時代干渉少年 (絶神)
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第二の人生スタート

事故で死んだはずの主人公の前に現れたのは…


「あんた…誰…?」

 

 

主人公の眼の前に現れたのはホー◯レスのようなボロボロの服に白髪の男が立っていた…

 

 

「わしか…?わしは神じゃ!」

 

 

「…おやすみなさい」

 

 

「ちょちょ!寝ようとするな!!…まぁ、信じられんのも無理はないがの…」

 

 

どうやら自称神の話によると、主人公は本来の死は衰弱死、交通事故で死んだのは神の手違いによるらしい

 

 

「ごめりんこ☆」

 

 

主人公は殺意が湧いて殴る姿勢を取る

 

 

「待って待って待って」

 

 

「お前さんの人生を無駄にさせたことは本当に申し訳ない!じゃがお前さんには詫びをする!」

 

 

「ほう…?詫びとはなんだ?俺に神の座を譲るか…?」

 

 

「そこまではしんわい!!お主にはな?時代を干渉する力をさずけよう!ありとあらゆる世界に行き来できるのじゃ」

 

 

「マジ⁉︎アニメの世界とか行けちゃうわけ⁉︎」

 

 

「もちろんじゃ、じゃが、一度入ると”ある時点”まで物語を進めないとその世界から抜けることはできん!」

 

 

「ヘッ、上等だよ!むしろその方が楽しみ甲斐があるぜ」

 

 

「うむ。(こやつは人生をまともに生きていないからの…これぐらいしてやれば文句は無いじゃろう)」

 

 

「よーし、とりあえず試しに行ってみるか…」

 

 

「ちなみに初回だけ好きな世界にいけるが、2度目からはどこに行くかはランダムになるぞ?ここに戻ることは可能じゃがな」

 

 

「は⁉︎マジかよ…これは重要だな… おい、その世界で得た力やらなんやらは次の世界で受け継げるのか?」

 

 

「可能じゃ、しかし世界に転生した時は世界によって様々な制御を受けておる。条件によって、前世の力が湧き出てくるようになるぞ」

 

 

「なるほどな…最初の世界は重要になるな…」

 

 

「決まったか?」

 

 

「よし、ドラゴンボールの世界に行くぜ。そんでもって俺はサイヤ人、始まりは…そうだな、惑星フリーザに住んでいる設定で、ナッパ・ベジータ戦の後ぐらいでスタートで頼む。」

 

 

「ふむ、わかった。くれぐれも死ぬんじゃないぞ?死んでしまっては2度目の人生も無駄となるぞ」

 

 

神は手をかざすと眼の前にワームホールのようなものが現れた

 

 

「あぁ!俺は死なねーよ!」

 

そう言った後、ワームホールに入ろうとした瞬間に大成は振り返って再度神に話す。

 

「あ、でもやっぱ手違いで死んだとか腹立つから帰ってきたらお前覚悟しとけよ。」

 

 

ワームホールに近づくと俺は眩い光に包まれた

 

 

 

「なんと横暴な奴よ…じゃが、奴にはこれから貢献してもらわねば……全ての歴史を改変している悪道を見つけ出し、倒してもらわねばならんからな…」

 

 




ちょっとありがちな始まり方ですが、許してください…笑
タグについているアニメは僕が好きなアニメです。次第に入っていく話になると思いますし、書かないかもしれません。
チートにならないように干渉して手に入れた力は徐々に解放。という形にさせていただきます!

たくさんの方が見ていただけるように頑張ります(⌒▽⌒)


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ドラゴンボール(フリーザ編)
物語の始まり


第二の人生スタート!ということでやってきたドラゴンボールの世界…


「…ここは…」

 

 

あの穴に入ってから何が起こったのかは覚えてない。ただ分かる事があるのは

 

「惑星フリーザだよな…尻尾もあるし…サイヤ人なんだ…俺…」

 

 

まぎれもないドラゴンボールの世界、主人公、否、大成は並みの人間ではなくサイヤ人、強くなれる、そう思うだけでテンションが上がる

 

 

「ィヨッシャァァア!!」

 

 

「おい、うるせぇぞ」

 

 

振り返るとそこにはあのベジータとのライバル(?)キュイがいた

 

 

「全く、サイヤ人ってのは本当に下衆みたいな連中だぜ」

 

 

「その顔でよくいうぜ…」

 

 

「んだと⁉︎やんのかてめぇ!!戦闘力18500ってちょっと俺より上だからって調子に乗んなよ!!てめぇなんてな…ブツブツ」

 

 

「あーすいませんでしたーっと」

 

 

「全然謝る気ねぇ⁉︎」

 

 

とりあえず大成の戦闘力は18000らしいが、それではフリーザは愚かベジータにも勝てない…

 

情報収集をまず行う

 

「おい、フリーザ様は近いうちにどこかに出かけられるのか?」

 

 

「あぁ、なんだかナメック星ってとこにいくらしいぜ?なんでも不老不死がどうとか行っていたぜ、ベジータも今地球から帰ってきているらしいが…まああいつのことだ、おめおめと地球人に負けて帰ってきたんだろう」

 

 

「ふむ…こうしちゃいられんな」

 

 

「おい!どこいくんだよ!」

 

 

「あ?修行だよ修行。俺たちサイヤ人を舐めるなよ?戦うたびに強くなるんだからな、てめえなんてすぐ消してやるほどの力をつけてやる」

 

 

そう、彼はサイヤ人、死の淵に立たされる度に戦闘力を上げる人種。そしてその力を使い、多くの世界を旅しようと考えている大成。

 

 

「あ、おいてめぇ!……行っちまいやがった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして物語が進んで孫悟空達がナメック星に着くまで修行をして少しでも強くなる道を選んだ

 

 

「できるだけここに近い星にいくか…体力削れたらメディカルマシーンに入って力をつける荒技でいくとしよう…」

 

 

試したい技もあるようだ。

 

 

こうして大成は各地の星を回り力をつけることにしたのであった…

 

 

 

 

 

謎の星

 

 

「さて…まずは俺がどんな戦い方ができるか確かめなければな」

 

 

「よっ!はっ!…ふむ…なんとなくコツはつかめたぞ…」

 

無空術、気功弾、気の溜め方、気の解放の仕方、初歩的なことは意外とあっさりできてしまったようだ。

 

 

「うーん…ここまであっさりいくとはな…でもこれでは実践経験のあるキュイには勝てんぞ… 動き方がまったく分からん…」

 

 

「とりあえず試したい技をもとに必殺技を作るか…」

 

 

かれこれ何時間も必殺技と名前を考えた結果、やはり王道はかめはめ波だろうということで少しアレンジを加え、「ロッソブラスター」という名前で必殺技を編み出した。

 

 

「まぁ、初日はこんなもんだろ…スカウターでフリーザやベジータの会話も聞けるしな…ギニューらへんがくるぐらいまでは力をつけることに専念するか…」

 

 

こうして大成は荒技によってわずか3日ほどでギニュー特戦隊に近い実力までに力を上げることに成功したのであった。

 




とりあえず1話作ってみました…

ドラゴンボールからスタートさせていただきますが、皆さん人物名ぐらいは分かりますかね…?
見たことない方でも楽しめるようにできるだけ原作をつまみながらオリジナル展開で進めていきます!

主人公は悪そうなこと言ってますが、それはこれから変わる…のかな…?



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絶対絶命

現在はフリーザ戦にむけて修行をするタイセイであったが…

ちなみにサイヤ人なので名前をカタカナで表示しています!


「ふぅ〜…ようやく様になってきたぜ…」

 

 

タイセイは自分でも気づかないうちに自分でも信じられない程の力を身につけていた。

 

 

「とりあえず、今日の修行は少し遠出をするか…まぁ、死なない程度の距離を考えてっと…」

 

 

この時大成は考えてもいなかった…まさかあの人物に遭遇するとは…

 

 

 

 

 

〜惑星フリーザからかなり離れた場所にて〜

 

 

「ん?なんだあれは…モニター確認!」

 

 

「あれは…サイヤ人の宇宙船だぜぇ…」

 

 

「1人でなにしにきたんだろーなぁ…?」

 

 

ある大型の宇宙船のモニターを見つめる3人組。

 

 

「なに?サイヤ人だと…?」

 

 

「「「クウラ様!!」サッ

 

そしてその3人を見下ろす形にして上に座っていたクウラと呼ばれる者が反応する。

 

「フリーザめ…猿一匹を俺の区域に進入させるとは…どういう躾をしているのだ…」

「奴はどこに向かっている?サウザー」

 

 

サウザーと呼ばれる3人組のリーダー格が敬礼して話す。

 

「惑星ナッツのようです。しかしたかがサイヤ人一匹でなにをしようと…」

 

 

「ふん。いつもなら放っておくのだがな… サウザー!ドーレ!ネイズ!あのサイヤ人を捕まえろ!俺の領域に踏み込んだ罰だ。少しきつめのお仕置きをしてやらねばな…」

 

 

3人「ハッ!」

 

 

「最近退屈していたところだ…楽しませてくれよ…サイヤ人」

 

 

 

 

 

〜惑星ナッツ〜

 

 

「チッここの連中思ってたほどに弱いな…いや、俺が強くなっているのか…」

 

 

「自分の力量はわからねぇしよ…ギニューあたりでも奇襲してやろうかな…いや、それだと原作変わっちまうしよ…」ブツブツ

 

 

その時、とても高い戦闘力を感じたタイセイはその瞬間に身震いを起こす

 

 

「…ッッ!やばい!強い反応が3つ!俺では勝てん…ッッ!気を消して隠れるか!!」

 

 

岩陰に身をひそめるタイセイ。

 

「おかしい…奴の反応が途絶えた…」

 

 

「ヘッ!この星の奴らにもう殺されちまったんじゃねぇのか?」

 

 

「そうだろ!たかがサイヤ人だぜ??この星の連中は戦闘力5万ぐらいのやつがゴロゴロいるって聞いたけどよ!」

 

 

「いや、俺のスカウターではつねに奴の戦闘力は10万を超えていた…それはおかしい…戦闘力を操れるタイプなら俺たちの存在に気づいて戦闘力を消し、身を潜めているのかもしれん。」

 

 

タイセイは汗を顔にうっすら引きながらジッとその場に留まる。

 

「あれはクウラの部下⁉︎ふざけんな!なんでここに⁉︎しかも、サウザーは察しがいい!このままでは…」

 

 

「ここ一帯吹き飛ばしてみるか…隠れているなら出てくるだろう。おい、やるぞ!」

 

「まかせろ!」

 

タイセイはその場から離れようとする。

 

「やべぇ!離れねぇと!」シュッ!

 

「スカウターに反応!そこだ!」ポーピー!

 

まんまとサウザーの目論見にかかったタイセイは慌てて気を解放してしまいバレてしまう。

 

「しまっ…」

 

スドーン!!!

 

 

激しい爆風と共につつまれる

 

 

「やったか?」

 

「いや、まだだ。」

 

 

「チッ…手荒な歓迎ご苦労さん…もう少し遅かったらもろくらってたぜ…」

 

 

仕方なくタイセイは姿をクウラ機甲戦隊の3人組の前に現す。

 

「ほぅ…今のを避けるか…やるではないかサイヤ人…」

 

 

「(どうする⁉︎ここで戦うか⁉︎ドーレとネイズならなんとかなりそうだが、サウザーは勝てん!しかもクウラもいるはず…!!詰んでるじゃねえか!)

 

「あいにく様だがおまえは生け捕りにする命令が出ていてな…悪いが捕まってもらうぞ!!」

 

 

3人「クウラ機甲戦隊!ハッ!」

 

 

「やっぱ、そーなるかよ!!クソッタレ!」ドゥ!

 

 

ここで2人倒したいタイセイだがそれでは原作に影響してしまう事を恐れて上手いこと隙を見て逃げようとする。…が

 

 

「待て!」

 

 

「!?お前は…!」

 

 

「ふん…なかなかの戦闘力のようだな…しかもまだ力を温存させていると見た…本気を出せば俺の部下は勝てん。ここに来た理由を聞かせてもらおうか」

 

 

「(ボス登場かよ…!でもこれはうまくいけば逃げれる!選択肢は間違えられんぞ!)

「お話とは…?」

 

 

「きさまはサイヤ人だが、ここまで強いサイヤ人がいるとは聞いていない。一体どうやって力をつけた?」

 

 

「…私はフリーザ様の側近です。実力を買われ、働いています。今回は独断でこちらに攻めに来ています。」

 

 

上手く話が進む事を信じるタイセイ。

 

 

「ここは俺の区域だ。勝手に暴れてもらっては困るんだがな」

 

 

しまった!!と顔を変えてタイセイは顔色を変える。

 

 

「も…申し訳ございません!私が独断で行動しているがために、クウラ様の担当区域とも知らず!!」

 

 

「ふん…まぁいい…」

 

 

助かった!!と今度は顔色を良くする。

 

 

「だが…やはり少し気に食わん!消え去れ!」バッ

 

 

マジか!!と今度は驚愕の表情を見せを見せた瞬間に辺りが吹き飛ぶ。

 

ズドォォーーーンッッ!!!!!

 

 

辺り一帯が吹き飛び大きなクレーターができる。

 

 

 

「さすがです!トドメはどういたしますか?」

 

 

「普通なら始末するところだが、フリーザの側近なら仕方あるまい、生かしておけ。しかしフリーザも自分の側近にサイヤ人をつけるとは、まだまだ甘いな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ…ぅぅ…くそっ…がっ!」

 

 

「致命傷は避けれたが…さすがはフリーザ一族…!力の差を思い知らされた…」

 

 

すぐに戻って治療しなければまずいと判断したタイセイは命からがら宇宙船に乗り、惑星フリーザへと戻るのであった…

 

 

 




いきなりのクウラ様登場!ということで早くもゲームオーバー⁉︎と思いましたがさすがは主人公!見た目の割に口が上手い!
俺「おい」

なんでもないです!!さっまた次回をお楽しみに!!

俺「おい待てコラァ!!」

ひぇぇぇ


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激神!フリーザ!

なんとか命からがらクウラ一味から逃れたタイセイ…


〜惑星ベジータ〜

 

 

「よし…体力は元どおりだな…」

 

 

あの野郎どもめ…俺を生かしておいたことを必ず後悔させてやる…!!と心で叫んだタイセイのもとにフリーザ軍の兵士がやってくる。

 

 

「しっかしお前もすごいよなー毎度毎度死にかけては戦闘力をグーンとあげやがってよ〜。戦闘力が50万にもなってるぞ??」

 

 

「マジか⁉︎俺そんな強くなってたのかよ…」

 

 

少なくともフリーザの初期形態なら確実に倒せる戦闘力を身につけたタイセイ。これだけつよければ他の世界でもなんでもできそうだ。

 

 

「よし…いくか…」

 

 

「行くってどこに⁉︎」

 

 

「ナメック星だよ」バシューン

 

 

「あっ!おいタイセイ!!…行っちまった…」

 

 

「しっかしあいつもバカだなぁ…あそこには…」

 

 

 

 

 

 

「クウラ様もむかってらっしゃるとのことなのに…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて…ナメック星に着く間に睡眠でもとるか…最近寝てねえからなぁ…めちゃくちゃ疲れたぜ…」zzz

 

 

 

そうしてタイセイは死ぬように眠ったのであった…

 

 

 

 

 

 

 

時は進み

〜ナメック星〜

 

 

「こりゃいいや…いい気持ちだぜ…」ゴポゴポ

 

 

「カカロットのことだ、数時間もあれば完治するだろう」

 

 

ナメック星のフリーザの宇宙船のメディカルマシーンにて傷を癒す悟空とそれを前に見ているベジータがいた。

 

「(少なくともこいつの力はフリーザを倒すのには不可欠だ…その後はまとめて始末してやるぜ…)」

 

ベジータは眠る悟空を背にしてクリリンと悟飯に話をする。

 

「貴様らは適当にこのジャケットを着ておけ。打撃には耐性はあるし伸縮にも対応できる」

 

 

「あはっ!すげぇや!」

 

 

「動きやすい!」

 

 

「俺は少し仮眠をとる。貴様らもそこらへんで休んでいるんだな。じゃあな。」

 

 

 

ベジータがいなくなり、2人きりになる悟飯とクリリン

 

「よし、悟飯、ベジータにバレないようにドラゴンボールを運ぶんだ!」

 

 

「はい!クリリンさん。」

 

 

こうしてドラゴンボールで願いを叶えようとし、それがベジータ、フリーザにバレるのはすぐ先の話である。

 

 

 

 

 

 

そしてタイセイは…

 

 

 

 

「ふぅ…ここがナメック星か…普通に綺麗な星じゃねえか…」

 

 

「さて…いくか…って…やべぇスカウターはクウラに壊されて状況も把握できねえしあいつらの気を掴むには距離が遠すぎる…」

 

 

さっそく迷っていた。

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

「やってくれましたね皆さん…よくも私の不老不死への夢を見事打ち砕いてくれました…」

 

「絶対に許さんぞ!!虫ケラども!じわじわとなぶり殺しにしてくれる!一匹たりとも生かしてはかえさんぞ!覚悟しろ!!!!」

 

 

「フフフ…いい気になるなよフリーザ…ここにいるのは貴様の怖れていたスーパーサイヤ人だ!」

 

「ホラを拭くのもいい加減にしろよベジータ?」

 

事態は最悪のシナリオへと進んでいる真っ最中であった。

 

「ハァ!」ドンッ!

 

 

「最悪の展開だ…」

 

 

ベジータとフリーザの激闘が幕を開けた!!

 

そしてタイセイはクリリンたちのもとへたどり着くことはできるのだろうか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フン…しばらくは星の外から様子見といくか…」

 

それを観察するクウラがいたのであった…




今回も短くてすいません!
できるだけ小刻みに頻度高めで出していきます!


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開戦

「!!この気は!フリーザってのともう1人がぶつかってやがるッ!多分ベジータだな…」

 

原作ではここでベジータとフリーザがぶつかり合って、調子に乗ったベジータがフリーザの変身を催促してしまう。

 

今思えば第一形態の状態でサクッと倒してしまえばいい所をサイヤ人は戦闘を楽しむクセがあり、それが敗因ともなる。

 

「って俺もサイヤ人だな。 こんなこと思ってる暇はねぇ…早く向かわねえと…」

 

 

 

「ん?あれは…」

「貴様…サイヤ人か⁉︎」

 

目の前にいたのはあのピッコロ。生で見るとかなり顔色が悪く見える。敵対心持たせないようにしないといけないと思ったタイセイは慎重に話を持ちかける。

 

 

「これはこれは…ナメック星人じゃないか…」

「ナメック星人?」

 

タイセイはピッコロにナメック星人である…と教えた。

 

「サイヤ人にそう言われるのは少し納得いかんが…まぁ俺が宇宙人であることは分かっていたしな…」

「まぁ、あとになれば分かるさ。近くに反応がある。そこに向かってみるぞ」

 

ピッコロを連れ瀕死のナメック星人の元に連れてきた。

 

「…俺そっくりだ…」

「うぷ…」

 

ネイル。目の前に横たわる瀕死のナメック星人の名前だ。ネイルとピッコロが同化する事により凄まじい力を手にすることができる。

 

「そこのナメック星人…どう鍛えたか分からんがかなりの達人と見た…俺はそう長くない…俺と同化しろ。」

「あいにくてめぇみたいなのと同化なんてまっぴらごめんだ…じゃあな…」

「…人がせっかくいいものをプレゼントしようというのに…残念だ…同化すればフ…フリーザも倒せるだろうにな…」

 

…確かに、第2形態までは余裕だろう。

 

「ピッコロ、同化は俺もオススメしておこう。」

「ちっ…ベースは俺のままだ、お前はパワーアップのトリガーにしかならん。いいな?」

「か…かまわん…どうせ長くない命…頼む…フリーザを倒してくれ…」

 

眩い光とともにピッコロにネイルが吸い込まれるように消えていく

 

「…すげぇ」

「なんだこの溢れるようなパワーは!!勝てる!!フリーザだかなんだろうが!俺は今最強の力を手にしたのだ!!フハハハハハハ!!」

 

ピッコロは凄まじいスピードで飛んで行ってしまった。

 

「チッ追いかけるか…フリーザとの戦いもちけぇな…」

 

 

 

 

 

そしてフリーザは第2形態へと変身し、悟飯、クリリン、ベジータは苦戦を強いられていた…

 

「こうなってしまっては前ほど優しくはないぞ…?」

「ば…化け物め…!」

「あわわわわわ…!」

 

そして…

 

ギュン‼︎‼︎

 

「待たせたな…」

「おまけ参上っ!」

 

「ピッコロさん!!」

「ピッコロ!!」

「あの時のナメック星か…そしてなぜタイセイまでいやがる…!」

 

「久しぶりだな!ベジータ(俺は初対面なんだけど)」

 

「ナメック星人…生き残りがいたのか…そしてあいつは俺の惑星にいたサイヤ人だな…目障りな連中め…」

 

「貴様がフリーザか…この俺と戦ってもらうぞ。お前たちは手を出すな。俺1人でやる」

「フンッ。ナメック星人にもホラがふけるとはな…貴様ごときでは俺に傷一つもつけられん」

 

「む…無茶だ…ピッコロがどれだけ力をつけたって、あのフリーザには勝てっこない…」

「いいえクリリンさん…ピッコロさんは…相手の力が分からないような人じゃない!」

 

「どういうことだタイセイ。なぜ貴様がここにいる」

「まぁまぁ。俺もフリーザを狩りにきたんだよ」

「…どういうわけか中々戦闘力をあげていやがるな…」

 

 

「ふん…まとめてかかってこようが俺には勝てん。」

「殺されたナメック星人の怒りを思いしれぇぇえ!!!!」

 

戦闘が始まった。

 

 




次は第2形態戦はカットして第3形態スタートです。


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激闘

第3形態スタートです。
第2形態はピッコロさんと戦ってそのまま原作沿いです。


「このまま戦っても貴様らを消すことは容易いんだがな。特別だ。俺はあと2回の変身を残している…その意味が分かるか?」

「な…何⁉︎」

 

ここまでは原作通りだ。フリーザは第3形態、最終形態へと変化し、そして孫悟空と挑み破れる…

第1形態で、始末するのもよかったが、孫悟空とともに戦い力をつけるのが一番効率がいいと思ったからやめるようだ。

どうせこのままいけばフリーザは孫悟空に敗れる。無理して死にに行く必要はない。

 

「光栄に思うがいい!この変身まで見せるのは貴様らが最初で最後だ!!!」バッ

 

「な…なんて気だ…!」

「そ…そんな…」

 

「クソッタレめ‼︎まさかこんな事になるとはな…!」

「まぁまぁ落ち着けベジータ。まだ勝機がないわけではない。カカロットが復活すればまだ可能性は十分にある。違うか?」

「チッあの野郎に頼るのは気に食わんが…そうするしかないだろうな…」

「死の淵からよみがえることにより大きく飛躍する戦闘力…便利だな」

「…!そうか…その手が…」

 

ベジータはようやくその事に気がついたようだ。タイセイはそれを巧みに使い力をかなり上げている。

 

 

「そろそろ俺の力も試してみるか…」

 

 

フリーザの変身が終わりさらなる絶望へと幕は開かれる…

 

 

「お待たせしましたね。さぁ続きを始めましょうか。」

「舐めやがって…!スピードなら俺の方が上だ!ついてこれるか!!」

 

ピッコロはスピードに自信があるようだが…

 

「な…!なんだと⁉︎」

「ごきげんよう」

「うぉぉぉぉ!!」

「ヒャッ!」

 

フリーザは高速でビームを放ち、ピッコロは避ける暇なく命中してしまう。

 

「グワッ!」

「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」

 

無数のクレイジーフィンガービームがピッコロのありとあらゆる部位を撃ち抜く

 

「ピッ…ピッコロさん!!」

「待て!悟飯!」

「でも…!!」

「俺たちがいってどうにかなる相手じゃない!」

「無理です…僕にはピッコロさんを見殺しになんてできません!!」

「待て悟飯!!」

 

とても強い信頼で結ばれている師弟関係の悟飯はピッコロを助けに飛び出す。

 

「やめろーー!!!」

「!?」

 

フリーザに悟飯が奇襲。凄まじい拳の連打に最後は特大のエネルギー波を撃ち込む

 

 

 

「キェェェェ!!!」バシン

 

「ぁ…あぁ…」

 

悟飯のエネルギー波は虚しくも弾かれてしまった…

 

「このサイヤ人のガキめ…!消えなさい!」

 

フリーザからエネルギー波がはなたれる!

 

「まずい…!悟飯!!」

 

ドゴーン…ッッ!!

 

「なんだ…⁉︎」

「あぶねー…ここで悟飯に死なれてはストーリーに大きく影響が現れちまうからな…間一発だったぜ…」

 

タイセイの気弾でフリーザのエネルギー波を跳ね返しなんとか窮地は免れた…

 

「次の相手は俺だぜ。フリーザ。」

「ほんとうにサイヤ人とは目障りな猿ですね…」

「その猿相手に手こずってるのはどこの誰でしょうか??」

「ホッホッホ。では貴方方には真の恐怖を教えてあげましょう」

 

フリーザは身構えて気を溜め始めた。最終形態はと変身するようだ。

タイセイの力を試すにはもってこいの場面となる。

 

「私の最後の変身!お見せしましょう!!!」

 

 

 

 

 

少し離れたところにて

 

 

 

「ピッコロさん!」

「む…チカラが戻ってきた…!おまえは…?そうかデンデか!」

「今ようやく確信しました。あなたはネイルさんも合体したんですね!」

 

そこにタイセイもやってくる。

 

「おぉピッコロ。怪我は治ったみたいだな。」

 

回復を得意とするナメック星人、デンデの力により、先ほど致命傷を負ったピッコロの怪我は全回復していた。

 

「なんとかな…フリーザの野郎…まだ気が上がってやがる…」

「もうこりゃどうしようもないぜ…早く悟空が来てくれなきゃ…」

「お父さん…早く来て…!」

 

一部始終を見ていたベジータがそこへやってきて…

 

「おい!ハゲ頭!今すぐ俺を半殺しにしろ!!」

「えっ⁉︎何言ってんだおまえ⁉︎「 早くしろ!間に合わなくなっても知らんぞ!!!」

 

死にかけてデンデに治療してもらって戦闘力を上げる戦法のようだ。

 

「クリリンとか言ったな、ベジータを半殺しにしてやれ。それでデンデの力で回復すれば相当な戦力になるはずだ」

 

殺されるのは原作通り避けられない、しかし孫悟空が来るまでの時間稼ぎにもなるキーパーソンだ。

 

 

「く…くそー!!!」ドンッッ!

 

ベジータの腹部をエネルギー弾が貫通する

 

「ゴ…ゴフッ…!よ…よくやった…さぁガキ、、俺を、なおし、やがれ…!」

「い…嫌だ!」

「何⁉︎」

「おまえも仲間を大勢殺した!そんなやつ治せるわけがない!」

「く…くそ…目眩が…」バタン

 

仲間を殺した敵にそんなことはしてやりたくない気持ちからデンデは回復を拒絶。

 

「デンデ、治してやってくれ…今はそいつのチカラが必要だ。あのフリーザを倒さないとどの道未来はない。違うか?」

「でも…」

「頼む」

「わ…わかりました。」

 

あとは孫悟空が来るまでに時間稼ぎだ。倒せるならタイセイが倒したいがあいにく最終形態には及ばない。

 

「とりあえずフリーザには気をつけろ。奴は高速でビームを打ってくるぞ。今のデンデの治療も見られているかもしれん。それでは奴が真っ先に狙うのはデンデになる。」

 

とは言ってもフリーザの攻撃は目に捉えられないだろう。タイセイが助けるほか無い。

 

ここでデンデを生存させておけばタイセイにもメリットはある。

なんとか死にかけて回復していけばかなりの向上が見えるからだ。

 

 

 

 

フリーザが変身が完了したみたいだ。

 

ベジータも復活したみたいだ。後は孫悟空がくるまで粘るほか無い…

 

激闘はまさに始まったばかりである。

 

 

フリーザ「さぁ、恐怖のショーを始めよう」




とりあえずフリーザ編はもう少し続きます!フリーザ編を終えたら次のアニメに一度話を切り替える予定なので、タグにあるアニメの話でどれに転生したいか感想に書いていただけると嬉しいです!


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恐怖のパーティ

「ついにおでましってわけか…くそ…」

「な…なぁ?なんか見た目可愛くなってないか?これならいけるんじゃないか?」

「バカか!やつの潜在能力を探ってみろ!さっきまでの方が随分可愛かったぜ…」

 

確かに…気を探ってみると体の奥から身震いするほどの気が感じられる…

さすがにタイセイも死を覚悟しかける。

 

「バン」

 

「「「!?」」」

 

フリーザからデンデに向けてビームがはなたれる…3人には対応できないほどの速さ…そう、「3人」では

 

バシィン!!

 

「へっ!俺がいるからにはデンデは死なせねえぞ?フリーザさんよ」

「…生意気だねお前…」

 

ベジータも見えていたみたいだが、この程度ではフリーザは10%も力を出していないだろう。

 

フリーザはフルパワーになれば戦闘力は1億を超える。

 

タイセイのフルパワーでも戦闘力は1000万まで上げれるかも分からないため、焦りを感じる。

 

「おい、タイセイ。ここは俺にやらせろ。」

「いいのか?ベジータ。」

「貴様らにはいいものを見せてやろう…」

 

フリーザに近づくベジータ

 

「フリーザさんよ。ここにいるのは貴様の怖れていたスーパーサイヤ人だ!」

 

 

「フフッ…冗談きついよ?ベジータ」

「やってみれば分かる。貴様が泣いて謝ろうが許さんがな」

 

ベジータが気を溜めてフリーザへと攻撃をしかける

 

「死ね!!フリーザァァ!!」

 

シュン

 

フリーザが高速で移動して消えた

 

「なっ⁉︎どこだ!どこにいきやがった⁉︎」

「ここだよベジータ」

 

ベジータにはどうやら速すぎて見えなかったらしい

 

「な…くそ…くそったれぇぇぇ!!!」

 

ベジータが宙へ移動しエネルギー波を放つ!!

がしかしフリーザに弾かれてしまう

 

「フフッこんなものなの?ベジータ。スーパーサイヤ人じゃなかったのかな?」

「あ…あ…」

 

ベジータが恐怖に怯えて泣いている…生まれて初めて心の底からの恐怖に…もう戦意すら感じられない。

 

なすがままに殴られて、蹴られて、まるでオモチャのように好き勝手にされているベジータ。そしてそれを楽しむフリーザ。

まるでそれは地獄のような光景であった…

 

たとえ今ここでタイセイが割って入ったところでベジータの二の舞になるだけだ…

 

ベジータにとどめがさされる瞬間、タイセイがフリーザに向けて奇襲の打撃を繰り出す

 

「君は…まだいたんだね。おとなしく帰っていればいいのにさ」

「あいにく同胞が目の前で殺されるのを黙って見てるのも嫌なんでね…あらがわせてもらうぞ」

「この姿になってまだ全然動き足りないんだ…楽しませてくださいね」

 

悟空がくるのももうじきのはず…それまで時間稼ぎだ…

 

「いくぞ!ハァァァァァァァアア!!」

 

フルパワーだ!じゃなきゃ殺される!!

 

「あのサイヤ人ここまで強くなれるとは…!」

「すげぇ!!これならいけるんじゃ…」

「勝てる!勝てますよ!!」

「いや、それでもフリーザには遠く及ばん…」

 

 

タイセイが持てる最大のスピードで最大の力でフリーザを攻撃するっ!!

フリーザはまだタイセイを舐めてかかっている!その力を抜いた状態で攻撃を当てればかなり時間稼ぎになるはずだ!

 

「フフッそんなものかい?」

「くそ!あたんねぇ!」

 

フリーザはタイセイの攻撃をいとも簡単に避けてしまう。

こんなことなら実戦練習もしておけばよかった…!と悔やむタイセイ。

まともに対人してないからどう攻撃すればいいのかわからない。

 

「そらそら!そんなものじゃ僕に触れることすらできないよ?」

「ハッ!ハナっからお前を倒す気はないんでな!悔しくもなんともねぇよ!」

 

まだか…まだか孫悟空!!

 

 

「じゃあそろそろ終わらせちゃおうか」

「!!」

 

フリーザのパンチが俺の顎にヒットする

 

「がっ…あが…ぐ…」

「おやおや、もうそんなにダメージ受けちゃったの?つまらないね…ベジータと同じ。ほんとサイヤ人ってのは口だけ達者な連中だね」

 

「そ…そこまで言われると腹がたつぜ…」

 

「じゃあね…バイバイ」ビッ!

 

 

死ぬ!!………?と思いきや、そこに現れた救世主。

 

「ヘヘッ遅えぞヒーロー!」

「お父さん!」

「悟空!!」

「ようやくお出ましか…孫」

 

「君は…何者だ?」

「オラは地球育ちのサイヤ人だ!」

 

「こいつ…どこかで…ハッ!あのサイヤ人だ!惑星ベジータを滅ぼす時に最後まで抵抗したあのサイヤ人にそっくりなんだ!!」

 

 

デンデが生きているおかげでタイセイは瀕死に近い状態から復活する。

 

 

 

「おめえ達にころされたみんなのためにも!おめぇをぶっ倒す!!」

「くだらないことを…」

 

 

 

始まった超決戦!タイセイはこの窮地を脱することができるのか!

 

敵はフリーザだけじゃないぞ!!




とりあえずここまでで笑


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超サイヤ伝説

感想をいただきとても励みになりました!続きをあげます




「…フリーザ…本気でやったほうがいいぜ…そいつこそ貴様の最も恐れていた超サイヤ人だ!!残念だったな…てめぇはもう終わりだぜ…⁉︎」

 

孫悟空がきて数分後ベジータはフリーザに心臓をエネルギー波で貫かれた。

 

「言っただろベジータ。僕がくだらないジョークが嫌いだって。」

 

がはっ!と血反吐を吐き地に屈するベジータ。もう長くないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからベジータは心臓を貫かれたにもかかわらず悟空にフリーザを倒してくれと頼み息をひきとった。

サイヤ人としての誇りを一番持った男だと思わさせられる一時であった。

 

そして孫悟空とフリーザの決闘が火蓋を切った。

 

 

お互いの闘志がぶつかり合い勝負は五分五分かとも思われた…が

 

 

「言っておくが50%ものパワーを出せば僕は君を宇宙のチリにすることができるんだ…」

 

 

その通りだ。今の悟空では勝てない。あの伝説の超サイヤ人に覚醒しない限り…

 

 

「奴の言うことがハッタリであろうとそうでなかろうと、賭けるしかねぇ…20倍界王拳のかめはめ波に!!」

「⁉︎」

 

20倍界王拳かめはめ波の構えに入りながらフリーザを殴る悟空。

 

「かー!めー!はー!めー!!」

「クッ⁉︎」

 

急激な孫悟空の20倍界王拳によるパワーアップに対応できないフリーザは急な攻撃に反応できずくらってしまう。

二回の打撃をフリーザに入れながらフリーザを上空に吹き飛ばし、孫悟空はかめはめ波を打つモーションに入り…

 

「波ァァァァァ!!!!!!」

 

とてつもない衝撃と閃光と共に巨大なエネルギー波がフリーザを包みこもうとする…がしかし…

 

「キェェェェェェェエエエ!!!!」

 

 

 

 

フリーザは片手でそれを受け止め防いでしまう

 

 

「…クソッタレめ…!!」

「…」

 

 

 

 

フリーザは無言で孫悟空の元へ近寄る…

 

「今のは痛かった…」

「くっ…」

「ぃい痛かったぞおぉぉーー!」

「うぁ!」

 

フリーザの身を呈した高速頭突きをまともに食らってしまう孫悟空。そのまましばらく立ち上がれない…

 

「ぐあぁ…ああ…」

「どうした?さっきまでのパワーはどこに行ってしまったんだ?」

 

悟空のパワーが著しく低下している…原作ではここまではならないはず…

 

「まさか俺がこの世界に干渉したせいで歴史に歪みが生じているというのか⁉︎」

 

「もう飽きた。サイヤ人はこれで絶滅。そしてこのフリーザ様が宇宙を支配するというわけだ。 ハッハッハ…ハーッハッハ!!」

 

ブゥーンという音とともなフリーザの指先に雷を纏った黒い球体が作り出される…

 

「ま、まずい!」

 

「悟空!元気玉を作れ!俺が時間を稼ぐ!!」

「な…お、おめぇ…なぜ元気玉のことを…!」

「話は後だ!奴があれを放てば俺たちは全員あの世行きだぞ!!」

「わ…わかった!持ちこたえてくれよ!!」

「合点承知…」

 

フリーザの目の前に素早く移動し奇襲を仕掛ける。

 

「む⁉︎貴様!」「太陽拳!!!!!」

 

眩い光が放たれ忽ちフリーザは視界を遮られる。その衝動で手は目に移動し集中が途切れたためデスボールはたちまち消滅した。

 

「ぐぁ!!貴様なにをした…!!目が!!」

「よし…!」

 

賭けだったが使えたようだ。すかさずタイセイは好機を逃さない。

 

すぐさまピッコロ、悟飯、クリリンの元へ移動し続けて言葉をかける

 

「おい!お前らの持ってるパワーを全て俺に渡せ!フリーザが視界を遮らせてる間にフルパワーで一撃かましてやる!あとは孫悟空に託す!」

「クッ…おまえらこいつの手を握れ!パワーを送るんだ!少し足りとも残すな!全部だ!」

「デンデ!お前も可能な限りこいつらの体力を戻してやってくれ!時間許す限りパワーをもらう!」

「分かりました‼︎」

 

パワーを吸ってはデンデである程度体力を戻しまたパワーをもらう…あまり時間はないが全員3回分ほどのパワーは頂いた。これなら…

 

「さぁ、くらいやがれフリーザ!!」

「チッまだ目が…!」

「ウォォォォォォオオオオオオ!!」

 

自分の可能な限り猛烈なパンチの雨をフリーザに打ち込み続ける!幸いな事にフリーザは気を感知できないため太陽拳のおかげで視界も遮っているため上手いこと拳が炸裂する。

 

「グッ…!貴様ぁあ!」

「おっと!」

 

フリーザが苦し紛れのキックを繰り出すがタイセイはそれを避ける。そして先ほど貰ったあいつらのパワーをすべて使い勢いをつけた蹴りをフリーザの腹部に決める。

 

「吹っ飛べぇぇぇ!!」

「グハッ⁉︎」

 

まともに喰らったフリーザはここから見えなくなるほど遠くに吹き飛んでいく。

 

無駄だとは思いつつも残りカスの力を使い気弾を追い打ちに放つ。

 

「オラオラオラオラァ!」

 

たちまちフリーザの吹き飛んだ先から爆発と爆風が捲き起こる。

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…デ…テンデ…頼む…体力を…」

「はい!」

 

今のうちに回復…そしてまた繰り返してやる…と思った刹那…

 

急にデンデの体が宙に浮き先ほど吹き飛んだフリーザの元へ移動しだす…

 

「デンデ!!」

「うぁぁぁぁあ!!」

「くそ…!!」

 

おいかけようにも早すぎる…まさかフリーザの野郎…!!

 

その瞬間

 

 

強烈な爆発が起きデンデの気が消えた。

 

 

 

「あ…あの野郎…!」

 

 

あまりダメージは受けていないが明らかにお怒り状態のフリーザが再度現れる。

 

「これでもう復活はできない。それにしても良くやってくれたなサイヤ人。さすがの僕もムッときちゃったよ…」

「チッ中途半端な回復しか受けてないから全く力がでねぇ…」

 

「先ほどは邪魔されたが今度こそ木っ端微塵にしてやる!」

「くそ…!もう防ぎようが…!!あれは!」

「なんだ⁉︎これは!!」

 

上空には原作よりも巨大な元気玉が出来上がっていた。

 

「時間稼ぎサンキュー!!フリーザ!!これでもくらええ!!」

「なっ…!こんなもの…!こ…んな…もの…!」

「ちっ!潔く喰らっとけ!!!!」

 

苦し紛れに気弾をフリーザに放ち命中する。そのおかげで少し体制を崩したフリーザは元気玉を浴びる。

 

慌ててタイセイも海に飛び込み衝撃に備える。

 

 

 

 

 

 

 

その数時間後。フリーザを倒したかと安心しきったタイセイたちの前に再度フリーザが現れた。

 

 

 

 

 

フリーザは元気玉を受けても尚生きていた。

 

 

 

 

「もしかしてとは思ったがやはり生きていた…!!」

「死ね!!」

ベジータを貫いた時のビームより遥かに威力の高いビームがピッコロに放たれる!

「ガハッ⁉︎」

「「ピッコロ(さん)!!」」

「貴様らを許すと思うか?1匹残らず生かしては返さんぞ!!!」

 

 

フリーザがグッと気を集中させクリリンを超能力で遥か上空に移動させ

 

 

「やめろ!!フリーザ!!!」

「悟空ーーーーー!!!!!」

 

 

 

激しい爆発が起きた。奴はクリリンを体の内部から爆散させたのだ。

 

 

 

 

「…許さん…よくも…よくも!!」

 

「…すごい…!近くにいるからか凄まじい力を感じる…!」

 

 

「だぁぁぁぁあ!!!」

 

 

叫びとともに孫悟空の髪が金髪に変わりフリーザをにらめつける。

 

 

「な…何者だ…⁉︎」

 

 

 

「俺は地球で育った伝説の超サイヤ人!孫悟空だぁあ!!!!」




すいません。途中からかなり雑です。おそらく修正しなければありえないくらいつまらないとおもいます。
よければコメント。感想、指摘お願いします!


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運命の戦いの裏側で

更新遅れました。



 

「すげぇ…」

 

目の前では超サイヤ人孫悟空と宇宙の帝王フリーザがレッドゾーンの闘いを繰り広げている。

誰も踏み込めない絶対領域にタイセイは見惚れてさえいた。

 

「タイセイ!おめぇに頼みがある!ナメック星が爆発する前に、悟飯とピッコロとブルマを連れてオレの来た宇宙船で地球に帰るんだ!」

「カ、カカロットはどうするんだ!」

「俺はなんとかして帰ってみせる…分かったら早く行け!」

「チッ…死ぬなよ…主人公!」

 

確かにタイセイがいたところでどうにもならない。早く戻らねばならない。

 

「逃がすか!」

「貴様の相手はこの俺だ!フリーザ!!」

 

上手くその場をやり過ごしたタイセイは悟飯の元へ向かう。

 

 

 

 

「悟飯!」

「タイセイさん!」

「ピッコロは大丈夫か⁉︎」

「命に危険はありません!お父さんは…?」

「カカロットはフリーザと最後まで戦うみたいだ…大丈夫、必ず勝つ!神に誓ってそう断言する!」

「…お父さんは負けませんよ!信じて先に戻りましょう!」

「あぁ…じゃあ早く…⁉︎なんだ⁉︎あたりが暗く…!」

 

「(まさか!!もう地球のドラゴンボールで!!)」

 

「悟飯!俺は少し離れる!先に宇宙船に行っていてくれ!!」

「タイセイさん!!」

 

「とりあえず何が起こるか分からねぇ…!デンデだけは死なせる訳にはいかない!」

 

 

 

 

 

「デンデ!」

「貴方は…!どうして僕は生きて…」

「話は後だ!俺についてこい!」

「あ、ちょっと!!」

 

「ポルンガは…あそこだな!!」

 

《タイセイ!!聞こえるか!!》

 

「!!カカロットか!」

 

《あぁ、そこにナメック星のシェンロンがいるだろ!叶えて欲しい願いがあるんだ!》

 

「あぁ!お前とフリーザ以外を地球に移動させてくれだろ?」

 

《あぁ!よく分かったな…。フリーザもそこに向かっている!急いでくれ!》

 

「分かった!」

 

「着いたぞ‼︎デンデ頼む!」

「はい!プピリットパロ「このフリーザ様を、不老不死にしろー!!!!」!!」

「し、しまった…!!」

「大丈夫だカカロット!デンデ!」

「パッパポルンガエステッタロスピリット!!」

 

((承知した…孫悟空とフリーザ以外の生き物を地球という星に送ろう))

 

「な…なに…!!」

「よし!」

 

 

こうして全てが上手く原作通りに進み、フリーザは孫悟空へと敗北の切手を渡す事になる…

 

 

 

 

 

〜地球〜

 

「なんだかんだ言って地球は初めてくるが…俺の世界と一緒なんだな…」

 

地球に転送された俺たちはお互いが生き返ったことを喜び合いそして孫悟空の勝利を願っていた。

 

「おい、タイセイ」

「…ベジータ。よかったな、生き返ってよ」

「そんなことはどうでもいい。それよりなぜ俺たちは地球にいるんだ。カカロットは?」

 

タイセイはベジータにドラゴンボールの事、悟空はまだフリーザと戦っている事を話した。

 

「チッ…カカロットの野郎…俺を出し抜いて超サイヤ人になっただと…⁉︎クソッタレめ…!」

 

 

「まぁ…あとはカカロットの勝利を信じようかな…」

 

 

 

 

〜ナメック星〜

 

「…というわけだ。あとは俺とお前だけだ。続きをしようぜ。フリーザ」

「フッフッフッ…ハッハッハッハ…ハーッハッハッハ!!」

「…なんだ…?」

「貴様は一つ間違いを犯したな…その願いは上手くいったと思ったのか?」

「何が言いたい」

「この星には俺のアニキも来ていてな…その願いが本当なら今頃地球に…」

「な…なんだと…⁉︎」

「おっと!地球の心配をしている場合か?お前の相手はこのフリーザ様だ!貴様は死んで地球もクウラに消される!お前達の行動は全て無駄というわけだ…!」

 

「クッ…なんとかなってくれ…地球を頼む…!みんな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし…これでピッコロも完治だな。」

「うむ…しかし孫がそこまで強くなったとは…サイヤ人とは底知れぬ化け物だな…」

「う…その言い方はひどいぞピッコロ。」

 

地球に戻ってきてデンデの力でピッコロは回復。

こうして平和が訪れるのである…

 

 

 

 

「フッフッフッ…本当にサイヤ人とは醜い猿どもだな」

 

⁉︎聞き覚えのある声が聞こえ、恐る恐る振り返るとそこにはクウラがいた。

 

「お…お前は…クウラ!!なぜここに…!!」

「久しぶりだな…サイヤ人。願ったり叶ったりな展開にはならぬということだ。貴様は俺と出会った時から絶望の中にいたのだ。」

 

 

「(なぜ…!考えられるのは奴もナメック星に来ていてポルンガの願いで一緒にここに来たということ…!)」

 

「最悪だぜ…」

「さぁ、あの時の続きといくか…サウザー、ドーレ、ネイズ、お前達はこいつの仲間を殺せ。」

「「「ハッ!クウラ様!」」」

 

クッ…ピッコロとベジータがいるからあいつらは何とかなるにせよ…クウラはさすがに反則だろ…!

 

「このまま帰ってくれる…なんてないよな…?」

「残念だが、お前は俺の手で八つ裂きにすると決まっていてな…さぁ」

 

 

 

「恐怖のショーの始まりだ」

 




今日はここまでです。
クウラ相手にタイセイはどう立ち向かうのか…!
次のお話を期待していてください!
フリーザ編も中盤です!
次のアニメは何にしようか考えています!


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とびっきりの最強対最強

「クウラ機甲戦隊!ドーレ!」

「ネイズ!」

「サウザー!」

 

「悟飯、気を抜くなよ…!こいつらできるぞ…!」

「はい!ピッコロさん!」

 

サウザーとピッコロ、悟飯にはネイズが相手となり戦闘が始まる。

 

「サウザーとネイズだけ…ちぇ…俺は無しかよ…ぐわぁ!」

「フッフッフ…貴様にはこのベジータ様が相手になってやる…!」

 

 

 

 

「さぁ…オレ達もそろそろやろうではないか…」

「ヘッ…前の俺とは大違いってのを教えてやる…ハッ!」

 

先手必勝!タイセイはクウラに向けて気弾を放つ。

 

「フン!」

 

もちろん簡単に弾かれてしまう。

 

「この程度か?」

「まだまだ…!これならどうだ!界王拳!!」

「ムッ⁉︎」

 

悟空の見よう見まねでやってみたが界王拳、なんとか使えるようだ。

 

「一気に20倍だぁ!!」

「早い…!」

 

タイセイは悟空がベジータ戦で見せたように巧みにクウラの周りを移動しては確実に打撃を当てていく。

タイセイの戦闘力はおそらく今のクウラを上回っているだろう。

 

そう、『今』のクウラは…

 

 

「グッ…流石に俺もこのままではまずい…悪いが奥の手を使わせてもらう。」

「させるか…!かめはめ…波ぁぁあ!!」

 

見よう見まねその2と言わんばかりにタイセイは技を真似る。

こうでもしなければ良い技が無いからだ。

 

かめはめ波は直撃したかに見えたが爆風から敵は姿を現す

 

「…クウラの気がどんどん上がって…最終形態かよ…クソ…!」

 

現れたのは先ほどの姿とは違い見た目はカッコいいがとても強い戦闘力を持ったクウラの新たな形態であった。

 

「さぁ…始めようか…」

 

カシャリとマスクの閉まる音と同時に強烈なヒザ蹴りがタイセイの顎にクリーンヒットする…

 

「ぐは⁉︎」

「俺にこの変身をさせたのは貴様が最初で最期だ!!」

「くそ…強え…」

 

クウラの凄まじいパワーとスピードに圧倒されてしまう。

どれだけ攻撃をしても当たらない。たまたま当たってもほぼダメージは通らない。

 

「くそっ…絶対絶命だ!」

「なんだ?もう弱音ごとを吐き始めたか…ではこの星もろとも楽にしてやろう…」

 

クウラは上空へと飛びフリーザ同様のテスボールを展開し始める

 

「まずい…!」

「ハッハッハッハ!さぁ、少しは抵抗してみろ!サイヤ人!」

 

 

 

『おーい!大成!』

「…!神か⁉︎」

 

心に声がしたと思ったらその声は俺中タイセイを転生させた自称神であった。

 

「今それどころじゃないんだよ!」

『お主…この事態が分かっておるのか?このままストーリーが変わってお前が死んでしまえば、現代のドラゴンボールのストーリーそのものも変わってしまうのじゃぞ?」

「な…!」

「(なんだと…ドラゴンボールが30年に渡り人気アニメとして語り継げられてきたってのに…それが…俺のせいで…!)」

 

『そしてもしもお主が死んだ場合は、現代のお主に関係する人物全員も一緒に消えてしまうのじゃ。言ってはいなかったがの』

「は⁉︎ふざけんな!みんなは関係ねえだろ⁉︎」

『これも鉄則なのじゃよ。本来は記憶を消すことによって完結する話でもあるのじゃが…人間些細なことで記憶を取り戻す種族でもあるからの…その際に発生する感情エネルギーは神では対処しきれぬほど莫大なのじゃ。』

 

「ふざけんな…」

 

『つまりは、それを恐れたワシら神達の決断は。転生者の死亡に伴う関係者の抹殺じゃ』

 

「ふっざけんなぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」

「な…なんだ…⁉︎」

 

突然起こる地響きと共に目の前の光景に思わずデスボールを展開させたまま硬直してしまうクウラ

 

「……これは…」

「何だ!何が起こったと言うのだ!奴のあの変わり様は…」

 

『成功じゃな。グッドラックじゃ』

 

「あいつめ…この話で俺を怒らせたってわけか。どちらにしろおかげでなれたみたいだ。」

 

ニヤリと笑いクウラを睨みつけるタイセイ。

 

「超サイヤ人にな…!」

「な…超サイヤ人だと⁉︎」

 

「舐めた口もそこまでだ!消え去れぇ!」

 

超サイヤ人と言う言葉にクウラは少し嘲笑いながらデスボールを放つ

 

「てめぇに孫悟空の帰ってくる地球は消させねぇ!!ハァァア!!」

「な…!受け止めただと⁉︎」

「うぉりやぁぁぁあ!!」

 

バレーボールのトスの様に簡単に弾きかえす。思ったより強くなっているみたいだ。

 

「…そりゃ基礎戦闘力を底上げしておいたからな…確かベースは1000万はあったはず…超サイヤ人の倍率は分からんが40倍ぐらいはあったか?ならクウラにも勝てるはず…」

「俺に勝てるだと?生意気な猿め!」

 

初撃に俺に与えた膝蹴りを放つクウラだが今のタイセイには屁でもない。

いとも容易く避けたタイセイはスキのできたクウラの腹部に強烈なパンチをかます。

 

「ゴハッ⁉︎」

「まだまだ…」

 

パンチの雨をクウラに浴びせる。

頭、肩、胸、腹、足、多数の部位に無数の打撃を何処となく放ち続け、それを浴び続けるクウラ

 

「おのれ…!」

「ほぅ…まだ避けるほどの力を持っていたか」

「まさか…超サイヤ人がここまで恐ろしい力を持っているとは…⁉︎」

 

「だが…勝つのは俺だ!」

「あれは!スーパーノヴァ…」

 

先ほどのデスボールとは違いまるで太陽の様に赤オレンジのような輝きを伴い巨大なエネルギーを展開するクウラ

 

「この星もろとも、消えてなくなれぇ!!」ブンッ

 

 

 

 

 

「ロッソ…」

 

 

 

 

元はタイセイの撒いたタネだ…きっちりタイセイの手でカタをつけるために構えをとる。

 

「ブラスタァァァァァア!!」ドゥ!

 

あの時劇場版で悟空が放ったかめはめ波とはまた別段に強いタイセイのオリ技を放ちクウラのスーパーノヴァを押し返す。

 

「何⁉︎」

 

あまりのスピードに対処しきれずそのままスーパーノヴァと共に宇宙へと弾かれるクウラ

 

 

「フフフフフ…この程度で俺は死なん!貴様の読みは外れたな!このまま太陽に激突させようとしたのかは知らんが大きくずれているぞ!」

 

「後々太陽に当てても面倒事が増えるからな。俺は先の事も考える天才だぞ。まぁ、自分の事に関しては…だけどな…」

 

「だから…ここで消えろ!フルパワーだ!!!」

 

かめはめ波に更にエネルギーを加え元々のかめはめ波が更に太くなる。たちまちスーパーノヴァを消え、俺のかめはめ波がクウラを包む

 

「グァァァァァァア!!」

 

クウラはもろ直撃し変身が解けてしまう

 

「俺が甘かった!あの時…!あの時サイヤ人を生かしておかずに殺しておけば…!甘かったのは弟だけじゃなかった!甘かったのはぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 

 

 

 

クウラは遥か彼方へと消え去っていった。

 

 

 

超サイヤ人タイセイの勝利で最強対最強の戦いは幕を降ろした。

 

 

 

「フリーザ一族はサイヤ人によって滅ぼされる運命なんだ。安らかに眠れ。」

 

 

 




クウラ戦終了です!
結局タイセイも超サイヤ人になってしまいました笑
さすがは神様?超サイヤ人へのきっかけをよく分かってらっしゃる(⌒▽⌒)
おそらくあと数話でドラゴンボール編は一度終わると思います。
お次は魔法少女まどか☆マギカかリゼロの世界に転生の予定です…!


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そして…

「はっ!おらっ!こんなもんかお前ら?」

「クッ!当たらない!!」

「クソったれ…!」

「超サイヤ人は反則だぜタイセイ〜」

 

クウラを倒してから約1年が経った。タイセイはあれから元の世界へ帰れるかと思われていたがそうでもなく、何もしないわけにも行かないため、悟飯、ピッコロ、クリリンと毎日修行を重ねていた。

 

「そんなものか!それじゃあまだまだ俺の半分にも及ばんぞ!」

「行くぞ!悟飯!」

「はい!ピッコロさん!」

「サポートは任せろ!」

 

クリリンがタイセイの頭上にエネルギー弾を放ちそこから真下へ追尾する拡散エネルギー弾へと変化させる。

もちろんそれはすべてかわされる訳だが、そこが狙い。その一瞬のスキにピッコロが後ろから捕まえ動きを封じる。

 

「今だ悟飯!」

「うりゃぁぁぁぁあ!!」

 

そこに現時点では一番の潜在能力を秘める悟飯がフルパワーでエネルギー波を放つ。

 

「よし、喰らいやがれ!」

「ウグッ⁉︎」

 

普通なら最も簡単に避けられてしまうだろうが、ピッコロの触角から放たれる超能力によりその隙を与えない。

そのまま直撃し凄まじい爆風とともに辺りに地震が轟く。

 

 

 

「…中々だな。だが…」

「グワッ!」

 

爆風から突如現れたタイセイに対処しきれずピッコロは頭部に肘打ちを喰らってしまう。

 

「ピッコロさん!」

「他の奴を気にしている場合か?」

 

そのままクリリンも撃破してしまったタイセイは残った悟飯の元へ現れる。

 

「全力で来い悟飯。お前の力はいずれ神秘の力となり皆を救う奇跡を起こすだろう。」

「僕にそんな…無理ですよ…」

「ハァ…だからだめなんだよ…せっかくの才能が腐っちまう。」

 

戦意を失ってしまった悟飯を目の前に自身もやる気を無くしてしまいタイセイは気絶したピッコロとクリリンを担ぎ場所を移す。

 

「(さすが悟飯だ…短時間でかなりの腕を上げている…さっきのエネルギー波もぶっちゃけかなり効いた…)」

 

悟飯には全然効いていないように見せるが実は彼の気弾を受け止めた手はかなり傷ついている。それほどまでに孫悟飯という人物は強いのだ。

 

「よし、休憩にするか!悟飯、ピッコロとクリリンを起こしてやれ。水でもかければ起きるだろう」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「なんだかんだ俺も地球に居て過ごしているが…なぜ帰れない…」

 

修行を終えブルマに借りたカプセルコーポレーションの部屋でくつろぐタイセイ。

 

「まさかまだ続けなければいけないって訳か…?歴史のズレでもあるクウラは始末したがな…」

 

神いわく、転生すると物語のどこかしらに自分のせいでズレが生じてしまうという。

それを正し、その世界の流れが自然に戻ったときにようやく元の世界に帰れるのだという。

 

「まぁ仕方ないか…それまでは基礎戦闘力の底上げを測っておかねば…」

 

クウラとの戦闘からタイセイはかなりの修行をつんでいた。その戦闘力はかなりアップしている。恐らく現時点では孫悟空をも上回っているだろう。

 

「っともう休憩は終わりだ。いつもの修行場所に行くとするか…」

 

部屋から出てカプセルコーポレーションの外へ出る直前にベジータと出会う

 

「あれ?ベジータ!帰ってきたのか。」

「…まぁな」

 

ベジータはタイセイや悟飯達とは違い1人で鍛錬するタイプなためブルマに宇宙船を作らせて1人で宇宙に修行に出ていたらしい。

その彼の姿はボロボロと言ってもいいほど醜い有様となっていた。

それほど超サイヤ人という存在が彼に大きな対抗心を持たせているのだろう。

 

「どこに行くつもりだ…」

「あぁ、俺はいつもの修行場所で鍛えに行くつもりだ。お前もくるか?」

「いや、少し疲れた。とりあえずは休眠をとる。」

「そっか。お前、相当腕を上げたな。分かるぞ。レベルそのものが変わったって。」

「余計なお世話だ。これでも貴様には到底及ばん。俺も早くなってやる…超サイヤ人にな…」

「あぁ、お前ならなれる。絶対に」

 

こうしてお互い行く場所へと向かい会話は終了した。

 

 

 

「さてと…ここらへんだな…」

 

 

 

鍛錬を終えてタイセイはある岩山に来ている。なぜこんな偏屈もない所に来ているかと言うとはっきりとした理由がある。

 

「多分『あいつ』はここに来るだろうな…」

 

『あいつ』と呼ぶ人物をタイセイは待っているようだがその存在はすぐに姿を現す。

 

ブゥゥゥゥンという音とともにそこには無かった機械が上空に急に現れる。

そしてタイセイの目の前の地面にその機械は着陸し、中から人が出てくる。

 

 

「あ…あなたは一体…?」

 

 

「よっ!初めましてだな!トランクス!」




今回はここまでです!
次はオリジナル展開の話となり、おそらく次かその次でフリーザ編は終わりです!


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コルド大王の底力

「貴方は…どうして俺の名を…⁉︎」

 

トランクスとタイセイがそう呼ぶ少年は突然の出来事にかなり混乱している。トランクスの反応を見る限りお互いは初対面のようだ。

 

「未来からやってきて、いまからフリーザとその父を始末するんだろ?全ては未来を救うために。」

「なっ!」

 

危険と悟ったのかトランクスは剣を構え戦闘体勢に切り替える。

 

「まてまて!俺はお前と争うつもりは微塵もない!むしろ一緒にフリーザと父親を倒そうって考えだ!」

「…貴方が何者かは分からないですが、お気遣いは結構です。フリーザ達は俺1人で大丈夫です。見たところ貴方もサイヤ人の様ですが…今の時代で奴らに勝てるのは孫悟空さんだけだと思います」

 

タイセイはとても礼儀正しいトランクスの言葉遣いに少し戸惑いながらもなんとかして戦いに参加させてもらおうとする。

 

「まぁまてって!見学だけでもさせてほしいんだ!別に邪魔はしない!それに、フリーザごときに負けはしないさ」

「先ほども言いましたが…俺1人で…⁉︎」

「なんだ…⁉︎」

 

不意に巨大な力が二つ現れる。おそらくフリーザとコルドであろう。

 

「チッ…とりあえずいくぞ…!嫌でも俺も参加させてもらうからな!」

 

俺が宇宙船の着陸地点へ急いで向かうとトランクスもそれに合わせて付いていく。

 

そして宇宙船が着陸し、そこにフリーザとコルドが姿を表す。

 

「…ここが地球だよパパ…それにしてもおかしいね…」

「あぁ…クウラが来ていると聞いたがなんだこの有様は、新品同様ではないか」

 

「…来たか…どうする?早速仕留めるか?」

「貴方はここで見ていてください。俺がやります。」

 

トランクスはそういいフリーザとコルドの前に姿を現し超サイヤ人へと変身する

 

「お前達は僕に一瞬で殺される…わかっているんだ…」

「な…!超サイヤ人!まさか兄さんは…!」

「クウラはこいつにやられたというのか⁉︎」

 

戦闘が始まった。先手必勝と言わんばかりにフリーザはトランクスに強大なエネルギーを撃ち込む。

爆風に紛れてその場を離れていたトランクスは気づかないフリーザとコルドにエネルギーを溜めながら奇襲をかける

 

「こっちだ!!!!ハァ!」

「⁉︎」

 

慌てて上へ飛び上がりそれを回避するフリーザ。彼がトランクスの姿を再度確認した時にはもう遅かった。

 

「ハァァア!」

 

トランクスは剣を振るいフリーザを一刀両断。そのまま立て続けに斬り刻みバラバラにし、最後はエネルギーを放ち消滅させてしまう。

まさに一瞬であった。

 

「…次は貴様だ。」

「…許さん…」

 

コルドの様子が少しおかしい。かなり怒りが回っているのかコルドの戦闘力が上昇していく。

 

「我が自慢の息子を2人も、しかもサイヤ人に殺されるとは一族の恥だ…わしが直々に消してくれる!」

「な…気が…!大幅に上がっていく!」

 

タイセイはこのパターンを知っている。かつてナメック星でフリーザと戦った時に経験した。そう、変身だ。

 

「ヌオァァァァァァア!!」

 

コルドの周りからかなりの風が巻き起こり砂埃と共に辺りが見えなくなる。分かるのはコルドの戦闘力がありえないほどに上昇したという事。

そしてフリーザの第三形態そっくりのコルドが姿を見せる。

 

「ワシの栄光の前に平伏せ!」

「クッ…!そう簡単にはいかなさそうだ!」

 

コルドとトランクスの戦闘が幕を上げた。トランクスは超サイヤ人なだけあって変身したコルドとは普通に戦えている。どちらかと言えばトランクスの方が押しているぐらいだ。

 

「やるではないか小僧!」

「この程度じゃまだ俺には届かないぞ!フリーザもろとも消え去ってしまえ!」

 

トランクスは気を集中させコルドに向けて特大級のエネルギーを放つ

 

「フィニッシュバスター!!」

「ヌゥ⁉︎」

 

直撃し勝負は見えたかに見えた…

 

「なっ⁉︎」

「…貴様らを殺した後この銀河一体を消してくれる!覚悟するがいい!」グワッ

「がっ⁉︎」

 

煙から現れたコルドはフリーザと同じ姿へと変身を遂げていた。その戦闘力は絶大と言っても過言ではない。少なくともトランクスではもう先が見えない戦いとなっていた。

 

立て続けにトランクスへ攻撃を重ねトランクスを地面へと叩きつける。コルドは止めと言わんばかりに大きなデスボールを作り出す。

 

「あの世で後悔するがいい!我ら一族に抵抗した愚かな罪深さをな!」

 

トランクスは目をつぶり死を覚悟した。

 

「…?」

 

彼は被弾するはずだった痛みが感じられない事に違和感を感じ目を開ける…そこには自分と同じ超化したサイヤ人が立っていた。

 

「…後は任せろ」

「貴方は…」

 

トランクスはまさか超化できるなんて!と驚いた顔をしている。タイセイはそれを見向きもせず言葉を続ける。

 

「トランクス、お前は一旦戦線を離れろ。そこらへんに隠れてるベジータ達が余計な手首を突っ込まないようにしてくれ。」

「貴方はどうするんですか…⁉︎」

 

タイセイはトランクスの方に少しだけ振り向き、ニカッと笑ってこう続ける

 

「お前がこれから起こそうとした歴史改変を俺が代わりにやり遂げてやるよ。」

「生意気なガキだ…」

「コルド、これだけは言っておこう。クウラは俺がトドメをさした」

 

そう聞いた途端コルドの目の色が代わりおぞましい気が立ち込める。

 

「…ならば貴様もじわじわとなぶり殺しにしてくれる…愚かな民族よ…その中途半端な力がゆえに地獄を見る事になるのだ。」

 

コルドは猛接近してタイセイの前に飛びかかり拳を振るう。

タイセイはそれを避けずに手で受け止め、足でコルドの腹部に蹴りを入れる

 

「グッ!」

「ハハッ!力量見誤んなよ…!クウラを倒したんだぜ…⁉︎オラッ!」

 

すかさずコルドの腕を掴みジャイアントスクロールでコルドを上空に投げとばす。

 

すぐさま体制を立て直しコルドはしばらく何かを考え始める。

そして考えがまとまった途端さらに気を高める

 

「…そうだったな…息子2人とも油断して殺された愚かな息子だ。ワシはそうはいかんからな。最大の力を持って貴様を消してくれる!」

 

みるみるコルドの姿が更に変貌していきやがてかつてのクウラのような形態へと変身を遂げる。

 

 

 

「…こりゃハナっから全開で飛ばさねぇとヤバイかもな…」

 

 

コルドは地へと降りニヤッと笑いタイセイへ殺意の眼差しを向ける

 

 

「では、始めようか。誰も知らぬこのコルドの圧倒的な力をお見せしよう」




終わりませんでした!
とりあえずくぎらせてもらいます!次は戦闘が主に主流となります!できれば次で終わりたいですね…

最終形態コルド様をオリジナルで作らせてもらいました…
フリーザ、クウラの父ということもあり同じ最終形態でもその戦闘力は絶大です!

続きをお楽しみに!

感想、アドバイスあれはよろしくお願い申し上げます。


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決着

「フッフッフ…その程度なのか?超サイヤ人。」

「チッ…こいつ…パワーも完璧にコントロールしてやがるから消耗戦にももちこめん…」

 

コルドはフリーザとは違いパワーアップの反動で気が落ちることはない。そしてクウラの様にフリーザよりも一段階上の変身をしたため大幅にパワーアップ。さすがは父親、タイセイは予想以上に苦戦を強いられていた。

 

「そらよ!」

「うおっ!」

 

先ほどからコルドは遊んでいるのかデスビームを連発しタイセイの体力の消耗を誘っている。

タイセイは避けるのは苦痛ではないがやはり徐々に体力は落ちている。

 

「ホゥ…よく避けているな…ではこれならどうだ…?」

 

コルドはタイセイに向けて大量の気弾を放つ。

 

「こいつはどこまでも追尾するぞ!!逃げようとしても無駄だ!」

「ヘッ…なら、避けなけりゃいいんだろ?」

 

タイセイは上空へと飛び、ついてくる気弾とある程度の距離をとり、追尾してくる気弾へと振り返る。

 

「そらよっと!」

「何⁉︎」

 

タイセイは気弾を手で受け止め、跳ね返した。

いや、正確に言えば手で気弾の軌道を変えたのだ。

手に着弾する瞬間に気が爆発しない程度の力でソフトに進路を変え、ターゲットをコルドへと変更させる。大量の気弾は全て跳ね返されコルドへと狙いをすます。

 

「生意気な小僧だ!!」

 

コルドも対抗すべく全ての気弾をまたタイセイへと弾き返す。

 

「おいおい…随分命懸けなキャッチボールだこと…」

 

タイセイは気弾一つをはじくと同時に自分の気で作った追尾型気弾をこっそり追加で放ち、コルドが痺れを切らすのを狙っていた。

 

「ヌゥゥゥ!!」

「そらそらそらそら!!俺はまだまだキャッチボールを楽しみたいぜ?」

 

数十分に渡る地獄のキャッチボールの結末はコルドに最初に被弾した一つの気弾から始まった。

 

「グワァァァァア!!」

 

コルドに次から次へと無数の気弾が激突、辺りは一瞬でクレーターの様な穴が空き異常な光景となった…

 

「…しぶといやつめ…」

 

コルドは爆風から姿を現しタイセイにむけて全力で突撃をしてくる。

 

「茶番は終わりだ!!死ぬがいい!サイヤ人!」

「そいつはごめんだぜ…!!」

 

突撃してくるコルドに向けてタイセイは両手に最大の力を込めた気を溜める。そしてコルドに向けて放つ。

 

「死ぬのはお前ら外道だぁぁあ!!」

「甘いわ!」

 

タイセイの放った全力の気弾を滑らかな動きでかわしコルドはタイセイの腹部に強烈なパンチをお見舞いする。

 

「ゲホッ!!グハ…ッ!!」

「ハーッハッハッハ!!」

 

高らかに笑いながらコルドは無数のパンチをタイセイに浴びせ続ける。タイセイはそれを為すがままに受け全身からは血が吹き出る様に出ている。その光景はまさに地獄の様であった。

 

「…」ズドッ

 

パンチが鳴り止みもう抵抗する力もないタイセイはそのまま地面に落ちる。コルドはトドメと言わんばかりにかつてフリーザが自爆した技、デスソーサーを二つ展開。そしてタイセイに向けて放つ。

 

「フリーザが殺された様に貴様もバラバラになるが良い!」

「なっ…!くっ…!」

 

現場を見ていたトランクスはこれから起こるであろう悲劇を見ていられずに目を強く瞑る。

 

…がしかし思っていた様な音はならずトランクスは目を開けるとタイセイがいとも簡単にコルドの技を避けている光景が目に入った。

 

「何だと…⁉︎」

「ふ…念のため保険をかけておいてよかったぜ…」

「そうか!仙豆だ!!」

 

トランクスの言う通り。タイセイは己の服の中に仙豆を仕込んでいたのだ。

 

「こんなものはな…!」ザンッ!

 

追尾してきたデスソーサーをタイセイは手刀で逆に真っ二つ。信じられない光景にコルドは唖然としていた。

 

「な…何をしよった!!貴様!何を使ったと言うのだ!!」

「へっ…正義にのみ許されたいわばチートの様なアイテムさ」

 

コルドはアイテムという言葉にピクリと反応し言葉を続ける

 

「…もしその様な物があるなら少しワシに見せてくれんか…?その早い復活を可能にする物…とても気になるのぅ…」

「そいつは無理だ。一個しかない。見るなら俺を切り裂いて胃の中でも調べるんだな。」

「…舐めた口を…!もう1度同じ目に合わせてくれるわぁ!!」

 

コルドは先ほどと同じように強烈なパンチをタイセイに与えようとする…がその拳はタイセイによって簡単に止められてしまう。

 

「…な!!」

「…さっきの俺とは一味も二味も違えんだよ!!」ブンッ

 

掴んだ拳ごとコルドを上空に投げとばしタイセイは気を集中させる。

 

「…お前ら一族は甘すぎるんだよ…気とかで俺の服装ごとボロボロにしてしまえば仙豆も消えちまったかもしれねぇのによ…パンチじゃ仙豆は守れるし服も大して破れやしねぇ…」

 

コルドは上空で体勢を立て直しこちらもと言わんばかりにクウラより大きい球体を作り出す。

 

「もうよい!貴様ら愚かな民族は地球ごと消えてなくなるがいい!!」

「残念だが最後に勝つのは正義って昔から決まってんだよ!!」

 

両者が気を溜め終えお互いに向けてフルパワーで放つ

 

「スーパービッグノヴァ!!」

「ロッソブラスター!!」

 

お互いの技は宙でぶつかり合い火花が飛び散る。周りの岩や木はたちまち吹き飛び近くで見ていたトランクスでさえ飛ばされそうになる。

 

「な…なんて気だ…!」

 

「ヌゥゥオオオオオオオオォォォォォ!!」

「…」ニャッ

 

タイセイはどこか余裕そうな表情を見せている。

 

「やっぱ仙豆はすげえなぁ…コルドの技ももう赤子同然だぜ…」

「なにをぬかせぇぇえ!」

 

コルドは叫び押し返そうとするがそれどころかどんどんコルドは押されやがて彼自身に二つのエネルギーが衝突する

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」

 

そのまま宇宙に弾き出されコルドは消滅する。

 

 

 

 

 

「…ふぅ!」

「大丈夫ですか!」

 

心配し駆けつけるトランクスに大丈夫だと言いながらタイセイはその場を去ろうとする。

 

「どこに…!」

「俺はもう帰るからよ、お前は本来の目的を遂げにいきな?ほら」

 

上空を見上げると一つの宇宙船ポットが地面に着陸する。おそらく乗っているのは孫悟空だろう。

 

「…分かりました。今回はありがとうございました。おかげで過去も大変な目にあうことなくことがすみそうです…」

「気にすんな!大半は俺のせいだからよ!」

 

それはどういう…というトランクスを置いてタイセイはその場を立ち去る。それ以降は原作通りと解釈していただこう…

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「お疲れじゃったの。」

「ほんっとに疲れたわ…!何回死にかけたことか…」

 

タイセイは無事に元の場所に帰ってきている。元の場所と言っても最初に神と出会った場所なのだが…

 

「ではとりあえずドラゴンボールの世界はこれで終わるが次はどうするのじゃ?」

「んー…それはまだ考えてる。思いつかないから神が適当にランダムで飛ばしてくれ。」

「それは構わんが、この世界で得た力は次の世界ごとに制約される予定じゃ。調子に乗って最初から暴れまわろうとしんことじゃ、よいか?」

 

へいへい…と返事しながらタイセイは神の部屋の中でくつろぎだす。

 

「おいこら!ワシの食物を勝手に食べるな!」

「お前に拒否権はねぇんだが…?」ギロッ

「ス…スキナダケオメシアガリクダシャイ…」

 

こうしてタイセイの第一の時代干渉はおしまい。

 

次は果たしてどんな死闘が待ち受けているのか…

 

それは続きをお楽しみに…

 

 

「ワシ…やっぱこいつ嫌い…」

 

 

 

 

 

 

 

 




ドラゴンボールのフリーザ編はこれでおしまいです!
最後は下手になりましたが自分の必殺技で終わらせました…

次のお話候補は

・まどマギ
・リゼロ
・アカメが斬る!
・エヴァンゲリオン

あたりで考えてます。

ドラゴンボールの力はバンバン使っていく予定なので是非続きも読んでいただけると嬉しいです!


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魔法少女まどか☆マギカ編
新たな干渉


ドラゴンボールフリーザ編に続く舞台は
魔法少女まどか☆マギカの世界です!
話を知らない人でも分かるように書いていきます!
キャラ名は検索してなんとなくの顔の想像だけお願いします!


「…」

 

とある町で棒立ちしたままピクリとも動かない少年、逢坂大成は考え事をしていた。

 

「おい…何の説明もなしに送り込まれたけどよ…何をどーすればいいんだよ神様よ!あぁ⁉︎」

 

そんな事を言った所で神は答えてくれない。率直に言えば大成は無事にドラゴンボールの世界から一時帰還し、寝ている間に神に次の世界へと飛ばされたのだ。目覚めた彼は全く見た事のない街のど真ん中に立っていた。

 

「はぁ…うだうだ言っても仕方ねぇ、とりあえず上から見てみるか………あれ?」

 

大成は無空術を使おうとしたが飛べない。というか、気も出せない。ただの人間そのものの状態であったのだ。

 

「あ…そっか…神との契約の時にそんな事を言われたな…」

 

そう、神は前回の世界で得た力は、世界ごとに力の制約がかかり、今回の世界では序盤では発揮できず、日が経つにつれて徐々に解放されるとのことであった。

 

「はぁ…どうするんだよ…これじゃホームレス中学生みたいなアレじゃねぇか…さっそく餓死して終了とか話にならんぞ…」

 

ブツブツ喋っている内に大成はふとある異変に気付く

 

「…あ?ここどこだよ。」

 

そう、彼は「街」を歩いていた。どこの誰が見ようとも街を歩いていたのだ。しかし今彼は一本道の高速道路を歩いている。おかしい。

 

「……幻術か?いや、にしてはリアルすぎる。…!気を微かに感じる程度はできるようになった…!」

 

何とか微量ながらも気を察知できるほどの力は解放された。早速気を探るのだが、人ではない何かモヤモヤしたような気を感じる。

 

「…!!後ろだ!!…な!!」

 

後ろに少し大きな気を感じて振り向くとそこには言葉では言い表せないような化け物がいた。

 

「…なんだこいつ…千と千尋の神隠しに出てくる顔なしみたいなボディにタイヤとかついてるぞ…きめぇ…」

 

その顔なしのような化け物は化け物の下に付いているタイヤを使って大成へと突進してくる。それはとても早い。150kmは出ているだろう。

 

「まてまてまてまて!!死ぬって!!うお!!」

 

一瞬の出来事に大成は目を瞑る。衝突して自分はただではすまないと察知したのであろう。

 

「あれ?」

 

訪れる痛みはやってこず、恐る恐る目を開けるとそこにはタイヤの化け物と睨み合いっこしている赤髪の髪を結んだ女の子が立っていた。

 

「…またまたおかしな展開だわこりゃ」

「…あんた、正気があるのか…?魔女の口づけがあるようにも見えないし…まぁ、そんなことはどうでもいいか、邪魔だから離れてな。こいつは私が片づける」

 

赤髪の女の子はそういい手に何処から持ってきたのか槍を出し化け物に向ける。

 

「さぁ!一発で決めさせてもらうよ!」

 

女の子の持っていた槍はみるみる巨大化し、化け物に負けないほど大きくなった。その槍の上に少女は立ちそのまま槍ごと突進する。

 

「いっけぇ!!」

 

化け物はなぜか身動きせずそのまま体に風穴を開ける。巨大槍ごと貫通したのだ。

 

「っしゃあ!!」

「…!周りの景色が!」

 

すると同時に先ほどは高速道路に立っていたのだが急に周りが急に先ほど歩いていた市街地に戻る。

 

「何が起きてんだか…」

「杏子、お疲れ様。」

「うぉっ!なんだこの白い猫!!」

 

どうやら赤い髪の毛の女の子は杏子(きょうこ)と呼ばれるらしい。

それにしてもこの白い猫、一体どこから現れたのか分からない。大成には全く気すら感じられなかった。(まどマギ知らない子は人物を検索してみよう!かわいいよ!)

 

「アンタ…キュウベェが見えるのか…?何もんだよ一体…」

「…僕も驚いたよ。まさか普通の人間、ましてや男の子に僕が見えるなんて例外だよ。」

 

大成には白い猫が普通に言葉を発する事態が驚きなのだがそこは突っ込まず、とりあえず冷静に話をまとめる。

 

「えー…とりあえず俺は目的は無いが目的があってここにいるんだ。良ければ…えっと杏子だっけ?これはどういう事なのか詳しくお話を伺ってもいいか…?」

「うーん…」

「いいじゃないか杏子。この人にも教えてあげなよ。僕が見えるって事は満更無関係ではないって事だよ。」

 

杏子はしばらく考えるが何か思いついたようにこちらをみてハンドサインをしてくる

 

「ん!」

「…それはなんでしょうか?」

「飯だよ!め・し!奢ってくれたら考えてやる」

 

 

 

 

 

 

 

「お前いい奴だな♪」ガツガツ

「…単純」

 

すO家の牛丼のメガを奢ってやったら杏子は喜んで話に応じた。どうやらこの子は食べ物に弱いらしい。参考にしておこう。

 

「ごちそーさん!…さてと…飯も食わしてもらった事だし、ちゃんとそれなりの対価は払わないとな」

「頼んだ。」

 

店を出てある教会に連れてこられた俺は杏子に話を聞く。

 

「とりあえず俺の名前は大成って言う。よろしくな。早速だがさっきのアレはなんだ?」

「さっきいた変なのは魔女って言うんだ。」

「魔女…?あれのどこが魔女なんだよ…」

「そういう所は私もわかんねぇよ!でも魔女ってみんな呼んでる。」

 

どうやら杏子は魔法少女らしい。確かに戦ってる時と今こうして目の前にいる杏子は服装が違う。どうやら変身できるみたいだ。大成は普通に納得して話を聞く。

 

「…なんだ。あんま驚かないんだな。普通はなんだそれって言うけどよ」

「気にすんな。俺のいた地元も変わった連中ばっかだったからな。そんな驚かん」

 

…ぶっちゃけドラゴンボールの世界の方が化け物揃いである。

 

「んで?お前達はその魔女を倒したら落とす『グリーフシード』を使って変身に必要な『ソウルジェム』のエネルギーを常に補充しないといけないってわけか」

「まぁそういうことだな、何もしなくてもソウルジェムの穢れが溜まっていくから定期的に浄化しないといけないのさ」

 

中々大変そうだ。そのソウルジェムってのの穢れがMAXになったら一体どうなってしまうのか大成はきになる。

 

「ふむ…そして俺にそれを手伝うのが今回の干渉ってわけか…」

「…まぁキュウベェが見えてもお前のその力じゃ魔女どころか手下の使い魔も倒せないだろ」

 

まあ確かにこのただの人間状態では大成は役に立たない。とりあえずこの場は杏子の言葉を鵜呑みにすることにした。

 

「そうだな…あ、杏子ってどこに住んでるの?俺さ、家ないからさ、良ければたまに厄介になってもいいか…?できることならなんでもするわ!」

「…あたしも家はないぞ?一応この教会を寝床にしてるけどよ」

 

なんと!と大成は驚く。魔法少女なら魔法か何かで家でも何でも作れるのではないか!と突っ込みたいが抑える

 

「マジか!…んじゃあここで寝るだけでもさせてもらってもいいか…?」

「あぁ、構わねえよ。好きにしな。あたしも1人じゃ退屈だからよ。魔女が出るまでの間街の案内でもしてやるよ。」

「それは助かる!」

「じゃあとりあえず今日はもう遅い。寝るぞ。キュウベェ、また明日夜頼んだ。」

 

キュウベェは分かったよと話した瞬間に教会の外へと消えた。一体どこで暮らしているのかきになる。

 

「あぁ、おやすみ杏子」

「あぁおやすみ大成。」

 

こうして大成の新たな干渉が幕をあげたのである




まどマギ編第1話終了です!
タイセイはドラゴンボールの世界ではないので普通に漢字で大成と表記します!

リゼロ、アカメが斬るなどのリクエスト頂いておりましたが、執筆中であったまどマギを優先させていただきます!すいません!

いつも感想をくれる皆様のおかげでここまで書いてこれています!
これからも是非その温かい目で見守って頂けると有難いです!


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初の魔女対決

最近更新遅れてます(T ^ T)すいません!


 

 

「あーーーたいせー?飯まだぁー?」

「ちょっと黙ってろ!!気が散る!あぁ…また焦げた…」

 

大成は杏子に朝食を作るために外で取ってきたりんごや魚や鳥を気でいい感じに焼こうとしている。もちろん修行がてらのためただ杏子の尻にひかれている訳ではない。

 

「…案外気のコントロールも上手くいかないもんだな…まぁでも生身の人間よりは遥かに上だろうがな…」

 

実際この世界に来てまだたったの二日しか経過してないが、それでも大成は舞空術、気弾の発射は可能となっていた。

 

だが魔法少女という超人的ステータスにはまだとてもではないが叶わないと判断した大成はとりあえず様子見としてただの人間として生活しようと思っていた。

下手に力を出して敵対心を持たれてしまって戦いになっては確実に不利だ。

 

「よし!できたぞ!取ってきた分はたくさんあるからな、食い尽くしてくれ。」

「よっしゃ!!いただきー!」

 

 

----------------------

 

「さて…とりあえず夜まで街を散策するか…」

 

朝食を済まし、杏子と一旦離れた大成はまだ知らぬ街の散策に来ていた。杏子はどうやら毎日の習慣とやらのためにどこかにいったようだ。

 

「風見野…これがこの街の名前か…ふぅん…」

 

世界像はいたって現実の日本とそう変わらない。普通だ。ちょっとバスとか電車が豪華になっているぐらい。

 

「バス…乗ってみるか…見滝原ってとこに行ってみるか」

 

興味深々にバスに乗り込み大成は隣町の見滝原へと移動した。どうやら自分の世界のバスとは全然違うため興味が湧いたのであろう。

 

なんやかんやのうちに隣町へ辿り着き見滝原も探索する。

 

「さて…調べるってもぶっちゃけなーんもあてがないんだよな…夜にならないとメインの魔女とやらも現れないしよ。」

 

確かに朝昼はこの世界において自分が存在する意味のない時間帯だ。あくまでこの世界に干渉するのであってこの世界のメインディッシュは魔女だ。

夜にしか現れない魔女を待つため大成はゲーセンや店を回って時間を潰すことにした。

 

 

「よし、この街の魔女を探索してみるか…」

 

夜になり大成はあたりの魔女を捜索し始めた。

杏子がソウルジェムを使って魔女の瘴気を辿っていたのを参考に大成もまた前回遭遇した魔女の気を辿っていた。

 

「んー…それっぽいのは感じるんだけどな…そもそもどうやって前の変なフィールドに行くってんだ…」

 

前回は大成が獲物と認識され勝手に魔女の結界に引き込まれたが今回は違う。

大成が魔女を狩るものとして動いているため自分で魔女の結界へと行かなければならない。

 

「…これっぽいな…なんだこのカブトムシみたいなやつ…」

 

大成命名カブトムシ---グリーフシードが壁に突き刺さっていた。

このグリーフシードから禍々しい気を感じた大成は直感で魔女の気と感じ取っていた。

 

「よし、念じてみるか…この気を吸い取るイメージで………うぉっ!」

 

激しい光に包まれ大成はグリーフシードから発生した渦に引き込まれた。

 

 

中に入ってみると前回の魔女の結界とは違い景色は周りがお人形さんだらけの空間。

前回は高速道路だったためあまりの違いに少し戸惑いを感じる。

 

「うっわー…人形に見つめられてる気がして気持ち悪い…さっさと魔女とやらを狩るか…」

 

道中に現れる使い魔、簡単に言えば魔女になる前の種のようなものを始末しつつ奥へと進む大成。

そしていかにもその先に魔女がいそうな扉を見つけ中に入る

 

中に入ると周りは何もない殺風景な空間。

 

だが、そこには一つの人形が存在していた。

 

「…見た目えぐいな…三つ目に手足何本あるんだよ…」

 

触れようとした瞬間人形が急に動き出し大成めがけて急突進。

 

「うわ!キモいキモいキモい!!蜘蛛みたいに動いてる!」

 

慌てて飛び上がる大成、だが人形の魔女は同様に飛び、宙に浮く。

 

「飛べるのかよ…まあお前の作った結界なんだからなんでもできるわな…」

 

大成は特に焦る様子もなく、近づいてきた魔女の足を掴み、そのまま遠くに投げ飛ばす。

そしてそのまま追撃にと力をため気弾を放つ。

 

「今持てる最大のパワーだ!!受け取れやぁ!!」

 

そのまま魔女に直撃して魔女は爆散。意外にも簡単に大成の勝利が確定した。

 

「あ、もう終わりか……景色戻った…帰ろっと」

 

「ちょっと待って!」

 

 

グリーフシードを回収してポケットに入れた大成はその場を立ち去ろうとするがそこを誰かに呼び止められる。

 

「え?誰…?」

「それはこっちのセリフよ!貴方、魔女に洗脳されてるんじゃないの?ここに反応があったのに消えて…貴方がここにいて…」

 

話しかけてきたのは金髪のドリルのようにぐるぐる巻いてるツインテール風の髪型の女の子。なんともまあすごいボディをしている。

 

「魔女?あぁ俺がたお…」

 

倒した。と言いたかったが変に怪しまれてはいけない。おそらくこの子も魔法少女なのだろう。大成は言葉を飲んで言い直す

 

「あ!えっとなんか知らないけど違う女の子に助けてもらったんだ〜!!」

「…他の魔法少女…?私の区域に何の用で…縄張り奪いにきたのかしら…」

 

あ、やば。地雷踏んだ。って顔をして大成はその場で凍る。

そしてコソコソ撤退しようとしたところを少女に止められる。

 

「ちょっと待ちなさい!貴方には少し話を聞かないとね」

「え…その…えー…」

 

まいってしまった。大成は時間的に教会へ戻らないと杏子も帰ってきているかもしれない。今日は晩飯も作ることになっているためここで時間をかけるわけにはいかない。

 

「あ…あ!そうだ!もう時間が時間なのでまた今度にしましょうよ!えっと…友達!友達になりましょう!僕達年も近そうですし!LINEでも交換しましょう!」

「友…達…?」

 

少女は急に泣きそうな顔になって大成へと提案に食いついてくる。

 

「私と友達に…なってくれるの…?」

「え…あ、はい…?」

 

急に喜びだして手を取ってくる。

 

「嬉しい…!私は巴マミって言うの!貴方の名前は??」

「あ…逢坂大成…です…好きに呼んでください…」

「大成君ね!わかったわ!よろしくね!はい、これ私のLINE!」

 

案外すんなりと通ったがなんともまぁ…友達がいないのかすごく喜ばれてしまった。

 

「じゃあね!近いうちにまた会いましょ!」

「あ、はーい…さよなら〜」

 

「厄介な事になってしまった…」

 

大成はその後教会へ帰るが遅いと杏子にゲンコツを食らってしまったのは言うまでもない。

 

 

 

 




二話終わり!
書いてて楽しいです(⌒▽⌒)
でも更新ペース遅れるので、優しい目で見守ってください…


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学校

「今日は4月20日…」

「んぁ?いきなりどーしたよ」

 

カレンダーを見ながら日付をブツブツ呟く大成をジト目で見る杏子。

 

「あ、いや、ちょっと気になることがあってな…」

「なにを?」

 

自分は13歳という設定。実質的にはリアルでは高校生、そしてドラゴンボールの世界では19は超えている設定ではあるが、だとしたら大成が気になる「コレ」は無いのか?

 

「はぁ〜?学校?」

 

バカバカしいといった目でこちらを見てくる杏子。

 

「ってか杏子は学校行ってないのかよ。4月過ぎてんだからいかないといけないだろ」

「ハッあたしはそんなもん行くわけねーだろ。行かなきゃ死ぬわけではあるまいしよ」

 

杏子の性格なら当然か…と後ろ目に考えながら大成は出かける準備をする。

 

「おい、どこいくんだよ。」

「俺は明日から学校に行く。そのために編入手続きと制服を買いに行く。」

「お、おい!」

 

そそくさと出て行く大成を止められずに1人教会に取り残される杏子

 

「寂しくなるじゃねーかよ…」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「さて…揃ったな。服、カバンがあればなんとかなるだろ…」

「…」

 

なにも言わずにただ睨んでくる杏子。色々と言いたそうだがなにも言わないあたりがまた杏子らしい。

 

「…そんな寂しがるなよ…」

「さ、寂しくなんかねぇし!大成が途中で事故っちまうんじゃねぇかな〜って心配してやってんだよ!」

 

なんだかんだ心配してくれているのが杏子の本当の優しさなのだろう。俺には分かる。だからそんな言葉でも嬉しい。

 

「大丈夫だ。俺は事故なんてしないし、必ずここに帰ってくるから。杏子こそ出かけ先で事故なんて起こすなよ?じゃあ、行ってきます。」

「あ…」

 

ポンっと杏子の頭に手を置きその場を去る大成。

杏子は「反則だっつうの」と呟きその背が見えなくなるまで見守っているのであった。

 

 

 

「らっくちんらっくちん!!杏子には悪いが俺に事故死なんてないんですよーっと!」

 

大成は舞空術で学校まで一直線に飛んでいた。力が3割ほど戻ったためかこれぐらいのことは安易にできるようにはなっていた。

 

「…でも魔女はまだ簡単には倒せないな…魔女にも強い奴はいるだろうからな…暫くは魔法少女達に頑張ってもらおう。」

 

とりあえずは大成はこの時代に干渉したことによって起きる歴史の改変を直さないといけない。がしかし、ドラゴンボールとは違いこの世界は全く知らない世界。改変がそもそも何か分からないために探すのは困難である。

 

「…っともう着いた…朝のホームルームが始まるまでまだ20分あるがな…とりあえず見つからないように降りてっと…」

 

大成は少し離れた茂みに着陸し、担任の先生がいる職員室へと向かう。大体のパターンは担任に教室まで連れて行かれるのが主流であろう。

 

「あ!逢坂君ね!早いわね!そうやって時間にキビキビするところはいいことよ〜!」

 

確か早乙女って名前の先生だったかな…すごいマシンガントークを前にされたから印象は大きい。恋愛関係の話はタブーのようだ。何かあったのだろう

 

「じゃあ付いてきて!私のクラスに案内するわ!いい子達ばかりだから緊張しずに仲良くしてあげてね」

 

そういわれると余計に緊張する。自分は転校した経験はないからこうやってある程度仲が深まったクラスに突然入るのは抵抗がある。

 

「まぁ…本題は魔女狩りだし…適当に過ごして適当に戯れあっとくか…」

 

そのまま早乙女先生に誘導されクラスへと入る大成。少し緊張したそぶりを見せたがすぐにそれも無くなり数々のクラスの声を浴びながらも自己紹介をする

 

「逢坂大成です。親の都合で見滝原に来ました。えっと…みんなとはすぐ仲良くなれるように頑張るので、えっと、よろしくお願いします」

 

なんとか自己紹介は済み、早乙女先生に席を選ばれ座るところまでは落ち着いた。しかし気になったことが一つ…

 

「すっげぇガンつけられてたよな…女の子に…」

 

教室に入ってからずっと最前列にいた黒髪の綺麗な女の子に大成は終始睨まれ続けていた。大成自身こうみえて結構内気な性格のためとても精神にきていた。現にいまも見られている気がしてならない。

 

「転校初日から目つけられたのかな…はぁ…」

 

それから少し時間が経ち、授業が始まる。

 

「(やべ…筆記用具買ってねえ!!馬鹿野郎!シャーペンなしに何しに来たんだ俺は!!)」

 

仕方なしに隣に座っている女の子に小さい声で助けを求める。

 

「あの…筆記用具忘れちゃって…良かったらシャーペン借りてもいいですか…?」

「あ!うん!いいよ!はい!」

 

ピンク髪のツインテールの小柄な女の子は優しく接してくれてシャーペンを貸してくれた。

 

「ありがとう…初日から迷惑かけて恥ずかしい…」

「そんなことないよ!いつでも力になるからね。私は鹿目まどかって言うの。まどかってよんで!」

 

まどか…か…と大成は心で暗記し、「神」と心で名づけたのであった…

 

それからまどかの親友でもある美樹さやかって言う子とも仲良くなりとりあえず初日は終了した。

 

そのまま帰宅し、魔女を倒してきた杏子と晩飯を食べて1日が終わった。大成は明日からまた始まる学校生活に懐かしみを覚えながら、少し楽しみにしながら眠りについたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「あの男は誰…今までの時間軸にはいなかった…今度こそ…まどかを救える…ワルプルギスの夜をこの手で…!」




更新がかなり遅くなってます。
読んでくださる方はいないかもしれませんが、気ままに更新していきます!


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崩壊する平穏な日々

「あ、大成く〜ん!!」

 

学校へと向かう大成を呼び止めるのは昨日魔女退治の際に偶然会ってしまった魔法少女の1人、巴マミ。

大成は彼女からすごいと言っても良いほど猛烈に迫られている。

 

「あ…あの、マミさん…ちょっと近すぎませんか…」

「?そうかしら?友達ってこういうものじゃないの?」

 

いや、一応男と女だよ⁉︎と突っ込みたかった大成だがそれを抑え、彼の腕に当たる柔らかい感触に耐えながらも必死に次の言葉を探す。

 

「マ…マミさんは3年生ですよね⁉︎えと、僕2年生なのでここで別れます!また、あとで!!」

「あ、ちょっと!」

 

下手くそながらもマミを振りほどきそそくさに大成は2年生のクラスへと姿を消していった。

 

「フフ…友達って楽しいわね」

 

 

 

 

「あ…危ない危ない…あの人は友達がいないのか…そもそも友達のレベルじゃないスキンシップだろ…普通の男なら死んでるぞ…」

 

ブツブツ独り言を喋りながらクラスへと入る大成。どうやら寝不足も重なり顔色が少し良くないみたいだ。

 

「あ!大成君!おはよ〜」

「お!おはよ〜さん。大成!」

 

昨日知り合ったばかりのクラスメイトの女子2人、鹿目まどかと美樹さやかに挨拶をされ、大成は少し驚きながらも挨拶を返す。

 

「あ、おはよう2人とも。」

「顔色が悪いよ?大丈夫?良かったら保健室に連れて行くよ…?」

 

真っ先に体調を心配してくれるまどか。とても人思いの優しい子の様だ。将来はとても良い子に育つだろう。

それにくらべて…

 

「まどか〜大成は男だからこれぐらいで根をあげてちゃあダメなんだよ〜?それよりも私の心配をしてくれよぉ〜ほら!みて!頰っぺたにニキビが一個できちゃったんだよー!」

 

美樹さやかは全く人を心配しようとしないのか、男をなんだと思っているのか。特に俺はすぐ体を壊す貧弱な奴なんだよ。と心で大成は呟いて、表向きには笑い流す。

 

「ありがとう鹿目さん。でも、美樹さんの言う通り。俺は男だからこれぐらいじゃグダグダ言わねえよ。」

「さすが!見直したぞ!」

 

会うのは今日で二日目であって見直すとは何をだと疑問に思ったがこれがさやかなりの場の和ませ方なのだろう。嫌いではない。

 

「そっか…あ!大成君って多分授業は途中からだと思うんだけど、良かったら私のノート貸してあげるよ!写しちゃって!」

「お、助かるよ。サンキューね、鹿目さん」

 

ポンっと頭に手を置いてまどかに笑みを浮かべる大成。無意識のうちに手を頭においてしまうのは彼の癖の様だが、さすがに見境い無しにやってしまうのはいつか逆手にとられるかもしれない。

だがまどかは少し頬を赤らめている様で転校初発からたらしに思われることは避けれた様だ。

 

「ちょっとうちのまどかに何するのよ!大成!成敗してやるんだから!!」

「ちょ!俺なんもしてないじゃな…グハッ⁉︎」

「ティヒヒ…2人とも危ないよ〜」

 

そんなこんなで大成は愉快な仲間が増え学校生活はなんなく進んでいくのであった。

 

 

 

 

 

 

「でね、昨日私、すっごいおいしいケーキ屋さんを見つけてね…」

「は…はぁ…」

 

放課後、また大成はマミに捕まり話を淡々ときかされていた。帰り道がほぼ一緒なため、彼がマミに捕まるのはほぼ確実なのである。

 

「(できれば早く帰りたいんだがな…)」

「聞いてる?大成くん」

「あ、はい!今度俺も連れてってください」

 

彼女の話を聞き逃すとふてくされてしまうためしっかり聞きながら大成は今後の行動について考えていた。

大成なりに考えた結果は、まずこの世界の改変の原因を探すこと。それまでは杏子と一緒もしくは単独で魔女を始末していく。それが今大成にできる行動であった。

 

「(!この気配は…)」

「ごめん大成君。先に帰ってて、用事を思い出したから私戻るわね。絶対にきちゃだめよ?」

 

マミはそう言ってきた道を引き返して行ってしまった。当然ながら大成はすべてを見通している。

 

「魔女退治だな…どれ、彼女の力を拝見するとしようか…」

 

念のため気を消して大成はマミを尾行し始めた。

数分後には結界へと辿り着き、なんとか圏内にいた大成はマミと一緒に結界へと入り込んだ。

 

「よし…マミさんは…おぉ、動きがキレッキレだ。銃を作り出せるのか、一発一発に強力な力が感じられる…力なら杏子より上だな」

 

分析しながら大成はマミにバレないよう追いかける。

あっという間に魔女の元へと辿り着いたマミは最大級の技で魔女を倒そうとする。

 

「!!すごい力だ…!パワーだけなら今の俺でもダメージは免れんぞ…」

「ティロ・フィナーレ!」

 

技名を叫びながら彼女から作り出された砲台から強烈な魔力が放たれる。

しかし魔女はそれをすり抜けて反動で動けないマミへと一直線に突っ込んでくる。

 

「避けられ…」

 

攻撃を食らう!と察し目を瞑るマミだが訪れるはずの痛みは訪れない。恐る恐る目を開くと目の前にいた魔女が遠くに吹き飛ばされている。

 

「な…何が起きたの…」

 

周りを見渡しても誰もいない。その背後からさらに追い討ちで光の光線がやってきて魔女を巻き込み大きな爆風を呼ぶ。

 

たちまち魔女結界は消えてしまいマミは唖然としながらその場に立ち尽くしてしまった。

 

 

「俺もサイヤ人をやってた身とはいえ…甘いもんだ…」

 

本来の歴史を変えているのが彼自身になっているとは分かってはいるものの知り合いが目の前で傷つくのは見ていられない。

ましてやこの世界の改変された出来事が分からないために一応目の前で起きる出来事は可能な限りなんとかしたい。

 

「ーーそれが改変するべき出来事だったら手遅れだからな…」

「貴方、さっき魔女の結界にいなかったかしら?」

「!」

 

急に声をかけられて振り返るとそこにはクラスにいた黒いロングヘアーの女の子が立っていた。

全く気配に気がつかなかったために少し警戒する大成

 

「…何のことだ?俺はなにもしていないし、そもそも魔女の結界ってなんだよ?お前アニメの見過ぎじゃないのか?」

「…」

 

なんとかこの場はやりすごしたい。

はい、俺は魔女をバンバン葬ってますなんて口にしてしまえばこの女に消されるかもしれない。余計なことは口走らないと決めた大成は自分は被害者だという話に持って行こうとする。

 

「…貴方は魔女の口づけでたまたま結界に引き込まれた。それを巴マミが救出した。と考えればいいのかしら」

「だからなんだよその魔女とか口づけとか!さてはお前、魔法少女もののアニメが好きなんだろ⁉︎そうなんだな!」

 

一部始終しか見ていなかったのは失敗かしら…と呟きそのまま黒髪の女はその場から「消えた」言葉の通り。

 

「…今何しやがった…俺でも見えなかったぞ…ともかくあいつは警戒しておかないとな…この世界の鍵になりそうな奴だ。」

 

大成はその後この世界の事、先程出会ったクラスメイトの事を考えながら帰った。

 

 

 

翌日

 

「さてと…今日も終わった事だし…杏子は今日は帰ってこないって言うし…単独で魔女でも解体するとしようかな…」

 

本日は佐倉杏子という縛りもなく大成は1日フリーである。昨日のクラスメイトーー暁美ほむらを尾行するのも手ではあったがまだ未知数なためその考えは捨てた。

 

「あ、大成君!」

「マミさん。…しまったこの人もいたか…」

 

校門でばったり会ってしまい嫌な予感がしていた。なんとそこにはまどかとさやかまでいる。

 

「鹿目さんとさやかまで…マミさんのはどういった繋がりなんだ?」

「えへへ…そりゃぁまあ色々とあるわけで…」

 

まぁ、この世界は魔法少女がありふれているんだ。この2人も魔法少女なのかもしれない。と考えに置いた大成はとりあえず何も知らないフリをする。

 

「今からCDショップに行くんだけど、大成君も来ない?オススメの曲とか教えて欲しいの!」

「まどかは演歌が好きだからなぁ〜年頃の男の子、大好きな彼の歌を知りたい気持ち…あっしにも分からなくはないがの〜」

「ちょっとさやかちゃん!大好きな彼って!そ…そんなんじゃ…!//」

「もう、2人とも戯れないの。ごめんね?大成君。私達ちょっと前から知り合いになってたの。大成君も来ない?」

 

一応まだ夕方だ。大成は夜に行動しようとしていたため暇といえば嘘になる。特に巴マミは魔法少女であるからこそ接触はしておいたほうがいいと踏んだ大成は一緒に行く事を承諾した。

 

 

「…曲は俺の世界とほぼ変わらないんだな…」

 

驚く事に大成の世界と文化は変わらないようだ。杏子の所にはテレビは愚かロクな家具もないため、文化には触れていなかったが、もしかしたらリアルにこういう面は被っているのかもしれない。

 

「ねぇ!大成君のオススメ教えてよ!」

「あぁ…俺はこういう歌が好きかな」

「お!私と一緒じゃん!気があうねぇ〜!」

 

そんなこんなでその場をやりすごし時間は午後7時。4人は帰り道を歩いていた。

 

「結構遅くなっちゃったわね…私は用事があるからここで別れるわね。また明日。」

「「マミさんさよなら〜!」」

 

「じゃあ、あたしたちも行こっか。大成も気をつけてかえるんだぞ〜」

「じゃあね、大成君。」

 

3人と別れ俺は皆が見えなくなるまでその場に立っていた。

 

「出てこいよ。いるんだろ?」

「よく分かったわね。」

 

暁美ほむら。どうやら身を隠して大成達を見ていたようだ。

 

「暁美さん。趣味が悪いな〜ストーカーなんてして」

「人聞きが悪いわね。私はあなたを監視していたのよ。」

 

どうも大成の事を敵視しているようだ。

 

「…でも今は貴方よりまどか達を追わせてもらうわ。魔女がまどかを襲う。」

「魔女…前言ってたやつか。そんな事が分かるんだね。」

「貴方には関係ない話よ。さよなら」

 

また暁美ほむらは目の前から「消えた」

大成は二回目にして彼女の力を見抜き始めていた。

 

「まぁ…これは時間を止めてるかなんかしてるんだろうな。気になるし追ってみるか。気でわかるから場所は分かるが魔女の結界に取り込まれるには近くにいないといけないしな。」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「さ…さやかちゃん…どうしよ…」

「マミさんは帰っちゃったし…私達じゃ何もできないよ…」

 

現在少し時は進み、まどかとさやかは魔女結界に取り込まれている。

まさに今彼女達は使い魔に襲われそうな所である。

 

「さぁ、まどか、さやか、今こそ魔法少女になって戦うんだ。」

「きゅ…キュウべぇ…」

「その必要は無いわ。」

 

大成は影から見守り2人を助けようとしたが、そこに暁美ほむらが現れ2人を救出。そのまま使い魔を屠り、魔女を彼女の身につけている「盾」から取り出したロケットランチャーで始末してしまう。

 

「まどか、取り入ろうとするものが現れても。決して口を聞いてはダメ。キュウべぇと逢坂大成は危険よ」

「キュウべぇと大成君が…危険…?」

 

何とほむらはまどか達に余計な話を吹き込もうとしているようだ。

 

「それは聞き捨てならんぞ。少なくともそこの白猫と俺は関係していない」

「大成君!」

「現れたわね」

 

ファサッと長い髪の毛をなびかせながら暁美ほむらは話を進める。

 

「貴方はさっき私が時間稼ぎしてこの魔女結界に取り込まれない範囲にいたはずよ。なのになぜここにいるの?そして使い魔に襲われずに1人でここまで来れたのはなぜ?キュウべぇも見えているみたいね、怪しいにもほどがあるわ」

 

確かにまどか達から見たら俺は不思議な存在である。そこまで言われてしまうと俺が悪い人間に見られてもおかしくはない。

 

「た…大成君…」

 

まどかの顔は使い魔に襲われた恐怖と暁美ほむらに言われた言葉により俺にもその恐怖の眼差しを向けられてしまう。

 

「とにかく、まどかはもうキュウべぇと逢坂大成には近づかないこと。危険すぎるわ」

 

と捨て台詞を吐いて暁美ほむらはその場を去ってしまった。

 

「ごめんね…大成君のこと疑いたく無いんだけど…ほむらちゃんに言われたことが確かに…うなずけちゃうの…」

「…」

 

「答えられないんだよね…?大成君はどんな人なのか…言えない何かがあるんだよね…?」

「…」

 

答えられない。それは歴史に大きく影響してしまう上に俺自身がただではすまないかもしれない

 

「…ごめんね」

「…あたしも大成が何者か分からない。悪いけどまどかに何かしないで」

 

そのまま2人も去ってしまった。

 

「…明日から学校気まずいな…」

 

ただ大成はその場に立ち尽くしていたのだった。




長くなってしまいましたがこれで今回は区切らせてもらいます。
書いていると話しがどんどんおかしくなっちゃってる気がしますが、せめて流す程度には読んでいただけると嬉しいです!

コメントくれた方ありがとうございます!その一言が自分の小説を書く力になります!!


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暁美ほむら

「ですからして、目玉焼きにしょうゆかソースかを気にするような男には決して近づかないこと!いいですね!では、ホームルームを終わります!みなさん気をつけて帰ること!」

 

早乙女先生のいつもの話を聞きながら大成はふけっていた。

 

あの一件以来、まどか達とは距離を置いている。どうやらマミさんもその話を聞いたのか俺たちの間に中々入ってこられないのか気まずい雰囲気で常に接してくる。

 

「まぁ…こうなったところでどうでもいいんだけどな…」

 

その通りである。本来の大成の目的はこの時代の改変を直すこと。そして自分に力を与えていくこと。

この世界の人間の関係に亀裂が生じた所で何も問題はない。…が。

 

「…一応俺も若いからそういうことには精神的にくるっていうかな…」

 

結局大成は心にモヤモヤが残ったまま学校を後にした。

 

 

 

 

 

 

「おかえり〜たいせ〜」

「あぁ。」

 

教会に帰ってきた大成は教会の机からヒョコッと顔を出して迎えてくれた杏子に返事をしてそのまま長椅子に寝転がる。

 

「おいおい、どーしたんだよ?悩みでもあるならあたしが聞いてやってもいーんだぞ?」

「悩みなんてねーよ。眠いから寝る。起こさないでくれ。」

「ちぇっ」

 

寝てしまった。否、正確には狸寝入りしている大成にぶーっとしけっつらした杏子はどこかに行ってしまう。

 

「こうしたほうが俺は気が楽なんだよ…なんかめんどいことがあったら寝れば大丈夫…」

 

大成は眠りについてしまった

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「んぁ……21時…?5時間近く寝てたのかよ」

 

あれから仮眠のつもりがかなり寝てしまっていた大成はウトウトしながらもその眠気を吹き飛ばすためにコーヒーを一杯飲みながら外へ出る。向かう先はない。とにかく外に出たかったのである。

 

「ストーカーってわけではないんだけど、近くに魔法少女がいるか探ってみるか……って近いな…この気は…」

 

どうやら教会からさほど遠くない位置に大成の知っている気があるようだ。その場所へと向かう大成。

 

 

「…ほむらかよ…」

 

見た目真っ白であるが大きな家の中には暁美ほむらが1人でぼーっとしていた。

 

「…独り言か…?」

 

「…この時間軸は一体…私の知らない存在がいるなんて…もう数十回はやり直したけれど…初めてだわ…」

 

なんとか声の聞こえる位置に移動した大成はかなり聞き逃せない内容に食いついてひっそりと外の窓際から話を聞く。

 

「まどか…今度こそ…貴女を救ってみせる…なんど時を繰り返しても…」

 

パキッ

 

「⁉︎」

「しまっ…⁉︎」

 

話の内容に少し驚いた大成はその拍子に近くの木の枝を踏んでしまった。ほむらの部屋の窓は開いているためにおそらくほむらにも聞こえてしまっただろう。

 

「さっさととんずらしないと……!なんだ!」

 

突然大成の周りの空間が「止まった」自分以外の物が止まってしまったのだ。どういうことかわからない大成は唖然としている。

 

「なんで…貴方、本当に何者なの…私の魔法の影響を受けていない…!」

「ま…魔法…⁉︎ほむら…お前に聞きたいことがある…」

「えぇ、私もそう思っていたわ。」

 

「魔法」を解除したほむらは大成を自室に招き2人は互いに向き合う形にして机に座る。

 

「…まず貴方は何者なの。私の「時間停止」の魔法に影響されない理由はなに」

「理由は分からんが俺もお前と同じく時に干渉できる力を持っている。」

 

驚いた顔をしたほむらはどこか期待に満ちあふれた顔を一瞬浮かべ、すぐ冷静な顔つきに戻り話を進める

 

「では貴方は私と同じ時を遡っているというの?」

「そいつはちょっと違うな。俺の場合は様々な時代に飛ぶことができる。お前達の世界の前には全く違う人種の住む世界にいた」

 

まぁ、飛ばすのは俺じゃないがなっと心に思い大成は話を進める

 

「俺のこの世界に来た目的はこの世界の歴史を改変する事。ほむらの顔を見る限り、お前も何かしらの目的があって時を繰り返しているんだろう?」

「…そうよ…」

「良ければ教えてくれないか?俺も手伝う。そもそも目的はそのためだ。」

 

ほむらは少し黙りこくってしまうが、少し考えた後決心したかのように今までの時を繰り返した事の全てを話してくれた。

 

「…なるほど。お前はまどかのためにその最強の魔女『ワルプルギスの夜』を倒し、そしてまどかを魔法少女にさせないよう時を繰り返しているんだな?」

「えぇ…でも何度やっても結果は変わらない。ワルプルギスの夜は倒せない。巴マミも美樹さやかも佐倉杏子も死に、まどかは魔法少女になってしまいそのまま魔女になってしまって…」

「…」

 

ほむらの顔はずっと悲しみに明け暮れたようなものを思わせる顔つきをしている。

 

「…決めた」

「え?」

「お前、俺と今日からずっと一緒にいろ」

「あ…貴方何を⁉︎」

 

突然言い出す大成に戸惑うほむら

 

「そもそも貴方は何ができるっていうの⁉︎貴方ではワルプルギスの夜は愚か、普通の魔女だって…」

「今は無理でも俺は時間が経てば必ずワルプルギスの夜を倒せる自信がある。お前だって俺という人間がこの場にいる。それだけでもかなり期待の持てる時間軸に来たと思わないか?」

 

確かに…といった顔を見せるほむらはもういいか…と言った顔で話しに乗る

 

「分かったわ。貴方を信頼してみるわ。とりあえず今やるべき事は、近いうちに巴マミがお菓子の魔女によって殺されるわ、それを全力で阻止する。彼女はワルプルギスの夜を倒す為に必ず必要な戦力。」

「日にちは分かっていないのか?」

「えぇ…でもお菓子の魔女が現れる場所は分かっているわ。病院よ。」

「分かった。その時になったらすぐ呼んでくれ。」

 

とりあえずその場で共闘が約束され、今日は互いに別れた。

帰り道大成は考え事をしながら戻っていた。

 

「…実際今の俺のフルパワーでどこまで強い魔女に通用するか分からないからな…とりあえずはマミさんが死なないように付きっきりに見ているのが一番か…」

 

大成はマミの家へと向かった

 

 

 

 

 

 

が、鍵は開いているものの中には巴マミはいなかった。




遅くなりましたが更新です。
ようやく次には戦いになると思います!


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巴マミ

 

「ーーしまった!まさか、もう…⁉︎」

 

巴マミの部屋には鍵がかかっておらず、慌てて家を飛び出したように散らかっていた。

大成はマミがもうお菓子の魔女と戦っていると推測してすぐ周囲の魔女の気配を辿る。

 

「くそ…!間に合ってくれよ…!」

 

病院ではないがすぐ近くの廃墟ビルに魔女の結界が貼られていた。大成は中に入り、奥へと進む。

 

結界は淀んだ気が立ち込んでおり、思うようにマミの気を探知できないため生死の安否がとれない。

焦り焦り大成は全速で中を駆ける、使い魔など無視で。

 

「見えた…!奥だな!」

 

驚きの光景に大成は立ち止まる。

目の前の魔女はたった今、黄色い魔法少女、巴マミの手によってあっさりと倒されてしまったのだ。

 

「…なんだぁ…よかった…」

「え!大成君⁉︎どうしたのよこんな所に!」

 

結界が解かれ、大成がいる事に気づいたマミは慌てて駆け寄ってくる。

 

「あぁ…マミさんが死んでなくてよかった…」

「ちょっとちょっと!本当にどうしたのよ!…とりあえず私の家に来て?そこで話を聞くわ。」

 

道中、マミにほむらの事は触れずにざっくりと話をする。

 

「…えっと、大成君は、私が魔女に殺されちゃう気がして、心配でここに来てくれたってことで良いのかしら?」

「まぁそんなところです。」

 

「あのね、冗談でもあんまりそんな事考えちゃダメなのよ?私だって死ぬのは怖いんだから、そんな心配されちゃうと本当に死んじゃう気がしちゃうわ。」

「すんません…でもマミさんが無事ならそれでいいんですよ」

「!」

 

マミはどこか顔を赤らめながらも大成に気づかれないように平常を保って話を続ける。

 

「と、とにかく!大成君は私の家に来なさい。鹿目さん達のことも聞きたいし…」

 

どこか気まずそうに話すマミ。こういった経験が無かったのだろう、自分にはどうしていいのか分からない顔をしている。

 

「そうですね、俺からもいろいろ話したいことはあったので、行きましょう」

 

 

 

 

 

「…そんなことがあったの…」

「ええ…詳しい内容までは話せませんが…確かに俺がみんなに内緒にしていることはあります。」

 

マミの家に入り紅茶とケーキを出された大成はそれを頬張りながらマミにざっくりと事を話す。

否、ほむらと大成との会話はもちろん省いて。

 

「じゃあ、大成君は敵じゃない…って事でいいのね?」

「はい!マミさん、危険な魔女との戦闘は慎重にしてください。倒したと思って油断すると深傷を負うことにもなりませんから…」

 

経験者は語るってね…と小声で呟き大成はケーキと紅茶を一気に頬張る。

 

「…!…大成君。私、ちょっと買い忘れがあったみたいたがら、少しコンビニまで行ってくるわね。ここでまってて。」

「?分かりました。」

 

急にマミは立ち上がりそそくさに玄関へと足を運びドアを開ける。こちらを振り向き。

 

「…いってくるわね」

 

大成は

 

「行ってらっしゃい(ニコッ)」

「!!」

 

マミはその場を去った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

病院

 

「ここで間違いないのね…鹿目さん。」

「はい…さやかちゃんは先に中に…」

 

マミはとある病院に刺さっているグリーフシードの前に立っている。

まさにこのグリーフシードの中で魔女が生まれようとしているのである。

 

「(ごめんなさい大成君…私、ダメな子だ…嘘ついて…)」

「マミさん?」

 

マミは先の出来事を思い出していたがまどかに声をかけられ意を改める。

 

「ううん、なんでもないわ、行きましょう!」

 

 

 

 

「今日という今日は速攻で片付けるわよ!」

 

マミは結界に入り、魔法少女の姿になり結界内の使い魔を倒しどんどん中へ進む。

彼女の魔法は主に銃を作り出し、敵に打つことができる。その他にも自身の衣装のリボンを自由に操り、伸ばす事もできればガードに使う事も、敵を拘束することにも使える。

 

「すごい…マミさんカッコいい…」

 

まさに彼女はここらにいる魔法少女の中ではトップクラスの実力派であった。

 

「(魔女の卵の孵化が始まる!マミ、急いで!)」

「きゅうベェ!わかったわ!急ぎましょう!鹿目さん!」

 

きゅうベェからテレパシーで事を聞いたマミは急ぎ魔女の元へ向かう。

 

 

 

 

 

道中、暁美ほむらがマミの前に立ちふさがる。

 

「…あのバカ…あれだけ巴マミから目を離すなと…」

「…何を言ってるか分からないけど、どうしてあなたがここに?」

 

暁美ほむらは長い黒髪をなびかせながら話を続ける。

 

「今回の魔女は危険よ。私が代わりに倒すわ。貴女は帰りなさい」

「手柄を奪おうってことかしら?悪いけど、貴女は信用ができないし、私の事なら大丈夫だから。」

「なっ⁉︎」

 

ほむらも気づかない速さでマミはほむらをリボンで縛り上げてしまう。

ほむらは時間停止の魔法で対処しようとするがマミの作ったリボンは鍵のようなものが付いている。どうやらこのリボンは魔法を封じてしまうらしい。ほむらは魔法を発動できずただ歩いて去っていくマミとまどかを眺めることしかできない。

 

「待って…!貴女このままじゃ…!」

「魔女を倒したら解除してあげるわ。行きましょう、鹿目さん。」

「は…はい…」

 

マミとまどかはその場を去ってしまい、ほむらは1人残されてしまう。

 

「どうして…」

 

その場で少女はどうすることもできず、そして己の無力さに訪れる死を待つしかないのであった。

 

 

 

 

 

 

「…あれが…今回の魔女ね…」

「可愛い見た目してるけど…悪いけど…いっきに決めさせて…」

 

今回の魔女は可愛いぬいぐるみのような魔女だ。

きゅうベェ曰く、お菓子の魔女らしい。

そのお菓子の魔女に速攻で攻め寄ったマミはお菓子の魔女を創造した銃で殴り飛ばす。

 

「もらうわよ!!」

 

そのまま銃でお菓子の魔女を撃ち抜き、お菓子の魔女は撃たれた場所から作られたリボンにより締め上げられ、上空へ固定される。

 

「ティロ・フィナーレ!」

 

マミの最大級の技、膨大な魔力を消費し大きな大砲を作り出しお菓子の魔女へめがけて発射する。

お菓子の魔女の腹部を貫き事は済んだかにみえた。

 

「やったぁ!さっすがマミさん!」

「…」

 

だがマミはまだ油断はしていなかった。

少し前に聞いた彼の言葉が頭に焼き付いていたからである。

 

『倒したと思って油断すると深傷を負うことになるかもしれませんから…』

 

「(結界が消えるまでは油断できないわね)」

 

「マミさん!やりましたね!」

「えぇ!今日はこの後ケーキでも…」

 

その一瞬

 

マミがさやか達の方を振り向いた瞬間に

 

お菓子の魔女の口から大きな何かが顔を出した。

 

マミは異変に気付いてすぐお菓子の魔女の方へと視線を上げる

 

先ほどのお菓子の魔女が見えない

 

それより大きな何かが近づいてくる

 

その大きな何かはマミへと近づき大きな口を開けている

 

(あぁ…私…こんなところで死んじゃうんだ…)

 

(これで人生が終わりなのね…でも、後悔は無いわ…後輩に尊敬されて、友達にもなれて、たのしくみんなで遊んだりして…)

 

マミは死を悟った。大きな口はもう自分の目と鼻の先。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『行ってらっしゃい』

 

嫌…

 

『マミさん』

 

嫌…

 

 

「嫌ぁぁぁぁあ!!!」

 

 

死にたくない

 

その大きな感情が彼女を「生の道」へと進ませた。

 

のけぞって後ろに尻もちをついたマミは運良くお菓子の魔女の口を避けることに成功した。

 

「マミさん!!逃げて!!」

「ダメ…足が…」

 

正体を現したお菓子の魔女は再度マミを食べようと大きな体を動かしマミをロックオンする。

マミは先ほどの恐怖で足が動かずもう避けることは叶わない。

 

「(今度こそ死ぬ…!!)」

 

再び死を覚悟したマミは目を瞑り訪れる死を待った

 

 

 

…が痛みは訪れない。

 

ガッ…という音がした後何も痛みはない。

 

不思議と目を開けるマミ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行ってらっしゃいって言ったのに来ちゃったよ。」

 

そこにはマミを死の歯車から生の歯車へと進ませた張本人がお菓子の魔女の歯を手で受け止めていた。




戦闘シーン少なくてすいません!
次は戦闘メインになると思います!
読んでくださる方はいると信じてこの駄作を進めていきます!


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魔女vsサイヤの地球人

「た…大成…君…」

 

マミの目の前には自分を友と呼んでくれた、帰っていてくれるのを待っていてくれる大切な存在が立っていた。

 

「話は後です。」

 

大成はお菓子の魔女を振り投げ、その間にマミの元へと駆け寄ってくる。

 

「動けますか?…っても腰抜かしちゃってますね…ちょいと失礼。」

「キャッ!」

 

大成はすくんで動けないマミを軽々と担いでまどかとさやかの元へと運ぶ。お菓子の魔女は投げられた状態から復帰したがかなりの距離を投げられたためにこちらに来るには多少の時間がある。

 

「まどか、さやか、マミさんをお願い。後は俺に任せて。」

「大成君…」

 

心配した眼差しでこちらを見つめる三人を背に軽く微笑みを向けた大成はお菓子の魔女の元へと飛んでいく。

 

「!!」

「驚いているな…俺の秘めたる力が分かるのか…?」

 

お菓子の魔女はマミの時とは違い少し警戒した様子でこちらの出方を伺っている。どうやら本能で大成の力を察しているようだ。

 

「じゃ、こちらからいかせてもらうぞ!」

 

大成は素早く飛び寄り、お菓子の魔女の顔面に打撃を加える。

お菓子の魔女は素早く抵抗し大きくその身を振り距離を取る。

 

「ふん。じゃあこれならどうだ!」

 

大成は手に気を集めて放出する。

見事に直撃して辺りは大きな爆風と共に煙に包まれていく。

 

だがしかしお菓子の魔女はこれといってダメージを受けた様子はないようだ。

大きくて長い体を大成の周りを取り囲むようにし高速で回り始める。

 

「む⁉︎何をする気だ…!」

 

素早い高速移動にどこから攻撃が来るかわからない。大成は冷静を保ちながら攻撃を待つ。

 

「ここだ!」

 

振り返り際に気弾を放ち命中と思いきや、それはフェイクで他方向から巨大な体をモロにぶつけられてしまう。

 

「グッ⁉︎やっぱまだこの程度なのか俺は…」

 

フリーザやコルドと戦った時の戦闘力には戻っているはずもなく、勝てると踏んで余裕をかましてはいた、先ほどは不意を突いて突き放すことはできたが、いざお互いに真正面から戦うと、思っていた以上に苦戦を強いられる。

 

「うらぁぁぁぁぁあ!!」

 

魔女に多数の打撃と気弾を交互に使い分けて打ち続ける大成。確実に打撃は命中し、気弾も直撃してるはずなのだが、なぜか魔女はピンピンした様子ですぐに起き上がってしまう。

 

「不死身か…何かカラクリでもあるというのか…?」

 

辺りを見渡す大成は一つ気になったものを見つける。

 

「さっきのこのデカイのが出てくる前にいたぬいぐるみみたいなやつ…」

 

それは最初魔女とご対面した際の可愛らしい魔女の着ぐるみである。

それがマミにやられた時とは違う場所に落ちている。

それも魔女の近くに。

 

「アレはなにかありそうだな…」

 

大成は魔女と戦いつつもその人形の方へ少しずつ、少しずつ近づいていく。

 

「はぁぁあ!」

 

大成は魔女の口の中に気弾を放り込んでやる。魔女の口の中で爆発が起きる。

 

「やった!」

「大成君!」

 

まどかとさやかは勝利を確信し喜びの声を上げる…が。

 

「いや、まだだ」

 

魔女の口の中からまた新しい魔女が姿を表す、その光景はまるで蛇の脱皮の様に何回も何回も大成が気弾を撃ち込んでも新しい魔女が顔を出す。

 

「そんな…不死身じゃんか…」

「違うわ美樹さん。どんな敵にも必ず弱点はあるものなのよ。大成君はおそらくそれを探して戦っているに違いないわ」

 

その通りである。大成は先ほどから目を睨ませている人形の抜け殻を狙おうとしている。

がしかし行く手をすぐ阻まれてしまう。魔女も危険を感じているのか中々隙を見せようとはしない。

 

「チッ…使いたくなかったんだがな…」

 

大成は距離をとり、力を溜め始める。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!…だぁぁぁぁぁあああ!!!」

 

 

 

 

 

「嘘…!あれ…大成だよね…?髪が…」

「さやかちゃん…私も同じこと思ってた…」

「私と同じ髪色に…」

 

 

「さぁ…第2ラウンド始めようぜ…」

 

大成は超サイヤ人へと姿を変貌させた。周りはたちまち凄まじい風圧に耐え切れず結界内のお菓子や使い魔は飛ばされてしまう。

 

その様子を見つめる白い猫ことキュウべぇ…

 

「(なんてエネルギー量なんだ…魔法少女でもないのに…逢坂大成…君はいったい何者なんだ…?)」

 

「こないならこっちから行くぞ!」

「ギ!」

 

警戒していた魔女だが気づいたら自分が宙に飛んでいた事に驚く。

目にも留まらぬ速さで蹴り飛ばされたのだ。

 

「まだまだぁ!!」

 

蹴り、殴り、掴んで投げ飛ばし、気弾を連打して追い打ちを仕掛ける。

まどか達三人は驚きの光景にただ呆気にとられて眺めていることしかできない。

 

「お前が何度も再生するなら、二度と再生できない様に消しとばしてやるまでだ…」

 

ヨロヨロと姿を表す魔女は頭に血が上ったのか口を大きく開けてこちらに突撃してくる。

大成はいつのまにか持っていた人形を魔女に向けて投げ、そのまま必殺技のモーションに入る

 

「ロッソ…」

 

魔女は口に変身前の人形が含まれて慌てて気を取り戻すが、もう遅い。目の前の敵を見ると死を直感したのか戦意喪失したようにボーッとその場に固まる

 

「ブラスター!!!」

 

大成から放たれたエネルギー波は魔女を覆い、そのまま消しとばしてしまった。

 

「…ふぅ…なんとか超化はできるみたいだな…初めからやっときゃ良かったぜ…」

 

結界は解かれて周りは病院へと戻る。それは結界主の魔女の消滅を意味し、大成の勝利をも意味した。

 

「「「大成(君)!」」」

 

声をかけられ振り返ると大成を輝きの目で見つめる三人の少女と、少し離れた所で安息を吐いた黒髪の女の子も立っていた。

 

「間に合って良かった…マミさん、もう少しで死ぬところだったんだぞ?」

「ご…ごめんなさい…私も油断していたわ…でも!大成君のあの言葉が無かったら完全に私は魔女に殺されていたわ…」

 

巴マミの死。これはこの魔女の戦いで避けられる出来事。

それを回避できたのはこの世界に干渉してきた1人の人間のもたらした事。

今回の出来事により暁美ほむらの大成に対する信頼は確実なものへと変わった。

 

「大成。」

「おぉほむら、すまんな、お前を助けてやってからでも良かったんだが…」

「いえ、それでは巴マミを助けることはできなかったわ。貴方は最善を尽くした。感謝するわ。」

 

そのままほむらはマミの元へ歩み寄り

 

「今回の事で分かったでしょう。貴女は1人で突っ込みすぎよ。私が倒すと言った時は素直に受け入れなさい。」

「…あなたが来て何か変わったと言えるのかしら?」

「私ならあの魔女を傷一つつくことなく倒せるわ。これ以上話しても時間の無駄よ。私はもういくから。」

 

そういってまどかを一目見てから大成の元へ寄り

 

「近いうちに次の話をするわ」

 

と言ってその場を去ってしまった。」

 

 

 

「全く…あの子はなんなのよ!私の事ちょっと嫌いすぎじゃないのかしら!」

 

その後マミの家で紅茶をもらって4人で話をしていた。

 

「まあまあ、ほむらは人と喋り慣れてないからさ…本当は優しくて良い子だから、許してあげてください。」

「大成君がそんなに言うなら…って私は別に怒っていません!」

 

プンプンと怒るマミの姿は可愛らしい。どこか大人っぽい姿には見えるもののまだ中学生だ。心理的な所は至ってわかりやすい。

 

「ところで大成君はさっき髪の色が変わったけど、どうやってやっているの?魔法少女とかでもないのに。」

「あ!私もそれ聞こうと思ってた!そろそろ洗いざらい吐いてもらおうかの〜」

 

まどかのさやかは大成が戦いで窮地を救ってくれたからなのか、昨日の気まずい雰囲気を忘れてしまったかのように語りかけてくる。

ここでまた秘密にしてしまって気まずくなるのも嫌だと思い、大成はある程度支障の無いように話をした。

 

「…まさか大成が地球人じゃないなんて!これもミステリー⁉︎さやかちゃん興味が止まらないよ!!」

「大成君は宇宙人で、この世界の破滅を防ぐために戦ってくれてる…ごめん、私も頭が追いつかないや。」

「まぁ。無理は無いさ、そもそも普通の中学生が魔法少女に変身して魔女と戦ってる時点で凄い話だろ?俺みたいなやつがいたっておかしくはないさ。」

 

大成はチラッとキュウベェを見て話をする。

 

「(あいつはほむらから聞いたが恐ろしい奴だからな…俺の事を興味深々で見ているはず…あまり細かい所まで話すのはやめておいて正解だろ。)」

 

「じゃあ、俺は帰るな。みんなも遅くならないように帰るんだぞ。」

「うん!じゃあね、大成君!」

 

マミの家を出て大成は杏子の待つ教会へと足を進める。

 

「あぁ…杏子もカンカンだろうな…もう8時だしよ…」

「大成君!」

 

声をかけられ振り返るとマミが立っていた。

 

「あれ?どうしたんですか?」

 

マミはモジモジしながらこちらを見つめて話す。

 

「私…本気だから!」ダッ

 

それだけ話してその場を去ってしまった。

 

「…何が?」

 

鈍感な大成にはその言葉を理解するのはいつになるのか分からないのであった。

 

 




なんとか早めに更新できました!

まどマギ編はそろそろ一旦区切りをつけて終わらせます!

次は一回セル編にもっていくか、緋弾のアリアを、挟もうかなと思ってます!



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ハコの魔女①

 

「…まさか魔法少女にそんな闇があったとはな…」

「そう、だからキュウベェ…インキュベーターが黒幕と言っても過言ではないわ。」

 

あれから大成はすぐほむらの家にお邪魔させてもらい、魔法少女の真実、キュウベェの魔法少女を生成する真の理由などを聞かせてもらった。

 

「ソウルジェムが濁ると魔女に変わってしまう…魔法少女、魔女…確かに文字だけひっくるめればそっくりだな…」

 

魔法少女へと変わった女の子達はソウルジェムという宝石を手にする。しかしそれは実は自身の命でもあり、それを破壊されると死亡。半径100m以上体とソウルジェムの距離が離れれば体は死人のように動かなくなる。ソウルジェムが穢れで濁りきればソウルジェムがグリーフシードへと変化し、魔法少女は魔女になってしまうという。

 

「キュウベェは聞かれなかったから答えなかったと言い張るわ。」

「確かに感情の無い生物ならではの発言だな。これからはどうするんだ?とりあえずマミさんが死ななかったからさやかは魔法少女になる必要はないんじゃないのか?」

「それは違うわ。美樹さやかは想い人の上条恭介のために魔法少女になる。彼の動かなくなった手を治すために。」

 

一難去ってまた一難。今度はさやかの魔法少女化を避けねばならぬそうだ。

 

「さやかが魔法少女になるおおよその日にちは分かるのか?」

「えぇ、まだ時間はあるわ。およそ二週間ぐらいかしら。」

「二週間か…」

 

大成は深く考え込んでしまう。

 

「何か気になる点でもあるのかしら?」

「まぁ…俺の知り合いが作ってる仙豆って豆を食わせればそんな手ぐらい一瞬で治るんだけどな…」

「それは本当なの!?」

 

嘘ではない。仙豆はありとあらゆる事故や怪我の部類はたちまち元どおりになってしまういわばチートのようなアイテム。自然病だけはどうにもならないが、おそらくその上条恭介の事故で動かなくなった手は治るであろう。

 

「だが俺の世界に取りに行かなければいけないからな…ぶっちゃけ自分では意図的に戻れないからこの可能性は無いと思ってもいい…」

「そう…」

 

しばらくの沈黙が続いてほむらから話を持ちかける。

 

「…美樹さやかが魔女になってからでは全てがおしまいよ。」

「どういうことだ?」

「ソウルジェムは心のメンタルがダメになってしまうとすぐに穢れてしまうわ。美樹さやかが魔女になってしまって、巴マミが真実をキュウベェに聞くの。そしてメンタル崩壊してしまった巴マミは急に暴れ出して杏子や私達も殺そうとしてくるわ。」

「なんだと…?」

 

衝撃の事実である。巴マミはもう一件落着したとは思っていたが、まさかそんな事までしでかそうとするとは…大成は驚きのあまりに言葉を失う。

 

「私も何度も同じ時を繰り返してありとあらゆる手を使ったけどダメだったわ。」

「…でも今回は違う。」

「え…?」

 

大成は立ち上がりほむらを見つめて話を続ける

 

「今まではお前1人でやってきたかもしれんが、今回は俺もいる。お前達に絶望の未来しか待っていないのなら、俺が希望の未来へと進ませてやる。お前1人で抱え込まなくていい。2人でできることをやっていこう。」

「…そうね…ありがとう。」

 

ほむらは笑顔をこちらに向けてくれた。

 

「…笑ったな。」

「え?」

「お前、俺が見た限りでは初めて笑顔を見せてくれたからな。せっかく可愛い顔してるんだから、もっと笑えよ。お前にはその方が似合ってる。」

「な…//」

 

さらっと言いのける大成であるが、ほむらにとってはかなり恥ずかしい様だ。実際彼女自身、何度も時を遡る事により次第に笑顔など見せなくなっていた。

 

「…まぁ、今回は貴方という存在がいるおかげで私にも希望が見えたのよ。期待しているわ。」

「おぅ!じゃあ早速作戦会議を…⁉︎」

 

ガタンっと急に立ち上がり焦りの顔を浮かべる大成。

 

「どうかしたのかしら…?」

「いや…気のせい…だよな…なんでもない、忘れてくれ。」

「そう」

 

何かを察知したのか大成は考え込んでしまうが、とりあえずほむらを心配させないために適当にごまかした。

 

「(まさか…いま感じた気は…念のため警戒しておくか…)」

 

とりあえずほむらの家を後にして大成は教会へと帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまっくす」

「今日は一体どこ行ってたんだよ〜」

 

教会へと帰ってきて出迎えてくれた杏子に軽く話をしながら大成は途中コンビニで買ってきた弁当を杏子に渡す。

 

「ん〜マミさんとかと色々遊んだり魔女倒したりしてたんだよ〜ほれ、弁当」

「おーサンキュ〜、へーマミに魔女…ってマジかよ⁉︎」

 

お前は芸人か!っと突っ込みたくなるほどのリアクションをされてしまった。早速弁当をがっつきながら杏子は話を催促してくる。

 

「おあえ、まりょとははかえんのはよ⁉︎ひかもワミとひいあいって…」

「食べながら喋るのは行儀が悪いぞ。」ズィ

「うぁっ」

 

口に物を含んで喋る杏子に顔を近づけ怒り気味に話す大成。杏子はびっくりして喉に詰まらせるところであった。

 

「…改めて、お前魔女と戦う力なんてあるのかよ。あと、マミは一応知り合いだ。いつのまに知り合いになってんだよ。」

 

杏子とマミが知り合いであったのも驚きであるが、魔法少女同士だからありえる話だと納得して大成は質問に答える。

 

「戦う力ならある。現に昨日まさにマミさんが殺される所を救った。知り合ったのは学校とかでだ。そうだ、お前も今度マミさんちに来いよ。一緒に仲良く話そうや」

「力ねぇ…そうは見えないんだけどなー。マミんとこに行くのは却下だ。あたしはあいつと仲が悪い。いまさらのこのこと仲良くしましょうぜ、なんて話しても引かれるだけだ。」

 

それは少し部が悪いと感じた大成はなんとかしようとする。

 

「強制だ。今度引っ張ってでも連れて行く。お前とマミさんはそんな互いに嫌う理由もないだろ。いいな?連れて行くからな?」

 

杏子の頭を手で撫でながら大成は杏子の返答も聞かずに話を終わらせる。

 

「お、ちょっおま…!……ったくよ…反則だろ…」

 

杏子は入り混じる感情にその場にひれ伏すしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、夜のパトロールとでもいくか。俺単体でも十分戦えるはず。」

 

大成はそれから見滝原の街を歩いていた。昨日のお菓子の魔女は強さで言えば並みの魔女を上回る力だという。それを撃破することに成功したために大成は1人で魔女退治に出向くつもりだ。

 

「まぁ、いざとなれば秘策もあるしな……ってあれは…?」

 

少し離れた所をまどかと友達の志筑仁美が歩いている。

 

「…こんな時間に遊びに行くのか?…ってそんな状況でもないな。」

 

まどかは仁美に手を引っ張られて連れて行かれているようだ。仁美の目は黒ずんでいて完全に己の意思が無いように見える。

大成は怪しいと思い尾行することにした。

 

 

 

「仁美ちゃん。痛いよ…やめて!家に帰ろう?」

「何をおっしゃっていますの?これから私達は天国に行きますの。鹿目さんも一緒に行きましょう。」

 

連れてこられたのは街のはずれの工場、まどかは中に連れて行かれていき、そこには仁美と同じ死んだ目をしたような人達が数人いる。

 

「仁美ちゃん…これって…」

「えぇ、これで天国に行けますわ。」

 

仁美はなにか液体のようなものに違う液体を混ぜようとしている。

 

「仁美ちゃん…それはダメ!!」

 

ガシャンっと音がして辺りの全員がまどかを一斉に睨みつける。

まどかはとっさにその怪しい薬の入った器を投げ捨てたのだ。

 

「はぁ…はぁ…これやってたら確実にみんな死んでたよ!!目を覚まして!!」

「…鹿目さん…何をしていますの?」

「ひっ…」

 

ヨロヨロ…と周りの全員がまどかに忍び寄る。まどかは恐怖でどうすることもできずにその場に尻餅をついてしまう。

 

「いや…助けて…誰か…」

「鹿目ぇぇぇさぁぁぁあぁぁあん!!!」

「いやぁぁぁぁぁあ!!」

 

まどかは目を瞑る…が、誰かに担がれた感じにすぐ目をあける。

 

「…あら、ごきげんよう。大成さん。」

「ごきげんよう。仁美。ってごきげんようって言うくせに今まさにさようならって事しようとしてたよな。」

「た…大成君…ヒグッ」

 

安心させるために大成はまどかをお姫様抱っこする。

まどかは恐怖で溜まっていた涙をドッと流し始めて安心しきって大成を見つめる。

 

「怖かったよ…」

「まどか、ちょっと待ってな。」

「待つって…?フェッ⁉︎」

 

まどかを軽く上に投げ飛ばし、その瞬時に大成は仁美を含む他全員を手刀で気絶させる。まさに1秒ほどの出来事であった。

そのまままどかをお姫様抱っこで再度抱きかかえる。

 

「よく頑張ったな。えらいぞ。まどか。」

「//ありがとう…」

 

落ちついたまどかを地に下ろし大成は辺りを見回す。

 

「恐らく魔女に操られているんだろう。…ほら、あそこに」

「魔女の結界…!」

「ちょっくら行ってくるわ。まどかは早く家に帰るんだ。」

「そんな!大成君1人じゃ…!」

「大丈夫だ。またいつこいつらが目をさますか分からない。まどかは早く帰るんだ!」

 

そのまま大成は結界の中へと入っていった。

 

 

 

 

「…今度の魔女は一体どんなやつなんだろうな…っと…楽しみにしてどうすんだ…これもサイヤ人の闘争本能ってやつか。」

 

今回の魔女の結界は前回のお菓子の魔女とは全く違い、青い空間にひたすら長い階段が続いている。

だが大成は戦いたい衝動を抑えきれずに舞空術を使い階段を無視して奥へと進む。

 

「使い魔なんて眼中にねぇんだよ!どいたどいたぁ!」

 

人型の使い魔が襲ってくるがそれを気弾で消滅させながら大成は進んだ。

 

「…ここだな。」

 

最深部はまさにボスが出てきそうな空間。広々とした丸いステージがあり、その真ん中にテレビのようなものが置かれている。

 

「…」ドッ

 

テレビ目がけて気弾を放つ。…が、テレビに翼が生えそれを回避されてしまう。

 

「やっぱそう上手くはいかないか。さぁ、かかってきやがれ!」

 

魔女は体当たりしてくるがそれをなんなく回避し、避け際に蹴りをお見舞いする。

 

「…弱いな…ハズレ引いたか?」

 

勝利を確信して大成は一気に魔女との間合いをつめ、両手でテレビをつかむ。

 

「このまま気で消してやる!」

 

その直後魔女のテレビから激しい閃光が伴われて大成を包む。

 

「うぉ!!」

 

 

 

そのまま大成は意識が途絶えてしまった。

 

 




半端ですが今回はここまでです!

なかなか早いペースで更新できたのも読んでくださり、コメントをしていただける読者様のおかげです!ありがとうございます!


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ハコの魔女②

「…急がないと…!」

 

さやかは1人道を走っている。

 

「大成…!無事だとは思うけど無理しないでよね…!」

 

焦った様子で大成が1人で魔女と戦っていることをまどかに教えられ、さやかは大成と魔女の戦っている工場へと向かっていた。

 

「あたしの初手柄は大成には取らせないんだから…!」

 

彼女は青く輝くソウルジェムを手に握りしめ先を急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大成は知っている場所に立っていた。

 

 

そこは自分がかつて住んでいた場所。

 

「あれ…おれんち…?」

 

ベッドから身を起こし大成は階段を下りていく。

 

「おはよう。大成。」

「母さん…」

 

二階から一階へと降り、リビングへと進むとそこには大成の母と父がいた。

 

「学校行く時間やぞ。早く支度しろ。」

 

父はカッターシャツを着て、コーヒーを飲みながら新聞を読んでいる。もうすぐ仕事なのだろう。

 

「そうよ。昨日も遅刻したでしょう?早くご飯食べて、寝癖直して学校行きなさい。」

 

母はキッチンからご飯を作りながら喋る。

 

「あぁ、もう行くよ。飯はいらね。行ってきます。」

 

大成はそのまま家を出て学校へと向かう。

 

「あれ…なんで俺こんなところにいるんだっけ…何か思い出せない…」

 

違和感を感じながらも大成は学校へ行き、授業を受ける。

 

「よ!今日は遅刻しなかったな大成!」

「二宮…昨日はたまたま疲れて寝坊したんだっつーの…」

 

友人と会話を交わし、何事もなく1日を終え、大成は家へと向かう。

 

「あれ…体が…」

 

大成は違和感に気づく。彼の体は彼の意思にそむき勝手に進んでいる。

 

「まてまて…なんで…いうことをきかない…」

 

自分の家に近づく度に聞こえてくるパトカーのサイレンに呼応するように大成は足早と家に向かう。

 

(あれ…なんか覚えてるな…この感じ…)

 

どんどんこみ上げてくる感情。それは良いものではなく、それはすぐにわかるものとなる。

 

(知ってる…家に行きたくない…嫌だ…嫌だ…嫌だ!)

 

だが大成の意思は届かず、勝手に動く体は家の前で止まる。

 

家の前に止まるパトカー。

 

家から警察が血相を変えて出てきて、大成の前に来る。

 

大成は警察を無視して家に入る。

 

いつものリビングへ入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには哀れな姿に果てた母と父が横たわっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

 

知っている。大成はこの光景を知っている。彼が生きた人生で一番辛い出来事が頭を駆け巡る。

 

見たくない。

 

大成は目の前でまた見せられる光景に耐えきれずに頭が押しつぶされそうになる。

 

「やめてくれ!!なんでこんな…!!やっと忘れたのに!!あぁ…母さん!父さん!!嫌だぁぁあ!!!!!!!」

 

その途端今度は学校へと光景は変わる。

 

「今度はなんだ…屋上…?」

 

急に場所が変わり今度は学校の屋上。

 

目の前には死んだ目をしている大成の友人、二宮が屋上のフェンスを乗り越えてこちらを見ている。

 

「嘘だろ…またかよ…なぁ…やめてくれ…」

 

その途端二宮は大成の前から姿を消した。

 

正確には屋上から飛び降りた。

 

「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

「もうやめてくれ…!!昔のことをえぐらないでくれ…!!!誰か助けてくれ!!!もう辛い思いはしたくないんだよ!!」

 

そして今度は家の帰り道へと場面は変わる。

 

大成の目の前には止まったトラック。

周りの全てのものが止まっている。

大成は瞬時に理解した。

 

「あぁ…俺が死ぬ瞬間じゃないか…痛いのは嫌だなぁ…」

 

大成は全てに絶望した状況のまま目を閉じた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……せ…く…」

 

 

 

「た……くん…」

 

 

 

「大成くん!!」

 

 

「はっ⁉︎」

 

大成は目を開きガバッと体を起こす。

 

「良かった…!大成君!」

「まどか…」

 

目の前でまどかが大成に抱きつき、大成は周りを見渡すとそこは先ほど自分が乗り込んだ工場。

 

「大成。あたしが来てなかったら死んでたかもしれないんだよ??」

「さやか!その姿は…」

 

そして目の前には魔法少女へと変身したさやかが立っていた。

 

「大成君。さやかちゃんが来た時に魔女の前でうなされていたんだよ…」

「うなされて……そうか…あの魔女は過去を見せる力が…」

 

大成は油断してハコの魔女に過去を見せつけられていた。要するに精神攻撃のようなものである。

 

「もう少しで死んでたのか…こればっかりは超サイヤ人もくそもないな……ありがとなさやか、まどかも。」

「ううん。私はたださやかちゃんを呼ぶことしかできなかったし…」

「いや〜私が必殺技でビシッと決めてやったんだぞ〜!大成には今度たっぷりと礼をしてもらわないとね〜!」

「晩御飯で勘弁を…」

 

 

 

それから各自家に帰宅し、大成はほむらの家に訪れた。

 

「ほむらー俺だー」

ガチャ

「どうぞ。」

「おうっ…って、杏子⁉︎」

「おー大成〜。」

 

ほむらの家にはなんと杏子がいた。どうやらほむらは早い段階で杏子を味方につけることに成功したようだ。

 

「…杏子もすんなりと仲間になってくれるんだな。」

「べっ…別に意味なんかねーよ!ワルプルギスの夜が来るとあたしの街まで吹っ飛ばされちまうかもしんねーだろ?自己防衛のためだっつーの。」

「はいはい…ありがとな。」

「ん…」

 

佐倉杏子という人間が実はとても優しい心の持ち主であるということはここ何日か共に生活した大成はよく分かっている。

彼女なりの表現なんだ、と心の中で笑った大成は改まって話をする。

 

「報告だ。さやかが魔法少女になってしまった。」

「!!……そう…」

 

ほむらは、またなのか…といった顔をして話を聞く。

 

「あいつが魔法少女になって何かやばいことでもあんのか?」

「えぇ…美樹さやかは誰よりも真っ直ぐな心の持ち主。ゆえに誰よりも心の穢れがたまりやすい人でもあるわ。彼女はこれから負の感情に押しつぶされて魔女へと変貌する。」

「な…!マジかよ…お前から聞いたソウルジェムが濁りきると魔女になっちまうってやつかよ…」

 

どうやら杏子にも事のあらかたは伝えてあるようだ。

それ事態には大成も驚きはしない。なにせ佐倉杏子という人間は強い心の持ち主である。過去に辛い出来事をしている分、こういった話には対応できるのだろう。

 

「あーでもな〜あたしの体もただの入れ物になっちゃって、このソウルジェムがあたしの命そのものなんてさ〜。調子狂っちまうよほんと。」

 

杏子の手にある赤く燃え滾るような輝きを放つソウルジェムは彼女自身の魂そのものでもある。

 

「キュウベェもとんだ技術をもっているもんだな。お前ら少女も厄介な生き物に餌にされちまったもんだな。」

「餌っていうなよ!!…それで?これからどーするんだ?」

「そうね…」

 

これからの出来事を知っているのはほむらだけである。大成も杏子もそれに合わせて動く他ならない。

 

「まず巴マミにはこの話をしてはいけないわ。過去に彼女はこの話に絶望して暴れまわり、私たちのソウルジェムを破壊しようとした事があるわ。」

「マジかよ…でも、伝えておかないといずれはばれちまうんじゃないのか?」

「そうね…彼女が動かないようになんとか拘束できればいいのだけれど…」

「それなら俺に任せてくれ。マミさんをがっちりホールドしてやるぜ。」

「…あまり頼りない言い方をしてほしくないのだけれど…」

 

ジト目でほむらに見られる大成は「軽い冗談だって!」と弁解してその意思を見せる。

 

「…その後は美樹さやかの魔女化をどうにかするしかないわね。彼女はクラスメートの志筑仁美に想い人の上条恭介を取られてしまうわ。それからだんだん穢れがたまりやがて…」

「その件はあたしにまかせな。ちょいちょいあいつと絡んできたけどよ、見てるとウジウジしたところが気にくわねぇ。あたしがみっちり監視してしごいてやるさ。」

 

美樹さやかの件は杏子が受け持つようだ。杏子の目からは絶対といった気迫が見られてくる。

 

「では、まかせるわ。最悪美樹さやかが魔女化してしまってもその先の計画に支障はきたさないわ。できればまどかのメンタルのためにも避けたい事だけれど。」

「そうだな…一応俺からも気にかけておくよ。」

「えぇ…そして…」

 

ほむらは長くて綺麗な黒髪をなびかせ、これからが本題だ。と言った目で話を続ける。

 

「ワルプルギスの夜の撃退。そしてまどかの魔法少女化の阻止よ。」

「ワルプルギスは分かるが、まどかの魔法少女はなんで阻止なんだ?戦力としては欲しくないのか?」

「いいえ、彼女が魔法少女になればこの世界は破滅するわ。過去にまどかが魔女化してしまい、一瞬のうちに崩壊していった時間軸があったわ。」

「マジっすか…じゃあ、ワルプルギスの夜を倒せばいい話だな。まどかの魔法少女化に繋がりそうなマミさんの件とさやかの件もどうにかしないと。」

 

杏子と大成は互いに目を取り合い、うなずき決心する。

 

「「俺(あたし)にまかせろ(な)ほむら」」

 

ほむらは今まで見せた事ないくらい驚いた顔をして、一瞬で元の真顔に戻り話をする。

 

「…頼りにしているわ。とりあえず、巴マミの方は私も参加するわ。話は私がする。大成は近くで暴れ出す巴マミを止めるために準備してて。」

「了解」

「決行は3日後よ。今日はゆっくり休んで頂戴。」

 

そのままほむらの家の空いている部屋を借り、大成と杏子は眠りについた。

 

 





結局ハコの魔女バトルも戦闘シーン少なくなっちゃいました…
確実に話は進めていくので、少しでも見てくださる方がいれば嬉しいです。


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魔女連戦

 

「おかしいわね…」

 

真っ白で広々とした部屋に黒髪をなびかせて1人の少女が呟く。

 

「昨夜から魔女の反応が異常なほど増えているわ…」

 

紫色に強く美しく輝く彼女自身の命でもあるソウルジェムを握りしめたまま外を見る暁美ほむら。

 

「これはさすがに大成にも動いてもらうしかないわね…」

 

 

__________________________________________________

 

 

「あれからどうなんだ?杏子」

「んぁ?」

 

昨日ほむらの家で話をした2人は教会に戻り、これからの話をしながら晩飯を食べていた。

 

「さやかの事だよ。お前がどうにかするって言ってたろ?」

「あぁ、それなら心配いらねーさ。」

 

丁度食べ終え、かちゃっと箸を置き席を立ち、ビシッと大成に指をさしたまま杏子は話を続ける。

 

「あいつはあたしがみっちりと稽古してやった!思ったよかあいつは心が強いみたいだからよ。なんか、好きな奴をとられちまったって凹んでたわりにはもう立ち直って戦いの訓練してるよ。」

 

あ〜あ、追い越されちまったらやだな〜と言いながら杏子はロッキーを取り出し食べ始める。

 

「そうか…さやかは…。ってお前!食後にお菓子食うな!!」

 

さやかの安否にひと安心した大成。の元に急にテレパシーが入る。

 

『大成、杏子、巴マミ、美樹さやか、聞こえるかしら?』

 

「んぉ⁉︎なんだ⁉︎頭に直接喋りかけてくる…!」

「なに厨二っぽく言ってんだ。ほむらのテレパシーだろーが。」

 

『もしもーし。聞こえてるけどー?なんの用だよ〜』

『転校生ー?あたし今新しい技試してるんだけどー!』

『佐倉さんに美樹さんも…こんなにまとめて話ってなにかあったの?暁美さん。』

 

どうやら只事ではないようだ。大成は会話にはあえて入らないもののしっかりと意識を向ける。

 

『その様子だとまだ動けそうね。悪いけど、魔女結界が見滝原だけでも同時に4つも発生したわ。このまま放置すれば一晩で何人もの人が危ないわ。』

『なっ⁉︎4つ⁉︎そんなこと今まであったかよ!』

『全員で手分けして撃破をお願いするわ。幸いな事に場所は近いわ。それぞれ臨機応変に動いて頂戴。』

 

「…とりあえず向かうぞ、杏子。」

「これもワルプルギスの夜が近づいている影響ってことか…胸糞悪いな。」

 

大成はそう考察する杏子の話とは裏腹に何か胸につっかえるものを抱えながら見滝原へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あたしはここだ。大成はどーすんだ?」

「俺は少し寄るところがある。杏子は負けないと思うから、いいだろ?」

「ったりめーだ!余計な心配するんじゃねぇよ!」

 

ドヤ顔かまして仁王立ちする杏子を見て大丈夫だなと悟った大成はその場を去る。

 

 

 

 

 

 

sideさやか

 

「あたしはここだね…」

 

さやかは見滝原の東の外れの結界へとたどり着き、結界の中へと入っていく。

中は真っ黒と真っ白。まるで影のような世界となっていた。

 

「うっわ…気味悪いな…ってあたし自身も黒いし!!」

 

出てくる使い魔も歩く道も自分さえも真っ黒で気味が悪い。さやかはそそくさと奥へと進む。

 

「あんた達じゃこのさやか様は止められないぞぉ!!どけどけ〜!!」

 

なぜかご機嫌(?)なさやかは使い魔に擦り傷一つ受けることなく最深部へとたどり着いた。

 

「…あいつが魔女ね…」

 

黒い道の奥には太陽のような、それこそようやく黒と白以外の色でそびえ立つ太陽のようなもの。そこの下で太陽を拝むように固まる真っ黒な女の形をした魔女。

 

「…先手必勝ってやっちゃっていいのかな…?」

 

さやかは疑問に思いつつも先に攻撃されては意味がないと思って自身が作り出した魔法陣に飛び乗り、蹴り跳ねて斬りこむ。

 

「やぁあ!!……って!いない⁉︎」

 

先ほどまで確かに前にいた魔女が瞬きの瞬間に消えてしまった

 

「…どこ…⁉︎……いた!!あんな遠くに…!!」

 

さやかから100m程遠くに魔女が現れ、直様魔女は見た目では分からないが木のようなものを生やしてその先端をさやかに突き刺してくる。

 

「あたしには効かないよ!!まずは新技その1!タイフーン!!」

 

さやかは自身を高速回転させ!竜巻を作り出す、それを襲いかかる影に放ちたちまち消滅させた。

 

「杏子から教えてもらったから悪いけど速攻で勝たせてもらうよ!」

 

影を消され、魔女の次の攻撃までに一気に懐に飛び込んださやかは回転しながら魔女の首めがけて斬り込みに行く。

 

「いっけぇぇぇ!!!ぐっ⁉︎」

 

その途端さやかの腹部に激痛が走る。魔女はとっさにさやかの腹部めがけて影を出し突き刺したのだ。そのまま影を伸ばしてさやかと距離をとろうとする。

 

「こ…んの……ぉお!!」

 

さやかは両手に持っていた剣を投げつける。が、魔女はそれを難なくかわしてしまう。

 

「………チェックメイトだよ。」

『!!』

 

魔女が気づいた時はもう既に遅い。さやかの外した剣はブーメランのように帰ってきて魔女の頭から首を離すことに成功した。

 

 

 

 

「…ってて…やっぱ治癒の魔法は役にたつなぁ…、っと…他のみんなのところにいかないと…!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

マミside

 

「…ここね…」

 

マミもまた街のはずれ。さやかとは正反対の方向にあるグリーフシードを発見した。

 

「速攻で片付けるわよ!」

 

素早く魔女結界へと進入したマミはどんどん使い魔を消し去り奥へと進む。さやかとは違い、一匹一匹確実に仕留めている。さすがはベテランといった腕前だ。

 

「それにしても不気味な所ね…前に戦ったお菓子の魔女の時とは大違いね…気持ちの悪い人形もたくさんいるし…」

 

まるでアートのような人形が次々も襲ってくる。それでもマミにはどうってことはないが、清楚で可憐な彼女には少し見た目がアウトのようだ。

 

「ついたわね。」

 

扉を開けるとそこは東京ドームのような広い円状の広場。そこの真ん中にそびえ立つ大きな銀色の門。

 

「あれが魔女…と考えてもいいわよね…」

 

とりあえず様子見に自身の生み出したマスケット銃を放ち攻撃してみる。

 

「…!!弾かれた⁉︎なにかバリヤのようなものがあるのかしら?」

 

明らかに門には当たらずそのギリギリの所で見えない壁のようなもので防がれてしまった。

 

「…使い魔も呼び出してきたわね…でも、それだけじゃあたしは…っ!!」

 

その途端門の魔女は浮き上がり、急降下して地震を起こしてくる。何度か繰り返しているうちにマミの方に地割れができ始める。

 

「下に落とそうって考えかしら…でも、そうはいかないわよ…!」

 

マミは魔法でリボンを作り、足場を作ろうとする…が、大量に発生する使い魔に邪魔され、思うようにリボンを生成できない。

 

「…集中できないわ!!…きゃあ!!」

 

ついに地面が割れ、マミはその地割れに落とされてしまう。使い魔もそのまま巻き添えをくらい、その絵はまさに地獄に落とされる者達を見ているかのような光景である。

 

…がしかし、巴マミにはそのような手は通じない。

 

「残念ね…私はかえってこういう状況の方が慣れてるのよ!!」

 

マミは使い魔に邪魔されることもないため、リボンを展開、自分の足場をリボンで作り、下から魔女を見上げる。

 

「…悪いけどみんなの所にもいかないといけないから…一気に決めさせてもらうわよ!!」

 

マミは素早くリボンを魔女の足元から発生させ、門の両側を固定、リボンに拘束された魔女は油断ができたのかバリアのようなものを展開していない。

 

「今ね!!…よっ!!」

 

自分の乗っていたリボンをトランポリンのように扱い急ジャンプしたマミは一瞬で魔女の前に飛ぶ。そのまま自身最強の技をお見舞いする。

 

「ティロ・フィナーレ!!」

 

魔女に直撃し、大きな爆発を起こす。

門が壊れるもなにも、強力な一撃に跡形もなく消し飛んでしまう。

 

 

 

 

 

「ふぅ…最後まで油断してはいけないって大成君が教えてくれたものね。今回は完勝ね♪さて、美樹さんはもう終わったみたいだし、私も向かうわ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

杏子side

 

「気味わりーな。さっさと片付けさせてもらうぜ。」

 

杏子の入った結界は宇宙のような空間。真っ暗な空間に星のようなものが浮いている。この空間は奥に進めない。上に行かないといけないようだ。

 

「…でっけぇ本みたいなのが落ちてきてるな…これを繋いで登り続けろってことか…」

 

下は暗闇、そこに落ち続ける大きな本を渡り登りしながら進む杏子。

 

「…ったく…すこしは骨のある魔女なんだろうな…」

 

杏子は喋りながらでも難なく上に上に進んでいく。

あっという間に最上階へと辿り着いた杏子の前には鳥かごがポツンと宙に浮いている。

 

「…なんだありゃ…まぁ、さっさとやらせてもらうぜ!」

 

助走をつけ、杏子は自身の生み出した槍を鳥かごの魔女めがけて投げつける。

 

が、鳥かごから現れた人間のような形をした鳥が現れ、槍を素手で掴んでしまう。

 

「…まぁそう簡単にはいかないわな…ってうぉっ⁉︎」

 

使い魔が槍を投げ返してきたのだが、なんとも強烈な腕力をもっているらしく、あまりの速い投げ返しに杏子は頬に掠めてしまう。

 

「てんめぇ…よくもやってくれやがったな…!なら今度はこれならどうだ!」

 

先ほどと同じく槍を投げつける。が、数は多い、数十の数の槍を投げつける。

 

「これならいったろ…!!……ってマジかよ⁉︎」

 

目には目を、数には数を、といったように槍と同じ数だけ使い魔が現れ、すべて止められてしまう。

 

「…クソ!今度は当たると思うなよ!!………!!」

 

杏子は少しもどかしそうにしながらも時間が無いことに押され、切り札を使う。

 

「ロ…ロッソファンタズマ!!」

 

その途端杏子の分身が何十人も現れる。突如の事に魔女も使い魔も錯乱し、槍を投げ返すのをためらう。

 

「…やべぇ…ちょっと作りすぎたか…魔力がまぁまぁ減ってやがる…これで決めさせてもらうよ。」

 

使い魔が槍を投げ返し、分身を攻撃している隙にその一番後ろで杏子は手を地面につけ、魔力を注ぎ出す。

 

「はぁぁぁぁぁぁあ!!!!」

 

その途端杏子の足場から超巨大な槍が現れる。大きさではバス2台分に及ぶほどの大きさ。その真ん中に乗った杏子は魔女めがけて自分ごと槍を飛ばす。

 

「いっけええええええええ!!!」

 

使い魔が守ろうと束を作るが簡単に弾き飛ばされる。魔女も抵抗できず鳥かごの真ん中から槍に突き破られ、消滅する。

 

 

 

 

 

 

「っし!グリーフシードっと!!」

 

クスクス…

 

 

「だれだ⁉︎」

 

杏子な笑い声が聞こえて振り向く。そこにはマミとさやかが立っていた。

 

「ぷくく…杏子…ロッソファンタズマ!!って…ふふふ…あーだめだ!堪えれない!!あっはっはっはっは!!」

「佐倉さん…私が昔教えた技…今でも使ってくれてたのね…嬉しい…」

「な…な…てめぇらどこから見てやがった…」

「佐倉さんがロッソファンタズマ!って言うところからよ?」

 

ぷるぷると震える杏子に笑いながらさやかが肩に手を置く

 

「ぷくく…杏子大丈夫だって!誰にも言わないから!ロッソww」

「てめーらころしてやるーー!!!!!!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「どうやら全員片付いたようね。」

 

あれから杏子達は三人でほむらの元へと向かったが、そこには大成とほむらが待っていた。

 

「あれ?お前らもう倒してたのかよ。」

「あぁ、ほむらは時間停止の魔法が使えるからな。一瞬だった。」

「んだよずりーなー」

 

大成は杏子の頭に手を置いて話をする。

 

「みんなの戦いは気を読んでみていたけど、凄かったな!特にさやか!魔法少女見習いとはいえない強さだったな!」

「えへへ〜魔法少女さやかちゃんには敵う敵などいないのだ!!」

 

「杏子もマミさんも相変わらず見事な戦いだった!」

「当たり前だろ〜が…って早く手をどけやがれ///」

「羨ましいわ佐倉さん…」ボソッ

 

そんなこんなで魔女戦を終えた五人は賑やかなムードになるが、そこに切って入ったのはほむら。

 

「…賑やかな所悪いけど、大事な話をするわ。」

「(ついにか、ほむら…)」

 

 

魔法少女達にほむらから残酷な話を聞かされることになる。

 

 




中途ですが終わります。

魔女連戦ってよりはそれぞれの戦いですねw

ほむら戦はご察しの通り、時間停止→ロケランで終わっちゃいますので、省かせてもらいます。

次回から大成の戦闘がメインとなります!


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最悪の現実、そして…

 

 

 

 

「嘘でしょ…?ねぇ…暁美さん…」

「嘘ではないわ」

 

 

血相を変え、目に雫を溜め込んだままほむらを見て話す巴マミ。

血相を変えず、ただ歩んできて得た残酷な現実を叩きつける暁美ほむら。

 

 

 

「じゃ…じゃあ…今まで私達が倒してきた魔女は…」

「そう、元は私達と同じ、魔法少女よ。」

「いや…」

 

巴マミが魔法少女の姿へと変身。

 

「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

「くっ…」

 

本来はこの状況は想定内。心の優しい巴マミにとって自身が最悪の元という現実を知れば当然、彼女のメンタルが持たない。

 

「魔法少女が魔女を生むなら…みんな死ぬしかないじゃない…!!」

 

そう言いながらマミは全員を拘束しようとリボンを展開。

 

 

 

「うわぁぁあ!!」

 

唯一事態を把握していなかったさやかのみが簡単に捕まってしまう。

 

「くっ…やっぱほむらの言ってた通りかよ…マミ!!落ち着け!!」

 

杏子はあらかじめ事態を把握していたため、拘束されることもなく回避することに成功。

 

「……とりあえず佐倉杏子は大丈夫そうね…でも、これでは巴マミを止める術が…」

「俺に任せろ。」

 

 

大成は暴走するマミの近くに歩み寄る。

 

「死ぬしか…ないのよ…!!大成君…」

「俺は魔法少女じゃない。俺は魔女にならない。だから俺を殺す意味はない。マミさん、話を聞いてくれ。今は仲間内で殺し合いをする時ではない。」

「でも!!」

 

大成が話を持ちかけても全く動じない巴マミ。

 

「いつかみんな魔女になっちゃうんでしょ⁉︎そうじゃなくても、私達が倒してる魔女は元々魔法少女!!私は今まで人殺しをしていたのよ!!!鹿目さんや美樹さんの前で…魔女を倒して…偉そうに先輩ぶって…」

 

 

「馬鹿みたいじゃない!!私はなんのために魔法少女になったのよ!!」

 

マミは少し間を置き荒く息を吸って叫ぶ。

彼女の目はもはや目の前の大成を見ていない。どこか遠い、過去の自分に向かって言っているようにもみえる。

 

「じゃあマミさんは…今まで魔法少女をやってきて、この街を救いたいと思ってなかったのか?」

「…!」

 

「確かに…魔法少女はいつか魔女になってしまう。そして他の魔法少女によって倒され…それを繰り返すのかもしれない。インキュベーターの手で踊らされているのかもしれない。」

 

「でも、それでもマミさんは、救いたいものがあったから魔法少女をやっている!その気持ちに嘘もない!」

 

「ここでマミさんがみんなを殺したって…それでどうこうなる話ではないでしょう…?マミさんには俺たち仲間がいる。皆で考えればなんとかなるかもしれない!」

 

大成はマミに思っていることを吐き出す。

 

「…そう…ね…」

「うぉっとっと!!」

 

気持ちが届いたのか、冷静さを取り戻したマミはさやかを拘束していたリボンを撤回し、変身を解く。

 

「…よくやったわ、この展開は初めて。」

「…この歳の頃の扱いは慣れてる…それをずいぶん前に体験したからな…」

 

大成も本来の世界では高校生であったため、まだ脆くて弱い子供の心の扱い方にはよく理解している。

今回巴マミの暴走も心理的なものが大きく関わっているため、大成がその場の鎮圧がスムーズに進んだのである。

 

 

 

「…話を続けてもいいかしら?巴マミ。」

「…えぇ…みんな、ごめんなさい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ということで、ワルプルギスの夜を撃退しない限り、この見滝原をどれだけ魔女から守っていたとしても、いつかは消し飛ぶわ。」

「…ワルプルギスの夜…この魔女も元は魔法少女だったのよね…一体どんな絶望を持てばそこまで恐ろしい存在へとなるのかしら…でも、私が魔法少女である限りは、死ぬまで守ってみせるわ。」

 

「まぁ、ワルプルギスが来ようとも、あたしがいればお茶の子さいさいだけどな。」

「あたしもついてるんだし、マミさんもいる。転校生もいる。大成だっているんだから、絶対勝てるよ!」

 

魔法少女達の士気は上がり、まさに一致団結している。

 

が…

 

 

 

「すまない…その話…俺は乗っかれないかもしれない。」

 

「「「「⁉︎」」」」

 

大成が驚きの発言をし、ほむらを含め全員が驚いた顔をする

 

「な!なんでよ!!あとはワルプルギスの夜だけじゃん!まさか大成、この後に及んでビビってるんじゃないでしょうね⁉︎」

「いや…違う…だけど…」

 

大成は先ほどから感じる胸騒ぎを感じながら、空を見上げて話す

 

「…俺には他にやらないといけない事がある…みんなとワルプルギスの夜を倒す…それももちろん大事な事なんだが、俺にしかできない事があるんだ…」

「大成……」

 

ほむらが大成のところに寄り、話をする。

 

「ここまでの状況を作ってくれたのは大成よ。私だけではどうしようも無かった…あなたがこの先の戦いに参加しないのも、何か理由があるのでしょう。あなたは私を助けてくれた。それだけでも十分よ。」

「ほむら…」

 

「そうだぜ。お前はお前のやる事やりゃーいいんだよ。あたしらの心配するんじゃねーよ。」

「大成君…あなたがいなければ私はもっと前にダメになってた…大成君が繋いでくれたこの命…この街を救うために使うわ…。だから、あなたを責めたりはしないわ。」

「マミさん…杏子…」

 

大成は空を見たまま険しい顔をしたまま動かない

 

「……来た!」

「な…!」

 

空に黒い渦が発生し、空を覆い尽くす。

まるで大成を歓迎しているかのような、混沌に満ちた邪悪な気配が漂ってくる。

 

 

 

『神…』

『うむ。これはおそらくお主が干渉した別の世界と混じっているようじゃ…こんなケースは初めてじゃが…このままではこの世界もあっちの世界も大変な事になる…』

『原因を潰せばいいんだよな…』

『うむ。じゃが、気をつけるんじゃぞ…お主のステータスはこの世界に入った時間経過に沿っている…まだ完全な力では無い…』

 

大成は舞空術を使い渦に近づいていく。

 

『大丈夫だ。一度死んだ身だ…細心の注意を払っていくよ。』

 

「お…おい!大成!」

「大成君!」

「大成!」

「…大成…」

 

4人の魔法少女がこちらを見て心配そうな顔をしている。

 

「大丈夫だ。俺は必ず戻ってくる。そして俺もワルプルギスの夜と戦う。少しの間だけお別れだ!」

 

そうして大成は渦の中へと入っていった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「…さて…ここは……」

 

渦から出てきた所はナメック星。

 

「…どうなってんだこりゃ…ナメック星に来てしまった…」

 

後ろを振り返ると先ほど通ってきた渦がある。消えてはいない。だがほんと少しずつ小さくなっていっている。

 

「…時間が無いな…とりあえず、さっきから感じる大きな気の所へ行くしかあるまい…」

 

移動してから数分。その大きな気の持ち主が判明する。

 

 

「お前は…⁉︎」

 

「ん?貴様は…なぜここにいる…?地球とかいう星に逃げたのでは無いのか?…フッフッフッ…まぁいい…手間が省けた。」

 

「なんで…よりにもよって…最悪だ…」

 

「孫悟空は僕が始末した…憎きサイヤ人、その中でも伝説と呼ばれた超サイヤ人を葬った、正真正銘、宇宙最強のこのフリーザ様が、サイヤ人をこの世から一匹残さず殺してやる!」

 

「悟空が負けた…だと…⁉︎」

「貴様はその前菜だ!!覚悟しろ!!」

 

 

 




更新遅れました…最近忙しくてなかなか書けません…

話も逸れているかもしれませんが…読んでくださる方…まだ見えましたら、感想、アドバイスお願いします…

もう少しでまどマギ編を終わりにして、次はドラゴンボールに戻りセル編、もしくは、アカメ、リゼロ、アリア、シャナのどれかを絡めようと思います。


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宇宙の帝王

「貴様はその前菜だ!!覚悟しろ!!」

「くっ…」

 

フリーザが大成に突進してパンチを繰り出す。咄嗟のことに出遅れたため重い一撃を浴びてしまう。

 

「がっ…!」

「フッフッフッ…所詮はただの猿、その程度では僕には指一本触れることはできないよ?」

 

フリーザは両足を合わせ、両手を広げて構えをとる。

 

「この星の中枢は俺が破壊した…お前も気がついているとは思うが、あと5分もしないうちにこの星はチリと化す…そしてお前は僕には勝てない…」

「へっ!まだ根をあげた訳じゃないんだから、もう勝ちました気取りはやめてほしいな。それって負ける奴のセリフだぜ?」

「調子に乗るなよ!猿野郎!!」

 

フリーザが片手で大きな気を放つ。大成は瞬時にそれを避け、フリーザの後ろに回り、後頭部に回し蹴りを命中させる。

 

「グッ⁉︎」

「ほら?指一本どころか片足が当たっちゃったぜ?」

「…生意気だよ。お前。」

 

フリーザは先ほどから見せていた余裕の目ではなく、本気で殺しにくる目になっている。

 

「…簡単にはいかなさそうだからね。お前にも見せてやるぞ。このフリーザ様の100%のフルパワーを!」

「(くるか…)」

 

フリーザが気を溜め始める。辺りから感じる強大な気が大成を心の芯から震えさせてくるのがわかる。

 

「ハァァァァァァァァ!!フンッ!!!!」

 

フリーザ100%フルパワー。その名に比例するかのようにフリーザの筋肉は倍近くに膨れ上がり、辺りを震撼させる。

 

「待たせたな…こいつがフルパワーだ…一瞬で楽にさせてやるぞ!!」

「…」バッ

 

無言で構えを取り大成は気を落ち着かせる。

 

「ハッ!」

「…!消えた!」「後ろだぁ!!」

 

フリーザが高速で大成の後ろに回り、先ほどの腹いせか回し蹴りならぬ回転しながら拳を大成の顔に命中させる。

 

「がはっ…」

「ハッハッハッ…所詮は猿だ!俺のフルパワーには手も足も出ないか!」

「なめんなぁぁあ!!」

 

大成は形成を立て直し、素早くフリーザの懐に入り込み、パンチの連撃を腹部に叩き込む。

 

「きかんな!」

 

ピクリともせず腹部を殴り続ける大成の腰を両手で掴み、そのまま下に投げとばす。

 

「口ほどにもない…もう死んだか。さっさと惑星フリーザに戻らねば。」

 

がらっ…

 

「むっ?」

 

フリーザが投げ飛ばした岩場の瓦礫から大成が出てくる。

 

「まだ生きていたか。いいぞ!そうでなくては面白くない。」

「…本気でいかないとやばいな…本来ならこのままでも倒せるんだがな…やはりあちらの時間軸では力が完全に戻ってない…」

 

ドゥ!!

 

「な…なんだと…⁉︎」

 

フリーザは驚いている。目の前のサイヤ人が、フリーザを苦しめた孫悟空と一緒の金色の戦士へと変化したからである。

 

「すまないな。俺はスロースターターでな…これからが本番だ。」

「超サイヤ人……フッフッフ…ついているぞ。俺は!伝説と呼ばれた戦士を2人もこの手で殺せるのだからな!!」

「ごちゃごちゃ言ってんじゃねえ!!今度はこっちから行かせてもらうぞ!!」

 

大成が目にも捉えられない速さでフリーザの目の前に接近、先ほどと同じく腹部めがけて連撃する。

 

「グァァァア⁉︎」

 

今度は違う。フリーザが痛みに耐えれず苦痛の声を漏らす。

 

「そらぁぁぁあ!!」

 

更に一撃、少し距離を置き、勢いをつけた蹴りをフリーザにお見舞いする。

 

「お…おのれぇえぇ!!」

「かかってこいやぁぁあ!!!」

 

大成が殴り、フリーザが殴り、大成が避けて、フリーザも避ける。

大成が蹴りをお見舞いすれば、フリーザもまた蹴りをお見舞いする。

 

まさにデッドゾーンの戦い。気づけばどちらも血まみれ、勝負はまさに真骨頂へと進んでいた。

 

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…」

「ハァ…ゼェ…ゼェ…」

 

「サ…サイヤ人め…」

「ふぅ…この勝負俺の勝ちだ。」

「なっ⁉︎」

 

大成は急に勝利を確信したのか話す。

 

「お前は100%の力に体が耐えきれていない。もうピークが来ている。お前の体は悲鳴をあげている。」

「グ…」

 

大成の言う通り、フリーザの体はガタガタと震え始めている。それに体力も減り、息が荒い。

 

「どうだ?このまま続ければお前は負ける。提案しよう。このままお前が逃げ帰れば見逃してやる。」

 

フリーザは今の言葉に顔に血管が浮き出るほど怒り狂った顔をみせる。

 

「この俺に逃げろだと…?猿ごときに俺が…宇宙の帝王と呼ばれたこのフリーザ様がぁ!!!」

 

フリーザは拳を構えてこちらに飛びかかろうとしてくる。

 

「チッ…そう上手くはいかないか……」

 

 

!!!

 

 

 

「⁉︎今…!」

 

大成は今の一瞬に違和感を感じる。

 

「(今…確かに悟空の気を感じた!!まだ生きているんだ!)」

 

大成の感じた違和感は孫悟空の気であった。おそらく死んでいなかったのであろう。気絶か何かしていて気が感じられなかっただけ。

 

「…なら、やっぱここは正規の主人公に片付けて貰わないとな…」

「何をゴタゴタ言ってやがる!!」

 

フリーザは待ってはくれない。高速で大成に近づき、頭突きをくらわせる。不意を突かれて避けきれない大成は頭突きをくらってしまうが、宙で回転して体勢を立て直す。

 

「俺が…負けるかぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

フリーザは完全に頭に血が上っている。なりふり構わず大成に向かって気弾を放つ

 

「チッ…こういう何考えてるかわからん奴の攻撃こそ避けにくいものはないぜ…!」

 

気弾は弾き、接近してきたフリーザの打撃は上手くかわす。が、大成も疲労を隠せない。火事場のくそ力を見せてきたフリーザの攻撃全ては防ぎきれず、ダメージを蓄積してしまう。

 

「くそ…まだか…!!」

「これで真っ二つにしてやろう!!」ブンッ

 

フリーザは両手にクリリンの放つ気円斬と同じ形状の気を作る。これをモロにくらってしまえば間違いなく体は裂けてしまうだろう。

 

「くそ…俺の苦手な分野じゃねぇか…!」

「しねぇぇぇええええ!!」

 

二つのデスソーサーが大成めがけて飛んでくる。大成はスピードをつけ離れるが、もちろんのこと追尾をしてくる。

 

「…」

「こっちにきてギリギリでかわして俺に当てようって考えだろう?残念だが俺にはそれは通用せんぞ!!」

 

ギリギリでかわしてもフリーザは意図的に操れるため、巧みに自分に当たらぬよう操作する。

どうしようもないため、大成には逃げるかフリーザに当てるしかない。

 

「クソッ!キリがねぇ…!!これだと俺もばててしまう!」

 

その途端大成の体力が限界に近づいたのか、速度が落ちてくる。次第に縮まる大成とデスソーサーの差。

 

「もうダメだ…!!」

 

その時

 

 

「なっ⁉︎」

 

大成は来るはずの死を覚悟していたが、驚くフリーザの声と轟く爆発音に後ろを振り向く。

 

「…!!!…やっとかよ…」

 

そこにはドラゴンボールの正規の主人公。初代金色の戦士、孫悟空が立っていた。

 

 

 

 

「タイセイ…⁉︎おめぇはドラゴンボールで地球に行ったんじゃ…⁉︎」

「訳ありでな…お前の知るタイセイであって、タイセイじゃないんだよ。」

「な…そ…孫悟空⁉︎生きていやがったというのか⁉︎」

 

フリーザは目の前の光景に絶望する。自分の怖れている超サイヤ人が2人。1人でさえ倒せるか分からないというのにそれがもう1人も増えてしまった。

先ほどまで怒り狂っていたが、さすがに今度は再び恐怖に体が震えてくる。

 

 

「…後は任せてくれ。おめぇは地球に帰るんだ。」

「…そうさせてもらう。お前がカタをつけるんだ。俺はもう疲れた。…どうやら、帰りの道もできてるみたいだからな。」

 

大成が後ろを振り向けば、最初に彼がやってきた空間が出てきている。おそらく、歴史改変は阻止できたため、本来の場所に戻れるようになったのであろう。

大成が戦ったこと時間軸は恐らく彼が経験したドラゴンボールの世界とはまた違う時間軸なのであろう。

本来なら彼は地球でメカフリーザとコルドを倒しているはずである。

 

「キ…キサマ!!逃げるのか…⁉︎」

「逃げる?違うな。お前はもうすでに俺に負けている。その怯えきったままの貴様はもう宇宙の帝王ではない。ただの自分が最強だと思い込んでいる宇宙人だ。俺はもう用は済んだ。後は悟空に譲ってやるって話だよ。じゃあな、自称宇宙の帝王さんよ。生きていたら会おうぜ。生きていたらな?」

「ふ…ふざけやがって…死にやがれぇえええ!!」

 

空間へと足を進める大成にフリーザは気弾を放つ…が。

孫悟空にそれを阻まれてしまう。

 

 

「貴様の相手はこの俺だぁ!!フリーザぁぁぁあ!!!!」

 

大成は空間へと入り、閉じていく最後の時まで悟空の背を見続ける。

 

「…サンキュー。タイセイ。」

 

 

小さな声でそう言った悟空の声を最後に、空間は完全に閉じられた。

 

 

 

 

 




次でまどマギ編は終わります。

次の章はセル編です。

その次はシャナの予定です


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因果は永遠に

 

 

「ーーーーなんだ…⁉︎」

 

大成はあれからまどか達の世界に帰ってきた。

しかし最初にこの世界を離れるときに見た時の光景と、今大成が見ている見滝原の光景とは全く違う。

 

「…ここ…見滝原だよな…?」

 

街は半壊、そこら中が大きな竜巻に襲われたようにグチャグチャになっている。人の気配もしないため、死んでしまったと思われる。

 

「まどか達は…⁉︎」

 

大成はこの世界を共にしてきたまどか達を急いで探す。

フリーザとの戦いで負った傷も気にならないほど真剣に、胸に抱く最悪の事体を恐れながら

 

「まどか!!さやか!!マミさん!!杏子ぉ!!ほむらぁ!!」

 

叫んでも反応は返ってこない。それでも大成は声を張って呼びながら探し続ける。

 

 

 

 

 

「大成…君…?」

「大成…!」

 

声がして振り返ればそこには杏子とマミが傷を負ってはいるものの、大成の前に生きている姿を現した

 

「マミさん!杏子!よかった…無事だったんだな!!」

 

立て続けにそこにさやかとほむらも姿を現した。

 

「あ…あたしも生きてるよ…」

「大成…」

「さやか!ほむら!」

 

恐らくワルプルギスの夜を撃退したのであろう。その証に魔法少女が生きている。魔女の気配はしない。

 

「よかった!ワルプルギスの夜は倒したんだな!!4人で力を合わせれば勝てたんだな!」

「いいえ…」

 

ほむらの表情は、何度も勝てなかったワルプルギスの夜を撃退し、嬉しさに満ちた表情ではなかった。

 

「なんで…そんな顔してるんだよ…?なぁ、まどかはどこにいった?」

 

 

「大成…君?」

「まど…か…」

 

大成はまどかの姿をみて仰天する。まどかが魔法少女になっているのだ。

 

「ほむら…何が…」

「私達の力ではワルプルギスの夜が倒せなかった。そこでまどかがキュウベェの言葉に…」

 

どうやらまどかが魔法少女になり、ワルプルギスの夜は一撃で仕留められたらしい。

が、ほむらはまどかを魔法少女にさせないことも目標の一つであったため、浮かない顔をしている。

そこに杏子が話をかける

 

「な…なぁほむら、ワルプルギスは倒せたんだし、ここは喜ぼうぜ?まどかは魔法少女になっちまったけど…これからみんなでグリーフシード集めていきゃ…」

「それじゃ…遅いのよ…」

「え?」

 

ほむらはじっとまどかを見つめたままでいる。

まどかの所にマミが駆け寄り、話をする。

 

「鹿目さん!良かった無事で…!」

 

 

「全然良くない!!!!!」

 

⁉︎

 

急に大声を上げるまどかに全員が驚き彼女を見る。

まどかの目は光り輝いていない。絶望に包まれた目に満ちている。

 

「…みんな…みんな死んじゃった…もう…こんな世界で生きて行く価値ないよ…ママも…パパも…タツヤも…いない世界で……」

「鹿目さん…」

 

 

 

 

「こんな世界、消しちゃえばいいんだ」

「なっ⁉︎」

 

その途端、まどかのソウルジェムが割れ、彼女を包み込む。

辺りは地響きと共に崩壊していく。

 

 

まどかは魔女になってしまったのだ。

 

「ほむら…これが…」

「えぇ…最悪のシナリオよ。まどかが魔法少女になり、そして魔女へと変貌する。ワルプルギスをも一撃で倒せるまどかは、まさに最強の魔女よ。この世界はもうダメね…」

 

ほむらは立ち上がり、自分のつけている盾を起動する。

 

「お…おい!ほむら!どこいくんだよ!」

「転校生⁉︎」

「暁美さん…⁉︎」

 

ほむらは最後に一度、こちらを振り返り、申し訳ない、といった顔をしたまま、その場から消えてしまった。

 

「…過去に戻った…か…」

 

杏子達は察した。ほむらはもう意味のないこの世界は捨てたのだと。そして目の前の魔女に自分達は殺されるのだと。

 

「…これがあたしたちの運命なのかよ…結局は死んじまう…」

 

皆が諦めていた。そう、1人を除いて。

 

「…お前達は死なない。」

「…大成…?」

 

「できるだけ遠くに離れろ、この街よりも遠くに、ここにいては巻き添えをくらってしまう。」

「待て…何をするつもりだよ!」

「…行きましょう、美樹さん、佐倉さん。」

「ちょっとマミさん⁉︎…リボンが…⁉︎」

 

話を一番に理解したマミは杏子とさやかを拘束し、その場を離れようとする。

 

「大成君…まさか…お別れじゃ…ないよね…?」

「…いつかまた会えるんじゃないかな…」

「そう……さようなら…」

 

そのまま大成の名を叫ぶ杏子とさやかを連れたままマミはその場を速いスピードで離れていく。

 

「…この世界のお前らだけでも、これ以上苦しませてやりたくないからな…せめて、俺の手で終止符を打ってやる。」

 

大成が上を見上げれば、目の前には巨大な「何か」がそびえ立つ。

ギリギリシルエットで判別できる、おそらく鹿目まどかであった存在なのであろう。

 

「…あんな優しい子もこんな姿になっちゃうんだな…せめて…安らかに…」

 

大成は悲しい目をしたまま超サイヤ人へと変身し、手に気を集める。

それを思い切り魔女に放ち、直撃した魔女から街を飲み込むほどの爆発が広がる。

 

 

 

 

 

 

 

「…俺もこの世界とはおさらばしないとな…」

 

大成は目の前にできていた時空の入り口へと入っていった…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「お疲れじゃったの。大成よ。」

「神…へっ…バッドエンドだったぜ…」

 

大成に二度目の人生を与えた張本人、神様はへこたれて帰ってきた大成の前へと現れる。

 

「実はの…あの世界はまどマギといったアニメの世界でな…お主の経験した事は原作の前の話なのじゃ。」

「前…だと…?」

 

話はそのまま続く

 

「うむ…お主はあれが自分のせいで失敗したと思っているじゃろうが、それは違う。なにがどうあっても、あの結果にするのが正解なのじゃ。今回はあのまま時空の歪みを放置しておけば、フリーザがまどマギの世界に入り込み、暁美ほむらも殺されてしまうところだった…」

「なるほど…それを俺が防いだってことか…」

「うむ…あのフリーザはお主と戦ったフリーザとはまた違う時間軸のフリーザじゃ。どうやら最近世界の歪みがどんどんおかしくなっているようでの…」

 

大成は少し安心した顔をする。自分のせいで、フリーザと戦っていたせいであの世界が救えなかったと思っていたため、安心するのは当たり前である。

 

「それでも…あのままほっておけば杏子達は死んでた…それを救えただけでも満足さ…」

「うむ。いつかまた原作側の時間軸も経験することじゃろう。その時は歪みが発生しないように頼んだぞ。大成。」

「あぁ…少し休ませてくれ。体力が回復したらドラゴンボールの世界に戻らせてもらう。」

「うむ…」

 

大成はそのまま神の元を離れる。

神はまだ険しい顔をしたまま、全ての世界を見おろしている。

 

「…しかし…アニメの世界同士が絡み合って異変が起こるケースなど今までは無かったはずじゃが…嫌な予感がするのぅ…まさか、歴史をめちゃめちゃにしようとしている奴がおるのかもしれぬ…」

 

大成の知らないところでまた、何者かが動いているのであった…

 

 

 




まどマギ編はこれでひとまず終わりです。
最後は原作ではなく、ほむらの歩んできた時間軸の中の一つ、といった区切りにさせていただきます。
いずれまた本編もやると思います。

では、次はセル編です。


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ドラゴンボール(人造人間・セル編)
来るべき戦いに向けて


「では、ドラゴンボールの世界に行くのじゃな?」

「あぁ、俺はまだまだ強くなりたいからな。」

 

大成は最初に転生したドラゴンボールの世界の続きに干渉するみたいだ。強さを求めるならば、それが妥当であろう

 

 

「まどか達を救えなかったのは俺に力が足りなかったからだ。いつ死んでもおかしくない。それは分かってるけど、苦労しないとそれに見合ったものは得られない。だから俺はドラゴンボールの世界に行く。」

「うむ…」

 

少し前にまどマギの世界から帰ってきた大成だが、そこでは彼にとっては辛い結果となってしまった。

その経験からか、大成はさらに高みを目指し、平和な道を切り開こうとする意思が見える。

 

「お主が頑張ろうとする気持ちは分かるが、原作はくれぐれも変えないようにな?」

「あぁ…」

 

大成は神の作ったドラゴンボールの世界へと行く道を前に一度神の方を振り向き

 

「俺という人間の物語の原作を今作ってるんだ。原作を変えるも何もないだろ?それじゃ、いってくる。」

「やれやれ…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ハァ…ハァ…」

「孫悟空、エネルギーは頂くぞ。」

「19号、私の分も残しておけ。」

「了解。20号」

 

胸を押さえながら苦しそうな顔をして戦う孫悟空、そして対するは人造人間19号、20号。

 

「ハァ…ハァ…じょ、冗談じゃねぇ…」

「悟空の奴一体どうしたというのだ…」

「そうか!!悟空は心臓病なんだ!!あの未来からきた奴がいってたやつ!!」

「クッ…よりにもよってこんな時に…」

 

ピッコロとクリリンがお互いに悟空の異変に気付いたようだ。仙豆を持っていたクリリンは急いで悟空に仙豆を渡す。

 

「悟空!!仙豆だ!!食え!!」

「サ…サンキュー!クリリン!」

 

仙豆を食べ、再び気を放ち戦う悟空、しかし、当然それは消耗した気を回復しただけであり、ウイルス性の心臓病には効き目はない。

すぐ様悟空は同じように苦しそうに息切れを起こす。

 

「ハァ…ハァ…ど…どうしちまったんだ…オレの体…」

「回復したところで無駄だ」

 

ガッ

 

「ぐぁ!!」

「再びエネルギーを貰うぞ。」

「くっ!だりゃぁぁあ!」

 

19号にエネルギーを奪われようと首を掴まれた瞬間に悟空は力を振り絞ってそれを回避する。

が、しかしついに心臓病の苦しみが頂点に達したのか、悟空は地に倒れてしまう

 

「ぐぁぁぁあ!!ハァ…ハァ…が…ぁぁあ」

「悟空!!」

「まずい!」

 

クリリンとピッコロが悟空を助けようと近づくがそこに20号が現れ、邪魔をされる。

 

「これ以上先へはいかせんぞ…」

「クッ…」

 

19号は悟空に近寄り、悟空の首を掴みエネルギーを吸収し始める。

 

「エネルギーを頂くぞ。」

「がぁぁぁぁぁあ…」

 

その時

 

バキッ!!

 

「カカロットの出る幕はないぜ…」

 

ベジータが現れ、19号を蹴り飛ばす。間一髪助かった悟空をクリリン達のところに蹴り飛ばし、ベジータは19号と戦いに入る。

 

「ハァァァァァア!!!!」ドゥ!!

「なっ⁉︎」

 

辺りがベジータを見て騒然とする。

 

「俺様も慣れるんだよ…伝説の超サイヤ人にな…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その頃…

 

「さて…どうしたもんかな…」

 

大成は自分が今何をすべきかが分からないまま街を歩いていた。

 

「今加勢に行ったところでベジータの邪魔すると何言われるか分からんしな…とりあえずブルマのところにいくか…」

 

 

 

 

 

カプセルコーポレーション

 

「やぁ!ブルマ!」

「あんたは確か…ナメック星でフリーザと戦って、その後地球に来たフリーザの兄とお父さんを倒しちゃった人でしょ⁉︎」

「覚えててくれてよかったよ。頼みがあるんだ。」

 

大成はブルマに自分の要望を問いかける

 

「えぇーーー!!1000倍の重力室を作ってほしいですって⁉︎」

「あぁ、なんならそれ以上のも作れる限りで作ってほしいんだ。」

「そんな…どうしてサイヤ人ってのはこうもバカなのかしら…」

 

ブルマはおそらくベジータにも似たようなことを言われたのであろう、戦う事、自身を鍛える事にしか頭がないサイヤ人に呆れているようだ。

 

「んー…まぁ、できないことはないけど、足りない部品があるから買ってきてからやってみるわ…明日にでもまた来なさい。」

「ありがとう!じゃあ、また明日!」

 

バシューン…

 

「全く…まぁ、それに付き合っちゃってるあたしもバカなのかしら…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

岩山

 

「チッ…どこにいきやがった!!出てきやがれ!!姿を見せろ!!!」

 

ベジータが大きな声を張っている。探しているのは20号だ。

 

先ほど、19号との戦いに圧勝したベジータは、20号にも戦いを仕掛ける。

しかし、戦いが困難と感じた20号は、自分の生み出した人造人間17号、18号を起動させるために、姿を隠しながら自分の研究所に向かっていたのだ。

 

「ベジータの奴め…しつこい奴だ…だが、私は自分も人造人間に改造した、あいつらの言う、「気」では私を見つけられまい…」

 

人造人間は気がないため、こちら側は探す事ができない。

 

「とはいえ…今のエネルギーでは研究所まで行くのも時間がかかるか…ベジータにでも見つかれば戦う事もできん…どれ…誰かのエネルギーを奪ってやるか。」

 

20号…もといドクターゲロはその場に来ていた戦士の中から、ピッコロを襲い、口を押さえて声を上げさせないようにしてエネルギーを吸収する。

 

「ムゴッ⁉︎」

「エネルギーは頂くぞ…」

 

しかしピッコロはテレパシーを使えたため、近くにいた悟飯に呼びかけ、それに気づいた悟飯は20号を攻撃。ピッコロはエネルギーを全て奪われずに済んだ。

 

「お…おのれ…なぜ場所が⁉︎」

「ぺっ…やってくれやがったな…ベジータ!ここは俺にやらせてくれ。」

「ふんっ…いいだろう。貴様が死んだら俺様が片付けるだけだ。」

 

そして今度は逃げ場のない20号はピッコロと戦うことになる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

神様の宮殿

 

「お主は…」

「初めまして…かな?タイセイって言います…」

 

大成は神様の宮殿に来ていた。

 

「うむ…お主には地球の危機を救ってもらったからな…感謝するぞ…」

「いやいや、感謝される覚えはないって!目の前にいた敵を排除したまでさ。」

 

大成は手を頭に回しながら話を続ける。

 

「それで?今日は何か用があってここに来たのであろう。お主にしてやれる事があるとは思えんが…」

「あぁ、今じゃないんだけどさ、精神と時の部屋を使わせてほしいんだ。」

「精神と時の部屋か…なぜその部屋の事を…」

「んまぁ、色々と事情があってね。ある程度の事はわかってるんだ。これから恐ろしい敵が現れるからな。俺自身鍛えておきたいんだ。」

 

神様は不思議そうにこちらを見つめているが、大成からは邪気は感じられないため、話を飲む。

 

「よかろう…好きな時に使うが良い…分かっているのなら、部屋の事を説明するまでもあるまい…」

「あぁ…感謝するよ。神様とは、これで会うのは最初で最期になるかもな!じゃな!」

「お…おい!」

 

バシューン…

 

大成はそのまままた下界へと飛び去っていった。

 

「…まさか、ピッコロが、また死ぬのか…?」

 

 

 

 

 

 

「…これで俺を鍛える道筋は作っておいた…後はうまくストーリーに合わせるだけだな。神様はピッコロと同化すれば、記憶も共有できるはずだから、俺が精神と時の部屋を使う約束も大丈夫なはず…」

 

大成は計算しながら物事を進めているようだ。

 

「さて…そろそろみんなのところにいくとするか…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

研究所

 

「じゅ…17号!!貴様…!!」

「また止められてたまるかよ、クソジジイ!」

 

グシャッ…

 

あれからなんとか研究所へ行った20号は、17号と18号を起動させるも、20号は殺されてしまった。

 

「な…あいつ…生みの親を…!」

「面白くなってきやがったな…」

「皆さん!!下がってください!!」

 

あれから合流したトランクスが、超化し、17号達に向けてエネルギー波を打つ。

 

ドゴォーーーン…

 

「おい貴様!余計な真似をするんじゃない!」

「貴方は何を言ってるんですか!今やらないと、大変な事になるんですよ!!」

 

トランクスの攻撃は虚しくも意味をなさず、2人の人造人間は姿を見せる。

もう一つの人造人間の入ったカプセルを持ちながら…

 

「16号か…こいつは完全に機械ベースだが、パワーがあまりにも強すぎて不完全と聞いたが…」

「いいじゃん、17号?開けちゃおうよ!」

「そうだな。」

 

ピッ…プシューー…

 

「人造人間16号…⁉︎見た事も聞いた事もないぞ…!!違う…さっきの19号と20号といい、俺の歴史とは…明らかに違う!!」

 

トランクスの歩んだ歴史とは大きく事なり、ついにはさらに人造人間が1人増えてしまう。

 

「よう、16号。お前は何のために作られたんだ?」

「俺は孫悟空を殺すためだけに作られた」

「ふっ…じゃあ、のんびり孫悟空のいる所まで向かうとするか。」

 

そういうと三人はベジータ達を無視して飛んで行ってしまった。

 

 

「あの野郎…目に入らなかったとでも言うのか!!待ちやがれ!」

 

ベジータも人造人間を追って、他のメンツも後に続いた。

 

 

 

 

 

 

 

「ここら辺で車でも探すとするか。」

「よう。」

 

17号達が振り返ると、追いかけてきたベジータが立っていた。

 

「ベジータか。まさか、戦いに来たんじゃないだろうな」

「そのまさかだ…貴様ら全員、俺様がバラバラにしてやる…」

 

ベジータは戦闘態勢にはいる。

 

「あたしにやらせてよ。17号。」

「18号…いいだろう。」

「あはっ」

 

後に続いてきたトランクス達も加勢しようとする。

が、17号がそれを阻止する。

 

「おっと、ベジータと18号の戦いを邪魔するなら、俺が相手になろう。」

「クッ…」

 

全員が見守る中、最初は押していたと思われていたベジータが、徐々に押されだす。

 

バキッ

 

「グァァァァァァア!!」

「クスッ」

 

「と…父さぁぁぁん!!!」

 

父の苦しむ姿を見ていられず、トランクスは超化して加勢に入ろうとする。

しかし瞬時に17号に蹴り飛ばされる。

 

「邪魔するなと言っただろう?」

「チッ…お前ら!俺たちも全員でかかるぞ!!ベジータを助けるんだ!!」

 

「その必要はない」

 

!!

 

周りは声のした方を振り返る。そして歓喜の声をあげる。

 

「タ…タイセイさん!!」

「タイセイ!!」

 

ようやく到着した大成が17号の前に立ち、構えを取る。

 

「お前1人は俺が相手だ。ベジータ、まだやれるだろ?」

 

大成の言葉に立ち上がったベジータは更に気を上昇させる

 

「誰にものいってやがる!!俺様は誇り高きサイヤ人の王子、ベジータ様だぞ!!」

「へっ…じゃあ、見せてやろうぜ。サイヤ人の底力をよ!!」

 

 

 

 




今回は終わりです。ちょっと長かったかな…


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互角

ドラゴンボール編が終わったら、シャナと決めてましたが、更に面白くするために先に緋弾のアリアを入れようと思ってますが…どうでしょう?

ドラゴンボール編なので、サイヤ人の名前はカタカナなのでキャラは主人公をタイセイと呼びますが、作者視点は大成で書かせていただきます。

それでは、スタートです。


 

「さあ、俺が代表して相手してやる!かかってきな!」

「随分舐めた口を聞いてくれるじゃないか、サイヤ人ってのはバカなのか?勝てる筈のない戦いをするなんて、理解に苦しむね。」

 

大成と17号が向き合う。お互いに出方を伺っている。

 

「…」

「…」

 

沈黙が続いた上で先に動いたのは…

 

「これはゲームなんだ。待つのは嫌いだからこっちから行かせてもらうぞ!!」ダッ

 

17号が先に動き、すかさず大成の腹部に拳を繰り出す。

 

パシッ

 

「!!」

「俺はゲームをやるならスピードクリアするタイプでな…オラァ!!」

 

拳を手で受け止め、17号を振り払う。

 

「悪いが勝負を早く終わらせてもらうぜ」ドゥ!!

「へぇ…!」

 

大成は超サイヤ人になり、すかさず17号に近づく。

 

「さっさと決めさせてもらうぞ!」バキッ

 

「グッ…!いいぞ!そうこなくっちゃ面白くない!」ドゴッ

 

大成が先手を打ったが、17号は攻撃を食らったまま蹴りを入れる。見事に大成の頭に直撃する。

 

「グッ…!!」

 

一度距離を置き、大成は気を解放する。

 

「ハァァァァァア!!!!」

 

「タイセイの奴…なんという気だ…!地球でフリーザの兄と父を倒した時よりもパワーが上がっている!!」

「サ…サイヤ人ってのは心底恐ろしい奴らだぜ…悟空もベジータも俺達とは桁外れな域にいっちゃってるよ…」

 

ピッコロとクリリンは大成の膨れ上がる気に驚いている。

その傍らで…

 

ガッ!ドガガガッ!!ガキッ!!

 

「ゴフッ…」

「ちょっと…もう終わりなの??サイヤ人の王子が、聞いて呆れるわ。」

 

18号に滅多打ちにされて今にも倒れそうなベジータがいた。

 

「…ハァ…ハァ…な、舐めるなぁ!!」

「フフッ…楽しませてちょうだいね…」

 

「クッ…父さん…!!」

「落ち着け、トランクス!!今はあいつらに任せるしかない…!」

 

今にも父を助けようと飛び出しそうなトランクスをピッコロが抑制する。

本来ならば今頃加勢に出た全員が17号1人に敗北している筈だが、大成が現れたことにより、事態は変わっている。

現にベジータも火事場のクソ力と言わないばかりに奮起している。

 

「そうだ。お前達がベジータを助けると言うのなら、俺が遠慮なく邪魔させてもらう。」

「どこ見てんだオラァァア!!」

 

バキッ!!

 

「グハッ!!」

「余所見とは随分と舐めたことしてくれるじゃねぇか?ゲームとほざいてた割には、ダメージ受けすぎじゃねえのか?」

 

ぺっと口から血を吐き出して17号は構えを取る。

先ほどとは違い、目が真剣になり、大成を睨んでいる。

 

「悪かったな…ゲームとは言ったが、少し舐めてたよ。こっちも本気でいかせてもらう。」

「かかってこいよ」

 

 

 

 

ダッ!

 

 

互いにその場を蹴って近づく。

いち早く大成が17号を殴り、足をつかむ。

 

「うおらぁぁぁぁあ!!」ブンッ

 

17号は上空へと投げ飛ばされるが、直様体制を立て直し、下を見る。

 

「チッ…!どこだ…⁉︎」「ここだぁあ!!」

 

ドカッ!!

 

四角から大成がスピードのついた蹴りをヒットさせる。17号はそのまま岩山へと衝突する。

衝撃により、岩が崩れさる。

が、勢い良く瓦礫から17号が飛び出して姿を表す。

 

 

「…あの野郎…ダメージ通ってんのかも分かりやしねぇ」

「…」ブゥーン…

 

17号は無言で両手にエネルギーの詰め込まれた玉を作り出し、大成へと放つ。

 

「早い…!!逃げ切れねぇ!!」バッ!

 

ドーーーーーーーーーーーーーン!!!!!

 

大成は咄嗟に両手を交差させ、その場で受ける。

凄まじい爆発が起こり、空に大きな爆風も伴って出る。

 

「こんなんでくたばる男じゃないだろ?」

 

17号は笑みを浮かべながら爆風の中にいるであろう大成へと言葉を向ける。

 

「…ったりめーだろ…テメェの攻撃なんざビクともしねぇな…」

 

言葉に答えるように爆風から大成が姿を表す。

そして大成も17号に向けてエネルギー波を打つ構えをとる。

 

「お返ししてやるよ…」ビッ!!

「フンッ」サッ

 

17号は最も簡単にかわしてしまう。

 

「そんな単調な技、喰らうわけないだろ?」

「なら、これなら避けれないだろ!」

 

その途端、大成の分身が17号の周りに複数出現し、全員がエネルギーを溜める構えをとっている

 

「なんだと…⁉︎」

「「「「「さあ!避けてみろよ!!」」」」」

 

およそ10人ほどの大成が17号を囲みこむ。

 

「ど、どうなってるだ!タイセイのやつ!!」

「おそらく奴は高速で残像拳を作っているのだろう…それにしても気を溜めながらあれほど速く残像拳を出せるのは…」

 

「チッ…!」

 

大成が放ったエネルギー波を今度はまともに受けた17号にも先ほど大成が受けた時のように爆発が起こる。

 

「グァァア!!」

「よし…」

 

17号の服が背中の部分が大きく破れている。どうやら受けたのは背中のようだ。

 

「お…お前…よくも俺の服を…!」

「さっきまで余裕ぶっこいてた面がしわくちゃになってるぞ?」

「だまれぇぇえ!!」

 

近接で本格的に殴り合いがはじまった。

 

「ガハッ!!うらぁ!!」

バキッ!!ドゴッ!!

「グッ…!だぁ!!」

 

お互い避けては殴りを繰り返している。

 

 

 

 

 

 

「…17号のやつ、楽しんじゃってさ…」

「き…貴様…!!余所見など…するんじゃない…!!!」

 

息を荒げてベジータは18号に怒鳴る。

 

「もぅ…あんたは私に負けたの。そんな体で立ち向かってこられてもねぇ…」

「だまれぇぇえ!!!」ブンッ

 

サッ、ガッ

 

「うぉ⁉︎」

「じゃあ、もう動けないようにしてあげるわ!!」

 

バキッ

 

「ギャァァァァァァァァァア!!!!!!」

 

生々しい骨の折れた音が響き渡り、ベジータが激痛に声をあげる。

 

「ウフッ…もう片方もっ!!」

 

メキメキッ…バキッ!!

 

「ウガァァァァァァァア!!!」

 

両手を折られてベジータはついに痛みに耐えきれずに気絶してしまった。

 

「こんなもんか…じゃあ、もう終わりだね」

 

「父さぁぁぁぁぁん!!!!」ドゥ!!バッ

「待て!!!!トランクス!!…クソッ!天津飯!俺達も行くぞ!!クリリンは残っていろ!」

「ベジータを助けるなんてな…性に合わんが、行くしかないか!」

「2人とも気をつけろよ!!」

 

18号に飛びかかったトランクスに続き、ピッコロと天津飯も加勢する。

 

「あらあら、素敵な友情だこと…服が汚れたら嫌だから、一瞬で終わらせてあげるわ。」

「18号!!お前は俺が倒す!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…」

「ハァ…ハァ…」

 

17号と大成はお互いに息を切らしそうになっている。お互いに相当疲れているようだ。

 

「お…お前…そろそろ限界なんじゃないか…?」

「ハァ…そういうお前は…ロボットのくせにゼェゼェ言ってんじゃねぇか…」

 

お互いにボロボロになりながらも殴る手を止めない。

だが、そろそろどちらかが倒れてもおかしくはない。

 

「(17号の野郎が予想以上に強え…互角…いや、それ以上かもしれん…)」

 

大成は顔に汗を垂らしながら、限界に近い体を動かし、必殺技の構えをとる。

 

「これで終わりにしようぜ…どっちかがぶっ倒れない限り、おわらねぇ!」

「それはお前だと思うがな!」

 

2人の気が最高潮に高まったその時…

 

 

「17号!!もう終わりにしようよ!!」

「18号!いいとこなんだ!邪魔すんなよ!」

「なっ!!」

 

大成も18号の方をみると、そこにはベジータを始め、トランクス、ピッコロ、天津飯が倒れている光景が目に入る。

 

「…よし…死んではいないな…」

 

「服もボロボロだし!あたしはもう疲れたからさー。17号も孫悟空を殺すんでしょ?もうそんなやつ放っておいて、さっさと行こうよ。16号もずっと待ってるし!」

「…」チラッ

 

「…」

 

17号が無言で横を見ると、鳥と戯れている16号がいた。

 

「…チッ…命拾いしたな。孫悟空を殺したら、お前と続きをしてやる。」

「クッ…おとといきやがれ…うっ…」

 

大成も体力の限界がきたため、超化が解けて、地に崩れ落ちる。

 

「あわわわわわ…」

 

クリリンは近寄ってくる17号、18号、16号に恐怖してしまっている。

 

「あいつらはまだ死んでない。早く仙豆とかいうやつを食わせてやれよ。俺たちは孫悟空を殺しに行く。じゃあな」

「バイバイ」チュッ

「…」

 

シュタッ

 

そのまま三人が飛んでいってしまい、クリリンはその場に取り残される。

 

「…可愛かったな…18号って言うんだっけ…ってそんな場合じゃない!!仙豆を!!」

 

不意にほっぺにキスをされてしまい、18号に夢中になっていたクリリンは慌てて皆に仙豆を食べさせるのであった…

 

 





珍しく終わり方がいつもと違うのはお許しください…笑

ちょっとグダグダになりましたが、今回はこれにて…


戦闘シーンが思いつかなさすぎてワンパターンになってしまう…


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密かに動く悪魔

 

 

 

「…クソッタレめ…‼︎」

「いやぁ、見事にやられたなぁ、ベジータ。」

「だ…だまりやがれ!!」

 

あれからクリリンに仙豆を渡され、全員が体力を戻した。

ベジータはどうやら相当怒っているみたいだ。

 

「あの野郎…この俺様をあっさりと倒しやがって…!タイセイ!貴様はサイヤ人としてなんとも思わんのか!!」

 

怒ってこちらに問いかけてくるベジータを大成は横目で気にかける雰囲気もなく軽くあしらう

 

「…まぁ、負けたもんはしゃーない。己の実力不足だからこうなったんだからさ、さっさとまたあいつらと戦う時にむけて鍛錬するこったな。」

「……チッ!!」バッ

 

ベジータは舌打ちをしてその場から去ってしまった。

 

「父さん…!」

「追うな、トランクス。同じサイヤ人だから言えるが、あいつは誰よりもプライドが高い。だからこそ、ただの人造人間、ましてや女に負けた事が許せないんだ。今はそっとしておいてやれ。」

「…はい…」

 

トランクスは誰1人欠けることない現状にホッとしながらも、まだロクに会話もした事のない父親の突然の行動に、動揺を隠せないモヤモヤした気持ちを持ちながら大成の言う事に耳を向ける。

 

「…さて、俺も行きますかな〜」

「ム…何処に行こうと言うのだ。」

 

大成は舞空術で飛ぼうとした瞬間にピッコロに呼び止められるが、首だけ後ろに軽く向けて

 

「決まってんだろ?次のステージへの準備だよ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

西の都

 

「ブルマー!!」

「あら、タイセイじゃない!…ってどうしたのよその服⁉︎」

 

大成はあれから西の都のカプセルコーポレーション、すなわちブルマの家を再び訪れていた。

 

「例のブツを見に来たのだが…」

「あぁ、重力室よね、できてるわよ。ちょうど孫君がナメック星に行った時と同じ重力室付きの宇宙船があったから、それを改良したわ。」

「さっすが!!仕事が早くて助かるわ!」

 

あれから数時間しか経っていないと言うのに、もう大成の頼んだ重力室を完成させてしまうブルマの才能にはさすがに関心してしまう。

 

「一応、重力の限界はないわ。多分2000倍まではなんとか耐えられると思うけど、自分の体に合った重力で修行しなさいよ?」

「おぅ!あ!ベジータには内緒だぞ??」

「分かってるわよ。はい、これが宇宙船の入ったカプセルよ。あとはその他もろもろ頼まれた物も他のカプセルに入れてあるわ。」

 

大成はブルマにポイポイカプセルをもらい、その場を後にする。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

神様の宮殿

 

「神様!」スタッ

「きたか…」

 

大成は神の元へ訪れ、早速精神と時の部屋を使おうとする。

 

「タイセイよ、精神と時の部屋のルールは分かっておるか?」

「あぁ、2日間しかいられないんだよな?」

「うむ、それ以上を超えると扉が完全に閉ざされ、永久に出られなくなる。」

 

大成は精神と時の部屋に入る扉の前で止まり、神様の方を振り向き一言行って扉に入る。

 

「まぁ、いつかそのルールもぶち破ってやるさ、ルールなんかで縛られるほど小さい人間になるつもりは無いんでね。神様とはこれで会うのは最後になるかもしれんな。」バタンッ

「…やつなら何でも成し遂げてしまう気がするな…」

 

「…それにしても奴の言った最後のセリフが気になるな…ほんとにあいつは帰ってこないのでは…」

 

その先に神に待ち受ける事態をまだ本人が知る由もなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「…た…たすけ…ギャッ!!」ブスッ

 

ドクン…ドクン…ドクン…

 

1人の男性がなにか針のような物に刺され、その先から吸収され、人体は溶けていく

 

「…ぶわぁぁぁ…もうじきだ…待っていろ…17号、18号…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カメハウス

 

『ただいま、ジンジャータウンにて、次々の人が姿を消す事件が起こっております。ジンジャータウンの方、近くの街の方は、十分に注意をしてください。繰り返します…」

「むぅ…」

 

カメハウスにて、亀仙人、ピッコロ、クリリン、トランクス、ヤムチャ、悟飯がテレビの報道を見ていた。

 

「…トランクス、これも人造人間の仕業なのか…?」

「いえ、未来ではこんな事件が起きたことはありません…一体何が起こっているんだ…」

 

「もしかしたら、トランクスさんの言ってた、知らない人造人間が人を襲ってるんじゃ…」

「人造人間達はさすがに人の衣服だけ残して殺すような真似はしないと思いますが…やはり、俺がここにきてしまったことで、歴史が変わっているのかも…」

 

「悟空も心臓病で寝てるからな…今のオレ達では人造人間にも歯が立たないし、どうしようもねぇよな…」

「いや、なんとかなるかもしれん」

「えっ⁉︎」

 

それぞれが喋る中、注目を浴びる発言をしたのはピッコロ。

 

「ピッコロさん、それってどういう意味ですか?」

「俺と神が一つに融合するのだ。そうすれば、人造人間は倒せるかもしれん。」

「融合⁉︎ナメック星でネイルさんとしたことがあるって話と同じですか?」

「あぁ、俺と神は元々1人の存在。再び融合すれば、とてつもない力を手にすることができるやもしれん…」

 

ピッコロは早速とばかりにカメハウスを出て神様の宮殿へと向かおうとする。

 

「お前達は引き続きテレビから情報をくれ、俺が神と同化したら、テレパシーを飛ばす。そしたら例の事件の場所へと向かう。」バシュン

 

「ふむ…かつてはワシもピッコロ大魔王と戦った時期があったが、まさかまた1人の存在に戻るとは…」

「…お父さん…早く良くなって…」

 

カメハウスにはただ沈黙が流れるだけであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

精神と時の部屋

 

「さて…と!まずはこれだな」カチッ ポイッ

 

プシューーーーーン…

 

大成はポイポイカプセルから宇宙船を出し、中に入り、重力室の電源をいれる

 

「さぁ、ここで目一杯修行してやる!」

 

ジュウリョク、100バイ二シマス。

ブーン…

 

「さって!…うぉっ⁉︎」ガクンッ

 

重力をさっそくあげて、あまりの重さに膝をついてしまう。

 

「これだよこれこれ…元々重力が10倍かなんかにこれの重ねがけはキツイ…修行にはもってこいだな。」

 

「超えてやる…超サイヤ人を超えた超サイヤ人になってみせる…」

 

 

大成は厳しい修行を始めた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

神様の宮殿

 

「…きたか…ピッコロ…」

「あぁ、何で俺がここに来たかは分かるはずだ。」

 

神様の元へピッコロがやってくる。その理由は同化のためだ。

 

「今やお前もかつて大魔王と呼ばれた存在とは違う。今なら同化しても問題なかろう…」

「へっ、俺は貴様なんぞと同化するなんぞ死んでも嫌だがな。今回はそうも言ってはいられなさそうだからな。」

「うむ…人造人間にまたそれとは異なる奴の存在…」

「奴?」

 

神様はその「奴」をもう知っているようだ。

 

「聞かなくとも同化すれば全てが分かる。その化け物の正体と、私の知っている事全てがな。」

「よし…ベースは俺のままでいかせもらうぞ。戦いに支障をきたすからな。」

「よかろう…」

「か…神様…」

 

神様の付き人のミスター・ポポが最後となろう別れに涙ぐみながら神様を見ている

 

「ミスター・ポポよ、これは別れではない。本来ひとりであった存在に戻るだけなのだ。」

「ごちゃごちゃいうな!始めるぞ…」

 

ブーン………

 

 

 

カッッ!!!!!

 

 

 

 

 

「…」

「さようなら…神様…」

 

今ここに、最強の超ナメック星人が誕生した。

 

 

「さて…大体は把握した…精神と時の部屋にはタイセイが入っているのか…」

「ピッコロ、どこに行く?」

 

ピッコロはそのまま宮殿から下界に降りていこうとするのをミスターポポが呼び止める。

 

「害虫駆除ってとこだ。行ってくる。」タッ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ジンジャータウン

 

「ブワァァァ…生体エネルギーもだいぶ集めたはずだが…これでは17号達にはまだ到底及ばん…」

 

人間を自身のエネルギーへと変換して殺し続ける化け物は次から次へと街に移動しているようだ。

 

「さて…ここらも人間は居なくなったようだ…次の街に…」

「待て」

「ム…⁉︎」

 

そこにピッコロが現れる。

 

「き…貴様は…!!」

「お前が何者かは知らんが、ここで消させてもらうぞ。」

 

ピッコロは構えをとる。それに合わせて敵も構えをとっている。

 

「(それにしてもこいつから感じる気は一体なんなんだ…?俺や悟空、ベジータ、他の奴の気も感じる…)」

「ピッコロ大魔王…」

「⁉︎」

 

ピッコロは自分の名を知っているはずのない敵からそう呼ばれたために驚きを隠せない。

 

「お前も私の生体エネルギーとなるがいい!!」バッ!!

 

化け物はこちらに向かってきてパンチを繰り出すが

 

サッッ!!

 

「ダァァ!!」バキッ

 

「ブルァァ!!」

 

ピッコロはそれを避けて、反撃の打撃をお見舞いする。

 

「残念だったな…人違いだ…」

「何⁉︎貴様…ピッコロ大魔王じゃないのか…⁉︎」

 

ピッコロは気を溜め、解放する。

 

「…俺は…神と魔王が合体した真のナメック星人だ…!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

???

 

 

 

「…計画はこの通りだ…」

「ベジータを殺せばいいんだな…?」

「うむ…」

 

 

とある場所で話し込む2人

 

 

「では、私は地球へと向かう準備をして出発する。ベジータを殺し、あわよくばカカロットもお前の手で殺してやるが良い、ブロリー。」

 

 

2人のうちの1人、パラガスがそう言うと

 

「…カカロット……殺す…」

 

もう1人の無表情のサイヤ人、ブロリーはそうボソっと呟くのであった…

 

 




これで終わりです!
更新遅くなりました!!


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超壁を超えろ

 

精神と時の部屋

 

「ハッ!!ダッ!!デヤァァア!!!」

 

あれから約150日程が経過した。大成は時間を惜しまず常に授業をしていた。

 

「ふぅ…ブルマに作ってもらった重力室もだいぶ慣れてきた…」

 

重力室の限界はおよそ1000倍近く、精神と時の部屋ではさらにその重力が増すわけだが、それもほぼ慣れてきたようだ。

 

「とりあえず、今の段階で分かったことがある。」

 

大成は重力室を一度出て、精神と時の部屋の真っ白で広々とした空間に出る。

 

「…」

 

一度目を瞑って、深呼吸する。

 

「……ハァァァァァァ…」

 

「ダァァァァァァァァァァァァァァア!!!」ドンッ!!

 

大きな声をあげ、大成は超サイヤ人へと変身する。

 

「からの…ハァァァァァァア!!!!」

 

さらに大成は気を上昇させ、さらなる変身をとげる。

筋肉が何倍にも増幅し、髪の毛もさらに逆立つ。

大成の周り全体の大気が震えているようにも感じる。

 

「これが超サイヤ人の第4段階ってところか…トランクスのいずれ変身する姿にはなれるようになったが…」

 

およそ150日で、原作でベジータとトランクスが2年かけて辿り着いた所まで追いついた大成の才能は、まさに天才的でもあると言える。

 

「次は普通の超サイヤ人の状態をキープしつつ生活するか…この興奮状態を自然なものにしなければ2にはなれないだろう…」

 

先ほどの超変身を解き、通常の超サイヤ人に戻った大成は、そのままの姿で入浴、食事をとり、通常状態に戻り、ベッドに入って睡眠をとろうとする。

 

「これを数十日続けて、あとは荒技で戦闘力をあげるか…」

 

今後の理想図を描きながら、大成は眠りにつくのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その頃とある小島にて

 

「やるじゃないか…まさかピッコロがここまで強いとは知らなかったぜ…」

「へっ…お前ら人造人間の好きにはさせんぞ!」

 

ピッコロと17号が互いにボロボロの姿で立っている。

どうやら両者共に互角の戦闘を繰り広げているようだ。

 

「(とはいえ、俺の魔空包囲弾を食い止めるとは…しかも永久エネルギーとなると間違いなく俺がフリ…まずいな…)」

「なにをボーっとしてやがる!!こっちからいくぞ!!」

「チッ!」

 

17号とピッコロが互いに殴りあっているその近くで…

 

「見つけたぞ…!!この気はピッコロだなぁ…奴と互角に戦えるのは17号と18号しかいない!!!今いくぞ!!完全体になるために!!」

 

とある化物が近づく完全体の日を待ちわびて獲物を探す。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

精神と時の部屋 300日経過

 

「だりゃぁぁぁぁあ!!!!はっ!!」

 

あっという間に現実世界の時間が少し経つだけでこちらの精神と時の部屋の世界では300日が経過していた。

大成は自身に強烈な気弾を打ち込みダメージを負って仙豆を食べる荒技をしている。

 

「…」ポリポリ…

 

「ハッ!!」ドゥ!!!

 

そして大成は精神と時の部屋にはいった当初とは比べものにならないほどの力を身につけていた。

 

「これでセルにも遅れはとらないだろう…そろそろ出るか。」

 

精神と時の部屋のドアに手をかけ、扉をあける。

 

ガチャ…

 

そこから眩い光と共に目の前には元の正常な時間の流れの現世が現れる。

 

「よう、ベジータ。トランクス。久しぶりだな。」

 

そして扉から出てまず大成が会ったのはベジータとトランクスであった。

 

「俺らから見たらお前は1日前に会ったばかりだ。さっさとどきやがれ。俺たちが入る。」

「タイセイさん。かなりパワーアップしたみたいですね。俺たちも追いつきますよ。」

「あぁ、頑張ってこいよ。俺はいち早く超サイヤ人を超えてきた。」

 

ベジータとトランクスはその言葉に驚く。まだ自分達はその目標を見出すところにすら至っていないため、超サイヤ人を超えたと吐いたその言葉には驚かずにはいられなかった。

 

「貴様…人造人間を殺るんじゃないだろうな。」

「安心しろ。お前に譲ってやるよ。そのために今から行くんだろ?」

「フン…いくぞ、トランクス。」

「はい!では、また1年後に!」

「俺にとっては1日なんだけどな。親父と頑張れよ。」

 

そう残してベジータとトランクスは精神と時の部屋に入っていった。

 

「よう、ポポ。」

「タイセイ…下界が大変だ。」

「こりゃピッコロだな…セルの仕業か。」

「天津飯も駆けつけたが、もう限界。このままでは2人とも殺される。」

 

 

「でぇじょうぶだ。オラが今2人を助けてくる。」

 

⁉︎

 

大成とポポが振り返った先には悟空と悟飯が立っていた。

 

 

「久しぶりだな悟空、助けに行くのはありがたいがセルには間違っても挑むなよ。」

「あぁ、さすがに奴にはどうやっても勝てねぇ…じゃあ、いってくる!」シュン

 

そう言って悟空は瞬間移動でセルの元へと飛んでいった。

 

「さて…俺も覗いてくるかな…」

「覗くとは、今から行っても悟空には追いつかないぞ。」

「おれも使えるようになったんだな〜」

 

大成は指を二本額に当ててポポに見せつける。

 

「瞬間移動!!」

「そゆこと!じゃな!」シュン

 

「…みんな、サッときて、サッと消えた…」

 

ポポはその場で1人残されてしまった。

 

 

 

 




久しぶりの更新ですがキリがいいのでここで切ります!!
近いうちに更新します!!


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恐怖と悪魔

「これで終わりだ、天津飯。」

 

セルが捨て身の天津飯の新・気攻砲から脱出し、もう倒れる寸前の天津飯にトドメを刺そうとしている。

 

「ビッグバン・クラッシュ!!」

 

セル第二形態の大技が放たれた。

 

「餃子…皆…すまん…!!」

 

天津飯も死を覚悟した瞬間。

 

シュン!!シュン!!

 

「なに⁉︎」

 

天津飯が何者かの手によって助けられたのである。

それに驚いたセルは辺りを見回し、その正体を目の当たりにする。

 

「…孫悟空か…」

「貴様がセルか…思ってたよりもそうとうやべぇ奴のようだな…」

 

現時点では悟空でもセルには到底及ばないため、いつもは好奇心旺盛の悟空も焦りの汗が滲む。

 

「…それにしても孫悟空、どうやって天津飯を私の気から助けられた。お前がここに来る気配すらしなかったぞ。」

「瞬間移動ってやつさ。オラはそれができる。」

「瞬間移動だと⁉︎」

 

セルもさすがにその技には驚きを隠せない。

いわばそれはチート級の技であり、戦闘において厄介な技でもある。

 

「っと!ピッコロもまだいきてる!!!天津飯、後少し耐えてくれよ!!」シュン

「また消えた⁉︎」

 

再びセルの目の前から悟空が瞬間移動で消える。今度は瀕死のピッコロを海から救い出した。

 

「おのれ…そいつらは私の敵ではないが、孫悟空。貴様はわたしの脅威となりかねん。今ここで消させてもらうぞ。」ダッ!!

「くっ!」

 

セルがすさまじい速度で悟空に迫り来る。

悟空はあまりの速さに瞬間移動で神様の宮殿へ戻るために気を探る動作が遅れる。

 

「死ぬがいい!!」

 

「おいおい、そう焦んなよ。」

⁉︎

 

不意にセルの後ろから声がしたため、慌ててセルは悟空を襲う手を止め、後ろを振り返る。

 

「…誰だ…」

「俺もサイヤ人さ。名はタイセイ。以後お見知り置きを。」

 

大成のおかげで間一髪の悟空は瞬間移動でその場から立ち去る。

 

「グ…逃げられたか……それにしても貴様も気配が感じられなかった…まさか…」

「そう、瞬間移動だ。」

「おのれ…得体のしれん奴も増えた上に瞬間移動持ちが2人とは…」

 

セル自身は悟空を前にした時点では戦闘力的には全く恐れるにはたらないが、この男、大成を前にしたセルはどことなく恐れを心の奥に感じ取っていた。

 

「…それでお前は何をしに来た。まさか私の完全体への計画を邪魔しに来たのではないだろうな。」

「まさか。」

 

大成はセルの元へ歩きながら近づいて話を続ける。

 

「お前が完全体になることにはむしろ同意だ。俺はサイヤ人。お前がさらなる成長を遂げ、俺と対等に渡り合えるレベルにまで達するためにも。」

「変わったやつめ…お前の発言はこの地球、いや、全宇宙の危機になゆかもしれんのだぞ。」

「俺は強くなるために苦となる道を探しているんだ。」.

 

「悟飯の進化のためにもな…」

 

先を見越した大成はそう呟いた。

 

「孫悟空達も消え、お前は私の邪魔をしないというのならば、私は逃げた18号を追わせてもらうぞ。」

「好きにしろ。」

 

そう言ってセルは大成の元を離れていった。

 

「さて…宮殿に戻るか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神様の宮殿

 

「助かったぞ…デンデ…」

「いえ!お役に立てて良かったです!」

 

あれから瀕死だったピッコロと天津飯は悟空に宮殿まで連れてきてもらい、デンデに体力を全開にしてもらっていた。

 

「よう。」

 

遅れて大成も宮殿に到着する。

 

「タイセイ。おめぇも瞬間移動ができるんだな〜。オラびっくりしたぞ!」

「天才と呼んでくれ」ドヤッ

 

少しギャグまじりにドヤ顔するタイセイを悟空はマイペースに流して話を続ける。

 

「でもよ、レベルそのものが変わったって感じがするなぁ。精神と時の部屋でそうとう修行したみてぇだな。」

「うむ…同化した神の記憶をみてみたが、精神と時の部屋を知っている以外にもあのセルの存在も早い段階で知っていたみたいだな。」

 

ピッコロに怪しげに見られて少しまずいと思う大成。

 

「あぁ〜実はセルとはお前らよりも早く対面してたんだよ!!えぇ〜っと…だから知ってたんだ!!」

 

下手くそな語弊からは嘘と感じとれてしまう。

 

「…まぁいい、そんなことよりもセルが18号を追いに行ってしまったのだろう?早くそれを阻止せねば…」

「だがピッコロ。俺たちではもう歯が立たない…行ったところで無駄足になるぞ…悟空なら勝てるんじゃないか?」

「いや、無理だ。今のオラはピッコロよりも弱いからな、そのピッコロで歯が立たないんなら、オラにも無理っちゅうことだ。」

 

沈黙が訪れる。大成は今にもお前ならいけるんじゃないか?と聞かれる気がしてならない。

 

「ベジータ達がもう出てくるだろ。あいつらに任せよう。俺もベジータに人造人間は殺るなって言われてるからな。勝てるかは分からんが。」

 

シラを切ったように大成は誤魔化す。

 

「話をすればもう来たみたいだぞ。」

 

ガチャ…

 

扉が開く音がして、中からベジータとトランクスが姿を現す。

 

「おぅ、早かったな!」

「貴様が忘れていったブルマの作った重力室を使っただけだ。」

「あ、しまった、忘れてた。」

 

「…」

「大変だったろ。あいつと修行は。」

「えぇ…」

 

トランクスはおそらく自分のイメージしていた父とは段違いの姿を見たからであろう、かなりテンションが低いようだ。

 

「次はカカロットが使うのか?」

「あぁ、オラと悟飯で修行させてもらう。」

「なら、悟空達が出たらまた俺が入らせてもらおうかな。」

「おろ?タイセイはまだ48時間使いきってねぇのか?オラてっきりみっちり修行したと思ってたぞ。」

「あぁ、多分あと4時間分は使えるかな?あっちでいうと2ヶ月分ぐらいは修行できるからな。充分だ。」

 

大成はまだまだ修行し足りない様子だ。

 

「まだまだ強くなんだな〜。オラも負けちゃいられねぇ!よし!悟飯!行くぞ!またな!タイセイ!セルを倒すなよ!ベジータ!」

「さて…それはどうかな…?」

「おぅ!悟飯も頑張れよ!」

「はい!ありがとうございます!」

 

そうして悟空と悟飯の親子ペアは精神と時の部屋へ入っていった。

そしてベジータとトランクスは早速と己の力を見極めにセルの元へと行き、タイセイはやる事がないため、そのまま神様の宮殿で休憩をとりつつ、悟空達が出てくるのを待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからは事は原作通りに進み、時は約10日が経過、セルゲーム開催当日となった。

 

 

孫一家の家

 

「悟飯ちゃん!ぜってぇに無理するじゃねえだぞ⁉︎悟空もオラの悟飯ちゃんに戦わせるようなことするじゃねぇだぞ⁉︎ぜってぇだぞ⁉︎」

「わ…分かったよ…」

「そ…それじゃあ、いってきます…」

 

 

 

カメハウス

「クリリン、ヤムチャ、天津飯。ワシはとてもお主達の戦いについていける身ではないからの…ただお前達の勝利を願うだけじゃ…誰1人欠けることなく、セルを倒してきてくれ…」

「武天老師様、オレ達はぶっちゃけセルと戦えるレベルじゃないから、悟空達に委ねるしかないんですよ…」

「まぁ、行くだけいくけどな!」

「あの時俺の気功砲を受けてピンピンしていたセルよりも段違いに強い…しかもベジータでさえ歯が立たないとなると、俺たちの出番はないな…」

「な…なんじゃい!!かつてワシの弟子でもあったお前達にカッコいいこと言いたかっただけなんじゃ!!早く行ってこい!!」

 

 

 

神様の宮殿

 

「ついにこの時がやってきたか…俺も精神と時の部屋で修行はしたが…正直セルには手も足も出る気がしん…悟空やタイセイ達に賭けるしかないのか…」

「ピッコロ、死ぬな…ポポ、それを祈るだけ。」

「ピッコロさん、どうかご無事で…」

「すまんな、ポポ、デンデ。じゃあ、行ってくる」

 

 

カプセルコーポレーション

 

「あ、あんた達、セルなんかぶっ飛ばしてきてよね!!あたしにはちっちゃいトランクスがいるんだから!!ベジータもおっきいトランクスもセルなんて余裕でしょ⁉︎」

「今回ばかりはオレも余裕こいてはいられん。最悪俺たち全員死んだら、お前は宇宙船でも乗って逃げるんだな。」

「すいません母さん…俺たちでは正直どこまでいけるか…」

「じょ…冗談じゃないわよ…」

 

 

 

 

 

各々が己の胸に覚悟を踏みしめ、決戦の地へと降りたつ心構えをしている中、1人の男は何かを感じ取ったのか、セルゲーム会場とは違う方向へと進んでいた。

 

 

 

 

岩山

 

 

「…なんだ、この宇宙船は…見たところついさっきここに来たばかりのようだな…まだ宇宙船に熱がこもっている…」

 

大成は先ほどから感じる違和感を頼りにある岩山の奥にそびえ立つ大きな宇宙船の前に立っていた。

 

「おや?あなたはサイヤ人ですか?」

「⁉︎」

 

不意に話しかけられた方を見た大成は衝撃のあまりに言葉を失ってしまった。

 

「ブ…ブロリー…!!」

「ブロリーの事を知っているようだな。あいさつするのだ。ブロリー。」

「はじめまして…ブロリーです。」

 

 

まさに衝撃のイベント。この運命の日、セルゲーム当日に最悪の来客が訪れてしまった。

 

 

 

「お〜い!タイセーーーイ!!こんなとこで何やってんだよー!早くセルんとこいこうぜー!!」

「あ!バカ!!こっちにくんな!!」

「カ…カカロッ…ト……ぐ…ぐうぅぅ…」

「気を静めろ!ブロリー!」

 

ブロリーはたまたま通った悟空をみて頭をおさえながらうめき声を上げ始める。

幼少期に悟空の鳴き声にうなされていた記憶が呼び起こされているようだ。

 

「カカロット…カカロットォ!!」

「ま…まずい…!!

 

 

「おい!おめぇ誰だ?おめぇもセルゲームに出んのか?やめとけって!殺されッゾ!その力じゃセルにはかてねぇぞ?ハハハ!」

 

「グ…ウオオオオオォォォオォ!!」

 

 

セルゲーム会場

 

 

「セルゲームを始めるぞ…だと言いたいところだが、メインディッシュの孫悟空と大成が来ておらんではないか、」

「チッ…何をやってやがるあのバカ共め…!」

「それどころかはるかに高い気が発生しているようですよ!!悟空さん達、大丈夫かな…」

 

 

 

岩山

 

「ふぅぅぅ…カカロット、まずお前から血祭りにあげてやる…」

「な…なんだ…あいつ…バカでけぇ気を持ってやがる…」

「くそ…最悪のシナリオだ…悟空…お前は悟飯を連れてセルゲームにいけ。ここは俺がなんとかする。」

「で…でもおめぇ…」

「いいからはやく!!」

 

悟空と悟空は戦場を抜け出して、ブロリーは逃すまいと気を悟空達にはなつ

 

が、それを大成は片手で弾きかえす。

 

「!!」

「お前の相手はこのおれだ!!」

「ブロリーが伝説の超サイヤ人になってしまった以上、もう誰にも止められない。お前もサイヤ人の様だが、自ら死にに行くとわな。」

 

パラガスにそう告げられたが大成はニヤリと笑みを浮かべてブロリーに中指を立てる

 

「何を笑っている?」

「お前を俺が倒した所で歴史は変わらない…お前は今ここで俺の実力を試す実験台にさせてもらうぞ!!」

「貴様を殺してすぐカカロットも血祭りにあげてやる…」

 

2人のサイヤ人が、セルゲームの裏側で激闘を繰り広げようとしていた…



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熱戦!烈戦!超激戦!!

「お前は俺が倒す!!」

「雑魚のパワーで俺に勝てると思うな!!」

 

伝説の超サイヤ人ブロリーと大成の戦いが幕を開けた。

 

「ハッ!!」

 

ドゴッ!!

 

大成の膝蹴りがブロリーの顎に直撃する。

 

「…」ニヤリ

「何⁉︎」

 

しかしブロリーにはそれほどダメージは通っておらず、隙をつかれて大成はブロリーに頭を掴まれて大きく投げ飛ばされてしまう。

 

「ぐぁぁあ!!」

「フハハハハハ!!」

 

岩山にそびえ立つ大きな岩をいくつも壊していき大成は投げ飛ばされた勢いを殺していく。

 

「い…てぇ…」

 

それを追いかけてきたブロリーは容赦なく追撃をかけてくる。

 

「く…悪魔かよ…!」

 

まさに悪魔のブロリー。高エネルギー弾を次々に大成に撃ち込んでくるブロリーが大成にはそう見えた。

 

「どうした?俺を倒すんじゃなかったのか?」

 

ブロリーの攻撃を避けた大成は先ほどとは違い目つきが変わり、気を溜める。

 

「倒してやるよ、今のは準備運動にすぎない。体があったまってきたからこれから徐々にお前を追い詰めてやるよ。」

 

大成は気を溜めて解放する。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

「!」

 

超サイヤ人ではあったが、目つきが本気では無かった大成だったが、気を解放し、戦闘の目つきとなる。

 

「…超サイヤ人第4形態ってところかな…」

「雑魚め…今楽にしてやる。」ブゥーーーン…

 

ブロリーは右手に緑色に輝く気を溜め、大成めがけて放つ。

 

「死ぬがいい!!」ドゥッ!!!

 

「へっ」サッ

 

大成は体を捻らせて後ろを向き、手刀を作り構える。

 

「だりゃぁぁぁぁぁあ!!!」

 

バシィ!!!!

 

「何だと⁉︎」ドゴーーーン!!!

 

跳ね返した気弾はブロリーに直撃、すかさず大成は追い打ちをかけるためにフルパワーでエネルギー弾を放出する。

 

「そらそらそらそらそらそらぁ!!」

 

次々と被弾するエネルギー弾が爆発を起こし煙を上げるため、何発も当たるたびにもはやブロリーはおろか辺り一帯が煙で見えなくなってしまう。

 

「ふぅ…どうだ……」

 

「!!」

 

「そう上手くはいかないよな…」

 

煙からブロリーが姿を現わす。思いの外ダメージは少ないようだが、決して全く決まっていない訳ではないらしく、ブロリーの表情は怒りに満ちている。

 

「グゥゥゥゥゥゥ…ウォォォォォオ!!!!」

「くっ…!またパワーが上がりやがった!!」

 

底知れぬパワーを持つブロリーは大成に一手食わされた怒りから元々凄まじいパワーをさらに上昇させてしまう。

 

「コロス!!」ダンッ!

「はや…ガッ⁉︎」バキィ!!

 

ブロリーがこちらめがけて飛んできたと思った時には大成はもう殴られていた。

 

「ハハハハハハハ!!!」

「グッ!ガッ!」

 

殴られ続ける大成はドンドン相手のペースに飲まれつつある。

 

「くそ…ったれ!!」ガッ!

「!」

 

ブロリーの拳を両手で受け止める大成。あまりの身長差に片手受け止めるのにもこちらは両手を使わなければいけない。

 

「フハハ!!」ブンッ!

 

ブロリーはもう片方の拳を大成めがけて振るう。

 

「かかったな!!」

「何…!」

 

大成はもう片方を掴んでいた両手を離し、体格差を生かしてブロリーの背に回り、首を両手で締め上げ、両足で密着する。

 

「グァ!!」

「へへへ…このままボキッとしてやるぜ…!」

 

グググググ…

 

ブロリーは振りほどこうと背中に手を持って行こうとするが、上手い具合に大成が避けるためにますます首が絞まっていく。

 

「グォォォ…」

「終わりだ!!!!」

 

その途端ブロリーから緑色の気が集まりだし、ブロリーの周りが緑の球体に囲まれる。

 

「まずい!!」バッ!!

 

危険を察知した大成は急いで離れる。

ブロリーは大声をあげて気を放出させる。

 

「ガァァァァァァァァァア!!!」

 

ズドォォォォーーーーン!!!

 

大きな爆発が起こり、周りの岩山は全て消し飛んでしまう。

 

「く…やりやがったな…」

 

大成は爆発に巻き込まれてしまい、なんとか距離を取れたため気のバリアを貼ることに間に合ったが、あまりの気の大きさにそれでもダメージを負ってしまう。

 

「…でも、しゅ…収穫はあったな…」

 

爆発の発信源を見ると、そこから傷ついたブロリーが現れる。

 

「グゥ…」

「そんな規模のでかい爆発をすればお前もタダじゃすまないもんな…!いいダメージ稼ぎになったぜ…!!」

「おのれ…」

 

互いに傷つき、両者共に気を減らしてきている。勝負はどうなるのかは全く分からない。

 

「さぁ、そろそろ決着と行こうか。カカロットも他の場所で待ってるんでな。」

「カ…カカロット…カカロットォォォォ!!!!」

 

ブロリーの気が更に高まる。恐らく今あるブロリーのすべての力を解放したのであろう。ビリビリと大気が震撼するほどの気迫が大成にも伝わってくる。

 

「いいぞ…!フルパワーになったお前を倒して俺はさらなる高みへと進んでやる…!」

「消え去れ…雑魚が!!」

 

ブロリーがエネルギー波を放ち、大成はそれを防御する。一瞬の目眩しとなり、煙で当たりが見えなくなるが、大成は気でそれを吹き飛ばす。

が、ブロリーの姿が見えず、周りを見ると、ブロリーは上空にいた。

 

 

ブゥーーーーーン……

 

 

辺り一帯が緑色の気の色に包まれる。

ブロリーの手には小さい気が展開されている。

 

「…すごいパワーだ…」

「これでくたばるがいい…!!」

 

大成はニヤリと笑みを浮かべる。

 

「俺も全快でいかしてもらうぜ…!!ハッ!!」

「!!!」

 

大成の体にバチバチとスパークがまとわりついている。

超サイヤ人2へと変身したようだ。

 

「いくぜ…」

「コロコロ姿を変えたところで俺に勝てると思うな…!!」ブンッ!!

 

ブロリーの手に集まっていた小さい円状の気が放たれ、大成の方へと向かっていく。

放たれてすぐにその気は巨大な球体へと変わり、速度を上げ大成という目標目掛けて進んでいく。

 

「ロッソブラスターー!!!!」

 

大成も自分の最大の技でそれに対抗する。

 

「グ…グォォォォ!!」

「…残念だな…ブロリー…」

 

顔色一つ変えずに大成は力を解放する。

 

「俺の方が一枚上手だったようだ!!!ハァァァア!!!!」

 

球体を打ち返すのではなく、破壊し、大成の放ったエネルギー波はブロリーに直撃する。

 

「グワァァァァァァァァァア!!!!!!」

 

そのまま宇宙へとブロリーは吹き飛ばされ、エネルギー波と共に見えなくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…最初から2になっても良かったんだけど、やっぱ俺も悟空と一緒なんだな…戦いを楽しみたくて仕方ない。直さないといけないな。」

 

「パラガスは…先の爆発で消し飛んだか…?哀れなオヤジだ…せめて息子と共に安らかに眠れ…」

 

大成はそのまま空へ飛び、セルゲーム会場の方へ意識を向ける。

 

「…あっちも終わったみたいだな…戦いに集中しすぎて全然気にしてなかった。」

 

大成はセルゲーム会場の方へと飛んで行った。

 



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激闘の末に

 

「終わった…」

 

ボロボロの衣装、血まみれの片腕、疲れ切ったがどこか清々しい表情を見せる孫悟飯は、そう一言呟いて地に伏した。

 

「や…やりやがった…悟飯のやつ…」

 

ピッコロ達は孫悟飯がセルに勝利したことを確信し、歓喜の声を挙げる。

 

「やった…!!やったんだ!!悟飯が!!」

「やったな…!悟飯!」

「俺…今回ばっかしはダメかと思ったよ…」

 

ボロボロになったヤムチャ、天津飯、クリリンの3人は悟飯の元へと駆け寄り、倒れこんだ悟飯を介護する。ピッコロは少し離れてその風景を見つめている。

 

そんな一同を遠くからベジータが見下ろしていた。

 

「…クソ…俺はもう…戦わん…」

 

ベジータはどこかに飛び去っていった…

 

 

 

 

 

 

「おーーーい!」

 

!!

 

一同が声のした方を振り返ると、ボロボロになった大成がその姿を現した。

 

「タ…タイセイさん…!!」

 

「よう悟飯!その様子だとセルを倒したみたいだな!」

 

「えぇ…かめはめ波の競り合いになんとか勝てました…お父さんのおかげです…」

 

悲しそうな顔を浮かべながら悟飯を空を見上げてそう呟く。

 

「そうか…悟空は…」

 

「僕のせいで死なせてしまったんです…僕が甘いこと言ってなければ…お父さんは死なずに済んだんです…トランクスさんも…」

 

近くにはお腹を気で貫かれた跡があるトランクスが目を瞑って横たわっていた。

 

「トランクス…」

 

「2人とも…僕のせいで…」

 

「悟飯…お前の力が無ければ、そもそも俺たちは全員死んでいた…お前の親父もトランクスも悟飯のせいなど一言も言わないだろう…」

 

暗い趣になる悟飯の肩に手を置いたピッコロが話を切り替える。

 

「所でタイセイ、お前の方はどうだったんだ。その様子だと上手くいったみたいだが。」

 

「あぁ、伝説の超サイヤ人は確かに恐ろしい強さだった…でも、俺はそれを凌駕する力を身につけていたからな、苦戦はしたが、なんとか倒せたさ。ほらよ!」ドゥ!

 

そう言いながら大成は皆の前で超2へと変身する。

 

「な…!タイセイさんも…⁉︎」

 

「まさか…!いつの間に!」

 

「ははっ!黙っててすまんな!超サイヤ人の壁を超えることは案外簡単だったぞ!」

 

ニコッと笑って大成は悟飯達にそう語る。

 

「ふ…ふざけやがって…」

 

「…ベジータ…」

 

大成の気を察して引き返してきたベジータが大成を鬼の形相で睨んでいる。

 

「どいつもこいつもこの俺様をあっさりと超えやがって…」

 

「…それでも、お前は更にオレ達を超えてみせるんだろ?」

 

「…当たり前だ…次会った時には貴様らが手も足も出ん力を見せてやる…」タッ

 

ベジータは今度こそ飛び去ってしまった。その目はかなり決意が込められた目だった。

 

「サイヤ人の王子だからな…プライドにスイッチ入れといてやったぜ…」

 

大成があえて超2に変身したのはベジータに強くなる意志を再度持たせるためであった。

 

「(ベジータには少しでも強くなっておいてもらわないとな…ブウ編であいつが少しでも強ければそれだけでも事が早く進む…)」

 

大成には早くも先の事が見えているようだ。

 

「あのー…タイセイさんはこれからはどうするんですか?一応ナメック星からここにドラゴンボールで飛ばされて、フリーザの兄を倒してからしばらく見てませんでしたけど…どこかで生活してるんですか?」

 

さすがは孫悟飯。細かい所まで覚えているようだ。

 

クウラを倒してから人造人間が襲来するまでの約3年間の間、ドラゴンボールのキャラクター達はタイセイを見ていないため、確かにそのような疑問は生まれる。

 

「あ…あはは…!それは…えっと…俺はこの星に元々家をたてていたんだ!!だから、衣食住には困ってない!!」

 

大成自身、さすがに嘘臭い。と思いながらも話した。

 

「そうなんですか!さすが、用意周到ですね!」

 

悟飯はあっさりと信じてくれた。

 

「お、おう!!(悟飯って結構単純なんだな…)」

 

悟飯の鈍さは父親譲りなのかはさておき、とりあえず話は誤魔化せたようなので大成は続けて話をくりだす。

 

「でもな、俺もちょいとしばらくこの星を出て行く予定なんだ。だから、いつ戻ってこれるかは分からんが、しばらくは皆とはお別れだ。」

 

「そうなんですか⁉︎残念です…よかったら超サイヤ人を超えた姿でお互いに修行したかったんですが…」

 

「ハハ!!それも楽しそうだな!でも、そんな事やってたら地球がいくつあっても足りねぇよ!」

 

大成は舞空術を使って少しずつ悟飯達から離れていく。

 

「じゃあな!みんな!修行を怠るなよ!!俺ももっと強くなるから、今度会う時は戦おうな!!トランクスと悟空が生き返った暁にはよろしく言っといてくれ!」

 

そう言って大成は一度瞬間移動でその場から離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて…今回はこんなもんだな。」

 

「ご苦労じゃった…無事、死なずに帰ってこれたのぅ…」

 

大成はドラゴンボールの世界から戻り、神と話をしていた。

 

「さすがにブロリーはきつかったぜ…でも、これからのためにももっと強くならねぇとな!」

 

「全く…サイヤ人設定がすっかり性格に出ておるぞ」

 

やれやれといった顔つきで神は話を続ける。

 

「所で、次はどの世界にいくのじゃ?なにも決めてないのなら、こちらから適当に干渉場所を探しておくが?」

 

「そうだな。なにも決まってないから、神が探しておいてくれ。」

 

そう言って大成は神様専用の高級ベッドに寝転がって即座に寝てしまった。

 

「あ、こら!シーツを汚すな…!全く…さっきまで死線を潜り抜けてきた戦士とは思えんわい…」

 

 

 




ドラゴンボールのセル編は終わりです!

次は緋弾のアリア編の予定です。

予定は変わるかもしれません。

原作を知らない方でも分かるように書くつもりですが、普通に面白いアニメなので、是非見てみてください♪


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緋弾のアリア編
第1弾 La Bambina


 

『空から女の子が降ってくると思うか…?』

 

 

 

『それは…不思議で特別なことが起こるプロローグ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クッ…ハァハァ…グッ…!!」

 

 

「…ハッ⁉︎」

 

 

『主人公はその子と知り合いになって、大冒険が始まる。』

 

 

 

『だけど、本気でそれを望むのは浅はかってものだ』

 

 

 

『だってそんな子、普通なわけが無い。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーバンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間前

 

 

「ーーーさて、どうやら俺は、これから学校に行かないといけないらしい。」

 

とある一軒家にいる大成は、新たな世界に来た時に設備されている物や服を見て、自分がこれから学生として進んでいかなければいけないことを知る。

 

 

「…にしても、この制服の生地硬くないか…?どうなってるんだよ…ハサミでも切れねえぞ…」

 

これから行かなければいけない学校の制服は、普通の制服とは違ってとても現世では考えられない素材で作られているようだ。

 

「…っと…そんな事言ってても仕方ないか…」

 

大成は目を瞑って何かを考えている。そして口から言葉を発する。

 

「武偵高校…」

 

そのまま大成は独り言を続ける

 

「俺が今から行く高校の名前、今年で2年生になるようだ…」

 

 

ピンポーン…

 

大成の住む家からインターホンの音が鳴り響く。

そのまま玄関に歩んで大成はドアを開ける。

 

「そして…」

 

ガチャ…

 

「おはよう、大ちゃん!!」

 

「この子は星伽白雪…」

 

ドアを開けた先には、白いリボンを髪に結んで、その長い黒髪をなびかせながらこちらに挨拶してくる女の子。星伽白雪(ほとぎしらゆき)が立っていた。

 

「大ちゃん!今日から同じ高校の生徒として、改めてよろしくお願いします!!」

 

白雪は深くお辞儀をする。その際に白雪の制服の間から見える大きな胸が目に入る。

 

「グッ…!!」

 

「どうしたの⁉︎大ちゃん⁉︎どこか具合が悪いの⁉︎」

 

大成は今まで感じた事もない威圧の様なものを感じて少しよろけるが、冷静さを保って話を繋げる。

 

「だ…大丈夫…ってか大ちゃんって…名前で呼べ、名前で。俺は逢坂大成だ。大ちゃんじゃない。」

 

「あ…ごめんね…でもあたし、大ちゃんの事考えてたから、大ちゃんを見たらつい…ハッ⁉︎またあたし大ちゃんって…ご、ごめんね…大ちゃん…あっ…」

 

一人芝居をしているのかと突っ込みたくなるぐらいに話が通じていない子を目の前に大成は溜息をつく。

 

「はぁ…悪いが白雪、俺は今日初の武偵高校に登校する日だ、少し準備をしてから行くから、先に行っててくれ。」

 

白雪は一緒にいけない事からか少し残念そうな顔をして、その場を去ろうとする。

 

「う…うん…じゃあ、先に行ってるね…」

 

肩を落としながら歩いていく白雪に大成は思い出したかの様に声をかける。

 

「あ、白雪!ここに寄ってくれてありがとな!来てくれなかったら今日が学校って忘れてたわ!」

 

白雪は嬉しそうな顔をして振り返って、手を振ってくる。

 

「うん!!大ちゃんと一緒に今日から学校なんて楽しみ!!あ、また大ちゃ」

「はいはい、気をつけて行くんだぞー」

 

無限ループが始まる前に話を切った大成は扉を閉めて自室に戻る。

 

 

 

「さて…状況は分かってきたぞ…」

 

大成は険しい顔になって自分の頭にまとめたことを呟く。

 

「この世界での設定はもう決まっている…おそらく本来の主人公の立ち位置に入ったからだろう…必要最低限の知識と記憶は持っているみたいだな…」

 

「…という事は、俺が今から行く学校には…これが必要不可欠…」

 

机に置いてある拳銃を手に取る。

 

「つまり…ここは拳銃を扱う世界ってことだな…」

 

時計を見ると、学校のホームルームに間に合わなくなるため、大成も身支度を整えて家を出る。

 

「そして…」

 

大成は空に向けて手を上げてエネルギー波を放つ…はずだったがそれは叶わなかった。

 

「ドラゴンボールの世界の力が使えない…?いや、でもただの人間って感じはしない…ある程度の力はあるがあの世界みたいなバランスの崩れる力は使えないってことなのか…?」

 

考えながら大成は頭にインプットされている高校の場所を頼りに自転車に乗って道を進む。

 

「…にしても自転車があるなんて気前のいい設定だこと…」

 

大成はこう言うが、その後すぐに自転車に乗ったことを後悔する事になる…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ソノ、自転車ニハ、爆弾ガ、仕掛ケテアリ、ヤガリマス」

 

「…は?」

 

大成は自転車を漕ぎながら辺りを見回すと、後ろから自転車を追いかけてくる機械がいた。

 

「速度ヲ、落トシタリ、止マルト、爆発シ、ヤガリマス」

 

「な…なんだ⁉︎誰のイタズラだ⁉︎」

 

「助ケヲ、求メテハイケマセン。携帯ヲ、使用シタ場合モ、爆発シ、ヤガリマス」

 

「マジかよ…‼︎」

 

大成は左手を離して自転車のサドル部分を触る。

するとそこには確かに自転車には付けられているはずのないなにか機械の様な物が触って感じられた。

 

「ハッ⁉︎」

 

頬に汗が滲み、大成は血相を変える。

 

「これが…この世界に君臨する武偵を殺す奴ら…」

 

大成は自転車を追いかけて先ほどから警告してくる機械を睨みつける

 

「…『武偵殺し』さんの手口とやらですかよ…!!」

 

武偵という存在を殺す武偵殺し、その模倣犯が今、今日を持って武偵となる大成を狙っている様だ。

 

「なんで…今日初めて武偵って存在になる俺が狙われるんだよ…‼︎クソがッ…‼︎」

 

 

自転車を猛スピードで漕ぎながら大成は試行錯誤する。

 

「止まっても減速しても爆発…飛降りようにもあの機械に付けられてる拳銃がセンサーで察知して俺を打ち抜くだろう…どうすりゃいいんだ…」

 

まさに八方ふさがりな状況に陥った大成。次第に息が切れ始める。

 

「クソ…体力が…」

 

 

とあるビル街を通った時…大成の目に映るものがあった。

 

…それは一瞬の出来事ではあったが、大成の目はスローな世界にあるように見えた。

 

 

 

空から女の子が降ってくると思うか…?

 

 

 

バンッ!バン!!!

 

 

鳴り響く銃声、その途端、自転車から落ち、体に大きな振動と痛みが走る。

 

大成はどうやら大きな爆発に吹き飛ばされたようだ。

 

「ぐはっ…!!ど…うなっ…て…」

 

大成はそのまま意識を失ってしまった。

 




久しぶりの更新です。

この話はすこし微エ口な要素を取り入れないと進めれない話でもあるので、そこはご了承ください…


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第1.5弾 ヒステリアモード

 

「…ここは…?」

 

大成が爆発に巻き込まれて気が付いた所はどこかの体育館の跳び箱中だった。

 

「俺…確か爆発に巻き込まれて…いや…女の子が空から降ってきて…」

 

大成は冷静に考えているが、彼の目の前に彼に覆い被さるように倒れている女の子が視界に入りその思考を停止させる。

 

「ん⁉︎ちょ…⁉︎」

 

大成は今までこのような事態が訪れなかったために混乱してしまう。

 

「62cm…Bに見せたAカップ…いや、これ見せれてすらないだろ…」

 

覆い被さる彼女の服が胸元まで露わになっているため、動けない大成は思わず見てしまった。

 

「神崎・H・アリア…?この子の名前か…?」

 

バストサイズの書いてある札の横に名前が書いてある札を見つけた。

 

「胸の…胸…胸⁉︎」

 

ドクンッ…

 

「まずい…⁉︎」

 

大成はこの世界では興奮状態に入るとまずい気がしているため、慌てて冷静さを保とうとする。

 

「……よし…大丈夫…」

 

 

 

 

 

 

かと思ったら目の前の意識を取り戻した彼女と目が合ってしまった。

 

「…サ…サイッテーー!!!」

 

目を覚ましたピンク色のツインテールの髪型の少女、アリアは大きな声を上げて大成をビンタする。

 

「ってぇ!!な、なにすんだよ!!」

「なにすんだじゃないわよ!!あ、あんた、み…みたでしょ!!このスケベ!変態!!」

 

マシンガンに変態扱いしてくるアリアに困惑しながらも大成は話を続ける。

 

「と…とりあえず今のは事故だ!!」

「事故もなにも…ッッ!!」

 

怒りをさらにぶつけてこようとした彼女だが急に話を止めて跳び箱の中に頭を伏せる。

 

「どうし…ボフッ!!」

 

大成の口をアリアの小さな胸が塞ぐ。

 

「まさか…もう追ってがきたわけ⁉︎」

 

爆発させた機銃の新たな追っ手が2人を追いかけてきたようだ。

 

「数が多すぎる…!!」バンッ!!

 

アリアは両腰に装着させていた2丁拳銃を使い機銃に抵抗するが、上手くかわされる。

機銃は6機あるため、うまく狙いが定まらないようだ。

 

「…この跳び箱が防弾仕様じゃなかったらあたし達はとっくに風穴だらけだったわね…」

 

アリアは威嚇射撃をして機銃を一時退避させた。

 

「今の内に違う場所に隠れるわよ、ついてきなさい。」

「…」

 

顔を下に向けたまま大成は無言になる。

 

「何やってんのよ!早くしないとまた撃たれるわよ!!」

「…さて…」

「きゃっ⁉︎」

 

急にアリアをお姫様抱っこの形で持ち上げた大成は跳び箱の隣に積み重ねられた鉄パイプの山にアリアを座らせる。

 

「…さぁ、パーティの時間だ、お姫様。」

「なっ…⁉︎」

「その愛らしい表情をこれ以上小作な機械共に狂わせてたまるか!」

「あ…あんた何急にキャラ変わってんのよ!!」

 

先ほどと全く雰囲気が変わった大成にアリアは驚きを隠せない。

 

「君にはそんな物騒な拳銃は似合わないよ。」スッ

「あ…」

 

2丁拳銃を持っていたアリアの手を大成が動かし拳銃をしまわせる。

 

「…ふむ…」

 

銃を持ってしばらく考え込む大成。

 

「俺の初の拳銃お披露目だな…よーく見ててごらん。」

「あんた…死ぬ気…⁉︎」

 

鉄パイプから少しでも外に動けば入り口に待ち構えている6台の機銃に蜂の巣にされるであろう。

 

「俺は死なないよ。君というお姫様を見つけてしまったからね。アリアは俺のものだよ。」

「なな…!!」

 

顔を真っ赤にして言葉が出ないアリアを置いて大成は機銃の待ち構える場所に歩み寄る。

 

「ちょ…!!やめなさい!いくら防弾仕様の制服とは言ってもあの数に撃たれたらひとたまりもないわよ!」

「大丈夫さ、当たらなければいい話だ。」

 

その途端大成が踏み出した。

大成を認識した機銃は一斉に銃弾を放つ。

 

「…え?」

 

勝負は一瞬だった。

 

アリアが気付いた時にはすでに機銃が全て破壊されていたのだ。

 

「今…何したのよ…」

 

大成は全ての銃弾を避け、その動作の途中で機銃の銃口にピッタリ入るように自分の銃を六発放ったのだ。

 

「さて…邪魔者は片付けた。迷える中学生は早く学校に行くんだよ?」

「わ…私は中学生じゃなぁぁぁい!!!」

「おっとごめんごめん…まだ年端もいかない小学生だったか…」

 

バンッ!!

 

「あんた…殺してやるわよ…私は…高2よぉぉ!!!」

 

銃を乱射してくるアリア

 

「まさか同級生だったなんて…ごめんよ…無礼な事をして悪かった…」

 

話しながらサラッと全て避ける大成に更にストレスを溜めたアリアは大成の懐に近づき背中に忍ばしていた二本の刀を振るう。

 

「おっと!格闘技もやっているのか!しかも刀も持っているなんて…」

「殺してやりゅうううううう!!!」

 

大成は大きく後ろに飛んでアリアと距離をとる。

 

「ごめんよ、迷い猫ちゃん。俺はもう学校に行かないといけない。君も遅刻しないようにするんだぞ!!」

 

「あいつ…末代まで祟ってやるわ…」

 

 

アリアは颯爽と消えた大成の顔を脳裏に焼き付けたのであった…

 

 



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第2弾 双剣双銃のアリア

「はぁ…散々だな…」

 

大成は今、自分が新たにやってきた世界の高校の教室にいる。

 

「まさかヒステリアモードがあそこまで性格が変わるなんて…自分自身で言った言葉なのに恥ずかしくなってきた…」

 

ヒステリア・ノルマーレ。大成はつい数分前に「性的興奮」によって身体能力が30倍にも飛躍するモードへとなったが…

 

「発動条件がおかしすぎる…しかも通常時の力がかなり抑えられてる…あれじゃあもしもの時にあの世行き真っしぐらじゃないか…」

 

今まで鍛え上げてきた彼の力はこの世界の縛りによって抑えられているため、大成はどうも慣れないようだ。

 

「しかも…見ず知らずの女の子に絡まれるし…」

 

その時、大成のクラスの担任が入ってきた。

 

「よし、みんな席につけ。今日はみんなに転校生を紹介するぞ。」

 

「(転校生か…そもそも俺はこの世界の主要人物以外名前しらねぇんだけどな…)」

 

そんなこんなで考えている内に担任に案内されて入ってきた転校生の姿を確認する。

ピンクのツインテールで長い髪の毛をなびかせ、かなり小柄な体の女の子は自己紹介をする。

 

「神崎・H・アリアよ、よろしく……って!!あんたぁ!!!!」

「ゲッ!!お前は…!!」

 

転校生…否、アリアは大成を目視した直後に罵声をあげる。

 

「今朝の変態男!!なんであんたがここにいるのよ!!」

「クラスで振り分けられたんだからしょうがないだろ!!」

「いいわ、これも何かの縁ね!!朝あたしがあんたに与えられた屈辱を返してやるわ!!」

 

その途端クラスがどっと湧いた。

 

「おい大成!!どういうことだお前!」

「まさか。あの大成君がそんなことする人だったのね…」

「しかもあんな可愛い子に手を出すとは…」

 

「ええい!!お前らうるせぇ!!これはちがうんだ誤解だ!!」

「決めたわ…」

 

アリアが言葉を発したため辺りが沈黙する

 

「あんた、あたしの奴隷になりなさい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

「「「「「はぁーーーー⁉︎」」」」」

 

クラスが騒動に包まれる。その騒動の中1人の女の子が大きく声を上げる。

 

「たいくんとアリアってそういう関係なんだ!!これってフラグバッキバキに立ってるよ!!」

「理子!違うって!」

 

峰理子。大成が名前を知っているという事は主要人物の1人なのだろう。黄色の長髪に派手な制服をきたお嬢様っぽい雰囲気の女の子は特に目立つ容姿だ。

 

「アリアとたいくんって…恋人関係⁉︎」

 

バン!!!

 

理子がそう言った瞬間、アリアが拳銃で床を打つ。

 

「ふ…ふぇ〜!!」

 

びっくりした理子は席にシュンと座る

 

「こ…恋人とか…そんなの…興味ないから…!!」

「展開が急すぎてついていけない」

 

大成は何が何だか分からず無心となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

「疲れた…帰ろう…」

 

あれからアリアは大成の隣の席に座り、終始視線を浴びながらも1日を終えた大成は家へと帰宅する。

 

「はぁ…先が思いやられる…まぁ、人間らしい生活ではあるんだけどな…」

 

ガチャ

 

「あれ…?鍵かけてなかったか…?」

 

家の鍵が空いているため、違和感を感じる。

 

「…なんだこれ…」

 

玄関にはキャリーバックが置いてあり、見知らぬ靴が置いてある。女物の靴のため、女子が部屋にいるのを察した大成。

 

「誰かいるのか?」

 

おそるおそる奥へと進むとそこにはアリアがいた。

 

「来るのが遅いわよ、馬鹿大成!」

「来るのが遅いって俺の家だぞ!なんでお前がここにいるんだ!!」

 

アリアはソファーに腰を下ろし、どこから出したのかマグカップに入っている紅茶を啜る。

 

「あんたはあたしの奴隷なの。だから、奴隷の家に入っても、何を使ってもいいでしょ?」

「いつ俺がお前の奴隷になったんだよ!」

「昼よ!あたしが奴隷になれって言ったんだから、あんたに拒否権はないの!!それに…」

「それに…?」

 

アリアは顔を赤くしながら俯いて小声で何かを呟いている。

 

「あんな…恥ず……こと…言っ…」

「聞こえねえよ?」

「なんでもないわよ!!馬鹿大成!あたしはお腹が空いたから、何か買ってきなさい!!早く!!命令よ!!」

 

バンッ!!と机を叩いて大成を指差しアリアは大成を追い出した。

 

 

 

 

「理不尽すぎる…」

 

大成はアリアに命令されて食べ物を買いに行こうとしている。

 

『桃まん5個買ってきなさい!!もちろんあんたのお金でね!10分以内に戻らないと風穴あけるわよ!』

 

「…まぁ、可愛い子なんだけどな…性格に難ありってやつか…」

 

 

大成はコンビニで桃まん(桃の形をした饅頭)を買い、直行で自宅には戻らず、通り道の路地裏に足を運んだ。

 

「…いるだろ?理子。」

 

そう呼ぶとクラスメイトの理子がスッと姿を現した。

 

「こんな時間に呼び出すだなんて、たいくんって案外肉食なんだね♪」

「何考えてるんだか知らんが、さっき言った通り、情報を聞かせてもらおうか。」

 

理子は「ちぇっ」っと顔を膨らませるが、すぐに冷静な表情に切り替え、話をする。

 

「神崎・H・アリア。武偵高校ではSSランクに認定されてる超凄腕ね。接近戦でも長けているからまさに非の打ち所がないっていっても過言じゃないよ。」

「確かに…前にあいつに絡まれた時にどこから取り出したか分からんがナイフ二丁も振り回してきたからな。」

「そう…その2丁拳銃と2丁剣からこう呼ばれてるわ。」

 

大成はゴクリと息を飲んで理子の話を聞く。

 

「双剣双銃(カドラ)のアリア…ってね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自宅

 

ガチャ

 

「アリアー帰ったぞー。」

 

ドアを開けて中に入り、アリアの名を呼ぶが、応答がない。

 

「一目散に飛んでくると思ったんだがな…」

 

ジャー

 

その時、バスルームからシャワーの音が聞こえてくる。

 

「あいつ勝手に人の風呂場使いやがって…」

 

大成は出てくるまで部屋でテレビを見て待とうとしたその瞬間

 

ピンポーン…

 

インターホンの音がしたため、大成はゆっくり振り向いてドア越しに覗いてその正体を確認する。

 

「げっ⁉︎白雪!!」

 

大成はゾッとする。

彼女は大成の事を過保護な程気にかけている。それは好意ももちろん含まれているが、彼女には大成しか見えていないため、もしも今大成の家に女の子がいる。ましてやお風呂に入っている等と知られてはとんでもないことになるであろう。

 

「たいちゃーん?いるのー??」

「まずい…ここは居留守を…」

 

大成は居留守を使うことが一番の策だと思いそろりと部屋に行こうとするが

 

「さっき家に入るの見えたのにな〜もしかして何か病気で倒れてたり⁉︎力ずくであけないと!!」

 

っと聞こえてきたので

 

ガチャッ

 

「ごめんごめん白雪、ちょっと手が離せなかったんだよ。」

 

とドアを開けざるをえない大成であった。

 

「ごめんね、こんな時間に…」

 

白雪の姿は巫女の様な姿をしている。制服とは違いこれもまた可愛らしい姿であり、彼女に似合っている。

 

「いやぁ…いいんだ!そ、それよりもどうしたんだ?急に。」

「あの!今朝に武偵殺しの話を聞いて…それで起こった場所がたいちゃんの家の近くだから、何かに巻き込まれてないかなって思って気になって…」

「あぁ、それ俺だぞ?被害者」

 

 

 

「えええぇぇぇぇぇ⁉︎」

 

・・・と白雪が数秒固まった瞬間ぴょんっと飛び上がり大成の肩を掴んで揺らす

 

「たたたたたいちゃん大丈夫⁉︎怪我はしてない⁉︎何があったの⁉︎」

「落ち着け白雪!!」

 

バッと彼女の手を振りほどき、大成はクールに決めセリフを放つ

 

「…俺が武偵殺しごときに殺られるわけないだろ…?」

 

ちゃぽーん…

 

その瞬間に風呂場から死の音が聞こえた

 

「…今の何?たいちゃん。誰かいるの…?」

「いやいや!!そんなわけアリア…じゃなくてあるはずがないだろ⁉︎」

 

焦る大成の表情は誰が見ても嘘くさい顔つきであった

 

「たいちゃん…なにか私に隠してることない…?」

 

白雪の顔は真顔ではあるもののどこかドス黒い何かが取り巻いている様にも見える

 

「(やべぇ…!これはやばい白雪だ…‼︎)」

 

大成は冷静を取り戻し、怪しまれない様に弁解する。

 

「い…今のは風呂入れてる途中だからお湯が落ちる音がしたんだろ!」

 

必死に弁解しようとする大成。

 

「…そっか!そうだよね!じゃあ、また明日学校で会おうね!」

「お…おう!じゃあな!おやすみ!」

 

ゆっくりとドアを閉めたが、閉まる瞬間の隙間から見えた白雪の顔はどこかのホラー映画よりも恐ろしい顔をしていたかの様にみえた。

 

「はぁ…本当に先が思いやられる…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

「…これからが面白くなるよ…せいぜい楽しくさせてね。大成、アリア。」

 

 



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第3弾 ファーストミッション

 

 

 

そして次の日。

 

「起きなさい!!バカ大成!!」

「うーん…今日は土曜日で学校ないだろ…休日ぐらい寝させろよ…」

「違うわよ!事件よ!!多分武偵殺し!!」

「何⁉︎」

 

武偵殺しという単語に著しく反応した大成は一気に眠気を飛ばして起き上がる。

 

「昨日の今日でまたかよ!!それで、場所は?」

「部活で武偵高校に向かっていくバスに爆弾が仕掛けられてるみたいなの!今丁度この家を通って行ったわ!!急いで追いかけるわよ!」

「了解!」

 

身支度を済ませて大成の家に置いてある武偵用の自動車を使いバスを追いかける。

 

 

 

 

 

 

 

「この、バスヲ、指定場所マデ、少しでもスピードヲ、落とせバ、バスは、爆発し、やがりマス。」

 

バスを囲む数台の機銃から発せられる音声からは、バス内を騒然とさせる指示がされていた。

 

「嘘だろ…」

「死にたくない…」

「誰かなんとかしてくれ!!」

「嫌だ!!俺は飛び降りる!!」ガタッ

「おい!まて!!」

 

ダダダダダダダ!!!

 

「うわっ!!」

 

バス内の武偵達はパニックに陥り、窓から脱出を図ろうにも、それを熱センサーで捉えた機銃が銃弾を浴びせてくるため、身動き1つとれない。

 

「くそ…どうすれば…」

 

バンッ!!バンッ!!ガガガ…

 

「なんだ⁉︎」

 

外から銃声がし、機械が壊れる音がしたため、ゆっくりと外を覗くと、自動車から身を乗り出してこちらの様子を伺う大成とアリアがいた。

 

「おい!大丈夫か!!佐藤!!」

「大成!!良かった…!今、みんなを落ち着かせているところだ!!このバスは武偵高校まで向かっている。スピードを落とせばその場であの世行きだ!!どこかに爆弾が仕掛けられているはずだ!」

「分かった!俺達は外側から爆弾を探す!お前らは動けるやつでバス内に爆弾がないか見てくれ!」

「あぁ!」

 

とりあえずバス外の機銃は片付けたが、恐らく追っ手が来るだろう。丁度バスはトンネル内に入り、機銃が来る気配も無く、絶好のチャンスが到来している。

 

「アリア!とりあえずバスに飛び乗るぞ!!」

「ギリギリまで寄せたわ!あんたから乗りなさい!」

「了解!」

 

まず大成がバスの上に乗り、続いてアリアが飛び乗る。自動車は運転手を失い、そのまま反転して転がる。

 

「あ…あの車高いんだけどな…」

「無駄口叩くな!あんたは上を探して!あたしはバスの下を見てくる!」

「あいあいさー」

 

時速は100kmを超えているだろう。その中でバスの上を動いて爆弾を探すのは至難の技である。大成は上を歩いて探しているが、爆弾は見つかりそうにない。

 

「アリア!こっちはない!!そっちはどうだ!!」

「…あったわ…!!」

「よし!!俺も今いく!腰ロープを巻いてくれ!そのまま俺が抑えるから、アリアは爆弾を解除してくれ!」

「分かったわ!」

 

アリアは命綱を巻き、バスの上から逆さ吊りの形でゆっくりと下に降りる。

大成はその下ろす役だ。このままいけば無事に爆弾は解除できるだろう。

 

 

そう、無事にいけば…

 

 

 

 

バンッ!!

 

「くっ…!!もう追っ手が…」

 

先ほど退けた機銃が今度は3台もやって来た。

 

「くそ…両手塞がりで奴らを追い払うこともできん…頼むから気づかないでくれ…」

 

そう願うもむなしく、辺りから見ても注目の的になる大成はロックオンされてしまう。

 

「そこの人間、ハヤく、バスに入り、ヤガレ、でアリマス。サモなくバ、打つデ、アリマス。」

「まだか!アリア!!」

「だめ!!届かない!!あんたこそ大丈夫なの⁉︎」

「だめだ…打たれる…!!」

「チッ!!」

 

機銃が銃弾を放ち、大成の額めがけて飛んでいく。

大成が目をつぶるが、痛みはこない。

 

「……ア、アリア!!!」

「うぅ…」

 

アリアは大成を庇い、額に銃弾をかすらせてしまい血を流して気絶している。

 

「くそ…!!役を交代していれば、俺が囮になれたものを…!!」

 

そのままトンネルを抜け、大きなレインボーブリッジへと入った。

 

「…時間が30秒しかない…万事休すか……!!」

 

その時、バスに並行して隣を走るヘリを見つける。

 

「あ…あれは…レキ⁉︎」

 

ヘリから身を伏せてスナイパーライフルを構える女の子がいた。大成にはその子の名前が記憶に刻まれているようで、レキと呼ばれる子のようだ。

 

「…私は、1発の銃弾。」

 

女の子は全く息を乱さず、集中してスコープを覗く。

 

「ただ目標に向かって…」

 

そして引き金を引く。

 

「飛ぶだけ。」バンッ!

 

一瞬の出来事であった。スナイパーライフルから飛んできた1発の銃弾は、バスにつけられている爆弾の接合部を捉え、そのまま爆弾を飛ばし、海へと落下させていった。

 

 

ドドーン!!!!!

 

 

爆弾は丁度時間を迎え、海の中で大きな爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…助かった。レキ。」

「念のため、トンネルを抜けても爆弾を解除できていない場合は、私が仕留めろとアリアさんに命じられていたので。」

「そうか…」

 

大成は、それからひと段落した後、救急車の担架に運ばれていくアリアを見つめながら話す。

 

「これが俺のファーストミッションか…ダメダメでアリアも傷つけてしまった…」

「私はこれで。」

 

レキは任務遂行と共にそそくさにその場を去る。

 

「…この詫びは必ず返す…」

 

大成は自分の一定時しか活躍できない無力さを痛感した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…大成の真の力が見れなかったな〜…でも、次でその真偽を確かめさせてもらうよ。」

 



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第4弾 武偵殺し

「な…⁉︎大成⁉︎なんであんたここに⁉︎」

「アリアは俺のものだ…勝手にいなくなるなんて俺が許さないぞ?」

「にゃ…にゃにゃにゃ⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡り、大成は先の武偵殺しによるバスジャック事件の後、怪我をして入院しているアリアの元へ訪れていた…

 

 

「だから何度も言わせないで、あたしはロンドンへ帰る。あんたは私が思い込んでいただけで、あたしのパートナーになんてなれっこない。あんたなただの人間よ。」

「急すぎて頭が追いつかんが、それでお前はどうするんだよ⁉︎」

「あたしはロンドンで今度こそしっかりしたパートナーを探すわ。それに…」

 

そういってアリアは先の事件で一生残る傷を額につけてしまい、前髪で隠れたその傷を触りながら

 

「こんなんじゃみっともなくてここにいられない…」

と弱々しく呟いた。

 

「アリア…」

「ごめんね、こんな事件に巻き込んで。あたしがこんなにしつこく付きまとわなければ、あんたは普通に生活を送られた。」

「別に迷惑とか思ってない…」

「いいの、気を使ってくれてありがとう。…とりあえず1人になりたい…」

 

そう言われては仕方ないと思い大成はアリアのいる病室から席をはずす。

 

「どうすれば…このまま本当にアリアがロンドンにいっちまったら何もかもが見えなくなっちまう…」

 

現時点では大成自身とてもアリアのパートナーに相応しいとは言えないコンディションだ。

 

「…それでもアリアは俺の実力を見定めてパートナーに誘ってくれたんだもんな…せめて、改めて認めてもらえるように俺1人でも武偵殺しを…」

 

とりあえずは時間も経ち、遅くなってしまったため大成は帰路を歩いている。

 

「とは言え、これでは思うように戦えんしな…」

「たーいくん!」

 

大成が振り返るとそこには理子が立っていた。

 

「理子、もう夜だぞ?夜までお前に付き合ってる暇なんか…」

「えー?たいくん知らなかったの?今日ってーーー」

「!!」

 

大成はその場を飛び出し走った。

 

「必死な顔しちゃって♡」

 

理子は不気味な笑みを浮かべたまま大成の背中が見えなくなるまでじっと見ていた

 

 

 

 

 

 

 

空港

 

 

「くそ!!間に合え!!」

 

大成は慌てながらもロンドン行きの便を探す。

 

「今日がロンドンに帰る日とか聞いてねぇぞ!!」

 

理子から聞いた話によると今日の夜21時に飛ぶロンドン行きの飛行機にアリアは乗り、帰る予定らしい。

それを聞いた大成は慌てて空港に駆けつけたという訳である。

 

 

しかも…それだけではなく…

 

「見つけた!!」

 

見つけた飛行機はもう扉は閉まっている状態で離陸準備へと取り掛かっているが、大成は扉を開け中に入る。

 

「きゃっ!お客様、急に入られては困ります!!」

「!!」

 

大成は深く仕事用の帽子をかぶりこんだCAの女の人の何かに驚いた顔を見せるが今はそれどころではなく話を切り出す。

 

「武偵だ!この飛行機には武偵殺しがのりこんでいる!!訳ありで乗せてもらうぞ!!」

 

そのままCAに話を続けて、アリアのいるVIPルームへと案内してもらう。

 

「神崎・H・アリア様、知り合いの方がお見えです。」ガチャ…

 

「アリア!!」

「な…大成⁉︎あんたなんでここに⁉︎」

 

部屋に入ってきた大成を見て驚くアリア。

無理はない、彼女は大成に知られずに日本を離れようとしていたのだから。

 

「話は後だ。今この飛行機にはお前を狙った武偵殺しが隠れている。」

「武…武偵殺しですって⁉︎そ…そんな…」

 

「何を怯えてるんだ?お前なら大丈夫だろ…?」

「そ…それが…」

 

 

ゴロゴロゴロ……ガッシャーーーーン!!!

 

「キャーーーーッッッ⁉︎」

「…なるほどな」

 

どうやら天候は悪いようだが、アリアは雷が大の苦手らしく、いつもの強気で凛とした彼女のかけらはない。

 

「みゅー……」

「…ガキだな。」

「な…なんですって⁉︎大成のくせになまいーー」

 

アリアが大成に拳をあげようと近づいた瞬間

 

ガシャーーーン!!!

 

「キャッ⁉︎」

「ちょま…!!おむ⁉︎」

「あむ⁉︎」

 

その瞬間、2人が重なった…

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

「た…大成…い、いまのは、き、き、き…」

 

大成はスッと立ち上がり、入ってきた扉の前をじっと見つめる

 

「盗み聞きしてないで入ってこいよ…理子。」

「理子⁉︎」

 

その時、扉が開き、先ほど大成をこの部屋に案内したCA…基、変装を解いた理子が現れた。

 

「いつから気づかれてたのかなー?私、変装には自信あったのに。」

「俺はその人間の気で誰かすぐに分かるからな。最初から怪しいとは思ってたが、今確信した。」

「そっか…大成、ヒスったんだね?」

「あんた達なんの話してるのよ!ヒスとか変装とか訳わかんないわよ!」

 

ガシャーーーン!!!

 

「キャーーー!!!」

「…せっかくこの状況なら2人始末できたのに…仕方ないけど、ちょっと荒く行かせてもらうよっ!」バッ

「アリア!」

 

理子がアリアに向かってナイフを突きつける。すんでのところで回避したアリア、だが、雷の恐怖からかまともに反撃もできない心境になっているようだ。

 

「くそ…他の客もいるせいでまともに攻撃もできん…」

「その通り、念のため大成には暴れられたら困るからね…全ての部屋に他の客が乗ってるように仕向けてあるの!」

「その分お前を捕まえるには武偵らしく銃でやり合うしかないみたいだな…」

「アリアを庇いながら戦えるかな?」

 

アリアをしつこく狙う理子。大成は理子を押さえつけようとするが、上手いことアリアを盾に動き回る理子に翻弄されてしまう。

 

「アリアを倒せば…『オルメス』を越えれば…あたしは認めてもらえる…!!」

「その名を知ってるってことは…あんた…⁉︎」

「そうよ!!あたしは峰・理子・リュパン4世!!あんたとは因縁の立場にある訳よ!!あんたをここで殺せば、イ・ウーに認めてもらえる…あたしは…」

 

アリア以外にも目的があるようだが、そこまでは言わずにアリアを攻撃する。

 

「あたしもあんたと同じようにこんなことができるのよ?」

 

そう言った途端、理子は自分の髪の毛を変形させ、自由に操れる剣を二つ作り、両手で銃を使ってアリアを攻撃しだす。

 

「ニ丁剣銃(カドラ)はアリアだけじゃないよ!!」

「クッ!!あんたなんか…」

 

ガシャーーーン!!

 

「キャッ!!」

「スキあり!!」バンッ!!

「グゥ!!」

 

銃がアリアの制服に直撃する。武偵高校の制服は防弾ように作られているものの、当たればそこそこの衝撃が走る。

 

「アリアのパートナーだろ…俺にしかできないことを…⁉︎そうだ!!」

 

大成はその場から遠ざかり、部屋を飛び出していく。

 

「大成逃げちゃった?まぁいいや、そろそろ終わらせてもらうよ、オルメス。」

「う…」

 

 

「よし…」ガラ…

 

大成は飛行機に乗り込む前にきた扉を開け、空を見上げる。

 

「雷雲の発生地は…あそこか…」

 

右手に気を集中させ、ボール状の気を作り出す。

 

「ハッ!」

 

そのまま放ち、空高く飛んでいき。

 

「弾けろ!!!」

 

その瞬間、雷雲まで飛んでいったエネルギー弾が大きな光を放ちながら爆発し、辺りの雲を全て吹き飛ばしてしまった。

 

「成功…だな。急いであっちに戻らねえと!」

 

 

同じタイミングで、アリアの方も決着がついたようだ。

 

「まぶし…」

「今よ!!ハァッ!!」

「しまっ…」

 

エネルギー弾の閃光で目がくらんだ理子のスキを逃さずアリアは理子の拳銃を回収、距離を取り、理子に拳銃を突きつける。

 

後ろからは大成がやってきて同じく背中に向けて拳銃を向け、理子は挟まれた状態になる。

 

 

「チェックメイトよ!峰・理子・リュパン4世、武偵殺しとしての現行犯で逮捕するわ!!」

「…さすがは大成とオルメス…あんたら2人は驚異といっても間違いね…それでも、アイツには勝てない…」

「アイツ…?」

 

 

その時、理子の横の壁が爆発し、機体に大きな穴が空いてしまう。

 

「うおっ⁉︎」

「アハハハハハ!!今回はあんた達の勝ちにしてあげる!でも、次はこうはいかないよ…!」

 

理子は飛行機から飛び降りて逃げてしまった…



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第5弾 次なる刺客

「大成起きなさい!!いつまで間抜け面して寝てるのよ!」

 

早朝。大成は人生の楽しみの一つと言っていいほどの気持ちの良い眠りについていたのだが、パートナー的立ち位置にあるアリアにそれを妨げられた。

 

「もう少し眠らせてくれよ…まだ7時30じゃねぇか…」

「なに言ってるのよ!そんな怠けた生活じゃ、もしも事件が起きた時に油断して大変な目にあうわよ⁉︎」

 

そんな言葉も無視して大成は布団に身を包める。

 

「ね…寝るなぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

武偵殺しこと峰理子との戦いから数日が過ぎた。

あの後大成とアリアは、墜落していく飛行機をうまく操作し、仲間の助力を経て無事着地させる事に成功した。

 

「理子、どこ行ったんだろうな。」

 

通学路を歩きながら大成は隣を歩く小さくて強気なピンクのツインテールの少女、神崎・H・アリアに問う。

 

「知らないわよ。多分、イ・ウーにでも戻ったんじゃない?」

「イ・ウー…確か、かなりの問題を引き起こしてる集団だったか…?」

「まぁあながち間違ってないわ。武偵は何度もイ・ウーの連中を追っているけど、奴らは捕まらない…それほど手のかかる奴らなのよ。」

 

強い奴らがいる、という話を聞くだけで大成は顔に笑みを浮かべずにはいられない。

 

「なによ、ニタニタして、気持ちワルいわね。」

「あぁ、悪い。ちょっと昔からの癖でね。」

 

転生当初はサイヤ人として生まれたのを引き継いでいるからか、どうしても闘争本能を抑えることができない。

 

「あんたって時々何考えてるかわかんないわ。まぁ、強いのは認めるけど。」

「まぁ、今は弱いんだけどね。」

「あんたと出会った時、機銃の銃弾全部かわしたのも本気じゃないわけ⁉︎」

「いや、あの程度誰でもできるだろ?」

「出来るわけないじゃない!!…全く、あんたの本気は一体どんなんなのよ…」

 

この世界において、大成が本気を出すためのトリガーとなるのは、ヒステリアモード、すなわち「性的興奮」である。

さすがにそれは言えないため

 

「いつか教えるよ…」

 

としか言えなかったのだった…

 

 

 

 

 

 

 

〜学校〜

 

「おはよう、たいちゃん!」

「おはよう、白雪」

 

学校に着き、とりあえずアリアと別れた大成はまだホームルームまで時間があるため廊下に出ていたら、白雪と出会った。

 

「武偵殺しの件、大変だったね…」

 

白雪は不安げな表情で大成を気にかける。

 

「ありがとな。心配してくれて。でも、俺はあの程度で死ぬような男じゃない。白雪なら分かるだろう?」

 

「…そうだね。そうだよね!大ちゃんは最強だもんね!!いつも私を助けてくれた大ちゃんだもん…」

 

「もしも白雪が危険な目にあったとしても、俺は必ず白雪を助ける。だから、もし何かあったらなんでも話してくれよ?」

 

白雪は一瞬戸惑いの顔を浮かべた。しかしすぐに顔をニコッと微笑ませ、大成に笑顔を向ける

 

「うん!」

 

白雪はその場を後に去った。

 

「…なにかあるな…」

 

大成は何かあると目を睨ませた。

 

 

 

 

 

 

「なぁ、アリア。」

 

午前の授業が終わり、昼食の時間となった。

 

「なによ?」

 

大成はアリアに先ほどの白雪の異変を伝えた。

 

「…最近、イ・ウーのメンバー、聖剣デュランダルが武偵高の生徒に接触しようとしてることを耳にしたわ。」

「聖剣デュランダル?」

「そうよ。誰もそいつの姿を見たことがないらしいわ。ただ、使っている武器の名前が聖剣デュランダル。だからそう呼んでいるわ。」

「まさか白雪は…」

「そいつに何か脅迫されているのかもね。あたしらが峰理子を破ったことを聞いて、身内から手を出そうとする魂胆かも…」

 

大成は考え込んでしまう。

 

「白雪なら大丈夫だとは思うが…直接本人に聞いてみるか…?」

 

アリアが思い出したかのように大成に話す。

 

「しまった…!あの女は早退しているわ!!」

「マジかよ…!急いで探さねぇと!」

「探すってどうやって⁉︎」

「気をつかむ!アリアは聞き込みしてくれ!何か分かったら連絡をくれ!」

 

そのまま大成は教室を飛び出していった。

 

「気をつかむってなによ…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

「ここが待ち合わせの場所…」

 

白雪は街のはずれの古びた研究所へと足を運んでいた。

 

「寒い…すごく冷め切った冷気を感じる…」

 

『こっちに来い…』

 

研究所の奥から白雪を呼ぶ声が聞こえる。

 

「…」

 

白雪は少し前にこの声の主から送られてきたメールを見ていた。

 

 

逢坂大成を失いたくなければ、イ・ウーに加入せよ。断れば次は無い。

 

「…大ちゃんをこれ以上危険な目に合わせたく無い…」

 

白雪は奥へと足を運んでいった。

 

 

 



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第6弾 魔剣

 

「白雪…」

 

大成は、この世界に来てから縛られている力を振り絞り、白雪の気を追っていた。

 

「不便なもんだ…あんだけ苦労して手に入れた力が世界感変わる度に使えたり使えなかったりよ…」

 

初転生で来たドラゴンボールの世界で壮大な修行、もちろん危険を伴ってはいたものの、サイヤ人という種族の「瀕死からの復活」を上手く扱い、かなりの力を蓄えてきた。

 

しかし、まどマギの世界では時間経過に比例して力が上がる、そしてこのアリアの世界ではヒステリアモードにならなければ力を思うように扱えないという縛りに本人は手を焼いているようだ。

 

「まぁ…常人よりは動けるし、気もなんとか察知できるからいいんだけどさ…」

 

そんな大成を何者かがつけていることに本人が気づく。

 

「さっきから誰かつけてるよな…」

 

殺気は感じられないため警戒はしていないようだが、そわそわしてしまう。

 

「よし…カマかけてみるか…」

 

大成は街の細い抜け道に入る。

 

「…来た!!」

 

待ち伏せして尾行者が抜け道に姿を表す瞬間に大成は飛びかかる

 

「誰だぁぁ!!」

「きゃぁぁ!!」

 

「きゃぁ…?」

 

大成は飛びかかった尾行者の甲高い声に疑問に思い恐る恐る顔を見る…

 

 

「ア…アリア…⁉︎」

「何よ!!急にだ…抱きついてきて!!早く離れなさい!!」

「わ…わるい!!」

 

慌てて大成はアリアから離れてアリアに何故尾行なんて真似をするのか聞く。

 

「そ、それは…あ、あんたがもしかしたら聖剣デュランダルの元に行くんじゃないかと思ったから、あんたがヘマしないようにパートナーとして見張っておこうとしたのよ!!」

 

アリアは大成に向けて指をさす

 

「べ、別にあんたの事が心配でつけてたんじゃないんだからね!!」

 

真っ赤な顔して噛み噛みに話すアリア。普通ならこれぞツンデレ、と言わんばかりに鼻の下を伸ばす男もいるであろう。

 

「そうか、ありがとな。」

 

大成はTHE・鈍感であった。

 

 

 

 

 

 

「さて、ここだな…」

「街のはずれにこんな所があるなんて…」

 

大成とアリアは白雪がいるであろう場所へと辿り着いた。

 

「アリア、白雪を探しに来たとはいえ、恐らく一筋縄ではいかない事態もあるかもしれない。危険だからここで待っててくれてもいいんだぞ?」

「愚問ね。あたしはあんたのパートナーよ。あんたをみすみす1人で中に行かせるほどあたしの腕も粗末なものじゃないわ。」

 

アリアは笑みを浮かべて話す。

 

「そうだったな。よし、いくぞ!」

 

 

 

中に入り、奥へと進む。

 

進んだところに手錠をされて身動きが取れない白雪を発見する。

 

「白雪!!」

 

「大ちゃん!!来ちゃダメ!!!」

 

その途端、来た道のドアが閉まり、排水溝から突如水が勢いよく流れ出す。

 

「何⁉︎」

「ちょ!!なんなのよ⁉︎」

 

その時、部屋中に加工された声が響き渡る。

 

「愚かな…たった2人で来るとは…ここで溺れ死ぬがいい…」

 

「誰だ⁉︎」

 

声に応えることはない。

 

「くそ…!梯子を渡れば二階にいけるが…白雪の手錠をなんとかしないと…!」

「私はいいの!!大ちゃんとアリアは逃げて!!」

「そんなことできるか!!!」

「!!」

 

大成はあたりを見回して鍵を探す。

 

「アリア!!お前も手伝ってくれ!!」

「あ…あたし…」

 

アリアの様子がおかしい。

 

「どうした!!」

 

「あたし…泳げないの…もう、水が腰まで来てる…このままじゃ…」

 

アリアは金槌のようだ。そうならば今この状況でリスクを冒して動けるのは大成しかいない。

 

「くッ…!!アリアは先に上に行ってろ!俺が何とかして白雪を助ける!!」

「ご…ごめんなさい…絶対に助けて来て…!」

 

アリアは先に梯子を上って上へと姿を消した。

 

「さて…どうしたもんかな…」

「大ちゃん…こっちに来て…」

 

白雪は小さい声で大成を呼ぶ

 

「何だよ!!今はそれどころじゃ…!!」

「いいから!!!」

 

渋々と白雪の前に行く大成。

 

「私…大ちゃんが好き…」

「なっ⁉︎何言ってんだこんな時に!!」

「こんな時だからこそだよ!!」

 

白雪は今度は大きく声をあげる。

 

「もう助からないよ…鍵もどうせ聖剣が持ってるに違いないよ…」

「そんなこと言うな!俺は諦めない!白雪をみすみす死なせて俺だけ助かるなんて嫌だ!!」

 

白雪は大成に向かって目を閉じて唇を向ける

 

「ねぇ…大ちゃん…キスして…」

「お前…!!」

「お願い!!!今だけでいいの…私に…最後の幸せを頂戴…」

 

白雪は涙を流している。大成はもうダメだと察している白雪を見て断れずに白雪の顔に顔を近づける。

 

「こうなったら…俺も死んでやる…アリアには悪いが、俺は今、助けられない命があること自体が耐えられない…」

「ありがとう…大好き…」

 

2人の唇が重なる。

 

 

 

 

 

「…大ちゃん、行って…」

 

「…何言ってんだか…」

 

大成の雰囲気が先程までとは明らかに変わって冷静な声になっている。

 

「大ちゃん…?」

「白雪。俺はさっき言ったよな…白雪を必ず助けるって…」

 

もう水は2人の顔にまで達している。このままでは溺れ死ぬ状況で大成は凛々しく微笑んでいる。

 

「何やってるの⁉︎私はもう思い残すことは…」

「いい加減にしろ!!」

 

突然怒鳴られて白雪は呆然とする。

 

「自分の命をそんな粗末に扱うな…!俺を頼れ!俺を信じろ!お前は俺の事、そんなに頼りなく見えるか⁉︎」

「そ…そんなとこないよ…!大ちゃんは私のヒーローだもん!!昔っから…私を助けてくれたあの日から…」

「…」

 

白雪はまた泣きながら大成に言う。

 

「助けて…大ちゃん…!!やっぱりまだ死ぬなんて嫌だよ…!!大ちゃんともっと一緒にいたいの!!」

 

「その言葉、確かに受け取った」

 

大成は白雪の手錠を掴む。

 

「これからもずっと、俺はお前のヒーローだ。」

 

パキン…

 

「え…?」

 

白雪は言葉が出てこない。彼女を拘束していた手錠が、まるで軟弱しきった骨のように簡単に壊れてしまったからである。

 

「ごめん。凄いあっさりしてるかもしれないけど、どうしても弱音吐いてる白雪に説教したくなってさ、でもちゃんと白雪は最後まで死にたくないって意志を持ってくれたからな。」

 

そう言って大成は白雪を担いで梯子に手をかけることなく二階へと飛び上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、これでよしと。上がってくる途中にも排水溝があったから、それ以上水が溢れることも無いだろう。」

「その…大ちゃん…今のどうやったの…?」

 

大成は白雪にウィンクして話す。

 

「白雪、俺はお前のヒーローだぞ?お前のためなら何だってできる。お前の笑顔のためなら、どんな理不尽も覆して見せるよ。」

 

その言葉に白雪は顔を真っ赤にしてしまう。

 

「そそそそそんな…!大ちゃん、カッコ良すぎるよ!!もう、これは、け、結婚するしか…!!」

「何言ってんのよあんた達!!」

 

突然前方から声がしたため、大成と白雪は目をこじらせる。

 

「その声…アリア?」

「暗いからよく見えないわね。そうよ、白雪。」

 

真っ暗な部屋のため声でしか分からなかったが、姿が見えてようやくわかる。その声の主は間違いなくアリアであった。

 

「…」

「大成も、無事だったのね。良かったわ。」

 

白雪はアリアに駆け寄る

 

「そうなの!たいちゃん、すごいんだよ!」

「そう。2人とも、出口が見つかったから、こっちについてきて。」

 

言葉のままに白雪はアリアについて行こうとする。

 

「待て…」

「何?大成。」

「大ちゃん?」

 

大成はアリアを睨みつける。

 

「お前…誰だ?」

「誰って、大ちゃん!アリアだよ!!」

「そうよ。どこからどう見てもアリアじゃない?何を言い出すのよ。」

 

大成は白雪の手を引っ張りアリアから引き離す。

 

「俺には分かる。お前から流れる気は、アリアと別のものだ。なんなら今お前を気絶させてやってもいい…」

「…理子の言う通りだったな…お前は普通じゃない…」

 

口調がアリアではなくなり、声も別の女の声へと変わり、驚く白雪。

 

「え⁉︎え⁉︎」

 

アリアであった者の体から氷の冷気のようなものが現れ、アリアの体を包み込む。

 

そして本当の姿を表す。

 

「いかにも、私は神崎・H・アリアではない。私の名はジャンヌダルク。イ・ウーのメンバーだ。」

「…お前が聖剣デュランダルか。」

 

その言葉にジャンヌダルクは笑みを浮かべて剣を手に召喚する。

 

「そうだ。私はこの聖剣デュランダルの使い手…ここまでばれた以上、お前達はここで消えてもらう…!」

 

ジャンヌが剣を一振りすると、そこから氷の刃が大成目掛けて飛んでくる。

 

それをなんなく交わして大成はジャンヌに問う

 

「アリアはどうした!」

「奴ならこの奥で眠ってもらっている。かなりの使い手とは聞いていたが、何か集中が途切れていたみたいでな。不意打ちを喰らわせて眠らせた。」

「よくも…」

 

ジャンヌは聖剣を大成と白雪に向ける

 

「聖剣デュランダルに切れぬものはない…!」

「よくもアリアを!!!」

 

ジャンヌが大成に斬りかかる。しかし大成はそれを片手で受け止める。

 

「効かないな…」

「何だと⁉︎」

 

ジャンヌは慌てて間合いを取って聖剣に冷気を溜める

 

「銀氷となって散れ!!」

 

巨大な氷を生み出し大成に飛ばす。

 

「大ちゃん!!」

 

大成は氷が自身に触れる直前に気を放つ。

 

「ハッ!!!」

 

気迫だけで氷を弾いてしまった。

 

「ばかな…!!私の技を…」

 

「フン!」

 

次に小さな気弾を放ち、ジャンヌの聖剣デュランダルを破壊する。

 

「お遊びはおしまいだ…お前は俺には勝てない。」

「くッ…私の負けだ…ここは引かせてもらう。アリアはそこにいる。」

 

ジャンヌはそそくさと撤退してしまった。

 

「アリア!」

「ううん…大成…?」

 

大成が呼びかけ、アリアが目をさます。どうやら傷はないようで大成はホッとしてアリアを抱きしめる。

 

「良かった…お前に何かあったんじゃないかと心配した…」

「ちょっ!ちょっと!!」

「大ちゃんから離れなさーーい!!」

 

アリアを白雪が強引に引き離す。

 

「なにすんのよ!!」

「黙れ泥棒猫!!大ちゃんは渡しません!!」

「…ハッ!!」

 

その途端大成のヒステリアモードが切れたようだ。大成は先の行動に顔を赤くする。

 

「何やってんだ俺は…」

 

その横でアリアと白雪が揉めている。

 

「大成はあたしのパートナーなのよ!パートナーの心配するぐらい当然じゃない!!何よ泥棒猫って!!」

「た…大ちゃんとはさっき!キ…キスしたんだもん!!」

 

大成に戦慄走る。

 

「…まて…アリア…それは誤解なんだ…俺の意思とは裏腹に…」

「…あんたはほんとに欲まみれの猿ね…」

「まて!!アリア!!」

 

アリアが二丁拳銃を突き立て大成に発砲する。

 

「風穴ァァァァァァア!!!!!」

 

「ぎゃぁぁぁぁあ!!!」

 

なんだかんだで白雪も助けて一安心?であった。

 



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第?弾 謎の世界、少女との出会い

「なんだここは…」

 

大成は1人、全く見覚えの無い場所へと来ていた。

 

「一体…この島全体が空を飛んでいる…⁉︎」

 

大きな島が浮いている地形にいるようだ。しかし、大きな建物は半壊、土地も荒れている。

 

「やはり…あの穴に飛び込んだせいか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間前

 

「ちょっと大成!!!いつまで寝てるのよ!!」

 

「今日は日曜だぞ…たまにはゆっくり寝させてくれよアリア…」

 

いつも通り、大成は勝手に部屋に居候しているアリアにつき回されていた。

 

「そんなんだからいつまでたっても腑抜けなのよ!!」

「いいじゃねぇか!!…ったく、眠気が覚めたわ。ちょっと外行ってくる。」

「あ、ちょっと!!」

 

大成はそのまま着替えて外に出てしまった。

 

 

「…起きてから妙な気配を感じる…。」

 

大成はただ飛び出したわけではなさそうだ。この世界のものとは思えない何かを感じ取ってそこに向かっている様子。

 

「ここか…」

 

少し離れた森の奥、そこには黒く歪んだ渦巻く空間が広がっていた。

 

「またフリーザが出てくるとかじゃないよな…」

 

前回も似たような展開があった。別次元に飛び、そこでフリーザと戦うハメになってしまった。

 

「まぁ、最悪ヒスればなんとかなるか…」

 

別次元に飛んだ時も、本来の世界の縛りがあるため、用心に越したことはない。

 

「おやおや…どーこにいくのかな??」

「⁉︎」

 

声がしたため、振り向いたらそこには…

 

「理子⁉︎」

「やっほー!大君のアイドルが戻ってきたぞ〜!」

 

先日、武偵殺しとして大成とアリアと対峙し、最終的には負け、イ・ウーに帰ったはずの峰理子がいた。

 

「なんでお前が!!組織に戻ったんじゃなかったのか!」

「んー…クビになっちゃった☆」

 

ケロッとした顔で言う理子からはなんとも重い感じがしない。

 

「クビって…やばいんじゃないのか?よく消されなかったな…」

「うん。理子、逃げ足だけは達者だから。大事な物は取られちゃったんだけどね…」

 

どこか悲しそうな顔をする理子。その大事な物が絡んでいるのだろう。

 

「そうか…とりあえず、俺は行かなきゃならないところがあるから、また話を聞かせてくれ。」

「あ!待って待って!!」

 

行こうとしたらまた呼びかけられたため振り向く大成。

 

「なん…」

 

振り向いた瞬間、唇に柔らかい感触が伝わる。

 

「忘れ物だぞ♪」

「…」

 

恐らく理子の言いたい忘れ物はキスの事ではなく…

 

「全く…なんて優等な子なんだろうか…心配してくれてありがとう。」

 

完全にヒスった大成は理子の顔に手を添えてそう言う。

 

「大成、理子のためにも絶対帰ってきてね?」

「あぁ、お前を置いて消えたりなんかしない。じゃあ、行ってくる。」

 

そう言って大成は穴へと飛び込んだ。

 

「私のロザリオのために…」

 

理子はそう呟き去って行った…

 

 

 

 

 

 

 

そして時は戻り…

 

「さて…とりあえず状況を把握するに…」

 

何者かがこの土地を荒らしている…とは分かる。

 

「時間も無いかもしれん、最初から超サイヤ人で行くか…」

 

大成は超化し、いまだ起こっている戦闘の場へと向かった…

 

 

 

 

 

 

 

 

「くッ…」

「炎髪灼眼の再契約阻止は誰から見ても大手柄!!悪く思うなよ…消えてもらうぜぇ!!」

 

チャイナ服の様なものを着た黒髪の小さな女の子とその横で動かない屍、そして女の子にまさにトドメをさそうとしているバイクに乗った物がいた。

 

「私はフレイムヘイズになる…」

「今回は諦めてもらうぜぇ…」

「私はフレイムヘイズになるんだ!!」

「死ねええ!!」

 

女の子にトドメが刺される瞬間、布のような物が横から伸びてきて、敵を掴み遠くへ投げとばす。

 

「ヴィルヘルミナ!!」

「お待たせしたであります。」

「ごめんなさい!私のせいで!!シロは悪く無いの!!」

 

ヴィルヘルミナと呼ばれるメイド服を纏った女性。そしてシロと呼ばれる屍。

黒髪の小さな女の子は自身のせいでこのような出来事になったと言っている様だ。

 

「ここに徒が現れた以上、ここで生活している時間ももう残されていないのであります。」

「…」

 

徒(ともがら)と呼ばれる存在。先ほどのバイクに乗った物がそう呼ばれる対象の様だ。

 

「フレイムヘイズとして生きる時が来たのであります…」

「えっ?」

 

その途端、先ほどの徒が起き上がり、なにか気弾の様なものを放ってくる。

 

「…」

「シロ!!」

 

それを先ほどまで動かなかった屍、シロが止める。

 

「敵の後続が来るのであります。」

 

「いかせねぇぇ!!!」

 

先より大きな気弾を放ってきた。屍ではとても弾けない大きさ…

 

そう、屍ならば…

 

 

「フン!!」

「だ…誰…⁉︎」

 

シロの前に立ち、気弾を片手で弾き飛ばした男がいた…。

 

「俺か?俺は遠い世界のお猿さんだ。」

「…味方…でありますか…?」

「そうだ。あの建物に用があるんだろ?ここはまかせろ。」

「助かるのであります。」

 

そういってヴィルヘルミナと呼ばれる女は黒髪の少女を担いで走って行った。

 

 

 

「シロともう1人の人が心配…」

「大丈夫。」

 

部屋に入ったヴィルヘルミナは少女の傷を包帯を巻いて処置している。

 

「ねぇ、ヴィルヘルミナもフレイムヘイズなんだよね…?」

「えぇ、私は万条の仕手、”夢幻の冠帯”ティアマトを元に生きるフレイムヘイズ。」

『初見挨拶』

 

ヴィルヘルミナの付けるカチューシャの様なものが喋り出し、びっくりする少女。

 

「どうして教えてくれなかったの?」

「先入観を与えないためであります。…その必要も無いみたいではありますが。」

「私はフレイムヘイズとして生きたいの!」

「…なら結構であります。私はあなたを誇りに思っているのでありますから…」

 

その時何かに気づいたヴィルヘルミナが窓の外を見る。

 

「どうしたの⁉︎」

「…嫌な予感がするのであります。」

 

 

 

 

 

 

「この骨野郎!!ちょこまか動きやがって…!!」

「…」

 

大成の前ではシロと徒の戦いが繰り広げられていた。

 

「…骨だけにしてはかなり動ける…」

 

今にも崩れそうな骨だが、動きは全盛期をにおわせるほどの可憐な動きである。

 

「…危ねえ!!」

 

大成がそういった時には遅く、シロは背後から突如現れた何かに不意を突かれ、体を切られてしまった。

 

「…できるな…」

 

シロはそのまま池に落ちてしまった。

シロを切った何者かは、徒の方へとゆっくり向かっていく。

 

「何故だ…!何故お前がここに!!紅世に仇をなすものが何で俺のところに!!」

「…」

 

「なんと…!あれは天目一個であります…!史上最悪のミステス…」

 

「強い徒を求めて殺戮を繰り返す…化け物トーチなどと呼ばれることもあるのであります…」

 

「あの男には悪いでありますが、時間稼ぎになってもらうのであります。」

「…」

 

少女は大成の背中を一目見て、部屋を後にした。

 

 

 

 

「くるな…くるなぁ…」

 

徒に天目一個はゆっくりと近づいていく。

 

「まさか…こいつがバル・マスケの同胞達を…!!」

 

徒は鍵の様なものを手に取り祈り始める。

 

「ベルペオル様…どうか力を!!」

 

「おっと…!俺を無視しないでほしいな…」

 

そこにサイヤ人の男が割って入る。

 

「お前…!!」

「見た所お前は強い…俺と戦ってもらう。」

 

大成は天目一個の前に立ち勝負を申し出る。

 

「無理だ…そいつは人間は切らねえ!」

「…なら…ハッ!!!!」

 

大成は天目一個に気弾を浴びせる

 

「…これなら正当防衛だろ?」

「…強者よ…」

 

天目一個は刀を構えて大成に斬りかかる

 

「ほっ!」

 

大成はそれを交わしてカウンターの回し蹴りを天目一個に浴びせる…が、固い鎧に包まれているためダメージが通らない。

 

「あいつ…生身で天目一個の動きを見切ってやがる!!」

 

徒はただ見つめることしかできない。

 

「…殺気を感じない…あいつ、俺を殺す気では無いのか…」

「その通りであります。」

「!」

 

そこにヴィルヘルミナと黒髪の少女が現れる。

 

「奴は、強い紅世の徒を相手にしかしないのであります。」

「さっきの…」

 

天目一個の前に黒髪の少女が立つ。

 

「天目一個!お前の求めるものは何だ!!」

「…」

「お前が導いてくれるのならば、炎髪灼眼の打ち手が相手になる!!」

 

その言葉にようやく反応を示す天目一個。

 

「炎髪灼眼……女、強者と見た…我と戦う権利あり…案内しよう…」

 

そういって天目一個は少女を抱えて宮殿の中へと向かっていく。

 

「…させるかよ!!!」

 

先ほどの徒が攻撃を仕掛ける。が、ヴィルヘルミナに止められる。

 

「お前の相手は私であります。」

 

そこに大成も加わる。

 

「なんだかよく分からんが、あの子は大丈夫なんだな。なら、こいつをぶっとばせばいい話だろ。」

 

ヴィルヘルミナは頷く。

 

「助太刀感謝するのであります。」

 

徒は鍵を掴み祈りだす

 

「ベルペオル様…俺に力を!!!」

 

その途端、徒の体に光が走り出す。

 

「何事でありますか⁉︎」

『危険察知』

「…あれはやばいな。」

 

大成の頬に汗が滲む。恐らく先程までとは比べものにならない力を感じているのだろう。

 

「…勝率が減ったのであります…」

「何言ってやがる。」

 

ヴィルヘルミナが大成を見る。

 

「俺がいるんだ。勝率はハナっから100%だ。」

 

ヴィルヘルミナは微笑んでフレイムヘイズの姿へと変身する。

 

「心強い…では、共闘をお願いするのであります!!」

「おう。」

 

徒は2人に目掛けて大きなエネルギーを放つ。

 

「なめんじゃねぇぇ!!」

 

先ほどとは比べものにならないエネルギー、2人はそれを避け、大成が真っ先に徒に間合いを詰めて攻撃を仕掛ける

 

「おらぁ!!」

「グェ!!」

 

徒は脇腹にモロに蹴りを喰らい、吹き飛ぶが体制を立て直し、次の攻撃を仕掛ける。

 

「しねぇぇえええ!!」

 

次は無数のエネルギーを放ってくる。

 

「チッ…」

「大丈夫であります。」

 

ヴィルヘルミナは包帯を扱い自分と大成の前に包帯の壁を展開。

 

「おぉ…」

「…しかし、思ってたより相手がパワーアップしてるのであります…あまり持たない…」

 

ヴィルヘルミナはキツそうな顔をしている。おそらく2人分守るのはかなりの力をつかうのであろう。

 

「だったら俺の分を解いてもかまわねぇぜ。」

「しかし…」

 

大成はヴィルヘルミナにウィンクして自分から包帯から抜け出す。

 

「悪いが一瞬で終わらせてもらう…」

「なにぃ!!」

 

大成は徒に接近しながら気を溜める。

 

「ロッソ…」

 

徒とゼロ距離に達した所で最大限の力で放つ

 

「ブラスターーーー!!!!!!」

 

徒はノーガードで受け、直撃。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

そのまま徒は消滅してしまった。

 

 

 

 

 

「助かったのであります。」

「あぁ、奴の力はもう一体近づいてきていたやつを吸収して強くなっていたみたいだ。もう危険は無い。」

 

こちらの戦いは終わった。

 

「あとは…来たであります。」

「…あの子…何かが変わった…」

「えぇ、フレイムヘイズとなったのであります。そして、今から天目一個と戦う。」

 

少女と天目一個が対立。

 

「…邪魔はしないほうがいいな…俺はこれで…」

「かたじけない。…どこにいかれるので?」

 

大成は振り向くこともなく一言告げた。

 

「世界を救いにな。俺は忙しいのさ。」

 

そういって大成は元来た穴の方へと向かって行った。

 

なんだかんだ戦いを見届け、大成は帰る所まできた。

 

「あの子…見てるこっちまで焼けそうな…でも見惚れてしまいそうな炎を纏ってるな…」

 

先の場所からどんどん離れていく。最後に少女が叫んでいる言葉だけが微かに聞こえてきた。

 

「誰だか分からないけど、助けてくれてありがとう!!私は今日から贄殿遮那(にえとののしゃな)として生きていくわ!!」

 

大成はその名を脳裏の片隅に置いておいた。

 

「覚えておくよ…この世界の主人公となろうお姫様…」

 

 

いつか、この2人が奇妙な形で再開することとなるとはまだ誰も知らないまま…

 

 







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第7弾 無限罪のブラド

 

 

あれから数日が経った…

 

謎の世界、フレイムヘイズと紅世の徒との出会い、また新たな存在を知った大成はアリア達のいる世界へと戻ってきた。

 

そこでは色々なことが起こりすぎていた。

 

まずは…

 

 

「大くーーーん!!弁当一緒に食べよ〜!!」

「理子!!いい加減にくっつくのはやめろ!!」

「ちょっと大成!!何ニヤニヤしてんのよ!!それじゃ言葉と裏腹にデレデレしてんのバレバレなのよ!!」

 

あれから峰理子は学校へ戻ってきていた。

あの事件から良く堂々と大成達の前に姿を現したものだと言うのだが、本人曰く

 

「理子は強い男に惚れたのだ☆」

 

らしい。

 

理子のケロッとした態度に大成もアリアも怒る気にもなれなかった。

 

「大くんにお願いがあるの…」

「お願い?」

 

どうやら戻って来て早々お願いがあるらしい。

 

「あのね、私のママにもらったロザリオを取り返してほしいの…理子、この前イ・ウーに帰った時に奪われちゃって…」

「ロザリオ?首飾りのようなもんか。誰にだ?」

 

理子は真面目な顔をして、そして俯いて名を口にする。

 

「ブラド…」

 

その言葉にアリアが反応する。

 

「無限罪のブラドの事⁉︎」

「うん。イ・ウーの中ではNo.2の実力者。何百年も生き続けているいわば魔物の様な奴。」

「そんな奴相手にロザリオを取り返せる気がしんがな…」

 

普段の大成ならば余裕だろうが、ヒステリアモードと言う縛りがある以上は迂闊に乗り込めない。

 

「大丈夫、ロザリオはブラドが持っている訳じゃないの、授業の先生いるでしょう?小夜鳴先生。噂によるとあの人の屋敷の研究室の奥の秘密部屋に隠してあるみたい。」

 

さすが情報屋。どこから仕入れたのかというレベルだ。

 

「本当はロザリオを返してもらえる条件もあったんだけど…」

「条件?」

 

続けて話す理子

 

「初代リュパンを超えること…」

 

その言葉にアリアが反応する。

 

「あんたは峰・理子・リュパン・4世だったわね。」

「その通り、あたしはイ・ウーに前の失態の挽回をするために、初代リュパンを超える…つまりアリアを倒すって条件を突き立てられてるの。」

 

その言葉に空気が重くなる。

 

「つまり…お前の大事なロザリオを取り返すには…」

「アリアを倒すか、ブラドから奪い盗るかだよ。」

 

大成は考える。

 

「ふむ…」

「なんにせよ、アンタはまだあたし達の敵って訳でしょ。」

 

アリアが拳銃に手を添える

 

「そうなるっちゃぁそうなるね…」

 

理子も同じく拳銃に手をかける

 

「やめろお前ら!!」

 

それを大成が静止。

 

「大成!」

「大くん…」

 

大成は2人に言い聞かせる。

 

「俺がロザリオを奪ってきてやる。小夜鳴…だっけ?その先生の屋敷に忍び込んで奪えばいい話だろ…?最悪、そのブラドとかいう奴をぶっ飛ばす。」

 

その言葉に理子は唖然とする。

 

「で、でも…理子は大くんを裏切ってたんだよ…?殺そうともしたし…今だって理子は理子のために大くんとアリアを利用しようとして…」

 

大成はフッと笑って理子の肩に手をかけて話す。

 

「俺にとっては理子は仲間だ。仲間が困ってるのに黙って見過ごすわけにはいかないし、アリアと理子が家系の問題で戦って傷つくのも嫌だ。」

 

理子はあまりの嬉しさに泣きべそかいて大成に抱きついてしまう。

 

「うぇーーん!!!ありがと大くぅんーーー!!」

 

アリアはやれやれと言った顔で

 

「全く…お人好しなんだから…」

 

と渋々賛同した。

 

 

 

 

 

 

 

「という事で!以上が理子から言える情報だよ!」

「小夜鳴の家の構図…あいつの研究室を離れる時間帯…ロザリオを囲むセンサー…なるほど、これさえわかれば後はごり押しでなんとかなる…」

 

ことは急で早速実行に移すことになった。理子にもらった赤外線センサーが見えるメガネをつければロザリオもなんとか取れるとの事。

 

「後は俺が…」

「それは理子にお任せお任せ♡」

「う…」

「何をお任せなのよ?」

 

ヒステリアモードにならねば大成は思い通りに動けない。その発動条件を知る理子からお任せと言われると大成の顔も苦くなる。

 

「大丈夫♪今回は理子じゃないから…」

「へ?」

「だから何の話なのよーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

小夜鳴家

 

 

「へぇ〜神崎さんが1日メイドをやってくださるんですか〜!」

「そ…そうでご、ございますわ!!ご、ご主人様ぁ…!!」

 

カタコトの言葉でメイド服を着たアリアが小夜鳴のメイドを務める様だ。

 

「あのバカ女ぁぁ…あたしにこんな恥ずかしい思いさせるなんて…後で絶対風穴…」

「神崎さん?」

「え⁉︎いやぁ!な、なんでもないですわよ!!あはは…」

 

その様子を屋敷の外からコッソリと見る大成。その耳についた発信機を伝って遠くから様子を見る理子。

 

発信機の音声機能で大成は理子から指示を受け取る。

 

「よし、中に入ったぞ。」

「とりあえず大くんは今の内に屋敷に忍び込んで!後々庭の散歩に行く様にアリアに行ってあるから、そのタイミングで研究室に!」

 

言われる通りに屋敷にコッソリ入る大成。

 

「とりあえずこの部屋で…ビリヤードとか置いてあるのか…お!ここのクローゼットに…」

 

その時丁度部屋に小夜鳴とアリアが入ってくる声が聞こえてきた。

 

「やべ!!はいらねぇと!」

 

なんとか入れた大成。

 

「では神崎さん。まずはビリヤードをしましょう。中々面白いですよ〜」

「は…はい…」

 

言われるがままにアリアはビリヤードを始める。

 

『大くん!大くん!』

 

耳に付けてある通信機から理子の声が聞こえる。話せる状況じゃないため、無言で聞く。

 

『クローゼットに丁度穴があるから、そこから外見てみて!!』

 

外…?と思いながら大成は様子を伺うとその光景に…

 

「⁉︎」

 

ちょうど穴から外を見ると、ビリヤードを大胆なメイド服を着たまま身を乗り出しているアリアが正面に見えた。

 

「…!!!!」

 

『どーう??アリア…すっごくヤラしぃでしょ〜?』

 

「!!」

 

小さな体を必死にビリヤードの台に前かがみに乗り出しているその光景を真後ろで見つめる…まさに男にとっては至福の一時であろう。

 

 

 

 

 

 

「では、次は庭の散歩でしたね。行きましょう、神崎さん。」

「はい…」

 

小夜鳴とアリアは部屋を後にし庭へと向かった。

 

ガチャ…とクローゼットを開けた大成の様子は…

 

 

「これが狙いか、理子。」

『無事ヒスってるね〜♪さっすが理子!!』

 

屋敷内でヒステリアモードに誘導する事に成功した理子。

 

「全く…後でお仕置きが必要だな…」

『やーん!!どんなことされちゃうのかな〜??』

 

そう言い大成は素早く研究室へと向かう。

 

「サクッと終わらせるぞ。」

『その先が研究室だよ。メガネを付けたら無事に取って!』

 

 

研究室へと着き、理子に教えてもらった壁に設置してある見えないボタンを押し、隠し扉が開いたため奥へと向かう。

 

「あった…」

 

そこには何十にも貼られた赤外線センサーに守られているロザリオがあった。

 

「確かに相当の数だな。」

 

普通の人間にはとても不可能であるが、この男は違う。

 

「よっ…」

 

舞空術を扱い、華麗な身のひねりをこなしてロザリオの元へと向かう。

 

『大くん急いで!!』

 

「もう少し…取れた!!」

 

手に取り、大成は再び赤外線センサーを避け、研究室から急いで屋敷内に隠れる。

 

 

「では、夕食にしましょう。神崎さん、今日は助かりました。掃除もしていただいて…」

「いえ…私の先生の下で働けてとても嬉しく思います…」

 

そのうちに大成は屋敷から出る。

 

「あいつ最後結構さまになってるな。」

『さっすが大くん!!じゃあアリアが帰ってきたら、学校の裏の橋で待ってるから来て!』

「はいはい。」

 

それから30分後にアリアと合流し、橋の元へと向かう。

 

「疲れたわ…もうメイドなんてこりごりよ…」

 

アリアはかなり精神的にお疲れの様子だ。

 

「そんなことないよ。とても可愛かったよ、アリア。」

 

大成はまだヒステリアモードのご様子。キザなセリフを吐いている。

 

「にゃ!!にゃにいってんのよ!!か、可愛いとか!!」

 

アリアにはこれぐらいキザなセリフも面と受け止めてしまうタイプの様だ。

 

 

 

 

「あ!大くん!!ついでにアリア!」

 

目的の場所、高校裏の橋で立っていた理子が着いた大成達の元へ走ってくる。

 

「ロザリオは??」

「これだな。ほれ。」

 

青色に輝くロザリオを手にした理子は心底嬉しそうな顔をする。

 

「ありがと〜!!理子、大くんにご褒美あげないといけないね…!」

 

そういって大成にお得意のお色気を発動しようとしたその瞬間。

 

「おやおや、やっぱりあなた達でしたか。」

 

理子が振り向いた瞬間、声の主に理子は取り押さえられて地面に叩きつけられる。

 

「きゃぁあ!!」

「お前…小夜鳴!!」

 

なんとあの小夜鳴が気づいていた様だ。

 

「尾行して正解でした。ロザリオは常日頃監視していますからね。神崎さんとのお食事後にチェックしたら無くなっているんですから、まず神崎を疑いますよね。」

 

アリアはクッとした顔で

 

「迂闊だったわ…付けられてたなんて…」

 

と言う。

 

「にしても、本当に貴方という人は、他人に任せる事しかできない用なしですね!!」

 

理子の頭を足で踏みつけ、痛めつけている。

 

「あああぁぁあ!!」

 

あまりの痛みに声を上げざるをえない理子。

 

「このロザリオ…そんなに取り返したかったのですか…それだけ愛おしかったのですか…?でしたら口にでも入れてなさい!」

 

理子の手から奪ったロザリオを理子の口の中へと強引に入れる小夜鳴。

 

「うぐ…ぐ…」

「やめろ!!」

 

すぐさま飛びかかろうとするが小夜鳴に止められる。

 

「止まりなさい!!この子がどうなってもいいのですか!」

 

理子を盾にされて動けない。

 

「では、ここで私の正体をご覧にいれましょう。」

 

そういって小夜鳴は注射器で何かを自身に投与する。

 

すると…

 

「体が…変形して…」

 

「まさか…」

 

小夜鳴の体はもはや人間ではなくなり、巨大な獣のような物になる。

 

真っ赤な目、そして凶悪な爪、そして飛び出た八重歯。

 

 

「ゲララララ!!!俺様が無限罪のブラドだ!!」

 

理子を頭から鷲掴みにしたままブラドは名乗る。

 

大成はすかさず攻撃を仕掛ける。

 

「ハァァァァア!!」

 

気弾がブラドの体に直撃、ダメージを与えたかに見えたが…

 

「効かねえなぁ…」

「傷が…再生した⁉︎」

 

確かにダメージを与え、血を流したはずだが、ブラドは圧倒的な再生力ですぐさま回復してしまった。

 

「こいつを返して欲しかったら付いてくるんだな!!来たところで結果は変わらんがなぁぁ。」

 

ブラドはそう言ってその場を去ってしまった。

 

 




次でラストです!!


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最終弾 Aria The Scarlet Ammo

 

あれから一同は一度作戦を練ることにした。

 

「改めて聞かせなさいよ。あんた、あそこまでロザリオを欲しがるのはなんでなのよ。」

 

アリアは今一度理子にロザリオを取り返す目的を問う。

 

「アリア…腐った肉と泥水しか与えられない、狭い檻で暮らしたことある?」

 

理子は暗い表情から話を切り出す。

 

「ふざけんな!!あたしはただの遺伝子かよ!!」

 

今度は感情的になる。

 

「あたしは理子だ!!峰・理子・リュパン・4世だ!!」

 

「ご先祖から生まれた機械なんかじゃない!!」

 

今までの理子からは明らかに違う言葉遣い、それからしてこれが本当の峰理子なのだろう。

 

「あれはただのロザリオなんかじゃない、あれはお母様が私に暮れたリュパン一族の宝石。」

 

「だから檻に閉じ込められたときも、これだけは離さなかった。口の中に隠してきた。」

 

「その時気づいた。このロザリオは、私に力をくれる。」

 

理子はロザリオから得る力で、髪を変幻自在に操っていたようだ。

 

「それを使って檻から抜け出した!そして、オルメス…お前を倒して、曾お爺さんを超える…自由になる予定だった…のに…」

 

理子は泣き出してしまう。

 

「ロザリオも奪われて…もう理子はおしまいだよ…」

 

理子の肩に手を置く大成

 

「あれはお前の全てなんだろ…?まだ、お前はアリアを越えるために正々堂々戦っていない。諦めるならロザリオを取り返して、アリアと正面から戦って負けてから言え。」

 

理子は顔を上げて大成を見る。

 

「そのために俺が今からお前の大切なロザリオを取り返してやる。お前もついて来い。アリアも来るだろ?」

 

そう言って大成はアリアを見つめる。

 

「…っ!行くわよ!!無限罪のブラドを前にして、引き返すなんて武偵として許されないわ!」

 

「アリア…大政…」

 

ついには涙腺崩壊。理子は大泣きしてしまう。

 

「ありがとぉぉぉぉ!!」

 

そのまま大成に抱きついてしばらく泣き続けるが、すぐに落ち着いて作戦を立てる。

 

「ブラドは四つの弱点があるの。」

 

「弱点?」

 

「それを同時に攻撃しないと、あいつは不死身の再生力でどんな攻撃も無効化してしまうって聞いたの。」

 

「なるほど、それで俺の攻撃が…」

 

疑問に思った大成が理子に聞く。

 

「にしても、弱点なんてどこにあるんだ?それらしいのは見当たらなかったが…」

 

「それは私が答えよう。」

 

不意に後ろから聞こえた声に一同は振り返る。

 

「お前…デュランダル使いの⁉︎」

 

「その名で呼ぶな。ジャンヌと呼んでくれ。」

 

そこには以前戦ったイ・ウーのメンバー、ジャンヌダルクが立っていた。

 

「なんで武偵高校の制服着てるのよ。」

 

「聞いてなかったか?私はイ・ウーを辞めたんだ。そのあと武偵高校で高校生として編入した。」

 

サラッと言いのけるが、そうも簡単に組織を抜けれるものなのか。

 

「所詮は使えない駒はすぐ切り離すような所だしな。私はあんなところにいるぐらいなら、お前達と一緒にいた方がいいと踏んだ。」

 

「だからって、そんな簡単に教えてくれるのか?」

 

理子が話に割って入る。

 

「大丈夫、ジャンヌはどっちかというと理子の味方だから。」

 

「峰の言う通り、私もブラドにはよく思っていない。」

 

ジャンヌは紙に何かを書き始める。

 

「何してんだ?」

 

「弱点を絵で書いてやろう。私はこう見えて絵が得意なんだ。」

 

すぐさま書き終わり、皆に見せる…が。

 

「これ…ブラドなのか?」

 

「そうだ。うまいだろう?」

 

お世辞にも上手いとは言えない絵を見せられるが、弱点の場所は分かった。

 

「紋章みたいなのが弱点なんだな。確かにあったな。」

 

「そうね。これなら私達3人で銃で撃ち抜ける。」

 

「でも、あと一つはどこなの?」

 

ジャンヌは答える。

 

「私も最後の一つは分からない。だが、どこかにはあるはずなのだが…」

 

大成は早速向かうために支度をする。

 

「考えていても仕方ない。あまり時間がない。急ぐぞ。」

 

「時間がないってなんでよ?」

 

ヒステリアモードがいつまで続くか分からない。アリアに問われるが、答えれないため返答に困る大成。

 

「大君は、お腹痛いんだよね?早くブラド倒して、トイレ行きたいんだよ〜」

 

「な…!…そ、そうだよ!早くトイレ行かないとヤバいんだよ!!」

 

「き、きたないわね。なら早く行きましょ。」

 

ジャンヌはどうやらついては来られないため、3人でブラドの向かった武偵高校近くの大きなタワーの最上階へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ついた…」

 

そこには、小夜鳴の姿に戻っていたブラドがいた。

 

「小夜鳴!!私のロザリオを返して!!」

 

感情的になった理子が小夜鳴へと向かっていく。

 

「理子!!早まるな!」

 

「ふっ…」

 

小夜鳴は理子の背後に回り、スタンガンを仕掛けて理子の動きを封じる。

 

「あああああ!!!」

 

理子は倒れてしまう。

 

「理子!!!」

 

「おっと、近づいたらこの子を殺しますよ…」

 

大成は動きを止める。

 

「良いことを教えてあげましょう。この子は昔私と会ったことがありましてねぇ。」

 

その言葉に理子が反応する。

 

「まさか…10年前の…!」

 

「そうでさ。あなたの血を取って調べたものです…」

 

「やめろ!!言うな!!」

 

その言葉を無視して続ける。

 

「この子は遺伝の結果、何も能力の無いただの凡人。」

 

「…!!!」

 

理子の顔を足で踏みつけて話を続ける。

 

「君にはこの金属がお似合いですよ!!」

 

そう言って理子の口にロザリオを無理やり押し込む。

 

「うぐ…ぇぇ!!」

 

「一度奪わせておいたのは何故か分かりますか?」

 

悪に満ちた顔をして小夜鳴は話す

 

「さらなる絶望を与えるためですよ!!」

 

「く…おぇぇ…」

 

理子は踏みつけられて顔から血を出し、嗚咽を吐く。

 

「良いですねぇ!!絶望に満ちた嗚咽!!」

 

「くっ!!」

 

アリアは拳銃を構える。

 

「良い加減にしなさいよ!!理子をいじめてなんになるのよ!!」

 

「絶望が必要なのですよ。ブラドを呼ぶために…」

 

一度小夜鳴が徹底したのは、その絶望が少なかったからなのだろう。こうして再度理子を招き、因縁のライバルであるアリアに、自身の無能を伝えられる事による絶望を起こすために…

 

「ふははははは!!!」

 

その途端、小夜鳴の体が大きくなり、再びブラドへと戻っていく…

 

「でたな…ブラド!!」

 

大きな巨体。鋭い牙、赤い目。

 

 

「ゲハハハハハ!!今度はお前ら3人とも殺してやる!!」

 

「見つけた…両肩二つ、右脇腹に紋章!!」

 

大成はジャンヌの書いた弱点を見つけた。しかし、最後の一つが見つからない。

 

「大成。援護して!!」

 

アリアが弱点に銃を打つ。

 

「ブラド!!あんたの罪は、あたしのママの99年分の罪よ!捕まって償ってもらうわ!!」

 

弱点三つに見事に命中。しかし、傷がすぐふさがってしまう。

 

「だめじゃない!!」

 

「その威勢の良さ、悪くない…お前の血も取っておくんだったな…」

 

「あんた…やっぱり…ドラキュラ伯爵!!」

 

「ドラキュラ⁉︎」

 

ブラドの傷の再生の速さ、そして強靭な肉体、牙。血を摂取する。この事柄から、ドラキュラ伯爵と断言したアリア。

 

「その通り…多くの人間の血を集めて、この肉体を作り上げた…それが俺だ…」

 

そう言い理子の頭を掴んで話を続ける。

 

「もっと良い面しろよ…リュパン…お前は知っていただろう?俺様は絶望が大好物だってよぉ!!」

 

「ブ…ブラド…オルメスを倒せば…あたしを解放するって…約束したのに…」

 

その言葉にニヤリと笑ったブラドは話す。

 

「お前は犬とした約束を守るのか?ゲハハハハハ!!」

 

理子は騙されていた。その現実に再度涙を流す。

 

 

その時、理子を掴んでいたブラドの右手が消し飛ぶ。

 

「ガァァァア!!」

 

落下する理子を受け止めたのは大成だった。

 

「良い加減にしやがれ…二度も女の子を泣かせたテメェを許すわけにはいかねえ…!!」

 

「大成…」

 

ブラドの右手はすぐさま再生してしまう。

 

「無駄だ…俺様の能力の前にはどんな攻撃も効かねえ…」

 

アリアも前に出てブラドに向けて拳銃を突きつける。

 

「ブラド!!」

 

ブラドは右手を顔の前に出して防御を取る。

 

「おっと…」

 

その行動があまりに不自然のため、大成は何かを考える。

 

「なぜ…あの再生を前にして顔を隠す…⁉︎」

 

そして、その考えは答えに辿り着く。

 

「そうか…!!最後の弱点は舌…!!」

 

大成はブラドに飛びかかり、口に手をかける。

 

「うおおおお!!」

 

しかし…

 

「ウオオオオォ!」

 

ブラドに振りほどかれてしまう。

 

「大成!!」

 

「やべぇ…ヒステリアモードが…」

 

大成の弱体化、これはヒステリアモードの効果が時間切れによって途切れてしまった事を意味する。

 

「ガキが…遊び方を教えて欲しいみてぇだな…」

 

アリアがブラドに突撃するものの、1人ではダメージも与えられない。

 

「グオオオオオオオオオオオオォォ!!」

 

凄まじい雄叫びだけでものすごい風圧が3人を襲う。

 

「くッ…!!」

 

「うぅ…」

 

「ぐ…うわぁぁぁあ!!」

 

大成が吹き飛ばされてしまった。

 

「大成!!!」

 

タワーの屋上から大成が落下。

 

「大成ぇえ!!」

 

理子が大成を追ってビルから飛び降りる。

 

「2人揃って御陀仏かぁ?」

 

「何やってんのよ!!」

 

アリアはブラドを撃ち続ける。

 

「あんたの相手はあたしよ!!」

 

「いいねぇ…お前みたいな気の強い奴ほど絶望した時の面は最高だ…」

 

 

 

 

 

「く…うぁぁぁあ!!」

 

「大成!!」

 

理子が大成に追いつき、手を掴む。

 

「理子!!」

 

理子は先ほど再度手に入れたロザリオの力で髪を変形。大成を連れたまま上空へと戻っていく。

 

「大成…このままアリアを置いて逃げようよ…」

 

「何言ってんだ…!」

 

理子は暗い顔したまま大成に続ける

 

「ブラドは強すぎる…このまま戦っても勝てないよ…」

 

「…俺は…理子を侮辱したあいつを許せない!!」

 

大成は続ける。

 

「一度は敵対したかもしれない…けど、最後はこうして俺達を頼って助けを求めてきてくれた…俺はそれが嬉しかった。」

 

「大成…」

 

「お前は作り物でもなんでもない。理子は理子だ!!お前には…お前にしかできない力がある!!そんな理子を無能だと言ったあいつをこのままにしておくことはできない!!」

 

その言葉に理子は大成にキスをする。

 

「ありがとう…大成…このキスは理子の本気のキス…」

 

「…」

 

理子は決意に満ちた顔をする。

 

「そうだよ、私は理子だ!番号なんかじゃない!!峰理子よ!!!」

 

「あぁ…終わらせるぞ。」

 

大成は先ほどのキスで再びヒステリアモードに戻ったみたいだ。

 

「ハァァァァァァ!!!」

 

理子から離れ、ヒステリアモードのおかけで超サイヤ人へと変身した大成は舞空術を使ってブラドの元へ行く。

 

 

 

 

「アリア!!」

 

「た…大成⁉︎」

 

初めて見る大成の超化に驚きを隠せないアリア。

 

「話は後だ!こいつを仕留めるぞ!」

 

「仕留めるって…弱点が見えない!!」

 

「いや、最後の一つが分かった。舌にある!」

 

ブラドの弱点が分かり、大成はアリアの持っている拳銃を貰う。

 

「あんた…どうするのよ!!」

 

「理子、俺、そしてアリアの2丁拳銃、合わせて4つ…これで決める…」

 

「あんた1人で四つなんて!!」

 

アリアの口に指を当てて話を遮る。

 

「ん!!」

 

「武亭憲条第1条。仲間を信じ、仲間を助けよ。アリア、俺を信じてくれ。」

 

「アリア…お前はかなり傷が深い。大人しく見ていてくれ。それに…」

 

「ゲハハハハハ!!髪の色が変わったところで状況はかわらねぇ!!」

 

大成は軽くジャンプして

 

「俺に不可能なんてねぇんだよ!!」

 

その時、背後から遅れてやってきた理子がロザリオの力で刀へと変形させた髪でブラドの背後から切りつける。

 

「グァァァァア!!」

 

不意な攻撃に思わず声をあげ、舌を丸出しにするブラド。

 

そして…

 

 

「くたばれ!!!」

 

まずは両手の拳銃を撃つ。

 

そして、一瞬で腰にかけた2丁拳銃に持ち替え、それを放つ。

 

「これで終わりだ。」

 

ほぼ同時に放った四つの拳銃は、導かれるようにブラドの弱点へと命中する。

 

 

 

「ギャァァァァァァア!!!」

 

悲鳴をあげてブラドは倒れる。

 

「やったの…??」

 

「あぁ、最後の弱点は、アリアが撃っているときに気づいたんだ。咄嗟にかおを隠す理由。それは最後の弱点を守っていたからなんだ。」

 

そして、理子に話しかける。

 

「どうだ?理子。初代リュパンも超えられなかったブラドを、俺たちは倒したんだ。3人の力で。」

 

そこにアリアも入ってくる。

 

「へぇ、じゃぁもうとっくに初代リュパンを越えたんだ。あんた。」

 

その言葉に理子は笑みを作るが、すぐ冷静になり

 

「礼は言わないよ、大成、オルメス。」

 

「今回は偶然利害が一致しただけ。あんたとあたしは宿敵である事に変わりはないわ。」

 

「そうね、あたしもあんたと馴れ合うつもりは無いわ。」

 

アリアは続ける。

 

「でも、ママの裁判の証言は手伝ってもらうわよ。ブラドも倒したんだし、もししないなら…」

 

「神崎・H・アリア、それに逢坂大成。あたしは、もうあんた達を下に見ない。」

 

そう言って屋上の端へと歩いて行き

 

「対等なライバルとみなす、だから、約束は守る。私以外の奴にやられたら許さないよ!オ・ルボアー!」

 

そういって飛んでいった。

 

「やられたな…」

 

「きっとそのうち戻ってくるわよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…

 

 

 

「あ!これも頂戴!この色違いも!!」

 

「なんで俺がアリアの買い物に付き合わなきゃ行かんのだ…」

 

「いいじゃない!あんた、これからしばらくどっかいくんでしょ⁉︎だから、それまでの少しの時間だけ付き合ってもらってもいいじゃない!!」

 

あれから、大成はアリアにこの世界から出て行く事をなんとなく誤魔化して話をした。

案外すんなりと受け入れてくれたアリア。

 

「戻ってくれるかわかんねぇぐらいの長旅なんだが…」

 

「あんたは戻ってくるわ。」

 

アリアは満面の笑みで大成にそう言う。

 

「だって、あんたはあたしの最高のパートナーなんだから!!」

 

 

 





パッとしませんがとりあえず緋弾のアリア編は終了です。

まだまだアリアの話もかじった程度なので、いつかは続編を続ける予定です。

とりあえずはドラゴンボールのブウ編へと進めていきます。


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ドラゴンボール (魔人ブウ編)
あの世での修行


 

「さて…」

 

舞台はドラゴンボールの世界…

 

「アリア達には申し訳ない。もう戻れないかもしれないのに、帰ってくるなんて嘘ついちゃって。」

 

さすがに別世界から来た。なんて言えなかったため、アリア達にはしばらく出掛けると言って来てしまった。

 

「まぁ、あいつらなら何とかやっていける。俺は俺にしかできない事をしよう。」

 

気持ちを切り替えて早速…

 

「悟空達の元へ…って、悟空は死んでるんだったな…」

 

セル編後…という事は、ここは魔人ブウの時間軸であろう。大成はとりあえず悟空に会うために瞬間移動で悟空の元へと移動した。

 

 

 

 

あの世

 

「はぁ!!だりゃぁぁあ!!」

 

あの世…ドラゴンボールの世界で死んだものはあの世へと行く。悪い心を持ったものは地獄へ、悟空の様に良い戦果を残したものは肉体を与えられ、こうして天国で修行できたりもする。

 

「悟空、ここは大界王様の星じゃ…派手な事はするなよ…?」

 

「か…め…は…め…」

 

「ひぇぇえ!言わんこっちゃない!!」

 

「はぁぁぁあ!!」

 

修行に周りの事を見てなかった悟空はついかめはめ波を宮殿へと打ってしまう。

 

「あ!やべ!!」

 

宮殿へぶつかる直前で何者かに直撃。

 

「おーい!!でぇじょうぶかぁ!!」

 

そこから現れたのは、防御した大成であった。

 

「おぉ!!タイセイじゃねぇか!!おめぇも死んじまったのか⁉︎」

 

「悟空…出合頭にぶっ放したかめはめ波を止めてやったんだ…まずは感謝する所だぞ…」

 

「あ、わりぃわりぃ!!あんがとな!」

 

悟空はさっぱりとした性格なのは相変わらずな様だ。

 

「にしても…また腕を上げたな…さらなる成長をしたと見える。」

 

「ニヒヒィ!!実はな、超サイヤ人3までなれるようになったんだ!」

 

大成はやはりか…と言った顔をして、悟空に申し出をする。

 

「悟空、俺も超サイヤ人3になりたい。修行に付き合ってくれないか。」

 

「お!!いいぜ!!オラもタイセイ相手なら修行が捗るぞ!」

 

そう言って大成と悟空は空中へと移動した。

 

「全く…悟空もタイセイも…サイヤ人はすぐ戦いたがる病気じゃの…」

 

北の界王はただ呆れることしかできないのであった。

 

 

 

「じゃあ、早速行くぞ!!」

 

「あぁ、よろしく頼む。」

 

悟空は超サイヤ人へと変身。それに対抗して大成も超サイヤ人になる。

 

「よし、だりゃぁあ!!」

 

「はっ!」

 

悟空と大成の戦いが始まる。あの世ではNo. 1と言ってもいい孫悟空と、それと対等に戦う大成に、あの世の選手達は呆然として戦いを見守っている。

 

「やるじゃねえか!!じゃあ、これでどうだ!!」

 

悟空は超サイヤ人2へと変身。

 

「さすがだ…俺も…はぁ!!」

 

大成も負けじと超サイヤ人2へと変身。

 

「おぉ!おめぇもなれるんだな!」

 

「あぁ、続きを始めよう!」

 

2人の戦いは始まったばかりだ。

 

久しぶりに大成は本気で戦える喜びに笑みが溢れている。

 

悟空も同じく、強い奴と戦える事から自然と笑みが溢れる。

 

「こうじゃなくっちゃなぁ!戦えは!!」

 

「あぁ!!」

 

戦いが続き、互いに相当ダメージが蓄積。

 

「悟空、超サイヤ人3になってくれ。」

 

「で、でも、かなり力に差がついちまうと思うんだ。」

 

「それでもだ、俺もその姿を目指すなら、まずは実物を見ないといけない。」

 

大成の真っ直ぐな瞳に悟空は心を動かされる。

 

「…わかった…」

 

悟空は構えをとって気を溜める。

 

「…はぁぁぁぁあ…」

 

「…」

 

あの世の大界王様の星が震え始める。

 

「ご…悟空の奴!!ここでアレになるつもりじゃ!!」

 

「ご…悟空の奴、いつの間にこんな力を…!」

 

北の界王と、そこにやって来たパイクーハンが驚きを隠せない。

 

「がぁぁぁぁぁぁあ!!!!だぁぁぁぁぁぁあ!!!!」

 

「うっ!!」

 

凄まじい輝きを放ち、悟空の周りが閃光に包まれる。

 

 

「…これが…!」

 

「超サイヤ人3だ。これは力の消耗が激しい。オラもまだこの姿に慣れてねぇんだ。早速始めっぞ。」

 

先程とは比べものにならないほど強烈な力。見た目も大きく変わり、眉毛が無く、髪の毛は足に至るほど長くなっている。

 

「ふ…震えが止まらねぇな…これを俺のものにしてみせる…必ず!!」

 

「いくぞ!」

 

 

修行はまだ始まったばかりだ。

 





ブウ編の裏側からのスタート


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戦士達

 

あれから数ヶ月ほど経った。

 

悟空と大成は2人で淡々と修行を続けた。

 

「ハッ!!だぁぁ!!」

 

「クッ!!」

 

起きては飯を食べ、修行して、腹が減ってはまた飯と同じ行動を繰り返し繰り返し、それでも二人にとってはとても充実した日々であった。

 

「そろそろ本気で行かせてもらうぞ…悟空。」

 

「あぁ、オラもだ…」

 

超サイヤ人2の状態で戦っていた2人は互いに更に気を溜める。

 

「「はぁぁぁぁぁあ!!」」

 

そして2人の気が最大まで膨れ上がる。

 

バチバチとスパークが迸り、二人の金色の髪は足元まで達するほど長くなっていた。

 

「…超サイヤ人3同士の戦い…ワクワクすっぜ…」

 

「オラもだ…時間がねぇ、さっさとやろうぜ」

 

その言葉が終わると同時に二人が飛び出し拳と拳をぶつけ合う

 

それだけで大界王星全体が大きく地鳴りをあげる

 

「へへっ…感じるぜ…悟空、お前のみなぎる力をよ…!」

 

「タイセイからも感じっぞ…ここ数日でオラに追いついたんじゃねぇか?」

 

二人でニヤリと笑みを見せて距離をとり、超サイヤ人3での最大限の気を溜める。

 

「「はぁぁぁあ!!」」

 

二人が互いに自身最強の技の構えをとる。

 

「ロッソ…」

 

「かめはめ…」

 

だがその時…

 

 

「こらぁぁあ!!悟空!!大成!!」

 

不意に声がしたため二人は気を溜めるのをやめて声の主へと視線を配る

 

「界王様ぁ!今いいとこなんだから邪魔しねぇでくれるか?」

 

「そうだぜ!!」

 

北の界王は顔を真っ赤にして二人の勝手な言葉を遮る

 

「ばかもーーん!!!お主らどこで戦っとると思っとるのじゃぁ!!大界王様の星じゃぞ!!」

 

「はぁ…ここじゃやっぱ気が散るな…悟空、また今度やろうぜ。」

 

「しゃーねっか。」

 

二人は超化を解き、界王の元へと降りていく

 

「全く…あのままぶつかり合っておったらこの星も木っ端微塵になっとったかもしれん…」

 

「へへっわりぃわりぃ!オラもタイセイと戦っててついワクワクしちまって周りの事考えてなかったぞ!」

 

「まぁ、消えちまったら消えちまったでまた新しい星作りゃいいじゃねぇか!」

 

能天気なサイヤ人二人の言葉に呆れる界王

 

「まぁまぁ、北の界王ちゃん、二人をそんなに責めてあげないで。」

 

「だ、大界王様!!」

 

いきなり大界王が現れて話しかけられたため、北の界王はびっくりしてひっくり返ってしまう。

 

「悟空ちゃん、タイセイちゃんも、今日はこのへんにして、ご飯でも食べに行きましょ!」

 

ご飯という言葉で二人は目を輝かせる

 

「「飯ぃ⁉︎早く食いにいこうぜ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

そのころ地球では…

 

 

「…という事なんですよ、クリリンさん!出てくれるでしょう⁉︎」

 

「天下一武道会か…懐かしいな…んでも俺はもう武闘家としては引退したからなぁ…」

 

セルゲームから10数年たった今、背も伸びたくましくなった孫悟飯がクリリンに天下一武道会の参加を促していた。

 

「優勝すれば1000万ゼニーですよ!!」

 

「そいつはほんとうかい⁉︎」

 

優勝賞金の言葉に反応してクリリンの後ろから小さな女の子を連れた人造人間18号が現れた。

 

「は、はい!!2位でも500万ゼニー出ます!」

 

「参加するよ!クリリン!!二人で1500ゼニーを取るんだ!!」

 

「えぇ…悟飯に勝てる気がしないよ…」

 

「大丈夫ですよ!!三位でも賞金は出ますから!!」

 

無理矢理出場することになったクリリンはとほほ…とした顔をした。

 

「もはや悟飯から見て俺は眼中になしってか…いや、でもベジータもピッコロも金には興味無いだろうし、3位目指して頑張ろう!!」

 

 

 

 

 

そして少し時間が経ち、カプセルコーポレーション

 

 

「ベジータさん!!天下一武道会に出てくれませんか??」

 

あれからピッコロにも声をかけた悟飯は最後にベジータを誘いに来ていた。

 

「くだらん、俺は地球の大会なんぞには出ん。」

 

「そこをなんとか!!みんなで出ればきっと盛り上がるだろうし!僕もベジータさんと戦いたいんですよ!!」

 

「そんなこといって貴様はセルとの戦いから鍛錬は積んでいるのか?むしろ弱くなってると思うがな。」

 

図星を突かれて言葉を失う悟飯。

 

「うぅ…」

 

「大体急に俺たちを誘うにはどうせ何かくだらん事情でもあるんだろう。」

 

「ううぅ…」

 

ビーデルに参加を強要され、仲間達も呼ばなければならない悟飯の計画を言い当てられる。

 

「お願いしますベジータさん…」

 

「だから俺は…」

 

その時、二人の頭に声が聞こえてくる。

 

 

『オラも出るぞ!!』

 

 

聞き馴染みのある声に二人は驚く

 

 

「その声…お父さんですか!?」

 

「カ…カカロット⁉︎」

 

セルゲームで死んだはずの悟空から急にテレパシーが送られてきたため、二人は驚き、つい辺りを見回してしまう。

 

『天下一武道会の日に、一日だけそっちに戻れるよう、占いババにお願いしたからよ!!ベジータも悟飯も出るんだったらオラも参加しようと思ってよ!!』

 

「本当ですか!!是非!!!」

 

「カカロットが出るのなら…俺も出てやろう。」

 

どんでん返しにベジータも出場を決意。

 

「カカロット…腕は上げたんだろうな…?」

 

『あぁ…楽しみにしてるぜ、ベジータ…』

 

遠い場所に離れているが、二人のライバル同士は笑みを浮かべているだろう。

 

「ではお父さん、日付と時間はーーー」

 

 

『分かった!!じゃあそん時また会おうな!!』

 

 

 

「お父さんも来る…!これは母さんも絶対喜ぶだろうな!!」

 

 

こうして戦士達は来るべき時を迎えるのであった…



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地獄の強敵再び⁉︎

 

天下一武道会の話から数日が経過した。

 

「なぁ、タイセイは天下一武道会行かねえんか?」

 

悟空はタイセイも天下一武道会に出ないかと誘っている。

 

「あぁ、俺は遠慮させてもらうよ。」

 

「絶対盛り上がると思うんだけどな〜」

 

原作の魔人ブウ編の始まりとも言える天下一武道会に出場しないという大成。いったいどういう風の吹き回しなのだろうか。

 

「あんな狭いリングでは本気で戦えねぇし、金には興味無いしな。本気で戦うなら試合外でお前らに申し出るよ。」

 

「そっか、まっオラはきっちり一位取って賞金をチチにプレゼントしてえな!」

 

「お前…家族の事もしっかり考えてんだな…」

 

普段は修行と飯にしか目が無い悟空のため、意外な言葉を聞けて大成は唖然とする。

 

「おう!オラも一応家の大根柱っちゅーやつだかんな!死んでっけどよ!」

 

「それを言うなら大黒柱だ…」

 

相変わらずの悟空にペースを飲まれる大成であった。

 

 

「お〜い悟空〜!!そろそろいくぞ〜い!」

 

「あぁ!じゃ、いってくる!」

 

悟空が占いババの元へと歩いていく。

 

「あ、悟空!」

 

大成は悟空を呼び止める

 

「どうした?」

 

「ベジータと戦うなら、本気出してやれよ。超サイヤ人3でな。」

 

悟空はあぁ…と言って占いババに連れられて下界へ行ってしまった。

 

 

「さて…今回も訳のわからん歴史改変でも起きるのかねぇ…」

 

毎度毎度ドラゴンボールの世界に来ると本来の歴史のは違った展開へと進んでしまうため、大成は警戒を怠らないようにしていたのだ。

 

「確かにあいつらと一緒にいた方が間違いなく歴史の流れについて行けるとは思うけどよ…」

 

「なーんか今回は違う気っちゅうかな…別の場所で何かが起きそうな予感ってのが…」

 

その時…

 

 

「どなたか!!腕に自信のある武闘家はいないかオニ!!」

 

「ん?」

 

そんな矢先に大界王星に武人を探しているTシャツに棍棒を持った赤鬼と青鬼がやってきた。

 

「あら、地獄で門番やってる赤鬼ちゃんと青鬼ちゃんじゃない?どうしたのかしら?」

 

そこへ大界王もやってきた。

 

「大界王様!!今、地獄にいるフリーザ達が急に暴れ出して手がつけられない状況なんですオニ!!オレ達だけでは全く歯が立たなくて…誰か強い人を探してるオニ!!」

 

「しょーもこりねぇな…あいつも…」

 

どうやらフリーザ率いる地獄組達が暴れているようだ。

 

「大成ちゃん、行ってくれるかしら?」

 

「お任せあれ。」

 

「こ…こいつ1人で大丈夫なのかオニ⁉︎」

 

ぱっと見ただの人間のため、赤鬼と青鬼は驚きを隠せない。

 

「大丈夫よ。この子はね、あの世の中じゃ三本の指に入る武闘家なんだから♪」

 

「言い過ぎだ。大界王様。」

 

「そ…それでは早速お願いするオニ!!」

 

 

 

 

 

 

 

その頃の地球では…

 

 

「やっほ〜!!みんなぁ!!」

 

「ご…悟空!!!」

 

どうやら無事、悟空は皆と合流することに成功したようだ。

 

「腕はあげたようだな、カカロット。」

 

「おめぇもな…」

 

なにやら2人のライバル同士は早速火花を飛ばし合っているようだ…

 

 

 

 

 

 

再びあの世…

 

 

「ここが地獄か…」

 

大成は鬼に連れられて地獄へとやってきた。

 

「さてさて…あいつらは…いたいた…」

 

早速暴れまわる地獄の死人達とそれを統一しているフリーザ。

 

 

「ホーッホッホ!!さぁ皆さん!口うるさい鬼達に私達の方が上だと教えてあげなさい!!」

 

「うらぁぁあ!!」

 

「オニィ!!!」

 

ギニュー除く特戦隊始め、色んな死人が鬼達を攻撃している。

 

 

 

「相変わらずだな、フリーザ。」

 

「⁉︎」

 

そこへやってきた大成。

 

「あなたは…ナメック星で私の邪魔をしたサイヤ人…!!」

 

「そういえば自己紹介が遅れたな。俺はタイセイってんだ。」

 

「サイヤ人に自己紹介されるほど私も落ちぶれてませんよ…!皆さん!!あのサイヤ人を殺しなさい!!」

 

その言葉に反応して多くの下っ端達が大成へと飛びかかる。

 

…がしかし

 

「…はぁっ!!」

 

両手を広げて気合砲を放つ大成。その気圧だけで下っ端達は彼方へと飛ばされていった。

 

 

「…う、腕を上げているみたいですねぇ…」

 

「お前は相変わらず変わらないみたいだな…」

 

「このフリーザに勝てると思うなぁ!!」

 

大成は超サイヤ人へと変身し、フリーザと交戦を始めた。

 

「キェェェ!!」

 

デスビームを連続で放ってくるフリーザ。大成はそれを容易く交わしていく。

 

「ほっ!はっ!よっ!」

 

「おのれぇえ!!」

 

間合いを一気に詰めてフリーザの腹へ蹴りを入れる。

 

「グァァ!!」

 

「お前は攻撃が単調すぎるんだよ…お前ら一族も学習しねぇな…」

 

今やフリーザも敵ではなくなってしまった大成。舐められた態度にフリーザは激怒する。

 

 

「舐めやがって…宇宙最強の一族を…舐めるなあ!!!」

 

「その通りだ、フリーザ。」

 

突然声がし、殺気を感じたため大成は反射的にその場から飛ぶ。

 

「あぶね…」

 

予想通り、大成が立ってた場所へエネルギー弾が放たれた。

 

「久しぶりだな。サイヤ人。」

 

その声の主は…

 

「クウラか…」

 

「フリーザのような甘い愚か者を侮辱するのはともかく、我が一族を舐めるのは聞き捨てならんな。」

 

その途端、再び背後に巨大な気を感じた大成は振り向き際に防御の構えをとる。

 

「ぐぉ!!」

 

思いパンチが飛んできたのを反応で防御できた。

 

「お前はコルド…!!」

 

「我が一族を侮辱した愚かなサイヤ人よ…我が息子と共に葬ってやろう。」

 

フリーザ、コルド、クウラのフリーザ一家が全員フルパワーへと変身。

 

フリーザは100%、クウラは最終形態、コルドは原作では見せていないクウラ形態の最終形態へと変身。

 

「チッ…これは少し時間がかかるかもな…」

 

大成はそんな状況でも笑みを溢さずにはいられなかった。



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あの世の大混乱

 

 

「うおらぁぁぁぁ!!」

 

「グワァァァ!」

 

フリーザ、クウラは早い段階で倒す事ができた。

 

「あとはお前だけだ、コルド。」

 

「我が自慢の息子達を倒したのは褒めてやろう。さすが超サイヤ人…だが…!」

 

クウラと同じ姿をしたコルドが更に気を膨張させていく。

 

「がぁぁぁぁあ!!」

 

「…気が上がっている…」

 

地獄の針の山は瞬く間に吹き飛び、辺りは地割れが起こる。

 

「ハァ…ハァ…待たせたな…ワシの100%フルパワーだ…」

 

コルドは大成に一瞬で間合いを詰め、棍棒の様な太い腕を豪快に振りかざす。

 

「ぐっ!」

 

「はっはっは!!これなら貴様もタダでは済むまい!!」

 

両手で塞いだ大成だが、あまりに大きな力に思わず吹き飛ばされてしまう。

 

「死ねぇ!!サイヤ人!!」

 

コルドは吹き飛ばされた大成に向かって巨大な連続エネルギー弾を撃ち追い打ちをかける。

 

 

 

「他愛もない…」

 

「そいつはどうかな?」

 

エネルギー弾による大きな煙の中から姿を現した大成。

 

「じゃあ俺も力を見せてやるよ…!」

 

「何⁉︎」

 

大成は超サイヤ人2へと変身する。

 

「な…何が起こったと言うのだ…⁉︎」

 

「お前は知らないんだったな…超サイヤ人にも更に上があるのさ…」

 

そのセリフと同時にコルドの腹部に強烈な痛みが走る。

 

「な…」

 

「お前ら一族の幕はとっくに降りたのさ。」

 

コルドも地に伏し、親子3人揃って気絶させた大成。

 

「おーい鬼さん!いまのうちにこいつらまとめて閉じ込めといてくれ!」

 

そう言って大成はその場を去っていった。

 

「い…一体何者なんだオニ…」

 

一瞬の出来事に鬼達はその場で呆然としていた。

 

 

 

 

 

「…て事で片付いたよ、閻魔のおじさん。」

 

「うむ。さすがは悟空達と共に戦っているサイヤ人だな。ワシらではもはや手に負えんレベルじゃわい。」

 

閻魔大王の元へと寄った大成は先の終始を伝えていた。

 

「所で気になったんだけど…セルとかブロリーが居なかったんだが…何か心当たりはねぇか?」

 

「セルとブロリー…どちらもあの日お前達が倒したはずじゃが、どちらもここにはやってきておらんのだ…」

 

「マジかよ…って事は生きているって事になるじゃねぇか…」

 

地獄で散々暴れた悪人達だが、その中にブロリーとセルの姿が無かった事に気付いた大成はその件も含めて閻魔に聞きたかったのだろう。

 

「…どちらにせよ、いまのお前達なら敵ではないだろう。」

 

「まぁな!」

 

ニカッと笑って大成は言い続ける。

 

「今の俺ならどんな奴でも負けるわけねぇさ!」

 

と…その途端

 

「閻魔大王様ぁ!!!た…大変ですオニ!!」

 

「どうした、何事じゃ!」

 

閻魔大王の城の前で死人の誘導をしていた鬼が慌ててやって来た。

 

「そ…それが…悪人の怨念を浄化する装置が故障で壊れてしまったようですオニ!!」

 

「なんじゃとぉ!!!」

 

その瞬間に閻魔の城を謎の壁のようなものが覆い始める。

 

「まずい!」

 

大成はいち早く状況を理解し、完全に覆われてしまう前に外へと脱出する。

 

「まさか…」

 

大きなビーンズの様な色や形をした丸い球体がいつの間にか溢れかえっている。

 

そしてその頂点には…

 

 

「ジャネンバァ!!」

 

 

巨大な黄色の可愛らしい顔をした…しかし巨大な気を持ったものがまるであの世を支配せんとばかりに閻魔城の上に君臨していた。

 

 

「ジャネンバ…⁉︎なんで今に⁉︎」

 

大量の悪人の怨念を浴びてしまったとある鬼がその怨念により悪の心の集合体となったジャネンバという化け物に変異してしまい、あの世をめちゃめちゃに荒らそうとしている事態に陥ってしまった。

 

 

「最悪だ…死人が下界に行けば…まさにブウ達と戦ってる悟空達の元へ…大丈夫だとは思うが、歴史に影響しちまう…俺が奴を止めなければ…」

 

大成は上を見上げて呑気に遊んでいるジャネンバを睨みつける。

 

 

「おい!ジャネンバ!!」

 

その声にジャネンバが反応する。

 

「…?ジャネンバ?」

 

「そうだ!お前だ!!遊んでやるから俺についてこい!!」

 

そう言って大成は地獄の方へと移動する。

 

「ジャネンバ!!ジャネンバジャネンバ!!」

 

ジャネンバは楽しそうにふわりふわりと大成を追いかけていった。

 

 

「大成…今はあいつにあの世を託すしかないか…」

 

閻魔は何もできない状況にただ立ち尽くしているしか無かった。

 

「閻魔大王様!たった今、地球から新しい死人がきましたオニ!」

 

「今はそれどころでは…こ、こやつは…!」

 

 

その死人は閻魔の目の前に現れた。

 

 

 

 

 

 

「おい、さっさと地獄にでも連れて行きやがれ、クソッタレ!」

 

 



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邪念の化身

 

「さぁ…始めようぜ…!」

 

「ウゥ?ジャネンバ?」

 

地獄へとやってきた大成は、ジャネンバを挑発する。

 

「ケケケケ!!」

 

とは言え、ジャネンバは遊び相手にしか見ていない様だ。

 

「ちっ!あんま舐めてると痛い目見るぞ!」

 

大成はジャネンバに接近し、攻撃をしかける。

 

「だぁぁあ!!」

 

拳を腹部に当てるが、風船の様に膨らんだお腹に拳は埋まる形となり、全くダメージが入らない。

 

「面倒くせえタイプだな…!!ハァ!!」

 

大成は超サイヤ人になり、気を溜める。

 

「ロッソプラスター!!」

 

「ジャネンバ!」

 

ジャネンバは手のひらを広げ、その手から大成と全く似た幻想を作り出し、同じ技を返してくる。

 

「マジかよ!!!」

 

同じ技、力がぶつかり合い、大きな爆発が起こる。

 

「ジャネンバジャネンバジャネンバ!!」

 

ジャネンバは赤ん坊の様に拍手をしている。さしずめ面白いオモチャがある…と言った感じだろう。

 

「舐めやがって…フン!!」

 

続いて超サイヤ人2、連続エネルギー弾を集中的にジャネンバの顔に向けて放つ。

 

「そらそらそらそらそらそらぁ!!」

 

「ジャ…ネンバァ!!」

 

さすがに的も大きいため、全弾命中。ジャネンバは顔を真っ赤にして痛そうな顔をする。

 

「バァ!!」

 

ジャネンバと大成の距離、およそ50m。

 

しかし、大成は突如真横から現れたジャネンバの拳が命中。そのまま吹き飛ばされてしまった。

 

「ぐぁぁぁ!!」

 

「ジャネンバ!」

 

確かにジャネンバは遠くにいるはずなのに、拳だけがまるで別空間からワープしたかのようにそこら中から飛び出してくる。

 

「いい加減にしろ!!」

 

拳を受け止める。

 

「ムム⁉︎」

 

「これがお前に繋がってんだったら…」

 

拳を受け止めたまま大成は超サイヤ人3へと変身する!!

 

「ジャネンバ⁉︎」

 

「拳に最高のプレゼント付きでお返ししてやるよ!!!」

 

超サイヤ人3の状態でのフルパワーのエネルギー弾を拳に放つ。

 

そのエネルギー弾はワープホールの様なものに吸い込まれていき、ジャネンバ本体の元で大爆発を起こす。

 

「ざまぁみろ!!」

 

ジャネンバはバラバラになり、トドメを刺したと思われた…が。

 

「やっぱこうなるか…」

 

バラバラにした肉片が集まり出し、新しい形状へと変化していく…

 

変化した肉体は通常の人間体の大きさになり、先ほどとは違い赤色の体のおびただしい尾を持ち、鬼のような形相をしている。

 

「お出ましですか…」

 

「ヒヒヒヒ…ヒャーッハッハッハ!!」

 

急に高笑いを上げ始めるジャネンバ。奇妙な行動について行けない大成。

 

「ハッハッ…」

 

「な…」

 

笑い声が止まったと思えば、ジャネンバが大成の顔の目前にまで移動していた。

 

「くそ!!」

 

大成は拳を振りかざす。ジャネンバの額に直撃したが…

 

「ヒャァ!!」

 

ジャネンバはもろともせず、大成に殴り返す。逆に大成にはダメージが入り、吹き飛んでしまう。

 

「がぁぁ!!…くそ!!」

 

なんとか体制を立て直し、ジャネンバの次の手を探る。

 

「身動き一つ取らねえ…何するか全く読めねえ…」

 

ジャネンバは二本の指を自分の前にかざす。

 

「なんだ…?」

 

二本の指が左から右へとスライドされた途端…その場所に光の線が描かれる。

 

「やべぇ!!」

 

「シャァァァァア!!」

 

そのまま線が細い光のガラスのような形状に変わり、超高速で大成へと向かってくる。

 

大成は回避を試みるが、さすがに全てはかわしきれず、命中部分から出血をしてしまう。

 

「いってぇ!!!」

 

それからはジャネンバのペースに飲まれてしまう。

 

ジャネンバは自身をも空間へと移動させる事ができる。

 

消えては後ろに現れたり、腕を伸ばし、尾を伸ばし、様々な人間ではできない攻撃を仕掛けて大成を追い詰めていく。

 

「こいつはマジでやべぇ…」

 

気づけば大成は息切れを起こし、傷だらけとなってしまっていた。

 

「二ヒヒヒヒ…」

 

ジャネンバはトドメだ!と言った顔で先ほど大成に浴びせた技、ライトニングシャワーレインを打つ構えをとる。

 

「さすがに…これくらったら死ぬかもな…」

 

ジャネンバがライトニングシャワーレインを放つ瞬間!

 

「グガ⁉︎」

 

何者かの蹴りがジャネンバの頭部に命中。ジャネンバは軽く吹き飛ぶ。

 

 

 

「貴様もサイヤ人だろうが!情けない面しやがって!!」

 

「べ…ベジータ!!」

 

彼を救ったのはなんとサイヤ人の王子ベジータであった。

 

 

「な…なんでここに!!」

 

「あっちでは俺は魔人ブウと戦って死んだんでな…こっちに来たら来たで地獄に行けなど命令しやがって…」

 

どうやらブウでの自爆で死んだ後の様だ。ここに来たのは閻魔大王の差し金だろう。

 

「貴様は大人しくしているんだな。」

 

「待てベジータ!!」

 

ジャネンバに突撃するベジータ。

 

「ガァア!!」

 

ジャネンバは接近される前に空間利用のパンチを繰り出す。

 

「フン!!」

 

ベジータはそれをかわし、先ほど大成が巨体のジャネンバにしたと同様。拳にエネルギー弾を放ちカウンターをとる。

 

「ヌゥゥ⁉︎」

 

「どこ見てやがる!!」

 

ベジータはジャネンバが驚いている瞬時に背後に回り、ジャネンバの背中に両手を添え、一気にジャネンバもろともエネルギー波を放つ。

 

「吹き飛びやがれぇぇ!!!」

 

ジャネンバはエネルギー波もろとも遠くにまで吹き飛ばされ、爆発に巻き込まれる。

 

「ハァァァァァァ!!!だだだだだ!!!!」

 

すかさずベジータは超連続エネルギー弾を放ち続ける。その数は数え切れないほどのエネルギー弾。

 

「す…すげぇ…!」

 

大成はただその光景に呆気をとられていた。

 

 

「ハァ…ハァ…」

 

ようやく集中攻撃の手を休め、様子を伺うベジータ。

 

しかし…

 

 

「へっ!そうじゃなくちゃなぁ…!!」

 

ジャネンバはその体に傷を負ってはいるものの、致命的なダメージとまではいかず、その体を現した。

 

「グゥゥゥゥウ…!!!」

 

「へっ!!相当堪えているようだな!だが…今の俺は心底ムカついているんでな…」

 

ベジータは大成の超サイヤ人3の姿をチラリと見て、再び話す。

 

 

 

「どいつもこいつも簡単にこの俺を出し抜きやがって…!!貴様でこのムカつきを晴らさせてもらうぜ…!!」

 

「貴様の相手は、戦闘民族サイヤ人の王子、このベジータ様だぁぁあ!!」

 

 



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王子のプライド

 

超サイヤ人2ベジータとスーパージャネンバによる白熱の戦いは続いていた…

 

「はぁ!!」

 

ベジータは長年のサイヤ人としての戦闘経験から、ジャネンバの未知の攻撃にも柔軟に対応し、善戦を繰り広げていた。

 

「シャァ!!」

 

「効くか!!」

 

ダメージ自体は大きくはないが、確実に、確実に攻撃を当てているため、少なからずともジャネンバにも余裕さは無くなっていた。

 

「凄えなベジータ…!!超サイヤ人3の俺でも奴に攻撃が当たらなければ意味がない…その分ベジータは火力を技術で補ってやがる…!」

 

無我夢中に気弾を放ち、隙を取られてダメージを入れられる展開を大成は想定していたのだが、今のベジータからはそれを感じられない。

 

「フンっ!貴様もその程度か…期待外れだぜ…こんなんなら超サイヤ人2の壁を超えたカカロットの方がまんだ強い。」

 

「えっ⁉︎ベジータ、悟空の超サイヤ人3を見たのか⁉︎」

 

ベジータは大成の言葉に嫌そうな顔をしながら答える。

 

「あの野郎…貴様に言われたからとか言ってバビディに操られた俺との戦いでなりやがったからな…おかげで屈辱を与えられたぜ…」

 

再びジャネンバの方を見て、ベジータは続ける。

 

「セルとの戦いから何年も経って俺は相当の修行をしたって言うのによぉ…あいつは更に上に行きやがった…」

 

「まぁ…環境が悪かったんだよ…こっちは俺とかパイクーハンって奴とか腕のある奴らがゴロゴロいるからなぁ」

 

フォローしたつもりの大成の言葉にさらなる怒りを見せるベジータ

 

「う、うるさい!!慰めなんぞいらんぞ!!」

 

ジャネンバが空気を読んでいたのか、少し話を聞いていたが、急に攻撃を仕掛けてくる。

 

「ギシャァァア!!」

 

「貴様で発散させてもらうぞ!!この苛立ちをなぁ!!」

 

ジャネンバの拳を避け、頭部に蹴りをお見舞いする。

 

「貴様は動きが単調すぎるんだよ。何度も肉弾戦してきた俺には接近戦では勝てん!!」

 

ジャネンバの尾を掴み、高速で振り回して投げ飛ばす。

 

「だぁぁぁあ!!」

 

連続エネルギー弾を再びお見舞いするベジータ。

 

「くたばりやがれぇええ!!!」

 

そして彼の必殺技、ファイナルフラッシュの構えを取り、気を溜める。

 

「ファイナルフラァァァッシュッッ!!!」

 

起き上がってきたジャネンバに直撃。大きな爆発と共に辺りに爆風が飛び交う。

 

「…ッ!ベジータ!!」

 

「何っ⁉︎」

 

大成が声をかけた時には遅く、ベジータの真上に移動していたジャネンバがスレッジハンマーをベジータの頭に炸裂させる。

 

「がぁぁぁぁあ!!」

 

「ベジータぁ!!」

 

ジャネンバは更にベジータの首を尻尾で縛り、宙吊りの状態にし、腹部に拳をめり込ませる。

 

「くっ!!ベジータ!!」

 

「ぐるなぁぁあ!!」

 

「!!」

 

助けに入ろうとした大成、それを首を絞められながらでも振り絞った声で止めるベジータ。

 

「こぉぉぉ!!!!」

 

更に首を絞められ、ベジータは声にならない悲鳴をあげる。

 

「ニヒッ」

 

ジャネンバが口を開ける。そこからは絶大なエネルギーを感じる。

 

「チッ!!」

 

さすがに大成が助けに入ろうとしたが、その時ベジータに動きがあった。

 

「グッッ!!」

 

ジャネンバの腹部に肘打ちをするベジータ。その急な攻撃に思わず首を絞めていた尾の力が弱まるジャネンバ。

 

「ぐっぁぁあ!!ビッグバンアタック!!」

 

それを好機に後ろ頭突きでジャネンバの額に攻撃し、完全に尾から脱出したベジータはゼロ距離でのビックバンアタックを放つ。

 

「ハァ…ハァ…ハァ…」

 

「だ、大丈夫かベジータ…」

 

ベジータはさすがに疲労が隠しきれない。ジャネンバは戦闘能力にはベジータに引けをとるものの、元のステータスが高すぎるため、まだまだ体力には余裕がある。

 

「お…俺は貴様の手なんざ借りなくともあいつを倒してみせる…!!」

 

かなりダメージを負ってはいるが、それでもベジータの目はまだ死んではいない。

 

「それこそが、俺が貴様らを超えるサイヤ人の王子である俺の試練でもある!!!」

 

「!!」

 

ジャネンバはついに怒りを顔に表している。それほどにまで驚異的な粘りを持つベジータに恐怖も感じているのだろう。

 

「グルァァァァア!!!」

 

ジャネンバが先ほどには見せていなかった棍棒を手から出し、形状を剣へと変え、振りかざし斬撃波を繰り出す。

 

「クッ!!ソッタレェエ!!」

 

避ける暇もなく、もろに直撃したベジータの体は既にボロボロ、立っているのもやっとである。

 

「ヒャハァァァァァァ!!」

 

「俺は…!!誇り高きプライドを持ったサイヤ人なんだぁぁあ!!」

 

最大級の斬撃がベジータに当たることはなく、横から撃った大成の気弾がその軌道を逸らす。

 

「…ベジータ…交代だ。」

 

「じゃ…邪魔を…す…るなぁ…」

 

ベジータはそのまま体力を使い果たし、気絶してしまった。

 

「お前はとっくに俺も悟空も超えている…そこまで誇り高いサイヤ人には俺たちはなれなかった…」

 

通常形態から再び超サイヤ人3に変身した大成はジャネンバを睨んで言い続ける。

 

「お前こそ、真のサイヤ人に最もふさわしい男だ!!」

 

「ギシャァァア!!」

 

ジャネンバがこちらに飛びかかってくる。

 

「俺にも分けてもらうぞ!!その誇りを!!」

 

かつて悟空が言ったそのセリフを大成も言う。

 

大成は衝撃波をジャネンバに浴びせ、ジャネンバを遠くに吹き飛ばす。

 

「ここじゃベジータも巻き添えを食らっちまう…場所変えさせてもらうぜ…」

 

 

数百メートルも吹き飛ばされたジャネンバは体制を立て直し、大成と互いに睨み合う。

 

「邪気により生まれた怪物、ジャネンバよ、今ここで、俺が倒してやる…」

 

「…?ニヒッ!!ヒャッハッハ!!」

 

お前が?笑わせるな。と言った笑い方で高笑いをするジャネンバ。

 

「…さっきの俺とは違うぞ…」

 

「ヒャッ!!」

 

ジャネンバはワープし、姿を消す。

 

「…」

 

大成は突如現れたジャネンバの拳を見切り、回避し、肘打ちを顔面に喰らわせる。

 

「ガッ…!!」

 

「言っただろ、さっきとは違うってな…」

 

ジャネンバは先ほどの剣を出し、何連撃もの斬撃…羅刹爪を繰り出す。

 

大成はそれを全て回避し、ジャネンバの懐に飛び込み、腹にめがけて必殺技の構えをとっていた。

 

「ロッソブラスター!!!」

 

ジャネンバはモロに直撃し、上空に飛ばされ爆発する。

 

煙から姿を現したジャネンバは、そのまま地面へと落下。

 

ヨロヨロと立ち上がり、大成に向けて初めて疲労を見せる。

 

「ガァ…」

 

「さぁ、第二ラウンドの始まりだ。」



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サイヤ人の団結

 

 

スーパージャネンバと超サイヤ人3となった大成の第二ラウンドが始まった。

 

決死の戦いでジャネンバにサイヤ人の誇りを見せつけたベジータの戦いの最中、フルパワーにまで体力を回復させていた大成は、初見では上手く対応できなかったジャネンバの攻撃に対応できていた。

 

「攻撃が掴めてきたとは言え、食らえば致命的な上に相手も倒れやしねぇ…」

 

超サイヤ人3とはいえ、それと互角以上の戦闘力を持つジャネンバにはダメージがなかなか通らない。

 

「ウガガガガガガガァァ!!」

 

「チッ相当頭に来てるみてえだなぁ!!」

 

ベジータと大成に手を焼き、怒りに狂ったジャネンバは我を忘れて気弾を撃ち続けてくる。

 

それを確実に避けてはいるが、あまりの気弾の多さに防戦一方。

 

「クソッ!!」

 

少しずつ距離を縮めていく大成。

 

「くらえええ!!」

 

ようやくジャネンバの前にまで接近し、蹴りをくりだす。

 

「ンガッ!」

 

「なっ!?」

 

その蹴りをジャネンバは噛み付いて受け止める。

 

そして口から高エネルギーが発生し始める。

 

「嘘だろ⁉︎」

 

「シャァァァァア!!!」

 

身動き一つ取れない大成はそのエネルギーに飲まれる形でモロに受けてしまった。

 

かなりの距離吹き飛ばされ、地面に倒れ込んでしまう。

 

「うぁぁぁあ!!!」

 

相手の超魔口砲を喰らい、傷だらけで大成は超化が解け、気を失ってしまった。

 

「…」

 

そこへジャネンバが近づいてくる。

 

「ニッヒッヒ…ヒャーッハッハッハッハ!!」

 

勝利を確信したかのようにジャネンバは高笑いをする。

 

近づきながらジャネンバは剣を作り、大成目掛けて振りかざそうとする。

 

「ガァァ…」

 

その瞬間、何者かの蹴りがクリーンヒットし、ジャネンバは吹き飛ばされる。

 

「ヌッ⁉︎」

 

すぐさま起き、何が起きたのか分からないままジャネンバは浴びた蹴りの方を見ると…

 

「…おめぇ…かなり強そうだな…オラも混ぜてくれよ…」

 

そこには現世から帰ってきた孫悟空が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃地球では…

 

 

「行っちまったな悟空の奴…」

 

「あぁ…悟空もベジータも悟飯もいないとなると、後はフュージョンを覚えた悟天とトランクスにかけるしかあるまい…」

 

神様の宮殿にてクリリンとピッコロが悟空との別れの後、悲しみと残された希望の戦士達に期待を膨らませていた。

 

「魔人ブウの奴…バビディも殺して何を考えてるんだ…」

 

「さぁな…ただ確かなのは、未だ地球人は奴によって殺され続けているってことだ…」

 

下界の様子を見ることができるピッコロは現在進行形で魔人ブウの手によってお菓子に変えられ食べられている地球人を見て、額に汗を滲ませていた。

 

「地球には魔人ブウ、更にはさっきまでフリーザ達まで復活してやがったし、悟空は占いババにあの世で大変なことが起きてるって言われてまた戦いに行っちまったし…」

 

クリリンは絶望した顔をしていた。

 

「頼むぞ…悟天、トランクス…魔人ブウはお前らの手にかかってる…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び地獄。

 

「だりゃぁぁあ!!」

 

「ヌゥ!!」

 

超サイヤ人3孫悟空は怒涛のラッシュをジャネンバに繰り広げるが、それを交わされ、ペースはジャネンバに飲まれつつあった。

 

「くっ…訳わかんねぇ攻撃じゃ気が狂うぜ…」

 

「ニヒッ」

 

ベジータと大成とは違い、完全に初見の悟空は異次元を扱うジャネンバの攻撃を浴び続け、もはや体力が減りつつあった。

 

「奴を倒すには…一体どうすりゃ…」

 

「ご…悟空…」

 

そこへ意識を取り戻した大成がベジータを連れてやってきた。

 

「気ぃ取り戻したか!悪りぃけどオラもあいつには手こずっててラチがあかねぇ…!」

 

「3人で手を組むぞ…フルパワーの攻撃を奴にぶつけてやるんだ!!」

 

大成の提案に嫌な顔をするベジータ。

 

「ふ…ふざけるな…!お前らと手を組むぐらいなら俺は死んだほうがましだ…!!」

 

どんな状況でも1人で戦うことを好むベジータ。さすがに今はそうも言っていられない。

 

「負けちまったらそんなこと言ってられねぇだろ!!今も地球は魔人ブウがいるんだ!!こいつも下界に行っちまえばそれこそ終わりだ…!!」

 

ベジータに大成は言った。

 

「クソッ…だったらあの化け物が黙って攻撃をさせてくれるとは思えん、どうするつもりだ。」

 

大成がニヤッとしてベジータに言う。

 

「そこはベジータさんが挑発して頂ければ?そこに俺たちが加わってカウンターしかけるさ。」

 

「き、貴様!!俺に盾をしろと言うのか⁉︎」

 

さすがにベジータも黙って入れずに言う。

 

「さぁ、あいつはもう待ってはくれねぇぞ!!いくぞ!!」

 

「あぁ。頼むぜベジータ。」

 

「ふざけやがって…!!」

 

ベジータは文句を言いながらもジャネンバの方へと向かい、超サイヤ人2になり挑発をしかける。

 

「やい貴様!!あんな攻撃で俺を殺せたと思っていやがったか!!殺すなら跡形も無くなるぐらいの攻撃をしてきやがれ!!」

 

「!!」

 

バカなのかまんまと挑発に乗ったジャネンバは真っ先にベジータに向かって突進してくる。

 

「へっ!!まんまときやがってバカめが!!」

 

ジャネンバから身を離し、小さめの気弾を連続で打つベジータ。

 

ジャネンバはそれを喰らい、ダメージはないが、苛立ちから手にフルパワーでエネルギーを溜め始める。

 

「ウガァァァァァァア!!!」

 

それをベジータ目掛けて放つ。

 

「今だぁぁあ!!」

 

悟空の声に反応してベジータが咄嗟に撃ち返す。

 

「ファイナルフラァァアッシュ!!!

 

そこへ大成と悟空が瞬間移動で近づき加勢する。

 

「超かめはめ波ぁぁあ!!」

 

「ロッソブラスタァァァァァァア!!」

 

3人の合体エネルギーがジャネンバのエネルギーを打ち消してジャネンバの体に命中する。

 

「フルパワーだぁぁあ!!!」

 

「くそったれえええええ!!」

 

「くだばれぇぇぇ!!!」

 

「ギャアァァァァァァァァア!!!」

 

ジャネンバはさすがに最強のサイヤ人3人の合体技には耐えきれず、その場で消滅した。

 

 

 

「…終わった…のか…?」

 

「あぁ…やったな。ベジータ、大成。」

 

「ハァ…ハァ…に、二度と囮役などやってたまるか…!」

 

3人のサイヤ人はその場で倒れてしまった。

 

 

ついにジャネンバを倒すことに成功したのであった。

 



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安堵の時は無く…

お久しぶりです!
しばらく更新をやめていましたが、いろんなアニメを見てたらかきたくてたまらなくなって…見てくださる方はいないと思いますが、自己満で書いていこうと思います!


 

地獄での一件が終わり、悟空、ベジータと大成の三人は次なる敵に向けて策を練っていた。

 

「あとは地球にいる魔人ブウか…」

 

「今地球はどうなってる?」

 

ベジータが地球の様子を知りたがっている様子だが、あいにくこの場所には分かる人はいない。

ジャネンバの所為であの世とこの世のバランスがおかしくなり、上手く下界の気が探れないため、瞬間移動が使えない。

 

「そうだ!」

 

悟空が何か閃いたようだ。

 

「界王様ー!!」

 

「そうか!界王の奴なら下界の様子が分かる!!」

 

ベジータの言葉に呼応するかのように界王が念で話しかけてくる。

 

『界王様と呼ばんか……まぁよい。地球の様子じゃが…思ってある以上に深刻な状況になっておる…』

 

「な…なにがあったんだよ!界王様!」

 

悟空が聞く、界王様は続けて答える。

 

『あれから魔人ブウは善の心となった…ミスターサタンと言う地球人のおかげでな…』

 

『しかしそれは悪の心もまた別に存在すると言うことじゃ…』

 

「まさか…」

 

ベジータは自ずと展開が読めているようだ。

大成は無言で話を聞く。

 

『うむ…善の心は悪の心に破れ、悪そのものの魔人ブウが地球で暴れておる…やつは吸収を繰り返し、地獄の強敵達を取り込んでパワーアップしておる…』

 

その言葉に大成が反応する。

 

「地獄の…ってことは、セルやフリーザ…ましてやブロリー達まで…⁉︎」

 

『誰が地球にいるまでは把握してはおらなんだが…セルとフリーザは間違いないじゃろう…今、悟天とトランクスがフュージョンした姿で魔人ブウと交戦しておるじゃろう…』

 

「早くオラ達も行かねえと…!!」

 

そこで界王から重大な案件を告げられる。

 

『悟空、ベジータ。お前達は死人なのだ。これ以上下界の事に手出しすることは許されんぞ…』

 

「だ…だって!!このままじゃあの世だって!!」

 

「俺がなんとかする…」

 

その言葉に全員が驚きを表す。

 

「そ…そうか!!大成はまだ死んでねえ!!」

 

「…つまり、貴様がどうにかして下界に戻って、魔人ブウを倒すと言うのか?」

 

「あぁ」

 

大成は勝てる見込みがないが、現状戦えるのは自分しかいないため腹をくくる。

 

「ゴテンクスが吸収される前に行けば…なんとかなる…」

 

その時…

 

 

『おい!!悟空!!ベジータ!!』

 

「!!その声は…閻魔のおっちゃん⁉︎」

 

『そうじゃ!!今からお前達には界王神様達の所に行ってもらう!!』

 

「界王神様の所ー?」

 

『何やら用があるらしい!わしの所まで来るがよい!!』

 

「分かったー!!あ、ちなみにさー!大成を下界まで送ってやってくんねえかなー?」

 

『おそらく界王神様なら可能だと思うが…』

 

大成は下界に戻る手段があったことに安堵の息をついた。

 

「じゃあ、俺も…」

 

その瞬間…大成の背後に謎のワームホールが出現した。

 

「なっ⁉︎」

 

「た…大成ぇ!!」「チッ…!!」

 

悟空とベジータが手を伸ばすも届かず、大成はワームホールへと飲まれてしまった…

 

 

 

 

 

 

 

「ククク…これ以上手出しはさせんよ…お前には私が用意した別のパーティに参加してもらおう…」

 

 




だめだ…頭に文が思い浮かばない!!


もっと厨二させてー!


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Re:ゼロから始める異世界生活
とあるメイドと屋敷の当主


お久しぶりです。一年ほど経過してしまいましたが、自分の自由な時間ができたので暇つぶしに書いていきます!!

今回は「Re:ゼロから始める異世界生活」の方のオリジナル展開を踏まえたストーリーです!

細かい設定などは無視しているかもしれませんので、温かい目で見守っていただけると有り難いです!!

では…


「…」

 

主人公の大成(たいせい)は、あの戦いの後、突如として現れたワームホールによって次なる世界へと飛ばされ、そのまま意識を失ってしまっていた。

 

その大成が飛ばされた場所は、なんだか薄気味悪い森林の中。

 

時刻はおそらく夜であろう。真っ暗である。

 

どうやら上空から落とされたであろう彼は地に落ちる前に多くの木の枝に接触し、体は傷だらけとなっていた…

 

 

「…姉様、こちらの方で音がしました。」

 

「…とりあえずはロズワール様に報告ね。運ぶわよ。」

 

そこへ現れた二人の少女…

 

 

 

 

 

 

この二人の存在が大成を大きく成長させていく…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝…

 

 

「…ん…うぅ…」

 

ようやく目を覚ました主人公こと大成は心地の良いベッドの感触に気づいてその目をゆっくりと開ける。

 

「…知らない天井…って事は…」

 

“また”知らない世界に来たのであろう…瞬時に察した大成はとりあえず今の自分のいる場所と置かれた現状を察しようとする…が。

 

それはすぐ目の前の二人のメイド服を着た少女達に阻まれる。

 

 

「姉様姉様、ようやくお客様がお目覚めになったと思ったら卑猥な眼差しで辱めを想像されています。姉様が。」

「レムレム、どうやらお客様がお目覚めになったと思ったら欲望に満ちた眼差しで侮辱の限りを受けているわ、レムが。」

 

「…は?」

 

脳裏が真っ白になってしまった…

 

「(いやいや、さすがにこの展開は初めてすぎる…確かに今まで数々の死線を潜り抜けてきた…バケモノじみた奴らに、魔法少女、武偵…とあって次はメイド!?)」

 

とりあえず考える事をやめようと大成は目を閉じて高級であろうベッドの毛布にくるまって再び寝ようとしたが

 

「お客様、屋敷の当主であるロズワール様がお話があるそうです。なので寝るのはその後にしてください。」

 

と、言われてしまったので渋々と体を起こして二人のメイドに案内され、そのロズワールと呼ばれる者の場所へと向かう。

 

 

 

 

「や〜あ!ようやく目が覚めたみたいだぁ〜ね。」

 

「今度はピエロ…?」

 

メイドときたら次はピエロみたいな顔をした人物が現れ、もはや考えという概念から逸脱されそうだが、とりあえず正気を保って大成は話をする。

 

「えっと…あなたがロズワール…って人なんだよな…?」

 

「いーかにも、私はロズワールだ〜ぁよ。って、とりあえずは君の名前から聞きたいんだけどねぇ」

 

名前を聞くならまず自分からって奴か…と思った大成はすかさず名乗る。

 

「俺の名前は逢坂大成、年は17…あれ?違うか、えっと精神と時の部屋で2年修行して…19?いや、でもこの場所では…」

 

とブツブツとつぶやき始める大成。

 

「不思議な事をいうもんだ〜ぁね。ま、大成君だね。君はどこから来たのかぁ〜な?…というのは聞かない方がいいのかなぁ?」

 

「…そうしてもらえると助かりますが…」

 

この男、ロズワールは大成を見ただけで瞬時で察してしまったのか、あまり聞かれたくない事をこうして見抜いている。

 

「(この男…何者だ…?まさか今回のボスはこいつ…?ならばここで…!!)」

 

と、大成が身構えようとした途端

 

「ここで働いてみないか〜ぁな?」

 

「…え?」

 

いきなり拍子抜けな事を言い出すもので大成は気が抜けてしまう。

 

「働く…ってどういう意味ですか?」

 

「そのまんまだよ。この屋敷でこのメイド二人こと、ラムとレムとともに屋敷で執事をしてもらおうかと思ってねぇ。」

 

とりあえず敵意はないようで大成は話を聞くことにする。

 

「それに君も、このままでは八方塞がりでないか〜ぁな?」

 

「うぐ…」

 

世界観も掴めない状態では何も始まらない、始められない。

 

自分のこの世界ですべき事を見つけなければ今の彼の元の「世界」ともなりつつあるドラゴンボールの世界…

 

今ではちょうど魔人ブウとの激戦に戻らなければ、ドラゴンボールの歴史が大変な事になってしまうかもしれない。

 

「…分かった…いや、分かりました…」

 

「うんうん、じゃあ早速明日からレムとラムの二人の下の元、この屋敷で思う存分楽しみつつ働きたまえ〜」

 

「…えっと…二人ともよろしくお願いします…仲良くしよう…じゃなくて仲良くしてください…」

 

急な執事など思いのほかだが敬語もまともに使えない大成はぎこちなさ全開になってしまった。

 

「えぇ、明日からはよろしく頼むわ。ね、レム。」

 

「…はい…」

 

ラムと呼ばれるピンク色のショートの女の子がレムと呼ばれる青色のショートの女の子にそういうが、レムと呼ばれる女の子は何か…

 

「(早々に嫌われてんのか…?目の奥から微かに殺気を感じる。)」

 

この先大変そうだ…と大成は肩を落としながら、この日の幕を下ろすのであった。

 

 




今回からはリゼロという事で、まずは初期の話を書かせていただきました。

リゼロには圧倒的にファンの方も多いという事もあり、作者自身頑張れるかどうか不安でなりませんが、最高の展開に進めれたらな…と思っています!!

これから登場するであろうエミリアやスバル、そして敵である白鯨や怠惰、最強である剣聖との絡みはどうなっていくのか…

乞うご期待ください^ ^


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メイドと執事の一日

連投になりますがお許しください!
今回の話は短めです^ ^


「とりあえず…ここはルグニカ王国のメイザース領のロズワール邸…か…」

 

現在の大成が置かれた状況の把握はできた…しかし…

 

「さっさとラムに変わって屋敷内の掃除を済ませてきなさい。お客様、改めアイ。」

「…レムがお仕事を教えますので早く着いてきてください。お客様、改め逢坂君。」

 

「ラムさんアイって呼び方いきなりすぎるよ!!てか早速貴女の本性が見れて嬉しいです!はい!」

「長いのよ、アイの方が楽。」

 

「レムさんは何でそんなに俺を軽視してるんですか!!これから共に働く仲間じゃないですか!!」

「その仲間になりたいのなら、早くお仕事を覚えて姉様の負担を減らしてください。」

「姉様に対して過保護だな!!」

 

大成はこの双子に振り回されて一日が始まる…

 

 

 

「まずはロズワール様が帰宅するまでに始める1つ目として、外の花壇の花に水やり、草木の手入れをします。」

「おぉ、結構普通だな。」

 

ついさっきまで生死の狭間を彷徨った死闘を繰り広げていたのとは正反対にほのぼのとしたスタートにまだついていけない。

 

「それが終わったら屋敷内の清掃。その次は昼食の準備です。」

「料理か…もちろん夕食もあるんだよな…」

 

料理は元々得意ではない大成、渋々げな顔をしている大成を見てレムは溜息をつく。

 

「当然です。ちなみに逢坂君はねぼすけさんなので、寝ている間にレムが朝食を作ってねぼすけさんの逢坂君以外の皆さんで先に召し上がりました。」

「ねぼすけなのは認めるけど二回も言わないでよ!!」

 

とことん大成の心をグサグサとエグいてくるレムに戸惑いながらも必死に大成は言葉を繋げていく。

 

「アイ、一日で全ての仕事を覚えなさい。ミスを見逃すのは今日限りと思うこと、明日からのミスは死に値するわ。」

「そしてラムさんの容赦ない追撃…」

 

 

この先が思いやられるとガッカリする大成であった…

 

その大成を後ろ目にレムは…

 

「魔女の匂い…魔女教…?姉様はレムが守ります…」

 

狂気の顔に変わりつつあるレムが密かに想いを馳せていた…

 

 

 

とある場所によって…

 

 

「さて、この世界ではどうなさるおつもりですか?」

 

「ククク…エネルギーを得る為にあの男を利用してきたが…そろそろ消す必要があるな…トワ、ここはお前に任せよう。私は孫悟空達の世界に戻る。」

 

トワと呼ばれる女に男はそう言い姿を消す。

 

「かしこまりました……あの女の心…使えるわね…」

 

レムをじっと見つめるトワ…

 

「ミラ、もうすぐ貴方の出番よ…私の可愛いミラ…」

 

「…」

 

 

新たな脅威は迫っている…

 

 




サクッと終わりました…

いつもは長々と一話に戦闘などは入れてましたが、今回は執事として働く大成とその面倒をみるラムレムさんを書いておこうと思い連投させていただきました…


ようやく歴史を変える元凶が姿を表しました…

このキャラ達はPS3.4で買える「ドラゴンボールゼノバース」に出てくるキャラなので、知らない方はサクッと検索してキャラ設定を確認していただけると有り難いです。


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元、人間のサイヤ人と現、鬼のメイド

更新お待たせしました^ ^


ロズワール邸にて雇われの身となり早1週間が経過した。

 

大成はあれからというもの、レムという出来の良すぎる先輩と、ラムという毒舌の凄すぎる先輩二人に仕事を教わりながら日々を過ごしていた。

 

 

「いや、何もなさすぎないか…?」

 

早1週間ということもあり、物語の展開が遅すぎることに違和感、むしろ恐怖すら感じ始めていた。

 

「あっちの世界は大丈夫なのか…ブウはどうなっている…地球のみんなは…?」

 

まさに魔人ブウとの決戦終盤に差し掛かる瞬間にこの世界に飛ばされてしまったが故に、1週間という時間の経過は大成をあせらせる一方であった。

 

 

「アイ、今日もお疲れ様。1週間にしてはまぁまぁの出来ね。」

 

「逢坂君、今日もお疲れ様でした。1週間にしてはそこそこの上達ぶりだと思います。」

 

そんな事を考えている大成の元にメイド姉妹ことレムとラムが大成の元へ来る。

 

「あぁ、二人ともお疲れ様。まだまだこんなものじゃ二人には追いつけないし、一ヶ月も経てばマシになれると思うよ。」

 

「一ヶ月もアイと同じ屋根の下にいるなんて吐き気がするわね。そう思われないように頑張りなさい。」

 

「早速の罵声ありがとさん!!ラムさん!!」

 

もはやラムのこの罵声のようなフォローのような会話も慣れてきた。

 

「姉様を楽させてあげられるようにもっと頑張ってください。レムも出来る限りは教えてあげますから。出来る限りですけど」

 

「ありがとうレムさん。」

 

その一方、優しい言葉をかけてくれているレムなのだが、なぜかその瞳の奥には感情がまるでこもっていない。

 

「…」

 

「レ、レムさん?」

 

レムは大成の目を見たまま何も言葉を発さずにじっとこちらを見ている。いや、睨んでいる。

 

「何か気になることでもあるのか…?」

 

「…レムはアイの整ってない眉毛が気になって仕方がないのよ。そうよね?レム。」

 

「…姉様…」

 

そんなレムをラムが濁して話を逸らそうとする。

 

「…はい…レムは逢坂君の眉毛が気になっていました…」

 

「そうなのか?じゃあ今度整えてもらおうかな〜」

 

そんなはずがない。と言いたいところだが、下手に口出しすればこの場で何か揉め事が起こる気がする…と思った大成はそのまま話を鵜呑みにする。

 

「そうしてもらいなさい。レム、明日にでも整えてあげなさい。今日の所はもう寝ましょう。」

 

「はい、姉様。」

 

「二人ともおやすみ。」

 

そうしてレムとラムは大成の場を離れ、大成は屋敷の外に出る。

 

 

「すこし気分転換でもしに外に出るか…」

 

屋敷からすこし離れた場所に移動し、大成は森の中をただ歩き続ける。

 

 

「…どうしたもんかな…」

 

10分、20分、30分、1時間と歩き続けるが、大成を追い続ける「気配」が一向に途絶えない。

 

 

 

 

「いい加減に出てきたらどうかな…?」

 

 

 

その言葉を始まりに大きな鉄球のような物が大成目掛けて飛び出してくる。

 

 

「うぉ!?危なっ!?」

 

なんとか対応できた大成はそのまま鎖に繋がれたトゲ付きの鉄球の帰っていく場所を振り返る。

 

「…今度はそんなもの振り回して何をしようっていうのかな?」

 

 

「レムさん…」

 

 

その言葉と共に先ほどまで仕事を共にしていたレムが姿を見せる。

 

 

「…お願いがあります、逢坂君…」

 

 

 

「死んでください。」

 

 

 

再びレムは鉄球を大成目掛けて思い切りに振り回す。

 

 

「クソッ!!何がどーすれば仕事仲間に鉄球振り回す考えになるってんだよ!!」

 

「レムは一度たりとも仲間など思ったつもりはありません!!」

 

「ならどーして俺を殺そうってのかせめて聞かせろよ!!」

 

その質問にレムは一度手を止め大成の目を見て話す。

 

「貴方から…魔女の匂いがするんですよ…!姉様を傷つけたあの魔女教徒の連中と同じ匂いがプンプンするんですよ!!」

 

「魔女だぁ?」

 

なんのことやらさっぱり分からない大成。しかし当のレム本人は完全に頭に血が上っておりそのまま話を続ける。

 

「またレムから大事なものを奪おうというのですか!?姉様の代わりでしかないレムから姉様を奪うのですか!?だったらそうなる前にレムがあなたに制裁を加えてあげます!!」

 

「ふっざけんな!!俺は無関係だっての!!」

 

再び攻撃に入るレム。大成はただ防戦に回るしかなく、レムの出方をただ伺う事しかできない。

 

「どうすれば…?しかし気になるところが1つあるな…」

 

そう、大成は先ほどまではなかったレムの額の「角」が気になって仕方がない。

 

「(そういえば鬼って種族には角があるんだよな…?あの子はまさか鬼なのか…?)」

 

「うらぁぁぁあ!!」

 

レムは鉄球を振り回すだけでなく、今度は氷による魔法攻撃も絡めて攻撃してくる。

 

 

「チッ…!!仕方がないが眠ってもらうぞ…!」

 

大成はレムの懐へと一気に詰め寄り、腹部に目掛けて空気砲をお見舞いする。

 

「ガッ…!!」

 

そのままレムは圧に飛ばされて大木に背を打ち付ける。

 

「…とりあえずは眠ってろ…明日になったら話を聞いてやるから…」

 

そういって背を向けて屋敷に戻ろうとした…が…

 

「…!!」

 

再度鉄球の飛び交う音がしたため慌てて体を横に移動させ回避する。

 

「バカな…!!女の子にあれだけ強く気をぶつけたってのに…!」

 

「殺す…殺してやるぅぅぅ!!」

 

完全に目が充血しきって真っ赤になり、角も先よりも大きく、そして異様な光を放ち、まさにその姿は鬼そのものといった感じとなっている。

 

 

「がぁぁあ!!」

 

「そんな単調な攻撃あたるわけねぇだろ!!」

 

鉄球を回避した大成、だがその反対側からも鉄球が飛んできたため回避が間に合わず直撃する。

 

「がはっ!!」

 

いつのまにかレムは鉄球をもう一つ所持していたため、大成は不意に攻撃を喰らってしまった。

 

「(まてまて…!ダメージがでけえ…!こんなにも強かったか…!?)」

 

最初の攻撃よりも数倍に力が増していることに違和感を感じる大成。

 

「殺してやる!!!」

 

今度は魔法の攻撃を仕掛けるレム。先の氷とは比べものにならない、森一つを凍らせてしまうほど巨大な力を感じる。

 

「チッ!!完全に屋敷まるごと吹き飛ばす気か…!!」

 

止むを得ず大成は自分の必殺技「ロッソブラスター」の構えをとる。

 

 

「消え去れ魔女教徒ぉぉ!!!」

 

「いい加減に目ぇ覚ましやがれぇぇ!!!」

 

二つのエネルギーが互いに衝突し、大きな爆発が起こった。

 

 

 

 

 

 

「…ハァ…ハァ…」

 

「ぅぅ…」

 

大成はなんとか屋敷まで被害が及ばない程度にレムの攻撃を相殺することに成功。

 

レムには先ほどまであった角が無く、正気に戻っているみたいだ。

 

「ったく…俺は別にお前らに危害を加える気もないし、危害を加えられるつもりもない…」

 

「でも…ま、まじょは…レムが…姉様を…これではまたレムは…」

 

ボロボロになりながらもレムはそれでも魔女教徒を恨む姿勢を見せつける。

 

「…全く大したもんだよ…そこまでお前を本気にさせる何かがあるってのはよく分かった…とりあえず屋敷に戻るぞ…立てるか?」

 

「…はい…」

 

ようやくレムも大成を自分がどうにかできる相手ではないと認識したようで、立ち上がり、武器を下ろして大成に続いて歩いた。

 

 

その時…

 

 

「ほんっと使えない小娘ね、ミラ?」

 

 

二人の背後から強大なエネルギー波がレム目掛けて真っ直ぐに飛んでくる。

 

 

「レム!!」

 

「きゃぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ゴボッ!!ガハッッ!!」

 

「あ…逢坂君…いや…!!」

 

 

間一髪、レムを横に押し、自身が盾となる事でレムを守ることができたが…その代償は大きく、大成の腹部をエネルギー波が貫通し、大成は腹に大きな穴を作ってしまった。

 

 

「だ…誰だ…出て…こい…!!」

 

 

「フフ…まだ喋れるのね?」

 

「…」

 

そこには杖を持った女とその女の身長2倍程の大きな男が立っていた。

 

「初めましてね?私はトワ。こっちは私の作った人造人間、ミラよ。」

 

「じ、人造人間…だと…?」

 

血を吐きながらも大成はレムの前に出て戦闘形態にはいる。

 

「あらあら、無茶はしない方がいいんじゃないの?死ぬのが早くなるだけよ?ミラ?」

 

「雑魚が…」

 

ミラと呼ばれる人造人間の男は先ほど放ったエネルギー波を再び大成目掛けて放つ。

 

「逢坂君!!!」

 

レムは思わず目を瞑ってしまう。

 

大きな爆発と共に周りの木に潜んでいた動物や鳥が一斉にその場から逃げ去っていく。

 

 

「レ…レムのせいで…!!」

 

レムは自分の身勝手な行動のせいで大成が死んでしまったと思って涙を流す。

 

「か…勝手に殺すんじゃねぇよ…レム。」

 

「!!」

 

しかしこの男、そう簡単にくたばるほどのやわな奴ではないのである。

 

「俺の渾身の一撃を耐えただと…」

 

「へっ…!俺はまだ本気じゃなかったんだよ…!」

 

「あ、逢坂君の髪が…!」

 

大成の髪が金色へと光り輝き、一度は腹を貫いたエネルギー波を今度は片手で簡単に受け止めてしまったという現実にレムは驚きを隠せない。

 

「レム、俺はサイヤ人って種族でな、俺も人間ではないんだよ…。いや、人間をやめた身でもある…グッ…」

 

「逢坂君…喋っちゃダメ…!」

 

「聞け!!レム!!お前の目の前にいる男が…この俺が…お前の辛い過去も何もかも吹っ飛ばしてやる…!!」

 

レムは驚いて大成の話を聞く。

 

「魔女だか魔女教徒だか俺にはさっぱりわからんが…そいつらが今もレムやラムを苦しめてんだったら…俺がなんとかしてやる…!!だから…」

 

「あんまり無理すんな…!お前らは笑ってる方が似合ってる…レムはラムの代わりでもなんでもない…レムはレムだ!!もっと自分を大事にしろ…楽しく笑って生きようぜ?」

 

「!!」

 

そう言い大成は超サイヤ人2に変身する。

 

「さぁ!お前らまだやるってのか!!俺はお前らをすぐ消すぐらいの力はまだ残ってんぞ!!」

 

 

「…ミラ、ここは一旦引くわよ。」

 

「な!!あいつは死にかけだ!俺はまだ!!」

 

「今のあんたの最高の一撃を防がれちゃったんだから仕方がないでしょう。それにまたパワーが上がったわ…今のあんたじゃ逆に返り討ちにあうだけよ。」

 

 

「いいこと教えてあげるわ。歴史を変えているのは私たちよ…?」

 

 

そう言ってトワは杖からワームホールを出し、中に入り消えていく。

 

「…次は貴様より強くなって殺してやる…」

 

ミラもそれに続いて姿を消した。

 

 

 

「……やっと終わった…か…」

 

「逢坂君!!」

 

 

そう言って大成はそのまま地に倒れて気絶してしまった。




長くなってしまいました…

この先レムさんの大成に対する感情の変化をおたのしみに…!


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後日…そして新たな幕開け…

今回は短めです。リゼロ編はまったり進めます。


「……せ…!!」

 

…?誰かの呼びかける声が聞こえる…

 

「たい…くん!!」

 

「(誰…?)」

 

「たいせいくん!!」

 

その声に意識を失っていた大成は現実へと戻ってくる。

 

「ハッ!!」

 

飛び起きた大成は呼び掛けていた声の元を見ると、そこには青色のショートヘアーのメイド姿の女の子が手を握って涙を流していた。

 

「良かった…大成君!!」

 

「レム…ってうわぁ!!」

 

途端にレムが大成の胸元に抱きついてきたため大成は顔を歪ませる。

 

「痛い痛い!!レム!!体が悲鳴をあげてる!!」

 

「生きててくれた…!!大成君!!」

 

そんな言葉を無視してレムは渾身のハグを大成へとお見舞いする。

 

「がぁぁ…また…意識…が…」

 

その時、大成の寝ていた部屋へラムがやってくる。

 

「全く…ラムの自慢の妹の抱擁に対して痛いだなんて…これ以上ない幸せに失礼ね。」

 

「ラムさん!!見てないで助けてよ!!レム離して!!」

 

「大成くぅん!!!」

 

レムはもはや別の世界に行ってしまったかのように大成の言葉が聞こえていないようだ。

 

「…レム!!」

 

大成は離れないレムのおでこに軽いチョップを喰らわしてレムを現実に戻す。

 

「あぅ……ハッ!!レムったらなんて事を!!」

 

「全くだよ…レム、ありがとな。」

 

大成はレムが一晩中つきっきりで大成の元で見ていてくれたのであろう、目の下にクマが出来て、瞼が泣き疲れて腫れているレムに感謝を込めて礼を言う。

 

「いえ…レムこそ申し訳ありませんでした…レムの勝手な行動で、大成君を襲うどころか、重症まで負わせる形に…」

 

「なぁに、誰にだって勘違いはある!こうして俺もレムも生きている!それだけで十分だよ?」

 

「大成君…」

 

そんな言葉にレムはまた目に涙を浮かべるため大成はアタフタしてレムを落ち着かせる。

 

「はぁ…全く…アイ、とりあえず今回の騒動はロズワール様が大目に見てくださるそうよ…」

 

「今回の件…?」

 

そんな大成の言葉にラムは更に呆れた顔をして話を続ける。

 

「貴方とレムと、そして今回アイとレムを傷つけた変な連中の騒動で滅茶苦茶になった森の片付けやらなんやらよ。ロズワール様が魔法で元どおりにしてくれたらしいわ。」

 

「…マジスカ…」

 

「大暴れしたアイも責任はあるけど、レムを救ってくれた訳だし…って事だそうよ。」

 

大成は青ざめた顔をしている…そんな大成の顔を見てラムは微笑を浮かべる。

 

「ま、これからは更に精進して屋敷で働きなさい。レムもこうしてアイを心から認めているみたいだし。」

 

「はい!大成君はレムを救ってくれた恩人ですから♪」

 

いつのまにか大成の呼び名が「逢坂君」から「大成君」に変わっているという事と、表情豊かに話しかけてくれる事からレムは本当に大成を認めてくれたのであろう。

 

「…ラムさん、レム。」

 

「ん?」

 

「はい??」

 

「俺は二人の事、何にも知らない。二人がどんな過去を辿ってきたのか、レムがどうして魔女教徒と呼ばれる奴らをあれだけ憎んで妬んでいるのかも…」

 

「…」

 

二人は黙って大成の話を聞く。

 

「でも、今回の騒動で、レムだけじゃない、ラムももしかしたら危険にさらされるかもしれないって分かった。だから、これからも二人を守れるように頑張る…」

 

「大成君…」

 

大成はそのまま話を続ける。

 

「頼れる二人の先輩方に追いつけるよう仕事も頑張るから、そんな二人が何か危険な奴らから襲われることがあったら俺は全力で守る!!これからもよろしくな!」

 

「…クスッ」

 

そんな言葉にレムはクスりと笑い、ラムはそっと目を閉じる。

 

「大成君、レムは大成君の事をただの仕事の後輩だと思いたくありません。むしろ、レムは大成君を一生守っていきたいと思ってます…」

 

「アイ、貴方はもう私達と同等の立場よ、レムを救ってくれた分は認めてあげるわ。」

 

そんな二人の言葉に大成はポカンとした顔をする。

 

「「だから…」」

 

「「これからもよろしくお願いします!(頼むわ。)」」

 

大成はニッと笑って体をベッドから起こす。

 

「おう!!任せとけ!!」

 

そんな時にまたまた新たな来客が扉を開ける。

 

「え〜と…もしかしてお取り込み中でした…?」

 

突如として現れた来客を見て、レムとラムはびっくりしていたが、一番驚いたのは大成であった…

 

「お前…その格好…!」

 

「え?」

 

 

この二人がこの世界に新たな革命を起こすのはまだ先の話である…

 

 




とりあえずはスバル君が最後に登場!

同じ異世界召喚の二人が今後どう展開を進めるのかはお楽しみに!


一応リゼロ編は白鯨、ペテルギウス編まで行こうと思いますがどうしても長くなってしまうので、淡々と進めるか、長く書いて一度どこかで区切らせていただく形になると思います!


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ナツキスバル

サクサク更新です^ ^


「俺をこの屋敷で雇ってくれ!!」

 

今日の一日はとある1人の少年の一言から始まった。

 

大成の前にやってきた少年、ナツキスバルは、ロズワールにとってもとても大事な存在でもあるエミリアを救ってくれた礼を持ちかけたのだが、ナツキスバルは屋敷で働きたいと申し出た。

 

大成とレム、ラムの3人はその後スバルを正式に雇う話が決まった後に話し合っていた。

 

「姉様、また1人仕事仲間が増えるということになりますね。」

 

「そうねレム、アイもダメだけど、今回のお客様、改めバルスも大分使えなさそうで心配だわ。」

 

「さりげなく俺もディスらないでいただけます?」

 

いつも通り3人は一日の仕事の始まりでもある朝食の用意から始めていた。

 

「ですが姉様…その…お客様、改めスバル君から…」

 

大成の方を気にしながらレムはラムに不安げな表情を出す。

 

それを感じとった大成は優しくレムに言葉をかける。

 

「大丈夫だよレム。お客様、改めスバルも俺と同じ匂いがするかもしれないけど、俺が保証する。あんま考え込むなよ?」

 

「大成君がそう言うなら…」

 

まだ心の底から納得したようではないレムだが、今回は大成の件とは違い、思い切った行動を起こそうとはしないようだ。

 

「成長したな、レム。」

 

そういってレムの頭に手を置いて撫でる大成。

 

「ん…」

 

レムは嬉しそうに上目遣いに大成を見つめる。

 

「全く、いつのまに可愛い妹がこんな情けない男に躾けられたのかしら…」

 

「まてまて、躾てもいないし情けないも言い過ぎだ。」

 

そんな時に大成の元へ噂の新人が姿を現す。

 

「ここにいたか!えーっと…大成だっけ?ちょっといいか?」

 

「スバル…」

 

途端にレムの表情が暗くなるため、大成は慌ててフォローをいれる。

 

「だ、大丈夫だってレム!俺はもちろんスバルも危なくないから!!」

 

「いえ、レムは大成君がスバル君に取られてしまうのではないかと心配で…」

 

「「いや、そっちの気はねえよ!!俺!!」」

 

シンクロする2人であった。

 

 

 

 

「で?話ってなんだ?」

 

「単刀直入に聞く!!」

 

ビシッと大成を指差しスバルは話を続ける。

 

「お前、異世界から来ただろ!」

 

やはりそうきたか…と大成はスバルを見て話を返す。

 

「…ご名答。」

 

「よっしゃ!!やっぱりか!!」

 

ガッツポーズをしてスバルは目を輝かせる。

 

「ようやく心の底から仲間と思える奴に出会えて感激だぜ!!」

 

スバルは大成の手を掴んでさらに話を続ける。

 

「それで!お前は何か特殊な力とかもってんのか!?」

 

「まぁ…片手でスバルを消し去るぐらいは出来るけど?」

 

「なんだよそのチート能力!!俺だけ生身の人間ってすっげー理不尽!!」

 

ガーンといった顔でスバルはその場に崩れ落ちてしまう。

 

そんな大袈裟なリアクションに大成は微笑してしまう。

 

「お前には何も無いのか?」

 

「まぁ…あるっちゃあるんだけどさ…」

 

何か言いづらそうな顔をしてスバルは大成を見る。

 

「なんだよ、勿体ぶらずに言えよ?」

 

「あーー!!もうどうにでもなっちまえ!!」

 

スバルは自分に与えられた禁断の力の事を話そうと決心する。

 

「俺はな、《死に戻り》ができるんだ!!……ってあれ?言えた?」

 

今度は自分でカミングアウトしたと思ったらアタフタしだすスバル。

 

「死に戻りか…そりゃだいぶチートだな…」

 

「…は…はじめて…」

 

「ん?」

 

額に汗をかいてスバルは言葉を失う。

 

「なんだ?初めて?」

 

「あ、あぁ…死に戻りの事を今までエミリアにも話そうとしたんだけど、その瞬間に心臓が握りつぶされる様な感覚に襲われて話せなかったんだけど…大成には言えた…」

 

スバルは心の底から嬉しそうな顔をして今度は意気揚々と話し出す。

 

「やっぱお前も俺と同じ異世界から来たからこの事話せるって事だよな!!マジで俺今ちょーーー感動してるぜ!!」

 

「そ、そんなに嬉しいのか…」

 

「ったりめーだろ!!なんだかんだ一人で寂しかったんだよ!!これで大成は俺にとっては親友どうぜんだぜ!!」

 

今度はいきなり親友宣言をされて戸惑う大成。

 

「まぁ、嬉しそうで何より…ッッ!!」

 

その途端、大成もスバルが先に言ったような、心臓を握りつぶされる感覚に襲われる。

 

「ガッ…!!」

 

「お、おいどうした大成!?」

 

慌ててスバルは大成に駆け寄るが、その仕草が自分のとっていた仕草にそっくりですぐ状況を察する。

 

「ま、まさか…お前も…!」

 

なんとか息を整えた大成はスバルの思っているであろう事を説明する。

 

「あぁ…今の話でどうやら俺にも死に戻り関連の呪いみたいのがかかったのかもな…」

 

「ま、まじかよ…すまねぇ…!俺の軽率な判断のせいで!!」

 

「いや、大丈夫…なのかはわからんが、とりあえずは今生きてるからセーフ…」

 

大成はレムとラムの待つ調理場に足を進めていく。

 

「さ、これ以上長話してると先輩方に怒られちまう、また今度ゆっくり話そうぜ。スバル。」

 

そんな言葉にスバルはニコッと笑って

 

「ああ!よろしく頼むぜ!先輩!!」

 

大成にとっても嬉しい仲間が増えた瞬間であった。

 




まったり回が進んですいません…

今回においてスバルの死に戻り能力カミングアウトによってどんな制限が課せられたのかは今後明らかになっていきます…

次回からは展開も進めれるようにしていきます!


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幸せな日々は続くこと無く…

いよいよシリアス展開に入ります…


「それじゃあみんなで!!」

 

「「「「ビクトリーーー!!」」」」

 

何やら騒がしい屋敷の外が気になって大成はレムとラムの3人で様子を伺う。

 

「なにやってんだ?」

 

「あ!大成!」

 

そこへスバルと見知らぬ子供達と共にいたエミリアがやって来る。

 

「エミリア様!お久しぶりです!」

 

「スバルの友達なんでしょ?そんなかしこまらなくてもいいから!!」

 

そう言われて大成は言葉を改める。

 

「そう?なら普通に喋らせてもらおうかな。」

 

「うん、その方が私もすごーく助かるかな。」

 

「エミリア様、スバル君と村の子供達と何をなさっていたのですか?」

 

そこにレムが質問をする。

 

「あれは、スバルが気持ちのいい朝を送るために『ラジオ体操』?ってゆうのを教えてくれてたの。」

 

「あぁ…」

 

大成にもそれは分かるため納得をする。

 

「大成君も知ってるんですか?」

 

「まぁ…一応ね。」

 

小さい頃親に連れられて地域の人達とラジオ体操をしていた記憶が蘇り思わず感慨にふけてしまう。

 

「(懐かしいな…)」

 

「おー!大成!お前もやるかー??」

 

そこへラジオ体操…改め異世界体操の主催者スバルがやって来る。

 

「いや、俺はいいよ…って、スバル?その手の傷どーした?」

 

ふとスバルの手の甲に何かの生き物に噛まれた傷が目に入ったために聞く。

 

「あぁ、これな〜昨日村の子供たちんとこにいた小さい犬っころに噛まれちまってよ〜」

 

「お前は動物にも人気なんだな…」

 

「やっぱ俺のただならぬ魅力にエミリアたんはじめ、子供にも犬にもラブラブな俺!!」

 

「なんだかよく分からないけど、スバルすごーく気持ち悪いわよ。」

 

「E・M・D!!(エミリアたんマジ毒舌!!)」

 

いつもの一日が始まって大成は今日が始まった…と共にある疑問を抱く。

 

「…にしても何もなさすぎる…」

 

そう、大成がレムとのいざこざがあり、トワ、ミラと呼ばれる謎の二人組との戦闘があってから1週間…

 

スバルと言うおもわぬ人物と出会うことがあった以外、何も起こらないのだ。

 

「このままゆったりしていていいのか…?」

 

こんな事をしている間にも、ほったらかしになっているドラゴンボールの世界が気になって仕方がない。

 

大成としてもこの世界でなすべき事をし、早く戻りたいという気持ちが溢れる。

 

「まぁ、なるようになれ…かな?」

 

「大成君!」

 

そんな時にレムが話しかけて来る。

 

「どした?レム。」

 

「この前話してた、文字の勉強を教えますので、夜に大成君のお部屋に行ってもいいですか?」

 

大成はこの世界の文字が全く分からずに困っていたため、レムがその講師となるとの事だった。

 

「あぁ、頼むよ。」

 

「はい!では後ほど!」

 

嬉しそうにレムは屋敷に戻っていく。

 

「アイ、早く文字を覚えて一人で買い出しに行けるぐらいにはなりなさい。」

 

「ラムさん…」

 

「じゃないと、レムとラムが楽できないでしょ?」

 

「やっぱそうですよね…」

 

心配してくれたと思った自分が恥ずかしい…と思ってこの日の朝は終わりを迎える。

 

 

 

 

 

夜…

 

 

コンコン…

 

「レムです。大成君、入ってもいいですか?」

 

「どうぞ〜」

 

約束通りレムが文字のかかれた本を持って大成の部屋へとやってきた。

 

「じゃあ、始めましょうか。」

 

「うん、お願いします!レム先生!」

 

大成の座る場所のすぐ横に立ち、レムは大成に文字を教え始める。

 

「これはこうで…」

 

「ふむふむ…(さっぱり分からん)」

 

昔の学生時代、英語すらまともに覚えれなかった大成は変な形をした文字など覚えられるはずもなかった。

 

「もー!大成君!ちゃんと覚える気はあるんですか!」

 

プンプンと怒ったレムは大成の頬を軽くつねる

 

「いたいいたい!レムさんやめてぇ!」

 

「ダメです!せめてこのページぐらいは覚えてください!」

 

 

何だかんだで1時間ほど勉強は続き、一息つこうとレムは紅茶を淹れると部屋を出て行った。

 

「…行ったか…」

 

はぁ〜と息を吐いて大成はベッドにもたれる。

 

「…この先どうすればいいのやら…なんも敵もこねぇし、スバルも良いやつそうだし、あの時の敵も全く来ないし…」

 

八方塞がり…と考え込んでいた所に紅茶を淹れたレムが戻ってくる。

 

「お待たせしました。これで一休みしましょう。」

 

「あぁ、ありがとレム。」

 

と、立ち上がった時…

 

 

「ゴフッ…」

 

「大成…君?」

 

急に体に痛みが走り、大成は吐血する。

 

「は…?あれ…?グッ…」

 

「大成君!!」

 

ガシャンッとティーカップを落とし、レムは大成に駆け寄る。

 

「大成君!!大成君!!!いや…!!」

 

口から血を吐き続ける大成を見てレムは涙を流して名を呼び続ける。

 

「(え…?俺…死ぬの…か?)」

 

もはや声をあげれない大成はただ泣きながら大成を呼び続けるレムの頬に手を差し伸べる。

 

「し…死なないで…大成君!!レムは…まだ…!!」

 

もう大成の目には光は保っておらず、レムの頬に触れていた手は地に伏せていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「た…く…」

 

「たい…くん!」

 

「大成君!!」

 

先ほどまで聞いていた声に大成は慌てて目を覚ます。

 

「レム…?」

 

「おはようございます。大成君。」

 

途端に大成はレムの手を握る。

 

いきなりの行動にレムは顔を真っ赤にして慌てる。

 

「ど、どうしたんですか!?いきなり!?」

 

アワアワと慌てるレムの手をただ強く握って大成は考える。

 

「これって…」

 

何か考え付いたのか大成は急いで部屋を飛び出し、とある人物の元へと足を運ばせる。

 

「ハァ…ハァ…!!あいつは…!!」

 

その目的地に着いた大成は扉を開け、中にいるであろう男と会う。

 

「スバル!!」

 

「た、大成!!」

 

互いに察したのか同時に口を開く。

 

 

「「死に戻ってきたんだな…俺達…」」

 

「まさか…俺まで死に戻れるとは…」

 

「あぁ…それは俺もマジでビックリだぜ…」

 

何が起こったのか互いについさっきまでの状況を報告しあう。

 

「俺はレムと勉強してて…そしたらいきなり心臓が握りつぶされたみたいな感覚になって、そのまま…」

 

「お、俺は普通に寝ようとして電気消して…気がついたら戻ってたんだ…」

 

全く原因が分からない二人は必死に頭を働かせる…が、分かるはずもなく…

 

 

「もういっかい…」

 

スバルが口を開き、大成はそのまま話を聞く。

 

「もういっかい、あの晩までの事を繰り返してみないか?そうすりゃ、今回は話も分かる状態だ…なにか原因が分かるかもしれねぇ…」

 

「それしかないか…」

 

日付を見ると死んだあの晩から3日ほど前に戻ってきた事が見て分かる。

 

「この三日…全力で気を張って生活しないとな…」

 

「ちっくしょーー!せっかく四回も死んでエミリアたん助けたってのに今度は敵も原因も分かんねえとかマジで無理ゲーだろ!!」

 

その言葉に大成は驚く。

 

「よ、四回も死んだってのか…?ここに来るまでに…」

 

「ん?あぁ、っても今回で5回目だけどよ、エルザって腹わた大好き女に振り回されてよ…」

 

素直にスバルを見直した大成。ただの無力な人間ならば死に戻れるとはいっても四回も死んで平常を保てるだろうか…?

 

「今回は俺一人じゃねぇ、大成もいる…」

 

「あぁ、俺も死ぬのはごめんだからな…そっちは頼んだ。」

 

「まかせろ、親友。」

 

 

ここから二人の謎の死との戦いが始まる…



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ベアトリスと禁書庫

「…とりあえず今日までの出来事だ。」

 

スバルと二人で原因不明の死について話し合っていた。

 

「とくに何も無い…よな…」

 

「だぁーー!!俺らが死ぬ予定の日まであと1日しかねぇじゃんかぁー!」

 

大成は椅子に座りながら溜息、スバルはソファーにグダーっと寝そべる。

 

二人して八方塞がりの状況になすすべも無し…

 

「かと言って他人に「死に戻り」について話すことはできないペナルティがあるせいで頼れないし…」

 

「あぁ…あくまで俺ら二人だけの話にしかできねぇ…」

 

「でもさ、スバルが寝てる間に死んでたって事は、何かしらの外部からの攻撃、または魔法かなにかがあったはずだろ?」

 

スバルはポンっと手を叩き、話に入る。

 

「さすがに寝返り打って息できなくて死にました!なんてねえしな!そんなら聞く当てはあるぜ!」

 

「ほぅ?そんな知り合いがお前にいたとは…」

 

「俺ってそんなに人付き合い悪く見えるか!?…」

 

と、スバルに連れられて屋敷の隅っこのドアの前に到着する。

 

「ん?この部屋に何か用か?」

 

「まぁ見てなって、ベア子ー入るぞー…ぐぼはぁぁあ!!」

 

ドアを開けたと思ったら中から急に何かの攻撃が飛んできてスバルが吹っ飛ぶ。

 

「ス…スバル!?」

 

「全く…どうしてこんなにもお前は不愉快なのかしら。」

 

攻撃の方向から声がしたため慌てて振り向く大成の視線の先には、背の低いロリッ娘(?)が立っていた。

 

「え…子供?」

 

「カチーンなのかしら。」

 

ベア子と呼ばれる少女は小さい手で大成の手を握る。

 

「た…大成…気をつけ…」

 

「え?…ギャァァア!!」

 

身体中に強烈な痛みが走り、体力が吸われていく感覚に思わず大成は声をあげる。

 

「…ベティは子供じゃないかしら。」

 

「お、お前…何者だ…」

 

「そ…それは俺から説明する…」

 

ヨロヨロと立ち上がったスバルから、自身をベティと呼ぶ…改めてベアトリスと言う少女の事を聞く。

 

「へぇ…ロズワールと契約してこの禁書庫にずっと一人でいるのか…」

 

「ふん、この禁書庫は簡単には入らないようにランダムに屋敷のドアの入り口が変わるようになってるのに、どうしてこいつは一発で見破るのかしら。」

 

スバルはどうやらベアトリスのいる部屋が一発で分かるようだ。

 

「すげぇな…この本の多さもだけど、お前の謎のエスパーも…」

 

「そうか?なんとなくだけど集中すれば分かるぜ?ちなみに、この本は触るとベア子にぶっとばされるぐらい大事な書物らしいから触らない方がいいぜ。」

 

そうなのか…と思いながら禁書庫を見渡す大成だが、本題を切り出す。

 

「それはそうと、スバル、ベアトリスに例の話を…」

 

「あ!忘れてたぜ!ベア子、この屋敷らへんに、魔法か何かで殺すような力を持つ奴はいるか?」

 

「いきなりぶっ飛んだ話かしら……まぁ、魔法というよりは呪いとかの類ならあるかしら?」

 

スバルの手を握るベアトリスにスバルは慌てる。

 

「ちょ!!やめやめ!!またマナを吸い取る気か!」

 

「マナ?」

 

「あぁ、この世界での魔法を使うMPみたいなもんだ!!さっきはお前、それをされたから力が抜けたみたいになったんだよ!てか、ベア子やめて!!」

 

「違うかしら!!この手、見てみるのよ。」

 

そう言われてスバルの手を見れば、黒いモヤがかかっている。

 

「うぉ!なんだこりゃ!!」

 

「今のお前には呪いがかかっているみたいなのよ。後1日かそこらで死ぬかしら。」

 

スバルと大成は互いに眼を合わせて納得した表情をする。

 

「呪い…てか…お前、その手の傷…」

 

「あぁ…前に話した、村のガキ達と遊んでる時にいた犬に噛まれた傷だ…」

 

まさかの元凶は犬であった事に二人は言葉を失う。

 

「…お前達二人で盛り上がらないでほしいかしら…とにかく、この呪いをかけた本人を殺せば術は解けるかしら。もうベティは用はないかしら?」

 

そう言ってベアトリスは自分の座っていた椅子に腰をかけて本を手に取り読み始める。

 

「あぁ!ありがとなベア子!!また来るぜ!!」

 

「二度と来るなかしら。」

 

出て行くスバルと追いかける大成を後ろ目にベアトリスはそう呟いた…

 

 

 

「よし!やることは一つだ!あの犬探し出して、二人で殺しちまえば、あの夜を越えることができるって事だな!!」

 

「犬を手にかけるって言葉だけだとめちゃくちゃ乗り気しねえな…」

 

「馬鹿!人殺せる呪い持ってるぐらいなんだから村の人達も危ねえだろうが!!」

 

それもそうか…と納得した大成は急いで出発するスバルの後を追いかけて行く…

 

 

 

 

「レム!ラム!ちょっくら俺たち出かけてくる!!すぐ帰ってから心配しないでくれ!!」

 

「スバル君?それに大成君も…どうしたんですか?そんなに慌てて…」

 

「心配なんてする気もないわね。アイ、何か大事があったわけではないのでしょう?」

 

ジーッと二人に見つめられる大成は冷や汗を流しながらこう言葉を放つ。

 

「な…な〜んにもないから、心配しないでくださぁ〜い!」

 

そう言って逃げるように屋敷を飛び出すスバルと大成。

 

 

「…何かあったわね。」

 

「そうみたいですね…」

 

ハァ…とため息をつくラムはレムに話す。

 

「レム、今からロズワール様に外出の許可を取ってくるわ…許可が降り次第、ラム達もアイとバルスを追いかけるわよ。」

 

「!!はい!」

 

見え透いた嘘を見抜いたラムとレムはすぐ二人を追う事となる。

 

 

 

こうして舞台は更なる波乱へと招かれる…

 

 



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