく座りなよ」

 

「あ、はい」

 

ん?注文しようとしてるよね?

 

「あ、あの……雲雀先輩……」

 

「なに」

 

「私……あんまりお金を持ってきてないので……」

 

「いいよ

 僕がおごるから」

 

「えええ!?

 そんなの悪いですよ!?」

 

「気にしなくていいよ

 明日から昼食も頼んだしね」

 

ふむ……そういえばそうかも……

1回ぐらいだったらいいか……

 

「じゃぁ……今日はお言葉に甘えますね?」

 

「うん」

 

……うんっていったーー!!

私にはあんまり言わなかったのに……

うわ……かわいい……///

 

「何か嫌いなものがある?」

 

「あ! わさびが……」

 

「……子どもだね」

 

だってどうも好きになれないんだもん……

 

「他には?」

 

「他は大丈夫です」

 

「わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ……食べた食べた

あー美味しいかったー

山本君のお父さんの腕がいい!

ついいっぱい食べちゃったよ

いや、本当は遠慮するつもりだったんだけど

雲雀先輩が私の分も一緒に頼むから出来なかったし……

だから雲雀先輩はカンパチとヒラメのえんがわが好きとわかった

だって頼む割合が多かったもん

 

「今日はおごっていただきありがとうございました」

 

「問題ないよ」

 

雲雀先輩はこれからどうするんだろう?

家に帰るか学校に行くんだろうねー

 

「では……」

 

「……どこ行くの?」

 

「へ? あ、まだ見回りがあるんですね

 すみませんでした」

 

最初の目的を忘れちゃってたよ

 

「はぁ……」

 

あらー呆れられちゃった……

でもお寿司が美味しくて忘れてしまったのはしょうがないよね

 

「……僕はデートのつもりだったんだけど?」

 

「へぇ

 そうだったんですかー」

 

デートかー

それは全然気付かなかったなー

え……誰とデートしてるつもりだったの?

 

「えええ!? 私とですか!?」

 

「……そうだよ」

 

デ、デート……?

もしかして……放課後デートだったの……?

ほ、本当に付き合ってたんだ……

 

「だから家まで送るよ」

 

「あ……はい……///」

 

こ、これって女の子扱いしてくれてるってことだよね?

うわーなんか恥ずかしい///

 

 

 

 

 

 

本当に家まで送ってくれた……

やっぱり付き合ってたんだ……///

 

「また明日」

 

「はい

 今日はありがとうございました」

 

「……入りなよ」

 

「あ、はい

 おやすみなさい」

 

「おやすみ」

 

バタン

 

ふぅ……お、終わった……///

今日は放課後デートというものだったんだ……

全然気付かなかった……

ただの見回りだったと思ったし……

あ!見回りで思い出した!!

白菜を買わなければ!!

 

ガチャ

 

「あれ? 雲雀先輩?」

 

まだ玄関前にいたの?

何かあったのかな?

 

「……どこかに行くの?」

 

「ちょっと買い物に……」

 

「はぁ……僕も一緒に行くよ」

 

「え!? ダ、ダメですよ!!」

 

「……どうして?」

 

白菜を持つ私の前で雲雀先輩が歩いてる……

いや、やっぱりそれはない

 

「行くのをやめますので気にしないでください」

 

「はやくいいなよ」

 

「急いでほしいものじゃないんです

 だから明日の放課後に行きます」

 

まぁ明日は安売りしてないと思うけどね

 

「……わかった

 そのかわり夜遅くに出かける場合は

 僕も一緒に行くから声をかけること」

 

「えええ!?」

 

もう夜に買い物に行けないじゃん!

 

「……優 わかった?」

 

うぅ……これは返事しないとダメなんだろうね……

 

「……はぃ……」

 

ん?今なんて言った……?

 

「ひ、雲雀先輩……さっき……」

 

「……優 おやすみ」

 

や、やっぱり……名前で……

 

「お、おやすみなさぃ……///」

 

も、もう無理だ!!

家に逃げよう!!

 

バタン

 

きゃーー!!明日からどうやって会えばいいの!?

どうしよーーー!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……うん

そうだよね

雲雀先輩はそうだよね

 

「おはよう」

 

「……おはようございます」

 

私に心の準備をする時間をください……///

 




やっぱり日常っぽくない気がww
うーん……私の力ではこれが限度でした


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第56話

おめでとうございます


うーん……もうすぐ恭弥さんの誕生日だよねー

どうしようかなー

恭弥さんはほしいものがあっても

いつも自分で用意しちゃうんだよねー

でも本人に聞くっていうバカなことはもうしない

だって何か違う気がするんだもん……

いつまでも先輩は嫌だから呼び方を変えてほしいとか……

人形を抱いて寝るなら恭弥さんの腕を使ってほしいとか……

うん。やっぱり何か違う気がする

ここは相談だね!

 

「草壁さん」

 

「どうかしましたか?」

 

「そろそろ恭弥さんの誕生日ですよねー

 何か考えています?」

 

「はい

 恭さんが気に入ったお酒を用意しました

 それと私のお勧めのものも……」

 

なるほど……

それは私には出来ないなー

 

「うーん……何がいいのかなぁ……」

 

アクセサリーもあんまり好きじゃなさそうだし……

この前に一緒に服を買いに行ったし……

 

「恭さんは風早さんと一緒に

 誕生日を過ごせるだけで喜びますよ」

 

……これはてれるね……///

だって草壁さんは本気で言ってるもん……///

 

「……なにしてんの?」

 

ぎゃ!恭弥さんがこっちに来るなんて……

あ、私を探していたのかも……

 

「きょ、恭さん!?」

 

「なにもありませんよ!!」

 

「ふぅん」

 

このパターンは草壁さんがピンチな気がする

隠し事してる場合じゃない!!

助けないと!!

 

「ち、違うんです!!

 恭弥さんの誕生日に何がほしいかわからなくて……

 草壁さんに相談していたんです……」

 

「……僕に直接聞けばいいよね?」

 

「ごめんなさい……」

 

「もう怒ってないよ

 だからこっちにきて」

 

「へ? あ、はい」

 

うーん……なんだろ?

 

 

 

 

 

 

 

あれ?恭弥さんの部屋に入って行ったね

何かあるのかなー?

 

「どうかしましたか?」

 

ん?あれは……

 

「うわー! きれいー!」

 

きれいな着物だなー

ここまできれいだと高そうだね

でもなんで恭弥さんの部屋に?

 

「僕の誕生日にこれを着てね」

 

「へ?」

 

「これを着た優と出かけたいんだ」

 

「……これ高いですよね……?」

 

「気にするほどじゃないよ」

 

……ダメだ

このパターンはもう決定事項だよ

今まで覆せた記憶がないもん……

何を言っても誕生日のわがままって言うし……

 

「……わかりました

 でも外には出かけれませんよ?」

 

着物だとおしゃぶりが見えちゃうし……

 

「ドライブだと問題ないよね?」

 

そうかもー

車の中だったら大丈夫だと思う

ヴェントの偽情報も流すだろうし……

でもご飯とかどうするんだろ?

 

「貸切にするし調べるから心配しなくていい」

 

だから何も言ってないのに……

 

「……そこまでしてもらうと悪いです……」

 

恭弥さんの誕生日なのに……

私は運転が出来ないし……

調べるのは従業員のことだと思うし……

 

「僕が優と一緒に出かけたいんだ

 わかった?」

 

「は、はい///」

 

やっぱりストレートに言われると恥ずかしい///

恭弥さんの顔を直視できないし……着物を見よう!!

本当にきれいな着物だ……!

よし!恥ずかしいけどちゃんとお礼を言おう!!

 

「……恭弥さんありがとう///」

 

ひゃ!ほっぺたに……///

 

「これからは僕の誕生日のことを考えなくていいよ

 僕はほしいものは絶対手に入れるからね」

 

……そうだよねー

でも私って彼女として失格な気がする……

ちょっとショボーンって感じで下を向いちゃうね

 

「へ?///」

 

あごを掴まれたと思ったら恭弥さんの顔が近かった///

 

「僕がほしいものは何かわかってる?」

 

こ、これって……////

自惚れじゃなかったら……///

 

「……誕生日に楽しみにしてるからね」

 

「は、はい!!///」

 

ふぅ……離してくれた……

ん?今のって……もしかして……

えーーーどうしようーー!!

 

チラッ

 

新しいのを買うべきだよね……?

飽きられないようにするためには

必要なことって花が言ってたし……

よし!買いに行こう!

 




本日は雲雀さんの誕生日ですね
この2人はイチャイチャしてるでしょうwww
子どもは見てはいけません←えw
まぁ目次にも書きましたがもう少し甘く出来ればよかったと思いました


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第57話

着替えをしてるかもしれないしー

やっぱりノックをするべきだよねー

 

コンコン

 

「誰?」

 

あ、千種君の声だと思う

つまり入ってもいいかなー

うわー本当に大人しく病院にいるよ

あの怪我じゃしょうがないよねー

それに復讐者の牢獄から出てすぐだしねー

まぁ普通にチョコレートパフェを食べるけど……

 

「お前は……メシだびょん!!」

 

……犬君……私の名前を覚えてくれてるよね……?

私の顔を見て言うから不安になる……

 

「何しに来たのですか?」

 

ひどいよねー

せっかく雲雀先輩の目を盗んで来たのにー

まぁついでもあるけどね

 

「お見舞いに来たよー」

 

はい♪という感じのノリで例のものを渡そう

 

「お、お前……何してるんだびょん……」

 

あ、犬君が真っ青になってるねー

 

「骸君の反応を見たかったから?

 用意するのに苦労したよー」

 

季節が違うんだもん

売ってなくて探すのが大変だったなー

 

「……クフフフフ」

 

オコッテルナー

うわー危ないなー

 

「キャーシンジャウー」

 

棒読みなのは気のせいだよねー

 

「……あなたの相手は疲れます」

 

いや、それは知らないよ

重症なのに幻覚を使って私に攻撃した骸君が悪いと思う

だって無駄なことを知ってるはずだしー

 

「ひどいなー

 ちゃんと骸君のことを思って用意したんだよ?」

 

……そう

骸君を思い浮かべると……ほら……

あぁ……パイナッポー……

これはお見舞いに持って行くしかないよね!(笑)

 

「……そうですか

 死にたいのですね

 今すぐ冥界に送ってあげましょう」

 

さっき疲れるって言ったのにねー

あーまた火柱だね

さっきより数が多い気がする

 

「……骸様……怪我が悪化します……」

 

「……そうですね

 ここは私が大人になりましょう」

 

おお!火柱がなくなったね

 

「すごいびょん……

 骸さんが止めたびょん……」

 

「そんなにビックリすることないよ?

 怒ることじゃないと思うしー

 だってパイナップルには罪はない!

 まぁパイナッポーは知らないけどー」

 

あ、千種君が骸君を後ろから抑えてるね(笑)

 

「それより……クロームちゃんは?」

 

クロームちゃんがちょうどいないから

パイナップルを出したけど……

お手洗いにしては遅すぎる気がする

でも骸君が心配で病院にいると思うし……

 

「ブス女はどーでもいいびょん」

 

「犬君、誰がブスなのかな♪」

 

「んあ゛!?」

 

あ、またちょっと殺気を出しちゃった♪

でもクロームちゃんはすごーーーく可愛いのに……

やっぱりこれは犬君が悪いよね

 

「で、どこに行ったのかな~?」

 

「し、知らないびょん!!」

 

「……風呂」

 

あー銭湯に通ってるって言ってたもんね

もう少し早く来れれば良かったなー……

 

「いないのかぁ……

 せっかくりんごを持ってきたのに……

 一緒に食べたかったなぁ……」

 

「……なぜ私にはそれを持ってきて

 クロームにはりんごなのですか?」

 

「今が旬で美味しいから」

 

オコッテルナー

だってイライラしてるもん(笑)

 

「骸さんとブ……あの女の髪型は一緒だびょん

 なんれ骸さんだけがパイナッポー……きゃおーん!」

 

今のは私のせいじゃないよね……?

犬君がミスしたのが悪いと思うことにしよう

 

「少し気が晴れました」

 

……骸君って結構ひどいよね

 

「質問に答えるとー」

 

「黙りなさい!!」

 

あ、話すのがダメって言われたよ

もうこの話題から離れたいんだねー

 

「あ! もう診察時間だよ!

 えっと、フルーツだけじゃなく

 ご飯も持ってきたからみんなで食べてねー」

 

「わかりました」

 

「クロームちゃんにはまた会いに行くから

 その時にまたご飯を持ってきたほうがいいの?」

 

「当たり前だびょん!!」

 

あ、犬君が復活した(笑)

 

「わかったー

 じゃぁまたねー」

 

きゃー急がないと院長先生を待たせちゃうよ

ってか……もう腕は普通に動くって言ってるのに……

もう毎日診察してもらわなくてもいいと思う

院長先生を巻き込んでしまったよ……

はぁ……本当にいつまで通うことになるんだろ……

 




主人公の中で骸はパイナップルで
クロームちゃんは桃のイメージですww
でも時期が合わなかったために桃は用意しませんでした


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第58話

……本当にいつ帰れるんだろう

XANXUSさんが明日の料理をリクエストするから帰れない

いや、正しくは命令だけどね

まぁ1日1回しか作らなくていいからいいけど……

流石にXANXUSさんに料理を作るのは緊張するんだよ……

 

「ひーめ♪」

 

「どうかしましたか?」

 

ものすごく機嫌が良さそうだけど……

 

「姫ってスシ作れんの?」

 

「お寿司ですか?

 簡単なものなら大丈夫ですが……」

 

流石に握り寿司とかは自信がないよ

自分で食べるなら気にしないけど……

まぁご飯に酢をあわせることは出来る

 

「うししっ つくろーぜ♪」

 

え!?まじで?

ベルさんって料理出来たんだ……

王子だからしなくていいと勝手に決め付けていたよ

 

 

 

 

 

 

 

 

スパァッンッ!

 

……うん

私が思ってるのと違ってたよ

いや、ベルさんが間違ってるわけじゃないよ

でも何かが違うんだよ……

 

「凄いですね……」

 

「うしし♪」

 

すごい上機嫌で魚をさばいていくなー

……ベルさんのナイフで(笑)

これはある意味芸術かも知れない

 

「ベルさんはお寿司を知っていたんですね」

 

「しばらく日本に居たじゃん

 その時に知った」

 

あーリング戦の時かな?

夜に試合があったし暇だったのかな?

 

「昼に勝負したオヤジがスシくれてー

 夜に姫と一緒にたべよーかと思ったけど

 変態オヤジがうるさい間に姫が寝ちゃったじゃん」

 

え?もしかして拉致したのは

明日の朝ご飯のためだけじゃなかったんだ……

ってか、勝負って何したの?

私の記憶ではベルさんは暇つぶしに殺し屋を……

うん。これは深く突っ込んじゃいけないね

とりあえず寝てしまったことに謝るべきだね

 

「それは……すみません」

 

「問題ねーって うしし」

 

ベルさんって意外と優しいね

いや、私は気に入られてるからだと思う

気に入られてなかったら多分殺されてる(笑)

ってか、これだけ綺麗に魚をさばいちゃうと

握り寿司にしないといけない気がする……

手巻きとかにしようと思ってたのに……

まぁお造りとして食べる逃げ道もあるけど

ベルさんはお寿司を食べたいみたいだし……

 

「私は握るのは上手じゃないですけどいいですか?」

 

「ん? 姫はプロじゃねーししかたねーじゃん」

 

いやーそう言ってくれて助かります

よし!ベルさんにお礼を言って早く酢をあわせてしまおう

そして風でさっさとご飯を冷まさないとね!

 

 

 

 

 

 

 

うーん……美味しいかなぁ……

やっぱり握り方で味がかわると思うんだよねー

 

「すみません……

 私の腕ではこれが限界でした……」

 

せっかくベルさんが綺麗にさばいたのにね

私のせいで絶対味が落ちちゃうよねー

気になる人は手巻きで食べてもらおう

 

「別にオレは姫と食べれればそれでいいしー

 元々あいつらに食わせるギリはねぇーよ」

 

そうですか……と返事をしたけど

何でここまで仲が微妙に悪いんだろう?

まぁ暗殺部隊だしね

仲良しでいるのもダメな気もする……

 

コンコン

 

「失礼しまーす」

 

料理は風で浮かせるから両手が空くのはやっぱり便利だね

あ、私が料理を持ってきたからビックリしてる

 

「あら? 今日は優ちゃんが作ったの~?」

 

「はい

 ベルさんと一緒に作りました♪」

 

……明らかにみんなの動きが止まったね

 

「……それは食えるのかぁ?」

 

スクアーロさんそれは失礼だよ

ベルさんが睨んでるじゃん

ちょっと効果音をつけたくなる感じで

みんなにお寿司を見せよう!!

 

「ふっ 食えたものではないな」

 

……食べてもないのにそれはひどい

あ、ベルさんがレヴィさんを蹴り飛ばしたよ

まぁこれは自業自得だと思う

 

「本当に大丈夫なの……?

 すっぱい匂いがするわ……」

 

それは私があわせた酢の匂いだね……

やっぱりお造りにするのが正解だったか……

手巻きの分で少しお造りがあるしそっちを食べてもらおう

あ、少し落ち込んでる間に今度はルッス姐さんが犠牲になった

 

「ベルさん……すみません……

 私の腕がないせいで……」

 

芸術作品を汚してしまった……

うーこんなことなら山本君にコツを聞けばよかった!!

 

「オレらだけで食おーぜ」

 

そうしよう

みんなと食べたかったけど

私の腕の悪さでこれ以上ベルさんの評価を下げたくない

 

「嫌な方はシェフに作ってもらってくださいね」

 

一流シェフがいるからね

勝手に頼んで食べればいいと思う

……微妙に私も機嫌が悪いかもしれない

私のせいなのにそれはダメな気がする

ベルさんの機嫌を戻すのが先だよ

 

「ベルさん、ありがとうございます

 いただきますね?」

 

「うししっ」

 

機嫌よくなったみたいでよかったー

 

「僕は食べるよ」

 

意外だ……

マーモンちゃんって怪しいものは食べないと思ったけど

お寿司を食べたことがあるのかもしれない

まぁさらにベルさんが機嫌が良くなったしいいか……

じゃぁ私は食べるぞーーー!

 

「……おいしーー!!!」

 

ベルさんがさばいたネタが美味しい!!

それに久しぶりの米!!

ちょっと感動して涙が出そうだ……!

やっぱり日本といえばお寿司だよ

……まぁ私のはわさび抜きだけどね(笑)

 

「あ!?」

 

スクアーロさんが私のを奪った!!

食べたいなら食べたいって言えばいいじゃん!!

わさび抜きは私の分しか作ってないから数が少ないのに!!

ふっふっふ……食べ物の恨みは怖いんだよ(怒)

まぁ先に手巻きを食べるけどね(笑)

だってなくなりそうだもん

 

「ベルさん……後で付き合ってくれます?」

 

「いいぜ♪」

 

凄く楽しそうに返事をしたよ

私の考えてることがわかってるのかもしれない

 

「……何を考えてんだぁ?」

 

私達の不穏な空気を気付いたけどもう遅いよ

私はスクアーロさんを逃がすつもりはない

 

 

 

 

ご飯を食べた後、私の気が済むまで

スクアーロさんにベルさんのワイヤーつきナイフを

私の風で操って攻撃をしたけど決定打を与えることは出来なかった

やっぱりスクアーロさんは強いなー

まぁだから安心して攻撃を仕掛けたんだけどね

他の人なら絶対しないからね

 

 

 

 

ちなみに……

スクアーロは優の能力は敵に回すと厄介と再確認した




目次にも書きましたが
VSヴァリアー編よりベルと仲が良くなった雰囲気で書いてみました

もう少し笑いを入れたかったですね
でも原作を使わずみんなをいじるのは難しかったです
まぁ気づく人はいると思いますが……
隠し弾から話をひねり出し作りましたww


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第59話 ※

※本編終了後にお読みください



やばい……緊張してきた……

 

「大丈夫だよ

 僕がついてる」

 

「……ありがとう」

 

そうだよね

わざわざ雲雀先輩が一緒に行ってくれるし

約束通り今から案内してくれるんだ

不安だけど何とかなると思う

それに……記憶を失っての初めての登校だから

誰と一緒に行くか口論になったぐらい

みんな私を大事に思ってくれてるもん

大丈夫だよね!

まぁ先に雲雀先輩と約束しちゃったって言うと

みんなが微妙な表情になったのは気のせいと思いたい

違う意味での不安が出てきちゃうからね……

 

「行こうか」

 

「はい!」

 

よし、気合を入れていこう!!

まぁ気合を入れてる間に着いちゃうと思うけどね

だって私の家から学校は近かったしー

 

トコトコ歩いてる間に校門が見えたね

……あれ? 校門前に人がいっぱいいる……

そういえば花から聞いたけど

雲雀先輩って敵が多いんだったっけ?

付き合ってる私は狙われやすいって言ってて

私がしていた対策を教えてもらったし……

でも花の話では雲雀先輩と一緒にいる時は

狙われることはなかったって言ってたような……

 

チラッと雲雀先輩を見てみれば

凄く機嫌が悪そうな気がする……

こういう時はどうすればいいんだろう……

やっぱり逃げるべき?

私が逃げれば雲雀先輩の足手まといにはならないよね?

 

「……雲雀先輩」

 

「問題ないよ」

 

逃げますって言おうと思ったけど……

雲雀先輩はトンファーを出してやる気満々だ……

……これが理解できない

病院で群れてるからってツナ君達にしたのを見たけど

どうして私はこういう人を好きになったんだろう?

暴力とか無理なはずなのに本当に謎だ……

 

ツナ君達はマフィア?らしいから

逃げるのが上手だったから大丈夫だったけど……

今回は本当にトンファーで殴っちゃうんだよね……

でも普通に隣を歩けるんだよね

怖くて足がすくむかと思ったのに普通だ……

いろいろ考えてる間に校門に着いちゃったよ!!

えー!!このまま咬み殺す?ところを見ちゃうの!?

 

「「「風早さん!!」」」

 

「は、はい!!」

 

なんか私に来たーー!!

雲雀先輩じゃないのー!?

あ、狙いは私なのか……

 

「「「退院おめでとうございます!!!」」」

 

「……ありがとうございます?」

 

つい疑問系になっちゃったよ

だって不良っぽい人達に頭を下げられて

代表の人から退院祝い?の花束をもらっちゃったもん

うわーいい匂いだ

 

「……もういいよね

 君達、いつ群れていいと言った?」

 

……不良っぽい人達の肩がビクッとなったよ

見かけより怖くないのかも……

 

「も、申し訳ありません!!

 我々の記憶がないと聞いていましたが

 どうしても風早さんの退院祝いを……」

 

「……ありがとう」

 

誰かはわからないけど……

私は記憶がないとわかっても退院祝いをしてくれたんだ

嬉しくて泣きそうだ……

 

「……今回は特別だよ

 草壁以外、さっさと行きなよ」

 

「「「はい!!」」」

 

おお……すごい

統率されたような動きで1人を残して離れていったよ

あ、花を渡してくれた人が草壁っていう人なのか……

ん?もしかして……

 

「風紀委員の副委員長の草壁です

 何かわからないことがありましたら

 遠慮なく言ってください」

 

「あの、お仕事を一緒にしていましたよね?」

 

「は、はい! どうして……?」

 

「覚えてはないんですけど……

 ケイタイの履歴に残っていたんです

 何度かメールをしていたので……」

 

草壁さんって入ってたんだよねー

でもお見舞いに来た人にはいなかったから

誰なんだろうってずっと思ってたんだよねー

つまりさっきのみんなは風紀委員だったのか……

ちゃんと挨拶すればよかったなー

 

「へぇ……」

 

あれ?雲雀先輩の機嫌が悪そうだ

みんなが離れた時に戻った気がしたのに……

 

「ただ書類の話ばっかりで

 どんな人かわからなかったんです

 雲雀先輩が名前を言ったのでわかりました

 ……すみません」

 

ヒントがなかったんだもん……

撮った写真の中にいないってみんなに言われたし……

 

「気にしなくていい」

 

……雲雀先輩が言ったよ

私は草壁さんに謝ってたのに……

 

「委員長のおっしゃるとおりです」

 

草壁さんがそういうならいいか……

 

「迷惑をかけると思いますが

 これからよろしくお願いします」

 

「大丈夫ですよ」

 

草壁さんもいい人だ……!

まぁ書類はしばらくしなくていいって言われたけどね

花から聞いて雲雀先輩に確認すれば

ゆっくりでいいって優しい顔で……///

あ、思い出しただけでドキドキしちゃったよ

 

ドカッ

 

「へ? 草壁さん!?」

 

草壁さんが倒れてるよ!?

 

「行くよ」

 

「ええ!?」

 

雲雀先輩が動じてないってことは……

私が見てない間に草壁さんを咬み殺したんじゃ……

このままほっとけないよ!!

 

「だ……大丈夫です……

 委員長が……待っています……行ってください……」

 

……す、すごい

言ってから意識を失ったよ……

周りを見渡せば風紀委員の腕章をつけた人が1人いた

声をかけようと思ったら行ってくださいと目で訴えられたよ

……なんかすみません

 

「お、お花ありがとうございました!」

 

とりあえず一礼してから向かうことにした

草壁さんには後で連絡しよう……

慌てて追いかければ玄関で待っててくれたみたい

 

「ここが優の靴箱」

 

雲雀先輩って靴箱の位置まで覚えてるんだ……

付き合ってても覚えてる自信は私にはないよ

あ、記憶がない私のために確認してくれたのか……

雲雀先輩はやっぱり優しい?よね

さっきのことがあるからつい疑問系になっちゃうね……

って、いろいろ考えてたら雲雀先輩が進んでる!!

急いでいかないと!!

 

 

 

 

 

 

 

雲雀先輩のおかげで一通り覚えたかな?

後は少しずつ覚えればいいかなー

 

「まだHRまで時間があるね」

 

「そうですね」

 

少し早く来すぎたみたい

そう考えるとみんなは優しいなー

私は自分のせいだからいいけど

雲雀先輩と風紀委員のみんなは違うからね

 

「応接室に行こうか」

 

応接室は確か風紀委員の部室だったっけ?

なんで応接室が部室になってるのかは謎だけど……

 

「よぉ」

 

ん?誰かに後ろから声をかけれた?

振り返ってみよう

 

「ディーノさん!」

 

あ、頭を撫でられた♪

子ども扱いと思うけど嬉しいんだよねー

まぁディーノさんがマフィアというのが不思議だよね

入院中に何度もお見舞いに来てくれて

一緒に散歩とかしたけど……転ぶんだよ

ツナ君に教えてもらたけど部下がいないとダメらしい

今はいないから注意が必要だね

 

「今日はオレが優のクラスのHRするからよろしくな!」

 

「え!? 本当ですか?」

 

「ああ」

 

……なんでだろう

多分手を回して私のためにしてくれるんだと思う

だけど……心配だ!!

 

「だから優はHRが始まる前に職員室に来てくれよ」

 

「わかりましたー」

 

転校生って感じで紹介してくるつもりと思う

つまり全部私のためだよね

でも私と一緒ならディーノさんは大丈夫と思ってしまった

 

「少しは安心できるだろ?」

 

「ありがとうございます」

 

……ごめんなさい

私が心配してたのは違うところだったんです……

 

「もういいよね

 優 行くよ」

 

「あ、はい

 ディーノさん、また後で……」

 

早く行かないとディーノさんが

草壁さんと同じことになる気がする……

 

「恭弥は相変わらずだな……

 何かあったらすぐオレに言えよ?」

 

「ありがとうございます!」

 

「また後でな!」

 

「はい!」

 

……頑張ろう

ディーノさんが教師をしてるのは私のためな気がする

マフィアのボスなんだし……

教師をする必要がないと思うもん……

早く馴染んで安心させないとね!




おかしいな……まだ授業が始まってないwww
多分、風紀委員は退院祝いをしてくれます
雲雀さんの退院祝いをして咬み殺されたことがありますしね

ディーノさんは入院中に何度も顔を出すと思います
理由はディーノさんだからw


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第60話 ※

※本編終了後にお読みください


HRが始まる5分前になったから職員室に向かった

雲雀先輩が送ってくれるって言ったけど流石に断ったよ

私のせいで仕事?が進まないからね

……まぁ授業を受けなくていいのが謎だけどね

私もよく受けなかったらしいし……

……深く考えるのをやめよう

マフィアとか関わってる時点で私の常識が通じない

 

それにしても廊下とすれ違う人にジロジロ見られる

私って結構有名なの?

あ、雲雀先輩が有名なのか……

 

「か、風早さん! 退院おめでとうございます」

 

「へ? ありがとう?」

 

またわからない人に小さい花束をもらったよ

かわいい子だなー

風紀委員は私以外は学ランらしいしクラスの子かな?

話しかけようと思ったらいなかった……

ちゃんとお礼が言えなかったよーー!!

 

「あ、あの……」

 

あ、後悔してる間にまた話しかけられたね

 

 

 

 

 

 

 

 

何とかたどり着いたー!!

 

「お、遅くなりました……」

 

「問題な……大丈夫か!?」

 

ディーノさんが慌ててるね

まぁ私もかなりビックリしてるからね

 

「退院祝いを貰っていたらこんなことに……」

 

次から次へと何かくれたんだ……

花だけじゃなく箱もあるんだよ

最初に受け取ってしまったから断れなくなったんだ……

あ、ディーノさんが持ってくれようとしてるね

能力を使ってるから重くないからそれは問題ないよ

 

「大丈夫ですよ

 ただ……こんなにも貰ってどうしようかと……」

 

名前がわからないしどうしよう……

お世話になっただけだからって言って

聞いても何も教えてくれなかったんだよね……

 

「……恭弥が怖いからな

 その分、優は話しかけすいんだ

 よく相談とか受けてたからな……

 まっ そこまで気にしないほうがいいぜ

 優が退院して嬉しかったから渡したと思うからな」

 

「……そうですね」

 

私が気にすれば相手も気にしそうだしね

それにみんな小さい物だし考えて渡した気がする

まぁ数が多くて凄いことになったけど……

でも用意周到な子がいて袋をくれたんだよね

あれはまじで嬉しかった……

 

「ここに置いていくか?」

 

「……お願いします」

 

渡してくれた人に悪いと思うけどここに置こう

教室に置くのはクラスのみんなが困る気がする……

休憩時間に整理して忘れずに持って帰ろう

 

 

 

 

 

 

教室までディーノさんは何度もこけかけた(笑)

そのたびに風で支えちゃったよ

まぁそのおかげで緊張する時間がなかったね

ん?ディーノさんが私を呼んだね

しまった……何を話すか考えてなかった……

とりあえず教卓の横に行こう

 

うわーみんなが私を見てるよ!!

あ、ツナ君と目が合った……頑張ろう!

 

「風早優です

 事故で記憶がなくなっちゃって……

 みんなのことを忘れちゃってごめんなさい

 また……仲良くしてくれたら嬉しいな……」

 

事故というのはウソだけどね

でもみんなには事故って話してるらしい

クラスのみんなが笑顔だし大丈夫かも……!

 

「ハハッ 仲良くするよな? みんな」

 

山本君が言ってくれて

クラスのみんなが返事を返してくれたよ!!

 

「はぶる奴なんていねーよな」

 

……それは脅しだよ

机の上に足を乗せて言っちゃダメでしょ……

 

「……獄寺、脅すなよ」

 

ディーノさんも同じ事を思ったみたい

あ、舌打ちしちゃったよ

獄寺君は優しいけどやりすぎるところがあるね

気をつけないと……

 

「次の授業はオレの担当教科だし

 みんな、優に自己紹介をするか?」

 

「え!?」

 

それはダメでしょ

大事な授業時間だし……

 

「気にする必要はないぜ

 みんな、授業よりこっちの方が嬉しそうだからな」

 

……本当にみんな嬉しそうだ

特にツナ君と山本君が喜んでる(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

一時間目が無事に終わったー!!

それにディーノさんのおかげでみんなの顔は覚えれたよ

何か困っても前の席がツナ君だから安心できるしね

 

「優ちゃん、大丈夫?」

 

京子ちゃんだ!

クロームちゃんと花もいるよ!!

 

「ありがとう 大丈夫だよ

 クラスのみんなは覚えたよー」

 

「……相変わらず頭が良すぎよ

 よく一度で全員覚えれるわね……」

 

私にもわからないけどすぐ頭に入ったんだもん

覚えてないけど知ってたから?

よくわからないけどね

 

「私……まだ覚えてない……」

 

クロームちゃんが落ち込んじゃったーー!!

そういえば転校してきたばっかりって言ってたよ!!

 

「それが普通よ

 男子なんて覚える必要はないわ

 私には猿にしか見えないもの」

 

……それはひどい

話を聞いていたツナ君が微妙な顔をしちゃったよ

 

「あ、職員室……」

 

忘れてたーー!!

もう時間がないから次の休憩時間に行こう……

 

「職員室に何か用事なの?」

 

あ、ツナ君が心配してくれたみたい

 

「みんなに退院祝いをいろいろもらって……

 職員室に置かせてもらってるんだ」

 

「教室に持って来てもいいと思うけど……」

 

「……紙袋3つ分ぐらいあるんだ

 整理するために職員室に行こうと思ってたんだ……」

 

やっぱり凄いことなんだね……

ツナ君がビックリした顔をしてるよ

 

「あんたが人気ってことを忘れてたわ……」

 

「すごいね 優ちゃん!」

 

花には呆れられながら言われて京子ちゃんには褒められた?ね

 

「私……手伝う」

 

「ありがとう!」

 

クロームちゃんがかわいい!!

お礼を言ったら顔が赤くなったし!!

 

「私も一緒に行くわ

 みんなでやれば次の休憩時間の間に終わるはずよ」

 

「うん 私も手伝うよ」

 

みんな……優しい……

 

「ありがとう!」

 

「別にあんたは無理しなくていいわよ

 男はこういうのは苦手よね

 私達がいれば充分よ」

 

花がハッキリ言っちゃった……

でもツナ君は落ち込んでないみたいで良かった

 

「じゃぁ頼むよ

 優、オレに出来ることがあったら言ってよ」

 

「ありがとう

 ツナ君、頼りにしてるからね!」

 

「う、うん 任せて」

 

ツナ君はいつも真っ直ぐな目で話すよね

本当に頼りになるよ

 

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ……なんとか昼休みまで過ごせたよ

思ったより勉強は問題なかった

教科書を見ていればわかったからね

 

「優さん」

 

「どうしたの?」

 

炎真君から話しかけるなんて珍しいよね

シモンファミリー?のみんなには普通だけどね

でもツナ君と私にはよく話しかける気がする

まぁ私は気を使ってくれてるからだと思うけど……

 

「ネコ好きだよね……?」

 

「好きだよー」

 

かわいいよねー

癒されるんだよ

 

「今度……一緒に帰らない?」

 

「え!? 炎真君ってネコを飼ってるの!?」

 

あれ?炎真君が困ってるように見える

 

「違うよ

 炎真はいつも野良猫にエサをあげてるんだ

 それで……優が用事がない日は一緒に……

 週に1度ぐらいだったと思うけど……」

 

なるほど……

それは言いにくいよね

ツナ君、話してくれてありがとう

 

「炎真君ありがとう

 えっと、明日だったら少し時間があるかも……

 一緒に行ってもいい?」

 

しばらく放課後に用事があるんだよね

みんないろいろ誘ってくれたから

明日は食材を買いに行きたいから断ってたけど

ネコと遊ぶ時間ぐらいなら大丈夫と思う

 

「うん」

 

楽しみだなー

私って可愛いものが好きなんだよねー

 

「うひゃぁ!」

 

ゾクって来たーー!!

ツナ君と炎真君が心配して私を呼んでるよ……

 

「ご、ごめん

 なんか足に変な感触が……」

 

にょおん♪

 

……ネコがいたよ

ネコの話をしてたらネコがいた

 

「う、瓜ーー!?」

 

ツナ君はこのネコを知ってるんだ

名前は瓜っていうのか……変わってるね

……それにしても可愛い!

抱いちゃおう♪

あ、獄寺君と山本君も来たよ

ツナ君が叫んだからかな?

 

「また勝手に風早のところに……瓜!!」

 

「ハハッ 風早のことが本当に好きなのな!」

 

ん?話の流れからして

瓜とは仲が良かったのかな?

 

「瓜は……獄寺君の匣兵器なんだ」

 

あ、ツナ君がこっそり教えてくれた

瓜はロールと一緒なのか……

私もミントっていう匣兵器を持ってるらしいけど

まだ炎が出せないから会ったことがないんだよね

 

「じゃぁ見かけによらず強いんだね」

 

にょおーん♪

 

強いって言えば嬉しそうだ

んーやっぱり私のミントも強いんだよね?

怖いし使いたくないな……

瓜やロールは可愛いけど使い方を間違えば危ないよ

私にはその覚悟がない……

 

「優……?」

 

「あ、ごめん……

 ちょっと考え事をしてた」

 

みんなが心配そうな顔をしてるね

ちょっと顔に出ちゃったか……

ん?教室が静かになった気がする

流石に私の心配をしてみんなが静かにならないよねー

何かあったのかな?

 

「優」

 

「へ? 雲雀先輩!?」

 

ドアのところに雲雀先輩がいるよ

 

「お腹すいた」

 

「あ! すみません!

 私がお弁当を持っていたんだ……」

 

「気にしなくていい

 行くよ」

 

うわーもう行っちゃったよ!!

慌ててみんなに謝れば許してくれたよ

雲雀先輩だからしょうがないって感じでね

ただ、瓜をかえそうと思ったら

獄寺君の顔に思いっきり引っかいた……

 

「いでっ!!

 また後で会わせてやるから暴れるんじゃねぇ!!」

 

「え!? いいの!?」

 

やったー!

って、私が喜んじゃったよ(笑)

でも瓜も尻尾を振ってる嬉しそうだよね

 

「ああ 会わせてやるからさっさと行け

 ヒバリのヤローが暴れるだろうが」

 

暴れはしないと思う……

まぁ獄寺君の言うとおり早く行かないと見失うし……

 

「ありがとう! またね!」

 

急いで行かないと!!

あ、お弁当を忘れるところだった(笑)




寝てて変な時間に投稿しました

やっと昼休みww


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第61話 ※

※本編終了後にお読みください


慌てて雲雀先輩についていけば屋上だった

いつもここで食べてるのかな?

案内してもらった時に屋上が好きって言ってたし……

って、それより早くお弁当を並べないと!!

 

「焦らなくていい」

 

私の慌てっぷりを見て気を使わせてしまったよ

明日からは気をつけないと……

 

「……優は頭がいい

 取り戻すためにすぐに覚えれると思う

 でもそれでは心が追いつかない

 無理に覚えようとしなくていいんだ」

 

「でも……」

 

みんなに心配かけちゃうし……

 

「記憶がない時の行動をなぞらなくていい

 僕は今の優が僕と過ごしたいと思ってほしいからね

 ……彼らもそう思ってるはずだよ」

 

雲雀先輩の言うとおりかも……

記憶がない時の行動をマネしようとしてた……

みんなはそれを望んでないか……

 

「まぁだけど一緒に食べるよ」

 

「ぷっ あはは!」

 

そうだよね

ご飯を一緒に食べるのは前の行動と一緒だもんね

 

「僕はわがままだからね」

 

「そうですね(笑)」

 

本当にわがままだ

マネするなって言ったのに

前と同じ行動はやめようとしないんだもん!

 

「でも……雲雀先輩と過ごす時間が減ると思ったから

 お昼を誘ってくれて嬉しかった……///」

 

……自分で言ったけど恥ずかしい!!

でも本当にそうなんだもん……

入院してる時は1番長く見舞いに来てくれたし……

うわー笑った……///

 

「食べようか」

 

「はい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

特に会話はなかったけど楽しかったなー

雲雀先輩は昼寝をするみたいで私は教室に帰ることした

まぁ雲雀先輩は何も言わなかったけど

帰るの?って感じの顔で見られた

でも一緒にいても私はヒマだと思うしね

 

「風早さん」

 

「へ? ……鈴木さん!」

 

きゃー鈴木さんだよ!!

いつ見ても綺麗な人……うらやましい

何を食べればそうなるんだろう?

 

「オレもいるよ~ 優ちゃん♪」

 

うわあああ!ジェリーさんだ!!

初めて?会った日に私の手にキスしようとしたんだよ!

鈴木さんが粛清?してくれて助かったけど……

ものすごく苦手な人なんだよね……

鈴木さんの後ろに隠れよう

 

「てれちゃってかわいい♪」

 

誰もてれない

はっきり声に出して言いたいけど

更に絡まれそうだから言わない

 

「ジェリー!!」

 

あ、鈴木さんのおかげで逃げていった

助かったー……

 

「困ったことがあれば私に話して

 すぐに粛清しに行くわ」

 

「……ありがとうございます?」

 

今日は何度目の疑問系だろう……

でも言ってることが物騒なんだもん!!

とりあえず鈴木さんを怒らせてはダメだね

もうジェリーさんを粛清しに行ったし……

私は教室に帰ろう

ジェリーさんは大丈夫のはず(笑)

 

それにしてもこの学校って……結構危険?

みんな力で解決しようとする人が多すぎる……

 

「優、おかえり」

 

教室に入ってツナ君はすぐ気付いてくれたよ

獄寺君と山本君も一緒みたい

 

「ただいまー」

 

んーツナ君がボンゴレ10代目候補なんだよね?

ジッと見てるけど怖いとは思わない

ツナ君の目を見るとあったかくて安心しちゃうんだよねー

 

「優、どうしたの?」

 

「ツナ君がボスでよかったなーと……」

 

「んなーー!?」

 

ナイスリアクションだね

本当に優しい人がボスでよかったー

 

「あったりまえだろうが!!

 10代目ほど相応しいボスはいないんだ!」

 

「ああ

 やっぱツナがボスじゃねぇとな!」

 

「ち、違うから!!

 オレはボスじゃないってば!!」

 

「あ、ごめんね

 まだ継いでないから次期ボスだよね」

 

「それも違うからーー!!」

 

ツナ君をからかうのが楽しくなってきた(笑)

まぁこれぐらいで止めておこう

 

「ゴメンゴメン

 私には分かってるよ」

 

「優……」

 

本当に10代目になりたくないんだね

ものすごく感動した目で見られたよ(笑)

 

 

 

 

 

 

 

な、何とか1日が終わった……

まじで疲れた

ここまで疲れるとは思わなかった……

いや、その分楽しかったけどね

わざわざみんなが会いに来てくれたからね

それにへばってる場合じゃないんだよ

今から小さい子達と出かける予定

ハルちゃんと京子ちゃん、クロームちゃんも一緒♪

 

「いい!

 カツラをかぶって腕章を外して帰りなさいよ!!

 じゃ! また明日!!」

 

花は子どもがダメだから今回は一緒じゃない

でも最後の最後まで私を心配してくれたよ

 

「ありがとうー」

 

ものすごい勢いで帰ったなー

ハルちゃんがランボ君達を連れて

学校に来るって言ってたからね

会わないように必死だ……そこまでダメなのか……

 

「優ちゃん、行こう?」

 

あ、京子ちゃんとハルちゃんが待ってるよ

2人とも可愛くて癒されるよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガハハハ!!

 ゆーう! めっけ!!」

 

「ランボ!! ハシル! アブナイ!」

 

「待ってよ~」

 

「はひー 待ってくださいー!」

 

少し遅かったかもしれないね

みんなが走って来たよ

 

「オレ1番!!」

 

私のところがゴールだったのか……

いや、競争してたのはランボ君だけかも……

イーピンちゃんとフゥ太君は競争のつもりはないと思う

 

「ふふ

 みんな今日も元気だね」

 

みんなの頭を撫でてあげよう

 

「はぁ……はぁ……みんな早いです……」

 

「ハルちゃん、ゴメンね

 お疲れ様」

 

1番、大変だったのはハルちゃんだよね

 

「はひ! ハルは大丈夫です!!

 優ちゃんこそ今日はどうでしたか?」

 

「楽しかったよー

 退院祝いに花束をいっぱいもらっちゃったよ」

 

「す、すごいです……

 ハル、ビックリしました……」

 

やっぱりこの量はおかしいのか……

 

「悪いけど1度私の家に行ってもいい?」

 

2人の許可はもうもらってるんだよねー

 

「もちろんですよ!」

 

「優姉! 持つよ!」

 

男の子だなー

すごいやる気満々に言われたよ

将来絶対フゥ太君はもてるだろうね

 

「じゃぁ……1つだけ頼もうかな?」

 

1番軽い紙袋を渡して

更に風を操って軽くすれば大丈夫と思うしね

あ、ランボ君とイーピンちゃんも持とうとしてる

小さい花束を1つずつ渡してみた

……かわいいな

ランボ君は渡してすぐ頭にさしたけどね(笑)

後で小さい子達に花を持たせて写真を撮らせてもらおう




これで主人公が仲が良かった人とは絡んだかな?
……誰か忘れていればゴメンねw


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第62話 ※

※本編終了後にお読みください


「ふぁ……」

 

ちょっと病み上がりに無理しすぎたかも……

あくびが出ちゃったよ

 

「優……疲れた……?」

 

あ、しまった

クロームちゃんに見られたみたい

しーって口に指を当ててから笑えば黙っててくれたよ

この子達を送れば今日の予定はないし

家に帰ってさっさと寝るから心配させる必要ないしね

 

「優ちゃん、少し寄り道してもいい?」

 

「ハル達、どうしても行きたいところがあるんです!」

 

「いいよー」

 

クロームちゃんが心配してそうだけど

少しぐらいの寄り道だったら大丈夫だよ

 

「寄り道ってどこなの?」

 

「ここだよ」

 

あ、目の前だったのね

それなら全然大丈夫だよ

 

「竹寿司?」

 

お寿司屋さんに用事って珍しいよねー

 

「ここはですねー

 なんと山本君のご実家なんです!!」

 

「そうなの?」

 

これで納得できた

山本君に用事だったのか……

って、みんなに背中を押されてる!?

いや、クロームちゃんはやってないけど……

それでも小さい子達もするからビックリする

 

「優ちゃんが開けてください!!」

 

「え!? 私が?」

 

みんなの顔を見れば頷いてるよ

うーん……まぁいいか

みんなが変なことするわけないしね

 

「こんばんはー」

 

挨拶しながら開けてみた

 

パンパンパンッ

 

「へ? へ? へ?」

 

クラッカーだよね?

ツナ君達、何してるの?

 

「「「退院おめでとーー!!!」」」

 

もしかしてこれって……

 

「ちゃおッス

 今日は優の退院祝いのパーティだぞ

 遠慮なく楽しめよ」

 

「……リボーン君……」

 

これはまずい……

あーもうダメだ

みんながビックリしてるけど許してほしい

ディーノさんが頭を撫でてくれてるよ……

最近……泣き過ぎな気がする……

 

「……優、すまん

 恭弥にも声をかけたが……」

 

雲雀先輩はいないんだ

でも……すごく嬉しい……

声を出そうと思ったけど出なかった

 

「ヒバリのヤローは無理だろ……」

 

「ヒバリだしな……」

 

「極限、団体行動が出来ん奴だ!!」

 

やっぱり群れる?のが嫌いなんだね

 

「えっと……ヒバリさんは来ないみたいで

 オレ達だけで退院パーティになるけど……」

 

「……ありがど……」

 

かろうじて声が出せた……

ぐずった声になっちゃったけどそれは許してほしい

……リボーン君が紳士だ

何も言わずにハンカチを貸してくれたよ

ちゃんと洗って返すから借りるね……

 

「全部忘れちゃったのに……

 優しくしてくれてありがとう……」

 

みんなが笑ってる……

嬉しい……すごく嬉しい……

みんなを大事にしたい……

 

ガルルー♪

 

「へ……?」

 

恐竜だ……私の目の前に恐竜がいる

パタパタと羽を動かして飛んでるよ……

 

「ついに出せるようになったな

 そいつが優のミントだぞ」

 

「この子が……ミント……?」

 

かわいい……

私が持ってる人形と似てる……

あ、私が泣いてることに気付いて

慌てて涙を拭こうとしてるよ

……くすぐったい……

 

「ふふ ありがとう

 これから……よろしくね?」

 

ガルルル!!

 

手を出してみたら握り返してくれたよ

 

「……何なの その恐竜?」

 

あ、花もいたのを忘れてた(笑)

確かマフィアのことを知らないよね

ってか、子どもが嫌いなのに参加してくれたんだ……

 

「黒川花!?

 え、えーっと……ロボットだよ!

 よ、よく出来てるだろ?」

 

ツナ君が必死に誤魔化してるね

 

「……よく出来てるわね

 まっ 可愛いロボットじゃない

 優、良かったわね」

 

「うん。ありがとー」

 

勘違いしてくれたよ(笑)

ミントが可愛くて助かったね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隣で楽しそうに笑ってるよ

良かった……優が喜んでくれて……

ミントも出せるようになったみたいだし……

 

ガルルル

 

ん?優の膝の上で座ってたはずよな?

どーしたんだ?

こっちに来てオレの膝の上が座ったよ

喜んでそうだし別にいいよな?

 

「ミント? あ!! ツナ君ゴメン!!」

 

「大丈夫だよ

 オレが見とくから気にしないで」

 

ミントは大人しそうだし……

 

「ありがとう」

 

「うん」

 

そういえばどうして出せるようになったんだ?

 

「ツナ、何を考えてるんだ?」

 

リボーンならわかるかも……

 

「今まで出せなかったのに

 ミントがどうして出せたのかなーって」

 

「なんだ? わからねーのか?」

 

やっぱりこいつはわかるんだ……

 

「優は記憶がなくなったせいで

 お前達を守りたい気持ちもなくなっちまったんだ」

 

「あ……」

 

そうだった……

優は守りたい気持ちで炎が出せたんだ……

 

「もう優は大丈夫だな」

 

「うん」

 

オレ達から逃げることはもうないと思う

ん?肩に何か……優?

 

「……寝ちまったみたいだな」

 

「ええ!?」

 

「ボス……優はここに来る前から眠そうだった」

 

「そうだったの!?」

 

優は病み上がりなのに無理させちゃったかも……

 

「ど、どうしよう……」

 

疲れてるなら寝させてあげたいけど……

山本に頼んでここに泊めさせてもらうのはダメだよな?

優は女の子だし……

やっぱり起こすしかないよな?

家のカギを勝手に探すことは出来ないし……

 

「起こさなくていいぞ

 1人いるじゃねーか」

 

「あ!」

 

そうだ……!

優が寝ちゃったしパーティはもう終わりだし

連絡すれば来てくれるかも!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラッ

 

良かったー

来てくれたから優を起こさずに済んだよ

怒って……ないよな?

 

「わざわざすみません ヒバリさん

 家のカギを勝手に探すのはダメだし

 優を起こすのは気が引けて……」

 

返事がない……

やっぱりヒバリさん怒ってるーー!?

 

「おい! 10代目が話しかけてるんだ

 何か返事しやがれ!!」

 

獄寺君、これ以上ヒバリさんを刺激しないでーー!!

 

「うるさいよ 優が起きる」

 

「ぐっ……」

 

「ミント」

 

ガルル!!

 

ミントがオレの膝から肩の方に移動した

何かあるのか?

オレの肩から優を引き剥がそうとしてるよな?

ま……まさか……ヒバリさんって……

オレの肩に優がもたれてることに怒ってんのーー!?

 

「え、えっと……これは……

 オレが移動すれば優が起きちゃうかなって……」

 

こえー!!

滅茶苦茶睨んでくるーー!!

でも……ヒバリさんは何もしてこない

優を抱っこしてこのまま帰ろうとしてるし……

そ、そうだ!!

 

「あの……ありがとうございます!

 今日だけじゃなくて……その……」

 

ヒバリさんは優と過ごす時間がほしいと思う

だから土日は一緒に出かけるみたいだけど

放課後にヒバリさんとの予定はないって優が言ってたんだ

多分……ヒバリさんはオレ達にも時間をくれたと思う……

 

「……君のためじゃない」

 

帰っちゃった……

最後まで言えなかった……

 

「恭弥はツナが言いたかったことをわかってるぜ」

 

「……はい!」

 




これで終わる予定でしたけど
書き忘れがあったことに気付いたww
何のために本編であれを書いたんだーー!と叫びたくなりました
なので、ヒバリさんと絡めた話をもう1話しますw


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第63話 ※

※本編終了後にお読みください


んーよく寝た

少し肩がこってる気がするけど問題ないかな

さっさと目を覚まして動かないとね

 

「ん? …………夢か」

 

まだ寝ぼけてるみたい

だって雲雀先輩が目の前にいるんだもん

 

「……おはよう」

 

「おはようございます」

 

雲雀先輩も寝ぼけてそうだよ

いや、寝ぼけてる雲雀先輩の夢を見ているだよ

 

「……上着を脱がしただけだから」

 

「あ、はい」

 

ん?ちょっと待った……

私……制服を来て寝た!?

いやいやいや、これは夢だよ

 

ぽふっ

 

あ、頭の上にヒバードが乗った

そういえばヒバードは何羽いるんだろう?

いっぱいいるけど雲雀先輩はあまり連れて行かないよね

ほとんどが学校でいるもん

あれ?……頭にヒバードが乗った感触がある……?

 

「ええええ!?////」

 

「何もしてないよ」

 

ツッコミどころが違う!!

いや、あってるけどあってない!!

 

「な、なななななんで同じベッドに……」

 

無駄に「な」が多かったのは気のせいだ……!

 

「問題ないよ」

 

いや、ある!

これは絶対あるよ!!

 

「はぁ……嫌なら指輪を外せばいい」

 

指輪を外すってことは……

雲雀先輩はもう私に近づかないってことだよね

……服は上着だけしか脱いでないよ

他は特に変わったところはない

……何もなかったのに指輪を外すの?

いや、あったよ

雲雀先輩が同じベッドで寝てたんだ!

……それが許せないからもう会わない

んー会えなくなるほど許せないことじゃないよね

まぁいいか……本当にいいのか!?

完全に雲雀先輩のペースな気がする!!

 

「昨日のままだからシャワー浴びれば?」

 

「……途中で寝ちゃった……?」

 

「そうだよ

 赤ん坊から僕に連絡があったんだ」

 

「それはすみません……」

 

雲雀先輩が運んでくれたんだ……

 

「あれ? カギはどうやって?」

 

「持ってる」

 

……合い鍵というものがあるのか!

覚えてないけど私が渡したんだね……

まぁ1人暮らしは危ないしね

持ってもらった方が安全と思ったのかもー

 

「今日は僕が作るよ その間にすれば?」

 

「あ、ありがとうございます」

 

雲雀先輩が作りに行ってくれたよ

少し悪い気がするけど昨日は入ってないからね

流石にシャワーだけでもいいから浴びたいよ

……完全に雲雀先輩のペースだ!!

もういいや……シャワー浴びよう……

 

 

 

 

 

 

 

 

ソファーに座ってるし

雲雀先輩は料理が得意みたい

私がゆっくり入ってた間に出来たみたいだからね

ってか、ご飯はいつ炊いたんだろう?

寝る前にしてくれたんだ……優しいな……

 

「優……これどうしたの?」

 

あ、広げたままだったよ

雲雀先輩は暇つぶしに見てたのかな?

 

「えっと、覚えていませんけど……

 写真を見て楽しそうだったとかわかりますし……

 みんなに聞けば名前を教えてくれます」

 

本当のところは役に立ってない気がする

だって仲が良かった子は写真を見る前に

お見舞いに来てくれたんだもん!!

もう名前を先に覚えてたよ……

草壁さんの写真はなかったしね……

 

「……この写真は?」

 

どれだろう?

うわー雲雀先輩に見られるとなんか恥ずかしいね

 

「それは……あんまり覚えてないんですよね

 私の周りには写真を撮ってくれる人がいなかったので

 友達からもらったんじゃないですか?」

 

友達のお父さんが撮った中にあったのかな?

雲雀先輩が見てるのは運動会の写真だからね

写真を撮るのが好きな人はいると思うしー

毎年あるし意外と枚数が多いんだよねー

でも誰から貰ったのかは覚えてない

うーこれも記憶がないのが原因かなぁ……

 

「……そう」

 

「何かありました?」

 

「……きれいに撮れてると思ったんだ」

 

「そうですよねー

 ゴールのところとかもありますしね」

 

絶対撮るのが難しいと思うんだよね

撮ってくれた人は腕がいいんだろうね

 

「1枚ほしいけど……大事にしたほうがいい」

 

「へ? いいですよ?

 1枚ぐらいもらっても……」

 

ってか、私の小さい頃の写真がほしいと思ったんだ……

あ、でも雲雀先輩の小さい頃の写真を1枚持ってるよ

あれはものすごく可愛かったよ!

雲雀先輩にお願いしてもらったのかな?

 

「頼めば見せてくれるよね?」

 

「はい いつでもどうぞ?」

 

「それならいい

 大事にするんだよ」

 

「あ、はい

 わかりました」

 

雲雀先輩が優しそうな顔で言ったけど

この写真に何かあるのかな?

気になったけど雲雀先輩が食べる用意をしたから

結局、聞くタイミングを逃してしまった

 




書き忘れた話だったので少し短めになりました
すみません
ちなみにどうしても書きたかったのは後者です


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第64話 ※

※本編終了後にお読みください


退院して学校に通いだしてもう2週間か……

ドタバタしすぎて1日が早いんだよね

ちょっとゆっくりしたい気がする……

ん?頭をポフポフされてるよ

 

「少し疲れてるみたいだが大丈夫か?」

 

「あ、大丈夫です

 すみません……授業中なのに……」

 

少しボーっとしすぎたね……

 

「生徒の健康管理を見るのも教師の仕事だぜ」

 

……本当の教師だね

クラスの女の子の目がハートマークになってるよ

あ、私が大丈夫とわかったから授業に戻ってくれたね

 

「では、この2つの英文を関係代名詞を使えば……」

 

本当に馴染みすぎてマフィアのボスに思えない

それにしても黒板に書いてる2つの英文を

関係代名詞を使って1つの文にするみたいだけど……

2つの英文が同じだよ(笑)

言おうと思ったらもうツッコミされてたよ

そういうところもいいって更にハートマークになってるね

ディーノさんはモテモテだねー

まぁ獄寺君はこういうのはダメでサボってるけどね(笑)

 

ガラッ

 

ん?ドアが開いたけど授業中に誰だろう?

 

「げっ 跳ね馬ディーノじゃん

 なーんか嫌な予感がしたんだよねー」

 

「……なんでお前がここに……」

 

ディーノさんの知り合いみたい

それにしては空気が微妙な気がする

ツナ君に聞いてみようかな?

 

「ツナ君、誰か知ってる?」

 

「え、えっと……」

 

あ、知ってるっぽいね

慌ててそうだし急かさず待ったほうがいいか……

 

「姫みっけ♪」

 

「待て! 優は記憶がないんだ!!」

 

今、ディーノさんが私の名前を言ったよね?

って、こけてるよ!

そっちに注意がいってる間にさっきの人が隣にいる!

あ、頭に王冠が乗ってるなー

年は私と同じぐらいかな?

 

「まじで覚えてねーの?」

 

「……すみません」

 

知ってる人だったのか……

でも写真にいなかった気がするけど……

 

「問題ねーって

 むしろ覚えてねーほうが王子的にはラッキー?」

 

覚えてない方がいいっていうのは初めてだなー

私とこの人は何かあったのかな?

ってか、王子って言ったよね

だから頭に王冠が乗ってるの?

 

「うししっ 行こうぜ」

 

「へ?」

 

行くってどこに?

ってか、その前に授業中だよ

どうしよう……手がこっちに向かって……

人がいっぱいるところでは風を操っちゃダメなんだよね?

あ、王子っていう人の腕にロープが……ディーノさん!?

 

「そうはいかねぇぜ

 今は授業中だ」

 

すごく強そうと思ったらロマーリオさんがいた!

……どこにいたんだろう……

 

「……お前も授業受けるか?

 授業が終われば優と話す時間は作ってやるから

 まっ オレも一緒にいるのが条件だけどな」

 

ディーノさんは強くなっても変わらないね

いい先生だよ

……間違った。マフィアのボスだった

まぁディーノさんが一緒なら安心できるね

 

「ああ? バカじゃねーの?

 記憶がねーから無理矢理でも連れて行くんだっつーの

 おめーらは生ぬるいじゃん」

 

え?もしかして……私ってピンチ?

だってディーノさんの空気がかわったもん……

 

「生ぬるいって……優に何する気だよ!!」

 

「ツナの言う通りだ

 返答次第じゃただじゃおかねーぜ」

 

ツナ君と山本君がちょっと怒ってる気がする……

 

「おめーらこの状況がわかってんの?

 オレは姫以外はどーでもいいしー

 別に殺ってもいいんだぜ?」

 

やってもいいってどういうことだろ?

まさか……みんなをボコボコにするってこと!?

空気がやばい気がする……

 

「それに……跳ね馬がいたのは予定と違ったけど

 こーなることは予想済み♪」

 

「わっ!」

 

「炎真!?」

 

ツナ君の声で気付いたよ!!

炎真君の周りにワイヤーが見えるような……!

え?ワイヤーは王子っていう人から出てるよ

今度は急に景色が2つに……1つは真っ暗になっちゃった

えっと、2つに見えた場合は幻覚って言ってたっけ?

幻覚って見破るのは大変って聞いたような……

つまりみんながピンチ?

うわっ! 誰かに腕を捕まった!!

 

「優! 絶対、離さないから!!」

 

あ、ツナ君だったよ……

ツナ君と席が近くてよかったー

山本君は私と席が遠くてヘタに動けない感じだね

クラスのみんなは机にしがみついてるから大丈夫かな……

1番やばいのはディーノさんだ

何が見えてるんだろ? 立っていられなくなってるよ……

でもまだロープを掴んでる

あれ?ロープの上に動物がいるような……ミンク?

 

「ツナ君、それは私じゃない!」

 

ええ!? 今のは私が言ったわけじゃないよ!?

ツナ君が手を離そうとしてるよ!!

 

「ボス! 今のは幻覚!!」

 

「そうなの! 離しちゃ……きゃっ!!」

 

ツナ君の力が緩んだ時にいきなり担がれた!!

ディーノさんを心配してる場合じゃなかったよ!

ダメだ!!顔が見えなくて髪の毛が長いことしかわからない!

クロームちゃんだけが状況がわかってそうだ

助けようとしてくれてるよ!

 

「君の相手は僕さ

 少し動けないようにするよ」

 

クロームちゃんが動かなくなった……

小さい子がクロームちゃんに何かした……?

それにしても私を担いでるのに動きが速過ぎる!!

もう窓から下りようとしてるよ!!

 

「う゛お゛ぉい!!

 10日間、こいつをあずかる!

 返してもらえることをありがたく思え!!

 じゃぁなぁ!!」

 

う……耳が……声が大きすぎだよ!!

ってか、10日って何!?

私は手を出しちゃダメなんだよね……

じゃぁ、私ってこのまま連れて行かれるの!?

 

「ひ……雲雀先輩ーー!!」

 

助けてくださいーー!!(泣)

って、窓から落ちるーー!!

 

「きゃーー!!!」

 

し、死ぬかと思った……

無事に着地したから助かったよ……

 

「さっきからうるせぇぞぉ!!」

 

この人の方がうるさいよーー!!

 

「……離しなよ」

 

この声……雲雀先輩だぁ!!!!

担がれてるせいで姿は見えないけど……(泣)

さっきから背中まである髪の毛しか見えないんだよ

あ、私を担いでる人が舌打ちしたよ!!

もしかして助かる……!

 

「ん? ヒバリがいるじゃん」

 

「本当だね

 彼は出かけたんじゃなかったのかい?」

 

仲間が増えたーー!!(泣)

 

「しるかぁ!

 こいつの相手をしてるヒマはねぇ!

 マーモン ヒバリの足止めしろ!」

 

「これは別料金だよ」

 

「……チッ さっさとしろぉ!」

 

ああ!またすごい速さで移動してしまったよ

雲雀先輩と離れちゃうよ!!

ジタバタもがいてやるーー!!

おお……おろしてくれそうだよね?

 

ドスッ

 

う……今のはお腹に入った……

 




昨日はお休みしました。すみません

ヴァリアーなのに(笑)じゃない!!w
今回はガチ拉致でした~
そして雲雀さんは更に術士が嫌いになるww


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第65話 ※

※ 本編終了後にお読みください


んー……いつもと少し抱き心地が違う

これはこれで気持ちがいいけどね

何か見てみよう……

きゃー!かわいいうさぎさんだ!

もう1度抱きしめよう(笑)

ってか、ここはどこだろう?

 

「ム 起きたみたいだよ」

 

あ!そうだった!

連れ去られたんだ!!

 

「……いたぃ……」

 

慌てて起き上がればお腹が痛い……

そういえばお腹に1発入れられたような……

 

「ん? 隊長が入れたのがいてぇの?

 あー……オカマが肝心な時にいねーじゃん」

 

さっきの王子だ!

私の身体を心配してくれてるような……

でもうさぎさんを更に抱きしめるのはしょうがないよね

だって怖いんだもん!!

 

「隊長が姫に手ぇ出すから怖がってるじゃん」

 

うわ……あっちに私を殴った人がいる……!!

 

「うるせぇ゛!

 ジタバタ暴れて面倒だったんだぁ!!

 全ての原因はこいつが記憶を無くしたせいだろうがぁ゛!!」

 

「隊長は姫に大きな借りがあんのにー」

 

「……ぐっ……悪かったなぁ゛」

 

「へ? あ、はい」

 

私に謝ってくれたよ……

この人達は悪い人じゃないってこと?

そういえば私って捕まってないよ

ってか、話の流れからして私が姫なの?

まぁいいや……他に気になることがあるし……

 

「あの……王子……様?」

 

聞いてみようと思ったけど名前がわからない

しょうがないから王子って呼ぼうと思ったら

なぜか「さん」をつけたくなった

王子って言えば普通は「様」だと思うよね?

まぁいいか……

 

「うししっ♪」

 

よくわからないけどものすごく機嫌が良さそうだね

これだったら聞けば教えてくれそう

 

「これって飛行機ですよね……?

 どこに向かってるんですか……?」

 

窓から見える景色がおかしいんだもん!

飛行機に乗ってるとしか思えない

それも絶対個人で持ってる飛行機だよ!

 

「イタリアに向かってるのさ」

 

「イタリア!?」

 

なんでイタリアに!?

ってか、パスポートは!?

 

「どこまで君はリボーンから聞いたんだい?

 君が暗殺部隊に所属してるのは知ってるの?」

 

え……まさか……

 

「あなた達は暗殺部隊の方……?」

 

「そうさ

 アジトに向かってるところさ」

 

……雲雀先輩……助けてくださーい!!(泣)

まじで怖いよーー!!

 

「話は聞いていましたが……本当なんですか?

 だって……私は人を殴ったこともないですよ……?」

 

「姫はそこにいるロンゲの隊長をぶっ飛ばしたこともあるぜ?」

 

うそぉ!?

あんな怖そうな人をぶっ飛ばしたの!?

 

「う゛お゛ぉい!?

 余計なことを言うんじゃねぇ!!」

 

……大変だ

この人の反応を見るとまじっぽいよ

 

「……寝よう」

 

よし、現実逃避をしよう

暗殺部隊に所属してるから殺されることはないと思うし……

 

「りょーかい

 着けば起こすぜ」

 

「あ、王子様? ありがとうございます」

 

……どうしてもこの呼び方に違和感を感じてしまう

相手はものすごく喜んでそうだけど……

起きたら名前を聞いてみよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディーノがイタリアに向かったぞ

ツナ達も着いて行きたそうだったがうまく説得したな

まぁこれは予想通りだぞ

 

「赤ん坊」

 

「ちゃおッス ヒバリ」

 

オレが隠れて観察していたことに気付いたぞ

ヒバリはまた腕をあげたな

 

「……これは赤ん坊が仕組んだの?」

 

「ちげぇぞ」

 

「……ふぅん

 でも知っていたよね?」

 

「ああ」

 

ヴァリアーが日本に来たことを知っていたからな

今回、オレはあえて手を出さなかった

 

「どういうつもり?」

 

「ヒバリはもう気付いてるだろ?」

 

ツナ達は恐らく気付いねーけどな

ディーノは気付いてるが言わなかっただろう

いろいろ甘いからな

これからオレがあいつらに話さねーとな

 

「……………」

 

ヒバリはムカついてオレの前から去っていったぞ

オレにじゃなく自分にムカついてだが……

 

今回、優を連れ去ったのがヴァリアーだから良かった

あいつらは優には手を出さねーからな

だが、もしヴェントを狙ってるマフィアだったら?

……相当やべぇことだぞ

 

暗殺を得意として表立って行動しないヴァリアーが

あのタイミングで優を連れ去ったのはわざとだ

記憶がない優に自分の立場を理解させるためだぞ

そして10日間に身を守るすべを優に叩き込む気だ

優はヴァリアーにとって大事な戦力だからな

 

記憶があった時の優はあれほど簡単には捕まることはねぇ

だが、今は記憶がねーんだ

ツナ達はそのことをはっきり理解出来ていなかった

……オレも考えが甘かった

 

風を操れるようになり、炎を灯せるようになって

ヴァリアーが来たから最終試験として試してみたが……

優はツナが守りやすいように動くこともしなかった

 

……あいつはどうやって優を鍛えたんだ?

優とツナは似てるが決定的に違うところがある

恐らく優に死ぬ気弾を撃ったら死ぬ

死んでもしょうがねぇと割り切ってしまって後悔しねーんだ

周りが死ぬことは許せねーのにな

だからヴァリアーが行動したことで

周りの安全のために優は鍛えようと思うはずだ

優はそういう奴だからな

だが、優は自分がレアと知る前に鍛えていた

これがオレにはどう考えもわからねぇ

 

優の戦い方を見れば無茶な行動はさせるような型を使ってねぇ

これは優の性格を理解していたからだ

無茶しないように身体に覚えさせようとしたんだろう

それでもみんなのためにと暴走したことがあったが……

 

この優の性格を考えると

優が自分のために鍛えていたのが尚更理解できねぇ……

認めたくねーが、あいつの方が家庭教師として上ってことだ

もっと腕を鍛えねーとな

ツナ達をもっと鍛えなおさねーとな

 




まず話を聞いただけで、この主人公が自分の立場をわかるとは思えません
そのことに誰も気付かなかったことが拉致されてしまった原因です
わかっていればもっと対策をしますからね
まぁわかっていれば雲雀さんは主人公から離れなかったでしょうww

今回はヴァリアーの方が主人公の性格をわかって
裏の世界に生きる人ほど、レアという危険性がわかっていました
嫌でも身体に叩き込まならなかったんです。
主人公のために(ヴァリアーの大事な戦力のためにw)

バトルがあるとわかっているから危機を感じ鍛えていました
記憶がなくなれば、戦うという考えが出てきません
ツナ君達は鍛えていた主人公しか知らないのが気付かなかった原因です

みんなが気付いていれば他にもいろんな方法があったのに
ヴァリアーが手を出される状況を作ってしまい
強制的に鍛えられることになりました(早いほうがいいので)
……主人公ガンバレww


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第66話 ※

※ 本編終了後にお読みください


ヴァリアーという暗殺部隊のアジトに来て4日がたった

内容が濃すぎだった……

 

アジトについてすぐ出迎えてくれたのはルッス姐さん

おかまでビックリしたけど優しい人だったよ

困ったことがあれば相談できるしね

だから最初に王子様の名前を教えてもらった

ベルさんが1番違和感がなくて呼んでみれば

ルッス姐さんがぶっ飛ばされちゃったんだよね……

ずっと王子様と呼ばれたかったらしい

でもベルさんから王子様には戻せなかった……

何度も呼び間違える私を見てベルさんが許してくれたよ

 

で、次にボスのXANXUSさんに会いに行ったんだよ

スクアーロさん(ルッス姐さんに聞いた)も

一緒に行ってくれたのは嬉しかった

いきなりボスと1人で会うのは怖すぎるもん……

そして本当に怖かった

ドアを開けた瞬間に何か飛んできたもん!!

私はギリギリ風で止めれたけどスクアーロさんは直撃した

でもすぐ叫んで元気だったよ

 

まぁ怖そうな人と思ったけど私を見るなり……

料理のリクエスト……じゃない……あれは命令だね

命令されたのがビックリしたよ

私は暗殺としての腕じゃなく料理の腕を磨けばいいかも!

 

……現実は甘くなかった

修行、料理、修業、寝るの繰り返し……

そりゃ話を聞いて周りために鍛えようとは思ったよ

ここまでしんどいとは思わなかったんだ……

1番きついのは怪我をすればルッス姐さんが治療してくれる

私……泣いちゃうよ!?

いや、まじで

 

「う゛お゛ぉい!!

 集中しろぉ!! 死ぬぞぉ!!」

 

……おにーー!!!

風は予測しか使っちゃいけないって鬼だ……

私のためかもしれないけどひどいよ!!

風が使えればスクアーロさんを近づけさせないのに!!

それを使えばすぐ決着がつくのになー

 

また避けるのが遅くて今度はほっぺたが斬れた……

痛いと叫びたいけど動かないと死んじゃう!

ってか、普通は死ぬよ!!

スクアーロさんの剣を避けながら

ベルさんのナイフも見極めるなんて無理!!

そりゃベルさんはワイヤーを使ってないけど!!

避け方の選択を1つでもミスったら死んじゃうよーー

せめてレビィさんにしてよ!!

レビィさんの攻撃はゆっくりで読みやすいのにーーー

お? 攻撃が止まった?

いやー助かった

 

「いいか てめぇの良さは判断力の早さとスピードだ

 オレが予想していたより短い時間で元に戻った」

 

いきなりスクアーロさんが語りだしたね

戦いたくないからずっと語ってくれないかなー

 

「だが、避けるだけじゃ何もならねぇ!

 てめぇのいう守りたいものが死んでもいいのかぁ!!

 1度くらい攻撃して来いぃぃ!!」

 

だから戦わなければいいじゃん!!

あーもう叫びながら突っ込んでこないでよーー!!

 

「無理無理無理ーーーー!!!」

 

……逃げよう

私にはもう無理だ

 

「はぁい!! 今日はそこまでよ~」

 

「チッ」

 

そう思った時にいつもルッス姐さんが止めるよね

毎日逃げるタイミングを失ってる気がする

 

「今日もボロボロねぇ~」

 

本当に服がボロボロだ

下着が見えていないのが奇跡な気がする

あ、今日は髪の毛とツメがあまり伸びないね

 

「これ 使えば?」

 

「助かります」

 

ベルさんが上着を貸してくれたよ

そして怪しい目で見てたレビィさんをぶっ飛ばしてくれた

 

「つーか、後は姫が反撃すれば合格じゃね?」

 

「そうよね~

 私だって2人の攻撃を避けれるとは思えないわ~」

 

そ……そんな……

暗殺部隊のルッス姐さんが無理なのに

なんで私は2人を相手しないといけないんだ……!!

 

「隊長は優ちゃんのことを考えてるのよ

 相手に攻撃しないで誰かに何かあった場合

 気にするのは優ちゃんよ?

 どうしても優ちゃんが攻撃できるようにしたいのよ」

 

「……頑張ります」

 

そういわれると頑張るしかないと気がする……

でも手を出す気になれないんだよ!!

 

「君に客だよ」

 

「へ? 私にですか?」

 

「そうだよ

 ずっとアジトの近くにいるのは迷惑だからね

 特別にボスの許可が出たのさ」

 

よくわからないけどマーモンちゃんについていこう

案内してくれるっぽいし……

 

 

 

 

 

このドアの前に止まったってことは……

……私の部屋に通したんだ

一応、女子の部屋なんですけど……

 

「……君の部屋で大人しくいるのが

 ボスが出した条件だったのさ」

 

私の言いたいことがわかっていたみたい

 

「条件が守られなかった場合

 同盟ファミリーだから手は出さないけど

 すぐに力ずくで追い出すことが決まってるよ」

 

力ずくで追い出すって私みたいな目にあうんだろうね

それを知ってるのに私に会いに来てくれたんだ

……誰だろう?

聞こうと思ったらもう帰っちゃったよ

んーイタリアに住んでる人に知り合いがいたのかな?

まぁドアをあければわかることか……

 

ガチャ

 

「優!! 大丈夫か!?」

 

「……ディーノさん!! と、ロマーリオさん!」

 

うわー頭をポンポンしてくれるし本物だ!!

……本当にディーノさんだよ!!

そういえばボンゴレと同盟ファミリーだったね

 

「えっと、その……」

 

話を聞いてほしいけど

いろいろありすぎて上手く話せない

 

「……優、待て 話は後だ

 先に着替えた方がいい」

 

……そうでした

上着を羽織ってもわかるぐらい私ってボロボロだよ

さっさと着替えよう

 

「ここで着替えるなよ!?」

 

私はそこまでバカじゃないんだけど……

 

「大丈夫ですよ

 脱がずにこの上から新しい服を着ますから」

 

ディーノさんとロマーリオさんがほっとした(笑)

ってか、2人から見れば私は子どもでしょ

気にする必要がないような……まぁいいか

 

 

 

 

 

 

とりあえずこの4日間のことをグチった

ディーノさんは優しいから話を聞いてくれるしね

 

「私には無理なんです……」

 

だからディーノさんの力で逃がしてほしい

いや、まじで

 

「……もう少し頑張れ、優」

 

「え……」

 

助けてくれないの!?

ディーノさんがそんなこと言うなんて……

驚いて顔をあげてしまったよ

 

「助けてねーオレを怨んでくれ」

 

言われてすぐ首を横に振った

……だってそれは絶対出来ないよ

記憶がなくなった私をずっと気にかけてくれたんだよ

 

「……そうか」

 

「理由だけ聞いてもいいですか……?」

 

ディーノさんが意味もなく言わないと思うし……

 

「優には失ってから後悔してほしくねぇんだ」

 

私にはか……

ディーノさんは大切なものを失ったのかもしれない

少し気になって聞こうかと思ったけどやめた

悲しそうな目をしてる気がしたから……

 

「ディーノさん、お願いがあります」

 

「なんだ?」

 

「私はどんな風に戦ってました?

 どうしても想像がつかなくて……」

 

聞いたけど笑いながら戦ってたらどうしよう……

自分を信じよう

流石にそれはないと思うし……

 

「そうだな……

 優は戦闘嫌いで恭弥に任せてることが多かったぜ

 恭弥は強い奴と戦うことが好きだからな」

 

やっぱり私は私だった(笑)

そして雲雀先輩に丸投げするなんてひどいね(笑)

 

「恭弥と相性が悪い時や、ツナ達がピンチの時は

 積極的に前に出てみんなを守っていたぜ

 まっ 守るために無茶するのは勘弁してほしいけどな」

 

へぇ……

私って無茶とかしたんだー

 

「もっと詳しく教えてください

 ツナ君にはそこまで聞かなかったんですよねー」

 

「ああ 任せろ」

 

 

 

 

 

次の日

スクアーロさんに攻撃をしたけど防がれてしまった

でも合格だったらしい

……基準がよくわからない……




ルッスーリアやレヴィともっと絡ませようとしたけどやめました
本編と似たような流れになりそうですしね
1日休んで考えてこの流れになり私はちょっと満足です
ちなみにディーノさんの話は隠し弾の話です



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第67話 ※

※ 本編終了後にお読みください


……ベルさんとルッス姐さんしかいないよ

日本に帰るのに見送りしてくれないの?

 

「……みんなは?」

 

「しらねー」

 

そうですよねー

みんなが見送りに来てくれるわけないよねー

 

「恥ずかしがり屋なのよ~

 ちゃんと伝言を預かって来たわ~」

 

おお!それはちょっと嬉しいかも!

 

「レヴィはまた来いと言ってたわよ~

 気難しそうに見えるけど純粋な子だから

 次に来た時にまた話してあげてほしいわ」

 

確かに、あんまり話さなかった気がする

初めて会っ時に怖いと思ってしまったからね

次はもっと話してみよう

 

「マーモンは半額で依頼を受けてもいいって言ってたわ」

 

「ふーん 珍しいじゃん」

 

依頼って人殺しの依頼なんじゃ……

ってか、仲間?なのに半額にしてくれるのは珍しいことなんだ

無料にしてくれないんだね……

まぁ出かけたい時に幻覚をかけてと頼むのもありかもー

 

「スクアーロ隊長はもっと腕を磨け

 また弱くなったり腑抜けた面をすれば

 次は容赦しねぇって言ってたわ~」

 

……それは勘弁してほしい

もう絶対記憶はなくさないようにしよう

まぁ怖かったけど最初から最後まで修行?に

付き合ってくれたのはスクアーロさんだけなんだよね

1番私のことを心配してくれてたのかもしれない

わかりにくい優しさだねー

 

「ボスはねぇ……何も言わなかったけど

 また優ちゃんが来るのを楽しみにしてると思うわ~」

 

「……本当ですか?」

 

実はXANXUSさんのことが1番わからなかったんだよね

料理名を命令されるだけで何も言わないし……

話しかけようとすれば睨まれそうだし……

それに料理を持っていってもチラっと顔を見るだけだしね

 

「本当よ~

 ボスが文句言わずに食べるのは優ちゃんの料理だけよ?」

 

まじか……!!

普段は文句を言うんだ……言われなくて助かった!!

 

「美味しくなければ、かっ消すなんて日常よぉ!」

 

……こわっ!!

私って何も知らずに危険なことをしてたのか!!

 

「まず先に料理の腕をあげますね……」

 

命令を断ることが出来ない気がするんだよ……

残された道はかっ消されないように腕をあげるしかない

 

「今度来た時に一緒に料理しましょうよ!」

 

「はい!!」

 

「次に会うときが楽しみだわ~」

 

これは私もだよ

ルッス姐さんとは話が合いそうだしね!!

最後はベルさんだね

何を言ってくれるんだろう

 

「姫、またな」

 

意外と何もなかったよ

 

「またさらいに行くぜ うししっ」

 

前言撤回……1番の問題発言をしたよ

 

「さらわないでくださいよ……」

 

せめて用事があるから来てほしいとか……

 

「やだね

 だってオレ王子だもん♪」

 

ダメだ

王子という理由ですべて通す気だよ……

助けてほしいって横目で見てみた

 

「……帰るか」

 

ディーノさんも無理と判断した(泣)

まぁツッコミをしても意味がないと私も思ったしね

 

「では、いろいろありがとうございました?」

 

なぜか素直にお礼がいえない

私のためってわかってるんだけどなー

死にかけたことしか思い出せないからね(笑)

でもまた会いに来たいと思っちゃうんだよねー

まぁ、平和な日本に帰るぞーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛行機にクッションがあって助かったなー

ってか、またプライペードジェットだったよ

やっぱりディーノさんはマフィアのボスだ

見えないけど……

 

「恭弥から何度も連絡があったんだろ?

 先に会いに行ってやってくれ

 ツナ達にはオレから話しておくから な?」

 

「ありがとうございます!」

 

いやーまじで助かります

実はケイタイ取り上げられてたんだよね

雲雀先輩の着信数がすごかった……

ディーノさんに充電してもらってわかったことだけどね

初日の着信履歴しかないからすぐ切れたと予想

理由は充電してすぐに雲雀先輩からかかってきたんだよ

多分、ずっとかけてくれたんだと思う……

 

そういえばケイタイで思い出した

ヴェント用のケイタイの暗証番号を

まさかルッス姐さんが知ってるとは思わなかったよ

指紋認証は出来るけど暗証番号がわからなくて困ってたんだよ

 

で、暗証番号はXANXUSさんに名付けてもらった日らしい

つけてもらって嬉しそうに話したことがあったみたい

つまりXANXUSさんがヴェントの名付け親ってことだね

親がいないからその話を聞いて嬉しかったなー

んー親に会いに行くと思えば更に楽しみかもー!

まぁ時間がある時になるけどね

流石に遠い……

 

考えてる間に応接室に着いたよ

ここはどうやって入るべきか……

まぁいいか

考えてる時間があったら先に会ったほうがいい気がする

帰る時間を教えてるから待っててくれてるしね

 

「失礼しまーす」

 

おお……すぐこっちに来てくれたよ

 

「……怪我ない?」

 

いっぱいしたけど黙っていたほうがいい気がする

ルッス姐さんのおかげで痕は残ってないしね

 

「大丈夫ですよー」

 

「…………わかった」

 

今のはなんだろう?

雲雀先輩が私に手を伸ばしたけど

途中で止まっておろしてから返事したね

何か意味があったのかな?

まぁいいか

聞きたいことがあったしね

 

「あの……雲雀先輩」

 

「どうしたの?」

 

「……この学校に通ってもいいんですか……?

 私は風紀を乱す可能性が高いですし……

 今回、少し鍛えてもらいましたので

 もう私は1人で大丈夫ですよ」

 

イタリアに行ってやっと気付いたんだよね

雲雀先輩が風紀を守るのを大切にしてるんだ

記憶がない私でもわかるぐらいだしね

乱す危険がある私はここにいちゃダメだと思う

 

「まぁみんなに会いたくなって

 並盛に来ることがあるかもしれませんけど

 その時は誰にも見つからないようにします」

 

出来るだけ無駄なお金は使いたくなかったんだけどね

忘れちゃった人から貰ったみたいだし……

使った方が絶対喜ぶってみんなが言ったから使ってるけどね

まぁなぜか私もそんな気がしたんだよねー

 

「……約束したよね?

 僕がいろんな場所に連れて行くって」

 

「そうですけど……

 あの時は何も知らなかったですし……」

 

バカみたいに何もわかってなかった

カッコイイ人に言われて浮かれちゃったんだよ

 

「僕との約束を破るの?」

 

そう言われると困るね

誰にも会わずに連れて行ってもらうのは無理だよねー

 

「えーっと……じゃぁ並盛以外の街でしま……」

 

……もの凄く怖くて途中で言うのをやめた

雲雀先輩は並盛の街が好きだもんね……

今のは禁句だった……

 

「僕が無理と思えば必ず優に話すよ

 それに対策を増やした

 ……この前みたいなことはもうさせない」

 

雲雀先輩……風紀を乱されてかなり怒ってたんだ……

声が低すぎて怖すぎる……!!

 

「あの……私がいなくなれば……」

 

はい……もう私は何も言いません

これ以上言えば私の身がかなり危険だよ

それにプライドをかけた戦いみたいになってる気も……

 

「では……無理だと思えば必ず言ってくださいね」

 

「約束するよ」

 

助かった……

優しい空気になった気がするからね

 

「雲雀先輩いろいろありがとうございます」

 

「……僕のわがままだからね」

 

「へ?」

 

んープライドをかけた戦いのことかな?

 

「わかりました お言葉に甘えますね

 では、授業に戻りますね」

 

ツナ君達に早く元気なところを見せたいしね

許可をもらったしさっさと行こう!

 

 

 

 

 

 

数日後、ツナ君から並盛で炎やリングを使えば

雲雀先輩がわかるようになったって聞いた

入江君とスパナさんとジャンニーニさんが

私がイタリアに行っていた間に作ったらしい

 

ツナ君達は炎を使うからリボーン君を通して

雲雀先輩から教えてもらったみたい

私は何も聞いてないよ……

それにまだ他にもいっぱい仕掛けがあるみたい

作った3人に頼んで内容を聞こうとしたけど

雲雀先輩が怖すぎて誰も話そうとしなかった……

 




ヴァリアーと会ったことで記憶がなくなる前の主人公に近づきました
微妙な変化なのでわからないかもしれませんが私の中では違います

もう少しヴァリアーとの絡みを期待した人もいるかもしれません
でも、本編の花見に行った時の主人公に近づけるために
ヴァリアーに会わせるつもりだけだったんでね
私の中ではこれで満足です

次に会う時はヴァリアーと(笑)で絡むと思いますww
……1ヵ月後ぐらいに書きたくなると予想ww


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第68話 ※

※ 本編終了後にお読みください


今日はクロームちゃんとお出かけ~♪

でも2人だけとか珍しいよねー

 

「優、こっち」

 

「あ、ごめんごめん」

 

ちょっと浮かれすぎて方向を間違った(笑)

気を引き締めなければ……

かわいいクロームちゃんを守るのは私の役目だし!!

 

……本当に気合入れよう

もの凄い怪しいところに入ったよ

黒曜ヘルシーランド?

うーん……まぁいいか

クロームちゃんは迷わず進んでるしね

ん?部屋に入っちゃったよ

 

「クロームちゃん?」

 

あ、男の人がソファーに座ってるねー

……同じ髪型だよ……まじか!!

私の中でこれは可愛いからありと思うんだ

つまり可愛くないと面白いと思ってしまう

そりゃ声には出さないけど……

 

「来ましたね

 あなたが来ないおかげで犬がうるさいのです

 早く作りなさい」

 

……知り合いっぽいけど全然わからない!!

 

「優はよくご飯を作ってくれた

 犬が食べたいの」

 

なるほど……

私はここで料理を作ってたのか……

 

「わかった

 えーっと……」

 

パイナップルと浮かんでしまった(笑)

 

「何か失礼なことを考えいませんか?」

 

「イエ、カンガエテイマセン」

 

なんでばれた!?

少し棒読みになったのはしょうがないよねー

 

「あ!!」

 

「どうしたの?」

 

「雲雀先輩がパイナップル頭の男には近づくなって……」

 

あ……しまった……

ここまで言っちゃったら開き直るしかないよね!

オコッテルナー(笑)

 

「流石、優さんですー

 覚えていなくても師匠を怒らせますねー

 ミーも見習いたいですー」

 

あれ?今度はりんご頭のかぶってる子ども……?

2つ景色が見えるしかぶってるのは幻覚だね

 

「見習わなくていいです!!」

 

うお……頭に何か突き刺したよ

 

「痛いですー

 助けてくださーい」

 

あ、私の後ろに隠れたね

小さい子は守ってあげないと!!

とりあえずパイナップルさんの怒りを静めないと……

 

「別に私が言ったわけじゃないですよ?

 雲雀先輩が言ったんです」

 

私ってひどいね(笑)

怒りの方向を雲雀先輩に向けさせようとしてるよ

 

「いいえ あなたの性格はわかっています

 心の中で僕を果実の名前で読んでいるのでしょう」

 

ワオ……本当にわかってるよ(笑)

もう完全に開き直るしかないよねー

 

「だって名前がわからないですしー」

 

「……そうですね では、お教えしましょう

 僕の名は「パイナッポー」そうです

 パイナッ……違います!!」

 

今のは私じゃないよ!?

だから私を睨むのをやめてほしい……

まぁ私の後ろにいる子どもを睨んでると思うけどね

ってか、パイナッポーって言った時に

ご丁寧にパイナップルの被り物の幻覚まで見せてくれたよ

これは……クロームちゃん?

チラっと見てみよう

 

……必死に違うって首を振ってるのが可愛い!!

癒されるーーー!!!

って、癒されてる場合じゃないよ

クロームちゃんじゃないとすれば……

この人が自分で……それはないね

消去法でこの子どもか……

風を操って気配を探ったけど他の人はいないしね

 

「すごいねー」

 

小さい子には褒めてあげないとねー

頭を撫でてあげよう

 

「……もう我慢の限界です

 今すぐ冥界に連れて行ってあげましょう」

 

うわーすごいなー

火柱がいっぱいあってきれいだなー

まぁ私に攻撃してると思うんだけどね

スカスカ通り抜けてばっかりだけどー

 

「私には幻覚攻撃はききませんよ?」

 

「知っています」

 

知ってるのにやってるのか……

まぁ気分の問題なのかな?

 

「えっと、骸君でいいのかな?」

 

あ、攻撃がとまったよ

なんで知ってるのか気になったのかもー

 

「雲雀先輩が嫌そうに言ったのが

 もの凄く気になってみんなに聞いたんだ

 仲の悪い人っているの?ってね

 じゃぁ六道骸って教えてもらったの」

 

確か、霧の守護者だったかな?

ってか、違っていれば困る……

幻覚がきかないのがばれちゃったからね

 

「そうですか」

 

「僕はフランですー」

 

「フラン君ね、よろしくね~」

 

ってか、雲雀先輩と仲が悪いのに

私はここで料理を作っていたのか……

雲雀先輩には内緒だったんだろうなー

つまりさっさと作って帰らないと大変なことになる

 

「クロームちゃん、キッチンに案内してくれる?」

 

「うん 私も手伝う」

 

「ありがとうー!!」

 

なんて可愛い子なんだ!!

やっぱりパイナッポーとは違う

 

「また何か失礼なことを考えていませんか?」

 

「イエ、カンガエテイマセン」

 

なぜ、ばれる!!

あの頭で電波でも受信してるんじゃないの?

切ってみればわかるかなー

あ、やば……もの凄く怒ってそうだ

早く帰らないと嫌な予感がする

 

「ク、クロームちゃん急ごうか!!」

 

「……うん」

 

「やっぱり可愛い!!」

 

あ、つい可愛くて言っちゃった

まぁ悪いことじゃないしね

ただ、あっちとは違うという言葉が隠れてるけどね(笑)

後ろから殺気がするのは気のせいだと思う

 




変な時間に更新しました

骸と絡み、主人公は図々しくなるwww


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第69話 ※

※ 本編終了後にお読みください


いろいろ料理を作って思った

……クーベルチュールがなんであるんだろう?

他の食材は特にこだわりがなさそうなのに……

チョコが好きな人がいるのかな?

何か作らないといけない気がしたけど

時間があまり無いしチョコプリンを作った

まずいと言われたら知らない(笑)

ん?誰か入ってきたね

 

「いい匂いがするびょん!!」

 

「……犬」

 

クロームちゃんが犬って呼んだよ

この子が私の料理を食べたいって言ったのね

 

「ブス女は邪魔だびょん!

 メシ! 今日はなにつくったのら?」

 

……ブス女はクロームちゃんを見て言った?

 

「誰がブス女なのかなぁ……?」

 

「……お、怒るなびょん!!

 もう言わないびょん!!」

 

それなら許してあげよう

許さなかったらご飯はあげなかったけどね(笑)

まぁ私のことをメシと呼ぶのは別にいいけどね

 

「えっと、これからよろしくね

 犬君って呼んでもいいのかな?」

 

「どうでもいいびょん!」

 

本当にどうでもいいみたい

だってもう目がご飯にしか向いてない(笑)

ん?また誰か入ってきたね

 

「……犬、つまみ食いすると骸様に怒られるよ

 めんどい……」

 

誰かわからないけど本当にめんどくさそうに言ったよ

 

「えっと、名前を教えてくれないかな?

 私、記憶がなくなっちゃって……」

 

「……めんどい」

 

えー……それも面倒なの!?

 

「千種だよ」

 

クロームちゃんは天使だね!!

もう可愛すぎて抱きつきたいぐらいだ(笑)

 

「千種君ね、よろしくねー」

 

「…………」

 

うん……なんとなくわかった

この子は私と関わるのも面倒と思ってるんだね

でも嫌われてる感じはしない

だって私が作ってることが普通と思ってるみたいだしね

 

「先に持って行って食べ始める?

 私は家で食べるし気にしなくていいよ」

 

さっきから犬君のよだれがやばいから

本当に待てと言われてる犬みたいに見えるんだ……

 

「食べるびょん!!」

 

はや……出来た料理をもう持っていったよ

やっぱり犬君もマフィア関係なんだね

あれは一般人の速さじゃない

千種君は普通に歩いてるから見えないけど

流石に千種君だけが違うとは思えない

 

「クロームちゃんも食べていいよー

 後はエビフライを揚げるだけだしー」

 

シチューとかも煮込んでるけど

それは今日の分じゃないしねー

 

「でも……」

 

「実はもう少し炊きたいんだ

 でも私はそろそろ帰らないといけない気がするから

 クロームちゃんに見てほしいの」

 

これはクロームちゃんしか出来ない気がする

パイナッポーは自分が作るという考えがなさそうだし

子どものフラン君には任せるのは怖い

犬君は……食べちゃう気がする(笑)

千種君はめんどいって言ってしないと思う

まぁめんどいと言いながら頼めばしそうな気もするけどね

 

「……わかった

 優、ありがとう」

 

もうその可愛さで私は幸せだ(笑)

クロームちゃんがご飯を食べに言ったし

最後の仕上げを頑張りますかー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ……なかなか疲れたね

クロームちゃんに火の番を頼んだから

ちょっと1人で帰るのは寂しいなー

フラン君と一緒にからかって面白かったしー

ずっと賑やかだったからね

あ、雲雀先輩から電話だ

 

「もしもし?」

 

『どこにいるの?』

 

「駅前ですよー」

 

バスから降りたところだしね

 

『待ってて』

 

あら?わざわざ来てくれるみたい

断る前に切れちゃったよ

んーここで大人しく待つべきか……

すれ違いになるのはよくない気がするしね

 

 

 

 

 

 

「……なにしてるの?」

 

あ、雲雀先輩だ

あれ?どこかに行っちゃったなー

 

「道がわからないって教えてたんですけど……」

 

大丈夫かなー?

まだ教えてる途中だったのに……

雲雀先輩が声をかけた瞬間にいなくなったよ

んー雲雀先輩は怖くて有名だからね

でも道が迷ったとかだったら普通に教えてくれるのにねー

 

「あ、雲雀先輩」

 

「……なに?」

 

ちょっと機嫌が悪い気がするけどいいか……

 

「パイナップル頭の「どこ」……見かけただけですよ?」

 

やばい……

これは本当に禁句だったんだ……

 

「何されたの」

 

怒ってるよ……

私のウソがばれてる気がする

 

「何もされてませんよー

 挨拶されただけです」

 

これは本当?だよね

特に変なことはされてない

私が骸君をからかったけどね(笑)

 

「……わかった

 次はすぐ僕を呼びなよ 咬み殺すから」

 

「わ、わかりました!!」

 

これは返事をしなければ危険だった……

骸君は雲雀先輩に一体何をしたんだろう……

まぁいいか

 

「あの……雲雀先輩」

 

「なに」

 

「むかえに来てくれて嬉しかったです……」

 

話をしているとやっぱり寂しかったのが凄いわかる

 

「……何されたの」

 

……ちょっとショックだ

私を心配してくれて言ったのはわかるよ

でも恥ずかしいのに頑張って言ったんだよ……

 

「「…………」」

 

雲雀先輩は私の態度を見て気付いたんだろうね……

あーあ……変な空気になって歩くことになっちゃったよ

まぁ骸君のことを話した私が悪いんだろうね

これから絶対話題に出さないようにしよう

 

「……明日は海に行こうか」

 

「へ?」

 

「寒いかも知れないから温かい服装しなよ」

 

「あ、はい

 わかりました」

 

そういえば雲雀先輩は海が好きになのかな?

1番最初に並盛を案内してくれた場所だったし……

 

「雲雀先輩は海が好きなんですか?」

 

「普通かな」

 

あれ?そういうわけじゃなかったよ

んーもしかして海で何か思い出があるのかな?

まぁいいか

聞いても教えてくれないと思うしね

 

「綺麗な海だし夏になれば泳ぎたいですねー」

 

「……泳ぐの?」

 

「へ? はい

 泳ぐのは得意なんですよ?」

 

「……知ってる」

 

あれ?知ってるのに聞いたんだ

んーなんでだろ?

 

「あ、雲雀先輩は無理しなくていいですよ?

 夏の海は混むと思いますしね」

 

群れる人をいっぱい見ることになると思うしねー

ツナ君達と一緒に行こうかなー

 

「……僕と一緒に行こう」

 

「えええ!?」

 

「心配しなくていいよ

 群れるのを見ずに行く方法がある」

 

あ、なるほど

穴場とかを知ってるんだろうね

雲雀先輩は並盛のことをいろいろ知ってるし……

 

「わかりました

 楽しみにしてもいいです?」

 

「いいよ」

 

優しい顔だ……///

ってか、知らない間に空気が戻ってるね

雲雀先輩が話題を出してくれたおかげだろうなー




雲雀さんの前で骸の名前はタブーとわかった話でした

これで「リボ世界」の更新は終わりです
まぁまた気が向いた時に書きますよ
それにリクエストが1つ残ってますからねw


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第70話 ※

※ 本編終了後にお読みください


きれいだなー……

手を伸ばしても掴めないのに伸ばしたくなるよねー

 

「……何してるの?」

 

「へ? 雲雀先輩!?

 どうしてここが!?」

 

誰にも言わずにここに来たのに……

 

「優が行きそうな場所ぐらいわかる」

 

まじか……

ってか、分かったとしてもよく見つけたね……

私は雲の上にいるから地上から絶対見えないのに……

雲雀先輩はロールを増殖させて足場を作って来たんだね

まぁ危なった時は風を使って支えよう

空気も薄いから送った方がいいかなー

それに絶対寒いはず……温かい風をもう少し呼ばないと……

低い雲の上にいてまだよかったね

 

「で、何してるの?」

 

やば……これは怒ってるよ

黙って出かけたことに……まぁ夜中だしね

でも夜に来なかったからばれないと思ったのに……

 

「近くで見たくて……」

 

「はぁ……次は僕も一緒に行くよ」

 

おお……許してもらえたっぽい

 

「わかりました

 えっと、雲雀先輩はこんな時間にどうしたんですか?」

 

今まで夜中に家に来たことはないよね?

 

「……ミントが心配してたよ

 目が覚めると優がいないから」

 

「……それはすみません」

 

眠ってたから置いてきたら起きちゃったんだね

探しに行きたくてもすれ違うかもしれないから

雲雀先輩に連絡したのか……

なんでミントは電話のかけ方まで知ってるんだろう……

 

「戻りますね」

 

流石にミントが心配してるとしれば帰らないと……

もう少し見たかったなー

あ、帰ってからもう一度来たらいいのか

 

「君、ミントに見つかったと伝えて」

 

あ、ヒバードが飛んでいった

本当に低い雲の上にいてよかったよ

いや、まじで……

 

「……1年に一度しか会えないか……」

 

「僕達はいつでも会える」

 

うお……雲雀先輩が知ってるとは意外だ……

 

「そうですね

 まだ……大丈夫ですよね」

 

まだヴェントの正体はばれていない

だから雲雀先輩の隣にいることはできる

 

「あれ……? ぷっ! あはは!!」

 

「……なに?」

 

あ、いきなり笑い出したから機嫌が悪くなった

 

「雲雀先輩は縛られるのが嫌いだし

 無理にでも渡りそうだなーって思っちゃいました」

 

僕に指図しないでとか言いそうだよ(笑)

まぁ私のために会いに来てくれるかはわからないけどね

風紀のためだったら渡りそう(笑)

 

「当たり前だよ」

 

当たり前なんだ(笑)

 

「優を捕まえに行くよ」

 

うわ……今のは凄い……

 

「……嬉しくてますます好きになっちゃいますよ?」

 

ちょっと戯けた感じで言っちゃった

真面目に言うのは恥ずかしすぎるもん!!

 

「……へぇ」

 

あれ?ちょっと失敗した?

なんか目が……真剣な感じがする……

 

「ひゃ!」

 

急に引っ張られた!!

ってか、私が念のために支えてるけど

ロールの作った雲の上でいるのに危ないってば!!

うーー抱きしめられると何も文句が言えない……///

 

「……フードが邪魔」

 

いやいや、フードを取らないでよ!!

まぁこの場所は誰かに見られるとは思えないけど……

顔が真っ赤なのがばれる!!

 

「あ……あの……」

 

「煽ったのは優だよ」

 

えええ!?私は何もしてないよ!?

ひゃーー!!このパターンは絶対大人のキスになる!!

 

「こ、こここここは外です!!!」

 

無駄に「こ」が多かったのは気のせいだ!!

 

「誰も見てないよ」

 

「ほ、星が見ています!!」

 

よし……勝った!!

離してくれたよ!!!

 

「帰ろう」

 

……こっちを見ないで言ったよ

嫌われちゃったとか……?

キスするのが恥ずかしいだけで嫌じゃないのに……

でも恥ずかしくて真面目に言えないよ!!

あーでもこのまますれ違うのは……

 

「……はい」

 

結局、返事しか出来なかった……

 

 

 

 

 

 

 

正体がばれるから雲雀先輩とは別ルートだったし……

ちゃんと言えばよかったなー

今日は本当に失敗しちゃった……

 

ガルルルー!!

 

「ゴメンね 心配かけたみたいで……」

 

私と違ってミントは可愛いなー

無事と分かって嬉しいのか抱きつくんだもん

もっと素直になれば良かった……

 

「おかえり」

 

「はい ただいまです」

 

ん?普通に返事したけど……今のは……

 

「雲雀先輩!?」

 

「なに」

 

「私のことが嫌いになったんじゃ……」

 

「……わかった

 今から優に僕の気持ちをわからせることにする」

 

「へ……?」

 

絶対やばい予感がする……

多分、私は1人で勘違いしただけだよ

そしてそれを雲雀先輩に言ったのは失敗だった!!

 

「心配しなくていい

 もう誰にも見えないところにいるからね」

 

だから帰ろうって言ったの!?

私ってもしかして……さっきからピンチだったの!?

 

「あ、あの!!」

 

……ここで拒否すれば……

さっきと同じ繰り返しになるよね……?

ミントみたいに素直にならないと!!

 

「……優しいのがいいな……」

 

大人のキスは心臓がおかしくなる……までは言えなかった……

だって雲雀先輩が私を抱きかかえて運ぶんだもん!!

あれ?どこに行くつもり!?

あ、ベットか……おろしてくれたしね

ってか、体勢が変だよね?

雲雀先輩が私の上をまたがってる??

 

「何度も言ったよね?

 僕は優しくないって……」

 

そ、そんなーー!!!!(泣)

 

「でも優を傷つけたいわけじゃない

 あまり煽らないで……我慢できなくなる」

 

私は煽ってないよーー!って叫びたかったけど

雲雀先輩の目が真剣すぎて言うのをやめて

必死にうなずくことにした

 

「優が言った意味はわかってる

 ……安心していいよ」

 

よくわからないけど……

雲雀先輩が真剣な目から優しい目にかわったね

少し気が楽になったー

 

「僕達はいつでも触れれる距離にいるんだ

 ゆっくり進んでいくよ」

 

はい。と返事をしたかったけど

雲雀先輩の指が唇に触れて返事が出来ない

ドンドン顔が真っ赤になるのが自分でもわかるーー!!

 

「おやすみ」

 

軽く触れるキスをして雲雀先輩が私を抱きしめて眠った

いやいやいや、その状態だと私は眠れないって!!

 

 

結局、1時間以上たってから眠れた

……寝不足になったのはしょうがないと思う




リクエストのネタが思いつかず七夕とあわせてみました
更新時間を見ればわかるでしょう。慌てて書きましたww
甘かったですかね?
久しぶりに激甘を書いた気がするので感覚が……w


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第71話 ※

※ 本編終了後にお読みください


あれ?ここにもいないなー

応接室に居ないから屋上だと思ったのに……

朝から見回りにでも行ってるのかな?

んー電話するべきか……でも秘密にして喜ばせたいしなー

……喜んでくれるかはわからないけど……

お礼だし……受け取ってもらえればいいなー……

よし!まだ授業が始まるまで時間があるし頑張って探そう

 

あ、そうだ

風を操って雲雀先輩の声を拾えばいいじゃん

どこにわかるかもー

でもこの方法は声を出してないとわからないような……

まぁわかればラッキーと思ってしよう

 

……失敗かも

たくさんの人の声を拾いすぎだし……

それに盗み聞きみたいでもの凄い罪悪感が……

 

『僕になにか用?』

 

あ、この声は雲雀先輩だよ

……罪悪感があるけど許してもらおう

えーっと、さっき聞こえた場所は……

 

『あの……私と付き合ってください!』

 

うわぁお……聞いちゃいけない言葉を拾っちゃったよ

まぁ顔がわからないし許してもらおう

あ、今の声は雲雀先輩の声と近かったね

 

『いやだ』

 

……あれ?これって……もしかして……

そういえば花が雲雀先輩は意外と人気とか言ってたかも……

まぁ怖がってる人の方が多いらしいけどね

 

『……目を覚ましてください!

 忘れるような薄情な人を……っ!?』

 

『それ以上言えば咬み殺す』

 

……盗み聞きした罰が当たったかな

まぁ全部忘れた私が悪いんだけどね……

 

 

 

 

 

 

 

 

あー私は何をしてるんだろ……

誰かに会うと心配をかけちゃう気がして

初めて学校サボったけど

もの凄くケイタイが鳴ってるよ……

まぁ優用は場所がばれるから切ってるけど

ヴェント用の方がやばい……

結局、みんなに心配をかけちゃったよねー

 

……ツナ君にメールしよう

ちょっと気分転換に出かけてて

明日はちゃんと学校に行くから心配しないでって……

 

ケイタイをカバンから出そうとして思い出した……

みんなにクッキー作ったんだ……

 

「渡せなかったなぁ……ひくっ……」

 

……なんでだろう

泣き出すと……止まらない……

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ……すっきりした……

いっぱい泣いたおかげで明日から頑張れそうだよ

あれ?そういえばケイタイが鳴らなくなったよ

結局ツナ君にメールしてないよね?

あ、充電が切れたのか……家に帰ろう

 

「……はい?」

 

……どこからツッコミをすればいいの!?

なんで雲雀先輩がここにいるの……

起き上がって振り返ったら居るよ……

マンションの屋上だよ!?

なんとなくこの場所を選んだだけなのに……

まぁ居るのはいいとしよう……

 

ただ……なんで寝てる!?

 

え?ここって雲雀先輩の昼寝スポットだったの!?

ってか、さっきまで私泣いてたよ!?

ええええ……そんなところで普通寝れる……?

ダメだ……ツッコミどころが多すぎてパニックだ

 

えーっと、状況整理しよう

私がこの場所に来た時には雲雀先輩は居なかった

ってか、そもそも不法侵入したから誰もいない

その後に私は泣いた

で、泣いてる間に雲雀先輩が来た

そして雲雀先輩は寝た

いやいやいや、状況整理しても全くわからない

 

……落ち着こう

もう雲雀先輩が寝てるのはいいとしよう

私はこの後どうすればいいんだろう……

放置して帰っていいの?

それはちょっと微妙な気がする……

 

じゃぁ起きるのを待つ?

待つのはいいとしても顔を洗いたい

でも顔を洗いに行ってる間に起きたらどうしよう……

ヒバードに頼もうかと思ったらいないし……

……諦めて隣に座って待とう

 

 

 

 

 

ズズッ……

 

少しお腹が減ったからクッキーを食べちゃった

そしてノドが乾いたからお茶を飲んでる状況

なかなか私って図太いよね

まぁまた新しいのを作らないとダメだね……

いや、食べちゃった私が悪いんだけどね

でも食べてもいいと思ったんだよ

今回は笑って渡せない気がして……次は頑張ろう

 

「……ふぁ」

 

あ、雲雀先輩が起きた

 

「おはようございます」

 

返事が無いなー

起き上がったけどまだ寝ぼけてるんだね

よく見れば焦点があってない

あれ?また寝転ぼうとしてるよ……

 

ぽふっ

 

いや、ぽふっじゃないよ

これって……膝枕だよーーーー!!////

 

「ひ、雲雀先輩……!」

 

「おやすみ」

 

いやいや、まだ寝る気なの!?

寝る子は育つって言うけど寝すぎだよ……

あ、ツッコミを間違えた

どうして膝の上で寝るんだ!!

これって恋人っぽいよね……?

そ、そりゃ……付き合ってたけど……

 

「こ、これは……今の私にはハードルが……」

 

「……付き合う前からしてたのに?」

 

「ええええ!?」

 

まじか……私って何してたの!?

こういうのって付き合ってる人以外にもするの!?

 

「僕が無理矢理させたようなものだけど……」

 

「へ?」

 

無理矢理させたってどういうことだろ……

 

「優と二度目に話した時だったかな

 僕が怖いと知ってるみたいだからね

 ……無理矢理させたんだ」

 

……そうだったんだ

私ってイヤイヤ雲雀先輩の言うことを聞いたのかな

 

「……いや?」

 

「嫌って?」

 

「今の優の気持ちだよ

 嫌ならしない」

 

「嫌じゃないです……///」

 

ただ恥ずかしいだけだし……///

 

「……そう」

 

あ……寝ちゃったよ

ってか、寝るのが早すぎ……

 

……雲雀先輩はどういう気持ちだったんだろう

無理矢理させたことに後悔してるのかな……

 

考えてもよくわからないね

今の私は雲雀先輩が怖いとは思わないからなー

ずっと私には優しいし……

 

「……嫌じゃないですよ」

 

眠ってるから意味がないと思うけどもう1度言った

雲雀先輩のことが本当の意味で好きかはよくわからないけど

嫌じゃないということは届いてほしいと思ったから……

 

「おやすみなさい」

 

雲雀先輩にはクッキー渡そうかな……

 




2人の距離が微妙な時の話でした
ちょっと苦くて……でも甘い話を書きたくなったんです
私の文才では表現できてる気がしないww


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第72話 ※?

本編終了後に読んだほうがいいかも?
多分、大丈夫と思いますけどね


「……何かが違う気がする」

 

思わずつぶやいた私は悪くない気がする

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は約束通り雲雀先輩が海に連れてってくれる日!

いっぱい泳ぐぞー!って感じで、浮かれ中(笑)

まぁまた貸切しちゃったのは悪い気がするけどね

いや、だって並盛海岸を全部だし……

最終的に雲雀先輩が群れるのがダメなせいと思うことにした

だって別に私は問題ないんだもん

 

私が開き直ってる間に到着したっぽい

今日もバイクの後ろに乗せて連れてってくれたんだよねー

ぶっちゃけ楽だけど、私も免許取ろうかなーと考え中

やっぱりバイクに乗れれば移動が楽だもん

風早優の時は空を飛べないし……

んー今度雲雀先輩に頼んでみよう

本当は16歳からじゃないと取れないけど

私は大丈夫だと思うしねー

 

「……お疲れ様です。草壁さん」

 

「お疲れ様です。風早さん。楽しんできてください」

 

「ありがとうございます」と返事をしたけど……

ものすっごい謝りたい。土下座したい気分だ

いや、まじで

貸切にするために暑い中ずっと立って警備?してくれてるんだよ!

……もう雲雀先輩と夏の海は嫌かも

海で泳ぎたいって言ったのは私だけどさ!!

来年からは室内プールにしてと頼もう……

 

「……どうしたの?」

 

どうやら雲雀先輩は私が変だと気付いたらしい

出来れば私以外の人にも同じぐらい気をつかってほしい

いや、まじで

 

「(草壁さんが)暑そうだなーって思いまして……」

 

「そうだね。泳ぐのはいいけど、水分はしっかり取りなよ」

 

チラチラ草壁さんを見ながら言ったのにスルーしたよ

絶対気付いてるのにスルーしたよ!!

 

「優、わかった?」

 

う……返事をしなかったからちょっと怒ってるよ!

 

「……はい」

 

ってか、なんで怒られたんだ……理不尽すぎる……

草壁さん、後で何か持って行きますので許してください……

 

 

 

 

 

「うわーきれいー!!」

 

何度見てもこの海は綺麗だ!

それに貸切だから凄い眺めもいい!!

草壁さんには悪いけど楽しむことにしよう

それに私が気にすると……草壁さんに被害が行きそうだしね

あ、私が嬉しそうに叫んでたら

雲雀先輩の機嫌が直ってる(笑)

 

「ちょっと着替えてきますねー」

 

水着の上から服を着てるけど

ここで脱ぐのは恥ずかしいんだよね

だから海の家(貸切)で着替えたい……

 

「わかった。僕はここで待ってるよ」

 

ビーチパラソルの下で待ってる雲雀先輩……

なんてカッコイイんだ……!

用意してくれたのは草壁さんかな?感謝だね!

 

 

 

 

 

おお!着替えてる間に店員さんが浮き輪に空気を入れてくれた

やっぱり親切な人だなー

本当はこの人のお母さんが来る予定だったけど

来れなくなったから来たってさっき着替える前に聞いたんだよね

親孝行するいい息子さんだなと思ってたけど

まさか頼んでないのに入れてくれるとは……

お昼ご飯はここで食べる予定だし期待しよう♪

 

「わざわざありがとうございます♪」

 

あれ?返事がない

それになんかジッと見られてる気がする

うーん……京子ちゃん達と一緒に選んだから

水着は問題ないと思うんだよねー

つまり、私の体系がダメなのか……上着を着よう

可愛いラッシュガードを買ってよかったー

……目に汗が入っただけだもん……グスッ

 

少しやさぐれながら戻ると雲雀先輩は本を読んでいた

一応、水着には着替えてるっぽい

でも上着をきてるからいつもとあまり変わらない気がする

ってか、なんで海に来て本を持ってきてるんだ……

貸切の海でそれはない気がする

……まぁいいか

 

「おかえり」

 

「はい。ただいまです!」

 

「……優、ちょっとこっち着て」

 

なんだろ?

慌てて雲雀先輩の方に駆け寄れば……

上着のファスナーを首元までしめられた

ってか、胸元までしめてたのに!!

 

「く、苦しいです……」

 

流石に1番上まであげられると苦しい……

抗議すれば少しだけ下げてくれたから助かった

ただ……泣きたくなるのは気のせいだ……!

どうせ似合いませんよー

子ども体系で悪いですかー!!

 

「何か問題でもある?」

 

なんかすごい圧力がきたーーー!!

 

「いえ、問題ありません!!」

 

ビシッと敬礼しながら答えてしまった

雲雀先輩が笑ったからいいとしよう

……そしてやっぱりカッコイイ

 

「じゃぁ泳いできなよ」

 

「あ、はい」

 

……ん?んん???

 

 

 

 

 

 

今、私は気が済むまで泳いだので

浮き輪を使ってプカプカと浮かび中である

貸切だから誰ともぶつからないので快適。でも……

 

「……何かが違う気がする」

 

……一緒に海にきた意味がない!!

雲雀先輩はずっと読書中だし!!

つまり本を読んでるから手を振っても気付かない!!

……寂しすぎる(泣)

行きたくないなら無理しなくていいのに……

 

はぁ……プカプカ浮かぶのも飽きたし

海の家に行ってジュースをもらってこよう

草壁さんに届けたいしね

 

 

 

 

海の家に入ると息子さんは暇そうだった

お客さんが私達だけだし当たり前だよね(笑)

 

「お昼にしますか?」

 

「あ、ご飯はもう少し後でお願いします

 少し喉が渇いて……」

 

あ、慌てて用意してくれてるよ

別にそこまで急いではないんだけど……

まぁいいか

 

用意してくれたジュースをゴクゴクと飲みきってしまった

思っていたより喉が渇いていたらしい

もし倒れていれば雲雀先輩が怖かっただろうなー

危ない危ない……

 

私の飲みっぷりをみた息子さんが

雲雀先輩と草壁さんにも届けてくるといい行ってしまった

気が利く人だねー。ただ、ちょっと心配……

まぁ群れてないから大丈夫か……

流石に善意で用意したジュースを見て咬み殺すことはしないよねー

……うん。雲雀先輩が咬み殺すことに慣れてきた自分が悲しい

慣れって怖いな……

 

ちょっとテンションが下がったけど

元々が低いからすぐに割り切った

……1人で寂しいからね(泣)

はぁ……日焼け止めを塗りなおそう……

 

日焼け止めを塗り終わって顔をあげると

雲雀先輩がこっちにきたのが見えた

ってか、息子さんは?

あ、草壁さんの方へ届けに行ってくれてるね

つまり怪我はしてないね。良かった良かった

じゃぁなんで雲雀先輩はこっちに来たの?

 

「雲雀先輩どうかしました?」

 

「行くよ」

 

「へ? うわわわわ!!」

 

急に手を引っ張るのは危ないってば!

それに上着を脱いだままで置きっぱなしだし!!

……ん?

手が……手が……

どどどどど、どうしよう……

雲雀先輩と外で手を繋いで歩いてる!!

……幸せすぎて死にそう……来てよかった!!

あ、私って単純(笑)

 

 

 

 

……どこまで歩くんだろう?

まぁ雲雀先輩と散歩するのは嬉しいからいいけどね

手を繋いでるし……

あ、ちょうどいいから聞いてみよう

 

「あ、あの……」

 

「……なに?」

 

あれ?少し機嫌が悪い気がする

んーまぁいいか

 

「水着……似合ってますか……?

 花が雲雀先輩が絶対喜ぶって言ってくれたんですけど……」

 

「…………」

 

うう……返事がない!!

それに足が止まっちゃったよ!!

花のバカーー!!

いい感じの時に私の名前を出してもいいから聞きなさい

って言ったけど……空気が悪くなったじゃん!!

 

「……上着は?」

 

どうやら雲雀先輩は私が着てないことに今気付いたらしい

……たいしたことがないって知ってるもん

ちょっと期待した私がバカだったってことだよね!!

 

「雲雀先輩が急に引っ張るから置いてきてしまいました

 約束を破りすみませんでしたー」

 

私が投げやりに答えると雲雀先輩が上着を脱いでる

これを着れってことですね

はい。すみません。目汚しで申し訳ない

……泣いてもいいですか?

 

私の予想通り上着を渡された

睨まなくてもファスナーを上の方まであげますよ(泣)

それにしても雲雀先輩と体格が違いすぎる

手の先まで袖があるし、ふくらはぎぐらいまで丈がある

上着を借りるとはっきりわかるなー

 

「……あまり良くないね」

 

雲雀先輩がボソっと呟いた

残念ながら私は地獄耳だから聞こえてしまった

似合わなくて悪うございましたー

 

「優?」

 

「はい? なんですか?」

 

雲雀先輩が私の顔に手を伸ばしてくる

もしかして私の顔に何かついてる?

雲雀先輩が触れる直前に気付いた

借りた上着にポタッと何かが落ちて濡らしてしまった……

 

「ご、ごめんなさい!!」

 

これ以上顔を見られたくなくて

海の家に引き返そうとしたけど腕が掴まれた

あーもうどうして我慢できなかったんだろう!!

 

「は、離してください!!」

 

「いやだ」

 

思わず睨めば雲雀先輩が溜息をついた

面倒な奴で悪かったなー!!

これは完全に逆ギレだ

私の体系が悪いだけだし……

でも私1人のせいじゃない気がする!

寂しくて機嫌が最初から良くなかったのもあると思う!!

 

「……本当は僕も海に入るつもりだった」

 

「へ?」

 

もしかして何か訳があったの?

言ってくれれば私だってすねたりしなかったのにー

 

「本は優が着替える間に読もうと思って持ってきただけで

 ずっと読むつもりはなかった

 でも優が戻ってた時に本を読んだ方がいいと思ったんだ」

 

え?もしかして何かしちゃった?

思わずキョロキョロ見渡してもわからない

 

「そして優は彼と仲良く話したみたいでムカついた」

 

「えええ!?」

 

もしかして焼きもち……?

それは嬉しいかも……いや、でもその前に……

 

「息子さ……えっと、店員さんは結婚してますよ?」

 

お母さんがぎっくり腰で奥さんが世話してるらしいし

だから息子さんが来たって聞いたし……

 

「知ってる。彼から直接聞いた」

 

……知ってるのに!?

 

「雲雀先輩、大丈夫ですか?

 熱があるんじゃ……」

 

睨まれて最後まで言えなかったよ……

本気で思ったのに……

 

「……お腹すいた」

 

「へ? あ、はい

 ご飯、食べに行きます?」

 

うわー!また手を……!

って、あれ?私、流されてない?

大事なことを聞いてないよ

 

「あの、なんで海に入るのをやめたか……」

 

「……食べたくなるから」

 

はい?

つまり、動くとお腹が減るから?

そんなことだったんだ

言ってくれれば良かったのになー

 

「食べ盛りですもんねー」

 

最近、また身長が伸びてるからねー

食べても食べても追いつかないのかもしれない

 

「……本当に食べちゃうよ」

 

なんか疲れたっぽい感じで言われたね

んーなんでだろう?

 

「あ! 大丈夫です!

 雲雀先輩が満足するぐらいはあるはずです!」

 

「…………お金は僕も持ってるよ」

 

「あ、それもそうですね

 じゃぁいっぱい食べましょう!!

 私は焼きそばを狙ってます!!

 カキ氷もおいしそうですよね!!」

 

ソースがまた食欲をそそるんだよねー

そしてやっぱり外せないのがカキ氷!!

うー楽しみだ!!

 

「……好きに頼めばいいよ」

 

「はい!」

 




久しぶりに主人公の鈍感っぷりを書きました
雲雀さん……ガンバw

妖怪づかいツナをの肩慣らしで書きました
9月なのに夏の話というツッコミはなしでww
優の口調を思い出すためだけに書こうと思っただけなのでいいネタがなかったんですw

妖怪づかいツナはハロウィンに更新したいな……←ただの願望


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第73話 (妖怪づかいツナ1話目)

まず、最初に……この話から『妖怪づかいツナ』です

原作は崩壊します!!!!

私の基準ですが、ヒバリンはやばいです
まだ書き終わってませんので最終糖度は私にも予測不可能です
原作開始まで時間がかかります
本編の設定を使ってますので少しだけネタバレがあります
週に1度の更新を目標にしています。遅れた時はすみません

では、覚悟がある方はヒバリンにお気をつけくださいww



「あー見つからない!」

 

って、嘆いてる場合じゃない!

もう在庫がないんだ……

今日見つけないと……お母さんが……

 

涙をこらえて薬草を探す

力があればと思うけどないものはしょうがないし!

 

「お父さん……」

 

会ったこともないのに助けを求めてしまう

お母さんの身体が弱いと知ってるはずなのに

どうしてそばにいないんだろう……

 

「……そこで何してるの?」

 

少し離れてるけど後ろの方に誰かいる

いつの間に居たんだろう……

力は弱いかもしれないけど私は人よりはあるよ

だから山奥なのに1人でも来れるんだ

その私は誰かが近づいたことさえ気付かなかった

つまり……妖怪……?

 

「ねぇ、そこで何をしてるの?」

 

力の弱い私は逆らってはいけない……

妙な動きをするのも危険だから振り返らずこのまま答えるしかない

 

「……薬草を探しています」

 

「ふぅん。君、少し変わった匂いがするね」

 

「それは私が半妖だから……」

 

人間にしか見えないから

匂いのことは言われたことがある

まぁかなりわかりにくい匂いらしいけど……

旅の途中に出会った鼻の利く妖怪には必ず言われる

 

「違う」

 

違うって何が?

聞きたかったけどそれどころじゃない!

いつの間にか私の後ろに移動してるし

首元をクンクン匂いを嗅いでるーー!!

うぅ……この状態は何なのーー!!

 

「ひゃぁ!!」

 

な、なめた……なめられたよーー!!

思わず振り返ると目が合った

 

「きゅ、吸血鬼……」

 

さ、最悪だ……

妖怪の頂点とも言われる吸血鬼に会うなんて……

でもそれだと気配に気付かなかったのも頷ける

 

「……惜しい。まだ時期じゃない

 吸うのはもう少し君が大きくなってからにするよ」

 

わ、私……血を吸われて殺されるのは決定ですか……?

生まれてたった7年目で死刑宣告された……

涙がポロポロ出てくるのはしょうがないと思う!

 

「うわあああ!」

 

「……もう終わり?」

 

もう終わり?じゃないよ!

人の涙を吸わないでください!

目元で吸われてビックリして止まったよ!

言いたいけど怖くていえないーー!!

 

「それでどんな薬草?」

 

「へ?」

 

「探してるんでしょ? 早くいいなよ」

 

聞かれたから頷いて薬草の名前を言う

すると、吸血鬼が消えた

え?もしかして助かったの?

 

「はい。これ」

 

そうですよねー

吸血鬼から逃げれるわけないですよねー

って、吸血鬼が持ってるのって……

 

「これです! ほしいです!」

 

「はぁ……君が必要そうだから持ってきたんだ」

 

あ、そうなのね

じゃぁ有り難く受け取っておこう

 

「これから毎日ここに来ること」

 

まじか……

いや、でも普通に帰ってもいいみたいだし

お母さんが元気になったら逃げよう

 

「言っておくけど、君の匂いは覚えたから」

 

はいー。終わったー

泣いてもいいですか……?

吸われそうだから泣かないけど

 

「えっと、時間は……?」

 

「君が来たらわかるからいつでもいいよ」

 

あ、それは嬉しいかもー

毎日、同じ時間に来るのはきついしね

 

「お母さんの具合が悪いからそんなには……」

 

長い時間は居るのは無理です

というか、吸血鬼と長時間なんて無理

 

「はぁ……わかった。じゃぁね」

 

はやっ!?

もうどこかに行っちゃったよ

あれぐらい私も走るのが速かったらなー

って、羨ましがってる場合じゃないじゃん!

この薬草をお医者さんに持っていって

お母さんに早く飲ませないと!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えっと、昨日はここだったかなぁ

 

「吸血鬼さーん。約束通りきましたよー」

 

んー呼びかけてみたけど来ないね

え?帰ってもいいよね? ちゃんと約束守ったし。

よし、私が許可する(笑)

 

「……うるさいよ」

 

うお、木の上で居たよ

もしかして昼寝でもしてた?

機嫌を損ねちゃダメだったのに……相手は吸血鬼だし!

 

「す、すみません……」

 

とりあえず謝ってみた

あらー木から下りて来ちゃったよ……

これ以上は近づくとやばい気がするけど逃げれない……

 

「……君、本当に半妖なの?」

 

「あ、はい。お母さんが妖怪です

 でもお母さんは身体が弱いので人間の姿で過ごしてます

 その関係かわかりませんけど

 私は人間の血の方が強く変身もできないので弱いです

 まぁ人間よりは強くて頑丈ですけどね」

 

人間の姿で過ごした方が省エネ?って感じで楽らしい

まぁ私にはよくわからないけど……

お母さんは妖怪になっても綺麗なのになー

元気になったらまた見せてもらおう

 

「父親は何の妖怪?」

 

え。だから言ったじゃん。人間だって。

顔に出てたのか溜息をつかれた

うわーこっちに来るよー!!

もしかしてもう吸われちゃうの!?

 

「うぅ……」

 

怖くて目をつぶったらまた首元の匂いを嗅がれたよ!

吸われるのも嫌だけどこれもヤダーー!

 

「ひゃぁ!!」

 

く、首になんかした!

吸われた感じがして痛みがあったから血を吸われたかも!?

 

吸血鬼さんが離れたから首を触ってみる

血が出てる感じはしない……

あ、でも吸血鬼さんの唾液で止血できるとか言うよね

うー鏡がほしい!!調べたい!!

 

「……ただのマーキングだよ」

 

呆れられながら言われたけど何それ?

よくわかないから「マーキング?」と聞き返してみた

 

「そうだよ。僕の匂いをつけたんだ

 君は僕のものだからね

 他の妖怪に食べられるのは許さない」

 

……後でゴシゴシと拭こう

 

「何をしても数日はとれないから」

 

「それってダメじゃん!」

 

やば……思わず声に出しちゃった……

吸血鬼さんを恐る恐るみれば嬉しそうだった

意味わかんないし……もう帰りたい……

 

「もういいですか……?」

 

「いいよ」

 

やった!言ってみるもんだね!

って喜んでいたら「まぁだけど……」と続いた

世の中そんなに甘くないよねー

 

「これいらないの? 昨日のだけじゃ足らないよね」

 

「あ! ほしいです!」

 

おー!普通にくれたよ!

薬草を探す時間が省けたー!

 

「うわー! また新鮮そうだ!

 昨日の薬草も状態が良かったらいい薬が出来たみたいです!

 ありがとうございます!!」

 

おかげで今日はお母さんの体調が良かったんだよねー

 

「……別に気にしなくていい

 それに……それで作れる治療薬を考えると……」

 

「え! もしかしてお母さんの病名わかるんですか!?

 お医者さんもよくわかってないみたいで……

 お母さんが頼んだ調合で作ってくれてるんです

 私もその材料を集めてるだけで……よくわからなくて……

 いつもこの薬草が見つけるのが大変なんです

 吸血鬼さんは長生きしてる分やっぱり物知りですね」

 

吸血鬼は見た目では歳を判断できないからなー

この吸血鬼さんは実は何百歳って普通にありえることだし

 

「……僕はまだ生まれたばかりだよ」

 

「ええ!?」

 

それなのに物知りなの!?

それに強そうだし……

確か吸血鬼の強さは歳にも比例するはずだよね?

 

「……明日も用意しておくよ。じゃぁね」

 

「本当ですか! ありがとうございます! また明日!!」

 

あ、見えなくなるまで手を振ろうとしたけど

すぐ見えなくなっちゃったよ

 

「あれ? 意外といい吸血鬼さん?」

 

用意してくれるって言うし……

まぁいいか

早く帰って新鮮な内に薬を作ってもらおう!

 




このヒバリンは(いろいろ含め)セーフなのだろうか……?


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第74話

※ 流血?注意……?
(書く必要がない気がもの凄くするw)


吸血鬼さんのところに通って1ヶ月ぐらいたった

まだ吸われてはいない

 

それに自分でも意外だったけど

吸血鬼さんのところに通うのは楽しい

理由はいろんな知識を教えてくれるから。

無口って言ってたけどそれはウソだね

怖いから言わないけど

 

でもそろそろ危険かもしれない

昨日から吸血鬼さんのマーキングが1日に2回になった

会いに行った時に2回すればいいのに

時間をあけないと嫌だと言われた

ということで、私は本日2度目の山奥へ行くことにする

 

「気をつけていきなさいね」

 

お母さんに声をかけられたので慌ててそばに行く

体調はまだ治ってないのに起き上がるんだもん!

本人は大丈夫って言うけど信用できない!

 

「もぅ! すぐ無茶するんだから!」

 

注意をしたけどお母さんは笑ってた

ちょっと腹が立つ

こっちは心配してるのにーー!

 

「ごめんね。

 そうそう、吸血鬼さんによろしく言っておいてね」

 

それは親としてどうなの……

ちなみに吸血鬼さんに会ったその日に気付かれた

お母さんはそこまで鼻がいいわけじゃないけど

私の首元をみて「あらあら」と言ったからね

吸血鬼のマーキングはやっぱり凄いみたい

だったら、なんで1日2回もするんだ……!

怖いから言わないけど!

 

「私も吸血鬼さんに会って見たいわー

 今度、ウチに連れてきなさいね」

 

絶対に伝えない。と誰かに誓った

そもそもお母さんが吸血鬼を怖くないのが不思議だよ

今日は体調が良さそうだから聞きたいけど

あまり遅くなると本当に家にまで来そうな気がしたから

「お母さんに安静にするように!」といって急いで向かった

 

 

 

 

 

 

 

「遅いよ」

 

「す、すみません……」

 

そこまで遅くなってないのに怒られた

ってか、1日に2回来るほうの身になってほしい

私は半妖だから大変だしー

態度に出てたようで「文句あるの?」と言われた

もちろん「いえ、ありません!」と答える

今までの経験上、機嫌を悪くすると

マーキングの時に力が強くなるんだよ……

 

「……血の匂い」

 

うわーばれちゃったよーー!

やばいやばいやばい

吸血鬼さんがこっちに来ちゃったよ!

右腕をつかまれてしまった……

人差し指をちょっと切っただけなのに!!

 

「これ……どうしたの?」

 

「あ、えっと……その……」

 

言いよどんでると睨まれたので正直に白状する

ここに来る前に妖怪に追いかけられたことを……

まぁ切ったのは逃げ切った後に気が緩んで

手を木に思いっきりぶつけてしまったからだけどね

吸血鬼さんに会う前だったから

持ってる水で洗い流したんだけど意味がなかったみたい

 

チラッと吸血鬼さんを見て後悔する

もう目がいっちゃってるよ……

逃げたいけど力が敵うはずもなく手は離してもらえない

 

「きゅ、吸血鬼さん……ぅぁあああ!」

 

ゆ、指を食べたよ……!私の指が……!

指に意識がいってると視界がかわる

地面に倒されたと気付いたら手を離されていた

指は問題なく繋がってたけど

吸血鬼さんの目が怖いしゴクッという音が聞こえた気がした

 

マーキングの時と違って

吸血鬼さんは牙を見せて首元に近づいてくる

……吸い殺される!

私はそう思うことしか出来なかった

 

すると、涙がポロポロと出てきた

初めて会った日みたいに吸われるかもしれないけど

どうせ殺されるなら一緒と、ぼんやり思いながら

来る痛いに覚悟して目をつぶった

 

「ぅ………」

 

肌に何かが刺さった気がした……

思わず目を開けたけら

なんだろう……周りがすごくボワッと見える

血がなくなってるから……?

 

「うぎゃ!」

 

急に重みが来て変な声が出た!

ってか、周りがよく見えなかったのは

自分の涙のせいだったっぽい……

……ちょっと恥ずかしいのは気のせいだ!

 

そもそもこの重さは何?

人間より頑丈と言っても重いのは重いんだよ

ということで、確認

 

「……吸血鬼さん?」

 

えー、どういう状況ですか?

吸血鬼さん私の身体の上で眠ってますね

私の身体をベッドにしないでください

そもそも何で寝てるんだ……

血を吸ってたんじゃないの!?

いや、助かったからいいけどさ!

 

んー重いので吸血鬼さんをゴロンと私の横に転がす

起きるかなと思ったけど大丈夫っぽい

とりあえず、放置

 

「うーん、血は出てないかな?」

 

吸われたっぽいところを触ってみたけど

手に血はついていなかったから大丈夫と思う

次、身体を動かしてみる

 

「ほっ!」

 

……特に問題がないね

私って頑丈だ!

あー生きてるって素晴らしい……

 

ちょっと感傷に浸ってたけど現実に戻る

転がしたままの吸血鬼さんをどうしようかなー

 

……殺すとか私には無理だね

いくら殺されかけたといっても私にそんな度胸はない

 

よし、このまま放置しよう

殺されかけたんだし、別にいいよね?

……せめて、木の下に運ぼう

 

吸血鬼さんを木によりかけたけど

起きる気配が全くないね

吸われた分、ほっぺたをつつき意地悪しよう

 

ツンツン

 

……本当に大丈夫?

全然、起きないんですけどー……

 

って、同情?しちゃダメだ!

吸血鬼さんは私を殺そうとしたんだからね!

さっさと帰ろう……

そろそろお母さんが心配しちゃうしねー……

 

「えーっと、また明日?」

 

いやいやいや、なんでまた明日なんだ……

殺されかけたのに能天気だ、私!

ちょっと足早に去ることにする

あ、これが普通だね

 

そんな感じで歩き出したけど足が止まる

本当に放置して大丈夫だよね……?

 

「あーもう! しょうがない!」

 

お母さんは連れて来ていいって言ってたし!

くそー!なんで私は頑丈なんだ……!

吸血鬼さんをおんぶ出来ちゃうし!

 

「あー……吸血鬼さんは……

 街に連れて行ったら怖がれるよねー」

 

どうやって家まで連れて行こう……

まぁ牙さえ見えなければ大丈夫かな?

人間には吸血鬼さんの匂いがわからないと思うしね

 

「なにやってるんだろ……私……」

 

思わず呟いたのはしょうがないと思う

……自業自得だけどさ!

 




危ない危ない……
ヒバリンがもっと暴走しそうだった……w


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第75話

さすがねー

あの人が言った時間に起きたわ

 

「気分はどう?」

 

「……女天狗」

 

私の話を聞かない子……

まぁ天狗なんて珍しいからしょうがないわね

あの子は珍しいなんて知らないからねー

ちょっと反応が新鮮だわ

 

「天狗といっても一族の中でも私の力は弱いわ

 せいぜい、空を飛び回ったり少しの風を操るぐらいよ

 ただの妖怪と思ってくれればいいわ」

 

「……あれは?」

 

「あの子は神として信仰される大天狗になれる資質があるわ

 その強すぎる血を少し飲んだからあなたは気を失ったのよ

 一口で飲むのもやめたのもあるけど

 あの子の涙や汗を吸ったでしょ?

 良かったわね。身体に慣らしていなければ死んでいたわよー」

 

凄く驚いてるわー

吸血鬼を驚かす姿を見れるとは長生きするものね

 

「多分あたなも気付いているわよね

 マーキングしてもすぐ匂いが弱まるのは

 もうすぐ力に目覚めるせいで

 あなたの匂いが負けちゃったのよ」

 

「……僕と会うことを止めなかった理由は?

 力に目覚める前なら僕が殺すぐらい出来るはずだ

 それにあれを野放しさせる意味がわからない」

 

頭がいい子だわねー

血を飲んで殺そうとする可能性が高かったのもあるけど……

本当のことを話してもいいのかしらねー

あの人が止めなかったってことはいいのよね?

 

「あの人があの子には自由に生きてほしいと願った

 血が目覚めても修行すれば外の世界で生きれるのよ

 里の中で生まれれば外の世界なんて触れさせない

 それぐらいあの子の力は強い

 だから私はあの子と旅をした

 修行のために里に戻った後、選べるようにね」

 

力の強いあの子が選んでしまえば里の者は誰も反対できない

だけど……それだと問題がおきる

 

「外の世界にあの子の味方がほしかったのよ

 力があるってことはあの子の血や身体が狙われる

 いい匂いがしてたでしょ?

 修行をしても大きな力を使うと気付かれちゃうのよね

 血を吸ったあなたを助けるお人よしよ?

 力が強い味方が必要なのよ

 狙ってくるのは妖怪だけとは限らないしね」

 

彼もあの子の血を飲んだから気付いてるはずよ

以前と比べられないほどの力があることにね

 

「……僕がそんなことすると思ってるの?」

 

「わからないわ

 でも数日前から血を吸ってもいい時期だったはずよ

 それでも駄々漏れしているあの子のために

 わざわざ1日2回もマーキングしてくれた

 まぁ血を出したあの子に我慢できなかったみたいだけど

 一口でやめたからあなたは生きてるのよ?

 希望を持ってもいいじゃない」

 

嫌そうな顔ねー

本当に大丈夫なのかしら……

あの人がウソをつかないのはわかってるけど

ちょっと心配になってきたわ……

あら?急にキョロキョロしだしてどうかしたのかしら……

もしかしてこの家に私以外の気配をしないと気付いた?

ここはあの子の匂いが充満していてわかりにくいからね

 

「心配しなくてもいいわよ

 今、あの子は出かけているけど

 私が風を操って匂いを隠してるわ

 妖怪の姿になってるのはそういう理由よ」

 

あの子と一緒にいれば問題ないのだけど

離れちゃうと妖怪の姿にならないと辛いのよね

ほんと、翼を出すのと出さないとでは大違い

それにしても心配してるってことは……

やっぱりそういうことなのねー

 

「あなたがマーキングしてくれて助かったわ

 おかげで少し休むことができた

 そろそろ帰ってくるみたいだから話は終わりねー

 後はあなたが決めればいいわ」

 

もう人間の姿に戻ってもいいわ

彼と話すためにあの子に買い物を頼んだけど

やっぱり今の私にはきついわね……

 

「待ちなよ。まだ話は終わってない

 僕とあれが会ったとき、他の妖怪の力を全く感じなかった

 いくら死にかけでも隠そうとしないのはおかしい

 それぐらいあれの力が危険とわかってるはずだ

 君はもしかして僕とあれが会って

 僕がマーキングするのを知っていた?

 それだと野放しにしていたのも説明できる気がする」

 

本当に頭がいいわ

あえて説明しなかったことさえ気付いてる

 

「神の導きかしらね」

 

「ただいまー。吸血鬼さんが起きてる!!」

 

いいタイミングで帰ってきたわねー

これもあの人はわかっていたのかしら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思わず起きてるって叫んじゃった

いや、だって3日ぐらい眠ってたんだもん

ビックリするのはしょうがないと思う

 

「大丈夫ですか? ひゃっ!!」

 

うぅ……やっぱり助けるんじゃなかったかも……

起きた途端にマーキングされるなんて……

 

「あらあら。独占欲が強いわねー」

 

お母さんー!見てないで助けてよーー!!

エサとしての独占欲だからーー!!

それなのになんで「お邪魔のようね」って

言って部屋から出て行こうとするのーー!?

完全に勘違いしてる……泣きそうだ……

 

「ちょっと待ちなよ」

 

あれ?マーキングが終わって離してくれた

吸血鬼さんがお母さんを呼び止めたっぽいね

それはそれで危ない気がする……

お母さんにもするかもしれない!!

 

「きゅ、吸血鬼さん待って!!

 私は吸い殺してもいいからお母さんだけは……」

 

ポロポロ涙を流しながらお願いしてると

お母さんが抱きしめてくれた

なんで私は助けちゃったんだろう……

こんなに後悔するなら連れてくるんじゃなかった……

 

「……吸い殺さないよ

 君達には恩があるからね」

 

「ほ、ほんと!?」

 

「うん。これまで通り会いに来たらいい

 またいろいろを教えてあげるよ」

 

さっきまで泣いてるのがウソのように

やった!と両手を挙げて喜んじゃった

だって、まさか助けたお礼に吸い殺されなくなって

これまで通り知識を教えてくれとは思わなかったもん!

 

「だったらもう少しこの街に居ようかしら?

 そうだ! あなたも一緒に住んでもいいわよ?」

 

「……そうしようかな」

 

うわービックリだ

吸血鬼さんと一緒に住むことになったみたい!

こんなこと初めてだし楽しみだなー

 

「……君はもう少し警戒することを覚えたほうがいい」

 

「へ? なんでですか?」

 

溜息つきながら吸血鬼さんに言われたけど

私にはよくわからなくて聞き返すと

また吸血鬼さんが溜息をつかれちゃった

お母さんはクスクス笑ってるし

うーん、何でだろ?

まぁいいか




天狗は神と呼ばれたり妖怪と呼ばれたりするらしいです
大天狗は天狗の中でも更に強力です
話によっては天狗は妖怪よりで大天狗は神よりの存在っぽい

私のイメージでは母親は鴉天狗でした
女天狗というのが居たのでそっちにしましたけどね
後、鼻が高いとかのイメージは中世以降ついたイメージらしい
なので、鼻が高いのは可愛くないので想像しないことにしてますww

天狗にした理由は他にも
幻術がきかないし天候を操れたという話もあるからです
本編の主人公の髪が赤いのもありました(ここでは赤いとは書いてませんがw


設定のネタバレすると
ただの天狗と神の間で生まれたので大天狗になる力は当然あります
で、神の力を継いでるせいで主人公を食べたりすると力が増える
狙われやすいという本編と同じ設定を使ったって感じですね


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第76話

吸血鬼さんが一緒に住みようになって

数日しかたってないけど、いろいろ問題が起きた

 

1つ目、吸血鬼さんはお母さんと話さない

正確に言うと、話すけど私が間に入らないと話さない

はっきりいって、めんどくさい

嫌いなのかなーと思ったら

お母さんの薬の原料を探しに行く時は必ず手伝ってくれる

よくわかんない

 

2つ目、勝手に外に出ようとすれば吸血鬼さんが怒る

怒るといっても血を吸ったりしないけどね

ただ、無言の睨み。まじで怖い

出かける時に声をかけると問題ないらしい

一緒に出かける時の方が多いかも

出かけない時はマーキングはされる……

 

3つ目、一緒に出かければ必ず機嫌が悪くなる

おつかいしてるといつも最後に褒めて頭を撫でてくれる

優しいお兄さんがいる店があるんだけど

ずっと撫でてもらってると途中でお兄さんの手を払う

最初の方は興味なさそうにするのに意味わかんない

お兄さんは笑ってくれるからまだいいけど!

他にも友達と会って話をしてると機嫌が悪くなって

無理矢理手を引っ張るからバイバイすることになる

マーキングは嫌だけど、一緒に行く方がめんどくさい

 

4つ目、吸血鬼さんがよく私に触る

髪を少し掴んで匂いを嗅いでマーキングしたり

手を掴んだと思えば甲にもマーキングする

その後、私の顔を見て溜息を必ず吐く

吸わないって約束してたけど

禁断症状が出てるかもしれない

まじで怖い

 

5つ目、なぜか吸血鬼さんと一緒のベッドで寝る

お母さんは子ども同士でかわいいと言って

止める気配が一切しない。むしろノリノリ。

いつか私は眠ってる間に吸い殺されてるかもしれない

それぐらい禁断症状が出てる気がする

まじで、怖い

寝不足でちょっと疲れ気味

頑丈と言っても人間よりはっていう意味だし!!

吸血鬼さんが警戒したほうがいいってことを

身をもって理解している気がするよ……

 

 

他にもいろいろあるけど考えるのは止めよ

せっかく1人で外に出かけてるんだしー

ちなみに今日は吸血鬼さんは家のお手伝い

私が通訳して力仕事を頼めばしてくれた

いろいろ問題があるけど意外と協力的なんだよね

 

「お? 今日は1人か?」

 

「うん! いつものちょうだい!」

 

「まかせとけ」

 

えへへ

今日は注文した時も撫でてくれた!

そういえば、いつものって注文できるぐらい

この街に居る期間が長いよねー

お母さんの体調が悪くなったのもあると思うけど

宿じゃなく、初めから家を借りてたよね?

今までもそういう時があったけど

この街はいつもより長い気がする……

まぁいいか

 

お兄さんが戻ってきたー

えへへ、また頭を撫でられた

今日はラッキーな日かもー

 

「重くないか? オレが届けに行ってもいいんだぜ?」

 

「大丈夫だよー」

 

「そうか。無理はするなよ?

 久しぶりに持つんだからな」

 

「はぁい!」

 

荷物を受け取って頭を撫でてもらいながら思う

そういえば、吸血鬼さんっていつも持ってくれたね

量が多い日についてきてくれたような……

……それはないか

 

「おっと、いつまでもこうしてると重いよな」

 

あー、手が離れちゃったー

ちょっと残念

これぐらいの荷物だと半妖の私には問題ないのにー

 

「またな?」

 

「うん!!」

 

顔に出てたのか、短かったけどまた頭を撫でてくれた

えへへー

やっぱり今日はいいことがありそうだ!

 

ウキウキで帰ってると声が聞こえた

周りを見たけど特に何もない

気のせいだったみたいと思った瞬間

風がいっぱい吹いて、さっきと同じ声が聞こえた

気になるし、風が吹いた方に行ってみよう

この方向はいつも行く森の方だしね

 

少し足早に森に向かえば声がはっきり聞こえてきた

「助けて」って言ってるよね……?

誰もいなさそうだし、本気で走ることにした

 

 

 

 

 

うーん、声は聞こえるけど姿は見えない

叫んでみよう

 

「どこですかー!?」

 

「落ちるーー!!」

 

場所を聞いたのに微妙にずれた返事だった

でも落ちるってどういうことだろ?

……この先に崖があったよね

やばいやばい、急がないと!!!

 

 

崖から顔を覗けば男の子がぶら下がっていた

人間みたいだし私と同じぐらいの歳だと思う

木の根が崖から飛び出てて

服が引っかかってなかったら落ちてたね……

これは急がないと!と思って手を伸ばす

 

「捕まって!!」

 

「無理だよー! そんなの落ちちゃうよー!」

 

男の子はムリムリと泣いていた

やっぱり人間の男の子には怖すぎるよね……

ゴツゴツしたところや木の根を掴みながら

ゆっくり降りようとすると

「危ないよ!」と男の子が心配していた

男の子は自分の状況を忘れてるみたい

 

「大丈夫♪ 大丈夫♪」

 

本当にこれぐらいなら問題ないから

笑って男の子を安心させる

 

「ほらね?」

 

男の子のところまでたどり着けば

安心したような顔をしていた

 

ビリッ

 

……嫌な音が聞こえたような

と、思った瞬間に男の服が破れた

ギリギリだったけど両手で男の子の手を掴んだ

 

「ひぃぃぃぃ!!

 は、離して!! 君も落ちちゃうよ!」

 

「だ、大丈夫……!」

 

確かに木の根を足でひっかけてるの状態で

体制は最悪と言ってもいいけど……

これでも私は半妖だよ!

気合だーー!!という感じで持ち上げる

 

パキッ

 

「へ?」

 

「うわあああああーー!!」

 

……私を支えてる木の根が折れちゃったみたい

男の子の手は掴んでるけど、まずいね……

崖に近ければ片手を犠牲にすれば止めれるけど

手を伸ばしても届かない

 

落ちてるけど意外と私は冷静みたい

半妖の私でもやばい高さなのにねー

とりあえず、男の子を抱きしめる

どう考えても私の方が地面に打ち付けられても

生き残る可能性が高いからねー

 

後は運に任せるだけしかない……

目をつぶって衝撃に備える!!

 

 

 

 

「……痛くない?」

 

「わっ、わっ、すごい! 飛んでるよ!!

 君って妖怪だったんだ!」

 

男の子の声で目を開ける

そして、チラッと横に羽が見えた

 

「えええ!? なんで!?」

 

「……ウソーーー!!」

 

羽が見えたと思ったら

動かし方がわからなくなって落ちた

 




ヒバリン……ファイト!w


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第77話

怖くて目をつぶっていれば衝撃は少なく

温かいものに包まれてる気がした

 

「はぁ……君ってどこか抜けてるよね」

 

耳元で知ってる声が響いて

目をあければ吸血鬼さんだった……

 

「怪我ない?」

 

必死にコクコクと首を縦に振る

よくわからないけど……

凄く恥ずかしくて顔が熱い……

 

「ど、どうして……?」

 

「君の匂いが街から離れたから見に来た

 すると君が危ないところだったからビックリしたよ

 ……あまり無茶しないで」

 

また必死に頷くことしか出来なかった

私、どうしたんだろう……

なんでこんなに心臓の音がうるさいの……?

 

「君の心臓の音がよく聞こえる

 それほど怖かったんだね」

 

どこか違う気がしたけど

吸血鬼さんの言葉を否定するのはやめた

違うって教えるのも恥ずかしくて……

 

ドキドキしてると「ん……」という声がした

私の腕の中から聞こえた気がする

 

「あ! そうだった!!

 この子、大丈夫!?」

 

私の大声に男の子は反応はなかった

だけど、胸が上下に動いてたから安心した

多分、気を失っただけかなー

 

「……これは君の姿を見た?」

 

吸血鬼さんの声が急に低くなった

さっきまで優しそうだったのに!!

少し悩んだけど首を横に振った

本当のことを言えばこの子が危ない気がしたから……

 

「そう。でもまぁ……」

 

「ああ!?」

 

吸血鬼さんが無理矢理に男の子を引き剥がすから

思わず悲鳴のような叫びをあげて抗議する

 

「気を失ってるんですよ!

 人間の子だし優しくしてあげないと……」

 

私の訴えが聞こえたようで

吸血鬼さんは優しくおろしてくれた

……しぶしぶって感じだったけど……

 

そして私もおろしてくれた

……さっきまでお姫様抱っこだったみたい

またドキドキと心臓がうるさくなった

 

「もう大丈夫だよ」

 

吸血鬼さんは何を勘違いしたんだろ……

優しく抱きしめれて声をかけてくれた

でも、もっと心臓の音が響いておかしくなりそう

このままだと私が死んじゃう気がしたから

必死に話題を探して声をかける

 

「あ、あの! 大変なんです!

 羽が生えました!」

 

「知ってる」

 

……そうですよねー

私を抱きかかえた時に

羽に気を遣ってくれてそうだったもんねー

だけど、話題を広げないとまずいと思うから

必死にまた言葉を探した

 

「そ、それでですね!

 ……羽のおさめ方がわからないんです……」

 

本当にどうすればいいかわらかなくて泣きそうになる

吸血鬼さんは抱きしめるのをやめて

私の顔をみて声をかけてくれた

 

「僕が君の母親を連れてくるよ

 大人しく待ってて」

 

優しく言ってくれるのは嬉しかったけど

……首にマーキングしないで!!

なんで今まで何も思わなかったんだろう……

すっごい恥ずかしい!!

……唯一の救いは……

吸血鬼さんが私の顔を見てなかったことだね

見られてたら私は死んでた気がする

 

吸血鬼さんのスピードが凄かったから

すぐ帰ってくるだろうなーと思いながら

男の子の様子を見てると目が開いた

 

「……オレ、死んじゃった?」

 

「へ? 大丈夫だよ!! 生きてるよ!!」

 

しっかり!という感じで

男の子を前後に揺らしてみれば驚いてた

生きてるってことに気付いたみたい

 

「あ、ありがとう。ゴメンね

 羽の色が白くて天使なのかなって思ったんだ」

 

男の子に言われて落ち込んだ

チラッと視界に入るのは白じゃなくて灰色だもん……

お母さんは真っ黒で綺麗なのに!!

半妖だからかな……はぁ……

 

「ゴ、ゴメン! 天使って言っちゃ嫌だよね!?

 妖怪なのに……」

 

「……気にしなくていいよ

 それより君はどうして崖から落ちそうになってたの?」

 

「母さんと隣町に来たんだ

 でも、オレ初めて街から出るのもあって浮かれて

 飛んでる蝶を追いかけてたら、こんなことに……」

 

「じゃぁお母さんはずっと探してるんじゃないの!?」

 

「多分……」

 

うわあああ!大変だ!!

今すぐお母さんを探さないと!!

そう思ってると誰かを探してる声が聞こえてきた

男の子には聞こえてないみたいだけど……

でも多分、そんなに遠くないよ

 

「もしかしてツナっていうの?」

 

「う、うん。どうして知ってるの?」

 

「あっちから君を探してる声がするんだ!

 早く行って安心させよう!!」

 

男の子の前でかがむと「どうしたの?」と声をかけられた

私がおんぶした方が早いってわからなかったみたい

説明すれば抵抗したけど無理矢理納得させた

 

「は、羽……大丈夫……?」

 

「痛くないから大丈夫!

 しっかり捕まってね!!」

 

いつものように走ったつもりだったけど

倍ぐらい早くなったみたい

変身してるからかもしれない

まぁ男の子が怖がってないから今はいいとしよう

 

 

 

声の近くまで来たので男の子を降ろすことにした

 

「母さんに紹介するよ!

 助けてもらったって!!」

 

男の子はそういうけど

吸血鬼さんの様子からして

私の姿を見られると怒る気がするんだよねー

だから「気にしないで」って返事をする

でも男の子は引き下がる感じがしないので

わがままを言ってみることにした

 

「私の姿を見たことは黙っててほしいんだ」

 

「で、でも……」

 

「いろいろ理由があるんだ

 でね、次に会った時に……ツナ君って呼んでいい?」

 

「……うん! 約束だよ!

 絶対また会おうね!!」

 

ツナ君が嬉しそうな顔をしたから安心した

多分、これで引き下がってくれる……

ってか、早く帰らないと吸血鬼さんが帰ってくるよ

そろそろやばい気がするんだよねー

 

「じゃぁ、このまま真っ直ぐ歩いてね!」

 

「ま、待って! 君の名前は!?」

 

「んー次に会った時の楽しみにしよう!」

 

「絶対だよ!!」

 

私の走り去っていく姿を見ながら

ツナ君は必死に叫んでた

……ちょっと悪い気がした

だって、走り去ったと見せかけて

木の上からちゃんとお母さんと会えたか見るんだもん

 

 

 

 

ツナ君とお母さんが無事にあえた!

良かったーと安堵してると

私のお母さんが隣で飛んでいた

 

「良かったわね」

 

「うん! ……吸血鬼さんは?」

 

地面の方を見たけど見当たらない

お母さんがここに来たって事は

呼びにきてくれたと思うんだけど……

 

「あの子は牽制中といえばいいかしらねー」

 

牽制中ってどういうことだろ?

首をひねってるとお母さんが上着をかけてくれた

 

「あれ? これって吸血鬼さんのマントじゃ……」

 

「そうよー。一旦、これで家に戻りましょう

 ちゃんと許可は貰ってるわよー」

 

ど、どうしよう……

吸血鬼さんの匂いがして

抱きしめられたことを思い出しちゃう……

 

「……覚醒するとはわかっていたけど

 意識するのは予想外だったわ……

 あの人、わざと教えなかったわねー」

 

「も、もしかして今何かいった……?

 ごめんなさい……聞いてなかった……」

 

「いいのいいの

 聞こえてないと思って呟いたからねー」

 

どういうことだろ?

でも聞こえてないと思ってたからいいのかな?

お母さんも気にしてはなさそうだし……

……まぁいいか

 

 

 

 

 

家に着くと吸血鬼さんがすぐに戻ってきた

 

「うわああああ!?」

 

「……なに?」

 

な、何って……

髪の毛や手にキスするなんて……!

……キスじゃなくてマーキングだったね

気付いてしまうと一瞬にして落ち着いてしまった……

何だろう……この残念感……

 

「はいはい。時間はあまりないわよー

 吸血鬼さんとはお別れして急いで里に行くわよ」

 

「え……?」

 

「力のコントロールは里でしか教えれないの

 そして里の場所は他言無用」

 

そんな……

嫌だっていいたいけど声も出せない

それぐらいショックだ……

吸血鬼さんはどう思ってるか気になって見てみた

 

「……そのほうがいい」

 

吸血鬼さんも賛成するなんて……

今までのマーキングとか何だったの……?

理由はわからないけど涙がポロポロ出てきた

 

「私は隣の部屋を片付けてくるわねー」

 

ドアが閉まる音が聞こえた瞬間

吸血鬼さんの溜息が近くに聞こえた気がした……




……何となく流れは決めてますが
思ってるより次の話はヒバリンが暴走しそうで怖いです
主人公達はまだ7歳と念じて書くべきかもww


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第78話

涙がポロポロと流すけど吸血鬼さんは吸おうともしない

もう私のことをエサとも思ってないんだ……

……なんだろう

行動がマーキングとわかった時も残念と思ったけど

今はその時よりもっとショックだった

 

「……1度しか言わない」

 

涙を服の袖でゴシゴシと拭いて吸血鬼さんを見る

吸血鬼さんの目は真剣だった

血を吸われた時のような感じでもなく

初めて見る目でどこか遠くに感じた

 

「君と初めて会った場所で僕は居る

 ずっと君を待ってる」

 

「私を……?」

 

どうして私を待ってるのか教えてほしかったけど

吸血鬼さんは何も答えてくれなかった

本当に1度しか言わないみたい

 

そして私の目元をマーキングしようとするらしく

いつもと同じように目を閉じれば

目元には何もなく口に何かやわらかい感触があった

 

「へ?」

 

目を開けたけど何が起きたかわからない

吸血鬼さんはさっきと変わらない場所に居るし……

でもどこか機嫌が良さそうだった

……まぁいいか

特に変な感じはしないしね

 

「……今のはただのマーキングじゃないからね」

 

「はい? わかりました?」

 

よくわからないまま返事をしたのがばれたらしく

吸血鬼さんが盛大に溜息を吐いていた

 

ちゃんと説明してもらおうとすれば

急に凄い風が吹いてきて窓ガラスが割れるし

風に流されそうになった

まぁ吸血鬼さんが掴んでくれたから大丈夫だったけどね

しばらくすると風が落ち着いたから

お礼を言おうとすれば、急にドアが開いた

 

「ごめーん! 大丈夫だった?」

 

お母さんだった

ってか、なんでお母さんが謝ってるんだろう?

 

「思ったより力が強くて制御しきれなかったのよー

 でも、一体何をしたのかしらね~」

 

お母さんの言ってることはよくわからなかった

吸血鬼さんは何か思うところがあったらしく

急に目が見開いたと思えば、私をジロジロみてきた

え?……私、何かしました?

ってか、お母さんも私の顔を嬉しそうに見てるし!

やっぱり私が何かしちゃったの!?

 

「もしかして無自覚でこれなの……?」

 

「……そうみたいだね」

 

2人だけで何か話が通じてるっぽい

その前にこの2人が普通に会話してるのは珍しいね

 

「でも、さっき喜んでいた時は私でも大丈夫だったわよ?

 感情の度合いだけじゃなく、身体も関係してるの……?

 制御を完璧にしないと何も出来ないんじゃ……」

 

「…………」

 

あれ?やっぱり仲が良くない?

お母さんは吸血鬼さんに向かって話してたのに

吸血鬼さんは返事しないし機嫌が悪くなったしね

ここは私が2人の会話中継をしないとね

 

「あの、吸血鬼さん」

 

「……僕の方でも対策を考えておくよ」

 

いや、私に向かって言わないでよ

会話中継を必要とせず吸血鬼さん返事をするなら

直接お母さんに言ってほしい

 

「だ、そうです」

 

面倒だから適当に中継すればお母さんが笑っていた

でも私にじゃなくて吸血鬼さんを見て笑ってるね

よくわかんないけど、笑うのはやめてほしい

吸血鬼さんの機嫌がドンドン悪くなってる気がするもん

えーと、どうすれば機嫌がよくなるんだろう

やっぱり褒めるとか?

対策を考えると言ってるんだし、応援する感じがいいかもー

 

「えっと、期待してますね」

 

吸血鬼さんの目が見開いた気がする

これは機嫌はよくなったのかな……?

うーん、私の顔をみて溜息をついたから違うっぽい

お母さんも「うわぁ……」って感じで引いてるし

機嫌をよくするために言ったとバレバレだったんだろうね

 

「……無自覚って恐ろしいのね……」

 

「え? 自覚して言ったよ?」

 

機嫌をよくするために言ったのは

自分でも自覚してるしー

……なんでお母さんが爆笑してるんだろう

まぁいいか

だって、なんか楽しいしね

吸血鬼さんの機嫌は悪くなってそうだけど

さっきまで泣いてたのがウソみたいに私は楽しいだもん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが私が覚えてる吸血鬼さんとの思い出だった

あれから何年もたって思うんだ

多分、吸血鬼さんが私の初恋の人なんだろうなーって。

 

お母さんが死んじゃってどうでも良くなった時

吸血鬼さんの「ずっと待ってる」がなかったら

私はお母さんを追いかけていった気がする

……まぁ私の心が整理できるまで

里のみんなが総出で私の暴走を止めてくれたのが大きいけどね

 

あのまま暴走していたら、やばかった気がする……

そういう意味では里のみんなには悪いと思った

里のみんなは私に残ってほしいそうだったからね

本当にいっぱいお世話になったのにねー

それでも、私は外の世界で生きるって決めれば

笑って送り出してくれたんだ

……制御についてはもの凄く厳しかったけどね

耳にたこが出来るぐらい言われたもん

 

私はお母さんと一緒に居たから

天狗が珍しい存在なんて知らなかったからね……

お母さんが滅多に妖怪の姿にならなかったのは

そういう理由もあったんだって

教えてくれても良かったのにと思うところがあるけど

私にビクビクと生活してほしくなかったらしい

 

お母さんの気遣いがあったからこそ

私は外の世界で生きたいと思えたんだろうねー

やっぱりお母さんは凄い

私は力が強いらしいけど、お母さんには敵わないって思うんだ

 

ただ……ちょっとお母さんって抜けてるよね

まぁ私もだけどさ……

 

多分、お母さんは忘れてるわけがないと思ったんだろうね

私はよく吸血鬼さんは元気かな?とか言ってたしね

でもね、私は小さかったんだよ

お母さんの旅に着いて行ってた感じだったんだ

はぁ……本当に……

 

「吸血鬼さんと出会った場所はどこだろ……」

 

……まぁ小さいころの話だし

吸血鬼さんは覚えてない可能性の方が高いよね

初恋だから私が美化してるだけだよねー

 

旅をしてる間に出会えればラッキーと思っておこう




多分、次から原作です。


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第79話

さて、どうするべきか……

吸血鬼さんを探しながら旅をしてると

変な髪型の人間に絡まれちゃったよ

後ろに妖怪がいるし、妖怪づかいなのかなー?

 

「クフフフ

 まさかこんなところで妖怪づかいと会うとは……

 まだ妖怪を連れていないようですが

 本物の妖怪づかいは僕です! 

 あなたの行動は無駄な努力です!」

 

なんか勝手に勘違いしてるし……

んー吸血鬼の情報を集めてたからかなー

最近、この近くで吸血鬼が暴れた噂を聞いたから

慌てて情報集めたから失敗したかもー

 

「すみません。私は妖怪づかいじゃありませんよー」

 

ってか、私は妖怪だし。

妖怪が妖怪を連れていれば

百鬼夜行とかの表現の方があってる気がする

 

「おや? ヒバリンを倒すつもりでは?」

 

「違いますよー

 昔、お世話になった吸血鬼さんを探してるんです。

 暴れた吸血鬼が何か知っていればいいなーと思いまして」

 

「ほう。吸血鬼が人助けとは珍しい」

 

情報を集めてるとこれはよく言われる

吸血鬼は人間を見下したりするらしいからね

まぁ……私は人間じゃないけど

 

「……いいでしょう

 僕がその願いを叶えてあげましょう」

 

「いえ、結構です」

 

はっきり断ったから

変な髪形の人がイラついた気がする

 

「吸血鬼を甘くみないほうがいい

 あなたが知っている吸血鬼とは別物です」

 

うーん、面倒なことになった

私を心配してくれてるのは嬉しいことなんだけど

ぶっちゃけ1人の方が楽なんだよね

話を聞けないほど、

吸血鬼が暴れれば倒しちゃえばいいし。

人前で力を使っちゃダメって言われてるからねー

ここは適当に誤魔化すか……

 

「私が知ってる吸血鬼さんとは

 交流がなさそうなタイプなので

 違う街に行こうかなと思ってたところなんです」

 

「そうでしたか

 では、縁があればまた会いましょう」

 

……悪いことしちゃったなー

まぁしょうがないか……

 

 

 

 

 

 

もう1度会うとめんどくさいから隣町に移動した

そして情報を集めてわかったことがある

この吸血鬼と話した方がいい

 

噂どおり吸血鬼に襲われた村は普通の村だった

でも暴れた吸血鬼は吸い殺したりしてないんだよねー

というか、負傷者がいない。数件の家が壊されただけ

それも壊されたのは村長や重役の家だったらしい

まぁ村の中で偉い人の家が壊されれば

退治の理由になるかもしれないけど……

 

村を襲ったのは何か理由がある気がする

このヒバリンっていう吸血鬼は多分悪い妖怪じゃない

だって、退治しにきた勇者達を

わざわざ追い返すことなんてしないよ

ものすごい手間がかかるからね

 

吸血鬼は妖怪の中でもかなり強い

手加減して人を殺さないようにしてるってことだよ

……血は吸ってるみたいだけど……

まぁ吸血鬼だし……

 

とりあえず、会いに行こう

ヒバリンとは話が通じる気がするからね

 

吸血鬼さんのことを何か知っていればいいけど……

あーせめて名前ぐらい聞いとけば良かったなー

探して何年になるんだろう?

 

目的もない旅だったから

ちょうど良かったんだけど……

全く情報が見つからないから諦めて

何か新しい目的を探そうかなって思うんだよね

 

「やばっ……」

 

ちょっと考え事に集中してた

湿った風が流れるよ

多分、もうすぐ雨が降ってくる

それもかなり強い雨だ……

 

もう少し歩けば村があったはずだよね?

うわー間に合うかなー

 

 

 

 

 

 

 

……間に合わなかったよ

合羽はあったけど意味がなかったよ

ビショビショになった……

それもこの村には宿がなかった

 

今日は厄日だ……

まぁまだ農場の倉庫で泊めてもらえるだけましか……

それに思ったより綺麗だしね

 

「へっくし!」

 

……可愛くないくしゃみが出た

ってか、可愛いとか言ってる場合じゃない

私は頑丈だけど、もし風邪をひけば危ないんだよ

少し制御が緩んで匂いがもれるらしい

 

さっさと着替えないと……

雨が降ってるから

そこまで心配しなくてもいいと思うけど……

妖怪が襲ってきたら怖いからね

 

言ってるそばからやってきたかも……

誰か来る気配がする

自分ではわからないけど熱があるのかなー

 

「あのー……」

 

あれ?声をかけてきたし違う?

妖怪だったら、襲ってくると思うし……

でもこの大雨の中、見に来る人なんている?

……どっちでもいいか

警戒しながらドアを開こう

 

「すみません。どうかしましたか?

 あ、私が言うのも変ですが入ってください」

 

「う、うん。ありがとう」

 

んー普通の男の子っぽい

ちょっと緊張してそうだし……

でも私の顔を見て驚いたよね?

 

「えっと、オレは住み込みでここで働いてるんだ

 それで……オレの部屋でもいいなら風呂に……」

 

うわー、わざわざそのために来てくれたの!?

雨が凄いのに……ビックリだ

……危ない危ない

警戒を解きそうになったよ

もしかすると罠かもしれないんだ

私は珍しい天狗って忘れるところだった

 

「気持ちだけ受け取りますね」

 

「な、何もしないから!

 オレ、外でずっと待ってるよ!

 だから風呂に入って!

 このままだと風邪ひいちゃうよ!」

 

……あれ?

なんか違う気がしてきた

今にも雨の中へ行こうしてるし!

 

「ま、待って!

 そんなことすれば、君が風邪を引くよ!」

 

慌てて腕を掴んで引き止めれば

この子はただの人間ってわかった

……筋肉がなかったんだ

 

「ありがとう

 外で待ってなくてもいいからね

 一人旅してるぐらいだよ?

 もし覗いたりすれば君ぐらい簡単に倒せるよー」

 

「の、覗かないよ!!」

 

真っ赤な顔で否定されたなー

これはからかいたくなるタイプだね

 

「まぁそうだよね

 私はたいしたことない体系をしてるしねー」

 

「やっ、そういう意味じゃなくて……」

 

「ぷっ!」

 

さらに必死になったから笑ってしまったよ

男の子も冗談と気付いたみたいで

顔がもっと赤くなっちゃった

 

「ごめんなさい

 ちょっとからかいすぎたね

 でもどこか緊張してる感じがしたんだ」

 

「……一人旅をしてるって聞いて

 勝手に男の人だと思ったんだ……それで……」

 

あーなるほど

だから私の顔を見てビックリしたのか……

これは全部私が悪い気がする

 

「本当にゴメンね」

 

「ううん

 オレも勝手に勘違いしたのもあったし……」

 

「ありがとうね

 でも本当に私が使ってもいいの?」

 

「そうだった!

 早く入らないと風邪引いちゃうよ!」

 

本当にいい人だなー

私の体調の心配しかしてない感じだ

甘えて入らせてもらおう♪

 




かなりお待たせしました
その代わりというのは変ですが、最終話まで毎日更新の予定です。


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第80話

荷造りしてると男の子……ツナ君が戻ってきた

いや、ツナ君の部屋だから普通のことなんだけどね

 

昨日、お風呂借りて、倉庫より安全だからってことで

部屋で泊まらせてもらっただけなのに

自分の部屋みたいに思ってしまったなー

私、ひどい(笑)

 

でも昨日の話では仕事で見送り出来ないって

もの凄く悲しそうに言ったから

戻ってこれないと思ってたんだけど……

 

「どうしたの?」

 

「あの、お願いがあるんだけど……」

 

んーなんだろ?

ツナ君にはお世話になったからね!

私に出来ることなら叶えてあげたいよ

 

話を聞けば、魔法使いっていう人が訪ねてきたらしい

でも1人で聞く勇気はないし、

頼める友達もいないから私に声をかけたんだって

……凄くいい子なのに友達いないんだね……

 

「それぐらいなら大丈夫だよー

 変な人だったら私が追い払ってあげるよー」

 

「小さいしそれは大丈夫だと思うけど……」

 

甘いなー

小さいからといって油断してると

簡単に殺されちゃう世の中なのにねー

 

 

 

 

 

 

確かにツナ君が言ったとおり

見た感じは小さな子で名前はりぼじい

 

……この子は強いね

一つ一つの動作にスキがない

ただ、妖怪のような感じはしないなー

 

リボじいの話を聞けば、

ツナ君が妖怪づかいの血をひく勇者らしい

 

うーん、そんな感じは全くしないんだけどなー

今にも逃げ出したいっぽいオーラを出してるしね

 

「妖怪づかいなんて知らないよー!」

 

「結構いるよー

 私もこの前会ったしー」

 

「そうなんだ……

 あ! オレがいいたいのはそっちじゃなくて……

 オレが勇者とかじゃないよ!

 それに怖いしムリだよ!」

 

あーそっちだったのね

ツナ君も自分が勇者とかないって思うんだ(笑)

それに仲間を集めて吸血鬼を退治しろって言っても

あの吸血鬼は悪い吸血鬼じゃないと思うし……

これは帰ってもらおう

 

おっと、リボじいが杖でツナ君を殴ろうとしてるよ

これは防がないと護衛の立場がない

 

懐からナイフを出して、杖を止めよう

斬れないように峰はかえそうかな?

 

「えええ!?」

 

「どういうつもりかな?」

 

「まだ終わりじゃありませんぞ」

 

やばっ!ツナ君の方へ何か投げたよ!

小さくて防ぐのが難しい!

風は使っちゃダメだし!!

 

「ツナ君!?」

 

「え?」

 

……うん。返事した時にパクって食べちゃったよ

いやいやいや、見とれてる場合じゃない!

早く吐き出さないと!!

声をかけようとしたらツナ君の額から炎がでた

えええ!?どうなってんの!?

 

「いくぜ! 仲間を集めるぞ!」

 

「……へ?」

 

あなたは誰ですか……?

人が変わったよ

目つきも口調も違うし……

リボじいいわく、ツナ君が食べたのは

モンモンキャンディーと言って

眠っていた血が騒ぎだして

妖怪づかい超ツナにバージョンアップするらしい

 

……どこからツッコミすればいいかわからない

本人がやる気になったからもういいのかな……

あ、私も吸血鬼さんに用事があるんだった

一緒に行こうかな?なんか心配だし……

 

「ツナ君、私も一緒にいってもいい?」

 

「ああ。オレについて来い」

 

……うん。私はもう別人というツッコミはしないよ

 

 

 

 

 

 

 

 

キャンディーの効果が切れると

いつも通りのツナ君で旅に出たことを後悔していた

それでも旅は続けるみたい

あの時のツナ君もツナ君なんだね

……変な日本語だ。まぁいいか……

 

「ご、ごめん……巻き込んじゃって……」

 

「いいってば。

 元々、私もその吸血鬼に用事があったからね」

 

「用事とは何ですかな?」

 

ちょっと面倒くさいけど説明。

まぁ簡単に吸血鬼さんを探してることと

村を襲った理由を知りたいと教えたぐらいだけどー

 

「理由って言っても……吸血鬼の気まぐれじゃ……」

 

「んー多分違うよ

 私がお世話になった吸血鬼さんはかなり強かったんだ

 人間なんてすぐ殺せちゃうぐらいにね

 だから、噂ほど悪い吸血鬼じゃないと思う

 血は吸ってるけど、無傷で追い返してるからね」

 

「じゃ、じゃぁ……話をすれば!」

 

「話が出来ればねー」

 

あーツナ君がわかってない顔をしてるね

まぁ悪く吸血鬼じゃないって言ってるのに

話が出来ない理由がわからないんだろうね

 

「そうですぞ

 数々の勇者がヒバリンを退治しようとしてますからな

 我々が話を聞きたいと思っても

 血を吸われて追い返されるだけでしょう」

 

「えーー!?」

 

「そのために仲間を集めるのですぞ」

 

「で、でも……追い返してるだけなら

 今のままでも問題ないんじゃ……」

 

「何に怒ってるのかわからないと

 誰かがまた同じことしちゃったら家とか壊されるよ?

 例えば、ツナ君が無意識に吸血鬼さんの怒りをかって……」

 

「ひいいい!!」

 

ちょっと脅しただけなのに怯えられたよ

まぁ理由はわかったみたいだね

 

「では、ここによっていきますぞ」

 

リボじいの指を辿れば、見るからに怪しい工場があった

わざとツナ君を怖がらせてるのかなーと思ってると

ツナ君達はもう工場に突入していた

……もう少し集団行動してほしい

護衛しにくいよ……

 

「出たー! 怪物ーー!!」

 

あれ?呼吸や動く気配がないから

問題ないと思ってたけど……油断しすぎた?

やばいやばい、急いでいかないと!!

 

追いつくとリボじいが人造人間の説明をしていた

人造人間ってやばいんじゃ……

会ったことがないから勝手なイメージになるけど

パワーが凄すぎる気がする

力を抑えてる私では相性が良くない

 

「ツナ君、起こしちゃダメ!」

 

「極限ーー!!」

 

うわー遅かったみたい!!

ツナ君より前に出て守るために慌てて向かおうとすれば

リボじいが私の邪魔をする位置に立った

 

「どけっ!」

 

私が殺気を込めてるけど、リボじいは動かない

勘だけど、動けないじゃなくて動かない

一直線に向かわなければ、今の私じゃ間に合わない

……このままじゃ……ツナ君が……

 

「落ち着いてください

 彼は妖怪づかいの血を引く勇者ですぞ」

 

リボじいの言葉を無視して

道を開けろと言う意味でナイフを投げる

私は予想通り、リボじいは動けたらしく簡単に避けた

今はそれどころじゃないのでリボじいのことは放置

 

何とか間に合ってツナ君の前に守るように立てば

ツナ君の慌てる声が聞こえた

 

「ダメだ!」

 

そう叫んだと同時にツナ君は私の前に出た

普段の動きと違うからちょっとビックリだ……

いやいやいや、驚いてる場合じゃない!!

妖怪の姿じゃなくてもツナ君より私は頑丈なんだよ!?

 

流石にもう間に合わない!と、思ったら

人造人間はツナ君の前で止まってるだけで何もしない

 

「極限ニ、ナカマダ!!」

 

「「えーっと……」」

 

あ、ツナ君と声が揃った

ツナ君もどういう状況かわからなかったっぽい

 

「もしかして……起こしたから?」

 

「そうですぞ」

 

私の心配しすぎだったみたいだねー

あー良かった

 

「いでででで!!」

 

……良くなかったね

ツナ君が人造人間に抱きしめられて

大変なことになってるよ……

って、早く助けないと!!

 




リボじいの口調がリボーンと違う……
もの凄く書きにくいww


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第81話

ツナ君は悪気がなかったということで

人造人間のリョウヘイを仲間にした

 

うーん、ツナ君は大物かもしれない

痛い思いしちゃえばもう仲間に出来ない気がする

それもツナ君は充電切れしたリョウヘイを

置いていかず背負って歩いているしねー

まぁ文句は言ってるけど……

 

……あーでも人のこと言えないか

吸い殺されそうになったのに

気絶した吸血鬼さんを運んであげたよ

ちょっと遠い目になってしまった……

 

「どうしたの?」

 

「なんでもないよー

 ツナ君、重いでしょ。交代するよ?」

 

「だ、大丈夫だよ」

 

ツナ君は男の子としての意地があるらしい

重くても私とかわろうとしないからね

 

「じゃぁ、ちょっと早いけど……

 次の広い場所で野宿の準備しよっか?」

 

「の、野宿ーー!?」

 

「あなたがノロマだからですぞ」

 

いや、しょうがないでしょ……

人造人間は重そうだし……

 

「元々、ヒバリン城には1日で着かないよー

 私が遅れて追いついたのは

 必要な道具をいろいろ買ってたからだよ?」

 

私は道具は持ってるけどツナ君はないからね

それに私は多少食べ物が足らなくても

狩って食べれば何とかなるけどー

ツナ君は人間だし初めてだからね

念のために買っておいた方が安全と思ったんだよ

 

「そうだったのー!?」

 

「うん」

 

ツナ君は落ち込んでるみたいだけど

あの時のツナ君は変だったからね

しょうがないと思う……

 

 

 

 

 

 

ツナ君とリボじいは料理ができないらしい

だから私が作ったよ……

作るのは別にいいんだよ

ただ……私がいない時はどうするつもりだったの……

まぁいいか

私が一緒にいるしねー

 

「はい。どうぞー」

 

うん。これは美味しそうだ

ちょっと早めに野宿の準備をした分、

薬草や魚を獲る時間があったからねー

栄養もありそう!

 

「助かったよ

 オレ、何も出来なくて……」

 

「本当にあなたは見ているだけでしたな」

 

「お前もじゃん!」

 

「ふふ。こういうのは慣れだからね

 しょうがないよ」

 

まぁリボじいは出来る気がするんだけどね

本当に、リボじいは謎だ

魔法使いなのに身体能力が凄い

聞きたいけどどこまで聞いていいのかわからない

下手に聞いて、正体が隠せなくなるのは勘弁だからね

 

 

 

 

 

 

「そういや、吸血鬼に詳しいんだよね?

 昔、お世話になったって言ってたし……」

 

見張りをしているとツナ君が寝転びながら話題を出してきた

ってか、寝なくていいの?

今は私が見張りの番なのに……

あー野宿が初めてだから眠れないのか……

 

「そうだよー。私の初恋なんだ♪」

 

「ええええー!?」

 

やっぱり驚くよねー

吸血鬼だし……はぁ……

ってか、リボじいが起きちゃうから

もう少し声を抑えたほうがいいと思う

 

「良い心がもってる吸血鬼もいるんだ……

 あ! そうじゃないと探す旅に出ないよね!」

 

「…………」

 

「ど、どうしたの……?」

 

ビックリしてちょっと思考が止まっちゃった

里ではお母さん以外は

吸血鬼さんのことを悪く言ったんだよ

天狗は珍しいから騙そうとしたとか、いろいろ……

だから冗談っぽく明るく言ったのに……

 

「ご、ごめん

 ちょっと嬉しくて……」

 

ツナ君がよくわかってなさそう

本当に思ったことを言ったんだ……

 

「……とても優しい妖怪だよ

 私のお母さんが病気でね

 いつも新鮮な薬草をとってきてくれたんだ

 お母さんが少しでも長く生きれたのは

 吸血鬼さんのおかげだと思うんだ……」

 

今だからわかるんだよね

覚醒する少し前から人間じゃない匂いが

駄々漏れの状態だったと思う

吸血鬼さんが1日に何回もマーキングしてくれたから

お母さんは力を使わず休めたってね

 

「……そっか

 また会えるといいね」

 

「うん」

 

会いたいな……

大騒ぎになると思うけど

思いっきり空を飛んで探しに行きたい

見つからなかったら……

もうそのまま……風に身を任せて……

 

「ダメだ!!」

 

「へ? どうしたの?」

 

いきなりツナ君が叫んだけど何かあった?

ツナ君達以外の気配はないと思うけど……

 

「……あ、れ? ごめん!!

 なんでもないよ!!」

 

ふむ?まぁいいか

 

「あ、あの……」

 

あれ?やっぱり何かあるのかな?

なんか気まずそうに話しかけてくるよ

 

「なぁに?」

 

「よく考えると名前を知らないなーって……」

 

あー、ついに気付かれた

話題になる前に話を逸らしてたんだけどなー

 

「ヒミツ♪」

 

とりあえず誤魔化してみた

……落ち込んじゃったよ

普通は私に怒ることだと思うんだけどなー

 

「名前を教えるのが嫌いなんだ

 ……嫌いになったといったほうが正しいかな

 いつもは適当に名前を教えるんだけどね

 でもツナ君にはウソをつきたくないと思ったの

 だからヒミツ♪」

 

「……わかった。無理にはきかない

 でも、オレは待ってるから」

 

真っ直ぐな目をして言われると困っちゃうなー

ますますツナ君には名前を教えれないや……

いつか私の名を知ってるだけでも

狙われることになるかもしれないからね

ツナ君には言えないよ……

 

「待ってるか……」

 

「うん。待ってるよ」

 

吸血鬼さんにも同じ事を言われたなー

 

「吸血鬼さんを見つけることが出来なくて

 諦めてしまったら、ツナ君に会いに行こうかなー

 その時に教えようかな?」

 

「会えるよ、絶対!

 だからその吸血鬼と会えたらだね」

 

「そうだね。私もツナ君にいい報告をしに行きたいよ」

 

ツナ君の嬉しそうな顔を見て

いい未来が想像できて、また頑張れそうな気がした

 

ただ、ちょっと気が緩んだのもあって

かなり近づかれるまで気配に気付かなかった

下手に教えるのは危険だ……

このまま気付かないフリをしてツナ君に近づこう

 

「ん? どうしたの?」

 

「寝れなさそうだし、膝枕してあげよかなーと」

 

「えええーーー!?」

 

……失敗したね

まさかツナ君がこんなにも驚くとは思わなかったんだ

慌ててツナ君を抱きかかえる

状況がわかってなさそうだけど、放置

今はそれどころじゃない

ツナ君を抱きかかえたまま、避けるのは大変なんだ!!

さっきからツナ君ばっかり狙ってる気がするしね!

 

「……てめぇ、なにもんだ」

 

ギリギリかわし続けてると声をかけられた

狼男とは初めて会うから知らなかった

意外と戦いながらも冷静っぽい

 

「ただの護衛だよ」

 

「ッチ」

 

舌打ちすると同時に攻撃の手数が増えた

……やばいね

リョウヘイは眠ってたままだし

リボじいは手を出すつもりはないっぽい

ツナ君を守りながらではジリジリとやられるだけだ

何か手を打たないと……

 

「ツナ君、狼男に何か心当たりない!?」

 

「オレにもわかんないよ!!」

 

「っ!」

 

怯えて頭を抱え込んだツナ君を

横目で見たのがダメだったっぽい

攻撃を受け流すことに失敗した

私の手が痺れたスキを逃すわけもなく

ツナ君に狼男が襲いかかろうとしていた

 

「うわぁ!」

 

バキッと音がしてツナ君が殴り飛ばされた

……殴り飛ばされた……?

 

自分でもやばいと思った

これは私の怒りで風が暴走する時の感覚だ

でも抑えれそうにない

 

狼男はツナ君をまた殴ろうとする手を止め

振り返り私を警戒していた

 

「いててて……。え? え?」

 

私達の流れる空気が変だと思ったのか

ツナ君は私達を交互に見ていた

何かきっかけがあれば、動く

それぐらいの緊張感が私達の間に流れるしね

 

ザッ

 

ツナ君が立ち上がった音がきっかけになった

私は暴走してツナ君に被害が起きるのが嫌で

妖怪の姿に変身しようと決めた

姿を見られるのは問題だけど

変身した方が制御が楽だからね

 

「魚大好きニャー!!」

 

「へ……?」

 

背中から羽が生えると思った時に

私に掴みかかろうとした狼男が

ツナ君の足元にある魚に飛びついた

……えーと、何だこれ?

 

多分、魚は立ち上がった時に落ちたんだろうね

ご飯を食べてる時に見張りの時に食べるって

大事そうにツナ君が残してたからね

 

「もしかして……ツナ君を狙ってたのは

 魚の匂いのせい……?」

 

「えええーー!?」

 

ツナ君の驚く声はしょうがないと思う

私だってそんな理由とは思わなかったよ……

 

それに狼男じゃなくてネコ男だった

見破ったのはツナ君だから忠誠を誓ったけど

あの姿を見たら誰だって気付くと思う……

まぁいいか……

 




昨日はお休みしました。すみません
最終話まで無事に出来ましたので、休んでも次の日には必ず更新します。


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第82話

「ツナ君。はい、これ」

 

私が手渡した物を見てツナ君は首をひねってた

 

「ゴクデラ達の分はないけど我慢してね

 私達は人間だしー」

 

まぁ私は人間じゃないけどね

 

「えっと、なんで雨合羽?」

 

「晴れてるだろーが」

 

あー妖怪でもネコ男にはわからないのか……

さて、どうやって説明しよう

さっきから風が変なんだよねー

普通の雨じゃない気もするし……

 

「旅の勘というものなのでしょうな

 あなたも彼女に見習ったほうがいいですぞ」

 

「わ、わかった」

 

私が先に合羽を着たのもあって

特に問題なく着せることが出来たみたい

 

「後は雨宿りが出来るところが見当たればねー」

 

そういった瞬間、ポタポタと雨が降ってきた

 

「わっ、本当に降ってきたよ!」

 

ツナ君達が慌てて雨宿りが出来るところを

必死に探しているなーと思いながら、私は空を見る

 

「…………」

 

「なにかわかりますか?」

 

リボじいの言葉に首を横に振る

変身していない私には原因がわからない

ただ、いつの風じゃない

風が何か強い力に動かされていることがわかるけど……

 

「こっちにあったよー!!」

 

ツナ君の声で我に返る

風が少し心配だけど、早く雨宿りしないと!

 

 

雨宿りするとツナ君にお礼を言われた

合羽を渡したからだろうね

嬉しかったけど、それより風の方が気になった

 

「すぐ止むといいね」

 

私が不安そうに空を見ていると

ツナ君が天気を心配してると勘違いしたっぽい

だから曖昧に頷く

 

「あれ? 止んだ?」

 

「でも多分……また降るよ」

 

止んだけど、風がおかしいもん

だからこれは一時的なものだ

 

「今のうちに進んだほうがいいんじゃないスか?」

 

ツナ君とゴクデラが外に出たけど

すぐに雨が降ってきたから戻ってきた

 

結局、私の言葉を信じて

そのまま動かないことになった

 

 

 

 

 

 

 

「入らないと風邪引くよ」

 

外に出て空を見ているとツナ君がやってきた

 

「……うん」

 

流石に心配かけるのは悪いし

雨宿りしながら空を見ることにしよう

 

「何か空の思い出でもあるの……?」

 

「へ?」

 

「今日だけじゃなく、よく空を見てたから……

 変な話だけど、空を見ていると君を見ると

 どこかに行っちゃう気がして……」

 

「あるといえばあるかな」

 

ある意味、空が故郷のようなものだからね

人間の感覚では一族の里が故郷というものだろうけど

私達の感覚では空になるんだよね

お母さんも空で亡くなることを選んだ

ちょっと寂しい気持ちもあったけど

どこか納得する自分も居た

多分、本能なんだろうね

 

「オレも空に思い出があるんだ」

 

言葉を濁しながら戻った私に

ツナ君が話題を振ってきた

 

「聞きたいッス!」

 

私も興味があったから頷けば

ツナ君は少し照れくさそうに話し始めた

 

「小さい頃にガケから落ちたんだ」

 

「「え!」」

 

「その時、オレは空を飛んだんだ

 近くにいた妖怪が助けてくれてね」

 

どこか懐かしそうに話すツナ君を見て

それで妖怪にたいして恐怖が少ないのかもね

まぁ性格が1番大きいと思うけど……

 

「かわった妖怪スね

 普通は助けねーと思いますが……」

 

「うん。みたいだね

 みんなには妖怪は怖いものって言われるし

 誰にも話せなくなっちゃったんだ……」

 

あー暗くなっちゃったなー

もしかすると妖怪の話をしていじめられたのかも……

まぁなかなか優しい妖怪には会えないからね

人間と一緒に生活している妖怪もいるけど

正体を隠し続けるせいで普通は気付かないからね

……そっか

だからツナ君は優しい吸血鬼がいても

不思議なこととは思わなかったんだ……

 

「でも空を見るとオレはその時に会った妖怪を

 いつも思い出すんだ……

 顔はあんまり覚えてないけどね」

 

小さいころって言ってたしそれはしょうがなでしょ

私だって吸血鬼さんのことをあんまり覚えてないしね

そういえば……昔……

 

「こ、この雨も妖怪の力だったりして!」

 

考えているとツナ君が早口で言った

あーまた空を見てるから不安になったのかな?

大丈夫という意味で笑おう

ツナ君がほっとしたからわかってくれたっぽい

 

「ガハハハ! やっと気付いたもんね!!」

 

「「へ?」」

 

あ、ツナ君と声が揃ったね

 

「流石です!」

 

ゴクデラがツナ君を褒めてるけど

私達にはさっきの言葉が

本気じゃないとわかってるからね……

微妙なリアクションをしてしまった

 

「最強の怪物!!

 カミナリ様のランボさんのしわざだもんね!!」

 

……なんか知ってる気がする

まぁ気のせいじゃないんだろうね

 

「ぐぴゃっ!」

 

私の顔を見て驚いていた

まぁそうだろうね

私とは思わなかったんだろうね

 

「えーと、知り合い?」

 

「ちょっとね。

 ……何をしてたのかな?」

 

「ごめんなさぁぁぁい!!」

 

……泣いちゃったよ

でも私が怖いわけじゃないんだね

抱きつかれて泣かれたよ……

 

「許してあげてほしい……

 この子、妖怪だけど悪い子じゃないんだ」

 

私に謝りながら抱きつくランボを見て

怒るのをやめてくれたみたい

いやー、助かった

 

私の一族とランボ君の一族は関係が深いんだよ

同じ天候を操る同士だからね

まぁどっちかというと私の一族の方が力が強い

理由は風をつかって雷を呼び起こせるからね

でも上下関係とはない

だから何度かあって遊んだこともあったんだ

……まさかこんなところで会うとは思わなかったけど

 

とりあえずランボ君には

名前は話さないようにしてもらおう

ってか、ランボ君もそれぐらいわかってるか……

ランボ君の一族も珍しいし……

自分で名乗るのはまだいいけど

勝手に名前を教えるのは掟に反するからね

 

「どうしてここにいるの?

 少し前に違う街で会ったよね?」

 

まぁ空でだけどね

でも雲を使って移動してきたといっても

ランボ君のスピードだとこの距離は大変なことだと思う

 

「グスッ。か、風に流されて……」

 

あー、風には弱いもんねー

もしかして里にも帰れなくなってた?

 

「じゃ帰ろっか? 大丈夫だよ

 私も一緒に行って怒られないようにお願いするよ」

 

ツナ君達には悪いけど、先にこの子を送らないと……

多分まだ小さくて雷で助けも呼ぶことも出来ないんだ

確か、雷で言葉を伝えれたはずだし……

迷子になってるってことはまだ出来ないんだろうね

 

ってか、出来ないなら里から出さないでよ……

あー黙って出てきたのか……

前に会った時に里に帰らせれば良かったなー

 

「やだやだ! 一緒に旅するもんね!」

 

……これは困った

最悪、私が風で保護したと伝言を送ればいいけど……

そのためには変身しないといけないし……

まぁどの道、ツナ君達とはお別れになるのか

この子を吸血鬼のところに連れて行くのは危ないしね

 

「うざいですが、戦力とすれば十分ですぞ」

 

「そういえば……雷だし……

 でも小さいし危ないよ」

 

ツナ君の言葉に私も頷く

いくら力が強いといっても

こんな小さな子を危ない目に合わすのは反対!

 

「オレっちは強いんだぞ!!」

 

……あ、このパターンはダメだ

これは私が離れてもツナ君達についていくよ

 

「……ごめん」

 

私が悪いわけじゃないけど

ツナ君達に謝らないといけない気がしたんだ……

……後でこっそり変身しよう




ランボの妖怪の種類がもの凄く強いと思うのは私だけなのかな……


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第83話

片方でランボ君を抱きしめ

もう片方でツナ君の服のすそを握って歩く

 

「だ、大丈夫……?」

 

ツナ君が心配して声をかけたっぽい

曖昧に頷くと更に心配していた

 

ってか、なんでわざわざ墓場の前を通るんだ……

私には理解出来ない!

まぁ吸血鬼と早く話した方がいいのはわかるけど

墓場の前を通る必要はないと思う!!

 

「怖い気持ちはわかるけどね……

 オレももし幽霊やゾンビが出たら

 どうしようって思ってるし……」

 

その割には落ち着いてる気がする

……私がオロオロしてるからか……

情けないことに否定出来ない!

風を感じることも出来ないぐらいに

私は集中してないからね……

 

「友達になっちまえばいいじゃねーか!」

 

声が聞こえた方に恐る恐る向く

いやーなんかいたーー!!

 

「ってミイラ出たーーー!」

 

「へ? なんだぁ……ミイラね」

 

「えー! ミイラは大丈夫なのー!?」

 

「うん」

 

風で攻撃できるし気配を探れるからね

幽霊は出来ないから怖い

 

「ん? オレはゾンビだぜ」

 

「ゾンビも大丈夫だよー」

 

「そっかそっか」

 

「なにそれーーー!?」

 

ツナ君が私達が笑いあってる姿を見て叫んでた

んーなんでだろ?

まぁいいか

 

安心したし、ランボ君の様子を見てみよう

意外と元気だった

もしかして雷って幽霊にもあたるのかな?

 

そんなことを思ってる間に

ゾンビの山本と脳?の武が仲間になった

 

 

 

 

 

 

ゾンビの山本は仲間に裏切られて死んだらしい

まぁ恨みがないとゾンビにならないか……

でもなんでツナ君についていくことにしたんだろ?

 

「どうして仲間にしてほしいと思ったの?

 また裏切られるかもしれないよ?」

 

「1人より仲間と一緒の方が楽しいじゃねーか」

 

なるほど

裏切られる前はいい思い出ばっかりだったのね

 

「それに、ツナは怖がりながらもオレと握手するんだぜ

 脳だって戻してくれたしな!」

 

あーそういえば握手してたね

リョウヘイを仲間にする時もしてたような……

そういうところが妖怪に好かれるのかー

 

「ツナ君といるとあったかい気持ちになるもんね」

 

吸血鬼さんを思い出した時も

あったかい気持ちになるけど……

でもそれとは多分違う

ドキドキしてあったかくなる感じで

ツナ君はポカポカする温かさだよ

 

「仲間かー……」

 

楽しそうにゴクデラと歩いてるツナ君の姿を見ると

私は出会い方を間違ったんだろうねー……

妖怪の姿で出会っていれば良かったのに……

 

「ああ 仲間にしてくれてサンンキューな」

 

……あれ?

もしかして山本の中では私も仲間に入ってるの?

 

「えーと、私は……」

 

「本物の妖怪づかいは僕です!」

 

あ、邪魔された

うわー、それも会いたくない人にあったよ……

相変わらず変な髪形だなー

山本の後ろに隠れさせてもらおう

 

「おや? あなたは……」

 

「ヒトチガイデス」

 

「まさかそちらに頼むとは……許しませんね」

 

「ヒトチガイデス」

 

ヒトチガイと言ってるのに

私の話を全く信じてくれないねー

いやー、困った困った

 

「また知り合いなの……?」

 

「私が吸血鬼に用事があるのを知って

 退治するついでに叶えてあげてもいいって……

 それを断ったから気まずいんだよ」

 

「でも、それっていい話だったんじゃ?」

 

「まぁそうなんだけどね

 変な髪形だし、自信満々だし、

 変な杖持ってるしー、変な髪形だしー」

 

「変な髪形って二度言ったーー!?」

 

あ、しまった

変な髪と思いすぎて二度も言ってしまったね

……オコッテルナー

 

「えへへ」

 

とりあえず笑って誤魔化してみた

 

「ゆけ! イヌ男 犬!」

 

ダメだったみたい

でも犬は穴掘りに夢中で助かったよ

ってか……今気付いた

あの変な髪形が存在感がありすぎて気付かなかった

 

「ツナ君、あの子可愛いよ!!

 連れて行こうよ!!」

 

「今の状況わかってんのー!?」

 

ちぇ、ダメみたい

この前会った時にはいなかったんだよねー

くそー、あんな可愛い子がいるなら

一緒に行っても良かったかなー

 

「じゃぁ頑張ってね

 私、可愛い子には手を出さない主義なの」

 

「そんなー!?」

 

今までずっと助けてた分、ツナ君がショックを受けた

でも私がいなくてももう大丈夫でしょ

いっぱい妖怪が集まったしー

吸血鬼と話が終われば、私はまた旅に出るしね

そろそろ私がいない状況に慣れた方がいいよ

 

そう思って今回は観戦しようと決めたら

まさかの相手が勝手に自滅した

……まぁ運も実力って言うしね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いよいよヒバリン城が見えてきたなー

ってか、思ってたより……

 

「綺麗なお城だねー」

 

私が住みたいぐらいだよ

大きな城に住むってやっぱり憧れるよねー

まぁ旅をしてる私には縁がないけどね

 

「そ、そうかも……

 吸血鬼の城だからもっと暗いイメージだったよ」

 

私だけじゃなくツナ君もビックリしてた

んーやっぱり悪い吸血鬼じゃないのかもね

いや、だって……

 

「美味しそうな野菜だね」

 

「……うん」

 

ツナ君が微妙なリアクションをしていた

……城の横で野菜を育ててるからね……

吸血鬼のイメージとかけ離れてたんだと思う

薬草もあるみたいだけど、キャベツとか見るとね……

流石にこれは私もビックリしたよ

 

でも、ツナ君が怖くなくなったからいいとしよう

何も出来ずに動けなくなるのはまずいしね

 

「……あ、ツナ君」

 

「どうしたの?」

 

「悪いけど、先に行っててくれる?

 もしくはここで待ってて」

 

「え!?」

 

「ごめん! すぐに戻るから!!」

 

ツナ君の引き止める声が聞こえたけど

私は急いで森の中に入っていく

木の上に誰かが潜んでる

絶対にただの人間じゃない

気配の消し方が上手すぎるんだよ

風を使って調べれば少量だけど匂い消しの香りがした

 

「……ハンターかも」

 

人間のために悪さした妖怪を退治するのが勇者で

妖怪を捕まえて利益を得ようとするのがハンター

……最悪だね

ハンターは自分の利益しか考えてない分

目的のためには人間も殺す時がある

だからハンターは人間の世界でも賞金首になってる

 

そのハンターが吸血鬼を狙ってる

このまま放置すれば、ツナ君達に被害が行くかも

さっさと倒さないと!

 




どうしてこの主人公と骸を絡めると笑いになるんだろうw


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第84話

ど、どうしよう……

1人で森の中に入って行っちゃった……

 

「これからどうしますのかな」

 

リボじいがオレに聞いてきたけど

どうするも何も追いかけないと……!

いくら旅で慣れてるって言っても1人だと危ないよ!

 

「うわっ!」

 

急にヒバリン城の門が開いた!

これって入れってことなのー!?

 

「でも……やっぱり先に追いかけないと!!」

 

「大丈夫だもんね」

 

ランボが根拠もなく言った

いや、まてよ?

オレよりランボの方が付き合いが長いみたいだし……

 

「本当に大丈夫なのか?」

 

「ランボさん1番のりー!」

 

「あ!」

 

オレの質問を無視して入っちゃったよー!

 

「どうするスか……?」

 

「は、入ろう!」

 

「極限にいいのか?」

 

そりゃ心配だけど……

すぐ戻るって言ったんだ

だからオレは待ってる

 

「うん。行こう」

 

 

 

城に入れば中も綺麗だった

本当にオレが思っていた吸血鬼のイメージと違う

蜘蛛の巣とかがありそうだったんだけど……

 

「なにしに来たの?」

 

「ヒバリン!!」

 

「うわあああー!!」

 

ランボがもう捕まってるー!?

あいつ……何しに先に入ったんだろ……

 

「は、話をしにきたんだ!」

 

「君達と話? 必要ないね」

 

や、やっぱりそうなるのー!?

 

「ランボ!?」

 

ランボを急に投げてくるから焦ったー

ゾンビの山本が捕まえてくれて助かったよ

 

「見逃してあげるから、さっさと出ていきなよ」

 

「ええっと……」

 

やっぱりこのまま帰っちゃダメだよな……?

 

「ダメですぞ

 ここは戦って勝ち、話を聞いてもらうのですぞ」

 

リボじいがそういうとヒバリンから殺気を向けられた

ひぃぃ……!刺激するなよな!

 

「「!?」」

 

外でもの凄い音がして見てみると竜巻が発生していた

 

「さっきまでいい天気だったのにー!?」

 

「妖怪の仕業かもしれません

 微かにですがかわった匂いがします」

 

ネコ男のゴクデラの耳とシッポが逆立っていた

すると、ヒバリンがオレ達が入ってきた扉から

もの凄いスピードで外に出て行った

 

「戦わなくて良かったー……」

 

オレ達じゃ全然叶わないスピードだった

でもヒバリンが慌てて外に出るぐらいやばいんだよな?

それってオレ達もやばいんじゃ……

 

「出番ですぞ」

 

「え?」

 

声を出した時に、口の中に何かが入ってきた

つい呑み込んじゃったけどコレって……

 

「原因を探るぞ!」

 

モンモンキャンディーを食べ

死ぬ気になったオレは原因を探るために外に出た

急いだほうがいい、空から向かうぞ!

 

 

 

竜巻が発生した近くで

ヒバリンの立ち止まってる姿が見えた

驚いて立ち止まってるらしく

オレはその視線を辿ることにした

 

「……あれは……」

 

見間違うはずがなかった

さっきまでオレとずっと一緒に居たんだ

だけど、銀色の羽なんて生えてはなかった

それにあの羽の色は……

 

ガサッ

 

「!?」

 

驚いてオレが木に触れた音に反応して振り返った

少し肩で息をしていた

疲れて気付かなかったんだ……

 

「……ツナ君」

 

返事が出来なかった

理由はオレが言葉に詰まったからじゃない

気付けばあの子がヒバリンに押し倒されていたんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あー、最悪……

変身するつもりはなかったんだけどなー

 

「まぁしょうがないか……」

 

ハンターに迂闊に近づいた私が悪かったと思うしね

見つかることも考慮にいれて罠をはってることを

全く考えてなかったからねー

逃げ道がなくて避けるためについ羽を出しちゃったよ

その後は狙い撃ちだったしね……

 

時間がかければかえるほど匂いのことが心配だったから

竜巻を出したら思ったより大きくなった

まぁあの大きさにしないと全員捕まえれなかったからね

それに匂いを誤魔化したかったし……

だからしょうがないんだけど……目立ちすぎたと思う

 

うーん、私はこのまま去るべきか……

ツナ君達に別れの挨拶が出来なかったのは残念だけど

妖怪がよってくる可能性があるし……

……念のためにツナ君達が無事に村に帰るまで

こっそり後をつけることにしよう……

私のせいでツナ君達に何かあったら怖いしね

 

ガサッ

 

あ、やばっ

ちょっと長い時間考えすぎてたかも

せめて変身を解いてからすれば良かったなー

慌てて振り返るとツナ君だった

 

どうしよう……見られた

ツナ君に見られた……!

 

「……ツナ君」

 

正体が完全にバレると思ったけど名前を言った

ツナ君に怖がられたくない

でも知ってほしかった

 

だから私は気付かなかった

ツナ君に意識しすぎて、近づいてくる気配に……

 

「きゃっ!」

 

押し倒された!?

それに何、この力! 強い!

……この姿は吸血鬼だ!

力では敵わないと判断し

風で突き飛ばすために集中する

 

「ぁ……!」

 

く、首をなめられた……!

風で突き飛ばそうと思ったのに

集中力が完全に切れてしまった……

もう手足をジタバタするしか出来ない!

 

「離せ!!」

 

「邪魔しないで」

 

ツナ君が吸血鬼に挑んだけど

簡単にぶっ飛ばされた……

ツナ君はキャンディーを食べた姿だったんだよ!?

この吸血鬼、私が思っていたより強い……

 

「うぅ……ツナ君……」

 

こんなに私って弱かったの……?

風を集める集中ができなくなるなんて……

それに感情が爆発すれば風が暴走するはずなのにしない

よくわからなくて涙が出てくる

私のせいでツナ君が……!

 

「……彼が大事なの?」

 

吸血鬼の言葉に悩んだ

私の言葉でツナ君の運命が決まる気がする……

 

言葉が詰まっただけで

私の迷ってることがバレたみたいで

吸血鬼の目がかわった気がした

 

この目……知ってる……

昔、経験した

吸血鬼さんに血を吸われた時と一緒の目だ

 

「……吸血鬼さん、ごめんなさい……」

 

もう1度、血を吸われるなら……

吸血鬼さんが良かった……

だから首に牙が当たった時に呟いてしまった

 

……あれ?

痛みを覚悟したけど目を閉じたけど何も感じない

でも牙は首に当たってる感触がある

恐る恐る目を開けると

吸血鬼が必死に耐えているのか身体が震えていた

 

「……どうして謝ったの」

 

うぅ……首に息がかかってる……!

牙が当たってる距離だからしょうがないけどさ!

それより早く答えないとやばい気がする

……流石に血を吸われるなら……というのはないか

もう少し言葉を選ぼう

 

「昔、あった吸血鬼をずっと探して旅をしてるんです

 名前も出会った場所も覚えてなくて……

 気持ちも伝えずに死んじゃうと思いまして……」

 

「……気持ち?」

 

「あ、はい

 えっと……好きっていう気持ちを……

 どうせ死んじゃうなら伝えればよかったなーと……」

 

まぁ思い出じゃなく今も好きとは

自分でも思ってなかったけどね

さっき、吸われそうになって気付いた

 

「はぁ……」

 

……だから首に息がかかってるーー!!

あれ?拘束が解けたし座らせてくれたよ

 

「……先に変身をときなよ」

 

「あ、はい」

 

言われるままに人間に戻る

ってか、人間になれるってよくわかったね

あ、吸血鬼だから物知りなのか……

 

「どうして出会った場所を覚えてないの」

 

あれ?なんか説教が始まった

 

「すみません?」

 

うわー、とりあえず謝ったのがばれたみたい

思いっきり溜息をはいたからね

 

「まだわからないの?」

 

「はい?」

 

「本当にわからないの? ……優」

 

「どうして私の名前を……」

 

私の名前を知ってるのは少人数だよ

そりゃお母さんと旅をしてた時は

普通に使ってたけど……何年も前のことだし……

あれ……?もしかして……

 

「きゅ、吸血鬼さん……?」

 

「崖から落ちそうになったり

 君は本当に昔からどこか抜けてるよね」

 

「す、すみません……」

 

崖の話が出た時点で吸血鬼さんだとわかった

だからもう謝るしかなかったよ……

 




ヒバリン暴走。


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第85話 (妖怪づかいツナ最終話)

ヒバリンが吸血鬼さんというのはわかった

わかったけど、これはどういう状況なの!?

 

「あ、あの!!」

 

「……なに?」

 

声をかければ邪魔されたという感じの返事だった

いやいやいや、私は悪くないって!!

普通は止めようとするでしょ!!

ずっと髪、手、首とかにマーキングしてるんだもん!

 

「マーキング……好きですね……」

 

とりあえず思ったことを言ってみた

だってさ、話したいことがいっぱいあったのに

どこかに行っちゃったんだ……

それにもう匂いはしていないはずだしね

昔と違って私はコントロールできてるからね

 

……さっきまでパニックだったのは否定できないけど……

パニックだったのに風が暴走しなかったのもおかしいしね

あーもしかして本能?身体?は

吸血鬼さんってわかってたのかもね

まぁいいや

えっと、吸血鬼さんのマーキングのことだね

今は制御が出来ていて匂いがもれていないのはわかってる

つまり、吸血鬼さんが好きでやってるってことになる

 

「僕がどれだけ我慢していたと思ってるの?

 ……わかってなさそうだね

 今すぐ身をもってわからせるよ」

 

なんか地雷踏んだ気がするー!?

 

「ちょ、ちょっと……吸血鬼さん!?」

 

抵抗しなかったのもあるけど簡単に押し倒された!!

……………ちょっと待った

見えてしまったよ

そりゃ存在をすっかり忘れてた私も悪いと思うよ

でもさ、助けてよ!?

その前に……いつから見てたんだろう……

 

「オ、オレ……な、何も見てないから!!」

 

なんで真っ赤な顔して、あっちに向いたのー!?

ツナ君、見捨てないでよ!?

 

「……まだ、いたんだ

 はぁ、邪魔しないでよね。今、いいところなんだから」

 

「す、すみません!!」

 

あのー、私は全然良くないんですけどー

言ったら危険な気がするから言わないけどね!

あ、私の気持ちが通じたのか

吸血鬼さんは起き上がらせてくれた

 

ってか、さっきから寝転んだりしてるせいで

砂とかが背中や髪にいっぱいついてそう

風で落とすか……

ついでにツナ君もしよう

私のせいで吸血鬼さんにぶっとばされたしね……

 

「わっ、わっ」

 

「ごめん。砂を落としてるだけだから我慢してね」

 

ツナ君が驚いた顔で私を見てるね

妖怪の姿を見ても怖がらないのはツナ君らしいね

まぁ黙ってたことについては

何か思うところがあるかもしれないけどね……

あーどこから説明するべきか……

 

「その姿でも風を操れるんだ」

 

「あ、はい。少しだけですが……

 強くしようとすれば羽が出ちゃうんです」

 

「わかった

 ……近くにいたことに気付かなかったよ」

 

「鍛えましたからねー

 あ、私の話より吸血鬼さんに聞きたいことが……」

 

「……なに?」

 

吸血鬼さんにジッと見られたね

すみません……自分でもわかってます

ツナ君に話すのが嫌で話題をそらしたことを……

 

「え、えっとですね。

 近くの村で暴れたって噂を聞いたんですけど

 何があったんです?」

 

「あれは……」

 

あれ?また私の顔を見てるね

 

「……もう見られたんだ。諦めなよ」

 

「へ?」

 

チラっとツナ君を見たよね?

一体、吸血鬼さんは何の話をしてるの?

 

「数年前からあの村は不作だったんだ

 経緯はわからないけど

 天候を操れる妖怪を捕まえて何とかしようしたみたい

 僕が気付いた時にはハンターを雇った後だったからね

 だから標的をかえようとした」

 

つまりそれって……

 

「僕が勝手にしたことだよ」

 

謝ったりお礼をする問題じゃないよ……

何も言えなくなって泣いてる私を見て

吸血鬼さんが抱きしめてくれた

……私は涙を吸えば力が増えるはずなのに

抱きしめてくれたことが嬉しくてまた涙が出た

 

「言い方は悪いけど、優は吸血鬼より価値があるんだ

 妖怪の中でも天狗は珍しい種類だし、

 さらに優は天狗の中でも珍しい

 今までに妖怪にも何度も狙われているはずだよ

 だから人間のフリをしていたのを許してあげてほしい」

 

無意識に吸血鬼さんの背中に回した手に力が入ると

吸血鬼さんが私の背中を撫でてくれた

凄く落ち着く……

もう少しで風が暴走しそうになるところだったよ……

今回は暴走しそうになったね……

まぁそれは今はいいや……

……ツナ君の反応が怖い!

 

「……探していた吸血鬼と会えたんだ

 約束通り、優って呼んでもいいよね?」

 

「……ツナ君!」

 

「わっ!? 優!?」

 

つい嬉しくて吸血鬼さんから離れて

ツナ君に抱きつけば慌てて私の名前を呼んだんだ

だから笑って「ありがとう」と言えたと思う

 

ただね……

 

「……君達、いつまでそうしてるの?」

 

吸血鬼さんの声を聞いて2人して震え上がったよ……

それだけで終われば良かったんだ

またどこか面白くて一緒に笑ってると殺気がした

……あれは怖かった……

いや、まじで。

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなに正体ばらしたりして驚かれたけど

ツナ君の味方もあってすぐに許してもらえた

そして、ゆっくり落ち着くこともなく道を引き返し

ツナ君が住んでた村にみんなで行くことになったよ

でも……私はこのままここに残ることを選んだ

 

その代わりといえばおかしいけど

私の羽で作った扇子を渡した

扇ぐだけで強風が出るから危ない時には役に立つし

使えば私も気付くからすぐに駆けつけれるからね

 

ちなみに強力な武器になるのに

私が持ってなかったのは匂いに問題があったから。

その匂いは吸血鬼さんが消してくれたんだよねー

私と別れてからずっと研究してたみたい

それならマーキングしなくていいと思うけど……

吸血鬼さんが好きだからするっぽい

……まぁいいか

 

それとハンターのことはツナ君達に甘えて任せた

吸血鬼さんが記憶を消す暗示をかけてくれたけど

私と会わない方がいいのは変わらないからね

 

「また会いに来るよ」

 

「うん。私も会いたくなったら飛んでいくよ」

 

本当に空を飛んでいくかもねー

ツナ君は私の本気に気付いたみたいで

「気をつけてよ!」と心配されてしまった

でも、気をつければ行ってもいいみたい

そういうところがツナ君のいいところだよねー

 

「あのさ、優」

 

「ん?」

 

「オレ、1度は村に戻るけどまた旅に出ることにしたんだ」

 

「え? そうなの? 大丈夫?」

 

扇子を渡したけどちょっと心配……

みんな料理とか出来ないし……

 

「うん。大丈夫だよ。

 それで……立ち寄った村や街で噂を流すよ

 少しでも優が安全に過ごせるように」

 

「……無理しなくていいよ

 ツナ君が気にすることじゃないからね」

 

気持ちだけで十分だよ

 

「楽しかったんだ

 いろいろあったけど、みんなと旅をしたのが……

 だから決めたのは優のことだけじゃない」

 

真っ直ぐな目をして言われると反対出来ないね……

 

「……ありがとう」

 

「それにお礼もあるんだ」

 

「へ? あ、もしかして扇子のこと?

 それは私が渡したくて渡したんだよ?

 威力があるかもしれないけど

 持ってるとツナ君に何かあるかもしれないし……」

 

本当は渡さないほうが安全なのにね

どうしても持ってほしかった

これは私のわがままだよ

 

「そっちじゃないよ。少し前に話したよね?

 小さい頃に崖から落ちかけたって……

 その時に助けてくれたのは優だよ

 妖怪の姿になってやっと気付いたんだ」

 

「……ああ。そういえば似てるね」

 

「「え?」」

 

あ、またツナ君と声が揃った

離れていたし、吸血鬼さんは話を聞いてないと思ったしね

ってか、吸血鬼さんがなんで納得してるの?

 

「覚えてないの?

 優が初めて妖怪の姿になった時のことだよ」

 

「……あの木に引っかかってた子が……?」

 

「そ、そう!! それがオレなんだ!」

 

「ええええ!?」

 

そういえば、名前がツナ君だったかも

ってか、吸血鬼さんはよく覚えてるね……

それとも私の記憶力がないのか……

いや、その前に……

 

「私は助けてないよ!

 上手く飛べなくて吸血鬼さんが助けてくれたし!

 吸血鬼さんが心配して来てくれたから助かったんだよ」

 

「そうだとしても、オレを見つけてくれたのは優だよ

 それにヒバリンにとっても悪い話じゃないと思う

 やっとオレは2人に恩を返せるんだ」

 

そういわれると何もいえないなー

正直、失敗したからちょっと恥ずかしい記憶なんだけどね

まぁいっか♪

 

「お願いします」

 

お礼をいうよりいいかなと思って言えば

ツナ君が嬉しそうに返事をした

 

 

 

 

別れの時にみんなにもまた会おうと約束して

見えなくなるまで手を振った

うーん、リボじいが最後まで謎だったね

私の正体に最初から気付いていたかもしれない

まぁいいか……

嫌な感じはしなかったしね

 

「風邪引くから入りなよ」

 

いつまでも入ってこないから

吸血鬼さんが痺れを切らしたみたい

ってか、その前に……

 

「身体は頑丈なほうですよ?」

 

「それとこれは別だよ」

 

一緒だと思うんだけど……まぁいいか

 

「そういえば、吸血鬼さんは家庭菜園が好きなんでね

 ちょっとびっくりしました」

 

城の周りを見渡しながら思い出した

なんか私の知ってる吸血鬼さんと違うんだよね

こういうことに興味があったなんて知らなかったもん

 

「好きじゃないよ」

 

「あれ? でも……、うわっ!」

 

私が変なのと思って吸血鬼さんを見れば

もの凄く顔が近かった……

後ずさりしようとしたけど、腕が掴まれちゃったなー

まぁさっきより離れることは出来たからいいか……

 

「野菜があれば、村や町に買いに行く時間が少なくてすむ」

 

あーなるほど

正体かくして買い物に行くのが面倒だったんだね

 

「言っておくけど……僕は血さえあれば問題ないからね」

 

吸血鬼だからね

人や妖怪だけじゃなく、動物でも大丈夫なのかもー

 

……あれ?じゃぁなんで作ったの?

 

「邪魔者はいなくなったし、ゆっくり楽しめそうだよ」

 

「……吸血鬼さん……?」

 

よし、ツナ君達に着いていこうかな!!

今からだと間に合うよね!?

 

「いこうか」

 

引っ張られて気付いた……腕つかまれてたーー!!

 

「いや、あの、ちょっと……」

 

「心配しなくていい。僕に任せればいいから」

 

その任せてが怖いんだってばーー!!

 




……ホラーだ。
まぁハロウィン企画ですし……w
これで妖怪づかいツナは終わりです。


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第86話 ※

※ 本編終了後にお読みください
『R15』です。……多分。
雲雀さん視点の三人称で作風がいつもと違います。


 深夜のことである。

 

 いつものように同じようにベッドで優と雲雀は眠っていたが、その日は少しだけ違うことがおきた。優が雲雀にくっ付いてきた来たのだ。

 

 その日は少し寒く、優は無意識に熱を求めたのだろう。しかし、そんなことは雲雀にとってはどうでもいいことだった。

 

 雲雀は気配に敏感だが、優が動いても気にならない。が、急にくっ付かれると話は別だ。流石に目が覚めてしまう。

 

「……優?」

 

 声をかけたが、優が起きる気配はない。このまま眠ることが出来ればよかったのだが、雲雀は完全に目が覚めてしまった。

 

 それもそのはず、優が記憶を失ってから雲雀は優に触れようとしなかった。1度触れてしまえば、我慢できなくなる自信があったからだ。そのため触れたとしても膝枕程度にしていた。それが今、無意識だとしても優の方から近づいてきたのだ。目が覚めるなという方が無理な話である。

 

「はぁ……」

 

 思わず雲雀は溜息を吐いた。はっきり言ってこの状況は拷問である。

 

 雲雀は我慢するのが嫌いなのだ。手を出さず優のペースにあわせているのは、雲雀が欲してるのは優の身体ではなく心だからだ。

 

 しかし、雲雀だって男だ。手を出したい。

 

 なまじ雲雀には記憶があるから厄介だ。抱きしめた感触などを心と身体が欲している。

 

 元々、我慢することが嫌いな雲雀が今まで手を出さなかったことすら奇跡なのだ。優は無自覚に煽る。言葉ならまだしも、潤んだ瞳を向けられた時には理性を総動員しなければならないからだ。

 

 現在、雲雀の頭では警報が鳴り響いている。

 

 このままでは優を傷つけてしまう。が、そう簡単に突っぱねることが出来るかといわれると、答えは否だ。雲雀の全神経は優と触れている箇所に注がれている。

 

 何度も言うが、雲雀は男なのだ。意識するなというのは酷な話である。

 

 チラリと優の様子を観察する。やはり起きる気配はない。寝起きが悪い優が、多少の揺れでは起きることはないのだ。もっとも雲雀と一緒に眠っていなければ警戒し起きる可能性も高いだろうが。

 

 今更、一緒に眠ったことを後悔しても遅い。これ以上距離が離れるのは嫌で眠ると決めたのは雲雀なのだ。はっきり言って自業自得である。

 

「優……」

 

 再び声をかける。が、それは悪手だった。鼻から抜けるような声がかえってきたのだ。もちろん優が起きた気配はない。偶然なのか、呼ばれたことに対して無意識に返事をしたのかはわからない。問題は妙にその声が色っぽかったのだ。普段、色気というものがない優が、である。

 

 もう我慢の限界だった。

 

 まずは抱きしめる。その後はもう感情に任せて行動する。優が泣きそうならば、止めればいいだろう。……止めれるかはわからないが。

 

 ガルル。

 

 雲雀が手を伸ばそうとした時、主を守るためにそれは動いた。それはパタパタと羽を動かし飛びながら、雲雀を睨みつけた。

 

 その正体は、優の匣兵器の恐竜のミントである。

 

「……邪魔しないで」

 

 よく雲雀のいうことを聞くミントだが、この日は違った。主の気持ちを優先し、雲雀に牙を向けたのだ。

 

『…………』

 

 無言のにらみ合い。

 

 折れたのは雲雀だった。ミントを倒そうとすれば、優は起きるだろう。そうなれば、いくら雲雀の力を持ってしても簡単に優を押し倒すことは不可能である。

 

「……頭、冷やしてくるよ」

 

 ミントにそう告げると、そっと優から身体を離し、雲雀はベッドから降りる。そしてすぐさま暖房のスイッチを入れる。雲雀が離れたことで風邪を引いてしまわぬように……。

 

 雲雀は部屋から出る直前、もう1度ベッドに目を向ける。残念だという気持ちもあるが、幸せそうに眠ってる寝顔を見ると手を出さなくて良かったと思えた。

 

 今度はミントに目を向け優を頼むと伝えれば、ミントは大人しくカゴの中で丸くなりながら「ガル」と返事をした。もうミントは雲雀に対して警戒を解いたのだろう。

 

 しかし、なぜかミントの後ろで優の師匠が高笑いしているように思えるのは気のせいだろうか。顔も覚えていない相手だが、妙にイラついた。

 

 なんとか全ての気持ちを押し殺し、雲雀は外に出た。春が近いと言っても、まだ深夜は冷える。頭を冷やすにはちょうど良かった。

 

「ちょうどいい獲物はいないかな?」

 

 トンファーを取り出し、雲雀は歩き出す。恐らく1番の災難はこの後すぐに会う酔っ払いだろう。朝まで時間がたっぷりあるのだから……。

 

 

 

 

 

 ちなみに……これは花見をする1週間前に起きたことだった。

 




とっても楽しく2時間ほどで書き上げましたww


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第87話

時期系列は未来編開始前です。
詳しく言えば、優がボスのユニちゃんを発見したぐらい。
つまりミルフィオーレ結成前ですね。
三人称で大人雲雀さん視点よりで書きました。

そして「R15」です!!

もしかすると恥ずかしくなって消すかもしれませんw



 寝息を立てる女の目尻にキスを落とす。女は寝起きが悪いため、これぐらいでは起きないと男は知っている。まして女はこの男に体力を根こそぎ奪われた後なのだ。起きるはずもない。

 

 男は名残惜しそうに優しく抱きしめてから、腕の上にある女の頭を外し起き上がる。そして、女がぐっすり眠れるように、抱き枕を男がいた場所に置く。どちらかというと、男は女が自身以外のものを抱きしめる姿を見るは気に食わないが、これを忘れれば女は体力を完全に回復する前に起きてしまう。無茶をさせたと自覚がある男に……否。また無茶をさせてしまう確信があるので、男のためにも女の安眠を守るのだった。

 

「ん……」

 

 男が離れ、肌寒くなったのだろう。女は抱き枕を引き寄せた。……やはり良い気分ではない。しかし男は女の幸せそうな寝顔を見るのが好きなので、すぐにそれは視界から外れる。そして女の無防備な姿を見て悪戯心が湧いたのか、女から見えない首の後ろにしるしをつけた。

 

 流石に刺激が強かったのか、女は身じろぐ。

 

 しかし男は焦りもしなかった。なぜならこの程度なら目が覚まさないと確信してやっている。これぐらいは一度や二度じゃないのだ。

 

 出来栄えに満足したため優しく口付けし、男は部屋を出たのだった。

 

 

 

 

 男が居間に入ると、待っていた部下が報告し始める。男の補佐である女がこの場にいないことについて、部下は何も言わない。部下も女がここに来れない理由は察している。口に出すだけ野暮である。それにはっきり言うと部下は女の方に同情し、壊れないか心配している。第三者から見れば、男の愛はそれほど重いのだ。

 

 もっとも今日の話は女には聞かせたくない内容であるため、起き上がらせないようにしたのだろうが。

 

「やはり狙いはヴェントでした」

「そう」

 

 昼間のうちに、部下は女が席を離れてる隙に男に報告していたのだ。並盛でコソコソと嗅ぎまわり風紀を乱していた連中を捕まえた、と。

 

 女に知らせない理由はただ1つ。知ってしまえば、女は必ず動く。最悪の場合は、男の前から姿を消すだろう。男が大事にしている並盛の風紀を乱している原因のヴェントは女のことなのだから。

 

 そうなってしまえば、男はどうなるのか。……男の部下達には恐怖という言葉しか想像できなかった。

 

 言葉しか想像できない恐怖ほど恐ろしいものはないと、部下達は思っている。この件に関しては慎重にならざるを得ないのだ。

 

「吐かせたところ、ジッリョネロファミリーに所属するマフィアでした」

「……また、だね」

「へい。ですが、あまりにも怪しすぎます」

 

 部下の意見はもっともである。確かにヴェントは並盛でよく現れた。沢田綱吉の守護者である以上、彼の故郷である並盛に現れるのは不思議な話ではない。しかし早すぎるのだ。ヴェントがレアという情報が流れてから、時間がそれほど経ってはいない。あまりにも早すぎる。さらに真っ先に動いたのがジッリョネロファミリーで、捕まえるとあっさりとファミリーの名を吐いた。警戒するなという方が無理な話だ。

 

「……今度、イタリアに行くって言ってたよね?」

 

 部下は男が女の日程を確認したいわけじゃないと気付く。男がそのことを忘れるはずがないのだから。

 

「ジッリョネロファミリーの本部はイタリアにあります」

 

 男は眉間に皺を寄せた。休みを取れるように調整していたので、男の一存で中止すれば理由を確認してくるだろう。出来ればそれは避けたい。

 

 男は考える。女は1人で行くと言っていたのだ。一緒にイタリアへ行ったとしても、女は別行動するだろう。休みを作った意味がなくなるのだから。

 

 そのため女は護衛をつけようとしても必ず拒否する。尾行すれば、撒くだろう。身体能力が高いと自ら豪語できる男でも、女に逃げられる可能性が高い。気配を探るのは女の得意分野なのだから。

 

 それなら大丈夫なのかもしれないが、心配になる、ならないは別の話だ。

 

「……まわるんだよね?」

「っ! 恭さん! それは……!」

 

 部下は男の言いたいことを察し、声をあげる。あまりにも横暴だ。

 

「まわるんだよね?」

 

 部下の言葉は無視し、男は同じ言葉を繰り返す。この返答以外は有無を言わせない気だ。

 

 男は確認したのだ。女は休むために調整した。つまり女がいなくても問題なく仕事がまわるはずだ、と。

 

 部下は押し黙るしかない。

 

 休みを得るためにどれだけ仕事を増やしたのかは、男より部下の方が知っている。それほど男の補佐をしている女の仕事は多い。男が最も信頼しているのも理由の1つだ。

 

 もちろん、この場に居る部下も信頼度は高い。男が大事にしている女の身に関わることを任されているのだから。しかし、肩を並べて戦うことを許されている女の方が高いと断言できるのだ。

 

 その女が休むためにはどれだけの根回しが必要なのか。

 

 それを今、握りつぶそうとしている。いくら忠誠を誓ってても、簡単に頷けはしない。さらに握りつぶし方も問題だ。

 

 男は――今日と同じ方法をとるつもりだ。

 

 その方法が1番疑問にもたない。女は男の執着を知っている。そして最終的に許してしまうほど、女も男を愛している。だから――抱き潰す。

 

「僕だって加減はわかってるつもりだよ」

 

 ――嘘だ。

 

 部下は心の中で即答した。怒る、逃げる、そして動く気力さえ奪ってしまうつもりなのだ。何日も――。それを加減しているとは言わない。

 

「気付かれれば、危険です」

 

 部下は遠まわしに反対する。

 

 女が動けないほど抱き潰したと知られてしまえば、黙ってるはずがない。女を大事に思ってるのは男だけじゃないのだ。同じファミリーであるはずのボンゴレ10代目と守護者も動くだろう。マフィア云々の前に、彼らと女は友達なのだ。さらにボンゴレの暗殺独立部隊のヴァリアーも動く。女の能力を買っているのだから。

 

 部下の目からも見てもヴェントがレアという噂が流れてから、女が痩せたように思えるのだ。引く手が数多ある彼女がここに居るのは、男の側にいるのが1番女にとっていいと判断されているからだ。本来なら、温厚な10代目はまだしもヴァリアーと争いが起きてもおかしくはない。これ以上は、危険だ――。

 

「誰にも渡さない」

 

 男の瞳に炎が灯る。部下の助言は火に油を注ぐ形になってしまった。

 

 話は終わったと男が立ち上がる。これに慌てたのは部下だ。このような結果になるために言った訳ではないのだ。

 

「恭さんっ!!」

 

 声を荒げてまで止めようとする部下の言葉に男は一瞬止まる。

 

「……何度も使える方法じゃないから、考えといて」

 

 男は決してまわりが見えなくなったわけではなかった。

 

「任せてください。ですが――」

「わかってる」

 

 女がいつまでも男の考えに気付かないはずもない。いつか女は「必ず戻ってくる」と約束し行ってしまうだろう。もちろん出来るだけ妨害するつもりだが。

 

「……哲」

「へい」

「紙切れ一枚なら縛られてもいいと考え始めてる僕は変わったと思うかい?」

「――いいえ、恭さんは変わってません。学校や風紀と違い、まだ彼女は自由です。恭さんのものという書類がほしいという考えは当然でしょう」

 

 男は返事はかえさず、女のもとに向かったのだった。 

 




落ち着いた頃に後悔するかもしれないw


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第88話

87話を書いて閃いた話。続きます。


 これはミルフィオーレの後始末が終わり、並盛の風紀が落ち着いたころに起きた事件だった。

 

 

 

「ごめんなさい」

 

 襖の前で控えていた草壁は、勢いよく飛び出していく優を見送るしか出来なかった。今日は雲雀から2人の未来に関する話をすると聞いていた。優が飛び出していったところを見ると上手く行かなかっただろうと推測できる。が、そんなわけがあるはずがない。雲雀が下手をうつとは思えない。何より草壁は2人の仲の良さを知っている。こんな事態になると予想できず、唖然とするしかなかった。

 

「……草壁」

 

 雲雀の低い声が聞こえ、草壁はハッとする。ギギギという音が聞こえそうなぐらい、ぎこちなく振り返る。

 

「恭、さん……」

 

 草壁は名を呼んだ。否、呼ばずにはいられなかった。

 

 表情には出ていないが、草壁には雲雀が心にダメージを負っているとわかったからだ。

 

 無理もない。籍を入れることに優が拒むと誰が想像ついただろうか。

 

「準備して」

「わかりました」

 

 口を出さずにもわかる。飛び出して行った優を探しに行くのだ。雲雀は今すぐ行きたいが、和服では探しにくいから着替えたいと思ったのだろう。

 

「それと頼んだよ」

「へい」

 

 優も和服だ。一般人を超える速度は出さないだろうが、おしゃぶりをさげている。情報操作は必須だった。

 

 

 

 

 一方、飛び出して行った優はまだ雲雀のアジト近くに居た。和服ではおしゃぶりを隠せないことに気付き、風で人の気配をよんで移動しているため、思ったように動けないのだ。

 

「どうしよう……」

『どうするもなにも、雲雀のところ戻ればいいだろ……』

 

 神の呆れたような声が頭に響くが、優はどうしてもそれが出来なかった。

 

『ちゃんと話せばあいつはわかる男だ』

 

 雲雀を褒めることなど滅多にしない神の言葉だったが、優は泣く一歩手前にも関わらず、頑なに首を横に振り続ける。

 

 神はこの頑固は誰に似たんだ、と遠い目をしていた。もっとも優はそのことを知らないが。

 

「優……?」

 

 声に驚き、優は顔をあげる。集中力をかいたつもりはなかった。

 

 ただ、風が彼の味方をした。耐え切れずに涙が出る。

 

「ええっ!? ど、どうしたの……?」

 

 10年たっても大事なところは変わらないツナの温かさに、優はすがるように抱きついたのだった。

 

 

 

 

 

 

 コンコン。

 

 ツナが入室の許可を出すと、優が顔を出した。

 

「少しは落ち着いた?」

「うん。ありがとう、ツナ君。お風呂も貸してもらえて助かったよー」

 

 ツナは苦笑いする。抱きつかれた時はどうしようかと思いながらもそのまま受け止め、泣き止んだ途端に「お風呂はいりたい」と呟いた優にツナは完全に振り回されたのだ。

 

 それでもどこかさっぱりしたような表情の優を見て、違和感を感じてあの場所に行って良かったと心から思えた。

 

「ねぇ、ツナ君」

 

 泣いていた理由を話すだろうと思い、ツナは優にソファをすすめる。互いが席に着き、再び優が口を開いた。

 

「恭弥さんのこと、お願いね」

 

 視線が交差する。冗談で話す内容ではない。それがどういう意味かも優は十分理解している。だからツナは本音を言った。

 

「……まいったな」

 

 覚悟を決めた優を説得出来るとは思えない。雲雀を呼んだとしても、優は逃げるだろう。風呂に入り、優はヴェントの服に着替えてしまったのだから。

 

「オレにはどこへ行くのか教えてくれる?」

「ツナ君が連絡してくれれば、すぐに行くよ」

 

 ヴェントとして。

 

 続いた言葉にツナは目を伏せた。そして……雲雀さん、すみません。ツナは心の中で謝った。

 

「友達として聞くよ。心配だから教えてほしい。雲雀さんには絶対言わないから」

「……ツナ君はずるいなー」

 

 そういわれたら教えるしかないじゃんとブツブツと呟く優を見て、ツナはホッと息を吐く。これで誰も居場所を知らないという事態は避けれることが出来た。

 

「実はまだ決まってないんだ。だから決まったら連絡するよ」

「うん、わかった。でも本当に何も決まってないの?」

「やりたいことは決まってるかな。資格は学生の頃に取ってるから大丈夫だし。何をやりたいかはヒミツね」

 

 資格から絞ろうと一瞬考えたツナだったが、雲雀の役に立つかもしれないと優は大量に資格を持っていることを思い出し断念した。

 

「……上手くいけば、戻ってくるよ」

「それを聞いて安心したよ。優に頼まれたけど、ヒバリさんに咬み殺されるイメージしか出来なかったから」

 

 ツナが笑いながら言えば、優もつられて笑いだす。

 

 それを見てツナは大丈夫だと思えた。優は雲雀の元へ戻るために1度離れると決めたとわかったから。

 

「んー、いいタイミングだしやっておこうかな」

 

 ツナが何を?とたずねる前に、優はフードをかぶりツナの隣で膝を突いていた。

 

“僕は何があろうと、我が友『Ⅹ世』を護ると誓う”

 

 唖然とするツナの手をとり、優は手の甲に口付けをした。

 

「えええええ!?」

「あーすっきりしたー」

 

 ツナの動揺に気付かないのか、優は身体を伸ばしていた。

 

「ちょっと、優!?」

「ん?」

「『ん?』じゃないよ!!」

「だってツナ君が10代目を継いだのに、中立のままは守護者なのにずっと変だと思ってたんだよ。あ、心配しなくてもいいよ。XANXUSさんにはその話はもうしてるから」

 

 あっけらんと話す優にツナは声も出ない。

 

 たとえ手の甲だとしても雲雀さんが許すわけない、XANXUSに話した時は大丈夫だったのか、などと言いたいことは山ほどあったが、最終的に優はそういう奴だった……とツナは諦めたのだった。

 



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第89話

この前の続き。これでこの話は完結。
でもキリが悪かったので、いつもより長いです。

軽いですが女性特有の話もあるので、食事中の方は気をつけた方がいいかと。
なので、「R15」です。
お気をつけて。


 ひっそりと路地裏にある昔ながらの食堂の暖簾をくぐると、すぐに老夫婦が「いらっしゃい」と声をかけ、席に案内する。この店は常連客が多く、テーブル席もあるが料理人の老夫と話しやすいカウンターに座る者しかいない。もっとも店自体が大きいわけではないため、テーブル席の数が少ないのも関係しているが。

 

 現に、この店に初めてきたであろう1人の客にテーブル席を勧めるほどの余裕はなかった。

 

「いらっしゃい。少し騒がしいかもしれねぇが、ゆっくりして行ってください」

 

 老父はそう言ったが、気になるほどではない。一種の決まり文句だろうと客は判断し、本日のオススメを注文したのだった。

 

 10分ほど時間がたったころだろうか。

 

 客が静かに杯を傾けていると常連客の1人が声をかけた。

 

「あんたも、噂を聞きつけてやってきたのか?」

 

 ほんの一瞬、眉がピクリと動いたのを常連客は見逃さなかった。

 

「悪いことは言わねぇ、やめとけ」

 

 常連客は客の言い分を聞くつもりはないらしく、くーっと酒を呷り他の常連客との話に戻った。

 

「すまないねぇ」

 

 老父が一品を置きながら謝った。客が頼んだ記憶がない品だったので、サービスなのだろう。

 

「おらぁは事実を言っただけだ!」

「はいはい。わかってますから」

 

 老父の謝罪が気に触ったようで常連客が叫んだが、すぐに老婦に宥められていた。他の常連客が笑ってるところを見ると、日常茶飯事のようだ。

 

「でもお客さん、わかりやすぎですよ」

 

 隠す気もなく従業員入り口だろう場所を見ていたので、客は老父の指摘には何も思わなかった。だが、この老父も客に釘を刺していると感じれた。

 

 それでも客は見ることを止めなかった。

 

 

 

 それから5分ほどたったころだろうか。客が見つめていた奥から物音がし、それは顔を出した。

 

「すみません。遅くなりました」

「何を言ってるの。まだまだゆっくりしてても問題ないんだからね」

「でもおじいちゃんとおばあちゃんが働いてるの、に……」

 

 顔を出した娘が……老夫婦が本当の子どものように思っている娘が言葉につまったことで、老夫婦だけではなく常連客も心配し目を向けた。

 

 その娘はただ一点を凝視し、呟いた。

 

「恭弥、さん……」

「僕に何か言うことは?」

「……勝手に出て行って、ごめんなさい」

 

 はぁと客の……雲雀の大きな溜息が店に響いた。

 

 こうして雲雀は優と1年半ぶりに顔を合わせたのだった。

 

 

 

 

 老夫婦の気遣いで、優と雲雀はテーブル席で向かい合っていた。ただ、老夫婦だけでなく常連客の視線も感じるので、優は気が気でない。雲雀がこういうことが嫌いなのだ。

 

「僕は気にしない。だから説明しなよ」

 

 優が常連客に強く言えないのは、優にとって大事な存在だと雲雀は気付いていた。鬱陶しいことには変わりないが、我慢は出来る。それに、それよりも話をしたかった。

 

「怖くなって……」

「籍を入れることが? それなら言ってくれれば、僕は無理にしようとは思わなかったよ」

 

 気付けばどこか行ってしまいそうだと思い、紙切れ一枚で縛りたいと考えたのは事実だ。だが、それで逃げてしまうのなら本末転倒である。

 

「違うんです! 嬉しかったんです……。束縛を嫌う恭弥さんが、私と籍を入れてもいいって……私、凄く嬉しかったんです!」

 

 それならば、なぜ。

 

 この場に居るものはそう口にしたいのを我慢し、優の言葉を待った。

 

「居場所がなかった私に、恭弥さんはずっと隣をあけてくれて……感謝してもしきれなくて……すっごく大好きで……だから怖くなったんです。私は家族の愛を知らないから……」

 

 雲雀はそのことを知っていただけに、気がつかなかったことを悔やんだ。

 

 籍を入れるだけで今までと生活は変わることがないと雲雀は思っていたが、優にとっては『家族』は鬼門だったのだ。

 

 そして、雲雀はふとあることに気付いた。優が「愛してる」という言葉を使ったことがあっただろうか。

 

「恭弥さんは何も悪くないんです……。私が、怖くなって、いつか自分の手で、この幸せを壊して……そして憎んでしまうんじゃないかって。それだったら一緒に居ない方がいいかなって……」

 

 はぁと雲雀は溜息を吐いた。気付かなかった自身も悪いが、なぜそんな斜め方向に考えてしまうのか。なまじ行動力があるため笑えない。探すほうの苦労も考えてほしい。こっちは逃がす気なんてさらさらないのだ。

 

 付き合いが長いため、優も雲雀の溜息で言いたいこともわかったのだろう。そのため、優は話をしようとせず飛び出してしまった、もう1つの原因を言った。

 

「だって、恭弥さん……子どもほしいんでしょ?」

 

 雲雀は眉間に皺がよったことを自覚した。

 

 いったい、自分がいつそんなことを言ったのか。全く記憶のない……そんなことを思った記憶すらない雲雀は、優がまた斜め方向に考えていることに気付き、顔をしかめたのだ。

 

「だ、だって……恭弥さん、避妊しないし……」

 

 消え入りそうな声で、顔を真っ赤にしながら言った優を見て、雲雀は天を仰いだ。

 

 その様子を見ていた神は、自業自得だなと本気で思った。マフィアの世界に居る優が月のものの安定のため避妊薬をこっそり飲んでいたことを雲雀が知ったことから始まる勘違いである。

 

 神は親の愛を教えることが出来なかった罪悪感と、このことで雲雀に対して怒りを覚えていたため優の勘違いを訂正せず協力していたのだ。ゆえに雲雀が優を探すのに一年半もかかったのである。

 

 そして、事態は悪化する。

 

 雲雀の反応に、優はやっぱりそうだったんだと肩を落としたのだ。雲雀が気付いた時にはすでに手遅れだと悟る。たとえ今から雲雀が否定しても、優は気を遣ってると勘違いするだろう。斜め方向へ勘違いした時の優を説得するには時間がかかる。そしてその勘違いに追い討ちをかけてしまった。どれだけ時間が必要になるのか。

 

「さっきも言いましたけど、恭弥さんは何も悪くないんです」

 

 そう話す優に嫌な予感がした。

 

「……優!」

 

 滅多に声を荒げない雲雀が名を呼んだことで、優は微笑んだ。

 

「だから少しでも『家族の愛』を知りたくて、仲の良いおじいちゃんとおばあちゃんの家に居候させてもらって、週に何度か保育園に通って『子ども』の育て方を知りたくて……付け焼刃かも知れないけど、全く役に立たないかもしれないけど、恭弥さんの隣に戻る自信は出来るかなと思って」

「初めから僕のところに帰ってくるつもりだったの?」

「隣、ずっとあけてくれるって約束してくれましたから」

 

 雲雀の嬉しそうな表情を見て、優は顔が真っ赤になった。いつまでたっても慣れそうにない。だけど、この顔をまた見ることが出来て、諦めるという判断をしなくて本当に良かったと優は思った。

 

 そして。

 

「お前ら飲むぞ! 今日はめでてぇ日だ」

 

 優と雲雀が上手くいったとわかった常連客が叫んだ。

 

 

 

 

 群れることが嫌いな雲雀だが、席を立つことはなかった。優にとってこの時間は必要だと雲雀は判断したのだ。だから出来るだけ雲雀は優しか目に映さないようにしていた。

 

 すると、雲雀の前に1人の常連客が座った。

 

「さっきは余計なお節介で悪かった」

 

 酒を注ぎながら謝る人物の顔を見て、先程声をかけてきた男だと気付く。

 

「おらぁ、あの子に1度強い酒を飲ましたことがあったんだよ。そん時に「恭弥さん」つって、泣きながら寝ちまってよ。忘れられない男がいるんだ。生半可な気持ちじゃあの子が幸せになれねぇと思ったんだ。それに優ちゃん、可愛いしなぁ。ころっと騙されねぇように、オレたちぁの誰かが釘を刺すのが決まりだったんだ」

 

 道理で老父が一品を出すスピードがはやかった。雲雀は礼を言わなかったが、常連客に酒を注いだ。常連客も「あんがとな!」といい、すぐに席を立った。

 

 それからは特に誰も雲雀の元に来ることもなく時間が過ぎていった。雲雀が人付き合いが嫌いだと彼らは気付いてるのだろう。

 

 だが、たとえ気付いていても優がお手洗いに消えたところを見て、雲雀の元へやってくる人物も居た。

 

「あの子を、お願いします」

「よろしくお願いします」

 

 頭を下げた老夫婦に雲雀はしっかりと頷いた。そして記憶に留めてもいいかなとも思った。この老夫婦は優の理想の夫婦である。そうでなけば、優はここに住もうとは思わなかったはずだ。

 

「どうかしたんですか?」

 

 ほんの少しだけ頬が赤い優が顔を出した。お手洗いから帰ってくると、3人が集まってるのがすぐに目に入り声をかけたのだ。

 

「そろそろ荷造りをしてきなさい」

「え……でも……」

「私達が保証する。あなたはもう大丈夫。荷造りは私も手伝いわ」

 

 老婦に背中を押され、優は戸惑うしかない。優がいきなり居なくなれば、この老夫婦は困るはずだ。保育園のこともある。

 

「そっちは私達が上手く話しておくわ。それに私達とはまた会える。だから今は彼のところに行きなさい。こういうのはタイミングを逃せば上手く行かないわ」

 

 涙を流しながらもそう助言してくれる人に、優は「ありがとう」というしかなかった。

 

 

 

 

 荷造りを終えた優を見るなり、雲雀は席に立った。

 

 常連客もわかっていたのだろう、優に別れの声をかける。中には雲雀にも声をかけた常連客も居た。内容からすると、雲雀がお金を払ったようだ。

 

「帰るよ」

「……はい!」

 

 いつまでたっても別れを惜しむと気付いてた雲雀は先に外に出て、待たせていたリムジンに乗り込んだ。しばらくすると優が店から出てきて、運転座席に居る草壁に頭を下げていた。

 

 そんなことする時間があれば、早く乗ればいいのに。と思いながら、雲雀は優を待つ。

 

 優が乗り込んだのを見て、車は発進した。窓を開け、老夫婦が見えなくなるまで優は手を振った。

 

 そして、優が窓を閉め、向き合った途端に雲雀は優を抱きしめていた。

 

「……お待たせしました」

「本当だよ」

 

 運転席と仕切りのあるリムジンを選んだ理由に優は気付いていたので、驚きはせず受け入れた。それに優も雲雀の温もりが恋しかったのだ。

 

「……優」

「……恭弥さん」

 

 普段の2人ならありえない。が、アジトに戻るまで我慢できず、2人は熱を求め合った。

 




……後味をぶち壊す後書きで申し訳ないんですが、これを書いて思いました。




草壁さん、かわいそう……(´;ω;`)ブワッ



時間をいただきますが、次はリクエストを書きたいと思います。


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第90話

本編の方の未来話です。


 ゆっくりと歩く。気を抜けば、走り出しそうで……そして泣き出しそうになる気持ちを抑え、歩き続ける。

 

 真っ直ぐ向けられる視線はとても優しく、焦らなくてもずっと待ってると目が物語っていた。

 

 

 

 

 クスッとツナは笑みをこぼす。完全に2人の世界に入っている。2人はこの場所にツナがいることさえ、忘れてしまっているだろう。

 

 ツナがボンゴレ10代目と知っているにも関わらず、こんな態度を取れるのはこの2人ぐらいなものだ。それほどボンゴレを継いだツナの言動を世界は注目している。そしてそれをツナは理解していた。

 

 だからこの2人を見ると、懐かしい気持ちに戻る。この2人は中学から変わらない。とてもツナを落ち着かせる。

 

 もちろん獄寺達も変わっていないだろう。しかし守護者という立場で接する時間が長いため、どうしても懐かしいという気持ちはすぐに出てこない。

 

 こうなることを隣にいる人物はわかっていたのだろう。だからあまり顔を出さない。顔を出す時は大抵気まずそうに報告してくる。報告といっても、事後報告だ。ツナが頭を抱える内容を全て片付いてから話し、笑って誤魔化そうとする。

 

 その笑顔に怒る気にもなれず注意だけをすれば、この話は終わりというように近況を尋ねてしまう。彼女とは友と過ごす時間の方が圧倒的に多かった。

 

 ツナのために大事にしてくれていたのだと思う。彼女自身のために大事にしたかったようにも思う。――恐らく両方だ。

 

 常にマフィアに狙われている彼女は心を休める場所がほしかったはずだ。守護者の立場で話せば、必ずその話が出てしまう。ツナ達が手をまわしていることに知っている彼女はたびたび礼を言う。だが、何に対してかは決して口に出さない。言わなくても察しているから話さないのではない。言葉にすらしたくないのだ。

 

 だからツナは今日のことを聞いた時、とても喜んだ。

 

 彼女は覚悟を決めたのだ。これから何があっても、彼と一緒に乗り越えていく、と。

 

 ツナはピタリと足を止めた。それにつられるように彼女の足も止まった。

 

「とても綺麗だよ、優」

 

 彼女の頬に赤みが増す。ツナの存在を忘れていたことに対して、恥ずかしくなったのかもしれない。ただツナの言葉に照れただけなのかもしれない。

 

 ツナはどちらでも良かった。そんなことは些細なことだ。

 

 彼女が幸せへ向かう道の隣を並んで歩けた。友として――。

 

「…………」

「……ツナ君」

 

 言葉に出来ない気持ちがツナを襲う。参加したかっただろう他の友の分も、何か伝えようとしたが出来なかった。だからその分、幸せな彼女の姿を忘れてしまわないように見つめた。

 

「優」

 

 名残惜しいように見つめ合っていた2人だったが、もう時間がないようだ。男から声がかかった。しかし彼女は動かない。

 

 トンッ。

 

 ツナは彼女の背を押した。すると、先程まで動けなかったのがウソのように、彼女は男の元へ歩き出す。

 

 そして男の隣に並んだ時の彼女の顔は、今まで見た彼女の笑顔の中で最も綺麗だとツナは思った。

 

 

 

 役目を終えたツナは席に座った。しっかりと目に焼き付けなければならない。男の意見を尊重したため、出席者はツナしか居ないのだから。

 

 だが、神父を見るたびに笑いそうになる。

 

 彼は群れるのが嫌だったのではなく、彼女の姿を見せたくなかっただけなのだろう。草壁が神父役をしているのがその証拠だ。

 

 つつがなく進行していき、今日1番の見せ場がやってくる。が、ツナは目を逸らした。

 

 気恥ずかしくなったからではない。濃厚な殺気を感じたからだ。

 

 誓いのシーンなので見届けなくてはいけないが、神父は目をつぶるのだろう。容易に想像が出来た。

 

 ツナは声を出さずに笑った。自由すぎる。でもそれが彼らしい。

 

『!?』

 

 肩を震わせていたツナだったが、男以外から殺気を感じ臨戦態勢をとる。

 

「うっしっし」

 

 聞きなれた笑い声に思わずツナは頭を抱える。場所がバレないように細心の注意を払ったのに。

 

「ひーめ、迎えに来た」

「……XANXUSさんに、今月は予定が詰まってると伝えてるはずですよね?」

「ん? ボスの命令だぜ」

「そんなぁーーー!」

 

 ツナはヤバイと感じた。男の機嫌が急降下している。なぜ1番近くに居るはずの女は気付かずに会話を続けれるのだろうか。

 

「……優」

 

 ビクリと女は肩を跳ねた。声で男の機嫌の悪さにやっと気付いたらしい。

 

「ひ、雲雀先輩……」

 

 恐る恐る振り向き、言葉に出来たのは昔から慣れ親しんだ呼び方だった。さらに男の機嫌が悪くなったことに気付いた女は一歩後ずさる。

 

 が、男が逃がすわけがない。

 

 後頭部に手を回し、逃げれないようにしっかり掴み、そして引き寄せた。

 

 女のくぐもった声にツナはすぐさま耳をふさいだ。本人は抗議しているのだろう。しかしツナの耳にはそう聞こえない。だから友として、これは聞いてはいけない。

 

 ツナは永遠のように長く感じられたが、時間にして数秒である。男が意図して解放したわけではない。ナイフを放たれ、邪魔をされたからだ。

 

「…………」

「姫が嫌がってるじゃん」

 

 無言で睨みつけたが、相手はひるむわけもない。仕方なく男は恥ずかしくて男の胸元に顔をうずめている女の耳元に囁く。とても甘い声で――。

 

「僕の首に手をまわして…………いい子だ」

 

 その言葉を合図に、膝下に手をいれ、女を抱き上げる。そしてブレスレットに炎を注いだ。

 

 視界がロールで埋まる直前に、ツナは男から視線を感じたので苦笑いしながら頷いた。手は出さないけど、後始末ぐらいはこっちでするから気にしなくていいと。

 

 2人を追いかけていったベルフェゴールと草壁を目で追いながら、ツナは電話をかける。

 

「あ、もしもし? 獄寺君? 悪いんだけど、こっちに来てくれるかな? 教会がめちゃくちゃになっちゃったんだ」

「……あの2人は何をやってるんスか?」

 

 中学の時のようなドタバタをツナは笑いながら説明したのだった。

 



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第91話

少し時間はたっていますが、一応前回の続きです
雲雀さんの誕生日記念という意味も少しだけあります。


 普段寝起きの悪い優だが、今日は布団の誘惑とは戦わず、すぐに起き上がることが出来た。

 

「おはよう」

 

 声をかけられ、自然と頬が緩まる。

 

「おはようございます。恭弥さんはもう少しゆっくりしててくださいね」

 

 まだ起き上がる時間には早いというのもあるが、今日は声をかけてきた男――雲雀の誕生日でもある。いつもより休んでほしいと優は考えているのだ。

 

「わかった」

「はい。……きゃっ!?」

 

 雲雀の返事を聞き、立ち上がろうとした優だったが、腕をとられ再び寝転ぶ形になる。ただし、先程と違い、布団の中ではなく男の腕の中に居た。

 

「恭弥さんっ」

 

 軽く口を尖らせながら怒る優の姿は全く怖くなく、雲雀の笑みを深めるだけで終わる。しかしいつまでたっても離そうとしなければ、本当に機嫌が悪くなると雲雀は知っている。名残惜しいが、雲雀は手を緩めた。ただし軽く口付けをしてからだが。

 

 真っ赤になった優を見て、雲雀は声を押し殺すように笑った。今まで何度もしたことがあるのに、優は全く慣れないからだ。

 

「もう! からかわないでくださいよ!」

 

 からかってるのではなく、愛おしいと思ってやってるのが、雲雀はそれを口には出さず、手で優の髪をすき、話題をそらす。

 

「伸ばさないの?」

「んー、やっぱり動きにくいんですよね。それに出来るだけ証拠は残したくないですし」

 

 普段からマフィアから狙われてる優は、髪の毛一本でも手掛かりになるので伸ばそうとしない。たとえ髪を残したとしても神の力ですり替えられるので問題はない。が、神と過ごした記憶がない優は雲雀からそのことを説明されても、素直に伸ばせないのだ。

 

「すみません、恭弥さん」

「いいよ。髪を伸ばして優が気疲れしてしまうなら意味がない」

「ありがとうございます」

 

 優はホッとしたように笑った。

 

「では、恭弥さんはゆっくりしてくださいね!」

「慌てる必要はないから」

 

 張り切ってる優に、苦笑いしながら教える。今日は学校の屋上でご飯を食べるため、弁当に気合が入ってそうだ。

 

「はい! 楽しみに待っててくださいね」

「怪我しないでよ」

 

 久しぶりというだけじゃなく、結婚して初めての雲雀の誕生日というのもあるのだろう。いつもと比べて朝から優のテンションが高すぎる。雲雀は少し心配になった。

 

「大丈夫ですよー」

 

 そういったが、起き上がった時に優が少しふらついたのを雲雀は見逃さなかった。

 

「優!」

「……ちょっと空回りしたみたいです」

 

 気まずそうに話す優の額に手を伸ばす。少しだけ、熱が高い。

 

「今日は中止しよう」

「ダメです! 今日は恭弥さんの誕生日なんですよ!」

「僕は気にしない。また体調が戻った時にすればいい」

「でも!」

「優」

 

 低い声で名を呼ばれ、優は押し黙る。もう雲雀は決めてしまった。今から優が何を言っても、雲雀は行かないだろう。

 

「優だってわかってるよね?」

 

 先程と違い、雲雀は優しく声をかける。身体の丈夫な優は、簡単に熱が上がることはない。微熱と言って放置することは出来ない。何か問題が起きていると考えたほうがいい。

 

「……はい。すみません」

「気にしなくていいんだ。僕は優と過ごせれば、それでいいから」

 

 雲雀の言葉に優は完全に大人しくなったのだった。

 

 

 

 

 

 特に何かするわけでもなく、2人で布団の上でゆっくりと過ごしていると、ノックの音が響いた。いつもの癖で起き上がろうとした優だが、雲雀に止められる。熱があるといっても微熱なので、忘れてしまうのだ。

 

 雲雀に任せてる間、優は寝転び、自身の手を見つめる。どうもおかしい。いつもより風がうまく集まらない。優のイメージ通りには風は集まるが、優の身体を守ろうとする力の方が強い。

 

「うーん……」

 

 普通に考えれば、原因は熱だ。今までも無茶した時に、優を守るように風が集まることがあった。

 

 だが、どこか納得出来ない。咄嗟の時や、無意識での行動ならわかる。しかし今はイメージをし、意識ははっきりしている。おかしいとしか思えなかった。

 

「優!」

 

 雲雀の焦るような声が聞こえ、優は顔をあげた。が、雲雀の姿は見えなかった。目に入る光景がいつもと違ったのだ。それもそのはず、優は浮いていたのだ。

 

「……へ?」

 

 一瞬、慌てた優だったが、原因はすぐにわかった。風が優の身体を覆っていたため、自然と身体が浮いただけだ。

 

「恭弥さん……」

 

 説明するよりも前に雲雀が優の手を握る。離れていかないように。

 

「大丈夫ですよ」

 

 その言葉を裏付けるように、ゆっくりと優の身体はベッドの上に戻っていく。それでもまだ心配そうな顔をしている雲雀に向かい、もう1度「大丈夫です」と声をかけた。

 

「お前が心配なのはわかったから、さっさと離れろ。診察できねぇだろ」

 

 第三者の声が聞こえたので、優はドアの方へ顔を向ける。そこには珍しい人物がいた。Drシャマルである。

 

「どうかしたんですか?」

「……腕はいいみたいだからね」

 

 嫌そうに、心底嫌そうに雲雀は優の疑問に答えた。これには優は苦笑いするしかない。もう1度「大丈夫ですから」といい、Drシャマルの診察を受けることになった。

 

 

 Drシャマルは優に質問しながら、手際よく診察が進んでいく。裏社会に住んでるのもあり、雲雀の殺気を完全に無視できるのもサクサク進む要員だ。

 

 全ての診察が終えると、Drシャマルは頭をかきながら言った。

 

「……恐らく、だ。今はまだ絶対とは言えねぇ」

 

 ただの体調不良と思っていた優はDrシャマルの言葉に不安になった。それに気付いたのか、雲雀はそっと優の手を握る。

 

「恭弥さん……。すみません、大丈夫です。恐らくでいいので教えてもらえませんか?」

「あー……その、なんだ。深刻な病気っていうわけじゃねぇから」

 

 ホッと息を吐き、優は肩の力を抜くことが出来た。一方、雲雀はDrシャマルへの威圧を強めた。対照的な2人の反応に苦笑いしながら、Drシャマルは言った。

 

「オレの診断結果は、妊娠の初期症状じゃねーのかってところだ。市販の妊娠検査薬じゃまだ反応しねぇし、もう少し様子見だな。だけど、風が無意識に身体を守ってるところを見ると、可能性は高いと思うぞ。今まで微熱でそんなことはなかったんだろ?」

 

 Drシャマルの問いに2人とも答えることが出来なかった。優はまだしも、雲雀が人前で無防備になるのは滅多にないことである。それでも雲雀は優よりも早く復活した。

 

「優、安静にしてね。勝手に起き上がらないこと。僕の許可なく、外に出ないこと。それから……――」

 

 Drシャマルは笑うしかない。普段と違う雲雀の態度を今日1日で何度見れたことか。

 

「さっさと出て行きなよ。優の身体に障る」

「へぃへぃ」

 

 面白いものを見れたため、雲雀の言葉も軽く流すことが出来た。ただ出て行く前に、声をかける。

 

「優ちゃん」

「え、あ、はい」

「言うのは早いかもしれねぇが、おめでとさん」

「……はい!」

 

 これだけ嬉しそうに返事をすれば、大丈夫だろう。そう判断して、Drシャマルは帰っていったのだった。



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