機動戦士ガンダムSEED 哀しみの傭兵の軌跡 (TBの狙撃手)
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第1話 初任務 G護衛

どうも、ISの二次創作を手懸けているファントムガンナーです。
さて、初のガンダム作品に手を出したいと思いました。
機体名とキャラ……募集を掛けます。書いてくれないと「俺の身体はボロボロだァ!!」

では、本編へ行ってみよう!!


オーブ連合首長国 資源衛星<ヘリオポリス>

 

 

「これでこの艦の最後の任務も無事終了だ

きさまも護衛の任、ごくろうだったな。フラガ大尉」

 

「いえ、航路なにもなく幸いでした」

 

ムウ・ラ・フラガ

地球軍の大尉であり、地球軍が開発したMA(モビルアーマー)のパイロットである

顔は比較的整っており、金色の髪は所々にくせがついている

パイロットとしての腕は一流であり、エンデュミオンの鷹という異名までついている

 

「それで、周辺にザフト艦の動きは?」

 

「2隻トレースしておるが、なーに

港に入ってしまえばザフトも手は出せんよ」

 

「中立国でありますか…」

 

そう、このヘリオポリスが所属しているオーブという国は、他国の争いに介入しないという理念を掲げる中立国である

中立国には攻め込まない…、暗黙の了解になっていた

が…

 

「聞いて呆れますね…」

 

ムウがぼそりとつぶやく

ムウの任務とは地球軍の新型機動兵器を運び出すための護衛だった

その新型機動兵器を保管する場所、それがこの中立のヘリオポリスなのだ

さらにこの兵器の開発にもオーブは関わっていた

ここまで地球軍に尽くした国が中立…

ムウは口にした通りに呆れていた

 

「ともかく君はさがりたまえ

長旅、それにずっと気を張っていて疲れているだろう?」

 

「…お気遣い感謝します。では、お言葉に甘えさせてもらいます」

 

「君もだ、ずっと気を張って居たのだから休んだらどうかね?」

 

艦長の視線の先には、この艦ではかなり目立つ 敵対軍…ザフトの軍服 赤服を着込んでいた サングラスを掛けた少年だった。

 

「中立国………本当に安全なのだろうか」

 

シルヴァ・クロフォード……彼は正規軍では無く金で雇われる傭兵 後に名の知れるサーペントテールに所属している。

 

「ん、どういう事かね?」

 

「嫌な予感がするんです……とてつもなく。」

 

一応、彼も傭兵の一人 最悪のケースは想定してきた。ザフトでも無闇に中立国のコロニーに攻撃を掛けないと思ってる……。だが、それでも胸騒ぎが止まらなかった。

 

「ハッハッハッハッ、向こうも中立国に攻撃したらどうなるか分かっているはずだ、攻撃して来ぬよ。君もフラガ大尉と共に休んでくれたまえ、唯一 MSに対抗してくれる……戦力なのだからな。

君と機体を下ろしてモルゲンレーテに輸送させてもらうが良いかね?」

 

「了解、では…」

 

フラガより先に艦橋から出ていく

 

「あんな少年まで、この戦争に関わらせてしまうとは……我らがしっかりせにゃな……」

 

「全くです、ザフト軍でもかなりの若手が志願してると聞いてますが 彼もまだ子供です」

 

「早く、戦争を終わらせねばな……」

 

 

 

ナスカ級高速戦闘艦 ヴェサリウス

 

 

「そう難しい顔をするな、アデス」

 

仮面をかぶり、素顔を隠した男、ラウ・ル・クルーゼは、

先程からかなり不安そうな表情をしている副官に声をかける

 

「はっ…しかし、協議会からの返答を待ってからでも遅くはないのでは…?」

 

「遅いな」

 

アデスの提案をラウはきっぱりと否定の言葉で切り捨てる

 

「私の勘がそう告げている」

 

ラウはポケットの中から写真を取り出しアデスに見せる

その写真には人型の機械の顔部分が写っている

 

「ここで見過ごせばその代価、

いずれ我々の命で支払わなければならなくなるぞ」

 

そう…その写真に写っていたのは…

 

「地球軍の新型機動兵器…

あそこから運び出される前に奪取する」

 

ラウは笑みを浮かべながら、そう告げた

 

 

モルゲンレーテ

 

 

「・・・・・・ここがモルゲンレーテ」

 

シルヴァは、護衛対象の元へ愛機と共に輸送艦からここへ来ていた。

 

「待った待った!此処から先は立ち入り禁止だ!!」

 

いきなり、怒鳴られたのでトレーラーを急停止させ 窓から顔を出す。

 

「俺は、依頼を受けてここへ来たんだ。通してくれないか?」

 

「証明書は?」

 

ダッシュボードから、艦長に渡された証明書を取り出す。この証明書があれば、モルゲンレーテをある程度歩く事が出来るらしい。

それを降りて手渡す

 

「・・・・・・いいぞ」

 

再び、トレーラーに乗り込み モルゲンレーテの奥へ走らせれると 今乗ってるトレーラーと同じ大きさのトレーラーが駐車していた。

 

 

「ラミアス大尉、トレーラー増えてません?」

 

「え?・・・みたいね。何なのかしら?」

 

1台のトレーラーからサングラスを掛けた少年が降りてきた、しかし服装は連合の士官 それどころか整備兵の物でもなかった。敵軍のエリートの象徴……赤服だったのだ。

周りの整備兵達が自動小銃を向けてくる

 

「待ってくれ、俺はザフトじゃない」

 

「みんな、銃を下ろしなさい。」

 

「感謝します、傭兵部隊サーペントテールのシルヴァ・クロフォードです。連合の新兵器護衛に参りました」

 

「そうだったのね、協力を感謝します。では、あのトレーラーは?」

 

「自分の機体です、もしもの為に持ってきました。」

 

「そう…取り敢えず、あっちへ移動をお願いできるかしら?向こうには丁度 スペースが空いてるから」

 

「了解しました」

 

そう言うと、シルヴァはトレーラーに乗り込み 移動させる

 

「あんな子まで、戦場に出てるのね……」

 

情けないわね と自嘲気味に呟いた後に輸送作業を再開した




と、こんな感じです。機体説明は、次回にやろうかと。
では


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第2話 コロニー迎撃戦

どうも、ファントムガンナーです。SEEDの小説…昔全巻持ってたんですが、7年前に廃棄してしまって凄く後悔してます。テレビ見てても、どう表現すればいいのか たまに分からなくなってしまいます。

それと機体名・キャラクター 募集をしています。

多分、戦闘回かな?


ここはヘリオポリス管制区

ヘリオポリスのまわりをモニターし、見張っているのだが…

 

 

「ええい、アラートを止めんか!

接近中のザフト艦に通告する!貴艦の行動は我が国との条約に大きく違反するものである!

ただちに停船されたし!」

 

このヘリオポリスに、2隻のザフト艦が無断で接近してくるのである

中立であるヘリオポリスに対するこの行動は、当然違反である

ザフトもそれはわかっているはずなのだが…

 

しかしザフトの艦は止まらない

なおも接近してくる

 

「…!強力な電波干渉!ザフト艦から発信されています!」

 

ありえない

ここは中立だ

なのになぜ?

だが、ここでも戦火は牙をむく

 

「これは…明らかに戦闘行為です!」

 

この報告で通告していた管制官の顔が青ざめた

職員に大きな衝撃を与えながら戦いは幕を開ける…

 

 

 

「敵の数は!?」

 

「2隻だ!ナスカ級ならびにローラシア級!電波干渉直前にモビルスーツの発進を確認した!」

 

ムウは、ザフトが攻めてきたという報告を聞き、すぐに自分の愛機、メビウス・ゼロに乗り込んだ

 

「ルークとゲイルはメビウスにて待機!まだ出るなよ!」

 

ムウは他のパイロットにそう指示を出す

 

そう、ここは中立なのだ

攻めてくるはずがない

だが、もしこのまま戦闘になったら

まずなぜザフトがここを攻めてくる?

中立国を攻めるということがどういうことなのか

奴らがわからないはずがない

 

…まさか、ばれたのか?

モルゲンレーテと共同で秘密裏に開発されたあれが…それにあの少年の危惧が当たっていた…?

 

ムウがここまで思考を深めた時、ついにザフトのモビルスーツ、ジンが港に侵入してきた

 

もうダメだ

戦闘に入るしかない

 

「船を出してください!港を制圧されるわけにはいかない。こちらも出る!」

 

中立であるはずのここで、戦闘が始まる

 

 

 

「クルーゼ隊長の言った通りだな」

 

ザフトの赤いパイロットスーツを身にまとい、ヘルメットの向こう側で笑みを浮かべながら、

イザーク・ジュールは言った

 

「つつけば慌てて巣穴から出てくる…って?」

 

同じくザフトの赤服を身にまとう男、ディアッカ・エルスマンが口にする

 

彼らの他にも2人、同じ赤い服

そして10人ほど緑の服を身にまとう男たちの視線には

ザフトが攻めてきたと報告を受けたのか

慌ただしくなったモルゲンレーテの工場から巨大なコンテナを載せたトレーラーが複数 出てくる

 

「あれだな」

 

今作戦で狙うのは、あのトレーラーに載せられているであろう地球軍の新型モビルスーツ6機

これに失敗すれば、ザフトにとってかなりの損害になるのだが…

 

「やっぱり間抜けなもんだ。ナチュラルは」

 

イザークがそう冷たく口にする

外で艦が戦闘行動を行い、中で奇襲を仕掛ける

こんな簡単な作戦に引っかかることは、コーディネーターではあり得ないことなのだ

 

「俺とニコル、ディアッカの班で右側の3機をやろう」

 

イザークが新たな人物を呼ぶ

 

ニコル・アマルフィ、年齢はこの中で最年少だが、

エリートの証であるこの赤服を着ているころから、かなり優秀であることがうかがえる

 

「なら、残りは俺とラスティの班だな」

 

「ああ、頼むぞ。アスラン」

 

 

 

モルゲンレーテ工場区

 

「ラミアス大尉!管制室との連絡 ありません!!」

 

その場にいた、ラミアス大尉とシルヴァは最悪のケースを想像していた。しかし、それは突如 現実となって降りかかる

2機のMSが手にした機銃で攻撃してきた

 

「ザフト!?X-105とX-303を起動させて!!とにかく、コンテナから出すのよ!!」

 

「俺が時間稼ぎをします!!」

 

シルヴァは既にパイロットスーツに着替えており、自分の愛機が眠るコンテナに飛び込む

流れるようにコクピットへ入り、OSを起動させていく。

 

「くそ、つくづく 嫌な予感が当たるもんだな……」

 

コンテナから機体を出した

ZGMF-1017M ジン ハイマニューバ

ザフトの次期主力機 シグーの繋ぎのためにジンを近代化改修を施した機体で強力なメインスラスターや機体各部にスラスターを増設し、機動性と運動性を向上させた。

この機体は、シルヴァに合わせて藍色で塗装され 細部には金色で仕上げ、左肩には装甲シールドを装備している。

 

シルヴァはジンの主力兵装の一つ 76mm重突撃機銃を手にし、モノアイを光らせ 地面に降り立ったジンを睨む

 

 

 

「なんだと、ジン ハイマニューバだと!?」

 

ジンのパイロット ミゲル・アイマンはこの事態に驚いていた、ナチュラルの兵器と言えば リニアガンの榴弾砲車やリニアガンタンク、自走ミサイル車両等の筈だった。

だが、目の前には間違いなくMS……しかも自軍の代表機 ジンの改良型なのだ。

 

そう考えるとミゲルの心に、ふつふつと怒りの炎が燃え上がっていった

 

「ナチュラルがMSなどぉぉぉ!!!」

 

怒りに任せ、76mm重突撃機銃を単射にし 撃ってくる

 

ハイマニューバはステップするように回避し、向こうも機銃を単射にし撃ってきた

 

ミゲルも難なく回避するが、ハイマニューバの機銃がミゲルの機体の右肩に直撃する

 

「なに!?」

 

今度は上空へ飛ぶが、ハイマニューバの機動性ではすぐに追いつかれ 機銃を撃ち続け 次々と着弾していく

 

「馬鹿な!?ナチュラルにこんな奴が!?」

 

その時 ミゲルはハイマニューバの左胸の装甲に見覚えのあるエンブレムが見えた

忘れもしない……この作戦前に戦ったカスタムされたジンと戦った時にも見た 蛇のエンブレム。

 

「貴様も、あの傭兵の仲間かァァァ!!!!」

 

ミゲルは重斬刀を引き抜き、突撃する

ハイマニューバも機銃を腰背部にマウントし、重斬刀を引き抜き 切り結ぶ

 

 

「コイツ・・・・!」

 

斬りかかって来たジンが、いきなり気迫が増し 押し切ろうとしていた

コイツに何をしたか知らないが、ナチュラルがMSを操縦してるのが許せないのだろう。

 

「俺だって……与えられた任務はこなすさ!!」

 

すると、ジンが蹴り飛ばす

重斬刀に目が行き過ぎて、挙動を見損なったのだ

くそ、周りに目を配れ って散々言われてるってのに!

 

そのまま、建物に激突する

 

「がっ!?」

 

衝撃で頭がグラッとしたが、すぐに機体状況を確認

損傷は軽微だった ふと視界を建物内にズラしたら 1人の少女が壁に手をついていた

 

 

なんで、民間人がモルゲンレーテにいるんだ!?

逃げ遅れたのか、俺の機体を見上げていた

俺はすぐにスピーカーを入れ、警告した

 

「おい、何でそこにいる!?死にたいのか!?」

 

「え…わ、私は」

 

俺は、ハイマニューバの左手を少女の前に置く。

 

「乗れ!!早く!!」

 

少女は戸惑ったが急いでハイマニューバの左手に飛び乗った

俺はすぐにコクピットを開き、身を乗り出して 手を差し伸べる

 

「来い!」

 

少女はシルヴァの手をつかみ、飛び移った

すぐにコクピットに乗り、ハッチを閉める

 

「済まない、こんな事に巻き込んで……」

 

「ううん、私は大丈夫…」

 

くそ、こんな子まで巻き込みやがって!そして、上空にいるジンを睨みつけ

 

 

 

「コレで終わりだな!傭兵め!!」

 

ミゲルの機体が重斬刀を振り下ろす

 

「でぇぇぇい!!」

ハイマニューバの追加した左肩のシールドで防ぎ、サイドスカートに格納してあるMS用コンバットナイフ アーマーシュナイダーを抜き、ジンの首の付け根に突き刺す

 

「何ィ!?」

 

「ハアァァァァァァ!!!!」

重斬刀を逆手に持ち、ジンの左腕を切り落とす

 

「くっ・・・・・」

 

ミゲルは機体を反転させ、コロニーから脱出した

しかし、先の戦いといい あの反撃といい 本当にナチュラルなのか?

と言う考えがミゲルの脳内に過ぎった

 

 

「はぁ、はぁ……」

 

息を切らし、何とか撃退したはいいがまた来るかも知れないと思い、機体を反転させると目の前で爆発が起きる

 

「なんだ!?」

 

そこに居たのは、二つ目のMSが2機居た……。




はい、こんな感じです。締りは悪いですが この辺で。
ある程度、話が進んだら機体紹介及びキャラクター説明します。
では、コレを晒して締めましょう


シルヴァ専用ジン ハイマニューバ

武装
アーマーシュナイダー×2
重斬刀
76mm重突撃複合機銃 (対空散弾銃を銃身下部に付属)
キャットゥス500mm無反動砲
シールド裏 内蔵型グレネードランチャー

モデルはジン ハイマニューバにジン(グッド・ヴェイア専用機)を構想してみました。左右非対称な感じが好きなので


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第3話 6体目の機体

最近、リマスターと通常のガンダムSEEDやってるでしょう?どっちを録画して落とした方がいいでしょうか?

あ、機体とキャラ募集を続けてます。コメントしてくれると助かります。では 本編へgo!


〈モルゲンレーテ工場区〉

 

「!機体を起動させられたのか!?」

 

2機、型式番号でしか聞いてないがその機体らが飛び上がったが 片方 イージスは別のジンの元へ降りた。

 

「っ、奪取されたのか!?」

 

重突撃機銃を構えようとするが、ジンが奪取されたイージスを守るように機銃を撃ちかけてきた

 

「チィ!」

 

左肩の装甲シールドで防ぎながら 後退する。

すると、ジンはもう1機の機体に向かっていく

 

「!?マズイ!!」

 

装甲シールドを向け、内蔵されたグレネードランチャーを発射する

ジンは、すぐに回避すると 別の建物に直撃してしまい

建物はほぼ外壁が吹き飛んでしまった

 

「しまった!?」

 

すると、煙が晴れると 大型トレーラーが止まっていた

 

 

「・・・・あれは?」

 

すると、向こうの機体から通信が入ってきた。

 

 

「聞こ・・え・る・・・キャリ・・バー・を」

 

「ラミアス大尉!?無事ですか!?」

 

返答するもすぐにノイズの波で消させれる

 

「くそ、まだ電波障害が!」

 

チッ、パイロット達は来てない。交戦してるか或いは…もう…。第三の選択があるとしたら……やむを得ない…。

ハイマニューバをトレーラーに向かわせ

機体を低くさせ コクピットを開く

 

「君はここでジッとしてろ!恐らく、奴は俺がこの機体を捨てたと思って狙ってくる!静かにしていれば 襲われはしない!」

 

「え、そんな事をしたら・・」

 

そう、MSから降りれば 危険性は格段に上がる

もし、攻撃が当たれば……死ぬ。

 

「大丈夫だ、俺はまだ 死にたくないからな・・・。」

 

一瞬 私には彼が哀しい表情になった気がした

なんで、そんな顔をするの?と問いたい位に

 

「じゃあ、ジッとしてろよ?」

 

 

飛び降りて、トレーラーまで走り出す

ジンが気付き、機銃を向けてくるが残った機体 ストライクが頭部のバルカンで牽制してくれた。

最初より動きが良い気がするな……。

そして、俺はトレーラーの後ろにあるMSのコクピットを開け、滑り込むように乗り OSを立ち上げる

すると画面に文字が表示される

 

General

Unilateral

Neuro-Link

Dispersive

Autonomic

Maneuver

 

「ガン・・ダム・・」

 

この機体の事か?まあいい、起動できたんだ……。

そう思い、機体を立たせたが 何故かフラフラする

 

「っ、なんだよ!?」

 

OSで機体の状況を確認してみた。

酷いの一言だった……機体の制御系統のプログラミングが雑の上滅茶苦茶だったのだ……静止してしまう位に

 

「おいおいおいおい、こんなので動かそうとしていたのかよ!?歩く事すら出来ないぞ!?」

 

取り敢えず、動かせる様にしないとこっちがやられる!

OSの最適化を図るため、次々と書き換えていく

その間にジンが重斬刀を抜き、こちらに向かってくる

 

「マズっ!?」

 

頭部バルカンで牽制しようと弾丸をばら撒くが、まだ最適化してない為か 全く当たらない

その間にジンの間合いに入られ、重斬刀を振り上げる

 

死ぬ?俺が……?こんな任務で?

重斬刀が迫ってきて 反射的に目を瞑る

しかし、いつまで経っても切り裂かれない……。

目を開けると、俺は見開いた

置いていた筈のジンハイマニューバがジンの持つ重斬刀を掴んで、抑えていたのだ

 

「急いで!!その機体を!」

 

そう、あの子だ……

あの少女がジンハイマニューバを動かし ジンを抑えていた

でも、なんで 俺用にカスタムされたハイマニューバを動かせるんだ?

 

「早く!!」

 

彼女の声で我に返り、最適化を急ぎ スイッチを入れる

すると、機体は両脚と胸部は白と黒、膝のパーツと両肩は蒼く染まる

 

「コレが連合の新型・・・・」

 

 

「キャアァァァァァァ!!!!」

 

ジンがハイマニューバの拘束を振りほどき、吹き飛ばした

そして、ジンがハイマニューバに向け 重斬刀を高く振り上げる

 

「やめろぉぉぉぉぉ!!!」

 

両肩ののアーマーから中振りのダガーが引き抜き、素早くハイマニューバの前に割り込み 左ダガーで重斬刀を受け止め もう片方ののダガーで首元に突き刺した

 

するとジンは動かなくなり コクピットからパイロットが出てくる

 

「!?あの野郎、まさか!?」

 

すぐにダガーを機体から引き抜き、ジンを遠くへ上へと蹴り飛ばす

すると、空中でジンが大爆発を起こした

そう 敵パイロットは置き土産のつもりでジンの自爆装置を入れ とっとと脱出したのだ

 

「お前、なんで俺の機体を動かせたんだ・・・?」

 

「え、えっと・・・頭が真っ白になって・・・・」

 

「そうか・・・・」

 

機体をストライクの所へ向かわせ、通信を試みた

 

「ラミアス大尉、聞こえるか?機体は、確保した」

 

「え、貴方は?」

 

帰ってきた声は明らかにラミアス大尉とは違った、男……それも俺と同い年かと思うくらいの年齢の声だった

 

「誰だ、お前は!」

 

「あ、それよりも女性の方が気絶してて」

 

「なに!?早く、機体から下ろすんだ!」

 

なんで、この少年が連合軍の新型機を動かしてるんだ!?

もしかして……俺と同じ……。

直ぐにハッとなり、機体をできるだけ低く下げ コクピットを開くと 直ぐにストライクへ向かうのだった




どうですか、まだ長くするつもりだったんですが。一定ストーリー進んだら解説しておこうと思います。では


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第4話 戻らない平穏

seed系の小説を楽しみにされていた方々、本当に申し訳ない。
Isやデアラの方に集中していておろそかになってました

では、本編へ


〈ヘリオポリス 宙域・ヴェサリウス〉

 

 

「ミゲル機、中破!!緊急帰投するようです!」

 

「なに、ミゲルが!?こんな任務でか!?」

 

ザフトの艦、ヴェサリウスで衝撃の報告が入った

ザフトのエースパイロット、黄昏の魔弾という異名までついているミゲルがやられたというのだ

幸い、ミゲル自身は無事なようだが、この報は艦の中に大きい衝撃を与える

 

 

「ふむ…」

 

このヴェサリウスの艦長、ラウは、あごに手を当てながら考える

イザーク、ディアッカ、ニコル、アスランが奪取に成功し、ラスティが失敗

ミゲルが手傷を負い、エレン・アシュクロフトからも応答が来ない

 

 

「ミゲル・アイマンから報告!ジン・ハイマニューバがコロニー内で確認!連合側で、傭兵の様です!」

 

「マシューからエマージェンシー!機体を失ったそうです!残り、2機にやられたと。エレン・アシュクロフトは……失敗した模様です……」

 

「なんだと!?」

 

 

さらに入ってきた報告に、アデスが声を上げる

エレンもまた、ミゲルほどまだ名は知られてはいないが、

いずれはザフトのトップエースになるだろうと言われていた逸材だった

 

 

「エレンが失敗し、ミゲルにマシューまで落とされたか…。いささかうるさいハエが飛んでいるようだな…」

 

「隊長?」

 

ラウはなめらかな動きで立ち上がる

 

「私も出る。残りの2機とその傭兵、そのままにはしておけん」

 

 

 

 

 

ムウは1人で奮闘していた

まわりの仲間は落とされ、母艦も落とされた

だが、ここで死ぬわけにはいかない

新型のMSが奪取され、運び出されていくのは傍目ながら確認した

今、奪取された機体は4機

まだ残りの2機がある

それら全てを奪われるわけにはいかないのだ

 

「?」

 

決意を固め、ムウは再び敵機に向かおうとするが、突然敵機が撤退し始めた

訝しげな眼で撤退していくジンを見ていたムウを不思議な感覚が襲う

 

「!」

 

背筋に冷たい感覚

不快に感じるこの感覚

この感覚を感じるときは、いつも奴がいた

 

「これは…ラウ・ル・クルーゼか!」

 

感じる方向に機体を向けると、そこにはザフトの新型のMS、シグーがいた

 

「私も感じるようにお前も感じるのだな?不幸な宿縁だな……ムウ・ラ・フラガ……」

 

ラウはシグーを操作し、ゼロに向かっていく

ムウはレバーを動かし、距離を取ろうとする

 

MAであるメビウス・ゼロは接近戦の手段をもたない

なので遠距離攻撃で撃ち落とすしか基本攻撃手段がないのだ

 

「…なに?」

 

交戦していたラウが、急に転進しはじめる

その行先は…

 

「…!コロニー内部に!?行かせるか!」

 

ムウも機体を転進させ、ラウを追っていく

 

 

 

 

 

 

 

「どれですか!?パワーパックって!」

 

「武器とパワーパックは一体になってるの!そのまま装備して!!」

 

 

「ハイマニューバで、使えるのはこの大型バズーカに……給弾ベルト式大型マシンガン……それと……」

 

 

 

現在、キラ達とシルヴァはストライク、キャリバー、ジン・ハイマニューバの整備をしていた

 

 

戦闘が終わった後、コックピットから何とか降りたキラはトールたちのもとに、

気を失った女性を連れて行った

 

 

「おい、この人誰だよ?キラ」

 

「地球軍の人だと…思う」

 

「げぇ、軍の人!?」

 

 

キラからの返答に驚いたトールはつい大声をあげてしまう

しかし、怪我をしているということで、驚くのは後にして手当をすることにする

 

「それで、あれに乗ってるのは誰なんだ?」

 

今度はサイがキラに聞いてくる

しかし、それに関してはキラも知らないのだ

あの圧倒的な動き

キラが介入することもなくジンを撃墜していた

 

「あ、ハッチが開いたわ」

 

ミリアリアの声を聴き、全員がキャリバーに視線を向ける

そこにはザフトの赤いパイロットが、少女を抱えながら地面に降り立っていた

 

「ざ、ザフト!?」

 

ザフト兵が乗っていた一同は、警戒をし出す

 

「待て、俺はザフト兵じゃない……」

 

「・・・・・本当だよな?」

 

「あぁ、俺は地球軍に雇われた哀れな捨て駒だよ」

 

「そ、そうなんだ・・・」

 

何処かの伝説の兵士みたいの言葉を言ったせいか周りが納得した

 

「ね、ねぇ…。降ろしてくれない?」

 

「あ、済まない」

 

シルヴァがずっと抱き上げていた少女を降ろす

 

「あの、貴女は?」

 

周りの少年達がこんな感じで騒ぐ声がうるさかったのか

 

 

「…うぅ」

 

 

女性の軍人が目を覚ます

それに気づいたキラたちは、女性に歩み寄る

 

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

「!?ラミアス大尉!」

 

 

ミリアリアが女性に問いかける

女性は「ええ、大丈夫…」と弱弱しく答える

その弱さを感じたミリアリアは女性の手当てを始めようとするが…

 

「みんな、そこに一列に並んで…」

 

女性が指示した通り、全員が一列に並ぶ

全員がこの女性がなにを言うのか気になっている中、女性が口を開く

 

「私は、マリュー・ラミアス。地球軍の将校です。申し訳ないですが、あなたたちをこのまま解散させるわけにはいきません」

 

「!は?」

 

「なんでだよ!」

 

女性…、マリューが発した言葉に、カズイとトールが声を出して反応する

 

「これらの機体…、X-105ストライク、X-111キャリバーは軍の最高機密です。事情がどうあれ、機密を見てしまったあなたたちには、しかるべき所と連絡がとれ、処置が決定するまで私と行動を共にしていただきます」

 

「なんだよそれ!冗談じゃねえよ!」

 

「僕らはヘリオポリスの民間人ですよ?中立なんです!軍なんて関係ないんです!」

 

あぁ、そうだ

彼らは戦争とは無関係の民間人なのだ

さらに自分の代わりにストライクを操縦してくれた少年

しかし、申し訳ない気持ちを抑え、現実を告げなければならない

自分は、軍人なのだから…

 

「黙りなさい!」

 

騒ぎ立てるトールたちをマリューは一喝する

マリューの気迫におされ、トールたちは黙り込む

 

「中立だ、関係ない!そう言ってさえいれば今でも無関係でいられる…、まさか本当にそう思っているわけではないでしょう!?」

 

「無茶苦茶だ、そんなの…」

 

マリューの言い分に不満を持ったサイがぼそりと反論をする

 

「無茶苦茶でも、戦争をしているんです!今、あなたたちの外の世界ではね…」

 

 

 

「済まないが……分かってくれ……」

 

なんと、関係無いはずのシルヴァが頭を下げる。

この行動には、キラ達とマリューも驚きを隠せない

␣    ‥‥

「俺達、連合がこのコロニーが戦場なる筈が無いと思い込んだ結果だ……。済まない……」

 

「いや、その……頭を上げてくださいよ」

 

「貴方のお陰で私達が助かったような物ですから!」

 

「だが・・・・・」

 

それでも、何かを言おうとするがマリューが肩に手を置く

 

「もう、いいのよ?貴方が責任を感じなくても……」

 

「しかし……!」

 

「貴方のお陰で彼らの生命とストライクとキャリバーは、守れた……。誇っていい事なのよ?」

 

「・・・・・・はい」

 

 

 

そして現在に至る

作業をしながらキラはキャリバーのことを思い出す

シルヴァ・クロフォードと名乗って、後から自分の機体であるジン・ハイマニューバを持ってきて、ジンでも使える装備とストライク・キャリバー用の追加兵装をかき集めてくれた。

それに、シルヴァさんと乗っていたあの娘は誰なのか

マリューに名を聞かれたとき、エレン・アシュクロフトと名乗っていたが…

そう思考を深めたとき、轟音と共に、地面が揺れる

 

 

 

「……なんだ?」

 

 

コックピットから顔をだし、空を見上げる

そこには、戦闘機とモビルスーツが戦闘を繰り広げていた

 

「!最後の2機か!」

 

ムウが下をのぞき、Xナンバーの残りの2機の存在を確認する

 

 

「ほう、あれか」

 

ラウはシグーを2機に機体を向け、接近する

 

 

「くそ、させるかよ!」

 

ムウも負けじとラウが駆る、シグーを追う

しかし、急にシグーが視界から消える

 

「な…!上か!」

 

ムウは気づくや否や、必死に回避行動を行う

そのすぐ後、機体が衝撃に揺れる

ラウの攻撃によりリニアガンが損傷

不時着を余儀なくされる

 

 

「ちっ、落とせなかったか」

 

ラウは損傷は与えたものの、撃墜できなかったゼロを見る

 

「まあいい、今はこっちだ」

 

そう

今の最重要任務はあの2機を奪取、もしくは破壊することだ

ラウは再び機体を2機に向ける

 

 

 

シルヴァは頭上で行われていた戦闘を見ていた

あれは…シグーか!

しかし、考えている場合ではない

フラガ大尉は今、不利だ

やられるのは、時間の問題だろう

少年達は、作業の途中でダメ

残っているのは

 

 

「俺だけか!」

 

 

シルヴァは、ハイマニューバではなくキャリバーのコックピットに乗り込もうとする

しかし、シルヴァの手をつかみ、止めたものがいた

 

 

「エレンさん…?」

 

 

 

 

 

どうして彼は戦おうとするのだろうか

彼はまだ幼いのだ

だから機体に乗り込もうとする彼を止めた

いや、上官と戦うのを止めたいという思いもないと言ったらウソになるけど…

 

 

「エレンさん…?」

 

 

シルヴァがきょとんとした顔でこちらをのぞき込む

 

 

「何故……?」

 

 

「え…?」

 

 

「何故、貴方は……戦おうとするのですか?」

 

 

 

 

何故…か

その答えは…決まっていた

 

 

「力を持ってるからだ」

 

 

「え…?」

 

 

自分の答えを聞き、エレンが意外そうな顔をしてこちらを見る

 

 

「俺は傭兵である前に力があるんだ、その力を活かさないままに死ぬなんて、俺は絶対に御免だ」

 

 

「…」

 

 

シルヴァの言葉をきき、エレンは手を放す

それを確認したシルヴァはすぐさまコックピットに乗り込み、ハッチを閉める

PSを起動させる

 

モニターで見ると、フラガ大尉がやられていた

機体は不時着してるし、大尉は無事なようだが、あれではこれ以上の戦闘は無理だろう

キラの作業は、まだ少しかかるように見える

シグーは、起動したこちらを警戒しているのか動かない

 

 

「はぁ…」

 

 

シルヴァは、最初に操縦する直前のように、深呼吸をして気持ちを落ち着かせる

 

 

「やるか……!」

 

 

準備万端

シルヴァはバーニアを吹かせ、シグーに向かって上昇する

シグーも、キャリバーの動きに反応して、こちらに向かってくる

 

 

シルヴァは腰にあるビームサーベルを抜き放つ

ラウも重斬刀を抜く

 

 




どうでしたか?まだまだ、未熟ですが楽しめて頂ければ大いに結構です
では、オリジナルMSを紹介します



GAT-X111 キャリバーガンダム

分類 高機動換装機

胴体・両腕はゲイルストライク
下半身はSガンダム
頭部はアスタロト

他のXナンバーより、別格感を出したかったので

特殊機能
ストライカーパック共有する程度の機能

連合製武器の使用可能できる程度の機能

武装

対空バルカン砲塔システム イーゲルシュテルン×2

両腕部 ガトリング砲×2

ハルファス 腰部ビームカノン×2

高エネルギービームライフル
(デザインはセンチネルに登場した量産機ネロ)

ビームサーベル×2
(左右の大腿部に装備)


専用パック
スペリオルパック

レオニス ビームキャノン兼用大型ビームサーベル×2

有線式小型ビームガンバレル×2

8連装径ミサイルポッド×2

専用手持ち武器
フォルストリーム ビームスマートガン


大まかにこんな感じですね、それと登場させたいオリキャラが居るのであれば、後で活動投稿を見てくださいね


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第5話 崩壊の序章

本当に申し訳ないです、用事とかではなく単にやる気やら疲れで投稿が出来ませんでした


空中で、シグーの重斬刀をキャリバーが回収した対ビームシールドで防ぐ

 

ほぼ互角に戦う、傭兵 シルヴァ・クロフォードとザフトのトップエース ラウ・ル・クルーゼ。

 

 

「私についてくるとは、地球連合にもこれ程のパイロットがいるとは!」

 

 

クルーゼが相手の技量を皮肉気味に吐きつつも、シールドに内蔵されたバルカン砲で弾幕を張る

無数に発射される弾丸を掻い潜るかのように避けながらキャリバーはシグーに接近する

キャリバーはビームサーベルをシグーに向けて振り下ろす

シグーはキャリバーの剣戟をかわして距離をとる

それを見たシルヴァはこちらも回収したデュエルのビームライフルを取り出し、シグーに向けて放つ

放たれるビームはどれも正確にシグーの関節等を狙う

しかし、経験豊富なラウにとって、それらをかわすのは容易いことだ

 

 

「ふむ、動きは見事なものだが、経験不足だな」

 

 

そう、シルヴァは見事にキャリバーを駆っているが、傭兵部隊に入ってまだ数ヶ月・・・・経験が不足している

先程の射撃も狙いはどれも正確にシグーを狙っていた

だが、単純だったのだ

どれもこちらを正確に狙っていたため、簡単にかわすことが出来たのだ

そして、

 

 

「戦闘経験が少ないのならば、やりようはいくらでもある!」

 

 

ラウはバルカンを狙いをあまりつけずに発射する

 

 

「!?」

 

 

シルヴァは、無闇に動かずに対ビームシールドで防ぎながら細かく回避する

いくらあまり狙いを付けずに発射したとはいえ、

それでも乱射された弾丸は所々でキャリバーに当たる起動でとんでくる

しかし、自分の居る傭兵部隊の先輩から聞いた事を思い出す

 

『相手の撃ち方には、いくつかパターンがある。1つは、デタラメにバラ撒くことだ。コレは、初陣または新兵によくありがちな行動だ。』

 

『もう1つは、牽制だ。何か重要な物か母艦を守る時や自分の距離を保ちたい時に行うものだ』

 

『そして、入ったばかりのお前には掛かりやすい物がある。

陽動の為だ。コレは、上手くバラ撒いて 向こうにとって都合の良い進路を作らされる時にやる物だ。』

 

シルヴァはバーニアを小刻みには吹かし、最小限の軌道で回避する

 

 

「ふむ、そこまで素人では無いか……」

 

 

シグーは、重斬刀をしまい 機銃を手にし バルカンと同時に撃ちかける

 

 

「っ!!」

 

 

キャリバーの機動性にものを言わせての回避で弾幕を抜ける

 

 

「しまった!?」

 

 

「もらった…!」

 

 

回避した先にシグーが来る

あまりに突然のことでシルヴァは反応に遅れる

シグーは重斬刀を振るう

シルヴァは何とかシールドを割り込ませ、この攻撃はやり過ごす

しかし不安定な体制で防いだせいか、シグーが振りぬいた重斬刀の衝撃でさらに体制を崩す

 

 

「知識はあっても経験が少ないようだね!咄嗟の対応が遅れ、どちらに動くのか読みやすい!」

 

 

ラウは大きな砲撃をキャリバーに向けて撃とうとする

このタイミングでかわすことはできない

ここでやられるのか…

シルヴァはモニターに映るシグーを睨み、最後まで生き残るという意思は消えない

間に合わないとなら刺し違えようと、シルヴァは力一杯操縦桿を倒す

 

 

その時―――

 

 

凄まじい轟音と共に鉱山の岩盤が崩れ落ちた

 

 

「なんだ!?」

 

 

ラウは突然響いた轟音が鳴った方向を見る

大きな土煙の中をかきわけるように現われたのは白く輝く巨大な戦艦であった

 

 

白亜の戦艦、アークエンジェル

その艦長席に座っているのは、ナタル・バジルール少尉である

 

 

「アークエンジェルの状態、問題ないな」

 

 

「はい、全システム、オールグリーンです」

 

 

ナタルの問いかけにアークエンジェルの操縦士、アーノルド・ノイマンが答える

 

 

「X-111、ザフトの新型と戦闘中です!」

 

 

「なにっ!?」

 

 

ジャッキー・トノムラが戦況をナタルに報告する

画面に光学映像が出される

そこには、こちらを向いているシグーが映されていた

 

 

 

「戦艦だと…、コロニー内部に?」

 

 

ラウは、急に出てきた戦艦を見て驚愕する

新型のMSだけでなく、戦艦までも作られていたとはな……!

 

 

「チィッ!」

 

 

ラウは、今度は戦艦に狙いを向ける

その瞬間、ラウを途轍もない衝撃を与える

 

 

「くっ…!被弾したか…!」

 

 

シグーは、ストライクの砲撃を受けていた

さらに見てみると、コロニーに穴をあけていた

その穴をあけたのは間違いなくストライクだろう

 

 

「MSにこれほどの火力を持たせるとは…。ヴェサリウス!被弾した!帰投する!」

 

 

 

 

「ラミアス大尉!よくぞご無事で!」

 

 

「バジルール少尉…、あなたこそ、よくアークエンジェルを守ってくれました」

 

 

マリューとナタルがお互いの生存を称えあう

 

 

「守れたのは…」

 

 

「えぇ…、この2機だけよ…」

 

 

ナタルがXナンバーの機体を気にする

あの機体は軍の全技術力、さらにオーブの力を借りて完成させた機体なのだ

スペックだけなら、ジンを軽く凌駕する

それらがザフトの手に渡ることを考えたくはないのだが

残ったのは、この2機だけなのだ

 

バシュウッとハッチが開く音がする

この場にいる全員が、キャリバーとストライクに目を向ける

そこから降りてきたのは、1人の少年と赤いザフトのパイロットだった

 

 

「民間人…、子供じゃないですか!それに、キャリバーにはザフト!?」

 

 

ナタルは、根っからの軍人である

当然規律には厳しい

その彼女がこの光景を見てどう思うかなど、容易に想像がつくだろう

近くに居た連合兵にアサルトライフルを向けられる

 

 

「待った待った、そのパイロットは俺達の味方だ」

 

 

険悪な空気になりかけた所に1人の男性が現れた

少しくせのついた金髪

身にまとう紫色のパイロットスーツ

 

 

「地球連合軍第7機動艦隊所属、ムウ・ラ・フラガ大尉だ。乗艦許可をもらいたいんだが、この艦の責任者は?」

 

 

男性は敬礼をしながらこちらに問いかける

マリューとナタルが、その言葉に返事をするために敬礼する

 

 

「第2宙域第5特務師団所属、マリュー・ラミアス大尉です」

 

 

「同じく、ナタル・バジルール少尉であります。艦長以下、艦の主だった士官は皆戦死されましたので、今はラミアス大尉がその任にあると思います」

 

 

「え…艦長が…」

 

 

ナタルの言葉を聞き、マリューは少なくないショックを受ける

その人物には何かとお世話になっていたのだ

戦死…、戦争は…

 

 

「あー、ともかく許可をくれよ。俺の母艦が落とされちまってさ」

 

 

「あ…はい。許可します」

 

 

「フラガ大尉!」

 

 

キャリバーに乗っていた赤いザフトスーツのパイロットがムウに駆け寄った

 

 

「お前さんも、生き残ってたのか…。だが、まさかアレに乗ってたとはな」

 

 

「ザフトに、奪われる訳に行かなかったので」

 

 

「ん?お前さん、自分のは?」

 

 

「はい、奇跡的にも破壊されて無いので後で回収したいのですが。

それと、まだ集めたトレーラーの中には使える武器や装備が」

 

 

「分かった、ラミアス大尉に許可を貰っていけ」

 

 

「了解……」

 

 

シルヴァはヘリオポリスに来る際に同じ母艦に乗っていたムウと再開を果たし、自分の機体と地上に置いてきてしまった武器・装備を回収する許可を得るためにマリューの元へ向かう

 

 

マリューから乗艦許可をもらい 同じ母艦に乗っていた傭兵の青年と再会を果たし 少し笑みを浮かべたムウは、トールたちと談笑しているキラのもとに歩み寄る

キラが、近くまで寄ってきたムウに気がつく

 

 

「なんですか?」

 

 

キラはムウを訝しげな眼で見る

そして、ムウは口を開く

 

 

「君、コーディネイターでしょ?」

 

 

「!」

 

 

ムウが口にした言葉にこの場にいる一部を除いて、全員が驚愕する

そして、多くの連合軍の兵士がキラに銃を向けていた

 

 

 

 

 

「…」

 

 

ザフトの兵、アスラン・ザラは、X-303イージスのOSの整理を行っていた

しかし、その頭の中では全く別のことを考えていた

 

イージスに乗り込む直前

地球軍の士官の傍らにいた少年

キラ・ヤマト

アスランとキラは、月の幼年学校で一緒だった

とても仲が良く、いつも一緒にいた

 

 

「いや、違う。キラじゃない。あいつなはずがない」

 

 

[クルーゼ隊長機、帰艦。被弾あり。消火班、医療班はすぐさまBデッキへ]

 

 

隊長が…、被弾?

シグーが帰投し、クルーゼがコックピットから出てくる

 

 

『隊長!?お怪我は!?』

 

 

艦橋に居るアデスから通信が入り、安否を確認する

しかし、本人には外傷など全く無かった

 

 

「大丈夫だ。だが良くない状況だ。戦艦も生きている」

 

 

『!?』

 

 

艦内に衝撃がはしる

新型のMSだけではなく、戦艦まで開発しているとは

ますます中立とは信じがたくなってくる

 

 

「あれを放置するわけにはいかない。使えるジンに全てD装備に換装させろ」

 

 

『D装備……ですか?』

 

 

D装備・・・・それは、要塞攻略戦用の最重装備の事である

確かに、その装備でなら戦艦を沈める位は容易い火力ではある

 

 

「急いで換装させろ、あの戦艦をここで沈める」

 

 

「!」

 

 

これからもう一度攻めにいくのだろうか

アスランは決心する

もう一度、ヘリオポリスに行くと

 

 

 

 

キラは連合軍の人たちに銃を向けられていた

ムウが口にしたコーディネイター

今、地球軍はコーディネイターと戦っているのだ

正確にはザフトとなのだが、ザフトはコーディネイターで構成された集団なので、

まあ一応同義なのだが、今の地球軍はコーディネイターは敵、と意識している

よって、たとえ民間人だとわかっていても警戒してしまうのだ

 

 

「なんだよそれは!コーディネイターでもキラは敵じゃねえよ!」

 

 

このキラへの対応にトールが激昂する

ミリアリアたちもトールのように言葉には出さないものの

兵に向けている視線は鋭くなっている

更に、マリューに許可を得ようとしたシルヴァはキラの元へ走り、庇うように立ち ホルスターから拳銃を抜き 連合兵達に向ける

 

 

「この民間人に向けるなら、俺にも向けろ………。俺もコーディネイターだ」

 

 

そう言い放つと、シルヴァにも銃を向けられる

しかし、シルヴァの握る拳銃に一切の揺らぎも感じられない

 

 

「あんたら、さっきの見てなかったのか!?こいつらはザフトの機体とたたかってたんだぞ!?」

 

 

さらにトールが言葉を重ねる

 

 

「銃をおろしなさい。ここは中立よ?戦争が嫌で移り住むコーディネーターはたくさんいるはずよ

傭兵にだって、コーディネイターが居ても不思議じゃないわ」

 

 

「いや、悪かったな。とんだ騒ぎにしちまって。俺はただ確かめたかっただけなんだ。それに、そこの傭兵はあのクルーゼと互角に戦える奴なんだ」

 

 

「!ラウ・ル・クルーゼ…ですか?」

 

 

軍人たちの会話についていけなかったキラたちにムウたちが説明してくれた

ラウ・ル・クルーゼ

ザフトのトップエース

この男によって討たれた人数は数知れず

 

 

「おいおい…、この人ってそんな化け物と戦ってたのかよ…」

 

 

「あぁ、ほんとに信じられねえ。俺はな、ここに来る前からこれをなんとか操縦しようと四苦八苦してきた奴を見てきたんだ。それをここまで簡単に操縦しちまうんだからなあ…。…、と。ま、それは置いといて、これからどうすんだ?」

 

 

物思いに耽りながらつぶやくが、それに区切りをつけ、ムウは今のことに目を向ける

 

 

「奴はしつこいぜ?これで帰るとは思えねえ」

 

 

「しかし、ここは中立…」

 

 

「おいおい、ここまでしておいて今更中立なんて言えるわけねえだろ」

 

 

マリューの希望的観測をムウはすっぱり切る

 

 

「ともかくもう一度ザフトは攻めてくる。それに備えて準備しておこうぜ?」

 

「コレから自分の機体と装備などを回収するので、またキャリバーを貸してもらえないでしょうか?」

 

「分かったわ、なら一度アークエンジェルを着陸させる必要があるわね・・・・」

 

議論が纏まり、モルゲンレーテからさほど離れない地点にアークエンジェルを着陸させ 集めた装備やパーツの回収作業に入った

 

シルヴァは自分の機体を持ってきたついでに、赤と白と言う派手なカラーリングのジンも連れてきていた

 

「シルヴァさん、その方は?」

 

「同じ傭兵のレントさんです、自分のように部隊ではなく1人で傭兵家業をやってる人です」

 

「おう、よろしく頼むぜ?俺達の母艦も無くなっちまって困ってたんだよ」

 

レントの後ろには武器装備がバラバラの厳つい男達が10人くらい居た

 

「後ろの人達は?」

 

「俺の傭兵団さ、他にも雇われていた奴が何人か居たんだがさっきの襲撃で死んじまってな。

そしたら、そこの戦艦が降りてくるのが見えたんだ」

 

「マリュー・ラミアス大尉です、あの艦・・・・アークエンジェルの責任者です」

 

「そうか、俺達は別方向の警備していたんだが工場区画から爆発が見えて向かったんだが もう既に破壊し尽くされていた後だったんだ」

 

「それでも駆けつけてくれた事に感謝します」

 

ある程度 会話をし、状況などを報告し これからの事をマリューから聞き 一先ず物資の積み込み等を行い 戦力も増えて 早急にコロニーから脱出を始めようとしていた

 

が、既に次の攻撃部隊が迫りつつあった



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