NARUTO~木の葉の九尾・逆行伝 (宮柴 舟)
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第一話

皆がうつむき気持ちをこらえていた。
部屋にいるものも家に入りきれないもの皆が悲痛な面持ちでに涙をこらえていた。
七代目火影うずまきナルトが死を迎えようとしている。
ナルトは最後の気力を振り絞り口を開いた。


 皆がうつむき気持ちをこらえていた。

 部屋にいるものも家に入りきれないもの皆が悲痛な面持ちでに涙をこらえていた。

 七代目火影うずまきナルトが死を迎えようとしている。

 ナルトは最後の気力を振り絞り口を開いた。

 

「ボルト傍にいるのか…もうあんまり見えねぇけどお前は父ちゃんの誇りだ。九代目の火影や…木の葉丸達と共にこの里を…皆を守ってやってくれ」

 

「あぁ、父ちゃん任せろってばさ」

 

「はは、忍者は人前で涙をみてちゃ駄目だってばよ」

 

「ヒマワリお前にもいやな役回りをさせてすまなかったな、波風と日向をそれからボルトを支えてやってくれ」

 

「はいお父様」

 

「孫たちの顔も視たかったが・・・もう限界みたいだ。真っ暗になってきたってばよ…」

 

 かろうじて視界に入る全員にを一礼した後ナルトは静かに口を開く。

 

「最後だから伝えておくってばよ。ボルト、ヒマワリ、孫たちそして木の葉の里の皆。俺ってば結構幸せだったってばよ…みんな愛してたってば・・・ょ」

 

 そう告げてナルトは静かに目を閉じた。

 

(ようやく、サスケ達皆に会いに行けるなぁ…ヒナタもずいぶん待たせてごめんだってば…)

 

「七代目様」「父ちゃん」「お父様」「ナルト」「おじいちゃん」

 

 最初は火影の厄災として里の皆に疎まれていたナルト、だが友を得て持ち前の明るさとド根性で英雄となり亡き父波風ミナトの様に火影となり木の葉のために走り抜けていった。

 その日心優しい九尾の人柱力が死んだ。

 堰を切らしたように皆が皆。天すらも涙を流し先代の火影を尊んでいた。

 

『ようナルトそろそろお迎えか?』

 

 ナルトの中にいた九喇嘛がいままでどおりの声でナルトに語りかける。

 

「あぁ、そろそろみてぇだな。もう外の声は聞こえねえみてぇだ…」

 

『この数十年いろんなことがあったよな。悪かったなナルト』

 

「なにいってんだ九喇嘛。相棒のおめぇがいたから木の葉の里を守れた、火影にもなれた…親として二人も子にも恵まれた。感謝しかねぇってばよ」

 

『そうか、俺ももっとお前とバカしたかったがな』

 

 そういって拳と拳を合わせて子供のころのようにニシシを笑いあう

 

『お別れだなナルト、楽しかった。こんど生まれ変わったならまた会いに行ってやる』

 

「寂しい思いをさせてわりぃ。ならその時までお別れだな九喇嘛。その時はまた一緒にバカするってばよ」

 

 

 ~~

 

 

 時は流れ九喇嘛は一人森の中にいた。

 何をするでもなく最早天災などともいわれなくなり、木の葉の里のアカデミーの生徒たちが修行や遊びに来るような穏やかな森だった。

 通称九喇嘛の森と呼ばれるその森。先日も里の忍たまが手裏剣の修行をしていたので眺めていた。うまく的に当てれないらしくアドバイスを求めてきたのでチャクラをホンの少し貸して補助をしてやった。

 

「ありがとう九喇嘛の狐さん」

 

 逆だろがガキぃと思いながらも、ありがとうなんていわれると嬉しくおもう。

 他にも現在の火影がフラッと酒や油揚げを持参してやってきて愚痴を吐くのを聞いてやったり、ときには相談なんかも乗ってやった。

 

「…そんな平和になったいまだからこそ、お色気の術は研究しなきゃ七代目様に顔向けできないんですって」

 

「お前も年なんだからそんな下らねぇ術にうつつを抜かす前に、先日話してた次の火影を育成するほうが先だろうが。木の葉丸にいいつけんぞ」

 

「そ、それは待ってください。あの人三代目様以上の術の使い手なんですって、下手したら」あわわわ

 

 などと冗談をいえるような友も多少は増えてきた。これもナルトのお陰なのだろうなと九喇嘛は懐かしんだ。

 

「また相談という名の愚痴をいいにきますって。それじゃー」

 

 そんな生活が続いてた日、いつものように転寝をしていた九喇嘛は突然真っ白な空間に飛ばされた。

 

『真っ白だな、儂もとうとうお迎えってやつが来たのか?』

 

 そんなことを考えていたら覚えのある声が聞こえてくる。

 

「いや儂が口寄せした。久しいな九喇嘛よ」

 

『あぁ六道の爺なんで?口寄せだと、ここは何処だ』

 

「まぁまて九喇嘛、儂は今天上神ってやつに手伝いをさせられている。いまいるここは何処でもない始まりの世界の一部だ」

 

『よくわからん、ともかく爺が儂にいまさら何の用があって呼び出した用もないのに呼び出したとかなら全力で (〝お手〟すんぞ?』

 

「相も変わらずせっかちじゃなぁ、(てか全力の“お手”とか食らったら潰れてまた死ぬわっ。追加で“お替り”もきっとしてくるに違いないわい)全く…実お前のいる世界とは別の世界でも戦争の歴史を繰り返しそうなんじゃが…そこでだ九喇嘛。もしナルトと一緒に平和を早めることが出来るとしたらどうする?」

 

『あぁ?ナルトと?あいつはもう何年も前に死んだろうが、それに同じ歴史を繰り返してるってことはまたくだらねぇ戦争をしないといけないじゃねぇか』

 

(まったく何をいってるんだこの耄碌爺が、まぁ年も年だからしょうがねぇか)

 

「いまお前、耄碌爺とか考えなかったか?まぁいいわい。九喇嘛。もしお前がナルトともっと早く和解していたら。ナルトの父や母が生きていたらどうなっていたともう?」

 

(少なくともナルトは一人であんなつらい思いはしてないかもなぁ…ん?まさか爺)

 

「お前が考えている通りじゃ。もしお前がその気なら条件付きだが転生という形で別の世界に送り込んでやる。ナルト達と一緒にな」

 

『ナルトと一緒にだと?』

 

 寝耳に水だった、本当にそんなことが出来うるのかと、ましてや爺のいう事が本当ならば過去に遡って転生させてやるというのだ。しかしそれは未来を変えてしまうという事なのではないだろうか。

 

『未来が変わってしまうのはいいのか?少なくともこの世界と同じには絶対ならないぜ爺』

 

「ふふ、乗り気のようじゃな。お前を転生させる時点で歴史は変わるだろうが誰にも分らん。そこに住んでる人々からしたらまだ未来の話なのだからな」

 

 そも過去に戻るという事はどのへんなのだろうか、また条件というのもどういったものかも判らないが再びナルトとバカをするのも悪くないかもな。

 

『爺、条件ってのは何だ?』

 

「ふふ、九喇嘛なら乗ってくれると思ってたわい。条件だったな。それは平和にした世界でお前が結婚して子をなすことじゃ」

 

(…は?このくそじじいは今なんていった?儂が結婚?誰と?…はぁ?)

 

『ケッコン?何のことだ俺は九尾だぞ子供とかいったい何を言っているんだ冗談は存在だけにしやがれ爺』

 

「冗談などではないぞ?大丈夫だ問題ない。その辺はいろいろ考えてある。転生にはいろいろと“特典”が必要ときいたしな・・・」ニヤニヤ

 

『ちょっと待て爺、なにニヤケてやがる。おまえよからぬ事を考えてないか?その考えを話してからにしろ・・・』

 

「では行ってまいれ。頼むぞ九喇嘛、世界の平和とお前の結婚が解放の条件じゃからな」

 

『おいまて、だから俺の話をきけーーー』

 

 

 

 ~~

 

 

 

(くそ、飛ばされたと思ったらまた真っ白だな、今度は何処だ。っと誰かいるな…あれは)

 

『そこに誰かそこにいるのか』

 

「ん?って九尾の狐?…おまえ九喇嘛の知り合いか?」

 

『いや儂が九喇嘛だそういうお前は…』

 

「はぁ?九喇嘛だってじゃぁお前も死んだのか」

 

『何を言って…お、お前ナルト。ナルトなのか』

 

「あ、あぁ九喇嘛お前なのか?はぁ~真っ白になっちまってお前。ずいぶんと綺麗になっちまったなぁ九喇嘛。もしかして俺が死んでから苦労かけちまったか」

 

(真っ白何をいってるんだ…ってぬおっ。全身真っ白じゃないか、腕も足も…っとなんか違和感があるな)

 

『ないっ。ないぞ。どうしてだ』

 

(漢の象徴的なもんが無くなってるじゃねーか。どういうこ…と…。まさか転生の特典とかぬかしたあれか!)

 

『あの爺…まさか』

 

「お、おい九喇嘛どうしたんだってばよ?さっきからさっぱりわからねぇってば、俺たち死んだんじゃないのかってばよ?」

 

『あぁすまんナルト。少し混乱しててな今から話す』

 

「あーーー。父ちゃん、母ちゃん。それにヒナタ。皆あいたかったってばよー」

 

(って聞いてねぇ。ナルトらしい)

 

「え?ナルト?どうして此処に」

 

「ミナトにナルト?あれ私どうしてここにいるってばね?」

 

「ナルト!ほんとにナルトなの…ってなんか違和感が…」

 

 そういって皆が皆お互いを見合わせる。

 

「ヒナタなんか幼くなってるってばよ」

「ナルト。なんか縮んだ?って幼児?」

「ミナトは変わってないってばね」

「クシナも綺麗なままだね」

 

『あーお前ら説明してやるから混乱せずに聞け』

 

「それに九尾…君は九喇嘛なのかい」

 

 ミナトが声をかけてくる九喇嘛もああと小さく頷く。

 

「どうして九尾が目の前にいるってばね。てか真っ白で綺麗なんだけど何があったってばね」

 

『実は儂たち全員が転生した』

 

「「「「はぁーーーーーーー」」」」

 

(まぁ普通はそういう反応だよな)

 

 そこで六道仙人から聞いた話を全員にしてやる。

 

 転生したこの世界は元いた世界とは別の世界だと言うこと、世界がまた戦争へと向かっていること。そして転生の条件が世界の平和と儂自身の結婚だということを。

 また転生には特典とかいうのが付いていると言っていたことも付け足して説明をした。

 

『という訳でだ、儂たちはどうやら過去に遡って転生したらしい』

 

「転生の特典ってのが経験や記憶ってことなのかな?」

 

『それは分からんが、儂の特典は…(雌…orz)』

 

「ヒナタはどうみても幼児だってばよ」

 

「ナルトこそ昔に会ったときくらい可愛くなってるね」

 

 そういって二人はボルトやヒマワリの子供の頃みたいとか言って懐かしんでいた。

 

「しかし九尾が結婚するってどうやってだい?まさか人間に変化してとかじゃないよね?」

 

「父ちゃん、妖狐のハーフとか物語にはよくいるってばよ?案外クラマ次第かもしれないってばよ」

 

「うんうん、九尾は雌として転生しちゃったってばね。はぁー神様の特典ってのはとんでもないってばねーこれだけ綺麗な毛並みなら天狐や空狐程度きっと悩殺できるってばね」

 

(そう雌として…悩さ)

 

『ってやっぱり儂は??どういうことだ・・・いやしかし』

 

「そっかーそれで九喇嘛はこんなに真っ白で綺麗になっちまったのかーびっくりしたってばよ」

 

(まてまてナルト儂は結婚する気なんてないぞ、というか悩殺ってなんだクシナ儂は雄であって…いや今は雌で…じゃない)

 

「しかし、うまく言い訳とか考えないといけないねこれは」

 

「(流石のスルースキルだってばね)ともあれヒナタちゃんは日向の家で過ごすほうがいいのかしら?」

 

「あーそっか、まだ俺ってばヒナタと結婚式あげてないのか」

 

「う、うん///」

 

「でも記憶としてはナルトの奥さんで…子供もいるんだったわね」

 

「はい、えっとクシナお義母様その辺はどうしましょうか」

 

「ちょ、ちょっとミナト聞いたってばね。おかあさまだって。きゃー」

 

「どうどう、クシナ。といってもナルトもヒナタちゃんも今は三歳児程度に見えるし結婚とかそういうのは無理だからね」

 

「何言ってるってばね、その辺は4代目の権限で何とかするってばね」

 

「え、ちょっとクシナ流石に難しいんじゃないかなそれは…四代目の僕は既に死んだことになってるはずだし」

 

「やっぱりできませんか?ミナトお義父様」

 

「お義父…いやなんとかしましょう」キリッ

 

『「父ちゃんェ(ミナトェ)」』

 

「しかし九喇嘛の結婚相手ねぇ…何処探せばいるんだってばよ…」

 

 こうして転生特典で九喇嘛は雌に…ミナトとクシナは生存し、ナルトとヒナタは前世の記憶を持ったまま平行世界での新しい幕が上がった。




多分続きません。
気が向いたら…


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第二話

 真っ白な世界が少しずつ色づいてくる。五感がだんだんと戻りナルト達は何処かの室内にいた。
 周りを見渡すと記憶の奥にあった見覚えのある景色が広がりはじめる。


 真っ白な世界が少しずつ色づいてくる。五感がだんだんと戻りナルト達は何処かの室内にいた。

 周りを見渡すと記憶の奥にあった見覚えのある景色が広がりはじめる。

 

「ここって子供の頃過ごした火影邸の離れだってばよ、なんか懐かしいってばよ」

 

 昔を懐かしんで部屋を見ると昔落書きした手裏剣の絵が襖にでかでかと描かれていた。意外とアートである。

 目前の丸いちゃぶ台を囲むように父であるミナトと母のクシナの姿も見て取れた。

 

「ん!ちゃんと体の感覚もあるしホントに転生したみたいだね正直驚いてるよ」

 

 ミナトは手を握ってみたり自分の体を触ったりして触角を確かめる。

 

「うん、こうしてミナトにもナルトにも触れるし何よりお腹が空いてるのが生きてる証拠だってばね」

 

 クシナはお腹を押さえてえへへと笑う。

 

『儂はナルトの中に居るみたいだな。昔のように檻じゃなく森林みたくなってるよだな』

 

 ナルトは自分の深層意識に注意を向けると確かに森林浴をするのに丁度いい木漏れ日の中に真っ白な九喇嘛がいた。自分の深層世界のはずなのに木漏れ日が射すってどういう状況なんだってばよ?と思いつつも光を反射させて輝く真っ白な九尾の狐をみてつい見とれてしまう。

 

「ひ、ヒナタの姿が見えないけど何処に消えたんだってばよ?」

 

 九喇嘛に見とれてしまったのをごまかすかのように意識を現実に戻すとわざとらしくきょろきょろあたりを見渡す。

 

『おそらくだが、この世界のヒナタがいた所だろう。同じ世界に同一人物が二人居るのはおかしいだろうからな』

 

「そっか、ヒナタは日向の家か。とりあえず納得したってばよ」

 

 ごまかし切れていないがナルトはごまかせたと思っているのだろう、ウンウンと腕を組みながら納得していた。

 ミナトやクシナも微笑みを浮かべてナルトをみる。二人も気づかないふりをしてくれているようだ。

 

「さて、僕たちは今まで死んでいた事になっていたわけだけど。どうにか辻褄を合わせないといけないねなにかいい案はないかい」

 

 ミナトも助け船とパンと手を叩くと注意を自分のほうへ向ける。

 

「それなんだけど父ちゃん母ちゃん、少し無理やりだけど俺に考えがあるってばよ」

 

「あら、どんなのかしら」

 

「九喇嘛を俺に封印した時、父ちゃんも母ちゃんも一緒にチャクラを封印できたってばよ?実はそのとき肉体ごと封印してましたーって事にすればいいってばよ」

 

「九尾の封印が安定するのに三年位掛かったことにすれば良いわけか。なるほどね」

 

「波風とうずまきの合作忍術で偶然そうなったとか口裏合わせておけば問題なさそうだってばね。くふふ…、実は生きてましたービックリサプライズ作戦だってはね?流石の息子だってばね!」

 

 グシグシとナルトの頭をなでながら既にクシナはどうやって友達をびっくりさせようかと思いをはせてはニヤニヤしている。ニシシとわらう姿が息子とそっくりであった。

 

『たしかにそうすれば仮に儂が表にでても大問題に成らなくてすみそうだな』

 

「俺も火影とかしていろいろ悪知恵はついたってばよ」

 

「そうだね、そう言うことにしておこうかシンプルな方が無理がなさそうだ。あとは切り出すタイミングとかだけど…その辺は流れに身を任すってのが一番いい気がするね。そういやナルトいま何月何日か判るかい?」

 

 そういって周りのあてになりそうなものを探すと、壁にかかっていたカレンダーを見つけたナルトが答えた。

 

「んーっと、カレンダーのバツ印を見る限りでは一週間後にセレモニーって書いてあるってばよ」

 

「セレモニー?なにかおめでたいことでもあったのかい」

 

 ナルトは昔の記憶をたどる。すると今の記憶に交じって昔の記憶が流れ混んできた。

 

「えーっと俺が三歳でセレモニーだから…たしか雲の国と停戦だかの条約を結んだ日だったはずだってばよ(他にもなんかまだ忘れてる気がするってばよ?なんか重要な事だった気がするってば…)」

 

「丁度いいんじゃないかしら?その日にサプライズするってばね」

 

「あははは、その辺はちゃんと計画とタイミングを見て…ね、クシナ」

 

「なははは、母ちゃん結構子供っぽいとこあるってばよ。俺のいたずら好きは間違いなく母ちゃん似だったってばよ」

 

 そういってクシナとナルトはニシシと笑いあう。ミナトもそれをみてつられて笑顔になっているようだ。

 

「ともあれ、体の調子を整えないとかな?ちゃんと忍術が使えるのかとかも知りたいし。どうにも体幹的な違和感があるし」

 

「俺もなんか上手くチャクラが練れ込めないってばよ。コントロールは出来るけど体が追い付いてない。そんな感じだってばよ」

 

 二人はチャクラを練ってみるが、転生したばかりで感覚が追いついていないため、うまくチャクラコントロールが出来ずにいた。クシナはあまり違和感はないように見える。穢土転生等を経験してない為、魂と体の違和感が少ないからだろうと九喇嘛は考えた。それを踏まえて憶測を建てて答える。

 

『まぁナルトの場合は言葉通り体が子供になっちまったわけだし。ミナトの方は記憶と今の体とでズレがあるんだろうな』

 

「やっぱそっかー、後なんかクラマのチャクラも優しく清らかな感じになっててこそばゆいってばよ。声も可愛いし…」

 

 そういわれて初めて自分のチャクラをみて唖然とした。

 

『な、なんだと///!ってこの透明感のある新緑っぽいチャクラはなんだ、自分で使ってて気持ち悪い』

 

「もしかして今ナルトの周りに出てるのが九喇嘛のチャクラかい?」

 

「転生の影響でそんな風に変わっちゃのかしら?なんか禍々しいというよりは清々しい気持ちになるってばね」

 

「でもこれなら周りの説得にも一役買えそうだし。好都合だね」

 

『な、納得いかんぞ。儂は九尾の妖狐であってもとは厄災とか天災と呼ばれていたのだぞ。』

 

「でも前の時より遥かに力強い感じがするし・・・なんていうか縁側で日向ぼっこしてるみたいで気持ちいいってばよ」

 

『ことかいて、儂のチャクラの質が縁側の日向ぼっこチャクラだと・・・。まったく強そうに感じないな…泣きそうだ』

 

「まぁまぁその辺も含めて折り合いつけていこう。今はとりあえず腹ごしらえかな。みんなどうだい?」

 

「賛成だってばよ(ばね)」

 

 そうして初めて親子揃って外食をする波風一家であった。一応変化の術で姿を隠してではあるが初めての一家団欒に楽しそうだった。

 

『(くっそどうしてこの親子はこうお気楽なんだ…てか儂も油揚げ食べたい)』

 

 クラマ自身も転生した時点で若返っていることにまだ気がついていなかった。

 

 

 ~~~~

 

 

 真っ白だった世界から抜け出し、徐々に色ずく世界。

 ゆっくりと目を開けるとそこには懐かしい風景があった。

 まだ自分には大きすぎる布団に真新しい枕。二歳の誕生日にもらった人形。

 

「(そういえばこの人形ハナビにあげちゃったんだっけ。なつかしいなこの部屋もこの机も)」

 

 ふと、視界にはいった化粧箪笥の鏡を見ると幼き日の自分が写る。

 

「(ホントに転生したんだ私)」

 

 ペタペタと自分の顔を触ってみる。自然と微笑んだ鏡の中の自分自身が可愛くて何故か可笑しかった。

 

「ヒナタご飯ができた、居間に来なさい」

 

 ノックもせずに入ってきた父を見てビックリしたが、前世では死んでしまっていた父にまた会えたことを嬉しく感じる。

 

「ひ、ヒナタ何故泣いているんだ、私がなにかしたのか?」

 

 フルフルと首をふって違うと表現したが

 

「あなた、ヒナタを泣かせて何してるんですか?」

 

「い、いや私はなにもしていないぞ。な、なぁヒナタそうだな?」

 

「ならなんでヒナタが泣いてるんですか、犯人は貴方しかいないでしょう」

 

「犯人…ま、まて話せば分かる。私はまだ何もしていない、ヒナタ私は無実だと証言してくれ」

 

「(あ、あれ?父と母ってこんなんだっけ?でもたしかにあの事件が起こる前はいつも笑ってたような気もする…)」

 

 そこで慌ててヒナタは答えた。

 

「ち、違います母上。父上が笑顔で呼びに来てくれたから嬉しくて涙が出ちゃっただけ」

 

 は、恥ずかしい。少なくとも私はこの時点の父達より遥かに長く生きていたのだ。孫たちさえいたのだから。

 なのに、″涙が出ちゃった″とか。子供過ぎただろうかと思いつつ自分がいま何歳くらいなのかと鏡をもう一度見る。

 ふと壁に余所行きの赤い着物が目に入った。たしか3歳の誕生日に母に着せていただいた記憶が蘇る。

 

「聞いたか私は喜ばれこそすれヒナタを泣かせてはいないのだぞ」

 

「はいはい、ヒナタは優しいねー」

 

「お、おい」

 

「(そっか、もうすぐ私の誕生日なんだ。こうも記憶が蘇ったりするのも転生の影響なのかな?でもいいよね今は子供なんだし少しくらい甘えても)父上母上…大好き」

 

「こんどこそ聞いたか、ヒナタが大輪のような笑顔で私に大好きといったことを」

 

「何を言っているんですか。私に言ったのです、ねーヒナタ。この笑顔は譲れませんよ」

 

「(ってあれ?やっぱりこんなに愉快な両親じゃなかった気がする…もっとこう威厳とか厳格がにじみ出てたような・・・)」

 

 こうして日向家も昔とは少しずれた世界だという事をヒナタは少しずつ体験していたが、それでも過去に戻り再び両親に会えた喜びで自然と笑顔になるのだった。

 

 

 ~~~~

 

 

 

 次の日、ナルトは自分がどのくらいチャクラをコントロールできるか試すために近くの演習場に足を延ばした。

 ミナトやクシナは自分たちが生きているという事を効率よくかつサプライズするためにはどうするかという案件に真剣に案を練っていた。

 

「(まったく、いい大人がなにやってんだってばよ…)母ちゃんらしいけど…」

 

『あやつらにも考えあってのことだろ。仮にも四代目の火影だったんだろうミナトは。それにそれを言うならナルトお前はあの二人よりもっと長生きしたろうが』

 

「(今は子供だってばよ。だから俺は今をまた目いっぱい子供らしく生きるんだってばよ。)」

 

『ふふ、前向きなところはかわってないなナルトは』

 

 演習場につくと軽く準備運動を行い次に足にチャクラを留める。そのまま壁際に設置されている丸太の柱に向かって木登りをする。何度も上り下りを繰り返して加減を見極める。

 

 チャクラを練ってわかったことだが、昔なら自然とできたことが意識しないとできないことに気が付く。それでも訓練を続けていくうちにだんだんと感覚が追いついてくるようだった。

 

「んーコントロール自体は出来るけど。でも体が追いついてこないってばよ」

 

『どういうことだ』

 

「足がもつれて転ぶ状況に似てるってばよ。自分ではちゃんと歩いてたつもりだけど足が空回りしてるみたいな…そんな感じだってばよ。あとは仙術チャクラが上手く練れないってばよ。」

 

『その辺は急には無理だろうから少しずつ慣らしていくしかないな』

 

「へへっ。おう!」

 

『なんだ急に』

 

「なんか嬉しいんだってばよ。死んだと思ったらまた九喇嘛と一緒で、こうして話せて」

 

『儂はお前が死んでから暫く一人だったからな…その…(寂しかったなんて言えるかアホぅ)』

 

「意外と素直だな九喇嘛。ニシシまた相棒宜しくだってばよ。」

 

『う、うるさいな。ったく…よろしく頼む相棒』

 

「ってことで最後に九尾モードを試してみるってばよ」

 

『いいだろう、儂も自分のチャクラにものすごい違和感があってな試してみたかったのだ』

 

 そういうと二人は心を合わせチャクラをすり合わせていく。今までのチャクラと違って全身から力が漲り全身が黄色く…

 

「ってなんで髪の毛が真っ白になるってばよ。昔の黄色っぽいチャクラじゃなくて透明感のある澄んだチャクラだしどういう事だってばよ」

 

『儂が知るか!ってかナルトお前見た目が女の子っぽくなってるのように感じるのだかが気のせいだよな?』

 

「は?ちょ、ちょっと待つってばよ」

 

 ナルトは九尾モードのまま演習場にある池の傍に立つと水に映る自分の姿をみて慌てる。そこに映るのはピンと尖った耳の生えた白のロングストレートの髪。そして巫女姿の女の子だった…

 

「ま、真っ白な髪が長くなって肌もすこし白く見えるだけ…だってばよ?多分…」

 

『愚か者ちゃんと視ろ。それにナルト気が付いてるだろうけど…(声も少し高く女っぽいぞ)』

 

「い、いうな九喇嘛俺には見えない聞こえないってばよー」

 

『現実を見つめろナルト、さらになんでかしらんがモッフモフの真っ白な尻尾が九本。お前からはえてるぞ』

 

「あーー、あーーー聞こえない見えないってばよ。うわーーん」

 

 その姿は九本のモフモフ尻尾が生えた三歳時程度にして美しいと愛くるしいを兼ね備えた姿であった。

 

『儂が雌になってしまった影響かこれは…屈辱だ…六道の爺め、 こんど会ったら有無を言わさず叩き潰してくれるぞ』

 

「うーん口寄せなりで九喇嘛を外に出れるよう考えないとなぁ。このままだと俺が狐に掘られることになるってばよ…」

 

『ば、バカかお前は///儂が、儂は…儂の…あー。あー、知らん…儂はもう知らん…ふん。寝る!』

 

「ごめんだってばよ九喇嘛この話はとりあえず置いておくから、仲直りするってばよーーーー」

 

 そうこうぎゃーぎゃー言い合いながらも肉体的には早すぎる修行が始まる。

 

「せめてこの九喇嘛(女性化)モードだけでもなんとするってばよーー」

 

 しかしそのあと何度九尾化を試そうとも昔のような尾獣化は出来ず、美獣化してしまうナルトたちであった。




おー続いた続いたー

流石にもうしばらくは無理かも


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第三話

そろそろ起きるってばねー。と居間のほうから声が聞こえる。

もぞもぞと布団から這い出ると大きな欠伸をしつつボテボテと声のするほうに向かう。

 

「おはようナルト」

 

目の前の赤い髪の女性がにこやかに声を掛ける。「おはようだってばよ」とこちらも返す。

昔を思えば絶対にありえない風景だった。何せ目の前にいる女性は本当ならば自分が生まれてすぐに亡くなったはずの母なのだから。

 

「だいぶ無理したみたいだけど大丈夫?」

 

「問題ないってばよ。この体が必要以上のチャクラに耐えられないのが原因なんだってばよ(それと女性化クラマモードのショックがでかいってばよ)」

 

そうなのだ、演習場でいろいろやってみた結果、体がチャクラの負荷に耐えきれなくなったときなど、恐らく子供になってしまったが為に突然電池切れのように倒れてしまうのだ。

それでも流石は元七代目というべきか。チャクラ量などは同年代のそれとは比較できない程である。

また仙術モードや九喇嘛モードなどでの強化はもとより、転生以前につかえていた忍術や幻術などは全て使用できることが分かった。体術に至っては子供の筋力ではまだ限界があるためか使用が制限されてしまうが一応の限界値を知ることはできた。

 

「って幻術は苦手なんだけどなー」

 

「何か言ったってばね?」

 

「べつになんでもないってばよ」

 

そういいながら居間に並べてある物を見つめた。朝食だろうか?

「有り合わせの材料でご飯をつくってみたってばね」と母はいう、意外と料理上手なのかもしれないとナルトは思った。

初めての母の料理に「どうおいしい?」と子供のような目をしながら聞いてくる。

一口食べて(めっちゃ普通の味だってばよ)と思ったが「うん、なんか母ちゃんの味って感じがするってばよ」と素直な感想を述べる。

いや、決してまずくはないのだが、記憶の中のヒナタの作る料理が美味しすぎたのが原因だった。

ナルトはこれ以上コメントしづらいと感じてすぐさま話題を切り替える。

 

「そ、そういや。父ちゃんはどこにいったってばよ?」

 

「なんでも根回しをするため?とかで空区に行くって朝出かけてったってばね」

 

空区とはどの国や里にも属さない土地のことだが、その地には忍専門に武器を供給する闇商人一族がひそかに店を営んでいる場所でもある。

 

「ふーん、それで母ちゃんはどうするってばよ?ずっと家の中に居てもすることもあんまり無いんじゃ」

 

「あーそれなんだけどね、私は隠遁って苦手だから結局何もしないほうが里の皆にはばれにくいってばね」

 

「変化の術とか使っても無理そう?」

 

「あはは、性格的になぜかバレる自信があるってばね…orz」

 

「(かあちゃんどんだけ隠遁下手なんだってばよ…)でも変化の術で姿を変えたうえで子供に化けてたら結構平気だと思うってばよ?」

 

「! その手があったってばね !」

 

「まぁ母ちゃんの好きにするといいってばよ。俺は今日ヒナタに逢いに行ってくるってば」

 

「うんうんありがとうナルトー、これで買い物に行けるから今晩は美味しいごはんつくってあげるってばね。いってらっしゃいナルトー」

 

そう送り出してくれる母クシナ。子供時代に”いってらっしゃい”などと声をかけてもらったことなどほとんど無かったなぁなどとにやけ顔で外へ飛び出しているナルトだった。

 

「子供時代を思い出しつつ子供っぽくするのも実は精神的に辛かったりもするんだけどなぁ」

 

『でも体に少しは引っ張られるのか?、ナルトちょっと子供っぽく感じるな』

 

「それは実は俺も思ってたってばよ。精神が肉体に引っ張られるってこういうことなのかもしれないってばよ」

 

そんなことを思いつつ、街中や雑踏を避け遠回りするようにヒナタの家に向かう。念のためというのもあるが少年時代にあった自分に対しての非難を避けるためでもある。

少し急ぎ足で走り、屋根から屋根へととびうつりながら暫くすると木の葉でも古参のとある一族が暮らす区画へと景色が変わる。日向家だ。

 

「(昔も思ってたけど日向の屋敷はやっぱりでかいってばよ。さてヒナタの家に来たのはいいけどどうやってヒナタを呼びだそうかな)」

 

『忍びらしく普通に忍び込めばいいんじゃないのか?』

 

「(ダメだってばよ、流石に初対面で義父さんに変な印象は与えたくないってばよ)」

 

『なら考えるな普通に正面から行けばいい、臨機応変上等だろが』

 

まあいつものことか、とおもい普通に正面口から入ることにした。すると「まてっ」と声が掛かる。

声のする方を向くと記憶の中ではヒナタの付き人をしていた日向コウがいた。

 

「あ、コウさんだってばよ。お早うございます。ヒナタいるってばよ?」

 

「お、おはよう…ってなんでおまえが俺の名前とヒナタ様をしってるんだ」

 

「??(あー!そっか俺ってばまだコウさんとは出会ってすらなかったってばよ。どうしよう、えっとそうだごり押しで誤魔化すってばよ)」

 

つい昔の癖で普通に会話をしてしまったナルトは、この時代この時点では初対面の筈だったとおもい出したのだ。そこでナルトはこう答えた。

 

「に、忍者の卵として、情報収集は基本だってばよ。日向と言えば宗家のヒアシ様と弟のヒザシ様の二人を筆頭に。たしかコウさんの名前と写真も上位に記載されてたってばよ」

 

「上位に…ほんとか?」

 

「え、うん。俺ってば三代目のじいちゃんの家に厄介になってるから、そんときこっそり覗き見たからまちがいまいってばよ」

 

「三代目様の、おまえ波風ナルトって名か?」

 

「(あれ、うずまきじゃないの?波風?転生の影響なのかな?ともあれ、間違いではないってば。よし)そうだってばよ。四代目火影、波風ミナトとうずまきクシナの息子。ナルトだってばよ!」

 

このときはじめて自分の名前が波風ナルトと知ったのだが、現時点ではなぜ”うずまき”じゃないのかは知る由がなかった。

 

「そうか、おまえがナルトか」

 

「でカッコいい。きっとすぐ上忍かもしれないコウさんはヒナタを呼んできてはくれないってばよ?」

 

「ま、まってろ今みてきてやる(そうかこのまま努力すれば俺も上忍に推薦されるのも数年のうちだな)」

 

コウはそういうと母屋に入ってヒナタの名前を呼び始めた。どうやら中にいるようだ。

 

「(チョロいってばよ。日向一族の中じゃたしか上位に位置付けされてたはず)」

 

『ナルト、詐欺師ぽいな』

 

「(これも立派な忍術の一つ。風の術だってばよ)」

 

そうこうしてるうちに母屋のほうから駆けてくる少女がいた。

 

「ナルトっ」

 

そういうと、ナルトにぎゅっと抱きつく。ナルトもヒナタの頭に手を乗せて撫でてやる。

 

※ちなみにヒナタはこの時代ナルトのことをナルト君と言っていたが夫婦になり時がたつにつれて名前で呼ぶようになっていたため転生した後も昔同様に呼び捨てである。

 

「またせてごめんだってばよ。なにか変わったこととかないってば?」

 

「うん大丈夫。ナルトも平気だった?」

 

「へへ、ヒナタに会えなくて寂しかったってばよ」

 

「私も…」

 

そういって流れるようにごく自然にピンク空間を作り出す二人に対してコウは

 

「ちよーっとまったーーーー!ヒナタ様お離れ下さい。こいつはえっと、あのですね」

 

「大丈夫よコウ。ナルトは九尾でもないし、化け物でもないから」

 

「九?あっ…いやしかし、だからといっていきなり抱きつくなどと…宗家の嫡子としても…ですね」

 

「門の前で何を騒いでおる。おや?君はたしか」

 

そんなやり取りをしていると騒ぎに気がついたのか当主であるヒアシがこちらへやってくる。

 

「あ、お義父さんお早うございます。元気そうで何よりだってばよ」

 

とつい声を掛けてしまうナルト。その言葉にピクリとヒアシが反応する。

 

「おとうさん…だと?あぁそうか。自分の父親と間違えてつい言ってしまったんだな。ビックリしたぞ」

 

「ん。もしかしてヒザシさんだった?」

 

「?私の父上の日向ヒアシであってるよ」

 

「ならやっぱりお義父さんであってるってばよ!」

 

「おまえにお・と・う・さ・んと言われる筋合いはない。子供だからと多目に見ていたが許さん。というか貴様ヒナタから手を離せ、離れろ」

 

「父上!愛に歳は関係ないです」

 

「あ、愛…いやしかしお前は二歳と十一か月だろう」

 

「(そういえばナルト、この世界で父上とお合いするのってこれが初めてじゃない?)」

 

そこでナルトはコウと同じでこの時代ではまだ出会ってすらいないことに気が付く。

 

「(あー、またやっちまったってばよ、どうしよヒナタ。でもまぁ勢いってのは大事だってばよ。よし男は度胸)」

 

「なにをこそこそ話している、貴様のような…」

 

「お義父さん、俺はヒナタを愛してるってばよ。だからヒナタとお付き合いを前提とした結婚を認めてほしいってばよ!」

 

「(ナルト///、凄く嬉しいんだけど逆だよ逆)」

 

「逆?」

 

『あのなナルト、普通は結婚を前提にお付き合いしてください。とかだろが、そもそもそんな話をするときは正装してくるもんだバカもん』

 

と心底呆れたように九喇嘛がぼやく。死んでもバカは治らないというが本当だったなと。

 

「(ってお義父さんなんかプルプルしてるってばよ…むっちゃ怒ってる?)」

 

その言葉を聞いたヒアシは目元に血管を浮き滾らせ全身にチャクラを巡らし始める。

 

「よーしそうかそうか、血痕を前程とした殴り愛と言う名のお突き欸がしたいか。よかろう覚悟しろ」

 

「ちょっと順番が逆だっただけだってばよお義父さん。それからなんか意味合いが違う気がするってばよ」

 

「問答無用。ミナトの忘れ形見と思って庇護していたが今日これまでだ。一人娘は貴様なんぞに渡さんっ」

 

「ちょっ、ヒアシ様、子供相手に本気を出さなくても」

 

「黙れコウ。まだ足掛け三歳の娘にもう虫がついたのだぞ。虫は取り払わねばならぬ。そこをどけぃ」

 

「俺はヒナタが大好きだってばよ!お義父さんが障害になるなら俺は戦ってヒナタを奪うってばよ」

 

「よく抜かした。こい相手をしてやる」

 

「あわわ(でもうれしいよー///)私も大好きー頑張ってナルトー」

 

「なぬっ、ヒナタお前は父を応援しないのか…ナルトよ、もはや手加減などできぬ」

 

ヒアシはいきなり全力全開のチャクラで八卦空壁掌を繰り出す。対してナルトはかろうじて瞬身の術で攻撃を避ける。避けた背後では形態変化させたチャクラの塊が門壁を破壊する。しかし回避が不十分だったため、続けざまに放たれた八卦空掌による追撃を受ける。

 

「あぐっ、ぃってー(ガードはしたけど流石にこの体はハンデ過ぎるってばよ)」

 

「まさか、瞬身の術をその歳でつかうとはな黄色い閃光の忘れ形見なだけはあるか、しかし日向は木の葉で最強。逃げ足だけでは勝てぬぞ」

 

ヒアシの連続で繰り出される柔拳をナルトはチャクラではじくように防御し、時にチャクラで包み込むようにしてかわしていく。これはナルトが火影時代にヒナタと訓練するために考案した対柔拳組手で。微細なチャクラコントロールを必要とする高等格闘術ではあるが、仙人と尾獣のチャクラを操ることのできるナルトはほとんど感でこなす。

 

「勢いで口走ったが、後悔はまったくねぇ。俺はまっすぐ自分の忍道はまげねぇ。お義父さん覚悟するってばよ」

 

「まだいうか貴様ー(とはいえいい一撃がきまらぬ、ほんとにこいつはヒナタと同じ三歳児か…)」

 

ヒアシは攻撃をしながら驚きを覚えていた。多少冷静になって(最初の一発は本気に近かった)手加減をしていたが、それでもナルトの体捌、チャクラコントロール、何より柔拳を裁く観察眼に対して感嘆を覚えていた。どこでここまで鍛えたのか…と考えていた時。

 

「いくってばよ。多重影分身の術&風遁・大突破ぁー」

 

数人のナルトが出現し影分身三人係で忍術を発動させる。しかしそこは流石ヒアシ、八卦掌回天を使い上手く技をいなしダメージを最小限に留める。

 

「ま、まさかまだ下忍にもなっていない子供がこんな術を使えるなんて」

 

目の前で繰り広げられているナルトとヒアシの攻防に目を離すことなく見入るコウ。眼前では攻防が続いていた。

手裏剣影分身で無数に増えた手裏剣をさらに風遁・烈風掌で追い風を起こし攻撃に幅を持たせ攻撃を仕掛けるナルトに対し八卦掌回天を部分展開するかのごとく歩幅を進めて攻撃を繰り出すヒアシ。

 

「ナルトの実力はまだこんなんじゃないよ、コウ」

 

「今度はこっちから攻めるってばよ」

 

いうやいなや、数人の影分身達が再び瞬身の術を使い距離を縮め波状攻撃を仕掛ける。しかし相手も手練れ。体さばきと八卦によるカウンターで次々と影分身を消していく。

 

「たしかにチャクラの量は大したものだがまだ未熟」

 

「それは重々わかってるってばよ、くらえ螺旋丸」

 

波状攻撃すらも囮にした螺旋丸を頭上より落としに掛かり勝負は決したかに見えたが

 

「油断はしていない」

 

こちらも攻撃を見抜いていたのか八卦掌回天を利用した妙技で螺旋丸を弾き滑らせ容赦ない突きがナルトに深々と突き刺さる。

 

「暫くは起き上がれまい」

 

「お義父さんならそう来ると思ってたってばよ!仙術風遁螺旋丸乱れ撃ち!」

 

「な、仙術だとー、ぬわーーーー」

 

「ヒ、ヒアシサマー」

 

勝利したと気を抜いた瞬間の一撃。つい”ひ、ヒアシダイーン”と叫びたくなる見事な一撃だった。

最後は瞬身の術ではなく、飛雷神二ノ段をつかい先ほど放った手裏剣の内の一枚より近距離に出現しての一撃だったため回避不能であった。

 

「二シシ、忍者は裏の裏をかくべし。愛は勝つってばよ!これで堂々とヒナタといちゃいちゃてきるってばよ!!」

 

「もう、ナルトったら///でもちょっとやり過ぎ、父上結構危ないかも」

 

「ヒアシ様、ヒアシさまーー」

 

「わ、私が…まさか…」

 

「父上すこし動かないで下さい。治療忍術で応急処置をしますから」

 

「治療忍術?ひ、ヒナタお前まで…どこでこの知識を。あぁ、そうか夢だなこれは。昨日父上大好きとか言われたからな。そうに違いない…」

 

そしてヒアシは現実逃避した。 まだ続きがあるとも知らず気を失ったのだった。



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第四話

今回オリキャラを登場させました。
また会話が多めとなっております。ご了承ください。


 見知った天井であるな。

 体が痛い、すこし寝すぎたのだろうか?上体を起こして布団からでる。周りをみると昼過ぎではあるようだがやはり自分の部屋のようだ。服もいつもの寝巻きを着ているようだし、やはりさっきのは夢であったようだ。

 

「(まぁあり得ん話だ。この私が三歳児に負けるなどと…)」

 

「父上、目が覚めましたか。なかなか目が覚めませんでしたので少し心配いたしました」

 

「大丈夫だ、この通りなんともない。どうやら疲れがたまって少し寝過ごしたようだ」

 

「そうですか良かった。怪我をなされて半日もお倒れになってたので、一応奈良家からお薬を頂いて参りましたので服用なさってください。では私は母上に知らせて参ります」

 

 半日も寝ていたのか・・・ん?怪我をしてだと、いやいやあれは夢であったはず・・・

 

「あるわけがないそんなことは…」

 

「あ、お義父さんきがついたったてば?今朝はご免なさいってばよ。流石に仙人モードでの攻撃は反則だったってば…つい昔の癖で…」

 

 夢じゃなかった…だと。

 

「いやー、家の息子が迷惑かけたってばね。ヒアシ様体は無事だってばね?。ともあれ本当に申し訳ございませんでした」

 

「いやいやクシナ殿、私もすこし頭に血が昇って冷静さをかいてしまっていた。流石ミナトとクシナ殿…の…子…」

 

 はて?なぜクシナ殿がここにおるのだ?クシナ殿は九尾復活の際に四代目のミナトと共に亡くなっていたはずでは?

 

「ありがとうございますヒアシ様。今度改めてお見舞いの品をお持ちいたしますので」

 

 私はこれでとクシナは二本の足で部屋を出ていく。

 

「うむ。いや、まて、まてまて。どうしてクシナ殿がここにいるのだ?お主…亡くなったはすでは」

 

「それについては僕から話すよヒアシさん」

 

 はて、今度はミナトがいるな。あぁそうか私はまだ夢を見ているのだな、いやはや吃驚した夢の中であるなら納得だ。クシナ殿とミナトといい…たまには夢を見るのもいいものだな懐かしい顔に会えた。

 

「どうやら私はまだ夢の中のようだな。死んだはずのミナトに会えるとは。ふふ、夢だとしても懐かしい顔だ、死んだ三年前とまったく変わっておらんではないか」

 

「夢の中?…なにをいってるんですかヒアシさん、死んでないですよ僕もクシナもちゃんと足がついてるでしょう」

 

 どういうことだ。死んだはずのクシナ殿やミナトが目の前にいて…するとどこからが夢…まさか幻術か!いったい私はいつから攻撃を受けていた。まずいはやく術を解かなくては・・・

 

「解っ!」

 

だめだ、目の前のミナトは消える気配はない。見る限り自分のチャクラは正常の筈。もう一度だ。

 

「解っ!」

 

「・・・なぁヒナタ、お義父さん…さっきからなにやってるってばよ?」

 

「寝ぼけてるだけだと思うけど。・・・まさか父上に限って幻術に掛かったと勘違いして解除しようとしてるんじゃ・・・」

 

「(え、幻術ではない?では何か、目の前にいるミナトや先ほどあったクシナ殿は本物?いやいやそれこそまさかだ。しかしチャクラは正常であるし…)」

 

 ヒアシは混乱した。

 

 

 ~~~~

 

 

 それからどうにか立ち直ったヒアシに対してミナトとクシナはかいつまんでいままでのことを話す。

 ナルトの中に九尾を封印して三年。漸くチャクラが安定したため外にでることができたこと。ナルトには精神世界の中で修行をつけてあげていたこと。そして最後に、ナルトとヒナタが相思相愛であったことなど…勿論自分たちが違う世界の未来から転生したことは隠したが。

 

「うむ?最後のはどうにも頭が受け付けようとせんが、一応は理解はした。まさか三年もかけて九尾を封印してのけるとは…しかしどうしてこのタイミングで私の家におるのだ」

 

 そ、それはーとクシナが苦笑いをして答えた。

 

「私がばれないようにと変化の術を使って久方ぶりの木の葉の里を買い物を兼ねて散歩してて、そしたらアカリさんが買い物しててね。懐かしいなーとかおもって見てたんだってばね」

 

 クシナは罰が悪そうに答えるとヒアシの妻である日向アカリが続いてこ答える。

 

「私も最初は全然わからなかったのよ。でいつものように買い物してたら"アカリさんも好みは変わらないってばねー"とか言うんだもの。こんな変な口癖はクシナっていったら」

 

「あははは、つい返事しちゃったってばね」

 

「母ちゃんどじすぎるってばよ。それにアカリ義母さんってば勘だけは凄くて、ヒアシお義父さんが嘘つくといつも見抜くんだってばよ。いつだったかヒマワリ…」

 

「ほ、ほらナルト。尻に敷かれるくらいが丁度いいんだよ(だめだよナルト、まだボルトもヒマワリもいないんだから)」

 

「たしかにそういうもんだったってばよ、なははは…(そうだった。つい絵本を内緒で買ってもらったときの事を思い出したってばよ)」

 

 なぜナルトがそんな事まで知っているんだと疑問を持ちつつも、掘り返すのもなんとなく後味が悪いと感じたヒアシは矛先を変えることにした。

 

「そ、それでこれからどうするのだミナト、再び四代目として職つくのか?」

 

「ええ、一応はそのつもりで動いています。まだヒルゼン様には秘密にしておりますが信頼のおける数人には事情を話してそちらでも根回しをしていただいております」

 

「そうか、まぁそんな根回しをせんでもおまえが生きていたという事実だけで万事解決のような気がするがな」

 

「そうだとよいのですが一応念をいれて、それにいまは雲隠れの国との条約締結の件もありますし、まだ公にはしたくないのです」

 

「ふむ、その日はヒナタのお披露目の日でもあるしな。その方が都合がよいのなら私はなにもいうまい。何か手伝う事があれば力になろう」

 

「そういってもらえれば僕もクシナも心強いです」

 

 そういってこれからのことをかいつまんでヒアシと話し始めるミナトをよそにアカリはナルトに対して疑問を尋ねていた。

 

「時にナルト君、さっきお義父さんとか私のことをお義母さんとか…どういうこと?」

 

「あー、んと、今日の昼に正々堂々ヒナタを賭けてヒアシお義父さんと勝負して…なんていうか完膚なきまでに勝利しちゃったってばよ」

 

 とナルトは先ほどの戦いのことを話す。それを聞いたアカリは

 

「ほんとなのあなた!」

 

「うっ、いやその…あれは…」

 

「へぇ、ナルトなかなか情熱的だってばね」

 

「ヒナタもだけど、その場には日向コウっていう証人もちゃんといたってばよ」

 

「ふぅん、へーぇ、あ・な・た?日向は木の葉で最強じゃなかったのかしらねー?」

 

「ま、まて、アカリ…いやアカリさん…目がビキビキしてるおるぞ。すこし落ち着いてだな…(なんだ角の生えた女性が見える気がする)」

 

 っぎゃー!ーー!、ーーーー

 生真面目一辺倒のヒアシが問答無用でシバかれ倒されている姿はもはやギャグであった。

 

「お、お手柔らかにねアカリさん(返り血…怖い…)」

 

「いえ、ミナト様。当主自らの勝負でナルト君が勝利したのは事実のようですし。ヒナタをどうぞよろしくお願いいたします(それに火影様の息子と婚約を結べば日向はまず安泰ね)」

 

 血だるまと化した”モノ”を転がしてにこやかに答える、そして瞬間的に判断した日向家当主の嫁、日向アカリはこの日改めて跡継ぎとなる第二子を作ることを決めたと後にクシナに話したという。

 

「ヒナタ、お義父さんたちってあんなひょうきんな性格だったってば?」

 

「うーん、あそこまでギャグ体質じゃなかったとおもうけど、私たちが転生した影響でいろいろ変化があるのかもしれないね…」

 

「せっかくだしミナト様もクシナ達も今日は泊まっていきなさいよ。いろいろ今後のことも話しておいた方がいいのだろうし」

 

「なら、ご飯作るの手伝うってばね」

 

「あら、お客様なんだから団欒してていいのに」

 

「三年間料理から離れてたから、ある意味再修行だってばね」

 

 そんなことを言い合いながら台所がある方へとボコボコにされた当主であるヒアシを放って(アカリは一度踏みつけてから)二人は消えていく。母親通しと言うこともあり和気相合のようだ。

 

「(さ、さすが…日向の嫁も木の葉で最強…)」ガク

 

「あ、なんか魂っぽいの出てきたってばよ?」

 

「え?それはまずいんじゃないのかい」

 

「しっかりしてください父上、父上ー」

 

 その後なにもなかったかのように夕飯をみんなでとり、子供化した影響が強いのかナルトとヒナタは仲良く眠りについた。

 

 

~~

 

 

「しかし、ナルトが九尾の尾獣を完全に制御しているとはな。信じられん」

 

「ナルトの中にいる九尾もあのときは操られていたことが判りまして」

 

「操られていたというのはどういうことだ」

 

「私がナルトを産んだ時に、私の封印術式が弱まったんだってばね。九尾も一緒に押し出されて…」

 

「その時突然現れたのが仮面を着けた写輪眼の男でした」

 

「そいつが九尾に幻術を掛けて操り里で暴走させたのよ。思い出したら腹立ってきたってばね」

 

「そやつの名前は?」

 

「うちはマダラと」

 

 何だってという表情を見せる日向夫妻。かつての初代火影様、千手柱間と共に木ノ葉隠れの里を創設したうちはの者だったはず。しかしそのご決裂、終末の谷にて敗北したと伝えられている。

 

「まさか、あり得んだろう死んだ筈だ」

 

 ミナトはマダラの目的はいまの段階ではわからないことなど、多少事実とは違う身の振りを交えていきさつを話した。

 

「それで私たちはナルトに九尾を再度封印することにしたんだってばね。でも嬉しい誤算がそこで発生したんだってばね(前世ではその頃は虫の息で半分死にかけだったってばね)」

 

「ええ…僕の封印術式とクシナの術式が変な方向に混ざって発動してしまったみたいで、九尾と一緒に肉体ごとナルトの中に封印されてしまったんです(ほんとは屍鬼封尽で陰陽に九尾を別けて封印して死んでしまったのだけど)」

 

「そうか波風に伝わる時空忍術とうずまきの封印式が…事実は小説よりも奇なりというが不思議なことだな」

 

「あら、きっとご両親の愛がそんな奇跡を起こしたのよ」

 

 そんな話に納得出来なかったが、現実に目の前にいる二人を(こっそり白眼を使い)見てヒアシが知っている二人のチャクラと同じ事を確認して納得する。他にも質問を受けたが、二人は九尾のチャクラと本来発動する筈の術式が暴走した結果ではないかと説明した。

 

「そんな経緯があったか…ときに二人はナルトの現状をしっているのか?」

 

「ん!なんのことでしょうか?」

 

「ナルトはこの里一部では疎まれておる。里の子供達には知らされておらんが三年前のあの事件の事を覚えている当事者たちは口に出さずとも恨んでおるものもおる」

 

 その話を続けるようにアカリが話す。

 

「あの日…九尾が暴れた地区では死傷者もでたから。三代目火影様は四代目様が木の葉の里を守るために命を賭して九尾を封印した。ときちんと報告したのだけど信じない者も少なからずいることを覚えておいて…」

 

「そのせいもあって、ナルトに対して執拗な虐めじみた行為も少なからずあるようだ。まぁ今日の様に本当は実力をひた隠し芯は強いことを知ったがな」

 

「ええ、ナルトの中にてある程度は知っております、そしてそんなことに負けないように二人と九尾とで鍛えましたからね」

 

「九尾も話してみるととっても美人なんだってばね」

 

 は?九尾が美人?なにのことをいっておるのだこの波風夫婦、と日向夫婦は一瞬おもった。九尾は天災とか災害クラスの化け物じゃなかったのか?と 。

 

「ん!実際見て、感じてもらった方が都合がいいのかな?お二人には是非味方になっていてもらいたいし」

 

 そういってナルトを起こす。

 

「父ちゃんなんだってばよ。何か事件でも起きたってば?」

 

「いや、ナルト少し九尾と話がしたいのだけどできるかな?」

 

 とミナトがいうと、「ちょっとまってて」とチャクラを練りつつ九尾モードに移行する。

 すると深い森の中にいるような風が一瞬吹いたと思うと目の前に白髪長髪、獣耳に九本のモッフモフの尻尾が生えた愛くるしい少女になったナルトがいた。美獣化である。

 

「いま九喇嘛と変わるってばよ…」

 

『ふむ、やはりこの姿になってしまうようだ。仕方がないがおいおい考えることとしよう…さて何が聞きたいのだ』

 

「貴女が九尾の…」

 

『いかにも、名を九喇嘛という。今はナルトと同化しているためこうして体を貸してもらっている』

 

「三年前の時のような禍々しさはなったくない、本当にあのときの妖孤なのか(尻尾モッフモフだな///)」

 

「チャクラの質がとても暖かい、むしろ澄んでいるように見えるわ(モッフモフ且つ可愛いわね)」

 

 二人は(違う意味でも)驚きを隠せなかったが、冷静に勤めようと白眼でナルトを見据えた。

 

『あのときは暴走させられていて正直覚えておらん。多々暴れろと”面の奴”に命令をされていた。そのせいで迷惑を掛けてしまったことに対しては頭を下げよう』

 

 九喇嘛は口裏を合わせるように話した、実際にはすべて覚えているしあの当時は恨み憎しみといった憎悪の塊であったことを思い出す。

 

「でも、三年間いろいろあって本来の心を取り戻し心優しい真っ白狐様にもどったってばね」

 

「もはや疑いようがないな、あの禍々しさをここまで清らかな…木漏れ日のようなチャクラに変えるなど火影にしか出来ない偉業だろう(年がいもなくあの尻尾にモフりたい)」

 

「ええ、それにこの姿を見ればナルト君に対する気持ちも変わる気がするわね(てかなにこの娘可愛いー、厚揚げとか油揚げとか好きかしら)」

 

『そ、そうか(なぜじゃ、この二人から悪意ではないが邪なオーラを感じるな尻尾がムズムズする)』

 

「ん!信じてもらえてよかった。ヒアシさんにそういってもらえれば僕たちの苦労も少しは和らぐしナルトにとってもこれから環境をよくしてあげれる」

 

「全部がすぐに落ち着くとはいかないだろうけど、元人柱力として頑張るってばね」

 

「モフらせてくれ(私も改めて協力しよう)」

「油揚げ持ってきてあげる(私も手伝うわ)」

 

「「…あ…///」」

 

『どっちも本音なのだろうが…本能の方が先になってるぞ。ちなみに油揚げは大好物だ』

 

「と、とにかく今後ともよろしくおねがいするよヒアシさん(僕のしってるヒアシさんってこんなだっけかな)」

 

 こうして、日向夫妻の新たな一面をみてしまった夜はふけていった。



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第五話

 その日は里が活気づいていた。

 それもその筈、この日をもって漸くいがみ合いを続けていた火の国・木の葉の里と雷の国・雲隠れの里との和平条約が締結しようとしていたからだった。

 里の顔岩広場に特設で作られた会場には屋台が並びちょっとしたお祭りのようであるが、実のところこれは波風ミナトの作戦でもあった。

 本来の歴史であれば粛々と調印式を済ませ、使者達は早々に自国へ帰る手筈となっていたところ空区に赴いたときに商人連中に根回しをしてこんな形にしたのだ。

 

 

 またこの作戦を行うにあたってミナトは助力を得るためにとある忍と密談を行っていた。それは日向と邂逅した翌日に遡る。

 

 

 ~~

 

 

「ようやく雲と条約を結ぶ事ができるのぅ、あまり気乗りはせんがとりあえず一段落じゃわい」

 

 火影の執務室でパイプを片手にそう呟いたのは猿飛ヒルゼン、木の葉の里現三代目火影である。そして忌々しく裏の火影ともいわれる志村ダンゾウが相槌をうつ。

 

「ふん。珍しく意見の一致だ。納得できんのは儂もだが、大名の言もたまには聞かねば今度はそちらに亀裂が出来るだろう。今回は折れてやる」

 

「まぁそういうな、こうして形だけでも呈を整えねば進むものも進むまいて…」

 

「里との条約などあって無いも同じであろう。裏では当事者である雷の国と雲隠の里が繋がっているのではないのか?その裏ではどのような陰謀策略が巡らされているか…いやはや」

 

 恐らくはそうであろうなとヒルゼンも考えていた。

 砂の国との同盟も表向きはお互いを支えあい共に発展していこうと結ばれた条約であるが、裏を返せば他里へのけん制、そしてこの停戦中に少しでも里の力を増強しようという意思が汲み取れる。

 そんな愚痴話をしている最中、閃光と共に火影の執務室に何者かが突然現れる。

 ふたりは年は取っても流石は忍、敵襲かと即座に身構えながら現れた人物を一瞥しそこで改めて驚愕する。その姿には見覚えがあったからだ、金色の髪に蒼眼、童顔にもみえるが容姿端麗の青年。波風ミナトであった。

 

「お、おぬしはミナト!」

 

「なに波風ミナトか!」

 

「どうも、お久しぶりですヒルゼン様にダンゾウ様」

 

 驚愕する二人に対してどこまでもマイペースに話すミナト、しかし火影こと猿飛ヒルゼンおよび志村ダンゾウは警戒を解くことなく怪訝な顔をしつつミナトを見極めようと努める。

 

「おぬし、本物か・・・生きておったのか・・・だがあの時たしかに・・・」

 

 確かに封印術を使って命と引き換えに死んだはずでは?と言葉を続けようとしたヒルゼンより早くミナトが先に口を開く。

 

「ええ、たしかにあの時は自分を犠牲にしてでも…と術を発動させたのですが、どうやらその気持ちは妻のクシナも同様のようでしてね、二人の術が多重に発動した結果事故というか、結果的に息子の中に九尾共々三年間も封印されてしまいました」

 

 あははとごまかしながら警戒を解かない二人に今までの経緯をミナトはかいつまんで話しだした。

 当初納得していなかった二人であったが、「なら私が知ってるヒルゼン様の”秘密”の小話もお教えします。」とヒルゼンとミナトしか知らない秘密を暴露すると。

 

「ほぅ、また1つつまらぬ秘密を知ってしまった。まったくお主も変わっておらんな…ヒルゼンこれは貸一つとさせていただくぞ(艶本の保管場所など、まだ枯れておらんのか)」

 

 とダンゾウに弱みを握らせる結果となったが、証明することが出来た。ちなみにヒルゼンの秘密とは大人の本の隠し場所および好みの傾向についてであるが特筆することではないため省く。

 

「・・・自分を証明するのに儂の秘密をダンゾウに聞かせるとは、恨むぞミナトよ。ゴホンッ。しかしおぬしが生きていたとなると四代目として再就任するという事でよいのか?」

 

「そのことですが、雲隠れの里との和平条約調印式でというのはどうでしょうか?今からならばぎりぎり調整がつくと思うのですが」

 

「急じゃな…だが丁度いいかもしれん。明日には火の国の大名連や木の葉の上役が集まる手筈となっておる、そこで今一度おぬしの再就任について話せばよかろう・・・してどうその方向にもっていくかじゃが」

 

「ふむ、儂としてもお前が火影に再就任することに異存はない。協力してやろう。お前の事だなにか策があるのだろう…ただ経緯が経緯だ、昔の様にはいかぬやもしれんそこは留意しろ。まずはこれまでの空白期間に何があったのかを詳しく聞く必要がある、話してもらうぞ(ミナトが火影のほうが儂としては動きやすいだろうしな)」

 

「スムーズにいきそうで良かった。では面倒ですがなるべく内々に調整を頼みます。私はこの後協力者に挨拶をしたいと思ってますので一旦これで」

 

 その話を聞いてホッとしたのもつかの間、ミナトが話早々に出て行こうとしたが問屋が卸さなかった。

 本当にミナトなのかということを証明するためにミナトは数刻拘束される羽目になったのである。

 

「まぁまてミナトよ、”儂は”信じるがそれでも周りが信じないこともあり得るでのぅ、情報部らと協力してチャクラ照合をさせてもらうぞ(ミナトよ暴露の恨みは少しでも晴らさせてもらう)」

 

「情報は弱点にもなるんですが・・・この場合は仕方がないですね。結果は後日全て消去させていただきますよ(むしろ経緯の説明をするほうが面倒かな)」

 

 その後ヒルゼンは相談役である水戸門ホムラ、うたたねコハルを呼び出し極秘で検査を行うこととした。

 クシナもミナトに呼び出され共に検査することなったが、検査よりも今までの経緯を話す方に気疲れを起こしたのは言うまでもなかった。

 

 

 ~~~~

 

 

 ようやく検査を終えたミナトとクシナはその足でとある一族が住む地区へと足を運んでいた。その一族の姓は”うちは”。

 二代目の政策以降この一族はある区画に押し込まれ24時間の監視を行われている。また先の九尾事件以降、里の警戒がより強くなっているという。だがそんなことは気にもせず二人は適当な変装をして通りを歩いていた。

 

「ひゃー懐かしいってばね。ここってミコトの住んでる区だってばね」

 

「クシナはミコトさんと仲が良いんだったね。でも今日の目的はフガクさんに会うことだよ」

 

「私はミコトやイタチ君、サスケちゃんと会って遊びたいってばね」

 

 別に遊んでもいいけどサスケちゃんって…あぁそっか、クシナは青年のサスケ君とは会ってなかったねと思だしミナトは敢えて今後の策について話さず自然体で対応してほしいとクシナに話す。そしてフガクが住んでいる家につくと

 

「すいません、フガク殿はおられますか」

 

 と玄関の扉越しに声をかける。とすぐにガラガラと扉が開き一人の少年が出てきた。

 

「どちら様でしょうか?(…変装?…どこかで見たような)」

 

 でてきた少年の名前はうちはイタチであった。

 

「ん!イタチ君か、久しぶりだね。フガク殿はいるかな。今日お会いすることになっているんだ。(たしかアカデミーを卒業しているんだったかな、今考えるとほんと凄い子だね)」

 

「え?えっとすいません。今父を呼んできますので少々お待ちください。(久しぶり…?以前どこかで…?)」

 

 そういって奥に消えるイタチ。

 

「変装してるし、死んだことになってる私たちを初見で見破れるわけないってばね」

 

「そうかなぁ、彼はキーパーソンの一人、もしかしたら見破るかもしれないよ」

 

 そんな話をしているとイタチと共にフガクとミコトが出迎えるために出てきた。しかしここで天然クシナがさっきの話も忘れたのかミコトたちに声を掛けた。

 

「あー!ミコト久しぶりだってばね。フガクさんも相変わらずダンディーでかっこいいってばね」

 

「「………」」

 

「あ、ついミコトに会えたのが嬉しくて地が出たってばね…」

 

 うーん、流石クシナ。僕が出来ないようなことをやってくれるねさすが僕の奥さんだよ、とはいえこれで手間が省けた。

 とミナトは思った。

 

「…えっと。その妙な口癖、もしかしてクシナ…でもクシナは…」

 

 ミコトはクシナに対して訝しみつつも質問する。それに対してフガクは咄嗟に写輪眼を使用して二人を確認していた。

 

「そのチャクラ…あり得ん…すまんがばれることを前提とした適当な変装を解いて説明してもらいたい」

 

「ん!もちろんですよフガク殿。とりあえずいろいろお話したいこともありますし中に入ってもよろしいですか?」

 

「あ、ああ。イタチよお茶を頼む。そちらの”奥方”もどうぞ」

 

「お邪魔します(流石フガクさん気が付いてくれましたか。まだ怪しんでるみたいですが)」

 

 フガクに居間へと案内されたミナトとクシナはイタチが持ってきたお茶を疑うことなく一杯飲みそれから変装を解いた。

 

「改めてお久しぶりですフガク殿、ミコトさん」

 

「「………」」

 

「フガクさんもミコトも久しぶりだってばね。イタチ君も大きくなって」

 

 ごくごく普通に挨拶をしたクシナを見てミコトは

 

「ほ、本当にクシナなの?化けて出てきたとか…まさか私にお迎えが…(私も短い人生だったわね…イタチ、サスケ。母がいなくてもしっかり生きていくのよ…)」

 

「おい、大丈夫かミコト(なに馬鹿なことを言ってるんだ。お前も写輪眼を使って二人を観察しろ)」

 

「・・・は、はい貴方(そ、そうね…写輪眼…写輪眼…ってどうやって発動するんだったかしら)」

 

 フガクがミコトに声を掛ける。ミコトもうちはの一族であり元上忍のくノ一であるが、忍を辞めて数年経っているため咄嗟に写輪眼を出す事が出来ず混乱していた。

 漸くうちは夫婦がそろって写輪眼を発動してミナト達を確認することができた頃、すっかり退室を忘れていたイタチは母も写輪眼を使うことができる事実に驚愕していた。

 

「(まさか母さんも写輪眼を開眼していたなんて…)」

 

「確認して頂けたみたいですし、話を聞いてもらってもいいでしょうか(イタチ君も驚いているみたいだけど気が付いたのかな?)」

 

 フガクは内心は驚愕しつつもそれを表に出すことなく声を出した。

 

「再度確認するが、貴殿は四代目火影・波風ミナト本人…で間違いないのか?」

 

「貴女もお馬鹿でお転婆で、お馬鹿な天然おしゃべり、負けず嫌いの”赤い血潮のハバネロ”クシナで合ってる…のよね?」

 

「な!なんでお馬鹿って二度もいうってばね」「あ、この反応本物だわっ」

 

「(まさか、四代目火影・波風ミナト様とその奥方であるクシナ様が生きてたんて…というかこれが母さん??)」

 

「この確認のされかた・・・何故かなっとくいかないってばね…」

 

 必死に驚きを隠しているイタチ。

 そして落ち込んでいるクシナをよそにミナトはこんな会話で本物確認されるクシナって面白いなぁと、再々度にわたって天然具合を笑っていた。

 クシナもミコトとの間に漫才のようなやり取りを何度か挟んだ後、ようやくミナトは今まで自分たちに何があったのかを話し始め、そして今後の事を話し始めた。

 

「…その話が本当ならば協力は惜しまない。しかし良いのか…お主の息子であるナルトも危険ではないのか?」

 

【だ、だから言ってるってばね、三年間ナルトの中に居たから歳をとらなかったってばね】

 

「確かな情報ですよ。危険は承知の上ですし、日向宗家であるヒアシさんにも既に伝えてあります。それにうちはの一族を一段上に置く為にも必要と考えてます(後ろで二人はなに話してるんだろうか…)」

 

【でも未だ24ってことはないでしょう、私なんてもう(三十路)…お、おかしいわよ最近白髪だって・・・羨ましい】

 

「判った、手練れを数人配置しておくように声をかけておこう(ミコトが声をあげて会話してる処をみるのは初めてだが・・・あいつも可愛いところがあるのだな…)」

 

【い・い・えっ。貴女は私と同じでもう”おばさん”よ、そうよイタチに確認してもらうわッ】

 

【なーっ、おばさん!!!まだ私は”お姉さん”で通用する若さだってばね。そこまで言うならサスケちゃんも呼ぶってばね!イタチ君。そうよね?】

 

【え?あの…(急に振られても困る…どうすればここから切り抜けられるんだ…A級任務より難しいよ父さん…助けてくれサスケ…)】

 

「ありがとうございます。フガク殿。…あ!一応当日までは僕たちのことは内緒ということで…」

 

 そういえば忘れてたとばかりにミナトはハニカミながらフガクに付け足した。

 

「なに?今更か…いや。うむ判った。まったく散々かき回しておいて最後に秘密とは…いやこの辺もミナトの性格だったな」

 

 といって笑いだすフガクだった。

 

「時にフガク殿…僕はミコトさんとあまり話したことが無くて知らなかったのですが。とても面白い方だったのですね(クシナは相変わらずお馬鹿だな)」

 

「う、うむ…いや私もあそこまで子供っぽい口喧嘩をする家内もそうだが、あんなに狼狽するイタチ見るのも初めてでな…少し困惑しているところだ(可愛い一面を見れて嬉しいが恥ずかしくもあるな)」

 

 そう会話を終えるミナトとフガクであったが、裏ではいまだにクシナとミコトの不毛な戦いが繰り広げられていた。

 

 

 ~~~~

 

 

「疲れたー、流石に今日は動きたくないってばね…」

 

「僕も、ともあれこれで最初の準備は整ったわけだし良しとしようよ。今後のことも話せたわけだしね」

 

 と二人は見つめあって微笑む。が邪魔するものが居た。

 

「ゴホンッ。ピンク色の空気を醸し出すのもよいが、なぜお前たちは当たり前のように儂の家にいるのだ」

 

 日向家当主のヒアシが、さも自分の家で寛ぐかのようにいつの間にか用意されていた炬燵に入ってぬくぬくしている二人をみて呆れたように声をかけた。

 

「いやーヒアシさん。実は僕たちまだ住む家がないんですよ。三年間放置されていた家を改装中でして」

 

「今住んでる処は三代目様の火影邸の離れで肩身も狭いってばね。ナルトと三人で暮らすにはすこし狭いし…その点ここなら広いし・・・あ、ちゃんと夫婦の(夜の)プライバシーは守るってばね」

 

 それに、息子の実家に成る予定でもあるし問題ないってばねと含み笑いをしながらクシナが続ける。

 

「わ、儂はまだ認めんぞ、一人娘を嫁に出すなどと・・・(しかし、あの九尾ナルトのモフモフ尻尾だけは認めてやらんでもない)」

 

「そういわないでくださいな、ミナト様の新しい家が完成するまでここに居候することを提案したのは私なんですよ貴方。それにクシナも料理の修業が出来るって喜んでますし」

 

「ぐぬぬ」

 

 それから直ぐに「ただいまー」と元気な声二つ聞こえてきた。

 

「あ、父ちゃん、母ちゃんお帰りだってばよ」

「父上、母上それからお父義様とお義母様お帰りなさい」

 

「へへっ、両親が二人づついるのってものすごくうれしいってばよ」

 

「うん、皆がいるだけで明るい気持ちになるね」

 

 と無邪気に笑いあう。さりげなくミナトとクシナを父義様とお義母様と呼んでいるあたり強かになってるヒナタである。

 

「(ナイスアシストだってばねナルト)」

「(流石息子、空気すら読めるようになっていたとは)」

 

「ぐぬぬ・・・」

 

「あなたもぐぬぬ、ぐぬぬ言ってないでちゃぶ台でも拭いておとなしく待っていてください。もうすぐ夕飯にしますから」

 

 こうしていつのまにか波風一家は住む家が完成するまで日向家に御厄介になることとなっていた。

 

 

 

 

 …そして12月27日を迎える。

 




8/8 改行段落を修正しました


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第六話

 調印式当日

 

 木ノ葉の里の広場で大げさなセレモニーが開かれている中、ナルトはヒナタの部屋で待機していた。

 日向宗家の広間では調印式に参加していない一族一同が集まりヒナタのお披露目会を行なっている。耳を澄まして聞いていると笑い声に混じってヒナタ達の明るい声が聞こえてくる。

 

「ニシシ(どうやらあっちは今んとこうまくいってるようだってばよ)」

 

『そろそろ出番だ、こちらも準備しておけナルト』

 

 了解だってばよ九喇嘛と印を組み影分身で二人に別れると一人はヒナタ変化し、もう一人の分身の方はマフラーに姿を変える。それをヒナタに変化したナルトが首にしっかりと巻き付けた。

 

「(いよっし、変化も完璧。ちょっとやそっと殴られても変化は解けないってばよ)」

 

『流石は十八番忍術ってとこだが万が一ってこともある。気を引き締めておけよ』

 

「(大丈夫!任せておけってばよ)」

 

 前世の歴史では和平条約を結ぶ為に雷の国の使者が木ノ葉を訪れるが、裏では木ノ葉の秘密を探るため忍が暗躍していた。その際ヒナタの誘拐を試みるが失敗、実行犯は日向ヒアシに殺される結果となった。しかし計画失敗で自国の忍が殺されたことをいいことに木ノ葉に対し条約違反として理不尽な条件を突きつけたのだ。

 

「(それが血継限界を持つ日向家、つまり一族が持つ”白眼”が狙いだったってばよ)」

 

『木ノ葉との戦争を避ける為、また宗家を守る為に犠牲になったのが、分家ヒアシの双子の弟日向ヒザシか。たしかあのころのネジはこの事件がきっかけでひねくれていたんだったな』

 

「(うん、でも今度はそんなことさせないまま終わらせてやるってばよ)」

 

 とその時コンコンとドアをノックする音が聞こえると綺麗に着飾ったヒナタがやってきた。

 

「ナルトそろそろ交代。準備はできてる?」

 

「おう、問題ないってば『おいナルト、口癖も出ないようにしておけ。変に疑われるぞ』問題ないよ」

 

「ふふ、大丈夫そうね。とりあえず私の記憶通りならこのあと私は外に抜け出して・・・たしか裏の林で攫われたの」

 

 ヒナタは昔を思い出しナルトに伝える。ナルトは悪戯顔でヒナタを見ると

 

「解った、外に出てその場所までいってみる。ヒナタも作戦通りよろしく」

 

「ナルトも気を付けてね」

 

「心配ないって、”お守り”をヒナタが持っててくれる限り必ず帰ってこれるってばよ」

 

 そういってナルトは「じゃぁちょっと誘拐されにいってくる」とすこしおかしいセリフを残してヒナタと入れ替わりに外へと出ていった。

 ヒナタはもう一度「気をつけてね」と呟きナルトを見送るとそのまま部屋に残り白眼を発動させてナルトの様子をうかがうのだった。

 

 部屋の外に出たナルトは広間に集まる日向のみんなに「少しそこの空気を吸ってきます」と声をかけ門を出る。

 それを見たヒアシも「あぁ、暗くなる前に帰ってこい」と一言声をかけると目配せをする。

 

 門を出たヒナタ(変化ナルト)は少しうつむき加減にぽてぽて歩き目的の場所へと歩を進める。

 

「(さて、この辺がヒナタの言ってた場所なんだけど・・・ってさっそく気配を消し切れてねぇのが二人いるな・・・)」

 

『気付いてないフリしとけナルト』

 

 そして気配が真後ろまで近づいてくると

 

「悪いな・・・」

 

 と声が聞こえたと思うと首に手刀を下しナルトを気絶させる(ことはできなかったが気絶したフリ)をした。

 

「(いってー、もっと丁寧に気絶させろってばよ、ただいてーだけだってばよこの下手くそ)」

 

 気絶(のフリ)をしたヒナタ(ナルト)の手足に縄をかけ、手ぬぐいで猿轡をするとそのまま肩に担がれ里の外れまでそのまま運ばれていく。外れでは待ち合わせのためか忍が一人待機していた。

 

「首尾はどうだ?」

 

「こっちはうまくいった誰にも見られていない。それにこいつはどうやら日向家の嫡子のようだ」

 

「ほう。こちらは”予定外”があって私一人だけになったが問題ない。むしろ”予定外”が起こったことでここまで人が少ないようだ木ノ葉の警備も大したことないな」

 

「予定外とは?」

 

「なーに、接待を受けていてな、どうやら後重大発表とやらがあるそうで使者様が足止めを食っているだけだ。作戦自体はこのまま続行とのことだ我々だけで国まで帰るぞ」

 

「「了解」」

 

「(重大発表・・・向こうも上手く事が運んでるようだってばよ、しかしこの担いでる奴臭ぇし微妙に尻をさすってる気がして気持ち悪いってばよ・・・まさかロの付く変態さんじゃないだろうな・・・)」

 

『(幼少のヒナタを攫った時点でそれは確定かもしれんな…攫った後に確認してたぞこやつ)』

 

 気絶したフリをしているナルトはおしゃべりな忍の言葉を聞きつつそんなことを考えていた。

 それから一時間ほどして三人の忍は小さな湊町へ到着。そのまま一艘の帆船へと乗船した。ナルトはそこで初めて顔を起して周囲を確認する。

 

「(雷の国の御旗。この船ってば特使船?もしかしなくても国絡みの工作だったってばよ・・・)」

 

 すると陣羽織を着ている忍の一人がヒナタ(ナルト)に気が付いて話しかけてくる。

 

「おや気が付いたかお嬢ちゃん。下手な気は起こすなよ」

 

 コクン……「『(忍は見えるだけで4人…残りは多分この船員だろうな)』」

 

 とりあえず頷いておく。その間九喇嘛に言われた人員を確認する。

 

「ふっ、物わかりはいいようだな、それとも怖くて動けないか、ぐふふ・・・まぁいい連れて行け」

 

 そう一瞥して部下に指示を出す、どうやらこいつが忍頭のようだ。ナルトはそのまま船内の一室に連れてこられるとそこに閉じ込められ外からカギを掛けられた。

 

『どうやら倉庫のようだな…』

 

「(好都合だってばよ後は今日の主役に任せるってばよ)」

 

 そういって図太くも仮眠をとるナルトだった。

 

 

 ~~

 

 

 時は少し遡り、木の葉の広場では重大発表が行われようとしていた。

 使者達は早々に帰国したかったのだろうが、三代目火影より重大発表があると呼び止められ調印の後も木の葉式の接待を受けざるを得ない状況に陥っていた。

 そして締めくくりとばかりに三代目が壇上に現れると挨拶を始めた。

 

「さて皆の衆。このたび雲隠れの里と木ノ葉の里とで和平の条約が終結した。この嬉しい日にもう一つ嬉しい報告があるのじゃ…」

 

 と前置きをし続ける。

 

「儂こと三代目火影・猿飛ヒルゼンは今日をもって三代目火影の座を再辞職し、次火影に職を譲ることを宣言する」

 

 と公言した。

 その声を聴いて広場に集まる忍はもちろんのこと、広場に集まっていた一般人すらも声をなくし静かになるが、段々とざわめきが広がっていく。

 

「俺の聞き間違いか?火影を譲る?」

「いいえ確かに再辞職するっていってたわね」

「それはわかったが・・・次の火影とは誰ですかね・・・」ゴホゴホッ

「五代目ではなく次の火影といったぞ…まさか…」

「ええ、確かに次火影と三代目様はおっしゃっておりましたぞ」

「ま。まさか次の火影は俺様かーーうぉぉぉ」

「「「いやいやそれはない」」」

 

 と様々な声が上がる。

 

「様々な論議が広がっているようだが、すでに火影は三年前から決まっておる。安心しろ身元は儂が保証するわい。後は頼んだぞ…」

 

 やれやれとヒルゼンは壇上から降りて行った。するとドンドドンと広場から花火があがり黄色い閃光と共に檀上に一人の青年が現れる。

 金髪蒼眼、容姿端麗の青年その姿を見てある者は驚き、ある者は嬉し涙を流し、ある者はあいつならやりかねんと呆れた。

 

「皆、三年間待たせてしまったね。四代目火影波風ミナト、只今木ノ葉に帰還しました」

 

 と言葉少なに何とも火影らしくないがミナトらしい言葉で〆た。

 

「今のは飛雷神の術…まさか、…生きていたのか!」

「間違いない…ミナト先生…よかった生てたんだ…」

「きゃーっ、旦那様ーー。かっこいいってばねーーー愛してるってばねーーー♥」

「くっそーー。やっぱり火影は俺では無かったか…」

「「イルカお前はちょっと身の程をわきまえろよ(のですぞ)」」

「卒業したての下忍じゃ到底無理な話だな」ゴホッゴホッ

 

 様々な声が再びあったが、「偽物じゃないのか」などの多くの声に三代目の「正真正銘本物の波風ミナトじゃよ。なんならたしかめてみるとええわい」との鶴の一声があがると再び歓喜が里中からあがり再度四代目の座として迎えられていた。

 

 

 ~~

 

 

 その頃ヒナタに変化したナルトが船倉に閉じ込められてから数時間。船は洋上にあった。

 ナルトは船内にいる人数を把握するため仙術チャクラを練りはじめる。

 

「(やっぱり全部で11人…チャクラの量からみて其の内4人が忍…残りは普通の船員のようだってばよ…)」

 

『作戦開始だな。しかしミナトの奴も息子を囮にして…結構腹黒いところあるな』

 

「(なはは、提案したのは半分俺だけどな。まぁ信頼されてるってことだってばよ)っと…」

 

 ナルトは身をよじって器用に首元のマフラーを外すとそれが合図とばかりにマフラーが影分身のナルトにもどる。

 

「っとと、作戦開始だってば?…ずっとマフラーに変化してたからなんか体が変な感じだってばよ」

 

 身体の状況確認のため屈伸運動をしたのち影ナルトはオリジナルの猿轡と手足の縄を解放する。

 

「あー苦しかった。とりあえずこっちはここで様子見ながら待機しておくから、そっちは報告宜しくだってばよ」

 

「了解!早速頼むってばよ」

 

 ヒナタに変化したオリジナルのナルトは影分身のナルトにチャクラを送り込む。影ナルトはそのチャクラを利用してヒナタの持つ”お守り”目指して飛雷神の術で姿を消した。

 

「よし、これでオッケー。あとは待つだけだってばよ」

 

『(しかしナルト一人でも解決できる事件に、後々のことを考えて証人を作る作戦てのも案外面倒だな…)』

 

 九喇嘛はさもめんどくさそうにナルトの中で一人欠伸をしていた。

 ナルトは暇そうにしている九喇嘛を感じて運動不足なのかな?苦笑いをしつつもうしばらくじっとしているのだった。

 

 

 ~~

 

 

 木ノ葉の里では四代目の生存、再就任の報を聞いた里中が歓喜に沸いていた。

 本人確認のためミナトの周辺に集まり質問攻めなどにしていたが、それのどれもに正しく答え、本人であることを証明していた。また相談役の二人も本人であることを証言したことが決め手となり広場は興奮の坩堝と化していた。

 

 そんな広場の片隅でヒナタはその時が来るのをじっと待っていた。

 ヒナタに変化したナルトが誘拐されてからもうすぐ半日。とヒナタの後ろに突然気配を感じて振り向く。

 

「よっ、ヒナタ。お待たせだってばよ」

 

 とナルトが立っていた。

 

「お帰り、大丈夫だった怪我とかしてない?」

 

「おうっ、お蔭でこうしてすぐ戻ってこれたってばよ。っても影分身の方だから父ちゃんへの報告は宜しくだってばよ」

 

 誘拐されている本人が出ていくわけにも行かずヒナタに報告をまかせる。それもまた作戦の一部なのだ。

 

「うん、じゃ行ってくる。すぐに助けが行くから待ってて」

 

 ヒナタはそういうと四代目火影となった波風ミナトのいる壇上の方へ駆けていった。

 壇上付近ではホントにミナトなのか?といまだに大勢の忍が集まっていたが、その人混みの中を技術の無駄遣いとばかりに柔拳の体捌きですり抜け先頭まで行くと焦った感を表現しつつミナトに報告した。

 

「火影様、おっt…友達のナルト君が他国の忍と思われる人たちに連れていかれました。助けてください!」

 

 その声を聞いたミナトは、今までの温和な雰囲気からピンと張りつめるような雰囲気に切換、報告したヒナタを見つめ返す。それを見た周りの忍達もなにごとかと静まり返り二人に視線が集中する。

 

「ん!それは本当かい?(ごめんよーヒナタちゃん。怖い目つきで睨むようなことして)」

 

「…はい、待ち合わせの場所に行ったら何者かに担がれて行くナルト君の姿が見えました。額当てにはそこに飾ってある印と同じものがありました(部屋から白眼で見たんだけど)」

 

「雷の国の印が…」と呟くと雲の使者を警備していたうちは一族に向かってこう告げる。

 

「警務部隊!使者たちを”保護”してください。丁重にね、詳しく事情を聞かせてもらう」

 

 その声に警備の忍達が使者たちを瞬く間に拘束すると、三代目が殺気を押し殺しながら使者へと質問する。

 

「雷の使者よどういうことじゃ、舌の根の乾かぬうちにとはよくいったものよ…む、ナルトじゃと…(ミナトの情報通り事が動いたようじゃの…)」

 

 その言葉にピンときた木の葉の上層部やナルトの”事情”を知っている者たちはおそらく"九尾"目当てかと勘違いしただろう。使者たちは四方八方からくる殺気のこもった視線に耐えれなくなりつい話してしまう。

 

「ナルト?ち、違う。目的はそんなことで…あっ」

 

「いまなんと言った。目的だと…視線の先は日向の娘…まさか…」

 

 その声を聴いて再び周囲がざわつき始める。

 日向家といえば透視能力や動体視力、体内の経絡系を透視することができる血継限界”白眼”を持つ一族だ。

 

「より丁寧なご案内が必要のようですね。警務部隊、使者を特別室にお連れしてください。それと三代目様、申し訳ありませんが暫しこの場をお任せしてもよろしいでしょうか?」

 

「うむ、してミナトよどうする気じゃ」

 

「もちろん救出に向かわせてもらいます。ナルトは僕の"息子"ですから!」

 

 その言葉に集まっていた里の皆が再びざわつきはじめた。

 

「おいナルトとは誰だ?四代目様に息子なんていたのか?」

「ほら三年前から三代目様が保護してた九b…とにかくあの金髪の子供だよ」

「はぁ??あの子供が…えっ!そのナルトってのが四代目様の息子?ちょ、ちょっとまて、だってあいつは…」

「あの餓鬼…いやナルトに"アレ"を封印したのは四代目様?」

「本気か…あの時、里を救うために…自分の息子にあんなものを!?」

「じゃぁ四代目様は孤児じゃなく…自分の息子に…その…命懸けで封印したってことなのかよ…」

 

 里の皆はナルトことを三年前に木ノ葉の里で暴れた天災、九尾の妖狐を封印されただけの孤児と思っているものが殆どであった。

 

 前世では三代目が正しく事を伝えなかったが為に数年掛けてこの忌話が里に少しずつ広まり『化け物』、『化け狐』、『忌み子』など言われ里中から毛嫌いされるようになっていく。またこの時代のナルトも四代目火影であった父のことや元人柱力であったクシナのことは伏せられており、両親が命を掛けて里を守りナルトに九尾を封印したことも上層部や一部の者以外には三代目より伏せられていた。

 

 しかし、正しく話が皆に伝わったこのとき、初めて里の皆が気づいた。

 四代目様こそが、ナルトこそがあの時、木の葉の里を救った英雄だったと…

 

 ざわつく周囲をよそにミナトは少し作戦を練るふりをしつつ周りを見渡す、そして作戦の協力者であるうちはフガクを見つけると声を掛けた。

 

「そこにいるのはうちはフガク殿ですね。私と一緒ナルトの救出に協力してください」

 

 突然名前を呼ばれたフガクに見えたが、事前に打ち合わせを行っていたフガクは臆することなくミナトの傍にくる。

 

「貴方が近くにいてくれてよかった。フガク殿がいればスムーズに救出が行えそうです」

 

「いったいどうするつもりだミナト…いや四代目よ(出番のようだな)」

 

 フガクはミナトに対し言葉を改めて尋ねる。

 

「これからナルトの元へ私の術で一緒に飛んでもらいます」

 

「ふむ、飛雷神の術だな」

 

「ええ、フガク殿ならば実力を知っています、実行犯も生きたままとらえることも容易い。何より信頼できます」

 

「わかった、しかし二人では些か少なすぎる。実行犯の数も分からん、他にも協力者を…」

 

 とフガクが回りを見渡す。

 

「私にも手伝わせてくれ、ミナトよ」

 

 そこにはしっかりと忍び装束を身につけた日向の者がいた。

 

「ヒアシさん…」

 

「事は日向の一族より報告を受けた、聞けばヒナタ様の代わりに四代目の子が攫われたと」

 

「しかし貴方も日向の一族、万が一の時は・・・」

 

「覚悟はできている。それに日向が欲しいならくれてやる。私の”拳”をな」

 

 それを見たミナトは決断。

 

「三代目様すぐ戻ります。フガク殿、ヒアシさん、よろしくお願いします」

 

 そう口にし二人の肩に手をおいた瞬間飛雷神の術が発動。一瞬、黄色い閃光が残像として消えていった。

 

「木の葉の黄色い閃光…間違いなく本物の波風ミナト…じゃな」

 

 その三代目の声が再び木の葉に”木の葉の黄色い閃光”を認識づけた瞬間であった。




長らくお待たせしました。

文章とかグダグダですが生ぬるい目で気長に…くれぐれも気長にお待ちください。


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第七話

 船倉で仙術チャクラを練りつつ船内部の様子を窺っていたヒナタ(ナルト)の前に突然黄色い閃光と共に三人の姿が飛び込んで来る。

 

 一人は金髪蒼眼、容姿端麗の青年。

 

「無事かいナルト」

 

「平気だってばよ。父ちゃん」

 

 一人は木ノ葉警務部隊隊長、”兇眼”二つ名をも持つ忍。

 

「その姿…日向家の…(ナルトか?…すでに変化の術が使えるのか)」

 

「あ、サスケの父ちゃんだってばよ」

 

 そして最後の一人は木ノ葉隠れの里の名門。日向一族の人間。

 

「一通り聞いてはいたが…怪我もしてないようだな」

 

「どこもケガしてないってばよ。お義父さん・・・?」

 

「おとう…。まぁいい無事で何よりだ。今はどういう状況だ?」

 

 ナルトはここまでの経緯を話していく。木の葉の里で他国の忍に誘拐されたこと、実行犯は雲隠れの忍で雷の国と繋がっていること。そして現在いる場所が雲隠れが所持している特使船の中だと言うことを伝える。

 

「ってことで入れ替わったまま誘拐されて、船の倉庫に閉じ込められてたんだってばよ」

 

「良くわかった、ミナトよお主の子はなかなかに聡いな」

 

 状況説明をするナルトにフガクは感心する。

 

「なはは、サスケの父ちゃんに褒められたってばよ」

 

『(これでも一応ナルトは七代目の火影だったからな、昔のように説明もできないようなあほぅではないわっ)』

 

 ナルトの中で得意げに自慢する九喇嘛に一応とあほは余計だってばよと突っ込みを入れる。

 

「そういえば、俺のことを知ってるようだが?」

 

 そういうフガクにナルトは

 

「勿論知ってるってばよ。うちはフガクさんは寡黙だけど実はシャイなだけ、ホントは親子で一緒に遊びたい親バカなんだよーって、母ちゃんがミコトさんから聞いたっていってたってばよ。あとうちはの一族が木の葉をしっかり守ってくれてるから里のみんなは安心して暮らせてるんだって」

 

 と大いに持ち上げて説明する。

 

「な、なんてことをアイツは話してるんだ///(クソっ、息子たちの前ではクールにしてたつもりだったが、全部バレてたのか…)」

 

『(くくく、おいナルト。親子ってのは似るもんだなサスケそっくりじゃねーか)』

 

「……(ナルト煽り過ぎ…ってフガク殿もヒアシさんも緊張なんてしないだろうけどいい感じにほぐれたみたいだね)」

 

「あと、乗組員は確認しただけで11人、そのうち4人が額当てをしてたってばよ」と二シシと笑う。

 

「そこまで調べててくれたのか(今まで知らなかったが想像以上だ)さて、敵の簡単な情報はわかったミナトよどうする?」

 

「敵は全員生きて捕らえます。ここで殺したりすると後々難癖付けてくるのが目に見えてるからね。フガク殿には敵の無効化をおねがいしたい。ヒアシさんは…これを船首と船尾の両方に取り付けてほしいのです」

 

 とマーキングが施されている特殊なクナイを渡す。

 

「わかった」

 

「俺はどうするってばよ?」

 

「ナルトはヒアシさんと一緒に行動。言うことを聞くこと。僕はもう二本このクナイを船のマストと船底辺りにマーキングして準備しておく」

 

「おう!了解だってばよ」

 

「詳しくはわからんがミナトは無駄なことはしないと聞いている。お主を信じよう」

 

「ん!ありがとう。では皆さん悪党退治といきましょうか!」

 

 全員が目線で合図を送ると、ヒアシが鍵の掛かっている扉を粉砕する。と同時にミナトとフガクが素早く外に出ると電光石火でそばにいた船員一人を縛り上げた。

 続けてナルトとヒアシが倉庫から外に出る。ミナトは下の階層にフガクは階段を上がり甲板に向かい、ナルトとヒアシは安全を確認しつつ頼まれ事を済ますために船尾の方へと進む。すると甲板の方から声が聞こえ

 

「し、侵入しーっ」

「誰かたっ…」

 

 ・・・てすぐに沈黙した。フガクに無効化されたようだ。

 

 

 ~~

 

 

 階段を上がったフガクは甲板で見張りをしていた二人を素早く無効化することに成功すると船に括り付けてあった縄できっちり縛り上げる。

 

「ふむ、これで3人目…おい。そこにいる2人も出てこい」

 

 フガクは気配を察知するとその方向に向かって声を掛ける。

 

「貴様どこから現れた…いやその"うちは"の紋印、貴様は木の葉のうちは一族だな」

 

 そこには陣羽織を着た男と全身黒ずくめの男が立っており、発見されるや否や苦無を数本フガクに向かって投げつけてくる。がフガクは難なくそれを躱し余裕を見せつける。

 

「ほう、流石に雲の三下でも知っていたか」

 

「丁度良いうちはも良い眼を持ってると聞く。貴様も殺してその眼も土産してやる」

 

「ふん、残念だが貴様のような奴にくれてやるものなど…この捕縛用の縄位しかないがな」

 

「くそっ、いい気になるなよ木の葉の忍がっ」

 

 黒づくめの男は素早い動きで近づき苦無で切り込んでくる。それを写輪眼を使うまでもなく寸先で躱し逆に蹴りを食らわし吹っ飛ばす。

 フガクの攻撃はそのままでは終わらず、錘の代わりに苦無を括り付けて縄鏢(じょうひょう)と化した縄を巧みに操り吹き飛んだ黒づくめを空中で捕縛し甲板に叩きつける。その攻撃の一連で黒づくめは気絶した。

 

「遅いな、まさかそれで全力か?だが攻撃を仕掛けてきたのはそちらが先だ、俺は手加減をするのが下手なんだ悪く思うなよ」

 

 フガクは手のひらをクイクイと挑発して残る敵を煽る。

 

「いい気になるなよ。俺の方が強いことを教えてやる」

 

「ほう、最近事務仕事が多くてな運動不足なんだ。せいぜい楽しませてくれ」

 

 戦闘は終始フガクに傾いていた。飛んでくる手裏剣を苦無で叩き落とし、落した手裏剣を器用に足にチャクラで吸着しそのまま雲隠れの忍に蹴り投げ返す。それだけではなかった、いまだ縄で捕縛されて気絶したままの黒づくめの忍を引っ張り上げて立たせるとフガクは思い切り蹴り上げ忍に対してぶつけたのである。

 

「くっ、人質を武器として使うなど卑怯な…」

 

「俺の里とは言葉の意味も違うようだな。木ノ葉から子を攫う方が卑怯ではないのか?」

 

「いわせておけば・・・くらえ雷遁・散雷(サンライ)

 

 すると結んだ印から放電した電気が飛来、フガクはすぐさまバックステップで後退しその術を躱すが放電はそのまま後退した先に飛んでくる。

 

「馬鹿め。この術は操作可能なのだ、逃げても攻撃が当たるまで追っていくぞ」

 

「自ら術の効果をばらすなどと忍としてはやはり三下だな。ならばあたる前に貴様を倒すまでだ」

 

 追尾してくる術から一度大きく離れて距離を置くとフガクは巳→未→申→亥→午→寅と印を結びながら敵に向かって突進する。

 

「その印…火遁術かっ、しかしこの火鼠の陣羽織の前では火遁など恐るるに『木ノ葉隠れ秘伝体術奥義・千年殺し』ぁっぎゃーーーーーーっ」」

 

 と物凄い浣腸をお見舞いした。火遁が来ると身構えた雲隠れの忍は悶絶。そのままフガクを追尾していた自らの術を食らって気を失った。フガクは縄脱けできないように素早く縛る。

 

「馬鹿目、貴様なんぞにチャクラを使うまでもないわ」

 

 フガクは縛り上げた二人を更に二人まとめて縛り上げると残りの人員を無効化するため探し始めるのだった。

 

 

 ~~

 

 

 その頃、苦無設置のために船底に降りたミナトの前にも忍が近づいていた。

 

「貴様どこから・・・」

 

「木の葉から、理由は大事な子供が君たちに誘拐されたからかな」

 

「くそっバレていたのか、だがいいのか?この船は雷の国の特使船だ、この船で暴れたらどうなるかわかっ…「いいよそういうのは」て…えっ?」

 

 相手がなにかを良い終える前にミナトは瞬身の術で当て身を食らわせて気絶させると、来る途中気絶させた数人と一緒に縄で縛りあげて身動きを封じる。

 

「(よし、こっちのほうは完了かな?僕も甲板ににあがろう)」

 

 

 ~~

 

 

 一方その頃敵と出会う事がなかったヒアシとナルトの組み合わせはクナイの設置終え甲板に居た。

 目の前にはフガクが引っ張ってきたと思われる忍と船員が数人転がっていた。

 

「これ黒こげだってばよ、しんじゃった?(こっちの黒い男は見事に全身骨折状態だってばよ…)」

 

 つんつんとナルトがつつくがピクピクしているだけでそれ以上の反応がない。

 

「取り合えず、動いてはおるし死んではいないだろう。周囲を警戒してよう(フガクさん…張り切りすぎ)」

 

 ん?そういえばなんかお義父さんの雰囲気がいつもと違ってキリッとしてるってばよ?

 

「とりあえずヒナタ様、二人が来るまでここで待機しましょう。」

 

『(ヒナタ様?…おいナルト。チャクラの質が似てるから気づかなかったが、こ奴双子の弟のヒザシじゃないのか?)』

 

「えーーー!ヒザシさん?・・・どーゆーことだってばよ?なんでヒザシさんが来るんだってばよ?」

 

「気づいたか…、実は兄者からこの作戦は炙り出しの作戦なのだと聞いてね。変化しているとはいえヒナタ様を攫った事には日向としてきっちり落とし前をつけようと思って代わりに出張ってきたのだ。まぁ出番はなかったがな」

 

「なるほどだってばよ。ネジもいい父ちゃんもってるってばよ」

 

 ニシシとナルトは笑う、変化を解いていないのでヒナタの姿ではあったがヒザシもニコっと笑顔を見せた。

 

「しかし、あんなものを取り付けて四代目はどうするつもりだ?」

 

「それはね、証拠品である”この船ごと”木の葉に持っていこうかと考えて…」

 

 とマスト天辺で最後の作業を終えて戻ってきたミナトが答える、ヒアシは何を馬鹿げたことをと呆れていた。

 

「普通に救出するだけだと思っていたが、とんでもないことを言い出す…してどうやってだ」

 

 後方からもぼこぼこにされて気を失っている雲隠れの忍達を引きずりながらフガクが現れて同じく呆れている。

 

 父ちゃん、二人から呆れられてるってばよ。とナルトが追い討ちを掛けるとミナトは頭をポリポリとかいて作戦を改めて伝えた。

 

「避雷陣の術を使いたいのですが少しチャクラが足りないので、皆のチャクラもお借りしたいのです」

 

「それでもこれだけでかい船となると、我々3人では無理ではないか?」

 

「ナルトのチャクラも貸してもらいます」

 

「「ナルトの??」」

 

 二人はニシシと笑うナルトとそれを見てにこやかにするミナトを見比べ頭に二人は?マークを浮かべるのだった。

 

 こうして一世一代の”大げさすぎる”捕り物も終幕へと向かっていく。

 

 

 ~~

 

 

「お前で最後だ船倉で仲良くしてろ」

 

 フガクが船倉に入念に縛り上げた実行犯を含む11人全員を放り込むと四人は甲板中央に集まった、甲板にはチャクラで術式が書き込まれておりミナトが行う忍術の準備を終えていた。

 しかし、先ほどの言葉にフガクとヒザシは口には出さないが途惑いがあった。

 ナルトの力を借りるという事はそのままの意味ではなく、九尾の力を借りると四代目は暗に言っているのだ。

 

 ミナトは丸薬を口にしてチャクラを回復させて何やらナルトと話していた。

 

「それで四代目よ、どうするつもりだ。俺は瞬身は出来ても飛雷神はできんぞ」

 

「それに、ナルトに力を借りるというのは…九尾の…」

 

 とそこまでいってヒザシは口を閉ざす。

 

「ん!正解。でも大丈夫ナルトはもう九喇嘛と親友ですからね」

 

 とミナトは間髪入れずに答える。

 

「まさか封印術式を解くとかいうんじゃなかろうな、ナルトの中には三年もおぬしらが封印し続けたとはいえ木の葉の里を襲った九尾がいるのではないのか?封印を解いて再度暴れでもしろ。この船を転移するどころの話では済まんぞ」

 

「だから大丈夫ですよフガクさん。ナルトの中に「意味を理解して言ってるんだろうなミナ…四代目よ」…ですからそれを説明しようと…」

 

「フガクのおっちゃんは正しい意見を言ってる、でも納得はできない。なら実際に見せた方が早いってばよ」

 

『そうだな。ナルト主導権を儂に貸してくれるか。そこの奴らと話がしたい』

 

「(おう、九尾化するってばよ)」

 

 ナルトは自分の深層意識に注意を向けると九喇嘛に声を掛ける。その深層意識下にある森林の中で白く輝く九尾の狐がナルトと意識を同化させると表裏が逆転する感覚になる。

 

 ナルトは感覚上は表にいるのだがそれを覆うようにチャクラがナルトを包んでいくと姿が変化していく。

 今まで来ていたオレンジをベースにしていた子供服はだんだんと巫女服とわかるそれへと変化していく。上着は白を基準とした白衣へ、下は朱と金の袴に変化した。ナルト自身も子供の顔立ちから中性顔へと変わり髪の毛は金色から白銀の長髪になっていく。さらにはピンととんがった耳が生え極め付けに後ろの方では真っ白なモフモフの尻尾が9本生えてきた。

 

『ふぅ、同化すると何故かこの姿になってしまうのはなぜなのか・・・まぁ今はいいか…。さてお初にお目にかかるな木の葉の忍。我が名は九喇嘛。ナルトの中に住まう九尾の狐じゃ』

 

「な…ナルトが九尾・・・いやこの女童が・・・九喇嘛とは九尾の名前か?」

「もっふもふ///・・・(って九尾だと)」

 

 うむ九喇嘛と呼んでくれと目の前の女童が答える。

 フガクもヒザシもその姿を目のあたりにして驚きを隠せず(ヒザシは本音が出ているが)動揺していた。

 

「ナルトじゃなくて九喇嘛が説明するのかい?」

 

『うむ、チャクラだけを貸すより、儂が表に出てきて説明したほうが早いと思うてな』

 

「確かにそのほうが後々の事を考えても楽になるけど、いいのかい?このまま帰るとその姿のまま木の葉の里についてしまうけど」

 

『何時までも隠すわけでもあるまい。いずれ皆の前には姿を現すのだ遅いか早いかの違いだろう、それに儂自身木の葉の里には謝罪をせねばいかんと思うておる。例えそれが過去の儂だったとしても』

 

「まだまだこの時代は恨みや憎しみ、恐怖なんかが九喇嘛に向かうけどそれも含めてってことかい?」

 

『まだ三年だからな仕方あるまい。ナルトにはまだまだ迷惑をかけてしまうが半分は肩代わりする覚悟だ』

 

「(今更だってばよ九喇嘛、お前とは死ぬまで一緒だったんだ。また死ぬまで相棒として頼ってくれていいんだってばよ)」

 

 なら多少は考えておかないと、かなとミナトが思案しているとフガクが声を出した。

 

「すまんが、ミナ…いや四代目。この女童が九尾の災厄だというのか?」

 

 それに対し九喇嘛が返答する。

 

『うちはの者だったな。そうだ儂が九尾だ今はナルトの中に身を置かせてもらっておる』

 

「ナルトはどうなったのだ」

 

『案ずるな、ナルトも意識を持っておる。今は儂が表に出ているだけで会話も聞こえておる「一応会話もできるってばよ」…急に話すな。声が上擦ったではないか(ごめんってばよ)ともかくお互い同意の上でこの姿を取らせてもらっておる』

 

「さっきも言ったけどもう九喇嘛は禍々しいチャクラを持った災厄なんかじゃいよ。ナルトとは仲良しというより親友以上の…そうだね家族と同じくらいの存在なんだよ。もちろん僕やクシナともね」

 

「…信じられん。あの禍々しさも欠片もない」

 

「だがチャクラの力強さは三代目様や四代目様をはるかに上回っている」

 

『あぁ、すまん儂が表に出る瞬間だけはチャクラが漏れてしまうようでな。今抑える…これで大丈夫だろう』

 

 すると今まで漏れ出ていたチャクラは消え去り、忍ではない一般人レベルまで存在が薄れる。

 だがそこで改めてフガクとヒザシはチャクラの存在を認識した。九尾から漏れ出ていたチャクラの質に。

 九尾から漏れ出ていたチャクラは禍々しさではなく優しさ。森林に抱かれているような母のような慈悲のチャクラ、森を吹き抜ける快い風のような澄んだチャクラだったことを。

 

「三年前とは全く逆のチャクラ…恐怖ではなく慈愛に満ちたかのような錯覚」

 

『っ///照れることを真顔で話されると困る』

 

「えっ、いやすまぬ。しかし三年前は禍々しさで気が狂いそうになるほどのチャクラだったのに対して今のチャクラはそう感じたのだ」

 

「まぁ三年間ナルトの中でいろいろあったからね。それこそ”生まれ変わる”ほどに・・・ね」

 

 実際生まれ変わった(転生したのだから)間違っていないとミナトや九喇嘛達は思う。

 転生の事を話すわけにもいかない。が全部が嘘でもない。

 

「そんな訳で、九喇嘛はもう二度と暴れたりはしないよ。あの時はクシナの出産とある人物の妨害…強制的に操られた結果だからね」

 

「なに?操られた…九び、いや九喇嘛が操られていたのか?」

 

「ええ、犯人は仮面をつけた写輪眼の持ち主。おそらくうちはマダラ…」

 

「馬鹿な!マダラはすでに死んでいる!」

 

 新たな事実を四代目に告げられたフガクは先祖とはいえ身内の仕業と一瞬憤りを感じたが、すぐに冷静さを取りもどす。

 

「いや、怒鳴って悪い四代目よ」

 

「あくまでも僕の見解です。”眼”だけとも考えられるけど、九尾を操ることができたのは過去にも彼位だとおもってね」

 

 と四代目もこれ以上の話はしないよう口を噤んだ。

 

「ともあれ、この話は後にでも。とりあえずはこの事件を解決しましょうか」

 

「・・・まぁ納得はしかねるが話は後でしっかりしてもらうぞ四代目よ。それで木の葉に戻った後…九喇嘛はどうするのだ」

 

「正直包み隠さずってことにはいかないけど、正直に話すしかないでしょうね。そのうえで納得してもらうのが最上でしょう」

 

『儂も心からお詫びしよう。誠意を見せよう儂とナルトの為にも里の為にも』

 

 九喇嘛は自分の尻尾の一本を胸の前に持ったまま二人に頭を下げる。残りの尻尾八本も消沈したかのように垂れている。

 九尾が頭を下げるとは思わなかったフガクとヒザシはその姿をみて自分自身の気持ちに整理をつける。この九尾は心から謝罪をしている、自身が操られ自分の意思で暴れた訳ではないのに自身が里で暴れてしまったことを

 

「俺は九喇嘛を信じよう。俺自身あの時暴れていた九尾と対峙したがあの時は恐怖しかなかった。だか今は全く怖くない」

 

「姿形に惑わされているわけでもない。俺も今の九・・・九喇嘛からは敵意や悪意というものを感じない。俺も信じよう」

 

『ありがとう、儂も少しつかえが取れた。ふふナルトたち家族以外で里のものは二人が初めてだな』

 

「ん!だね。少しづつでいいんだ木の葉の里のわだかまりを解いていこうか九喇嘛」

 

『うむ、そうだな』「(へへっ、九喇嘛。やっぱりいいもんだよなこういうのって)」

 

 そういって微笑む姿はただの愛くるしい少女の顔だった、垂れていた尻尾も意気揚々と忙しくフリフリ動く姿をみてフガクとヒザシは不覚にも可愛いなぁと思ってしまった。

 

「(尻尾が可愛く動いてる。尻尾触ってみたい)」」

「(こうしてみるとサスケのような息子もいいが、娘も欲しかったな…)」

 

 かろうじて本音を口にしないだけ流石上人というところだろうか。がそんな気持ちを見逃さないミナトは流石四代目なのだろう抜け目なくその気持ちすら利用しようと考えを巡らす。

 

「よし、とりあえず里に戻ったあとの考えもまとまったしそろそろ戻ろうか?九喇嘛もお二人も準備はいいかい?」

 

『チャクラを皆に渡せばよいのだったな(おう、任せろってばよ)』

 

「よろしく頼むよ。お二人も気持ちを一つにする感じで僕にチャクラを同調させてもらえるかな」

 

「ああ。わかった」

「やってみる」

 

 九喇嘛とナルトはチャクラを練りこみ始めるとミナトを介して船全体にチャクラを巡らし始めた。

 フガクとヒザシもミナトとチャクラを同調させるためにミナトの肩に手を置きもう片方は九喇嘛の手をとりチャクラを練る。九喇嘛の方を見るとその姿は頑張る少女そのもので、時折もっふもふの尻尾と耳がフリフリ動く。ついその姿をみたフガクとヒザシは

 

「「(やっぱモフリてーー)」」

 

 くしくもフガクとヒザシの心が一つになった瞬間だった…

 そして船は一瞬で時空を超えて水面から姿を消した。



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