バカとテストとサーヴァント (@ファイブズ)
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プロローグ

そう言えば、バカテスの召喚システムの原理ってよく分かってないよね?と言う事で書いてみました。
プロローグなのでまだサーヴァントを召喚してませんが
ご了承下さいm(_ _)m
予定ではジャンヌ・ダルク出す予定です!可愛いし!


 文月学園 旧校舎3階 Fクラス

 

「それでは、寄り道せずに帰宅するように。解散!」

「ありがとうございました~」

 

 担任の鉄人こと西村先生の号令の元、グダグダなあいさつでHLが終わり、ダラダラと帰宅しだすクラスメイト。

 そんなクラスメイト達に交じって僕、吉井明久も荷物を纏め始める。

 

「おい、明久」

 

 と、僕を呼ぶ声がしたので振り向くと、背が高く野性味溢れる顔つきの悪友、坂本雄二がドスンと机(ちゃぶ台)の反対側に座る。

 

「どうしたのさ、雄二?」

「なに、次の戦争についての話し合いをしようかと思ってな」

「Aクラスとだよね?いつやるの?」

 

「ん?何やってんのよ二人とも?」

「どうかしたんですか?」

 

 すると、美波と姫路さんが僕達の会話を聞いて近づくと、必然的に・・・。

 

「皆は、何をしておるんじゃ?」

「・・・・・・」

 

 さらに、秀吉とムッツリーニも来て何時ものメンツが揃う。

 

ガシガシと頭を掻く雄二。何があったんだろう?

 

「この間のCクラス戦でクラス全体の内9割が一桁台しか点数が無いのは知っているだろう?」

「うん、皆を使い捨て装甲板にして血路を開いたやつでしょ?」

「酷い言いようじゃの」

「・・・間違っていないのも事実」

「あれは大変だったよね」

「ああ、その戦争で消耗した点数を補充出来ないのが今の現状だ」

 

 僕は、途中参加だし、Aクラスで日本史を中心に補充したからそれほど消耗してないんだけどね。ん?まてよ?

 

「補充出来ないってどう言う事?」

「それが、今朝補充試験の申請に行ったら鉄人に申請できないって言われたんだよ。この間の戦争で更に授業日数が足りて無いから、追い付くまで出来ないらし。」

 

「「「?」」」

 

 それを言われると確かにって思うよね。一学期から今日までの間で、一番試召戦争やっているクラスは僕達位だし。

 

「・・・と、バカは当然その言葉を鵜呑みにするだろう。」

「さらっと、心を読みつつバカにしないでくれる!」

「あははは・・・」

 

 

 本当なら殴りかかっている所だけど、雄二の放った言葉が気になったのでここはグッと我慢する。

 

「可笑しいとは思わないか?今までは普通に申請が通っていたのに今回だけは通らないのは」

「確かにそうよね」

「はい・・・。そう言えば、ここ数日明久君が雑用で呼ばれてない気がするんです」

「確かに」

「・・・嵐の前の静けさ」

 

 そう言えば、此処の所呼ばれて無いから気にしてなかったけど戦争以来呼ばれてない気がする。皆が思った事を口々にしていると、雄二がばっと立ち上がって叫ぶ。

 

「しまった!ババァ長の仕業か!」

「そのとおりさね」

 

ガラガラと、扉を開けて妖怪ババァ長(学園長)が姿を表せる。その瞬間、僕と雄二は反対側の扉から逃亡しようとするが・・・

 

バッ!×2

 

ジャララ!

バタン!

 

ガシッ!バタン!

 

「ぐおぉぉ!離せバカ雄二!」

「テメェだけ逃げようだなんてさせると思うか!ていうか、翔子!いつの間に居た!」

何が起こったかって?

 

僕と雄二が逃げようとスタートダッシュをする

いつの間にか居た霧島さんに、足枷を付けられていた雄二が転ける

倒れる雄二に、脚を掴まれ倒れる僕

必死に抵抗する僕と阻止しつつツッコミ雄二←今ここ

 

ババァ長がわざわざここまで来るって事は絶対にろくな事が無い!すると、霧島さんが雄二の問に答える。

 

「学園長に頼まれたから」

「翔子!ババァ長の頼まれ事で録な事が無かったのに何故協力してるんだ!」

 

雄二の必死の叫びも分かる。前の自分の未来の姿をした召喚獣の時だって・・・あれ?霧島さんにあまり実害が無い!?

 

「用事が終ったら私の好きにしていいって学園長が言ったから(ポッ)」

「・・・(ゲシッ!)」

「痛て!明久何しやがる!」

「うるさい!この幸せ者め!」

 

こいつは後で異端審問会で処刑してやる!

 

「なにやってるさねバカ共とっとと手伝ってもらうよ」

「「絶対に嫌だ!」」

 

僕と雄二の声がハモった。

 

「絶対に酷い目に遭うもん!」

「同感だ!ババァの実験で録な目にあってねぇ!」

 

すると、ババァ長は溜息を付きながら説明を始める。

 

「今回はただの実験じゃないよ。召喚獣のシステムの根幹に関する実験さね」

「システムの根幹だと?」

「そう、召喚システムは元々一般人が扱える物じゃ無いオカルトである魔術を科学で誰でも扱える様にスケールダウンさせた物。お伽噺に出てくる魔力は普通の人は持ってないから、男女の力差が出ず優劣を決めれる物としてテストの点数を使っているまでに過ぎないさ」

 

「「「「「「??」」」」」」

 

僕も含めて、みんなの頭の上に?が見える気がするけど、ババァ長が言っている事をゲームに例えると、

 

「・・・魔法を使う為の魔力が無いから別の力を魔力の代わりにして召喚獣を出しているって事?」

 

RPGゲームだと、よくこんな感じの設定があるよね?

すると、ババァ長は意外って顔をしている反面、雄二たちは・・・

 

「ほう、吉井にしては理解が早くて助かるさね」

「えっ!合ってるの?」

「意外です」

「うん」

「・・・・これは、」

「明日は槍の雨が」

「降るだろうな」

「皆して酷い!」

 

全く、珍しく僕が正しい事を言ったのになんて反応だよ!・・・ってあれ?すると、僕が実験台にされるって事は、

 

「離脱!」

「「「させるか!」」」

 

「チクショー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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プロローグ2

会社行く途中や家で仕上げました。
少ないですが、ジャンヌ登場です!


ババァ長に連れられ(連行され)着いたのは体育館の入口だった。

 

「さてと、アンタら4人はここで待ってな。坂本、土屋付いてきな。」

 

「どういう事だババァ?」

 

「そうですよ!私達だって見たいです!」

 

「被害を最小限に抑える為さね。前見たいに召喚獣が暴走したりしたら危険だろう?今この学園に召喚獣を召喚出来るのは被験者の吉井だけ。唯一西村先生が生身で対抗出来る位。」

 

「…そもそも、生身で対抗出来る時点で可笑しい。」

 

ムッツリーニの言う通りだと思う。

前の強化合宿の時には散々な目に合ったし。

 

「…なぜ雄二達だけ?」

 

「この2人は吉井のサポートだよ。実験の後の経過観察の一部や行動の補助をするには事情を知っている方が色々と楽だからさね。」

 

確かに、事情を知っているか知らないかでサポートのし安さも違うし。

…遠回しに何か起きるって言ってない?

 

「それじゃあ、高橋先生。入口を頼むよ。西村先生とジャリ共は付いてきな。」

 

「「分かりました。」」

 

「は〜い。」

 

「ったく、しゃーねーな。」

 

「………」

 

「何故、また儂を女扱い…」

 

秀吉が膝を付いて項垂れる。

何言ってるのさ、秀吉は第3の性別『秀吉』でしょ?

ババァ長と鉄人に連れられ、体育館の中に入ると、そこはいつもの体育館では無かった。

窓という窓は全部暗幕を閉められ、厳重にガムテープで塞がれているので、一切の光も入らず、真っ暗闇だった。

しかし、そんな中でただ1箇所だけ明るい場所がある。

体育館の中心に怪しく光る魔方陣らしき模様がそこにあった。

 

「吉井、そこにある魔法陣の中に入りな。」

 

「えっと、入らないとダメですか?」

 

「当たり前さね、アンタが入らないと実験は始まらないだろう。」

 

「明久、とっとと入れ」

 

「……早くしろ」

 

「2人はいいよね!何もしなくていいから言うだけで!」

 

すると、今まで黙っていた鉄人が低い声で

 

「…吉井、早くしろ。(バキバキ)」

 

「くっ!僕に味方は居ないのか!」

 

鉄人が指の関節を鳴らし始めた所で身の危険を感じ、抵抗を諦めた。

渋々と妖しく光る魔法陣の中心に立つと、少し輝きが増した気がする。

「吉井、これを持ちな。」

 

と言って、ババア長が渡したのは古びた旗だった。

 

「これは?」

 

「古文書によれば、歴史上の偉人に縁のある物を供えれば、成功率が上がるらしいさね。序にそれは百年戦争の英雄が掲げていたと言われている曰く付きの旗らしい。」

 

「百年戦争の英雄と言えば、ジャンヌ・ダルクやジル・ド・レ、ラ・イールとかですよね?」

 

僕がテスト以来得意科目となりつつある世界史に出て来た3人を挙げる。

この3人は百年戦争でかなり有名でよくゲームに出たりするから自然と覚えるし。

 

「ふむ、吉井も少しは出来る様になったな。それ位伸びるなら次のテストにも期待出来るな。」

 

珍しく僕を褒める鉄人。…明日は槍が降るかも知れない。

 

「ほら、無駄話はそこまでさね。クソジャリ、とっとと始めな。召喚のワードは普段通りで構わないよ。」

 

「え?良いんですか?何か呪文とかあったりするんじゃ…」

 

「どうせ、アンタに教えた所で碌に覚えれないだろに」

 

うっ、確かにババァ長の言う通りだから何も言い返せない…。

 

「分かりました。では…召喚《サモン》! 」

 

元気良く、いつも通りの言葉を唱える。

すると、魔法陣からはいつも見たいな幾何学模様は無く、ただ光が強くなるだけだった。

「ちょっ、ババァ長!これでいいんですか?!」

 

なんか段々バチバチいってるし!

 

「分からないさね、それを含めての実験だからね。安心しな死にはしないさ…多分」

 

「今言った!多分て言った!」

 

そうこうしている内に光は僕を包み込む。

 

「おい!明久!」

 

「だぁぁぁぁ!」

 

激しい光に飲み込まれた途端、魔法陣の外へ弾き出され、尻餅を着く。

すると、徐々に光は弱くなり、更には魔法陣も縮小していく。

光は人の形へ変わり、魔法陣は人の立ち幅まで狭まると人影へ変わる。

そして、光と魔法陣が消えたそこには、整った顔、紫色の瞳、金髪を後で三つ編みにし、濃紺の布に鎧の一部が付いた服、右手には先程の旗だろうか?が掲げられている。

そして、尻餅をついている僕の目の前に立つと右手を差出したのでその手を握ると、女の子とは思えない力で(姉さんや美波を除いて)起こしてくれる。

 

「初めましてマスター。サーヴァント・ルーラー 真名ジャンヌ・ダルクです。よろしくお願いします。」

 

「えっ」

 

「?えっ?」

 

僕の口から零れた音に反応するジャンヌ・ダルク?さん。

 

「えええぇぇぇぇ!」

 

「ほぅ…」

 

「……はぁ」

 

「なる程ね…」

 

 

カシャカシャカシャ!

 

大声を出してびっくりする僕、興味深いといった顔をする雄二、また厄介事か…といった感じでため息を吐く鉄人、結果から何か思い付いた様子のババァ長、カメラで撮影しまくるムッツリーニ…はいつも通りか。

 

兎に角またとんでもない事巻き込まれた僕だった。

 

 

 

人理管理保障機関 フィニス・カルデア 所長室

 

 

「…そう、分かったわ。こちらで何とかするわ。」

 

そう言ってデスクの上にある電話機に受話器を乗せる彼女は、オルガマリー・アニムスフィア。

人理管理保障機関、フィニス・カルデアの若き所長である。

 

「新しいマスターが現れた…か。しかも、日本の文月学園とかいう場所に。」

 

そう呟くと彼女は、また受話器を取るとボタンを押し呼び出しをする。

 

「私よ、大至急移動手段を用意して。24時間以内に日本の文月学園へ行くわよ。ええ、私自ら行くわ」

 

 

 

 

 

 

 

 



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プロローグ3

んーババァ長(学園長)の口調がイマイチ安定しない感があります。

あと、艦これイベの影響でFGOのイベが進まない(´-﹏-`;)


「ババァ長!これは一体どういう事なんですか!」

 

「分からないが、一つだけ思い付いたさね。さっきの旗を触媒にして彼女が召喚されたとした考えられない。ただし、どういう理論でとかは分からないね。」

 

この時ばかりは流石ババァ長としか言いようがない。たった少しの時間で思い付けるから。

 

「マスター?私の事忘れて無いでしょうか?」

 

申し訳なさそうに手を挙げて発言するジャンヌさん。

 

「い、いや違うよ!ちょっと色々あり過ぎて優先順位がグチャグチャになっているだけで、決してジャンヌさんを蔑ろにしているわけでは!ーぐあっ!」

 

突如背中を殴られて言葉が中断する。そのお陰で何を言おうとしていたのか忘れてしまう。

 

「ちょっとは落ち着いたかバカ久。」

 

「何をするのさ雄二!」

 

僕が抗議の声を上げると、雄二はやれやれと言った感じに溜息を一つ入れる。

 

「お前がテンパって変な事を言い出しかけていたから止めただけだが?」

 

「感謝するよ坂本。さて、ジャンヌ・ダルクさん質問するけど、アンタはさっきの召喚の儀式によって召喚された存在かね?」

 

「はい、それで間違い無いです。私はマスターである吉井明久さんに召喚された英霊です。」

 

やっぱり、僕がマスターなんだ。って英霊って何?

 

「英霊とは、死後信仰を受けて魂が格上げされて世界の外側である座に呼ばれた霊長類最強種です。英霊はその性質上霊体化によって姿を消す事ができます。」

 

「つまり、ジャンヌさんはものすごく強い幽霊なんだね。」

 

「はい、その様な解釈で間違っては無いです。更に言うなら、英霊は宝具と呼ばれる…所謂必殺技を持っています。」

 

「………まるで召喚獣の腕輪。」

 

「その召喚獣の腕輪については分かりませんが、宝具とはその英霊の武器であったり、能力だったりします。私は、この旗で攻撃から身を守る結界を発生させます。」

 

この説明を聞くと、召喚獣と英霊は凄い関係なんだと思ってきた。

だって、姫路さんの熱線、ムッツリーニの瞬動、久保くんの鎌鼬はまるで英霊の宝具みたいだし。

 

「…クラスと言っていたが、それは何だ?」

 

「英霊はその格の大きさにより、本来は強力な存在なので召喚出来ないですが、英霊を7つのクラスに分け、力を割り振ったりする事で格を下げています。クラスはセイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカーの7つと特殊なクラスのルーラー、アベンジャーがあります。」

 

「そんなに英霊を集めて何をするんだ?……まさか戦争か!」

 

雄二が声を上げて言う。

 

「はい、本来はサーヴァント同士で殺し合い、その際倒された方のサーヴァントの魔力は聖杯と呼ばれる器に集められます。そして、最後の1騎に残ったサーヴァントとそのマスターは聖杯に溜まった魔力を使い願いを叶えます。故に、聖杯を巡る戦いはその規模により、元の唯の魔術儀式から離れ、聖杯戦争と呼ばれます。」

 

「…………まるで試召戦争。」

 

「あながち間違いでは無いな。」

 

サーヴァントと言えども、人が血を流して殺し合うなんてどうかしている。けど、皆が皆ジャンヌさん見たいな綺麗な人達ばかりとは思えないし。」

 

「なっ!///」

 

「おい明久、普通に声に出ているぞ」

 

見ると、何故か彼女は顔が赤くなっているし、スタンガンを構えていたであろうムッツリーニは早々に鉄人に沈められていた………って!

 

「ち、違うよジャンヌさん!別に変な意味ではなくて単にこんな可愛い人達が血を流すのは嫌だなって思っただけで!」

 

「か、可愛い///」

 

「おい、明久。墓穴掘ってるぞ。」

 

「って、何を言っているんだ僕は!」

 

弁明をしようと思ったら逆に墓穴を掘ってしまった様だ。更にジャンヌさんの顔が赤くなっている気がする。

 

「はぁ、全くジャリ共は。吉井、坂本、土屋。今日は学校に泊まりな。」

 

「えっ?(はっ?)(…?)」

 

僕と雄二が同時に疑問の声を上げ、ムッツリーニは何故?といった表情をする。

 

「え、じゃないよ。特に吉井は体に負担の掛かる実験をしたんだ、何が起きるか分からないから経過観察が必要さね。後の2人は吉井の面倒を見な」

 

「見るっつたって何を?」

 

「吉井やジャンヌ・ダルクの様子が可笑しくならないとは限らないからね。もしもの時のの連絡と抑えさね。その為に、2人の召喚獣は残したままにして教師用と同じ物理干渉機能をONにしたさね。」

 

「………つまり、明久と同じ観察処分者仕様?」

 

「違うさね、あくまでも物理干渉出来る様にしただけであってフィードバックは無いさね。」

 

「そういう事で、お前達3人は教師用の週直室を使わせてやる。ジャンヌさんはその隣の女性用の週直室を使って下さい。」

 

そう言うと、鉄人は体育館を出て行った。

 

「あの、ババァ長。鉄人は何処に?」

 

すると、ババァ長は溜息を付きながら面倒くさそうに言う。

 

「アンタらが学園に泊まる事を家に連絡しに行ったのさね。ついでに、今夜の食事の材料調達さね。」

 

そっか、流石に家に連絡しないと心配するだろうし、それに、いくら学園でも夕食作るだけの材料があるとは思えないし…あっ。

 

「ババァ長、材料の調達に行ってもいいですか?」

 

「はっ?吉井、お前料理出来るのかい?」

 

ババァ長が意外そうな物を見る目で見てくる。失礼な。

「はい。ジャンヌさんの歓迎をしたいのでいいですか?」

 

ババァ長は少しは考える仕草をすると、

 

「構わないさね。ただし、西村先生を連れていきな。お金は先生が出すよ。」

 

「分かりました!という事で、ジャンヌさんは少し待っててくれないかな?」

 

「はい、分かりましたマスター。」

 

「まぁ、明久の料理ならいいか。」

 

「…料理だけが明久の取り柄。」

 

うん、2人も何度か僕の料理を食べた事あるし料理に関しては任せてくれるよね。……僕の取り柄って料理だけなの?

 

 

 

 

 

 

 



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プロローグ4


皆さん!お気に入り、感想ありがとうございます!

皆さんの感想でモチベーションが上がり、今回は長めになりました!


バカテスト

 

第一問 次の空欄を答えなさい。

 

15世紀の百年戦争中に聖女としてフランス軍に従軍した人物を答えよ。

 

 

吉井明久の答え

 

ジャンヌ・ダルク

 

教師のコメント

正解です。期末試験以来点数の伸びが良いですね。次の試験は楽しみです。

 

土屋康太の答え

 

マリー・フランソワーズ・テレーズ・マルタン

 

教師のコメント

 

聖女違いですがこの方も有名な方なので覚えておきましょう。

 

ジャンヌ・ダルクの答え

 

私です!

 

教師のコメント

 

…………参りました。

 

 

 

 

 

「しかし、明久がジャンヌが箸を使えない事を見越してカレーライスなんて選択肢をだすとはな。」

 

「僕にしてはナイスアイデアだったでしょ?」

 

そう、あの後僕は鉄人こと西村先生監視の元、夕食の材料を買いに行ったのだが、そこで僕はジャンヌさんが箸を使えるのか疑問に思い、使わなくても食べられる料理をチョイスしたのだ。

日本生まれのカレーライスならば、使うのはスプーンだけだしね。

学園に戻ると、ババァ長が家庭科室(調理実習室)を使わせてくれたので、そこで調理して雄二やムッツリーニ、ジャンヌさんの4人で学園の事やそれぞれの得意不得意を話ながら楽しく食事をした。

そして、今僕達は寝る為に週直室に居る。

 

「………明日は波乱の予感」

 

「うっ、確かに姫路さんや美波、姉さんに知られたら折檻は免れないよね。」

 

「あと、FFF団(異端審問会)もだ。ついでに言うと、俺達の一言でいつでも明久を処刑に出来る事を忘れるなよ。」

 

「…………サーヴァントと言えど殺す程妬ましい。」

 

「今度、僕の秘蔵の聖典(エロ本)を2冊ずつあげるからそれで勘弁してくださいお願いします!!」

 

「ちっ、しょうがねぇな。」

 

「………交渉成立(グッ)」

 

聖典4冊と引換に僕の身の安全はある程度保証されたみたいだ。

安心した僕はスッと右手を見てみる。

右手の甲には3画で示された赤色の刻印『令呪』がある。

ジャンヌさんによると、それはサーヴァントを律する為の絶対命令権との事。普通は一騎のサーヴァントに付き3画で特例が無い限り使ってしまうと増えないらしい。だけど、僕の場合は別で、ジャンヌさんのルーラーだからかは不明だけど、約8時間もすれば1画回復するらしい。

正直、普段ならここまで色々説明されると頭がオーバーヒートを起こして覚え切れない所だけど、サーヴァントなんて現実味を帯びて無いゲームみたいな事が起きているからこの事もゲームと捉えらているのかもしれない。

なんて事を思っている内に寝てしまっていた。

 

学園長室

 

「西村先生、そっちはどうだい?」

 

「今の所問題ありません。吉井もジャンヌ・ダルクもグッスリ寝ています。」

 

「引き続き監視を頼むよ」

 

そう言って、私は目の前のディスプレイに集中する。

ディスプレイには今回の召喚システムの実験のレポートを書き記してあり、更にそこから次のステップへ行く為の実験の計画を立てていた。

 

「動くな」

 

「っ!」

 

「なっ!」

 

突如何処からか声がすると、首に冷たく硬い感触がし、動きが止まる。

 

「抵抗はするな、しなければ身の安全は保証する。」

 

チラリと西村先生を見ると彼も見えない何かに動きを封じられている様子だ。

この様な不可思議な手段を取る者達を藤堂(学園長の事です)は噂で聞いていた。

 

「………こんな姿を隠す技術を持つって事はアンタら、魔術師かい?私達をどうするつもりさね?」

 

藤堂は後ろに居るであろう人物に声をかけると、デスクを挟んだ正面にまだ20歳にも行ってない様な少女が姿を現す。

 

「夜分遅くにすみません、ミス藤堂。私は人理管理継続保障機関 フィニス・カルデアの所長、オルガマリー・アニムスフィアと言います。」

 

「で、そのカルデアとかがなんだい?」

 

藤堂は両肘をデスクに付き、オルガマリーを睨み付ける。当然、首には未だにナイフが添えられてはいるものの、最初よりは随分優しくといった感じだ。

 

「私達の組織がここで英霊召喚をした事を観測したので、召喚者のマスターを我々の組織に引き入れようとしに来たのよ。関係者も含めて全員を。」

 

「それはまた一体なぜなんだい?」

 

「率直に言うと、この世界はもう時期滅びるわ」

 

「なっ、」

 

「ほう、それで?」

 

藤堂の表情が、険しくなる。

オルガマリーはそれが自身の事を考えているのか、世界が滅びる事を考えているのかまでは分からなかったが、少なくとも、話を聴こうという意思表示だと思い続きを話す。

 

「私達カルデアは世界が滅びる原因となる特異点を見つけ修正する事で滅びを回避する事が目的の組織で、その為には英霊とそれを召喚できるマスターを集めています。」

 

「厳密に、マスターは何をするんだい?」

 

「マスターとサーヴァントには特異点にある歪みの象徴、聖杯を回収し歪みを修正します。そして、聖杯は私達の組織が監視保管します。……勿論、命の危険はありますが。」

 

「学園長!いくら世界の滅亡が掛かっていても私は生徒に危険な目には合わせられません!」

 

「待ちな西村先生。それは吉井の意思を聞いてからさね。バカの回答しだいで好きにしな。」

 

「どの道、アイツらの寝ている週直室にも仲間を向かわせているさね。遅かれ早かれ吉井はそれを知ったら行動する。西村先生が一番わかっているだろ?あのバカの真っ直ぐさを。」

 

「くっ、しかし……。」

 

西村先生は危険だからという事で否定しようとしたが、藤堂に止められ言われる。

 

………吉井の本質を。

 

 

少し前の週直室

 

寝ている吉井達3人は突如感じた悪寒で目を覚ますが動きはしなかった。

そのままゆっくりと顔を横に向け、お互いに顔を見える状態にする。

そして、瞬きによる会話を始める。

 

『雄二、なんかとても嫌な予感がするんだけど!』

 

『…………こっそりカメラを見たが何も映ってない。』

 

『考えられる推測はババァの研究敵だろうな。』

 

『…………どうする?』

 

『何者かが入ったら直ぐに腕輪を起動させる。ムッツリーニは召喚獣を出して直ぐに瞬動で敵に攻撃しろ。明久はジャンヌさんを起こし、令呪を使ってこっちへ来させろ。』

 

『分かった。』『…………承知』

 

(ジャンヌさん起きて!不審者がこっちに来てる!)

 

(本当ですか!?分かりましたタイミングを見計らって令呪で呼んでください、奇襲します。)

 

(OK)

 

これはマスターとサーヴァントだからこそ出来る芸当らしく、マスターとサーヴァントの間にパスが出来ているみたいで、今みたいにそれを使ってテレパシーみたいな会話も出来るんだ。

 

カチャ ガラガラ~

 

鍵を開けてコッソリと目に見えない何かが扉を開けると…

 

ガバッ!「起動《アウェイクン》!」

ガバッ!「………試獣召喚《サモン》、瞬動」

 

2年Fクラス 土屋康太

 

保健体育 856点

 

「令呪をもって命じる、来てジャンヌさん!」

 

ムッツリーニの呼んだ召喚獣はそのまま入口へ向け、856点の保険体育の点数を100点消費した事で発動出来る特殊能力『瞬動』で突撃し、入口に居る見えない何かへ激突しそのまま廊下へ吹っ飛ぶ。

……毎度ながら凄い点数だし、それにどんどん上がっている様な気がする。

 

廊下へ吹っ飛んで姿を現したのは2人の男で、それぞれボロボロのローブっぽいのを羽織っているが、フードが取れたのが原因なのかこの様に姿が現れている。

 

「ジャンヌさん!」

 

「はい!」

 

倒れている2人にジャンヌさんが腰の剣を抜き、二人の真ん中に突きつけると、右方向からゾクッとする気配がする。

 

「勝負ありました、大人しくして下さい。」

 

「分かった!分かったから!」

 

男の内の1人が廊下の右方向をチラッと見てハッとする。

 

「危ないジャンヌさん!」

 

「えっ?」

 

ドン!とジャンヌさんを突き飛ばすと、お腹に物凄い激痛と倦怠感が襲う。

 

 

廊下から赤黒い何かが数発飛んできて、今度は雄二とムッツリーニ、ムッツリーニの召喚獣にも当たる。

そして、廊下の床が目に入った所で僕の視界が真っ暗になった。




取り敢えず、ジャンヌさんフラグは少しずつ回収して行くつもりです!

そして、気になる他のサーヴァントですが、実はとある人物もサーヴァントを持つ予定ですが、候補が二人おり迷ってます。
出来れば皆さんの意見も取り入れて行きたいと思います。

一体目 ナーサリー・ライム

二体目 ジャック・ザ・リッパー

この二体を予定してます!
感がいい人は誰がマスターになるのか分かっちゃうかも知れませんけどww
活動報告で意見を受け付けるのでそちらにお願いします!


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オルガマリー・アニムスフィア

少々間隔が空いてしましたした!

会社の方が忙しかったり、FGOのイリヤコラボで掛かりっきりだったりして掛けてませんでした!




バカテスト 第二問

 

騎士王アーサー王が使っていた聖剣はエクスカリバーですが、ローランが使っていた聖剣を答えよ。

 

吉井明久の答え

 

デュランダル

ドクターロマンのコメント

 

正解。英雄の武器や伝承を知っていれば戦闘でも有利に立てるから覚えておくといいよ。

 

ジャンヌ・ダルクの答え

 

デュランダル

 

ドクターロマンのコメント

 

流石にジャンヌ・ダルクは分かったかな?

 

 

 

真っ暗になっていた視界が次第に明るくなり、意識が覚醒するが、

 

「うっ」

 

お腹に走る微かな鈍痛と、変なダルさに呻き声が上がる。

 

「あっ、マスター!目覚めたのですね!」

 

照明の眩しさに目を細めるも突如現れる影とゆっくり光に慣れる目によって目の前の影にピントが合ってくるとそれが誰だか分かる。

 

「…ジャンヌさん?」

 

「はい、マスター。」

 

ルーラーのサーヴァント、ジャンヌ・ダルクで自分が従えているサーヴァントだった。

そして、ふと思う。ここは何処だ?

 

「ジャンヌさん、大丈夫だった!それよりここは何処!僕はどうなっちゃったの!」

 

「お、落ち着いて下さいマスター。それを含めて説明してくれる人が居るので。」

 

「雄二やムッツリーニは!?」

 

未だに混乱して様々な疑問を一気にぶつける明久にジャンヌは困り果てた挙句…

 

「(確か、雄二さんから言われていた事をすれば…けど、マスターにそんな事は出来ない。けれどこのままだと説明出来ないし…)えっと、マスターすみません!」

 

ゴツン!

 

混乱の挙句、頭から煙が出ている様にも見える明久に、ジャンヌは雄二から事前に聞いていた壊れたテレビも直せる万能治療法を実施する。

 

「グエッ!………ってジャンヌさん!」

 

「落ち着きましたか、マスター?」

 

「うん、なんとか。ここは?」

 

なんとか落ち着いた明久の質問にジャンヌは答え始める。

 

「ここは、人理継続保障機関カルデアと呼ばれる魔術師達の施設だそうです。マスター達は学園での戦闘後、ここに運ばれ、1日程寝ていました。」

 

「運ばれって何の為に?」

 

「それは「それについては私から話します。」、オルガマリーさん。」

 

突如話に入ってきたオルガマリーとジャンヌさんに呼ばれていた銀髪の女性はベットの上で体を起こした僕の傍に近付くとイキナリ軽く頭を下げてきた…って!

 

「ど、どうしたんですか!」

 

「この間はスミマセンでした。私の部下が力ずくで貴方達を襲った挙句、呪いの魔術でこの様な目を合わせてしまって。」

 

「の、呪いの魔術って?」

 

背筋に冷たい汗がツーと流れる。え?あの時喰らったあれ、そんなにヤバイ奴なの?

 

「貴方達が受けたのはガントと言って北欧神話に出てくる呪いの一つで、受けた人は体調を崩す力があるわ。」

 

「へ、へー」

 

い、一応良かったのかな?即死の呪いとかじゃ無くて?

「で、本題に入るわよ。」

 

「ここは、人理継続保障機関 カルデアと言います。私は所長のオルガマリー・アニムスフィアと言います。」

 

オルガマリーさんから聞いた話は衝撃的で、話に付いていけなくなる度にジャンヌさんから万能治療法を受けてを繰り返してなんとか聞く事が出来た。

 

そして…

 

「ここまで話したら流石に分かると思うけど、吉井明久君。貴方には私達カルデアに協力して欲しいのよ。貴方と貴方のサーヴァントの力を人類の未来の為に。」

 

「良いですよ。」

 

「えぇっ!ちょっと即答なの!」

 

僕の方が驚きたいよ!何で答えたら逆に驚かれるの?

 

「吉井君貴方分かってるの?自分の命も危ないのよ!」

 

「だからと言って、何もしないで人類が滅んじゃったら皆困っちゃうし、聞いちゃったからには何もしない訳には行かないよ。」

 

それに、と僕は続ける。

 

「こうしてジャンヌさんを召喚したのもこの為かもしれないし。」

 

言葉を切ってオルガマリーさんを見ると、口をパクパクさせて固まっている。

やがて、頭を押さえて小さくため息を付くとボソボソと喋る。

 

「……先生方や級友達が貴方をバカと言っていた意味が分かった気がしますわ。謝罪の言葉や勧誘の言葉を考えていた私が馬鹿だったわ。」

 

ボソボソと言っていて上手く聞き取れない。

 

「まぁ、良いわ。吉井君、服を着替えたら私に付いて来なさい。実はあと、一時間程で他のマスター達を交えての挨拶と初任務への出発式が始まるわ。」

 

「えっ、この後直ぐな、んですか!?直ぐに準備します!」

 

「ええ、部屋の外で待っているわ。…あと、別に敬語じゃなくても良いわ。」

 

そう言ってオルガマリーさんは部屋の外に出て行った。

 

「…え〜とジャンヌさん?」

 

「何でしょうかマスター?」

 

首を傾げるジャンヌさんはどうやら気付いて無いらしい。

 

「サーヴァントと言っても女の子が部屋に居ると着替えにくいというか〜その」

 

「へ?あっ!す、すみませんマスター!」

 

やっと気が付いたのか、顔を真っ赤にして急いで部屋から出るジャンヌさん。

 

「あはは、律義にドアから出なくても霊体化すれば良かったんじゃないかな?」

 

余程焦っていたのかなと、思いつつ部屋の机に置いてあった文月学園の制服に袖を通した。




前回の投稿以来、多数の感想及びアンケートありがとうございます!

アンケートに関しては一部誤解があったのでここで訂正します。

募集サーヴァントに付いてですが、サーヴァントのマスターは坂本雄二です!

実は親バカキャラの雄二に合う子供サーヴァントの候補として、ジャック・ザ・リッパーかナーサリー・ライムのどちらかを採用するので協力してくれる方はアンケートの方にどちらか2騎のサーヴァントの名前を書いて下さい。

序に、ムッツリーニにはオリジナルサーヴァントを出す予定なので募集しませんし、木下秀吉については作品には出ません!←(この重要)


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特異点F ブリーフィング

コミケ帰りで書く気力が無く年越してしまいました!

そして…




まさかのスマホ大破によるFGOのデータLOST!

また最初からになってしまった!

まぁ、今回はジャンヌ・ダルクがいるという点では嬉しいですが…。

更に年明けのガチャで両儀式とイリヤが復活するので課金しまくる予定です!


「遅いわよ吉井。」

 

「すみません、オルガマリーさん。」

 

部屋を出るとオルガマリーさんが腕を組んで待っていたけど、そんなに遅かったかな?

 

「これからブリーフィングがあるのよ!あなたもこれから人類を救うのなら参加してもらうわよ。…あ、それとジャンヌは霊体化してなさい。」

 

「あ、ちょっと待ってよ!」

 

そう言って廊下を歩き出したオルガマリーさんに付いて行く僕とジャンヌさん。

 

「特務機関カルデアへようこそ。所長のオルガマリー・アニムスフィアです。あなたたちは各国から選抜されたマスター適性を持つ特別な才能を持つ人間です。

 とはいえ、貴方たち自身はまだ未熟な新人だと理解なさい。ここカルデアは私の管轄です。外界での家柄や功績は重要視しません。まず覚えることは私の指示は絶対ということ。意見、反論は認めません。貴方たちは人類史を守るための道具であることを自覚するように…って吉井!貴方は何呑気に寝てるの!」

 

バシッ!

 

「痛っ!」

 

途中から何時もの如く居眠りしていたらオルガマリーさんに見つかり、思いっきり頭を叩かれた。

ここは中央管制室前の仮設ブリーフィング場って言うかそれっぽくした広場だった。

そこには、僕と遅れて来た女性を含む49人のマスター適正者(霊体化したサーヴァントを除く)が長椅子に座ってオルガマリーさんの話を聞いている。

 

「…全く、あなたのせいで気の引き締まった雰囲気がぶち壊しじゃない!」

 

「い、いや〜なとん言うか、堅すぎるし?こういう話だと眠くなるのが鉄則と言うか〜。」

 

「はぁ、取り敢えず続けるわ。これを見なさい。」

 

そう言って後ろに振り向きながら、さっきからみんなが気にしている物体に指差した。

 

「これは惑星には魂があるとの定義し、その魂を複写する事により作り出された極小の地球です。」

 

その地球の青い状態が徐々に真っ暗に染まっていく。

…そう。それは、まるで何処かの映画であった様な明かり一つない地球に。

 

「現状は見ての通りです。半年前からカルデアスは変色し 未来の観測は困難になりました。今まで観測の寄る辺になっていた文明の光が不可視状態になってしまったのです。観測で来る最後の文明の光は一年後。つまり、あと一年で、人類の絶滅が観測、いえ、証明されてしまったのよ。」

 

周囲のマスター適正者達が騒めく。

 

「静粛に!言うまでもなく、ある日突然人類史が途絶えるなんてありえません。私達はこの半年間、未来焼死の原因を究明し続けました。未来に原因がないのならばあるとすれば過去にある。過去2000年前での情報を洗い出し、過去に存在しなかった事象や異物を探す試みです。その結果、空間特異点F。西暦2004日本のある地方都市『冬木』に原因がある事が判明しました。カルデアはこれを人類絶滅の原因をこれと仮定、量子転移──レイシフト実験を国連に提案。承認されました。」

 

へ~国連も魔術について知っているのか…。テストに出ないけと覚えておくか。

 

「これより一時間後、初のレイシフト実験を行います。第一段階として成績上位者八名をAチームと吉井は特異点Fへ送り込みますので、準備的次第ここへ集合です。解散!」

 

解散!と言われ、僕を除くその他のマスター適正者がぞろぞろとエレベーターへ向かっていく。

 

…あれ?準備って何をすればいいの?

 



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特異点F ブリーフィング2

バカテスト 第三問

 

以下の問を〇×で答えなさい。

 

 

小説『フランケンシュタイン』のフランケンシュタインは怪物の名である。

 

マシュ・キリエライト、オルガマリー・アニムスフィアの解答

 

×

 

教師のコメント

 

正解です。この問題は小説さえ読めば誰でもわかる問題ですね。

 

 

吉井明久の解答

 

 

教師のコメント

 

フランケンシュタインとは、人造人間である怪物を作った若き科学者、ヴィクター・フランケンシュタインの事です。サーヴァントの中には空想上の存在も召喚されるので、今後の戦いに備えて小説も読んでおきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

「え〜と、オルガマリーさん?」

 

「あら、吉井は何をしているの?貴方も準備をしなさい。」

 

「そう言われても…一体何をしたらいいんですか?」

 

そう、根本的な問題。

ただの学生に過ぎない僕がどういった準備をすればいいのかなんて分かる筈もない。

 

「そう言えばそうね…あ、マシュ!ちょっといいかしら!」

 

マシュと呼ばれ、桃色の髪にメガネを掛けた少女がオレンジ髪の少女との会話を中断し、こちらへ来る。

 

「はい、何でしょうか所長?」

 

「マシュ、彼は吉井明久で、新しい49人目のマスターよ。」

 

「初めまして、マシュ・キリエライトです。マシュと呼んでください。」

 

「僕は吉井明久。よろしくね」

 

「はい、吉井さん達の事は伺っております。」

 

差し出された手を握り握手をする。

…とても華奢な手だ。まるで姫路さんや秀吉みたいにとても綺麗な手だね」

 

「えっ//あ、あの//その!」

 

「は〜吉井、貴方思っている事がダダ漏れよ。」

 

「あっ!いや、そのごめん!」

 

やばっ!また無意識の内に本音がダダ漏れに!

オルガマリーさんが頭を押さえて、ため息をつきながら指摘して、ようやく気が付くが時すでに遅し。

マシュは頬を少し紅く染めて動揺していた。

 

「全く…マシュ、彼を部屋まで案内してあげて。」

 

「は、はい!その、先輩も序に案内しても良いですか?」

 

マシュは振り向いた先に居るオレンジ髪の少女を示す。

オレンジ髪でショートヘア、彼女から見て左側にシュシュを着けて、…その、立派な胸部装甲をお持ちの方がこちらを見て手を振った。

 

「良いわ、その代わり時間には間に合う様に来なさい。」

 

「「はい!」」

 

「こちらです、吉井さん」

 

マシュに連れられ、さっきの少女の所へ行く。

 

「お〜いマシュ〜!」

 

「先輩、お待たせしました。」

 

「うん、全然いいよ〜。…で、マシュと手を握った挙句顔を真っ赤に染めさせるような事をした彼は誰かな〜?」

 

「せ、先輩!折角忘れていた事を掘り返さないで下さい!」

 

あ、この人絶対楽しんでる。目が雄二見たいに人を弄る目してる。

そのせいで、マシュがさっきの事を思い出したのか、また真っ赤になる。

 

「ふふ〜ん、初々しいですな〜。おっと、自己紹介がまだだったね!私は藤丸立香。立香って読んでね!よろしく〜」

 

「僕は吉井明久、よろしくね。」

 

立香さんのハイテンションな自己紹介をするけど立香さんや弄り方がおじさん臭いよ。

 

「フォウ!フォウ!」

 

「ん?この動物は?」

 

白い毛むくじゃらのリスみたいな小動物が足元を走り回っていた。

 

「こちらのリスっぽい方はフォウ。カルデアを自由に散歩する特権生物です。」

 

「マシュがお世話係だったんだけど、私もフォウに懐かれたからお世話係に仲間入りだって。」

 

「へ〜そうなんだ。」

 

そう言って、フォウの目線近くまでしゃがむと、フォウは僕の頭に飛び乗ってよじ登ると、僕の肩に降りてグテッとした。

 

…よじ登った時に疲れたのかな?

 

「おめでとうございます。吉井さんもフォウさんのお世話係になりました。」

 

「ありがとうで、良いのかな?僕も手が空いている時にお世話を手伝うよ。」

 

「ありがとうございます。では、時間も少ないので話ながら案内します。」

 

マシュに案内されるままにエレベーターに乗り上へ上がる。

その際に、2人から学校の事やどうしてここは来たかの経緯を話ながら通路を進み部屋のすぐそこまで行くと、見知った顔を見つける。

 

「雄二!ムッツリーニ!」

 

文月学園以来久しぶりに見た2人に僕は駆け寄った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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特異点F 出発前 腕輪

やっと投稿できました!


久し振りに見る親友(悪友)2人は僕を見るなり片手を上げて答える。

 

「おっ明久。丁度いい所に来たな。」

 

「………グットタイミング。」

 

はて、丁度いい所ってどういう事?

 

「あれ、明久。この人達は?」

 

後ろから追い付いて来た立香とちょっと遅れてマシュが来る。

 

「ああ、2人は僕の友達の霧島雄二と土屋康太ことムッツリーニ」

 

立香の疑問に対して自己紹介付きで返すと案の定…

 

「誰が霧島雄二だ! 俺は坂本だ! まだ結婚もしてないしする気もねぇ!」

 

「………名前と渾名が逆になっている。」

 

雄二の婿入り後の名字はともかく、ムッツリーニの方が本名より知られてるし今更だと思うんだけどな…。

 

「そのムッツリーニとは何でしょうか?」

「そう言えばそうだよね? ムッソリーニは知ってるけどさ、それに関係するのかな?」

 

へ〜さらっとイタリアの指導者の名前が出る辺り、立香は意外と勉強してるんだ。

 

「ああ、それなんだが。こいつは性に関しては一切の妥協を許さず、1ミリでもスカートが捲られればそこに食い付き、盗撮や盗聴をしてバレても、無表情でそれをひた隠しにするその姿勢から、寡黙なる性職者(ムッツリーニ)の渾名を手に入れたムッツリスケベだからだ。」

 

「……………(フルフル)」

 

立香の疑問には雄二が答えるが、言ってる側からムッツリーニは必死に自分がムッツリスケベを否定しようと首を横に振る。

マシュや立香は何と反応して良いか分からないと言った感じの表情を浮かべる。

 

「へ、へ〜そうなんだ。」

「こ、ここでは見られない変わった趣味なんですね?」

 

(ん〜ムッツリーニの評価がものすごい勢いで下がってしまったけど、これは自業自得で良いのかな?)

 

「えっと、霧島くんは何で結婚とかの話が出ているのかな?」

「だから、坂本だと言っただろうが。」

「雄二の場合は霧島さんって言うお金持ちの彼女が居るからだよ。」

「こっちは付き合う何て一言も言ってないのにその気になっているだけだ。」

 

雄二が髪をガシガシと掻きながら否定するが何かに気が付いたのか、立香はニヤニヤした顔で雄二に近づく。

 

「坂本君坂本君。ちょっと耳貸して。」

「ああ?なんだよ急に?」

 

そう言って貸す雄二に立香はコソコソと雄二の耳元で少しばかり喋ると雄二の顔がこれでもかという位に驚いていたが、少しばかり経つと立花に、対して凄みを効かした顔で。

 

「わかっていると思うが、」

「うん、流石にこれは喋らないよ。私と坂本君との秘密って事で♪」

「ちっ」

 

よく分からないけど、雄二が立香に秘密を握られたらしい。

立香って意外と頭がいいのかな?

僕がそんな事を思っていると、そう言えばと雄二が話を切り替える。

 

「明久、お前に渡すもんがあったわ。」

 

そう言いながらヒョイっと投げられたものを僕は両手でしっかりとキャッチする。

キャッチしたそれは黒色だか白金の腕輪によく似たデザインの腕輪だった。

 

「雄二…これってババア長から?」

「ああ、そいつは黒金の腕輪とか言って、俺の代理召喚機能の強化発展型らしく、そいつは召喚フィールドを張りながら召喚獣を召喚する事が出来るんだとよ」

「それってもしかして…」

「ああ、魔術の使えない明久の為の自衛手段としてババア長が用意した。」

 

やっぱりかぁぁぁぁ!

って、待てよ。

自衛って事は危険な時だけで良いんだよね?

 

「まあ、明久の事だから自分から危険に突っ込みそうだがな。」

「そうなんですか?」

「ハイそこ、黙りなさい!」

 

雄二が余分な事を言うからマシュが首を傾げる。

 

「まあまあ。

それじゃあ、私は1度自分のマイルームに行ってみるよ。」

 

そう言って廊下の先へ進んでいく立香を見た後、雄二達に気になった事を聞く。

 

「そう言えば、雄二達はファーストミッションの時はどうするの?」

「ああ、俺達はババア長の手伝いだな。俺達もサーヴァントを召喚する為に召喚システムの設置をする予定だ。」

 

って事は、雄二達も召喚次第僕達と戦うって事か。

 

「あの、明久さん。所長がお呼びですので中央管制室まで来てくれませんか?」

 

「え、オルガマリーさんが?」

 

オルガマリーさんが呼んでいるって何だろう?

…特に呼ばれる様な事して無いけどな……して無いよね?

 

「じゃあ、行ってくるよ2人共」

「………(こくり)」

「おう」

 

 

二人に背を向けて歩き出した所で、「明久!」

大声で雄二に呼ばれたから振り向くと、試召戦争の時の、大事な1局の所で見せる顔で一言。

 

「気を付けろよ明久、嫌な予感がする」

 

あの表情を見せる時の雄二が言う言葉は信じる事が出来る。

例えいつも騙されていてもああいう時の雄二の言う言葉は合っているから。

僕は返事をする事なく、ただ右手を上げて答える。

雄二にはこれだけで理解できるから。

 

マシュside

 

やっとFGOにおけるメインヒロインの私の側になりました。

え?この作品では違う?作者は何を言っているのでしょうか。

全FGO作品でメインヒロインポジの私は不動です!

…と、言うのは置いて置き、私は2人のやり取りを見ます。

あの2人は不思議です。立香さんとは違う、別の意味で人間らしいです。

あの2人はお互いに罵り合っていましたが、最後のやり取りはお互いに心から信じてないと出来ない様なやり取りだと思いました。

彼らなら、このグランドオーダーを達成できるかもしれません。



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特異点F 爆発と始まり

すみません!
色々と遅くなりました!

仕事とシンフォギアが忙しくて気が付いたら10月ですよ!
では、どうぞ!


管制室と書かれた扉の前に立つと、圧搾空気の抜ける音と共に扉が開き、僕は中へ入る。

中では沢山の職員が忙しそうにコンソールを操作していたり、書類とディスプレイを交互に睨んでいたりしている中、僕を呼んだ張本人の所へ行く。

 

「何の用ですかオルガマリーさん?」

「ん?…吉井ね、遅かったじゃない。そんなにマシュ達と話すのが楽しかったのかしら?」

「ち、違いますよ!確かに楽しかったですけど!雄二達と会ってババア長から腕輪を受け取ったりしていたからですよ!」

「ほら、やっぱり楽しかったじゃない」

 

僕があたふたとしながら弁明すると、オルガマリーさんの蔑む様な眼差しを向けられる。

(や、やばい!余計不機嫌になってる!)

 

「べ、別にオルガマリーさんと話すのも楽しいですよ!ただ、さっきのは言葉の綾と言いますその…」

 

必死になって弁明の言葉を考えていると、くすっと小さく笑うオルガマリーさん。

 

「ごめんなさい、別に怒ってはないわよ。ただ、これから始まるミッションを前にして少し神経質になっていただけよ。吉井と話して少し楽になったわ」

 

さっきとは全然違う、笑みを浮かべたオルガマリーさん。

よく分からないけど、僕と話して少し緊張が解れた様だった。

 

「さあ、行きましょう。もう時期ミッションが始まるわ」

「へ?行くって何処にですか?」

「あそこよ、窓の外に見えるでしょう?円筒状の筒が。アレの中に入って特異点へ行くのよ。」

 

オルガマリーさんが指さす方を見ると、管制室の窓の外、さっきミーティングを行った場所には幾つもの円筒状の筒が現れていた。

 

「へぇ〜あの中に入ってほかの場所へ行くなんてまるでゲーム見たいですね!」

「そうね…ゲームみたいなものかもね。ただし、向こうで死んだら本当に死ぬわよ」

 

オルガマリーさんが最後の言葉を強めに言うと、管制室を出る。それは警告の様にも聞こえた。

 

 

コフィンって呼ばれるさっきの円筒状の機械が立ち並ぶ部屋の中に居る48人のマスターの中に混じる僕は皆のコフィンの確認をしているマシュをチラッと見つつ所長であるオルガマリーさんの話を聞いていた後、皆でゾロゾロとコフィンの中へ入る…が、僕は入らなかった。

 

「?、吉井さんどうかしましたか?」

「いや、ちょっと…」

 

後ろからマシュの声が聞こえるけど僕はそれどころじゃなかった。

何故だか、背筋に悪寒が走ったからだ。こういう時、Fクラスでは命に関わる時にしかならない。姫路さんの手料理とか姉さんの手料理とか美波の関節技とかFFF団とか…。

そして、チラッとオルガマリーさんの所を見て…次の瞬間には走ってそこまで向かっていた。

 

何故なら…さっきまでは気が付かなかったけど、オルガマリーさんの足元の床には不自然なズレがあって、少しばかり浮いていたからだ。

FFF団とかの関係で罠について色々調べたりムッツリーニから教えて貰ったりしたけど、ああいう場合下には何かあるからだ!

 

「ちょっと!吉井!貴方一体!」

「オルガマリーさん危ない!」

「マスター!」

 

ドゴオオオオオンンンンン!!

 

僕がオルガマリーさんを抱き抱えてその場から急いで離れようとする瞬間、背後でジャンヌさんの声と共に爆発音がし、僕は爆圧に飛ばされそこで意識を失う。

 

背中に重みと熱をを感じる…それが段々と苦しくなってくると、ハッとめが覚める。

そして、背中を見ようと体をずらすと、そこにはボロボロで、所々焼け焦げているジャンヌさんが僕と僕の下で気を失っているオルガマリーさんを庇うように包み込んでいた。

 

「ジャ、ジャンヌさん!大丈夫ですか!」

 

僕はジャンヌさんを横たわらせ、覗き込みながら肩を揺さぶる。

 

「う…」っと、僅かに呻きながら目を開けるジャンヌさんは僕を見ると安堵の表情を浮べた。

 

「…マスター、ご無事でしたか?」

「僕の事より今はジャンヌさんの方だよ!」

「すみません、マスター。この体の霊基はかなりダメージを負ってしまい、もう時期消えてしまいます。宝具の開帳が間に合わず…この様な方法でしか助けれませんでした…。」

「…ジャンヌさん。」

「…また、マスターに会える事を主に願います…」

 

そう言うと、金色の輝きと共にジャンヌさんの体は消えてしまった。

「畜生!」

 

ガンっ!と床を殴り付ける僕。

1人を助ける為に1人を犠牲にしてしまった悔しさが残っただけだった。

 

「…うっ、」

「…はっ、オルガマリーさん!」

「…よ、吉井?ここは……え?」

 

恐らく僕の叫び声で気を取り戻したオルガマリーさんは僕と周りを見た後、一瞬で顔が絶望に染まる。

 

「こ、コフィンか…48じゃ無かった7人のマスター達が…う、嘘でしょ…ねぇ…嘘よね…」

 

はっ!そうだった!ここには僕以外にも後47人のマスター達とマシュが居るんだった!

 

「行きましょう!オルガマリーさん!」

「行くって何処によ…」

「決まっているじゃないですか!他にもいるかもしれない無事なマスター達ですよ!」

 

僕がオルガマリーさんの両肩を掴んで呆然とする彼女を正面に見据えて叫ぶ。

 

「そうよ…そうよね」

 

そう言って立ち上がるオルガマリーさんに続いて僕も立ち上がる。

しかし、余程ショックだったのか、足取りはふらついている。

そういう僕も、ジャンヌさんが消えてしまったショックと悔しさで今でもこれをやった奴に復讐をしたい!…けど、今はジャンヌさんに助けて貰ったこの命で少しでも他の人を助けないと!

そう思う矢先、部屋の中心には巨大な落下物…恐らく天井の一部の近くで見知った顔を見つける…が、一瞬で絶望的な気持ちになる。

 

「吉井君!所長!」

「…所長…吉井さん」

 

立花とマシュだったが、マシュはその華奢な体をさっきの天井の一部に押し潰されていた。

 

「…!マシュ!貴方…!」

「吉井君!何とかならないの!」

 

立花の問い掛けになんとか出来ないかと思い、取り敢えず瓦礫に手を添えようとして、オルガマリーさんに止められる。

 

「…ダメよ。動かしたら一気に血が出て死んでしまうわ。」

「じゃあ、どうしたらいいんですか!」

 

僕の問い掛けに、悲しそうに顔を横に振るオルガマリーさん。

その答えに僕はどうする事も無く、その場でしゃがんでマシュを見る。

「…ごめん、マシュ」

「いえ、吉井さんは悪く無いですよ」

 

苦しい筈なのにこんな時にも笑顔を見せるマシュに悔しさで皮が破れる程強く握り込む左手。

 

「…マシュ」

 

そっと手を握るオルガマリーさんも涙を流す。

すると、突如上から声がする

 

 

『システム レイシフト最終段階に移行します。座標 西暦2004年 1月30日 日本 冬木。ラプラスによる転移保護 成立。特異点への因子追加枠 確保』

 

「えっ?」

「どういう事?」

 

更に…

 

『──観測スタッフに警告。

 ──カルデアスに変化が生じました。

 ──近未来100年にわたり、人類の痕跡は発見できません。

 ──人類の生存を保障できません。』

 

「何が起きているんだ?」

「嘘、カルデアスが…」

「カルデアスが、まっかになっちゃいました。いえ、そんな、こと、より」

 

 『──中央隔壁、封鎖。』

 

「なっ!」

「やばいっ!」

 

 

退路を閉ざされ、出る事が出来なくなってしまった僕達は最早アナウンスに文字通り流される通りだった。

 

『──レイシフト要員規定に達していません。

 ──該当マスターを検索中

 ──発見しました。

 ──番号48、49をマスターとして再登録します。』

 

「っ、せん、ぱい──しょ、ちょう」

「大丈夫だよ。私はここにいる。何があっても、この手は離さないよ」

「もちろん、僕やオルガマリーさんも居るから」

「ええ、こうなったら最後まで付き合うわよ」

 それが僕達にできる唯一のことだから。

 

 『──レイシフト開始まで

 ──三

 ──二

 ──一

 

 全行程クリア。ファーストオーダー実証を開始します──』

 

 

 




取り敢えず、ジャンヌは1次退場となりますが…理由はFGOやっている人なら分かりますよね?
本当なら宝具を使わせたかったのですが…そんな悠長な時間があればあのモミアゲ野郎が何かしでかすのでああなりました。


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特異点F 炎上汚染都市冬木 1

すみません!
遅くなりました!
そして、あけましておめでとうございます!


オルガマリーside

……風が髪を撫でる感触を感じて少しずつ意識が覚醒して来る。

 そして感じる首の下からの重みが厳密には胸の辺りからだと気が付くのにあまり時間が掛からなかった。

 

(確か、重傷のマシュを吉井と二人で見ていて…それで…それでどうしたっけ?)

 

  自分のさっきまでの事を思い出したオルガマリーはさっと、目を開け、起き上がろうとして…出来なかった。

  (…さっきから感じる胸から下の重みって一体?)

 

  そっと、周りを見ると、荒廃した街並み瓦礫が辺りに散らばり、場所によっては火の手が上がっている。

 

これから先の自分の状態に少し覚悟を決めて、視線を下の方へ向けて見る…そこには、マシュ同様に瓦礫が…………

 

  …………瓦礫があるわけでもなく、何処ぞのバカ(吉井)が頭から自分の胸へと乗っかっているだけであった。

 

(………………ッ!)

 

恐らく、レイシフトの際に自分と同じく気を失ったのだろうと思うけど…思うけど、だからといって自分の胸を枕にしているのはどうかと思う。

普通じゃない状況、自分の胸で寝ているバカ(吉井)、ならば普通じゃない起こし方をしても問題は無いはず。

 

「いつまで人の胸の上で寝ているの!とっとと起きなさいこのバカーッ!」

「ゴフっ!ギャッン!」

魔力で強化した手足で全力で殴って浮かせて蹴り飛ばしても問題は無いはず…よね?

 

バカ(吉井)side

 

気絶していた所をオルガマリーさんに強烈な起こし方をされた僕は今…土下座をしていました。

 

「申し訳ございません!」

「爆発から私を守ったのは構いませんわ。あの状況では致し方ありませんもの。初のレイシフトで気を失うのも仕方がありませんわ。私も失いましたし。何より、通常のレイシフトとは状況が違いました。」

 

しかしと、オルガマリーさんは続ける。

 

「私の胸の上で寝るとは良い度胸をしていますわね。」

 

ゴゴゴッ!っとオルガマリーさんの後から阿修羅像が見えそうな位の怒気が全身から発せられていた。

 

「で、何か言うことは?」

 

ヤバイ、言葉を間違えたら殺さる!

 

「え、えーと…意外と大きかったですね!(本当にすみませんでした!)

 

「……………。」

 

オルガマリーさんの目が冷ややかになったのを視線で感じた。

今、自分で自分を殴りたいと思った。

 

チラッと目線を上に上げてオルガマリーさんを見る。

予想通り、怒ってい…なく、寧ろ恐怖で青ざめていた。しかも、僕ではなく、その後の方を見て。

 

僕も背後を振り返って見て見ると、そこにはガイコツ?の軍勢がカタカタと音を鳴らしながらこちらへ近ずいていた。

 

「……わよ」

 

オルガマリーさんの口から微かに声が出る。

 

「逃げるわよ吉井!」

 

言うが早いか、オルガマリーさんは僕の背後首の襟を掴むと物凄い力で引っ張りながら走り出す。

 

「グエッ!オ、オルガマリーさん!走れます!走れますから襟離して!締まってる!締まっているから!」

 

 

 

 

 



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