フランケンシュタインの幻想入り (ピークA)
しおりを挟む

1話

フランケンシュタインはフランケンシュタインでもfateのフランちゃんです

ノリと勢いだけでやった

後悔と反省しかない



彼女は炎の中にいた。

 

彼女にとって慕うべき人間が、創造主が死んだのだ。

 

彼女の行動の結果死んでしまったのだ。

 

だから彼女は薪の山を積み上げ、業火で自身を焼き尽くした。

 

彼女は自身の身体が焼失していくのを感じた。

 

そして数時間後、彼女の身体は完全に焼失した。

 

 

 

数百年後 幻想郷 無縁塚

 

ネズミの耳と尾がある少女、ナズーリンは無縁塚を歩いていた。

 

理由は彼女の上司、寅丸星がまた宝塔を無くしたからだ。

 

「はぁ、まったくご主人は。毘沙門天様から貰った大切な物をどうして何度も無くすんだろうね・・・」

 

まあご主人の無くし癖は今に始まったことではないが、いい加減なんとかしてもらいたいものだ、とナズーリンは思う。

 

そんな彼女の後ろから声をかける者がいた。

 

「おや、ナズーリンじゃないか」

 

聞き覚えのある声だった。

 

彼女はそちらを振り返った。

 

「なんだ、店主じゃないか。店をあけてもいいのかい」

 

そこにいたのは背が高めの白髪の青年だった。名前は森近霖之。幻想郷で香霖堂という店を営む男だった。

 

「ああ、誰も来ないだろうからね」

 

「それは店としてどうなんだ?」

 

彼女は呆れながら言った。

 

「大体、なんで君がここにいるんだい。いくら店に客が来ないといっても、君は店主なんだし店にいるべきだ。それに無縁塚はとても危険な場所なんだ。君のような戦闘ができない者が近づくのはよしたほうがいい。」

 

「それはその通りなんだが、無縁塚が最も外界の物を手に入れ易いんだ。」

 

「それはそうかもしれないが・・・」

 

幻想郷は二種類の結界に守られている。一つは「幻と実体の境界」これは結界内部を幻、結界外部を実体に分け、結界の外側で忘れられた物や生き物が結界の内側に流れこむようになるという結界になっている。

 

そしてもう一つ「博麗大結界」これは「思いを通さない壁」として機能し、同時に「思い」の強さに影響されやすい結界である。強力な結界であるのだが、時折結界の外側から外部の物や人などが流れ来んだりする。この現象を「幻想入り」などと呼んでいる。

 

そしてこの無縁塚はその結界がとても不安定で幻想入りした物や人が集まり易いのだ。さらに冥界に繋がり易いかなり危険な場所なのだ。

 

ふと、霖之助が別の場所に目を向けた

 

「どうやら、ここにいるのは僕達だけではないらしい」

 

彼は珍しい物を見つけたかのように言った。

 

ナズーリンもそちらに目を向けた。

 

「おや、本当だ」

 

彼女も驚いていた。

 

「あら、二人してこちらを見て・・・何のようかしら?」

 

そこにいたのは金髪で知的な雰囲気を漂わせる少女、アリス・マーガトロイドだった。

 

「いや、別にようがあるわけじゃないさ。ただ君がここにいるのが珍しいと思ってね」

 

霖之助は笑いながら言った。

 

「別に・・・ただ魔術の触媒を探していたのよ」

 

「君の魔術の触媒・・・というと人形かな?」

 

「違うわよ」

 

はぁ、とアリスはため息をついた。

 

「ごめんごめん、軽い冗談だよ」

 

ははは、と笑いながら彼は言った。

 

「ところで、何故貴方達がここにいるのかしら?」

 

アリスが聞いた

 

「僕は店の新商品を入荷するために」

 

「私はご主人の宝塔を探しに」

 

「なるほど」

 

アリスは納得したらしい。

 

そしてナズーリンの方を向き、

 

「貴女も大変ね・・・」

 

と、憐れみの目を向けた。

 

「やめてくれ。というか同情するならご主人が宝塔を無くすのをなんとかする方法を一緒に考えるくれ」

 

「そうねぇ・・・」

 

アリスは10秒ほど考え、

 

「というか、宝塔ぐらいならあなたのご主人の『財宝が集まる程度の能力』でなんとかなるんじゃない?」

 

「前にそれをやって聖にこっぴどく叱られたからやりたくないらしい」

 

と、ナズーリンは言った。

 

数十分後

 

「やっと見つけた・・・!」

 

ナズーリンはようやく宝塔を見つける事ができた。

 

「おお、見つけたのかい」

 

霖之助はその辺りから見つけた外界の物を集めていた。

 

その中には初期の携帯電話やら壺やぬいぐるみなどがあった。

 

何故か二宮金次郎像が動き出したときには驚いたが、アリスが粉々に粉砕してくれたので誰も怪我しなかった。

 

「あら・・・?あれはなにかしら?」

 

アリスはいくつかあるガラクタの山のひとつを凝視していた。

 

「おや、どうしたんだい?」

 

「そっちになにかあるのかい?」

 

ナズーリンと霖之助がアリスの見ている方を見た。

 

そこにはボロついた花嫁の姿をした少女のような人物がガラクタの山に埋もれていた。

 

アリス達は彼女に近づき、埋もれている人物を引っ張り出した。

 

「これは死体か・・・?」

 

ナズーリンは言った

 

「いや、それにしては腐食が全く進んでない。服の状態からして少なくとも数年前にはここにいた・・・いやここに来たというべきかな」

 

霖之助は推測する。

 

「これはいったい何・・・?」

 

アリスは頭部を見る。

 

その頭部には明らか人工物とわかる角や電極等が付いていた

 

「彼女は人工的に作られたのか?」

 

ナズーリンはアリスに問いかけた

 

「恐らくはね。詳しく調べたいから私の家に運んでくれないかしら」

 

「分かった」

 

「いいだろう」

 

ナズーリンと霖之助はそう返事したあとその死体のような少女を霖之助が持ってきていたリヤカーに運んだ。その際二人は彼女の近くにあった棍棒(メイス)も一緒に運んだ。

 

二時間後 アリス邸

 

「「で、何か分かったのか?」」

 

霖之助とナズーリンはアリスに聞いた。

 

するとアリスは

 

「ええ、いろいろとね」

 

と言った。

 

「まず、彼女は人間じゃない、繋ぎ合わされた死体よ(・・・・・・・・・・)

 

「「何?」」

 

「より正確にいうなら繋ぎ合わせた死体に電撃を流し擬似的な生命を与えられた人造人間」

 

「それってまさか・・・」

 

「そうよ霖之助、私の推測が正しいならこの子はフランケンシュタイン。いえ、ヴィクター・フランケンシュタインという人間が造りだしてしまった、名も無き怪物」

 

「しかし待ってくれアリス。確かその怪物はかなりの大男だったんじゃないか?」

 

「私だって分からないわ。だけど例外はどこにでも存在する。伝承で男と伝えられていても、実際は女だったとかあったりするんじゃないかしら」

 

「なるほど」

 

「それとこの子はかなり完成度が高い。決定的に欠けている部分があるけど、それを直すと他のところに影響がでかねない」

 

「「欠けている?」」

 

「ええ、この子感情の線がちゃんと繋がってない。涙腺の線もきちんと繋がってない。だから哀しみの感情が表現できない」

 

「そこまで分かるのか」

 

「ええ、一応人形師だからね。まあ私より上の人形師や魔術師ならその欠けている部分をきちんと修正できるかもだけど、少なくとも私には無理。」

 

「「なるほど」」

 

そこで霖之助は思い出した。

 

「そういえば、彼女の近くにあった棍棒のようなものは何だってんだ?」

 

「あの棍棒は彼女の心臓よ」

 

「「え?」」

 

「ああ、ごめんなさい。棍棒の先の球体が彼女の心臓にあたるものよ。多分心臓そのものを改造したものだと思うわ」

 

そうして、アリスはいったん間を置いてから

 

「この棍棒もかなり特殊なものでね」

 

と、アリスは指先に魔力で作った弾丸を棍棒の先端に発射した。すると先端の球体に当たる前に弾丸が電気に変化し球体から放たれた電撃によって相殺された。

 

「こんな風に微弱な魔弾であれば自動で相殺してしまうの。しかも相殺して飛散した魔力は球体に吸収される。言ってしまえば彼女の心臓は第二種永久機関としての働きがあるの」

 

「永久機関か・・・実に興味深いな・・・」

 

霖之助は彼女の心臓を見つめながら言った

 

ふとナズーリンは彼女の顔を見た

 

そして先ほどまで閉じられていたはずの彼女の瞳と目があった

 

「・・・・・・・・・・・・・・・え?」

 

ナズーリンは呆けたような声を出し

 

「む?」

 

霖之助は何が起こった理解して

 

「は?」

 

アリスは何故か起動した彼女を見て驚き

 

「・・・ウゥ?」

 

怪物はなにが起きたかわからないといった風に首をかしげた




初投稿なので色々拙い部分があると思いますが大目に見て下さると助かります


この作品におけるアリスの人形師としての実力は傷んだ赤色さんより下で、Fate/strange fakeにでてくるランガルさんより上ぐらいです。 やろうと思えばアリスと同じ姿をした人形を作れるけど「自分なんて二人もいらない、維持するの面倒くさいし」と言ってしまうのがこの作品のアリスです

基本的に幻想郷には明確な敵対者がいないのでほのぼのとした話にはずで・・・あれなんか赤色のトランク持った赤髪の人がこっちに向かって歩いてきて・・・なっ、何だあの化けぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2話

前回のあらすじ

フランちゃん目覚める

カギカッコを増やしました

「」←普通の会話 『』←アリスの英語 {}←フランちゃんの書いた文字 という形を取りました。 今後変えるかもしれません。 よろしくお願いいたします。


それは突然の出来事だった。

 

先ほどまで目を閉じ死体のように全く動かなかった彼女が目を開けたのだ

 

アリスは彼女が動き出した原因が自分であることを理解した

 

そして、ナズーリンと霖之助と共に彼女から距離を取って小声で話し初めた

 

「ごめんなさい、彼女が目覚めたのは私が原因だわ」

 

「それは見てたから分かる。」

 

「いきなり目と目があったからびっくりしたぞ」

 

「まさかあんな簡単に目覚めるなんて思わなかったから」

 

「それよりは彼女と何か話したほうがよくないか?彼女凄くこっち見ているぞ」

 

「そうだ霖之助の言う通りだ。何か話そう」

 

「ナズーリン、話したいのはやまやまだけどあんまり無理に話させない方がいいかも」

 

「どういう事だ?」

 

「さっき彼女について言い忘れたけど言語機能にも異常があったの。ちゃんと話す事はできなくもないけど非常にたどたどしくなる」

 

「じゃあどうする」

 

「とりあえず文字を書けるか聞くわ」

 

そうして、アリスは流暢な外国語で彼女に尋ねた

 

『はじめまして。私はアリス・マーガトロイド。こちらの白髪男は霖之助。こっちのネズミ耳の娘はナズーリン。あなたはヴィクター・フランケンシュタインによって作られた人造人間?』

 

コクリ、と彼女がうなずいた

 

どうやら意志の疎通はできるようだ

 

『あなたは文字が書ける?』

 

再びうなずく

 

アリスは机の引き出しからメモ帳とペンを出し彼女に渡した

 

そうして彼女は自身の事について聞かれた事について答えた。

 

彼女が作られた訳を、彼女自身の欠陥を、博士に言われた事を、追走劇の間の事も、その結末も。

 

そこまでして彼女は気がついた。自身の事を聞いている彼等は自身の行った行為について全く気にしていない事を。・・・・・・・・・・

 

思わず気になったので彼女は質問した。

 

{貴方達は私が恐ろしくないのか?}

 

すると霖之助とナズーリンがアリスを通して、

 

『特に怖くないよ』

 

と言った。

 

彼女は再び質問した

 

{何故怖くないと言える?}

 

すると霖之助は、

 

『伝承自体は知っていたから、それに君レベルの娘はこの幻想郷では怪物とは呼ばないと思うよ?』

 

とアリスを通して答え、ナズーリンは

 

『私の知っている妖怪の方が君よりえげつないことしていたぞ』

 

答え、アリス自身は

 

『貴方は自身の怪物性と理性の間で苦悩してと言っていたわね。だったら貴方はとても人間らしいわ・・・・・・・。』

 

彼女はアリスの言っていることが理解できなかった。

 

{どういう事?}

 

『わからないの?本物の怪物は理性と狂気の間で(・・・・・・・・・・・・・・)苦悩なんてしないし(・・・・・・・・・)自身の行いを間違いとは思わない(・・・・・・・・・・・・・・・)何故なら彼等のような連中(・・・・・・・・・・・・)には良心という物が(・・・・・・・・・)初めから欠落しているから(・・・・・・・・・・・・)。』

 

それに、とアリスは続けて

 

『この幻想郷の外にはそんな怪物が数こそ少ないもののいるの。他者を傷つけてもなんとも思わない人間、他者か傷つけられる様を見て快さを覚える人間、快楽のために人を殺すような人間、殺人という行為そのものが目的達成の為の手段の一つとして考てしまうような人間、そんな心ない怪物達ひとでなしどもが、確実に存在する。だから理性と狂気の間で苦悩して正常であろうとする貴女はとても人間らしいわ。』

 

そう言われて、彼女は博士や当時の人間達の事を思い出した。彼女の事を怪物と罵り、石等をぶつけようとし、非難の目で彼女をみてきた彼等の事を。

 

そんな彼等と違い自分の事を恐れず接するアリス達。

 

「アァ・・・アァァァァ・・・」

 

とても嬉しかった。普通の人間てあればこういう時嬉し涙を流すのだろうか。自身に涙腺がない事をこれほど悔しいと感じたことはなかった。

 

彼女は手を震わせながら

 

{ありがとう}

 

と書き、そして

 

{私にこの場所のことを教えて欲しい}

 

と、書いた。

 

それからアリスはこの幻想卿の結界の事、妖怪や神とよばれる存在の事、「弾幕ごっこ」等の事を話してくれた。

 

その全てがまるでおとぎ話のような話で、しかし現実として存在している事であることは明白だった。

 

そして話している内に夕方になっていた。ナズーリンは

宝塔を渡すため命蓮寺に帰り、霖之助も自身の店に帰る事となった。

 

「今日は泊まっていきなさい。それと一緒にお風呂に入りましょう」

 

そう言って、アリスは家の脱衣場に彼女を連れて行った。

 

脱衣場はとても綺麗でアリスの几帳面な性格が良く現れていた。

 

アリスは自分の服を脱ぎながら、彼女のウェディングドレスは一人で脱げる物なのか、と思いながら彼女を見た。

 

しかし彼女はとても慣れた手つきで脱いでいってとうとう一糸まとわぬ姿になった。

 

アリスは一糸まとわぬ姿の彼女を見た。

 

彼女は胸こそ小ぶりだが、全体的にバランスの取れた体つきをしていた。肌も艶やかで特に腰から尻、太ももにかけてのライン等はとても魅力的だった。

 

「・・・ウゥ」

 

彼女は恥ずかしかったのか、タオル置場からバスタオルを取り体を隠した。

 

「あら、ごめんなさい」

 

アリスは謝りながら彼女の縫合痕の無い肌を見た・・・・・・・・・。

 

いや、正確にはあるにはあるのだが、近くからよく見ないと見えないほど綺麗に消えていた。魔術的な技術を使って。

 

アリスは改めて彼女に使われている技術の高さに感心した。

 

「・・・ウゥ?」

 

彼女は、風呂入らないの?とでも言いたげな目をしていた。

 

「じゃあ、入りましょうか」

 

アリスは扉を開けてお風呂に入って行った。

 

その後彼女達は互いの身体を洗いあい、汚れを落としてから湯船につかった。

 

「貴女の電極に防水の魔術がかかっていて良かったわ」

 

「ウゥ?」

 

「いえ、貴女の頭にある電極が壊れ無いように防水の魔術をかけようとしたら、既にかかっていたのよ」

 

「アァ」

 

「ホント、貴女に使われている技術の質には驚くわ」

 

「ウィィ・・・」

 

それから20分ほどしてから彼女達は風呂から上がり身体をしっかり拭いてからパジャマ姿となり寝室に向かった(彼女はアリスにパジャマをかして貰った)

 

そして眠る際にアリスが、

 

「貴女の事、シュタインって呼んでいいかしら?」

 

{何故?}

 

「別にフランでもいいけど、そしたら紅魔館にいる吸血鬼姉妹の妹の方と被るから」

 

{成る程}

 

そんなやり取りをした後、彼女達は眠った。

 




どうもdona10です

投稿遅れてすみません。Fate/GOのネロ祭とハロウィンカムバックが面白すぎてそっちばっかやってました。

ネロ祭のエキシビションマッチ難し過ぎ。あんなん全部クリアできません。楽しかったけど。

ハロウィンカムバック面白過ぎぃ。エリばらニトのポンコツ3人娘かわいいし、緑茶まじ保護者だし、ヒトヅマニアども面白いし、ヴラド三世かっけえし、クレオパトラはくぎゅぅだし、ほんと楽しかったです。あと唐突なすまないとオジマンは笑う

小説の中でフランちゃんの胸が小ぶりどかきましたが『フランちゃんは小ぶりじゃない‼』とか言うのはやめて下さい。どう表現したものか迷った結果あんな形にしました。

風呂シーンはもっとエロい感じにしたかったです(血涙)


紅魔館のフランちゃんを忘れて小説書き初めたマヌケは俺だけでいい



ハロウィンイベントなのにフランちゃんが出なかったことから目を反らし・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ"あ"あ"あ"あ"‼(織田作並感)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3話

前回のあらすじ

フランちゃん in お風呂



アリスは目を覚ました。ベットにはシュタインが眠っておりアリスは床に布団を敷く形で寝ていた。

 

アリスは彼女に近づいて寝顔を見た。とても可愛らしい寝顔だった。そこでふと気付いたのだが、彼女の額の部分にあった角が消えていた。

 

「あら、どこ行ったのかしら」

 

ベットの周囲を見回していると。

 

「ゥゥ・・・」

 

彼女が目を覚ましたようだった。

 

『おはよう、シュタイン』

 

彼女は紙とペンをとり

 

{おはよう、アリス}

 

と書いた。彼女はペンと一緒に置いていたのであろう角の根元を額の金属部分に取り付けた。

 

アリスはそれを見て成る程と思いそれから

 

『とりあえず、朝食にしましょうか』

 

と言った。

 

数分後

 

『朝食は口に合ったかしら』

 

{とても美味しかった}

 

『そう、良かったわ』

 

朝食も食べ終わった後、食器や調理器具などを片付けた。

 

『今日は貴女の事を霊夢に紹介して、この幻想郷での戦い方を教え貰うわ』

 

{戦い方?}

 

『そう。この幻想郷における勝負事のルールを教え貰うのよ』

 

{勝負事にルールがあるの?}

 

『ええ。昨日も話した通り幻想郷には魔術師だけじゃなく妖怪や怪物もいる。妖怪や怪物の中には私たち魔術師や巫女なんかより強い存在もいる。そういう奴等との力量差を埋めるためには、できるだけこちら側に分があって尚且つ、相手も納得できるルールを敷いてその中で戦うしかない。そうしなければ、幻想郷のパワーバランスが保てなくなる』

 

{成る程}

 

『だから今から博麗神社いくわ。それに着替えてね』

 

{?}

 

『貴女の花婿衣装まだ乾いてないからこっちに着替えてね』

 

{わかった}

 

そうして彼女はアリスの用意した服に着替えた。

 

アリスの用意した服は白のゴスロリ衣装だった。

 

『ごめんなさいね。そんな感じの服しかなくて』

 

{別に大丈夫}

 

彼女達は森を歩いていた。本来は空を飛んで移動した方が速いのだが、シュタインは飛べないので地上での移動という形になった。

 

『その服ね、私の知り合いが「仮装大会したいから衣装作って!」て言うから5、6着位作って余った物なのよ』

 

{そうなんだ。仮装大会は楽しかった?}

 

『まあね。・・・ん?』

 

ふとアリスは数メートル先の木をみた。木の後ろから紫色の傘の様な物が見えていた

 

『はぁ・・・』

 

彼女はため息をつき

 

「小傘!出てきなさい!」

 

「ひゃえ!?」

 

すると木の影から紫の傘をさした水色の髪の少女が現れた。

 

「何でばれたの~?」

 

「いや、傘が丸見えだったし。」

 

「あうぅ~」

 

傘の少女は座り込みいじけている

 

『紹介するわシュタイン。彼女は多々良小傘。幻想郷でトップランクの人畜無害な妖怪よ』

 

{タタラ コガサ・・・妖怪なの?}

 

『ええ。人を驚かせその感情を食べる妖怪なの。』

 

(アリスが何かよく分からない言葉しゃべってる)

 

「ところで何か用かしら。小傘」

 

「あ、これ渡しにきたの」

 

小傘は地面に置いていた風呂敷を広げ中の箱を開けた

 

箱の中に人形が持つような槍がいくつかあった

 

「2日前くらいに頼んだのにもうできたの」

 

アリスは自身の人形達を操って箱から槍をとりだした。槍はの表面はまるで鏡のように磨かれ、先端は鋭く尖っていた。

 

「まあね!驚いた?驚いた?」

 

「あー、うん、驚いたわ」

 

「ふふん!これからもご贔屓にね!あ、あとお代もね!」

 

小傘は胸をはり、ドヤ顔で言ったあとお代を貰ってから飛んでいった。

 

「・・・彼女は何処に向かおうとしてるのかしらね」

 

{?}

 

『いえ、こちらの話よ』

 

{彼女は空を飛んでるけど、アリスも飛べるの?}

 

『ええ、飛べるわ』

 

{そうなんだ・・・私も飛べるようになれるかな?}

 

『練習すれば、きっと飛べるわ』

 

「ウ・・・ン」

 

(あら、彼女いま喋った・・・?)

 

{?}

 

「いえ、いいわ行きましょう」

 

それから二時間程歩き、彼女達は博霊神社にたどり着いた。

 

「ここが博霊神社よ」

 

{これがジンジャ}

 

アリスは賽銭箱に近づき小銭をいれた。すると、

 

「なんだアリスか」

 

巫女服(?)を着た少女が出てきた。

 

「相変わらずね貴女」

 

「こちとら同業者(しょうばいがたき)が増えて大変なの!妖怪の山の巫女(さなえ)の所には二神柱がいるし、人里の寺(びゃくれん)の所には毘沙門天の使い(うっかりどら)がいるし、参拝客が三日に2、3人程度なの!前は二日に4、5人は来てたのに!」

 

「まあ、時代の流れってやつじゃない」

 

「そんな時代の流れなんて、あってたまるか!こっちは連中が来る前から結界維持してんのよ!?謂わば土地の守護者よ!?それなのに何で結界飛び越えて来たぽっと出の連中に遅れを取らなきゃいけないの!?」

 

「ま、まぁ落ち着いて霊夢」

 

「なんなの!人里の連中はおっぱいが好きなの!?2Pカラー(さなえ)年齢四桁の尼さん(びゃくれん)みたいな巨乳が好きなの!?悪かったわね発育不良で!」

 

「止めて霊夢!それ以上はいけないわ!敵を増やすような発言は止めて!あと霊夢もどちらかといえばスタイルいい方だから!大丈夫だから!少なくとも魔理沙や幼夢よりは良いから!だから落ち着いて!」

 

アリスが霊夢をなだめていると神社の奥から、

 

「アリステメェどういう意味だコラァ!」

 

「幼夢って誰ぇ!?」

 

魔女の様な帽子を被った金髪の少女と刀を背負った白髪の少女が出てきた。

 

「私だってなぁあと4、5年たったらアリスなんて追い抜くナイスバディになるんだからな!?今に見とけよ!?」

 

「幼夢じゃなくて妖夢ですから!?」

 

「解ったから!私が悪かったから!これ以上話をややこしくしないで!?」

 

数分後 博霊神社 居間

 

「で、何の様なの?」

 

落ち着きを取り戻した霊夢がアリスにきいた

 

「実はこの娘にスペルカードルールを教えて欲しいの」

 

「貴女が教えれ良いんじゃない?」

 

「私より貴女のほうが正確だし、この娘のこと貴女や皆に知って欲しいし」

 

「成る程ねわかったわ、外に出ましょう」

 

霊夢はシュタインを外に連れ出した。

 




投稿遅れてすみません。

Fate/EXTELLA、ポケモン、Fate/GOの七章バビロニア、終局特異点ソロモンをやってたら時間なくて。
次の貴方の台詞は『あれ、ゲームばっかしじゃねぇか、このスカタン‼』だ!

今年もFateが熱い


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4話

前回のあらすじ

東方主要キャラのキャラ崩壊(微)


『弾幕ごっこ』とは幻想郷にて行われる人間と人外(神様や妖怪など)がほぼ平等に戦う事のできる特殊な決闘方で、幻想郷にいる人外同志の争いが幻想郷を壊さない為に敷かれたルールである。

 

決闘を行う者達は互いに弾幕を撃ち合い、時に『スペルカード』と言われる大技を出して闘うという物で、カードを切るタイミングなどか重要になってくる。

 

あくまでも命に関わる様な事にならないため定められたもので弾幕にあえて避けられるように隙間を作ったりすることでゲーム性がある遊びである。

 

「大体こんなものかしらね」

 

霊夢の話が終わる。アリスはシュタインの為に翻訳してくれている。

 

『まあごっことはいえ弾に当たると痛いんだけど』

 

{ふーん?}

 

霊夢は説明を終えると

 

「それじゃあ実戦してみましょうか?」

 

と言い、幾つか黒いカードを渡してきた

 

「これがスペルカード。これに弾の形や量をイメージしながら魔力を込めるとできるの」

 

{成る程}

 

「じゃあ、実際に弾幕ごっこやるから妖夢、相手頼むわ」

 

「はい、分かりました」(まあ軽くやるつもりでしょ)

 

二人が境内に行くのでシュタイン、アリス、魔理沙はついていった

 

境内に着き霊夢が、

 

「じゃあ始めるわよー」

 

と言い

 

「分かりましたー」

 

と妖夢は刀を抜いた。

 

{あれ?何で剣を抜くの?}

 

『ああ、それは彼女の能力が「剣術を操る程度の能力」だからよ』

 

「先手必勝!スペルカード!霊符『夢想封印』!!!」

 

突然、霊夢を中心に七色に輝く巨大な玉が複数出現し妖夢に襲いかかった

 

「はっ!?ちょ待・・・」

 

慌てて妖夢もスペルカードを使おうとするも

 

「もう遅い!」

 

霊夢の言った通り既に遅かった。

 

「こっ・・・この外道ぉぉぉぉ‼」

 

という妖夢の断末魔が境内に響いた。

 

「と、まあこんな具合よ」

 

「いや幾らなんでも酷すぎるでしょ!?」

 

あっけらかんとした霊夢に対しアリスが突っ込みを入れた。ちなみに魔理沙はシュタインの横で爆笑していた。

 

「見本見せるのにいきなり勝負決めにいくなんてどう考えてもおかしいでしょ!?弾幕のだの字もだしてないし!?」

 

「素人相手に待ってくれるほど幻想郷の実力者は甘くないという事を教えたかったよ」

 

「それあんただけでしょ!?大体こんなやり方、妖夢が可哀「スペルカード!剣伎『桜花閃々』!」え!?」

 

ダウンしていた妖夢が起き上がると同時に霊夢にむけて突進してきた

 

霊夢はお祓い棒と全身に霊力を流し肉体を強化し、妖夢の突進を受け止めた

 

「危ないじゃないですかぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ちゃんと威力は調節したわよ」

 

{あれ?弾幕ごっこって遠距離の弾幕の撃ち合いじゃないの?}

 

『え!?まあ基本はそうなんだけどそれだけじゃ人に害を為す妖怪を退治出来ないからよ・・・あと何年か前に直接的な戦闘をするような異変があってね・・・』

 

アリスは一旦話を区切って、

 

「て言うか霊夢も妖夢も落ち着きなさい‼」

 

数十分後

 

先ほどの不意打ちの件は霊夢が謝る事で話しがついた。

 

そして霊夢がシュタインに、

 

『貴女は魔力で弾丸を作って撃てるかしら?』

 

「・・・・・・」

 

するとシュタインは全身からエメラルドグリーンの電撃を迸らせた。

 

そして電撃を銃弾のように形作りそれを近くの樹に撃ち放った。

 

樹に直撃した弾丸は弾けて樹の一部を焼き焦がした。

 

『じゃあその弾丸を連続で撃てる?』

 

霊夢がそうシュタインに問う。

 

「・・・・・・」

 

シュタインは左手を前に突き出し再びエメラルドグリーンの電撃を迸らせた。

 

左手の周りに先程の弾丸が幾つも形作り連射した。

 

「成る程、まあまあね」

 

霊夢はそう言った。

 

魔理沙はアリスに近づき、

 

「おい、アリス。お前気付いたか?」

 

「なにが?」

 

「あのシュタインが弾丸を撃ったときあいつの持ってた棍棒みたいなのに撃った時の魔力が吸収されてるのによ」

 

「ええ、気付いてたわ。あれは吸収というより回収としったほうが良いけどね」

 

「回収?」

 

「ええ。私達が弾幕やスペルカードを使う時、必ず周りに必要のない魔力が飛散するの。それを無意識に回収して次の攻撃に使う。だけどすべて回収できる訳じゃない。大体5、6割ぐらいしか回収できない。けど、シュタインは大体7、8割の魔力を回収して再利用してる。凄いことだわ」

 

「ふーん」

 

魔理沙は分かったの分かってないのか適当な返事をした。

 

『良いわ、じゃあスペルカードを作ってみましょうか』

 

霊夢はちょっと楽しそうにそう言った。




投稿遅くてすみません!

途中から妖夢がフェードアウトしてますがちゃんと神社にいます、帰ってません

Fate/GOのバレンタインデーイベントとか悪性隔絶魔境新宿とかが楽しくてついやってしまったんです 後悔はない

新宿のワンコかわいい


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5話

前回のあらすじ

魔理沙「妖夢が死んだ!」 アリス「この人でなし!」 妖夢「生きてますよ!?」


『スペルカード作ってみましょう』

 

霊夢はシュタインに楽しそうにいった

 

{わかった}

 

シュタインはそう書いて渡された黒いカードを手に取りどのような弾幕にしたいか考える。

 

避けにくく、尚且つ遊び心がある仕様の弾幕にしたいと思い、自身を中心に放物線を描きながら飛ぶ弾幕にしようとした。

 

するとカードが一瞬光り、その光が収まった時シュタインのカードの表にその名前が刻まれていた。

 

磔刑の雷樹ブラステッド・ツリー

 

『ふーん、なかなか格好いい名前じゃない』

 

アリスは楽しそうに呟いた。

 

『じゃあ撃ってみましょうか』

 

霊夢はそう促した。

 

そうして数m離れシュタインと対峙する

 

「ウゥ・・・」

 

シュタインは頷き、カードに魔力を込める

 

「磔刑のブラステッド・・・雷樹ツリー!!」

 

シュタインは霊夢にむけて雷撃を放った。霊夢は飛ぶことで回避する。が、雷撃は霊夢を追尾し彼女に迫った。

 

しかしシュタインから約10mほど離れたあたりで雷撃のスピードが落ち15mほど離れたあたりで雷撃の追尾もなくなった

 

(成る程・・・あの雷撃には彼女の意思が介在していて、彼女を中心に半径約10m以内だとかなりの速度と威力を誇るけど10mを越えると威力と速度が落ちるのね)

 

と、霊夢は推測し通常使う威力の低い札と威力と貫通力のある針を撃ち出した。札は電撃にあたると燃えて消えたが、針は電撃を貫通しシュタインに肩に直撃した。

 

しかしシュタインはそんな事など気にすることはなく電撃を放ち続けた。

 

(痛覚がない・・・?いや痛覚操作で痛みを感じてないだけか)

 

その数十秒後、霊夢が止めさせるまで雷撃は続いた。

 

弾幕ごっこ終了後、アリス、霊夢、妖夢、魔理沙は集まり話し合う。

 

「シュタインのスペルカードは中々厄介ね」

 

霊夢はそう呟く。

 

「そうか?あんな雷撃、私の『マスタースパーク』や霊夢の『夢想封印』でなんとかなりそうだけどな」

 

魔理沙はそう言い返す

 

「ええ、スペルカードなら吹き飛ばせるかも知れないけど、問題なのは通常の弾幕の射程距離が大体10m程度なのよ」

 

アリスは考察し、

 

「なるほど、つまり彼女に弾幕を当てるためには10m以内であの雷撃を避けながら確実に弾幕を当てなくてはならない、と言うことですか」

 

妖夢が結論付ける。

 

「そう言うこと。まったく厄介ね」

 

霊夢が呆れながら言う。

 

「ところで彼女の能力はどう名付けるのでしょう?」

 

妖夢は3人に尋ねる。

 

するとアリスは、

 

「『生体電流を操る程度の能力』と言ったところかしら」

 

と言うと、

 

「いやいや『雷を操る程度の能力』だろ」

 

魔理沙が言い返す。

 

「それじゃあの竜神と被っちゃうしだめね」

 

霊夢が却下し、

 

「なら『生体電流を操る程度の能力』ということですかね?」

 

妖夢が再度了解をとる。

 

「そうね」

 

「ヘイヘイ」

 

「それでいいと思うわ」

 

霊夢、魔理沙、アリスは頷いた

 

そしてその事をシュタインに伝えた。

 

 

夜 アリス邸

 

{能力って?}

 

『簡単にいえばその人間の持つ特性みたいな物よ。私は人形を扱っているから『人形を操る程度の能力』で、魔理沙は魔法を使っているから『魔法を操る程度の能力』で、妖夢は剣術を扱えるから『剣術を操る程度の能力』って感じかしら』

 

{霊夢は?}

 

『霊夢の能力は『空を飛ぶ程度の能力』よ。あらゆる重圧を無にすることができる。たとえ神や悪魔の放つ威圧感や力による脅しでさえ霊夢は無視できる。故に強い。』

 

{なるほど?}

 

『それで貴女の能力は『生体電流を操る程度の能力』といった感じかしら。自身の生体電流を魔力に変換したりまた逆も可能にする能力。ガルバリズムの応用で周囲の魔力でさえ吸収し己の力に変える事ができる能力。だからそう名付けるさせて貰ったわ』

 

{そう・・・}

 

シュタインはそう書くと、

 

「ア・・・リガ・・・トウ」

 

と、感謝の言葉を口にした。

 

その光景にアリスは驚きながらも

 

「どういたしまして」

 

と呟いた。

 




投稿が毎度遅い作者です

本当に申し訳ない。ほんとうは3月末位に投稿したかったのですが、リアルが忙しくこんな形になってしまいました。おのれ仕事。

それはそうとApocrypha第二弾PVフランちゃんが一瞬映ってとても嬉しかったです。

ではまた。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。