アルスDQと愉快な俺ガイル勢たち! (アルスDQ)
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短編
お兄ちゃんに邪魔者はいらない…


どうもアルスDQです!
今回はサキサキの依頼終了後のお話です!ではではどうぞー!


これは大志君のお姉さんについて解決した後のことだ。私はふと思い出したことをお兄ちゃんに聞いてみた。

 

小町「あ!そういえば良かったね。ちゃんと会えて」

 

八幡「なんのことだよ?」

 

もう〜わかってるくせに〜

 

小町「だからお菓子の人。会ったなら言ってくれればいいのに。良かったね。骨折ったおかげで結衣さんみたいな可愛い人と知り合えて。」

 

しかしお兄ちゃんはそれを聞いて驚いてる。

 

八幡「由比ヶ浜が…お菓子の人…?」

 

え…、何言ってるの?…まさか、まさか!?

 

小町「え…、お兄ちゃん…し、知らなかったの…?」

 

八幡「あ、ああ…」

 

小町「お、お礼とか謝罪とかされてないの…?」

 

八幡「ああ…、されてない。依頼のお礼としてクッキー…いや、あれはクッキーじゃないな。小町も見ただろう?あの木炭みたいなやつだ。まあ、それしかもらってないが…」

 

う、嘘…。確か前お菓子持ってきたときに学校でお礼を言うっていってたのに…。1週間や1ヶ月ならまだしも1年あってまだお礼を言わないってどういうことなの!?

 

ペットを助けてもらっておいてお礼も言えないの!?お菓子さえ渡せばいいって思ってるの!?それとも何、お兄ちゃんならそれでいいやとでも思っての!?

 

…これは結衣さんと、いや由比ヶ浜さんとOHANASHIしないと。

 

お兄ちゃんは何やら考え込んでたが私も行動しないと…。

 

言葉次第じゃ絶対にユルサナインダカラ…

 

・・・・・・

 

次の日、由比ヶ浜さんと約束を取り付けファミレスで待っている。少し経つとやってきた。

 

結衣「やっはろー!小町ちゃん!ごめんね遅れて。」

 

小町「いやいや大丈夫ですよ!さあさあ座ってください!」

 

2人ともドリンクバーだけ頼む。そしてさっそく本題に移る。

 

結衣「で、話って何かな?」

 

小町「やだなー、結衣さんわかってるくせに〜。…ねえ、お菓子の人さん?」

 

そう私は言うと先ほどとは違いビクッとなる。ほら〜、わかってるじゃないですかー。

 

結衣「や、やっぱり覚えてたの…?」

 

小町「まあ最近まで忘れてたんですけどね〜。…で、聞きたいことがあるんですけどいいですか?」

 

結衣「そ、そうなんだ…。で、き、聞きたいことって何かな〜?」

 

なるほどなるほど、まだシラを切るつもりですかな?

 

小町「いやー、何簡単なことですよ〜。…学校でお兄ちゃんにお礼は言えましたか…?」

 

それを聞くと先程よりもビクビクしていた。

 

結衣「そ、それは…」

 

小町「あ、無理に言わなくてもいいですよ。」

 

結衣「え?」

 

小町「…だってお兄ちゃんからまだ飼い主さんからお礼言われてないって聞きましたからね。それにしても…」ギロッ

 

ビクッ!

 

小町「あれから1年が経つのに未だにお礼を言っていないってどういうことですかね?言葉次第じゃ小町キレマスヨ。」

 

まあ、すでにキレてるけどね♪

 

結衣「そ、それは…い、言う機会がなくて…」

 

小町「言う機会がない!?1年もあったのに言う機会がないっておかしいでしょ!?ふざけないでください!」

 

結衣「ひぃ!?」

 

つくづく小町の勘にさわることをいいますね。なんですかねこの人は。

 

小町「それにお礼を言うだけなのになんでそんなこともできないんですか!?それともあれですか?お兄ちゃんだからお礼なんか言わなくてもいいと思ってるんですか!?」

 

結衣「そ、そんなことないもん!」

 

小町「だったらなぜまだお礼を言ってないんですか!?…ちなみにお兄ちゃんをひいた車の人は乗っていた人と運転手、ご両親、みんなで謝りに来ましたよ。お兄ちゃんが入院中の時はもちろん、退院してからもわざわざうちまで来てね。…それなのに、それなのに。あなたはお見舞いにも来ずにただお菓子を持ってきただけ。お礼もろくに言えない…、本当になんなんですか!?」バァーン!

 

結衣「うぅ…」

 

小町「それに前々から思ってましたけどなんでお兄ちゃんのこと《ヒッキー》って呼んでるんですか!?お兄ちゃんのこと引きこもりだと思ってるんですか!?」

 

結衣「ち、違うよ!ただ比企谷だからヒッキーってだけで…」

 

小町「じゃあ私のこともヒッキーって呼べるんですか!?私も比企谷ですが。」

 

結衣「そ、それは…」

 

小町「やっぱり呼べないんじゃないですか…。はぁ…、もういいです。あなたには失望しました。お礼を言わずに1年も隠し、挙げ句の果てにはその助けてくれた人をすぐキモイキモイといい、変な蔑称をつける。そんな人とは思いませんでした…」

 

結衣「………」

 

小町「もう、お兄ちゃんに金輪際関わらないでください。…と、言ってもお兄ちゃんはあなたのことが嫌いだと思いますけどね。」

 

結衣「な、なんで…」

 

小町「同情で優しくされることが嫌いなんですよ。それにお兄ちゃんは優しい女の子は嫌いなんですよ?」

 

そういい、お金を出して私はファミレスを出た。

 

 

その後の職場見学の後、由比ヶ浜結衣は二度と奉仕部に来ることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 

 

 

雪乃「そういえば、最近由比ヶ浜さん来ないわね。」

 

八幡「そうだな。」

 

雪乃「ケンカでもしたの?」

 

八幡「いや、してない。だいたいケンカなんてそれなりに近しい連中がすることだろう?俺と由比ヶ浜は近しい連中じゃない。ただの顔の知ってるやつだ。」

 

雪乃「そうよね…。あなたならそういうと思ってたわ。来ないなら来ないでいいわ。これであなたとまた2人きりだもの。」

 

八幡「俺もお前と2人きりの方が嬉しいからな。」

 

雪乃「そう、私もよ///そういえば、今日うちに来ない八幡?夕飯を一緒にとでも思ったのだけれど…」

 

八幡「お、いいぞ雪乃。雪乃の料理は旨いからな。いつでも大歓迎だ。」

 

雪乃「クスッ、なら今日はこれで終わりましょう。食材の買い出しもしないとね。荷物持ちお願いしてもいいかしら?」

 

八幡「おう、任せろ!」

 

そうして俺たちは部室を出てスーパーへと向かった。

 

 

 

 



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お兄ちゃんに邪魔者はいらない… Part2

どうもアルスDQです!今回は修学旅行のすぐ後です!あ、前回の「お兄ちゃんに邪魔者はいらない…」とは繋がっていませんのでよろしくです!
ではどうぞー!

誤字脱字があったら報告よろしくです!

あ、雪乃は八幡に対して、何も言っていないという認識でよろしくです!


『ずっと前から好きでした。俺と付き合って下さい。』

 

ヒッキーが姫菜に告白した。

 

それは修学旅行のときだった。戸部っちが告白するときにヒッキーが割り込んで姫菜に告白した。あたしはわけがわからなかった。

 

 

なんで?なんでよ!?

 

なんで姫菜なんかに告白なんてしたの!?

 

振られることなんて分かってるのに!

 

ヒッキーが傷つくところ見たくないのに!

 

どうしてあたしの気持ちを考えてくれないの!?

 

あたしはヒッキーのこと好きなのに!!

 

 

だからあたしはヒッキーにこう言ってやった。

 

 

『人の気持ち考えてよ!』と

 

 

ヒッキーはあたしのことなんて何にも考えてないんだ!あたしなんてどうでもいいんだ!人がせっかく心配してあげてるのに!

 

そう思うとヒッキーに対して怒りが溢れてきた。どうしようかな…。

 

あ、そうだ!小町ちゃんなら分かってくれるはず!そうすれば小町ちゃんからヒッキーに何かやってくれるはずだ!

 

そう思ったあたしは小町ちゃんに電話を掛け、ファミレスで集まることになった。

 

ふふ、人の気持ち考えないからこんなことになるんだよ?ヒッキー!

 

こうして眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、あたしはこのとき見落としていた。

 

小町ちゃんがヒッキーの妹だということ。

 

小町ちゃんがヒッキーのことを大切だと思っていること。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…、小町ちゃんはヒッキーを裏切ることなんて絶対にないことを。

 

・・・・・・・・・・

 

結衣「やっはろー!小町ちゃん!」

 

小町「あ、やっはろーです!結衣さん!」

 

あたしは小町ちゃんと約束していたファミレスに来ていた。ドリンクバーだけ頼むとさっそく話に入る。

 

小町「で、今日はどうしたんですか?」

 

結衣「うん…、実はね…」

 

それからあたしは戸部っちの依頼からヒッキーの告白のことまでを知ってる限りのことを話した。小町ちゃんなら分かってくれるはず!

 

小町「そうでしたか…」

 

結衣「ね!小町ちゃんもヒッキーのこと最低だと思うよね!」

 

小町「たしかに最低ですね。」

 

やっぱり小町ちゃんなら分かってくれると思った!だよね!ヒッキーが最低だよね!これから小町ちゃんがヒッキーに何かしてくれるはず!

 

そう呑気に思っていたあたしだったが、小町ちゃんの次の言葉でその考えはなくなる。

 

小町「お兄ちゃんではなく、結衣さん。いや、由比ヶ浜結衣さんあなたが。」

 

結衣「へ?」

 

え?あ、あたしが最低!?え、そんなことない!最低なのはヒッキーだよ!人の気持ち考えてないんだよ!

 

結衣「な、なんであたしが最低なの!?」

 

小町「はぁ…、そんなことも気づかないんですか。では、最初から順番にいきましょう。」

 

むぅ!なんか馬鹿にされてるかんじ!

 

小町「まず、その戸部さん?から奉仕部に依頼があったんですよね?」

 

結衣「うん。」

 

小町「それで由比ヶ浜さんがそれを受けたと。」

 

結衣「そうだよ?」

 

だって人の恋愛って応援したくなるもん!

 

小町「まず、そこからダメなんですよ。」

 

結衣「え?な、なんで!」

 

小町「その戸部さんは振られないようにして欲しいって言ったんですよね?そんなの無理に決まってるのになんで受けたんですか?」

 

結衣「む、無理じゃないもん!」

 

小町「へぇ…、だったら平塚先生の結婚もなんとかできるんですね?」

 

結衣「え…」

 

小町「付き合うか結婚の違いですけど意味合いは同じですよね。戸部さんの依頼ができるなら平塚先生もなんとかできるってことですね!さすが由比ヶ浜さんですね!」

 

平塚先生をなんとかって、そんなこと…

 

結衣「できないよ…」

 

小町「できないですか…、平塚先生のことをなんとかできないくせに依頼を受けたんですね。お兄ちゃんや雪乃さんの意見を聞かずに勝手に。」

 

結衣「それは…」

 

小町「そもそも恋愛ごとに関わっていいことなんてあるはずないに決まってます。お兄ちゃんも雪乃さんもその過去があるから受けなかったのに。それなのに!それなのに!あなたが勝手に受けたんです!」バンッ!

 

結衣「……」ビクッ

 

小町「それで?依頼を受けた後、由比ヶ浜さんは何かしたんですか?」

 

依頼を受けた後、空回りするばかりで何も…

 

結衣「してない…」

 

小町「受けた人が何もしてなかったんですか〜。受けてもないお兄ちゃんと雪乃さんはしていたのにも関わらずにね〜。」

 

っ!さっきからネチネチと…

 

結衣「べ、別に今はそんなこと関係ないじゃん!あたしはヒッキーが姫菜に告白したことについて怒ってるんだよ!」

 

そう、あたしはヒッキーが告白したことについて怒ってる!なんで姫菜なんかに!!

 

小町「ああ、そうですか…。でも…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小町「なんでお兄ちゃんが告白するのが悪いんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結衣「え?」

 

何を言ってるの?

 

小町「お兄ちゃんが誰に告白しようと由比ヶ浜さんに関係ないですよね?」

 

結衣「だ、だってあたしはヒッキーのことが好きなんだよ!?関係あるに決まってるじゃん!!」

 

小町「あ、そうなんですか。」

 

小町「じゃあ、由比ヶ浜さんはお兄ちゃんに好きって言ったんですか?」

 

そ、それは…

 

結衣「言ってない…」

 

小町「たしかに由比ヶ浜さんがお兄ちゃんのこと好きなのは側から見てても分かりますが、お兄ちゃんは分かりません。過去のトラウマのせいでね。」

 

結衣「……」

 

小町「なのに人の気持ち考えてよ!でしたっけ?自分勝手もいい加減にしやがれ!お兄ちゃんの気持ちも考えろよ!」

 

…………

 

小町「それにお兄ちゃんは意味無いことなんてやりません。目立つことなら尚更ね。」

 

結衣「で、でも!」

 

小町「例えば、その戸部さんが告白する相手の海老名さんにこう頼まれたとかね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

『戸部から告白されないようにして欲しい』

 

 

 

 

 

 

 

 

え…

 

小町「これなら全てがうまく繫がるんですよ。お兄ちゃんが告白することにより、戸部さんは振られないし、海老名さんは戸部さんから告白されることはない。元々相反する依頼を解決はできませんが解消はできます。」

 

結衣「そ、そんなこと!」

 

小町「あ、そうそう。戸部さんの依頼の後に海老名さんが来たんでしたっけ?その時に、依頼もしくは意味深なことを言ってませんでしたか?」

 

たしか、姫菜はそのとき…

 

はっ!もしかしてあれが…

 

小町「思い当たる節があったんですね。それが依頼ということになるなら辻褄があうと思うんですけど。」

 

まさか最近姫菜があたしを冷めた目で見ているのはそのせい!?

 

小町「つまり、由比ヶ浜さんは海老名さんのことを考えずに依頼を受けた。同じグループなのに気づかないはずもないのに。そんなことも気づかないで、何をお兄ちゃんに言ったんですか!?その前にお前が人の気持ち考えろ!お兄ちゃんがやらなければあなたのグループはあなたのせいで崩壊したんですよ!」

 

結衣「っ!」

 

小町「あなたには失望しました。あなたみたいな人にお兄ちゃんは任せられません。不愉快です。帰ってください。」

 

結衣「うぅ…」

 

小町「帰って!」

 

そうしてあたしはファミレスから走っていった。

 

さらに次の日、姫菜に聞いてみたところ…

 

姫菜「そうだよ。なのに、結衣はあたしのことなんて考えてくれなかった。ヒキタニ君に人の気持ち考えてって言ったらしいけど、結衣こそ私の気持ち考えてよ!」

 

っと言われた。

 

その後、後輩のいろはちゃんの依頼があり、生徒会長にゆきのん、庶務にヒッキーがなり依頼は解決した。その代わり、奉仕部はあたしだけになり、廃部となった。

 

この後あたしは二度とヒッキーとゆきのんと話すことはなく、高校生活が終わった。

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

八幡「よし!終わった…。」

 

雪乃「お疲れ様八幡、紅茶入れたわよ。」

 

八幡「悪いな雪乃。それにしてもあと少しでクリスマスかぁ…。早いな。」

 

雪乃「あ、その日なのだけど父さんと母さんが呼んでたわ。何でも八幡と話したいって。」

 

八幡「マジかよ…、あの人たち俺のこと好きすぎだろ…。」

 

雪乃「ふふ、それはそうよ。あなたのおかげで私たち家族、雪ノ下家は変わったのだから。」

 

八幡「……」プイッ

 

雪乃「照れてる?」

 

八幡「照れてない。」

 

雪乃「……….」

 

八幡「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪乃「愛してるわ八幡。」

 

八幡「俺も愛してるぞ、雪乃。」

 

 

 

 

 

 



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お兄ちゃんに邪魔者はいらない… Part3

どうもアルスDQです。今回は生徒会朝選挙のお話です。ちなみに「お兄ちゃんに邪魔者はいらない…」のPart1とPart2とは繋がっていませんのでご注意を。ではどうぞ。

更新用のTwitterもよろしくです。
http://twitter.com/DQarusu3


『生徒会長に当選しないようにして欲しい』

 

 

生徒会長の城廻めぐり先輩と、あたしの後輩の一色いろはちゃんがそう依頼してきた。

 

なんでも、いろはちゃん本人が自ら立候補したわけでなく勝手にさせられていたとのことだ。

 

ヒッキーは自己犠牲みたいな方法を提案して来たし、ゆきのんは自分が生徒会長に立候補するって言ってるし…!

 

あたしは2人が何を考えてるか全然わからない!

 

だからあたしは、2人にこう言ったのだ。

 

 

『ヒッキーはなんでわからないの!?その方法はやめてって言ったのにまだわからないの!?』

 

『ゆきのんが生徒会長になったら奉仕部はどうなるの!?ちゃんと考えてるの!?』

 

 

どうしてこんなことになるのかわからない!

 

あたしには理解できない!

 

あたしが何を言っても2人は聞かない…

 

どうすれば…

 

 

あ、そうだ!

 

小町ちゃんならなんとか2人と話をつけてくれるはず!

 

うんうん、そうだ!お願いしてみよう!

 

そう思ったあたしはさっそく、小町ちゃんに電話をかけ、後日ファミレスで集まることになった。

 

これで安心だ…!

 

こうして眠りについた。

 

しかし、あたしはこの選択を生涯後悔することになる…

 

なぜなら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小町ちゃんはヒッキーの妹とだということ…

 

小町ちゃんはゆきのんと友達だということ…

 

小町ちゃんは2人とも大切だということ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、小町ちゃんが誰を信頼しているか、誰を信頼していないか知らなかったことを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結衣「やっはろー!小町ちゃん!」

 

小町「あ、やっはろーです!結衣さん!」

 

あたしは小町ちゃんと約束していたファミレスに来ていた。ドリンクバーだけ頼むとさっそく話に入る。

 

あれ、前にもこんなことがあったような…

 

気のせいかな?

 

うん、きっとそうだ。

 

小町「で、今日はどうしたんですか?」

 

結衣「うん…、実はね…」

 

それからあたしは、いろはちゃん依頼やヒッキーやゆきのんの行動のことを小町ちゃんに話した。

 

小町「ふむふむ…、なるほど…」

 

結衣「ね!お願い!なんとか小町ちゃんから2人に言ったなんとかして欲しいの!」

 

小町ちゃんは少し考えてこちらを向いた。

 

小町「もちろん…」

 

よかった…これで、と思っていたが予想外の言葉が小町ちゃんの口から聞こえた。

 

小町「お断りします♪」

 

結衣「え…、なんて言ったの?小町ちゃん?」

 

小町「ですからお断りですって言ったんですよ?由比ヶ浜結衣さん」

 

結衣「ど、どうして?」

 

なんで?なんで?なんで!?

 

小町ちゃんならどうにかしてくれると思ったのに!?

 

あたしは理由を聞いてみる。

 

小町「なぜって、それは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたがこんなことをお願いしてきたからですよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結衣「は…」

 

ど、どういうこと?意味がわからない!

 

小町「はぁ…やっぱり理解できてないですね。では、また最初から順番にいきましょう」

 

なんか馬鹿にされてるし!

 

もう!なんかいらいらしちゃうな…

 

小町「まず、その生徒会長さんと立候補されちゃった人が依頼に来たと」

 

結衣「うん」

 

小町「それを奉仕部で受けたと」

 

結衣「そうだね」

 

小町「それでお兄ちゃんと雪乃さんは、それぞれ別の方法で解決もしくは解消しようと行動している…」

 

結衣「そうそう!」

 

小町「で?」

 

結衣?」

 

小町「はぁ…、それで由比ヶ浜さんは何をしているですか?」

 

結衣「え、だから小町ちゃんに…」

 

小町「違います、あなたはこの依頼に対して何か行動しているんですか?」

 

結衣「それは…」

 

小町「お兄ちゃんと雪乃さんのやり方が嫌だ。なら、あなたは他のやり方を考えたんですか?と聞いてるんです!!」バンッ!

 

結衣「ひっ!?か、考えてないです…」

 

小町「だと思いました…、つまりあなたは何も考えずに小町にお兄ちゃんと雪乃さんをどうにかして欲しい…としか考えてなかったということですね」

 

結衣「……」

 

あたしは何も言い返せなかった…

 

小町「由比ヶ浜結衣さん、それをなんていうか知っていますか?」

 

結衣「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それ、他力本願って言うんですよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結衣「他力本願…?」

 

小町「簡単に言うと他人任せと言うことです」

 

結衣「そんなこと…!」

 

小町「ありますね?」

 

結衣「うん…」

 

また何も言い返せない…

 

小町「そんな人のお願い小町が聞くと思いますか?」

 

そ、それは…

 

そんなあたしにさらに小町ちゃんはこう言った。

 

小町「それにしても、あなたは奉仕部にいて何をしていたんですか?」

 

結衣「え、それは…、依頼を…」

 

小町「依頼…、ちなみに由比ヶ浜さん。あなたは依頼の解決、手助けとなったことは…その顔だとなさそうですね」

 

小町「チェーンメール、千葉村、文化祭、修学旅行…あなたは何かしましたか?してないですよね?」

 

小町「さらに言うと、入学式の事故…お兄ちゃんに謝罪は?…してないか、車の運転手と乗車していた人と親御さんは来たのに…」

 

小町ちゃんはまるであたしの頭の中を覗いたみたいに事実を言ってくる。

 

小町「改めて聞きます…」

 

やめて…

 

これ以上何も言わないで…

 

お願いだからもう言ってこないで!

 

そんなあたしの願いも虚しく小町ちゃんはこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたは奉仕部に入ってから一体何をしていたんですか…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あたしはもう耐えきれなくなり、逃げるようにファミレスから走り去った。

 

その後、いろはちゃんが生徒会長になり、ゆきのんが副会長、ヒッキーが庶務になり依頼は解消した。

 

あたしも生徒会役員になろうとしたが、成績が足りなくて無理だった。

 

その後、ゆきのんとヒッキーは生徒会が忙しくなり奉仕部に来る頻度が下がっていった。

 

奉仕部には依頼者も来ていたが、あたしに解決なんてできるはずもなく、事実上廃部扱いになり誰も来なくなった。

 

その後、あたしはゆきのんとヒッキーと会話を交わすことなく高校を卒業し、生涯独身で過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「せーんぱい!これお願いします!」

 

「おう…、そういえば『いろは』、あれから大丈夫か?」

 

「はい!先輩のおかげで大丈夫でした。あのときにわかったんです…私は『偽物』じゃない、『本物』が欲しくなったんです…。『雪乃先輩』と『八幡先輩』のような関係が…」

 

「中学3年生までの私は肩書やスペックばかり気にして…、でも気づくことができました。あなたのおかげで…本当にありがとうございました…」

 

「そうか…。それにしても、いろはが『雪乃』の『従姉妹』だと初めて知ったときは驚いたぞ…」

 

「ええ、私も『いろはさん』と『八幡』が知り合いだとは驚いたわ、いろはさんを助けてくれてありがとう…」

 

「いや、そんなことは…」

 

「そんなことありますって!…はっ!もしかして、今の行動って口説こうとしてましたか、もう結婚して欲しいぐらい好きですが、まずはうちの両親に挨拶をお願いします!あ、その前に私も先輩の家で挨拶してからですね!それから先輩のお母さんに家庭の味を教わってから、それから…それから…まだまだたくさんありますが、とにかく今はまだ無理です!ごめんなさい!」

 

「お、おう…?また振られたのか俺は…?」

 

「八幡、八幡…。よく聞いて、もう告白通り越して将来のこといってるわ…」

 

「お、もちろん先輩が雪乃先輩と結婚するなら愛人でも構いません!」

 

「おい、それ俺刺される…」

 

「そうね…そのことはおいおい考えましょうか、ね、いろはさん?」

 

「はい!…そういえば奉仕部って大丈夫ですか?『由比ヶ浜先輩』だけで大丈夫ですか?」

 

「「ダメだ(かしら)」」

 

「ああ、やっぱりですか。あの人、人に流されてばっかりでしたしね。私の依頼のときも何もしてくれなかったし…」

 

「先輩たちはお互いに『協力』してどっち転んでも大丈夫なようにしてくれてありがとうございました!」

 

ガタッ!

 

「あ、書記ちゃんたちどこに行くの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ブラックコーヒー買ってきます…」」

 

 

 

 

 

 

 

 



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久しぶりに早く仕事が終わった!

どうもアルスDQです!今回は短編で比企谷母登場です!ではではどうぞー!


----八幡side----

 

雪乃「比企谷君!」

 

結衣「ヒッキー!」

 

いろは「先輩!」

 

小町「ゴミいちゃん!」

 

俺、比企谷八幡は只今正座真っ最中です。何があったかというとエロ本が見つかりました。

 

まあ、悪いとは思うよ?

 

けどさ、朝起きたらまず雪ノ下・由比ヶ浜・一色がなぜかうちにいて、さらに俺の部屋にいるってどういうことなの?誰の許可があって入ってきたの?

 

小町の仕業だろうけどさ。

 

で、勝手にパソコンの中身や本棚漁るってどうなのよ?その上寝ていた俺を叩き起こしてそのまま朝飯も食わせずにずっと正座で説教されてる。さすがにおかしい。

 

が、そんな俺の意見など聞いてもらえずに今に至るわけだ。

 

雪乃「聞いてるのゴミ谷君?」

 

結衣「そうだよヒッキー!」

 

いろは「先輩聞いてますか?」

 

小町「ゴミいちゃんちゃんと聞いて!」

 

いや、朝起きたばかりで頭働いてないから無理なんですけど。

 

そんなときに…

 

ガチャ

 

比企谷母「ただいま〜」

 

八幡「お、お袋〜!」

 

なんとお袋が帰って来た。

 

比企谷母「…これどういう状況?」

 

 

・・・・・・・

 

 

----比企谷母side----

 

ふんふんふ〜ん♪

 

今日は仕事が早く…でもないけど久々に午前中に帰れる。家に帰れるって素晴らしい!

 

あ、コンビニで何か飲み物でも買ってこうかな?そうして近くにあったコンビニに入ってみて飲み物を買う。ついでに八幡と小町のやつも買っていこうかな。

 

すると…

 

比企谷母「MAXコーヒープレミアム?」

 

期間限定らしいが、これは八幡なら喜んでくれるはず!小町にはいつもと同じようなものにしてコンビニから出て家に向かった。

 

で、家に着いたのはいいが玄関に入ると靴が多い…。それも女物の。

 

まあ、小町の友達かな?

 

そう思いつつリビングの扉を開けると…

 

比企谷母「ただいま〜」

 

八幡「お、お袋〜!」

 

そこには正座している八幡に説教している小町と女の子が3人。しかも八幡はパジャマだし。

 

うん、意味が分かんない!

 

比企谷母「…これどういう状況?」

 

 

・・・・・・・

 

 

----雪乃side----

 

私たちが比企谷君に説教している最中に比企谷君のお義母様が帰って来た。これは小町さんも知らなかったようで驚いている。

 

比企谷母「…これどういう状況?」

 

小町「え、えっとこれは…」

 

比企谷母「まあ、いいや。あ、八幡これ。」

 

八幡「ん?これは!?MAXコーヒープレミアム!?どこで売ってたんだ!?」

 

比企谷母「んー、なんかコンビニで期間限定で売ってたから買ってきた。」

 

八幡「マジか!?サンキューお袋!マジ愛してるぜ!」

 

比企谷母「はいはい、私も愛してるよ。とりあえずパジャマ着替えてきな。それでしばらく部屋でじっとしててくれる?」

 

八幡「OK!任せろ!」ダダダダダッ

 

小町「ちょ、待って!今、お兄ちゃんと大事な話が…、というか小町には何かないの?」

 

比企谷母「あるけど、小町にはあとでね。で?何だって?」

 

小町「お兄ちゃんに話が…!」

 

比企谷母「ん?」

 

小町「話が…」

 

比企谷母「ん?」

 

小町「話…」

 

比企谷母「ん?」

 

小町「…なんでもないです。」

 

小町さんが折れた!?

 

比企谷母「で、八幡もいないことだし今の状況を教えてくれる?あ、小町は正座ね?」

 

3人「あ、はい…」

 

有無を言わせない言葉に私たちは返事をする。それにこのプレッシャー姉さん以上かもしれないわ…。

 

小町「え!?なんで小町だけ正座なの?」

 

比企谷母「小町、正座」

 

小町「え、いや…」

 

比企谷母「正座」

 

小町「え、その…」

 

比企谷母「正座」

 

小町「…はい。」

 

3人(((こ、怖い…、何この空気…)))

 

比企谷母「で、小町話してくれる?」

 

小町「…はい。」

 

そうして小町さんが話し始める。それにしても小町さんが冷や汗ダラダラ流しているなんてすごい状況だわ。

 

比企谷母「…なるほどね。」

 

小町さんから聞き終わると少し考えてからお義母様が言った。

 

比企谷母「…まあ、たしかに八幡がそれ持ってたのはダメといえばダメだけどね。」

 

そうよね!あ、あんな破廉恥なもの持ってるのはよくないわよね!

 

小町「そ、そうだよね!」

 

けれども…

 

比企谷母「けど、そもそも何で八幡の部屋に入ったの?それも寝ているのに。」

 

小町「そ、それは…」

 

比企谷母「しかも寝ている八幡がいる中でパソコン勝手に見たり、本棚とか漁ったりしているけどそれはいいの?私でさえ勝手に触んないけど。」

 

4人「うぅ…」

 

比企谷母「で?発見した後、八幡を叩き起こしてパジャマから着替えさせないで説教?それも朝ご飯すら食べさせずに?流石に理不尽過ぎない?八幡だって叩き起こされた挙句、いきなり説教されるとか普通思わないわよ。」

 

4人「………」

 

比企谷母「それでどうしてあなたたち3人は勝手に八幡の部屋に入ったのかしら?小町は妹だからまだいいけど。」

 

いろは「それは…」

 

結衣「小町ちゃんが…」

 

雪乃「入ってもいいですよと誘って来たので…」

 

小町「ちょ!?み、皆さん!?」

 

比企谷母「小町」

 

小町「は、はい!」

 

比企谷母「お小遣い今月、500円減額。」

 

小町「そ、そんな!?買いたい物あったのに。それ買うのにあと500円…」

 

こういう意地悪いのは比企谷君に似ているわね。流石、比企谷君のお義母様。

 

比企谷母「そもそも本人が寝てるのに勝手に入れちゃダメでしょ。それに勝手に人の物見て。何だったら今度八幡に小町の部屋にある、何千枚もの《お兄ちゃんコレクション》見せる?」

 

小町「や、やめて///!そ、それだけはダメ〜///」

 

3人(((うゎ…、ブラコンだ。)))

 

流石にドン引きしたわ。比企谷君もシスコンだけれども小町さんもブラコンなのが改めてわかったわ。ドン引きしたけれど…

 

比企谷母「そもそも最近何かとお義姉ちゃん候補?とか言ってその3人とかに入れ知恵してるみたいだけどあんたお姑さんじゃないでしょ?それは本来なら私になるよね?小町は今後余計なことはしない、わかった?」

 

小町「…はい。」

 

比企谷母「それで…」ジロッ

 

と、思っていたらこちらに目線を変えた。

 

比企谷母「あなたたちは…」

 

いろは「え、えっと…」

 

比企谷母「えー、ちょっと待ってね…」

 

そう言うと鞄の中から紙の資料みたいなものを取り出した。

 

小町「お、お母さんそれは?」

 

小町さんも気になったのか聞いてみた。正座のままで…

 

比企谷母「ん?これ?ああ、八幡の周辺にいる人の情報というか資料?」

 

4人「へ!?」

 

比企谷母「中学のあれ以来八幡の周辺にいる人は一通り調べないと危ないと思ってね。調べちゃった♪」

 

3人(((や、やばい!この人色々やばい!)))

 

比企谷母「で、えっと。それで雪ノ下雪乃さんに由比ヶ浜結衣さん、一色いろはさんね。」

 

比企谷母「まずは雪ノ下雪乃さんね。雪ノ下建設の御令嬢で次女、家族構成は父・母・姉。一人暮らし、家族仲は悪く、特に母親と悪いね。成績はよく、学年1位で幼馴染に葉山隼人君がいるが、小学校のある出来事以来嫌っていると。」

 

雪乃「は、はい。」

 

比企谷母「次に由比ヶ浜結衣さんね。家族構成は父・母との3人暮らし。普通のご家庭ね。八幡とは同じクラスで料理が壊滅的に下手。成績は下から数えた方が早いが、雪乃さんに教わってからは少し上昇中と。」

 

結衣「は、はい!」

 

比企谷母「最後に一色いろはさんね。家族構成は由比ヶ浜結衣さんと同じね。八幡の後輩で高校1年生で生徒会長を務めている。自分の計算した可愛さで男子達を虜にしたが、逆に女子から嫉妬を買う。そのせいで生徒会長に勝手に推薦されそこで奉仕部に相談して色々あり、自らの意思で生徒会長になると。」

 

いろは「は、はい!」

 

比企谷母「まあ、ぶっちゃけ私としては八幡が恋人作ろうと、結婚しようとどっちでもいいわけよ。八幡が幸せならね…。」

 

いろは「そ、そうなんですか?」

 

比企谷母「ええ、その代わり八幡が幸せじゃないならその相手を必ず潰すけどね♪中学の時のように・・・」

 

結衣「中学のとき?な、何かあったんですか?」

 

比企谷母「まあ、あれ?私何やったっけ?」

 

小町「お母さん覚えてないの?相手のうちまでいってその家族に道端で土下座させてたじゃん…」

 

え!?だ、だからクリスマス会のとき折本さんは比企谷君の顔をみた途端震えだしたのね。この人うちの母さんより怖いかもしれないわ…

 

比企谷母「そうだっけ?まあいいか。だから3人とも八幡と付き合ってもいいけど八幡を不幸にしたら…わかるわね?」

 

3人「は、はい!」

 

 

 

その次の日、雪乃・結衣・いろはは八幡に対していつもより優しく接したのだが、熱があるのか?と言われかなり心配された。

 

3人はいつも自分がどう思われていたのか知ってかなり落ち込んだとさ。

 

 

 

 

 

・・・・・・・

 

 

 

 

比企谷母「まあ、付き合ってはいいとは言ったけど結婚してはいいとは言ってないんだけどね♪八幡は渡さないよ♪」

 

 

 

 

 

 

 



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お兄ちゃんの日記…?

どうもアルスDQです!今回は修学旅行からの短編です!これは比企谷八幡が書いた日記の内容…。ではどうぞー!

たぶん駄文です、はい。


どうも比企谷小町です♪

 

私には比企谷八幡というごみいちゃんがいますが、絶賛喧嘩中でもうかれこれ数ヶ月が経ちました。

 

きっかけは修学旅行が終わりごみいちゃんが帰ってきた次の日の朝。ごみいちゃんの様子がおかしかったのでどうせ修学旅行で何かしたんだろうと思い聞いてみることにしました。

 

しかし、返ってきた返事は

 

八幡「しつけえよ、いい加減にしろ…。」

 

人が心配して聞いてあげてるのに何さ!

 

こうしたことで喧嘩になったのですが…、それからもう大分月日が経ったのです。いつもならごみいちゃんがすぐ謝ってくるはずなのに今回はそれがない。こんなことは初めてで小町もどうしていいかわからない。

 

こうした状態が今も続いています。お互いに必要最小限の会話しかありません。そんな様子にお母さんやお父さんも何かあったのかと聞いてくる始末。ごみいちゃんと小町がここまで長い期間喧嘩状態になっているのはなかったので驚いているんだろう。

 

そんなある日のこと、苛立ちながら受験勉強をしていたが、休憩しようとリビングに下りたところ扉の前に1つのノートが落ちていた。

 

それを拾い上げて気になった小町は中身を見てみたのです。

 

小町「これは…?」

 

そこにはこう書かれていました。

 

 

☆年○月×日(月)

きょうからにっきをかいてみることにした。…いまさらだけどにっきってなにかけばいいんだろう?まあそのうちかんがえればいいかな?あ、きょうはさかなをたべた。

 

 

小町「日記?それもこれはお兄ちゃんの字かな?」

 

それもかなり小さい頃のだ。ふふ、お兄ちゃん日記なんか書いてたんだ。面白そうだから続きも見てみようかな?

 

そうして小町は日記の続きを見ることにしたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…後で後悔するとは知らずに。

 

・・・・・・

 

☆年○月×日(火)

きょうはテストでかなりいい点をとった。こくごはすきだ。はなしがおもしろいのがおおいから。そうだ、これからはほんをよんでみよう。それもむずかしいの。

 

 

☆年○月×日(木)

本おもしろい!いろいろしゅるいがあってそれぞれちがってなんかいい!でも、読めないかんじもあるから辞典でしらべながらよまないとよめないや。

 

 

☆年○月×日(日)

少しずつだか読めるようになってきた。漢字もだんだん覚えてきたしこの調子で頑張ろう。

 

 

小町「へぇー、お兄ちゃんもこんな頃があったんだ…。」

 

というかこの時お兄ちゃんまだ小学生だよね?小町この頃漢字なんてろくに書けなかったと思うんだけど。

 

そしてまた読み進める。しかし…

 

 

☆年○月×日(土)

今日は1人で留守番だ。また親と妹が旅行に行くらしい。そして毎回僕は留守番だ。どうして僕は行っちゃいけないのと聞いたけど「お兄ちゃんだから我慢しなさい。」と言われた。けど、記憶にあるうちじゃ僕が旅行に行ったの一回だけなんだけど。まあいつものことだし。本でも読んでいよう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

☆年○月×日(月)

なぜか最近いじめられる。消しゴムを隠されたり、ランドセル投げられたり。そんなことしている暇があるなら勉強でもすれば?と言ったら今度は殴ってきた。なぜ?僕は普通のこと言っただけなのに。

 

 

☆年○月×日(火)

昨日は顔が少し腫れていてタンコブができた。そしていじめられたことを親に言ったが、親は僕を心配せずに「服を汚すな!」とだけ言ってきた。このときにもう僕の心配はしてくれないんだなと思い、親に見切りをつけた。小町が怪我したらmm単位でも心配するのに。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

☆年○月×日(日)

今日で小学校も卒業だ。いろいろとあったが友達はできなかった。まあいいけどさ。比企谷菌とか言ってきたり、泥投げられたりして俺超人気者だったし。まああれだ、やはりボッチ最強だな。あ、そういえば最近目が少し濁ってきたかも。

 

 

小町「な、何これ…」

 

こんなことがあったなんて知らなかった。いや、旅行に関しては知っていた。けど無意識に気にしないようにしていたかもしれない。小学校の段階ですでにここまでとは知らなかった。小町はこの先を見るのが徐々に怖くなってきた。それでも小町は読み進める。

 

 

☆年○月×日(水)

今日から中学生だ。どうせ中学でもボッチである俺最強。あ、そういえば帰りにMAXコーヒーというものを見つけた。飲んでみたがすごく甘い。だが同時にこう思った。「人生は苦いからコーヒーくらいは甘くていい。」あ、これ名言じゃない?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

☆年○月×日(水)

クラスで俺に優しくしてくれる女の子がいた。名前は〔折本かおり〕というらしい。初めて優しくしてもらったな…

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

☆年○月×日(火)

思い切って折本に告白してみた。結果は振られた。まあ想像通りだ、べ、別に悲しくて枕を涙で濡らしたとかじゃないんだからね!

 

☆年○月×日(水)

今日学校行ったら俺が折本に告白して振られたことが学校中に広がっていた。別にキモいとかはまあ別にそこまで気にしていない。

 

問題なのはなぜそれを周囲に知られているのかということだろう。昨日その場には俺と折本しかいなかったはずだ。ということは折本が言ったことになる。

 

つまり折本が広めた…

 

俺は今日の出来事から決めた。人間なんか糞食らえだ。もう人間なんて信じない。そして優しい女の子は嫌いだ。

 

あと鏡を見たら目が完全に濁りきっていたがもう二度と元に戻ることはないだろう。

 

 

小町「…」

 

お兄ちゃんの中学時代にこんなことがあったなんて…。小町はお兄ちゃんのこと知ってると思っていたけど何も知らなかった。なのに小町はお兄ちゃんのことを目が腐ったとかばかにして…。

 

そう思いながらもページをめくりいよいよ高校生のことになる。

 

 

☆年○月×日(木)

今日は高校の入学式でなんとなく早めに家を出た。そしたらどっかのアホの子が犬のリードを確認していなかったのかリードが壊れ犬が道路に飛び出した。その犬をなぜかほっとけなくて助けたら俺が轢かれた。

 

入学式そうそうついてないぜ。いや、これで高校もボッチからスタートだからついてるな。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

☆年○月×日(水)

なんか高校生活を振り返ってという作文について平塚先生に呼び出された。何やらダメだったらしい。そしてよくわからん部活《奉仕部》に入らされ、そこには毒舌な部長『雪ノ下雪乃』がいた。こんなやつこの学校にいたんだー。と言ったら2人に驚かれた。え、別に人間に興味ないし?それに女子なんかもっともだし?そんなこんなで今日は疲れた。

 

それにしても年齢のこと言われただけで殴るってどうなの?女性に年齢聞いちゃいけないって誰にも教わらなかったけど。

 

 

その後の日記は愚痴が多かったけどそれでも小・中よりかは悪い内容でもなかった。小町は少しは安心した。

 

そして日記は修学旅行を終えて次の日のところまで来た。

 

 

☆年○月×日(金)

修学旅行が終わった。そこでは2つの依頼が絡み合ってもう解決はできなかった。それで俺は依頼の解消をした。けれども奉仕部の2人は否定した、俺のやり方を。俺に責任を負わせたにも関わらず。俺はお前らを守るためにやったのに。

 

やはり人間なんて…

 

小町とも喧嘩をしたが、なぜ俺が悪いのだろう?無理矢理聞こうとしなくてもいいだろうに。別に人間聞かれたくないこともある。小町も俺に話したくないこともあるだろう。それなのに俺の場合は違うのだろうか?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

☆年○月×日(水)

生徒会選挙で一色を説得して生徒会長にさせた。雪ノ下が生徒会長に立候補するとか言っていたが由比ヶ浜が「奉仕部を壊したくない」と言ったからだ。それなのになぜこんなに空気が悪い?それに雪ノ下が「分かるものだとばかり思っていたのだけどね。」と声を漏らした。

 

まさか雪ノ下は生徒会長になりたかったのか?

 

でも、なら、そんなことを言うならばなぜ俺のことを分かってくれなかった!!それなのに今更そんなこと言う資格はお前にはないだろう!!

 

本物だと思っていた物は存在しなかったらしい。やはり人間は信じられない。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

☆年○月×日(火)

最近責任と称して一色が仕事を手伝わせる。まあ、それはいいのだがここのところ体の調子が悪い。病院でも行こうかな?

 

 

☆年○月×日(水)

病院に行ったらいきなり余命1ヶ月と宣告された。嘘だろ…?でも1ヶ月の間何しようかな?まあそれは後々考えよう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

☆年○月×日(火)

やばい体が思うように動かない。そろそろ本格的にやばい気がする。それでも心配かけないように平然としているように見せてるが。というかそもそも俺を心配してくれる人はいるのだろうか?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

☆年○月×日(火)

いよいよ宣告された日まで3日か。そろそろ家を出てどこか山奥でひっそりと死ぬか。明日にでも家を出よう。

 

じゃあな、小町、クソ親父、お袋

 

 

そこで日記は終わっていた。

 

そこには驚くべき事実が書かれていた。

 

小町「お、お兄ちゃんの余命が1ヶ月?う、嘘だよね…。嘘だと言ってよ…。」

 

そうぼやきながら小町はもう一度日記を見る。すると最後の日付は昨日だった。

 

小町「ま、まさか…まさか!?お兄ちゃん!!」

 

小町は走ったお兄ちゃんの部屋に。しかし…

 

小町「いない…。財布も携帯もない…、あ、お、お母さんたちに連絡を!あ、あ、あと雪乃さんたちにも連絡しなくちゃ!」

 

それからというもの雪乃さん経由で陽乃さんにも伝わり、みんな総出でお兄ちゃんを捜索した。

 

しかし…お兄ちゃんは見つからない。

 

 

そしてその3日後、小町が家にいるときに電話がかかってきた。

 

小町「もしもし…」

 

?「こちらは比企谷さんのお宅でしょうか?」

 

小町「そうですけど…」

 

警察「〇〇警察ですけど落ち着いて聞いて下さいね。実は比企谷八幡さんが…」

 

それを聞いたとき小町は受話器を落とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小町「お、お兄ちゃんが死んだ…」

 

・・・・・・・

 

比企谷八幡は千葉ではなく、違う県に来ていた。そのどこかの山で誰にも知られずに死のうかと思っていた。

 

しかし、その途中、子供が道路に飛び出してきてさらには車が来ていた。

 

彼はその子供を助けるべく反射的にろくにもう動かない体にムチうってその子供を助けたのだ。

 

そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

比企谷八幡は死んだ。

最後の最後まで彼らしく、彼らしい死因で。

 

 

その後、彼の葬儀が行われた。そこには多くの人が訪れた。ボッチだと言っていた彼だが、たしかに多くの人たちが出席した。

 

彼が死んだことを知ったとき、ある人は悔やみ、ある人は悲しみ、ある人は喜んでいた。

 

しかし、喜んでいたやつは彼に自分が救われていたのを知らなかった。

 

さらに数日後、雪ノ下家の専属執事である都築があるものを持ってきた。

 

それは3つのアタッシュケースと1つの封筒と数冊のノート。

 

これらは生前に比企谷八幡が都築に預けたという。もし、自分が死んだら渡してほしいと。

 

3つのアタッシュケースにはお金が入っていた。その額はなんと3億円。これは彼の家族である比企谷家に贈られた。1人頭1億円もの大金だ。その1つ1つには手紙が入っており、それぞれ読み終わると泣き喚いた。そして悔やんだ。今までろくに何もしなかったことに。助けてやれなかったことに。比企谷小町にいたってはあまりのことで気を失ってしまった。

 

次に封筒だ。それは彼が中身を見ないで雪ノ下姉妹が雪ノ下夫婦に渡してほしいと頼まれたものだ。意味がわからないが雪ノ下姉妹は封筒を両親に手渡し、雪ノ下夫婦は中身を見る。

 

しばらくして、手紙を見終わるとあの雪ノ下母が娘たちに頭を下げて謝った。

 

今まで済まなかったと

 

これからは家に縛られずに生きていきなさいと

 

あまりのことに頭が追いつかなかったが、理解したときには2人で抱き合って泣いていた。ようやく家から解放されたのだと。自分の好きな人と結婚できるのだと。

 

しかし、彼女たちを解放し、彼女たちが好きな人はもうこの世にはいない。

 

次に数冊のノート、これは彼の知り合いに向けてのアドバイスノートだ。中身を見るとそれぞれについてに詳しく書かれていた。

 

比企谷小町には受験の参考書みたいなものを

 

戸塚彩加にはテニスのことを

 

川崎沙希には勉強や兄妹に対しての接し方を

 

材木座義輝には小説のアドバイスを

 

鶴見留美には自分の体験談を通してのいじめなどの対策を

 

由比ヶ浜結衣には小学生でも分かるように料理についてを

 

一色いろはには生徒会についてのアドバイスを

 

その他の生徒会役員には一色いろはを頼むと

 

 

彼、彼女らはそれを泣きながら見ていた。そしてどうじに後悔していたものもいた。

 

特に奉仕部の2人は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、彼はもういない。

 

 

 

 

 



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異常なまでの恐怖症

どうもアルスDQです!
久しぶりの投稿です!リアルが忙しすぎる。
ということで短編どうぞ!

多分、駄文ですが


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もし、比企谷八幡が極度の女性恐怖症だったら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

case1 平塚静

 

「比企谷、これは何だ?」

 

「ひぃっ!?」ガタガタ

 

「いや、この作文の内容はなんだ?なぜ高校生活を振り返っての課題が『女性怖い』で永遠と書かれているんだ。これの方がよっぽど怖いわ!」

 

「だ、だって怖いんですもん…」ガタガタ

 

「いやいや、お前男だろ!?『もん』とか言うんじゃない!!」

 

「い、いやでも…」ガタガタ

 

「あー、もう!なら君は友達とか彼女とかこんな状況でいるのか?」

 

「せ、先生は彼氏いるんですか?」ガタガタ

 

ヒュン

 

「まったく、次は当たる…ぞ?て、おい比企谷!?」

 

「」ブクブク

 

 

比企谷八幡は女性の手が少し触れただけで耐えきれなかったため気絶。

 

平塚静は彼の女性恐怖症がここまでとは思っていなかったため仰天した。

 

 

case2 雪ノ下雪乃

 

「ここは奉仕部歓迎するわ、比企谷君。」

 

「…………」ガタガタ

 

「あ、え、聞いてる?」

 

「…………」ガタガタ

 

「あ、あの…」

 

「女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い女性と2人怖い…」ボソボソ ガタガタ

 

「え、ひ、比企谷君?だ、大丈夫かしら?」

 

「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い…」ボソボソ ガタガタ

 

「あの、本当に大丈夫?」

 

ピトッ

 

「ぎぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

「へ?」

 

「いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ!!!」

 

カクッ

 

「え、比企谷君?比企谷君!?比企谷君!!」ユサユサ

 

「」白目

 

 

比企谷八幡は女性と部屋に2人きりで、情緒不安定の上に女性に触られて発狂し、気絶。

 

雪ノ下雪乃は女としてプライドがかなり傷つき、落ち込み中。

 

 

case3 由比ヶ浜結衣

 

「な、なんでヒッキーがいるし!!」

 

「ひ、ヒッキーって俺…?」ガタガタ

 

「そうだし!」

 

「ヒッキーってことは引きこもり…。俺は引きこもりじゃない引きこもりじゃない引きこもりじゃない引きこもりじゃない引きこもりじゃない引きこもりじゃない引きこもりじゃない引きこもりじゃない引きこもりじゃない引きこもりじゃない引きこもりじゃない引きこもりじゃない引きこもりじゃない…」ボソボソ ガタガタ

 

「え、あの…」

 

「それに胸でかい…。胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い胸怖い…。」ボソボソ ガタガタ

 

「だ、大丈夫ヒッキー?」

 

「!?だ、だめ由比ヶ浜さん!彼に触れちゃ!!」

 

「え」

 

ピトッ

 

「ぎぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「」

 

「やっぱり…、遅かったわね。」

 

「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!!!」

 

カクッ

 

「え、ちょっと!?ひ、ヒッキー!ヒッキーってば!!」ユサユサ

 

「あ、もしもし比企谷君のお母様ですか?実は

また…」

 

 

比企谷八幡はなんとかぎりぎり女性が1人いる状況は耐えきれていたが、あだ名と彼女の胸の大きさを怖がり、触れられたことで気絶。

 

由比ヶ浜結衣は状況がわからず放心状態。さらに女としてのプライドが傷つく。

 

雪ノ下雪乃は今までの経験から冷静に行動した。

 

 



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異常なまでの恐怖症2

どうもアルスDQです!
前回が好評だったので続きのお話です。
今回は比企谷家のお話です!

ではどうぞー!


 

 

 

 

 

 

 

 

 

もし、比企谷八幡が極度の女性恐怖症だったら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

case4 比企谷小町

 

「Zzz…」

 

タッタッタ…

 

「Zzz…、ん?あ…さ?」

 

ガチャ

 

「お兄ちゃんおはよう!」

 

「!?ああ…おはよう。」ビクッ

 

「うん♪今日もお兄ちゃん自分で起きれてるし小町的にポイント高い!」

 

「そ、そうか?」

 

「うん♪あ、朝ご飯できてるから下に行ってていいよ!」

 

「おう…」

 

スタスタスタ…

 

「…本当は女の人がいると安心して眠れないからなんだよね。今日だって小町が近づいてきたので身体が反射的に反応しただけ。あの屍どものせいで…お兄ちゃんは!」ギリッ!

 

スタスタスタ…

 

 

比企谷八幡は女性が近づいて来ると実の妹でも安心して寝ることができずに起きてしまう。

 

比企谷小町は兄をこんなにしたものたちに激しい怒りを抱く。

 

 

case5 比企谷小町2

 

「おお、今日も美味そうだな。」

 

「なら作った甲斐があって良かったよ!さあ、食べよ食べよ。」

 

「ああ。」

 

「「いただきます!」」

 

「なら、小町から。…ん、我ながら上出来かな。」

 

「いつも悪いな小町…。」

 

「いいって、言わない約束でしょ?ほら食べて食べて!」

 

「あ、ああ。…うん、さすがは小町だな。美味いぞ。」

 

「それなら良かったよ、愛情たっぷり入れたからどんどん召し上がれ!」

 

「ん…」もぐもぐ

 

(お兄ちゃんが美味しいと言ってくれて嬉しいな♪お兄ちゃんはあれから女性が作った料理はその作った張本人が食べたものではないと食べられなくなった。小町の作った物はどれか1つ小町が食べたら食べれるけど。他は…。)

 

 

比企谷八幡は女性が作った料理を食べる前にその作った張本人が食べた後からでないと食べられない。例え、それが妹だろうとも。

 

比企谷小町は兄が喜んでくれて嬉しく思い、兄をとても心配している。

 

 

case6 比企谷小町3

 

「おい、小町そろそろ行くぞ。」

 

「ほいほいさー!」

 

「ほれ、早く。」

 

「ちょっと待っててー!…よし!いいよ!」

 

「ん。」

 

ガチャ

 

「よし、小町乗れ。」

 

「お、お兄ちゃん大丈夫?」

 

「何言ってんだ今更。ほら行くぞ。」

 

「う、うん。」ギュッ

 

ビクッ

 

「よ、よし行くぞ!」ガクガク

 

(怖い怖いでも小町は妹怖くない怖い怖いでも小町は妹怖くない怖い怖いでも小町は妹怖くない怖い怖いでも小町は妹怖くない怖い怖いでも小町は妹怖くない怖い怖いでも小町は妹怖くない怖い怖いでも小町は妹怖くない怖い怖いでも小町は妹怖くない…)ガクガク

 

(お兄ちゃん…ごめんね。そしてありがとう。頑張って!)

 

 

比企谷八幡は例え妹だろうと女性に触れられるのが怖い。しかし、妹のために彼は自転車を漕ぐ。

 

比企谷小町は申し訳ないような気持ちでいっぱいだが、兄の姿に何も言えず、心の中で感謝と応援をする。

 

 

case7 比企谷白良(比企谷母)

 

タッタッタ

 

「お兄ちゃん朝だよ!…って、またお母さんお兄ちゃんの部屋で寝てるの!?」

 

「…ん、おはよう小町。」

 

「おはようお兄ちゃん!で、なんでお母さんまたお兄ちゃんのベッドで寝てるの!?」

 

「えぇ…、いいじゃん。疲れた身体にはハチマン成分が私には必要なの。ねぇ、八幡?」

 

「お、俺に聞かれても…。それに母ちゃん、胸当たってるって…。」

 

「当たってるってんじゃなくて、当ててるのよ?」

 

「あー、もう!お母さんは早く自分の部屋に言って着替えてきて!お兄ちゃんは顔洗って下で待ってて!」

 

「おう…」

 

スタスタスタ

 

「はーい」

 

スタスタスタ

 

「…なんか最近お母さんがお兄ちゃんの部屋で寝ることが普通になりつつある気がする。それになんでお母さん、毎回下着姿なの…?」

 

 

比企谷八幡は母親だけはなぜか恐怖症の対象ではなく、怖がらない。そして唯一安心して接することができる存在である。

 

比企谷小町は母親の行動に疑問を感じる。

 

比企谷白良は息子大好きで、一緒によくベッドで寝ることでハチマン成分を補充する。そして、八幡の敵には容赦しない。

 



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異常なまでの恐怖症3

どうもアルスDQです!
なんだかんだの3話目!
クッキー編!では行ってみよう!


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もし、比企谷八幡が極度の女性恐怖症だったら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

case8 クッキー

 

「というわけで家庭科室に来たわ。さっそくクッキー作りを開始しましょう。」

 

「おー!」

 

「なあ、俺いらないからか、帰っていい…?」ガタガタ

 

「それなら…、比企谷君は味見をお願いできるかしら?それなら大丈夫でしょ?」

 

(これなら比企谷君は離れていても問題ないし、私たちに触れることもないから大丈夫なはずよ!)

 

「ひぃっ!?あ、味見か…?それはお、俺が先に食べるということ…?」ガタガタ

 

「えぇ、そうなるわね。」

 

「…無理。」ガタガタ

 

「え?」

 

「女子味見最初怖い女子味見最初怖い女子味見最初怖い女子味見最初怖い女子味見最初怖い女子味見最初怖い女子味見最初怖い女子味見最初怖い女子味見最初怖い女子味見最初怖い女子味見最初怖い女子味見最初怖い女子味見最初怖い女子味見最初怖い女子味見最初怖い女子味見最初怖い…」ガタガタ ボソボソ

 

「え、何言ってるの!?女の子に作ってもらって普通嬉しいでしょ!ヒッキーマジキモいし!」

 

「」

 

「由比ヶ浜さん、早く比企谷君に謝って!」

 

「え?」

 

「俺はキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい…」ガタガタ

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

カクッ

 

「比企谷君!?ねぇ、比企谷君起きて!?」

 

「」白目

 

比企谷八幡はストレートにキモいと言われたことでかなり傷つき、防衛反応として気絶。

 

雪ノ下雪乃は彼に対していきなり罵倒したことについて由比ヶ浜結衣にキレ、彼を必死に呼びかける。

 

由比ヶ浜結衣はなぜ彼女に怒られたのかわからないが、自らの発言で彼が気絶したことにショックを受ける。なお、空気は読めなかった。

 

 

case9 クッキー2

 

「比企谷君、水ここに置いておくわね。」

 

「あ、ああ…」ガタガタ

 

「ごめんねヒッキー…、さっきいきなりキモいって言っちゃって。」

 

「い、いいんだ…。昔から言われてるから…。」

 

「…ねえ、比企谷君。教えてくれたらでいいのだけれどさっきはなんで無理と言ったのかしら?」

 

「あ、ああ…。実は昔、女子から味見だと言って食べ物食わされたことがあるんだ…。お、俺は嬉しくて食べてみたらゴキブリが入ってた。また、あるときは下剤、あるときは毒キノコ、あるときはムカデ、あるときは…」ガタガタ

 

「」

 

「」

 

「し、しかも食べないと無理やり食べさせて来て…。今じゃ女子の料理は相手が自分で食べてみたのを見ないと食べられない…。」ガタガタ

 

「え、じゃ、じゃあ家では…」

 

「一応妹に毎日作ってもらっているが妹が一口食べた後でないと食べられない…」ガタガタ

 

「」

 

「」

 

「ま、前なんて媚薬を飲ませて無理やりヤらせて警察に連絡しようとされたし…。理性で無理やり押さえつけてたら効かなくなったが…」ガタガタ

 

 

比企谷八幡は彼女らに理由を説明する。なお、彼には媚薬はもう効かない。

 

雪ノ下雪乃は彼の過去を聞き、それを行った者たちに激しい怒りを抱く。

 

由比ヶ浜結衣は彼の理由を聞き、自分の愚かさを初めて知った。

 

 

case10 クッキー3

 

「じゃあ、私が一度作って見るわ。由比ヶ浜さんは私が作るところをよく見ておいて。」

 

「わかった!」

 

トントン

 

「わあ、雪ノ下さん上手!」

 

マゼマゼ

 

「…」ガタガタ

 

ジュー

 

「さあ、もう少しでできるわよ。」

 

チン!

 

「さあ、できたわよ。」

 

「わあー!おいしそう!」

 

パクッ

 

「美味しい!!」

 

「そ、よかったわ。比企谷君も…、あ、先に私が食べた方がいいわね。」

 

「あ、ああ…。頼む。」ガタガタ

 

パクッ

 

「うん、まあまあね。これで食べられるかしら?」

 

「ああ、じゃあ…」ガタガタ

 

パクッ

 

「どうかしら?」

 

「ヒッキーこれ美味しいよね!?」

 

「…」

 

ジワッ…

 

「え、比企谷君!?」

 

「ヒッキーどうしたの!?」

 

「こ、こんな…家族以外の女子からもらった中で…。こ、こんなおいじいものだべだごとない…。美味い、美味い…。」グスッ

 

「…そ、それならよかったわ。」

 

「ありがとう雪ノ下…」ニコッ

 

ドキッ!

 

「!?えぇ…」

 

(い、今胸がドキッてしたのは…何?)

 

比企谷八幡は初めて家族以外の女子からの料理で美味しいと感じ、彼女に感謝を言う。

 

雪ノ下雪乃は彼の笑った顔を見て胸が熱くなり、嬉しく感じる。

 

由比ヶ浜結衣は彼女のクッキーに負けないように練習したがその後も彼に食べさせるようなものはできなかった。

 



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千葉に…?行かないけど何か?

どうもアルスDQです!
今回は短編です!千葉村編のとこかな?
ではではどうぞー!


今は忌々しい学校も夏休み。

俺は夏休みの宿題を終えてゲーム真っ最中。

SAOH◯早くアップデート来ないかな…。

 

ちなみにお金もなぜか増えた。

 

母ちゃんからもらったのだが、何故くれたのか聞いてみると…

 

「なんか並行世界の私が呼びかけて来た…」

 

とかなんとか。うん、意味わからん。

 

そんなわけで夏休みを満喫中である。

 

ガチャ

 

「うーん!夏休みの宿題終わった!」

 

「おう、お疲れさん…。」

 

「お兄ちゃん〜、小町はすごく頑張って宿題を終わらせました。」

 

「まあ、そうだな…」

 

「だから頑張った小町には自分へのご褒美が欲しいのです!」

 

「ふーん。」

 

「ということでお兄ちゃんは小町と千葉に行かなければなりません!」

 

「へぇー、嫌だ。」

 

「嫌だじゃないの!小町は千葉に行きたいの!どうせお兄ちゃん予定なんかないでしょ!?」

 

は?いやいや…

 

「予定ならあるぞ。」

 

「は?どうせゲームしていて忙しいとかそんなもんでしょ?お兄ちゃんに予定なんかあるわけないじゃん。」

 

「たしかにぼっちで家族と出かけることなく、旅行にも置いて行かれる俺は基本的に暇なのは認める。しかし、今日は予定がある。正確には今日から3日間。予備校の勉強合宿があるんだよ…」

 

「え?いやいや嘘でしょ?」

 

「いや本当だって。親父たちにはもう言ってあるし、なんならカレンダーにも書いてある。」

 

そう俺が言うと小町はカレンダーのところまで見に行った。

 

「え…本当に…」

 

「そこで嘘言ってどうするんだ?」

 

「え、どうしよう…これじゃあ…」ブツブツ

 

「何ブツブツ言ってんだ?」

 

と、そんなとき…

 

ピンポーン

 

「誰だこんな朝っぱらに…?」

 

「はーい、ちょっと待っててくださいよ…っと!」

 

ガチャ

 

玄関を開けたそこには…

 

「平塚先生?」

 

なんで?

 

「まったく君が来ないから家まで来たんだぞ?電話やメールにも反応がなかったし。何故出なかったんだ?」

 

「電話やメール?どういうことですか?」

 

「とぼけるな!何故携帯に出なかったと聞いているんだ!」

 

なんでこの人は朝っぱらから怒っているんだろう?意味がわからん。

 

「はぁ、よくわかりませんが携帯は終業式が終わってから充電してないのでそのままになってて電池が切れてると思います。」

 

「だったら何故充電しなかった?」

 

「いや、俺の携帯に連絡するのなんてほぼいないし、それに来ても迷惑メールぐらいだから問題ないかと。基本的に家族からも連絡来ないので特に大丈夫かと…」

 

「で?一体何の用です?」

 

そう、結局何しに来たのかがわからん。

 

「奉仕部の合宿よ。」

 

「そうそう!ヒッキー来ないからわざわざ家に来たんだからね!」

 

「合宿?え?雪ノ下と由比ヶ浜まで…」

 

「あ、八幡!僕もいるよ!」

 

「と、戸塚ー!」

 

「八幡ー!」

 

ギュッ ダキッ

 

「と、戸塚どうしてここに?」

 

「うん、平塚先生から奉仕部の合宿やるって聞いて暇だったらどうかなと言われたから来たんだ!丁度テニス部もなかったしね。」

 

なるほど、なるほど…うん?

 

「そうなのか…。でも戸塚、俺は今日まで合宿があること知らなかったんだ…」

 

「え…」

 

そう、俺は今日まで。正確には今さっきまで知らなかったのだ。戸塚に言われるまで知らなかったのだ。

 

「なあ、雪ノ下。お前が合宿のこと連絡来たのいつだ?」

 

「たしか…終業式の次の日だったかしらね。」

 

「で、平塚先生。俺に連絡したのはいつですか?」

 

「今日だ…」

 

「ですよね。これはどう考えてもおかしいのでは?」

 

「…どうせ比企谷のことだ。拒否するかと思って当日にすれば逃げることもできないと思ってな。比企谷の妹さんに手回ししてな。」

 

「は?」

 

え、何?勝手に人の予定埋めといて謝罪もなし?

しかも強制的に来いだって?

 

冗談じゃない。何故俺の予定が俺の知らない間に決められなきゃならんのだ。

 

ふざけるな!

 

「あのですね、平塚先生。人の予定を当日になって知らされても困るんですが?それに俺は事前に知らされてもたしかに拒否したでしょう。」

 

「だったら…!」

 

「でもですね、それでも事前に連絡しとけどまだ予定なんとかなったかもしれないですけど、当日に連絡するって常識的にどうなんですか?というか、俺今日予定入ってるんで無理なんですけど。」

 

「はっ!君に予定なんかあるわけないだろ!」

 

そこでやっと小町がやってきた。

 

「平塚先生…兄は今日本当に予定があるんです。予備校の合宿で今日から3日間いないんですよ…」

 

「なっ!?それではこちらの予定とまるっきり被ってしまうではないか!」

 

「そんなこと言われてもどうしようもないですね。『今日』連絡しといて言えるセリフではないですよ?」

 

「くっ!ならその合宿をキャンセルして…」

 

「そうそう!そんなことよりも合宿行こうよ!」

 

「ふざけてるんですか?お金まですでに払っているのにそれをキャンセルしろと?それに総武は進学校でしょ?部活と勉強どっちが大切かはわかりますよね?」

 

そう部活と勉強、将来を考えれば断然勉強だろ。それに当日に連絡してきて何いってんだ。

 

「っ!おい比企谷妹、比企谷に予定はなかったんじゃないのか!?」

 

「こ、小町も今さっき知ったばかりで…」

 

というか…

 

「小町、お前は合宿があること知ってたんだな?

だったら何故何も言わなかった?」

 

「べ、別にお兄ちゃんなら予定ないと思ってたしいいかなって…」

 

は?何言ってるんだ?

 

「俺に相談もなく、勝手に決めといて言うことか?そもそも前から思ってたんだが何故お前が俺の予定を勝手に決めてるの?なんでお前の予定に合わせなきゃならんの?友達呼ぶから家にいるなとかお前俺のことなんだと思ってるの?」

 

「そ、それは…」

 

「俺はお前の都合いい物じゃないだぞ!あ?」

 

「………」

 

「なんとか言えよ!」

 

本当にムカつくな…。都合いいときだけ甘えて勝手に人のこと他人に話すし。プライバシーの権利とかどうなってるの?本当に。

 

と、そこで…

 

「そこまでよ比企谷君。」

 

「雪ノ下…」

 

「とりあえず落ち着きましょう。ね?」

 

「あ、ああ…」

 

そう言われて少し時間が経ち落ち着いてきた。

 

「まず、今回は比企谷君は何も知らなかったわけですし奉仕部の合宿には来なくて大丈夫よ。」

 

「おい、雪ノ下何を勝手に…!」

 

「そもそも平塚先生が事前に連絡しておけばよかったことのはず。それを怠った平塚先生が悪いです。」

 

「くっ…!」

 

「それに小町さん、事前に連絡が来ているなら何故比企谷君に言わなかったのかしら?彼はたしかに嫌がるかもしれないけれど、話してみなければそれもわからないわ。あなたが勝手に決めていいことではないの。わかる?」

 

「はい…」

 

「それに由比ヶ浜さん、勉強をそんなこととはどういうつもりかしら?もう高校2年ということはすでに受験に向けて頑張っている人も大勢いるのよ?それなのにそんなこととはどういうことかしら…?」

 

「うぅ…」

 

雪ノ下がなんと3人を論破した。

さすがだな…

 

「ということで比企谷君は予備校頑張って。こちらのことは気にせず大丈夫よ。」

 

「お、おう…わかった。」

 

「じゃあ八幡頑張ってね!」

 

そういい、小町を引き連れて去っていった。

 

「さて俺も予備校頑張るか…」

 

そう言い家の中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その3日後、こんなニュースがあった。

 

なんでもどこかの小学校の林間学校でいじめにより1人の女子小学生が重症を負ったらしい。

 

さらにその小学生たちを無理やり仲直りさせようとした男子高校生を止めようとした同じ高校の女子生徒が大怪我。

 

その2人は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

総武高の鶴見先生の娘であり、俺が家庭教師をしている『鶴見留美』

 

総武高の生徒であり、学年主席、そして奉仕部部長である『雪ノ下雪乃』

 

であった。

 

 

 



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例え記憶がなくても

どうもアルスDQです。
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。さて、今回は短編のお話ですが、少し重たいかもです。よければどうぞ。

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「うーん、今日もこれで終わり!」

 

私、雪ノ下陽乃は今日の講義を終え帰宅途中だった。とは言っても単位はほぼとれているためゼミだけだが。

 

「さて、今日はもう遅いからあれだけど、明日はまた雪乃ちゃんのところにでも行こうかな?」

 

私の妹の雪ノ下雪乃は私と同じくらい可愛い。前は私に対してもあれだったが、最近は少しずつ話をしてくれる。家が家だけに仕方がなかったこともあるが、とても嬉しい。

 

そんな妹の雪乃ちゃんだが、彼のおかげで変わってきた。

 

「それと比企谷君もいじりにでも♪」

 

比企谷八幡、妹の同級生で同じ部活の男の子だ。独特の価値観を持っており、ある意味常識が通用しない。男の子なので私の胸を見て顔を背けることもあるが、私に向かってこれる存在。

 

私や雪乃ちゃんなどが考えつくことができない、あるいは考えついても実行するなんて思わないことをしてしまう子。

 

自分のことなんて後回し、その場で何が最適か見分ける驚異の観察眼。

 

私が長年家族以外には見抜けなかった仮面を見破ったのは驚いた。

 

でも、同時に嬉しくも思った。

 

なぜなら偽りのない私を、雪ノ下陽乃を見てくれていたから。

 

だから彼のことが気になって、会いたくなって私は彼の元に行く。

 

こんなことは初めてだけど悪い気はしない。

 

「明日はどんなことをしてからかおっかな?」

 

そんなこんなで浮かれていたのか、私は気づかなかった。

 

 

前からくる自動車に

 

 

「えっ…」

 

死にそうになっている状況だからだろうか、これまでの思い出が頭の中で次々と流れてくる。そして最後に現れたのは妹と彼の顔。

 

「雪乃ちゃん、比企谷君…」

 

意識せずに呟いたその言葉の後、私は強い衝撃に襲われ意識を手放した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ゆきのん〜、ここわからない!」

 

「そこはさきほど教えたところよ。ほら、この場合はどの公式を使えばよかったのかしら?」

 

「んー?あー!たしかこれ!」

 

「そうよ、きちんと考えればできることなのだから焦らずやっていきましょう」

 

「うん!ゆきのんありがとう!!」

 

「由比ヶ浜さん少し暑苦しいわ」

 

今日は奉仕部で由比ヶ浜の勉強を雪ノ下教えている。俺、比企谷八幡はそんな様子を少し遠くから見ながら読書中である。

 

…にしてもこれはどこまで続くんだ?終わりが見えないんだが。新約30ぐらいまでいくのか?

 

「ヒッキー、クッキー食べる?」

 

「なんだ?お前の作ったのだったら今からお腹が痛くなる予定だから無理だぞ?」

 

「ち、違うし!駅前で買ってきたやつだから!ってなんで私が作ったクッキーだったらお腹痛くなる予定とか意味わかんないし!」

 

いや、だってお前のクッキー食ったら間違いなく大抵の人はお腹痛くなるだろ。これは嘘じゃない、経験談だ。

 

「そうね、私もあれは遠慮したいわ」

 

「ゆきのん!?」

 

「ふふ、クッキーなら紅茶でも入れましょうか」

 

「うん!ありがとうゆきのん!」

 

「頼む」

 

雪ノ下は雪ノ下で最近、姉、陽乃さんのほうとも仲良くなっているみたいだ。あの人のことだから雪ノ下で遊んでそうだが、なんだかんだいっても姉であることに変わりない。

 

というかあの人過保護、いやシスコンだし。

 

雪ノ下も長年、苦手だった姉となるのは最初はかなり戸惑ったようだが、嬉しそうでなりよりだ。

 

そうしていつもどおりの日常が過ぎ去っていくものだと思っていた。

 

 

ここまでは

 

 

それはある一本の電話だった、雪ノ下の携帯にかかってきたある一本の電話。これが始まりであった。

 

「あ、ゆきのん電話鳴ってるよ?」

 

「誰かしら?こんな時間に…」

 

「知らない番号なの?」

 

「ええ、間違い電話かしら?それともいたずら?とりあえず、こんなのは放っておけばいいわ。必要ならまたかかってくると思うから」

 

「まて、雪ノ下。今、調べてみたらその番号…病院みたいだぞ?」

 

「病院?…まあ、一応出てみるわ」

 

ピッ!

 

「はい、もしもし…」

 

「はい?ええ、雪ノ下陽乃は私の姉ですが…」

 

「はい、はい…、え…」

 

「雪ノ下?」

 

「ゆきのん?」

 

電話をしていた雪ノ下が携帯を落とした。俺と由比ヶ浜は何事かと思って雪ノ下を見るが、当の本人は心ここに在らずという様子だった。

 

「雪ノ下どうした?何があった?」

 

何かとは言わない。何かあったことは雪ノ下の様子から一目瞭然であるからだ。由比ヶ浜もそんな雪ノ下を心配そうに見ている。

 

雪ノ下は俺の言葉ではっとし、こちらを見た。少しずつだが、こう言った。

 

「ね、姉さんが…姉さんが、事故にあって…救急車で運ばれた…病院から連絡が…」

 

「雪ノ下さんが!?」

 

「ゆきのんのお姉さんが!?」

 

俺と由比ヶ浜がそう聞き返すと雪ノ下はゆっくりだがうなづいた。姉が事故にあって動揺しない家族はいない。きっと入学式のときはあの人もかなり雪ノ下のことを心配していたと思う。と、こんなことは今は関係ない!

 

「雪ノ下、その病院はどこだ。今すぐ向かうぞ」

 

「え…」

 

「そうだよゆきのん!家族なんだからすぐに行ってあげなきゃ!」

 

「そうだ、妹のお前が行かなくてどうする。俺なんて小町が運ばれたんてしたらすぐに飛んでいくぞ?」

 

「ええ、ええ…、そうね行かないと、姉さんのところに」

 

「場所はどこだ?」

 

「○○病院よ」

 

「そこだとここからだと少し距離があるな…」

 

そう言っていると部屋のドアが突然開いた。

 

「おお、諸君元気に…なんだこの状況は?」

 

「平塚先生!」

 

「お、おお…どうした比企谷?」

 

「実は…」

 

「何!?陽乃が事故にあっただと!?それは本当か!」

 

「は、はい先ほど病院から電話があって…」

 

「それで雪ノ下をそこまで送って頂きたいのですが…」

 

「事情はわかった!すぐに車を用意してくる!あと比企谷!お前も乗れナビゲートしろ!」

 

そこまでいうと平塚先生は走っていった。こういうときに頼りになる先生でよかった。

 

「あ、あたしは待ってるからお姉さんのところに行ってあげて。ヒッキー、ゆきのんのこと頼んだよ!」

 

「ああ」

 

そうした俺と雪ノ下は先生の車ですぐさま病院に向かった。

 

いろいろと先生はぶち抜きまくったが、そのおかげで病院にはすぐに到着した。

 

「私は駐車場に車を止めてくるが君たちは先にいけ!」

 

「平塚先生…」

 

「礼ならあとで聞く!今は急げ!」

 

「「はい!」」

 

俺たちはそうして病院の中に入り、彼女の居場所を受付に聞いた。幸にもそこまで大きなケガはないと言われたので俺たちは安心した。

 

俺と雪ノ下は教えられた病室に向かった。その病室の前には雪ノ下の両親もすでに到着していた。

 

「雪乃、来ていたのか」

 

「ええ、先生に車を出していただいて。受付の人から聞いたのだけれど大きなケガではなくて安心したわ」

 

「…まあ、そうだな」

 

ん?なんだそこまで大事ではないならここまで雪ノ下の両親が気落ちしてる理由がわからない。まさか、ケガ以外に何か!?

 

そんな両親のことは雪ノ下には見えていなかったのかそのまま病室へと入っていた。俺はそれを追いかける形で入った。

 

入ってみるとそこには雪ノ下の姉、陽乃さんがいた。目を覚ましていて起き上がっていた。雪ノ下はそれを見て安心したようだった。

 

だが、俺には何か違和感があった。

 

それが何かはわからないが違和感はあった。

 

「姉さん、事故と聞いて驚いたけど元気そうでよかったわ。母さんたちも来てたけどもう話したの?」

 

「………」

 

しかし、陽乃さんは雪乃を見て困惑している様子だった。

 

「聞いてるの姉さん…?」

 

「…ねえ…さん?私が?」

 

「今更何をいっているのかしら?あなたは私の姉の雪ノ下陽乃でしょう」

 

「陽乃…?」

 

「ね、姉さん…?」

 

次の言葉を聞いたとき、俺と雪ノ下は固まった。それと同時に俺は理解した。なぜ、雪ノ下夫妻が病室の前でああしていた理由を。

 

しかし、これはあまりにも雪ノ下にとって理解しがたい現実であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたは誰…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪ノ下陽乃は記憶をなくしていた。



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兄と姉たち

どうもアルスDQです。
今回の短編はまさかのあの3人?
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これはとある日のこと。

 

俺こと比企谷八幡は、1人でカフェに来ていた。

 

え?いつも1人じゃないのって?

 

ぼっちですが何か?

 

…なんか悲しくなってきたからこの話はやめよう。

 

で、このカフェにはCMでやっている、あのマックスコーヒープレミアムがあるとのことで来ていた。

 

うん、マックスコーヒー最高!

 

そんなかんじで飲みながらゆっくりしていたのだが予想外なことが起きた。

 

「…あんた、何してるの?」

 

「あ、サキサキ」

 

「あ?」

 

「あ、嘘です。ごめんなさい、川なんとかさん…」

 

「川崎…」

 

そう、あの小町にまとわりついているやつの姉の川崎沙希が来たのだ。

 

「で、なんでお前ここにいるの?」

 

「商店街の福引きでここのクーポン当てたからせっかくだし…なに悪い?」

 

「俺、何も言ってないんだが…」

 

そして川崎は注文して俺の席の隣に…

 

あれ?なんでここ座るの?

 

「ここいい…?」

 

「あ、ああいいけど」

 

ま、まああの人じゃないし、別に大丈夫…

 

「あれー?比企谷君とたしか…川崎ちゃんだっけ?ひゃっはろー♪」

 

俺の馬鹿、フラグ回収してんじゃないよ…

 

ゆきのんの姉来ちゃったよ…

 

つまり、雪ノ下陽乃が来てしまった。

 

雪ノ下さんは注文してから、こちらまで来ると当然の如く俺たちのいるところに座った。

 

「何か珍しい組み合わせだね♪2人はどうしてここに?」

 

「あ、あたしは福引きでここのクーポン当てたからで…」

 

「ふーん、比企谷君は?」

 

「マックスコーヒープレミアムです」

 

「え?」

 

「マックスコーヒープレミアムです」

 

「」

 

「あー、比企谷はここにあるマックスコーヒープレミアムというのが飲みたくて来たみたい…です」

 

「そ、そうなんだ…。比企谷君が珍しく真面目に言うからお姉さんびっくりしちゃったよ…」

 

え?ダメですか?

 

マックスコーヒープレミアム美味いでしょ?

 

「ま、まあそれはともかくとしてせっかくだし何か話しでも…そうだ!3人とも長男、長女だし妹や弟の話でもしよっか!」

 

「えぇ…」

 

「…」

 

「まずは私から!…雪乃ちゃんが口を聞いてくれないんだけとどうすればいい?」

 

「「謝ってください」」

 

「え!?なんで私が悪いことが決定事項なの!?2人ともひどい!」

 

「普段の自分の行動を考えてください…」

 

「なんか雰囲気的に…」

 

「えぇ…、ただ雪乃ちゃんに私のいらなくなった下着あげようとしただけなのに…」

 

「「それです」」

 

「」

 

「雪ノ下さん、一刻も早く謝ってください。これは雪ノ下が可愛そうでならない…」

 

「ノーコメント」

 

「そんな…、まあ後で謝っておくよ。私悪くないと思うのに…」

 

「悪いです!」

 

「私もそう思う」

 

「ま、まあこの話はおいといて…比企谷君は小町ちゃんとケンカしたときどうするの?」

 

「すぐ土下座ですね」

 

「「」」

 

「小町から折れることはめったにないんで俺が折れます。そうしないと次の日の俺の朝食が死ぬんで」

 

「そ、それは大変だね…。沙希ちゃんは?」

 

「私は…自分が悪いときは謝るけど、弟や妹が悪いときはそっちから謝ってくるまで口を聞かない…です。謝ったら許しますけど」

 

「なるほどね〜、あ!そうだ!2人とも何か妹や弟のことで大変だったこととかあるかな?はい、比企谷君!」

 

「小町が可愛すぎること、最近小町に変な虫が…「あ?」ナンデモナイデス」

 

「はい、沙希ちゃん!」

 

「妹は小さいから元気いっぱいなのはいいんだけどこっちが少し疲れることかな…です」

 

「なるほどね〜。私は、雪乃ちゃんが方向音痴すぎることかな…」

 

「まあ、あれは…」

 

「方向音痴で収まらないような…」

 

「だって!雪乃ちゃん地図があるはずなのに迷うんだよ!まあ、そこはいいとしても迷子になったらこの地図が間違ってるとか言い出すんだよ!私は悪くないって言うから余計にタチが悪いよ!」

 

「あいつ、ワンニャンショー見にきた時も迷ってたしな」

 

「J組の知り合いから聞いたけど雪ノ下、1年の頃移動教室の場所がわからなくて迷ってたって言ってたしね」

 

「そうなの!それで人にも聞かないから凄い大変なの!それでも本人は認めないからこっちは疲れるの!」

 

「「大変…ですね」」

 

「うんうん!そう!わかってくれる人がいてよかった〜。あ、こんな時間になっちゃった。ということでお姉さん今日はこれで帰るね♪」

 

「うっす」

 

「あ、あたしももう帰る時間だから…」

 

「おう」

 

「今日はお姉さん楽しかったから、また今度この3人で集まって話そうね♪じゃあね♪」

 

「ま、また…」

 

こうしてよくわからない組み合わせでの雑談は終了し、俺も家に帰っていったとさ。

 



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彼の過ち

あけましておめでとうございます、アルスDQです。今年もよろしくお願いします。今回は短編です。よかったらどうぞ。

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ここはとある世界のとある倉庫

 

この場所には3人の人物がいた。

 

1人は比企谷八幡。

 

1人はその妹の比企谷小町。

 

そして最後の1人は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい!葉山!どうしてこんなことをする!」

 

「こんなこと?」

 

「俺と小町を眠らせて、両手両足を拘束したあとにこんな倉庫まで連れてきた!」

 

「それは…比企谷。俺にとって君が邪魔だからだよ」

 

「どういう意味だ!」

 

どういう意味って君はわからないのか?

 

俺が欲しいものを手に入れようとしている君が…

 

俺がずっとずっと前から欲しいもの…

 

それを手に入れるためには君の存在が邪魔なんだ!

 

君に言わせると『本物』が欲しいんだ!

 

そのためにはどんな手段も辞さない…

 

「さてね、まあ俺にとって君の存在が邪魔なのはたしかだ」

 

「…チッ、お前の考えそうなことは俺にはわからないがここまでのことをしでかす奴には思えなかった。だが!小町は関係ないだろ!小町は解放しろ!」

 

「お兄ちゃん…」

 

君のそういうところが気に食わないんだ…

 

なんだかんだ言いつつも自分のこと最後。

 

他人のことを最優先にする。

 

そんな君が俺は大嫌いなんだ…

 

「解放はしないよ。君の妹さんは情報通だからね。君1人の場合、勘付かれそうな気がしたからまとめて連れてきたんだ。俺は保険はかけておくほうでね」

 

「くそっ!」

 

まあ、他には戸塚あたりは怪しいが…

 

まあなんとか大丈夫だろう。

 

「今回の修学旅行の一件はチャンスだった。戸部と姫名には感謝してるよ。奉仕部に亀裂を入れることができたからね」

 

「っ!なるほど、雪ノ下か…!お前の目的は!」

 

さすがは比企谷、鋭いな。

 

だから?なんだというんだ!

 

お前には言われたくない!

 

「ああ、そういうことかな?君が雪乃ちゃんと関わったのがいけないんだ。俺は必死に雪乃との関係を修復しようとしているのに、君は…!お前が!」

 

「それは俺のせいじゃないだろう…お前が過去に行ったこと…と言っても聞かないんだろうな」

 

「まあね、…おっと余計なお喋りはここまでだよ。君たちは消えてもらうよ、この世界からね」

 

「この世界…だと?」

 

俺は考えた。

 

このまま2人を殺すとなるとどうしても証拠が残ってしまう。かといってどこかに埋めたところで同じことだ。

 

そこで俺はあらゆる書物や文献、伝承を調べ尽くした。そこで様々な情報を得た結果、こことは異なる世界があることがわかった。

 

また、様々な霊や悪魔、天使や神などと対価を払うことで召喚、契約する方法などを調べて実際に行うことができた。

 

結果、俺は信じがたい力を手にすることができたのだ。

 

そして、今回使用する力は異なる世界とこの世界を繋げる力。彼らを別世界に送ることで一切の痕跡を残さず始末できる。

 

その上、俺は手を汚さずに済むのだ。

 

「はぁ!…さあお別れだよ。もう二度と会うことはないと思うけど元気でね!」

 

「くそっ!身体が動かん…!葉山ー!!」

 

「お兄ちゃん!お兄ちゃんー!」

 

そう叫んで比企谷は異なる世界に消えていった。正確なところは俺もわからないが人が生きていられない世界に飛ばした、もう会うことはない!

 

俺の勝ちだ!

 

さて、次は妹のほうだな。

 

「さて、次は君の番だ。君にはあまり恨みはないが消えてもらうよ」

 

「………」

 

兄が消えたというのにこの落ち着き様…やはり兄妹か。本来なら発狂やらして騒ぐところを冷静に俺のことを見ている。

 

まるで、俺の心を覗かれているようで気に食わない。

 

「葉山さん…」

 

「おや、命乞いかい?今更無駄…「あなたは後悔します」何?」

 

「あなたはこのことに対して必ず後悔します。それでもいいんですか?」

 

「は、はは…後悔?俺がそんなことをするわけ…」

 

「そうですか、小町としてはお兄ちゃんをやった段階で遅いとは思いますが…。最後に1つだけ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コマチカラ

 

オニイチャンヲ

 

ウバッタオマエヲ

 

ケッシテユルサナイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ…!」

 

そう言って、比企谷小町は比企谷とは違う世界に消えていった。

 

 

だが、あれはなんだ…

 

なんだ、あの目は…

 

あれが、人を見る目なのか…?

 

俺にこれから起きることをまるで知っているかのように話していたが…?

 

 

…まあ、いい

 

これで邪魔ものは消えた。

 

さて、明日も学校だし帰るか…

 

そうして俺は家に帰っていった。

 

 

だが、俺は知らなかった…

 

この出来事を全て記録されていたことに…

 

だが、俺は知らなかった…

 

比企谷小町の言ったように後悔することを…

 

だが、俺は知らなかった…

 

彼女の存在を…

 

だが、俺は知らなかった…

 

決して彼女と敵対してはいけないことを…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女を敵に回した者の末路を…

 

 

 



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『彼女』が来タ

どうもアルスDQです。今回はあのお話の続きです。アンチ要素・ホラー?要素ありますのでよろしくです。よかったらどうぞ。

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追記:流石に長すぎたので一部を訂正しました。大変申し訳ございませんでした。




ここはとある国の極秘機関

 

今、ここでは警告音が鳴り響いていた。

 

『緊急事態発生!緊急事態発生!』

 

「こ、こんなことが起きるなんて…!」

 

「どうした!何が起こっている!」

 

「し、司令!」

 

「状況を説明しろ!パターンは青か赤か!?」

 

「い、いえ!違います!」

 

「だとすればなんだ!」

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パターン…白です…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は…、はぁ!?し、白…だと!?」

 

「そんなの嘘に…「映像出ます!」…そんなまさか…本当に白だと…」

 

『パターン白』

 

それはもっとも高い危険度を表す色。

 

意味することは『世界、地球滅亡の危機』

 

そう聞いた他の職員は誰もが嘘だと思ったが、映像が出た後にはそれが嘘ではないことを理解してしまった。

 

ある者は逃げ出し、ある者は気絶、ある者は精神が幼くなり、ある者は泣き出す。

 

周りがパニックになるなか司令官は恐怖しながら考えた。

 

原因は調べてみないとわからないが時間があまりにも足りない。司令官は動ける者を集めて至急各国に連絡を取り、こう呼び掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『彼女』が来た…と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の名は葉山隼人、今日はよく眠れた。

 

先日、俺の計画に邪魔になる『彼ら』を『この世界』から『別の世界』へと消した。

 

もし、例え戻ろうとしても、戻らないように呪いもかけておいたから安心だ。

 

 

これで俺を邪魔する者はいない!

 

そして俺は雪乃ちゃんと…!

 

 

そんなことを思いながらいつもどおり目覚め、朝食を食べて学校に向かう準備をする。

 

「いってきます」

 

「「いってらっしゃい」」

 

そう、いつもどおり挨拶をして玄関を出た。

 

俺はこれが家族との最後の会話になるとは知らずに…

 

・・・・・・

 

「あ、少しいいかな?」

 

俺が玄関を出て少しすると、1人の女性が話しかけてきた。アホ毛が生えていて、年齢は20歳ぐらい…大学生か社会人に見えた。

 

「あ、はい。どうかされましたか?」

 

「少し、人を探して知らないかなと思ってね♪」

 

「は、はぁ…」

 

「兄妹なんだけど…1人は君と同じ年齢の同じ高校の2年生で私と同じようにアホ毛が生えてるんだ。もう1人は中学3年生で、八重歯がある子。あ、もちろんこの子にもアホ毛はあるよ!」

 

…っ!それが当てはまるのはあの2人しかいない!まさか、この女性、彼らの知り合いか?

 

いや、しかし…まだ1日も経ってないからバレるにしても早すぎる!

 

ここは無難にやり過ごすしかないな…

 

「さ、さあ…俺にはわからないですね。交番とかで聞いた方が良いと思いますよ」

 

「そう?」

 

「はい、なんなら交番までご案内しましょうか?」

 

なんとかやり過ごせそうだな。

 

「それはいいや。あ、あと1つ質問してもいいかな?」

 

「?」

 

「もし君に目的があって、それを邪魔する者がいたらどうする?」

 

「え…」

 

なんだこの質問…

 

まるで…

 

「①無視する」

 

「②殺す」

 

「あの、質問の意図がわからないんですが…」

 

「そして…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「③昨日、君が『比企谷八幡』と『比企谷小町』にやったように『この世界』から『別の世界』へと送り、さらに帰ってこれないように呪いを刻む?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!」

 

俺は瞬時に避けた!

 

その瞬間、俺が元いた場所は跡形もなくなくなっていった。

 

なんだこれは!?なんだ!なんなんだ!?

 

「あらあら、避けちゃったか…避けないほうが一瞬で事が済んだのに…。あ、でもすぐに終わっちゃったらつまらないか♪」

 

それをやった『女性』は少し上からそう話した。文字通り、上からだ。

 

『女性』は浮いていたのだ、空中に。

 

「いきなり何をする!!」

 

「何って?君の『罪』を裁きにだよ?」

 

「俺の罪だと…?」

 

「あーダメだね。まるで自覚してないわ。しっかり、誠心誠意謝ればまだ間に合ったのにね。なら、自覚してもらうためにこうしちゃうか…ほい!」

 

そう言ったあと、俺の視界は白く染まり…おさまったと思い目を開けた。

 

そこには…何もなかった。

 

「え…」

 

辺り一面、家も道路も人も…

 

全てなく、更地へと変貌していた。

 

「こ、これは…なんだ、何をしたんだ!?」

 

「ん?何って君の住んでいた所『千葉県』この世から跡形もなく消滅させただけだけど?」

 

「消滅…!?そんな馬鹿なことができるはずが…!『緊急速報です!たった今、千葉が…千葉県が突如として消失しました!信じれないかと思いますが事実です!たった今…』嘘…だろ?」

 

なんなんだ!なんなんだ!

 

彼らは特別何かしたわけではないのに何故こんな目に遭わなければならない!

 

いつもと同じように過ごす日だったろうに!

 

「なぜだ!なぜこんなことをした!彼らには何の罪もないだろう!?」

 

「へぇ…面白いこと言うね♪」

 

「何が面白いことだ!」

 

「だって…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何の罪がない、私の子供たちを『この世界』から追い出した張本人なのに…ね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は空いた口が塞がらなかった。

 

俺が、比企谷たちをやったせいで千葉県民は消滅した…?

 

俺のせい、なのか?

 

俺のせい…

 

オレのせい…

 

オレノセイ…

 

だが、だとしてもこれはやりすぎだ!

 

なんなんだ!?なんなんだよ!?

 

「っ!だとしても彼らは関係ないだろう!」

 

「君がこんなことをしでかしたから連帯責任だね♪」

 

連帯責任だと!?俺がやった2人に対して千葉は約628万人だぞ!つり合ってたまるか!

 

「ふざけるな!」

 

『彼女』は俺がそういうと少し考えた。

 

そして、こう言ったのだ。

 

「あ、でもつり合ってなかったごめん、ごめん!」

 

「じゃあこの世界、宇宙を消しちゃうね♪」

 

「」

 

「この宇宙の全人口を消しても八幡とは全然つり合わないしね」

 

「」

 

「それに…八幡がいない世界なんて存在している意味なんてないから…」

 

「」

 

「でもその前に、君だけは…」

 

『彼女』は焦点の合っていない目をこちらに向けて、こう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          『 ユ  ル  サ  ナ  イ 』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、俺の意識は途切れた…

 



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『欲しかった言葉』

どうもアルスDQです。
今回も短編、修学旅行のお話です。
前回の短編は申し訳ございませんでした…。さすがにやり過ぎてしまいました…、弁明のしようもないです。

今回はそのようなことはないので、読んでいただければ幸いです。では…

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『ずっと前から好きでした!』

 

『俺と付き合ってください!』

 

 

それが俺に出来た唯一の方法だった。

 

葉山と戸部から依頼を受けた。

 

海老名さんからも遠回しに依頼を受けてしまった。

 

葉山からも念押しされた。

 

時間がなかった…、だから俺は行動した。

 

俺が考えられる中で誰も傷つかず、そのままでいられるようになるたった1つの方法を…

 

そして結果的に、戸部の告白は有耶無耶になり依頼はなんとか解消できた。

 

だが、終わった後に由比ヶ浜に言われてしまった。

 

 

『人の気持ちをもっと考えてよ!』

 

『どうして色々なことがわかるのに、それがわからないの?』

 

 

ああ、そうか…

 

またやり方を間違えたのか俺は…

 

だが、俺はこの方法しか知らない…

 

知らないんだ…

 

 

ふと、顔を上げると雪ノ下がいた。

 

それはそうだよな、由比ヶ浜が言うくらいなら雪ノ下が言わないのはおかしいよな。

 

言うなら、もういっそ言ってくれ…

 

そんなふうに俺が考えているところに彼女は優しい笑みを浮かべながらこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お疲れさま…比企谷君』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『合図』

 

 

私にはすぐにわかった。

 

比企谷君が『合図』を出したのを…

 

千葉村のときも、文化祭のときも…

 

今回もそうだった。

 

 

彼が何か大きな『行動』を起こすときには私たちに『合図』をくれたのだ。

 

気になって彼の妹である小町さんにも聞いてみたこともあったが、彼女はこう答えた。

 

 

『あ、雪乃さんにもわかりましたか?』

 

『小町にもわかるんです。兄が何か大きなことをするとき…、ほとんどの人は気がつかない『合図』。それに気づいたときは…』

 

 

そして、今回の戸部君の依頼…

 

私にはわかっていたのだ。

 

彼が何かしらの行動を起こすことを…

 

 

しかし、私は彼に『任せる』と言った。

 

どのような結果になったとしても…

 

私は彼にこう言うのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お疲れさま、比企谷君』と…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雪ノ下…、お前は俺を拒絶しないのか…?」

 

「私は今回、『あなたに任せる』と言ったのよ。それを労っちゃダメなのかしら?」

 

「いや、そういうことではないが…」

 

「そんな挙動不審にしてると警察呼ぶわよ?」

 

「お前なぁ…」

 

「ふふ…、冗談よ。いつも通りの比企谷君ね」

 

それから私たちは近くのベンチへと腰を掛け、私は意を決して話し出した。

 

「まずは、ごめんなさい…比企谷君」

 

「え、いや…?何が?」

 

「今回の依頼、任せきりにしてしまって…」

 

「それは仕方な「私ね、あなたのやり方嫌いよ…」お、おう…?」

 

私が怒りもせず、ただ淡々とそんなことを言ったせいか、彼は困惑している。が、私はかまわず話を続ける。

 

「私は…、あなたが傷つくのを見たくないの…」

 

「………」

 

「あれは…嘘告白とでも言うのかしら?あの後の比企谷君、あなたは気づいていないかもしれないけれど私にはとてもつらそうに見えたの…」

 

「そんなこと…「あるのよ!」…!」

 

「私はそれがつらい…、それを見て傷つくあなたを見るのがとてもつらい…」

 

「雪ノ下…」

 

「あなたは自分のことを『ぼっち』『孤独』と言うけれど、そんなことはないわ。小町さんや家族をはじめ、戸塚君や材木座君、そして私…傷つく人がいるのをあなた自身がよくわかっているはず…」

 

「だが、俺は…このやり方しか…」

 

比企谷君もやはりわかるのだろう…

 

だが、今までの人生で彼は、このやり方しかやれないのだろう。由比ヶ浜さんなら『もうやめて』と言うのだろう。

 

でも、私は…

 

「私は…あなたがそんなやり方しかできないのはわかったわ…。だから『もう、やめて!』とは私は言わない」

 

「え…」

 

私は伝えるのだ、言葉でしっかりと!

 

「でも…辛いときや、苦しいとき、嫌なときなどがあったら決して1人で抱え込まないで!」

 

私は震えている彼にそっと抱きつく…

 

「全てあなた1人で背負わないで!」

 

「雪ノ下…」

 

「私にできることならするわ…だから!」

 

「いいのか…、俺なんかが…」

 

「ええ、あなただからいいの…」

 

「そ、そう…か…、あり…がと…う…」

 

泣き出してしまった彼をそっと、その場で抱きしめ続けた。

 

 

比企谷八幡は、傷つかないんじゃない…

 

自分を誤魔化しているだけで…

 

いつかは耐えきれなくなり崩壊する…

 

 

比企谷八幡に助けられた人はいる…

 

助けられた本人もわかっていないことも…

 

だが、しっかりと彼は助けたのだ…

 

 

比企谷八幡は、決して孤独じゃない…

 

そう思わないと、行動できないから…

 

でも、私たちがいる…!

 

 

だから…私が…!私たちが…!彼を…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

守ってみせる…

 

 

 

 

 

 



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お、俺が家庭教師…?

どうもアルスDQです。
今回は短編です。『◯◯◯の花嫁』とは関係ないのでご注意を。あの話の前のお話?かもしれないお話…ではどうぞ。

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俺の名前は比企谷八幡、高校1年生だ。

 

入学式の日に事故に遭って、入学そうそう入院したという過去を持つが元々ぼっちなので関係はなかった。

 

しかし、最初の中間試験はマジでやばかった。文系科目は得意なので大丈夫だったが、理系科目は意味わからん。まあなんとかなったのだが…

 

問題は家庭科だ。

 

なぜかと言うと、俺が休んでいる間に何やら課題があったらしくそれが未提出だったからだ。

 

当然ぼっちだった俺は知らず、家庭科の担当の先生も見落としていたため気づかなかった。

 

そのことで今日は家庭科の担当である『鶴見先生』に呼び出されていたのだった。

 

「失礼します」

 

「あ、比企谷君。ささ座って座って…」

 

「あ、はい…」

 

「まずは…ごめんなさいね。私も気づかなくて…」

 

鶴見先生がいきなり頭を下げてきたので俺は慌てた。

 

「い、いや先生が悪いわけでは…俺が知らなかったのが悪いんですし…」

 

「本当…?そう言ってもらえて嬉しいわ。ありがとう」

 

そう言って先生は笑った。

 

「でね、今回の成績のことだけど…学年主任と相談した結果…」

 

あ、この雰囲気は補習ありか…?

 

「…なんと!赤点は回避しました!」

 

「ほ、本当ですか!?」

 

「ええ、比企谷君の場合は入院していたこともあって大変だったのもあったし、他の科目で赤点とってなかったからね。今回は特別ですって」

 

「おお…!」

 

ほっ…よかった。これで夏休みは家でゴロゴロできる。

 

「…と、ここまでは成績の話」

 

「?」

 

「私的にはやっておいたほうがいいと思うのよ」

 

「どういうことですか?」

 

「比企谷君、たしか夢は専業主夫だっけ?」

 

「どうしてそれを!?」

 

なぜ鶴見先生が知っているんだ!?

 

「ふふ…ちょっと…ね」

 

あ、職権乱用!…と思ったがそこまでのことじゃないしいっか。知られてやばいやつだったら嫌だけど。

 

「まあ、その夢はともかくとしても裁縫はある程度できるといいわよ。もし大学に進学して一人暮らしとかしても役に立つわよ。料理もできればなおいいわね」

 

「おお…」

 

「さらに家事を極めれば夢の専業主夫に…なれるかも?」

 

「おお…!それは凄そうだ…」

 

「ふふ、でね比企谷君、提案なんだけどね」

 

「?」

 

「夏休みの間、うちで家庭教師やらない?」

 

家庭教師?どういうことだ?

 

「さっきの話とどう関係が?」

 

「ああ、ごめんね。私としたことが…」

 

話を聞くと鶴見先生の娘の家庭教師をしてほしいとのこと。何でも学校で人間関係が上手くいかずに不登校気味になってしまっているために勉強についていけるか不安とのこと。

 

それで俺に家庭教師を…らしい。

 

しかし…

 

「俺、理系科目は全然ですよ。簡単な数式ぐらいは大丈夫にしてもですが」

 

「あ、それは大丈夫よ。あの子、そっちはできるからね。問題なのは国語をはじめとした文系科目ね。比企谷君の成績や解答を見させてもらったけどこれなら大丈夫と判断したの」

 

「なるほど…?」

 

「そのかわりと言ってもなんだけどね、私が色々と比企谷君に教えるかたちかな?授業でやったことや授業では教えてないこととかね」

 

「それはありがたいですが…大丈夫ですか?教師の家に生徒が行くなんて」

 

「それについては大丈夫、だって私と比企谷君のね…なんと親戚だから」

 

「えっ!?はっ!?」

 

「調べてみたらわかったから私も知ったのは最近なんだけどね。だから問題はない!」

 

俺と鶴見先生が親戚だと…?

 

世の中は狭いとかいう時もあるが、こんなことがあるもんだな…

 

だけどなぁ…

 

「ありがたい話ですが、なぜ俺に?俺なんて目が腐っているしぼっちだし、いいところなんてありませんよ?」

 

「ううん…、そんなことはないわ。君なら大丈夫だって私にはわかる…」

 

「…理由は?」

 

「教師の勘?それとも女の勘っていったほうがいい?」

 

「い、いやべちゅにどちらでも…」

 

(それに彼なら娘の理解者になってくれるかもしれないしね…)

 

「ふふ、決まりね!まずは君の両親に許可を取ってからね」

 

「まあ、うちの両親放任なんで許可なんてすぐ取れると思いますよ」

 

「へぇ…、そうなんだ…ヤッパリスコシコラシメテ…」ボソボソ

 

「鶴見先生?」

 

「あ、なんでもない。そうだね…条件はおいおい決めるとして、昼食付き、おやつ付きでどう?」

 

「マジすか!?夏休みはいつもカップ麺だからありがたい!」

 

「カップ麺…?専業主夫になるならそんな生活ダメよ。わかった?」

 

「イゴ、キヲツケマス」

 

「…」

 

「…」

 

「ふふふ…」

 

「はは…」

 

 

そんなこんなで俺は家庭教師をやることになったのだが、それはまた別のお話…

 

 

「あ、ちなみに先生の娘さんの名前は?」

 

「あ、そういえば言ってなかったわね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「留美、鶴見留美よ」

 

 

 

 

 

 

 



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好きなタイプ?

どうもアルスDQです。今回は奉仕部の日常編です。よかったらどうぞ。では…

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春休みが空けて私たちも3年生になった。

 

小町さんも無事に入学し、そのまま奉仕部に入部して賑やかになった…

 

そんなある日のこと、いつもと同じように由比ヶ浜さんと、そして少し遅れて一色さんも集まった。

 

小町さんは熱で学校をお休みしている。それで比企谷君も今日は授業後すぐに帰ったそうだ。心配性ね…

 

そうしていつも通り過ごして終わるかと思っていたのだが…

 

「やっぱり雪乃先輩の紅茶はおいしいですね!」

 

「ありがとう一色さん。…ところで本当に今更だと思うのだけど、あなた生徒会は?」

 

「あはは…本当に今更だねゆきのん…」

 

「い、いやちゃんとやってきましたよ?今日やる分はですが!」

 

「ならいいのだけれど…」

 

一色さんも2年生になってからは少し比企谷君に頼る回数は減った…かに見えたけれどそんなことはなかった。何かと理由を付けては奉仕部に来ている。べ、別に来てはいけないとは言ってはないのだけれど…

 

そんなとき、一色さんがこんなことを言い出した。

 

「あ、そういえばなんですけど先輩の好きなタイプってなんなんですかね?」

 

「「っ!?」」

 

「雪乃先輩!?結衣!?大丈夫ですか!?」

 

い、一色さんが急に変なこと言うから…

 

由比ヶ浜さんも同じようになっていた。

 

「きゅ、急に何?いろはちゃん!」

 

「いやー、なんか気になっちゃって♪」

 

「一色さん?」ニコッ

 

「ひぃ!?ごめんなさい!で、でも気になりませんか?」

 

「「そ、それは…///」」

 

い、いや比企谷君の…///

 

仕方ないわね…、別にあの男の好きなタイプが気になるとかそんなわけじゃないから…

 

そんなわけじゃない…から…

 

「なら一緒に考えましょう!」

 

そうして私たちはなぜか比企谷君の好きなタイプについて考えることになったのだ。

 

「では、結衣さんから!」

 

「ふぇ…!?あ、あたし?うーん…あ、女性?」

 

「なんでそこから!?」

 

「だ、だって…さいちゃんがいるし…」

 

「「あ…、たしかに」」

 

妙に納得してしまった自分が恐ろしい…

 

もし、戸塚君が女性なら誰も勝てないわ…

 

由比ヶ浜さんたちもそう思ったらしい。

 

「じゃ、じゃあ戸塚先輩は除外して…、次は雪乃先輩!」

 

一色さんに聞かれたので私も答えた。

 

「…妹?」

 

「雪乃先輩!?」

 

「ふふ、冗談よ…」

 

さすがに妹がタイプってことは…ない?ないわよね?さすがに…?なんだか不安になってきたわ…

 

「小町ちゃんもなんだかんだ言ってヒッキーのこと好きだから…そんなことかいよね?」

 

「なし!小町ちゃんもなしでいきましょう!それ以外でお願いします!」

 

「そう…なら、料理上手な人かしら?」

 

私は無難な選択を出す。

 

「あー、たしかにそうかも…って結衣先輩!?どうしたんですか!?」

 

「やっぱり…料理できないとダメなのかな…?はぁ…」

 

し、しまった!?由比ヶ浜さんが凄い落ち込んでしまった。なんとかしないといけないわ!

 

「だ、大丈夫よ由比ヶ浜さん!料理だけで決まるわけじゃないから!他にも色々考えましょう!ね?」

 

「ゆ、ゆきのーん!」

 

「あー、はいはい百合乙です」

 

そう由比ヶ浜さんには笑顔が似合っているわ。でも、抱きつくのはちょっと…

 

「じゃあ次はあたし!おっ、おっぱいが大きい人///」

 

「ちょっ結衣先輩…!?…あ!今度は雪乃先輩が!」

 

ふふ、由比ヶ浜さん。今までありがとう…

 

そしてさようなら…どうせ私のむ、胸なんて…グスッ…雪乃泣いてなんかないもん…

 

「ゆ、ゆきのんごめん!大丈夫!む、胸ばかり見ている人だけじゃないから!もっと色々あるから!だからごめんね!」

 

「ほ、本当…?」

 

「うん!」

 

そ、そうよね…む、胸なんか唯の脂肪だもの。そう、唯の脂肪だから大丈夫…

 

雪乃強い子だから大丈夫…

 

「はいはい、乙です〜。じゃあ次は私ですね!…あ、後輩とかどうですか?」

 

「あー、たしかにヒッキーいろはちゃんに甘いしね」

 

「比企谷君の場合、小町さんがいることで自然となってしまうでしょう」

 

「そうなんですかねー、そうすると後輩もしくは、弟か妹がいる人ですかね?」

 

「次あたし!…養ってくれる人とか!」

 

「たしかに先輩そんなこと言っていたような…そうすると年上?」

 

「「「…平塚先生」」」

 

「「「……」」」

 

「「「無い(です)…」」」

 

平塚先生頑張って下さい…

 

「あと年上で身近な人…雪ノ下さんとかですかね?」

 

「それはないわね…」

 

彼が姉さんに振り回される未来しか見えないわ…

 

「ですよね…、苦手そうですし。でも先輩って働きたくないとか言うくせになんだかんだ働いてくれそうですよねー」

 

「たしかに!ヒッキー文句いいながらでもやってくれそう!」

 

「そうね…あとは何かしら?」

 

「んー、あとタイプかわからないですけど先輩ってあまり自分のスペースに踏み込まれると嫌がる気もしますね。なんかこう避けられる気も…」

 

「あ、なんとなくわかるかも!」

 

「そうなの?」

 

「あ、雪乃先輩場合は違うと思いますよ。まあ先輩だからなぁ…攻略難しい…。あとは家事ができる人ですかね?」

 

「そんなところかしら…」

 

「じゃあ、まとめると『女性・料理ができる・胸が大きい・年下もしくは弟妹がいる・自分のスペースに必要以上に入って来ない・家事ができる』ってことですかね…?」

 

「そうだね…」

 

「まあそうね…」

 

「まあ、こんな当てはまる人なんてそうそういないから大丈夫ですね〜!」

 

「ふふ、そうね…」

 

「うん!そうだね!あ、あたし頑張らないと!」

 

「負けませんよ〜!」

 

「ふふふ…」

 

そうして今日もいつも通り過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…にしても、今日は手伝ってもらって悪いな。買い出し」

 

「別に…そういえばあんた夜ご飯どうするの?」

 

「あー、そうだな。親父たちも仕事でいないし、カップ麺かな?」

 

「またカップ麺?そればっかだと体壊すよ」

 

「でもな、俺作れるの卵料理だけだしな…」

 

「なら、私が作りに行ってやるから…あんたは卵で何か作りなよ」

 

「お、おう…。にしても迷惑かけるな、昼飯も作ってきてもらって」

 

「前に妹の面倒見てもらったからお互い様…、ほらいくよ」

 

「はいはい、わかったよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川崎」

 



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短編 クロス
知られざる八人目の超人高校生


どうもアルスDQですー!今回は『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』とのクロスです!よろしくお願いします!ではどうぞー!


 

日本には、世界に名を轟かせる七人の高校生たちがいる。

 

 

高校生にして世界最強の剣豪

『一条葵』

 

高校生にして世界最高の医者

『神崎桂音』

 

高校生にして世界最高のマジシャン

『プリンス暁』

 

高校生にして世界最高の発明家

『大星林檎』

 

高校生にして世界最高の実業家

『真田勝人』

 

高校生にして日本の総理大臣を務める天才

『御子神司』

 

高校生にして世界最高のジャーナリスト

『猿飛忍』

 

 

ー以上いずれも高校生レベルに止まらない七人の少年少女たち

 

人々はその卓越した能力へ敬意と畏怖を込め彼らを《超人高校生》と呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…しかし、実はもう一人《超人高校生》と呼ばれる者がいた。その者は世間一般には知られずにいる。知っているのは超人高校生たちのみであるが七人の超人高校生たちに一目置かれている。彼ら超人高校生たちは彼のことをこう呼んでいる…。

 

 

《世界最高の何でも屋》と…

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

----中東の紛争地帯----

 

桂音「ふふふ…」

 

葵「うぬ?嬉しそうであるな桂音殿。」

 

桂音「そうはそうですわ。みんなで集まるのは久しぶりですもの。それに・・さんとも会えますしね。」

 

葵「拙者も・・殿と会えるのは久しぶりになりますかな。また手合わせでもしてみたいものです。」

 

桂音「あら、私は・・さんと会いましたわよ。丁度忙しかった時にふらっと現れて手伝ってくれましたもの。私の執刀速度についてきて的確なサポートができるのはきっと過去・現在・未来において・・さんだけですわ。」

 

葵「なんと!来ているなら拙者も会いたかったですぞ!」

 

桂音「ふふふ…明後日には会えるからそれまではここでお仕事頑張りましょう。」

 

 

----宇宙ステーション----

 

クマウサ『リンゴちゃんリンゴちゃん!』

 

林檎「ん〜…なぁにクマウサ。今、生体金属の細胞分裂プログラムの最終調整しているから、集中させて欲しいんだけど…。」

 

クマウサ『そんなことしてる場合じゃないクマ!もう約束の日まですぐクマ!そろそろ地球に下りないと間に合わないクマ!』

 

林檎「あ、そっか。うっかりしてた。…それにしてもお腹空いたな。」

 

クマウサ『ご飯なら・・君が作ってくれたのがまだあるクマ。温めておくから待ってるクマ。…それにしても・・君は突然来るから毎回びっくりするクマ。』

 

林檎「でも、お兄ちゃんが来ると1人じゃなくて楽しい…。司さん元気かな…?」

 

 

----日本----

 

司「そういえばシノブ、さっき・・はどこにいたのかわかるかね。」

 

忍「んー?すぐ後ろにいたよ〜。襲撃者に撃ってたしねー。」

 

司「…やはりか。彼にはいつもすまないな。でもこれを聞いたところで…」

 

忍「俺はやってないって言うんだろうね〜。・・は捻デレさんだからねー。まあ、そんなところが好きなんだよねー。」

 

司「はは、そうだな。」

 

 

----千葉県 総武高の屋上----

 

?「…誰か俺の噂でもしてたか?いや、ないな。まず俺のことを噂するやつがいないからな。それにしても明後日か…。行くのだるいけど行かないと忍や桂音が怒るんだろうな。めんどくさいけど行きますか…。」

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

彼の名前は比企谷八幡。

八人目の超人高校生であり、シスコン。

そして《世界最高の何でも屋》だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もっとも本人は《世界最高の専業主夫》と思っているが…

 

 

 



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この世界に来て一ヶ月…

どうもアルスDQです!今回はノーゲーム・ノーライフとのクロスの短編です!時期は修学旅行旅行後です!ではどうぞー!


俺の名前は〈空〉

18歳・童貞・無職・非モテ・コミュニケーション障害・ゲーム廃人。ジーパンTシャツで黒い髪をしている。

 

そして俺の妹である〈白〉

11歳・不登校・友達なし(ぼっち)・いじめられっ子・対人恐怖症・ゲーム廃人。真っ白い長い、しかし全く手入れされていない様子の髪で小学生のセーラー服を着ている。

 

俺たちは2人で1つ、それが俺たち『 』だ。数多くのゲームの頂点に立ち、280を超えるゲームのオンラインランキングで不倒の記録を打ち立てた。そう無敗なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…しかし、それは『 』でのことだ。俺と白はお互いに勝負をして勝ったり、負けたり、分けたりしている。もっとも勝ち越しはされていないが。それにもう1人…俺と白を単体の時の場合、同じ実力を持っているやつはいる。

 

まあ、そんなことはさておいて今俺たちは空を飛んでいる。

 

え?なんでだって?

 

数時間前、俺たちに一通のメールが届いたのがきっかけだった。メールの送り主は俺たち『 』が兄妹であることを知っておりチェスを挑んできた。

 

長時間の戦いを制しなんとか勝ったがこれほど苦戦したのはあいつとやるとき以来だな。もっともあいつは毎週俺たちのために飯を作りに来るがてら勝負するのだが。

 

そして勝った後こうメールが送られてきた。

 

 

【もし"単純なゲームで全てが決まる世界"があったらー】

 

【目的も、ルールも明確な盤上の世界があったら、どう思うかな?】

 

 

俺と白は顔を見合わせて頷きこう書いた。

 

 

『ああ、そんな世界があるなら、俺たちは生まれる世界を間違えたわけだ』

 

 

そう書いた刹那、パソコンの画面にノイズが走り、画面から『腕』が生えて、俺たちの腕を掴み、引きずり込んだ。画面の中へと。

 

 

・・・・

 

その後、空へといつの間にかスカイダイビングしていた俺らは自称神からこの世界《盤上の世界・ディスボード》の説明と《十の盟約》について教えられた。その後自称神様は消え、今の状況である。

 

その後なんとか白を抱き込み自分を下にして少しでも白に来る衝撃を和らげた。そうして目が覚め周りを見渡すと龍がいたり、島が浮いていたり、巨大なチェスがあったりするのを見た俺たちはこう呟いた。

 

 

 

空・白「「ついに"バグった"……もう、なにこれ、超クソゲぇ………」」

 

 

 

こうして意識が暗転しようとした時にこんな声が上空から聞こえた。

 

 

?「ゆ、ゆきのん〜や、やばいやばいよ!!」

 

?「ゆ、由比ヶ浜さん捕まってー!!」

 

?「こ、小町こんなこと聞いてないよ〜!!」

 

?「…………」スゥスゥ

 

 

そして地面にぶつかった…

 

 

・・・・・・・

 

 

空「妹よ…俺たち以外にも来た奴らがいたぞ。」

 

白「そう…みたい。にい…あのアホ毛…もしかして…」

 

そう言われ見てみるとあいつだった。….まあ、俺たちが呼ばれてあいつが来ないわけないよな。

 

?「…………」スゥスゥ

 

空「おい、起きろ。」

 

?「…………」スゥスゥ

 

空「おい、八幡!」

 

?「…………ん?空かおはよう、そしておやすみ。」

 

白「…いいから…起きる…の…八幡…!」

 

?「…分かった分かった。おはよう白。」

 

 

こいつの名前は比企谷八幡、俺たちと唯一対等に勝負できるやつで俺たち単体ならこいつに何度も負けている。八幡はオンラインゲームで《名も無き神》と呼ばれ毎回俺たちが頂点を取るのに対し、必ず次点を取る。そのことから俺たちと同様都市伝説とされている。

 

空「てか、お前あの状況でよく眠れたな。」

 

八幡「いやあの自称神様の話を聞いたあと眠くなったから寝てただけだ。なんとかしようと思ってもすでに手遅れだったし。」

 

白「…相変わらず…なの…八幡は…」

 

そう話していると

 

結衣「ヒッキー、その子誰だし!なんで普通に話してるの!マジありえないから、マジキモい!キモい!本当にキモい!!」

 

雪乃「あらロリ谷君何をしているのかしら?待ってなさいすぐに警察に電話するからそこのあなた安心してくれていいわよ。」

 

小町「お兄ちゃん何やったの!?誘拐してきたの!?小町的にポイント低すぎるよ!」

 

うるさい3人が話しかけて来た。前に八幡から聞いた話だと黒髪の長い方が雪ノ下、団子が由比ヶ浜、あとは妹の小町だっけか?それにしてもうるさい。そもそも八幡は白を誘拐もしてないし、話してるだけでキモいとか八幡しか友達がいない俺でもどうなの?って思うぞ。てか、雪ノ下に至ってはこの状況でどう携帯を使うのか今自分の置かれていることについて理解しているのか?

 

さすがの白も怒ったようで

 

白「…そこの…3人うるさい…!…八幡のこと…よく知らない…くせに…。少し…黙れ…!」

 

威圧を込めてそう白が言うと静まった。てか、こいつら11歳にびびるってどうなの?

 

その後、少し落ち着いた後雪の…、もう胸無しでいいや。胸無しが聞いてきた。

 

雪乃「そ、それであなたたちは誰なのかしら?」

 

空「『 』と言えばわかるか?」

 

結衣「『 』ってあの!?」

 

小町「結衣さん何か知っているんですか!?」

 

結衣「うん!なんか300近いゲームで全部1位で負けたことがないプレイヤーとして都市伝説になっているんだよ!でも『 』が2人組だったなんて知らなかったよ!それはそうとなんでその2人とヒッキーは知り合いなんだし!」

 

は?こいつら知らないの!?

 

空「八幡は『名も無き神』ってやつで俺たちと同じく都市伝説になっているやつだぞ?」

 

白「…そう…八幡は…すごい…」

 

結衣「えっ!?ヒッキーがあの!?だったらなんで黙ってるし!」

 

小町「そうだよ!なんで黙ってるのお兄ちゃん!」

 

雪乃「そうよ、白状しなさいヒキガエル君。」

 

八幡「さっきからうるせぇな…俺起きたばっかなのに。なんでお前にいちいち俺のこと言わないといけないんだ。小町に至っては意味分からんし。」

 

小町「何が意味分からないの!」

 

八幡「だってお前には一度いったぞ。そんなことも覚えてないのか。やっぱりアホの子だな。」

 

小町「アホじゃないよ!それにお兄ちゃんこそ嘘つかないでよ!」

 

結衣「そうだよ!小町ちゃんが嘘つくわけないじゃん!」

 

雪乃「そうよゾンビ谷君。証拠を出しなさい。どうせそんなものないと思うけれど。」

 

そう胸無しは嘲笑うかのように見ているが

 

八幡「あるぞ。」

 

3人「え!?」

 

八幡はそう言うと携帯を取り出し再生させる。すると、たしかに八幡が言っていた通りだった。

 

八幡「これでも違うと言うのか小町?」

 

小町「……」

 

八幡「まあ、お前は信じなかったがな。散々『嘘だ、嘘だ』いった挙句親父たちにいって俺が嘘ついたことにされ滅茶苦茶怒られたんだが。さらにその後親父たちから『教えてくれてありがとね』とかでお金貰いやがって、ふざけんじゃねえっての!!」

 

小町「……」

 

八幡「で?小町が信じてねえのにお前らに言ったところで嘘だ嘘だと言って信じないくせに何が黙ってただ。小町の言うことは信じるくせに俺のことを全部否定するのによ。」

 

雪乃・結衣「……」

 

八幡「よく、それで文句が言えたもんだな。」

 

八幡はそう機嫌悪そうにしめた。

 

なぜ八幡がここまでなっているかと言うと修学旅行でのことがきっかけらしい。告白したいやつと告白を阻止したいやつの2つの依頼があった。団子と胸無しは告白を阻止したいやつの依頼に気づかずに八幡に丸投げしたくせに終わった後、やり方を否定したらしい。

 

それを聞いて俺と白は会う前からこいつらのことは嫌っていた。

 

これだからこの世はクソゲェなんだ。

 

その後、変な空気になったがとりあえず道なりに進んだ。途中盗賊に襲われたがなんなく勝ち、数時間後なんとか人間がいるところに着いた。あの3人がうざかったけどな。

 

酒場につきイカサマは発覚しなければいいということを確認した後ふと、周りを見たら八幡はいなかった。するとポケットには紙が入っており、俺と白しか分からないような暗号でこう書かれていた。

 

【すこしぶらぶらする。あいつらのこと適当に任せた。】

 

おいー!?あの3人を任せるんじゃねーよ!八幡のことだから心配はないけどこいつらどうにかしてから行けよ!

 

俺は先のことを考えてため息をついた。

 

・・・・

 

そして俺たちがこの世界について一カ月後がたった。その間に元王族であるステフと勝負して俺に惚れさせたり、森精種と組んだクラミーとの《次期国王選出》に挑み勝利して俺と白でエルキアの国王となると同時に人類種の全権代理者となったりした。

 

…そのときあの3人、特に胸無しが突っかかってきたが全員返り討ちにした。あいつらより断然、いやそれ以上にステフの方がよっぽどいいと思うんだが、うん。

 

あとはタブレットのPCにあった専門書を使い内政を色々いじくって安定させた。ついでに、ベッドの寝心地が悪く寝相が悪い白と離れ離れになったりよくしたので家を作った。現在建築の資料を見ながら。

 

そんなこんなで一カ月が立ち、次にやることが《天翼種》を味方につけることだ。そうすればこの世界の知識が手に入る。そう思っているのだが…

 

空「…やっぱ天翼種を味方につけるのが得策なんだけどコンタクトがな。」

 

そんなことを、呟いたら

 

ステフ「天翼種に何か用でしたら、近くに一人、いますわよ?」

 

…なんだって!?

 

その後ステフから話を聞いた俺たちは獣人種もどきの格好をさせたステフに案内されながら、その天翼種がいるという大図書館へと向かったのだった。

 

 

…それにしてもあの3人いつまでここにいるの?俺と白とステフとあといつ帰ってくるかわからん八幡だけでいいんだけど。

 

 

それで大図書館に着き歩いていると…いた。

 

それは天使だった。頭上に幾何学的な模様を描き回る光輪と羽を腰から生やした、少女。

 

そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「…………」スゥスゥ

 

 

 

その少女の膝で眠る八幡がいた。天翼種の少女に頭を優しく撫でられながら寝る八幡が…。

 

 

 

 

 

 

どうしてこうなった!?

 

 

 

・・・・・・・

 

少したった後起きた八幡はその天翼種に話をして、俺たちを図書館の一角にあるテーブルに案内させお茶とお茶菓子を出されて和んでいた。

 

いやいやおかしくない!?

 

とりあえずまずは…

 

空「でだ、八幡この一カ月どこで何してたんだ?」

 

白「……白…も気になる。」

 

八幡「あー、そうだな。要点だけ話すとこんなもんかな?」

 

 

・空たちと別れた後ここに来た

 

・それでこの少女、ジブリールに出会った

 

・ゲームをして殺されかけたがなんとか勝った

 

・ジブリールと仲良くなり、天翼種の空間移動で色々なところに遊びに行った

 

・ジブリールに告白して恋人になった

 

・ジブリールの故郷であるアヴァント・ヘイムに行き、他の天翼種とゲームをして殺されかけたがなんとか勝った

 

・その後色々あり、ジブリールと結婚して天翼種みんなの協力で結婚式をやった

 

 

うん、とりあえずツッコミどころ満載だが…まず聞かないといけないことがある。

 

空「……色々と言いたいことはあるが八幡、結婚したって言ったか?」

 

八幡「あ、うん。そうだな。紹介がまだだったなこちらが…」

 

ジブリール「申し遅れました。私は天翼種でありハチの嫁のジブリールでございます。どうぞよろしくお願いしますね。」

 

白「にぃ…白…わけが分からない…」

 

空「……妹よ、俺も同じだ。」

 

だってこの一カ月で天翼種と知り合っただけでなく結婚だぞ!?そりゃわけが分からなくなるわ!

 

結衣「ヒッキーが結婚…ヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキー…」

 

雪乃「け、結婚…比企谷君が…比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君」

 

小町「あははは…お兄ちゃんが結婚なんてウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダ」

 

3人が壊れたがもう放っておこう。

 

空「まあ、いい…。いや、よくないが。で、ちょっとそこのジブリール?と勝負がしたいんだがいいか?」

 

ジブリール「あ、もう少し待って下さい。ハチの頭を撫でるので。」

 

八幡「いつもありがとうなジブリール…」

 

ジブリール「ハチ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空・白「「リア充爆発しろー!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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この世界に来て一ヶ月…2

どうもアルスDQです。ハチジブです。
前に出した短編の続きです。

ブラックコーヒーの準備したほうがいいかも?
では、どうぞ。

更新用のTwitterもよろしくです!
http://twitter.com/DQarusu3


前回のあらすじ

 

「「俺(私)たち結婚しました」」

 

by 八幡&ジブリール

 

 

「「リア充爆発しろ!」」

 

by 空&白

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の名前は〈空〉

18歳・童貞・無職・非モテ・コミュニケーション障害・ゲーム廃人。ジーパンTシャツで黒い髪をしている。

 

そして俺の妹である〈白〉

11歳・不登校・友達なし(ぼっち)・いじめられっ子・対人恐怖症・ゲーム廃人。真っ白い長い、しかし全く手入れされていない様子の髪で小学生のセーラー服を着ている。

 

俺たちは2人で1つ、それが俺たち『 』だ。数多くのゲームの頂点に立ち、280を超えるゲームのオンラインランキングで不倒の記録を打ち立てた。

 

そんな俺たちは唯一神のテトの手によって異世界である、ディスボードに来た。

 

そこからクラミーと対決をしてエルキアの国王になり色々やっていたわけだが、俺たちと別行動していた八幡が見つかった。

 

よかった、よかった。

 

一ヶ月の間に天翼種に勝ち、その天翼主催者であるジブリールと結婚もして…

 

よかった、よかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやいやいや!?よくないよ!いや、よくなくないこともないが、やっぱりおかしい!

 

白「にぃ、大丈夫…?」

 

空「ああ、現実に頭が追いついてないだけだ」

 

八幡「なんなら少し休むか?」

 

ジブリール(以下ジブ)「それでしたら、何か毛布か何かかけるものを…」

 

空「お前らのせいだけどな…!」

 

八幡・ジブ「「?」」

 

いや、わかれよ!首傾げるなよ!

このリア充が!

 

今だって八幡はジブリールに頭撫でられてるし、ジブリールは八幡に対して女神みたいな顔向けてるし、もうやだ!助けて白!

 

空「まあ、これ以上いっても進まないから、改めて自己紹介だが、俺は…」

 

ジブ「エルキアのニューキング&クイーンの空様と白様、でございますね。ハチから色々と聞いています」

 

色々って何!?余計なこととかいってないよね?俺はそう思い八幡に目を向ける。

 

八幡「大丈夫だ…多分な」

 

空「大丈夫じゃない!」

 

白「にぃ、どんまい…」

 

空「どんまいじゃないよ白さん…」

 

ジブ「ところで私にどのような御用でしょう」

 

空「単刀直入に言う…この図書館をくれ、といいたいところだが、今はこの図書館の所有者って誰になるんだ?」

 

白「…たしかに八幡に負けたとは聞いたけどそれはどうなっているかはわからない」

 

ジブ「それは…」

 

八幡「たしかに俺はジブに勝ったが、図書館は所有者はまだジブリールだぞ?」

 

空「そうなのか?だったらさっきも言った通りこの図書館をくれ」

 

ジブ「人の身で…といいたいところではありますがハチに敗れた私が言えることはではありませんね。しかし…」

 

雰囲気が変わった…が相変わらず八幡の頭を撫でている。

 

ジブ「ですがこの図書館は、私が集めた本と私とハチで集めた本で埋めつくされています。天翼種というよりハチとの思い出が詰まった書庫は、私にとって命と同じです」

 

ジブ「私に命を賭けさせる以上、そちらもそれ相応の対価を賭けるものはあるのですか? …」

 

空「お前が知らなくて、俺と白が八幡のこと知っていること全部と異世界の…「喜んでお受けします!!」お、おう?そうか…」

 

これ冗談だったんだが、まあいいや…

 

異世界の書の方が飛びつくかと思ったんだが、すごい食いつきようだな。

 

紅茶吹き出したし…

 

八幡「おい、こらはしたないぞジブ。拭くからこっち向いて…よしオッケーだな」

 

ジブ「え、あ///」

 

 

空・白「「もう、イチャつくな!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにあの3人はというと…

 

結衣「ヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキーヒッキー…」

 

雪乃「比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君比企谷君」

 

小町「ウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダ」

 

まだまだ壊れ中。

 




おまけ(空たちが来る前、八幡たち結婚後)

ジブ「ハチ、1つ聞いてみてもいいですか?」

八幡「どうした?」

ジブ「ハチのその…私たち天翼種でいう創造主といいますか…」

八幡「つまり、俺の親についてってことか?いや、特に普通の人だぞ。母親は病気で幼い頃に亡くなったけど…」

ジブ「亡くなった?…となるとあれは?とても虚を言っているとは思えなかった。しかし、あれほどの力、神霊種に匹敵するほど…」ボソボソ

八幡「ジブリール?」

ジブ「な、なんでもありません。あ、そろそろ昼食にしますね」

八幡「そうか、いつもありがとうな」


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ここはどこだ…?

どうもアルスDQです!今回はこのすばとのクロスです!ではどうぞー!

あ、誤字脱字あったら報告よろしくお願いします!


八幡「ここはどこだ…?」

 

目を開けるとそこには俺が座っている椅子しかなかった。周りは暗く霧がかっていて、俺の周りだけ明かりでもついているようだった。

 

うん、まあどういうこと?ハチマンワカンナイヨ?

 

と、思っていたら目の前の霧が晴れてきた。

 

すると、そこには1人の女性がいた。

 

?「比企谷八幡さん、ようこそ死後の世界へ。」

 

死後の世界?あー、そういえば俺死んだのか。俺は死ぬ前のことを思い出した。

 

 

・・・・・・・・

 

 

俺、比企谷八幡は高校2年で総武高に通っていた。それまでの過去で人間不信になったり、女性が嫌い(さらに言えば優しい女性)になったりしていた。

 

家族も俺のことなんてどうでもいいらしく、周りから見ればネグレクトだった。妹の小町のことは溺愛しているのにも関わらずな。それに俺を留守番にさせて旅行に行ったりしていた。

 

唯一、妹の小町だけは俺に対して優しくしてくれたのだが、それでも「学校では極力話しかけて来ないで」とは言われた。まあ、俺も学校にいるときは小町に迷惑が掛からないようにそうしていたが本人に言われると少し傷つく。

 

そんなこんなで高校まで来たが、入学式の日に犬を庇って轢かれた。痛かったが、これで高校でもぼっち生活が過ごせると思い喜んでいた。

 

ちなみに両親は仕事だからと言って1回も見舞いには来なかった。小町に何かあったときはそんなの放っぽり出して来るのにな。小町は来たが、それでも2回。さらに俺が入院しているときに勝手に俺のアイス食いやがった、許さん。

 

まあ、そうして月日は経ち、2年になった。

 

そのとき宿題で「高校生活を振り返って」というお題の作文があり、ありのままを書いたら平塚先生に呼び出された。そして目が腐ってるだの、性根が腐ってるなどイチャモンをつけられ奉仕部に強制入部させられた。

 

その後、雪ノ下雪乃と出会い、しばらくして由比ヶ浜結衣と出会い、今までとは違うことがあり、この空間が好きになっていった。この2人なら俺の《本物》になってくれるかもしれないと思い始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だか、そんなのは俺の思い違いだった。

 

修学旅行で、告白したい戸部と告白されたくない海老名さんの2つの依頼。奉仕部の2人は依頼が2つあることに気づかなかったが、もしこれが失敗するとそのツケは奉仕部に来る。俺は2人を守るために依頼を解消した。雪ノ下と由比ヶ浜を守るために。

 

しかし、2人から返ってきたのは否定の言葉だった。

 

雪乃『あなたのやり方嫌いだわ。』

 

結衣『人の気持ち考えてよ!』

 

雪ノ下、俺のやり方が嫌いなら俺に任すなよ。俺に任せると言っときながら何を言ってるんだ?

 

由比ヶ浜、お前に言われたくない。お前は海老名さんの気持ちを考えてたか?同じグループなのに。俺がやらなかったらお前のグループは崩壊したぞ。

 

やはり人間なんて…

 

そして家に帰って来たらで小町と喧嘩するし。なんで言いたくないこと言わないといけないんだ。

 

まあ、小町とは結局喧嘩したままだったが。

 

それから生徒会選挙のことがあったりしてさらに奉仕部の空気は悪くなっていった。

 

そんなある日、生徒会長になった一色いろはに生徒会長にさせた責任を取れと言われ仕事をしていたが、体調が悪かった。

 

そして病院に行くと、あら不思議。余命宣告された笑。余命1ヶ月だって。マジか…。

 

俺は残り1ヶ月で何やろうかなと考えていた。戸塚に何も言わずに死ぬのは嫌だったので、ノートにアドバイスや言いたいことを書こうと思った。やっているうちにもう、知り合い全員に書こうと思い、俺が知っている人には書いた。

 

次は家族にお金を渡すことにした。昔から小遣いは小町の半分しかもらえていなかったので中学のとき、宝くじをやり3億円当てた。それを元手に株をやっていたら現在10億円。

 

思っていたより稼いだな…。

 

そのお金をクソ親父、お袋、小町にそれぞれ1億ずつ贈るか。手紙を入れて。散々放っぽり出してきた息子や兄にこんなの贈られたら皮肉にしかならなそうだがそれはそれでいい。

 

さらに俺は何をトチ狂ったのか裏切られた雪ノ下と陽乃さんの姉妹を雪ノ下家から解放しようとした。それの準備に2週間と2億かかった。うん、疲れた。

 

あと残ったお金はどうするか…。

 

結局は残りのお金は俺の家を始め、俺の知り合いの家のローンを払うことにした。

 

そうして準備が終わった俺は雪ノ下家の専属執事である都築さんに頼み、俺の家族に渡す3億円や雪ノ下姉妹を解放することができる封筒、それぞれに向けた言いたいことが書かれているノート、そして家のローンで4億円。それらを俺が死んだらお願いしますと。

 

都築さんは思いのほかあっさり引き受けてくれて驚いた。何か察してくれたかもしれない。

 

あらかたやることが終わり、余命宣告された日の3日前、俺は残りの1億円を持って家を出た。その途中で美味しいものを沢山食べたり、電車代などでどんどんお金をは消えていったが。

 

そうして千葉とは違うところに来てどこかの山の奥で誰にも知られないようにひっそりと死のう。そう思っていた。

 

そんなとき、道路に飛び出した子どもがいた。そこに1台の車が。俺はもうろくに動かなかった体にムチを打ち、飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、俺は子どもをかばい、亡くなった。

 

 

・・・・・・・・・

 

 

そうして死んだことを思い出していると

 

?「あの、八幡さん?」

 

八幡「あ、大丈夫です。続けて下さい。」

 

おっと、少しボーッとしてたわ。

 

?「では改めて、コホン。比企谷八幡さん、ようこそ死後の世界へ。あなたはつい先程、不幸にも亡くなりました。短い人生でしたが、あなたの生は終ってしまったのです。」

 

あー、やっぱり死んだんですね。まああれで死ななくても病気で死んでたし変わらんけどね。

 

あ、そういえば…

 

八幡「あー、そういえば俺が助けた子どもはどうなりましたか?」

 

?「八幡さんのおかげで怪我1つもなく、無事です。」

 

八幡「よかった…」

 

助けといて死なれたら元も子もないしな。

 

?「あの子は将来、日本には欠かせない人となります。八幡さんが助けてくれなかったらそれこそ日本が危なくなるぐらいに。」

 

え!?あの子どもそんなにすごいやつだったの?びっくりだわ。

 

八幡「そ、そうなんですか。あ、そういえば今更なんですけどあなたは一体…」

 

本当に今更だけど誰?

 

?「あ、私のことまだ言っていませんでしたね。私の名前はエリス、日本において若くして死んだ方を導く幸運の女神です。よろしくお願いしますね。」

 

八幡「あ、あらためて比企谷八幡です。エリス様。」

 

エリス「ふふ、エリスでいいですよ。それに敬語じゃなくてもいいですよ?」

 

八幡「な、ならエリスさんで。」

 

エリス「さんもいいですよ?」

 

八幡「え、エリス?」

 

エリス「はい!」

 

そう言うとエリスは満面の笑みを浮かべだ。というかエリスって美少女だよなー。もうその笑みなんて女神じゃん。あ、女神でしたね。もう可愛いってもんじゃない、結婚したい」

 

ふと見るとエリスの顔が赤い。なぜだ?

 

エリス「えっと///あ、あの八幡さん声に出てます///」

 

は!?声に出てたの!?黒歴史確定じゃん!

 

八幡「申し訳ございませんでした!」土下座

 

エリス「え!?あ、あの大丈夫ですから顔をあげて下さい!」

 

八幡「いや、でも…」

 

エリス「わ、私がいいと言ってるから大丈夫です!」

 

八幡「は、はぁ…」

 

エリス「そ、それに嬉しかったですし…///」ボソボソ

 

なんかまだ顔赤いけどいいのかな?

 

ま、いっか。ところで…

 

八幡「あ、それで俺ってどうなるの?やっぱり地獄行き?だったらとっとと行きたいんだけど…」

 

エリス「いやいや、八幡さんが地獄行きだったら地球の人の大半が地獄行きですよ!そんなに自分を卑下しないで下さい。」

 

八幡「でも、俺なんて…」

 

そう言うと視界が急に暗くなった。

 

エリス「そんなこと言わないで下さい…」

 

そうエリスが俺を抱きしめてきた。what?

 

エリス「実は八幡さんのことは以前から見ていました。」

 

八幡「え?」

 

エリス「幼い頃から両親には放置され、妹さんを守るために頑張ってきたのも知っています。」

 

八幡「……」

 

エリス「いじめられていたのも知っています。八幡さんは何も悪くないのに…。できることなら助けてあげたかった。救ってあげたかった。でも、天界の規定により手を出すことはできませんでした。」

 

八幡「……」

 

エリス「それに高校の入学式の日、犬を身を挺して守ったじゃないですか。あなたはとても心の優しい方です。普通は自分の命をかけてまで助けることなんてできません。それに八幡さんが助けた子どもも八幡さんがいなければ助かりませんでした。」

 

エリス「だから、もうそんなこと言わないで下さい…」

 

そんなことを言われたのは初めてだ。

 

こんなに嬉しいことはない。

 

今まで俺のことを本気で心配してくれた人はいなかった。なのにこの人は…エリスは…。そう思うと涙が出てきた。

 

八幡「……」ポタポタ

 

エリス「泣きたければ泣いてください。八幡さんは自分1人で抱え込みすぎています。ここには私しかいませんから、ね?」

 

八幡「うわぁぁぁ………!」ポロポロ

 

エリス「よしよし…」ナデナデ

 

八幡「つらがっだ…、つらがっだ…」ポロポロ

 

エリス「ええ」ナデナデ

 

八幡「俺、がんばっだ…がんばっだんだ…」

 

エリス「ええ、八幡さんはよく頑張りましたよ。」ナデナデ

 

八幡「うわぁぁぁ………!」ポロポロ

 

エリス「……」ナデナデ

 

その後俺はエリスの胸で泣いた。今まで吐き出せなかったことを全て出すかのように…

 

・・・・・・・

 

そうこうして30分が経ちなんとか落ち着いて来た。

 

八幡「悪いな、取り乱したりして。」

 

エリス「別に構いませんよ。今はとてもスッキリしてようでよかったです。私の胸ならいくらでもかしますから。」

 

そう言って微笑んでくれる。うん、可愛い」

 

エリス「…///」

 

なんかまたエリスの顔が赤い…

 

八幡「え、えっと今のも…」

 

エリス「はい、出てました///」

 

えー、嘘だ。また黒歴史が…。

 

エリス「コホン…///で、ですね。これからの八幡さんのことなんですが。」

 

八幡「お、おう。」

 

エリス「八幡さんがまず、地獄行きになることは絶対にありえません。元々私にはそんな権限ありませんし、あったとしても行かせません。」

 

八幡「あ、はい。」

 

エリス「八幡さん、あなたには3つの選択肢があります。1つ目は今まで住んでいた世界に記憶を消して生まれ変わることです。私としては八幡さんをあんな目に合わせたところなんて行かせたくありません。」

 

八幡「俺も記憶をなくしてまで行こうとは思わないな。」

 

エリス「それはよかったです…。2つ目は天国的なところに行きおじいちゃんみたいな暮らしをすることです。」

 

八幡「おぉ…、それは…」

 

エリス「しかし、天国といっても八幡さんが想像している様な素敵な所ではありません。死んだら食べ物は必要ないし、死んでるんだから、物は当然産まれない。そもそも作ろうにも材料も何もないし。やることといったら世間話やひなたぼっこぐらいしかありませんよ。 」

 

八幡「却下で。」

 

天国ってそんなところなの?さすがにやること無さすぎじゃね?

 

エリス「3つ目は、体と記憶を引き継いだまま異世界に転生させるという内容になります。私的にはこれをお勧めします。」

 

異世界転生かぁ…、なろう系とかで多い。

 

八幡「でもその世界ってモンスターがいたりするよね?」

 

エリス「はい。それはもううじゃうじゃと。人類は魔王軍と絶賛戦争中です。また転生者さんたちには魔王を倒してもらいたいと思っています。そして転生者さんには生き残って貰うために特典を差し上げています。」

 

ならここはやっぱり…

 

八幡「ならそれでよろしく。」

 

エリス「はい!では、この中から1つ特典を選んで下さい。」

 

すると足元に数十枚の紙が現れた。ふむふむ色々あるな。

 

しばらく見ているとふと、一枚の紙があった。これは…

 

八幡「じゃあ、これで。」

 

エリス「それでいいのですか?何も書かれていませんが。」

 

そう俺がいる選んだのは何も書かれていない紙だ。けど、俺の直感がこれがいいと言っている。

 

八幡「これがいい。」

 

エリス「ふふ、さすがは八幡さんですね。では…」

 

すると俺の足元に青白く光る魔法陣が出現した。

 

エリス「比企谷八幡さん。あなたをこれから異世界へと送ります。魔王討伐の勇者の1人として。魔王を倒した暁には神々から一つのどんな願いでも叶えてあげましょう。でも、私はそれよりも八幡さんが『本物』を見つけられることを思います。」

 

八幡「エリス…ありがとう。」

 

すると、エリスが俺に近づいてきて小声で言う。

 

エリス「少し待っててくださいね。私もすぐに八幡さんのところに行きますからね…」ボソッ

 

八幡「え?それってどういう…」

 

エリス「さあ、勇者よ!願わくば、数多の勇者候補の中から、あなたが魔王を打ち倒す事を祈っています。....さあ、旅立ちなさい!」

 

魔法陣から光が溢れ出し俺の体を覆っていき、意識が段々と薄れていった。

 

・・・・・・・

 

意識がはっきりしてきて目を開けるとそこはレンガの家々が立ち並ぶ、中世ヨーロッパのような街並みだった。

 

八幡「ここが異世界…」

 

そう思いながらしばらく立っていると…

 

?「ねえねえ、そこのお兄さん。ちょっとこっち来て。」

 

八幡「え?な、なんだ!?」

 

ボーイッシュな女の子が話しかけて来ていきなり路地裏に連れて行かれた。マジ災難…

 

?「ふぅ…ここなら大丈夫だね。」

 

八幡「え、えっとお前は?」

 

?「あたしはクリス、盗賊をやっているよ。…それともこっちの方が分かりやすいですか?」

 

八幡「え!?ま、まさかエリスか!?」

 

そう、この感じはエリスだ。

 

クリス「そうです。今の姿は魔法で変えていますが私はエリスです。今だとクリスの方が正しいですが。」

 

八幡「なんでエリスはここに?」

 

クリス「それはですね、転生者が死んでしまったときにその転生者の特典を回収してるからなんです。だからこうして下界に下りてクリスとして冒険者をしているんです。」

 

八幡「なるほど。」

 

クリス「そ、それでなんですけど…よかったら八幡さん一緒に行きませんか?わ、私がサポートしますから。ど、どうですか?」

 

ふむ、エリスと行動できるなんで役得じゃん。断る理由はない。

 

八幡「ああ、いいぞ。これからよろしくな。…えっとクリス?」

 

クリス「そうだね、ここではそれでよろしく!じゃあよろしく八幡!」

 

 

こうして俺の新たな人生は幕を開けた。

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

----エリスside----

 

エリス「行ってしまいましたか…。」

 

それにしても…

 

エリス「さすがは八幡さんですね。これを選ぶなんて…」

 

そう、彼が選んだ何も書かれていない紙。

 

実は…

 

エリス「これは何も特典がないことではなくて、私が直接特典を選ぶということなんですけどね。」

 

そう、本来使える・使えないの2つがあるが、私が選ぶということは使えない特典なんかを選ぶことはありません。さらに…

 

エリス「しかもこの場合は特典が1つではないんですよね。」

 

そう、特典の数の制限がない。転生者の魂が耐えられる限界までつけることができる。

 

さてさてじゃあ八幡さんの特典を決めちゃいましょう!

 

 

女神エリスの加護

幸運の女神エリスの加護。幸運が著しく上がる。

 

ステルス

自分の気配をなくして相手に気づかせないようにする魔法。Levelが上がることで精度は上昇。

 

アホ毛アンテナ

モンスターの位置や悪意を感じ取ることができ、射程範囲はLevelが上がることで上昇。

 

武器召喚

様々な武器を召喚することができる。Levelによって武器も強いものに変化。

 

・・・・・・

 

エリス「ふぅ、これでよしっと!」

 

それにしても八幡さんの魂はすごい。普通の人なら2つか3つで魂がギリギリ耐えきれるかどうかなのに。いっぱいつけられちゃいました。

 

よし!これで八幡さんのところに行くだけですね!

 

私は魔法を使い、女神エリスの姿から女盗賊クリスの姿に変化させる。

 

クリス「よし!待っててね八幡!」

 

こうして私は下界に下りて行った。

 

 



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悪魔の実…?

どうもアルスDQです!
今回はONE PIECEの悪魔の実について書いてみました。駄文だと思いますが…

では、どうぞー!

あ、更新用のTwitterもよろしくです!
http://twitter.com/DQarusu3


それはある日、突然現れた。

ある1人の人間が不思議な模様の果物を食べたところ、なんと動物に変化してしまった。

 

その日をきっかけに世界中にその不思議な果物が出現した。

 

全世界の研究者によりその実は研究された。

そして分かったことがいくつかあった。

 

1つ、食べると何かしらの能力が身につく。

 

1つ、食べた者はカナヅチになり、生涯泳げなくなる。

 

1つ、能力は主に3系統に分類される。

 

そして研究者たちはさらに研究を重ね、人智を超えた能力が身につく実を「超人系」、動物への変身能力が身につく実を「動物系」、身体を自然物そのものに変化させ、自在に操れる能力が身につく実を「自然系」と名付けた。

 

そして能力が身につくその不思議な模様の果物のことを『悪魔の実』と呼ぶようにした。

 

 

これはそんな実を食べた

とある高校生のお話である。

 

・・・・・・・・・

 

お、そろそろ家を出る時間か。

 

「小町ー、そろそろ時間だぞ?」

 

「あ、本当だ!ちょっと待っててー!」

 

学校に行く支度をしながら小町に声をかける。

 

「もうちょい!…よし!行こうお兄ちゃん!」

 

「なら行くか。」

 

「レッツゴーなのであります!」

 

「てか、自転車で行く気まんまんじゃないかよ…」

 

「てへっ!」

 

こいつめ…だが可愛いから許す!

 

その後、小町はとたんに心配したような顔をする。

 

「ねぇお兄ちゃん大丈夫?毎日能力使って…」

 

「大丈夫だ…」

 

「でも…」

 

「心配するな。大丈夫、学校に行けば戸塚に癒してもらうからな!」

 

「うん…、てかお兄ちゃん戸塚さんのこと好きすぎでしょ! ?」

 

「戸塚は天使だからな!」

 

「うゎ……」

 

そんなかんじで会話をしながら小町を中学校に送っていき、俺は高校に向かう。ドン引きなんかされてないよ、うん。

 

ハチマンウソツカナイ

 

そんなバカなことを考えているうちに高校に到着。あ、あれは戸塚じゃないか!戸塚も気づいたみたいで駆け寄ってきた。

 

「おはよう八幡!」

 

「よう、戸塚!」

 

朝から戸塚と会えて今日はついてるぜ!

 

「あ、八幡今日も?」

 

「あー、頼んでいいか?」

 

「うん!任せて!《癒しの奇跡》」

 

戸塚がそういうと俺の体の疲れがとれていく。

 

そう、戸塚は『悪魔の実』を食べた能力者。

 

《動物系 ヒトヒトの実 幻獣種 モデル 天使》

 

その実を食べた者を天使に変える能力で、様々な《奇跡》を使用できる。ちなみに戸塚以外にこの実を食べた者は過去にいないらしい。

 

《癒しの奇跡》は自分や触れた相手の怪我や体力などを回復できる能力だ。

 

「ありがとな、戸塚。」

 

「ううん、気にしないで。だって僕と八幡の仲でしょ?」

 

あ、うん。心まで天使だな戸塚は。

 

そうして戸塚と話しながら教室に行き、席に着く。

 

こうしていつもどおりの日常が始まるはず…

だった。

 

ガラガラ

 

「みんな《やっはろー!》」

 

その瞬間、突如真空波が生まれ、教室にいた者たちに襲いかかる…

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

 

「《バリア》」

 

それを俺が作り出した《バリア》により防がれる。

 

《超人系 バリバリの実》 バリア人間

 

その実を食べた者はバリアを作り出す能力が身につく。

 

そして今、俺が作り出したバリアにより真空波を防いだ。てか、ギリギリだった…

 

「ひ、ヒキオありがとう…」

 

「いや、別に…」

 

「あ、ヒッキーも《やっはろー!》」

 

「《バリア》」

 

再び真空波…

 

「ゆ、結衣!マスクは!?」

 

「あ、するの忘れてた…ごめん!」

 

「なんでもいいから早くマスクして!」

 

「あははは…」

 

そういいながら、彼女…由比ヶ浜結衣はマスクをする。

 

《超人系 オハオハの実》あいさつ人間

 

その実を食べた者は様々な効果を持つ《あいさつ》を使用できるようになる。

 

聞いているだけだとあまり害のない能力だ。

過去にその実を食べた人もいたがたいしたことはできなかったようだ。

 

しかし、由比ヶ浜結衣は違う。

 

彼女にとってのあいさつである《やっはろー!》は時には真空波を放ち、時には海を割り、時には山を割る。

 

他のあいさつにも様々な力があり、大変危険だ。それを危惧した政府により、海楼石のマスクをつけることを強制されている。

 

しかしながら彼女がアホの子のためにつけ忘れることがあり、こうしたことがたまにある。

 

いや、頻繁にあったりする。

 

そのため、俺の能力によって防いでいるわけだが…

 

「優美子それでね…」

 

「あ、ゆきのん!」

 

当の本人は自分の能力がどれだけ危険があるが自覚がないため、さらに大変だったりする。

 

そうして1日が過ぎて放課後になる。

 

「はぁ…」

 

「いつもお疲れ様ね、はい紅茶。」

 

「ん、悪いな。」

 

「いえあなたがいるからこの学校の人たちは無事なのよ。だからこのくらいは…」

 

「そうか…」

 

「えぇ…」

 

「いつもありがとな、雪乃…」

 

「こちらこそ、八幡…」

 

そうして2人の影が重なろうとする…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラガラ

 

「ゆきのん、ヒッキー《やっはろー!》」

 

「《バリア!》」

 

「《減少!》」

 

こうして俺の日々は過ぎていく…

 

 

 

・・・・・・・・

 

 

 

比企谷八幡

 超人系 バリバリの実 バリア人間

 原作と同じ能力

 

雪ノ下雪乃

 超人系 ゾゲゾゲの実 増減人間

 オリジナルの実

 あらゆる力を増大したり、減少したりする

 能力。自分や近くの相手に発動する。

 能力者に使えば、その能力を増減できる。

 ただし、胸は大きくならない。

  主な技

   《増大》《減少》

   

由比ヶ浜結衣

 超人系 オハオハの実 あいさつ人間

 オリジナルの実

  主な技

   《やっはろー!》

 

戸塚彩加

 動物系 ヒトヒトの実 幻獣種 モデル 天使

 オリジナルの実

  主な技

   《癒しの奇跡》《飛翔の奇跡》

   《光矢の奇跡》《神秘の奇跡》

 また、覚醒とは違うが、【堕天】という力が

 発動できる。

 



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我と一緒に…

どうもアルスDQです!
今回はハイスクールDxDとのクロスです!
アンチ要素がありますのでよろしくです!
ではではどうぞー!


真夜中の公園のベンチで俺は頭を抱えながら1人座っている。

 

「俺が…俺1人だけが悪かったのか…」

 

「俺だけが…」

 

そう何度も呟く。

 

こうなった原因は修学旅行での出来事だ。

 

奉仕部に持ち込まれた2つの依頼。

 

『告白したい』『告白されたくない』

 

そんな相反する依頼が俺が所属する奉仕部に来た。

 

しかも、片方の依頼は依頼されたのか定かではなかった。しかし、修学旅行の合間で俺は依頼だと確信した。

 

この依頼を解決することは不可能。しかし、すでに受けてしまい取り消しは困難であった。

 

さらに別のやつからも念押しされ…

 

その結果、俺が選んだ方法とは…

 

 

『ずっと前から好きでした!俺と付き合ってください!』

 

 

嘘告白。

 

こうすることで告白したいやつは自分が今振られることはないし、されたくない人はされずに済む。そう、誰も傷つかない方法だ。

 

結果、解決はできなかったが解消はできた。

 

奉仕部に所属する他の2人には俺に任せると言っていたのだから問題はない。怒られてはしまうのかもしれないがそれでも理解してくれるはずだった。

 

しかし…

 

 

『あなたのやり方嫌いだわ。』

 

『人の気持ち考えてよ!』

 

 

返って来たのは拒絶の言葉。

 

たしかに俺が何も言わなかったのは悪かったかもしれない。それでも任せると言ったのは誰だ?

 

俺か?いいや?お前らだろ?

 

さらに追い討ちをかけるかの部室での言葉…

 

 

『あんな男、来なくても結構よ…』

 

『だよね…なんか空気重いもん…』

 

 

なんだ本物だと思っていたのは俺だけなのか?

 

お前たちにとっては俺はそんなすぐに捨てれる物だったのか…?

 

さらに家族にもそのことが知られた俺は家を追い出されたのだ。

 

 

『お前なんかでてけ!』

 

『見損なったよゴミいちゃん…そんなことするなんて…』

 

 

父親と妹にはそう言われてな。

 

ちなみに母親はまだまだ仕事で家にいなかった。母親も俺を拒絶するのだろうか…?

 

そうしてフラフラと歩くままに公園まで来たのであった。

 

「はぁ…やっぱり俺はこの世界に必要ない存在なのか?」

 

そう呟いた、そのとき強風が一瞬吹き目を閉じた。

 

そして次に目を開けるとそこには…

 

「八幡。」

 

そこには少女がいた。

 

いや、少女というか幼女がいた。

 

黒いゴスロリのような服を着た幼女が…

 

「八幡、どうかした?」

 

「オーフィス…」

 

彼女の名は《オーフィス》

 

俺が信頼できるただ一人の人だった。

 

・・・・・・・・・・・・

 

オーフィスの出会いは俺が小学生の頃、友達もいなく1人で公園で本を読んでいるときだった。

 

『へぇ…、そうなんだ…』

 

『なるほど、なるほど…』

 

『何、読んでる?』

 

『いや、これは…ってきみはだれ!?』

 

『我、オーフィス、無限の龍神。』

 

『オーフィス…?』

 

『おまえは?』

 

『ぼ、ぼく?ぼくはひきがやはちまん。はちまんだよ!こうやってかくんだ!』

 

『はちまん…、八幡。』

 

『そうだよ!ところでオーフィスはどうしたの?』

 

『我、それ興味ある。』

 

『これってほんのこと?』

 

『そう。』

 

『なら、オーフィスもいっしょによもう!』

 

『…』コクン

 

それから俺とオーフィスは俺の母親が迎えに来るまで一緒に読んでいた。

 

『八幡ー、そろそろご飯になるわよー。』

 

『うん、わかった!じゃあ、またねオーフィス!ってあれ?オーフィス…?』

 

『八幡、どうしたの?』

 

『ううん、何でもないよ…』

 

いつのまにかオーフィスはいなくなったおり、そのときは俺の気のせいだと思っていた。

 

しかし、俺以外の家族が旅行に行っていたときに…

 

『きょうから一週間ひまだな…』

 

『なにしてすごそうかな?』

 

コンコン

 

『?なんだまどからか?』

 

コンコン

 

俺がカーテンを開けてみると…

 

『お、オーフィス!?』

 

『我、来た。』

 

『ちょっとまってて!すぐ開けるから!』

 

『ん。』

 

ガラガラ

 

『ふぅ…、で?いきなりどうしたのオーフィス?』

 

『我、八幡と遊びたい。』

 

『え?』

 

『だめ?』

 

『だめじゃない!じゃあ、俺のへやに行こう!』

 

『わかった。』

 

そうして家族が帰ってくるまで俺はオーフィスと一緒にいた。

 

その後も俺が1人でいるときや何かで落ち込んでいるときに必ずオーフィスは現れた。

 

それが何度も何度も一緒に過ごすうちにこの世界でただ唯一信頼できる人になっていった。

 

何者かはわからないけど安心できた。

 

ただそれだけ俺にとっては十分すぎるほどだった。

 

そんなオーフィスは再び俺の前に現れた。

 

「オーフィスか…」

 

「八幡、久しい。八幡、泣いてる?」

 

「え…?」

 

俺は携帯で顔を照らしてみると泣いていた。

 

「八幡、どうかした?」

 

「な、なんでもない…」

 

そう言うとオーフィスは俺に近づき、俺の頭に小さい手を乗せた。そして数秒目を閉じた。

 

「オーフィス…?」

 

「…理解した。」

 

「理解した?な、何を…」

 

「修学旅行。」

 

「!?」

 

「依頼、相反、拒絶。」

 

「な、なんで…」

 

まさか今ので俺の記憶を?

しかし、オーフィスに知られてしまった…

 

オーフィスも俺を拒絶するのか…?

あの奉仕部の2人みたいに…

 

「八幡。」

 

「………」

 

「八幡、頑張った。」

 

「え?」

 

「我、あんなことはできない。」

 

「オーフィス…」

 

「八幡、悪くない。やりきった。」

 

「だから、我、ほめる。」ナデナデ

 

「あ……」

 

ポタポタ

 

 

オーフィスは俺を拒絶しないでくれた…

 

俺のことを認めてくれた…

 

俺は…俺は…

 

 

それからしばらくの間、俺は泣き続けた。

オーフィスに撫でられながら…

 

「みっともない姿見せて悪かったなオーフィス。」

 

「別に、いい。」

 

「でも…この世界にはオーフィスしか俺を認めてくれるやつはいないんだな…」

 

自虚てきにそういうととんでもないことをオーフィスが提案してきた。

 

「だったら我の世界、来る?」

 

「オーフィスの世界?」

 

「我、ここの世界の者ではない。」

 

「別の世界から来た。」

 

別の世界から、か。

 

まあ、普通に飛んだり、どこからかお菓子出したりしたたもんな。それにお菓子に書いてある文字はどれも見たことがない字だったしな。

 

「そこなら、きっと、八幡が認められる。」

 

「でも、迷惑じゃ…」

 

「我、そんなこと思ってない。」

 

「だって…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「八幡、我の友だから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、俺だけじゃなかったんだ…

 

オーフィスも俺のことを友と思ってくれていたんだ…。

 

こんなに嬉しいことはない。

 

 

そうしてオーフィスの力により空に開けられた空間に俺とオーフィスは消えていった。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「…っとここにいたのかオーフィス!みんな心配したんだぞ!ってそいつは…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我の友!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実は、オーフィスはみんなには言っていないことがある。

 

 

オーフィスは見ていない。

 

オーフィスと八幡が開けられた空間に入る直前、そこから飛び出して来た者がいることを。

 

それは女性だった

 

八幡と同じアホ毛を持ち、若々しい肉体

 

纏う力はオーフィスやグレートレッドを軽く凌駕し、あの666でさえ敵わないほど

 

そして人間であった

 

 

オーフィスは聞いていない。

 

それはオーフィスに目を向けると

 

『この世界の八幡をよろしくね、オーフィスちゃん!』

 

『私はこの世界で八幡に手を出した者たちにお仕置きしてくるから!』

 

『じゃあね、八幡!』

 

そう言ったことを。

 

 

「どうかしたか、オーフィス?」

 

「ん、なんでもない。」

 

オーフィスはそれを頭の奥の奥のまた奥、そして底に記憶を厳重に封印すると、自らの日常へと戻っていった。

 



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漂流鎮守府

こんにちは、今回は艦これです。
短編ですがよろしくです。ではどうぞ

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「ど、どこでもいいから近くに休めるところ…」

 

私はこの広い海をふらつきながらも航行していた。

 

私はとある鎮守府に所属していた艦娘であった…

 

しかし、そこは俗に言うブラック鎮守府…毎日補給もない中で遠征やら出撃やらを行う。当然みんな疲労もたまっていき、少し休ませてはくれないかと私は抗議した。

 

けれど提督は聞く耳を持たず、挙句の果てに監禁された。

 

食事も出来ず、補給もされず、さらには私の自慢の足の一つを切り落として…

 

さらにはこんなことも言っていた。

 

『ふん、道具がうるさく言いやがって!何様のつもりだ!しかも別の鎮守府のと比べてもお前は使えなかったしな!速くもないその足なんてないほうがお前も嬉しいだろ?』

 

『せいぜいそこで反省するんだな!二度と会うことはないかと思うがな!』

 

その言葉を聞いて私はショックだった。誰よりも速いと思っていたのに違う…それじゃあわたしには価値がないの…?

 

そう考えると涙が止まらなかった…

 

心が壊れそうだった…

 

そうして監禁されてしばらくたった頃、突然壁に穴が空いた。

 

後ろを振り返るとそれは連装砲ちゃんが…

 

なんとこの役立たずの私を助けに来てくれたらしい。

 

そんなことしたら連装砲ちゃんたちが…と思ったがみんなを見てみるとそれも覚悟の上だそう。私もこれ以上ここにいたら心が壊れてしまう…

 

私も腹をくくり体を支えられながらも海に出た。片足がない私では立つのもやっとなのに航行するなんて…でも今しかない。

 

そうして海を当てもなくただ航行していたがすでに限界だ。

 

バシャン!

 

私は倒れた。どうやらここまでらしい…

 

ああ、連装砲ちゃんたち…そんな顔しないでよ。私はあなたたちと一緒にいれてよかった…

 

そうして私の意識は闇の中に沈んでいった。

 

そのとき、アホ毛がある女性がすぐそばに見えた気がした…

 

・・・・・・・・・・・

 

「八幡、次は負けないよ」

 

「おう、行くぞ響!」

 

「八幡も、ひ、響も頑張って…」

 

「任せとけ加賀!」

 

「Спасибо加賀さん」

 

ここはとある島の建物の中。この島は極一部の人しか知らず、また見つけたとしても関係者以外入ることができない。そもそも見つけることが不可能なんだがな。

 

妖精さんマジパネェ…

 

ここにいるのは俺、比企谷八幡、無職。

 

響、いや、今はВерный(ヴェールヌイ)の駆逐艦の艦娘。

 

加賀、空母の艦娘。

 

そう、響と加賀は艦娘。

 

あれ?艦娘がいるなら俺は提督じゃないかって?だってクビにされたっていうか死んだことなってるしね。

 

上層部のやつら俺が気にいらないからってそこまでする必要はないだろと思っていたが本気でやって来やがった。上層部というかあいつがだがな。

 

まあ、結果として俺は生きてるが世間的には死んだことになってる。そのほうが都合がいいからな。

 

他にもここには艦娘があと1人いるが、今は散歩中だ。

 

そんなこんなでゆったりとしていたのだが…

 

「!八幡、海岸に誰か…あれは艦娘!?」

 

「ハチマン、ダレカガタオレテルゼ!」

 

「なんだと!?姉御、加賀本当か!?」

 

加賀と姉御…妖精さんがうなづく。

 

「たしか近くに…こちら八幡だ!川内!聞こえるか!」

 

『…こちら川内、すでに到着済。今は容体を確認中』

 

早っ!どこから聞いてたんだ?

 

て、そんなことはどうでもいい!

 

「了解!すぐに向かう!」

 

無線を終え、俺たちはすぐに海岸に向かう。

 

「川内!容体はどうだ!」

 

「八幡…これは凄く酷い状態だね」

 

「これは…!」

 

「なんてこと…!」

 

倒れている艦娘は片足がなく、さらには所々傷だらけである。なんてことを…

 

すると近くに彼女を守るかのようにいた連装砲たちがなんとか俺に顔を向けた。

 

彼女を助けてあげてというかのように…

 

「ああ、必ず!」

 

その言葉に安心したのかそいつらもそのまま意識を失う。

 

俺はすぐさま頭を切り替え指示を出す!

 

「響!この子をすぐさま入渠させろ!超高速修復復材EXも使え!」

 

「モウ、EXハヤッテアルゾ!」

 

「さすが姉御!加賀と川内はこいつらを工房に…あとは任せるぞ姉御たち!」

 

「マカセトケ!」

 

「「わかった(わ)」」

 

「あれならまだなんとかなる…あとはお前の気力しだいだ。負けるなよ…」

 

・・・・・・・・・・・

 

あれ…私生きてる?

 

目が少しずつ開いていく…ここは?

 

見渡すとどうやら介護室…いや、病院かな?

 

私にはわからないが様々な機械が少し離れたところに見える。落ち着いた後、隣を見えると誰かいた。いや、艦娘…?

 

「おや、起きたかい?」

 

「あ、うん…」

 

「そう、それはよかった。少し待ってて、人を呼んでくるから…」

 

「あ、ありがとう…あ、一つ聞きたいんだけど…ここは鎮守府なの?」

 

私が不安ながらに聞くと彼女は少し考えてから答えた。

 

「たしかにここは鎮守府…だったけど今は違うかな?提督なんていないし、島の管理者みたいなのはいるけど。そうだね…言うならば鎮守府の機能を持った家かな?」

 

そう言うと彼女は部屋を出て行き、しばらくしたら帰ってきた。何人かを連れて。

 

「八幡、ほら…」

 

さきほどの彼女が言うと隣にいた男性が私に話しかけた。

 

「お、目が覚めたかよかった…。海岸で倒れていたのをそこの川内が見つけたんだ。」

 

目をずらして見ると川内さんが小さくうなづいていた。私の知る川内さんとは何か違うような気もする。

 

「で、俺の後ろにいるのが…」

 

「か、加賀…。よ、よろしく…」

 

あれが加賀さん?話に聞いていたのとは大分違う。

 

「ん?ああ、少し事情があって俺以外の人は苦手なんだ。別にお前のことがどうとかではないから安心してくれ」

 

「き、気を悪くしたならご、ごめんなさい…」

 

「あ、全然大丈夫です!」

 

「そして、私は響だよ、よろしく島風」

 

「やっぱり、響ちゃんなんだ。でも、別の鎮守府で見た響ちゃんとは姿が…」

 

「ああ、なるほど…ならこれならどうだい?」

 

響ちゃんはそう言うと少し肩の力を抜いたかと思った瞬間、眩い光が…!!

 

私は咄嗟に目を閉じた。

 

そして光が収まり目を開けるとそこには私が知っている姿の響ちゃんが…!

 

「これなら私が響だとわかるだろ?」

 

「わ、わかるけどさっきまでのは…?」

 

「あれは私の改二の姿のВерныйだ。普段はあっちで過ごしているからね」

 

「改二!?だって改とか改二って海上でしかなれないはず!?それを陸上で、しかも普段から改二の状態で過ごすって!?」

 

そう、本来改や改二は熟練した艦娘しかなることができなく、さらに海上でしかなれない。さらに改二にもなれば体力もかなり使うはずなのに…

 

「私たちは特殊というか訓練していてね、今はしていないけど加賀さんや川内さんもできるよ」

 

「うそっ!?」

 

「まあ、それは置いといて…響が今島風って言っていたけど?」

 

「うん、彼女は島風。駆逐艦の艦娘だよ」

 

「そう、私は島風です、助けてくれてありがとう」

 

「俺は比企谷八幡だ、よろしく」

 

「あ、気になったんですけど…比企谷さんは…」

 

「八幡でいいぞ」

 

「八幡は提督なの?響ちゃんはここには提督はいないって言っていたけど…」

 

そうなのだ、たしかに軍服とか来ていないが艦娘がいる時点で提督がいないなんてことはありえないはずだ。

 

「うーん、そうだななんていうか元提督って言った方がいいか?俺、クビっていうか亡くなってることになってるし」

 

「え?」

 

「だから、今は無職だな!あ、専業主夫でもいいな…」

 

「「「それはない」」」

 

「え?マジで?まあ、そんなことはどうでもいいや。ところで体は大丈夫か?特に足とか」

 

「大丈夫…え?あ、足…!?」

 

言われて見てみる。

 

あ、ある…私の足が…

 

ちゃんとくっついていてう、動く…

 

ぐすっ…、あれなんだが涙が…

 

ポンポン

 

「え…」

 

「泣きたい時は泣けばいいさ…」

 

「あ、ああ…!うぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そうして私はしばらくの間、泣き続けた…

 

みんなに抱きしめられながら…

 

・・・・・・・・

 

次の日、ある程度体調が回復した私は響ちゃんに建物の中を案内されていた。

 

「ここは訓練場だね」

 

「この鏡は…?」

 

「これかい?これはね…」

 

響ちゃんが触ると鏡が一瞬光ったと思ったら目の前にはもう1人響ちゃんが!?

 

「これは八幡の考えを元に妖精さんが作り出した装置だね。自らのコピーを作り出して手合わせできるんだ。自分とまったく同じ考えを持っているから客観的にどこがダメなのかわかる」

 

「す、すごい…」

 

まったく構造はわかんないけどとんでもないことはわかった。

 

「次はここ、弓道場だね。加賀さんが鍛錬しているところだね」

 

「お、大きい…」

 

「で、ここは…」

 

そうして見ていき、その日は終了した。

 

そうこうしてうちに1週間がたち、私の体が完全に治ったときに八幡が聞いてきた。

 

「島風、体調は大丈夫そうか?」

 

「はい、島風は元気です!」

 

「そうか、一つ聞きたいんだが…島風は前の鎮守府には帰りたくないでいいんだな?」

 

「あそこは地獄です、もうあんなところには私は…帰り」グスッ

 

「わかった、なら…姉御!」

 

「マカセナ!」

 

ブチッ!

 

「痛っ!何…これは?」

 

「お前の体についていた発信機だ。これで居場所があっちにバレバレ…」

 

「そんな!?」

 

「…なことはない。姉御や他の妖精たちのおかげてこことは違うランダムなところに位置を示すようにしてもらった。だからここにいることはバレない」

 

「そして…」

 

「ハイヨ!」

 

「私の腕のあの鎮守府のマークが消えていく…」

 

「これで島風は建造したての艦娘と何の代わりもない、ここにうちのマークを…」

 

「ヨイショ!」

 

「これで島風は正式にうちの艦娘だ」

 

「ほ、本当に…?」

 

「ああ、最後にこれに署名してくれる必要があるが…」

 

「これは…!」

 

八幡が見せてきたのは絶対提督指令書。

 

これは艦娘を自らの鎮守府に所属する際に必ず署名されるものである。内容は書いた提督以外には変更出来ず、大体は艦娘が人間に危害を加えられないようにとか書くだけなのだが…、悪用する提督はこれでいろいろと書いて従わせる。これにより、艦娘たちを支配するのだ。なお、これの効力は艦娘が撃沈するまでだ。他の鎮守府に移籍しても変わらない。私の場合は前の鎮守府では何故か危害を加えられないだけだったので脱走してすることができた。

 

渡されたものを順番に読んでいくと…これって!?

 

「は、八幡これって…」

 

「はい、響」

 

「島風、ごめんね…」

 

響ちゃんが固まっている私の手を無理やり動かし署名させた。

 

「よし…いいか。なら、俺は釣りでもしてくるか。響と島風も解散な」

 

そうして八幡は去って行った。

 

「ひ、響ちゃん…」

 

「言いたいことはわかるよ…、私も強制的に八幡に書かされた」

 

「だってこれって…」

 

「ああ、普通そんなことは書かないが八幡は加賀さんと川内さんにも同じことをやっているんだ」

 

「余程私たちを信頼してくれているか、もしくは…」

 

私たちはしばらくの間そこから動けないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶対提督指令書 島風

 

一、人間に危害を加えることを禁ずることを禁ずる。

 

一、媚薬が効くことを禁ずる。

 

一、催眠術が効くことを禁ずる。

 

一、洗脳が効くことを禁ずる。

 

一、自白剤を効くことを禁ずる。

 

 

一、今後、この絶対提督指令書以外の絶対提督指令書に従うことを禁ずる。

 



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ゆるくて甘い生活

今回も艦これとのクロスです。
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もし、比企谷八幡が艦娘とゆるくて甘い生活を送っていたら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響とのお話

 

クイクイ

 

「ん?どうした響」

 

「八幡、これ一緒に読もう」

 

「本か?いいぞ…って言いたいところだがこれロシア語じゃね?俺読めない…」

 

「あ…、す、すまない!すぐに別の本を持ってくる」

 

「あ、そうだ。俺は読めないが響が読んでくれないか?翻訳しながらだが」

 

「私がかい?いいのかい?」

 

「ああ、響のロシア語が聞いてて気持ちがいいからさ」

 

「わかった、では…」

 

スタスタ ちょこん

 

「ここで読む」

 

「また、俺の膝の上か?本当にそこが好きだな響は」

 

「それはそうさ、私の特等席だからね」

 

「ダメかい…?」

 

「いや、ダメじゃないが…」

 

「なら、いいじゃないか」

 

「ったく…」

 

(ふふ、Я люблю тебя、八幡…)

 

 

響(Верный)は八幡と常に一緒である。

 

 

加賀とのお話

 

「は、八幡…」

 

「どうした加賀」

 

「あ、あいつらが夢で出てきて…わ、私怖くて怖くて…」

 

ナデナデ

 

「あ…」

 

「ここにはあいつらはいないから安心しろ。大丈夫だからここでゆっくり寝ろ」

 

「あ、ありがとう八幡…」

 

スゥスゥ…

 

「………」ナデナデ

 

 

加賀は八幡以外の人が怖く、夢でたまにうなされる。

 

 

島風とのお話

 

「どうした島風?そんな落ち込んだ顔して」

 

「あ、八幡…」

 

「私ね、みんなから速いって言われて嬉しかったんだけど…」

 

「前のところではそんなこと言われたことなくてね。私は特別速くもないのにみんな気を使っているのかな…?」

 

「そんなことはないと思うぞ。みんな島風が自分たちよりも速くて尊敬していると思うが」

 

「ううん、そんなことない…。だって私は遅いんもん。私は駆逐艦島風、スピードは誰にも負けてはいけない、速きこと、島風の如し、だから…」

 

「そうか…なら聞くけどさ」

 

「?」

 

「そうだな…例えば加賀がもし、弓が使えなかったら加賀じゃないのか?一航戦ではないのか?」

 

バンッ!

 

「それは違う!」

 

「加賀さんはどんな姿だって加賀さんです!」

 

「例え、弓がなくとも、矢を射てなくても、どんな姿でも加賀さんは加賀さん…はっ!」

 

「そう、どんな姿でも加賀は加賀だ。そして島風も島風であることは変わりない。だよな?」

 

「島風から速さをとっても島風だ。速さに自信がないと言っていたがそんなことは決してないぞ」

 

「お前の速さが俺たちの助けになっているのは確かだ」

 

「それでも気になるならいっそ別のことをしてみるのも手かもな」

 

「別のこと?」

 

「そうだな…例えばだが空を走るとか?」

 

数週間後…

 

「あ、八幡ー!できました!私やりましたよー!」

 

「・・・・・」

 

「八幡、島風に何を言ったんだい?」

 

「え、いや…」

 

「ただでさえ世界最速の島風なのにこんなことできるようになるなんて…」

 

「見てごらんよ、島風を…」

 

「彼女は今…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空を走っている」

 

 

島風は世界最速の上に空を走る。

 

・・・・・・・・

 

「な、なぜだ!?なぜ艦娘が提督に…人間に危害を加えられる!?」

 

「さあ?なんでだろうね?」

 

「そんなことはどうでもいいからさっさとお縄につきな。あんたの今までしてきたことは全てここに書かれている。あ、すでにこれは大本営に送ってあるから」

 

「く、くそっ!こうなったらこの拳銃で…!!くたばれ!!」

 

パンッ!

 

ヒュン!

 

「なっ!?か、かわしただとありえない!?この至近距離だぞ!?馬鹿な!?」

 

トンッ

 

「あ、うぅ…」バタッ

 

「…こちら川内、任務完了、すぐに帰投する」

 

「……」

 

(あの人…私を救ってくれたあの人のためなら…私は…)



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漂流鎮守府2

どうもアルスDQです。
今回は「漂流鎮守府」の続きですのでよかっらどうぞ。

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「「いらっしゃいませ」」

 

「瑞ちゃん、銀ちゃんまた来ちゃったよ!」

 

「いつも来てくれてありがとね!」

 

「thank youデース!」

 

「で、今日は何かおすすめあるのかい?」

 

「今日…これね!というかこれにしないと後悔するんだから!」

 

「ならそれにするよ!瑞ちゃんがおすすめしたので外れたことなんてないからね!飲み物は…紅茶で!もちろん銀ちゃん特製でお願い!」

 

「へぇ…私のは美味しくないと…」

 

「違う違う!料理は瑞ちゃんだと思うけど、やっぱりドリンクは銀ちゃんのがいいかなって思っただけ!」

 

「ふふふ、冗談だってば!私も銀さんのほうが美味しいのわかってるから!銀さんほら!オーダー入りましたよ!」

 

「…!ハイ!」

 

「じゃあ席で待ってるからね〜!」

 

スタスタ…

 

「…金剛さん、よかったですね」

 

「ウン…」

 

「私もここで自分のやりたいことができて凄い幸せ…」

 

「私も瑞鶴もアノ人に救ってもらったからここにいられるのデスネ」

 

「うん、だからもしあの人に何かあったとしたら、何があったとしても…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『必ず守ってみせる』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「八幡、次は負けないよ」

 

「島風も勝ちます!」

 

「おう、行くぞ響!島風!」

 

「八幡も、ひ、響も、し、島風も頑張って…」

 

「任せとけ加賀!」

 

「Спасибо加賀さん」

 

「うん頑張るよ加賀さん!」

 

ここはとある島の建物の中。この島は極一部の人しか知らず、また見つけたとしても関係者以外入ることができない。そもそも見つけることが不可能なんだがな。

 

妖精さんマジパネェ…

 

ここにいるのは俺、比企谷八幡、無職。

 

響、いや、今はВерный(ヴェールヌイ)の駆逐艦の艦娘。

 

加賀、空母の艦娘。

 

島風、駆逐艦の艦娘。

 

そう、響と加賀と島風は艦娘。

 

あれ?艦娘がいるなら俺は提督じゃないかって?だってクビにされたっていうか死んだことなってるしね。

 

上層部のやつら俺が気にいらないからってあることないこと言って陥れやがった。まあ、そのあとちょっと知り合いに頼んで関与したやつらの悪い噂をしこたま流したかもしれないがきっと気のせいだ。

 

ウン、ハチマンワカラナイ

 

まあ、結果として俺は生きてるが世間的には死んだことになってる。そのほうが都合がいいからな。

 

他にもここには艦娘があと1人いるが、今は俺の背中でお昼寝中だ。

 

ちょ、川内リラックスしすぎだぞ…

 

そんなこんなでゆったりとしていたのだが…

 

「お、もうこんな時間か」

 

「何か用事でもあるの?八幡」

 

数日前に新たに加わった島風が聞いてきた。

 

「ああ、そろそろ食用品とか買いに行こうと思ってな」

 

「買い物?でも、ここに船なんてあったっけ?」

 

「島風はまだ知らなかったね」

 

あ、そうかまだ島風には見したことなかったっけ?

 

「じゃあ、見せがてらみんなで一緒に行くか」

 

「本当!?やったー!」

 

そういうと島風は嬉しいのかぴょんぴょん跳ねている。よかった。

 

さて、響と島風、加賀は行くとして川内は寝てるしなー。一応聞いてみるか。

 

「川内は…「行くよ」お、おう。わかった」

 

いつの間にか起きてたし…

 

「じゃあ行くか…加賀よろしく」

 

「ええ…」

 

「ん?加賀さんどこに…本棚?」

 

加賀は本棚に向かうと本を整理し始めた。

 

そして、整理が終わると…

 

本棚が動きエレベーターが現れた。

 

「え?え!?本棚の中にエレベーターが!?」

 

「さあ、行くか!」

 

「うん!」

 

「ええ…」

 

「……」

 

「」

 

「おーい島風ー?」

 

「え、あ、うん!行くから待ってー!」

 

こうして俺たちはエレベーターで地下へと降りていった。

 

・・・・・

 

私は駆逐艦 島風です!

 

最近とあるブラック鎮守府から連装砲ちゃんたちの力を借りて、逃げ出してきた。

 

その途中、意識を失うとここに漂流したのだった。

 

そこで、八幡たちに出会ったことで私は救われたんだ!

 

でも、本棚にこんな仕掛けあったなんて知らなかったな…

 

そう思ってたら響ちゃんが教えてくれた。

 

「あれは妖精さんが作ったんだけど、見知らぬ人に使用されたらまずいからああいう仕掛けになってるんだ」

 

「そうなんだ、でも加賀さんがやったのは?」

 

「単純に八幡がめんどくさかったのと、加賀さんしかあの配列覚えてないからだよ」

 

「配列?」

 

「そう、本の配列は毎日変わってるからきちんと元に戻さないと開かない仕掛けになっているんだ。私も8割は覚えているけど全部は無理だね」

 

「そ、そうなんだ…」

 

そうやって響ちゃんと話している間にある部屋に着いたようだった。

 

八幡が指紋認証、顔認証、声紋認証を終え、扉を開けると…

 

「せ、潜水艦!?」

 

「おう、これがうちの『船』だ。さあ、行くぞー」

 

八幡の呼びかけで潜水艦に乗り込んでいく私たち。

 

最後に私が乗ったのを確認した川内さんが扉を閉めた。

 

「少し暑いかもしれんけどまあ、30分ぐらいだから我慢してくれ。川内…「エンジン起動したよ」早くない!?まあ、いいか疲れたら言えよー、変わるから」

 

「了解」

 

「じゃあ出発するぞー」

 

「「「おー!」」」

 

こうして私たちは買い物をしに潜水艦で出かけたのであった。

 

・・・・・

 

「到着したよ」

 

「おう、お疲れさん川内」

 

「……ん」

 

「…?あー、はいはい。これでいいか?」

 

ナデナデ

 

「……♪」

 

せ、川内さんが満面の笑みに…!?

 

凄く嬉しそう…

 

わ、私も今度してもらおうかな…

 

「さて、着いたけど、まだ営業時間中か…」

 

「でもそろそろお昼休憩な時間なはずだから大丈夫だと思うよ」

 

「お、そうか。なら、響は2人に着いたって言っておいて。俺と加賀、島風は先に上に行ったるわ」

 

「понимать」

 

「おう、よろしくな」ナデナデ

 

「♪」

 

響ちゃんもいつものクールの顔が崩れて凄い満足そうな顔してる…

 

って営業中?2人?

 

「八幡?」

 

「ああ、言ってなかったな。島風のように漂流してきた艦娘が前に2人いてな、ここの一階は店になっていてそこの店長、副店長だぞ」

 

「ええ!そうなの!?」

 

詳しく話を聞くと地下は潜水艦の港、1階はお店(飲食店)、2階が居住スペースになっているらしい。

 

ちなみに川内さんは潜水艦の整備した後に来るそうだ。

 

そう話してたら階段を急いで昇ってくる音がして、扉が開いた。

 

 

「八幡さん!加賀姉!」

 

「ハチマン!burning love!」

 

 

そこにいたのは

 

翔鶴型航空母艦2番艦、瑞鶴さん

 

そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本来の髪色と違う『白色』の髪色をした

 

金剛型 1番艦 、金剛さんだった

 

 



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ナイトメア

こんにちは、今回はデート・ア・ライブとのクロス短編です。よかったらどうぞー。

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私はいつもどおり、学校が終わって帰っていた。

 

いつもは寄り道をしないけど今日はなんとなく公園に寄ってみたくなって近くの公園に入っていった。

 

そのままブランコにでも行こうかなと思っていたら急にこんな声が聞こえてきた。

 

【ーねえ、君。力が欲しくはない?】

 

「誰!?」

 

周りを見渡すが誰もいない。

 

気のせいかなと思ったら目の前に誰かがいた!

 

よく顔はわからないけど誰かいる!

 

「あなたは…?」

 

【私?そんなことはどうでもいいじゃない。私は聞いてるのは力が欲しいのかいらないか。君は家族や友達を守ることができる絶対的な力が欲しくはなぁい?】

 

本来ならおかしいと思ったことだけど、家族や友達を守れる力ならと思い思わず答えてしまった…

 

「うん、欲しい!」

 

【なら、これに手を伸ばして】

 

私は恐る恐るそこに手を伸ばした…

 

これは宝石…?綺麗…

 

と思ったのもつかの間、その宝石が突然輝いたと思ったら私の中に…胸の中に入っていった!

 

「な、なんだったんだろう…?」

 

ドクン

 

「え…?」

 

な、何!?む、胸が熱い!?熱くて立っていられない!?

 

「う、う、う、うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!?」

 

熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!

 

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!

 

苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい!!

 

体から私の意思とは無関係に影が周りに無数に伸びていく…

 

ただ、私は守りたかっただけなのに…

 

 

 

 

 

「誰か、たす…けて…」

 

 

 

 

 

 

「あれ?おっかしいな?全然いないや。どこまでいったんだ小町は…」

 

僕は妹とかくれんぼをしていた。そこまで遠くにはいってないと思ったけど…

 

本当にどこまで行ったの?

 

一度家に帰って確認してから探そうかなと思っていたそのとき…

 

『誰か、たす…けて…』

 

「誰!?」

 

かすかだが助けを呼ぶ声が聞こえた!

 

どこ!?

 

僕は走りながら叫ぶ!

 

「おーい!大丈夫か!?」

 

すると、公園から何やら黒いものが出ていたのを見かけた。これは…?

 

ゆっくり、その公園に近づいていくとその中央で女の子が苦しんでいるのが見えた!

 

なんだかわからないけど早く行かないと!

 

「影ふ、踏まないで…命が…」

 

誰か来たのがわかったのか女の子がそんなことを言った。影?見渡すと女の子から伸びている影のところには鳩やカラスがたくさんいた。

 

動かない姿となって…

 

影に触れるとああなっちゃうのか…

 

でも、僕は…一歩踏み出す。

 

あの子を助けるために!

 

「き、来ちゃ…」

 

「大丈夫…」

 

僕の足が影に入る!

 

それから少しずつ歩いていき、女の子の元にたどり着いた。

 

「な、なんで…」

 

「母ちゃんから言われたんだ、泣いている女の子をほっといちゃだめって」

 

「だから…」

 

ギュッ!

 

「え…」

 

「大丈夫だから、大丈夫だから、落ち着いて…」

 

僕は女の子を抱きしめ落ち着かせようとする。母ちゃん曰く、これで女の子はイチコロとか言っていたがよくわからなかったけど。

 

しばらく、そうしていると段々と女の子から出ている影が収まっていき、そして本来の形にもどった。

 

「も、戻った…戻ったよ…」

 

ダキッ

 

「え…」

 

「ありがとう、ありがとう…」

 

女の子は泣いていた。僕は黙って女の子が泣き止むまで頭をなでていたのだった。

 

 

 

 

これが比企谷八幡と時崎狂三の出会いだった。

 

 

 

 

 



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アンツィオの整備士

どうもアルスDQです。今回はガールズ&パンツァーとのクラスです。まだアンツィオが3人しかいなかったときですね。

よかったらどうぞ、では。

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「おーい、昼ご飯だぞー!」

 

「お、そうか。じゃあ、休憩にしますか、ちなみに今日のメニューは…」

 

「今日の献立は…鉄板ナポリタンだ!」

 

「マジか、じゃあ早く行かないとな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、行くぞ八幡!」

 

「待てよアンチョビ!」

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

 

これは捻くれた整備士と苦労人統帥のお話…

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

ここは総武高校学園艦の戦車道の部室だ。今現在、ここで俺、比企谷八幡はは思いがけない話をされた。

 

雪乃「比企谷君、あなたには今後の戦車の整備はやめてもらうわ」

 

八幡「は?どういう意味だ」

 

雪乃「言葉通りよ、わからなかったの?」

 

八幡「いや、急にそんなこと言われてもな。理由とかあるだろ」

 

ちなみに俺は総武高校の戦車道で使用する戦車の整備士の1人である。

 

結衣「ヒッキーがしたところの整備が悪かったから私たちが試合に負けたの!まだわからないの!?」

 

雪乃「私たちは勝てる試合に負けた。しかもただの試合じゃない。あの西住流の師範代と島田流の師範代がいるところで…。これがどういうことかあなたにわかるかしら?」

 

戸塚「ちょ、ちょっと待ってよ!!八幡はしっかりやっていたよ!前日にも夜通しで残ってやったもん!当日だって点検していて…」

 

材木座「ふむ、我も自分のところをやりながら見ていたが、特に何も悪いところはなかったと思うのだが」

 

雪乃「だったらこれはなにかしら?たしかここは比企谷君がやっていたところではなくて?」

 

八幡「…これは」

 

たしかにここは俺がやっていたところに違いはないが、このやり方は…

 

雪乃「あら、どうしたのかしら?」

 

八幡「…ちなみに雪ノ下、ここの整備が俺がしたって誰に聞いた?」

 

雪乃「あら、言い訳でも言うつもり?」

 

八幡「誰が言ったのか俺は聞いているんだが?」

 

雪乃「は、葉山君だけど…」

 

八幡「そうか…」

 

俺は作業着を脱ぎ、近くにあったペンであることを紙に書き込んだ。

 

八幡「ほら、これ」

 

雪乃「何を書いた…これって退部届け!?」

 

結衣「え!?」

 

戸塚「は、八幡!?」

 

材木座「お主何を!?」

 

八幡「悪いな、材木座、戸塚。どうやらここには俺の居場所がないみたいだ。だったらこうするのが自然だろ?」

 

雪乃「な、何もやめなくても…」

 

結衣「そ、そうだし!やめなくていいじゃん!」

 

八幡「何を今更、戦車の整備しなくて何をするってんだ。だったらやめても変わらない」

 

雪乃「……」

 

結衣「……」

 

八幡「戸塚、材木座、葉山は今どこにいるか知ってるか?」

 

戸塚「は、葉山君なら今ならたしか甲板に…」

 

八幡「そうか、ありがとな!」

 

戸塚「八幡!」

 

材木座「八幡!」

 

俺は後ろに戸塚と材木座なら声を聞きながら向かった。あいつのところに…

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

タタタッ…

 

八幡「ここにいたか葉山」

 

葉山「やあ、どうしたんだい比企谷」

 

戸塚の言う通り、そこには葉山がいた。薄気味悪い笑みを浮かべて。

 

八幡「とぼけてるつもりだろうが、あの整備お前がやったところだな」

 

葉山「な、何を根拠に…」

 

八幡「整備といっても1人1人微妙な違いがある。あれは俺がやったのでないのは明白だが、戸塚でも材木座でもない。あれは明らかにお前がやったものだ」

 

そう、あれは俺が整備した後に誰かがめちゃくちゃなことをしたため起こったもの。すぐに見てこいつだとわかった。

 

葉山「……」

 

八幡「なんなら防犯カメラでも見てみるか?あそこはたしかカメラに写る範囲だったはずだが…」

 

葉山「…ああ、そうだ僕がやった。だからなんだというんだ!お前が悪いんだ!僕の雪乃ちゃんを取るから!」

 

八幡「何のことかは知らんが、酷い逆恨みだな。で、俺を嵌めて遠ざけようとした」

 

葉山「ああ、そうさ!これでお前は雪乃ちゃんから退部させられて…!」

 

八幡「いや、退部はしたが自主退部だな」

 

葉山「は…」

 

八幡「だから自主退部してきた」

 

葉山「雪乃ちゃんからではなく自主退部しただと!?一体何を考えている!?何を考えているんだ比企谷八幡!!」

 

葉山が胸ぐらを掴んできた。結構痛い…

 

葉山「僕には理解できない!なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだ!!!!」

 

バキッ!

 

八幡「へ?」

 

葉山「なっ…」

 

学園艦の端、つまりデッキの手すりの部分が老朽化かどうかがわからないが壊れた。葉山は突然のことに驚いたのか俺の体から手をはなした。

 

ドボン!

 

海に落ちた俺は必死にもがいたが、すぐに意識は遠くなっていく。

 

くそっ!だ、誰か…!小町!ちよ…

 

やがて俺の意識はなくなった。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

ここは静岡県の清水港、私、アンチョビは買い物をしていた。

 

アンチョビ「いやー、今日はいい買い物したな!静岡県だからかお茶がいいなぁ!お茶が!」

 

ペパロニ「姐さん姐さん!見てみてあそこ!鰻っすよ!鰻!あたし蒲焼き食べたいっす!」

 

アンチョビ「ばかペパロニ!鰻は高いんだぞ!そんな金どこから出てくるんだ!?私だって食べたいが!」

 

こいつはペパロニ、まだ3人しかいない我が校の戦車道履修者だ。もう1人はカルパッチョというのだが今は別行動中だ。

 

ちなみに私はアンチョビこと安斎千代美。我が校、アンツィオ高校の戦車道、隊長だ。ペパロニとカルパッチョからは『統帥〈ドゥーチェ〉』と呼ばれたりもする。

 

そんな大したものではないんだが私は…

 

ペパロニ「あ!姐さん、姐さん。ちょっといいっすか?」

 

アンチョビ「なんだ鰻なら食べないぞ?」

 

ペパロニ「あれ何か人みたいなのが海に浮いてるけど気のせいっすよね?」

 

アンチョビ「んー?どこだ?」

 

ペパロニ「あそこあそこ」

 

そうペパロニが指を指したところを見ると、そこには本当に人が浮いていた!

 

アンチョビ「ペパロニ!あれは人だ!人が本当に浮いている!」

 

ペパロニ「!?」

 

アンチョビ「ペパロニ!私のマントを預かっていろ!」

 

バシャン!

 

ペパロニ「姐さん!?」

 

私はすぐさま海に飛び込み、そこに浮かんでいる人もとへと泳いで行った。これは男性か…。少し重いがなんとか海辺近くまで運んでいった。

 

ペパロニ「姐さん大丈夫っすか!!」

 

アンチョビ「あ、ああ…なんとか…な…。ペパロニ、すぐに救急車…!?」

 

ペパロニ「姐さん?」

 

アンチョビ「あ、ああ…そんなことって、そんなこと…」

 

私は知っている、この男性を…

 

ペパロニ「どうしたんすか姐さん!」

 

私は知っている、このアホ毛を…

 

ペパロニ「姐さん、姐さん!!」

 

この男性は…この人は…

 

私の大切な…大事な…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンチョビ「八幡…」

 

 

 

 

こうして2人は再会した。



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俺が大乱闘に参戦!?

アルスDQです。スマブラSP発売されましたね。全員参戦とは驚きました。そこで今回はスマブラSP記念というわけで八幡たちが参戦したときのピットたちの会話のお話です。
よければどうぞ。

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もし、比企谷八幡たちが大乱闘に参戦してしまったら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈はるのんとはちまんくん〉

【比企谷八幡参戦!】

 

ピット「なにかアホ毛の付いている人がいますね」

 

パルテナ「あれは比企谷八幡、はるのんとはちまんくんの世界ものです」

 

ピット「はるのんとはちまんくん?」

 

パルテナ「比企谷八幡は様々な世界、つまりパラレルワールドに存在しますが、今回は雪ノ下陽乃と幼馴染の世界からやってきたわけです」

 

ピット「パラレルワールド…前にもどこかで聞いたような?」

 

パルテナ「比企谷八幡は現在高校生ですが、普通とは少し違った人生を送っています。しかし、雪ノ下陽乃と出会ったことで彼の人生は変わったのです」

 

ピット「そうなんですか」

 

パルテナ「苦難もありながらけれどしっかりと自分の道を歩いている、それが比企谷八幡です。いい友人とも出会ったそうでなによりです」

 

ピット「彼も中々の人生を生きているんですね」

 

ナチュレ「彼は、カウンターを主としておる。特に近接戦には気をつけるがよい。近づいたらまずカウンターされると思え!」

 

ナチュレ「遠距離から攻めるのがいいじゃろう」

 

 

【雪ノ下陽乃参戦!】

 

ナチュレ「あやつは雪ノ下陽乃じゃな」

 

ピット「知っているのかナチュレ?」

 

ナチュレ「あやつは比企谷八幡の幼馴染兼婚約者じゃ、毎度毎度イチャつきおって!」

 

パルテナ「あら、自然の神が何をいっているのですか?」

 

ナチュレ「雪ノ下陽乃と比企谷八幡の出会いは小学生のとき、雪ノ下陽乃が自動車に轢かれそうになったのを助けたのが比企谷八幡なのじゃ!」

 

ピット「小学生でそれはすごい!」

 

ナチュレ「そこから段々とお互いに気になり始めて婚約者となったわけじゃな」

 

ピット「へぇー、いい話だな…。それはともかくとして乱闘に役立つ情報ください!」

 

パルテナ「彼女は様々な格闘技を扱います。投げたり、蹴り飛ばしたり。遠距離もどこからか取り出した銃で応戦します」

 

パルテナ「しかし、ふっとびやすいため、上手くダメージを与えてからふっとばすのがいいでしょう」

 

 

【会長参戦!】

 

ナチュレ「なにやら忍者みたいな格好をしたやつがおるの、しかも全身真っ黒で顔がわからんの」

 

パルテナ「あれは比企谷八幡のファンクラブの会長ですね。ここでは仮に、弥七としておきましょう」

 

ピット「パルテナ様、弥七って?」

 

パルテナ「水戸黄門の初代忍者、風車の弥七のことです。水戸光國公の情報屋として影で動く者として知られています」

 

パルテナ「あの会長は影で比企谷八幡のために動いているので仮にそう呼ぶことにしました」

 

パルテナ「弥七は罠を得意とするファイターです。ふと気がつけば仕掛けがたくさん仕掛けられていることも。また、仕掛けた罠ばかりみていると接近されてしまいます。気をつけましょう」

 

パルテナ「さらに弥七が率いるファンクラブは脅威です。切札では数多のファンクラブメンバーを呼び、一斉攻撃をします。場合によってはすぐにふっとばされて復帰できないこともあるので注意しましょう」

 

ナチュレ「それにしても一個人のファンクラブとしては規模が大きすぎる気もするがの」

 

ピット「僕のファンクラブとかないのかな?」

 

 

〈異常なまでの恐怖症〉

【比企谷八幡参戦!】

 

パルテナ「あれは異常なまでの恐怖症の比企谷八幡ですね」

 

ナチュレ「恐怖症とな?なにかあったのじゃろうか」

 

パルテナ「彼は女性恐怖症です、それもかなりの。ある出来事がきっかけで女性が触れるだけでも気絶してしまうほどに」

 

パルテナ「大乱闘ではそのせいか女性ファイターに与えるダメージが0.5倍、女性ファイターから受けるダメージが1.5倍となってしまっています」

 

ピット「それならパルテナ様が有利なのでは?」

 

パルテナ「それがそうでもありません。彼の切札の【覚醒】が発動すると、一度ふっとばされるまで全ファイターに与えるダメージが1.5倍となります。発動したらできるだけ早くふっとばすことを心がけてください」

 

ピット「はい!どんな相手だろうが油断せずに頑張ります!」

 

 

【比企谷小町参戦!】

 

ナチュレ「あれは比企谷小町じゃな」

 

パルテナ「比企谷八幡の妹ですね、しかも中学生」

 

ピット「なんと中学生!?しかし、あの体から感じるプレッシャーは只者ではないようですが」

 

パルテナ「ああ、それは…」

 

ピット「それは?」

 

パルテナ「あの人の娘だからですね…」

 

ナチュレ「あやつの娘だからの…」

 

ピット「え?あの人って?ナチュレも知っているのか!?」

 

ナチュレ「当たり前じゃ!あんな存在無視できるほうがおかしかろう!」

 

ピット「ナチュレがそこまでいうとは一体誰なんだ?」

 

パルテナ「彼女は奇襲攻撃が多彩です。ふと気がついたらいつの間にかダメージが蓄積されているのかも。できるだけ離れて戦いましょう」

 

ナチュレ「切札にも要注意じゃ!【目を閉じちゃダメだよ?】は周囲いるファイターをふっとばす技じゃがダメージが溜まっていると撃墜されてしまう!よく見極めて攻撃するのじゃ!」

 

 

【比企谷白良参戦!】

 

パルテナ「なっ!?どうして比企谷白良が大乱闘に!?」

 

ナチュレ「どういうことじゃパルテナ!なぜあやつがここにおるのじゃ!?」

 

パルテナ「私にもわかりませんよ!?」

 

ピット「あ、あのどうしたんですか?パルテナ様もナチュレもそんなに慌てて…」

 

パルテナ「あれは比企谷白良、比企谷八幡と比企谷小町の母親ですが…あれは規格外といっていいでしょう」

 

ピット「規格外?」

 

ナチュレ「あやつは世界を自由に移動できるのじゃ。この前なんかわらわのところに来たしの。クッキーを持ってきて」

 

パルテナ「天界にもついこの間来ました。野菜を持って」

 

ピット「え?天界に人間が来たんですか!?しかも自力で!?」

 

ナチュレ「あやつを人間といっていいのか疑問があるのじゃが…、その気になればあやつなら世界ぐらい壊せるじゃろうに。わらわは戦いたくはないの。パルテナとピットは戦うことになるがな!」

 

パルテナ「私もできるだけ戦いたくはないですが…」

 

ナチュレ「もしかしたら、どこぞの怪盗団みたいに招待状でも奪ってきたのかもしれんの…」

 

パルテナ「その可能性は高いですね…」

 

ピット「あ、あの…」

 

パルテナ「あ、ごめんなさいね」

 

パルテナ「彼女は大乱闘用に力をかなり抑えているようですが、それでもかなり手強いです」

 

ナチュレ「地殻変動やプラズマ弾、マグマ操作などを使ってくる!だからといって接近戦が弱いわけでもないから隙をみて攻撃を当てるのじゃ!」

 

パルテナ「彼女の切札は【オシオキノジカンヨ♪】は自らが作り出した異空間に相手を引きずり込み、オシオキを開始します。ダメージが少しでもあるとそのまま撃墜してしまうので注意しましょう」

 

ピット「比企谷白良、一体何者なんだろう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、大乱闘を始めましょうか♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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はたらきたくない専業主夫

アルスDQです。
今回ははたらく魔王さま!とのクロスです。何年か前から構想はあったんですが今回それを形にしてみました。よかったらどうぞ。

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俺は魔王サタン、異世界である日本では真奥貞夫と名乗っている。

 

エンテ・イスラを征服しようとした矢先に勇者であるエミリア・ユスティーナに敗れ、この日本へと逃れた。

 

その後、色々とありマグロナルドでのバイトにありつき、お金を稼ぎながらエンテ・イスラへの帰還方法を探していた。

 

それからというもの、マグロナルドで後輩ができたり、勇者と日本で再会してしまったり、芦屋ことアルシエルに怒られたりとしたとしていたのだ。

 

そんなある日、俺たちの前に悪魔大元帥ルシフェルと勇者の仲間である大法神教会のオルバ・メイヤー(ハゲ)が攻めてきた。

 

最初は劣勢だった俺たちだが、エミリアが聖法気を解放しルシフェルと交戦。俺は奴らにやられ死にかけていたが、人間たちの負の感情から魔力を得た。

 

その後、ルシフェルとハゲを打ち負かして今に至る。

 

「で、ルシフェル。お前どう落とし前つけるつもりだ?」

 

俺とエミリアにやられ正座しているルシフェルに問いかける。かなりあれな光景である。

 

「これじゃあ首都高とか外環道とかは全面的にダメね。あー、やだやだ」

 

「しかし、この状態で死人が出ていないのは奇跡です。魔王様のお力添えがなければ死人が出ることは確実でした」

 

恵美や芦屋の言うとおりである。これだけドンパチやっていて死人が出ていないのはある意味奇跡である。例え魔力結界が張ってあったとしても大したものである。

 

ルシフェルが何か言おうとするが、無視だ、無視。恵美に至っては踏んづけているが気にしない。

 

ちーちゃんにも俺たちのことを説明したりして大変である。

 

あとルシフェルが勝手に恵美の金ダコのカードを使ったりしてまた蹴られていたりしていた頃、違和感があった。

 

ちなみに金ダコって美味いよな、木崎さんに前奢ってもらったんだがあれ焼いてるというより揚げててカリカリしてるのがいい。

 

「ルシフェルとオルバの航跡を追いかけてきたら何ですか〜?この状況〜?」

 

「おえっぷ…うぅ、また吐きそうだ…」

 

「ちょっと〜吐かないでくださいよ〜?」

 

「「おじちゃん大丈夫〜?」」

 

何かいいながら開けられたゲートからエミリアの仲間であるエメラダ・エトゥーヴァとアルバート・エンデが…!?

 

…何か子供みたいなのがいるのは俺の気のせいか?

 

「エメ、アルバート!」

 

「あ、エミリア〜元気でしたか〜?」

 

「よう!」

 

「よくここまで来れたわね!」

 

「それは〜オルバとルシフェルの跡を追って来たんですよ〜。何やらオルバが怪しい動きをしていたので〜」

 

「そうなんだ、…ところでエメ?」

 

「何ですか〜?」

 

「そ、その…エメの横にいる子供たちは一体…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん〜?ああ、私の子どもたちですよ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「はぁぁぁ!?」」

 

やっぱり俺の気のせいじゃなかった!?

 

てか、何でここに連れてきてるんだよ!?

 

「いやいや、エメ!?子どもいたの!?というかなんで連れてきたの!?」

 

「それはですね〜」

 

ふと、2人の子どもたちは何やらルシフェル近くに走っていっていた。

 

「あっ、ちょっと!?そっちにはルシフェルが!」

 

いや、多分魔力ほとんどないし大丈夫か…

 

ルシフェル近くまでたどり着くと、何もないはずの場所をじっと見つめたと思ったらいきなりその空間に抱きついた。

 

「「パパ〜!!」」

 

「えっ!?あの子達何をしているのかしら?何ないところに抱きついて…抱きついている!?」

 

「あ、やっぱりここにいましたね〜」

 

エメラダがそう言って少し経つと少しずつ子どもたちが抱きついているものが現れた。

 

猫背な姿勢、特徴のあるアホ毛、目が独特な人物であり俺のバイト先の先輩である人が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「は、八幡(さん)!?」」

 

「バレたか…」

 

そう彼、比企谷八幡が現れたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ…吐きそうだ」

 

「吐くならちゃんと袋の中にしてくださいよ〜」

 

「「おじちゃん体ゆする〜?」」

 

「私の娘たちはゲート酔いなんてしてないのに〜。ね〜?」

 

「「ね〜」」

 

「と言われてもだな…うぅ…」

 

クイクイ

 

「どしたのですかサファイヤ〜?」

 

クイクイ

 

「ルビーも〜?」

 

「「ママあれなんだろう〜?」」

 

「亀裂〜?ゲートの中でこんなことは…!?2人とも下がって!!」

 

パリンッ!

 

「ふぅ…到着っと!お!ビンゴビンゴ!」

 

「あなたは誰ですか…」

 

「あ、そんな警戒しないで大丈夫だから。ちょっとあなたに言いたいことがあって来ただけだから」

 

「私に?」

 

「うんうん、息子のことをよろしくね。あとルビーちゃんとサファイヤちゃんもパパのことよろしくね!」

 

「「うん!」」

 

「うんうん!それじゃあまたね〜!」

 

「…息子?…パパ?それじゃあ、あなたはもしかして!?」

 

「バイバイ〜!」

 

シュン!

 

「「「……」」」

 

「「いっちゃったね〜」」

 

「今の人、まさか…そんなことあるわけないですよね〜」

 

その後、エメラダたちはゲートで日本へと到着するのであった。

 



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私がきっと…

どうもアルスDQです。
今回はアイドルマスターシンデレラガールズとのクロスです。よかったどうぞ。

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私は、天才だった。

 

何をやってもすぐにできた。

 

そのせいで、周りからはハブられていた。

 

 

彼は、天才ではなかった。

 

だが、独特の考え方をもっていた。

 

彼は私を肯定してくれた。

 

そのせいで、周りからはハブられていた。

 

 

私は、彼と友達になった。

 

彼は、私と友達になった。

 

 

私たちはよく遊んだ、それはよく遊んだ。

 

楽しい日常、変わらない日常…

 

 

彼は1人ぼっちになった。

 

彼の両親が妹を連れて夜逃げした。

 

そのせいで彼の目は濁ってしまった。

 

 

私は彼を助けたかった。

 

心が壊れそうな彼を救いたかった。

 

私はお願いをした。

 

両親は私のお願いを聞いてくれた。

 

 

そして彼と私は家族になった。

 

 

彼は家族からの愛情を知らない。

 

だから私が、私たちが彼に愛情を与えよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が彼に、死ぬまで愛を伝えよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから杏と八幡で一生楽して生活するためにアイドルの印税で稼がないとね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の名は比企谷八幡、今日から高校生になる。

 

「…ん、朝か?」

 

目が覚めてパジャマから着替えようと起き上がろうとするが、何やら重い。

 

足元を見ると何やら人がいた。

 

そう、人がいたのだ。

 

俺の布団で幸せそうなに寝ているそいつを起こすべく体を揺らす。

 

「おーい、起きろ杏。朝だぞ」

 

「んー、杏はまだ眠いから二度寝…、あれ?八幡がなんで杏の部屋にいるの?」

 

「杏が俺の部屋にいるんだよ…」

 

「あれ?…ホントだ。あはは…」

 

俺の布団で寝ていたこいつの名前は双葉杏。

 

俺の1つ上の高校生であり、今人気急上昇のアイドルだ。

 

なぜ、アイドルに杏がなったかというと目が危ない人にスカウトされたためだ。

 

最初は胡散臭な感じで聞いてたらしいのだが、アイドルの印税で一生楽して暮らしていけると聞いたとたん手のひらを返して契約し、アイドルになった。

 

どんだけ楽したいんだよ…

 

俺も人のこと言えないが…

 

ちなみに俺と杏の座右の銘は

[働いたら負け]

である。

 

「ふぁぁぁ…、おはよ八幡」

 

「おう、おはようさん。朝ごはんできてると思うから下に行くぞ」

 

「ふぁぁぁい…」

 

半分意識が起きてない杏をいつもどおり抱っこ(お姫様抱っこ)してリビングに行く。

 

「お、2人ともおはよう」

 

「あらあら、朝から仲良しさんね」

 

「おはようございます」

 

「おはよう〜」

 

この人たちは杏の両親だ。

 

そう、俺は杏の家に暮らしている、幼稚園の頃からずっと…。

 

もう小さい頃だからあまり覚えていないが、俺は両親に捨てられたらしい。

 

前に杏の両親から聞いた話だと、俺の両親はかなりの借金を作っていたらしく、妹を連れて夜逃げした。

 

そして俺は置いてかれたというわけだ。

 

その後、杏の両親に引き取られたわけだが、養子ではない。

 

詳しくはわからないが、なんでも俺は親戚のお姉さんの養子になっているらしく、そのため名字も比企谷のままである。

 

生活費と学費とか諸々そのお姉さんが全て出しているため、負担は特にないとのこと。

 

杏の両親曰く、絶対に怒らせてはいけない相手らしいのだが、俺は会ったことがない。

 

杏とかは会ったことがあるらしいが…

 

「八幡どうしたのー、食べないなら杏が食べちゃうよ」

 

「ん?いや、悪い悪い。食べるから勝手に俺の朝ごはんを食べるなよ」

 

「なら早く席につきなよ」

 

「はいはい…」

 

「「「「いただきます!」」」」

 

こうしていつもどおりの日常を送れると思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、犬を庇って車に轢かれるあのときまで…

 

 

 

 

 



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鞠奈アンインストール

どうもアルスDQです。
今回は短編で、デート・ア・ライブのクロスです。よかったらどうぞ。

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僕の名前は比企谷八幡。

 

今日は妹とかくれんぼをしていたんだけど、近くから助けを呼ぶ声が聞こえた。

 

僕は声のするほうに走っていって苦しんでいる女の子をなんとか助け出すことができた。

 

僕はひとまず、その子を落ち着かせたあと公園のベンチに座らせ話を聞いていた。

 

「宝石?」

 

「うん、誰かわからないけど【みんなを守る力が欲しくない?】って聞いて私が欲しいっていったらそれが体の中に入ってきて…」

 

「とても熱くて、痛くて、苦しくて…、そしたらいつの間にか、鳩さんやカラスさんが動かなくなってるのみて…」

 

「そうだったんだ…」

 

「でも、君が助けてくれた…」

 

「ありがとう!」

 

女の子はニコッと笑ってそう言った。

 

その後、日も暗くなってきたので今日のところはひとまず家に帰ることにした。

 

女の子を1人で帰すのはダメと母ちゃんが言っていたので女の子の家まで送っていった。

 

「あ、ここ!ここが私の家だよ!」

 

「えっ!僕の家のすぐ近くだ!」

 

女の子の家は僕の家の3軒隣だった。

 

「今日はありがとう!私、狂三!時崎狂三!君の名前は?」

 

「僕は八幡、比企谷八幡!」

 

「八幡…うん、八幡君!また明日!」

 

「うん!またね狂三ちゃん!」

 

そうして僕たちはそれぞれ家の中に入っていった。

 

ちなみに妹の小町は急にお腹が痛くなって先に家に帰ってたらしい。それは見つからないわけだ。

 

・・・・

 

次の日、僕は家で本を読んでいた。

というのも今は夏休みであり、宿題も終えているためのんびりとしていた。

 

小町は友達とプールに行っているし、両親は仕事だ。

 

ピンポーン

 

「あれ、誰だろう?」

 

もしかして小町かな?

インターフォンを確認してみた。

 

「あれ?合ってるよね?八幡君ー!」

 

「狂三ちゃん!」

 

僕は急いで玄関に向かい、鍵を開けた。

 

「あ、八幡君!こんにちは!」

 

「うん!こんにちは!上がって上がって!」

 

「うん!お邪魔しますー!」

 

家に来たのは昨日出会った少女、時崎狂三であった。

 

僕は狂三ちゃんを家に招きいれた。

 

「あ、これよかったら」

 

「ありがとう…?何これ?」

 

「これ?MAXコーヒーだよ!甘くて美味しいだ!」

 

「へぇ…、!?美味しい!」

 

「よかった!そういえば今日はどうしたの?」

 

「あ、うん!昨日、夢かどうかわからないけど頭の中にこう…何か来てね!こんなのが出来る様になったみたいなの…」

 

狂三ちゃんはそういうと少し力を入れて念じるようにした。

 

すると、彼女の体に変化がありみるみるうちに黒と赤のドレスへと変わっていった。

 

「これは霊装?っていうらしいの、あと天使?を出せるようになったみたい」

 

「天使?狂三ちゃんのこと?」

 

天使って可愛いって聞いたからそうかな?

 

「ふぇ///ち、違くて、これ!これ!来て!【刻々帝】!」

 

狂三ちゃんが言うと何やら時計みたいなのが現れた。何それカッコいい!

 

「カッコいい!」

 

「あ、ありがとう///」

 

狂三ちゃんは少し力を抜くと元の姿に戻った。

 

「なんかね、昨日の宝石をもらったらこの2つができるようになったの」

 

詳しく説明を受けてわかったことがある。

 

狂三ちゃんが謎の存在から貰った宝石のような物は【霊結晶】というものとのこと。

 

【霊結晶】を与えられた人は【精霊】という存在になり、【霊装】を身に纏い【天使】を呼び出すことができるようになること。

 

狂三ちゃんの【天使】である【刻々帝】には時計のように十二種類の能力があること。使用するには大量に【霊力】または狂三ちゃんの【時間】つまり【寿命】を消費すること。

 

などのことがあった。

 

また、最初の影のようなものは実際には命ではなく、【時間】を奪っていたことがわかった。それで補充するとのことだった。

 

聞いてみて驚いたが、この目で見たので間違いないことなのはわかった。

 

ふと、気になったことがある。

 

アニメとか漫画とかで見たことがあるけど、大きな力を持つものは狙われるといっていた。狂三ちゃんの力ももしかしたら…

 

「狂三ちゃん、このこと誰かに言った?」

 

「ううん、まだ八幡君だけだよ?」

 

「そっか…狂三ちゃん、このことは誰にも言っちゃダメだよ」

 

「なんで?」

 

「もしかしたら、この力を悪いように使う人たちが出てくるかもしれない。そうしないように僕と狂三ちゃんとの秘密だよ?」

 

「八幡君との秘密…うん、わかった!」

 

「あと、【天使】の能力をしっかり確認してみよう。母ちゃん曰く、『使えるものは使ってなんぼ』だって」

 

「わかった!」

 

こうして、比企谷八幡と時崎狂三は出会い、知り合った。

 

その夏休みのときは、お互いの家に遊びに行ったり、プールに出かけたりした。

 

両親たちも子供たちを通して仲良くなり、一緒に旅行などにも行ったりした。

 

比企谷八幡の妹である比企谷小町も時崎狂三に懐いており、良好な関係だった。

 

しかし、事件は起こった。

俺たちが住んでいた街で突如大規模な火災が起こったのだ。

 

俺たちの家にも火が燃え移り、家具が倒れ来た!

 

「【七の弾(ザイン)】八幡君!早く!」

 

【七の弾(ザイン)】対象の時間を止める能力だ。

 

「ありがとう狂三ちゃん!逃げよう!」

 

ちょうど俺たちの両親は出張で家におらず、小町も県外への遠足だったためいなかったことが幸いした。

 

狂三ちゃんのおかげで助かった。

 

俺たちはすぐさま家を出て、避難場所に逃げていたがその途中で見たのだった。

 

「は、八幡君!あ、あれ!」

 

狂三ちゃんが指差したところには兄妹だろうか…、2人の男女がいた。

 

男の子は倒れており気絶しているようだ。

 

しかし、女の子のほうは燃えている。いや、炎を身にまとっていた。だが、制御できていないのかその炎が周りに燃え移っていた。

 

「八幡君!あの子、多分私と同じ…」

 

「えっ!ということは【精霊】!」

 

そして俺たちが驚いていると女の子が気絶している男の子にキスをした。

 

すると、女の子が身にまとっていた【霊装】が消えて元に戻っていた。女の子もその後、すぐに倒れてしまった。

 

聞きたいことが山ほどあるが今はそれどころじゃない!

 

「「このままだと危ない!助けないと!」」

 

でも、どうしよう。俺たちだけだと力が足りない…、せめてあと1人ぐらいいれば!

 

「あ、そうだ!【八の弾(ヘット)】!お願い、私!手伝って!」

 

「わかったわ、私!」

 

【八の弾(ヘット)】過去の自分を再現する能力だ。

 

こうしてこの兄妹?と共に避難場所へと向かった。

 

その後、住んでいた場所は全焼したこともあり俺と狂三の家族は親戚がいる千葉へと引っ越した。今度は1軒隣りになった。

 

その後、俺たちが中学3年までは千葉に住んでいたが高校1年になるときに両親の都合で天宮市へと両家揃って引っ越した。

 

そしてお隣になった。

 

俺たちの呼び名も『狂三』『八幡さん』に変わっていった。

 

その間にも狂三の【霊装】【天使】について検証を行っており、あらゆるトラブルにも対応できるようにした。

 

【影】は制御できるようになり、【時喰みの城】と名付けた。【時間】は世界中にいる死刑囚から奪っている。また、見かけた範囲で犯罪を犯したものから少し奪っているそうだ。

 

しかし、そのとき俺と狂三は2人とも中二病になってしまっていた。たまに小町が傷をえぐってくるのでつらい。狂三が【精霊】になったときに『きひひひひ』と笑うのはその名残である。

 

あと色々あったせいで俺の目が腐った。

 

狂三が【八の弾(ヘット)】で作り出した分身体の中にそのときの自分もいるため、苦労しているらしい。

 

そしてとある朝のこと

 

「…さん、八幡さん。起きてくださいまし。朝ですわよ」

 

「…ん?ああ…朝か。おはよう狂三」

 

「ええ、おはようございます。朝ご飯できてますわよ」

 

「ああ、いつもありがとうな」

 

そうして2人でリビングに向かった。

 

「あ、おはようお兄ちゃん!」

 

「おう、おはよう小町」

 

「早く座って食べよう!」

 

「ああ、そうだな…」

 

「「「いただきます」」」

 

「うん、やっぱりお義姉ちゃんの作るご飯は美味しいですなあ!これはお兄ちゃん、しっかり稼がないとね!」

 

「朝から何言ってるんだ…、狂三もいつもありがとうな」

 

「いえいえ、私がやりたくてやっておりますので」

 

そんな話をしながら朝食を食べ終えた。

 

「あ、お兄ちゃんたちそろそろ行く時間じゃない?片付けは小町がやっとくよ!あ、これ小町的にポイント高い!」

 

「はいはい…あ、親父たちは?」

 

「あー、入学式には間に合うと思うけどまだ疲れてるから寝てるって。小町は今日休みだからあとで起こしとくよ。お義姉ちゃんのお母さんたちも起こしてって頼まれたからついでだし」

 

「小町さん、よろしくお願いしますわ」

 

「うん!いってらっしゃい!」

 

「「いってきます」」

 

そう、今日は来禅高校への入学式。俺と狂三は仲良く歩いていたのだが、しばらくすると犬がいた。そう犬。飼い主と一緒に散歩していた。いや、散歩というより飼い主が引っ張られているかんじだな。

 

そのまま通り過ぎようと思った瞬間、犬のリードが外れ道路に飛び出した。

 

そしてそこには車が来ている。

 

「【七の弾(ザイン)】」

 

狂三が【七の弾(ザイン)】を打ち込み、犬と飼い主を停止させる。車は犬とぶつかることなく、そのまま通り過ぎた。何事なくてよかった。

 

「よかった…でも狂三、なんで飼い主も停止させたんだ?」

 

「いえ、なんとなくやっかいなことになりそうな気がしましたので…女の勘ですわ」

 

こうして俺たちが通り過ぎてから少しした後に飼い主たちの時間が動き出した。

 

その後、俺と狂三は、昔俺たちが助けた男、『五河士道』と再会するのであった。また、狂三にはその日、山打紗和と友人になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、サブレ!…あれ?無事?車は?」

 

「きゃんきゃん!」

 

・・・・・

 

その後、高校2年生になったと思ったら色々あった。五河士道が【精霊】を【封印】する能力を持っていたり、俺が周辺の【霊力】を【隠蔽】する能力を持っていたり、狂三が【ラタトスク】を信頼できるものか確かめるために暴れたりなどだ。これまで狂三のことがバレなかったのはそのおかげらしい。

 

まあ、狂三が暴れた件で、狂三が【精霊】なのがバレたのだが【封印】はしていない。俺の能力のおかげなのもあるが、【ラタトスク】の上層部が許可したのだ。

 

『彼女を怒らせることは我々もしたくはないからね』

 

とのことだ。彼女って誰だろう?

 

それにしても学校全体を巻き込むのはやりすぎだと注意したら謝ってきたのでよしとした。うん、可愛い。天使だわ。

 

そんなこんなので、とある日のこと。

 

俺と狂三は琴里に呼び出され、【フラクシナス】に来ていた。

 

そう、あのとき助けた女の子が『五河琴里』であり【フラクシナス】の司令官だったのは驚いた。

 

俺たち以外にも士道を始め、夜刀神十香・四糸乃・八舞夕弦・八舞耶倶矢・誘宵美九も呼ばれていた。

 

「ゲーム?」

 

「そう、名付けて『恋してマイ・リトル・シドー2』よ!」

 

「ああ…でも、ゲームならここじゃなくても…」

 

「そういうわけにもいかないわ、今回は簡単に言うとバーチャル体験ゲーム。フラクシナスのスーパーコンピュータじゃないとできないってわけね。わかったかしら士道」

 

「あれ?じゃあ俺いらなくない?」

 

「士道1人だと不安だから八幡も呼んだのよ」

 

「おう…、マジか」

 

「頑張ってくださいまし、八幡さん」

 

そういう経緯で士道と巻き込まれた俺はこのバーチャルゲームの中へと意識を飛ばされた。

 

・・・・

 

目が覚めると…、ここは俺の家?

 

『気がついたみたいね八幡』

 

「これは…琴里か?頭に直接…」

 

『ゲームの中だからね、直接あなたの意識に飛ばしてるわ』

 

『私もおりましてよ』

 

狂三の声も!?

 

やっぱゲームの中なのか…

 

『詳しいことは士道と合流してからまとめて話すから、まずは士道と合流して頂戴。士道もあなたと同じように自分の家で目が覚めているわ』

 

「わかった」

 

その後、俺は士道と合流し、詳しい説明を受けた。それからこの仮想世界を士道と探索していたのだが、急に琴里との連絡が途絶えた。まあ、なんか通信難しいといっていたし深くは考えずにいた。

 

とそんなときに、1人の女性が現れた。名は『或守』。彼女は『愛』とは何かを俺たちに尋ねてきた。

 

そうこうしているうちにこのゲームに狂三たちが乱入してきて、俺たちがゲームから出られなくなったらしい。

 

琴里が言うには或守は人工精霊らしいが…?

 

或守曰く、士道と愛を育む可能性があるやつを呼んだらしい。

 

俺は?というと『もうあなたにはいるはずです』と言われた。うん、まあ…

 

そうして或守のことは士道たちに任せて(手伝いはするが)俺と狂三はのんびりと街を散策していた。

 

その夜、買い物からの帰り道、ふと或守が見えた。

 

「今の或守…じゃないが何か似ていたな」

 

「八幡さんも…?なら、追いかけてみましょうか」

 

俺と狂三はその人物を追いかけて公園へと入っていった。

 

「この辺だったはずだが…」

 

「やっぱり来たね。比企谷八幡、そして時崎狂三」

 

「或守ではないな…お前は?」

 

「さすがは比企谷八幡、鋭い洞察力だ。あたしは…鞠奈、或守鞠奈だよ」

 

「或守…鞠奈」

 

「今日はここまで、それじゃあまたね比企谷八幡」

 

そう言うと、光に包まれて鞠奈はいなくなってしまった。

 

「八幡さん…今のは?」

 

「さあな…」

 

俺たちもさすがに暗くなったのでその日は帰っていった。

 

が…次の日の夜にまた会った。

 

「ポテト買ったけど、イートインじゃなかったな。その辺で食べるか」

 

「そうですわね…あら、あれは?」

 

ふと、狂三が指したところには或守…或守鞠奈がいた。

 

「お、昨日ぶりだな」

 

「比企谷八幡と時崎狂三!?」

 

「そう、びっくりするなよ。傷つくだろ俺が」

 

「ふふふ…、あ、鞠奈さんよかったら一緒にこれいただきませんか?八幡さんの奢りですわよ」

 

「これはポテト?」

 

鞠奈は物珍しそうに見ているが、手につけなかった。ったくじれったいな。俺はポテトを鞠奈の口に突っ込んだ。

 

「!美味しいわ…」

 

「あ、ずるいですわ鞠奈さん!八幡さん、私もやってくださいまし!」

 

「わかった、わかった…」

 

その後も、毎日のように鞠奈は現れ、俺たちと話した。他愛のない話や俺たちのことなどだ。鞠奈からは人工物についてや人造人間、ロボットなどのことを聞かれた。専門分野ではないためはっきりとしたことは俺と狂三も言えなかったが思い思いのことは言った。

 

それがいつまでも続くかと思っていた…

 

しかし、終わりは突然来るものだ。

 

「あなたたちとの会話も今日でお終い。今まで楽しかったわ、八幡そして狂三…」

 

鞠奈は何やら決心したよう顔をして言った。

 

「そうか…」

 

「最後に1つだけ…質問してもいい?」

 

「ああ…」

 

「ええ…」

 

「もし、あたしが例え、仮初の…人工的に作られた存在でも仲良くしてくれた?」

 

なんだ、そんなことか…

 

「「もちろんだ(ですわ)」」

 

「そう…、ありがとう。じゃあ行くわ…。さようなら…」

 

「俺からはあのときの答え合わせをしよう」

 

「?」

 

「お前は言ったな。『人工的に作られたものに感情が芽生えたらそれはなんだ』と。俺は自分で判断し、行動できているなら『人間』と答える」

 

「!そう…」

 

「あと選択を間違えない人なんていない、いくらでも間違えてもいい。どちらを選んでも後悔することなんてざらにあるんだ。だが…」

 

「『後悔の少ない方を選べ』ですわね」

 

「狂三にセリフ取られた…」

 

「ふふふ…、八幡さんの考えてることなんてお見通しですわ」

 

「ありがとう2人とも…じゃあ行ってくるわ…」

 

「「いってらっしゃい」」

 

・・・・

 

その後、しばらくして俺たちはゲームから解放され、現実世界へと帰ってこれた。

 

士道たちから聞いた話だと、黒幕はやはり鞠奈だった。その後、士道の携帯に人格と記憶が移っていたため鞠亜は無事であった。

 

だが、鞠奈は…

 

しかし、なんだろうな。

 

また、鞠奈とはすぐ会えそうな気がする…

 

 

なぁ、狂三…

 

ええ、そうですわね…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これでよし…、あの子のデータは五河士道の携帯に移したわ。あとはこのまま私が消滅すれば大丈夫…」

 

「大丈夫…このまま…このまま…」

 

「………」

 

「ああ、ダメだ…、後悔が少ないほうを選べなかったよ…」

 

「また、会いたい…会いたいな」

 

「八幡…狂三…」

 

「もっと…もっと…もっと…」

 

ポロポロ

 

「あれ…?おかしいな…」

 

「私、人工精霊なのに…」

 

「涙が…」

 

「八幡…狂三…」

 

バリィ!

 

「な、何!?」

 

バリィ!バリィ!

 

「ここはもう私しかいないはずなのに…」

 

バリィ!バリィ!バリィ!

 

「空間がこじ開けられていく…!」

 

バンッ!

 

「ふぅ…やっと空いた…。さすがに壊れかけの電脳空間に壊さないように入っていくの大変ね…」

 

「」

 

「まあ、生身でゴリ押したからしょうがないか…。お、まだ間に合った間に合った♪」

 

な、何この人?いや、人なの?

 

生身とか言ってたけど!?え!?え!?

 

「」

 

「ねぇ、さっそくだけどあなたに選択肢を与えるわ」

 

「へ?」

 

「このまま消滅するのを待つか…」

 

「それとも…」

 

あたしは最初彼女?が何を言っているのかわからなかった。でも!その2つ目の選択肢を聞いた時驚いた。それって!それって!

 

「あまり時間がないから早くでお願いしたいけど…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後悔の少ない方を選びなさい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、ああ…あたしは…あたしは!」

 

 

あたしが選んだ答えは…!



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楽園に降り立った天使

どうもアルスDQです。
今回は東方projectとのお話です。
よかったらどうぞ。

更新用のTwitterもよろしくです!
http://twitter.com/DQarusu3


幻想郷…

 

それは日本のどこかにあるとされている場所であり人間・妖怪・鬼・神など多種多様な種族が住んでいる…

 

博麗大結界により「外の世界」とは隔離されており、通常その存在を知るものはおらず、簡単に行き来することはできない…

 

中には能力によって自由に行き来できる者が存在するがそれは少数である…

 

本来は神々でさえも容易に存在を知らず、また行き来することなどはできない…

 

それは博麗大結界により、「外の世界」で力あるものは幻想郷では力が弱くなり「外の世界」で力なきものは幻想郷では力が強くなるため…

 

力ある存在は「外の世界」からは決して入ることはできない…

 

例外はいるが…

 

だが、まれに何かのきっかけで「外の世界」の人や物が結界を通り幻想郷に入り込んでしまう場合もある…

 

これを「幻想入り」と呼び、また外の世界から幻想入りした人物を「外来人」と呼ぶ…

 

 

このお話は、「外の世界」から幻想郷に迷い込んだ、とある人物のお話である…

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「戸塚またなー!」

 

「うん!またね八幡!」

 

僕の名前は戸塚彩加、今日は友達の比企谷八幡と遊んでいた。

 

八幡は僕が高校生になってからできた友達で、同時に尊敬できる人。

 

でも過去の出来事で女性が苦手みたい…

 

小町ちゃんでさえも…

 

唯一大丈夫なのは八幡のお母さんだけ…

 

詳しくはまだ聞けてないけど、こんな僕でも八幡の力になれればいいなと思う。

 

そんなことを思いながら、僕は自宅に向かって歩いていた。

 

いつも通り…そう、いつも通りに歩いていた。

 

曲がり角を曲がり、瞬きをしたときに…

 

 

景色が一変した

 

 

「あれ…ここは…どこ?」

 

さっきまで普通の道だったはずなのに周りを見渡す限り、木に囲まれている。つまり、森だ。空は見えるけど、状況が把握しきれてない。

 

「何がおきたの…」

 

人の気配もない気がする…

 

何もわからないけど…とりあえず自分の状態を確認しよう。

 

こういうときは焦ってもしょうがないって八幡のお母さんも言っていたしね。

 

まずは、服装は…変わりない…

 

よかった、これで変わってたら僕も焦ったかもしれなかった。

 

次に持ち物、今日は八幡と遊んでいたからバッグに全て入っていると思うけど…

 

お財布、学生証、充電器、帽子、モバイルバッテリー、携帯…携帯!?

 

「あ!もしかしたらナビで場所がわかるかも!」

 

昔は携帯電話といったら電話とメールができるだけだったけど、今は様々な機能を利用できる。

 

通信キャリアも大手3社が有名だけど、最近は4社目が参入したり、格安SIM会社もある。

 

また、端末も大手キャリアが通信とセットで販売していたけど、最近はSIMフリー端末も増えている。

 

僕は端末はSIMフリーを購入して、格安SIMで契約している。そのほうが安くすむって両親がいっていた。

 

ってそんなことは今関係ない!

 

「やっばりインターネットつながってないよね…ってあれ?」

 

ふと、携帯を見るとさっきまで電波がなかったのに電波がたっている!?

 

どういうこと?

 

まずは確認してみよう

 

「設定からモバイル通信…『Kappa mobile』?知らないなぁ…」

 

『Kappa mobile』…知らない通信会社だ…

 

アンテナ部分も心なしかキュウリに見えるけど気のせいだよね?

 

「あ、これならナビ使えるかも!」

 

ホーム画面に戻って、ナビを確認するが…

 

使えなかった…

 

やっぱりダメなのかなあ…?

 

「って知らないアプリが入っている?『幻想郷マップ』?」

 

いつの間にか、知らないアプリがダウンロードされていた。

 

なんだろうこれ?

 

幻想郷?音読みで読むと『ゲンソウキョウ』だけど合っているのかな?

 

と思っていたら勝手に起動した!?

 

え?触ってないと思うけど…

 

「あ、でも現在地が表示されている!ってことは使えるかも!」

 

使い方は普通のナビと同じみたいだ。

 

縮小や拡大などもできる…

 

「近くに何か人がいそうな建物か何かあれば…紅魔館?」

 

『コウマカン』?

 

ここからだと一番近い建物らしい…

 

館ってことは誰かしら人はいるはず!

 

僕は不安ながらもマップを頼りに『紅魔館』へと歩いていった。

 

 

なおこのとき戸塚彩加は知らなかったが、このアプリによって安全なルートを通ることができたおかげで妖怪に襲われることなく済んだのだった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「ここが『紅魔館』?」

 

マップを頼りにしばらく歩いていたら目的地についた。

 

歩きながらマップを確認してたけど、近くにあった湖も載ってたから、合っていると思う。

 

「それにしても大きいなぁ…」

 

目の前にある紅魔館らしき建物はとても大きい。その館は紅く、これが館の由来かれしれない。

 

「誰か人がいればいいなぁ…」

 

そう思いながら、館に近づいていく。遠くから見ても大きかったから近づくにつれてさらに大きい…。

 

ふと見ると、門らしきものがあった。

 

そしてその近くに女性が立って…寝ていた。

 

「Zzzzz…」

 

その女性は赤髪でチャイナドレス?なのかわからないけど、身に纏っていた。とても綺麗だと思う。

 

でも、寝ている…

 

「Zzzzz…」

 

寝ているのに無理に起こしてもいいのかな?

 

でもどうやって立ったまま寝れるんだろう…

 

そう思いながら、声をかけてみる。

 

怒られたらそのときだ。

 

まだ、寝てるけど…

 

「す、すみま…「どうしました?」せん…」

 

女性は目を瞑ったままそう答えた。

 

(いつから起きてたんだろう…?いや、そもそも寝ていたのかな…?)

 

「あ、えっと…」

 

「あはは、そんな緊張しなくても大丈夫ですよ!ほら深呼吸、深呼吸…吸って…吐いて…吸って…吐いて…」

 

驚いたせいで言葉が詰まっちゃった…

 

でも、そんな僕に女性は怒ることもなく笑いかけてくれた。

 

深呼吸をして少し、落ち着いた後僕は再び話し始めた。

 

「あ、あの…僕、信じてもらえるかわからないですけど…」

 

「うんうん!」

 

「気がついたら知らない森の中にいて、彷徨っていたらこの館を見つけたので、誰かにお話を聞ければいいかなと思って来ました!」

 

そう僕が話すとその女性は少し考えてこう僕に聞いてきた。

 

「なるほど…、少し質問いいですか?」

 

「あ、は、はい!」

 

「まず変な質問しますが『弾幕ごっこ』って知ってます?」

 

「『弾幕ごっこ』ですか?」

 

「ああ、その反応を見るに知らない様ですね…。では、次は妖怪っていると思います?」

 

「妖怪…ですか?本でなら見ますが…」

 

「なるほど…。最後に私のこの格好どんなかんじに見えます?」

 

「えっと…、チャイナ服な様に見えます!」

 

「ふむ…、どうやらあなたは『外の世界』から来たようですね」

 

『外の世界』?どういうことだろう?

 

「あはは…、すみません…いきなりそう言われてもわからないですよね…。少し待っててくださいね。…咲夜さーん!少しいいですかー!」

 

女性がそう叫んだと思ったら、十数秒後いきなりメイド服を着た銀髪の女性が現れ、赤髪の女性の頭にはナイフが…ナイフ!?

 

「いっ…痛い!?咲夜さん!私、今寝てなかったですよ!?なんでナイフ刺すんですか!?」

 

「あら、ごめんなさい。寝てるかと思ったわ」

 

「あ、あの…大丈夫ですか?」

 

「大丈夫です。いつものことですので」

 

いつもってどういうことだろう…

 

「それで美鈴、この方は…?」

 

「え、謝罪なしですか!?」

 

「……」

 

「わかりましたよ!」

 

「わかればいいのよ」

 

「はぁ…こちらの方は恐らく『外の世界』から幻想郷に入ってしまったと思われます。気がついたらこの世界にいたと…」

 

「なるほど…、では少し私からも…」

 

と言われたところで何やら着信音が聞こえた。僕の携帯ではないけど…メイドさんのほうから聞こえた気がした。

 

「少し失礼します…こちら紅魔館メイド長の…え?」

 

メイドさんがポケットからスマホを取り出して電話をし始めた。

 

でも、あれ?なにやらこちらを見て驚いた表情を見せた。

 

「はい…はい、咲夜ですが…」

 

「はい、特徴…はい、はい、おっしゃっているとおりで…はい、学生証?…はい…」

 

そこで一度電話を中断して、こちらへと振り返った。

 

「すみません、お客様。失礼ですが、学生証?というものをお持ちですか?」

 

「あ、学生証ですか?えっと、…これです!」

 

「お預かりいたします」

 

学生証を受け取ると何やらまた話し始めた。

 

「はい、今少しお預かりして…、はい、はい…間違いございません。はい、かしこまりました。紅魔館のメイド長として承りました。ええ、お嬢様方には私のほうから…、はい、失礼いたします…はい、はい…」

 

何やら電話が終わったようだ。

 

「学生証ありがとうございます戸塚彩加様」

 

「あ、いえ…あれ?僕名前まだ…」

 

「美鈴…」

 

「さ、咲夜さんまさか今の電話って…」

 

「そのまさかよ…」

 

そうメイドさんが答えると女性の顔が一気に青ざめた、大丈夫かな?

 

「だ、大丈夫ですか?もしや、やばい…?」

 

「いえ、大丈夫よ。むしろ幻想郷で最初にあったのがあなたで安心したとおっしゃっていたわ」

 

「そうですか…えへへ…」

 

「さて…改めまして、戸塚彩加様。私はこの紅魔館でメイド長、料理長をしております十六夜咲夜と申します。そして、こちらが…」

 

「あ、まだ自己紹介がまだでした…、紅美鈴!紅魔館の門番、兼庭師をしてます!」

 

「あ、戸塚彩加です!よろしくお願いします!」

 

「はい、それで戸塚彩加様…彩加様とお呼びしてもよろしいでしょうか?」

 

「あ、いえ様をつけなくても…大丈夫「いえ、そうはいきません!紅魔館のメイド長として大切なお客様を呼び捨てになどできません!」あ、はい…それでいいです」

 

「ありがとうございます」

 

な、何か執念のようなものが感じ取れたかも…メイドさんとしての誇りなのかな?

 

「あ、私は彩加さんって呼んでもいいですか?」

 

「あ、はい!大丈夫です!」

 

「それで、彩加様さえよろしければなのですか、突然のことで疲れもあるかと思いますので紅魔館で休んでいかれませんか?あなたの今の状況を含めてご説明もさせていただきます」

 

「え、本当ですか!」

 

「はい、そのほうが安全かと思いますし」

 

安全?どういうことだろう?

 

「ここには私や彩加様のような人間だけではなく…人を喰う妖怪などもおります。1人でおられるのは危険です」

 

「な、なるほど…」

 

「さあ、こちらへ…」

 

「あ、はい!」

 

そうして僕は咲夜さんに案内されて紅魔館へと入っていった…

 

なお、美鈴さんが妖怪なことや咲夜さんが突然現れた理由について知るのは少し先のことであった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…てか咲夜さんナイフ忘れてるし…あとで届けよ…ってあれ?もう傷ふさがってる?普段ならも少しかかるのに…まあ、いいか…」

 

紅美鈴は傷がいつもより早く塞がっているのに違和感を感じたが、そこまで気にせずに持ち場に戻った。

 

 

 

 

地面に落ちた一枚の真っ白い羽には気づかずに…

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

その少し前の博麗神社では…

 

「あー、平和だわ…」

 

今代の『博麗の巫女』、『博麗霊夢』が縁側でお茶をすすりながらそう呟いた。

 

「龍神様からお菓子もらったし、しばらくは大丈夫そうね…」

 

「いやいや、お菓子を主食にするなよ…」

 

そう呆れて言葉を返したのは『普通の魔法使い』と呼ばれる『霧雨魔理沙』、霊夢の親友である。普段は決して口には出さないが…

 

「いや、だってお菓子がダメなら家にあるの雑草だけよ?しいて言うなら茶葉ぐらい」

 

「雑草って…まあ、後でキノコでももってきてやるよ…」

 

「本当!?嘘じゃないでしょうね!?」

 

「心配するなって、ちゃんと持ってくるから」

 

「てか、妖夢のとこでもいけばご飯作ってくれるだろう。幽々子に比べればお前のご飯の量ぐらい大したことないだろう」

 

「あー、今日はあの子と稽古すると言ってたからやめたのよ」

 

「あ、なるほど…」

 

「……」

 

「……」

 

「でも、あれは凄かったんだぜ。たしか、忍っていったっけ?と異世界の霊夢が完膚なきまでやられてる姿は…。あの人を怒らすとか何を本当にしでかしたんだか…」

 

「まあ、いいじゃない?世界が消滅もしてないし」

 

「極端すぎる…、てかあの人歳いくつなんだぜ?私たちが小さい頃から変わってない気もするけど…」

 

「さあ?でも、永林が小さいときからあの姿とか言ってたような…本当にいくつよ…」

 

「……」

 

「……」

 

「「あの子が常識人に育って本当によかった…」」

 

「さて、そろそろ行きましょうか?」

 

「ああ、早めにいかないと怒られちまう。てか、霊夢は報酬の酒と食べ物目当てだろ?」

 

「だって食料は死活問題よ」

 

「はいはい…たしか、戸塚彩加って言ってたっけ?幻想郷に迷い込んだ『外来人』は」

 

「そうそう…ほら行くから箒準備して」

 

「へいへい…あれ?お前は飛んでいかないのか?」

 

「…たまにはあんたの箒で飛ぶのもいいかなって」

 

「!…嬉しいこといってくれるのぜ…じゃあ行くか!」

 

「ええ!」

 

 

博麗霊夢と霧雨魔理沙は『外来人』を探しに出かけた。

 

 

 

 

博麗霊夢

『博麗の巫女』

主に空を飛ぶ程度の能力

 

夢想封印・天

夢想天生

夢想開放

夢想覚醒

 

霧雨魔理沙

『普通の魔法使い』

魔法を使う程度の能力

 

マスタースパーク・壊

ファイナルスパーク・改

魔力開放

魔力暴走

魔力融合

 



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ぼっちと守矢神社の神々

アルスDQです。
今回は、守矢神社とのお話です。
よかったらどうぞ。

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「ははは…、さすがにもう疲れた…」

 

修学旅行のあの嘘告白からそこそこの月日が流れたある日、そう力なく呟いてた。

 

高校2年生になり、あの作文から始まった無理矢理入部させられた奉仕部。

 

由比ヶ浜の依頼から様々なことがあった。

 

材木座の小説・戸塚のテニスの練習・チェーンメール・川崎のバイト・千葉村・文化祭…そして修学旅行。

 

相反する戸部と海老名さんの依頼。

 

『告白したい』『告白されたくない』

 

解決、いや解消するにはあれしかなかった。

 

あの場では俺の中では最適解であった。

 

時間が限られた中でよく思いついたものだ。

 

決して誉められた方法ではなかったのは認める…非難されるのはわかっていた。

 

奉仕部に所属する他の2人には俺に任せると言っていた。怒られてはしまうのかもしれないがそれでも理解してくれると勝手に俺は思っていた。

 

しかし…

 

『あなたのやり方嫌いだわ。』

 

『人の気持ち考えてよ!』

 

返って来たのは拒絶の言葉だった。

 

たしかに俺も説明もないでやったからそう言われても仕方がない。いつもの様に勝手に俺が思って、勝手に裏切られただけだ。

 

だが、それでも….俺はあいつらなら理解してくれると思っていた。

 

やはり、本物なんて…

 

ふと、俺は制服の裏側にあるポケットに手を入れる。

 

そしてあるものを出した。

 

それはお守りだった。

 

数年前、遠くに引っ越した彼女たちから貰った大切なもの。貰ったあの日から肌身離さず持っているお守り。

 

そしてこう呟いた。

 

「あの3人だったら…理解してくれるだろうか」

 

 

・・・

 

 

昔から夏になると、親の親戚のところに行っていた。

 

親は色々とやることがあるため、特にやることもなく暇な日が続いた。

 

小町は、近所の子と遊んだりしていたが俺にはそんな奴はいなかったので基本的に宿題や本を読んでいた。

 

そんなある年のある日、なんとなくだが外に出て散歩をした。やることもなかったし。適当にぶらぶらしてお腹が空いたら帰ろうと思ったぐらいだった。

 

まあ、田舎のため見渡す限り畑や田んぼなどがあるだけだった。

 

そんなこんなでそろそろ引き返すかなと思ったところにあったのが…

 

「神社?」

 

そう、神社だ。

 

近くにある看板みたいなものには何やら名称が書いてあったらしいが、字が薄れて読めなかった。

 

「行ってみるか…」

 

少し興味がわいた俺は階段を上っていった。

 

「おぉ…、少し古いけどなんかいいかんじだ」

 

神社に着いた俺は周辺をキョロキョロとみて回ってみた。そのせいか少し疲れたので座れる場所を見つけて休んでいた。

 

「風も気持ちいい…家にいるより過ごし良さそう…。次から暇なときはここに来よう」

 

その日は神社で少し休んでから家に帰っていった。

 

また別の日、今度は暇をつぶせるようにゲームや本、食べ物や飲み物を持って神社にやってきた。

 

暑い夏の日だが、日陰に入れば風が気持ち良く快適だった。

 

そんなら感じで神社で過ごしていたある日、いつもどおり本を読んでいたら話しかけられた。

 

「ねぇねぇ!何してるの!」

 

「へ?」

 

本を読んでいる俺に話しかけてきたのは緑色の髪をした女の子。同い年ぐらいに見えた。

 

「あ、その、えっと…」

 

「あ、私早苗!東風谷早苗!君の名前は?」

 

「八幡、比企谷八幡…」

 

「八幡…八幡君ね!よろしく!」

 

「あ、うん…」

 

早苗という女の子はそういうと手を掴んできて嬉しそうにぶんぶんした。

 

「ねぇねぇ八幡君はこんなところで何をしてたの?」

 

「本読んでた…風が気持ちよくて過ごしやすかったから」

 

「そうなんだ!…そうだ!私も一緒に見てもいい?」

 

「え、まあ、うん…、ほら」

 

「やった!ありがとう!」

 

そう早苗は言うと俺の隣に座って一緒に本を読んだ。本と言っても漫画であったが。

 

しばらくして読み終わった。

 

「面白かったね!」

 

「まあ…」

 

俺はというと隣に女の子がいて緊張して内容があまり入ってこなかった。普段ないことだから余計に緊張した。

 

「あ、そろそろ帰らなくちゃ…」

 

「そうなのか…」

 

「だから明日また遊ぼうねー!」

 

「え?」

 

「あ、何か予定とかあった?」

 

「い、いや…ないけど…」

 

「よかった〜、じゃあまた明日!」

 

早苗はそう言うと走り去ってしまった。

 

「また、明日か…」

 

そう言われたのはこれまでにあったかなと思いながらも明日が楽しみになった。

 

家に帰った後、母親に何か顔が変と言われた時は涙が出たが。

 

それからは時間があったときは、この神社に来て早苗と遊んだ。一緒に本を読んだり、かけっこしたり、絵を描いたりなど。

 

そんなある日、いつも様に神社に行ったときだった。

 

「まだ、早苗は来てないのか…。まあ、本でも読んでるか…」

 

そうして、少し本を読んでいると階段を上ってくる音が聞こえた。早苗かなと思いつつも、何やら声も聞こえる。それは早苗の声も聞こえるが、別に2つも聞こえた。

 

「へぇ…、最近出かけてると思ったらここに来てたんだね」

 

「はい!友達と遊んでました!今日も遊ぶんです!」

 

「早苗が出かけるなんて、珍しかったから少し心配だったよ」

 

「少しなんて次元じゃないでしょ?だって…」

 

「ば、ばか!それ以上は言うな!」

 

「?」

 

何やら、早苗と誰かが話しながら階段を上ってきた。1人は紫色の髪をして背の高い人、もう1人は帽子を被っていて俺と早苗と同じくらいの身長の子だ。

 

「あ、八幡君!待たせちゃった?」

 

「いや、俺もさっききたところだから。…それよりも後ろの人たちは…知り合いなのか?」

 

「「「!?」」」

 

俺がそう答えると早苗を含め、驚いていた。

 

何か変なこと言ったっけ?

 

「しょ、少年…私たちの姿が見えるのか!?」

 

「え、はい…見えますけど?」

 

(((声も聞こえてる!?)))

 

「八幡君も私と同じで、神奈子様とケロちゃんの声が聞こえてる…!八幡君凄い!」ヒソヒソ

 

「す、諏訪子…これは…」ヒソヒソ

 

「わ、わかんない…。けど、姿も声も聞こえるなんて…」ヒソヒソ

 

「あ、あの〜?」

 

「「「!」」」

 

「あ、ああ…すまないね。私は、神奈子…八坂神奈子だ。早苗とは…遠い親戚でね。時間があるときは面倒を見てやってる」

 

「私は、洩矢諏訪子!早苗とは友達さ!君の名前は?」

 

「八幡です…比企谷八幡」

 

「そっか!よろしくね八幡!」

 

「よろしくな八幡君」

 

「あ、はい。よろしくお願いします…」

 

早苗と一緒に来た人は、神奈子さん、諏訪子と名乗った。

 

「じゃあ遊ぼっか!いつもは早苗とは何をしてるの?」

 

「えっと…」

 

それから早苗に加え、諏訪子も入れて遊んだ。神奈子さんはそんな俺たちを見守っていた。時折、諏訪子に煽られて遊びに加わっていたが。

 

「あー、面白かった!」

 

「す、諏訪子…お前…」

 

「か、神奈子様落ち着いて…」

 

つ、疲れた…。けど、楽しかったなあ…

諏訪子と神奈子さんもああは言ってるけど楽しそうになってるし。

 

前は早苗だけだったのに、さらに2人も増えた。

 

こうして、俺が夏休みのときは俺を含め、この4人で遊ぶことが当たり前になっていった。

 

時には神奈子さんが昔話をしてくれたり、誰も知らないような湖に連れてってくれて水遊びをしたり、スイカ割りをしたり、アイスを食べたり…色々なことをした。

 

時の流れは早いもので俺と早苗も小学校、中学校へと進学していった。

 

それでも、毎年夏休みになると変わらず早苗たちと遊んでいた。

 

時折、小町も一緒に遊んでいたがそのとき、神奈子さんと諏訪子は来ず、早苗だけが来て遊んでいた。

 

何か引っかかることはあったが、そこまで気にすることでもないため特別言うこともなかった。

 

そんなこんなでこのままずっと続いていくものだと思っていたが、そうはいかなかった。

 

中学校を卒業する年、すなわち、中学3年のときに早苗たちからこう言われた。

 

「もう会えなくなる…?」

 

「うん…」

 

「ごめんな八幡君…私たちもできればずっとこのままここに入れればよかったんだが…」

 

「事情が変わってね〜」

 

「そ、そうか…」

 

何か事情があるなら仕方がない。

 

また、俺はぼっちへと戻るだけだ…

 

そう思っていた。

 

「そ、その、私たちの代わりってわけじゃないんだけどよかったらこれ!」

 

「これは…?」

 

早苗が渡して何やら渡してきたこれは…

 

「それはお守りだよ。私と諏訪子、早苗…3人で作ったんだ」

 

「これを…俺に?」

 

「そうそう!八幡だからあげるんだよ!このお守りにはね、『風雨の神』と『山の神』の加護が入っていて、超すごーいんだよ!」

 

「そ、そうなのか…」

 

俺はこういったものには詳しくはないが、諏訪子たちがそう言うならそうなんだろう。

 

「ありがとうございます、大切にするよ」

 

しっかりと受け取りお礼を言った。

 

3人ともそれに満足したのかいい笑顔でうなづいた。

 

「さて、渡しておくものも渡したし、準備もあるからそろそろ私たちは行くよ」

 

「八幡〜またね〜!」

 

「八幡君…ありがとう…!」

 

「おう…こちらこそありがとうな」

 

そうして、俺たちは別れたのだった。

 

 

・・・

 

 

その2年後、俺はその場所にいた。

 

「久しぶりに来たな…懐かしい…」

 

身体のあちこちから痛みがするが、何とかここまで来れた。あいつら好き勝手やりやがって…

 

昔話のことを思い出しながら俺はその場座り込んだ。

 

「ははは…、さすがにもう疲れた…」

 

「あの3人だったら…理解してくれるだろうか」

 

身体の限界が来たのか、俺はお守りをにぎりしめながら、そのまま倒れて意識を失ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は守矢神社の風祝、東風谷早苗!

今は博麗神社の巫女である霊夢さんを連れて守矢神社へと向かっているところです。

 

「ご飯!ご飯!」

 

「あはは…霊夢さんご飯は逃げないですよ…」

 

「だって久しぶりのご馳走よ!早く食べたいに決まっているじゃない!今日はたくさん食べるんだから!」

 

「ははは…、ほらあと少しで守矢神社に着きますから頑張ってください」

 

久方ぶりのまともなご飯で凄い期待してますけど、ご飯の量足りるかな…。足りなかったら作ればいいか…

 

そんなことを思いながら守矢神社へと向かっていると、突然霊夢さんの声がしなくなった。

 

ふと、横を見ると霊夢さんが先程までとは違い、真剣な目をしながらどこかを見つめていた。

 

「…」

 

「霊夢さん?」

 

「早苗あれ…神社の近くで人が倒れてる!」

 

「!すぐ向かいましょう!」

 

霊夢さんが指を刺したところを見ると、たしかに人が倒れている。しかも守矢神社鳥居近く。すぐさま私たちはそこへと向かった。

 

トンッ!

 

「大丈夫ですか!?っ、凄い熱!とりあえず、どこか寝かさないと…え?」

 

「早苗?どうしたの?」

 

その人は手に何かを握っていた。

 

そう、神奈子様、諏訪子様とそして私たち3人が作り、渡したあのお守り。

 

だってあのお守りは彼に…まさか…!

 

「あ、ああ…そんなことって、そんなこと…」

 

顔を見てすぐ、私は気がついた。

 

私は知っている、この男性を…

 

「早苗?」

 

この男性は…この人は…

 

私の大切な…大事な…

 

「早苗!」

 

「!」

 

そう考えていると霊夢さんが私を呼んでいる声がした。

 

「れ、霊夢さん…」

 

「この人、あなたの知り合いなんでしょう?だったら、今あなたがすべきことは何?あなたならわかるでしょう?」

 

そうだった。

 

今は彼を助けることが優先だ。

 

「はい!霊夢さんは永琳さんをお願いします!私は神奈子様たちを呼んできます!」

 

そう私は霊夢さんにお願いすると、すぐさま神奈子様たちを呼びに行った。

 

「…紫、聞いてたでしょう。ここと永遠亭を繋げて永琳か鈴仙呼んで来て」

 

「はいはい、まったく人つかいが荒いわね」

 

「あんた人じゃなくて妖怪だから別にいいでしょう」

 

「ふふふ…」

 

八雲紫はそう笑いながらも、境界を操り、たまたま薬の行商をしていた『鈴仙・優曇華・イナバ』を連れてきた。

 

「いたたた…、もう何なのよ…って霊夢!?」

 

「連れてきたわよ〜」

 

「鈴仙、急で悪いけどこの人の具合見てくれる?ここで倒れてたんだけど…」

 

「私、行商中だったんだけど…、まあいいわ。どれどれ…凄い熱ね。だけど、他に何かなければ薬を飲ませれば…!?」

 

「鈴仙?」

 

「…これ、凄い傷」

 

鈴仙が服をまくるとそこにはたくさんの傷がついていた。

 

「これって…」

 

「…他のところにも、背中、足まで。おそらくこれが原因ね」

 

「…治る?」

 

「そうね、熱自体は薬飲ませて安静にしていれば治ると思うけど、問題は傷のほうね。こっちはすぐとはいかないわ。でも、師匠なら問題ないわ」

 

「そう。…この人、早苗の知り合いらしいんだけどまだ傷のことは秘密にできる?その方がいいと思うわ、勘だけど」

 

「わかりました…。紫さん、永遠亭に繋げてもらってもいいですか?このまま連れて行きますので」

 

「はいはい〜」

 

そのとき、東風谷早苗が八坂神奈子と洩矢諏訪子を連れて帰ってきた。

 

「霊夢さん!神奈子様と諏訪子様をお連れしました!」

 

「八…君!」

 

「八…!」

 

あの守矢の2柱が慌てた様子で駆けつける。

 

この光景にはあの八雲紫も少し驚いていた。

 

「そういえば神奈子と諏訪子とも知り合いなの?」

 

「ええ、外の世界にいたときに私以外で神奈子様と諏訪子様を認識できてましたしね」

 

「!?え?それって…普通ではないよね?」

 

「はい、お2人とも理由はわからないとおっしゃっていましたが…、ってそれより鈴仙さん!彼の容体は!?」

 

「そうね、熱がすごいのが気になるからとりあえず永遠亭へ連れて行こうと思うわ。早苗たちも…「行きます!」よね…、紫さんお願いします」

 

「はいはい、もう繋げてあるから通った通った…」

 

鈴仙は彼を自身の背中におんぶさせると、ゆっくりと永遠亭へと続くスキマへと歩く。早苗たちもそれに続き歩いていく。

 

「そういえば守矢の巫女、その彼の名前ってなんて言うのかしら?」

 

ふと、疑問に思った紫が早苗に聞く。

 

そして、早苗はこう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「比企谷八幡…君です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう聞いた八雲紫は全身から冷汗をかいたのだった。



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とある人間と吸血鬼

アルスDQです。
今回は、吸血鬼とのお話です。
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「あれ…ここ、どこ?」

 

「さっきまで紅魔館の中にいたのに…」

 

「天気も良くて…、あれ!?日傘がないと…、まずっ!?」

 

ジュッ!

 

「熱いっ!?早く、影…影のあるところに行かないと…!!痛い!か、身体が焦げて…」ジュゥゥゥ

 

「お、お姉様…」

 

「め、美鈴…」

 

「パ、パチェリー…」

 

「さ、咲夜…」

 

「ま、魔理沙…」

 

「誰かたす…けて…」

 

スッ…

 

「おい、大丈夫か?」

 

・・・

 

「はぁ…眠い…」

 

俺、比企谷八幡は今日も今日とてのんびりしていた。

 

高校も卒業して、現在は一人暮らしをしながら大学へと通っている。

 

今は夏休み中なので、特にやることもなく、のんびりしている。

 

あ、課題はもちろんさっさと終わらせた。

 

後で残っててやるのめんどくさいし。

 

「しかし、今日は暑いな…。これだけ暑ければすぐ洗濯物乾くかな…」

 

そう思いつつ、洗濯物を干すために窓を開けた。

 

「よいしょっと…ん?なんだあの子?」

 

窓を開けて外を見ると、何やら子どもが道路に倒れている。背中からは何やら羽みたいなものも出ている。

 

何やらわけありっぽいかんじはするが…

 

「って誰か…いない…か。でも、このまま放置するのも小町がいたら怒られそうだし…。しかたない…」

 

俺は洗濯物をとりあえず部屋に置き、その子が倒れているところへと向かった。

 

タタタッ…

 

「おい、大丈夫か?」

 

その子の身体からは何やら焦げている音がしていた。

 

俺が問いかけるとまだ意識はあったようで弱々しい声でその子は答えた。

 

「ひ、日傘…影が…」

 

「日傘…影…?…!もしかして直射日光か?それが防げればいいのか?」

 

「う、うん…」

 

「…もう少しだけ我慢できるか?すぐ、戻って来るから」

 

「…」コクッ

 

俺はその子がうなづくのを確認後、すぐさまアパートへ引き返した。なにか日光を遮るものがないか探した。

 

「何か…合羽ならいけるか?」

 

俺は合羽と、柄がついている傘を持ってあの子の元へと走って行った。

 

「日傘はなかったけど、とりあえず普通の傘と合羽を持ってきたぞ。俺は傘を持って影を作っているから合羽着れるか?被るだけでもいいが…」

 

「う、うん…ありがとう…」

 

その少女に合羽を渡し着るのを待つ。だが羽が邪魔だったのか着るのは無理だったようで被るだけ被った。ついでにフードの被せてとりあえず良しとする。

 

「よし、それなら日光は当たらないと思う。とりあえず落ち着けるところ…俺のとこしかないか。俺の家すごそこにあるんだけどそこまで歩けるか?」

 

「…今力抜けてて、多分無理だと思う」

 

「そうか、なら背中に掴まってくれ。不本意だと思うが…」

 

「お願い…」

 

「よし、じゃあ行くか…」

 

少女が背中に掴まったことを確認してから俺はひとまずアパートへの帰っていった。

 

…警察に通報されないことを願いながら。

 

ダイジョウブ、ハチマンフシンシャジャナイ。

 

多分…

 

・・・

 

「吸血鬼…?」

 

俺の家に着き、少女から事情を聞いていた。

 

その少女…『フランドール・スカーレット』がそう答えた。

 

「うん、だから日光に当たるとダメなんだ。日陰とか日傘をがあれば少しはいいんだけどね」

 

「なるほど…」

 

あの光景を見るまでは軽く流していた内容だが、実際に見た今では違う。

 

普通の人間なら日光で肌焦げたりしないし…

 

「お兄さんが来てくれなかったら、灰になってたと思うよ。ありがとう!」

 

「お、おう…。でも、吸血鬼なんて初めて見たな…。まあ、逆に見てたらおかしいか…」

 

「『外の世界』の人からそうかもね…。フランからしたら珍しくも何ともないけどね」

 

「『外の世界』?」

 

「えっとね…」

 

そこから色々と説明を受けた。

 

フランが住んでいる世界が『幻想郷』というらしく、俺の住んでいる世界の中にあるらしい。

 

そのため、『幻想郷』から見ると、俺の住んでいる世界は自分たちの世界の外側にあるから、『外の世界』と呼んでいること。

 

フランは気がついたら、『幻想郷』から『外の世界』へと来ていたこと。吸血鬼の体質で日光があたって動けなかったことなど色々だ。

 

「そうか…、それでフランはこれからどうする?その幻想郷に帰る方法とかあるのか?」

 

「うーん、わからない…。多分、パチェリー…魔女が今どうにかしようとしてると思うから…。下手にここから動かない方がいいかも…、迎えが来るかもだし…」

 

魔女もいるのか…、まあ吸血鬼がいると言われるよりかは納得はできる。その吸血鬼が言ってるんだから実際いるんだろうな。

 

「そ、それで…お願いがあるんだけど…」

 

「ん?」

 

「その迎えが来るまで…フランここにいていいかな…?お兄さんが迷惑じゃなければだけど…」

 

「……」

 

そう言ってくるのはわかっていた。

日中、外を出歩けないフランには昼間まともに動けない。かといって夜動くとそれこそ吸血鬼とは知らない人からすればただの子供。下手に警察とかに補導されて捕まるとやばい。と、なれば俺と一緒にいるのが消去法でベスト…。

 

しかしなぁ…、それで俺が警察に捕まる恐れがあるしなぁ…

 

「ダメかな…」

 

シュン…

 

「い、いや大丈夫。うん、問題なし!」

 

「ほ、本当!?ありがとうお兄さん!」

 

え?なぜOKしたっけ?

千葉の兄なら妹からのお願いは断れないだろう!?

 

捕まったら、捕まったでしょうがない!

 

うん、そうしよう!

 

こうして、とある人間と吸血鬼の共同生活が始まった。

 

・・・

 

そこから2週間ほどのときが過ぎた。

 

フランが日中はあまり出歩けないため、もっぱら家でゲームをしていた。

 

最初はやり方を教えながら、やっていたが覚えがいいのかすぐに真剣勝負するレベルまで上達した。

 

楽しそうでなにより、はい。

 

…コントローラ1つ壊れたけど。

 

食事は、食べれない物などをフランから聞いた上で考えた。家で簡単な素麺やカレーなどを食べたり、出前を頼んだり、夕方ぐらいにはフランも出れるので食べに行ったりした。

 

背中の羽については魔法で隠していた。

まあ、目立つからな。

 

そうして過ごしていたある日のこと。

 

俺がフランと買い物へ行き、家に帰っていたのだが、何やら人がいた。

 

何やら緑色のチャイナドレス?のような着ており、赤髪の長髪の女性だった。しかも、美人。

 

どうしようかと俺が思っていたら、フランはその女性を見るなり駆け寄った。

 

「美鈴!」

 

「!フラン様!よくご無事で!どこか怪我などはないですか!?」

 

「うん、フランは大丈夫!お兄さんが助けてくれたの!」

 

「こちらのかたが…」

 

「あ、どうも比企谷八幡です、はい」

 

ここでは目立つので、とりあえずその女性を連れて、家へ戻ってきた。

 

「改めまして…紅魔館で門番をしております紅美鈴です!この度はフラン様を助けていただきありがとうございました!」

 

「あ、いえいえ…たまたまです、たまたま…」

 

普段、人と関わりがない上お礼まで言われるとむず痒い。そこまでのことはしてないんだが…

 

「いえ、八幡さんがいなかったらどうなっていたか…。本当によかった…」

 

「美鈴、美鈴…それよりもどうやってフランの場所わかったの?」

 

「それはですね…、フラン様がいなくなった後、パチュリー様がある程度の場所まで絞られてからきたんですよ。こちらに来てからは私の能力を使って探していたらこの周辺にフラン様の気を感じられたので」

 

「そっか…、ありがとう美鈴!」

 

「よかったなフラン」

 

「うん!」

 

「あ、美鈴さん。それで…帰る方法とか…」

 

「あ、それが…」

 

話を聞くと、そのパチェリーさん?が簡易的な魔法陣を美鈴さんに渡しており、魔法陣を発動させてその上に乗れば帰れるらしい。

 

ただ発動には魔力が必要らしく、送信側と受信側両方で必要とのこと。美鈴さんが持ってきた送信側の魔法陣にはあらかじめ魔力が蓄えられているが、受信側の魔法陣のほうはパチェリーさんが魔力を使い倒してしまって回復までしばらくかかるらしい。

 

ってことは…

 

「フラン様ともどもよろしくお願いします!」

 

「あ、はい」

 

察した。

 

・・・

 

それから1週間後、フランと美鈴さんが帰る日となった。

 

魔法陣を広げて、その上にフランと美鈴さんが乗る。

 

「八幡さん!色々ありがとうございました!」

 

「お兄さんありがとう!」

 

「おう、元気でな…」

 

別れの挨拶が終わったと思ったのち、魔法陣が光だし、あまりの眩しさに目を閉じた。

 

光が収まり、目を開けると…もう2人の姿はなかった。

 

「不思議な出来事だったなぁ…」

 

そうして、俺と吸血鬼との共同生活は終わった。

 

その後は、特におかしなこともなく過ごしていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ…ここ、どこだ?」

 

「さっきまで普通の道路にいたのに…」

 

「あれ、八幡さん!?」

 

「美鈴さん!?ってことは…ここもしかして…」

 

「はい…、そのまさかです」

 

1年後に幻想郷に俺が飛ばされたこと以外は…



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地獄の閻魔様

アルスDQです。
今回は、閻魔とのお話です。
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「いてて…」

 

何やら身体中が痛い。

 

何か強い衝撃やらがあったみたいにだ。

 

だか、自分の身体を見てもどこか怪我しているかんじはない。

 

どういうことだ?

 

直前の記憶を探ろうとするが、なぜか思い出せない。

 

「って、ここ…どこ?」

 

不思議なことに、さきほどより痛みがなくなったので、冷静になって周りを見渡すと何やらおかしいことに気がついた。

 

見たことがない建物か聳え立っており、そこへ多くの人が何やら列に並んでいた。どうやらあの建物へ向かっているらしい。

 

「裁判所みたいに見えるが…」

 

「あれ?お兄さんどうしたの?」

 

そう俺が呟いたら、急に隣から声がした。

 

「っ!」

 

「おっと、そう警戒しなくていいよ。あたしは小野塚小町、ただの船頭さ」

 

「は、はぁ…」

 

どうやら、話しかけきた人は小野塚小町さん?というらしい。小町(妹)と同じ名前で驚いた。でも、船頭って鎌なんかもってたっけ?

 

「で、お兄さん名前は?」

 

「ひ、比企谷八幡です」

 

「そうか、八幡ね!よろしく!で、どうしたんだい?ここでぼっーとして」

 

「実は…「小町どうしたのですか?」」

 

「あ、四季様!」

 

俺が、話そうとすると誰かが小野塚さんに話しかけてきた。何やら奇妙な帽子を被り、笏みたいな物を持っているが…誰だ…?

 

「また、サボリですか。まったくあなたという人はいつもいつも…」

 

「いやいや今回はサボリじゃないですよ!?ちょっとここで、ぼっーとしてる人見かけたから気になっちゃって!」

 

「人…?」

 

小野塚さんに四季様と呼ばれていた人は、そう聞くや否や俺の方に視線を向けた。すると、目を見開いて驚いていた。俺まだ何もしてないと思うけど…

 

「どうして彼がここに…?」

 

「まさか…、いやだとしてもありえない…」

 

あれ?今、何か言ったような…?

 

「四季様?」

 

「小町」

 

「え、はい!?」

 

「彼はあなたが連れてきたのですか?」

 

「いや、あたいではないですよ?ただ、ここを通りすがったらこのお兄さんがぼっーとしてて気になったから話しかけただけですよ」

 

「そうですか…、すみません八幡さん。あなたについて少しお話をさせてほしいのですが…」

 

「あ、はい。俺も何がなんだかさっぱりなもので…」

 

ここにずっといてもしょうがないし、とりあえずいいか。

 

「ありがとうございます。あ、自己紹介が遅れました。私は四季映姫、閻魔です」

 

「あ、比企谷八幡です…ん?閻魔?」

 

「はい、それについても説明をするのでご安心を…。ただここだと目立ってしまう為、場所を変えてもよろしいでしょうか?」

 

「はい、いいですけど…」

 

「ありがとうございます…では、私の後についてきてください。…小町、あなたも来なさい」

 

そうして、俺たちは四季さんの後を追うように移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?俺って四季さんに名前教えたっけ?

 

・・・

 

「着きました、ここです」

 

「あれ四季様、ここ四季様のお家ですけど…」

 

「ええ、落ち着いて話をするなら自宅のほうがよいでしょう。それに、浄玻璃の鏡もこちらに置いてあったので…」

 

「え、いいんですか?自分で言うのもあれですけど、見知らぬ異性を自宅に招くなんて…」

 

「構いません。八幡さんがそんなことするはずがないのはわかっていますので」

 

「は、はぁ…」

 

なんで、俺こんなに四季さんに信用されてるんだ?初対面なのに…。まあ、本人がいいと言ってるならいいか…

 

そうして、俺たちは四季さんの家に入った。

 

「さて、まずは八幡さんがおられるこの場所についてです。ここは…地獄です」

 

「あ、そうなんですねー…って地獄!?」

 

「はい」

 

「えっと、もしや天国とか地獄とかいうやつの…地獄?」

 

「はい…」

 

「まじか…、じゃあ俺もう死んでるのか…」

 

さすがに今いる場所が地獄とは思いもしなかった。

ハチマンオドロキ。

 

「本来なら、ここには亡くなった者たちしか来れないはずなのですが…八幡さんの場合は違うようですね」

 

「?」

 

「亡くなったものは、小町たち…死神が連れてきます。その後、先ほどの列に並び生前の行いによって一人一人判決が下されるのですが…八幡さんの場合、誰にも連れてこられたわけでもなく、ここにきた。こんなことはまず起こり得ないことなのです」

 

「へぇ…そうなんですね。あれ?小野塚さんって死神?さっき船頭って言ってたような…」

 

「ああ、死神の役職の中に船頭があるのさ。あたいは船頭だけど、他にもここの雑務とか、死者の魂を刈り取る役職とかあるよ」

 

「死神も色々あるのな…」

 

なんだか俺たちの世界でいう公務員みたいだなぁ…

 

「さて、本題に戻りましょう。まずは八幡さんが地獄へどうやって来たのかを調べましょう。少しお待ちを…」

 

そういうと、四季さんが席を外した。

 

少しすると、四季さんが部屋から何やら手鏡を持ってきた。

 

「それは…?」

 

「これは、浄玻璃の鏡。これで、あなたがどうやって地獄に来たのか調べます」

 

「え?そんなことができるんですか?」

 

「はい、これは死者の生前の行いを見れる鏡で、判決のときに善悪の見極めをするときに使用するものです。今回はこれで、ここに来るまでの出来事を見れます」

 

「なるほど」

 

「では、顔をこちらに…」

 

そう言われ、俺が鏡の方へ顔を傾けると一瞬光った。

 

「眩しっ!」

 

そして、光が収まったのを確認して目をあけると何やら鏡の中で映像が映っていた。

 

それは…

 

 

 

 

 

 

 

 

『あ、サブレ!』

 

『くそっ!』

 

『間に合え!』

 

ドンッ!

 

 

俺が、飛び出した犬を助けて車に轢かれた映像だった。

 

すると、今まで思い出せなかったそのときの記憶が蘇っていった。

 

「思い出した…そうだ、俺は…」

 

「そう、八幡さん。あなたは高校の入学式へ行く途中に車に轢かれそうになった犬を助けて…轢かれたのです」

 

「あちゃ…こりゃ痛そうだだね」

 

「小町…」

 

「あ、すみません!つい…」

 

そう、高校への入学式へ向かう途中に犬を助けて…車に轢かれて…気がついたらここにいたんだった…。

 

でも、これって…あれ?どうなってるんだ?

 

「安心してください、あなたは生きています。この映像を見てください」

 

四季さんに言われ、見てみるとそこにはどこかの病室で寝ている俺の姿が…無事でよかった。

 

え?じゃあここにいる俺は…?どういうこと?

 

「はい、今ここにいる八幡さんは魂です。このぶつかった衝撃で魂と身体が分離したのでしょう。その魂が、ここへ迷い込んだということです」

 

「……まじか」

 

「はい」

 

えっと、つまり?こういうこと?

 

車とぶつかった衝撃で俺の魂と身体が別れて、魂がここへ迷い込んだってこと?

 

何それ、ハチマンイミワカンナイ。

 

「えっと…つまり俺はどうすれば?」

 

「八幡さんはしばらく、ここで過ごしてください。身体のほうが重症ですが、魂も多少傷ついていますので」

 

「あ、はい」

 

四季さんによると、身体と魂がある程度回復すれば自然と戻れるようにしたとのこと。

 

そういう境界を操れる知り合いがいるらしい。

 

妖怪らしいが…

 

まあ、閻魔様や死神と知り合いになった時点であれか。

 

「では、不束者ですがしばらくの間よろしくお願いします、八幡さん」

 

こうして、俺の地獄での生活が始まったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし、一体誰が…」

 

「八雲紫ではないとすれば、誰がここへ彼の魂を連れてきたのか…」

 

「八雲紫と同様の能力を持つもの…あるいはそれ以上の…?それとも本当に迷い込んだだけでしょうか?」

 

「いいえ、どちらにせよ…これも何かの縁…」

 

「今度は私が助ける番ですね」

 

そう言った彼女は、自然と笑みを浮かべていた。



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