「では、今回はここら辺にしておきましょう、お二人ともお疲れ様でした」
「えぇ、お疲れ様でした、ニシモトさん」
「お疲れ様です、しかし、ニフォンはウミビトとも交流を持っているなんて、驚きでしたね。」
「私もまさかソラビトと交流出来るとは思っていませんでしたよ、空の民の領域にまで行けるなんて、ニホンは本当に凄い国なんですね。」
とある大学の研究室で、異世界言語の翻訳作業を進める3人、異世界の大陸でも未だに世界中の言語の解明が進んでいない為、情報の共有もかねて複数の国の協力者を集め、行く行くは翻訳本を出版し、国際交流を活性化させようと言う目論見を立てていた。
「同じ年頃なだけあって、気が合うみたいですね、お二人とも」
「え?ぇぇっと・・・うん、まぁミーティアさんと話しているのは楽しいんだけど何というか・・。」
「そう、ね、プリシラさんとはお互いに故郷の話をして楽しく過ごしてるわね。」
「み・・・ミーティアさん・・・何でそんなに顔を近づけるのですか?」
「いやぁ、ウミビトって私たちと意外と相性が良いのかなぁって・・・・。」
「ミーティアさん、プリシラさんが困っていますよ、あと涎出ています。(あぁ、食物連鎖・・・」
息を荒げて涎を垂らすソラビトと本能的に身の危険を感じて無意識のうちに車椅子を後退させるウミビト、食物連鎖の縮図を西本教授は幻視した。
「あ・・・あら?私ったらはしたない・・・兎に角、彼女とは個人的な付き合いでも仲良くやって行きたいなと、思いましてね。」
「私も異存はないです、実は、これからシンジュクでお買い物をしようと思っているのですが、ミーティアさんもご一緒しませんか?」
「魅力的な提案ね、宿舎で本の山に埋もれるのも良いけど、たまにはニフォンの街を見物するのも悪くないわね。」
「本ですか?確かにそれも良いけど、折角ニホンに滞在しているのですから、もっと外に出て見物しましょうよ!勿体ないですよー!」
「あー、えっとプリシラさん、迎えが来たようですよ?」
「お姉さまー!!」
「あら?ウルスラ、お父様は一緒じゃないの?」
「うん、ちょっと用事があって、一人で行ってあげなさいって言っていたの。」
「あら?妹さん?・・・・・・・。」
「あの・・・ミーティアさん?」
「・・・・・・・か・・・。」
「か?」
「可愛いいいいぃぃ!!ちっちゃいプリシラさんみたいー!」
「きゃぁーーーお姉さまー!?」
「ちょ、落ち着いてください!ミーティアさん!?どうしたと言うのです!?」
「プリシラさんも可愛いー!二人とも大好きー!!」
「「嫌ーーーー!!!?」」
「大惨事だ・・・海の民と空の民の相性は良さそうに見えて、悪いのかもしれん・・・。」