幸せになるために (MYA)
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名前 桜庭(花宮)柚希

年齢 14

性格 優しく頑張り屋だがキレると怖い 楽しいことが大好き 気を許した人には甘えん坊

容姿 肩までの長さでくせっ毛なのか毛先はフワッとカールしていて色は白銀 中性的な顔で二重でパッチリしている 色は右が青 左がエメラルドグリーン

身長 155 体重 38 (最近減ったため34)

備考 花宮真の弟だが小さい頃親が離婚 母親に引き取られ母親と2人暮しで家事全敗得意 体が弱かったが母親がアンブレラ社の博士でTウイルスの製造者の1人なため10歳の時実験体になりTウイルスを何度も接種したせいか異様な身体能力を得てしまいウェスカーのお気に入りに Tウイルスに耐性がつき解毒剤がなくても大丈夫になったが一様打つときは解毒剤も打つ 何故かリッカーやケロベロスに懐かれる バスケとバレーとテニスが大好きで13歳になると実験が終わり帝光中に主席で入学 バスケ部に入りすぐに1軍入り キセキの練習に唯一こなせる1人なためキセキに気に入られ気を許した人には甘えん坊なためキセキに抱きついたりする 青峰 黄瀬に1on1を挑まれ全勝した そのためキセキと一緒にいることが多くキセキに溺愛されている 黒子より少食だが甘いものは大好き いつも赤司に食育トレーニングされ緑間には母親並みに心配される 残したものは青峰 紫原 黄瀬にあげる 灰崎とは仲良し キセキが引退すると同時に主将になる 無冠の五将(花宮以外)も仲良し 東京合宿のときに日向が迷子なっているときに知り合い仲良くなった

 

参加校

バスケ

誠凛

黒子 火神 日向 木吉 水戸部 伊月 小金井 降旗 リコ

海常

黄瀬 笠松 小堀 森山 早川

桐皇

青峰 桃井 今吉 若松 桜井

秀徳

緑間 高尾 宮地 大坪 木村

陽泉

紫原 氷室 福井 岡村 劉

洛山

赤司 実渕 葉山 根武谷 黛

霧崎第一

花宮 瀬戸 古橋 原 山崎

福田総合

灰崎

 

バレー

烏野

日向 影山 月島 山口 澤村 菅原 東峰 西宮 田中 縁下 清水 谷地 武田 鵜飼

青葉城西

及川 岩泉 国見 金田一 松川 花巻

音駒

孤爪 黒尾 夜久 山本 灰羽

梟谷

木兎 赤葦

 

テニス

青学

越前 手塚 桃城 大石 菊丸 乾 河村 海堂 堀尾 加藤 水野

氷帝

跡部 忍足 日吉 向日 宍戸 鳳 芥川 樺地

立海

幸村 真田 柳 切原 柳生 仁王 丸井 ジャッカル

四天宝寺

白石 遠山 千歳 忍足 金色 一氏 財前

 

 

跡部と赤司は顔見知り 柚希と越前とはテニス仲間

 

テニプリは高校生 越前と遠山は身長+15cm後は+2から5cm 霧崎第一は柚希に溺愛

 

研磨と花宮兄弟(柚希と真)は従兄弟 黒子と日向は従兄弟

 

エイダ レオンは柚希を溺愛している アリスと柚希は柚希の母親に紹介され会っている ウェスカーには実験の休み中にばったり会い気に入られる



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杏薇島へ 1話

ウインターカップが終わり1週間後のこと……。

 

「……暇だなぁ」

 

とある一軒家に1人の少年がいた……名前は桜庭柚希 14歳の少年で帝光中学校のバスケ部主将だ。

 

今日はバスケ部の練習がないため家にいた。

 

テレビを見ているとメールの着信音が鳴った。

 

「ん?誰だろう?」

 

メールを見ると赤司からだった。

 

「征兄だ なんだろう?えーと……『やぁ 柚希 ウインターカップ見てくれてありがとう そして全中優勝おめでとう 流石柚希だね それで本題だが……3日後合宿をすることになった 来るよね?あぁ…部活のことは気にしなくていいよ』……征兄 脅しみたいで怖いよ」

 

すると携帯の着信音が鳴った。

 

「わっ……征兄だ」

 

電話を出ると……。

 

『やぁ 柚希』

 

「征兄」

 

『メール見てくれたかい?』

 

「うん 見たよ 僕行っていいの?参加校は?」

 

『いいよ 来年は受験だからね 参加校は誠凛 桐皇 海常 秀徳 陽泉 洛山 霧崎第一 福田総合だよ 学校決めにはいいだろう?』

 

「そうだね どこに集まればいいの?」

 

『8時半に港においで 1週間分の荷物持って来るんだよ?』

 

「わかったよ 征兄 楽しみにしてる」

 

『じゃあ3日後にね』

 

「うん」

 

話が終わると電話を切りソファーに寝転んだ。

 

それから3日後……。

 

「柚希 これを持って行きなさい」

 

渡されたのはTウイルスと解毒剤数百本が入った頑丈なアタッシュケースだった。

 

「ありがとう お母さん」

 

「柚希のためだからよ まだ完治してないから絶対打つのよ?」

 

「うん わかってるよ 今日は本部に行くんでしょ?」

 

「えぇ」

 

「気をつけてね?」

 

「もちろんよ 何かあったら電話するか真に頼りなさいよ」

 

「うん じゃあ行ってきまーす」

 

「行ってらっしゃい」

 

家を出ると船が出る港に向かった。

 

港では……。

 

8時だがすでに何校か集まっていた。

 

「黒子っち〜」

 

「おはようございます 黄瀬くん 苦しいです」

 

いつものように黒子に抱きついた黄瀬は頰ずりをしては犬耳や物凄く振っている犬の尻尾が見えた。

 

「離れてください 黄瀬くん」

 

「いやっス」

 

「イグナイトされたいんですか?」

 

黄瀬はすぐさま離れた。

 

「相変わらずだな 黄瀬」

 

「火神っち あっ…そうだ 黒子っち 赤司っちがもう一人呼んでるみたいっすよ?」

 

「もう一人ですか?」

 

「そうっす」

 

「気になりますね 灰崎くんは知っていますから誰でしょうね?」

 

「そうっすね」

 

時間が過ぎていくにつれて港には合宿に参加する者たちが集まってきた。

 

8時25分には赤司が率いる洛山と紫原がいる陽泉がやってきた。

 

28分には青峰と桃井がやってきた。

 

そして8時半……。

 

「赤司っち 誰が来るんっすか?」

 

「それはね……あっ 来たようだね」

 

赤司がそう言うと赤司が見ている方に全員が振り返った。

 

「征兄 お待たせ〜」

 

「「「「「柚希(っち)(ちん)(くん)!?」」」」

 

((((柚希って誰!?))))

 

「時間通りだね」

 

「だって征兄がギリギリに来るようにって言ったからギリギリに来たんだよ」

 

「そうだね」

 

キセキと無冠以外の全員が柚希をみて驚いていたが一人は違っていた。

 

「久しぶりだなぁ 柚希」

 

そう霧崎第一の主将兼監督の花宮真だ。

 

「あっ まこ兄 久しぶり〜」

 

柚希は荷物を置いては花宮に抱きついた。

 

「元気にしてたか?」

 

「うん 2人とも元気だよ〜」

 

花宮は柚希の頭を撫でた。

 

「柚希 悪童との関係は何だい?」

 

「血の繋がった兄弟だよ〜」

 

「「「「兄弟!?」」」」

 

無冠の五将以外全員が驚いた。

 

((((全然似てない!!))))

 

「似てないよなぁ〜」

 

「うるせぇ 木吉 鼻と口は似てんだよ 後は母親似だ」

 

柚希は花宮の服の裾をつかんで引っ張った。

 

「どうした?」

 

「……抱っこして疲れた」

 

「ふはっ……しょうがねぇな ザキ 柚希の荷物を持て」

 

「なんでおれ?」

 

「早くしろ ザキ」

 

「はいはい ってか重っ」

 

花宮は柚希を抱き上げた。

 

「軽いな 減ったか?」

 

「へっ……減ってないっ ……少し減ったかも」

 

最後の方はボソッと呟いたけど2人は聞き逃さなかった。

 

「へぇ……柚希 今なんて言ったかな?」

 

「柚希 減ったって言ったよな?」

 

そう…赤司と花宮だ。

 

「「食育トレーニングだな」」

 

「えっ……それは……」

 

「嫌とは言わせないよ もちろんテツヤと一緒にね」

 

「「うっ……」」

 

「そっ…そう言えば赤司っち どこで合宿するんっすか?」

 

「杏薇島だ 聞いたことがあるだろう?」

 

「別名スポーツ島 島民は5000人くらいなのだよ」

 

「なんでスポーツ島なんだ?」

 

「島の3分の1がスポーツする施設しかないのだよ 合宿するには予約が必要なのだが赤司よく取れたのだよ」

 

「大変だったよ?何せ1年は予約いっぱいだったからね ようやくだよ 他にも合宿する人たちがいるけど明日だから大丈夫だけど迷惑かけないように 特に大輝と涼太」

 

「なんで俺らなんすかっ!?」

 

「黄瀬はともかくなんで俺なんだよ!?」

 

「青峰っち ひどいっす」

 

「うるさいよ 涼太 大輝」

 

そう言うと2人は駄まった。

 

「征兄 船乗ろう?もう直ぐ出発だよ?」

 

「そうだね 行こうか」

 

柚希は花宮に抱っこされながら船に乗った。

 

船に乗ると花宮から降りた柚希はみんなの前で自己紹介をした。

 

「桜庭柚希です 来年受験なので今日から1週間で決めようと思いますのでよろしくお願いします」

 

「柚希 霧崎に来るんじゃなかったのかよ?」

 

「候補として入れてるよ? でも今はテツ兄の誠凛が1番強いかな」

 

「柚くん テツくん好きだね」

 

「好きだよ?テツ兄とさつき姉は同じくらい大好きだよ」

 

柚希はニコッと微笑むと周りは頬を赤くし桃井がガバッと抱きついてきた。

 

「可愛い〜 柚くん」

 

「かっ……可愛くないよ さつき姉」

 

「可愛いよっ ねっ テツくん」

 

「そうですね」

 

桃井が離れて黒子が近づき頭を撫でた。

 

柚希は頭を撫でられ嬉しいのかニコニコしていた。

 

「征兄 島までは何時間掛かるの?」

 

「3時間だよ」

 

「3時間かぁ 大兄 涼兄探検行こ?」

 

「おうっ」

 

「いいっすよ」

 

柚希は青峰と黄瀬と一緒に船の探検に行った。

 

「なぁ 花宮」

 

「なんだよ ザキ」

 

「これ重たすぎなんだけど」

 

山崎が持っているのは柚希が持ってきた頑丈なアタッシュケースだった。

 

「柚希のか 薬だろ 昔は体弱かったからな」

 

「そうなのか?」

 

「あぁ」

 

「へぇ……薬って飲み薬?」

 

「いや 柚希に前聞いたが注射だそうだ」

 

「注射!?」

 

「あぁ 詳しくは知らねぇけどな」

 

「ふぅん」

 

数十分後柚希だけが帰ってきた。

 

「あれ?柚希くん 青峰くんと黄瀬くんは?」

 

「甲板にバスケコートがあったからバスケしてるよ テツ兄」

 

「なんだと!?どこにある!?」

 

「わっ……」

 

「火神くん 落ち着いてください 柚希くんが驚きます」

 

「あっ……わりぃな」

 

「柚希くん この人が僕の相棒火神大我くんです」

 

「火神大我だ よろしくな」

 

「よろしくね 大我兄」

 

「柚希くん 案内してくれますか?」

 

「うん いいよ!」

 

柚希は火神と黒子を連れてバスケコートに向かった。

 

バスケコートに着くと2人が1on1していた。

 

「大兄 涼兄 一緒にバスケしよ? テツ兄やる?」

 

「やりますよ」

 

「じゃあ3on2だね 僕はテツ兄と一緒ね」

 

「いいですよ」

 

「俺も柚希っちと一緒がいいっす」

 

「やだ 3人と戦いたいから」

 

「そんな〜」

 

「久しぶりに柚希くんと一緒にやれるとは嬉しいですね」

 

「僕も〜」

 

柚希は黒子と楽しく話していた。

 

「なぁ 青峰 桜庭だっけ?強いのか?」

 

「あ?柚希か?やればわかる でもバスケをやると空気か?すげぇ変わる」

 

「へぇ……」

 

「やるよ〜 大兄 大我兄」

 

柚希 黒子対青峰 黄瀬 火神の試合が始まった。

 

「ボールはどっちから?」

 

「柚希からでいいぜ」

 

「わかった ついてこれるかな?大兄 涼兄 大我兄?」

 

「かかってきやがれ 柚希」

 

「一回も勝ったことないのに?」

 

「うるせぇ 昔とは違うんだよ!」

 

「ふぅん」

 

柚希は軽くドリブルをすれば青峰が向かってきては軽く交わして青峰以上の速さでゴールに向かいスリーポイントラインで放つと綺麗に入った。黄瀬と火神は手がでなかった。

 

「柚希くん またスピード上がりましたか?」

 

「うん 少しだけ上がったよ 大兄に勝った」

 

「すごいですね」

 

「テツ兄に褒められると嬉しい」

 

黒子は柚希の頭を撫でた。

 

「次は僕の番ですね」

 

ボールは青峰からで青峰は黄瀬にパスをしようとしたが黒子がミスディレクションをし取れば高く上げた。

 

柚希は高くジャンプしダンクを決めた。

 

「精度上げたな」

 

「大兄が教えてくれたからね」

 

「よく青峰くんの教えが分かりましたね」

 

「本当はテツ兄のところに行こうとしたんだけど桐皇が近いから大兄に教えて貰ったんだ 何となくだけどわかったよ?」

 

「偉いです」

 

黒子は柚希の頭を軽く撫でた。

 

5人はバスケをして時間を過ごした。

 

そして3時間後……杏薇島着いた。

 



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2話

杏薇島に着くと船から降りた一行は宿泊所に向かった。

 

柚希は荷物を持っておらず誰が持っているかというと山崎だった。 何故なら花宮が命令したから。

 

「征兄 ご飯は自炊?」

 

「もちろんだよ 食堂はあるみたいだけど 柚希 お願いできるか?」

 

「任せて 征兄 部屋割りは?」

 

「どうしようか 柚希は誰がいい?」

 

「テツ兄か征兄かまこ兄かな」

 

黒子と花宮は小さくガッツポーズをした。

 

宿泊所に着くと5階建てのホテルみたいな建物があった。

 

「今日から1週間泊まる宿泊所です 地下2階地上5階部屋は2人部屋と3人部屋があります 自由なのでお好きにどうぞ 徒歩5分内に体育館やプール スポーツジム テニスコートがあります 徒歩10分にスーパーやコンビニ マジバもあるので」

 

「すげぇな ここ」

 

「そうですね」

 

「明日から練習をするので今日は自由に過ごしてください では解散」

 

そう言うと各自散らばった。

 

「征兄 地下には何があるの?」

 

「地下1階には娯楽施設だよ 卓球やゲームとかあるらしい 地下2階は大浴場」

 

「ふぅん……部屋に行こう?」

 

「そうだね」

 

柚希と赤司 黒子は部屋に向かった。

 

もちろん最上階の部屋に。

 

最上階には部屋が3つしかなく3人部屋が1つと2人部屋が2つあった。

 

「ここだね」

 

「そうですね」

 

カードキーを挿しては中にはいると広々としたダイニングがあり隣には和室があった。

 

「広いね〜」

 

「そうだね」

 

荷物を置いてはカーテンを開けた。

 

「僕街散策行ってくる」

 

「一人でかい?」

 

「うん 大丈夫だよ 何かあったら連絡するから」

 

「わかった 気をつけるんだよ?」

 

「うん」

 

アタッシュケースみたいな鞄にいき暗証番号を入れ薬を2つポケットにいれ閉めては部屋を出て街散策を始めた。

 

部屋では……。

 

「赤司くん あれは何でしょう?」

 

「さぁね 後で聞けばいい」

 

「そうですね」

 

柚希は街散策をしていたが山に気づき登っていった。

 

「こんなところに登山できるところあったんだ」

 

登山道を登って行くと途中から登山道は消え生い茂った枯れ草 両端には木々があった。

 

「何があるのかな〜」

 

奥へと進んでいくと見覚えのあるエンブレムと頑丈な扉がある。

 

「えっ?何で……アンブレラのエンブレムが?」

 

携帯を出すと山の中なのに携帯の電波は立っていた。

 

柚希は母親に電話した。

 

「もしもし?母さん?」

 

『どうかしたの?』

 

「杏薇島って知ってる?」

 

『ちょっと待って……アンブレラ社が所有している島よ 今は10000人ほど働いているわ』

 

「そうなんだ ありがとう 母さん」

 

『えぇ 頑張ってね』

 

「うん」

 

電話を切ると携帯を直し薬の時間なため近くに座ると薬であるTウイルスを先に打ちすぐに解毒剤を打った。

 

「ふぅ……この事と薬は誰にも言わないようにしないと 」

 

立ち上がると空になった薬は捨て下山していった。

 

下山するとまた街散策を再開した。

 

「海でも行こ」

 

海岸の方へ行くと人が2人倒れている。

 

「誰だろう?」

 

パタパタと駆け寄るが何か嫌な予感がした。

 

「大丈夫?」

 

しゃがみ込んではツンツンした。

 

反応はなくもう一様ツンツンと突いたらガバッと起き上がってきたそう……2人はTウイルスに感染した人間だった。

 

「はぁ……誰も居なくて良かった」

 

2人は柚希を襲おうとしたが懐から出した銃で脳天を撃つと倒れた。

 

「Tウイルスが蔓延しているのかな この2人何とかしないとね」

 

柚希はズルズルと2人を引きずりながら人が来なさそうな森の中にはいり置いた。

 

「ふぅ……ここまでなら大丈夫そうだね 帰ろ」

 

海岸に戻り時間を見ると17時半なため合宿所に戻った。

 

「ただいまー 大兄 どうかした?」

 

合宿所にはいると青峰がいた。

 

「良かったぜ! さつきを止めてくれ!」

 

「さつき姉がどうかした?」

 

「夕飯を作るって言い出して食堂にいる」

 

「えっ!?1人で?」

 

「いや 誠凛のカントク?も一緒だ」

 

「リコさんもさつき姉と一緒なの?」

 

「テツの話だとな」

 

「わかった 食堂に行ってみるよ」

 

「助かるぜ 柚希」

 

「夕飯何がいい?」

 

「肉!!」

 

「了解」

 

柚希はさっそく食堂に行った。

 

「さつき姉 リコさん 何してるの?」

 

「柚くん 夕飯を作ろうと思って」

「僕が作るから大丈夫だよ さつき姉とリコさんは明日からの練習考えて欲しいな? テツ兄が言ってたドロケイやってみたいな 楽しそうだし」

 

3人のやり取りをみんなが見ていた。

 

「いいわよ」

 

「そのためには誰がドロボウで誰が警察か決めないと」

 

「後からでも大丈夫でしょ?」

 

「ダメだよ リコさん 早めに決めないと大兄とか涼兄がテツ兄と一緒がいいとか文句いいそうだもん」

 

「そうね」

 

「それに罰ゲームも考えて欲しいしさつき姉とリコさんいつも動いてるし忙しそうにしてるからゆっくりしてて?休める時に休まないと」

 

「そうね ありがとう 桜庭くん」

 

「ありがとー 柚くん 後はお願いできる?」

 

「うん 任せて」

 

柚希はニコッと微笑みさつきとリコは食堂を出て部屋に戻った。

 

「ふぅ……さてとちゃっちゃとやりますか」

 

柚希は夕飯の準備を始めた。

 

そこに料理が出来る火神 水戸部 氷室 桜井がやってきた。

 

「手伝うぜ」

 

「ありがとー 大我兄」

 

5人で手分けして夕飯の準備をした。

 

柚希はキセキの好物を作っていた。

 

赤司には湯豆腐を 黄瀬にはオニオングラタンスープを 青峰にはテリヤキバーガーを作りたかったが材料がないためステーキを 紫原にはケーキを 黒子にはバニラシェイクを 桃井にはさくらんぼを使ったデザートを 緑間はおしるこを作った。

 

「完成っと」

 

「すごいね ユズキくん」

 

「そうかな?辰也さん?」

 

「うん いつもやってるのかい?」

 

「やってるよ 征兄たちが中学生の頃合宿の時僕がご飯を作ってたんだ さつき姉に任せられないから」

 

「そうなんだ」

 

「うん」

 

しばらくして19時になり全員分のご飯ができた。

 

「出来た〜 みんな呼ばないと」

 

「そうだな どうやって呼ぶんだ?」

 

「館内放送だよ 食堂には館内放送する機械があるんだって征兄が言ってた」

 

柚希は館内放送の機械を見つけると全ての部屋に聞こえるように設定するとさっそく使った。

 

「みんな ご飯出来たよ〜」

 

そう言うと続々と食堂にやってきた。

 

「バイキング式にしたから好きなもの取ってね 大兄は野菜もちゃんと取ってね 征兄たちは席にいつもの置いているから食べてね テツ兄と真兄 敦兄は後で持ってくるから」

 

全員動き出すと各々取っていき席に着いては食べ始めた。

 

「テツヤと柚希にはこれを食べてもらうよ」

 

茶碗二杯のご飯に多種類のおかずがのった皿が席に置かれた。

 

「これを食べるの?」

 

「もちろんだよ スポーツ人なんだからこれくらいは食べないと 異論は認めないよ?」

 

「「うっ……」」

 

柚希と黒子は渋々食べ始めた。

 

柚希の両隣は紫原と花宮 黒子の両隣は火神と青峰が座った。

 

「……お腹いっぱい」

 

柚希はすぐにお腹いっぱいになった。

 

「減ってねぇぞ!?」

 

「柚希はテツより少食だからな」

 

「黒子より少食な奴がいたんだな」

 

「だろ?テツでも驚くのにな」

 

柚希は箸を置こうとしたが……。

 

「柚希 食べねぇとザキのお菓子食べられないぞ?」

 

「……本当?」

 

「あぁ 何が食べたい?」

 

「クッキーとプリン!!」

 

「だってよ ザキ」

 

「はぁ…わかったよ 少し待ってろよ」

 

「できあがるまで食べるな?」

 

「うん」

 

柚希は少しずつだが食べるのを再開した。

 

3分の1を食べると箸が止まった。

 

「もう無理 いいでしょ?まこ兄?征兄?」

 

「まぁ…いいぞ」

 

「しょうがないね」

 

「やった 大兄 食べて?」

 

「おうっ」

 

柚希は残したものを青峰にあげた。

 

「ほら 柚希」

 

出来上がったクッキーとプリンがやってきた。

 

「いただきまーす」

 

柚希は嬉しそうに食べ始めた。

 

「柚ちん ケーキちょうだい?」

 

「あっ…そうだった ちょっと待ってて〜」

 

柚希はキッチンに行くと冷蔵庫からケーキ1ホールとさくらんぼゼリーを出しおしるこは温めてはお椀に入れて冷凍庫からバニラシェイクを出した。

 

「お待たせ〜」

 

1人では持てないため往復して持ってきた。

 

「わぁ…ショートケーキだ〜 ありがとー 柚ちん」

 

「ありがとうなのだよ 桜庭」

 

「ありがとうございます 柚希くん」

 

「ありがとー 柚くん」

 

「どーいたしまして ケーキはザッハトルテ ミルクレープ チョコマーブルチーズケーキがあるから食べたい時に食べてね 敦兄」

 

「ありがとー」

 

「うん」

 

柚希はニコッと微笑みプリンを食べ始めた。

 

しばらくして食事が終わり片付けを全員でやった。

 

「征兄 明日に誰が来るの?」

 

「明日にはバレーの合宿とテニスの合宿が始まる」

 

「バレーとテニスかぁ 翔兄 研兄 リョーマさん元気かなぁ」

 

「知り合いかい?」

 

「うん 翔兄は烏野でバレーしてて研兄は音駒でバレーしててリョーマさんは青学でテニスをしてるんだ」

 

「へぇ……興味深いね」

 

「やってみたけど楽しかったよ」

 

「テニスはしたことあるよ」

 

「そうなんだぁ」

 

たわいな話をしながら片付けをした。

 

こうして1日が過ぎていった……。

 



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3話

次の日……。

 

朝になると目が覚めた柚希だがまだ眠いのか黒子に抱きつきながら眠り始めた。

 

柚希を真ん中に右が黒子で左が赤司だった。

 

赤司も柚希を後ろから抱きしめながら寝ていた。

 

ぐっすり寝ていると……。

 

「赤司 いるか?」

 

青峰と黄瀬が起こしにきた。

 

「いつもなら起きてそうっすよね?」

 

部屋に入ると奥に入り和室をみた。

 

「ズルいっす! 俺も柚希っちと寝たいっす!」

 

「ズリぃぞ 赤司!テツ!」

 

その声で起きたのは赤司と黒子だ。

 

「うるさいよ 2人とも 柚希が起きるだろう?」

 

「うるさいですよ 青峰くん 黄瀬くん 赤司くんの言う通りです」

 

柚希は黒子に抱きついたままぐっすり寝ていた。

 

黒子は優しく頭をなでた。

 

「んんっ……テツ兄?」

 

「目が覚めましたか?おはようございます 柚希くん」

 

「……おはよう テツ兄 まだ眠いよ?」

 

「寝てはダメですよ もうすぐ朝食です」

 

「ん……わかった いつものして?」

 

「いいですよ」

 

黒子は額にキスをしては柚希は黒子から離れ起き上がった。

 

「次は僕だね」

 

柚希は赤司のところにいき赤司は額にキスをした。

 

「次は俺っす」

 

黄瀬は柚希を手招きしては柚希は行くと額にキスをした。

 

「次は俺だ」

 

青峰は柚希を抱きしめては唇にキスをした。

 

「んっ……」

 

口を開かせては舌を入れ絡ませた。

 

「んんっ……」

 

それを見た赤司 黒子 黄瀬は一瞬呆然としたが赤司は黒子にアイコンタクトを送りわかったのかミスディレをして近づき横腹にイグナイトをし黄瀬は喚いていたが赤司に黙らせられた。

 

青峰はイグナイトされ柚希から離れた。

 

「んはっ……大兄の変態 征兄 テツ兄っ」

 

柚希は2人の後ろに隠れた。

 

「大輝 覚悟はできているかい?」

 

「青峰くん 覚悟はいいですか?柚希くん 黄瀬くんと一緒に先に食堂に行ってくれますか?」

 

「うん わかった」

 

「行くっすよ 柚希っち」

 

「うん」

 

柚希と黄瀬は先に食堂に行った。

 

「ちょっ……」

 

「「問答無用だ(です)」」

 

赤司はハサミをちらつかせ黒子はイグナイト廻を青峰のお腹に向けてやった。

 

合宿所は青峰の声が響いた。

 

食堂では……。

 

「大ちゃんの声だ」

 

「何かやったんかいな?」

 

「さぁ?あっ…柚くん おはよ〜」

 

「おはよ〜 さつき姉 今吉さん」

 

「おはようさん 桜庭クン」

 

「大ちゃんの声が聞こえたけどどうかした?」

 

「いつものやってもらったんだけど大兄がアレをやったから征兄とテツ兄が制裁するって……」

 

「へぇ……大ちゃんがねぇ 私も行ってくるねっ」

 

桃井は柚希の額にキスをしてから3人がいる部屋に向かった。

 

その事を知っている紫原と緑間はため息をついた。

 

「毎度よくやるね〜 峰ちん」

 

「懲りないのだよ あいつは」

 

「真ちゃん アレって?」

 

「気にしなくていいのだよ ただの習慣なのだよ」

 

「えぇ〜 教えてくれよ 真ちゃん」

 

「さっき桃井もしていたのだよ」

 

「柚ちゃんの額にキス?」

 

「そうなのだよ それが習慣なのだよ」

 

「へぇ〜」

 

柚希は緑間と紫原に気づいてはパタパタと駆け寄った。

 

「おはよ〜 敦兄 真兄」

 

「おはよ〜 柚ちん」

 

「おはようなのだよ 柚希」

 

「おいで〜 柚ちん」

 

「うん」

 

紫原は手を広げると柚希は近づきギュッと抱きつくと紫原は抱き上げ膝の上に座らせた。

 

「柚ちん 可愛い〜」

 

「可愛くないよ? ご飯食べた?」

 

「火神や室ちんたちが作ったご飯は食べたよ? 柚ちんのミルクレープ一緒に食べよ?」

 

「うん いいよ」

 

柚希はニコッと微笑んだ。

 

「その前にご飯を食べるのだよ」

 

「お腹空いて……「ないとは言わせないよ」…征兄」

 

後ろには赤司と黒子がいた。

 

「赤ちん 峰ちんは?」

 

「桃井に任せたよ ご飯でも食べようか 真太郎 手伝ってくれるかい?」

 

「あぁ」

 

赤司は緑間と一緒にブュッフェ形式なため柚希と黒子のご飯を取りに行った。

 

「柚ちんはここで食べてね〜」

 

「いいよ 大兄 大丈夫?」

 

「大丈夫ですよ 頑丈ですから」

 

「だよね」

 

赤司と緑間はご飯を持ってきた。

 

「これくらいは食べろ 柚希 テツヤ」

 

一杯のご飯に5種類のおかずが乗った皿を前に置いた。

 

「いただきまーす」

 

「いただきます」

 

柚希と黒子は多いなぁと思いながら食べ始めた。

 

「今日 バレーとテニスの人が来るんだよね? 迎えに行っていい?」

 

「何で行くんだ?」

 

「昨日ここのオーナーっていう人から連絡がきて迎えに行くように言われたんだ びっくりだよね」

 

「わかったよ」

 

「ありがとう 征兄」

 

食堂にはテレビがありニュースが流れていた。

 

『速報です アメリカコロラド州 ミシシッピ州 カルフォルニア州 ワシントン州 ジョージア州でTウイルスが蔓延しました ジョージア州とフロリダ州の境に加藤アナがいます 加藤アナ現在の状況をお願いします』

 

『はい こちら加藤です 特別にジョージア州とフロリダ州の境に出来た柵にいます 見てください この人たちをゾンビになっています 何故なったのかは不明です 分かり次第お伝えします』

 

『わかりました 加藤アナ 引き続きお願いします では次のニュースです……』

 

それを見た柚希たちはというと……。

 

「Tウイルスね 柚希 知ってるか?」

 

「知らないよ 征兄」

 

「そっか ならいい 箸止まってるぞ?」

 

「もう無理」

 

「半分食べたからいいか」

 

「ありがと 征兄 敦兄いる?」

 

「いる〜 食べさせて〜」

 

「いいよ はい あーん」

 

「あーん」

 

柚希は紫原に食べさせていた。

 

ほのぼのとした雰囲気に赤司と黒子 黄瀬はパシャリと携帯で撮った。

 

「9時から練習を始めるからすぐ近くの体育館に集合だよ 遅れないように」

 

「はーい 敦兄 ミルクレープ取ってくるね」

 

「うん 待ってる〜」

 

柚希はキッチンにいきミルクレープを冷凍庫から出しバニラシェイクを出してはコップに入れた。

 

「お待たせ はい テツ兄」

 

「ありがとうございます 柚希くん」

 

黒子はさっそくバニラシェイクを飲んだ。

 

1ホールのミルクレープを6当分しては1つを取り食べた。

 

「おいしー さすが柚ちん」

 

「ありがとう 敦兄」

 

時間を見ると8時過ぎでまだ時間があるためゆっくりミルクレープを食べていた。

 

それから時間が過ぎていき9時になると徒歩1分にある体育館に集合していた。

 

「みんな 集まったわね 今からウォーミングアップとしてドロケイをするわ 勝ったチームは桜庭くんを1日好きに出来る権利をあげるわ 負けたチームは今日の夕飯の食材を買いに行ってもらうわ」

 

「「「「よっしゃ〜!!」」」」

 

「じゃあチームっと言っても警察とドロボウだけなんだけどね 桃井さん よろしくね」

 

「はーい 発表しまーす まずは警察チームは桐皇 海常 秀徳 日向さん 小金井さん 伊月さん 木吉さん 水戸部さんです ドロボウチームは洛山 陽泉 テツくん 火神くん 降旗くん 柚くん 灰崎くん 霧崎第一です」

 

「制限時間は2時間 逃げれる場所は宿泊所 スポーツジム プール 街 山以外の施設や周辺のみ ドロボウチームが逃げて5分後警察チームが行ってね 準備はいいかしら?」

 

「「「「「おうっ!!」」」」

 

「捕まえるっすよ 柚希っち」

 

「それはどうかな?」

 

「「用意 スタート!!」」

 

そう言われるとドロボウチームは逃げて行った。

 

5分後……警察チームが動き出した。

 

柚希は1人で逃げていた。

 

「結構広いなぁ〜 迷いそう 木の上にいたら大丈夫かな」

 

木を見つけては軽々と登り木の影に隠れた。

 

1人の青年が柚希の隠れている木の下にやってきた。

 

「あっ……祥兄だ 祥兄〜!!」

 

柚希はピョンと飛び灰崎に目掛けて降りた。

 

「うおっ……てめぇ…柚希 あぶねぇだろうが!」

 

「祥兄なら受け止めてくれるから大丈夫だと思って」

 

降りては灰崎が見事にキャッチしていた。

 

「……ったく」

 

「髪 戻したんだね〜」

 

「赤司の野郎が戻せって言ってな」

 

「祥兄はその方が似合ってるよ コーンロウよりも」

 

「そうか?」

 

「うん 祥兄の髪好きだもん」

 

柚希はギュッと抱きついた。

 

「へぇ……」

 

灰崎は柚希の頭を撫でた。

 

「ショーゴっち 柚希っち みつけたっすよ!」

 

「げっ……リョータ」

 

灰崎は柚希を降ろした。

 

「柚希 先に行け」

 

「でもっ……」

 

「いいから行け」

 

「うん またあとでね 祥兄」

 

柚希はその場から離れた。

 

「大丈夫かなぁ 祥兄」

 

その時放送が流れた……。

 

『30分経ちました まだ誰も捕まってません 柚くん テツくん頑張ってね!』

 

「まだ1時間半あるんだ 長いなぁ〜」

 

軽く走りながらどこに隠れようか考えていた。

 

それから1時間が経ち……。

 

『後30分だよ 捕まってないのは柚くん テツくん 赤司くんの3人 頑張ってね〜』

 

柚希は最初にいた体育館の屋根の上にいた。

 

「後30分かぁ 長いなぁ」

 

物陰に隠れていて眠り始めた。

 

『テツくんが捕まったよ 後は赤司くんと柚くん』

 

柚希はぐっすり寝ていて時間は過ぎ30分が経過した。

 

体育館では5分前に捕まった赤司もいて後は柚希だけだった。

 

「ドロボウチームの勝ちね 桜庭くんは戻ってきたかしら?」

 

「まだ戻っていません カントク」

 

「えっ!?この辺りにはいると思うけど……」

 

「大輝 上を見てこい いると思うよ」

 

「あぁ」

 

青峰は体育館の上に向かった。

 

「赤司くん 何で上にいると思ったの?」

 

「合宿の時に一度だげウォーミングアップとして鬼ごっこをしました その時も柚希は逃げる側だったのでもしかしたらと思いまして」

 

体育館の上では……。

 

「柚希 いるかー?」

 

柚希は気づいておらずぐっすり寝ていた。

 

「……やっぱりいたな よっと……」

 

青峰は柚希を抱き上げ体育館に戻っていった。

 

「いたね 柚希」

 

「おう 柚希 起きろ」

 

「んっ……終わっちゃった?」

 

「終わった?じゃねぇよ いつも言ってんだろ 体育館の上に行くなって あぶねぇだろうが」

 

「うーん そうだっけ?」

 

「あぁ 赤司も知っているからな」

 

青峰に抱き上げられていたが降ろされ振り向くと微笑んでる赤司が柚希を見ている。

 

「柚希 練習が終わったら部屋に戻るように」

 

「……うん リコさん 昼休憩だよね!」

 

「えぇ お昼休憩よ」

 

「じゃあ昼休憩してくる!」

 

柚希は赤司に逃げるように体育館を出てはもう直ぐ来る船を迎えに船場に走って向かった。

 

「さてと……船に乗ってなければいいんだけど」

 

船場に着くと丁度船が付いているが騒がしかった。

 

「どうかしましたか?」

 

近くにいた島民に話しかけた。

 

「船に変なものがいるらしい」

 

「変なもの?」

 

柚希は集まっている島民を掻き分け前に出るとそこには高校生であろうジャージ姿の人たちは船から降りて避難していてはTウイルスに感染しているであろう2人が高校生の2人を襲おうとしていた。

 

「「「「日向!!」」」」

 

「「「「越前!!」」」」

 

「日向?越前?」

 

柚希はチラリと見えたオレンジ色の髪と黒髪に見覚えがあった。

 

「もうすぐ日本も終わりかな」

 

ボソッと呟いてはもう2人見覚えがある人がいて近づいた。

 

「研兄 クロ兄 大丈夫?」

 

「「柚希!?」」

 

「なんで…いるの?」

 

「バスケの合宿だよ ここから動かないでね」

 

柚希は船に乗り込み甲板に逃げ込んだ日向と越前 それを追いかけるTウイルスに感染した2人を見ては気配を消しては近づき回し蹴りをした。

 

「大丈夫?翔兄?リョーマ兄?」

 

「「柚希!?」」

 

「今のうちに船から降りて」

 

「でも柚希が」

 

「大丈夫だから 起き上がる前に早く」

 

「わかった!」

 

日向と越前は走って船から降りた。

 

「この人らはもう無理だね」

 

そう言うとTウイルスに感染した人は起き上がり柚希に襲いかかろうとしたが柚希は避けては肩車のように感染している人に乗れば首を折りナイフを出し頭に刺した。

 

すぐに抜けば感染した人は海に落とし船から降りた。

 

すぐに日向 黒尾 孤爪が駆け寄った。

 

「あいつは!?」

 

「海に落ちたよ 翔兄は大丈夫?噛まれてない?」

 

「大丈夫だ! 逃げてたから噛まれてないぞ! ありがとな!」

 

「ううん 良かった」

 

ホッとしてはニコッと微笑んだ。

 

「あれ?なんで柚希がいるんだー?」

 

「バスケの合宿だよ〜 翔兄たちも合宿でしょ?」

 

「そうだよ!」

 

「あっ……15時から練習試合があるから観においでよ 練習ある?」

 

「……ないよ…明日からだから」

 

「じゃあみんなで観にきて? 場所は第1体育館 バレーの合宿所から徒歩2分にあるから」

 

「おうっ」

 

柚希は近くにいたテニス部であろう人たちのところにいった。

 

「リョーマ兄 大丈夫?」

 

「大丈夫だよ」

 

「よかった 今日はこれからどうするの?」

 

「練習はないけど自主練はするよ 来る?」

 

「バスケの練習終わったら行くよ ラケット貸してね?」

 

「いいよ」

 

「じゃあ僕戻らないと行けないから戻るね」

 

すでに集まっていた島民はいなくて走って戻っていった。

 

「おい 日向 誰だ?」

 

日向 黒尾 孤爪 夜久以外は知らないため影山が真っ先に聞いた。

 

「桜庭柚希っていうんだっ 帝光中のバスケ部に入ってて主将なんだって!すげーよなぁ バレーとテニスも出来るんだって!」

 

日向は嬉しそうに柚希の紹介をした。

 

「柚希は…すごいよ…アタックも…」

 

「本当!?研磨!?」

 

「うん…明日…頼んでみる?」

 

「うん!」

 

「行くぞ〜 日向」

 

「はーい!」

 

日向たちもスポーツエリアに向かった。

 

「越前 あいつは誰なんだ?」

 

越前以外は知らないため知りたいことを桃城が聞いた。

 

「桜庭柚希っす 親父の唯一の生徒で俺の練習相手っす」

 

「「「「ええええ!?」」」」

 

「俺より弱いっすけどね でも強いっすよ?」

 

「マジ?」

 

「はいっす」

 

テニス組はスポーツエリアに歩きながら越前は柚希のことを話した。

 

柚希はというと体育館に戻っていては赤司におにぎりを3つ渡されおにぎりを食べていた。

 

「征兄 僕はどこに入ればいい?」

 

「1週間あるからね 入るのは誠凛からにしようか」

 

「わかった」

 

15時になると誠凛VS海常と反対コートに桐皇VS陽泉の試合が始まった。

 

他のメンバーは第2体育館で練習したり試合を見たりしていた。

 

「桜庭くんのポジションは?」

 

「今はPGですがSFが長ったのでSFでもいいですよ?」

 

「じゃあSFでよろしくね」

 

「はい」

 

「最初は日向くん 伊月くん 鉄平 火神くん 黒子くんで!」

 

「「「「「おう!(はい)」」」」」

 

「テツ兄 頑張ってね 涼兄を倒しちゃえっ」

 

ニコッと微笑むと周りが顔を赤くした。

 

((((可愛い!!)))

 

「もちろんです 勝ったらご褒美くださいね?」

 

「うん 勝ったらバニラスイーツたくさん作ってあげる」

 

「楽しみにしてます」

 

「うん」

 

2つのコートで試合が始まった。

 

2つのコートとも接戦な試合だ。

 

その時入り口に柚希以外は知らない人たちがバスケを見ていた。

 

「スゲーっ!」

 

日向たちが見にきていて日向はキラキラと目が輝いていた。

 

「桜庭くん あの子達は?」

 

「今日から合宿する バレー部の人たちです リコさんが好きそうな人たちですよ」

 

「本当なの?」

 

「はい」

 

1Qが終わると黒子たちがベンチに戻ってきた。

 

「はい テツ兄 特製ドリンクだよ」

 

「ありがとうございます……これは!」

 

一口飲むとバニラが口の中に広がった。

 

「うん いつものだよ〜 今日のは少しバニラ強めにしたから美味しいでしょ?」

 

「はい 次も頑張れます」

 

「よかった」

 

「桜庭くんは3Qからいける?」

 

「もちろんです」

 

第2Qが始まり柚希は黄瀬を見ていた。

 

第2Qも接戦な試合で終わると柚希は軽くアップをした。

 

「桜庭くん 黒子くんと交代ね 4Qは火神くんと」

 

「わかりました テツ兄 使ってもいい?」

 

「いいですよ 試合で初めてですね」

 

「うん 出来るか不安だけど」

 

第3Qが始まり柚希はコートに入った。

 

「何するんだ?」

 

「テツ兄と同じことだよ 大我兄 テツ兄直伝だから見失わないように気をつけて」

 

「黒子と同じって……」

 

「さすがにイグナイトとかは出来ないけどパスは出来るよ」

 

「すげぇな!?」

 

「そんなことないよ」

 

第3Qが始まりボールは誠凛が持っていた。

 

「負けないっスよ 柚希っち」

 

「それはどうかな?」

 

柚希のマークは黄瀬がしていた。

 

伊月はふと柚希を見ては気づいたのかコクリと頷いた。

 

「涼兄 テツ兄直伝のやつやるから」

 

ニコッと微笑むと黄瀬の前には柚希が居たのだが黒子直伝のミスディレクションにより見失った。

 

柚希は伊月にパスをもらいドリブルしては火神に絶妙なパスをして火神はダンクしてゴールに入った。

 

黒子はそれを見て軽くガッツポーズをした。

 

「ナイスシュート! 大我兄!」

 

「ナイスパス! 柚希!」

 

柚希と火神はハイタッチし日向や伊月たちもきた。

 

「凄いな 桜庭」

 

「そんなことないです 伊月さん テツ兄に教えてもらったおかげです」

 

ニコッと微笑むと伊月や日向 木吉の順に頭を撫でた。

 

「負けられないっス」

 

「僕が勝つもん 涼兄」

 

そして時間は過ぎ……。

 

誠凛が勝ち反対側のコートは桐皇が勝った。

 

「良し! 勝った!」

 

「次は負けないっスよ!火神っち!」

 

「俺も負けねぇ!」

 

柚希はミスディレクションをしては体育館を出てテニスコートに向かった。

 

テニスコートに着くと全員が自主練していた。

 

「リョーマ兄 どこだろう」

 

キョロキョロとコートを見ていけば越前を見つけてはそこに向かった。

 

「リョーマ兄 お待たせ!」

 

「終わった?」

 

「うん 一戦しようよ?」

 

「いいよ でも勝つから」

 

「僕も負けないよ 後1勝で100勝だし」

 

「120敗はしてるよね」

 

「それは言わないで! 絶対勝つ! 100勝したらご褒美くれるんでしょ?」

 

「いいよ」

 

「本気出してよ?」

 

「もちろんだよ」

 

柚希はリョーマからラケットを借りてはリョーマがいる向かい側のコートに入る。

 

「リョーマ兄からサーブでいいよ〜」

 

リョーマからサーブになりコート雰囲気がガラリと変わった。

 

リョーマは最初から左で行き柚希も基本は右利きだがテニスで本気を出す時は左なため左でラケットを持った。

 

コートの外には全員が2人を見ていた。

 

リョーマは初っ端からツイストサーブを打ったが柚希は軽々と返した。

 

それを見たコートの外にいる全員は驚いた。

 

接戦する試合が繰り広げられ1時間が経ち……。

 

「3-1 ウォンバイ 越前」

 

「はぁ…はぁ…リョーマ兄に負けた〜」

 

「はぁ…はぁ…まだまだだね 柚希」

 

「次は勝つもんっ」

 

頬を膨らませた柚希の姿にここにいる全員が頬を赤くした。

 

するとベンチに置いてあった携帯が鳴り響いた。

 

「僕のだ……やばっ! リョーマ兄 僕行くね!」

 

メールだったが送り主は……赤司だ。

 

『件名 なし

本文 柚希 今どこにいるのかな?今すぐ部屋に戻れ』

 

「こわっ」

 

宿泊所に着けばエントランスに赤司 緑間 黒子 花宮がいてこっそり入ったが見つかり4人にこっぴどく説教をされた。

 

バレー部の人たちやテニス部の人たちも隣とその隣の宿泊所に帰っていた。

 

日が傾き夜になり砂浜では……。

 

男性が打ち上げられ倒れていた。

 

そこに地元の青年が気づき近づいた。

 

「大丈夫ですか!?」

 

何の反応もない男性…。 青年は男性を揺さぶり反応があるか見た。 男性はピクリと指を動かした。

 

安堵した青年は他の人を呼ぼうと携帯を出し診療所へ電話をしようとした。

 

その時…男性は起き上がるがそれを知らず診療所の先生と話す青年。

 

男性はそのまま近づき青年の首元を噛んだ。

 

「ぎゃぁぁぁっ!!」

 

砂浜には誰もおらず青年は近くにあった太めの木の棒を見つけるとそれを取り男性を殴ると男性は離れ倒れた。

 

青年は立ち上がるとタオルで噛まれた首元を抑えては自宅に帰り自宅では両親や妹がいたが気づかれないように自分の部屋に戻り出来る限りの手当てをした。

 

これがはじまりだと言うことは誰も知らない。

 

こうして夜は更けていった。



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