やはりポニーテールの彼女との恋ははじまったばかりである。【投稿再開】 (ハク真)
しおりを挟む
序章
意外な再会
こんにちは!
ハク真と申します( *´艸`)
私自身、SS書くのは初めてで拙い部分も多々あると思いますが、楽しんでごらんいただければ幸いです!
最初の作品のヒロインは私が大好きなサキサキと決めてました!
おっと、この話は長くなりすぎますね!
それではどーぞ!!
一4月、別れの季節も過ぎこれからはじまる新たな出会いに人はみなこころを踊らせている。
しかし、大学生になったこの俺、比企谷八幡はもうそんな期待はしていない。
なぜなら俺は孤高の探求者だからだ。
………ぼっちじゃないんだからね!
いま俺が何をしているかと言うとあれだ、
大学のオリエンテーションの後にある新入生歓迎会という名の牢獄からかろうじて逃げ終えたところだ。
うん、こうゆうときは家に帰って小町の手料理をたべるしかない。
そう思い込んだが、ここで大事なことを思い出してしまった。
俺、一人暮らしはじめたんじゃねぇか!
これじゃ最愛の妹の手料理が食べれない……。
よし、死のう、死ぬしかない。
「なに、死んだような顔で歩いてんのさ。」
ん?おかしい。誰かが話しかけてきた気がする。
いやいや、俺にはそんな知り合いはいないし…悲しいな。気のせいだろう。
「きいてんの?あんたにいってんのよ、比企谷。」
気のせいじゃなかったらしい。誰かと思い振り返ると、そこには川越…ちがう、川…川…
「なんだサキサキか。」
「サキサキゆーな。てか、比企谷もここの大学だったんだね。知らなかったよ。」
「まぁな。そもそも3年の時はクラスもちがったし、知らなくて当然じゃねぇの?」
そう、こいつ川崎沙希とは3年でクラスが離れ、予備校でもほとんど関わりがなかったので互いの進路などは知らなかったのだ。
とはいえ、特に募る話もあるわけではないので手短に別れを告げ去ろうとすると、
「あのさ、久しぶりに会ったんだし、お、お昼でも一緒にどう?」
「悪いな、今から忙しいんだ。また今度な。」
帰って録画したプリキュア見ないといけないしね!
"また今度"ってのはいい言葉だな。それがあろうとなかろうと使える万能な言葉だ。
すると、川崎は見るからに落ち込んだ様子で「そっか、急にごめんね。」と言ってきたではないか。
く、この程度で屈する八幡ではないぞ!
「だがまぁ、なんだ。お腹は空いたがひとりで食いに行くのもめんどうだしな。誰かちょうどお昼の人はいないかなー。」
「ぷっ、比企谷ほんと捻くれてるね。」
「うっせ、ほっとけ。」
屈しました。だって普段クールな人があんなしおらしい表情してみろ?歯向かえるやついるのか。
もしいたら俺が八幡パンチをお見舞いしてやる。
負けますね、はい。
「なにひとりでジャブうってんの。ばか?ほらさっさといくよ。」
「お、おう。てか、どこにいくんだ?お昼っつってももう2時過ぎだぞ?」
「あんたが行きそうなとこ、あそこしかないでしょ。」
そう言って悪戯っぽく笑う彼女の後ろを俺はのそのそとついていった。
いかがでしたでしょうか?
出会いで1話というのは初めから決めていたので、今回は短めのお話になります!
次回からはもう少し長めに書いていきますね( ;∀;)
次回の舞台は八幡大好きあの場所からです!
更新は三日以内にはできると思うので楽しみにしていてください!
それではまた!!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
あの場所にて
前回の二人の出会いから今回の舞台は……!
まぁわかりますよね?笑
それでは本編どーぞ!!
「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
「あぁ、ひとりで…「ばかじゃないの?ふたりでしょ。」……ふたりです。」
おっといけない、ついいつもの癖で1人って言いかけてしまった。ふと目の前に座る川崎を見ると不機嫌そうな顔でこちらを睨んでいる。
「悪かったよ。つい、いつもひとりで来るときの癖でな。しかしお前がサイゼに連れてくなんてな。」
「え?だって比企谷いつもサイゼいってるんじゃないの?外食は。雪ノ下たちともよくいってたみたいだし。」
なんで知ってる。なに、こいつ俺のこと好きななの?ごめんなさい、自重します。なので許してください。
すると川崎は顔を赤くし(なんでだ?)手をパタパタしながら慌ててこう付け加えた。
「いや、雪ノ下とか由比ヶ浜目立つし、嫌でも目につくってゆうか。べ、別に比企谷を見てたわけじゃないってゆうか。サイゼ…嫌だった?」
かわいいじゃねぇか、こんちくしょうめ。危うく惚れて告白して振られるところだった。あ、振られるんだ。
「愚問だな。サイゼは俺のソウルフードだ。メニューも全種頭に入ってる。」
「あはは、それはどうかと思うよ。それより自宅大好き比企谷がまさか東京の大学に進学してるなんてね。」
そう、なぜアイラブ自宅のこの俺がこうして東京の大学に進学してるかだ。
そもそもは俺は地元千葉の私立大に進むつもりだったんだが、親父に男は一人立ちするものだと家を出るように言われ、それだけならともかく小町にまで「ごみいちゃんは一人暮らしするべきだよ。」などと言われ、半ば強制的に家を出ることを決められて、それならと地元の近い東京の大学に進むことにしたのだ。
「あはは、そうだったんだね。なんてゆうか災難だったね。」
「誠に遺憾ながらこうせざるを得なかったというか、なんというかだな。だが、別にこの大学に不満があるわけではないぞ?ちゃんと自分で選んで決めたわけだし。」
「わかってるって。比企谷が自分の人生選択を適当に済ますようなやつじゃないことぐらいわかってるって。」
む、なんだ?こいつのなかでの俺の評価って意外と高いじゃねぇか。まぁ別に川崎の前でやらかしたこととかはないし、無駄に低くなってるっていうこともないか。
…ミラノ風ドリアうめぇ。
しかし、改めて見ても川崎って美人だよな。ルックスは言わずもがな、スッと伸びた細い足にくびれたウエスト、その上豊満な胸。豊満な胸。大事なことなので二回言っておこう。
なにより綺麗な髪の毛を束ねたポニーテール。見惚れてなんかないんだからね。……ほんとだからね!?
「なに、ぼーっとしてんの?」
「あぁ、悪い。」
川崎を観察してた何て言ったらどういう反応するんだろうな。いや、通報されて刑務所のなかだな。やめておこう。
「へんな比企谷。それよりさ、せっかく同じ大学なんだしメアド交換しない?」
断る理由は別にないな。だがなんでわざわざ交換するんだ?文通するわけでもないだろうし。
「ほら、やっといてくれ。」
「そんな躊躇もなく携帯を渡すなんて…。てかあんたの電話帳女の子ばっかりじゃない。雪ノ下に由比ヶ浜に生徒会長まで?このすけこまし。」
「なんでそうなんだよ。できたか?さんきゅ。」
その後、大学の講義の話やこの辺の情報など比較的真面目な話を終えてそのまま別れた。
…あー、つかれた。帰って寝るか。しかし川崎も同じ大学だったとはな。まぁずっと一緒にいるわけではないが、情報交換くらいはできるだろう。思ってたよりあいつとの話を楽しんでいた自分もいた。なんでだろうな。
ブーブー、ブーブー
【川崎沙希】
おつかれ。今日はありがと。
また時間会うときがあったら一緒にお昼してもいいかな?
じゃあ、これから大学でもよろしくね。
メールを読み、返信を手早く打つと自然と口角が上がるのをいつもの気だるい表情へと戻して帰路を進んでいった。
【比企谷八幡】
おつかれ。お昼の件、了解。
こちらこそよろしく。
はい!楽しんでいただけたでしょうか?
サキサキかわいい!それにつきます!笑
八幡とサイゼデートさせてあげたかったんです( *´艸`)
しかし、序盤から八幡が心を開きすぎでは?
いいんです、これがハク真クオリティ!笑
次回は大学内での出来事です。
更新はなるべくはやめにします!ぐだらないようにね♪
ではでは、また次回会いましょう!!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
突然の来訪者
更新かなり遅れてすいませんでした( ;∀;)
理由はあとがきで話します!
今回はみんな大好きあの子が登場しますよ!
おかしい。
絶対におかしいぞ?
今日、日曜日で学校がない俺は1日家でゆっくりと一人の時間を満喫するつもりでいたんだよ?
それなのになぜ今、自宅で女の子とお昼ご飯を食べている?
……ぼっちの悲しい妄想ではないぞ?
たしかに二人の女の子が家で普通にご飯を食べている。
一人はまだ分かるんだ、俺の最愛の妹である小町。
だがもうひとりはなんでだ?全く理解ができん。
「なぜ川崎が俺の家にいる?」
そう、なぜか川崎まで家で平然と一緒にご飯を食べながら小町と談笑してるじゃないか。
「なんでいるってそりゃ小町に誘われたからじゃない。わざわざ一人じゃ比企谷の家にはさすがに押し掛けないよ。」
「そーだよ、お兄ちゃん。そんな言い方じゃ沙希さんに失礼だよ?ポイント低いよー。」
そんな二人からの冷たい目線に一瞬怯みそうになるがこんなことでは俺は動じんぞ。
「いやいや、お前たちいつの間に連絡取り合う仲になったんだよ。初耳過ぎてついてけねえわ!
そもそも小町は千葉にいるだろ?繋がる意味がわからん。」
川崎とは偶然再会してから何度が大学でご飯を一緒にすることがあったり、多少話す機会は増えたけど小町の話なんて1回もでなかったぞ?しかも小町とは最近はあんまり連絡が取れずに何度枕を濡らしそうになったか。
「こないだ少し荷物を取りに千葉に戻ったんだよ。そしたらたまたま小町と会ってね。話をしたついでに連絡先交換したんだよ。」
「それで小町が今日お兄ちゃんのとこに行くからご一緒にどうですか?って誘ったんだよ!グッジョブでしょ?」
なるほどな、話はわかった。てか小町、グッジョブってなんだ。意味がわからん。そもそも俺にはちゃんとアポとってくれないんですね、わかります。
「ごめんね、比企谷。急にじゃ迷惑だったかな?」
そんなしおらしく言うんじゃない。かわい…んんっ!なんでもない。まぁ小町にアポを取れって言うのが難しいか。
「まぁ来たもんは仕方ないし食うもん食ったらはやめに帰れよ。俺は今日用事があるからな。」
「お兄ちゃんの用事ってどーせプリキュアでしょ?大丈夫、大丈夫!まっ、なんだかんだ追い出さないお兄ちゃんだし?長居させてもらうよー!」
「あ、あたしは忙しいならすぐ帰るからね!……(もう少し居たいけど。ボソッ)」
はぁ、せっかくの休みなのににぎやかになっちまった。まぁたまにはこんな休日もいいか。小町に久々に会えたのは単純に嬉しいしな。そして最近の俺はなぜか少し川崎といると楽しいっていうか妙に落ち着くんだよな。なんでかわからんけど、奉仕部の奴らに似てるような似てないような。
だから、川崎さん?俺は難聴系主人公じゃないから聞こえてるからね?勘違いしてもしらないよ?しないけど。
「はいはい、勝手にしろよ。けどあんまり騒ぐんじゃねえぞ。」
いかがでしたでしょうか!
今回は短めでしたが、実は自宅訪問編長くなりそうだったので2話に分けることにしました!
そして、更新がかなり遅れてしまった理由ですが最近、体調を崩して入院してしまいまして、その間執筆活動をストップせざるを得なくなってしまっていました。
ですが、無事退院して体調も順調に回復してきていますので、これから徐々にですが執筆再開していきたいと思っております!(週2ペースくらいかな?)
ですので、またご覧いただけたらうれしいです!
では、また次回お会いしましょう!!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
突然の来訪者②
いやー暑いですね!残暑厳しすぎでしょ!
この時期でもまだクーラーを手放せません(*σ´ェ`)σ
とまぁそんな話は置いておき、今回は前回のサキサキ&小町来訪編の続きになります!
それではどーぞ!
「あっ、小町用事を思い出したからそろそろ帰るねー。」
いやいや、小町ちゃん?ほんとに急に来て急に帰るのね。別にいいんだけどね?
「ならあたしも帰ろうかな。あんまり長居しても悪いし。」
お、川崎も帰るのか。これでやっと一人でゆっくり寝る時間ができ…
「いやいや、小町は一人で帰れますんで、せっかくですし沙希さんはお兄ちゃんと若者同士ゆっくりしていってください!」
…ませんね。なにいっちゃってるの小町。あなたの方が若者でしょ?てか俺が女の子と二人っきりで部屋で過ごすとかレベル高すぎだからね。それこそ村人が革装備で魔王を相手にするみたいなもんだぞ。無理ゲー過ぎるだろ。
「ではでは小町はこれでー!お兄ちゃん!しっかりやるんだよ?じゃあねー!」
そう言うとぱたぱたと慌ただしく小町は帰っていった。
「あ、おい!小町!ったくほんとに帰りやがったよ、あいつ。」
「ごめんね、比企谷。あたしもすぐ帰るからさ。」
「いや、大丈夫だ。こっちこそ悪いな、こんな状況にしちまって。なんだ、茶でも飲むか?」
そう言うと、川崎はこくりと頷き俺は茶を用意して持っていく。自分の分のマックスコーヒーも忘れずにな。いや、しかしこの年になってもあの甘さには病み付きになる。ありえねーって思ってるやつでてこい。俺が美味さを五時間ぐらい語り尽くしてやるから。
「ありがと。それにしてもほんと小町って元気だよね。天真爛漫って言うかさ。」
「全くだ。いつも振り回されて敵わん。まぁそれがあいつのいいところでもあるんだけどな。」
これは本音だ。実際小町の明るさに何度も救われたこともあったし。高校時代にも奉仕部のことで悩んでいる俺にいつもアドバイスをくれたり、助けてもらった。そのおかけでいまも雪ノ下や由比ヶ浜ともなんとかうまくやってこれてるしな。
「比企谷いま他の女の子のこと考えてたでしょ?」
なに川崎さんエスパーなの?心の中読めるの?それこそラスボスじゃねえか。どうして俺のまわりにはこんなにエスパーが多いんだよ。
「いや、考え事ないぞ?本当だ。」
「ふふっ、冗談だよ。でもほんとに比企谷ってシスコンだよね。高校のときからちっとも変わってない。」
「それを言うなら川崎だってシスコンだし、ブラコンじゃねえか。大志のやろう未だに小町と仲良くしてやがる。今度沈めるか。」
小町に近づく野郎共は一人残らず消し炭にしてくれるわ。
「比企谷?(ゴゴゴゴ)」
「ひっ。なんでもありません。」
怖すぎだろ。いまの川崎の目線なら日本のひとつやふたつ軽く葬れるところだぞ。これからこいつのまえでは大志撲滅計画を話すのはやめておこう。
その後はなんでもない様な話題の会話を少しして、川崎は帰っていった。
「今日はありがとね。比企谷が良かったらまた遊びにいっても、ううん、なんでもない。ならまた大学でね。」
帰り際に川崎が言ったこの台詞に一晩悩まされ、次の日寝不足で学校に向かったのは八幡しかしらない。
いかがでしたでしょうか?
小町の感じ出せてましたか?(不安げw)
小町も私が大好きなのではやめに登場させてあげたかったんです!
今回も楽しんでいただけたなら幸いです!
おかげさまでUAもかなりの数いただいており感謝感激しております!
これからも楽しく執筆していきますので、よろしくおねがいします!
そして今後近いうちに俺ガイル短編集を書いていきたいと思っております!
ですので誰々との話が良い!などのリクエスト等ありましたらどんどん感想欄などにコメントお願いします!
可能な限り書いていきたいと思っております!
次回投稿は水曜日ごろです!ではまた!!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
お久しぶりの…
このお話も少しずつながら読者さまが増えてきて、ますますやる気に満ち溢れております!
おかげで予定よりはやめに書き上がりました!
今回のお話は懐かしのあの方々がでてきますよー!
それではどーぞー!
太陽が煌々しく光を放つようになり、気付けば服装は長袖では暑く汗ばむ季節になってきた。俺も大学に入学し、早三ヶ月が過ぎ、七月になり、今日も気温が高く暑いはず。…はずなのに、俺はなぜだかさっきから背筋が寒くてたまりません。
「久々に顔を見せたかと思えば、これはどういうことかしら?大遅刻谷くん?」
はい、この方ですね。先程から俺に氷点下の眼差しを向けているのは元奉仕部部長である雪ノ下だ。
なぜいきなりこんなに怒らせているのかって?それは雪ノ下が言っている大遅刻谷くんというほぼ原型のない名前からわかるように、やっちまったのだ、遅刻を。俺は元から遅刻は全くしたことがないという人ではないが、今日はだめだろ!?
今日は久しぶりに奉仕部で集まろうと前々から由比ヶ浜が積極的に誘ってきた結果、そこまで乗り気じゃない俺や雪ノ下も動き会うことになっていた。まぁ、ぶっちゃけ楽しみじゃないこともなかったので、前の日ははやめに寝て寝坊しないようにするつもりだったんだが、見事にやらかしてしまった。もうこの眼差しで氷漬けにされて召すんじゃないかしら、俺。
「まぁまぁ、ゆきのん。ヒッキーだってわざとじゃないだろうしさ、許してあげようよ。それにせっかく久しぶりにあったんだしさ、時間がもったいないじゃん!」
「たしかにそれは一理あるわね。由比ヶ浜さんもそう言ってることですし、比企谷くん、命拾いしたわね。」
神はたしかに存在したんや。ありがとう、由比ヶ浜さま。てか雪ノ下、命拾いってマジだったの?八幡泣いちゃうよ?
「いや、ほんとにすまんかった。恩に着る、雪ノ下、由比ヶ浜。」
「あら、素直を謝ったのだけは好感が持てるわよ。」
「ヒッキーも謝ったことだし、さっそくいこー!ほら、ゆきのん!はやくはやく!」
アホの子、由比ヶ浜は今日も元気だな。おもいっきり雪ノ下引っ張ってるし。なんだかんだ、雪ノ下も嬉しそうにしてるし、懐かしいな。…いくか。
一一一一
それから近くの喫茶店に入り、簡単に近況報告などをしあっていたが、俺がポロっとこぼした一言から二人の目線が再び痛いです。
「なんでサキサキがヒッキーのうちに遊びに来てるの?わたしたちもまだ行ってないのに。」
ひっ。さっきは女神のはずだった由比ヶ浜もその面影は全くなく、にらみをきかせて尋問をしてくる。
「いや、あれだよ。川崎と偶然大学が一緒でな。そこで話すようになってなりゆきで来たというか。当然一人でじゃないぞ?小町が連れてきたようなもんだしな。」
八幡、嘘は言ってません。だからもう少し暖かい目を向けてくれないかしら?某猫型ロボットさんみたいにさ。暖かい目(キラキラ)。自重します。
「小町さんが?それはまた珍しい組み合わせね。その二人ってなにか接点はあったかしら?」
「それはだな、川崎が実家に荷物を取りに帰ったときにたまたま会って仲良くなったらしいんだよ。詳しいことはしらんが。」
それにしても、よくよく考えると小町のコミュ力高すぎないか?ほんと感心するほどに。とてもぼっちを極めてる男の妹とは思えんな。さすがは小町、そこに痺れる、憧れるぅ!
こうしてそのあとも尋問が続いたり、由比ヶ浜のアホな発言をいじったり、時間はあっという間に過ぎていった。そろそろお開きと駅まで三人で歩いて向かっている時、なんだなふと考えることがあった。
高校のときのある一件以来、こいつらとも疎遠になっていたときもあったけど、こうやっていま三人で会って話しているのも、こんな俺をこいつらが認めてくれたからなんだよな。だからこそこいつら二人は俺にとっては、ってなに一人で語ってんだよ。柄でもねぇし、やめだやめだ。
ドンッ
??「あっ、すみません!」
おっと、考え事してたら人にぶつかってしまったじゃないか。ほんとに俺らしくもない。
「いや、こちらこそすみません。大丈夫ですか?」
??「はい、大丈夫です!」
「よかった。それでは。」
怪我とかさせないでよかったぞ。これから考え事しながら歩くのはやめるか。あぶないしな。
「もーー、ヒッキー!危ないよ、ぼーっとしないの!」
「そうだな、わるい。」
一一一一一
先程のぶつかった場所でおそらく男の人がぶつかったとき落としたのだろう学生証をもった女は少し顔を高揚させ、他の人には聞こえぬではあろうボリュームで呟いていた。
??「あの人、比企谷八幡っていうんだ。そっか。やっとまた会えたっ、八幡くんっ。」
誰だ君はーーーー!!?
いかがでしたでしょうか?
今回は久しぶりの奉仕部メンバーとの再会でした!
サキサキSSといってもこの人たち無しに八幡は語れないと思い、登場させました!
サキサキ今回出番なしかよ!!最後の人だれだよ!?って人もご安心ください!次回たっぷり出てきます!!
次の更新は土曜日くらいになりますかね!
それではまた!!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
2章 ~変化~
比企谷八幡のツイてない1日
お久しぶりの投稿となってしまいました。少しプライベートの方が忙しくなってしまい、執筆に支障が出てしまいました。
楽しみにされてた方申し訳ありません!
活動報告の方には一応目安の投稿頻度は載せていますが、今回みたいにプライベートのことで多少遅れたりはあると思いますので、そこのとこはご了承ください!
それでは、長々しゃべってもあれなので本編どうぞ!
『モーニング占い、最下位の発表だよーっ!
最下位は……ごめんなさい!獅子座のあなたっ。
今日1日はツイてないことが多いかも…。
外出の際は気を付けてねー!
それでは1日がんばっていってらっしゃーい!』
ただでさえ憂鬱な月曜日、学生なら学校、社会人は仕事の始まりを表す日である今日、めずらしく朝食を食べながらテレビをつけるとこれだよ。別に占いを信じているわけではないが、どうも自分が最下位だと知るとどうにも気分は落ちてしまう。
はぁ。
「はぁ。」
おっと、声にも出てしまった。まぁでもあれだ、朝の占いってのは集団に対してやってるもんだろ。だったら集団に所属してない俺なら関係ないじゃないのん?やだ八幡悲しい。ばかやってないで、さっさと学校行くか…。
一一一一
………まじかよ。いきなりで何があったかわからんやつに説明してやろう。俺はあのあと支度を済ませて大学に向かってたんだ。いつも通り電車で通学してる途中、前の車両が人身事故を起こしたらしくあっけなく俺が乗った電車は遅延。講義に間に合うか厳しい感じになったんだよ。
ここまでならまだいいよ?けどなんとか講義に間に合ったかと思えばその講義はなんと急な休講、さらには次の講義の出席に必要な学生証までどこかで落としてしまったらしい。ここまでくるといよいよやばくねぇか?さすがの俺でも朝の占いを信じざるを得なくなってきたぞ。しかもまだ1日は半分も残ってる。俺、もしかしたら今日で天に召されるじゃないのん?
「あれ、比企谷じゃん。あんたなにやってんの?こんなとこですごい負のオーラだして。」
「ん?あぁ、川崎か。いや、気にしないでくれ。ちょっと呪われた運命に絶望してただけだ。お前こそどうかしたのか、昼休みにこんなとこにひとりでいるなんて。」
「え?あたしは今から普通にお昼だけど。悪かったね、ひとりで。そういうあんたこそひとりじゃない…って、それはいつもか。」
あぁ、忘れかけてたが、こいつも高校のときぼっち予備軍だったな。自分のぼっち力が高すぎて霞んでたぜ。やだ八幡カッコ悪いっ!だか、この俺だてにぼっちで鍛えていない。ここはひとりでも優しく見守ってやろうじゃないか。
「あぁ、悪い。察してやれなくて。次からは野暮な質問はやめておくよ。」
「…なんかいった?」
「いや、なんでもありません…。」
いやいや、まさに蛇に睨まれた蛙とはこのことです。こいつはあまり怒らせないようにしよう。うん、そうしよう。
「ふふっ、まぁいいよ、そんなことはさ。それより比企谷さ…このあと暇だったりする…?もしよかったら、お昼でも一緒にどうかな…?いや、嫌だったら全然良いんだけどさ!」
「まぁ、別に忙しいわけではないぞ。ていうか別に初めて一緒に昼飯食うわけじゃねぇんだしよ、そんな遠慮がちに言わなくていいんだぜ。」
実際、大学で再会してから何度か一緒に昼飯を食ってるしな。別に川崎と一緒に昼飯を食うのも嫌でなかったりするかもしれないかもしれない。まぁ、今日は色々ツイてないことがあったが、たまたまだろう。こいつと一緒に飯食うのは嫌なことじゃないし、むしろツイてるって思わなくもないしな。
「あっ、沙希ちゃんだっ!おーーいっ!」
「え?なんだ、かなでじゃん。」
「なんだなんてひどいじゃん!沙希ちゃんってば!」
どちらさまでしょうか?八幡いきなり初対面の人の前で平然とできるほどコミュ力の出来た人間じゃないよ?川崎さん、説明ぐらいしてくれてもいいんじゃないのん。帰っちゃうよ?
「あっ、ごめんね比企谷。この子は竜胆(リンドウ)かなで。あたしと同じ学部なんだ。」
「そうそう、沙希ちゃんにはいつもお世話になってるんだーっ!よろしくね。」
なんだか小町と一色を足したみたいなやつだな。小町のテンションに一色のあざとさが合わさって出来たみたいだ。もちろん、俺なんかが仲良くなりそうなタイプの人間ではないな。見るからにリア充感がやばいし。まぁ、ルックスは人目を引くものがあるが、よく川崎と仲良くなったな。あいつもこういうタイプ苦手じゃなかったけか?
「あぁ、よろしく。」
「あぁ、それでかなで、こいつが…」
「比企谷八幡くん…でしょ?」
!?何で知ってる。おれはこんなやつ会ったことも知り合いにもいないぞ?
「かなで、あんた何で知ってるの?もしかして知り合い?」
「んーん。八幡くんさ、前から気になってたんだよね。八幡くんっ。よかったらさ、うちと付き合ってくれない?」
前言撤回だ。ツイてないことなんてない。
やっぱり、今日の俺はツイてない。
いかがでしたでしょうか!
前回いきなりでてきたあの子が今回も爆弾を落としていきましたね(;゚Д゚)
ここで、オリキャラでもある彼女の軽いプロフィールを!
竜胆かなで(りんどうかなで)
八幡や沙希と同じ大学に通う女子大生。スラッとした体型でやや小柄である。胸は少し控えめ。髪型はボブで髪を栗色に染めている。やや長めの前髪をピンでとめている。性格は八幡に小町といろはを足したみたいを言わせるように、天真爛漫な部分に小悪魔的なあざとさを秘めている。
なんとなくイメージはついたでしょうか?
次回もかなでちゃんが色々起こしてくれるでしょう!
お楽しみに!
それでは!!
追記)
UA10000突破だと…!!感謝でしかない( ;∀;)
これからも応援よろしくおねがいします!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
八幡たちのツイてない昼休み
少し執筆が遅れてしまい申し訳ないです( ;∀;)
そういえば、つい最近は葉山くんの誕生日でしたね!
とまぁ、そんなことよりサキサキですっ!
それでは本編どうぞ!
「八幡くんっ。よかったらさ、うちと付き合ってくれない?」
な、な、こいつ会って早々とんでもねえ爆弾を落としてきやがった!こんな爆弾発言をしやがるもんだから、見ろ、となりでさーちゃんも赤くなって口をぱくぱくさせてるじゃねえか。俺は別にこんなんじゃ動じないけどな…。
「いや、あの、その。」
めちゃめちゃ動じてますね、はい。いや、だってね?伊達に長年ぼっちライフ送ってきてないからね?こんないかにも青春してますみたいな、告白イベなんて経験したことないぞ?
俺が動じまくって固まってると、川崎はかなりあわてた様子で爆弾っ娘にこう捲し立てた。
「か、かなで!?あんたなにいってんの!?そんな会ってまもない人に付き合ってだなんて!その、なんていうかさ、もっと色々段階踏むとかさ、あるでしょ普通!」
「えー、なんで?ていうか、段階ってなに?ただ少し時間あるかなって聞いただけだよ?」
………ん?
「…え?時間?いや、かなで、あんたさ比企谷とだ、男女交際的なものをしたいんじゃないの?」
「…男女交際?……いやいやいや、う、うちはそんなつもりで言うたんちゃうよ!?そ、そのちゃうねん!ただ八幡くんにお礼がしたかっただけやねん!」
ちょ、待て、待ってください。新しい情報が多すぎてついていけねえ。まず、みなさんすみませんでした。青春の告白イベが俺にも到来とかぼっちらしからぬ発言をしてしまいました。八幡反省っ!…そこ、そんな目でみない。
それより、もっと気になることがひとつある。普段なら面倒ごとは勘弁だし、触れずにスルーするだろうな。だが、今回は敢えてふれさせてもらおう。
「えーっと、関西弁…?」
「あ、またやっちゃった。気を付けてたんだけどなぁ。実はうちね、大阪出身なんだよね。普段は意識して標準語話してるつもりなんだけど、興奮したり冷静じゃなくなったりしたら、つい関西弁が出ちゃうんだよ。びっくりしたよね?ごめんね。」
「そうだったのか。まぁ驚いたが別に謝ることじゃない。」
「それより、かなで。あんたお礼って言ってたけどどういうことなの?」
よく聞いた。ナイスださーちゃん。いいぞ、さーちゃん。…怒られるな。やめよ。
「俺も聞きたかった。俺、竜胆だっけか?お前に会ったことあるのか?」
「まぁ、覚えてないよね。私ね、入学してすぐの時、構内でちょっと迷子になっちゃってて、それでたまたまそばを通った八幡くんに聞いたんだよ。おかけでそのときは助かったんだー。それで、すぐお礼しようと思ったんだけど、八幡くんほんとすぐどっかいっちゃうんだもん。だから探してたんだ。」
「なるほどな、まぁ大体理解した。けど別にそんなお礼とか言われるようなことはしてねえよ。尋ねられてなかったら、たぶんスルーしてたしな。」
「それでもお礼がしたかったんだ、ほんとにあのときはありがと。」
「お、おう。」
そんな笑顔でお礼言われちまったから、少し、少しだぞ?ドキッとしてしまったじゃねえか。…ゾクッ!なんだ?なんか俺の隣から妙な寒気が。…気のせいか。
一一一一
「けど、沙希ちゃんと八幡くんが知り合いだったなんてねー。なんというか、世界って狭いんだね。」
「まさか、かなでが言ってたお礼したい人って比企谷だったんだね。驚いたよ。まぁ、でもよかったね、お礼できて。」
「うんっ。」
それはもう、見事な俺の空気っぷりですよ。さっきからふたりはそれは楽しそうにガールズトークしてますしね。さすが八幡、空気力高すぎぃ!…空気力ってなんだ?
そうして、さりげなく俺が帰ろうとすると、
「あっ、そーだ!八幡くんっ!これ、学生証。前、落としたよね?拾ったの、今日渡せてよかったー。」
「え?あ、俺やっぱ落としてたんだな。いやその、助かった。さんきゅな。」
「いえいえー。良いんですよっ」
おかえり、マイ学生証。ごめんよ、八幡離さない。
「あっ、時間。比企谷、かなで!あたしたちお昼ご飯食べてない!もう次の講義始まる時間だよ!」
「「…あ。」」
やはり、今日の俺たちはツイてない。
いかがでしたでしょうか!
かなでキャラ濃すぎ!?元気っ娘、あざとい、関西弁。
改めて見るとすごい子だw
なんだか、サキサキ成分が足りてない気がする(;゚Д゚)
というわけで次回、サキサキ成分たっぷりでお送りしたいと思っております!
乞うご期待!!
ではではっ。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
楽しい楽しい学園祭…?
この挨拶をするのも実に約1年ぶりです…。笑
失踪してました!すいません!!!
リアルの忙しさを言い訳にズルズルとしちゃいました(・・;)
もしまだ見てくれる方がいるならこれからまた執筆再開致しますので是非よろしくお願いします!
ではではっ、本編どーぞっ。
「学園祭??」
「そう。あんたどうせ暇でしょ?もしよかったらなんだけど一緒にいかない?」
そう俺に話すのは最近はもっぱら一緒にいることの多くなったサキサキこと川崎だ。こいつも元々俺とにてぼっち属性があったこともあり同士としてよくこうして昼飯などを一緒にするようになった。
こいつの言う一緒にいかない?とはお互いにもちろんサークルなどには所属していないため出店などを回ろうと言う意味だろうが、わざわざ誘ってくるとか勘違いしちゃうよ?それで告白して撃沈しちゃうまである。
…撃沈しちゃうのかよ。やだな。
「なんでわざわざそんなリア充の集いに行かなきゃいけねぇんだよ。やだよ、めんどくさいし。」
学園祭なんてあれだろ?ウェイでフゥーでヤッホーイだろ?絶対にそんな状況を目の当たりにしたら俺、死んだような目になる自信あるよ?おいそこ!もともと目は腐ってるとか言わない!
「たしかにリア充の集いってとこは否定しにくいけど、そういうとこ行ったことないし、せっかく大学生になったからさ1度は行ってみたいじゃん。
それにあたしも暇だし比企谷も暇でしょ。別にいいじゃない。ね?」
「いや、俺はアレがアレでアレだから暇じゃないんだよ。だから他当たってくれ。」
「はいはい、分かったから当日11時に大学正門ね。」
こいつ俺の扱い雑になってきてないか?てかそんな強引にしたって八幡負けないからね!
一一
「こんにちはー!!K大学園祭、Kフェスにようこそー!!」
負けちゃってるじゃんって?仕方ないよね、あのあとも渋り続けてたら川崎すっごい悲しそうな顔で見てくるんだもん。普段の感じとのギャップがたまら…んんっ!
…ギャップ萌えっていいよね。
そんなくだらないことを考えてると白いワンピースを見に纏った川崎がいつもの様にポニーテールを揺らしながらやってきた。
「おまたせ。ありがとね、来てくれて。」
そういってなにやらそわそわし始める。俺もこういう状況には慣れたいないので、同じくそわそわ。なんだこれ。
助けて!誰かー!この空気どうにかしてぇ!
(お兄ちゃん!こういうときは愛してるでいいんだよ!)
(ばかやろう!とんだ爆弾発言じゃねぇか!)
(もー、しょうがないなぁ。とりあえず服装は褒めてあげなよね。わかった?)
(おお、さすが小町だ。恩にきる!)
と脳内小町と謎のやり取りを交わし、意を決して川崎に対してしっかりと告げてやる。
「おう、服装いいんじゃないか。似合ってりゅぞ。」
………。
おうちに帰りたいよぉ。小町ぃ。
いかがでしたでしょうか!
久しぶりの執筆でかなりひどい仕上がりになってしまった気が…。
…とにかく!これから頑張っていきますよぉ!
やっぱ肝心なとこ閉まらない八幡くんでしたw
今回からサキサキの本気見せちゃいますよ?覚悟しててください!
それでは次回、学園祭の続きで会いましょう!
ではっ。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
楽しい楽しい学園祭…?②
どもども!ハク真です!
最近はめっきり涼しくなりましたね。
そういえば、わたくし遂に俺ガイル最新刊を購入いたしました!!(遅い)
ネタバレはあまりしたくないので言えませんが、ふむふむな展開でしたな( ´-`)
まだ読んでないって人は是非ご覧になって私と語りましょう!(どうやって?)
前置きが長くなりましたね、
ではではっ、本編どーぞっ。
前回のあらすじ!孤高の男こと、この俺、比企谷八幡は前回慣れないことをしようとしたせいでおうちに帰りたくなりました。めでたし、めでたし。
…おい、そこ!こっち見て笑うんじゃねぇ!
「さて、来たのはいいもののこういう場ではどう楽しむのが正解なんだろうね。」
いや、川崎さん?あなたから誘ったのに全くなんにも考えてなかったのね。いや、全然構わんが。
「うし、帰るか。それがいい。」
「ひ・き・が・や?」
ヒッ!なんつー顔してんだよ。もう眼力が某滅びの呪文越えてるじゃねえか。あの映画おもしろいよね。
「い、いや。まぁ、とりあえず適当に出店とか見て回るんじゃねえか?わからんけど。」
「そうだね。お昼もまだだしご飯探しつつ回ろっか。」
そういって歩き出す川崎について、いつものごとく半歩下がって歩きだしたのはいいが、やはりリア充の巣窟。見渡す限り人、人、人。俺、最後まで耐えれるのかしら?
一一
<あの子、かわいくね?ほら、ポニーテールの。>
<べー、マジだ。お前声かけてこいよ!>
しかし、こいつすごいな。さっきからずっと川崎チラチラ見られてんじゃねえか。しかも俺と違った良い意味で。やっぱり目立つんだな、川崎。まぁたしかにルックスやスタイルと人より秀でてるところは多いもんな。それになんかオーラあるし。
てか一緒にいる俺は全く認知されてないまである。お昼食べてる時なんて並んで座ってたはずなのに俺のこと気付いてるやつ一人もいなかったぞ。ステルスヒッキーまじぱねぇ…。
「あっ。」
ん?急に立ち止まって川崎のやつなに見てんだ?あ、射的の景品か。
そこにあったのはシンプルなデザインな黒のシュシュ。
「あれ、欲しいのか?射的のやつ。」
「い、いや!別に大丈夫。ほら!早くいこ!」
いや、そんな露骨に顔を赤くして否定しなくてもいいだろ。あいつも大概素直じゃないな。先々いっちまうし。サキサキだけに。…こほん。
「ったく。はやいっつの。」
ん?川崎と一緒になにやら男が二人一緒にいるな。一人は金髪の戸部みたいなやつ。もう一人が赤髪の戸部みたいなやつ。すげーなこの大学、戸部がいっぱいいるじゃん。べー、べーよ。
とか戸部になってると、あちらはなにやらあんまり雰囲気はよろしくない模様。
「ねーねー。君さ、俺らと一緒に回ろうよー。隙でしょ?」
「は?いいって行ってるでしょ。どっか行きな。」
「そんなこと言わずにさー。俺たち楽しませちゃうよ?」
ったく、あいつ。先々行くからだぞ。面倒後とは嫌なんだけどなぁ。川崎も嫌がってる様子だし、それを黙ってみてるのも気分はあんまよくないしな。仕方ない。
「おい、その辺にしといてやれ。そいつもあんま乗り気じゃないみたいだぞ。」
「あ、比企谷。遅いじゃない、あんたなにやってたのさ。」
「いやいや、お前が急に一人で先に進んでったんだろ。」
…しかしだ。あんまなにも考えずに『俺が来た!』ってヒーロー感出しちゃったけど、どうすっかなぁ。
「あ?なんだお前。関係ねえやつは引っ込んでろや。」(金戸部)
やっぱ噛みついてきますよねぇ。
「いや、そうしたいのは山々なんだが。今日はこいつ俺の連れなんだわ。だから申し訳ないけど他を当たってくれ。」
「お前みたいな目が腐ったやつより俺らみたいなやつと同じ方が楽しいに決まってんだろうが、引っ込んでろや」(赤戸部)
君たち語尾の引っ込んでろやはデフォなの?それとも流行りなの?口悪いからやめなさい。それと目腐ってるはわざわざ言わなくても分かってるから傷口えぐらないで!!
「まぁ、たしかに俺よりあんたらみたいなウェイのが楽しむのは上手いだろうが、今日の相手は俺だし現に空気読めてないのはそっちだからな。」
さて、良い具合にお相手さんも熱くなってきたし、そろそろ事態の回収するとしますか。
「なんだと、てめぇ!!あんま舐めてっとブッ飛ばすぞ!!!」
「比企谷!危ない!」
遂に耐えきれなくなったのか青筋全開の金戸部が俺を殴ろうと拳を振り上げ、今にも振り下ろさんとしている。さっきまで傍観に徹していた川崎もさすがに焦った様子で叫ぶが当の俺は冷静だった。
「殴るのは構わんが、いいのか?さすがにこんだけ騒いだからか周りの視線はこっちに集まってるみたいだが。立場が悪いのはそっちだと思うんだけどな。」
人の視線は時に凶器にへと変わる。これは俺の体験上間違いない。視線を意識しない人はその意識が高かれ低かれこの世には存在しない。意識していないなど言う人は所詮は綺麗事を並べているにすぎない。だから人は自らを着飾るし、人付き合いをステータスとしてしか見ないものもいる。悪事を人前で大っぴらに見せびらかしたりもしない。そんなのは誰もが理解していることだ。
「ちっ。もういい、行くぞ。」
戸部ーズも例外ではなかったようで、苛立ちながらも居心地が悪そうに去っていった。川崎も少し気まずそうにしているがまぁ大丈夫だろう。とりあえずこの場を離れるとするか。
「おい、川崎。行こうぜ。ここまで注目を浴びるのは苦手だ。」
「比企谷。助けてくれてありがとう。けどあんま無理しないでね。あんたが危険な目に合うの、なんていうかさ、すごい嫌だから。」
「あー、おう。善処する。」
一一
「もうそろそろ帰ろうか。」
あのあとは少し出店を回ったあと、あまりの人の多さに二人ともダウンしベンチで話していた。さすがぼっち二人体力無えな。
「そうだな。…あのさ、川崎。」
「ん?どうしたの?」
「あの、なんだ、これ。やるよ。」
そういって黒のシュシュを川崎に手渡す。
「これ…。どうしたのさ、これ。いつのまに。」
「さっきはぐれたときに妙に射的がしたくなってな。偶々取れたのは良いんだが俺は使えねえから。まぁ今日は意外と悪くなかったからそのお礼ってことだ。要らなかったら捨ててくれ。」
「ふふっ。あんたらしいね。ほんとに不器用なんだから。
比企谷、ありがとね。」
「おう。」
そういって別れた後も川崎の笑顔と言葉がなぜか頭から離れなかった。
一あんたが危険な目に合うの、すごい嫌だから一
いかがでしたでしょうか!
今回は少し長くなってしまいましたね(゜ロ゜)
活動復帰以来調子がいい!(まだ2話)
復帰記念SSでも書こうかなぁと思っていますが需要あるのか…?
需要ありそうなら感想などで是非教えてください!
ではっ。
目次 感想へのリンク しおりを挟む