この素晴らしい焔に祝福を!! (黒曜菫青香)
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ルークの習得スキル

混乱してきそうなので作りました
常時更新
習得した時期とそのスキルの説明を書いておきました


『アルバート流剣技』<初期習得>

ルークがオールドラントて使っていた剣技。

FOF変化技はFOFを利用するか少し多くの魔力を使うことで放つことができる。

 

『シグムント流剣技』

ルークの親友ガイ(ガイラルディア)が使っていた剣技。

正確にはアルバート流シグムント派。アルバート流の隙をつく型でスピードタイプ。FOF変化技有り

 

『槍術』

マルクト軍の大佐ジェイドが使っていた。

剣よりリーチが少し長く振りが速い。FOF変化技有り

 

『ランバルディア流弓術』

キムラスカ王女のナタリアが使っていた。

キムラスカに昔から伝わるもので戦闘向き。FOF変化技有り

 

『パペッタースキル』

導師守護役<フォンマスターガーディアン>のアニスが使っていた。

音素振動数に反応する人形を大きくしてその人形を操って攻撃する。普段は普通の人形。FOF変化技有り

 

『譜術』<初期習得>

こちらの世界で言う魔法と同じ。しかし干渉させるため素質のあるものしか使えない。ルークは一から七まで素質はあるので使うことはできるが威力は少し弱め。闇、土、風、水、火、光、回復の属性があり、FOF変化も有る

 

『ユリアの譜歌』<キャベツ時習得>

普通の譜歌とは違い、譜の意味と英知の地図を理解することで初めて術として成り立つ。威力は攻撃譜術に筆頭する。七つの譜を順に歌ったものを大譜歌という。

ナイトメア 眠らせる。威力は初級魔法程度

フォースフィールド 範囲内の攻撃を無効化する。込めた魔力によって高威力の攻撃を無効化出来るようになる

ホーリーソング 味方の能力を上昇、少量の体力を回復する

リザレクション 範囲内の味方を大幅に回復する。死者を生き返らせることは出来ない

ジャッジメント 無差別に17の光の束を落とす。当たるかは運が関係する

グランドクロス 光の十字架で攻撃する。

 

『ダアト式譜術』

ローレライ教団の導師が使うことのできる術。ルークにも素質自体はあったようで使うことはできる。

 

『コンタミネーション』<カズマ窃盗スキル習得時習得>

音素と元素の違いを利用して体の中に取り込む術。

 

『AD(アディショナル)スキル』<初期習得>

C(キャパシティ)コアによって成長を促したときに覚えるスキル。物攻・物防・術攻・術防・俊敏・運があり、スキル習得のポイント分は成長しているためすべて使える

 

『体術』

六神将烈風のシンクが使っていた戦闘方法。得物を使わず拳で戦い、素早さが取り柄。FOF変化技有り

 

『獣術』

六神将幼獣のアリエッタが使っていた、魔物と会話する能力。

 

『二挺拳銃』

六神将魔弾のリグレットが使う2つの銃を用いる。手数が多く全弾当たれば高威力。技が少ないためイリアやルドガーの技も使っていたという設定

 

『花鳥風月』

アクアからこっそり教えて貰ったスキル。何に使うのかわからない宴会芸スキル

 

『初級魔法』<カズマ初級魔法習得時習得>

初歩的な魔法で威力は期待できない。そのため普通のウィザードは中級魔法から覚える。意外に汎用性が高い。

火、水、土、風、氷が使え、順にティンダー、クリエイト・ウォーター、クリエイト・アース、ウインドブレス、フリーズである。

 

『潜伏』<カズマ盗賊スキル習得前に習得>

周囲から気配を断つ。体のどこかに触れていれば術者以外にも有効

 

『バインド』<潜伏と同様>

縄や縄状のものを使って対象を捕縛する。魔力を使っている為、込めた魔力が切れるまで簡単に解くことができないが、消費魔力が高い。また、他の魔法と合わせることで縄でないもので拘束することもできる。

 

『ブレード・オブ・ウインド』

中級魔法で手刀から小さい風の刃を出して相手を切り裂く。込めた魔力によって大きさが変わる

 

『アクアレイズ』

オリジナル中級魔法。高温の水を頭上から落とす。何かに当たると周囲に飛び散るため範囲にいるとあたる。冷たい水をかけると威力が弱まる

 

『フリーズガスト』

中級魔法で冷気を帯びた白い霧を発し、中に入った相手を氷漬けにする。

 

 

 



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この死んだ二人に異世界を!!

テイルズのを全く書ききれていないのに始めてしまいました。
これはノートに書いていないのでおかしなところがあるかも
暖かい目でお願いします


…………俺、消えるのか。もう限界だったんだな……もう少し世界を見てみたかった

 

『ルークよ。その願い、聞き入れた』

 

…………えっ?アッシュはここに残れないのか?

 

『いや、彼は送り返す。ルークを別の世界に送るのだ。あそこなら死んだ者でも受け入れてくれるだろう』

 

…………ちょっ、待てってローレライ

 

『そうと決まれば早速ルークでも譜術が使えるように……よしルーク行ってこい。我はルークの幸せを願っているぞ』

 

…………話を聞けよ!!ローレライのバカ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとー早く決めなさいよー。色々忙しいんですけど」

「じゃあ、あんた」

「わかりまし………って、えぇぇぇえええ!!」

こうしてこの俺、佐藤和真と女神アクアの異世界行きが決まったのだった。

 

 

 

ん?何で俺らが異世界に行くかって?

それはだな………あ、笑うなよ?絶対笑うなよ?

元々俺は日本で引きこもりだったんだよ。まぁニートって奴だな

で、たまたまゲームを買いに外に出て家に帰る途中、同じ学校の奴(知らないけどな)がトラックにひかれるかと思い、そいつを突き飛ばした。そして、ひかれたと思い視界はブラックアウト。死因はまさかのトラックにひかれたと思ったショック死だそう。しかもだ。トラックだと思ったあれはトラクターだったし。まさかのトラ違い………

死んだと思ったら天界(だっけか?)で目が覚めるし、異世界に誘われるし、女神に笑われるしで怒った俺(怒ったのは笑われた事だけだぞ。死んだのはまぁ、いいことしたしいっか)が持っていく『物』として女神を巻き込んで異世界で魔王退治に出発する事になったんだ。

 

 

 

 

まぁそんなこんなで異世界に到着!!

ここは………始まりの町アクセル

俺達は冒険者ギルドに入るため、ありそうな場所に行った。こういうのは大抵大きい建物にあるんだよ。そして晴れて冒険者となった俺。役職は最弱職の冒険者。運だけが取り柄だ。ギルドには『商業の方が……』何て言われたが、俺は魔王退治しないといけないんだ!!なんか自分で言ってて恥ずかしいんですけど。アクアはまぁ………女神だからか知能と運以外がたかく(それもそれでどうかと思うがな)、最高職のアークプリーストに一発でなり、もてはやされてた。なんかすっげー悔しいんだけど。

 

 

ただ、お金が足りない俺達はアルバイトを始めた。しかも宿なんて高価だからギルドが貸してくれる馬小屋で寝泊まり中だ。そしてそれなりにお金を集めた俺達は初めてのお使いならぬ、初めてのモンスター退治に行く日が来るだった。

 




次回予告

カズマ「ついにモンスター退治に行くのか。なんか心配だ」
アクア「なによぅカズマーやっとこれからって時に……しかもあたしの出番少ないんですけどー」
カズマ「そんなこと言ったら俺だって!!」
ルーク「言葉はあっても聞いてもらえない俺って……」
カズマ「えっと次回は!!ルークが登場だぜ」
アクア「あー勝手におわらせないでよー」


更新遅いですがよろしくお願いします
黒曜菫青香


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この聖なる焔の光に出会いを!!

どっかで矛盾が起きそうだし、ルークは最強に近くなるし、どうしようか
でも、転生者ってチート持ちか。
努力してるからいっか
ということでこのままいきます。
何処まで続くだろうか………



2016.10.14.
ジャイアント・トード討伐まで新たに地の文を追加しました。
知らない人が見ると訳がわからなかったようで……すみません
以後気を付けます。これからはまず付け足し更新をします。
感想をくれた方、ありがとうございます!!

2017.1.25.
追加・変更しました


討伐クエスト

《3日間で「ジャイアント・トード」5匹討伐せよ》

雲一つ無い、ピクニック日和の今日。

平和にのんびりと暮らしたい俺は今、全長3メートル程のカエルに追いかけられている。

「ああぁぁぁあ!助けてくれアクアー!!ハァハァ助けてkうおぅ」

「プークスクスチョーうけるんですけどーカズマったら顔真っ赤にして涙目でチョー必死なんですけどー」

「こいつはあとで埋めて帰ろう」

草むらの影からずっと歩き続けていたルークが登場

「あ、やっと人を見つけた。この辺、ほんとカエルばっかりで嫌になるな」

ジャイアント・トード。こいつらはたかがカエルと侮ってはいけない。繁殖の時期になると、産卵時の体力を蓄えるため、人里まで現れ、農家のヤギを丸のみにするらしい。実際、毎年このカエルの繁殖期には子供や農家の人が行方不明になるそうだ。ただ、金属を嫌うので、装備さえ整っていれば楽に倒せるため、冒険者には人気のモンスターだ。しかし、現在進行形で狙われているのは………お金がないせいでろくな装備を持って無いからなのさ!というか必要最低限のショートソードしか買えなかった。アクアは『女神が武器持つとかあり得ない!』と言い無装備である。

ちなみに、その肉は多少の固さはあるものの、タンパクがさっぱりとしていて、食材としては喜ばれるらしい。そしてカエルの唐揚げはアクセルの名物料理である。

「カズマー!!助けて欲しければまずこの私を『さん』付けするところから始めましょうかー!」

「アクア様ー!!」

 

「しょうがないわねー!助けてあげるわよひきニート!その代わり、明日からはアクシズ教会の女神の私、アクア様をあがめなさい!!」

「喋ってないで早く助け………ってあれ?」

半泣きになりながら逃げていたのだがカエルの追う音が無くなったのを変に思い後ろを向く。

だがもう俺に興味が無くなったのか違う方向を見ていた。

その視線の先にいるのは……

「町に帰ったら~アクシズ教会に入信して~」

「あんなに声を出したら狙われるって」

「一日三回のお祈りに~」

「よくティアから注意されたなぁ~」

パクッ

ふんぞり返りながら大声で俺に話しかけていたアクアだった。

食べているからなのかは知らないがカエルはうごきをとめている。

口からはみ出したアクアの足が何とも言えない状態だ。

「って喰われてんじゃねー!!」

ショートソードを抜くと、俺はカエルに向かって走り出す。

「まぁ、あの遠くのカエルも倒すか。あの二人があいつに喰われることも無いと思うけど……な」スタスタ

途中アクアの反対から聞こえた声がまた聞こえた気がした。

この世界に知り合いは少ないはずたがどこか聞き覚えのある声に違和感を覚えながら……

 

 

 

 

「ハァハァアクアを喰ってる間動けなくなってて助かったー」

「ううぅぅひっぐっ、がずまー!!ありがどぅありがどうね」

俺の前にはカエルの粘液でねちょねちょになったアクア。

その隣にはぐでっと伸びた息絶えたカエル。

「うーん……ローレライが譜術使えるって言ってたな。アッシュのなら確実だよな」

こちらのルークはカズマたちから少し離れたカエルのところへ歩きながら考え事のようだ。

ルークは元々譜術を使っていなかった。習わなかったからだ。そして仲間であるティアやジェイドと譜術の練習はしていたがレプリカである故に起きる隔離を防ぐため、譜術の使用を仲間から禁止されていた。そのためにルーク自身がなにを使えるのかわからないのだ。ただルークは被験者〈オリジナル〉であるアッシュから作られているため、アッシュの使う譜術は使えるのではと考えているのだ。

カズマたちのほうからまた声が聞こえてくる。

カズマはアクアに手を貸そうと前屈みになる。

「(うわっおまっ生臭っ!)そ、そのもう今日は帰ろう。これは俺達の手に負える相手じゃない………もっと装備を整えて、仲間を増やしてからにしよう」

今回、アクアのおかげで止まっていたからド素人の俺でもカエルを倒せたが、正面から勝負すれば間違いなく食べられて死ぬ。無理。これは

「私はもう汚されたわ。今の私をアクシズ教徒が見たら信仰心駄々下がりよ!」

「日頃、喜んでおっさん達とあせまみれになって?夕食と一緒に飲む酒を唯一の楽しみとしているお前が汚されたって……」

そう、この女神は誰が見ても信仰したくなくなるような振る舞いをいつもしている。

「なんか言った?カズマ。」

「いえ、何にも……」

「……こんなところで諦める訳にもいかないわ。ここでカエル相手に引き下がったと知れたら美しくも麗しいアクア様の名が廃るわ!!」

「(し、仕切り直したー)」

ただ、アクアからしたら仕切り直すほどショックだったようで……

「うおぉぉぉおお!!」

「あ、アクア!?ちょっと待て!」

止める声も聞かずに走り出してしまった

遠くで朱がちらつく

「神の力、思いしれ‼ゴッドブロー!!」

「おお!!」

俺は驚いた。なんか必殺技みたいで倒せそうだったから。

それが打撃の技であることに気づかずに

言われてはいたんだギルドから。俺がそれをうっかり忘れていただけで……

「あ、おい!それ打撃だから効かねーぞ!!……っしゃーねー」

ルークはアクアが向かったカエルへと走りだした。

今までカエルを避けていたが何度も観察していたのできづいたのだ

その間にもアクアはカエルに迫る

「ゴッドブローとは女神の怒りと哀しみをのせた必殺の拳。相手は死ぬ!!」

「くそっ間に合うか!?」

ボヨンと音を立てながらカエルは平然とアクアを見つめる。そんなアクアを助けようとルークは走る。

「……………かっ、カエルってよく見たら可愛いと思うの……」

カエルの口がアクアに迫る。あと一歩のところでルークが勝った。アクアをどちらが捕まえられるかだ。ルークの場合は助けるだが……

「アクアー!!」

カズマが叫ぶと同時にルークは空中で詠唱を始める。

「雷雲よ 我が刃となりて敵を貫け サンダーブレード!」

サンダーブレードとは風の上級譜術

雷の刃を地面に差し、回りに余波で攻撃する術である。

高威力なのに使い勝手が良く、多くの場面で使われる。

術が発動し、きれいに着地した。

そしてアクアをおろし、カエルを警戒する。

「………死んだか……おい大丈夫か?」

「えっと……助けて頂いてありがとうございます。」

「ございます。」

見ず知らずの人に助けてもらった。なんか恥ずかしい。

ただ……なんで困ったように笑うんだ!それをしたいのはこっちだ!!

「いいんだ…けど………その、ここ何処ですか?」

「…………は?(知らないってことか?俺達と同じ…かもしれない)それなら俺達、町に帰るので、一緒に来ませんか?」

「いいのか?俺、起きたら知らない場所で困ってたんだ」

「俺は佐藤和真です。カズマって呼んで下さい。で、こっちが」

「アークプリーストのアクアよ」

「俺は……ルーク、ルーク・フォン・ファブレだ。カズマ、普通に話してくれよ」

「わかった。ルーク…か。どっかで聞いたことがあるような気がしてなぁ」

「カズマー!!早く帰りましょうよ!」

「おう!」

アクアを助けてくれた朱色の青年はルークと名乗った。やっぱりどこかで見たような気がする。

「なぁカズマ。アークプリーストってなんだ?」

「え?えっと……プリーストの上級職で回復を特に得意とするんだ。」

簡単にアクアから教えてもらったことを言う。でも冒険者なら誰でも知っているんじゃ……

「回復か。治療士〈ヒーラー〉みたいなものか。」

「ん?ヒーラー?おいルーク。お前何処出身だ?」

何気ない質問が俺の記憶を呼び起こすこととなる。もう5年程前の記憶を

「キムラスカだけど……」

「世界をなんて呼ぶ?」

「オールドランドだろ」

 「………(まさかアビスのルークか?)預言〈スコア〉ってどう思う」

「んー起こる未来のひとつ…かな」

俺はこのルークの答えでおもいだしたのだった。

テイルズオブジアビスというゲームでお馴染みの主人公ひよこルークだ

ストーリーがひどかったことを覚えてる。たった7才にする仕打ちてはないとよく思ったものだ

「ルーク、異世界へようこそ!!」

「へ?」

「だーかーらーここはルークの知るオールドランドじゃないんだよ。」

「おいどういうことだローレライ。超振動で消してやろうか」

「ちょっと待てルーク。あいつはお前に生きて欲しかっただけじゃないのか?」

「それでも言えばいいじゃねーか」

「で、あの……できれば俺達のパーティーに入ってくださいお願いします!」

丁度良い機会だった。

アクアはダメ神だからまともな人が欲しかったし、ラスボスを倒すくらいだから俺達よりも凄く強い。これはチャンス以外の何物である。

それにルークを幸せにしたかった

頭を下げる価値がある。めんどくさがりやで人付き合いが苦手な俺がきちんと頭を下げるくらい!!

「えっと…」

「俺達この間ギルドに入ったけど全然ダメで……」

「いや、俺、ここわからないし一緒にいたいんだけど………いいのか?俺で」

「ああ!ありがとうルーク」

「こちらこそ」

「遅いわよー二人ともー」

「わかってるー!じゃ行くか」

ルークが仲間に加わった

そんな文字が見えた気がするが

「夜にでも冒険者登録に行こうか」

「え?誰の?」

「ルークだよ」

アクアはルークのことをあまり知らないが大賛成だった。

俺はアクアにもルークにしあわせを与えて欲しいと思う。

このダメ神なら言わなくてもやりそうだけど後で話しておくか

「俺もパーティーに入ることにしたんだ。よろしくなアクア」

「えぇよろしく!!」

「まずは着いたら風呂だな。アクアのそれを落とさないと」

「ならルークもはいるといいわ。そのあと、仲間募集の張り紙、書いておくわね」

 

本日の成果

《ジャイアント・トード2匹を討伐》

カエル×2=10000エリス

 

 

ギルドにて

風呂に入ったあと3人集まり、同じテーブルを囲んだ

これから反省会をかねた夕食だ。

本日のメニューは俺らがとってきたカエルの肉の唐揚げである。

「カエル一匹5000エリス……命懸けなのに土木作業とあんまり変わんない……トホホ」

「に・く!!キラキラ」

「ハムハム意外と美味しいわねちょっと固いけど歯応えがなかなか……」

「ハムハム」

おっと、食べてるだけじゃダメだ。しっかりしないとほんとに死活問題なんだよ!

「仲間募集かけたっていっても、ろくな装備もない駆け出しパーティーと組んでくれるやつがいると思うか?」

「このあたしがいるんあかあ(だから)○☆○☆」

「美味しいのはわかるが飲み込め!飲み込んでからしゃべれ」

水の入ったグラスをアクアに渡した。

その間もルークはずっと食べ続けている

「ハムハムゴクッハムハム」

「ゴクゴクプハー私は最上級職のアークプリーストよ?何処のパーティーも喉から手が出るほど欲しいに決まってるわ。わかったならカズマの唐揚げ、もうひとつ寄越しなさいよ」

「へぇー?って唐揚げ取るんじゃねー何でルークのは取らないんだ!」

「だってこんなに可愛く食べてたら取るに取れないじゃない!」

「ハムハム」

「まぁ確かに(こいつレプリカだから七歳なんだよな)所々が可愛いしな」

「ん?なんだよ。二人して俺をじっと見て」

やはり気配には敏感なのかすぐに見ていたことがばれた

「え?あぁルークはどんな職業になるかなって二人で予想してたんだ」

「ちょっとーなに言ってんのよー」コソッ

「しょうがないだろ?ルークに変な風に見られたくないし……」コソッ

「そうね。確かにルークにはそう見られたくないわ」コソッ

「俺は剣士系のやつになると思ったんだ(元々アルバート流剣士だったしな)」

「私は魔法使い系になると思うわ」

「ということで登録に行こうか!!」

「おぉ!」

「な、何でそんなに元気なんだ………」

 

というわけで、ギルドカウンターへとやって来た俺達

いつものようにあのお姉さんだった。

「はい。今日はどうされましたか?」

「こいつを冒険者ギルドに登録したいんですけど」

「はい。ではまず初めに登録手数料がかかります」

「え?金かかんのか?」

「俺らが払うから。先行投資って思ってもいいぜ」

「いや、でも……」

「お願いします」

さっさと払わなかったらルークが遠慮してしまいそうだった。

無理なりにでもこれだけは俺らがやらないと格好がつかない

「はい。確かに。ではギルドの説明を行います。冒険者には各職業というものがございます。そしてこの冒険者カードにはどれだけ討伐したか等が記録されます。レベルが上がるとスキルポイントが与えられますので頑張ってレベル上げをしてくださいね。それではこちらの水晶に手をかざして下さい」

「こう、ですか?」

「はい。これであなたのステータスが判りますのでその数値にあわせて職業を決めて頂きます」

「うわぁぁキラキラ」

ルークの世界にはこんなものがなかったからか素晴らしい笑顔で冒険者カードを見ていた

「はい。ありがとうございます。えっと…ルーク・フォン・ファブレさんですね。ええぇぇえ!!」

「ど、どうしたんですか?」

「幸運が少し低いのと、知力が平均なの以外はすべて平均を越えています!アクアさん程ではないですが、高ステータスですよ!これだと……ギリギリですが全ての最上級職になれますよ」

「何になるかしらね」

「全てからだと予想が…しずらい」

「魔法と剣術を使える職業ってありますか?」

「ありませんね……」

「なら冒険者で」

「え?ええぇぇえ!!」

「わかりました。それでは冒険者ギルドへようこそ!ルーク様。スタッフ一同今後の活躍を期待しております。」

「どんな職業にもなれるのに冒険者を選んだんですねー」

「最強の冒険者誕生だー」

「私、スキル教えに行こうかな」

「あ、私もー」

「キョウヤさんからルーク君に乗り替えようかしら」

「ルーク君にサービスだな」

 

 

ギルドの人達の興奮が少しずつ収まってきた

あとは馬小屋で寝るだけとなったこの時間……

「…………なぁカズマ。」

「なんだルーク」

「スキルってさ、普通まっさらだよな」

「あぁ」

「これ」

「た、多分向こうで習得してたからじゃないか?」

「そうだよな。これからよろしくなカズマ、アクア」

「もちろん」

「えぇ」

こうしてルークが冒険者となりカズマのパーティーへと加えられたのだった。




次回予告

めぐみん「我が名はめぐみん!!紅魔族随一の………」
アクア「はじめからルークにスキルがあるなんて……」
カズマ「まぁあっちの時のだろうな」
ルーク「ADスキル、アルバート流、シグムント流、パペッタースキル、コンタミネーション……」
アクア「剣術があるなら剣を買わなきゃね」
めぐみん「ちょっ、聞いてるんですか!?」
カズマ「次回はアークウィザードの女の子が登場!」
アクア「私はルークの活躍が見たいわ」


ゆっくりまったり書いていきます。
黒曜菫青香


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この聖なる焔に新たな出会いを!!

お気に入りが20人!ありがとうございます
本当に趣味に走っているはなしを見てくれているなんて!
頑張って書いていきますね


2017.1.27.
めぐみんがパーティー入りする前まで付け足ししました。


2017.5.5.
編集作業が終了しました


翌日

「じゃあ俺、装備整えてくるな!!」

この世界に送られ、何も持っていなかった俺はカズマ達の資金から装備を整えることになった。

基礎がしっかりしている俺はパーティーの主戦力になるため、すぐに買ってこいと言われた。

カズマは俺の旅をなぜか知っていて、ここなら隔離は大丈夫だと言われた。

この世界なら俺も普通の人と同じように楽しめるかも!

「おぅ!気を付けろよー」

 

ルークside

アクセルの町の商業区をのんびりと見回っていると武器を扱っている店についた。

「まずは剣を買うか。パーティー資金を出してくれたしな。」

「そこのあんちゃん、探し物かい?」

結構ガタイがよくて六神将の黒獅子ラルゴみたいで少し怖かった。

「はい。昨日ギルドに入ったばかりで剣を買いに来たんです。」

「そうか昨日騒ぎになってた子だな。剣、買ってくか?」

というか俺、有名になってたのか……

「はい!えーっと、柄が短いの短いの……あ、これ値段いくらですか?」

「これか……1200エリスだ」

「うぅぅどうしよう1000エリスしかないし……」

「200エリス位今回はまけてやるさ。期待の冒険者さんだからな」

「ありがとうございます!!」

話してみると意外にいい人だった。外見だけじゃわからないものなんだなぁ

 

 

剣を早々に買って、暇になってしまったルークはブラブラと町を歩いていた

「…………」

またまたガタイの言い人が今度は困り果てて立っていた

そんな人を見てしまった俺はすぐさま声をかけにいった

「どうしたんですか?」

「あぁ、アルバイトのやつらが減ったおかけで仕事が思うようにいかねぇんだ」

「この荷物を運ぶんですか?」

そこには普通の人が運ぶにはちょっと無理があるものだった。

いつもはガタイのいい人が二人で持っていくのだが……

「おぅそうよ。運搬係が休憩中でな……」

「俺が運びましょうか?このくらいなら一緒に持てそうですし」

この人は規格外だった。

それもそのはず、毎日重たい剣を振り回して魔物と戦い、毎日強行軍の旅だったルークの日々はそこら辺の人とは比べ物にならないくらいに発達していたのだ。

しかしながら、無駄のない肉のつき方なのでほっそりとした体型で強そうには見えなかった

「なら、お願いしようか。せーの!」

ガタイのいい男性とほっそりとした少年が持ち上げる

「おぉ!あんた意外に力持ちだったか。いやぁびっくりだ」

「そうですか?」

「冒険者のカズマって言ったか。あいつは本当にダメでな」

「アハハハ(俺は一応剣士だったしな)」

「あんたも冒険者か?」

「はい。すみません、いつまでもは手伝えなくて」

「いやいいさ。また顔をだしてくれ。今日のお礼な」

ルークは100エリスもらった

「ではまた!!」

 

 

カズマside

ルークが装備を整えに商業区にいっている頃、俺たちは手伝ってくれる冒険者を待っていた。

「ルーク君何処のパーティーかしら」

「こないだ出来たパーティーらしいよ」

「冒険者とアークプリーストの?」

「そうそう。初心者パーティー」

「良かったわ。アクセルって結構強い人達多いから」

「そうね。此処を気に入って出ていく人は少ないし」

おい。全部聞こえています。勘弁してください。

ところで……

「なぁアクア」

「なによ」

「こないな」

「そうね………ちゃんとどんな方でも大歓迎って書いたのに……」

どんな風に冒険者募集を書いたんだろうか……

とりあえず引きこもっているのは体に悪いから

「散歩しにいこうアクア」

 

 

ルークside

荷物を運び終えてギルドに戻ってきた。

「カズマー終わったぜーってあれ?いないのか」

いないことを確認した俺の目に、席でぐでっとしているローブ姿の女の子を見つけた。

やはりほっとけなかったので声をかけてみた

「……」

「ん?おい、大丈夫か?」

「は、はい。お腹が空いているだけなので気にしないでください」

「食べるか?」

「いえ、見知らぬ人にお金を出してもらうのは嫌なので……その、すみません」

俺は暇だったので彼女のとなりに腰掛けた。

「気にすんなよ。俺はルーク。少し話し相手になってくれないか?」

「いいですよ。私はめぐみんです。昨日、凄い能力値の人が冒険者になったそうですね。あのルークは…いつ冒険者になりましたか?」

「昨日の夜だ」

「あの騒ぎになってたやつですか?」

「そうとも言う……めぐみんはどうなんだ?」

「私は村の学校に行くときに」

「すごいな。俺より先輩なのか」

こうしてめぐみんと盛り上がっていたときだった

「ルークいるか!?」

アクアとカズマが帰ってきた

「あ、カズマだ。ごめんな、こっちから誘ったのに」

「いえ、私も楽しかったので気にしないで下さい」

「じゃあまたな」

「はい、また」

めぐみんはルークをじっと見送ったのだった

「おいカズマー何処いってたんだよー」

「わりわり。アクアと散歩に、な」

そして俺たちは違う机に座ったのであった

 

 

めぐみんside

「カズマ、ですか……確か上級職に限るというパーティー募集していた……」

「さ、昼にしてから話し合おう」

「そうね。それがいいわ」

「決めました。私はあのパーティーがいいです!絶対入って見せます!!」

 

 

昼食をとってから……

「これからどうしようか。アクアはともかく、俺とルークは戦力にならないぞ」

「いや、アクアの方がならないと思うけど……あれに打撃効かないし」

「「えっ?」」

「どう考えても無理だ。」

二人ともカエルに打撃が効かないのを忘れているみたいだ。

そして、アクアは知らないがルークは戦闘経験があるため、ここのレベルで判断してはいけない

「そっか。ルークは戦闘経験あるんだよな。俺は止まっていれば戦えるけど」

「そうよ!魔法よ!!二人とも冒険者なんだから教えてもらえば……」

「そのためにはスキルポイントが必要だろ?イコールレベル上げだ」

「でもレベル上げするにはモンスターを倒さないと、だぞ」

「堂々巡りかぁ……いい案だと思ったのにー」

やっぱりアクアは知力ステータスが低いようだ。

少しは考えてから発言しろ!

「なんか喉乾いた……シュワシュワ頼んでくるな。アクアとカズマもいるか?」

「じゃあ頼む」

「私もー!」

ルークが席を立ち、注文しにいく。すると向こうから誰かがやって来た

「トコトコあの、パーティー募集はこちらでしょうか」

「ん?そうだけど……」

ローブを右手で翻しつ名を名乗……

「我が名は……!」

……ろうとした。

「あ!めぐみん!!どうしたんだ?こんなところで」

シュワシュワを両手に持つルークに名乗りを遮られてしまう。

しかも意外にその姿が似合っているのが悔しい

「ル、ルーク!私の決め台詞を遮らないで下さい!」

やっぱりちゃんと名乗りたいですよね。どんな人でも……

「冷やかしなら帰ってもらえないか」

「ち、違うわい」

そして冷やかしと間違えられる……

「その紅い目と変な名前……紅魔族の子?」

「はい…って変な名前とは何ですか!!」

「ふーん。そうだ親の名前は?」

「母はゆいゆい父はひょいざぶろー!」

ドサッ

「どうした!?」

キュルルル

「あの……もう3日何も食べてないんです。」

「3日!?何でさっき言わなかったんだ!!」

「それは……あの募集のパーティーにルークがいるのを知らなくて」

「まぁまぁ……」

ハムハム

「そういえば紅魔族ってなんなんだ?」

「あれ?ルークは知らないんですか?」

「まあな」

ルーク(とカズマ)は異世界から来ているために知らなかった。

まあ、カズマはだいたいゲーム感覚でわかるので気にはしていなかったが……

「紅魔族とはですね、魔力と知力が高く高位な魔法を使うアークウィザードが多い種族です。他のひとは変な名前と言いますが私達からしたら他の人の方が変な名前ですよ。」

「カズマ。スキルカードは偽造できないから本当にアークウィザードよ」

「私は至上最強の魔法と言われる爆裂魔法をこよなく愛しているのです」

カズマはツッコミきれなくなったのかこう切り出した。

「早速カエル討伐に行こうか」

 




次回予告

カズマ「やっとパーティーらしいくなったな」
アクア「そうね……(ルーク可愛い)」
ルーク「アッシュと行動してないから何使えるか知らねーなぁ」
めぐみん「どうしたんですか?ずっと唸っていますが」
ルーク「うん?あぁ譜術の詠唱を思い出そうとしてたんだ」
カズマ「確か……サンダーブレード、アイシクルレイン、エクスプロードそれとロックブレイクだったか?」
アクア「サンダーブレードってやつはこの前してたわよね」
めぐみん「?なんの話でしょうか。とりあえず次回はカエル討伐ですね。私の力を見せるときがやって来ますよ……フッフッフッいきます!!エクスp」
カズマ「それは次回だー!」



アニメ二期までにあそこまで書きたいです。
黒曜菫青香


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この聖なる焔と爆焔を!!

ルークに何処まで技を使わせようか考えものです。
良く使う技がいいと思うけれど……

そして何よりルークを入れての掛け合い難しい……何てこった
まあ気にせず書いていきます。
どこかで変になったりしなきゃいいけど


2017.5.5.
編集終了しました


討伐クエスト

《3日間で「ジャイアント・トード」5匹討伐せよ》

クエスト達成率2/5

 

「爆裂魔法は最強魔法。その分、魔法を使うのに準備時間がかかります。準備が整うまであのカエルの足止めをお願いします」

「おぅ、わかった」

魔術師を守ることは俺にとって前提だったために直ぐに返事を返す。

「詠唱、長いんだな。秘奥義級の威力になるのか?怖いな」

最強魔法と聞くとルークはやはりジェイドの秘奥義を思いだし、詠唱が長かったなぁと思うようだ。

しかしこの世界はあそことは違うわけで、準備は時間がかかるが詠唱自体は技名だけということを知らない。

ドッシャン

「カズマ!あっちも!!」

「二匹同時かー……遠い方のカエルを魔法の標的にしてくれ。ルークはここで待機な」

「わかりました」

「わかった」

やはりニートだったカズマは指示がしっかりしている

ルークも安心してから俺に返答する。前の世界で得た知識とも合うし……と…

だが、それで終わらないのが俺らだ。

「近い方は……おい、いくぞアクア。お前一応は元なんたらなんだろ?たまには元なんたらの実力を見せてみろ」

「元って何!?現在進行形で女神よ、あたしは!!」

「「女神??」」

ルークは首をちょこんと倒し、頭の上に?を浮かべ、めぐみんも首をかしげている。

「おう。自称しているかわいそうな子だよ~たまにこういった事を口走るけど、そっとしておいてほしい」

「かわいそうに」

「???」

カズマの言葉でなにかを察したのか(実際はカズマの言葉の方が信用できたため)、哀れんだ目を向け、相変わらずルークは?を飛ばしている。

「うぅなによー打撃系が利きづらいカエルだけど今度こそ!!」

アクアは拗ねて、何か変な決意をしたようだ

それに気づくが、俺の手は空を切る

「あっ!!」

「助けられないからなー!」

「見てなさいカズマ!今日こそは女神の力を見せてやるわ!!震えながら眠るがいい!ゴッドレクイエム!!」

「どう見ても打撃なんだけど……」

「ルークに注意受けてたよなあいつ」

そしてルークにまで白い目でみられるアクア。

この知能は本当に何とかして欲しい!!

「ゴッドレクイエムとは女神の愛と悲しみの鎮魂歌!相手は死ぬ!!」

カエルに攻撃が当たる前にカエルの口がアクアへと迫る

パクッ

「ひぐっ」

「流石は女神。身を呈しての時間稼ぎか」

「当たってないから!それに喰われてるからー!!」

俺は落ち着いて言葉を溢し、ルークは焦っているようだ

まぁ、自分から攻撃を当たりに行くなんて普通は考えないけどな

アクアは当たりたくないタイプだろうし……

「ん?んぉ?!」

考えこんでいたら、めぐみんが魔法を撃てるようになったらしく、瞬間的に起こった魔力の圧によろけてしまった

ちなみにルークは慣れているのか平然とたっている。なんか悔しい!

「黒より黒く、闇より暗き漆黒に

わが真紅の混交に望み給もう

覚醒の時来たれり、無謬の境界に堕ちし理

むぎょうの歪みと成りて現出せよ!

踊れ、踊れ、踊れ、

我が力の奔流に望むは崩壊なり。

並ぶ者なき崩壊なり。

万象等しく灰燼に帰し、深淵より来たれ!

これが人類最大の威力の攻撃手段!!これこそが!究極の攻撃魔法!!

エクスロォォージョンッ!!!」

「長っ!ジェイドの秘奥義以上に長いよ!」

耕地の地面がクレーターのようにへこみ、まるで火山が噴火し、石(火山噴出物とも言う)が追突したようだった。

「すっげー……これが魔法か」

「え、エクスプロード?いやメテオスォーム?を練習したみたいになってる……」

結構ルークは冷静だな。俺も間近で初めて見たにしては冷静だ。

モコモコ ムクッ

「!?カズマ、後ろも!!」

「さっきの爆音のせいで目覚めたのか。めぐみん!!一旦離れて!………えっ?」

冷静な判断をしてめぐみんへと振り返ると……

「ぅっぷ我が奥義である爆裂魔法はその絶大な威力ゆえ、消費魔力もまた絶大……要約すると限界を超える魔力を使ったので、身動きひとつできません」

「へぇぇ~」

我ながら凶悪な顔つきだったと思う

一発しか撃てないなんて!なんとなく解ってたんだ、俺だって……

そんな上級職のアークウィザードが初心者パーティーに進んで入りたいなんて……

「近くからカエルがわきだしすとか予想外です。やばいです。喰われます。すいませんちょっと助けて……」

「……ぅお前らー喰われてんじゃねー!!」

「カズマ!アクアの方は任せろ」

「頼んだ!ぅぉぉおおりゃー!!」

結果は……まぁ予測できるよな。前回と同じだよ、ちきしょう

めぐみんを喰ってるカエルが動かなかったおかげで何とか最弱の俺でも倒せましたよ。

そして、もうだいぶ脚が見えなくなっているアクア(を食べているカエル)に……って!

ルークの周囲に譜陣が!?まさか、あの危機的状況で譜術の実験台にするつもりか?

「大地の咆哮 其は怒れる地竜の爪牙。あれ?これ、グランドダッシャー!?ロックブレイクってなんだっけ」

おい!集中力切らしていいのか!?ティアに言われてただろ。音素を感じ取って、精神を統一するって

ドシャドシャドシャ←グランドダッシャー

「ちゃんと術発動してるし……ふぅ終わった」

「なあなあカズマー、ロックブレイクって……」

「その前に帰ろうぜ。このままはかわいそうだしな(というか、上級譜術のそれが出来るなら知らなくてもいいんじゃないのか?)」

 

 

本日の成果

《ジャイアント・トード3匹を討伐》

合計5匹の討伐に成功

 依頼達成

 

 




次回予告

カズマ「共通のお金用意した方がいいか?」
アクア「いや、個人にしましょ」
めぐみん「そうですね、一緒にすると遠慮しそうですし……」
カズマ「ルークがそうだしな」
ルーク「うぅ否定できない……」
カズマ「ところで次回は?」
ダグネス「私だ」
アクア「もう一人仲間が増えるのね。楽しみだわ」



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このパーティーに仲間を!!

まだまだ戦闘シーンが来ない。ただ技を使わなくて良いのも事実。
ルークの象徴的な技って何ですかね。というか何をセットしようか
FOF変化のためにセットしたり、HIT数稼ぐためだったり……
私は通常、双牙斬→穿衝破→斬影烈昂刺コンボですかね


「うぅぅ生臭いよー」

「ほらよしよしもう大丈夫だからなー」ユサユサ

「……アクアは自分で歩けるだろうに」

漸くアクセルの町へと帰還した俺達

さすがにこの格好で町を歩くのは目立つよな。想像してくれ。

変な意味じゃないぞ?ここまでで疲れたんだよ。めぐみんも背負って歩いているし……

ルークがアクアを背負っているにも関わらず、平然と歩いているんだが……

やっぱり旅をしてただけ体力がおおいのか?

「カエルの中って生臭いけどいい感じに温いんですね」

めぐみん今そんなこと言うなよ……

「知りたくもない。そんな知識……爆裂魔法は緊急の時以外は禁止な。これからは他の魔法で頑張ってくれよ」

「使えません」

「は?」

「私は爆裂魔法しか使えないんです。他には魔法は一切使えません」

「まじか」

「マジです」

他の魔法使えないとか……これはフラグなのか?そうなのか?

「爆裂魔法が使えるレベルなら他の魔法も使えるでしょ?私なんか宴会芸スキルを習得してからアークプリーストの全魔法習得したし……」

「宴会芸スキルってなにに使うんだ?」

「なぁ宴会芸ってなんだ?」

アクアに対して素朴な疑問が生まれる。そんなスキル、どう使うのか……

そしてルーク!変なところで質問挟むな!

「私は爆裂魔法をこよなく愛するアークウィザード。爆発系統の魔法が好きなんじゃないんです。爆裂魔法だけが好きなのです!!バサッ」

「うぉ!アクアかかってないか?あと、宴会芸ってなに?」

「え、えぇ……」

ルークって意外にフェミニストだよな。だけど自然な感じで宴会芸について聞こうとするな!

アクアは今回は誉めてもいい。前半だけで答えを濁すなんて!!

「もちろん、他の魔法を覚えれば冒険は楽にできるでしょう。でもダメなのです!私は爆裂魔法しか愛せない!たとえ、一日一発が限度でも、魔法を使ったあとに倒れるとしても!それでも私は爆裂魔法しか愛せない!だって私は爆裂魔法を使うためだけにアークウィザードになったのですから!!」

「素晴らしい、素晴らしいわ!非効率ながらもロマンを追い求める姿に私は感動したわ!あっルーク。もう少しカズマに寄ってくれる?」

「こう…か?それより宴会芸ってなんだよ」

「(まーずい、この魔法使いは駄目な系だ。よりによってアクアが同調してるのがその証拠だ。)」

「なんか二人楽しそうだな(二人とも親指をたてて良くやったみたいな顔してるし)ニコニコ」

ルークはニコニコするなよ!俺は困った顔してるのに……

「(俺はこの二回の戦いでどうもこの女神がちっとも使えないんじゃないかと疑っている。はっきりいってこれ以上問題児は……)そっかぁ!多分井原の道だろうけど頑張れよー!ギルドに着いたら報酬は山分けで機会があったらまたどこかで会おう!」

俺の言葉を聞いためぐみんはすぐさま俺の首を絞めにかかる

「アクア、カズマとめぐみんがじゃれて飛びそうだから離れようか」

「ほんと、ルークは優しいわね。どっかの誰かとは大違い!」

そこ!!聞こえてるぞ

そしてじゃれてない。どこをどう見ても恐喝だ

「我が望みは爆裂魔法を撃つことのみ。なんなら無報酬でも良いと考えています。そう、アークウィザードの強力な力がいまならなんと食費と雑費だけで、これはもう長期契約を交わすしかないのではないだろうか?」

「いやいや!その強力な力は俺達のような駆け出し弱小パーティーには宝の持ち腐れだ」

ここよりもっといい職はあるだろうに……

「いえいえいえ、弱小でも駆け出しでも大丈夫です。私も上級職ですけどまだレベル6ですからぁ、ねぇ私の手を引き剥がそうとしないで欲しいです」

「いやいやいや!一日一発しか使えない魔法使いとかないわー(くっ、魔法使いの癖にこいつ意外な握力を…)おい離せお前他のパーティーから捨てられたくちだろ離せって!っていうか、ダンジョンなんか潜った日には爆裂魔法なんて狭いから使えないしいよいよ役立たずだろ!!」

「やっぱり離れて良かったな。アクアもこれ以上付くのは嫌だろうし」

「うぅルークありがとう」

「うん!ニコッよしよし」ユサユサ

「(ルークの笑顔は心臓に悪いわ。でも可愛い)」

こんなことしててもルークの笑顔は和むなぁ……(逃避中)

「どこのパーティーにも拾ってくれないのです!荷物持ちでもなんっでもします!お願いです私を捨てないで下さい!」

「あの男、小さい子を捨てようとしてるわ!」

「え?」

「隣には粘液まみれの女の子を背負っている男も連れてるわよ!」

「あんな小さい女の子をもてあそんで捨てるなんてとんだ屑ね!」

「見て!女の子は二人ともヌルヌルよ!一体どんなプレイをしたのよあの変態!」

叫び声を聞いた3人の女性に変態呼ばわりされたカズマ(ルークも)である。

「ち、違ーう!」

「キャー」

「ふっ。どんなプレイでも大丈夫ですからぁ!私もルークに助けて欲しかったですけど!!先程のカエルを使ったヌルヌルプレイはモゴッ」

「うわぁー!よーしわかったこれからもよろしくな!」

ただしルークはめぐみんの叫び声により、変態は回避されたのだった。

「なぁアクア宴会芸とプレイってなんなんだよ、ほんと」

「え、宴会芸は後で見せてあげるわ」

「プレイは?」

「知らなくていいのよルークは(そんな可愛い顔で聞かないでお願いだから!)」

ゆらゆらと体を揺らしながらアクアとのほほんとしていたのだった

ルーク……宴会芸のこと、まだ気になっていたんだな

あと、知らなくても良いことはいくらでもあるんだぞー

 

 

 

「クエストの完了を確認しました。お疲れ様でした」

「へぇ一気にレベル4まで上がってる。本当にモンスターを倒すだけで強くなるもんなんだー」

「初心者の冒険者程成長が早いですよ。では、ジャイアント・トードの買い取りとクエストの達成報酬を合わせまして11万エリスになります。ご確認下さいね」

メニューを開いて確認するのとは大違いだな。何回かめくって本当の事なのか何度も確かめてしまった。変な人なんて思われてないかな?

「カズマー!!風呂上がったぞ」

「おぅ!……はぁ11万……4人で割ったら2万7千エリス程度か。命を落としそうになって報酬は2万7千円…割に合わねー」

「そうだよな。カズマにしたらそうかもなー」

「他のクエストも職業限定とか○○に自信がある人とかばっかりだしな……はは…無理」

「もっと強くなればあれだけどな」

このアクセルの町ではこの町が恋しくて出ていかない人が多いらしく、始まりの町な筈なのにレベルの高い冒険者がゴロゴロといる町だ。

「はぁ日本が恋しい。募集て来たなかまがあれだし、この世界で生きていくのは甘くない」

「俺なんか初めは剣すらまともに振れなかったし、カズマはいい方だよ」

「そうだよな。いきなりで心の準備なんてできなかったんだよなルーク」

ルークと楽しく会話している俺達のもとに鎧をしっかりと着た女性が近づいて来た。

「募集の張り紙、見させてもらった。まだパーティーメンバーの募集はしているだろうか」

「あ、あぁえっと……」

「募集はしてるよ。ただ、俺はオススメしないけど……なカズマ。?おーいカーズーマー」

「わり(女騎士、それもとびきり美人の!歳上の美人ということで戸惑ってルークに台詞をとられちゃったぞ?!俺。しかも上ずった挙げ句どもるという失態!ルークはこんな美人に対してなにも思うところが無いのか?)」

「ないぞ。美人には見慣れてるしな。ティアとかナタリアとか」

「ルーク、俺の頭の中と会話するなよ」

「そうか、良かった。あなたのような者を私は待ち望んでいたのだ」

「え?!まさか……(スケベ大魔王的な人を?)」

 

スケベ大魔王とは紳士または、紳士と誤解された人物に与えられし称号である。

主に女湯において破廉恥な事件を引き起こした、または破廉恥な事件に巻き込まれて女性たちから変態であると誤解された人物に与えられる。

アビスでは女性恐怖症でフェミニストな伯爵、ガイ・セシルに送られる称号である。

ただし、ガイは濡れ衣からの自滅型なのでそれをイメージしている。

 

「ハアハア私の名はダグネス。く、クルセイダーを生業とする者だ。ハアハアぜひ私を、ぜひこのの私を!パパパパパーティーに!!」

「緊張してるのか?」

「違うだろー!」

なんかもう、トラブルばっかりだ……




次回予告

カズマ「どうする、ルーク」
ルーク「あまり……なぁレベル上がっただろ?スキルの方を考えないか?」
カズマ「そうだよな」
ルーク「俺はパペッターとかその辺の練習をしてみるよ」
ダグネス「あのどうしたのだ?二人で話し合って」
カズマ「よし急がないとな!次回は別行動でスキルを習得しよう」
クリス「盗賊のあたしの出番だね」


ルークルートに意外な人が登場です。
話的にはまだ先の人だけど……
まったり書いていきます
黒曜菫青香


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この焔に新たな力を!!

やっと更新が出来る~これ書くの大変だ
二期前までに終わらせるとか言ってた自分が馬鹿だった

とりあえずクリスとキョウヤさん出してみました。まだカズマは教えて貰って無いけど、次回のキャベツ編でバババッといきたいな
カズマのスティール下りは駆けつけたルークによって終わる予定です
と、後書きみたいになりましたがまずは今回のをどうぞ(*・∀・)つ


カエル討伐を終えた俺たちは風呂に入り、各自したいことをしていたのだが……

これはどういうことなのだろうか…またパーティーに入りたい人が来るなんて

「私はダクネス。クルセイダーを生業とするものだ。ぜひ私をパーティーに加えてもらえないだろうか」

「く、クルセイダー?」

「えっと………」

二人に言葉を返せない俺は言葉を濁すだけに終わった。ルークの場合は『それ何?』とキラキラした目で見られているが俺は何でも知っている訳じゃ無いんだぞ!

「さっきのドロドロの二人は貴方達の仲間だろう?一体何があったらあんな目に」

「ジャイアント・トードに捕食されて………」

「なっ!?想像以上だ」

なんだこの女騎士。また変な物持ちだったりするはずが…

「う、羨ましい……いいや違う!あんな少女達があんな目にあうなんて騎士として見過せない!!」

あった。それに目がヤバイ!やっぱり俺の危機感知センサーが反応している。こいつはアクアやめぐみんに通じる何かがあると……

「俺はオススメしないぞ?貴女だったら他のパーティでも重宝されるんじゃないのか?な、カズマ」

「そ、そうだな。というか、一人はなんの役に立つのかわからないし、もう一人は1日一発しか撃てない。そして俺とルークは最弱職。ほんと、ポンコツパーティーなんで他のところをオススメしまsいてててて」

ガシッと手をつかまれた。悪気はないんだろうけど痛いからせめて緩めてくれ!

「なら、なおさら都合がいい!実は少し言いずらかったのだが……力と耐久力には自信があるのだが不器用で、その……剣が全く当たらないのだ」

やはり俺のセンサーは正しかったらしい

「なのでガンガン前に出るので盾がわりこきつかってほしい」

グィっと前へでるダグネス。顔が近すぎるんだ!落ち着け~俺

「女性を盾変わりなんてできないんじゃないか?主にカズマが」

「あぁ」

落ち着かせている間にまた話を進めたのかルーク……それは俺の台詞なんだよ(泣)

「望むところだ!」

「そ、それこそ毎回モンスターに補食されて……」

「寧ろ望むところだ!!」

は?……あーあれだ。こいつは性能だけでなく中身まで駄目な系か。どう断るか

「とりあえず………ルーク。もう寝る時間だろ?先に帰って寝ていろ」

「うん。いつも同じ時間に寝てたからやっぱ眠くて……すみません、お話し中に」

「いや、いいのだ。夜に話しかけた私も悪いのだから気にせず席をはずしてくれて構わない」

ルークを帰し二人になった後、酔ったという口実を作るため、お酒を頼む。さすがに実年齢7歳の前で酒は飲めん(実を言うとルークは酒を飲んだ事があるが…あんななりでも公爵子息なので)

まぁ、ともかくカズマもダグネスから逃げてきたのだった。

 

 

 

次の日

 

sideルーク

皆、クエストで疲れたのか、俺が起きたときにはまだ寝ていた。馬小屋って所で寝ているんだけど、それはもう野宿よりは快適でいい気分だ。雨風は凌げるし、魔物は来ないしでぐっすりと眠れる。っと、こんな話をしてる場合じゃ無いよな。今日はゆっくりするってカズマは言ってたし、スキルの習得でもしようかと思うんだ。ということで出発だ!

 

街の中心部から少し離れた所に冒険者達が良く集う広場でやることにした。スキルがどんなものかも試したいしなまずはスキルの確認。

まずは『アルバート流剣技』<習得済>

これは俺がずっと使ってる剣技だからな。師匠から教えて貰って旅で自分の物にしたって事だろう。ただFOF関連の技が出せるのか気になるし、一度全部の技を後で出してみるか

『シグムント流剣技』

こっちはガイが使ってたやつだな。同じアルバート流から派生してるけど、アルバート流が大振りでパワータイプなのに対し、シグムント流は素早くアルバート流の隙をつくようなもの。技量が同じだとシグムント流のほうが強いらしいぞ。一応ガイから型は教えてもらったんだよ、これで生きる理由が出来ればなんて言ってたっけ……

『槍術』

ジェイドが使っていた槍を用いた技だな。槍はリーチが剣より少しだけ長くて、振りが速いのが特徴だ。コンタミネーションと合わせやすいってジェイドが言ってた!本当、スパルタだったよなぁ……術技覚えるまで寝かさないって薬を飲まされたし……

『ランバルディア流弓術』

ナタリアが使っていた弓を使う技だ。唯一通常攻撃でも遠距離攻撃が出来る。接近されても接近用の技もあるからなにかと便利なのかも?

『パペッタースキル』

人形を使って戦うやつだな。普段は普通の人形なんだけど使うときには大きくなるんだぜ!アニスはトクナガっていう人形を使ってた。でもこれは音素振動数に反応して大きくしているらしいから作らないといけないな。アニスは皆が教えてるのを知ると私も教える!って張り切ってたな

『譜術』<習得済>

フォンスロットで音素を感じて、譜を使って音素に干渉し術式を完成させると発動する……らしい。第一から第七まで種類があって、一から闇・土・風・水・火・光・新種の癒し。第七音素(セブンスフォニム)は素質がある人しか使えない。無い人が使うと暴走してしまうらしい。一応基本は解ってるから出来はするんだけどレプリカだったから使うなってジェイドに言われてて……ローレライが譜術を使えるようにしてくれたから出来るようになったんだよな

『ユリアの譜歌』

譜歌は歌って発動させるもので普通のは攻撃力はあまり無いのだけれど、ユリアのは特別で、譜術に匹敵する強さを持つんだ。でも、誰でも使える訳じゃ無くて、譜の意味と英知の地図を描くことができないと使えないんだって。大譜歌はメロディと歌詞を知っていれば発動出来るんだ。

『ダアト式譜術』

ダアトのトップである導師だけが使うことの出来る術だ。というのも素質があるやつしか使えなくて、どうやら俺にもあるらしい。ローレライと完全同位体だからかも。イオンは体力が無かったからあまり連発できなかったけど、本来なら連発も可能らしい、アカシックトーメントってすげぇのな。

『コンタミネーション』

音素と元素の違いを利用して体の中に取り込む術。何もないところから出したり閉まったり出来るけど、色々と危険がある。無理にやると精神が崩壊する恐れがあるんだよな。一度宝珠を取り出したけど見えないって不便だよな

『AD(アディショナル)スキル』<習得済>

C(キャパシティ)コアによって成長を促したときに覚えるスキル。譜術を使うようになったから全てのスキルを覚えることが出来るようになったみたいだ。元々、物攻・物防・術攻・術防・俊敏・運を最大値にしているからすんなりと覚えられたんだ。

『体術』

敵だった六神将烈風のシンクが使っていた戦闘方法。得物を使わず拳で戦う、素早さが取り柄だな。たぶんローレライがなんかしてスキルとして成り立っているんだろうな

『獣術』

これも敵だった六神将幼獣のアリエッタが使っていたやつ。アリエッタは獣と会話したり出来るんだ。彼女の母上がライガクイーンっていう誇り高い魔物で育てて貰ってたんだ。たくさん兄弟や友達がいて羨ましかったな。これもローレライがやったんだろう

『二挺拳銃』

六神将魔弾のリグレットが使う2つの銃を用いる方法。遠距離から攻撃が出来て、なおかつヒットが多い。威力はそこそこで手数で決めていくタイプだ。剣などもガード出来る優れものだな!

『花鳥風月』

アクアからこっそり教えて貰ったスキル。何に使うのか俺はさっぱりわからない。

これくらいだな。この世界のスキルも欲しいけど………

「あれ?もしかして今有名なルーク君?」

「有名……かどうかはわかりませんけど俺がルークです」

突然でびっくりしたけど、いいな、こういうの

「わぁ!こんなところで会えるなんて!!私はクリス。盗賊なんだ、よろしくね♪」

「はい!こちらこそ」

「ルーク君と友達になりたいなぁって思ってたところだったの」

「そうだったんですか?俺、まだまだで……」

そんないきなり友達なんて……俺なんかよりもっといい人が……

頭のどこかで『卑屈はんたーい!』なんて声が聞こえてちょっと元気出た。アニスありがとな

「ほら、敬語も要らないし、先輩の私にジャンジャン聞いてくれていいよ」

「えっと、じゃあ……スキルってどうやって覚えるんだ?」

「ルーク君は冒険者だよね。冒険者だから……他の人にスキルを教えて貰って、スキルポイントを使って習得。色々と覚えられるけど、ちょっとポイントが高いのが難点かな」

「どれが習得してるやつなんだ?」

冒険者カードを取り出してさっき見て、わからなかったことを聞いてみた

「この黒字が習得済でグレーが未習得。ってスキル一杯なんだね」

「昔教えて貰っていたんだ」

「でも職業スキルが無いね……よし!この私が友達記念にスキルを教えてあげるよ!」

ポンポンと話が続くなんて……いい人に巡り会えたんだな俺は

「うーん、教えるとしたら潜伏、敵感知、スティール、バインド辺りかな」

「スティールとバインドって?」

「スティールは相手の物をランダムで盗む技。バインドは拘束かな?」

敵感知なら気配でわかるし、盗むなんて俺はしないしな。そうすると…

「潜伏とバインドを教えて貰っていいかな?」

「うん!じゃあ行くよ」

1時間後

「実戦まですぐできちゃうなんて……やっぱり見込んだだけはあるねルーク君!」

「教え方がうまいからだよ。ありがとなクリス」

俺がお礼を言った時クリスが誰かを見つけたようだ。

「あ!ダグネスだ。じゃあねルーク君、今度一緒にクエストに行こう!」

「あぁ、もう少し強くなったらなー!」

クリスはダグネスの所へ走っていった

クエストの約束までしてルークはほくほくとしながら何を覚えようかなぁと考えていた。

でも、まずはアルバート流のおさらいだな!と剣を抜き、確認していた。

FOFを使う技も元の技よりTP(魔力)は多いけど、使えるんだな。FOFを出せば同じTPで使えるみたいだけど……

「すごいな。大振りなのに隙が全く無いなんて……」

突然の声に気づいたルークは構えを解きキョロキョロとする。

「すまない。邪魔をするつもりは無かったんだ」

「あ、いえ……俺、ルークって言います」

「僕は御剣(ミツルギ)響夜だ。キョウヤと呼んでくれ。それより、その剣はどこで覚えたんだい?」

「昔師匠に習ったんです。ほとんど我流ですけど……」

楽しかった思い出が蘇り自然と笑顔になる

「そうか……よければ今度手合わせしてもらえないかな。同じ剣同士の戦いはしたことが無くてね……どうだろう」

「あぁ!!勿論!です。」

「敬語は無くても構わないよ。今日はもうクエストに行かなくてはいけなくてね。すまないけど後日ということに……」

「大丈夫だ。俺はまだ駆け出しだから…こちらこそよろしくな」

「お互い頑張ろう、ルーク」

ルークは稽古仲間を手に入れた

ルークがここに馴染むのもすぐの事だろう

彼と別れたルークにまた声がかけられる。それは先ほど別れたクリスだった。ルークがダグネスの探しているカズマのパーティーだと知り、戻って来たのだ

「あ!ルーク君!まだここにいたんだね。ダグネスと知り合ってたなんて…」

「ルーク、昨日一緒にいたカズマはどこにいるだろうか」

「うーん、ギルドにいるんじゃないかな?起きてれば、だけど…」

「早速行ってみる」

彼らのパーティーにダグネスが加わるのもあと少し………

 

 

sideカズマ

「変な疲れで昼まで寝てしまったーふわーぅあ」

「よっ!花鳥風月♪どうもどうも」

アクアがギルドの食事場でパフォーマンスをしているようだ

「どうよカズマーこの新しく習得したスキル!水の女神の私にぴったりだと思わない?」

「ただの宴会芸じゃないか、この駄目神が」

言いたいことをさっさと言ってめぐみんの座るカウンターへと歩いていく。

「貯まったポイントでスキルを習得できるんだよな。変なスキルに使わず慎重に選ばないと……」

「まずは誰かにスキルの使い方を教えて貰うんです。そうすると項目が現れるのでポイントを使って選択するとスキルを習得出来るんですよ」

「っていうことはめぐみんに教えて貰えば俺でも爆裂魔法が使えるようになるのか」

「そうです、そうですよカズマー!爆裂魔法を覚えたいならいくらでも教えてあげましょう!このスキルの他に覚える価値のあるスキルがありますか、いえ!ありませんとも!一緒に爆裂道を歩みましょう!」

「ちょっと落ち着けロリッ娘!」

興奮するとグイグイくるめぐみんを椅子へと戻す

「今3ポイントしかないんだよ」

「この我がロリッ娘……」

「あーなんか無いかなぁスキルポイントが少なくてお得な感じの…」

「探したぞ!」

しまった。まさか探していたとは……

「昨日は酒を飲み過ぎたといってすぐに帰ってしまったが」

「お、お気遣い無く」

「では昨日の続きをしようか。この私をパーティに……」

「お断りします!!」

「即断!だと!!」

あれっ?この人喜んでる?き、危険だ!!

「駄目だよダグネス。そんなに迫っちゃさ」

こっちはまともそうだ………ってルーク!?なんで一緒にいるんだ!?

「クリスと友達になったんだよ。それでダグネスにカズマは何処だって聞かれて……」

「心の声に反応すんなって…」

「私はクリス。見ての通り盗賊だよ。この子とは友達。」

うん。普通にいる冒険者だな

「キミ、役に立つスキル探しているんだよね。盗賊系スキルなんてどうかな?習得にかかるポイントは少ないし、お得だよ~なにかと便利だしね」

「へぇ~」

「どうだい?今なら……そうだなぁ~シュワシュワ一杯でいいよ」

「安いな!よし、お願いします!すみません!!こっちの人にキンキンに冷えたの1つ~!!」

 

「プハァー!やっぱりシュワシュワは美味しいね!」

「カズマはクリスに教わるんだよな。クリス、なに教えるんだ?」

「そうだねぇ……敵感知、潜伏、カズマならスティールかな?バインドは必要無さそうだしね」

「そんなに教えてくれるのか!?いいのか?」

「うんうん!いいんだよ~」

よし!確約は取り付けられたな。しっかしどんなスキルなんだろうか……

「で、ルークは何してたんだ?」

朝、起きたらもういなかったし、ちゃんと寝床は片付いてて……ルークって朝起きるの苦手じゃなかったっけ?

「俺か?俺はスキルの確認をしてたんだよ。今までのがどこまで使えるのかなって」

「そうか、どうだったんだ?」

「仲間に教えて貰ったのはちゃんとスキルとして表示されてたよ。いつでも覚えられそう」

「FOFも使えるのか?」

そう!これ一番重要!ルークの戦闘の幅が広がるわけだしな。ぜひ聞いておきたい

「ああ、少しTPを使うけど……」

「TPじゃなくて魔力な。他のスキルを覚えてきたらどうだ?俺も教えて貰うし」

「そうだな!まずはコンタミネーション辺りを覚えておこうかな」

良かった。FOF技って威力高いのが多いからな。ルークにもスキル教えて貰おうかな?

というかルークはどこまで覚えるつもりだ?それにまずはって言った!最強冒険者の称号が付きそうに思うのは俺だけなのか!?

 




次回予告

アクア「ルークってやっぱりすごいわよね」
めぐみん「そうですね。ルークの所ではキャベツは飛ばないそうですがすぐ適応しましたし」
ダグネス「それに比べてなんだ。カズマは未だに叫んでいるぞ」
クリス「ルーク君はどこまで強くなるんだろうね♪楽しみだな」
カズマ「なんでキャベツが飛ぶんだよー!!おかしいだろぉ!」
ルーク「ほら、ミュウだってああ飛ぶんだからキャベツが飛んだっておかしくないだろ?」
カズマ「あれはソーサラーリングの力の第三音素(サードフォニム)だよぉぉ!」


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この聖なるキャベツにブタザルを!!

ようやく書き終わりました!今回は一話分。タイトルはあんまり関係ないです。ただあのキャベツが一瞬ミュウに見えてしまっただけで……うけを狙っただけです。調子にのりましたごめんなさい

なかなかのものにはなったと思いますが…見ていただけると嬉しいです



sideカズマ

「……と、まぁ盗賊スキルには潜伏、敵感知と色々あるけど……私がイチオシしているのはこれ!いくよ~よく見てて」

「ウッス!お願いしますクリスさん」

今俺は、盗賊のクリスさんにスキルを教えて貰っている。

先にも出たように潜伏、敵感知も教えて貰った。

そしてイチオシだと言うこのスキルは俺が使ったら良さそうだと特別に選択してくれたものだ

「スティール!」

クリスは拳を握り、言葉と共に握られた拳から光が溢れる。

俺は咄嗟に腕で顔を隠す。光は収まるが変わったら所はないように思う。

「はい、これが窃盗スキルだよ」

閉じられていた拳を開くとその手には……

「あ!俺の財布!」

「このスキルは相手の持ち物をランダムで奪うことが出来るんだ」

クリスさんは話ながら財布を俺の前に持ってくる。受けとるために手を出した。

しかし、財布が手の中に収まることはなかった。

「ねぇキミ!賭けをしようか」

「賭け?」

「そう、一等賞はこのマジックダカー」

クリスさんは自分の腰に着けているダカーを叩く。

「残念賞はこの石だ!」

「うわぁ~ずりぃ!」

クリスさんが手に持っている石は先ほど敵感知のスキルを教えて貰った時に使った物だ

ずりぃとか思ったけど待てよ?冒険者同士のこういうやり取りって憧れる!高い授業料だと思えば何て事無い!弱肉強食の世界だ、俺はこういうイベントを待っていたんだ!!

「クリスさん!やります!」

「よし!じゃあ、冒険者カードを出して?そこでスキルを選択すればこのスキルはキミのもの」

「え~と?潜伏1ポイント、敵感知1ポイント、窃盗1ポイント、花鳥風月…5ポイント……」

高!ただの宴会芸スキルなのに高すぎだろ!これは要らないな

とりあえず窃盗を選んで………

すると、俺から光が溢れスティールを習得したのだった。

「じゃあ行くぞ!スティール!!」

クリスさんと同じように手から光が溢れる

「と、とりあえず成功!中身は…どれどれ?」

俺の手の中には白い布が一枚入っていた。そのままではわからなかったために端と端を広げて持ってみた。この形は!!

「当たりも当たり、大当たりだ~!」

俺はそれをもってぐるぐると振り回したのである。

「きゃーパンツ返してー」 

クリスさんが叫んでいるがそんなのは関係ない!俺だって思春期なんだ。素直に喜びたい!

そんな俺を止めてくれたのは超スピードで走ってきたルークのキックだった。

 

 

sideルーク

とりあえずカズマやクリスと別れて広場に戻ってきたルークです。カズマに新しくスキルを覚えたらどうだと言われたのでコンタミネーションを覚えようと思います。冒険者カードてスキルを選んで……と、これで完璧だな。出したり閉まったりの速さを速くするために何度もしてたらマジックだと勘違いされたらしくなんか大変だった。そのあと俺がルークだと気づいたのかスキル教えるからもう一度!とか言われ、初級魔法や中級魔法、果てには上級もと言い出す始末でもう何を言ってるのかもうわからない状態だ。それに混じって「ターンアンデッドと浄化魔法もつけるわ!」というアクアの声が聞こえた気がする。なんでここにいるんだよ……

「わ、わかったから!俺はスキルに興味ないし教えなくていいからな!!」

「つ、ツンデレだわ!」

「遠慮するなよー」

もみくちゃにされながらも俺が路地裏へ入るとようやく皆が解散した

「私もギルドに帰ろうっと」

そう言ってアクアもギルドに向かっていったのだった

俺はカズマに合流しようとさがしていたのだが……

「きゃーパンツ返してー」

「ひーひゃっはー」

この声はクリスと……考えたくもないがカズマなのだろう……

…………とりあえず

その声が聞こえる路地まで走る。そして……

「うぉぉおお!崩襲きゃーく!!」

この時俺は涙目になっていたという(ダグネス情報)

 

 

 

sideカズマ

ギルドにて

「あ、カズマ」

「何処行ってたのよー私の華麗な芸も見ないで…ってどうしたのよその人」

アクアとめぐみんがギルドで出迎えてくれた。やっぱり持つべきものは仲間だよな

「あ、それは」

やっぱり気になるかどう説明したらいいのやら……

「うむ、彼女はカズマに盗賊スキルを教えた際、パンツを剥がれ更に有り金全てむしりとられて落ち込んでいるだけだ」

「ちょっ、あんた何口走ってんだ!」

ルークもいるんだぞ!途中から来てたから何があったのかわかってるかもしれないけどもう一度いう必要は!!

「財布返すだけじゃダメだって、じゃあいくらでも払うからパンツ返してって頼んだら自分のパンツの値段くらい自分で決めろって」

「おいまて!ほんとのことだけどルークが怖すぎるからちょっとまて!」

クリスさんの隣でよしよしと頭を撫でているルークの顔がなんかとんでもなく、下を向いているにも関わらず目がこっち向いてる気がして、俺と目があった(のだろう)瞬間にキランと光った(気がした)。隣でクリスさんが「てへっ」と言っているが冗談にならない……。周りのギルドにいる女性達よりルークの方が怖いってどういうことだ。そりゃ、この空気的に嫌ではあるけれど

「ところで、カズマはなんのスキルを習得したんですか?」

ナイスだめぐみん!ここで軌道修正すれば……

「まぁ、見てろよ?スティール!!…ぐはっ」

俺は意気揚々と窃盗スキルを発動させた。光が溢れた瞬間にルークだと思われる(が反応速度的に絶対ルークだと俺は思った)人から蹴られた。普通聞かれたら見せたいと思うだろ

「あ、成功した」

「ちっ、遅かったか。気を付けてたってーのに」

俺の手の中には何かが入っていた。運のステータスは本当に高いんだな、俺って……。ランダムで奪えるってクリスさんに言われたし変なものではないだろう。今回は。それにしてもルークが舌打ちしたよ。ルークの今の表情である『ぶすっ』とした顔はかわいいけど、俺の人生に危険を感じるんだが…………。と、とりあえず盗ったものを見てみる。あれ?

「なんだこれ」

それは布らしく、布の両端を持って伸ばしてみた。なんかさっきも見たような形なんだが……なあ、俺の運はどうなってんだよ。

「カズマ、レベルが上がって冒険者から変態にジョブチェンジしたんですか。あの、スースーするので早く返してください」

めぐみんの指摘に反論するしかない!

「あ、あれー?おかしいな。ランダムなはずなのに……」

「カズマ……」

ルークに名前を呼ばれただけなのに……怖い。ルークってこんなに低い声だった?

「は、はい」

気が動転している俺は反射的に返事をしていた。

「とりあえず、もう一発……殴っとく」

ルークはそういいながら俺を遠慮なく殴って吹っ飛ばしたのだった。

殴っとくと言いながらもうすでに殴られたあとなのだが……

俺は綺麗な弧を描いて床に激突した。吹っ飛ばされた時に手に持っていたそれはルークによりめぐみんへと返されている。ルークに皆で何か言っているようだが俺には聞こえない聞こえない。

そして俺は意識を失った。

 

 

 

sideルーク

「ルーク、ありがとうございます。その……」

「トイレにでも行ってこいよ?とりあえず杖は持ってやるから」

めぐみんから杖を受け取り、そのままトイレの位置を指差す。めぐみんは小走りで向かった。

「ほんとルークって格好いいわね。女性達には誰にでも優しいし」

「当たり前なんじゃねーのか?優しくするのって。そういうもんだと思ってたんだけど」

カズマは周り(特に女性冒険者)から冷たい目で見られていたが、俺にはキラキラとした目を向けられる。なんか反応に困るんだけど……

「こんな公衆の面前であんなことをするなんて、真の鬼畜が許さない!」

「ダグネス、落ち着きなよ。それにルークもやり過ぎ。パーティーの仲が悪くなったらどうすんの?」

「わ、悪くなるってあれか!?『失った信用は簡単には取り戻せない』って俺の言葉は後回しにされるやつか?」

俺の大声でカズマは起きたみたいだ。いててと言いながら起き上がる。

「そんなことしないよルーク。あいつらとは同じようにしないから。それに俺はルークの事信用してるんだぞ?一度信用したらし続けるものだし、失う事の方がほんとは難しいんだ。」

そうだ。カズマは俺の事情を全部知ってるんだったな。知ってて優しくして貰えるなんて思ってもなかった。そしてカズマに続き、アクアが言葉を繋げた。

「そうよ!私なんかルークの事、好きなくらいよ!ルークに信用を失うなんてありえないわ。ま、まさかあったんじゃないでしょうね。ねぇ、カズマさん!」

アクアはカズマに詰め寄り前後に揺らし続ける。その横でめぐみんが俺の手を取った。

「ルーク…私達がそんな薄情なことすると思ってるんですか。そんな人達私の爆裂魔法で微塵に砕いてやります!」

「それなら私が盾となり足止めしよう。なのでぜひパーティーに加えさせて欲しい!」

「いらない」

ダグネスが加入したいと言うとカズマは即断した。カズマにも思うところはあるんだろうけど、結局パーティーに加わるやつじゃないのかな。ダグネスは即断されて落ち込んでるかと思いきや何故か喜んでいた(ように俺には見える)。

「ルーク、この人が昨日言ってた面接に来たって人?」

「そう。俺はカズマにすぐ寝ろって言われたから良くは知らないんだけどな」

「これはやばいな……どう断るか」

まずいこと言ったかな……アクアやめぐみんにテーブルへと押しやられ話をすることになってしまったようだ

 

 

 

sideカズマ

よし、こうなったら……

「皆、聞いてくれ。俺達はまじで魔王を倒そうと思っている。そこでだ。女騎士なんてすぐに捕まって、あれやこれやをされてしまうかもしれない。」

「むしろのぞむところだ!」

は?なんか捕まって辺りで『のぞむところだ』と聞こえたのは気のせいじゃなかったのか?待って、どうしよう。とりあえずめぐみんの説得を……

「めぐみんも聞いてくれ、相手は魔王。世界で最強の存在に喧嘩を売ろうってんだよ?無理してこのパーティに残る必要も……」

「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法の使い手にして爆裂魔法を操りし者!我を差し置き最強を名乗る存在は我が最強魔法でうち飛ばして見せましょう!!」

あー駄目だ。痛い子二人がやる気に……

「ねーカズマ、なんかあたしが怖くなってきたんですけど…」

「お前が一番やる気出せ。一番の関係者だろうに」

「ところで、ルークは良いのですか?」

ん?ルーク?とりあえずパーティにって入って貰ったんだっけ

「俺か?俺は……」

「ルーク、無理しなくても、やりたいことをして良いんだぞ。」

俺はいいようにルークを使いたくなかった。人を殺すのなんて普通に怖いし、無理して大丈夫なんて言われた日には俺が泣き出すかもしれない。ここなら人と戦うことなんてないだろうし、ルークの事をわかってくれるクリスやギルドの皆がいる。

「俺はこの町、この世界のためにクエストを頑張ろうと思う。まだやりたいことは無いけど…」

「そうか」

「でも、カズマ達と一緒にクエストもやりたいんだ。だからよろしくな」

結局、ルークは魔王に対してはどうするか決まってはいないが、ルークがたまに入るということになった。やはりルーク一人でクエストをやりたいみたいだったので……

『緊急クエスト、緊急クエスト!冒険者の皆さんは直ちに正門に集まってください。繰り返します…………』

「こ、今度はなんだ!」

町に警報音が響き渡り町の人達は急いで家へと帰っていく。『子供を外へ出すな』だとか『今日だなんて聞いてない』だとか聞こえる。……え?聞いてない?毎年あるってことなのか?俺は正門へと向かいながら不穏な空気を感じていたのだった。

「なんだ、何が来るんだ!?」

「皆は私が守る。カズマ、ルークも私から離れないように」

「緊急クエストってなんだ?魔物の襲撃こなにかか?」

俺の気持ちを代弁したようにルークが聞く。でも、それにしてはルークは落ち着きすぎだ。まぁ、ルークはそんなこと普通にあったところで育ったんだもんな

「あ、言ってなかったわね。キャベツよ、キャベツ」

「はぁ?」

アクアが変なことを言っている。キャベツは畑で採れるものだろ?害をなせるものじゃ……

すると道のむこうにある山から何かが帯のように流れてきている。

キャベキャベキャベツー!

「なんじゃこりゃー!」

「なんかうざいな。あ、ブタザル元気にしてっかな……」

そこぉ!何故驚かない!!ルークのとこでもキャベツはとばねーだろ!只、現実逃避してるだけかも知れないけど!

「今年は荒れるぞ」

「嵐が来る」

『収穫だー!』

「マヨネーズ持ってこーい!」

もうなんでも良いよ……そういうもんだと割りきるさ

 

全員クエスト

町に飛来するキャベツを全て収穫せよ

 

とりあえずキャベツを採れば良いらしい。アクアの話によるとこの世界のキャベツは収穫の時期になると飛んで人里離れた秘境の地まで行き一生を終えるらしい。なら俺達が美味しいキャベツを採って食べてやろうというものみたいだ。まあ、畑から魚が採れるくらいだしなにが起きても不思議じゃないか。あ、そうそう。キャベツを食べると経験値も貰えるらしい。だから沢山の賞金が手に入るようだ。採れば経験値が貰えてお金もザクザク、食べても経験値が貰えるとか……

「みなさーん!今年もキャベツの収穫時期がやって来ました!今年は1玉のできがよく1つ一万エリスです。1つでも多く採り、ここに納めてください!」

俺、もう帰って寝てもいいかな………

「カズマちょうど良い機会だ。私のクルセイダーとしての実力、その目で確かめて欲しい」

ダグネスがすらりと剣を抜く。その姿はルークに近しいものがある。剣を持って敵に向かっていく姿は格好いい。只、相手はキャベツだけどな。ダグネスはキャベツに斬りかかる。鋭い切り裂く音が聞こえはするのだが、キャベツが落ちた様子はない

「え?」

剣が当たらないって本当だったんだ……不器用だとは知っていたけどここまでとは思ってもなかったぞ!

そのときキャベツに攻撃をくらって叫び声が次々と聞こえた。やはりクルセイダーだからかその声にすぐさま反応し、ダグネスは守るために飛び出した。剣がふっとんで突き刺さったが人をかばってキャベツの攻撃を耐え続ける。

「ダグネスー!」

「ここは私が……だから早く逃げ」

それからもキャベツのもう攻撃が続く

「あ!鎧が!」

「む、無理だ!あんただけでも逃げろ!」

「馬鹿を言うな!」

「おぉー」

男性人から声が漏れる

「ダグネス…おまえ……え"」

「倒れたものを見捨てるなど…出来るものか!」

「言ってることはまともなんだけどな」

俺もルークに同意だ。だけど、なんか嫌な予感が……

「騎士の鏡だ」

「早く逃げて騎士様ー!」

「見られている……男達が私の美しい肌を見て興奮している。なんという辱しめ、たまらん!辺りか?」

「よ、喜んでる!?というか的を得た発言そうで怖いよルーク」

ルークがこんなのりで冗談めいたことを言うなんてな……

他の人は守るために頑張ってると思ってるらしく、俺も頑張らないととか言ってるし……違うと叫びたい!

「我が必殺の爆裂魔法の前において何者も抗うこと叶わず」

ここにもややこしいやつがー!ここで撃ったら大変なことになるだろうが!

「あれほどの大群を前にして爆裂魔法を放つ衝動が抑えられようか……いや、無い!」

あるよー!守りに徹しないと……どうすれば……

「カズマ、ユリアの譜歌ならできると思う。ほら、第二譜歌のフォースフィールドだよ」

でも……

「何悩んでんだよ、元々覚えたいと思ってたし」

「わかった。爆裂魔法は威力が強すぎるから中心まで無効化出来るかはわからないけどやってみる価値はあるよな」

ルークは素早く冒険者カードを取り出しユリアの譜歌を覚えた。そしてめぐみんの詠唱とルークの詠唱が辺りに響く。力強い一本の剣のような声と周りを包み込んでいく柔らかでしかし強い意思を持つ声……

「光に覆われし漆黒よ。

夜を纏いし爆炎よ。

紅魔の名のもとに原初の崩壊を顕現す。

終焉の王国の地に、力の根源を隠匿せし者。

我が前に統べよ!エクスプロージョン!」

「クロア リュオ トゥエ ズェ リュオ レイ ネゥ リュオ ズェ」

エクスプロージョンの放たれる中心に魔法陣が出現し、そのすぐあとには地面に譜陣が少しずつ描かれていく。円を描くようにキラキラとした蝶(のようなもの)が舞い、めぐみんの魔法陣のお陰か少し赤みがかってルークの髪に似た色にも見える。そんな幻想的な空間が出来上がった。

皆が見とれていたそんな時間もすぐに終わり、めぐみんの魔法が放たれる。守るように広がった半球は人達だけをまもり、被害はダグネスだけだった。さすが人類最大の攻撃魔法というだけに耐えきれなかったらしい。ルークが結構TP(魔力)込めたのに……と悔しがっていたのは俺たちだけの秘密だ。

 

スペシャルボーナス

キャベツ大豊作

 

あのあともキャベツを皆で採り続けたがとりあえず先に進ませて欲しい。疲れた。

ギルドに戻って食事だ。取れたてキャベツをムシャムシャと食べているがなんか納得いかねー。なんでたかだかキャベツの野菜炒めがこんなにも美味しいんだ……俺はキャベツと闘うために異世界に来た訳じゃない…そりゃあ食べ物がうまいのは嬉しいし当分野菜に困らなくて良いけどさ……

「あなた、さすがクルセイダーね。あの鉄壁の護り、見事だったわ」

「いや、私などただ固いだけの女だ。誰かの壁になって守ることしか取り柄がない」

「アクアの花鳥風月も見事なものでした。冒険者の皆さんの士気を高めつつ、収穫したキャベツの鮮度を冷水で保つとは……」

「まぁねー、皆を癒すアークプリーストとしては当然よね」

それって、大事か?

「アークプリーストの水はとても清いのよ」

アクアにまでしゃべってないことを返されるし……へぇーって流したけどな

「めぐみんの魔法もすさまじかったぞ。キャベツの群れを一撃で吹き飛ばしていたではないか」

「紅魔の血の力、思い知りましたか」

「あぁ、あんな火力の直撃くらったことはない!」

やっぱり直撃だったのね。ちょっと離れていた二人には被害がなかったからどうしてかなって思ったんだけど……

「しかし、私の魔法の被害はダグネスだけでしたよね。他のかたは無傷だったみたいですが……」

「あぁ、私の足元に違う魔法陣が出ていたな。あれはきれいだった」

「ルークが無効化したんだよ。ダグネスまでは守れなかったみたいだけどな」

「あの一帯のキャベツは倒れてたみたいだけどどうして人には害がなかったの?」

ほらルーク、話してやれよという気持ちでルークの肩に手をポンとおく

「人を対象にしたからなんだ。どんな攻撃でも一定時間無効化できる魔法なんだけど…さ」

「すごいですよルーク!」

ワイワイと食事を楽しみながらルークを褒め称える。やはり誉められ慣れていないからかちょっと恥ずかしそうにしているけど、本当はルークって凄いんだから誉められても良いはずなんだ

「あ、カズマ。あなたもなかなかのものだったわよ」

「確かに、潜伏スキルで気配を消して背後からスティールで強襲する姿はまるで暗殺者の如しです」

「カズマ、私の名において華麗なるキャベツ泥棒の称号を授けてあげるわ」

「やかましいわ!あーもうどうしてこうなったー」

いらねーし!俺は頭を抱える。ルークは俺達パーティをみて優しい微笑みを見せていた。自然に出てる笑顔だ。このままそういう顔でずっといてくれよルーク

「皆にクルセイダーとしての実力を見て貰えて何よりだ。改めて、名はダグネス。一応両手剣を使っているが、戦力としては期待しないでくれ。何せ、不器用すぎて攻撃が当たらん…だが、壁になるのは大得意だ!」

「うちのパーティもなかなかの顔ぶれになってきたわね」

まあ、顔ぶれだけはな。上級職のアークプリースト、アークウィザード、クルセイダーだしな。誰かに羨ましがられそうだ。でも戦力としては冒険者のルークだろうな…俺も頑張らないと

ダグネスが捨て駒にしてもいいと言っていたが、絶対にするつもりがない。そんなことしたら世界のためにルークを犠牲にしたあいつらと同じになるしな。今日は色々あったがどれも楽しかったな

 

 

おまけ

めぐみんのエクスプロージョンのあとルークもキャベツがりを始めた。

コンタミネーションで剣をだしキャベツの群れに突っ込む。向かってくるキャベツを剣で返り討ちにし、近くにいる人のフォローをしながら動き回る。ときどき譜術で一掃し、ウィザードやアーチャーに向かったキャベツをバインドで地面に落とし、怪我をした人には回復術を唱え、ホーリーソングで士気を高めた。ルークがここまでこなせるとしらなかった町の冒険者たちは尊敬の目を向けている。しかし、そんなものを気にせずに突っ込みまくるルークは何処かの騎士様だったのではないかと翌日には噂されている。

「魔王絶炎皇!吹き飛びな、紅蓮襲脚!」

ルークは術義とFOFを上手く使いながら多くのキャベツを倒している。

アクセルの町でルークはミツルギと並び、一躍有名人となり、ファンが増えたようだった。

 

 




次回予告

アクア「魔王倒すべし、悪魔しばくべし」
ルーク「なんだそれ」
カズマ「ルーク、ああいうのには構っちゃいけない」
ダグネス「魔王の幹部にあんなことやこんなことをされるなんて…うー想像だけで武者震いが」
ベルディア「そ、そんなことはしない!」
ルーク「あんた誰だ?」
ベルディア「このパーティーの奴らはおかしすぎだー!」


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この焔にペットと友を!

本文ネタバレ注意
今回ルークがドラゴンを拾います。
名前はヴェジュライ
名前の由来はヴァジュラ
天空を支配し、雨と雷(ヴァジュラ)を操るインドラ神が有名。ヴァジュラは武器とされる。の雷が由来。
後々雷を使わせようと思っているので………


そして中級魔法を教えてもらいました。
ルークの習得スキルで解説していますがここでも簡単に解説します。
ブレード・オブ・ウインド
風魔法。手から風の刃を出す技
フリーズガスト
氷魔法。霧の中に閉じ込め凍らせる技
アクアレイズ
オリジナル水魔法。高温の水球を相手にぶつける技。物や相手に当たると飛び散る



ダグネスがドM変態から変な方向にいってます
お気をつけください


sideカズマ

「クリエイトウォーター!」

今俺は初級魔法を習得し、その一つである水の生成を行っていた。普通にあるコップをいっぱいに注ぐ。勿体無いから飲んじゃおう。ぷはー、旨いなぁ

「ま、初級魔法じゃあ、この程度だろう。スキルも覚えて、俺も冒険者らしくなってきたな」

するとダグネスが俺を見つけたのかこちらに寄ってくる

「カズマ、キャベツの報酬で壊れた鎧を直したのだが、ピカピカになった。どうだろうか」

「なんか、成金主義のボンボンが着けてる鎧みたい」

「私も素直に誉めて貰いたいときもあるのだが……カズマはどんなときでも容赦ないんだな」

俺は思ったことを素のまま口に出してるだけなんだけどな。しかし………

「今はそんなことしてる場合じゃないぞ。あっちにお前を越えそうな変態がいるんだからな」

「魔力溢れるこのマナタイト製の杖のこの色、艶………あぁ!」

くねくねしながら杖に頬擦りしている。本当に変態にしか見えない……俺のパーティーってなんでこんなんなんだろ

「なんですって!!どういうことよ!」

あーこっちも問題が起きたか。なんで面倒臭いことが次々と……

「それがアクア様の捕まえたのはほとんどがレタスでして……」

「なんでレタスが混じってんのよ!」

「確かにレタスの換金率は低いが………」

レタスが混じってるにしては取りすぎじゃないか?ほとんどってどのくらい取ったかはしらないけど

「よくわからんが………あ、こっち来る。やだなぁー」

ルークは今、どうしてるかなぁ。早く帰って来い、来て何とかしてくれ。ルークは他の冒険者に呼び出されていないんだよ。あ、よくあるいじめじゃ無いからな?

「カーズーマーさん!今回の報酬はおいくら万円?」

「100万ちょい」

そう、俺はこの前の突発クエストで小金持ちになりました。俺の捕まえたキャベツは経験値が豊富に詰まっていたものが多かったそうだ。だから普通のキャベツよりも高く買い取ってもらえた。これも幸運度の差というやつだな。

 

 

 

sideルーク

「あの!これ、受け取ってください!」

カズマと一緒にいたときに冒険者の男の人(鎧を着ているのでナイトみたいな前衛職)に呼び出され、一応ついてきたのだが、そこにはいろいろな人が集まっていた。アーチャー、ウィザード、ナイト、盗賊等(多分そんな感じだと思う)の数人ずつが集まっているのだが……これはなんなんだろう。いじめじゃない…よな?だって他の冒険者もいるギルドのなかだし

差し出されている袋の中身が音からしてお金だと推察し、それに思い当たって焦った。

「そんな!受け取れないです!」

「ルークさんがキャベツを撃ち落とさなかったら私達はキャベツをこんなには捕まえられなかったんです。だからルークさんの手柄を取ってしまった分の半分だけでも受け取ってください!」

それこそ運というものだから受け取れないとおもうのだが………

「なら、1/4だけでもいいので」

なかなかむこうは折れてくれないようだ。

しょうがなく受けとると皆ホッとして他の冒険者(仲間だと思う)のところに散っていった。

「ど、どのくらいあるんだ……?」

よくよく数えると40万くらいあった。1/4でこれだけなので、半分もらっていたらやばかったとぶるぶるしながら思うのだった。ちなみに俺の報酬は50万くらい

 

 

sideカズマ

「カズマ様~前から思ってたんだけど…そのぉ~……そこはかとなくいい感じよね」

「特に誉めることが思い付かないなら無理すんな」

なんかこの展開、アクアが何を望んでるのかわかった気がする

「カズマのいいところはいくらでもあるぞ?」

お!ルークが戻ってきた!そしてルークって優しいよな

「まず、俺がレプ「わー!」なのを知ってるのに優しいところだろ?それからオリ「わーわー!」のアッシュと比べないでいてくれるとこ。あとは俺が常識を知らないのに軽蔑しないで教えてくれるとこ。カズマ、どうしたんだ?」

「どうしたんだ?じゃ無いだろ!なんでそんなに後ろ向きなんだ。だいたいアッシュとルークは別人だし比べる必要なんかない。それと、今後は遮った2つを言わないこと。いいな!」

ビシッと指をさせばルークはしゅんとなって可愛かった。犬の耳としっぽが見えた気がする

せっかく明るく振る舞えるようになったり感情を抑えなくなったってのに………根本が治ってないか。長期間だとは思ってたけどここまでひどいとは思ってなかったな。アクアやめぐみん、ダグネスもティア達みたいなことは言わないとは思ってるんだが、こればっかりはルークの気持ち次第だし……オールドラントからこちらにこれるようになってしまったらすぐに連れ出されるよな今の戦力じゃ……こうなったら魔王とかよりもそっちの対策と戦力アップを進めるか。ルークは俺が守ってやる!

こんなことを誓っているうちにも話は進んでいて何故かアクアに泣き付かれていた。話を聞いてなかったのでちらりとルークを見る

「………」

「大金が入ると踏んで所持金を注ぎ込んで、10万近い借金があるんだって」

俺の視線に気づいてくれ、アクアの話を要点だけ言ってくれるのはありがたい。

「ルーク、さんきゅ。っていうか今回の報酬はそれぞれのものにって言いだしたのはお前だろ!」

「だって私だけ大儲けできると思ったんだもん!」

最低だな。最初のうちに貯めとかないといい防具が後々買えないんだよ馬鹿!

「お願いよ、お金貸してよ。ツケ払いでいいから!」

「うるさい駄目神、この金で馬小屋生活を脱出するんだよ!」

そしてルークの気持ちを落ち着かせるんだよ。やっぱり野宿に近い環境だからか無意識に気を張っているみたいだしな。雨風が凌げて快適だと口では言っているが

「そりゃカズマも男の子だし?夜中に隣でごそごそやってるのを知ってるから早くプライベートな空間を作りたいのはわかるけど……」

な、なんでその事知ってんだよ!あーもう!

「よーしわかった!買ってやるから黙ろうか!」

ルークの目の前でこんなことを多いよな……格好いいとこ見せたいのに!

「カズマ、仲間って良いわね!最高のパーティーだわ」

このやろう………ルークのパーティーよりはいいとおもうけどルークが俺たちのせいで人間不振になったらどうしてくれんだ!

 

 

翌日

「カズマがちゃんとした冒険者に見えるのです」

そう、俺はキャベツの報酬で装備を買ったのだ。

「ジャージのままじゃファンタジー感ぶち壊しだものね」

俺もそれは思った。だが、それは言ったらダメなやつだ

「「ファンタジー感?」」

ルークとダグネスの二人で首かしげて可愛いな。主にルークが…だけどな

「初級とはいえ魔法スキルを習得したからな。盾は持たずに魔法剣士みたいなスタイルにしてみた」

なんというか………服がリオンみたいだよな。みんなが知っているのかはわからないけど……。長袖シャツに黒っぽいズボンとブーツ、緑色のマントでいかにもRPGだ。それも良心的な。腹出しなんて男だと似合う人が限られてくる。やっぱりルークって何でも着こなせる人だよなぁ、どんな服でも似合ってしまいそうで怖い………

「言うことだけは一丁前よね」

「では討伐に行きましょう。それも雑魚モンスターがいっぱいいるやつです。新しく新丁した杖の威力を試すのです」

「いや、一撃が重くて気持ちいい凄く強いモンスターを!」

「いいえ、お金になるクエストをやりましょう。ツケを払ったから今日のご飯代もないの!」

すっげーばらばらだな。このパーティーなんとかなんないかなぁ。まとめるこっちの身にもなってくれよ

「まとまりがねー。じゃあルークはどうだ?」

「あの、言えてなかったんだけど……最近魔王軍の幹部らしきものが街の近くに住み着いたらしくて、弱いモンスターが隠れちゃったみたいでさ。仕事が激減してるってルナさん(ギルドカウンターにいる人)が言ってた…んだけど……」

…………………え?何それ聞いてない。普通こういうのって主人公補正がかかるんじゃないの?まあ、神器を持ってたら誰でも主人公になんてしてたらさすがに補正が追い付かないか。えーとこういう場合は………

「つまり、腕利きの冒険者や騎士が王都から派遣されるまではまともな仕事ができないってことか」

これは俺の金もいつ尽きるかわからないな

「まったく、幹部だかなんだかしらないけどもしアンデッドならみてなさいよ。こっちは生活がかかってるのよ」

「とりあえず自由行動にするか」

そうして………

ダグネスはしばらく実家に帰って筋トレをしてくるといっていた。

能無しのアクアは毎日アルバイトに励んでいる。

そして俺はめぐみんの魔法の訓練に付き合うことになった。一発撃つと倒れるのでおぶって帰る人が欲しかったみたいだ……しかも守衛さんにうるさいと怒られたようで街から離れたところで行わなければならない。そうして廃城を見つけそこに爆裂魔法を撃つこととなった

毎日の日課となったこの行動で俺はめぐみんの爆裂魔法の出来がわかるようになった。

そしてルークは…………何をしてるのだろうか

いつの間にかいなくなってたし(置き手紙は書いていきました。ただしフォニック語だったのでカズマが意味を理解するにはもう少し時間がかかりそうである)

ようやく解読したその紙には………

『アクセル街周辺の探索してくる。探さないでください』

おぉい!ちょっと買い物行ってくる的なのりで遠出するなよ!というか最後の家出じゃないんだから書くな!

数日かけて読んだ直後のカズマの叫びであった

 

 

sideルーク

自由行動となったので少し遠出をしてみようと思います!弱いモンスターは出てこないので本当に散歩のようだが、いつ敵が出てくるとも限らないので気配を探りながら…だ。

「この前のキャベツ狩りがあったのが良かったな。食料には困らなそうだし」

あ、カズマと共に初級魔法を習得したんだ。ついでにその人が俺のファンってやつだったみたいで中級魔法を教えてもらった。まだ習得してないから使えないけどな

えーっと、ブレード・オブ・ウインドっていう風の魔法とフリーズガストっていう氷の魔法。それからアクアレイズっていう水の魔法。

「しっかし、ほんとになにもいないや結構歩いてきたんだけど……」

適当に進んでいたのだがその方向はまさしく廃城がある方向でして………

「うわぁーでっけー!あれ目指そ!」

アンデットが犇めくデュラハンが住む城へと目指すのであった。

 

木のお陰?で周りが全く見えない状況の中、ルークは着々と城へと近づいていた。しかし、生まれて間もないモンスターの赤ちゃんを発見し、休憩をとることにした(ルークは強行軍ばかりだったのでゆっくり進む分にはどこまでも行けてしまったりする)。

「ぴーぴー」

「よしよし、これ何て言う名前なんだろ………あ、これ食べるか?」

アニス特製のシチューを作りながら(嫌いなものが大量に入っているくせにこれだけは食べれるようになった。多分アニスの腕がよかったからだろう)、赤ちゃんを甲斐甲斐しく世話をするルーク。すると何故かなつかれてしまったようで離れようとするとイヤイヤされる。ミュウにも凄くなつかれていたし……

「参ったなー……あ!スキルを覚えればいいのか!」

六神将幼獣のアリエッタが魔物の言葉を話していたことに気づいたのかすぐさまスキルを習得する。

『ボクはにぃちゃについてくの!ついてくのー!』

「俺は街に住んでるんだぞ?無理だって………」

『おとなしくしてるもん!』

「言っても聞かないやつか………問題起こしたら経験値の足しにするからな。っと俺はルークだ」

『うん!ルゥにぃちゃ!ボク、ヴェジュライでしゅ!』

ということで旅の仲間にドラゴンの赤ちゃんのヴェジュライ(長いのでライ)が加わった。大きさはミュウ位で四つ足の羽がついてるドラゴンである。そして俺の頭の上が気に入ったようでそこから離れない。活発じゃないのがせめてもの救いか……。ギルドに申請したら許可でるかなぁ

 

頭の上でぴーぴー鳴くドラゴンのライに癒されながら歩いていると鎧の男が現れた。しかも頭を手に持って……

「…………」

「………………」

「……こういうのをアンデッドって言うんだっけ?」

「そうだな」

「最近魔王軍の幹部が住み着いたってギルドで聞いた…な?」

「……そうだな」

あれ?なんかおかしい。何がおかしいって………っ!!

ぴょんとバックステップをし、鎧の男から素早く離れる。頭にミュウを乗せながら戦っていたこともあるお陰か落とさずにすんだけど

「魔王軍の幹部!!こ、こんなところで会っちまうなんて」

「その……なんだ。なにもするつもりは……」

そ、そうだよな。敵だったら会ってすぐ殺しにかかるだろうし。よし

「俺はルーク。最近アクセルに来て冒険者になった駆け出しだ」

「魔王軍の幹部だと知っていながら名前を名乗るやつは初めて見たぞ」

「戦う気も無い癖に……」

拗ねたように言うとそれはそれで驚かれたのだが

「俺はデュラハンのベルディアだ」

素直に名前を言われたのでむしろこっちが驚いたよ

アッシュももう少し素直だったら……いやいや、あれは俺が悪かったんだ。そうだ、そうに決まってる。俺にだけあんな態度だったんだから

「ベル…ディア……ベルディア…うん!覚えた!」

「ルークは面白いな。普通冒険者なら仲良くしようとなんて思わないぞ」

「そしたら赤ちゃんとはいえドラゴンを頭になんか乗せてないって」

ミュウやアリエッタのお陰かモンスターとも仲良くなれるということを知ったルーク。そう考えるのも無理なかった。まだ七歳だし

こうしてデュラハン……ベルディアとの遭遇を終えたのだった。そして案外仲良くなってしまうのも時間の問題かもしれない。

「ルーク、外にずっといるのもあれだし、俺の城で話でもしていかないか」

「あ、したい!それでな?ミュウっていう………」

 

デュラ…ベルディアの案内のもと廃城へと進んでいくうちに夜が明け、ついた頃には朝だった。ベルディアはテレポート的なもので移動できるのだが、ルークがいるために使えないのだ(アンデッドのみという設定、ただのテレポートは別)。しかも歩きである。まぁ、普通の人ならこんなに短時間ではつけない距離なのだが………

「ルークは駆け出しなのだろう?体力が有りすぎではないか?」

「そうかなぁ、俺よりも体力ある女の人知ってるぞ?」

ルークはアニスとかアリエッタ、リグレットのことを言っている。この人たちは軍人だったからという理由だし、ルークも本当は凄く体力があるのだが比較した人物が悪かったと言わざるおえないだろう。しかも駆け出しで比べる人ではない。

そんな話をしていると急に辺りに魔力が溜まり始めた

「な、なんだ!?」

「これは連日の………爆裂魔法か!」

「爆裂魔法!?まずい、譜歌の詠唱じゃ時間が足りない……っ!粋護陣!」

とっさの判断でコンタミネーションでしまってあった剣をとりだし、防御を行う。そのときに一人だけ防御体制に入ってしまったのは悔やまれるが………

結果的にその判断が賢明だったのはいうまでもない。ベルディアは魔王軍の幹部なので倒れるほどではなかったのだが、さすがに生身であるルークが防御せずに爆裂魔法をくらったら一溜りもないだろう。現にパーティー一番の防御力を誇るダグネスが直撃でかろうじて(なのか?)生き残ったのだから……直撃というのもどうかと思うのだが

粋護陣はすべての攻撃を75%軽減させる技であるが、FS(フォンスロット)チャンパーであるカーマインチャンパーのお陰で効果20%上昇、つまり95%も攻撃を軽減できるのだ。ありがたい

と、まぁ死なずに爆裂魔法を耐え抜きまた話に花をさかせるのであった

 

「あーそろそろお腹すいたな」

「もうそんな時間か……確かキッチンがあったはずたぞ」

「ちょっと借りるー」

食材は自前のものでルークお得意のエビチャーハンだ。パッと作れて美味しい皆にも好評の一品。

「お待たせー」

「随分早いな!」

ものの数分で作ってしまったルークにベルディアは疑問がわく。 まぁ、テイルズ人たちにそれを言っては駄目だろうが………だってフィールドのどこに敵がいるかもわからない状態で料理を作っているんだし、茹でる時間が必要そうなパスタとか一瞬で作ってしまう人たちだからね

 

「お腹いっぱいだーもう食えねー」

「ルークはこのまま帰るのか?」

「それでもいいんだけど……また話し相手になってくれるか?ベルディア」

「こちらこそだ。ルークといるのは凄く楽しい」

種族を越えた友情というか、ルークだからこその友情。それは昔のルークに無かったものであり自然と笑顔が溢れる。

「よければベルと呼んでくれないか。友達という繋がりを言葉にしたい」

「うん!じゃあ俺はルゥって呼んでくれ!」

「ではルゥ、また今度な」

「また来るから!」

とりあえずアクセルの街に帰るのであった。自由行動にはなったけどカズマたちに見捨てられたくなかったから

(俺は絶対見捨てないぞルーク。大事な仲間なんだからな!)byカズマ

 

数日後にまたベルの所に遊びに行き、爆裂魔法を防ぎながらも楽しく話したり、数日泊まってみたりと有意義な時間を過ごしたのである。

ちなみに、ドラゴンの赤ちゃんを街に持ち込む許可はとれたのだった。ルークが近くにいるという条件付きで

 

 

 

 

sideカズマ

季節がひとつふたつと進んでいったある日……

「私の存在意義を奪わないでよ~!私がいるんだからいいじゃない!うわぁぁん!」

前日の夜、アクアに俺が思っていることを話し、アクアの回復魔法を教えろと迫った。そしてこの状況である。

「カズマは結構えげつないですからね。遠慮なく本音をぶちまけると大抵の女性は泣きますよ」

「まあ、回復手はいくらいてもいいけどな」

どこかで拾って来たドラゴンと戯れながらルークは話す。見ていて微笑ましいな

「ルークも結構ひどいことを言うものだな……カズマもストレスがたまっているのなら代わりに私を罵ってくれてかまわないぞ」

実家から数日前に帰ってきたダグネスが喋っている間に泣き声が聞こえなくなったからアクアを見たらまたひどいよ~と泣き始めた。こいつ嘘泣きか!

「緊急、緊急!冒険者の皆さんは直ちに武装し、戦闘体勢で正門に集まってください!」

「ライ!寝床に戻っといてくれ!」

『にぃちゃ!頑張って』

寝床である馬小屋の篭の中(ルーク作)に帰っていった

 

 

 

雷雲が辺りを覆うなか、一筋の雷が落とされる。そこには馬に乗った鎧の男?がいた。

「ただ事じゃねぇ……」

「なになに?」

「おい、なんだ!めちゃくちゃ強そうだぞ!」

ルークはただ事じゃないとつく前に感じ取ったのか、何かの準備をするために別れ他の人は正門に集まったのだが、見るからに強そうなボスが……

「俺はつい先日、この近くの城に越してきた魔王軍の幹部のものだが………」

本当にボスかよ!む、無理だって!

「あれはデュラハンか」

「毎日毎日毎日毎日!お、俺の城に毎日かかさず爆裂魔法を撃ち込んでくる、頭のおかしい大馬鹿者は誰だぁぁぁ!」

馬(といっていいのかわからない)が鳴いたときちょうどよく雷が落ちる。

そして魔王の幹部はそれはもうお怒りだった

爆裂魔法というとこの街ではめぐみんしか使えないはずだ。しかも城って言ったか?……毎日撃っているあの城って魔王の幹部が住んでたのかよ!少し考えたら分かりそうなことだったのに、何で考えなかったんだ

「爆裂魔法って言ったら……」

他の冒険者も同じことを思ったようでめぐみんを見た。しかし、気まずくなったのか他の魔術師に目を向けた。すると冒険者もその魔術師に目を向けた。

「え?何で私を見るの?私、爆裂魔法なんか使えないよ……小さい弟たちもいるのに……」

なんか可愛そうになってきた………めぐみんはガクガクと震えているがふぅと息を吐くとデュラハンの前に歩いていった。

「お前が……お前が俺の城に毎日毎日爆裂魔法を撃ち込んでいき、友達までも怪我させようとする大馬鹿者か!俺が?魔王軍の幹部だと知っていて喧嘩を売っているのなら堂々と城に攻めてくるがいい!その気がないなら街で震えているがいい!

ねぇ、何でこんな陰湿な嫌がらせをするの?

どうせ雑魚しかいない街だと思って放置していれば調子にのって毎日ポンポンポンポン撃ち込みにきよって!頭おかしいんじゃないのか、貴様!」

デュラハンはこの量をノンブレスで言い切った。

「我が名はめぐみん!アークウィザードにして爆裂魔法を操りし者!」

「……めぐみんってなんだ。馬鹿にしてんのか」

「ち、違うわい!我は紅魔族の者にしてこの街随一の魔法使い。我が爆裂魔法を放ち続けたのは魔王軍幹部の貴方ををおびき寄せるための作戦………こうして一人でこの街にやって来たのが運の尽きです。」

大声で話しているデュラハンとめぐみん。その内容について気になることがあったのを口に出していた

「いつの間に作戦になったんだ?」

「しかもさらっとこの街随一の魔法使いとか言い張っているしな」

「しー!黙っておいてあげなさいよ。今日はまだ爆裂魔法を使ってないし、後ろに冒険者がたくさん控えてるから強気なのよ。今いいところなんだからこのまま見守るのよ」

おいアクア。お前の声響いてるから向こうに聞こえてると思うぞ

「ふん、まぁいい。」

デュラハンが自己完結したような言葉を発したときだった

「ちょっとすいません、通して……って、ベル?何でこんな所にいるんだ?」

ようやくルークが正門に到着したのだ。しかし、ベルって誰だよ

「なっ!ルゥ!どうしてここに!」

デュラハン、お前かよ!というかなんでベル?

「!?………ルーク知り合いか?」

「うん。魔王軍の幹部だけど俺の友達だよ。それにここに住んでるって言ったじゃんか!」

あー、ルークなら敵相手でも友達になれる気がする……

「…………おっ、俺は雑魚にちょっかいをかけに、この地にきたわけじゃないぞぉ!…しばらくはあの城に滞在するとことになるだろうが、これからは爆裂魔法を使うな。いいな」

変な声が出たデュラハンは話のと中で落ち着き、めぐみんに釘を指しながら(とルークにまだあそこにいるから訪ねてもいいみたいな意味をのせて言った)、帰るためにくるりと後ろへ向いて歩きだした

「無理です。紅魔族は日に一度爆裂魔法を撃たないと死ぬんです」

「お、おい。聞いたことないぞ、そんなこと!適当な嘘をつくなよ!」

即答しためぐみんに対し、あわてて振り返るデュラハン………なんだろうこれは

「どうあっても爆裂魔法を撃つのをやめる気はないと」

めぐみんがすぐさま頷く。それもどうかと思うぞ、俺は

「俺は魔に身を落としたが、元は騎士だ。弱者を刈り取る趣味はない。だが………」

「ふっ!余裕ぶっているのも今のうちです。先生ー!お願いします!」

後ろに振り向きながら叫んだめぐみんに対し、えっ?と俺たち冒険者の声が揃う

「しょうがないわね!魔王軍の幹部だかなんだか知らないけど、私がいるときに来るとは運が悪かったわね!あんたのせいでまともなクエストを受けられないの!さあ!覚悟はいいかしら!?」

アクアは杖を持ったまま走っていき止まる直前にくるくると回しかっこよく決めた

おまえかー!しかもややこしくなるからやめろよ馬鹿!しかもクエストの恨みかい!

「ほぉ?これはこれは……アークプリーストか。俺は仮にも魔王軍の幹部の一人。こんな街にいる低レベルのアークプリーストに浄化されるほど落ちぶれてはいない。そうだな……ここはひとつ紅魔の娘を苦しめるとしよう」

めぐみんは息を飲んだように驚いているようだ。

「私の祈りで浄化してやるわ」

デュラハンの手に黒い霧が現れる

「間に合わんよ………汝に死の宣告を……お前は一週間後に死ぬであろう」

「ぐぅぅっ!」

いつの間に飛び出していたのかダグネスとルークはめぐみんの前にいた。ルークのほうが速かったらしく、ダグネスよりもさらに前にいて死の宣告をくらっていたのだ

「ルーク!ダグネス!」

くそっ、やられた!死の宣告か!!RPGでボスがよく使うやばい魔法じゃないか!

出遅れていた俺は皆のところに走りよる

「ルーク、大丈夫か!しっかりしろ!」

ダグネスは膝をついてしまったルークを揺さぶる。

「ルーク!?」

「ダグネスは大丈夫なのか!?」

「あぁ、私はなんとも……しかしルークが」

「………変化は…無さそうだよ……」

随分と辛そうな声ではあるが今の状態はなんともないようだ

「る、ルゥ?!いやいや、違うだろう……ふぅ………仲間同士の結束が固い貴様ら冒険者にはこちらのほうが堪えそうだな。紅魔族の娘よ、ルゥは一週間後に死ぬ。お前の大切な仲間はそれまで死の恐怖に怯え、苦しむことになるのだ。そう、貴様のせいで!」

貴様のせいで!という言葉がやけに感情がこもっている気がするんだが………気のせいだろうか

「ぁ!」

「これより一週間、仲間の苦しむ様を見て、自らの行いを悔いるがいい。素直に俺の言うことを聞いておけば良かったのだ」

「いつ消えるかわからないよりは怯えは少ないと思うんだけどな……しかもこれなら俺として死ねるんだし」

「おい!空気読め!大爆発〈ビッグバン〉よりは…とか、考えんじゃねぇ!」

平然とした声色でルークが良い死に方だみたいなことを言うからつい怒鳴ってしまったじゃないか!ルークがアッシュ……?と小さい声で言ったのでしんとしていた雰囲気を壊しながら鮮血じゃねぇ!と被せてしまった……何をしてるんだろう俺は

「何てことだ……つまり貴様はルークに死の呪いをかけ、呪いを解いてほしくば俺の言うことを聞けと…つまりはそういうことなのか!」

「は?」

は?なに言ってんだ?ダグネスは……なんか理解したくないんだが…

「呪いくらいでルークが屈するとも思わないが……どうしようカズマ!見るが良い、あのデュラハンの兜の下の厭らしい目を!ルークに仲が良いと偽りの友情を持たせ城に連れ帰り、呪いを解いて欲しくば俺の言うことを聞けと、凄まじいハードコア変態プレイを要求する変質者の目だ!」

「え?」

まぁ、そうだろうな。そういう反応が普通だよ。あのルークとお前の反応からして本当にただのお友達なんだろうが……大衆の前で突然変質者呼ばわりなんてな。可哀想に………そして、ダグネスは何でそんなに興奮してんだよ当事者たちが覚めた目で見てるぞ

「い、偽りだったのか……なんで……」

「偶々、会ったというのにどうして偽りになる!」

「ルーク!ダグネスのいうことは絶対違うからな!」

あぁ、もう!偽りの友情はルークに禁句なんだよ!否定し続けないとな………

「普通はルークが行くのだろうが最期の一週間くらい自然に過ごしたいだろう!相手のことを友達だと思いこんでいる可愛い男の子を監禁したいほどの欲情を持つ騎士とか!抵抗らしい抵抗も出来ぬまま全てを無理矢理に…………。どうしよう、どうしようカズマ!予想外に燃えるシチュエーションだ!見てみたい!しかしそんなことルークにはさせたくない、ルークの代わりに私が行ってくりゅ!」

「ええっ!?」

「やめろ!行くな!デュラハンの人が困ってるだろ!

俺がダグネスを羽交い締めにして動きを封じると、明らかにデュラハンはホッとした様子を見せ、ルークはおろおろとしながらダグネスの言葉の意味を理解しようと頭を捻っている。敵を助けるような真似をして良かったのだろうか……いや、こちらにも損害が出そうだから良いことにしよう

ダグネスが三角座りで止められたことに落ち込み、アクアはのほほんとこの茶番を見ている。何て自由なんだ……もうちょっと緊張感と言うものをだな。

「と、とにかく!俺の城に爆裂魔法を使うのはやめろ!そして紅魔族の娘よ、ルゥの呪いを解いて欲しくば俺の城に来るがいい。俺のところまで来ることができたのならその呪いを解いてやろう。だが、お前たちに果たしてたどり着くことが出来るかな?」

はっはっはっ!と笑いながら広がった闇の中へと消えた

雷雲がはれ少しずつ日が見えてきているが俺たちの雰囲気は暗いままだった

その雰囲気のままめぐみんは歩き出す

「おい、どこへ行く気だ」

「ちょっと城まで行って、あのデュラハンに直接爆裂魔法を撃ち込んで、ルークの呪いを解かせてきます」

そういうと振り返って笑みをこぼす。しょうがないと思いながらも、俺も同罪かと思いながら口を開く

「俺も行くに決まってるだろうが。お前一人じゃ雑魚相手に魔法を使ってそれで終わっちまうだろ?そもそも俺も毎回一緒に行きながら幹部の城だって気づかなかったマヌケだしな」

「私も行こう。二人だけでは心配だからな」

いつの間にか立ち直っていたダグネスも行く気満々だった。

「じゃあ二人も一緒に行きましょう。あ、でも城にはアンデッドが沢山いるらしいです。となると、武器は効きにくいですね。私の魔法のほうが効果的なはずです。なので………こんなときこそ私を頼りにしてくださいね」

「よせ三人とも……俺なんかのために」

「おいルーク、呪いは何とかしてやるからな。だから安心して」

なんか凄く良いシーンが行われているのだが、それはアクアの掛け声によってぶち壊された

「セイクリッド~ブレイクスペル~!」

ずっと手にしていた杖の蕾がパンと開きそこからビームがひょろひょろ~と出てルークを包み込んだ

「っ!?」

小さな二人の天使が髑髏の形をした霧を上へと運んでいく

「「「え?」」」

「あれ?えっと……」

「この私にかかればデュラハンの呪い解除くらい楽勝よ!どうどう?私だってたまにはプリーストっぽいでしょ♪」

たまにはって自分で言うのが駄目なんだと思う………

そして後ろで無言を貫いていた冒険者達がうぉぉおお!!という雄叫びをあげながら俺たち……いやアクアに向かって走ってきた

囲まれたアクアは照れながら(?)それほどでも~ありますけど~と言いながら誉められていた

勝手に盛り上がっていた俺達のやる気を返せ……

あのくらい雰囲気まで楽しんでいたのではないかとアクアを疑ってしまう……とりあえずルークが無事だから良いか!

「ぃよっ!勝利の花鳥風月♪」

「イェーイ!」

ほんとここの冒険者達、アクアに飼い慣らされてんな……

 

緊急任務

緊急クエスト

《デュラハン撃退!》

クエストクリア!!

 




次回予告
カズマ「一件落着だな」
アクア「ルークもどう?一緒に花鳥風月やらない?」
ミツルギ「おい、佐藤和真!アクア様を渡し…」
カズマ「こっちは忙しいんだよ、しっしっ」
ルーク「覚えたいスキルもあるしさ。ごめんなアクア」
ダグネス「(ミツルギを押し退けながら)カズマ!クエストをやらないか!」
カズマ「そうだな、よしみんな行くぞ(ミツルギを相手にせず立ち去る)」
ミツルギ「さ、佐藤和真?…………チッキショー」


書くの大変だった……
ルークはどこへ進んでいるのだろうか……書いてる自分が聞きたい
黒曜菫青香


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