ネギま!ワールド2.0 (幻夢)
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プロローグ・神との邂逅
気がついたら、目の前でピンクアフロのグラサンオヤジが講釈をたれていた。
「・・・でな、運命の輪と言うのがあって、お前はそれから・・・」
おいおい、なんだコレ?どういうことだ?
ひとまず目の前の異物から目をそらし周りを見る。
あたり一面が真っ白、見渡す限りの白がどこまでも果てしなく広がっている。
その中心かどうかは分からんが、そこに俺とアフロの変なおっさんが二人だけ、何コレどういう状況?
オイ、本当にココどこ?
落ち着け、思い出せ、俺は確か今日は近くのセッションイベントに参加するために・・・。
そうだ。道路に何かが落ちていて、そいつを拾おうとしたら車が・・・
待て、と言うことは俺・・・死んだのか!?
「お?自分で自己完結したのか、珍しい奴だな」
いつの間にか話を終えて俺をじっと見つめていたアフロが驚いたと言う顔をした。
待てよ、死んで見知らぬおっさんが目の前にいるこのパターンどっかで・・・。
そうだ最近読んだネット小説で・・・ってことは、まさか・・・いやでも、アフロのグラサンはなあ・・・。
「・・・あんた、違っていても全然問題ないけど、むしろ違っていて欲しいけど、もしかして、ひょっとすると・・・神?」
俺は恐る恐る目の前のおっさんに尋ねた。
「オフコーーーース」
おっさんは白い歯を見せながらさわやかにサムズアップで答えやがった。
「おい、大丈夫か?」
がっくりと膝をついた俺を心配そうに見つめるおっさん。
「まあ気を落とすな、オリ主転生物によくある事故だ」
「ということは俺はテンプレでお決まりの、あんた側の過失で死んだのか?」
「いんや、100%お前の不注意」
あっさり首を振るアフロ神(俺命名)。なんでじゃ。
「なんだ聞いてなかったのか。ならもう一度説明するから良く聞けよ、あーめんど」
アフロ神のなげやりな説明によると、なぜか俺は死んだ後に本来戻れるはずの運命輪廻の輪から零れ落ちたんだと。
この世界の運命輪廻の輪から一度外れた者をもう一度戻すという事は歴史の改変に繋がるらしくやってはいけない事らしい。
「というか、運命輪廻の輪から外れたものを戻すのは非常に面倒くさい」
って、オイ!今はっきりと「面倒くさい」って言い切りやがりましたよ!
「かといって魂をこのまま「ココ」で停滞させておくと腐って俺様が迷惑する」
ハイ。このパターンで来ると次の言葉はお決まりですね。
「だからお前、どっか別の世界で生まれ変われ」
やっぱり来ました転生パターン。
どこが良いかな・・・
「って言うか、ぶっちゃけネギまの世界に飛んでもらう。意義は認めない」
アフロ神は驚く俺を無視して「俺様、あの世界が好きだし」などとのたまう。
まあ確かに俺も読んでいたから好きなのは好きだけどさ。
「自分の不注意で死んでおいて特典復活が出来る。ついているな、お前」
「おお。ラッキー!って、そうじゃねー。それこそ原作崩壊になって歴史の改変どころの騒ぎじゃねーだろ!」
「かまわんよ。あの世界は俺様が管理していないから。それにあの世界はそこいらじゅうで改変がなされている。今更一つ増えたところでどうって事ない」
この作者もこうしてやっているからな。と身も蓋も無い事言い切りやがった。
「ならこの世界も改変される可能性があるじゃないか!矛盾しているぞ」
「甘いな。砂糖に黒砂糖をかけたくらい甘い考えだ」
それ、ただの砂糖じゃねーか。
「お前この世界の事、何か知っているか?」
「当たり前だ」
「なら言ってみろ」
「えーっと、・・・・あれ?」
おいおいおい、何も思い出せねーぞ。
「思い出せんだろ?もう記憶が消えかけているんだ。それに俺様もこれ以上は何も伝えない。コレでは世界の改変などしようが無いだろう?」
きったねー、そんなんありかよ。
「それにだ。そんなに作品を改変したくなければ介入しなければ良いだけじゃないか」
甘いな。それこそ砂糖まみれの考え方だ。
どんだけ逃げ回ろうがトラブルは大抵向こうから勝手に飛び込んでくるんだよ。
主軸補正なめんな。と言うかそのために飛ばすんだろうが!
「そうだったな。そこでだ、向こうで簡単に死なれては、おも・・・可哀想だから何か能力を授けてやる」
今「おも」って言ったよな?「簡単に死んだら面白くないって」って言いかけたんだよな?
「そんなこと気にせずに早く希望を言え」
「地の文を読むなよ!」
「神だからな、何度か読んでいただろう?」
そう言えばそうだったな。
「ほらほら、そんな下らん事を考えているより早く能力を言え」
「・・・なんでもいいのか?」
「うむ。「俺様」と同等する力のような無茶なもの以外なら、なんでも言うがよい」
大仰に肯くアフロ神、神なのだから本来もっと威厳があるのだろうが今は見た目で神々しさをまったく感じ無い。
しかし、能力か・・・「ゴムゴムの」なんて貰ってもなー。
あのバンダナの「文殊」は強力だけど煩悩がそこまでねーし、かといってカメハ○ハが撃ちたいわけでも・・・うーむ。
「早く決めないと俺様が適当に決めるぞ?」
カバンから本を取り出しペラペラと捲っていたアフロ神が催促を・・・つーか人のカバン勝手に漁ってんじゃねーよ。ん?カバン?・・そうだ!
「それじゃあ、ソード・ワールド2.0の能力をくれ!」
ちょうどセッションに行く予定だったからカバンの中にはルールブック・シナリオ・サプリメントも入っている。
あとサイコロと筆記用具。コレ必需品。
「・・・こんな力でいいのか?持って行っても、あの世界だとすぐに死にそうだが?」
さも意外だと言う顔をするアフロ神。
うるせー。好きなんだよソード・ワールド。
まあたしかに、エネルギーボルトと魔法の矢じゃ勝ち目まったくなさそうだけどな!
向こうは余裕で100本とか束でかませるし。
でもな、やっぱり不利でも自分の好きな力を持って行きたいじゃん。
「分かった。では、この中の人族側が使える能力を授けてやろう」
なるほど、蛮族の能力「魔眼」などは使えないわけね。
まあ当たり前か。
「それと魔法の時間も延ばしてくれ」
これ大事。正直、十秒やそこらじゃ
「ふむ確かに。では10秒を1分にしてやる。ただし3分までのものだ。距離と範囲も同等に伸ばしておいてやろう」
アフロ神もそこは分かってくれているのか肯いている。
六倍か・・・って事は最大18分。
まあ、それだけあれば十分・・・かな?
「そらから・・・そうだ行使ってどうなるんだ?」
「ここでの説明はめんどい、後で直接脳に理解させてやる。取り敢えず、ほれ」
アフロ神が無造作に投げてよこしたものをあわてて受け取る。なんだコレ?サイコロ?
「俺様の力の篭った特別製のサイコロだ。壊れないし無くならない上に自動的に手元に戻る。行使には必要だろう?まあ基本頭の中で振ることになるが、気分で使え」
「・・・確率は?」
「サイコロの神にでも聞け」
「いるのか!?サイコロの神!」
あの気まぐれな神、幾多のPCやGMが時に泣かされ、時に狂喜し、周囲を爆笑の渦に叩き込む。あの気まぐれ神がこの世界には居るのか!
それならばぜひ会いたい、会わせてくれ、それが無理ならひと目だけでも拝んでみたい!
「知らん!」
くい気味に身を乗り出したら少し機嫌を悪くしたアフロ神、気が小せえな。
「伝わっとるぞ・・・他には?」
あっそ。でも別に気にもしない、どうせ今からゴマすっても心読まれているんだし何の効果も無い。
「それでもちょっとは敬え」
ならその姿をまず変えてくれ。
「断る。人前に姿を現すときは基本この格好だ」
その時点で異常だよ。無理だよ。
「まあいい、寛大な俺様に感謝にしな」
「感謝感謝。あと、そこに載っている武具も・・って、基本はやっぱグラップラーだろうなー。剣や斧なんて無理だし銃なんて裏仕事ででもない限り、いくらあの世界でも側通報レベルだもんな」
どんな形で本編にかかわるのか分からない今の段階ではリスキーすぎる。
まあ原作に絡むのなら、麻帆良学園か紅き翼の活躍した時代だろうから、さして気にする必要も無いかもしれないが。
「鎧は・・・装備出来やしねーか・・・」
たとえ出来たとしてもガッチガチの金属鎧を装備していたら浮くだろーな・・・。
どこの猛女様だか、いやでも非金属なら・・・そうだ!あの鎧なら。
「鎧はコレで、装飾品とアイテムは適当でいいや」
「そうか。では「非売品」と書かれているもの以外をこの伸縮自在、無限収納バッグの中に詰め込んでおいてやろう」
「おいおい良いのか?」
そのバッグひとつだけでも破格の待遇だ。
「良い。本来はこんな事をしないが出血大サービスだ。他にも色々・・・肉体と魔力は・・・」
楽しそうにごそごそとやっているアフロ神。
何のかんの言いながらもやっぱり負い目を感じているのか。
良いとこあるじゃないか。
「で、誰に転生するんだ?オレ的には
「うん?通行人Aだ」
・・・はぁ!?
聞き間違いか?いま通行人Aって。
「では転生だ。素晴らしくも面白い人生を歩んで、せいぜい俺様を笑かしてくれ」
「コラおっさん!今なんつった!」
「さらば生ける駒よ。達者に暮らせ」
「絶対に戻って来て殴ってやるからな~~~~~~~~~」
俺はお約束のごとく足元に現れた丸い落とし穴に落ちて吸い込まれていった。
「アホな奴だ「ココ」に戻ってきたら死んでいるぞ。・・・さて、あの世界を奴はどう転がしてくれるか」
そう言うと神は光の中へと姿を消した。
始まりました。ネギま!のオリ主物。
どうなるか作者もわからない物語。
お付き合いくださると幸いです。
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0時限目
どうも
はい。転生者です。
正しい道を進むようにと
なぜ通行人Aの子が近衛家に?と思われることでしょう。
それには深い事情があるのです。
たしかに通行人Aの子として生まれましたが、捨てられたようで近衛家に拾われました。
父さんが川を散策していたときに「籠に入って桃のように流れてきた」だそうです。
川上からどんぶらこです。
いったい親は僕をどうしたかったのでしょうか?
アレですね。お前には力があるから優しいおじいさんとおばあさんに引き取られて、貧相なお供を連れて鬼を退治しに行って来いというつもりだったのでしょうね。
分かりました。立派に期待に応えようじゃありませんか。
・・・そう考えないと悲しくて仕方ありません。
まさか自分の力でどうこう以前にこの世界から「さようなら」しかけていたなんて。
まあ理由は後で分かったんですけどね。
どうやら僕、種族が「ナイトメア」だったようです。
いつだったか前世の記憶が戻り始めていたとき、食事中に「ところで僕のレベルってどうなのかな?」そう考えていたら急に目の前にウインドーが表示されてびっくりしました。
父さんの前だったんで慌てたんですけど、どうやらこのウインドー、僕以外には見えないらしい。どうでもいいんだけど父さん。急にどたばたした息子をそれだけでそんなさげすんだ目で見ないで。泣くから、耐性無いから。
で、そこの種族欄に「ナイトメア」の文字が。
まあ角もあったのでそんな気はしていたんですけどね。
その僕の能力についてですが「すばらしい」の一言に尽きます。
先ず身体能力を見てビックリ。
能力がどれも人間の最大値を振り切っているんだもん。
なにこれ筋力60って+10のボーナスってどんだけ?
既に人外、基本値だけなら血まみれ伯爵も真っ青。
10秒間に180mダッシュって、もう笑うしかないよね。
で、肝心の技能レベルを見てまたビックリ。
レベルが2。
それは仕方ないとしても、その技能が半端ない。
全冒険者技能を身につけていたんだ。
コレ、こっから上げるのにどんなに貯めてもポイント足りなくね?
全齧りってなによ、器用貧乏にしかならないよ?
でも、戦闘特技は総覚えでした(笑)
後で分かった事だけど、戦闘特技が総覚えでも規定レベルに達していないのは使う事が出来ないみたい。
つまりレベルに応じた武器の達人などの恩恵は今の状態では得られないってこと。
それで拾われた時の話に戻ると、やっぱり揉めに揉めたそうな。
そらそーですよね、西の長が鬼子(ナイトメアには小さな角のようなものが額にあります)拾ってきて「自分の子として育てます」なんて言ったら、普通、否定するよね。
でも、せっちゃんも拾って育てているし案外度量が広いのかも。
さて、話は戻ってなぜ僕自身が拾われた事が分かったのか、それは数日前。
僕の10歳の誕生日の日でした。
祝い酒で酔ったぬらりひょんが口を滑らしたのです。
あの時は場が凍りついたのを子供心に感じました。
まあ、僕は神(自称)とのやり取りの記憶が戻りかけていたので、なんとなくそんな気はしていたんですけどね。さすがに「流されてきた」には落ち込みましたよ。
そうしたら巫女のお姉さん達が全員でぬらりひょんを袋叩きにして、刀子さん(高校生)が僕を掻き抱いてくれていました。
む、胸が・・・。
す、すばらしい。
いや、そうじゃなくて、そうすると身体に一部が変化していくわけで・・・
あの刀子さん?
なぜ気付いたのに力を増してくるのですか?
巫女のお姉さんたちも何か言っていますよ。
え、何?「ずるい」って何がですか?
顔を赤くしながらのその手の動きがなんだか、
あ、ちょっと待って、其処は・・・・
アーーーーーーーッ!
あ、カバンはいつの間にか自分の部屋の中に置いてありました。
ちなみに僕は外見のこともあり、学校には行っていない。
麻帆良に入れようという話もあったらしいが、何か「色々」あってポシャったらしい。
だから刀子さんに教わりながらの自宅学習なのだが、正解のたびに頭をなでてくれるのだけど、「ご褒美」と単語を言う時の目が怪しいのは何故ですか?
そんな騒ぎがあって一年後。
「父さん。俺には木乃香と違って魔法系の素質は無いんだよ」
特異というか微妙な立場の俺は原作のせっちゃん同様、木乃香を守るための訓練を受けていた。
せっちゃんは自らだが、俺は立場的に半ば強制的だ。
それでも大半の人は優しいし、親父も普通に接してくれているので何の問題も無い。
必然的に裏にも関わっていくことになり、魔法の事も教えてもらって修行したのだが、こちらはまるで駄目。
神鳴流の技も無理だった。同じ「気」でも魔力を消費する錬技とは違い体力を使用するところに問題があるのかもしれない。
とにかく、
だから正確には、「ここの世界の魔法」のだけどね。
さすがに死ぬ前の世界の記憶は戻らなかったが、それ以外の記憶が完璧に戻った俺はネギま!の「うろ覚え」の知識とSWの魔法を使いこなすことが出来ていた。
それに合わせて言葉使いも元に戻っちまったけど。
隠れてSWの魔法を試したところ、初歩のスパークで危うく森が全焼しかかりました(テヘッ)
・・・とんでもない魔力だ。
驚いていたら、頭の中にアフロ神の声が聞こえてきて「大魔王の魔力並みにしておいてやったぞ」なんてことを抜かしやがった。
メ○がメ○ゾーマぐらいの威力ってことか!コラ!
「分かっている。だから剣の腕だけでも最強にしてあげようとしているんじゃないか」
「そんなに身体能力(コンッ)俺には無いよ(カンッ)父さん」
話しながらも放ってくる親父の剣先を何とかさばいていく。
「そうかな?キミは能力自体はかなり高いと思うんだけどね」
さすが鋭い。あるにはあるんだよね。
宝の持ち腐れ状態だけど。
「でも、ムラもかなりあるね。どうしてそこでそんなに変な防御で失敗するんだい?」
防御ファンブルを振っているからですよ、お父上。
「そうかと思えば、鋭い一撃でこちらを慌てさせるし・・・」
はい自動成功に決まっています。
「まあ心配要らないよ。キミは基礎さえ身につければ強くなれる。私が保証するよ」
「そうなるといいんだけどね」
「大丈夫、私がしてみせる。そして、いずれ木乃香に近寄ってくる害虫共を始末するんだ」
「・・・はい?」
・・・なんだって?
「聞こえなかったのかい?キミが木乃香に近付く害獣を潰すんだよ」
自分の首に手をあて、ジェスチュアをする親父。
このおっさん、こんな性格だったか!?
「なに、心配しなくとも電話一本でキミがした事は証拠を残さないように片付けてあげるから心置きなく木乃香に群がる害獣を片付けるんだ」
「わーーい、それなら安心だぁ・・・って、出来るかーーーーー!」
叫びながら親父に切りかかる。
「なぜだね?」
それを軽くいなして首をかしげる西の長。
おい親父。なんで其処で心底不思議そうな顔するんだよ!
「どうして年端も行かない息子をヒットマンに仕立て上げようとしているんだ!」
「だって木乃香だよ?あの「おとうたまー」といって、私のあとをついてくる「将来はおとうたまと結婚するー」って言う、可愛い木乃香だよ?あんな穢れの無い私の宝を、どこの馬の骨とも分からん輩にくれてやれるものか!」
ヤベェ、目がマジだ・・・。
最近は「にいにぃのお嫁さんにもなるー」って言っていることを知っているのかな、このおっさん。
「そんな事、断じて許すわけにはいかない!」
オイ、白目と黒目が入れ替わっているぞ親父!
それに何で俺の思っていることが分かったんだ!
「愛だよ、木乃香に対する愛だよ!ああ木乃香、私の可愛い木乃香」
おーーーい。このおっさん狂っているぞーーーー!
「さあ、狂も楽しい死合いをしよう」
字、字がおかし・・ギャワーーーー!!
「まだだ、まだそんな腕では木乃香を護り通せんよ」
ちょっと!俺チートだよね?
何で親父の攻撃かわせないの!?
何で総当りなの?
天の声・「技能レベルが足りないからです」
そっかー。って、納得している場合かーーーー!
そんな死と隣り合わせの特訓が続く毎日、それが今の俺の近状だった。
それから2年後。
俺は十三歳になったのを契機に近衛家を出て旅に出ることにした。
どうやら頭も数値通りのチートなのか、学校の授業は全てわかっていたので武者修行に出してもらうことにしたんだ。
ぶっちゃけ、あのまま実家に居続けたら色々やばかったんだよね。
おもに俺の理性とか貞操とかが・・・。
最後まで付いて行くと言って聞かなかったのが、刀子さんとせっちゃん。
と言うか、せっちゃんや、キミは木乃香の護衛をするんじゃなかったのかい?
刀子さんは未だ結婚をしておらず、未だに神鳴流。
・・・何故だ、歴史が狂っている?
そんな二人を宥め賺しつつ旅に出ることにした。
そこ、ヘタレとか言うな。
ちなみに現在のレベルはオール7。
どうやら1レベル上がると全てのレベルが上がる仕組みらしい。
詳しい事は分からんけど。
それでも総魔力量では木乃香のほうが上なんだから、いったいどれほどの魔力をもっているんだか。
「ええぃ!近衛家の木乃香は化け物か!」
こんなこと口が裂けても言えねーな。
親父に殺されちまうし、何より木乃香と刹那が泣いちまう。
まあ単純に基本計算の仕方が違うんだろうけどな。
俺はそんな事を考えながら、こそこそと夜逃げのごとく実家を後にした。
さて、とりあえずどこに行きましょうかね。
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