榛名さんの苦労話 (榛猫(筆休め中))
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番外編【作者報告】
長期休載のお知らせと各作品の主人公達



ギオスです。

題名のとおり今回からしばらく休載致します……
理由は下の会話内に紛れていますのでそちらをご確認ください……

皆様にご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いいたします……m(__)m


一誠「そういうわけで、オラ達がここに集められたっちゅうわけか」

 

悟誠「お、俺にそっくりだ!でも口調が……」

 

幽々子「あらあら、ホントにそっくりね~♪」

 

斉木『全く…僕は海域の問題を調べるので忙しいというのに何故こんなところに来なければならないんだ……

 

17島「まあアイツが動かなきゃ俺達も動けないんだから仕方ねえだろ?」

 

上条「上条さんは今度は何をやらされるのか気が気ではありませんですことよ?」

 

吹雪「あはは……苦労してるんですね」

 

榛名「仕方ありませんよ…作者は気まぐれですから」

 

斉木『ん?吹雪、お前のところの提督はどうした?

 

吹雪「それが…『なんで俺がそないなめんどい所にいかなあかんねん…俺ァ嫌じゃ、いかん!吹雪ちゃん代わりに行ってきてくれ』と言われてしまって……」

 

幽々子「責任感のない人なのね~…」

 

一誠「とんでもねえ奴だな…オラがぶっ飛ばしてやる!」

 

悟誠「止めとけって、お前にぶっ飛ばされたら命がいくつあっても足りねえよ……」

 

上条「全くもってその通りでせう……」

 

17島「醜い肉のオブジェの出来上がりだな……」

 

斉木『霧島と同意見だ……

 

榛名「榛名もそう思います……」

 

一誠「ひっでえな…おめえ達……」

 

幽々子「それだけあなたは強すぎるのよ…何よ敵を蹂躙って……」

 

一誠「んなこと言ったら幽々子だって無双してんじゃねえか……」

 

幽々子「あなた程酷くやってはいませんわ~♪」

 

悟誠「そうかな?にしても良いおっぱいだぁ…♪」

 

17島「お前、18号に殺されるぞ……」

 

吹雪&榛名「…………」【引き】

 

悟誠「引かないでごめん!俺が悪かった!」

 

上条「うわぁ……。俺のとこでそんなことしてたら即殺されちまうよ……」

 

斉木『まずそんなことをする意味がわからない……。

 

一誠「はははっ!おめえの場合裸見れねえもんな」

 

幽々子「笑い事じゃないと思うわ~」

 

17島「その通りだな…中の奴も引いてるじゃないか……」

 

 

_______

 

 

上条「にしても、どうしてまた長期休載なんだろうな……」

 

一誠「おめえ持ち前の不幸が作者にも移ったんかもしんねえぞ?」

 

上条「それだけはマジで勘弁してくれ……」

 

榛名「榛名には分かりません……」

 

斉木『どうやら気力が続かないらしい…またその内気が向いたら書くそうだ……

 

悟誠「気が向いたらって……いったい再開は何時になるんだよ……」

 

幽々子「それも作者の気まぐれなのよね~……」

 

一誠「その通りなんだよな…っと、そろそろ終わりみてえだ!んじゃ、読者のみんな!またな!」

 

全員「ご迷惑をお掛けしますが少々お待ちください……」

 

 



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作者報告コーナー

はい、というわけで今回は作者である私からのお知らせになります。

内容は下にある通りとなりますのでご了承ください...。


 

 

アイルーくん「というわけで始まりました!作者報告のコーニャー!!」

 

斉木『ニャ...?

 

 

幽々子「多分、なとニャ、をかけたんだと思うわ~」

 

 

17島「なるほどな...」

 

 

アイルーくん「...とりあえず自己紹介していくニャ!」

 

 

((((((無理やり話逸らした...))))))

 

 

____________________

 

 

上条「じゃあまずは俺からだな。

『新約、とある提督の幻想殺し』で提督をやってる上条当麻だ」

 

 

悟誠「次は俺だな!

『龍に選ばれし赤龍帝』で孫悟空の義息をやってる孫悟誠だ」

 

 

一誠「次はオラだな

『DRAGONBALL D改』で赤龍帝やってっぞ、兵藤一誠だ!」

 

 

榛名「お次は私ですね

初めまして『榛名さんの苦労話』で一味の姉役をやらせていただいてます。榛名です」

 

 

斉木『次は僕か...。

『鎮守府提督のΨ難』で提督をやらされている、斉木楠雄だ...。

 

 

アイルーくん「お次はボクだニャ!

『女王領域の獣人種』でニャンター、ニャイダーをやってるアイルーですニャ!」

 

 

「お次は私ね~♪

『駒王の街の亡霊姫』でオカ研の副顧問をさせていただいてます西行寺幽々子と申します」

 

 

17島「次は俺か...。

『17号は戦艦霧島に憑依するようですよ?』で霧島をやっている。17号だ」

霧島『私が中にいる元の霧島です』

 

 

燐空「最後は俺か...。

『Re,喪失から始める幻想生活』で放浪者をやってる。霊焔路燐空だ。

呼びにくければリクって呼んでくれ」

 

 

アイルーくん「ありがとうですニャ!ここにいる人たちがギオスor榛猫の書いている作品の主人公たちだニャ!これからこの人たちと今後の予定について話していくニャ!」

 

 

____________________

 

 

 

上条「つーか、今度はなんで俺達集められたんだ?」

 

 

悟誠「また長期休載とかか?」

 

 

一誠「それはさすがにねえんじゃねえかな?」

 

 

榛名「そうですね、私達は全く動いていませんが一部の人達は良く動いてましたから、私達は全く動いていませんが」

 

 

アイルーくん「ニャァ...そこでボクを見られても困るのニャ...。

今回は今執筆している全作品に関することニャ!」

 

 

幽々子「全作品に関すること?」

 

 

17島「あまり動くことのない俺達にもか?」

 

 

リク「いったいどういうことなんだ?」

 

 

アイルーくん「作者が言うにはようやく時間が取れ始めてきたから執筆作品すべての更新を再開するという事だったのニャ!」

 

 

『『『ッッッ!?!?!?!?!?!?』』』

 

 

上条「あ、あの作者がか?」

 

 

悟誠「一本にハマりだしたらそれしか書かないアイツが!?」

 

 

一誠「いってえどういう心境の変化だ!?」

 

 

榛名「榛名は...驚きで言葉が出ません...」

 

 

斉木『マインドコントロールを使ったわけでもないのにどういう訳だ...?

 

 

幽々子「あの子は気まぐれなところがあるものね~」

 

 

17島「気まぐれすぎて俺達は気が気じゃないんだがな...」

 

 

燐空「17島さんに激しく同意だよ...」

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

アイルーくん「更新頻度はボクは知らないけど以前やってたらしい週替わり更新にしていくらしいニャ」

 

 

上条「あぁ、あの方法ね...」

 

 

悟誠「大丈夫なのか?」

 

 

一誠「まあアイツの事だから何か考えがあってのことなんじゃねえか?」

 

 

榛名「そうだと良いのですけど...」

 

 

斉木『案外何も考えていないかもしれんぞ?

 

 

幽々子「考えていることを祈るばかりね~」

 

 

17島「問題ない、更新が滞ることがなければそれでな」

 

 

燐空「作者信用ねえんだなぁ...」

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

上条「そういや思ったんだけどさ、週替わりにするってことは前みたいに作品ごとに組み分けがあるんだろ?」

 

 

悟誠「そういえば前はあったよな、何がありましたっけ?」

 

 

一誠「えーっとな...あん時は確か、前の『ドラD』が週六更新で...」

 

 

悟誠「『龍選』が週五だったっすね」

 

 

榛名「『榛クロ』は週四でした」

 

 

斉木『おまけで『新約とある』と『鎮Ψ』が週三だったな...。

 

 

幽々子「『亡霊姫』は週二の更新だったわね~確か」

 

 

17島「『17戦霧』は週一更新だったな、途中で止まったが...」

 

 

燐空「その頃からやってたのかよ...で、今回はどういう分け方なんだ?」

 

 

アイルーくん「それについては後から書く活動報告を見て欲しいそうニャ」

 

 

斉木『露骨な誘導だな...。

 

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

アイルーくん「さっきも言った通り、詳しいことは作者の活動報告を見て欲しいニャ!」

 

 

上条「どうやら今後の更新の予定や優先度なんかも書いていくつもりらしい」

 

 

悟誠「つもりねぇ、いったいそれがいつまで続くのやら...」

 

 

一誠「まあ試してみたらいいじゃねえか、色々やってみりゃ方法を思いつくかもよ?」

 

 

榛名「今は作者を信じるしかないですね...」

 

 

斉木『僕の所は直に終わるだろうから早めにしてほしいものだが...

 

 

幽々子「それも作者のやる気次第かしらね~」

 

 

17島「久しぶりに動けるんならそれでいいさ」

 

 

燐空「17島さんの言う通りですね」

 

 

『『『『そういうことですので、こんな作者ですがよろしくお願いします』』』』



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榛名転生記
異世界からの転生?旅立て榛名!東の海へ!


side榛名

 

 

____沈んでいく...

 

暗い…暗い海の底へ...

 

(呆気ない最後でしたね…)

 

私はそんなことを考えながら暗い海底へと沈んでいく

 

 

「これが運命ならば受け入れます。ごめんなさい...」

 

それを最後に私は意識を手放した。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「──い──きなさい──」

 

誰かの声が聞こえる?誰...?

 

 

「・・・起きなさい、起きるのです戦艦娘 榛名」

 

その言葉に私は目を覚ました。

 

 

「ここは...?もしかして深海の世界ですか?それに貴方はいったい...?」

 

 

「もっともな疑問ですね...ここは霊界...深海ではありません、それと私は人が言うところの神のようなものです」

 

カミ?聞いたこと無いですね、カミっていったい何でしょう?

 

 

「どうやら神をご存じない様子…それならばいいのです。

これからもっと重要なことを話さなければなりませんから」

 

 

「重要な話?どういうことです?」

 

どんな話なんでしょう…

 

 

「貴女は自身の置かれている状況を理解していますか?」

 

私の状況?そういえば!

 

 

「確か...敵の攻撃を受けて...轟沈して...」

 

 

「はい、それで合ってます、貴女は確かに轟沈しました。

敵機の爆撃を受けて…」

 

 

「やっぱり…そう…でしたか」

 

共、どうして私はこんな所にいるでしょう?金剛お姉様達は無事でしょうか?

 

 

「大丈夫です。あなたの姉妹達は全員無事ですよ」

 

 

「ホントですか!良かったです...!」

 

 

「話を戻しましょう...。最後まで戦い抜いたせめてもの労りとして、貴女には異世界に転生してもらいます...。人間として」

 

そう言われて私は少し頭を捻る

 

 

「...え?もしかして」

 

 

「簡単に説明すると、貴女は蘇ることが出来るのですよ」

 

!?...生き返られる?また、提督のお役に立てるのですか?

 

 

「最初に言っておきますが、貴女が転生するのはあなたが元いた世界ではありません」

 

 

「え?違うのですか」

 

ならどこに...

 

 

「貴女に転生してもらう世界は海賊たちが海を闊歩する世界です」

 

海賊?海賊とはいったい...

 

 

「そこには深海棲艦はいないのですか?」

 

 

「はい、その世界に深海棲艦はいません、なので貴女はあなたが思う通りに生きるのです」

 

私の思う通りに...もう深海棲艦とは戦わなくていい...

 

 

本当にそれでいいのでしょうか…榛名だけこんなこと

 

 

「分かりました。カミ様ご配慮くださりありがとうございます。」

 

 

「いえ、では転生する前に貴女にはこれを渡しておきましょう」

 

そう言って一つの果実を渡してくるカミ様

 

私はそれを受け取ると

 

 

「あの...これは?」

 

 

「それは悪魔の実、貴女が向こうで目覚めたらそれを食べるのです

きっと貴女の力となってくれるでしょう…

では始めます、戦艦榛名、貴女が次に目を覚ました時、あなたは人間になっているでしょう…でも、忘れないでください貴方には艦娘の力が眠っているということを…」

 

その言葉と共に私の視界が白く輝きだし、私は再度意識を失うのだった。

 

sideout

 

 

side神

 

榛名が転生した後、残された私は考えていた。

 

これで本当に良かったのかと...

 

榛名のいた元の世界では妹を失った金剛型の姉妹たちが泣き崩れている

 

轟沈した艦娘は助からない、これは運命なのだ

 

 

「こんなことしかしてあげられない自分が嘆かわしいですね…」

 

そう言って私は転生していった榛名の世界の様子を見守るのだった。

 

 

 

 




Hi!ミナさん!金剛デ-ス!

今回から榛名がONE PIECEの世界で生きていくStoryが始まりマース!

榛名、強く生きてくださいネ!私達も頑張りマース!


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旅立ちの朝、榛名出立の時

前回までのあらすじ

ある海域似て轟沈してしまった榛名。

しかし、目覚めたのは霊界、そこで神なる人物に出会い、

人間として転生させてもらうことなる

だがそこは元の世界ではなく、海賊が闊歩している

大海賊時代の真っただ中なのであった


side榛名

 

 

こんにちは榛名です。いえ、今はハルナでしたね…

 

カミ様にこの世界へと転生させてもらってから、十年の月日が流れました。

 

最初に目が覚めた時は自分が赤子の姿になってしまっていて、とても戸惑いました...

 

でも両親はそんな私を暖かく見守って育ててくれました。

 

そんな風に平和な時が流れて今に至るのですが、私は今日船出します。

 

両親や村の方にはもう話をしてあるんです。

 

 

「それじゃあ、村長さん母様、父様、それに村の皆さん、行って参ります。」

 

 

「道中、気を付けてね」

 

 

「何かあればすぐに戻ってくるんだぞ」

 

 

「皆お主の無事を祈っておるからの」

 

 

「母様、父様、村長さん、ありがとうございます。

では、ハルナ!いざ出撃します!」

 

村の皆さんに見送られて私は海へと旅立ちました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「...そろそろいいかしら?」

 

村を出てからかなり沖に出ました。ここなら村の方達にも見えませんよね?

 

私は荷物の中から一つの毒々しい色の果実を取り出します。

 

 

「カミ様は私が目覚めた時にこれを食べろと言っていたけれど...これ、食べられるのかしら?」

 

見るからに食べてはいけない色をしているのよね...

 

でも、わざわざ神様がくれたものだもの、食べなきゃ失礼よね!

 

私は意を決して果実に口を着けました。すると...

 

 

「!...うっ…!こ、これは…」

 

凄い腐臭…それにとても不快になる舌触り…

 

それでいて味も人の嘔吐物を食べさせられたかのような…気分の悪くなる味…

 

これを全部食べなくちゃならないの...?

 

 

「でも、私を思っての行動でしょうし…ハルナ!全力でいただきます!」

 

私は無心でその果実を平らげるのでした...。うぅ…吐きそう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか、果実の不快感から抜け出した私は次の行動に移りました。

 

それは生前使用していた艤装を装着することです。

 

 

「とても久しぶりに着けてみたけれど…問題ないようでよかったわ」

 

軽く動きを確認してから私は船から海に降ります。

 

少々の浮遊感と共に艤装が着水したことを確認して、

 

私は船と艤装を括りつけて走行し始めました。

 

 

「やっぱりこれよね、海と言ったら」

 

深海棲艦とは戦わなくてもいいですけど海賊がうようよいるって話を聞いたから

 

またこれが役に立ちそうだわ。

 

 

「どのくらい使うか分からないけれどまたお願いね...」

 

私は主砲をそっと撫でると海を進んでいくのでした。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

あれからしばらく航行して小さな村を見つけました。

 

とりあえず情報を集めようと私は酒場に行ったんです。そしたら

 

 

「なっ!お前これ!ミズミズの実じゃねえか!」

 

酒場で知り合った赤髪のお兄さんに先日の不快な木の実の話をしたら

 

見せてくれと言われて絵に描いて見せたら凄い剣幕で話し始めたんです。

 

 

「ミズミズ?それはいったいどういう物なのですか?」

 

 

「悪魔の実の一つさ、自然(ロギア)系の実で食べた者はあらゆる水を操り、変化させることが出来るシロモンだ」

 

私はその言葉に驚いてしまいます。

 

 

「私にそんな力が...」

 

 

「能力者ならだれもが羨む能力だぞ?それ、なんせ海に落ちたとしても

水を操つりゃ自力で脱出することも可能なんだからな」

 

その言葉に私は疑問を覚えます。

 

 

「ほかの能力者さんが羨むというのは何故なのですか?」

 

すると赤髪のお兄さんは嘘だろ?と言う顔して

 

 

「お前さん知らないのか?能力者の全般はな海水と海牢石が大の弱点なんだ。

その一つの弱点をお前さんは無効化できるんだ、そりゃ羨むだろうよ」

 

そこまで聞いて私は納得しました。

 

ほかの能力者さん達は海に落ちたら戦えないんですね

 

でも私にはそれができる...なんだか凄い力を貰ってしまったのではないでしょうか

 

私が考え始めたのを見て、赤髪のお兄さんは隣にいた子供をからかい始めました。

 

どうやらその子はお兄さんの船に乗せてもらいたいみたいです。

 

でもお兄さんはそれを笑ってからかうだけ、なんだか微笑ましいです。

 

子供が背伸びする姿は本当に見ていて和みます...。

 

すると突然酒場のドアがけ破られました。

 

 

「邪魔するぜ...」

 

その低い声と共に中に入ってきたのは

 

茶色のコートのようなものを着た中年の男の人でした。

 

 

「ほう…?これが海賊っ言う輩か、間抜けたツラしてやがる」

 

そう言うと男の人はカウンタ―の前まで来て足を止めました。

 

お店の女将さんが対応するために声をかけます。

 

 

「...いらっしゃいませ。」

 

 

「俺達は山賊だ…が、別に店を荒らしに来たわけじゃねえ…酒を売ってくれ、

樽に十樽程な」

 

その言葉に女将さんはお酒の在庫が切れてることを伝えると

 

 

「ん?おかしな話だな、海賊共が飲んでんのはありゃなんだ?水か?」

 

その反論に女将さんが今出ているので全てだということを伝えると

 

 

「悪いな、俺達が全部飲み尽くしちまったみたいで」

 

赤髪のお兄さんが口を出したんです。

 

 

「すまん、これでよかったらやるよまだ栓も空けてない」

 

そう言って一つの瓶を差し出すお兄さん。

 

男の人はそれをたたき割ってしまったのです。

 

 

『っ!』

 

女将さんと子供が息をのんでいるのが聞こえます。

 

 

「俺はな、800万ベリーの賞金首だぜ?こんな瓶一本じゃ寝酒にもならねえ」

 

 

「......あぁーあ…床がびしょびしょだ…悪かったなマキノさん、雑巾あるか?」

 

 

「あ、私やりますから!」

 

そう言って女将さんが表に出ようとした時でした。

 

男の人が腰につけていた剣に手をかけて降りぬいたのです。

 

私はそれを素早く動いて受け止めます。

 

 

「あぁ?なんだこのガキ...」

 

 

「これ以上の暴挙は許せません、まだやるのでしたら私がお相手します」

 

 

「はぁ?ガッハッハッハッハ!お前みたいなガキに何ができる

そんなに死にたいのなら殺してやる!」

 

男の人が剣を戻し再度切りかかってきます。

 

私はそれを平然と受け止めます。

 

 

「なっ!なんだこのガキは...」

 

 

「あなた達の身勝手さ、許せません!喰らいなさい!

『アクア・ボール』」

 

すると扉の外から大量の人間大ほどもありそうな大きな水の球が飛んできて

 

山賊たちを閉じ込めたのです。

 

 

『なっなんだこりゃあ!あいつ1悪魔の実の能力者か!』

 

 

『と、とりあえずここはずらかるぞ!このままじゃ殺される!』

 

大慌てで逃げていく山賊たち、私はホッと息をつきました。

 

 

「ありがとな、助けてくれて、ちょっと危なかったからな」

 

赤髪のお兄さんがお礼を言ってきます。でも

 

 

「当然のことをしたまでです。お礼を言われることなんて…ハルナにはもったいないです」

 

 

「それでもさ、助かったことには変わりはないんだ、だからありがとう」

 

その後、子供…ルフィくんがお兄さんに怒っていました。

 

何で戦わないんだ…とあんなのカッコ悪い、海賊じゃない...と

 

私はきっと何か理由があるんだろうと考えてその話を静かに聞いていました。

 

その後、ルフィくんがやけになって何かを食べていたところを

 

お兄さんが慌てて止めていたというちょっとしたひと騒動があったのはまた別の機会に

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

その数日後のことです。

 

村の中を酒場の女将さんが大慌てで走っていました。

 

どうかしたのかと声をかけると、ルフィくんが以前の山賊に喧嘩を売ったのだそうです。

 

私はその話を聞き、すぐにその場所に向かいました。

 

現場に着くとルフィくんが山賊の頭に踏みつけられていました。

 

あの話は本当だったようです。

 

私が止めに入ろうとするとそれを制止する人がいました。

 

あの時の赤髪のお兄さんだったのです。

 

お兄さんは私を下げると、山賊の方に歩いていきました。

 

そして、その数分後には山賊の部下たちはお兄さんの手下の手によって、

 

全員伸びていました。

 

それを見た山賊の頭は慌てて煙幕を張りルフィくんを連れ去って逃走しました。

 

私は人目につかない場所までいくと電探(レーダー)をつけました。

 

すると、海の方に二つの反応を見つけました。

 

私はすぐにその反応のある方に向かいました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

しばらく海を進んでいると、そこには目の前で船ごと海王類に噛み殺される山賊の姿と

 

離れたところでおぼれているルフィくんの姿を見つけました。

 

山賊を噛み殺した海王類はルフィくんに襲い掛かります。

 

私は急いで向かいますが間に合いません…

 

もう海王類はルフィくんの目の前に迫っています。

 

駄目!間に合わない!主砲でもこの距離では届きません!どうしたら!

 

諦めかけたその時でした。

 

海王類に呑み込まれる寸前にルフィくんを助け出したのはあのお兄さんでした。

 

ルフィくんを食べ損ねた海王類はサ再度攻撃を仕掛けようとします。

 

私は勢いよく海を走り、海王類に砲撃を浴びせました。

 

砲撃を浴びた海王類は身体に大きな風穴を開けて沈んでいきました。

 

 

「あ!お前は!あん時の水の姉ちゃん!」

 

 

「助かった...。お前さんには二度も助けられちまったな、

それにしてもお前のその姿は...」

 

お兄さんがこちらに気づき不思議そうにこちらを見ます。

 

私は仕方なく艦娘の事を少しだけ話しました。

 

 

「なるほど、それで船の魂を受け継いで生まれたのがあんただったって訳か」

 

 

「はい、その通りです。出来ればこのことは内密にお願いできますか?」

 

 

「あぁ…構わない、これは誰かに話していい内容でもなさそうだ」

 

 

「ありがとうございます。それでは戻りましょう」

 

私は安堵してお礼を言いました。

 

そして、お兄さんとルフィくんを担ぐと村に引き返しました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

あの事件から数日後、お兄さん…赤髪のシャンクスさんは村を出ていくことにしたそうです。

 

村の方々に惜しまれながらもシャンクスさんはまた海へと旅立っていきました。

 

大事な麦わら帽子をルフィくんに預けて…

 

私もそろそろ準備をしなければいけませんね。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

シャンクスさんが旅立ってから数日後、私は村を出る為に

 

村の方々に挨拶して回っていました。

 

そしたらルフィくんに呼ばれたんです。

 

呼ばれるままに向かうと、ルフィくんが突然足を止めて言いました。

 

 

「姉ちゃんもいっちまうのか?」

 

 

「えぇ、さすがにこれ以上いたら村の方々に迷惑がかかるし、それに、

私はまだ世界を見て回れていないもの」

 

 

「世界を見て回る?」

 

ルフィくんが不思議そうな顔をしています。何かおかしなことでも言ったでしょうか…

 

 

「えぇ、世界は広い、まだまだ私が知らないこともたくさんあるわ、

だから私はそれを知りたいの」

 

 

「そっか、じゃあオレがもっと大きくなって海に出たら一緒に海賊やろう!

そうしたらいろんなところ見に行けるしな!」

 

私はその言葉にクスリとしてしまいます。

 

 

「なんで笑うんだよ!」

 

 

「いいえ、面白そうだなと思って...

えぇ、いいわ、あなたが大きくなって私を見つけられたらね」

 

その言葉にルフィくんは顔を輝かせ

 

 

「絶対みつけてやる!そんで姉ちゃんと一緒に海賊をやるんだ!

絶対強くなって姉ちゃんのとこまでいってやるからな!」

 

 

「えぇ、楽しみにまっているわ、じゃあ私はあなたが海に出るまで東の海(イースト・ブルー)にいるわね」

 

 

「あぁ!絶対すぐ追いついてやるからな!」

 

はいはいと、私は笑ってその場を離れました。

 

後ろからは『うおぉぉぉぉ!!やってやるぞぉぉ!』

 

と、声が響いていました。

 

その後、残りの人達に別れを告げて、私はまた海に出るのでした。

 

次の出会いがどんなものになるのかと期待を胸に秘めて

 




皆さんこんばんは霧島です。

まさか榛名が人間に生まれ変わっているなんて驚きました。

でも、楽しそうでなによりです。

私達も早く暁の水平線に勝利を刻まなくては!

榛名、そっちも大変でしょうけど頑張ってください、応援してます。


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孤島の遭難者…サンジとゼフ

前回までのあらすじ

生まれの村を出て、海へと飛び出したハルナ

最初に立ち寄った村でルフィやシャンクスと出会う

だがそこに山賊が介入してきて自体は急変

連れ攫われたルフィを助けるべくハルナは急ぎ救出に向かう

だがハルナが見つけた時には時すでに遅し、ルフィが襲い掛かられようとしていた。

ルフィの危機を救ったのはシャンクスであった。

シャンクスはルフィの命と引き換えに自身の左腕を喪失する

そのシャンクスの危機を間一髪でハルナは救出し村へと戻るのだった。

その後村を旅立ったシャンクスの後を追うように

ハルナも再度海へと繰り出すのであった。ルフィとの約束を胸に秘めて...


side榛名

 

こんにちは、ハルナです。

 

最初の村を出てから数日が経ちました。

 

まだ次の島は見えてきません...。

 

 

「何もないわね、もう少し進んでみるしかなさそうね」

 

艤装をつけていてもここまで何もないなんて珍しいですね。

 

そうしてしばらく進んでいると、遠方に小さな小島が見えたんです。

 

その後に...

 

 

『おーい!おーい!たすけてくれぇ!ジジイを!ジジイを助けてやってくれぇ!』

 

そんな声が耳に入り私がよく目を凝らすと...

 

その小島に手を振っている人影を見つけたんです。

 

(遭難者でしょうか…?)

 

私は急いで小島に向かいました。

 

小島はかなり高くなっていて、自力では降りてこられそうもありません。

 

私は主砲を構えて上にいる方達に声をかけます。

 

 

「上の方々、今からそちらに向かいますから少しだけ離れていてください」

 

 

『あ、あぁ...』

 

その後にズルズルと何かを引きずるような音と共に足音が遠ざかっていく

 

それを聞いた私は海水を操り、

 

引いている船ごと浮かび上がらせて島の上に降り立ちました。

 

 

「ふぅ、お待たせしました。ケガはありませんか?」

 

 

「お、お前、俺達を助けに来てくれたのか!

早く助けてくれ!この爺さん死んじまいそうなんだ!

助けてやってくれ!」

 

みると、そこにいたのはガリガリに痩せ細った老人と

 

同じように痩せ細ったぐるぐる眉毛の少年がいました。

 

 

「これは酷いですね…私の船に食料がありますから一度船へ」

 

 

「本当か!ジジイは助かるんだな!良かったなジジイちゃんとした食料が食えるんだ!」

 

 

「あぁ、これで助かるな...」

 

 

「とにかく船にどうぞ、お爺さんの方は私が運びますから

君は先に船に乗っていてくれる?」

 

そう言って私は倒れているお爺さんを抱えて船に載せます。

 

 

「それじゃあ今から海におりますから船にしっかりと掴まっていてください」

 

そう言った直後島の反対側から大量の水が流れてきました。

 

その光景に驚いた少年が怒鳴ります。

 

私は少し笑んで答えます。

 

 

「大丈夫ですよ、見ていてください」

 

すると水は船を浮かび上がらせるとピタリと止まりました。

 

 

「え?浮かんだ?」

 

少年が驚きの声を上げます。

 

私はそのまま水を操ると海へと船を戻しました。

 

 

「ふぅ、これでよしです...。もう離しても大丈夫ですよ」

 

それを聞いて少年が安心した顔をします。

 

 

「は...はは...助かったんだ...俺達...」

 

 

「あとは少し休んでいてください、食料はまだ蓄えがありますから」

 

 

「そうか…礼を言うぞ…娘…」

 

 

「いいえ、当然のことをしたまでですから、落ち着いたら休んでいてください

私は島を探しつつ船を引きますから」

 

それだけ伝えると私は船を引いて走り出すのでした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

二人を助け出してから数日後、なんとか村を見つけました。

 

私はそこに二人を預けてその村を離れました。

 

 

「ま、待ってくれよ!」

 

その声に振り返ると、そこのはあの少年がいたんです。

 

 

「もう行っちまうのかよ?俺、姉ちゃんに何も恩返しできてねえ...」

 

俯きながらそう泣き叫ぶ少年に私はそっと近づいて抱きしめると

 

 

「恩返しなんて考えなくていいの…あなたはあの方とレストランを作り上げて…そうしたら私もうれしいわ…」

 

 

「っ!あ゛ぁっ…!あ゛ぁっ…!分がっだよ!俺、あのジジイと絶対レストランを作り上げる!だからその時は姉ちゃんも食べに来てくれよ!最高の料理を食わせてやるからな!」

 

その言葉に私は微笑んで

 

「えぇ、楽しみにしているわね…必ずお邪魔させてもらうわ…それじゃあね、サンジくん」

 

そう言って私は村を後にしました。また次なる出会いを求めて...

 

 

 

 

 

 

 




ひえ~~~!こんばんは!比叡です!

今回は榛名の人命救助の回だったんですね。

なんだか電ちゃん達みたいなことをしてたんですね

お姉様たちに後で報告しておきませんと、

榛名、人間になって大変でしょうけど頑張ってくださいね

それでは!また次回!


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東の海編(ルーキーの旅立ち)
ココヤシ村の悲劇…アーロン一味襲来


前回までのあらすじ

海を航海中にある小島を見つけたハルナ

その小島には二人の遭難者がいた。

榛名は二人を救助し別の村へと卸二人と別れるのであった。


side榛名

 

こんにちはハルナです。

 

今、私はココヤシ村と言うところに来ています。

 

あの二人と別れてから数日…しばらく海を進んでいたらこの村に辿り着いたんです。

 

今はある方のお家にお邪魔しているんです。

 

 

「仕事、手伝ってくれてありがとうねハルナ」

 

 

「いえ、これくらい当然の事です。家に泊めてもらってるんですから」

 

そう、私は今ベルメールさんと言う方の家にお邪魔しているんです。

 

 

「そうかい?それじゃあ早く帰って帰ってご飯でも作ろうか

ハルナが出してくれるお金もあるしねいつもより奮発しちゃうよ!」

 

ベルメールさんが言っていたように私はお金を出しているんです。

 

お金はどうしているかって?道中に見つけた海賊たちから奪ってました。

 

悪魔の実の能力は凄いですね、水で乗組員の自由を奪ってから

 

ゆっくり探せるんですもの、おかげで結構な額のお金が集まりました。

 

家に着くと、ナミちゃんとノジコちゃんが喧嘩していました。

 

 

『--っ!!』

 

相変わらず仲がいいのか悪いのか...

 

私は止めなくていいのかという意味もかねてベルメールさんを見ます。

 

ベルメールさんはいつもの事だと首を振って中に入っていきました。

 

すると...

 

 

「でも本当の妹じゃないじゃない!わたしたち、血はつながってないもん!」

 

 

「っ!ナミ!」

 

パンッ!

 

その言葉を聞いてベルメールさんの様子が変わり、

 

いきなりナミちゃんを張り倒したのです。

 

 

「ちょ、ちょっとベルメールさん!何してるんですか、落ち着いてください!」

 

私は慌てて止めに入ります。

 

 

「退いてハルナ、この子にはちゃんと言い聞かせないといけないの

血が繋がってないからなにっ!...そんなこと、もう二度と口にしないで!」

 

ナミちゃんは涙目になりながらも負けじと叫びます。

 

 

「なによ…ベルメールさんだってホントのお母さんじゃないじゃない!

わたし達なんかいない方がいいんでしょ!」

 

 

「そう、あんたがそう思うんだったら好きなさい…どこへでも出ていくといいわ」

 

 

「ちょっと!ベルメールさん!?急に何を!」

 

 

「っ!!出ていくわよ!」

 

 

「ナミ!ナミ!」

 

勢いよく家を飛び出していったナミちゃんに声をかけるノジコちゃん

 

それから少し時間が経って...

 

 

「...ノジコちゃん、ナミちゃんをお願いできる?」

 

 

「え?うん」

 

私の言葉を聞いてノジコちゃんはすぐに家を飛び出していきました。

 

わつぃはベルメールさんに声をかけます。

 

 

「大事な子に言われたくない気持ちと言うのも分かります…

でも、あれはさすがにやりすぎだと思います。

あのくらいの子供はなんでも反抗したくなる年頃なんですから…

大人の私達がそれを覚えさせてあげないと…」

 

 

「...そうだね、さすがにさっきのは大人げなかったかも…ごめんよハルナ、

情けないね…自分より年下の子供に説教されるなんて…」

 

どうやらわかってくれたみたいですね、良かったです。

 

するとその時、電探に複数の反応がありました。

 

その直後の事です。

 

 

「邪魔するぜ?シャーハッハッハッハッハ!」

 

いきなりトゲトゲ鼻の男が入ってきたのです。

 

 

「アンタ、アーロン一味だね?この家にいったい何の用だい!」

 

アーロン一味?それってあの魚人の...

 

 

「シャーハッハッハッハッハ!今日からこの村は我々の支配下となった。

大人一匹10万、子供一匹5万、家族分払えば命だけは助けてやる、

ありがたいお告げだ」

 

それを聞いたベルメールさんがいきり立ったように怒鳴るのに重ねるように私は声を書上げます。

 

 

「10万だって!?そんなもん「ベルメールさん!」なんだいハルナ」

 

 

「早く、払ってください…そうじゃないと危険です…」

 

 

 

「ほう?そこのガキはよくわかってるじゃねえか…

お前のガキか?」

 

 

「その子は少しの間だけ泊めてあげてる子さ、この子は関係ないだろ!

手を出すんじゃないよ!」

 

それを聞いたアーロンはニヤリと口をゆがめたその時でした。

 

 

『ベルメールさん!!』

 

タイミング悪く二人が帰ってきてしまいました...。

 

 

「ん?なんだまだガキがいたか、そこのガキは面白そうだから連れて来い…ん?」

 

そう言って家を出ようとしたアーロンが机の上に置いてある一枚の紙を見つけました。

 

 

「なんだこりゃ?海図か?」

 

 

「ダメ!それはあたしが書いた大切なものよ!かえして!」

 

 

「ほう、これはお前が描いたのか…貴重な人材だ、そのガキも一緒に連れていけ」

 

そう言ってナミちゃんを連れ出そうとするアーロンにベルメールさんが飛びかかりました。

 

 

「誰がアンタ達なんかに連れて行かせるものか!」

 

でもアーロンはにやりと笑うだけです。

 

するとベルメールさんの背後に剣が迫っていたのです。

 

私は瞬間的に走ってベルメールさんを突き飛ばします。

 

 

「ベルメールさん‼危ない!...うっ...!!」

 

その直後私の背後から重い衝撃が私を襲いました。

 

 

「っ!!ハルナ!」

 

ベルメールさんの叫び声を最後に私の意識は深い闇の中へと落ちていくのでした。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

気が付くとそこは知らない部屋の中でした。

 

 

「ここは...?」

 

 

「あ、ハルナお姉ちゃん…起きたんだ…よかったぁ」

 

声のした方を見るとナミちゃんが私のベッドのすぐそばにいたんです。

 

 

「えぇ、なんとかね…とりあえず今までの事を教えてもらってもいい?」

 

 

「うん…」

 

ナミちゃんから語られた内容は酷い物でした...。

 

私が気絶させられた後、私と共に連れてこられたナミちゃんは

 

一味の測量士に入れと言われたそうです。

 

そして、村の自由を買い戻したければ

 

一億ベリーで買い戻すしかないと言われたそうです。

 

そう言ったナミちゃんの腕にはアーロン一味のタトゥーが入っていました。

 

私の腕にも...

 

私は許せませんでした。こんな小さな子に海賊をやらせるアーロンを...

 

私は急いでアーロンのもとに向かいました。

 

 

「アーロン!」

 

 

「起きたようだな、何か用か?」

 

 

「貴方を殺しに来ました!」

 

その瞬間、アーロンを大量の水が首から下を呑み込みました。

 

 

「ほう...貴様、能力者かだが残念だったな…魚人は水の中では最も強いということを…」

 

そう言って水の塊から抜け出そうとするアーロン...ですが

 

 

「そうはいきません!アクア・キュリング!」

 

すると、アーロンを包んでいた水の塊が固まりました。

 

 

「なっ!なにぃ!」

 

 

「今の硬度はダイヤモンド並みでしょうか、このままあなたを絞め潰すことも可能なんですよ?」

 

そう言いながら徐々に範囲を狭めていきます。

 

 

「分かった、なら、取引をしようじゃないか」

 

 

「取引?」

 

 

「そうだ、残念だがお前たちはもうここから抜けることはできない

なのでそちらの条件を呑む、これでどうだ?」

 

 

「...分かりました、ではこちらの条件は二つです。

ひとつはナミに害をなさないこと、

それともう一つは私とナミを常に一緒に行動させること、これが条件です。

それを守れないようであれば...」

 

私は艤装を装着し、主砲をアーロンの顔面に突きつけます。

 

 

「貴方の身体に大きな風穴があきますから、肝に銘じておいてくださいね?」

 

 

「...あぁ、わかった、約束しよう」

 

その言葉を聞いた私は拘束を解き部屋へと戻るのでした。

 

そして、これから起こる地獄の生活は約十年にも及ぶのでした。

 

 

 

 

 

 




こんばんは、吹雪です!

榛名さんが捕まってしまいました‼

ど、どうすれば...え?とりあえず榛名さんに何かメッセージ...ですか?

えっと、榛名さん!苦しいときでしょうが今は耐える時です!頑張ってください!


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ルーキーの船出!その名はモンキー・D・ルフィ

前回までのあらすじ

長い航海の末、ようやくたどり着いた先のココヤシ村にてハルナは

突如占拠してきたアーロン一味に捕らわれてしまう

そして一味へと強制的に入れられアーロンを脅し二つの条件を呑ませ

一味入りすることを許可するのだった。




sideルフィ

 

よっ!俺はモンキー・D・ルフィ!海賊王になる男だ。

 

シャンクスやハルナと別れてから十年が経った。

 

俺はようやく海に出ることが出来たんだ!

 

まずは仲間を探して海賊団を作らねえとな!

 

でも!一番にすることは

 

 

「待ってろよ!姉ちゃん!すぐに追いついてやるからな!」

 

そんで仲間になってもらって一緒に世界をめぐるんだ!

 

ワクワクすんなぁ!いったいどんな冒険が待ってんだろうなぁ?

 

姉ちゃんは俺が海に出るまでは東の海(イースト・ブルー)にいると言ってた。

 

何が何でも探し出して仲間になってもらうんだ!

 

俺がそう意気込んでいると、突如船の勢いが増した。

 

 

「おわっ!?なんだ?」

 

見ると前方に大渦が発生していた。

 

 

「おぉ!大渦だ!スッゲェ!...っとと、やべえ!」

 

俺は慌てて荷物の樽の中に潜り込み強く蓋を閉めたのだった。

 

 

sideout

 

 

sideハルナ

 

こんにちは、ハルナです。

 

今私達はある客船の中に乗り込んでいるんです。

 

それは海賊船がこの船を狙うと読んでいるからです。

 

あれから十年…私とナミは海賊から宝を奪っては少しづつ貯めてきました。

 

始めの頃はナミが幼く経験もないことからよくボロボロになっていましたが

 

今では手慣れた様子ですんなりとやってます。

 

すると、甲板の扉が慌ただしく開き、乗組員が大慌てで入ってきました。

 

 

「船長!海賊です!」

 

 

「なにっ!?」

 

その一言で会場は大混乱です

 

中にいる人たちが叫びあげながら走り回りはじめました。

 

 

「皆さん落ち着いて!落ち着いてくださーい!落ち着いて、

指示に従ってくださーい!」

 

船長さんが大声で乗客に声をかけています。

 

私はナミに目配せすると、そっその場を離れました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私達は甲板近くまで来ると軽い揺れが響きました。

 

 

「どうやら、海賊船が船をつけたみたいね」

 

 

「えぇ、上手く隙を見て船に乗り込みましょ」

 

そうして私達は頷き合うと身を隠すのでした。

 

 

sideout

 

 

sideルフィ

 

 

「ふぁ~!よーくー寝たな~~っと」

 

あの後、何かの船に拾われたらしいおっさん達がなんか言ってたけど

 

どっか行っちまったしな...

 

 

「早く逃げて!仲間を連れて戻ってきたら殺されちゃいますよ!」

 

ん?なんだこいつ?まあいいや

 

 

「それにしても腹減ったなぁ~…ん?」

 

 

「何をのんきなこと言ってるんです!

甲板の上にはまだたくさんの仲間がいるんですよ!」

 

俺はこいつの言うことを無視して飯がある部屋を探し出した。

 

すると...

 

シャララン...

 

どこかで見覚えのある人影がオレの横を通って行ったんだ!

 

おい、待てよ?さっきのってもしかして!

 

 

「あ、おい…待てよ!」

 

俺は急いでその人影を追ったんだ。けど...すぐ見失っちまった。

 

おっかしいな...確かに見たことあんだけど...

 

ん~誰だったかな?ま、いいや!今は飯だな~っと

 

俺はいい匂いのする方へ向かうのだった。

 

sideout

 

 

side榛名

 

船がつけられてから少し経ちました。

 

私は今、海賊船に乗り込んでいます。

 

電探には反応が一つ、どうやらナミが先に忍び込んでいるみたいですね。

 

私は反応のある所に向かうとその部屋の前で、

 

コンッコンッコココンッコンッ

 

と、軽くノックをします。

 

これは、私達共通の合図なんです。

 

すると扉が開いてナミが出てきました。

 

 

「お姉ちゃん、来てたのね」

 

 

「えぇ、ナミの方はお宝はどう?」

 

私の言葉にナミは不敵に笑ってサムズアップします。

 

 

「バッチリよ!後は船を貰っておさらばするだけ

そしたらお姉ちゃんのアレで一気の走ればもうおしまいよ♪」

 

 

そん言葉に私はため息を吐くと、

 

 

「そんな私を都合のいい足代わりに利用しないでナミ…もう協力してあげないわよ?」

 

 

「そ、それだけはやめて!いつも感謝してるから♪ね?お姉ちゃん♪」

 

 

「はぁ…都合いいんだから…今回だけよ?」

 

 

「さっすがお姉ちゃん!話が分かる!」

 

また、ため息を吐き、私達は船を探し始めました。すると向こうの船から

 

 

「ゴムゴムの―――!!ピストル!」

 

その声の直後何かが勢いよく飛ばされていく音がしたんです。

 

私はその声にとても聞き覚えがありました。

 

 

(この声は…ひょっとしてルフィくん?)

 

私は客船の甲板の方を見て顔をゆがめると...

 

 

(ごめんなさい…まだあなたとは一緒にはいけないんです…許してください)

 

 

「よし!逃げる準備完了!...あれ?お姉ちゃん?どうかしたの?」

 

ナミが私の様子にづいて声をかけてきます。

 

私はすぐに誤魔化して答えます。

 

 

「大丈夫よ、それじゃあはやく行きましょうか」

 

 

「?...えぇ!」

 

 

(さようなら、ルフィくん)

 

私は心の中でルフィくんに謝りその場去っていくのでした。

 

村を買うまで残り...1400万ベリー




こんにちは大和です。

今回は十年後からのスタートになったんですね

あの小さかった男の子があんなに逞しくなって...

榛名さんは何か思うところがあるみたいですけど、早く解決できると良いですね!

それでは皆様、またお会いしましょう


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ルフィとハルナ!十年越しの再開!

前回までのあらすじ

アルビダの船からまんまとお宝を奪ったハルナとナミ

次のお宝を求めてハルナたちは何処に向かうのか



side榛名

 

こんにちは、ハルナです。

 

今私達はオレンジの街に来ているのですけど...

 

 

「まったく…ナミったらどこに行ったのかしら?」

 

そうなんです、ナミとはぐれてしまって探している最中なんです。

 

ここは人が多いみたいだから電探を使ってもよく判断できないし...

 

困りました...。すると

 

ドガァーーーン!

 

え?なに?なんですか!?今の音!

 

 

「まさか!」

 

私は急いで音のした方へ向かいました。

 

音のしたところについてみるとそこにはナミはいませんでした。

 

その代わりに麦わら帽子をかぶった少年が三人の男たちに襲われていたのです。

 

 

「危ない!」

 

私が急いで駆けつけようとしたその時でした。

 

 

「ゴムゴムの~...!ピストル!!」

 

突然少年の両腕が伸びて三人を伸してしまったんです。

 

私は唖然としながらもその少年に近寄りました。

 

 

「大丈夫ですか!」

 

 

「ん?誰だお前?」

 

 

「私はただの通りすがりです。あなたが襲われていたので来たんです

あなた、名前は?」

 

 

「俺か?俺はモンキー・D・ルフィ海賊王になる男だ、お前は?」

 

 

「っ!ルフィ『さん』ですね...私はハルナと言います。」

 

 

「ハルナ?ん~...どっかで聞いたような…」

 

私の名前を聞いて何やら考え出すルフィさん

 

出来れば思い出さないでください!

 

 

「ハルナ…ハルナ…ハルナ…あぁっ!お前!ひょっとして!姉ちゃんか⁉」

 

あぁ、思い出してしまいました...仕方ありませんね、もう堪忍しましょう

 

 

「えぇ、そうよ?ルフィくん」

 

ルフィくんは顔を輝かせて言いました。

 

 

「姉ちゃんやっと見つけたぞ!俺、海に出たんだ!さあ!

俺の仲間になってくれ!そんで一緒に冒険しよう!」

 

あぁ、約束を覚えていてくれたのね...嬉しいけれど、でも...

 

 

「あぁ!やっと見つけたわ!お姉ちゃん」

 

その声に上を見るとナミが近くに家の屋根からひょっこりと顔を出したんです。

 

 

「ナミ!どこにいたの?心配したのよ?」

 

その言葉にナミはペロッと舌を出して

 

 

「ごめんごめん、バギー一味の所に忍び込んで海図盗んだら見つかっちゃって…

それでまくために町中走り回ってたのよ」

 

もう...相変わらずお転婆なんだから...

 

 

「それにしてもアンタ強いのね~サーベル相手に素手で勝っちゃうなんて」

 

それを見てルフィくんが思い出したように声を上げます。

 

 

「あぁ!お前さっきの…誰だ?」

 

ズコッ!!ルフィくんもそう言うところは変わってないのね...

 

 

「私は海賊専門の泥棒、ナミっていうの、ねえ、私たちと組まない?」

 

 

「ちょ、ちょっとナミ!なにを言うのよ急に!」

 

ルフィくんを仲間にしようとするなんて

 

 

「嫌だ、俺は別にお前と組みたくない…それよりさ、

姉ちゃん仲間になってくれよ!十年前に約束しただろ?

俺が海に出て姉ちゃんを見つけられたら仲間になってくれるって!」

 

確かに言ったけれど...

 

どうしましょう、今はルフィくんと行くわけにはいかないのに...

 

 

「ちょっと!なにかってんはなしを進めてるわけ?

お姉ちゃんは私の物よ、アンタの仲間になんかならないわ」

 

突然ナミが腕に抱き着いてきてルフィくんに何か言いだしました。

 

 

「ちょ、ちょっとナミ!?」

 

 

「なんだとっ!?姉ちゃんは俺んだ!十年前に俺の仲間になってくれるって言ったんだ!お前のもんなわけねーだろ!」

 

え?え?ルフィくんまで何か言いだし始めちゃいました...。

 

しかも私を挟んで口喧嘩していますし...もうどうなってるの?

 

 

「もう...いい加減にしてください!私は誰の物でもありません!」

 

もう我慢の限界です!こんな子供の喧嘩のようなことしていたら私が疲れてしまいす。

 

 

「わっ!お姉ちゃん?」

 

 

「なんだぁ!?なんで姉ちゃんが怒ってんだ?」

 

すると...

 

ぐうぅぅぅ...

 

 

「あ、思い出した!...腹減ったぁ~...」

 

 

「え...?」

 

 

「お腹空いてたの?」

 

こくりと頷くルフィくん

 

私達はクスリとしてから

 

 

「仕方ないわね、私が何か御馳走してあげます。」

 

 

「本当か⁉⁉やったー!姉ちゃんの飯だぁ!」

 

凄い食い付きかたでしたね...

 

 

「それじゃあ、行きましょうかナミ」

 

 

「そうね、そうしましょ」

 

私達はご飯を作るためにある一軒家に向かったのでした。




こんばんは、加賀です。

まさか榛名さんがこんな世界に転生したなんて驚きました...。

でも、あの約束をどうするつもりなのかしら彼女…

榛名さん、私達も頑張るからあなたも強く生きてくださいね...

では、また次回会いましょう


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赤鼻バギーvsゾロ!逃げきれバラバラの身体

前回までのあらすじ

オレンジの町にてナミとはぐれてしまったハルナ

そこで偶然にもルフィと再開する

後に合流したナミによってハルナは取り合いに巻き込まれるも

ルフィの空腹によって突如終わる

ハルナは料理をご馳走するためナミと共にある家に向かうのだった。


sideハルナ

 

 

「うんめぇな!姉ちゃんの飯」

 

す、凄い食べっぷりね...ルフィくん

 

こんにちは、ハルナです。今はある家でルフィくんに料理を振る舞ってるんですけど...

 

凄い勢いで料理を平らげていく姿にちょっと驚いてます...。

 

それにしても...

 

 

『おい!いたか?』

 

 

『いや、見つからねえ…クソ!どこ行きやがった!』

 

 

『今はとにかく探すんだ!早くしねえとバギー船長に殺される!』

 

まだナミの事を探し回ってるみたいね。これは気を付けないといけないかも...

 

 

「ナミ、それにルフィくん、少し出てきますから喧嘩しないように!」

 

 

「え?お姉ちゃんどこ行く気よ?」

 

 

「ん?んおぉ!任せとけ!」

 

 

「ちょっとした用事よ、それじゃお願いね」

 

そうして私は家を出てある場所に向かいました。

 

 

「...ここね、バギー一味のアジトは」

 

私は今、バギー一味のアジトとなっている建物の中にいます。

 

理由?そんなの決まっています。バギーのお宝を頂戴するためですよ

 

まあ、今回は下見なんですけど...

 

 

「さて、宝物庫は何処かしら?」

 

電探にはこの近くにそれらしき反応があるんですけど...

 

 

 

 

しばらく探すと地下の一室にたどり着きました。

 

 

「ここね、宝物庫は」

 

私は見張りの目を盗み中へと忍び込みます。

 

中には凄い財宝の山がありました。

 

 

「これは凄いですね…総計で一千万ベリーはあるかしら…」

 

質もよさそうですし、結構なお金になりそうなものばかり...

 

流石は派手さにこだわるバギーと言ったところでしょうか

 

と、そんなことを考えていると、広間の方から賑やかな声が聞こえてきたのです。

 

 

「...?なにかしら?」

 

私は宝物庫を後にし、広間の方へ向かいました。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

広間に来てみるとバギー達が何やら騒いでいました。

 

どうやら宴会をしているみたいです。

 

 

(どうして急に宴会なんか...あ!ルフィくんにナミ!)

 

見ると、その宴席にルフィくんとナミの姿があったんです。

 

ルフィくんは何故か檻の中に入っていて、ナミはバギー達と一緒になって

 

宴会に参加しているではありませんか!

 

 

(はぁ...ナミったらルフィくんを売ったわね?後でお説教してあげないと...

それよりも今はルフィくんを助けなくちゃいけませんね)

 

私はルフィくんを助ける為に機を窺います。

 

そのルフィくんは料理を盗み食いしようとしていますけど...

 

すると突然バギーが

 

 

「野郎共!特製バギー玉の準備!!」

 

と指示をだし、手下の一人が大砲に真っ赤な玉を入れました。

 

 

「セット完了しました!」

 

 

「よし、点火」

 

その合図とともに大砲の導火線に火がつけられました。

 

しばらくして火が砲台にたどり着くと...

 

【ドッゴォォォォォォン!!】

 

砲弾が放たれ、建物をいくつも破壊して飛んで行きました。

 

 

「凄い威力…あんなの喰らったらひとたまりもないですね…」

 

そう言いつつバギー達を見てみると

 

今度はルフィくんに大砲を向けているではありませんか

 

 

「バギー玉を一個プレゼントしてやるからこの親分をぶっ飛ばしちまいな」

 

 

「・・・え?」

 

バギーの奴、ナミにルフィくんを消させようとさせるなんて...!

 

ナミは固まったまま動きません。

 

ナミの後ろではバギーの手下たちが『早く撃て』と煽っています。

 

私が様子を見ていると、固まっているナミの手から痺れを切らした手下がマッチを奪い取りました。

 

そして、導火線に火をつけようとしたその時でした!

 

 

【バコォォン!!】

 

手下の頭を思いっきり棍で殴るナミの姿が...

 

ですが、導火線に火がついてしまい慌てるルフィくん

 

ナミは他の手下どもに襲われて動けない状態...

 

あ、なんとか振り切って砲台に向かってますね、でももう間に合わないでしょう...

 

 

(仕方ありません…榛名!全力で阻止します!)

 

 

「させません!アクア・ボール!」

 

瞬間、近くにあった液体を球形に変え、導火線へと飛ばして火を鎮火しました。

 

安心したのもつかの間、再び手下たちがナミに襲い掛かっていました。

 

ナミはまだ気づいていません!どうしたら!

 

 

「ナミ!後ろ!」

 

 

「ナミ!逃げて!」

 

ルフィくんに負けじと私も叫びますが時すでに遅し...。

 

ナミの背後に迫るバギーの手下たち...

 

それにようやく気付き目を閉じるナミ

 

その時でした。

 

ナミと手下たちの間に颯爽と現れた彼は襲い来る手下たちを

 

あっさりと伸してしまったのです。 

 

 

「おいおい、お前ら女一人に何人がかりだ?」

 

 

「ゾロ!」

 

ルフィくんが嬉しそうな声を上げます

 

ゾロ?ゾロってあの海賊狩りのゾロのことよね...

 

私は考えつつもナミの元の駆け寄ります。

 

 

「ナミ!大丈夫?」

 

 

「えぇ、なんとか…それにしても、さっきの玉はやっぱりお姉ちゃんだったのね」

 

私はその言葉に頷くとゾロと呼ばれた人の方を向き、お辞儀をします。

 

 

「ナミが危ないところを助けていただいてありがとうございます…海賊狩りのゾロさん」

 

 

「へえ、俺の事を知ってんのか。そんなことより今は…」

 

呆れたようにルフィくんを見るゾロさん

 

そのままルフィくんの入っている檻まで向かいます。

 

するとバギーが口を開きました。

 

 

「貴様がゾロか…それにそこの女…貴様らこの俺の首でも取りに来たのか?」

 

 

「いや、興味ねえな…俺は止めたんだ…海賊狩りは」

 

 

「私はそもそも賞金稼ぎじゃありませんし…あなたの首なんかいりません」

 

 

「そうかい、でもゾロ…オレは興味あるねぇ。テメエを殺せば名が上がる」

 

ニヤリと口角をあげながらゾロさんを見るバギー。

 

 

「やめとけ…死ぬぜ?」

 

ゾロさんが制止をかけましたがバギーは聞く耳を持っていない様子...

 

仕方ないとばかりに構えたゾロさんは、突っ込んできたバギーをあっさりと切り刻んでしまいました。

 

突っ込んでいくバギーをあっさりと切り刻むゾロさん

 

そのまま倒れるバギーに私は違和感を覚え、

 

私は周りに悟られないように能力を発動します。

 

すると、倒れていたはずのバギーがゆらりと立ち上がり、

 

ナイフを掴んだ手をゾロさんに向け発射したのです!

 

ゾロさんはナイフに気づいていません

 

ナイフはゾロさんに音もなく近づいていき、背後から腹部を...

 

 

「...!!」

 

 

「ゾロッ!!」

 

 

「あぁ?なんだこりゃ?ってナイフ!?」

 

貫きませんでした。

 

バギーが唖然しています。

 

 

「残念でしたねバギーさん、これであなたの奇襲は失敗です」

 

 

「な、何モンだ!お前!」

 

 

「私はハルナ。ミズミズの実を食べた水人間です」

 

 

「ミズミズだとぉっ!?お前、そりゃ伝説の...」

 

その時でした。

 

 

「姉ちゃん!避けろ!!」

 

見ると大砲がこちらに向いているではありませんか。

 

 

「どうやらお喋りはここまでみたいですね。アクア・ミスト!」

 

唱えると、バギー達を霧で包み込みました。

 

 

『なんだ?何するつもりだ?』

 

私はにこりと笑って宣言しました。

 

 

「ミストキュリング!」

 

刹那、バギー達を包んでいた霧を一瞬にして固め、バギー達を拘束しました。 

 

 

「それじゃあ、ごきげんよう。デカ鼻さん」

 

私は急いで離れると、その直後、後ろで爆風が巻き起こりました。

 

その間に、私はナミたちと合流してすぐにその場を離れるのでした。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




こんにちは、夕立だよ

今回は榛名さんとバギー達とのちょっとしたバトルだったっぽい?

榛名さんの新しい技も発動してちょっとだけ進んだっぽい

それじゃあ榛名さん、これからも頑張って強くなってっぽい

私達も鎮守府から見守っているね


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ミズミズとゴムゴム!バラバラの脅威を打ち払え!

前回までのあらすじ

ルフィに料理を振る舞っていたハルナはバギー一味のアジトに潜入し宝のありかを見つけ出す

だがその間にナミがルフィをバギーに売りルフィは大ピンチに立たされてしまう

ルフィの危機に駆けつけたゾロとハルナの助力によって一同はアジトから脱出に成功するのだった。


side榛名

 

こんにちは、ハルナです。

 

今私達はバギーと対峙しています。

 

どうしてこんな状況になったかと言うと、それは少し時間を遡ります。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

私達はバギー達から逃げ誰もいない無人街を歩いていたんです。

 

ルフィくんが入っている檻を引きずって歩いているのはゾロさん。

 

ゾロさんはあるペットフード店の前でルフィくんを下ろすと、

 

 

「腹減った…」

 

そう言って柱に背を預けてしまいました。

 

私はそれに苦笑しつつ辺りを索敵します。

 

すると、お店の入り口の前に一匹のワンちゃんと

 

それを遠くから優しい目つきで見守る不思議なお爺さんがいたんです。

 

ルフィくんがそのワンちゃんとじゃれていた時でした。

 

ナミが戻ってきたんです。

 

ナミは私の知り合いという事と助けてもらったお礼にと

 

ルフィくんの檻の鍵を盗って来てくれたのです。

 

でもその鍵はワンちゃんに食べられてしまいました…。

 

ルフィくんは大慌てで鍵を吐かせようとしましたが

 

ワンちゃんは完全に鍵を呑み込んでしまったようで、吐いてくれませんでした。

 

私はそれを見かねて、能力で作った鍵でルフィくんを解放しました。

 

そのすぐ後に、プードルさんというこの町の町長さんが来て

 

ゾロさんを自身の家へと寝かせて、ワンちゃんの事を教えてくれました。

 

このワンちゃんはシュシュと言う子、でペットフード店の店番をしているそうなんです。

 

でも、そのお店の店主さんは三カ月ほど前に亡くなったそうです。

 

シュシュちゃんはそれでもお店を守るためにずっとお店の前で立っていたんだそうです。

 

そんな話を聞いていた時に、バギー一味の手下の一人、猛獣使いのモージが攻めてきたのです。

 

私はナミとプードルさんに連れられその場を離れました。

 

ルフィくんはその場からなぜか動きませんでした。

 

そして私が離れてすぐに、ルフィくんの声と共に建物が数軒崩れ落ちました。

 

私はルフィくん…ではなくシュシュちゃんがいた所の戻りました。

 

そこではシュシュちゃんが巨大なライオン相手に立ち向かっていたのです。

 

その体は傷だらけでとても見ていられるようなものではありませんでした…。

 

私は能力で艤装そっくりな主砲を作り出し、ライオンに向けて放ちました。

 

ライオンは大きく吹っ飛んでいき、見えなくなりました。

 

後になってから気づいたのですが、ライオンの上に人が乗っていたみたいです。

 

その後、ルフィくんが戻ってきました。そして私達はバギー一味に先制攻撃を仕掛けたのです。

 

初戦はゾロさんvsカバジと言う方でしたがゾロさんの『鬼斬り』という技で

 

一撃で沈んでしまったんです。

 

そして今に至るという訳なのです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「…てめえのその麦わらを見てるとあの男を思い出してむしゃくしゃしてくるぜ…

クソ生意気なあの赤髪のシャンクスをよ!」

 

そう言ってバギーはひとりでに過去のことを話し始めました。

 

 

どうやらバギーは海賊見習いの時代にあのお兄さんと

 

同じ船に乗っていたとのことでした。

 

その船が敵船と戦闘した時の事だったそうです。

 

その船から奪ったものの中に、悪魔の実と宝の地図があり、バギーはそれをかすめ取って一人大もうけをしようと考えていたそうです。

 

バギーはそれをかすめ取って一人大もうけをしようと考えていたようです。

 

ですが、お兄さんに後ろから話しかけられたことに驚いて、その悪魔の実を食べてしまったそうです。

 

おまけに折角手に入れた宝の地図も海に落としてしまったらしく

 

急いで拾いに海に飛び込みましたが、悪魔の実を食べた代償によってそれは叶わなかったそうです。

 

その話を聞いた後に言うのもなんですけど…

 

 

「それって、あなたの自業自得じゃないんですか?」

 

自分から悪魔の実を食べて溺れかけて、それをお兄さんに助けてもらっている時点で

 

お兄さんには感謝こそすれ恨むなんてもってのほかだと思うのですが…

 

 

「やっかましい!お前に俺の気持ちなど分かるか!派手に死ねい!

バラバラ砲!」

 

ナイフを複数握った腕を飛ばしてくるバギー。ですが…

 

 

「ルフィくん、少しだけ私にバギーの相手をさせてくれる?」

 

ルフィくんはにっかりと笑って

 

 

「あぁ、いいぞ、存分にやってやれ!姉ちゃん」

 

私は小さく頷くと能力を発動させます。

 

 

「榛名!全力で参ります!

アクア・ボール・ヴァリエーション!」

 

私が操ったのは近くの樽に入ったお酒でした。

 

球体になったお酒を私は海水へと変異させバギーの方へと放ちます。

 

そして、バギーの身体と飛んできた腕を海水の球体で包み込みました。

 

 

「ゴボボボボッ!」

 

バギーは球体の中でもがきます。私はそれに追い打ちをかけるように...

 

 

「アクア・トルネード!」

 

球体を高速回転させて小さな竜巻を作り出します。

 

もちろん遠心力で飛んで行かないように外側を硬化するのも忘れずに。

 

 

「ゴババボボボボッ!!」

 

相変わらず球体の中でもがき苦しんでいるバギー…。

 

そろそろいいでしょうか?

 

私は球体の回転を止め、水を消し去ります。

 

やっとのことで解放されたバギーはと言うと…

 

 

「はぁ…はぁ…ガハッ!」

 

完全にグロッキーになっていました。

 

あら、少しやりすぎちゃったみたいですね...

 

 

「ルフィくん、後はどうぞ」

 

 

「あぁ、んじゃ!ぶっとべバギー!ゴムゴムの……」

 

そう言いながら思い切り両腕を後ろに伸ばすルフィくん

 

何をするつもりかしら?

 

 

「バズーカァァァ!!!」

 

なるほど、伸ばした両腕が戻ってきた勢いを利用して勢いよく衝撃を叩き込むのね。

 

 

「アギャァァァァァァァ⁉」

 

変な叫び声と共に空の彼方に吹っ飛んでいくバギー

 

これでこの街の人達も安全ですね

 

 

「勝ったー!うははははは!」

 

 

「お疲れ様、ルフィくん」

 

 

「おぉ、と言っても姉ちゃんがほとんどやっちまったけどな」

 

あはは…今度からは少し自制しないといけませんね…

 

 

「今度からは気を付けます…」

 

 

「ん?別にいいよ、気にしなくて。それよりさ!仲間になってくれんだろ?」

 

 

「え?」

 

 

「ナミがさ言ってたんだよ!グランドラインの海図を手に入れられたら

仲間になってくれるって!」

 

ナミったら…またそんなことを言って…

 

後でさっきの事も含めてキツ~くお灸をすえてあげなくちゃいけませんね!

 

 

「はぁ…仕方ないですね、ナミがそう言っていたのならいいわ。

少しの間だけ仲間になってあげる」

 

 

「ホントか!やったー!」

 

こうして私達はオレンジの街を後にしたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日談ですが、ナミが奪ったバギー一味のお宝の半分はルフィくんがプードルさんに渡してきたそうです。

 

それを聞いたナミが凄い顔でルフィくんを溺れさせかけていたのはまた別のお話…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ぱんぱかぱーん!愛宕よ。うふふ

今回は榛名さんが初の能力者戦だったみたいねぇ

でもさすがはミズミズの実ね♪バギーって人、手も足も出ていなかったもの!

でもあれはさすがにやりすぎよねぇ…今度は気を付けてね?榛名さん

それじゃあね♪


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シロップ村での出会い…その名はウソップ!

前回までのあらすじです!

オレンジの街にてバギー一味を倒した私達

村の皆さんに追い掛け回されつつもなんとか海へと出港したんです。

さてさて、次はどんな出会いが待っているんでしょう


side榛名

 

こんにちは、ハルナです。

 

オレンジの街離れてから数週間が経ちました。

 

今はナミにキツイお灸をすえている最中なんです!

 

 

「前々から散々言ってきたはずよ?裏切る相手は慎重に選びなさいって」

 

 

「うぅ…だって相手は汚い海賊じゃない…エサに使って何が悪いのよ…」

 

この子は...まだ分からないようですね...。

 

 

「そう、まだそんなこと言うのなら…これから盗んだお宝はすべて私が管理します。

ナミには一切触らせません…それと、艤装の手入れを毎日ナミにやってもらいましょう」

 

その言葉を聞いたナミは途端に顔を青くします。

 

 

「それだけはやめて!お願い!もう絶対やらないから!

毎日お姉ちゃんの装備の点検はイヤ――――ッッッ!!!」

 

 

「はぁ…仕方ないですね、今回だけですよ?

でも、この事はベルメールさんに報告しますからね」

 

するとナミの顔が更に真っ青になりました。

 

 

「お、お姉ちゃん...?それは冗談よね?」

 

うすら笑いを浮かべるナミに私はニッコリと微笑んで

 

 

「いいえ♪冗談なんかじゃありませんよ?」

 

 

「イヤーーーーーッッッ!!!!!」

 

ナミの絶叫が海に木霊しました。

 

 

「ハハハハハハッ!!おっもしれえな!ナミ」

 

 

「笑いごとじゃないわ!!あぁ…どうしよう…ベルメールさんになんて言い訳したら…」

 

笑い転げルフィくんをぶん殴って頭を抱え込むナミ...

 

あなたが招いたことなんですから自業自得ですよ?

 

 

「おい、おまえら…新しい島が見えてきたぞ」

 

ゾロさんの声にそちらを見ると確かに陸地が見えていました。

 

 

「よぉーし!そんじゃ上陸だ‼‼」

 

こうして私達は数週間ぶりに陸地に降り立ったのです。

 

 

「あ、あぁぁ~...久しぶりに地面に降りたぁ…」

 

 

「ほあぁぁ~…この奥に村があんのか?」

 

 

「うん、小さな村みたいだけど…」

 

 

「おぉ!!そんじゃ肉肉肉ニクニク!飯屋はあんのか!」

 

 

「ちょっと落ち着きましょう?ルフィくん」

 

 

「お姉ちゃんの言う通りよ、それとアンタは肉から離れなさい」

 

思いっきり伸びをするゾロさんに、お肉の事しか言っていないルフィくん

 

地図を見ているナミ、隠れている人達...

 

 

・・・え?

 

電探に反応?四つですね...

 

 

「みんな、気を付けてください待ち伏せされています。」

 

 

【ガサガサガサッ!】

 

 

「あぶねえ!」

 

ゾロさんの声の直後、一斉に私達に向かって何かが飛んできました。

 

 

「させません!アクア・ウォール・キュリング!」

 

瞬間!私達四人の前に水の壁が立ちふさがり何かを防ぎます。

 

見ると、周りの高台の上には至る所に小さな海賊旗のようなものが...

 

 

「うほぉ~!!すっげえなぁ!!」

 

 

「ルフィくん、感心している場合じゃないですからね?」

 

 

「ん?そっか?」

 

すると、高台の方から声が聞こえてきました。

 

 

「ははははっ!オレはこの村に君臨する大海賊団を率いるウソップ!

人々はオレを称えさらに称え我が船長!キャプテン・ウソップと呼ぶ!」

 

 

「は、はぁ...」

 

あれにはなんと相槌を打ってあげたらいいのでしょう...

 

その間にもウソップさんは続けます。

 

 

「この村を攻めようとしているならやめておけ!

このオレの八千万の部下共が黙っちゃいないからな!!」

 

八千万?どう見てもあと三人しかいないんですけど…

 

 

「スッゲェェェ!!!」

 

ルフィくん、信じちゃいけませんよ...

 

 

「盛り上がっているところごめんなさい…あなたのそれ、嘘ですよね?

それに隠れてる子たちも三人ですし...」

 

 

「ひえっ!?バレてる...!」

 

 

「ほら、バレたって言いましたわ」

 

 

「うははぁ~い!バレたって言っちまったぁぁ…!」

 

身体をクネクネくねらせるウソップさん...

 

なんというか、頭痛がしてきました...。

 

 

「ナニッ!?嘘なのか!?」

 

どう聞いたら信じられるのかの方が疑問ですよ?ルフィくん

 

 

「おのれ!策士め!八千万は大げさだが…オレには立派な部下たちがいる!」

 

 

「いえ…だから三人なんですよね?」

 

 

「・・・え?知ってるの?」

 

さっきから言ってるじゃないですか...!

 

 

「知っているも何も最初から気づいてましたよ?そこにいるんでしょう?」

 

私は茂みの方を見ます。

 

 

「ワァァァァッ!!みぬかれてたぁぁ--ッッ!!

に、逃げろぉぉぉ!!!」

 

あら、逃げられちゃいました。

 

 

「あ、おい!おまえら!逃げるなぁぁぁ!!」

 

 

「パチンコを使う海賊なんて、聞いたことなもんね…ね?お姉ちゃん」

 

 

「そうね、確かにとても珍しいと思います。」

 

 

「ハハハハハハッ!!お前、面白いな!ハハハハハハッ!!」

 

私は頭痛が酷くなってきました...

 

 

「う、うるせえ!オレをコケにするな!オレは誇り高き男なんだ!

その誇りの高さ故!人はオレを…!誇りのウソップと呼ぶ!

さっきの見ただろ!オレのパチンコの腕はそこらのピストルより遥かに凄いんだぜ!」

 

そう言ってパチンコを構えるウソップさん

 

そんなことしちゃっていいのでしょうか...

 

 

「ピストル抜いたからにゃあ…命賭けろよ?」

 

 

「・・・へ?」

 

 

「ソイツは脅しの道具じゃないって言ったんだ…」

 

ルフィくんの言葉の意味を察してゾロさんも刀を軽く抜きます。

 

 

「お前の目の前にいるのは本物の海賊なんだぜ?」

 

ウソップさんはどうするんでしょう...

 

 

 

 

『・・・・・・・』

 

しばらくの無言が包みます。

 

その沈黙を破ったのはウソップさんの方でした。

 

 

「や、やっぱホンモンの海賊はいう事も迫力も段違いだ…スゲエ」

 

その言葉に、顔を見合わせて笑う二人

 

 

「受け売りさ!」

 

 

「・・・へ?」

 

 

「俺の尊敬する海賊、シャンクスの」

 

 

「シャ、シャンクスだと!?お前!赤髪のシャンクスを知ってんのか⁉」

 

 

「あぁ、ヤソップだろ?お前の父ちゃん」

 

ヤソップさんって確か...赤髪のお兄さんの船に乗っていたあの狙撃手の...

 

 

「へ…?えぇぇぇぇ…!!?」

 

驚きすぎて高台から転がり落ちるウソップさん

 

 

「危ない!アクア・クッション!」

 

間一髪のところで水のクッションがウソップさんを包み込みます。

 

 

「え…あ、サンキュー、確かにオレの親父の名はヤソップだけど…なんでそれ知ってんだ?」

 

 

「その前に腹減っちまった…飯食いにいこうぜ」

 

 

「そうだな、そうするか」

 

 

「はい、榛名は大丈夫です!」

 

 

「そうね、いきましょうか」

 

 

「お、おい!ちょっと待ってくれよ!」

 

こうして私達は村の方へと向かったのでした。

 

 

 




こんばんは高雄です。

榛名さんが新しい方と出会ったみたいですね。

この出会いがこれからどんな物語を作り出していくのか楽しみですわ

榛名さん、第二の人生楽しんでくださいね

それではまた、ごきげんよう


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屋敷での一騒動…ウソップvsクラハドール?

前回までのあらすじです!

長い航海の末、ようやくたどり着いたシロップ村

そこにはキャプテンウソップと名乗る少年、ウソップがいた。

ウソップはあの赤髪のお兄さん、シャンクスの船にいた狙撃手、ヤソップの息子だった!

さて、この出会いはいったいどんな物語を巻き起こすんでしょう?


side榛名

 

こんにちはハルナです。

 

今は村の食事処で悟飯うをいただいています。

 

 

「うんめぇな~!」

 

お肉にがっつくルフィくん、他の皆さんもそれぞれ食事をしています。

 

 

「そういえばお前達はなんでこの村に来たんだ?」

 

 

「私達、船を探してるのよ、ねえ、この村で船を操れそうな仲間と、デカい船を調達できないかしら?」

 

ナミのその言葉にウソップさんは首を横に振ります。

 

 

「見ての通り小さな村だ…残念だがご期待にゃそえねえな…」

 

 

「丘の上に…デカい屋敷が合ったな…そこなら何とかなんじゃねえのか?」

 

 

「あ、あそこはだめだ!」

 

不意にウソップさんが大声を出したんです。

 

 

『え?』

 

 

「...あ!そういえばオレ、用事を思い出した!

ここは、オレの顔が利く…存分に飲み食いしてってくれ!」

 

そいじゃーねぇ!と残して走り去るウソップさん。

 

どうしたのかしら?あんな慌てちゃって...

 

 

「...ナミ、私も少し席を外すわね、店員さん、ごちそうさまです。」

 

 

「え?ちょっとお姉ちゃん?」

 

 

「あぁ、また来ておくれ…」

 

店員さん返事に少し微笑むと私はお店を後にしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お店を出た後、ウソップさんの反応を追っていくと丘の上の屋敷にたどり着きました。

 

 

「ここは…っと、それよりもウソップさんは…」

 

辺りを見回すと、物陰でコソコソしているウソップさんを見つけました。

 

私はウソップさんに近づいていき声をかけます。

 

 

「あの…何してるんです?」

 

 

「!?...シィ~…」

 

驚きつつも私に黙るような仕草をするウソップさん

 

私は不思議に思いながらもそれに従います。

 

ウソップさんはキョロキョロ辺りを見回すと入り口から離れた草壁の前に向かい

 

私を手招きして呼びます。

 

私がそこまで歩み寄ると、ウソップさんはその草壁を引き抜き中に入るとまた手招きをします。

 

これって…入っても大丈夫なの?

 

不安になりつつも私はウソップさんの後に続きます。

 

中に入ると,

 

ウソップさんは引き抜いた穴を元に戻して、一息を着きました。

 

 

「ふぅ、そんで?なんでいるわけ?」

 

 

「あなたの様子があまりにもおかしかったので後をつけてきたんです。」

 

 

「そ、そっか…まあ来ちまったもんはしょうがねえし、ちょっと待っててくれ」

 

そう言うとウソップさんは小石を拾い上げると軽く構えて二階のある窓の投げつけます。

 

コンッ!という軽い衝撃音の後に窓が開かれて、一人の女性が顔を出しました。

 

 

「ウソップさん!」

 

 

「よお!カヤ、相変わらず元気ねえな」

 

 

「ごめんなさい…本当はお役様として招待したいのだけど、クラハドールが許してくれなくて…」

 

 

「へへっ!気にすんな!俺は勇敢なる海の勇者だ、狭い家の中じゃ息が詰まっちまうってもんだ」

 

その言葉に私は首をかしげます。

 

海の勇者って...海にも出たこと無かったはずじゃ...?

 

すると、カヤと呼ばれた少女は私に気づいてウソップさんに問いかけます。

 

 

「ウソップさんこの方は?」

 

 

「あぁ、こいつは遠路はるばるオレの英雄譚を聞きに来た奴さ、

そうだ!今日はこいつに話を聞いたらどうだ?

きっとオレとは違う冒険の話が聞けると思うぜ?」

 

え?私が話すの?いいのかしら?

 

 

「それは楽しそう!お話し、聞かせてもらってもいいですか?」

 

カヤさんのその言葉に私は潔く頷きます。

 

 

「分かりました。ハルナ!全力でお話しします。」

 

 

「ありがとよ!そんでどんな話をしてくれんだ?」

 

 

「ん~…そうですね、それじゃあここよりはるか遠くの海の事をお話しします。」

 

 

 

 

私が語ったのは、私が元いた世界での話でした。

 

提督に建造され、初めて着任したこと…

 

演習での姉妹での特訓の話や、出撃で危機に陥った話など...

 

もちろん、経験してきたことをそのまま話すのではなく、三人称視点からの話に改編してですけどね...。

 

 

「それで、そのカンムスはどうなったの?」

 

私が話す話をカヤさんとウソップさんは聞き入っています。

 

 

「えぇ、ちゃんと無事に帰投しましたよ。」

 

 

「そうなの?よかったぁ…」

 

 

「ホッ…そのままゴウチンなんかしてたらどうしようかと思ったぜ…」

 

私は一通り話し終わり、口を閉じます。

 

 

「私の話はこんなところでしょうか…」

 

 

「とても面白かったわ、ねえ、他にはないの?」

 

カヤさんの質問に私が考え始めた時でした。

 

 

『ウワァァァッ!!』

 

【ドゴオォォォン!】

 

いきなりルフィくん達が飛んできたのです。

 

 

「うまくいったぁ…」

 

 

「いってない!」

 

 

「え?ルフィくん!?それにナミまで...」

 

私はルフィくん達の元に駆け寄ります。

 

 

「ん?なんだ姉ちゃんこんなとこにいたのか!もしかして先に船をくれるように頼んどいてくれたのか?」

 

 

「え?いいえ、私は今までの冒険のお話をしていただけよ?」

 

 

「え?お姉ちゃん…まさか…」

 

 

「?…どうかしたの?」

 

私はナミが何を言っているのかよくわからず疑問符を浮かべます。

 

するとそこに...

 

 

「君達!そこで何をしている!」

 

髪をオールバックに整えた執事服の男性がやって来ていました。

 

 

「クラハドール…」

 

 

「困るね…勝手に屋敷に入ってもらっては…それにウソップくん!

君もだ…薄汚い海賊の息子がカヤお嬢様に近づくことは止めてくれないか!」

 

その言葉にウソップさんがピクリと反応します。

 

 

「う、薄汚いだと…?」

 

 

「君とお嬢様とでは、住む世界が違うんだ!目的はなんだ?金か?いくら欲しい?」

 

あのクラハドールという人、海賊を毛嫌いしているみたいですね。

 

 

「クラハドール!なんてこと言うの!ウソップさんに謝って!」

 

 

「こんな野蛮な男に何故謝らなければならないのですか?お嬢様…」

 

しかし、とクラハドールさんは続けます。

 

 

「君には同情するよ、恨んでいることだろう…家族を捨て村を飛び出した、家族より財宝が大事な大馬鹿親父を!」

 

 

「テメエ!それ以上親父を馬鹿にするな!」

 

いきなり叫ぶとウソップさんはクラハドールさんを睨みつけます。

 

 

「何をそんなに怒っているんだ?こういう時こそ得意のウソをつけばいいのに」

 

まるで挑発でもするかのように眼鏡を吊り上げるクラハドールさん

 

 

「本当は親父は旅の商人だとか、実は血がつながっていないだとか…」

 

すると、ウソップさんはいきなりクラハドールさんに向けて駆け出したのです。

 

 

「うるせえ!」

 

そう叫ぶとウソップさんは思い切り腕を振り上げ、クラハドールさんを殴りつけました。

 

殴られたクラハドールさんは軽く吹っ飛び地面に倒れて悪態をついています。

 

 

「ほら見ろ、すぐ暴力だ…親父が親父なら息子も息子という訳だ」

 

 

「だまれ!」

 

クラハドールさんの悪態にウソップさんはさらに叫びます。

 

 

「オレは親父が海賊であることを誇りに思ってる‼勇敢な海の戦士であることを誇りに思ってる!お前の言う通り、オレはホラ吹きだから、オレが海賊の血を引いてる!その誇りだけは偽るわけにはいかねえんだ‼

オレは…海賊の息子なんだ!」

 

 

「フッ...海賊が勇敢な海の戦士か…随分ねじ曲がった言い方があるもんだね」

 

 

「なにっ!」

 

なんとか立ち上がるクラハドールさん

 

 

「だが、否めない野蛮な血の証拠が君だ好き放題にホラを吹いて回り、頭に来ればすぐ暴力…挙句の果てには財産目当てに…お嬢様に近づく」

 

 

「なんだとぉ!」

 

 

「何かたくらみがあるという理由など!君の父親が海賊であるという事だけで充分だ!」

 

その言葉を聞いたウソップさんは、思いっきりクラハドールさんの胸倉を掴みます。

 

 

「テメエ!まだ言うのか!」

 

そろそろ止めた方がいいですね...

 

私は付近の水を操り球体にするとウソップさんの頭の上に落とします。

 

【バシャッ‼】

 

 

「ナァッ!?」

 

いきなり水が掛かり、驚くウソップさん

 

 

「もうそのあたりにしておきましょう…これ以上言っても埒があきませんよ?」

 

 

「......」

 

力なく胸倉をつかみ続けているウソップさん

 

クラハドールさんはその手を振り払うといいます。

 

 

「出て行きたまえ、二度とこの屋敷には近づくな!」

 

 

「...あぁ、分かったよ…言われなくたって出て言いてやる!二度とこの屋敷には近づかねえ」

 

そう言うとウソップさんは屋敷を出ていってしまいました。

 

私達もそれに続いてすぐに屋敷を出るのでした。

 

 

 

 




Hey!コンバンハ金剛デース!

榛名がまた新しい人と出会ったみたいデース!

見てると嘘つきみたいネ!嘘はいけマセーン!

それじゃあミナさーん!seeyou!


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守れシロップ村!決意の嘘つきキャプテン・ウソップ

前回までのあらすじです!

カヤさんのお屋敷で前世の話をしていた私達

そこにルフィくん達が乱入してきてその場はしっちゃかめっちゃか

そこに騒ぎを聞きつけた執事、

クラハドールさんが来てウソップさんと言い合いを始めてしいます。

クラハドールさんの言った一言でウソップさんは激昂し、クラハドールさんを殴るとどこかに行ってしまいました。

これからどうなってしまうんでしょう?



sideハルナ

 

 

こんにちは、ハルナです。

 

カヤさんのお屋敷を後にして、村までの道の途中の峠道にいます。

 

 

「それで、アイツはどこ行っちゃったのよ」

 

 

「さあな、あのキャプテンの所にでも行ってるんじゃねえのか?」

 

二人の会話にピーマンくん、にんじんくんが顔を見合わせて言います。

 

 

「じゃあ、あそこだな!」

 

 

「あぁ、絶対あそこだ!」

 

 

私は二人がどこの事を言っているのか分からず問いかけます。

 

 

「あそこってどこの事なの?」

 

その問いに二人は声をそろえて答えます。

 

 

『海岸にある浜辺さ、キャプテンは嫌な事があるといつもあの場所から海を眺めて心の傷を癒してるんだ』

 

 

「そう…」

 

 

「そう言えばアンタ達もう一人の子はどこに行ったのよ?一緒じゃないの?」

 

 

『ん?あぁ、たまねぎ』

 

 

「アイツすぐどっか行っちゃうんだよな…」

 

 

「そんで、すぐ大騒ぎしてあらわれるんだ」

 

その時でした。

 

 

「うわぁぁぁぁ...!大変だーー!!後ろ向き男だぁーー!!」

 

たまねぎくんが叫びながらこちらに走ってきました。

 

 

「ほらね…」

 

にんじんくんがやっぱりと言った風に呟きます。

 

 

「変な人が後ろ向きで歩いてくるんだよぉぉ!」

 

 

『嘘つけ』

 

 

「ホントだよ!!あれ見て!」

 

そう叫ぶと、たまねぎくんは後ろを指さします。

 

するとそこには確かに後ろに向きながらこちらに歩いてくる人の姿が...

 

なるほど、確かに変な人ですね。

 

その変な人は私達の所で立ち止まり声をかけてきます。

 

 

「おい、誰だ?俺を変な人呼ぶのは…俺は変じゃねえ」

 

・・・構えを取りながら言うその方はどう見ても変人です。

 

 

「変よ?どう見ても…ね、お姉ちゃん」

 

 

「え、えぇ…すごくおかしいと思います…」

 

 

「バカを言え、俺はただの通りすがりの催眠術師だ…」

 

催眠術師...どうみても頭のおかしな人にしか見えないのですが...

 

 

『催眠術!?すっげえ!やってみせてくれよ!』

 

 

「なに…?冗談いうな、なんで俺が初対面の奴に術を披露しなきゃならねえんだ!」

 

そう言いながらも輪っかのような物を取り出します。

 

何をするんでしょうか...?

 

 

「いいか?この輪っかをよ-く見るんだ…」

 

 

「結局やるのかよ…」

 

 

「まぁまぁ…見てみましょう?」

 

私達はその様子を見守ります。

 

 

「ワンツージャンゴでお前たちは眠くなる、いいか?いくぞ?

ワン、ツー、ジャンゴ!」

 

その直後、輪っかを見ていた三人と変人さんはいびきをかいて寝てしまいました。

 

 

「おい!コイツいったい何なんだ!」

 

それはわたしが聞きたいですよ...ゾロさん、あぁ、もうまた頭痛が...

 

この村に来てからこんなことばかりです...。

 

 

「大丈夫?お姉ちゃん、顔色悪いけど…」

 

 

「えぇ、大丈夫です…この状況に頭がついてきてなくてちょっと頭痛がしてただけだから…」

 

 

「それ、もう大丈夫じゃないわよね!?」

 

大丈夫よ、きっと大丈夫...

 

あぁ、金剛お姉様...お姉様だったらどう過ごのでしょうか...

 

しばらくすると、変人さんは起きてどこかに行ってしまいました。

 

私達はそれを見送るとため息を吐きました。

 

それからまた更にしばらくして、遠くからウソップさんがものすごい勢いで走ってくるのが見えました。

 

 

『あ―!キャプテン!』

 

 

「ちょうどよかったわ、ねえ、ルフィは?」

 

しかし三人や、ナミの問いにも答えず、ウソップさんは走り去ってしまったのです。

 

 

「どうしたのかしら?あんなに慌てちゃって…」

 

 

「なんだかすごく真剣な焦った顔をしてたわね…」

 

そう言いながらも私は艤装を装着し、一気の偵察機をセットします。

 

 

『おぉ!すっげえ!姉ちゃん!それいったいなんだ?』

 

 

「うおっ!?おまっ!なんなんだそのバカでかい大砲もみたいな奴は!」

 

 

「お姉ちゃん…いいの?こんな所で艤装なんか出して…」

 

各々がそれぞれの反応をしてくれます。私はニッコリと笑むと

 

 

「これは偵察機といって飛ばすと辺りの様子を調べてきてくれるの。

それじゃあ、妖精さん、赤い服の麦わら帽子の男の子を探してきてください」

 

私が偵察機の中に乗っている小さな妖精さんに話しかけると、

 

妖精さんは親指をグッ!とサムズアップして答えてくれます。

 

それを見た私は、空に向けて偵察機を放ちました。

 

 

「...お願いしますね」

 

私は偵察機の飛んで行った方向を見守ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくすると飛ばしていた偵察機から入電が入ってきました。

 

ーーーートゥーツツー、トートーツツー、トトートトトツーーーーーーー

 

 

「偵察機からの打電だわ、『ワレ、カイガンニテ、ムギワラノショウネンハッケンセリ、ソノカラダ、ウゴカズ、セイシフメイ...』

なんですって!?」

 

私は急いで海岸の方に駆けだします。

 

 

「あん?なにがあったんだ?」

 

 

「ルフィくんが海岸で倒れているみたいなんです!急いで向かわないと!」

 

 

『えぇぇ!?』

 

 

「なにぃ!」

 

 

「え?いったい何があったっていうのよ?」

 

 

「とにかく行きましょう!二人とも!案内をお願いできる?」

 

 

『うん!こっちだよ!』

 

私達は三人の案内の下、急いで海岸に向かったのでした。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

私達は三人の案内でウソップさんがよく来るという海岸に来ていました。

 

 

「ここだよ、ここでキャプテンは心の傷を癒してるんだ、ここ風が気持ちいいしさ…」

 

確かに心地いい風...

 

っと、その前にルフィくんを探さないとですね!

 

私は電探で周囲を索敵します。

 

すると崖の下の方に反応がありました。

 

私が急いで駆け寄るとそこにはおかしな格好のまま動かないルフィくんの姿が...

 

 

「ルフィくん!起きて、起きてください!」

 

私はルフィくんを揺さぶります。すると...

 

 

「ん?ふわぁ~ぁ...よく寝た...ん?なんで姉ちゃんがここにいるんだ?」

 

 

「それはね...」

 

私は簡単に訳を話しました。

 

 

「と、いう訳なの」

 

 

「そうだったのか、ん?あぁっ!!」

 

いきなり大声を上げるルフィくん

 

 

「崖の下で寝ていた次はなんだ?」

 

 

「あぁ、それがよ...」

 

ルフィくんは自分が寝るまでのことを話してくれました。

 

シロップ村に海賊の軍勢が攻めてくること、カヤさんが事故に見せかけて殺されること…

 

執事、クラハドールさんのこと…

 

 

『えぇ!!村が攻められる!それにカヤさんが殺されるだって⁉』

 

 

「あぁ、そう言ってた、間違いない」

 

その言葉を聞いて三人は慌てて走って行ってしまいました。騒がしい子たちですね。

 

それを見送りつつ私は思考します。

 

明日の早朝に海賊たちが攻めてくる...

 

それならその前にその根源をつぶしてしまえばいいという事ですものね!

 

そうと決まれば早速!...という訳にもいかないですね、これはナミ達にも知られないようにしないと...

 

私は、心中でこっそりと計画を立てるのでした。

 

その私をナミが見抜いているかのような視線で見ていたことに気がつかずに...

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

私達は先ほどの峠道まで戻ってきていました。

 

するとそこにフラフラと歩いてくるウソップさんの姿がありました。

 

 

『キャプテン!!』

 

三人がウソップさんを見つけて声をかけます。

 

ウソップさんは三人の姿を見ると目元をぬぐったようなしぐさをしてから、

 

いつも通りにやってきました。

 

今、ウソップさん泣いてましたね...何かあったんでしょう...

 

ウソップさんはルフィくんを見ると幽霊でも見たような顔をします。

 

三人が状況を説明するとなんとか納得したようでした。

 

 

『それよりキャプテン!早く海賊が攻めてくることを皆に話に行かないと!』

 

その言葉を聞いたウソップさんは一瞬だけ固まりました。

 

でも、すぐに笑って

 

 

「フハハハハ!アハハハハ!いつものウソに決まってんだろ!あの執事がムカつくんで海賊にしてやろうとおもったんだよ!」

 

 

『なんだ、そうだったのか、ははははは!』

 

すぐに笑いだす三人でしたがすぐに笑うのをやめて言います。

 

 

「オレ、ちょっとキャプテン軽蔑するよ…」

 

 

「キャプテンは人を傷つける嘘は言わないものだと思ってた…」

 

 

「オレも、キャプテン、見損なっちゃった…」

 

 

『帰ろう』

 

そう言うと三人は帰ってしまいました。

 

 

「・・・良かったんですか?あんな言い方して」

 

 

「海賊、ホントに来ちゃうんでしょ?」

 

 

「あぁ、間違いなくやってくる…でもウソだと思ってる…明日もまたいつも通り平和な一日が来ると思ってるんだ…!」

 

そう言って俯くウソップさん。

 

でも!と、不意に立ち上がり、ウソップさんは続けます。

 

 

「だからオレは海岸で海賊共を迎え撃ちこの件をウソにする!それが嘘つきとしてオレが通すべき筋ってもんだ!」

 

立派ですね、この度胸、勇気…提督を思い出しますね...。

 

 

「よく言いましたね、ウソップさん、いいえ、提督…榛名も助太刀します!」

 

 

「...え?」

 

 

「そおだな!アイツに好き勝手されるわけにはいかねえ!オレも協力する!」

 

 

「とんだお人好しだぜ、子分まで突き放して一人出陣とはな…」

 

 

「言っとくけど、お姉ちゃんと海賊のお宝は私の物なんだからね」

 

ナミ、一言余計なものが入ってますからね?

 

 

「お、お前ら…一緒に戦ってくれんのか?」

 

コクリと頷く私達

 

 

「あぁ、だって敵は大勢いるんだろ?」

 

 

「怖いって顔に書いてあるぜ」

 

 

「はい、よく分かるほどに…」

 

 

「うるせえ!怖いもんは怖いんだ!相手はクラハドールの海賊団なんだぞ!

これは見セモンじゃねえぞてめえら、帰れ!帰れ!!」

 

そんなに足を震わせて言われても説得力のかけらもありませんよ?

 

 

「そんなことありません、私達は提督が立派だ思ったから加勢するんです。」

 

 

「そうだ、同情なんかで命賭けるか!」

 

 

「っっ...!!お前ら…ありがとう!!」

 

こうして私達のクラハドール海賊団を迎え撃つメンバーは揃ったのでした。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

その夜、私は一人海に出ていました。

 

目の前には巨大な海賊船が停泊しています。

 

 

 

「これね、元キャプテンクロの海賊船は…」

 

私は船を見上げます。

 

 

「明日の朝には襲撃が始まってしまう、なら、先のその根源をつぶしてしまえば大本は解決できますよね」

 

私は艤装の高角砲を構えて船に狙いを定めます。

 

 

「あなた達のような野蛮な海賊の勝手は…榛名が、許しません!!」

 

【ズドオォォォン!!】

 

私は思いっきり高角砲を放ちます。

 

砲撃は船にいくつもの損傷を与えていきます。

 

数発撃ったところで私は撃つのを止め、船内に潜り込みます。

 

 

「何も奪わずに行ったらナミに怒られそうですものね」

 

向かってくる船員達をアクア・ボールで溺死させながら、私は音を立てずに船内を歩き回ります。

 

しばらく歩き回り宝物庫を見つけると私は水を風呂敷へと変異させ、

 

さらに作り出した水の腕を使って宝を持つと船から抜け出しました。

 

 

「これで終わりにしてあげます!アクア・トルネード!」

 

すると、海水が盛り上がり乱回転を起こしながら船を呑み込みました。

 

船は海水の轟流にその姿を海の藻屑へと変えていきました。

 

トルネードが収まったころにはそこには赤黒く染まった水が漂うばかりでした。

 

私はそれを見届けると海岸へと戻りました。

 

海岸に戻ると、私が戻ってきたのとは反対側の海岸でウソップさん達が何やら油のようなものを巻いていました。

 

 

「あの…何をしてらっしゃるのですか?」

 

 

「ん?おぉ、長髪の姉ちゃんお帰り!これで海賊たちが登れなくなるんだ‼凄いだろ?」

 

この人は...前言撤回です。提督はこんな考えなしではありませんでした。

 

 

「あのですね…それでしたら、今私が全て片付けてきました。なので、これは無意味です」

 

それを聞いてナミを除く他三名がぴしりと固まった。

 

 

「お、おいおいおい、片づけてきたって…まさか海賊共をか?」

 

 

「はい、そうですよ?」

 

 

「んな、バカな話があるかよ…」

 

 

「いや、姉ちゃんならありうるぞ…」

 

 

『え...?』

 

 

「お前らも見たことあるだろ?姉ちゃんの武器…あれは一発で海王類ですら仕留めちまうスゲエモンなんだ!そんなのを船なんかにぶっ放したら…もう分かるだろ?」

 

ルフィくん、なんだかキャラが崩壊してませんか?

 

 

「あ、あぁ…よく分かった…想像したくねえが…」

 

 

「オレも…わかったよ…容易に想像出来ちまった…怖えぇ…」

 

二人とも酷いと思いませんか?本人がいる前でその態度は...

 

 

「そんなことよりお姉ちゃん、船、沈めてきたんでしょ?お宝は?」

 

私はにこりとして水の手から宝の入った風呂敷をナミに手渡します。

 

 

「これがあの船に会った全部だったわ、ちゃんと取っておくのよ?」

 

 

「さっすがお姉ちゃん!話が分かるわ!」

 

その様子にウソップさんはドン引きしていました。

 

 

「ま、まあともかく長髪の姉ちゃんが部下共をやってくれたんなら後はクラハドールだけだ!気を抜かずに行こうぜ!」

 

 

『おぉ!』

 

そうして夜は更けていき、朝になりました。

 

 

完全に火が登ったというのに海賊たちは姿を現しません。

 

それもそのはずです。だって私が皆殺しちゃったんですから

 

すると、私達の背後から声が聞こえてきました。

 

 

「これは…いったいどういうことだ!ジャンゴ!!」




こんばんは比叡です!

今回は榛名が大暴れしてる回でしたね!

ひえ~!!榛名、ちょっと性格変わって来てませんか?金剛お姉さまが見たら泣きますよ?

暴れるのはいいですけどやりすぎには注意してくださいね?

それでは!


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ルフィvsクロ!村を守る最後の戦い

前回までのあらすじです!

ルフィくんから海賊たちが村に攻め込んでくることを知ります。

私はそれ利用して敵の船を夜戦にて轟沈させました。

その翌朝、激怒したクラハドールさんが顔を出しました。


「これはいったいどういうことだ!ジャンゴ!!」

さてさて!これからがクライマックスです!腕がなるわね!


side榛名

 

 

こんばんは、ハルナです。

 

現在私達は執事、いえ、元海賊のクラハドールさんと対峙しています。

 

 

「どういうことだ?何故アイツらの姿がねえ…」

 

辺りを見回して状況を把握しているクラハドール。

 

 

「まさか、お前らがやったのか?」

 

こちらに聞いてくるクラハドールにルフィくんが答えます。

 

 

「いや、やったのは姉ちゃんだ」

 

 

「お前が?」

 

その言葉でギロリと私を睨むクラハドールさん

 

 

「えぇ、そうだとしたらどうしますか?今頃は船の皆さんは魚か、海王類のエサにでもなっているんじゃないでしょうか…」

 

 

「そうか…よく分かったよ…お前たちはここで殺す…」

 

その直後です。突如、音もなくクラハドールの姿が消えました。

 

どれだけ早く動いても無意味ですけどね

 

電探にはクラハドールの反応が正確に映し出されています。

 

反応が近くなったところで私は前世から持ち前の高速力を生かして真下に身体を倒します。

 

刹那、先程まで私の上半身があった場所に爪のように剣が空を切りました。

 

 

「ほう、俺の抜き足を見切るか…面白いじゃねえか、小娘」

 

 

「関心している所悪いですけど貴方の相手は私じゃありません」

 

私は体を元に戻して言います。

 

すると、私のすぐ横から腕が伸びてきてクラハドールを殴ります。

 

 

「お前の相手は姉ちゃんじゃねえ、オレだよバカ執事」

 

 

「そうか…それならまずはお前から切り刻んでやるとしよう…」

 

不意に上半身を垂らし、身体左右に揺らし始めるクラハドール

 

あの人、何か始める気ね...

 

嫌な予感がした私は能力でナミ達を水の壁でドーム状に囲います。

 

 

「!?なんだ?」

 

 

「うお!?なんだこれ?」

 

 

「これなら安心ね、ありがとお姉ちゃん」

 

皆さん驚いていますね。ナミは分かっていたみたいですけど。

 

 

「サンキュー、姉ちゃんこれで思いっきりアイツをぶん殴れる!」

 

ルフィくんの戦い方は凄く場所を取りますからね。こうしないと全力で戦えないでしょう

 

 

「あんな壁で囲ったところでどうせ後で俺に殺されるんだ…無駄なことは止めたらどうだ?」

 

 

「死なねえよ、お前じゃ姉ちゃんは殺せねえしオレだって殺せねえ」

 

 

「ほう、お前みたいな小僧に俺が勝てないというのか?いいだろう…なら試してやる…

杓死(しゃくし)!」

 

瞬間、再度クラハドールの姿が消えました。

 

その直後、私達を追っている水の壁や近くの岩肌に抉れた跡ができました。

 

ルフィくんはクラハドールの位置を捉えようとキョロキョロと辺りを見回します。

 

 

「い、いったい何が起きているの?」

 

 

「は、速すぎて見えねえ…」

 

その間にも戦いは激化していきます。

 

ルフィくんもかなり目で追えるようになってきているようです。

 

すると、電探に新たな反応が...

 

外はクラハドールの杓死で危険地帯です。いったい誰が...

 

 

「どうしてこのタイミングで!」

 

私は急いで水壁から出て艤装を装着します。

 

 

「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!?どこ行くのよ!」

 

即座に付与される艦娘としての能力で杓死を防ぎながら私は進みます。

 

電探の反応はもうすぐそこまで来ています。

 

見えてきた人影に私は急いで能力を発動させます。

 

 

「それ以上来たらいけません!アクア・アーマー・キュリング!」

 

 

「え?これって...」

 

そうしてすぐにその人のもとに駆け寄ると、そのまますぐにその人の手を引き近くの茂みへと隠れます。

 

危なかったですね...もう少しで巻き添いが起きるところでした。

 

そうして私は助けた人の顔を見て驚きました。

 

その助けた人がクラハドールの狙っているカヤさんだったからです。

 

 

「はぁ…はぁ…危なかったです。どうしてこんな所に来たのですか?カヤさん」

 

 

「私、クラハドールに話をつけに来たんです。」

 

話をつけに来た?カヤさんはクラハドールの目的を知っているということでしょうか?

 

 

「そうだったのですね、でも今は出ていってはいけません。見てみると良いでしょう」

 

少しだけ茂みから顔を出して状況を確認するカヤさん。

 

 

「ッッ!?」

 

今のこの地帯が危険であることがよく分かったのでしょう、カヤさんの顔が真っ青です。

 

 

「見てもらえればわかる通り、今の彼に貴女を認識できることはできない状況です。

もし貴女があのままあの場に来ていたら即座に切り捨てられていたでしょう…」

 

 

「そうみたいですね…助けてくださってありがとうございます。」

 

私はそれにニコリとします。すると外から声が聞こえてきました。

 

 

「ゴムゴムのぉ......ッ!!鐘ぇ!!」

 

【ドゴンッ!・・・ドサッ!】

 

どうやら決着がついたみたいですね。

 

 

「もう大丈夫みたいです。カヤさん、行きましょう」

 

 

「え、えぇ…」

 

こうして、シロップ村での激闘は幕を降ろしたのでした。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

あの後、クラハドールは海軍に引き渡し今回の一件はようやく終わりを迎えました。

 

そんなある日、私達が以前の食事処で食事をしているとカヤさんが訪ねて来たんです。

 

 

「ここにいらしたんですね、皆さん」

 

 

「あら、カヤさん病気はもう大丈夫なんですか?」

 

私の問いにカヤさんは頷いて答えます。

 

 

「私のここ一年の病気は両親が亡くなったことによる精神的な気落ちが原因でしたから、ウソップさんにもずいぶん励まされましたし…甘えてばかりはいられません。

皆さんにもずいぶんとお世話になりました。」

 

なので!とカヤさんは続けます。

 

 

「皆さんに私からの心ばかりのプレゼントを用意させていただきました。ぜひ、受け取ってください」

 

 

「プレゼント…ですか?」

 

私達は当然のことをしただけなのに...いいのでしょうか...

 

 

「はい、南の海岸に用意してありますので、ついて来てください」

 

そうして私達はカヤさんに連れられ海岸まで移動しました。

 

海岸に着くとそこには立派な船が着水していました。

 

 

「す、凄い…」

 

 

「これホントに貰っていいのか?」

 

 

「えぇ、ぜひ使ってください」

 

その後、この船をデザインしたメリーさんから船の詳しい説明を聞いて私達が船に乗り込もうとした時でした。

 

 

「ハルナさん」

 

呼ばれて振り向くとカヤさんがこちらに手招きをしていました。

 

私は呼ばれるがままにカヤさんの所まで行きます。

 

 

「どうかしましたか?」

 

 

「いえ、ハルナさんが以前話してくれたお話しって全部実体験のものだったんですね」

 

 

「どうして分かったんですか?」

 

 

「前にハルナさんが私を助けてくれたときに見せたあの姿…お話の艦娘そっくりだったんですもの」

 

あ、あはは...カヤさんは勘が鋭い方みたいですね...。

 

 

「もし、またこの村によることがありましたら、また艦娘のお話し聞かせてください」

 

私はその言葉ににこやかに頷いて答えます。

 

 

「えぇ、ハルナでよければいくらでもお相手しましょう!」

 

私達が話している間になぜか大荷物と一緒に転がってきたウソップさんがルフィくんとゾロさんの足蹴で止められていました。

 

そんなこともあってようやく出向です。

 

出向の直前に...

 

 

「お前らも元気でな!またどっかで会おう!」

 

 

「なんで?」

 

 

「なんでってお前愛想のねえ野郎だな…これから同じ海賊やるってんだから!そのうち海で会ったr…」

 

 

「何言ってんだ、早く乗れよ」

 

 

「・・・へ?」

 

 

「俺達、もう仲間だろ?」

 

 

「・・・・・・き、キャプテンはオレだろうな!」

 

 

「バカ言え!オレがキャプテンだ!」

 

などというやり取りがあり、無事にウソップさん改め

 

ウソップくんが仲間に加わって旅は始まったのでした。




霧島です。

今回は新たな仲間、ウソップくんが新たに加わりましたね

この一味もどんどん賑やかになっていきますね

榛名、そちらの世界での生活存分に楽しんでください!

もしかしたらこちらの者がそちらに行くかもしれませんがその時は宜しくお願いしますね。

それでは


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宝島での再会!鎮守府より来たる新たな仲間!

榛名です。今回は前回のあらすじはありませんが、あの子が登場します!

ヒントは後書きに二も出てきたあの子です!

それでは本編ご覧ください!


side榛名

 

こんにちは、ハルナです。

 

今私達はカヤさんから頂いた船で航海中です。

 

 

「それにしてもお姉ちゃんのソレ、相変わらず凄い速度よね」

 

 

「それにこの船すら引っ張って走れる馬力だ、まったくタダモンじゃねえなお前の姉ちゃん」

 

 

「おまけに水を操る万能能力者と来た!こりゃ!俺達の航海に怖いものなしだな。」

 

上から順にナミ、ゾロさん、ウソップくんが喋っています。

 

そう、三人の話から察することができると思いますが...

 

今、私は艤装をつけ、メリー号を引いて走っているんです。

 

なんだか私ばかり頼りにされているような気がしますけど気の所為でしょうか...。

 

 

「できたー!」

 

今度はルフィくんの声が聞こえてきました。何かを作っていたようです。

 

すると、船の上から何か言い合うような声が聞こえてきました。

 

私は不思議に思いつつも船を引いて走ります。すると...

 

 

「お姉ちゃん!ちょっとこっち来て!」

 

ナミに呼ばれた私は船を引くために繋いでいた鎖を解き、船の上へと上がります。

 

 

「どうかしたの?急に呼ぶなんて」

 

 

「これ見てよ…」

 

そう言ってナミはルフィくんを指さします。

 

それにつられてルフィくんの方を見ると、手には大きな海賊旗!

 

・・・・・に描かれた威厳もへったくれもない落書き。

 

 

「どうだ姉ちゃん!いいだろ?」

 

 

「な、なんですか?この落書き…」

 

 

「酷いでしょ?これが私達のマークなんですって…」

 

 

「さすがにこれは俺も無理だな…。これが死の象徴だなんて言ったら笑われちまう」

 

 

「えー!姉ちゃんも駄目なのか!?ちぇっ!」

 

不貞腐れるルフィくん。あれはどれだけ控えめに見ても駄目ですね...。

 

 

「仕方ねえな!オレに任せときな!」

 

そう言って立ち上がったのはウソップくんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして...

 

 

「よーし!完成だ!どうだ?」

 

描き終えたウソップくんの手には、バンダナをつけた鼻の長い髑髏マークが描かれた海賊旗がありました。

 

それを見たルフィ&ゾロさんは。

 

 

 

『誰がお前の海賊旗を作れって言った・・・』

 

パコンッ!と軽くウソップくんを殴ります。

 

 

「いっててて...冗談だって、ほらコイツだ!」

 

そう言って取り出したもう一つには、麦わら帽子をかぶった髑髏マークが描かれていました。

 

 

「おぉ!スゲエな!気に入った!」

 

 

「へえ?結構うまいじゃない?」

 

 

「これが俺達のマークか…」

 

 

「私は良いと思います。」

 

上からルフィ、ナミ、ゾロさん、そして私の順に思い思いの感想を言います。

 

そして私の順に思い思いの事を言います。

 

 

「よーし!ウソップ、帆にも描いてくれ!」

 

 

「おーう」

 

しばらくして、帆にも海賊旗と同様のマークを描き終えるとルフィくんは言います。

 

 

「よーし!完成!これで海賊船、ゴーイング・メリー号の完成だ!」

 

 

「それじゃ、私はまた船を引きに戻るわね」

 

私が艤装をつけ、海に降りようとした時でした。

 

 

「待って!お姉ちゃん、出来たらあの暗雲の方に行ってほしいの」

 

そう言ってナミは雲が立ち込める方を指します。

 

 

「あの雲の中に?いいけれど、あの中に何かあるの?」

 

 

「あるわ!伝説の宝島が!」

 

それに食いついたのはウソップくんでした。

 

 

「伝説の宝島?聞いたことあるぞ」

 

 

「そう、海賊たちの間では有名なのよ…妙な噂と共にね」

 

 

「妙な噂?」

 

ナミのその言葉にルフィくんは首をかしげます。

 

 

「あの島に近づくものは…神の怒りに触れるって…」

 

神の怒り...あの神様とは別の方なんでしょうか。

 

ともかく宝があるんだったら行ってみるしかないわね!

 

 

「分かったわ、それじゃあの暗雲の海域に向かうわね」

 

そう言って私は艤装をつけて着水しました。

 

更に水流を操り船を持ち上げると、全速力で暗雲の中を突っ切りました。

 

そうしてたどり着いた宝島。

 

 

「いくぞ!!宝島!!」

 

 

「おいおい、本気で行くのかよ…オレ、持病の島に入ってはいけない病が…」

 

 

「大丈夫ですか?それなら船の中で待っていても…」

 

と言いかけた私を遮るようにウソップくんは言います。

 

 

「だ、大丈夫だ!オレは勇敢なる海の戦士キャプテーンウソップさまだからな!

さ、行こう」

 

そそくさとルフィくん達をおって、島へ入って行ってしまいました。

 

・・・なんだったんでしょうか?

 

私も急いで後を追いかけます。

 

 

 

 

 

しばらく歩くと、かすかに声が聞こえてきました。

 

 

「みんな、静かに!今何か声が聞こえたわ」

 

私の言葉に皆は一斉に静かになり耳を澄まします。

 

 

「別に何も聞こえないわよ?聞き間違いじゃないの?」

 

私は首を横に振り、

 

 

「いいえ、確かに聞こえてくるわ…こっちの方から」

 

一人歩き出しました。

 

 

「あ、ちょっとお姉ちゃん!」

 

ナミが呼び止めるのを聞かずに私は声の方向に向かいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

声のする方にしばらく進むと、長い金髪の少女が、箱に入ったたわしのような頭をした男の人を引っ張っている場面に遭遇しました。

 

たわしのような頭をした男の人を引っ張っていました。

 

 

「うーん!うーん!!はぁ、取れないっぽい…」

 

 

「イデデデデッ!だから言ってんだろ!この箱に俺の身体がミラクルフィットしちまって取ろうにも取れねえんだって…」

 

この島の先住民の方でしょうか。

 

私はどうしたのか話を聞こうと近づきます。すると…

 

 

「ん?ぬおっ!?また海賊か!ほれチビ!早く規定の位置につけ!」

 

 

「ぽいっ!」

 

私が姿を現すと、二人は即座に散り散りに別れてしまいました。

 

私がどうしようか悩んでいると。

 

 

「さあ!素敵なパーティーしましょ!」

 

その姿に私は驚愕しました。

 

その少女は、背と手に艤装を着けていたのですから。

 

あの艤装。それに、先ほどのあの口調。まさか…

 

 

「貴女、もしかして夕立ちゃん?」

 

 

「ぽい?確かに私は夕立だけど…。その、なんでその名前を知ってるの?」

 

明らかに警戒されていますね...。仕方ありません。

 

私は瞬間的に艤装を装着します。

 

 

「こうすればわかりますか?」

 

私の艤装を見て驚愕し目を丸くする夕立ちゃん。

 

 

「も、もしかして…榛名さん…なの?」

 

その問いに私はニッコリ笑って答えます。

 

 

「えぇ、高速戦艦、金剛型の三番艦!榛名です。」

 

 

「ホントに…?ホントのホントに榛名さん?」

 

疑り深い子ね...。こんなに慎重な子だったかしら?

 

 

「はい!本物の榛名ですよ?夕立ちゃん」

 

それを聞くと夕立ちゃんの顔がくしゃっとゆがみ、そのすぐ後に、私に抱き着いて来ました。

 

そのすぐ後に、私に抱き着いて来たんです。

 

 

「...っ!!榛名さん!会いだがっだ…!会いだがったぽいよぉ...!」

 

私の服に涙と鼻水でくしゃくしゃの顔を擦り付ける夕立ちゃん。

 

 

「.....」

 

私はその様子を優しく微笑みながら彼女が落ち着くまで、そっと頭を撫でていました。

 

その隣では、いつの間にか来たルフィくんに、たわしの方が頭を引っ張られていました。

 

ルフィくんってば、もう...

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして。

 

 

「落ち着いた?」

 

 

「うん…ごめんなさいっぽい…」

 

ようやく落ち着いた夕立ちゃんが謝ってきました。

 

 

「良いのよ、久しぶりに会えたんですから。でも夕立ちゃんはどうしてここに?」

 

 

「ソイツはオレがこの島で拾って育ててやったんだ。それより、コイツ…どうにかしてくれ!イデデデデッ!」

 

見ると、ルフィくんはいまだにたわしさんを引っ張り続けていました。

 

 

「はぁ…ルフィくん?いい加減に止めなさい」

 

少し声を低めに私は言います。

 

 

「は、はい!すいません!」

 

それを聞いて即座に離れるルフィくん。その様子を他の方々が唖然としてみています。

 

 

「あ、あのルフィが言う事を聞いた?信じられねえ…」

 

 

「お姉ちゃん、ルフィの扱い上手過ぎじゃないかしら?」

 

 

「怖えぇぇ!!」

 

 

「流石は鎮守府の裏提督…威圧感が凄いっぽい…」

 

皆が思い思いの事を口走っていますが気にしません。

 

ルフィくんが離れたことを確認した私は妖精さんを複数呼び出します。

 

 

『(`・ω・´)ノグッ!』

 

妖精さんがこちらを見てサムズアップします。

 

その様子を見て私は夕立ちゃんにも声をかけます。

 

 

「夕立ちゃん、あなたの妖精さんも出してもらえる?」

 

 

「?分かったわ」

 

そう言って妖精さんを複数呼び出す夕立ちゃん。

 

 

『(`・ω・´)ノグッ!』

 

その妖精さん達の様子を見て私は妖精さんたち全員に声をかけます。

 

 

「今からあなた達にはあの人の箱を解体してほしいんです。出来ますか?」

 

 

『(`・ω・´)ノグッ!!!』

 

任せろ!と言わんばかりの力強い仕草に私は微笑み、言います。

 

 

「では、お願いしますね」

 

すると妖精さん達は何処から取り出したのか、ハンマーや鋸と言った数々の工具を手に、

 

たわしさんの箱を解体していきます。

 

その素早い作業によってものの十分で妖精さん達は箱の解体を終わらせてしまいました。

 

流石に早いですね。解体はお手の物と言うことなんでしょうか。

 

 

たわしさんは自身の身体を見て驚愕しています。

 

 

「お、おぉぉぉぉ...!箱が…箱が壊れたぞぉぉぉ!!って痛てててっ!!

ずっと動かしていなかったから上手く動かねえ…おい、娘、頼む!ちょいとほぐしてくれ」

 

 

「はぁ?なんで私が「ナミ?」はい、やらせていただきます...。」

 

私は一つ頷き、夕立ちゃんを見る。

 

 

「そう言えば夕立ちゃん。ちょっと聞きたいことがあるんですけど、少しいいですか?」

 

 

「え?わたしに?いいよ」

 

 

「それじゃあ、少し向こうに…ナミ、ちゃんとやっておくのよ?」

 

それだけ言うと私は夕立ちゃんを連れ、その場を後にしました。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「ここらでいいでしょう」

 

私は適当な場所に腰を下ろします。

 

 

「それで、私に話って、なあに?」

 

 

「それはですね、あなたがどうやってこの世界に来たのかを聞きたいんです。」

 

 

「私がこっちに来た時?」

 

私はこくりと頷きます。

 

 

「はい、私は以前ここに来る前に神様という方にお会いしているんです。」

 

 

「そ、それって轟沈した後にってことっぽい?」

 

 

「え?あぁ、確かそうでしたね、轟沈した直後でした。」

 

 

「そうなんだ…私も同じだよ、敵戦艦の弾を受けちゃって…」

 

 

「その時に何か貰いませんでしたか?」

 

 

「え?あ、貰ったっぽい、なんだか変わった色の果実」

 

そう言って懐からその果実を取り出す夕立ちゃん

 

 

「それはもう食べましたか?」

 

夕立ちゃんは首を横に振ります。

 

 

「ううん、まだっぽい…ガイモンのおじさんにきいたら『そんな気味の悪い色の果実なんか食うんじゃねえ』って言われたっぽい」

 

 

「そうでしたか、それなら食べた方がいいです。それは悪魔の実と言って、

食べるとその人物にとても強力な力を分け与えてくれる物なんです。」

 

 

「悪魔の実!?これってそんなすごいものだったの!?今すぐ食べるっぽい!」

 

いきなり果実に齧り付く夕立ちゃん。でもすぐに...

 

 

「!?う゛っ!なにこれぇ…ものすごくマズイっぽいぃ…」

 

 

「それをなんとか全部食べ切らないと力は手に入りませんよ?頑張ってください!」

 

 

「うぅ…頑張る…」

 

その後夕立ちゃんは、もう自棄になったみたいに悪魔の実を平らげました。

 

 

「うえぇ…吐きそう…」

 

 

「吐いたらだめですよ?はい、お水です。」

 

私は近くの海水を変異させた飲み水を夕立ちゃんに渡します。

 

 

「ありがとー…ンクッンクッ!ハァ~なんとかなったっぽい…」

 

 

「それはよかったです。」

 

 

「そう言えば榛名さんもあのマズイ果実を食べたの?」

 

 

「えぇ、私も食べましたよ」

 

 

「ど、どんな能力だった?」

 

 

「私のは水を操る能力でしたね。さっきのお水も能力によるものですよ」

 

私のその言葉に夕立ちゃんは目を丸くします。

 

 

「え!?あれって能力だったの!?私のはどんな能力っぽい?」

 

 

「よくわかりませんね、きっとその内に分かってくると思いますよ」

 

 

「そっか、そうだよね!」

 

 

「はい、それじゃあそろそろ皆さんの所に戻りましょう」

 

 

「分かったっぽい!」

 

 

「あ、戻る前に一つ、言い忘れていました。悪魔の実の能力者になると泳げなくなりますから、海に入るときは必ず艤装を着けていてくださいね?」

 

 

「はーい」

 

それだけ伝えると、私達はルフィくん達の所に戻りました。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「ただいま戻りました。」

 

 

「ただいまっぽい!」

 

戻ってみるとガイモン?さんがみんなに何か話をしていた所だったみたいです。

 

 

「おぉ!姉ちゃん達お帰り!今からそっちの金髪について話すとこだってよ」

 

 

「夕立ちゃんの?」

 

私達はルフィ君の近くに腰を下ろします。

 

 

「みんな揃ったな?そんじゃいくぞ?

話をしよう…あれは今から十八年前…」

 

 

『オレがこの島に来て二年目くらいの話だ。

海岸にボートが見えたもんで俺は急いで海岸へ向かった。

それでボートの中をのぞいてみたら、すやすやと眠る赤ん坊が一人いたんだ。」

 

 

「近くに両親らしき人影はなかった。赤ん坊一人を放っておくわけにもいかず、オレは赤ん坊の面倒を見ることにしたんだ。」

 

 

「その赤ん坊は不思議な奴でよ、夜泣きどころか泣くことさえあまりなかった。

しかも俺の言うことに的確に相槌のような仕草をとるもんだから、

オレは驚きっぱなしだったぜ」

 

 

「それからは森の動物たちと協力しながらその赤ん坊の世話をしたよ。

あやしたり、飯をやったり、勉強させたり…」

 

 

「最初はこんなチイコイガキンチョだったのに、いつの間にかこんな成長しやがってよ…。

身体だけはいっちょまえにデカくなりやがった…」

 

 

 

「というのがお前だ、チビ」

 

 

「むーっ!わたしもうチビじゃないっぽい!」

 

チビと言われてむくれる夕立ちゃん。

 

 

「オレからいわせりゃまだまだチビだよ。」

 

ツーンと顔を背ける夕立ちゃん。それを遮るようにルフィくんが話し出します。

 

 

「とにかくだ、たわしのおっさんはその宝を守ってたんだろ?ならそのお宝、オレが持ってきてやるよ」

 

 

「ほ、本当か!?」

 

 

「い、いいの!?」

 

ルフィくんの言葉に驚いている二人。

 

 

「あぁ、おっさんがずっと守ってきたモンなんだ。俺達がどうこうすることじゃねえ」

 

 

「!!ありがとう...!」

 

そうして私達はその宝が眠っている場所へと向かいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここっぽい。お宝がある崖は」

 

 

「ぽいなのか?」

 

 

「あ、それはこの子の口癖みたいなものですから気にしないであげて」

 

私は慌ててフォローを入れます。

 

 

「そっか、んじゃあいってくらぁ!ゴムゴムのぉ…!」

 

両腕を伸ばし、崖の上に手をかけるルフィくん。

 

 

「ロケットォ!!」

 

そのまま一気に崖を飛びあがりました。

 

ルフィくんは崖の上に着地するとその奥に消えていきます。

 

 

「どうだ?あったか!」

 

しかし返事は帰ってきません。

 

 

「何やってんだ?アイツ」

 

 

「ルフィ!」

 

 

「おーい!ルフィ!」

 

 

「どうしたの?いったい!」

 

 

「早く教えてっぽい!」

 

みんなが大声で叫びます。

 

すると崖の上に宝箱を抱えたルフィくんの姿が。

 

 

「あったぞ!宝箱五個!」

 

 

「で、でかした!アハハハハ...!

ついに手に入れた!宝だ宝だ!

ここへ落としてくれ!俺の、いや、俺達の宝を!早く早く!」

 

しかしルフィくんはニヤリと口許をゆがめてそれを拒否しました。

 

 

「いやだ」

 

 

「なにっ!?」

 

 

「いやだね、渡したくねえ」

 

その言葉に皆は叫びます。

 

 

「なにバカなこと言ってんのよ!冗談はやめて!」

 

 

「そうだ!その宝はガイモンさんの物だぞ!落とせ全部!」

 

しかしルフィくんは宝箱を落としません。返事もしないで黙ったままです。

 

 

「なんで黙ってるの!早く落としなさいよ!撃ち落されたいのっぽい!」

 

 

「......」

 

 

「アンタ!いい加減にしなさいよ!お姉ちゃんも何か言ってあげて!」

 

私はその言葉に首を横に振ります。

 

 

「なんで!「いいんだ...」え?」

 

 

「もういい…」

 

 

「なんで?おじさん」

 

 

「いい訳ないじゃない!」

 

 

「そうだぜ!ガイモンさんが二十年も守り続けた宝だぜ?」

 

ガイモンさんは目に涙をためて言います。

 

 

「麦わら、お前は…いい奴だなぁ…」

 

 

「どういうこと?」

 

訳が分からないといった顔でナミは聞きます。

 

 

「薄々勘付いてたんだ。なるべく考えないようにしてたんだが…。

無いんだろ?中身が…」

 

 

「え?」

 

 

「なにっ?」

 

 

「え?ウソ…それホントっぽい?麦わらのお兄ちゃん!」

 

 

「...あぁ、全部空っぽだ」

 

やっぱり。そんな事じゃないかと思っていたんです。電探には箱の反応はあっても中身の反応はありませんでしたから...。

 

 

「そんな…二十年も守り続けていた宝が全部空箱だなんて…」

 

 

「宝地図が存在する宝にはよくあることなんだ…

行ってみると宝はもう盗まれた後。

それだけ宝探しは海賊にとって試練だってことさ。

一生待とうが、命を落とそうが、宝に手が届かねえ

そんな海賊は腐るほどいる…」

 

 

「おじさん…」

 

 

「ハッハハハハハ!まあクヨクヨすんなよおっさん!

二十年で俺達が来てよかったよ、後三十年遅かったら死んでたかもな!」

 

 

「その時は私がその崖を登ってたっぽい!」

 

 

「麦わら…チビ…」

 

 

「これだけバカ見ちまったらもう後はワンピースしかねえだろ!俺達と一緒にもう一回海賊やろうぜ!」

 

 

「あの…それって私も一緒に行っていいっぽい?」

 

おずおずと手をあげる夕立ちゃん。

 

 

「あぁ、もちろんだ!お前、姉ちゃんと似たような力持ってんだろ?面白いじゃん」

 

 

「おぉぉ…おまえ、俺達を誘ってくれるのか?うぅぅ…この面を見て俺と話そうなんていう奴いなかったのに…。人を信じたのは何年ぶりだろう?……ありがとうよ…」

 

そして、時間が流れました。

 

 

 

 

「ホントにこの島に残んのか?おっさんにチビスケ」

 

 

「うん、だっておじさん一人だと心配っぽいし」

 

 

「余計なお世話だ。

あぁ、麦わら…。宝は無くなっても、オレにはまだ守りたいものがあるんだ」

 

そう言うとガイモンさんの後ろにぞろぞろと奇妙な動物たちが現れたのです。

 

 

「こいつらと二十年、つらいこともうれしいことも分け合った。離れるわけにはいかねえさ」

 

ベロベロと動物たちに舐められるガイモンさん。少し、微笑ましいですね。

 

 

「宝が無いとわかってオレは初めて自由になれた気がするよ。

これからは本当に自分らしい人生を送れそうだ」

 

 

「そっか、残念だ。おっさん達面白いのに」

 

 

「珍獣が真の仲間か」

 

 

「まあおっさんが一番珍獣だったけどな」

 

 

「なんだと!!」

 

 

『アハハハハハハ!!』

 

 

「榛名さん、生きてまた会えたこと、すごくうれしかったっぽい。これから大変だろうけど頑張ってね」

 

 

「えぇ、夕立ちゃんも箱なんかに詰まらないでくださいね?」

 

 

「分かってるわ!」

 

 

「じゃーなー!!」

 

こうして私達はまた海へと出たのでした。

 

 

side out

 

 

 

 

side夕立

 

榛名さんたちを見送って少し経った。

 

 

「なんでおめえはいかなかったんだ?チビ」

 

 

「なんでって、おじさんが一人だと心配だからっぽい」

 

フンッと鼻を鳴らすおじさん。

 

 

「オレは子供が一番嫌いなんだよ!正直言ってなあ!お前は俺のお荷物なんだよ!

オレにも動物たちにとっても!」

 

その言葉に同調するかのように唸り始める動物さん達。

 

 

「な、なによ!今まであんなに可愛がってあげたのに!分かったわよ!もう良いこんな島!こっちから出ていってやるっぽいし!」

 

私は艤装を着けて勢いよく海へと飛び出したっぽい。

 

 

「ヘンッ!麦わらの船がまだ遠くに行ってねえだろうからさっさと追いつくこったな!沈まねえことを祈っててやるさ」

 

 

「っっ!!このクソジジイっぽい!!」

 

私は全速力で麦わらのお兄ちゃんの船を追いかけたの。

 

しばらく走るったら、船が見えてきたっぽい。

 

 

「見つけた!おーい!ちょっと―、止まってっぽーい!」

 

私は急いで声をかける。

 

すると、こちらに気づいてくれたのか、船のスピードを落としてくれた。

 

なんとか船まで近づくと、船から梯子が降りてきた。

 

私は艤装を外し、船に上がっていく。

 

 

「どうしたの?急に追っかけてくるなんて…」

 

 

「おっさんと喧嘩でもしたか?」

 

 

「あはは…私、邪魔だって追い出されちゃったっぽい…さっき残るって言っておいて言いづらいんだけど…私も一緒に行っていい?」

 

私は恐る恐るみんなの顔色を窺う。

 

 

「あぁ、いいぞ」

 

 

「これでまた一段と賑やかになるな」

 

 

「楽しくなりそうね!」

 

 

「よーし!ここは一丁、宴でも開くか!」

 

 

「夕立ちゃん…」

 

お兄ちゃん達はオッケーしてくれたけど、榛名さんが難しい顔してる…。

 

やっぱり駄目なのかな?

 

 

「...やっぱり駄目っぽい?」

 

すると榛名さんは首を横に振って...微笑んだ。

 

 

「ようこそ麦わら一味へ、歓迎するわ夕立ちゃん」

 

その言葉に胸の奥が熱くなった。

 

 

「うん!これからよろしくっぽい!」

 

私はそう言ってから島の方を見る。

 

きっと誰もいないよね...。

 

だってみんな、私の事嫌いだったんだから。

 

でも、それは違った。

 

おじさんや動物さん達はまだ海岸にいたの。

 

顔をくしゃくしゃにしながら手を振ってくれたいた。

 

 

「~~っっ!!みんな~!!行ってくるっぽーい!」

 

すると声が帰ってきたっぽい!

 

 

「気をつけろよ~!!!体には十分に気を付けるんだぞ~!!!」

 

私も声が届くように声を張り上げる。

 

 

「分かってる~!!!行ってきまーす!お父さーん!!」

 

こうして私は海賊として海に出ることになったっぽい!

 

 

 

 




こんばんは時雨だよ

まさか夕立までそっちの世界にいたなんて、驚いちゃった。

でも夕立も元気そうでよかった。そっちの人達に迷惑かけちゃ駄目だよ?

それじゃあね


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海上のコックを探せ!向かうはレストランバラティエ!

前回までのあらすじです!

妙な噂をもつ伝説の宝島へと上陸した麦わら一味。

しかし、そこで待ち構えていたのは箱にハマッてしまった人間、ガイモンと前世での戦友である夕立の姿があった。

ガイモンはこの島に眠るお宝を守りながら捨て子である夕立を拾い動物達と協力しながら育て上げたそうです。

宝が無い事を知ったガイモンは夕立を海へと旅立たせたのでした。


side榛名

 

こんにちは、ハルナです。

 

今、私達は今後の方針を決めるために会議を開いています。

 

 

「これは教訓ね…」

 

 

「あぁ、長い船旅にはこんな落とし穴もあるってことか」

 

何故…こんなことになっているかを説明しますと…。

 

これは今朝がたのこと…。

 

ルフィくんが大砲の練習をするといって船に積んであった大砲を引っ張り出してきて撃っていたんです。

 

それが中々的(この場合は的になった島ですね…。)に命中しないのを見かねたウソップくんが変わりに撃ちました。

 

砲弾は見事的に命中…したのですが、そのすぐ後、船に何者かが乗り込んできたんです。

 

幸い、ルフィくんがすぐに無力化してくれたので船に大事はありませんでしたが、その人の連れている方が問題でした…。

 

その人は壊血病の病人だったのです。

 

それに気づいたナミがすぐにルフィくんとウソップくんに指示を出し、その人にライムを食べさせてなんとかその場は落ち着きましたが、

 

ライムを食べたとたんに元気になった連れの人…ヨサクさんはいきなり元気になって走り回り始めたんです。

 

でも、そのすぐあとにまた倒れてしまって今は船の寝台で休んでいます。

 

そして、話は最初のナミとゾロさんの会話に戻る訳です。

 

 

「よく考えたら、必要な能力って訳ね…。

そういうのはお姉ちゃんがやっていたから気にしたことなかったけど…」

 

ええ、いつもみんなが元気でいられるように全力で腕を振るっていますから!

 

 

「確かに姉ちゃんの飯はうまいもんな。でも、必要な能力ねぇ…。よし!海のコックさんだ!海のコックを探しにいこう!」

 

ルフィくんが突然そんなことを言い出して、みんなが唖然としています。

 

 

「そうか!そうすりゃ、船でも上手いもんが食えるって訳だ!」

 

 

「そー言うわけ!」

 

 

「ちょ、ちょっと!アンタ達…」

 

その言葉に私は少し声のトーンを落として声をかけます。

 

ナミが慌てていますがもう遅いです。

 

 

「お二人とも、すこーし、いいかしら?」

 

 

『ん?…!?』

 

私の方へ振り向いた二人は、一瞬で顔を青く染めます。

 

 

「今の言葉…どうにも私の料理は美味しくない…みたいに聞こえたのだけど?」

 

その言葉に二人は慌てて首を振ります。

 

 

「ち、ちちちげえって!姉ちゃんの料理が不味いんじゃねえって…」

 

 

「そそそそうだぜ!たたただ、オレはハルナの負担が減るかなって思って…」

 

 

「…………」

 

二人の言葉に私は無言で見つめます。

 

 

『す、すいませんでしたーーっ!!』

 

勢いよく土下座する二人。

 

 

「はぁ、ホントにバカなんだから…」

 

 

「ははは…(怖ぇ…ハルナはあまり怒らせねえようにしねえと)」

 

 

「ガダガダガタガタガタ…」

 

呆れるナミに真っ青な顔で苦笑するゾロさん、それにガタガタ震えているジョニーさんを横目に、私はずっと二人に圧を掛けていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして、ようやく場の空気が落ち着いたところでジョニーさんが口を開きました。

 

 

「コックを探すって言うんなら、うってつけの場所がありますぜ?姐さん」

 

その言葉に私は鋭くジョニーさんを睨みます。

 

私の料理は美味しくないのか?という意味合いを込めて。

 

 

「べ、別に姐さんの料理が駄目って言うわけじゃありやせん!ただ、麦わらのアニキが言っていた提案にうってつけの場所があるって教えるだけなんですから…」

 

そう言われて私は睨むのを止める。

 

 

「そ、それってどこにあるんだ?」

 

恐る恐る顔をあげたルフィくんがジョニーさんに聞きます。

 

 

「しかし、そこはもうグランドライン…偉大なる海の近く、アニキがずっと探していた鷹の目の噂を聞くところ」

 

すると、ゾロさんがピクリと反応しました。

 

 

「進路は…北北東!目指すは海上レストラン!バラティエ!」

 

 

『おぉ~!!』

 

これは確かにスゴいです…。まさかこんな場所があるなんて…知りませんでした。

 

 

「どうっすか?皆さん!」

 

 

「おぉー!デッケえ魚!」

 

 

「素敵じゃない!」

 

 

「ファンキーだな!おい!」

 

 

「スゴーイ!これがレストランっぽい?」

 

 

「レストランというよりは…魚…ですね」

 

と、ここから少しだけ長くなりますので説明口調にしますね。

 

 

そんな風に海上レストランを見て驚く私達のもとに一隻の海軍の軍艦が寄ってきました。

 

その船には、海軍大尉のフルボディと言う方が乗っていらっしゃいました。

 

大尉は部下にこの船を沈めるよう命令して、自身は連れている女性と船を降りていきました。

 

大尉の指示によって砲門をこちらへ向けた海兵は、導火線に火を点け、大砲を撃ってきました。

 

私が水の壁をつくって防ごうとしましたが、それを制止してルフィくんが自身の身体で受け止めました。が、身体を支えるために掴まっていた手が外れてしまい、受けた砲弾はあらぬ方向へと飛んでいくと…

 

 

【ドッゴォォォォン!!】

 

見事に海上レストランの屋根に着弾しました。

 

 

「やっちゃったっぽい…」

 

辺りには夕立ちゃんの呟きだけが木霊していました…。

 

 

sideout

 

 

side夕立

 

あの後、すぐにコック服の人たちがきてルフィを連れて行っちゃったっぽい。

 

心配だから私も着いていったんだけど…

 

そこに居たのは、伸ばした髭?を三つ編みにしている恐そうなお爺さんだったの…。

 

 

「店の屋根の修理代にワシの治療費…おめえこの件は高く付くぞ…」

 

 

「別に、まけてくれなんて言わねえさ…でも、金はない!」

 

ガクッ!ルフィ、それは威張って言うことじゃないっぽい…。

 

 

「へっ!きっぱり言いやがるぜ…んで、そっちの小娘はいったい何の用だ?」

 

いきなり私の方に話を振らないでほしいっぽいけど…。

 

 

「別に…私はルフィが、心配だからついてきただけっぽい」

 

 

「ぽいだと…?」

 

 

「あぁ、コイツのこれは気にしないでくれ、姉ちゃんが言うにゃただの口癖らしいんだ」

 

私の語尾に引っ掛かりを覚えたのか、聞き返してくるオーナーさんにルフィくんが助け船を出してくれる。

 

 

「ハッ!それが口癖か、面白い事言いやがるぜ。

まあ、金がねえんじゃ、働くしかねえな」

 

 

「あぁ、ちゃんと償うよ」

 

軽いっぽいね…ルフィ、ちゃんと分かってるっぽい?

 

 

「1年雑用タダ働き…」

 

 

「え?」

 

 

「あぁ、1年タダ働き!…って!一年て、1年かーー!?」

 

やっぱり、こういうことになるっぽいのね…。

 

 

「あの…それ、私も手伝うから…もう少し短くすることは出来ないっぽい?」

 

流石に一年も待っていられないっぽいしね…。

 

私の言葉にオーナーさんが目を丸くしてから答える。

 

 

「そうだな、おめえがソイツの倍以上頑張るってんなら一月にまけてやってもいい…」

 

 

「ホント!やる!やるから一月にして!お願い!」

 

 

「ユウダチ、お前…って!ち、ちょっと待ってくれよ!

1ヶ月でもイヤだぞ!オレは!」

 

イヤだってルフィ…これ以上言ったら…

 

 

「キッチリ…一月…働け!」

 

鋭い蹴りがルフィに飛ぶ。

 

やっぱり…

 

そこから先は、ただの意地の張り合いだったので、

 

私は巻き込まれないように外で待っていたっぽい。

 

sideout

 

 

side榛名

 

ルフィくんが連れていかれてから少しした頃のことです。

 

 

「腹も減ってきたし、中で飯でも食おうぜ」

 

 

「そうね、いつまでもルフィを待ってらんないわ。行きましょ、お姉ちゃん」

 

 

「え、えぇ…そうね」

 

大丈夫でしょうか…夕立ちゃん…。

 

 

 

 

 

中に入ると、先程の大尉が黒い服に身を包んだ男の人に首を絞められていました。

 

 

「これって…」

 

 

「な、なんだ?」

 

 

「喧嘩か?」

 

 

「酷いですね…いったい何が…」

 

すると、レストランの天井が崩れて人が降ってきました。

 

 

「はぁー!ビックリした。」

 

 

「大丈夫っぽい~?」

 

上から声が聞こえてきますね…。

 

見上げると空いた天井から夕立ちゃんが顔を覗かせていました。

 

 

「夕立ちゃん?ということは…」

 

穴から下に視線を移すと…。

 

 

「よぉ!」

 

やっぱりルフィくんでした。

 

 

「クソッ!なんてこった!俺のレストランの天井を」

 

そう言って崩れた天井を見上げるお爺さん。

 

 

「てめえのせいだ!」

 

 

「おっさんが壊したんだろ!」

 

二人で言い合いを始めてしまいました。

 

…これ、もう倒れてもいいですか?

 

【フラッ】

 

 

「おっとと…大丈夫?お姉ちゃん」

 

ナミに支えられてしまいました…。情けないですね。

 

 

「ごめんなさい、ちょっと頭痛が…」

 

主にルフィくんのせいで…

 

お姉様方…霧島…助けて……。

 

こうして、騒がしい一日は過ぎていったのでした。

 

 

 

 

 




ども!青葉です!

榛名さんと夕立ちゃんが別の世界で生きていると言う情報を聞いてきちゃいました!

さてさて、次回は…と、なになに?

海上レストランで働くことになった夕立とルフィ、
だが、そこに東の海最強と言われる海賊団の一人が現れる

一方榛名達はジョニー達からある情報を聞いて…

次回は!

さようなら、みんな…ナミとハルナまさかの離脱!

だそうです。絶対に見てくださいね!

ではでは!


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さようなら、みんな…ナミとハルナまさかの離脱!

前回までのあらすじです!

道中で出会ったヨサクさんとジョニーさんの一件でコックを探すことになった麦わらの一味。

コックを探すために二人の案内のもとバラティエへとやって来た私達

しかし絡んできた海軍の流れ弾でお店のオーナーに大けがを負わせてしまいました。

償うためにルフィくんと夕立ちゃんは雑用として働くことになります。

これからどうなってしまうのかしら?


side夕立

 

ヤッホー!夕立だよ。

 

今私とルフィはレストランで働いてるんだけど、前回から少し時間が経っているっぽい。

 

だから、私が超がつくほど簡潔にまとめて説明するっぽい。

 

 

・大尉が捕えていたクリーク海賊団の一人が脱走してレストランにやって来た。

 

・パティさんがその海賊をぼこぼこにしてお店の外に放り投げたっぽい。

 

・副料理長さんが料理をその海賊に食べさせて逃がした。

 

・ルフィが副料理長さんに目をつけて、仲間にしようとスカウト中っぽい。

 

 

というのが今に至るまでに起きた出来事っぽい。

 

それで今は...

 

 

「新入り!料理上がったから持っていけ!」

 

 

「はーい!」

 

 

「あ、ウエイトレスさん、ちょっといい?」

 

 

「あ、は-い!今行きますー!」

 

もう、目が回るっぽい~...

 

とりあえず料理運ばなくちゃ。

 

 

「おまたせしました。お料理になります。」

 

 

「ありがとう」

 

 

「ごゆっくり~」

 

は、早く終わって~!!

 

その間ルフィは...。

 

【ガシャーン!ガシャーン!】

 

 

『お前は何枚皿を割ったら気が済むんだ!』

 

怒られてるっぽい...。

 

と思ったら厨房から摘み出されたみたい。

 

ルフィに注文なんかさせて大丈夫っぽい?

 

 

「ウエイトレスさーん!」

 

あ、呼ばれたっぽい。

 

 

「はーい!」

 

注文を聞いてキッチンにお願いしてから私はまたルフィの様子を見る。

 

あ、お客さんに絡まれてるっぽい...。

 

いったいなにしたっぽい?

 

物を運びながらそれとなく見てみる。

 

なんだ、榛名さん達だったっぽい。

 

 

「お待たせしましたー」

 

 

「あぁ、ありがとうねウエイトレスさん」

 

 

「いえいえ、ごゆっくりどうぞ~」

 

あ、ゾロに何かされてる...。何したの?いったい。

 

皆を観察してたら急にやってきた副料理長さんに、私はどこかに連れ込まれてしまったっぽい。

 

 

「なあ、新人ちゃん。あの席に座っているお姉さんたちはいったい誰なんだ!」

 

鬼気迫る顔で詰め寄って来て怖いっぽい...

 

 

「えっと...ハルナさんとナミの事っぽい?」

 

 

「そうそう、ナミさんにハル…ナ?おい!それは本当か!」

 

ガクガクと私の肩を揺らす副料理長さん。

 

 

「ゆ、揺らさないでっぽい~...」

 

 

「あ、悪い...」

 

そう言って手を離してくれる副料理長さん。

 

あー...頭がくらくらするっぽい...。

 

いつの間にか副料理長さん、榛名さんのとこに行っているし...。

 

もういいや、とにかく仕事するっぽい!

 

私はホールに戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらく時間が経って。

 

 

「はぁ~...ようやく終わったっぽい」

 

 

「おう、お疲れさん。よく頑張ってたな新人ちゃん」

 

副料理長さんが声をかけてくる。

 

 

「ありがとっぽい...疲れた~...」

 

 

「ははは、まあ新人にはかなりキツいだろうな。まあ俺も出来る限り助けてやるから頑張ってくれよ」

 

 

「はーい...」

 

早く慣れないと死んじゃうっぽいよぉ... 

 

 

「あぁ、そうだ。新人ちゃん、ちょっと頼まれてほしいことがあるんだけど」

 

 

「え?」

 

 

「お前のとこの船にハルナって人いるだろ?ほら、昼間に食いに来てた...」

 

 

「あぁ、うん、分かるっぽい」

 

 

「その人をちょっと連れてきてほしいんだ。オーナーと三人で話があるから」

 

榛名さん、なにかしたっぽい?

 

その言葉に私は頷いて船に戻っていった。

 

 

sideout

 

 

 

side榛名

 

 

私は甲板で空を見上げていました。

 

ルフィくんに夕立ちゃん...大丈夫でしょうか。

 

何か問題を起こしてないと良いんですけど...。

 

すると、背後から声がかけられました。

 

 

「榛名さん、ここにいたっぽい?」

 

その声に振り向くと、そこに夕立ちゃんがいました。

 

 

「夕立ちゃんじゃない、どうしかたの?」

 

 

「えっと、副料理長さんとオーナーさんが、榛名さんを呼んでるっぽい」

 

その言葉に私は疑問を覚えました。

 

ルフィくんでも夕立ちゃんでもなく私...?

 

 

「分かったわ。行ってみるわね」

 

私は夕立ちゃんと別れ、オーナーさんの部屋に向かいました。

 

 

 

 

 

 

言われた通りオーナーさんの部屋に来て、私が呼ばれた理由がわかりました。

 

 

「久しぶりだな、娘」

 

 

「えぇ、十年ぶりですね。ゼフさん」

 

 

「ほう、よく一発で分かったな...」

 

シルエットが特徴的ですからね。

 

 

「貴方のそのお髭を見れば直ぐに分かります。そられてしまっていたら分からなかったかもしれませんけど」

 

 

「へっ!きっぱり言いやがって。でも、おめえ、随分成長したな」

 

 

「十年ですからね、私だって成長しますから...」

 

 

「時が経つのは早えもんだ...」

 

 

「えぇ、本当に...」

 

と、そこで私はサンジくんを見て言う。

 

 

「それにしてもサンジくん、大きくなったわね。前に見た時はこぉんな小さかったのに...」

 

 

「それは姉さんも同じだろ?あの頃から綺麗だったのにまた一段と美しくなりやがって...」

 

あら、殺し文句言われちゃいました。

 

 

「そんなことが言えるようになるなんて嬉しいわ...。お礼に御褒美あげますね。」

 

私はそっとサンジくんに近づいてぎゅっと抱きしめます。

 

 

「なっ!?い、いきなり何すんだ!」

 

慌てふためいてるサンジくんを他所に私は別の事を考えていました。

 

もうこれが、最後の再会になるのでしょう...。と

 

その後はゼフさんやサンジくんと雑談をしてその日は終わりました。

 

 

 

 

 

船に戻ると甲板にナミがいました。

 

 

「あ、お姉ちゃん、帰って来たんだ...」

 

 

「えぇ。どうかしたの?暗い顔して...」

 

いつもと様子がおかしいです。これは何かありましたね...。

 

 

「アーロンがね、また暴れ出したらしいの...。ここ最近は大人しかったのに」

 

 

「え?!アーロンが?」

 

予想だにしていなかったもので、驚いてしまいました。

 

 

「そう...もうそろそろ潮時かもしれないわね」

 

こくりと頷くナミ。

 

 

「ナミ。辛いかもしれないけど、出ていく準備だけはしておいてね」

 

 

「うん...わかってる」

 

もう楽しい時間は終わりなんですね...。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

翌晩のこと。

 

 

私はまた、甲板から空を眺めていました。すると...。

 

 

「お嬢さん、そんなとこにいないでこっちで一杯どうだい?」

 

見ると、サンジくんが向こうの船から声をかけてくれていました。

 

私は船を移り、サンジくんの元へと行きました。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・何か悩み事か?」

 

 

「え?」

 

急にサンジくんがそんなことを聞いてきて私は驚きます。

 

 

「どうしてそう思うの?」

 

 

「悩みでもなきゃそんな泣きそうな顔はしねえだろ?」

 

 

「え!嘘っ!?」

 

私は急いで顔を隠します。

 

サンジくんは特に気にすることなく話し続けます。

 

 

「一人で抱え込むのはご立派だけどよ、辛いんなら誰かを頼ってもいいんじゃねえか?」

 

 

「い、いったい何を言っているの?」

 

 

「強がんなくても良い。今だけは泣いてもいいと思うぜ?」

 

それを聞いて私はもはや自身の感情が抑えきれなくなってしまいました。

 

 

「うぅ...グスッ...」

 

 

「俺に話してみろよ...。何か協力できることもあるかもしれねえ」

 

私は聞く姿勢をとったサンジ君の腕の中で、泣きながらポツリポツリと話しました。

 

その間サンジくんは黙って聞いてくれていました。

 

その顔が憤怒に歪んでいたことを知らずに...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると、そこは知らない部屋でした。

 

 

「ここは...」

 

私は確か、サンジくんと飲んでいて...

 

そこまで思い出して、私は顔が熱くなるのを感じました。

 

どうしてあんなことを...

 

悶々と悔やんでいると、机の上に書置きがあるのを見つけました。

 

 

「書置き?」

 

私はそれを手に取って読みます。

 

 

『俺は先に仕事に行ってるから、起きたら店に降りてきてくれ。

何か飯作るから...』

 

その後に書いてあることを読んで、私は驚愕しました。

 

 

『寝顔、とても可愛かったぜ』

 

年下の胸を借りて泣いて、泣き疲れて眠っちゃったなんて...

 

凄く恥ずかしいですね...。

 

私は顔の熱が引くのを待ってから部屋を出てお店に降りていきました。

 

お店に降りると、中では騒ぎのようなものが起こっていました。

 

騒ぎの中心を見てみると、そこにはあの男が居たのです。

 

どうしてあの男がこの船に...?

 

その男はサンジさんが作ったであろうご飯を素手で食べていました。

 

ですが、ご飯を食べ終えて態度が一変したのです。

 

食べ終えた右手が振りかぶられるのを見た私は、即座に能力を発動させました。

 

 

「させません!アクア・ボール!ウォータースネーク!」

 

すると水の蛇がその男に絡みつき動きを拘束しました。

 

 

「やはりそう来ましたか。海賊艦隊提督、首領・クリーク」

 

クリークが私の方を睨みつけます。

 

 

「くっ!こんな物!すぐに破壊して...!なっ!外れん!!」

 

クリークは水蛇の拘束を取ろうともがきますが、それは無駄なあがきです。

 

 

「無駄です。貴方程度の力ではその拘束は解けませんよ」

 

さて、どうしましょうか...。

 

 

「首領・クリーク。あなたは東の海最強の海賊と言われていますが、私は全くそうは思いません」

 

 

「なんだとぉっ!!」

 

 

「さらに言えばあなたが提督などと呼ばれること自体がおこがましいです。

貴方は海賊を寄せ集めただけで戦い方は奇襲やだまし討ちと、やることは卑怯そのもの。そんな男を誰が提督だと認めますか?」

 

 

「このっ!小娘風情がぁ!!オレを舐めてんじゃねえ!」

 

 

「自分の無能さを認めないこの性格の悪さ。あなたはここで始末しておいた方がいいかもしれませんね...。アクア・ボール」

 

私はそう言って海水の水球を作り出します。

 

 

「ま、待て!何するつもりだ!」

 

 

私の行動を見て慌て始める首領・クリーク。

 

 

「なにってあなたに言う必要がありますか?これから死ぬのに...」

 

それを聞いて、首領・クリークの顔は青ざめていく。

 

 

「や、止めてくれ!俺が悪かった!もう何もしない!だから!」

 

 

「もう遅いですよ?貴方はそれだけの事をしたんですから報いを受けるべきなんです。それ...」

 

そう言って私は先程作った水球をクリークの顔に被せました。

 

 

 

「ガバババガボボボボッッ!!」

 

拘束されて身動きの取れないクリークは必死にもがきます。

 

でも全身を拘束されていては抵抗など出来るはずもなく。

 

 

「ガバババガボボボボッ...!!」

 

 

「も、もう止めてくれ!ドンが死んじまう!」

 

部下の男がそう言いますが私は止めません。

 

 

「いやですよ、この男はここで息の根を止めておかなければ、きっとこの船を奪うとか言い出すでしょうから」

 

 

「で、でも!」

 

 

「止めろ!姉ちゃん」

 

いきなりルフィくんが口を挟んできました。

 

 

「ルフィくんは少し黙っていてください...あなたも同じ目にあいたいの?」

 

私は、ハイライトが消えているだろう目をルフィくんに向けます。

 

 

「ひっ!...でも、いやだ!今すぐやめろ!」

 

 

「あなたの話は聞いていませんから黙っていなさい...。」

 

私はルフィくんに冷徹な口調で言いきります。

 

 

「いやだ!オレは姉ちゃんが止めるまで止めねえ!」

 

 

「そんなことを言っても私は止めませんよ?あら?」

 

見ると、クリークはもう殆ど死にかけの状態でした。

 

これはもう気絶していますね。

 

 

「死にましたね。これでようやく東の海も恐怖におびえなくても済みますね」

 

 

「首領・クリークゥゥゥゥゥ!!!」

 

泣き叫ぶ、クリークの部下。

 

 

「ハルナァァァァァ!なんで殺した!殺す必要はなかっただろ!」

 

 

「何を言ってるの?殺す方がいいに決まっているわ。どうせ海軍に捕まれば処刑される運命なのだから。今殺すか捕まって死ぬかのどちらかなのよ?」

 

 

「!...お前は!海賊をなんだと思ってるんだぁぁ!」

 

 

「度の過ぎた悪党...かしらね」

 

 

「!...そうかよ、お前はもう姉ちゃんなんかじゃねえ!さっさとどっかに行っちまえ!」

 

その言葉にサンジくんが反応しました。

 

 

「なんだ「言われなくてもそのつもりよ」え?」

 

私はサンジくんの言葉を遮り立ち上がります。

 

 

「それじゃあね、皆さん。さようなら...」

 

そう言うと私は外に出ました。すると...

 

 

「榛名さん...」

 

夕立ちゃんが心配そうに私の方を見ていたんです。

 

私は夕立ちゃんに近づくと耳元でこそっと呟きました。

 

 

『夕立ちゃん、後の事は宜しくね。もし私に何かあったら、その時はナミをお願い』

 

それだけ言って私は艤装を着けると海上を走り出しました。

 

 

しばらく走ると、先に出航していたメリー号が見えてきました。

 

私はメリーに追いつき船に乗り込みます。

 

 

「どう?上手くいった?」

 

 

「えぇ、なんとかうまくやったつもりよ...」

 

 

「そっか...」

 

 

「さあ、戻りましょう。ココヤシ村に」

 

 

「うん...」

 

こうして私達はココヤシ村へ向けて船を進めるのだった。

 

 

 

 

 

 




こんばんは、加賀です。

次回予告ですか?鎧袖一触です。

ココヤシ村へと向かい、船を走らせる榛名達

その道中、ナミは今までの航海のことを話だす。

最初は楽し気の話していた二人だったが...

次回は一味との思い出...語られるナミの想い

だそうです。良ければ見てください。では...


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一味との思い出...語られるナミの想い

前回まであらすじです!

お店を壊したこととオーナーさんにケガをさせたことでレストランで雑用をすることになったルフィくんと夕立ちゃん。

そんな中、副料理長であるサンジは這うr名を見つけ夕立に問いただします。

榛名が店に来たことを知ったサンジはオーナーであるゼフと共に再開のあいさつを交わしたのでした。

一方榛名は、ナミから聞かされた情報で一味から抜けることを決意します。

ちょうどうまく現れた首領・クリークを利用して悪を装い、ルフィたちから離れココヤシ村へと向かいました。


side榛名

 

 

ルフィ君たちと別れてから私達は二人きりで海の上を走っています。

 

 

「.........」

 

 

「.........」

 

特に会話がされるわけでもなく、聞こえてくるのは波の音のみ...。

 

気まずい...という訳ではありませんが、ナミは大丈夫か心配になります...。

 

 

「そう言えばさ...」

 

不意にナミが話しかけてきました。

 

 

「初めてルフィに会った時もこんな天気だったわよね」

 

 

「え?そうだったかしら...」

 

ナミに言われて私は空を見上げます。

 

 

「確かに、言われてみればそうね...」

 

 

「あの時、お姉ちゃんとはぐれちゃって一人でバギー一味のアジトに乗り込んで海図を盗んだら見つかっちゃって追いかけまわされていた時にルフィが空から降って来てね」

 

 

「空から?またどうして...」

 

 

「さあ?大方、鳥でも獲ろうとして逆に捕獲されちゃったんでしょ」

 

 

「あぁ、あり得そうね...」

 

ルフィ君て、頭悪いから...。

 

 

「それでその後ルフィを囮に使って逃げたのよね、確か...」

 

道理で私が駆け付けた時に顔を出すのが早かったわけですね。

 

 

「あの時は本当に驚いたわ。ルフィがお姉ちゃんを『オレのだ』なんて言い出すんだから...」

 

 

「それで私の取り合いになったんですから...」

 

取り合われる方の身にもなってほしいです...。

 

 

「あれはルフィが悪いのよ!まあいいわ、あの後のバギーとの戦いの時は...」

 

ナミがチラリと私を見てきて私は苦笑します。

 

 

「あはは...あの時の事ね、反省してるわ...やり過ぎでした...。」

 

 

「まあ、私は楽にお宝が盗めたからいいんだけどね?」

 

それならいいじゃないですか。

 

 

「ルフィもそうだけど、ゾロもゾロよね。まさかあの海賊狩りが海賊になっちゃってるんだから驚きよ。」

 

そういえば、とナミは此方を見て聞いてきます。

 

 

「お姉ちゃんってゾロとあまり話してないわよね?」

 

 

「えぇ、そうね...」

 

 

「なんで?仲悪くはなかったはずよね?」

 

コクリと頷いて私は答えると、

 

 

「ゾロさんはいつも寝てしまっているからなかなか話す機会が無くって...」

 

あー...とナミが納得したように頷きます。

 

 

「確かにアイツ船の上では寝てることの方が多いわね」

 

 

「そうなの、だからあまり話せてないの。仲が悪いとか嫌いという訳じゃないのよ」

 

 

「そっか...。それじゃあウソップは?」

 

 

「ウソップくん?」

 

 

「そ、よくルフィと三人で話してる時にフラッとしてるじゃない?お姉ちゃん」

 

あぁ、確かにありますね...。

 

 

「別に嫌いじゃないですけど、頭の悪さに頭痛を覚えるわね...」

 

あの二人との会話は私の身がもちません...。

 

 

「アイツも面白い奴だったけどあのビビりっぷりがあまりいただけないわね。

射撃の腕は確かなのに...。」

 

 

「そうね...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良い奴らだったな...。今度会ったら、また、仲間に入れてくれるかな?」

 

 

「ナミ...」

 

そう話すナミの顔は涙であふれていました。

 

 

「また会えるかな...」

 

私はそっとナミに近づき抱きしめます。

 

 

「!...早く自由になりたいよ...!お姉ちゃん」

 

私の腕の中で、涙で顔を濡らすナミは悲痛な声を上げます。

 

私は優しく、ただ優しくナミを抱きしめ撫でながら言います。

 

 

「大丈夫、あなたは絶対に大丈夫。きっと自由になれるわ...」

 

どんなことをしてでも、あなたとココヤシ村...両方を自由にしてあげる。

 

私自身がどうなろうとも...必ず...。

 

 

「さあ、行きましょう...ココヤシ村へ」

 

 

「...うん」

 

私達は再び舵を取り、ココヤシ村へ向けて出発するのでした。

 

 

sideout

 

 

side夕立

 

 

ヤッホー、夕立だよ。

 

今私の前には変な格好の盾男がいるの。

 

 

「はははははっ!鉄壁、よって無敵。クリーク海賊団、鉄壁の盾男!

パールさんとは俺の事よ」

 

なんでこうなってるのかはまたまた超がつくほど簡単に説明するっぽい。

 

 

・榛名さんが出ていってすぐにクリークは息を吹き返したの。

 

・クリークは榛名さんに大激怒!だけど榛名さんがいないことに気が付くと、この船を奪い取るって言いだしたっぽい。

 

・ご機嫌斜めなクリークは百人分の食料を渡せと命令してくる。オーナーさんが食料を渡しちゃったの。

 

・受け取った食料を手下に食べさせたクリークが手下たちと共に船に襲い掛かろうとした時、クリークの乗っていたガレオン船が真っ二つに斬られて沈没したっぽい。

 

・船を斬ったのはゾロの探している人物、鷹の眼の男だった。ゾロは鷹の眼に勝負を挑むが軽くあしらわれ大けがを負ってしまう。

 

・ゾロに激励をとばすと、鷹の眼は満足したといって帰っていった。

 

・ゾロ、ウソップ、ジョニー&ヨサクはナミとハルナを連れ戻すべくメリー号を追いかけるのだった。

 

・遂に始まったコックVS海賊たちの大乱闘の最中、突如現れた盾男がコックの二人を倒してしまったっぽい。

 

それで、最初に戻るっぽい。

 

 

「変なカッコ...カッコ悪いっぽーい」

 

私はパールと呼ばれた盾男に言う。

 

 

「キミには分からないと思うよ~ぉ。なんたって、すぐに僕に倒されるんだからさ」

 

・・・ちょっとイラッと来たっぽい。

 

 

「そうなんだ、じゃあ試してあげる。」

 

そう言うと、私の周りを風が取り巻きはじめる。

 

これが私の初の能力戦って訳ね!

 

 

「さあ!クリーク海賊団に悪夢、見せてあげる!」

 

 

「何をするつもりか知らないけど終わりだよ~ぉ!」

 

盾男が何かを投げてくる。が、それは取り巻く風によって私にまで届かない。

 

 

「そんなちゃちな物じゃ今の私には通じないわ!喰らえ!『風魔螺旋弾』!」

 

すると、私の周りの風が渦を巻いて小さく圧縮されていき、やがて幾つかの手のひらサイズの小さな玉になった。

 

その複数の球は乱回転しながら私の手元で渦を形作っている。

 

スッと手を振った直後の事だった。

 

剛速球で盾男に向かって飛んで行った風球はいとも簡単に盾男の盾にひびを入れた。

 

 

「ごっふぅ...!?」

 

予想だにしていなかった衝撃に盾男は体をくの字に曲げて吹っ飛んだ。

 

 

「はぁ...はぁ...ヤバいぞ...こいつは危険だぜ...」

 

カーン!カーン!カーン!カーン!

 

両手に持つ盾を叩き合わせ始める盾男。

 

いったい何を始めるつもりっぽい?

 

 

「身のキケーン!身のキケーン!身のキケーン!!」

 

すると、盾男の身体が燃え始めた。

 

 

「!?!?何あれ...」

 

全身を炎で包んだ盾男は何かを叫び出した。

 

 

「ファイヤーパール!大特典!!!」

 

瞬間、炎が辺りに飛び散り始めた。

 

 

「うぁちちちちちちっ!!」

 

ルフィに火が燃え移って走り回ってるっぽい。

 

 

「燃えろ!この炎と炎の盾で、俺はもう鉄壁だ――!!」

 

うーん、このままじゃお店が燃えちゃうっぽい。

 

 

「熱いしうっとうしいから終わりにしてあげる!『風乱 竜巻鎌』!!」

 

すると辺りの空気が渦を作りだし、炎を消し去りながら巨大な竜巻に姿を変える。

 

 

「みんなまとめて切り刻んじゃって!いっけーっぽーい!!!」

 

巨大な竜巻はまっすぐパールたちの方へと向かっていく。

 

 

「や、やめろ!来るんじゃねえ!」

 

炎に包まれた弾丸を竜巻に打ち込むが、竜巻は勢いを衰えることなく進んでいき、パールを呑み込む。

 

竜巻に呑まれたパールは風の勢いに押されて炎を消され、自慢の盾は紙を切るかの如く無残に切り裂かれていく。

 

パールを呑み込んだ竜巻は、その後も続々とクリークの手下たちを呑み込み切り裂いていった。

 

 

「ふう、このくらいでいいかな?」

 

私がスッと竜巻に手を向けると、竜巻は何事もなかったかのように消え去った。

 

 

「さあ、あなたの手下はもうほとんど居ないけどどうする?」

 

私は挑発的な笑みを浮かべて首領・クリークを見るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




武蔵だ...。

今回は、榛名達視点と夕立視点の二視点からの展開だったな。

ナミ達の抱える問題...。

ルフィたちが迎え撃つ敵...。

どちらも難題だ。だが、貴様らなら乗り越えられるだろうと信じているぞ!

夕立よ、ハルナの思い...無駄にはするなよ?

次回は、そうだな

ココヤシ村に到着した二人は真っ先にある場所に向かう。

そこである人物と再会を果たす。

一方、ルフィたちは夕立に味方のほとんどをやられ、激怒するクリーク。

そこにクリーク海賊団の切り込み隊長、ギンが勝負を挑んでくる。

次回、サンジVSギン!ハルナ、ココヤシ村到着!

だ、そうだ。良ければ見てやってくれ...

ではな...


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サンジVSギン!ハルナ、ココヤシ村到着!

前回までのあらすじです!

ルフィくん達から離れてココヤシ村へと向かう私達。

その道中、ナミの心境を聞いてハルナは決意を新たにココヤシ村へと向かう…。

一方、ルフィ達はクリーク海賊団の一人、鉄壁のパールを相手に夕立が一人無双していました。

双方のこれからはどうなるのでしょうか…。


side夕立

 

 

「さあ、どうするっぽい?このまま終わりにしてあげましょうか?」

 

巨大な能力の竜巻の鎌鼬によって、殆ど壊滅のクリーク海賊団。

 

残るは、先日レストランにやって来たギンという名の手下とクリーク、そして少しだけ残ったしたっぱのみっぽい…。

 

 

「グッ…!おのれぇ!小娘ごときがぁ…!調子にのりやがってぇ…!!」

 

全身を怒りでプルプルと震わせるクリーク。

 

 

「いいだろう、お前から先に殺してやる!この俺に逆らった事をあの世で後悔するがいい!小娘ぇ!!」

 

クリークが戦闘体勢になったとき、不意に声がかかったの。

 

 

「待ってください!首領・クリーク!ここは俺にやらせてください!」

 

そう言って名乗り出たのは先日レストランにやって来たギンというクリークの手下だったの…。

 

 

「俺も仲間達が倒されて心中穏やかじゃねえんだ!だから!俺にやらせてくれ!」

 

ギンの言葉にクリークはニヤリと頬を歪ませる。

 

 

「いいだろう、やれ、ギン」

 

 

「あぁ…」

 

そう言って私と向かい合うギン。

 

 

「まあ、そう言うことだ…。悪いがアンタにはここで死んでもらう…」

 

そう言ってトンファー?を構えるギン。

 

すると、急に声がかかったっぽい…。

 

 

「ちょっと待てよ…」

 

声の聞こえた方を見ると、副料理長さんがタバコの煙を吐きながらこっちを鋭く睨んでいたの。

 

 

「レディにばかり戦わせるのは男の名が廃る…。お前の相手はこのオレだ…。」

 

そう言うと、副料理長さんは私を後ろに隠すように前に出る。

 

 

「フッ…サンジさん、俺は例え恩人のアンタが相手でも容赦はしねえ…それに、アンタじゃ俺には勝てねえよ…」

 

 

「そういう事は…俺に勝ってから言うんだな!」

 

そう言葉を交わすと二人はぶつかりあう…。

 

初めは互角にぶつかり合っていた二人だったけど、経験の差か…次第に副料理長さんが押されはじめたっぽい。

 

最終的に首元にトンファー?を突きつけられた副料理長さんが押さえ込まれてしまったっぽい…。

 

でも、ギンはそこから動かなかった…。

 

 

「…駄目だ!俺にはやっぱりこの人を殺すことは出来ねえ…!」

 

涙で顔を濡らすギンの言葉にクリークは青筋をたてる。

 

 

「…なんだと?」

 

 

「なぁ、首領・クリーク。この船を見逃す事はできねえだろうか!俺はもうこれ以上、この人に武器を向けたくねえんだ!」

 

その一言でクリークの顔は憤怒に染まった。

 

 

「貴様!命令に刃向かっただけでは飽き足らず!俺に指図する気か!!もういい!そこを動くなよ、ギン」

 

そう言ってクリークは自らの肩当てを外すと両手でそれを持ち、前へと突きだした。

 

 

『なぁっ!?不味いぞ!あの構えは!』

 

 

『ヤバイ!早く逃げろ!!毒ガスに巻き込まれるぞ!』

 

生き残ったクリークの手下達が慌て出す。

 

毒ガス!?アイツ…何を考えてるのよ!!

 

 

「喰らえ!MH5!!」

 

クリークの叫びと共に肩当てから一発の銃弾が放たれる。

 

その光景を見た私は榛名さんが沈んだ時の事がフラッシュバックしたの…。

 

このままじゃ、ギンやルフィ、副料理長さんが死んじゃう!

 

そんなことさせない!もう、あの時のような事は繰り返させないっぽい!

 

 

「毒ガスなんか、こうしてあげる!『風膜 極包』!!」

 

私が叫ぶと放たれた毒ガス銃弾の前に風の膜が展開され、銃弾を包み込んだ。

 

 

【ドッゴォォォン!!!】

 

包まれた銃弾が毒ガスを撒き散らしながら膜の中で爆発する。

 

撒き散らされた毒ガスは外に漏れることなく風の膜の中に充満したっぽい。

 

 

「ナニィッ!?」

 

驚きの表情を浮かべているクリーク。

 

 

「部下を見殺しにしたあなたにはそれ相応のやり方で終わりにしてあげる!さあ!素敵なパーティしましょう!『操風 身体操作』」

 

すると、クリークの体が浮き上がり。毒ガスの塊の方へと飛んでいく。

 

 

「なっ!や、やめろ!止めてくれ!!」

 

榛名さんに殺されかけたとき以上に顔を真っ青にするクリーク。でも、もう遅いっぽい

 

 

「今までやって来た自分の罪を数えながら死んじゃえっぽい!」

 

 

「止めてくれーーーーーー!!!!」

 

慈悲の欠片もなく、クリークは毒ガスの塊の中へと突っ込まれていった。

 

 

「ッッ…!!?」

 

塊の中で首を押さえながらもがくクリークだが、次第にその力は抜けていき、腕は宙にダラン…と下がるのだった。

 

こうして、クリーク海賊団、首領・クリークはこの世を去り、バラティエでの激闘は幕を閉じたっぽい。

 

 

sideout

 

 

 

 

side榛名

 

 

「着いたわね…。」

 

ルフィくん達と別れてから数日。

 

私達は漸くココヤシ村へと到着しました。

 

 

「さあ、先ずは挨拶してこなくちゃね…。ナミは先に行って帰ってきた事を報告しておいてくれる?」

 

 

「分かったわ、お姉ちゃんも早く来てね」

 

その言葉に私が頷いたのを確認すると、ナミは丘の方に駆けて行きました。

 

私はナミの駆けて行った道をゆっくりと進んでいき、ミカン畑に向かいました。

 

 

「さて、妖精さん達、またお願いできますか?」

 

すると、妖精さん達が現れて…。

 

 

『(`・ω・´)ノグッ!』

 

私の持っていた宝をそれぞれ持ち上げると消えていきました。

 

え?今のは何かって?妖精さんに宝を隠してもらったんですよ?普通にしまっておくと他の泥棒に取られてしまうかもしれませんからね。

 

なので、妖精さん達に頼んで管理してもらってるんです。

 

じゃあミカン畑に来たのはなぜか…。

 

それはフェイクですよ♪

 

最初の頃はマンマと騙されたナミが大泣きしてしまって、あやすのに苦労したのが懐かしいです…。

 

さて、それじゃあ私もあの人に挨拶してこないとですね。

 

私はミカン畑の近くにある一軒の家に向かいます。

 

 

コンッコンッ!

 

 

『はーい!』

 

ガチャリとドアが開き、一人の少女が顔を出します。

 

 

「やっと帰ってきたんだね、ハルナお姉ちゃん…。」

 

 

「ええ、ただいま。ノジコちゃん」

 

 

「うん、おかえりなさい…」

 

ノジコちゃんに続いて中に入るとそこにはナミの他にもう一人女性がいました。

 

 

「ようやく帰ってきたの?よく帰ってきたね…。お帰り、ハルナ…」

 

そう言ってくれる女性に私は笑顔で答えます。

 

 

「はい!ハルナ、ただいま帰還しました。ベルメールさん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




睦月です!

クリークとの戦いが終わって一件落着な夕立ちゃん達…。

それとは正反対に、久しぶりの再開に、喜びを分かち合う榛名さん達…。

ベルメールさんの話で、ココヤシ村の近くにあった、ゴサの町が滅ぼされたと聞いた榛名さんは単身、調査に向かうのだった。

次回は新たな仲間!サンジ加入!榛名、ゴサの町を調査せよ!

の二本立てだよ!

それじゃあ、また見てにゃ~!


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新たな仲間!サンジ加入!榛名、ゴサの町を調査せよ!

前回までのあらすじです!

夕立ちゃんの活躍によりクリーク海賊団からバラティエを守ったルフィくん達。

クリークは自らの放った毒ガス弾により自滅…。

一方、ハルナ達は帰ってきたココヤシ村にてベルメールと再会するのでした。


side夕立

 

ヤッホー、夕立だよ。

 

とりあえずまたまた簡単な説明っぽい。

 

あの後、クリークの亡骸は政府に引き渡して、ギンと残った手下達は小舟でどこかに旅立っていったっぽい。

 

私達は逃げたナミを連れ戻すために出発しようとした時に副料理長さんが仲間になってくれるって言い出したの…。

 

そこから今回の話が始まるっぽい。

 

 

sideout

 

 

sideサンジ

 

「ったく、漸く出ていく気になったか…チビナス…。

…アイツを探しに行くのか?」

 

クソジジイの言葉に俺は頷く。

 

 

「あぁ、姉さんが出ていったのとナミさんが逃げ出したタイミングを考えると二人は恐らく一緒にいるはすだ…。」

 

その時、ルフィが思い出したように口を開く。

 

 

「そういや、アイツら海賊専門の泥棒だとか前に言ってたな」

 

なるほど、それなら二人が一緒にいるのは確実だな。

 

 

「その二人なんですけどね…あの二人が向かったと思われるのがとんでもない場所だったんすよ」

 

ヨサクがそう口にする。

 

 

「とんでもない場所って?何処なのっぽい?」

 

夕立ちゃんの問いにそこで口籠るヨサク。

 

 

「とにかく、ルフィの兄貴の力が必要なんです!あっしと来てください!」

 

ルフィはすぐにそれに頷き、歩き出す。

 

俺と夕立ちゃんも後について歩いていく。すると…。

 

 

「サンジ…。風邪、引くなよ?」

 

クソジジイの言葉で涙が堰を切ったように溢れだした。

 

俺は振り向き様に土下座にも似たお辞儀をして叫ぶ。

 

 

「オーナー・ゼフ!今まで!クソお世話になりました!

かならす姉さんを見つけてオールブルーを見つけます!」

 

 

「あぁ…。娘によろしく伝えておけ…。」

 

それだけ言うとクソジジイは店に引っ込んでしまった。

 

 

「おーい!サンジ!出発するぞー!」

 

 

「早くっぽーい!!」

 

船から二人の声が聞こえてくる。

 

 

「あぁ、今行く…。」

 

俺はそう返すと船に乗り込んだ。

 

 

「よし、出航だーーー!!」

 

こうして俺は海へと飛び出したのだった。

 

 

sideout

 

 

side榛名

 

 

「それで?今回はどうして帰ってきたの?」

 

久しぶりの再会を楽しんだ後、不意にベルメールさんが聞いてきました。

 

 

「実は、潜入してた船でアーロンがまた暴れだしたと聞いたものですから…。」  

 

それを聞いたベルメールさんとノジコちゃんは『あぁ…その話か…。』と納得したように頷きます。  

 

 

「確かにアイツは少し前に暴れたよ…。ここ(ココヤシ村)でという訳じゃないけど、近くの村を壊滅させたんだ。」

 

 

「ゴサの村が!?」

 

ゴサの村と言えばココヤシ村の近くの海辺の村だった筈です…。

 

でもどうして…。

 

 

「一人の村人がアーロンに逆らったからさ、その見せしめに村ごと壊滅させられたんだ…。村人も全て殺されたんだって…」

 

 

「そんな…」

 

私は肩を落とす…。

 

どうしてこんなことに…。

 

とにかくゴサの村を調べてみないといけませんね…。

 

それからしばらく話をしてから私達は家を後にしました。

 

 

「さて、そろそろあっちにも顔を出してこないといけませんね…」

 

 

「そうね…。正直顔もみたくないけど…。」

 

心底嫌そうな顔をするナミ。

 

 

「まあまあ、ナミは先に向かってもらえる?アーロンにはすぐに向かうと伝えておいてほしいの」

 

 

「別にいいけど…。何かあったの?」

 

何かに気がついたナミがそう聞いてきます。

 

 

「えぇ、少し調べたいことがあってね…」

 

 

「…分かった。それじゃ先にいっておくわ…。早く来てよね」

 

そう言うとナミは歩いて去ってしまいました。

 

 

「さて、私も行きましょうか…。」

 

私はゴサの村があった場所へと足を運びました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは酷い…」

 

ゴサの村跡地についた私は言葉を失いました。

 

そこはもうつい最近まで人が住んでいたとは言い難い程の荒れ方をしていたのです…。

 

 

「これはモームを連れてきたのね…」

 

私は村跡地を見て回ります。すると、電探に反応がありました。

 

 

「!…電探に反応?これはいったい…」

 

 

『キャーッ…!』

 

電探の反応を不審に思っていると、悲鳴が聞こえてきました。

 

 

「悲鳴!まだ生存者がいるの!?」

 

私は急いで声の聞こえた方に向かいました。

 

 

 

 

 

 

 

声の聞こえた場所に着くとそこにいたのはなんとノジコちゃんだったんです。

 

 

「ノジコちゃん!?どうしてこんなところに!」

 

 

「!?…なんだ、ハルナお姉ちゃんか…驚かさないでよ。」

 

胸を撫で下ろしているノジコちゃん。

 

ふと視線を下に落とした私は驚愕しました。

 

 

「ウソップくん!?…なんでこの人がここに?」

 

 

「事情は後で話すよ。とりあえず今は手伝って。家まで運ぶわ」

 

 

「え、えぇ…。分かったわ」

 

頷いて私はウソップくんの身体を持ち上げると家へと運んでいくのでした。

 

 




如月よ…。

ウソップくんを家へと運んだハルナ達…。

ハルナはすぐにアーロンのもとへ向かってしまう。

その後に目を覚ましたウソップくんはノジコちゃんとベルメールさんから二人の過去を聞かされる…。

次回は、明かされるハルナの過去…ベルメールが語る悲痛な人生

というものみたい…。それじゃあ、また見てね


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明かされるハルナの過去…ベルメールが語る悲痛な人生

前回までのあらすじです!

サンジくんを仲間に加えたルフィくん達は私達を追うために出発しました。

私達はベルメールさんからゴサの村が滅ぼされたと聞いてゴサの跡地の調査をしていました。

そしたらウソップくんを見つけてノジコちゃんと一緒に家へと運んだんです。


side榛名

 

ウソップくんを家に運んだ私は、ノジコちゃんにこれまでの経緯を聞いていました。

 

「と、言う訳なの…」

 

 

「そういうことだったのね、じゃあ彼はナミを追ってきたのかもしれないわね…。」

 

ルフィくんらしいですね…。

 

私は苦笑しながら気絶しているウソップくんを見ます。

 

 

「姉さんもじゃないの?なんでナミだけ…。」

 

 

「それはないわ、その人達とは別れを告げてきたもの…一番残酷な方法でね…。」

 

そう、もう会うことはないんです…。もし会えたとしてもそれはナミを渡す時だけ…。きっとそれが最後になる…。

 

 

「さて、じゃあ私もそろそろ行くことにしますね…。

それと、私のことは言わないでおいて…」

 

そう言ってナミの家を後にしようとした直前でした。

 

 

「ハルナ!」

 

今まで黙って聞いていたベルメールさんが声をかけてきたのです。

 

私は扉を前にベルメールさんの方へと振り向きます。

 

 

「一人で背負い込もうとするんじゃないよ、アンタはもう私の娘同然なんだからね…。」

 

ありがとうございます…。ベルメールさん、でも…。

 

これだけは譲れないんです。

 

私は微笑んでこう答えます。前世でもよく使っていたあの言葉を…。

 

 

「はい、榛名は大丈夫です!」

 

それだけ伝えると私はナミの家を後にしました。

 

向かうはアーロンパーク…。

 

ナミ、ノジコちゃん、ベルメールさん、それにココヤシ村の人達…。必ず私がアーロンの呪縛から解き放ってあげます。

 

……例え、自身が沈むことになろうとも…。

 

 

sideout

 

 

sideウソップ

 

 

気がつくとオレは知らない家のなかにいた。

 

 

「…ここは…。」

 

すると…不意に声か聞こえてきた。

 

 

「おや、目が覚めたみたいだね」

 

声のした方を振り替えると二人の女性がいた。

 

 

「アンタ達は…」

 

オレの問いに青髪の女性が答える。

 

 

「私はノジコ、こっちは私の親のベルメールさんだよ。」

 

 

「よろしくね、長鼻くん」

 

あっちの桃髪の女性はベルメールっていうのか…。

 

 

「あぁ!そういや、お前オレをど突きやがったな!折角助けてやろうと思ったのに!」

 

それを聞いていたベルメールがため息をついて話し掛けてくる。

 

 

「アンタは馬鹿なの?魚人に手を出したら最後…アンタは死ぬんだよ?ノジコがド突いてなきゃアンタは今頃死体だね…。」

 

 

「なんだと!?」

 

再度ため息をつくベルメールにいきり立つオレ…。

 

それをノジコが止めにはいる。

 

 

「まぁまぁ、喧嘩は止しなよ、それで?アンタは何しにここに来たの?」

 

言われてからオレは本来の目的を思い出す。

 

 

「あぁ!そういや!そうだった!オレはナミとハルナって女を探してるんだが…」

 

 

「へぇ、ナミをね…ってことはアンタはさしずめ、ナミに騙された海賊ってところ?」

 

そんなとこまでわかんのかよ!コイツなんなんだ?

 

 

「なんでそこまでしってんのか分かんねえけどそうだ。だからオレはナミとハルナを連れ戻そうと思って追ってきたんだ。」

 

 

「そう、でも残念だったね…。あの子はアーロン一味の幹部よ…」

 

・・・は?

 

 

「なにいぃ!?ナミがアーロン一味の幹部!?」

 

 

「そ、更にビックリ、ここはそのナミが育った家…。」

 

 

「いいっ!?」

 

おいおい…なんて偶然だよ。おい…。

 

 

「私とナミは義兄弟なのよ…」

 

ってことは何か?ノジコとナミを育てたのって…。

 

オレはベルメールをみる。

 

 

「どうかした?」

 

オレの視線に気がついたのかベルメールが声をかけてくる。

 

 

「い、いや…なんでもねえ…」

 

でも、ちょっと待てよ?コイツの言う通りナミがアーロン一味の幹部だってんなら…

 

 

「じゃあ、ナミはお前達家族や村の人達を裏切ってアーロン一味に入ったってことか?」

 

 

「そういうこと…。まさに魔女だろ?」

 

 

「クッソー!そうだったのか!オレ達はずっと騙されてたってのか!あの二人初めから宝目当てで!

オレの村の戦闘でも参加してくれたし…船の上でもあんな楽しそうにしてやがったのに…!やっぱあれがあいつらの本性だったのか!」

 

すると二人が何か引っ掛かったのかオレの方を見て問いかけてくる。

 

 

「長鼻くん、『あれ』ってなんのことだい?」

 

ベルメールが真剣そうな表情で問うてくる。

 

 

「あ、えっとな…」

 

オレはハルナがバラティエでやったことを話した。

 

 

「まあ、結局死んでなかったんだけどよ…あの顔は間違いなく人を平気で殺せるやつの顔だったな…。」

 

 

「「勝手なこと言うんじゃないよ!!!」」

 

オレの話を聞き終わった後、二人が突如怒鳴りだした。

 

オレは驚いて座っていた椅子から転げ落ちてしまった。

 

 

「な、なんだよ…急に…」

 

 

「あの子はね…!そんな事を平気で出来るような子じゃないよ!あの優しさの塊の様な子が…!周りのためなら自己犠牲すら厭わないようなあの子が!アンタなんかに何が分かるんだい!!」

 

 

「ベルメールさん…。落ち着いて…それにその事は…。」

 

なんだ?ハルナのことも知ってんのか?

 

 

「いや、ハルナには悪いけどこれ以上は私が我慢の限界だよ…!!」

 

お、おいおいオレ何か怒らせるようなこと言ったか?

 

 

「少し、昔話をしてあげる…。しっかり聞いときな」

 

そう言うとベルメールは語り始めた。

 

sideout

 

 

side三人称

 

~~~~~~~~~~回想~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

ナミとハルナが連れていかれてから少し経ち…。

 

ゲンがやって来た。

 

 

「ベルメール!大丈夫か!?怪我は?」

 

慌てふためくゲンにベルメールはなんとか笑いかける…。

 

 

「大丈夫よゲンさん…。私は無事、ハルナのお陰でね。」

 

その返事に安堵したのかゲンは胸を撫で下ろす。

 

 

「とりあえずは良かった…。だがそのハルナはどこだ?ナミの姿も見えないようだが…」

 

するとベルメールの顔が一気に暗くなった。

 

 

「…二人ならアーロンに拐われちゃった…。私、助けようとしたけど…逆にハルナに助けられちゃった…。」

 

 

「な、なんだと…!?」

 

しばらくの沈黙が包み込む。

 

その沈黙を先に破ったのはベルメールだった。

 

 

「ゲンさん、私、二人を助けにいくよ…」

 

ベルメールのその言葉に驚きで目を見開くゲン。

 

 

「何を言い出すんだ!ベルメール!お前一人で行っても殺されて終わりなんだぞ!」

 

 

「それでも、私はナミの母親でハルナの止まり木…。

子供一人助けられないで何が母親よ!」

 

そう叫ぶとベルメールは走り出し駆けていった。

 

ゲンが慌てて止めるもベルメールはなにも言わず駆けていってしまう。 

 

 

「待て!ベルメール!ったく!正義感だけは強い奴だ…

とりあえず一度村に戻るしかないか…。闘いの準備だ!」

 

そう言うとゲンは村の方に走っていった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

ベルメールはアーロンのもとへ向かい走っていた。

 

(ナミ!ハルナ!必ず助けてやるからね!)

 

ただその思いだけを胸にアーロンのもとへ走る。

 

すると、前方から歩いてくる人影の姿があった。

 

(人影?いったい誰が…)

 

段々と近づいて来るその人影はハルナだった。

 

 

「ハルナ!」

 

ハルナもベルメールに気がついたのか前を見据える。

 

ベルメールはホッと安堵して、ハルナに駆け寄る。

 

 

「良かった…。無事だったんだね?怪我はないかい?」

 

だが、ハルナから帰ってきた答えは信じがたいものだった…。

 

 

「…ベルメールさん、今すぐ帰ってください…」

 

その言葉を聞いたベルメールは驚愕した。

 

 

「何を言ってるの!アンタ達を助けにきたのに…」

 

 

「私、アーロン一味に入ったんです…。その証拠にほら…」

 

右肩の袖を捲り腕を出すハルナ。

 

そこから出てきたのはアーロン一味の海賊旗のマークだった。

 

 

「!?…な、なんで…」

 

 

「これで分かったでしょう?早く帰ってください…。

じゃないと…貴女を殺さないとならなくなります。」

 

そう言うとハルナの目から光が消えていく。

 

まるで感情を宿していないかのように…。

 

深く、冷たい表情を…。

 

 

「冗談じゃないわ!私はそんな脅しには屈しない!

アンタもナミも私が抜けさせてあげるわ!」

 

 

「そう…なら、こうするまでです…。アクア・ボール」

 

すると、ハルナの周りに水が集まりだし一つの球体へと変化する…。その球体はベルメール目掛けて飛んできてベルメールの顔をスッポリと包み込んだ。

 

 

「!?…ゴボボッ‼」

 

いきなりの事に慌てて水を飲んでしまうベルメール。

 

呼吸が出来ない中で必死に息をしようともがくが球体はベルメールの顔から離れない。

 

 

「ゴボボッ!ガバッ!………」

 

やがて意識が切れたのかベルメールの体から力が抜けた。

 

 

「……解除」

 

そう言うとベルメールにまとわりついていた水球が離れ、ハルナの手元へと戻っていく。

 

 

「助けたのにみすみす死なせるなんて出来ませんからね…」

 

その目には感情の色が戻っており悲しげな顔をしていた。

 

そう言うとハルナはベルメールが飲んだ水を操作して口から吐き出させた。

 

 

「これで大丈夫です…。さて、アクア・バリエーション」

 

ハルナが再度能力を発動させると先程までの水球は大型の艦載機に変化した。

 

 

「よい…しょっと…!ふぅ…。それじゃあ妖精?さん、その方を村までよろしくお願いしますね」

 

 

「(`・ω・´)ノグッ!」

 

妖精?はハルナにサムズアップするとベルメールを乗せ、空へと飛び上がっていきました。

 

 

「ベルメールさんにノジコちゃん…。それにココヤシ村の方達…。私が必ず自由にしてあげますから…それまで、待っていてくださいね…。」

 

そう言うとハルナは夜の闇へと姿を消した。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

一方ナミは…。

 

ベルメールとハルナがぶつかり合っていたころ…。

 

ナミはココヤシ村にてアーロン一味に入ったことを報告していた。

 

ノジコやゲン…。村の人達に見放され、一人海を眺めて泣いていた。

 

それに近づいて来る者がいた、ノジコだ…。

 

 

「ナミ、ナミはそれで良かったの?」

 

 

「…うん、これが一番なの…」

 

でも!とナミは続ける。

 

 

「寂しくなんかない!ハルナお姉ちゃんも一緒だから!」

 

更にそれにね?とナミは続ける。

 

 

「アーロンと契約したの…。アイツからココヤシ村を買うって…」

 

 

「村を買う?」

 

 

「そう、1億ベリーでね…。村を買えば自由になれる。誰も死なせないで済む…。そのかわり、一味に入って海図を書けって…。」

 

 

「でも、1億ベリーなんて一生働いて払えるかどうか…」

 

 

「稼いでみせるわ!どんなことをしても!皆は貢ぎ金を払うので精一杯だし、私がやるしかない…。でも大丈夫!ハルナお姉ちゃんも協力してくれるって言ってくれたから!

お姉ちゃんなら前から海賊からお宝を盗んでいたからすぐ稼げるって言ってたの。」

 

 

「海賊から奪うの?」

 

 

「うん、海賊からなら奪ってもなにも問題ないから心配いらないって…。だから…!」

 

 

「待ってて!私とお姉ちゃんで絶対に皆を自由にして見せるから!」

 

そう言うナミの目は硬い決意の炎を宿していた。

 

 

「…うん、待ってる…。でも、無理だけはしないでね…。」

 

 

「分かってる…。お姉ちゃんと一緒なんだもん絶対に大丈夫!」

 

そう言うナミは笑顔を浮かべる。すると…。

 

 

「ナミ、ここにいたのね…。」

 

やって来たのはハルナだった。

 

 

「あ、ハルナお姉ちゃん!」

 

 

「もうそろそろ戻らないとアーロンが怒りだすわ…。行きますよ」

 

 

「うん!それじゃあね…。バイバイ」

 

 

「あ、うん…またね」

 

 

「ノジコちゃん、おやすみなさい…」

 

そう言うとナミとハルナは夜の闇へと溶けるように消えていった。

 

 

~~~~~~~~~~~回想終了~~~~~~~~~~~~

 

 

 

sideout

 

 

sideウソップ

 

 

「そのあとハルナは自身がボロボロになってもナミを守って戦い続けたの…。もう私達の方が見ていられないくらいにね…。それをアンタはまだそんな事を言う気かい?」

 

オレは開いた口が塞がらなかった…。

 

まさかハルナにそんな過去があったなんて…。

 

そうしてオレはハルナのことを思い返す。

 

 

そういえばルフィがキャプテン・クロと闘ってたときも…。

 

クロを説得しようと出てきたカヤを身を呈して守っていたな…。

 

船の上でも…困った顔をしながらもニコニコとオレ達の話を聞いてくれていたっけか…。

 

こんな大事な事をオレは忘れちまってたのか!?

 

 

「いや、すまねえ…。オレが悪かった…謝るよ…」

 

 

「フンッ…謝るならハルナ本人に謝るんだね」

 

すると、扉が勢いよく開かれ医者のような人物が入ってきた。

 

 

「ベルメール!ノジコ!大変だ!村にアーロンがやって来やがった!」

 

 

『なんだって!とりあえず行くよ!』

 

 

「あ、待てよ!オレも行く!」

 

そういうとオレ達は家を出ていった。

 

 

 

 




アーロンのもとへやって来たハルナはそこで信じられない再開を果たす。
その人物の問いかけにハルナは尚も悪を貫こうとする…。

次回、二度目の再会!悪を貫け戦艦榛名!

海賊王にオレはなる!


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二度目の再開!悪を貫け戦艦榛名!

前回までのあらすじです!

ベルメールからハルナの過去を聞いたウソップくん。

その内容は暗く悲しい物だった...。

その頃ハルナはアーロンパークに向けて足を進めているのでした。


side榛名

 

こんにちは、ハルナです。

 

今私はアーロンパークに向かっています。

 

目的地はも目と鼻の先...。またあの憎たらしい顔を見なくてはならないんですね...。

 

目的地に近づくにつれてどんどん憂鬱になります...。もうこのまま沈んでしまえたらたら楽ですのに...

 

そうこうしている間に目的地に到着しました。私は中に入っていきます。

 

 

「今戻りました...。」

 

 

「おぉ、ハルナようやく帰ったか、遅かったから心配したぞ?」

 

帰投早々の第一声がアーロンだなんて...不幸ですね。

 

 

「少しやることがあったものですから...それで?あの方は?」

 

私は縛り上げられなぜかずぶ濡れのゾロさんの方を見ます。

 

 

「あぁ、なんでもお前とナミを連れ戻しに来たらしい...。馬鹿な奴だ。自分たちが騙されているとも知らずにな」

 

さっきなんか自分から海に飛び込んでやがったんだぜ?と、話すアーロンを無視して私はゾロさんに近づきます。

 

 

「ハルナ...まさかお前まで海賊だったとはな...」

 

ギロリと凄い形相で睨みつけてくるゾロさんを私は笑い飛ばします。

 

 

「私が海賊だったらどうだというんですか?あなた方はそれを見抜けなかった...

自分たちの落ち度じゃないですか?」

 

その言葉にゾロさんの表情が更に険しな物になっていきます。

 

私は顔を逸らしアーロンに問いかけます。

 

 

「この人はどうするつもりですか?」

 

 

「あぁ、ソイツならナミが後で始末するから牢屋にぶち込んでおくつもりだ...。」

 

なるほど、ナミ。それならこうしたほうが早いですよ?

 

 

「そうですか、じゃあこの人を解放しなさい」

 

その言葉に一味全員が唖然として静まり返ります。

 

 

「おい、副船長。何を言い出すつもりだ?せっかく捕まえたのにミスミス逃すつもりか?」

 

 

「そうですがなにか?」

 

真顔で私が帰すと一味の幹部の一人、クロオビが私につかみかかってきました。

 

 

「ふざけるなよ?人間の分際で魚人の俺達に指図する気か?」

 

 

「・・・そういう台詞は私に一撃で見入れてから言いなさい」

 

私がそう言った直後、クロオビの身体がふわりと浮き上がりました。

 

私が捕まれた腕ごとこの人を持ち上げたからです。

 

私は持ち上げたクロオビが逃げられないように腕をがっしりと掴むと何度も何度も地面に叩きつけます。

 

 

「ガッ!アガッ!グハァッ!」

 

白目をむいて倒れているクロオビですが、私は無視して叩きつけ続けます。

 

 

「もうそのあたりにしてやれ...クロオビが死んでしまう」

 

アーロンの制止が入り、ようやく私は叩きつけるのを止めました。

 

気絶したクロオビを下っ端に渡し、私は再びアーロンに問いかけます。

 

 

「それじゃあ、この人は開放しますがよろしいですね?」

 

その言葉にアーロンは渋々ながら頷きました。

 

 

「分かった...。解放してやる...」

 

その言葉に私は頷いてゾロさんの方に近寄り縄をほどきます。

 

 

「どういう風の吹き回しだ?」

 

ゾロさんが不審そうに聞いてきます。

 

 

「そうですね、どういうことかと言われたら...こういう事です!」

 

気合と共にゾロさんの腹にパンチを叩き込みます

 

 

「なっ⁉ガハッ!」

 

さらに勢いをつけて私はゾロさんを殴り飛ばします。

 

勢いよく空中に打ち上げられるゾロさん。

 

そのまま空高く飛んで行き空の彼方へと消えていきました。

 

 

「ッ!?」

 

後ろでナミが息をのむ声が聞こえます。

 

私はチラリと後ろを向くと口パクでナミにだけ伝えました。

 

 

『大丈夫よ...』と...。

 

それを確認したのかナミは不安そうな顔はなくなっていました。

 

 

「・・・さて、俺は少しココヤシ村の方に顔でも出してくるか」

 

そういうとアーロンは部下を引き連れてアーロンパークを出ていくのでした。



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逃げきれウソップ!魚人と必死の鬼ごっこ!

前回までのあらすじです!

アーロンパークに戻った榛名はゾロと再開する…。

絶体絶命のゾロを榛名は解放し何処かへと殴り飛ばすのでした。


sideウソップ

 

 

「ヒィィィィ!!」

 

 

『待ちやがれ!この野郎!』

 

今オレは魚人どもから必死に逃げている。

 

何故こんなことになっているのか、事のあらましはアーロンが村に来たところまで遡る…。

 

オレはベルメールとノジコと共に村に来ていた。

 

そこで村長に絡んでいるドデカイ魚人、アーロンを見てたんだ。

 

アーロンは身勝手な理由をあれこれ村長に付け村長を殺そうとした…。

 

それにオレはいてもたってもいられずアーロンに火炎星を放ったんだ。

 

結果、その攻撃はアーロンの怒りを買っただけで大したダメージになっていなかった。

 

そして魚人達から逃げ始めて今に至るってわけだ…。

 

 

「はぁ…はぁ…流石の魚人といえども陸の上じゃ動きが鈍いな、このオレに競争で勝てる奴がいるかっての!っとと、ぅわぁ…!?」

 

危ない危ない…。草の根掻き分け必死に逃げてたら崖から落ちそうになっちまった。

 

 

「ふぃー…。危なかったぁ…」

 

すると後方から魚人達の声が聞こえてくる。

 

 

「野郎、どこに逃げやがった」

 

 

「こっちの方から声が聞こえたぞ!」

 

ヤバイ!追い付いてきやがった…。どこかに隠れないと…。

 

 

 

 

 

「ここか?ん、いねえな」

 

魚人がすぐ近くまで迫って来ている…。

 

どうか、バレませんように…!

 

 

「この崖から落ちたんじゃねえか?」

 

 

「それだったらもう助からねえな」

 

そう言うと魚人達は来た道を戻って行ってしまった。

 

魚人達が完全に見えなくってからオレはため息をついた。

 

 

「はぁ~…。助かったぁ…。っとと、おわぁぁああぁぁぁ…!」

 

ズデーン!!

 

崖から転がり落ちちまった…。

 

 

「痛っててて…ん?」

 

傷みを堪えなんとか立ち上がると向こう岸で手を振っている影が見えた。

 

オレはそれを声援だと思い手を振り返した。

 

 

「おぉ!声援ありがとう!オレはこの通りピンピンして…」

 

ザバーン!!

 

目の前の水が盛り上がり中から魚人が出てきた。

 

 

「…ちょいとピンピンしすぎじゃねえか?」

 

あ、オレ終わった…。

 

自慢の長鼻を捕まれ、ズルズルと引き摺られていく。

 

 

「ったく、面倒かけやがって…。この長っ鼻が」

 

 

「お、お前の口だって同じようなもんだろうが…」

 

抵抗できぬままオレは連行されていくのだった…。

 

sideout

 

 

 

side榛名

 

 

家に戻ろうと歩いていた私達は村の方の轟音を聞き付けて村の方に向かっていました。

 

着いてみると、広場には村民達が集まっており何かあったのだすぐに分かりました。

 

歩きながらナミが村民達に話しかけます。

 

 

「久し振り、みんな…。」

 

ナミの声を聞くと村民達は私達には目も暮れずそそくさと家の中に入っていってしまいました。

 

残ったのはベルメールさん、ノジコちゃん、村長のゲンさんだけでした。

 

 

「ナミ、珍しいじゃない…。アンタが村の方を通ってくるなんて」

 

その問いにナミは答えます。

 

 

「大きな音がした…。アーロンね?」

 

大きく倒壊した家を見ながらナミは言います。

 

そこに返事をする者は無く、ただ村長の風車帽だけがカラカラと廻っているのでした。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「そうですか、ゲンさんがそんなことを…。」

 

あの後、村を離れた私達は家に戻ってきていました。

 

ナミとノジコは近くの海岸に出掛けています。

 

 

「そ、それであの長鼻くんがアーロンに攻撃して怒らせちゃったってわけ…。」

 

ま、お陰でゲンさんが助かったんだけどね…。と、苦笑するベルメールさん。

 

 

「それは、その長鼻くんに感謝しないといけませんね…。」

 

ウソップくん…。どうか、無事でいてください…。

 

私は心の中でそう祈るのでした…。

 

sideout

 

 

side夕立

 

ぽい!久し振りの出番っぽい!

 

バラティエを出発してから数日、私達は今だ海の上にいるの。

 

 

「ねえ、ヨサク~…。まだその目的地にはつかないっぽい?」

 

もう飽きてきちゃったっぽぃ~……。

 

 

「まだ数日じゃないですか!夕立の姉貴!ココヤシ村まではまだもう少しかかりますから我慢してください」

 

 

「えー…。」

 

等とブーたれているとサンジさんが声をかけてきた。

 

 

「夕立ちゃん、飯が出来ましたよ~♪これでも食べて期限直してねん♪」

 

そういえば、出発してからというものサンジさんの私に対する態度が急変したのよね…。

 

ちょっと女っぽいのが気持ち悪いっぽい…。

 

 

「わ、わかったからその口調は止めて欲しいっぽい…」

 

 

「はーい♪…じゃあこれで如何ですか?お嬢さん…。」

 

こ、こんどは紳士っぽくなったけど…。

 

 

「あはは…。もう、それでいいっぽい…」

 

私が諦めてご飯を食べようとしたときだった。

 

探信儀に、大きな反応があった。

 

 

「ルフィ!探信儀に大きな反応!この船の近くに何かいるわ!」

 

 

「ん?もがががもがごご(近くにいるのか)?」

 

口にものを詰め込みながら話すルフィ…。

 

 

「喋るか食べるかどっちかにしろ…アホ…。」

 

サンジさんが呆れながら注意する。

 

それを聞いたルフィは口の中の物を飲み込むと喋りだした。

 

 

「夕立!ソイツでかいのか?」

 

 

「相当な大きさよ、この船の数倍はあるっぽい」

 

そう話していると海面が盛り上がり巨大な牛のような怪獣が姿を表した。

 

 

「うはーっ!!でっけえなぁ!」

 

 

「喜んでる場合じゃないっぽい!どうするのこれ!」

 

私は艤装を展開してルフィに問う。

 

すると、サンジさんが声をかけてきた。

 

 

「まあ待て夕立ちゃん…。コイツは飯のニオイに誘われてきたんだろう、ほら、喰え、腹へってんだろ?」

 

そう言っておかずのひとつを怪獣に差し出すサンジさん

 

 

『……モァー』

 

怪獣が口を開いて食べようとしたときだった。

 

 

「死ね!コラァ!!」

 

サンジさんが思いっきり怪獣を蹴り飛ばした。

 

 

「アンタなにやってんすか!?」

 

あまりの唐突な行動にヨサクがぶちキレる

 

 

「アイツ今俺ごと食おうとしやがった…。」

 

 

『ウガァーーッ!!』

 

怪獣が激怒して船に襲いかかってきた。

 

 

「どうするつもり!?このままじゃ沈められちゃうっぽい!!」

 

 

「夕立ちゃんは退いてろ、ここは俺がやる…。」

 

そう言うとサンジさんは船の帆を走り怪獣に向けて跳んだ。

 

 

「コリエ!シュート!!」

 

そして怪獣の喉めがけて鋭い蹴りを放った。

 

怪獣はそのまま気絶し伸びてしまった…。

 

 

「とりあえず、一件落着っぽい?」

 

あまり腑に落ちない終わり方に私はなんとも言えない気持ちになるのだった




榛名がアーロンパークへ戻るとそこにはウソップがつかまっていた。

榛名はウソップをどうにか逃がそうと動こうとするが…。


次回!榛名さんの苦労話!

ウソップを守れ!ナミとハルナの奔走!&ルフィ、ココヤシ村到着!

海賊王にオレはなる!


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ウソップを守れ!ナミの奔走!&ルフィ、ココヤシ村到着!

前回までのあらすじよ!

アーロンに攻撃仕掛けてしまったことでアーロンの怒りを買ってしまったウソップ

必死に逃げ回るも最後はあっけなく魚人たちに捕らわれてしまった。

一方ハルナさんは自宅でこれまでの経緯を聞いていた。

一方のルフィは突如海中から現れた怪獣をぶちのめしていた...。


sideナミ

 

私は一足早くアーロンパークに戻り、様子を見ていた。

 

お姉ちゃんはまだ家にいる。

 

中ではウソップが捕まっており特徴的な長鼻にナイフを突きつけられている。

 

そんな中幹部の一人、クロオビがこんなことを言い出した。

 

 

「前から思っていたんだが、ハルナは本当に信用できるのか?」

 

 

「どういうことだ?」

 

クロオビはおもむろに話し出す。

 

 

「アーロンさん、こうは考えられねえか?

アンタの首を獲るためにハルナがゾロを侵入させたと...」

 

何言ってんのかしら?お姉ちゃんなら態々ゾロを差し向けずとも一人でアーロンを殺れるってのに...。

 

 

「言われてみれば確かにハルナの態度は変だった」

 

 

「あぁ、捕まえたゾロを解放しろとか言い出したし」

 

 

「おまけに水人形まで作って長鼻も解放しろって言ってきやがったしな」

 

アンタたちも対外馬鹿ね...。お姉ちゃんは人に死んでほしくないからそうやっているだけなのに...。

 

クロオビはなおも続ける。

 

 

「裏切りはあの二人の十八番だ、十分に可能性はある。」

 

もう聞きづてならないわ!

 

私は様子見を止め、アーロンパークへと入っていく

 

 

「いい加減にして!」

 

そう大声で言うと魚人たちが一斉に私の方を向いた。

 

 

「勝手な推測で話を進めないで」

 

 

「......ナミ」

 

ウソップが何か言ってるけど無視、今はそれよりも重要なことがある。

 

 

「口を慎むのね、私達が裏切者ですって?」

 

歩きながら私は続ける。

 

 

「私達がこの一味であることは十年前...。」

 

私左腕についている刺青を叩いて言う。

 

 

「この刺青に誓っているはずよ?」

 

 

「だが、事実ハルナはゾロを逃がした。それにそこの長鼻も逃がせと言ってきているんだ、疑う余地は十分にある」

 

 

「そういうことは本人に直接言うのね、そんなこと言った日には海の藻屑でしょうけどね」

 

そういうとクロオビは押し黙る。

 

そんな度胸もないくせによくそんなことが言えるわよね...。

 

 

そこまで言うとアーロンは不敵に笑いながら言った。

 

 

「...フフ、ハハハ、スマンスマン、ナミ、お前が起こるのも当然だ。

だが安心しろ、俺はお前たち二人の事をこれっぽっちも疑っちゃいねえ。

オレとお前達は十年の付き合いだ...。疑うなんてことはしねえさ」

 

 

「...なら、いいけどね」

 

そう言いつつ私は心の中で安堵していた。

 

私の安堵を他所にアーロンたちはウソップをどうするかを話し始める。

 

 

「それじゃあこの長鼻はどうする?」

 

 

「解放してやれ、下手にハルナに逆らって怒りを買うのは避けたいからな...。

だが、無傷でというのは性に合わねえ、死なない程度に痛めつけてあの腹巻にでも帰してやれ、ナミ、あの腹巻の居場所は分かるか?」

 

 

「アイツならコイツが捕まってること聞きつければ血相変えてやってくるわよ」

 

 

「そうか、ならこちらから探す手間が省けるな...。」

 

そういうとまた話し始める。

 

私は小さくため息を吐くとチラリとウソップの方を見て目を見開いた。

 

ウソップはパチンコを構えてアーロンに狙いを定めていたのだ。

 

 

なんで邪魔をするの!もう直ぐ全てが上手くいくのに!

もうすぐ!

 

私は棍を手にウソップを殴りつける。

 

 

「ぐはぁ!...ぁ...てめえ!やろうってのか!」

 

折角解放してくれるって言ってるのに手を出そうとするやつが何言ってるの?

 

 

「邪魔なの、あんたが悪いのよ?アーロンに手を出したりするから」

 

 

「ナミ、お前にはがっかりしたぜ!ハルナもそうだ!ルフィはな!お前達が船を盗んで逃げた後も、これっぽっちもお前たちを疑わなかったんだぞ!今だって完全に信じてる!そんな奴をよくも平気な顔して騙せるもんだな!」

 

そうなんだ、まだ信じてるなんてバカみたい...。

 

 

「私が信じてるのはお姉ちゃんとお金だけよ、騙される方が馬鹿なのよ...。」

 

 

「んだとコラア!」

 

私は黒帯の手からナイフを奪い取りながら言う...。

 

 

「...何事もなく事は運ぶはずだった...。

アンタ達は私達二人の十年間のビジネスを無駄にしかねない...。

だからせめて、私の手で消してあげる」

 

その言葉にウソップは固まる。

 

 

「けす...?ハハハハ!お前がオレを?笑わせんな!」

 

 

「私を、甘く見ないことね...。」

 

 

「っ!?必殺!煙星!」

 

不意にウソップが煙幕を放った。

 

見え透いた手ね...。あんたの考えることは分かるわよ。

 

私は水門近くまで歩み寄るとそこでウソップを待ち受けた。

 

やがて足音が聞こえてくるとその人物に向かって声をかけた。

 

 

「アンタが考えそうなことね、フンッ!」

 

私はそう言いながらウソップの腹部に思いっきりナイフを突き刺した。

 

 

「っ!ナ...ミ...」

 

 

「私達のビジネスの為よ、こうするしかなかったの...。」

 

 

「ナ...ミ...てめえ...」

 

私はナイフを引き抜く。

 

 

「大人しく死んで...。」

 

 

「ァ...ァ...」

 

 

バシャーン!

 

水底に沈んでいくウソップ。

 

私はそれを無機質に見つめるのだった。

 

それを物陰から観察している者がいるとも知らずに...。

 

 

sideout

 

 

 

side夕立

 

 

やっほー夕立だよ。

 

今私達は襲ってきた怪獣に船を引かせてるの。

 

 

「おぉー!見えたぞ!アーロンパーク!」

 

 

『ンンン...』

 

怪獣の様子がおかしいのよね...。

 

 

「コォラ!暴れるなウシ!」

 

 

「やっぱりあれっすよ、サンジの兄貴の蹴りが聞いてるんすよ」

 

 

「この様子だと確実にそれが原因っぽい...」

 

すると、怪獣が突然進路を変えた。

 

 

「おい!違うぞもっと左だ!あの建物だぞ!」

 

 

『ンンンンン~......』

 

声が聞こえていないのか怪獣の進路は全く違う方向へと進んでいく。

 

そして迫りくる巨大な岩肌

 

 

『いいっ!?』

 

「ぶつかるっぽい!!」

 

ドゴォォォォンッ!!

 

怪獣は勢いよく岩肌に激突、引かれていた船はその勢いに乗せられ勢いよく宙を舞う

 

 

「おほぉー!」

 

 

「ひぃっ!」

 

 

「いいっ!!」

 

 

「きゃぁぁぁぁ!!」

 

私は悲鳴を上げるしかない

 

 

「おぉー!!まるで空飛んでるみたいだ!」

 

 

「みたいじゃないっす!!」

 

 

「ぶっ飛んでんだよ!このバカ!」

 

 

「そんなことよりこれどうするつもりっぽい!?」

 

徐々に高度が下がり始める船...。

 

 

ズズズズズズズズズッ.........!!

 

 

地面に着地した後も勢いよく滑り続ける船。

 

 

その向かう先には何故かゾロ...。

 

 

「よぉっ!ゾロ!」

 

 

「ゾロ!危ないから早く退いてぇ!!」

 

しかしゾロが避ける暇なく船はゾロを巻き込み滑り続ける。

 

 

そして本日二度目の岩肌が見えてくる。

 

 

「ちょっ!どうすんだよこれ!」

 

このままだとゾロが叩きつけられちゃうっぽい!

 

私は能力を発動するため技を唱える。

 

 

「操風『風玉』」

 

すると船と岩肌の前に風の大きなクッションが構築される。

 

船はそこに見事に激突...。

 

 

ブスゥゥゥゥゥ...!

 

空気が抜ける音と共に船の勢いは止まった。

 

 

「はぁー着いた着いた」

 

確かについたけど...。

 

 

「ゾロ、大丈夫っぽい?」

 

私は巻き込まれたゾロに声をかける。

 

 

「あぁ、なんとかな...助かったぜ夕立

ってかルフィ!お前なんて登場の仕方しやがる!

危うく殺されかけたじゃねえか!」

 

 

「なにってナミと姉ちゃんを連れ戻しに来たんだよ。まだ見つかんねえのか?

そうだ、そういやウソップとジョニーはどうした?」

 

そこでハッと思い出したようにゾロが顔を上げた。

 

 

「ウソップ!こんなとこで油売ってる場合じゃねえ!」

 

慌てて走り出そうとするゾロ

 

 

「え?どうしたのそんなに慌てて」

 

 

「あの野郎、今アーロンに捕まってやがんだ!早くいかねえと殺されちまう!」

 

 

え!?そんな切羽詰まった状況だったの!?

 

 

「殺されました...。」

 

不意に別の声が聞こえ私達はそちらを見る。そこには息を切らしたジョニーがいたの。

 

この後私達はジョニーの言葉に衝撃を受けた...。

 

 

 

 

 

 

 

「もう手遅れです...。ウソップの兄貴は死にました...。殺されたんです...!

ナミの...!姉貴に!!」

 

 

 




ジョニーからウソップが死んだことを聞かされる俺達、そんな中ある人物が俺達の所にやってくる。

次回!榛名さんの苦労話!

夕立激怒!現れる謎の影

海賊王にオレはなる!


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夕立激怒!現れる謎の影

前回までのあらすじです!

捕まったウソップを助けるべく動くナミだったがウソップの行動によりそれは白紙に帰した…。
やむなくウソップを殺すという選択をとったナミを物陰から見ているものがいた。


side榛名

 

 

こんにちは、ハルナです。

 

家で長居してしまった私はアーロンパークに戻っている最中です。

 

その道中…。

 

 

ブスゥゥゥゥゥゥッ!!

 

 

「え!?今の音はいったい…。」

 

私は音のした方へと向かいました。

 

 

 

 

 

 

音のした方へ来てみるとそこには一隻の小舟がありました。

 

その近くには数人の人影があります。

 

 

誰かしら…?なにやら言い争ってるみたいだけど…。

 

そう思い、近づいてみるとその人影はルフィくん達だったのです。

 

 

「出鱈目言うな!ナミがウソップを殺すわけねえだろうが!俺達は仲間だぞ!!」

 

ナミがウソップくんを殺した…?どういうこと?

 

とにかく、何しに来たのか聞いてみないといけないわね…。

 

私は意識して目のハイライトを消し無表情を作るとルフィくん達に近づきました。

 

 

「あら、誰かと思えば私達に裏切られた海賊さん達じゃないですか」

 

そう言うと一同がこちらへ振り向きました。

 

そしてルフィくんが振り向き様に言います。

 

 

「…姉ちゃん」

 

姉ちゃん、ですか、まだそう呼んでくれるのね…。ルフィくん…。

 

 

「姉?もう私なんか姉なんかじゃないんじゃなかったんですか?」

 

 

「そ、そりゃあ…」

 

口ごもるルフィくん…。

 

意地が悪いと言われるでしょうがここはこうするしかありませんから…。

 

口ごもるルフィくんを他所にゾロさんが口を開く。

 

 

「おい、ウソップはどこだ?」

 

 

「さあ?アーロンに捕まったのなら今頃は海の底でしょうね…。」

 

 

「てめえ、いい加減にしろ!」

 

 

 

そう言いながら刀に手をかけこちらに向かってくるゾロさん。

 

 

「フッ…水触手…。」

 

私は軽く手を降り辺りの水を操ると水の触手を作りゾロさんの足を掴み持ち上げます。

 

 

「ウオッ!?」

 

足を取られ自由を奪われるゾロさんに私は言います。

 

 

「私に攻撃を仕掛けようなんて10年早いですよ?ゾロさん…。私に一撃でも入れたければアーロンを一撃で倒すくらいの実力がなければ私には到底届きません…。」

 

 

「く、クソッ!」

 

足の拘束を解こうともがくゾロさんを私は振り回し近くの水田へと放り投げます。

 

 

「ゾロ!何すんだ!姉ちゃん!」

 

まだ分からないのね…。仕方ないわ。

 

 

「これ以上余所者がこの村の問題に首を突っ込むなということです…。貴方達に近づいたのもお金の為以外の理由はない…。早々に引き返す事です。」

 

ここまで言えば例えおバカなルフィくんでも分かるでしょう…。

 

 

「姉ちゃん…」

 

 

「ち、ちょっとハルナさん!いったいどうしちゃったっぽい?なんだか今のハルナさん変っぽい!」

 

 

「そうだぜ、姉さん…。アンタどうしちまったんだ?

昔はそんなじゃなかったじゃねえか」

 

私は二人の言葉を嗤い飛ばします…。

 

 

「私が変?変わってしまった?そんなの当たり前でしょう?人は変わる、それは私だって同じなんです…。昔は昔、今は今…。今の本当の私はこうなんです…。」

 

 

「そんな…」

 

そのやり取りを黙って聞いていたルフィくんが突然目を閉じると倒れてしまいました。

 

 

「ルフィ?」

 

 

「……」

 

私はその様子を黙ってみていると…。

 

 

「寝る、島を出る気もねえし、この島でなにが起きてんのかも興味ねえし、ちょっと眠いし…。寝る…。」

 

 

「ハァ!?いきなり何を言ってるっぽい!?」

 

これは…もう怒りを通り越して呆れるしかないですね…。

 

 

「そうですか、それもいいでしょう…。でも…」

 

そう言うと私は水の触手を操りルフィくんを持ち上げます。

 

 

「うわあぁぁぁっ!!なんだぁ!?」

 

そして宙にぶら下げると顔を合わせ言い放ちます。

 

 

「あなた達が何をしようと構いませんがもう私達には関わらないことです…。死にたくなければね…。」

 

そして、ルフィくんをぶら下げたままの状態でその横を通り過ぎます。その途中に私は最後の言葉を言い放ちます…。

 

 

「……さようなら」

 

それだけ言ってから私は触手を振り回しルフィくんを放り投げると、そのまま道を進んでいきました。

 

 

 

 

 

 

しばらく進んでいるとナミががいました。

 

 

 

「ナミ……」

 

 

「お姉ちゃん、ごめんね…」

 

 

 

 

 

「え?どうしたの?突然…」

 

 

「大丈夫…お姉ちゃんが苦しいの…分かってるから…。」

 

それを言われた私は何かが急ききった崩れ落ちた。

 

そして私は静かにナミの腕の中で泣きました。

 

sideout

 

 

 

sideサンジ

 

 

姉さんが立ち去った後、夕立ちゃんはずっと姉さんが消えていった方を見ていた。

 

しかし、暫くして少し口を開いた。

 

 

「ハルナさん、泣いてたっぽい…」

 

夕立ちゃんのその言葉に俺は反応する。

 

 

「夕立ちゃんにも分かったか…。」

 

夕立ちゃんは頷いて答える。

 

 

「うん、前はずっと一緒に戦ってきてたからね…。そのくらいはわかるつもりよ」

 

そういや、夕立ちゃんと姉さんは俺達と出会う以前からの知り合いだって言ってたな

 

すると、クソ剣士が口を挟んでくる。

 

 

「あぁ?アイツが泣いてた?」

 

 

「そうさ、心の中でな…。」

 

 

「フンッ…大方、ウソップを殺しちまったナミを止められなかった後悔の涙だろ」

 

 

「本当にそう思うのか?」

 

 

「あ?」

 

俺達が話していると不意に夕立ちゃんが呟く…。

 

 

「許さない…。」

 

 

「ん?」

 

 

「あぁ?」

 

 

「ハルナさんをあんな風にするなんて絶対に許さないっぽい!魚人共!このソロモン海の悪夢と呼ばれた夕立がアンタ達に悪夢!見せてあげる!地獄よりも恐ろしい悪夢をね!!」

 

そう叫ぶ夕立ちゃんは怒りに打ち震えていた…。

 

 

sideout

 

 

 

sideベルメール

 

 

ゲンさんの治療を終えて私とノジコは家に帰ってきていた。

 

家に入ると、椅子に座ったまま動かないナミとソファで寝息を立てているハルナがいた。

 

 

「二人とも帰ってきてたの?いったいどした?」

 

私はナミに問いかける…。

 

 

「お姉ちゃんに…。また辛い役目を押し付けちゃった…。」

 

ナミが辛そうな顔をして話す。

 

 

「教えて…。何があったの?」

 

 

「実はね…」

 

ナミほそう言うとポツリポツリと何があったかを話始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどね…。そんなことが」

 

 

「もう私、お姉ちゃんにこれ以上負担をかけたくない…。でも、どうしたらいいのか分からないの…。」

 

ナミが一層辛そうに言う。

 

私は眠っているハルナの顔を見る…。

 

 

「まったく…。あれだけ言っても分からないんだね…この子は…。」

 

そう言ってそっとハルナの頬を撫でる…。

 

よく見ると、先程まで泣いていたのか、ハルナの目は泣き張らしたように腫れていた…。

 

いつまで経っても手のかかる子だ…。

 

私はそう思いつつため息を吐くのだった。

 

sideout

 

 

 

sideハルナ

 

 

夢を見ていました…。

 

そこは水の中でした。

 

ユラユラと揺れるだけでなにもない…ただ、真っ青な空間に私はいました。

 

 

『まったく、アンタが考えそうな手ね…。フンッ!』

 

そんな声が上から聞こえてきて私は上を見上げます。

 

そこにはナミがウソップくんを刺している場面でした…。

 

 

「!?ナミ!え…?」

 

しかしよく見るとナミはウソップくんではなく、自身の手の甲にナイフを突き立てていたんです。

 

 

「これは…記憶?」

 

恐らくそうなのでしょう、ナミは私と一緒にいたはずでしたから…。

 

その間にも場面は進んでいきます。

 

 

『っ!ナ...ミ…』

 

 

『私達のビジネスの為よ、こうするしかなかったの...。』

 

 

『ナ...ミ...てめえ...』

 

ナミはナイフを引き抜くと言います。

 

 

『大人しく死んで...。』

 

 

『…ァ...ァ...』

 

 

バシャーン!

 

ウソップくんが血塗れになりながらこちらへ落ちてきます。

 

私はそれを受け止めようと手を伸ばします…。

 

しかしウソップくんの体は私の手をすり抜け水底へと落ちていきました。

 

そこで私は理解しました。

 

これはナミ達の様子を見ていた水の記憶なのだと…。

 

 

「そう、そう言うことだったのね…。」

 

ウソップくんは死んではいない…。

 

その事実に私は深く安堵しました…。

 

すると、私の体がフワリと浮かぶ感覚がしました。

 

徐々に徐々に上へと浮上していく私の体…。

 

そして光に包まれた時、私は目を覚ましました。

 

目を開けるとそこは見知った部屋の中でした。

 

 

「ここは…家?」

 

すると、後方から声がかけられました。

 

 

「お姉ちゃん、起きたのね」

 

声のした方を見るとナミがこちらを見ていました。

 

 

「気分はどう?」

 

 

「えぇ、おかげさまでもう大丈夫よ」

 

 

「そう、良かった…」

 

そこで暫しの無言が部屋を包む…。

 

 

「ねえ、ナミ…。約束の金額まで後いくらだったかしら?」

 

私は無言を解きほぐすように口を開きます。

 

 

「後七百万ベリーよ…。今の私達なら後一回の航海ですべて終わる…。」

 

 

「そう…。後七百万なのね…。」

 

確かにそのくらいならすぐに稼ぐこともできるでしょう…。

 

昔と違ってナミも潜り込むのが上達しましたし、きっとすぐに集められます…。

 

 

「それじゃあ最後の一盗み、行くとしますか!」

 

 

「そうね、もう一頑張りしましょうか」

 

私達は立ち上がり家を出る。そこへ…。

 

 

「チチチッ!君達かね、ナミとハルナとか言う女二人組の泥棒は」

 

海軍の一人の鼠のような顔をした男が話します…。

 

 

「…!」

 

この人、どうして私達のことを…。

 

鼠のような男は続けます。

 

 

「調べによると、海賊相手に盗んだ宝をこのミカン畑に隠しているそうだな…。」

 

 

『…ッ!?』

 

この人、いったいどこでそれを知って!?

 

 

「まあ、相手が海賊なんだ、咎めるつもりはない…。

だが、泥棒は泥棒だ。よって、お前達が盗んだ金品はたった今!全て!我々政府が預かり受ける」

 

 

な、なんですって!?

 

 

「さあ、盗品を全て差し出せ!」

 

ニヤリと笑みを浮かべ男はさらに続ける…。

 

 

 

 

 

 

「没収だ!」




海軍に宝の隠し場所を暴かれてしまったハルナ達…。

だが、それはハルナの作戦だった。

それを知らずに海軍は引き上げていく…。

次回!榛名さんの苦労話!

持ってけ泥棒!ハルナの罠に嵌まる海軍とアーロン一味

海賊王にオレはなる!


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持ってけ泥棒!ハルナの罠に嵌まる海軍

前回までのあらすじです!

ついに到着したルフィ達、そこに近づく影あった…。

その影の人物はハルナだった。

ハルナの忠告を無視するルフィ

時は進み、家へと戻ってきていたハルナ達の前に海軍が現れる。

「君達が盗んだ金品は我々政府が預かり受ける…。没収だ!」


sideハルナ

 

 

こんにちは、ハルナです…。

 

私は今驚きで動けずにいます…。

 

 

「チチチチッ!どうした?聞こえなかったのかな?海賊から盗んだお宝は全て政府が預かり受けることになっている…。」

 

どうして海軍が宝の隠し場所を知っているの?

 

この事を知っているのはベルメールさんや、ノジコちゃん、それにナミだけのはず…。

 

と、ここでナミが口を開きます。

 

 

「フッ…。それはそれは…随分と職務にご熱心なことね、

海賊どもに立ち向かう勇気がないからコソ泥相手に点数を稼ぐ…ご立派なことだわ…。」

 

私はコソリとナミに耳打ちします…。

 

 

『ナミ、一応演技だけはしておいて…。フェイクはもう用意してあるから…それと、この事はベルメールさん達にも伝えちゃダメよ…。』

 

私の言葉にコクリと頷くナミ。

 

 

「一つ言っておくけど、私はアーロン一味の幹部よ、それにお姉ちゃんはアーロン一味の副船長…。私達に手を出せばアーロンが黙っちゃいないわ」

 

 

「チチチチッ…小娘が、それで私と対等にやりあってるつもりかな?盗品を探せ!!」

 

そう指示を飛ばす海軍の男…。

 

その指示に数人の海兵が動き出す…が、

 

 

「がぁっ!」

 

 

「あがっ!」

 

 

「ぐあっ!」

 

バタリと急に倒れる海兵達。

 

 

「な…なんだ!?どうした!」

 

驚くの無理はありませんね…。

 

私は背後に複数の水球を展開しつつ口を開きます。

 

 

「一つ聞きますが、その情報は何処で手にいれたものですか?」

 

 

「チチチチッ…どうして君らに言う必要があるのかね?」

 

 

 

「何故ってこの情報を持っているのは私を含めた極少数の方しか知らないもの…。それを知っているとなれば誰かから聞いた以外考えられませんから」

 

さあ、どう出てきますか?

 

 

「チチチチッ…確かにそうだな…。だが君らに教える義理はない盗品を探してこい」

 

またも指示を飛ばす男…。学ばない人ですね。

 

 

「水連弾「アクア・マシンガン」」

 

私は背後に展開させていた水球から水を弾丸のように発砲させて海兵共を打ちのめします。

 

 

『ぐぁっ!』

 

『ほぎゃっ!』

 

そして残るはその男一人…。

 

 

「なんだこいつは!?こんなやつがいるなんて聞いてないぞ!」

 

 

「さて、もう一度だけ聞きます…。この情報は何処で手にいれたものですか?言いいなさい…。」

 

だが、海軍の男は往生際悪く言います…。

 

 

「お前、わかっているのか?海軍に手を出せば逮捕、下手をすれば死刑なんだぞ!」

 

 

「何を今さら…。そんなこと、貴方をここで始末すれば済むだけ話じゃないですか?」

 

 

「ひいっ!!」

 

 

「早く言いなさい…。さもなくば、貴方の身体が蜂の巣になりますよ?」

 

私は水球を見せつけながら脅迫します。

 

 

「わ、わかった!言う!言うから殺さないでくれ!

アーロンだ!あの魚人から教えられたんだ!」

 

なんですって!?アーロンが…!

 

 

「…っ!?」

 

ナミも驚いている様です…。そうよね、これは約束を裏切られたのと同じことですもの…。

 

 

「そうですか、それなら仕方ありませんね…。お宝は差し上げます…。そこの木の根元に埋めてありますから…。」

 

 

「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!?どうしてあげちゃうのよ!」

 

 

「いいのよ、1億なんてその気になればすぐに集められるのだから…。」

 

その代わり…。と、私は男に水球を突きつけ言います。

 

 

「次にこんなことをしたら貴方を奈落の水底へと叩き落としますから…。」

 

物凄い勢いでコクコクと頷く男…。

 

これだけ言っておけば大丈夫でしょう…。後は…。

 

私はナミにアイコンタクトをとります…。

 

 

(後はよろしくね…)と…。

 

ナミは小さく頷いてから男に言います。

 

「さっさと持っていくなら持ってけドロボウ!こんな『はした金』善部くれてやるわ!」

 

 

「は、はいぃ!!」

 

私はそれを見届けると歩き出しました…。

 

ある場所へ向けて……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アーロン!」

 

私はアーロンパークのとを蹴破りました。

 

 

「おぉ、ハルナ、どうした?何をそんなに怒ってるんだ?」

 

そう、シラを切るつもりなんですね……。

 

 

「よくそんなことが言えるわね…。あの海軍から聞いたわ、あの男に宝の隠し場所を教えたのは貴方だってね。

約束を破っておいてその態度はなに?」

 

すると、アーロンは頬をしかめた。

 

 

「チッ…鼠の野郎、喋っちまいやがったのか…使えない奴だ…。」

 

 

「私の質問に答えなさい!アクア・スネーク!!」

 

私は怒りに任せて巨大な水蛇を作り出しアーロンを締め上げます…。

 

 

「ぐっ…あぁ、そうだ、お前達は手放すには惜しい人材だったんでな」

 

そんな…そんなことのために…!

 

 

「そんなことのためにナミとの約束を裏切ったのか!!」

 

私は怒りを強め、蛇の締め上げる強さを上げます…。

 

 

「俺は裏切っちゃいないさ、あんなことで見つかるナミが悪いのさ!シャーハッハッハッハ!!」

 

 

「…殺す!!」

 

蛇に更に締め上げる強さを上げさせます…。

 

 

「アーロンさんに何しやがる!」

 

 

「ニュゥ…!下等種族の分際で図に乗るんじゃねえ!!」

 

 

「チュッ…瞬殺してやるよ」

 

 

『殺っちまえぇぇぇ!!!』

 

幹部や部下達が一斉に私に飛びかかってきます…。

 

 

「懆水「アクア・タイフーン」」

 

直後、飛びかかって来た者達は水の奔流に飲み込まれます

 

 

「ニュゥッ!?!?なんだこれは!?」

 

 

「チッ…身動きがとれねえ」

 

 

「チュッ…これはキツいな…」

 

 

『くっくそぉ…!!』

 

先ずは貴方達から終わらせないといけませんね…。

 

 

「追撃「水鎌」」

 

私は奔流を水の刃へと変え部下達を切り刻んでいきます。

 

 

『ぐわぁぁぁっ…!!』

 

暫く断末魔の悲鳴が聞こえていましたが、すぐに聞こえなくなりました…。

 

 

「残るは貴方だけ…「隙アリだな」がはっ!?」

 

な、なに…?

 

見ると私の胸にアーロンの鋭い鼻が突き刺さっていました…。

 

 

「ゴフッ!…!?…こ…れは…」

 

 

「惜しかったな、ハルナ、お前がもしあの蛇を硬質化させたりしていたら俺を殺れてたかもしれねえのにな…。」

 

 

「っ!…ま、まさ…か…」

 

 

「そう、あの蛇の拘束はもうねえ、お前の負けだ、ハルナ」

 

そう言うとアーロンは私の胸から鼻を引き抜き首を持ち上げてきます…。

 

 

「がふっ…!ぁぁ…」

 

駄目…もう意識が…

 

 

「もう終わりみたいだな…フンッ…」

 

そう言うとアーロンは私を海へと投げ捨てました…。

 

 

こ…こんな…ところで……。

 

 

「こんごう…おねえ…さま…」

 

そこで私の意識は暗転しました…。

 

そして、私は水底へと沈んで行くのでした。

 

sideout

 

 

 

 

sideヨサク&ジョニー

 

 

オレ達は目を疑っていた。

 

今しがた起こっていた光景が信じられなかったからだ…。

 

先程、ハルナの姐さんがアーロンにぶちギレていてアーロンの部下達を瞬殺していたと思ったら、その直後に姐さんがアーロンに貫かれていた。

 

しかもアーロンはそんな姐さんを海へと投げ捨ててしまった…。

 

 

「ど、どうする相棒このままだと姐さんが!」

 

 

「ヨサクは姐さんを頼む、オレはその間にアーロンの相手をする」

 

 

「相手をするってどうするんだよ!こうしてる間にも姐さんが!!」

 

 

「オレ達が考えてたってしかたねえんだ!いくぞ!!」

 

 

「おう!」

 

オレ達はすぐに動き出すのだった。

 

 

 

待っててください!姐さん!絶対に助けますから

 

 




夕立が嫌な予感にアーロンのもとへ向かうルフィ達

しかしそこにはボロボロになり倒れているジョニーとヨサクの姿があった…。

そして一味はヨサクの口からとんでもない事実を聞かされる

次回!榛名さんの苦労話!

榛名轟沈!?ルフィの怒り大爆発!

海賊王にオレはなる!


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榛名轟沈!?ルフィの怒り大爆発!

前回までのあらすじです!

ハルナの脅しで情報を漏らした犯人はアーロンだった。

それを知ったハルナはすぐさまアーロンに挑みかかるも隙を突かれ刺されてしまう…。

倒れ沈んでいくハルナ…はたしてハルナの運命は!?


side夕立

 

ヤッホー、夕立だよ。

 

いま、ルフィと散歩してるんだけどその途中…。

 

急に胸騒ぎがし始めたっぽい。

 

 

「……ハルナさん?」

 

 

「ん?どした?ユウダチ」

 

ルフィが私の変化に気付き問いかけてくる。

 

 

「なんだか嫌な胸騒ぎがするの…ハルナさんに何かあったのかもしれないっぽい…」

 

 

「姉ちゃんが?そりゃ本当か!?」

 

ルフィの問いに私は首を降って答える

 

 

「分かんない…でも、すごく嫌な予感がするの…」

 

 

「よし!じゃあ姉ちゃんを探すぞ!」

 

 

「…え?」

 

ルフィの言葉に私は顔を上げる。

 

 

「わかんねえなら確かめりゃいい、もし本当にヤバそうなら助け出すまでだ!」

 

そう、そうよね!先ずはハルナさんの安否を確かめるのが先決っぽい!

 

 

「分かった!ハルナさんを探そう…。

ハルナさんはいつもナミと行動を共にしてたっぽいから

ナミに聞いたら分かるかもしれないわ」

 

 

「よし、じゃあナミを探すぞ!」

 

 

「うん!」

 

私達はナミを探して走り出した。

 

 

 

sideout

 

 

 

 

sideルフィ

 

 

ナミを探しだしてすぐ、オレ達はココヤシ村に来ていた。

 

 

「さて、ナミは何処だ?」

 

 

「すぐに見つかるといいっぽいんだけど…」

 

二人して辺りを見回す…。すると。

 

 

「アーロン!アーロン!アーロン!アーロン!」

 

そう叫びながら自信の左肩にナイフを何度も突き立てているナミの姿があった。

 

ユウダチがそれを見て慌てて止めに入る。

 

 

「やめるっぽい!そんなことして自分を傷つけちゃ駄目っぽい!!」

 

しかし、ナミはユウダチを睨みつけながら言う。

 

 

「…なに?まだこの島に居た訳?すぐに島を出てけっていったでしょ…」

 

 

「でも…」

 

そう言うユウダチの顔が暗くなる…。

 

オレは代わりに口を開く。

 

 

「あぁ、言われた」

 

 

「出てけ!出てけ!出てけ!出てけ!出てけ!出てけ!出てけ…でてけぇ…」

 

拒絶するナミの言葉が徐々に弱くなっていく。

 

 

「何があったっぽい?私達に教えて…」

 

 

「……実はね」

 

暫くの無言の後、ナミがポツリポツリと話し出した。

 

 

「ほんの少し前に私達のところに海軍が来たの…。

私達のお宝を没収するってね…。

だけど、その隠してあるお宝はお姉ちゃんがもしもの時の為に用意してた偽者だったの…。

お姉ちゃんはそれを利用してやつらからどうしてその事を知ったのか聞き出した…。

それがアーロンだったの…。お姉ちゃんはその後すぐに何処かに行ってしまったんだけど、その時のお姉ちゃんの顔、ニコニコしてはいたけど、

眼は本気のそれだったわ…。

だからお姉ちゃんがどこにいったか聞きに村にまで来た…。

その時にゲンさんに何があったのかを聞かれて全部話したわ、そしたら村の人がお姉ちゃんとすれ違ったときに『アーロン』と言っていたのを聞いた人がいたらしいの…。

その時のお姉ちゃんの顔は人を平気で殺しそうな顔をしていたんだって…。

それで、お姉ちゃんはアーロンの所へ向かったんだって話になって村の人達がお姉ちゃんを助けにいこうとしたの…。

私は必死に止めた…。けど、駄目だった…。皆は私の制止を無視して行ってしまった…。」

 

そこで、ナミが悔しそうに口をつぐむ…。

 

そして、泣きながらこう口を開いた。

 

 

「ルフィ、ユウダチ、お願い、お姉ちゃんを、村の人達を助けて…。」

 

なに言ってやがんだ…。

 

その言葉にオレは無言でナミの頭にシャンクスの麦わら帽子を被せ、ナミに背を向け歩きだす。

 

 

 

 

「ルフィ?」

 

ユウダチが訝しげに声をかけてくる

 

オレは立ち止まると思いっきり息を吸い込み叫んだ。

 

助けるなんてそんなの…。

 

 

「あたりまえだぁぁぁぁーーっ!!!!」

 

 

「そうよ!安心してナミ!ハルナさんや村の人達は必ず助けるっぽい!」

 

ユウダチもやる気みてえだな…。

 

 

「っっ!!」

 

ナミが更に泣くのを聞きながらオレは無言で歩き出した。

 

そのすぐ後にユウダチもついてくる…。

 

進む先にはゾロ、サンジ、ウソップが待ち構えている。

 

 

「いくぞ!」

 

オレは一言そう告げる

 

 

『おう!』

 

 

「ぽいっ!魚人共に悪夢、見せてあげる!」

 

目指すはアーロンパーク…。

 

待ってろよ!姉ちゃん!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

しばらく進むとアーロンパークが見えてきた。

 

しかしその入り口に人が溢れていた…。

 

よく見ると、入り口の所に島を出た筈のヨサクとジョニーが道を塞いでいた。

 

その姿はボロボロで酷いものだった…。

 

 

「ヨサク!ジョニー!どうしたっぽい!?ボロボロじゃない!」

 

ユウダチが慌てて駆け寄る。

 

 

「あぁ…ユウダチの姉貴、大変なんです!ハルナの姐さんが!」

 

 

「ハルナさん!?何があったの!?」

 

 

「ハルナさんがやられちまったんです!」

 

 

『っっ!?』

 

オレを含んだ一同が驚いた。

 

二人は続ける…。

 

 

「オレ達は姐さんを助けようとアーロンに挑んだんだが…紙一重で負けちまった…。だからこうしてここに来る村人達を止めておくので精一杯でした…。すいません!!」

 

ユウダチは首を降って答える。

 

 

「ううん、謝らなくても良いっぽい、二人はよくやってくれたわ…。後は私達の出番っぽい」

 

 

「ユウダチの姉貴…!!」

 

オレは扉に近づきながら口を開く…。

 

 

「退いてくれ…。」

 

サッと避けるヨサクとジョニー…。

 

オレは扉の前に立つと思いっきり拳を振り抜いた。

 

 

ドゴォォォォンッ!!

 

轟音をあげて壊れる扉…。

 

オレ達は中へ入りやつを睨み付ける。

 

 

「アーロンってのはお前か?」

 

尖った鼻の魚人は顔をしかめながら答える…。

 

 

「アーロンってのはオレの名だが?」

 

オレはアーロンに近づきながら自身の名を告げる…。

 

 

「オレはルフィ」

 

 

「ルフィ?で、てめえはなんだ?」

 

 

「海賊!」

 

 

「海賊だと?その海賊が俺に何の用だ…」

 

 

「姉ちゃんはどこだ?」

 

 

「姉ちゃん?誰のことだ?」

 

 

「ハルナって女がいるはずだ!何処にいる!」

 

 

「ハルナ?あぁ、アイツなら『深海』だ…。」

 

オレはアーロンの目の前まで近づくと思いっきり腕を振り上げ拳を振り抜いた。

 

地面をバウンドしながら飛んでいくアーロン…。

 

パークの壁に激突し、その壁に背を預けオレを睨み付けてくる。

 

 

「……てめえはいったい…っ!?」

 

その直後、アーロンが殴られたように吹っ飛んでいった。

 

 

「今の言葉、もう一度言ってみるっぽい…。今度はそんなものじゃ済まさないから…。」

 

そのすぐ後にサンジとゾロが現れる…。

 

 

「ユウダチちゃんの言う通りだぜ、このクソ肴野郎…。」

 

 

「ったく、お前ら突っ走りすぎだ…。」

 

 

「おいおい、これホントにハルナがやったのか!?」

 

やって来たゾロとサンジそれにウソップにオレは告げる…。

 

 

「ゾロとサンジ、ウソップは姉ちゃんを頼む…。オレはアイツをぶっ飛ばす」

 

と、そこでユウダチが口を挟む…。

 

 

「ルフィ、私もいること忘れないでくれない?」

 

 

「そうだった…。んじゃ、ユウダチ、二人でアイツをぶっ飛ばすぞ!」

 

 

「任せといて!さあ、素敵なパーティしましょ!」

 

オレ達はアーロンに向かって突っ込んで行った。

 

 

sideout

 

 

 

sideサンジ

 

ルフィとユウダチちゃんがアーロンに突っ込んでいくのを見て俺は海をみる。

 

この底に姉さんが…。

 

まだ生きてるんだろうか…またあの優しい眼差しを向けてくれるんだろうか…。

 

どっちにしても助けないことには始まらねえ…。

 

 

「オラ、クソ剣士、姉さんを助けにいくぞ」

 

 

「んなもん、てめえ一人で行けば済む話だろ?」

 

 

「あぁ゛なんだと?クソマリモ」

 

 

「やんのか!グルグル眉毛!」

 

 

「って、喧嘩してる場合かー!!早くハルナを助けねえとヤバイんじゃねえのか!?」

 

っと、そうだった…。こんなことしてる場合じゃねえ…。

 

 

「仕方ねえ、ウソップ、手を貸せ」

 

 

「お、おう!」

 

俺達は海へと飛び込んだ。

 

 

しばらく潜ると底の方にうっすらと人影が見えた。

 

あれだな?

 

近づくいて見ると姉さんの胸から出血していた。

 

顔も血の気がかなり引いてきている…。

 

ヤバイな、相当出血してやがるぞ…。早く地上に戻って止血しねえと手遅れになっちまう…。

 

 

(お、おい、サンジ!これヤバイんじゃねえか!)

 

 

(分かってる、ウソップすぐに姉さんを引き上げるぞ)

 

 

(あ、あぁ…!)

 

俺達は姉さんを持ち上げ浮上しようとする…が…。

 

 

(な!?なんだこの重さは!?これが人間の重さかよ!)

 

 

(しのごの言ってねえでさっさと持ち上げろ!急がねえと手遅れになっちまうだろうが!)

 

だが、不味いな…。こりゃ本気で持ち上がらねえ…どうなってんだ!?

 

しばらく二人して持ち上げてみるも全く動く気配はない。

 

 

(仕方ねえ、ウソップ!一端、上がるぞ、これ以上は俺らの息が保たねえ)

 

 

(そうだな、もうそろそろヤバイ…)

 

俺達はゾロに協力を仰ぐため一度会場に引き返すのだった…。

 

しかし、このときの俺は知らなかった…。

 

姉さんにあんな変化が起こるなど…。

 

 

sideout

 

 

 

side夕立

 

サンジ達が水中で苦戦している少し前のこと…。

 

 

「ゴムゴムのぉ…!」

 

 

「風魔…。」

 

 

『螺旋(ピストル)!!』

 

 

「ごふぁっ…!!」

 

螺旋の力を纏ったルフィのピストルが炸裂する。

 

吹っ飛ぶアーロン…。

 

 

「追撃よ!疑似風遁『螺旋連丸!』」

 

風の手を複数出現させその手に複数の螺旋丸を作り上げ飛んでいくアーロンに叩き込む。

 

 

「がっはぁっ!!」

 

ノーバウンドで超回転しながら飛んでいくアーロン

 

 

「まだよね?こんなものでやられてもらったら困るっぽい、

あなたにはまだしてやりたいこといっぱいあるのよ?」

 

しばらくすると奴が歩いてきた。

 

 

「チッ…ここまでやるとはな、さすがの俺も驚いてるぜ…だがな、魚人と下等な人間とでは圧倒的な差があるんだぜ?それはなんだと思う?」

 

 

「鼻…顎?」

 

 

「牙っぽい?」

 

 

「分かった!水掻きだ!」

 

私達の言葉にアーロンはキレたっぽい

 

 

「っ!…種族だぁっ!!」

 

叫んだ直後に私達に噛みついてきた。

 

ルフィはすぐさま躱わす、けど私は動かない

 

 

「おわっとっと…ってユウダチ!!」

 

ルフィが慌ててこちらをみる

 

だが、慌てることはない、何故なら私は…

 

 

「大丈夫、私は平気っぽい」

 

カゼカゼの実を食べた風人間なんだから!

 

 

「チッ…自然系(ロギア)の能力者か…」

 

 

「そう言うことよ、降参するなら今のうちよ?まあ、降参したところで許すきはないけど…」

 

 

「降参?俺が下等種族に?舐め腐るのもいい加減にしろよカス共!もう手加減は無しだ…。魚人に逆らったことを後悔しながら死んでいくがいい!」

 

遂に本気になったわね…。来るなら来てみなさい!

 

私達がアーロンの攻撃に身構えたその時だった。

 

 

ザザザザザ…ザバァァァァンッッ!!

 

突如、海面が盛り上がり破裂した。

 

これにはルフィもアーロンも驚きを隠せない。

 

でも、私は見覚えがあった…。こんな登場をするやつらなんてアイツらしか居ない…!

 

 

「なんだ、今度は何が起きた!?」

 

 

「い、いったい何事だぁ!?」

 

 

「くっ…!」

 

私は水飛沫の中盛り上がった波を睨み付ける。

 

水が少しずつ落ちていき、やがてその正体が現れる…。

 

底に現れたのは…。

 

 

黒い巨人のような身体に口から砲身を生やしたナニカとその横で妖艶に微笑む黒いワンピースを来た白い肌の女性だった。

 

そして、黒い巨人がその手に持っていたのは海で出会った怪獣であった…。

 

 

 

 

 

「忌々シイ魚ドモメ…!サッサト…イーストブルーノ水底ニ沈ンデイケ!!」

 

 




突如現れた女に動けないオレ達…。

奴はアーロンを執拗に狙う

いったいなんなんだアイツ!?

ってユウダチ?どうしてそんな顔してんだ?

次回!榛名さんの苦労話!

深海の覇者、戦艦棲姫爆誕!

海賊王にオレはなる!


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深海の覇者、戦艦棲姫爆誕!

前回までのあらすじっぽい!、

ハルナさんの危機を知りアーロンパークへ向かう私達…。

そこでは既に先客がいたのだった…。


side夕立

 

ヤッホー夕立だよ…。

 

私は今、驚きで声がでないでいる…。

 

 

「ぁ…ぁ…ぇ…?」

 

どうして?どうしてこの世界に居ないはずの深海棲艦がいるの!?

 

ここは制海権を奪われた国じゃないのにどうして!?

 

 

「なんだなんだぁ?なんかすげえデカイのが出てきたぞ?」

 

ルフィが興味津々といった様子で見ている。

 

しかし、この時、私達は気づいていなかった…。

 

戦艦棲姫の髪飾りが私達のよく知る人物のそれであったことを…。

 

戦艦棲姫は私達には見向きもせず、ただギロリとアーロンを睨み付けている。

 

 

「なんだ、コイツは…お前も俺達魚人に逆らう気か?」

 

 

「……」

 

戦艦棲姫は問いには答えず、ただアーロンとの距離を積めていく…。

 

そして、アーロンの目の前まで近づくと…。

 

 

「っ!?ぐぉっ!?な、なんだこの力は……!!」

 

いきなり首元を掴み片手で思いきりその首を締め上げた。

 

 

「ぐっ…!あがっ…!くっ…調子に…乗るな!!」

 

アーロンが手についた少量の水を戦艦棲姫に向け飛ばす。

 

水は戦艦棲姫に諸にかかるが…。

 

 

「……コノ程度カ?」

 

戦艦棲姫はビクともせず、ただ冷徹にアーロンの首を締め上げる…。

 

 

「なっ!?あがっ!?」

 

 

「……フンッ」

 

締め上げるのに飽きたのか戦艦棲姫はアーロンを水の中へと投げ飛ばす。

 

私はそれをみて何故か戦艦棲姫に注意を飛ばしていた。

 

 

「っ!駄目!それじゃあ相手の思うツボっぽい!!」

 

すると、戦艦棲姫はこちらを振り向く…。

 

今度は私が標的……?

 

そう思い、身構えるが戦艦棲姫は私の予想を斜め上を行く行動をとった。

 

 

「……(ニコリ)」

 

なんと、微笑んだのだ…。あの戦艦棲姫が…。

 

私は信じられなかった…。

 

艦娘を見つけたら即座に攻撃してくるあの戦艦棲姫が私に向けて微笑んだ?

 

 

「なぁ、あの女、どっかで見たことないか?」

 

不意にルフィが話しかけてくる。

 

私は考え事をしていて驚いてしまった。

 

 

「ひゃぁっ!?え、な、なに?」

 

 

「なんだ?そんな驚いてよ…。にしてもあの黒い奴カッケー!!!」

 

ルフィの言う黒い奴とはあの艤装のことだろう…。

 

あれがかっこいいなんて…。私達はあれに散々悩まされてきたっていうのに…。

 

 

「お前、あの人の正体が誰か分かってもそんなこと言えるのか?」

 

サンジさん達がやって来て話す。

 

 

「サンジさん、アレのこと知ってるっぽい?」

 

 

「ん?いや…。アレを知ってるっていうよりアレの元の人物を知ってるってだけだがな、ユウダチちゃんはアレのことを知ってるのか?」

 

不意に聞かれて私は慌てて否定する。

 

 

「え!?ううん!知らないっぽい!」

 

 

「…そうかい、まあ、別にアレが何かなんざ知りたくもねえけどな…。」

 

目の前では戦艦棲姫の艤装がアーロンの海中からの攻撃を難なく防いでいる…。

 

 

「なぁ、そんでアイツ正体ってなんなんだよぉ」

 

ルフィが焦れったそうサンジさんに聞いている。

 

 

「お前これ聞いたら腰抜かすぞ…。アレはな、姉さんなんだよ…。」

 

その言葉を聞いた私は一瞬耳を疑った。

 

確か、サンジさんが姉さんと呼ぶのはハルナさんのことだったはず…。

 

そして今サンジさんは戦艦棲姫を姉さんと呼んだ…。

 

ということはつまり…。

 

 

「ハルナさんが戦艦棲姫になってるっぽい!?」

 

 

「ん?アレが姉ちゃんなのか?」

 

 

「そういうこった…。ったく、あんな色っぽくなっちゃってよぉ…。なんて…なんて美しいんだ…♪」

 

サンジさん…仮にも敵にそんな目を向けるのはどうかと思うっぽい…。

 

私は苦笑しつつ戦艦棲姫に目を向けた。

 

 

sideout

 

 

side三人称

 

 

「クソッ!何で当たらねえ!俺達魚人は至高の種族だぞ!」

 

先程から海中からもうスピードで突進するアーロンだがその攻撃は易々と防がれ相手にダメージを与えることができない…。

 

 

「チョコマカ鬱陶シイ魚メ…モウ遊ビハ終ワリダ…サッサト水底ニ沈メ…」

 

 

「シャークオン!ダーツ!!」

 

先程とは比べ物にならないスピードで海中から突進してくるアーロン…

 

だが、戦艦棲姫の艤装は難なくそれを受け止めると頭を掴み持ち上げてしまう…。

 

 

「ぐっ…!クソッ!離せ!下等な人間が!!」

 

 

「ニンゲン?何ヲ言ッテイル…。私ハ深海棲艦…。戦艦の戦艦棲姫…深海の覇者…。魚程度ノ分際デ私ニ楯突ク愚カ者ニハ死ヲ…。」

 

そういうと艤装が砲身のある頭をアーロンに向けた…。

 

 

「沈メ…!」

 

刹那ーーーッ

 

艤装の砲身が赤く輝いたかと思うと轟音と共に真っ赤に染まる弾丸がアーロンに向けて放たれた…。

 

その距離ゼロ…。まさにゼロ距離射撃である。

 

アーロンは身体に大きな風穴を空けたまま力無くダランと伸びた…。

 

 

「フンッ…口程ニモナイ…ザコホド洒落タ台詞ヲ吐ク…」

 

そう言う戦艦棲姫の口調には何処か楽しげなものが混じっているのだった…。

 

sideout

 

 

side夕立

 

 

目の前でアーロンが殺された。

 

それも絶望的な実力差で…。

 

目的の者がいなくなったことで私は一層警戒を強める…。

 

もしこちらに狙いを定めてきたときは例え刺し違えてでもルフィ達を守ろうと心に決めながら…。

 

しかし、戦艦棲姫はアーロンを倒した後、ずっと水平線を見ている…。

 

どうして動かないの?っていうか、魚人にしかターゲットを示さない深海棲艦なんているの?

 

と、思考に集中しているとウソップが話しかけてきた…。

 

 

「なぁ、アレ、ハルナなんだろ?どうやったらもとに戻るんだ」

 

そんなことが分かるならとっくにやってるっぽい…。

 

分からないからこうして考えてるんじゃない!

 

すると、またも水面が浮かび上がり今度は複数の水柱が浮かび上がると、その水柱達は私達の前に降り立ち人形へと変わっていった…。

 

 

 

『Hi!ポイポイ、お久しぶりデース!』

 

『久しぶりね、夕立ちゃん』

 

『マイク、音量大丈夫?って…。今はマイクないんでした…あ、お久しぶりですね。夕立ちゃん』

 

私はまた信じられなかった…。

 

目の前に現れたのは金剛型の三姉妹だったから。

 

 

「なんだ?また人が増えたぞ?っつか、ユウダチの知り合いか?」

 

その問いに金剛さんが答えてくれる…。

 

『Yes!私達は昔のfriendネ!』

 

 

「は?何言ってんだコイツ…?」

 

 

「えっとね、ルフィ、friendっていうのは友達って意味かの」

 

 

「へえーユウダチの友達か!オレはモンキー・D・ルフィ!海賊王になる男だ」

 

『海賊?OH!Pirateネ!私は英国で生まれた帰国子女の金剛デース!』

 

『私は金剛お姉さまの妹分、比叡です!』

 

『同じく妹分の霧島です…。どうぞお見知りおきくださいね』

 

なんだか、かなり馴染んでるっぽい…。

 

サンジさんなんか目をハートにして金剛さんにアタックしてるし…。

 

 

「所で金剛さん、どうしてここに?」

 

私が聞くと金剛さんは思い出したように話し出す。

 

 

『OH!忘れるところデシタ!ハルナを元に戻す方法を伝えに来たネ!』

 

 

「え?!ハルナさんを元に戻せるっぽい!?」

 

金剛さんは可愛くウインクしながら続ける。

 

 

『Yes!その為にここに来たネ!』

 

 

「そ、その方法は!?」

 

『なに、簡単なことです…。ハルナに提督を認識させればいいのですよ…。』

 

…へ?提督を認識させる?

 

 

「それってどうすれば良いっぽい?」

 

『う~ん…そうですね、例えばそこのマリモヘッドの人がハルナ…今は戦艦棲姫でしたね、戦艦棲姫に《榛名、お前を秘書艦に任命する》とか言えば恐らくは…』

 

それだったら適役はこの人ね!

 

 

「ルフィ!あの人にこう伝えて!絶対に一言一句間違えないでね?」

 

私はルフィに耳打ちする。

 

 

「おう!それをアイツにいえばいいんだな?任せろ!」

 

ルフィは戦艦棲姫のところに歩いていき声をかける。

 

 

「ハルナ、お前をダイイチカンタイのキカンにニンメイする!」

 

すると、戦艦棲姫はルフィの方をギョロリとみる。

 

そして、ルフィに敬礼をすると戦艦棲姫の体が輝き出した。

 

光はアーロンパーク一帯を包み込んで消えた…。

 

光が収まると、底には盛大にキラキラが付いた榛名さんがルフィに敬礼していた…。

 

 

「高速戦艦、榛名。着任しました。あなたが提督なのね?よろしくお願い致します。」

 

 

こうして、改めて榛名が戻ってきた麦わら一味なのであった…。

 




アーロンが倒され支配する者が居なくなったココヤシ村…。

ナミはルフィ達と共に旅立つため村のみんなに挨拶をして回っていく…。

次回!榛名さんの苦労話!

新たなる船出、さらばココヤシ村

海賊王にオレはなる!


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新たなる船出、さらばココヤシ村

前回までのあらすじです!

戦艦棲姫になってしまったハルナ…。

絶望的な実力の差でアーロンを圧倒した戦艦棲姫…。

その直後現れた金剛型お姉様や霧島の助力でハルナは元の姿に戻ることに成功するが…。



side夕立

 

ハルナさんが戻ってすぐ…。

 

私はアーロンパークを見上げていた…。

 

 

こんな所があるからハルナさんやナミちゃんがあんなことになっちゃったっぽい…。

 

そんな場所は私が吹き飛ばしてあげる!

 

 

「みんな!今すぐここから離れるっぽい!巻き込まれても知らないわよ!」

 

そう言いながら私は付近の風を操り収束させていく。

 

 

『な、何をする気だ?』

 

 

「おいユウダチ、いきなり逃げろって何するつもりだ?」

 

ゾロが訝しげに聞いてくるのを私はニヤリとしながら返す。

 

 

「今からここを吹き飛ばすっぽい、だから巻き込まれたくなかったら急いで遠くまで離れる事をおすすめするわ」

 

その言葉を聞いた瞬間みんなの顔色が変わった。

 

 

「バカヤロ!それを早く言え!!おい、早く逃げろ!巻き込まれるぞ!!」

 

ゾロが大声で周りに呼び掛けながら走り出す。

 

 

「なんだ?ユウダチ何かすんのか?」

 

 

「今はそんなこと言ってねえで早く逃げるぞ!姉さんも早くこっちへ!」

 

 

「はい、榛名は大丈夫です!」

 

 

「キャーッいったい何するつもりなのよぉ!!」

 

大慌てで離れていく一同、それを確認すると私は技を発動させた。

 

 

「『大風乱!螺旋龍!!』」

 

すると、収束させていた風が渦巻き始め、まるで龍が動いているかのように回転を始める…。

 

やがて風の龍は自らの身体を回転させながら超巨大な竜巻を作り出した。

 

巨大竜巻は真っ直ぐにアーロンパークへと向かっていき崩壊しかけていた建物をまるごと呑み込んだ…。

 

辺りは暴風が吹き荒れ、中の様子は伺えない。

 

 

 

「イッケェー!ぶっ飛ばすっぽーい!!」

 

巨大竜巻は暫くアーロンパークの中を暴れまわりやがて勢いを集約させていき、ポンッと消えた…。

 

後には何もない更地が広がっている…。

 

 

「お掃除完了っぽい!」

 

ブイサインをする私に声がかけられる。

 

 

「おーおー、派手に暴れたなユウダチちゃん」

 

 

「な、何よこれ…。アーロンパークは?」

 

 

「ユウダチ!今のスゴかったな!龍がいたぞ!龍が!」

 

 

「あの建造物をこんな更地に変えるなんて…どうやったらそんな火力が…。」

 

 

「おい!ユウダチ!あぶねえじゃねえか!殺す気か!!」

 

上から、サンジさん、ナミちゃん、ルフィ、榛名さん、ゾロが話す。

 

 

「だから最初に教えておいたでしょ?逃げ切れたんならいいじゃない」

 

 

「よくねえよ!危うく殺されかけたわ!!」

 

ウソップがマジギレしてる、こんなの本気の序の口なのに…。でも、そろそろヤバイっぽいかも…。

 

途端に身体に力が入らなくなり、私はその場に倒れる…。

 

 

「ユウダチ!?どうしたいきなり!?」

 

 

「な、なんだ?どうしたんだよ…?」

 

 

「ユウダチ!?大丈夫!?」

 

 

「ユウダチちゃん!?何処か具合でも悪いのか?」

 

心配そうに駆け寄ってくるルフィ達…。

 

 

「大技使った反動で疲れちゃったっぽい…もう身体動かないぃ…」

 

その言葉に途端に拍子抜けしたような顔をするナミ、ゾロ、ウソップ。

 

 

「大丈夫かい?そういうことなら運んでいってやるよ」

 

 

「疲れて動けねえのか?大丈夫かよそれ…」

 

 

「無理はいけませんよ?」

 

心配そうに声をかけてくれるサンジさん、ルフィ、榛名さん…。

 

私はサンジさんに担ぎ上げられるとグデ~…っと垂れてしまう。

 

それを見かねたのか帽子に風車を刺したおじさんが声をかけてきた。

 

 

「そういうことなら、一度村に来るといい。そこでしっかりと休むことだ…。」

 

 

「お、そいつはありがてえ、良かったなユウダチちゃん。休めるみたいだぞ?」

 

 

「うぅ…助かるっぽい~…。」

 

そうして、私達はココヤシ村へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村に戻るとそこは大宴会場となっていた。

 

あちこちに料理が並び島の人達が楽しそうに笑いあっている。

 

 

「お前さんも混ざりたいだろうが今はドクターの所へ行くぞ、そこの剣士のお前さんもだ」

 

 

「は~い…」

 

 

「あ?何で俺が…」

 

 

「ほらほら、早く行くよ~それ!」

 

私はゾロを風で浮かび上がらせる。

 

 

「うおっ!?クソッ!離せ!ユウダチ!!」

 

必死に抵抗するゾロ、だけど損なんじゃ逃げられないっぽい

 

 

「はいはい、それじゃサンジさん。お願いっぽい」

 

 

「任せとけ!ざまあねえなゾロ」

 

 

「クソッ!覚えてろよクソコック!」

 

他愛もない言い争いをしながら私達は風車の人の案内でドクターの所へと向かった。

 

 

 

sideout

 

 

 

 

sideナミ

 

 

アーロンをルフィが倒してから3日過ぎた…。

 

私は一人、家にいた。

 

 

「なんだ、ここにいたの?ナミ」

 

その声に振り向くと、そこにいたのはベルメールさんだった。

 

 

「うん、ちょっと考え事したくて…」

 

 

「考え事?どうしたの?話してみな?」

 

ベルメールさんの言葉に私は三日前の経緯を話し始めた。

 

 

「前にね、ユウダチがアーロンパークで大暴れしたことがあったでしょ?」

 

その言葉にベルメールさんはあぁ…と苦い顔をする。

 

 

「確かにあったね…。おかげで酷い目に遭ったわ…。」

 

 

「あはは…。その時にね、ユウダチが言ってくれたの

 

『これならナミちゃんも榛名さんも思い残すことないっぽい、だから私達と一緒にいこう?私はナミちゃんの戦友なんだから!』

 

って…」

 

 

「…そっか、良い仲間を持ったね、ナミ」

 

 

「うん、だからね、私、海へ出ようと思う…。海賊になって私の夢を叶えようと思うの…。止めないよね?」

 

ベルメールさんは目を閉じると静かに口を開いた。

 

 

「アンタが決めたことなら私は何も止めやしないよ、ハルナも行くつもりなんだろ?」

 

私はコクリと頷く…。

 

現状、お姉ちゃんは今までの記憶が変化のショックで飛んでいて私達のことは覚えてない状態にある…。

 

ただ少し時間をおいてゆっくりと休ませれば自然と記憶は戻るだろうとあのコンゴウとかいう人が言っていた…。

 

 

「なら、安心だね、ハルナがいれば私は何も心配要らないよ…。頑張ってきな、ナミ…。自分の思う通りに進んでおいで」

 

 

「っっ!!うん!……もう、行くね」

 

 

「あぁ、行ってらっしゃい…ナミ、ハルナにもよろしく伝えておいてね」

 

 

「うん!分かってる!」

 

そうして、その夜は更けていくのだった…。

 

 

sideout

 

 

 

 

 

sideルフィ

 

 

「よーし!出港だ!っと、その前に荷物、全部積んだか?」

 

オレの問いにウソップが答える。

 

 

「あぁ、全部積み終わったぜ!何日もいなかったけどよ、思い出深い島だったよな」

 

 

「あぁ、ニヒヒヒヒヒッ!」

 

 

「ん?そういや、ナミさんはどうした?」

 

サンジがキョロキョロ見回してナミを探す。

 

 

「あれ?そういえばいないっぽい…。」

 

 

「来ねえんじゃねえのか?」

 

 

「この村に残る…ということなんでしょうか…。」

 

 

「いや、姉さんが来るのにわざわざ残るような人か?」

 

まあ、ナミのやつ、姉ちゃんにベッタリだったしな…。

 

 

すると、遠くの方に人影見えた。

 

 

「ん?」

 

 

「おぉぉぉぉ!!ナミさーーん!!」

 

 

「ようやく来たっぽい!」

 

するとナミは大声で叫んだ。

 

 

 

「船を出して!」

 

ん?もう出すのか?

 

 

「なんだなんだ?走りだしたぞ?」

 

 

「船を出せってよ」

 

 

「え…でも!」

 

 

「とにかくやるっぽい!」

 

船の下では村人達が何かいっているが無視だ…。

 

 

「帆を張れ!」

 

オレはゾロ達に指示を飛ばし、出港の準備をする。

 

その間にもナミは村人達の間を走り抜けてくる。

 

 

「おい、いいのか?あんな別れ方させちまって」

 

 

「いいじゃん別に、アイツが決めることだ」

 

そう、アイツが決めることに口を出すつもりはねえんだ。

 

その間にナミは跳びあがり船へと飛び乗ろうとしている…。

 

だが、飛距離が足りず。後、数歩届かない…。

 

 

「折角の機会に海に落ちるなんてしてほしくないっぽい『操風、風力操作!』」

 

すると、ナミの身体が浮き上がり、無事に船の上へと降り立った。

 

 

「サンキュー、助かったわユウダチ」

 

 

「ぽい!」

 

互いにサムズアップする二人…。

 

ナミはその後すぐ自身の服に手をかけると…上に上げた…。

 

すると、その中から財布がボトボト落ちてくる。

 

それを見た村人達は慌てて自身の懐を探る

 

 

『しまったー!あの野郎俺達の財布を盗みやがった!』

 

なんだアイツやることかわらねえじゃん。

 

 

「みんなー!行ってくるー!!」

 

こうして、オレ達の旅に改めて姉ちゃんとナミが加わり、

 

オレ達はまた冒険にでかけるのだった。

 

 

「いくぞ!野郎ども!出港だーー!!!」

 

 

目指すはグランドラインだ!!




おまけ♪

あの後、盗んだ財布は無事、村人達へと返されたそうです。


「盗むのは駄目っぽい…。返却よ」


「えぇー…ユウダチのケチ」

こうしてユウダチの計らいで村人達はお金を取り戻したのでした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



改めて海にでた私達、そこにいつかの海上レストランで醜態を晒した海軍の大尉が襲ってきた

大尉が襲ってきた理由はとんでもないもので…。

次回!榛名さんの苦労話!

世に知れ渡る名前!賞金首になった三人!

海賊王にオレはなる!


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世に知れ渡る名前!賞金首になった三人!

前回までのあらすじです!

アーロンを倒し、無事に平和が戻ったココヤシ村。

私とナミは村の皆に別れを告げルフィ提督達と海へと旅立つのでした。


sideハルナ

 

こんにちは、ハルナです。

 

今、私は少し混乱しています…。

 

今まで忘れていた記憶が不意に甦ってきたのです…。

 

そう、確か私はアーロンに胸を貫かれて轟沈しました…。

 

でも、こうして私は生きています。いったいどうして…?

 

私が考え込んでいると船室の扉が開き中に誰かが入ってきました。

 

 

「あ、お姉ちゃん、起きたのね。どう?何か思い出せた?」

 

入ってきたのはナミでした。私は微笑んでナミに答えます。

 

 

「えぇ、全部思い出したわ。心配かけちゃってごめんなさい…。」

 

すると、ナミは安心したようにホウと息を吐いて言います。

 

 

「本当よ、もう心配かけさせないでよね?それじゃああいつらに教えてくるからお姉ちゃんも早く来てよね」

 

私はその言葉に小さく頷きます。

 

それを見てナミは部屋を出ていきました。

 

本当に、迷惑をかけてしまいましたね…。

 

私は寝間着を着替えると船室から出るのでした。

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

あれから、私達は甲板にて話し合っていました。

 

 

「いやー、でも本当に良かったよ、姉さんの記憶が戻ってくれて」

 

 

「本当っぽい~」

 

 

「だな!ニシシシシッ!!」

 

 

「あはは…。その節はご迷惑をお掛けしました…。」

 

私は申し訳ない気持ちで謝ります…。

 

 

「まあ、なんだかんだ言って無事にハルナの記憶戻ったんだ、それでいいじゃねえか」

 

ゾロさん。ありがとうございます…。

 

 

「にしても、あん時のハルナ凄かったよなぁ~姿が豹変したと思ったらアーロンの奴を瞬殺だもんなぁ!」

 

え?私がアーロンを瞬殺した…?

 

 

「ウソップくん、その話、詳しく聞かせてくれる?」

 

 

「え?あぁ、別にいいけどよ、自分のことなのに覚えてねえのか?」

 

私は首を縦に降ります。

 

 

「そっか、じゃあ説明してやるよ。あれは…。」

 

ウソップくんが話してくれたのは私が沈んだ後の事でした…。

 

あの後、私は深海棲艦へと変貌していたらしいのです…。

 

しかも、アーロンを執拗に狙って攻撃していたとか…。

 

アーロンを倒した私は何をするでもなく海を見つめていたそうです…。

 

そこに会えない筈の姉妹、金剛お姉様達が現れたのだそうです。

 

お姉様達はルフィ提督に私の戻し方を伝えると消えてしまったといいます…。

 

お姉様…。榛名もお逢いしたかったです…。

 

そうして、今に至ると言うことだったそうでした…。

 

 

「そうですか、そんなことが…。」

 

 

「あぁ!ありゃ凄かったぞ!姉ちゃんのあの黒い奴スッゲエカッコ良かったしよ!」

 

提督、あれはそんないいものじゃないんですよ?

 

 

と、それからあれこれ皆で話し合っていると、不意にナミが思い出したように口を開きました。

 

 

「いっけない!忘れるところだったわ、みんな、これ見て!」

 

そう言ってナミが数枚の紙を出します。

 

 

「ん?なんだこりゃ?手配書?」

 

ゾロさんがそれを持ち上げて言います。

 

すると、紙に目を通していくゾロさんの顔が青くなっていきます…。

 

どうしたんでしょう…?

 

 

「なあなあ?何が書いてあんだ?」

 

 

「なんだ?おい、ゾロそれ貸せ」

 

 

「あ、あぁ…。」

 

ゾロさんから紙を受けとり目を通していくサンジくん。

 

 

「ま、マジかよこりゃ…。」

 

見る間にサンジくんの顔も青くなっていきます。

 

 

「なになに?何が書いてあるの?私達にも見せてっぽい!」

 

 

「あ、あぁ、ほら、見てみな…。」

 

サンジくんが皆に見えるように紙を掲げます。

 

私はそれを見ます。

 

そこには、提督の笑顔が写った手配書が…。

 

 

「えっと、なになに?モンキー・D・ルフィ、懸賞金、生死に関わらず、三千万ベリー!?」

 

ウソップくんが驚きの声をあげます。

 

 

「驚くのはまだ早いわ…。その後ろを見て」

 

そうナミが言うとサンジくんが一枚紙を捲って奥の紙を見せてくれます。

 

 

「えっと…。ソロモン・ナイトメア・夕立、懸賞金、生死に関わらず三千五百万、生け捕りで八千万ベリーだと!?」

 

 

「わ、私、賞金首になっちゃったぽい!?」

 

驚くのも無理はありませんよね…。私だって驚いていますから…。

 

 

「い、いや待て、まだあるぞ?えっと、これは?

アクアマリン・D・ハルナ、懸賞金、生死に関わらず四千万ベリー、生け捕りで一億ベリー!?!?なんだこれ!桁違いじゃねえか!どういうことだよこれ!」

 

 

「それだけ貴重な能力って事だろ?にしても、八千万に一億か…。こりゃヤベえんじゃねえか?」

 

確かに危ないですね…。このままゆっくりしてたら海軍の袋叩きにあってしまう

 

 

「そうね、もうのんびりイースト・ブルー(東の海)にいる場合じゃないわ…。早くグランドライン(偉大なる航路)に向かった方が良さそうね…。」

 

確かにそうですね…。あまり長居は出来ないかもしれません…。

 

と、そんなことを考えていると前方にボロボロの船が見えました。

 

私達はそれを避け、横を通りすぎます。

 

私達の元の世界で言うところの反航ですね。

 

すると、ボロ船はいきなり向きを変え私達の船に追い付いて来ました。

 

それを見て提督が言います。

 

 

「どっかの海賊にやられたのかな?軍艦のスクラップだ。」

 

 

「いかんな、海軍は。海にスクラップを棄てるとは…。」

 

 

「いや、あれどう見ても動いてるように見えるのは私だけっぽい?」

 

 

「いえ、夕立ちゃん、私にも動いているように見えるから安心して…。」

 

すると、向こうの船から人が現れると叫び出しました。

 

 

「スクラップじゃねえ!おめえらの目は節穴か!この鉄拳のフルボディを見忘れたかぁ!」

 

それはいつかの海上レストランでいきなり私達に砲撃してきたあの大尉だったのです。

 

提督も思い出したのかその人影に話します。

 

 

「あぁ!いつかの海軍のおっさん!遭難してんのか?助けてやろうか?」

 

それを聞いて向こうは拳を震わせています。

 

 

「ンググッ!!ふざけるな!ここで出会ったのが貴様らの運のツキだ!モンキー・D・ルフィ、ソロモン・ナイトメア・ユウダチ、アクアマリン・D・ハルナ!お前達を逮捕する!」

 

もう、この人鬱陶しいですね…。

 

 

「提督、この船、沈めても構いませんか?」

 

 

「ん?あぁ、いいぞ。やっちまえ!」

 

提督の許可はいただきました…。さて、それじゃあ…。

 

一暴レシマショウカ…!

 

 

「夕立ちゃん、協力してちょうだい」

 

 

「ぽい!榛名さんの頼みならなんだってやるわ!」

 

いい返事ね、じゃあ行きます!

 

 

「アクア・クリエイション、マリンゴーレム!」

 

 

「風造『暴風化物(ストームモンスター)』」

 

すると、海面から巨大な水のゴーレムが…。

 

そして虚空からはこちらも巨大な風の巨人が…。

 

私達は互いに頷き合い、叫びます。

 

 

『融合せよ!アルティメット・フュージョン(究極合体)!』

 

すると、水のゴーレムと風の巨人が互いに渦を巻きながら重なり合い始めます。

 

やがて、二体は一人の巨大な女性へと姿を変えました。

 

 

『顕現せよ!私達の守護神!BIGセブン!ハイパーナガモン!』

 

そう、そこには、前世で艦隊の旗艦を勤めていた長門が立っていたのです。

 

 

『うっひょー!!スッゲェ!!カッケェなぁーー!!』

 

 

「おいおい、なんだありゃ…。なんて凛々しくてお美しい♡」

 

提督とウソップくんが目を輝かせて興奮している横で目をハートに代えてメロメロになっているサンジくんがいます。

 

 

『いっけぇ!!ハイパーナガモン!そのボロ船を沈めちゃって!(てください!)BIGセブンストームバズーカ!!』

 

ハイパーナガモンは両手を構えある構えをとると、水と風の力が合わさった攻撃をボロ船に向けて放ちました。

 

 

 

スドドドドォォォ!!

 

 

 

「ひ、ひぃ!逃げるぞ!」

 

 

『あ!待ってください船長!!』

 

慌てて船から飛び降りる船員と船長…。

 

直後、船は粉微塵に吹き飛びました。

 

 

『これにて、一件落着!!』

 

私達が決めポーズをとっている後ろでナミが一人頭を抱えていました。

 

 

 

 

 

 

「なんなのよ、いったい…。」




ようやく着いたぞ次の島!

あり?ここってあの海賊王が産まれて死んだ場所なのか?

うっひょー!そうと決まれば処刑台へいくぞ!!

次回!榛名さんの苦労話!

次なる島へ!ローグタウン上陸

海賊王にオレはなる!


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次なる島へ!ローグタウン上陸

前回までのあらすじっぽい!

アーロンパークでの一件で指名手配されてしまったハルナ達一行。
そこに以前バラティエでお世話になった海軍少尉のフルボディーが乗り込もうとするが……


『顕現せよ!我らの守護者BIG7!ハイパーナガモン!』

能力で作り出した巨人長門で難なく撃退するのだった。


sideハルナ

 

 

こんにちは、ハルナです。

 

今私達はグランドライン手前の町、ローグタウンに来ているんです。

 

 

「うひょー!でっけえ町だなぁ!」

 

 

「本当!こんな場所見るの久しぶりっぽい!」

 

 

「かつてはグランドラインへ向かう海賊達で賑わった町よ。必要な物はなんでも揃うわ」

 

 

「確かにこれだけ大きな町なら揃わないものは無さそうですね」

 

 

「よーし!これから始まる大冒険のために!オレは装備集めに行ってくる!」

 

ウソップくんは装備集めにいくんですね…。

 

 

「良い食材が手に入りそうだな。後良い女も♪」

 

サンジくんは食材調達に向かうみたいですね。

 

 

「俺も買いてえモンがある…。」

 

ゾロさんの言葉にナミがすかさず反応します。

 

 

「あらぁ、どうやって?確か文無しよねぇ?」

 

 

「……ナミ?」

 

 

「相変わらず守銭奴っぽ~い」

 

 

「いいじゃない!お金は大事なのよ!」

 

開き直るところじゃないと思うのだけれど…。

 

 

「おーし!俺は処刑台を見てくる!」

 

 

『んぁ?』

 

 

「見に行くんだ!海賊王が処刑された場所を!」

 

そう言うとルフィ提督は走り去ってしまいました。

 

 

「って!おおお、おーい!集合場所まだ決めてねえぞ…!ったく、しょうがねえなぁ…。」

 

 

「ルフィだから仕方ないっぽい」

 

 

「ユウダチちゃんの言う通りだな、早く慣れるしかねえよ」

 

 

「ふふっ、提督らしいですね」

 

 

「ハルナは相変わらずだな、おい…。」

 

なんだか今呆れられたような…解せません…。

 

 

「それじゃ、みんな、とりあえず用が済んだら船に集合で良いわね?それじゃ、解散!」

 

そうして私達は解散して動き始めました。

 

 

「ハルナさん、私、ハルナさんと行ってもいいっぽい?」

 

夕立ちゃんがそう言ってきます。

 

 

「えぇ、それじゃあ一緒に回りましょうか」

 

 

「ぽい!」

 

私達が移動しようとした時、声をかけられたんです。

 

 

「あ、おいハルナ、ちょっといいか?」

 

 

「え?」

 

声をかけられて振り向くと声の主はゾロさんでした。

 

 

「どうかしましたか?」

 

すると、ゾロさんはばつが悪そうに頬を掻くと話始めました…。

 

 

「悪いんだけどよ、ちょっと、金貸してくれねえか?」

 

 

「え?お金…ですか?何か買いたい物でもあるんですか?」

 

 

「あ、あぁ実は刀が買いたくてな…」

 

それを聞いた夕立ちゃんが口を挟みます。

 

 

「あぁ、そういえばゾロ、鷹の目と戦ったときに刀二本とも折られちゃってたっぽいもんね」

 

鷹の目…?

 

 

「あぁ、それで流石に刀一本でグランドラインに入るわけにいかねえからここで二本、間に合わせでいいから調達しておきてえんだ」

 

なるほど、そう言うことでしたら断る理由はありませんね

 

 

「いいですよ、十万ベリーでいいですか?」

 

 

「い、いいのか?貸してもらっちまって…」

 

 

「ゾロさんは三刀流の剣士なのでしょ?それが一本じゃ実力も出せないでしょうし…。構いませんよ」

 

ただし、と私は付け加えて言います。

 

 

「あまりお金が減っているとナミに怪しまれます…。なのでなるべく安く仕入れてきてくださいね?」

 

そう言うと私は十万ベリーをゾロさんに渡します。

 

 

「あぁ、助かった。これは必ず返すからな」

 

そう言うとゾロさんは町の人混みに消えていきました。

 

 

「私達はどうするっぽい?」

 

 

「う~ん…そうね」

 

特に見たいものや欲しいものがある訳じゃないんですよね…。

 

 

「とりあえず町の中を探索してみましょうか、でもその前にやることをやらなきゃね」

 

 

「ぽい?やること?」

 

 

「そう、やること。それじゃ、行きますよ」

 

 

「あ!待ってよハルナさーん!」

 

こうして私達は動き始めました。

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

私達がやって来たのは船着き場でした。

 

 

「こんなところで何するっぽい?」

 

夕立ちゃんが不思議そうに聞いてきます。

 

 

「まあ、見てて、『アクア・クリエイション!』」

 

私は能力を発動させると水から変装用の服やグッズを作り出します。

 

 

「さて、これで変装してから町を探索しましょう」

 

 

「変装?どうして?」

 

 

「私達は今お尋ね者なんですよ?堂々と町の中を歩いたりしたら通報されて海軍が来てしまいます。」

 

 

「あ、そっか、言われてみれば確かにそうかも」

 

 

「ほら、分かったら早く変装して行きましょう」

 

 

「はーい」

 

こうして私達は変装して名前を偽名に変えると町へと繰り出すのでした。

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

sideルフィ

 

 

俺は処刑台に向かってんだ!向かってたんだけど……。

 

 

「あれー?なぁんで港に出ちまってんだ?なんでだ?」

 

もしかして、道間違えたか?お!彼処に誰かいる!

 

 

「ん?おーい!」

 

俺は近くにいた男に声をかけてみる

 

 

「丁度よかった、処刑台はどう行ったらいいのかな?」

 

 

「処刑台?」

 

 

「迷子になっちまったんだ…。」

 

 

「見かけねえ顔だな?」

 

 

「ん?あぁ!さっきこの島についたんだ!でっけえ町だなぁここは、フーシャ村とは大違いだ」

 

そしたら道に迷っちまうとはツイテねえよなぁ…。フーシャ村じゃ迷う事なんか無かったのによ

 

 

「何故処刑台を探す?」

 

 

「見たいんだ!海賊王が死んだ場所を!」

 

 

「……!」

 

どうしたんだ?急に黙っちまったぞ?

 

 

「……知らないの?まぁいいや」

 

俺が歩き出そうとした時だった。

 

 

「待て、煙の行った先だ…。」

 

そう言うと男の吸ってるタバコの煙がある道の方へと飛んで行くのがみえた。

 

 

「おぉ!あっちか、ありがとう!」

 

俺は煙を追いかけて走り出すのだった。

 

今度こそ処刑台に行くんだ!そんで海賊王が見た景色を俺も見るんだ!

 

 

sideout

 

 

 

 

 

sideユウダチ

 

 

 

ヤッホーユウダチだよ?

 

あ、間違えたっぽい。今はチユって名前なんだった…。

 

今私達は変装して町の中を歩いてるの

 

 

「ねえ、ルナさん。これから何処に行くっぽい?」

 

するとルナさんは少し考え込んで…。

 

 

「そうね…せっかくだから服でも見に行きましょうか」

 

 

「了解っぽい」

 

そうして私達が動き出そうとした時、不意に声をかけられたの…。

 

 

「おぉ!美しいお嬢さん方!ボクとお茶でも如何ですか?」

 

その声に振り返るとそこには目をハートにしたサンジさんがいたっぽい…。

 

 

「サンジくん?」

 

 

「何してるっぽい?」

 

そう声をかけるとサンジさんは我に返ったように…。

 

 

「その声は姉さんとyuu...か?」

 

 

「ストーップ!それ以上は話さないで!」

 

私は慌ててサンジさんの口を塞いだ。

 

 

「ムグッ…!?んーんー!!」

 

 

「チユちゃん、離してあげて?それじゃあ呼吸もしづらいと思うから」

 

ルナさんに言われて私は渋々手を離す。

 

 

「んーんー!!プハッ!は、話は何となく分かった。

けど、なんで変装なんかしてんだ?」

 

 

「私達お尋ね者だから捕まらないためにっぽい」

 

 

「あぁ、なるほどね…。それじゃあこうしよう俺がお嬢さん方を悪いやつらから守ってやるってのは?」

 

良い案かも知れないけど…。

 

私はルナさんをみる…。

 

 

「そうね、その方が良いかもしれないわ…。

それじゃあ、サンジさん。エスコートはお願い出来る?」

 

 

「あぁ、任しとけ…!それじゃ、行こうかお譲さん方…。」

 

 

「えぇ、お願いね?クルクル眉毛くん」

 

 

「頼りにしてるっぽい!」

 

こうして私達はサンジさんと合流して町の探索をし始めるのだった。

 

 





サンジの奴、姉ちゃん連れて何やってんだ?え?女探し?
うわぁ…。姉ちゃん達凄い顔してるぞ…あれれ?あれって俺か?
って、サンジ、今度は女に絡まれてんのか!?

次回!榛名さんの苦労話!

サンジVSカルメン!東の海一の料理人対決!

海賊王にオレはなる!


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サンジVSカルメン!東の海一の料理人対決!

前回までのあらすじっぽい!

ローグタウンタウンへと上陸した麦わらの一味…。
グランドラインに入る前の下準備をするため各々が町の散策に出掛ける。
ハルナ達二人は変装して町の中を見て回るのだった。

それと、今回から少しの間、別作品『ハーメルン作品』からあるキャラ二人が出てくるっぽい気になったら見てみてっぽい




sideハルナ

 

こんにちは、ルナです。

 

今私とチユちゃんはサンジくんの付き添いのもと、服を買いに来てるんです。

 

 

『まいどあり!』

 

 

「あー…!いっぱい買っちゃったっぽーい」

 

満足そうにチユちゃんが話します。

 

 

「そうですね、たまにはこういうのも悪くありませんね」

 

そう言う私も結構な量の服を買ったりしちゃってます。

 

 

「サンジさん待ちくたびれてないといいっぽいけど…。」

 

 

「早めに行きましょうか」

 

 

「ぽい!」

 

私達は急ぎ足でサンジくんの待つ場所へと向かいました。

 

 

ーーーーーー

 

 

待ち合わせ場所に着いてみるとそこにサンジくん姿はありませんでした。

 

 

「あれ?サンジさんいないっぽい」

 

 

「何処に行ってしまったんでしょう…。」

 

辺りを見回して探していると、近くで聞き覚えのある声が…。

 

 

「おぉぉ!ここにいらっしゃいましたか!我が愛しのマドモアゼルよ!」

 

そんな声が聞こえ振り向くとサンジくんが女性をナンパしているのが目に入りました…。

 

 

「ねぇ、ルナさん…。あれってサンジさんじゃないっぽい?」

 

 

「えぇ、間違いなくサンジくんね…。」

 

 

「どうするっぽい?」

 

様子を見てみていると好みのタイプではなかったのか相手の女性から離れると気持ち悪くニヤついて鼻の下を伸ばしていました…。

 

 

「ねえ、ルナさん…。これ、ルナさんも同じ気持ちっぽいよね?」

 

 

「えぇ、チユちゃんきっと同じ気持ちだと思うわ…。」

 

 

『凄く話しかけたくない(っぽい)…。』

 

でも、話しかけないとどうしようもありませんから…。

 

なら、ここは敢えてこうしてましょう!

 

 

「チユちゃん、サンジくんを少し困らせてあげましょう」

 

私がいたずらっぽく言うと、チユちゃんは悪い顔で頷きます。

 

 

「いいかも!サンジさんに悪夢、見せてあげる!」

 

二人して頷き合うと私達はサンジくんの所に近寄って行きます。そして…。

 

 

「サンジくん、さっきのはいったいどう言うことかしら?」

 

まず、私がサンジくんに詰め寄り問いかけます。

 

 

「え?あ、いや…これはその…。」

 

言い澱んだサンジくんにすかさずチユちゃんが追い詰めます

 

 

「私達バッチリ見てたんだから!あなたがナンパしてたところ!」

 

 

「うぐっ……」

 

さらに追い討ちをかけるように私が話します。

 

 

「酷いです!私達という者がありながら他の女に手を出すなんて!」

 

 

「うぐぐっ……!!」

 

 

「これはナミにも報告っぽい」

 

 

「ちょっ…待っナミさんにもか!?」

 

 

「当然でしょ?こんなことしておいて許せると思う?」

 

 

「うぐぐぐぐっ……!」

 

もはやなにも言えなくなっているサンジくん。するとそこに…。

 

 

『ぁぁぁぁああ……!』

 

私達の目の前の通りをルフィ提督が通りすぎていったのです。

 

しかも空を…。

 

私達はその光景にしばらくなにも言えませんでした…。

 

 

「……何やってんだあいつら」

 

ようやく口を開いたと思ったらそれはサンジくんの声でした。

 

 

「って!今のルフィじゃなかったっぽい!?」

 

我に返ったのかチユちゃんが叫びます。

 

 

「え、えぇ…確かに提督でしたね」

 

 

「いったい何があったのよ!私ちょっと様子見てくるわ」

 

そう言うとチユちゃんはルフィ提督が消えた方向に走り去って行きました。

 

その場に残された私達…。しばらく無言が続いた後、私は言います。

 

 

「とりあえず行きましょうか」

 

 

「あ、あぁ」

 

こうして私達はこの場を後にしたのでした。

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sideサンジ

 

 

 

俺達は今市場にむかっている。航海用の食材を買っておくためだ…。

 

 

「……」

 

 

「……」

 

き、気まずい…!何か話しかけられるようなこと無かったか?

 

俺がそんなことを考えていると不意に声をかけられた。

 

 

「見つけたよサンジ…。」

 

その声に俺は振り返る…。

 

 

「え?」

 

姉さんも俺が呼ばれたのが気になったのか声のした方を向く。

 

振り向くとそこには派手な衣装を身に纏い薔薇…ではなくおたまを加えた女性が立っていた。

 

 

「十年間!」

 

なんだ?コイツ…。でも、美人だなぁ!

 

するとすかさず姉さんが…。

 

 

「サンジくん…。」

 

おっと、あぶないあぶない…。さっきの二の舞はごめんだ…。

 

 

「アンタ誰だ?俺を探してたって言ってたけど」

 

 

「彼女の名はカルメン!」

 

 

東の海(イースト・ブルー)一の料理人!」

 

すると今度は女性の後ろから変な顔の奴らが出てきやがった…。

 

なんだ?あいつら…。顔の面積がやたらデカイ奴に目が異様にデカイ奴までいやがる。

 

 

「情熱の女!人は炎のカルメンと呼ぶ…」

 

 

『オーレ!!』

 

終いには全員揃って決めポーズ取り出したぞ…。

 

俺が何も言えないでいると横から姉さんが耳打ちしてくる。

 

 

『サンジくんの知り合い?』

 

 

『いや、全く知らない奴らだ…。』

 

 

『でも、あの真ん中の人あなたを知ってるみたいだったけど…』

 

そこが謎なんだよなぁ…。顔を覚えられるようなことあったっけか?

 

俺が考え込んでいると目の前の三人は勝手に喋りだした。

 

 

「そして私はカルメン様の一番弟子レオ!」

 

 

「僕は二番弟子のホセ!」

 

って!あの目玉っぽいとこ全部鼻かよ!!

 

 

「それで?ボクに何の用です?あなたとはお会いした記憶g「ホセ!レオ!!」」

 

急に声を被せられ遮られた…。

 

 

「説明おし…。」

 

 

「ハッ!」

 

そう言うと顔面男がピールを差し出してきた。上には何かが乗っている…。

 

 

「見られよ!」

 

言われて乗っている物を手に取ってみてみる。これは…。

 

 

「ドイツもコイツもコックばかりじゃねえか」

 

 

「どんなものなんです?あら、本当だわ…。」

 

 

「イエース!」

 

いきなり顔面鼻でか男が唾を飛ばしながら割り込んできた。

 

きったねぇな…。

 

 

「そいつらはイースト・ブルーの中でも評判の腕利きばかり!揃いも揃ってカルメン様と勝負して散ってったのだ!」

 

 

「そう!あたしはイースト・ブルーのナンバーワンコック

勝負するコック達はドイツもコイツ物足りない腰抜けばかり…。もうこのイースト・ブルーにあたしの敵は居ないと思っていた…が!!」

 

 

「それは海上レストランバラティエにいた頃の特集記事だった。あのコックはそこの服料理長こそがイースト・ブルー一のコックだと言いおった!あたしらには及びもつかない程の名コックだと、抜かしおったのだ!

それ以来、あたしはお前を探し続けてきた。イースト・ブルーを隅から隅まで…。十年間も!!」

 

 

「ホントは十日間だけどね」

 

 

「カルメン様は物事を大袈裟に言うのがお好きなのだ」

 

 

「十年と十日間は流石に大袈裟すぎじゃないですか…?」

 

 

「余計なことを言わんでもいいわ!!」

 

フライパンで殴られてるな…。

 

 

「痛そう…。」

 

姉さんは相変わらず優しいね…。

 

 

「あたしと勝負おし!サンジ!

今日の午後一時市場の料理コンテスト海上に来るのだ!そこで必ず、あたしはお前を倒して見せる!よいな!

オーホッホッホッホホホホホホホ!オーホッホッホ!」

 

そう言いながらつむじ風のように消えていった…かに見えたが…。

 

 

「ホホアヒャヘハ…。」

 

回りすぎて目ぇ回してんじゃねえか…。

 

 

「おっと!それではまた、後程会おう!」

 

倒れるカルメンさんを顔面男と鼻でか男が抱き抱えその場を後にしていった。

 

 

「なんだったんだ?あいつら…。」

 

 

「サンジくん、あの人の言っていた料理コンテストに出場するの?」

 

姉さんがそう聞いてくる。

 

 

「いや、そんなもん興味ねえよ、それより早く市場に向かおうぜ」

 

 

「いいのかしら…。」

 

こうして俺達は市場へと向かった。

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

市場にやって来た俺達…。

 

 

「おぉー!へぇ!流石ローグタウンだな。質も種類も他とは比べ物にならねえ」

 

 

「確かに凄く品揃えが豊富ね、これじゃ選べませんね」

 

姉さんも驚いてるみてえだ…。

 

手始めに近くの魚から見てみる。

 

 

「こりゃ最高だ!」

 

それを聞いていた市場の主人が話し掛けてきた。

 

 

「あんちゃん目が効くね!ソイツは今朝上がったばかりの近海ものよ!」

 

 

「近海もの?」

 

 

「なんです?それは確かに見たことない魚ですけど…。」

 

俺は一匹取り出して見てみる。

 

 

「確かにコイツは身も締まってて新鮮だがこんな魚俺も見たことねえぞ…。ホントにイースト・ブルーで捕れたのか?」

 

 

「ほぅ、アンちゃんホントに詳しいな。

お察しの通り、コイツは本来西の海(ウエスト・ブルー)でしか捕れねえ魚だイースト・ブルーの人間が知らねえのも無理はねえ」

 

 

「ウエスト・ブルー?なんでそれが近海ものなんだ?」

 

 

「……グランドラインの海流、ですね?」

 

 

「おぉ、姉ちゃん良く分かったな、そう!このローグタウンはグランドラインの海流に乗って他の海の魚が紛れ込んでくるのさここじゃ良くあることなんだぜ?」

 

へぇ、そんなことがあるのか…。

 

 

『おぉー!』

 

なんだ?人だかりが出来てんじゃねえか…。

 

 

「お?なんか上がったみてえだな行ってみっかあんちゃんに姉ちゃん」

 

 

「あ、あぁ」

 

 

「行きましょう、サンジくん」

 

姉さんに連れられて俺は人混みに呑まれるのであった。

 

 

sideout

 

 

 

sideハルナ

 

 

「ごめんなさい、ちょっと失礼しますね…。」

 

人混みを掻き分けその原因を突き止めようと中央に来てみると、そこには象のような牙に鼻、それに耳のようなヒレを持った大きな魚が上がっていました。

 

 

「すっげぇ!そりゃエレファントホンマグロじゃねえか!」

 

エレファントホンマグロ?象鮪ってことですか?

 

 

「おうよ!南海の方から紛れ込んで来たんだろうが、そこを俺が一本釣りよ!」

 

一本釣りってよく釣り上げられましたね。あの魚、結構な大きさですよ?

 

 

「エレファントホンマグロ…。あ……」

 

そんな呟きが聞こえたので見てみると

 

サンジくんが惚けたようにエレファントホンマグロを見ていたんです…。

 

 

「サンジくん…?」

 

 

「……オール・ブルー」

 

 

「サンジくん?大丈夫?」

 

私の声が聞こえてないのでしょうか…。

 

私がサンジくんを気にしているとエレファントホンマグロは何処かに運ばれようとしていました。

 

そこで我に返ったサンジくんが漁師の一人に声をかけました。

 

 

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!コイツは幾らだ?俺に売ってくれ!」

 

 

「なにぃ?」

 

 

「金ならあるぞ!コイツを俺に譲ってくれ!頼む!」

 

 

「サンジくん…?いったいどうしちゃったの?」

 

私はサンジくんの豹変ぶりについていけません…。

 

 

「駄目駄目、コイツは売りもんじゃねえ、たった今商品になることが決まったんだ。悪いがな」

 

 

「商品、ということは…。」

 

 

「そう、姉ちゃんのお察しの通り。今日、これから年に一度の料理コンテストが始まるのさ。そのコンテストにはイースト・ブルー中のコックが集まる。コイツはコンテストの優勝者に与えられるのさ」

 

 

「なんたってエレファントホンマグロだからな。

これこそチャンピオンにふさわしいってんで今そう決まったんだ!」

 

確かにあの大きさの魚なら商品になってもおかしくは無いですね…。

 

良く分かりませんがとても珍しい魚のようですし…。

 

 

「どうしても欲しいなら出場すればいいさ。あんちゃんもコックなんだろ?」

 

 

「え?あぁ…。」

 

 

「向こうで受付してっからよ、もし用事があるんだったら手続きしてきな。急がねえともうすぐ締め切りだぞあんちゃん、そこの姉ちゃんにいいとこ見せるためにも頑張れよ!じゃあな!」

 

優しい人でしたね。何から何まで教えてくれて…。

 

それにしてもさっきのサンジくんの慌て様…。

 

そんなにあの魚が欲しかったんですね。

 

よし!ここは私も可愛い弟くんの為に一肌脱いであげましょう!

 

榛名!全力で参加します!

 

サンジくんに気取られぬよう私は受付をしにいくのでした。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

時は少し進みコンテスト開始直前…。

 

実況の声が聞こえてきます。

 

 

『さあ!やってきやました!年に一度の祭典!

料理コンテスト!イースト・ブルーに名高いコック達が結集でい!今年の商品はエレファントホンマグロ!

海の宝奇跡の食材!エレファントホンマグロを手に入れイースト・ブルー1の栄冠を手にいれるのかいってぇ!誰だ!』

 

まさかあの人が実況者だったなんて驚きました…。

 

でもそれよりも驚いているのは恐らくこの人でしょうね。

 

 

「なんで姉さんがこのコンテストに出場してんだよ!」

 

 

「なんでって出てみたかったからに決まってるでしょ?」

 

 

「出てみたいって姉さんコックじゃねえだろ!」

 

 

「あら、知らなかった?私、少しだけどコックの経験あるのよ?だから料理の腕には自信があるの」

 

轟沈する前限定ですけどね…。

 

 

「へ?そうなのか?」

 

 

「えぇ、だから、お互い頑張りましょうねサンジくん」

 

するとサンジくんの顔つきがキッと引き締まります。

 

 

「あぁ、例え姉さんが相手でも負けねえからな」

 

その答えに私は満足して頷き、サンジくんの頭を撫でるのでした。

 

その後にサンジくんがカルメンさんに絡まれていましたけどスルーしていました。

 

さて、何を作りましょうか…。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

コンテストが始まる直前の事です。

 

 

「おーい!サンジにハルナァァ!!」

 

 

「お姉ちゃーん!!」

 

あれは、ナミとウソップくんね?

 

私は二人のところに歩み寄ります。

 

サンジくんも二人に気づいてこっちに来ました。

 

 

「あら、どうしたの?ナミ」

 

 

「どうしたのじゃないわよ!どうしてもお姉ちゃんがそこにいるの?」

 

 

「しっかしなんでまたこんな大会になんか出てんだよ」

 

 

「どうしてと言われても出たいから出場したってだけよ?」

 

 

「ナミさーん!応援に来てくれたの!!」

 

サンジくん…。すごいタイミングで来ましたね。

 

 

「別に?通りかかっただけ。それにしたってお姉ちゃんの料理の腕は知ってるけどよく出場出来たわね」

 

 

「えぇ、なんだか簡単にいれてもらえたわ」

 

 

「俺も驚きましたよ、まさか控え室に入ったら姉さんが待ち構えてるんですから…。」

 

 

「オレを無視すんな!!」

 

 

「おぉ、ウソップ、居たのか」

 

 

「オレが最初に声かけたんじゃねえか!!」

 

 

「まあまあ、もう始まるわ行くわよサンジくん」

 

 

「おうよ、姉さん」

 

 

「頑張ってー!!二人ともー!」

 

 

「優勝しろよー!!」

 

二人の激励を背に私達は戻っていくのでした。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

『さぁ!いよいよ開幕だい!!

審査員はご覧の方々!

尚、審査の公平を期すため!

一般の方から仕事で来ているというヨシノサブロウさんとシグレちゃんにも来ていただいてやす!!

サブさん!シグレちゃん!準備はいいっすか!!』

 

 

「はーい、頑張って審査させてもらうよ…。ね、おとっつぁん」

 

 

「いや時雨クン?どうしてそんなにやる気なのか聞かせてもらえる?自分達今それどころじゃないんだけど…?」

 

あの子…。時雨ちゃん…?どうしてこっちの世界に…。

 

それにあの人…もしかして…。

 

 

『ルールは簡単まず一人ずつ対決して

それぞれの審査員の合計点が多い方の勝ち!

これで最後まで勝ち残った者こそが!

栄えあるイースト・ブルーナンバーワンコックってぇ訳だ!じゃあ早速1回戦!

まずははるか東の果てより参加の!

トカゲのシュウタイ!

対するは!このローグタウン代表!エッコイデ!

じゃあ用意!スタート!!』

 

【カーンッ!!】

 

始まりましたね。料理対決が…。

 

 

それからしばらく時は進み…。

 

 

『さあ!準決勝だ!』

 

 

『ウォォォォッ!!』

 

すごい大歓声ですね…。

 

 

『ずば抜けたセンスと技で危なげなく勝ち上ってきたサンジ!

 

華麗な舞と技で他を圧倒し続けてきたカルメン!

決勝に進むのは果たしてどちらだ!!

 

注目の準決勝スタート!!』

 

 

始まりましたね、カルメンさんとサンジくんの対決が…。

 

それよりも気になるのは…。

 

 

「ねぇ、提督。この勝負どっちが勝つと思う…?」

 

 

「そうだねぇ…。二人の料理は多分あのサンジって人なんじゃないかな?」

 

 

「じゃあ賭けしない?負けた方はギャラクシー一気飲みって言うのはどうかな?」

 

 

「いやそれじゃただの罰ゲームだとテイトク思うんだけど…。」

 

 

「それじゃあひやしあめにしておく?」

 

 

「種類変えただけだよね!?趣旨はまったく変わってないよね!?」

 

……審査中に何をしてるんでしょう…。

 

って、そんなことしてる間に終わったみたいですね。

 

 

『さあ!いよいよサンジが

最後の仕上げにかかったようだ!

カルメンの方もおおずめ!

あとは盛り付けるだけのようだ!

いよいよクライマックス!

いったい決勝に進むのはどっちだ!!

決着の時はまもなく……だっ!!』

 

 

『ウォォォォッ!!!!』

 

 

『サンジ選手完成だ!

さあ!そしてカルメン選手!

こっちも出来上がったようだ!

……出揃った!!果たして!栄冠はどっちの手に!!』

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

「それでは発表します…。今回の勝負、勝者は…。

 

サンジ選手!」

 

 

『おおー!!サンジ選手、

カルメン選手を打ち破り決勝進出だ!

待ち構えているのはことごとく審査員を泣かせてきた女将!ルナ!果たしてエレファントホンマグロを手にするのはどっちだ!!』

 

ついに勝ち上がって来ましたね、サンジくん…。

 

やるからには全力で相手してあげます!

 

さて、あっちの方は…。

 

 

「あーぁ…。負けちゃったボクが飲むのか…ま、負けちゃったし仕方ないよね」

 

 

「いや、それはそうだけどね時雨クン…。その前にどうにかこの現状をどうにかする方法を考えないとならないのを忘れてない…?」

 

あの二人には後で個別で接触してみましょうか…。一応夕立ちゃんも誘って…。

 

 

ーーーーーー

 

 

『さあ!いよいよ決勝だ!!

 

ずば抜けたセンスと技でカルメンすら倒したサンジ!

 

対するは!包み込むような愛情と優しい味で幾人もの審査員を泣き落としてきたルナ!

栄光のエレファントホンマグロを手にするのはどっちなのか!!

大注目の決勝戦!スタート!!』

 

さあ、いきます!

 

鳳翔さんや間宮さん直伝の料理の腕、見せてあげます!

 

 

『出たぁー!!目にも止まらぬ早業で調理していくルナの料理法!あまりの早業に対戦相手は多いにペースを崩されるんだが!サンジの場合はどうでい!!』

 

 

「……」

 

 

『乱れない!!まったく自分のペースで黙々と調理をしていくサンジ選手!』

 

やっぱりサンジくんは一筋縄ではいかなさそうね…。

 

でも、負けません!金剛型四姉妹の三番艦として負けるわけにはいきません!

 

 

 

一方のヨシノ、シグレペア…。

 

 

「ねぇ、提督、あのルナって人…。見覚えない?」

 

 

「時雨クンもそう思うかい?実は自分も思ってたんだよねぇ…。何か引っ掛かるんだけど…」

 

 

「こう、喉のところまで出かかっててってなかなか出てこない感じだよね…。」

 

 

「そう、まさにそんな感じなんだよ…。いったいどうしてなのか分からないんだけど…。」

 

 

「もしかしたら艦娘だったりして…。」

 

 

「いや、それはないと思うよ時雨クン。ここはあの深海棲艦の姿が一つもない…。おまけに海賊が闊歩しているような世界だ、艦娘はあり得ないと思うよ…。」

 

 

「そうかな?なんなくそんな気がしてるんだけど…。」

 

 

「まあ、今は料理が出てくるのを待つしかないからねぇ…。

それにしてもお腹が…。」

 

 

「美味しいけれど沢山は食べられないよね…。」

 

などと話し合っていた。

 

 

 

 

『さあ、いよいよサンジが

最後の仕上げにかかったようだ!!!

ルナの方は……おおっと!もう完成間近のようだぞ!!

早い!早すぎるぞ謎の料理人ルナ!!

いよいよクライマックス!!

果たしてエレファントホンマグロはどっちの手に!!

 

決着の時はまもなく……だ!!』

 

 

『決まったぁぁぁ!!

サンジ選手完成だ!

さあ、そしてルナ選手はおぉっと先程より豪華になって完成している!!』

 

 

『出揃ったぁぁ!果たして勝利の女神はとっちに微笑むのか!』

 

 

 

 

『ウォォォォッ!!』

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

審査員の食べ比べが終わり結果発表…。

 

 

「それでは発表します…。

今年の料理コンテスト、優勝者は……ルナ選手!」

 

 

『優勝!ルナーーーせんーしゅー!!』

 

 

『ウォォォォォォォォッ!!』

 

 

 

こうして料理コンテストは私の優勝で幕を下ろしたのでした。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

「サンジくん」

 

コンテストが終わり私はサンジくんに声をかけます。

 

 

「おぉ、姉さん優勝おめでとう」

 

 

「えぇ、ありがとう。それでね、はい、受け取って」

 

私は先程受け取ったエレファントホンマグロをサンジくんに渡します。

 

 

「……なんで俺に渡すんだ?姉さんが欲しかったんじゃ…。」

 

 

「そんなわけないじゃないあなたにあげようと思って頑張ったのよ?結果的に競い会う結果になっちゃったけれどね」

 

 

「…!それじゃあこれは全部俺のためだったってのか…?」

 

サンジくんの問いに私は首を縦に降ります。

 

 

「あなたと料理対決を出来てよかった。とても楽しかったわ…。またやりましょうね」

 

 

「っ!あぁ!次はぜってえ負けねえぞ!」

 

泣き顔を必死に堪えながら言うサンジくんを私は抱き締めます。

 

大丈夫、あなたはまだまだ伸びますよ…。

 

頑張って、応援しています…。

 

私はしばらくサンジくんを抱き締めるのでした…。




あれー?ハルナにユウダチの奴どーこ行ったんだ?

ゾロ達も見てないって言うしどこだ?

次回!榛名さんの苦労話!

接触!別世界からの訪問者!

海賊王にオレはなる!

___________________________


今回出てきたお二人はこちらの作品に出ております。よければ暇潰しにどうぞ。

https://novel.syosetu.org/80139/
大本営特務課の日常


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接触!別世界からの訪問者!

前回までのあらすじです!

年に一度開かれる料理コンテストに出場した私とサンジくん

そこでサンジくんにライバル心を燃やすカルメンさんやサンジくんと競いあい優勝を手にしたのでした。
そんな中、ルナが気にかけていたのは一般審査員に出てきたある二人の事だった…。

この会に出てくる吉野さん達主要の話はこちら↓

大本営特務課の日常
https://novel.syosetu.org/80139/

ギャグやカオスが主流の面白い話ですのでよろしければどうぞ


sideハルナ

 

こんにちは、ルナです。

 

サンジくんにエレファントホンマグロを渡した私は人を探すため、メインストリートを歩いていました。

 

 

「あの二人はどこに行ったのでしょうか…。」

 

まだそこまで時間は経っていないですし、そう遠くまで行っているとは思えないですけど…。

 

それとも二人を見つけるより先にチユちゃんと合流するべきかしら?

 

どちらにしても止まっているわけにはいかないですね。

 

先に見つけた方を優先していきましょうか…。

 

私はそう方針を決めると歩き出しました。

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

 

side時雨

 

 

コンテストが終わり、僕達は町の中を歩いていた。

 

 

「コンテスト終わっちゃったね?提督、これからどうするの?」

 

 

「とりあえず状況把握が最優先かな?自分達の今の状況がまったく把握出来てないから」

 

 

「今分かってる事といえばこの町がローグタウンと言う名前だということだけだもんね」

 

 

「そういうこと、だから出来る限り情報収集をしておきたいと自分は思ってるけど時雨クンはどうかな?」

 

 

「僕もそれで構わないよ、提督の方針に従うだけだからね」

 

 

「……いつも苦労をかけるねぇ」

 

 

「それは言わない約束だよ?おとっつぁん…。……!?」

 

と、そんな漫才をしていると僕の目に信じられないものが写り込んできた。

 

 

『まいど!』

 

 

「ごちそうさん!」

 

 

「ごちそうさまっぽい~」

 

 

「……くぁ」

 

それはある三人が食事処から出てきた時だった。

 

 

「あーうまかった!」

 

 

「一時はどうなることかと思ったぞ…。」

 

 

「優しい人がいてくれて助かったわ…。あの人がいなかったら私達今頃…。」

 

そう言いながら三人は僕達の横を通りすぎて行ったんだ…。

 

僕は振り返って三人の内の一人の少女を見る。

 

 

「ゆう…だち…?」

 

その後ろ姿は間違いなく夕立のものだった…。

 

 

 

sideout

 

 

 

 

sideヨシノ

 

 

先程から時雨クンの様子がおかしい…。

 

「…?時雨クン?どうかしたのかい?」

 

そう訪ねると時雨君は我に返ったのか、訳を話してくれた。

 

 

「あ、うん、実はね…」

 

それはポイヌにそっくりの火とを見かけたと言うものだった。

 

 

「なるほど、あのポイヌを見かけたと…。それは間違いなく夕立クンだったのかな?」

 

自分の言葉に時雨君は大きく頷いた。

 

 

「間違いないと思う、あんな口調してる子なんて早々いないから」

 

まあ、確かにあんな個性的な口調してる人はそういないかもねぇ…。

 

 

「う~ん…じゃあ情報を集めつつそっちも探してみるとしようか」

 

 

「うん、ありがとうね提督」

 

これで当面の方針が決まった。

 

動きだしかけたその直後の事だった…。

 

 

「あの…ヨシノさんとシグレさんでしょうか?」

 

 

「え?」

 

不意に声をかけられ振り向くと。

 

そこにはコンテストに出場していた人物が立っていた。

 

時雨君が思い出したように話しかける。

 

 

「僕が時雨だけど…。

あ、あなた確かコンテストに出ていたルナさん…だよね?」

 

 

「えぇ、『今は』ルナです。でもこれ実は偽名なんです」

 

ん?今とんでもないことをさらっと抜かさなかった?この人…。

 

 

「偽名ってどう言うこと?」

 

 

「そうですね、直ぐ分かりますから少し待ってくださいね?『アクア・ボール・バリエーション』」

 

目の前の女性がそう言うと、何処からともなく水が彼女へと集まっていく…。

 

やがて水は彼女を包みこむと一つの球体へと変化した。

 

その球体の中を見てみると彼女の姿が先程とは打って変わり、球体から出てきた時には自分達がよく知る戦艦榛名がその場に立っていた。

 

変化を終えた彼女はにこやかに話始める。

 

 

「改めまして、金剛型三番艦、榛名です。よろしくお願い致します」

 

その変わりように自分はしばらく思考が追い付いてこないのだった…。

 

 

 

sideout

 

 

 

 

sideハルナ

 

 

 

「えっと…榛名君…でいいんだよね?今のはいったい…。」

 

 

「水に包まれたら姿が変わった…。どういうこと?」

 

二人とも信じられないって顔してますね…。

 

 

「今のは私の悪魔の実の能力ですよ、水を使って変装していたんです」

 

 

「あ、悪魔の実…?」

 

 

「え?これって現実だよね…?もしかして夢だったりするのかな?」

 

理解できないのも無理はありませんよね…。

 

私もこの世界にきたばかりの頃は信じられませんでしたし…。

 

 

「とりあえず、変装していたということは分かったよ。それで榛名君は自分達に何の用かな?」

 

やはり聞いてきましたね…。

 

 

「少し、確認したいことがありまして」

 

 

「確認したいこと?僕達に?」

 

小首を傾げながら言う時雨さんに私は頷いて答えます。

 

 

「えぇ、まずはヨシノさんあなたに確認です。あなたはあの大阪鎮守府の吉野三郎大佐で間違いありませんか?」

 

するとヨシノさんの表情に警戒の色が浮かび上がってきました。

 

 

「……どうしてそれを君が知っているのかな?」

 

 

「私もこっちに来る前はそちらの世界にいましたから

大阪鎮守府の吉野三郎大佐、大本営から戦力(意味多数)をごっそりと引き抜き類い希なジュウコン提督だと…」

 

 

「待って‼それの殆どが自分の意思関係なく進んじゃってるものだから勘違いしないで‼」

 

もう周知の事実なんですからそんなに慌てなくてもいいと思いますけど…。

 

 

「時雨さんのことも聞いていますよ、艤装を使わずに接近戦で戦う駆逐艦だと」

 

 

「そこまで知られちゃってたんだね…。」

 

 

「その二人がどうしてこの世界に来ているのかを確認したかったんです。単刀直入に聞きますが、お二人はどうやってこの世界にいらっしゃったのですか?」

 

そう聞くと二人は顔を見合わせた後、口を開いた。

 

 

「実はね…。」

 

そう言って吉野さんが話して内容はとんでもないものでした。

 

 

 

 

 

「……なるほど、出撃祝いの祝勝会中に防空棲姫こと朔夜さんが謎の地獄飲料を編み出してそれを飲まされたお二人が気がついたらこっちに来ていたと…。」

 

私の言葉に頷く吉野さんと時雨さん…。

 

防空棲姫を味方に付けているのにもおどろかされましたが、まさかそんな方法でこちらに来るとは思いませんでした…。

 

 

「話は分かりました。そういうことでしたら榛名も協力致しましょう」

 

話を聞いてしまった以上放ってはおけませんしね…。

 

 

「え?それはありがたいけど良いの?あなただって都合があるんじゃない?」

 

 

「大丈夫ですよ、困った時こそ助け合いですから」

 

 

「…ありがとう、それじゃあ力を貸してもらえるかな?榛名君」

 

 

「はい!榛名にお任せください!

でも、私だけだと少し心許ないのでもう一人協力者を呼びますね」

 

私はそう言うと夕立ちゃんに向けて無線を飛ばすのでした。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

無線を飛ばして十分程経ち…。

 

 

「ハルナさんお待たせっぽい!」

 

夕立ちゃんが走ってきました。

 

 

「来てくれてありがとう夕立ちゃん。早速で悪いんだけどこの人達を元の世界に返すのに協力してほしいの」

 

 

「ぽい?この人達…?え…」

 

 

「あ…」

 

そこで時雨さんと夕立ちゃんの目が合いました。

 

 

「…時雨?」

 

 

「…夕立?どうしてここに…?」

 

二人はお互いに信じられないものを見たような顔のまま止まってしまいました…。

 

これじゃあ話が進みませんね。

 

 

「二人とも感動の再会は後にして話し合いをしますよ」

 

 

「え?う、うん」

 

 

「はーい」

 

 

「果たしてこんな再開?でいいのだろうか…。」

 

大丈夫ですよ、きっと…。

 

こうして話し合いが始まりました。

 

 

「まず、どうやって向こうの世界に送り返すかと言うことですね」

 

 

「私達がこっちに来たときみたいに神様にお願いするのは駄目っぽい?」

 

 

「夕立ちゃん、それだと一度沈めないとならなくなりますから却下です。」

 

 

「良かった、帰るために沈められるなんて嫌だったからね」

 

 

「いやそれ以前にその前提でいくと自分殺されちゃうから‼」

 

 

「こんなのはどうかな?僕達が来たときと同じ手を使うというのは」

 

 

「それ結局死ぬよね!?第二の人生まっしぐらだよ!?」

 

 

「でもそのくらいしか方法がありませんし…。」

 

 

「なら、せめて殺されない前提で考えようか…。」

 

 

「良い案があれば良いっぽいけど…。」

 

吉野さんの提案でしばらく話し合いが続いた結果、最終的に決まった方法はとてもあり得ないものでした。

 

 

ーーーーーー

 

 

船着き場に移動した私達は船が停まっていない場所にやってきました。

 

 

「それじゃあいきますよ?『アクア・クリエイション』」

 

私は能力を発動させ、大砲のようなものを作り出します。

 

 

「ねぇ…これ本気でやるの?下手したら、いや下手しなくても死ぬよね?これ…。」

 

 

「大丈夫だよ提督。そのときは僕も一緒さ」

 

 

「あぁ…。もうなんだか全てがどうでもよくなってきた…。」

 

フラフラと大砲の砲口に入り込む吉野さん。

 

それに続いて時雨さんが吉野さんの隣に入り込みました。

 

 

「それじゃあいきます!3、2、1、榛名!全力で参ります!!」

 

私はあらんかぎりの力で大砲を撃ち放ちます。

 

 

「~~~~っ!!」

 

撃ち出された二人は光速を越える速度で飛んでいきすぐに見えなくなりました。

 

 

「夕立ちゃん、電探に反応は?」

 

 

「ん~…。ないわ、成功っぽい」

 

私はその言葉を聞いて胸を撫で降ろしました…。

 

 

「良かった…。それじゃあ戻りましょうかみんなが心配しているわ」

 

 

「ぽい!」

 

 

こうして二人との別れを告げ私達は町の方へと戻っていくのでした。

 

この時の私達にルフィ提督がピンチに陥っているということなど知るよしもないのでした…。




やっべぇ!バギーの奴に捕まっちまった!このままじゃ処刑されちまう!
ん?あれ?あの黒い奴はもしかして!

次回!榛名さんの苦労話!

絶体絶命のルフィを救え!戦艦棲姫再臨!

海賊王にオレはなる!


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絶体絶命のルフィを救え!戦艦棲姫再臨!

前回までのあらすじです!

榛名達が元いた世界から迷い込んできた大阪鎮守府の吉野大佐と時雨秘書艦を元の世界に送り返すため、協力したハルナとユウダチ。

色々と話し合った末に実行に移されたのは大砲で勢いよく飛ばして次元の壁を超えるというものでした。

その頃のルフィ提督が大ピンチという事は露ほども知らずに...。


sideハルナ

 

 

こんにちはハルナです。

 

私達は再び変装して街の中を歩いています。けど、何か妙な雰囲気になっているんです。

 

街の雰囲気や風に違和感を感じるんです。

 

なんだか一荒れ来そうな......。

 

 

「なんだか嫌な感じっぽい...さっきまでそんなことなかったのに...」

 

どうやらユウダチちゃんも違和感を感じているみたいですね。

 

すると前の通りを人が群れを成して走っていきます。こんなことを叫びながら......。

 

 

「海賊だぁぁ!逃げろぉぉぉ‼道化のバギーだぁぁぁ!」

 

バギーですって!?バギーって確か......。

 

・・・・・・・・回想・・・・・・・・

 

 

『アクア・トルネード!』

 

『ゴババボボボボッ!!』

 

『ルフィくん、後はどうぞ』

 

『あぁ、んじゃ!ぶっとべバギー!ゴムゴムの……バズーカァァァッ!!!』

 

『アギャァァァァァァァ⁉』

 

 

・・・・・・・・・回想終了・・・・・・

 

 

って私と提督に吹っ飛ばされていった人ですよね?

 

こんなところまで飛ばされていたんでしょうか......。

 

 

「処刑だ!処刑が始まる!道化のバギーが麦わらのルフィを処刑するぞ!」

 

なんですって!?どうして提督が!

 

 

「ルフィが処刑っぽい!?なんでそんなことになってるのよ!」

 

ユウダチちゃんも同じく驚いています。

 

私達が場の状況をよく掴めないでいるとそこに......。

 

 

「あ!お姉ちゃんとユウダチじゃない!やっと見つけた」

 

 

「おいヤッベえぞっ!ルフィがバギーに処刑されちまう!」

 

そう声をかけてきたのはナミとウソップくんでした。

 

 

「ナミ、ウソップくん。ええ、今聞いたわそれに妙な風が吹いているもの......」

 

 

「!そうなの、嵐が近づいてるの!急いで船をを確保しておかないと、いざ逃げる時に流されちゃうわ!」

 

なるほど、それで港の方に走ってたんですね。恐らくサンジさんとゾロさんは提督を助けに処刑台に向かっているんでしょう。

 

そう結論付けて、私はユウダチちゃんに指示を出します。

 

 

「ユウダチちゃん、あなたはナミと一緒に船に戻っていて何かあった時戦える人がいた方が心強いから」

 

 

「はい!でも、ハルナさんはどうするの?」

 

私がどうするか?そんなの決まっています!

 

 

「私は提督を助けに処刑台に向かうわ」

 

 

「...了解っぽい、ぜったいルフィを助けてきてね!」

 

 

「えぇ、必ず......」

 

 

「それじゃあ先に船に戻ってるわね!お姉ちゃん達も早く戻ってきて!」

 

 

「き、気をつけろよ!じゃあな!」

 

そう言って走り去る三人。

 

私は三人に背を向け処刑台の方面に向かい歩き出しました。

 

内側から湧き上がる黒い感情に身を委ねて......。

 

 

sideout

 

 

 

sideルフィ

 

 

オレは今、処刑台の上で拘束されちまって身動きがとれねえでいる......。

 

オレの横ではバギーの奴が高笑いしてオレを見下ろしている。

 

下でゾロとサンジがオレを助けようとしてくれてるみてえだけどもう無理かもな。

 

オレは覚悟を決め、仲間たちの名を力の限り叫ぶ。

 

 

「ゾロ!サンジ!ウソップ!ナミ!ユウダチ!それに姉ちゃん!

 

悪りい、オレ、死んだ」

 

せめて最後は笑って死んでやろうそう思い笑った時。

 

何かが飛んできて、オレの近くで爆発が起こった。

 

 

「ウギャアァァァァァァァァッッ!」

 

バギーの悲鳴と共にオレの拘束が爆風と一緒に解け。処刑台から放り出された。

 

 

「のわっとっとっと...なんだぁ?...!」

 

なんとか着地し、何かの飛んできた方向を見ると広場に続く大きな通りにデッケエ黒いナニカを傍に侍らせた黒い髪に死人みてえな肌に血のように赤い瞳をした女が立っていた

 

 

 

 

 




また姉ちゃんがあの姿になっちまった!
でも前とはちょっと様子が違わねえか?
まあいいや!とりあえず今は逃げるぞ!

野郎共!オレに続けーー!

次回!榛名さんの苦労話!

モクモクVSミズミズ!勝利の女神はどちらに微笑む!?

海賊王に!オレはなる!


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ロストアイランド編
モクモクVSミズミズ!勝利の女神はどちらに微笑む!?


前回までのあらすじよ!

ルフィがバギーに処刑されそうになっているのを知ったハルナ達。
そこで合流したナミ達と共にユウダチを船に向かわせたハルナはルフィを救出しにに向かうのだった。
場所変わってルフィたちは。

ルフィが処刑されかかっているところに突如飛んできた怨念弾!
それをしたのは以前アーロンを海の藻屑にした戦艦棲姫だった。


sideルフィ

 

 

『グオォォォォォォォォォォ!!』

 

黒いナニカが方向を上げた直後、強い雨が降り出した。

 

それと同時に海兵の群れが一斉に押し寄せてきた!

 

海兵と海賊共がぶつかりだす。

 

 

「うっひょぉっ!アレ(黒いナニカ)前に見たことあるぞ!スッゲエ!」

 

広場に突く大きな通りに立つ黒いナニカとその前に立つ白い女を見てオレはワクワクしちまった!

 

すると襟辺りを掴まれた。ゾロだ。

 

 

「おいルフィ!」

 

 

「わぁわぁわぁッ!ゾロ」

 

 

「ワクワクしてる場合じゃねえ。逃げるんだ」

 

 

「早く船に戻らねえと二度と島から出られなくなる。グランドラインに入れなくなるぞ!」

 

 

「ナニィッ!そりゃ大変だぁッ!」

 

 

「その前に姉さんを回収しねえとな」

 

 

「あり?そう言えば姉ちゃんどこにいるんだ?」

 

 

「あの白い女がそうなんだよ!バカ!」

 

 

「ナニィッ!!あれ姉ちゃんなのか!?」

 

姉ちゃん変身できんのか!スッゲエ!!

 

って、そんなことしてる場合じゃなかったんだ!早く戻らねえと!

 

オレ達は急いで走りだし、白い女の方に向かった。

 

 

「・・・ヨウヤク来タカ」

 

 

「あぁ!姉ちゃん!船に戻って出港だ!」

 

 

「フッ...分カッタ、少シ待テ」

 

そう言うと姉ちゃんの身体が淡く光り出した。

 

「な、なんだぁ!?」

 

 

『何が起こってる!』 

 

オレ達が驚く間に姉ちゃんの光は消えて元の姿に戻っていた。

 

 

「お待たせしました。さあ、行きましょう!」

 

姉ちゃんのその言葉でオレ達は港の方に走り出すのだった。

 

 

sideout

 

 

sideユウダチ

 

 

ヤッホー。ユウダチだよ!

 

私達は急いで船に戻って来てたの、そしたらもう先客がいたっぽい。

 

 

「きさまら何してる!」

 

ウソップも気づいて叫んでるわね。

 

その先客はというと......。

 

頭に変な被り物を被ったおっさんと大きなライオンだったっぽい。

 

 

「モージ!」

 

ナミが驚いてる。知り合いなの?

 

モージと呼ばれたおっさんは立ち上がると此方を向き喋りだした。

 

 

「フフフッおまえかコソ泥女。いけ!リッチー!!」

 

「グゥッワォゥッ!!」

 

変な髪形のライオンが私達に飛びかかってくる。

 

いい度胸じゃない!

 

 

「返り討ちよ!『突風 旋風大嵐(フウァールテンペスト)!」

 

私は自身に風を纏わせると風の勢いをなん十倍にも強めて撃ち出す。

 

 

「グオッ!?」

 

「ヌァッ!!」

 

何かを言い終える間もなく突風に巻き込まれたライオンとおっさんはどこかに吹っ飛んでいったわ。

 

 

「今のうちよ!ナミ!ウソップ」

 

 

「え?あ、あぁ!」

 

 

「そうね!ありがとユウダチ!」

 

そう言って慌てて船に乗り込むナミとウソップ。

 

二人が乗り込んだのを確認して私が船に乗り込もうとした時だったっぽい。

 

チュインッ!

 

私の横を銃弾が通り過ぎていったの。

 

 

「一斉射撃よーい!!」

 

背後から廃兵の声が聞こえてくる。

 

「海軍!?」

 

 

「や、やっべえ!ユウダチ!早くしろ!」

 

そんなの分かってるっぽい!でもその前に!

 

「船に傷つけないでくれる!『風魔 大玉螺旋連弾』!」

 

螺旋弾をさらに強化したものを海兵たちに向かって撃ち放つ。

 

 

『うわあぁぁぁぁッ!!』

 

吹き飛んで行く海兵たち。

 

よし!成功っぽい!

 

私はそれを見てすぐに船に乗り込んだ。

 

 

sideout

 

 

 

 

sideハルナ

 

 

私達は今港に続く道を走っています。

 

 

「どっちだ!海は!」

 

 

「雨が酷くて方角がよく分かんねえぞ!」

 

 

「この道を真っ直ぐです!急いで!」

 

すぐ後ろからは海兵の群れが押し寄せてきています。

 

 

『いたぞぉ!捕まえろ!』

 

かなりの数ですね......。

 

 

「しつこい奴らだ!止まって戦うか?」

 

 

「そんな時間はねえよ。ん?」

 

 

「?どうかしたの?サンジくん」

 

 

「いや、姉さんあれ見てくれよ」

 

 

「?...!あれは」

 

サンジくんの目線を追ってみると前方に一つの人影が。

 

よく見ると小柄な女性の用です。

 

 

「だぁれだ!あのレディ!」

 

サンジくん...ここに来ていつもの病気ですか?

 

 

「あなたがロロノア・ゾロ海賊だったなんて...私を、私を騙したんですね!」

 

 

「なにいっ!おまえ!彼女に何をした!」

 

 

「サンジくん?ちょっと黙っていて」

 

私はサンジくんを黙らせると様子を見守ります。

 

 

「お前が俺の名を聞かなかっただけだ。騙したわけじゃねえ」

 

 

「あなたみたいな悪党が名高い刀を持っているなんて許されません!名刀『和道一文字』回収しm「『アクア・ボール ウォータシェル』」かっはっ...!?」

 

私の攻撃で壁に叩きつけられる女性剣士さん。

 

私はそれを見て冷たく言い放ちます。

 

 

「あなたの戯言に付き合っていられるほど私達に余裕はないんです。邪魔をしないでください」

 

 

「な...ん...で...」

 

女性剣士さんはそれだけ言うと気絶してしまいました。

 

 

「さぁ、早く行きましょう」

 

私が三人に声をかけると三人は若干引いたような顔をしながら言います。

 

 

「相変わらず容赦ねえなー姉ちゃん...」

 

 

「おまえ..これが女のやることか?」

 

 

「女同士だから...いやでも...」

 

全く時間がないって言っているのに......。

 

 

「早く行きますよ!急がないと本当に手遅れになっちゃいます!」

 

 

『そうだった!急がねえと』

 

私の言葉で今の状況を思い出した三人は慌てて走り出しました。

 

 

 

しばらく走ると出口が見えてきました。

 

 

「出口が見えた!港はこの先だぁ!」

 

提督の言う通り、あの出口を抜ければ港まであと少しです。でも......。

 

 

「どうやらそう簡単にはいかないみたいですね......」

 

そう、出口の前にはローグタウンの海軍大佐。スモーカーが待ち構えていたのですから。

 

 

「来たな?麦わらのルフィ。それに潰しのハルナ。この俺を倒さなければグランドラインに入れねえと言ったはずだ」

 

そんなこと言われてないのですが...それに潰しってなんですか?

 

 

「あぁ、そういやあ忘れてた」

 

忘れてたら駄目だと思います。そういう大事なことは......。

 

 

「......とぼけた奴だ」

 

しばし沈黙が辺りを包む。

 

 

「提督、ゾロさんとサンジくんも先に行っててくださいすぐに追いつきますから」

 

 

「さあ、それはどうかな?誰が相手だろうと俺のやることは変わらねえおめえらはここで終わりだ」

 

再度沈黙が包み込む。

 

 

「...分かった、死ぬなよ姉ちゃん」

 

 

「えぇ、必ず......」

 

それを聞いて三人は走り出していきました。

 

 

「「.........」」

 

 

「...提督のご命令ですので早急に終わらせます!アクア」

 

 

「させねえぞ!ホワイトアウト!」

 

突如煙が私の身体を拘束します。でも......。

 

 

「掛かりましたね!行きなさい!ウォータースネーク!」

 

 

「なっ!なんだと!?」

 

これだけ雨が降っていれば能力を使うのに時間はいりません!

 

海水に変化させた水蛇は力強くスモーカーを締め上げます。

 

 

「こんなものすぐに抜け出して...!?力が!」

 

 

「気づきましたか?それは海水で出来ていますあなたはもう何もできません」

 

 

「チッ...ミズミズの能力か。能力者対策も出来てやがるのか」

 

なんとか脱出しようともがくスモーカー。

 

そんなもので私の蛇からは逃れられません!

 

 

「貴方にはここで終わりです!榛名!気合!いれて!打ちます!『アクア・アッパー』」

 

比叡お姉様の言葉を借りて私は水を纏った拳で全力のアッパーを叩き込みます。

 

 

「ガハッッ!!」

 

空叩く打ち上げられたスモーカーは勢いよく地面に叩きつけられて動かなくなりました。

 

近寄って脈を確認すると、生きていました。

 

私がホッとしていると不意に声がかけられました。

 

 

「ほう、それがミズミズの力か...大した力だ」

 

振り向くとそこには顔に変わったマークを付けた男性が立っていました。

 

 

「あなたは...革命家ドラゴン...」

 

 

「ほう、俺の事を知っていたか艦娘の娘よ」

 

!...この人艦娘の事をどうして!

 

ドラゴンの言葉に驚く私ですがあくまで冷静に話します。

 

 

「えぇ、有名人ですから...革命軍、しかもそのトップともなれば尚更です」

 

 

「フッフッフ、それもそうか。まあいい、息子の事は頼んだぞ」

 

それだけ言うとドラゴンはゆらりと消えていきました。

 

息子って誰の事だったんでしょう?

 

私は疑問に思いながらも船に向かって走りだした時でした。

 

突如、突風が吹き荒れ。私はその風に吹き飛ばされてしまうのでした。

 

 

sideout

 

 

 

sideナミ

 

 

私達はお姉ちゃんが戻ってくるのを待っていた。

 

なんでもお姉ちゃんはここに来る途中白猟のスモーカーの相手をするために一人残ったらしいの。

 

お姉ちゃんの事だから負けることはないと思うけど、帰りが遅いと心配になる。

 

するとどこからか物凄い突風が吹いてきた。

 

 

「キャアアァァ!!」

 

 

「ぽいぃ~......!!」

 

 

「「クッッ......!」」 

 

 

「な、なんだぁ!?!?」

 

 

「お、おいぃ!なんだよこの風は!」

 

私達は地下くんの捕まれる場所に捕まって風をやり過ごす。

 

しばらくして風がやみ港の方を見るとこちらに走ってくるお姉ちゃんの姿が!

 

 

「お姉ちゃんだわ!」

 

 

「なに!おーい!姉すわーん!!」

 

 

「ふっ...」

 

 

「ハルナさーん!!」

 

 

「おーいおーい!ハルナーーー!!」

 

 

「やっぱ姉ちゃんはこうでなくっちゃな!」

 

そうして船に戻ってきたお姉ちゃんを乗せて私達はローグタウンを出発したのだった。

 

 

sideout

 

 

sideゾロ

 

 

ローグタウンを出てしばらく......。

 

 

「あの光を見て!」

 

ナミが前方に見える当代の明かりを見て話す。

 

 

「島の灯台っぽい?」

 

 

「『導きの灯』あの光の先にグランドラインの入り口がある!」

 

 

「あの先にグランドラインが...」

 

 

「どうしますか?提督」

 

ハルナがルフィにそう尋ねる。

 

 

「し、しかしよ...なにもこんな嵐のなかを......」

 

俺はルフィを見て頷く。

 

サンジの奴もサムズアップしている。

 

ユウダチも楽しそうに笑っているし、ハルナも笑顔で頷いている。

 

ナミもどことなく楽しそうだ。

 

 

「よっしゃ!偉大なる海に船を浮かべる進水式でもやるか!」

 

 

「うおおおい...」

 

 

「おう!いいぞ!」

 

 

「ハルナは大丈夫です!」

 

 

「さあ、素敵な進水式しましょう!」

 

 

「やりましょー!」

 

 

「......」

 

そうして樽を用意するとサンジが足を樽の上に載せながら言う。

 

 

「俺はオールブルーを見つけるために」

 

 

「オレは海賊王!」

 

ルフィの後に続いて俺も足を乗せる。

 

 

「俺は大剣豪!」

 

 

「私は世界地図を描くため」

 

 

「私はこの世界全てを見て回るために......」

 

 

「私はお父さんとの約束を果たすために!」

 

 

「お、オレは...!勇敢なる海の戦士になるためだ!」

 

全員が足を置いたのをみてルフィが叫ぶ。

 

 

「いくぞ!グランドライン!」

 

そうして一斉に足を高く上げ......。

 

 

「「「「「「「おぉ!!」」」」」」」

 

勢いよく蹴り落として俺達の進水式は幕を閉じた。




グランドラインにはまだ着かねえのかな?

ん?なんだぁ?子供?軍艦島?なんだそれ?面白そう!


次回!榛名さんの苦労話!

さまよえる謎の少女!向かうは軍艦島!

海賊王に!オレはなる!


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さまよえる謎の少女!向かうは軍艦島!

前回までのあらすじです!

ルフィを無事救出し、ローグタウンをでたハルナ達…。
途中、海軍大佐の白猟のスモーカーが襲ってくるもなんなく撃退、そして一味は足早にローグタウンを後にする。
グランドラインの入り口に近い『導きの灯』を見て気持ちを新たに進水式をやるのだった。

今回からしばらく夕立ちゃんメインで進めていきますよ


sideユウダチ

 

 

ヤッホー、ユウダチだよ。

 

ローグタウンを出てから二日が経ったっぽい。

 

 

「ナミー!グランドラインはまだかなぁ?」

 

ルフィ…それ二日前にも聞いたっぽい……。

 

 

「二日前にローグタウン出たばっかでしょう?後何日か掛かるわよ。もう少し待ってなさい」

 

 

「あーい、ニッヒッヒッヒッヒッ!」

 

これでまた明日になって聞いてくるのよね、ルフィのことだから……。

 

 

「良い日和だなぁ…あの嵐がウッソみてえだ」

 

 

「本当ね。なんだか夢でも見ていたみたい……」

 

ハルナさんの言う通り夢でも見てたみたいに海が静かっぽい。

 

あれはいったいなんだったの?

 

するとマストの上で見張りをしていたウソップが声をかけてきたの。

 

 

「おーい!右舷方向に鳥の大群が見えるぞ!」

 

鳥の大群っぽい?

 

言われて私も右舷の方向をみる。

 

確かに鳥の大群と…下に何かいるっぽい?

 

 

「あら、確かに見えますね。その下に…何でしょう?小さくてよく分からないですね」

 

 

「小舟か…?大きな魚にも見えるけど……」

 

そこでウソップの言葉を聞いたサンジさんが口を開いた。

 

 

「海鳥の群れ下には魚が良くいるって聞くがな」

 

「さかな!!」

 

その言葉に真っ先に反応したのはルフィだったっぽい……。

 

サンジさんがルフィに声をかけたの。

 

 

「ルフィ、飯にしようぜ」

 

 

「よし来たぁ!ゴムゴムのぉ……!」

 

そう言ってルフィは腕を目一杯伸ばすと……。

 

 

「網取りいィッ…!!」

 

思いっきり鳥の群れに向かって伸ばしたっぽい!

 

 

「おぉー!伸びる伸びる!!」

 

 

「便利な奴だ……」

 

 

「提督!ハルナ!感激です!」

 

 

「さすがはゴム人間っぽい」

 

ルフィの腕はあっさりと鳥の群れまで届き、散らせた。

 

 

「捕まえた!よっと!」

 

そう言うと、そのままこっちに引き戻し始めるルフィ。

 

え?ちょっと待って!これってこのままいくと……。

 

 

「ちょっと待てよ!この後どうするつもりだよ!うわぁっ!」

 

 

「ちょっ!ルフィどうするつもり!」

 

バゴーンッ!

 

勢い良く戻ってきた腕はゾロに命中して吹っ飛んでいっちゃった。

 

 

「ぬがあっ!?」

 

勢い良く海に放り出されるゾロ、それを見かねたハルナさんが能力を発動したっぽい。

 

「『アクア・ボール ウォータードラゴン!』」

 

するとゾロを受け止めるように水の龍が出来上がり、ゾロさんを船へと戻した。

 

 

「悪りいゾロ、それと姉ちゃん助かった!」

 

 

「ドアホ!!」

 

 

「お前!いつかぜってえ斬り倒す!!」

 

 

「ふふっ…いいんですよ提督」

 

半ギレのゾロとサンジさんに微笑むハルナさん。

 

何なの?このカオスっぽい空気……。ってそんなことより!

 

 

「見てよ、この子魚じゃないっぽいよ!」

 

 

「女の子じゃない!」

 

 

「ありぃ?魚人か?」

 

 

「おまえどこをどう見たらこれが魚人に見えるんだよ……」

 

 

「そうですよ提督。この子は人間の女の子です」

 

 

「なんでこんな女の子があんな小舟に…?」

 

疑問はつきないけど今は解放してあげなきゃ!

 

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

 

あの後、気絶してた女の子を私達は船の船室へと連れてきて寝かせたっぽい。

 

起きるまで様子を見ようサンジさんがご飯を作り始めた時。

 

 

「痛あぁぁいっっ!」

 

突然の悲鳴に振り向くとさっきの女の子が頭を抱えて叫んでいたの。

 

その隣には気絶してるウソップの姿。

 

 

「気がついたっぽい?」

 

私は女の子に声をかける。

 

 

「思ったよりも元気そうね。どこか痛いとこない?」

 

 

「腹減ってるだろ?今スープ作ってるからな」

 

そう話すのはナミとサンジさん。

 

 

『……ラッキー!』

 

なにか小声でガッツポーズとってるけど、何があったっぽい?

 

すると、ハルナさんが女の子に近づいて話しかけ始めたっぽい。

 

 

「ナンパしたの?危ないところだったのよ?あなた名前は?」

 

 

「…人にものを聞くときは自分の方から名乗るものよ」

 

ハルナさんにそんなこと言うなんて!

 

でもハルナさんは気にした風もなく微笑んで話す。

 

 

「そうね、私の名前はハルナと言うの。それで向こうで料理を作っているのがサンジくん」

 

「よっ!」

 

 

「怖い顔して腹巻きをしてる人がゾロさん」

 

「うるせえ…」

 

 

「あそこで気絶してるのがウソップくん」

 

「…………」

 

 

「それと椅子に座ってる三人がナミとユウダチちゃん。それと……」

 

そこまで言ったところでルフィが割り込んだ。

 

 

「オレはルフィ、この海賊船の船長だ」

 

その言葉を聞いた女の子は顔を引き吊らせて叫ぶ。

 

 

「ひっ!海賊ゥゥゥゥゥ……!?!?」

 

そう叫んだっきり女の子はピクリとも動かなくなったっぽい。

 

 

そうとも知らずルフィは続ける。

 

 

「オレ達グランドラインを目指してるんだ」

 

しかし反応がないことに不振に思ったのか、ナミが声をかける。

 

 

「……どしたの?」

 

ハルナさんが様子を確かめる。

 

 

「えっと…気絶してますね……」

 

 

「どうすんだ?この子供」

 

ゾロの言葉にルフィが首をかしげる。

 

 

「あー…そうだな…どうしよっかなぁ………

明日考えよう」

 

 

「そこで放置っぽい!?」

 

 

「ユウダチちゃん、これが提督クオリティですよ」

 

あ、そうだったっぽい。ルフィはいつもこんな感じだったわね。

 

 

そうしてそのまま日は沈んでいった。

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

夜、みんなが寝静まったころ……。

 

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁッッ!」

 

突如響き渡る悲鳴に私達は飛び起きたの。

 

慌てて船室に向かうと……。

 

ルフィと女の子がご飯を食べてたっぽい。

 

 

「こんな美味しいのはじめて!」

 

 

「やっと笑ったわね。」

 

 

「ルフィってばまた食べてるっぽーい」

 

 

「昼にあんまり食わなかった……」

 

 

「そんなこと言って、鍋を二つも空にしてたじゃないですか」

 

そう言ってハルナさんがクスクス笑う。

 

 

「あり?そうだっけ?」

 

ルフィの記憶力っていったいどこまで低いっぽい?

 

ナミがその間に女の子に近づいて話しかける。

 

 

「海賊って聞いてそれでビビったんでしょ?」

 

 

「それは……」

 

 

「そうなっても仕方ありません。この時代で海賊って聞いたら当然の反応だと思うわ」

 

 

「……売り飛ばしたりしない?」

 

 

「そんなことしないわよ!」

 

すかさず私はツッコむ。

 

 

「おまえら皆人相悪いからなぁ…」

 

 

「この顔で言うかねキミは」

 

そう言ってゾロの顔をつねるウソップに即座に反論するハルナさん。

 

 

 

「ゾロさんには言われたくありません」

 

 

「んだとぉっ!それとてめえなにすんだコラァッ!」

 

「おまえのその顔で言われたくねえんだよ!」

 

その場でジャレ合い始める二人にナミが呆れたように声をかけるっぽい………。

 

 

「あーもう、やめなさいって」

 

「アッハハッハッハッハハッ」

 

それとルフィは笑ってなくていいからアレ、止めてきてくれない?

 

 

「あ、あはは……」

 

ほら。女の子が苦笑いしてるじゃない。

 

 

「おかわりありますが?お嬢さん」

 

 

「少なくともこの船はあなたが思っているような海賊船とは違うと思うっぽい。だから安心して」

 

私がそう言うと女の子はようやく安心したように笑って言った。

 

 

「おかわり!」

 

「畏まりました……」

 

 

「オレも!」

 

「てめえは自分でやれ!」

 

サンジさん…相変わらず男には手厳しいわよね……。

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

そして翌朝……。

 

 

出港の準備をするために私達は船の上を走り回っていたの。

 

主に走り回ってるのはルフィ達なんだけど……。

 

私はといえば……。

 

 

「何してるっぽい?」

 

 

「え?ちょっと料理でもしようかなって……」

 

女の子の面倒を見ていたっぽい。

 

 

「料理ならサンジさんがやってくれるからいいのよ?」

 

 

「でも、なにかお手伝いしたくって……」

 

あぁ、そういうことっぽいのね。

 

 

「分かったわ、なら私も手伝ってあげる」

 

 

「え?いいの?」

 

 

「っぽい♪」

 

 

「っ!ありがとう!」

 

そうして私達は料理を始めるのだった。

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

「よし、これで完成っぽい!皆を呼んできてくれる?」

 

 

「分かった!」

 

 

料理を粗方作り終えた私は女の子に皆を呼んできてくれるように頼んだっぽい。

 

それにしても、私がついていて本当によかったっぽい……。

 

あの子一人にやらせてたらどんな物が出来上がってたか……想像出来ないわ……。

 

そんなことを考えていると続々とみんなが入ってきた。

 

 

「おぉ、今日はユウダチちゃんが作ってくれたのか」

 

 

「うん、その子にも手伝ってもらったっぽい」

 

 

「へぇ、偉いなお嬢さん」

 

 

「えへへ…さ、早く食べよ!」

 

 

「おーし!メシにするぞ!」

 

こうして私達は朝食を取り始めるのだった。

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

「うんめえなコレ!」

 

 

「ユウダチも料理出来たんだな。知らなかったぜ」

 

 

「ハルナさんやサンジさん程じゃないけど私もこのくらいは出来るのよ!」

 

 

「本当に美味しいわ、これガイモンさんにも作ってたの?」

 

 

「まあね、でも今日はこの子が手伝ってくれ……そういえばあなた名前は?」

 

そこまで言って私は名前をまだ聞いていなかった事を思い出したっぽい。

 

 

「アピス!アピスっていうの!」

 

 

「アピスちゃんが手伝ってくれたお陰で何時もより早く終わったっぽい!」

 

 

「そうなのね、手伝ってくれてありがとうアピス」

 

 

「うん!」

 

 

「でも、今度からは誰かに聞いてから行動してくださいね?」

 

 

「うっ…分かりました……」

 

そうして朝食の時間は進んでいったの。

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

ご飯を食べ終えるとナミがアピスちゃんに話しかけてたっぽい。

 

 

「そういえば、アピスはなんで海の上を漂流してたの?」

 

 

「海軍の船から逃げ出してきたの……」

 

 

「海軍の船から?」

 

 

「うん、三日前の嵐の夜に」

 

 

「あの嵐のなかをあんな小舟で……」

 

 

「良く無事でしたね」

 

 

「本当っぽい。無茶するにもほどがあるわ」

 

 

「そもそも何やらかしたんだお前?」

 

 

「え?」

 

そういえばそうよね、こんな小さな子が海軍から逃げ出さなきゃいけないなんてよっぽどの理由があるっぽい?

 

 

「客として軍艦に乗ってたって訳じゃあねえんだろ?かといって、小物の悪人を海軍がいちいち相手にするわけもねえ」

 

 

「それは……」

 

 

「なんだ?おまえ極悪人か?」

 

ルフィ…その考えはおかしいっぽい……。

 

 

「違うわよ!悪い事なんかするわけないじゃない!

…してないけど、理由は…ちょっと言えない」

 

 

「なんだよそりゃあ……」

 

「良いじゃないですか、きっとこの子にも事情があるんです言いたくないなら聞かなくても良いじゃないですか」

 

 

「お姉ちゃんの言う通りね。でも、何処から来たかだけは教えてもらえない?」

 

 

「え?あ、うん。あたしね、軍艦島の人間なの」

 

 

「軍艦島?聞いたことないっぽい」

 

 

「私もないわ、ルフィは?」

 

そう言って海図を調べ出すナミ。

 

 

「いや、知らねえ。姉ちゃん何か知らないのか?」

 

 

「軍艦島…前に風の噂で聞いたことがあります。なんでも遠くからみると軍艦の形にしか見えない島があると…」

 

軍艦の形をした島?そんな島があるっぽい?

 

 

「うん、ハルナお姉さんの言う通り島の形が軍艦そっくりなの」

 

 

「へぇ、おもしれえ」

 

 

「あぁ!ここね!」

 

ナミの言葉に私達は海図を除き混む。

 

ナミが指差した場所を見てウソップが言う。

 

 

「へえーグランドラインの近くじゃんか」

 

確かにグランドラインの近くに小さな島があるわね。ここが軍艦島っぽいのね。

 

 

「今いるのはここら辺だから…そう遠くはないわね」

 

そうナミが指すのはその子島からそこまで離れていない海。

 

私はアピスちゃんに問いかける

 

 

「アピスちゃん、あなたはどうしたいっぽい?」

 

 

「え?」

 

 

「軍艦島へ帰りたい?私達はこのままだとグランドラインに入っちゃうから」

 

その言葉に少し俯くと申し訳なさそうにアピスちゃんは話す。

 

 

「……あたしね、折角助けてもらって迷惑かけちゃうけど…あたしは島に帰りたい!ごめんなさい…我が儘よね…出来れば途中で西の方へ向かう船にでも渡してくれれば自分で何とかするわ……」

 

 

「迷惑ね~ほーんと、海賊船がそう簡単に他の船に近づけるわけないじゃない」

 

 

「ナミ……」

 

ハルナさんが嗜めるようにナミの名前を呼ぶ

 

 

「デスヨネ…」

 

あーぁ…ちぢこまっちゃったわ……。

 

『でも』と、ナミは続ける。

 

 

「ま、進路から大きく外れる訳でもないし。、急いでる旅な訳でもないし、しょうがないか」

 

 

「え!?」

 

 

「あたしはどっちでもいいけどどうする?船長」

 

ナミがそう聞くとルフィは笑顔で言った。

 

 

「あぁ、いいんじゃないの?」

 

 

「グランドラインもすぐっぽいしね!」

 

 

「そっかぁ、軍艦みたいな島か」

 

 

「良かったですね、連れていってもらえるそうですよ」

 

 

「ホントに!ホントに軍艦島に寄ってくれるの?」

 

 

「あぁ!」

 

 

「やったぁ!ありがとう!ルフィ!」

 

ルフィの言葉に飛んで喜ぶアピスちゃん。

 

こうして私達の次の行き先は軍艦島へと決まったのだったっぽい!

 




やっべえ!海軍の船に見つかっちまった!

姉ちゃんにユウダチ?なにすんだ?

そっか!船を引っ張って逃げんのか!
いいぞ!いけぇっ!!

次回!榛名さんの苦労話!

艦隊から逃げ切れ!カームベルト突入!?

海賊王に!オレはなる!


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艦隊から逃げ切れ!カームベルト突入!?

前回までのあらすじです!

航海中に謎の少女、アピスを見つけた私達。
アピスは軍艦島から海軍に連れられていくところを逃げてきたのだと語る。
そのままにもするわけにもいかず、アピスにどうしたいか聞くと?

「私、軍艦島に帰りたい!」
この一言で私達は軍艦島に向かうことを決めたのでした。


sideユウダチ

 

軍艦島に向かうことが決まった私達は軍艦島へ向けて進路をとっていたの。

 

そしたら不意にハルナさんが立ち上がって外に出ていったっぽい。

 

その後続くようにナミも外に出ていく。

 

二人が外に出るとウソップがこんなことを言ってきたっぽい。

 

 

「おーい!後方に船が見えるぞ!ゲッ!なんてこった!ありゃ海軍の船だぜ!」

 

海軍!?どうして急に!

 

ナミとハルナさんも慌てて外を見る。

 

私も気になって外に出て確認する。

 

見てみるとそこには軍艦が数隻艦隊を組んで接近してきていたの!

 

 

「えぇっ!なによあれ!軍艦じゃないっぽい!?」

 

 

「ホントだわ、なんであんな艦隊がこんなところに……」

 

 

「もしかして、提督や私の首を狙いに来たのでは?」

 

と、ここでルフィ達もやって来たっぽい。

 

 

「なんだなんだ?どした?」

 

 

「提督、海軍の艦隊が接近しているんです!」

 

 

「おぉ、スッゲエ!オレ達の首を狙いに来たのか?」

 

 

「喜んでる場合じゃないわ!すぐに逃げるっぽい!」

 

私はロープを手に海の方へと走っていく。それ見てナミが慌てたように声をかけてきたっぽい。

 

 

「ちょっとユウダチ!なにするつもり!」

 

 

「決まってるでしょ!私が引っ張って海軍から距離を離すのよ!」

 

 

「そういうことでしたら私も協力するわ、ユウダチちゃん」

 

そう言ってくれたのはハルナさんだったっぽい。

 

 

「ありがとう、ハルナさん!じゃあ早速!」

 

私達は艤装をを展開して海に降りた。

 

 

 

「いけない!みんな!すぐに帆をたたんで!」

 

そうナミの声が聞こえるとすぐに船の帆が畳まれる。

 

それを確認すると私達は船にロープを括りつけて最大船速で走り出す。

 

しかし、走り始めてすぐにナミが声をかけてきたっぽい。

 

 

「お姉ちゃんにユウダチ!早く船に上がって!それとあんた達!急いで帆を張って南に傾けて!それとゾロとサンジくんは面舵一杯に進路をとって!」

 

帆を張るっぽい?なんでよ?

 

 

「ナミィ!いったいどういうことっぽい?」

 

私達は言われた通り船に上がりながら声をかけたの。

 

 

「風が来るのよ。とても強い風がね」

 

ナミがそう言うと声が聞こえてきたっぽい。

 

 

「おい、進路を南に変えたぞ」

 

ゾロがそう言った直後のこと……。

 

突如、突風が吹き荒れたっぽい。

 

 

「『風壁』っぽい!」

 

私は吹き飛ばされないように全員に風の壁を纏わせる。

 

風を受けた帆は力一杯船を押し進んでいく。

 

どんどん離れていく海軍の艦隊。

 

 

「うっほぉー!早ぇ早ぇッ!いい風だぁ!」

 

 

「見ろよルフィ!海軍のやつらどんどん離れてくぜ!ハハーンだ!ドンガメ野郎ぉぉい!」

 

 

「ユウダチ、さっきは助かったわ。皆に壁を張ってくれて」

 

 

「えぇ、ありがとう。ユウダチちゃん」

 

 

「えへへっぽい……」

 

そんなに褒められると照れるっぽい……。

 

と、そんなことをしていると風は弱まり次第に落ち着いていった。

 

そこでゾロがじっと難しそうな顔でなにかを考え込んでいたのっぽい!

 

 

「ゾロ?どうかしたっぽい?」

 

 

「……いや、気のせいならいいんだが…さっきからよ、この船。動いてなくねえか?」

 

 

「え?」

 

言われて私も帆を見る。

 

 

「ホントっぽい、帆が風を受けてないっぽい」

 

 

「あぁぁぁぁッッ!!」

 

ナミの悲鳴!?いったいどうしたの!

 

私が慌ててナミの所に行くと、ハルナさんがナミに理由を聞いていたっぽい。

 

 

「どうしたの?急にそんな大声だして……」

 

 

「しまった…カームベルトに入っちゃったぁ……」

 

 

「え!?なんですって!」

 

その言葉に私は首をかしげる。

 

 

「ねえ、カームベルトっていったい何?」

 

私の問いかけにハルナさんが答えてくれる。

 

 

「ユウダチちゃん。カームベルトというのは別名、凪の海域と言われているの」

 

 

「ナミの海域?」

 

 

「アホ!」

 

ルフィ、今はボケるところじゃないと思うわ……。

 

すると、船が小さく揺れた。

 

 

「なんだ?」

 

 

「地震か?」

 

 

「アンタ達!ぼさっとしてないで帆をたたんで船を漕いで!さっきに軌道に戻すの!」

 

 

「はーい!ナミさん!」

 

ナミの慌て様に首をかしげるルフィ達。私も同じく首をかしげる。

 

 

「何をそんなに慌ててんだ?こりゃ帆船だぞ」

 

 

「そうだよ、なんでわざわざ海軍の待ち受ける海域に戻るんだよ……」

 

 

『いいから早くやりなさい』

 

その声をあげたのは他でもないハルナさんだったっぽい…しかも副司令官モードの……。

 

 

「「「「「は、はい!只今!」」」」」

 

その言葉を聞いたルフィ達は足早に船を漕ぐ為に中に入って言ったの。

 

 

「ねえ、どうして船を漕ぐっぽい?私達が船を引けばいい話じゃないの?」

 

 

「何も知らないのね…いい?ユウダチ。私達が目指しているグランドラインは更に二本の海域に挟み込まれて流れてるの。この両側の二本の海域がカームベルトと呼ばれてるのよ。何故かは分からないけどこの海域は風も吹かなければ海流もない。完全な凪の状態の海域!もうひとつ危険な理由があるのよ。この海域には……」

 

そこまで言ったところで船が大きく揺れ、中から超巨大な海王類が複数姿を表した。

 

船はその一匹の上に乗り上げてしまったっぽい!

 

 

「な、なによこれ!?」

 

 

「……カームベルトは海王類の巣なの……。しかも超大型のね……」

 

 

「ここを抜けられないのはこの子達(大海王類)の所為でもあるの」

 

ナミが泣きながら、ハルナさんは微笑みながら説明してくれる。

 

大海王類?面白そうじゃない!

 

 

「それなら最高に素敵なパーティーが出来るわね!」

 

私の言葉にナミが信じられないものを見たような顔で話す。

 

 

「なにをする気?お願いだから下手なことは考えないでよ?」

 

 

「大丈夫よナミ。ちょっとこの大海王類達に風穴開けてくるだけっぽい」

 

 

「それだけはやめてーッ!!」

 

えー!駄目なの?じゃあ……。

 

 

「じゃあハルナさんの能力と私の能力でここから逃げ出せばいいっぽい」

 

 

「そうね、ユウダチちゃんやりましょうか!」

 

ハルナさんもやる気っぽい!

 

私は風をハルナさんは水を操り、巨大な渦を作りだす。

 

 

『乱風水 竜巻鎌』

 

超巨大な竜巻は続々と大海王類を切り刻んでいく。

 

船を上に乗っけていた大海王類はそれを見て逃げるように海の中へ潜っていく。

 

 

「今ね!榛名!全力で参ります!『アクア・フロー マリンストリーム』」

 

すると船はスイスイと進み始める。

 

 

「私もやるわ!『風身 追風』!」

 

自身の体を風へと変化させる。

 

 

「その手があったか!みんな!急いで戻って帆を張って!」

 

ナミの指示を聞いてルフィ達がすぐさま帆を張ってくれる。

 

私はその帆に思いっきりぶつかり押し始める。

 

グングン速度をあげる船。そして苦労の末に……。

 

 

「やったぁー!カームベルトを抜けられたぞ!やっほー!」

 

ルフィの叫びと供になんとか私達は危機を乗り越えたっぽい……。

 

 

 

はぁ、疲れたっぽい……。




やっと軍艦島に到着したぞ!

ん?どうした?姉ちゃんにユウダチ。
え?仲間がいる!?何処だ何処だ!!

次回!榛名さんの苦労話!

新たな再開!華の二水戦登場!

海賊王にオレはなる!


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新たな再開!華の二水戦登場!

お待たせしました榛名です!

前回までのあらすじをお話ししますね!

アピスを追ってきた海軍を撒くためカームベルトに入ってしまった私達。
しかしなんとか私と夕立ちゃんの能力でその場を乗りきり元いた海域に戻って来たのでした。


sideハルナ

 

こんにちは、ハルナです。

 

今は凪の海域(カームベルト)を抜けた直後です。

 

ルフィ提督が口を開きます。

 

 

「ユウダチ、オマエスッゲエな!風になれんのか!?」

 

 

「流石は風の能力者よねぇ…便利なものだわ……」

 

 

「えへへ…♪」

 

ルフィ提督とナミの言葉にユウダチちゃんが照れていますね。微笑ましいですね……

 

そのあと、他の仲間からも一通りユウダチちゃんは褒められるとルフィ提督が不意に叫びました。

 

 

「よぉーし!出発だ!」

 

それに合わせるようにナミも声をあげます。

 

 

「目的地は!」

 

 

「もっちろん!軍艦島だ!」

 

その一声で私達は軍艦島に向けて出発したのでした。

 

 

 

 

___________

 

 

 

 

 

軍艦島へ向けて出航してから暫く……

 

私達は今霧が立ち込める海の上を進んでいます。

 

 

「なんも見えねえな……」

 

 

「霧がみえるじゃん!」

 

 

「アピス、本当にこの辺なのか?」

 

 

「さあ?」

 

 

「さあ?って…自分の島なのに他人事っぽい?」

 

サンジくんの言葉に他人事のように答えるアピスちゃん。

 

それにすかさずツッコむユウダチちゃんというなんとも言えない場が出来上がっていますね……。

 

 

「多分、このすぐ近くの筈なんだけど……」

 

ナミがそう話しているとマストの上からウソップくんが声をかけてきました。

 

 

「おーい!前方に人影が見えるぞ!」

 

人影?船影じゃないのかしら?

 

 

「なんか、ハルナやユウダチみてえな奴背中につけてるけど…霧で良く見えねえな……」

 

私達のようなもの?艤装ということでしょうか……

 

私は気になって海を眺めます。

 

 

「あなた達!あの島にいったい何の用ですか!」

 

すると、不意に凜とした声が響き渡りました。

 

その声のした方を向くとそこには確かに人影が……

 

 

「俺達、アピスを送ってくのに軍艦島に向かってる最中だ!」

 

その声にルフィ提督が答えます。

 

 

「アピスちゃんを?アピスちゃんがそこにいるんですか?」

 

 

「あぁ、いるぞ?ほら」

 

 

「もしかして、ジンツウ姉ちゃん?」

 

ジンツウ?ジンツウってもしかして…あの神通さん!?

 

 

「ッ!アピスちゃん!どうして海賊船に!?」

 

 

「そこじゃ話しづらいでしょ?上がってきなさいよ」

 

ナミが割り込んでそう話します。

 

 

「……では、お言葉に甘えて」

 

そう言ってジンツウさんは船に上がってきました。

 

その姿を見て私は驚愕しました。

 

嘘…どうしてあの子がここに?

 

 

「え!?嘘っぽい……」

 

ユウダチちゃんも驚きの声をあげています。

 

 

「………?」

 

上がってきたその人は紛れもなく私達の仲間であった軽巡洋艦で川内型二番艦の神通さんだったのですから……

 

 

「神通……さんっぽい?どうしてこんなところにいるの?」

 

ユウダチちゃんの言葉に神通さんも驚いたような表情になります。

 

 

「その言葉遣い……もしかしてあなた…夕立ちゃん?」

 

 

「ッ!……はい!」

 

神通さんの言葉にユウダチちゃんは笑顔で頷きます。

 

 

「それじゃあ……あなたは…榛名さん…ですか?」

 

今度は私の方を向いて信じられないものを見たような顔をする神通さん。

 

 

「えぇ、そうですよ?榛名です。お久しぶりですね、神通さん」

 

 

「そんな…どうしてあなた達がここに…あなた達は轟沈したはずじゃ……」

 

 

「話すと長くなるんだけどね?」

 

突然の再開に戸惑う神通さんにユウダチちゃんが船室に連れて行き説明をしてくれます。

 

私もその後に続いて船室に入ります。

 

私やユウダチちゃんが轟沈したこと、神様という方のお陰で人間としてこの世界に転生したこと、今の私達の境遇のこと…全てを……

 

神通さんはそれを黙って聞いていました。

 

 

「そういうことだったのですね、ということは私も……」

 

 

「恐らく轟沈したんだと思います……」

 

私の言葉に神通さんは表情を暗くします……。

 

 

「そう……だったんですね…だから私はこの世界に来たのですね」

 

 

「ごめんなさい…辛いことを教えてしまって……」

 

私は本心から神通さんに謝罪をします。

 

 

「いえ、謝らないでください。自分の現状が知れてよかったです…どうしてこの世界に来たのかずっと疑問でしたから」

 

そう言うと神通さんは笑ってそう答えてくれました。

 

 

「それで海軍から逃げてきたアピスを助けてくれたんですね、ありがとうございます。榛名さん、夕立ちゃん」

 

 

「いえ、榛名は大丈夫です」

 

 

「私も、あんな小さい子を放っておくなんて出来ないもの!」

 

 

「そうでしたね、お二人はそういう人でしたね。それで、この船は軍艦島に向かっているのですよね?」

 

 

「えぇ、その通りです」

 

 

「なら、村の人達が誤解しないように私も一緒に行きます。アピスちゃんだけだと不安ですから」

 

 

「それは助かるっぽい!神通さんがいてくれたら心強いわ!」

 

こうして私達は軍艦島へと上陸するのでした。




軍艦島に上陸した俺達。

村人達から怪しまれながらも神通の説得でなんとか事なきを得る…ん?なんだアピス!お前のじいさんの豚まんうめえのか!

次回!榛名さんの苦労話!

軍艦島の伝説とアピスの秘密!

海賊王にオレはなる!


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軍艦島の伝説とアピスの秘密!

前回までのあらすです!

軍艦島に向かう最中に出会った一人の少女。

それはかつて私達と共に深海棲艦と戦った艦娘の神通さんだったのです。

神通さんに抒情を説明し、私達は神通さんと共に軍艦島へと向かうのでした。


後、活動報告でアンケートを取っているのでそちらも是非見てくださいね


sideハルナ

 

こんにちは、ハルナです。

 

神通さんの案内のもと、私達は軍艦島へと上陸しました。

 

すると、私達が来るのを見ていた島民の方々が警戒した面持ちで船の周りに集まってきます。

 

 

「警戒を解くために先に私とアピスちゃんが下りますね」

 

 

「ごめんなさい、お願いします」

 

 

「任せといて!ハルナさん」

 

自信満々にサムズアップして神通さんと共に下船するアピスちゃん。

 

 

「や!ただいまー!」

 

 

「皆さん、ただいま戻りました...。」

 

それを見た島民の方達は驚きの声を上げています。

 

 

「アピス!どうして海賊船から!?」

 

 

「神通ちゃんまで一緒だなんて...いったい何があったんだ?」

 

そんな言葉を聞きながら私達も上陸します。

 

それに気づいて更に警戒が高まる島民たち...。

 

 

「皆さん、落ち着いて聞いてください!この方たちはこの島を襲いに来たわけじゃありません」

 

 

「そう!ルフィたちはね?海賊だけど、良い海賊なの!」

 

 

「海賊に良い海賊なんているのかよ...」

 

 

「うん!」

 

 

「まぁ神通ちゃんがそう言うんなら間違いはないだろうけど...」

 

そう言って渋々納得する島民の方々。

 

するとルフィ提督が不意に口を開きます。

 

 

「......お前達...」

 

 

「...!な、なんだ!」

 

少しの威圧を混ぜながら話すルフィ提督に島民の方が咄嗟に警戒して聞きます。

 

また変なことを言い出したりしませんよね...?

 

私の警戒を他所に提督は私の予想の斜め上をいくことを口走ります...。

 

 

「この島に焼肉屋あるか!!」

 

 

『はい??』

 

 

「提督...上陸して一言めがそれはどうかと思います......」

 

久しぶりに頭痛がしてきました...。

 

夕立ちゃんも苦笑いしています...。

 

 

「なんというか...苦労してるんですね、榛名さん」

 

温かい目で私の方をポンと叩く神通さん。

 

神通さん、それを言わないでください...。

 

私が内心で一人頭を抱えていると、不意に声が聞こえてきました。

 

 

「アピス!」

 

声のした方を見やるとそこには杖をついたお爺さんが立っていました。

 

それに気が付いたアピスちゃんは声のした方へ駆け出していきます。

 

神通さんもあとからそれを追って歩いていきました。

 

 

「ッ!ボクデンじいちゃん!」

 

そのまま勢いよくボクデンと呼ばれたお爺さんに抱き着くアピスちゃん。

 

 

「おぉ、無事で何よりじゃ...ジンツウも見回りご苦労じゃったの」

 

 

「いえ...このくらいは当然ですから...。」

 

ボクデンさんの言葉に神通さんはそう短く答えます。

 

神通さんは相変わらずみたいですね...。

 

 

「神通さん変わらないっぽ~い...」

 

夕立ちゃんも同じことを考えていたのかそんなことを呟いています。

 

すると、ボクデンさんは私達の方を見て言います。

 

 

「アピスを助けていただいて礼を言いますじゃ、如何かな?ささやかながら歓迎の宴を開かせていただきたいのじゃが」

 

 

「お前んち焼肉屋か?」

 

 

「ルフィ、もうそれはいいっぽい...」

 

 

「そもそも失礼ですよ?提督......」

 

 

「え?そっかぁ?」

 

はぁ...提督にはもう少し礼儀と言う物を覚えてもらわないといけませんね...。

 

 

「あはは...家は焼肉屋じゃないけど、ボクデンじいちゃんの豚まんはこの島で一番おいしいんだよ!」

 

 

「いやったぁ!いくぞ!!」

 

 

「じゃ、いくか」

 

 

「なんだか、ご迷惑をおかけします...」

 

私は申し訳なさから頭を下げます...。

 

 

「いやいや、構わんよ、アピスを助けてもらったお礼じゃからな」

 

 

「すみません...本当にありがとうございます」

 

 

「私達はそうしたいんですから榛名さんは気になさらないでください」

 

 

「えぇ、そうね」

 

 

「話し終わったか?んじゃ行くぞ!」

 

私の話が終わったのを見て提督が歩き出しました。

 

私は一つため息を吐いてからその後をついて歩き出すのでした。

 

 

 

 

________________________

 

 

 

 

 

あの後、私達はボクデンさんの家に着き、豚まんの準備を済ませて家にお邪魔させてもらっていました。

 

豚まんができるまで四、五時間ほどかかるそうなのです...。

 

 

「あぁ~...腹減ったなぁ...」

 

提督はいつもそう言ってますからこの際無視でいいですね。

 

 

「ボクデンさん、アピスは何故海軍に狙われてるの?心当たりは?」

 

不意にナミがボクデンさんに問いかけます。

 

 

「アピス、心当たりは?」

 

 

「全然」

 

 

「ッ!あなた理由はあるけど言えないって言ってたじゃない」

 

 

「あぁ、あれは嘘」

 

 

「ウソって...」

 

 

「下手したらその場で殺されていてもおかしくないっぽい...」

 

 

「相手が深海棲艦だったりしたら確実ですね...それよりアピスちゃん?」

 

神通さんが不意に声のトーンを落としてアピスちゃんに話しかけます。

 

ギクッ冷や汗を垂らしながら神通さんの方を見るアピスちゃん。

 

神通さんは笑って言います。

 

 

「私は散々嘘はつかないようにと教えたはずです。それを知らない方に...ましてや海賊相手に使うなんてもってのほかです!今回は優しい人達だったから良かったけれど、下手をしたらあなたは殺されていたかもしれないんですよ?」

 

 

「......ごめんなさい」

 

ションボリと項垂れるアピスちゃんに神通さんは止めの一言をお見舞いします。

 

 

「罰としてこれから一週間村の周りを十周です」

 

それを聞いたアピスちゃんはガタガタと震えだしてしまいました。

 

 

「あぁ~ぁ...始まったっぽい」

 

夕立ちゃんがまた始まったとでも言いたげに呟きます。

 

私もそれには同意でした。

 

神通さんは鎮守府にいた頃、鬼教官と呼ばれるほどの厳しい方だったのですから...。

 

私は内心でアピスちゃんに合唱しつつボクデンさんを見ます。

 

 

「そうさな...アピスの心当たりはワシにもわからんがこの島にある伝説なら知っとる」

 

 

「ッ!それ、お聞きしてもよろしいですか?」

 

もしかしたらその伝説に何か手掛かりがあるかも...

 

 

「ちょっ!ハルナお姉ちゃん!?」

 

 

「おぉ、いいともいいとも、ではお話ししよう...この島には...」

 

話の内容はこういったものでした。

 

 

軍艦島の住民は数万年前に栄華を築きながら海底に沈んだロストアイランドの末裔なんだそう、そのロストアイランドには千年龍と呼ばれる龍が住んでいてその骨は不老不死の妙薬になると言われていたそうです。

 

 

「で、ここからが本番でな...そもそも、ロストアイランドの初代の王はイスカンダンク...さて、ポケポーデス王には三人の子供がおっての...」

 

私はその話を聞き逃すまいと耳を傾けるのでした。

 

 

アピスちゃんと夕立ちゃんがいつの間にか居なくなっていることにも気がつかずに...。




家を抜け出したアピスの後を追うユウダチ

アピスの言葉に夕立はとんでもないものに遭遇する!

次回!榛名さんの苦労話!

伝説の生物、千年龍とユウダチ

海賊王にオレはなる!


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伝説の生物、千年龍とユウダチ

前回までの榛名さんの苦労話っぽい!

神通さんの案内で軍艦島へと上陸した私達…。

そこでアピスの家族であるボクデンさんの家にお邪魔することになったっぽい…。

島の伝説を話始めたボクデンから逃げるように部屋を出ていったアピスを追って私も家を抜け出したの…。


side夕立

 

やっほー夕立だよ♪

 

ボクデンさんが島の伝説について語りだしたのを話し半分に聞き流していたらアピスがコソコソと外に出ていくのが見えて私は後を追ったの…。

 

風で姿を消してアピスの姿を探す…。

 

アピスはボクデンが豚まんを作っている石窯の部屋にいたっぽい。

 

その手には大きな袋…。よく見ると、せっせと中に何かを詰め込んでるみたいだった。

 

私は部屋に顔に覗かせながら声をかける…。

 

 

「なにしてるっぽい?」

 

その声に飛び上がらんばかりに体を跳ねさせたアピスがキギギとこちらを向く。

 

 

「ゆ、ユウダチさん……」

 

その手には湯気の立ち上る豚まんが……

 

 

「あ!私達の豚ま…ムグッ!!」

 

そこまで言いかけてアピスが慌てて私の口を塞いできたっぽい…。

 

 

『しーっ!声が大きいよ!!お願いユウダチさん!どうかこの事は黙っててほしいの!』

 

小声でそう話すアピスの必死さに、私は何かあると察して小さく頷く…。

 

それを見て安心したのか、アピスはそっと私の口から手を離してくれたっぽい。

 

 

「ぷはっ…黙っているのは良いけど、訳は話してくれるのよね?」

 

 

「うぅ…ホントは黙っていたかったけど見つかっちゃったらしょうがないもんね…うん、ユウダチさんには話すね?実は…」

 

 

「ッ…!!しっ!誰か来たっぽい」

 

アピスが話し始めようとしたとき、家の方から誰かの気配を感じとり、即座にアピスを黙らせて息を殺して様子を伺う…。

 

 

「ぶたまん…(ムニャムニャ…)」

 

歩いてきたのはルフィだったっぽい。あの様子だと寝ぼけて豚まんの薫りに誘き寄せられたってところね…。

 

私が様子を伺っていると、反対側で大きな木槌を振り上げているアピスの姿が……

 

 

『ちょっ!!なにするつもりっぽい!?』

 

 

『頭を叩いて気絶させるのっ…そうしないと大変なことになっちゃうから』

 

 

『そんなことしたらルフィに気付かれるっぽい!』

 

 

「ぶたまん…」

 

そんなことをしている間にもルフィは刻一刻と近づいてくる…。

 

もう一か八か気絶させるしかないっぽい…ルフィ、ごめんね!

 

私も覚悟を決めルフィに攻撃することを決意し風の大槌を手に待ち構える…。

 

 

「ぶたまん…」

 

とうとうルフィが部屋に入ってきた、もうやるしかないっぽい!

 

そう一思いに大槌を振り下ろそうとした時だった。

 

 

【バタッ…】

 

不意にそんな音が聞こえ、ルフィを見ると地面に倒れ伏し眠ってたっぽい…。

 

 

「……わたし、殴ってないよね?じゃあユウダチさん?」

 

アピスも不思議そうに首を傾げてる…。それはそうよね、殴った記憶がないっぽいんだもん…。

 

 

「私もやってないわ、ルフィが勝手に寝ただけっぽい」

 

 

「勝手にって…あはは…そんなに食べたかったんだね、豚まん…。」

 

そう言うとアピスは袋から一つ豚まんを取り出すと寝ているルフィの顔の上に置いてから言った。

 

 

「よし、それじゃあ早くいかなきゃ!ユウダチさん、悪いんだけど運ぶの手伝って!」

 

 

「分かったっぽい!けど、私にも一個分けてよ?」

 

 

「うん、約束する!それじゃあ行こ!」

 

そうして私達は大量の豚まんの入った袋を引きずりながらアピスの案内のもと山の中を進んでいったのっぽい…。

 

 

 

 

 

 

 

______________________________________________

 

 

 

 

 

 

森を抜け、山を登り、崖を越えて着いた先にはぽっかりと空いた大きな洞穴があったっぽい…。

 

 

「この中なの、早く入ろう」

 

 

「ぽい?あ、ちょっと…!」

 

先にズンズン進んでいくアピスを追って慌てて私も中へと入っていく。

 

中はほの暗くて、目を凝らさないと辺りがよく見えないっぽい…。

 

しばらくアピスの後に着いて歩いていると、アピスが急に立ち止まるとある方向に向けて話し掛けたの…。

 

 

「ただいま、龍じい…わたし、帰ってきたよ」

 

誰に話しかけてるの…?

 

アピスが見ている方へ視線を向けるとそこには……

 

 

「なっ!?なにっぽい!?!?これ!!!」

 

そこには巨大な一頭の龍が横たわっていたっぽい…。

 

 

「…………」

 

龍はなにも言わず私をじっと眺めるとアピスの方に視線を投げかける…。

 

 

「あ!この人は大丈夫だよ龍じい、彼女はユウダチっていってとっても強いんだよ!」

 

 

「…………」

 

 

「うん!心配ないよ!龍じいのことは誰にも話してない、ユウダチさん?この人は信用できるから大丈夫だよ、安心してね」

 

何も言葉を発していないのにまるで龍と会話するように話すアピス…。

 

 

「あ、アピス…?もしかしてあなた、悪魔の実の能力者?」

 

 

「うん、ヒソヒソの実を食べたの、だから他の生き物が何を考えてるのか分かるんだ!」

 

へぇ~悪魔の実ってそんなものまであるっぽいんだ…初耳かも…。

 

 

「じゃあさっきから話してる相手って…」

 

 

「うん、勿論龍じいだよ?」

 

 

「…………」

 

ジッと私を見つめてくる龍…。

 

私は何を伝えようとしているのかその眼を覗き混んでみるけどさっぱりだったっぽい…。

 

 

「龍じいがね?アピスを助けてくれてありがとうだって」

 

 

「え?ううん!大丈夫っぽい!それに、助けたのはルフィだから」

 

 

「…………」

 

 

「それでもありがとうだって、素直に受け取っておいたら?」

 

そんな感謝されるような事じゃないっぽいのに…。

 

 

「それもそうね、ぽい!どういたしまして♪」

 

こうして私達は持ってきた豚まんを龍じいにあげて話始めるのだった…っぽい

 

 

 




なんか変な跡見つけてナミと跡を辿ってみたらでっけえ龍がいた!!

すっげえ!でっけえ!!
え?なんだ、お前故郷に帰りたいのか?なら俺達が返してやるよ!

次回!榛名さんの苦労話!

故郷を探せ、幻の島ロストアイランド!

海賊王にオレはなる!


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故郷を探せ、幻のノロストアイランド!

前回までの榛名さんの苦労話っぽい!

抜け出したアピスを追って外に出た夕立。

そこでコソ泥紛いの事をしているアピスを目撃する。

見つかったアピスは観念して夕立に秘密を打ち明けるため、ある場所へと夕立を連れて行く。

そこで夕立は幻の生物、千年龍の龍じいと会合を果たすのであった......。


side夕立

 

 

 

「.........」

 

 

「うん、大丈夫だったよ、私も最初はどうしようかと思っちゃったけど、とてもいい人たちだったから私をここまで送り届けてくれたの」

 

 

「.........」

 

 

「え?そんなこと無かったよ?逆にわたしの事を心配してくれたんだから」

 

暇っぽい......。

 

あ、ヤッホー、ユウダチだよ!

 

今、アピスに連れられて山の裏手にある洞穴にいるんだけど......。

 

 

「.........」

 

 

「あぁ、ごめん...一生懸命調べてるんだけど......」

 

この会話からわかる通り、私はやることがないっぽい......。

 

元々ジッとしてるのが得意っていう訳でもなかったから余計に退屈っぽいぃ......。

 

そんなことを考えながらアピス質の話を聞いていると、不意に探信儀に反応があったの。

 

 

「アピス、誰かこっちに来てるっぽい」

 

 

「え?誰かって?」

 

 

「.........」

 

龍のおじいさんもその大きな瞳をこちらに向けて何かを訴えかけてくる。

 

けど、私じゃ何を言っているのかさっぱり分からないっぽい......。

 

 

「分かんないけど、アピスを探している海軍の可能性もあるわ、少し身を隠すっぽい」

 

 

「で、でも...それじゃあ龍じいが......」

 

 

「...風幕(風敷物)」

 

私は風の幕を作ってそれを軽く龍じいさんに掛ける。

 

風の幕はすぐに辺りの砂を吸い上げて保護色となり不可視化する。

 

 

「これなら見つかる心配もないっぽい、ほら、早くアピスも隠れるっぽい」

 

 

「う、うん......」

 

渋々といった様子で近くの岩壁に身を隠すアピス。

 

それを見届けた後、私は近づいてくる気配を待った。

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

「あれぇ?なんでユウダチがここにいるんだ?」

 

 

「姿が見えないと思ったらこんなところで何してるの?」

 

気配を警戒していたところに不意にそう声を掛けながら近づいてきたのはルフィとナミだったっぽい。

 

 

「え?ナミにルフィっぽい?そっちこそ、どうしてここに?」

 

 

「あたし達?あたし達はなんか怪し気に引きずられた跡がここまで続いてたから、その後を辿ってきたのよ」

 

あちゃぁ...ごめんねアピス、これはもう誤魔化しようがないっぽい......。

 

 

「そっか、そこまでバレちゃってたら仕方ないわね、アピス、出てきて良いっぽいよ」

 

そう岩肌に向けて声を掛けると、アピスがひょっこり顔を出したっぽい。

 

 

「え!?アピス、あんたもいたの?」

 

突然のアピスの登場でナミが驚きの声を上げる。

 

それを横目に私は発動していた能力を解除したっぽい。

 

途端に風の幕が消え、姿を現す龍のおじいさん。

 

 

「.........」

 

 

「いぃっ!?!?」

 

 

「ひっ!?!?」

 

いきなり目の前に現れた巨大な龍に二人は驚きの表情を浮かべる。

 

しかしルフィはすぐさま態度を変え......。

 

 

「おぉー!スゲエ!スゲエスゲエ!!」

 

 

「やめて!やめてったら!ルフィ!」

 

スゲエスゲエと連呼しながら龍のおじいさんにまとわりつくようにべたべたと触りまくるルフィ。

 

そしてそれを必死に止めようとするアピス。

 

それをみて私が思った事......。

 

......うん、なんだかハルナさんの苦労が分かった気がするっぽい。

 

これだったっぽい......。

 

ナミは驚いた顔のまま動かないし...これどうしたらいいっぽい?

 

私がどうしたものかと迷いあぐねていた時だったっぽい。

 

 

「......ん?」

 

 

「.........」

 

ベタベタと龍のおじいさんに触っていたルフィが、ふと動きを止めたの......。

 

 

「......」

 

 

「.........」

 

しばし無言で見つめ合うルフィと龍のおじいさん。

 

 

「...そっか、お前故郷(ふるさと)に帰りたいのか」

 

え?今ルフィ、何て言ったっぽい?もしかして、龍のおじいさんの心が読めたっぽい!?

 

アピスも驚いたような顔をしてるっぽい。

 

龍のおじいさんに無言で見つめられてアピスは小さく頷くと口を開いたっぽい。

 

 

「龍じいが、ルフィとお友達になっても良いって。ユウダチさんと同じ匂いがするから信用できるって」

 

その言葉にルフィはチラリと私の方を見てからまたアピスの方を見てニッと笑う。

 

 

「ルフィ、どうして分かったの?龍じいの心が......」

 

 

「なんとなくだ」

 

 

「なんとなくって......」

 

 

「なんとなくで心を読めるっていったいどういうことっぽい?」

 

アピスですら悪魔の実を食べたから分かる程度っぽいのに......。

 

 

「お前こそよく分かるな」

 

 

「あ、いや、わたしはその......」

 

 

「アピスは悪魔の実の能力者っぽい、ヒソヒソの実を食べたヒソヒソ人間らしいっぽいよ」

 

 

「ヒソヒソの実?聞いたことない名前ね」

 

あ、ナミがここでようやく復活したっぽい。

 

 

「うん、わたしもよく知らないんだけど、それを食べてから動物の心が分かるようになったの」

 

 

それであの時(凪の海域突入前)、風が来るってわかったのね」

 

 

「うん、海鳥たちが教えてくれたんだ。龍じいと会えたのも、ヒソヒソの実のおかげなの」

 

そこからはアピスと龍のおじいさんがあった時の回想だったっぽい。

 

内容は簡単に説明するとこんな感じだったっぽい。

 

ある日、島の花畑で遊んでいたアピスにふと風に乗って声が聞こえてきたの。

 

その声の悲しそうな雰囲気にアピスは誘われるようにその声のする方毛と向かったっぽいの。

 

そこで辿り着いた先にぐったりとした龍のおじいさんがいたっていうことだったっぽい。

 

 

「仲間達からはぐれちゃった龍じいはその後も一人で探し続けてたんだって、龍の巣のある『ロストアイランド』を」

 

 

「ロストアイランド?それって......」

 

 

「えぇ、ユウダチもボクデンさんから聞いたでしょ?あの話に出てきた島の事よ。

でも『ロストアイランド』ってずっと昔に沈んだんじゃなかったの?」

 

 

「龍じいの話では、島は再び浮上するんだって。

そろそろその時のはずだって言ってるんだけど、

その場所がどこなのか、

龍じいはもうはっきりと覚えていないんだって...。

もうすっかり年老いちゃって、

飛ぶ力も無くして...

でも、帰りたい帰りたいって......。

わたし、何とかしてあげたいんだけど、

そんな島どこにあるのか全然分からなくてさ...

伝わってる伝説だけじゃ、なんの手掛かりにもならないし......。

だから、偶々この島に立ち寄った海軍にちょっと聞いてみたの。

それが間違いだった、あの人達、竜骨を探してたの」

 

 

「竜骨ってボクデンさんのお話に出てきてた不老不死の妙薬のことっぽい?あの海軍そんな物の為にアピスを」

 

 

「うん...知ってること全部言えって連れて行かれちゃった...。

龍じいに貰った爪をペンダントにしていた所為もあるかもしれないけど」

 

 

「それであの嵐のなかを...無茶しすぎよ」

 

 

「本当に運がよかったっぽい」

 

 

「うん、だから、ボクデンさんにも村の人たちにも内緒にしてる。

迷惑掛かるといけないから......。

でも、わたし、どうしても龍じいを故郷に帰してあげたいの!

龍じい、いつも言ってるわ、龍の巣に戻ればきっと元気になるって......。

何年掛かっても、必ず見つけてあげるの。

絶対、なんとしてでも、見つけてあげるの......」

 

最後の方の言葉には涙交じりになりながらも言い切ったアピス。

 

 

「ルフィ」

 

こんないい子を放っておくなんて出来ないっぽい!

 

 

「あぁ、ユウダチも考えてることは同じみてえだな。

アピス、じゃあオレが、いやオレ達が連れてってやる!」

 

 

「え?」

 

 

「ちょっとルフィ!それにユウダチも、話聞いてた?『ロストアイランド』は海に沈んだって言ってんでしょうが」

 

 

「でも、伝説の千年龍だっていたんだから、『ロストアイランド』もきっとどっかにあるさ」

 

 

「探してみないことには分からないわ!」

 

 

「あんたたちねえ...」

 

「はぁ...どうせ何を言ってもあんたたちの答えは変わらないんでしょうし......。

しょうがない、行くか!」

 

 

「さっすがナミ!話が分かるっぽーい♪」

 

 

「よーし!」

 

 

「ホント?ホントに?」

 

 

「あぁ!」

 

 

「任せるっぽい!」

 

 

「ありがとう!!」

 

 

「よーし!そうと決まればもっと食え!」

 

そう言って袋に入っている豚まんを食べさせようと龍のおじいさんの目の前にしゃがみ込むルフィ。

 

 

「あ、ルフィそれだとちょっと......」

 

 

 

【バクリッ】

 

 

「...龍じいちょっとボケが入ってんのよ」

 

 

「ちょっと遅かったっぽい......」

 

そんなこんなで話は纏まり、私達はハルナさん達にも話をするために一度ボクデンさんのお家にも戻っていったっぽい。




姉ちゃん達の協力を漕ぎつけたし早速龍じいを連れて出港だ―!!

ん?なんだアイツ?変な風つかうやつだなぁ!


次回!榛名さんの苦労話

軍艦島からの脱出!海軍の追跡を振り切れ!

海賊王に...オレはなる!!


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軍艦島からの脱出!海軍の追跡を振り切れ!

前回までの榛名さんの苦労話っぽい!


後から現れたルフィ達に龍のおじいさんの事がばれた夕立たち......。

アピスの話を聞いて龍のおじいさんを故郷のあるロストアイランドへと連れて行くことになるのだった。


sideハルナ

 

 

......zzz...はっ!

 

あ、えっと、おはようございます?ハルナです。

 

今は...何をしていたのでしょう?

 

あ!思い出しました!ボクデンさんにこの島の伝説を聞いていたんです。

 

三百代目の王様の話を聞いていたところまでは覚えてるんですけど、その後から記憶が......。

 

そ、それより、ボクデンさんは?

 

 

「千二百三じゅぅ...(コックリコックリ)」

 

ま、まだ話していらしたんですね......。

 

というより、どれだけ長いんですかその話!?

 

 

「あら、榛名さん、起きてたんですね......」

 

この声は?

 

その声に振り向くと、神通さんが私を見て笑んでいました。

 

 

「えぇ、つい先ほど...神通さんは?」

 

 

「私...ですか?私は寝ていません。ボクデンさんのこのお話はよく聞かされていますから慣れてるんです。大抵はこうして途中で寝てしまうんですけど」

 

それで起きていられたんですね。

 

確かに話をしているボクデンさんの方が寝てしまっていますけれど......。

 

 

「......zzz」

 

クスッよく寝てますね、ボクデンさん、それに皆さんも......。

 

 

「おい、みんな!スゲエんだぜ!」

 

 

「なによ、これ...」

 

あら?この声は......。

 

 

「お帰りなさい、ルフィさん、ナミさん」

 

 

「あら、お帰りなさい二人とも」

 

 

「お姉ちゃん、それにジンツウさん、二人は起きてたのね、これ、どういうことなの?」

 

やっぱりそう来ますよね。

 

私はチラリと眠りについているボクデンさんを見ます......。

 

 

「......呆れた、まだ話続いてたの」

 

きっと起きていたらまだまだ続いていたでしょうね......。

 

そんな私達を尻目にルフィ提督は鼻提灯を出しながら眠っているウソップくんを起こしています。

 

鼻提灯を割られて慌てて起きたウソップくんの叫びで他の二人も目を覚ましました。

 

 

「ん?なんだ?もう朝か?」

 

 

「ゾロさん、一泊もしてないんですからそれはおかしいですよ?」

 

 

「ん?そうか」

 

はあぁ...こんな調子で大丈夫なんでしょうか......。

 

 

「~っ...あんまり爺さんの話が長いから、いつのまにか寝ちまったな」

 

 

「クスッ...可愛い寝顔でしたよ?サンジくん」

 

 

「ッ!おいおい趣味悪いぜ姉さん......」

 

良いじゃないですか、弟分の寝顔を見るくらい。

 

 

「ふふっ仲がよろしいんですね」

 

ジンツウさんも微笑ましくそのやり取りを見守っています。

 

そんなことをしていると、不意に扉が勢いよく開かれ、村人の方が一人入ってきました。

 

 

「ボクデンさん大変だ!アピスは!」

 

 

「どうかしましたか?」

 

ボクデンさんの代わりに神通さんが答えます。

 

 

「ジンツウさん、いや、あの海軍の艦隊が港を封鎖し始めてるんだ!」

 

それに反応したのはナミでした。

 

 

「まさか、アピス一人を狙って?」

 

 

「ん~?なんであんな女の子をぉ?」

 

これは怪しくなってきましたね......。

 

アピスちゃんとユウダチちゃんの姿が見えないのも気になります。

 

 

「ねえ、みんな、あたしと一緒に来て!」

 

 

「はい!ナミさん!」

 

 

「サンジくん?」

 

 

「あ、いや、姉さんこれはだな......」

 

 

「どしてぇ?」

 

 

「いいから!」

 

 

「爺さんはどうする?」

 

 

「ん~...よく寝てるし、そのままにしてあげた方がいいわ。ジンツウさん、あなたはどうする?」

 

 

「そうですね、アピスちゃんに、関わることみたいですし、私も一緒に行きます」

 

神通さんが来てくれるなら心強いですね!

 

 

「分かったわ、ねえ、ボクデンさんが起きたら伝えて、アピスはあたし達が守るからって」

 

 

「あ、あぁ」

 

何がなにやらよく分かっていなさそうな返事ですね。

 

 

「それよりも、ナミ、早くここを移動したほうが良くないかしら?」

 

 

「そうだったわ!みんなあたしについて来て」

 

そう言って歩き出したナミを追って、私達は移動するのでした。

 

その後のお話はただの作戦会議でしたので飛ばさせてもらいますね。

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

「それじゃあみんな、手筈通りにお願いね!」

 

 

「あぁ((はい!))」

 

えっと、今までに起きたことを簡単に説明します。

 

ナミに案内された先にいたのは話に出てきた伝説の千年龍とアピスちゃんとユウダチちゃんでした。

 

提督たちは、その千年龍、龍爺さんを故郷である『ロストアイランド』へと帰してあげるために協力してほしいとの相談を持ち掛けてきたんです。

 

私、ゾロさん、サンジくん、それに神通さんがその相談に賛成しました。

 

ウソップくんが少し反対していましたけど、皆さんの勢いに押されて諦めていましたね......。

 

そうして、龍爺さんの故郷を探すため、軍艦島から脱出するための作戦会議をしていたんです。

 

そこで先程につながるという訳です。

 

 

「それじゃあウソップくん、ゾロさん、行きましょう!」

 

 

「あぁ」

 

 

「あ、おい!待ってくれよぉ!!」

 

私達は船を奪還する役目です!

 

内容は簡単、港に停泊しているゴーイングメリー号を、島の裏手にあるウソップくんの鼻のような岬の所まで船を回せばいいだけです。

 

ゾロさんとウソップくんが船の操舵、私は海流を作って航行速度を上げるための能力者要因です。

 

艤装で船を曳舟してもいいのですが、それだと逆に目立ってしまうので避けてほしいと言われたのでこの方法です。

 

さて、それでは......

 

ハルナ!全力で参ります!

 

 

sideout

 

____________________

 

 

sideユウダチ

 

ヤッホー、ユウダチだよ

 

私は今、龍のおじいさんを能力で浮かび上がらせてるっぽい。

 

 

「さて、それじゃあユウダチ、そのまま洞窟の外に出してちょうだい」

 

 

「はーい、動くから暴れないでねっぽい」

 

 

「.........」

 

 

「...龍じいがよろしく頼むだって」

 

アピスの翻訳とっても助かるっぽい♪

 

 

「任せといて!おじいさんが若い時みたいに空高く飛ばせてあげる!」

 

その横ではナミが海を眺めてるっぽい。

 

 

「ん~...お?来たわね?」

 

その言葉に私も海の方を見てみる。

 

すると確かに遠くに船影が見えてきたっぽい!

 

 

「夕立ちゃん、その力は...?」

 

不意に神通さんがそう聞いてきたっぽい。

 

 

「え?あぁ、これ?これは悪魔の実の能力だよ」

 

 

「悪魔の...実?」

 

この反応だと、神通さんも悪魔の実の事は知らないみたいね

 

 

「えっとね...「大変!海軍が近くまで来てるって!!」え?」

 

ウソ!?どこにいるっぽい?

 

辺りを見回してみると、いたっぽい。水兵帽を被った海軍の軍団......。

 

 

 

「あらー...以外に来るのが早かったわね」

 

 

「ちょっと、どうするつもりなの!!」

 

 

「あぁ、大丈夫よ、この二人がいるし、それにユウダチだっているんだもの」

 

信用してもらって嬉しいけど、ちょっと今の状態だと厳しそうよね......。

 

 

「神通さん、その話はまた後でね!」

 

 

「えぇ、今はそれどころではなさそうだわ」

 

さぁ、素敵なパーティーしましょう!

 

 

「待って、ユウダチ、それにジンツウさんも...ここはルフィ達に任せておきましょう」

 

 

「あぁ、さあ!暴れるか!」

 

 

「レディにばかりやらせるわけにはいかねえよ、ここは俺達に任せとけ」

 

そう言って前に出るルフィとサンジさん。すごく頼もしいっぽい!

 

「二人とも、ゴーイングメリー号があの岬の所に来るまでの間時間稼ぎお願い」

 

 

「おう!任せろ!」

 

 

「はい!ナミさん!」

 

と、そんな時だったっぽい......。

 

 

「ッ!ダメ!龍じいを撃っちゃダメェ!!」

 

 

「ちょっアピス⁉何やってるっぽい!?」

 

 

「夕立ちゃんはそのまま、ここは私が」

 

え?神通さん?

 

神通さんはそう言うとアピスを連れて下がってきたっぽい。

 

 

 

「アピスちゃん、今は出ていってはだめです!」

 

 

「でも、龍じいが!!」

 

 

「あなたが今出て言って何ができますか?ここは私達に任せてください」

 

 

「そうだよ、アピスはおじいさんの近くにいてあげてっぽい」

 

 

「...うん」

 

 

「いい子です...約束ですよ?」

 

そう言って神通さんが前に出た時だったっぽい。

 

 

「撃てぇっ!!」

 

 

【バンッバンッバンッバンッバンッナンッ!!!!】

 

 

「神通さん!!」

 

まずい!このままじゃ神通さんが!!

 

一直線に神通さんに迫る弾丸の嵐......。

 

私達の誰もが動き出そうとした、その時だった。

 

 

【シュバババババババッ!!…バラバラバラ】

 

 

「......こんなものですか?」

 

え?神通さん今何したっぽい?

 

見間違いじゃなければ銃弾を全部素手で受け止めてたように見えたっぽいんだけど......。

 

 

「アピス、今の何が起きたかわかるっぽい?」

 

 

「ううん、さっぱり......」

 

そうよね、神通さん、いったい何をしたらそんなことが出来るっぽい!?

 

 

「スッゲエ!!なあお前今のそれどうやったんだ?」

 

ルフィが滅茶苦茶目を輝かせながら聞いてる。

 

 

「え?単に飛んできた弾を手で受け止めただけですよ?」

 

 

「弾を受け止めるとは...すげえな姉ちゃん」

 

 

「いえ、あなたも訓練すればすぐできるようになりますよ」

 

神通さん、簡単に言ってるけどそれ、そうできることじゃないっぽい......。

 

 

「おぉ、そりゃご教授願いたいね、けど今は...」

 

サンジさんが前を見据える。

 

そうだったっぽい、今は目の前に敵をなんとかしないと!

 

 

「シッ!」

 

 

【スッタタタタタタンッッ!】

 

 

「ゴムゴムのっ...ガトリング!!!」

 

 

【ドガガガカッッ!】

 

剣を構えて向かってくる海兵たちに迎え撃つように突っ込んでいくルフィとサンジさん。

 

 

「うぎゃあぁぁぁぁっ!!」

 

勢いよく吹っ飛ばされていく海兵たち。

 

私もこれさえなかったら暴れられるのにぃ...っ!

 

そんな風にやきもきしている間にも状況は進んでいってるっぽい。

 

吹っ飛ばされた海兵たちに見かねたのか、スーツ姿のヘンテコ頭の男が出て気たっぽい。

 

 

「俺は旋風のエリック、ネルソン・ロイヤルに雇われている傭兵だ。

貴様ら海賊に用はない、我々はそこにいる千年龍に用があるのだ。

邪魔立てすると、カマカマの実の鎌鼬の餌食にするぞ?」

 

あのヘンテコ頭、エリックっていうっぽい?それにしてもカマカマって......。

 

 

「驚いたか?俺様も悪魔の実の能力者なのさ」

 

ヘンテコ頭エリックが何か言ってるけどルフィとサンジさん話聞いてないっぽい。

 

 

「ナミ!まだやんのか?」

 

 

「うーん...もうちょい!」

 

 

「そうやって遠くの海を見やるナミさんも素敵だぁ!」

 

 

「早いとこしてくれよぉ~」

 

挙句の果てには無視してナミと会話してるし......。

 

というかサンジさん、今の榛名さんに伝えておくからね?

 

 

「(ゾクッ)お、おい、ちょっとユウダチ?今何か物騒なこと考えなかったか?」

 

あら、意外と勘が鋭いっぽいのね

 

 

「さぁ、どうだったっぽいかな~?」

 

 

「......ま、まあ今はいいか」

 

 

「おい!貴様らぁ!!こっちの言うこと聞いてんのかぁ!!」

 

あ、ヘンテコ頭が顔を真っ赤にして怒ってるっぽい。

 

 

「流石に無視されたら怒ると思いますよ?」

 

 

「そか?聞いてるよ、オカマのエリックだろ?」

 

 

「ちがーう!!オカマのカマじゃねえ!鎌鼬のカマカマだぁ!!」

 

 

「どっちでもカマわないぜなんちゃって!あひゃーひゃっひゃっひゃ!」

 

ブフッ!!...カマと構を掛けたっぽい...クフッ!!お腹痛いっぽい!

 

 

「~ッ!!俺を怒らせたことを後悔するな?」

 

アイツ、何かする気ね?

 

 

「カマカマのッ!シュシュシュシュシュッつむじ風ぇ!!」

 

ッ!あの風はヤバイっぽい!

 

 

「ルフィ!サンジさん!その風をまともに受けたらだめっぽい!避けてぇ!!」

 

 

「いっ!?」

 

「うおっ!?」

 

紙一重でなんとかそれを避ける二人。

 

二人の後ろに抉れたような跡が出来てるっぽい。

 

ふぅ、間に合ってよかったっぽい......。

 

 

「ほう、躱したか、そこの小娘に助けられたな」

 

 

「あっぶねえ...」

 

 

「なるほど、これが鎌鼬ってやつか、助かったぜ!ユウダチちゃん!」

 

 

「ぽい!」

 

 

「来た!ユウダチ!お願い!」

 

いよいよ!出番ね!

 

さぁ、最ッ高に素敵なパーティーしましょう!!

 

 

「いっくわよ!爆風(瞬間風速)!!!」

 

 

【ゴウッッ!!!!】

 

 

「うおぉっっ!?」

 

 

「うっはあ!スッゲェ速さだ!!」

 

艦載機もビックリの速度で飛んでいくっぽい!

 

ルフィとサンジさんを回収するのも忘れずにね。

 

 

そのまま船まで一直線っぽい!

 

 

「「いっけぇっーー!!」」

 

あ、忘れてたっぽい......。

 

「風幕(極包)!」

 

【ドッッ!!バシャアァァァァァンッッ!!!!!】

 

物凄い水柱っぽい!

 

 

「ハルナさん!今のうちに船を出すっぽい!全速力で!!」

 

 

「え?えぇ!」

 

するとメリー号の周りの海流が凄い速さで移動し始めたっぽい。

 

私は幕を操作しながらその船の後を追っていくのだったっぽい。

 

あ、因みにみんなは伸びちゃってたっぽい......。

 




うーん...島出たのはいいけどさ、これ何処に行けばいいんだ?

ん?じいさん、何か思い出したのか!?

い?軍艦島の東?どういうことだ?


次回!榛名さんの苦労話!

ロストアイランドを探せ!向かうは軍艦島の東!

海賊王に...オレはなる!


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ロストアイランドを探せ!向かうは軍艦島の東!

前回までのあらすじです!

伝説の千年龍である龍爺さんを故郷である龍の巣へと連れて行くため、ロストアイランドを目指す麦わら一味一行。

アピスを追ってきた海軍の艦隊の妨害を突破し、なんとか軍艦島を脱出する......。

そうして麦わら一味一行は伝説の島、ロストアイランドへと向かって船を進めるのでした。


sideハルナ

 

 

こんにちは、ハルナです。

 

私達は今、龍の巣のある『ロストアイランド』に向かうため、龍爺さんとアピスちゃん、それに神通さんを連れて海を進んでいるところです。

 

龍爺さんは今、私が海水から変化させた木製の(イカダ)兼、荷車に乗ってもらっています。

 

ずっとユウダチちゃんに任せていたらあの子が疲れてしまいますからね......。

 

 

「ロストアイランドかぁ、海図だと軍艦島の周辺海域にはそれらしい島は無いんだけど...」

 

 

「私が見てきた方がいいっぽい?」

 

 

「私達なら艤装もあるから探すにはうってつけだと思うけれど」

 

私達のその言葉にナミは首を横に振ります。

 

 

「ううん、それだといざという時に龍じいを守れる人がいなくなっちゃうからやめておきましょう」

 

 

「分かったわ、ユウダチちゃんもそれでいい?」

 

 

「ハルナさんがそうするなら私もそうするっぽい!」

 

そうなると、見渡しながら探すしかありませんね......。

 

私が辺りを見回していると、遂に痺れを切らしたのか、ウソップくんが龍爺さんに問いかけていました。

 

 

「おーい龍のじいさん!どっちに行けばいいんだよ!」

 

 

「.........」

 

しかし龍爺さんは海を眺めるだけでなにも反応しません......。

 

提督がその目を覗き込むと龍爺さんは再び目を閉じてしまいました。

 

 

「うーん...なんかまた寝ちまったぞ」

 

困りましたね...これじゃあ何処をどう探したらいいのか分かりません......。

 

 

「みんなお待たせ!ご飯が出来たわよ!」

 

その声に振り返ると、アピスちゃんが鍋のようなもをミトンを付けた手で運んでいました。

 

それを見て青ざめるユウダチちゃん。

 

 

「あ、アピス...そ、それ...一人で作ったっぽい?」

 

 

「え?ううん、違うよ?サンジと一緒に作ったの」

 

 

「サンジさんと?それなら安心っぽい......」

 

そう言ってホゥと胸を撫で下ろすユウダチちゃん。

 

 

「むぅ...わたしそんなに信用ないの?ユウダチさん」

 

 

「そういう訳じゃないっぽいけど、アピスってちょっと目を離すと何するか分からいっぽいしねぇ...」

 

 

「わたしそんなやんちゃじゃないもん!!」

 

 

「クスッ...なんだか夕立ちゃんがアピスちゃんの姉みたいですね」

 

二人のそんなやりとりを見ながらクスクスと笑う神通さん。

 

それを尻目にやいのやいのと口喧嘩がヒートアップしている二人。

 

もうご飯の事が頭になさそうですね......。

 

私は船の周りの海水を引き寄せると腕のような形に変え、料理の入った鍋を持ち上げると龍爺さんのところにいる提督たちに声を掛けます。

 

 

「提督、龍爺さん、ご飯が出来ましたよ!たくさん召し上がってくださいね」

 

 

「姉ちゃん、そのテイトクって呼び方やめてくれって...前みたいに名前で呼んでくれりゃいいよ......」

 

そう言えばそうでしたね...すっかり忘れてました。

 

 

「ごめんなさいね、じゃあルフィくん、これお願いできるかしら?」

 

 

「おう!任せろ!」

 

そう言って腕を伸ばすと、私の持つ鍋を手に取るルフィくん。

 

 

「熱いから気を付けてくださいね?」

 

 

「分かってるって!って!うわちゃぁ!!」

 

 

「ちょ、ちょっとルフィくん!?」

 

 

「あぁーッ!!テメエェッ!!」

 

持っていた鍋を思い切り宙に放り投げるルフィくんと怒鳴るサンジくん。

 

今さっき注意したばかりじゃないですか......。

 

そうして宙を舞った鍋は龍爺さんの頭にクリティカルヒット......。

 

瞬く間に真っ赤に染まっていく龍爺さんの頭。

 

 

「.........ッッ!?!?」

 

あまりの熱さに龍爺さんも驚いたように目を見開いています。

 

大丈夫...じゃないですよね...あれは......。

 

 

「はっ!?龍じい!!」

 

先程までユウダチちゃんと口喧嘩をしていたアピスちゃんがそれに気が付き、すぐさま龍爺さんの所へと駆け寄ります。

 

慌てて頭の上にひっくり返った料理を払うアピスちゃん。

 

龍爺さんはその間も目を見開いて空を見つめていました。

 

 

 

「龍じい、大丈夫?」

 

目を見開いたまま空を見つめる龍爺さんを心配して、アピスちゃんが声を掛けます。

 

 

「.........」

 

しばらくすると、龍爺さんはいつものように半開き戻してアピスを見ました。

 

また何かを伝えているみたいですね......。

 

 

「...え?」

 

その様子を見守っているとサンジくんが起こったように口を開きます。

 

 

「まったく...せっかく作ったメシが台無しじゃねえか」

 

 

「また作ればいいだろ?」

 

 

「そういう問題じゃねえ、食いモン粗末にするなって言ってんだよ」

 

 

「これ、もし間宮さんや鳳翔さんは見たら激怒するっぽい...」

 

 

「そうですね、今この場にいなくて本当に正解でした......」

 

 

「もしいたらきっとルフィくんは今頃あんなに呑気にしていられないでしょうね......」

 

 

「??さっきから何話してんだ?おまえら」

 

ゾロさんが私たちの会話に口を挟んできます。

 

 

「ううん、大したことじゃないから気にしないでっぽい」

 

 

「...そうか」

 

そう言うと、ゾロさんは再びルフィくん達の方を見ます。

 

きっと先程の内容を説明してもゾロさん達には理解できないと思いますからね......。

 

私も再びの提督の方に視線を向けます。

 

すると、アピスと提督が不思議そうに海を眺めていました。

 

何かあったんでしょうか?

 

 

「......ロストアイランド...龍の巣は、軍艦島の東......」

 

アピスちゃんが不意にそう呟きます。

 

その言葉に提督が嬉しそうに話します。

 

 

「ウヒッ!そこにロストアイランドがあんのか!」

 

 

「龍じいが思い出したって!」

 

龍爺さん、思い出せたみたいですね...良かったわ......。

 

 

「おーい!みんな分かったぞ!ロストアイランドは軍艦島の東だ!」

 

 

「龍じいがそう言ったの!」

 

提督たちが私達に伝えてきます。

 

それを聞いたナミが慌ただしく皆に指示を飛ばし始めます。

 

 

「ウソップ!舵とって!お姉ちゃんは曳舟お願い!」

 

 

「おーう!」

 

 

「えぇ、分かったわナミ」

 

私は指示通り艤装を展開して海へと降ります。

 

 

「よーし!ロストアイランドに向かって突っ走るぞー!!」

 

 

「はい!提督!」

 

 

「ッ!!......姉ちゃん...それは止めてくれって......」

 

あっ...つい癖で忘れてました......。

 

気を付けないといけませんね......。

 

 

「ハルナさん相変わらずっぽーい......」

 

 

「ふふっ懐かしいですね」

 

うぅ...恥ずかしいです......。

 

そんなことがありつつも私達は軍艦島の東へと船を進めるのでした。




ロストアイランドに着いたぞ!

でもアレェ?龍の巣は何処にあんだ?

よし!とりあえずあの山の上から見渡してみよう!!

野郎ども!出発だぁー!!


次回!榛名さんの苦労話

辿り着いた孤島、龍の巣の手掛かりを探せ!

海賊王に...オレはなる!!


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辿り着いた孤島、龍の巣の手掛かりを探せ!

前回までのあらすじです!

海軍の追跡を逃れ、ロストアイランドを探しは染めた私達。

手がかりもなく海をただ進んでいたところ龍のお爺さんがある手がかりを思い出したのです。

そうして私達は軍艦島の東側へと歩を進めるのでした。


sideハルナ

 

 

こんにちは、ハルナです。

 

今私達は軍艦島の東、荒れ狂う台風の嵐の海を越えた孤島に来ています。

 

え?嵐の中をどう潜り抜けてきたのか?

 

私と夕立ちゃんの能力で難なく突破しました!

 

 

「それにしても、どのくらい人が住んでねえんだろうな…。」

 

 

「ホント、まるごと自然に呑まれてるっぽい」  

 

 

「えぇ、この荒れ果て具合から見て、相当な年月人の手が入ってないみたいです…」

 

そう話すのはサンジくん、夕立ちゃん、神通さん。

 

その会話を聞いていると、不意に別の声も聞こえてきました。

 

 

「ねぇ、龍じい!聞いてる?龍の巣のある島に着いたのよ!」

 

それはアピスちゃんが龍のお爺さんに話しかけている声でした。

 

しかし、龍のお爺さんは少し目を開けたきりまたすぐ眠ってしまいます。

 

 

「アピスちゃん、龍のお爺さんはなんて?」

 

 

「それが、こんな場所は知らないって…もしかしたらここは龍の巣じゃないのかも…」

 

その言葉に誰よりも早く反応したのはウソップくんでした。

 

 

「そりゃないぜ!あんな大変な思いしてたどり着いたってのによ…」

 

 

「……」

 

申し訳なさからか、俯いてしまうアピスちゃん。

 

そこに()…間違えました…。ルフィくんが声をかけます。

 

 

「アピス!見ろよ、あの天辺、あそこから見たら島全部が見渡せるぜ!」

 

 

「そうね、ここで考えていても始まらないし、行ってみましょ」

 

 

「ッ…うん!」

 

 

「おぉーし!しゅっぱーつ!!」

 

 

【ヒュルルルッ】

 

 

「え…?」

 

今、何か居たような……。

 

 

「お姉ちゃん!早く行きましょ!」

 

 

「え、えぇ…」

 

今、確かに誰か居たような気がしたのですけど……。

 

そんなことがありつつも、私達は島の高台へと向かうのでした。

 

 

 

 

________________

 

 

 

 

「あの…私達も運ばなくて良いんでしょうか…」

 

 

「いいのよ、コイツらはお姉ちゃん達のお陰でかなり楽させてもらってるんだからこういうときぐらい働いてもらわなくっちゃね♪」

 

 

「好き勝手言いやがってナミの奴…お前も押してみろってんだ…」

 

 

「何言ってんだ、姉さん達のおかげで俺達がどれだけ自分の仕事に打ち込めると思ってんだ。四の五の言ってねぇで、さっさと押しやがれ」

 

 

「くそぅ…反論できねえ…」

 

神通さんの言葉にナミが返し、それを聞いていたウソップくんの文句をサンジくんが返しています。

 

私から見れば、こんな急な坂を大きな荷車を押しながらそんな口を叩ける方が凄いと思います……。

 

そんな風に登って行きつつも、途中でアピスちゃんが能力で野性動物から聞いた話で、頂上に千年龍を模したと思われる絵が描かれている建物があるとの知らせを聞いて、私達は頂上の建物へと歩を進めるのでした……。

 

 

 

 

_______________

 

 

 

 

「せーっの!」

 

最後の石段に荷車を押し上げ、私達は目的地である頂上の建物へと到着しました。

 

 

「みんな、お疲れさま」

 

 

「はい、お疲れ」

 

 

「お疲れ様です。皆さん…」

 

 

「お疲れさまっぽい~」

 

荷車をここまで押してきた男性陣を労いつつ、私達は目の前の扉を見ます。

 

 

「この絵、千年龍よね?」

 

 

「えぇ、ナミ…間違い無いと思うわ」

 

 

「ってことは、ここが龍の巣なのか?」

 

 

「ここが…?」

 

 

「ちょっと待て、入り口は、どうやって中に入るんだ?」

 

そうなんです。ここには入り口らしきものが見当たらないんです。

 

 

「これが扉だ!」

 

ルフィくんが適当なことを口にします。

 

 

「ルフィ、なに言ってるっぽい?これには取っ手も鍵穴も付いてないわ」

 

 

「ん?あそっか!」

 

そもそも龍がわざわざ扉から入っていくとは考えづらいのですけど……。

 

と、そんなことを考えていると、アピスちゃんがかけていたペンダントを持って、壁画の穴の空いた部分へと歩いていきます。

 

 

「アピスちゃん?それってまさか…」

 

 

「……うん」

 

神通さんの問いにアピスちゃんはゆっくりと頷きます。

 

そして、鍵穴らしき場所に手を伸ばします…が……。

 

 

「……とどかない…」

 

身長が足りなくて届きません…。

 

 

「あっはは…小せえなぁアピスは」

 

 

「なによ!」

 

 

「うしっ!オレに任せろ!」

 

そう言って意気揚々と窪みに向かうルフィくん、でも……。

 

 

「……あれぇ?あれあれぇ?」

 

直後、地面が勢いよく揺れだしたのです。

 

すると、今まで私達の立っていた足場が音を立てて崩れていくではありませんか!

 

 

「「「うおぉっ!?」」」

 

 

「「「「きゃあぁぁぁっ!!」」」」

 

こうして私達は瓦礫と共に地下不覚へと落ちていくのでした。

 

 

 




落ちた先で見つけた絵をみて龍じいがロストアイランドの場所を思い出したぞ!

ってお前は!誰だっけ?

ん?ユウダチ、お前がやるのか?


龍じいを守れ!カゼカゼvsカマカマ!

海賊王に!オレはなる!


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龍じいを守れ!カゼカゼvsカマカマ!

前回までのあらすじです!

ロストアイランドと思わしき島に辿り着いた私達。

龍の巣を探すべく島の頂上まで向かいます。

しかし、頂上に着いたところで足場が崩れ、私達はまっ逆さまに落ちていくのでした……。

今回は台詞が多い回となっています。


sideハルナ

 

 

「皆さん、無事ですか?」

 

 

「……あぁ、なんとかな…」

 

こんにちは、ハルナです。

 

現在私達は落ちた建物の中に入っています。

 

 

「みんな、上を見るっぽい!」

 

不意に夕立ちゃんが叫びます。

 

その声に連れて上を見ると……。

 

 

「……なに、これ…」

 

アピスちゃんが疑問の声をあげます。

 

そこには、巨大な天井画が描かれていたんです。

 

 

「すげぇ…デッカイ絵だなぁ、何の絵だ?」

 

 

「んーなんなんだありゃ…っ!あたたたっ…」

 

 

「大丈夫ですか?」

 

 

「ウソップは上向き過ぎっぽい」

 

 

「んだとぉ!」

 

 

「なによ!」

 

夕立ちゃんとウソップくんが言い争いを始めます。

 

それを横目に私は天井を見上げます。

 

白い建物に千年龍とおぼしき絵…それに軍艦にそっくりな絵……。

 

それに真ん中のコンパスを象ったような絵…ッ!まさかこれって……。

 

 

「お姉ちゃん、これもしかして…」

 

 

「ナミも分かったのね、えぇ、これは地図よ、ロストアイランドへの」

 

それを聞いて反応したのはサンジくんです。

 

 

「地図ってことはなにか?この絵がロストアイランドの場所を示してる…。そう言いたいのか?姉さん」

 

 

「えぇ、そのとおりですサンジくん」

 

 

「じ、じゃあここはロストアイランドじゃないの?」

 

アピスちゃんには信じがたいことですよね…。でも本当のことを教えないと。

 

 

「はい、ここはロストアイランドではありません」

 

 

「そんな…じゃあ何処にあるの…龍の巣は…」

 

落ち込み俯くアピスちゃん。

 

 

「なんでそんなことわかんだよ姉ちゃん」

 

ルフィくんの疑問も最もです…。

 

 

「上を見てください」

 

私の言葉に上を見上げるルフィくん達。

 

 

「あそこのドーム型の建物のある島、あれが今私達のいる建物なの…。そして、その島の周りにいる人達は昔この島に住んでた人達…。謂わばアピスちゃんのご先祖様達と言うのとになりますね」

 

 

「私達の…」

 

 

「続きは私が話すわ…。

みんな、ボクデン爺さんの言ってたこと覚えてる?」

 

ナミが引き継いで話をしてくれます。

 

 

「いや、寝てた!」

 

ルフィくん…それは堂々と言うことじゃないです……。

 

あぁ…また頭痛が……。

 

 

「榛名さん大丈夫っぽい?」

 

 

「あぁ…ごめんなさい夕立ちゃん…」

 

その様子に苦笑しながらもナミは続けます。

 

 

「ほら、軍艦島の人達は他の島から渡ってきたとか言ってたじゃない…。ね?ジンツウさん」

 

 

「はい、そう聞いてますね」

 

 

「そうだっけか?」

 

 

「じゃあ、爺さんが散々言ってた王朝ってのはこの島にあったってことか?」

 

 

「多分ね、それで気になったのがここに来るまでにあちこちあった龍の象や絵、あれはこの島に住んでた人達が千年龍を神として崇めてたってことなんじゃないかと思うの。きっと昔は、この島の上を千年龍が飛んだりしてたのよ」

 

 

「なるほどね、それなら確かにこの島に龍の巣がある可能性は低いっぽい」

 

納得する夕立ちゃんの言葉にアピスちゃんが噛みつく。

 

 

「でも!それじゃあ本物は何処にあるの?」

 

 

「あの龍が描かれてる島がそうってことなんじゃねえのか?」

 

ゾロさん、鋭いですね。

 

 

「えぇ、その通りです。あれこそが本物のロストアイランド。龍の巣もそこにあるんでしょう」

 

 

「でも、待ってください!それじゃあ目的地は最初から…」

 

神通さんが信じられないとばかりに言います。

 

 

「はい、神通さんの言う通り、この地図の指し示す通りなら、龍の巣は軍艦島にあると言うことになるんです」

 

 

「だけどよ、軍艦島にはそれらしいところはねえってナミがそう言ってたじゃねえか」

 

 

「けど、地図にこうして書いてあるっぽい、それともウソップは昔の人が出鱈目に書いたって言いたいの?」

 

 

「そうだぞおまえら!姉さんやナミさんが間違ったことを言うわけねえ、あの島の何処かにあるってことだろ、行ってみりゃ分かることじゃねえか」

 

 

「でも、あるいはもう海のそこに沈んでしまっているのかも…ううん、その可能性の方が大きいわ。それなら今まで誰にも見つからなかった訳も納得いくもん」

 

それを今まで黙って聞いていたアピスちゃんが急に駆け出します。

 

アピスちゃんが向かったのは龍のお爺さんのところでした。

 

 

「龍じい!思い出してよ龍じい!

 龍の巣はどこにあるの?

 ここだと思ったけど何もないの!

 絵しかないの!

 龍じい!あの絵を見て何か思い出さない?

 後はもう、龍じいが思い出すしかないの!

 ねえお願い!思い出してよ龍じい!」

 

 

「…………」

 

アピスちゃんの言葉に龍のお爺さんがゆっくりとその瞳を上へと向けます。

 

その時、近くに止まっていた鳥達が一斉に飛び立ち、建物内部を飛び回り始めました。

 

それはまるで、嘗ての千年龍達の飛ぶ様を表すかのように……。

 

それを見た龍のお爺さんが目を見開きます。

 

 

「…龍じい!」

 

 

「よし、やっぱ龍の巣は軍艦島にあんだな」

 

 

「ルフィくん、龍のお爺さんの言ってることが分かったの?どうして?」

 

 

「なんとなくだ」

 

あぁ、そんな気はしてました……。

 

 

「うん、龍じい思い出したって…軍艦に似た頂の東、あの島の中に龍の巣はあるって…」

 

やっぱり、目的地は最初からあの島にあったんですね。

 

 

「まったく、散々苦労してここまで来たのにどういうことだ…」

 

 

「ごめん…もう海に沈んでしまったかもしれない物のために、こんなところまで引っ張り回しちゃって…無駄足だったね」

 

 

「そうとも限らないぜ、案外、意外なところに龍の巣はあるのかもしれないぜ?行ってみねえことには分からねえだろ?」

 

 

「そういうこと、このぐらいでめげるなんて、アピスらしくないわ」

 

 

「失敗を恐れてちゃ、何も出来やしないぜ?」

 

 

「そうだよ!しっかり龍じいを送り届けてあげなくちゃ駄目っぽい!」

 

 

「兎にも角にも前進あるのみです!」

 

 

「ま、回り道の人生ってのも悪くねえ」

 

 

「にっ!行くか!ここにいても龍じいは元気になんねえんだろ?なっ?」

 

 

「……うん!」

 

 

「行きましょう、アピスちゃん。龍じいさんを故郷に送り届けに…」

 

 

「ジンツウさん…うん!」

 

これで目的地は決まった、その時のことでした…。

 

 

【ゾワッ】

 

殺気が私達を、包み込みました。

 

けど、ルフィくん達は気がついていないようです。

 

 

【カチャンッ】

 

ゾロさんが不意に刀を鍔から弾き出し、上を睨み付けました。

 

夕立ちゃんも上を睨み付け、臨戦態勢に入っています。

 

「ゾロ、あなたも気付いたっぽい?」

 

 

「あぁ、ユウダチも気付いてたか」

 

 

「ぽい、榛名さんも気づいてるっぽい」

 

 

「ゾロ、ユウダチ、それに姉さんもどうしたの?」

 

未だに気がついた様子のないナミが問いかけます。

 

 

「誰かいる…」

 

 

「殺気よ…ナミ…気をつけて…」

 

ナミに警告しつつ私は殺気の出所の上を見上げます。

 

見上げた先に現れたのは私達が落ちてきた穴から私達を見下ろしていた細いサングラスに紫色の毛を真上で纏め逆立てた、おかしな髪型の男性でした。

 

 

「説明ご苦労、お陰で竜骨の在処、龍の巣の場所が分かった…」

 

 

「またお前か!」

 

 

「いい加減しつこいっぽい!」

 

ルフィくんと夕立ちゃんの言葉に耳もくれず、男性は話します。

 

 

「しかし、海の底では意味がない…。やはりその千年龍を頂くしかないようだな」

 

 

「ダメ!大体、龍の巣が海の底だんてまだわかんないもん!」

 

 

「夕立ちゃん、あの人って確か…」

 

 

「うん、カマカマの実の能力者よ確か名前は…そう、オカマのエリックっぽい!」

 

 

「だからちがーう!鎌鼬のエリックだ!」

 

 

「質の悪りいのが来やがったな…」

 

 

「いいっ!カマカマの実って、悪魔の実の能力者かよ…」

 

ウソップくん達が話すなか、夕立ちゃんが前へと出て、ルフィくんに言います。

 

 

「ルフィ、ルフィ達は先に龍じいを連れて船に行って…私は後から向かうわ」

 

しかしその言葉に反応したのはルフィくんではなくゾロさんでした。

 

 

「おい、ユウダチ…それなら俺が…」

 

 

「アイツの武器は風っぽい、それなら同じ風の使い手である私の方が良いっぽい」

 

 

「…分かった、ユウダチ、任せるぞ、行くぞゾロ」

 

 

「お、おい…」

 

 

「先に船にったって…出口なんてわかんねえぞ?」

 

 

「そんなもんは…作る!!うりゃあぁぁぁぁっっ!!」

 

そう言うや否や、壁に向けて走り出すルフィくん。しかし……。

 

 

【バイーンッ】

 

壁に跳ねかえってしまいます。

 

 

「んー…あれぇ?ぶっ壊せると思ったんだけどな…」

 

それを見ていたナミがポンと手を叩いて言います。

 

 

「その手があった!お姉ちゃん!アレで壁破壊して!」

 

 

「ナミ…アレってまさか…」

 

凄く嫌な予感がするのですけど……

 

ナミはウインクしながら言います。

 

 

「そう、そのまさかよ!早く!もう時間がないわ!」

 

どうしてこう…この妹こうなんですかぁ!!

 

 

「どうなっても知らないわよ!『副砲展開』!」

 

私は副砲である高角砲を展開させ、壁に向けて狙いを定めます。

 

 

「榛名!全力で参ります!」

 

 

 

ドッゴオォォォォンッッ

 

物凄い轟音と共に、吹き飛ぶ壁…。

 

 

「おぉ!開いた開いた!さっすが姉ちゃん!よしっ行くぞ!」

 

こんなことで大丈夫なのでしょうか……。

 

そんなことを思いながら私は龍のお爺さんを連れてその崩れた穴から飛び出していくのでした。

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

sideユウダチ

 

 

【ガラガラッ】

 

 

「おぉ!開いた開いた!さっすが姉ちゃん!よしっ行くぞ!」

 

崩れた壁から出て行こうとするルフィ達…。

 

 

「逃がすか!」

 

それを逃がすまいと穴から飛び降りてくるオカマのエリック。

 

 

「やらせないわ!『風魔 螺旋弾』」

 

幾つもの風の弾丸がエリックに向けて撃ち放つ。

 

 

「チッ…!カマカマのぉ…!」

 

【ヒュババッ】

 

手から放った鎌鼬で螺旋弾を次々に切り落として地面へと降り立つエリック。

 

私も風の刃を作り応戦する。

 

ルフィ達はもう行った…?

 

見るとルフィは未だに落ちてきた壁画を眺めていたっぽい。

 

 

「ルフィ!何してるのよ!早く行って!」

 

 

「あ、悪りい」

 

そう思うなら早く行ってほしいっぽい!

 

風剣でエリックの攻撃を捌きながらもそう考える。

 

そのすぐ後に、ルフィ達は崩れた穴から外に飛び出していったっぽい。

 

 

『『『『いやあぁぁぁぁっ!!』』』』

 

榛名さん達の悲鳴が聞こえてくるけど…今はそれど頃じゃないっぽい!

 

 

「貴様…!邪魔立てすると許さんぞ!」

 

 

「へぇ、どう許さないのかしら、じっくり見せてもらうっぽい!」

 

 

「…ッ!!」

 

榛名さん!後は任せるっぽい!

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

sideハルナ

 

 

ハルナです。

 

今私達は猛スピードで坂を下ってます。

 

建物から飛び出した私達は張り巡らせた木の根を滑り落ち、先程登ってきた下り坂を荷車で駆け降りてます。

 

 

「ねえ、ユウダチさん本当に大丈夫!」

 

 

「ん?大丈夫だって!」

 

 

「でも、相手は悪魔の実の能力者よ、いくらつよくたって敵いっこないわ!」

 

 

「それでもだいじょーぶ!」

 

余程夕立ちゃんに信頼を預けているんですね…。

 

そういえば、前の提督もそうでした…。

 

等と考えているとアピスちゃんが叫びます。

 

 

「ルフィ!前まえ!」

 

 

「いいっ!?参ったなこりゃ…」

 

 

「参ったなじゃなくて!なんとかしてよおぉ!!」

 

そんなことしている間に荷車はトンネルの中へと入っていくのでした……。

 

 

 

 

sideout

 

 

 

 

sideユウダチ

 

 

「カマカマの…!鎌鼬!」

 

飛んでくる鎌鼬をなんとか躱わす。

 

後ろを見ると綺麗に切れた壁画……。

 

 

「危ないっぽい…」

 

あんなのに触れたら艤装を着けててもアウトね……。

 

そんなことを考えていると、エリックが崩れた壁の方に走って行くのが見えた。

 

 

「逃げる気!まだパーティーは始まったばかりよ!」

 

 

「パーティー等に付き合っている暇はない、私の目的はあの千年龍だけだ!……のわっ!?」

 

 

そう言って飛び降りるエリック。

 

叫んでたところを見るに予想以上に高かったみたいね……。

 

 

「って、こんなことしてる場合じゃないっぽい!追わなきゃ!」

 

私は身体を風へと変えて後を追った。

 

 

 

 

______________________

 

 

 

 

建物を飛び出してすぐ、エリックを見つけた。

 

ルフィ達が通った思わしき木の根を器用に滑り降りていた。

 

頑張ってるようだけど、私には関係ないわ!

 

瞬く間に距離をエリックとの詰める。

 

「追い付いたっぽい!」

 

 

「ぬおっ!?貴様、どうやって!?…そうか貴様、自然系(ロギア)か!」

 

 

「逃がすわけないっぽい『風魔 乱気流』!」

 

風の身体を乱回転させて体当たりをかます。

 

 

「うおっ!?落ちるだろうが!!」

 

 

「落としてやるっぽい!」

 

暫しそんなことを続けていると、エリックが飛び上がった。

 

どうする気かと思えば地面が近くなっていたみたい…そのまま地面へと降り立ち一目散に駆け出して行った。

 

この状態は移動には便利だけど他の攻撃後使えなくなるっていうデメリットもある。

 

すぐさま元に戻り、私も後を追った。

 

 

「待つっぽい!ルフィ達のところにはいかせないわ!」

 

 

 

 

______________

 

 

 

 

 

少し走ったところですぐにエリックに追い付いたっぽい。

 

遠くで砂煙が上がっているのを見るに、どうやらルフィ達の居場所を探っていたみたいね。

 

 

「悪いわね、ここから先は通すわけには行かないわ」

 

 

「……知るか、通る通らないわ、俺の勝手だ…退け!」

 

言うや否や、足元に鎌鼬を飛ばして砂煙を立ち上らせるエリック。

 

目眩ましで逃れようって訳ね、そうはさせないっぽい!

 

 

「風魔……ッ!?」

 

螺旋弾で砂煙を散らそうとしたところに砂煙の中から鎌鼬が飛んでくる。

 

なんとかそれを躱わして着地する。

 

しかしそれを見越したように着地先に鎌鼬が飛んでくる。

 

 

「くっ…!」

 

その鎌鼬を躱わし、エリックを探すと建物の上を忍者のように駆け出していた。

 

あくまで狙いは龍じいってわけね?上等っぽい!

 

そっちかその気なら相手する気になるまで徹底的に邪魔してあげる!

 

螺旋弾を連射しながら私はエリックの後を追った。

 

 

 

 

 

 

______________

 

 

 

 

またしばらく走っていると、今度は木を斬り倒して邪魔してきた。

 

そんなものじゃ私は止まらないっぽい!

 

風を操り、倒れてくる木を高速回転させるとエリックへと打ち返す。

 

 

「……んなっ!?」

 

【ゴチィンッ!】

 

高速回転しながら戻ってきた木の枝にヒットし、屋根の上から落下するエリック。

 

 

「やっと追い付いたっぽい…。今度こそパーティーに付き合ってもらうわ」

 

再び風の剣を突き付け詰め寄る。

 

これで、後はルフィ達が船まで無事にたどり着いてくれれば……。

 

 

「でもその前に…こっちの仕事はをしなくちゃっぽい」

 

今まで展開していた風の剣を霧散させ、周囲の風を操って小規模の竜巻を起こす。

 

 

「な、何をするつもりだ!」

 

 

「また邪魔しに来られても面倒だから飛んでってもらうっぽい!『風魔 翔龍風』!!」

 

 

「なっ!クソッ離せ!!俺は竜骨を手に入れ、完璧なエリックにぃぃ!ぎゃあぁぁぁぁぁっっ!!」

 

 

「完璧にならなくてもいいからお星さまにでもなっちゃうといいっぽい」

 

竜巻に飲み込まれ、空高く打ち上げられたエリックが見えなくなったのを見送って、私は船へと戻って行くのだった。




ユウダチも戻ってきて今度こそロストアイランドに迎えるぞ!

あれ?なんだあの軍艦…龍じいの邪魔はさせねえぞ!


次回!榛名さんの苦労話!

破れネルソンの陣!榛名の本領発揮!

海賊王に!オレはなる!


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破れネルソンの陣!榛名の本領発揮!

大変長らくお待たせいたしました。榛名さんの苦労話更新再開いたします!

それでは、前回までのあらすじです!


ルフィくん達を逃がすため、後を着けてきたカマカマの実の能力者、鎌鼬のエリックの相手をするために残ったユウダチちゃん。

そのおかげで、私達は龍じいさんを連れて逃げ出すことに成功したのでした。


sideハルナ

 

 

「くぁっ...疲れたっぽいぃ...」

 

船へと戻ってきたユウダチちゃんが伸びています。

 

 

「お疲れ様ユウダチ、よく無事だったわね」

 

 

「流石は今回の相手はちょっと堪えたわ...ちょっと休んでるっぽい」

 

 

「えぇ、ゆっくり休んでね」

 

 

こんにちは、ハルナです。

 

私達を逃がすためにエリックと戦っていたユウダチちゃんが先程戻って来て、私達は船を出しました。

 

次に向かう先は私達がはじめにいた島、軍艦島です。

 

再び大嵐の海を抜け、私達は軍艦島へと船を進めます。

 

 

嵐を抜けた先では先程の海軍の船が待ち構えていましたが、それを振り切るように私達は軍艦島を目指します。

 

そんな中、慌てて私達を追いかけ始めてきた軍艦を見てウソップくんが言います。

 

 

「うっほー追ってきた追ってきた!あいつら追いつけねえぜ!」

 

 

「確かに、海軍の軍艦よりかは船足は早いけど...ねえ、軍艦島に着いたらどうするつもり?」

 

ナミが提ト...ルフィくんに問いかけます。

 

しかしルフィくんはといえば......。

 

 

「だいじょーぶ!」

 

 

「だから何がッ!!」

 

 

「ルフィ、何か作戦があるっぽい?」

 

キレるナミと何かあるのかと期待したように聞くユウダチちゃん。

 

 

「アイツらより先に龍の巣を探し出して、龍じいが元気になればいいんだろ?」

 

 

「それは...言うだけなら簡単でしょうけど...そう上手くいくとは思えないわよ?」

 

 

「姉さんの言う通りだ、ルフィ、龍の巣は海の底に沈んじまってるかもしれねえんだぜ?」

 

 

「じゃあ、海の底探がしゃあいいじゃんか」

 

 

「ルフィ、カナヅチなのにどうやって海の中探すっぽい?」

 

きっとルフィくんのことですから大して深く考えてはいないんでしょうね......。

 

 

「とにかく!少しでも早く戻らなきゃ!海軍とトラブってる暇はないわ」

 

そうして船足を少しでも上げようとした時、ふと電探が複数の反応を捉えました。

 

 

「...ナミ、悪いけどそうは行きそうにないみたい...敵よ」

 

 

「え?...っ!?」

 

私の言葉の直後、ナミは前方を見て驚愕した様子を見せました。

 

 

そこには一際大きな軍艦が待ち構えていました。

 

 

「すっげー!鬼瓦みてえ!」

 

 

「ルフィさん...そこは反応するところじゃないと思います...」

 

ルフィくんの言葉にジンツウさんが控え目にツッコミを入れます。

 

そう、驚くのはそこではないんです。

 

電探には相当な数の反応があるのに一隻だけしか見当たらないのか......。

 

何処かに隠れているのでしょうか......

 

そんなやり取りをしている間に、巨大軍艦の背後から複数の軍艦がぞろぞろと現れたではありませんか!

 

軍艦の群れは互いを鎖で繋ぎ、隙間がないように私たちの前へと立ち塞がります。

 

 

「...なるほど、そういうことだったんですね」

 

そっちがその気なら、私にも考えがあります。

 

 

「どうしよう...挟み撃ちにされちゃう!」

 

 

「船に飛び移って奴らを蹴散らして鎖を斬る!それしかねえだろ」

 

 

「いいえ、ウソップくん、それなら私にもっといい考えがあります」

 

 

「え?なんだよハルナ!何か考えがあるのか!」

 

 

「はい!ハルナにお任せください!」

 

 

「おぉ!任せたぞハルナ!ルフィもそれでいいか?」

 

 

「あぁ!姉ちゃん思いっきりやってこい!」

 

 

「はい!江ノ島鎮守府所属第二艦隊、榛名!全力で参ります!」

 

そうして私は艤装を展開して海に降りると、軍艦の方へと近づいていきます。

 

メリー号と軍艦の中間まで来たところで私は航行を止め、軍艦達に向け手を翳します。

 

 

「『アクアコントロール マリンサーペント』」

 

その言葉と共に私は能力を発動させます。

 

すると、軍艦の構えている部分の海面が蛇が蜷局を巻くように大きく渦を巻き始め、軍艦達を巻き込みながらその勢いを強め始めました。

 

 

突然の出来事に慌ててその場から離脱しようとする軍艦達でしたが、鎖で繋がれていることで舵を取ることも叶わず、大した抵抗をすることもなく海中へと姿を消していきました。

 

後には大きく渦を巻いた海と、後方でその様子を見ていた巨大軍艦だけとなっているのでした。






姉ちゃんやっぱスッゲェなぁ!

あれだけの船を一気に沈めちまった!残ってんのはあの鬼瓦だけか?

よーし!そうと決まったらあの船をぶっ倒して軍艦島に向かうぞ!

ん?まだ敵はいる?


次回!榛名さんの苦労話!

竜の巣は何処だ!目覚めよ千年龍!

海賊王にオレはなる!



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竜の巣は何処だ!目覚めよ千年龍!

1年間近くお待たせしてしまい申し訳ありませんでした。

少しずつですけど再開したいと思います

それでは、前回までのあらすじです!

龍爺さんを故郷に連れていくため、ようやく龍の巣への手がかりを掴んだ私達麦わら一味。

そこへ海軍の提督、ネルソン・ロイヤルの艦隊の包囲を受けてしまいます。
しかし水の上ではほぼ敵無しを誇るハルナの前に、ネルソン艦隊は頭だけを残して全て海の藻屑と化していくのでした。


sideナレーション(霧島)

 

こんにちは、金剛型四番艦、霧島です。今回は私がナレーターを務めさせていただきますね。

 

提督 ネルソン・ロイヤルの包囲網を自身の能力でいとも簡単に突破したハルナ達一行は最後に残った一隻である、ネルソンの乗る軍艦と対峙していた。

 

 

「ぐうぅぅ...ッ!!ゆ、許さん!許さんでおじゃるぞ!野蛮な海賊如きが!よくもワシの艦隊を沈めてくれおってぇ!!」

 

艦隊を率いるネルソンはそれを見て怒りを滾らせ、その巨体を震わせていた。

 

 

 

「ええい!奴らを叩き落とすでおじゃる!超巨大砲の準備をせい!!」

 

 

「はっ!」

 

ネルソンの支持で近くにいた水兵達が超巨大砲発射の準備を始めていく。

 

やがて準備が整ったのか、走り回っていた水兵の一人がネルソンの前に報告にやって来る。

 

 

「超巨大砲の準備!整いました!」

 

 

「ならばすぐ撃てい!奴らの船を叩き潰すでおじゃる!」

 

その支持を聞き、水兵はすぐ様発射に取り掛かり、前方の海賊船目掛けて発射した。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「ちょっ...なんなのよアレ!」

 

船に迫ってくる超巨大砲弾を見てナミが絶句した声を上げる。

 

 

「おぉーっ!でっけえ弾だなぁ...」

 

 

「んなこと言ってる場合か!!どうにかしねえとこの船沈められんぞ!!」

 

 

「沈む!?そりゃやべぇ!!」

 

サンジの言葉に呑気に玉を見ていたルフィも慌てて迎撃しようと動き出す。

 

そんな中、迫りくる砲弾に向けて動き出している者が二人。

 

 

「勝手は、ハルナが!許しません!!『防水海門(マリン・ウォール)』!!」

 

 

「船には傷一つ付けさせないっぽい!『風遁 暴風壁(ウォール・ストーム)』!!」

 

迫りくる砲弾に、海水と風で創り出した巨大な壁が形成される。

 

しかし、砲弾の質量と勢いを阻むことは出来ず。砲弾は壁を突き破り、船へと迫ってきた。

 

 

「ダメっぽい!?...ッ!!それなら!もう一回!『風遁 暴風壁』」

 

再度夕立が風の壁を作り出す。

 

今度は真正面からではなく、ナナメに形成し、砲弾の軌道を逸らす。

 

風の流れを利用して、軌道が逸れた砲弾は、船の横スレスレで落ちる。

 

直後、巨大な上がる水柱と波。高くなる波に船が煽られ船が大きく傾く

 

 

「いけません!『海繰水・集(マリンコントロール・ロー)!!』」

 

それを防ぐため、ハルナが能力を発動し、上がる波を操り、なんとか横転を阻止する。

 

 

「ちょっと!あんなのどう対処すりゃいいのよ!あんなの食らったらひとたまりもないわよ!!!?」

 

 

「そう何度も同じ手が通じるとも思えねえ、早いとこあの大砲をなんとかしねえと!」

 

焦るナミにサンジが賛同する。

 

 

「オレに任せろ!!オレの大砲でアイツをぶっ壊してやる!あんな奴にメリー号を壊させてたまるか!!」

 

そう言うとウソップは大砲の元へと走っていく

 

 

「ヘッ、目には目をだ!こっちだって一発目お見舞いしてやる!!」

 

そうしてメリー号の大砲から一発の砲弾が撃ち出される。

 

撃ち出された砲弾は、山を描きながら軍艦に向かって飛んでいき......。

 

 

 

軍艦の超巨大砲の砲身の中へと侵入し、超巨大砲の弾を巻き込み大爆発を起こした。

 

 

ボッゴオォォォンッッ

 

盛大な爆発音を響かせ超巨大砲の砲身がひしゃげる。

 

 

「いよーっし!どんなもんだ!オレが本気になりゃこんなもんよー!!」

 

 

「やるじゃないウソップ!!わたしも負けてられないっぽい!!」

 

夕立がウソップに感化されて艤装を展開して海へと飛び出していく

 

 

「ちょっと夕立さん!!......仕方ありません、私も行きます」

 

一人突っ込んでいった夕立を追って神通も艤装を展開し出ていく。

 

 

それを見たネルソン・ロイヤルはギョッとしたように声を上げる。

 

 

「なっ...なんなのじゃアイツらは!なぜ船もなしに海の上を走っているのでおじゃる!?」

 

 

「わ、わかりません!真っ直ぐこっちに向かって来ます!!」

 

 

「えぇい!なんだか分からんが撃てうてぇ!!奴らに近づけさせるでないぞ!!」

 

二人を近づけさせまいと、ネルソン側も必死で副砲を撃ちまくる。

 

しかし機動力のある駆逐艦と軽巡洋艦。

 

そんな珠に当たる訳もなく、着々とその距離を詰めていく。

 

 

「そんな見え見えの弾当たらないわ!さあ!最高にステキなパーティーしましょう!!」

 

 

「夕立ちゃん、無理しないで。主砲、撃ちます!」

 

夕立とそれを諌めつつも、同様に艤装から砲撃を繰り出す神通の二つの砲弾が、寸分違わずネルソンの軍艦に吸い込まれるように叩き込まれる。

 

深海棲艦や鉄製の軍艦ならいざ知らず、木造の船など艦娘の砲撃を食らった時点でただの木偶の坊と化す。

 

二つの砲弾を受けたネルソン軍艦は瞬く間にその姿を崩壊させていく。

 

 

「なっ...何故じゃ!!何故余の軍艦があのような一撃で壊されねばぁ!!むぅぎわらぁぁぁぁッ!!」

 

そんな最後の絶叫と共にネルソン・ロイヤルはグレーテルと共にその巨体を海へと沈めて行くのだった

 

 

 

 

◇◆◇◆◇sidechange◆◇◆◇◆

 

 

 

 

「うっはー!!すっげぇなアレ!夕立のもスゲえけど、ジンツウのもスッゲーぞ!!」

 

 

「なんとかなったみたいね...というか、姉さんの然りだけど...ギソウの威力って、並の船には効果絶大ねぇ...」

 

 

ネルソン軍艦が沈んで行くのを確認して、ナミと提t...ルフィくんがそんな事を言います。

 

 

「そうね...きっと艦隊戦なら負けることは殆ど無いでしょうね」

 

この世界には深海棲艦も鉄の軍艦も、私の知る限りでは見たことがない。

 

それならば艤装の砲撃を一撃でも叩き込んでしまえばそれは相手にとって致命傷になります。

 

あの大きさの軍艦で夕立ちゃんのみの砲撃なら分からないけど、神通さんとの一斉砲撃であれば確実に撃沈し得ることも可能でしょう。

 

と、そんなことを考えていた時です、突然船が大きく揺れ始めたのです。

 

 

「なっなに...?」

 

 

「敵の攻撃...はありえねえか、じゃあ今のコレ地震かなにかか?」

 

私の言葉に返すようにサンジくんが推測を話します。

 

私たちが訳が分からないでいた時でした。

 

不意に海の中の景色が変わったと思うや否や、そこには広大な陸地が浮上してきていたのです。

 

 

「......グルオオオォォォォオオオオオオッ!!」

 

それを目にした龍爺さんは不意に立ちあがり、空へ向かって鳴き声をあげ始めました。

 

 

「なっ...龍爺が!!!?」

 

 

「おいおい、いつの間に動けるようになったんだ?あの爺さん...」

 

驚くルフィくん達の声が聞こえて来ますね......。

 

かく言う私も、いきなりのことで頭の理解が追いついてないんですけど......

 

そんな中、更に驚くべき事態は起こります。

 

 

「ん?......おい!向こうになにか見えるぞ!!」

 

そんなウソップくんの言葉に空を見上げてみます。

 

するとそこには、空いっぱいの千年龍の大群の姿が!!

 

 

「なぁっ...!!!?」

 

 

「ウソ...何この数...」

 

 

「こんなにいたのか...!?爺さんの仲間達ってのは!!」

 

 

「龍爺さん...あなたは一人じゃなかったんですね...」

 

ウソップくんやナミ達がその光景に呆気に取られています。

 

 

「......!!龍爺...ッ!!」

 

 

「...............」

 

嬉しそうに話すアピスちゃんを龍爺さんは今度は一声も鳴かずに見つめます。

 

 

「えっ...今までありがとうって...何言ってるの...どうし...」

 

アピスちゃんがそこまで言いかけたその時でした。

 

 

【ズズゥンッ...】

 

立ち上がった龍爺さんがその巨体が崩れ落ちてしまったのです。

 

 

「......ぇ...?龍爺!龍爺!!なんで!!なんでよ!!」

 

 

「.........」

 

崩れ落ちた龍爺さんはピクリとも動きません。

 

 

「龍の巣に戻れれば元気になるって言ったじゃない!!なんで!!アレはウソだったの!?」

 

 

「...............」

 

すると龍爺のひとみが微かに開き、アピスちゃんを見つめます。

 

 

「えっ...うん...そう...なの?」

 

 

「............」

 

 

「ホントに?ホントにまた元気な姿を見せてくれるんだよね?」

 

 

「............」

 

 

「...うん、分かった。なら、私泣かないよ。もう会えないわけじゃないから!」

 

アピスちゃんのその言葉を聞いて安心したのか、龍爺さんはその瞳を閉じて、動かなくなりました。

 

 

「〜〜ッ!!......っ!」

 

それを見守ったアピスちゃんは必死に泣くのを堪え、浮上してきた大陸に降り立ちます。

 

 

「お、おい!アピス!!」

 

 

「私達も降りてみましょう」

 

アピスちゃん達の後を追って私達もその陸地に降り立ちます。

 

 

「━━━━━━っ!(ピタッ)」

 

ズンズン先に進んで行くアピスちゃんが不意にその足を止めました。

 

疑問に思った私達が、アピスちゃんに近づきその視線の先にあるものを見てみると、そこには一個の卵が孵るところでした。

 

 

「...ピギャアッ...ピギャア」

 

そしてそこから産まれたのは千年龍の子供でした。

 

その子供は他の千年龍達に囲まれて世話をされています。

 

そんな中、ふと子龍がアピスちゃんの事を見詰めてきたのです。

 

 

「......っ!うん!うん!」

 

子龍はアピスちゃんに何かを語り掛けてきたようで、アピスちゃんは泣きながら強く頷いていました。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

こうして再開を果たしたアピスちゃんは何か納得したような、覚悟を決めたような表情で戻ってきました。

 

 

「アピス、もう大丈夫っぽい?」

 

 

「アピスちゃん...」

 

夕立ちゃんや神通さんが心配そうに問いかけます。

 

 

「うん、もう大丈夫!それに、決めたんだ。私は今までご先祖さま達が守ってきたこの龍の巣を、そして千年龍龍達を守っていくって」

 

その瞳は小さいながらも熱い情熱を秘めているようでした。

 

そう、まるで私達姉妹のお姉様。金剛型一番艦の金剛お姉様のように......。

 

 

「そっか、じゃあここでお別れだな」

 

 

「うん、ルフィ達と別れるのは寂しい気もするけど、私も私の役目を果たすよ」

 

そう言うとアピスちゃんは、今度は私の方を見て言います。

 

 

「ルフィっていつも無茶なことしかしないから、ハルナお姉さん、しっかり見守ってあげてね」

 

 

「...!えぇ、そうね、アピスちゃん。私がいる限り、ルフィに無茶はさせません。約束です」

 

そうして私はそんな約束をアピスちゃんと交わしたあと、軍艦島を後にするのでした。

 

 

 

 

◇◆◇◆◇sidechange◆◇◆◇◆

 

 

 

 

「行ってしまいましたね...」

 

私は、島を出ていく一隻の海賊船を見つめながら呟きます。

 

 

「ジンツウ姉ちゃん、ホントに行かなくてよかったの?ハルナお姉さん達、知り合いだったんでしょ?」

 

アピスちゃんが私の様子に気がついて声をかけてきます。

 

 

「えぇ、私はこの島を守らなければいけないという役目もあります。それに、無茶をするアピスちゃんを諌めないといけませんから」

 

 

「...本当に、それで良いのか?」

 

 

「え?」

 

不意に口を挟んできたのはボクデンさんでした。

 

ボクデンさんはいつにもなく真剣な眼差しで問いかけてきます。

 

 

「本当は彼らと共に行きたかったのじゃろう?ならば行け、アピスの事も村のこともワシらに任せておけ」

 

 

「いえ、しかし...」

 

 

「そこまで心配しなくてもよい。ワシらだって弱くはないんじゃ、それに、お主はワシの孫みたいなもんじゃ。その孫の希望くらいは叶えてやりたいんじゃよ」

 

 

「...!ボクデンさん。ありがとう...ございます」

 

そう言われてしまったらもう断れないです.....。

 

 

「ホレ、急いで行くんじゃよ!お主のアレであれば、まだ彼らに追いつける事じゃろう」

 

 

「はい!...今まで、本当にお世話になりました!」

 

私はペコりと頭を下げ、艤装を展開し、麦わらの一味海賊船の後を追いかけるのでした。

 

 




よーっし!ジンツウって新しい仲間も加わってオレたちの冒険もいよいよ面白くなってきそうだ!!

次は今度こそグランドラインに行くぞ!

ん?なんだ?あの山?デッケェ!!


レッドラインを乗り越えろ!いざ乗り込めグランドラインへ!!

海賊王に...オレはなる!


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