ハイスクールD×D 少年と少女達の剣舞 作:どこかのシャルロッ党
第114話「歌姫と小柄な幼馴染」
「ハハハ・・・やっぱり、最高だよ翔真・・・」
「そういうお前こそ。バハムートを纏った俺をここまで
手こずらせる奴なんてなかなかいない・・・」
ボロボロになったショッピングモール内で、翔真と一誠はボロボロだった。
リアス眷属と今回の試合で完全デビューしたリサラ眷属。エースである
翔真と一誠は互いに主の勝利の為に負ける訳にはいかない。沢山のギャラリー
リアスやリサラが見守る中で、二人はゆっくりと立ち上がる。
「俺の・・・勝ちだ・・・」
「お前の敗けだ・・・」
「「リアスさん/リサラの為にッ!負けろッ!」」
機攻殻剣と赤龍帝の籠手がぶつかり、強大な爆風が吹き荒れる。
「いてて・・・あの野郎のせいで、まだ身体が痛みやがる」
メタルマリーゼの事件から2週間過ぎた。まだまだ身体は痛むが
傷は大分癒えていた。シャルロットやミハルの懸命のサポートと
リアス達の支えで、なんとか動けるようにはなった。
「ま、リアスさん達がいなかったら死んでたかもな」
「私がどうかしたの?」
「リアスさん。おはようございます」
「おはよう」
相変わらず目のやり場に困るスケスケのネグリジェに身を包んだリアス。
翔真は慌てて視線を反らした。リアスの完璧すぎるボディーは翔真にとって
興奮するに値するものだ。
「り、リアスさん・・・何か羽織ってくださいよ」
「あら。もしかして照れてるの?・・・いいのよ。
もっと沢山見たかったら、近くで・・・」
「ちょ!?い、いいから何か羽織って!」
「・・・・・どうして私にはエッチな事してくれないの?」
「・・・・・」
リアスは俯きながらそう問う。リアス自身、最近気になることがあった。それは
翔真が自分に対してエッチな事をしないからだ。身体のふれあいはリアスや
翔真にとって大切なことなのだが、翔真はリアスに全く手を出していないのだ。
「それは・・・」
「最近、朝早くに出ているようだけど・・・何処に行ってるの?」
「えと・・・」
リアスの質問に答えようとした時、来客を知らせるチャイムが鳴った。
それに構わずリアスの質問に答えようとした時、雪蘭がやって来る。
「お取り込み中かしら?・・・翔真、貴方にお客様よ」
「俺に?」
「こんな朝早くから?」
リアスは上にカーディガンを羽織り、翔真と共に玄関先へ。するとそこに
一人の少女が立っていた。翔真達と変わらない年頃の少女は翔真の顔を見るなり
表情を輝かせた。
「久しぶりだね。この姿見れば分かるかな」
「・・・もしかして・・・君は!」
茶髪な髪は紫の髪に変色し、衣装も白いドレスのようなものへと変わっていく。
両耳にはヘッドホン?のようなものを装着している。この姿を見るなり翔真は
驚き、リアスは逆に表情が輝いた。
「もしかして・・・"シルヴィア・リューネハイム"!?」
「本物よね?・・・シルヴィア・リューネハイムって言ったら
世界の歌姫じゃない!・・・嘘・・・」
「えへへ。ようやく見つけたけど、随分モテモテなんだね?」
「え・・・うぐ!?」
背後を振り返ると、そこには仁王立ちするシャルロット達がいた。更には
シルヴィアの目のハイライトが消えてゆく。背筋が凍るような感覚に
翔真は固まってしまうが、シルヴィアはそれに構わずずいっと前に出る。
「まずは説明してくれるとありがたいんだけど?」
「はい!説明しますから!」
こうして新たなヒロイン?が乱入することとなった。一方で朝から騒がしい
兵藤家ではエミリアとクロメが朝御飯のおかずの取り合いをしていた。
「ちょっとクロメ!?いくらなんでも取りすぎだよ!」
「勝ったもん。大体エミールだって、卵焼き取りすぎ。パク」
「ぐぬぬ~!」
「コラエミール!はしたないだろ」
「いや、朝から賑やかでいいな母さん」
「そうね♪・・・あ、一誠。ちゃんと準備はしてるの?」
「母さん大丈夫だって。つうか、俺もいい年なんだし
心配ご無用だ・・・いてて・・・」
「(最近イッセー、朝早く何処に行ってるんだろ・・・)」
リサラもまた悩みを抱えていた。近頃イッセーは朝早くから何処かに行っていた。
聞いても曖昧な返事しかなく、夕麻から「気にする必要はないんじゃない?」と
言われたが、学校に来れば毎回怪我をしている。両親には隠しているが身体には
複数の痣や切り傷もある。リサラはそれが気になって仕方ない。
「待ってイッセー・・・」
「り、リサラ?」
「朝から何処に行ってるの?大体、なんで私を避けてるの?」
「?・・・さ、避けてなんてないぞ?」
「でも・・・」
リサラの言葉を遮るように来客を知らせるチャイムが鳴る。イッセー母が
玄関先へと向かう。イッセーやリサラもたまたま玄関近くにいた為に来客を
目の当たりにする・・・水色の髪に、小柄の少女を見たイッセー母とイッセーは
驚愕する。
「もしかして紗夜ちゃん!?紗夜ちゃんよね!」
「さ、紗夜!?」
「うん。おばさん、イッセー。久しぶり」
無気力な喋り方が特徴的な少女《沙々宮 紗夜》はイッセーやイッセー母に
挨拶する。そして紗夜はいきなり靴を脱ぐとイッセーに抱き付く。
「イッセー・・・会いたかった」
「紗夜・・・本当に久しぶり『イッセー/イッセー君~?』!?」
紗夜に抱き付かれたイッセーだったが、リサラと夕麻達はニッコリと
うっすら怒りを滲ませながら二人に迫る。イッセー母が修羅場キター!と
叫んでいたのは言う間でもない。