いぬぼくを書いてみたいと前々から思っていたので、頑張って書いていこうと思います!
私は、猫又の先祖返りだ
ある時、気まぐれで時を跨いだ
気まぐれで、ある学校の先生になった
そこで出会ったのは、私と同じ先祖返りの白鬼院凜々蝶
「大丈夫、私が絶対に守るよ・・・・凜々蝶」
「時間は重みなんですよ」
ある人が僕に言った一言
・・
先生、僕もそう思います
貴方に出会えたおかげで、僕は変わる事が出来ました
惨めな僕を、貴女は笑顔で抱きしめてくれた
「君は惨めなんかじゃないよ、凜々蝶・・・・大丈夫、私もあなたと同じだもの」
そして他の教員に反発もしてくれました、反発のせいで教員を辞めたのも知っています、貴方が教卓から消えた時、貴方がもういなくなることに酷く絶望しました
そして先生、ごめんなさい・・・・・「先生が常に言っていた人を大切にする事」僕は守れていません
僕には悪癖があります
「妖館ってしってる?あそこに新しい入居者ですって」
「シークレットサービス付きのセレブマンション?」
「え、あそこって変人ばかりの屋形じゃないの?」
「うそ、お化け屋敷って聞いたけど?」
先生がいなくなってからのもので、自分では制御出来ない
「いや、注目の的ですねー」
「暇なる主婦に注目されて嬉しいか?井戸端会議の議題になるのはごめんだ、さっさと仕事をしてもらおうか。」
無駄に虚勢をはって悪態をついてしまう
これが僕の悪癖です
先生、貴女はこんな私を許してくれますか?
「おー、りりちよ。来てたのか」
「なんだ反ノ塚か、ふん久しぶりだな」(`・ω・´)キリッ
「あれ?今落ち込んでなかった?」
ここは通称『妖館』正式名称は、メゾン・ド・章樫
一世帯につき一人のシークレットサービスが付く最強のセキュリティを誇る最高級マンション
ここは厳しい審査をクリアした、選ばれた人間しか入れない、その内容は高額な家賃を払う能力・家柄・経歴
と、いうのがおもて向きの条件
別に僕自身はこのマンションに特別こだわってはいないしシークレットサービスも断った
「俺、シークレットサービスって最初エロいサービスかと思ったんだよねー」
「はっ、広辞苑にものってるぞ?」
何であれ先生、僕は一人になる為に家を出ました
そして今日からここに住みます
「(4号室、ここか・・・・)」
ドサッ
凜々蝶は運んできた荷物を落としてしまい、それを持ち上げようと荷物に手をかけた
「ん・・・・んっ、ぐっ・・・・」
持ち上げようと下その瞬間、ふわりと荷物が浮き上がる、凜々蝶が後ろを振り向くと、そこには笑顔を見せるイケメンがいた
「・・・・フン、ありがとうと言うべきか?」
「いいえ、そのようなお言葉は不要でございます
お会い出来る日を心待ちにしておりました
凜々蝶様・・・・・」
イケメンは恭しく頭を下げて、次に顔を上げた時、イケメンの目からは涙が溢れていた
「!?」
「本日から凜々蝶様の生活の安全をサポートさせて頂きます、御狐神双熾と申します」
大変変人なシークレットサービスを持つことになった凜々蝶、まるでその姿は忠犬能力ようだった
つぎの日、そんな御狐神に出待ちされ、館内を案内してもらうことになった
「私・・・髏々宮カルタ・・・・シークレットサービス・・・2号室の・・・人を守ってます」
おっとりした、可愛らしい女の子に
「メっ・・・・・メニアーック!!黒髪パッツン色白ツリ目ちびっこで細いのにプニプニ黒タイツ着用・・・あなたヤバいわよ!?」
女大好きな自分だって綺麗であろう女性
主婦の噂話は侮れないと再度悟った凜々蝶、館内を回ったところで、御狐神が鎮静効果のあるラベンダーで紅茶を入れてくれる
その時凜々蝶は自分の事を話し出す
「僕自身には何もないのに・・・・僕に付いている家柄、そっちが本体のようなものだ」
白鬼院家
古くから支え続けている名家の世話係がいて、沢山のお手伝いさんがいる
それが僕ので、そして学校ではさんざんいじめられていたそれを話したら、彼は涙を流してくれた
「そんなお気持ちでずっといらしたのですか凜々蝶様・・・そんな事をずっとお一人で抱えて・・・」
「な、な泣くな!!大きいんだからっ!!」
「凜々蝶様・・・」
「よく泣くな君は・・・」
その日の夜、館内に侵入者が入り込んだが、雪小路野ばらさんと御狐神双熾があっさり退治
この学校妖館では、ただの侵入者なんて怖くないのだ
何たってここは、入居者全員何かしらの先祖返りなのだから
夢主さんが出てくるまでは、話を飛ばしながら書いて行きたいと思います(`・ω・´)キリッ
そして多分一時夢主さん出てきません
ですが楽しんで貰えたら嬉しいです(`・ω・´)ゞビシッ!!
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先生
「凜々蝶様・・・本当にいってしまわれるのですか、僕を捨てて・・・」
「すぐ戻る」
「すぐとは・・・?離れている間の一瞬が千秋のように感じてしまうのに・・・」
「君」
「凜々蝶様・・・っここでずっとお帰りをお待ちしております・・・!!」
「トイレぐらいは普通に行かせんか!!」
ここはとあるデパート、何故こんな所にいるかというと、3時間前に遡る
反ノ塚と朝ごはんを食べている凜々蝶、甲斐甲斐しく反ノ塚のこぼしたカレーうどんの汁を拭いてあげたりしている
ここは妖館、先祖に妖怪の血が混じる一族の先祖返り達が集うマンション
凜々蝶達先祖返りは純粋な妖怪に疎まれ狙われている、だからこのマンションがつくられたのだ
「おまえ仲良くしてんじゃん、最初はすぐ解雇すんのかと思ったけど」
「・・・・・・・」
御狐神は凜々蝶のシークレットサービスを務めている人で、凜々蝶の素直じゃない心を温めてくれる人である
『僕は変わらなくてはいけない、自信を得て真っ当に人と関われる自分になるまでは・・・それまでは1人でいないと・・・・・あの時のように、先生を・・・・・それに人を傷つけるだけだ・・・・』
『(先生・・・・?)僕は凜々蝶様といて不快な事など全ありませんよ』
『そ、そんなことあるか!それに僕は冗談も言えないし話の種になるような趣味もないし・・・君だってすぐ飽きる・・・』
『では
試してみましょう』
というように、凜々蝶を癒してくれたのだ
あぁ、そうだ
この話によく登場する先生というのは、凜々蝶がイジメらてるのを見て助けてくれ、そして家の見返りなんて求めない凜々蝶が大好きで憧れていた先生である
「ふん、べつにまぁいつまで持つかは知らんがな」
「お、なになに気に入っちゃった?良かったじゃん、仲良なさいよやっと出来たお友達、ママ嬉しいわりりちよちゃん、凜々蝶が大好きだったあの先生は友達ではなかったもんな」
「ち・・・・・違う!」
「困った時はアレだおまえの〔必殺☆言いにくい事は文に認める〕みょ~~~~~~にスナオなんだよな文面だと。あれキュンときたよ?」
「忘れろ!言っただろう、あれは字の練習だと・・・・・先生のは違うが」
「へいへい」
「それと、これ、カレー染みに」
「おー(律儀なんだよななぁ)」
と、そんなこんなで、御狐神と朝の挨拶
朝ごはんをと勧めた御狐神にもう食べたと伝えた時の反応がとても面白かった。
それからそこに反ノ塚が合流し、3人でお出かけに行くことになった・・・・・
そんな経緯で現在に戻る。
「お二人は仲がよろしいのですね」
凜々蝶と反ノ塚の会話を聞いて、急にそんな事を言い出した御狐神
「は?君の目は節穴か 」
「まーな、付き合いも長いし、まー俺は凜々蝶にとってお兄さんみたいなもんかな」
「ただの近所のな」
「こいつ周りに敵つくりまくりじゃん、ついつい頼れるお兄サンやっちゃうみたいな?」
「近所の ただの な」
「先生が学校やめてからは更にな、お兄様って呼んでいーぜ」
「凜々蝶様のお兄さまのような方でしたら是非そのように・・・・」
「呼ばんでいい」
「いいじゃんりりちよ、先生だって俺のこと兄貴みたいだって言ってたし」
「せ、先生がか?」
未だに頭に乗せられている手をどかそうとした凜々蝶は、先生という言葉に異様に反応を見せていた、そんな凜々蝶の様子が気になったのか、御狐神は先生と呼ぼれる人について聞いてみることにした
「以前から気になっていたのですが、先生・・・・とは、いったいどなたの事なのですか?」
あそこまでして、人を拒絶していた凜々蝶が唯一名前を出し、なおかつ優しい笑みをしていたのだ、それは気になるだろう
「なに、りりちよお前言ってないの?あんなに大好きなのに?」
「・・・言う必要はないと判断した、だが御狐神君がそこまで気になるというなら、教えてやらんこともない・・・・・」
「またまたぁー聞いてほしいくせに、先生の事」
そんな言い争いをしながら、3人は近くのベンチに腰掛ける、勿論御狐神も隣に座らせた
「それで?御狐神さんは何を聞きたいの?」
「はい・・・・凜々蝶様が、何かある度にその名を口にしていたので・・・・・先生とは、いったい」
「先生は・・・・・僕がまだ小学生だった頃の副担任だった人だ、誰にでも隔てなく接してくれる先生が、僕は大好きだったんだ・・・・・・」
凜々蝶は尊敬するような、寂しそうな顔で、先生の事を語っていた
「俺もりりちよとよくつるんでたから、その先生の事はだいたい知ってるんだけど・・・・・なんつうか、変わった人だったかな」
「僕もそう思う、先生は僕達の家柄なんか関係無しに僕達を助けてくれた」
「いっつもりりちよの隣にいてさ・・・・・・周りの皆が嫉妬するぐらいりりちよはベッタリ」
反ノ塚があの頃を思い出しながら苦笑いをする、いつもはここで反発する筈の凜々蝶もその時は何故か大人しかった
「お優しい方だったのですね、その先生というお方は・・・・その人の名前を聞いてもよろしいでしょうか」
「そうだな、その先生の名は・・・・・・又星 満(またほし みつる)と言うんだ、男のような名前だが、満先生は綺麗な女性だったんだ」
満の話をする時、凜々蝶は満面の笑みで語っていた
お綺麗な方なんですね、と御狐神が返せば
多少興奮した様に、満の事を語って見せた
「そろそろ暗くなってきたなー」
「・・・・すまない、僕の話に付き合わせてしまったな」
「大丈夫ですよ凜々蝶様、凜々蝶様のお話はとても楽しいものでした」
「そうか・・・・」
満の事を話していると、あたりはいつの間にかオレンジ色になっていて、凜々蝶は申し訳なさそうに俯いたが、御狐神が楽しかったと言えば、その顔は明るく照らされた
「では、帰りましょうか」
「そうだな」
その後、無事に妖館に到着したものの
髏々宮が帰ってきていないと知り、3人でまた外に出る、初めて買った携帯の使い道が人探しに使われるなんて思っても見なかっただろう
髏々宮を探そうと反ノ塚が一反木綿に姿を変え、風に飛ばされながら探すという、本気で飛ばされていることに気付いた凜々蝶が、反ノ塚を追おうとした瞬間
足元から、黒い壁のようなものが出てきた
「凜々蝶さま!」
御狐神が叫ぶもそれは遅く、凜々蝶は黒い壁に飲み込まれた
その瞬間、凜々蝶は見たのだ
自らを身分を捨ててでも守ってくれた、先生の背中を
『見つけた』
「なんだここは・・・!?それにさっきのは・・・・いや、気のせいだろうな」
先生によく似た背中に動揺を見せた凜々蝶だったが、すぐに考えを改めて数歩後ろへ下がる、とんと背中に当たるものが壁だということに気付いた凜々蝶は、何の妖怪か検討がついた
「凜々蝶さま!凜々蝶さまご無事ですか!?」
「おいおいどうしたよコレ」
こちらは、凜々蝶がいなくなって慌てている御狐神と相変わらずのんびりな反ノ塚
凜々蝶を閉じ込められて怒った御狐神は変化して刀をその手に握った
「おーい、りりちよー」
「反ノ塚!」
「無事か?」
「ふん、愚問だ
これはただの〔塗り壁〕だ、夜道に現れ道を塞ぐというそれだけの妖怪だ」
凜々蝶の様子を見てくるように言われた反ノ塚は、凜々蝶に説明されて、安心したのかその場で横になり始めた
「順応力高すぎだろう」
突っ込む凜々蝶に反ノ塚は半分冗談だと返して、凜々蝶と再び話し出す、凜々蝶は御狐神が買い物に付き添ってもらっただけで嬉しそうにしていたのを思い出しす
「ふん・・・こんなもの・・・破って通ればいい」
化け狐と鬼に変化したふたりは、同時に走り出し塗り壁を切り捨てた
その後何処からともなく鳴り出す携帯を取り出して、髏々宮が帰ってきたとの連絡を受ける
「おかえりなさーい&妖館へようこそ♡」
帰るとクラッカーを鳴らされ歓迎会だと聞く、凜々蝶はまた人を不快にさせると思って遠慮しようとしたが、それが御狐神の為でもあると聞いて、歓迎会を一緒にする事にした、その日の夜に凜々蝶は買った携帯で初めてのメールを送る事に成功したのだった
「(メールって手紙と違って読み返せるから恥ずかしい・・・・!)」
そんな凜々蝶の2日間を御狐神に見つかることなく見守っていた人物があった
『よかった、心配していたのだけれど・・・・・大丈夫みたいね』
黄金色の猫目を光らせ、ベランダの手摺に優雅に座る黒猫が、赤面している凜々蝶を優しく見つめている
「先生にも、会いたいな」
顔を赤くしながらも先生を思っている凜々蝶に黒猫は更に目元を緩ませた
『もうすぐ会えるわ
待っていて、凜々蝶』
かすかなその声が、凜々蝶の耳に届き
顔を上げると、とても美しい満月が顔を覗かせていた
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巡り会い
先生をだすタイミングがどうしたらいいのかわからなくなってしまったので、もうオリジナルの話を1話だけ入れようかと思います!
本来ならば、懇親会の時に出したかったのですが私の文才では無理だった!
という訳なので、よろしくです!
「いただきます」
凜々蝶は今日も昨日のように御狐神を置いて朝御飯を食べていた、昨日の反省はしていないのだろうか?きっとまた面倒な事になるのに
「凜々蝶ちゃん、今日も朝からメニアック♡」
そんな凜々蝶を遠目で見ながら鼻血を流し続ける雪小路は、昨日聞かせてもらった先生の話をふと思い出していた
「(凜々蝶ちゃんの先生か・・・・きっととってもメニアックなんでしょうね、うふふふ)」
雪小路の反対側にすわっている反ノ塚でさえ、その時の表情はやばいものだったらしい・・・
「凜々蝶様!」
そこに登場した御狐神、ドアを開けると真っ先に凜々蝶の元へと駆け出した
「置いていかれるなんて、酷いです凜々蝶様」
スープを飲んでいた凜々蝶の手をつかみ、涙を目にためる御狐神に凜々蝶はタジタジになってしまっていた
「止めないか!」
凜々蝶の言葉を聞いてスッと立ち上がった御狐神は、何も無かったかのようにいつもの笑顔を浮かべた
何故急に笑顔になったのか不思議に思ったが、泣かれるよりはマシかと自己解決した凜々蝶だった
「凜々蝶様、今日は新しい入居者が来るようですよ」
「なんですって!?それは聞きづてならないわね!どっちなの!?男?それとも女の子!?」
凜々蝶が口を開き掛けた時、雪小路が物凄い勢いで御狐神に質問を飛ばした
御狐神は動じることなく、雪小路の方を向いて答えた
「女性のようでしたよ、先程フロントでコンシェルジュの方からお聞きしました」
そう言うと雪小路は思いっきりガッツポーズを決めた
御狐神はまた凜々蝶の方へ向き直り、フワリと笑を零す
「楽しみですね?凜々蝶様」
そう問いかけられた凜々蝶は、仲良く出来るかとても心配していた
また悪態をついてしまうかも・・・・と頭の中でグルグルと考え込んでいた
「それで?その人はいつ来るって言ってたの」
反ノ塚の言葉に大きく頷く雪小路に御狐神はニコニコと答えた
「朝のうちにはこちらに到着なさるそうですよ」
「へぇー」
自分で聞いておいて反ノ塚の反応は薄い、反ノ塚の真横で朝御飯を大盛りで食べていた髏々宮もあまり反応していないようだった
「・・・楽しみ・・・・」
あ、いや結構楽しみにしているようだった
そして未だにグルグルと悩んでいた凜々蝶の耳にコツリコツリと床をヒールで歩く音が入ってきた
「来たようですね」
御狐神の言葉に、ご飯に夢中になっていた髏々宮もボーッとしていた反ノ塚も鼻血を流していた雪小路も、心配で仕方ない凜々蝶もどんな人が入ってくるのか、ドアに注目した
ガチャリとドアノブの音が、静まりかえる部屋の中に響いた、そして音もなく開け放たれたドアを見て今まで座っていた凜々蝶はバッ!と立ち上がる、その拍子に椅子がかなりの音をたてて後ろに倒れた
凜々蝶はその椅子に見向きもしない、不信に思う御狐神と雪小路が凜々蝶を見ると、凜々蝶の顔には驚きが滲み出ていた
「先生・・・・・・!」
その言葉に御狐神は大いに反応した、この間話に出てきた先生が目の前にいるのだから、反応するなと言う方が間違っている
『ふふっ、すぐに会えてしまいましたね・・・・久しぶり凜々蝶、反ノ塚君も久しぶりね』
漆黒を思わせるような少しだけくせっ毛のある髪を、肩口まで伸ばし、茶色い猫目は優しく穏やかに凜々蝶を見ていた
ふわりと耳に聞こえのいいアルトが、静かなラウンジにスッと消えていった
「おー、満先生じゃん久しぶりー」
マイペースな反ノ塚に対して凜々蝶はパニック寸前だった、なんせ今まで憧れて謝らなければいけないと思っていた相手が目の前にいるのだから、だがそれらの事を聞く前に凜々蝶にはもっと聞きたいことがあるらしかった
「先生・・・・何で貴方は昔と何も変わっていないのですか・・・・・?」
凜々蝶の言葉に反ノ塚以外、誰もが首を傾げた
凜々蝶は今年で16歳、小学校の時の先生ならばこれくらいでも別におかしい事ではない
ちなみに、満の見た目は27歳程に見えている
「俺からも質問、せんせーはこの妖館に住むのか?」
反ノ塚の言葉に誰もがハッとした、確かにそうだ・・・
今まで凜々蝶は先生の事をただの人間だというふうに話していたのに、何故彼女はここに居るのか・・・・・・考えるまでもない、それは彼女が先祖返りだから
「先生・・・・・・貴女は・・・・・」
『言わなくてごめんなさい、私が先祖返りだということはあまり知られたくなかったの、だって私は永遠に時を超え続ける猫又だから・・・・・・』
満はそう言いながらゆっくりと凜々蝶に近づき、凜々蝶の目の前まで来ると
ソッと凜々蝶の髪を撫でた、その行動が余りにも小学生の頃と記憶が似ているので、凜々蝶は泣きそうになってしまった
凜々蝶が泣くのを我慢している時に満がよくやっていた頭を撫でるこの仕草
「先生・・・・会いたかったです、ずっとずっと会いたかったです」
満の胸に顔を押し付けながら言う凜々蝶に満は笑って言った
『私も会いたかったですよ、凜々蝶
貴女に会うために私は時を超えたのだから』
*************************
それから落ち着いた凜々蝶を椅子に座らせた満は、ラウンジにいる人全員に聞こえるように声を出した
『初めまして、私は又星 満と言います
先程も言ったように、猫又の先祖返りです・・・凜々蝶や反ノ塚君とは、小学校で先生と生徒として出会いました、何かと至らないところもあるでしょうが、これからよろしくお願いしますね』
ふわりと柔らかい笑を浮かべた満に雪小路がフラフラと近寄ってその方をそっと掴んだ
「メニアーーーーーーーーーーーーーーーーーック!!!!!」
『え?』
「漆黒を思わせるような黒髪なのにフワフワサラサラ
瞳は優しい色合いなのにその目は丸みを帯びた猫目・・・貴女、やばいわよ!」
「うおっ、誰に対しても容赦ねーな・・・おーいりりちよーお前の先生が大変だぞー」
余りにも急に始まった雪小路のメニアック騒動、誰も止めることなく満は雪小路の餌食となっていた
満は雪小路に両手首を握られながらも困ったように微笑んでいた
「・・・ハッ、み、御狐神君!雪小路さんを止めてくれ!」
「お任せ下さい」
放心状態から蘇った凜々蝶は、御狐神に雪小路を止めるように頼んだ、いつそういう命令が来てもいいように隙無く立っていた御狐神は遅れをとることなく
未だに満に何か言っている雪小路の肩に手をかけた
後からつけたして行きます!
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