願わくば最高の結末を___ (Oblate)
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プロローグ
本文の細かい表現の変更
主人公の概要を追加(重要なことはあまり書いていない)
『力がほしい?』
そんな声が聞こえる。
______ああ、ほしいさ。
『じゃ、頑張ってたえてね。』
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体が焼けるように熱い、太陽に焼かれるとはこのようなものだろうかという考えになるほどの熱さ、体がとけてドロドロになってしまいそうだ。しかし、熱は冷める気配はない。それどころか温度を増していく。
___________熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い________
そんな感覚に体は埋め尽くされる。もうやめてしまいたい、そんな考えが頭をよぎる。しかし、それでも少年はやめない。やめられない!なぜなら、少年にはやりたいことがあるから、力が必要だから、守りたいものがあるから、何より死ぬわけにはいかないから。だから、生き残るために今のこの地獄を耐える、耐えて耐えて耐え抜く。
その先の未来を求めて、その未来にあるはずの
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キャラクター紹介
主人公
三半 新
特徴
髪:白髪
眼:金眼
顔:普通にかっこいい
性別:男
性格:冷静
概要:今までは黒目黒髪だったのだが、黎明の星紋を入れて適合したときに今の色へと変色した。鏡を見るという習慣がないので、自分の髪と目の色が変わっていることに気づいていない。
過去にトラウマを持つ。本人は克服したと言っているが、ある言葉に反応して気絶してしまうことがある。
とても穏やかな性格であり、どんなことも受け止め適応できる包容力のある心と柔軟に対応できる頭がある。だが、精神に関しては脆く動揺しやすいため内心驚いていても頭は柔軟に働き対応できてしまうということが多々ある。自分のやると決めたことに対しては自信をもって行動する。だが、基本的に自分に自信がなく評価が低いため他人が自分より優れていると評価をすぐに口に出し、心の中では自分を卑下することもある。
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現状把握
「おめでとうございます。見事試験に合格しました。」
起きると、ベットの前にスーツの女性が立っていて、突然今の言葉を言われた。
「は、はぁ、そうですか。」
俺はこう返すことしかできなかった。起きたばかりで頭が働かない、どうしてこんな状況なのか思い出してみた。
確か.....
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「高校どうしよう。」
そろそろ中学三年だ、進路を決め行動を起こさなければ。おばさんにはあんまり迷惑かけたくないし、バイトのできて寮のあるそんなところがいいな。昼の買い出しの帰りにそんなことを考えながら歩いていた。
その時、違和感を感じた。反射的に周りを見渡す。おかしい、人が一人もいないのだ。別にここは普段も人通りが少ないわけじゃないし今はそろそろ買い物帰りの人がいてもおかしくない時間帯だ。なのになぜ?原因は何なのだろうか?などと考えていたが、不気味だしとりあえずさっさと帰ったほうがよさそうだ。という結論に至り、帰る足を早めようとしたが、黒スーツの人に声をかけられたので足を止める。
「なんですか?」
「三半新さんですよね?あなたに入ってもらいたい高校があるのでついてきてもらいます。」
そこで記憶は途切れた。
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そして今にいたる。
「で、どういうことですか?」
「ある高校に入ってもらいますので、そのために入学資格を得るための試験をやってもらっただけです。」
答えになってない気がする、それにしても試験とはなにをしたのだろう?まぁそのうち聞こう。今はそれよりも気になることがある。
「その高校とはどんなところですか。」
ちょうど進学について考えていたのでとても気になる。条件によってはうまい話かもしれないし。変な所なら逃げよう。
「はい、説明いたします。『昊陵学園高等学校』そこに入ってもらいます。そこはある実験のために創られた学校です。『
「ちょっと待ってください。」
「何でしょうか?」
何でしょうかじじゃねえよ。ツッコみどころがありすぎるのだが。まず聞きたいことはこれだよ。
「その、黎明の星紋とか超えし者とか焔牙とかそんな変なもの俺、無いと思います。」
「いえ、あなたはもう。『
え!?俺は純粋な人間のはずそんなものやった記憶は......あ
「もしかして試験って...」
「はい、。《
まじかよ、寝てる人に何やってくれてるんだ。でも今の話を聞いて、どうするか決めたよ。
「そんな怪しいところ、絶対行かないです‼‼‼」
そんな決意は、無料の二人部屋の寮と食堂、月々の十万円支給という理想的な条件のもとに崩れ去った。
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最初の試練
「ここが昊陵学園か」
学校の前で思わずつぶやいていた。
今日は、入学式です。
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会場に着き、自分の席に座る。すると、隣の人が話しかけてきた。
「どうも!私は斎藤水葉です。」
「俺は三半新だ。よろしくな斎藤。」
「よろしく新君。水葉でいいよ!」
目をキラキラと輝かせている元気な女の子だ。
「ねーねー《
「うーん。実はあんまりその時の記憶って無いんだよね。気が付いたら終わってて、ベットの上にいたからね。」
何か夢は見た気がするが、それもよく覚えていない。
「水葉はどんな感じだったんだ?」
「私は熱すぎて暴れまわっちゃったよ」
と、水葉はとんでもないことを明るくさらっと言う。神経は図太いようだ。
「へー、意識がなくてよかったかもしれないな。」
「だねー私も意識のないときにやりたかったよ。」
そんな世間話をしていると、司会の人が会式の宣言をした。
「これより、昊陵学園高等学校の入学式を始めます。初めに学園長の挨拶です。」
学園長の挨拶か、こんなところでもちゃんとこういうことやるんだな。と感心していたが、挨拶が終わった直後、やはり普通ではないと実感させられる言葉が放たれる。
「これより、恒例行事の『資格の儀』を始めます。となりの人とパートナーとなり戦ってください。それに勝利したもののみに入学を認めます。勝利条件は相手に降参させるか、戦闘不能にすることです。そして、『焔牙』を含めたあらゆる武器の使用を許可します。」
普通じゃないとは思っていたが入学式当日にこんな恒例行事があるとは思いもしなかった。
しかし、隣って言うと水葉だろ?さすがに女子と戦うのは気が引ける。何とか変えられないかな。という考えはある一人の入学者の質問により脆く崩れ去った。
「あの、パートナーの変更とかできませんか?」
「あなたは苦手な教科だからとテスト内容を変えてくれと頼みますの?」
優しそうな青年が学園長に質問をするが辛辣な答えが返ってくる。それも正論である。青年は何も言い返せず黙り込んでしまう。
はぁ、戦うしかないか....無駄だと思うが一応水葉に確認を
「水葉、降参する気はないか?」
「冗談、そんな腰抜けに見える?」
「いや一応聞いてみただけだ」
やはり無駄だった。
きっと水葉は、俺なんかよりもっと素晴らしい目的を持っていて、それを達成するためにすることも決まっていて、そのための実力もきちんと持っているのだろう。そうでなくとも、こんな明確な意思を宿した目で敵をまっすぐ堂々と見つめることができれば、何かをなすことができるのではないだろうか。
だから、こんな俺よりも水葉が入学するのが正しいのかもしれない、ここで負けるのが順当な道なのかもしれない。
.......だが、
「じゃ、始めるか」
「うん」
負けてやる気などさらさらない‼‼
『『
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『『焔牙』』
私は自身から湧き出る炎をつかみ取り魂を形とする。現れるのは美しい曲線を描く一本の<
一方、新の焔牙はというと、とても変わっていたというか《
左側の腰に鞘に入った状態の真っ白な日本刀型の焔牙をさしている。その焔牙の驚くべきはまず、その精巧さ。鞘、鍔、柄など細かく分かれ、忠実に再現している。
そして何より、白い。周りを見ると分かるが、普通は黒をベースとして、赤やオレンジ、ピンクといった色の細い線が入っている。だが、新の焔牙は鞘から柄までも余すことなく白い。
そのほかにも驚くべきことがある。それは右側の腰である。そこには大中小と大きさが違う
《
「どうしたの?まさか怖気ついたのかい?」
「まさか、ちょっと新君の焔牙が不思議でね。」
戦いの前だというのに二人は軽口を言い合う。
「そうかな?普通だと思うんだけど。」
「周りを見なよ。新君全然違うよ。」
「うあ、マジだよ」
周りを見回し納得したように項垂れる。
「ふふふ」
「はははは」
「「はははははははは」」
二人が突然笑い出す。まるで仲のいい友達のように
「私たち、二人とも入学できたらきっと、とても仲良くなったと思うよ」
二人はもしもの話をする。
「俺もそう思うよ」
あったらよかったと思えるもしもの話を.......だがそれはあくまで、あったかもしれない可能性の話。そんなことはもう絶対に起きることはない。
だから、二人はそんな甘ったれた可能性は必要はないと断ずる。
だって、勝たなければ、乗り越えていかなければ________叶えたい夢が叶わないから______たどり着きたい場所に行けないから____________守りたいものが守れないから______何よりこの勝負に勝ちたい、勝たなければいけないと、脳が、体が、細胞が、本能が、心が、何より『魂』が叫んでいるから、
同時に二人が構える。
戦いが始まった。
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........この勝負はあっけなく一瞬で決着がついた。
まず動いたのは水葉、流れるような動きで走るの体勢になる。そして、地が揺れそうになるほどの力強い踏み込み。一歩目だけでとてつもない加速。しかし、水葉は一歩また一歩と踏み出すごとに加速していく。
新の方は刀の鞘と柄に手をかけ抜刀の体勢からじっと動かない。
そして、ついに水葉が間合いに入る。大きく上に振り上げ相手を一刀両断しようと振り下ろそうとする。この時の剣速は”超えし者”でもレベルが1の者は反応することはまずできないだろうというほどの速さだった。この勝負は十中八九水葉の勝ちだっただろう____相手がこの男でなければ.....
なんと、新はその速さに難なく反応し、がら空きになった胴体へ更に早い一撃を放つ。水葉の胴に白い軌跡が通り過ぎ、何が起きたか分からないまま、意識が途切れた。
こうして『資格の儀』は新の勝利となった。
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地に伏し、意識が薄れゆく最中水葉は一瞬だけ本当に一瞬だけ見えた新の焔牙を思い出し思った。
_____________ああ、美しい。完敗だ。と
遅くなりました。
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呼び出し
突然だが、学園長に呼び出しをくらった。
(俺、なんかよびだしくらうようなことしたっけ?)
とても不安になり、自分の行動を思い出しながら歩いていくと、指定の部屋についた。
ノックをすると入っていいと返事があったため部屋に入る。
「失礼します。」
中には、入学式で挨拶をしていたゴスロリの少女がいた。少女はこちらに目を向けると話を始めた。
「知っていると思いますが、私が学園長の九十九朔夜です。今日あなたを呼び出したのはいくつか聞きたいことがあるからです。」
「聞きたいことですか?」
「はい」
身に覚えがなさすぎるため思わず聞き返してしまった。ホントに何してしまったのかわからない。
「まず一つ目。あの焔牙は何でしょうか?」
「何でしょうかと言われても、俺の焔牙はだとしか言えませんが.....」
質問をされて更に困惑した。確かに水葉には他と違うとは言われたが、そんな呼び出されるほどのことだと思っていなかったからだ。
「そんな、おかしいですかね?」
「あの『異常』も大概でしたが、あなたも十分異質で焔牙の常識から大きくかけ離れています」
「は、はぁ」
新が焔牙を手に入れたのは一年前ぐらいだが、あの組織の人は刀やナイフの使い方以外あまり教えてくれなかったので自身の焔牙が、どれほど以上であるか理解していなかった。
「まぁこの際、何でもいいでしょう。二つ目です。あなたはなぜ
「はい?」
思わず思考がふりーずした。
「《
知らなかった。黎明の星紋の適応試験は各自で受けるものだと思っていたし、ちゃんと名簿とかにも名前はあると思っていた。確かになぞの組織で《
「えっと、とある組織で貰いました」
「とある組織とは?」
「分からないです」
「本当に?」
「はい」
と、しばらく試されるような目で見られた後
「本当に分からないらしいわね。」
どうやら信じてくれたようだ。
「では、これで終わります。下がってかまいません」
「失礼します」
頭を下げ挨拶をして、部屋を後にした。
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また、次いつになるか分かりませんが、よろしくお願いします。
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