アイドルマスター・765娘誕生日SS (風花笠奈)
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【誕生日祝い連載】四条貴音・『鍋祭り』【第1回】

初めまして。この連載は私のブログで3年前に書いていたものをこちらに転載したものです。アイドルマスターの765プロの13人+一人のお誕生日祝いをネタにしたショートショート連載です。14人分完結してるので一気に上げると思いますが、よろしくお願いいたします。



初めまして。この連載は私のブログで3年前に書いていたものをこちらに転載したものです。アイドルマスターの765プロの13人+一人のお誕生日祝いをネタにしたショートショート連載です。14人分完結してるので一気に上げると思いますが、よろしくお願いいたします。

連載の順番は誕生日順なのでお姫ちんが1番なのです。

そして文章がつたないと思いますがそこは勘弁してください。

 

 

 

「・・・鍋が、食べたいです。」

「はい?」

貴音の唐突な言葉にプロデューサーは目を丸くした。

「ですから、わたくしの誕生日には事務所でみなと一緒に鍋が食べたいです。」

「・・・ああ、そういうことか。ならばメールで皆に伝えておくよ。」

そう言いながらPはすかさず携帯にメール文面を打ち込んだ。

『来る1月21日は貴音の誕生日だが、本人の意向により事務所で鍋パーティを行いたいと言う事だそうだ。そういうことで鍋の材料を皆で持ち寄ってくれないか、頼む。』

「・・・よし、これで皆に送信、っと」そう言いながら送信ボタンを押した。

 

そして21日当日、事務所にて・・・

「で、皆は鍋の材料にどういうのを思ってきたんだ?」

Pがさりげなく皆に聞いてみた所、春香が満面の笑みを浮かべてエコバッグから白菜を取り出した。

「プロデューサーさん!鍋といったら白菜ですよ!白菜!」

そして雪歩も豆腐を取り出した。

「これ、お勧めの『中村屋豆腐』なんですよ。昨日たまたま家の前に行商に来てたんでラッキーでした。」

「ボク、お勧めのスープを持ってきました!トマト鍋なんですよ!」

雪歩の横からずいっと元気よく真がパウチされたスープを掲げてきた。

「でも、それ1パックじゃ足りないんじゃないかなあ?」とさすがに春香が首をかしげた。

「その点は大丈夫です。この間地方の番組のゲストに出た時に出た鍋のスープが、大変美味しかったのでそれを持ってきました。これ、なんとらぁめんのスープの味の鍋の素なんです。鍋を食べた後のだし汁と混ざったらぁめんこそ格別だと思います。」

と、当事者の貴音が珍しくドヤ顔で『寿ぎたやとんこつラーメン鍋のスープ』と書かれたパウチを掲げた。

(ああ、これを皆で食べたかったのか)とPは言い出しそうになったが心の中で止めた。

するとすぐさま残念そうな律子の声が聞こえた。

「あちゃー、この私が白いスープで被るなんて思わなかったわ。こっちはお勧めの豆乳鍋の素を持ってきたのよ。」

「ならば、それをこれと混ぜればいいじゃないですか。この間私が出てたTV番組でもそうしておりましたし」

貴音の思わぬ機転に律子も安堵の顔をした。

その他のメンバーも人参だの大根だのもやしだの鶏肉だの豚肉だのを持ち込んで、春香を中心に材料の下準備を始めた。

「でも、こんな大量の材料だけどそれが入る鍋があるの?」

さすがに心配そうな顔で伊織がつぶやくと、小鳥がどこからともなくドン!と大き目の土鍋とそれよりもやや小さい土鍋を出してきた。

「鍋料理だということで鍋でーす。本場の土鍋を持ってきたわよ。」

「あー!亜美この鍋の焼き物なんていうか知ってるー!」

「真美も真美も!じゃあ亜美、一緒に言おうか、せーの。」

「「ま・・・」」

「こーらあんた達!それは『ばんこ焼き』って言うのー!そしてそういう言葉をアイドルが言っちゃいけません!」

亜美真美の天然(?)ボケに律子がすかさずツッコミを入れた。

 

そして鍋に材料をぶっこみ、コンロの上に乗せていい感じに出来上がったところで皆で一斉に食べ始め、談話が始まった。

そしてそろそろ終る所で貴音が目を輝かせて麺を握り締めてこう言った。

「・・・さて、メインイベント開始、ですね。とんこつ豆乳スープで食べるらぁめん・・それはもう絶品です。」

それをすかさず見ていた美希から反論が出た。

「ええー?ミキ、鍋の〆はご飯のほうがいいの。」

その言葉に雪歩と真がすかさずフォローを入れた。

「み、美希ちゃん?鍋はこっちにもあるから、こっちのトマト鍋の方にご飯を入れようよ。」

「うん、とろけるチーズ入れたらリゾットっぽくなって旨いよ!ほらほらさあ。」

「そっか、ありがとうなの!さっすが真くんと雪歩なの!」

 

それはもう満面の笑みで麺を食らう貴音を見てPが話しかけた。

「幸せそうだな。」

「ええ、それはもう。好きな物を楽しく食べるのが一番です、から。」

食べながら貴音が笑いかけた。



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【誕生日祝い】如月千早・『ライナーノーツ』【第2回】

千早といえばやっぱり最初に思い浮かぶのは「孤高の歌姫」でしょうか。
歌唱力はもうずば抜けてすごいけど、家庭環境がまあ色々あって
(弟が急死したり、それがきっかけで両親が離婚したりで)
他人に対して壁を作ってるというイメージもあったりします。
(あれ?壁は最初から持ってるだろうって?いやあご最もはっはっは(殴))
アニマスではその「壁」を乗り越えて一皮向けた千早が見られたんで本当「一番報われた」んじゃないかと思います。
ニコマスでは別の意味で「壁」がネタになっておりますんでそこんとこも書いておこう(ぁ)

「壁」。またの名を「鉄壁の72」(爆)
それはもう見事なストーンぺターンなんで当初からネタにされまくっておりました。
(そういえばグリマスの新キャラに同じサイズの子がいたけど『10歳』・・・10歳・・・嗚呼。ちなみに千早は16歳です。)
72はあんまりだああ((C)ジョジョのエシディシ)との事で巨乳千早動画作られても逆に「誰だお前」のコメ弾幕が飛び交う始末・・・どう言う事だ本当にw


「千早ちゃん?何聞いてるの?」

ポータブルCDプレイヤーで音楽を聴いていた千早に、不意に春香が声をかけたので千早はリモコンの停止ボタンを推し、ヘッドホンを外した。

「あ、ああ春香?これ?これは・・最近お気に入りの海外のユニットなのよ。」

そう言うと傍らに置いてあったCDケースを春香に渡そうとした所、そこに現れたプロデューサーが春香の手からひょいとそのケースを取り上げた。

「ああ、何するんですかプロデューサーさん!私に見せてもらう筈だったのに横取りはずるいですよ!?」

「ああ、すまないすまない。あまりにも偶然だったからね。」

「何が・・・偶然だったんです?プロデューサー」

さすがにプロデューサーの言葉が少しわかりにくかったらしく、千早も首を傾げて質問を返した。

「いや、実はTVの情報番組でこのユニットに対して千早がインタビューをして欲しいという仕事が入ったんだよ。」

「ああ、もしかしたらこの間私が雑誌の連載でこのCDのライナーノーツを書いたから、ですか?」

「ご名答。それを向こうの言葉で訳されたのを読んでくれたらしく、向こうから『ぜひお会いしたい』とご指名がかかってね。」

「あ・・・ありがとうございます、プロデューサー。」

「千早ちゃん、それすごいすごい!憧れの人たちに直々に会えるなんて!ほんとに良かったねー。」

CDケースを横取りされたのも忘れて春香がまるで自分のことのように喜んでくれた。

そしてインタビュー当日。

千早は最初緊張はしていたが傍らにいた通訳さんの協力もあってインタビュー収録は順調に進んでいった。

そして最後にこんな素敵なサプライズが起こった。

「HAPPY BIRTHDAY CHIHAYA!!」

メンバー全員のバースデーコールとサイン入りのプレミアムグッズを突然差し出されたのでさすがに千早も驚いた。

「あ・・・あの・・え・・・どうして・・・・?」

その答えは通訳を通して返ってきた。

「キミのプロデューサーに教えてもらったよ。今日が誕生日だって。彼女は自分たちがデビューした頃からのファンだと教えてもらったから喜ばせてあげようと思って、ね。」

「そうなんですか・・あ・・・ありがとうございます・・」

思わず千早は嬉し涙をこぼし、頭を深く下げて御礼をした。そして、こんなサプライズを起こしてくれたプロデューサーに感謝もしていた。

 

(この小説の元ネタは某朝の番組で某ネガティブな人がインタビューしてたのを見てネタがティンと沸きましたw)

 



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【誕生日祝い】高槻やよい・『爆安娘TV中継』【第3回】

清貧で大家族で芸能活動のお仕事で家計を支える健気な子。だけどそれを諸共見せない超ハイパー元気娘。
外見的に一番小さい(最低身長。但し2になって胸が・・ああ千早さんなにするんですかギャー!(殴死))子ですし舌足らずな話し方なので実際年齢よりも幼く見える・・かな?
(まあ、2になって亜美真美がズガンと成長しちゃったからねえw)



「プロデューサー、今日も頑張りましょー!」

「そうだな、もうそろそろ本番だ、準備は大丈夫か、やよい?」

「大丈夫ですーぅ!では、行ってきまーす!」

765プロ所属のアイドル、高槻やよいは現在スーパーの中にいる。その理由は平日夕方のTVの帯ワイド番組内で彼女がレギュラーの中継コーナーがそろそろ始まるからだ。

「じゃ、やよいちゃーん、そろそろ本番いくよ!」

ディレクターの掛け声でカメラが彼女を写し始め、中継が始まった。

「高槻やよいのー、『うっうー!爆安娘』っでーす!今日はここ、スーパーハロー@@店から中継しまーす!イェイ!」

トレードマークのツインテールを揺らし、番組が用意した派手なオレンジ色のメイド服を着こなしてジャンプし、いつもの挨拶を始めた。

その掛け声に合わせて買い物客や野次馬の小中学生、そしてやよいのファンの人たちが大歓声をしながら拍手を繰り出した。

そしてやよいはいつものように店長さんに声をかけた。

「店長さん、今日のお勧めは何ですかー?」

「ああやよいちゃん、今日は卵だね。あとはツナ缶3パックセットとお惣菜ならコロッケが安いよ!野菜なら白菜もお勧めだ。もうすぐ4月だけどまだ寒いからね、白菜鍋なんてどうだい?」

「白菜だとたっぷりの量でおなかがいっぱいになるから私もいいと思います!」

やよいも満面の笑みを浮かべて答えを返した。

「じゃ、これが何割引になるか箱の中から選んでみますー。」

そう言いながら箱を取り出して手を突っ込み、ごそごそと箱の中に入ってる紙を探り寄せ、1枚の紙をしゅぴっと勢いよく取り出し、紙をカメラの前で広げた。

「じゃじゃーん!今回は7割引ですー!」

思わず周りの人たちが拍手喝采で大喜びをした。

「ありがとうございましたぁー!明日はショッピングモールピア**店から中継いたしまーす!『うっうー!爆安娘』でした、それじゃ皆さんハイターッチ、イェイ!また明日会いましょうー!」

まさに怒涛の如くあっという間に中継が終わり、プロデューサーの方に向かった所、Pが番組ディレクターと何か話し込んでいて、頭を深々と下げている姿が見えたのでやよいは思わず足を止めてしまった。

(Pが頭を下げてるってことは・・・もしかしたら、何か私ディレクターさんに怒られる様なことしたのかも・・)

思わず不安な顔になってしまい、ゆっくりゆっくり近づいた。

「プロデューサー・・・私、何か失敗したんでしょうか・・・?」

いつもと違う不安げな口調にさすがにPも心配し、やよいに視線を向けた。

「あ?どうしたんだ一体?やよいはいつものように何も失敗してなんかいないよ?」

「でもぉ・・・さっき番組ディレクターに頭を下げてたから・・」

何かを誤解してると察知して、思わずPは吹き出してしまった。

「あはは、それは違う、やよい。」

「何が違うんですかぁ?」

「実はね、ディレクターさんから『4月からの改変期以降もこのコーナー続行決定だ』と言われて、嬉しくて思わず感謝の意味で頭を下げたんだ。あれは『ありがとうございます』だよ。」

「・・・へ?そぉなんですかぁ??あ・・・ありがとうございますー!わぁーい!」

さっきまでの不安顔が嘘の様に満面の笑みを浮かべ、笑顔でジャンプを繰り出した。

「それで、番組からこれはプレゼントだ。」

Pがどこからかばさっと袋を渡し、やよいが袋の中身を見ると物凄くビックリして目が大きくなった。

「これって・・・新しい衣装ですか!?うれしいです、ありがとうございますー!」

やよいが思わず袋から出した衣装は、今までとは違うデザインのメイド服だった。

「そしてこれは誕生日プレゼント、受け取ってくれ。」

Pががさっとエコバッグの中に入ったさっきのコーナーのおすすめ商品と、大きいロールケーキを渡した。

おすすめ商品は実はコーナー中にこっそり購入し、ロールケーキは違う店で少し奮発して買ってきた。ホールケーキではなくロールケーキにしたのは「家族で切り分けがしやすいだろう」と言う細やかな気配りだった。

「え・・・?あああありがとうございますー!月末なのでピンチだったんでこれで助かりました!それじゃ、私はここで帰りますー!明日もよろしくお願いしまーす!」

「うん、明日もよろしく、やよい。」

そう言って袋を抱えてダッシュするやよいの後姿をPは見送って行った。



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【誕生日祝い】天海春香・『木星とCM共演』【第4回】

彼女の印象を一言で言うなら「普通、だけど普通じゃない」でしょうか。
実に個性があまりないけれど(「トレードマークは頭のリボン!」と自負してますし漫画版でも真が「リボン外したら誰かわからなくなるよ」と言ってたしねw)
中の人の個性が濃すぎる事も手伝って(さすが芸人声優中村先生やでぇ・・・)実に個性的な子に成長しました。
それの究極進化系がいわゆる「ののワさん」と「春閣下」でしょうかww
(ホメ春香は別物、あれはほんと別物w)
春閣下はマジで中村先生の影響が強いと思いますw
でも私のイメージってやっぱりまっすぐで普通の子なんだよねw

さて、お誕生日小説ですが、実は今回練り直しでした。本当は別のお話を考えてたんですが今回急にティンと今回の話が降りてきたんでこっちをうp。
没にした話もいつかは書きたいなあと思ったり。


「おはようございます、今日はよろしくお願いいたします!」

今日は春香が出演する清涼飲料のCM撮影の日で、ロケ撮影の為にある学校に来ていた。

「春香ちゃん!今日はよろしく頼むよー。」

「はい!では衣装に着替えてきますねー。あ、そうそう、差し入れでクッキーを焼いてきたんですよ、皆さんにおすそ分けです、はい。」

そう言って袋に小分けしてスタッフ一人ひとりにクッキーを手渡しした。

「お!春香ちゃんの手作りお菓子はいつも好評だからねえ。後で頂くよ。」

「ありがとうございます!では、失礼いたします!」

深々と一礼して控え室になっている部屋に去っていこうとする春香をスタッフの一人が声をかけた。

「あ、春香ちゃん?今回はソロじゃなくって、もう一人と共演なんだけど、その人呼んで来ようか?」

「え?そうなんですか??・・・ならば、よろしくお願いします!顔合わせもしたいですし。」

そう言ってその場に待機して暫く経つともう一人の共演者が向こうからやってきた。

・・・が、その『共演者』は張るかにとってあまりにも見知った人だったので思わずビックリした。

「・・・えー!?今回のCMの共演者って・・・冬馬くんなの!?」

そこにいたのはあの『ジュピター』のリーダー、天ヶ瀬冬馬だった。

「あ、天海か?今回の共演者って・・俺も聞かされてなかったからこっちこそびっくりだ。久しぶりだな。その表情だとすっかりいつも通りだな」

「あ・・・あははは、うん、はい・・そっちこそあれから色々と大変だと聞いたんだけど大丈夫なの?」

「ああ、あれから俺たちは961をやめて色々あって今の事務所に拾われて活動をしている。」

「そーゆーこと、あ、春香さんお久しぶりー」

「チャオ、ボクのエンジェル春香ちゃん。いつも可愛いね。」

ふいに少し離れた所から声がしてきた。そこにいたのは冬馬と同じジュピターのメンバー、伊集院北斗と御手洗翔太である。

「あれ?今回は二人ともCM出演じゃないんですか?」

何気に春香が質問を繰り出すと翔太が答えた。

「今回は冬馬のみ、なんだってー。ま、今回のCMが評判よくて次のシリーズが決まったら僕たちも参加するんじゃないかなー?」

「そう言う訳で、冬馬をよろしく頼むよ、春香ちゃん♪」

からかう二人に思わず冬馬は頭を抱え、思わずツッコミを入れた。

「お前等、お前らー!今回は無関係で気楽になってるから言いたい放題だな!ちくしょう!今回は完璧にやってやる!よく見とけ!」

「はいはーい、じゃ、ゆっくり見物しておくよー。じゃねー。」

その姿を呆気にとられた春香が思わず苦笑いしてぼそっと呟いた。

「3人とも、仲が良いんですね・・なんか微笑ましくなってきました。」

「あ・・・え・・・あ、っその・・・」

春香の一言に冬馬が思わず言葉をつまらせた。

「じゃ、もうすぐ撮影だから衣装に着替えてきます。冬馬君も着替えてきた方がいいよー。あ、その前に差し入れ。ちゃんと他の二人の分もあります!」

「あ・・・さんきゅ」

そう言ってクッキーを手渡しし、そそくさと控え室の部屋に春香が去っていった。

 

CMの衣装に着替えた春香が撮影場所の渡り廊下にやってきた。今回のCMは清涼飲料の新商品で、コンセプトは『学校内で偶然再会した幼馴染との青春のめぐり合い』と言うものであった。

「おお!さすが制服が似合うなー!」

「そうですか?ありがとうございます!」

今回のCM用に春香が着た衣装はセーラー服にグレーのカーディガンと言ういわゆる『制服』。だからロケ地に学校を使ったのである。

冬馬の方も制服の衣装で現れ、撮影がスタートした。

撮影はすんなり行き、思っていたよりも早い時間で終了した。

「はい、お疲れさん!これでもう上がりだよ。」

「ありがとうございましたー!では、今日はこれで失礼します」

「あ、ちょっと待って。春香ちゃん、お誕生日おめでとう!プロデューサーさんから聞いたんだけど今日は誕生日なんだってね。実は隠してたけどこの撮影、明日のワイドショウでも使われるみたい、だよ?」

監督のサプライズに思わず春香が目を丸くした。

「あ・・え・・・あ、ありがとうございます!」

「そう言う訳で、ジャーン!ケーキも持ってきた。」

スタッフが持ってきたケーキにはろうそくが炎を揺らめかせていた。

「じゃ、春香ちゃん、ふーっと一気に吹き消して」

監督の合図に春香が吹き消すと場内は一斉に拍手喝采になった。

 

撮影場所からの帰り、プレゼントを抱えた春香がPにそっと打ち明けた。

「今回のサプライズ、色々とありがとうございます。プロデューサーさん!」

「ああ、春香、おめでとう。これからもよろしく。」

Pの一言に春香が満面の笑みを浮かべ、大きく頷いた。

「はい!これからも頑張ります!プロデューサーさん!」



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【誕生日祝い】水瀬伊織・『ショーのランウェイにて』【第5話】

いおりんのイメージと言えば先述したように「ツンデレ・おでこ・超お嬢様」でしょうか。
どれを外してもいおりんじゃないと言っても過言じゃありませんな。
ツンデレキャラは中の人の釘宮理恵さんの声との相乗効果がばっちりきててすごい事になってますし、(まじでくぎゅーをキャスティングさせたスタッフは神や)
おでこに関してはそれはもうネタにされまくってましたな。特に無印時代。2で髪形が変わったんでちょっと面積が減ったとはいえおでこは健在。ゆえに美希からは「でこちゃん」と呼ばれてますww
お嬢様ネタもすごかったなあ。特にアニメ版ではすごい事になってました。実家は豪邸だったり何社も支社を持った会社を経営していたり(イメージ的に日立のアレね)ライバル事務所の人が名前を聞いただけで震え上がったりと・・・えらい事だ。



765プロのプロデューサーが運転する今回の仕事場に移動する車の中、水瀬伊織はいつもにも増して不機嫌だった。

「・・・で?なんで今回は竜宮じゃなくてアタシ一人での仕事なのよ。話が違うじゃないのよこのヘボプロデューサー!」

「すまない、伊織。今回は本来は竜宮で出る予定だったんだが、あずさはグラビア撮影、亜美は真美と一緒の仕事が入ってしまって・・」

「だったら律子を呼べばいいじゃないのよ。律子は竜宮のPでメンバーでしょ?」

「その律子もラジオ番組のコメント録音の仕事が急に入ってしまったんだ、すまない。」

「だったらいいんだけど。ま、この伊織ちゃんの魅力で十分でしょ?で、今回の仕事って?」

「今回はファッションショーのゲストモデルだそうだ。かなりでかい会場でやるそうだから頑張れよ、伊織。」

「それはちょっと楽しみね、にひひ♪」

 

会場に着くと既にステージ設営が始まっていて、既にスタッフや出演者でごった返していた。

そして控え室に二人が向かうと既に衣装合わせが始まっていた。そして周りのモデルを見て伊織は密かにこう考えてしまった。

(わぁ・・・周りのモデルたちって皆背が高いわねー。さすが本業だわ。)

標準よりも少し背が低い伊織にとって見たらあまりにも長身のモデルたちは脅威の存在に感じたが、そこは手前の度胸でなんとかやってみようと前向きに考えることにした。

そこに、不意に聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「遅れてごめんなさい、なの!プロデューサーに急に携帯で呼ばれて、律子・・・さん、が運転してくれたので来れたの!」

「はいはーい、コメント録音が意外に早く終わったんで間に合ったわ。秋月律子P兼アイドル、只今参上よ。」

「律子、間に合ったんだ・・・って、ええ、美希が来たのー!?どうゆうことなのよ!」

「美希ね、事務所でボーっとしてた時に、小鳥経由でPからの連絡で、『伊織が一人で待ってるからお願い!』って言われたの。」

「う・・・・まあ、感謝する、わよ・・・・アリガト。」

「じゃ、ちゃっちゃと準備するわよ。プロデューサー殿、衣装に着替えるんでここからは立ち入り禁止ね。」

「ああ、了解。ステージ裏で待ってるよ」

そしてショーが始まり、各々それぞれの衣装を身にまとい、ランウェイを颯爽と闊歩していった。

流石にこう言う事に慣れている美希はばっちりはまっていたが、意外にも少し緊張した趣きの律子だったが、次第に笑顔を客席に向けていた。

そしてフィナーレの時、複数のモデルと共にセンターを歩く伊織に大歓声が来ていた。

ショーも大盛況と共にフィナーレを迎えようとしたその時、司会者のサプライズが始まった。

「本日は水瀬伊織君のお誕生日です!会場の皆でお祝いしようじゃないですか!」

との一声と同時にバズーカクラッカーがいっせいに飛び交い、会場は紙テープと銀紙の雨が舞った。

「え・・・あ・・・・ありがとうございまーす♪本当に嬉しいでーっす!」

表向きの猫なで声ではあったが、その笑顔はまさに本心であった。代表のデザイナーから大輪の花束を貰い、思わず両手でそれを抱え、ステージを後にしてショーは終了した。

 

「今回のサプライス、あんたの提案なの?」

帰り道の車の中、行きとは全く違って上機嫌な顔で伊織がPに質問した。

「・・・さーあ、ね?」

否定とも拝呈とも取れるような感じでPが言葉を濁すと、伊織はちょっとむっとして

「あんたっていっつもそうなのよね・・・・でも、ありがと。」

と聞こえないような小声でぼそっと呟いた。



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【誕生日祝い】双海亜美&真美・『初めての定期試験対策』【第6話】

亜美真美といえば無印の頃は「二人で一人の『亜美』を演じている」と言う設定でしたが、2になって個別できっちりと分かれました。
そして亜美真美といえば破天荒で元気で周りを引っ掻き回すいいキャラ。
765で最年少だから(グリマス?ああアレは別次元なのでどこかに捨て置けw)これだけ破天荒なのかなーと思います。



突然Pの携帯に着信が入った。表記名には「双海亜美」と出ていた。応答ボタンを押すと電話の向こうから元気な声が聞こえた。

「はろはろー!真美だよー!これ亜美の携帯からかけてるんだけど、今学校から亜美と一緒にそっち向かうよー!」

「・・・その声は亜美だろ?真似しててもわかるよ。」

「ちぇー、ばれたかー。さすが兄ちゃんだね。パパやママでもたまに間違えるのに。」

「ずっと聞いてたからわかるさ。で、こっちにつくのに何分くらいかかる?」

「んー・・・バスで15分くらい?あ、真美も一緒なのはほんとだよ?そいじゃーねー」

そう言い終わるか終わらないかのタイミングで電話はあっさりと切れてしまった。

「ちょ、ま・・・・ああもう、切れた。ま、事前連絡はしてるし今回の仕事の内容は大丈夫だろうな。」

それから15分位して、事務所にどたどたと元気な複数の足音が聞こえてきたかと思うと、扉が思い切り勢いよく開いた。

「じってーん!双海亜美、到着ー!」

「じってーん!双海真美、到着ー!」

扉が開いたと同時にほぼ同じ声で挨拶の輪唱が事務所内にこだました。

 

双海亜美・双海真美。

765事務所所属のアイドルで、見ての通りの双子である。

髪を右側に結わいているセミロングヘアが亜美、ロングヘアを左側にサイドテールのように結わいているのが真美。

戸籍上は真美が姉で亜美が妹だそうだが、別にそんな事は二人とも気にしてはいないようである。

事務所内では765エンジェルという全員ユニットを中心に、亜美は「竜宮小町」の一員、真美はやよいとのユニット「TOYS」を組み、双子ユニット「PIC-SEE」としての活動も行っている。

ちなみに「PIC-SEE」の命名はPである。その由来は

「フェアリーがいるからピクシーというのはどうだろう。子鬼のようにちょこまか動いて悪戯っぽい所が二人には合ってる」と言う理由だそうだ。

このユニット名には二人とも満足しているようだが、チラッとその状況を聞いた真には「何でサッカー選手?」とつっこみかけた様である事を付け加えておこう(笑)

「お、今日は二人とも制服なんだな。」

Pのその言葉にあれっと言う表情をして亜美が答えた。

「だって兄ちゃん、学校帰りだから制服なのは当然っしょ?」

「それよりもジャージの方が良かったの?兄ちゃん。うっふっふ~♪」

亜美の言葉に繋ぐように真美もツッコミを始めた。さすが阿吽の呼吸。

「でも、今日は意外に早いな。何かあったのか?」

そのPの言葉に反応したように、二人ともどよーんとした表情を見せた。

「だあって~・・・亜美たち初めての中間試験だよ、もうすぐ。」

「定期テストって初めてだから試験勉強のやり方なんてわかんないよー。ぶー」

「それにさー、ママがこんな事言ったんだよ。『中間試験で全5教科70点以上取れなかったらお小遣い1割カットです』だってー」

「やってらんないよねー。おーぼーだー、おーぼー!ねー亜美ー」

「ねー真美ー」

双子なので交互に会話を繰り広げているのだが、流石にテンポがいいなと感心していたら近くにいたやよいもなぜかショックを浮かべていた。

「うううー・・・・もらえるお金が減ってしまうのは、お小遣いと言えど可哀想で悲しいですぅー・・・」

「「でっしょーでっしょー!さすがやよいっちわかってくれる!」」

あまりにも綺麗なハミングで双子がやよいの言葉に賛同した。

「・・・はあ、でも勉強の仕方がわかんないからどうしよう、真美」

「ほんと、どうしようか、亜美」

視線を下ろして考え込んだ二人に、Pが手をぽんと打って提案をした。

「そうだ、他の子達に教えてもらうというのは、どうだ?例えばそうだな・・・あずさとか、律子とか、雪歩とか、千早とか・・」

「「そっかー!その手があったか!さすが兄ちゃん頭いい!」」

おおおお!と二人とも目をキラキラと輝かせた。

そうやってわいわいと騒いでいると他のアイドルも続々と事務所に来て、仕事が入っている子以外の半数位のメンバーが事務所に集まった。

 

「・・・で、私たちは亜美真美の試験勉強を教えればいいんですね?」

最初に口火を切ったのは千早だった。

「あ、あのぉ・・・私、社会ならなんとか、出来ると、思います・・・」

思わぬ任命に戸惑いながら雪歩も賛同をした。

「なになになにー!?英会話ならこの伊織ちゃんにお任せしてよ。え?文法・・?別にそれでもいいけど?」

複数の外国語を喋れるらしい伊織が思わぬ伏兵として参加してきた。

「仕方ないですね・・・やるからにはびしばし教えますよ!?」

はいはい、と頷きながら律子も賛同をした。

「あ~の~・・・・私、一応短大の文学部卒業なので、国語だったらなんとか・・・大丈夫ですよぅ~、教えていた所を見失うなんてことは・・・ある、かもしれませんけれど~」

若干不安ではあるが一番学歴が長いあずさも賛同をし始めた。

そしてみんなでわいわいと亜美真美の試験勉強の協力をし始め、暫く時間がすぎた所、時計を見てPが叫び始めた。

「ああー!亜美、真美!これから雑誌の取材があるの忘れてた!一旦試験勉強は中止して、このままいけるか!?」

「それならそうと早く言ってよ兄ちゃんー」

「勉強道具はこのまま置いておけばいいんだよね?事務所に戻るんでしょ?」

「服装はこのままでいいの?亜美たち制服だよ?」

「ああ、大丈夫。今回の取材テーマは『雑誌モデルのガチ制服特集』だからこのままでOKだってさ」

「やったー!じゃ、このままレッツラゴー!」

そしてそのままばたばたと去っていく3人を見て、残されたメンバーは思わず噴出してしまった。

 

後日、無事に5教科70点以上取れた二人であった。どっとはらい。



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【誕生日祝い】秋月律子・『876とゲーム紹介』【第7回】

リッチャンと言えば、めがね。めがねっ子なゆえ他とは明らかに違います。
めがねでクールで知的で人当たりが良くて、実にいい子。
2になってプロデューサー業を中心とした活動になりましたが、条件によってはきちんと歌い踊るんで私の中では「プロデューサーアイドル」という設定にしてます。
(故に、竜宮小町は私の世界観では「律子も入れた『4人ユニット』」です。竜宮衣装の2曲、律子専用のデザインもありますしねw(竜宮意外の765メンバー9人は皆同じデザインです))
まあ、モバマスやグリマス、シャイフェスでは「プロデューサー」設定がなかったこと扱いになってるんでなんと言うかははは(ぇー)



「んー・・・やるべき所まではやったんだけど、目的までは達成出来なかったわね・・この私としたことが、何と言うか・・・ふう。」

悩みながら今回の仕事先に彼女は向かっていった。

 

彼女の名は秋月律子。

765プロのアイドルで、アイドルユニット「竜宮小町」のプロデューサーも兼任している『Pドル』である。

本来はPに専念する為一旦はアイドル稼業を休業していたのだが、竜宮のリーダーである伊織がある日こう提案したのである。

 

「ね、こないだアタシ事務所の衣裳部屋で竜宮の衣装が『4着』あったのを見たんだけど、あれってあたし達の他は誰のなの?もしかしてあれって律子の?だったらあれ着て律子も出なさいよ。と言うか竜宮は今日から律子も入れた4人って事にすればいいじゃない。え?オーデとかは3人でしか出れない?だったらイベントのときは4人でいいじゃない!ハイ決定。」

そんな事があって以来律子もアイドル業に復帰し、今日はネット番組の収録のために事務所から収録スタジオに移動していた。

 

「ん?律子どうした?手はずが整ってなかったのか?」

律子のつぶやきに同行していた765のPが反応した。

「あ、えーっと、今回ゲーム番組でしょ?その為に番組Pから『これ完全クリアして欲しい』って渡されたソフトがあるのよ。一応EDまでいったんだけど、まだ出してない武器とかあるらしくって、でも出せないまま今日になっちゃって・・・」

「あー、そういうことか。ま、大丈夫だろ。今回はゲストも協力してくれるらしいし。」

「そうなの?じゃ、その人に期待しますか。」

そしてスタジオに着いた時、見知った顔がいたので思わず声をかけた。

「あら?今回のゲストってあなたたちなの?」

「はーーーい!律子さん、おはようございまーーーーっす!」

「お久しぶり・・・?です?」

「あれ!?律子姉ちゃんだったの?」

そこにいたのは876プロの日高愛、水谷絵理、秋月涼であった。

元気な子が愛、大人しめな子が絵理、少女のような少年が涼。涼は今まで女性アイドルを演じていたのだが色々あって本来の男性の姿での仕事もたまにしている。

今回はどちらにも見えるようなラフな服装をしていた。

「ところで協力って・・・・ほんとにしてくれるの?」

律子の質問に絵理が答えた。

「その点は・・・私がフォローしてる?」

「そうなの!?実はあのゲーム、隠し武器が取れなかったんだけど、方法わかるかしら?」

「ああ・・・あれ?あれ、オンラインでしか取れないらしい・・・?律子さん、オフラインでやってた?」

「ええ!?そうだったの!?私初めてそれ知ったわ・・・ぬかったわー・・・まったくもうなんというか・・」

「でも、大丈夫。私データ持ってきたから・・・」

「ほんと!?ありがとう!おかげで番組が上手くいくと思うわ。」

「実はですねー、このデータの話実は律子さんへのプレゼントに渡そうと思ってたんですよー!ちなみにデータも最強にしてありまーす!」

「あ、愛ちゃん・・・それ言っちゃだめだよ・・・と言うか律子姉ちゃん、そんなデータ嬉しい?」

「流石にちょっと考えてしまったけど・・・とりあえずそのデータ見ておきたいわ。後で見せて。」

しばし談話をしながら収録がスタートして、データを見た時律子は驚愕した。

「これは・・・すごい完璧に仕上げてるわね。」

そしてある程度のデータと武器を提供してもらい、番組はつつがなく終了した。

その後4人で談話してる時に愛が不意に袋から何かを出した。

「律子さーん!これ誕生日プレゼントです!ママと一緒に選んだシャツですので貰って下さい!!」

「え?ええええ?愛ちゃんいいの?ありがとう・・・」

「律子姉ちゃん、僕からはこれ。データ用のROM50枚セット。実用的なのがいいかなと思って。」

「え?涼もなの?予想外だったわ。」

それぞれからのプレゼントを貰って律子は事務所に向かい、待ってたPからは涼と同じものを貰ったので思わず苦笑いをした。

「何で被るかな・・・あはは。」



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【誕生日祝い】三浦あずさ・『グラビア写真集撮影』【第8回】

765プロ所属のアイドルでは最年長、いや、一番のお姉さん。
そして一番のきょにう。通称「F91」はばるんばるんするでぇー。
(だが最近モバマスで「105K」という爆撃(及川雫嬢)があったりグリマスでもサイズ的なら風花さん(私じゃないよw)もいるんで・・・あれOTL)
だがやっぱりインパクトはありますね。
あと、外見とは全然違っておっとりした性格でそして「方向音痴」。
おっとりした性格も方向音痴も散々どこでもネタにされてますし、わかりやすい特徴なんでキャラ付けがはっきりしてる方だと思います。
方向音痴はアニマス8話でもネタになりましたし。
(だが中の人のチアキングは性格は反対だと思うの。さばさばしてると思うけどセクシー路線は同じかな?)


「三浦さん、撮影スタジオ入りまーす」

「はーい・・・今日はよろしくお願いいたしますぅー。」

 

都内にある撮影スタジオに彼女はいた。

彼女の名は三浦あずさ。765プロ所属のアイドルである。

「竜宮小町」というユニットでも活躍しているが、ソロではグラビアを中心に多方面でも活躍している。

今日は都内にある撮影スタジオで、彼女の3冊目になる写真集とそれの宣伝をかねた青年雑誌の表紙巻頭グラビアの撮影に来ていた。

今回の写真は半分が九州南部でのロケ、半分がスタジオでの撮影による構成となっていて、ロケ部分は終了していたので今回は残っていたスタジオでの撮影を行う事になっていた。

 

「あのー・・・プロデューサーさん?今日はどれ位かかる予定、なんですか?」

あずさが不意にPに質問した。いつもならば律子がPなのだが、律子は

『私は竜宮専門のPなので、ソロまで手が回らないと思います。私もアイドル復帰しちゃって色々と大変だから、ねえ、この仕事はあなたが手伝ってくれるかしら?』

とPにお願いしたので今回はPがついていく事になった。

「んー・・・こっちは詳しくわからないな。撮影の時間によると思うし、今回何枚撮るかわからないからね」

不意な質問がきたのでPは首を傾げて曖昧な返事を返した。

「そぉですかぁ~。とりあえず今日も頑張ってきますぅ。では、行ってきます」

す、っと立ち上がり、あずさは今回の撮影の為の衣装に着替える為に更衣室に向かっていった。

写真集の撮影だからか、かなり沢山の衣装に着替えての撮影が始まった。

お約束の水着に始まり、水色のキャミワンピ、私服っぽいラフな服装、ステージ衣装、くのいちのコスプレのような衣装などなど・・・

「じゃ、ちょっと動いてみようか、あずさちゃん」

撮影監督がちょっとした提案を投げかけてみた。

「ど、どういうことですかー?写真だけのはずでは・・・?」

「ああ、写真集にイメージとメイキング映像がDVDを付けて見ようと思ってね。他のアイドルの写真集でもそういうの最近増えてるから」

「ああー・・・そういうことなんですかぁ~じゃ、このポーズなんてどうでしょうか?」

と、ポーズをつけてみた。

だが、なんかやっぱりマンネリになってきたのでスタッフがPに提案をしてみた。

「うーん・・・キミ、何かいいネタないかね?」

「そうですね・・・何かと何かを組み合わせてみるとか・・あ、そうだ!制服の下にビキニを着てみるというのはどうでしょうか?」

「ああそれありだ!さすがは765のプロデューサーだね、じゃ、その案をあずさちゃんに伝えておくよ」

「あ・・・ありがとうございます。」

深々とPは頭を下げた。

「こういう着方って新しいですねー・・わかりましたぁ」

Pやスタッフの要求を受け、そういう着あわせで登場したあずさに、スタジオの中はちょっとしたどよめきが立った。

そして撮影の最後の最後にスタッフがケーキをどこからか出してきた。

「あずさちゃんの誕生日だからさ。これ実は隠してたんだよ」

「あ・・ありがとうございますー」

ケーキに乗ったろうそくの火を吹き消して、撮影が終了した。

 

撮影が終了したあと、あずさはPに向かって話しかけた。

「あの水着と制服の合わせ方、プロデューサーさんの提案なんてすって?」

「ああー・・・うん、実はそうなんだ。」

「あらあらプロデューサーさん、何を考えていたんでしょうね・・・?」

「え、あ、いや、っその・・・」

「話したくないのでしたら、それでいいと思いますー。今日はありがとうございました。」

「あ、家まで送るよ。迷うのがわかってるから」



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【誕生日祝い】菊地真・『特撮新番組記者会見』【第9話】

まこりんというか真君というか真ちゃんと言うか、ほんと彼女ほど他人によって呼ばれ方がこれほど違う子も珍しい。
見た目は男の子のようだけど
(これは彼女の父による教育だそうで。レーサーである父が欲しかったのは男の子だけど生まれてきたのは女の子。だから空手を覚えさせたり髪を伸ばさせなかったりスカートを制服以外はかせなかったり。一人称が『ボク』というのも父の教育かな)
ハートは765アイドルの中で一番乙女チックで少女漫画を愛読し、フリフリ服を着たいとせがみ、「2」ではほんの少しだけ髪を伸ばしたり、ぬいぐるみ収集をしてたりと可愛いギャップが満載で。

でも私としてはまこりんはやーっぱカッコいいイメージなんだよね。そんな訳でお祝い小説はこうなりますた。


「それじゃプロデューサー、お披露目会の舞台挨拶に行ってきます。」

「おう、頑張って来い、真。」

 

この話の時系列は1月ほど前にまず遡る。

ある日、菊池真は事務所でプロデューサーに呼ばれた。

「真、実は君に仕事のオファーが来たんだ。長くて1年間くらいのTVの仕事なんだが・・」

「え!?ええ!?一体どんな仕事なんですか!?長くて1年って・・・・それってボクにできるかな?」

「大丈夫だ。君にしかできない仕事だと思うよ?」

「それって・・・どんな仕事なんですか?」

「実は・・『仮面ファイター』って特撮番組のシリーズ知ってるか?あれの最新作のレギュラーなんだ。」

「ああ、あの休日の朝にやってるヒーロー物でしたっけ。・・・って、ええ!?ボクがそれのレギュラーに!?」

「うん、あれの最新作『仮面ファイターライル』がこの秋始まるんだが、真、君の役はその『ファイター』に変身する一人だってさ。どうする?この仕事引き受けるか?」

「それってすごい事なんですよね!やっりー!ボク、お引き受けいたします!でもどうして・・・ボクに、なんだろう。」

「そりゃ、監督さんとか番組プロデューサーが君に対する期待度と魅力を感じてのオファーだと思うよ?他のキャストはオーディションで決まったそうだけど、この役は君に対する完全指名オファーだったからね。」

「そうなんですか・・・ありがとうございます!ボク、頑張ります!」

そう言って真は深々と一礼した。

 

それから撮影所などで番組スタッフとのきちんとした打ち合わせが始まり、他のキャストや彼女のスーツアクターとの綿密な顔合わせも行い、撮影は順調に始まった。

 

そして8月29日、作品の1話完成お披露目会がとある会場で行われ、その舞台挨拶が始まるので冒頭のような会話があったのである。

 

司会のアナウンサーが軽妙に番組紹介をしてイベントはスタートした。

「では、次は仮面ファイターディーナ・峰原和希役の菊池真さんです、どうぞー!」

会場は割れんばかりの拍手が響き、その拍手の中でステージ脇から真が登場した。

「えー、本日は皆さんお集まりいただきありがとうございます、ディーナ・和希役の菊地真です。えっと、ボク自身こんな大きい役をもらったのは初めてですし、まだ・・・っその緊張してますがこれから頑張ります!よろしくお願いいたします!」

やや緊張した面持ちで、真が挨拶した後歓声が起こった。

その後他の役者の挨拶やトークなどで盛り上がり、司会が一言繋げた。

「では、場も盛り上がってきたことですし、この辺で第1話を上映いたしましょうかー」

その一言に会場中が盛り上がり、上映会が始まった。真たちキャストも客席の中に混じり一緒に見て、上映が終わった後舞台に戻り、そのタイミングで変身後のファイターたちも舞台に混じって撮影会と囲み取材が始まった。

そしてその最中、キャストの一部が舞台の袖にはけ、大きいケーキを持って舞台に再登場した。

「今日はサ、真ちゃんの誕生日だから皆で祝おうと思って。ほら真ちゃん舞台の真ん中に来てよ。」

大きいケーキと不意に呼ばれた事に真はビックリした。

「え!?あ、っはい・・・ありがとうございます!」

そして皆で真を祝ってお披露目会は終了した。



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【誕生日祝い】音無小鳥・『通販で彼女が買った物は?』【第10回】

小鳥さんはアイドルではありません。(アイドル『だった』過去はあるらしい・・・?)
ですがアイマス世界観では非常に重要な人。
事務所の事務員さんなので今は表舞台に立つことはありませんが(趣味で歌うことはあるらしい??(アニマス参照))
裏方としてほんといい意味でメンバーの潤滑油的存在になってます。
年齢はアイドル達よりも年上なので(20代後半)ある意味お姉さんでありお母さん的存在。
実際の仕事能率はまあ普通・・・なのかな?(と言うかリッチャンが能力的にスーパー事務員さん的な仕事もするからそう見えるのかも?)

趣味は妄想、そして『腐女子(貴腐人)』の気もある人。


「あれ?小鳥さん、偶然ですねこんな所で会うなんて」

「その声はプロデューサーさん!?どうしてここにいるんですか??」

 

彼女の名前は音無小鳥。芸能事務所「765プロ」に勤務している事務員である。

今の時間は午後8時を回っていて、彼女とそこの事務所に所属するアイドルのプロデューサは偶然、某所の駅前で遭遇した。

「あ、実はこの間借りてきたDVDをショップに返しに行った帰りでね。自分の家の近所の店では探していた作品がなくて、こないだこの辺の店まで行ったらあったから借りてきたんだ。小鳥さんはこの辺に住んでるの?」

「あ、はいそうなんですよー。偶然ですね。でしたら家によって行きます?ここから近いですし、少しくらいなら時間作りますよ?」

「それいいんですか??では・・・ちょっとだけですがありがたく。ところでその青い袋って・・・何?」

「え、あ、あああこれですか!?気にしないで下さいーあははは・・」

傍らに持っていた某アニメショップの袋を指摘されたので、小鳥は思わず苦笑いしてお茶を濁し、二人で彼女のマンションに向かった。

 

そして二人がマンションに着いたとき、不意に後ろから大きな車のライトの光が繰り出され、そこから降りてきた男が青いしるしがついた段ボール箱を掲げて小鳥に話しかけた。

「ああ、丁度良かった音無さん、頼んでいたいつものお店からの通販を届けに参りました。代引きで@@@@円ですのでお支払いお願いいたします。」

その段ボール箱には『SUNPU-YA(駿府屋)』の文字も印刷されていたが、プロデューサーの目にはどういう店なのかわからずにいた。

「あ、はーい。丁度良かった、ありがとうございます。お支払いいたしますね。」

カバンから財布を取り出して支払いを済ませると段ボール箱を両手に抱え、その上に袋を置き、カバンを肩にかけて彼女の一室に向かった。

「小鳥さん、そのダンボールというか・・・何買ったんですか??」

「ああ、えーっと・・・まあはい、趣味です。」

このまま部屋に入ったら気づかれるなと思っていたが、こうなったら話そうかなと思い意を決して箱をPに渡し、鍵を開けて入ってPから箱を受け取った。

「さて、っと・・・」

思い切りキラキラした目で箱を開け、中に入っているものを吟味し始めた。

「あー!やっとここのサークルさんの本手に入った!このジャンルまさかやってるなんて知らなくって急いでHPで調べたんでけど売り切れてて諦めてたのー!まさか買えると思ってなかった!あとはこれとこれとこれと・・ああもうほんとネットショップってほんと役立つわねー!」

そこに入っていたのはいわゆる『薄い本』、つまり同人誌であった。

「こ、小鳥、さん・・・?」

思わずちょっと引きながらPが話しかけたので思わず小鳥も説明し始めた。

「あ、えっと・・・実は私こういう趣味があって・・・でもこういう状況だから話したほうがよかったかしら?でも皆には秘密ですよ?あ、お茶出しますねー」

そう言ってばたばたと立ち上がってキッチンに向かいお茶を煎れ、Pに渡した瞬間、しばしの沈黙が流れた。

「小鳥さん・・・話しませんよ。でももう、もしかしたらばれてると・・・思います・・けどね。」

重い口をあけたPに向かって小鳥は苦笑いをして、暫くしてPは部屋を出て行った。



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【誕生日祝い】我那覇響・『沖縄のイベントに凱旋』【第11回】

アイマス(765)では数少ない「出身地がはっきりしている子」でして、彼女は苗字の通り沖縄県出身。
(もう一人はっきりわかっているのは雪歩(東京都足立区民だそうです)、春香は電車通路により神奈川の内陸部かなと噂されてます)
「はいさーい!」と挨拶し、(これは男性挨拶で女性は「はいたーい!」だそうですが、最近の若い人は気にしていないとか)
「なんくるないさー!(大丈夫!)」とおおらかポジティブに解釈する子。
こういう性格は南国特有なのかなと思います。
あと、動物が大好きで10種10匹以上の動物と暮らしている子。
特にハムスターのハム蔵は絶対信頼パートナーで、セントバーナードのいぬ美(南国出身なのに雪国スイス原産のセントバーナードとは面白いなあw)も仕事(動物番組)仲間として連れて行くほど。
動物が友達で人間の友達ががいないとか思われて逆に(一人)ぼっちとかネタにされてましたが、アイマス仲間に対する信頼はすごい強い子だと思います。
こういうところも南国魂ですね。
そして実は彼女は幼少の頃父を亡くしているので(事故か病死かはわかりません)そういう寂しがりやだけど強がりな所もあるのかな、と思い小説はこうなりました


「響、千早?君たちは2週間後に開催される『沖縄ちゅら島音楽祭』に出場が決まったよ。」

ある日、プロデューサーに呼ばれた我那覇響と如月千早は開口一番こう説明された。

「それって、何か聞いた事がありますが沖縄でもかなり大きい音楽祭だとか・・・」

「ええええええー!?プロデューサー!?あのちゅら島に自分たちが出場!?それってすごいすごいことさ!?」

いつものように冷静な受け答えをした千早に対して、イベント概要を知っている響は目を丸くした。

「我那覇さんはそちらの出身ですよね?どのようなイベントなのか詳しく教えてくれませんか?」

「そっか、千早は詳しく知らないんだっけ。そりゃあもう野外にある大きい会場を使って、沢山の歌手が出演して、大盛り上がりする音楽のお祭りさー。自分も何度か見に行ったことあるけれど、とても楽しかったさ。」

「そう、なんですか・・・それにしても地元民である我那覇さんはともかく、なぜ私も一緒に出場なのでしょうか、プロデューサー。本来ならばこういうイベントは真とか美希とか、盛り上がるタイプの方が合うと思ってたんですが、それにしても意外です。」

「ああ、それはね。響と一緒に歌ってほしい曲があって、っその曲に合うのはどうしても千早だな、と直感で思ってね。」

「一緒に歌ってほしい、曲、ですか・・・それはどのような曲でしょうか。」

「あ、それ自分も初耳だぞ!どんな曲か教えて欲しいぞプロデューサー!」

「そっか。じゃあ教えるけれどこの曲だよ。沖縄のミュージシャンの曲なんだけど、この曲は君たち二人が歌ったら良いな、と歌詞を見て思ってね。」

と、歌詞が書かれた紙とCDを二人にそれぞれ渡した。

「こ、これはkiroroさんの・・・なるほど、そういうことなんですね、わかりました。」

CDと歌詞カードを見てすぐに千早は察知し、響も「え?」と一瞬千早とPに視線を向け、すぐに歌詞カードを見て納得した。

そして二人は当日に向けて打ち合わせやレッスン、リハーサルを重ね、当日10月10日、イベントが始まった。

 

始めの方は若手によるパフォーマンスが繰り広げられ、途中で地元民謡などを挟み、彼女たちの出番が迫ってきた。

「じゃ、二人とも頑張って来い。」

ステージ脇で二人に肩をポン、と叩いてプロデューサーは励ますと、二人とも頷いてこう言った。

「ありがとうございます、プロデューサー。精一杯歌ってきます」

「自分、完璧だからこういうところはなんくるないさー!じゃ、行って来るさ!」

そう言って二人はステージに向かい、最初は二人のデュオでテンポのいいダンスナンバーを歌い踊り、その次に千早のソロ、響のソロを歌って最後にMCを始めた。

「このような大きな音楽祭に呼んで下さってありがとうございます。では、私たちの最後の曲になります。」

開口一番にMCを始めたのは千早だった。

「最後の曲は、自分の地元の沖縄の歌手を歌わせてもらうぞ。この曲をもらった時自分たちはビックリしたさ。でも、歌詞を見て『なるほど、プロデューサーの考えって面白い』って思ったさ。自分は最初千早と正反対だと思ってたけど、よくよく考えたら似たもの同士なんだな、って思ったさ。」

ざっくばらんに語る響の言葉に思わず千早も軽く微笑み、二人で声を合わせて曲を紹介した。

「「では、お聞きください。kiroroさんの曲で『生きてこそ』」」

それはもう息を呑むような完璧なカバーで、二人が歌った後盛大な拍手が会場内を響き渡った。

最後に出演者全員がステージに集まり、閉会の挨拶をしている途中、ステージ脇から大きなケーキが出てきた。

「今日は本日のゲストの響ちゃんのお誕生日だから、皆で祝おうじゃないか!」

その言葉にビックリした響だが、プロデューサーの計らいだなと察知し、ケーキについたろうそくの火を吹き消した瞬間、出演者の一人がこう叫んだ。

「さー、響ちゃんのお祝いと音楽祭の締めくくりとして、皆でカチャーシー踊るさー!」

「「「「おおおおおおおお!-」」」」

その言葉に会場中が賛同し、大盛り上がり大会となって会場中にいる人が音楽に合わせて踊り始めた。

千早はこういうのは初体験だったので戸惑っていると、響が手を差し伸べて千早にこう言った。

「なんくるないさ、自分に合わせて一緒に踊ればいいさ。さ、千早、行こう!」

「え、あ、ありが・・・とう・・・」

その言葉に千早は頷き、手を取って輪の中に加わった。

「ほらほら、プロデューサーも一緒に来るさ!」

「え、ええええー!?なんでこっちまで・・・」

響に思わず声をかけられたPもステージに引っ張り込まれる羽目となった・・・



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【誕生日祝い】星井美希・『生放送でナンパされたの、でもハニーが1番なの!』【第12回】

アイマス無印の家庭版での追加キャラで、当時14歳なのにナイスバディでど派手な金髪なのでそれはもうインパクトが強かった子。
ですがゲームのルートによってその金髪から茶髪のショートカットにがらりとチェンジするので、そっちのインパクトもすごかったです。
(実際茶髪美希を見て「誰だこの子は何だ可愛いぞ!」と思ったものですw)
PSP版の「SP」でなぜかライバル会社の961に移籍したりとかありましたが、「2」では961移籍とか茶髪設定とか全部消えてた・・・(苦笑)
そしてそんなど派手な外見なのに中身はすごく子供っぽく天然で、おにぎりと睡眠時間が何より大切な女の子。


「美希、今日の仕事は午前は生放送の情報バラエティ番組のゲスト、午後は雑誌のグラビア撮影だからよろしくな。」

「わかったのプロデューサー。それじゃよろしくお願いします、なの。」

そして二人でTV局に向かい、楽屋でスタンバイしてる間、1つ目のおにぎりを食べている間、スタッフに呼ばれた。

「星井さん、そろそろ出番なのでスタジオに入ってくださいー」

「あ、ふぁいなのー。じゃ、これ食べ終わったらいくの。」

そして食べ終わった後スタジオ入りして、司会に紹介されて着席した。

「本日のゲスト、星井美希ちゃんー」

「よろしくなのー!」

そして番組中は中継先のアナウンサーやスタジオ内のタレントやアナウンサーと軽妙なトークを

交わし、番組も無事に進んでいった。

が、CM中スタジオで美希の隣に座っていた芸人タレントが美希に不意に話しかけた。

「ねえねえ美希ちゃん、オレ昔からファンなんだよね。ね、付き合ってみる気、ない?」

その言葉に美希は即座に反応して、こう切り返した。

「え?ミキ、そういうのいやなの。だからごめんなさいなの。」

「チェ、何だよ可愛い顔してきっついなー」

「それでもいいの」

そういう一言を告げた後、CMがあけた後何もなかったように普通に参加し、番組は何もなかったように終了したあと、楽屋に戻った。

「ねえねえ、ミキ、本番中にナンパされたの。なーんかむかつくの」

「そんな奴がいたのか。断って正解だな、えらいぞ、ミキ。」

「ミキ、当然の行動しただけなの。ミキにはハニーだけなの!」

「それは言っちゃいけないぞ、美希」

「はーい、なの」

「じゃ、撮影スタジオに向かおう、美希」

そう言うとプロデューサーと美希は撮影スタジオに向かった。

スタジオに入ると来年2月号の雑誌用の撮影に入る為衣装合わせを始めた。

何種類もの服装に着替え、撮影を何度も繰り返し、インタビューも済ませて撮影は終了した。

そのうちの1つの衣装を美希はとても気に入ったので、プロデューサーはある提案を思いついた。

「あの、この衣装、買い取りたいんですけどいいですか?」

そうスタッフに告げるとスタッフも了解を得たので、無事に買取も済ませたあと、美希を不意に呼び寄せた。

「なあ美希、そういえばさっき着てたあの緑の服、とても気に入ってたよね」

「うん、あの服とても欲しいの!・・・で、それがどうしたの?」

「今日、美希の誕生日だろう?だからスタッフに頭を下げて、特別に買い取ってきたよ」

そう言って紙袋に入った袋を美希に手渡した。

「・・・・え、えええ!?いいの?ほんとにいいの!?ありがとうなの!」

それはもう満面の笑みを浮かべて美希はその紙袋を受け取ったあと、美希が何気なく質問をした。

「そういえば、買取のお金って事務所名義で領収書切ったの??」

「・・・自腹を切ったさ、もちろん」

「さっすがハニーなの!ハニー、大好きなの!!」

そう言ってプロデューサーに美希は思わず抱きついた。



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【誕生日祝い】萩原雪歩・『みんなでお祝い』【第13回・最終回】

ゆきぽっぽは、アイマスガールズの中でも大人しくて後ろ向きで自分に自信がないネガティブで、落ち込むと穴を掘りたくなる子。
なんと言うか私に似てるなって思いました。自分もネガで後ろ向きなのでw
でもゆきぽっぽは、潜在能力やポテンシャルも実はとても高く、美希とは違った意味で覚醒したらすごく輝やく子なんです。
「ひんそーでちんちくりん」と言ってますが実はとてもナイスバディなんでどこかの72から恨みの光線が・・・おっとこの辺でやめておこう(ぁ)
そして、彼女は唯一ゲーム中で「中の人が交代した」キャラです。前の落合(長谷)さんもいいんですが今の浅倉さんもいいですね。交代時に浅倉さんを見つけ、キャスティングさせたスタッフさんの力ってすごいなって思います。いい意味で違和感がないですから。

さて、誕生日小説、時期が時期なんでクリスマスに絡めた話になってシマウマ。


「あ、あの、プロデューサー・・・ほんとに今回は私がセンターでいいんですか・・・?いつものように春香ちゃんじゃなくていいんですか・・・?私なんてダメダメなのに・・・しかも生放送で・・って・・」

萩原雪歩は、今日の生放送の音楽番組での自分の歌の立ち位置に戸惑っていた。

今回は全員で出演するのだが、プロデューサーは今回、いつものように天海春香ではなく、雪歩をセンターにしたフォーメーションを皆に提案し、雪歩のほかは全員賛成した。が、当の雪歩は突然の事に戸惑っていた。

「何言ってるんだ。雪歩、今回は君が主役なんだよ。だから君をセンターに指定した。君なら出来る、頑張れ。」

「大丈夫、雪歩!私なんて実はいつでも心臓バクバクだよ。雪歩、自信持って!」

いつものセンター、春香はガッツポーズをして雪歩を励ますと、そのそばにいた真も声をかけた。

「そうそう、それに春香とボクがサイドで支えるから、何かあったらさりげなく視線を向けたらいいよ。それに今回は皆いるし。『一人で歌え』って言ってないし。一人で歌うのはもっと辛いんじゃないか?雪歩」

「ま、真ちゃん・・・た、確かに一人で歌うのはもっと出来ないですぅ・・・」

「でも、いつかは一人で歌わなければいけないときも来るわ。それに慣れるためならば今回のこのセンターを乗り越えてこそだと思いますね、私としては。」

ソロ活動も多い千早の辛辣な言葉に雪歩は一瞬びくっとした。

「ち、千早ちゃん・・・まあまあ。」

春香が思わず千早にフォローを入れた。

「そんな訳で今回は私も借り出されたってことなんですね。プロデューサー」

いつものスーツではなく、皆と同じステージ衣装に身を包んだ律子がプロデューサーに視線を向けた。

「でもまんざらじゃないんでしょ?律子。」

伊織がそれはもう的確なツッコミを入れると流石に律子も苦笑いをした。

 

何度かリハーサルを重ねて、本番寸前になりプロデューサーが皆に励ましの言葉をかけた。

「よし、本番だ、皆頑張って来い。そして雪歩、途中であっと驚く仕掛けがあるらしいから、それに惑わされず自分の力を出して頑張れ。今回の主役は雪歩だからな。」

「「「「はい!」」」

「え・・・あ、っはい。がんばります」

『特別な仕掛け』に関して他のメンバーは知ってるらしいが雪歩は聞かされてないので思わず目を丸くしたが、励まされて思わず笑みを浮かべた。

そして雪歩をセンターにしたフォーメーションで13人全員で歌い始め、ダンスアレンジされたクリスマスのスタンダードナンバーを何曲か踊りながら歌い、最後の曲になるところで思わず春香と真が声をかけ始めた。

「今日はクリスマスイブだけど、もう1つ大事な日でもあるんです。」

「今回のセンター、萩原雪歩の誕生日でもあるんです。」

「だから、会場の皆、そしてTVの向こうのみんなで祝いましょう!」

「「「ハッピーメリーバースデー!!」」」

その言葉に合わせて金銀の紙ふぶきが舞い、雪の結晶の飾りが辺りから降りてきた。

その瞬間、雪歩は泣きそうな笑顔を思わず浮かべ、思わず言葉を発した。

「あ、ありがとう・・・ございますぅ・・・」

そして他の出演者たちも出てきて、番組は大団円を迎えた。

 

番組終了後、他の12人+出演者と、プロデューサーから沢山のプレゼントを受け取った雪歩は、うれし涙を浮かべていた。




そういう訳で一気に出しました。読んで下さった方ありがとうございます。
感想をいただければ幸いです。

次回作以降は以前ブログ内で書いた短編をを転載したり、設定だけ上がっていたオリキャラものを書きたいなと思ってます。
また、アイマス以外のジャンルもやってみたいです。


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