私が天に立つ!? (不比等藤原)
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お別れと出会い

 

目を開くと一面真っ暗な世界だった。

 

………いやいやいや、ここ、どこだ?

 

 

 

……

……………あぁ、なるほど夢か。

どうりで真っ暗な空間なわけだよ。

でも俺いつのまに眠ったんだ?

 

……

 

…うん。段々思い出してきたわ。

確か少年ジャン◯で連載していたBLEACHの最終回を電車で読んでて、これまでの話の流れやら何やらの事を頭の中で突っ込みまくってたらイライラしてきたから物に当たらないうちに寝たんだっけ?

 

 

…え?じゃあやばくね?

……バス乗り過ごしちゃうじゃん。

やばいやばい!!

起きろ!早く起きろ俺!!

 

 

『残念ながらそれは出来ん』

 

 

おおぅ??

や、やべえよ。

俺の夢の中でもう1人の俺が起きるのを拒否してるんだけど……。こ、これが二重人格か!!?

 

『残念ながら違うのぅ』

 

 

え!?

違うの??

あ、待って答えは言わないで!!当ててみせるから!!

 

 

 

……

…………

 

わかった!!!

その昔から生きてる感のある特徴的な喋り方!!姿は見えないのに声は聞こえる初期仕様!!

あなたの正体は、もう1人の僕だね!!……いや、寧ろ相棒??

 

『ほぅ。お主はいつ千年パズルを組み立てたんじゃ?』

 

 

………すいません。

どなたですか?

 

『うむ。素直な事はいい事じゃ。儂はそうじゃな……お主達の上位の存在、とでも言おうかの?』

 

………それは、神様的な?

 

『少し違うかのぅ。お主達人間が考える全知全能の存在のように、なんでも出来るし知っているというわけではない。世界の創造など論外じゃ。儂が生まれた時から世界はあったしのぅ。じゃから強いて言うなら……管理者…いや、調整者……かの?』

 

な、なるほど?

 

『まぁお主に儂が関わるのは今だけじゃからそれほど気にせんでよい』

 

……ん?今だけ?なんか、まるでこれから何かがあるような………。

 

『なんじゃ?察しが悪いのぅ。お主が先ほどバスの車内で言っておったではないか。少◯ジャンプ連載漫画BLEACHを俺ならもっといい感じにできる!!…とな』

 

……おおぅ?この流れってもしかして…

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

パンパカパーン!!!

 

特典は3つ!

舞台はBLEACH!!

原作知識以外は無くなるよ!!!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

………え?なにこれ??

 

『儂の孫がお主の為に用意したパネルじゃよ。いい子じゃろ?お主の国の伝わりやすい書き方にしたらしいんじゃが、どうかの?』

 

…あ、はい。とってもわかりやすいですね〜。

 

『おお!やはり儂の孫はすごいのぅ。

……して、特典とやらなのじゃが、

やはり霊圧は高い方が良かろう?そして斬魄刀も強力な物でなくては何も出来ん。この2つは必ず入れさせてもらう。だから実質一つじゃな、何がよい?』

 

 

 

……ちょ、待ってください!

 

『ん?』

 

いや、ホントすいません。話の腰を折って本当に悪いと思うんですけどちょっと待ってください。

 

『なんじゃ?』

 

 

……あ〜〜。なんて言ったらいいか、俺が今ここにいるじゃないですか?それでその…元の俺というか、現実の俺はどうなったのか…みたいな?

 

『あぁ、言っておらんかったか…。もともとお主の寿命は昨日までだったんじゃよ。そしてもう既にお主の身体は寿命を迎え、生命活動は停止している。故に、お主は元の世界には戻れん』

 

 

 

……………そう…ですか。

 

 

 

 

………あの……生きてる人達の夢に出てさよならの挨拶…とか、それがダメでもせめて言伝とかって…出来ませんかね?

 

『ふむ。……何人にかの?』

 

3人です。

両親と………彼女に。

 

『あいわかった。…む?兄弟はよいのか?』

 

兄はしっかり者ですから。

……あ、やっぱり頼んでいいですか?

 

『……ふむ。………………あれじゃのぅ。

儂も年じゃからなぁ。楽がしたいし、言われた通りに伝えられるとは限らんからのぅ。うむ。

面倒じゃ、だから4日待つ。

……夢の中に入れるようにしといてやろう。ついでだから、思い出の場所でなら1日だけ実体化もさせてやろう。

4日たったら自動的に送られるからそのつもりでの。

 

 

 

ほれ!何しとるさっさと行ってこい!!

残りの特典は……身体能力でいいじゃろ。大概役に立つはずじゃ』

 

 

 

 

 

 

 

……

………

 

 

 

◇◇◇

 

季節は夏、

少女は興奮冷めやらぬ状態で木を足場に飛び回っていた。

その理由は初めての1人での移動だからであり、また木々を足場に移動する姿からは想像もつかないが、実はかなりの名家の娘である彼女がいつも鬱陶しいと感じていた付き人を振り切ったことへの高揚だった。

今まではどれだけ隙をついたつもりでも、いつも直前や直後に気付かれ連れ戻される。

普通の人間や獣は同じ事を数回繰り返し、尚且つ罰を与えられれば、良く言えば学習し、悪く言えば諦めてしまうのだが、彼女は諦めなかった。

まず、見つからないために猫に化ける術を覚えた。

あえて猫を選んだ理由は軽やかな動きやその性格に何処か自分と似た物を感じたのと同時に、その自由な生き方に憧れを持っていたからだ。後普通に可愛いし。

そして見つかっても逃げ切れる様に瞬歩に磨きをかけた。

別に自慢する気はないが今ではそこら辺の大人には負けない自信がある。

そういった大人から見れば全力で間違った日頃の努力の末、漸く振り切ることができた彼女はとてもご機嫌であった。

 

そう、あった……。

少女は今、数分前と違いとても困惑していた。

自分の常識では考えられないことが、目の前で起きているのだ。

 

(……これは、どうゆう状況じゃ?)

 

少女の前に広がる光景は異様だった。

何かが爆発したかのように地面がえぐれ、木々が薙ぎ倒されている。

そして、何故かその中心で特に汚れているわけでもない少年が寝ていた。

 

(…とりあえず話しかけてみるか?だがこの光景の作り出した原因が奴なら危険かもしれんしのぅ。……じゃが…うむ。かといって放置はできんか。何かあれば逃げればよし)

 

「……おい、おいお主。何故こんな所で寝ているのだ?おーい」

 

 

「……ん…」

 

(……普通に寝ているだけ?いや、まぁこんな状態の中寝ている時点で普通ではないが、何処ででも寝る変わり者というだけで無関係なのか?…む?こ奴、やはり只者では無いな。森を移動したにしては服が綺麗過ぎる。儂でも此処に来るまで少しは汚れたんじゃが…)

 

「お、やっと起きたのか?全く、何故こんな場所で寝ようと思ったか理解ができんぞ」

 

「……?だ…れ……?」

 

「む?声が出にくそうじゃな。喉でも乾いておるのか?」

 

「べ…つに……。」

 

「そうなのか?……まぁよい。それよりも、何故こんな場所で寝ていたかの質問にまだ答えておらんぞ」

 

「……気付いたら?」

 

「……ふむ?ようするにお主にもわからんという事か?なら家はどこじゃ?辛そうじゃし送ってやるぞ」

 

「…必要……ない」

 

「そうはいかん!それに主のことも気になるしな。どこに住んでるんじゃ?」

 

「………あっち」

 

「……ん?向こうは洞窟しかないはずじゃぞ?」

 

「そこ、住んでる」

 

「………なるほど、では行くぞ」

 

 

 

◇◇◇

 

 

転生して数年が経った。

 

え?何かあったか?

まぁ色々とあったぞ。

ダイジェストで話すと、

 

1年目、

森の中で目覚めてとりあえず寝床として洞窟を見つけ、そこで暮らし始めた。最初は食べられるものはどれかとか何もわからなかったので、人里の優しそうな人達の手伝いに行ったりしながら学び、生きる事でいっぱいっぱいだった。

何故か言葉がうまく出なかった。

 

2年目、

余裕が出てきたので生活を楽にしようと道具を作ったりした。何故か前世からでは考えられないくらい頭の回転や発想が良くなっていた。言ってしまえば頭が良くなっていた。

それと声だが、やはりダメなようだ。

 

3年目、

お金を稼ぐ為の物を作ったりした。

 

4年目、

物を売ったお金がかなり貯まって時間を有効活用できるようになった。偶に盗もうとする人が来るので体を鍛えた。最も素の身体能力でも充分だった。

 

5年目、

BLEACHの世界といえば斬魄刀だと思ったけど、そんな物持ってないのでとりあえず浦原喜助みたいに研究を始めた。

 

6年目、

崩玉を作ろうとも考えたけど速攻で挫折した。余りにも難しすぎて流石にできなかったのだ。

なのでとりあえず最初は簡単な物からだ。

 

7年目、

とりあえず霊圧を込めて使う爆弾を作ってみた。

調子に乗って霊圧を込め過ぎたのと熱中し過ぎて寝てなかった為か爆発の威力の確認をしてる途中で寝てしまった。←さっきまでここ

 

 

 

目を覚ますとあら不思議、褐色の肌の美幼女が目の前にいた。

………ふぁ!?

 

……いやいやいやいや、ちょっと待って。

ここってそんなに治安のいい場所じゃないはずなんだけど。確かに悪くはないよ?でも褐色の肌といえばやっぱり彼女だよね?

流石にここにいるのはおかしいでしょう。

とかなんとか考えていたら、

何故か家庭訪問の流れになってた……。

 

 

 

 



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現時点での実力

異様。

それはまさにこの光景の事を言うのだろう。

 

目の前に広がる光景に、息をのむ。

外見はただの洞窟。

それといって目を引くところはなく、とても住める環境には見えなかった。

だが、少し中に入ればそれは間違いだったと気付くことになる。

まず外と中を区切る壁と扉でできた仕切り。

その中に入ると様々な物が置いてある。

まず目に付くのが入ってすぐ横にある様々な種類の刃物。

少し奥を見れば、

ガラスの容器には見た事のない色の液体に漬けられた植物や生き物の死骸。

更に奥にある部屋に進むと沢山の書物と先程の部屋の物よりも複雑な形をしたガラスの容器。

そしてその更に奥にある扉を開けると漸く生活感がある部屋に着いた。

 

 

(……何なんじゃここは?見た事もない物が多過ぎる。儂の家もかなりの物があるはずなんじゃが…)

 

「ど…した?」

 

「ん?いや、珍しい物ばかりだと思ってな…」

 

「当たり…前。殆どは…自作」

 

「ほぉ?それは凄いな。全てかなり完成度が高いぞ」

 

「……これ…あげる」

 

「ん?…くれるのか?それはありが……とう?」

 

(……な、なんじゃこれは!?

金属の……飾り?

確かに綺麗に磨かれてはいるが、部屋に飾るにしては小さいか?しかし身につけるにしたらちとゴツくて重いしのぅ。)

 

「……これはなんじゃ?」

 

「……知恵…の輪」

 

「なんじゃそれは?」

 

「2つに…分けれる。…馬鹿は…無理」

 

(……なるほど、儂への挑戦か。いいじゃろぅ。儂の実力を見してくれる)

 

 

 

〜〜1時間経過〜〜

 

 

 

「なんなんじゃこれは〜〜!!!!

これが外れるなんて嘘じゃろ!!

絶対に無理じゃ!!!

もし本当に外れるというならやって見せてみろ!!」

 

「……かして」

 

「ふん。潔く認め《カチャカチャ、カチャン》「できた」………え?」

 

「できた」

 

「な!?う、嘘じゃ!!!違う物と入れ替えたじゃろ!!」

 

「して…ない」

 

「嘘じゃ嘘じゃ!!!儂が話してる間にすり替えたじゃろ!!」

 

「……はい」

 

「……なんじゃ?」

 

「はめるのも…難しい」

 

「なに?!儂を馬鹿にしておるのか!!外れるなら組み合わせるのなぞ簡単じゃ!!!」

 

 

 

〜〜2時間経過〜〜

 

「絶対に組み合わせたりできぬ!!!!

またやりおったな!!

いつだ!いつすり替えた!!!《ガクガク》」

 

「気持ち…悪い。揺する…な」

 

「早く答えろ!!すり替えたな!!?」

 

「……ない。……かして」

 

「ふん。次は見逃さんからな。やってみろ」

 

 

 

「…………《カチャカチャ、カチャン》……はい」

 

「嘘じゃぁ!!!!」

 

「……慣れたら…できる。……違う種類のも…あげる」

 

「………まぁ貰うが。

…これもお主が作ったのか?」

 

「…そう。…他にも…ある。…終わったら…別のも……あげる」

 

 

「ぬぅ。こんな物をばかりしていたら頭がこんがらがりそうじゃ」

 

「……頭…弱い??」

 

「……ほほぅ。

ようし、いいじゃろぅ。

明日またここに来るから、別の物を用意しておくがいい!!!」

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

幼女な夜一さんが帰っていったよ!!!

今更だけど、胸のない夜一さんが新鮮です。

本当にありがとうございます。

 

俺の家…というか拠点に来た夜一さんは部屋のあちこちを物珍しそうに見ていた。まぁ確かにガラスは職人さんに特注で作って貰ったし他の物もほぼ俺の自作だったりオーダーメイドだから当たり前だ。

因みにだけど、

最近大工の仕事や職人としてもやっていけるんじゃないかと思ってきた。というか偶にバザーに出品するし。

褒めてくれたのが嬉しかったので知恵の輪をあげた。

 

べ、別に夜一さん頭弱そうとか思っていじわるしたんじゃないんだからね!!!

まぁ必死に頑張ってる姿は見ていて微笑ましかったけども!!!

……ついつい難しいやつを渡してしまったけど解けるだろうか。まぁ無理だったら明日また怒鳴り込んできそうでそれはそれで面白いからいいけど。

 

 

 

◇◇◇

 

深夜、

四楓院家は静寂に包まれる。

屋敷の外で警戒に当たっているものや、明日の事で動いている部下はいるが、その全員が主である者たちの睡眠を妨げる事がないよう音を立てずに行動しているからだ。

隠密起動の本領発揮である。

 

しかし、今日はその静寂を破り、とある一室から小さな物音と声が常に聞こえていた……。

 

 

 

 

《カチャカチャ》

「……ぬぅ」

 

《カチャカチャ》

「………おのれ」

 

《カチャカチャ》

「…………グウゥゥ」

 

《カチャカチャ》

 

「……っ!やっぱりできん!!一つめは兎も角2つめは絶対に無理じゃ!!!明日文句いってやる!!!」

 

「……ねえさま?」

 

「お、おお夕四郎。どうしたのじゃ?こんな遅くに。早く寝ないと明日が辛いぞ」

 

 

「声…聞こえたから」

 

「あぁすまん。起こしてしまったのか」

 

「何してるの?」

 

「ちょっとした遊びじゃよ。難しいがやってみるか?」

 

「んぅ。やるぅ。なにするのぉ?」

 

「ほれ。これを2つに分けるんじゃ」

 

「これを?」

 

「あぁそうじゃ。……いや待て。やっぱりまずは簡単なこちらから《カチャン》…んん?」

 

「できたよぉ。次は?」

 

「……そうじゃ夕四郎。今日は一緒に寝ても良いぞ?」

 

「!!ほんとですかねえさま!!!

早く寝ましょう!!」

 

「ははは、しょうがないやつじゃのぅ。」

 

「あれ?でも遊びはよろしいのですか?」

 

「あ、あぁ。もう眠くてな。」

 

 

◇◇◇

 

翌日、

 

 

 

「…え?…とけた……?」

 

「なんじゃその反応は。お主、出来ないと思っておったな?」

 

「……2つとも?」

 

「そうじゃ。」

 

「………ほんとに?」

 

「……ほ、ほんとじゃ」

 

「…なら、次はこれを」

 

「まて!いや、それもいいんじゃが次は違う事がしたいの。どこかに行かんか?外に行くのもいいもんじゃぞ?」

 

「……うん。なら…そうしようか」

 

 

〜〜2時間経過〜〜

 

 

 

「ちょ、ちょっと…まて…っ……はぁ……ふぅ…」

 

 

「……?なに?」

 

「いやいや、ケホッ…おかしいじゃろ。

…どんだけ、走り続けるんじゃ」

 

「……あと、1時間くらい」

 

「そんなにか!?…お主の…一体どこにそんな体力があるんじゃ」

 

「……さぁ?」

 

「……わしもう帰っていいか?」

 

「……だめ」

 

「なんでじゃ!?」

 

「見てて…楽しい」

 

「最低じゃ!!?」

 

「嘘。……荷物持ち」

 

「どっちにしろ最低じゃ!!

大体、何しに向かって何を運ばせる気じゃ!!!」

 

「…薬草取り」

 

「……む?お主、病気なのか?」

 

「…違う。お爺さん達への…恩返し」

 

「……ふむ。そういう事なら仕方な」

「今日は2人だから実験の分も取れる」

「やっぱり1人で行ってこい!!!

ってなぁあ?!」

「………」

「何をするんじゃ!下ろさぬか!!」

「少し急ぐ……こっちのが速い」

「知らん!!そんなに急ぎたいなら1人で行け!!」

「…荷物持ち」

「本気だったのか!?」

「………」

「ちょ、せめて違う持ち方をせぬか!!!乙女を俵担ぎとはなんじゃ!!もっとこう…お姫様抱っことかあるじゃろ!!!」

「………」

「無視をするなぁぅぁぁぁぁあ!?

ちょ、お主!い、いきなり変える奴が、ある…かぁぁ……」

「……あってる?」

「あ……いや…その…?ち、近くないか?」

 

「…やはり…元の運び方に…」

「いや!いい!!今更変えるのもあれじゃ!!このままいくぞ!!」

 

「……まぁ、どっちでもいい。」

 

 

 

 



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家出娘の奮闘

最近夜一さんがよく家に来る。

なんでも抜け出すコツが分かってもう楽勝だ、とか言っていた。

何と無く思うんだけど、そんな事してたらいつか軟禁ぐらい行くんじゃないだろうか。

まぁ本人は今の生活が気に入っているようだから何も言うつもりはないが……。

思い出したんだけど、

夜一さんって確か弟がいたと思う。

もしかしたら知恵の輪を解いたのはそっちじゃないかと思ったりしてる。ああゆうタイプは天才型が多いからだ。

まぁ、「あれが解けるんならこれも解けるよね」と言って持ち帰らせずにやらせて楽しんだり出来るようになったからいいけど。

途中から涙目で此方を見てくるけど本を読んでて気付かないふりをする。

え?性格悪い?

知らん。

元々嘘を付いて来たのは向こうだ。向こうが正直に話したら許す気である。

まぁ、どうやら今は大切に育てられたせいか異常にプライドが高いようなので、正直に告白できるのは何年も後だとは思うけど。

それまでは気長に愉しませて貰うつもりだ。

 

「……あれ?」

 

今日はやけに遅いな?

いつもなら日が昇りきるまでには来るのに……。

 

 

 

 

夜、

……どうやら今日は来ないらしい。

というか、これ本当に軟禁されたんじゃないだろうか…。

まぁ来ないなら今まで通りに研究をするだけなんだけど、……そう。実は最近実験をしていない。

理由?将来的にあの人は浦原さんと関わるはずだからあんまり色々して目を付けられたくないからだ。

 

 

◇◇◇

 

 

 

1週間がたった。

これは確定だな。

夜一さん……ナム。

 

「邪魔するぞ!!」

 

……噂をすればである。

 

 

「どう……した?」

 

「……お主、儂が1週間もこなかった事に疑問はなかったのか?」

 

ないですね。むしろ納得してました。

 

「……軟禁?」

 

「そうなんじゃ!!!

彼奴ら儂を部屋に閉じ込めたんじゃぞ!!

しかも信じられるか!?

風呂もトイレも監視付きじゃ!!

我慢の限界で気絶させて抜け出してきたわ!!!」

 

 

オゥフ…。

それもっとやばくなるじゃんどうすんの?次は多分監禁だよ?

 

「そういうわけで今日から世話になる!!」

 

………what?

 

「………え?」

 

「なんじゃ?まさかあの家に戻れという気か?儂は嫌じゃぞ!!冗談じゃない!!!」

 

……まぁ。幼女とは言え流石にトイレやお風呂の監視は嫌だとは思うけど。でもそれは子供に危険な真似はして欲しくないという親心とかの結果なわけなんだけど。

この場合どうするのが正解なのか分からない……。

 

「勿論この家に住まわせてくれるじゃろ?」

 

「………」

 

まぁ、どうするべきかは分からないけど、この場合の俺の答えは決まってるんだよなぁ。

 

「………だめ」

 

「な!?なぜじゃ!?お主は鬼か!?いいじゃろうそれくらい!!」

 

「家の人が…心配する」

 

「自分のやった事を反省させるいい機会じゃ!!」

 

「泊まらせる…メリットが…ない」

 

「……それは。な、なら手伝うぞ!!この前のように薬草を拾ったりするのを!」

 

「1人で十分。…お金も…そこまで余裕…ない」

 

「それは…。な、なら儂が家から」

「それは…泥棒と同じ……」

 

「つぅ!!……」

 

「取り敢えず、帰って…謝るべき。…じゃあ、又いつか……」

 

「〜〜っ!この薄情者!!もう二度と頼らん!!」

 

夜一さんは勢いよく出て行った。

 

…まぁ、仕方ないと思う。

そらぁ、頼りにしていた相手?に裏切られたら辛いだろう。

けど、今回のことに関しては俺も譲れない。

俺と違って夜一さんは死ぬことはないだろうが、夜一さんの周りは違う。この世界に存在するかもしれない神様ってやつが、お爺さんの様に別れの挨拶をさせてくれるとは考えにくい。もしも、この死亡フラグ満載の世界で夜一さんが家出中に誰かが死んだら、夜一さんは後悔するだろう。

だからこそ、これだけは譲れないのだ。

 

とかなんとか格好つけてみたけど、流石にもう1回来たら無理、だって胸が痛いもん。苦しくて死にそうだもん。ごめんね夜一さん!!!

 

 

 

夜、

 

夜一さんはあれからこなかった。

他の人の家に行ったのか、おとなしく帰っていったのか…。どちらかは分からないけど、きっとこれでよかったんだよね……。

 

 

「ニャーー」

 

「………オゥフ。」orz

 

夜一さんに教えてあげたい…。

ここら辺には猫はいないってことを…。

え〜〜、

……まじかぁ?

あぁ、ドアがカリカリされてる音が聞こえる。

なんだかなぁ。

勘弁して欲しい。

出ろってことだよね?これ?

ここにいるって事は他の家にはいかなかったって事か?だって行ったら速攻で連れ帰られるだろうし…。

え?つまり何?俺なら絶対泊めてくれると思ってたってこと?………はぁ。しゃあないなぁ。

 

《ガチャ》

 

「!!………二ャ、ニャー」

 

何だろうか…。扉を開けたら恐ろしく愛らしい子猫がいた件について……。そらそうか、本人も子供なんだから猫でも子供だ。…にしてもこれは……凄いな。

 

「……?猫?なんで…こんな所に?」

 

「ニャーー」《スリスリ》

「……随分と…人慣れしてる……捨て猫?」

「ニャー」《コクコク》

「……猫…自然で生きれる?」

「ニャーー」《フルフル》

「なら……うちに住む?」

「ニャーー!!」《コクコクコクコク》

「君は……頭いいね。」

「ニャー?」

「夜一さんとは…大違いだ」

「ニャ!?」

 

以上、俺は棒読み、夜一さんは必死の寸劇でした。

 

 

 

 

 

 

 

 



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家出娘の葛藤

…どうしたものか。

 

監視のについていた人を気絶させ、

全力でかけて自然と向かった彼の家。

よくわからないけど、

彼なら大丈夫だという気持ちがあったのだ。

 

 

四楓院家

…四大貴族である家の娘であるという事実はとても大きく、大人も子供も儂には自然と敬語で話してきた。

別に不満があったわけではない。

それが普通だったからだ。

当然だが、

そんな儂には友と呼べる者がいるはずはなく、

その事さえも普通だった。

だからこそ、

彼との距離感が好きだった。

何故かは知らないが、初対面の時から驚いた反応はあったけど敬語で話したりする様な素振りはなく、それどころか儂を弄ってきたりする。

最初は警戒していたが、一緒にいると馬鹿らしくなってすぐに辞めてしまった。

儂に、初めて出来た友と呼べるかもしれない存在。

 

だからまさか断られるとは予想外だった。

彼ならいつも通り自然と受け入れてくれると思っておったんじゃが……。

何か理由があるんじゃろうか。

 

いや、それは後回しだ。

問題はこの後儂がどうするべきか、だ。

他の家に行くか野宿という事になる。

彼と暫くいたから少しは心得もある。だが、はっきり言って1人でそれが出来るとは考え難い。彼と一緒の時に彼にも下手くそだと笑われたし。

なら、

次は他の貴族の家だ。

かといってこれは家に連れ戻される可能性がある。

なので得策とは言えない。

 

……違う。こんな2つで迷っているんじゃない。

この2つなら迷わず貴族の家に行く。迷っているのは最後の一つだ。

最後の一つ。

動物のフリをして彼の家に住み着く。

これなら彼にばれない限り家に連れ戻される事はない。

それにこれは少し違うとは思うけど敬語で話したりする関係ではない。

けど、この選択肢は違う意味でかなりのデメリットがある。

1つ目は、

彼を騙すという点。

理由は分からないけど彼は今回の事では絶対に家に帰るべきだというスタンスだった。彼を騙すのは少し心苦しい。

 

2つ目は、

生活という点。

恐らく人の姿に戻る機会はほとんどない。

それに、食事も猫用の物が来るかもしれない。

 

三つ目は、

……猫の姿では服は着れないという事だ。

いや、別に本当の姿じゃないし毛に覆われてはいるけど、その毛もあくまで私の体の一部なわけで、彼と結構な時間寛いだあの場所で裸になるというのはかなりの抵抗があるわけで……。

 

でも、これを我慢したら儂は彼と離れる必要はなくなる。

逆に、我慢しなければ恐らく彼とは本当に長期間会えなくなる。

軟禁状態で監視の者を気絶させて逃げたのだ。監禁される可能性だってあるし、そうでなくても人も増えるし腕も上がるだろう。

そんな状態ではもし撒いたと思ってもまけていない事もあり得る。そんな状態で会いに行ったら彼に迷惑がかかる事になる。

 

 

 

夜、

 

 

服は、近くの木の根元に埋めた。

体を猫の姿にかえる。

儂は、離れるくらいならこっちを選ぶぞ。

ここからは儂の演技力にかかっている。

自然に、かつ気に入られるようにふるまう。覚悟は決まった。さぁ、いくぞ!!儂を甘く見るなよ!!………あれ?そういえばあやつの名前はなんだ??

 

 

 

◇◇◇

 

 

目の前には黒い子猫。

そう。俺の助言を聞かなかったあいつだ。

ほんとどうしてくれようか。

俺の罪悪感をかえせ。

 

「猫って…美味しいの…かな?」

 

「ニャァ!?」

 

「嘘。…頭の中……調べてみたいなぁ」

 

「ニャー!!」

 

え?なに?性格悪い?

知ってる。

 

 

「一応…確認しとく…けど、うちに…住むって事で…いいの?」

 

「ニャー」《コクコク》

 

「じゃあ…これ…付けて」

 

「………ニャァ?」

 

「ん?首輪…だよ。」

 

「…………ニャァ?」

 

「うちの…ペットである…証…。

特注…品。

付けたら…一生………外れない」

 

「ニャァ!?」

 

「嘘。」

「ニャ!?…ニャァァァ」

 

「僕が…死んだら…外れる」

 

「ニャァ!!?」

 

「大丈夫。体に…合わせて大きさも…変わるから。苦しくは…ならない。……さ、つけるよ」

 

「ニャァ!!」《フルフル》

 

「これ付けなきゃ…飼わない」

 

「ニャ!?」

 

「どう…する?」

 

「……ニャ、……………ニャァ」

 

「ん、いい子…。《カチン!》…はい、終わり」

 

「……ニャァァ」

 

夜一さんがなんか脱力した。

因みにだけど、勿論嘘だ。

死んだら外れるのは本当だけど、俺が外そうと思ったらいつでも外せる。夜一さんが黒猫という事実が判明するか告白してくるまではつけておくつもりだけど。

 

 

《フワッ》

「ニャ、ニャァ!?」

 

「疲れたなら…運んであげる。……あ、名前…付けなきゃ…」

 

 

 

………

……………

本名でいっか。

 

「…決めた……夜一…」

 

「ニャ!?」《ビクッ》

 

「僕の…友達の…名前なん…だ。……暫く…会えない……けど…やっぱり…家族は…大切にして…欲しいから。」

 

「ニャ、ニャァ」

 

「いや?」

 

「ニャァァ」《フルフル》

 

「じゃ…決まり。……後で…タグに名前…打たなきゃ」

 

 

◇◇◇

 

 

洞窟から抜け出し、

服を掘り起こして

万が一にも姿を見られないように離れてから人の姿に戻る。

……本当に伸縮自在なようだ。全然きつくない。

けど何故か首の太さよりは大きくならず材質的に考えて切る事も難しいだろう。

「……うぅ。人の姿の時どうすればいいんじゃ」

……彼は会えるのを楽しみにしているといった。

それも、儂の家族のために自ら儂を遠ざけてだ。

 

……家族を大切にして欲しい。

なんと単純な願いだろう。

でも、あの歳で1人で暮らしてる彼が言えば、いったいどれほど重い言葉になるだろうか。

…なぜ、彼はあの歳で1人で暮らしてるのか。

そんな事はとても聞けないけど、私は彼に友達と言われた存在だ。寂しい思いはさせない。

けど、ほんの少しの間だけ我慢して欲しい。

 

貴方のその思いやりを、無下には出来ないから。

 

 

◇◇◇

 

 

四楓院家、

 

「まだ見つからんのか!!!」

 

「本当に申し訳ありません。他の貴族の家は勿論目撃情報すらなく……」

 

「何をしておるのだ貴様らは!!夜一はまだ子供だぞ!!!」

 

「旦那様!!夜一様が現れました!!!」

 

「何!?どこに現れたあの馬鹿娘は!!!」

 

「ここじゃよ。父上」

 

「!!?……ほぅ。自ら帰ってきたのか。どうやら反省したようだな。だが今回の事は「違うぞ父上」……なに?」

 

「儂はすぐに戻らねばならん」

 

「何を言っている。お主が戻るのはここだろう。」

 

「確かにここもそうじゃ。じゃが、あたらしい所が出来た。たまに戻ってくるから心配せんでくれ」

 

「……夜一。まだ反省していないようだな。……仕方ない。娘に手荒な事は嫌だったのだが、仕方ないな。……やれ!!」

 

「………」

 

「…なに?おい!どうした!!早く出てこんか!!!」

 

「誰を呼んでいるのかは知らんが、廊下の下と屋根の上の奴らは今寝ておるぞ?」

 

「なに?!」

 

「父上。儂だってずっと子供ではない。儂には儂の意思がある。暫くすれば帰ってくる。それまで待って欲しいのじゃ」

 

「なにを」

「父上。儂の目を見て欲しい」

 

「………」

「…………儂は本気じゃ」

 

「………はぁ。仕方ない。ここでダメだと言っても家に寄り付かなくなるだけだろう。1週間に一度は帰ってくる事。それが条件だ。よいな?」

 

「……当然じゃ」

 

 

 

◇◇◇

 

 

「ねえさま?」

 

「む!?ゆ、夕四郎か。驚いたないつからいたんじゃ?」

 

「どこに行かれるのですか?その先は門ですよ?」

 

「ちょっとした用事じゃ。1週間に1度は帰ってくる。それよりも鍛錬を怠るなよ?」

 

「はい!………ところでその首の物は何ですか?」

 

「んん?もしかして襟巻きの事か?全く、相変わらず忘れっぽいのぅ」

 

「いえ、それではなく、はだけて見えている下にある物の事です」

 

!!?

「な、しまっ!?……な、何でもないぞ。ただの…そう!ネックレスじゃ!!」

 

「ほぇ〜。だから所々に宝石が付いてるんですかぁ。さすがねえさまです」

 

「そ、そうじゃろう?」

 

「もっとよく見たいですぅ」

 

「そ、それはダメじゃ。ほれ、早く戻って寝ろ。明日に響くぞ」

 

「え?なら少しでいいので」

「ではな!!!」

 

「………いっちゃった…」

 



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家出娘の苦悩

 

「ニャァァァアアアア!!!!」

 

「ちょ、夜一。やめな……さい」

 

 

夜一さんが来てから数年が過ぎた。

不思議な事に偶に夜一さんからの手紙も来るが……。

猫な夜一さん。

略して猫一さんは、

最初の頃はなんだか余所余所しかったのに、今では唐突に襲ってくる。

なんだ?お腹空いたのか?

そんなところまで猫にならなくても……。

……ほんと、

常に最初の頃のようにいてくれないだろうか。

最初は良かった。

いつも寛いでいた部屋でもなんだか居心地が悪そうで物陰に隠れたり、クッションの下に隠れたり、俺の服の中に侵入してきたり。

外に行く時も俺の着物の中に隠れてと何から隠れているのかは知らないが取り敢えず見ていて可愛かった。

でも数年経つと慣れたのか、外でも近くにはいるけど引っ付いては来ないし家の中では上の通りだ。

 

 

最近、静かになるのは食事とお風呂と就寝の時くらいである。

……あぁ。

食事といえば、

かなり試行錯誤をしたなぁ〜。

普通の食事をどれだけ猫用に見せるかとか。

それを出す時も、

いくら何でも普通の人のように皿を出すのはおかしい。

なので、

最初の1食目だけは床に皿を置いて食べさせた。

そして思った。

流石に構図的にまずい。

 

え?なんでそこで諦めるんだ?

あんたは何処のしゅう◯うだ。

 

………ん?しゅ◯ぞうって誰だ?

 

……まぁいい。

そういうわけで色々試した。

結果、

固形物は手から直接、

液体はスプーンですくって食べさせる事にした。

つまり食事の時の猫一さんの定位置は俺の膝の上である。

 

風呂は最初は洗ってあげてたんだけど、段々めんどくさくなって今は一緒に風呂に入っている。

……別にいいよね?

確か一護と入ってたし。

まぁ最初らへんの何回かは逃げ出そうとする猫一さんを無理矢理抱き抱えて入ったけど。

……え?

いや、

大人な夜一さんならまだしも幼女な猫一さんに見られても何も感じんわ。

でも偶にこっちをチラッと見て直ぐに視線を外すのは可愛かったよ。

気付いてないふりをしてあげた。

 

寝る時は同じベットで寝ている。

でも猫一さんは嫌がってソファーで寝ようとする。

……という事にしたいようだ。

バレてないと思ってるかもしれないけど、

抱きかかえる時、

起きてるって知ってるからね?

1日目は本当に寝ていたようで、

グデェ〜っとなっていた。

けど2日目からは体にある程度力が入っているのだ。

それに寝るタイミングが良すぎるのも理由の一つだ。

更にいうなら、

1日目の朝は驚き過ぎてベットから落ちていた。

なのに2日目からは寝ぼけて擦り寄ってくるのも理由だ。

……全く関係ないけど、

今の俺のマイブームは漸くして意識がはっきりした猫一さんが、至近距離にある俺の顔を見つけて驚く様を観察する事である。

まぁでも、

無意識に寄ってくるのだから人肌恋しい時期なのだろうし、そんなに慌てる必要はないと思うんだが。

 

 

「あぁ、なるほど…そういう…事か。ありがと夜一」

 

なんで襲って来たのかと思ったら朝稽古の時間だった。

大体20分くらい体を動かす。

 

……え?

それで2時間も走り続けられるのはおかしい?

それは特典だよ。

ていうかそもそもこの運動の目的はそれじゃない。

 

朝昼晩、

大体決まった時間に外に出て20分間運動をする。

因みにその間夜一さんは家の中で待機だ。

これで分かったかな?

……え?

分からない?

いやいや勘弁してくれ。

………ん〜。じゃあ最大のヒント。

偶に俺は稽古を忘れそうになるが、

その場合は猫一さんが鬼気迫る様子で襲ってくる。

これで察せない奴はもう人間の身体じゃない。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

この生活もあと数ヶ月か……。

 

儂がこの家に来てから早数年。

遂に四楓院家に帰ることになる。

理由は単純だ。

そろそろ本格的な稽古が始まるから。

小さい頃から基本的な事をやり、一定期間過ぎると技などの稽古に入る。

それにあたり、問題がある。

まぁ解決法はわかるのだが、それは出来ればしたくないのだ。

 

……首輪…どうしよう。

 

そう。首輪だ。

伝えずにいなくなるのも少し心苦しいが、猫は元々そういう生き物だと納得してくれるだろう。

……絶対に外れないどうこうと言っていたが、それがわしに付けられていると知ったら、なんとか外す方法を見つけてくれるだろう。

 

だから、言えば解決すると思う。

……思うが、真実を言えば彼にどう思われるのだろうか。

 

 

伝えた後の彼から儂へのイメージは、

猫になりすまして家に上がり込み、

ペットという立場に抵抗がなく、

手を舐めながら飯を食べ、

数年間も堂々と裸をみて、

立場を利用して同じベットで寝てきた存在。

 

 

 

 

 

 

……だめじゃ、絶対に嫌われる。

 

こちらからしたら何年も一緒にいて信頼している。

たが、向こうからしたら数年前に少しだけあった女の子のままなのだ。それがいきなりあなたの猫でした?ホラー過ぎる。

 

 

……かといって手紙では効果はないようだし。む〜ん。

 

手紙で猫に首輪は良くない的な事を書いてみたら、

『うちの猫は超絶可愛いからそうじゃないと攫われる。』

と、返ってきた。

余計に打ち明けづらくなった。

 

……どうすればいいんじゃ!!!

 

 

 

◇◇◇

 

数ヶ月後、

 

なんか、数日前に猫一さんが消えた。

その日、なぜか洞窟の外に書物が積まれていたから、出て行くのでこれまでのお礼。という事かもしれない。でも場所を考えて欲しかった。風で散らばっている。少し複雑な気分である。……それにしても。

 

……まさか、首輪をつけたまま行くとは…。

割と気に入ってたのかな?

 

 

 

因みにだがあの首輪、

本人は猫の状態で付けたから首輪にしか見えないが、他の人からしたらネックレスにしか見えない仕様である。

俺は誰かに見られたらその人の株が下がるような事はする気ないよ!!!

まぁつまり、

 

夜:首輪だから隠す。

激しい動きの中隠し通せるわけがない

他:夜一様は誰かから貰った物を誰にも見せないが常に身に付けているらしい。

夜:なんだか噂が流れているらしい。外さなければ。

他:夜一様がネックレスを触りながら鏡の前で立っていた。いったい誰からの物か聞かなければ

夜:ついに首輪について聞かれた。ダメ元で奴に頼むしかないか…

俺:夜一さんに真実を話す(愉悦)

 

 

俺の思いやりを無視した罪は重いのだ。

せいぜい無意味な心配で苦しむがよい!!

はっはっはっはつ!!!!!

 

 

 

◇◇◇

 

十数年経過、

 

 

てっきりもう来ないのかと思っていたら猫一さんはたまに帰ってきた。

因みに、

帰ってきた瞬間に抱き付いてきて離れなかったりする。

猫の身体なのに器用だよね。

その日は猫一さんを抱き締めながら撫で続ける。

3人掛けのソファーの端が定位置だ。

次の日の朝は猫一さんに起こされるまで寝ていると決めている。なので目が覚めてしまったら寝たふりをして観察をする。

あと、よだれか何か知らないが俺の服とズボンが濡れている。

なのでその日は猫一さんが逃げ出すまで弄り倒す。

強くしすぎず、

気持ちがいいのと擽ったいのの狭間がコツである。

それぐらいだとあまり逃げないので膝の上で悶える猫一さんが長く見られるのだ。

 

閑話休題、

 

研究もかなりはかどった。

崩玉と虚化。

大体の事を既に理解できている。

やっぱり完成形を知っているせいか割と順調に進んできたと思う。

でも残念ながら崩玉はここまでの様だ。

とりあえず擬きを作り、それを改良しているのだが、原作の様にはならないのが現状なのだ。

 

……ふと思った。

浦原さんマジパネェ。

だってあの人、これを1から自分で考えて作るんだぜ?

どんな化け物だよ。

 

最近、

幾ら時間があるとはいえ此処まで出来た俺凄くね?

とか思ってたから軽く凹んだ。

 

 

……そろそろ、する事が無くなってきたな…。

声を出す練習ももう必要ないし…。

 

………そう。

もう必要ないのである。

最近やっと普通に話せる様になったのだ。

思えば猫一さんと話す時も丁寧な話し方をしている時は比較的ましだったのだ。

そこから考えて、丁寧に話し始めたらあら不思議!!

普通に話せるというね。

どうなってるんだろうか俺の身体は…。

 

 

 

 

 

 

 

 



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明かされる真実

…やっぱり今できるのは此処までだな……。

 

研究が本格的に行き詰まった。

というか、

虚化についてはもう完成した。

まぁ、仮設段階な上に死神を虚にするだけという意味で、だが…。

 

まず、

虚と死神のもつ霊圧を解析し、

お互いの相違点を洗い出していく。

それを元に、

死神と虚の二つの特徴を持つ橋渡しとなる霊圧を作る。

完成したこれを死神に流すと、まずはそれを伝って混ざり合い、そこから境界が壊れ、虚の身体的特徴が現れ始める。

その時、虚の魂に近い感情…負の感情にのまれれば、それに呼応して虚の力も侵食しやすくなる。

結果、スピードは格段に上がるだろう。

 

おそらく、原作の平子の事はそれが原因だ。

 

……ほんと何回も思うけど浦原さんマジでパネェ。

彼はこれを逆に安定させる物すら作り出すのだ。

なに?マジでなんなの彼?

原作公認の知識チート系転生者じゃないの?

 

 

 

 

 

 

 

……ふぅ。落ち着いた。

 

…崩玉。

確か、願いを叶えるだったっけ?

まず間違いなく、

使い方を間違えれば、大変な事になるだろう。

 

 

 

……逆に言えば、

…正しく使えるのならこれ程のものはない。

 

 

 

 

 

 

……最近俺も男なんだなぁ〜、と実感する。

俺は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……その力が欲しい。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

俺の朝は早い。

いや、別に何かするわけではないんだけど猫一さんがいた頃のせいで染み付いているのだ。

もう猫一さんはいないので意味はないが健康にも良さそうなので朝晩は稽古を続けている。

昼はほら、

 

……暑いじゃん。

 

まぁ今日もいつも通りに朝稽古だ!!!

《ガチャ》

「トゥ!!!」

《ドゴッ》

「ムグェ!?」

 

扉を開けたら突如鳩尾に突っ込む物体。

はい、ヤツですね。

でも珍しく人の姿だ。

まぁそれはともかく、

 

……………こいつ。

今度、猫の姿で来たら体毛を刈り取ってやろうか……。

 

「…っ?!

……な、なんじゃ?急に寒気が…。

……気のせいか?

それにしてもなんじゃ?なっておらんなぁ。

そんな事では敵にすぐ殺られるぞ!!」

 

《……ビキッ》

「……そうだね」

 

「……やはりお主その話し方は気持ちが「夜一さんもね」……ん?」

 

「敵の上に乗っているのに随分と余裕だね」

「いや敵ってお主は」《ドサッ》

 

「……え?」

 

「ほら、ひっくり返された」

 

「お、おいなんのつもり」

「夜一さんのお仕置きは何がいいかな?」

 

「…え、…なに?」

 

「だから、お仕置きだよ。川の水を飲み干すまで沈むとか?」

 

 

「ちょ!?それ死」

「ゴーヤ100本食べるまで口に入れ続けるとか?」

 

「それは普通に無」

「あぁ、もう考えるのも面倒だね。もういっそこのまま身包み剥いで縛って人里に放置しようかな。」

 

「待て待て待て待て!儂が悪かった!だからやめるんじゃ!!!」

 

 

 

「……取り敢えずまずはこの邪魔な襟巻きを退けようかな?」

「!!?

そ、それはほんとにだめじゃ!!!

いや、ちょ!?

ほ、ほんとに待つのじゃ!!」

 

 

「え?なに?よく聞こえない」

「わるかった!!儂がわるかったから!!」

 

 

 

「ん〜?なに?僕は鳩尾が痛いのに謝ったら許されるとでも?」

「分かった!お主も儂の鳩尾をなぐれ!それでおあいこじゃ!!」

 

「僕そんな事したくないし、いいや。……案外下だけない方がいいか?」

「まてまてまて!!!分かった!!何が望みじゃ!!!なんでも叶えてやるぞ!!」

 

「………なんでも?」

 

 

 

 

「う、……やはりなんでもはな」

「取り敢えず下だけを試してみるか」

「まてまて!!分かった!!なんでもじゃ!!!」

 

 

◇◇◇

 

 

数分後、

夜一さんがジト目で此方を見てくる。

いったいどうしたんだろうか。

え?なんだって?

そんな事覚えてないなぁ。

 

「…全く。酷い目にあったぞ」

 

「……それはこっちのセリフだよ」

 

「なにを言うか!こんな美女に抱き着かれたのだから喜ばんか!!」

 

「どちらかと言うとタックルだったけどね」

 

 

 

 

 

「………………」

 

「……どうしたんだい?」

 

「え?あ、いや。……美女の所はスルーなのかと思っての」

 

「それは事実だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……

…………

停止する夜一さんであった。

 

 

「……………………儂、帰る」

 

「ん、じゃあね」

 

 

◇◇◇

 

3時間後、

 

「邪魔するぞ!!!」

 

「いらっしゃい。さっきぶりだね」

 

「さっき?なんの事じゃ?」

 

 

……どうやらなかった事にする気のようだ。

だが甘いな。

相手は俺だぞ?

 

「さっき来て帰っていっただろう?僕が夜一さんの事をび「ワァァァアアア!!!」……。」

 

「な、なんの事かわからんのぅ!!」

 

 

 

 

「………夜一さん」

 

「……なんじゃ?」

 

「顔が赤いよ?」

「〜〜〜〜ッ!!!こ、ここが暑いんじゃ!!!」

 

 

 

 

 

 

「……夜一さん」

 

「なんじゃ!!」

 

「………可愛い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………え?」

 

「可愛い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……は?」

 

「可愛い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…な、何を言って」

「夜一さんが可愛い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょ、いい加減に……」

「可愛いよ。夜一さん」

 

 

「………………?……???…………っ!!?」《ボフン》

 

「……………………」

 

「………?」

 

「……………………」

《スタスタスタ》《ガチャ》《バタン》

 

「…………………カメラ、有ったっけ?」

 

 

◇◇◇

 

30分後、

《ジーーー》

「じゃ、邪魔するぞ!!」

《ジーーーーー》

本日3度目の訪問。

ちなみに今回は既に少し顔が赤いよ。少し涙目で睨んできてるよ。

《ジーーーーーーーー》

「っ!……な、なんじゃそれは!!!!」

 

「ビデオカメラ」

 

「なんじゃそれは!!」

 

「こんなのが撮れるんだよ」

 

顔が少し赤く、息も軽く乱れ、どこかで悶えたのか髪も服もみだれている。なんていうかまるで………ねぇ?

 

「〜〜〜〜ッ!?!!?

け、消すのじゃ!!!」

 

「いやだよ」

 

「なぜじゃ!!」

 

「次に今日みたいな事が無いように保険かな?」

 

「………うぅぅ。

………そ、そうじゃ!!!そんな事後でいい!!」

 

「??」

 

「お主!なぜ霊術院にいかん!!」

 

「霊術院に?なんでいきなり?」

 

「な!?……お主、書物は持っとるな??」

 

「………それって夜一の置き土産の事かな?」

 

「何を言っとる。洞窟の外に置いてあったものじゃ」

 

「え?いや、だからそれ夜一の」

「書物と一緒に手紙があったじゃろ!!……まさか、読んでおらんのか?」

 

「………あ、あぁ。夜一さんからだったんだね、あれ。てっきり夜一の置き土産だとばかり思ってた。」

 

「いや、猫が置き土産に書物ってどういう考え方をしたんじゃ…」

 

 

……まさか、

こんな当たり前の事を事もあろうに夜一さんに言われる日が来るとわ…。

しゃあないじゃん!!

俺の中での夜一さんってポンコツな夜一さん、略してポコ一さんなんだもん!!!

 

「ごめんねポコ一さん。でもその手紙は多分風で飛ばされちゃったと思うよ。」

 

「誰がポコ一じゃ!!!!

ってなに!?………そんな。せっかく勇気を出して……それに、何年もかけて考えたのに…」

 

「……なにを?」

 

「………名前じゃ」

 

「名前?」

 

「お主、名はないと言っておったじゃないか」

 

「………あれ?僕、夜一さんに言ったかな?」

 

「!?え、あ、……い、言っておったぞ!!」

 

……ほらぁ。やっぱりポコ一さんじゃん。そういう事するからただのミスか判別が難しいんだよ。

「……まぁ、そうなのかな?

……で?どんな名前なんだい?」

 

「!!?…え、ここで言うのか?」

 

「いや、他にどうしろと?」

 

「そ、そうじゃな。……おほん!ぬ、主の名は…」

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「惣右介じゃ!!!」

 

……………what?

 

「……え?」

 

「……っぅ!や、やはり…ダメ…かの?」

 

「え?あ、いやだめじゃない、だめじゃないよ!!!」

 

「そ、そうか?な、ならよかった……のかの?」

 

「…あの、漢字も描いて貰っていいかな?」

 

「も、勿論じゃ!!!……『惣右介』…ど、どうじゃ?」

 

「………あの、一応理由を聞いてもいいかい?」

 

「あ、あぁ。……いや、理由…というか。…何故か急にそれが浮かんだんじゃ。て、適当ではないぞ!!…ほ、他にも色々と考えてはいたんじゃ!!……でも、何故かそれがが1番合ってる気がして……」

 

 

「いやいや。責めてるわけじゃないから!大丈夫!!普通に嬉しいよ」

 

「そ、そうか?な、ならよかった……」

 

「うん。ありがとう」

 

「え、えへへ……」

 

「……そういえば勇気って?」

 

「ふぇ?」

 

「いや、勇気を出してって言ってたから」

 

「そそそそそれは内緒じゃ!!!」

 

「え、俺宛の手紙だったんだよね?」

 

「知らん!!無くしたお主が悪い!!!」

 

「いや、それは風が…」

 

「なら風が悪い!!じゃから言わん!!!」

 

「………うん。もう諦めるよ」

 

「……それより、…本当に名前…よかったか?勝手にした事じゃし嫌ならばーー」

「いやいや、それは素直に嬉しいよ。ありがとうね。」

「そ、そうか?……え、えへへへへへ……」

 

 

うん。名前を考えてくれたのは素直に嬉しいよ。

だって自分で考えるってなんかアレだし。

だから普通に嬉しい。

うん。

だから大丈夫

 

 

 

 

 

 

 

 

……じゃ、ナーーーーーーイ!!!

 

なに?え?どうゆう事?

 

いやいやいや、嘘だよね?偶然だよね?

たまたま同じ名前!!みたいな??

 

そうだよ!!

俺と彼では違いすぎる!!!

 

霊圧だって…………んん?俺も高いか?

いや、でも身体能力が………俺も高いなぁ。

まず斬魄刀が……違うかはまだ分からないか……。

ほ、他!!!!

メガネ!……壊してたっけ?

話し方!!………最近丁寧語で話してたか。

……髪!そうだ髪だ!!ワックス付けずにあんな事でき………てしまったか……。

色は……茶髪なんだよなぁ。

 

 

「夜一さん」

 

「へ?なんじゃ?」

 

「メガネ持ってたりする?」

 

「……?だてならあるぞ?」

 

なんでだよ!!!っていうツッコミは心の中に秘める。というかそれどころじゃない。

「……ちょっと貸して貰える?」

 

「…?別に良いが」

 

〜〜装着中〜〜

 

「……どうかな?」

 

「………」

 

「……夜一さん?」

 

「…ふぇ?……あ、よ、良いと思うぞ!!!そ、それはやる!!次からは付けておれ!!」

 

「え?いや、それはめんど」

「だめじゃ!……その。に、似合っとる!!」

「いやでも…」

「わ、儂がやった物をつけんつもりか!?」

 

「………まぁ、別に付けるくらいいいけどさ」

 

 

 




今作品後書き初書きで〜〜す!!
(((o(*゚▽゚*)o)))

今回で誰に憑依かを発表しました!!!

3話で予想していた
『たくあん坊』さん!!

✨✨大・正・解!!!!✨✨

やりますね!!どこら辺で気付いたのでしょう?
個人的にはこの作品を見てくれている方なら複数回見てるであろう事で気付いてくれてたら嬉しかったりします!!笑

それからこの話、
実は6話までは初投稿時までに作って直しながら出してました。
なので今回の話で色々入れすぎたか?とか思ってます。
え?何が言いたいか?

『鯖を握りつぶしたい』さ〜〜ん!!
どうですか〜〜??(つД`)ノ

最後にこの話を見てくれてる方々に、
私の考えた作品を見てくれてありがとうございます!!
たった3日でコナンが抜かれるなんて……。笑
できる限り頑張りますが、その内ペースがかなり遅くなると思います。
それでも見てくれる方が少しでもいたら嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。
m(_ _)m



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霊術院の俺

1年後、

 

わ〜〜い!!!

霊術院に入ったよ〜〜!!!

 

……なんかあの書物はここの教科書も入っていたらしい。

どおりで何冊かだけ簡単だったわけだよ。

 

え?

なにが言いたいか分からない?

要約するとこうかな?

『授業マジ楽勝です』

うん。いやまじで。

流石に今更こんなレベルの事習うのはしんどいわぁ。

 

 

……なんて?飛び級制度?

いや、

なんであんな、俺優秀で特別です。

みたいな制度を使わにゃならんのだ。

まぁ確かに断った時に驚いた反応はしていたけど…。

でもこれから先の事を考えるなら目立つのは避けたい。可能性としてはまだ同じ名前というのも捨てきれないのだ。

というかそれを願う。切実に。

 

まぁなんにせよ入学したので寮?のようなところで集団生活だ。

因みに俺は1人部屋。

 

………え?なに?

 

……そうだよ、貯金が唸ったよ。

 

いやまぁここに来た当初は四人部屋だったのだが、ある日猫一さんが窓の外からこっちを見てるのを見つけてその日のうちには1人部屋になった。

え?

別に四人部屋でもいいだろ?

 

……いやいやいや、それどういう意味?

もしかして、

周りの奴らにも猫一さんを撫でさせろって?

 

…いや無理。

そんな事したやつがいたら殺しちゃうかも。

ていうか、

前に手紙を持たずに俺の部屋に来ようとしていた猫一さんを俺への嫌がらせに捕まえようとしてる奴らがいたんだ。

その時に見てた奴らも含めてその場にいた全員を霊圧で気絶させてしまった。

 

……うん。やってしまった。

内心周りに人がいないかとマジで焦った。

 

 

っていうか、

逃げてたじゃん。

嫌がってたじゃん。

マジでふざけんなよあいつら…。

 

 

 

 

 

 

……関係ない話だが、

最近奇妙な事件が偶に起こっていると先生から知らされた。

なんでも、同じ寮の生徒が急に行方不明になったらしい。

といってもバラバラになのでただ出ていった可能性の方が高いらしいが。

 

で、

それでも事件の可能性もゼロではないから成績の良い俺は特に気をつけて欲しいとも言われた。

 

まぁ今回の事に限らず、今後何かに巻き込まれるなんて事はないと思う。

 

え?

理由?

いやだって、

俺はいなくなった奴らみたいに誰にも言わず夜遊びにいったり、酒を隠してある林に夜1人で飲みにいったりしないからだ。

というか、

仮にしたとしても不測の事態が起こったら直ぐに助けを呼ぶ。

奴らも笑い声があんなにでかいんだから叫び声もでかいだろうに、なぜ呼ばなかったのだろうか。

 

……まぁ、どうせばれたくなかった辺りだとは思うが。

 

 

 

 

 

そういえば、

ここに来て多くの変化があった。

でもまぁ1番は、夜一さんが首輪を付けていることを自白してきた事だろう。

これ以上隠すのは無理だと判断したようだ。

 

 

……驚いただろ?

でもまだ驚くのは早いんだなこれが。

なんとその首輪の説明、

自分が黒猫だ。

というものではなかったのだ。

なんでも『実は、あの黒猫は儂の飼い猫でのぅ。同じ柄のネックレスを付けたのじゃ』だそうだ。

それを聞いた時少し笑ってしまった。

ほんと、いいわぁ〜。

 

でもその言い訳じゃ外さないからね?

 

なんで頑なに嘘をつくのか不思議だが、まぁ色々とあるんだろぅ。

そんなこんなで、

連絡手段というポジションを得た猫一さんはしょっちゅう手紙を持って現れる。

 

 

でも、手紙を持っていない時もある。

そんなときは霊術院を休んで1日中、下手をすれば2日以上休んで構う。

仕方ないよね。

猫一さん優先だもん。

だって行っても学ぶことないし。

 

 

 

次に虚化と崩玉だが、

やはりと言えばいいのか、虚化は強い魂魄でないともたないようだ。

そして崩玉だが、なんと原作に近付ける方法を見つけた。

 

最後はやっぱりこれ、

浅打だ。

取り敢えず最後の望みをかけてこいつの名前を知ろうと思う。

 

 

 

◇◇◇

 

 

2年経過、

 

2ヶ月ほど前のある日、

猫一さんが手紙を持たずに現れた。

 

というか、唐突に窓から手紙を持っていない時にするダイブでしがみついてきた。

……勿論、1日中撫で続けました。はい。

 

そして、それから2ヶ月間現れなくなり、昨日久しぶりに手紙を持って現れた。

なんでも当主と隊長、他にもよくわからん名前のものにもなったそうだ。

正装をして人が見てるなかゆっくりと運ばれるのがしんどいと書いてあった。

……確かにそういうの苦手そうだなぁ。

 

なんでも、

年寄り達が煩くてストレスがやばいとか。

最近は息抜きも出来ずに大変だそうだ。

そして此処からが問題なんだが、手紙には『うちに来い』と書かれていた。

丁重にお断りした。

浦原さんや砕蜂と仲良くなっていてください。

 

 

 

 

 

 

なんだっけ?

……とうぜん?

まぁ精神世界に行くあれだ。

それがなんとか出来るようになったんだけど、不思議な空間だった。正確には空と月と水面から咲く花と水面、そしてそれが水面に逆に写った光景が地平線まで広がっていた。

 

…もう間違い無いよね?

なので水面に写る自分を見続けた。

 

1分ほど経つと、

急に笑みを浮かべて姿を変えて出てきた。

 

……実は結構安心した。

正直30秒くらいから、これで違うかったら斬魄刀にどう思われるんだろう?とか思ってた。

 

で、此処で想定外がひとつ。

 

女の子だったよ。

 

鏡花水月、

 

女の子だったよ。

 

キラキラと光を反射するショートボブの桜色の髪の毛。同じ色の瞳。月と花の刺繍がされた薄い黄色とオレンジ色の着物を着た身長は150センチくらいの活発そうな、

女の子だったよ。

 

つい「鏡花…水月?」と呟いてしまって、

 

「え!?なんで!?なんでお兄ちゃん私の名前知ってるの!!?」と、とても嬉しそうに聞いてきた。

 

……俺、鏡花水月って動物ではなく無機物かな?とか、仮に人にしたとしても武士みたいな人か静かなお姉さんみたいな人だと思ってたんだけどなぁ。

 

 

 

話していくと、俺の斬魄刀…藍染惣右介の斬魄刀の能力は京楽春水の斬魄刀に似ているようだ。

 

言ってしまえば、『おままごと』。

 

 

私がお母さんで貴方が子供だ。

と言えば、

まるで魔法にかけられたかのように、誰も違和感なくその関係で遊びが始まる。

これはご飯ね?と言えば、例え砂だとしても握り飯にでも魚にでも生まれ変わる。

鏡花水月の能力はただその設定を現実に感じさせる、というものだ。

だからこそ、始解をする瞬間を見せる必要があるし、発動前に刀に触れられれば効かない。

何故なら、

設定を作る時にそこにいなければ、それはおかしな光景にしか見えないし、

頭を撫でている時に設定を決めても微笑ましいと思ってしまう。要するに魔法にかからないのだ。

 

だから、鏡花水月は特別強い斬魄刀ではないらしい。

寧ろ複数人での戦闘においては普通に弱いとも言っていた。

なぜなら、

戦い始めた後に来た敵には刀一本で戦うのと変わらなくなるから。

この斬魄刀が原作で異常なまでの力を発揮するのは、

子供の我儘というか、

私とおままごとを1度やったんだからやるよね?という理論で1度発動を見たらそれ以降は発動した瞬間に強制参加させることと、

藍染の席官全てと他の殆どの隊員にも始解を見せているという用意周到さゆえだ。

言ってしまえば

『私が最強でみんな勝てない』という設定を予め決めている様なものなのだ。

だからこそ勝てない。

 

 

……まぁでも、規格外の力や設定の隙を突いてダメージを負わせたものもいたな。

 

 

◇◇◇

 

 

数ヶ月後、

 

今日は少しテンションが高めで大部屋に座っている。

なんでも現役の隊長格が霊術院に来るらしい。

しかも理由は俺だそうだ。

え?目立つのは嫌じゃなかったのか?

そら嫌だよ。

でも今回のは理由は俺でも目的は俺じゃないのだ。

ほら、

俺名前分かってるから始解出来るじゃん?

だから実験を兼ねて周りに見せてあげてたんだよ。

因みに、

表向きの能力は原作と同じ『流水系の斬魄刀で霧と水流の乱反射で撹乱し同士討ちさせる』という事にしてる。

この文句いいわぁ。

すごい自然に人に見せれるもん。

まぁ、その結果みんな始解しようと躍起になったのだ。

でも教科書には刃禅のしかたみたいな事しか載ってない。

しかも質問できるのは同じ院生の俺しかいない。

と言うわけで誰でもいいからちゃんとした人に1度教えて欲しい!!!

という意思を汲み取って読んだのだそうだ。

一体誰が来るのか楽しみだ。

 

「ーーーでーーやーん」

「まぁーーーーーじゃーいか」

「ーーーりでええやーーーーでーーりもいんねん」

 

《ヒソヒソ》《ヒソヒソ》

『お、おい。来たみたいだぞ…』『うるせぇわかってるよ』『や、やば、緊張してきた』『俺昨日寝れてねぇんだよなぁ』『見ようと思えば見れるじゃん』『ばか!始解なんて見れねぇよ』……

 

《ガラッ》

 

 

「……………なんやねんこの空気。おっも!!お前らが呼んだんやろが。もっと歓迎せんかい!!」

 

「仕方ないよぉ〜。今の彼らからすれば僕らは雲の上の存在、緊張もするさぁ」

 

「それでもや!ほんまなんやねん重すぎるやろこの空気。俺らがこんな会話しとんのに笑い一つも起こらんねんぞ?あぁもう俺帰ってえぇ?」

 

「だめだよぉ。山爺怒らすと恐いんだからぁ。……それに、どうやら緊張してる子だけでもなさそうだよ?」

 

「あん?……あぁ、なるほどなぁ。

……おい、お前始解使えるらしいやんけ。ちょっと見せてみぃ。」

 

……なん…だと……?

まさか、この2人が来るとか…、俺の危険性に気付いてた2人じゃないっすか。

まじすか。

やばいよ俺もう一応崩玉とか虚化とか色々研究しちゃってるんだけど……。目立たないようにしよう。

……そんなこと考えてたら御指名、イタダキマシタ!!!

 

 

 

 

 




……うーん。
次ひと段落は隊長格達の虚化編までですね!!
(≧∇≦)


シリアス系かウフフ系かというのはもう分かっちゃいましたかね?笑


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霊術院での試練

前回、2種類投稿すると言いましたね。
あれは嘘です。


……はい。すみません。orz
新しい書き方にしようと改良してたら元が消えちゃったんです。
( ;´Д`)

そしてそんなに変わった気もしない…。
よくなったかも微妙……。
書き方の方に意識を持って行き過ぎた結果、話もそこまで自信がないの三重苦………。
((((;゚Д゚)))))))

ほのぼのが書きたい……。
ほのぼのが好きです……。

私が葛藤した第8話!
ぜひどうぞ!!



懐かしい土と木の香りを感じながら歩く。

 

少し前に起きた数人が突然失踪するという事件を表向き片付け、やっとできたはずの休日。

その休日は……

 

 

 

 

 

 

………消えた。

しかも昨日にきえたのだ。

 

 

(………なんで俺がこんなとこ来なあかんねん…)

 

霊術院、

護廷十三隊に所属する者が死神としての基礎を学び、友と未来を語り、死神である己を作る場所である。

 

つまり、

死神は多かれ少なかれ思い入れがあり、訪れれば多くの者は昔を思い出し懐かしむのだ。

 

 

 

……もっとも、

それはあくまで知人とだったり、自分の意思で来た時だけである。

断じて、

 

道を歩いている時に横から

『ちっちゃ煩い関西弁』が飛び蹴りをかまして来る。

負ったダメージを癒す事になる。

そのせいで隊首会に遅れそうになる。

なんだかんだ押し付けられる

 

 

 

なんて流れで訪れて感じられるものではないのだ。

 

…まぁなにが言いたいかというと、

 

(ほんま………なんで俺がこんなとこに来なあかんねん!!!)

 

この男、結構イラついている。

 

 

◇◇◇

 

 

 

あ〜〜、

…何回めやって話やけど俺までこんなとこ来なあかんねん、このおっさんだけでええやん。

 

「不機嫌だねぇ〜」

 

「当たり前やろ。なんで俺がこんなとこ来なあかんねん」

 

「それはほら、僕のは少し変わってるからね」

 

「ならあんたの部下とでええやんけ。なんで俺やねん」

 

「まぁまぁ。

僕等がその程度で動けるくらい平和だって事さ。いい事じゃないか」

 

「……にしてもやなぁ」

 

「お、ほら着いたよ」

 

………なんや、部屋の中に人がいるとは思えんくらい静かやな。どんだけ緊張してんねん。ほんま勘弁して欲しいわ。

しかも始解しろ?

なんで自分の斬魄刀を態々教えるような事せなあかんねん。

 

……はぁ。

ほんま……だっっるぅ!!!!

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

……何で、唐突に危険度トップのこの2人の前で始解をしなければいけないのだろうか。

 

……来なきゃよかった。

 

 

いや違うじゃん!!

ここは夜一さんが来て俺がいるのを理由にやりずらそうにするのをニヤニヤするところじゃん!!

なんでむさいおっさんと長髪関西弁が来てんだよ!!

なに?誰得これ??

もしかしてこの組み合わせが陰で人気あったりすんの?!

 

 

……うぇ。考えたくもねぇや。

 

 

 

 

まぁ幸いここにいる生徒は既に全員鏡花水月の支配下、

今必要なのはこの2人に確実に始解する瞬間を見せる事だけ。

ならどれだけ自然にこの人達の視線を俺に固定するかが重要だな。

 

「僕の戦い方は、斬魄刀の能力である霧と水流の乱反射で相手を撹乱し同士討ちさせるというものです。」

 

「……ん?」

「……へぇ」

「…どうかしました?」

 

「いや、随分と変わった戦い方だと思ってね。ところでーー」

「まぁまぁ、ええやんけ。それで?」

 

「……?…はい。まぁ何を言いたいかというと、ちょうどいい機会だという事ですね。」

 

「?なんのだい?」

 

「能力を見せるということです。どうせ直ぐにあなた達と共闘する事もあるでしょうし」

 

 

 

「……これはまた、…随分と分かりやすく調子に乗ってんなぁ」

「まぁまぁいいじゃないの。若い時の勢いってやつだと思っーー」

「その時に勝手に巻き込まれて自滅されては困りますから」

 

「「……………へぇ」」

 

 

「…………まぁ、別に構わないんだけど。そこまで言うならじっくりと見せて貰おうかな。」

 

「………そやな」

 

「では、いきます。『砕けろ、鏡花水月』…」

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

授業後、

「おい、ちょっと面かさんかい」

「……僕ですか?」

「他に誰がおんねん」

 

俺が指名した生徒。

メガネをかけた好青年に見える生徒だ。

なんでも優秀だったので出た飛び級の話を断り、今回の始解の件ででた飛び級をまた断ったそうだ。

なので席官や隊士には向上心が欠けていると言われていたりする。

 

……ほんま、どこが向上心に欠けてんねん。

 

俺と横のおっさんの事を教室の誰よりも観察しとったし、あからさまに挑発しとったやんけ。

それなのに声を掛けられてなんで俺なんだろうという反応をする図太さ、………なんや、ようわからんけどこいつは……なんか…あるな?

 

 

「始解はいつからできるんや?」

 

「……?教室でも言いましたよね?……最近ですよ」

 

「名前を教えてもろただけか?」

 

「……はい」

 

「ほんまか?」

 

「えぇ。そうですが?」

 

「…じゃあ、なんか技教えられたりはしたか?」

 

「…いえ、特には」

 

 

 

「そうか。

 

……ならさっきは聞くん止めたけど、今聞くわ」

 

「……はい?何をですか?」

 

 

 

 

「なんでわかるんや?」

 

 

 

 

 

 

 

「………?」

 

「すまんな。分かり易ぅ言うわ。

始解を最近覚えたゆう事は、

そんなに修練を積めてないやろうし実践なんて当然した事ないやろ?」

 

「勿論です」

 

「そんで能力は霧と水流を操る……合っとるな?」

 

「……はい。そうです」

 

「もう斬魄刀は使いこなせてるか?」

「いえ、そんなーー」

「でも、さっき周りにはこう説明してたやんけ。

 

『霧と水流の乱反射で相手を撹乱し同士討ちさせる』」

 

「…………」

 

 

 

「改めて聞くわ。

最近始解を覚えたばかりで、

実践経験がなく、

技を考えるほど修練を積んでもなく

斬魄刀に教えてもらってもないお前が、

 

………なんで一見霧と水流を操るだけの能力を、本質はそれにより乱反射を起こす事で相手を撹乱、同士討ちさせる事や、なんて分かるんや?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

「どうした?答えにくい質問か?」

 

 

「………ふふ。いえ、大丈夫です。

それは勿論鏡花水月に聞いたからですよ」

 

「……さっきと言っとる事変わっとるで?」

 

「技は教えてもらってません。

でも、方向性は教えてもらいました。

質問は以上ですか?

今日は予定があるので失礼したいのですが……」

 

「………そうか。

ならええんや。

呼びとめて悪かった。

ありがとうな。ほなさいなら」

 

「失礼します」

 

 

「……………」

 

 

 

 

……えらい、面の皮が厚いやんけ。

ピクリとも表情を変えんか…。

 

 

…斬魄刀の能力に嘘はないやろう。

ワザワザ俺ら2人の目の前にきて始解したくらいやし。

なら始解を覚えた時期か?

 

……いや、それなら今ばらす理由がない。

 

なら、実践経験がないってとこか?

 

…でも虚が出たなんて話は聞かん。

 

………いや、違うな。

あいつは一度も虚を同士討ちさせるなんて言ってへん。それどころか、敵とすらも言ってへん。

 

“相手を”同士討ちさせる。

 

確か……惣右介…やったか?

お前の言う相手が…いったいどういう存在の事をさして言うとんのかなんてしらん。

…けど、まぁええわ。

いったい何考えてるかも分からんけど、思い通りにはさせん。

そのための隊長でその為の護廷十三隊やからな。

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

……あ、あせった…。

 

もうやだなんなのあの2人??

たったあれだけの会話でそんな所に気付くか普通!?

口から適当な事を言ったけど誤魔化せてる気がしねぇ。

 

……あ、やばい胃がキリキリする。

 

これが…ストレスか?

やばい、夜一さんスゲェな。

俺は耐えれないわこれ。

今度猫一さんが来たらちょっと高いもの出してあげよう。

 

 

 

………いや、夜一さんの家で食べてるものの方が高価そうだな……。

 

 

しゃあない。

手作りのお菓子でも食べさせよう。

あと、胃薬…は持ってるだろうから他の良さそうなものを手紙付きで送るのもいいな。うん。取り敢えず頑張れ夜一さん!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




サブタイトル……合ってないですよね。
後で変えるかもです。
( ;´Д`)


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だって俺、ラスボスなんで《1》

長らくお待たせしました。
感想をいただいた方ありがとうございます!
私の都合に成りますが返信を控えさせていただいております。
しかし感想を読む事はとても楽しいのでこれからも続けていただけると幸いです。





書きたい事を書いた後悔はしていない。少し反省はしている気もしない事はない(確信
( ̄^ ̄)ゞ


 

ちょっと霊王宮に喧嘩売ってくるナウ。

 

 

 

何を言ってるかわからないと思うが、気にしないでほしい。

なんとなく言いたかったのだ。

 

さて、俺がそんな結論に至った理由をすぐに話すのもいいんだけどその前に確認して置きたい。

原作によれば藍染様(本物)は何処かで霊王にあった事が有るって知ってたかい?

まぁ明言した訳ではないけど

 

『あんな訳わからんやつに世界任せるとか何考えてるんじゃボケっ!!そんな不安定な世界を放置するくらいならいっそ根本から作り変えるわ!!』

 

という大体意訳すればこんな感じになる原作藍染様の主張から考えるに1度は面識があるはずなのだ。

 

そう思って俺、これでも色々な場所に行ったんだぜ?

 

しかし残念ながら確率は低いが必ず特定の洞窟にいるメタルなスライムさん顔負けのエンカウント率を誇る霊王には出会えなかった。

やつはメタルなスライムさんではない、メタルでキングなスライムさんな様だ。

特定の鍵を使えばわらわらいる所(霊王宮)に行ける所から考えても外れてはいないだろう。

え?霊王は一人?

あ〜〜……

 

…腕………

 

ん?あ、もういい?分かった?

 

良かったわ〜。

一応世界支えてるらしいからスプラッタな事はあんまり言いたくなかったんだよね。

まぁそんな訳で俺は心を癒してくれる存在、夜一さんを待った。

しかしあの猫そんな時に限ってなかなか来ない。

そういう訳で俺は刃禅をする事にした。

 

………おい誰だ通報したやつ。

…あ、違いますそんなんじゃないです。え?いやこの子は俺の…いや子供ではないですよ?いやだから違いますって。しいていうなら俺の半身というか物というか、一つの未来として俺に取り込まれたりする存在っていうか………いやいやだから違うんですってば。

 

 

そういう訳で俺は刃禅をする事にした。

………する事にしたのだっ!!!

 

◇◇◇

 

さて斬魄刀が子供だったという事もあり定期的にあそ……コミュニケーションを取っていたのだが、

今日も仲良く『おままごと』をしていた。

これは遊びではない。斬魄刀との意思疎通である。断じて遊びではない。

 

今日のお題は、

『卍解しようと刃禅する男とその斬魄刀』である。

 

いやまて、言いたい事は分かる。俺も聞いた時「いやそれ普通に俺やん」って思った。

 

でも残念。水月ちゃん(ふざけて略したら気にいってもらえた)は自分の卍解何て知らないらしい。

それを聞いた時の会話がこれである。

 

『水月ちゃんさあ』

『んゆ?』

『卍解教えてくれない?』

『………んゆ?』

『いや、だから卍解を…』

『…………………???』

 

 

すっこい戸惑った表情でしたね。(白目

 

その後説明をすると『一緒に頑張る!!』

と言ってくれた。

そうだね!!

2人で2人だけの卍解の形を見つけようね!!(意味深

 

 

まぁそんな感じで精神世界に入る為にする刃禅を刃禅して入った精神世界でするという訳がわからない状況な訳だが、此処で、世界が動いた。

 

 

ふと前を見ると良くわからんやつがいたのである。

……いや、まぁ霊王だ。

原作でも思ったけど本当によくわからないやつである。

しかし此処で問題が起こった。

 

《う、動けない……!?》

 

 

そう、今まで不自由なんて一つもなかったマイボディが悲鳴を上げたのだ。

そういえば霊王宮でそんな描写があった気もするが、まさか藍染様なマイボディがその状態になるなんて予想外である。まぁこの時点でかなりアレなのだが、この後さらなる問題が起こる。

 

『にゅ…』

 

水月である。当然な話だが、俺がこの状況なのだから水月も同じだ。そして不快そうな表情で周りを見渡し、霊王を見つけた所で水月はもう一度唸った。

 

『んゃっ!』

 

その瞬間、霊圧による圧力が消えた。

俺は心の中で『え、今の水月ちゃん?なに?公式チートの斬魄刀はやっぱりチートなの?』と驚愕していると、霊王は水月の方を向き、なんかナルトでネジが白眼使う時の効果音に《ギンッ!》みたいなのがつきそうな事をした。

するとどうだろう。

水月は『ンヤァッ!』と声を上げながら吹き飛ばされた。

 

 

 

………は?

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

さて、これで喧嘩を売りにいく理由は分かってもらえただろうか?

 

世界を支えている存在は幼女に手を出す(物理)クズ。そんな革命を起こされる直前の中世の国の貴族みたいな事をする奴を許せるか?NOだ。

 

 

奴がキングで素敵な彼らだと?例えにしても失礼過ぎたな。あんな奴のなにがキングだ。ナニがキング?

いいだろう原作よりスプラッタな感じにして敵軍に

『霊王の✖️✖️✖️(笑)』ってやつを足してやるよ。

 

 

 

 





いつもご愛読ありがとうございます!
感想、評価、間違いの指摘など、是非お願いします!!!
ヾ(@⌒ー⌒@)ノ


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