ラブライブ! Day Day Day (文才皆無。)
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8/1 千歌誕 はばたきの残像

初見の方は初めまして、私の作品を読まれている方は改めてこんばんわ‼お久しぶりです。


千歌ちゃん、誕生日おめでとう‼
ということで、千歌誕記念です。

本来なら朝の8:01にあげるつもりでしたが仕事だったのを忘れていました。ウッカリですね!なので、午後8:01です‼

では、どうぞ(*´∀`)つ

…Aquorsがaqoursになってたので修正致しました。
つまり、時間を合わせて投稿した意味なくなったと…ガッデム‼


私はその日、一つの声を聴いた。

誰かの声は私なんかの意思とは無関係に私に語りかけてきたの。

誰もいない部屋。

そこから確かに語られてきたの…

 

その部屋には大した物は残っていないはずなのに…それは私に囁いてきて…私はその声にそっと耳を傾けて、声の主に歩み寄ったんだ。だけどそれはたまたまだったと思う。

もし気付けなければ間違えた間違えたままで人生にはぐれてたんじゃないかな?

 

本来なら今から出ていく何もない部屋からは一塵の風が流れ込んできて私の足を止めさせた。そして風がこう耳打ちして去っていった。

 

 

 

「忘れないで…」

 

 

 

それは違うかもしれない。でも今まで忘れてしまっていたあの日に全てをくれた一陣の風のようで…私には無視することなんて出来なかった。だって、それは託された羽を捨てるっていう事だもん‼

なんでこんな単純な事忘れちゃってたんだろう。何よりも大切だったのに、忘れちゃいけなかったのに…それなのに。お姉ちゃんがいう通り私はきっとバカチカなんだ。

 

でも、バカでもいいから!それでも前に進みたい。この先にある物がなんなのか突き詰めていきたいんだ!忘れて置いてきてしまっていた忘れ物、ちゃんと持ったから‼

だからもう、忘れないよ!大丈夫。ダイスキだった今までの事も思い出も、全部っ‼しっかり背負っていくから!

安心して…私、しっかり見つけたから‼

 

 

 

私は声の主の想いを受け取った。

今度は絶対に無くしたりしないよ‼だって、今の私があるのは全部!あの日見た夢の続きを探し続けてるから!

 

私が残していった私の思い出…それは一枚の写真。

どんなにいっぱいあったアルバムの中でもなによりも思い出と今もまだ鮮明に焼き付いてる感覚で思い出せる色んな感情が詰まった、しわくちゃになってる写真。それがこれなの‼

 

 

見失ってしまってたけど、それはきっと灯台もと暗しっていうのだよ!だって、こんなにも私の中で根付いてるんだから。

 

昔の私たちはただ真っ直ぐに輝きたい‼それだけしか考えてなくて…勝負っていうのが勝ち負けじゃないんだって言うことも気付けなかったのはちょっと、恥ずかしいね。

回りが見えてなかったって今なら言えるよ。

 

間違いだらけだった私を支えて、正してくれたのはAquorsの皆。失敗できたからこそ、こうして前を向けるの!

進んだ道が誰かの希望になれるなら。私たちにとってのμ'sであれるようにって、そう自身に約束もしたんだよね…。

 

そんな私たちの青春の影にあった諦めだったけど、結局自分の気持ちに嘘ついて逃げちゃってただけだった。この時みんなが歩み寄ってくれなかったら私はきっとすれ違ったままだった。だから皆の励ましが私の活力になってた。

最初はほんとうに輝ければそれだけでよかったのにね…私って傲慢なのかも。

 

そして逃げたあの場所にAquorsとしてまた再出発してから私はまた進みだしたんだ!

 

一度は離してしまった掌を今度はぎゅっと握りしめて。そしてμ'sっていう光が私たちを照らしてくれて、かけがえないAquorsの皆が私を目指した頂きに届かせてくれたんだ‼

 

 

そこまで考えが行き着くと、さっきの風よりも優しい頬を撫でるようなそよ風が吹く。

 

私の後ろから今でもAquorsの思い出が走馬灯のようにながれている。曜ちゃんや梨子ちゃんとの日常、ルビィちゃんに花丸ちゃんと善子ちゃんの心意気、かなんちゃんやマリーさん、ダイヤさんから貰った優しさ…。思い出したら振り返りたくなるよ…でもね?私は。高海千歌はね、がむしゃらに前だけ見て行き詰まってもこの思い出を胸に抱いて答えを探し続ける探求者なんだよ!

大切で、切なくて、いろんな思い出と時に傷や涙だって原動力に変えて進むんだ‼

 

あの日、スクールアイドルになる決意を決めた時みたいにあの風がくれた物を背負って。またあの頂きに、頂きのその先に行きたいから!

だからAquorsの皆の思い出を抱き締めて、私はこの内浦を飛び出す‼でも、あのときの私で変わらないから!

 

 

今度の私はμ'sじゃなくて、Aquorsっていう羽で飛び立つよ。だけど、私はわたしだから。だから貴方も応援してくれないかな?ねっ?

 

 

「しっかたないなぁ…でもズルいよね。やっぱり千歌は」

「えへへ、しょうがないよ…だって、私は私だから‼輝くってそう心に決めたんだもん‼」

 

 

背中から包み込むように風が私を抱く。

声の主はきっと過去の私だ。いつしか自分さえ見えなくなってしまっていた今の私が心配で見守ってくれていたんだと思う。不甲斐ないけど忘れてた私自身を思い出せたから、今なら胸を張って私が高海千歌なんだって言えるよ?

普通で悩んだ私。輝く夢を探し続ける私に戻れたよ。

だから、大人になった私が過去の私を安心させてあげなきゃだよね‼私、頑張るから‼

 

 

「ふふ、どうやら私たちの出番はいらなかったみたいね?千歌ちゃんの目が私を誘ってくれた時とおんなじだもの。」

「だねぇ~チカちゃんが自分で気付けたのなら大丈夫だよね!チカちゃんの行く末に向けて面舵いっぱいヨーソロー‼だねっ‼」

「あっ‼梨子ちゃんに曜ちゃん!もしかして見送りに来てくれたの?ありがとぉー‼」

 

それが嬉しくて二人に抱き付く。

うん、平気なふりをしてても泣きそうになる。でも、私は泣かないよ‼だって、ここで泣いたらお別れみたいだもん‼

私は絶対にまた内浦に戻ってくるよ。だって、此処には私の好きな場所で、温かな皆がいてくれる。私の家はここなんだから‼

こうして私を好きでいてくれる梨子ちゃんや曜ちゃん、Aquorsやお姉ちゃん逹にシイタケだっている。だからこれは旅立ちであって別れじゃないもん‼

支えてくれるみんながいるから今までも、これからも、此処に千歌がいれるんだもん‼

 

 

「あ、良かった‼まだいってなかったんだね!まったく水臭いぞ?なんてね♪

はい、これ。持ってって」

「かなんちゃん?これは?」

「何って、写真立てだよ。内浦のこと、忘れないようにって私達で内浦思い出がつめこんでみたんだ。

マリーなんて写真立てに付かないような大きなうちっちーのぬいぐるみとかくっつけようとしてたんだよ…止めるの大変だったんだから。あ、因みに私はやっぱり内浦の海の事を覚えてて欲しいからって海岸で拾ってきた貝殻をくっつけたからね。その写真立てにこの内浦での思い出を入れて何時までも忘れないでほしいっていう想いを込めたんだから忘れたら千歌、罰ゲームだよ?」

「忘れないよ…私、思い出で溢れた内浦が…Aquorsのみんなが大好きだもん。…でも、罰ゲームでもなんでもいいから皆とまた会えるならそれでも良いかなぁ…なんて思ってみたり」

 

忘れるのは嫌だよ?でもね?それでも忘れたら皆がまた思い出させてくれるっていうなら私はそれでもいいって、そう思えるぐらいに皆を信じてるんだよ?

ダイヤさんだって、最初は険悪だったけど今じゃお母さんって呼びたくなるぐらい過保護な反応をしてたり…マリーさんも抱きついて…って、最初からフレンドリーだったね。善子ちゃんのヨハネ語だってしっかり分かるし、ルビィちゃんも私たちに心開いてくれたし、まるちゃんも遠慮なんてしなくなってくれた。

…確かに時間は進んで、変わって行ってるよ?でもね、それでも変わらないものがあってちゃんと胸の奥に残り続けてる。だから、これが別れじゃなくて、次へのステップなんだって…分かってる。

 

 

「もう、千歌は大きくなっても変わらないね!」

「ひどっ⁉かなんちゃん、私ちゃんと成長してるよ⁉」

「そういう事じゃなくて!千歌の真っ直ぐ見据えて走るところだよ。私達の手を引っ張って救い出してくれたあの一年間から千歌の良いところは変わらないでいてくれて嬉しいってこと。」

「私はただ輝きたかっただけだよ。マリーさんの言葉だったらシャイニー‼の精神だっただけ。かなんちゃんは私の事を持ち上げすぎ。」

 

ズルいよ…私は笑って皆に行ってきますしたかったのに。そんなこと言われたらウルっと来ちゃうじゃん…本当にかなんちゃん達には敵わないなぁ…

 

「あ、良かったです。まだ居ました!」

「伝え忘れたことがあったんだずら‼言わなかったら後悔する所だった‼」

「私達だけ貰ってるだけで…契約したのだから私からも対価を払わなければ堕天使の名折れよ!」

「ルビィちゃん、はなまるちゃん、善子ちゃん‼」

「善子ってゆーな!…って、このやりとりも出来なくなるんだったわね…」

「ずっと出来なくなる訳じゃないよ、善子ちゃん。また帰ってくるし!その言い方だと、私死んじゃってるみたいじゃん。」

 

 

そう、冗談を言うように軽く言ったんだけど三人は聞こえてないのか頭を腰から大きく曲げて御辞儀してきた。私が思ってる以上に皆の中での高海千歌という存在が大きいって事が嬉しいようで、照れ臭いようで…あ、涙腺にきてる。

 

 

「「「(あの!)(今まで)(きっかけくれて)ありがとうございました‼」」」

「私は何もしてないよ~変わりたいって気持ちと、楽しいって気持ちがAquorsとして引き寄せたんだってば!だから私達が出会ったのは奇跡で…運命で…必然だったから。

だから顔を上げて?」

「「はい‼」」

「千歌…貴女は分かってないわ。堕天使ヨハネとして貴女に言葉を送らせて貰うわ。…出会いは運命でも、短い人生でその一瞬で出会えたことは何千、何億…それ以上分の一の確率なのよ。だから私達が巡り会えたのは貴女お陰。」

「善子ちゃんは難しい言い方してるけど感謝してるずら」

「ふふ、善子ちゃんが言ってた通りAquorsとして出会えたのはなんて言おうともきっと千歌さんがあの時始めたからですよ。」

「だからやっぱり千歌さんに感謝してるずら!」

「私達も忘れないですから絶対に忘れないでね」

「私の台詞かっさらわないでよ!…コホン、いつでも帰ってきていいからね。待ってるわ。」

「うん‼ありがとう、三人とも!私絶対忘れないからね」

 

私達、7人は今までのAquorsの思い出を振り返りながら歩いて駅まで向かう。何よりも尊い時間。私が内浦を旅立つまでの時間も刻一刻と差し迫っている…でも、やっぱりみんなとの時間が私には何よりも好きなんだって思うんだ…私の我が儘だけどダイヤさんとマリーさんにも会いたいな…

 

笑いあいながら話しているとついに駅についてしまった。沼津駅…ファーストライブでビラ配りで宣伝をした場所であの時ルビィちゃんが私と梨子ちゃんと曜ちゃんでの三人だったときにグループ名が無いことに気付かせてくれたんだっけ…思い返せばすぐ前のことのように感じれるのに…凄い前の出来事のようにも思える。不思議だね…

 

 

「やぁっと来ましたのね?おっそいですわ‼」

「ダイヤったら心配でオロオロしながら事故にあったんじゃないわよね⁉ってなってたのよ?」

「わざわざ言わなくても良いですわ‼」

「マリーさんとダイヤさん⁉お仕事じゃ…」

「ふん、そんなもの有給でどうとでもなりますわ。なによりも大切な仲間の門出ですわよ?祝わなくてはAquorsとしての名折れですわ」

「私もお父様に仕事押し付けてきちゃった♪千歌ちゃんの事話したら行ってこいって。だから私達の仕事は気にしないでね?私達が千歌ちゃんの見送りに行きたかったから来たのよ?」

 

ありがとう…嬉しい。それ以外の言葉が思い浮かばないよ…私なんかのために…えへへ。

 

 

「ありがとう‼二人とも!」

「うわっきゃっ⁉いきなり抱きつかれたら危ないですわよ」

「うふふ~嬉しい癖に~、私からもぎゅぅ~♪」

「だって嬉しいんだよ!また皆でこうして会えて!最近はずっと誰かが予定が会わなくて全員で会えなかったんだよ?それがこうしてまた集まれた!それって奇跡だよ!」

 

 

私の言葉を聞いたマリーさんとダイヤさんは私の頭を撫でてくれる。私はそれが嬉しくてより笑顔になる。

だけど、時間っていうのは止まってくれなくて…そして一方的に流れていってしまう。駅に電車が来てしまった…

 

 

「あ…」

「大丈夫ですわ、千歌さんがまた輝きだしたのなら私達がそれを目印に貴女に追い付いて見せますわ。」

「シャイニー‼それさえ忘れなければ私達迎えにいってあげるもの。だから振り向かないで真っ直ぐでいてね?私達が知ってる千歌っていう人物はそういう人よ。」

「…分かった。」

 

 

抱き着いてた二人は離れると六人がいた所まで下がった。

そして、これで私はAquorsの皆との本当の別れ…内浦と沼津から旅立たなければいけないんだって再度意識した…。

 

「いつでも内浦に帰ってきてくれても良いのですわ。」

「ここが千歌の故郷なんだからね。いつでも行ってくれれば迎えにきてあげるよ」

「盛大に盛り上がるように派手に行くからネェ♪」

「ダイヤさん…かなんちゃん…マリーさん…」

 

「何時までも応援してるから頑張ってください!」

「そうずら!頑張ってくださいずら‼」

「貴女なら出来るって信じてるわ。堕天使ヨハネの加護を千歌さんに…」

「ありがとうね、ルビィちゃん!花丸ちゃん!善子ちゃん!」

 

「私はね…千歌ちゃんに出会えなきゃ海の音も内浦の事も知ることが出来なかったと思うの。だけど会えたから…あの夜に貴女が手を引っ張ってくれたから…だから、だから…変われた!感謝してるの!だからまた会いましょう?病気には気を付けてね?…がんば、って…ね」

「梨子ちゃん…私、頑張るから。絶対にまた戻ってくるからそのときまでだよ。だから顔を上げて欲しいな?最後まで皆の顔を目に焼き付けて行きたいから!」

 

「ふふ、やっぱり千歌ちゃんらしいね?でもね?心配しないでっていうのは無理かな?みんな千歌ちゃんの事知ってるんだから、あんまり無茶ばっかりしちゃダメだよ?無茶しないでっていうのは無理だろうから私は言わないけど、でも梨子ちゃんが言ったように元気でいてね?何かあれば駆けつけるからね?元気でいてくれれば私はそれだけでいいから…約束だよ」

「私の取り柄は元気さと明るさだからね!でも、うん。気を付けるね?いつも迷惑かけてたよね、私?それなのに全然返せてなかったから私曜ちゃんに感謝してもしきれないよ…いつも…いつも…ありがとうね?絶対に元気でいるから!約束‼」

 

指切りをした私と曜ちゃん。どれくらいしてるかわからない。一瞬だったような気もするし、永遠だったかもしれない。だけど終わりの合図が訪れた…。電車のアラームが鳴り出したから…

 

「あはは、もう行かなきゃだ…行ってきます!」

『いってらっしゃい!千歌(ちゃん)(さん)‼』

 

 

私はもういつ閉まってもおかしくないドアに向かって駆け込む。私が入った瞬間にドアがしまりみんなの声もそこで聞こえなくなった…。振り替えれば皆が手を振ってくれている。泣きながら…でも笑って私を見送ってくれていた…

私がみんなの顔を焼き付けたいって言ったからかな?

…みんないい人だった。Aquorsも内浦のみんなも温かくて、優しくて…忘れないからね、私。

 

発車した電車で皆が見えなくなってしまう…。だけど見えなくなっても私はそこにいるってそちらに向いたままずっと見続けていた…。

三島…そう電車のアナウンスが聞こえて初めて私はもう、内浦から離れてしまったんだって…そう気付いた。私は…悲しくて…寂しくて…東京に遊びに行った事は一度だけあったけどあの時は曜ちゃんと一緒だった…だから心強かったんだって…悲しい事は今までいくらでもあった。初ライブの時だって…もう、私達のスクールアイドルが終わっちゃうんだって…悲しかった。でも、今よりも悲しくなくて…なんでなんでなんだろうね…すっごく胸が痛いよ…ポッカリ空いて…虚しくて…苦しいよ…。

みんなに会いたい。ずっと一緒にいたい…。なんで、今さらそんな事考えてるんだろう…決心したつもりだったのに…なんで…私はこんなに泣いてるんだろう

 

 

「あぁぁぁ……ぃやだよ…どうして、なんで…うぁぁああああぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…っは⁉」

 

え?

 

「あ、あれ?」

 

…うん?此処って私の部屋、だよね?電車じゃないよね?

………。

 

 

「夢だったのぉぉぉ‼⁉」

 

え、じゃあさっきまでの悲しさとか全部まやかし⁉嘘ぉ⁉

私の涙を返せ!夢ぇ‼

 

 

「千歌ちゃぁん?さっき泣き叫んでたけど怖い夢でも見たの?大丈夫?」

「くふふ…その年にもなって悪夢で魘されるとか、さっすがはバカチカだなぁ?」

「ワン。」

 

おねえちゃんとシイタケが私の部屋に入ってくる。

みとねぇ…わざわざ煽りに来たんだね…朝から暇な奴。

 

「なぁんか失礼な事考えなかったかぁ?」

「さあ、なんの事やら?千歌はさっきまでの夢のこと考えててなぁんにもみとねぇの事なんて考えてませんでしたよぉーだ!」

「…シイタケ、ギルティ!」

「わん!」

 

シイタケをけしかけるみとねえ…大人げないよ。

あと、シイタケ馬乗りになって顔舐めないで…うぇ、顔がべしゃべしゃだ……。

 

「くっくっく!これに懲りたらおねえちゃんを敬いたまえ。あと、そんなしけた顔してないで顔洗ってきな。」

「まったく、普通に泣いてる顔が似合わないって言えば良いのに…みとちゃんも意地っ張りねぇ」

「うわぉん」

 

シイタケも呆れるような声で一鳴きする。みとねぇが私を心配して…た、たまにならおねえちゃんを敬うのも良いかな?なんて思わない訳でもない、かな?

 

「ほぉら!千歌ちゃんも早く起きて。今日も皆で練習するんでしょ?朝ごはん抜いて行くことになっちゃうわよ?」

「あ、本当だ!もうこんな時間だったんだね…ありがと‼しまねぇ、みとねぇ!」

 

 

私は顔を洗いに駆け出す…。

そんな私に交差するように吹き抜けた風。風が優しく頬を撫でて凪がれた。

 

 

「また、君は1つ年齢をとった…時間は進み続けるよ。

忘れないで…後悔はしないで…」

 

 

そんな言葉を風が語りかけてきた。

あの夢はもしかしたら未来の私からのメッセージだったのかもしれない。だったら、今を最高に楽しむ!未来がどうなるかなんて分からないもん‼でも、Aquorsの皆がいればきっと私は前に進める!だから、後悔なんてしないよ!

それが、私の答えだから!

 




読み終えていかがだったでしょうか?
最初はただのアフター物の予定だったのですが…シリアスで終わるとなると自分の作風と合わないと自分で思いましたので夢オチとなりました…
誰かの心に少しでも残るようにメッセージ性のある終わり方を目指した為の夢オチです。

学生のみなさまは夏休みでしょうが有限な時間をただ無意味に過ごすのではなく、有意義なものにして欲しいです。
無意味なことも意味を見出だせればそれは有意義なものになると思いますのでファイトですよ!

タイトルの意味ですが、『はばたき』はスタダからの引用で始まりと旅立ちの両方の意味で使っています。夢の中での旅立ち、起きた現在でのスタート。ついでにこの小説の栄えある第一話ってことで←後付け
『残像』は夢(未来)から見た過去の思い出(像)、現在からみた今という瞬間に焼き付いた像。
『はばたく残像』ではばたきの軌跡、つまり奇跡。

という意味を込めてたんですよ?分かりました?
長々と400文字も話したのでここら辺で終わりにします。

では、また会いましょう~。お読みいただきありがとうございました。


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8/3 穂乃果誕 晴れ後曇り、されど太陽は輝く

大遅刻魔、文才皆無。です。

穂乃果誕生日回です‼当初考えてたよりも五倍ほど多くなったのには私自身笑ってます。
今回は私は初めての書き方をしたため慣れぬ書き方で正直心配な所だらけなのですが、祝いたいっていう気持ちとサンシャインから入ったっていう人が少しでもラ!を好きになっていただければという私から皆様に布教する穂乃果ちゃん回です。

あんな穂乃果ちゃんやこんな穂乃果ちゃんを詰め込めるだけ詰め込んでみました!
貴方というキャラクターと穂乃果ちゃんのアフターなお話です。

では、おたのしみいただければ幸いです。


シャイニー!

 

 

…じゃ、ないよ‼

日曜お日様穂乃果だよ?専売特許奪わないでよ!穂乃果から太陽を奪ったら何も残らないよ‼ただの行動力のある普通な女の子だよ!

え?それだけじゃない?そういう問題じゃなくて‼太陽は穂乃果なんだよ!だれが何て言おうが太陽が穂乃果なんだよ‼穂乃果から太陽を奪おうだなんて許されないんだよ!

 

え?シャイニーはShineeで輝くっていう意味?

なぁんだ~ならいいね!………?

って‼いや、良くないよ!まだ言いたいこといっぱいあるんだからね⁉穂乃果は誤魔化されないからね⁉

ちょっと納得しかけたとか言うことも無かったんだからね!

 

 

 

 

と言うわけで、私は静岡県の沼津駅っていう駅から内浦にある星の浦女学院に向かって歩いてます!

 

え?唐突?

穂乃果の行動力は貴方ごときの常識では計れないから理解できないんだよ!ふふふ、どう?

少しは賢そうに見えた?確かにμ'sは既に過去の幻想かもしれないけど優勝したあの時から成長してるんだよ。

…え?…もう‼栄光の間違いって今指摘しなくてもいいじゃん‼

今穂乃果はすっごい良いこと言ったんだよ!そこは素直に頷いてれば良いところだよ‼横暴だ‼

え?使い方が違う?

 

………。

 

もう、穂乃果はおばかだったって事で良いですよぉーだっ!あぁ⁉今笑った⁉笑ったでしょ‼酷くない⁉

穂乃果だって気にするんだからね?凹むことだって有るんだよ!

 

 

も…もぅぅ…撫でないでよ。む、むぅ…

 

 

折角ここまで来たんだから行きたい場所?し…仕方無いなぁ~ちょっと行ってみよっか!無理矢理連れてきちゃったっていう負い目も感じてない訳でもない、し?

 

うぇぇぇ⁉

ち、違うよ…べ、べべべべ別にデートだなんて思ってないヨ⁉そんな下心あるわけないじゃん‼ち、違うもん‼

で、で!どこなの⁉

誤魔化してないもん、ホラホラ!穂乃果に教えて♪

 

えっと…シーパラダイス?

あ、なるほど!水族館なんだ。…そういえばμ'sの皆とも君とも行ったことなかったね…音の木の近くってなると、東京タワー水族館かすみだ水族館になるのかな?

 

ふぅ~ん…そんなに可愛いの?

穂乃果より?見てみれば分かる…君がそれだけ言うって事はそうなんだろうねぇ…ふんだ‼君はやっぱり鈍感だよね!いいよ良いよ!早く水族館でも行けばいいんだよ!

 

 

 

 

 

そして私は三津シーパラダイスという所にやって来ていた。私が思ってたよりももっと広い場所でオーシャンビューで、すっごい綺麗な場所だったんだぁ~♪

ふぁぁぁーーー‼すっごい‼凄いよ!あっちにアシカ!イルカ!セイウチ…あれ?セイウチってあんなブチャイクだったっけ⁉あぁ!あっちにはシャチにペンギンまで!

スゴォ‼ビックリだよ!可愛い!可愛いよぉ‼

 

あ、ごめんね!これは可愛いね!うん、私が間違ってた!

あ、ペンギンがこっち来たよ!ほら、君もこっちに来て!一緒に見よ?ね?

 

 

え?ごめん…ちゃんと聞きとれなかたったんだけど…うん?聞こえなかったのならいい?そ、そう?

 

 

(…穂乃果の方が可愛いって言ったの聞こえなかったか。確かに残念だし、恥ずかしかったけど…ハシャグ穂乃果も見れたし…それで良いかな?)

 

 

ん?どうしたの?

あっち?何かあるの?うぅん…何だろあれ?

茶色い…お饅頭?

 

セイウチ…?え、でも…

あ、待って!穂乃果も行くから‼ちょっとぉ⁉

 

 

 

もう‼置いてくなんて酷いよ!何だったの?

これが見たかった?じゃあ、これが君の言ってたうちっちー?

…え?あ、逃げた⁉

 

うちっちー…白いお髭がモフモフそうで良かったね!アルパカと同じぐらい…もしくはそれ以上だと思ったけど、どうだろうねえ…逃げられちゃったから分かんないや。

でも、なんか凄い焦りかたしてたよね?

 

 

うん?あはは…それは無いんじゃない?だって私達がラブライブに優勝したのも活動したのも前のお話しだよ?

ラストライブ位ならそれでもおかしくないけど…え?じゃあ可愛かったから?そそそそそ、そんななげやりな言い方されても信じられないからね!………。

…ぁりがと。

 

なんにもないから!なんも言ってないから‼

たぶんうちっちーも忙しかったんだよね!穂乃果を見て逃げたんじゃなくてたまたまウッカリ忘れてたことを思い出しただけだよね!きっと‼

 

 

いや、穂乃果じゃないんだからって君にとっての穂乃果についてしっかりとお話ししなきゃいけないかな?冗談とかそういうのじゃなくてだよ。…まあ、今日は許してあげる。ここでの思い出、楽しいものしかなかったからね!

 

 

へ?そりゃそうだよ?

そろそろ帰らないとだよ?日帰りだしあんまり遅いと新幹線の時間に間に合わなくなるし、まだおみやだって買ってないからね。雪穂とか海未ちゃん達にちゃんとおみやだ買って帰らないとね!

ふふ。えへへ、でも穂乃果にとっての一番の宝物は君と一緒にみた此処の景色と君とだけ共有できた思い出に時間かな!君っていつもみんなといるから穂乃果だけが独り占め出来たのだってこれが初めてなんじゃない?

 

ふふ、顔赤くしたね?

君も少しでも私と同じように思っていてくれたら嬉しいな♪じゃあ、帰ろっか!帰るまでが旅行だよ!さあ、元気にいってみよぉ‼

 

 

 

 

 

 

ん、出口に誰かいる?

そりゃあ居てもおかしくないでしょ?え?キョロキョロ誰か探してるみたいなの?迷子かな?え、でも9人で探してるっぽい?9人ていうとμ'sと同じだね!

って、そうじゃなかったね…困ってるなら迷わないで助けてあげようよ!幸いまだ時間自体はあるし、間に合うよ!

デートは良いのか?…旅行だから良いよ。

まったく…わざとでしょ?冷やかしてないで、君が気になってることぐらい穂乃果も察せるよ。どうせ、トイレとか言って穂乃果を待たせてその間に助けにでも行ったでしょ?君とも付き合い長いんだから分かるの!

まったく君も困ったお人好しだよね。ほら、いこ?間に合わなくなっちゃったらもとも子も無いよ?さ、ほうら!

 

 

 

 

 

 

 

 

え?少しここで待っててほしい?いや、ここまできて何で?

 

そっちの方が面白いって…もう、あの子達が困ってる理由分かったの?へぇ…ふぅーん…なんか楽しそうだね、君。

穂乃果の気持ちは察してくれない君の癖に…え?ううん‼何でもないよ!へ?合図するからそのタイミングで来て欲しい?わかったよ!

ね、ねえ?気になるんだけど教えてくれは……あはは、だよね。教えてあげないけど、穂乃果も楽しめる?それってどういうイタズラ?うぅん?…穂乃果にはよくわからないけどそう言うなら…そうなの、かな?

あっ、でも了解だよ!合図まではここで待ってればいいんだね?オッケーオッケー!君は本当に楽しそうに笑うね?

どうしたの?そんな鳩が豆鉄砲くらったような表情して?

 

へぁ⁉あぅ…えっとぉ///

じゃ、じゃあ私達はきっと似た者どおしなんだよ!違うから!ごまかしてなんかないよ!

…そ、そりゃあ君がいきなりあんなこと言うから焦ったけど…でも、困ったとかそんなんじゃなくてね?嬉しかった。

似た者どうしって事は、さ…相性がいいって事だよね?お似合いって事なのかなって思ったら嬉しかったんだよ…だから…って、大丈夫⁉顔真っ赤っかだよ⁉

え、あ…うん、うん?あ、いってらっしゃい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は顔を真っ赤にしてたままだったけどなんでだろう?思ったこといっただけなんだけど…まあ、いいや。

あ、そういえば合図ってなんだろう?話してくれなかったよ⁉ヤバイ⁉

って思ってたら彼が……あ、あれは‼絵里ちゃんの合宿よ!だ‼そのクルクルからジャジャーンって聴こえてきそうな腕を広げる仕草はまさしく絵里ちゃんの合宿よ!のポーズだ‼完璧なポーズだった…背後に思わず半透明な絵里ちゃんを幻視しちゃうくらいには綺麗なフォーム!

10点10点10点10点9点おぉーっと?高得点だが、満点ならずぅ!いったい穂乃果の頭の中の審査員さんはどうして一点減らしたのでしょうか?

(「クルクル回るまでは完璧だったよ?だけどね?腕を開ききった時の体の角度が絵里ちゃんの時よりも少しだけ大きかったんだよ‼まるで、丁度彼処にいる彼女達が私のほうに目が行くようにって…」)

 

「アァァーーーーーーー‼そういう事か‼」

 

私は彼の意図に気付いて走る!あんな綺麗な合宿よされたら見惚れちゃうから!ほら、君が話しかけた女の子の…お団子の子とか目をキラキラさせちゃってるから!

 

 

 

穂乃果が彼の横に駆け寄ると彼を除いたその女の子達が息を飲む音が聞こえてきた。彼は相変わらずイタズラ成功とでも言いたげにニコニコだった…にこちゃんとおんなじ表情してるよ…まったく…。

彼は分かってるだろうけど穂乃果は事情が分かってないんだよ!説明!説明がなかったら分からないよ!

 

 

どれくらい目の前の子達が止まってたかは分からないけど話し出すきっかけになったのはすぐ近くにいたオレンジ色でミディアム位の長さの髮で顔の左端の前髪らへんの付け根から三つ編みにした元気いっぱいな子が声をあげたのを皮切りにもみくちゃにされちゃうんじゃないかって思っちゃう位に詰め寄られてた。話してみれば彼女たちはAquorsというスクールアイドルだったらしいの!それで偶々私を見たから探してたんだって‼嬉しいよね♪

 

 

だって…それってさ、穂乃果が…私達が、μ'sが残したスクールアイドルっていう可能性を追い求めてくれたって事で、それこそSUNNY DAY SONGに込めたあの時の協力してくれたμ'sだけじゃない全てのスクールアイドルの想いの集大成のその先の輝きを受け継いでくれたって事なんだよ‼それって凄い事だよ!

ね!君も穂乃果たちスクールアイドルを見てきたから分かるよね!

 

……って‼居ないし‼どこいったの⁉この時間の間で君はどうやって迷子になっちゃったの!一種の才能だよ!もう‼

せっかく穂乃果がこんなに感動してるのに!君は私の気持ちを共有はしてくれないんだね!プンプンだよ!

 

穂乃果は内心怒りながらもAquorsの皆と楽しい時間を過ごさせて貰った。Aquorsの活動、歌、そしてμ'sへの憧れやあれこれ…兎に角沢山の話を聞かせて貰ったし話した。

私達μ'sの語られなかった私達の経験や出来事…大変だったけど凄い楽しかった日々、音ノ木での行事とか生徒会長だったからやり抜いた事だって…話したいことはいっぱいあって皆と話したんだよ?

だけど彼はそれでも戻ってこなくて少し…ううん、たぶんかなり寂しかったんだ…。何時も誰かが一緒だったからこうして一人になったのは久しぶりで…。

 

 

え?ダイジョウブ?ダイスキだったらダイジョウブ!って…それはAquors曲でしょ?それだけじゃない?

うぅん…穂乃果には分からないよ?穂乃果さんがどう思ってるかは伝わってるはずだから?えっと、曜ちゃんそれってどういう意味?

よかったら聴いてみてください?えっと…?これは…イヤホン?ダイスキだったらダイジョウブが…うん?穂乃果達二人に聞いて欲しいから?どういう意味?

…分かった。聴いてみれば分かるんだね?答えが入ってるって言うなら分かったよ。是非聞かせて!

 

 

 

 

 

 

 

 

~♪~~♪

 

あはは、凄いなぁこれ!皆の気持ちが詰まってるね!

穂乃果感動しちゃったよ‼それに、何かがスッと胸に染み込んできて…穂乃果が欲しかった答えが見えたような気がしたよ‼曜ちゃん、ありがとうね!

年上の人にあんな風に言うのだって怖かったんじゃない?わざわざこんなことさせちゃった不甲斐ない穂乃果でごめんね?

ん?私にも非があったって…どういう?

 

 

 

「ほら、来たよ?」

 

「え…?」

 

 

曜ちゃんが指を指す方向には歩きづらそうにしながらも走るうちっちーがいた。

白い髭を夕陽で橙色に染めながらも駆け抜けてた。ボフッボフッって音をさせながら走るうちっちー…なかなかシュールだよ…

 

「ふふ、今度は逃げないから、ダイジョウブ!」

 

…その一言で何となく曜ちゃんの意図が分かったよ。たぶんあの時に、逃げたうちっちーの中の人は曜ちゃんだったんだ。それで非があるっていったんだね…。

だったらAquorsの皆で出入口のゲートで待ってたのも説明つくね。

 

うちっちーは私の前まで来ると短い手と足を精一杯伸ばし私の頭を撫でてくれた。その手付きはよく知ってるもので…とても温かくて落ち着かせる。彼の手だ…

彼はいつだってそうだ…普段は鈍い癖に、辛い時はいつも横にいてくれて…何も言わず聞かずに察してくれて頭を撫でてくれて…穂乃果は…彼が好きなんだ…。

今の状態なら…良いよね?

 

 

「ありがとう。大好き!うちっちー‼」

 

 

うちっちーの中の君に今の私が伝えられる全てを込めて伝えるよ。顔を合わせちゃったらきっと言えないから…だから、これが今の私の精一杯。大好きな君に伝えるありがとう。μ'sと、君がくれた夢で…夜空を照らせる位に明るい未来になったんだよ?もう一度言うね?ありがとう…好きだよ。

思い出と君を離さないって意味で彼にぎゅっと抱き付く。

 

でも、君は私の気持ちには気付いてくれないんだよね…でもね?それでも私は構わないんだよ。私ね?ずっと、焦ってた。君が誰かに取られちゃうって…でも私は気付いたんだよ。ただ、私は君の傍にいたいんだって‼

私は私のペースで歩んで行こうって!私の熱もいつか君に熱が伝わっておんなじ位熱くなってくれるって信じてるから、私が早足だったから進むスピードが合わなかったんだよね?だからね?私は待つよ?君が追い付いてくれるのを。引っ張っても良いけど、穂乃果は君に引っ張って欲しいんだ?その手で引き寄せてくれるの待ってるから!

だから、許してあげる!

 

 

「ダイスキだったらダイジョウブなんだって」

 

 

近くにいるうちっちーにしか聞こえないし抱き付いてるから顔も見えないだろう。これくらいの事は許してね?

私と君との未来への一歩だから…少しでも進んで追い付いてね?

 

 

 

 

 

 




はーい、という訳で穂乃果の目から見た貴方という物語の一幕でした‼Aquorsが出てきてた?ダイジョウブ、彼女らは今回もぶだから!(何故か強気)
それから、ちゃんと終わってない気がした?




というのは気のせいではありません。
なぜならあんなに話してた、時間がかかってるという描写があったのに間に合うのか?という観点でみればまず、間に合うわけが無いからです。

その後のお話をしますと、三津シーを出る時には既に帰る新幹線には間に合わずに千歌ちゃんの宿にお邪魔させていただくということに続くからです。そして、付き合ってない二人が一部屋に泊まるという訳で…そのあとにはきっと甘酸っぱい青春の一幕が……
となり、私は不粋な人間ではないので語りませんが、きっと貴方の考える未来が待っているのでしょう
穂乃果ちゃんが好きな人に楽しんでいただくのをメインにおいて作成した結果がこのエンドでした。
これを期に穂乃果ちゃんが好きになったよ?という方がいたら私としても嬉しいです。

べつに報告してくれてもいいんですからね?
穂乃果ちゃんって呟いて下さるだけでも、喜んでいただけたんだって思えますし!穂乃果ちゃん、ホノカチャン?穂乃果ちゃん‼まで行けとは私は言いませんのでw

では、お読みくださりありがとうございました!


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12月25日 クリスマス 変わらぬ日常の中、幸せの紬

クリスマスですよー
クリスマスなんですよー

皆様の枕元じゃなくても朝起きたら更新してたーみたいな感じなプレゼントです。
まあ、起きてて気づいちゃったっていうのでもいいですけどね!

私は文才の無いサンタですからー。
クリスマス、ほんのちょっぴりでも幸せをお届けできたら嬉しいな。

ではどうぞ。


もう、これで三度目になるのか。

 

今までも、これからも続いていくであろうこの日の事を

毎年、毎年、回数を積み重ね…これからもずっと共に居たいと、そう思う

そんな日が今年もやってきた

 

 

 

 

空はどんよりとした雲が一面に広がり、太陽を覆い隠し高層ビルが乱立するこの街にビル風による寒さを運ぶ。

本来は気温の低さから季節を感じるべきなのだろうが、如何せんここは普段から風が強い。

寒さから手が悴むのは気温じゃなくこの風のせいだ。

故に季節感など狂ってしまうのは仕方ないのでは無いだろうか…。

 

…寒い。こんな寒空の下なんでこんなに待たなきゃならんのだ…。

 

ここに来るように言った張本人は一体何時来るのだろうか…

ここを離れてはいけないのだろうか。既に待ち合わせ時間から30分も経過しているのに今だに連絡が来ない。迎えに行きたいのだがすれ違いなど起こしたら目も当てられない…。遅刻癖は元々あったが流石に電話には出て欲しいのだが…。

彼女のお茶目程度であれば目を瞑るんだがな…

 

やるせない気持ちを込めたため息を吐く。流れる雲を目で追いながら待ち続け、それでもあと十分、あと十分とズルズルと待ち続けてしまうのもどうかだよな…

そうして一時間経ってから一通のメールが入った。

 

彼女の妹からだった。

そっと悴む手で開くと内容は

「あの…もしかしてなんですけど、さっきからお姉ちゃんのケータイなってるんですけどお兄さんですか?

お姉ちゃん未だに寝てるんですけど約束してたりしますか?」だとさ…。

 

呼んだ本人家でグースカ寝てると…

ふ、ふふ…ふふふ…

しっかし、良くできた妹さんだ。わざわざ気になって連絡までくれたのに比べて怠惰な事で、まあ。

 

妹さんにはメールでしっかりとお礼を言うと敢えて起こさなくてもいいと伝え、同時に今からそっちに迎えに行くのでお邪魔させて貰っても良いかな?という内容も伝えた。

その返信に「すみません、姉がご迷惑をおかけしたようで…」と来た。もうどっちが姉と妹なのか分かったもんじゃない。姉の面目丸潰れである。

高校生であればまだ大人になりきれてないで片付けるんだけどね…

既に大学も卒業を控えている訳で…

そろそろ一人立ちとまで行かなくても、寝坊位は治して欲しい所だ。

ハァーと温かい白い息を悴む手に吹き掛け手を擦りながら暖を取りつつ駅から橋を渡り彼女の家に向かう。

趣のある一軒家、少し見上げたところに看板がありそこに「穂むら」と書かれた和菓子屋が見えてくる。その家こそが彼女の家だ。穂むらの店主夫婦の娘の長女、高坂穂乃果こそが呼び出して寝坊しているという彼女だ。そして次女である彼女の妹、雪穂はどうやら玄関で待っていてくれたらしく此方を見つけるやいなや手を振りながら駆け寄ってきてくれた。

うむ、なんとも可愛らしい仕草だ。穂乃果とくらべるとまだ幾分か幼さの残るがその瞳には理知的な様子が見て取れた。

 

「おはよう、雪穂ちゃん。朝からごめんね?すごい助かったよ。」

「おはようございます。いえ、むしろお姉ちゃんが呼び出したのに随分お待たせしちゃったようで申し訳ない限りです…。」

 

まさか頭を撫でただけでそこまで見通されるとは思ってなかった。

そんなに冷えてたのかな?だとしたら冷たくなかったかな…

こちらこそ申し訳なくなる。只でさえ雪穂ちゃんは悪くないのに穂乃果が一方的に悪くて気を使ってくれたのだから。

 

「俺の手冷たくなかった?ごめんね、気が利かなくて」

「いえ、私もお兄さんに撫でられるの好きですから!気にしないでください‼私、兄に憧れてたんですよね。それでお兄さんは私の理想の兄さん像そのままですからね…なんなら私のことは本当の妹のように接してくれてもいいですからね!いつでも待ってます」

 

フンスッ!といった感じで息巻く雪穂ちゃんの顔には本気で言ってるというのがまじまじと見て取れた。俺としてもこんな出来のいい妹なら是非貰い受けたいと思う。

…が、彼女にそんなこと漏れようものなら嫉妬に狂ってロケットダイブ待ったなしだろう事は予想に固くない。故に大人のズルで言葉を濁し端的にありがとうとだけ雪穂ちゃんに伝えまたゆったりとした手付きで一撫でするのだった。

 

雪穂ちゃんに案内されるがままに穂乃果の寝ている部屋に辿り着く。雪穂ちゃんはそこで自分の役目は果たしましたということかだらしのない姉ですがよろしくお願いしますと頼まれてしまった。

それに笑いながら「うん、頼まれました。」と返すと今度こそ雪穂ちゃんは下の階、きっと和菓子屋のご両親方のお手伝いをしにいったのだろうと当たりをつける。雪穂ちゃんにはホント頭が上がらない。

 

 

 

 

 

そして穂乃果の部屋へと足を踏み入れる。

別に初めてという訳でもないので初な反応が出てくるでもなく、ああ、彼女らしい部屋だという感想しか出てこない。と言っても片付けがなされてない汚い部屋という意味ではなく女の子らしくもあり、棚の上には写真立てに彼女たちの大切な思い出が飾られていたからであった。

μ's…彼女たちが起こした四年前の奇跡。廃校から救う一手、彼女たちの本気のスクールアイドル活動…それがμ’sだった。世にスクールアイドル革命を起こす第二波がμ’s。第一波は原点とも言われたARISEだ。μ’sとARISEは互いに競い合い凌ぎを削った。

それが世界にスクールアイドルという存在を大きくし根付くキッカケとなった…。

 

そう聞けば大層偉大な存在に見える。実際俺自身そう思っていた。けど、そうじゃないんだ。

彼女はただの少女で傷付く事もあるし、立ち止まることもあるし、迷うこともあった。普通の人間で不通の女の子だった。

 

だから…きっと俺は高坂穂乃果という女の子に恋をしたのだろう。

色眼鏡などなく、常に一生懸命で、明朗快活で、その人懐っこい笑顔と不意に見せる慈愛に満ちた表情にころっと落ちてしまったのだろう。

だから、あれだけ待たされても本気で怒ろうとは思ってないのだろう…。惚れた弱みってやつかねぇ。

 

寝ている彼女を起こさないように静かに近づき、彼女の寝ているベッドのすぐ横まで行き彼女の寝顔を見る。本当に幸せそうな顔で寝ていた。そっと髪を撫で、その場でと言ってもベッドの横の床にだがあぐらをかく。

 

「早く起きてくださいお姫様?じゃないと、いつまで立ってもまた羽ばたけませんよ?」

 

なんてね。

その言い回しに少しおかしくなってクスクスとひとりでに笑うとまた彼女を撫で離し幸せそうに眠る眠り姫の横でそっと起きてくるのを待つのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__コンコン

「失礼しますよーって、ありゃ。お茶入れてきたんだけどいらなかったかー。

それにしても…ふふ。本当、お兄さんもお姉ちゃんもラブラブで羨ましいなぁ。私もお姉ちゃんたちみたいになれる彼氏さんが欲しいものだよ。…じゃ、お邪魔しましたーっと。」

 

雪穂が立ち去った先程まで視線があった先にはベッドの横に座り体を寄せ合い仲睦まじげに一つの毛布に包まる穂乃果と彼の姿があった。そのどちらにも幸せそうな表情があり、それはまるでこれからの全てが二人なら幸せであるというかのようであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜その少し前の事〜

 

「…ふぁあー。あれ?今何時…ち、遅刻だぁって…あ、あれ?

………。

ふふふ、やっぱり君は優しいんだね。穂乃果の横にいつでも歩幅を合わせて立っていてくれる。だから私は安心して羽ばたけるんだよ?

ありがとう、私の王子様。えへへ、君も寝てるしもうちょっとだけ私も寝坊しちゃってもいいよね?私の特等席、それは此処。君の隣なんだよ。いつまでもここに居させてください。」

なんてね。

 

そう小さく呟くとベッドに一人で包まっていた毛布を引張り二人で羽織るように被ると穂乃果は彼の肩にしなだれかかる。

 

 

そんなクリスマスの朝の出来事だった。




少し前にTwitterで誰と一緒に過ごしたいですかっていうアンケを学年別で取り2年生組が勝ち取り2年生からだと誰がいいですかーって聞いたら最初は海未ちゃん優勢でしたが怒涛の追い上げで穂乃果ちゃんが一位をとりましたのでこのお話が出来たのです。

ちょっとクリスマスっぽくないお話なのはわざとだったりします。ガッチガチのクリスマス読みたいなら私の作品のもう一つのラブライブ!作品の番外編行ってくださいな…
あれ以上の作品はきっと書けないから…あれは我が作品史上最上のクリスマス作品なので…

それにどうせ皆様きっと甘々なクリスマス作品飽きるほど読むことになるでしょ?ならね、ちょっと毛色の違うほんのり恋色程度の初々しい恋模様の方が逆に新鮮に映るでしょう。
みたいな気遣いでっせ。(言い訳)

大きな幸せよりも何気ない幸せにこそ私は大切な全てが詰まっていると思います。

では皆様メリークリスマスでした。


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1月28日 そのカクテルは『いつも二人で』

私の懇意にしていただいているとあるラブライブ!作家の方が今日二十歳の誕生日を迎えたと言うことで急遽執筆させていただきました。
彼の推しである穂乃果ちゃん回です。
昨日の23時頃知りましたので急いで取り掛かりましたよ!だって二十歳の誕生日って大切な日じゃないですか。
まあ、書いた事自体はまだ伝えていないので後でしっかり伝えるのですが…

二十歳の誕生日おめでとうございます。

そしてご覧にいただける皆様へ
この回の穂乃果ちゃんと主人公君は二十歳です。元々付き合っているという設定の元構成していますのでよろしくお願いします。


明るすぎる訳ではないが暗いわけでもないそんな照明で人の入りも緩やかなそんな落ち着いた雰囲気のお店の中、そんなお店のカウンター席に二人の男女が隣り合いながら居た。

 

「ふふふ誕生日おめでとー‼」

 

女性は自分の事のように嬉しそうに祝いの言葉を言った。それを受けた男性は照れくさそうにしながらありがとうと感謝の言葉を返す。

 

二人の前のテーブルの上には綺麗なオレンジ色のカクテルが置かれていた。

それは彼女がお店に入ってすぐに頼んだもので名前は『サイドカー』。カクテルグラスにギリギリまで注がれていて先程目の前でバーテンダーの方がシェイカーでシェイクしていた。材料はよく見かける茶色い瓶に入ったアルコール…たぶんブランデーだろう、とレモンジュース、見慣れぬ青い瓶に入れられていたアルコール。匂いからはそれなりに度数はありそうな気がする。

 

「今日は折角の誕生日だからね、穂乃果からのプレゼントってところだよ。飲んで飲んで!」

「えっと…か、乾杯?」

「硬いなぁ〜まあ、いっか。乾杯」

 

軽くぶつかり合ったグラスはチンと音を鳴す。カクテルは溢れそうになるも表面張力が働いたいたからか溢れ出ることはなかった。

隣り合う彼女は自分の慣れぬ姿におかしそうにはにかむ。その笑顔にドキッと鼓動が早まったがそれを悟られるのはなんだか尺で熱くなる顔を冷やすために誤魔化すようにカクテルを呷る。

カクテルは冷たかったのだが、やはり度数があったようで段々と内から身体がポカポカとしてくるのが分かった。

 

「へぇ…でもなんだろう。マイルドというか優しい感じがするね。飲みやすくて美味しいよ」

「えっと確かなんだけどさっき店員さんが振ってたじゃん?それがシェイクって言われててそれのおかげなんだって。」

 

えっへんと言いそうなぐらいに胸を張る彼女の姿にちょっと意地悪したくなった。普段ならそんな事ないんだけど少し酔っちゃったのかも?なんて免罪符を得てしまったからか興味からか口から出てしまった。

 

「ふーんそうなんだ。…で、誰に教わったの?」

「うぇ!?ち、違うよ!!男の人じゃなくて絵里ちゃんに連れて来てもらった時に教えてもらっただけだから!!」

 

焦りなにか勘違いする彼女に大丈夫という意味を込めてアハハと声を出しながら笑うと彼女も次第にからかわれたのに気付いたのかほっぺを膨らませた。

 

「もう!不機嫌そうにするから浮気でも疑われちゃったのかと思ったじゃん‼」

「僕が穂乃果を疑うわけ無いだろう?二十歳の誕生日にこんな素敵な思い出をくれたんだ。どうせ事前にいろいろ考えてみんなにも相談してその時お教えてもらったんじゃないかな?」

 

事実、僕は彼女である穂乃果を疑った事など付き合いだしてからも一度もない。

昔、好きな人がいて応援して欲しいと言われた時ぐらいじゃないかな?

それならもう会わない方がいいと身を引こうとした事もあったけど、それだって結局好きなのが僕だったと言うのを聞かされて解決したわけだし。いつだって僕は彼女一筋だったからね。

懐かしいかぎりだ。

 

「もしかしてエスパー?」

「穂乃果のことで分からないことはほとんどないよ」

「そこは全部って言わないんだね。」

「そりゃあね。付き合い長いとはいえ分からないこともあるでしょ」

 

今日の誕生日に合わせて念入りに下調べしてくれてたのだって僕は知らなかったからね。おかげで嬉しくて照れくさくて朝から意識してなかったら顔だって赤くなっちゃいそうだったからね。彼女に嘘はつきたくない。誠実に付き合いたいから冗談でも嘘は付きたくないんだ。

 

「穂乃果は優しい嘘ならそれでも嬉しいよ」

 

まるでこちらの心の中を見透かしたような言葉にドキリとする。驚きから思わず横にいる穂乃果をみつめてしまう。

彼女の表情はどこか大人びていて感傷に浸るようなそんな雰囲気があった。お店の雰囲気と相まり呑まれてしまいそうになる。

 

「穂乃果はね?貴方がいつも私の事を一番に考えてくれているのを知ってるよ。だから貴方が好きなんだもん。誰よりも私を愛してくれて、想ってくれて、大切にしてくれて…」

「…穂乃果」

「だから、生まれてきてくれてありがとう。私と出会ってくれて、選んでくれてありがとう。改めて誕生日おめでとう」

 

嬉しい。恥ずかしい。愛おしい。そんな気持ちがごちゃまぜになり顔が熱くなる。だが、この気持ちを隠したくなくて何か話さなくてはなどと思うも何も言えなくて穂乃果を見つめることしかできなくなってしまう。

なんて言えばいい?こちらもだよ?何故だろうこれじゃない気がする。確かにそれは穂乃果に抱く想いでもあるがそれでは足りていない。全てを伝えきれない。

でもどうしたら…

 

そう思い悩んでいた時だった。

渋い容姿をした先程とは違うバーテンダーさんが僕と穂乃果の前に一つずつカクテルを置いた。僕たちは思わず見上げてしまう。

 

僕の前に置かれたのはカクテルグラスに白く丸い物がピンに刺されて入っていた透明なカクテルで、穂乃果の前に置かれたのはタンブラーと言われるグラスにカットレモンが入っていた茶色がかった暗いオレンジ色のカクテルだった。

 

「あの…僕たち頼んでいないのですが」

 

渋いバーテンダーさんは特に気にした様子はなく

、目を閉じたまま口を開いた。

 

「こちらは私から貴方がたに贈った物ですのでお気になさらず。盗み聞きなどするつもりではございませんでしたがどうやら貴方は今日誕生日だと聞こえてしまいましたので贈らせていただきました。」

 

は、はあ。なんていう生返事しかできなかった。

気を使わせてしまったのだろうか?と考えてしまったがそのバーテンダーの表情からは何も読み取れなかった。だが出されてしまった、贈られた物を無碍にするのは気が引けてまずは一口と口をつけた。

 

そのカクテルは喉にガツンという衝撃を与えるような喉越しだった。穂乃果が頼んだ『サイドカー』よりも度数は強かったようでそのアルコールにクッとなるがキレがよく突き抜けていく爽快感があった。

味わい終えるタイミングを熟知しているようでそのタイミングでバーテンダーは説明を始めた。

 

「そちらはウォッカギブソンというカクテルでございます。ウォッカとドライ・ベルモットでステアしパールオニオンをカクテルピンに刺し加えた物となります。また、カクテル言葉は『隠せない気持ち』となっています。」

 

カクテル言葉というのは聞き慣れないが花言葉や宝石言葉のようなものだろうか?

表情からは何も読み取れないのだが何故だかこのカクテルを贈った意味は読み取れるような気がした。

隠せない気持ち…か。

しみじみとその言葉と共にそのカクテルを飲み込む。

 

気付けばどうやらアルコールがだいぶ回ったのか少し眠くなってくる。

身体はどうしようもなく正直らしく隣の穂乃果にしなだれかかってしまう。

 

「あー…重いかもなんだけど甘えてもいいかな?」

「全然重たくないから大丈夫だよ。落ち着くまでこのままでいいよ」

 

隣にいるからその表情までは見えなかったがどこか心地よくて何も考えたくなかった。

あえて言うならなんとなく穂乃果の声が弾んでるような気がした。あくまでも気がする程度なんだけどね。いいと言ってくれるならそれでいいや。

 

一体どれくらいそうしていたのか迄は分からないがバーテンダーさんが水を入れてくれた時までそうしていた。そのときにはだいぶ落ち着いてきていたのでふらつくことなく体勢を戻すことができた。

心の中にあった何かはいつの間にか軽くなっていて救われたような気がした。

 

そのまま会計を済ませ穂乃果とお店を後にする。

その帰り道は手を繋ぎながら帰った。

僕は穂乃果に感謝を述べた。

最高の一日をプレゼントしてくれたことを。

そして一つだけ謝った。

言葉にしなければいけないことを黙っていたことを、その覚悟ができていなかったこと。

 

意を決して、その言葉を紡ぐ。

 

 

「僕は貴方が好きです。誰よりも貴方を愛し、ずっと一緒にいたい。これからもずっと、ずっと…

僕に貴方の時間を下さい。僕と…結婚してくださいませんか」

「勿論だよ。むしろ誰にも渡さないって決めてたぐらいだもん。喜んでお受けします‼」

 

僕のプロポーズの言葉に間髪入れずに返答をくれた穂乃果。僕はずっと迷っていたんだ。この言葉を言ってもいいのか、その言葉の責任を取れるのだろうか…と。

隠せない気持ち…きっと穂乃果自身にもその悩みは見抜かれていたのかもしれない。

そのせいで不安にさせてしまっていたのかもしれない。だからこその『優しい嘘』だったのかもしれない。今はまだ虚勢でもいいから勇気を出して欲しい。後少し歩み寄って欲しいということだったのかもしれない。

今はまだ分からないけどこれから不完全を二人で完全にしていこう。同じ時間を共にする決意は出来たから…

 

夜の帰り道、街灯に照らされる二人の影はそっと寄り添うように重なったのだった

 

 




飲酒はしっかり二十歳を超えてからにしましょうね?
未成年者飲酒禁止法に引っかかりますのでそこはお間違いありませんようお願いします。

そしてご覧いただきありがとうございました。


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