ハイスクールD×D 少年と少女達の剣舞 作:どこかのシャルロッ党
翔真率いる装甲機竜チームはヴェネラナの力により悪魔へと転生した。そしてリアスにトレードしたことで翔真達はリアス眷属所属となった。その後一誠・祐斗・小猫はリサラ眷属に移籍して、これでリサラは自分の眷属を持つことが出来た。
「――――いいですか?つまり上級悪魔にとって社交界とは」
「(はあ……リサラ達は今頃観光かな……リサラとデートしたかったけど、仕方ないよな)」
「(悪魔は礼儀に厳しいな……)」
「……なるほど」
ただいま一誠・翔真率いる装甲機竜チーム・ミリキャスは朝から悪魔社会について勉強していた。翔真やユリシア、刀奈、クローディア、雪蘭、夜架は熱心にノートに書き写していた。一方の一誠はリサラとデートしたかったと思いながら勉強に励み、アカメは教科書を立てて早弁しながらノートに書いてゆく。
「旦那様、若……手が止まっていますよ?」
「あの~さっきから気になっていたんですけど……なんで翔真は旦那様で何故俺は若呼びなんです?」
「さあ、次はグレモリー家の歴史についてお話しましょう」
「(はぐらかされたぞ翔真)」
「(……なんかあんまり聞かない方がいいみたいだな)」
「皆さんお勉強は捗ってるかしら?」
「あ!おばあさま!」
勉強部屋にリアスとリサラの母親であるヴェネラナが入って来た。更には何故かメイド服姿のゼノヴィアもいた。
「ゼノヴィア?……お前なんでいるんだ?確かリアスさんと観光のはずだろ?」
「いや……私も悪魔に転生した身だ。勉強しようと思ってね……リアス部長とリサラの母上に先ほどまで礼儀作法を教わっていた」
ゼノヴィアは独自にヴェネラナの指導を受けていた。ゼノヴィアも転生悪魔であり、何も分からないままでは不味いと考えてヴェネラナに頼み込んで指導を受けていた。
「でも、なんでメイド服?」
「形から入った方がいいかと思ってね……似合うかい?」
「あ、ああ……っ!?」
ゼノヴィアはくるっと一回りして翔真に見せる。色々と露出が激しいメイド服に翔真は思わず見惚れるが後ろから嫉妬の眼差しを感じる。
「翔真の変態」
「バカ」
「スケベ」
「あの……ダイレクトで言うのやめてくれません?」
アカメ、ユリシア、刀奈から言われ翔真は思わず膝から崩れる。
「ふふふ……さて、皆さん……社交界の基本的なことは覚えたかしら」
「は、はい!なんとか……翔真はどうだ?」
「俺も一応は……はい」
「なるほど。さすがリサラとリアスが見込んだ男の子ね。勉強熱心はいいことよ」
そしてヴェネラナから1時間程、悪魔社会を学んだ翔真達。そして今日はリアスと同年代の若手悪魔が一同に会する交流会がある。翔真達も出席することになっており、リアスが恥をかかないように翔真達は懸命に勉強する。
やがて時間は過ぎて、リアス達と合流した翔真達は列車に乗り込んで魔王領へとやって来た。
「皆、これから若手悪魔との顔合わせよ。何が起こっても平常心でいるのよ。特に翔真はね?」
「ふえ?」
「……そう言えばリアス部長。ソーナ会長や匙達も来るんですよね?」
「ええもちろん。ソーナはシトリー家の次期当主だから―――あら?サイラオーグ!」
「ん?…おお、久しぶりだなリアス。リサラも久しぶりだな」
「サイラオーグお兄様!はい!」
イッセーに尋ねられて答えたリアスの前に黒髪の男がいた。"サイラオーグ・バアル"……バアル家の次期当主である。野性的なイケメン、体格の良さ……そして何より翔真と一誠はある気配にも気付く。
「(一誠、この人……)」
「(ああ。このサイラオーグって人……強い……なんとなくそんな気がする)」
「サイラオーグ、こんな通路で何をしていたのよ?」
「ちょっとな……くだらんから出てきただけだ」
「え――――『ドゴォォォォォォン!!!』きゃ!?な、なに!?」
「はぁ……着いた早々ゼファードルとシーグヴァイラがやり始めてな。たく……だからデビュー前の会合などいらないと進言したんだ」
サイラオーグの向ける先にはグラシャラボラス家次期当主の"ゼファードル"が"シーグヴァイラ"とやり合っている光景がある。サイラオーグは無言のまま彼等の元へ行く。
「翔真、一誠……彼をよく見ておきなさい」
「サイラオーグお兄様は若手悪魔のナンバー1よ。お兄様を怒らせたらどうなるか……ちゃんと見ておいて二人共」
「「……!?」」
リアスとリサラの言葉に翔真と一誠はサイラオーグに視線を戻す。