もし江ノ島姉妹に兄がいたら(試作) (zinba)
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ハジマリ

あらすじで書いた通りこの物語はだいたい捏造です。


何故俺はこんな難しいことに挑戦しようと思ったんだ?。


俺、江ノ島 月《あかり》は転生者だ。

 

・・・・多分、これを聞いて俺を痛い人間だと勘違いする奴がいると思う。

わかる。凄くわかる。

俺だって、いきなり「転生者です。」と言う奴を見つけたら、今後一切そいつに関わらない様にする。

同じ人間だと思われたくないからな。

だが、事実は小説よりも奇なりという言葉があるように、俺は実際転生した。

というか、信じてもらえないと話が進まないので、俺が転生者だと納得してくれ。

 

さて、転生者と聞いて、ピンとくる人がいるかもしれないが、よくssに出てくるオリ主はこれに該当する。

事故、あるいは神様の不手際で死んで、神様からチートな特典を貰い、原作に関わりながら俺TUeee状態になるのが、多いだろう。

他には、主人公のヒロインを寝取って、自分だけのハーレムを作るとか、登場上人物の踏み台になったり、多種多様な者が存在したりする。

 

だが、残念なことに俺は無駄に神々しい神様に会ってないし、ましては特典なんて言う便利な物は貰ってなく、気がついたら、まだ生後幼い赤ん坊になっていた。

 

しかも、どうにも前世の記憶を思い出せない。

なんの前触れもなく転生したことで、混乱したものの赤ん坊とは思った以上に暇だ。

時間が経つにつれ、段々心に余裕が出来てきて、今の現状やこれからについて考える時間が出来た。

その時に気がついたのだが、どうやら俺には『前世の記憶』というものが存在しない。

正確には、前世の自分が何者で、どういった人生を送ったのか思い出せないといった感じだ。

エピソード記憶と言うんだろうか、兎に角俺にはその記憶が綺麗さっぱりなくなっていた。

前世の自分がどんな人生を送って、どんな最後だったか?

少し気になるところだが、はっきり言って今世の人生には関係ないことだと思ったので、ぶっちゃけ思い出せなくても良いと思っている。

 

記憶に関してはまだいい。

さっきも言ったが、今世の人生には前世の記憶など必要のないものだ。

だが、これから始まる第二の人生について、俺は重大なことに気づき絶望してしまった。

 

それは、・・・・俺が転生した世界が『ダンガンロンパ』の世界で、苗字が江ノ島【黒幕と同じ】ということだ。

 

 

・・・・・・・詰んだ。

 

 

いや、割とマジで詰んだ。

一体何でこうなった。

何で俺が、登場人物の大半が死ぬ、原作には出てこないモブキャラですら悲惨な死に方をする世界に、転生しなくちゃいけないんだ!

しかも、妹に殺されることに感じるダメ姉となんかもうキャラが掴めない絶望妹と同じ苗字って、これから始まる死亡フラグが回避できねえよ!

俺はあのいろんな意味でキャラが濃い人達と生きていく(殺し合い)しか道がないのか⁉︎

 

 

はははは(震え声)、なにそれ?、馬鹿なの?、死ぬの?

ああ‼︎、そうだよ‼︎、死んだんだよ‼︎(転生者)

 

 

・・・・・すまない、取り乱した。

今のは、忘れてくれ。

 

 

さて、この事実に気付いた俺は、酷く混乱して絶望してしまったが、まだ希望がなくなった訳じゃない。

この世界に希望ヶ峰学園があることは確認済みだから、俺がダンガンロンパの世界に転生したことに間違いはない。

だが、苗字が同じだからと言って、俺があの江ノ島姉妹と何らかの関係を持っているとは、少し考え過ぎだ。

それに、もしかしたらこの世界が、俺の知っているダンガンロンパの世界ではなく、それと似ている世界かもしれない。

例えば、超高校級の絶望が生まれてこない世界。

頼むから、そうであってくれ。

 

そして、俺の願いが通じたのか、転生してから3年が経ってはいるが、未だに江ノ島姉妹に会っていない。

俺の今の両親に、さりげなく聞いてみたが、どうやら弟や妹をつくる気はないらしい。

それに、家の近所を見て回ったが、原作に出てくるキャラ達の名前は見つけられなかった。

 

やはり、少し考え過ぎだったみたいだ。

別に珍しいわけではない、やはりただ単に苗字が同じの赤の他人だ。

俺はそう納得することで、安心することにした。

 

だが、あいつは俺が安心するのを見計らい様に、俺の前に現れた。

 

 

「月お兄ちゃん、あーそーぼ。」

 

 

あいつ、・・・・幼い頃の江ノ島 盾子に。

 

 




編集していたら、ものすごく短くなってしまった。
もし、前の方が良かったならば、感想で教えてください



アドバイス、感想待ってます。


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ゲンサクイッポマエ

今回も短い。

でも、今文化祭の準備で忙しいので、限界です。


夜、日本のとあるビルの屋上に二人の人間がいた。

 

一人は、スラリとした長身に加え脚も長く、モデルの様な体型をしていて、顔も整っている美人・・・・というよりかは、少し子供特有のあどけなさが残っている可愛い系の女性。

髪型はボリュームのある金髪のツインテール。

それぞれ右には白色の熊の髪留め、左は赤く鋭い目付きという悪趣味な黒色の熊の髪留めをしている。

服装は白縁の黒のブラウスと赤いチェック柄のミニスカート、脚には黒いロングブーツを履いていて、ブラウスは胸元を露出させて見せブラするほど着崩しており、首元には白色の絵柄がないマフラーと申し訳程度に結ばれたドット絵柄の白いネクタイを下げている。

歳も若く、もし学校に通っているならば、彼女は高校生なのだろう。

 

良く言えば派手、悪く言えば、ビッチみたいな服装をしている彼女はビルの屋上にあった事故防止の柵を越え、あと一歩進めばビルから落ちてしまうにもかかわらず、腕を組み仁王立ちをしている。

その表情はまるで、好きな異性に告白して成功したかの、先程からにやけ顏が止まっていない。

 

もう一人は、男性で女性と同じく長身で脚も長く、顔つきもどことなく女性と似ていて、少しタレ目だ

髪型は金髪のショートカットで頭頂部になんとなく元気がないアホ毛。

服装はYシャツの上に黒色のパーカーを着ており、下は黒色のズボンで、女性と比べて特徴も格好も地味な男性をしている。

歳は女性と同じか、それより少し多いぐらいだろうか。

 

良く言えばシンプル、悪く言えば、特徴の無い彼は、彼女の隣に座り、脚だけを外に出していて、つまらなそうに目の前の光景を見ている。

 

人気のない屋上に年頃のカップルが二人きり、・・・・もしここに『満天の星空の下で』と付け加えるとすれば、もっとロマンチックになっていただろうが、残念ながら天気が悪いのか、星が一つも見つかっていない。

 

さて、何故この対照的な二人が、ビルの屋上にいる理由かと言うと、女性が男性に告白・・・・・した訳でもなく、ただ単に屋上から見える景色を見たかっただけである。

理由と言っても、あったのは女性の方だけで、男性は強制的に連れてこられただけだが。

 

ただ単に屋上から見える景色を見に来ただけ。

それ以上でもそれ以下でもない、とてもありふれた理由。

 

だが、そんなありふれたことをしている二人は、常人には異常に見えているのであろう。

 

何故か?

 

それは、二人の目的である屋上から眺めている光景が、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめろ‼︎、私が犠牲になるから、妻と子供に手を出すな‼︎。」

 

「冗・・・・冗談だよね。そんなことしたら死んでしまうよ。警察に捕ま」グチャ

 

「一つはあの人の為、グシャ、二つはあの人の為、グシャ、三つはあの人の為、グシャ、・・・・・・・・・・・・。」

 

「・・・・何しているの父さん。」

 

「ん?、見て分からないか?、母さんだよ、母さん。そんな事も忘れたのか?この赤い鮮血具合。母さんしかありえないだろ。」

 

「血が、血が、血が、・・・・・ああああああああ‼︎。」

 

「絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望絶望・・・・・」

 

 

 

 

煙によって出来た黒い雲が夜空を隠し、燃えるさかるコンクリートの大地を、半分が白色の熊ともう半分が赤い鋭い目付きの熊の仮面をつけた『ヤツら』が、人を殺し、殺させ、絶望させている地獄絵図だからだ。

 

自分の妻と子供を我が身をていして守ろうとするが、守る筈だった家族に後ろから刺され、絶望して死んだ男。

 

全く知らない赤の他人に、何の理由も無く、鈍器で殴られた男。

 

光も無く、真っ黒な目で、死人の頭を殴り続けている少女。

 

質問に、妻だったモノを見せて不思議そうにする血フェチの男と、それを見て、自我をなくした子供。

 

もう一度言うが、これを見ている二人は、異常に見えるであろう。

 

彼女がこの光景を創り出し、全ての黒幕である【超高校級の絶望】、江ノ島 盾子とその義兄である江ノ島 月という事実を知っている人も、江ノ島 盾子に感化された絶望も含めてもだ。

 

何故か、それは目の前で行われている、余りにも狂気的で、理不尽で、現実味も無い、希望も無い、絶望的な・・・・後に『人類史上最大最悪の絶望的事件』と言われ恐れられた光景を、屋上にいた盾子と月は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぷぷぷぷぷ〜♪、兄貴と二人きりだ〜〜♪。」

 

 

「・・・・・・・・腹減った。」

 

 

視界にすら入っていなかったのだから。

 

 

 

 

これは、希望ヶ峰学園本校で行われていた総勢15人の『超高校級の才能』を持つ少年少女が、殺し合い学園生活を全国放送される1週間前のことだった。

 

 




アドバイス感想待っています。




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ハジメマシテ

現在、ダンガンロンパゼロを読んで勉強中です。
どうもzinbaです。

子供の時の松田君出したいけど、口調わかんねぇ。


俺がまだ、1歳になったばかりである幼い頃のあいつと初めて会ったのは、二度めになる3歳の誕生日から6日が過ぎた、12月31日のことだった。

 

何故、大晦日の前日にあいつと会ったのか?

いや、正確には会ってしまっただな。

もし、会うと知っていれば、俺はどんな事でもして、阻止するつもりだったし。

 

だけど、「年の初めを家族や親戚を交えて祝いあう」というものが、江ノ島家のルールにあり、その席に父親の弟の娘として、あいつがくる事なんて、誰が予測出来ただろうか。

 

いや、いつ死亡フラグに巻き込まれるか怯えていて、疑心暗鬼になっていた3年間の時ならば、俺とあいつが従兄妹だという可能性に、気付いていたかもしれない。

だが、3年間も何も起こらなかったから油断していたんだろう。

 

まあ、その可能性に気付いたとしても、今の俺には出来るだけ関わらない様にする事しか出来ないのだ。

というか、関わらない様にする事が重要だ。

 

原作に出てくるあいつは、『超高校級の絶望』として恐れられ、人々に絶望を与え、正真正銘世界を滅ぼすことに成功するほどの狂った人間だ。

 

仮に、俺が転生者とバレてしまったら。

「転生者って、どうやって絶望するのか気になる。」

とか意味不明な事を言ってきて、最終的には、

「やっぱりつまんない。」

転生者も他の人間と変わらないと気付くと、あいつの極度の飽き性の事だ。

 

壊れるまで絶望させておきながら、興味を無くすと道端に落ちているゴミ同様に捨てられるか、捨て駒として使われるのだろう。

 

もしそうなったら俺は一体どうなってしまうんだろうか?

 

・・・・・考えただけでも恐ろしい。

 

少し考えただけでも、原作キャラ達と同じ、いやそれ以上の【終わり方】しか思い付かない。

 

アニメや小説の時は、楽しんで見ていたのに、まさか自分がその世界に来るなんて、もしかしたら俺は超高校級の不幸なのかも知れないな。

 

そんな才能があったら、コピーさせて自滅させる事もできるんだが。

 

あいつの事だ。

自分が不幸な事を絶望して、純粋に楽しむんだろう。

 

あいつはそういう人間だ。

 

だから、俺は関わらない事が、得策だと思い付いた。

関わったとしても俺には、なんのメリットがないからな。

原作知識を使って、殺されたり絶望させられた人を助ける?

無理だな。

あいつに隠れて、そんな主人公まがいな事をする実力は、俺には無いし、する気も無い。

さっきも言ったが、助けても俺にはメリットが無いし、逆に目をつけられてしまう。

それに、やったとしてもただの自己満足になるだけだ。

 

なら、見捨てるのか?

 

当たり前だろ。

そもそも俺には、何故他人を助ける意味がわからない。

そいつを助けたら今度は、自分を助けてくれると思っているのか?

 

それは違うな。

 

どんなに人を助けてようと、恩を仇で返されるだけだ。

人を助けるには、凡人には難しすぎる。

 

俺はそれが別に悪い事じゃないと思っている。

綺麗事を並べようと、最終的には自分が1番だからな。

 

ただ俺には、それでも他人を助け続けいく、主人公の気持ちがどうしてもわかない。

そして最後には、全員が救われて笑う事が出来る、主人公の理不尽さが憎いだけだ。

 

非道?

 

ああ、俺は間違いなく非道だ。

未来を知っていて、助けられる事が可能な人間を見捨てているのだからな。

だが、恨むなら何もしない俺ではなく、主人公に会えなかった自分の不幸を恨むんだな。

 

だが、俺の考えは失敗してしまった。

 

3回目になる祖父と祖母の家で行われた集まりに、俺は何も知らされずについていき、そして会ってしまった。

 

あいつ・・・江ノ島 盾子に。

 

俺は初めて江ノ島に会って、二重の意味で驚いた。

 

一つ目は、本当に俺と江ノ島が何らかの関係を持っていた事。

 

そして二つ目は重要だった。

1歳になったばかりである江ノ島は、まだ『超高校級の絶望』として目覚めておらず、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「あっ、月お兄ちゃんだ。」

 

 

凄く可愛いかった事だ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ!、しまった。

 

余りの可愛さに思考を停止してしまった。

 

と、とりあえず停止する前の事を思い出すんだ。

 

大晦日前日の為、祖母と祖父の家に朝早く出かける。

一時間半ぐらい運転して、木造建築の広い家に着く。

家に着き、家族3人で祖父と祖母に挨拶。

両親はそのまま談笑に入り、俺は暇だったので、空き部屋で家から持ってきたゲームで遊ぶ。

叔父と叔母が来たので、いやいやながら挨拶に行く。

挨拶しに行くと、まさかの江ノ島 盾子に遭遇。

余りの可愛さに思考を停止。(今ここ)

 

ふう、なんとか思い出したぞ。

 

・・・・・・・・・ええええ‼︎

 

嘘‼︎、なんで⁈

なんで俺の前に、江ノ島 盾子が居るの⁈

いや、一緒に来たった事は、2人の子供って事はわかるけど。

それでも、唐突過ぎない。

折角俺が、3年の間にフラグを回収しない様に考えていた案が全て水の泡になってしまったじゃないか。

確かに、前の年は子供が生まれたから参加しないって、言ってたけどまさか本当に、俺と江ノ島に従兄妹の関係だとは、思わなかった。

つうか、生まれたなら名前ぐらい教えろよ‼︎

 

と、とりあえず落ち着くんだ俺。

虚度不信になると怪しまれてしまう。

ここは凡人を装って、どこにでもいる普通の子供だと思わせるんだ。

 

 

「・・・・お久しぶりです。叔父さん、叔母さん。そして・・・・えぇっと・・・」

 

 

「ああ、久しぶり月君。相変わらず君は兄さんに似て、礼儀正しい子だ。。・・・・あっ、紹介が遅れていた。この子は娘の盾子だ。仲良くしてやってくれ。」

 

 

「盾子だよ。よろしくね、月お兄ちゃん。」

 

 

そう言って、江ノ島は笑顔で俺に向かって、手を出してきた。

流れ的に、握手をしたいのだろう。

 

正直挨拶だけ済ませて、帰りたいのだが、流石にそれは不自然過ぎる。

迂闊に、変な態度をとると相手に印象を残してしまう可能性があるからな。

ここは、要望に叶えて握手をするか。

 

 

「こちらこそ、江ノ島さん。」

 

 

「盾子でいいよ。」

 

 

だから、俺は油断していた。

産まれてから1年しか経ってしない江ノ島は、まだ『超高校級の絶望』に目覚めていない普通の少女だと思っていた。

間違ってはいなかった。

確かに、その時はまだ才能に目覚めていなかった。

 

だが、

 

初めて会った時から、江ノ島 盾子という少女は、既に【普通ではなかった事】は、俺はまだ知らなかった。

 

 

「・・・・あの、江ノ島さん?」

 

 

「盾子でいいって、月お兄ちゃん。」

 

 

「・・・まあ、名前の事は後でいいか。それでね。」

 

 

「な〜に。」

 

 

「何で、俺の手を離さないの?」

 

 

「ん〜、わからない♪。」

 

 

その時見せたあいつの笑顔は、純粋に輝いていて、まるで絶望を知らない、希望に満ち溢れていた笑顔だった。

 




アドバイス感想待っています。


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ミライ

どうも、アニメを最終回までみて、どういう結末にするのか、悩んでいるzinbaです。

まっ、アニメが終了したの何ヶ月も前の話だけどな!

・・・・・投稿遅れて、すいません。



いやいやながらも叔父さん達に挨拶、ついでに江ノ島 盾子と初対面も済ませたあと、俺は家の案内を任される事になった。

当然のことだが、実家である叔父さんと何回も来たことがある叔母さんにではなく、初めてこの家に来た江ノ島にである。

 

正直めんど・・・・娘さんの紹介が先ではと思ったが、というか言ったが、「同世代の子といた楽しい」的な発言を叔父さんが言い、江ノ島もそれに賛成、こちらに期待の眼差しを送ってきた。

 

本当なら断って、『顔見知り程度の従兄妹』ぐらいの距離感を保ちたかったのだが、男のさがと言うんだろか、美少女の期待の眼差しに首を振ることが出来ず、あえなく承諾。

 

その結果、俺はめでたく従兄妹のお守りを任される事になってしまった。

 

・・・まあ、未来は兎も角、美少女と行動できるのならこれも役得と考えておこう。

それに暇だったし。

 

俺は今の状況をそう納得する事にして、隣に歩いている少女を横目に見る。

 

 

「〜〜探検♪探検♪〜〜月お兄ちゃんと探検♪〜〜」

 

 

先程から何が楽しいのか子供特有の高い声で鼻歌を歌っている少女。

母親譲りの金髪を肩まで伸ばし、髪同様日本人には珍しいく、透き通る程綺麗な薄い水色のクリッとした目。

一度も外に出たことがないのでは、と思ってしまう程シミ一つない白い肌。

まだ1歳なのが嘘の様に、顔の一つ一つのパーツが整っている。

 

もしこのまま人だかりの多い所に行けば、世の男どもは少女の可愛らしい姿に振り向くだろうし、10人中10人はこの少女のことを美少女と呼ぶだろう。

 

だがこの世界の住民は、まだ知らない。

その姿と裏腹に彼女の正体は、この世界においてとある事件の黒幕であり、俺が転生してから最も会いたくなかった人物。

あと何年か過ぎたあとに、世界を絶望に染める一歩前まで導いた少女。

 

 

『超高校級の絶望』

江ノ島 盾子

 

 

・・・・・なのだが、

 

 

「月お兄ちゃん!」

 

 

「・・・・ん?どうした?」

 

 

「えへへ、呼んだだけ!」

 

 

そう言った江ノ島は、悪戯が成功した子供(実際に子供)に、無邪気な笑顔をこちらにむけている。

 

 

「・・・・そうか。」

 

 

ちょっと笑顔に、見惚れて反応が遅れてしまった。

というか江ノ島さん?それ反則級ですよ?

なんか知らないけど、キラキラみたいなエフェクトがついてたよ。

ごちそうさまでした。

 

・・・・しかし、そんな化け物には、見えないんだよなあ。

初めて会った時も、今見せてくれた笑顔も、俺が思っていた超高校級の絶望である江ノ島 盾子の笑顔のイメージと全く違う。

俺の思っていたイメージは、もっと絶望的だったというか。

触れてはいけないモノというか。

知識だけしかもっていないから、変な先入観がでてしまったのだろうか?

 

それに、違うのは笑顔だけじゃない。

確かに、顔は似てるし髪の色と名前も同じだが、明らかにこの少女と超高校級の絶望は全く別の存在の様に感じる。

 

 

話しかけられた時に、返事をしたら嬉しそうにするし。

 

笑った時は、絶望という言葉を何ひとつ感じないし。

 

握手してからずっと握っている手も、ほんの少し力を強めると強く握り返してくるし。

 

 

なんて表現したらいいのかな?

 

 

例えるなら、・・・・どこにでもいる普通の少女の様な・・・・

 

 

「・・・・・当たり前か。」

 

 

「?、どうしたの?」

 

 

「いや、これから何しよかなって。」

 

 

「えぇぇ、探検するんじゃないの〜。」

 

 

「正確には、探検じゃないけどな・・・まあ、寒いし。案内任されたけど、部屋の中で、ゲームの方がいいかもな。」

 

 

「ゲーム⁈、やるやる!早く行こ月お兄ちゃん。」

 

 

江ノ島もどうやら家の案内より遊ぶ方がいいらしく手を引っ張って、急かしてくる。

その姿は、超高校級の絶望の面影は無く、普通の少女みたいだ。

 

・・・・・いや、みたいだではないな。

 

江ノ島と少し会話しかしてないが、なんとなくこいつの正体が分かってきた気がする。

 

俺が思うに、こいつは間違いなく『江ノ島 盾子』本人だ。

正確には、『超高校級の絶望』に目覚める前の、と言ったが方が正しいな。

名前が同じだし姿も似ている。

極め付きは、この少女の『異常さ』だろうか。

先程から会話しているが、よく考えれば彼女はまだ生後一年しか経っていない幼児だ。

なのに、彼女は俺の言葉を理解しているし、会話も成立している。

確か、原作の江ノ島 盾子は天才的頭脳の持ち主だったはずだ。

そもそも江ノ島は、高校生の時に世界を滅ぼそうとし、ほとんど成功していた。

そう考えれば、1歳の時点で会話ができても不思議では、・・・ないのか?

 

まあ、俺はそういう専門的な知識がないからよくわからないが。

 

・・・・と思ってみたが、この考えには、不確定なところがある。

 

だって、明らかに性格違うじゃん!

 

今目の前にいる少女は、俺の目からも天使に見えるのに、原作のアレはもう悪魔じゃん。

小悪魔系女子じゃなくて、魔王系ラスボスだぞ。少女ですらないぞ。

 

それに才能についても、気になることがある。

さずがに、産まれた時から才能に目覚めていないと思っていたし、原作と今の違いからまだ才能には目覚めていないのだろう。

だが、それはこの少女のこれからの人生に、『超高校級の絶望』に目覚める『キッカケ』あるということだ。

 

『キッカケ』さえ無くなれば、江ノ島 盾子は『超高校級の絶望』にならず、誰も死なずにすむ。

 

だが、もし失敗したら。

 

江ノ島 盾子は原作通り世界を絶望させ、大量の死者を出し、その従兄妹である俺は、未来機関と絶望の残党に、目をつけられてしまう。

 

・・・・こういう時は、迷わず問題を解決する・・・というのが、お決まりなのだろう。

 

だけど、・・・・だけどだ。

 

俺は転生者で、本当なら原作には登場しないイレギュラーだ。

もし、俺が軽はずみな行動をすれば、原作に大きな影響を与えてしまう可能性がある。

 

だが、確か原作では、最終的にハッピーエンドで終わったはずだ。

 

つまり、俺が原作に関わらず、何もしなかったら原作通りに終わる。

何万という人の犠牲により・・・・

 

俺が『キッカケ』を無くし、『超高校級の絶望』が生まれなかったら誰も死なずに、ハッピーエンド。

だが、失敗したら、・・・取り返しのつかないことが、起こる可能性がある。

 

確定した希望の未来を選び、多くの犠牲を払うか

 

予測がつかない絶望の未来を選び、多く犠牲を救うか

だが、後者に関しては、失敗が許されない。

 

・・・・はぁ。

俺は、こんなめんどくさいに巻き込まれないため、江ノ島に関わらないように、しようと思っていたんだがなあ。

まだ、会ってから数分しか経ってないぞ。

 

いっそのこと元凶である江ノ島がいなかったらこんなめんどうなことには、ならないのに。

 

 

・・・・・いなかったら?

 

 

「月お兄ちゃん、部屋まだ〜。」

 

 

「ああ、ここ。俺が暇つぶしよくつかってる部屋。」

 

江ノ島 盾子がいなかったら・・・どうなる?

原作見たいな未来が起きず、俺も普通な生活がおくれる?

誰も死なず、誰1人絶望に堕ちない?

 

 

「暖房ついてて、あったか〜い。・・・そういや、ゲームってなにするの?」

 

 

「まあ、2人でするからオセロとかかな?将棋ちょっと覚えるまで、時間かかるし。」

 

 

それって俺が望んだ未来じゃないのか?

 

そしてその本人は、俺の目の前にいて、まだ1歳で無防備。

そして1歳ならば、事故とし紛らわせることも出来るかもしれない。

 

 

「じゃあ、早速やろう!」

 

 

「そう、急かさなくても、・・・・時間はたくさんあるんだから。」

 

 

・・・江ノ島 盾子を【殺せば】全てが丸く収まる?

 




ふう、なんとか年を越せる前に、投稿することが出来ました。
みなさんはどのような1年をおくりましたか?
僕は特にいつも通りの1年でした。
だが、みなさん知っていますか⁈
来年の1月ダンガンロンパの新シリーズがでるんですよ⁈
機種をもっていない為買う予定は未定ですけど。
長い間投稿していなくて、失踪していると思った人もいるかも知れませんが、期末テストとインフルと大掃除などが、被っただけです。
だからと言って、投稿が早くなる訳ではないので、あしからず。
では、来年もこの作品を読んでくれることを願っています。

アドバイス感想待っています。


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ヤルゼンヨリヤラナイアク

この小説の投稿間隔と話しのスピードの遅さに絶望しています。
どうもzinbaです。

・・・・救いはないのか。




『人を殺す』という行いは、この世で最も忌み嫌われることの一つだと俺は思う。

それは『第三者によって殺される他殺』しかり、『自分で自分自身を殺す自殺』も同じ。

だって本質はどちらも同じ人殺しだからだ、それに例外はない。

 

どんな無情な理由があり、どれほどの苛烈な過ちがあり、ハッピーエンドの後日談があったとしても、結末が人殺しであるならば、その行いを正当化することは出来ないんだと思う。

人殺しをしたら最後、一生自分のした行いに、罪悪感を感じなければならないから。

どんな完全犯罪が成功しようと自分だけは、それを知っているからだ。

 

・・・・・だが、テレビや新聞でよく聞くことがあると思う。

〜〜が死んだや、〜〜が遺体で発見された等の人の死に関するニュースだ。

 

もちろんのことだが、全てが人殺しというわけではない。

 

人ではどうしようもない自然災害や病、思わぬ事故や老衰でっていうこともある。

だがそれでも、全体から見たら1パーセントだろうとほんの僅かだろうと、確実に人殺しが行われている。

 

それは、人が生きているならば、しょうがなく起こりうる可能性であり、言い換えたら人災なのかもしれない。

だからと言って人殺しを正当化・・・までとはいかなくても、認めることは出来ない。

 

人殺しとは、例外なく最も忌み嫌われることの一つだからだ。

 

・・・・ただ、人殺しの正当化、或いは認めるか認めないかでは、例外が存在する。

 

代表は、戦争だろうか。

 

細かいことは省くが、戦争とは簡単に言うと武力による交渉手段だ。

自分達の正当性、或いは自国の防衛を武力によって解決する。

 

多分そこには間違いはない。

 

いくら戦争反対の流れがあったとしても、話術だけではどうしようもない時がある。

 

相手が攻め込んでくる可能性を取り除くべく、戦争を仕掛ける。

自国を守るために。

攻め込んで来た敵に、どれだけ犠牲を払おうとも戦争を開始する。

自国を守るために。

 

他にも違う思惑があるのだろう。

そこには、悪は存在する。

人殺しは間違いなく悪だからだ。

でも、善も存在する。

自国の防衛のために自分の命かけて戦う。

明らかにこれは善の代表格だからだ。

 

話が長くなってしまったが、俺が言いたいことは、一つだ。

 

 

『これから世界を絶望に落とすだろう江ノ島 盾子を殺すか殺さないか。そしてそれは善なのか悪なのか』

 

 

・・・まあ、考える必要もないことだけど。

 

だってそうだろ。江ノ島 盾子という人間は殺されて当たり前なんだから。

何人という人を絶望に堕とし、世界を滅亡寸前まで追い込んだ化けもの。

そして人ではなく、化けもの殺すのは悪でなく善だ。

そもそも考える余地などない。死刑確定の罪人だ。

 

 

それに、原作でも主人公達によって、あいつは殺された。

 

結局のところ、絶望は希望に殺される運命なんだろう。

時期が早まったかの違いだ。

 

ただ心配することは、原作が崩壊することだけだ。

 

ダンガンロンパという世界において、江ノ島 盾子は黒幕であり、いてはならない人間だ。

だが、原作開始時にすでに江ノ島 盾子が殺されていたならば、ダンガンロンパという世界は、始まらない。

原作崩壊とか以前に、そもそも原作すら始まらないということになる。

 

そうなってしまったたら、俺がいるこの世界はどうなるのだろうか。

 

そのまま原作なんてなかったかの様に進むか、それとも新しい超高校級の絶望が生まれるのか。

はたまた世界が崩壊するのか。

 

 

・・・・だが、そんなことは関係ない。

 

可能性の未来を考えても意味がない。

だってそれは、誰にもわからないから、わからないものを考えてわからないままだ。

 

だったら、わかることを考えたら良い。

 

そして今わかることは、『江ノ島 盾子が原作開始前に殺せば、世界中の人が救われる』ということだ。

 

 

・・・・だったら殺すしかないだろ。

だって仕方がないから、たった1人の少女によって世界が救われるから。

 

 

多分この考えに賛同する人がいるはずだ。

背中を押してくれる人がいるはずだ。仕方がないかと言ってくれる人がいるはずだ。自分がすると名乗りをあげる人もいるはずだ。

 

俺こと江ノ島 月は、そいつらにこう言いたい。

敬意を払って言いたい。情をこれでもかと入れて言いたい。常識と正論を加えて言いたい。

叶えるなら、そいつらの目の前で言いたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前ら、馬鹿だろ。」

 

 

「月お兄ちゃん何言ってんの?」

 

 





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