インフィニット・ストラトス ~グレモリーの白騎士~ (ELS@花園メルン)
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真夏転生のホワイトナイト
1 少年、悪魔に転生しました!


お久しぶり、初めまして

ELSです。

今回、IS×HSDDで書かせてもらいました。

と、言っても新しいものに手を出してみたいだけなんですがね・・・

それでもよければ、このままどうぞ!!


 

SIDE 織斑 一夏

 

 

小学生の織斑 一夏だ!

 

学校が終わって、晩飯を作るための買い物をしようとした矢先に、変な奴らに捕まって、町はずれの廃工場に連れていかれてしまった。

 

俺をさらった奴らはIS≪インフィニット・ストラトス≫によって人生を狂わされた人の集まりで、IS選手で俺の姉≪織斑 千冬≫のことも忌み嫌っていた。

 

だから俺を誘拐したんだろう。でも、そこに化け物が現れて、男たちをすぐさま殺していった。

 

俺もすぐに逃げようとしたが、その拳で薙ぎ払われ、鉄骨にぶつかった。

 

 

ああ・・・俺もう、死ぬんだ・・・

 

そう思っていたが、赤黒い何かが化け物を飲み込み、化け物は消滅した。

 

 

 

『紅』

 

それが俺の目に映った最後の光景だった。

 

血の様に見えたがそうではなく、女性の髪の毛だった

 

朦朧とする意識の中、その髪を持つ人物に手を伸ばし、俺は言った

 

 

「生き・・・たい」

 

 

自分の命が尽きていくのが分かる。暗闇の中に沈んでいくようなそんな感じだった

 

 

「―――その命、私のために使いなさい」

 

 

そんな言葉が聞こえてから、俺は意識を手放した

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

SIDE リアス・グレモリー

 

 

ごきげんよう、リアス・グレモリー、悪魔よ!

 

今日は、久しぶりに人間界に遊びに来たわ!

 

以前は、お兄様の付き添いで少しだけだったけれど、今日は私と私の眷属だけでも出ていいというお許るしを得たから、思う存分楽しめるわ!一人は部屋を出たがらないから屋敷でお休みだけれども。さぁ、どこに行こうかしら?

 

 

「リアス」

 

「あら、朱乃?どうしたの?」

 

 

彼女は姫島 朱乃(ひめじま あけの)、私の眷属の女王(クイーン)で最初の眷属よ

 

 

「いくらお許しを得たからといっても、今回はあなたが任される街の下見でしょう?まずはそちらから片付けないと」

 

 

朱乃の言うとおり、今回、人間界に足を踏み入れることになった切っ掛けは、私が高校へ進学すると同時に前任の管理者がいなくなった街の管理を行うからその下見として今回、人間界にやってきたの

 

 

「そうね、朱乃の言うとおりだわ。まずは、優先事項から片付けていきましょう」

 

「「はい」」

 

 

私は朱乃ともう一人の眷属戦車(ルーク)塔城 小猫(とうじょう こねこ)を連れて、駒王町の調査を開始したわ。

 

調査の内容は駒王町の地理と他勢力もしくははぐれ悪魔が潜伏しそうなスポット、それと自分のいずれ通う学園の下見かしらね。

 

まずは、学園から行きましょうか!

 

 

しばらく歩くと、大きな建物が見えてきたわ。外観からすると、あれが駒王学園ね

 

 

「どうやらあれが私たちの通う学園みたいね」

 

「ええ。今のところは女子高らしいけど、数年後には共学に変更するらしいわ」

 

「・・・そうなんですか」

 

 

学園生活・・・楽しみだわ!

 

 

「うふふ、リアス?楽しみなのはいいけれど、学園生活を満喫しすぎて本来の役目を忘れないでね?」

 

「う・・・!?わ、分かってるわよ!?ほら、次行くわよ!」

 

 

私は、そう言って駒王学園を後にした。

 

 

 

 

それから、調査は順調に進み、はぐれ悪魔がいそうなスポットの調査も終わりそうなときに、私は突如感じた。

 

 

「!?」

 

「リアス、感じましたか?」

 

「・・・危険」

 

 

どうやら、朱乃と小猫も感じたようね。

 

この気配ははぐれ悪魔ね。魔力の大きさからしてさほどの脅威では無いわ。

 

 

「一応、グレイフィアに連絡を入れて、討伐に向かいましょう」

 

「?私たちだけで狩るんですか?」

 

「ええ。もし、人を襲っていたら不味いから」

 

「私がグレイフィア様に連絡を入れます。リアスと小猫ちゃんはお先に」

 

 

朱乃に連絡を任せ、小猫と二人はぐれ悪魔のいる廃工場に向かう。

 

 

「!リアス様!」

 

 

小猫は声を荒げる。

 

小猫と同年代位の男の子がはぐれ悪魔に吹き飛ばされ、殺されかけている瞬間だった。

 

 

「小猫はあの少年から悪魔を放して!私が一気に消し去るわ!」

 

 

そう小猫に指示を出し、私は魔力を練る。

 

 

「・・・離れて!」

 

 

小猫が悪魔を蹴り飛ばした!いまだわ!!

 

 

「消え去りなさい!!」

 

 

私の手から赤黒い滅びの魔力がほとばしり、はぐれ悪魔を包みこむ。

 

 

悪魔が消え去ったのを確認してから、私は倒れている少年の元に駆け寄る。

 

 

「無事かしら!?」

 

 

すると、少年は手を伸ばしながら、

 

 

「生き・・・たい」

 

 

そうつぶやいた。

 

 

「り、リアスさま、どうするんですか?」

 

「・・・この少年を悪魔へ転生させるわ。それ以外に助ける方法が無いもの」

 

 

そう言いながら、私は兵士の駒を一つ取り出し、少年に持っていくがはじかれてしまう。

・・・神器(セイクリッド・ギア)でも持っているのかしら?

もう一つ近づけるが、それすらもはじかれる。

 

 

すると、持っていた騎士(ナイト)の駒が一際輝きだした。

 

 

「これは、変異の駒(ミューテーション・ピース)!?」

 

 

今日、こっちに来ていないもう一人の眷属もミューテーション・ピースだったが、もう一つあったなんて!?

 

私は少年の顔を見て、

 

 

「面白いわね、少年。その命、私の為に使いなさい」

 

 

そうつぶやき、ナイトの駒を近づけた。




いかがでしたか?

まだ、原作前の話ですが、どちらの内容も少しずつ書いていきます。

先にいいますと、今作ではゼノヴィアさんはグレモリー眷属入りはしません・・・
ゼノヴィアファンの方、申し訳ありませんでした!


それと、活動報告の方で早々ながらアンケートを実施いたします。

内容は一夏の神器です。


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2 俺、冥界に来ました!

二話目投稿です。

多数の方からアンケートの返答をいただき、とても感謝です!

この調子でどしどし送ってください


SIDE 織斑 一夏

 

 

目が覚めるとそこは自分の部屋のベッドだった。

 

あれ?俺、昨日、いつ帰ったんだっけ・・・?

 

寝ながらそう考えて、昨日の出来事を思い出していくと、廃工場での一件を思い出し思わず飛び起きてしまった。

 

 

「うわぁ!?」

 

 

な、なんで俺、家にいるんだ!?昨日のあれは、夢だったのか!?

 

嫌、でもあの痛みは全然そんなんじゃなかったし・・・

 

とりあえず時間を確認すると、朝の6時でいつもより少し早い時間だった。

 

 

「よっと―――――あ・・・れ・・・?」

 

 

立とうとしたのに、急にふらついてしまった。

 

何でだ?いつもならこの時間でもこんな事無かったのに・・・

 

 

「疲れてんのかな・・・?」

 

 

部屋を出たが、家に人がいる感じは無かった。

 

 

「そっか、今日って土曜日だっけ・・・」

 

 

俺の家に両親はいない。いるのは9歳上の千冬姉と双子の兄の冬八だけ。

その千冬姉は働きに出ているが、冬八は近くの剣道場だろう。

 

でも、俺は兄弟仲はあまり良くなく家にいても会話をすることはほとんどなかった。

それどころか、冬八にいたっては俺をストレスのはけ口くらいにしか思っていないだろうな

 

実際、学校でイラつくことがあれば家に帰ってすぐに俺を殴り飛ばす。

しかも、たちの悪いことに人目に付かない服の中を、だ。

反撃するだけ無駄と思い、仕返しをしようなどと考えたことは無かったが、それを好機と思い、最近は学校でも冬八はそれを行ってくる始末だ。

 

 

「帰ってきたら面倒くさいし、さっさとやることやって家出よ」

 

 

そう口にして、先ずは洗濯をしようか・・・と、思った矢先、

 

 

 

≪ピンポーン≫

 

 

玄関のチャイムが鳴った。

 

こんな早くから客?とりあえず出てみるか

 

 

「はーい!今行きまーす!」

 

 

俺は来客者にそう言って、玄関に向かう。

 

誰が来たのか、玄関モニターを見ると

 

メイド服を着た銀髪の女性がそこに立っていた。

 

 

「(え、何?メイド?なんで、メイドが家に?)あ、あの、どういったご用件でしょうか?」

 

 

俺は扉の向こうのメイドにそう尋ねる。

 

 

『私、グレモリー家に仕えるメイドのグレイフィア・ルキフグスと申します。本日は織斑一夏様に御用があり参った次第でございます』

 

「そのグレモリー?家のメイドさんが何のようでしょうか?」

 

 

その質問の答えは俺が起きてから悩んでいたことにもつながることだった。

 

 

『昨日の出来事、と言えばお分かりになるかと』

 

 

その言葉を聞いて俺はドアを開けた。

 

 

「あれは夢じゃ無かったんですか!?教えてください!!」

 

「お、落ち着いてください。詳しい話はグレモリーのお屋敷でになりますがよろしいでしょうか?」

 

「あ、待ってください。一応、家を出る前に家事を一通りやっておきたいんで」

 

 

そう言って、俺は家の奥に行こうとするが、

 

 

「私もお手伝いします」

 

 

とグレイフィアさんは言ってきた。

 

 

「え、悪いですよ、客人にそんな・・・」

 

「いえ、今やあなたもグレモリーの一員(・・・・・・・・)ですから」

 

 

え・・・?いま、なんて・・・?

 

 

「あの、それどういう意味ですか?」

 

「そのことも含めて向こうでお話いたします。あなたも何があったのかを知りたいと思います。ここは私にも手伝わせてください」

 

 

それから、グレイフィアさんと共に家事を行ったが、いつもの何倍も早く終わった。

 

洗濯はあらかじめタイマーをセットされていたので干すだけだったが、グレイフィアさんはテキパキこなし、掃除や多少の料理もすぐさま終えてしまった。

 

 

 

・・・・およそ1時間後

 

 

着替えと簡単な外出用の荷物を持ち、俺はグレイフィアさんの元へ向かった。

 

 

「準備はできましたか?」

 

「はい」

 

「これからグレモリーの屋敷に向かいますが、お気を付けください。慣れていない方には酷だと思いますので」

 

 

酷?良く分からないけど、すると、グレイフィアさんは紙きれを取り出した。

 

?何か書いてる?

 

すると、足元に紙に書いているものと同じ模様が浮かび、光りだす。

 

 

「は!?なにこれ!?」

 

「お気を付けください、間もなく飛びますので」

 

「飛ぶって何!?」

 

 

魔法!?そんなのあるの!?

 

 

眩しさに目を閉じてしまい、再び目を開くとそこには見慣れた家では無く、どでかい屋敷と紫色の空が広がっていた。

 

 

・・・・・は・・・・?

 

 

 

「到着いたしました。ここが冥界のグレモリー家本邸にございます。中へどうぞ、リアスお嬢様がお待ちです」

 

 

 

 

拝啓 顔も知らない父さん、母さんへ

 

 

俺、冥界に来ました・・・




次回、一夏とグレモリーの邂逅です


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3 俺、決意します!

原作突入はまだまだですが、今回もお楽しみを!!


SIDE 織斑 一夏

 

 

グレイフィアさんに連れられて、冥界なる場所に連れてこられてグレモリー家の屋敷にお邪魔したんだけど・・・

 

 

「・・・・・」

 

「織斑様?どうなさいました?」

 

「( ゚д゚)ハッ!す、すみません、こんな豪邸を今までに見たことが無かったので・・・」

 

 

ヤバ過ぎるだろ・・・!何か、この中にあるものが全部高額なものに見えてきた・・・

 

 

「あら、グレイフィア、戻ったの?そちらの方は?」

 

 

すると、二階から亜麻色の髪の女性がおりてきた。

 

綺麗な人だな・・・

 

 

「ヴェネラナさま、こちらは織斑 一夏様にございます。織斑様、こちらはヴェネラナ・グレモリー様です。これからあなたがお会いになるリアス様の母君にございます」

 

「は、母ぁぁぁぁぁ!?」

 

 

俺はそう聞いたとき、場所も考えず叫んでしまった。

 

 

「え!?嘘ですよね!?姉の間違いではないんですか!?」

 

「あらあら、うれしいことを言ってくれますね。ですが、事実です。私はリアスの母」

 

「あ、あの、じ、自分はまだそのリアスって人に会ったことないんですけど、リアスって人はまだ生まれたばかりの方なんでしょうか!?」

 

 

でないと、可笑しいだろ!?どう見ても千冬姉より若く見えるぞ!?

 

 

「いえ、リアスはあなたの年上ですよ。人間で見ると、中学生くらいの年頃かしら」

 

「え・・・?人間て(・・・)それではまるであなた達は人間では無いみたいな言い方なんですけど・・・?」

 

「それは――「お母さま!グレイフィアは戻りましたって、あら?戻ってたの、グレイフィア?」リアスに直接聞くのがいいと思うわ」

 

 

ヴェネラナさんはそういうと、どこかへ行ってしまった。

 

 

「リアス様、織斑 一夏様をお連れしました」

 

「ご苦労様。あなたが織斑 一夏君ね?初めまして、リアス・グレモリーよ」

 

 

俺の前に来たその人は、昨日見た『紅』の髪の持ち主だった。

 

 

「お、織斑 一夏です。そ、それで、俺、じ、自分を呼んだ理由はな、何なのでしょうか?」

 

「フフ、そんなに固くならなくてもいいわ。付いてきて、イチカ。詳しい話は私の部屋で話すわ」

 

 

そう言って、リアスさんは二階へと上がっていき、俺もその後に続いた。

 

そして、部屋に入っていったので、俺も入ると、そこは一人部屋か!?と思うくらいの広さの部屋だった。

 

中には、黒髪をポニーテールに結っている女性と白髪に黒猫の髪飾りをした少女と段ボールにすっぽりと入った少女がいた。

 

ん?最後の娘は本当に女子か?

 

 

「リアス、戻ってきたの?ってあらあらうふふ、彼が到着なさったんですね」

 

「・・・(ペコッ」

 

「うえ!?だ、誰ですか!?」

 

 

三人ともがそれぞれ違う反応をしてきた。

 

 

「朱乃と小猫は顔を知っていると思うけど、ギャスパーはまだだから、簡単な紹介をするわ。彼は織斑 一夏。グレモリー眷属の騎士よ」

 

 

リアスさんは話をサッサと進めていく。

つぎにリアスさんはとんでもないことを言い出した。

 

 

「イチカ。私はリアス、リアス・グレモリーよ。グレモリー家次期当主でこの子たちの(キング)。そして、悪魔よ」

 

「あ・・・くま・・・?」

 

「ええ。その証拠にほら」

 

 

そう言うと、リアスさんの背中からコウモリのような翼が出てくる。

他の三人にも同じように背中から翼を広げた。

 

 

「そして、イチカ。あなたにも」

 

パチンっ!

 

 

リアスさんが指を鳴らすと、俺の背中からも翼が現れた。

 

な、なんで・・・!?

 

 

「昨日、あなたは不幸にも一度殺されてしまったの。私たちが間に合えばそんなことにはならなかったのだけれど、本当にごめんなさい。

その後、あなたは「生きたい」と言っていた。だから私はこの悪魔の駒(イーヴィル・ピース)を使ってあなたを人間から悪魔に転生させたの。私の眷属の一人としてね」

 

 

やっぱり、昨日の死にかけたあれは夢じゃ無かったのか・・・

 

 

「もう一つ、伝えることがあるの。

貴方は私の眷属として転生してしまった。私は兄の仕事上狙われやすい立場にあるの」

 

「リアスさんのお兄さんは何を?」

 

「それを話すには悪魔の歴史を話す必要があるわ」

 

 

そういうと、リアスさんは一冊の本を取り出した。

 

 

「世界にはね、悪魔、堕天使、天使、神、吸血鬼などの多数の種族が世界中に存在しているのよ」

 

 

な、なんか急に壮大な話になってきた・・・

 

 

「その中でも悪魔、堕天使、天使の三勢力は特に小競り合いなんかが多くて遥か昔に三勢力での大規模戦争が起こったわ。

でも、その途中にこの二天龍【赤龍帝ドライグ】と【白龍皇アルビオン】が乱入し戦場を攪乱してしまったの。三大勢力は一時的に同盟を組み、二体のドラゴンを宝玉の中に封じ込めたわ。それでも、犠牲になった者は多くて、天使勢力の聖書の神と悪魔勢力のルシファー、レヴィアタン、アスモデウス、ベルゼブブの4大魔王も犠牲になってしまったわ。

その際に兄は、不在となった魔王ルシファーの座についた。

戦争はうやむやになって一時中断になってしまったけれど、どの勢力も裏では戦争を起こそうとしている。

そこで各勢力は表の世界で平穏に暮らしている人間たちに目を向けたの」

 

「人間に?」

 

「人間もしくは人間と他種族のハーフには聖書の神から与えられた神器というものが宿っていることがあるの。神器にはさまざまな種類があって、中でも強力なのが使い方次第では神をも殺せると言われる神滅具(ロンギヌス)

各勢力は戦力補給の為に人間を利用し始めたの。堕天使は神器所持者から神器を抜き取ったり、人体実験を行ったり、天使は教会や宗教を信仰している者をエクソシストやシスターとして徴兵したり、私達悪魔も悪魔の駒を無理矢理埋め込んで強制的に眷属化している者までいるわ」

 

「・・・リアスさんもそうなんですか?」

 

「そんなわけ無いじゃない!私は!自分の眷属の子たちを大事に思っているわ!それこそ【家族】のように!」

 

 

リアスさんはそう俺に強く訴えた。

すると、黒髪の人が前に出て、悪魔の翼とはまた違う翼を出した。

 

 

「リアスは、堕天使と人間のハーフである私のことを優しく受け入れてくれたわ。目の前で母を失って途方に暮れていた私に新たな道を示してくれた」

 

 

銀髪の子にも変化が生じ、猫の耳としっぽが生えてきた。

 

 

「・・・私は、ここに来る前は別の悪魔に飼われていました。姉がその悪魔を殺し、指名手配されてしまって逃亡し、矛先が私に向いた時にリアス様は私を受け入れ、家族だと言ってくれました」

 

 

もう一人の少女も段ボールから出てきて、

 

 

「ぼ、僕も!吸血鬼と人間のハーフだから神器を持ってるけど、うまく使いこなせないんです!でも、リアス様は僕を保護してくれましたぁ!!」

 

 

俺はまだ名前も知らない人たちの話を聞き、リアスさんがどれだけ眷属を大事に思っているのかが伝わってきた。

 

 

「すみません、リアスさん。変に疑ったりして」

 

「いいのよ、イチカ。それで話を戻すけど、悪魔の中でも力におぼれて暴走してしまう者もあらわれたりするの。私たちはそれを【はぐれ】と呼んでいるわ。はぐれ悪魔は主を殺し、人間界に逃げ、人を襲い、自分の糧としているの。イチカを殺そうとしていたのもそのはぐれ悪魔よ。

それで、私はハイスクールへ進学すると同時に当主としての心構えを身に着けるために人間界で土地の管理を任されたの。あなたの住んでいる近くの駒王という街よ、イチカ」

 

 

確か、電車で二つか三つ先にそんな名前の町があった気がする。

 

 

「駒王の管理をする際にはぐれ悪魔、もしくは他勢力が侵入していたら迎撃する必要があるの。

つまり、戦闘になるということ。イチカ、貴方にも戦ってもらうことになるかもしれない。それでもいいかしら?」

 

 

戦い。

恐らく、リアスさんが言ってるのは絶対防御があるIS同士の戦いではなく、命を奪い合う戦いを言っているのだろう。

そして、自分も相手の命を奪う可能性がある。

 

 

「リアスさん、やっぱり、その、はぐれ悪魔や他勢力の人たちって、殺したりするんですか?」

 

 

・・・・・

 

 

人の命を奪う。

俺はその重みを剣道を始めた最初に千冬姉に教わった。

 

初めて、本当の刀を手に取ったとき、千冬姉は

 

 

『私めがけて振ってみろ』

 

 

と言ってきた。

俺は震えて「できない」と言ったのを覚えている。

今手にしているコレが軽々と人の命を絶つと分かってしまったから。

 

 

『その震えを覚えておけ、一夏。命を奪うということはそれほどの事だ。

お前は優しい。もしかしたらこの先、命を奪うことがあるかもしれない。

そんなことが起こったとき、お前は奪った命を忘れるな。

それが奪ってしまった命にできる唯一の償いだ』

 

 

千冬姉は俺にそう言っていた。

 

 

・・・・・

 

だから俺はリアスさんに尋ねた。

 

 

「上層の悪魔の方々はそうしろと命令を下してくるでしょうね。

だけど、私は可能な限り、殺すことは控えるつもりよ」

 

 

リアスさんはそう俺に答えた。

 

 

「分かりました。俺も戦います。

ですが、命を奪うようなことは避けたい!だから俺は!止められるように力を付けたい!!」

 

「分かったわ、イチカ。

なら、それができるように体を鍛えなくてはね?」

 

 

リアスさんはそういうと笑みを浮かべた。

 

 

「それじゃあ、イチカと他の子たちの自己紹介でも行いましょうか!」

 

 

パンッ!と手を鳴らし、リアスさんはそう言った。

 

 





今回はイチカがグレモリー家に向かい、リアスと邂逅し簡単な説明、決意をする話です!


原作グレモリー眷属も出てきましたが、皆、少しずつ変化をくわえました。


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4 俺、悪魔について知ります!

期末テスト期間中なのに、何やってんだ、俺・・・!?


 

 

SIDE 織斑 一夏

 

 

リアスさんに提案のもと、新しく眷属入りした俺と他の眷属の人たちとの自己紹介を行うことになった。

 

部屋にこの屋敷の召使の人たちが来て、お菓子やらジュースやらを持ってきてくれた。

っていうか、悪魔と人間て食事は同じなんだろうか?

 

 

「改めて、私はリアス・グレモリーよ!年は人間で例えるなら13歳、ジュニアハイスクールの1年よ。よろしくね、イチカ」

 

「初めまして、織斑 一夏君。私は姫島 朱乃(ひめじま あけの)。ランクは女王。年はリアスと同い年ですわ。朱乃と呼んでくれて構いませんわ」

 

「・・・塔城 小猫です。戦車をやってます。好きなものはお菓子です。年は11。よろしくお願いします」

 

「ギャ、ギャスパー・ヴラディですぅ。こ、こんな格好してますけど、男です。年は小猫ちゃんと同じでランクは僧侶です」

 

「何で、男なのにスカートはいてるんだ?」

 

 

俺は率直な疑問をぶつけてみた。

 

 

「だ、だって可愛いじゃないですか!」

 

 

可愛いからってスカートはくんだ!?イヤ、まあその容姿だと女に間違われるけど、数年したら流石に変態だろ!?

 

 

「ええと、織斑 一夏です。年は11歳。特技は家事全般と剣術を少々。あ、俺ってどのランクなんですか?」

 

 

そういや、聞いてなかったな・・・。

 

 

「イチカのランクは騎士よ」

 

「もしかして、眷属ってチェスに見立てているんですか?」

 

「ええ、そうね。魔王ベルゼブブに就いたアジュカさまが人間界のチェスを取り入れて、配下の数を減らすことでそれぞれに強い力をもたらしているの。

それぞれの駒の数は人間界のチェスと同じ個数で、駒によって価値もバラバラなの。

ちなみに、兵士は1、僧侶、騎士は3、戦車は5、女王は9よ」

 

「てことは、俺の駒価値は3ってことですか?」

 

「それが違うのよ・・・」

 

 

?さっきは3って言ってたのに?

 

 

「実は、悪魔の駒の中には稀に変異の駒というものに変化するものがあるの。

イチカを転生させる際、突然、騎士の駒が変異の駒になってしまったから、イチカの実際の駒価値は分からないの」

 

 

へ~そんなのまであるのか・・・

 

 

「それと、イチカに注意事項よ!

悪魔に転生したことで、力は格段に上がって、魔力も使えるようになった。

そして貴方の寿命は人間のモノをはるかに超えてしまったの」

 

「ざっとどれくらいですか?」

 

「10000くらいかしら?」

 

「そ、そんなにですか!?」

 

「ええ。つまり、貴方は人間界で過ごしていたころの友人とは比べきれないほど長生きすることになてしまったわ。

それと、悪魔にとって光や聖なる物は猛毒。

これは用心しておいて。もし、今後、堕天使や天使と戦闘になった場合、向こうの使う光の槍や聖水には触れないで。触れてしまえば最後、激痛と共に消滅していくだけよ」

 

 

しょ、消滅・・・!?

 

 

「後は・・・朝が弱くなるくらいかしらね。悪魔の活動時間は本来、夜。

朝の早起きがきつくなるかもしれないわよ」

 

 

だから、今朝はあんなにめまいがしたのか・・・

 

 

「最後に!あなたはこれから悪魔として人間の中に溶け込まなくちゃいけないの。

くれぐれも自分が悪魔ってことをばらさないようにね?」

 

 

・・・そうだ。これからは悪魔として生活するんだ。

千冬姉に知られたらどんな顔をするんだろう・・・

 

 

「そういえば、織斑君はISの織斑 千冬選手の家族なんですか?」

 

「一夏でいいよ、こっちもギャスパーって呼ばせてもらうからさ。男同士仲良くしようぜ。

そうだぜ、千冬姉は俺の姉だ」

 

 

俺はギャスパーの質問に答えた。

 

 

「ISって女性にしか動かせないのよね?それで女尊男卑が広まってるそうだけど、イチカには影響はないのかしら?」

 

 

リアスさんがそう聞いてきた。

 

 

「まぁ、千冬姉が世界大会で優勝してからしばらくは家の周りに野次馬が集まったり、学校で女尊男卑に染まり切った女子に色々言われたりしましたけど、特に何とも思っては無いです。

むしろ、自分の姉が世界で活躍するほどなんで誇らしいくらいです」

 

 

俺は最後の言葉だけは自信をもって言える。

 

千冬姉の事は心の底から尊敬している。

 

ISだけじゃない、剣道、剣術それ以外にもかなりある。

千冬姉は家事が苦手だった。

それでも、両親がいない俺や冬八を養うためにバイトやお金のやりくりなんかを毎日朝早くから夜遅くまで続けてくれた。

仮にISが世界に出回ってなかったとしても、俺が千冬姉を尊敬していることは変わらないだろう。

 

 

「そう・・・。お姉さんのことを誇りに思ってるのね」

 

「でも、最近は働きづめで家に帰って来ることが少ないんですがね・・・。どこで働いてるのかも教えてくれませんでしたし」

 

 

本当に、千冬姉はどこで働いてるんだろう・・・

 

 

 

その後、俺たちは悪魔の話は勿論のこと人間界の話など色々話し終えて、気づけば遅い時間になっていた。

 

 

「そろそろ、帰らないといけない時間なんですが・・・どうやって帰ったらいいんですか?」

 

 

来るときはグレイフィアさんが全部やったので、どうやってきたかは余り、覚えていない。

 

 

「今回、イチカは魔王様の許可証が入った魔法陣を使ってこちらに来ているから問題ないけど、本来、きちんとした手続きをしていなければ、それは違法なの。帰りもおそらく、魔法陣を使えるとは思うけど、次来るときからは、正式な方法で来ないといけないわ」

 

「そういえば、次っていつ来ればいいですか?」

 

「そろそろ、そちらの世界では夏休みに入るころよね?夏休みに入ったらみんなであなたの家に行くから、それから正式な手続きをしましょう」

 

 

そっか・・・。後ちょっとで夏休みか・・・

 

 

「それじゃあ、グレイフィア、イチカを送り届けてちょうだい?」

 

「かしこまりました」

 

「うわぁ!?」

 

 

い、いつの間に・・・!?

 

 

「それでは一夏君、また今度ね?」

 

「・・・バイバイ」

 

「こ、今度、遊びに行きますぅ!」

 

「またね、イチカ」

 

 

皆が俺を見送ってくれる。

何か、こういうのって新鮮だな!

 

 

「はい!じゃあ、また今度!!」

 

 

俺とグレイフィアさんは光に包まれた。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

目を開くとそこは、近くの公園だった。

幸い、人はおらず、バレることは無かった。

 

 

「杞憂です、一夏様。

あらかじめ、人払いの結界を張っておりますので、バレることはほぼないでしょう」

 

 

!?グレイフィアさんに考えてる事読まれた!?なんで!?

 

 

「メイドですから」

 

 

また!?しかもメイド関係ないし!?

 

 

「それはそうと、一夏様。この夏休み、冥界にいらっしゃる予定かと思いますが、その際に、貴方を鍛えておくように我が主から申し付けられております」

 

「修行ってやつですか?」

 

「その通りです。戦闘面は別の者が担当いたしますが、貴族悪魔の眷属として騎士として、最低限のマナーは必要ですので、それらも習得せねばなりません」

 

「なかなかきつそうですね?」

 

「後悔してますか?悪魔になられたことを」

 

「いえ、まあ、友人たちとは違う種族になってしまったんですが、仲間っていうのができてうれしいです」

 

「それは良かったです。それでは私もこの辺で・・・。

最後に、一夏様」

 

「?何ですか?」

 

「リアス様のこと、よろしくおねがいします」

 

 

そういうと、グレイフィアさんは魔法陣に消えていった。

何か、この二日だけで一気に疲れたな・・・

さっさと帰ろうか、でないとまた冬八がうっとおしい。

 

 

俺は、走って家まで帰った。

途中、力を入れすぎて、以前とは比べ物にならないほどのスピードで走ってしまった。

 

なるほど、これが悪魔の力か・・・

セーブしないといけないな・・・



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5 悪魔の友達来ました!

今回も少し短めの内容になりました


SIDE 織斑 一夏

 

 

俺がリアスさんの家へ行って、正式に眷属、家族として迎え入れられてから早二週間がたった。

 

明日には夏休みに突入するので、再び冥界に行くことになるだろう。

最も、今度はリアスさんたちがこっちに迎えに来てくれるので、俺は準備をしておけばいいと言われた。

 

 

『ほう?この夏休みはお前は友人の家に泊まりか?一夏』

 

 

今、俺は夏休みにリアスさんの家に行くことを姉である千冬姉に伝えている。

さすがに、冥界に行く、何て言えないので友達の別荘にお邪魔する、という伝え方をしている。

 

 

『だが、ひと月も迷惑では無いのか?』

 

「俺もそう聞いたんだけど、向こうの親は全然かまわないって言っててさ」

 

『そうか。まあ、いいだろう。だが、お盆には一度帰って来い。私もお盆までには仕事に一区切りつけることができるからな。冬八と三人で祭りにでも行こう『あ!先輩!弟さんですか!?』すまん、一夏、もう切るぞ』

 

 

向こうでほんわかそうな人の声が聞こえた途端に千冬姉は電話を切った。

 

まあ、とりあえず許可は得たから、学校に行こう。

 

SIDE 一夏 END

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

SIDE 千冬

 

 

私は一夏との電話を一方的に別れを告げて切った。

 

 

「あれ?先輩、切っちゃったんですか?」

 

「真耶、あれほど私のプライベートの電話中に話しかけるなと言っていただろう・・・」

 

 

私はそう自分の同僚で後輩の山田 真耶(やまだ まや)に言った。

 

 

「でもでも!先輩ってやっぱり弟さんには優しいですよね?もっとここでもそういう雰囲気を出したら人気が上がると思うんですけど」

 

 

ほう?それは私への挑戦と受け取っていいんだな?

 

 

「・・・真耶、ちょっと体を動かしたくなってきたんだが、組手の相手をしてくれないか?」

 

「え!?ちょ、ちょっとそれは・・・」

 

「遠慮する必要はないぞ。軽く一時間程度で済む」

 

 

私はそういうと、真耶の腕を掴み、引っ張っていく。

 

 

「あ!?ちょ!?先輩、謝りますから!許してくださぁぁぁい!!」

 

 

はて?何の事だろうか・・・?はっはっは、可笑しな後輩だな。

 

 

 

SIDE 千冬 END

 

 

SIDE 一夏

 

 

学校が終わって、長期滞在のための荷物の準備をするために早足で家まで帰った。

 

 

「あれ?誰か、家の前にいる?」

 

 

家の前には小柄で白髪の少女が立っており、家のチャイムを押そうとしていた。

 

小猫・・・だよな?

リアスさんは明日来るって言ってたのに、俺の勘違いか?

 

 

「小猫~!」

 

「あ・・・一夏くん」

 

「リアスさんからは明日来るって聞いてたけど、合ってたよな?」

 

「ええ、合ってます」

 

「じゃあさ・・・何でお前いるの?」

 

 

本当、何でいるのか見当がつかない。

 

 

「・・・・その、一夏くんの家に来たかったので、迷惑でしたか?」

 

 

そう、小猫は少しショボくれた感じでこちらを見上げる。

・・・ヤバい!!めっちゃ撫でまわしたい!!

 

 

すると、

 

 

「何やってんだよ?」

 

 

双子の兄である冬八が帰ってきた。

 

 

「別に」

 

 

俺と冬八の仲は最悪と言っていいほど悪い。

双子だからいいんじゃないか?No!No!そんなことは無い!

 

 

「ほら、冬八!何してんのよ?って、一夏じゃない!あんた急いで帰ってたから何か急ぎの用でもあるんじゃ・・・って…ふ~ん?」

 

 

冬八の後ろからひょこっと顔をだして、ツインテールの少女鳳 鈴音(ファン リンイン)が口早に話すが、小猫の顔を見て何かを考えるそぶりを見せる。

 

 

彼女、鳳 鈴音 通称 鈴は冬八に対して恋心を抱いている。いじめられていたところを助けられたそうで、冬八がいないときに俺に十二分に語ってくれた。

 

どうしてあんな奴を?

 

と聞いてみたら、

 

やっぱりあんたらって双子ね・・・

 

と呆れられた。

以前、俺は他クラスの女子に告白されたんだけど、それを知った冬八も鈴に同じような質問をしたらしい。

 

あんな奴と似ているなんて言われるとは・・・

 

 

そんなことを考えていると、

 

 

「冬八!やっぱし予定変更よ!今日は私の家で遊びましょ!晩ご飯も特別に作ってあげるわ!!」

 

「は!?今日はお前がゲームしたいって言ってたんだろうが!」

 

「急に気が変わったのよ!ほら、行くわよ!!」

 

 

鈴は冬八を、引き連れて自分の家がある方に歩いていく。

途中、小猫の横を通りすぎるとき、何かを言っていたようだけど話の内容は聞こえなかった。

 

 

「そういうわけだから、俺、飯要らねえから」

 

 

冬八がそう言ってきた。

 

 

「あんた、まだ一夏に家事任せてんの?自分でもやらないとこの先、後悔するわよ?」

 

「は?いいんだよ、どうせすぐに出来るようになるからよ」

 

 

二人はそう言い合いながら歩いていった。

端からみると、その光景はカップルにも見えるだろうが、実はあいつらって付き合ってないんだぜ?

 

 

小猫と俺の二人になり、俺は

 

 

「ここで突っ立ってるのも何だし、上がって行けよ

暑いし、冷たい飲み物くらいは出すからさ」

 

 

と、小猫にそう提案した。

 

小猫はコクッと小さくうなずき、俺の後を着いてきた。

その顔はほんのり紅くそまっていた




今回の鈴はどっちもの友達ではありますが、どっちかと冬八よりの人物です。

冬八は、性格の悪い奴くらいに思っててくれて構いません

一夏の神器のアンケートはそろそろ終了しそうな予定です。
目安では一夏が冥界に行く辺りまでなので後.2、3話くらいです。


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6 姉、帰ってきます!

オリンピックのテレビを見てると、演技してる人すげーなってすごく思います。

さぁ、今回も頑張っていきましょう!!


SIDE 塔城 小猫

 

 

はじめまして、塔城 小猫です。

 

今日は無理言ってリアス様にお願いして人間界の一夏君の家にやってきました。

それにしてもこっちは暑いですね・・・。

アイスが食べたいです・・・。

 

 

っと、グレイフィアさんに教えてもらった一夏君の家はここらのはずですが・・・あ、あれに織斑と書いてありますね。

むぅ・・・・、勝手に鳴らしてしまってもいいのでしょうか?誰もいないかも知れませんし・・・

 

 

「小猫~!」

 

「あ、一夏君」

 

 

ちょうど帰ってきたようですね。

 

 

「リアスさんからは明日来るって聞いてたけど、合ってたよな?」

 

「ええ、合ってます」

 

「じゃあさ・・・なんでお前いるの?」

 

 

・・・来たらダメだったのでしょうか?

 

 

「・・・・その、一夏くんの家に来たかったので、迷惑でしたか?」

 

 

一夏くんが何か悶絶してますね・・・。

どうしたんでしょうか?

 

 

「何やってんだよ?」

 

 

誰か来たみたいです。

 

あの人は・・・一夏君の双子のお兄さんでしたか。

 

それから少し場が悪くなってしまったんですが、一夏君のお兄さんの冬八さんと一緒に来たツインテールの女の子が冬八さんを連れて自分の家に行こうとしていました。

 

その際に、

 

 

「上手くやりなさいよ?」

 

 

すれ違いざまにそう小声で話してきたので、思わず身を固くしてしまいました。

 

か、顔があかくなってるのが分かります・・・!

 

 

「ここで突っ立ってるのもなんだし、上がっていけよ

暑いし、冷たい飲み物くらいは出すからさ」

 

 

一夏君がそう言ってきたので、少し頷きました。

さっきの人の言葉でちょっと意識してしまっていますが、お邪魔しましょう・・・

 

 

SIDE 小猫 END

 

 

 

SIDE 一夏

 

 

小猫を家に上げて、リビングで待ってもらっている間に、部屋で荷物を置いて涼しい格好に着替えて俺はリビングに向かった。

 

 

「小猫って飲み物に好き嫌いとかあるか?」

 

「いえ、特にはありません」

 

「じゃあ、これ飲んでみてくれよ!」

 

 

そう言って俺はボトルに入ったジュースをグラスに注ぎ、小猫に出す。

 

小猫に出したジュースは自分でミキサーを使って作ったフルーツのスムージーだ。

まあ、俺の好きな果物で作ったから、小猫の好みに合うかは分からないんだけど。

 

 

「!凄くすっきりした美味しさです!」

 

 

気に入ってくれたみたいだな。

 

 

「それ、俺が作ったんだぜ!って言ってもミキサーを使っただけなんだけどな」

 

「それにしてもとてもおいしいです。もう一杯もらってもいいですか?」

 

「いいぞ。グラスを貸してくれ後、こっちも作ってみたんだ!」

 

 

俺はカップに入ったシャーベットを小猫に差し出す。

 

 

「!?これも一夏君が作ったんですか!?」

 

 

こっちも気に入ってくれたようだ。

 

 

「まあ、千冬姉も冬八も料理はてんで駄目だからな。飯は俺が作ったり出来合いのモノで済ませてるんだ」

 

「だから料理が上手なんですね」

 

 

小猫がほめてくれたのが俺はうれしかった。

何か顔が熱くなってきたな・・・

 

 

「そ、それよりさ、明日の冥界への移動の際の荷物を整理したいから少し手伝ってくれないか?」

 

 

俺は話題を変えるために明日の話をした。

 

 

「荷物ですか?はい、力には自信があるので喜んで手伝いますよ」

 

「いや、力仕事は俺がやるよ。手伝ってくれるのはうれしいけど何か悪いし」

 

「問題ありません。ルークの力をお見せします」

 

 

・・・いや、こんなところで悪魔の力を見せつけられても。

まあ、手伝ってくれるって言ってくれてるし

 

 

「じゃあ、お願いしようかな」

 

「はい!」

 

 

俺は小猫と部屋に行き旅行鞄を取り出し、とりあえず数日分の着替えと夏休みの課題を突っ込んで、後は歯磨きセットや必要そうな日用品を適当に詰め込んだ。

 

 

それだけの作業で俺たちは汗をかき、リビングでクーラーをかけてだらけていた。

 

 

すると、

 

 

「一夏、今帰ったぞ。っと、友達が来ていたのか」

 

 

千冬姉が帰ってきた。

あれ?忙しくて帰れないとか言ってたのに。

 

 

「・・・おじゃましています。塔城 小猫です」

 

「ん?ああ、一夏の姉の千冬だ。

一夏、すまんが何か飲み物をくれないか?外がかなり暑くてな」

 

「わかったよ。あ、千冬姉、昼は食べたのか?」

 

「ああ、外で済ませてきている。

今日は、仕事が早めに切りあがってな。明日からお前は家を空けるみたいだから顔を出しておこうと思ってな。

彼女の家に泊まるのか?」

 

 

千冬姉は小猫を見てそう問いかける。

 

 

「いえ、違います。

私と一夏君の共通の友人の人がいて、その人のところに泊まるんです」

 

「そうか。しかし、一夏。

気を付けろよ?」

 

「?何をだよ?」

 

「・・・いや、分からないならいい。

私は明日の朝には家を出るから、今日の夕飯は作ってもらっても構わないか?」

 

「ん。リクエストは?」

 

「お前に任せる。

ちなみに昨日は魚を食べたから、肉の方がいいな」

 

「わかった。冷蔵庫の中を少しでも空かしたいから、夏野菜のカレーにするよ」

 

「すまんな。どうだ?小猫も一緒に食べていくか?」

 

「良いんですか?」

 

「一夏の友達をあまり見たことが無くてな。折角だし、一夏の話でも色々したいと思ってな」

 

 

千冬姉の誘いに小猫は乗り、三人で晩飯を食べた。

その際に小猫と千冬姉は随分と仲良くなり、固い握手を交わすほどだった。

 

 

 

夜になり、小猫が帰ろうとしていた時に

 

 

「なんだ~。小猫、もう帰るのか~?」

 

 

ビールを飲んで酔っ払った千冬姉が小猫に絡んでいた。

あぁ、小猫が酒臭そうにしてる。

 

 

「ちょ、千冬姉、何やってんだよ!」

 

「別に構わんだろ~?部屋は余ってるんだ。ガキの一人や二人泊まっても問題ないさ~」

 

「そういうことじゃなくてさ・・・」

 

「じゃ、じゃあ、お邪魔してもいいですか?」

 

 

小猫?何、千冬姉に押し負けてんだよ!?

 

 

「部屋は一夏の部屋でいいな?」

 

「は!?」「へ?」

 

 

この人今なんつった!?

 

 

「ちょ!?千冬姉、さっき部屋余ってるっていったのに、なんで俺の部屋なの!?」

 

「ああ~?そんなこと言ったかぁ?

それに、そんなに嫌そうにするなよ~」

 

「ちょ!?酒臭い!それに嫌がってる訳じゃない!

男と女が同じ部屋に寝るって色々と不味いだろ!?」

 

「///」

 

「ほう?一夏が何を考えているかは知らんが、小学生のガキ二人が同じ部屋に泊まっても何にも間違いなんて起こさんだろうなぁ?」

 

 

クソッ!このニヤケ顔、マジ腹立つ!!

 

 

そのまま無理矢理小猫は家に泊めさせられて、さらに俺と同じ部屋で寝ることになった。

 

 

 

 

ちなみに、冬八はその日、帰って来なかった。

 

恐らく、冬八も同じような状況なんだろう・・・




原作まではまだまだ入りませんが、神器の話やリアスのさらなる眷属の話にはもうそろそろはいっていくつもりです。

なのでIS側の話は一時中断します。


今更何ですが、ハーレムタグをつけるのって、ヒロインが複数できた場合なのでしょうか?
何人以上からってのがあるんでしょうか?


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7 俺、冥界列車に乗ります!

ハイスクールD×Dには関係ないんですが、艦これの夏イベが開始して
テンションMaxです!

でも、自分の艦隊の練度じゃ、まだ全然なんですがね・・・


にしても、リオ五輪は白熱してますね・・・


SIDE 一夏

 

 

いつも通りに目を覚まし、身体を起こそうとしたが、誰かに服を掴まれていて起きれなかった。

隣に目をやると、未だに小猫がぐっすり寝息をたてていた。

 

あれ・・・?今更だけど、なんで俺ベッドで寝てんだ?

昨日は小猫にベッドを使ってもらって俺は布団を床に敷いて寝てたのに・・・。

 

 

「ん・・・にゃ?」

 

 

小猫が身を捩らせながら目をうっすらとひらく。

 

 

「・・・おはようございます」

 

「ああ、おはよう。でさ?」

 

「はい?」

 

「俺、昨日床で寝てたよな?なんで俺、お前とベッドで寝てんの?」

 

「私が引きずり込みました」

 

「何で!?」

 

 

可笑しいだろ!?

昨日、小学生のガキが、とか千冬姉言ってたけど、やっぱり男女で一緒の布団に寝るのは色々と不味いって!!

 

と俺が頭の中で突っ込みを入れていると

 

 

「・・・ダメ、でしたか?」

 

 

ああ・・・。俺やっぱりこの顔に弱いわ・・・。

 

小猫は寂しそうな上目遣いで俺の事を見上げている。

なんていうか、同い年なのに保護欲に掻き立てられる感じだった。

 

 

「はぁ、もういいよ。好きにしてくれ」

 

 

俺はあきらめたようにベッドから出ようとすると、

 

ガシッ!

 

 

小猫が寝間着の袖を掴み、出ていこうとするのを止める。

 

 

「なあ?出られないんだけど?」

 

「もう少し、もう少しだけこのままでいいですか?」

 

「・・・分かったよ、後少しだけな」

 

「はい!」

 

 

一つ分かったことがある。

 

 

俺は小猫にとことん甘いということだ

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、朝食を食べて、リアスさんが家に来るまで再びだらだらとしていたら、

 

 

ピンポーン!

 

 

とチャイムがなりモニターを見てみると、リアスさんと朱乃さん、引きこもりで外に出たがらないギャスパーの三人が来ていた。

てか、ギャスパーて吸血鬼のはずだけど、外に出て大丈夫なのか?

 

ともかく、三人を迎えるために俺は玄関に向かった。

 

 

「ごきげんよう、イチカ。迎えに来たわよ」

 

「おはようございます、一夏君。今日は暑いですね」

 

「お、おはようございますぅ!」

 

「リアスさん、朱乃さん、ギャスパーおはようございます。良かったら、中に入りますか?」

 

「いいのかしら?なら、お邪魔させてもらうわね」

 

 

三人は俺についてきてリビングにやってきた。

 

 

「小猫、おはよう。楽しかったかしら?」

 

 

リアスはリビングでくつろいでいる小猫を見て、微笑みながら問いかける。

 

 

「はい、とても充実した一日でした」

 

「それは、良かったわ。ところで一夏、ご家族の方はいらっしゃらないのかしら?」

 

「千冬姉は仕事です。俺が起きたときには既にいませんでした。

冬八は「ただいま~」ちょうど帰ってきたようです」

 

 

玄関の方から声がし、それが冬八のモノだと俺には分かった。

 

 

「なあ、一夏誰か来てるのか?・・・あんたらは?」

 

「お邪魔しています。一夏君の友達です」

 

「ああ、そう。

一夏、飯。・・・・・鈴の奴、人が眠いのを無視して延々と話しやがって・・・!」

 

 

冬八はどこかイライラしている感じだった。

こういう時は下手に話さない方が身のためだな・・・。

 

 

俺は無言でキッチンのテーブルにあるサンドイッチを冬八に渡す。

 

 

「俺、寝るから」

 

 

そういうと、サッサと二階に上がっていった。

 

 

「こ、怖かったですぅ!」

 

 

冬八が出てしばらくしてから、ギャスパーはおびえだす。

 

 

「彼がイチカのお兄さんね。

双子という割にはあまり似ていないわね」

 

「ま、そうですね。てか、ギャスパービビッてどうすんだよ?」

 

「な、なんていうか、あの目を見ると体がすくんでしまうんですぅ!」

 

「時間には余裕があるけれど、そろそろ出発しましょうか」

 

 

リアスの提案に皆が賛成し、俺は片付けをし荷物を持って、家を出た。

 

 

 

「ですが、冥界になんてどうやって行くんですか?」

 

「電車よ」

 

「へぇ~、電車・・・って、電車!?」

 

 

何?ちょっと近くの町に行く感じで冥界に簡単に行けちゃうの?

 

 

しばらくすると、駒王の町では一番大きな駅に到着し、リアスさんたちはエレベーターに乗ろうとする。

 

 

「ここから地下に行くわよ」

 

「え?何言ってるんですか?ここには地下なんてありませんよ?」

 

「ふふふ、それは乗ってみてのお楽しみよ」

 

 

?リアスさんの言葉の意味が分からないまま、俺は促されるままエレベーターに乗った。

 

普通・・・だよな?え!?なんでこのエレベーター下がってんの!?ちょ、怖い怖い!?

 

地下が本来存在しないエレベーターゆえに、階層表記はエラーを表示しているが、エレベーターは構わず下に降りていく。

 

 

「着いたわ。ここが冥界行きの電車の駅よ」

 

 

驚いた・・・。こんな隠しルート的なものがあったとは・・・。〇リー・〇ッターみたいだな・・・。

 

リアスさんたちは紅い列車に乗り込むので遅れないように俺もついていった。

 

 

「これは、グレモリー家が所有するプライベートの列車なの。

ここで、許可証をいただくことで初めて冥界への正式な出入りが完了するわ」

 

 

リアスさんってやっぱりスゲェ金持ちなんだな・・・。

 

その後、俺は列車内の係員の人から許可証をもらって、正式に冥界入りの権利を得ることができた。

列車はその後発車し、俺が普段乗るような電車と同じくらいのスピードで動き出した。

 

 

動いてしばらくしてから、

 

 

「イチカ、窓の外をよく注目しておきなさい?」

 

「窓?って!?何これ!?」

 

 

窓の外には上下左右の方向感覚が曖昧になってしまうような不思議な空間が広がっており、列車はその中をすいすいと進んでいく。

 

 

「ここって一体?」

 

「次元の狭間と言われる場所よ。人間の住む表と悪魔たちの住む裏のちょうど中間といったあたりかしら?

うっかり落ちないように気をつけなさい。落ちては下手をすると二度と出られないわよ」

 

「き、気を付けます・・・・。!?何か、来る!?」

 

 

俺は物凄い何かを感じとった。

 

自分の手を見るとガタガタと震えているのが分かる。

 

 

「イチカ、どうかしたのかしら?」

 

 

リアスさんや他の皆は気づいていないようだった。

 

 

「何かがこの近くにいる気がするんです・・・!」

 

 

俺がそういうと同時に次元の狭間に雷がほとばしり、空中に大きな穴が開いた。

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

中から巨大なんて言葉では言い表せないくらい大きな竜が姿を現し、次元の狭間を漂っていた。

 

 

「何!?あの大きな竜は!?」

 

 

リアスさんも知らないということは悪魔ではないのだろうか・・・?

 

 

「あれはグレートレッド。『真なる赤龍神帝』『真龍』の異名を持つこの世界最強の者です」

 

 

列車の車掌の確か・・・レイナルドさんがそう解説する。

 

 

「あれが、世界最強・・・」

 

 

俺はグレートレッドという未知の強さを秘めた生物をただ茫然と眺めていた。




そろそろ、自分の中では一夏の神器が決まりつつあります

まだ決定ではないので、送っていただければ検討しますんで、よろしくお願いします!


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8 冥界到着します!

SIDE 一夏

 

 

列車は次元の狭間を抜け、紫色の空が広がる冥界に入った。

窓の外から見える景色は凄まじいものだった。

 

 

すげぇ・・・。町が小さく見える・・・。

 

 

「ふふ、驚いていますわね、一夏君」

 

 

朱乃さんが外を眺めている俺を見て話しかけてくる。

 

 

「ええ!だって自分の住んでいる町さえもこんなに上から見下ろすなんてできませんでしたから!とても新鮮です!!」

 

「あらあら、年相応の可愛さがあふれ出ていますわね」

 

 

あ・・・。思わず、興奮しちゃった。

ちょ、朱乃さんその暖かい目で見るのやめてくれません!?

 

 

朱乃さんに弄られ続けてしばらく、列車は大きな駅に停車した。

 

 

「着いたわ!ここが魔王ルシファー様が治める都市ルシファードよ!」

 

 

名前からしてここがリアスさんのお兄さんが治めているんだということが分かる名前だな・・・

 

列車を降りると駅の外に豪華な馬車がスタンバっていた。

 

 

「お嬢様そして眷属の皆さま、お迎えに上がりました」

 

 

馬車のそばには歴史の教科書で見たことのある着物を着た男の人がいた。

着物かぁ・・・!柳韻(りゅういん)先生みたいだなぁ・・・

 

俺が通っていた剣道場の師範 篠ノ之 柳韻 先生。

篠ノ之流の師範で千冬姉と何故か俺は剣道では無く、剣術をやらされていた。

その道場の娘の 箒 という少女は、剣道少女と呼ぶにふさわしく、剣術をしていた俺に剣道をやらせようと必死で俺はストーカーのような行為を受けていた。

 

そういうのが嫌で俺は小4で道場をやめ、それ以来、顔を出していない。

 

 

「沖田!?お兄様の騎士である貴方がどうして!?」

 

 

リアスさんはとても驚いていた。

お兄さんの眷属?なんでこんなところに?

 

 

「お迎えに上がったというのは本当です。

ですが、もう一つ目的があります。今日から私の弟子となるそこにいる織斑 一夏という少年を見に来ました」

 

 

弟子!?俺が!?そういえばグレイフィアさんが戦闘は別の人が教えるっていってた気がするな・・・。

 

 

「あなたがイチカを鍛えるというのね。それなら安心だわ。イチカ、彼はお兄様の騎士 沖田 総司(おきた そうじ)よ。あなたの戦闘面は彼が見てくれるそうだわ。

それと、彼の名前に聞き覚えは無いかしら?」

 

 

リアスさんの質問に俺は頭を悩ませる。

沖田・・・総司・・・?・・・!?

 

 

「新撰組の沖田総司ですか!?」

 

「ええ。日本の歴史に残っている新撰組の沖田総司。彼がその本人よ」

 

 

驚いた・・・。まさか歴史の偉人に会えるなんて・・・・。

 

 

「リアス、お話はそれくらいにしませんこと?実は先ほどからギャスパー君が眠そうにしているのだけど」

 

 

朱乃さんの方を向くと、確かにうつらうつらとしているギャスパーがいた。

 

 

「そうね、とりあえず家まで移動しましょうかしら」

 

 

リアスさんの言葉に賛同し、馬車を使ってグレモリーの屋敷に移動した。

荷物を使用人の人がせっせと中に運んで行くので手ぶらになってしまったが、沖田さんに声を掛けられる。

 

 

「さて、改めて名乗らせていただきます。

元新撰組所属、現ルシファー眷属騎士の沖田総司です。

今日からあなたを主の命により鍛えさせていただきます」

 

「お、織斑 一夏です。よろしくお願いします」

 

「では、早速ですがあなたの力を見せていただきたいので―――」

 

 

そう言いながら俺に木刀を取り出し放って来る。

 

 

「―――その木刀で私に攻撃を仕掛けてください」

 

 

ええ!?いきなり修行を!?

 

 

「ちょ、ちょっと待ってください!沖田さ―――ぐっ!?」

 

 

急に嫌な感じがし、俺は防御するように木刀を構える。

木刀にとてつもなく重い衝撃がのしかかる。

沖田さんの手刀が木刀に当たった衝撃だった。

 

 

「ほう?いきなりのこれを防ぎますか・・・。とりあえずは合格ですね。・・・ですがっ!」

 

「うっ!?」

 

 

次に、蹴りを無防備だった腹に喰らい、俺は近くの岩に蹴り飛ばされる。

 

 

「剣士たる者、常に周囲に気を巡らせておきなさい。

それを第一に守っておきなさい。

・・・私は人に教えるというのは些か苦手でして、この様な実戦形式が多くなると思いますが、死なずに生き延びてくださいね。あ!後、私の事は『師匠』と呼ぶように」

 

「は・・・い、し、しょう」

 

 

俺・・・死なずに生き残れるんだろうか・・・?

 

 

俺の意識は暗闇の中に沈んでいった。

 

 

SIDE 一夏 END

 

 

 

SIDE リアス 

 

 

イチカがいきなり沖田に蹴り飛ばされてダウンしてしまい、私達には何が起きたのか理解が追い付かなかった。

 

 

「リアス、先ほどの音は何だい?」

 

 

屋敷の中から兄様(サーゼクス)が出てきた。

 

 

「お、お兄様!?なぜ、ここに!?」

 

「君の新しい眷属を見に来たんだよ、リーアたん!

っと、もしかしてあそこでのびてるのが君の騎士かい?」

 

「ええ、私の騎士の織斑 一夏よ。

って、お兄様!その呼び方はやめてくださいって何度も言っているではありませんか!!」

 

 

本当にお兄様は・・・!

 

 

「ところで、リアス。

君に縁談の話が来ている」

 

「え、縁談ですって!?

そういう関連の話は私が成人してからと言っていたではありませんか!!」

 

「ああ。それは分かっている。

だが、冥界の上層部の彼らが是非にと推してきていてね。

前向きに検討はしてみる、と言って話は中断したんだが、どうする?」

 

「相手は?相手は誰なのですか?」

 

 

どうせ、あの男だ・・・。

私の中では一つの確信が生まれていた。

 

 

「フェニックス家第三男のライザー・フェニックスだ」

 

 

ああ・・・・、やはり・・・。

私が最も嫌っている相手の名だった・・・



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9 フェニックス、来訪

SIDE 一夏

 

 

目を覚ますと豪華なベッドの上だった。

 

 

「あ!一夏君目を覚ましたんですか!!」

 

「ギャスパー?あれ?俺、なんで?」

 

「沖田さんとの修行で気絶して運ばれたんですぅ。覚えてないですか?」

 

 

そっか・・・。お、師匠の蹴りをもろに受けたんだった・・・。

 

 

「ギャスパー、今って何時?」

 

「ええと、午後の6時です。一夏君は5.6時間眠ってました」

 

 

マジか・・・!そんなに・・・。師匠の一撃は重かったな・・・

 

 

「他の皆は?」

 

「それが、リアス様の婚約者って人が現れて下の応接室で会っているそうです」

 

「婚約者?やっぱり貴族の家柄の人って大変なんだな」

 

 

婚約者とか俺にできても実感わかないし、やっぱ貴族や金持ち特有の感じなのかな・・・?

 

 

「それで、リアスさんてその人と結婚するの?」

 

「そ、それが、リアスさん、今回の婚約に反対的でして破棄か延期するように交渉してるんです」

 

「そうなのか?俺も目が覚めたから行った方がいいのかな?」

 

 

リアスさんが嫌がるほどだからどんな顔なのかを拝んでも見たいしな

 

 

「いえ、一夏君は目が覚めたら沖田さんのところへ来るようにと」

 

「師匠のとこ?」

 

 

修行の続きかな?

 

 

「ありがとな、ギャスパー、見ててくれて。

俺はもう行くよ」

 

「・・・一夏君、生きて帰ってください・・・!」

 

「今から死にに行くみたいに言わないでくれるか・・・・・?」

 

 

嫌、流石に殺しに来たりはしないと思うけど・・・多分

 

 

俺は師匠がいるであろう屋敷の外へ向かった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「おや?目が覚めましたか」

 

「ええ、お手数おかけしました」

 

「いや、さぁ、続きを開始しましょう。

やることは先ほどと同じで木刀で私に攻撃をしてください」

 

 

師匠は俺に木刀を放り、俺はそれをキャッチする。

 

 

「行きます!!」

 

 

俺は木刀を両手に持ち、身体を前にし木刀を後ろに隠すようにして突進する。

そして右側から斬りかかろうとした。

 

 

「ほう?相手に武器の姿を見せないようにして攻撃ですか。

中々、考えたと思いますが甘いですね」

 

 

(不味い、止められる!?)

 

 

俺はそう思い、後ろ側で木刀を左手で持ち、左側からに変えた。

 

 

「焦りが顔に出てますよ?」

 

 

反対側からの木刀を素手で掴まれ、木刀を持っていた俺ごと投げ飛ばされる。

 

 

「一夏は騎士の駒でしたね。

騎士の駒の特徴は強化された速度です。その特徴を理解し生かした攻撃方を模索してみてください」

 

「は、はい」

 

 

俺は投げられ逆さになった状態で了承する。

 

 

「今日の修行はこれで終わります。明日はもう少し持ちこたえてくださいね」

 

「あ、ありがとうございました!!」

 

 

俺は態勢を直して、一礼した。

 

 

SIDE 一夏 END

 

 

SIDE サーゼクス

 

 

やぁ、僕はサーゼクス・ルシファー。本名はグレモリーなんだけど魔王を襲名したことで家名を変えたんだ。

今日はリアス――ああ、僕の可愛いリーアたんの新しい眷属の顔をみに来たんだけど、総司にどんな感じか聞いてみようかな。

 

 

 

「総司、彼はどうだい?」

 

「主?ええ、中々面白い者だと思いますよ。

磨けば光る原石といえばいいでしょうかね。

ですが、分からないことがあります」

 

「それは?」

 

「騎士の駒が変異の駒になったと聞きましたが、今の彼にはそれ程の価値が現れていません」

 

「つまり、彼には変異の駒になるほどの強力な神器が宿っていると?」

 

「おそらくは・・・。神滅具もしくはそれに匹敵するくらいの物だと思われます」

 

 

それ程にか・・・

 

 

「総司、これからは神器発現のための修行を行ってくれ」

 

「わかりました」

 

 

彼の存在がリアスにとっていい方向へ行くか悪い方向へ行くか・・・。

楽しみだね。

 

 

僕は魔法陣を展開し、グレモリーの屋敷から転移した。

 

 

 

SIDE サーゼクス END

 

 

SIDE 一夏

 

 

俺が修行を終え、屋敷に戻ると、ちょうど、金髪の4人の悪魔が出てこようとしていた。

 

 

「何だぁ?お前?」

 

 

その中でスーツを着崩した男が俺の事を見て聞いてくる。

 

 

「リアス・グレモリー様の騎士、織斑 一夏です。あなたは?」

 

「フンっ!俺はライザー・フェニックス!お前の主の婚約者だ!」

 

 

この人が・・・。何か気に食わないな。ってか何だよ、その服?ダサくね?」

 

 

「おい、貴様ぁ!?聞こえてるぞ!!」

 

 

あ、ヤベぇ声に出てた!?

 

 

「ライザーよ。やはりその服は些か可笑しいようだぞ?何とかならんのか?」

 

 

ライザーより年上の、父親だろうか?

そんな人がライザーの服を注意していた。

 

 

「ち、父上!?あなたまでそんなことを言うのですか!?」

 

「お兄様?やはりダサいのでは?」

 

「レイヴェル!?お前までそんなことを言うのか!?」

 

 

レイヴェルと呼ばれた俺や小猫と同じくらいの年の女の子もライザーに服の指摘をしていた。

 

あ、そうだ!リアスさんの婚約はどうなったんだろう?

 

 

「あ、一つお尋ねしたいんですけど、リアスさまの婚約はどうなったのでしょうか?」

 

 

俺はライザーの父親に聞いた。

 

 

「リアス様との婚約は今のところは中止かな。まだお互いの事を何も知らないのに早計過ぎたのかもしれないな」

 

 

どうやら今のところは進展はないみたいだな。

 

 

「それでは、リアス様の騎士、またいずれ」

 

 

そう言いながら、ライザーの父親が出て行った。

 

 

「貴様!覚えたからな!その顔!」

 

 

ライザーも後に続いて出ていく。

 

 

「レイヴェル・フェニックスと申します。織斑様、またいずれ」

 

 

レイヴェルという名の彼女も俺に一礼して出て行った。

その後ろをライザーの母親らしき人が笑顔でついていく。

 

 

 

結局のところ、リアスさんの婚約は今のところは無効ということなのか・・・




ちょっと今回、グダグダになったかもしれません


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冥界生活のペンドラゴン
10 黄金の剣


今回で一夏の神器を出させていただきました。

色々な意見をいただき、どれを用いようか迷いましたが、最後、二択できめました。


SIDE 一夏  

 

 

その後、リアスさんたちに会いに行ってみたところ、ひどく暗い雰囲気を醸し出していたが、俺が目を覚ました姿を見ると、表面上ではあるが元気があるところをふるまっていた。

 

俺が冥界に着いて初の食事のときに、グレモリー家の人は俺のことを祝ってくれた。

 

 

「リーアたんの眷属は私たちにとっても家族のようなものだ。ぜひ、ゆっくり過ごしていきたまえ」

 

 

リアスさんはリーアたんと言われ、とても顔を赤くして怒り、ヴェネラナさんにこっ酷く叱られていた。

グレモリー家の人はどの人も気さくで優しい人ばかりだった。

食事を終えて、俺は割り当てられた自分の部屋で、配布された学校の課題をこなしていた。

 

 

 

次の日。

俺は師匠に連れられてグレモリー家の所有する山に向かうこととなった。

 

 

「今日はいつもの修行を行う前に、神器についての訓練を行います」

 

「神器?人間に宿っているかもしれない聖書の神に与えられたものの事ですか?」

 

「ええ。あなたの駒は騎士の変異の駒。

リアス様の僧侶も変異の駒ですが、彼も強力な神器を持っています」

 

「ギャスパーも?」

 

停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)

視界に入ったものの時間を停止させる結界型の神器です。

今のところは問題ありませんがあの力は強大です」

 

「ギャスパーにそんな力が・・・」

 

「そしてその可能性はあなたにもあるということです、一夏。

彼と同じ変異の駒を持つゆえに強力な神器を持っているかもしれません」

 

 

俺にもそんなものがあるかもしれないのか・・・

 

 

「まず、座禅を組みなさい」

 

 

俺は言われたとおりにする。

 

 

「次に目を閉じ、あなたが最も強いと思う者、生物なんでもいいです。それを思い浮かべなさい」

 

 

俺が思う強いもの・・・

真っ先に俺の頭に浮かんだのは千冬姉だった。俺が知っている中では無敗の人だと思う。

でも、千冬姉は本当に最強なのか?

確かに悪魔になる前の俺だったらそれで納得してたと思う。

ISに乗り、世界最強へと至った千冬姉。

 

しかし、こっちの世界最強。

赤龍神帝グレートレッド。

あんな凄まじいものを見てしまったら千冬姉が本当に最強なのか、悩んでしまう。

 

俺の中の世界最強。

千冬姉には悪いけど、俺には―――――

 

 

「思い浮かべましたか?では、そのイメージを固めたまま、私と戦ってください」

 

 

そう言って、俺に木刀を手渡してくる。

しかも、師匠も木刀を手にしていた。

 

 

「いきます、はぁ!」

 

 

師匠は俺に突きを繰り出した。

 

これなら躱せる!

 

 

俺は突き出された木刀をいなすように、自分の木刀を添える。

そのまま、悪魔の力で回り込み、背後から木刀で襲い掛かる。

 

 

「えぇぇぇい!!」

 

「殺気が漏れてます。

イメージすることに気を取られずに!」

 

「しまっ!?」

 

 

俺の木刀に師匠が木刀を薙ぎ、叩き折ってしまう。

 

そのまま、師匠は俺の首筋に木刀を添える。

 

 

「ッ!?」

 

「どちらかに意識が持っていかれてはいけません。

イメージしなおしてください」

 

 

そういうと、師匠は木刀を除けて、俺に座禅をさせた。

 

 

「イメージしてください。頭の中に。難しければ、抽象的なもので構いません」

 

 

抽象的って言われても難しいよな・・・

でも、やっぱり剣とかって強いしカッコいいよな・・・

アニメや特撮でも剣は強そうなイメージがあるし・・・

 

 

ドクンッ!

 

 

ぐぁ・・・!?何だ、俺の中でナニカが・・・!

 

 

ドクンッドクンッ!!

 

 

何だ?これ?自分の中に何かがある・・・。

これは、鞘?

 

俺の中に突如見えたのは、金色と青色で装飾された鞘だった。

 

でもなんで鞘だけ?本来、鞘は剣や刀をしまうものなのに・・・。

 

 

 

・・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・

 

 

その瞬間、俺の全身を風が吹き抜け、目を開くとそこは雄大な草原が広がっていた。

その草原の中で一振りの剣が突き刺さっていた。

 

 

その剣に向けて誰かが歩いていき、その剣の前に立つ。

そして剣を握り締め、突き刺さっていた剣を台座から引き抜いた。

 

すると、また景色が変わり、次に俺の目に映ったのは真っ暗な闇の中だった。

 

 

『問おう。あなたが私の担い手か?』

 

(へ?)

 

 

俺の目の前にはさっきの剣を抜いた少女が鎧を纏い、立っていた。

 

 

『私はアルトリア。

あなたの中で眠っている神器と呼ばれるものに宿っている者です』

 

(お、俺は、織斑 一夏です・・・!)

 

『あなたが私に会えたということはあなたには私を振るう資格があるという証明。

あなたが私の力を間違った方向へ使わないことを祈っていますよ、一夏』

 

 

そういうと、少女は消え、目の前にさっき見た鞘があった。

その鞘には先ほどとは違い、剣が収まっており、俺はその剣に手を伸ばした。

 

・・

・・・

・・・・・・

・・・・・・・

 

 

「あ・・・れ?」

 

 

目を開けると、そこは師匠と修行した山で、師匠はその場に居なかった。

 

 

「目が覚めたようですね、一夏。

おや?あなたが持っているそれは何です?」

 

 

師匠が木々の間から出てきて、俺の右手を指さし尋ねる。

俺の手にはナニカが握られていた。

 

 

え、なにこれ?何かを持ってる感じはするのに、何も見えない?

 

 

「ふむ、何の武器かはわかりませんが、風による結界が働いているようですね。

そしてその結界の大きさからして、剣でしょうか」

 

 

そういうと、師匠は何もないところから刀を取り出す。

・・・すげぇ、こんなことまでできるのか・・・。

てか、その刀でなにするんだ?

 

 

「この結界を切り裂いてみましょうか」

 

「できるんですか?」

 

「やってみせましょう・・・フッ!!」

 

 

師匠は刀を振るった。

風の結界に切り傷ができ、その中にある刀身が明らかになった。

 

 

グワァァァァァァ!

 

 

な、なんだ!?切り傷の隙間から物凄い光が・・・!

 

 

「この光は一体・・・!?」

 

 

師匠にも分からないのか?

光が収まり、切り傷から見えたのは白銀の刀身、青い柄、黄金に青いラインの鍔だった。

 

 

「こ、この剣は!一夏、今すぐ私についてきてください!」

 

「え!?し、師匠!?」

 

 

どうしたんだ、一体?

何か、師匠が異常に焦ってるけど・・・

 

 

俺は師匠の展開した魔法陣に乗り、師匠と共に転移した。

 




一夏の神器はセイバー、アルトリア・ペンドラゴンが宿る剣です。

ちなみに名前は未だ不詳です

意見をくださった皆さん、ありがとうございました


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11 我が剣の名は

SIDE 一夏

 

 

俺は師匠の魔方陣で一緒に転移し、どこか広い部屋に着いた。

 

 

「やあ、総司。それに、初めまして織斑 一夏君」

 

 

後ろから声がし、振り向くとそこにはリアスさんと同じような真っ赤な髪の男の人が執務用の机って言えばいいのかな?に座っていて、書類を整理していた。隣にはメイド服のグレイフィアさんが立っていた。

 

 

「僕はサーゼクス・ルシファー。一応、魔王ルシファーを勤めさせてもらっている。それとリアスの兄でもあるよ」

 

 

こ、この人が魔王ルシファー!?

どことなくリアスさんに似てたけど、やっぱしお兄さんだったか・・・。やば、言葉遣いとかよくわかんねぇ

 

 

「えと、織斑一夏です。リアスさんの騎士を勤めさせてもらってますです!」

 

 

ヤバイ意味不明だ。

 

 

「ハハ、そんなに固くならなくてもいいよ、一夏君

リアスのときの様な喋り方でかまわないよ。君はまだこっちの世界に来て間もない。いきなりは厳しいだろうからね」

 

 

サーゼクスさん、スゲェ優しいな・・・!

 

 

「それで、王よ。これを見ていただきたいのですが。

一夏、あなたの神器を出しなさい」

 

「は、はい!でも、消えてるんですけど、どうやって?」

 

「さっきの剣を出したときのイメージを固めてください。恐らく、次はそんなに集中しなくてもできるでしょう」

 

 

さっきの剣・・・。風に覆われてちょっとしか見えなかったけど、あの輝きはまだ目に焼き付いてる。

あの輝きを思い出せば・・・!

!?見えた!!

 

次の瞬間には俺の手の中にはさっきの剣らしきものが握られていた。でも、切傷は無くなっており、再び風の結界が剣を覆っていた。

 

 

「ほう?一夏君の手の中に何かがあるのは分かる。でも、結界かな?風が渦巻いて姿を隠してるね」

 

「ええ。だから、あなたの滅びの魔力で風を消し去って欲しいのです」

 

 

滅びの魔力!?なんか、危険なワードなんですけど!?剣も消えたりしませんよね!?

 

 

サーゼクスさんは手に赤黒い魔力を出し、俺に近づき、結界がある部分に手を這わせ風の結界を削いでいく。

風が無くなったことで再び黄金の光を放出し、サーゼクスさんとグレイフィアさんは驚く。

風の結界は完全に消え去り、俺の手には名もない剣が握られていた。

 

 

 

「ま、まさか、この剣は!?」

 

「そんな、あり得ません!だってあの剣は!」

 

「ああ!今は7つに分かたれているはずだ」

 

 

?そんなに驚いてどうしたのだろうか?

 

 

「あ、あの、なんでこの剣を見てそんなに驚いているんでしょうか?」

 

 

俺は恐る恐る尋ねてみた。

 

 

「一夏君は聖剣エクスカリバーを知っているかな?」

 

「ええと、すみません。俺そういうことさっぱりで・・・」

 

「エクスカリバーとは、かつてアーサーという男が扱っていた剣でね。

僕ら悪魔には天敵の様な存在なんだ」

 

「え!?男!?女じゃなくてですか!?」

 

「?どういうことだい?」

 

「俺がこの剣を出したときに頭の中にこれと同じ剣を抜く少女の映像が映ったんです。確か名前はアルトリアって言ってました」

 

 

あの人はどうみても女の子だった。

実は男だったなんてギャスパーみたいな事実は無い・・・はずだ。

 

 

「ふむ・・・。もしかして、その剣はエクスカリバーであってエクスカリバーでは無いのかもしれないね」

 

「?どういうことです?」

 

「今のエクスカリバーはかつての大戦で折れてしまってね、そのかけらを再利用して剣に作り直した物が7本存在するんだ。

流石に、元のエクスカリバーよりも何段階もレベルは下がってるけどね。

でも、君の持っている剣はかつてのエクスカリバーと似通っているが、あの剣を凌駕している。

どうやら、このエクスカリバーにはまだ隠された力があるようだ。

・・・もしかすると、この剣は別次元、並行世界のエクスカリバーなのかもしれないね」

 

 

並行世界・・・。そんなものまであるのか・・・。

 

 

「なぜ、並行世界のエクスカリバーが神器として君に宿ったのかは僕にはわからない。

でも、この世界でそのような神器は見たことが無いから。宿主はおそらく君が初めてなのだろうね

折角だ、一夏君。その剣、神器の名前を君が付けてみてはどうかな?」

 

「名前・・・。永久に遥かな黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ)・・・」

 

「ん?」

 

「エクスカリバー・イマージュとかどうですか?ぱっと頭に閃いたんですけど」

 

「いいと思うよ。

どこかの中二病をこじらせた様な男のつける名前よりもよっぽど良い」

 

 

?誰のことだろう?

 

 

「とりあえず、一夏君はこのまま神器の訓練に励んでくれ―――っと、少し待っててくれるかい?

どうしたんだい、スルト?」

 

 

魔法陣が出現したと思ったら、そこから男の人の声が聞こえてきた。

 

 

『リアスさまが先ほど、新しい眷属をお連れになったのですが、その者が【聖剣計画】の生き残りだそうでして』

 

「聖剣計画の?これまた厄介なことになりそうかもだね」

 

 

サーゼクスさんは俺を見ながらそういう。

 

ん?何の事だろうか

 

 

「一夏、聖剣計画というのは、教会が管理している7本のエクスカリバーの使い手を生み出すための実験計画の事です。

聖剣を扱うためにはある因子が一定量以上必要で、因子の量が少ない者のそれを後天的に高めるための実験です。

しかし、計画は上手くいかず、実験台になった子供たちは、全員処分されました」

 

「!?その生き残りってことは!」

 

「ええ・・・。おそらく、聖剣のことを恨んでいることでしょうね」

 

 

そんな人がリアスさんの眷属に・・・・。

俺、関わらない方がいいのかな・・・。

 

 

「一夏。今日は、屋敷に戻ってリアス様にあなたの神器のことを伝えましょう。

それから、あなたの神器とその少年について考えましょう」

 

「・・・・はい」




今回、登場した一夏の神器の名は
OIGAMIさんの意見を参考にしました。ありがとうございます。


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12 山籠ります!

SIDE 一夏

 

 

俺と師匠はリアスさんに神器の報告をするため、グレモリーの屋敷に戻ってきていた。

 

 

「イチカの神器がエクスカリバーを超えるほどの聖剣・・・。今のあの子にはとてもじゃないけど受け止められないわね」

 

「リアスさん、その、さっき連れて帰ったっていう人は・・・?」

 

「いまだに衰弱しているわ。私が助けたときには虫の息だったからその時のダメージが未だに残ってるんでしょうね」

 

「それで、リアス様、相談ですが例の少年の面倒も私が見ても構いませんでしょうか?」

 

「あなたが?でもイチカの修行もあるのでしょう?

それなのに大丈夫かしら?」

 

「一夏の神器は余程のことがない限り結界を解かれることは無いと思いますから、一緒に修行するぶんには問題無いかと」

 

「なら、あの子のこと、お願いね」

 

 

その時のリアスさんの表情は身内の身を案じる家族そのもので、俺は改めてリアスさんの眷属を大事に思っているという気持ちを知った。

自分のことも大変な筈なのに、王って凄いな・・・

 

 

その後、俺はグレモリーの屋敷にて働くメイド二人から貴族悪魔の騎士としての役割、仕事、礼儀作法を教えられ、濃密な1日を過ごした。

 

 

「ハァ・・・・何か今日だけでどっと疲れた気がするな。まだ、こっち来て2日しか経ってないのに・・・」

 

コンコン「一夏、入りますよ」

 

 

部屋に師匠が入ってきた。

って、

 

 

「師匠、返事を返してないのに入ってこないでくださいよ」

 

「おっと、それは失礼。

それより、一夏、明日から山で籠りますよ」

 

「山?何でです?」

 

「修行と彼の心のケアです。

ああ、彼、というのはリアス様の新しい眷属のことです」

 

「あの人、目が覚めたんですか!?」

 

「ええ。ですが、心を未だに閉ざしています。

最低限の会話しかしませんので」

 

「そんな状態の人を山に連れていって大丈夫なんですか?」

 

 

ていうか、その人まだ病み上がりじゃ無いんですかね!?

 

 

「自然の力とは意外な物なんですよ。

これから向かおうとしている所は魔力の流れの影響で人の精神を和らげる効果があります。

彼をそこで療養させながら修行するのが良いと私は判断しました」

 

「分かりました。

何日くらい籠るのでしょうか?」

 

「あなたが一度、家に帰るときまではこちらに帰ってきません」

 

 

え!?今、7月の中旬ですよ!?4週間くらいも山籠りですか!?

 

 

「明朝、出発します。あ、学校の課題は持っていって構いませんよ」

 

 

そう言うと師匠は部屋を出ていった。

…準備しよう。

俺はさっさと準備を終え、すぐに眠った。

 

 

SIDE 一夏 END

 

 

 

SIDE ???

 

 

「そういう訳であなたと私と弟子の3人で山へ向かうので」

 

 

沖田という男がそう言うと出ていった。

 

目が覚めたら何故か雪の中ではなく、豪華なベッドの中だった。

 

体を動かせず、部屋に来た人たちに聞く限り、どうやらここは貴族悪魔の屋敷らしい。

正直、どうでも良かった。仲間の、皆の復讐を成し遂げるのに、悪魔は関係無かったのだから。

だけど、僕はその貴族悪魔の眷属にされたらしい。

そうでなければ死んでいたそうだ。その点には感謝しているが、僕には眷属として活動するつもりは毛頭無い。

体が完全に回復したらすぐにここを出るつもりだ。

 

 

聖剣を、エクスカリバーを!あの計画で死んでいった皆の代わりに破壊する!

そうしなくては皆に顔向けすることができない!

 

 

それが僕の宿命だ!

 

 

SIDE ??? END

 

 

SIDE 一夏

 

 

翌朝、4時半くらいに目が覚め、起きたら何故か小猫が隣に寝ていた。・・・後、何故かギャスパーも

寝ている姿を見てると本当に男か疑いたくなってしまう程の顔だと思った。

 

てか、なんで二人とも俺のベッドで寝てんの?

 

 

「ん、うにゅ?」

 

 

小猫が目を覚ましたようだな。

 

 

「おはよう、小猫。

今から出かけるから服離して欲しいんだけど」

 

「…こんな時間からですか?」

 

 

小猫が離してくれたことでベッドから降りられるようになったので、着替えを取り出す。

 

 

「師匠とリアスさんの新しい眷属の人としばらく山籠りするからな。

向こうに実家の方に帰るまでこっちには帰ってこないと思う」

 

「…え?せっかくギャー君と色々と計画を考えてたのに…」

 

「…ゴメンな。代わりと言っては何だけど、俺の実家の近くの夏祭りに3人で行かないか?」

 

「なら、そこで何か奢ってください」

 

「ああ、いいぜ!

そろそろ、行くからギャスパーにも説明しといてくれ」

 

「行ってらっしゃい、一夏君」

 

「ああ、行ってきます。

それと、別に君付けじゃなくてもいいぞ?ギャスパーにもそう言っといてくれ」

 

 

そう言って、俺は部屋から荷物を持って出た。

 

 

 

屋敷の外には師匠と金髪の俺より少し背の高い男の人がいた。

この人がリアスさんの新しい眷属なんだろうな。

 

 

「師匠、おはようございます。

それと、えっと」

 

「おはようございます、一夏。

彼はイザイヤ。年は一夏より一つ上だそうです」

 

「…」

 

「おはようございます、イザイヤさん!」

 

「…」

 

 

ぐっ…!

シカトか…何としても会話してやる!

 

 

その後も色々と話しかけてみたけど、イザイヤさんは反応を示してくれなかった。

 

どれくらい歩いたのだろうか

一応、グレモリー領のどこかとは思うけれど、随分、山奥に来たようで辺りには木しか無かった。

 

この森、何か空気が澄んでいる気がする。

深呼吸すると、体が引き締まるな。

 

 

「師匠。ここの空気って何か特別なんですか?」

 

「この森は土地の関係で心身を癒す植物が、多数生息しています。

ですが、それを目当てに魔物が寄ってくるので人にはお勧めできません。

一夏には、神器を用いてここにいる間に襲ってきた魔物を狩ってもらいます。

イザイヤ、あなたは私と来てください。

あ、一夏、夜には結界を張った小屋へ案内しますのでそれまではずっと修行していてください」

 

 

そう言うと師匠はイザイヤさんと森奥へ消えていった。

!早速、来たかな?

 

俺は明らかな殺気を感じ、その方向へ向くと狼型の魔物が寄って来ていた。

 

やってやるぜ!!




木場の過去(悪魔になってから)のがよく分からんけど、頑張って書きます。


今のところ、アンケートは小猫がなかなか高評かな?


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13 三大トップの内緒話

SIDE 一夏

 

 

狼型の魔物が接近するのを確認した俺は、エクスカリバーイマージュを結界を張った状態で発動し、迎え撃つ。

 

 

「ガァァァァァ!!」

 

 

さすが冥界に住む狼。

動きが普通の狼と比べ物にならないな。普通の狼見たことないけど。

 

 

「はぁっ!」

 

 

見えない剣を振るうと、狼をきれいに両断してしまった。

な、なんて切れ味なんだ・・・!?

 

 

『もちろん、私の力はこんなものではありませんよ、マスター!!』

 

 

うぇっ!?何か急にアルトリアの声が!?

 

 

『どうやら神器を展開している間はマスターと会話することが可能なようですね』

 

 

そうなのか。

というか、こんなものじゃないって?

 

 

『私の本来の力は簡単にここいらの山々を焼け跡地に変えるなど造作もありません』

 

 

え!?今、ヤバイことを聞いたんだけど!?

 

 

『なんなら、今からでもお見せできますが?』

 

「いい!いい!やらなくていいから!!」

 

 

俺は思い切り叫んでしまい、森に声が反響する。

あ、これは魔物が寄ってくるパターンだ。

 

 

『マスター、魔物が寄ってきています。ちょうどいいです。私の力の一部をお見せしましょう』

 

 

すると、エクスカリバー・イマージュが光出し、形を変えていく。

剣だったものが俺の身長の倍はありそうな長槍に形を変えていた。

 

 

『どんな感じだ?マスター』

 

「す、すげぇ、武器が変わるなんて…!でも、結界は無いのか?」

 

『この形態には無いな』

 

「ア、アルトリア?口調変わってないか?」

 

『気にするな、マスター。ほら、敵が来たようだ』

 

 

次に来たのは、ゴリラ?の様な魔物だった。拳に何か痛そうなトゲトゲが付いていた。

あの拳に殴られたら即死だなぁ。

 

 

『なら、懐に入らなければ良いだけのこと。

この槍なら、その様な心配は無用だ!

マスター、槍を奴の方へ向けて構えよ!』

 

「こ、こうか?」

 

 

俺はアルトリアの言うように槍を構える。

すると、槍の先端に光が灯り、光はレーザーとなり、ゴリラの心臓を貫通する。

ゴリラはそのまま息絶え、灰へと変わっていく。

 

 

「!?」

 

『覚えておけ、マスター。

これが光を受けた悪魔の末路だ。痛みを感じる間もなく一瞬で灰と化す』

 

「あ、ああ」

 

 

それから俺はアルトリアにレクチャーしてもらいながら魔物を倒していき、剣、槍あと何故か水鉄砲の使い方を覚えた。

何故水鉄砲なのか?そう思っていたが、舐めてかかってはいけないことを学んだ。

水鉄砲から発射された水弾が敵に当たるとその敵を軽々と貫通してしまった。他に大木に当てれば根元からバキッと折れてしまい、本当に水鉄砲なのかと疑ってしまうほどだった。

 

 

 

 

 

修行を終え、師匠が待っている小屋へ行くと師匠が外に立っていた。

俺はイザイヤさんがいない間に今日の報告を済ませていた。

 

 

「なるほど、やはりあなたの神器はこの世界のエクスカリバーのものじゃ無いということが分かりました。

アーサー王には本来、聖剣エクスカリバーと聖槍ロンゴミニアド、聖剣の鞘アヴァロンという装備は有れど、水鉄砲なんてものは存在しません

しかし、それではより一層、自分を鍛えなくてはなりませんよ」

 

「なんでですか?」

 

「異世界の神器。

恐らく、初の使い手が一夏でしょう。よって神器を欲しがる連中には格好の餌というわけです」

 

 

神器を狙う連中…、リアスさんが言っていた堕天使とかか!

 

 

「師匠、戻りました」

 

 

ん?他にも誰か弟子連れてきてたのか?って、イザイヤさん!?

 

 

「イザイヤさん、えと、どうしたんですか!」

 

「その名は捨てたよ。

今の僕は木場 祐斗だ。これからよろしくね、一夏」

 

 

コソコソ「師匠、何があったんですか?」

 

コソコソ「墓を建てたいと言うから、場所を提供し、しばらくしたらこの様に」

 

 

イザイヤ――木場さん急に変わりすぎだろ!?

何だよ、あの笑顔!イケメンオーラが見えそうだ!

 

 

「木場さん、その、聖剣のことは…?」

 

「少し踏ん切りがついたけど憎いものは憎いからね。

見つけたら叩き折るつもりだよ。僕の魔剣創造(ソード・バース)でね」

 

 

俺たちの周りには無数の剣が地面から生え、さながら剣の墓標のようになっていた。

 

 

「後、僕のことは祐斗でいいよ、一夏。年は僕の方が上だろうけど、師匠の弟子は君の方が先だしね」

 

「分かった。

よろしく、祐斗」

 

 

その後、小屋で師匠と祐斗と夕飯を食べて、さっさと寝床に着いた。

 

 

SIDE 一夏 END

 

 

 

SIDE サーゼクス

 

 

 

僕は自室にこもり、一人、酒を楽しんでいた。

 

 

「ふぅ、こういう静かなのも良いな」

 

『よお!サーゼクス!!』

 

 

僕のささやかなひと時は未だに未婚の堕天使総督に邪魔されてしまったようだ

 

 

「何か用かな?アザゼル」

 

『いやぁ、偶には映像だけど一緒に飲もうと思ってな。もうすぐミカエルも参加するだろうな』

 

『おや?遅くなりましたか?』

 

 

堕天使総督アザゼル、天使長ミカエル。

他勢力のトップがこっちに通信を送ってきたようだ。手にはそれぞれ酒の入ったグラスがあった。

 

 

「いや、アザゼルもさっき来たところだ。

それよりも君が参加するのは珍しいね、ミカエル」

 

『たまには私も飲みたくなるんですよ、色々と問題も多いですしね』

 

『自棄になって堕天したりするなよ?まあ、俺は大歓迎だけどな』

 

『遠慮しておきます。

それと後はアザゼルが面白い話をしてくれるそうなので』

 

「ほう?それは興味深いね。

なら僕は妹の眷属の話でも出そうかな?」

 

 

いい感じに酒がまわってきたかな?

少し気分が高揚してきた。

 

 

『なんだぁ?お前の妹の眷属はまた面白いやつでも眷属に引き入れたのか?それとも、どこかの大物か?』

 

『確かに、サーゼクスの妹は中々、クセのある方たちを眷属に入れてますからね。

堕天使幹部の【雷光】の娘に、猫又』

 

『魔眼持ちの吸血鬼かぁ。

どれも鍛え上げたらイイ線行くな!それで、今回は誰を引き入れたんだ?ドラゴンか?エルフか?』

 

 

ミカエルもアザゼルも興味津々のようだね。

 

 

「二人、入ったんだけどどちらも人間だよ」

 

『ってことは、神器持ちか?神滅具持ちでも入ったのか?』

 

「神滅具じゃ無いよ。一人は魔剣創造の神器持ちだ。ただ、事情が深いけどね。

聖剣計画。ミカエルならわかるだろう?」

 

『!?・・・ええ。教会の一部が独断で聖剣を扱える者を生み出す実験ですね。

私たちにバレた首謀者が施設を破壊し、痕跡を消そうとしてましたが、首謀者は捕らえることができました。

ですが、実験を受けさせられた子供たちは助からずに、一名何とか保護できましたが、未だに眠ったままです』

 

「その生き残りで施設を逃げ出した子がいたそうでね。

リアスが保護したそうなんだ。イザイヤという名の少年だ。

もし、そちらの子の目が覚めたら会わせてあげたいね」

 

 

僕はワインを注ぎながら、そう言った。

 

 

『おい、しんみりした話は無しにしようぜ?

それで、サーゼクス、もう一人の眷属の話も聞かせろよ。

どんな神器を持ってるんだ?』

 

「分からない」

 

『は?おいおい、分からないってことは無いだろう?まだ発現してないならまだしも、神器持ちって分かってるってことは、その神器を見たはずだ。それなら以前俺が送った神器レポートに載ってるんじゃないのか?』

 

「彼が持っている神器は・・・エクスカリバーに似ているけどエクスカリバーを超える聖剣だった」

 

『『な!?』』

 

 

やはり二人とも、絶句してるようだ。

 

 

「それだけでは無い。

彼の神器には形態変化があるらしくてね。槍と銃系統があるらしい。どちらも銃の特徴は分からないが、槍の方はロンゴミニアドらしい」

 

『ちょ、ちょっと待てサーゼクス!エクスカリバーだぁ?あれは7本に分けられちまっただろうが!

今は教会で保持してるはずだぞ?なぁ、ミカエル!』

 

『そ、そうです!』

 

「そこで仮説を立てたんだ。

彼の持つ神器のエクスカリバー、ロンゴミニアドは別世界のアーサー王の持ち物かもしれないっていうね。

彼は【女の子が聖剣を抜いていた】と言っていた。我々の知っているアーサー王は男だ。

だからこの世界に存在する神器ではないかもしれない」

 

『ま、まじかよ?未発見の神器が別世界の神器でそれもエクスカリバー!?くぅぅぅ!見てみたいぜぇぇぇ!!』

 

 

またアザゼルの悪い病気が起こったな。

そんなだから未だに未婚なんだろうな。

 

 

 

「それで、アザゼル、君の話ってのは何だい?」

 

『あ、ああ!前々から思ってたんだが、そろそろ俺たちの関係を終わりにしないか?』

 

「というと?」

 

『同盟を結ぼうと考えている。天使、悪魔とな』

 

 

これはまた面白い話を持ってきてくれたね。

同盟か・・・。確かに悪魔はもうこのままではいずれ破滅へとつながるだろう。

反対意見も多そうだ。少しずつ進めたいな。

 

 

 

『それともう一つ。

今、人間界で主流になっているIS。

そのコアを鹵獲した』

 

『なんと!?』

 

「また変わったことをするね、君は」

 

『ISってスゲェな。

特にコアの構造はスゲェ!あれを開発した奴は天才だぜ?

そこで俺たちはその天才を超えるためにコアを作ってみることにした!』

 

『そんなことして大丈夫なのですか?コアには特殊なネットワークがあり、それぞれは開発者の方へ常々情報がまわっているそうですが・・・』

 

『おお!よく知ってるな、ミカエル!そうだ、だから俺たちはまずコアネットワークの切り離しを行った。これで向こうから探知されないで済むし、制御もされない』

 

 

だんだん専門的な話になってきたようだね・・・・。僕はついていけるか心配だ。

 

 

「それでアザゼル、そのコアを開発に成功したら君はどうするんだい?」

 

『どうもしねぇよ?ただ、俺の欲求を満たすための開発だ。

厳重に保管しとくさ。

まぁ、もし俺らの中でISが動かせる奴が現れたらそいつに渡してもいい。ちなみに俺は動かなかった』

 

「まあ男には動かないだろうね?それにしてもISと戦ったんだろう?

どうだった?戦った感想としては?」

 

『人間が神器以外に俺らに対抗できる術かもな。使い手によるが。

ブリュンヒルデならいい線行くと思うぜ?上級悪魔クラスだがな』

 

「ほう?そう言えば、リアスの眷属に入った子は織斑 千冬氏の弟だったよ。

織斑 一夏君と言ってね、今、僕の騎士と山で修行中なんだ」

 

 

『面白れぇな。

そいつが例の神器の持ち主だろう?なら俺がコアの開発に成功したらそいつに試させてみねぇか?

ブリュンヒルデ、IS界最強の弟だ。

もしかするともしかするかもしれねぇしな』

 

 

 

そうなれば彼は表と裏、どちらにも注目される者になるのか・・・

 

 

その後も、色々話をしてから僕らは通信を切った。




テイルズの最新作をプレイしてたら遅れてしまった・・・・!

ベルセリアキャラをこの作品に出したいなぁとプレイしながら思ってしまう・・・

使い魔・・・聖隷
契約魔法使い・・・マギルゥとか


それと一夏の神器はFGOでいろんなクラスのアルトリアがありますのでそれぞれのクラスから武装を抜粋してます。
剣、槍、水鉄砲ってwww


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14 修行終わります!

SIDE 祐斗

 

 

一夏や師匠と和解してから僕は一夏とずっと模擬戦を繰り返していた。

師匠曰く、同じ相手と戦い、相手に手が覚えられても不意を突けるくらいに手数を増やすにはそれが良いそうで、神器の有無関係無ければ、1日50戦は行っていると思う。

 

一夏の剣はニホンという国の剣術だそうで、僕には全く知らない未知の剣だった。

当然、最初は苦戦もしたけどね、今では彼の癖を見抜いてそこから反撃できる。

 

でも、彼の実力はそこじゃない。

僕と違って彼は普通の暮らしを送ってた人間で、教会で訓練させられていた僕とは戦闘経験が違う。

それなのにたった数日で彼は僕と渡り合えるくらいの実力を身に付けてしまっていた。

 

まぁ、それは神器を使っての戦い方だけどね。神器無しの勝負ではまだ僕の方が上みたいだ。

・・・それでも、いつ彼に追い抜かれるか分からないな。

 

 

それと、彼の神器は底知れないね。

 

僕の剣は容易く折られてしまう。さらに彼の剣は結界で覆われていて長さが分からないんだから反則だよねとつい思ってしまう。

 

それなのに彼の神器には槍と銃の形態があって、どちらも反則級の力を持っている。

槍は僕が創った魔剣の壁を容易く貫通し、銃は水鉄砲かと思い楽に躱してたら後ろの大木がへし折れた。その上、連射力にも長けているんだからふざけているにも程がある。

水鉄砲なのに弾切れ(水切れ)は無いのか?と聞いたら

 

 

「これ、水に見えるけど撃ち出してるのは俺の魔力なんだ。どうやら、俺の魔力は結構高いらしいからそれなりの数は撃てると思うぜ?」

 

 

と返された。

それなり?そんな訳無いじゃないか。まるで一昔に流行ったゲームの『ハイドロポンプ』じゃないか。

 

 

それから一夏が人間界に帰る日の2日前になり、僕たちは二人同時に師匠との戦闘を行っていた。

師匠は魔王ルシファー様の騎士らしく、ニホンの昔のサムライの偉人だそうで冥界の中では最強の騎士と言われている程らしい。

実際、僕と一夏が二人で挑んでもボロボロだった。

 

 

それで修行最終日、僕は一夏と師匠に呼び出された。

 

 

SIDE 祐斗

 

 

 

SIDE 一夏

 

 

ども、織斑一夏です!

師匠と祐斗との修行で実力がみるみる付いているのが実感できるので修行期間があっという間に過ぎているのに気づかなかった。

 

それで修行の最終日、俺は師匠に相談していたことを実行しようと思う。

 

 

祐斗に俺の神器の真実を明かすことだ。

俺の神器は別世界の聖剣エクスカリバーと聖槍ロンゴミニアド、俺が名付けた聖銃ヴィヴィアーンで祐斗はエクスカリバーを憎んでいる。

修行の時も俺は風の風王結界で剣を包み、祐斗に悟られないようにしていた。

でも、それじゃ何かいけない気がして師匠に頼んだんだ。祐斗に話せる機会が欲しいと。

 

 

俺は師匠に頼み、祐斗を呼び出し、気持ちを整えていた。

 

 

「どうしたんだい、一夏?顔が強張ってるけど」

 

「祐斗にはさ、俺の神器の真名を教えようと思ってな」

 

「?風王結界(ストライク・エア)では無いのかい?まあ、君の神器の正体が知れるなら儲けものかな」

 

 

俺は神器を発動し、名を告げる

 

 

永久に遥かな黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ)!」

 

「!?」

 

 

名を告げることが結界を解除する方法らしく、風の結界が一気に解き放たれる。

 

 

「…何で…何でお前がそれを!!」

 

 

俺は祐斗に掴みかかられる。

 

 

「これが俺の神器エクスカリバー・イマージュだ。

聖剣エクスカリバーに似ているけど、全くの別物だ。

この世界に存在しない異世界の神器らしい」

 

 

俺は祐斗に淡々と告げる。

祐斗はパッと俺を離し、魔剣を展開する。

 

 

 

「僕と戦え、一夏。

お前のその聖剣!僕と僕の魔剣で叩き折ってやる!!」

 

 

祐斗は魔剣を構え、突きの構えで俺に突進してくる。

 

俺は祐斗の魔剣にエクスカリバー・イマージュを当て、剣の腹から叩き折る。

 

 

「まだだ!」

 

 

両手に魔剣を出し、俺に斬りかかって来る。

 

 

「うぉぉぉ!!」

 

 

俺はそれも破壊する。

 

それから何度も何度も魔剣を創り出しては俺に斬りかかって来、俺は全て破壊する。

しばらくすると祐斗の魔力が切れかかり、魔剣を創り出せなくなってしまい、俺も神器を維持できなくなり、エクスカリバーを消した

 

 

「「はぁ、はぁ」」

 

「満足…したのか?はぁはぁ」

 

「はぁ、嫌、こんなんじゃ僕の心は!無念は満たされないっ!」

 

「…」

 

「だからこそ、僕はもっと強くなる。仲間たちの無念を聖剣への憎悪を晴らすために!」

 

 

その時の祐斗の顔は決心を決めた時の顔だった。

 

 

「そして!」

 

「?」

 

「いつか君のその剣も僕が折ってみせる!」

 

 

祐斗に宣戦布告をされた。

 

 

「なら俺は祐斗の剣術に負けないようにしてやる!」

 

 

俺と祐斗は拳を打ち付け合う。

俺は叶って欲しいと思ってる。

祐斗が自分の復讐に囚われず、自分の好きなことに打ち込める時が来ることを

 

 

 

 

「さて、そろそろ屋敷へ戻りましょうか」

 

「師匠、まだ1日残ってるんですが?」

 

「あなたたちはこの短期間で随分と成長しました。

後は自分たちでレベルを上げていってください。

自主トレを忘れずに」

 

「「ありがとうございました!」」

 

 

 

こうして約3週に渡る師匠と祐斗との修行は終わりを告げ、1日早くグレモリーの屋敷へ戻ることができた。

師匠とは途中で別れ、俺と祐斗は無事に帰宅した。

 

リアスさんへは師匠が連絡していたらしく、屋敷へ帰ったらすぐに出迎えてくれた。

祐斗は改めて自己紹介をし、暖かく眷属として迎えられた。

 

 

俺は盆休みの帰宅準備をするために部屋へ戻り、軽く荷物の整理をしていた。

小猫とギャスパーは既に準備できているそうで、後は俺だけらしい。

準備ができたのですぐに駅へ向かい、再び列車に揺られながら人間界を目指した。

 

何故、魔方陣を使わなかったって?

ギャスパーが列車の方が旅行って気分がすると言っていたから今回は魔方陣を使わずに帰ることになった




ちょっとオリジナル設定で 木場の聖剣へのヘイトを若干緩和?したつもりです

次回からは人間界で篠之ノ神社での夏祭りです。
もしかしたら…いえ、何でもないです


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15 一時帰宅と祭りです!

今回は人間界に帰ってきて祭りに行く話です。


SIDE 一夏

 

 

「ん~!着いたぁ!にしても、暑いな今年の夏は」

 

 

駅に降り注ぐ日差しは例年よりもかなり照っていた。

 

 

「帽子をかぶってきて正解でした」

 

 

小猫は少し大きめの麦わら帽子に白のワンピースを着ていた。可愛い。

 

 

「あ、暑いですぅ…灰になりそうですぅ」

 

 

ギャスパーは半袖のTシャツにホットパンツで帽子の代わりにタオルで頭を隠している。もう、こいつ女でいいんじゃないか?

 

 

「確か、もう来てるはずだけど…、あ!おーい千冬姉!」

 

 

駅の付近に車を停め、そこにもたれ掛かっている千冬姉がいた。

事前にメールして、迎えを頼んでおいた。一応、免許は持ってるそうでレンタカーを借りている。

俺たち三人は千冬姉の元に歩いていく。

 

 

「久しぶりだな、一夏、小猫。

それと、君がギャスパー・ヴラディだな?一夏の姉の千冬だ

話しには聞いていたが、本当に女に見えるな」

 

「は、は、はじめまして!ギャスパー・ヴラディです!

よろしくお願いしますぅ!」

 

 

ビビりなギャスパーだが、千冬姉の前で更に萎縮しちゃってるか…

 

 

「こんなとこで話すのもあれだ。一先ず家に帰ろう。

一夏、荷物を後ろに乗せろ」

 

 

俺は三人分の荷物を乗せ、車を出してもらう。

 

 

「一夏、神社の祭りに行くんだろう?これで三人で美味しいものと私に酒に合うものを買ってきてくれ」

 

 

そう言って、俺に諭吉を2枚渡してくれた。

 

 

「いいのか!?こんなに貰っても!?」

 

「気にするな。これでもそれなりに稼いでいるしお前には普段家事を任せていたからな。楽しんでこい」

 

「ありがとう、千冬姉」

 

「・・・ご馳走になります」

 

「あ、ありがとうございますぅ!」

 

 

俺たちはしばらく話をしていると、家に着き荷物を下ろし千冬姉は車を返しに行った。

 

 

 

「中に入ろうぜ。ただいま~!」

 

 

家に入り、玄関を見ると

 

 

「あれ?汚れてない」

 

 

出たときと同じで綺麗なままだった。

・・・おかしい。冬八と千冬姉だけで綺麗なままを維持するなんて不可能なはずだ。

なのにこれはどういうことなんだ?

 

 

とりあえず、二人をリビングに連れていき、俺はキッチンに向かった。

 

洗い物の残しや生ごみなど無く、綺麗な状態を保たれていた。

 

 

「あ?一夏、帰ってきてたのか?つか、お前、どこ行ってたんだよ?」

 

 

リビングに冬八が入ってきた。

 

 

「ああ、ただいま。友達のとこへ行ってたんだよ。それよりお前さ、実は家事とかできたのか?俺が家出たときと変わってないんだけど」

 

「…ん、あ、ああ、それはな「ただいま~!」・・・こういうことだよ」

 

 

この声は鈴の声か。

鈴がリビングに入ってきた。買い物袋を両手にもって。

 

 

「あ!一夏、おかえり!久しぶりじゃないの!」

 

「久しぶりだな、鈴。てか、なんだ?その買い物袋は?」

 

「冬八と千冬さんの食事よ!

二人ともほとんど何にも出来ないから私がこうして作ってんのよ!」

 

「ふ~ん、良かったな冬八。

家事できる彼女ができて」

 

「ちょ!?一夏何言ってんのよ!?私は別にそんな!?」

 

「あ?別に彼女とかじゃねぇぞ、こいつは────っ痛ぇな!何しやがる!」

 

「何でも無いわよ!バカ!」

 

「は?何、キレてんだよ?」

 

 

ちょっと後押ししてやろうと思ってかけた一言がまさか、喧嘩を起こすとはな……

 

 

俺は言い合いをしている二人を見て、そう思う。

 

俺は鈴が持っていた買い物袋の物を冷蔵庫に詰め込み、菓子とジュースを取り、ギャスパーと小猫を部屋に連れていく。

 

その後は俺の修行中の話やその間の二人の話を日が暮れるまで話し、晩飯は鈴が買ってきた材料と追加で買ってきた材料を合わせて鍋にした。

夏の暑い日に冷房がガンガン効いている部屋で食べる鍋はなぜか旨い。

 

 

鈴と小猫とギャスパーは初対面ながらすぐに打ち解け、仲良くなっていた。

冬八は相変わらず不愛想な顔で、ギャスパーはあまり顔を見れなかったそうだ。

 

 

寝るときは小猫とギャスパーは俺の部屋に来て、三人で寝た。

鈴も泊まっていったらしく、冬八の部屋にて寝たらしい。

 

 

 

 

翌日、俺たちは祭りの時間になるまで家で涼み、頃合いを見計らって家を出て、近所の篠ノ之神社へと足を運んだ。

 

正直、俺はこの場所にあまりいい思い出が無い。

篠ノ之の家とは家族ぐるみの付き合いで千冬姉と束さんは親友同士だった。

束さんの妹で箒ってやつがいたけど、話を聞かず、貧弱だなんだといつも俺を剣道場に通わせていた。

 

千冬姉に誘われ、剣術の方で練習を行っていた時も、しつこく剣道をやらせようとしてきたので、俺は道場をやめた。

それからも軟弱者呼ばわりし、俺は軽くあしらってきた。

ISが登場し要人保護プログラムで箒が転校してからもあまり気のりせず、神社の方へ足を運ぶことは無かった。

 

 

 

神社周辺は祭りの屋台でにぎわっており、近所の見知っている人も何人かいた。

 

 

「早速、食べましょう。一夏君、わたあめが食べたいです」

 

 

祭りに来るなり小猫がそんなことを言い出し、屋台へ向かうので、俺とギャスパーは苦笑いして後を追いかける。

その後、俺たちは屋台(主に食べ物屋)を練り歩いた。

 

イカ焼き、たこ焼き、お好み焼、焼そば、フランクフルト、フライドポテト、りんご飴、ブドウ飴、かき氷、射的、かたぬき。

ほぼ食べ物屋だが、小猫はその全ての店の物を一人で平らげてしまった。

俺とギャスパーは分けあってやっとだというに…。何という胃袋だろうか!?

しかも、それで細身の体型なのだから、他の女子が聞けば羨むんじゃないだろうか?

 

 

屋台めぐりの途中、

 

 

「お!織斑じゃねぇか!」

 

 

赤い髪を少し伸ばし、ヘアバンドで止めてる奴が話しかけてきた。

 

 

「ん?あ、お前は、ええと、隣のクラスの…六反田君!」

 

「五反田だ!!」

 

「冗談だよ、五反田。今日は、御手洗(おてあらい)と一緒じゃないのか?」

 

「…お前それ絶対に数馬に言うなよ?アイツはナンパだってよ」

 

 

小学生のころからナンパて…。

 

 

「それで、織斑は…お!両手に花じゃねえか!」

 

「あ、コイツ男だから」

 

 

俺はギャスパーを指差し言う。

 

 

「何!?男!?家の妹より女してんじゃねえか?───っ痛え!?」

 

 

あ、五反田が後ろから蹴られた。

 

 

「お兄ぃ、誰が女じゃ無いって?」

 

「お前のそういうとこだよ!つーか、お兄ちゃんを蹴るんじゃありません!」

 

「は?『お兄ちゃん』とかやめてくんない?キモい、いやマジでキモい」

 

「もぐもぐ……確かにキモいです」

 

「ちょ!?二回も言うなよ!?後、織斑の連れもさりげにディスらないでくれませんかねぇ!?」

 

 

五反田は若干、涙目になっていた。

 

 

「あ、どうも。五反田 弾の妹の蘭です。愚兄がお世話になってます」

 

「ああ、織斑 一夏。よろしく。礼儀正しいな?」

 

「ああ、織斑。

コイツ、家では全然──ヒッ!?」

 

「お兄ぃ…?すみません!もう私達行きますね!ほら、行くよ!」

 

 

そう言って、五反田兄妹は去っていった。

 

 

「仲の良さそうな兄妹でしたね」

 

「だな。ってか、小猫、その焼そば何杯め?」

 

「?3杯めですが」

 

千冬姉にもらった金がそろそろ尽きそうだな…

 

 

「あ!一夏君!小猫ちゃん!そろそろ花火始まりますよ!!」

 

 

ギャスパーは時計を見て知らせてきた。

 

 

「マジ?じゃあ、見易いとこ行くぞ!」

 

「あ、待ってください。串焼きが買いたいです」

 

 

小猫の串焼きで千冬姉にもらった金が尽きた…。

俺は二人を連れて、神社の裏の空地へ行く。

そこの大きめの石に座り、花火が上がるのを待つ。

 

 

ドォォォン!

 

 

「ひゃっ!?」

 

 

突然の音にギャスパーはビビった。てか、今の完全に女子の声じゃねえか

 

 

「ギャー君女の子みたいもぐもぐ」

 

 

小猫が俺の気持ちを代弁してくれた。

 

 

「ちょ、ちょっとびっくりしただけだよ~!でも、綺麗だよね!」

 

「何かこの花火上げてる人が結構こだわりの強い人らしくてな。毎回、凝った花火を上げるんだとさ」

 

「そうなんだ。来年も見たいなぁ!」

 

 

ギャスパーは花火に完全に夢中だった

 

 

「また来ればいいじゃないか。今度は眷属皆でさ」

 

「はぐはぐ、そうですね。あ、一夏君、これあげます」

 

 

そう言われ俺は残った食べ掛けの串焼きを渡された。

 

 

「そうか?じゃあ、ありがたく」

 

「小猫ちゃん?今のってひょっとして間せ───ムググ!?」

 

「ギャー君うるさい」

 

 

小猫がギャスパーの口を塞いだ。

?まあ、気にせず食べるか。

 

30分もすると花火は終わり、祭り終了のアナウンスが流れる。

 

 

「さ!そろそろ帰るか。明日の夜には冥界に帰るんだったよな?」

 

「はい。なので、今日は早めに寝ときましょう」

 

「一夏君、小猫ちゃん、来年も来ようね!!」

 

 

ギャスパーは元気にそう言った。

 

 

 

 

翌日の夜、冥界に帰り、グレモリー邸に着いたら、そこにはサーゼクス様が待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギャスパー・ヴラディ。

君に無期限の封印の間入りを命じる」

 

 

 

 

は?




何か色々とオリジナルな感じにしました。

弾は確か、中学の友人だったと思うんですが、小学生からの知り合いってことにしました。

後、蘭の性格が若干、別アニメのキャラ風になってしまった。


後はギャスパーの設定ですかね。


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16 しばしの別れ?全然、寂しくありません!

すみません。再試のせい(結局、自分が悪いんですが)で遅くなってしまいました。

それに、日も空いてしまったので、今回は少し短めです


SIDE 一夏

 

 

「どういうことですか!リアスさん!!何でギャスパーが!!」

 

 

俺はリアスさんを問い詰めた。

 

 

「ごめんなさい、一夏。

でも、あの子を助けるにはこうするしか無かったの…」

 

「意味が分からない。ちゃんと事情を説明してくれるんですよね?」

 

「あの子の神器はまだ完全に制御できてるわけじゃないのよ。いつも、周りの物や人を無意識に止めてしまう程にね」

 

「だけど、俺が知っている間にはそんなこと無かったじゃないですか!」

 

「それは…あの子があなたの前だけで必死に神器を抑え込んでいたからよ」

 

「え?」

 

「イチカみたいな同年代の男の子の友達ができて嬉しかったんでしょうね。『もし、力を暴発させて一夏君を止めてしまったら、嫌われるんじゃないでしょうか・・・』あの子はそう悩んでいたわ。

それに本来はあの子を人間界に連れていくのは駄目だと、お兄様からも言われていたのよ。人前で力を暴発させてしまっては駄目だからと。

あの子は祭りへ行くために、帰ってきたら封印の間に入ることを条件に人間界へ行く許可を得たの。

これはあの子の意思でもあるの。分かってもらえるかしら?」

 

「アイツは外に出られるようになるんでしょうか?」

 

「私が一人前と認められれば、必ず許可が降りるわ。

だから私はあの子を外へ出してあげるためにももっと力をつけてみせるわ!」

 

 

ギャスパーは自分の意思で封印されたのか…。

……何だよ、俺、アイツが苦しんでるのに、何もしてやれなかったのかよ

 

 

「リアスさん、ギャスパーと話させてもらえませんか?」

 

 

 

 

それから、グレモリー邸の地下へ行き、ギャスパーがいる結界で封じられた部屋へ案内してもらった。

 

 

 

「ギャスパー…」

 

 

リアスさんに部屋を開けてもらい、俺は足を踏み入れた。

 

 

「一夏…君?どうして?ここは結界で入れないのに」

 

「リアスさんに頼んで入れてもらったのさ。

…お前、ずっと一人で苦しんでたんだよな?」

 

 

ギャスパーは静かに頷く。

 

 

「俺がお前のことを嫌うとでも思ってたのか?」

 

 

また、ギャスパーは頷く。

 

 

「そんなこと───────あるはず無いだろ?」

 

 

いつの間にかギャスパーが俺の目の前に移動していた。

高速移動なんてものじゃなく、明らかに一瞬で移動していた。

これがギャスパーの…

 

 

「僕は、怖いんです!誰かの!眷属の!友達の止まっている姿を見るのが!!」

 

 

そりゃ、そうだろうな。

周りが止まっても自分は動き続けるなんて、怖いよな。

 

 

「なら俺は、お前の神器で止められないくらいに強くなってやる!

だから、お前も神器を制御できるように頑張れよ!」

 

「こんな、皆に迷惑をかけてしまう僕でも、友達でいてくれるんですか…?」

 

「ああ!それに、グレモリー眷属は家族みたいなものなんだろ?家族を大切に思うのは当然だ!」

 

 

ギャスパーは服で涙をぬぐい、

 

 

「なら、僕、待ってます!いつか、出られる時を!」

 

「その意気だぜ!出たら、一緒にまた、祭り行こうぜ!」

 

「はい!あ、そうだ────」

 

 

 

それから、部屋を出ると、リアスさんが待っていた。

 

 

「ありがとう、一夏。あの子を励ましてくれて」

 

「別にそんなんじゃありませんよ。っと、そうだ、リアスさん、これ」

 

 

俺は紙切れをリアスさんへ渡す。

 

 

「何かしら?…アドレス?」

 

「ギャスパーのパソコンらしいです。たとえ、外に出られなくても、通信で会話することができると思うからって、アイツに渡されました」

 

「そうね。私もこまめに連絡するわ」

 

 

 

そのまま、夏休みを冥界で過ごし、あっという間に時間が過ぎていった。

 

 

 

 

 




そろそろ、時間を一気に動かそうかねぇ


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一夏日和
17 ドイツの襲撃者


SIDE 一夏

 

 

ギャスパーが封印の間に入ってから3年が経っており、俺は悪魔リアス・グレモリー様の眷属の騎士として人間に紛れて暮らしていた。

 

 

「そういやさ?一夏って高校どこに進学するんだ?」

 

 

小学校の頃は別のクラスで中学からはずっと同じクラスの五反田 弾が弁当を食べながら話しかけてくる。

小学校の頃はたまに会えば話す程度だったが中学に上がってから結構、話す機会が多くなり、気づけば親友?ポジになっていた。

冬八と鈴は別クラスで相変わらず鈴が冬八に猛アタックをかけ、それを鬱陶しがっていた。

 

 

「あれ?言ってなかったか?俺、駒王に進学するつもりなんだ」

 

「ぶっ!?「汚いな、弾」あ、悪い…じゃなくて!お前、駒王ってマジか!?確かに最近、共学になったそうだけど、それでもエリート校だぞ!?」

 

「分かってるよ。それに、勉強は一応してるし、俺の成績ならお前も知ってるだろ?」

 

「…確かに。お前の成績ならもしかしてってことも…」

 

 

一応、学内試験の成績は上位をキープしてるので、まぁ問題は無いだろう。

それに、あの学校の理事長がサーゼクス様だからなぁ……。推薦状みたいなの渡されたし…。

それにしても、サーゼクス様や他の魔王様の権力広すぎだろ!?

小学校の修学旅行で泊まったホテルが『京都サーゼクスホテル』って、名前だったし。

 

 

「───聞いてるのか?」

 

「あ、悪い、聞いてなかった。何?」

 

「駒王学園へ進学した暁にはさ、誰か女の子紹介してくれね?」

 

「は?お前、妹にしか興味ないんじゃ無かったのか?」

 

「あ!?誰だよ!?そんな根も葉もない嘘を流した奴は!!」

 

「数馬」

 

「あんのヤロォ!言っとくが、俺は普通に女の子が好きだからな!別にシスコンとかじゃ無いからな!!」

 

「おい、そんな大声で言ったら!」

 

 

クラスの皆が大声で叫んだ弾を見ながらヒソヒソと話している。

主に女子が引きながらである。

はぁ、弾も良い奴なんだけどな。何故かモテていない何でだろ?

 

 

「それはそうと、一夏。

今度、ドイツに行くんだって?」

 

「ああ、千冬姉の応援にな。そうだ、土産何が良い?」

 

「何でも良いぜ。てか、どうせクラス全体に土産買ってくるんだろ?無理して買わなくていいって。

それにしてもISの世界大会を生で観るのか~。迫力スゲェんだろうな」

 

 

迫力かぁ。

迫力なら朱乃さんの雷の方が迫力あるかなぁ。こっち目掛けて撃ってくるし、あの人ドSだし。

 

 

 

 

 

それから俺は家に帰り、荷物を持って冬八と共に空港へ向かった。

飛行機のチケットやホテルの手配は千冬姉がしてくれているので、別段苦労することなど無かった。

 

 

 

 

 

ドイツに着き、空港で千冬姉に連絡を入れ、ホテルで合流した。

 

 

「よく来たな、一夏、冬八。今日は私がドイツを案内してやろう。何、心配するな。下調べなら大丈夫だ」

 

「どうせ、また後輩に聞いたんだろ?いいから早く行こうぜ千冬姉。俺、腹が減ってんだよ」

 

 

冬八、またそんな口の聞き方してたら、あ、またしばかれてる。

 

それからドイツの町を回り、食事、買い物をしホテルの前で別れた。

その次の日の千冬姉の試合の途中、事件が起こった。

 

 

試合会場で飲み物を買いに行った冬八が全然帰って来ず、探しに出たところで、スタジアムの窓から冬八が黒服の男に抱えられて車に乗せられていったのを見つけた。

 

 

「誘拐!?マジかよ!?とにかく千冬姉に!」

 

 

俺は走って関係者エリアへ向かった。

 

 

「すみません!織斑千冬に会わせてください!」

 

「ダメだ。彼女はもうじき決勝なんだぞ」

 

 

警備の人に止められて、取り合ってもらえなかった。

 

くそっ、仕方ないか…。

 

 

俺はスタジアムの外へ出て、人気の無いところまで来ると一気に上に跳び上がり、建物の屋上に上がる。

 

 

「車のナンバーは覚えてる。ここいら一帯に俺の探知魔法をかければ────見つけた!」

 

 

黒色の車が港の方へ向かっているのを見つけ、俺は建物を飛び越えて行きながら車を追いかける。

 

車は港の倉庫へ入り、俺は付近に隠れた。

 

 

「しかし、本当に上手くいくのか?」

 

「こいつの携帯から織斑千冬にメールと電話を入れた。

今頃、本人は大慌てだろうよ」

 

「だけど、織斑千冬の優勝阻止が俺たちに何のメリットがあるんだ?」

 

「分からねぇな。まあ、金になるんだ。気にすることは無いさ──お?依頼の相手から連絡だ。あ?始末してもいいのか?」

 

 

不味い!?

冬八は気絶してるから、行け!

俺は男たちへ悪魔の身体能力を使って一瞬で移動し、冬八に一番近い相手から倒した。

 

 

「な、何だ!?このガキ!?」

 

「構わねぇ!殺せ!」

 

「遅い!」

 

 

ナイフを取りだし、刺そうとしてきた男たちを俺は腹部を殴り、気絶させていった。

これで全員か?

 

 

「へぇー、結界を使った奴の顔を拝みに来たが、なかなかやりそうな奴じゃないか?」

 

「誰だ!?」

 

「俺が誰かなんてどうでもいい。さぁ、殺り合おうぜ!!」

 

 

ローブを着た男は杖をかざし、俺やその周り目掛けて火球を放ってくる。

 

こいつ、魔法使いか!?

 

 

「来い!エクスカリバー・イマージュ!」

 

 

俺は飛んでくる火球を剣で切り落としていった。

 

 

「へぇ!テメェも神器持ちか!面白いじゃねぇか!そら!もういっちょ、受けてみな!!」

 

「数が多い!?風王結界(ストライク・エア)!」

 

 

俺はエクスカリバーに纏っている風を砲弾として撃ち、火球を消し去った。

 

 

「いいねぇ!それじゃあ、俺も、少し本気を出そうかぁ!!」

 

 

男はローブを取り払った。

年は俺と同じくらいか少し上。

青髪短髪で戦闘用のスーツを着ていた。

その手には一本の真紅の長槍が握られていた。

 

あれは、危険だ!

 

 

「ハッ!!」

 

「!?」

 

 

男が消えたので、咄嗟に剣を横に構え、防御の構えを取る。

 

ガキィィィン!

 

防御に成功し、男は目の前にいた。

 

 

「へぇ?この最初の一撃を防げたのか。なら、お前に面白いもの見せてやるよ」

 

 

男は距離をとり、槍を構える。

 

 

「この一突き、呪いの朱槍を受けてみな!」




今回、一夏が戦っている相手は誰かもうお分かりでしょう。

次回は戦闘の続きです。

タグにFGOを追加しますが、fateの方がいいかな?


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18 剣士と槍兵

ア「どういうことです?作者!」

「ど、どうとは一体?(汗)」

ア「最近、私の出番が少ないではありませんか!私はマスターの神器!云わば相棒!そんな私が出ていないとはなん足ることですか!!」

「ヒイィィィ!?す、スミマセン!?今回は久しぶりに登場しますから!!」

ア「本当ですね?もし、これで少なかったりしたら…」

「したら……?」

ア「エクスカリバーを最大火力で撃ち込みます」

「そ、それだけはぁぁぁぁ!!……あ、本編始まります」

ア「逃げるなぁぁぁ」


SIDE 一夏

 

 

ゾクリ……

 

身体中を寒気が這いよった。

アイツの槍は紅いオーラを纏っている。

 

 

『マスター、あの一撃を何としても凌ぎきってください』

 

(アルトリアはあれが何か知ってるのか!?)

 

『説明は後です。今はあれを防ぐ術を!』

 

(あれを防ぐ…。ただの防御じゃ駄目そうだな。ならここであれを使うしかないのか?)

 

『現状ではあれが最善かと。マスターは未だに禁手を使うことができません。ですので、アレはまだ使えませんから』

 

 

「そろそろいいか?」

 

 

男は槍を投げる態勢をとった。

俺はエクスカリバーを上段に構える。

 

エクスカリバーに光が集まっていく。

 

 

「おもしれぇな!お前も何か見せてくれるのか?」

 

「ここじゃ、全開は見せられないけどな!」

 

「「行くぜ!」」

 

 

男は飛びあがり、俺は剣をきつく握りしめる。

 

 

刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルグ)!!」「エクスカリバーァァァァ!!!」

 

 

投げた槍は一直線に俺の元へ飛んでくる。

俺は剣に溜めた光を一気に放出し、槍を押し返そうと振り抜く。

 

 

「無駄だぁ!この槍を投げたが最後、テメェの心臓を貫くまで止まることはねぇ!!」

 

「う、おおおおおおお!!!」

 

『マスター!一気に振り抜いてください!』

 

「だらぁぁぁぁ!!」

 

 

一夏が剣を振り抜くと槍は軌道を変え、一夏のすぐそばに突き刺さった。

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ、な、何とか凌げた……」

 

「マジかよ…!?俺の槍を避けただと……!?ハハ、ハハハハ!面白いな!お前!!」

 

 

男はへらへらと笑っていた。

 

 

「ならよ────二本ならどうだ?」

 

 

男が手をかざすと、突き刺さっていた槍は手元に帰り、新たにもう一本の槍が手に現れた。

 

 

『やはり、あの男はアイルランドの光の御子の神器を宿していますね』

 

(光の御子?それってクー・フーリンて名前だっけ?)

 

『そうです。ですが、クー・フーリンの持つ槍は一本のはず……。

マスターが宿している私同様に様々な武器があるようですね。

私が剣と槍と銃。向こうは二本の槍と杖でしょう。ですが、まだ何か隠しているかもしれません』

 

 

にしても、冗談じゃねぇって。一本で手一杯だった槍がもう一本だと!?勘弁してくれって……

 

 

「っと、思ったが今回はやめとくわ。お前の心臓はいずれこの俺がもらい受けてやるぜ」

 

 

男は槍を消し、魔術でどこかへ転移した。

助かった…のか?

 

 

『マスター、何者かが接近しています。マスター?』

 

(悪い、アルトリア、ちょっと限界……)

 

 

俺の意識は暗転した。

 

 

 

 

 

SIDE 千冬

 

 

モンドグロッソの決勝進出を果たした私は控え室にある携帯に連絡が入っていたのに気づいた。

 

 

「電話とメール?どちらも冬八からか…。

!?何だ、これは!?誘拐だと!?」

 

 

冬八からのメールは明らかに冬八が送ったものでは無いとわかる内容で、冬八を誘拐したという文面だった。

私は急いで一夏にも連絡を入れたが繋がらない。

控え室を飛び出し、私は外で日本の政府の連中に出会った。

 

 

「織斑さん、まもなく試合の「私は決勝を辞退する!」…は?何を言ってるんです!?ここを勝てば世界2連覇ですよ!?」

 

「弟が誘拐されたんだ!私は助けに行く!!」

 

「へ?誘拐?裏付けはとれてるんですか!?まだ、そうと決まったわけじゃ──「何かあってからでは遅いんだ!!とにかく私は決勝には出ないと伝えておけ!!」ちょ、織斑さーん!!」

 

 

私は外へ急いで飛び出し、専用機の暮桜を展開する。

 

 

くそっ!どこにいるんだ!?

 

焦っている私のもとに通信が入った。

 

 

『こちらはドイツ政府です。ミス織斑、事情は聞いております。

我々からも人材を派遣しましょう』

 

「何!?頼む!!」

 

『ですが、条件が一つだけ。

この件が無事に解決したら、軍のIS部隊の教官を勤めていただきたい』

 

「ああ!教官でも先生でもなんでもやってやる!だから、少しでも早く弟たちを見つけてくれ!!」

 

 

私は気が気で無かった。

私の生き甲斐とも言えるたった二人の家族。

その二人ともに命の危険が迫っているやも知れない。

 

 

『ドイツ軍IS部隊のクラリッサ・ハルフォーフと申します。会場内の監視カメラを調べ、弟さんらしき人物が拐われた際の車の特定に成功しました。

ポイントをいくつか絞っています。我々もそれぞれでポイントを当たるので、ミス織斑も指定されたポイントを当たってください』

 

「すまない、感謝する!待っていろ、一夏、冬八!」

 

 

私はスラスターを全開にし、指定されたポイントへやってきた。

しかし、そこには人の姿はなく、外れだった。

 

 

 

「くそっ!!」

 

『ミス織斑!弟さんたちを発見しました!すぐにこちらへ来てください!!』

 

 

私は礼も言わずに通信を切り、すぐにそのポイントへ移動した。

 

 

「一夏ぁ!冬八ぁ!!」

 

 

ISを解除し、倉庫へ入ると誰かが戦闘を行った後のように廃れていた。

ドイツ軍の連中が一夏と冬八を保護しており、私もすぐにそっちへ向かった。

一夏の体は傷がところどころにあり、冬八には大した外傷は無かった。

 

 

「弟たちは無事か!?」

 

「ええ。一人は傷がところどころにあるので救急車を呼んでいます。

ですが、妙でした。我々が来たときには誘拐犯と思わしき男たちは皆、気絶していました。

誰が倒したのでしょうか?」

 

「そんなことはどうでもいい。ああ!一夏、冬八無事で良かった」

 

 

私は負傷はしているが無事だった弟たちを見て涙を流した。

その後、病院に搬送された弟たちに付き添い、病院の仮眠室を借り、休んでいると

 

《織斑千冬、決勝辞退!》

 

というニュースが一気に出回ったそうだ。

誘拐など起こった事実が露呈しては、国の面子がたたないからと私の欠場の理由は明かされることは無かった。

その後、ドイツ政府の人間が来て、ドイツ軍の教官を1年間引き受けることとなった。

 

 

目が覚めた一夏と冬八に事情を説明すると、冬八は自分のせいだと悔やんでいた。

一夏はただ私にお礼を言ってくれた。

 

その後二人を空港まで見送ると、私はドイツ軍の教官として活動を始めた。

 

 

SIDE 千冬 END

 

 

SIDE 一夏

 

 

結局、千冬姉が問題無く決勝に出るために行動したが、間に合わず、千冬姉はモンドグロッソ決勝を辞退してしまったらしい。

 

俺は日本行きの飛行機の中で神器の中に潜り、アルトリアと会話をしていた。

 

 

(あの時の男の神器もアルトリアと同じで別世界の神器なのかな?)

 

『恐らくそうでしょう』

 

(強かったな、アイツ)

 

『ええ』

 

(俺、もっと強くなりたい)

 

『ええ』

 

(リアス様の騎士としてもだけど、千冬姉を助けられるようになりたい)

 

『マスター、あなたならきっと私の力を使いこなすことが出来ます。ですから、これからも精進してください』

 

(ああ。ありがとう、アルトリア)

 

『いえ、一夏』

 

 




冒頭の茶番にお付き合い頂きありがとうございます。

今回出てきた。
朱槍の持ち主。
一夏のようにFGOキャラの神器持ちでございます。
メインはクー・フーリンですが
もしかすると色んな槍が登場するやもしれません。


てか、今回はD×D要素がほぼ皆無な気がするな

感想、アドバイスお願いします。

p.s 毎度毎度誤字があって本当に申し訳ありません。自分の知識の悪さを実感しています


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19 駒王学園に行きます!

「い、いかがでしょうか…?」

ア「はっ!」

「鼻で嗤われた!?」

ア「私とマスターは所謂一心同体!原作の兵藤一誠とドライグ!ヴァーリ・ルシファーとアルビオンを見なさい!どのコンビも神器の相棒がたくさん喋っているでしょう!!私もそれぐらいに出番が欲しいのです!!」

「つまり…、乳龍帝みたいな弄られ名が欲しいと?」

ア「そういうことでは無い!とりあえず喰らえ!ロンゴミニアドォォォ!!」

「な、何でさぁぁぁ!!」


SIDE 一夏

 

 

ふぅ、今日が受験かぁ。

何か緊張してきたなぁ。

 

中学3年の冬。俺は駒王町の駒王学園に入試に来ていた。

冬八は藍越学園の受験で前日から家にいなかった。何でも、昨年、問題が起きたらしく今年は、学校ではなく大きなホールを貸しきって受験を行うそうだ。

小猫も当然受験なので同じように駒王学園に来ている。

ギャスパーは未だに封印の間からは出られないけど、推薦という形で学園に入学することが決定している。

グレモリー眷属全員がここに駒王学園に入り、リアス様が部長の部活をやる。

それが、リアス様の希望らしい。

 

 

学園の前で眷属の皆と合流し、俺と小猫は試験会場へ入った。

その際、周りの目がとても痛かったな……。

 

 

後から祐斗(俺に先輩と呼ばれるのがむず痒いから今まで通りでいいらしい)に聞いた話だと、リアス様は学園では朱乃さんと二人で二大御姉様と呼ばれているそうで、その二人が目当てで学園にきた人もいるらしく、その御姉様方と話していた俺が気に食わないようだ。

 

 

試験会場では魔王セラフォルー・レヴィアタン様の妹でリアス様の親友のソーナ・シトリー様とその眷属の生徒会メンバーが教員と共に試験を取り仕切っていた。

あれ?以前に会った頃より人が増えてる?あの人、新しい眷属かな?

ソーナ様の近くにいた金髪の男子生徒を見てそう思った。

 

 

試験が終わった後、リアス様の部活がある旧校舎に呼ばれ、俺と小猫は旧校舎に向かった。

 

 

「イチカ、小猫、試験お疲れ様。あなたたちの学力なら問題ないと思うけど、出来ばえはどんな感じかしら?」

 

「「問題ないと思います」」

 

「あらあら、息がピッタリですわね」

 

「そ、そんなこと無いです」///

「あら?小猫。顔が真っ赤よ?照れてるのかしら?」

 

 

リアス様にそう言われ、小猫はソファーにあるクッションを抱きしめ俯く。……何か見てて癒されるなぁ。

 

 

「あ、そうだ、ギャスパーって、封印の間からは出られないのに入学できるんですか? 」

 

 

俺はリアス様に訊ねた。

 

 

「この旧校舎に簡易の物だけど結界を張ってそこに入ることとなったわ。この調子だともうすぐあの子を解放することができるわ。

そうしたら、このオカルト研究会で眷属(家族)が揃うわ!」

 

 

そうなのか…。ようやく眷属全員が揃うのか…。楽しみだな。

 

 

「それと、イチカ、小猫。これからは私のことは『部長』と呼びなさい?」

 

「その方が部活らしさが出るから。と部長は言ってましたわ」

 

「あ、朱乃!余計なことを言わなくてもいいの!」

 

「うふふ、ごめんなさいね」

 

「「分かりました、部長」」

 

 

その後、皆でお茶をしていると、

 

 

「失礼するわ、リアス」

 

 

ソーナ様とその女王の真羅さんと二人の眷属が部室にやって来た。

とりあえず、お茶の準備でもしとこう。

 

 

「あら?どうしたの、ソーナ?」

 

「いえ、入試の片付けも終了したので、新しい眷属の紹介をと思いまして。

ポーンの匙 元士郎と仁村 留流子よ。二人とも、挨拶を」

 

「匙 元士郎っす!リアス先輩、よろしくお願いします!」

 

「仁村 留流子です!よろしくお願いします!」

 

「こちらこそよろしくお願いするわ。

どう?お茶飲んでいかない?」

 

「そうね。では、少しだけ」

 

 

おお!グッドタイミングだ!

俺はティーセットを持ち、テーブルに置いた。

 

 

「あら、イチカ。頼んでもないのに早かったわね」

 

「いや、部長のことだから、お茶の誘いをすると思って」

 

「あら、織斑君。久しぶりですね。受験はいかがでした?後、学園では私のことは『会長』と呼んでください」

 

「お久しぶりです、会長。とりあえずは自分の実力を出せたとは思います」

 

「お!受験生じゃんか!俺、匙 元士郎、よろしくな!」

 

「よろしくお願いします。匙さん」

 

「あ!入試の時に隣の席の織斑君ですね!私、仁村です!よろしくお願いします!」

 

「よろしく、仁村さん」

 

「織斑君、出来れば、また槍術の試合をしませんか?」

 

 

真羅さんが俺を誘ってきた。

真羅さんは武器に薙刀を使うので、同じ長物を武器に扱う俺とたまに試合を行っている。

 

 

「分かりました。早速、今からでもやりますか?」

 

「そうですね。会長、よろしいですか?」

 

「するのは構わないけれど、折角、お茶を頂いたのだから飲んでからにしなさい」

 

 

俺はお茶をカップに注ぎ、それぞれ会長たちに出した。

 

 

ブー!ブー!

 

マナーモードにしていた携帯が鳴り、チャットアプリを開くと、ギャスパーからだった

 

 

 

『大変です!大変ですよぉ!』

 

『どうしたんだよ?』

 

『い、今、旧校舎の僕の部屋でニュースを見てたんですけど』

 

『へぇー、お前の部屋ってもしかして結構、いい感じの部屋?』

 

『それどころじゃ無いんですよ!テレビ!テレビ見てください!!』

 

 

 

とりあえず、ギャスパーが焦っていることが分かった。

テレビ?部室の奴借りようか。

 

 

「部長、すみません。少しテレビ点けさせてもらってもいいですか?」

 

「テレビ?いいわよ。何か面白いものでもやっているのかしら?」

 

「ギャスパーがニュースを見てくれって言ってたんですけど」

 

 

俺はテレビのスイッチを入れる。

とりあえず、いつも見ているニュース番組のチャンネルボタンを押した。

すると、

 

 

《緊急!世界初の男性IS操縦者現る!!》

 

『こちら、IS学園の受験会場です!こちらでは本日、他学校の受験も行われていたのですが──』

 

 

ニュースに映っていたのは冬八が行っている藍越学園の受験会場と同じところだった。

 

 

『その受験生がISを起動させてしまったということです!』

 

 

馬鹿な話だ。

受験会場を間違えたって、その年で迷子かよ。

 

 

「ねえ、イチカ?ISは女性にしか動かせないのよね?」

 

「そうですね。ま、人類は多いんでイレギュラーの1つや2つあるんじゃ無いですか?」

 

 

とりあえず、その動かした奴の顔が見てみたい。

 

 

『今、入った情報によりますと、動かした少年はあの織斑 千冬選手の弟、織斑

冬八ということです!』

 

「「「「は?(へ?)(あらあら?)」」」」

 

 

俺、部長、朱乃さん、小猫は冬八のことを知っているので、どう反応していいのか分からなかった。

 

 

《織斑 冬八!男で初めてISを動かす!》

ババン!と、大きくテレビに映った。

 

 

おいおい、俺にまで何か飛び火しそうじゃんか……




そろそろ、本編に入る頃になりましたが、2パターン用意していて、どっちで進めるかお悩み中です❗
故に、少し更新遅れるかもです!


とりあえず、次回もお楽しみください!


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20 未婚──堕天使総督との秘密裏会談です!

ちょ~っと今後の展開の話を今回、持ち込みました

ふぅ、とりあえず今日はアルトリアさんがいないので、色々とブッパされることは無いですね


「なあ、お前何やってんの?」

 

「ぐっ…!」

 

 

俺は家に帰るとうなだれていた冬八に問い詰めた。

 

 

「試験会場で迷うとか、小学生かよ」

 

「し、仕方ねえだろ?当日、どこが来てるかなんて知るわけ無いんだし」

 

「何でIS起動する流れになったのさ?」

 

「迷って、直感に従って入った部屋にあったISに興味本位で触ってみた」

 

「……バカじゃねえの?」

 

「あ!?誰がバカだよ!?」

 

「お前しかいないだろ?はぁ…」

 

「て、てめえ…。なぁ、今更だけど、何でマスコミとかが押し寄せたりしないんだ?自分で言っちゃ何だけどニュースは全国に流れたんだよな?」

 

 

それは、俺が人払いの結界を張っているからに決まってんだろ!

とは、言えなかった。

実際、マスコミなんかが家に押し寄せてきたら、俺にも飛び火するのは確実だ。まあ、それも時間の問題だろうけど。

 

 

「やっぱりお前、IS学園に行くんだろ?マスコミはそっちに行ってんじゃないか?

はぁ、水道局とかに連絡しとかないと……」

 

「は?何で?」

 

「…やっぱりお前バカだわ」

 

 

何でこんなことも分からないのか?

 

 

「バカバカうるせぇんだよ!」

 

「千冬姉はIS学園の教員、お前もそっちに行く。俺は駒王学園の寮に入る。

なら、誰も使わないのに、連絡しとかないと駄目だろ?それも家を空けるのは短期じゃなくて長期になるんだからさ」

 

「ああ、なるほど。ん?千冬姉ってIS学園にいるのか?」

 

「あれ?知らなかった?」

 

「知るわけねぇだろ!ISのことなんてこれっぽっちも興味無かったんだから!」

 

「いや、家族が何処で働いてるかとかは把握してろよ…」

 

 

ピンポーン!

 

誰か来た?

しかも、結界を張ってるのに来れるってことは、オカルト関係か!

 

 

「誰か来たようだな、見てくる「いい!いい!俺が行く!」あ?どしたんだよ?」

 

 

とりあえず、玄関まで行き、ドアを開けると

 

 

「やあ」

 

 

魔王がいた。

……は!?

 

 

「ちょ!?サーゼクス様!?何故こちらに!?」

 

「リアスの眷属は皆、屋敷か学園寮に住んでいるからね。唯一、人間界で住んでいる一夏君の家を見に来てみたというわけだよ」

 

「つかぬことを聞きますが、サーゼクス様、お仕事は?」

 

「…………」

 

「…………」

 

「まあ、そんなことより──」

 

 

誤魔化した!?いや、誤魔化しきれて無いけどさ!?

 

 

「──君に少し来てもらいたいところがあるんだよ」

 

「?構わないですけど」

 

 

それからリビングに戻り、冬八に出てくると伝えてから、サーゼクス様に着いていった。

 

 

「マンション…?」

 

 

高級そうなマンションのまえに着き、サーゼクス様はそこへ入っていく。

 

 

「おお!サーゼクス!着てくれたか!」

 

 

とある一室に入ると、ワイングラス片手に和服のおっさんがいた。

 

 

「サーゼクス様、誰ですか?」

 

「おお!お前がアーサー王の神器を持ってるって奴か!

俺はアザゼル。堕天使の総督で今のところお前らの敵って関係だな」

 

 

だ、堕天使!?

俺はとっさにエクスカリバーを展開した。

 

 

「お?それが神器か?

って、やめときな。お前もちっとはやるようだが、俺には敵わねえよ」

 

「そんなの、やってみないと!」

 

『危険です、マスター。この男、今までで戦った中でもトップに入る強さです。

マスターにも分かっているはずです』

 

(アルトリア…。ああ、分かってる。この人には少しは戦えても、敵うはず無いって)

 

 

俺は剣を消す。

 

 

「あ~、何だよ、もっと見てたかったのによー。

っと、安心しな。今はお前とやり合うつもりはねえよ。それに俺やサーゼクス、天使のミカエルは裏では仲良しだからな」

 

 

堕天使と悪魔と天使のトップが仲良し?どんなカオスだよ?

 

 

「それでアザゼル。本題へ移って欲しいのだが?」

 

 

サーゼクス様がそうせかすと

 

 

「おお、悪かったな。神器を見ると少し興奮しちまうからよ。

さて、織斑 一夏。世間では今、話題になっているな。お前の兄弟がISを動かしたことが。

そこで、俺は試してみたいんだ。お前がISを動かせるかどうかをな」

 

 

俺がISを…!?

 

 

「世界最強のIS乗りブリュンヒルデの弟の片割れが動かした。ならそのもう片方はどうか?

研究者としては試してみたくなるもんだ!

と言うわけで、この俺が改良したISコアに触れてみてくれ」

 

 

堕天使はISも持っているのか!?

堕天使は技術力が、すごいんだな。

 

そう思いながら触れてみると、頭にたくさんの情報量が流れ込んできて、立ち眩みを起こした。

 

 

「おおお!やはり反応したぞ!お前はこれから二人目の男性IS操縦者だ!」

 

「ほう?まさか、本当に動かすなんてね…。実は一夏君の性別は女性だったのかな?」

 

「正真正銘、おれは、男ですよ。

ですが、アザゼル総督。俺ってIS学園に行かなくてはなりませんか?」

 

 

正直、それは嫌だ。

眷属の皆とようやく同じところで生活できて、ギャスパーにももうじき会える。

そんなときに、離れるなんて、なんていうか、寂しい。

 

 

「行かなくて良い……と言いたいんだが、いずれはお前にも国の政府やら何やらが手を回してくるだろう。

そこで、だ!お前には俺の表で経営している企業に所属してもらう。それなら迂闊に国も手出しできないだろう。

学園に入るのは…ほら、あれだ、専用機がまだ出来てないからとか適当に理由をつけとけば何とかなるだろう。で、どうだ?」

 

 

堕天使総督の創設した企業に悪魔が入るっていいのか…?

 

 

「一夏君。決めるのは君自身だ。

まあ、君がアザゼルの会社に所属することで、僕達トップが考えている計画は進みやすくなると思っている」

 

「計画…ですか?」

 

「悪魔、天使、堕天使での停戦および友好の同盟を組む計画さ」

 

 

ど、同盟!?

そんなことを考えていたのか!?

 

 

「俺たちはもうどの勢力も疲弊しきっている。戦争をこれ以上継続すれば、俺たちは滅亡へと進み、それは人間にも広がっていくだろう。これ以上、必要の無い血は流さない。

そのための同盟だ。そして、織斑 一夏。そのためにもお前には協力してほしい。今回は悪魔と堕天使でだが、いずれはもしかすると、天使ともこのような機会を持つかもしれん。

一気に話すことになるが、不穏分子のテロリストの存在が明るみになってきている」

 

「テロリスト?」

 

「カオス・ブリゲード。勢力の規模は不明だが、恐らく相当な規模だと踏んでいる。

そもそも、組織のリーダーに俺たちが太刀打ちできるかがわかんねぇんだ」

 

 

サーゼクス様やアザゼル総督みたいな勢力トップでも敵わないのか!?

 

 

「無限の龍神オーフィス。グレートレッドには劣るがそれでもこの世界で2番目の強さを持つ奴だ」

 

「そ、そんなのが敵に!?」

 

「ああ。だからこそ我々は手を取り合わなければならないんだ」

 

 

 

 

「判りました!アザゼル総督!俺の行動で同盟が行いやすくなるのなら!

俺は協力します!!」

 

 

テロリスト…

やっぱり戦争が、起こるのか…?

 

 

「お前ならそう言ってくれると思ったぜ!」

 

「ありがとう、一夏君」

 

「それでお前の専用機の話だが、どうせ造るんだ。時間を掛けて、完成度を高めてやるぜ!

その方が、お前さんも学園生活を楽しめるだろう?

大人の考えに巻き込んで悪いが、可能な限り時間を掛けてお前が思い出を作れるようにしてやるさ」

 

「アザゼル。人間界でのメディアへの報告は任せる。

私はミカエルに一応、報告しておく。

一夏君、君は君で駒王学園での生活を楽しんでくれたまえ。君に影響が及ばないよう、我々も手助けをしよう」

 

 

そう言うと、サーゼクス様は転移魔法で消えた。

 

 

「そうだ、織斑 一夏。お前の神器を見せてくれ。どうせなら、お前が扱いやすいように神器と同じような武装を積みたいんだ」

 

 

 

それから、アザゼル総督のデータ録りを手伝い、一先ず、駒王学園の旧校舎にいるであろう、部長の元に転移した。

 

 




とりあえず、駒王学園へは無事に入学し、それから徐々にISに関わって行こうと思います。


ヒロインアンケートの現状

小猫はほぼ確実にヒロイン入りですね。
後は更識姉妹、黒歌、ロスヴァイセ&その他って感じですね。
セラフォルーとか、ガブリエルとかフォルテとか皆さん中々、絶妙なとこを突いてきますね(笑)
IS学園の先輩系の性格がまだいまいち分からんのですよね…


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21 暇つぶしの学校見学

ちょっと今回はいつもより長めになりました。

夜中のテンションで書いたので、どんな反応になるか不安でたまりません・・・


余談ですが、SAOメモデフのマルチイベントの火竜強すぎやしませんかね!?


とりあえず部室に転移したら、皆まだ部室に残っていた。

 

 

「あら、イチカ?家に帰ったのではなかったかしら?」

 

「いえ、一度家には帰ったんですが―――」

 

 

何て説明すればいいんだ?

ISを動かせることが分かったから堕天使総督の経営している企業に入ります?

アホか!?そんなこと何も知らない部長たちに伝えてどうすんだよ!?

 

 

「え~と、それは――「それは私が説明しよう」ふぇ?」

 

 

サーゼクス様再び登場!

あれ?さっき天使長へ連絡するって言ってなかったっけ?

 

 

「お、お兄、い、いえ、魔王様!一体、なぜ!?」

 

「仕事だよ、結構大掛かりでかつ、一夏君が伝えようとしていたことの、ね」

 

 

それからサーゼクス様は手短に事のあらましを説明してくださった。

しかし、テロリストの話は全く出さなかった。

やはり、妹に危険な情報は伝えたくなかったのだろうか?

 

 

「…三大勢力同盟…その第一段階としてイチカを内密に堕天使と協力させ、IS学園に行かせるということですね?」

 

「まあ、そういうことだね。ISを動かせるということをあらかじめ世界へ広めて、企業に所属していると明かしておけば、国も迂闊には手を出せないだろう。

男性IS操縦者が出た時点で、一夏君を守るのに低リスクなのはこの方法ということさ。

まあ、兄として君に言うことは、君のやりたいようにやれと言うことかな?

さて、僕はそろそろ帰るとするよ。

一夏君、アザゼルから連絡があれば君のもとにも届くようにしておくよ」

 

 

そういうと、サーゼクス様は転移していった。

 

 

「とりあえず、イチカのことは分かったわ。

イチカが駒王学園の生徒として過ごす時間は短いかもしれないけれど、楽しんでいきましょう?」

 

「「「「はい!部長!」」」」

 

 

その後、アザゼル総督の経営している会社【GURIGORI】から世界へ俺がISを動かせることを発表した。

会社の名前が堕天使の組織そのままの名前だったから、他勢力からは堕天使の企業ということがもろバレしそうだなと俺は思った。

 

 

「どっか行ったと思ったら、すぐにこんなニュースが流れ出すわ。

お前、何してたんだよ?」

 

 

家に帰り、夕飯を作っていると、冬八が聞いてきた。

 

 

「あれだよ。お前がIS動かしただろ?だから、俺も動かせるかな~って、グリゴリの人が知り合いだから検査してもらったんだよ。

そしたら、な?」

 

「にしても、グリゴリって結構デカイ会社だったよな?何でお前そんなとこの人と知り合いになれたんだ?」

 

「先輩関連で少しな」

 

「また、あの赤髪の人かよ。まあ、これでお前も晴れて俺の仲間入りってか?」

 

「あ、俺はまだIS学園には行かないから」

 

「は!?何でだよ!?」

 

「専用機が出来てないし。テレビでもやってただろ?」

 

 

ニュース見たんじゃ無かったのかよ。

 

 

「じゃ、じゃあ、俺だって専用機ができてないし──」

 

「いや、お前、企業所属でもなんでも無いから専用機が貰えるか分からないだろ」

 

「ウ、ウソダァァァァ!!」

 

 

翌日、千冬姉が家に帰ってきた。

 

 

「お前たち……、私の仕事が増えるだろう……」

 

 

千冬姉は呆れていた。

 

 

「取り合えず、お前たちはこれを読んでおけ。

一夏は入学はまだだから時期が別だが、冬八はこれから適性検査だ。

私に着いてきて貰うぞ」

 

 

千冬姉はめっっちゃ分厚い参考書を俺や冬八に渡し、冬八は千冬姉に連れていかれた。

入試が終わった奴等は合格発表があるまで、家庭学習期間に入っているので、実質学校は休みのようなものだ。

実を言うと、既に俺の試験は最初に採点され、メールで合格通知が部長から届いているから、勉強するにしてもISの参考書を読むくらいしか無い気がする。

 

とりあえず、駒王学園に行ってみようかな……

部長に、そう連絡すると、小さい魔方陣で入校許可証の様な物が送られてきた。

 

 

学園の前に行くと、警備の人がおり、許可証を見せると通してくれた。

 

学園内は休み時間だからだろうか、生徒が歩き回っており、中学の制服で校内に入っている俺は浮いている存在だった。

 

 

「おい!逃げるぞ!松田!元浜!!―――イタッ!?」

 

 

色々と見て回っていると途中で誰かとぶつかった。

まあ、ぶつかったので転んだわけだが、当たってきた相手を見ると、ツンツンの茶髪の制服を着た男の人だった。

 

 

「わ、悪い!俺、急いでるから!!」

 

 

その人はそう言うと、すぐさま走り去っていった。

 

 

「おい!待て、一誠!!」「俺たちを置いて行くな!!」

 

 

その後をメガネの人と坊主頭の人が追いかけていった。

そして、走り去った男子生徒たちを追いかけて数人の女子生徒が怒り顔で追いかけていった。

俺はとっさの事だったので、思わず茫然としていた。

 

 

「はぁ、あいつ等は・・・。お?織斑じゃんか!大丈夫か?」

 

 

そのまた後ろから匙さんがやってきて、俺に手を差し出してくれたのでその手を取った。

 

 

「こんにちは、匙さん。ありがとうございました。

にしても、すごいですね、あれ・・・」

 

 

俺が指さした方向には先ほど、走り去って行った男子生徒たちが追いかけていた女子生徒にタコ殴りに合っていた光景だった。

 

 

「ああ、あれな。いつものことだよ。あいつ等はこの学園内でも問題児と言っていい奴らでな?

暇さえあれば覗きや猥談ばっかしては、ああやって女子生徒に殴られてんのさ」

 

「今の世の中で、よく逮捕されませんね?」

 

「そうなんだよ。あいつらがフルボッコにされたときに警告したんだけど、懲りずに繰り返してんだよ。

それなのに、警察沙汰になりゃしない。大方、学校側が押さえてんのか、女子生徒たちが殴ることでストレス解消してんのか。実際のところ、俺にもよくわからん。お前も関わらないように気を付けろよ?」

 

「そうします」

 

 

俺と匙さんは苦笑いする。

 

 

「それはそうと、今日はなんでここに来たんだ?一応、許可証は持たされてるみたいだけどさ」

 

「正式な合格発表までは俺、休みなんで、学校見学がてらオカ研に顔を出しにきました」

 

「そうか。まあ、くれぐれも問題は起こすなよ?お前なら起こさないとは思うがな」

 

「匙く~ん!」

 

 

匙さんの名前を呼びながら、シトリー眷属の騎士巡 巴柄(めぐり ともえ)さんがやってきた。

 

 

「どうした?巡?」

 

「会長が呼んでたよ。あ、織斑君じゃん、合格おめでとうね!」

 

 

どうやら、悪魔関係の人には合格したことは知られているみたいだな。

 

 

「ありがとうございます、巡さん。

いや、巡先輩の方がいいですか?」

 

「せ、先輩!そう!私は先輩だよ!困ったときは頼ってくれていいからね!」

 

 

どうやら巡先輩は『先輩』と呼ばれることがうれしいみたいだな。

 

 

「じゃあ、織斑、俺会長のとこ行ってくるから、またな!」

 

「ばいば~い!」

 

 

そう言うと、二人は校舎の方に向かっていった。

 

さて、俺も部室の方に―――?何だ、あの人だかり?

 

 

遠目にその人だかりの中心を覗いてみると、女子生徒に囲まれている祐斗の姿があった。

 

 

「うわぁ、すげぇ・・・」

 

 

相当な数の女子に囲まれている祐斗を見て俺はビビっていた。

IS学園はこれよりすごいんだろうな・・・。

一足先にIS学園に向かう冬八にとりあえず合掌しておこう。

 

 

祐斗に声掛けせずに部室に向かうと、入り口手前から見える二階の窓から部長が顔を出していた。

風に紅の髪がたなびき、まるで一枚の絵画のような光景だった。

 

 

「あら、イチカ。あなたも来たのね」

 

「あなたも?」

 

 

すると、部長の横からひょっこりと小猫が顔を出し、手を振っていた。

俺も手を振り返す。

とりあえず、中に入り、部室に向かって歩いていく。

 

 

「こんにちはー」

 

 

小猫はソファーに座りお菓子を食べ、部長は未だに窓際にいた。

 

 

「イチカ、合格おめでとう。これであなたも四月から駒王学園の一員ね。

今日はどうしたのかしら?」

 

「まあ、暇だったのでこっちに来るついでに学校見学を」

 

 

そう言いながら、俺はお茶を入れる。

 

?変わったお茶葉があるな、折角だしこれ使ってみようかな。

 

 

「お茶をいれてるとこ悪いけど、私はさっき入れたばかりだから小猫にだけ入れてちょうだい?」

 

「わかりました」

 

 

小猫にお茶をいれ、小猫の前にだす。

 

 

「ありがとうございます」

 

 

小猫はお茶を少しずつ飲み、再びお菓子を食べだした。

すると、眠くなったのかソファにもたれかかり、目をつむった。

 

 

「あら?イチカ、ここにあったお茶の葉は?」

 

「え?何か変わった奴だから、おいしいのかと思って小猫に出したんですけど・・・」

 

「ええ!?そのお茶の葉には私が遊び半分で魔力を注いであるのだけど!?」

 

 

遊び半分で魔力なんて食べ物に入れないでください!?

こ、小猫は!?もう、カップ空になってるし。

 

 

「こ、小猫!?大丈夫か!?」

 

 

俺は小猫をゆすってみる。

部長は心配そうに離れて見守っている。

 

 

「ん・・・。ふぁ・・・」

 

 

小猫が目を覚ました。

?特に影響はなさそうだけど・・・?

 

 

「小猫?お~い、大丈夫か?」

 

「いち、か、君・・・?」

 

 

ほっ・・・。問題なさそうだ。と思ったその時だった。

 

 

「わ~い!一夏君だぁ!」

 

 

と急に抱き着いてきた。

 

!?ちょ、小猫!?

 

 

「お、おい!小猫!?どうしたんだよ、急に!?」

 

「え~、別にどうもしてないですよ~」

 

 

いや、明らかに様子が変だろ!?

 

 

「部長!?これ一体どんな効果のあるお茶何ですか!?」

 

「性格の反転だと思うわ。だから普段、おとなしい小猫がそんな風に積極的になっているのよ!」

 

「分析してないで助けてください!!」

 

「あら?そろそろ授業の時間だわ?

ごめんなさい、イチカ。後は自分で何とかしてちょうだい?大丈夫、鍵はかけておくから」

 

「ちょ、待って。部長ォォォォォ!!」

 

 

俺の叫びを無視し、部長は部室の外へ出ていった。

ヤバい!小猫のルークの力が強すぎて振りほどこうにも振りほどけない!

 

 

「小猫、流石にそろそろ離れて?」

 

「ええ~。良いじゃないですか~!もっとこうさせてくださいよ~!」

 

 

そうして、小猫は俺の首の後ろに手を回し、俺の胸のあたりに顔を乗せる。

 

 

「な、なんで、こ、こんな・・・!」///

 

 

今の俺は顔が真っ赤になっていることだろう。

そのせいで口も上手く回らない。

 

 

「だって~!私は一夏君の事大好きなんですからぁ~!一夏君は私のこと嫌いですか?」

 

「いや、そ、そんなことないけど」

 

「じゃあ、いいじゃないですか」

 

 

小猫は本物の猫のように甘えてきている。

それに『好き』と告白?され、どう反応したらいいのかよくわからない。

 

 

それから小猫にされるがままになり、数分が経ち、

 

 

「小猫?おーい、小猫?」

 

「・・・」

 

 

声がしなくなり、ロックされた状態のまま、何とか顔を動かすと静かに寝息をたてていた。

 

 

「はぁ・・・。眠ったのか・・・。

あれ?これ、俺動けないじゃんか!?」

 

 

眠ったままの小猫は未だに俺をロックしているので動くことができない。

かと言って、無理に動いて小猫を起こしてしまうのは論外だ。

 

 

「はぁ、もういいか」

 

 

溜息を吐き、俺もそのまま眠りについた。

 

 

(「一夏君の事大好きなんですから~」・・・っっ、目を覚ました後、どんな顔をすればいいんだよ・・・)




最後の小猫がお茶を飲んだくだりは、DVDであった展開をすこし参考にしました。

もう、小猫がヒロイン入りするのはほぼ確実なんで、進展させてもいいかな。
と思い、こんな感じにしました。
いやぁ、小猫みたいなかわいい子に甘えられてみたいですよねぇ(笑)


あと、シトリー眷属の巡さんが出てきましたが、性格がよく分からないんですよね・・・
それと、調べたら中の人がマクロスΔのカナメさんと同じじゃないですか!
一瞬、メッサー×カナメが一夏×巡ってなってしまった・・・


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22 恋する白と月夜の黒

今回は、募集したアンケートで何度か名前の挙がったあのキャラが出てきますよ~




SIDE 一夏

 

 

カシャッ!

 

という携帯電話のカメラ音がし、それで俺は目を覚ました。

 

 

「あら?一夏君、起きてしまったのですか?もう少し寝ていても良かったですのに…」

 

 

朱乃さんが起きた俺にそういってきた。

その手には携帯電話。

小猫は未だに俺に抱き付いたまま眠っている。

 

 

「もしかして、撮りました?」

 

「ええ!バッチリと!あ、ご安心を。後できちんと一夏君にも送って差し上げますわ」

 

「何勝手に撮ってるんですか!後、写真は一応、戴いておきます!

てか、何で誰も起こしてくれなかったんですか!?」

 

 

部室には部長も朱乃さんも祐斗もいる。

 

 

「折角、気持ち良さそうに眠ってるんですもの。起こすのは可哀想ですわ。ね、リアス、祐斗君?」

 

「そうね。決して面──んん、何でもないわ」

 

 

今、面白そう、と言いかけたよあの人!?

 

 

「僕は今さっき来たばかりだからね。起こすのは止そうかなって思ってたんだよ」

 

「…でも、朱乃さんが写真を撮るのは止めれたよな?」

 

「まあ、良いじゃないか。写真の一枚や二枚」

 

「良くねぇ!」

 

 

知ってるか?

朱乃さんて、ドSなんだぜ?あの人に弄られるようなネタを握られたら、それだけで当分弄られるぞ?

 

 

「んん…ふわぁ……」

 

 

小猫が起きた!

良し!拘束が緩んでいる!今だ!!

 

俺はパッと小猫から離れ、尚且つ小猫がもたれられるように、クッションを置いた。

これで、違和感無く抜け出せた!

 

 

「イチカ、あなた凄いスピードね。忍者でも目指してるのかしら?」

 

「いえ、目指してないです」

 

「……寝てしまってたみたいですね。おはようございます、皆さん」

 

 

小猫は目を擦りながら、挨拶をする。

 

 

「おはようございます、小猫ちゃん。

それで、早速、これを見てもらってもいいですか?」

 

「あ、朱乃さん!?それは!って、離せ、祐斗!!」

 

「まあ、まあ、良いじゃないか!」

 

「HA☆NA☆SE!!」

 

「ッッッ!!」///

 

 

小猫は朱乃さんに画像を見せられ、顔を真っ赤にする。

その後、何かコソコソと会話をすると、

 

 

「そ、その、抱き枕代わりにして、ごめんなさい」///

 

 

顔を真っ赤にしながら少しそっぽを向き、そう言ってきた。

 

 

「い、いや、別にいいぞ?そ、それより、寝る前のことは覚えてないよな・・・!?」

 

「寝る前?・・・もしかして私、何かしたんですか?」

 

「い、いや、特に何も・・・。ですよね!部長!」

 

 

あ・・・。部長の顔がニヤニヤしてる・・・。

やってしまったか・・・?

 

 

「え、ええ!そうね!別にイチカに甘えにいったりなんてしていないわ!…あ」

 

 

部長、それ言っちゃお仕舞いですよ!なんですか!?あなたドジっ子属性持ちですか!?

 

小猫の顔が本当に真っ赤になっている。

うつむいて、ワナワナと震えている。

 

 

「~~~~!?!?」///

 

「あ、小猫!」

 

 

そのまま、小猫は部室を飛び出していった。

 

 

「……。小猫の様子見てきますね」

 

 

俺はそう言うと部室を出ていく。

 

 

SIDE 一夏 END

 

 

No SIDE

 

 

「少しからかいが過ぎましたかしら?」

 

「そうですね。僕も少し面白くなってきてましたから」

 

「でも、これであの子達に進展があればいいのだけれど…」

 

「ですが、そうなれば私も早く素敵な殿方を見つけませんとね、うふふ」

 

 

と、一夏が出ていった後の部室でそのような会話が行われていたが、一夏は知らない。

 

 

NO SIDE END

 

 

SIDE 一夏

 

 

「お、いたいた」

 

 

小猫は旧校舎裏の花壇近くの木の下で体育座りをしていた。

 

 

「なあ、小猫、急に逃げ出したりしてどうしたんだよ?」

 

「・・・すみません。でも、嫌じゃ無かったですか?

覚えてないですけど、何か色々一夏君にやったらしいですけど」

 

 

小猫の声は少し震えていた。

 

 

「・・・嫌じゃ無かったよ。

むしろ、なんていうか、その、う、うれしかった・・・かな」

 

「・・・え?」

 

「小猫みたいな可愛い女の子に甘えられて嫌がる奴なんて普通いないだろ?」

 

「・・・なんだ、そういうことですか・・・」

 

「それに――」

 

「?」

 

「―――俺のことを『好きだ』と言ってくれたのは嬉しかった」

 

「へ・・・?へ・・・!?」///

 

 

お~、また真っ赤になってる。

 

 

「わ、私、そんなことまで・・・!?」

 

「ああ。とっても可愛かったぞ?」

 

 

ああ・・・。今の小猫って本当にからかいたくなってくるな・・・。

 

 

「!?!?!?じゃ、じゃあ・・・」

 

「ん?」

 

「一夏君はその、私のことはどう思ってるんですか・・・?」

 

 

さっきは小猫がじゃれるのに夢中になり、答えをはっきりさせなかったけど、これは言わないとダメかな・・・。

 

 

「お、俺・・・。俺も、お前のことは・・・好きだ。大切に思ってる!」

 

 

うぉぉぉ!?ヤバい!?さっきからかって悪かったな、小猫!?

めっちゃ恥ずかしいわ、これ!?

 

 

「・・・」///

 

「・・・」///

 

「「・・・・・・」」///

 

 

な、何か、きまずい・・・

 

 

「じゃ、じゃあ―――」

 

 

小猫が沈黙を破ってくれた。

 

 

「私と、付き合ってもらえませんか・・・!」

 

 

はぁ、俺の顔、また真っ赤なんだろうなぁ・・・///

 

 

「俺でよかったら、喜んで」

 

 

俺は小猫を抱きしめた。

華奢な体だな・・・。こんな体のどこにあんな怪力があるんだろ?

 

 

「これからもよろしくな?小猫」

 

「こちらこそ、これからもよろしくお願いします。一夏君」

 

 

小猫の手をとり、二人で部室に帰っていった。

 

 

「あ、おかえり二人と・・・も?」

 

 

祐斗が俺と小猫を見るや固まった。

 

 

「あらあら、うふふ」

 

「あら、すっかり仲良くなったわね、二人とも」

 

 

部長も朱乃さんも俺たちを見ると何か微笑ましいものを見ているような顔をしてくる。

 

 

「部長、俺たち一応、付き合うことになりました」

 

「そう。やっとなのね。はぁ、私も後一年か・・・」

 

 

残り一年。

部長が上級悪魔のライザー・フェニックスとの婚約による結婚までの期間のことである。

あれからも何度かグレモリー邸にやってきたライザーとの話でせめて高校生活が終るまで、

という条件で部長の両親が向こうの両親と話をつけてしまった。

なにか打開する策を。と部長はいつも悩んでいる

 

部長も以前に比べると元気が減っている気がする。

誰か如何にかしてくれる人はいないものか・・・

 

 

夜になり、学校を出、家に向けて帰っていると

 

 

「にゃ~ん」

 

 

月夜に照らされている隅に一匹の黒猫がいた。

 

 

「黒猫?」

 

『お気を付けください、マスター。その猫、悪魔です』

 

「え?悪魔?」

 

 

思わず声に出してしまった。

すると、黒猫が姿を変え、黒を基調とした着物を着た女性へと変化した。その頭には猫を主張するような猫耳が生えていた。

 

 

「まさか気づかれちゃうなんてね。あなた、ひょっとして私を追ってきたのかしら?」

 

「追う?なんで?」

 

「それは―――「見つけたぞ!はぐれ悪魔黒歌!!」――ちっ!噂をすればって奴かにゃ!!」

 

 

数人の悪魔、堕天使、それにこれは、魔法使いか?

が黒歌をにらんでいた。

 

 

「なぜ、我々を拒む!カオス・ブリゲードに入り、ともに今の腐った悪魔を消し去ろうと提案しているのだぞ!」

 

「あんたらのやり方は好きじゃないにゃん。それに私は妹を守らなきゃなんないの。ただ、暴れようとしてるあんたたちに付いて行っても良いことなんて何にもないにゃ」

 

「いいだろう。おい、手筈通り奴を捕らえるぞ!」

 

 

アイツらがカオスブリゲードってテロリストか!

それにあの黒歌って悪魔、もしかしたら!

 

 

(アルトリア、やるぞ!)

 

『分かっています、行きましょう、マスター!』

 

 

俺はエクスカリバーを発現し、黒歌の前に飛び出す。

 

 

「何者だ!貴様!」

 

「リアス・グレモリー様の騎士。

織斑 一夏!これよりお前たちを斬る!!」

 

 

さぁ、戦闘開始だ!




はいっ!今回は黒歌が登場しました。

ヒロインにするにしてもある程度こっち寄りにしとかないと上手く絡みが作れないので、

今作の黒歌の扱いはオリジナルにしたいと思います。

まぁ、その影響で敵さんに新たなキャラが出ると思うんですけどね・・・


あ!ヒロインアンケートと並行して更にもう一個アンケートを募集したいんでそっちの方にも意見を寄せてくれるとありがたいデス!!


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23 黒猫の涙

俺は黒歌の前に立ち、カオスブリゲードの奴らからかばうように構える。

 

 

「リアス・グレモリーだと?偽りの魔王の血族の僕か!

構わん!こいつごと攻撃しろ!!」

 

「君・・・」

 

「あんたには聞きたいことがある。

だから、協力してこの場を乗り切るぞ!」

 

「にゃん、OKよ!」

 

「はぁぁぁ!!」

 

 

俺はエクスカリバー・イマージュで敵を切り裂いていく。

風王結界により剣が見えずにカオスブリゲードの奴らは混乱していた。

 

 

「何だ!?あの剣!?」 「刀身が見えん!不用意に近づくな!!」

 

 

と、剣の範囲から離れる。

そして、遠距離からの魔法を使って攻撃してくる。

 

 

「それなら私の出番にゃ!」

 

 

黒歌が俺の後ろから飛び出し、

魔力と何かの力を混ぜたものを敵に放つ。

 

 

「さぁ!仙術と魔力のミックスのお味はいかがかにゃ!」

 

 

敵は苦しみだし、ばたばたと倒れていった。

なんで、あんなに苦しんでるんだ?

 

 

「なんでって顔してるわね。

仙術は相手の体内に流し込むとその力の流れを狂わせることができるのよ。

今、あいつらは体内の魔力が異常をきたしてる筈よ。

これで、止めね!!」

 

 

黒歌は動けなくなっている敵の足元に魔法陣を展開させた。

あれって、転移の術式か?

 

 

「次元の狭間に飛ばすわ。

運が良ければ生きて出られるはずにゃ。

真龍に喰われないように気を付けなさい」

 

「ま、待て―――」

 

 

何か言おうとしていた悪魔も転移させられ、周囲にカオスブリゲードの連中はいなくなっていた。

 

 

「次は、この結界を解くにゃ。っと、その前に、助けてくれてありがとね、騎士ちゃん」

 

「騎士ちゃんて…。俺は織斑 一夏。あんたは、黒歌でいいんだよな?」

 

「そうよ。冥界では主殺しのSS級はぐれ悪魔って呼ばれてるけどね」

 

「その話、詳しく聞いてもいいか?」

 

「ぷっ、あはは、あんた面白いにゃ。今までの奴は話を聞こうともしなかったのに。

いいわ、話してあげる。

 

私は猫又の上位種なんだけど、その力を狙って元主の貴族悪魔がやって来たの。

数の暴力には流石の私でも無理だし、何より妹が一緒にいたから、私は妹に手を出さないってのを条件にその悪魔の眷属になったわ。

でも、ある時を境に私の力が急激に伸び始めて、元主は私の妹である白音にまで眷属になれ、と強要しようとしてた。私は妹をアイツから守るために殺し、逃亡したわ。

冥界では一方的に私が悪者扱いされて、今ではSS級のはぐれ悪魔よ。

妹の白音は魔王ルシファーに保護されたって話を聞いてるわ。

 

これが事の顛末よ」

 

 

何だよ、それ!?黒歌はただ、家族を守ろうとしただけじゃないか!

その仕打ちがこれなのかよ!?

待て、一旦、落ち着け。

 

 

「それで、黒歌はこれからどうするんだ?」

 

「また逃亡生活を続けるわ。逃げるときに妹を傷つけてしまったからね。本当のことを話すまでは死ねないもの」

 

「黒歌の妹、白音…だっけ?ルシファーに保護された後の話は何か無いのか?」

 

「使い魔で探らせた情報だと、グレモリー家で引き取られたって……あ!?あんた、リアス・グレモリーの眷属なのよね!?だったら、知ってるんじゃないの!?」

 

 

黒歌は俺の肩を掴み揺さぶってくる。

やっぱりか!?俺が初めてグレモリー家に行った時に小猫の話を聞いたときと今の話はどこか似かよっている!

て、ことは黒歌の妹って!

俺は黒歌を引放し携帯を開き、画像フォルダを開く。

 

 

「お前の妹ってもしかして、この子のことじゃないか!?」

 

 

その中にあった画像で一番上にあったものを黒歌に見せた。

 

 

「そう!この子にゃ!……でも、何で、あんたと一緒に寝てるのよ?」

 

 

黒歌に見せたのはさっき朱乃さんに送られてきた、昼間の俺と小猫の寝顔写真だった。

 

 

「ついさっきからだけど、俺と小猫ってその、付き合ってるんだ」

 

「な!?恋仲?しかも、さっき?てか、白音がこの町にいるなんて…」

 

 

おおう、黒歌が明らかに取り乱してるよ……。

 

 

「はぁ、白音にまさか先を越されちゃうなんてね。

とりあえず、ありがとう、一夏。妹の元気な姿を見れて良かったにゃ」

 

 

…このままでいいのか?このまま黒歌を行かせてしまっても?

次に会えるのがいつか何て分からないし、それこそ、追っ手に捕まったら生きて会えるかどうかも分からない。

……あ、そうだ!

 

 

「悪い、黒歌。少し待っててくれ!」

 

 

俺は携帯であるところへ電話する。

 

少ししてから、

 

 

「黒歌、俺と付いてきてくれ。これ以上、逃げないで済むようにできるかもしれない」

 

「え?あ、ちょっと!?」

 

 

問答無用で黒歌の手をとり、転位魔法を使う。

 

 

 

 

転位した先は、以前、サーゼクス様と共に訪れたアザゼル総督の人間界での家である。

 

 

「いきなり連れてきて…。どこなのよ、ここ」

 

「堕天使総督の隠れ家だよ」

 

「堕天使!?あんた悪魔でしょ!?何で堕天使のところに!?」

 

「お~、一夏。電話もらったから、準備はできてるぜ」

 

 

と、ローブ姿のアザゼル総督が部屋の奥からやって来た。

 

 

「お?お前さんがはぐれ悪魔の黒歌だな?お~、いい乳じゃねぇか」

 

「…一夏、どういうつもり?セクハラのために連れてきたのかしら?」

 

「いや、それについては本当に悪い。総督、あなた会ってそうそうにセクハラってどうなんです?人として」

 

 

俺と黒歌は冷めた目でアザゼルを睨む。

 

 

「なんだよ?いいだろ?俺は堕天使だし、それに俺が堕天したのはエロいこと考えてたからだ。

お前さんもいずれ分かるようになるぞ~」

 

「分かりたくないです。

それより、黒歌の保護の件OK何ですか?」

 

「へ?」

 

「おー、それに関しては今しがたサーゼクスに了解を得たところだ。

はぐれ悪魔の烙印を完全に消すには暫く時間がかかるから、それまではウチで引き取ることになっている」

 

「ちょ、ちょっと待つにゃ!?私を保護ってどういうこと!?」

 

「だから、黒歌。お前さんのはぐれ悪魔の烙印はサーゼクスが消すために動いているから、それまではウチでいろってことだ」

 

 

アザゼル総督が掻い摘んで説明する。

 

 

「黒歌、これでもう逃げなくていいんだ。これからは普通に生活できるぞ」

 

「嘘…?本当に?夢なんかじゃ無いわよね?」

 

「嘘じゃないって、何なら頬でもつねってみるか?」

 

 

俺は黒歌の両頬をつまみ、グニグニする。

 

 

「どうだ?」

 

「痛い…。夢じゃない…。これで、本当に白音に会えるの?」

 

「まだ、先だけどな──おっと」

 

「うにゃあー!ありがとう、一夏~!!」

 

 

黒歌が抱きついてきて、泣き出した。

俺は黒歌の背中を擦ってやる。

 

 

 

「今まで、頑張ったな、黒歌」



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旧校舎のディアボロス
24 駒王学園生活スタートです!!


今回から原作が始まる時期に突入していきます!


「新入生の皆さん、ご入学、おめでとうございます。皆さんが安心できる学園生活を送れるように、我々教員は精一杯支える所存です。これから、卒業までよろしくお願いします」

 

 

今日は駒王学園の入学式の日だ。

たびたび、駒王学園旧校舎の部室に来て、その際に色々と見て回っているからこれと言ってワクワクするほどでもなかった。

 

黒歌のことは、眷属の皆や妹の小猫にも話していない。

サーゼクス様が確実にはぐれの烙印を消し去るまでは秘密にしておくようにアザゼル総督に言われているからである。

 

それにしても、なんでこういう式典の時の偉い人の話って眠くなるんだろうか・・・。ふわぁ~

 

 

・・

・・・

 

 

ん?ああ、終わったのか。

いつの間にか長い話が終り、入学式も佳境に入っていた。

流石にここら辺からは起きておいた方がいいか・・・。

 

後は、校歌を歌って終わりかな?

 

 

それから校歌を歌ってから、それぞれのクラスの担任に連れられて教室に向かった。

ちなみに俺は小猫と空席だけどギャスパーと同じクラスだった。

 

 

「それでは、これから自己紹介をお願いします。出席番号の早い順でお願いします」

 

 

早い順てことは俺は8番目か・・・。何、話せばいいんだ?

そうだ、クラスの人に聞きたいことがあれば言ってもらおうか・・・

 

 

「はい!音逆さん、ありがとうございました。では、次は織斑君、お願いします」

 

 

お?俺の番だな?

 

俺は前の教卓に立ち、話し出す。

 

 

「えっと、藍越中学から進学してきた織斑 一夏です。一夏って呼んでください。

何を話していいのかよく分かんないので、何か聞きたいことのある人?」

 

 

とりあえず、話を振ってはみたものの、誰も手を挙げてくれない・・・困ったな。

お?小猫が挙げてくれた。はぁ、これでひとまずは助かったな。

 

 

「じゃあ、名前言ってもらってから質問内容を言ってもらっていいかな?」

 

 

俺は名前を知ってるけど、他の人は名前を知らなさそうだし、名乗ってからにしてもらうことにした。

 

 

「塔城 小猫です。では、彼女はいますか?」

 

 

ちょ!?いきなり何を聞いてきてるんだ、この子は!?

自分の彼女に「彼女はいるか?」って質問されるとか、なんだよ!?

なんか、クラスの奴ら囃し立ててるし・・・。

 

 

「なぁ、小猫?自分の彼女から彼女はいるかって質問される俺の身にもなってくれるか・・・?」

 

「いえ、質問してくれと言われたので」

 

「な、なぁ、織斑と塔城さんて付き合ってるのか?」

 

 

クラスの男子が問いかけてくる。

 

 

「あ、ああ。付き合ってるけど」

 

 

俺の返答をきっかけにクラスに大ブーイングと黄色い声が上がった。

聞いた感じ、小猫を狙っている奴が多かったようだ。

 

 

それから、騒ぎが続き、収拾がつかなくなり、自己紹介は俺で中断になってしまった。

 

 

それから昼休みになり、クラス内外関係なく、親交を深めようと皆昼食を取りに行っていたので、俺はとりあえず小猫と食べようかと思っていたが、

 

 

「塔城さん!俺たちと食べない?」

 

「いやいや!僕たちと食べようよ!」

 

 

ってな具合で席の周りに男子生徒が集まっていた。

 

 

「・・・すみませんが、先約があるので。一夏君、行きましょう」

 

「お、おう・・・」

 

 

小猫に付いていき、教室から出たのだが、その際の後ろからの視線がとても痛かった。

ああ、なんか、怖いな。

 

 

小猫と俺はとりあえず、校庭の隅の木の下が良い感じの温さだったので、そこで昼食を食べることにした。

 

 

「ほい、小猫。お前の分」

 

「ありがとう、一夏君」

 

 

付き合いだしてからは小猫にはなるべく敬語を使わないようにしてもらっている。

なんか、他人行儀な感じがするし、なにより同い年?だからである。

 

 

「それにしても、小猫。

入学初日からすごい人気だよな。知ってるか?なんか、ファンクラブみたいなのが設立されてるらしいぞ」

 

 

クラスの男子に聞いたが、何かマスコット的なロリ少女って感じで人気が急増してるらしい。

 

 

「正直、迷惑です。・・・、相変わらず、おいしいですね。ごちそうさまでした」

 

「あはは、相変わらず早いな」

 

「ふわぁ、少し眠くなってきた」

 

「寝てていいぞ?休み時間が終わりそうになったら起こすからさ」

 

「じゃあ少し――――すぅ・・・」

 

 

(ハハハ、寝るのも早いな・・・。あれ・・・?普通に受け入れたけど、この画は不味くないか!?)

 

 

今、俺は未だに昼食を食べている。

うん、ここまではいい。

小猫は俺が伸ばしている足の上のふともものあたりで寝ている。俗にいうひざまくらだ。

 

こんな状態を誰かに見られたら騒ぎ物だろう。

 

と考えていると

 

 

「見て!塔城さんが織斑君にひざまくらしてもらってるわ!」

 

「ホントだ!いいなぁ!」

 

「木場先輩は爽やかで素敵だけど、織斑君もああいう親身な感じが素敵よね!」

 

 

と女子生徒が遠くでキャーキャー言っていた。

入学初日から随分と品定め?されてるなぁ。ってか祐斗はホントに人気が凄いって分かるな。

 

 

「こら、待て!変態三人組ぃぃぃ!!」

 

 

その背景でまた、あの三人組の先輩が女子生徒に追いかけられていた。

 

 

「はぁ、あの人たちなんで懲りないんだろ?ここから出たら、一発逮捕されるのに・・・。

でも、ホントなんで通報とかされないんだろ?」

 

『マスター、いいですか?』

 

(アルトリア?)

 

『あの追いかけられている男たちの先頭の人・・・。

神器を宿しています、それも強力な』

 

(本当か?どんな神器か分かるか?)

 

『そこまでは・・・。ですが、私に、いえ、アーサー王にゆかりのある何かだとは思います』

 

 

あの人に神器が…。

下手に接触して警戒されても危ないしな。

今は、軽く注意だけにしておこうか。

 

ここ、日射しが心地いいからゆったりできるなぁ、俺も眠くなりそうだし、音楽でも聴いて時間潰すかぁ。

 

俺は携帯に入っている音楽を聴きながら、時間までゆったりとしていた。

つい、手が伸びて、時々、寝ている小猫の頭を撫でていた。

 




駒王学園の生徒の様子がうまく表現できないぃぃ!

ああ、英霊に、某怠惰のあの人を出してみたいなぁ(笑)


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25 初お仕事です!

やっと25話まで来ました・・・。

なんかこれだけでもかなり疲れた気がします・・・

皆さん、FGOどうでした?
イリヤ当たりましたか?
自分は爆死でしたよ・・・。ただ、うれしかったと言えば、クロエの再臨素材が全部集まったことですね・・・


「さぁ!今日からはあなた達にも悪魔の仕事をやってもらうわよ!」

 

 

悪魔の仕事。

悪魔は人間の欲望をかなえ、その対価を貰い関係が成り立っている。

人間は俺たちがこれから配るチラシに書かれている魔法陣に対し、念を込めるだけで悪魔(この場合は俺たち)を召喚でき、願いの内容を言ってもらう。

ちなみに今日はチラシ配りが仕事の内容だ。

 

 

「部長、チラシを配る範囲はどこら辺までですか?」

 

「そうね・・・。私の領土つまり駒王町に隣接する町までにしましょうかしら」

 

「わかりました。早速行ってきます」

 

 

俺は魔法陣で転移した。

 

 

 

「ここなら結構、配れそうだな。あ・・・、IS学園」

 

 

俺が転移した先は駒王の隣町で俺の実家がある町さらにいうとIS学園のある島の近くだ。

今回は、ここのレゾナンスというショッピングモールでチラシ配りを行う。

 

 

「ただ、気をつけないとな・・・」

 

 

この町はIS学園の近くということもあって、何故か女尊男卑の思想をもつ人が結構いる。

故にここで男である俺がトラブルの被害者になったとしても、相手が女性なら俺が捕まることになりかねない。

 

 

とりあえず、慎重に配ろう。

 

 

「よろしくおねがいしま~す!」

 

 

その掛け声と共に俺はチラシを道行く人に渡していく。

このチラシに書かれている魔法陣には俺たちを呼ぶ術式のほかに、チラシへの興味が行くように【魅了】の術式が軽く組み込まれている。

だから、チラシを差し出せば相手が自然に受け取ってくれるので、正直楽である。

 

 

「あ、お願いしまーす」

 

「ん~何これ~?」

 

「あ、チラシ配りです。良かったら一枚どうぞ」

 

「へぇ~?悪魔~?面白そ~!」

 

 

なんかのほほんとした制服姿の女の子がチラシを持って行ってくれた。

今の制服・・・。IS学園か・・・?

 

お?さっきのが最後の一枚だ、んじゃ、帰るか。

 

 

俺は人気のないところで転移した。

 

 

 

「部長!終わりましたよ!」

 

「あら、イチカ、早かったわね」

 

「隣町の人が多いとこでやってたので結構楽に終わりました」

 

「お疲れ様です、一夏君。はい、冷たいお茶です」

 

「あ、朱乃さん、ありがとうございます」

 

 

俺はお茶を少しずつ口に入れていく。

 

 

「祐斗と小猫はまだですか?」

 

「そうみたいね。活動は明日の夜からだから、今日は自由にしてくれて構わないわ」

 

 

自由か・・・。

そうだ、真羅先輩が槍の相手をしてくれって言ってたっけ。

 

 

「じゃあ、槍術部に行って来ようと思います。

真羅先輩に誘われていたので」

 

「分かったわ。小猫にも戻ってきたら伝えておくわね」

 

 

俺は部長と朱乃さんに別れを告げて、武道場に向かった。

駒王学園の武道場はかなり広く、武道場を用いて行う部活すべてが練習を行えるくらいの広さだった。

 

(これもサーゼクス様が結構な資金をつぎ込んだんだろうな・・・)

 

 

武道場に入ったら、どの部も鍛練を行っていた。

剣道をしてたころがなつかしくなる感じだった。

槍術部のところにむかうと、真羅先輩がいたので声を掛けた。

 

 

「真羅先輩、こんちには。

以前、言っていた試合をしに来ました」

 

「織斑君、よく来てくれました。

早速ですが、試合を始めましょう。ルールは以前の様に武器を落とすまでか相手の急所で寸止めでいいですね」

 

 

俺は、防具一式と槍を借りて真羅先輩に相対する。

 

 

「それでは、始め!」

 

「「!!」」

 

 

お互いが踏み出す。

一応、試合を行うときは、悪魔の力を抑え、尚且つ実戦を想定した戦いをしている。

真羅先輩は薙刀を、俺は長槍を振るうイメージをしながら戦っている。

 

 

「はあっ!」

 

 

真羅先輩が俺の腹部辺りを薙ぐように槍を振り抜くので、それをしゃがんで躱し首元に突きを加えようとした。

しかし、その突きを槍を縦に構え軌道を逸らし、俺の槍は先輩の顔の横の空を突いた。

 

 

「その攻め方…。相変わらず容赦が無いですね」

 

「真羅先輩、あなた程の相手に加減などしたらこちらが負けてしまいますよ。

それに、あなたもそれは望んでいないでしょ?」

 

「ええ、そうです、ね!!」

 

「ぐっ!?」

 

 

真羅先輩は俺から距離を取るために体当たりをし、距離をとった。

 

 

「凄いわ、あの彼!真羅さんとあそこまでやり合うなんて!」

 

「彼って新入生の織斑君よね!確か織斑 千冬選手の弟の!」

 

「そういえば、彼もIS学園に行くはずだったよね?何でこっちに来たのかな?」

 

「専用機の開発完了次第、転校するそうよ。だから今のうちに仲良くなっとかないと!」

 

「でも、織斑君て彼女いるのよね?」

 

「知ってる!一年の塔城って子だよ!とても可愛いんだ!」

 

 

周りからそんな声が聞こえてくるが俺はそれらが気にならないくらいに集中していた。

もっと速く!最速の突きを!

あの時の男の槍捌きに比べたらこんなの!!

 

モンドグロッソの時に俺が戦った長槍の持ち主。

アイツは俺の槍なんかよりもずっと素早い突きを繰り出してきていた。

あれを超えるくらいにもっと!!

 

 

「・・・お見事です・・・」

 

 

気づけば真羅先輩の首筋に槍を突き付けていた。

 

 

「ありがとうございました」

 

「こちらこそ、いい練習になりましたし、彼女たちにもいい刺激になったと思います」

 

 

真羅先輩が指さす方には

拍手を贈ってくれる槍術部の先輩方がいた。

俺は先輩たちに一礼する。

 

 

「それでは俺はこれで・・・。また、よろしくお願いします」

 

「ええ」

 

 

俺は武道場を出ていく。

外には小猫が待っていた。

 

 

「小猫、来てたなら入ってくれば良かったのに」

 

「ううん、ここから見てるだけでも十分だから」

 

「今日、夕飯どうする?」

 

「え?一夏君が作るんじゃないの?」

 

「あ・・・そこは決まってるのか。まあ作るけど、リクエストは何かあるか?」

 

「コックにお任せします」

 

「はいはいっと。じゃあ、買い物行くから付いてきてくれるか?」

 

「はい」

 

 

俺と小猫は暗くなりかけている道を話しながら歩いていく。




着実に一夏は駒王学園になじんできてますね。
未だに入学らへんですが・・・

そろそろ、原作本の内容に入っていこうと思います。

一夏・・・使い魔どうしよ?


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26 IS学園にて依頼です!

あかん、あかんよ。


クロエと楯無さんが被ってしょうがない・・・
もう何なの!?あの小悪魔笑顔!?ホントに可愛くてしょうがない!!

ま、自分は簪押しですが(笑)

そんなこんなで今日もがんばるぞー!


SIDE 一夏

 

 

さて、昨日にチラシを配り終えたし、あとは依頼が来るのを待つだけ・・・っと、早速呼ばれたみたいだな。

 

 

「イチカ、あなたに仕事の依頼が来てるわよ。すぐにジャンプしなさい」

 

「わかりました!行ってきます!」

 

 

俺は魔法陣を展開し、呼ばれた場所へと転移する。

 

 

 

 

「わわ!!本当に来たよ~!!」

 

「・・・すごい、魔法陣が出たと思ったら、本当に悪魔が・・・」

 

 

俺が転移してきたのはどこかの高級そうな一室でそこには二人の女の子がいた。どちらも寝間着だった。

あれ?なんかのほほんとした子って昨日、チラシ配りで会った気が・・・。

俺は記憶をたどってみると、確かに会っていた。

けど、認識疎外の魔術で俺の事は覚えていないはずだよな。

 

 

 

「あ~、昨日会った人だ~。へぇ~君って悪魔だったんだね~」

 

 

認識疎外が効いていない!?

ってことは、この二人は裏側に関係する人間ってことか!?

 

 

「ああ、昨日も会ったな。俺は織斑 一夏だ。

いきなりで悪いんだけど、二人は俺や他の種族のことも知ってるのか?」

 

「うん~!天使、堕天使、悪魔、神様~!」

 

「私たちの家は暗部の一族だから、裏の情報も入って来るの。日本神話経由で」

 

「日本神話・・・。天照が主神を勤める神話か・・・。

まあ、とりあえず、願いか頼みを聞こうかな。何か、あったから悪魔である俺を呼んだんだろ?」

 

「私は更識 簪。あなたにお願いしたいのは、私のISの開発の手伝い」

 

「開発の手伝い?更識さんはISを自分で作ってるのか?」

 

「苗字は好きじゃないから簪でいい。

男性IS操縦者の織斑 冬八が現れたことで私の専用機を開発しているところが私の機体の開発を中断してしまったの。だから、自分で引き取って開発を進めている。

そういえば、あなたってもう一人の男性IS操縦者だよね?確か専用機を開発中で入学は延期なんだっけ?」

 

「そうだな。

俺の機体は未だに未完成だからそれが完成するまでは駒王学園に通ってるんだ。

最も、ISなんて偶然動かしただけだし、駒王学園にずっと通ってたいんだけど、そうもいかないみたいだしな。

ところで、もう一人の君の名前は?」

 

 

俺はのほほんとしている彼女の名を訊ねた。

 

 

「わたしは~布仏 本音~。よろしくね、おりむ~」

 

「ああ、よろしく」

 

「それで、私のISを作るのを手伝ってもらえるの?」

 

「ああ、ちょっと待っててくれ・・・」

 

 

俺はそう言って、懐から端末を取り出す。

 

 

「何それ?」

 

「願いの内容を打ち込むとそれに見合う対価が何かを示してくれる機械なんだよ―――っと、簪の場合、対価は俺の些細な願いを叶えてもらうことだな」

 

「それって、恋人になれとかじゃないよね?」

 

「違う。どこのラノベの話だよ。

俺の願いは、俺が悪魔で男性IS操縦者ってことを更識の当主に言わないでほしい」

 

「そんなのでいいの?な、ならできれば、私たちが日本神話の所属ってことをあなたの主には言わないでほしい」

 

「ああ。それは言わないよ。依頼者の情報は漏らさないようにするのが俺たちグレモリー眷属の掟みたいなもんだから」

 

「なら安心・・・」

 

「ならこれで簪と俺との契約は成立だ!早速開発に取り掛かろうか?」

 

 

俺は簪に問いかける。

 

 

「ううん、今日はいい」

 

「今日は~お菓子パーティーをする予定だったのだ~」

 

「お菓子パーティー?」

 

「そうだよ~。召喚された悪魔さんと三人でやるの~。だから、おりむ~は私達とお菓子パーティーなのだ~」

 

 

それから本音と簪とお菓子パーティーをして、何やかんやでわいわい騒ぎ、連絡先を交換して俺は部室に転移した。

依頼の際には連絡してもらい、それからISの開発に移るので、期間は不定期で話が付いた。

 

 

「ただいま戻りました」

 

「おかえり、イチカ。どうだったかしら?」

 

「契約は完了しました。ですが、呼ばれるタイミングが不定期なので他に契約を入れた場合、被る場合があるかもしれません」

 

「そう。なら、あなたはその仕事に専念してちょうだい。にしても、早速契約を取れるなんてあなたやるわね!」

 

 

部長は俺を撫でながらそう言ってきた。

 

 

「あの、毎度言ってるんですが、撫でるのは止めていただきたいのですが」

 

「えー、いいじゃない!っと、私も呼ばれたようね。今日はもう解散してくれて構わないわ。と言っても、あなたは小猫を待ってるのでしょうけど」

 

 

そう言い残し、部長は転移していった。

部室に一人残った俺は、ギャスパーにチャットを送ってみた。

 

 

 

一夏:そっちどんな感じ?

 

ギャスパー:そーですね、僕の方はパソコンを介しての悩み相談が主になってますね。さっきも三人くらい悩み相談をしてました

 

一夏:凄いな。初日からそれだけ活動してるんだから

 

ギャスパー:一夏君はどうでしたか?

 

一夏:一応定期の契約は取れたぞ。喚ばれる時が不定期だから1つしか取ってないが

 

ギャスパー:定期の契約が取れたなら凄いじゃないですか!っと、依頼人からメールが来たのでこの辺で

 

 

そう表示されると、『ギャスパーさんが退出しました』と表示された。

 

それから俺は皆が帰ってきてもいいように、お茶の準備を始めた。

 

 

「あら、一夏君、戻ってきてたんですね。随分と御早いことで、うふふ」

 

「朱乃さん。朱乃さんも終わったみたいですね。よかったらお茶、飲みますか?」

 

「ええ、喜んで」

 

「僕にも貰えるかい?」

 

「うおっ!?祐斗、帰ってたのか!?」

 

 

いつのまにか、部室に祐斗がおり、ソファに座っていた。

 

 

「そんなに驚かなくても・・・。

それより僕にもお茶を貰えるかい?」

 

「わかったよ、それで二人とも依頼の方はどうでした?」

 

「僕は疲れた人への料理をやったよ」

 

「私はちょっと特別なマッサージを・・・」

 

「特別なってマッサージに特別とかあるんですか・・・」

 

 

俺は呆れながら朱乃さんに聞いてみた。

するとだ!

朱乃さんが俺の後ろから腕を回して抱き着いてきた。

 

 

「ちょ!?いきなり何するんですか!?」

 

「よろしければ、して差し上げましょうか?・・・特別なマッサージを」

 

 

耳元でそうささやいてくる。

その瞬間、俺は誰かに強い力で引っ張られた。

 

 

「・・・ダメです、一夏君は渡しません」

 

 

小猫だった。

小猫は俺を引っ張り、俺の右腕にしがみついている。

 

 

「あらあら、小猫ちゃんに邪魔されては仕方ありませんわね、うふふ」

 

 

そういうと、朱乃さんは俺から離れていった。

 

 

「無事ですか、一夏君。何かされてませんか?」

 

「だ、大丈夫だから、心配してくれてありがとな」

 

 

俺は小猫をなだめてから再びお茶の準備をする。

 

 

「小猫は依頼はどうだったんだ?」

 

「・・・なんか、色々と着替えさせられました」

 

「服のモデルの依頼だったのか?」

 

「いえ、相手は所謂オタクの人でした」

 

「・・・その依頼主は本当に大丈夫なのか?」

 

 

なんか、小猫が心配になってきたな・・・

 

 

「問題ありません。その人、私に触れたりしたら寿命が尽きてしまうくらいの対価を失いますから」

 

「ホントにその依頼主は大丈夫なのか?」

 

 

依頼主の人も心配になってきたぜ・・・。

 

 

「そう言う一夏君はどうなの?」

 

「あ、僕も気になるな」

 

「私にも教えてくださいませんか?」

 

 

三人に聞かれた。

簪との契約もあるしな・・・。

 

 

「依頼主の要望であまり多くは話せないですけど、物作りの手伝いですね。今日はそのための軽い顔合わせみたいなものです」

 

 

まぁ、IS作りもある意味物作りだし、嘘じゃないよな。

 

 

「そうだ。俺、少し用事があるんでこれで失礼しますね」

 

「分かりました、部長には伝えておきます」

 

「それではまた明日」

 

 

俺は部室から出ていった。

 

 

 

その後、俺は俺の専用機を開発してくれているアザゼル総督のいるグリゴリに向かった。

 

 

「お?一夏じゃねぇか。

珍しいな、お前がここに来るなんて」

 

「こんばんは、総督。

俺のISの件はどうなってますか?」

 

「まだまだ開発には時間が掛かるな。うちの連中は色々試してみたいそうだぜ?かくいう俺も、うずうずして仕方ないがな」

 

 

アザゼル総督はニヤニヤしている。

この人、総督よりも研究者の方が合ってるんじゃないか?

 

 

「それはそうと、お前さん、今日はどうしたんだ?」

 

「黒歌に会いに来たのとISについて知りたくて」

 

「ISに?お前、ISにはそれほど興味が無いんじゃなかったのか?」

 

「悪魔の依頼で開発関係の依頼がありましてね。知識が欲しいんですよ」

 

「ほう、開発か・・・「あ、ここで開発はしなくて結構ですから」・・・なんだよ、ケチだな」

 

 

アザゼルさん?

俺の機体を開発しているだけでも十分じゃないんですか?

 

 

「開発のことなら俺が教えてやってもいいぜ?一応、技術者だ。

お前にノウハウを叩き込んでやろうか?」

 

「いいですか?ならお願いします」

 

「おうおう、任せときな。

にしても悪魔の依頼か・・・。俺も頼んでみようかな?」

 

「一体、何を頼むつもりですか・・・」

 

 

 

その後、アザゼル総督のもとでISについて教わり、黒歌に会い、話をしてから寮に帰った。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

おまけ

 

 

「にゃ~ん!一夏~!!」

 

「うわっと!落ち着けよ、黒歌!」

 

 

黒歌のいるところに向かうと、いきなり飛びついてきた。

 

 

「会いたかったのにゃ!それで、妹は元気かにゃ?」

 

「ああ、小猫――白音は元気だぞ。写真もあるし見てみるか?」

 

 

俺は携帯に保存されている小猫の画像を黒歌に見せた。

 

 

「ああん!白音ってば本当に可愛いんだから~!!

私も早く白音に会いた~い!!」

 

「サーゼクス様が如何にかするまで我慢してろよ」

 

「!そうだ!私、一夏にお願いがあるの!」

 

「お願い?」

 

「私も白音みたいに寝させてほしいにゃ」

 

「小猫みたいに?」

 

 

は!?まさかあの時の写真の奴か!?

 

 

「一夏に抱き着いて寝たいにゃ!・・・ダメ?」

 

 

流石、小猫の姉ってところか・・・

上目づかいが俺をピンポイントに刺激してくる・・・!

 

 

「わ、わかったよ・・・」

 

「わーい!ありがとー!!」

 

 

黒歌の部屋のベッドに横になるとそこに黒歌がくっついてきた。

 

 

「!?」

 

「?どうしたにゃ?」

 

 

やばい、小猫との違いが露骨に主張してる!

頼む、持ってくれ、俺の理性・・・!!

 

 

「にゃん も・し・か・し・て・・・?これが気になるのかにゃ?」

 

「ちょ、黒歌、やめろ・・・!」///

 

 

黒歌は俺に豊満な胸を押し付けてくる。

 

 

「あらら?一夏って意外と初心?」

 

「頼む、ホントに勘弁してくれ・・・」

 

「・・・しょうがないにゃ。白音の彼氏だし、寝取るような真似は流石にしないわよ」

 

 

俺は黒歌から解放された。

はぁ、助かった。

 

 

「俺、そろそろ帰るから」

 

「うん、また来てくれる?」

 

「ああ。また来るよ」




はぁ、冒頭でクロエと楯無が似てるって書いたけど、

黒歌も楯無に似てるように思えてきた・・・。
なんか、自分の中で三人がごっちゃになって・・・。

とりあえず、簪の登場です。
地味にIS学園のメンバーと交流を深めてます、一夏君。

IS開発の手伝いを依頼内容にしました。
一瞬、アザゼルたちに作らせようか考えましたが、それはまたえげつないことになりそうなので、控えることにします。

それではまた次回!
あ、アンケートの方もよろしくね!!


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EX1  使い魔ゲットです!(一夏編)

今回は少し番外編です。


「使い魔ですか?」

 

「ええ、そうよ。あなたは人間界で生活してたから中々持つ機会が無かったけれど、今回ソーナの眷属の仁村さんが使い魔を貰いに行くから、あなたも付いていけないか頼んだらOKがもらえたのよ」

 

 

ほう?使い魔って、部長や朱乃さんの持ってるコウモリや小鬼のことだったよな。

 

 

「小猫や祐斗も持ってるんでしたっけ?」

 

「はい」「持ってるよ」

 

「うわ!?いつの間に後ろに!?」

 

 

最近、よく背後を取られてる気が……。

 

 

「私はこの、白猫のシロを」

 

「僕はリーフバードのウィンディを持ってるよ」

 

 

小猫は頭に白猫を乗せ、祐斗は肩に羽根が葉っぱで形成されているリーフバードを乗せていた

 

 

「使い魔って、どんなのがいるんですか?やっぱり小さいのが普通なんですか?」

 

「いえ、使い魔には様々な種類があるから小さいのが普通ってことは無いわ。

精霊や獣、果てはドラゴンまで使い魔にできるものは様々よ」

 

「使い魔マスターに俺はなる!」

 

 

小猫はどこからか取り出した帽子をかぶり、そんな昔のアニメのセリフを言い出した。

てか、使い魔マスターて何さ?

 

 

「…反応してください」

 

「いや、どう?」

 

 

小猫はプクーッと頬を膨らませると、帽子をとり、俯いたままぽかぽかと俺を叩いてくる。

ルークの駒の力でこれが地味に痛い。

 

 

「相変わらず、仲の良いカップルだこと。

それで一夏?使い魔の話は受けるので良いのよね?」

 

「ええ、それで構いません。───ほら、小猫?機嫌直せって」

 

「ッッッ!!!」///

 

 

俺が頭を撫でると、小猫は顔を真っ赤にして叩くのをやめる。

 

 

「じゃあ、皆でイチカの使い魔を手に入れるのを見に行きましょうか」

 

 

それから、俺たちは生徒会のソーナ会長たちと合流し、使い魔の森と呼ばれる、冥界のエリアへ転移した。

 

 

「ここが使い魔の森ですか?」

 

「そうです。私達もここで使い魔と契約することができました。

今日は留瑠子と織斑君の使い魔をここで契約します。

ほら、匙、いつまでもくよくよしないで」

 

 

ソーナ会長は匙先輩にそう叱咤する。

どうやら匙先輩と仁村でどっちが使い魔を得るかの勝負を行い、負けてしまったらしい。

 

 

「ううう、あの時、チョキを出してれば・・・」

 

 

勝負はじゃんけんで決めたそうだ。

 

 

「ゲットだぜ!!」

 

 

突如、おっさんの叫び声が森に反響する。

 

 

「誰だ!!」

 

「落ち着いて、イチカ。

敵じゃないわ」

 

「俺の名はマザラタウンのザトゥージ!使い魔マスターを目指す男だ!俺にかかれば欲しい使い魔即日ゲットだぜ!!」

 

 

明らかにパチモンの匂いがするおっさんが現れた。

 

 

「シトリーのお嬢様とグレモリーのお嬢様。

本日はお二人の眷属の使い魔を探せばよいのですかな?」

 

「ええ。留瑠子、織斑君、あいさつを」

 

 

俺はザトゥージさんに挨拶をする。

 

 

「それじゃあ、要望はあるかい?強いのからえげつないのまでなんでもそろってるぜ?」

 

「あ、あのできれば私はそこまで強いのは・・・」

 

「そうなのかい?なら、アンタは俺が案内しておすすめのところに連れて行こう。

悪いが、グレモリー様の眷属の方は自分で探してくれねぇか?

パンフレットを渡しておくから好きなのを選んでくれて構わないぜぇ」

 

 

俺はパンフレットを受け取り、パラパラと中身を見ていく。

 

へぇ、色んなのがいるな・・・。って、部長や小猫たちの使い魔って全部難易度低いんかよ!?

 

 

「イチカ、やっぱり手に入れるのなら強いのよね!!」

 

 

部長は目をキラキラさせながらそう言ってくる。

 

 

「いや、部長。皆、難易度低いのを使い魔にしてるんですから俺も―――」

 

「そんなことありませんわよ、一夏君?

私の連れている小鬼の詳細をご覧になってくださる?」

 

 

朱乃さんに言われた通り、朱乃さんの使い魔の小鬼の詳細を見ると

 

 

「・・・成長すれば、使い魔の森の中でもイイ線行くほどの実力を持つ・・・。マジで?」

 

「はい、マジですわ」

 

 

初期の難易度が低くても、成長によっては難易度は跳ね上がるのか・・・。

 

 

「じゃあ、少し森の中を歩いてみませんか?せっかくだし実物を色々と見てみたいので」

 

 

俺の提案に賛同し、眷属で使い魔の森を歩いていく。

 

 

「ここの森って何が一番強力なんですか?」

 

「五大龍王のティアマットね。でも、今まで誰も使い魔にできてないから、触れられない存在となっているわ。

そのパンフレットの赤いサークル、そこが主なティアマットの棲み処よ」

 

 

地図を見てみるとそこには、端っこの方に赤いサークルがあり、危険領域と書かれていた。

 

 

「あ、ウンディーネがいます」

 

 

ウンディーネ。確か水の精霊だったよな?

でも、写真を見た感じ、俺が知ってるウンディーネとは全く違う気がする。

 

だって――――

 

 

ドカッ!

バキッ!!

ドゴォォン!!

 

 

物理攻撃が主体のガチムチウンディーネなんて見たこと無いわ!!

何アレ?冥界じゃあれが普通なの?

 

 

「部長、あれって本当にウンディーネ何ですかね?」

 

「ええ、そうよ。この時期は縄張り争いが激しいようね」

 

 

あれはもう、見なかったことにしよう・・・。

 

 

それからしばらく歩き続けると、

 

 

「ガァァァァ!!」

 

 

と獣のような叫び声が響いた。

 

 

「不味いわ!皆、戦闘準備!!」

 

「?何ですか、部長?この鳴き声は!」

 

「ガーゴイルの声よ!私達は、その縄張りに踏み込んでたみたいだわ!」

 

 

すると、上空から大きな羽に強靭な爪をもつガーゴイルが降下してきた。

 

 

「部長、作戦は!?」

 

「連携を取りつつ各個撃破よ!」

 

「「「「了解!」」」」

 

 

祐斗と小猫が突っ込み、朱乃さんは術の詠唱を始める。

俺は銃を構え、水弾を発射する。

 

ガーゴイルの戦闘力はそれほど高くなく、水弾一撃で沈められるくらいだった。

しかし、数が多い・・・!

 

 

「きゃ・・・!」

 

「小猫!ちぃ!離れろ、お前ら!!」

 

 

俺はエクスカリバーで小猫の周りの敵を薙ぎ払う。

 

 

「部長!このままでは不味いです!俺が一斉に薙ぎ払います!」

 

 

俺は聖剣に光を束ねていく。

 

 

「!!イチカ!後ろ!!」

 

「しまっ!?」

 

 

俺は力をためることに集中してて背後からの攻撃に気づかなかった。

 

しかし、

 

 

「キュィィィ!!」

 

 

白銀の小さな龍が俺に接近していたガーゴイルをその小さな体からは考えられないブレスで焼き尽くした。

 

 

「よし!皆、伏せて!エクス!カリバ―――――!!!」

 

 

俺はエクスカリバーイマージュを横に薙ぎ払う。

空中を飛んでいたガーゴイルはそれをもろに受け、多くは消滅。残ったものもかなりの傷を負い、逃げ出していった。

 

 

「皆、無事ですか?」

 

「ええ、何とか。

助かったわ、イチカ」

 

「相変わらず、すごい力ですわね」

 

「いずれはそれも超えて見せるよ」

 

「ありがとう、一夏君」

 

 

小猫以外、大した負傷は無かった。

!?俺は小猫にすぐに上着を脱ぎ、小猫に着せた。

 

 

「?」

 

「小猫、服、破けてる」

 

「!・・・ありがとう、ございます。見てませんか?」///

 

「だ、大丈夫。一応は」

 

 

がっつり見てしまったなんて言えない・・・。

 

 

「なんだなんだ!?」

 

 

ザトゥージさんやシトリー眷属の皆がやってきた。

事情を説明すると、謝罪が返ってきて、このエリアも注意エリアに登録することになった。

 

 

「キュイ!」

 

「お?さっきの奴じゃん。さっきはありがとな」

 

「お、お前さん・・・!?それはリンドヴルムの幼体じゃねぇか!!」

 

「リンドヴルム?」

 

「五大龍王には入れないがそれに近い実力を持っている、別名、番外の龍王だ」

 

「お前、そんなにすごい奴だったんだな?」

 

「キュイ?」

 

「そのリンドヴルムはお前さんになついているようだぜ。

使い魔にしてみたらどうだい?」

 

「そうですね。

なら、お前を俺の使い魔にさせてもらうぜ?」

 

「キュイ!!」

 

 

それから契約を繋ぎ、俺とリンドヴルムは使い魔と主の関係になった。

 

 

「これからよろしくな、リム(・・)

 

「キュイ!!」




一夏の使い魔はリンドヴルムにしました。

こいつがこれからどう成長するのか?
期待しててください。

それではまた!!


次はあの変態が!!


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27 兵藤一誠

今回、ちょっとずつ原作へ踏み込んでいきます!

あ、アンケートは未だに募集中ですよ~


「そうそう、そこのプログラムをこんな感じに変更するんだ」

 

 

俺は簪にアドバイスしながら、ISを製作していた。

 

 

「でも、ここはこっちの方が良いと思う」

 

 

簪の造ろうとしているISは特殊武装にマルチロックオン式のミサイルを考えているので、今回、マルチロックオンシステムの演算処理の計算を行っていた。

これが、なかなか難しくかなりの苦戦を強いられていた。

 

 

「いっち~、かんちゃん、お菓子食べよ~」

 

 

本音がそう言うので、俺たちは作業を中断した。

俺に対しての呼び方が変わったのは、冬八にも『おりむー』呼びを使っているので、区別するためだそうだ。

 

本音がお茶菓子を用意し、俺はお茶を準備した。

 

 

「うん!やっぱりいっち~のお茶は美味しいね!」

 

「ホントに」

 

「まぁ、貴族悪魔の眷属だからな・・・。半端なお茶を出すのは流石に忍びないというか」

 

 

それから三人でお茶とお菓子を楽しみ、その日は解散となり俺は部室に転移した。

部室に帰ると、今日は誰もおらず、俺はそのまま帰宅することにした。

 

 

翌日俺と小猫が教室に早めに入ってから、部長からメールが来て、始業のチャイムが鳴る前に、部室に向かうことになった。

 

 

「おはようございます、部長。それで、連絡があるそうですが、一体?」

 

「おはよう、二人とも。

昨日の晩、この町に堕天使が現れたわ。いえ、既に潜伏していたという方が正しいかしら」

 

「堕天使が!?なぜ、気づけなかったんでしょうか!?」

 

「おそらく、堕天使の本拠地に強力な結界があるのかもしれないわ。

だから、場所が特定できないのよ」

 

「それなのに、部長はなぜ堕天使がこの町にいると分かったのですか?」

 

 

小猫が俺の聞きたかったことを代わりに聞いてくれた。

 

 

「昨日、依頼で転移した先で学園の生徒がひん死の重傷を負っていたの。

その傷口が堕天使の光の槍でできた傷だと分かったからよ」

 

「それで!その生徒は無事だったんですか!!」

 

 

俺は部長に詰め寄った。

 

 

「え、ええ、無事よ。

ただ、その生徒を助けるためには悪魔の駒を使うしかなかったわ」

 

「じゃあ、その人は、転生悪魔になったってことですか?」

 

「そうよ。私の持っていた兵士の駒全てを使ってね」

 

「「八個全て!?」」

 

 

それほどに強力な人がこの学園にいたなんて・・・!?

いや、待て?

 

 

(アルトリア、この前、兵藤先輩がアーサー王にゆかりのある神器を持ってるって言ってたよな?)

 

『ええ。おそらく、眷属になったのはその者でしょう。

それと、その者が持っている神器はおそらく神滅具』

 

(神滅具・・・。それなら兵士の駒全てってのも納得か・・・)

 

 

 

俺がアルトリアと会話をしていると、

 

 

「それでイチカ。あなたに頼みがあるの」

 

「頼み、ですか?」

 

 

部長が俺に話しかけてきた。

 

 

「堕天使総督の会社に出入りしているあなたにしか頼めないわ。アザゼル総督にこの度の堕天使の件を聞いてきてくれないかしら?」

 

「わかりました。アザゼル総督に聞きに行ってみます」

 

「お願いね。

小猫も、気を付けておいて」

 

「わかりました」

 

「それで、聞きたかったんですけど、眷属にしたのっていったい誰なんですか?」

 

 

俺は部長に聞いてみた。

まぁ、帰ってくる答えには予想がついていた。

 

 

「二年の兵藤 一誠よ」

 

 

やっぱりか・・・。

って、うわ!?小猫が露骨に嫌な顔をしてる。

まぁ、普段からあんなふうにしてたら小猫みたいな反応する人がいてもおかしくはないか。

 

 

「小猫、あからさまに嫌そうね」

 

「ええ、まぁ」

 

「もし、彼が何かしてくるようなことがあれば、あなたの彼氏に守ってもらいなさい?」

 

「よろしくお願いします」

 

「あ、あはは。味方同士で争うのは・・・」

 

「味方ですけど、女の敵です。一夏君は私が兵藤先輩にナニカされてもいいの?」

 

「全力で守ります!」

 

 

俺は即答した。

そうだよ。彼女を守るのは彼氏の務めじゃんか!

と言うわけで兵藤先輩、まだ特に関わっていませんが、小猫にナニカしたら容赦しないんで!

 

俺は心の中でそう決意した。

 

 

 

その後、学校は滞りなく進んだ。

昼休みに兵藤先輩が何かの聞き込みを繰り返していたそうだけど、俺はいつも通り、小猫と過ごしていた。

放課後、アザゼル総督の元へ行き、IS開発について聞くついでに、部長からの頼まれごとの件を話した。

 

 

「この町に堕天使が!?しかも、神器持ちを襲った!?

俺はそんな命令を出してないぞ!神器に関しては相手の協力の元、研究を行っているからな」

 

「では、今回の件は総督の命令では無く、一部の堕天使の独断である、と?」

 

「ああ、そうだ。ついでで悪いが、そいつらがお前さんたちに危害を加えるようなことがあれば捕縛もしくは始末してもらって構わない」

 

「それならもう一つ聞きたいことがあります。

駒王町で堕天使は何をしようとしているのか。それと、奴らの潜伏拠点にするならどこを選ぶか。

分かるようであれば教えてくれませんか?」

 

 

これで少しでも有力な情報が得られれば・・・

 

 

「神器持ちを襲うってことは神器を抜き取る、もしくは悪用することが目的だろう。

神器はある術式で奪い取ることができる。

しかし、取り出してしまえば持ち主の命は尽きてしまうだろう。

もう一つの質問の答えは、確信は無いが廃教会などつぶれた聖域だろうな。

悪魔や天使はそれぞれ入れないところがあるが、堕天使にはそう言った場所が無い。

そう言った意味では、堕天使はどこでも根城にすることができる」

 

「そうですか。ありがとうございます。

それじゃあ、IS関連の話で演算処理についてなんですが――――」

 

 

それから再びIS学園に向かい、IS開発の手伝いをしていた。

 

 

「じゃあ、ここがこうだったら、演算処理の速度が上がるんだね?」

 

「まぁ、そうだな」

 

 

それからしばらく、作業に没頭して、

 

 

「じゃあ、一夏たちは堕天使たちの行方を追ってるんだ?」

 

「そうだな。堕天使たちの目的が分かればいいんだけどな・・・」

 

「関係あるかどうか分からないけど、駒王町の寂れた教会にシスターが派遣されるって知ってる?」

 

「シスター?そのシスターって神器持ちなのか?」

 

「そこまでは分からないけど、元聖女らしいよ。ね?本音?」

 

「うん~。なんか、その人が触れたら傷が治るんだって~」

 

 

シスター。

駒王町の教会。

傷を治せる力がある。

 

 

「ありがと、簪、本音。ちょっと、今日はこれで帰るな?」

 

「うん、忙しければ連絡してくれたら無理に召喚したりしないから」

 

「ばいば~い!」

 

 

俺は別れを告げて、駒王学園に戻った。

 

 

「部長!いますか!!」

 

 

部室に帰ったが部長はいなかった。

書き置き?

そこには部長の字でこう書かれていた。

 

 

『兵藤君が堕天使に襲われ、その治療のために今日は彼の家に泊まるわ。

何か連絡のある子は明日に聞くわ』

 

 

報告は明日になるのか・・・。

俺はとりあえず、寮に帰り、眠った。

 

 

 

次の日、朝に学校に行くと、校門前が騒がしかった。

何だ?と思い、クラスの人を見つけたので、話しかけてみた。

 

 

「なぁ、なんでこんなに人が集まってんだ?」

 

「おお!織斑ぁ!リアス・グレモリー先輩が『変態』と名高い兵藤先輩と一緒に登校してきたんだよぉぉぉ!!」

 

「あっそ」

 

「あっれ?反応薄っ!?まぁ、お前には小猫ちゃんがいるからなぁ」

 

「俺、先行くから」

 

 

俺はさっさと校舎の方へ向かう。

途中に部長に会釈してから通り過ぎていった。

 

すると、さっきのクラスの奴が追いかけてきて、

 

 

「そういや、お前オカ研じゃん!グレモリー先輩や姫島先輩とお近づきになれるじゃんかよ!!

小猫ちゃんだけでは飽き足らないのか!!??てか、俺に紹介してください!!」

 

「はぁ・・・何、言ってんだよ」

 

 

俺はそのまま教室に入っていった。

その日はずっと、部長と兵藤先輩のことで持ち切りだった。




予定では、なんとか五か六話で1巻が終れるように頑張ります。

少しペースを上げないと、話数が・・・

あ、レイナーレのところでオリキャラ出す予定です(笑)


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28 赤き龍の目覚め

散々、遅れて申し訳ありませんでした…
中途半端なところで、止まってしまって...

FGOも続編が楽しみですねぇ
私はApocryphaも楽しみですが


「一夏君、部室いこ?」

 

「あ、悪い。ちょっと、日誌書かないといけないから先に行っててくれないか?」

 

「じゃあ、待ってるから」

 

 

俺は職員室へ、小猫は部室へそれぞれ分かれて向かっていった。

職員室で、クラス担任の先生に日誌を渡され、素早く内容をかき上げていった。

 

 

「ごめんね、織斑君。

手間かけちゃって。今日、委員長休みだったから」

 

「いえ。それでは、部活に行くのでこれで失礼します」

 

 

俺は足早に部室へと向かった。

新校舎のわき道を抜けて、旧校舎へ向かってると、

 

 

(部室にみんな以外に誰かいるな・・・。この感じは兵藤先輩か・・・)

 

 

そう感じた俺は、とりあえず、さっさと部室に向かった。

 

 

「こんにちはー」

 

 

俺は挨拶しながら部室に入った。

すると、シャワーの音とシャワールーム前にいる朱乃さん、お茶を入れている祐斗、ソファでお菓子を食べている小猫、それとシャワー音で興奮している兵藤先輩がいた。

つまり、シャワーを浴びているのは部長か・・・。

ってか、兵藤先輩の目が血走ってて、キモイを通り越して怖い。

 

 

「小猫、部長は?やっぱりシャワー?」

 

「はい。変態先輩を見ればわかると思いますが・・・」

 

「そりゃ無いぜ、小猫ちゃん…。て、お前は!?【学園のマスコットの騎士】織斑 一夏!!」

 

「……何ですか、その呼び名」

 

 

いや、あながち間違ってもいないけどさ…

すると、部長がシャワーを浴び終えて出てきた。

 

 

「ごめんなさいね。昨日一誠の家に泊まってたからシャワーを浴びてなかったの。あら?イチカ来てたのね」

 

「いつものことですから、言っても仕方ありませんけど。部長?もう少し慎みを持った方が良いんじゃないですか?」

 

 

すると、兵藤先輩が俺の肩を急に掴んできた。

ちょ!?痛い痛い!

 

 

「いつも!?お前は、いつもこんな良い思いをしているのか!?あんなに可愛いロリ彼女がいるというのに!?」

 

「離れてください…!」

 

 

ドゴッ!

小猫が兵藤先輩を殴り、俺から引き離してくれた。死んでは……無さそうだな。

ヒクヒクと動いてる辺り、生きてはいるみたいだけどしばらくは動けないだろうなぁ。

 

 

「部長、昨日アザゼル総督から聞いたことですが───」

 

 

それから、昨日の報告を行い、兵藤先輩が目を覚ますまでお茶を飲んでいた。

 

 

「ハッ!?」

 

 

兵藤先輩が目を覚ました。

 

 

「起きたようね、一誠。イッセーと呼ばせてもらってもいいかしら?」

 

「は、はい!喜んで!そ、それで俺は何で呼ばれたんでしょうか?木場からは昨日の出来事について、と聴いているんですけど」

 

「そうね。でも、その前に…私たちは悪魔なの。ここにいる全員、ね。

あなたもなのよ、イッセー」

 

 

部長が指を鳴らすと兵藤先輩の背中から悪魔の翼が現れ、俺たちも同じ様に翼を出した。

 

 

「うぉぉぉ!?なんじゃこりゃ!?」

 

「改めて自己紹介するわ。

私はリアス・グレモリー。貴族悪魔グレモリー家の次期当主にしてあなたの主よ!」

 

「あ、悪魔?それってオカルト研究会の設定とかそういうのですか?」

 

 

兵藤先輩は理解が追いついていない様子だった。

部長が裏の世界の説明を大まかにしており、その間俺達は祐斗の入れたお茶を飲んでいた。

 

 

「俺はハーレム王になる!!」

 

「ゴフっ!?」

 

 

思わず俺はお茶を噴いてしまった。

あの人、大声で何を宣言してるんだ!?

 

 

「あらあら、兵藤君は夢が大きくてよろしいですね、うふふ」

 

「あ、あはは」

 

 

朱乃さんは微笑ましげに、祐斗は苦笑いでガッツポーズをしている兵藤先輩を見ていた。

 

 

「イッセー、夢は高い方がいいかもしれないけど、そのためにもしっかり下積みをこなさないとだめよ?」

 

「はい!ハーレム王になります!」

 

「ダメだわ、この子聞いてない…

イチカ、とりあえず正気に戻させて」

 

 

部長に命じられ、俺はとりあえず兵藤先輩の頭をしばき、正気に戻した。

 

 

「いってぇ!いきなり何すんだよ!?」

 

「夢を見るのは良いですけど、先輩?

目上の人の話は聞かないとダメですよ?」

 

「そうよ、イッセー。

話は最後まで聞きなさい?――――」

 

 

その後も部長の兵藤先輩へのレクチャーは続き、神器の話に入り、兵藤先輩は神器を発現させるためにポーズをとった。

たしか、一昔前に流行ったアニメのポーズだな。ドラグソボールだっけ?の、主人公の必殺技のポーズを取り、そっくりそのまま真似をした。

 

 

『来ます、マスター』

 

(アルトリア?)

 

 

すると、兵藤先輩の左手の甲が光、俺達は思わず目をつぶってしまった。

光が止み、目を開くと兵藤先輩の左手に龍の腕を模したような篭手が装着していた。

 

 

「何じゃこりゃ!!」

 

『やはり...』

 

 

驚く兵藤先輩を無視し。俺は納得した様子を示すアルトリアに聴いてみた。

 

 

(アルトリアはアレがどんな神器か分かるのか?)

 

『マスターもアーサー王のことを調べたと思いますが、その中に赤い龍が出てきましたよね?』

 

(ああ、赤龍帝ドライグ...って、まさか!?)

 

『ええ。こちらのアーサー王に縁のある赤き龍を模した篭手...。あれは、恐らく赤龍帝の篭手で間違いないと思います』

 

「これは...龍の篭手ね。

所有者の力を倍加する能力を持っているわ―――『そこの女悪魔よ。あまり俺を見くびるんじゃないぞ?』誰!?」

 

 

部室に突如、低い声が響く。

 

 

『どうやら、目覚めたようですね。

恐らく私の反応を感じ取り、出てきたのでしょう。マスター。あれが、赤龍帝ドライグです』

 

『やれやれ、今回はまた、チンケな宿主だな。

今回の勝負は俺の負けか...?』

 

「何だよお前!いきなり喋り出してチンケだの何だの言いやがって!!」

 

 

兵藤先輩は神器に向かって叫び散らしている。

 

 

『殆ど平凡な日常を送っていたお前にそう言って何が悪い?

それと、質問に答えてやるなら俺は赤龍帝...そう言えば、ここにいるお前以外の奴は分かるだろう』

 

「赤龍帝?何だよその力士みたいな名前―――ってどうしたんです、部長?」

 

 

ドライグのことは、先にアルトリアから聞いていたからさほど驚かなかったが、他の皆は別だった。

中でも、部長はアワアワしていた。そんな部長を兵藤先輩は不思議に思い、様子を尋ねた。

てか、兵藤先輩...力士ってなんですか...。

 

 

「イッセー、よく聞きなさい。

さっき、かつての大戦で四大魔王様と聖書の神が亡くなったと言ったわね。

その原因となった要因の一つが大戦に乱入してきた2体の龍なの」

 

「龍?それって、こいつの事ですか!?」

 

「そうよ。赤龍帝ドライグと白龍皇アルビオン。

その2体の龍の乱入が大戦の多大なる犠牲の原因なのよ

でも、その2体は神器に封じ込まれて今でも生きているわ。

イッセーの持つその神器は龍の篭手では無くて赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)と呼ばれる神殺しの神器神滅具(ロンギヌス)の一つよ」

 

「そ、そんな、スゲェのが俺に...」

 

『そういうことだ、小僧。

俺がお前に力を貸してやる。だから、来るべき時までに強くなれ。

さて、一つ聞かせてもらおう。あの時に折れたはずのエクスカリバー。

それすら上回る聖剣をなぜ持っている?そこの小僧』

 

 

と、ドライグは俺に聞いてきた。




とりあえず、少しずつでも進めていきます

アンケートは依然継続中ですので!


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29 オカ研新メンバー!

『――――――なぜ持っている?そこの小僧』

 

「兵藤先輩、ちょっと神器をこちらに向けてください」

 

「あ、ああ。こうか?」

 

 

兵藤先輩は俺の方に手の甲の宝玉の部分を向ける。

俺はそこにエクスカリバーを出し、剣と宝玉を重ね合わせた。

 

 

――――――――――――――――――

 

 

「何だ、ここは?」

 

「あなたが赤龍帝ドライグですね?」

 

 

何も無い空間に1匹の龍と騎士の鎧を纏った少女がいた。

 

 

「小娘...アーサー王か?いや、アイツは男だった。

なら、アーサー王に縁のある者か?」

 

「私の名はアルトリア・ペンドラゴン。

こことは違う別の世界のアーサー王とでも言えばよろしいでしょうか」

 

「こことは別の世界?平行世界だとでも言うのか?」

 

「ええ、そうです。

実際、あなたの知っているアーサー王は男だったはずです。

ですが、私は女だ」

 

 

ドライグはアルトリアをジッと見、

 

 

「にわかには信じ難いが、お前にはあの男にどこか似ている...。

まぁ、オレにはお前がアーサーかどうかなど関係無い」

 

 

と、言い目を瞑る。

 

 

――――――――――――――――――――――

 

俺が剣を宝玉に重ねると宝玉と剣が輝き、部室を照らしていた。

その状態を維持し数分、光が収まり、アルトリアが俺に声を掛けてきた。

 

 

『マスター、ありがとうございました』

 

(話せたのか?)

 

『ええ』

 

 

俺はエクスカリバーを消し、兵藤先輩にお礼を言う。

 

 

「兵藤先輩ありがとうございました」

 

「あ、ああ。

よく分かんなかったけどお前が納得したならそれでいいや」

 

 

それからはいつも通りのお茶会を行い、夜になると今日は兵藤先輩へのレクチャーの為に主を殺し、更には民間人への攻撃の疑いがあるはぐれ悪魔を討伐することになった。

しかし、俺はいつも通りにIS学園での簪の専用機の開発の仕事があるので、そちらを優先することにした。

 

 

 

 

「じゃあ、新しい眷属が増えたんだね。

しかも、赤龍帝って、そんな情報を教えて良かったの?」

 

「いずれは裏で出回るだろうし、それに簪や本音は信用できると思うからな

それで、打鉄弐式のシステムはどういう状態なんだ?」

 

「大体、完成してきた。

でも、マルチロックオンシステムがどうしても...

それ以外の武装は順調...」

 

「やっぱりどうしてもそこがネックだな

もう少しで確かクラス代表トーナメントだったよな?

間に合うのか?」

 

 

俺は室内のキッチンを借り、お茶を2人に出しながら簪に聞いてみた。

 

 

「頑張ってはみるけど間に合わなかったらマルチロックオンは使わずに闘う...」

 

「じゃあ普通のミサイルランチャーだね〜」

 

「他の武装は荷電粒子砲と薙刀だっけ?」

 

 

簪は部屋に設置されているパソコンに設計図を表示させ、武装を見せた。

 

 

「うん。単発式の荷電粒子砲が2門と超振動の薙刀」

 

「そういや、振動のお陰で斬れ味が向上してんだっけ?」

 

「そう。

アニメでも振動する刀で敵を斬り裂いてる場面とかあったから」

 

 

そう言いながら、簪はアニメの画像を見せてくる。

 

 

「他の出場者の情報とかあるのか?」

 

「1組は貴方の弟...。

2組は中国の代表候補生...。

他の組は代表候補生では無いけど油断はしない」

 

「2組の人はリンリンだよ〜」

 

「リンリン?あ~鈴のことか!アイツ、代表候補生になってたのか!」

 

「イッチーとトーやんとは幼馴染みなんだよね〜?」

 

「そうだな、小学校からの仲だぜ。

鈴は強いのか?」

 

「私の予想では学年ではトップクラスの実力者...」

 

「かんちゃん、自分の事過小評価してない〜?」

 

「ううん、そんなことない。

でも、負けるつもりは無い...!」

 

 

お~簪が燃えている...。

 

 

「俺も見に来ようかな...。

試合はいつだっけ?」

 

「次の土曜日だよ、1日かけて行うことになってる。

でも、入れないんじゃない?

一夏は入学が決まっているけど、まだ部外者だし」

 

「使い魔から覗く感じなら多分バレないと思うぜ?

もしくは、アリーナの上から観てる」

 

「お〜流石悪魔〜」

 

 

それからもう暫く作業をしてから俺は部室に帰った。

部室に帰るとはぐれ悪魔を討伐したみんなが帰ってきており、兵藤先輩が非常に燃えていた。

小猫に何があったのか聞いてみると

 

 

「悪魔の戦いを見て、興奮している」

 

 

だそうだ。

 

 

その2日後だった...兵藤先輩が大怪我を負わされたのは

 



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30 作戦会議

テスト、インフルエンザ・・・
様々な障害を乗り越えて、何とか書き終えることができました・・・・


SIDE 一夏

 

 

夜、いつも通りに悪魔の仕事を終え、部室に帰って来るとそこには切り傷を治療するために横になっていた兵藤先輩と傷を治療していた朱乃さんがいた。

 

部長から話を聞くと、放課後に街中で兵藤先輩がシスターに出会ったらしい。

その夜に兵藤先輩は、小猫の重複してしまった依頼のヘルプに向かい、その依頼主の家に向かうとそこには依頼主の死体と容疑者と思われるはぐれ神父がいたらしい。

 

そこに兵藤先輩が出会ったシスターもおり、助けるために戦闘になり、悪魔になりたての兵藤先輩は光剣や祓魔弾による攻撃を受けてしまい、かなりの重傷を負ってしまったそうだ。

 

そのはぐれ神父は以前アザゼル総督に聞いた一部の堕天使の勢力の配下だそうだ。

撤退時に部長たちが堕天使が数体現れているところを見たそうだ。

 

言い方は酷いかもしれないが、兵藤先輩がやられたのをきっかけに堕天使に対して攻勢に出られるな。

 

堕天使勢力の潜伏地はおそらく駒王町のはずれにある廃教会だろうな・・・

でも、戦力が分からない状態で迂闊に敵地に乗り込むのは避けた方がよさそうだ。

 

 

 

「一夏君・・・」

 

「小猫?」

 

「どうしよう、私のせいで兵藤先輩が・・・」

 

 

俺が考え事をしていると、小猫が話しかけてきた。

小猫はとても悲しそうな目をしていた。

俺は小猫を連れて部室を出て、廊下に連れ出した。

 

 

「何でだよ?お前のせいで兵藤先輩が傷を負ったんじゃない!」

 

「で、でも、私が依頼を任せてしまったせいで・・・」

 

「そんなのはただの偶然だ!

たまたまタイミングが良くなかっただけだ!兵藤先輩じゃなかったら、逆にお前がやられてたんだぞ!!

・・・もしかして、お前自分が犠牲になってれば良かったなんて思ってないだろうな?」

 

「!?な、なんで―――」

 

 

パァン

 

 

小猫が言い終わる前に俺は小猫の頬をぶっていた。

力は抜いたけど、女子に、自分の彼女に手を上げるなんて最低だな…俺。

 

 

「そんな悲しいことを言わないでくれよ。

部長も朱乃さんも祐斗もギャスパーも今では兵藤先輩もオカ研の大事な仲間なんだ。

お前だってその1人に入ってるんだぞ?仮におまえが兵藤先輩の代わりになっていたとしても、みんな悲しんでたはずだ。更に、兵藤先輩も自分がそっちの依頼を受けてればって後悔するはずだ。

今のお前の様にな。

だから、誰がやられてればなんて考えるんじゃなくて、今は兵藤先輩の傷が早く治るのと、これからの対策について考えようぜ?」

 

「...うん」

 

「それと、叩いてごめんな」

 

 

そう言って、泣きじゃくる小猫を抱きしめ、慰めていた。

さすがに泣き声が聞こえたら皆寄ってくるので、祐斗と部長に見られたのは言うまでもないが。

 

 

その後、兵藤先輩の傷は塞がったが安静の為に直ぐに家に送り、1日学校を休ませた。

兵藤先輩が家に帰った後、再び部室に集まり、今後の手順について話し合った。

 

 

「やっぱり、一度偵察を行うべきかしら?」

 

「それについてはご安心を、部長

既に私の使い魔を廃教会に送っています。

ですので、間もなく大まかな勢力がわかるでしょう」

 

 

朱乃さんが既に偵察を行っているらしく、俺が行わずとも済んだみたいだ。

 

 

「それに私も少々気が立っていまして・・・」

 

 

そう言えば、朱乃さんは堕天使の父親がいるんだったな・・・。

聞いた話だとどこか疎遠になって、嫌いになってるんだとか・・・。

いつかは仲直りしてほしいんだけどな、小猫にも朱乃さんにも。

 

 

「それでは朱乃の偵察が戻り次第、具体的な作戦を立てましょうか」

 

 

その後解散し、俺たちはそれぞれの家に帰った。

 

 

――――――――――――――――――

 

 

「レイナーレ様、あのシスターへの儀式を執り行うのは何時ですか?」

 

 

小柄なゴスロリ服の堕天使が所謂ボンテージ服に身を包んだ堕天使に問いかける。

 

 

「そうねぇ、あの悪魔がまだ生きてるかもしれないし、それに嫌な予感がするから明日の夜にでも早急に執り行いましょうか。

あなたたちにも儀式が完全に終了するまでは警戒してもらうわよ?」

 

「はい!わかりました!」

 

「「すべては、アザゼル様のために」」

 

 

そう言いながら、グラスに入ったワインを口に入れた。

 

 

「あなたにも動いてもらうわよ?黒聖女」

 

 

レイナーレは薄暗くて見えないところに呼びかける。

 

コツ、コツ、コツ・・・と、ブーツで歩く音が聞こえ、レイナーレの元に歩いてくる一人の女性。

その身を漆黒のドレスと鎧が組み合わさったような防具で包み、妖しい笑みを浮かべていた。

 

 

「ええ、わかっているわ。

これは対等な取引だもの。あなたの儀式が終わるまでは手出しをさせなければいいんでしょう?」

 

「その通りよ。

にしても、あなたのような強力な戦力がフリーでいてくれてよかったわぁ!

ねぇ、今後も私たちと手を結ばない?」

 

 

レイナーレは黒聖女と呼ばれた女性にそう提案する。

 

 

「いいえ、断るわ。

今回はあくまで仮の契約、本来あなたたちとの契約何てするはずなかったもの」

 

「ってめぇ!レイナーレ様に向かって!!」

 

 

ゴスロリの少女堕天使が黒聖女に突っかかるが、それをレイナーレが止めた。

 

 

「止めなさい、ミッテルト。

彼女の強さはあなたもわかっているでしょう?」

 

「!は、はい、レイナーレ様」

 

 

ミッテルトは渋々引き下がった。

 

 

「はん!醜い小鴉を串刺しにできると思ったのに」

 

 

そう言うと、黒聖女はその場から立ち去った。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

翌日、兵藤一誠は駒王町を歩き回っていた。

傷はふさがり、動いても問題なかったので、モヤモヤする気持ちを押さえつけるために気分転換に散歩に出かけたのだ。

 

 

「はぁ、アーシア・・・・」

 

 

一誠はぽつりと呟く。

 

 

「え?一誠さん?」

 

「!?あ、アーシア・・・?」

 

 

紅き龍帝と癒しの聖女が再び出会う。

 

 

 

 




FGO・・・
新宿・・・ツェェェ。

今まで育成を怠けていた罰が出てきた。。。



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31 戦闘開始

えっと、本日二話目になります。
少し、少なめの文章です。

もうそろそろ一巻が終わりそうです




「部長!アーシアを助けに行かせてください!!」

 

 

放課後、部室に来るなりそんな大声が聞こえた。

何故か兵藤先輩は安静のために休まされているはずなのに、学園に来て昨日のシスターを救出するために許可を得に来ていた。

 

 

ぱぁん!

 

 

「バカなことを言わないで!堕天使の敵拠点である場所に私のかわいい眷属を向かわせられるわけないでしょ!?」

 

「なら、俺を『はぐれ』にしてください」

 

 

ぱぁん!

 

 

兵藤先輩が再び部長に打たれた。

 

 

「そんなことを認められるわけないでしょ!」

 

 

部長が怒るのも当然だろう。

家族に勘当してくれと言われている親のようなものだろうしな。

千冬姉と冬八以外に家族がいないからどうかはわからないけど。

 

それからも部長と兵藤先輩の口論は続き、少ししてから部長が話を切り上げ、外出しようとした。

 

 

「――—――——朱乃、イチカ。少し出るから付いて来て」

 

「「はい、部長」」

 

 

俺と朱乃さんは部長を追いかけるように部室を出た。

 

 

(後で教会でな。

それと、兵藤先輩のこと、頼むな?)

 

 

小猫にこそっと耳打ちすると小さくうなづいた。

 

 

「私たちも動くわよ?朱乃、イチカ」

 

「にしても、リアスは甘いわね。

ねぇ、一夏君?」

 

「な、なによ・・・///」

 

「プロモーションの事をわざわざ教えて教会を敵の拠点だと説明して、さらには神器についても説明してるんだから流石に気づくでしょうしね」

 

 

―――――――――――――――――――

 

小猫 SIDE

 

 

一夏君と部長たちが外へ出てから、兵藤先輩が教会に向かおうとしています。

 

 

「行くのかい?」

 

「ああ!止めたって無駄だぞ?」

 

「殺されるとしても?」

 

「決まっている!アーシアを助けるために!」

 

 

・・・さて、私も準備しましょう。

 

 

「良い覚悟だ・・・。と言いたいけど、それは無謀だね」

 

「分かってるよ!んなことは――!?」

 

 

祐斗先輩が剣を兵藤先輩に向けました。

 

 

「僕も行くよ」

 

「はぁ!?」

 

「部長は教会を敵の陣地と認めたんだ。だからプロモーションについて話したんだよ。

それに、僕たちで君をフォローしろって指示もされてるんだ」

 

「!?小猫ちゃんも?」

 

 

私は手甲を手に嵌めながら、

 

 

「・・・まぁ、一夏君が先輩の事を頼むって言っていたので」

 

 

と補足しました。

 

 

「・・・ありがとう!二人とも!

うっし、それじゃあ行くか!!」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

一夏 SIDE

 

 

部室を出てから部長の魔方陣で教会の裏側に転移した俺たちは、さっそく待ち伏せしていた堕天使の襲撃を受けた。

しかし、どれも部長が防御の魔方陣で防ぎ、無効化していた。

 

 

「いきなりね、堕天使さんたち?」

 

「おっと、失礼。

我が名はドーナシーク。レイナーレ様に仕える堕天使の一人だ」

 

「私はカラワーナ。

最も、すぐに消えるお前たちに名乗る意味などほとんど無いがな」

 

「うちはミッテルトと申します~」

 

 

 

こいつらは大したこと無いのか・・・?

 

と、俺が考えていると、

 

 

 

「危ない、二人とも!!」

 

 

とっさに危険を感じた俺は部長と朱乃さんを突き飛ばし、自分は後ろに飛ぶ。

すると、俺たちの間を燃え盛る劫火が通過し、さらには俺を取り囲んだ。

 

 

「!?なんだ、この炎は!?」

 

「イチカ!?無事なの!?」

 

「大丈夫です、部長!ですが、この炎の結界に阻まれて―――誰だ!?」

 

 

後ろに気配を感じ、振り向くとそこには漆黒の鎧に身を包んだ女がおり、不敵な笑みを浮かべていた。

 

 

「ふふふ、初めまして」

 

「誰だ、お前は?」

 

「黒聖女、とでも名乗りましょうか」

 

「この炎もお前が原因か?」

 

「ええ、そうよ。契約で儀式成功までは敵の足止めを言いつかっているからね。

それにしても、貴方、正確には貴方に宿っている神器かしら?

黒く染め上げたいくらいに清純ね」

 

 

俺はその言葉に狂気を感じ、エクスカリバー・イマージュを展開する。

 

 

『マスター、気を付けてください。

あの者に宿る神器は私と同等、それ以上かもしれないほどの力を持っています』

 

(今の俺に勝てるのか?)

 

『正直、厳しい状態かと。

撤退しようにもこの結界では・・・』

 

 

俺がアルトリアと話し合っていると、

 

 

「その体を燃やし尽くしてやりたいわ!」

 

 

と言いながら、その腰に刺している剣を抜き、俺に斬りかかってきた。

 

逃げるとか考えてたら殺される・・・!

 

 

俺はエクスカリバーで受け止める。



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32 堕天使滅します!

誠に遅れて申し訳ありませんでした!

レポートやらテストやら、進級やらで手一杯で書く時間が減ってしまい......


『ほう?そう言いながらも新しい小説を書いていたのはどういう事だ?』


ひ、ひぃ!?
こ、これからは頑張りますので...!


『問答無用!!
エクスカリバー・モルガァァァン!!』


SIDE 一夏

 

 

俺は、黒聖女と名乗った女が振り下ろした剣をエクスカリバーで受け止める。

 

ぐぅ、な、なんて重さだ!?

 

 

(アルトリア!魔力放出の操作を任せる!)

 

『わかりました、マスター』

 

 

【魔力放出】…神器の訓練をしたことで成長し、会得できた技能で、瞬間的な魔力の放出によって身体能力、武器の能力を向上させることができる。

俺は魔力放出をまだ完全に使いこなせることが出来ないため、その制御はアルトリアに任せている。

 

 

!体に力が一気に流れてくるのを感じた俺は、それを放出するかのように一気に黒聖女の剣を弾き飛ばした。

 

そして、その間に聖銃ヴィヴィアーンを展開し、炎の結界を破壊しようと水を射出するが、炎の火力が強すぎるのか瞬時に蒸発されてしまった。

 

 

「ハンっ!無駄よ!そんな水なんかで私が受けてきた劫火を消せる訳がないでしょ!」

 

『マスター、敵の正体に心当たりがあります』

 

(!分かるのか、アルトリア!?)

 

『ええ、ですが私の思い当たる人物だとしたらこの様な黒く染まるような筈は無いのですが...』

 

「ほらほらぁ!!」

 

「ぐっ!?(とりあえず、その人の名前を教えてくれ!)」

 

『聖女ジャンヌ・ダルク』

 

(ジャンヌ...ダルク?それってフランスの?)

 

 

 

俺は1度距離をとり、アルトリアに尋ねる。

 

 

(ええ、救国の聖女と言われる方です。

ですが、その様な者が何故このような復讐に駆られたような...)

 

 

アルトリアは何か考え込みだしたので、俺は黒聖女を問いただす。

 

 

「お前は...ジャンヌ・ダルクなのか?」

 

「...へぇ?私の真名に気づいたの。

けど、それがなんだって言うのよ!」

 

「何がお前をそんな風にしてしまったんだ!!」

 

 

俺にもジャンヌ・ダルクの知識くらいはある。

フランスが百年戦争を行っていた途中、神の啓示を受けフランス軍に参加し、戦い抜いたけど魔女と言われ処刑にかけられてしまった女性だ。

でも、ひとつ疑問がある。神の啓示を受けたとしても、所詮は人間の女の子に過ぎない。

聖女と言われていても周りの人に対して何も思うことは無かったんだろうか?

 

 

「何が?そんなの決まっているじゃない!人間よ!それまでは人の事を聖女だなんだと崇めたと思ったら途端に手の平返したように魔女だと貶めてきたのよ!?

そんな連中に対して何も思わないほど私は人間出来てなんかいないわよ!」

 

 

ジャンヌの怒りの感情が現れるとともに、炎が激しさを増す。

 

 

(火力が上がってる・・・。

このまま続けば、いずれこっちが・・・)

 

「は?何よ?...そう、分かったわ」

 

 

俺が対策を練っていると、ジャンヌの耳元に魔法陣が現れ、誰かと会話をしだした。

 

 

「運が良かったわね、アンタ。

今回はこの程度でやめておいてあげるわ!」

 

「な、なにを!まだ、俺は!」

 

 

しかし、俺の声を無視し、ジャンヌは自らの炎の中に飛び込むと姿を消してしまった。

 

 

『大丈夫ですか、マスター?』

 

「アルトリア...。

俺の力は、アイツに通用してたのか?」

 

『...いえ、貴方の、私たちの力では、防ぐのがやっとで攻撃に転じることすら出来ませんでした』

 

「...畜生...!」

 

 

炎が収まり、俺の周囲は煤けた焼け野原になっていた。

 

 

「一夏君、無事ですか!?」

 

「...朱乃さん、はい大丈夫です。

少し火傷を負ったぐらいですから」

 

「このくらいなら私でも治療出来ます。

ですが、この制服はもう使えませんね...」

 

 

俺は自分の状態を見ると、ブレザーが炎により所々焼け落ちてしまっていた。

 

 

「朱乃さん、部長は?」

 

「リアスなら既に堕天使を倒して教会の方へ向かっていますわ。

私も一夏君を助けたら向かう予定だったのですが、敵は倒せたの?」

 

「...いえ、防ぐのが手一杯で...」

 

「そう...。

でも、あなたが無事だったなら良かったわ。

小猫ちゃんや祐斗君、兵藤君も心配してしまうものね」

 

 

そう、朱乃さんは俺を労ってくれた。

 

 

「それに私やリアスを炎から守ってくれてありがとう。

お陰で助かりましたわ」

 

「いえ、おふたりが無事だったなら良かったです。

...兵藤先輩たちのとこへ行きましょう!」

 

「そうですわね。

では、お手をどうぞ」

 

 

座り込んでいた俺に朱乃さんは手を差し出してくれて、

俺はその手を掴み、立ち上がる。

 

 

教会の方へ歩いていると、

 

パリィィン!!

 

と、教会のガラスが割れる音と共に何かが教会から飛び出てきた。

 

 

「終わったみたいですね。

回収しに向かいますか?」

 

「ええ、そうしましょうか」

 

 

俺と朱乃さんは、教会ではなく今飛び出してきた何かを回収しに歩いた。

そこには顔に打撃痕が残っている堕天使がいた。

 

 

「コイツが出てきたのか...。

酷いやられ方だな...」

 

 

俺はその堕天使を回収し教会へ向かった。

 

 

教会へ入ると、傷だらけの兵藤先輩、小猫、祐斗、部長の他に、兵藤先輩を治療しているシスターがいた。

 

 

「部長、首謀者の堕天使を回収しました」

 

「ありがとう、イチカ。

...あなたも結構やられたわね」

 

「いえ、少し火傷を負った程度なので。

それよりも敵を、結局取り逃してしまいました、すみません」

 

「いいのよ、あなたは私と朱乃を守ってくれたのだから」

 

 

そう言うと部長は俺の頭を撫でてきた。

...何故、俺はこの年になってもこんな風な扱いなのか...。

 

 

「朱乃、その堕天使を起こして貰えるかしら?」

 

「はい、部長」

 

 

朱乃さんは魔法陣から多量の水を堕天使にぶちまけた。

 

 

「...ゴホッ...ここは...?」

 

 

堕天使が水を浴び、目を覚ました。

 

 

「御機嫌よう、堕天使レイナーレ。

私はリアス・グレモリー、この街の悪魔側の管理者よ」

 

「...グレモリーですって!?」

 

「ええ、そしてあなたは私の管轄に入ってきた。

ただ、入るだけなら様子を見る程度で終わらせるつもりだったわ。

でも、あなたはこの街の住人を殺してしまった。

私の考えのミスで1人の人が命を落としてしまったことは紛れもない事実。

だからこそ、相応の責任を取るためにあなたを罰するわ。

それが、亡くなった方への償いになるかは分からないけれどね」

 

 

レイナーレと呼ばれた堕天使は青ざめる。

 

 

「で、でも私を殺せば他の堕天使が黙っていないわよ!?

あ、アザゼル様だって...!」

 

「堕天使総督なら来ないわよ?

この件、既に堕天使総督の許可を得てあなたの処罰は私たちに一任されているもの」

 

「そ、そんな...!?」

 

 

すると、レイナーレは魔力で自分の衣装を着替え、

 

 

「一誠君!お願い、私を助けて!!

あの悪魔が私を殺そうとするの!」

 

 

兵藤先輩に媚を売り出した。

そういえば、兵藤先輩が死ぬ前はこの堕天使と恋仲だったらしい。

...最も、堕天使にそんな気は更々無かったようだが...。

 

 

「......何だよ、いきなり...!」

 

 

兵藤先輩は少し困惑しているようだ。

この様子だと、もしかして...。

 

 

「今までのことは謝るわ!

だから、一緒にこの悪魔達を倒しましょう!」

 

 

レイナーレは自分が生き残りたいために必死に兵藤先輩を説得している。

しかし、兵藤先輩の傷を癒していたシスターが

 

 

「一誠さん...」

 

 

兵藤先輩の手を強く握る。

 

 

「...俺のことを散々弄んだのはいい...。

でも!アーシアを泣かせ、殺そうとしたお前を俺は許さない!」

 

「お願いよ!何でもするわ!何だったらあなたの奴隷にだってなってもいい!だから!」

 

 

レイナーレの必死の懇願も今の兵藤先輩は聞き入れなかった。

 

 

「グッバイ、俺の初恋。

部長、お願いします...」

 

 

部長は無言で魔力をため、レイナーレを屠った。

 

 

その後、兵藤先輩はアーシア・アルジェントを保護したいと部長に申し出て、部長も満更でも無さそうにアーシアに悪魔の甘言で誘惑し、アーシアさんを保護、【僧侶】の眷属として迎え入れた。

 

回復系神器を逃すのは惜しいもの♪

 

と、部長は後日語っていた。

 

 

こうして、駒王町に侵入した堕天使の騒動は終了した。




改めまして、誠に申し訳ありません。

やっとこさの投稿ですが、来月にはまたテスト、レポートで投稿できるか些か不安です。

夏休みが来れば何とか書けると思うんで、これからも、続けていきます。


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戦闘校舎のフェニックス
33 IS見ます!


今回から一応、ハイスクールDxDの原作2巻の手前になります。


堕天使騒動が終了した翌日、

俺は人間界にあるグリゴリの研究部門に来ていた。

 

 

「こんにちは、社長へお取次願いますか?」

 

「あ、織斑君。

分かったわ、ちょっと連絡してみるわね」

 

 

表は大企業であるグリゴリ。

なので社内には堕天使では無く一般人も普通におり、俺が今話している人も人間である。

 

 

「じゃあ、このカードを持っていつも通りに進んでね」

 

「はい、ありがとうございます」

 

 

IDカードを受け取り、奥へと進んで俺はエレベーターに乗った。

IDカードをかざすとエレベーターは自動で進み、俺はそのままたどり着いた所でエレベーターを降りた。

 

 

「織斑殿ではないか!」

 

 

エレベーターを出て進み、1番最初に出会ったのが【サハリエル】さん。

堕天使幹部でロボットアニメが好きな研究者らしい。

 

 

「こんにちは、サハリエルさん。

アザゼル総督はどちらに?」

 

「総督殿なら奥ですぞ!

それよりも、吾輩たちが精魂込めて造ったものを大切に扱っていただきたい!」

 

「は、はぁ」

 

 

今回、俺がここに来た理由は俺の専用ISの試作段階が完成したから試運転に来たのである。

 

 

「アザゼル総督、来ました」

 

「おお、一夏。

早速で悪いが軽くフィッティングしてくれ」

 

 

そう言うと、ISスーツを俺に投げ渡した。

俺は近くにある更衣室でさっさと着替える。

白が基調のダイバースーツに所々黒い部分があるISスーツだった。

 

 

「そういえば総督。

この機体の名前は?」

 

「ん?ああ、ソイツはまだ試作段階の機体だからな。

名前なんてのはまだついちゃいねぇぞ。

とりあえず、そこのカタパルトから模擬戦用のドームに出て一通り飛んでくれ」

 

 

俺はそう言われ、ISを用いて歩きカタパルトから自分の機体を操りドームへ飛び出した。

 

 

《一夏、とりあえず障害物を出すからそれを避けながら飛んでくれ。

ほいっと》

 

 

アザゼル総督がそう言うと、ドームの至る所にドローンが飛び、ホログラムで鉄の柱が現れた。

 

 

(こんな感じか...?)

 

 

とりあえず、1番近いところにある柱へ向け移動し、当たりそうな手前で少し機体を捻ると機体は柱を避けようとするが、反応が遅いのか柱にぶつかってしまった。

 

 

(つっ...!?

遅いのか?もう1度...!)

 

 

再び俺は同じようにするが、自分の思うように機体が動かず、手前で避けようとしてもうまく避けられなく、何度も柱にぶつかってしまう。

 

 

『!マスター、神器を展開してみてください』

 

(?いいけど)

 

 

俺は言われるままに神器を展開した。

すると、

 

 

【1次形態移行完了

個体名《セイバー》登録完了】

 

 

という文字表記がディスプレイに現れた。

それと同時に俺の機体の色や見た目も変化した。

元は白一色の重武装の鎧のような装甲が青いスカートアーマーを基調とし、胸や腕、足に篭手や胸当て、具足が付き、騎士の様な姿へと変化した。

 

 

「おわっ!?なんだ!?」

 

『お!きちんと機能したみたいだな』

 

「総督、これは一体?」

 

『そのISには特殊なシステムを搭載してあってな。

パーソナライズなんかの登録を神器を展開するだけで割愛できんだよ。

そして、神器の特性を理解して最適な装備へと形態を変化させる。

言うなれば神器持ち専用のISってわけだな』

 

「と、言うことはこれは俺のみしか扱えないということですか?」

 

『そういうこった。

にしても、お陰でいいデータが取れそうだぜ!』

 

 

そう言うと、アザゼル総督は通信を切った。

 

 

 

「こ、これが堕天使マッドサイエンティストの科学力...

試しに武装を展開してみようか...」

 

 

俺はディスプレイに武装は何があるかを確認した。

 

(ふむふむ、実体剣のカリバーン、ビームサーベルのオルトカリバーン、長槍のロンゴミニアドそれにナノマシン複合銃ヴィヴィアンね。

俺が普段使ってるのと似てるけど、一通り試してみるか!)

 

 

俺はひとまずカリバーンとオルトカリバーンをコールし、展開してみた。

黄金が基調の少し細身な直剣のカリバーンと黒い持ち手に紅い刀身のオルトカリバーン。

二刀流にはあまり精通して無いが、とりあえず振るってみた。

 

ブゥン!

 

と、いい音がし、そのまま俺は何度か振るってみた。

 

 

何度か振るった後、他の武装を試そうと思ったが、

 

 

(お?オルトカリバーンは別のフォームがあるのか)

 

 

武装のデータを確認すると、オルトカリバーンはどうやらダブルソードの形態もあるらしく、カリバーンを収納しオルトカリバーンをダブルソード形態へ変化させた。

 

 

(これは戦闘の幅が広がりそうだな...)

 

 

 

その後も残りの武装を試し、ISを解除した後にアザゼル総督の元へ戻った。

 

 

「おぉ、使い勝手はどうだった?」

 

「初めて使ったとは思えないくらいに自分に馴染みます」

 

「まぁな、神器を分析する訳だからな。

その戦闘経験も当然分析する訳さ。

だから、普段の神器を用いた状態と限りなく近い様に仕上げられるのさ。

そうだ、お前さん専用になった訳だが、まだ学園に行くわけじゃないんだろ?

なら、こっちで預かっとくからそのブレスレット貸しな」

 

「あ、お願いします」

 

 

俺は青と金で彩られた専用機【セイバー】の待機形態のブレスレットを総督へ預けた。

 

 

「じゃあ、俺は黒歌のところへ行ってます」

 

 

 

そう言って俺は黒歌が生活している場所へ移動した。

 

 

「よう、黒歌。

元気か?」

 

「あ、一夏!

元気に決まってるでしょ」

 

 

黒歌の元へ行くと、黒歌は相変わらず元気そうであった。

 

 

「これから使い魔を送ってIS学園の様子を見るんだけどさ、良かったらお前も見るか?」

 

「IS学園?

確か、ロボットの学校だったかしら?」

 

「まあ、概ねそんなところだな」

 

「何でそんな所の様子を見るのよ?」

 

 

黒歌の疑問に対して俺はこう答えた。

 

 

「今日は俺が悪魔の仕事で相手してる依頼主がIS学園で代表トーナメントをするんだよ。

せっかくだし陰から覗こうと思ってな」

 

「面白そうじゃない、私も見るわ」

 

「なら、来いリム!」

 

 

俺は魔法陣で以前契約した使い魔のリンドヴルムの幼体のリムを召喚した。

 

 

「この子、番外の龍王!?

あなた、凄いの持ってるじゃない!?」

 

「まあ、成り行きでな。

ちなみに黒歌のは?」

 

 

黒歌の使い魔は黒猫だった。

小猫も白猫だったし、やはり姉妹なんだな...。

と、思ったが口には出さなかった。

 

 

「じゃあ、リム頼むぞ!」

 

「キュイ!」

 

 

俺の魔力を分け与え感覚リンクを行い、リムを学園にまで導いた。

 

 

リムの視覚を黒歌の協力も得て、投影してもらい、モニタでリムの行動を確認していた。

 

 

「ここがそのIS学園てとこ?

結構、狭いのね?」

 

「お前が何処と比べてるのかは敢えて聞かないでおくよ...」

 

 

さて、アリーナはどのアリーナかなっと...。

ある程度アリーナへ近づくとシールドが貼られているところが1箇所あり、そこにいると踏んでリムを向かわせ、アリーナの屋上にて待機させた。

 

 

『ハァァァ!!』

 

『くっ...!』

 

 

俺たちが見ているモニタには簪と別のクラスの女子生徒が戦闘を行っているのが見える。

 

 

「お!簪の試合がちょうどしてるじゃんか!」

 

「簪?どの子のこと?」

 

「あの薄い水色の髪の子だよ」

 

 

俺はモニタを指さした。

 

 

「へぇ、この子がね。

にしても、戦闘の仕方を学んでいる学校ね...。

悪魔のレーティングゲームのようなものね」

 

「確かにな。

人間界でも悪魔界でもISやレーティングゲームはどこか娯楽として見られてる気がするんだよ。

どっちも死ぬことが無いからさ」

 

 

それからも黒歌と話をしながら簪の試合を眺めていた。

 

 

「そろそろ、リムを下がらせようかな。

簪も頑張ってるのがちゃんと分かったしさ」

 

「そうね。

その簪って子も相手の子もいい勝負してたわね」

 

「だな。

あ、昼飯どうする?良ければなんか作ろうか?」

 

「ほんと!?いいの!?

やった、一夏の料理!」

 

 

それから黒歌と昼飯を食べ、再びISのデータ取りをした後に俺は家に帰った。

 

その晩、

 

【明日、婚約関係の話があるから必ず部室に顔を出して】

 

 

と、リアス部長よりメールがあった

 




やっぱり、ISよりもDxDの方が書きやすいのかな?

もしかしたら、ISよりもメインになるかも


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34 フェニックス来訪します!

夜中に、投稿します!

書いてる途中にちょっと思うことがあり、もしかしたら今後の展開を変えるかもしれません


授業が終わり、部室に行こうと準備をしていると、

 

 

「おーい、織斑ー!

今日、暇だったらゲーセン行かねぇか?」

 

 

と、クラスの男子【桂木 通称ヅラ】が話しかけてきた。

 

 

「あー、悪い。

今日、部活の会合があるんだよ...。

また今度な」

 

「ちぇっ、まあしょうがねぇか...。

じゃあな、織斑!」

 

「おう!」

 

 

その声を背に受けながら俺は教室を出て、廊下で待ってくれていた小猫と合流した。

 

 

「悪い、待たせたな」

 

「大丈夫、だから早く行こ」

 

 

小猫と共にオカ研の部室に向かった。

 

 

「あら、こんにちは一夏君、小猫ちゃん」

 

「こんにちは」

 

「こんにちは、朱乃さん。

お茶の準備ですか?良かったらこれお茶請けのお菓子に使ってください」

 

 

俺はカバンの中から今朝作ったマフィンを朱乃さんに渡した。

 

 

「あらあら、わざわざありがとうございますわ。

小猫ちゃん、折角だし頂いてみませんか?」

 

「是非」

 

 

紙袋の中からマフィンを一つ取り出し、朱乃さんと小猫は半分に分けて口にした。

 

 

「相変わらずとても美味しいですわね、一夏君の料理は」

 

「絶品」

 

「そう言って貰えると良かった」

 

 

それから、祐斗とリアス部長が来て2人もマフィンを口にし、好評を得たので会の場に置いておこうと机の上に置いた。

 

 

(あ、1個アイツに渡しとこう)

 

 

そう思った俺は一つマフィンを取り出し、スマホのメッセージアプリを開く。

 

 

一夏:マフィン作ったんだけど、食うか?

 

ギャスパリーグ:いいの?じゃあ、貰う!

 

一夏:なら魔法陣で転送する。てか、その名前なんだよ?

 

ギャスパリーグ:何となくイメチェンかな?

 

一夏:そっか、また感想聞かせてくれよ

 

ギャスパリーグ:うん!あ、この前、余った節分豆を使って神器の特訓したら30粒中20粒停められた!

 

一夏:食べ物で遊ぶなよ!?

 

 

このメッセージを最後に、ギャスパリーグことギャスパーとのやり取りを終了した。

てか、ギャスパリーグてほんと何?獣なの?BEASTなの?

 

 

と、1人苦悩していたら魔法陣が展開され、リアス部長の兄サーゼクス様の眷属の女王グレイフィア様だった。

 

 

「昨日ぶりですね、リアスお嬢様」

 

「そうね、グレイフィア」

 

「ライザー様がこちらへ到着するのはあと30分ほど遅れてになるそうです」

 

「そう、ちょうどいいわ。

イッセーもアーシアもまだ来ていないもの」

 

「確か、赤龍帝と回復系神器の持ち主でしたね」

 

 

リアス部長とグレイフィア様が会話をしている横でリアス部長以外のメンバーはグレイフィア様に頭を下げ、挨拶した。

 

 

「「「「こんにちは、グレイフィア様」」」」

 

「こんにちは、皆さん。

ですが、今日はサーゼクス様の眷属としてでは無く、グレモリー家のメイドとして来ております。

ですので、皆さま頭をお上げください」

 

 

そう言われ俺達は頭を上げた。

 

 

「し、失礼しますッ!!」

 

 

と、ドアをノックする音と兵藤先輩の上ずった声が聞こえた。

 

 

「イッセー?良いわよ、入りなさい」

 

 

部長が許可を出したことで、ドアがそろ〜っと開いた。

ドアの隙間から兵藤先輩とその後ろからアルジェント先輩が顔を出してきた。

なんかとても怯えながら入ってきた。

 

 

「?なぜ、そんなに怯えているの?イッセー、アーシア?」

 

「ぶ、部長、じ、実は旧校舎に入ろうとした時にとても重い感じがしたので...」

 

「そうなの?

あ、紹介するわね。

彼女はグレイフィア・ルキフグス、私の家のメイドでお兄様の女王よ」

 

「ご紹介に預かりました、グレイフィアです。

昨日、お会いしましたね、兵藤様。

それと初めまして、アルジェント様」

 

「「は、初めまして...!」」

 

 

部長の紹介により自己紹介をしたグレイフィア様に2人は緊張しがちに挨拶をした。

 

 

「ん?そういえば、朱乃さん。

昨日も兵藤先輩はグレイフィア様に会ったんですか?」

 

「そういえば、一夏君は知りませんでしたわね。

実はリアスったら、昨日、一誠君の家へ夜這いを掛けましたの」

 

 

な、何してんだ...あの人...。

 

 

「あ、だいたい分かりました」

 

 

と、俺たちが話をしているのと並行して、グレイフィア様は兵藤先輩と話していた。

 

 

「先ほど、兵藤様が仰った重い感じというのは俗に言う強者の出す重圧のようなものです。

先日まで一般人であった貴方様がそこまで感じれるというのであれば、これからの成長に期待できますね。

リアス様のこと、よろしくおねがいしますよ赤き龍帝さん」

 

「は、はい!!」

 

 

兵藤先輩、緊張し過ぎじゃないか?

 

 

「いえ、あれは女性にあそこまで近づかれて話しかけられているのに慣れていないだけです。

実際、胸を凝視してますから。

...変態」

 

 

小猫?悪態が聞こえてるぞ?

 

 

「そ、それで、グレイフィアさんは何故、部長さんの元へといらっしゃったのでしょうか?」

 

「それは―――っと、来たようですね。

申し訳ありません、アルジェント様。

その答えはこれからの内容で分かるかと思います」

 

 

すると、部室の開けたスペースに炎の魔法陣が現れた。

 

 

「な、なんだ!?火事か!?」

 

 

兵藤先輩は慌てふためく。

 

 

「違うよ、一誠くん。

これは、フェニックスさ」

 

 

祐斗が兵藤先輩の質問にそう答えた。

そう、この魔法陣は不死鳥としても名高いフェニックス侯爵家の紋章の魔法陣である。

 

すると、炎の中から2人の男女が姿を現した。

男の方はワインレッドのスーツにシャツのボタンを上からいくつか外した如何にも趣味の悪いホストのような格好をしており、女の方はピンクのフリルのドレスに金髪のツインテールが目印の女の子だった。

俺たち(兵藤先輩とアルジェント先輩を除く)は2人のことは当然、知っている。

フェニックス家三男の【ライザー・フェニックス】とその妹の【レイヴェル・フェニックス】である。

そして、ライザー・フェニックスの方は―――

 

 

「ぶ、部長の婚約者ァァァ!?」

 

 

祐斗がこっそり教えたが兵藤先輩は思わず叫んでしまい、パッと口元を塞いだ。

そう、ライザー・フェニックスはリアス部長の婚約者である。

 

 

「ふぅ、久々の人間界だな。

ん?よぉ、リアス、会いに来たぜ愛しのマイハニー?」

 

 

と、転移して早々、ライザーはリアス部長にボディタッチをかましに行った。

 

あ、部長がその手を振り払った。

 

 

「気安く触れないで、ライザー。

それと、その呼び方もやめて」

 

「そんなつれないところも素敵だな。

そんなことよりさっさと式の段取りを決めようじゃないか」

 

「私は貴方となんて結婚する気は無いわ!

私の結婚相手は私自身で決める!」

 

 

と、口論が2人の間で始まってしまった。

まあ、この展開はいつもの事なのだが...。

 

すると、ライザーの後ろで控えていたレイヴェルがこちらへやって来た。

 

 

「ご無沙汰していますわ、一夏さん。

それと、小猫さんもお久しぶりですわね」

 

「ああ、久しぶりだな」

 

「...久しぶり」

 

 

と、割りかしフランクな感じで話しかけてきた。

と言うものの俺たち同年代組はギャスパーを含め、4人で結構、それなりな交流はしていた。

例えるなら、親同士が仲がよければ子も勝手に仲良くなっていく法則である。

まぁ、リアス部長とライザーは別として...。

 

 

「最後に会ったのはいつ以来でしたかしら?」

 

「ギャスパーの封印がされる前の春とかだったと思うぞ?」

 

「うん、それくらいだったと思う」

 

「随分と時間が経ちましたわね。

と言っても、この人間界の情報端末のお陰で連絡は取れていましたからそんな感じはしませんでしたけど」

 

 

と、レイヴェルはスマホを取り出しながら話す。

本来、悪魔の社会では人間のことをあまりいい評価はしておらず、それ故に人間界のモノをあまり活用しないのだが、グレモリーやシトリーのように人間界に関わる家系とその家と交流が深い家ではネットなどは親しみ深く用いられている。

 

便利なのになぁ...。

 

 

「それで、ギャスパーさんが出てこられる目処は立ちましたの?」

 

「いや、まだだ」

 

「リアス部長も強くなってきてるのに...」

 

「早くお会いしたいですわね...。

それはそうと!お二人共、お付き合いをなされたそうですわね?」

 

 

急にレイヴェルは、話題を変えてきた。

 

 

「な、何、急に?」

 

「急にでは、ありませんわ!

ギャスパーさんから聞きましたわよ!

何故、私に教えてくれませんの!?」

 

「「あ、忘れてた」」

 

「キーっ!!

ほんと息ぴったりですわね!!

...お幸せに」

 

 

レイヴェルは声を荒らげたかと思うと急にボソッと何かを話した。

 

 

「ん?レイヴェルなんだって?」

 

「なんでも、ありませんわ。

そういえば、今度私もレーティングゲームの講習を受けるんですのよ」

 

「へー、でもレーティングゲームって成人した悪魔しか出来ないんじゃないのか?」

 

 

確か、レーティングゲームのルールブックにそう書かれていたはずだ。

 

しかし、レイヴェルはフフーンと笑い、

 

 

「実は、各貴族の会合が近々行われるんですけど、

そこでは私に悪魔の駒を持たせるかどうかの審査が行われるんです。

ですので、それを通過できれば私も眷属を持つことが叶いますのよ」

 

「へぇ、貴族ってやっぱ難しそうだなぁ」

 

「貴族じゃなくて良かった。

レイヴェル、偉い偉い」

 

 

小猫がレイヴェルの頭を撫でる。

 

 

「ちょ!?頭を撫でないで下さいまし!?

...おほん、それでお2人にご相談なんですが、仮に私が眷属を持てるようになったら、お二人共、私の眷属になってくださいませんか?」

 

 

その言葉で部室が静まり返った。




分かる人には分かったかな?

まあ、ここら辺からオリジナルを少しずつぶっ込んでいきたいと思います


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35 条件決めます!

2巻の内容はもう殆どオリジナルへとなってしまったかな...


あ、今回はいつもより短くなってます


「――私の眷属になってくださいませんか?」

 

 

その言葉で口論していた、リアス部長やライザー、他のみんなもシンとしてしまった。

 

眷属の引き抜きが目の前で行われているからだと俺は思った。

 

リアス部長は焦り出す。

 

 

「え!?ちょ、レイヴェルさん?

いきなりの勧誘に私、付いていけていないのだけれど今、イチカと小猫を勧誘したのかしら?」

 

「そうですわ、リアス様。

もし、私が悪魔の駒を持つに相応しい人材となれたならお2人のトレードを申込みたいのです」

 

 

レイヴェルは真っ直ぐ部長を見つめながら話す。

 

 

「ハハハ、面白いじゃないか。

グレイフィア様、先ほどのレーティングゲームの件ですが今回、ある条件を設けたいのですが構いませんか?」

 

「条件とは?」

 

 

ライザーが笑いながらグレイフィア様に尋ね、グレイフィア様が聞き返す。

というか、婚約の件をレーティングゲームで決めるのか...。

 

 

「私の妹の覚悟を確認するためにもこの度のゲームは妹を代理に立ててみたいのです」

 

「お、お兄様!?」「ライザー!?」

 

「つまり、先ほどサーゼクス様から仰せつかった解決策であるレーティングゲームに代理を立てるのですね?」

 

「そういうことです」

 

 

ライザーが説明し、グレイフィア様は確認をとっていた。

 

 

「少々、お待ちください。

サーゼクス様へ確認を取りますので」

 

「ライザー!

この件は私と貴方との間での話でしょう!

私たち同士で決着を着けないでどうするのよ!?」

 

「無論、俺もレイヴェルの仮眷属として出場するつもりだ。

そこで、リアス、お前を倒すさ。

それと俺は王じゃ無いから戦略を建てるのもアイツに任せるさ。

それくらいが、ちょうど良いハンデなんじゃないのか?」

 

「ば、馬鹿にしないで頂戴!

ハンデなんて必要ないわよ!」

 

 

と、リアス部長は言っているが、

ライザーは既に成人してレーティングゲームの大会へも何度も出場、上位に届きそうなほどの実力である。

レーティングゲームは戦略を建てる必要もあり、その分、何度も試合を行っているライザーの方が有利だろう。

 

しかし、今回の条件が飲まれれば部長とレイヴェルのレーティングゲームとなり、ライザーは戦略を建てない。

部長とレイヴェルはどちらもレーティングゲーム初心者だ。

 

初心者VS熟練者では無く、初心者VS初心者というカード。

これ程の好条件は無いと思う。

 

 

「サーゼクス様の確認がとれました。

この度のゲームはライザー様の条件で執り行っても構わないそうです」

 

「ほ、ほんとなの!?グレイフィア!?」

 

 

グレイフィア様の言葉にリアス部長は驚き聞き返す。

 

 

「ですが条件がありまして、

フェニックス家が勝てば、婚約成立と織斑様と塔城様のお2人のトレード成立と、フェニックス家へのメリットが大きすぎるとのことなので、

フェニックス家側の眷属の人数はリアス様の眷属の駒数と同じにして頂きます。

それと、リアス様のチームには【フェニックスの涙】を1個、ライザー様のチームには【フェニックスの涙】は0個という条件で、執り行うことでサーゼクス様の承認が降りました」

 

 

と、グレイフィア様がきちんと条件について説明してくれた。

 

 

「わかりました。

では、リアス、10日だ。

10日の準備期間を与えよう。

その後にお前とレイヴェルの対決だ。

行くぞ、レイヴェル」

 

「は、はい!」

 

 

ライザーとレイヴェルは魔法陣で部室を去っていった。

 

 

状況を整理しておこうか...。

俺たちが話している間に、部長とライザーは婚約の成立を掛けたレーティングゲームを執り行うことに決まった。

でも、レイヴェルが俺と小猫を眷属にしたいとリアスへトレードの申請をしたが、それを見たライザーがレイヴェルを代役に建ててレーティングゲームを行うことになった。

フェニックス側は条件として眷属の数を俺たちと同数まで下げる。

つまり、王1、女王1、戦車1、騎士2、僧侶1、兵士8ってことか。

それとライザーはレイヴェルへアドバイスをしないと言っていたな。

更にフェニックスの涙がコチラは1個、向こうは0個という条件になった。

試合は10日の準備期間を置いた後になった。

 

 

部長の婚約だけかと思ったら俺と小猫の今後も左右される戦いになってしまったな...。

 

 




さあ、どんなゲームに、なるのやら


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36 作戦会議ですっ!

久しぶりに投稿しました。

待っていた方にはホント謝罪いたします。
申し訳ありませんでした。
少し、先の構想を考えたり、他の作品かいたり、ゲームしたりゲームしたり――

とりあえず、フェニックス戦は原作とは違う状態での戦いになります!


「イチカと小猫は、その、トレードには賛成、なのかしら?」

 

 

部長が俺と小猫に対してそう聞いてきた。

 

 

「…確かに、レイヴェルは大切な友達です。

でも俺はこの眷属を離れる気はありません。

それに俺は部長にこの命を救われたんです。

せめて、その恩を充分に返してからでないとそう言った話は受け入れるつもりはありません」

 

「私もです。

小さいころから私を大切にしてくださった部長に報いたい、そう思ってます」

 

 

俺と小猫は恐る恐る聞いた部長に対してそう答えた。

 

 

「イチカ…!小猫…!ありがとう!

主として、そこまで言ってもらえて嬉しいわ!」

 

 

そう言いながら、部長は俺と小猫を抱いた。

なんか、兵藤先輩が羨ましそうにしてるけど、あちらもなかなかなスキンシップがあると思うんだけどなぁ、と思う。

 

 

「…部長、そういうのもいいんですが、それよりも決めなければいけないことがあるはずでしょう?」

 

 

と、朱乃さんがニヤニヤしながらリアス部長の顔を見てそう言った。

 

 

「え、ええ!そうね!

それじゃあ、ゲームまでの十日間は訓練を行いましょう――と、言いたいのだけれど、私達は学生よ。

特訓を行うのは放課後、それとゴールデンウィークに合宿を行いましょう。

イッセーとアーシアは悪魔になって日が浅いからある程度の知識もつけないといけないから、勉強の準備もしておいてね。

それじゃあ、早速だけれど作戦会議を行うわ!」

 

 

と、部長は宣言した。

 

 

「作戦会議、ですか?」

 

「ええ、そうよイッセー。

レーティングゲームとはチェスの駒に自分たちがなって戦うような物よ。

ルールは様々存在するけど、最終目的は相手の王を倒せばいいの。

だからそのための戦略、相手の手の内に予想なんかを決めておくのよ」

 

「なるほど」

 

 

兵藤先輩はリアス部長の話に納得した。

 

 

「では、早速ですが何から決めましょうか?」

 

 

と、朱乃さんが話を切り出す。

 

 

「まずは相手の眷属の情報収集かしらね。

レーティングゲームの過去ログは確か閲覧できたはずだから、最新のライザーのゲームの映像を探しましょう」

 

 

と、俺たちはライザーの過去の戦闘の映像を確認した。

勝負の結果からいうと、ライザーの勝利で終わっていた。

 

眷属は相手もライザーも倒れてはいたが、ライザーの女王の【ユーベルーナ】とライザーの二人で最終的には勝利を収めていた。

 

 

「ライザーはやはりフェニックス家特有の再生能力と炎の魔力が脅威ね」

 

「はい。

それに僧侶のレイヴェルさんもライザー様と同じように再生と炎の力は扱えますから、この二人を倒すのであれば長期戦になるやもしれませんね」

 

 

祐斗が映像を見てそう考察した。

 

 

「…それに兵士のチームワークも脅威です。

棒術を扱っている人と双子のチェーンソー使い、猫族の二人とメイド服の三人。

向こうは八人フルで投入することができますから」

 

「お、俺だって、兵士の駒8個で転生してるんだぜ、小猫ちゃん!!」

 

「そうですね。

でも、戦闘経験が圧倒的に不足してます」

 

「ぐっ…!」

 

 

小猫の考察に兵藤先輩が意見したが、正論で一蹴されていた。

 

 

「向こうは、8人の兵士と僧侶、戦車が1人、騎士が2人ですから数で掛かられたらこっちも被害が大きいと思います。

だから俺は最低でも2人以上で行動しつつ、ライザーたちフェニックス家の2人との戦いの為に誰かを温存しておくといいと思います」

 

 

俺はそう提案した。

 

 

「確かにそれが妥当ね。

イチカ、良ければあなたが思う組み合わせを教えてもらってもいいかしら?」

 

「はい。

俺は戦闘スタイルで分けるのが良いと思います。

【魔剣創造】による近接攻撃が得意な祐斗と雷撃の魔力による広範囲攻撃が可能な朱乃さん。

クロスレンジでの格闘戦が得意な小猫と神器による中近戦闘が可能な俺。

それと、王である部長の護衛と回復役のアルジェント先輩、そして兵藤先輩を最後まで残しておくべきだと考えます」

 

「お、俺?」

 

「はい。先輩の【赤龍帝の籠手】による倍加能力を温存しておけば終盤でその力を爆発的に発揮できると思うからです。

でも、それは先輩のこれからの成長次第だと思いますけど」

 

 

俺は、生意気かもしれないがそう兵藤先輩に告げた。

事実、兵藤先輩は戦闘に関しては未だ素人だ。

だからこそ、少しでも戦えるようになってもらって、その力を神器の力で解放することができればフェニックスの再生能力を一気に削れると思う。

 

 

「確かに妥当な案ね。

だったら、合宿中の間にイッセーが戦えるようになるよう、皆で稽古をつけてあげればいいのよ。

魔力の扱い方や近接での立ち回りなんかは私たちが教えることで補えることができると思うもの」

 

 

と、いうことになり兵藤先輩の基礎能力強化と俺が出した案のペアでの連携を強化することが合宿の主な目標になって今日は解散となった。

 

対決まで残り9日。



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37 合宿~木場・一夏~

ゴールデンウィークが始まり、俺たちグレモリー眷属は早朝から山登りをしていた。

理由はもちろん、レーティングゲームに向けた合宿である。

部長の持つ人間界の別荘の一つがこの山の中にあり、そこでゴールデンウィークが終わるまで訓練に没頭する、という計画だ。

 

で、その目的の一つに兵藤先輩を戦えるようにするまでの育成があった。

その為、山の入口からかなり離れた別荘まで徒歩で移動する際、兵藤先輩は巨大なリュックを背負っていた。

あの中には自分の荷物と部長、朱乃さん、アルジェント先輩の荷物が入っており、それと合宿中の食料も入っていた。

 

 

「...ヒィ...ヒィ......、ま、まだ着かないんですか?」

 

 

リュックの重さに挫けそうな兵藤先輩が部長にそう訊ねた。

 

 

「あと、20分ほどよ。

やっぱり、少し前まで人間ということもあって上手く力を使えてないようね」

 

「い、一誠さん!やっぱり私も持ちます!」

 

「い、いや、アーシアには持たせられないって...。

てか、木場!お前はなんで持ってないんだよ!?」

 

「僕かい?僕は荷物は魔術で収納してるんだよ。

頑張ってね、一誠君」

 

「じゃ、じゃあ、織斑は...!?」

 

「当然、俺だって持ってますよ。

自分のと小猫の二人分を」

 

 

量的には兵藤先輩の方が多いけれど、重さは大体近いんだよなぁ。

小猫の荷物の中には着替えは勿論だけど、菓子類も結構な量入ってるし。

 

その後は兵藤先輩は部長やアルジェント先輩に励まされながらなんとか別荘にたどり着くことができていた。

 

 

「それじゃあ、早速特訓に入りましょう。

イチカ、祐斗、二人が最初にイッセーの訓練をしてあげて」

 

「「分かりました」」

 

 

俺たち男子勢は更衣室に向かい、動ける格好に着替え始めた。

俺はジャージの下に慣らし運転するつもりでISスーツを着ていた。

 

 

「お前らって実は結構鍛えてたんだな。

ただのイケメンかと思ってたが意外と侮れん...」

 

「先輩もいずれ慣れますよ」

 

「うん、そうだよ。

なんなら僕らと一緒にずっと訓練するかい?」

 

「それだけは絶対ゴメンだね!!

俺は部長や朱乃さんたちと楽しく訓練するんだい!」

 

 

と、兵藤先輩は拒否し、なんか変な顔をしていた。

あ、これだけは言っておかないと...

 

 

 

「あ、兵藤先輩ひとついいですか?

訓練するっていうのは構わないんですけど、もし小猫に対してふしだらなことをしたら――――どうなるか分かってますね?」

 

「ヒ、ヒィ!?了解であります!!」

 

 

と、クギを刺しておいたが小猫に触れようなんて考えてたら多分、壁にめり込まされてるんだろうなぁ...。

 

俺たちは森の中に入り、訓練を開始した。

 

 

「じゃあまずは一誠君にはこれを使って僕たちと打ち合ってもらおうかな」

 

 

そう言って祐斗は刃を潰した魔剣を創造し、兵藤先輩と俺に渡してきた。

 

 

「僕たちとは武器を使っての戦いに慣れるように訓練してもらうよ。

君は恐らく無手が基本だろうけど、自分が剣を使うことで剣を持つ相手と戦う時の想像がしやすいだろうからね」

 

「おう、分かったぜ!」

 

「それと俺と祐斗。

それぞれを一度相手して1セットということにします。

セットを重ねるごとに神器の倍加を一段階ずつ解放していって下さい。

そうすることで俺たちの訓練にもなりますし、神器を扱う訓練にもなりますから」

 

「おっしゃ!任せろ!!じゃあ、先ずは木場からか?」

 

「そうだね。

じゃあ、一夏、合図を頼むよ?」

 

「おう」

 

 

で、俺が合図をした後に祐斗と兵藤先輩が模擬戦を開始したが、日頃から剣を扱っている祐斗と剣を握って間もない兵藤先輩ではそう長く勝負が続くはずも無く、結果は祐斗の圧勝だった。

 

 

「は、早すぎて、分からなかったぜ…」

 

「じゃあ、次は一夏とやってもらうよ」

 

「お願いします、先輩」

 

「あ、て、手加減とかは…?」

 

「先輩の為の特訓ですよ?

そんなことするとでも?」

 

「ですよね~!!」

 

 

ひとまず、俺は騎士の駒を活かした機動力で先輩の眼から逃れるように動き回った。

 

 

「み、見えねぇぇ!!」

 

「眼だけで捕らえちゃいけませんよ、先輩。

視野を広くして周りの色々な情報を取り入れるんです」

 

「音、においなんかだって一夏の動きによって微妙に変化するんだ。

だから、深く集中するんだ、一誠君」

 

 

と、俺と祐斗はアドバイスをした。

 

 

「集中…集中……!!そこだぁ!!」

 

 

と、兵藤先輩が剣を振るうが、

 

 

「違います」

 

 

そう言って俺は兵藤先輩の後頭部に軽く剣を振り下ろした。

 

 

「ごはっ!!」

 

 

兵藤先輩が地べたに這いつくばった。

 

 

「全然違うとこ振ってましたね」

 

「集中できてないよ一誠君」

 

「くそっ、もう一度だ!!」

 

 

兵藤先輩は赤龍帝の籠手を発動し、訓練を再開した。



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38 合宿~初日・夜~

SIDE 一夏

 

 

訓練にて兵藤先輩を叩きのめし続けた後、合宿所のキッチンを使い、俺は夕食を作っていた。

まあ、結構な大人数ってこともあるから朱乃さんも一緒に作っているが。

 

 

「朱乃さん、そろそろ鍋の湯が沸くころなんで具の投入お願いします」

 

「わかりましたわ。

にしても、一夏君は相変わらず手馴れてますわね。

小猫ちゃんが羨ましいですわ、うふふ」

 

「あはは、どうも」

 

 

最近、どうも朱乃さんの俺に対する態度が変わってきているような気がする…気がするだけだが。

 

 

「明日は朱乃さんが兵藤先輩を見るんですよね?」

 

「ええ、アーシアちゃんと一緒に魔力の指導を行いますの。

良ければ一夏君もどうかしら?

手取り足取り教えて差し上げますわよ?」

 

「いえ、明日は祐斗とひたすら打ち合おうと思うんで」

 

「そうでしたか、連れないですわね」

 

 

と、会話を続けながら料理を作り、夕食時――

 

 

「うめぇ!なんだこれ!!朱乃さんが作ったんですか!?」

 

「いいえ、こちらは一夏君が作りましたのよ。

私は少し手伝いをしてただけですので」

 

「顔も良くて、運動神経も良くて、更に料理まで上手いのかよ…。

でも、ホント旨いな」

 

 

と、兵藤先輩は悪態づくがなんだかんだ俺の料理を褒めてくれた。

 

 

「本当に美味しいです!一夏さん!」

 

「ありがとうございます、アルジェント先輩、兵藤先輩も」

 

「私のことはアーシアで構いませんよ?」

 

「そうそう、俺だって一誠でいいんだぜ?

なんか同じ眷属でも壁があるみたいだしさ」

 

「分かりました、アーシア先輩、一誠先輩」

 

 

そして食事を終え、座学の時間となったが、途中で俺の携帯に電話が入ってきた。

 

 

「すみません、少し外します」

 

 

そう言って俺は部屋を出た。

 

 

「もしもし?

あ、千冬姉、久しぶりだな」

 

『そうだな、久しぶりだな一夏。

そっちの学園生活はどうだ?』

 

「こっちは楽しいよ。

クラスの皆は結構良い奴らだし、部活のメンバーも千冬姉は写真とか見たことあると思うから誰がいるかは分かると思うけど、この前二人新しい人が入ってきたんだ」

 

『そうか、そっちでの生活が充実していてなによりだ。

それでお前の専用機の開発だが、この前開発が完了したと聞いているが、既に持っているのか?』

 

「ああ。機体は受け取ってるよ。

今はたまに会社のアリーナで練習してるし、そっちに転校するころにはある程度扱えるようにしておくさ」

 

『ほう、それは楽しみだな。

…で、ゴールデンウィークに入ったからな、久しぶりにお前の手料理を食べたいと思って一応、明日と明後日は休みを取ってるんだが、帰って来れないか?何なら友人を連れて来てもいいぞ』

 

「明日、明後日か…。

ちょっと待っててくれるか?今、こっちは部活の合宿に出かけててさ。

帰れるかどうか交渉してくるよ」

 

『分かった。

また連絡頼むぞ』

 

「それでさ、そっちの方はどうなんだ?

IS学園の様子はやっぱり、冬八が入ってきて変わったんだろ?」

 

『…聞いてくれるか、一夏』

 

「…まあ、言いたくないなら別に話さなくてもいいけど」

 

『いや…話そう。

実は、IS学園には【箒】もいて――「あの【篠ノ之箒】が?」ああ、冬八にベタ惚れだったあの箒だ。

まあ、あいつは束の妹ということもあり、IS学園に入るのはほぼ必然だったんだが、それともう一人イギリスの代表候補生もいてな――「ああ、【セシリア・オルコット】だっけ?」お前も知ってるのか?』

 

「俺だって代表候補生の名前くらい知ってるさ。

それに知り合いだっているし。

で、その二人が――って、大体わかった」

 

『察しが良くて助かる…。

アイツらが冬八を取り合うから結構、トラブルが多くてな。

更に、凰の奴も転校してきて、もうこっちへの苦情が絶えないんだ…』

 

「鈴も来たのか。

ってか、苦情ってまさか、ISを無断展開したり器物破損とかしてるってことか?」

 

 

と、その後もしばらく千冬姉の愚痴を聞き続け、ずいぶんと長電話をしていた。

 

 

「じゃあ、帰ることができたら千冬姉の好きなもの作ることにするよ、じゃあな」

 

『ああ、頼んだ』

 

 

俺は電話を切ると、勉強していた部屋に戻った。

 

 

「随分と長い電話だったわね」

 

「すみません、部長。

姉からの電話だったので」

 

「千冬さんからだったんだ」

 

 

部長、小猫が反応する。

 

 

「それで、あの、出来たらで良いんですけど明日、明後日と家に帰っても構いませんか?

千冬姉も結構、疲れてたみたいで久しぶりに顔を見せたいんで」

 

「…まあ、いいわ。

ゲームまでの日取りはまだあるし、一日二日ならば大丈夫よ」

 

「それで、友達を連れて来てくれても構わないそうなんで、誰かと一緒でも大丈夫でしょうか?」

 

「ちょっと待っててちょうだい。

確か、明日のイッセーの訓練は魔力の訓練だから朱乃がやるとして、その次は小猫との体術訓練よね」

 

 

と、部長は一誠先輩特訓スケジュール帳なるものを取り出し、色々つぶやいていた。

 

 

「一夏のことだから小猫を連れていくのでしょう?」

 

「まあ、そのつもりでしたけど」

 

「…私も行きたいです」

 

「小猫を連れていくのは構わないわ。

でも、一応、明後日の特訓が体術だから明後日の昼までには帰ってきて欲しいのよ」

 

「はい、わかりました」

 

 

と、付いて来ようとしていた小猫に対して部長はそう言った。

 

 

「それでは二日目は私が行ってもいいかしら?」

 

「朱乃さんが?俺は別に構いませんけど」

 

「ええ、別に構わないわよ」

 

 

と、部長が朱乃さんに許可を出した。

 

 

「ふふ、ありがとうございます、部長」

 

「それでも一夏。

帰っても一応、怪しまれない程度に特訓はしておいてね?」

 

「はい、筋トレとか走り込みを一応、いつものようにしておきます」

 

「なら良いわ。

荷物を一応、纏めておきなさい?」

 

 

で、その後も勉強したのち、俺と小猫と朱乃さんは家に帰るための準備をしておいた。

 

 




そういえば、ISのゲームのβテストが始まってますね。

当然私は、星4キャラは簪をゲットしました。
結構、周回しやすいゲームでしたね。
育成が楽そうで良かった


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GW~織斑家で過ごす一日~小猫編

SIDE 一夏

 

 

千冬姉と電話した翌日、合宿所で朝を迎え早朝の眷属全体での基礎トレーニングを行い、朝飯を今日はアーシア先輩と祐斗が作り、それを食べた後に小猫と一緒に部長へあいさつして自分の寮の部屋へと転移の魔術で飛んだ。

 

 

「うし、じゃあモノレールの駅まで行ったら、真っすぐ家に向かってそれから夕飯の買い出しにでも行くか」

 

「わかった」

 

 

で、俺たちは実家のある地区までのモノレールに乗って、久しぶりの我が家に帰ってきた。

当然ながら、庭の草は結構生えていて、何か汚らしくなっていた。

まあ、久しぶりに帰ってきたんだし…と思い、簡易の人払いの術式を張って、草抜きを魔術を用いて手早く済ませた。

……結構、この力を変な方に役立ててるなぁ。

 

 

「良し、じゃあ、部屋も確認しようっと」

 

 

と、俺は小猫を引き連れ家に入った。

 

 

「ただいま~、千冬姉いるか?」

 

「お邪魔します」

 

 

すると、リビングへ続くドアが開き、私服姿の千冬姉が出てきた。

 

 

「久しぶりだな、一夏、それと塔城も。

ああ、それとおかえり、元気そうでよかったぞ」

 

「そっちも元気そうだな。

――リビング汚してないよな?」

 

 

俺はそう言いながら、リビングへと向かってみた。

いつも千冬姉と冬八だけなら散らかっている筈なんだが…。

リビングを見て唖然とした。

綺麗なままだった。いや、多少の使ったような跡はあったんだけど、普通に掃除をされているような感じにきれいになっていた。

 

 

「千冬姉、家事ができるようになったのか…!?」

 

「それほどに驚くことか!?

んん!ま、まあ、お前が家を空けることも増えてた時期があったが、その時に凰の奴に『家事もできないなんてこの先、生きていけるんですか?』と、言われたことがあってな……。

お前ほどにはできなくても私や冬八も掃除や洗濯なんかはできるようになってるんだぞ」

 

「アレほど嫌がっていた家事をとうとう千冬姉が…ウっ、何か目から汗が…」

 

 

と、俺は何か千冬姉の話を聞いていると眼頭が熱くなっていた。

 

 

「一夏君、泣きたいときは泣いていいんだよ?」

 

 

と、小猫が俺の頭を撫でる。

 

 

「まあ、その話は置いておいてだ。

お前たちの距離、やけに近くないか?」

 

 

と、千冬姉がそう俺たちに聞いてきた。

 

 

「そのことなんだけど、俺たち正式に交際することになったんだ」

 

「何!?あの唐変木とまで言われていた弟たちの一人にやっと恋人ができたのか!!

私も、なんだか泣けてくるぞ…」

 

「な!?唐変木ってなんだよ!?」

 

 

唐変木だなんて心外だ…。

 

 

「苦労を掛けるな、塔城いや小猫」

 

「いえ、もう慣れっこですし」

 

「ふ、やはりいい子だな。

一夏、こんなにもいい子は滅多にいないぞ、手放すなよ?」

 

「…わかってるよ。

あ、それと今日は小猫が来てるんだけど、明日、用事があるから小猫は明日帰るんだけど、部活の先輩の朱乃さんを呼んでもいいか?」

 

「朱乃――ああ、箒に似た長い髪の少女か。

別に構わんぞ、冬八の方もいつものあいつらが付いてきそうな予感もするからな」

 

「いつものって鈴たちのことか?」

 

「そうだ。

それで今日は何を作ってくれるんだ?ちなみに私のリクエストは―――「チーズハンバーグだろ?」流石、私の弟だ。

私の好みを熟知しているな」

 

「何年家族をやってると思ってるんだよ?

じゃあ、買い出し行ってくるよ、小猫も行くだろ?」

 

「うん」

 

「なら費用は私が出そう。

その代わり冷凍用に多目に頼んでもいいか?」

 

「了解。

じゃあ行ってくるよ」

 

 

俺と小猫は必要な物を持って買い物に出かけた。

すると、家からスーパーまでの途中で人に出くわした。

 

 

「あら?一夏じゃないの!!」

 

「鈴?おお、久しぶりだな!」

 

「本当久しぶりね。

それに小猫、アンタも久しぶりじゃない?」

 

「うん、久しぶり鈴」

 

 

鈴が中国に帰って以来、小猫はおろか俺も会うことは無くなっていた。

 

 

「二人がいるってことは、今日は家に帰ってるの?」

 

「そうだぞ、千冬姉がご飯を家族で食べたいって言うから久しぶりに皆でと思ってさ。

小猫は友人を連れて行っても構わないっていうから、一緒に来たんだ」

 

「ふ〜ん?じゃあ私も行ってもいいかしら?

休みだからって学園から出てきたけど思ったより暇なのよ」

 

「いいぞ。

千冬姉はそう言うと思って、鈴たちが来るのを予想してたみたいだし」

 

「うぐっ、流石千冬さん...。

まあ、折角だし私も買い物付き合うわよ?

―――あっ、それともお邪魔だったかしら?」

 

「いや、俺は別に平気だけどさ」

 

「私も良い。

鈴は別にライバルじゃないから」

 

 

ライバル?何のライバルだ?

 

 

「ならイイわね!先にあんたの家に行って千冬さんと一緒てのは流石にキツいから」

 

 

 

鈴を連れて3人で買い物を始めていると、途中で

 

 

「そういや、あんたらってもうくっついたの?」

 

 

と、鈴が発言し、小猫は顔を赤くし、俺はブッと噴き出した。

 

 

「あ、その反応はやっぱり出来ちゃったのね!

あー、羨ましいわー。本当羨ましいわー」

 

 

と、鈴は棒読みで俺たちをからかってきていた。

 

 

「鈴の方は冬八とはどうなんだよ?」

 

「へ!?ま、まあ順調よ!?」

 

「まあ千冬姉から詳細は聞いてるから知ってるけど。

あんまり見栄を張らない方がいいぞ?バレたときに恥ずかしい思いをするんだからさ」

 

「な!?うっさいわよ!?

アイツが悪いのよ!私との約束を全く違う解釈してたんだもん!!」

 

「いや、アイツの性格知ってるんだったらそれじゃあ通じないのは分かってるんだろ?」

 

「そうね、あんたと同じで」

 

「一夏君と同じだね」

 

 

と、小猫と鈴が俺を見ながらそう言った。

 

 

「だから!俺は唐変木じゃないって!?」

 

 

それから近所のスーパーに行って必要なものを買い集めていき、家に帰った。

すると家を出る前よりも靴の数が増えていた。

 

 

「ん?他にも誰か来てるのか?」

 

「げ、この靴は…」

 

 

と、鈴はその靴を見て誰が来ているのかを察しているようだった。

 

 

「ただいま、千冬姉。

冬八の靴以外にも誰かのがあったけど、誰かいるのか?」

 

 

リビングに入ると、そこには千冬姉と、帰ってきたのであろう冬八の他に二人の女性が座っていた。

 

 

「やっぱり!なんであんた達がここにいんのよ!?箒、セシリア!!」

 

 

なるほど、この二人が冬八関連のトラブルメーカーなのか…。

それにしても、箒は久しぶりに見たが、相変わらずのポニーテールなんだな。

 

 

「それはこっちのセリフですわ、鈴さん!!

一番の脅威である貴女がいないと踏んで冬八さんに頼んでお邪魔させていただきましたのに!!」

 

「あ、ちなみに私は千冬さんに呼ばれたからお邪魔してるだけだぞ?

それと、久しぶりだな、一夏。

私のことを覚えているか?」

 

 

ポニーテールの女性【篠ノ之 箒】が俺に話しかけてきた。

 

 

「おう、覚えてるぞ、6年ぶりだな、箒」

 

「うむ。

それでこちらの人は?」

 

「私は塔城 小猫。

一夏君の彼女、よろしく」

 

「なに!?一夏に彼女だと!?

――うぅむ、これはいよいよ危うくなっているぞ…」

 

 

と、小猫の自己紹介を聞き、箒は何やらぶつぶつと話していた。

 

 

「あ、それと鈴も一緒にご飯食べるってことになったけど、別にいいよな?」

 

 

と、俺は千冬姉に尋ねた。

 

 

「ああ、構わんぞ。

予想通りに押し掛けてきたからな。

お前たちは、少し黙れ!!」

 

 

隣でワーワー言っていた鈴と確かセシリアさんだったかな?が千冬姉に拳骨を喰らっていた。

 

すると、冬八もリビングに入ってきた。

 

 

「何だようっせーな。―――なんだ、帰ってたのか」

 

 

と、俺を見るなり、そう一瞥し言った。

 

 

「なんだ?久しぶりに会った兄弟なのに会話が少ないぞ?」

 

 

と、千冬姉は茶化すように俺と冬八に言った。

 

 

「…生きてたんだな、冬八」

 

「勝手に殺すんじゃねぇよ!!

いや、まぁ死にそうな目には遭ったんだがな…。

ホント、お前が早く来ないか楽しみにしてんだぜ?」

 

「お前、そんな風に思って――「俺への被害が減るからな」――そんなことだろうと思ったよ!!」

 

 

と、千冬姉に乗せられてではあるが、俺と冬八は軽口を言い合っていた。

 

 

「まあ、とりあえず作ろうかな。

小猫、一緒にやるか?」

 

「うん」

 

「あ!私も手伝うわよ!」

 

「なら私もやろう。

食事をいただく身だ。何か少しでも手伝いたいからな」

 

「確かにそうですわね。それでは私も―――「いや、あんたは止めときなさいよ」どういう意味ですの!?鈴さん!!」

 

 

と、鈴が止めた。

 

 

「なんで止めたんだ?」

 

「アイツの料理って、実は超が付くほどに激不味なのよ。

前に1度冬八がお昼を作ってもらってたんだけど、食ったアイツは卒倒しちゃったのよ」ボソッ

 

 

マジかよ…

流石にこれだけの人数がいて、そんな事態になれば大変だな。

 

結局、セシリアさんの参加は無くなり、4人でハンバーグ、サラダ、付け合せのパスタなどを作り、大人数での食事を楽しんだ。

 

 

「じゃあいただきます!」

 

「「「「「「いただきます!」」」」」」

 

 

全員が俺たちが作ったハンバーグを口へ運ぶ。

 

 

「うむ、やはり一夏の作った料理は美味しいな」

 

「いつも通りの安心できる味」

 

「何よこれ!私追いつける気がしないんだけど!?」

 

「洋食はあまり食べないのだが、これは良い物だな」

 

「本当に美味しいですわ!」

 

「…うめぇ」

 

 

と、皆が色々な感想を言ってくれた。

 

 

「あ、そういえばちゃんとした自己紹介をしていませんでしたわね。

私は【セシリア・オルコット】、IS学園では冬八さんとは同じクラスでイギリスの代表候補生ですわ。

いずれ、貴方は私の弟になるかもしれないんですし、何卒よろしくお願いしますわ」

 

「ちょっと!何が弟よ!それじゃあ、アンタと冬八が、そ、その付き合ってるみたいじゃない!!」

 

「そ、そうだぞ!そ、それに貴様!外堀から埋めようなどと卑怯な手を使うな!」

 

 

と、箒、鈴、セシリアさんの三人が口喧嘩を始めていた。

セシリアさんのさっきの発言はスルーしておこう。

 

 

「喧しいぞ、お前たち!――全く、一夏の食事が静かに味わえんだろう」

 

「一夏君、御代わり」

 

「分かった」

 

「ていうか、なんでオルコットが一夏の弟になるんだ?

別に血は繋がってないだろうし」

 

 

と、鈴たちが痛がっているのを見ながら、冬八がそういう発言をしていた。

 

 

「さて、そろそろ私はお暇しよう。

帰りのモノレールが無くなりそうだからな」

 

「あ、私もですわ!」

 

 

と、二人が帰る支度をし始めたが、

 

 

「鈴?なぜ貴様は準備をしないんだ?」

 

「え?だって私、泊まるつもりでこっちに来てるし」

 

「ちょ!?どういうことですの!?鈴さん!!」

 

「そもそも私、今日は自分の家かここに泊まるつもりで準備してたもの。

良いわよね?一夏、冬八」

 

「ん?いいんじゃねぇの?

ふわぁ~ねみぃ」

 

「まあ、今までにお前が使っていた布団はあるし、構わねぇけど」

 

 

と、冬八は素っ気なく、俺は普通に許可を出した。

 

 

「私も別に構わんぞ、お前が泊まるつもりだったのは見ればわかっていたからな~」

 

 

と、ビール缶を片手に千冬姉も許可を出した。

 

 

「で、では!私も!「―――お前はそもそも外泊届を出していないだろうが」

 

 

と、千冬姉に一蹴されあえなく轟沈。

 

 

「わ、私は「お前もだろう」――ですよね」

 

 

箒も同じくだった。

二人は渋々、荷物をまとめてモノレールの駅まで歩いて行った。

 

 

「さぁて、邪魔な奴らも帰ったことだし、遊ぶわよ!冬八!!」

 

「は?だから俺は眠いって言ってんだろうが!」

 

 

と、はしゃぐ鈴とテンションが激下がりの冬八を見て、

 

 

「遊ぶのも寝るのもいいが、お前たち課題はやっているのだろうな?」

 

 

と、千冬姉が爆弾を投下した。

突如、冬八の表情が変化した。

 

 

「あ、私は貰った時に大体をやってるんで、大丈夫でーす」

 

「ま、まだ、ゴールデンウィークも始まったばかりだし…」

 

 

と、冬八が言い訳をすると、いつもなら怒る千冬姉が

 

 

「まあ、今日くらいはいいだろう」

 

 

と、許可を出していた。

お酒の力ってやっぱりすげぇなと実感した瞬間だった。

 

 

「まあ、俺たちは片付けしたら部屋で少し課題をやるか」

 

「うん」

 

 

こうして、俺たちの長くて騒がしいゴールデンウィークの一日が終了した。

 




今回、IS原作ヒロインの三名が登場しましたが、
箒の性格を少しおとなしい感じにしました。
まあ、冬八がらみになると結構、爆発するんですが・・・


次回は朱乃さんが織斑家に来ての一日になります


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GW~街で過ごす一日~朱乃編

まあ、今回すごく進展するっていうことだけお伝えしておきます


SIDE 一夏

 

 

結局、勉強を終えた後、俺と小猫は当然、別々に風呂に入って鈴と嫌々参加していた冬八とゲームをし、鈴が小猫と一緒に寝たいというので二人は客間で就寝し、俺は今日のことを振り返りながら、布団にもぐっていた。

 

 

「なんか久しぶりに色んな人に会ったけど、街の人も千冬姉も鈴も箒も――あと、冬八も変わってなかったな…。

箒なんか小学生の頃なんか俺を散々、付け回してたのにすっかり性格が変わってしまってて、何か可笑しかったな。

…なあ、アルトリア、俺ってこのままでいいのか?悪魔へと転生してしまった俺が、人間の千冬姉たちと関わり続けてていいのか?」

 

『と、言いますと、やはりあの方たちへの被害の事でしょうか?』

 

「ああ。

黒歌を助けたときみたいにテロ組織がいつか千冬姉たちに襲い掛かるかもしれないだろ?

いくら千冬姉が強かったり、ISがあるって言っても、それが敵に通じるかどうかも分からないじゃないか。

それならいっその事、記憶を改ざんしてでも安全を守る方がよっぽどみんなの為になるんじゃないかって思うんだよ」

 

『確かに、その恐れはあるでしょう。

ですが、記憶改ざんを行ったとしても、それであの方たちが狙われないという保証はどこにもありません。

ならば、マスター自身が真実を打ち明け、庇護のもとに生活していただくか、身近なところで守る他ないでしょう。

それに、記憶を失われるのはマスターにだけでなく、もっと周りの人にも影響が及びます。

あらゆる人、物、データからマスターの存在を完全抹消したとしても、その根幹に残っているマスターとの記憶は決して無くならないでしょうから。

むしろ、何かの拍子に記憶が戻り、マスターのことを捜索される方が余程危険だと思いますよ』

 

 

と、アルトリアは俺にそう教えてくれた。

 

 

「結局のところ、何が正しいのかなんて誰にも分らないってことか…。

難しいな…」

 

『ええ、難しいものです』

 

 

そのまま俺の意識は眠りに落ち、朝になるとキッチンへ向かい、5人分の朝食の支度をする。

一番最初に起きたのは、珍しく冬八だった。

 

 

「おう」

 

「ん。

今日は朝、何?」

 

「昨日、残った野菜を使って作ったスムージーとサンドイッチだ。

皿、五人分出しといてくれ」

 

「OK」

 

 

冬八が五人分の大皿をテーブルの上に並べ、俺はスムージーをテーブルに置き、サンドイッチを皿に置いた。

 

 

「じゃあ起こしに行くか。

冬八、千冬姉を頼んだぞ」

 

「おー」

 

 

俺は客間に行き、小猫と鈴を起こしに向かう。

戸を開けようとしたが、小猫だけならまだしも、今は鈴もいることを頭の中で再確認し、部屋をノックした。

 

 

「おーい、起きてるか?

朝ごはんできたぞー?」

 

 

が、部屋からは反応が無い。

ならばと思い、俺は戸を開けると二人はまだぐっすりと寝ていた。

しかも、布団を二つ敷いているにも関わらず、同じ布団で寝ていた。

 

俺はいたずら心が沸き、ちょうど日光が部屋に入る位置のカーテンを勢いよく開けた。

 

 

「眩しっ!?」

 

「!?」

 

 

と、二人は目に当たる日光を防ぐため、目に手を当てていた。

 

 

「朝だぞ、起きろよ」

 

「ふぁ~い」

 

「あ、あと10分…」

 

 

小猫は体を起こすが、鈴は布団に包まりなおしていた。

 

 

「起きないのか…。

なら、千冬姉に起こして「起きたわよ!!」――変わり身早いな」

 

「お腹すいた…」

 

「出来てるから早く準備しろよ?」

 

 

俺は二人にそう言うが、寝ぼけ眼の小猫は

 

 

「髪、一夏君、やって~」

 

 

と、首をかくんかくんさせながら俺にそう要求してきた。

寝ぼけているモードの小猫だな、これ。

 

 

「分かったから、とりあえず意識を覚醒させとけよ」

 

 

と、俺は寝ぐせで乱れている小猫の髪を猫のマークが入っている櫛で梳いていく。

 

 

「アンタ、いつも小猫にこういうことしてんの?」

 

 

意識が完全に覚醒した鈴が俺にそう聞いてくる。

 

 

「偶にだけどな。

ほら、できたぞ」

 

「しかも手馴れてるわね…。

アンタ、家事だけじゃなくてそういうことも得意なわけ?」

 

「いやー、小猫の世話してたらいつの間にか」

 

「女子力に磨きをかけてどうすんのよ…」

 

 

で、小猫の髪を梳き終え、三人で食卓へ向かう。

千冬姉と冬八は既に椅子に座っていた。

千冬姉は寝間着にまだ少しボサついている髪だった。

 

 

「おはよう、千冬姉」

 

「ああ、おはよう一夏。

小猫と鈴もおはよう」

 

「「おはようございます」」

 

 

で、席に着いた俺たちは食事を開始する。

 

 

「そういえば昨日聞き忘れていたな。

冬八、IS学園に来てからの生活はどんな感じだ?」

 

「んー、先ずトイレが少なすぎて困る。

食堂、校内での視線がウザイ」

 

「そりゃ、アンタしか男居ないんだししょうがないんじゃない?」

 

「だけどよ。

トイレは如何にかならねぇのか?

来賓で、男の人だって来るときくらいあんだろ?」

 

「確かにそういう場合もあるが、そういう時の部屋の近くにはきちんと男性用のトイレもあるぞ。

それはお前も立ち寄るから分かるだろう」

 

「視線っていうのは具体的にどんなのでしょうか?」

 

 

と、小猫が冬八に尋ねる。

 

 

「見世物にされてる感じだな。

特に酷かったのは入学一週間あたりだな。

それにセシリアとの揉め合いの時も情報がすぐに出回ってて鬱陶しかった。

てか、なんであの時、止めなかったんだよ千冬姉」

 

「何を言っている?

そもそもお前たちが売り言葉に買い言葉で始めたことが切っ掛けだろう。

それに私はちゃんと止めたぞ?

それを無視してお前らはわめき続けていたがな」

 

「ぐっ…」

 

 

朝食を終え、小猫は準備をし合宿所へと戻っていった。

鈴も一度、自分の家に戻ると言って荷物は置きっぱなしにして出かけた。

 

 

「そう言えば、お前たち二人に伝えておこう。

6月にだが転校生が来る。

日程はバラバラだが二人だ」

 

「て、そんなこと俺に伝えていいのか?」

 

「同じく」

 

「一夏には別に構わんだろう。

内、一人はお前なんだからな。

IS委員会も痺れを切らせてな?いよいよ編入させろとこちらに抗議をしてきて、お前の所属している企業にも連絡は行っているはずだ」

 

「そうなのか?

あの人、絶対俺に報告し忘れてるよ…」

 

「良し、とうとう俺のスケープゴートが――「おい、聞こえてるからな?」」

 

 

にしても、6月か…。

別に会えなくなるって訳じゃないし、平気だけどなんか寂しいな。

 

すると、家のインターホンが鳴らされた。

 

 

「誰か来たみたいだな。

朱乃さんかな?」

 

 

俺は玄関へ向かってみた。

やはり、来たのは朱乃さんのようで、俺は家に上げた。

 

 

「おはようございます、一夏君。

お邪魔させていただきますわ」

 

「おはようございます、朱乃さん」

 

 

俺はリビングへ案内した。

 

 

「こんにちは、千冬さんそれと冬八君。

お久しぶりですわ」

 

「久しぶりだな、朱乃。

ゆっくりしていくと良い」

 

「ども」

 

 

朱乃さんをひとまず客間へ案内し、昨日の訓練状況を聞いた。

 

 

「一誠君が魔力の扱いに関して変わった才を持っていて、自分の魔力を相手に流し、武器、防具問わず身に着けたものを破壊する、というのを会得していたの」

 

「それって、もしかして女性限定とかそういうオチですか?」

 

「ええ。女性に対しては衣服も含めてすべて破壊する、と言っていたわ。

アーシアちゃんが主に実験台だったのだけど。

で、男性の場合は武器のみの様だったわ。祐斗君の魔剣は破壊することができていたから恐らくそうなのでしょう」

 

 

あの人は、どこへ向かっているんだろう…。

 

 

『ドライグ、哀れですね…』

 

 

アルトリアも心の中でそう憐れんでいた。

 

 

「それで、一夏君?

この後の予定はありますの?」

 

「いえ、特には。

強いて言えば夕食の買い出しですね。

でも、時間が結構あるので良かったら出かけますか?」

 

「本当!?ちょうど誘おうと思っていましたの。

では、行きましょうか!」

 

 

と、朱乃さんは嬉しそうにしていた。

何かいつもの朱乃さんと違って新鮮な感じだな。

 

千冬姉と冬八に出かけることを伝えて、家を出た。

 

 

「じゃあ、どこに行きますか?

とりあえずここらで一番大きなショッピングモールのレゾナンスにでも行きますか?」

 

「ええ、そうしましょう一夏(・・)

 

「?朱乃さん?今、呼び捨てで」

 

「いいじゃない?

何か、雰囲気変わっていいでしょう?」

 

 

と、言われたのでまあ、いいかと思いそのまま呼び捨てで呼んでもらうことになった。

で、少し歩き駅の大通りに出ると、人で結構にぎわっており、俺たちはレゾナンスに行くまでの店も色々と見て回っていった。

 

 

「――――はぁ、まさか俺を連れたまま下着の店に行くとは思いませんでしたよ…」

 

「うふふ、可愛い反応が見れて楽しかったわ。

あ、移動販売のクレープよ、食べていかない?」

 

「そうですね、少しお腹も空いてきましたし」

 

 

ということで、俺はフルーツカスタードクレープ、朱乃さんはベリーベリークレープを頼んでいた。

 

 

「レゾナンスに行くまでに色んなもの見れたわね」

 

「そうですね。

途中にあった紅茶の店とかお洒落で良い感じの店でしたね。

部にお土産で買おうかな」

 

「ふふ、良いと思うわ。

――――ねえ、一夏は私の過去とかは気になったりしないの?」

 

 

朱乃さんは唐突にそう聞いてきた。

朱乃さんの昔のことは、眷属になり立ての時に聞いた、母親を失ったということしか知らない。

それと、堕天使とのハーフだってことと。

 

 

「気にならない、って言えば嘘になりますね。

ていうか、部長の眷属ってみんな何かを抱えてるじゃないですか?

そう言うのを聞いて、理解して、背負ってあげられたらって思います」

 

「やっぱり優しいわね、一夏は。

―――私は、堕天使幹部の父【バラキエル】と神社の巫女だった母【朱璃】の間に生まれたの。

だから、ハーフの象徴として片方だけ堕天使の翼があるわ。

別に、堕天使が嫌いというわけでは無いの。

でも、父は母様が死んでしまう時にその場にいなかった、守ってくれなかったわ。

そんな父に私は嫌気が刺し、逃げてそれでリアスの眷属になったわ」

 

「そうだったんですか。

朱乃さんは父親とはどうなりたいんですか?」

 

「仲直りしたい――のでしょうね。

でも、心のどこかで、あの人のせいで母様が死んだと思っているの。

だから、いざ会ったとしたらきっと、拒絶してしまうかもしれないわ。

そうなるのが怖いの。もしかしたらあの時、あの人から逃げたのもそれが原因かもしれないわね…」

 

 

朱乃さんはいつもと違って弱い面を見せていた。

いつもの大和撫子の姉気質ではなく、ただ、家族と喧嘩したときの子供のような一面を。

 

 

「朱乃さん、やっぱり話し合うもしくは一度大ゲンカをすればいいと思います。

俺には親がいないから分かりませんけど、子供って親と喧嘩して仲直りを繰り返すものなんじゃないかと思うんです、俺は。

今すぐに、とは言いません。時間を掛けてゆっくりと解決していけばいいと思いますよ、俺は」

 

「一夏…」

 

「す、すみません、俺。

親がいないからそういった時の解決方法なんて分からなくて…!

でも、もし不安なんだったら俺も付き添いますよ。

朱乃さんのそんな顔、意外ですけど似合いませんよ。

朱乃さんはもっといつもみたくニコニコしていませんと!」

 

 

俺がそう言い終えると、朱乃さんはハンカチを取り出し、自分の顔を拭き俺に向き直った。

 

 

「そう、ね、ありがとう一夏。

なんだか少しだけ勇気が湧いてきたわ」

 

「なら、良かったです」

 

「しんみりさせて御免なさい?

買い物、再開しましょう」

 

「はい!」

 

 

その後、レゾナンスに着いた俺たちは駅通りの店とはまた違った服、雑貨、その他の店を見回り、楽しいひと時を過ごすことができた。

 

その帰り道、夕食の買い物を終えた俺たちは近所の公園で少し休憩していた。

 

 

「色々と買いましたね。

部室の紅茶もストックの補充出来ましたし」

 

「そうですわね。

それにリアスの好きそうな雑貨も買えましたわ」

 

 

朱乃さんの口調はいつもの感じに戻っていた。

 

 

「じゃあ、そろそろ帰りましょうか。

流石にごはんを作らないとダメですし」

 

「ええ、そうですわね。

 

 

―――ねえ、一夏?小猫ちゃんの事は好き?」

 

 

朱乃さんはいきなりそう聞いてきた。

 

 

「え、ええ、好きですよ」

 

「そう、やっぱり一番は小猫ちゃんなのね。

私のことはどうかしら?」

 

 

それはどういった意味で?

とは、流石に聞けなかった。

 

小猫と付き合ってから、流石にそう言ったことには少し察しが良くなっているから、この質問はつまりそう言うことなんだな、というのは分かった。

 

 

「好きですよ、でもやっぱり俺にとって一番は小猫なんです」

 

「ええ、分かっているわ。

一夏ならそう答えることくらい。

でも、ね?私だって一夏の事が好きなのよ、小猫ちゃんに負けないくらい。

だから―――」

 

 

唐突に朱乃さんが俺に近づき、唇を俺の唇に当ててキスしてきた。

 

 

「―――二番目でも、私の事を思ってくれると嬉しいな」

 

 

突然のことで俺の思考はショートしてるのが分かる。

何か、体の奥からドクドクいってるのが分かる。

 

 

「さ、帰りましょうか、一夏君?

それと、今の状態で帰っちゃうと千冬さんに怪しまれますわよ?うふふ」

 

 

と、言われ、俺は改めて認識した。

この人は本当にドSなんだっていうのと、朱乃さんの気持ちが本気だってことを。

 

 




なんか、こういうのって書くの難しいですよね?
デートとかを上手く書ける人にはアドバイスをもらいたいくらいです。
一応、ヒロインタグは変更しますので、よろしくお願いします。

次回からは、ちゃんと原作の内容に戻りますので


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39  合宿~一夏・小猫~ 出した答え

久しぶりに家で過ごした次の日に、俺と朱乃さんは合宿所へ戻った。

昨日のことが俺にはまだ整理ができていないけど、朱乃さんがいつも通りにしていたことから俺もなるべくいつものように振舞っていた。

 

今日の訓練は事前の会議で決めたタッグパートナーとの連携向上の訓練だ。

俺の相手は小猫なので、二人で組手や戦闘時の立ち回りを決めていた。

 

 

「まあ当然ちゃ当然だけど、小猫が前衛でいいか?」

 

「うん。

それで聞くけど、一夏君が悩んでるのって朱乃さんのことでしょ?」

 

 

いきなり、小猫は俺にそう聞いてきた。

見抜かれていたってことか...

 

 

「分かってたのか...。

凄いな、小猫って」

 

「これでも一夏君の彼女だし。

それで、一夏君はどうしたいの?」

 

「俺は...」

 

 

俺はどうしたいのだろう...?

小猫と別れ朱乃さんの気持ちに答える?NO

朱乃さんの気持ちに答えずこのまま何事も無かったように過ごす?NO

...誰も悲しまない様な結果を望む?YES

 

きっと、それを選べたら一番いいんだろう。

誰も悲しませない結果ということは、俺に対するそういった感情を持っている人全員の期待に答えるという事だ。

この結果は悪魔社会においては別段、問題視されない事だろう。現にライザーだってハーレムを築き上げているようなものだ。

けど、人間界ではその考えは異端だ。強いていえば俺の住む日本では一夫一妻が当然のことだ。

 

一誠先輩は悪魔社会に則ってハーレムを創ると宣言していたが、人間界でそんなことを行えば糾弾されるだろう。

 

俺が朱乃さんの気持ちに答え、小猫と朱乃さんの二人を纏めて愛するというのであれば、人間界でそう大っぴらと交流することは出来ないだろう。

 

 

「一夏君は誰も悲しまないようにする方法を考えてるんだよね?」

 

「!凄いな、小猫は。

お見通しって訳か俺の考えてる事なんて。

確かにそう考えてたよ...。でも、それって凄く最低な行為じゃないかって思うんだ。

第一、小猫は嫌じゃないのか?」

 

「...多分、少しは嫉妬すると思う。

でも、眷属の仲が悪くなるのも嫌。

だけど、一夏君は仮に二人と付き合ったとしても、大事にしてくれるよね?」

 

「それは、もちろん大事にするよ。

男の甲斐性でもあると思うし、何より付き合うと決めたのにほったらかしにする方が俺は誑しよりも悪いと思う」

 

「じゃあ、私からお願い。

一夏君が後悔しない道を選んでほしい」

 

 

小猫のお願い。

それは今の俺の悩みを解決する一番の方法を選んでくれと言ってるんだろう。

なら、俺はその道を選ぼうと思う。

 

 

「……わかった、小猫、ありがとう」

 

「ううん、じゃあ、朱乃さんに伝えないとね」

 

「そうだな。

まあ、今は訓練を再開しよう」

 

 

と、言うことで小猫との特訓を再開した。

 

俺は木刀、小猫はテーピングを巻いた拳で一対一の模擬戦を行った。

小猫は戦車の駒。

駒の恩恵によって繰り出される拳は並みの悪魔だったら普通にノックアウトするレベルだろう。

それを神器を扱っているときの要領で魔力放出を行い、木刀の耐久力を上げていなしていく。

更に、小猫は小柄な分身軽に動けるので、そこから繰り出される蹴りにも注意しないといけない。

 

普通に蹴っても大木を蹴り倒せるレべ―――ッッ!!

 

 

俺はそう小猫の技を分析していたら蹴りを防ぎきれず、横に蹴り飛ばされてしまった。

痛い……。

 

 

「一夏君、小さいって思ったでしょ…」

 

「違うって、そういう意味で思ったんじゃないから!」

 

「まあ、いいや。

それより、再開しよ」

 

 

その後も訓練は続き、俺は小猫の鋭い拳や蹴りを避けながら、木刀で攻撃を当てる。

というのを続け、夜、ご飯を食べ座学までの空き時間に俺は小猫と共に、朱乃さんを呼びだした。

 

 

「それで、お話というのは一体なんでしょうか?

と、聞くのは野暮、でしたわね」

 

「朱乃さん、昨日の話の事でお呼びしました。

二人に聞いて欲しい。俺がする選択は本来なら酷い選択なのかもしれない。

だけど、誰かを選んで誰かを傷つける、というのは嫌なんだ。

だから、俺は二人さえ良いのであれば、二人ともと付き合いたいと思う。

何を言ってるんだと罵ってくれても構わない。

けど、俺が選んだ答えはこれなんだ」

 

 

すると、二人は俺の手を取った。

 

 

「一夏君の選んだ答えが一夏君にとって正しいって思えるのなら私も賛成するよ。

それに、一夏君は複数人いても私のことを大切にしてくれるって言ったもんね」

 

「ありがとうございますわ、一夏君。

元より、二番目でも構わないと言っていたのに、きちんと答えてくれたこと自体が私にとっては幸せですわ」

 

 

こうして、俺は小猫、朱乃さんの二人ともと付き合うことになったのだが、朱乃さんのことはまだ皆には内緒にしておこうと思う。

けれど、朱乃さんのスキンシップが前よりも積極的だから、そのうちバレそうな気もするが…。

 

 

俺たちはその後も順調に訓練を重ね、最終日に一誠先輩の実力を測るために神器を使って、祐斗と模擬戦を行ってもらった。

 

 

「行くぜ、木場!」

 

「いいよ、一誠君!」

 

「それでは、はじめ!!」

 

 

俺が審判を行い、試合を開始した。

今回、一応、祐斗の剣を一本、一誠先輩に貸し出している。

 

 

≪Boost!≫

 

「じゃあ、行くぜ!

これが俺の新しい力!【ブーステッド・ギア・ギフト】だ!!」

 

≪Transfer!≫

 

 

籠手から緑色のオーラが剣へと伝わっていっている。

 

 

「へぇ、面白いね。

それじゃあ、見せてもらおうかな!」

 

 

祐斗が攪乱のために素早く動き回る。

一誠先輩は剣をどっしりと構え、

 

 

「行くぜ、え~と、ドラゴ~ンスラッシュゥゥゥ!!」

 

 

剣を大きく横振りすると、籠手から剣へ伝わったオーラが一気に放出され、斬撃となり周囲を切り裂いた。

斬撃により、辺りの木は切れてしまい、周りを一気に伐採したようになっている。

 

 

「凄いな…。

大方、倍加した力を剣に譲渡したってところか?」

 

「でも、祐斗に当たらなければ意味はないわ」

 

 

と、部長がコメントしたすぐ後に、祐斗が一誠先輩の首筋に魔剣を添えた。

 

 

「は、早すぎですぅ!」

 

「祐斗君も速度が上がってますわね」

 

「けど、一誠先輩の力もかなり上がっています」

 

 

眷属全体の力も上げることができ、更に一誠先輩の強化が充分な成果を得られたので、今回の合宿は成功だろう。

俺たちはレーティング・ゲームに向けて、学校へ戻った。

 




そういえば、SAOの小説も書きたくなってきたんですよね…。
一応、武器を短剣にってしてるんですけども、活動報告でアンケートしようかな・・・


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40 レーティングゲーム開幕します!

久しぶりの投稿になります。
遅れて申し訳ないです。
久しぶりゆえに少し量は少なめです。


SIDE 一夏

 

 

合宿を終え、俺たちは駒王学園へと戻ってきた。

駒王学園の制服に着替え、ライザーとのレーティングゲームの時間までの時を俺たちオカ研メンバーはそれぞれに過ごしていた。

祐斗は壁にもたれ瞑想し、一誠先輩は肩や脚を回してストレッチをし、アーシア先輩はソファに座り時間まで待ち、リアス部長は紅茶を飲みながら椅子に座り、朱乃さんはいつも通り部長の後ろに立って微笑んでいた。

 

俺と小猫はお互いがお互いの柔軟ストレッチをしていた。

小猫は体術で体を使い、俺は騎士の駒の能力で敵を翻弄するので、身体を資本とするからだ。

悪魔だといっても、万が一肉離れなんてことに試合中にならないとも限らないので、念のため、俺たちはストレッチを行っていたのである。

 

すると、魔法陣が現れ、そこからグレイフィア様が現れた。

 

 

「そろそろ試合開始のお時間です。

お嬢様、眷属の皆さま、準備はよろしいでしょうか?」

 

「ええ、私達はいつでも行けるわ!」

 

「ならば安心です。

それと今回、レーティングゲームを行うに当たって、一つ織斑様へお伝えしたいことがございます」

 

「俺にですか?」

 

「はい。

織斑様はこのゲームにおいて神器の使用を禁ずる、とのサーゼクス様のお言葉です。

代わりに、こちらを使った戦いを見てみたいと」

 

 

そう言って、ブレスレットを差し出してきた。

 

 

「これは俺のIS?」

 

「はい。

先ほど、アザゼル総督よりサーゼクス様が受け取って参りまして、

「どうせ、試合するなら最終調整も兼ねてこれを」と、おっしゃっておりました」

 

「分かりました。

ありがとうございます」

 

 

俺はグレイフィア様からブレスレットを受け取り、手首へと装着した。

 

 

「間もなくゲームフィールドへの転移が開始されます。

皆さま、ご健闘をお祈りしております」

 

「ありがとう、グレイフィア。

さぁ!皆、行くわよ!」

 

「「「「「「はい!部長!!」」」」」」

 

 

部室に魔法陣が展開され、俺たちは別の空間へと転移された。

 

 

「…あれ?何も変わってない?」

 

 

一誠先輩がそう言ったが、外を見ると空の色が夜色では無く、全く別の色に変色していた。

 

 

「いえ、一誠先輩、外を見てください」

 

「うわ!?何じゃこりゃ!?」

 

 

外の様子を見て一誠先輩は驚いた。

 

 

『この度、審判を勤めさせていただきます。

サーゼクス・ルシファー様の女王グレイフィア・ルキフグスです。

今回、試合会場はリアス様の通う人間界の学園を再現しております。

リアス様の本拠地は旧校舎、ライザー様の本拠地は本校舎となっております。

兵士の皆さまは敵本拠地に辿り着くことで昇格が可能となります。

学園の敷地内での勝負となりますので、外部へと出てしまった時点でその者は失格となりますので、ご理解を。

それでは、両チームとも行動を開始してください』

 

 

こうして、レーティングゲームが開始された。

 

 

「それじゃあ、祐斗、朱乃は罠を旧校舎周囲へ仕掛けてきてちょうだい。

イチカ、小猫は先に動いて中間地点の体育館を確保して。

敵をおびき寄せておいてね」

 

「「はい!」」

 

「分かりました。

行くぞ、小猫」

 

「うん」

 

 

俺は窓に足を掛け、ISを展開するイメージをする。

 

来い、セイバー!!

 

俺の身体を光が包み、その光が収まると俺の専用機セイバーを身にまとっていた。

 

 

「おおおお!!これがIS!!直に見るのは初めてだぜ!!」

 

 

一誠先輩が興奮した目でISを眺めている。

 

 

「行こう、小猫。

乗ってくれ」

 

「うん」

 

「あらあら、羨ましいですわ」

 

 

小猫を俗にいうお姫様抱っこで抱え、俺はスカートアーマーのスラスターで飛び、体育館を目指した。

朱乃さんがそれを羨ましそうに見ていたのは、まぁ…うん…後で要求されそうだし、置いておこう。

 

 

体育館へ着いた俺たちは、まず小猫を体育館前に降ろして俺はISという素早い飛行手段を持っていることを活かすため、体育館周囲の索敵を素早く行った。

 

周囲に敵眷属の姿は無かった。

 

 

「敵影無しっと。

…部長、体育館付近は敵の姿は確認できません。

こちらが早くにたどり着けたようです」

 

『そう、分かったわ。

では、体育館へ小猫と共にトラップの設置をお願い』

 

「了解です」

 

 

俺はISを解除し体育館の中へ向かい、小猫と共に魔力を感知して自動で破裂する術式を体育館の至る所へ設置した。更に、俺や小猫の魔力に似せたデコイを配置して体育館のステージ裏に隠した。こうすると事で敵は俺たちが隠れていると勘違いして、突入してくるだろうからだ。

 

 

「部長、設置完了しました。小猫と共に一度戻ります」

 

『了解よ。速やかに戻ってきなさい』

 

「はい。良し、行くぞ小猫」

 

 

小猫は頷き返し、俺と小猫は体育館から出て俺は素早くISを展開し、小猫を抱えて旧校舎へ戻った。

その途中、体育館のトラップが作動したであろう爆発が俺たちの耳に聞こえた。

向こうが引っかかったのかまたは、罠だと気づき破壊したのか、リタイアアナウンスが流れていないということはまだ仕留め切れていないのだろう。もし、引っかかったのなら、いくらか消耗しててくれたらありがたいが…。

 

俺と小猫は旧校舎へ戻り、一度態勢を整えた。

 



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41 俺、奮闘します!

お久しぶりです。ようやくの投稿となりますが、散々待たせてしまい申し訳ありませんでした。


「それじゃあ、次のステップへ移りましょう。

朱乃、祐斗。二人は森からグラウンドへ向けて進軍、新校舎までの道を切り開いてちょうだい。

位置的にもあそこはライザー眷属が待ち構えているでしょうけど、グラウンドを確保できればこちらに有利になることは間違いないわ」

 

「「はい、部長」」

 

「イチカたちは——「部長、使い魔からの情報ですわ」――何かしら?」

 

「体育館付近にライザー様、並びに女王とその他複数の兵士の姿を確認いたしました。

使い魔の観測範囲内ではレイヴェル様の姿は確認されていません」

 

「…向こうも、当然、手は打ってきているということね……。

イチカ、小猫、あなた達で体育館にいるライザーたちを抑えてちょうだい。

イッセー、貴方は限界まで倍加の力を高めて。

一つ一つ手を打とうと考えていたけれど———、向こうは待ってはくれないみたいね。

短期決戦で勝負を決めましょう!!」

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

 

部長の指示を受け、俺たちは行動を開始した。

眷属の数はこちらが圧倒的に不利。そこをライザー側は突くために、部長の判断を急がせるべく、一気に攻勢に出たんだろう。

恐らく、向こうの眷属は最低5人は待ち構えていそうだ。

 

 

「――――、ドライグ、聞こえるか…?」

 

 

部室を出る際、一誠先輩が籠手に宿る赤龍帝に何か尋ねていた。

しかし、俺はそれを最後まで聞かず体育館へと再び向かった。体育館へ近づくにつれ、魔力を色濃く感じ体育館だった場所には上空に今回の僧侶、ライザー・フェニックスとその女王が待ち構えており、地上にその眷属が8人、恐らく兵士全員が構えていた。

こちらは俺と小猫の2人に対し、相手は10人。

圧倒的不利な状況だったが、兵士陣はかなり消耗しているようだった。

 

 

「来たか、リアスの騎士と戦車。

レイヴェルの読みは当たっていたようだな。やはり、アイツには状況を把握するための眼が備わっているな」

 

「でしたら、ライザー様。もう一方の方に残りの眷属が向かっているのでしょう。そちらへは私が向かいましょう」

 

「任せる。レイヴェルの指示も無いあたり自由に動いても大丈夫だろう。

......さて、貴様らには俺たちの相手をしてもらおうか」

 

 

向こうの女王はグラウンドの方へ向かって行き、1人減ったが、こっちの不利な状況に変わりは無かった。

小猫を降ろし、俺はライザーと相対した。

 

 

「リアスの騎士。織斑一夏だったか?お前はレイヴェルにリアスの駒の中でも特に危険視されている。

よって、お前は俺が相手をしてやろう」

 

「そうですか。

では上級悪魔様に俺の力がどれだけ通じるか、試させてもらいます!」

 

 

俺は実体剣【カリバーン】を展開し、ライザーへとスラスターを吹かし、斬りかかった。

対して、カリバーンをライザーは拳に炎の魔力を纏い、受け止めてきた。

 

 

————―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「グレモリーのルークさん、たったお一人で私たちへ勝てるとお思いですか?」

 

 

現在、私は体育館だった場所に一夏君に降ろしてもらい、兵士八人と対峙しています。

メイド服を着た兵士が私にそう質問してきました。

 

 

「手負いのあなた達くらい、私一人でどうとでもできます」

 

 

もちろんハッタリです。

何人かは脱落させることができるでしょうけど、実際のところ数の暴力にやられてしまっては手の打ちようがありませんから。

 

 

「…そうですか。では、みなさん、やりますよ!!」

 

 

そう言いながらフェニックス眷属がかかってきました。

私は戦車の駒の力を活かし、地面に拳を叩き込みました。体育館へ仕掛けていた罠の爆発の影響で地盤が脆くなっていて、私の拳一つで地面に巨大なクレーターを作ることができました。

それにより、フェニックス眷属の何人かが落下、崩壊に巻き込まれリタイアの光に包まれて消えていきました。

 

 

『ライザー・フェニックス様の兵士三名、リタイアしました』

 

 

まさか一撃で三人も倒すことができるとは私は思ってなかったので、少し驚きましたが、それでもまだ敵は5人残っていると気を引き締め、ファイティングポーズを取りました。

 

 

「全員、離れて攻撃を!

彼女は恐らくインファイターです!無暗に突っ込んではただ殴られるだけです!!」

 

 

そう指示を出すフェニックス眷属の棍を持った兵士。

悪魔の翼で崩壊に巻き込まれるのを回避し、空中にとどまっていますが……勘違いもいいところです。

 

別に私は近接格闘しかできないから殴ってるんじゃありません。ちゃんと遠距離での攻撃だってできますよ。

 

 

「一斉に魔力弾を———な!?体が引っ張られる!?」

 

 

敵兵士が私の方へ引っ張られるように向かってきました。

それに対して私は蹴りを入れ、吹き飛ばします。

今使ったのは、とあるマンガの技を仙術で再現した技です。某忍者のマンガで内なるチ〇クラを使って腕を創り出してたのを真似してみました。

……え?それだと結局、近距離技じゃないかって?――――頑張って、練習します…。

 

 

 

—————―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「「はぁぁぁぁ!!!」」

 

 

カリバーンと炎の拳が激しくぶつかり合い、大きくお互いが吹き飛ばされる。

ISにはシールドエネルギーというものがあり、今回のレーティングゲームにおいて、俺のリタイア条件はISを纏っているということもあり、シールドエネルギーの全損が条件である。

ライザーとのぶつかり合いである程度、シールドエネルギーが減らされ、今は残り六割弱となっている。

 

 

「ふはは、ISというモノは面白いな!人間は摩訶不思議なモノを科学の力で作り上げ発展させてきたらしいが、ソレは正に稀代の大発明だろうな!その力をもっと俺に見せてみろ!!」

 

「…IS自体を造ったのは人間ですけど、俺の機体は堕天使総督が造ったものですからね?せぃっ!!」

 

 

右手にカリバーンを持ち、左手にオルトカリバーンを持ち、二刀流で構え、ライザーの攻撃を捌く。

 

 

「炎にはこういう使い方もある!」

 

 

ライザーは炎を剣のように変化させ、それを振るってきた。

炎の剣閃がこっちへ飛び、それを回避すると剣閃が着撃したところに炎が燃え移った。

 

 

 

「厄介な事この上ないな!!」

 

 

次々と放たれる斬撃をオルトカリバーンからナノマシン複合銃ヴィヴィアンに持ち替え、斬撃を相殺した。

 

 

「そらそらそらぁ!!まだまだ行くぞ!!」

 

「…ッ、おおお!!」

 

 

ヴィヴィアンでの射撃とカリバーンで斬撃を防ぎつつ、多少の被弾はお構いなしに俺はライザーへと肉薄した。

 

 

「この距離なら確実に当てられる!高出力だ!持ってけぇぇぇ!!」

 

「ぐ、うおぉぉぉ!!」

 

 

至近距離でヴィヴィアンの高出力レーザー砲をライザーにぶちかました。

だけど、ライザーと咄嗟の炎の魔力の爆発で銃身が逸らされ、ライザーの片腕を吹き飛ばすことしかできなかった。更に俺は、爆発をモロに受けてシールドエネルギーを大きく減らしてしまい、残りあとわずかとなってしまった。

 

 

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、まさか俺の片腕を吹き飛ばすとはな…。だが、お前の方もリタイア一歩手前と言った所か?」

 

「まだ、俺はやれますよ。仮に俺がここで敗退したとしても、せめて貴方の足一本位は追加で貰っていきますよ!!」

 

「面白いっ!!」

 

 

炎の魔力で己の身体を再生させることが可能なフェニックスだけど、いつまでも再生させられるわけじゃない。

一気に削り取ってやる…!

 

俺は長槍ロンゴミニアドを展開し、槍へエネルギーを収束させる。

 

 

「ほう?今までの中で一番威力の込められた攻撃だな。残り全ての力を使い切っての捨て身の一撃という訳か?」

 

「ええ。貴方を俺一人で倒すのは無理そうだ。だから、俺は後へつなぐ戦いをする!突き立て!食らえ!十三の牙!ロンゴミニアドォォ!!」

 

 

白い槍から13のレーザーがはなたれ、一つに収束し高威力の一撃となりライザーへと向かっていった。

 

 

「ふんっ!!」

 

 

対するライザーは炎の魔力を前面に結界として展開し、ロンゴミニアドの一撃を防いでいる。レーザーと結界がぶつかり合い、その光が辺り一面を覆いつくした。光で見えなくなっても、ISのハイパーセンサーの補助でどこにライザーがいるのかは分かる。そこへめがけて俺は光が止むと同時に最後の抵抗を行った。

 

 

「フハハハハハ!これで終わり———な!?」

 

「言ったでしょう?後へつなぐと。その足、貰います!!」

 

 

ロンゴミニアドを投擲し、ライザーの右足を貫き、俺は最後の抵抗を終えた。

 

 

『リアス様の騎士、一名リタイアです』

 

「みんな、後は任せます」

 

 

俺の身体をリタイアの際の光が包み、俺の身体はレーティングゲームの会場から転移させられた。

 




今回で一夏はリタイアとなりますが、この展開は最初から考えてました。でも、どういった感じで進めるかで悩んでて・・・

とりあえず、レーティングゲームはまだまだ続きます。
既にだいぶ原作乖離してますんで、どのような結果になるかお楽しみを。


あと、思ったんですが一夏むけの英霊ってなんでしょうね…?
自分の作品ではアーサー王ですけど、一夏は刀とかの方が向いてそうだし、日本の英霊とかの方が面白かったり?もしくは、ランサー、アーチャー、はたまたバーサーカー?
考えると、妄想がとまりませんww
それではまた次回


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42 試合、動きます!

復帰一話目の話は

HSDDとISの続きの投稿です。

リハビリってのも兼ねて今回は短めとしました。


俺が転移させられたのは駒王学園の生徒会室だった。

そこには支取会長と副会長の真羅先輩がおり、モニターでゲームの映像を観戦していた。

 

 

「お疲れ様です、織斑君。フェニックス眷属相手に見事な戦いでしたよ」

 

「こちらにお座りください、織斑君」

 

「あ、はい、ありがとうございます。ゲームはどうなってますか?」

 

「あなたが致命傷を負わせたライザーは失った四肢の修復に魔力を回し過ぎたようで、一度後退した模様です。

塔城さんは兵士をすべて倒し、アルジェントさんに回復をしてもらっていますが、彼女自身もかなり消耗しているようですね。

木場君と姫島さんは騎士と戦車、並びに途中参戦した女王を相手取っています。リアス様と兵藤君はあなたと塔城さんが切り拓いた道を進み、本校舎へと向かっていますね」

 

 

と、真羅先輩が俺に丁寧に状況を教えてくれた。

モニターを目にすると、そこには祐斗と朱乃さんの戦闘している姿が見えた。

 

 

—————――――――――――――――――――――――――――――

 

一夏がリタイアしたと聞いて、僕は少し焦ったけれどそれを悔やんでいる暇なんて向こうは与えてくれない、と割り切り、ライザー様の騎士二人の剣を創造した魔剣でさばいていた。片方の騎士は短剣に炎を纏わせ、素早い動きでこちらへ詰め寄って来るが、もう一人は自分の身長ほどの大きな大剣を構え、それを難なく振って来る。スピード型とパワー型という相性のいいコンビネーションで僕に攻撃を仕掛けていた。

 

 

 

「なかなかやるな、グレモリーの騎士よ!」

 

「我らの連携にここまで立ち回るとは…!」

 

「君たちは互いに欠点を補っているけれど、補うことに重きを置いて手数が足りていない。

だから攻めきれないのさ!魔剣創造ッ!!」

 

「な!?足から剣だと!?」

 

「カーラマイン!!」

 

 

僕は短剣を持つ方の騎士が懐へ詰め寄ってきたところを足元から魔剣を創造し、腹部を突き刺し、退場させた。

すると、グレイフィア様のアナウンスの元、リタイアとして彼女はゲームから離脱した。

 

 

「変幻自在の剣技…、実に厄介だな。かつて戦ったエクソシストを思い出す」

 

「へぇ、それは興味あるね」

 

「お前のように多種多様な剣を使うのではなく、一本の聖剣を形状変化させる戦い方だった」

 

「……聖剣使い、か。良い情報をありがとう。お礼にこれをお見舞いする、よ!」

 

 

僕が地面に手を付き、念じると魔剣が次々と地面から突き出し、剣の波が彼女を襲い、その身体を切り刻んでいった。

 

 

『ライザー様の騎士、一名リタイア』

 

 

さて、朱乃さんの方はどうかな?僕が見た朱乃さんとライザー様の戦車、女王との戦いは朱乃さんが優勢とは言えないが、圧していると思う状態だった。

 

 

——————―――――――――――――――――――――――――

 

 

『ライザー様の騎士、一名リタイア』

 

 

うふふ、祐斗君がやってくれましたね。では、私もここで踏ん張らなくては!

私は空中を浮遊しているライザー様の女王と地上から炎の魔力を飛ばしてくる戦車の中華服の子を相手にしていました。女王の方は【爆弾女王】の異名を持つ強力な方で私もフルに力を使わなければ攻撃を凌げない相手でした。

 

 

「雷よ!!」

 

「はぁっ!!」

 

 

私自身が最も得意とする雷を一直線に放つ魔法を女王目掛けて放ちました。

それに対して向こうも魔力弾を私に向けて放ってきましたわね。…この魔法は爆発属性ですわね。

私の魔法陣からほとばしる雷と爆発魔法がぶつかり合い、大きな爆発が起こり、煙で視界が遮られました。

私はその煙を利用して一気に接近し、手に纏った雷を女王に流し込みました。

 

 

「これで逃げられませんわね!」

 

「あぁぁぁぁぁ!!??」

 

「私の魔力の多くをつぎ込みましたわ。これなら、流石に効くのではないかしら?」

 

「……逃げられないのは、貴女も同じよ!!」

 

「ッ!まさか、自爆する気ですか!?」

 

「そうでもしなければ雷の巫女と呼ばれる貴女は倒せないわ。

さぁ、私と共に喰らいなさい!!」

 

 

女王は私が接近し雷を流し込んだタイミングで自らをも巻きこみ、爆発の魔法を作動させました。

それにより私は高威力の爆発に巻き込まれ、その衝撃で気を失ってしまいました。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

『リアス様の女王、リタイアです』

 

「朱乃がやられてしまったの!?」

 

 

オッス!俺、兵藤一誠!焼き鳥野郎の眷属とのレーティングゲームが始まって、俺は部室で神器の能力で倍加を続けてたんだけど、一夏がやられたと思ったら、今度は朱乃さんまでやられちまった!

くそっ!いくら作戦だからって仲間がやられてるのをただ見てるしかできないなんて、やっぱ無力だな、俺。

 

 

「部長、私の回復は終わったので、いつでも出られます」

 

「部長!俺もいつでも出られます!任せてください!あんな焼き鳥野郎、俺がぶん殴ってやりますから!!」

 

 

小猫ちゃんの回復もすんだし、俺の方も倍加は今できる限界まで貯めておいた。

これ以上、倍加しちまうと暴発して折角貯めた力が無くなっちまうからな。

 

 

「そうね…。それじゃあ、新しい作戦よ。

小猫、貴女は本校舎にいるはずのレイヴェルさんを獲りに行ってちょうだい。

今回のゲームではキングだけれど彼女は元は僧侶なのだから、近接戦闘が得意な貴女が最適よ」

 

「分かりました」

 

「次に、アーシア。

アーシアは祐斗の回復と援護を行ってちょうだい。

優しいアーシアには辛いかも知れないけれど、貴女の助けが私たちには必要なの」

 

「は、はい!任せてください、部長さん!」

 

「そして、イッセー」

 

「はい!」

 

 

小猫ちゃん、アーシアに部長が作戦を伝えて最後に俺を真っ直ぐに見つめながら、俺の名前を呼んだ。

皆が頑張ってるんだ、俺だってやってやるぜ!

 

 

「イッセーには一番キツイ仕事を押し付けることになるわ。

ライザーの相手、可能なら撃破が望ましいけど、小猫が向こうの王を倒すための時間稼ぎをやってほしいわ

―――期待してるわよ、私の最強の兵士」

 

「ッッ!はい!!」

 

 

部長に期待されてる…!やるぜ、やってやるぜ!!

一夏を倒したアイツには正直、今の俺のままじゃ勝てる気がしない。

けど、今、この時に限っては俺も奥の手(・・・)がある!

ドライグはやるべきじゃないって言ってたけど、勝てる可能性があるんだったら俺はそれに賭けたい!

 

 

「みんな、いい返事ね。

さぁ、それじゃあ行くわよ!!」

 




いや、ほんと遅くなって申し訳ありません。

かなりの期間が空いてしまい、以前よりも文が稚拙かもしれませんが、読んでくださるとうれしいです


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43 最終決戦に移ります!

投稿を再開してから、話数ごとの文字数が少なくなってるかも…


俺と朱乃さんが脱落判定を受けてから、試合状況に大きく変化があった。

まず、朱乃さんが戦っていた女王は自分が受けた傷を癒すために、祐斗と戦っている戦車にその場を任せ、本校舎の方へと引いていった。

次に、残った祐斗とライザーの戦車の戦いだが、正直、大きく動いていない。

祐斗はそれまで騎士2人と戦車1人を相手にしていたから体を常に動かし続けていて体力を大きく消耗しており、ライザーの戦車も祐斗の魔剣創造の範囲攻撃によって傷を負っていて、お互い決定打を与えられずにいる。

 

そして、残った部長、一誠先輩、小猫、アーシア先輩はアーシア先輩が祐斗の元へ向かうべく、グラウンドを目指し、小猫が本校舎に侵入するべく、裏口へと続く道を走り、部長と一誠先輩は真正面から本校舎を目指していた。

 

 

「リアスと兵藤君の動き、恐らく陽動でしょうね。

王自らが最前線に突っ込むのは愚策でしょうが、フェニックスの最大戦力であるライザーと女王のユーベルーナをおびき出すには、これが一番でしょう」

 

「ですが、会長。

いくら王を倒せば試合終了と言えど、プロのライザー様相手にそんな策が通用するのでしょうか?」

 

「大丈夫だと思いますよ、真羅先輩。

ライザーは多分、自分の手で部長を倒さないと今回の婚約騒動において不完全燃焼になってしまうでしょうし、それに部長が特に目をかける一誠先輩の事を逃すはずないと思いますから」

 

 

そう。今回のレーティングゲームは元々、部長とライザーの婚約が発端で起こった試合だ。

いくら今回の試合の王がレイヴェルだって言えど、試合に勝っても部長を自分の手で屈服させないと満足しないだろうと、プライドの高いライザーを見ていてわかる。

 

 

俺の予想した通り、部長と一誠先輩が向かった本校舎入口手前の噴水広場にライザーとその隣に女王が立ち、2人を待ち構えていた。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

アーシアと小猫ちゃんと別れて、部長と共に本校舎前に向かうと、そこには初めて会ったときに着ていたスーツが所々破けているライザーと朱乃さんとの戦闘でまだ回復しきっていないであろう女王が待ち構えていた。

……にしても、なんてデカいおっぱいなんだ!畜生!あんないいおっぱいを持ったお姉さんを眷属にできるなんて、羨ましすぎるだろぉぉぉ!

 

 

「随分とボロボロね、ライザー。イチカの力はお気に召したかしら?」

 

「ようやく来たか、リアス。

お前の騎士には少々、手を焼かされたが、そこの兵士君とお前を焼き尽くすくらいの魔力は残っているさ。

…さっきからその兵士君は何故、ユーベルーナを凝視している?」

 

「イッセー!!今から戦うっていう相手に魅了されてどうするの!?シャキッとなさい!!」

 

「痛いっ!?痛いです、部長!!」

 

 

女王のお姉さんのおっぱいに夢中になっていたら、耳を部長に思いっきり引っ張られてしまった。

で、ですが、あんな所に見てくださいと言わんばかりにおっぱいを見せつけてくる人がいるんですよ!?そんなの見るしかないじゃないですか!!

 

 

「まぁいい。ユーベルーナ、リアスの相手は任せるぞ。

俺はそこの生意気なガキを燃やし尽くすからな」

 

「お任せください、ライザー様」

 

 

ライザーにそう言われたライザーの女王は翼を広げ、少し滞空し部長に対して挑発するかのように手をチョイチョイと動かした。

 

 

「その挑戦、受けて立つわ!イッセー、あなたの力で私を勝たせてくれるかしら?」

 

「はい、部長!行くぜ、ブーステッド・ギア・ギフトォ!!」

 

≪Transfer!≫

 

 

部長に指示され、俺は倍加した力の一部を部長に譲渡した。

すると、部長が普段から使っている赤黒い魔力が部長の体から溢れ出てきて、俺でも分かるくらいに力が急上昇している。

 

 

「ああ!?す、すごい、体の奥から力が溢れてくるわ!

これが、赤き龍の力の一部なのね…!」

 

「ほぉ…?リアスの力が見違えるほどに跳ね上がったな。

流石は赤龍帝といったところか。

ユーベルーナ!加減はいらん!消耗してると思うが、全力で迎え撃て!」

 

「はい!」

 

「さて、リアスの兵士、戦う前にお前の名前を聞いておこうか」

 

「しっかり覚えろよ!俺は兵藤 一誠!リアス・グレモリー様の兵士だ!」

 

「兵藤 一誠、まずは、プロモーションする時間をやろう。

いくら赤龍帝と言えど、お前は転生してから日が浅い。

そんな男を燃やしたところで、周りは然して納得しないだろうからな」

 

「へっ!パワーアップできるってならありがたく受け取らせてもらうぜ!」

 

 

ライザーが俺に対して、プロモーションする猶予を与えてきたので、俺は走って校舎に入り女王にプロモーションした。

一騎打ちだから施しを受けるってのは、男としてはちょっと気が引けるけど、部長の将来が掛かってんだ、勝つためなら遠慮なくやらせてもらうぜ!

 

 

「それでは始めるとしよう。

全力で掛かってこい、その全てを燃やし尽くし、俺はお前に勝利しよう」

 

「行くぜぇぇぇぇ!!」

 

≪Explosion!≫

 

 

俺は倍加して貯めた力を魔力に乗せ、俺の好きな漫画に出てくる主人公の必殺技をイメージして考えた、【ドラゴンショット】をライザーに向けてぶっ放した。

ライザーもそれに対してバスケットボールより少し大きな火球を創り、それをドラゴンショットにぶつけてきて、俺たちの間に大きな爆発が起こった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

イッセー先輩とリアス部長と別れ、私はレイヴェルの待っているであろう、生徒会室に走っています。

いくらライザーたちが手負いでも、戦闘経験の少ないイッセー先輩じゃ勝ちの目は薄いと思います。

だから、私がレイヴェルを倒してゲームに勝たないと…!

 

そう階段を上って行き、生徒会室のある三階にたどり着き、その扉を開けると、そこでは机にクロスを敷き、紅茶を飲んでいるレイヴェルがいました。

……いや、暢気ですね。

 

 

「あら、小猫さんが私のもとにたどり着いたんですね。

まぁ、リアス様の事ですからお兄様の方へ向かうだろうことは分かっていましたが」

 

「眷属じゃないのに、部長のことをよく理解してるね」

 

「まぁ、事前の情報収集は行いましたので。…とはいえ、リアス様は非公式のゲームでも今回が初試合ということもあり、戦いに関しての情報を集めることは叶いませんでしたが」

 

 

そう言うと、茶器を魔法で消し、ゆっくりと立ちながら、レイヴェルは背中に一対の炎の翼を広げました。

 

 

「それでは、小猫さん、戦いを――と思いましたが、ここでは少々狭いので場所を移しませんか?」

 

「…分かった。屋上のフリースペースなら広さも充分だろうからそこに行こう」

 

 

私は、生徒会室の窓から見える屋上を指さし、窓を開けそこから飛び出して悪魔の翼を広げ屋上を目指しました。




主人公である一夏が離脱し、レーティングゲームも佳境に入りました。

次回くらいで決着にしたいなって思ってますが、どこまで書けるか…


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