異空人/イクウビト   作:蟹アンテナ

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第12話   空中大陸の拠点作り

青の平原・・・・空中大陸の端に位置する平原で、魔鉱石の影響か降水量が少なく、晴天が続く土地で、これと言った

特産物も無いため、ソラビトに取って特に重要でもない空中大陸の一角と言う認識しか無い。

 

しかし、空中大陸に足を踏み入れた斑のリクビトは、この平原に集まり、異形の鎧虫を従えて、奇妙な魔導具を持ち込んでいた。

 

 

「ふむ、彼らは彼らの空の領域を持つらしいが、そこに我らが乗り込んできたと言うのか?」

「お父様、正確に翻訳できたわけではないのですが、彼らは元々別の世界に居て、天災によってこの世界に放り出されたらしいのです。」

「そして、偶々我々の移動ルートと被ってしまったと、お互い災難ではあるな、しかし、千と数百年間、我々はこの道を通ってきたのだ、後からやって来た者たちに彼是言われる筋合いはないだろう。」

「航路を修正できない事を告げると落胆していましたが、空の領域を持つ者同士、国交を結ぼうと彼らは言いました・・・。」

「しかし、大使館は用意出来ぬぞ?大地を捨てた時点で我々は腕を翼に変え、3本の指に辛うじてリクビトと同じ自由さを残し、物を作る事を止めたのだ、今更石切りなど出来る筈もない。」

「それは、彼らが用意すると、何でも大きな鳥をとめるための平らな石の道を作り、その近くに大使館を置こうと言うのです。」

「大きな鳥・・・例の怪鳥か?あれに乗って此処に来ると言うのか?」

「それよりも、もっと大きなものだと・・・あれほど大きな鳥より更に上をいくものが存在するとは・・・。」

「ふむ、何にせよ、彼らも空を飛べる以上、鎖国と言う選択も、もはや選ぶことも出来まいさ、彼らに伝えるがよい、大使館の建設の許可をすると・・・。」

「はい」

「(青の平原は、石材も木材も無い土地だ、果たして彼らにそれが出来るのか?)」

 

 

 

 

 

 

「大陸の端で、比較的地層も薄いが、十分に飛行機の離着陸に耐え得る強度を持つと・・・。」

「飛行場を建設するとなると、重機の持ち込みが必要になりますね・・・・。」

「あぁ、それに関しては、上の方で話をつけるらしいな」

「もし此処に出来た場合、着陸するときに空島を追いかけながら着地する事になりますね。」

「鈍足だが、向こうも移動している分、難易度も高そうだ。」

「まだまだ調査するべき所は多いです、空港と大使館を用意するにも、適している場所を見つけないと意味がありませんからね。」

 

 

 

 

 

 

後日、斑のリクビトが再び、青の平原に集まり、先日とは打って変わって慌ただしく活動をしていた。

 

 

「何やら騒がしいな、彼らは一体何をしているのだ?」

「分かりません、空を眺めては何かを耳に当て呪文の様なものを唱えている様ですが・・・。」

「大がかりな魔法を使おうとしているのかもしれんな、空をしきりに気にしている辺り天候に関係する魔法かもしれん。」

「何かを置いている?」

「まさか、建物が生える種でも植えているのでは無いだろうな?あれ程の怪物を従えているのだ、その様な物を持っていても不思議ではない。」

 

 

暫くすると、リクビトが眺めている空の方向に、奇妙な違和感を感じ、空の民はその方向に注視した。

前にも同じ事があった様な・・・そう、ニフォンの怪鳥が空の国に現れた時と同じ様な・・・。

 

 

黒い点が徐々に大きくなり、斑模様の巨鳥が数匹編隊を組んで、青の平原に現れ、轟音を響かせながら腹部から何かを生み落した。

 

「きゃああああぁぁーーー!!?」

「な・・何と!?」

「馬鹿な、巨大とは聞いていたが、あそこまで大きいなど・・。」

「何かを落としていったぞ?しかし、落ちる速さが妙に遅い?」

「斑のリクビトが、落下物に集まっている?」

「なぁぁぁっ!?鎧虫だ!黄土色の鎧虫が中から出て来たぞ!?」

「あれは、鎧虫の卵だったのか?一本腕の鎧虫とは・・・なんと面妖な・・・。」

 

 

斑の巨鳥・・・・C-130H輸送機は、重機と建築資材のコンテナを誘導ビーコンの位置に投下し、空中大陸を横切り空の彼方へ消えて行ったが、その巨体が故に、多くのソラビトに恐怖心を与えたという。

 

 

後に、空中大陸に空港と大使館を建設した日本は、空の国と国交を結び、世界を一周する空中大陸に観測機を持ち込み、観測衛星の代わりに利用し、低コストで大量の地形情報を集める事に成功した。

 


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