とある科学の人工能力 (ダモクレス)
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第三位

さて、今絶対数値が部屋でテレビを見ながらのんびりしていた所を、

「リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ」

(イラッ)

「リリリリリリリリリリリリリッリリリッーーーーーー絶対数値か?」

                               

「おうわッ!」

          

「? どうしたのかね。私からの電話がそんなに珍しいかね?」

 

受話器を取ってないのに相手が話し始めたら誰だって驚くだろ、と思いつつ絶対数値は相手の用件を聞く事にした。

 

「いや。で、何の用だ?」

 

「ああ、実は前、君がアイテムから奪還した荷物が奪われた。」

 

「おい、それはありえないだろ。アイテムに奪われないように場所はアイテムの幹部が追い付けない

所にしたし、レベル4のエリート部隊に預けたはずだ。別動隊がいたとしても奪われたりはしない

ずだろ。」

 

 

「エリート部隊、か。君のようなレベル5には雑魚にも等しいだろう?」

 

「なるほど、レベル5にやられたのか。じゃあ第二位か」

 

「いや、ちがう。第三位だ」

 

「ああ、なるほど 表の人間の第三位があの荷物を持つと他の暗部組織に知られた時、殺されかねない。だが公に他のレベル5と第三位が戦うの第三位が危ない。

なにしろレベル5ったって殺しもした事が無いやつだもんな。そこで序列が無い俺の出番

か。第三位とまともに戦えて公になる心配が少ない。」

 

「話が早くて助かるよ。成功したら報酬は前の倍、払われるそうだ。何か質問はあるかね?」

 

質問はあるか、と聞かれたので前々から気になっていた事を聞く事にした。

 

「・・・その、どうやって話てるんだ?」

 

「企業秘密だ。」

 

「カチャッ、ピーー、ピーー、ピーー、ピーー、ピーー、ピーー、ピーー、ピーー、」

 

(にしても、なんで第三位が荷物をとったんだ?裏の人間じゃないし、面白半分かァ?)

(第三位に負けるとは思はないが一応能力を調べてみるか)

 

文明の進歩とは、やはり素晴らしい物である。今やキーボードを叩くだけで簡単に第三位の能力が分かるのだから。絶対数値は今まで外を見たことは無いが、外にはコンピューターはあるのだろうか

 

「お、出た出た。」

 

(なになに・・・10億ボルトを操るレベル5、能力名は電撃使い、か。他にも磁力を使えるらし

いな。異名は超電磁砲・・・本当にレールガンを撃つのか。)

 

(これだったら俺の負けは無いな。磁力も電力も俺の能力で消せばいい)

 

第三位は今、同じレベル5が自分を倒す算段を考えているなんて、夢にも思っていないだろう。

これが情報戦の怖さだ。情報さえあれば敵を倒す方法を考えられるが、逆に自分の弱点を悟られか

ねない。自らの情報を知られただけで負けてしまうのだ。

もしかしたら、今アイテムは自分を殺す算段でも付けているかもしれない。

 

「ぶッ、ハーークッションッッ!!!」

 

「超どうしたんですか。くしゃみなんかしてると超また絶対数値に負けてしまいますよ。」

 

「、あァ・・早く絶対数値を殺す方法を考えねーとな」

 

絶対数値も、本当にアイテムが自分を殺す方法を考えていて、第四位がくしゃみをした事など

知る由もなかった。

 




これが初投稿です。やっぱ、難しいですね。もっとうまく書けるようにがんばります。


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奇襲

コポコポコポ・・・

アイテムに奪われて、自分が奪い返して、第三位にまた奪われた”とある荷物”を第三位からまた

奪還する事を命じられた絶対数値はコーヒーを入れていた。

とっとと第三位から荷物を奪還しろよ。と、ここに誰か居たらそう言っていただろう。

しかし今第三位は常盤台に居る。つまり今荷物を奪還しに行く事は、レベル4がうじゃうじゃしている常盤台の女子寮に特攻する事と同義。そして絶対数値は自殺志願者ではなく、自分の命を優先順位の第一位に入れている人間だった。

 

(そろそろ常盤台も放課後に入る頃か?・・・・・)

 

コポコポコポ・・・・

 

相変わらずコーヒーメーカーは、せっせと仕事をしている。

ところで、絶対数値がこの数秒後に来る奇襲で殺される事を防げたのは、彼が、殺しのプロだったからだろう。

 

ピシッ・・  と言う音がした瞬間に絶対数値の目が大きく開かれる。と、同時に足で地面を蹴る力

を能力によって何倍にもする。

 

バキッと凄まじい音がして、絹旗最愛が部屋の壁を突き破るのと絶対数値が猛スピードでそれを避けるのとは、絶対数値の方が速かった。

絶対数値が先ほどまで居た地面がいびつなクレーターと化していた。

 

「ひさしぶり、で合ってるよなァ。人の家の壁をぶっ壊してまで盛大な挨拶をありがとよ。

また負けに来たのかァ? さ・い・あ・い・ちゃァん?」

 

「超軽々しく名前を呼ばないでもらえますか?超気持ち悪いんで。あんまりウザいと超その顔面

を超愉快な形に超変形させてあげますよ?」

 

「残念ながら、まだ死にたくないんでね。あと、どォしてくれンだよォ。この愉快な

オブジェになっちまったコーヒーメーカァー。一応お気に入りだったンだぜエ?」

 

「それは、超残念でしたねエ。お代は超てめエの命でイイですかァ!!」

 

常人の動体視力を超えた速さと怪力が生み出す強烈な攻撃。当たれば死ぬだろう。

だが、絶対数値は常人でもなければ無能力者でもない。

 

「舐めてンのか?」

 

絶対数値によって、絹旗最愛の速度は強制的に0にされる。空中で止まっていまい、身動きの取れない絹旗最愛に待っていたのは絶対数値でその威力を何倍にもしたキックだった。

 

「ッ!! ガッ   く・・」

 

(こいつ・・・なんも策がねえのか?奇襲が失敗した時点でこいつの負けは決まってる。

てっきり逃げると思ったが・・・)

 

「くッ・・」

 

ダメージを食らっても尚、絹旗最愛は立ち上がった。ここから、絶対数値は二つの仮説を立てた。

 

(一つはコイツの目的が俺に勝つ事じゃねえって事、二つ目は・・・・・・・)

 

「戦闘中に考え事とは超余裕じゃ無いですか。」

 

「コイツが精神能力者に操られている。だな」

 

絶対数値が近くの柱に衝撃波を放つ。窒素装甲が驚いた顔をしているのが見えた。どうやら当たり

の様だ。

 

ガンッッと言う音と共に人が倒れた、倒れた人間は死んだ・・・心理定規の身代わりをして。

 

「あら、もうバレちゃった?まあでも能力は見れたし、もういいわ」

 

「人の家に死体と穴の空いた壁と大量の瓦礫を、プレゼントしてくれた事について何か言う事は?」

 

「えーーと、ごめんなさい?」

 

「弁償します、だろ。 ほら」

 

「・・・・・・・・・・・・何よ、その手は。」

 

「弁償だよ。弁償。俺はどこぞのウ二頭の様に暴食シスターを食わせてやる様な気前の良さは、持ち合わせていないもんでな。」

 

「今は手持ちが無いの。欲望が抑えられなくなったら呼んで、ホテルの場所と一緒にね。」

 

「おい。」

 

「ふふっ冗談よ、冗談。あと、今回はあなたの能力を見たかっただけ。あなたなら、怒らないでくれるわよね?」

 

「ぶん殴ってもいい?」

 

「あら、レディーの顔に傷を付けるっていうの?」

 

絶対数値は心の中で溜息をついた。こういうタイプはどうも苦手だ。

 

「分かった。面倒臭いから、帰ってくれ。----あと、窒素装甲はどうするんだ?」

 

「帰すわよ。能力を解いてね。」

 

その言葉を聞いて確信した。この女はまだ完全には、裏の人間に成りきれていない所がある。

人間的には良いのだろうが、裏の人間としては、ただの弱点だ。

 

「その性格は、直した方がいいぞ。じゃないと、いつか死ぬ。」

 

「もしかして、心配してくれてるのかしら?だったら、ありがとう。でも、自覚はあるわ。」

 

ーーー時間は、5時を回ろうかとしていた。いい加減、第三位も学校が終わった頃だろう。問題なのは、どうやったら荷物だけ持って帰れるか。

 

「じゃあな」

 

「ええ、じゃあね」

 

「あと、次は弁償代忘れんなよ。」

 

「だから、体で払うt「じゃあな。」

 

ーーーーガシャンッ と音がして、ドアが閉まった。寒い、と心理定規は思ったが、それは壁に空いた穴のせいだった。

 

「まったく、ちょっとは本気にしてくれても良いのに。」

 

誰にも聞こえないぐらいの声で、そう心理定規は言った。




・・・・・ヒロインは心理定規じゃないんですが、そんな感じになっちゃいました。そもそもヒロインが決まって無いので、心理定規もアリかな?


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常盤台

心理定規と別れた後、絶対数値は常盤台の前にいた。

第三位を探しそうにも探せないので、手がかりがありそうな常盤台に来たのだ

 

 

(レベル5ともなれば有名人だ。誰かどこにいるか知ってんだろ。)

 

「あの、」

 

「えっ・・えと・」

 

「僕は運営委員の者で御坂美琴さんにインタビューをしたいんだけど、どこに居るか知らない?」

 

 

「きゃ。」

 

「・・きゃ?」

 

「きゃああああああああああああ!! 男の人が! 男の人が居ます!!」

 

男の人?まさかそれだけで悲鳴をあげているのだろうか。女子校だからと言っても驚きすぎでは無いのか?

 

「男の人?」 「男の人ですって・・・」 「え?男ッ!?」 「ど、どうしましょうか」

 

「あの殿型・・うちの生徒に話しかけていますわ。」 「ま、まさかナンパと言われる物では」

 

「常盤台の眼前でナンパとは・・・」 「先生を呼んだ方がいいんじゃ・・」

 

「それより御坂様を・・・」 「いえ 御坂様はおられませんわ」

 

 

(・・・・・ヤバいな、これは。)

 

 

「そこの殿型!我が校の生徒に狼藉を働くとは、無礼にもほどがあるんではなくって?!」

 

(何で、悪いことした事になってんだ? 俺、)

 

これはどう絶対数値を悪くみても、絶対数値は悪いことはしていない。だが、真実も数の暴力に屈する事がある。それは、まさに今の様な状態の事だった。

 

  その時だった。  

 

体の中を少量の電気が走ったような感覚に襲われる。気が付けば、常盤台の生徒達の様子が、全員同時に様子がおかしくなっていた。まるで感情が無い目、それが全て絶対数値を見つめていた。

 

「こっちこっち」

 

向こうに居る金髪の長い髪の子が手をひらひらさせていた。どうやら驚いていない様子からあの金髪

の子がやっただろう。しかし、これほど広範囲で多数の人間にかけるとは、第5位か。

 

「早く来ないと、そこにいる子達を起こしちゃうんだゾ」

 

「・・・・・分かった」

 

なんか最近、精神能力者に屈してばかりな気がするが、気のせいだと思うことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、おまえはやっぱ、第5位か?」

 

「そうよぉ。しっかし、あなたも私の能力が効かないって事はレベル5かしらぁ?」

 

「・・・・・・・・」

 

「そうみたいねぇ。あ、さっきの子達の記憶はちゃんと改ざんしといたんだゾ」

 

今、絶対数値と心理掌握は図書室にいた。心理掌握がどうやっているのか知らないが、授業中にサボって話している。まったく不真面目な事だ。学校にすら行っていない絶対数値の言う事では無いが。

 

 

「どうやってサボってんだ?」

 

「私がクラスの子達の記憶を改竄したのよぉ。結局、私の改竄力でどうとでもなっちゃうのよねぇ」

 

 

「でもぉ」

 

   

 ピッ

 

 

「あなたには、効かないのよねぇ」

 

 

「なあ、痛いからリモコン連打はやめてくれないか?」

 

ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、

 

「ふうん、どうしようかしら」

 

ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、

 

「分かったよ。何をすりゃいい?」

 

「メアドを教えてくれたら、やめてあげるかもしれないわねぇ」

 

「ほら、これだ。」

 

「あと、今度一日私に付き合ってくれるなら、御坂さんが何してるかも教えてあげるんだゾ」

 

「おい・・・なんで俺の任務の事を知ってるんだ?」

 

「あなたに喋っていたあの男?私が通ってる研究所で面白そうな事言ってたから記憶を見たのよぉ。

でもぉ、本当に本人に会うとは思わなかったわぁ。」

 

「じゃあ、俺の事も全部知ってたって分けか。」

 

「いやねぇ。別に変な事を企んでるわけじゃないのよ?」

 

あの男に同情を覚えつつ、恐ろしい能力だと思った。もしレベル5をも操れたら間違いなく第一位だろう。どうやら、レベル5を操るのは無理のようだが。

 

「で?イイの?だめなの?」

 

「・・・本当に知ってんだな?」

 

「もっちろん。」

 

「しょうがねぇ、承諾してやるよ。だから教えろ」

 

「ふふ、御坂さんは、とある男子高校生に躍起なの。それで毎日毎勝負を挑んでるって話よぉ。」

 

一瞬、それを疑った。レベル5と戦える人間、それは限られてくる。同じレベル5か、あとは木原ぐらいか。同じレベル5だったら、暗部の線は無い。じゃあ、第七位ぐらいしか。

ーーーーーーいや、あんな、根性根性言ってるむさ苦しい奴を女子高校生が追っかけるなんて、ありえない。あってならない。

 

「その、とある男子高校生ってのは誰だ?」

 

「本当にただの高校生らしいわよぉ。でも本当かしらぁ」

 

これ以上聞いても無駄か。そう分かると絶対数値は立ち上がった。

 

「もう行くの?」

 

「ああ、」

 

「今度の日、楽しみにしてるんだゾ」

 

「ああ、」

 

今日だけでも大変だったのに、今度第五位に付き合うなんて面倒を抱えてしまった。

嗚呼、面倒臭い。いい加減家に帰りベッドで寝たい。だが悲しきかな。現実は厳しい。

一日の労働としては十分な働きをしたにも関わらず、ベッドで寝る事さえ叶わない。せめて、この苛立ちを全ての元凶である第三位にぶつけてやろう。

 

「じゃあな、」

 

絶対数値はまた任務の為、歩き出した。



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