もしもZ戦士たちが、異世界の怪しげな組織に目をつけられたら。 (レイチェル)
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1話 そうして物語は始まった。

 基本的に、タイトルのままです。
 中二病的な展開、文体はご容赦ください。

 物語は悟空とピッコロ大魔王が戦った時から始まっています。
 (人によって、合う合わないがあると思います。)


~カリン塔~

 

 「カリン様、オラ、ピッコロ大魔王を絶対倒してくる。」

 

そこには、超神水を飲んで以前よりも強くなった悟空がいた。

 

 「うむ。超神水を飲んだ今のお主ならきっと勝てるじゃろう。」

 

 「頑張れよ。おれが戦うのは嫌だからな。死にたくねぇ。絶対勝てよ。」

 

 「おう。分かってるってヤジロベー。オラ行ってくる。」

 

ヒューーン‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

 

 「‥‥‥‥行っちまったな。キント雲ははええなぁ。」

 

 「うむ。ところでカトレアよ。そろそろ出てきては良いのだはないか?」

 

 「あ?」

 

‥‥‥‥‥‥トン。

 

 「‥‥‥あれ‥‥‥おれ‥‥‥‥‥‥。」

 

‥‥‥‥‥‥バタ。

 

 「なんじゃお主。悟空だけじゃなくヤジロベーもだめなのか?」

 

そこにいたのは、一人の女性だった。年は20歳頃だろうか。腰まで伸びている長い金髪にグレーの瞳。そこにかかる赤いメガネが知的さを漂わせる。

 

ただ、レースをあしらったふわふわの服に、手に持つ長刀が、異質で、不気味だ。

 

 そして、カトレアと呼ばれた女性が口を開く。

 

 「ええ。私の存在を知る者は最小限に留めておきたいの。彼らに私のことを話すのはもう少し先よ。」

 

 「ヤジロベーは‥‥‥」

 

 「安心して。峰打ちよ。この世界での人殺しは、まだ、許可されていないから。それより、私の言ったことを信じてもらえたかしら?」

 

そう言うと、軽く手を振り、手に持った長刀が消えてしまった。代わりに手首には、長刀と同じ見た目のブレスレットだった。

 

 「‥‥‥‥‥‥あ、‥‥‥ああ。(このわしがカトレアの攻撃がまるで見えんかった。こやつは‥‥‥。)」

 

 「では、約束通り、仙豆を瓶ごといただくわね、カリン様。」

 

 「うむ。お主の言った通りピッコロ大魔王が復活し、悟空が超神水を飲んで生きている。これでお主が言った『未来から来た』と言った言葉は信用しよう。」

 

 「あら、他にも『異世界から来た』という言葉があったはずだけど‥‥‥。忘れてしまったのかしら?」

 

 「それはいくらなんでもなぁ‥‥‥。それより、本当なのか?今ある仙豆はこれからの戦いには多すぎるというのは?」

 

 「ええ、そうよ。」

 

カトレアはカリン様の言葉が終わるか終わらないうちにさっさと仙豆を回収してしまった。

 

 「(こやつの言ったことと、こやつが持ってきたわしが書いた未来からの手紙。手紙の筆跡は明らかにわしもの。そしてその手紙に書かれた仙豆のやりとりの指示。ああは言ったが、この世界には時を超える術はない。まさか本当に異世界から‥‥‥?)」

 

カリン様の頬に冷たい汗がつたったような気がしたのは、決して気のせいではないだろう。

 

 「‥‥‥‥‥‥ええ。今のところはとても順調よ。この時間軸でやることはすべて終わっわ。‥‥‥‥‥‥ええ、地球の神とのコンタクトと仙豆の回収。今から次のポイントへ移動するわ。報告を終了するわね。」

 

今のは誰かと連絡をとっていたのだろうか?明らかに電話を使っていなかった。その代わりにジャンケンのグーの親指と小指をピンと立たせ、その手を耳と口に当てていた。この世界にはない技術だ。

 

 どうやら、地球の神とも連絡をとっていたらしい。

 

 「‥‥‥お主、誰に連絡をとっていた?」

 

 「『組織』に、よ。無事に仙豆を回収できたことを報告しないとね。じゃあ、私は次のポイントに向かうわ。」

 

 「‥‥‥‥‥‥一つ聞いてもよいか?」

 

 「なにかしら?」

 

 「お主ら『組織』は、数多くの異世界を移動できるという。では、この世界はなんと呼ばれている?さすがに呼び名ぐらいあるじゃろう?」

 

 「『ドラゴン』。そう呼んでいるわ。大抵は大陸の名前や、その世界にしかないものから名前をとっているの。この場合は『ドラゴンボール』からとったわ。」

 

 「そ、そうか。」

 

 「では、また会いましょう。」

 

そう言うとカトレアは、自身の持つ腕時計を操作した。しかし、それは腕時計に見える『なにか』だ。なぜなら、その何かを操作するとカトレアを中心に幾何学模様の光が地面に映し出されたからだ。

 

そう、それはまるで、

 

 「‥‥‥魔法陣。」

 

カリン様がそうつぶやくと同時に、カトレアはその場から消えていた。

 

 残っているのは、カリン様と気絶したヤジロベエだけ‥‥‥。

 

 「あやつは本当に‥‥‥‥‥‥。」

 

カリン様のつぶやきは誰にも聞かれることはなかった。

 

 

~数年後 界王星~

 

 「初めまして、北の界王様。」

 

 「な、なんじゃおぬし!」

 

 「私はカトレアと申します。」

 

                               第2話へ続く




 2話からはもう少しギャグ要素を増やしていきたいと思います。
 読んでくださって、ありがとうございました。


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2話 カトレア、界王星にて現る。

 ~界王星~

 

 「‥‥‥‥‥‥一億五千九百九十八、一億五千九百九十九、一億六千!やったぞバブルス君!ようやくこの界王星の半分もの草の本数を数えたぞ!」

 「ウホッ、ウホッ!」

 わしは北の界王。この小さな星に住んでいる。普段やっていることといえば、星を一回りするドライブすることと、おしっこを遠くへ飛ばすことと、草の本数を数えることじゃ。しかしここまで数えたことは未だかつてない。

 一億を超えたことは何度かあったが、いつもどこまで数えたか分からなくなってしまって、いちから数え直し。

よって今回は、

 「数えた場所に印をつける!」

 「ウッホーーーーーーーー!!」

 「‥‥‥‥‥‥それにしても地面に這いつくばっていたから、手が草の匂いで臭くなってしまったわい。ん?草の匂いで臭い。草臭い!・・・・・・・ププッ‥ワーーハッハッハッハッハ!今のはなかなかいいシャレだったろう、バブルスくん?」

 「ウホ?」

 「まったく、このシャレの良さに気がつかないなんて、バブルスくんもまだまだじゃなぁ。」

 やれやれ、バブルスくんとは長い付き合いじゃが、未だにシャレのよさが未だに分からないと見える。バブルスくんがシャレで笑ったことなど一回も見たことがない。‥‥‥‥‥‥ここはわしがなんとかせねば!

 いや、そんなことより、

 「とりあえず、印をつけねば‥‥‥‥‥‥」

 「初めまして、北の界王様。」

 「な、なんじゃお主!」

 ここは界王星だぞ!こやつはどこか降って湧いてきた?

 「私は、カトレアと申します。」

 ‥‥‥‥‥‥えー、こやつは見たところ地球に住む都会の女性じゃ。とりあえずここはシャレを‥‥‥

 「ああ、それから、私は無駄なことは、嫌いなの。もし、ダジャレを一言でも言ったりしたら、」

シュン

 「あなたの右腕を挽肉にします。」

 「あわわわわわわわわ!」

 ちょっと待てーーーーーーー!いつの間に背後に回った?いつの間にあの長い刀を出した?そしていつの間に刃先がわしの右腕に当てられている?

 「ウッホー!ウホウホ!」

!バ、バブルスくんがこの上なく怒っている!わ、わしの心配をしてくれるのか!

 「あなたには、これをあげるわ。」

 ポーーーーン ←放り投げられるバナナ

 「ウホー♥ウホウホ♥」

 ヒューーーーン ←走り去るバブルスくん

 「バ、バブルスくーん!」

‥‥‥‥‥‥ま、まけた。バナナに負けた。か、界王であるこのわしが。

 「では、少し私とお話しましょう。」

 「‥‥‥‥‥‥。」

それしか選択肢はないみたいじゃな。

 「さて、私の名前は言ったし、次はどこから来たのか、ね。」

そうじゃ、こやつは突然現れた。なんの気配も感じることができなかった。

 「私はこの世界の人間ではないの。異世界から来たのよ。」

確かに、こやつの雰囲気はどこか違うと思っていたが‥‥‥。

 「ただし、私が最初にこの世界に来たのは、今からおおよそ150年後の未来なのよ。」

は?

 「驚いたわよ。亀仙人とかいうお盛んなじいさんが馴れ馴れしく話しかけてくるし、地球の神とかいう宇宙人が『お久しぶりです。』とか言ってくるし。」

そういえば、地球の神はナメック星人だったな‥‥‥‥‥‥。

 「初めて来た世界で、よ。誰かと間違えているのかと思ったけど、話を聞いてみると、本当に私の事みたいだし。だから、その人達が私と初めて会った、とかいうこの時代に来たの。」

‥‥‥‥‥‥この話を信じろと?

 「だから、私はさっきまで7年前にいたのよ。」

 「なぜそこで『だから』なのじゃ!」

つながってない。何かがつながっていない。

 「ちょっと地球の神と今後のことについて話したり、武術の仙人とかいう猫から仙豆をもらったりしていたのよ。」

なぜそんなに軽々しいのか‥‥‥。

 「仙豆については、私が回収しなければ、どうやっても数が合わないのよ。」

 「?どういうことじゃ。」

 「亀仙人さんが言っていたの。7年前には、仙豆は瓶一杯にあった。けれど今から一年後、地球にサイヤ人がやってくる。でも、その時には仙豆が2粒しかなかった、と。そのせいで戦闘中に体力が回復できず、苦しい戦いになった、とね。」

 「しかしそれなら、かえって回収しないほうがよいのではないのか?」

とりあえず、サイヤ人うんぬんにかんしてはこの際無視じゃ。

 「でもね、『仙豆が2粒しかなかった』という事実は歴史に刻まれてしまった。そうなってしまった以上、その歴史を変えるのはかえって危険なの。」

 「危険じゃと?」

戦闘中に体力を回復できないことよりもか?

 「『タイムパラドックス』という言葉くらい聞いたことがあるでしょう?Aさんが過去に行って、先祖であるBさんを殺しました。では、Aさんはどうなるのでしょう、という話。この話につじつまをつけるとすれば、1つしか方法がないの。それは、Aさんが生きているという世界と、Bさんが殺されてAさんがいない世界の、2つの世界を作る、という方法よ。」

 「世界を作る、じゃと?」

 「正確にいえば『作り変える』かしら。世界、というものは無数に存在しているの。科学が発達した世界、剣と魔法の世界、人間がいない世界、みたいなかんじでね。

 でもね、その世界の数は常に一定なのよ。『質量保存の法則』って言葉くらい聞いたことあるでしょう?それと似たようなものよ。だから、タイムパラドックスみたいな矛盾が生じたときは、他の世界を作り変える。さっきの話で言えば、AさんがBさんを殺してしまったから、人間がいない世界を、Bさんが殺されてAさんのいない世界にする、みたいな感じにね。」

 「なるほどなぁ。それにしてもずいぶん説明が慣れているなぁ?」

なんであんなに小難しい説明をスラスラできるんじゃ。

 「だって、この説明をするのが、3回目だからよ。神様と、カリン様と、あなた。と、いうわけで本題ね。」

 「この話が本題ではなかったのか!」

 「そんなわけ無いでしょう。今のは私についての説明だもの。今から界王様にやってもらいたいことがあるの。」

‥‥‥そんな身勝手な。

 「そろそろ地球で、『孫悟空』という人が死ぬの。さらに、地球にはこれからサイヤ人が攻めに来る。だから、あなたには、そのひとに修行をつけてもらいたいの。」

は?

 「してくれるわね?」

‥‥‥‥‥‥い、いやいやいやいや!こんな笑顔で言われても!そんな勝手な‥‥‥

 「し・て・く・れ・る・わ・ね・?」

 「はい。」

‥‥‥‥‥‥仕方ないだろう?あんな殺気初めて受けたんじゃ。右腕をひき肉どころか、全身ひき肉にされるところだった。

 「じゃあ、そういうわけで。」

何をする気だ?腕時計を操作し始めたぞ。あ、カトレアの足元に魔法陣が‥‥‥消えた。カトレアも消えた。言いたいことだけ言って、頼みたいこと頼んで、勝手に消えたぞ、こやつ。こんなやつ初めてじゃ。

 とりあえず、下界の様子でも見てみるか。‥‥‥えっと、地球、地球っと。おお、見えた見えた。高い気を持ったやつが3人集まっているぞ。こいつかな?そこそこ気が高いやつが指を額にあてて、気を集中し始めたぞ。あ、もうひとりが残ったやつを後ろから羽交い絞めにしたぞ。‥‥‥‥‥‥まかんこうさっぽう?それを打つのか?あの緑の奴とオレンジの服の奴は仲間かと思ったんじゃが、緑の奴はオレンジの奴ともう一人をまとめて打つのか?あ、打った。‥‥‥‥‥‥あーあ、2人とも虫の息だぞ。‥‥‥‥‥‥あ、1人死んだ。‥‥‥2人目も死んだ。つまり、あの二人のうちのどちらかがここに来るんじゃな。久しぶりだなぁ。ここに人がくるのは。

 

 

 

 ‥‥‥‥‥‥で、草はどこまで数えたっけ?

 

                                                                                   3話に続く 

 




 読んでくださってありがとうございました。
 


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3話 弱虫ラディッツのバーカ。

サブタイトルどうりに性格を考えた結果この始末。



ラディッツファンのみなさん、すみません。


~界王星~

 「・・・・・・・・・・つ、着いた。ようやく着いたぞカカロット!」

 「わ、わかったって、兄ちゃん。にしてもここはきっついなぁ。ガキのころに入った精神と時の部屋みてぇだぞ。」

 俺の名はラディッツ。あのナメック星人に殺されてカカロットとあの世に行ってなんだかんだあって界王星で一緒に修業をすることになった。

 カカロットがわけのわからないことを言っているがどうでもいい。

 俺はもう二度とナッパやベジータに「弱虫ラディッツのバーカ。」とは言わせない!そのためにここへ続く長い道を歩いてきたんだ!半年もだ!!

 「なぁ兄ちゃん、カトレアの言ってた『界王様』てやつはどこにいんのかな?」

 「・・・・・・・・さあな。」

 くそ。カトレアの奴、『あなたの弟と一緒に修業すれば、誰もあなたのことを「弱虫ラディッツ」と呼ばなくなるわよ。』とか勝手なこと言って、さっさと消えちまいやがった。肝心の『界王』というやつのことは何にもわからない。

 「お、兄ちゃん、なんかだれかいたぞ?」

 ん?誰かいただと?

・・・・・・・・・・・・・・・・猿だ。もしくはゴリラだ。

 「兄ちゃん、あいつが『界王』てやつなんかな?」

 「・・・・・・・・違うんじゃないか?」

俺はあんなウホウホ言ってるような奴に稽古をつけてもらいたくないぞ。

 「ウッホッホ、ウッホッホ、ウッホッホ、ウッホッホ、・・・・・」

・・・・・・・・・なんか妙なことを言いながら歩き始めたぞ。

 「界王様、それが修業なんか?じゃあオラもやるぞ。・・・・ウッホッホ、ウッホッホ、ウッホッホ、ウッホッホ、・・・・・・」

・・・・・・・・・・勘弁してくれ。

ん?誰か来る。

 「・・・・・・・・・お前たちなにをやっているんじゃ?」

ほらみろ。ちゃんと話が通じるましな奴がいるじゃねぇか。

・・・・・・・まぁ、青い肌にゴキブリのような触角がなければ、の話だが。

 「おまえ、もしかすると『孫悟空』というやつか?」

 「?いや、俺はラディッツ。あそこにいるのが弟のカカロット。『孫悟空』というやつはいないが・・・・・・・・」

 「お前達は、カトレアというやつに言われて来たのではないのか?」

 「ん?ああ、確かに俺たちはカトレアに言われて来たが、それがどうかしたか?」

 「そ、そうか・・・・・・・」

なんか考え始めたぞ。俺なんか変なこと言ったか?

 「お前は?」

 「わしか?わしは界王と言ってな、宇宙を統べる偉いやつなんだぞ!」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふ~ん。」

 「なんじゃおまえ、さてはわしのことを敬っていないな?」

だってそりゃあ、

 「自分が一番偉いと思っているやつほど、ろくな奴がいないからな。」

 「うっ、こやつ何気に正論を・・・・・・・・」

フリーザ様にしろ、ベジータにしろ、ろくな奴がいなかったからな。

・・・・・・・・・・ベジータ、か。

 「・・・・・・・・。」

 「!おぬしなぜ急に泣く!」

 「いや、『弱虫ラディッツのバーカ』と言われたり、初恋の相手を殺されたり、俺のスカウターを壊されたり、寝ている間に顔に落書きされたり、デザートのプリンを勝手に食われたりされたことを思い出してな・・・・・・・・」

 「そいつは・・・・・・・ひどいやつだな。」

 「全くだ。」

よりによって、地上げした先でのプリンを・・・・・・・・。もう食べられないんだぞ。

 「俺のことはしばらく放っておいてくれ・・・・・・・・・・。」

 「お、おまえ体育座りでなにを・・・・・・・・」

 「・・・・・・・・・・放っておいてくれ。」

どうせ俺なんか、プリンを食べる価値もないほどの奴ってことなんだろう?

・・・・・・・・・・プリン・・・・・・プリン・・・・プリン、プリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリン

 「ど、どうすればいいんじゃあああああああああああああああああああああ!

そうだ、たしか弟の『カカロット』というやつがいたな。おーいカカロット。」

 「・・・・・・・ウッホッホ、ウッホッホ、・・・・・・ん?今なんか声が聞こえたような・・・・・・・・?」

 「こっちじゃ、カカロット。」

 「オラ、カカなんとかつう名前じゃあねぇぞ。おめぇだれだ?」

 「わしの名前は界王。・・・・・・まぁ、ここの主じゃ。」

 「お、おめぇが?じゃあ、あいつは・・・・・・・?」

 「あれは、わしのペットのバブルス君じゃ。」

 「・・・・・・・・・・はは、なんかおかしいと思ったよ。」

 「それより『ラディッツ』というやつが、おかしなことになってしまったんじゃが・・・・・。」

プリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリン

 「・・・・・・・ああ、あれはほっといてくれ。いつものことだ。」

 「い、いつものこと?」

 「ああ。蛇の道で何度か、な。『ベジータ』とか、『フリーザ』とかいうやつを思い出すとたいていああなるんだ。あれがなかったら、ここに来るのはもう一か月早かったと思う。」

 「・・・・・・・・・苦労しとるのう、カカロット。」

 「だーかーら、オラカカなんとかじゃねぇ。孫悟空だ。」

 「しかし、ラディッツはお前のことをカカロットと呼んでいたぞ?」

 「その名前は、オラが記憶喪失になる前につけられた名前だ。」

 「ではカカロットが本名ではないのか?」

 「オラは孫悟空だ!」

 「?????」

 「それより、おめぇが界王様なんだろ。修業つけてくれよ。カトレアからそこそこ強いやつだって聞いてんだから。オラ強くならなねぇと、地球があぶねぇんだよ!」

 「そ、そうか。カトレアから・・・・・・・・・。(これからこいつと、)」

プリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリン

 「(あの体育座りの奴の面倒を見なくちゃならんのか。)」

 「よろしくな。界王様。」

 「・・・・・・・よろしく。(カトレアから、か。この申し出を無下に断ったら、わしの命はないっっっ。あの時の殺気はそういう意味だった。)」

 「で、界王様。修業はなにをしたらいいんだ?」

 「おまえには、まず、」

 「(ゴクン。)」

 「ダジャレを言ってもらう!」

 「へ?」

プリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリンプリン・・・・・・・はぁ。

 

                               4話へ続く

 




すみません。グダグダになってしまいました。
本当は、

悟空:「兄ちゃん、元気出せよ。強くなってその初恋の相手を殺したベジータを見返してやろうぜ。」
ラディッツ:「何を言ってる。俺はプリンのことで悩んでたんだぞ。」
悟空:「!?」


というやり取りを入れたかったのに・・・・・・・・・orz



次はヤムチャ視点で書きます。


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4話 ヤムチャの心中。

 あらすじで書いた「もしも」がなかなか書けずにいますが、生暖かい目で見てもらえると助かります。


~地球~

 「天津飯!」

 「・・・・・はあ!はあ!ん?ヤムチャか、どうかしたのか?」

 「修業を中断させて悪いな天津飯、チャオズも。実は二人に伝えたいことがあって。」

 「「?」」

俺の名前はヤムチャ。一年後に二人のサイヤ人がやって来るから今まで十一か月の間修業していた。しかし、修業にいきずまった俺は、武天老師様のところでウーロンと一緒に老師様のHな本を読んでたんだ。

・・・・・・・・・・・・・いいだろう?一日ぐらい。

 そしたら、武天老師様がトイレから血相を変えて飛び出してきたんだ。それでいろいろと話を聞いたら、

 「サイヤ人たちは明日にはこの地球へ来るらしい。」

 「!な、なんだって!」

 「・・・・・・・本当なの?」

 「ああ。しかも、悟空達は、サイヤ人たちが地球にやって来るのに遅れてくるそうだ。帰りの時間を考えていなかったらしくてな。」

まったく、抜けているというか、なんというか。

 「ちょっとまて、悟空()?」

 「悟空の兄の『ラディッツ』というやつがいただろう?そいつも俺たちと一緒に戦うために悟空と修業していたらしい。」

 「はぁ!?」

天津飯の素っ頓狂な声を上げるのを初めて聞いた気がする。

 「大丈夫なのか!?」

うわぁ、チャオズも心配そうな目でこっちを見てるよ。

 「『そいつもサイヤ人たちに恨みを持っているからな。でぇじょうぶだ』と、悟空が言っていたが・・・・・・。」

 「だ、だがもしそいつが敵にまわったとしたら・・・・・・・」

 「悟空が言うには、相当弱いらしいぞ。・・・・・・・・・・精神面(メンタル)が。」

 「・・・・・・・・・大丈夫なのか?逆に。」

 「・・・・・・・・・さぁ?」

 「というか、その『ラディッツ』というやつはいつの間に仲間になったんだ?」

 「ぼくも知りたい。」

うん。天津飯とチャオズの疑問はもっともだ。

 「どうやら二人がほぼ同時に死んで、あの世でばったり会ったときに『カトレア』とかいうやつが、『いいこと思いついたわ。二人一緒に界王様のところで修業すればいいのよ。』とか言ってそうなったらしい。」

 「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」」

 「おっと、『カトレア』ってやつはだれだっていう質問なら受け付けないぞ。俺も知らん。」

というか悟空に聞いたら「異世界から来た」だの、「未来から来た」だの、「界王様から聞いたんだけど、なんか強い」だの全く要領を得なかったからな。

 「いや、そうじゃなくてだな、実はオレたち会ったんだ。そのカトレアってやつに。」

 「本当なのか天津飯!」

一体どんな奴だったんだ?

 「ああ。そしたらこれを貰った。」

 「なんだ、ただのポシェットじゃないか。」

20センチくらいの黄色い普通のポシェットだぞ。しかもこれ女性用じゃないか?

 「『四次元ポシェット』というらしい。」

 「よじげんぽしぇっと?」

なんだそれ?聞いたことがない。

 「中は四次元空間になっていて、どんな大きなものでも入る・・・・・・・・と、説明書に書いてあった。」

 「トッテモスゴイナー。」

 「セリフが棒読み。」

うっ。チャオズに突っ込まれてしまった。

だって、これからの戦闘に使えないものを見せられてもな。

 「中にはいろいろと面白そうなものが入ってたぞ。出すぞ。」

なんだよ、いきなり改まって。

 

      てってててって、てってててって、てー

      『ほんやく田楽~』

 

 「なんだその間の抜けた音楽と、間の抜けた声と、コンニャクは!」

 「なにかを出すだびに音楽と声が流れる仕組みになっているらしい。説明書を読むとだな、『これを食べるとどんな言語も自在に話せるようになる・・・・・・・わけではなく、コンニャクについた棒を口にくわえるとどんな言語も自在に話せるようになる。』と書かれているが。」

 「本当だとしたらすごいな。でも戦闘には使えなさそうだな・・・・・・(チクショウ、学生時代にほしかったぜ!)。」

 「心の中もまるわかり。」

チャオズ!しまった!つい本音が。というか何のためにコンニャクがついていたんだよ。

前半の文章はなんのために書いたんだ。

 「ほかにもあるぞ。」

 

      てってててって、てってててって、てー

      『タケコプター』

 

なんかまた出たぞ。

 「えーっと、これは『普通の人間でも時速80キロメートルで空を飛ぶことができる。ただし市販に向けた安全設計のため、飛べる高度は5メートル、出せる時速は20キロメートルまでに制限済み。』」

 「使えねーな、おい。」

どうやっても戦闘に使えるとは思えない。普通に舞空術使ったほうがましだ。

 「ほかにも『石ころ帽子』や『チーターローション』とかいうのも入ってたが・・・・・出すか?」

 「・・・・・・・・・・・・・・いや、もういい。」

どうせまた使えないものなんだろ?というか、

 「何のためにカトレアはこれを渡したんだ?」

 「オレも同じことを聞いたんだそしたら、」

な、なんだなんだ?

 「そしたら?」

 「『これを渡したら、なんか面白そうなことになりそうだから。』という答えが返ってきた。」

 「・・・・・・・・・・・・・。」

あはははははは。ナンテステキナコタエナンダロウナアー

涙が出てきそうだ。

 「話は変わるがヤムチャ、明日サイヤ人が地球に来ることをクリリンやピッコロには伝えたのか?」

あ。

 「伝えてない!じゃあ、俺はクリリンのところに。」

 「ちょっとまて。」

 「なんだ、天津飯?」

時間がないっていうのに。

 「その言い方だとまるでオレがピッコロのところへ行くような感じにきこえるんだが・・・・?」

ええーっと、

 「・・・・・・・・・。じゃ、また明日な。」

 「おい!ヤムチャ!」

俺は正直ピッコロが怖いからな。こういう時はさっさと舞空術で逃げるに限る。

さあ、明日はいよいよ決戦の日だ!

 

 

~次の日~

 「よう!遅くなったな。」

 「ヤムチャさん!!」

どうやらサイヤ人がやってきたようだから来てみたらとりあえず来たてみた。

クリリンが声をかけてくれたのはうれしいが、・・・・・・・・・クリリン、ピッコロ、悟空の子供、天津飯にチャオズ。悟空とその兄貴は遅れてくるのは確実だから・・・・・・・くそ、俺がビリかよ。やっぱりあの小便が長かったか?

ん?足が震えているって?これは、え、えっと・・・・・・・・・・・・・・・・そう!武者震いだ!決して怖くて震えているわけだはない。・・・・・・・・・・・・・・はずだ。

 「おやおや。そっちもたくさんおでましだな。」

 「ザコどもが・・・・・・・・・。」

M字ハゲとデカハゲがなにかいっているが、問題はそこじゃあない。

 「二人じゃなかったのか?サイヤ人というのは。」

天津飯と同意見だ。なんか敵が大量にいる。しかも黄緑。

 「ま、いろいろあってね。ふえたみたい・・・・・・。」

クリリンよ、そのいろいろをぜひとも詳しく聞かせてほしいところだ。

お、あの二人が驚いたようにこっちを見ている。さてはこの俺の実力に気が付いて恐れおおのいているのか?

 「(こいつ、サイバイマンがサイヤ人に見えるのか!)」←ナッパ心の声

 「(悪いのは目か?それとも頭か?)」←ベジータ心の声

ふん、俺だって強くなる時はなるんだ。天津飯やクリリンのほうを見ていると思うのは気のせいだ。

あーあ、悟空早く来てくれないかなぁ。あんな風に考えてみたものの、あの二人の実力差は正直デカすぎるぜ。

 「全員で6人か。よし、いいことを思いついた。」

M字ハゲが何か言ってるぞ。ゲーム?

 「こちらにいるサイバイマンも全部で6匹。」

へぇー。あの黄緑色のやつ『サイバイマン』っていうんだ。

 「どうだ!!きさまらサイバイマンと順に、一人ずつ戦ってみないか?!」

イヤッホーーーーーーーーーーーイ!!!!!

なんて素敵な申し出なんだ!うまいこと戦えば、俺はあの二人と戦わなくても済むことになるかもしれないじゃないか。

計画としては、まず俺が率先して一体倒す。サイバイマンは気を探ったところ、俺と互角か、少し弱いくらいだ。そのあとにいろいろ理由をつけて、続けて2~3体倒す。そこまでくればこっちのもの。あの二人と戦うときになったら、「俺さっき戦ったから」とかなんとか理由をつけて戦闘離脱。まぁ、もしそれで皆がピンチになったとしても、物陰に隠れていた俺が奇襲を仕掛けて奴らを倒す。めでたしめでたし、だ。

 「ゲームだと?!」

ピ、ピッコロ!?いやな予感・・・・・・・・。

 「そんな回りくどいことやめて、さっさとカタをつけやがれ!!」

待て待て待て待て待て待て待て待て待て!!!!!!!そんなこと言ったら、俺の計画が!

 「まあまあ、いいことじゃない!こっちにとっては好都合だよ。悟空のやつもまだ来ていないことだしさ!」

ナイスクリリン!

 「いいだろう。このオ・・・・・・」

 「この俺からやらしてもらうぜ!」

危なかった。あとちょっとで天津飯に先を越されていた。

 「ヤ、ヤムチャさん!」

 「クリリン、心配しないでくれ。俺には計画があるんだ。」

自分が生き残るための、な。

 「さあ、きやがれ!」

 「ぎ!!」

戦闘開始だ。

 

 

 

 

 

ふっ、弱い弱い!ちょっとHな本を読んでいたりもしたが、基本的にこの一年間ずっと修業していたんだ。この俺の敵ではない!!!

と、いうわけで、とどめの~

 「かーめーはーめー波―――――――――!」

・・・・・・・・・・勝った。これ以上ないくらいの完璧な勝ちだ!思えばそう、何度も出場した天下一武道会。第一回戦を突破できずに・・・・・・・・・・・

 「ヤムチャさん!!後ろ!!!!!」

何も言うことはできなかった。気が付いたら俺の意識は暗闇の中。

ただ、暗闇に落ちる直前、ブルマの姿が一瞬浮かんだ。

 

 

~あの世~

 ここはどこだ?あの戦いは・・・・・・・・

 「『ヤムチャ』とかいったな。」

 「そうだが、お前はだれだ?」

スーツを着たやたらデカいやつがいるぞ?

 「わしか?わしは『閻魔大王』だ。」

                                       5話へ続く

 




 調子に乗りに乗りまくったヤムチャを書きたくて・・・・・・・

 戦闘描写は正直苦手です。いろいろ端折ってすみませんでした。



 読んでいただき、ありがとうございました。


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5話 カトレアの組織【前篇】

カトレアの正体についてようやく書ける!・・・・・・・・・・・と思っていたのに、長くなった上にグダグダになってしまいました。

読みにくくてすみません。


~あの世~

 「何があったのかわからない、という顔をしているな?名は確か、『ヤムチャ』といったか。」

 「はい。突然目の前が暗くなって・・・・・・。気が付いたらここにいました。」

 わしの名前は閻魔。皆からは「閻魔様」、「えんまちゃん」などと言われて親しまれておる。

ちなみに「えんまちゃん」は大界王様から言われている。

 「簡単に言おう。おまえは、サイバイマンの自爆によって殺された。」

 「俺の計画があああああああああああああああああああああああああああ!」

そりゃあ、突然死んだんだ。叫びたくもなるだろう。

ただ、その単語は想像していなかった。

ムンズッ ←ヤムチャが閻魔様の胸ぐらをつかむ音

 「俺が死んだって本当なのか?!ああん?!嘘だといわないと絞め殺すぞ!!」

ブンッ ←閻魔さまがヤムチャを放り投げる音

ドゴーーーーーン ←ヤムチャが投げられて壁に激突する音

・・・・・・・危なかった。あのままヤムチャに胸ぐらをつかまれていたら、確実にこのスーツが破けていた。

 肉体に関しては問題ない。どういうわけかわしの肉体は生無き者の干渉を受けない。つまり、死人がどんなに攻撃を加えようとしてもわしの体には傷一つつかない、というわけだ。

 まあ、こういうあの世でも少々特殊な体質を持っているからこそ、大界王様から閻魔にならないかとスカウトされたのだが・・・・・・・それはまた別の話だ。

 というわけで、肉体に関しては全く問題ない。だが、身に着けているものに関しては話が別だ。攻撃を加えられれば破けるし、ボロボロになる。

しかし、わしの体格は普通のやつの軽く10倍はあるからな。だからいつもスーツを新調するときはオーダーメード。当然、高い金を吹っ掛けられている。ああ見えてケチな上司である大界王様が高い給料を払ってくれればこんな思いはせずにすむのだが・・・・・・・。

 って、あ!!か、壁が崩れておる・・・・・・・。さて修理代は経費で落ちるか、わしの給料から差っ引かれるか・・・・・・・・。おそらくは後者だろうなぁ。上司(大界王様)はケチだからな。

 「な、なんて強いんだ・・・・・・!」

 「そりゃあ、おまえのようなやつの相手をする時がよくあるからな。」

実は、ここで暴れる死人は少なくない。だからこそ、わしは蛇の道を通って界王様に修業をつけてもらいに行った。

 本来の仕事である魂の仕分け(魂を天国行きか地獄行きかを決める作業)をさぼっていったわけだから、そのあと大界王様にこっぴどく叱られた。

そんなことがあったから、今では名のある武道家が死んだら、肉体を与えて大界王星で修業をさせて、あの世で暴れる悪い死人を押さえつけてもらっている。

 まあ、その武道家を使うのは数十年に一度くらいだがな。

 「まあまあ、お茶でも飲んで気をお静めください。」

 「おお、(あお)(おに)気が利くな。」

彼はわしの部下の(あお)(おに)。ここでは、(あか)(おに)黄鬼(きおに)(あお)(おに)黒鬼(くろおに)(しろ)(おに)(みどり)(おに)(むらさき)(おに)(ちゃ)(おに)の、八人がわしの部下として働いておる。

 その中でも、青鬼は物事によく気が付く優秀な人材だ。悟空を蛇の道に案内した鬼は、この青鬼だったりする。

 「では、わたくしはこれで失礼させていただきます。ほかの仕事もあるので・・・・・。」

 「おお、青鬼、すまんな。」

とりあえず青鬼の持ってきた二人分の茶を受け取る。

 「はっ!死んだってのに茶なんて飲めるか!酒を出せ、酒を!こうなったらヤケ酒だ!」

 「あのなぁ、死人に出す酒があるわけ・・・・・・・」

 「あら、お酒なら、あるわよ。」

 「だれだ!」

ここはあの世。そう簡単に部外者が入ってこられる場所ではないのだが・・・・・

 「やぁねぇ、わたし、カトレアよ。もう忘れてしまったのかしら?」

 「お、おまえは!」

 「ふふ。ひさしぶりね、ヤムチャさん。メイド喫茶『ハーレム』で、あなたが大量のお金を落としてくれてからずいぶん経つわね。私が、あなたと付き合っている彼女のためにプレゼントした、鞭、手錠、蝋燭、ロープ、は今でも、使ってくれているかしら?」

 「使えるか!というかそれのせいで俺とブルマは破局の危機だ!!クソッ、あの箱を開けた時のブルマの顔をお前にも見せてやりたいぜ。」

だいたい二人の関係はわかった。

 「だって、話を聞く限りだと、てっきりあなたがMで、彼女がSだと思ったものだから、つい・・・・・・・・・。」

そんなことをニコニコと悪びれもせずに言うカトレアはSだろうな。

 「そんなことより、お前は何者だ、カトレア!」

 「私?私は異世界から来た、カトレアよ。」

そう、彼女は異世界から来た。一年位前に悟空達と一緒にこやつも来たのだ。

 「そんな説明で納得できるか!どこぞの世界から来た!お前の目的は何だ!!」

ヤムチャの言うことも分かるが、それがそんなに重要なことなのだろうか?カトレアも怪訝な顔をしとる。

 「おかしいわね。このことに疑問をもつなんて・・・・・・。」

疑問を持つことがおかしい?それは一体・・・・・

 「カト姉(ねえ)、その魔法は命を起点にしたものだからだよ!要は、死人には効かないの!」

 「今度はだれじゃ!」

次から次へと・・・・・。ん?16歳ぐらいの女の子がおる。服はブレザーの制服っぽいな。ツインテールでカールの髪の毛とトンボメガネがよく似合っておる。しかし、ここはそう部外者がホイホイと入ってきていい場所ではないのだが・・・・・・。

 「はじめましてキョウコといいます。錬金術師兼、科学者兼、教師兼、組織の責任者課(リーダー)で天才でーす。趣味は度肝を抜かれた人の顔を見ること。出身世界はカト(ねえ)と同じ『メノリス』。特技は発明と、未来を見ること。よろしくね★何か質問は?」

 「さっきの発言全部だ。意味が分からん。」

この場合、ヤムチャが正しい。そういわれるとなんだか急にこいつらの素性が気になってきた。

 「う~ん・・・・。そうんなこといわれても。どこから説明すればいいと思う、カト姉?」

 「『カト(ねえ)?』」

 「カトレアのこと。カトレアお姉ちゃんだから、カト(ねえ)。」

 「姉妹なのか?!」

それにしては全然似ていない。髪の毛は、カトレアは金髪でキョウコは亜麻色。目の色もカトレアはグレーでキョウコは茶色だ。顔立ちも違う。

 「血はつながってないよ。話せば長くなるんだけど、あたしが元々孤児だったのを組織が引き取って、同じく孤児だったカトレアと出会って仲良くなったの。」

明るく話しているが、辛かったろうな。

 「組織だと?!」

 「ヤムチャよ、そろそろ警戒心を解いたらどうなんだ?」

そんなに気を張っていて疲れないのが武道家の強みじゃな。

 「ああ、組織と言っても、そんなに法に触れるようなことはしていないわ。精々、馬鹿な男からお金を巻き上げて、それを元手に一発儲けているだけよ。」

 「俺のことかあああああああああああああああああああああ!!!」

そういえば、『男はATMだ』ということばがあったか?カトレアもえげつないことを言うのう。

 「大丈夫!安心して。」

キョウコよ、安心できる要素があったか?

「組織の本当のねらいはお金儲けじゃないから。世界征服よ!」

 「な、なんだと!」

世界征服・・・・・だと?

 「っていうのは冗談で、」

 「まぎらわしいこと言うなよ・・・・・。」

 「本当は世界の調整、および干渉値内での干渉。」

 「キョウコ、その言い方だと、分かりにくいわよ。」

全くだ。欠片も分からなかった。

 「ごめんね。まず世界っていうのは、無限にあって、絶えず動き続けているものなの。でも無限にあって動き続けるということは、世界と世界がぶつかっちゃうこともあるの。で、ぶつかった衝撃でエネルギーや、ほかの世界にいるはずのない化け物が異世界から来ちゃうこともある。それをどうにかするのが世界の調整と呼ばれるもの。ここまではいい?」

 「ああ、なんとかな。」

本当は半分くらいしか分からなかったが。

 「おい、もう一つの干渉値内での干渉というのは?」

 「ヤムチャ、慌てない、慌てない。今から説明するから。

 世界っていうのは無限にあるっていったでしょ?つまり、それだけ多くの科学や魔法を含む技術があるってこと。だからその技術を使えば、Aの世界では治すことのできない不治の病をBの世界の技術で治すこともできる。干渉値内での干渉っていうのはBの世界の技術をAの世界に持っていくことを言うの。でもやったらめったら持っていくわけにもいかない。長くなるから説明は省くけど、過度の干渉は親が小学生の宿題をやってしまうことと同じってことでわかって。」

ふむ。つまり、

 「その世界の厄介ごとはその世界に住む人で解決しなければならない。そうでなければ、その世界のためにならない、というわけか?」

 「ご名答。」

 「組織の責任者課(リーダー)というのは?」

 「じゃあ想像してみて。ある日異世界人がやってきて、『自分は別の世界から来た犯罪者だ。かくまってくれ。』とか、『自分の世界で製造中止になった生物兵器をこの世界で作ってくれないか。』とか言われても迷惑でしょ。だからそういう輩や技術の侵入を防ぐために一人責任者(リーダー)を決めてその人の許可なしでは入れないようにしているの。でも例外もあるけどね。」

これは大体わかった。

ん?これは・・・・・・・

 「ヤムチャよ、おまえの仲間がもうひとり来たようだ。」

 「な、仲間?それって・・・・・・」

 「ここはどこ?」

 「チャオズ!お前も死んだのか!」

チャオズと呼ばれたやつは、きょろきょろとあたりを見渡して不思議そうな顔をしておる。もっとも、ここ(あの世)に来るやつは大抵そういう反応だがな。

 すると、カトレアがこんなことを言い出した。

 「じゃあ、私は予定があるから。後のことは、頼んだわよ、キョウコ。あと、これがお酒ね。貰い物だから、遠慮しないで。」

 「まっかせてー!」

そういうや否や、カトレアは一年前と同じように腕時計を操作して、魔方陣を出して消えてしまった。全く、あれは一体どうなっているのやら。

 「さてと、話の続きでもしますか。」

 「あ。」

 「どうした、チャオズ?」

 「あの人の声、四次元ポシェットの声と同じ。」

四次元ポシェット?

 「そういわれれば・・・・・・・・・確かに!」

 「今頃気付くなんて、おっそーい!せっかくこの天才であるキョウコ様が直々に手を加えておいたっていうのに。」

 「どういうことだ?」

 「それはね・・・・・・・・でもこの辺で時間かな?」

時間?

 「それはどういう・・・・・・・・・」

 「3」

カウントを始めたぞ。

 「2」

ん?また新たな死人が来たか?

 「1」

こいつさっき特技は未来を見ることといったがまさか、

 「チャオズにヤムチャ!ここにいたのか!」

 「天さん!」

 「天津飯!」

・・・・・・・・・・・・・・・・いろいろと説明を受けたが、余計にわけのわからなくなったのはわしだけか?

                              6話へ続く

 

 




こんな駄文なので、非難批評受け付けます!






わたしだってもっとうまく書きたいんですよ・・・・・・・・・・。


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6話 カトレアの組織【後篇】

やっとカトレアとキョウコのことについて大まかな設定が書けました!


細かい設定はおいおい書きます。


~あの世~

 「つまりだ、ヤムチャ。カトレアとその仲間のこのキョウコってやつで、わかっていないことは、どこの世界から来たのか、こいつらの実力、あのよく分からない道具。そしてなぜそのことを今まで疑問に思わなかったのかの4つでいいんだな?」

 「俺としては、まだまだ疑問に思うことはあるが、そんなとこだろ天津飯。」

 おれの名前は天津飯。サイヤ人との戦闘の末、死んでしまいここに来た。

 そしたら、カトレアの仲間だというこのキョウコなるやつがいるという、よくわからない状況にいる。

 今はカトレアの持ってきた酒をヤムチャと2人で飲みながら話なしている。

 チャオズはもともと酒が弱く、酔っぱらうと超能力を暴走させて厄介なことになったことがあったからだ。仕事中だという閻魔様もこれを辞退。酔うと素が出るから、という理由でキョウコも飲んでいない。

 「あたしの実力を疑問に思っているのは意外だわ・・・・・・。」

キョウコがあきれたようにつぶやいているが、おれたちは武道家なんだ。

 実はこのキョウコというやつ、実力がうまく探れない。というより、気が一般人レベルなのに、長年の武道家としての経験が、「やばいから手を出すな」と言っている。気味の悪いやつだ。

 「じゃあ、話しましょっか。あたしの故郷、『メノリス』について。」

メノリス、か。

 「まず、この世界と大きく違うところは、発達した技術の違いよ。」

技術?

 「この世界では主に科学技術の発達してきた。でもあたしのいたところは違う。魔法によって発達してきたものなの。」

 「そもそも魔法とは何なのだ?適当に呪文を唱えるとなんでもできる、というあれか?」

おとぎ話にはよく出てくるが・・・・・・・

 「ああ、そういうのもあるわよ。(パチン)」

!な、なんだ!キョウコが指を鳴らしたら、フルコースが出てきたぞ!

 湯気を立てたスープにいかにも焼きたてのパン。新鮮でみずみずしいシーザーサラダ。メインのステーキからはにんにくの香りが食欲をそそる。そしてデザートのケーキは、つやつやに光っているザッハトルテ。チョコレートケーキの王様と呼ばれているあれだ。

 ただし1人分。

 「それがおまえの世界の魔法か?」

 「違うわよ。」

 「違うのかよ!」

ヤムチャが突っ込んだが、おれも同じように突っ込みたい気持ちだ。

 「これは魔女界って世界の魔法。魔女見習いになって特訓したのはいい思い出だわ~。でもあたしの世界の魔法は主に軍事用に開発された、この世界でいう兵器だもの。」

 「ちょっと見せてくれないか?」

兵器としての魔法、か。かなり興味がある。

 「いいわよ。じゃあ、ちょっと表へ出ましょうか。」

室内では危ないということか。

 そしておれ、チャオズ、ヤムチャの3人が出たところで魔法を使ってもらうことにした。閻魔様は、仕事が忙しいからと別の部屋へ行ってしまった。

 それでもキョウコとカトレアのことは気になるらしく、後で教えてくれと言われてしまった。・・・・・・・おれもよく分からないのに。

 「じゃあ、魔法を撃つからあたしの後ろにいてね。」

撃つ?唱えるじゃないのか?

お、指で空中に何やら円を幾つも書き始めたぞ。しかもその円なぜか光っている。

 「始祖の念と堪えぬ雷の(さえず)り」

そういうと光の円の中央から灰色のもやが現れた。

そして・・・・・・・・・

 「これでいい?」

 「あ、ああ。分かったから、もう二度と撃たないでくれ。」

ヤムチャの言う通りだ。灰色のもやが50メートルくらい飛んで行ったと思ったら、激しく光って辺りを破壊した。

 あの世にはよく分からない黄色い雲が浮かんでいるが、それをえぐって下のほうまではっきりと見えるほどの破壊力を、あの魔法は持っていた。というか、下は下で大きなクレーターができている。

 おそらく孫のかめはめ波でもあの威力を出すのは無理だろう。

 魔法を唱えるではなく撃つと表現したのも納得だ。

 「その魔法はおれたちでもできるのか?」

 「できるわよ。誰でもできるから魔法っていうの。」

 「じゃあ教えてくれ。」

できるようになれば、孫を超えられるかもしれん。

 「いいけど、実戦で使えるようになるまでには1年以上かかるわよ。」

 「そんなに時間がかかるのか!」

1つの技にそれだけの時間はかけられない。

 「では、どういう仕組みなのかを教えてくれ。」

 「仕組みはそんなに複雑じゃないわよ。空中にある、あなた達武道家が『気』と呼んでいるものを、指先で干渉、命令して、いろいろな現象を引き起こしているの。さっきは雷だったけど、水を出したり、火を出したり、糸を出すことだってできるのよ。」

 「なぁ、1年は長すぎるからもっと短期間でできるようにならないのか?」

ヤムチャの意見に賛成だ。もっと効率のいい方法はないのか?

 「大丈夫。1年以上かかるのは最初だけだから。空気中の気を干渉するって言ったでしょう?その気を見るための訓練の時間なの。・・・・・・・・・・・・・まぁもっとも、『複写眼(アルファ・スティグマ)』なら見た魔法をすぐに使えるようになるけどね。」

後半は小声だったが、しっかり聞き取れた。

 「「「『複写眼(アルファ・スティグマ)』???」」」

3人の声が見事にハモった。

 「そういう特殊な目があるの。メノリスでは魔眼として忌み嫌われ、迫害の対象になってる。」

その時の声はとても悲しそうで、何かをあきらめたような声だった。

 「もしかして、キョウコは『複写眼(アルファ・スティグマ)』なのか?」

ヤムチャが聞いた。

 「ううん。あたしは違う。でも同じ魔眼の『未来眼(トーチ・カース)』よ。未来を見ることができる。」

 「ふーん。占いばばみたいなものか。」

占いばば?ヤムチャは似たような力に心当たりがあるようだが、おれには分からない。

 「中に入ろう!さっき魔法で出した料理が冷めちゃうし。」

そういってさっさと中に入っていった。この話題にはあまり触れられたくないらしい。

 「なぜ今までカト姉やあたしが異世界人であることに疑問に思わなかったのか、ね。」

スープを飲みながらキョウコが言った。

 「あたしがつけているこの腕時計があるでしょう。」

そう。キョウコの腕には腕時計がついている。カトレアと同じものだ。

 「これには、主に2つの魔法が常に展開されているの。1つはこちらのことを疑問に感じなくなるように仕向けるもの。もう1つが意思疎通を図るための、いわば翻訳機ね。」

翻訳機。確かにこの世界と異世界の言葉が同じなんてことはまずないだろう。

 「前者が特に重要でね、前にあったのよ。異世界人という理由で人体実験されたことが。」

・・・・・・・・・・・・。

 「されたのはあたしじゃないけどね。」

ガクッ

なんか力が抜けた。

 「そういうことがあったから、今ではその魔法は展開することが義務化されているの。もっとも、命を起点にしているからあなた達死人には効果がないけど。」

まあ、魔法に関してはよく分からないが、いろいろあるんだろう。

 「さて、もういうことはないかな?」

いつの間にかデザートを食べながらそんなことを言う。

 「おい、四次元ポシェットのことがまだだぞ。」

ヤムチャの言うとおりだ。

 「ああ、それね。」

さて、どんな説明が・・・・・・・・

 「禁則事項です。」

にっこり笑いながらそういった。

 「なんだよ、それ。」

ヤムチャがあきれながらそういった。ここまで来てそれはないだろう。

 「言ったでしょ、金もうけするって。とりあえず特許を申請して、大量生産して、バンバン稼ぎまくって、カプセルコーポレーションを吸収合併したらどういう仕組みで動いているのか朝から晩までじっくり教えてあげる。」

 「いや、聞きたいのはそこじゃなくて・・・・・・・なんでおれに渡したのかってことなんだが・・・・・・・」

 「あれ?試作品だったからカト姉に試してみるように渡したんだけど・・・・・・・・。

天津飯が今持っているの?てっきりカト姉が使っているのを見たと思ったんだけど?」

 「『これを渡したら、なんか面白そうなことになりそうだから。』と言われて渡されたんだが・・・・・・・・」

 「今持ってるの?」

 「いや、家においてきた。」

戦場に持って行っても邪魔になるだけだからな。

 というか持ったまま戦場で死ぬとどうなるんだ?この世にあるのか、それとも服の一部としてあの世に一緒に持っていかれるのか?

 「ふーん。じゃあ後で勝手に回収しとくね。」

 「場所は分かるのか?」

 「大丈夫。発信機がついているから。」

ある意味大丈夫じゃないんだが・・・・・・・・・・・・・・。

 「『手を加えた』って言った。それはどういうこと?」

 「チャオズ、珍しいな。自分から発言するなんて。」

こんなことはめったにないんだが。チャオズは相当気になっていたからな、あの道具。

 「『ドラえもん』って世界の『未来デパート』ってところで道具を買って、この世界で売るために改良したの。」

 「「「・・・・・・・・・・・・・・・・。」」」

・・・・・・・もう何も言えない。説明する気がないとしか思えない。

 「もうこんな時間か。じゃ、あたしはこの辺で。」

 「おい、ちょっとまて!」

そういうや否や腕時計を操作して魔方陣を出してどこかへ消えてしまった。

 この魔法も聞けばよかったな・・・・・・・。

 「おお、おまえらちゃんと肉体を与えられているようだな。」

この声・・・・・・・・

 「神様!どうしてここに!」

ヤムチャが驚くのも無理はない。

そう、しばらく修業をつけてもらった神様がそこにいた。

 「そろそろ悟空が来る頃だと思ってな。さっき神龍(シェンロン)に頼んで生き返らせたからすぐにでも戦えるはずだ。」

あー・・・・・・・・・悪いがすっかり忘れてた。

 「兄ちゃん、早く行かないと仲間が死んじまうよ!」

 「顔すら見たことのないやつを仲間だといわれても・・・・・・・。」

これは・・・・・・

 「孫!」

 「悟空!」

 「おお、天津飯にヤムチャ、チャオズも!おめぇたち死んじまったんか!!」

 「なぁ、カカロット。もう仲間が死んだなら戦いに行く意味はないんじゃないか?」

 「なにいってんだ、兄ちゃん。まだご飯やクリリンが戦ってる。だからオラは行かなきゃなんねぇ!」

 「うっ、そういえば俺は戦いに出てはいけない病が発症・・・・・・・・・・・」

 「するわけねぇだろ。」

 「・・・・・・な、なぁ孫。そいつは?」

悟空と一緒に来た男を指を指さしながら聞く。

 「オラの兄ちゃんだ。」

 「カカロット~。せっかく生き返ったのだから、なにも地球にこだわらずにどこか別の星に2人で・・・・・・・・・」

 「そんなことしたらチチにどやされちまうだろ!」

 「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」」」」

孫とピッコロはこんな奴と死闘を繰り広げたのか。空いた口がふさがらない。

 「ここ最近兄ちゃんはいっつもこうなんだよな。ま、いいや。神様~、この世に連れて行ってくれ。」

 「カカロット、俺は別に・・・・・・・・」

 「何言ってんだ、兄ちゃん。オラも兄ちゃんも修業して強くなったじゃねぇか。」

 「ご、悟空よ・・・・・・・」

 「神様、頼む。ほら兄ちゃんもいくぞ!」

 「・・・・・・・・しっかりつかまれ。」

神様のあきらめた顔。引きずり連れていかれる孫の兄。

戦いに行ったのだろう。神と一緒に消えてしまった。

 「・・・・・・・・・大丈夫なんだろうか。」

この世界が。

 「て~ん~し~ん~は~ん~」

 

 

ゾクリ・・・・・・・

 

 

何やら悪寒が・・・・・

 「なななな何をするつもりだ、ヤムチャ?」

ヤムチャが虚ろな目でこっちを見ている。

 「抱かせてくれ。」

 「はぁ?!」

なにをいって・・・・・・・

 「そ~れっ!!」

ガッ、バタン

 「やめろヤムチャ!これは男同士がしていいことじゃ・・・・・・・・というかおまえどれだけ飲んだんだ!相当酒臭いぞ!」

 「うるせー。俺は大丈夫だ!」

 「酔っぱらいの大丈夫が信用できるか!というかさっきまで全然酔っていなかっただろ?!」

横を見ると空になった酒瓶。

さっきおれが見た時にはまだ半分以上残っていたはずなのに。

やばい。これはいろいろやばい。

 「天さんになにをするきだ!こうなったらぼくが先に・・・・・」

 「チャオズまで?!ちょ、ヤムチャ、ズボンを脱がすな!」

だれか、助けてくれ!!

 「ほぉ~。ずいぶんと楽しんでいるじゃないか。」

 「ピッコロ!頼む、助けてくれ!」

そう、そこにはピッコロがいた。

 笑いながら。

 ただ、目が笑っていなかった。

 「このオレ様がお前達地球人のために死にもの狂いで戦っていたというのに、お前達は、あの世で、お楽しみの真っ最中、というわけか。」

 「こ、これは誤解だ!まてチャオズ!超能力で服を脱がせようとするな!!」

ブチン

確かにそう聞こえたような気がした。

 「お前らもういっぺん死ねえええええええええええええええ!!!」

 前門のチャオズ。後門のヤムチャ。舞空術で逃げようにも空にはピッコロって感だな・・・・・。

 「魔貫光殺砲!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 「「「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のちにヤムチャはこう語る。

 「あの時ピッコロにふっとばされていてよかった。」

と。

 

 

                        7話へ続く

 




これからは、ドラゴンボール以外の、ほかの作品をもとにした力や技術をここに書いていこうかと思っています。


複写眼(アルファ・スティグマ)未来眼(トーチ・カース)、始祖の念と堪えぬ雷の(さえず)り:伝説の勇者の伝説

四次元ポシェット等の道具:ドラえもん


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7話 サイヤ人との戦い

戦闘描写が苦手で・・・・・・・





~宇宙船内~

 「まいったなあ・・・・・・まだ7日目よ・・・・あと20数日・・・・・。

長期睡眠装置でも作っておけばよかったわ~~~~~。」

わたしの名前はブルマ。この宇宙船を改良した人の1人。もう1人はもちろんブリーフ博士(パパ)

 今わたしは悟飯君とクリリンと一緒にナメック星へ向かっている。死んだ仲間を生き返らせるために。

 「あんたたち、またイメージトレーニング・・・・・・・?いいわねえ、ひまつぶしできて。」

まあもっとも、わたしにはあぐらをかいてうんうんうなっているようにしか見えないけど。

 「やるなあ!やっぱ強いよ、お前は。悟空の血を引いて、ピッコロに特訓してもらったんだもんな!」

 「でも、クリリンさんの技の多さにはびっくりしました!」

まったくこの脳筋バカどもは・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・チチさん大丈夫かしら?

 「ねえ、そういえば思ったんだけどさ、」

 「「?」」

わたしは今までずっと疑問に思ってたことがある。それは・・・・・・・

 「なんで孫くんのお兄さんとかいうラディッツを地球においてきたりしたの?サイヤ人だし、すっごく強いんでしょう?」

まさか亀ハウスで『ここに100人の死体を置いておけ』なんて言ったやつが仲間になったのはかなり驚いたけど、あの孫くんとピッコロが2人ががりでやっと倒した相手なんだし、貴重な戦力のはず。なのに二人ともナメック星へ行く人を決めるときに、『絶対にラディッツ(おじさん)とは行きたくない』なんて言うんだもの。

 「だって・・・・・・・・ねぇ、クリリンさん。」

 「まぁ、そうだよな。あの世ですげえ修業をしたみたいだし、前に亀ハウスで会った時より比べものにならないほど強くなっていた。でも、」

でも?

 「「あの弱虫は正直勘弁してほしい。」」

 「弱虫!?あの人が?亀ハウスでは、こう、すごかったじゃない!」

亀ハウスで会ったときは、孫くんに対してものすごい威圧感を出していたし、戦いが終わってから会ってみた時は無口な人って感じだったけど・・・・・・・・・

 「亀ハウスの時はかなり例外だったみたいですよ、ブルマさん。」

 「本当なの?クリリンくん?」

 「ええ。ラディッツ本人が『初めて会う弟にいいところ見せたかった』って言ってましたし、あの2人とのサイヤ人、ベジータとナッパも『あんな強気のラディッツの声は、スカウターごしとはいえ、初めて聞いた』っていってましたもん。」

へえ~、あの2人のサイヤ人の名前ってベジータとナッパっていうんだ。

 ん?ちょっとまって。

 「じ、じゃあ、ありのままのラディッツって・・・・・・・・・・・・」

 「戦いたくない。痛いのやだ。隙あらば逃げる。って感じでしたよ。戦いの中では。」

 「ぼくは将来あんな風にはなりたくないです・・・・・・・・・・・。甥としてなんだかものすごく恥ずかしかったです。」

・・・・・・・・・・・さんざんな言われようね・・・・・。

 「その性格を知ってるから、ベジータとナッパはあんなことをいったんだと思うぜ。」

 「あんなこと?」

 「『ラディッツと一緒にいるのは大変だぞ』って。ものすごい憐れみを受けました。ぼく、憐れまれるのがあんなにも辛いものだとは知りませんでした。」

 「オレだってそうさ。」

 「そのあとに、『次に地上げする星の邪魔になるから地球へ送ったんだ』とか、『ラディッツの甥でしかもまだ子供なのに、よく戦場で立っていられるな』っていう発言もありましたよね、クリリンさん。ぼくあの時泣きそうになりましたよ。」

 「そのあとラディッツが落ち込んでデカい図体なのに体育座りでうじうじし始めた時は、殴り飛ばしてやりたくなった。」

なんかクリリンくんが腕を組んでうんうんうなずいてる。

 「それからの悟空のセリフ『あ~、2人も、兄ちゃん連れてどっか遠くへ行ってくれ。オラ1人で戦う。』にはいかに使えないやつなのかよく分かったよな。悟空は戦力としてラディッツを連れら来たわけじゃなくて、オレたちのボーディーガードとして連れてきたみたいだし。」

 「あの時のお父さんの顔は普段見たことのないあきらめた顔でした。それからあのサイヤ人が大猿になった時も!」

 「そうそう、まさかラディッツも大猿になって理性を失うとは思はなかった。」

 「大猿って、天下一武道会の孫くんみたいに?」

それって一大事じゃない!

 「それで、サイヤ人がが『ここは一時休戦だ。ラディッツを倒すぞ。』って・・・・・」

 「まさかオレも仲間を倒すために敵と一緒に戦うとは思わなかった。」

 「えっ!じゃあ今はあの2人のサイヤ人と仲間なの?!」

ラッキーじゃない!もう地球がねらわれることがないってことでしょ!

 「いや、ベジータがナッパを殺したからその時はサイヤ人は1人で、ラディッツを殴り飛ばして気絶させた後、また敵になって戦ったんですよ、ブルマさん。」

 「あのサイヤ人の話によると、おじさんは5回に4回は理性を失うって言ってましたよ。」

 「・・・・・・・・・・・・・それでそのあとは・・・・・?」

 「ベジータってやつはそりゃあもうすっげえ強くて、ブルマさんも見たでしょう?悟空がボロボロになったのを。まあ、なんだかんだでベジータを地球から追い払うことができました。」

なんか話を聞く限りじゃ、ラディッツがいかに弱虫なのかってことしかわからなかったわね。

 「でも強いことには変わりないんでしょう?ラディッツが大猿になった時、ベジータってやつが一時仲間にならなきゃ倒せないほどのパワーを持っていたってことなんだから。」

 「そうでもありませんよ。」

 「クリリンくん、どういうこと?」

 「ベジータが言ってたんですよ。『大猿化は身体能力の急激なパワーアップ。本来なら15倍の力が得られるが、理性を保つためのパワーも必要だから10倍のパワーアップになってしまう』って。15倍のパワーアップでようやくベジータと互角。だけど実戦で仲間に攻撃するかもしれないようなパワーアップは正直かなり迷惑なので、おいて来たってことですよ。」

 「ぼくとしては、身内の恥をさらしたくないっていうのもありますけどね。」

悟飯くんの発言を聞いてなんかクリリンくんがにやにやしてるわね。

 「あっれ~?ナッパと戦ってた時に『ぼくこわい~』って攻撃できなかったのはどこのだれだったかな~?」

 「ク、クリリンさん!ぼ、ぼくはもうあんなことしませんよ!!絶対におじさんのようにはなりませんからね!」

 「どうだろうなあ~?」

 「クリリンさん!」

なんか言い争いを始めたわね・・・・・・・・・・・。

・・・・・・あ~あ。早くナメック星へつかないかしね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

                            8話へ続く

 




つぎはいよいよフリーザ編です。


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バイキンマンがフリーザに転生したようです
8話 フリーザ編プロローグ


他の小説を読んでみましたが、やたら転生ネタが多いですね。
転生ネタを書く人の気持ちがわかりません!



というわけで、自分も書いてみました。

・・・・・・二番煎じどころか五番煎じぐらいになっていると思いますが。


~宇宙船内~

 そこは空虚な部屋だった。薄暗く、わずかな音でも響いてしまうような部屋だった。

 その部屋の静寂を破るかのように1人の男が入ってきた。

 「フリーザ様!」

その男は美しかった。だが、明らかに地球人ではなかった。

 「なんです?ザーボンさん?」

フリーザと呼ばれた者がそこにいた。部屋には先客がいたのだ。

 体は黒く、手足だけが紫。顔の半分が口にもかかわらず、唇がなく歯が丸見え。頭からは二本の角、お尻から延びる黒い尻尾は見る人によっては悪魔にも見える。そして背中には一対の羽があった。

 彼もまた人ではない。

 「どういうことですか?!ナメック星の仕事が終わったら私がコルド様のもとへ異動するというのは・・・・・・・・・・・・!」

丁寧な言葉遣いだが、彼――ザーボンが怒っているのは明白だった。

 「いいじゃありませんか。あなたは強い。それこそわたしみたいな弱い者ではなく、パパのように強いものの下について働くべきです。その方があなたはより強くなり、よりよい待遇を受けられるでしょう。そのことの何が・・・・・・・・・・・・・・」

 「そういうことではありません!」

怒鳴るようにさえぎった。

 「私は今まであなた様に、あなた様だけに使えてきました。今更ほかの者に使えようとは思いません!」

その言葉にフリーザは何かを考えているようだった。しかしその表情からはザーボンの意思をくみ取ろうということはなかった。

むしろどう説得しようかと考えている顔で――――――

 「・・・・・・・・もしかすると、急に手術でお体をそのお姿に変えられたことと、なにかご関係が・・・・・・?」

するとフリーザは肩をすくめてこう言った。

 「あなたには隠し事ができませんね。」

 「私はあなた様のご幼少の頃から仕えているのですよ?隠し事はなしです。」

その言葉にフリーザは笑いながらこう答えた。

 「フフ、なつかしいですね。あの頃はわたしよりもあなたのほうが強く・・・・・・」

 「話を逸らさないでいただけますか?」

 「逸らしてなんかいませんよ。そういえば地上げ先でよく嫌がってわたしは泣いていましたね。なんて言ったのか覚えています?」

 「・・・・・・・・・アンパンマンにやっつけられてしまう、と。ですが所詮は子供の戯言。何の関係が・・・・・」

 「アンパンマンはいますよ。ただし、別の世界にね。」

 「・・・・・・・・どういうことですか?」

フリーザは続ける。

 「わたしには前世の記憶があるんですよ。ただその前世の記憶と今の人生の記憶が、子供の頃はごちゃごちゃになっていましてね。前世の記憶を『前世の記憶』と認識するのに時間がかかってしまいました。」

 「・・・・・・・・・・。」

ザーボンは答えない。

フリーザは続ける。

 「前世で私は殺されたんですよ。そのアンパンマンにね。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・!」

ザーボンが息をのむ。フリーザは続ける。

 「いつものように『アンパンチ』という右ストレートが当たりましてね、吹っ飛ばされたはいいが体は動かない。しかも運悪く落ちた先が水の中。気が付いたら、常識も違う、知っている人もいないという、この世界にいました。」

 「・・・・・・・・・・・。」

「前世ではね、わたしは弱かった。だけどそんな事が些細なことだった。それ以上に辛いのは1人だったことです。

 ばいきん星から卵で1人。親や兄弟もいなかった。他とは相容れない異質な存在。町へ出るときはばれないように変装していましたよ。

 だからこそかな、わたしは世界を征服しようとした。」

 「・・・・・・・・・。」

 「そんなときにね、彼女に会った。わたしと同じ存在立場である彼女に、ね。彼女もまたひとりだった。だから一緒に暮らすようになった。彼女はとてもわがままで、いつも振り回されていた。でも、わたしには、彼女しかいなかった。」

 「・・・・・・・・・・その、彼女の名前は?」

 「ドキンちゃん、そういいます。」

 「ドキンちゃんのことを好きだったのですね。」

 「好き、好きね。そうだったかもしれませんね。でも片思いでしたよ、ドキンちゃんには好きな人がいましたから。それでも・・・・・・・」

フリーザは続ける。

 「それでも彼女に会いたい。」

それはフリーザの、心からの『願い』だった。

 前世では互いに必要としていた存在。たった1人の理解者。アンパンマンを倒すために一時手を結んだ者もいたが、それはあくまで『同盟』であって、『仲間』ではなかった。

 「ナメック星のドラゴンボールが本当に何でも願いを叶えることが出来るのなら、ドキンちゃんのいる世界へ帰る。それが目的です。

でも、顔、しゃべり方、自分の力。前とはすべて変わってしまった。パパから宇宙の支配者にふさわしいしゃべり方は、ふるまい方は・・・・・・・・とかいう教育を長い間受けてきましたから。だけど見た目だけでもと思い・・・・・・・・・・・」

 「それで手術なさったのですね?」

フリーザの黒い姿を見て聞く。

 「ええ。その通りです。問題ありませんよ、第二形態からは手術前とまるで変わりませんから。」

 「しかしフリーザ様、それは一族を裏切る行為ではありませんか?帝王であるあなたがいなくなることは・・・・・・・・・・・」

 「確かにパパや兄を裏切る行為ですね。でもわたしははなから帝王の地位に興味はないんですよ。第一、宇宙の支配なんてわたしじゃなくても、誰でもできます。」

その言葉にザーボンは驚愕の表情を見せる。

 「な!あれだけ積極的に星の侵略を行い、我々の技術を大幅に進歩さてきて、その功績がコルド様に認められ、やっと帝王になられたというのに!」

フリーザには一族とは違った才能、発明の才能があった。誰に何を教えられたわけでもなく、フリーザは作れてしまった。特に武器に関してはその才能が特にあった。それは前世でアンパンマンを倒そうとしてきた知識と経験のおかげだった。

 そしてそのおかげで兄、クウラより実力の劣るフリーザが帝王の地位についたのだった。

 「星への侵略なんてどうでもよかったんです。肝心なのは技術の習得。別の世界へ行くためのね。」

その言葉にザーボンは押し黙った。

 「でもそんな技術はなかった。だからベジータたちの話を聞いてナメック星のドラゴンボールなら何とかなるのでは、と思いましてね。

 だからザーボンさん、この星でお別れです。」

 「フリーザ様・・・・・・・。」

 「心配しなくても大丈夫ですよ。あなたの実力ならパパの下でも十分活躍でき・・・・・・・」

 「フリーザ様!」

 「・・・・・・・・・・なんです?ザーボンさん。止めるというならわたしだって容赦は・・・・・・・・」

 「私をさっき言った別の世界へ、一緒に連れて行っていただけませんか?」

 「な、何を言っているのか分かっているのですか!別の世界へ行くのですよ!もうこの世界へは帰ってこれな・・・・・・・・」

 「だからこそです。」

ザーボンはにっこり笑いながらこう言った。

 「こっちの世界を思い出すときの話し相手ぐらいにはなりますよ。」

ザーボンにとっては未知の世界。この世界へはもう戻ってこれない。なのに自分についてくるという。だからフリーザはこう言った。

 「本気ですか?」

 「ええ、本気です。フリーザ様にはドキンちゃんが必要なように、私にとってもフリーザ様が必要ですから。」

その言葉がうれしかった。だから答えた。

 「わたしに・・・・・・・・」

 「話は聞かせてもらいましだぜ。」

フリーザの言葉をさえぎった者がいた。

 「誰です!」

 「オレですよ、フリーザ様。」

 「ドドリアさん・・・・・・・・!」

でっぷり太ったピンク色の体に頭はとげとげの、ドドリアがそこにいた。

 「フリーザ様に、なぜこの仕事が終わったらコルド大王様のところへ異動しなきゃならないのか聞こうと思ったら・・・・・・・・・別の世界、そういうことか。」

どうやら全て聞かれていたらしい。

だからフリーザはこう言った。

 「ドドリアさん、このことはどうか内密に。」

 「フリーザ様とザーボンはナメック星で死にました。」

その言葉にザーボンが反応する。

 「ドドリア、貴様っ!」

瞬間、一気に殺気立つ室内。

フリーザとザーボンのやろうとしていることは一族への裏切り行為。ドドリアはフリーザとザーボンを殺そうとしている。フリーザもザーボンもそう思った。

 しかしドドリアはこう言った。

 「って報告する役目が必要でしょう?別の世界へ行くのなら。コルド大王もクウラ様もバカじゃないんだ。下っ端の兵士がどんなに言っても信じてもらえないことでも、フリーザ様の側近であるこのオレなら信じてもらえますよ。」

 「ドドリアさん・・・・・・・!」

 「オレはフリーザ様のおかげで家族も、そしてこのオレ自身も路頭に迷わずにすんだんですぜ。恩を仇で返すようなまねはしませんよ。

このドドリア、フリーザ様の最後のお仕事全力でサポートさせていたたきますぜ。」

こんなフリーザの、自分のわがままにいやな顔せず、喜んで手伝うという。

 「・・・・・・・・・・フ、フフフフフフ。」

フリーザは突然笑い出した。

 「フ、フリーザ様、いかがなされたので?」

訊ねたザーボンにフリーザはこう答えた。

 「いえね、わたしは恵まれているなあと思いましてね。

 親、兄弟、信頼できる仲間、世界征服。どれも前世では手に入らなかったものですから。わたしは世界一の幸せ者ですよ。」

けど、この世界にドキンちゃんはいない。

 「だから、無理について来なくてもよいのですよ、ザーボンさん。わたしの幸せはあなたの幸せも含まれているのですから。」

その言葉にザーボンは、

 「世界一の幸せ者が望む世界ですか。フリーザ様、私のことが邪魔ですか?」

 「邪魔なわけあるわけないでしょう!」

ザーボンはいつもフリーザの側近として、戦友として、そしてある意味家族としていつも共にいてくれた。

 そんな彼を邪魔なわけ、なかった。

 「でしたら、私はあなた様の、世界一の幸せ者の望む世界を見てみたい。」

 「ザーボンさん・・・・・・・・!」

 「もう一度お伺いします。」

そういうとザーボンはひざを折った。

 「一緒に連れて行っていただけますか?」

フリーザの答えは決まっていた。

 「もちろんです。一緒に行きましょう。」

フリーザはザーボンに手を差し伸べた。

 「はい!」

二人の手が触れ合い、ザーボンは立ち上がる。

 「ではナメック星に着くまであと五日。それまで二人ともよく休んでおくように。」

 「「は!」」

部屋から二人は出ていった。

 部屋から出ていった二人は、こんな会話をした。

 「なあ、ザーボン。お前、フリーザ様の子供の頃を知っているんだよな?」

 「ええ。それがどうかしましたか?」

ドドリアは思い切って聞いてみることにした。

 「・・・・・・・・・・お前、何歳だ?」

瞬間、ザーボンの気配が変わった。

 「ねえ、ドドリアさん。私の年を知ってしまった者たちの末路を知りたいと、そういうことでいいんですね?」

かつて子供の頃のフリーザでも恐れて泣き止んだという極上の笑顔を見せながら(・・・・・・・・・・・)ドドリアに聞く。

 「・・・・・・い、いや、オレが悪かった。もう聞かない。」

恐怖で全身からの汗が止まらない。

 「分かればいいのです。

 それよりもずいぶんと汗をかいていますね。シャワーでも浴びたらどうですか?」

 「・・・・・・・・・・・。(こいつは怒らせないほうがいい)」

そんな彼らを乗せた宇宙船はナメック星へと向かう。

 

                             9話へ続く

 




すみませんでした。
転生ネタは書きやすかったです。
気持ちがわからないといってごめんなさい。


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9話 昔話 その一

次どの場面を書こうかと考えた結果この始末★


~???~

 その部屋に一人の人物が入ってきた。おかっぱの緑色の髪をした少年だった。ただその少年は美しく、時折女性に間違えられることもある。

 「今日からあなた様のお世話をさせていただきます。『ザーボン』といいます。よろしくお願いしますね、フリーザ様。」

その声にフリーザは返事をする。

 「・・・・・・・うー?」

|フリーザと呼ばれたまだ五歳にもなっていないであろう子供は《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》意味がよく分からなかったらしく、首をかしげている。

 ザーボンはフリーザの遊び相手と教師の役目をコルド帝王(・・・・・)から任されたのだった。

 「フリーザ様、お勉強の時間までまだだいぶあります。それまで私と一緒に遊びましょうか。」

 「・・・・・・あそぶって、なんだ?」

このころのフリーザはまだ遊んだことがない、いや、自由に動くことを許可されていなかった(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 けど、これはいけない。宇宙の支配者がこんな話し方ではいけない。なら、そのことを教えるのがザーボンの、自分の役目だ。

 「フリーザ様、宇宙の支配者の一族であるあなたがそんな言葉を使いしてはいけません。『遊ぶとはどういう意味でしょうか』というのですよ。」

 「うー?」

ザーボンは眉をひそめた。多少予想していたとはいえショックだった。

 普通の子供ならば知っていることをあまりに知らなすぎる。

 だが、それは当然といえば当然といえた。フリーザは宇宙を支配する最強の一族の一人。だから一族は物心つくまで自由に動くことが許されない。一族の立場上、会える者も限られている。

戦闘力に関していえば父親のコルド帝王や兄のクウラに劣るとはいえ、生まれた時から戦闘力は三千を超え、今では一万二千にもなっている。本人にその気がなくても、周りの人を傷つけてしまう。

 「『遊ぶ』というのはですね、楽しいことをするという意味なのですよ。」

 「たのしい、こと?」

 「フリーザ様、そういう時には『楽しいこととはどういう意味でしょうか?』と聞くのですよ。」

 「・・・・・・・うー?」

言っている意味が分からなかったらしく首をかしげている。

 「さあ、私の後に続いて言ってみてください。『楽しいこととはどういう意味でしょうか』さあ、どうぞ。」

 「・・・・・たのしいこと、とは、どういういみ、で、しょう・・・・・か?」

 「それはですね・・・・・・・・」

ここでザーボンははたと気が付いた。言葉遣いを気にしすぎていて、自分も遊ぶ、楽しいことの意味を知らなかったからだ。

 フリーザの一族が代々宇宙を支配する一族なら、ザーボンの一族はフリーザの一族に代々仕える一族。そのためザーボンは自身も子供の頃から毎日フリーザの一族に仕えるための訓練で、ほとんど『楽しく』『遊んだ』ことがなかった。

 「・・・・・・・うー?」

黙ってしまったザーボンをフリーザは不思議そうに見上げた。

 「・・・・・・・・・楽しいこと、というのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

言葉が続かなかった。

 そのときザーボンは思い出した。かつて自分も似たようなことを言って周りの大人を困らせたことを。だから自分がかつて言われたことをそのまま言った。

 「フリーザ様、あなた様は何をしているときが一番わくわくしますか?」

 「・・・・・・・う?・・・・・う~ん・・・・・・・・・・・・ごはんを、たべるとき!」

その時のフリーザは他の人と変わらない、ごく普通の子供の笑顔だった。

 「フリーザ様、それが楽しいことです。」

 「ごはんを、たべるとき、たのしい!」

ぴょこんと立ち上がってザーボンの周りをクルクル回りだした。

 「たのしいこと、するなら、ごはん、たべる!」

ザーボンは思う。きっとこの子供は食事をする時ぐらいしか人と接する機会がなかったのだろうと。

 「では、お食事にしましょうか。」

 「うん!・・・・・えーっと・・・・・・・・・・・」

 「私のことは『ザーボンさん』と呼べばいいんですよ。」

 「ざーぼんさん!ごはん、たべる!」

 「はい。今から用意しますね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 思い出すのはそんなやり取り。その時に撮った写真を見ながらザーボンは「大きくなられた」とつぶやいた。

 「・・・・・・間もなくナメック星。到着予定まであと十分。間もなくナメック星・・・・・・・・」

宇宙船に流れたアナウンスにもうそんな時間かと気付く。

 これから自分はナメック星に行く。そしてそのままフリーザ様の望む世界、『異世界』へ行く。異世界など他の人が聞けば夢物語だったろう話も、付き合いの長い自分なら本当のことを言っていたのだとすぐに信じた。

 そして手に持っているフリーザとザーボンが初めて一緒に食事をした時の写真を懐にしまった。

 「さて、ナメック星へ行きましょうか。」

                              10話へ続く

 



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10話 昔話 その二

遅くなってしまいました・・・・・・・。
正直、大学のレポートを甘く見てた。

その代わりいつもより多いです。本当はもっとコンパクトにまとめるはずだったのに・・・・・・・




~???~

 そこはいくつもの鉄くずや工具が乱雑に置かれていた。そんな部屋の中央に置かれていたものは紫色の丸い円盤―――俗にUFOと呼ばれる乗り物だった。

 そしてそのUFOを開発していたのは白と紫の色をした宇宙人(ただし、頭には二本の黒い角、腕はピンク色)部下たちから「フリーザ様」と呼ばれている、後に宇宙の支配者と呼ばれる者だった。

 しかし、この少年のフリーザは(・・・・・・・・)すでに支配者としての風格を漂わせ始めている。

 「・・・・・・・と、ここを締めてっと。こんなものでしょうか。」

 「フリーザ様。」

フリーザに声をかけたのは、肩までかかった緑色の髪を後ろでちょこんとくくったザーボンだった。

「どうしました?まさか、学習装置(ラーニング)のテストでなにか誤作動でも起こしましたか?」

学習装置(ラーニング)―――それはフリーザ自ら設計、開発した発明品だった。その効果はなんと人工的に、脳へ直接知識や記憶を与えるというものだった。

 「いえ、全くありません。今のところとても順調です。あとは赤子でも後遺症なしに安全に使用できると証明されれば、実用化できます。」

そう、この装置は後に惑星ベジータで赤ん坊がほかの惑星へと送られる時に使われる装置だった。

 だがフリーザの族が惑星ベジータを発見するのはもう少し先のお話。

 「それはよかったです。わたしは常々子供にかける教育の時間が無駄だと思っていましたからね。

 ところで・・・・・・・・やっぱり自分のこと『おれさま』っていっちゃだめなのか~?」

さっきまでの支配者としての風格はどこへやら。今のフリーザはまるで駄々をこねる子供だった。そんなフリーザを呆れたように見ながらザーボンはこう言った。

 「フリーザ様、常々申し上げておりますでしょう?支配者の一族たるものそれなりの品格、教養、しゃべり方を身に付けなければ。コルド様からも言われているでしょう?」

 「でもなー、おれさまあんな言葉遣いすると、体がむず痒く・・・・・・・・・・」

 「でももなにもありません!・・・・・・・・・全く、二十年前からお仕えして言葉遣いを教えているのにどうしてこうなったのやら・・・・・・・・・」

この時のザーボンは、ばいきんまんがフリーザに転生したのだということを知らなかった。

 だからフリーザはこう言った。

 「で、でもおれさまは、」

 「自分のことは『わたし』です。」

 「わたしはそっちの方のしゃべり方の方がしっくりくるというか・・・・・・・・・・」

この時はフリーザ自身も自分が転生者だということをまだよく分かっていなかった。

 その時、ザーボンの気配が変わった。

これは・・・・・・・殺気だ。

 「フリーザ様・・・・・・・・・・」

そしてザーボンは極上の笑みを浮かべながら(・・・・・・・・・・・・)こう言った。

 「それ以上なにか言ったら、コルド様に報告をしますよ。」

その言葉にフリーザは震えながら、

 「パ、パパにだけは言わないでくれええええええええ!」

 「フリーザ様は言葉遣いが悪いですねえ。やっぱり、ここはコルド様に・・・・・・・」

 「・・・・・・・・わたしが悪かったです。どうか許してください。」

その言葉にザーボンはこともあろうにすっとぼけながらこう言った。

 「私が?フリーザ様を、許す?なにを言っているのですか、フリーザ様?私はあなた様の部下ですよ。逆はあっても、私がフリーザ様を許す、なんてことはありません。」

そのあまりにも白々しい物言いに、フリーザは丘に打ち上げられた魚のように口をパクパクさせることしかできなかった。

 「ところでフリーザ様、その後ろにある機械はなんなのですか?」

ザーボンはさっきまでフリーザがいじっていた紫色のUFOを指さしながら聞いた。

 「・・・・・・・・・・あ、ああこれはUFOですよ。自分でもなんでだかわかりませんが、こういう乗り物に乗りたくなりましてね。」

 「さすがフリーザ様です。思い付きで簡単にほかの人にはまねできないような発明をなさるとは。」

 「ところでザーボンさん、例の技術がある星は見つかりましたか?」

 「パンに命を吹き込む技術がある星、でしたね。申し訳ありません。総力を挙げて捜索してはいるのですが・・・・・・・・・」

 「・・・・・・・・・・そう、ですか・・・・・・・・。」

がっかりしたようにつぶやく。

 「フリーザ様、その星には一体何があるのですか?」

 その言葉にフリーザは、ばつの悪そうな顔になってこう言った。

 「それが、自分でもよく分からないのですが・・・・・・・・・・そこに大切な人を置いてきたような気がしまして・・・・・・・。」

 この頃のフリーザは、まだドキンちゃんのことをよく思い出せていないときである。

 「と、ところでザーボンさん。もう変身して戦闘力を8万まで落とすことが出来るようになりましたよ。これならもう外へ出ても大丈夫ですよね?」

 フリーザの一族は他の種族と違い強力な力がある一族。だから動くことはもちろん外に出歩くことでさえ変身して戦闘力を落とさないと、自由に動いたりすることは許可されていなかった。(もっとも、コルド帝王のように自分より強いものがそばにいれば出歩くことはできた。)

 修業して強くなろうと努力している者からしてみればとんでもない話である。自分の力を落とすために(・・・・・・・・・・・)修業しているのだから。

 「上出来です。そういうことを言い出すということは、どこか行きたい星でもあるということですね?」

にっこり笑ってザーボンはそういったのだがフリーザは、

 「別にここが行きたいということではないのですが・・・・・・・・そうですね、強いて言えばこのUFOの試運転に適した場所へ行きたいですね。」

といった。

 その言葉にザーボンはうなずいてこう提案した。

 「そうですか。では、新しく支配下にはいった惑星『トロピカル』へ行きましょうか?」

 「トロピカル・・・・・・・?それはどんな星なのですか?」

 「それが、かなり不可解なところがある星で・・・・・・・」

 「言ってみなさい。」

 「文明の発達した跡があるのに人っ子一人いなくて、その星のお墓と思われる場所があたりを埋め尽くすほどにあったのです。」

話を聞く限り不気味な惑星である。けれどフリーザは首を傾げながらこう言った。

 「別に不可解でもなんでもないじゃありませんか。繁栄していた惑星が何らかの理由により滅びた、ということでしょう?というか、その状況なら『支配した』というよりも『開拓した』という言葉の方が正しいでしょう?そんな星は少なくないそう教えてくれたのはザーボンさん、あなたじゃありませんか。」

その言葉にザーボンは全く悪びれもせずにこう返した。

 「申し訳ありません。では、その星へ行くということでよろしいですね?」

その答えは決まっていた。

 「もちろんです。」

 

というわけで、二人は惑星『トロピカル』へと出発した。

 

 

~惑星トロピカル~

 お目当ての星に降り立ったフリーザとザーボンは茫然としたようにこう言った。

 「た、確かに・・・・・・・・・お墓だらけですね・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・・・私もまさかここまでとは・・・・・・・。」

惑星トロピカル。墓だらけというのは誇張でもなんでもなかった。

 フリーザとザーボン(あとは部下数十名)とともにトロピカルの荒野と思われる場所に降り立ったのだが・・・・・・・・・・辺り一面には、こんもり盛り上がった土に十字に交差された木の棒と、典型的な墓が辺り一面に、何百、いや、何千とあったのだった。当然フリーザたちの乗ってきた宇宙船の下にもつぶれた墓があった。

 「フリーザ様、ザーボン様、申し訳ありません!前回偵察に来た時にはここはただの荒野だったのですが・・・・・・・・・」

一緒にきた数十人の部下の一人、部下の一人がそういって謝ってきた。

 「当然でしょう。謝る必要はありません。」

墓の土を手に取って調べていたザーボンが言う。

 「どういうことです、ザーボンさん?」

 「この辺りにあるお墓はごく最近に作られたものだからです。しかも土の渇き具合からして半日もたっていないでしょう。」

 「ではまだ生き残りがいて、そのものがこのお墓を作ったと?」

 「そう考えるのが自然かと。」

 「スカウターに大きな反応は?」

 「五千を超える反応が一つしかありません。」

 「少なすぎる・・・・・・まさか・・・・・・・・・・・・・・!」

普通に考えるのなら、スカウターに反応した者がこの星にいる者たちを殺した。そう考えるのが妥当だろう。

 そう、普通に考えるのなら。

 フリーザはこのときはまだ若輩者とはいえ、多くの部下の命を預かっている身だ。

 だから『最悪の可能性』を考え、後ろに控えていた部下たちに命令した。

 「みなさん、一刻も早くこの星の生き残りを探し出すのです!もしもこの星に住む者がなくなった原因が何らかの伝染病や病気だとすれば、わたしたちも感染している可能性があります。」

 新しく発見された星での伝染病。それは星を地上げしてほかの異星人へと売るという仕事をしているフリーザたちにとってみれば、もっとも恐れていることだった。

怪獣など、力で倒せる相手など問題ない。この宇宙にはフリーザの一族を超える力を持つものなどいないのだから。

しかし、細菌やウイルスなどは話が別。ワクチンを持っていれば問題はないのだが、もしなければ・・・・・・・・・・・・・・そう。実際にあったのだ。伝染病によって地上げしようとした者たちが全滅したということが。

部下たちはようやくことの重大さがわかってきた。とたんにパニックにおちいる。

 「こ、この星にいたら死ぬうううううううううううううう!」

 「こんなところで死ぬのは嫌だああああああああああああああ!!」

 「オレ、生きて帰って来れたら結婚するんだ・・・・・・・・・あはははは・・・・・・。」

 「こうなったら隣にいるコイツを生贄にして・・・・・・・・」

 「・・・・・・・・・もういっそ自爆このバカを殺そうか・・・・・・・?」

阿鼻叫喚の地獄絵図だった。

 「お静かになさい!」

ザーボンが一喝した。

とたんに静かになる。

 「A班、B班、C班は生存者の捜索。残ったD班、E班はお墓を掘り起こして死体の検分を。とにかくこの星の者たちが死んだ原因となる情報を集めるのです。」

 「「「「「「は、はいっ!」」」」」」

部下たちはバタバタと作業を始めた。

その様子に感心しながらフリーザは言う。

 「すごいですねえ、ザーボンさんは。」

フリーザは抜群の統率能力を持つザーボンに感心した。

ザーボンも、フリーザの一族に仕える一族として多くの部下を持っていた。だからこそできたことだった。

 「フリーザ様、申し訳ありませんでした。」

そう言ってザーボンはフリーザに頭を下げる。

 「・・・・・・・・・・・・。」

フリーザは何も言わない。

 「まさかこの星がこのようなことになっていようとは・・・・・・・・・こんなことならこの星へ来ようとフリーザ様を誘ったりしませんでしたのに・・・・・・・・・・・!」

 「全く、本当ですよ。」

フリーザをよく知らない者はこのときのフリーザを冷静だと判断するだろう。

しかし付き合いの長いザーボンは、フリーザが怒っているとはっきりわかった。

 「・・・・・・・・・・・。」

 「知っていますか?わたしの一族は他の種族と違って体が病気に対してもそこそこ丈夫にできているんでよ。」

 「・・・・・・・・・・・・。」

 「でもザーボンさん、あなたは違うのですよ。もっとご自分の体を大切になさってください。」

 「・・・・・・・・ありがとうございます。フリーザ様!」

ただザーボンは、フリーザが後ろを向いてしまったので、そう言ったときのフリーザの表情を見ることが出来なかった。

 その時だった。部下の悲鳴が聞こえたのは。

 「何事です!?」

 「フリーザ様、襲撃です!何者かが我々を襲って・・・・・・・ぎゃあああああああああ!」

そう叫んで倒れる部下。倒したのは肌がピンク色の一人の少年だった。ただ、年の割に大きな体をしているので、それ以上の年齢にも見えるだろう。

 「お前ら・・・・・・・オレの仲間が眠っている場所になにしてくれてんだ!!」

そう言って墓を掘り起こしていた者たちを次々に殴り飛ばしていく。雑魚ではないだろう。

 「生き残りが向こうから来てくれましたか・・・・・・・・・・ザーボンさん!」

フリーザがそう言った瞬間、ザーボンはあっという間にピンクの少年をとらえた。

 「は、離しやがれ!」

 「フッ、たかだか戦闘力七千が戦闘力一万九千の私にかなうわけないでしょう?」

どうやらさっきの大きな反応はこの少年だったようである。

そしてフリーザが進み出た。

 「別にわたしたちはあなたを取って食おうとしてるわけではありません。」

 「な、なんだと!?勝手に他人の墓を荒らしやがって・・・・・・・・・・・・・・!」

 「えっと・・・・・・まあこれは仕方なくやったことなのですけど・・・・・・・。」

 「なんだと!!」

警戒心を解かないピンクの太った少年。困り果てるフリーザ。

そして、最悪のタイミングで墓を掘り起こしている部下たちが叫ぶ。

 「ヒャッハーーーーー!この死体は新鮮だぜ!!見ろよ、死後硬直がまだ解けてないぜ。」

 「そんな野郎の死体よりこっちの女の死体を見てみろよ。かなりの上玉だぜ!くそ~、生きてる時に会いたかったぜ。そしたら、このおれがたっぷりかわいがってやれたのによ!」

見るとピンクの少年は、怒りに震えていた。

 「皆殺しだあああああああああああああああ!」

 「頼みますから、こっちの話を聞いてください・・・・・・・・・。」

気が付けば、最強の一族が見ず知らずの少年に懇願する、という何とも奇妙な光景があった。

 

 

 

・・・・・・・・事情説明中・・・・・・・

 

 

 

 「つまりまとめると、半年前から病気が流行りだし、今生き残っている者は三人しかいない。そこへたまたま我々が来たと。そういうことですね、ドドリアさん。」

 「まあ、そういうことだ。オレもいきなり襲い掛かって悪かったよ、ザーボン。」

ピンクの少年―――ドドリアがそう答えた。

 「全く、私のことを呼び捨てとは・・・・・・・・・。これだから育ちの悪いものは・・・・」

 「なにか言ったか?」

 「なんでもありません。」

 「それにしても、これだけのお墓を一人で作ったのはすごいですねえ・・・・・。」

フリーザが感心したように言った。

 「いや、昨日までは三人で・・・・・・・・・・・。」

そう言って悲しそうに目を伏せる。どういうことかとフリーザとザーボンが問い詰めようとしたとき、部下の一人が報告に来た。

 「フリーザ様、ザーボン様、この惑星で流行っている伝染病のことですが、掘り起こした死体から調べてみたところ、惑星コルド№37にワクチンがありました。無人宇宙船によりあと三十分でここに届くそうです。」

ここでドドリアは驚きの声をあげる。

 「ワクチン!あるのか!!」

 「まあ、伊達に多くの星を支配していませんからね。医療に特化した星もありますよ。」

フリーザのその言葉を聞いた瞬間、ドドリアは土下座して言った。

 「頼む!アボとカドを、おれのほかに生き残っているやつを助けてくれ!!おれのことはどうなってもいい。あいつらはまだ子供なんだ。だから・・・・・だから・・・・・・!」

そんなドドリアは今にも泣きだしそうだった。

 「泣いているだけではわかりません。どういうことなのか説明してください。」

ザーボンが冷たく言った。

 「ザーボンさん、なんだかドドリアさんに対して冷たくないですか?」

 「そんなことないですよ。ただ、ドドリアとは馬が合わないと思っただけです。」

 「あなたさっきまでドドリアさんのこと呼び捨てじゃありませんでしたか?」

 「あんな育ちの悪いやつは呼び捨てで十分です。でもフリーザ様はちゃんとさん付けですよ。なんといってもフリーザ様は宇宙を支配する一族なのですからね。」

 「・・・・・・・・不公平だ。」

そんなことはさておき、フリーザとザーボンはドドリアから事情を聞きだした。

 どうやらほかの生き残り、アボとカドは、年端もいかない双子の子供だということ。毎日数えきれないほどの人が死んでいく中で三人は出会ったということ。そして昨日までは元気だったが、今日になって病気を発症しておそらくは三日後には死んでしまうということ等々。

 「もう、オレはこれ以上病気で死ぬやつらを見たくねえんだよ・・・・・・・もう仲間の墓も作りたくねえ・・・・・・・!」

 「「・・・・・・・・・・・・。」」

フリーザ、ザーボン、ドドリアの三人はアボとカドの元へ行くのだった。

 

 

 

 

~宇宙船内 集中治療室~

 「「兄貴!!」」

 「アボ、カド!良かった・・・・・・お前らもう死んじまうもんかと・・・・・。」

 「そんなに泣かないでくれよ、兄貴らしくもない。」

 「アボの言う通りだぞ。兄貴はもっとどっしり構えていてくれよ!」

 ここはフリーザの宇宙船の治療室。アボとカドの状態はフリーザとザーボンが思っていた以上に悪かった。そこで二人をかかえて離さない二人をドドリアを引っぺがして集中治療室に入れられていたのだ。

 ちなみに青い方がアボで赤い方がカドだ。

 「あ~・・・・・ごほん、ごほん。」

三人が感動の再会をしているところに、わざとらしくフリーザが割って入ってきた。

ちなみにザーボンは部下たちにワクチンを配っているのでここにいない。フリーザとドドリアはすでにワクチンを接種ずみだ。

 「あなたたち、わたしの部下になりませんか?」

それは、思いがけない提案だった。三人が驚いて何も言えないでいる。

フリーザは続けた。

 「こんな惑星(ほし)にいてもしょうがないでしょう?それよりもわたしといろんな星へ行きませんか?」

その提案にドドリアが答える。

 「そうしたいのは山々なんだが・・・・・・・・・・」

 「なにか不都合でも?」

 「まだ墓に入れてないやつらが大勢いるんだよ・・・・・・・・。見ず知らずの赤の他人なんだが、ちゃんと眠らせてやりてえんだよ。」

 「兄貴、そんなこと気にしなくてもいいんですよ。そんなのおれとカドに任せて兄貴はフリーザ様と一緒に行ってくださいよ。」

 「そうですよ。兄貴は強いんだからこんなところで・・・・・・」

 「あー、なにか勘違いをしていませんか?わたしはあなたたち(・・)と言ったんですよ。」

フリーザが、何を言っているんだか、というように言った。

 「場所を教えて下さい。わたしたちもお墓づくりに協力しますよ。三人でやっていたんじゃいつまでたっても終わりませんからね。」

 「「「・・・・・・・・フリーザ様!!」」」

そういうと三人はこう言った。

 「おれ、一生フリーザ様についていきます!」

 「「兄貴が行くならオレたちも!!」」

フリーザはその言葉に微笑んだ。

 「決まりですね。では今日のところはゆっくり休んで、明日から作業を始めましょう。」

それは、あと一日もあれば完治するという医者の診察結果から出た判断だった。

しかしドドリアは首を振り、

 「いいや、おれは今から始めますよ。・・・・・・・こいつらはともかく、おれは体力だけがとりえなんだ。いつまでも休んでいるわけにはいかねえよ・・・・・・!」

 「「兄貴が行くならオレたちも!」」

 「馬鹿野郎!お前らまだ病み上がりなんだぞ!ここでまた体を壊したらフリーザ様に迷惑がかかるだろう!!」

そのやり取りにフリーザは息をつく。

 「あなたもですよ、ドドリアさん。あなただって発症していなかったとはいえ、感染していたのですよ。だから今日は三人全員ゆっくり休んでいてください。

 いいですね?」

とフリーザ言った。フリーザは意識していなかったが今の言葉には宇宙を支配者する一族の、有無を言わせない迫力があった。

三人は反射的に背筋を伸ばし、返事をする。

 「「「は、はいっ!!」」」

その慌てたような返事を聞き、フリーザは不思議そうに、

 「案外聞き分けがいいですね。もうすこしごねると思ったのですが・・・・・・・」

 「「「(どの口がそんなことを!!)」」」

三人はそう思ったが、あれだけの威圧感を感じた後では口が裂けても言えなかった。

 「それでは三人とも今日のところは十分に休んで下さいね。」

そういってフリーザは部屋から出ていった。

 「フリーザ様。」

そう呼び止める声。

 「ザーボンさん・・・・・・。」

 「こちらの仕事は終わりましたよ。三人の様子はどうですか?」

ザーボンは今回のことの報告書をコルド帝王(・・・・・)に提出するために作っていたのだった。

 実は今回の報告書はザーボンによってかなり脚色されたものになっていた。

 ただえさえ兄クウラより実力が劣る弟フリーザ。いずれコルド帝王は大王と呼ばれる陰の支配者になる。では次の帝王の座は一体だれが就くのだろう?クウラとフリーザが帝王の座をかけて覇権争いをするのは確実だ。

実力の勝る兄との戦い。そうなったときに少しでもフリーザが有利になるようザーボンはすでに動いていた。ザーボンのちょっとした親心である。

 「元気すぎるくらいでしたよ。

 あ、そうそう、あの三人をわたしの部下にすることにしたいんですけど・・・・・・・」

フリーザの最後の方の言葉はザーボンの顔色を窺っていたため若干小声だった。

 「フリーザ様、あなたは上司で私は部下ですよ。私に許可をとる必要はありません。

でもそうですね。強いて言えば、ドドリアを部下にするのは賛成。アボとカドを部下にするのは反対、といったところでしょうか。」

 「その理由は?」

 「あの二人がまだ子供だからです。しかるべき教育を受けさせてからでも遅くはないかと。なので私個人の意見としては、アボとカドはとりあえず惑星コルド№3に留学させる、といったところでしょうか。」

 「№3・・・・・・というと惑星スタディーのことですね?」

 惑星スタディー。分かりやすく説明すると惑星そのものが教育機関となっている星だ。いくつもの、基礎教育からマイナーな専門科目を学ぶことのできる学校がある。特筆すべき点は、勉学意欲があれば老若男女、種族を問わず受け入れているところだ。

 「なるほど・・・・・・・わかりました。ここはザーボンさんの意見に従いましょう。

どこの学校に入れるかはザーボンさんにお任せします。」

 「了解しました。」

 その時、ドドリアたちがいる部屋から笑い声が聞こえてきた。

ザーボンが口を開く。

 「いいものですね。ああいう関係は。」

フリーザがどういうことかと思う。

 「血のつながりはない。でもお互いを必要としている。そういう関係はとても美しい。そう思っただけですよ。深い意味はありません。」

 「・・・・・・・・・・・。」

 「では私はあの三人にお話があるのでこれで。」

そういうとザーボンは部屋に入っていった。

 フリーザはザーボンの言葉を反芻していた。

 「血のつながりはない・・・・・・・・・・・・お互いを必要・・・・・・・・」

何か大切なことを忘れているような・・・・・・・・・

 「・・・・・・・・・ドキンちゃん・・・・?」

 それは、フリーザが、いや、ばいきんまんがドキンちゃんを初めて意識した瞬間だった。

 しかしそれは今のばいきんまんにしてみればちょっとした違和感のようなもの。強く意識するのはもう少し先だ。

 「とりあえず持ってきたUFOの試運転でもしましょうか・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ナメック星~

 「という思い出のUFOをあなた方は壊したのですよ!!」

紫のUFOの残骸。壊したのは「ドラゴンボールを使わせてほしい」というフリーザの言葉に怒ったナメック星人である。

ナメック星人が叫ぶ。

 「そんなのこちらの知ったことか!!第一、今の話にUFOはあまり出てこなかっただろう!?」

 

                          11話へ続く

 




もっとUFO出すはずだったのに!
いつの間にか妙な話になってしまいました・・・・・・・

ドドリアとの出会いを書きたいと思って、惑星トロピカルという名前にしたらアボカドもトロピカルフルーツじゃないかと気付き二人を出してしまいました・・・・・・

えっ、キュイ?

・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

完璧に忘れてました・・・・・・・・・・。



次回でやっと原作の方へはいれるかな?

ちなみに惑星スタディーはクラッシュブレイズの完全なパクリです。
ティラ・ボーンのドラゴンボールバージョンとでも言いましょうか・・・・・・・・
ちなみに金銀黒天使や赤紫怪獣夫婦を出す予定はありません。というか、エメラルドの瞳に金髪というどっかで聞いたような特徴に、のその気になれば石造りの城を粉砕するような13(19?)歳や、怒りに任せて太陽を爆破しようとする人は扱いきれない・・・・・・・
クラッシュブレイズは大好きなんですけどね・・・・・・・


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11話 少し時が飛んで………

 感想で三点リーダーについてご指摘がありました。その後自分でいろいろ調べてみたところ、「」の分の最後は『。』を入れてはいけないというのや、『!』や『?』の後に一マス空けるというのもありました。
 今後は気を付けるようにします。

 なにか、「ここはこうした方がいい」というようなことがありましたらよろしくお願いします。


~ナメック星~

 どうも、ボクはデンデっていいます。ボクの村に宇宙人が来て襲われたところをクリリンさんと悟飯さんに助けられました。

 クリリンさんと悟飯さん、それにもう一人ブルマさんは地球という星からドラゴンボールを使うために来たそうです。………………………考えてみたらボクの村を襲った宇宙人と同じですね。

 この人たちについてきちゃって大丈夫かなあ?悪い人たちじゃないってことはわかるんですけど、ボクの村を襲った宇宙人とたいして変わりませんよ、この人たち。おまけにボク一人しか助けてくれなかったし。

 まあ、なんだかんだあってクリリンさんたちの家?にいます。ここでほいほい外へ出ていくわけにはいきません。さっきみたいにボクを襲う宇宙人に追いかけられたら殺されちゃいます。もし外へ出るなんて言えばクリリンさんや悟飯さんに止められるでしょうね。

 あれ?もしかしてこれが軟禁というものでしょうか?

 …………………………はぁ、なんでボクはこんな目にあっているのでしょうか?あのボクの村を襲った宇宙人にドラゴンボールのことを教えた人がいたら文句の一つでも言ってやりたい気持ちです。

 「へえ、そんなことがあったのか………………………」

 「もう本当にダメかと思いましたよ…………………………」

今、クリリンさんと悟飯さんは『食事』というのをしているみたいです。ボクらナメック星人で言うところの水分補給のようです。

もう一人のブルマさんという方はコーヒーという液体を飲んでいます。

 真っ黒くて白い煙の出る液体っておいしいのかな……………?おなか壊しそうですけど。

 「おまえ、食べろよ。遠慮なんかするなって。うまくはないけどさ」

困ったことに勧められてしまいました。

 「無理もないわよ……………………。村のほとんどの人が殺されちゃったんでしょう……………」

……………………殺された、か。

死んだ人にはボクの治癒能力は効きません。あきらめるしかないんですよね…………………。

 「そうか………………。無理言って悪かったな」

なにか勘違いをしているみたいです。

 「いえ、そうじゃなくて、ボクたちはこういうの食べません。水を飲むだけでいいんです………」

 「うそつけ。だってお前の村には畑があって、野菜か何か作ってあったじゃないか。」

 「いえ、あれはアジッサの苗木で………………………………。」

そんなやりとりをしていたら思わぬ来客がありました。

 「どうも、初めまして。」

 「誰なの?!」

悟飯さんが声をあげます。

 見るとブルマさんみたいな地球人が立っていました。優しい雰囲気のある人です。

でも見たことのない服を着ています。服全体にレースが付いていて、足にはくものは筒状になっています。動きにくくないのかな?

 それに目の部分になにか赤い枠についた二枚のガラスのようなものがあります。見るときに邪魔にはならないのでしょうか?

 でも、頭から生えて腰まで伸びている波打った金色の毛はとてもきれいです。

悟飯さんとブルマさんにも頭から毛を生やしていますが、何なのでしょうか?

 「わたしは、『カトレア』というものよ。ここでは、そうねぇ………………ヤムチャさんの知り合い、ということにしておこうかしら」

 「どこから入って来たんだよ!!」

 「もちろん玄関からよ。窓から入ってくる意味なんてないじゃない」

 「悟飯、玄関に入るときに鍵は閉めたか?」

 「あ…………………………。だ、だってまさかここへ入ってくる人なんているとは思わないじゃないですか!」

 「最後に入った人が玄関の鍵を閉めるのは常識だろ?!」

 「このナメック星でその常識は通じるんですか!?」

ふ、二人は漫才でもやっているんでしょうか。

 「ねえあんた、ヤムチャの知り合いって言ったわよね? 一体ヤムチャとどういう関係なのよ!?」

ブルマさんが怒り始めました。何ででしょうか?

 「ん~、別にさっき言った通り、ただの知り合いよ。わたしは、この間まで、あるお店で、アルバイトしていたの。ヤムチャさんは、そのお店に来たから、わたしはヤムチャさんを知っている。

 ただ、それだけよ」

なんか違和感があります。

 ボクらナメック星人は他の種族に比べて、人の考えや感情について少し敏感だそうです。他の星の人に会ったのはこれが初めてなのでよく分かりませんが。

 だから分かります。あのカトレアさんって人は何か隠している?知っている?ような気がします。

 こういうのはボクよりカルゴの方が得意なんですけどね。

 「ふ~ん…………………。まあいいわ。とにかくヤムチャには手を出さないでちょうだい。あれはわたしのもんよ!」

 「……………………え?」

あれ?クリリンさんはどうしたんでしょうか。驚いた顔をしています。

 「どうしたのよ、みんなそんな顔して」

 「だってブルマさん、ヤムチャさんとはいつもケンカばっかりして仲が悪かったじゃないですか。…………………………オレなんて何度そのとばっちりを受けたか」

後半は小声です。いろいろと苦労していそうだなぁ。

 「……………………………それとこれとは話が別よ。あの時はまさかヤムチャが死んじゃうなんて思わなかったし。

 浮気ばっかりしても、修業していて相手をしてくれなくても、ヤムチャはヤムチャだわ」

なんででしょうか。ブルマさんとヤムチャさんはクリリンさんと悟飯さんとは違う、何か特別な関係のような気がします。

 「…………………………困ったわね。彼女には、サイヤ人の子供を産んでもらわないとならないのに」

小声でしたけど聞こえました。

子供を産んでもらう?

 「カトレアさん、それってどういう意味ですか?」

『子供』じゃなくて『卵』ならなんとかわかるのですけど。

 「ん? デンデ、あいつなんか言ったのか?」

 「え? クリリンさん、聞こえなかったんですか?カトレアさんはさっき………………………」

 「デンデ君、って言ったわよね?」

さささ、さっきの優しい雰囲気はどこへ行ったのでしょうか!?

今はなんかすごく怖いです!

 「あなたは、なにも聞かなかった。いいわね?」

 「えっ………………でも、」

 「 い い わ ね ? 」

 「……………………はい」

大変です!この人結構強いみたいです!!

見るとクリリンさんと悟飯さんは青い顔をしています。

……………………ボクの顔もこんななのかなぁ?

 「ねえ、ところでどうやってこのナメック星まで来たの?」

ブルマさんは怖いもの知らずですね。こんな人に話しかけられるなんて。

 「わたしはね、座標さえわかれば、一瞬で移動できる手段があるの」

 「ええええええええええ! なによそれ、ワープ?! そんなことできるわけないじゃない!?」

 「えっ、そうなんですか?ブルマさん。」

 「いいこと教えてあげるわ。実はね、ワープの理論自体はもう完成してるの」

 「じゃあなんでナメック星へ来るのに使わなかったんですか?」

 「クリリンさんの言う通りですよ。一か月も宇宙船に乗っていて暇だとか、ブルマさん言ってたじゃないですか」

 「いい? 耳の穴かっぽじってよ~く聞きなさい。

問題はね、エネルギーなのよ。詳しいことは省くけど、今完成しているワープの理論は、空間を歪ませて現在地と目的地の場所を限りなく近い状態にしてそこに空間に穴をあけて移動する、というものなの。ここで問題になるのは、さっき言った通りエネルギーね。鍵となる『空間を歪ませる』ということと、『空間に穴をあける』ということはそりゃあもう莫大なエネルギーが必要になってくるの。どれくらいのエネルギーが必要になってくるか前にちょっと試算してみたことがあるの。そしたらね、宇宙全体にあるエネルギーの、およそ七倍のエネルギーが必要になってくるって結果が出たわ。もしそのワープする装置を宇宙船に搭載する場合には……………………………………………………ってちょっと、みんな大丈夫? なんか間の抜けた顔になってるわよ。ここからが重要なところなのよ!」

 「すいませんブルマさん。オレは言っていることの半分も分かりませんでした」

 「ぼくもたくさんのエネルギーが必要だってことくらいしか…………………………」

 「ボクもさっぱり……………………」

今のは地球だけで通じる言語で話していたのでしょうか?

 「全く、わたしが大学でこの論文を発表した時は『時間の移動とワープは同じ性質を持つ。実用できれば時間の移動も可能か!?』って上へ下への大騒ぎだったのに。本当にわかんなかったの? 相当噛み砕いて説明したつもりだけど」

 「無茶言わないで下さいよブルマさん……………………。ぼくまだ五歳ですよ。大学の論文なんてぼくわかりませんよ」

 「というかブルマさん、大学での専攻は何だったんですか? オレ、そういうとこはよく分かんないですけど、ドラゴンレーダーや宇宙船を作れるのとさっきいったことなんか分野が違うようなきがするんだよな」

 「専攻っていうのは特にないわよ。興味があったことについてその都度自分で調べていただけ。いわば独学ね。

ちなみにドラゴンレーダーは電気電子工学、宇宙船は機械工学、さっき言った理論は物理学よ。ほかにも薬学とか生物学、あとは材料工学とかもの勉強もやったわね」

なんかよく分かりませんけど、とてもすごそうです。

 「あれ、でもさっき大学に行っていたようなこと言っていましたよね?」

 「悟飯くん、いいこと教えてあげる。大学なんて………………」

そういうと一旦言葉を区切って深く息を吸って言いました。

「大学なんて遊ぶところよ!!」

そう高らかに宣言しました。

『だいがく』っていうものはよく分かりませんが、胸張って言えることじゃないようなことを言っているようなきがします。

 「あの時はちょうどヤムチャが浮気したときでね、もういっそ新しい彼氏作ろうと思って男が多い物理学科に入学したの。

 だから世間的には、物理学専攻ってことになってるわ」

 「………………………なんかオレ、改めてブルマさんのすごさがわかりました。いろんな意味で」

 「そんなことより、」

どうかしたのでしょうか?

「なんであんたはコーヒー飲んでのんびりくつろいでいるのよ!?」

目をやると、カトレアさんがさっきブルマさんが飲んでいた黒くて白い煙の出る液体を飲んでいました。おいしいのかな?

 こんなこと言ったらブルマさんに怒られそうですが、飲んでいる姿はとっても優雅です。

 「結構いい豆、使ってるわね」

 「誰もそんなこと聞いてないわよ!なんでくつろいでいるのかを聞いてるの。はっきり、分かりやすく、説明しなさい!!」

そうブルマさんが叫ぶと、カトレアさんはカップを机に置いて言いました。

 「くつろいでいる理由はね、やむを得ない事情があるのよ」

ブルマさんがますます怖い顔になっていきます。

 「…………………………へぇ。言ってみなさい」

 「それはね…………………」

なんでしょうか?

 「とっても、疲れたからよ」

 「*+#%&‘)=>*‘+*」{|~=“#$%&’)!!!!!!!!」

 「ブルマさん落ち着いてください!!言葉になっていませんよ!」

悟飯さんがなだめています。

 「まあまあ。で、どうやってここまで来たんですか?」

クリリンさんが尋ねました。

その質問にカトレアさんは短く答えました。

 「魔法で」

 「なによ、このわたしをおちょくってるの!?魔法なんてあるわけ……………………」

ブルマさんはそこで言葉を切って、クリリンさんと悟飯さんを見ました。

 「………………………あるかもしれないわね」

 「理解してもらえて、何よりだわ」

なんかクリリンさんと悟飯さんがすごく微妙な顔をしています。

 「ブルマさん、なんでオレたちを見て納得したんですか?」

 「決まってんじゃない。孫くんを含め、あんたたちに関わっていれば嫌でもその手の不思議現象は納得できるわ」

 「「失礼な、オレは(ぼくは)魔法使いなんかじゃないのに!」」

 「空飛んだり、脳内で修業できるあんたたちが何言ってるのよ!?」

 「………………………は、ははははは。」

もう笑うしかないです。じゃあ、空を飛べて、けがを治すことのできるボクは魔法使いでしょか?言わない方がいいですね。

 「まあそれは置いとくとして、ここへ来た目的は何?」

確かに。何しに来たのでしょうか。

 「この星にはね、『時光石』と呼ばれる、石の原石――『ザリア石』があるの。さっき、ワープには莫大なエネルギーが必要、という話があったでしょう?時光石は、そのエネルギーの源となっている石よ」

この星にそんな不思議な石があったんですか。

 「ちなみに、時光石は大きく分けて三種類あるわ。

一つ目は『青の時光石(ブルーストーン)』。対象の時を止めたり、戻したり、できるわ。

二つ目は『緑の時光石(グリーンストーン)』。対象の時を、早めることが、できるわ。

三つめは『赤の時光石(レッドストーン)』さっき説明した、二つの時光石の力を、増幅、コントロールする力が、あるわ」

 「ということは、あなたは時間を操れるの!?」

ブルマさんがすごく驚いています。

 「ブルマさん、やっぱそんなにすごいんですか?」

 「そりゃすごいなんてもんじゃないわよ。悪用すればわたしでも世界征服できるわよ」

 「「「へぇ~」」」

ブルマさんが言っても現実味が全然ありませんね。

でも確かに、そうだとしたらすごいですね。

 「できないわ。時空石(タイムストーン)はとても貴重だから。わたしが自由に使える石は、持っていないの」

ん?今の発言…………………

 「ちょ、ちょっと待てよ!『時空石(タイムストーン)』ってなんだよ?!」

クリリンさんに同感です。

さっきまで話していた時光石はどこへ行ったのでしょうか?

 「ああ、ごめんなさい。話が、とんだわね。

さっき説明した、三種類ある時光石。これはね、とても不安定なの。三つを、別々に使おうとすると、暴走する危険性があるのよ。だから、一つの石にしてしまえばいい、という考えのもと、新たに作られたのが『時空石(タイムストーン)』なの」

 「石を一つにするって……………………そんなことが可能なの?!」

 「ブルマさん、驚いているところ悪いけど、その辺の技術に関しては、わたしもよく知らないの。

キョウコが、見えざる水銀がどうのとか、触れざる硫黄がどうとかいっていたわね。

残念だけど、そのことに関しては、わたしの専門外だからわからないわ」

なんだか難しい話になってきましたね。

 「それでその時空石《タイムストーン》をどうするんですか?世界征服でもするんですか?」

悟飯さん…………………。いまどき世界征服はありませんよ。

 「するわけないじゃない」

ほらやっぱり。

 「そんな面倒なこと」

え、そっちですか?

面倒とかそういう理由で世界征服あきらめるんですか?!

 「これを見て」

そう言って左腕を突き出しました。

腕時計がありますね。

 「この中にはね、さっき言った、『時空石(タイムストーン)』が、入っているの。

 ただし、入っているのは、ミクロレベルの小さいもの。でも、ある程度の時間は操ることが、できるわ。

 時間を止める、ということがね」

 「そういえばその腕時計、針が動いていない!!」

悟飯さんが言いました。確かに動いていませんね。

 「ああ、違うわよ。

 針が動いていない理由は、腕時計にいろんな機能をつけて、時計としての、本来の機能が、入らなかったからよ」

 「本末転倒すぎるわよ!!」

ブルマさんの叫ぶ理由はよく分かります。

ならなんで腕時計の形をしているんでしょうかね?地球の人の考えることはよく分かりません。

 「じゃあなんで時間を止めているんすか?」

クリリンさんが質問します。

 「止まっているものと、動いているものの間には、必ず、摩擦エネルギーが発生するの。

寒い時に、手をこすり合わせると、温かくなるでしょう?

それと、同じ。それは時間においても、例外じゃないわ。それどころか、時間による摩擦エネルギーは、手をこすり合わせるときとは、比べものにならないほどの、エネルギーが、発生するわ。つまり…………………………」

その言葉をブルマさんが引き継ぎました。

 「その摩擦エネルギーを使ってワープしているわけね」

 「そういうこと。この腕時計って、とっても便利なのよ」

 「ちょ、ちょっと待てよ!時計としての機能がないものを腕時計って呼んでもいいものなのか!?」

クリリンさんの言うことはもっともです。

 「これでも、もともとは、ちゃんと時計としての機能もあったから。というか、元は腕時計だったのよ。ただ、ねぇ………………」

どんな理由があるのでしょうか?

 「機能を追加する、開発班に、キョウコがいたから……………………。あの子が絡むと、いつも妙なことに、なるのよねぇ…………………」

ボクは今日一日いろんなことがありすぎて、何が妙なことなのか分かりません。

あれ?カトレアさんは立ち上がって出ていこうとしてます。

 「コーヒー、ご馳走様。おかげでザリア石を探していた、疲れが取れたわ。

じゃあ、わたしはこれで」

 「ちょ、ちょっと待ってくれ!!」

クリリンさんが呼び止めました。

 「なあ、ドラゴンボール集めを協力してくれないか?!」

クリリンさんが焦ったように言いました。

カトレアさんは玄関のドアノブに手をかけたまま後ろを振り向きました。

なんか心なしか怒っているような気もします。

 「クリリン、って、言ったわよね?」

 「あ、ああ」

 「じゃあ、質問するわね。何で、わたしに、そういうことを、言うのかしら?」

 「こ、この星にはやたら強いやつがいるんだ!だからカトレアさんみたいな強い人がいてくれると嬉しいんだけど……………………………」

クリリンさん………………。最初は勢いがよかったのにどんどん小声になっていますよ。

 「ねえ、悟飯くん。この人そんなに強いの?」

 「はい。ぼくとクリリンさん二人で戦って勝てるかどうか……………………」

ブルマさん、悟飯さん、小声ですけど聞こえてますよ!

 「なら、仮に協力する、としましょう。そうなったときに……………………」

よかったですね。カトレアさんとクリリンさんには聞こえていないみたいですよ。

でも、カトレアさんがクリリンさんの目をじっと見据えています。

 「あなたは、わたしに、何をしてくれるのかしら?」

 「……………………っ!そ、それは…………その………………」

 「あなたが言う『強いやつ』。それに対抗するために、わたしを仲間にして、利用しようとする。とっても、素晴らしい考えね」

 「いや、オレは利用するだなんて……………………」

 「もう一度聞くわ」

うわああああああああ!カトレアさんの目つきが変わりましたよ!

 「あなたは、わたしに、何を、してくれるのかしら?」

 「……………………………そ、それは………その………………………」

 「何を、してくれるのかしら?」

 「すみませんでした!!」

クリリンさんは土下座する勢いでカトレアさんにあやまっています。

 「分かればいいのよ、分かれば。

でも、そんなに仲間がほしいなら、だれか連れてきてあげましょうか?」

 「いいのか!?」

 「まあ、地球にいるキョウコ――仲間がいるのよ。その子と、そろそろ合流しようと、思っていたところだったの。ついでに誰か連れてきてあげるわ。これでもあの世で、悟空さんたちに、会ったことがあるから」

 「会ったことがある?!」

クリリンさんが驚いていますが驚くのはそこじゃなくて………………

 「………………あの世?」

よかった。ボクとブルマさんは同じところがおかしいと思ったみたいです。

 「機会があったら、また会いましょう。」

そういうとカトレアさんは出て行ってしまいました。

 「待って!」

悟飯さんはそう言ってカトレアさんの後を追います。

 「えっ!いない?!」

追いつかなかったようですね。

 「悟飯さん、どうしたんですか?」

 「えっと、さっきお父さ――悟空さんたち(、、)って言ったよね?」

 「はい。えっと、それがどうかしましたか?」

さっき話に出た『悟空さん』という人は悟飯さんのお父さんだったんですね。

 「実は、お父さんは『ラディッツ』っていうボクの伯父さんとあの世に行ったんだ。カトレアさんは悟空さんたち(、、)って言った。それはつまり……………………」

 「ああ。オレたちのところへ悟空とラディッツを連れてくるつもりだ。」

なんかものすごく苦々しい顔をしています。

 「悟空はともかく、ラディッツは正直勘弁してほしい。」

 「ぼくも伯父さんはちょっと…………………」

さすがにあんまりじゃないんでしょうか?

 「えっと、どうしてそんなにダメなんですか?」

あれ?なんでクリリンさんと悟飯さんは遠い目をしているのでしょうか?

 「……………………デンデ、世の中にはな、見本にしちゃいけない大人がいるんだ」

 「ダメ人間ってことですか?」

その言葉に悟飯さんはうなずいて、

 「伯父さんは、何か言われたらすぐに泣く、仲間がピンチなのに自分だけ逃げようとする人なんだよ。…………………………………あんな風には絶対になるもんか」

世の中にはとんでもない人もいるってことですね。

 「ま、世の中にはお前みたいないい子とは真逆の人もいるってことだよ」

クリリンさんはそう笑いながら言いました。

でもボクはクリリンさんの言うようにいい人じゃない、非情な人かもしれません。

 だって、まだ村の人たちが死んでから涙を流していませんから。

 

 

~デンデの村~

 ザーボンは思う。どうしてこうなってしまったのだろう、と。

手術して黒い姿になったフリーザは言う。

 「これで全員ですね」

フリーザ様は殺した。皆殺しをするのはこの村で五回目だ。人が、いや、人だったものがフリーザ様の手によって作り出され、そこら中に転がっている。

 「さすがフリーザ様は違う!」

 「俺らが出来ないことをフリーザ様は簡単にやられる。」

部下がフリーザ様を口々にフリーザ様を称える。

 「けれど困りましたね。この村のドラゴンボールは手に入りましたけど、スカウターが壊されてしまいました」

皆は分かっているのだろうか?私たちは人を、殺したのだ。

人殺しを、喜んでいる。異常だ。

 「ところで、ドラゴンボールに近づくとスカウターが少し狂うのに気づきましたか?」

 「ああ、調子が悪かった………………………」

 いや、違う。自分以外の全員が異常なら、むしろ自分が異常だ。

 「これはおそらく、ドラゴンボールが何らかの電波を出していて、それがスカウターを狂わせた原因でしょうね」

 フリーザ様は、昔はこんなではなかった。

 ドドリアさんたちをあの時惑星トロピカルから連れ出したのがいい例だ。

 「スカウターの残骸を集めなさい。そこからドラゴンボールから出ている電波を感知する装置を作ります。その方が効率がいいですからね」

 「でもフリーザ様、作れるんですか?」

今でも仲間内に対する思いやりはある。けれども今回のような見ず知らずの者に対する思いやりはない。

いつからこうなってしまったのだろう?

 「新しいタイプの光線銃、超小型爆弾、そして筋力強化プロテクター。わたしが発明したものはこれだけではありませんよ」

 「さすが『稀代の天才』と呼ばれているフリーザ様だ!」

いや、分かっているはずだ。

こうなった原因は私にある。

 「では残骸を集めてください」

 『はっ!』

すべてはあの日、惑星ベジータが崩壊した日に(、、、、、、、、、、、、、)変わってしまった。ほかならぬ私が原因で。

 「ザーボンさん、何やらぼーっとしてどうかしましたか?」

その言葉に私は考えるのをやめる。もう終わったことなのだ。

 「いえ、少し考え事を。」

 「そうですか。では少し待ってくださいね。UFOを修理しますから。この程度の破損なら十秒もかかりませんからね」

そういうと瞬く間にUFOを修理してしまった。

 これからフリーザ様はドラゴンボールを探し出す装置を作り、逆らった者たちを殺してゆくのだろう。

それにしても、

 「ドドリアさんは遅いですね…………………」

そう呟いて、見上げた空は緑だった。

                                  12話へ続く

 




 今回はブルマの専攻について触れてみました。間違っていたらごめんなさい。
 あと、(主に自分の文才のなさで)忘れているかもしれませんが、キョウコは錬金術師という設定です。(ガーゴイルはセル編のときに出せたらいいなと………)
 ちなみにワープには宇宙全体のエネルギーの約7倍のエネルギーが必要というのは本当らしいです。(悟空の瞬間移動は一体どうなっているのやら……)
 次回はベジータ対ドドリアを書きたいと思います。


時光石、ザリア石など……少女海賊ユーリ(時空石(タイムストーン)はオリジナルです。)
見えざる水銀、触れざる硫黄……吉永さん家のガーゴイル、ガーゴイルおるたなてぃぶ


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12話 ベジータVSドドリア

前回、前々回が長くなってしまったので今回は短めです。

平均文字数とはなんだったのか……

今回は原作通りに話が進み、クリリン、悟飯、デンデを追っていたドドリアがベジータと戦ってしばらくたったところです。


~ナメック星~

 「………はあ………はあ………はあ」

 「……………はあ……………はあ、クソ! サイヤ人の王子であるこのオレが……………!

なぜこんな奴に後れをとるんだ!」

 「………はあ。へっ、それはこっちのセリフだ」

少し前までベジータよりこのオレ――ドドリアより戦闘力が低かったのに、地球から戻ってきたと思ったらオレと互角に戦えるほど戦闘力が上がってやがる。

 一体何の冗談だ?

そんなことを考えながらオレはベジータに怪しまれないように口に手をやる。なるべく自然に。怪しまやないように口の端から流れる血をぬぐうようにしてある液体の(、、、、、)入ったカプセルを口に含み、噛み砕いた。液体は不味かった。あれ(、、)がすぐに取れるといいんだけどな。

 「答えろ!なぜ貴様はこのオレと互角に戦えるんだ?!戦闘力は、今はこちらの方が上だ!」

だってお前そりゃあ……………

まさかこいつ、

 「ベジータ、カタログ見たことあるか?」

 「カタログ?何の話だ?!」

やっぱり知らなかったか。

 「何も知らないお前におしえてやるよ。

このフリーザ軍の兵士ってのはな、一部を除いて、ほとんどが宇宙のあらゆる星々から集めらてた雑魚だ。」

 侵略する星は皆殺しだけをしているわけじゃねえ。

 侵略する対象になった星は、その星にどれだけの利用価値があるのかどうかを無人探査機を使って調べておく。そしてめぼしい技術や人材がないと判断された場合のみその星の住人を皆殺しにする。ギブアンドテイクができないやつには用がないってわけだ。

 さらに人材に限った話でいえば、フリーザ軍の兵士は宇宙にある居住可能惑星へ長期出張、戦死なんてのも珍しくねえ。だから言い方は悪いが、フリーザ様に献上される兵士は大抵はその星で必要とされていない――たとえば孤児や犯罪者がほとんどだ。最悪戦いの訓練を何も受けてない貧弱なやつが来ることもある。

 「それがなんだって言うんだ!」

 「まだ分かんねえのか?フリーザ様はな、『稀代の天才』と呼ばれているお方だぞ。だから雑魚兵士を強くする装置『筋力強化プロテクター』作ったんだ。今じゃフリーザ軍に無料配布されるカタログで簡単に手に入るぜ」

カタログでは、他にもいろいろな武器その他もろもろが手に入る。今回のオレの切り札もな。

ちなみに筋力強化プロテクターの仕組みはこのプロテクターから電気が流れて筋肉が活性化されるとかなんとか…………

まあもっとも、プライドだけは高いベジータのことだ。あったとしても『そんなものを使うのは雑魚だけだ。サイヤ人の王子であるこのオレが使うわけないだろう』とか言いそう……………

 「フン!そんなものを使うのは雑魚だけだ。サイヤ人の王子であるこのオレが使うわけないだろう」

……………まさか本当に言うとはな。

 「第一、『俺は楽して強くなるんだ!』とかプライドもへったくれもない弱虫ラディッツが言っていたが、それは戦闘力が高いやつには使えないんじゃなかったか?」

その言葉にオレは大きく頷いた。

 「ああ。今まではな」

 「今まで……………おい、それはどういうことだ!」

 「最近になって新たに開発されたんだよ。戦闘力がオレみたいな一万越えのやつでも着用できる『筋力強化プロテクターα(アルファ)』がな!!」

 「そのうちβ(ベータ)が出てきそうなネーミングセンスだな」

ベジータが小ばかにしたように笑った。

なんでも筋力強化プロテクターα(アルファ)は着用者の遺伝子を解析して、着用者個人に合わせたプロテクターにしたことで戦闘力一万越えのオレでも着用できるようになった…………………らしい。

 小難しいことはよく分かんねえけどな。

 さて……………そろそろ奥歯に仕込んだ超小型爆弾(、、、、、、、、、、、、)がとれるころだな。

全く、取り出すのにこんなに時間がかかるんじゃ改良の余地ありだろ。まあ、だいたい三十年か?爆弾をくっつけていた接着剤が取れなかったんだから、大したもんだというべきか。それにしてもこの接着剤の除去剤は不味い。吐き気がしてきそうだぜ。

 「ベジータ、そろそろ終わりにしようぜ」

 「こっちのセリフだ」

ベジータが不敵に笑った。

 だがここでいう終わりにするというのはオレとベジータで意味が少し違う。ベジータは勝負の決着をつけるという意味だろうが、オレは違う。

 このプロテクターから流れる電気の電池がもう底をつきそうなんだよおおおおおおおおおおお!今はスイッチを切ってある。つけっぱなしにしていたら後三十秒ももたねえんだ。

だから、

 「逃げるんだよおおおおおおおおおお!」

そう言ってオレはスイッチを入れて宙に飛び上って逃げた。

 「!!逃がすか!」

ベジータが追ってくる。さっき対峙した時よりも距離がだいぶ近い。予想通りだ!

オレはベジータを十分に近づけてから、口から切り札を吐き出した。もちろん超小型爆弾だ。

唾液と一緒に吐き出してやったぜ。

 「っ!!汚ったね……………」

その言葉は途中で遮られることになった。爆弾が爆破したからな。

 「クソッ!このオレがこんなちんけな爆発………………で……………クソッ………………い……………………………意識が………………………………………」

ベジータが何か言っているが関係ねえ!ベジータがあんな爆発を耐えられるのは百も承知。

ベジータが爆発に気を取られている間に、

 「逃げ切ってみせるぜええええええええええええええ!!!」

逃げる。ひたすら逃げる。

そのうちプロテクターの電池が切れた。後ろを見る。

 「ふう。ベジータは追ってこないな………………………」

どうやらうまく巻けたようだ。

 そういえば………………………………

 「あの爆弾を取り付けるときにフリーザ様が爆薬と一緒になにか入れたとかなんとか………………」

…………………なんだっけ?

……………………………。

……………………………………………………。

…………………………………………………………………………………。

……………………………………………………………………………………………………………。

 「………………ま、細かいことはどうでもいいか」

なんせずいぶん前のことだからな。

 「さて、フリーザ様のところに戻るか」

ここでオレは重要なことに気が付いた。なんで今まで気が付かなかったのか不思議な位だ。

だからこう呟かずにはいられない。

 「……………………ここはどこだ?」

あたりを見回す。緑の海に所狭しと島が浮かんでいる。人っ子一人見当たらないし、ナメック星人の村もない。さらに言えばスカウターも破壊されてしまってない。

 「………………………………………………………………。」

ぐぅ。

 「…………………携帯食料持ってくればよかったぜ。」

                                13話へ続く

 




超小型爆弾の中には麻酔薬が入っていたそうですよ。

……なんかオリジナル設定ありすぎて苦情が来ないか少しびくびくしています。


筋力強化プロテクターの元ネタ………名探偵コナン(キック力増強シューズ)


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13話 おじゃる丸登場?!

遅くなって申し訳ありません。

毎日投稿している人は本当にすごいと思います。


~地球(カプセルコーポレーション)~

 「な、うまいだろ!カスタードプリンもいいが、この牛乳プリンもなかなかいけると思わないか!?」

 「おじゃ、ほほ。らでぃっつ、そちもまだまだよのぉ。プリンといえばこの牛乳と卵で作ったカスタードプリンが一番じゃ。白いだけの牛乳プリンは邪道じゃ」

 「そ、そうか?俺は牛乳プリンもかなりいけると思うが…………………ところでおじゃる丸」

 「なんじゃ、らでぃっつ?」

マロの名前はおじゃる丸。やんごとなきみやびなお子様じゃ。

さっき知り合ったこのらでぃっつがかなりのプリン好きでの、一緒にプリンを食べているところじゃ。

 にしてもここはどこかの?しかし、らでぃっつはここが『にしのみやこ』の『かぷせるこーぽれーしょん』だといっておったが、いったいどこなのじゃ?

 「お前なんで空から降ってきたんだ?」

 「マロにもよく分からぬ」

 「………………………ああ?」

 「久しぶりに父上と母上に会いに行こうと月夜ヶ池に飛び込んだらの、袋にいっぱいのプリンを持って空を飛んでいたそちにだっこされた」

そのときはおどろいたでおじゃる。まさか人が空をとべるとはの。それとビニール袋みっつにあふれんばかりに入っているプリンを持ちながらマロをだっこするとは、こやつなかなかの力持ちじゃ。

さらに着ているシャツはなぜか『弱虫』と書かれておる。ここではそういうのがはやりなのかの?

おじゃ?らでぃっつのやつあたまをかかえはじめたぞ。具合がわるいのかの?

 「そち、あたまがわるいのか?」

 「俺はバカじゃねえ!」

 「お、おじゃ?!」

マロ、なにかわるいこと言ったかの?

 「よーし。そっちがその気なら俺はとことんお前のことを追求してやるぜ!」

おじゃ、もうプリンがないの。

 「さっそく質問だ。月夜ヶ池っていうのはなんだ?」

 「月光町にある過去と未来をつなぐ池じゃ。のう、プリンをもう一ついいかの?」

 「ああ、いいぞ。まだまだいっぱいあるからな」

 「ラディッツはやさしいのう」

愛ちゃん、カズマの母上は、『プリンは一日一個』といっていっぱい食べさせてくれなかったからの。

つぎはこのプリンにしようかの。

 「ん?ちょっと待てよ?そしたらおじゃる丸は過去か未来に行こうとしたのか?」

 「そうでおじゃる。マロは千年ほど昔にいこうとしたでおじゃる」

まったく、こんなことははじめてじゃ。

 「ふーん………………………………って、そ、その茶色い膜ののっているプリンは何だ!?」

 「これかの?『やきプリン』と書かれておるが、それがなにか………………………」

 「焼きプリンだな!どこだどこだ…………………………あった!これはどんな味が…………………ん!この茶色いやつとプリン、なかなか合うな!」

な、なんということを………………………!

あんなにがつがつとプリンを食べおって!

 「まつのじゃそち!」

 「どうかしたか?」

 「『どうかしたか』じゃないわ!そんなにがつがつくいおって!!プリンはもっと味わって食べるものじゃ!!!」

わかっておらぬ。らでぃっつはプリンについて全くわかっておらぬ!

だからマロはいすの上に立ってこういってやった。

 「ゆっくり食べることでプリンのもつ本来の、いやそれ以上のおいしさを味わうことができるのじゃぞ!しかも、じゃ。プリンはまだいっぱいあるとはいえ、無限にあるわけではないのじゃ!だからこそ味わって、プリンの甘みとやわらかさのよいんにひたりながらたべるのが正解なんじゃ!そもそもプリンというのは………………………」

 「わ、分かった。分かったって…………………味わって食べればいいんだろう、味わって食べれば」

 「マロはまだまだ言いたいことがあるのじゃが………………………………………わかったというのならよい」

まだ言いたいことの半分もいっておらぬのじゃが………………………まあよい。

 「おーい、兄ちゃーーーん!」

おじゃ?だれか空を飛んできたようじゃの。

ここでは空を飛ぶのがはやっているのかの?

 「おう、カカロットか。で、チチさんはどうだった?」

 「やー、ナメック星に行く前に兄ちゃんの言った通りチチに会っておいて良かったぞ!」

 「なんだ、なんか言われたのか?」

 「おう!『ナメック星に行く前にオラに会わずに行っちまったら、帰ってきたら飯抜きにするところだっただ』って言われたぞ」

 「やっぱりな」

 「やっぱりって……………兄ちゃんはこうなることが分かってたんか?」

もぐもぐ。プリンはおいしいのう。

 「ああ。こう見えても強いやつの顔色をうかがって生きるのは得意だ!」

 「兄ちゃん……………胸張って言ってっけど、それ自慢になってねえからな。

そういえば、なんでそんなシャツ着てんだ?」

それにしてもここは不思議がいっぱいじゃ。

 「ああ、この『弱虫』って書かれたシャツか?俺らしいだろ?」

 「……………………兄ちゃんにはプライドがねえのか?それに蛇の道で『もう二度とナッパやベジータに弱虫ラディッツのバーカとは言わせない!』とか言ってたじゃねえか」

いつもよりも体がかるく感じるでおじゃる。

 「プライドはベジータ担当だ。それにな、そんなにがんばっても世の中には倒せない敵がいるんだ。それならこっちが弱虫で戦う意欲のない貧弱な奴だと思わせておけば戦いを回避できるかもしれないだろう?」

それに、プリンをいつもならおなか一杯になってしまう量以上を食べれるからの。

 「……………………はあ。………………………兄ちゃんってたまに鋭いところに気が付くよな。言ってることはなさけねえけど」

おじゃ、話が長いの。

 「らでぃっつ、あやつはだれじゃ?」

 「ああ、弟のカカロットだ」

おじゃ?かかろっと、というやつがこちらを見てたいそうおどろいておるの。

 「兄ちゃんまた子供を誘拐したんか?!」

 「そんなわけあるか。空を飛んでいたところをたまたまキャッチしたんだ」

まあ、うそは言っておらぬが…………………

 「らでぃっつ、おぬしだれかを誘拐したことがあるのかの?」

 「…………………まあ、去年甥をな」

 「おじゃ、そち犯罪者だったでおじゃるか」

 「いや、あの時は………………その………………こっちも切羽詰っていたというか……………………」

はぎれがわるいのう。

 「なあ、おめえラディッツの言ってたことは本当なんか?」

かかろっとが話しかけてきたでおじゃる。

 「マロの名前は『おめえ』ではない!おじゃる丸じゃ!

まあ、らでぃっつの言うことは本当じゃぞ」

 「わりい、二人とも。もっと詳しく話してくれ」

 「わかったでおじゃる」

 

~月夜ヶ池~

 「雲一つないよいまんげつびよりじゃのう、電ボ」

 「はい、おじゃる様」

 「千年前にいるちちうえとははうえのもとに帰るのは久しぶりじゃ」

 「はい、おじゃる様。帰るのは髪を切りに行ったとき以来でございます」

 「電ボ、マロ思ったのじゃが………………」

 「なんでしょうか?」

 「帰ったのはかなり最近じゃから別に今日帰らなくても……………………」

 「なにを言っているのですか、おじゃる様!前回帰ってからもう半年もたったのでございますよ!それに今回はしゃく様が閻魔様のところにいったん帰り、あの世の魂の選別をなさるので………………」

 「いちいちうるさいでおじゃる!だいたい、それなら行くのはいつも通りしゃくだけでも…………」

 「かー!往生際が悪いですよ!第一、『あら、おじゃるちゃんお父さんとお母さんのところに帰るの?ならちょうどいいわ。この商店街の福引で当たった温泉旅行、三人までだったの。おじゃるちゃんがいないのなら私とまことさんとカズマの三人でいってくるわ。おじゃるちゃんも久々の里帰り楽しんできてね』というあいこ様の言葉をお忘れですか!」

 「で、でもちちうえとははうえの家にはプリンがないでおじゃ………………」

 「この月光町にいてもあいこ様がいないのでプリンは食べれませんよ?」

 「でものう、電ボ」

 「なんですか、おじゃる様」

 「実はマロ………………………水が苦手でおじゃる」

 「知っていますよ。というより、まさか今まで行くのを渋っていたのはそんな理由だったんですか!ですがここまで来てしまったらもう後には引けませんよ。おとなしく腹を括ってくださいまし」

 「わかったでおじゃる!マロもさかのうえ家の男子でおじゃる。やるときはやるお子様じゃ!」

 

 

~地球(カプセルコーポレーション)~

 「……………ということがあって月夜ヶ池に飛び込んだら、」

 「たまたま空を飛んでいた俺にキャッチされたのか。…………………というかちょっと待て。電ボって誰だ?」

 「伝書ボタルでおじゃる。」

電ボはどこへいったのかの?もしかしたら電ボだけちちうえとははうえのもとにいったのかもしれんの。

まあ、電ボはしかっりしているから心配はしていないでおじゃる。

それにしても、プリンはおいしいのう。

 「ちょっと待てよ!なんで兄ちゃんは空を飛んでいたんだ?」

 「ああ。パンチーさんにプリンが食べたいって話をしたら、うまい店を色々教えてもらってな。金もブリーフさんから少しもらったから買いに飛んで行ったんだ。おじゃる丸に会ったのはその帰り道だな。

 ああ、それと、話は変わるが宇宙船はまだできていないみたいだぞ?」

 「ええ?!まだ出来てないの?!!まいったな……………………。チチのところに行ってる間に完成すると思ってたんだけどな………………………」

宇宙船?

 「でもナメック星へ行くまでに二日くらいしかかからないっていってたし、時間はあんまり心配しなくてもいいんじゃないか?」

 「えっ、そんなに早く着くんか?!ブルマたちは一か月近くかかってナメック星へ行ったって聞いてっけど…………………」

 「それが今のフリーザ帝国の科学力の差だ。

でも、もし俺がカカロットを連れて帰る一人用の宇宙船を改良してそれに乗って行こうと提案せず、カカロットの言う通りお前が赤ん坊の頃に乗ってきた宇宙船で行くことになったら、一週間位かかったんじゃないか?」

 「そんなに違うんか?!」

 「技術は日々進歩しているからな」

 「ははは…………………。でもあの時はおどろいたぞ!まさか兄ちゃんがもう一つの宇宙船を近くの宇宙に置いておいたなんて聞いたときは!」

 「近くの宇宙て……………………。間違っちゃいないが、いい年した大人なんだから衛星軌道上と言ってくれ。それに、俺が乗ってきたのは一人乗りの宇宙船だぞ?一体どうやって俺がお前を連れて帰ると思っていたんだ?あの宇宙船に二人乗れば明らかに定員オーバーじゃねえか」

二人に聞いてみるとするかの。

 「おぬしら、宇宙人だったのかの?」

 「ああ。俺とカカロットはサイヤ人だ」

 「おじゃ、そうだったでおじゃるか」

 「ん?あんまり驚いてねえな?」

 「知り合いに宇宙人がいるのでの」

星野一家のことじゃが。

 「へえ!そいつ、どんなやつなんだ?オラ知りてえぞ!」

どんなやつ………………………

 「はだが白くて、目が細くて、いつも小さい声でぼそぼそじゃべっていて、あとは………………」

うむ。そうじゃ、

 「地球をほしがっていたの」

手に入れてどうしたいのかはよく分からないでおじゃるが……………………

 「え?!地球を?!なあ、そいつ強いんか?!」

つよい?

 「さあ?たぶん弱いと思うでおじゃるが………………………」

 「なんだ、弱いんか………………………つまんねえな………………………」

ふう。おなかいっぱいになったでおじゃる。ところで…………………

 「のう、らでぃっつ。かかろっとはなにを落ち込んでおるんじゃ?」

 「気にするなあいつはサイヤ人だからな。俺はそういうことはあまり感じないが………………」

 「わかったでおじゃる」

つまりさいや人は落ち込みやすいということじゃな?

 「こんにちは」

まただれか来たようじゃのう。

 こんどはおなごじゃ。年のころは二十くらいかの?かみの色は珍しい金色じゃ。目の色も珍しいのう、灰色なんて。でもこのおなご、目が悪いようじゃ。赤いメガネをかけておる。服はフリルの付いたかわいらしい服じゃ。

 「おめえカトレアか!ちょっとオラと戦わねえか?!界王様からおめえは強いってきいてっぞ!」

かかろっとがなにやら目をかがやかせておなごにせまっておる。

 「のうらでぃっつ、かかろっとはなにをあんなに目をかがやかせておるんじゃ?」

 「サイヤ人だからな」

ああ。そのあとすぐに落ち込むのでおじゃるか。

 「ええ。いいわよ。わたしも、あなたとは一度手合わせしたいと、思っていたのよ」

 「本当か?!じゃ、今すぐやっぞ!!」

おじゃ?

 「のう、らでぃっつ。なんでかかろっとは落ち込まないのかの?」

 「サイヤ人だからな」

……………………マロ、さいや人が分からないでおじゃる。

 「おい、おじゃる丸。俺の前へ出るんじゃないぞ」

 「おじゃ?」

そういってらでぃっつはマロの前に出たでおじゃる。

なんじゃ?らでぃっつの表情がさっきのプリンを食べていた時とはうってかわってものすごく真剣でおじゃる。それとかかろっとの体からからなにやらオーラのようなものが出ているでおじゃる。そしてかとれあの手にはいつの間にか長い刀がにぎられているでおる。

 「のう、らでぃっつ。ふたりはなにを…………………………」

そう聞こうとしたが声が出なかったでおじゃる。なにか見えない圧力にけおされて体も動かず、できたのはことの成り行きをみまもることだけ。こんなのはじめてじゃ。

そんな中、かとれあというおなごが笑ったのじゃ。この場に不釣り合いな、まるでははうえがマロをだっこするときのようなそんな笑顔で、

 「あら、結構強いのね。なら、わたしも、本気を出さなきゃね」

そうしてかとれあは赤いメガネを無造作にとってなげすてた。

そして一度まばたきするとそこには、

 「おめえ、変わった目してんな」

かかろっとの言う通りかとれあの目には朱の十字模様がうかびあがっていたのじゃ。

 「さあ、始めましょ」

なんじゃ、この緊張感は?いうなればこの空間は二人のものじゃ。この空間に入れるものなど、どこにもいな………………………

 「ちょっと!二人ともストップ、ストップ!!」

驚いたことにいたの。

 

                            14話へ続く

 




おじゃる丸ってよく考えてみるとかなりすごいことしているんですよね。
理論上は月に一回は千年もの時間を移動できるし。(おじゃる丸の設定を間違えていたらごめんなさい。感想などで注意されれば可能なところは直します)それにしてもおじゃる丸のしゃべり方は大変でした。思い付きでやるとろくなことがない。

でもおじゃる丸は無理があったかな?
でも時間の移動は空間の移動と同じような感じの振りはしておいたし、大丈夫ですよね?

ちなみにドラゴンボールでプリンはキーフードだと思っています!(神と神)


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14話 戦いは……始まらない

大変長らくお待たせしました。本当に申し訳ありません。

今回間が空いてしまったのは、レポートとかそんなの関係なく、純粋にやる気の問題です。



~地球(カプセルコーポレーション)~

 「ちょっと!二人ともストップ、ストップ!!」

瞬間、悟空とカトレアの間に流れていた緊張感が霧散した。

カトレアは軽く手をふる。するとさっきまで握られていた刀が消えている。だが、さっきまでつけていなかった刀の形をしたブレスレットが手首についていた。

 「ったく~。だれだ?今いいところだったのによ~!」

 「………ああ?」

俺――ラディッツはカカロットの不満そうな声を聞きながら、闖入者(ちんにゅうしゃ)の方へと目を向ける。

 するとそこには16歳ぐらいの女の子がいた。服は迷彩服を着ていた。二つに結んだカールの髪の毛とトンボメガネはよく似合っている。そして背中には大きなクマのアップリケのついた黄色いリュックサックを背負っていた。そして腰には黄色いポシェットをつけている。

 「あら、キョウコじゃない。地球にも、ザリア石があったわよね?しかも、地球にあるザリア石は、緑の時光石(グリーンストーン)単体で原石として存在する、珍しいタイプだったわよねえ?」

 「ギクッ!」

カトレアとの知り合いか?

 「もう、回収はすんだのかしら?」

 「………そ、それが………その……………」

 「失敗したのね」

カトレアが冷たく言う。

そんなことを言いながらカトレアは投げ捨てた赤いメガネを拾い、かけなおした。

瞬間、瞳に浮かんだ朱の十字模様も消えた。

 「違うの!ザリア石発見装置には確かに反応があったの!それがいつの間にか反応が消えてザリア石を回収できなかったってだけで………」

 「失敗、したのね」

 「………はい」

おそらくザリア石、という石を回収するためにキョウコは迷彩服を着ているらしい。

というか、力関係がよく分かる光景だ。

 「なあ、カトレア~、早く戦おうぜ~!」

 「のう、かかろっと。そちなぜそんなに戦いたがっているのかの?」

 「ん?そりゃあ、戦いたいからに決まってんだろ」

 「カカロット、それじゃあ答えになってないぞ?」

まあ、サイヤ人に『なんで戦いたいのか?』なんて理由を聞いても明確な答えがは返ってこない。『食べる』、『寝る』と並んだ三大欲求が『戦う』だからな。

 「マロもちんぷんかんぷんでおじゃる」

 「安心しろ。俺も分からん」

俺はなぜかそういう欲求がないからな。

 「そういえば、どうしてキョウコは、わたしたちの戦いに、待ったをかけたのかしら?」

その言葉にキョウコは呆れたように、

 「あのねえ、二人とも自分の実力分かっているの?!」

その言葉に俺はようやく合点がいった。

 「あー、そういうことか」

 「それは……考えていなかったわねぇ」

カトレアにも分かったようだ。

 「ああ、ここで戦ったら西の都がめちゃめちゃになるからか」

カカロットにも分かったようだ。

 「おぬしらなんて戦いをしようとしておるんじゃ?!」

おじゃる丸が驚いているが無視して続ける。

 「ん?ちょっと待てよ?」

 「どうしたんだ、兄ちゃん?」

 「カカロット、疑問に思わないのか?キョウコは俺たちと初対面なんだぞ」

 「それがどうかしたのか?」

カカロットはなんて鈍いやつなんだ!

 「なんで俺たちの実力を知っているんだ?」

 「そういやそうだな。

というかなんで兄ちゃんはそういうこまけえことに気付けるんだよ………?」

仕方ないだろう?こういう細かいところに気が付いて一つ一つ危険を回避していかないとベジータ相手に生き残っていけないからな。

カカロットの言葉に、キョウコは大きく頷いて、

 「よくぞ聞いてくれました!実は、この間『ドラえもん』という世界の『未来デパート』で『タイムテレビ』という、過去や未来を見るテレビで一か月くらい前の戦いの様子を昨日見て見たのよ!ただ思ったよりも消費電力が多くてもう使うことはないと思うけど」

 「へ~、そんなすげえテレビがあんのか!!」

カカロットが何やら感心しているが、

 「ちょっと待て。『ドラえもんとういう世界』とはどういうことだ?」

 「ああ、その世界はつまんない世界だったよ。精々三十過ぎたおじさんが車の免許を取ろうとするだけだし」

 「その言い方だとまるで異世界から来たように聞こえるが」

俺の言葉にキョウコはきょとん、とした顔になり隣にいるカトレアに尋ねた。

 「あれ?まだ言っていなかったの?」

 「だって説明が、面倒じゃない」

 「それもそうだね。じゃあこれの出番かな~?」

そういうとキョウコは黄色いポシェットをごそごそあさる。

 

    ♪てってて てってー てってて てってー てー♪

    忘れん棒ー

 

聞こえてきたのは間の抜けた音楽と声。出されたのは一メートルくらいのピンク色の棒。なにやら無駄にごてごてと飾りがついていてかわいいを通り越して恥ずかしい。

 「こんなこともあろうかと作っておいて良かったわ!」

 「なあ、それなんなんだ?如意棒に似てっけど?」

 「これはね、記憶を操作する棒よ!元は十分間の記憶を忘れさせることしかできなかったけど、改良を加えて使用者の都合のいいように記憶を消したり植えつけたりできるようになったものよ!」

ということはまさか、

 「それで無理やり記憶を脳に植え込むと?」

 「そういうこと!」

どうやらそういうことらしい。

しかしその途端、

 

カラン、コロン、カララララ……

 

忘れん棒が五つくらいに分解して地面に落ちた。

 「……………ちょっと溶接が甘かったみたい」

 「ちょ、ちょっと待て!それで俺の記憶を操作するのか?!」

 「………だ、大丈夫!今から修理するから!!」

そういうと何やら工具を出して修理し始めた。

………………修理したところで、一抹どころか百抹くらいの不安がある。

 それにしても記憶を人工的に埋め込む、なあ………

それじゃあまるで、

 「学習装置(ラーニング)みたいだな………」

 「兄ちゃん、学習装置(ラーニング)って何だ?」

カカロットが不思議そうに尋ねてくる。

全く、こういう時記憶喪失は厄介だ。

 「学習装置(ラーニング)というのは、脳に直接記憶を埋め込める機械だ。カカロットも使ったことがあるんだぞ?ガキの頃、惑星ベジータで。

まあ、そのあとこの地球で記憶喪失になったから記憶がおしゃかになったけどな」

 「………!ああ、そうやって『地球人を皆殺しにしろ~』とかいう命令を出すんか!」

 「ようやく分かったか……」

全く、できの悪い弟を持つと大変だ。

 「さらにいうと、俺も地球に来る前に宇宙船の中で使ったぞ?」

 「え?そうなんか?!」

 「カカロット、このシャツを不思議に思わなかったのか?」

 「その『弱虫』って書いてあるシャツか?いや、別に…………」

本当に鈍いやつだな!

 「どうして去年初めて地球に来た俺がなんで地球の言葉を理解できるのかってことだよ!」

 「なんでって………そういうもんじゃねえのか?」

………はあ。まさかここまでのアホとは思わなかった。

 「まあ、確かに地球の話し言葉は奇跡的にも共通語だった。だが書き言葉は全く違うものだぞ?」

 こういう辺境の星では話し言葉も書き言葉も共通語とは違うことがほとんどだ。だから無人探査機で惑星を調べるときにその星の言語も調べる。で、その調べた内容を惑星間の移動時間に宇宙船に搭載されている学習装置(ラーニング)で言語を学習する、というのが主流になっている。

 「というわけで、今じゃあ俺は『弱虫』から『臆病』まであらゆる単語の読み書きができる!

結構便利なんだぞ?その星にしかない言葉で命乞いすると、たいていは隙を作ってくれるからな。それのおかげで何度命拾いしたか。」

そのおかげで今じゃ習得言語は百を超える。

 「………………ニイチャンッテ、モノシリダナア………はあ」

ものすごい棒読みで言われた。なぜだ?

 「と、いうわけで行くよ~!」

どうやら修理が終わったらしい。

 「用意はいい?!」

 「いや、全く」

 「さ~、やってみよう!」

 「用意はできていないぞ?!こっちの話を聞け!!」

 「問答無用!!」

キョウコはそういってその忘れん棒とかいうのを振り回し始めた。

 「プルリン、パラリン、ピピリンプー!」

おい、なんか言い始めたぞ。

 「ペルーロ、ペレーロ、ポポロンパー!」

言い終わると同時に振り回していた棒を俺の脳天めがけて振り下ろしやがった。

地味に痛い。

 ん?なんで避けなかったのかって?

…………………そ、それは、あれだ。なんか避けちゃいけない雰囲気だったからだ。だから断じてわけのわからん呪文みたいのを聞かされて呆けて油断していたわけではない!ああ、油断なんかしていないとも!

 「…………ペレーロ、ポポロンパー!」

みるとキョウコがカカロットにも同じことをしていた。

 「で、あたしたちがどういう人なのか分かった」

 「ああ、だいたいな」

 埋め込まれた記憶はついあの世、しかも閻魔大王のいるあの世のものだっだ。

なんか世界のこととか、組織のこととかを話していたみたいだ。

 それにしても顔に傷のある奴と三つ目のやつはあの後酒盛りをしていたのか。……こっちは戦っていて忙しかったというのに。

 「ひゃあー、驚いたぞ!まさかヤムチャや天津飯、それにチャオズに会っていたなんてなあ!」

カカロットの知り合いか。というか驚くのはそこか。

 「おい、その三人は全員地球人なのか?」

 「当たりめえじゃねえか。それがどうかしたのか?」

 「どうかしたのかって………いや、もういい」

三つ目のやつとか、白くて小さいやつなんかも地球人なのか?似たような奴を他の星で見たことがあるぞ?

 ………ああ、ナメック星人が地球人と間違えられるような星ならしょうがないか。

 「なあ、カトレア。早く戦おうぜ~!オラ戦いに向いてるいい荒野知ってっからよ~!」

というかそのセルフ、

 「まるでナンパみたいだな」

 「ん?なんか言ったか、兄ちゃん?」

 「いや、別に」

そんなことを言いながらカトレアの方に目をやると、カトレアは本を読んでいた。

 「……………んな!!」

俺はカトレアの読んでいる本の題名を見て戦慄した。

その本の題名はは俺のような地上げ屋やカカロットのような武道家にとって、天敵となりうると即座に判断させてしまう―――そんな題名だった。

 「あら、もう、終わったの?」

カトレアがゆっくりと顔を上げる。

 「おう!早く戦おうぜ~!」

……………やめろ

 「やめるんだ、カカロット!」

カカロットはカトレアの読んでいる本の恐ろしさを知らないのか!

 「あら、そうよ。どうして止めるのかしら?」

そういって読んでいた本を閉じる。

カトレアが不満そうに言っているがそんなことは関係ない!

こっちはわが身がかわいいんだ!

だからまだ「早く戦え」だのなんだの騒いでいるカカロットに言ってやった。

 「カカロット、カトレアが読んでいた本の題名はなんだ?」

するとカカロットは何のためらいもなく、あっさりと答えた。そう、自分の力で簡単にいなすことができるかのように………

 「えっと……『目障りなあいつを速やかに抹消する方法~その二 精神編~』って書いてあるな。それがどうかし…………って兄ちゃん!なんで倒れてんだあ?!」

カカロットが驚きの声を上げているが、こっちはそれどころじゃない。

 「カ、カカロット…………お前といたこの一年、悪くなかったぜ……」

 「なんで!!なんで兄ちゃんが死ぬみたいになったんだ?!まさか『速やかに抹消』『精神』ってオラが言ったからか?!」

 「思えば、蛇の道で俺と、ま……まともにしゃべってくれたのはお前だけだった…………」

 「そりゃあそうだぞ?!蛇の道を走っていたのはオラと兄ちゃんだけだったからな?!!あれでオラ以外としゃべってたら頭がおかしな人になっからな!?」

 「…………し、死ぬなよ………カカロット………ガクッ」

 「わけわかんねえぞ?!兄ちゃあああああああああああああああああん!!!」

さらばだ、カカロット。甥を、義妹(チチさん)を大切にしろよ……………

 「……………なあ、これどうすればいいんだ?オラこんなの初めてだぞ……」

 「あたしの情報によるとこの辺では明日が生ごみの日みたいだよ?」

 「あら、ちょうどいいわね。ならわたしは、大きい袋を、用意するわ」

 「じゃあ、このままじゃかさばるし、大きくって、なんでも粉々にできるシュレッダーと、圧縮機をつくっておくね★(キラリ)」

 「兄ちゃん起きろ!このままじゃおめえ粉々にされて圧縮されて明日捨てられっぞ!!」

 「……はっ!」

い、いったい俺はなにを………

 ゆっくりと立ち上がると、キョウコとカトレアがものすごく残念そうな顔をしていた。

 「「チッ………」」

 「おい、なんで俺を見て二人は舌打ちするんだ?!」

分からない、全くもって分からない!

 「そう……まだ生きていたのね」

 「………はあ、生きていてくれて良かった………」

カトレアとキョウコの口調が残念そうに聞こえたのはきっと俺の聞き間違いだな。ああ、そうに違いない。………………あ、目から汗が。

 「そういえばカト姉、この前未来を見たらなんか面白そうな本が発売されるみたいだよ?」

 「あら、それはどんな本?」

 「『単純男を手玉に取る1001の方法』って本。数年後にメノリスのローランドで発売されるって」

 「とっても、楽しみね」

カトレアは、これ以上ないくらいの笑顔だった。寒気が止まらない。

 そういえばおじゃる丸は何をやっているんだ?

 「………………」

寝てた。いつの間にか畳と屏風を出して寝ていやがった。

後でわかったことだが、あの畳と屏風、それに肘掛も含めて三点セットというらしい。

 「そうだ!カト姉、こんなのいる?」

キョウコがまたあの黄色いポシェットをあさる。

 

    ♪てってて てってー てってて てってー てー♪

    妖精の箱庭~

 

出したのは黒い箱だった。10センチ四方で、面には薄い緑の十字の飾りがある真っ黒い箱。

それをみたカカロットがキョウコに尋ねる。

 「それなんだ?中に食いもんでも入ってるんか?」

 「カカロット、腹が減っているんならプリン食うか?俺の食べかけだけど」

 「………………少しもらうぞ」

そんなことはさておき。

キョウコが黒い箱の説明をしてきた。

 「この箱は、なんとびっくり、中が結構広い空間になっているの。しかも、中に入ってどんなに大暴れしても、箱の外に影響を及ぼすことは一切ない、という優れものよ!カト姉と悟空は、戦うのならこの中で戦った方がいいんじゃない?」

一体どういう原理になっているのかさっぱりわからないが、キョウコの話が本当だとすればかなりすごい。

 「で?」

 「で、ってなに?カト姉?」

 「で、いったい今回はどんな欠点があるの?」

 「ちょっと待ってよ!なんで欠点があることが前提なの?!」

 「さっきの、忘れん棒」

 「………ぐっ!あれはちょっと溶接が甘かっただけで……」

 「それに、やたらこっぱずかしいことを、口走っていたみたいだけど」

ああ。あの、プルンプー、だの、ペロンパーだの言ってたあれか。

 「あ、あれは忘れん棒の乱用をパスワードだよ!」

 「…………なんであんな魔法少女が口にするようなこっぱずかしいパスワードなんだよ」

俺がそう尋ねるとキョウコは、

 「そんなの決まってるじゃない。他人の記憶を操作するのよ?そんなのほいほいやるわけにはいかないでしょう。でもこういう恥ずかしいパスワードなら使いたがらないでしょう?

 それにね、すごいことに気が付いたの。こういう呪文って、適当にパ行とラ行を組み合わせておけばそれ(魔法少女のセリフ)っぽく聞こえるのよ!」

セリフの後半は無視するとして、

 「記憶の操作の乱用防止策だと?」

 「そういうこと」

意外と考えていたんだな。

 「ねえ、キョウコ。顔認証や指紋認証、光彩認証システムは、使おうと思わなかったの?」

 「あ………………」

訂正する。ちっとも考えていなかった。

 そこで俺は気付く。誰も使いたがらないものを乱用防止で自分が使う。それをキョウコは今現在も使っているものがあるのだ。

だから聞いてみることにした。

 「なあ、そのくまのアップリケのついたリュックサックもそうなのか?」

俺の言葉にキョウコは大きく頷いて、

 「ご名答~!これは『なんでも持ち上げ太郎(たろう)』って言って、誰でも念動力者(サイコキネシサー)になれる優れものよ!もちろん、錬金術の技術がふんだんに使われているのよ!

ほら、この通り!!」

 「お……………おお?!」

 「へ?!」

キョウコが軽く手を振ると俺とカカロットの体が浮かび上がった!

 「な、なんでオラ舞空術使ってねえのに空飛んでんだ?!」

 「エッヘン!!なんでも持ち上げ太郎(たろう)の実力を思い知ったか!!」

 「くそっ、このっ!そうだ、気を高めれば…………はあ!!」

カカロットが気を高めた。するとブチブチと何かが切れるような音が聞こえた。

 「うわ!」

 「およ?!」

ドサドサ………

俺とカカロットが地面に落ちた。

 「ち、ちぎれた………。見えざる水銀がちぎれちゃった…………」

 キョウコの話によると、見えざる水銀とかを触れざる硫黄を使って、操っているそうだ。要は、目に見えない金属でものを持ち上げるリュックサックらしい。この道具の元のアイディアはパクったそうだが。

ちなみに、見えざる水銀は自由に姿を変え、温度も輝度も思いのまま、という万能金属らしい。見えざる水銀で光線なんかも打てるそうだ。触れざる硫黄はというと、速度や重力やベクトルなど、位置情報に関与する力を操れるそうだ。

他にも魂の塩、とかいう命の核、みたいなわけのわからんものもあるらしい。

 ……………という錬金術、なんていう俺がこの先一生使わないような知識をなぜか俺だけが聞いていた。

 その間カカロットは何をしていたのかというと、俺が買ってきたプリンを食っていやがった。カカロットのせいでプリンがあと十個しかない!カカロットが俺の買ってきたプリンの三分の一を食いやがった!覚えてろよ!!

 カトレアは本を読んでいた。てっきり『目障りなあいつを速やかに抹消する方法~その二 精神編~』の続きを読んでいるかと思いきや『目障りなあいつを速やかに抹消する方法~その三 社会編~』とかいうのを読んでいた。カトレアを敵に回さないように注意しなくては。なんせこっちにはベジータと同じ戦闘狂のカカロットがいるからな。どこでどういう敵を作って俺にまで被害が及ぶか分かったもんじゃない。カカロットなんてそのうち、あのフリーザ様にまで敵に回すんじゃないか?

……………………まさかな。

 「ところで………二人とも戦いにいかないの?」

キョウコが妖精の箱庭を指さしながら尋ねる。

言ったと思うが、妖精の箱庭は10センチ四方の四角い箱だ。しかも箱の面には薄い緑色の十字の模様があるだけでボタンなどは一切ない。

つまり、この中で戦うにあたって一つ問題があるのだ。

 「ねえ、キョウコ。一体どうやって、この中に入るのかしら?」

そして次にくるキョウコの言葉は俺の予想を上回るものだった。

 「え?」

 「……………」

 「………………………」

 「………………………………」

黙ってしまった。

 「………………おめえ、使い方知らねえんか?」

カカロットが聞くとキョウコがばつの悪そうに、

 「だ、だってあたしが作ったものじゃないもん……………」

 「じゃあおめえ、自分が作ったもんじゃないのにあんなに自信満々に言ってたんか?!」

 「…………………うん」

 「………ダメダメじゃねえか」

 「………だ、大丈夫!こういう時は作った人に直接使い方を聞けばいいのよ!!

うん、そうよ!今からでも遅くない!!!」

そういうとキョウコは何やら手をいじって電話をかけるようなしぐさをした。

 「……………あ、もしもしひかる?実は前にもらった妖精の箱庭について聞きたいことが………」

けれど、連絡の取り方がおかしかった。なぜなら手には何も持っていなかったからだ。まるで、手がそのまま電話であるかのようだった。

 「カトレア、キョウコは何をしているんだ?」

俺が聞くとカトレアはめんどくさそうに、

 「何をしているように、見える?」

 「…………誰かと連絡を取っているように見える」

 「分かっているなら、聞かないでちょうだい」

むちゃくちゃだな!

 「…………い、いや、連絡を取るにしても何か無線機とか、そういう連絡を取り合うための道具が必要だろ?キョウコはどう見たって手ぶらじゃないか!」

俺が叫ぶようにカトレアに聞くと、

 「あるじゃない。キョウコのかけている、メガネがそうよ?『電脳メガネ』っていうものよ」

 「ああ、兄ちゃんのかけてたあのスカウターっちゅうのと同じようなもんか?」

 「…………言っておくがカカロット、スカウターに通話機能はないぞ?」

 「……………へ?でも兄ちゃん、前にスカウターには通信機能があるようなこと言ってなかったか?」

 「カカロット、通信機能と通話機能は別物だぞ?」

 「……………何が違うんだ?」

 「通信機能は情報を伝えるだけ。通話機能は相手と話すことができる。

星と星との間はな、時には何十光年も離れているんだぞ?いいか?光の速さでウン十年だ。その間を会話してたら一つの会話が終わる前に寿命が尽きるだろ」

 「………………ああ」

納得したようだ。

 俺はキョウコの方に目をやった。

 「……………うん、それで?……………この線をこうなぞると………で、出すときは………………逆になぞればいいと………うん、だいたいわかった………またわからないことがあったら聞くね。……じゃ、またね!」

どうやら、使い方が分かったようだ。

 「おーい!使い方分かったよ!!」

 「………あ、うん、知ってる。

ところで、ひかるっていうのはだれだ?」

俺がそう聞くと、

 「錬金術仲間よ。カト姉からもらった仙豆って豆を半分渡したら、組織に入ってくれるし、エクスプロープとか、ベクトル変換器とか、ラーの天秤の技術とか、いろんな発明品をくれるし、もうウハウハよ!

いや~、ひかるの『これでもう栄養失調で倒れることはない!?』ってお腹を鳴らせながら言ったときは、ひかるの今までの食生活に疑問を持っちゃったけどね」

なんかものすごいニコニコしながら話しているが………話しているが!それと対照的にカトレアが殺気を出し始めているんだが!!

 「ねえ、キョウコ。」

 「は、はいっ!」

 「いい?わたしはね、あなたが、仙豆を量産できるって言ったから、わたしの持っている仙豆を、全部、渡したのよ?」

 「………………はい」

 「その仙豆は、どうなったのかしら?」

どうやら二人の間で仙豆量産計画が発動していたようだ。

 「………………は、半分はひかるのにあげたけど!もう半分はちゃんと植物学に精通している錬金術仲間のヒッシャムさんに渡して……………」

 「それで?」

 「………………まあ、作ることには成功したことにはしたんだけど……………」

 「なに?早く言いなさい」

 「量産できるようにはなったけど…………怪我を治せるようにはできていない、というか…………」

………………おいおい。

 「ねえキョウコ。それは仙豆、ではなく、ただのただの豆じゃないの?」

 「か、カト姉!ちゃんと満腹機能はあるよ!」

 「つまり、怪我を治すことはできないけど、お腹がいっぱいになる豆だと?」

 「…………うん」

俺はちょっとカカロットに聞いてみることにした。

 「カカロット、仙豆というのはベジータと戦う前に甥とハゲに食わしたあれか?」

 「ああ、クリリンと悟飯にやったあれだ」

 「怪我を治せない仙豆って価値はあるのか?」

 「………………ねえんじゃねえかな?」

どうせなら、怪我を治す機能はあるが腹が膨れる機能はない豆の方が良かったのにな。

 「キョウコ、何か、言い訳はある?」

 「……………ひ、ヒッシャムさんがものすごいニコニコして『オー、これデー食費ニー困ることハー、アーリマセーン!』とかいうのを聞いたら何も言えなくなって………………」

俺はキョウコの発言で分かった。

 「よーく分かった。つまり異世界人は皆変人なんだな」

そう考えれば全てつじつまが合う!

 「訂正、してもらえるかしら?異世界人が変、なのではなく、錬金術師が、変なのよ。その言い方だと、わたしも変、ということになってしまうから」

 「カト姉、訂正してよ!『錬金術師が変』じゃなくて『あたし以外の錬金術師が変』、なの!それじゃあ、あたしまで変になっちゃうよ!」

鏡だ!誰か鏡をくれ!!

知ってるぞ。地球ではこういう時に相手に鏡を見せるものなのだろう?

 「………オラ、自分が初めてまともだと思った気がすっぞ……………」

カカロットが頭を抱えて何やら呟いているがよく聞こえない。

 「カカロット、なんか言ったか?」

 「…………………いや、別に」

それにしても驚いた。この場には俺以外のまともな奴がいない。

 そんなこんなで、カカロットとカトレアは妖精の箱の中で戦うことになった。

 「じゃあ、箱の中に送るからあたしの手前1メートルくらいのところに立ってね。

カト姉、悟空との勝負が終わったら連絡入れてね。箱から出すから」

その発言に、俺はふと気になったことがあったので聞いてみることにした。

 「おい、キョウコ。その言い方だと、まるでこの箱の中から自力で出ることができないように聞こえるんだが?」

 「…………………あれ?言ってなかったけ?」

 「言ってねえよ!!」

なんでこいつの道具は微妙に使えないものばかりなんだ?!

もしかしたら、そこに入ったはいいが出てこれなくなったやつがいるかもしれない、ということだろう?なんかヤバイやつが出てきたらどうするんだ?!

それに、まぁあああた何か不都合が起こるかもしれないじゃないか。そしたらいろいろと不味いだろう?箱の中で起こったことが外に影響を与えることはない、なんていうのも眉唾物だ。下手したら俺も巻き込まれて死ぬ。

西の都の連中?そんなの俺が知ったことか。

 「おい、カカロット。この箱の中で戦うのは………………ってカカロットはどこだ?」

 「カト姉と悟空ならもう箱の中に………」

 「なんだと?!」

手遅れだったか………。

 「ところで…………あの子誰?」

キョウコがおじゃる丸を指さしながら聞いてきたが………遅すぎるだろ?!

 「なんか千年過去に行こうとしたら失敗したらしいぞ?」

 「…………どういうこと?」

 「本人に直接聞いてくれ」

 そのあとキョウコは、寝ていたおじゃる丸をたたき起こしていろいろと聞き出していた。

そして一つ頷くと、

 「落人(おちうど)ね」

そんなことを言ってきた。

 「落人、じゃと?」

おじゃる丸が不思議そうに聞き返す。

 「そうよ。たまにあるのよね~。事故とかで別の次元、つまり異世界へ飛ばされちゃうようなことが」

キョウコが笑いながら言っているが、笑いごとじゃないだろう?!

 「のう、マロは元いた世界に帰れるのかの?」

おじゃる丸が心配そうに聞く。

 「大丈夫!こういう無理な次元移動は、大抵通ったところに跡がつくの。例えるなら、車が急ブレーキした時の跡みたいな。その跡を辿っていけば元いた世界に帰れる。絶対にね」

すごく自信満々に言ってはいるが、あの道具を見せられた後にそんなことを言われても俺は不安になるんだが?

 「おじゃ、そうか」

だが、そんなキョウコの言葉でおじゃる丸は少し安心したらしい。

 無理もないか。見慣れぬ土地でいつ帰れるかわからなかったんだからな。ああ見えてもおじゃる丸はまだ子供だ。きっと内心不安で仕方なかったんだろう。ああ、そうに違いない!

 俺が昔ベジータに騙されて、一人見知らぬ惑星へ置いて行かれた時なんか……思い出すのはやめよう。あのとき宇宙船の中でやったおもらしのあとはベジータたちに気付かれなかったはずだ!そうだと信じたい。

 「おじゃ?らでぃっつ、そち泣いておるのかの?」

 「………………目から汗が出てきているだけだ」

ふ、ふん!泣いてなんかいないからな!!

 「それはそうとおじゃる丸君。いつもと体の調子が違う感じはする?」

 「ふむ。そういえば体が軽く感じるでおじゃる。それと、いつもならおなかいっぱいになってしまう量のプリンが食べれたのう」

はあ。なんとかしてベジータの悔しがる顔が見てみたいんだが……………

 「ああ、それなら心配しなくても大丈夫。あたしも最初の慣れないときははそうなったから。

体が軽く感じるのは、そもそもがこの世界の重力が他の世界とは違って、かなり小さいの」

もちろん報復が怖いから、俺だと特定されない方法であることが前提条件だ。

 「どういうことじゃ?」

 「ちょっと思い切りジャンプしてみて」

何かないか?

 「?分かったでおじゃる

おじゃ………………………………おじゃあああああああああああああああああああ!」

 「あ?」

おじゃる丸の叫び声で我に返った。

っておい!なんかおじゃる丸が7メートルほど上空にいるんだが?!

 「助けてたもおおおおおぉぉぉぉ……………」

しかもまだ高く飛んでいるんだが?!

 「一体どうなってんだ?!」

おじゃる丸の体つきはどう考えてもあんなことができるようにはなっていない。

 「ん?あたしが『ジャンプしてみて』って言ったらああなった。

それよりも落ちてくるわよ?」

そういわれて上を見るとおじゃる丸が落ちてきた。

 俺の顔面に。

 「ぐへ!?」

 「………う、うう!こわかったでおじゃるぅぅうううううう!!!」

 「おじゃる丸君に怪我はないみたいだね。ちょうどラディッツの顔がクッションになったみたいだし」

のんきに話しているキョウコの声を聞きながら泣きじゃくっているおじゃる丸を顔からひっぺはがした。

 そして俺はあることに気がついた。おじゃる丸の戦闘力が上がっているのだ。

 プリンを食っていた時の戦闘力はだいたい2くらいだったが、今では30くらいあるんじゃないか?スカウターがないから正確な値は分からないが、そんなもんだろう。

 これもカカロットとの修業のおかげだな。今じゃ気配を消してどれだけ早く逃げ………もとい走れるかは自信がある!その技術に関してだけはカカロットよりもうまい。界王様もそのことだけはほめてくれたからな。そこだけは。

 ………お、俺だって何もできないわけじゃない!確かに元気玉は打てないし界王拳も二倍がやっとだが、俺だってその気になれば戦闘力一万くらいはいく!きっといく。たぶんいく。………うん、いくはずだ。

 余談だが尻尾は生えてきた。ベジータたちと戦った時に切られて一か月ちょい。今回はかなり早かった。ただ……まあ、なんだ……未だに尻尾を握られると力が抜ける。今後の課題だな。いかにして相手に弱点が尻尾だと気付かせないか。鍛える?そんな面倒なことはしたくない!

 そんなことはさておき。

 「おいおじゃる丸、お前いつもあんなに高く跳べるのか?」

俺がそう聞くとおじゃる丸は怒りながら、

 「そんなわけあるかあああ?!マロあんなの初めてでおじゃる!」

と言った。聞こえ方によっては戸惑っているようにも聞こえる。

 「キョウコ、何か知っているのか?」

俺の言葉にキョウコは頷いて、

 「まあね。この世界は他の世界と比べてファリアス濃度が高いから」

は?

 「ファ、ファリアス?」

 「ふぁりあす、とはなんじゃ?」

戸惑っている俺たちをよそにキョウコは笑いながら説明をする。

 「別に特別なものじゃないよ。この世界では『気』って呼ばれているもののことだし」

ほう。つまり、戦闘力(イコール)(イコール)ファリアス、ということか?

 「ファリアスっていうのは簡単に言うと別の世界での気ってこと。

まあ、珍しいことじゃないからね。他にも気のことを『精霊』って呼んでみたり『暗黒力(ダークエネルギー)』って呼んでみたり………あとは『波動』とか『ビアトリス』とか『覇気』とか『魔力』とかかな?

 もちろん今言ったのは呼ばれ方のほんの一部。他にもいろいろあるよ。でも世界によって気は根っこの部分は一緒だけど、それぞれ微妙に違うところもあるから注意してね」

 「根っこの部分が一緒、っていうのは?」

 「そんなのラディッツみたいな武道家の方が詳しいんじゃない?」

嘘だろ?俺は、はたから見たら武道家だったのか?武道家ってのは正々堂々、『どんな敵でも倒してやるぜ』っていうやつだろ?

そんなものになった覚えはないんだが………

 俺の動揺をよそにキョウコは続ける。

 「自分から、というよりも生き物から出る力で、それを意のままに操れるっていうこと。

もっとも、操り方はその世界によってまちまちだし、生き物から出ていないこともあるけど」

 「ずいぶん適当だな!」

そんなんでよくもまあ根っこの部分が一緒なんて言えたもんだ!

それともなんだ?俺には理解できないような基準があるのか?

 「のう、さっき言っていたふぁりあすのうどが高い、とはどういういみじゃ?高いとなにかよいことでも起きるのかの?」

おじゃる丸の疑問はもっともだ。

 「う~ん、その濃度が高いことがいいことかどうかは人それぞれかな?

そもそもファリアス濃度っていうのはこの世界の言葉でいうと『空気中に漂っている気の濃度』のことだし」

ちょっと待て!

 「気の濃度って、そんなものあるのか?!」

不思議だ。なんでキョウコは俺をそんな可哀想な目で見ているんだ?

 「何言ってんの?あんたたち武道家って、気を体外に放出して戦うでしょ?

では問題。体から出た気は一体どこへ行くでしょうか?」

 「のう、らでぃっつ。気、とはなんじゃ?」

おじゃる丸を無視して考える。

 「そりゃあ………空気中に出て消えてなくなる………」

いや違う。カカロットから気の扱い方や戦闘力のコントロールを知ったが、戦った後もその時に使った気は残っていた。

それはつまり、消えてなくなったのではなく、

 「空気中に霧散して見えなくなった?」

 「その通り!!」

それなら空気中に気があることも納得だ。

ということはまさか、

 「ファリアス濃度は戦った後の方が高いのか?」

ん?なんでキョウコは目を丸くしているんだ?

 「……うわ、サイヤ人って脳筋族のアホ集団ってカトレアが言ってたけど、結構頭いいんじゃない?」

む。なんだと?

 「失礼な。アホでバカなのはカカロットだけだ」

おじゃる丸にも頭が悪いと言われたし、俺って本当にバ………

い、いやいや!そんなことはない…………よな?

 「この濃度が高い方が気が扱いやすかったり外に出しやすかったりするの。で、この世界はその濃度がかなり高くて………」

 「待ってくれ。なんでそのファリアス濃度が高いと扱いやすくなるんだ?」

俺がそう聞くとキョウコは何やら考え始めた。

そして思いついたように手をポンと打って指をパチンと鳴らした。すると煙とともに水の入ったコップと小皿に盛られた角砂糖が出てきて…………出てきて?!

 「さあさあ御立合い!ここにありますはコップ一杯の水と角砂糖!えー、この水の中に一個の角砂糖を入れると溶けてしまいます!しかし、いくつも入れると溶けにくくなり、さらに入れると………」

 「おい待て」

俺は何度『待て』と言わなきゃならないんだ?

 「なに?今説明するところなんだからちょっと黙ってて!」

 「俺がいけないのか?この状況で待ったをかける俺が、いけないのか?!」

キョウコがものすごく面倒くさそうな顔をしている。なぜだ。

しかも無視して話を続けている。

 「いい?水の中にお砂糖を入れると溶けるでしょう?」

そういってどこからか出したスプーンでコップに入った砂糖をかき回した。

当然だが砂糖は溶けて見えなくなった。

というかキョウコが出したのは本当に砂糖と水なのか?

 「けどね、お砂糖もたくさん入れればこうやって………………」

そういってどぼどぼと十個くらい一気に角砂糖を入れた。一気に入れたせいで水が跳ねる。

………入った。何がって?跳ねた水だ。跳ねた水が口の中に入ったんだ。

甘い。どうやら本当に砂糖と水みたいだ。

 「ほら。いくらかき回してもお砂糖は溶けない。これは水がお砂糖で飽和状態になっているからなんだけど、これは気に関しても同じことが言えるの」

 「同じこと?」

 「そう。お砂糖の濃度が高いほどお砂糖が結晶で存在しやすくなる。気も、ファリアス濃度が高いほど空気中で存在しやすくなるのよ」

………え~っと、ファリアス濃度が高いほど気が存在しやすくなるってことは、戦闘力も高くなるということだから……

 「おじゃる丸の戦闘力が高くなったのはファリアス濃度が高くなったからか?」

体内にたまった気がおじゃる丸のいた世界よりも外に放出されにくくなっている、と考えれば説明がつく。いつもなら使わなかった気がこの世界に来たことで使えるようになったということだからな。

 「そういうこと!」

ふむ。ひとまずの疑問は解決した。

残った疑問は………

 「どこから砂糖と水の入ったコップを出したんだ?」

こっちはどこからともなく出した水とコップのことがしょうがないんだ!!

 「もしかしてさっき出したコップとお砂糖が気になるの?」

 「当たり前だ!!」

色んな星へ行ったがそんなもの初めて見た。

見たところ手品やなんかの類ではなかった。

 「おい、おじゃる丸もなんか言ってやれ」

こんな時に子供に頼るのは情けないと言われそうだが、二人同時に食って掛かればキョウコだって素直に説明するは………

 「のう、プリンは出せるのかの?」

 「って違あああああああああああああああああう!!

というか食べるのか?分けの分からんやつが、分けの分からん出し方をした食い物を食べるのか?!」

 「もちろんよ。」

パチン。

 「はい。どうぞ」

 「って、おいいいいいいいいい!俺の話は無視か?!」

俺の叫びを無視したままキョウコは指を鳴らしてプリンを出した。

 「うむ。おいしいのう」

 「おいしい?よかった!」

キョウコとおじゃる丸の間にほのぼのとした空気が流れている。

…………もう何も言ってやるもんか。

 「…………キョウコ、とりあえず俺の質問に答えてくれるか?」

 「いいわよ」

 「その、プリンやら角砂糖を出したのは何なんだ?」

 「魔法」

魔法。シンプルだが思わず思考を停止しかける単語が出た。

 「そんな質量保存の法則を無視した魔法があってたまるか!!!」

怒鳴ってやった。それはもう思いっきり怒鳴ってやった。

なのになぜ俺はキョウコから呆れらた目で見られているんだ?

 「武道家が何言ってんのよ。カト姉もそうだけど、武道家って気を使うでしょう?」

 「それと一体何の関係があるんだ?」

何で武道と魔法が絡んでくるんだ?

 「じゃあヒント。E=mc()

 「いーいこーるえむしーのにじょう?」

なにかの数式か?

 「一度は聞いたことがあるでしょう?

Eはエネルギー、mは質量、そしてcは光速。この式の意味は簡単。エネルギーは質量になるし、逆に質量はエネルギーになるの。聞いた話によると『気』を込めたパンチは重いそうじゃない。それって『気』のエネルギーが実際に質量になっているから。つまり質量は保存されないの。

で、この魔法は逆にエネルギーを質量にする技術ってこと。

どう?分かった?」

 「まあ、なんとなく………」

質量はエネルギーになってエネルギーは質量になって………?

 「………はあ」

ため息をつかれた。キョウコは、俺をまるでできの悪い子供を見るかのような目で見ている。

思えば(カカロット)からは呆れられ、(悟飯)からは『伯父さんみたいにはなるもんか』とまるで俺は反面教師のような扱い。さらに見ず知らずの子供(おじゃる丸)からはバカ呼ばわりされた。

………よし。

 「ねえおじゃる丸君。何でラディッツは膝をかかえてめそめそ泣いているのかな?」

 「サイヤ人だからじゃないのかの?」

俺は泣いてない!目から汗が出ているだけだ!!

 「のうきょうこ。そちはその魔法とやらでなんでも出せるのかの?」

 「なんでもは出せないわよ。出せるものだけ………と言いたいところだけど、今のところ出せなかったものはないわね」

………カカロットは何してるだろうな。

今は小さい箱の中か。

 「どうやって使えるようになったんじゃ?」

 「錬金術にはね魂の塩っていう貴重なものがあるの。でも貴重すぎて手に入らなかったからなんかいい方法はないかな~って探したらこの魔法のことを知って魔女になったのよ」

 「???」

俺はなんでこんな戦いばかりある世界に生まれてしまったんだろう?

こんな世界、もう嫌だ。

 「ところでおじゃる丸君。あなたが元いた世界に帰るにあたって一つ問題があるの」

 「問題、とな?」

 「おじゃる丸君にうちの組織に入ってもらいたいたいの」

そういえばキョウコやカトレアが別の世界がどうのと言っていたな!

 「……おじゃ、なんだかややこしい話になってきたのう」

 「この腕時計あるでしょう?これで異世界へ移動するわけだけど……」

いいことを思いついた。あの腕時計を奪えば………

 「これはいわゆるパスポートの役割を果たしているの。だからこれをつけずに次元を移動するととても厄介なことになるのよ。あたしが」

 「おじゃ、それはそちの都合であろう?」

 「うるさい。始末書を書くのが面倒なのよ。だからおじゃる丸君には組織に入ってもらって、この腕時計をつけてもらう必要があるの。

これ、組織からの支給品だから」

なるほど。いい話を聞いた。

 「その、『そしき』というものに入ればマロは元いた世界に帰れるのじゃな?」

 「そういうこと」

そうとなれば話は早い。

 「おいキョウコ。その『組織』とかいうのは誰でも入れるのか?」

 「もちろん。来るものは拒まずっていう主義だから」

 「俺にもその組織とやらに入らせろ」

ふっふっふ。これで俺の人生は決定だな。

異世界の中にはこことは違って争いのない平和な世界もあるだろう。俺はそんな世界に行って、のんべんだらりと自由気ままな生活を送るんだ!

 「じゃあ、組織に連絡して腕時計を支給してもらうからちょっと待っててね」

キョウコがそういって腕時計を操作している間、俺は俺の宇宙船から回収したスカウターで(、、、、、、、、、、、、、、、、、)情報を集めることにした。

 「おじゃ、らでぃっつ。なんじゃ?その不格好な片めがねは?」

どうやって説明すればいい?

 「………まあ、簡単に言うと情報を得る機械だな」

 「おじゃ、情報とな?」

 「これは敵の位置情報、や他のスカウターを持った仲間と情報をやり取りできるんだ。

つまり、敵の位置を近づいたりせずにわかるものだ。これさえあればより強い敵と戦わずに済むようになるんだ」

それにしても、スカウターの予備を宇宙船の中に二十個ほど持ってきておいて良かった。……ほとんど壊れていてまともに使えてのは三個しかなかったが。

ん?どうしておじゃる丸は呆れたような目で見ているんだ?

 「………お主、その敵とやらと戦うという選択肢はないのかの?」

何を言っているんだ、こいつ。

 「そんなものあるわけないだろう」

死ぬのも怪我をして痛いのもごめんだからな。

 「のう、少しその『すかうたー』を見せてたも?」

おじゃる丸は俺のスカウターに手を伸ばした。

けどそれだけは飲めないな。

 「悪いがおじゃる丸、これに触らないでくれ」

 「なぜじゃ?」

 「それはな、これが壊れやすいからだ」

なんせ高い戦闘力を感知すると、

 「すぐ爆発するからな」

 「なんて危ないものを目にあてているんじゃ!!」

おじゃる丸が後ろにさがった。

昔ならいざ知らず、今じゃ戦闘力のコントロールで最大にまで気を高めれば俺なんかでも簡単に二万を超えるからな。

………大猿になればの話だが。

 「お。ようやく情報が入ってきたな」全く、宇宙は広い。

二週間前から情報を取り寄せ始めて、ようやく入って来た!

なになに?ナッパは戦死。これはまあいい。問題は……あった。ベジータは………何だと?!悟飯たちのいるナメック星へ?!

お?俺の情報もある。

………………………………………………………。

 「らでぃっつ、おぬしなぜ無言でスカウターをはずしたんじゃ?」

おじゃる丸が何か言っているようだがそれどころではない。さっき見た俺の情報は何かの間違いであってほしい!そうだな。おれは疲れているんだ。うん、さっきのは見間違いだ。よし、もう一度見てみよう。

……けれど運命は非情だった。俺はもう一度スカウターに映し出された情報を読む。

 『ラディッツ(サイヤ人)―A級犯罪者。罪状―フリーザ軍への反逆。見つけ次第ただちに抹殺すること』

そのあとに注意事項として満月には戦闘力が大幅に上がるだとか、打ち取った者にはそれなりの褒美が出るとか、カカロットもA級犯罪者だとかいろいろ書かれていたがそんなことは重要ではない!!

俺はお尋ね者になったのだ。お尋ね者になったのだ!!(ここ、重要!)

お尋ね者になった者の末路なんて決まっている。なぶり殺しだ。

 これから地球には俺やカカロットを殺しに大勢の奴らががやって来るだろう。まず一人で来ることに意味がないからな。むしろ一人で来る方がリスクが高い。

 俺?俺は例外だ。俺が初めて地球に来る前の選択肢はカカロットを迎えに行くかあの好戦的な危険人物、ベジータと一緒に地上げだった。その二つの選択肢だったら誰でも前者を選ぶだろう。

 それはさておき、俺とカカロットはA級犯罪者だ。まあ、地球は辺境惑星だから俺たちの首を取ろうとする輩も来るのに時間がかかるだろう。まあ、少なく見積もって半年くらいか?それにしたって時間の問題だ。早くこの星から、いや、この世界から逃げなければ!!

いっそのこと、S級のフリーザ一族と同等以上の力を持っているため何があっても絶対に手を出すな、拠点とする惑星に近づくことも禁止~とかいうのにでもなったら楽なんだろうけどな。でもいくらなんでもそれはないだろう。定義上存在するだけで今まで誰一人としてなったことのないランクだ。これからも出ることはないだろう。S級になるやつはフリーザの一族に逆らって、なおかつその一族以上の力を持つやつだからな。ああ、出るわけがない。

 「二人ともー!腕時計が届いたよー」

ついに来たか!

 キョウコの持ってきた時計は少し大きめの、キョウコがつけているのと同じ時計だ。針もコチコチと刻んでいる。

 「実は!この時計には今までついていなかった新機能があるの!」

ほう。新機能か。

 「それはね……」

そういってキョウコは言葉を切って、こちらの反応を見る。

 「もったいぶらずにさっさと話せ」

こっちは早く逃げなきゃならんというのに。

 「この腕時計には………」

一体何なんだ?そんなに勿体付けるということは相当すごい機能が……

 「現在時刻が表示できるようになったのよ!!」

 「「………。」」

なんか今すごくおかしなことを聞いたぞ?

 「あ、あれ?やけに反応が薄くない?」

 「キョウコ、それは『腕時計』なんだよな?」

 「もちろん!」

 「とけい、というのは時間が分かる機械じゃったよの?」

 「もちろんよ、おじゃる丸君」

となるとますます分からない。

 「時計、というものは時間を知るための機械じゃなかったのか?」

何で現在時刻を表示できるようになったことが新機能になるんだ!あって当然の機能だろ?!

 「い、いや~……。他にいろんな機能を付けていったら腕時計の機能がはいらなくなっちゃって………」

よく分かった。こいつバカだ。

 「け、けどあたしは天才錬金じゅちゅちっ!」

 「噛んだの」

 「噛んだな」

それも盛大に。確かに錬金術師って言いにくいからな。

そもそも自分で天才とか言うか?

 「は、発明に成功したの。錬金術の秘宝である賢者の石……」

賢者の石って本当にあったんだな。

鉄を金に変えるだとか、不老不死をもたらすとかいうあれか?うんくさくなってきた。

 「のレプリカを」

レプリカなあ………。

 「期待せずに聞くが、賢者の石のレプリカでは何ができるんだ?」

 「情報を蓄積できる」

ほうほう。それで?

 「………」

終わりか?い、いやもっと色々あるだろう?!

 「…………」

 「……………」

流れる無言の時。

 「………………?」

キョウコが不思議そうに首をかしげている。

 「………お、俺の聞いた話だと賢者の石っていうのは、赤い石で鉄を金に変えることができて、不老不死もできるんじゃ……」

 「できないよ?ついでに言えばあたしの作った賢者の石は黒い色してるし」

 「それはレプリカとはいえ賢者の石を名乗っていいレベルじゃないような気がするんだが?!」

 そんなこんなで俺は組織とやらの一員となった。ちなみに組織の名称はないらしい。名前を決めるときに候補として上がったものが相当痛いものだったらしく、結局は名前のないただの組織として機能しているそうだ。……きっと他の組織の連中もキョウコと同じく残念なやつなんだろう。

 おじゃる丸は元いた世界に帰った。ん?おじゃる丸についていかなかったのかって?何を言う。話によるとおじゃる丸の世界の地球は宇宙人に狙われているんだぞ。そんな危険な世界に行くのなんてごめんだ!!

 「ラディッツ、カト姉と悟空は組手終わったって!」

そういえばいつの間にかずいぶん時間がたってしまった。

そしてごそごそと妖精の箱庭をいじり始める。二人を箱から出すのだろう。

 だが、一体どういう戦いだったのだろう?

紳士的な種族だと、お互いの技を一発づつ受けあって終わりというあっさりしたものもあるが、カカロットに限ってそれはないだろう。

だとするとどちらか一方だけがボロボロという展開か?実は、ベジータとカカロットが戦った時みたいにお互いがボロボロになるということは稀だ。大抵はどちらかが相手の戦力を上回っていて、勝負は一瞬で決まることが多い。だがもしそうなったときにボロボロになっているのはカトレアの方だろう。あの時気を解放したのを見たが、あんなのではとてもカカロットには及ばない。戦闘力は精々が千といったところだろう。

 俺はそう思っていた。

 「んな?!」

だがそこには嘘みたいな光景が広がっていた。

 「カト姉、お腹大丈夫?」

そう。キョウコが言ったようにカトレアの腹は、その部分の服が破けそして血がべったりとついていた。

 だが心配するのはそこじゃあない。

 「大丈夫、よ。これは、もう、治っているから」

カトレアはそんな風に、まるでさっきまでは怪我をしていたがすぐに治した(、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、)かのように言った。

 そう、問題にすべきはそこじゃあないのだ。

 「………おい、カトレア。その手に持っているものはなんだ?」

俺はカトレアの持っているものを指さしながら聞く。それは人の腕だった。しかも切り口は鋭利な刃物で切り取られたかのように鋭い。だが、まるで獣が肉を食べたかのように欠けている。しかもカカロットの腕にはめていたリストバンドをはめていて―――

 「見て、わからない?」

そう。それはまるで、

 「悟空の、腕よ」

まるでカトレアがカカロットの腕を一口タベテしまったかのような、

 「おいしかったわよ」

後ろを見ると片腕を失ったカカロットがいた。

 

 

                      15話に続く!

 

 




ファリアス濃度。これが低かったからあたしはビーデルと同じ修行をしても舞空術ができなかったんだ!あたしだってドラゴンに行けば舞空術くらいできるはずなんだ!!
………すみません。もう二度と言いません。

それはさておき。
 今回、特に最後の方が人によってはグロ描写です。でもこの作品はあくまでもギャグとして書きたいのであえてタグにR-15はつけていません。原作でも天津飯の腕がなくなって血が噴き出ていたり、セルが16号の顔を踏みつぶすときに目がキモイ感じに飛び出ていたりしたので。今回はセーフかな?と思っています。
 ただ、これはあくまでも主観なので『何言ってんだこいつ。R-15タグ入れろや!運営に報告するぞ』なんていう方がいましたら遠慮なくどうぞ。すぐにタグを追加します。
 他にも『この作品にはこういうタグも入れろ』なんていうという方もどうぞ。批評も受け付けます。

電脳メガネ:電脳コイル
忘れん棒:ドラえもん
錬金術関連:吉永さんちのガーゴイル、ガーゴイルおるたなてぃぶ


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