もし俺がTSしたらとか…って本当に女になった⁉︎ (ヤマニン)
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男→女へ 新生活編 第1話 夢から現実へ…持ってきたのは嫁…じゃなくフラグでした。

前のアカウントが使えなくなったので、心機一転新しいアカウントで始めようと思います。文章能力は皆無ですが、少しでもクスッと思わせれるように頑張りたいです!
では、どうぞ〜


最人side

 

?「御風くん!あなたのことが好きです!私と付き合って下さい。」

最「えっ…〇〇ちゃんが俺のことを好きって…マジで?」

?「はい!マジです!」

最「夢じゃないよな?本当に俺のことが好きなの?」

?「夢じゃありません!私は御風 最人くんのことを心から愛しています。」

 

そう俺に告白した彼女は恥ずかしそうに顔を赤くして答えた。

自慢じゃないが(本当に自慢じゃない)俺の特徴を挙げるとするなら、The 普通という自他共に認める普通人間なのだ。そんな俺に可愛さ学年1位と言われた〇〇ちゃんが今、現在進行形で俺に告白してきているのだ。これを疑わない訳がない、正直…夢としか思えない。怪しすぎる…ここは穏便に断ろう。

 

最「俺も〇〇ちゃんの事が好きでした!こんな俺で良ければ付き合って下さい!」

 

すいません。普通に断るとか無理でした。だって考えてみなさい!自分の超絶好みの子が心から愛してるとか言ってるんだぜ!これはもう乗るしかないでしょ!

 

?「……ぐすっ。」

最「えっ…。」

 

ちょっと待って。なんかいきなり泣きはじめちゃったんですけどー!あっ…皆さん落ち着いて。その振り上げた拳をゆっくり下ろしてください。断じて、俺が泣かしたわけじゃないよ!まさか、俺のあまりにも普通な顔に失望して、なんでこんな奴に告白したんだろう…とか思ってるとか?なにそれ、そんなこと思われてるとか俺が泣いちゃうよ。耐久度も普通な俺はそんなこと思われちゃうとか俺の防波堤も決壊しちゃうよ。

 

最「ご、ごめん!なんか気に触るようなこと言ったかな…それなら謝ります。」

?「ち、ちがうんです!この涙は嬉しくって…」

最「ぐはっ!」

?「だ、だいじょうぶですか⁉︎すごい量の血を吐きましたけど!」

最「大丈夫だ、問題ない。」(問題しかない、頭クラクラする)

?「そ、そうですか。よかった…」

 

えっ、なにこの子。めっちゃ天使やん…マジえんじぇー

 

?「それで私たち…恋人になったんですよね?」

最「そ、そうだな。今日から俺たちは『恋人』だ…な。」

 

改めて言うと少し照れてしまう。

 

?「そ、それでですね。私たち恋人になったんですからアレしてみたい…です。」

最「アレ?」

 

あれってなんだ?どうしても意味深にしか聞こえないんだが…さすがにここではやらないだろうし、あっ!もしかして…

 

最「キス…のことか?」

 

そう俺が言うと彼女は嬉しそうに首を振った。どうやら正解のようだ。

 

?「はい!よくわかりましたね。」

最「まぁ、恋人がするって言ったら2つしかないからな。場所を考えてキスしかないという結論になった訳だ。」

?「なかなか頭が回るんですね!で、では早速していただけますか?」

最「もちろんだ。」

 

こんなにクールに答えているが、内心はすごいテンパっている。緊張とか羞恥でどうにかなりそうだった。てか、人生で一番緊張してるかも?

 

?「最人くん…」

最「〇〇ちゃん…」

 

彼女の顔がどんどんと近づいてくる。あ、いい香り。どこのシャンプーを使ってるのかは分からないがすごくいい香りが彼女の髪から出ている。そうこうしているうちに、彼女の顔はもう目の前だ。あぁ、俺は今からキスをするのか…こんなに幸せなのは初めてだ。どうか夢なら覚めないでください!覚めたとしても、キスした後で!キスした後なら女にもホモにでもなりますから!あっ…やっぱりホモは無しで。

 

ちゅ……

 

そうして2人は結ばれ……

 

ピピピッピピピッピピー!

 

目覚まし時計の音で幸せの時が終わったのだった。

 

最「ふざけんなー!」

 

なんだよ!折角、The 普通な俺にも超絶美少女の彼女が出来たと思ったのにー!大体なんでほんとにキスしたタイミングで起きちゃうわけ?確かにあんなバカみたいにフラグを立てたけど、本当にならなくてもいいじゃん!俺のフラグクラッシャーの称号はどこに行ったの!あっ、そもそもそんな称号は持ってなかったわ。

 

最「…まったく、朝から山から落ちた気分だぜ…ってあれ?なんかやけに声が高いような?」

 

そんな疑問を抱いていると、不意に部屋の扉が開いた。

 

恭「おい。朝からうるさいぞー……どちらさまで?」

 

扉を開けて入ってきたのは、俺の兄『御風 恭平』だ。性格は面白いもの好きで面白いことになると誰でも巻き込んでとんだカオス状態にしやがる、言うなら娯楽主義者だ。それでも、根は優しいから兄のことは嫌いにはなれない。

 

最「なに朝だからって変なこと言ってるんだ?ここの部屋は俺の部屋だから俺しかいないだろ。」

恭「そ、そうか。」

最「だけど、なんか今日は声が高い気がするんだよな。風邪かな?」

恭「風邪かどうかを確かめたいなら、下降りて洗面所に行ってこい。」

最「?まぁ、顔を洗いに行くからどっちみち行くけどな。兄ちゃんはもう洗ったのか?」

恭「当たり前だ。」

最「相変わらず、朝はお強いことで…」

 

兄ちゃんは当然だという顔で俺のベットに腰を下ろして答えた。しかしその顔はどこか面白いことが起きそうだと言わんばかりの顔だったことを寝ぼけてた俺は気づくことはなかった。

 

最「さてと、春休みだからとはいえこんなにぐうたらしちゃいかんな。さっさと顔洗って飯でも食おう。」

 

階段を降りながらぶつぶつとひとり言をいう。階段を降りて、左手に洗面所があるのでそこに入った。

 

最「まったく、兄ちゃんもわけがわからんことを言うよな。風邪かどうかは洗面所に行けとか…自分見て分かるわけが……」

 

鏡の中にいたのは黒い髪を肩ぐらいまで伸ばした…所謂セミロングの髪をした見た目は12歳くらいの”美少女”が鏡の中で俺を驚いた顔で見ていた。

 

えっ…ちょっと待て。この子って…おれ?

 

 




いかがだったでしょうか?まだ書き始めて間もないので「ん?ここおかしくね?」ということがあるかと思います。もしそう思いましたら感想欄にてお知らせください。もちろん、誤字の他にアドバイスなんかも募集したいと思いますので、皆様の力を私に下さい!


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第2話 選ばれたのは綾鷹…いやいやメイド服でした。

調子に乗って、即投稿です。


最人side

 

絶賛、ただいま俺は…

 

最「はいぃぃ!!?はぁ!?なんで!」

 

混乱中です☆

いや、☆じゃねぇよ。意味がわかんねぇよ。なんで女の子になってんの⁉︎あっ、でもこの子かわいいな。じゃなくて、それだと自分がかわいいと思ってるみたいじゃないか!(実際はそういうことです。)

 

最「いや、待てよ。もしかしたら実はこの鏡は、ここの世界とは違う場所に繋がっていてたまたまこの女の子が鏡を覗いているという可能性も…」

恭「いや、それはないだろ。」

最「ですよねー。てか、なんでいるんだよ!」

恭「お前の馬鹿でかい声が聞こえたんでな。予想どおりの反応が見れて朝からホクホクだ。」

 

この悪魔めが!人が不幸に陥ったのを見て、ホクホクとした顔をしやがって!それでも俺の兄か!

 

恭「まあ、そう恐い(可愛い)顔で睨むな。」

最「今、伏せたつもりだろうけどバッチリ聞こえてるからな!」

 

たく…他人事だと思って楽しそうに見やがって、見世物じゃないんだぞ。よし。ここは一旦落ち着こう。coolになるんだ…そうcoolに…

いまだ!俺は目を開け鏡を見た。

 

………そこには黒髪の美少女とその後ろに悪魔が”2人”

 

……ん?2人⁉︎

 

俺はばっと振り向き、兄ちゃんの後ろにいた悪魔…改め母さんをみた。

 

最「なんで見てるんだよ!てか、いるんならいえよ!無言で見てるんじゃない。」

姫「あら、いいじゃない。それにしてもなに?こんなにかわいい女の子になっちゃって!お母さん、驚きだわ。」

 

この明らかに頭のネジが10本くらい足りてなさそうなのが俺の母 『御風 姫乃』この御風家の絶対なる権力者。しかし、割と甘いのでそこまで厳しい訳ではない。なお、30半ばだというのに20代前半と言われても信じれるぐらいには容姿がいい。あと、困った癖がある。

 

最「いやいや、なんでこの鏡に映ってる子が俺だと思ったの?」

 

俺が鏡を指差すと鏡の中の子も同じように指を差す。これはもう現実逃避できないくらいにやばいな。いや、今起こってることもかなりやばいと思うけど…主に俺の精神がどうにかなっちゃうレベルで。

 

姫「恭平がここにいるのに他に誰がここの家にいるの?そのことを考えれば、最人しかいないじゃない。」

最「……あんた、本当に母さんか?」

姫「失礼ね。あんたたちを産んだ、お母様のことを性別が変わったと同時に忘れたの?」

 

……うん。これは母さんだわ。困った癖というものがこれ、毒舌だ。しかも、面白いことがあった時だけ頭を働かせるという面倒くさいオプション付き。この2つがセットになると、どんなドSも跪いて土下座をしだすだろう。

 

最「いや、その言葉を聞いて母さんだと確信したよ。」

姫「そう?なら、よかったわ〜。」

 

この落差はなんなんだ?マイナスからプラスに変わるスイッチでもあるのだろうか?

 

姫「さて…最人が女の子になっちゃったわけだし、まずはご飯にしましょう。」

最「いや、なんでだよ。」

恭「そこで話し合うということだろ。ほら、ボサッとしてないで早く着替えてこい。おまえの為に待ってたんだから、こっちはもう腹ペコだ。」

最「あ、ごめん。すぐに着替えてくる。」

 

俺はそう言い、着替えるために部屋に戻っていった。その時、またしても兄ちゃんの企んだ顔を見逃した俺であった。

 

最人sideout

 

恭平side

 

くっくっく。最人のやつ。あんな簡単に着替えに行くとは。ちょろい(確信)。あんな姿だから、変な奴に騙せれないか心配だ。

 

姫「まったく、恭平。分かってて最人を着替えさせに行ったんでしょー。」

恭「母さんにはバレてるか。」

姫「当たり前でしょ。何年あなたたちの世話をやってきたと思ってるの。」

 

それもそうだな。さぁ、分かる人にはわかると思うが…問題だ。

最人は今、推定12歳くらいの女児の姿をしている。そして前の姿は高校2年になる前…ここまで言えば大体の人はわかるだろう。そう、あいつの部屋に行っても、最人の体に合う服など100%無いのだ。あいつの前の姿は170㎝弱。そしていまの姿は大体140〜150といったところ…そんな身長の合わない服を着たとしてもダボダボなのが目に見える。さて、最人はどの選択でくるかな…。楽しみだ。

 

恭平sideout

 

最人side

 

いや、よくよく考えれば今の俺にあった服って無くね?……

 

最「騙されたー!」

 

道理でおかしいと思ったよ!あんな急かすように言うんだからもう少し怪しむべきだった!しかし、ここで着替えずに行くと…

 

恭「まぁ、お前ならそうするだろうな(嘲笑い」

 

みたいな反応をされるに決まってる。なんかそれだと癪にさわるな。よし、ここはamazonで間違えて送られてきて捨てるにも捨てれずにいたこれを使おう!

 

少女着替え中……

 

よし。中々、時間はかかったがこれならいいだろ。初めてだからおかしいところはないだろうか。一応、ネット見ながらやったから大丈夫だとは思うが…。まあいい,男は気合いだ!(今は女です。)

 

最人sideout

 

恭平side

 

さっきから上でドシドシいっているが、何をしているんだ?俺の予想では…部屋に入り服がないことに気づき、これは俺の仕組んだ罠だなということに気づいて仕方なく降りてくるという予想だったのだが…あまりにも遅い…。

 

姫「遅いわね〜。もうあれから10分は経ってるわよ。」

恭「そうだな。あまりにも遅すぎる。呼んでくるか?」

姫「そうしてちょうだい。ご飯も冷めちゃうから。」

恭「ん…分かった。」

 

そうして俺が席を立つと同時にリビングの扉が開かれた。ようやく来たか。

 

恭「遅いぞ、なにしてたん…だ…。」

 

リビングの扉に立っていたのは天使だった。まだ幼さが残る顔にすぅーと肩甲骨に届かないあたりまで伸ばした鮮やかな黒髪。まだ成長途中と分かる、だが密かに膨らんだ胸部。そこから下にいくにつれ、まだウエストは締まってないものの、将来が期待できる臀部。太ももから足にかけてはすらっとしており…これもまた、将来が楽しみな体。そして、その体に纏っていたもの…というか服がなんと予想を斜め上にいった。

 

恭「め、メイド服?」

 

そう、メイド服だったのだ。いや、待て。何故にメイド服?というかなんでメイド服を持っているんだ。

 

姫「あらー。似合ってるじゃない!」

 

母さんは呑気にそんなことを言ってるし、最人はかわいい顔でドヤ顔してるし。なにこの状況。カオスだな。

とりあえず、一言。

 

恭「明日から…いや今日から俺の専属メイドだ。」

 

最人を俺の専属メイドにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
今回は恭平メインで進めました。
感想や誤字報告待ってまーす。まってまーす(涙)
後、活動報告を見てくださると嬉しいです。


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第3話 母からの挑戦状‼︎と思ったら脅迫状でした。

ども!ヤマニンです。いきなりですが、第3話です。



最人side

 

リビングの扉を開け、兄ちゃんに向け渾身のドヤ顔を放った後に兄の口から出てきた言葉は正直、寒気を通りこし引くレベルだった。

 

最「せ、専属メイド?……は、はぁ!?な、なに言ってるんだよ!」

恭「なんだ、嫌なのか?」

最「あ、当たり前だろ!てか、弟にむかってなに言ってんの!」

恭「今は妹だろ。」

最「やかましい!」

 

ちくしょー!そうだった…俺は今は女だったんだ。

 

姫「はいはい、その辺りにしときなさい。ご飯が冷めちゃうでしょ。」

恭「そうだな、ひとまず飯にしよう。」

 

そう言うと兄ちゃんは自分の席に座り直した。

 

恭「ほら、最人もいつまでそこに立ってるんだ。早く座れ。」

最「あ、あぁ…すまん。」

 

俺は謝りながら自分の席に座った。

 

姫「ようやくご飯が食べれるわね。じゃあ…」

 

「「「いただきます。」」」

 

日本人の定番とも言える食べ物に対する感謝の言葉を3人揃って言い各々がおかずに箸を突っつき始める。

 

…………

………

……

 

「「「ごちそうさまでした。」」」

 

いやーうまかった。なんかあんなことがあった後だと飯が美味く感じるな!まあ…それも自分の姿を見たら消え失せるんだが…。そう心で若干傷心気味になっていると母さんからとんでもないことを提案された。それは……

 

最「口直し?俺、いま口臭いかな。」

姫「その口直しじゃないから。ほら、言葉遣いと言えば分かるかしら?」

最「いや,最初からそっちを言えよ…。」

 

我が母ながらとても面倒くさい。いや、むしろ母親だからこそ面倒くさいのか?そもそも、俺からしてみれば女という存在が面倒い……すいません。なにも言ってませんし、なにも思っていません。だからそんな綺麗な(鬼)顔で拳を作りながら迫らないで下さい…。俺は対鬼スキルは振っていません。

 

最「そ、それで言葉遣いとはどんな辺りを直せば良いんだ?」

姫「そ・れ・よ。男言葉みたいな喋り方を直しなさい。」

最「い、いや長年培ってきたものをいきなり正すのは…」

姫「やりなさい…いいわね。」

最「い、イエス…マム。」

姫「素直でよろしい。」

 

いや、かなり脅しましたよね。なんか言葉に圧力掛かってたんですけど…とはいえ、喋り方を変えるってどうすればいいんだ…。アニメを参考にしてみるか。んんっ。声を少し高くして…っと。よし!行くぞ

 

最「お、お兄ちゃん。」

恭「な、なんだ…いきなり呼び方変えて…。」

最「わ、私のこと許してくれる?」

恭「ぐはっ!」

最「わっ!兄ちゃんが口からすごい血を吐いて倒れた!」

恭「うっ…きょ、強烈な一撃を食らった…。」

最「だ、だいじょうぶ?痛く…ない?」

 

首をこてんと少し横に倒し、手を丸くし口に当て安否を確認する。

 

恭「だ、大丈夫だ…問題ない。(顔面血まみれ)

最「そ、そう。ならよかった!」

 

この風景…なんかデジャブ?それにしてもアニメを真似てみたんだが正直に言いたい……ちょー恥ずかしい!なに?アニメの女の子ってこんなに恥ずかしい事を平然とやるの!?すごい尊敬するんだけど…俺はやりたいとは思わない。

 

最「どうだった?」

 

声を戻しながら,兄ちゃんに聞いた。まあ、戻したとしても高いことには変わりないけどな。

 

恭「結婚式はどこにする?」

最「キモいわ!なに弟(妹)にむかって真顔でそんなこと言ってるんだ!かわいい子ならまだしも,兄弟から言われるとか引くわ!」

 

正直、このバカ兄が本心で言っているならすぐに病院へ連れて行かねばならない。治るかは分からないが…。

 

恭「冗談だ。それにしてもよく出来てたじゃないか。大学にいるそこらの女よりかはかわいいと思うぞ。」

最「兄にかわいいと褒められても欠片も嬉しくない。」

 

うん。寒気がするね。考えてみ、リアルの兄弟…男でも女でもいいから異性にかわいいとか、かっこいいとか言われてもあまり釈然としないというか、うーん?って感じにならないか?つまりは、そういうことだ!(どういうこと?)

 

最「さて…母さんも満足したろ。俺はやればできるんだ。こんなの朝飯前さ。」

恭「朝飯は食っただろ。」

最「兄ちゃんは黙ってて。あとそっちの朝飯前じゃない。」

姫「そうね…正直、あそこまでかわいく出来るとは思わなかったわ。でも…その姿では違和感しかない『俺』という一人称は止めなさい。その姿でオレっ娘というのは受けが悪いわ。さっきみたいに『私』にしてね。これは常日頃から使うのよ。喋り方はまだ春休みだからいいけど、学校が始まってその喋り方だと友人ができないのは目に見えてるわ。」

最「そうじゃん!学校どうしよう…。」

 

まずい…家族にはこんな簡単…ってか見ただけで分かってもらえたが他の人となるとそうはいかない。でも、あの馬鹿なあいつらなら信じてくれるかも。

 

姫「その点は問題ないわ。さっきお父さんに連絡していろいろ手配してもらったから。学校にはこう説明してあるわ。『御風 最人は急な用で海外へと行ってしまったから、変わりに親戚の所にいた妹の《御風 最香》が転入してきますので』と伝えたわ。問題ないでしょ。」

最「いやいや、問題しかないから。その説明は置いておくとして,その説明で学校が納得するわけが…」

姫「納得してくれたわよ?『そうですかー。わっかりました!じゃあ御風くんが謎の失踪をして変わりに御風 最香さんが転校してくるということでよろしいですね。』って。理解が早くて助かるわー。」

最「おい!謎の失踪ってなんだよ!明らかにおかしいだろ。」

恭「でも最人…いや、最香…よく考えてみろ。」

最「おい、なんで今言い直した。」

恭「いや、その方が面白いだろ。「おい!」まあ、話を続けるぞ。今の最香の状況は夢から覚めたら突然女の子になってましたとかいう、誰かに言っても正直信じられるわけないだろ?だったら,いっその事『御風 最人』という人物は追い出し、女の姿である『御風 最香』という架空の存在を引っ張ってきた方が楽だろう?それに父さんのことだから、既に戸籍とかは用意しただろうな。分からないことはあったか?」

最「いや、確かによくよく考えればその通りかもな。何より面倒くさいしな。人におr、じゃなかった。私のことを喋ることを省けるんだからそれでもいいか。」

恭「おっ。さりげなく『私』と言えたな。」

最「まあ、意識すれば普通に使えるしな。大学の面接でも使うだろうし…。」

姫「そういう心構えが大切よ。偉かったわね、最香。」

 

母さんはそうわたしのことを褒め頭を撫でてくる。く、くすぐったい。

 

最「ち、ちょっと母さん!もう子供じゃないんだから!」

姫「ふふっ。今の姿でも元の姿でも私からしてみたらまだまだ子供よ。」

 

恥ずかしいけどこんな時間も悪くはない…かな。

 

恭「うむ。仲良きことは美しきことかな。と思いつつも若干ハブられている兄者であった。まる。」

最「台無しだよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




平均は1話大体2500文字ぐらいにしてますので作者の文章能力の無さを察してください。


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第4話 振り返るとそこには幽霊…じゃなく兄でした。

はい…ども。
ヤマニンです。最香の心での一人称は「わたし」で、喋るときは「私」にしてます。その方が可愛いやろ?私は萌えます(真顔)


最香side

 

御風 最人改め、御風 最香となりました俺こと,わたしです。…うん。自分で自己紹介して思ったけどわけわからんね,2回改まって話してる感じがする。まあ、いいや。

さて、わたしが女の子になった日から一週間が経ちました。もう,いろいろなことがあって大変でしたよ…うん、本当に大変だった。とりあえず出来事をまとめると…

 

1.服が無いので母と一緒にデパートに行った。嫌な予感がしてたけど見事に的中してしまい、案の定着せ替え人形みたいになった。

 

2.仲の良い友人(男子)2人にこのことを話した。なんとか信じてくれた。

 

…大体こんな感じだな。一番目はできる限り思い出したくない出来事だった。もう,母さんはウキウキで服を持ってきては着せてくるし、近くにいた店員さんまで悪ノリしてわたしに似合いそうな服をじゃんじゃん持ってくるからね…もう疲れたよ,パトラッシュ…。

2番目はわりとすんなり信じてくれた。なんか予想通りだったのが癪に障ったけどな。なんでも2人が言うには…

 

「だって、かわいいからなんでも信じちゃうぜ!」と…

「恋愛運がないお前にやっと春が来たか。よかったな、これで告白される機会があるんじゃないか?男にだけどな。」

 

だとよ。ひどくね?特に後ろのコメント。何が嬉しくて男に告白されなあかんのじゃ!お前も顔は良いくせに変な行動のせいで全然告白なんかされたことないだろうが!とか言うとまたグチグチと小言を言ってくるので言わないが…。とまあ、こんな感じの一週間だった。

そして明日は始業式。正直、ボッチになる未来しか見えないんだが…。いや待てよ。あっちは最人だったことを知らないんだからワンチャンあるんじゃね?わたしが上手くやればだけど。……まあ、こんなことを悩んでいても仕方ない。

 

最「そういえば明日って私が初めてあの学校に行くってことだよな?てことは、必然的に自己紹介しなきゃならんてことか?」

 

まじかよ…。なんであの学校はクラス替えがないんだよ…あれがあればクラス全員が自己紹介するからスムーズにことが進むのに!

 

最「そうだ、喋り方も気をつけないと…。」

 

そうだった。ここは家だから良いが、学校では母さんの言いつけ通りにしないといけないよな。でも可愛く喋ってたら絶対にぶりっ子だ!とか思われるよな…。少し自己紹介の練習でもするか…。

わたしは自己紹介の練習の為に鏡の前に立った。

 

最「ん〜、どんな感じだろ?〇〇高校から転校してきた御風 最香です。急な用で海外に行ってしまった兄の代わりに私がこの高校に来ました。まだ慣れてない土地なので、いろいろ教えてくださると幸いです。皆さん、よろしくお願いします!」

 

ぴっ。ガチャ。

そうわたしが鏡の前でお辞儀をし、とびっきりの笑顔をする。するとなにか機械を操作した音がして振り返ると丁度扉が閉まった。しかしわたしはその一瞬を見逃さなかった。片手にビデオカメラを持ち、清々しい笑顔で立ち去る”兄”の姿を。わたしの行動は早かった。

 

最「待て!」

 

部屋の扉を開け、この悪魔を捕まえる。

 

恭「はっはっは。そんな怖い顔してもかわいくて大した迫力はないぞ。」

最「うるさい!早くそのビデオカメラを渡して!hurry up!」

恭「なんで英語なんだ?しかし、その要件は呑めんな。」

最「なんで?」

 

嫌な予感しかしない…

 

恭「これは父さんに頼まれたことだからな。なんでも「息子から娘になった我が子を見てみたい」だそうだ。だからどうせならビデオにしてやろうかと思ってな。そしたら丁度よく自己紹介の練習?をしていたから、バッチリこのカメラに収めたって訳さ。」

 

兄は澄ました顔で悪びれることもなくそういった。

 

最「なら別に、今のやつじゃなくてもいいでしょ!例えば…」

恭「例えば脱衣所にいる時とか、入浴してる時とか?」

最「そうそう、お風呂に入ってる時に…って違う!それはもう犯罪だろ!」

恭「別に元弟なんだからいいだろ。ほら、問題ナシだ。」

最「問題しかないわ!今は妹だろ。それに家族とはいえ裸は見られたくない!」

 

わたしが強く説得したのが良かったのか兄は諦めた。

 

恭「そうか,確かに無神経だったな。すまない。」

最「そ、そう。分かればいいんだよ。」

恭「じゃあ、カメラに向かって父さんに一言。できるだけ可愛くな。」

最「えっ?そんないきなりやるの!」

恭「おう。てか、もうカメラまわってるぞ。」

最「えっ!まじかよ…んんっ。お、お父さん!最近顔見てないけど元気にしてる?わ、私はこの通り女の子になってしまいました…すごく不便だしいつ戻れるかもわからないけど元気にやってます!だ、大好きだよ。お父さん!」

恭「ハイ!カットォ!…なんかお前もう普通の女の子としてやっていけるんじゃないか?」

最「それはイヤ。絶対に元の姿に戻ってやる!」

 

恭(まあ、別に戻ってもお前をからかうネタなんて沢山あるから別にいいけどな。)

 

恭「じゃあ、俺は戻る。お前は明日から学校なんだろ?早く寝ろよ?それに女なんだから自分の体を労わってやれよ。おやすみ。」

最「う、うん。おやすみなさい。」

 

久しぶりに兄の口からまともな言葉を聞いた気がする…。今日はもう寝るか。さて、明日はどうなるか不安だ…。おやすみ…

 

最香sideout

 

恭平side

 

 

恭「俺がすんなりと引き下がる訳がないだろ。」

 

30分後……

俺はこっそりと最香の部屋に再び侵入した。そこにはベットの上でスヤスヤと眠っている最香がいた。

 

恭「すごい無防備だな,へそまで出してやがる。そういえば最人も寝相が悪かったな。やはりそこらへんの本筋は変わらないわけか。」

 

俺は小さな声で昔を思い出しながらいった。

 

恭「父さんへのメッセージ。最香の笑顔。2つ撮れたが父さんへのご褒美もかねて寝顔も撮ってやろう。感謝してほしいものだ。」

 

もともと父さんには言葉でしか説明してなかったらしいから、丁度いいだろ。実際は思い出作りだったりするけどな。こんな面白いこと生きているうちに、もうあるか分からないからな。

さて、さっさと撮って俺も寝よう。俺はカメラを点け最香に向けた。

 

最「ん…。にいちゃん…」

恭「っ!?」

 

一瞬、起きたかと思ったぞ…。単なる寝言か。

 

最「にいちゃん…。女になっても…嫌わないで…。おねがい…」

恭「………。」

 

…そうか。最香は性別が変わって知っている人に嫌われることを恐れている。昔から一緒にいた俺に嫌われたくなかったんだろう。

 

恭「ふっ…。心配するな。」

 

そうだ。心配しなくていい。お前は…

 

 

恭「お前は…世界に1人しかいない俺の…

”弟”だからな。最人……。」

 

 

…だが、今は”妹”だったな。こんなの俺のキャラじゃないが…言わせてほしい。

 

恭「良い夢見ろよ…俺の愛おしい妹よ。」

 

 

さて…寝顔も撮れたことだし、俺も寝るか。

そうして、俺は最香の部屋の扉をゆっくりと閉めた。

 

恭平sideout

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回は2700文字でした。文を作るのは難しい!


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第5話 主人公はハーレムが必須?しかし私は逆ハーレムでした。

ども。ヤマニンです!
タイトルはてきとーです。



最香side

 

わたしはあるものと鏡の前でにらめっこをしていた。それは…

 

最「う〜ん。女子の制服の着方が分からん…」

 

そう、制服だった。3日前程に届いた新品の”女制服”。しかし着方が分からない…当然といえば当然だろう。わたしはつい一週間前までは男だったのだから女子の制服の着方が分からないのは無理もないだろう。逆に分かっていたら只の女装癖のある変態だろう。

 

最「しかし、いつまでもこうしていてはいられないな〜。」

 

そうなのだ。こういう事態を想定して早めに起きたものの制服ごときに苦戦していては意味がない。仕方ない…男は意地だ!(今は女)

わたしは意を決して服を脱ぎ、制服に袖を通す。

 

最「んしょ。こ、こうか?でボタンを留めて…このチャックを上げればいいのかな?」

 

10分くらいしてやっとわたしは制服を着ることができた。中々似合ってるものだと自画自賛してみる。因みにうちの高校の制服はカッターシャツにブレザーというセーラー服では無かったので割と着るのは楽だった。今思えば、なぜあそこまで着るのに抵抗感を持っていたのだろうか。うん…分かってる。ただ単に女制服を着るのを拒んでいたのだろう…今になって分かるがすごい足元がスゥースゥーする。なんかずっと扇風機の弱風を足で受けている感じだ。元男のわたしからしてみると中々に耐えれないものがある。

 

最「ん?…やばっ!もうこんな時間か!」

 

壁に掛けてある時計を見て、友人との待ち合わせ時刻に迫っていることに気づき急いで準備し、わたしは部屋を出た。

 

最「……行ってきます。」

 

そう部屋を出る前に振り向き誰に言う訳でもなく、わたしはそう呟いた。

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

わたしは部屋を出て下に降りリビングに入った。そこには椅子に座っている母がいた。

 

最「お兄ちゃんは?」

姫「恭平なら大学に行ったわよ。なんでもお友達と調べたいことがあるって言ってたわよ。」

最「そうなんだ、通りでいないわけだ。」

姫「さっ!早くご飯を食べちゃいなさい。友達と行くんでしょ?」

最「そうだった。いただきます!」

 

わたしはご飯を10分くらいで食べ終えた。

 

姫「最香、忘れ物はない?」

最「うん、大丈夫だよ。」

姫「そう。なら気をつけて行ってらっしゃい。」

最「分かった。行ってきます!」

 

わたしは玄関の扉を開け、新学期に胸を躍らせながら飛び出した。

 

しばらくして友人との待ち合わせ場所に着いた。そこにはもう2人の友人がいた。わたしは声を上げ2人を呼んだ。

 

最「おーい!庄司ー!司ー!」

 

2人はわたしに気づいたのかこっちに手を振り返した。

 

庄「おう、最人。遅かったな。っと今は”最香”か。」

 

そうそうに名前を間違えたのが”高橋 庄司”。まだ『俺』だった頃によく遊んだ親友のうちの1人。

 

司「まぁ…最香は男だった時も遅刻することがあったから不思議では無いけどな。」

 

こっちの如何にもクールぽいのが”古川 司”。こいつも親友の1人でよく一緒に遊んだ。2人とは小学校からの付き合いでよくクラスが一緒になり、放課とかも一緒に遊んでいた。今はわたしにとってのとても大切な人たちだ。こんなこと…恥ずかしくて言えないけどね。

 

最「うっ…で、でも今日は遅れてこなかっただろ?」

司「遅れてくること自体が問題なんだがな。」

庄「そうだな。」

 

うぅ〜2人してからかってくるよ…。た、確かに、小学校は割と遅れてくることが多かったけど、最近はあまり無いはずだ。うん…無いよね?

 

司「いや、この前普通に遅れて来ただろう。」

最「さらっと、心よまないで。」

庄「分かりやすいんだよ、お前は。」

 

そんなに分かりやすいのだろうか?これはあれか…女になったから表情が表に出やすくなったとか。多分、そうだろう。

 

庄「いやいや、前から分かりやすかったぞ。」

最「…マジで?」

庄「マジで。」

司「マジだな。」

 

うそーん。少しショックだ。

 

わたしたちは学校に向かって登校中だ。電車で行き、最寄りの駅から約5分ぐらいの場所に〇〇高校はある。

 

庄「それにしてもさ…」

 

庄司が会話を振ってきた。

 

最「なに?」

庄「いや…お前さ。よくその身長と顔で転入届けが通ったな。」

 

それはおもった。わたしの今の顔は美少女とも言える顔だか、まだ良くて中学2年、低く見て小学6年と見られてもおかしくないくらいに高校生とは見えない顔立ちをしている。身長も150センチ届かないくらい。というか、身長が低いことは気にしてるからあまり言わないでほしい。

 

司「そうだな。しかし、こんなに可憐でかわいいのだから通ってもおかしくはないだろう。」

最「か、かわいい言うな!て、照れるだろ…」

 

((かわいい))

 

庄「でもな。その喋り方は何とかならんのか?」

最「うっ…。わかってるよ…しかたないか。」

 

正直、この2人の前で、女口調でしゃべらないといけないというのはかなり恥ずかしい。

 

最「…わかったよ。でも笑わないでね。」

庄「おう。」

司「うむ。」

 

ええい!もうどうにでもなれ!

 

最「し、庄司くん。つ、司くん。お、おはよう!」

 

わたしは恥かしながらも2人にむかって笑顔を見せた。

 

庄「か、かわいい…。」

司「こ、これはスゴイな。」

 

2人は若干顔を赤くしながらわたしを見ている。かと言うわたしも羞恥で顔が真っ赤だ。

 

最「うぅ〜恥ずかしい…。朝からこんな恥ずかしいことをしないといけないなんて…。しかもこれから毎日とか…地獄だ。」

庄「まあまあ、俺らはいいものが見れたからハッピーだ。」

司「眼福だった。また同じものを頼むな。」

 

ふざけるな。これはなにかくれないと気が済まない。

 

最「こいつらは…!私がどんな思いで言ったと思ってるのか。」

庄「う〜ん…愛を込めて?」

最「ない!」

司「はっはっは!それにしてもさりげなく自分のことは『私』とよんだな。」

最「お母さんから指導されたからね。前まで、母さんだったのにお母さんにされたしね…。」

 

鬼教育恐るべし…!

 

庄「そっちの方が女の子らしいけどな。」

最「まあ、学校にいる間はこっちでいくよ。私としても初日でボッチはキツイからね。」

司「お前はボッチじゃない。」

庄「そうだぜ。だって…」

 

「「俺らがいる…だろ?」」

 

最「2人とも…。うん!これからもよろしくね!」

 

ああ…わたしはこんなにも友達想いの親友がいるんだ。

 

庄「おう!」

司「やれやれ。これから楽しくなりそうだ。」

 

ふふふ。これからどんなことが起きるか楽しみだ!

 

最「さぁ、2人とも。行こう!」

庄「お、おい!待てよー。」

司「いきなり走り出すとは…危なっかしい奴だ。」

 

庄司と司はわたしの後ろを追いかけてくる。さあ、もうすぐで学校だ。わたしの心は不思議と昨日の不安はなくなり、期待で胸がいっぱいだった。

 

最香sideout

 

 




ありがとうございました。


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第6話 そこにいたのは鉄人⁉︎ではなく担任でした。

ども。ヤマニンです。
少し遅くなりましたが6話です。


最香side

 

最「着いたっと…ん?どうしたの?」

 

校門にいち早くたどり着き後ろを見ると庄司と司がジト目でわたしを見ていた。…なんか変なことしたっけ?

 

最「なんでジト目で見てるの?」

庄「あのな…いきなり走り出してなにか言うことはないのかよ。」

最「えっ?なんか悪いことしたかな?」

司「うむ…要約するといきなり走ると危ないだろという訳だ。」

 

あっ…そうか。確かにわたしいきなり走ったもんね…。

 

最「ご、ごめん。さっき2人にあんなこと言われたからつい、嬉しくなっちゃて。」

庄「そうか…なら仕方ないな。」

最「そうだよね。怒ってるよね……えっ?」

司「どうした?そんな間の抜けた顔して。まあ、次からは一言いれてから行動してほしいものだ。」

最「ちょ、ちょっと待って。」

 

2人とも怒ってないの?そんな眼差しを2人に向けると庄司と司はクスリと笑った。

 

庄「別に気にしてねぇよ。ただ危なかったから、ああ言っただけだ。」

最「つ、司は?」

司「俺も特になにも思ってない。しかし、庄司と同じ気持ちだと言うことは覚えておけよ。」

最「う、うん。ごめんなさい。」

 

とりあえず2人には謝罪しておく。これはわたしが悪いからね。

 

庄「なら良しだ!さあ、早く行こうぜ。」

司「そうだな。最香は職員室に行くんだよな?」

最「うん。職員室に挨拶しに行かないとね。」

庄「お前、何年扱いなんだ?」

最「2人には話してなかったと思うけど一応2年って扱いだよ。お父さんが手を回してくれたんだ。」

 

これはお父さん様々である。お父さんナイス!

 

庄「じゃあ最人の代わりに転校って形か?だったら同じクラスか。」

最「…よく分かったね。その通りだよ。」

司「これは少し考えれば分かる。」

 

本当によく頭が回るな、この2人は。

 

司「そうなると自己紹介とかあるな。大丈夫か?」

最「ぅぅ…た、たぶん大丈夫だよ。練習したんだもん!」

司「そうか。正直、心配しかないが大丈夫なら心配はいらんな。」

庄「楽しみにしてるぜ。最香!」

 

うぅ〜2人の期待の眼差しが横から飛んでくるよ…。言えないよね。昨日は結局、お兄ちゃんに邪魔されたから満足にできなかったし。

 

最「…あまりハードルを上げないでくれると助かります。」

司「…なら少しばかりは期待するとしようか。」

最「いまハードル上げないでって言ったよね!」

 

この人は悪魔か!

 

司「冗談だ。っと…着いたな。」

 

話してる間に昇降口に着いた。ここで2人とはお別れだ。

 

庄「じゃあここで別れだな。道はわかるよな?」

最「当然だよ。一年は通ってるからね。」

庄「なら安心だ。司、行こうぜ。」

司「ん、そうだな。では最香、あとでな。」

最「うん。バイバイ。」

 

庄司と司は昇降口を通り廊下に消えていった。

さて、わたしも行かないとね。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

突然だが、もし自分の通っている学校,もしくは職場に普段見慣れない人がいたら二度見しないだろうか?わたしだったら数秒ぐらいは見るだろう。なぜ、このようなことを聞いているか…。それは…

 

最「…すっごい見られてる。」

 

そう、見られるのだ。大体昇降口を移動し始めた辺りから。まあ、見たい気持ちも分かる。なぜならどう見ても中学生にしか見えない女の子がうちの高校の制服を着て歩いているのだから。しかもひそひそと話している声も聞こえる。少し耳を澄ましてみると…

 

「…ねぇ。あんな可愛い子うちの学校にいたっけ?」

「いや、いなかったと思う。転校生かな?」

 

とか…

 

「なあ、あの子めっちゃ可愛くね?でら好みなんだけど。」

「おまロリコンかよwでも可愛いよな。」

 

…うん。はっきり言って逃げたい。しかし、あと少しで職員室だから少しの辛抱だ。そう思ってるとわたしの道を塞ぐ人がいた。わたしはその人を見上げた。

 

夢「少し待ってもらえますか。」

最「ええっと。何ですか?」

夢「いえ見慣れない顔だったので誰かと思いまして…」

最「あっすいません。私は今日からこの〇〇高校に転校してきた御風 最香といいます。」

 

第一印象は大切だろうと思い、名前も知らないこの美人さんに名前をいった。

 

夢「ご丁寧にどうもありがとうございます。私は生徒会の『古川 夢乃』といいます。以後よろしくお願いしますね。御風さん。」

最「は、はい!よろしくお願いします。」

 

…ん?『古川』?もしかして…

 

最「古川さんですか。偶然ですね、私の友人にも古川がいるんですよ。もしかしたら知人だったりしますか?」

夢「そのご友人のお名前を聞かせてもらってもよろしいですか?」

最「はい。名前は司[つかさ]といいます。」

夢「えっ?古川 司ですか?」

最「は、はい。そうですけど…」

 

もしかしてビンゴ?

 

夢「司といったら私の兄ですよ。そうですか、あなたがあの最香さんでしたか。」

最「あのとは?」

夢「いえ、兄さんが友人が明日転校してくると言っていたので。その時に名前を聞いたのです。」

最「そうだったんですか。では私は職員室に行かないといけないのでここで失礼しますね。」

 

そろそろいかないと約束の時間に遅れてしまう。

 

夢「はい、分かりました。では兄のことよろしくお願いしますね?」

最「いえ、仲良くさせてもらってるのはこちらなのでいくらお礼をいっても足りないくらいです。」

夢「それでもです。あっ!提案なのですがお互いのことを名前で呼びませんか?私は兄と間違えられてしまうので。」

最「分かりました、夢乃さん?」

夢「はい!よろしくお願いしますね、最香さん。」

最「よろしくお願いします!では行きますね。」

夢「はい、また会いましょう。」

 

わたしは夢乃さんの隣を通り、職員室に向かった。

まさか司に妹がいたなんて知らなかった…あとで司に話してみよう。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

わたしはいま魔界の門の前にいる…何てことはなく職員室の前にいます。なんかあれだよね、職員室って普段来ない人から見たら魔界って感じしない?なんかドキドキするっていうか。

 

最「まあ、それでも入るんだけどね。」

 

わたしはドアをコンコンとノックし向こうからはいと返事が返ってきたのを確認し、中に入る。

 

最「失礼します。今日からここに転校となった御風 最香です。」

 

わたしは返事を返してくれたであろうドアを開けて目の前の席の先生にそう言った。

 

「ああ〜あなたが御風さんですか。では向こうの席にいる大崎先生のところに行ってもらえますか?」

 

最「あの男の先生ですか?」

 

「そうです。少し日焼けした先生ですよ。」

 

最「分かりました。ありがとうございます。」

 

わたしは丁寧に教えてくれた名も知らない先生に礼を言い、大崎先生の席に向かう。ある程度近づくとわたしに気づいたのかこちらを振り向いた。

 

大「君が御風 最香さんか?」

 

最「はい、そうです。」

 

大「そうか。君のクラスの担任の『大崎 清志』だ。よろしくな。」

 

最「はい。あっ、わたしは御風 最香です。こちらこそよろしくお願いします。」

 

大「ん。礼儀正しくてなによりだ。それと最人は元気か?」

 

えっ?どうしよう。適当に理由つけとくか。

 

最「お兄ちゃんですか?元気ですよ。しかしいきなり父の手伝いで海外に行ってしまったので心配ではありますが。」

 

うん、完璧な返答だ。自分のことをお兄ちゃんと呼ぶのは、なかなか恥ずかしいな。

 

大「そうだな。今に思えば急すぎだとは思ったけどな。まあ、行ってしまったものは仕方ない。」

 

最「あはは…そうですね。ところで時間は大丈夫ですか?」

 

わたしは咄嗟に話題を変え、大崎先生の意識をそっちに持って行った。

 

大「ん?もうこんな時間か。そろそろSTの時間だな。じゃあクラスのみんなに紹介するから簡単な自己紹介を考えといてくれ。」

 

最「そこは大丈夫です。昨日お家で考えてきましたから!」

 

むふふ、昨日はまともに練習してないけどわたしは本番に強いからね。失敗はないね!(フラグ)

 

大「じゃあ行くか。御風、行くぞ。」

 

最「はい。分かりました。」

 

いざ行かん!戦場へ!

 

 




今回は3100文字でした。ありがとうございました


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第7話 そこにいる禿げたジジイは誰だ⁉︎…うちの校長でした。

どうもヤマニンです。
今回は新キャラが2人登場します。ではお楽しみください。

修正…新キャラは2人ではなく3人です


最香side

 

わたしは大崎先生と教室に向かって歩いていた。ていうか今さら思ったんだけどクラスは変わらないのに担任は変わるって何でよ?普通は担任もそのままじゃないの?

 

大「ん?どうした?」

 

最「あっ、いえ。友人がこの学校はクラスは変わらないけど、担任は変わると言っていたので少し疑問に思っていただけです。ですので気になさらないでください。」

 

大「そうか。何かわからないことがあったら聞いてくれ。」

 

最「はい。よろしくお願いします。」

 

この先生、面倒見が良さそう。野球部の顧問かな?

 

最「大崎先生。」

 

大「なんだ?」

 

最「いえ職員室で会った時から気になっていたのですが、なにか部活の顧問でもしているのですか?少し日焼けしているので外の部活ですか?」

 

大「そうだな…なんの部活だと思う?」

 

最「予想では野球部かサッカーかと。」

 

まず最初から野球1択だったけどね。

 

大「前者が正解だな。俺は野球部の顧問なんだ。日焼けはそのせいだな。」

 

最「そうだったんですか。痛くないんですか?日焼けして。」

 

大「毎晩、風呂入る時は悩まされるよ。痛くて仕方ない。」

 

最「あはは…大変ですね。ちゃんと日焼け止め塗らないとダメですよ。男の人でも肌が弱いと病気になっちゃいます。」

 

大「そうだな、今度からは塗ろう。帰ったら女房に頼んでおこう。」

 

最「結婚なさってるのですか?」

 

大「まあな。妻と今年4歳の娘が1人だ。息子だったら一緒に野球ができたのに少し残念なのはここだけの秘密な。」

 

最「ですが今の生活も充実してますね?」

 

大「よく分かったな。」

 

だって頬が緩んでますもん。超幸せそうです。

 

大「あんなに小さかった子がもう4歳なんだ。柄にもなくあの子の入園式に泣いてしまったよ。」

 

最「私には親の気持ちはまだ分かりませんが、子供の成長する姿は親にとって芸術を見ているのと同じかも知れませんね。いつまでも忘れられないかけがえのないものを。」

 

大「……」

 

ん?急に黙ってどうしたんだろ?

 

最「どうかしましたか?もしかして私、変なこと言っちゃいました?」

 

それなら謝らないといけない。

 

大「いや…正直なところ驚いた。君は中学生くらいの容姿をしてるのに立派な考えを持っている。君は成長していくんだな。」

 

最「?…よく解りませんがありがとうございます。」

 

どういう意味だろう?

 

大「着いたぞ。」

 

いつの間にか教室の前にいた。この先にはわたしの知らない世界が広がっているんだ。いや、クラスメイトは知ってるけど。

 

大「じゃあ、俺が入れといったら入ってきてくれ。」

 

最「えっ…。あっ、はい。わかりました。」

 

やばい。わたし、ものすごく緊張してる。心臓がおかしくなりそう。

 

ガラガラ

 

大「おーい。お前ら席につけ。ST始めるぞ。」

 

起立。おはようございます!

 

大「おはよう。じゃあまず今日の日程から…」

 

どうしよ?もうすぐわたしの紹介くるよね。うわー!昨日もっと練習しれば良かった!お兄ちゃんめ!これで失敗したら祟ってやる!

 

大「…で最後に始業式だ。これぐらいだな。質問はあるか?…ないようだから、みんなもどこかで聞いたかも知れんが転校生を紹介する。」

 

「せんせー。女子ですか!」

 

大「喜べ男子、女子だぞ。しかも可愛い。」

 

やめて!ハードルを上げないで!

 

大「じゃあ御風。入ってきてくれ。」

 

きた!落ち着けわたし。わたしは自分の心を落ち着かせながら教室に入った。わたしが入るとおおー!と歓声が聞こえてくる。

 

大「この子がこのクラスに転校してきた御風 最香さんだ。みんな、仲良くしてくれ!では御風さん、自己紹介をよろしく。」

 

最「は、はい。えっと…」

 

すごい…50以上の目がわたしを見てる。いや、怯むな。

 

最「今日からこの〇〇高校に転校してきた御風 最香と言います。以前は親戚の家で生活していましたが兄が父の仕事の用で海外に行ってしまったので代わりに私がこの〇〇高校に来ました。まだ慣れない土地なのでわからないことがたくさんあると思います。ですのでいろいろと教えて下さると嬉しいです。」

 

完璧!あとは最後にピシッと決めてフィニッシュ!

 

最「今日から2年間。よろしくお願いちましゅ!」

 

……やっちゃったー!どうしよー!誤魔化しが効かないくらいに盛大に噛んでしまった。てか、舌が痛い。やばい、涙出てきた。

 

最「グスッ…よろしくお願いします…。」

 

大(噛んだ)

 

(((噛んだ、しかも涙目。かわゆす。)))

 

むぅ〜。まさかあんな最後に噛むとは…しかも庄司と司は笑いをこらえてるし…ん?

 

庄(GJ!)(⌒▽⌒)b

 

司(よくやった。)

 

…もうやだ。2人が思ってることが手に取るように分かっちゃう。しかも庄司はサムズアップしてるし…。

 

大「では御風の席は…高橋の隣が空いてるな。おい、高橋。手を上げろ。」

 

庄「あっ、はい。」

 

大崎先生、ナイススルー!

 

大「御風、あそこで手をあげてるやつの隣の席な。」

 

最「はい。分かりました。」

 

わたしはそう言い庄司の元へと歩き、庄司に挨拶をした。

 

最「よろしくね。庄司くん。」

 

庄「おう。よろしくな、最香。」

 

「なんだよ、高橋。御風さんと知り合いか?」

 

「なんとうらやま…羨ましい。」

 

いや最後の言い直してないし!

 

庄「おう、最香とは友人なんだ。」

 

最「ついでに言うと、司くんともお友達なんだ。」

 

まあ、隠すことでもないし…別にいいよね?

 

「ふーん。でもどこで知り合ったんだ?御風さんは転校生だし、知り合う機会なんてそうそうになかっただろ?」

 

あ〜やっぱりそこを聞いてくるよね。でも返答は用意してあります!

 

最「お正月に一回お家に帰ったんですけど、その時に兄からの紹介で仲良くなったんです。まあ、会う機会は無かったんですけど携帯で連絡は取ってたんです。」

 

庄「それで今日、ここに転校してくることを知ってたから一緒に登校して来たんだ。」

 

「あ〜なるほどな。道理で高橋と古川がやたらかわいい子と一緒に登校してるわけだ。」

 

最「そ、そんな私がかわいいだなんて…」

 

やめて!恥ずかしくて死んじゃいそう。

 

「いやいや御風さん。充分にかわいいよ、な?」

 

「そうだよな、むしろこれで可愛くないとか言ったらそいつをはっ倒す自信がある。」

 

庄「それなら俺も参戦しよう。うちの最香を馬鹿にする奴はヒモなしバンジーの刑だな。」

 

司「ついでに火あぶりの刑も追加で。」

 

「「「それだっ!!」」」

 

わわっ!なんか大変な事になってる。ていうか皆さん、早いとこ前を向いた方がいいですよ。はっ倒す前に前にいる人にはっ倒されますよ。もう大崎先生の眉間がピクピクいってますよ!

 

大「おまえら…いい加減に黙らんか!」

 

「「「あいたっ!」」」

 

わっ、なんかのファイルで打っ叩いた。

 

「いてーよ、大ちゃん。」

 

「そうだよ、大ちゃん。親父にも叩かれたこと無かったのに!」

 

「責任…とってよね?」

 

このクラスの男子って本当にノリがいいな!もうコンビネーションとかを通り越して結婚しろレベルだよ。ホモリング的な?何それ嬉しくない。

 

大「……はあ〜お前らに付き合ってると俺が疲れる。朝のSTはこれで終わりだ。始業式だから遅れずにくるんだぞ。号令」

 

起立〜ありがとうございました。

 

ふぃ〜ようやく終わった。とか思ってたらわたしの前に行列ができてた。主に女子。

 

「ねぇねぇ、御風さん!もしかして御風さんのお兄さんって御風くん?」

 

「どこから来たの?よかったら今日の放課後、町を案内しようか?」

 

この子優しいな。ところがどっこいこの町のことは知っているのだよ!とは言えない。

 

最「うん、私のお兄ちゃんは御風 最人だよ。うーん…今日はお母さんが早めに帰ってきなさいって言ってたけど、少しだけ頼んでもいいかな?」

 

友達をつくるのは大切だしね。まずわたしの友達って今のところ夢乃さんぐらい?そうだ、後から司に夢乃さんのこと聞かないと。

 

「うん!任せてよ」

 

最「じゃあ、お願いします。えっと…」

 

雫「あっ、ごめんね。私の名前は椎葉 雫[しいば しずく]です。よろしくね、御風さん」

 

最「はい、よろしくお願いします。椎葉さん」

 

椎葉さんと話していると庄司に時間、もうすぐだぞと言われた。すかさずわたしは教室に設置されている時計に目をやった。

 

最「あっ、ほんとだ。そろそろいかないと…」

 

雫「なら、私の友達と一緒に行きませんか?ほら、あそこにいる人たちです」

 

椎葉さんが指をさす方には2人の女子がいた。あっ、手を振ってくれてる。

 

最「いいの?私が一緒にいても」

 

雫「もちろんだよ!御風さんはもう私の友達だもん!」

 

ええ子や〜もう感動して号泣するくらいにわたしの心にドキューンときたよ。

 

雫「待ってくれてるみたいだし行こうか?」

 

最「うん。あっ、でも…」

 

わたしはチラッと庄司たちの方を向いた。その視線に気がついたのか庄司は気にしなくていいと言ってくれた。

 

最「でも…」

 

庄「なに躊躇ってるんだよ。折角誘ってもらったんだ、行ってこい」

 

司「そうだな、俺たちとはいつでも付き合えるがそこにいる椎葉たちとは初めてだろう?なら行ってくるといい」

 

最「2人とも…ありがと。」

 

ほんと、この2人には感謝しても仕切れないくらい助けてもらってる。わたしは良い友達を持ったなと改めて思った。

 

庄「仲良くなったら、俺らに紹介してくれよー」

 

司「うむ。是非とも一緒にお茶を共にしたいものだ」

 

そのセリフを聞くまでは。折角あんなに良い感じの友情ドラマだったのにほんとにガッカリだよ!

 

最「……行こっか?」

 

雫「う、うん。でも高橋くんたちはいいの?」

 

最「ああいうのは無視するのに限る」

 

うん、長年の経験上ね。あれに関わるとろくな事になる。わたしは椎葉さんの友人と合流した。椎葉さんは2人にわたしのことを軽く紹介した。

 

雫「紹介するね。こっちが今日、転校してきた御風 最香さん。御風さん、この2人は一年の頃からの友人でよく一緒に出掛けたりしてるんだ。で、こっちが隣のクラスの硯 千鶴[すずり ちずる]ちゃん。同じく千鶴ちゃんと同じクラスの因幡 真衣[いなば まい]ちゃん。」

 

千「君が御風さんかい?私は硯 千鶴。気軽にちーちゃんと呼んでくれ。」

 

最「う、うん。ち、ちーちゃん…さん」

 

真「ちょっと千鶴、御風さん困ってるわよ。ごめんね御風さん」

 

最「い、いえ。少し驚いただけです。」

 

真「そう…なら良かった。私は因幡 真衣。真衣って呼んでね。」

 

最「はい…真衣さん。」

 

すると横で見ていた椎葉さんがずるいと言いたげに頬をぷくぅと膨らませていた。なにそれかわいい。

 

雫「むぅ〜2人ともずるい!私が御風さんに話しかけたんだからね!御風さん!」

 

最「は、はい!」

 

椎葉さんに呼ばれて思わずピクリと驚いてしまう。しかしそれでも椎葉さんは続けた。

 

雫「私のことは雫って呼んで。あっ、さん付けは無しで。」

 

ハードル高い!夢乃さんだってまださん付けなのに〜

 

最「〜〜ッ!し…!」

 

雫「し…?」

 

最「雫…ちゃん!」

 

雫「か、かわいい!かわいいよ最香ちゃん!」

 

雫ちゃんはわたしをギュッ〜と抱きしめてきた。若干苦しいです。あとあなたの平均ぐらいの胸が当たってます。やわらかい。

 

最「く、苦しいよ〜雫ちゃん。2人も見てないで助けて…」

 

千「ふふ、いやなに邪魔をしてはいけないと思ってね」

 

真「そうそう。微笑ましかったわよ」

 

なんか2人を見てると庄司と司を見てる気がする…

 

千「さて、もう少しで体育館に着くけど身なりはちゃんとしてるかい?」

 

真「当たり前よ。あっ、最香ちゃん。髪にホコリが付いてるわよ。とってあげるわね」

 

最「う、うん。お願いします」

 

真「はい、取れた。それにしても最香ちゃんの髪は綺麗よね〜。羨ましいわ」

 

お母さんから指導されたおかげだと思います。あの時のことを思い出すと少し身震いしてしまう。あまり思い出したくないな…特に側でゲラゲラと笑っていた我が兄の姿をね。

 

最「そんなことないです。ま、真衣さんの方こそ綺麗です」

 

真「ふふふ、嬉しいこと言ってくれるわね。ありがとう」

 

いやいやほんとに美しすぎます。今度からお姉様と呼ばせてもらいます。いや冗談だけど。

 

雫「よし、なら体育館に入ろうか」

 

真「そうね、みんなも結構集まってるようだし。じゃあここでお別れね」

 

千「じゃあね〜」

 

雫「うん。またね〜」

 

真「最香ちゃんも後で町を案内してあげるからね」

 

最「はい、楽しみにしてます」

 

そしてふたりと別れた。といっても隣のクラスだから列も隣なんだけどね。あ〜早く始業式終わらないかな。早く雫ちゃんたちに町を案内してもらいたい。いや別に案内してもらわなくても分かってるんだけどね。庄司たちとはよく街に遊びに行ったし。でも今回は女の子たちと行くとなるとちと話が変わってくる…要するに楽しみなんです。

 

雫「どうしたの?なんかそわそわしてるみたいだけど…」

 

おっと、どうやら考えてることが漏れてしまってたようだ。

 

最「いえ、早く雫ちゃんたちに町を案内してもらいたいので楽しみで仕方ないんです。ほんとに楽しみ♪」

 

雫(この子はほんとに同い年とは思えないぐらいにかわいいなぁ)

 

雫「そう?なら楽しみにしててね」

 

最「はい!」

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

この後の町案内のイベントにわたしの心は踊らずにはいられないくらいに高揚していた。始業式終了まであと少し。地味に長かった、なんだよ1時間って。校長の話長すぎだ!お前の話のせいでわたしの心はブレイクしてしまったよ。あっ、でも校長もいい感じにヘアーブレイクされてますね。失礼…言いすぎたよ。校長も好きで禿[は]げたわけじゃないもんね。

 

「これで平成○○年4月○日○○高校の始業式を終わります。一同、礼!」

 

「それでは3年生から順に退場してください。教室に戻ったら各自、担任の指示に従って行動しなさい。」

 

ようやく始業式も終わったようだ。疲れた。甘いもの食べたい。

 

最「う〜ん。やっと終わった。」

 

雫「あはは…確かに校長先生の話いつも長いからしょうがないよ。最香ちゃんは初めてだから知らなかっただろうけど」

 

いや知ってたけどね。あの禿げた校長がいつも集会の時に無駄に話が長いこと…いつも寝てたけどね!もちろんばれないようにだけどね。

 

雫「お兄さん、集会の時毎回って言っていいほど寝てたよ。」

 

アレェ!?ばれてるぅー!なんとかごまかそう。

 

最「え?ほんとですか?」

 

雫「うん、だから高橋くんや古川くんに毎回起こされてたよ。」

 

最「お、お恥ずかしい限りです。」

 

確かに庄司たちに起こしてもらってたな。

 

雫「ふふ、でも御風くんたちを見てるの割と私好きだったんだよね。ほんとに高校生活を満喫してるな〜ってね。」

 

最「確かにお兄ちゃん、電話する時楽しそうでした。」

 

雫「でしょ。だから私たちもこの後の町案内でたくさん楽しもう!私たち友達なんだから遠慮はしないでね。」

 

最「雫ちゃん…ありがとう。」

 

わたしは男のときでも女になっても良い友達に恵まれて幸せ者だな。

 

雫「さあ、最香ちゃん。早く教室に戻ろ?」

 

そう言って雫ちゃんは教室に駆け足で向かった。わたしはすぐに雫ちゃんを追った。

 

最「ま、待ってよ〜」

 

雫「ふふ、待たない〜」

 

ここで一句。春風に/押されて追うわ/友の姿。……これはひどい。そんな馬鹿げた俳句を心の中で詠みつつ、わたしは雫ちゃんのあとを追った。するとわたしの行く先を応援するかのように風がわたしの背中を押した、そんな感じがしてわたしはクスリと小さく笑みを浮かべたのであった。

 

最香sideout

 




今回は長かったですかね。
今回は6100文字でした。誤字がありましたらお知らせください。


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第8話 まさかの初恋は私!?…ではなく、男の方でした。

皆様、遅くなってしまいすいませんでした!




最香side

 

教室に戻ってきたわたしたちは大崎先生が教室に来るまで2人で喋っていた。主な内容はわたし…というか”最人”についてだった。…うん、いやね気まずい。なにが気まずいって自分のことを視点を変えて話さないといけないというのがキツイのよね〜。

 

雫「最人くんってどんな食べ物が好きだった?」

 

ちなみになんで雫ちゃんが最人を名前呼びしてるかはわたしと最人とこんがらがるので分かりやすいようにわたしが名前呼びにさせました。ハイ…わたしがこんがらがるのですよ。

 

最「う〜ん、お兄ちゃんの好きな食べ物か…。エビフライが好物だったような…」

 

エビフライ…めっちゃ好物です。いまにでも食べたい。でもこの体になってからは男の時に比べてたくさんは食べれなくなったんだよな…しかも甘いものを食べるときは凄く美味しく感じる。

 

雫「エビフライか〜。ふふっ、なんだか意外だな〜」

 

最「子供っぽいかな?本人は別に気にしてなさそうだったけどね」

 

いや、内心はめっさ気にしてますけどね。しかしわたしの予想を裏切るかのように雫ちゃんは首を横に振った。

 

雫「いや違うよ。それに人の好物でとやかく言うつもりはないよ」

 

あ〜ほんとにええ子や〜。これが庄司や司なら確実に笑われたところだろう。

 

最「そういえば、なんでお兄ちゃんのことを聞いてきたの?」

 

わたしがそんな質問をすると、雫ちゃんは密かに頰を少しだけ赤くした。ん?なんでそこで赤くなるの?まさか…

 

雫「そ、それは…」

 

最「うん。それは…?」

 

雫「な、内緒にしといてくれる?」

 

もちろん。誰にも話さないつもりだ。そういう意思を込めてコクンと頷く。

 

雫「えっとね…実は私、最人くんのことが好き…だったの」

 

… まじで?”俺”のことを雫ちゃんは好きだった…。…ん?“だった”…?

 

最「だったってどいうこと?えっ?お兄ちゃんのことが好きだったの?」

 

雫「う、うん。あ、あんまり何回も繰り返さないで…恥ずかしいから」

 

最「あっ…ごめんね。それで好きだったとは?」

 

雫「うん…私ね、最人くんが高橋くんや古川くんたちと楽しそうに会話してるところを見るのが好きだったの。そうやって見てると最人くんの顔を見るたびに胸がドキドキしてきたの。最人くんの笑顔を見るとそれが一層強くなった。そして分かったの、これは恋なんだって」

 

最「……」

 

やばい…この子の話めっさ感動する。でも雰囲気悪くするけど先に謝っておくね、ごめんなさい。本人があなたの目の前にいます。でも雫ちゃん、結構かわいいから告白されたら即OKよ?ヘタレて断る可能性もあるけど。どちらかというとそっちの可能性の方が高い気がする…しまった!これでは自分がヘタレと認めている⁉︎…まあ、実際告白されても対応に困るのは本当だけどね。おっと、脱線した。今は雫ちゃんの話を聞こう。

 

雫「でも、私は最人くんから見たらただのクラスメイト…私が告白して断られたらって考えたら怖くてなかなか切り出せなかったの」

 

最「……」

 

あれ?この流れって…

 

雫「そして今日、始業式が終わったら最人くんに告白するって決めてたの。そしたら…」

 

最「その告白をする前にお兄ちゃんはお父さんの手伝いでどこかに行ってしまった…」

 

コクンと雫ちゃんは小さく頷いた。その肩は小さく小刻みに震えていた。もしかして泣いてる…?

 

最「し、雫ちゃん。大丈夫?」

 

雫「うん…あれ?おかしいな…もう諦めたはずなのに涙が出ちゃうよ…。うぅ…」

 

周りが騒然としているなか雫ちゃんは静かに泣いた。それは愛おしき人との別れを確かめるように一粒一粒の涙にはたくさんの感情が入っている…そんな感じがした。

 

最「……」

 

そんな雫ちゃんにわたしはなにも声を掛けれなかった。まず、ここで声を掛けるのはお門違いだろう。確かにわたしは御風 最人であり御風 最香でもあるのだから…どちらかといえば最香なのだろう。そんな自分の存在自体があやふやな奴がこんなに悲しんでる女の子に声を掛けるなど到底できるはずがなかった。

 

最「……!」

 

ふと庄司たちの方を見るとこちらをジッと見ていた。その目線には若干の怒気が含まれていた。ん?なんかアイコンタクトとばしてきてる…なになに?

 

庄(なに女の子泣かしてんだ!はやくなんとかしろ!)

 

…いやいや、そのなんとかに困ってるから話しかけられないんだよ。ヘタレですから…。でも…こんなヘタレなわたしでも目の前の女の子を助けたい。泣かした原因は”俺”にあるけど、今は”私”なんだ!

 

最「雫ちゃん、大丈夫だよ」

 

雫「グスッ…うん」

 

最「だってお兄ちゃんがこんなに可愛い子をほっとくはずかないもん。必ず迎えにきてくれるよ」

 

それは悲しい嘘。それは誰かを傷つける嘘。そんなの分かってる…だけど今はそんな嘘でもこの女の子を助けたい!

 

最「だから諦めなくてもいいんだよ。だって私がいるんだもん、いつでもとはいかないけどお兄ちゃんとは連絡取れるよ…」

 

雫「さ、最香ちゃん〜。ありがとう…そっか私…諦めなくていいんだ」

 

最「そうだよ、恋は女の子の特権なんだから」

 

雫「ぷっ…おもしろいこというね、最香ちゃん。そっか恋の特権かぁ…」

 

よかった…やっと笑ってくれた。ていうか確かに恋が女の子の特権っておかしいよね。なら男子にも言えることだけど…ほら、恋は男の子の特権だよね☆…とかいうの合わなくない?うん…正直言ってキモいよね。

 

雫「さ、そろそろ大崎先生も来るだろうし席に着いておこうか」

 

最「うん、庄司くんたちもなんかこっちに手を振ってるからそろそろ行くね」

 

雫「おーけーだよ。あっ!それと放課後の町案内…楽しみにしててね」

 

最「うん!楽しみにしてるね」

 

こうして雫ちゃんの恋はまだまだ続くのであった。まる。なんてね…

 

閑話休題……

 

自分の席に戻ったわたしは庄司と司にさきほどあったことを軽く説明した。

 

庄「そうか…椎葉さんが最人のことを好きだったとは…」

 

司「確かに言われてみれば時々視線を感じると思ったが、それは椎葉が俺たち…まあ 主に最人を見ていたからなんだな」

 

最「…正直驚いたよ。まさか、雫ちゃんがお兄ちゃんのことを好きだったなんてね」

 

庄「ぷっ。お前、自分で”お兄ちゃん”とか言っちゃうのかよw」

 

最「…演技だよ、え・ん・ぎ!私だって自分のこと”お兄ちゃん”って言うのは正直どうかと思うけどね。そこは我慢しないと」

 

庄「まあ、椎葉さんが最人のことを好きだったっていうのは正直なところ驚いたが人はそれぞれだしな。しかし…お前」

 

最「うん?なに?」

 

なんか庄司がわたしのことをニヤけた目で見てくるんだけど…

 

庄「いや〜惜しいことしたなって。だって考えてみろよ、椎葉さんみたいな美少女が最人のことを好いてたんだろ?お前、どんだけのチャンスを逃してんだよ」

 

確かに今になって考えてみれば惜しいことをした。

 

最「仕方ないじゃん。その時は全然そのことに気づかなかったんだもん」

 

司「例えその好意に気づけたとしても最人はヘタレだからな。どうせ告白は向こうからだろうな」

 

最「ぐぬぬ。言ってることはひどいけどおそらくその通りになってしまうと自分でも分かってしまうこの悲しさ…」

 

あれ…?なんだろ…目頭が熱く…べ、べつに泣いてなんかないんだからね!

そんな他愛もない話しをしてると教室の扉がガラガラと開いた。そこから入って来たのは我らが担任、大崎先生だった。

 

大「よぉ〜しお前ら、席につけ。出席とってからHRを始めるぞ」

 

「「「う〜す」」」

 

クラスの男子数名が力が抜けそうな返事をし、各々席に着く。

 

大「今、間抜けな返事をしたバカ3人…教材を運ぶのをあとで手伝え」

 

「ええ〜」

 

「理不尽じゃ!」

 

「そうだ!ただ真面目に返事をしただけなのに!」

 

大「ほぅ〜あれがお前らにとって真面目な返事なんだな?」

 

「「「当たり前です!」」」

 

大「そうか…ならお前らの卒業式は楽しみだな。3年最後の締めくくりなのに卒業の返事がう〜すとは…いやはや笑わせてくれるな」

 

大崎先生ぇぇ…すっごい楽しそうな表情で言ってるよ…

 

「先生!あとで手伝いに行かせてもらいます!」

 

「先生になら一生ついて行きます!」

 

「先生!とくとご命令を!」

 

大「じゃあお前らは割と身体がしっかりしてるから野球部に入らなi「「「お断りします」」」お前ら打ち合わせしただろ!」

 

先生と男子ABCくんたちの漫才みたいな会話にクラス中が笑う。とかいってるわたしも笑ってしまっている。

 

大「たく…じゃあ出席とるぞー。青木…安藤…」

 

なんか自分の番が呼ばれる前って異常に緊張しない?あがり症なんです、わたし。

 

大「…御風」

 

最「は、はい」

 

ふぅ〜緊張した。

 

大「よし、全員いるな。まあ特に言うことはないが始業日にこうやってみんなが集まれたのは正直なところ偉いと思っている。それに、みんなは2年生になったから目標を持って生活していってほしいと思う。部活やるのもよし、この学校はバイトが禁止されてないからバイトするのもよし、大学に向けて勉強するのも良しだ。とにかく目標を持ち、充実した1年間にしてほしい」

 

先生…あんた良い人やぁ〜わたしは感動したよ。

 

大「では先生の話は以上だ。皆、わかってると思うが明日からは通常授業だからちゃんと来いよ。明日これば土日で休みだからな」

 

そうか…明日行けば2連休だったね。どうしようかな〜暇だし、庄司たちと遊ぼうかな。…なんかそれは女子高生として行けない気がする…ま、いっか!(よくない)

 

大「よし、他に伝え忘れた事はないな…では号令」

 

起立〜…さようなら。

 

「「さようなら」」

 

最「ん〜!やっと終わった」

 

わたしが背を伸ばしていると庄司が話しかけてきた。

 

庄「なんだ、だらしないな。その倍疲れることが明日にあるっていうのに…」

 

最「いいんだよ、私はこれで。そして明日にも『あ〜疲れた』と言うのが1日の定番でしょ」

 

司「そんな言葉を1日の定番にしても良いのか?」

 

横から司も話題に入ってきた。あっ、そういえば…

 

最「いいの。そういえば司…」

 

司「なんだ?」

 

最「司にさ、『妹』っている?」

 

まあ、妹っていうのはもちろん夢乃ちゃんのことだけどね。

 

司「ああ、いるぞ。夢乃に会ったのか?」

 

最「うん、職員室に行く途中に偶然ね。その時は苗字を聞くまで分からなかったけど、古川って聞いてもしかしたらって思ったらビンゴしちゃってね。これは司に聞いてみないとって思ったの」

 

司「そういうことか。まあ、聞かれたことなかったしな。言っておくと高校一年生で生徒会に入り、学業も俺よりか断然いい」

 

最「いや、去年に学年10位取ったやつに言われてもな〜」

 

単純に腹立つよね。ていうかそれより頭が良い夢乃ちゃんは化けてるね。

 

最「庄司は知ってた?司に妹がいるってこと。」

 

わたしは些細な疑問を庄司に問いかけた。

 

庄「おう、知ってたぞ。俺は偶に司の家に遊びに行ってたからな。その時に面識はあった、会話は挨拶程度だったけどな」

 

最「ふ〜ん、知ってたんだ。なら言ってよ〜私がこんなに悩む必要なかったのに…」

 

司「お前、対して悩んでないだろう」

 

最「あ、バレた?私のささやかなジョークでした♪」

 

まさにてへ☆ってやつだね!

 

司「お前はアホか」

 

最「あいた!むぅ〜叩くことないじゃん」

 

庄「ははっ!自業自得だな」

 

災いを自分で呼び起こすとは…本当に自業自得だ。

 

司「そんなことより向こうで椎葉たちが呼んでるぞ。」

 

庄「町を案内してもらうんだろ?楽しんで来いよ。まあ、案内する必要はないと思うけどな」

 

最「まあ、そうだね…だけどもしかしたら、私たちが知らないスポットに連れていってくれるかもしれないから行ってくるね。なにか用があったらメールして」

 

司「ん、楽しんで来い」

 

最「うん!行ってきます」

 

わたしは2人に別れを言って雫ちゃんたちに合流した。さあ、雫ちゃんたちはどんな場所に連れて行ってくれるか楽しみだな〜

 

 

 




どうでしたでしょうか?久しぶりに書いたので出来は不安です…
誤字がありましたら報告お願いします。感想と評価も出来たらよろしくお願いします。


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第9話 そこには見知らぬ町並み…ではなく私の地元でした。

遅くなりました!誠に申し訳ございません。


最香side

 

 

最「ゴメンね、待ったかな?」

雫「ううん、大丈夫だよ。千鶴ちゃんと真衣ちゃんも今、STが終わったところだから」

千「そうとも、だから気にしなくてもいいよ」

最「うん、ありがとう」

真「よし。なら行きましょうか!」

「「「お〜」」」

 

わたしは雫ちゃんたちと合流し、朝から約束していた『町案内』のため昇降口へと移動していた。…今さら町案内はいらないけどね。なんて言ったってわたしもここに16年はこの町に住んでいるんですから。確かに地元とは少しだけ離れているが、それでも電車で数駅…近い距離なのは間違いない。

 

真「最香ちゃんは、甘いものとか好き?」

 

そんなことを考えていると真衣さんに話しかけられた。

 

最「はい!甘いもの、大好きです!」

千「…ッ!最香ちゃん!」

最「ひ、ひゃい!何でしょうか!」

 

えっ?わたし、変なこと言った?いきなり名前を呼ばれたからビックリしたよ。…変な声が出たのは見逃して…

 

千「ちょっと聞こえなかったから、もう一回言ってくれないかな?甘いものが何だって?」

最「えっ…」

 

結構近くにいたのに聞こえなかったのかな?まあ、仕方ない。

 

最「だ、大好きです…」

千「あ〜心がぴょんぴょんするんじゃ〜♪」

真「はあ〜千鶴、最香ちゃんが何事って顔してるわよ。それと雫、あなたも鼻を押さえてるんじゃないわよ」

千「いや〜なんかこう胸にドキッときたね。これはもう一回言ってもらわないとって思ってね」

 

千鶴さんがそう言うと雫ちゃんもうんうんと頷く。わたしもかわいい女の子から「大好きです」なんて言われたら昇天するだろうな。

…だけど悲しい事にその告白を受けたらわたしは女の子好きなレズ野郎になってしまう。女の子なのに野郎とはこれいかに…

 

真「まったく…最香ちゃん ごめんね、この馬鹿が困らせるようなこと言って…」

最「い、いえ。賑やかでいいと思いますよ」

真「優しいわね〜。ほら千鶴も最香ちゃんを見習いなさい」

千「確かに最香ちゃんはかわいいから見習わないといけないね!特にその成長途中の胸とか…ね?」

最「な、何言ってるんですか!ちょっと怖いですよ…」

雫「ふふ、みんな仲良いね」

 

ワイワイと話しながら靴に履き替え昇降口を出たのはいいが、目的地を聞いていないな…

 

最「そういえば、街を案内してくれるのはありがたいんですが何処から案内してくれるんですか?」

真「言ってなかったわね、私たちがこれから向かうところは私たちがよく行くカフェよ」

最「カフェ…ですか?」

雫「うん。そこのカフェのオススメはずばりパフェだね!あそこのカフェのパフェは本当においしいんだよ!」

 

なんか雫ちゃんのテンションが上昇してるんですが…

 

千「あはは。雫がなんでそんなにパフェをオススメしてるか気にしている顔をしてるね」

最「え?ええ…確かに私もパフェ…というか甘いもの全般は好きですがここまで推されると気になりますね」

雫「それはですね!あそこのパフェは生クリームを豪華に沢山使い、そのホイップの上にはポッキーや板チョコが乗せてあって、ホイップの下にはそのカフェの店長のオリジナルアイスが2つも入ってるんです!そしてその下には意外の意外でマカロンなんですよ!アイスが溶けてマカロンがやわらかくなってしまうと心配ですが無用です!なんとマカロンはサクッとしたままでアイスの味がマカロンに染み込んでとても美味しいんです!どうですか?食べたくなりますよね!」

最「……」

 

何というか正に今の状態は言葉を失っている、放心状態というものだろう。ポカーンである。

 

真「はあ〜また変に熱が入っちゃって…。ほら雫!最香ちゃんが放心してるわよ」

雫「あっ…ご、ごめんね。私ったらあそこのパフェのことになるとつい熱が入っちゃって…」

最「いえ、それほどパフェが好きなんだということが分かったので全然大丈夫ですよ」

 

実際に行ってみないと分からないが、雫ちゃんがこれだけ推すのだから美味しいのは間違いないだろう。

 

真「じゃあ、雫も待ちきれないみたいだしさっさと向かいましょうか…」

雫「おお〜!楽しみっ♪」

最「楽しみですっ!」

千「ふふっ、楽しそうでイイね〜」

ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー

それから暫く歩くと件のカフェに着いた。名前は『シフォン』なんとも可愛らしい店名だ。

先頭を歩いていた真衣さんが店のドアを開ける。

 

真「こんにちは、4名ですけど空いてますか?」

?「お!真衣ちゃんたちじゃないか!ご覧の通り、席ならいくらでも空いてるよ。…おや?見慣れない子だね、真衣ちゃんたちのお友達かな?」

雫「はい!今日、転校してきた最香ちゃんです!」

最「ご、ご紹介に預かりました御風 最香です。よろしくお願いします」

?「これはこれはご丁寧に…。私はこの店のオーナーの『不知火』と申します、以後お見知り置きを。」

 

この人がこのカフェのオーナーさんかぁ…見た所、40後半〜50前半ぐらいのおじさんかな?

 

千「では、奥の席に座らせてもらいますね」

不「どうぞ〜。先にメニュー見ておいてね、すぐにお冷とおしぼりを持っていくから」

千「ありがとうございます」

 

わたしたちは千鶴さんに先導され、カフェの奥の方の席に腰を下ろした。

 

雫「そこの立てかけてあるのがメニューだから、それを見て決めてね。オススメはもちろんパフェ!」

最「あはは…けっこう種類ありますね」

不「まあ、大変だけどそれもうちの売りだからね。頑張るしかないよ」

 

わたしの発言に人数分のお冷とおしぼりを持った不知火さんがすっとコメントをいれた。

 

不「はい、お冷とおしぼりです。メニューは決まったかな?」

雫「私はもちろんパフェで!」

不「雫ちゃんはパフェ好きだね〜…3人は?」

真「私は…コーヒーのブレンドとシフォンケーキで」

千「私は、抹茶ケーキを頼むよ。あと、カフェラテね」

不「…はい、最香ちゃんは決まったかな?」

 

…わたしは最初から決まってる。

 

最「私も雫さんと同じパフェでお願いします」

不「わかったよ。では、できるまで待っててね」

 

そう言って不知火さんはキッチンの方に歩いていった。気になったんだが…

 

最「ここって他に従業員さんっていないんですか?不知火さん1人じゃキツくないですか?」

 

そう、不知火さんの他に従業員が見当たらないのだ。しかしそんな疑問は千鶴さんの発言によって消された。

 

千「いや、いるにはいるよ。でも見ての通り、昼間はあんまりお客が来ないんだ。だから経費削減のために臨時として1人いるんだよ。」

雫「しかも、私は女性かなって思ったけど男の人だったんだよ。多分、大学生ぐらいだったかな〜」

 

…なんでだろ。男性で大学生と聞いただけで家の兄が出てくるんだけど…。しかも、バイトは臨時でしてるって言ってたし…まさかね?

 

不「楽しそうに話してるね」

 

わたしたちがつい話しに盛り上がっていると不知火さんがメニューを持ってやってきた。

…はやくない?頼んでまだ10分くらいしか経ってないと思うんだけど…

 

最「は、はやいですね?これもこの店の売りですか?」

 

わたしは少し冗談を混ぜつつ聞いてみた。

 

不「店を開ける前に下ごしらえしてるんだよ。それにしても運が良かったね、今日はパフェを5つしか作ってなくて、あと2つしか残ってなかったんだよ」

雫「わあ〜危なかったです。もう少しでパフェが食べれないところでした」

 

お待ちかねと言わんばかりに目を輝かせた雫ちゃんの前に置かれたパフェはファミレスに売ってるようなパフェだが、雫ちゃんが言っていた工夫が沢山込められたパフェなのは一目瞭然だった。

 

不「最香ちゃんは初めて見るよね。これが当店自慢のパフェだよ」

 

最「お〜これが雫さんが推してきた『シフォン』ご自慢のパフェですか」

 

不「あはは、自慢ってほどじゃないよ。ただ雫ちゃんや他のお客様に評判がいいだけだよ」

 

と不知火さんはご謙遜気味の様子。いやいや、普通にうまいよこれ。分かりやすいように言うとアイスはオリジナルって言ってたけど、わたしは味オンチだしそんな変わらんでしょ?とか思ってた。…うん、過去のわたしを殴りたい。めっちゃうまい!まじでうまいわ。食レポとかやったことないし説明はよくできないけどとにかくうまい。ちにみにアイスの味は多分だけど、バニラとチョコかな?わからん…とにかく感想を言わなければ。

 

最「おいしい!このパフェすごくおいしいですよ!」

 

雫「だよねだよね!おいしいよねこれ!」

 

最「うん!不知火さん、すごくおいしいです」

 

不「そ、そうかい。それはよかった~」

 

不知火さんは一安心といったかんじでカウンターの方に戻っていった。よし!とりあえず感想を言えたのは成功だ。ただ単においしいとしか言ってないけどね。てか、気になったんだけど…

 

最「すいません、雫ちゃん。ちょっといいですか」

 

雫「むぐ?…ごくっ。なにかな?」

 

…なんかすいませんね。そんなに幸せそうに食べてるときに質問しちゃって。

 

最「このパフェ…すごくおいしいのはわかったんですが、その~」

 

雫「ん~?どうしたの…?」

 

なんか若干恥ずかしいな。

 

最「その…カロリーとかって大丈夫ですか?」

 

雫「ぷっ、あはは!なんだ~そんなことだったんだね」

 

最「私からしたらかなり重要な問題です…」

 

千「むしろ最香ちゃんは細すぎる気がするけどね」

 

最「そんなことないです。油断してたらあっという間にぷっくりなっちゃいます」

 

絶対に太るのだけはやだ!せっかくこんなに可愛いんだからこのままを維持していきたい。

 

真「ふふっ。確かに今のほうが最香ちゃんって感じがするわね」

 

最「はい!私はこの体型を維持していきます!」

 

ふんす~!と言わんばかりに気合を入れるわたし。これだけでどんだけ本気なのかがわかる。

 

千「それよりもいいのかい?最香ちゃん」

 

最「えっ?なにがですか?」

 

千「アイス…溶けてきてるよ」

 

最「わわっ!本当だ!」

 

わたしは慌ててパフェにかぶりつく。顔をあげると、みんなに笑われた。

 

最「?…どうしたんですか?」

 

真「ほっぺ…アイスがついてるわよ。ほら、とってあげる」

 

そう言い、真衣さんがわたしの頬についたアイスを拭いてくれた。

 

最「んっ…あ、ありがとうです」

 

真「いいえ、別に気にしないで。さぁ、早く食べて他の場所にも行きましょう」

 

最「わかりました」

 

千「了解だよ」

 

雫「う~んおいしい♪」

 

若干1名聞いてない気がするけど、町案内は続くのであった。

 

 

 

 

 

 




次回からはテンポよくいきたいです(投稿するとはいっていない)
誤字やアドバイス等も待ってます。


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第10話 ゲーセンと人生どっちがクソゲー?・・・どっちも。

大変遅くなりました。待たせたわりには5000文字いってない(涙)


最香side

 

ケーキを食べ終えたわたしたちは、『シフォン』を出て次の目的地に向かう途中であった。まあ、目的地と言っても場所は案の定教えてもらえなかったけどね。

とか思っていると…

 

真「着いたわよ」

最「ここは…」

 

わたしは目線を上げて店の看板を見る。そこは“俺“がよく行っていたゲーセンだった。

 

最「ゲームセンター?」

雫「そうだよ。最香ちゃん、ここらへん初めてなんでしょ?だったら遊べる場所も紹介しとこうかなって」

最「なるほど」

 

ふむ…紹介してもらうのはありがたいけど生憎、このゲーセンはある程度網羅してるから別に紹介してもらう必要がないんだよな…

 

真「ゲーセンなんて久しぶりね〜ここ最近は行ってなかったわ」

千「私はたまに来ていたけどね」

真「あら、そうなの?てっきり違う方のゲーセンに行ってるんだと思ってたけど」

 

違う方っていうと…ああ、電車で数駅行ったところにあるゲーセンか。そっちも休日とかに行ってたな。2月は寒くて行ってなかったけど。

 

真「じゃあ、早速入りましょうか。入り口で溜まるのも迷惑だし…」

雫「そうだね。入ろ入ろー」

 

2人はそう言い、ゲームセンターの中に入っていった。残されたのは千鶴ちゃんとわたしだけ。千鶴ちゃんは呆れ気味だった。

 

千「まったく、案内する人を置いてどうするんだろうね…」

最「あはは…」

 

わたしは苦笑いを浮かべた。まあ、あの2人は自由にやらせる方が合ってる気はするけどね。

 

千「では、私たちも入ろうか」

最「はい、お願いしますね」

千「最香ちゃん…」

最「は、はい?何ですか?」

 

なにか気に触るようなことをしただろうか。

 

千「できれば私もため口で話してほしいな」

最「えっ・・・?」

千「ここまで来る間も最香ちゃん敬語だったからね」

最「そ、そうですか・・」

 

なんか最人とばれないようにしないとって思ってたから、気づかないうちに距離を開けていたのかもしれないな。

 

千「私たちは友達なんだから普通に喋っても大丈夫さ」

最「千鶴さん・・」

千「さあ、少し急ごうか。中の二人も待ってるからね」

 

千鶴ちゃんはそう言い、中に入っていく。

 

最(なんか、私・・バカみたいだな~。ふふっ♪)

 

いろいろと気負っていたわたしは新しくできた女友達との距離間というものに知らず知らずのうちに悩んでいたみたいだ。

 

最(でも、それももう終わりだ)

 

わたしの悩みを断ち切ってくれた人にお礼を言おう。

 

最「千鶴ちゃん!」

 

その人は微笑みながら振り返った。

 

千「どうしたんだい?」

 

わたし《おれ》にできる精一杯のお礼を・・・

 

最「友達になってくれてありがとう!これからもよろしくね!」

千「最香ちゃん・・こちらこそありがとう、よろしく頼むよ」

 

わたしの言葉に驚きつつも千鶴ちゃんはそう答えた。

 

千「さて、私だけいい思いもできたしそろそろ入ろう」

最「は、はい!あっ・・」

千「ふふ、そう焦らなくても大丈夫さ」

最「はい・・じゃなくて。うん、気をつけるね」

 

わたし達はこうして中で待ちくたびれている二人の下へ足早に向かうのだった。

 

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 

中に入ると、聞き親しんだ騒音が耳に入り込んできた。冬は寒かったし、暖かくなってきた3月もあんな事(女体化事件)があったから満足に外には出れなかった。なんだかんだで久しぶりのゲーセンだったりする訳だ。

 

雫「二人とも遅いよ~!」

真「本当よ、何してたの?」

 

まあ、中で五分ぐらい待ってた二人からしたらもう慣れただろうけどね。個人的にはどちらかが様子を見に来てもよかったと思うけど。

 

千「二人が中で待ちぼうけを食らってる間に私は最香ちゃんとの仲を進めてたわけだよ」

最「あはは~あながち間違ってはないかも・・」

 

若干わたしがヒロイン状態になってたから否定しづらい・・・

 

千「そもそも、二人が最香ちゃんを置いていくのが悪いじゃないか」

雫「うっ・・そ、それは」

真「すぐに来ると思ってたのよ」

 

というかわたし、かなり恥ずかしいことを言ってたんじゃないか!?しかも店の目の前で!

 

千「まったく…ん?最香ちゃん、どうしたんだい?」

 

うわー!かなり恥ずかしい…こんなベタな展開、昔の漫画みたいじゃん!

 

千「最香ちゃん!」

最「は、はいっ⁈」

 

な、なんだ!?いきなり名前呼ばれたけど。

 

千「どうしたんだい?なにか考えてたみたいだけど…」

雫「そうだね。なに考えてたの?」

真(うわっ、直球…)

 

直球すぎね?なんかオブラートに包んでよ。てか察してよ。こんな時は…

 

最「いや、ゲームセンターってなかなか来たことなかったから音にびっくりしちゃって…」

 

ゲーセン初心者あるあるでも話しておこう。無難だよね…?

 

真「あ〜確かに久しぶりに来ると、うるさい!って思うわよね」

雫「確かにそうだね。私も入った時は耳がキーンってなったもん」

 

まあ、最初はゲーセンに来たらみんな耳が痛くなるよな。てか、雫ちゃん…キーン(語彙力のなさ)って…。擬音で喋ると分かりづらくない?馬鹿って思われちゃうじゃん。

 

最「今そんな感じになってる。キーンってするよ…」

雫「なるよね〜キーンって」

 

……ん?なんのことかな?誰だよ、擬音使ったら分かりにくいって言ったやつ。あっ、わたしだった。擬音ってめっちゃ分かりやすいね!

 

千「じゃあ、どこから見ていこうか?」

真「ここは3階まであるけど、3階は音ゲーとかアーケードだったわよね?」

千「確かそうだったと思うよ。基本、私は1階のクレーンゲームしかやらないからね」

 

ちなみに2階はメダルゲームだったりするわけだ。“俺”はメダルゲームばっかりやってたけどな。特に◯ィーナスとかグラン◯クロスとかね。女だとメダルってやりづらいよなー、なんかやだじゃん?JK(美少女)が1人でメダルゲームやってる光景。…ん?ワンチャンアリじゃね?やっぱり美少女はなにしても見栄えがあるなー。その美少女がわたしと思うと内心すごく複雑なわけだけど。

 

千「最香ちゃんは見たいところあるかい?」

最「えっ?わ、わたし?」

雫「そうだよ〜。最香ちゃんの為に来たんだから気になるとこがあるなら言ってね」

 

やばっ!突然聞かれてもメダルの方が気になる。だけど女の子としてここはクレーンゲームと答えよう。

 

最「じゃ、じゃあメダルゲーム…見たいな」

 

ごめんなさい…欲求には逆らえませんでした。

 

真「へー意外ね。メダルゲームがあること知ってたんだ」

最「わ、私が知ってた訳じゃなくて兄からよく電話やメールで聞いてたから知ってたの」

千「確かに御風くんはたまにだけど、UFOキャッチャーしてるの見たことあるね」

真「すごい上手かったわよね。袋に景品が山盛りだったし」

 

あぶねーなんとか誤魔化せた。てか、”俺”の姿見てたんかよ。気づかなかったわ。

 

雫「……」

最「ん?……あっ」

 

やばっ。無神経に最人の名を出さない方がよかったか…

 

雫「ほ、ホント上手だったよね!どうやったらあんなに取れるんだろう?」

 

あっ…単純で助かったわ。だけどなんとなく無理してる感じがする。

 

最「あの、雫ちゃん?」

雫「どうしたの?最香ちゃん」

 

わたしは出来るだけ雫ちゃんに近づき小声で言った。

 

最「大丈夫?無理してないかなって」

雫「…っ!だ、大丈夫だよ。少し驚いただけだから、ね?」

 

…やっぱり無理してるよな。これからは“最人”の名前はあんまり出さない方がいいかもな…。わたしのことだからすぐに忘れそうだけど。

 

千「では、最香ちゃんのお望み通りに2階に行こうか」

真「私、上の階苦手なのよね…プリクラとかクレーンゲームなら下にあるし、上の階ってなんかおっさんが行くような感じがしてね…」

 

うーむ…それだとわたしはおっさんってことになるのか。美少女なのにおっさんとは…悲しゅうなる。

 

真「あっ!べ、別に最香ちゃんのことを言ってるわけじゃないわよ。私がただ苦手なだけでね!」

最「大丈夫ですよ。私も気になってるだけですから」

真「そ、そう?なら良いんだけど…」

最「はい!気になさらないで下さいね」

 

わたし達は2階に上がるための階段を登り、わたしが待ちわびたメダルコーナーへと辿り着いた。

 

最(うーん…やっぱり4ヶ月じゃあんまり変わらないか。あっ…でもあの台とかは場所が移動してるな。…うん?こんなイベントやってたか?新しくイベントをやるようになったのか。)

 

雫「最香ちゃん、よっぽど気になってたんだね。スゴイ見てるよ」

真「まあ、御風くんからいろいろなことを聞かされてたんでしょ?気になるに決まってるわよ」

千「ふふっ、機械を見る目がまるで小動物のようにキョロキョロしてるね」

雫「うん、とっても可愛いね!」

 

雫ちゃん達の会話など耳も貸さずにわたしは満足するまで台の様子を見ていたのだった。

 

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

 

最「ごめんなさい。私ばっかりが夢中になって見てしまって…」

 

あの後、わたしが雫ちゃん達と来ている事を思い出したのが10分後の事だった。いやね、普通に忘れてたわ。だっていつも1人だったし…いかん、悲しくなってきた。

 

雫「大丈夫だよ、それよりこんなにも景品が取れたのは初めてだよ!」

真「そうね、まさか最香ちゃんがあそこまでクレーンゲームが上手とは思わなかったわ」

 

あの後、2階から1階に降りてきたわたし達は千鶴さんの提案でクレーンゲームをした後にプリクラを撮ろうという流れになった。その証拠にわたしのバックには先ほど撮ったプリクラが入っている。ゲームセンターを先ほど出て今は駅に向かう途中である。もう夕日が出ている…帰らなきゃ(使命感)

 

最「今日はありがとうございました!おかげで楽しかったです」

千「そうなのかい?楽しめたなら案内した甲斐があるよ」

真「千鶴はクレーンゲームに夢中だったけどね」

雫「そういう真衣ちゃんもプリクラではしゃいでたけどね」

真「あ、あれは最香ちゃんが可愛かったからついテンションが上がっちゃったのよ!」

 

…プリクラって難しいんだね(遠い目)。言い訳かもしれないけど、プリクラって一回も撮ったことなかったんだよな。機能とか全然分からんわ!いきなりフラッシュするなよ!

 

最「あっ、駅に着いた…」

 

そこには見慣れた駅…もう帰らないといけないのか。男だった時は庄司や司とファミレスに行って駄弁って、終電ギリギリだったのにな。

 

千「じゃあ、ここで雫と最香ちゃんとはお別れだね」

真「二人とも、気をつけて帰るのよ」

雫「真衣ちゃんは私のお母さんなの?私だって高校生なんだから大丈夫だよ」

 

雫さん…それはあかんフラグやで。大丈夫じゃないフラグや…。

 

最「心配してくれてありがとう。私も大丈夫です」

真「そう?ならいいけど…じゃあ私達はこっちだから、じゃあね」

千「また明日ね、最香ちゃん」

 

そう言って、2人は手を振り階段を降りていった。

 

最「私たちも行こ?」

雫「うん、そろそろ電車も来るから行こっか」

 

私たちも改札からホームに続く階段を降り、ホームに出た。もちろんのこと向こう側には千鶴ちゃんたちがいた。

 

最「雫ちゃん…」

雫「ん?どうしたの…」

 

カバンから携帯を取り出そうとした雫ちゃんは顔をこちらに向けた。

 

最「私と友達になってくれてありがとう」

 

そう、わたしはこの言葉をなにより雫ちゃんに言いたかった。女の子になって初めての友達。…ん?初めてだよな?夢乃ちゃんは知り合いだしな。

 

雫「...うん、私も最香ちゃんに話しかけてよかったよ」

 

一瞬、きょとんと驚きながらも雫ちゃんはわたしにそう告げる。

 

雫「それに最香ちゃん可愛いし、教室に入ってきたときにこれは声をかけるしかない!って思ったの」

 

...まあ、動機はどうあれわたしと雫ちゃんが友達になれたことには変わりはない。自分でもこの顔は可愛いと思うしな。

 

『まもなく、2番線に電車が参ります。黄色の線の内側でお待ちください。』

 

ん?もう電車が来るのか。わたし達の前に電車が停まり、降りる人を待ってからわたしたちは電車に乗り込んだ。

 

その後、雫ちゃんはスマホとイヤホンを取り出し音楽を聴き始めていた。わたしは特にやることがないし、携帯をいじる気分でもないからぼんやりと窓の外を見ていた。

 

最(女になって初めての学校だったが、案外なんとかなったな。だが、いつ気が抜けて男口調が出てしまうかが分からない...まあ、その時は猫かぶってました!てへ♪でごまかそう)

 

そんなどうでもいいことを考えながらわたしは帰路に就くのだった。

 




どうでしたでしょうか?誤字や脱字、アドバイス等がありましたら是非送ってください!


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第11話 あわよくば淡い期待を・・するだけ無駄でした。

はい、文字数を減らし投稿スピードを早くしようと目論んでは失敗しようとしてるヤマニンです。第11話です、タイトルはてきとー。試しに会話部分の名前を消してみました。見にくかったら報告ください。
では、ご閲覧ください。


最香side

 

電車で雫ちゃんと別れ、転校初日で疲れていたわたしは真っ先に家に直行した。駅から家まで5分という短い距離なのですぐに家に着いたわたしはインターホンを押した。

 

(鍵持っておけばよかったかな・・・)

 

わたしはドアが開かれるのを待っていると後ろから声がかけられた。

 

「お?今帰りか。ずいぶん青春してるじゃないか、初日だというのに」

「兄ちゃん・・兄ちゃんも今帰り?」

 

それにしては随分とラフな格好だけど・・

 

「おいおい、これがどこかに出かける服装に見えるのかよ。それに兄ちゃんじゃなくてお兄様な」

「せめてお兄ちゃんで我慢しろよ。なんだよお兄様って・・さすおにとでも言えばいいのか?てか、コンビニ行ってたでしょ」

「というか、鍵もってないのか。ほら、開けてやるよ」

「スルーかよ・・助かる、お兄様」

「ネタで使うなよ」

 

そんなやりとりをしながらわたしたちは家の中に入った。 

 

「ただいま~」

「いま、帰った」

 

いつも通りの帰宅風景。唯一変わっているのは俺の性別。

 

「ん?お、おいなんで涙目なんだよ・・」

「いや、帰宅して早々に現実を確かめたことによる反動だから気にしないで」

「お、おう・・」

 

若干引かれながらわたしはリビングの扉を開ける。そこにはソファーに横たわった母上の姿が・・って!

 

「母さん!いるんなら玄関の鍵開けてよっ!」

「ん~ああ帰ってきたのね。お帰りなさい」

「ああ、うんただいまじゃなくて!インターホン押したんだけど!」

 

わたしはソファーに体を預けている母さんに猛抗議。しかし、悲しいかな。そんな抗議は呆気なく粉砕された。

 

「え~だってめんどうじゃない」

 

とてつもなく理不尽な理由で。メンドクサイデスか・・すごく便利な言葉ですね。

 

「それに恭平がコンビニ行ったから鍵開けてもらうだろうって思ってたから」

「なんだろう、この後付けされたように感じる理由は・・」

「まあ、家に入れたからいいじゃないか」

「そうよ~恭平にお礼言っときなさいよ」

 

そもそもあなたが開けてくれればよかったんですがね~」

 

「嫌よ、それと声に出てるわよ」

「おおっと、これは失敬。思ったことは喋るタイプなもんで」

 

我ながら損な性格だと思う。そう思いながらソファーの空いているスペースに座った。

 

「それより少し遅かったじゃない?遊んできたの、一人で?」

 

最後のは余計だ。母さんが時計を見ながらそう質問してきた。

 

「遊んできたのは事実だけど、なんで新学期早々に一人で遊ばないといけないのさ」

「ほらあれよ、あんた今女の子じゃない?一応転校生だし、女の子たちのグループに入れず仕方なく気晴らしに遊んできたのかと・・」

「残念ながらグループにも入れたし、私以外にも3人いました~」

 

恐らく、グループに入れなかった場合は母さんが言ったとおりになると思うけど。

 

「ほ~さっそく友達出来たのか。それはよかった」

 

兄ちゃんがコンビニ袋を漁りながら会話に入ってくる。

 

「まあ、最香のことだから誘ってもらったんだろうけどな」

「うっ、よくわかったね・・その通りだよ」

 

わたしの行動ってそんなに分かりやすいのか。

 

「さてと、詳しい話はご飯食べながら聞きましょうか」

 

母さんはソファーから立ち上がり台所の方に歩いて行った。

 

「もうご飯できてるの~?」

「もうお椀にご飯をよそうだけよ」

 

母さんはわたしのお茶碗をすっと手渡ししてくる。・・なるほど、手伝えと

 

「ハイハイ、手伝いますよっと」

 

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

 

「これで最後かな」

 

5分ほとでテーブルの上におかずやみそ汁などが入った食器を並べ終わり、ようやくご飯にありつけた

 

「はいお疲れ様。じゃあ最香の頑張りを称えて~いただきます」

「いやそういう前振りいらないから…いただきま~す」

「いただきます」

 

今日のメニューはご飯に豆腐とわかめのみそ汁(合わせ)、八宝菜にお刺身というなかなか豪華に感じるメニューだ。・・うん、一般庶民だとおかずが少し多いと豪華だと感じてしまう悲しい現実。まあ、おいしいからいいけど。

 

「それで最香。登校初日はどうだったの?」

「それがね、なんと初日で友達が3人も出来たのです!しかも女の子だよ!」

「ほう、やるじゃないか」

「それでね、その子たちの名前が…」

 

今日の出来事を喋りながら夕食をとり、いまはお風呂に入っている。

 

「ふぅ〜男の時は風呂なんて10分ぐらいで出てたけど女の身体だと風呂の時間が楽しくなるのは不思議だ…」

 

そもそも、男なんて身体と髪を洗って湯船に浸かってあったまる時間が極端に短いんだよな。その点を考えると女の子の体ってめんどくさいよな…髪は命だし、体は繊細だから丁寧に洗わないといけないし。

 

「というか熱い!もう出よう!」

 

わたしは自分の体をふきお風呂から出た。その後はふかふかのタオルでやさしく髪の水分を抜いていく。わたしは髪がそこまで長くないのでこの程度で大丈夫なのだ。あとはドライヤーで乾かしていく…前ならターボー全開で一気に髪を乾かせたのにな・・

髪を乾かし終えわたしは自室に戻った。そこには当然のように居座る兄の姿…

 

「あのさぁ…別に入るなとは言わないけど許可ぐらい取ったら?堂々と居座ってるから私の部屋なのか一瞬疑ったよ」

 

わたしは不満を含む目線を兄ちゃんに向ける。

 

「フッ・・なに少し話そうと思ってな。お前が風呂から出るまで待ってたのさ」

 

兄ちゃんはベットに腰掛け足を組んで偉そうに言う。

 

「えっ・・私がお風呂から出るまでずっと部屋にいたの?」

「ん?何を当たり前のことを・・当然だろ、何か問題があったのか?」

 

逆になんで問題が見当たらないのか疑問で仕方ないよ…

 

「えっとさ…私って前は男だったけど今は女じゃん?」

「ああ・・間違えるはずのない美少女だな」

 

いちいちわたしが恥ずかしがる言葉をチョイスしやがって・・

 

「・・いやさ、前は同姓だったし気にしなかったよ。でも今は異性だしいくら兄でも少しは気にしてよ」

「なんだそんなことか」

「そんなことって…私からしてみたら結構重要なことなんだけど」

 

絶対ここでガツンと言っておかないとズルズルといきそうだ。

 

「何か勘違いしてそうだから先に言っておくが、俺は別にお前のことは異性とは見てないぞ」

「・・なんか含みのある言い方だね。じゃあどういう風にみてたの?」

「近くの小学校の女子児童的な?ほら、保護欲が沸く的な」

 

そんなことだろうと思ったよ!てか、微妙にその言い方だとロリコン予備軍だよ・・

 

「あえて聞かなかったことにするよ」

「ああ、俺も言ってて何言ってるんだと感じてたから」

 

自覚あるんなら最初から言わないでほしかったよ…

 

「で、本題に戻すけど話したいことって何なの?疲れたから眠たいんだけど…」

 

もうそろそろ日をまたぐ時間帯だ。しかもこの体になってから夜更かしや徹夜ができなくなった。どんだけお子様仕様にすれば気が済むんだよ・・神がこうしたんならぶん殴りたいわ。

 

 

「そうか・・なら」

「おっ…珍しくおとなしく引いててくれる・・」

「ほんの1時間だけ話そう」

「デスヨネー」

 

そんな淡い期待は儚く壊され、わたしは兄と夜を過ごすのだった。

 

最香sideout

 




閲覧ありがとうございました。文字数が少ないのはご愛敬《あいきょう》ってことでゆるしてちょ!建前としては皆様に手軽に読んでもらうためで、本音は私が楽したいからでーす。
早めに投稿できるように頑張ります!誤字ありましたら遠慮せずにご報告してください。というか私の面目が無くなるのでしてほしいです。お願いします!何でもしますから!
では、また会いましょう!次回は番外編をあげる予定です


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番外編 Special story ホワイトデー編

ほい、ヤマニンです。
本編書かないで俺は何やってんだ…知るか!書きてぇもんは仕方ないだろう!てことで、番外編のホワイトデー編でございます。自分なりにお菓子作りをしている女の子に萌えるので書いてしまいました。
では、どうぞ!


最香side

 

ホワイトデー…バレンタインデーとは反対で一般的に男性が女性にお菓子を送るイベントである。もちろん、そんな相手がいない悲しい野郎は男同士で渡していたりする。例年通りなら、わたしも庄司や司にお菓子を渡し合い悲しくその日を過ごそうと思っていたのだが気づいてしまった…

 

最「そうじゃん、今は女じゃん」

 

この事実に気づいた時はすごく悩んだ。女のわたしが一応…本当に一応親友とも言えるあいつらにお菓子を送っても良いものなのかと。いやだってね、バレンタインデーの時は雫ちゃんたちに友チョコもらって舞い上がってたんだよ。まあ、その時につい口が滑り、

最「じゃあ、このお返しはホワイトデーに返すね!」と言ってしまった。今思えば、用意してなかったとはいえ、いくらサプライズだったとはいえホワイトデーに返すかね…女同士なら次の日に返せばよかった。まあ、庄司は誰からも貰えなかったらしいけど。司は知らん。どうせ貰ってるだろうし。さて…

 

最「どうしよ…勢いのままに買ってきてしまった」

 

目の前にあるのは雫ちゃんたちに作ろうと思ったクッキーの材料。はたやこちらには庄司たちに送るケーキを買ってきた。わりとこの辺じゃ美味しいと評判のケーキ屋のケーキだ。こちらは大丈夫。問題はクッキーだ。

 

最「いくら母さんに手解きを受けていたとはいえいきなりクッキーは無謀か…いやでもクッキーは何回かやれば簡単っていうしやるだけやろう」

 

今じゃ便利な現代機器であるスマホがあるからクックパ○ドでも見ながらやろう。

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

クッキーと死闘すること1時間と30分。焼きが足りなかったり、生地がパサパサだったりで2回失敗してしまったがなんとか3回目で成功した。一応、型を用意しておいたお陰で見栄えもまあまあの出来だ。味はスタンダードなプレーンとチョコ。少し味見をしてチョコの味も出ていたのでバッチリだ。問題は口に合うかどうかだが。

 

最「あードキドキする。なるほど友達にお菓子を作るドキドキというのはこんな気分なんだ」

 

クッキーも袋詰めにする分は分けておいた。…一応、あいつらの分もあるのはあくまで余ったからだ。

すると、リビングの扉が開く音がした。

 

恭「ん?なんか甘い匂いがするな。母さん、なんか作ってるのk…」

恭「oh…ジーザス。俺は地獄を見てるのか」

最「なにふざけてるの…お帰り」

恭「おう、ただいま。…ほーうクッキーを作ってたのか」

 

そう言いながら我が兄の恭平は空っぽになった薄力粉の袋やチョコの袋、そして出来上がったクッキーを見てわたしがなにを作っていたかを考察した。

 

恭「またなんでクッキーなんて作ってるんだ?明日は別にホワイトデーだけだろう。ふぅー外に出てると喉がかわくな」

 

兄ちゃんはそう言い冷蔵庫を開ける。流石の兄もこれを見ただけではわたしがなぜこのようなことをしてるかが分からないらしい。てか、ホワイトデーだけでも説明がつくでしょ。

 

恭「あん?なんでケーキの箱があるんだ?あ〜そういうことね」

 

それを見てわたしがなにをしてるかを察したらしい。ドヤ顔してきやがった。

 

恭「最香くん」

最「っ…なにさ」

恭「ずばりなぜ君がこのようなめんどい。って言ってもお菓子作りだが…をしているかを当ててあげよう。簡単にな」

最「う、うん。どうぞ当ててみやがれ」

恭「まず最香、お前はめんどくさい事が嫌いなタイプにもかかわらずお菓子作りをしていた。そして明日はホワイトデー」

最「……」

恭「ポイントは2つ。明日がホワイトデーなのとわりと最香が義理堅いことだ。つまり、最香はバレンタインデーの時に男子…は無いだろうから女子にチョコを貰った。恐らくだが友チョコだな」

最「…ちょい待ち、質問したい」

恭「…どうぞ」

最「なんでわたしが男子から貰ってないと言い切れるわけ?そして女子のは何故友チョコだと?今の時代、百合という2次用語があってだね…」

恭「さっき言っただろ、お前は義理堅いがめんどくさい事が嫌いだと。つまり、元は男だったお前が男にお返しをあげる通りがない。てかお返しをあげるとカップル成立するだろ。しないにしても相手が勘違いするわ。その事を考えて相手は女子だと推理した」

最「だけど、なんで友チョコだと?」

恭「その返事だと本当に女かららしいな」

最「あっ…」

恭「ふっふっふ。まあいい、何故友チョコなのかはずばりクッキーだからだ。お前が意図して材料を買ってきたかは知らんが、ホワイトデーに送るクッキーていうのは、意味合いとして『ずっと友達』らしいからな。まあ、お前のことだから定番とかで適当に決めただろうけどな」

最「へぇークッキーってそういう意味でもあるんだ」

恭「…本当に何にも考えてなかったんだな」

最「うぐっ…その通りだけどさ」

 

うぅ…この兄には一生口論で勝てる気がしない。探偵かよ。バーロ…(哀)

 

恭「でもなんでケーキも買ってあるんだ?」

 

疑問なのか兄ちゃんが質問してくる。

 

最「それは庄司と司にあげようと思って買ってきたんだよ。…ついでに余ったからクッキーもね」

 

…うぅ、いくら親友とはいえなんか恥ずかしいな。美味しく出来たか心配だよ。

 

恭「あ〜庄司くんたちにあげるのか、納得したわ」

恭(照れてる最香は可愛いな)カシャ

 

ん?カシャ?…って!

 

最「なに写真撮ってるの⁈やめてよ!」

恭「おーう…」カシャ

最「いや、だから撮るのをやめろって言ってるの!」

恭「可愛いんだ、仕方ない」

最「またからかって…せっかくクッキー食べさせてあげようと思ってたけどやーめた」

恭「な、なんだと⁉︎最香が作ったクッキーを食べれる!」

最「ふふーん、食べたかったら今撮った写真を消してね」

 

くっくっく…これで忌々しい我が黒歴史は消え去るだろう。しかも兄とはいえ第2者にクッキーの感想も貰える。まさに一石二鳥!

 

恭「むっ…なら仕方ないな。俺にとって写真よりかクッキーの方が先決だ」

 

そういって兄はスマホの画面を操作して写真を消した事を証明した。

 

最「ん…なら良し。ほらここにあるから食べていいよ」

 

そう言いわたしは、お盆に置いてあるクッキーを指差す。

 

恭「いやいや最香…ここはあーんをするのが定石だろ?」

最「は?いやいや兄よ、そんな定石は無い。恋人なら兎も角、兄妹でそんなことはしない。2次元ならアリだけど」

恭「しかし最香は先程、『食べさせてあげる』と言った。それは最香が食べさせてくれるという意味だろ?」

最「はいぃ!?わたしそんな意味合いがあってそんなこと言ったわけじゃ…」

恭「では先程の写真は無かったことに…」

最「ふん!消したもんは仕方ないでしょ?」

 

あれはもう存在しない。てか、どこの世界にクッキーを食べさせるをあーんしてあげると勘違いするバカ兄がいるの…まあ、目の前にいるんだけどさ。

 

恭「残念だ…せっかく最香にあーんしてもらえると思ったのに」

最「うぐっ…」

恭「約束守って写真も消したのに…」

最「うぐぐっ…」

 

そこを突かれるといたいな。…もう!

 

最「しょうがないな!食べさせてあげるから少ししゃがんで!」

恭「よっしゃ!ほれ、これくらいでいいか?」

 

そう言って兄ちゃんはわたしの目の高さに背を合わせてくれる。…我が兄ながらまあまあのイケメンなんだよな。ときめきはしないけどね!

 

最「……あーん。」

恭「おお…本当にしてくれるとは。あーん…うん、美味いぞ!これはチョコか?」

最「うん、一応プレーンとチョコの両方を作ったんだ」

恭「へぇーこれがプレーンだよな」

 

そういってプレーンの方も食べる。あーんは一回だけで良かったのかな?

 

最「あーんしなくて良かったの?」

恭「ん?したかったか?」

最「そういう意味じゃないよ!もういい!」

 

わたしは片付けるべくクッキーの入ったお盆をリビングの机に置き、先にキッチンを片付ける。すると横から手が伸びてきた。

 

恭「これだけを一人では大変だろ?俺も手伝うぞ」

 

そう言い、流し台に置いてあった小道具の洗浄に取り掛かる兄ちゃん。

 

最「……ありがとっ、お兄ちゃん」

 

こういう何気ない優しさがあるからこの兄のことは嫌いにはなれないのである。

 

恭「さ、最香がデレた!」

 

優しさの反面、デメリットも多い訳だが…

 

最「ふ、ふん!たまには私も優しい時だってあるよ。ほ、ほら手が止まってる」

恭「…お、おう。よーし!お兄さん頑張っちゃうぞ」

最「ふふ…なにそれ」

 

改めてこの兄は調子よくわたしの兄なのだとそう感じるのだった。

 

余談だが、あの後クッキーとケーキの包装までも手伝ってくれた兄には感謝しかない。しかし、スマホの画面を見た時にわたしの写真が上の方にズラッと並んでいたのはわたしは許さない。というかいつのまに撮ってるの?

 

恭平side

 

最香の手伝いを終えて自室に帰った俺は、すぐさま自分のノーパソを開く。

 

恭「よしよし。ちゃんと送れてるな」

 

実は最香の写真を消す前に自分のノートパソコンにデータを送信しておいたのだ。最香は消したと勘違いしてくれた訳だが…くっくっく、俺がそう簡単に言うことを聞くわけがなかろうに。

 

恭「しかし、最香も髪が伸びたな。去年の来週ぐらいに突如女の子になったからもう1年になるのか。早いもんだなー」

 

俺はノーパソに入ってる写真を見ながら呟く。そこに載っているのは、冬服の制服を着た最香、恥ずかしそうに試着室から出てきた水着姿の最香。他にも浴衣やメイドや夏服制服…

 

恭「はっは、なんだこれいつの時のだ?」

 

挙げ句の果てにはランドセルを背負ったセーラー服の最香。あー思い出した。

 

恭「これ確か文化祭の仮装喫茶の衣装だわ」

 

あの時は楽しかったな。最香の教室に入ったらいきなり小学生がいると思ったからな。そういえば…

 

恭「明日のホワイトデー大丈夫かね…まあ、最香の作ったやつはお世辞抜きで美味しかったし、大丈夫だとは思うけどな」

 

はてさて、明日俺は現場を見れないから残念だがどんな日になるんだろうな。

 

恭平sideout

 

最香side

 

時はホワイトデー、お日様さんさん晴れ日和。現在の時間はお昼。場所は教室。クッキーはまだ手元でごわす。

 

最(私のヘタレさがこの状況から見てとれるね)

 

いやね、渡そうとはしたのよ。朝とか庄司や司と一緒だからいつでも渡せたんだけどなんか照れくさくて渡せませんでした☆……あっすいません、ヘタレでごめんなさい。

 

最(しかも辛いことに今週はお昼で学校は終わり。弁当も食べないで帰るとか、来る意味あるの?テスト返しとかいらないから。永久にそちらで保存…できるなら処分まで手を回しといて欲しいくらい)

 

そう、現在は4時限目の途中。テスト返しだったからかみんなもう好き勝手に喋ってるけどね。限度は分かってるから先生も注意せず、先生自体も生徒と仲よさそうに喋っている。……よし!こうなれば勢いが大事!さっさとこの目の前にいるバカどもに渡してしまおう。

 

最「ねぇ…二人とも」

庄「あ?いきなりどうした?」

 

…ちょっとタンマ。いきなり緊張してきた。

 

最「あっ…えっと…ね。今日なんの日か知ってる?」

庄「うん?あれだろ、バレンタインで悲しい時を味わった同士が集まりお菓子や雑貨を送りあう野郎の為のイベントか?」

司「お前はホワイトデーをそんな認識していたのか…」

庄「ははっ…まあ冗談で、ただ単純にホワイトデーだけだろ。最香、それがどうかしたのか?」

最「いやね、毎年私と庄司って交換してたじゃん?」

庄「あ〜確かにしてたな」

最「だからさ…」

 

わたしは自分のカバンから例の包みを取り出す。もちろん、司の分と夢乃ちゃんの分もだ。

 

最「はい、ホワイトデーとかは関係ないけどいつもやってたことだから…いつも仲良くしてもらってるお礼ね。有り難く受け取りなさい!」

庄「おお〜!最香がデレた」

最「だからデレてない!」

司「開けてもいいか?」

最「う、うん。ちょっと不恰好かも知れないけど頑張って作ったの」

 

2人は袋の封を開け、中身を確認する。

 

司「ほぉ〜なかなか上手くできてるじゃないか。それとこのケーキは?」

最「あ〜それは○○店のケーキ。美味しいって評判だから買ってきたの。本来はそのケーキだけだったんだけど余ったから2人にもあげる。感謝して食べなさい」

庄「あ〜あそこのケーキか。美味いもんな、よくクリスマスとかで親があそこのケーキを予約するからよく分かるわ。ありがとな」

司「夢乃も美味しいって言ってた気がする。夢乃には俺から渡しとくよ。有り難く頂くとする」

 

良かった、2人とも喜んでくれたみたい。あとは雫ちゃんたちにあげるだけだね。

 

庄「ちゃんとクッキーの感想も聞かせてあげるからな、なあ司?」

司「うむ、もちろんだ。見た限り焼き具合も良くできてるし見た目は問題ないとは思うが…」

最「お願いだから、そのクッキーは家で食べてね。この後に感想言われるとか恥ずかしい」

 

本音を言うと聞かせてほしいだが。それよりか羞恥心の方が勝っているのでその場で聞かない方が身のためだろう。

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

場所は変わらず教室。しかし時は流れてST後。別れの挨拶も済ませ、庄司たちには先に帰ってもらった。てか強制的に帰らせた。なぜ教室に残っているかと言うと、携帯で千鶴ちゃんと真衣ちゃんに連絡をしこちらの教室に来るように呼んだからだ。雫ちゃんと喋っていると2人が教室に入ってきた。

 

千「いや〜ごめんね、こちらのSTが長引いてしまって」

真「ホントね。ごめんなさい最香、雫…」

 

2人は申し訳なさそうに謝ってくる。

 

最「いやいや2人は悪くないよ。STが長引いちゃうのは仕方ないことだし…気にしないでね」

雫「うん、私たちはお喋りしてたし気にしなくて大丈夫だよ」

千「ありがとう。それで最香からの呼び出しって珍しいね。何か用事かい?」

真「それ私も気になってた。どうしたの?」

 

ついにこの時が来たか、だけど…

 

最(なんか思ったより緊張してない…庄司たちのお陰で心の負担が無くなったからかな?)

 

今ならスッと渡せそう。

 

最「えっとね…3人にバレンタインチョコ貰ったでしょ?そのお返しにっと思って」

 

わたしは3人に用意していたクッキーが入った袋を渡す。

 

雫「これを私たちに…?」

千「開けていいかい?」

最「どうぞ、上手くできたか分からないけど」

真「……クッキー?よくできてるじゃない」

雫「わあ〜可愛い!星形やハートにスペード!これ最香ちゃんが作ったの⁈」

 

ほっ…見た目は評判が良いみたいだ。

 

最「うん、初めてだから少し不恰好かもしれないけどごめんね」

雫「そんなことないよ!すっごく美味しそう!ねぇ、千鶴ちゃん!真衣ちゃん!」

真「少し落ち着きなさい…確かに見た目が綺麗だとすごく美味しそうに見えるわね」

千「まさにインスタ映えしそうなクッキーだね」

雫「ねぇ、食べてもいい?」

最「うぇ!」

 

やばい変な声出た。言われるとは思ったけど唐突過ぎでしょ。

 

最「う、うん。美味しいかどうかは分からないけど…どうぞ」

雫「やったー!いただきますー!」

千「それじゃあ私もいただきます」

真「もう、雫ったらはしゃいじゃって…最香、私もいただくわね」

最「うん、どうぞ」

真「あむっ…」

 

暫しの沈黙……この時がすごいドキドキするんだよね。一応、兄ちゃんから評価は貰ってるから大丈夫だとは思うけど。

 

雫「もぐっ……」

最「どう…かな?美味しい……?」

雫「最香ちゃん…すごく美味しいよ!これはチョコだよね?クッキーのチョコの味ってなかなか出ないのによく味が出てるよ!」

千「うん、プレーンの方も美味しいよ。サクサクとしてて歯ごたえも良くて焼き加減もいい。手作りでなかなかこういった味って出せないよ」

真「しかも見た目もいいって…これは満点だわ……。最香ってお菓子作り上手いんじゃないの?」

 

まさかの大好評なんだけど…

 

最「いや、他の料理は出来るけどお菓子作り自体は初めてだよ」

真「へぇ〜初めてでこれは凄いわね。なかなか出来たもんじゃないわよ」

最「はは…ありがとう。喜んでくれたならなによりだよ」

雫「うん、最香ちゃんは将来いいお嫁さんになるね!料理も出来てお菓子も作れるなら私のところに来て欲しいぐらいだよ!」

 

やったぜ、雫ちゃんの所に嫁入りが出来る!……いやいや、婿入りならまだしも嫁入りって、なに…海外行けと?ゆりゆりしちまえと?ガッデム!やはり神は死んでたか!わたしにそんな趣味はねぇよ!見るならまだしも体験する方はお断りだよ!

 

真「ありがとうね、最香。こんなに美味しいクッキー貰っちゃって…」

最「いや大丈夫だよ。バレンタインのお返しだもん」

雫「そういえば気になってたんだけど、なんでホワイトデーにお返しなの?別に次の日でも良かったのに…いやお返し自体も本当は良かったんだけどね、サプライズだったし…」

最「受け取ったものにはそれなりの礼儀で返すのが私の信条でね。それに雫ちゃんたちに貰ったんだからお返しをするのは当然だよ」

千「ええ子やー今日の最香は一段と輝いてますわ」

 

なんなのそのノリは……たまに千鶴ちゃんはわからんノリになるな。

 

真「さて、いつまでも残ってたら時間がもったいないわ。せっかくお昼に帰れるんですもの、どこかに寄らなきゃ損でしょ」

 

真衣ちゃんが時計を指さしどこかに寄らないかと提案してくる。

 

千「いいね、どこにする?」

雫「もっと甘いもの食べたいからシフォンでしょ!」

最「いいね!シフォンに行こう!」

 

わたし達は教室を出ながらそんな話をする。こうして、わたしのドタバタなホワイトデーは終わるのだった。後日、庄司と司からクッキーのことに関して茶化されるのは話すまでもないだろう…

 

ホワイトデー編 終わり

 




最後まで見てくださりありがとうございました!
なお、文化祭や水着写真についてはあくまで番外編ですので本編でやるかは未定でございます。ご了承ください。
では、誤字等がありましたら報告お願いします。何回も読み直したのでないと思いますが、今回は私の最高記録でもある7000文字を超えてしまいましたので間違いあるかもです。ではでは、また会いましょう!


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Special story 雑談編(summer)

お待たせしてしまい申し訳ございません。
予定しておりました番外編です。本編のほうも同時進行で進めておりますのでお楽しみにされている皆様、もうしばらくお待ちください。
では、Special story 雑談編をお楽しみください。


最香side

 

セミが地面から出てきやがりうざったい鳴き声を出し始めた今日この頃・・わたしは自室にてエアコンをつけ優雅に夏休みを謳歌していた。ちなみに課題は終わっていない。

 

「はぁ~最近の技術開発の速さには驚きを隠せないよ。こんなに便利な機器があるとクッソ暑い外には出たくなくなるね」

 

いや、出ないけどさ。1ミリたりとも出ないけどさ。

 

「そうは思わないかね、きみたち?」

 

わたしは自室のように寝転がる庄司と司に向かって言う。

 

「いきなり喋りだしたと思ったら何を当たり前のことを・・」

 

庄司はマンガを読みながらちらりとこちらを一瞬見た後すぐにマンガに視線を戻す。

 

「いや、こっち見てよ。話そうよ」

「見ただろ、一瞬だけ」

「一瞬だけじゃん!ねぇ司…庄司が相手してくれない~」

 

わたしは悲願するように司を見る。

 

「・・・・・・」

「いや、お前は返事すらしないのかよっ!」

 

こちらをちらりとも見ずに、ベッドに寝転がりスマホを見ている司…

 

「・・・・」

「ちょっと・・」

 

ダメだ…まったく反応なしだ。こうなったら・・・

 

「ふぅ・・ちょっと暑いな~脱ごうかな」

 

ちらっ。・・・まったくの反応なし。仮にも美少女が脱ぐ発言してるのに一切動じないとは・・

 

(ここで脱がなかったら負けな気がする。でも、脱いで反応なかったら只の見せ損じゃん!それこそ敗北感半端ない…ま、下着ぐらいならいいか・・・」

 

わたしは上着に手をかけそのまま一気に脱ぐ。夏&自室ということもありこれを脱ぐと下着だったりする。下に着ていた淡い青色のブラが姿を現す。

 

(さ~て反応は・・・)

 

わたしは二人を見る。・・・先ほどと変わらず反応なし。

 

(こいつらまじかよ…女の子が近くでましてや手を伸ばしたら届くぐらいの距離で脱いでるのにまったくこっちを見ないとは)

 

こいつら上級者すぎる・・・ホントはイヤだけどこうなったら下も…

 

(ええい!仕方ない、腹をくくろう)

 

わたしは下に履いていたスカートのチャックを下ろし、スカートを脱ぐ。上の色と合わせた青色の下着。チャームポイントは紐パンなのと中央についた白いリボンだ。ここまでしたのだからあいつらも興味を示しこちらをガン見してるだろう。わたしは閉じていた眼を開ける。決して恥ずかしくて目を閉じていたわけでは断じてない。

 

(・・・ま、負けたっ!な、なんで!?)

 

二人ともまったく興味がないのかマンガとスマホから目を離していない。

 

(こ、こうなったらもうブラも・・・!)

 

もう自棄になっていたわたしはブラにまで手を伸ばす。

 

「「ス、ストップ!」」

 

そんなわたしのやる行動を察したのか二人とも同時に止めにきた。

 

「黙って無視してたらなに突っ走ってるんだおまえは!」

「そうだ!突っ走りすぎてゴール通り過ぎてるぞっ!?」

 

二人は急いでわたしに服を着せてくる。わたしは二人・・特に司が慌てている姿を見て冷静になったのかさっきの自分の起こした行動を思い出し顔がどんどん熱くなっていくのが分かった。

 

「~~~~~っ!!」

「お、お前な~恥ずかしいなら最初からやるな…」

「だ、だって~二人が私の相手してくれなかったんだもん…」

 

わたしは正直に自分の気持ちを打ち明ける。そんなわたしの表情を見て二人も申し訳なさそうな顔をしている。

 

「いや、放置しておけば勝手にやめるかなって思ってさ」

「同じく」

 

庄司がそう言うと司もそれに同意した。

 

「・・・申し訳ないと思ってるなら話そ?」

「はぁ~仕方ないな。最香が涙目で頼んでることだし話してやるか」

 

司は両手を軽く上にあげやれやれといった感じでベットに腰掛ける。

 

「ま、そこまでされたら仕方ないな。また脱いで下着姿になってもいいんだぜ?」

 

庄司はこちらをからかうように笑いながらベットに体を預ける。

 

「なに?また自滅しろと?例えるなら、エロゲ主人公に着替えを見られた男装女子並みに恥ずかしいんだけど・・・」

 

わたしは分かるようで分かりにくい例えを出す。

 

「いや、あれは完璧に事故だろ。お前の場合、自滅じゃん」

 

くっ…痛いところを突いてくるな。さすが庄司、わたしのボケにも的確にツッコミをいれてくる。

 

「で、なに話すんだ?」

「あっ!ちょっと待ってて。話しするならジュースとってくるね!」

「じゃあ適当に頼むわ」

 

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

 

お盆に乗せたコップを丸机の上に置き庄司たちの前に差し出す。中身は無難にアップルジュースだ。

 

「さて、ジュースも取ってきたことだしなに話そうか?」

「決めてないのかよ・・・」

 

ふふん!私の計画性のなさを舐めてもらったら困るね!

 

「貧相な胸を張っているところ悪いが、進むぞ」

「…貧相な胸は余計だよっ!」

 

司に冗談を言われながらわたしは何を話すか考える。

 

「あっ…なら無難に夏休みの課題どれだけ終わった?」

「はっ?お前、俺が夏休み終わり間際にヒイヒイ言ってるの知ってるだろ。例年通り、まったくやってない」

 

いつも通り過ぎる。庄司は昔から夏休みの宿題を終了間際に終わらせようとするので毎回痛い目にあっている。

 

「庄司はいつも通りだね~。司は?」

「俺はあと少しだな」

「へぇ~珍しいね。司が夏休みも中盤ぐらいなのに終わらせてないなんて。なにかあったの?」

 

司は例年通りならもう課題を終わらせてるはずなのだ。

 

「いや、お前が転校してきてから夢乃と関わっただろお前。なんか、去年はそうでもなかったのに今年はなんかやけに出かけに誘ってくるんだよ。主に荷物役だけどな」

「へぇ~夢乃ちゃんとね・・・」

 

なるほどね、夢乃ちゃんとのお出かけに時間を取られてたから課題があまり進んでいなかったのか。

 

「お前はどうなんだよ?」

「私?聞かなくてもわかるでしょ?」

「ま、確実に終わってないというのは察しがつく」

「大当たり~景品として私の課題をプレゼント~!」

 

わたしは見事に当てた司に笑いながら言う。

 

「プレゼントしてくれるのはいいが、絶対に手を付けないしむしろ廃棄してしまうかもな」

「あれって、夏休み後の定期試験で結構出るって言ってたやつだろ?あ~あ最香、南無三」

「冗談ですっ!いや~やっぱり課題は自分でやらないとね!」

 

くそ~司に一枚食わされた。まあ、冗談だったけど。

 

「というか、めんどいよな」

「テストのこと?仕方ないよ、うちの学校の方針にケチつけてもね」

「だからってよ、夏休み終わってから即テストだろ。イヤにもなるぜ」

 

庄司はよっぽど今回のテストがイヤなのかわたし達に愚痴ってくる。

 

「最香の言う通りだ。あるものは仕方ない、俺も極力テストは受けたくないからな」

「よく言うぜ…毎回のテスト点数が良いくせに」

「それは勉強してるからな。お前もやったらどうだ?そしたら、毎回のテストで赤点ギリギリを取らなくてもよくなるぞ」

「ふっふっふ…分かってないな司くん」

「ホントだね、まったく分かってないよ司」

 

わたしと庄司は2人揃って不敵な笑みを浮かべる。

 

「いいか!勉強は…!」

「やる時だけやればいい!」「やらなくていい!」

「「あれっ?なんで、違うんだよ…」」

「お前ら…息があってるようでバラバラだな」

 

むむっ…失敬な!今のはわたしに合わせなかった庄司が悪いんですー!

 

「おい、なんで勉強はやるって言うんだよ」

「そっちこそやらないってどういうこと?将来必要なんだからやらなくちゃダメじゃん」

 

庄司は眉を細めながらわたしを睨んでくる。

 

「はあ〜二人ともそこまでだ。勉強はほどほどにするでいいだろう。いちいちムキになるな」

「……ふぅ〜そうだな。すまんな、最香。ムキになって」

「ううん…私もつい意見が合わなかったからって酷い事とか言いそうだったかも。こっちもごめんね。あと司、止めてくれてありがとう」

 

わたしは司に向かってお礼を言う。

 

「なんだ…そんなこといちいち気にしなくて大丈夫だ」

「でも、親しき仲にも礼儀ありって言うしさ」

「そう言うことなら受け取っておこう」

「うん!」

 

わたしは場の雰囲気を変えるためにも話題を変える。

 

「そういえばさ」

「ん?なんだ、次の話題か?」

「うん、二人はさ『9 nine−そらい○そらうたそらのおと』ってぶっちゃけエ○ゲー知ってる?」

 

わたしは二人にそのゲームを知っているかを聞く。庄司は知ってそうだけど、司は知らないかな…

 

「おう、もちろん知ってるぞ。天ちゃん、めっちゃ可愛いもんな」

「わかる!ホント、兄じゃなくてあんな妹が欲しかったよ」

「それ恭平さんが聞いたら泣くぞ」

 

いや、あの兄の事だから天ちゃんのモノマネをわたしにやれとか言ってきそうだ。

 

「司は?」

「俺も少しなら知ってるぞ」

「まっじで!なんで?」

「ようつべでオープニングがアップされてるだろ?気に入ったからストーリーの方も体験版だけはプレイしたからな。本当は製品版もプレイしたいんだが金がな…」

 

つまり金があったらバッチリ本編見る気満々じゃないですかー。

 

「へぇーなら二人とも知ってるんだ」

「あぁ、でも突然なんでそらいろの話なんだ?仮にもこの小説、全年齢対象だからR.18作品にしたくはないんだが…」

「メタいよ…いやさ、あの作品ってストーリーが良いからあんまりエ○ゲー臭がしないじゃん」

「確かにな、最近の作品も極端にCGが少ないのと多いので別れてるからその点を踏まえるとそらいろはエロ要素があんまり無いな」

「だから、良いかなって」

「いや、内容は一応R.18だがらダメだろ」

 

司がそう指摘してくるが関係ないねぇ!したい話はするもんだ!

 

「大丈夫だよ、ここには私たちしかいないんだから問題ナッシングだよ!」

「…まぁ、それもそうか」

「よし、司も折れたことだし…やっぱり庄司は天ちゃん推し?」

「推しっていうか気に入ってるって感じだな。あの喋り方が好きだ、なんか妹なんだけど友達感覚みたいな」

「確かにあの若干うざい口調がまたいいよね。だけど実は寂しがりやでお兄ちゃん大好きなところとかね」

「まじそれな。てか、ここいろとそらいろってキャラの立ち絵みたいなの多少変わったよな。天ちゃんが一番わかりやすいと思うけど」

 

あ~確かにそれは気になってた。

 

「よい変化だからいいんじゃないか?」

「もちろんキャラの表情とかが色濃く出るようになったから満足してるんだけど気になってさ」

 

庄司の意見はもっともだろう。9 nineの作品は今後も出そうな気はするけど天ちゃんの次はなんとなく先輩かね・・・次の作品とかでまたキャラの違った表情が見れるのは楽しみになって良いことだと思う。

 

「最香が試しに天ちゃんみたいな口調してみてくれよ。ここにいる女はお前しかいないんだからさ」

「女の子のモノマネを元男の私に頼むとは・・」

「いいじゃないか最香、やってやっても」

「司・・なんか本音隠してるでしょ?」

 

こんなところで司が乗ってくるということはなにか企んでいるはず。

 

「お前のモノマネがただ単純に見てみたい」

「お前もか…やってあげてもいいけどどうせなら話しながらにしよっ?」

「おっ!その方が面白そうだな!」

「言ったね?面白そうだと・・」

「…ん?確かに言ったけど」

 

フハハハハッ!…自分の言った言葉に後悔するがいい!

 

「なら条件ね、私が天ちゃんのモノマネをしてる間は二人のどちらかが天ちゃんの兄である翔くんのモノマネをして下さい!」

「…うぇ、マジかよ」

「・・・なかなか酷だな。ま、nineは主人公に声が割り当てられてるからしやすいといえばしやすいが」

 

わたしがそう簡単に従うと思ったか!フフン!馬鹿めと言って差し上げますわ!

 

「よしっ!なら俺が行こう!」

 

うぇ!?決めるの早すぎない?

 

「ほぅ~やけに早く決めたな。なにか企んでいるのか?」

 

司もわたしと同じ疑問を思ったらしい。

 

「いや、ただ単純に司は兄やんの役に合ってないなと思っただけだ」

「で、本音は?」

「最香にお兄ちゃんや兄やんって言われたい」

「うっわ~・・・」

 

わたしは正直にキモイ発言した庄司に軽蔑の眼差しをむける

 

「仕方ないだろっ!司は夢乃ちゃんがいるし、俺はこういう機会がないとお兄ちゃんとか呼ばれることがないんだよっ!」

「私だって弟だったんだけど・・・」

「それは昔のことだろ?」

「5か月ぐらいしか経っていませんけど・・?」

「ま、それはおいといて」

「ちょっ!?」

 

そろそろ始めようぜっ!って感じな目線でこちらを見てくる庄司と司。

 

「はぁ~あんまり似てなくても文句は言わないでよ」

「あんまり期待してないから大丈夫だ」

「じゃあ俺は翔くんだな」

 

庄司はウキウキで準備している。対してわたしはあまり気が進まない。

 

「なあ、妹よ」

「ん~なあに兄やん」

「~~~ッ!」

「いや、なに悶えてんの…」

「ふふっ、兄やんと呼ばれたことに少し感動してしまってな。声が漏れただけだ」

「それ外でやったら完璧変質者だからやらないでよね、まじで」

「おう」

 

こんな感じでいいのかな…

 

「兄やんっていつもそうやって呼んでるじゃん。どうしたのいまさら?」

「気にすんな」

「えっ…でもさ」

「気にすんな」

「あっ、はい…」

 

話も完全アドリブだから難しい。てか司が本当に空気になってるけど大丈夫かな?まぁ、本人は笑ってるからほっておこう。

 

「それより暑くない?」

「あぁ、確かに少し暑いかもな」

「だよね、ホント何度まで上がるんだよぉ~」

「お前、暑いの苦手だもんな」

 

こんな暑い日は自室で寛ぐのが一番だよ。

 

「お前、少しは外に出ないと・・・太るぞ?」

「うっわ~この兄貴、女の子に向かって禁句を吐きやがったよ…。兄やんだって人のこと言えないでしょ。知らないうちにぶくぶく太りますぜぇ~」

「俺がガキの頃から太りにくい体質なのはお前もよく知ってるだろ」

「うぐぐ…ふん!女の子の気持ちも分からない兄やんはいつまでたってもモテないよ!」  

 

確かにわたし達三人は昔から太りにくかったな。今は女だからわたしだけ例外かもしれないけど。

 

「司も喋ってもいいぞ。なんかこいつと喋ってると疲れる」

「疲れるとはなんだ!あたしは兄やんが寂しがってると思ったから喋ってあげてるのに!」

「へいへい…」

 

 

実際、翔くんもそんな感じのキャラだから辛辣な言葉が出てくるのは分かるが、なりきりすぎだろ…

 

「いや、二人の会話がキャラになりきってて新鮮でな。面白くてその漫才に入れないんだ」

「「漫才じゃない!」」

「おい、合わせてくんな」

「いや、そっちこそあたしのマネしてんじゃん!なに?妹のこと好きなの?大好きなの?」

「・・・・はぁ~」

「ちょっと!本気のため息つかないでよ!傷つくじゃん!」

「お前といると疲れる…」

「だから傷つくからやめろぉ!」

 

わたしだって疲れるよ…キャラのマネってこんなに疲れるものなんだね。声優ってすごい!

 

「そろそろ疲れてきた、やめない?」

 

わたしは庄司に提案する。

 

「えぇ~もうちょっと兄やんって呼ばれたい。あとお兄ちゃんも」

「断固拒否するっ!」

 

これ以上やると黒歴史になる。間違いなくもうなってるけどね!

 

「ハイ!これでおしまいっ!」

「…うぅ~もっと楽しみたかったぜ…」

「いいじゃないか庄司。少しだけでも楽しめただろ?」

「それはそうだけどよ~」

 

(まぁ、最香は単純だからまた騙されてキャラマネしてもらえばいいさ)

(…最香には悪いけど単純って部分は否定できないな)

 

二人はコソコソと隅で話し合っている。何話してるんだろ?

 

「なに話してるの?内緒話?」

「いやなんでもないさ」

「ほんとに~?私関連の話じゃなかったよね?」

「大丈夫、最香が心配するようなことは話してないさ」

 

(まぁ、この先に起こるかもしれないが黙っておこう…)

 

 

「ふぅ~ん…ならいいけど」

「…ああ」

「……」

 

話のネタが尽きてしまった。

 

「会話…途切れちゃったね」

「偶には静かなのもいいんじゃないか?」

「……そうだね」

 

望むならこの幸せの空間が永遠と続くものならいいのに…

わたし達が少し呆けていると一階から母さんの声がした。どうやらそうめんを茹でたから食べにきなさいということらしい。夏のお昼にそうめんとは如何にもといったチョイスだ。

 

「庄司たちも食べていくよね?」

「いいのか?お前の一存で決めて?」

「お母さんのことだから多めに茹がいたと思うから大丈夫だよ」

「じゃあそうだったならお言葉に甘えて…」

 

母さんのことだから絶対に多めに作っているはずだ。その言葉を聞いた庄司は立ち上がり…

 

「やったぜ!最香のお母さんの飯だ!」

「姫乃さんの御飯は久しいな」

 

庄司と司はわたしを置いてさっさと一階に降りて行ってしまった。

 

「ふふっ…ちょっと!私を置いていかないでよ!」

 

わたしは少し笑いながら二人を追いかけた。最後にわたしの部屋に残ったのは賑わいを静かにさせるように鳴る風鈴の音だけだった。

 

最香sideout

 

 

雑談編(summer) 終わり

 




どうだったでしょうか?誤字等ありましたら報告お願いいたします。
あと、遅くなりましたがお気に入り登録した下さったユーザーの皆様。評価を下さったユーザ様、この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後とも当小説をよろしくお願いいたします


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