魔法少女リリカルなのはvivid~氷結の拳~   作:園部

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お久しぶりです。
4ヵ月も空いちゃって申し訳ないです。

で、この作品は今回で更新最後です。

実は、この作品をリメイクします。
『好き勝手に書く』が、私の基本スタンスなんですが、今まで見て下さった方がいるのに、事前に何も言わずにリメイクするのは流石に無礼といいますか、不義理だと思ったのでこの場を借りて、報告します。
主人公の設定を少し変えて、stsから書きたいと思っています。

次からは「魔法少女リリカルなのは~氷結の剣~」を新タイトルとして頑張るので応援よろしくお願いします。

あ、一応この作品は残しておきます。


28話

アインがU-15の大会で優勝した。

初戦から世界王者で苦戦はしていたようだが、流石と言う感じだ。

そして今は……

 

『アインハルトさん!優勝おめでとうございます!!』

 

高町家で祝勝パーティーの真っ最中。

今日だけは練習を辞めて、盛大に祝ってやろうとのこと。

とりあえず呼べるだけ呼べばいいんじゃね?ってことで、知り合いが結構来ている。

仕事があってどうしても来れない人もいるが、それはしょうがないだろう。

 

「じゃあ、改めて優勝おめでとう」

 

「あ、はい。ありがとうございます」

 

持っているグラスで乾杯をする俺とアイン。

 

「で、感想は?」

 

「そうですね……皆さん強かったです。実力だけじゃなくて、絶対に勝つという強い気持ちも持っていました。少しでも油断すればこちらがやられていたくらいに」

 

なるほど、アインレベルでもそう感じるか。

 

「でも!そんな強敵さんたちを相手に優勝したのは凄いと思います!」

 

ソファーの後ろからひょこっと出てきたヴィヴィオが言う。

 

「ですねー!私達も頑張ろう!」

 

コロナもリオもヴィヴィオもU-12の試合が控えている。

きっと彼女達ならいいところまで行けるだろう。

 

「お次は、紫苑さんとヴィヴィオさんですね」

 

「ああ、ヴィヴィオはミウラとの再戦。勝てばなのは姉さんで」

 

「お兄ちゃんはシグナムさんとだね」

 

強敵だけど、心が躍るな。

と、思っているとミウラが来た。

 

「アインハルトさん、おめでとうございます!」

 

「ありがとうございます、ミウラさん。今ちょうどミウラさんのお話をしていたんですよ」

 

「え?ボクのですか?」

 

ミウラが首を傾げる。

 

「ほら、ヴィヴィオとの対戦が近いだろ?」

 

「ああ、なるほどです」

 

「で、コンディションは?」

 

「もちろんバッチリです!いつでもやれる準備は出来てますよー!」

 

気合い充分のミウラはその場でシャドーを始める。

そのシャドーだけで分かるやつは分かるだろう。

インターミドルのときよりもミウラがかなり強くなってるのを。

 

「それに、今度の試合はボクの卒業式なんです。」

 

そう、ミウラは今度の試合が終わったら八神道場を卒業して本格的にノーヴェのジムに入るのが確定している。

ヴィータもザフィーラも仕事がある以上、これ以上のものを教えるのは難しいとのことだ。ノーヴェなら安心してミウラを任せられると判断してのことだ。

それにしても・・・

 

「あの引っ込み思案だったミウラが、これだけ強く明るくなったのは嬉しいな」

 

俺は初めてミウラと会ったときの日を思い出した。

 

「紫苑さん・・・ボクがここまで来れるようになったのは、紫苑さんのおかげでもあるんですよ?あの日、紫苑さんは『お前の為だけに10代最強になる』と言ってくれました。そして、実際そうなった紫苑さんの背中を見て、僕はこの人のように強くなりたいと思ったんです。だから、紫苑さんのおかげなんです。」

 

「そっか・・・」

 

あの日、ミウラの背中を押す為に勢いでやったことだったけど・・・無駄じゃなかったんだな。

 

「はい、だから僕は、紫苑さんの事が好きです」

 

時が止まった。

 

「・・・え?」

 

誰が言ったのかは分からないが、その静寂が一瞬で騒がしいものに変わった。

 

「え、ええええええええ!!!!ミウラさんもお兄ちゃんが好きなの!?え!?」

 

「お、おちついてヴィヴィオ!まずは落ち着いて!!」

 

「そ、そうだよ!お、おおおおおお」

 

「リオも落ち着いて!」

 

コロナがヴィヴィオとリオを落ち着かせる。

 

「・・・なるほど、ミウラさんもですか。ええ、まぁ、不思議じゃありませんね。ところで、お前の為だけに10代最強になると言った件について初耳なんですか?」

 

「そうだねーそこら辺詳しく聞かなきゃねー」

 

こちらをジトーっと見るアインとユミナ。

 

「確かにお前の為に世界の頂点を取るって言った男・・・しかも、有言実行して惚れんなってほうも無理かもなぁ」

 

はやてがこちらをニヤニヤしながら見る。

 

「ま、また増えるんだね・・・ダメだよ紫苑。その・・・そういうのはあんまり良くないと思うんだ」

 

フェイト姉さん、それは今更だよ。

 

「にゃはは、そっかーミウラちゃんもかぁ・・・」

 

なのは姉さんが苦笑いをしながら困ったような顔をする。

 

「テメー紫苑!ミウラ泣かせたら承知しないからな!!」

 

「そうか、ミウラもそういう歳なんだな・・・」

 

ヴィータ、別に泣かせないよ。

ザフィーラに至っては、もはや親目線か。

 

「お前、マジで刺されないよな?正直、いつ刺されてもおかしくないと思うぞ?」

 

本気で心配してくれてるんだろうが、シャレにならないなぁ・・・

 

「え?え?」

 

ミウラが皆の反応を見てるが、分かってないような顔をしている。

・・・分かってない?

 

「ミウラ、その・・・一応聞くが、それはどういう意味で言ったんだ?」

 

周りから何を言ってるんだコイツ?という視線が来るが、今は気にしない。

 

「え?意味って・・・・あ!」

 

その瞬間ミウラの顔が真っ赤に染まる。

 

「ち、違います!そのそういうのじゃなくて、その、兄として好き!って意味です!」

 

ああ、つまり家族愛とかそんな感じの意味。

要は友愛か。

周りも分かったのか、「あー・・・」という感じだった。

しかし、1人だけ、それを認められない子がいた。

 

「そ、それって妹だよね!?だ、ダメだよ!恋人はまだいいけど、妹はヴィヴィオだけだから!いくらミウラさんでも妹の位置はヴィヴィオだけなんだから!」

 

「べ、別にヴィヴィオさんから奪おうとか考えてませんから!その、兄とは言いましたが、その心の兄とかそういう意味で・・・・そう!もう1人の師匠みたいな感じです!心の師匠という方です!」

 

「それもっとダメだと思うよ!お兄ちゃんみたいなのを心の師匠にしたら、ミウラさん女ったらしになっちゃうよ!」

 

「え?ヴィヴィオさん、お兄ちゃんのことそんな目で見てたの?」

 

なんだろう、悲しいけど事実なだけに反論できない。

ヴィヴィオは「しまった!」という顔でこちらを見る。

 

「ち、違うよ?ヴィ、ヴィヴィオそんな事思ってないよー?」

 

あ、思ってるんだ。

 

「うん、ヴィヴィオの気持ちはよく分かったよ」

 

「お、お兄ちゃん!」

 

ヴィヴィオの顔がパァっと明るくなる。

しかし俺は死刑宣告を下した。

 

「ヴィヴィオもこんな兄だなんて嫌だよね?ミウラー今日から俺がお前の兄だよー。存分に甘えていいからね?」

 

「いやあああああああああ!!!!!!」

 

俺はミウラの頭を撫でる、

 

「お、お兄ちゃん!い、妹は1人で充分かと・・・」

 

「だから、ミウラがいるじゃないか。そもそも、ヴィヴィオって正確には俺の姪だしねー。」

 

流石に血の繋がりは無いとは言わない。

冗談でも、それだけは言っちゃいけないのは分かってる。

 

「うぅ・・・じゃあ、これからは叔父さんって呼ぶ」

 

俺の動きが止まった。

 

「今、全力で、謝りにこないなら、一生叔父さんって呼ぶもん。絶対に許してあげないもん」

 

俺は一瞬でミウラから離れてヴィヴィオを抱きかかえる。

 

「冗談だよヴィヴィオー。本気でそんなこと言う訳ないじゃん!嫌だなー。あっはっは!」

 

「・・・頭撫でて」

 

「いくらでも撫でよう!だから、そんな不貞腐れるな。な?俺にとって妹はヴィヴィオ1人だけだからさ、安心しなー」

 

「うん・・・」

 

そのままヴィヴィオをあやした。

しかし、落ち着いたヴィヴィオは人の目があるのを思いだし別の意味で発狂した。

 

 

 

祝勝会も終わり、俺はアインとユミナとコロナでアイン宅に向かう。

 

「それにしても、今日のヴィヴィオは面白かったですねー。」

 

「そうだねー。面白・・・新たな一面を見たって感じだね。家族の前じゃ普段はあんな感じなの?」

 

ユミナが俺に聞いてくる。

 

「いつもって訳じゃないけどねー。でも、割と甘えっこなんだよ。可愛いだろ?」

 

「シスコンですね」

 

「自覚してる」

 

あんな可愛い妹がいてシスコンにならないわけないだろうに。

 

 

アインのマンションに着いた俺達はユミナが淹れてくれたお茶を飲んで落ち着く。

 

「さ明日からまた練習の日々だな」

 

「そうですね。一番近いのは戦技披露会ですけど、紫苑さん大丈夫ですか?」

 

「ああ、大丈夫だよ。対策もバッチリしてきた。きっと楽しい戦いになる」

 

さて・・・

 

「今日みたいにゆっくり出来る日はあんまり無い。戦技披露会終わったら今度は年齢制限の大会があるし・・・だから、ちょっとここで1つ、誓いをしたい」

 

「「「誓い?」」」

 

俺は、俺にとって必要な部分を記入した婚姻届と重婚届の書類を出した。

3人共、書類を見て驚く。

 

「これをお前らに預けたい。俺はお前ら3人と一生を生きていきたい。だから、これを預け、いずれ結婚してもいいと思ったら書いて・・・えぇー」

 

「ここに名前を書けばいいんですよね?」

 

「うん、そうだと思うよー。日付は・・・今は結婚出来ないから提出するときに書けばいいのかな?」

 

「自分の名前を書いてこんなにドキドキしたの初めてです」

 

アインもユミナもコロナも名前を書いた。

 

「なんでそんなに驚いてるんですか?」

 

アインが俺にそう聞いてきた。

 

「いや・・・俺はお前らを捨てないって覚悟で渡したから、あっさり記入するんだなーって・・・」

 

呆れた様子で3人が俺を見る。

 

「あのですね。もう私達は身も心も紫苑さんに渡したんですよ?」

 

「そうだよ。今更躊躇なんてすると思う?」

 

「そうですよ。もう一生をあなたと生きる覚悟は出来てます」

 

ああ、なるほど・・・覚悟が足りなかったのは俺だけだったか。

なら・・・

 

「アインハルト、ユミナ、コロナ・・・・幸せにする。俺と一生を生きてほしい」

 

俺は彼女達に手を差しだす。

 

「もちろんです!」

 

コロナが俺の手を取り

 

「それに・・・」

 

ユミナが俺の手を取り

 

「幸せになるのは、紫苑もですよ」

 

アインが俺の手を取った。

 

「アイン・・・」

 

「家族になるんです。さん付けは・・・今日でお終いです」

 

心が満たされていく。

今日のこの日は一生忘れないだろう。

将来どんな事が待ち受けていても、この4人ならきっと、大丈夫だと思った。




一応、終わりって感じですねー。
まぁ、区切りつけたってだけです。


で、前書きに書いたようにリメイクします。
stsの原作少し前から始めますので、これからもよろしくお願いします!

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