ウルトラマンオーブ 天かける星の祈り歌   作:彩花乃茶

54 / 56
 本編は次回で終わりますが、外伝のULTRAMISSIONORBはもう数か月続きます。


ウルトラファイトオーブ 後編

~~杏~

 

「かつては苦戦を強いられた相手だが・・・」

 

「我々にも数々の死線を潜り抜けた意地がある」

 

「簡単に勝てると思うなよ」

 

 ゾフィーはバードンと、タロウはインペライザーと・・・そしてヒカリはボガールと対峙することになる。どうやらそれぞれ少なからず縁がある様子だ。

「シュァ!!」

 

 バードンはゾフィーの跳び蹴りを空を飛ぶことで避けると、急降下をしながらゾフィーへと火炎放射を放ってきた。

「っ?!」

 

 それが直撃したゾフィーは全身が燃えながらも炎の中から出てくると、体に気合いを込めることでぞの炎を振り払った。

「・・・シュァ・・」

 

 少し頭に残っていた炎も頭を少し揺らすことで沈下したゾフィーは駆け出すとともに再びバードンへと蹴り込む。

「シャァ!・・・デュァ!」

 

 クチバシに毒を持つバードンの突きを避けたゾフィーはそのクチバシを両手で掴む。

「ポワァァァッ!」

 

インペライザーにスワローキックを叩き込んだタロウは連続パンチで追撃をかける。

「ダァッ!」

 

さらに剣になっている腕を掴んで引っこ抜いて、それでインペライザーを斬りつけた。

「シュァ!」

 

 ボガールの噛みつかれたヒカリは鎧のようなものを纏った姿へと変わると、その牙を光の剣で切り裂く。

「ムンッ!」

 

 そして噛みつきによる拘束から脱出すると・・・身に纏っていた鎧はゆっくりと消えていく。

「カプセルを用いた再現ではほんの僅かな時間でしかなかったか」

 

 再現ってことはもうあの鎧はないってことなのかな?

「デュァ!!」

 

 ヒカリはボガールへと交戦を放つと、その光線はボガールを討ち抜く。撃ち抜かれたボガールは爆発してそれを構成していた邪気も消滅した。

「シュァ!!」

 

 ゾフィーは急降下してくるバードンに右腕から放つ光線を浴びせると・・・バードンはその光線が触れた瞬間に爆発した。

「ストリウム光線!!」

 

 タロウはインペライザーの顔の部分へと交戦を浴びせると、頭部の装甲が壊れてコアのような部分がむき出しになる。

「ダァッ!」

 

 するとタロウは2本の角から青い熱線を放ってコアを破壊すると・・・インペライザーは崩れながら邪気へと戻って消滅した。

 

 

 

 

~~睦美~

 

「見えた!」

 

 レイバトスが見えるまで追いついたオーブは更に飛行速度を上げる。

「シュァ!!」

 

 紫の姿に変わったオーブはキックをレイバトスへと叩き込むと、レイバトスは小惑星へと落下してオーブもそこに着地するとともに私を降ろした。

「くっ・・・貴様・・」

 

「逃がさんぞ!レイバトス!」

 

 オーブはレイバトスへと殴り掛かると、レイバトスはオーブの拳を軽く受け流す。魔導士というわりには体術もある程度はできるらしい。

「ッ!!・・・スぺリオンアタック光線!」

 

 体の赤い部分を発光させながらレイバトスに重めの拳を叩き込んだオーブはらせん状の光線を放ったけど、レイバトスは邪気によるバリアでその光線を撃ち消した。

「ムンッ!!」

 

「スぺリオン光線!!」

 

 レイバトスはオーブへと向けて光線を放ってくると、オーブも対抗して光線を放つ。

「オォォォ!!・・・っ?!」

 

 互いの光線がぶつかり合いの末オーブが押し負けてしまい、レイバトスの光線が直撃したかと思うと・・・爆炎の中からは丸鋸を手にしたオーブが現れた。

「トリニティウム・・光輪ッ!!!」

 

 巨大な光輪を出現させたオーブはそれをレイバトスへと向けて投げつけると、レイバトスは縦真っ二つに両断された。

「やったか?!」

 

「いいや、まだだ」

 

 オーブはこれでレイバトスを倒したと気を抜いた瞬間、上から聞こえてきた声に反応して振り返る。

「うわぁぁぁぁぁっ?!」

 

 振り返ったとほぼ同時に弾幕のように飛んできた邪気を受けたオーブはその姿を維持できなくなって大剣を持つ姿になりながらその場に倒れてしまった。

「魔導士・・否、私は不滅だ。これからかつてべリアルがやったように100体の怪獣を蘇らせ、全宇宙を支配する!!」

 

 オーブを踏みつけたレイバトスはそう言い残して星の彼方へと飛んでいくと・・・少し遅れてお姉ちゃん達がメビウス達と一緒に合流してきた。

「オーブ、立てるか?」

 

「えぇ・・・。ですがレイバトスを取り逃がしてしまいました。申し訳ありません」

 

 タロウの手を借りて立ち上がったオーブはレイバトスを逃がしてしまったことを謝罪する。

「レイバトスは100体の怪獣を復活させると言っていましたが・・・あれはいったい?」

 

「100体の怪獣。レイバトスは確かにそう言ったのか?」

 

「はい」

 

 オーブはゾフィーの言葉に頷くと少し考えるように俯いた。

「復活させるとなるとやはり向かった場所は怪獣墓場だろうが・・・復活させたとしても100体の怪獣を操るためのギガバトルナイザーはあいつの元にあるはずだぞ」

 

「ギガバトルナイザーに代わるものを所持している。もしくはそれを手に入れる算段が付いているとしたら厄介なことになるな」

 

 ギガバトルナイザーっていうのがどういうのかは分からないけど・・・話を聞く限りでは100体の怪獣を同時に操ることのできる道具らしい。

「タロウ、メビウス。2人は先に怪獣墓場へと向かってくれ」

 

「俺も行きます!行かせてください!」

 

 オーブは自分も行くと志願すると、ヒカリがその肩を掴んだ。

「オーブ。君には少しやって貰わねばいけないことがある」

 

「俺に・・・ですか」

 

「君の持つ私とヒカリの力、それをもう1段階解放するためにな。・・・メビウス、ここに彼女達を残すわけにもいかん。怪獣墓場に彼女達も連れていってやってくれ」

 

「はい」

 

 私達はメビウスの手に乗ると少し飛び上がる。

「これに彼女達を巻き込むわけにはいかないからな」

 

ヒカリはカプセルのようなものを取り出してそれを起動した。そうした瞬間、それから発せられた金色の光は3人のウルトラマンを包み込んだ。

 

 

~~ガイ~

 

「ここは・・・いったい?」

 

 光に包まれたかと思うと・・・俺達は光り輝く不思議な空間にいた。

「ここはシャイニングフィールド。本来はゼロの技で作り出される空間なのだが・・・このシャイニングウルトラマンゼロのウルトラカプセルを用いることでそれを再現させてもらった」

 

 輝きのゼロと呼ばれているゼロさんの最強形態シャイニングウルトラマンゼロ、圧倒的な戦闘力を誇っているらしいけどその真価は時を操るというところにある。おそらくこの空間は時を操る能力を応用した特殊空間何だろうな。

「この空間では外の世界と時間の流れる速度が違う。ここでどれほどの時間を過ごしても、外では一瞬というわけだ」

 

「なるほど。・・・それで、俺をこの空間に呼んだ訳とは?」

 

「オーブ。君に私のM78光線と・・・」

 

「私の剣術を教え込む」

 

 

 

~~久遠~

 

「シィァ!!」

 

 まるで地獄のような荒れた大地に着地したメビウスは私達を手から降ろす。ここが怪獣墓場かな。

「観念しろ!レイバトス!」

 

タロウも着地をすると2人のウルトラマンは少し先にいるレイバトスへと身構えたかな。

「宇宙警備隊か・・」

 

「お前の野望は私達が止める!」

 

「フフ・・・ハハハハハッ!!ウルトラの戦士如きに神である私の野望は止められない!見るが良い!!神である私の才能!その最高傑作を!!」

 

 そう高笑いしながら手元に邪気を集めると・・・その邪気は鈍器のような形状になったかな。あの持ち手の部分。まるでゼットの持っていたライザーに似てる気がするかな

「これこそ神の武具ギガバトルライザー!!怪獣の復活や使役だけでなく、怪獣の召喚までもを可能にする素晴らしい武器だぁ!!」

 

 自分でギガバトルナイザーという武器の説明をしたレイバトスはその武器を掴んで頭上へと掲げた。そうしたらレイバトスの前に邪気が集まって怪獣の形になったかな。

「Uキラーザウルスか。気を付けろメビウス!」

 

「はい!」

 

 Uキラーザウルスと呼ばれた怪獣はタロウとメビウスに向けて熱線を放ってくると、2人も同時に光線を放ってそれを相殺したかな。

「さぁ、思う存分ギガバトルライザーの力を味わうといい!!」

 

「ポワァァァッ!!・・・ダッ?!」

 

 タロウはスワローキックで蹴り込もうとすると。Uキラーザウルスは尻尾でタロウをはたき落としたかな。

「シィァ!」

 

 メビウスは光の剣でUキラーザウルスの触手を切り裂きながら前進していく。だけど数ある触手の全ては捌ききれずに触手に弾き飛ばされてしまったかな。

「くっ・・・復活したてとは思えないパワーですね」

 

「レイバトスのギガバトルナイザーとシンクロして本来の力を取り戻しつつある。このまま完全に力を取り戻せば我々では手が付けられなくなるぞ」

 

「力を取り戻す?それだけではすまないぞ。私はレイオニクス、怪獣の力をより引き出すことができる。時間が経てばそいつは本来の力以上の戦闘力となるぞ」

 

 ただでさえ今でも2人のウルトラマンを苦戦させるくらい強いのに更に強くなるだなんて・・・。

「さて、ギガバトルライザーも作り上げた事で計画は次の段階へと移れるな」

 

 レイバトスは自身の前に黒い空間の歪みを出現させたかな。

「貴様達は時が来るまでUキラーザウルスと戯れているといい。100体の怪獣が復活するその時までな。・・・フハハハハハッ!!」

 

「ま、待て!!うわっ?!」

 

 高笑いをしながらレイバトスは空間の歪みへと消えていく。それを追いかけようとしたメビウスだったけどUキラーザウルスに阻まれてしまった。

「メビウス!今はUキラーザウルスに集中しろ!!」

 

「はい!!」

 

 タロウとメビウスは暴れまわるUキラーザウルスを何とか抑え込もうと飛びついたけれど、ここまでの戦いの疲労もあって2人共胸のタイマーが赤く点滅していたかな。

「どうしよう久遠。このままじゃタロウとメビウスが持たないよ・・」

 

「・・・大丈夫。きっとガイが・・・オーブが来てくれるかな」

 

 お願いオーブ。早く来て・・ッ。

 

 

~~ガイ~

 

「シュァ!!」

 

「ぐっ・・」

 

 俺が渾身のオーブカリバーを振り下ろすと・・・それを受け止めたヒカリさんはゾフィーさんに支えられた。

「・・・どうやら私の剣も物にしたようだな。オーブ」

 

「えぇ・・。まぁ10年も特訓に付き合ってもらったんですから」

 

 この空間で俺はゾフィーさんのM87光線とヒカリさんの剣術を学ぶために10年もの年月を過ごした。何とか習得には成功したけれど・・・外の方は大丈夫なのだろうか。

「今なら私とヒカリのフュージョンアップができるはずだ」

 

「えっ・・・お2人のですか?」

 

 確かにお2人のフュージョンアップは可能らしかったが・・・今までは俺の実力が追いついていないからか、お2人の力を合わせたフュージョンアップを発動させることは出来ずにいた。

「私達の技を身に付けた今ならきっとできるはずだ。さぁ・・・。今こそ私とヒカリの力を・・・」

 

「解放する時だ!」

 

「はいッ!」

 

 2人に頷いた俺はインナースペースでオーブリングを構える。

「ゾフィーさん!」

『ゾフィー!』

 

「ヒカリさん!」

『ウルトラマンヒカリ!』

 

「勇者の力、お借りします!」

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!ブレスターナイト!』

 

 マガオロチを封印した勇者であるゾフィーさんと惑星アーブで勇者の鎧であるアーブギアを受け継いだ戦士であるヒカリさんの力をお借りした俺は両者の意匠を合わせたような模様のガウンを羽織った姿ブレスターナイトへと変身を遂げた。

 

 

 

 

~~久遠~

 

「ダァ?!」

 

「ヌゥ?!」

 

 タロウとメビウスはUキラーザウルスを何とか抑え込もうとしていたけれど、その触手になぎ払われて地面に叩きつけられてしまったかな。

「まだ行けるな、メビウス」

 

「はい・・」

 

 メビウスとタロウが立ち上がった途端、2人の戦士へと向けて熱線が放たれたかな。

「不味いッ!?メビウス!!」

 

「シィァ!!」

 

 メビウスとタロウは私と杏を守ろうとバリアを貼ると・・・空から飛んできた3つの光が着地と共にUキラーザウルスの熱線を打ち消した。

「光の誉れ、只今参上!」

 

 ゾフィーとヒカリの間には赤と青のガウンを着たような新しい姿のオーブが立っていたかな。

「その姿・・・ゾフィー隊長とヒカリのフュージョンアップですね」

 

「はい!・・・メビウスさん、タロウさん。後は俺達に任せてください!」

 

 オーブは後は自分達に任せるように告げると、オーブは青く輝く光の剣を展開してヒカリも金色に輝く剣を展開した。

「オォォォォォ・・・セイッ!」

 

「ディァ!!」

 

 Uキラーザウルスは3人のウルトラマンへと触手を伸ばすとオーブとヒカリはその触手を剣で切り裂く。

「Z光線!」

 

 するとゾフィーが一歩前へと出て光線を放つ。その光線を受けたUキラーザウルスは身体が麻痺したように動きが鈍ったかな。

「Zブレードショット!」

 

 その隙を見逃さなかったオーブは光の剣をそのままUキラーザウルスへと飛ばすと、それはUキラーザウルスを貫通したかな。

「分かる。次にお2人がどんな攻撃をするのか手に取るように・・・」

 

「特訓の成果が出ているな」

 

「ならば次の一手も分かるだろう。行くぞ!!」

 

 3人のウルトラマンは一斉にエネルギーを溜めるとオーブは光の剣を再度展開したかな。

「M87光線!」

 

「ナイトシュート!」

 

 ゾフィーとヒカリが同時に光線を放つと、オーブは光の剣から斬撃を放った後に空へと飛び上がった。

「ナイト87シュート!!」

 

 そしてオーブはゾフィーと同じ動作で似たような光線を放つと・・・3つの光線を受けたUキラーザウルスは爆発してその邪気も消えたかな。

「・・・レイバトスはあの向こうですね」

 

 無事Uキラーザウルスを倒したオーブはレイバトスが潜っていった時空の歪みを見つめる。

「宇宙警備隊である我々がこのように言うのは情けない話だが・・・既に消耗が激しい私達ではレイバトスに敵わないだろう。おそらくレイバトスに勝てる可能性があるのは・・・君だけだ」

 

「ゾフィーさん。確かに任されました」

 

 ゾフィーの言葉に頷いたオーブにヒカリが歩み寄る。

「あの次元の歪みは我々では通ることができない。だからこれを使え」

 

 ヒカリはオーブにカプセルを手渡したかな。それには銀色の鎧を纏ったウルトラマンが描かれていたかな。

「ウルティメイトゼロの力を宿したウルトラカプセルだ。それを起動した状態でならあの歪みを超えてレイバトスの元へと行けるはずだ」

 

「ありがとうございます」

 

 オーブは早速カプセルを起動すると、その身体が銀色の光に包まれた。

「久遠たちはここで待っていてくれ。そう時間はかけない」

 

「・・・うん。待ってる」

 

「シュァ!!」

 

 私達は信じて待つことにすると・・・オーブは1人次元の歪みへと突入した。

 

 

 

 

 

~~ガイ~

 

「やはり追ってきたか」

 

 俺に気づいたレイバトスはこちらに振り向きながらそう言ってくる。

「ここで討たせてもらうぞ!レイバトス!!」

 

 レイバトスは瞬時に再生してしまう強力な再生能力がある。再生されるよりもはやくこちらの攻撃で攻め切らないといけない。

『ウルトラマンオーブ!ゼぺリオンソルジェント!』

 

「マルチフラッシュスライサー!」

 

 2つの光の刃で斬りつけるも、レイバトスは斬られた腕を即座に再生させてしまう。

「そんなものか?貴様の力は?・・・生憎だったな。私は不滅だぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「だったら再生が追いつかないぐらいの攻撃を刻み込んでやるよ!」

『ウルトラマンオーブ!ハリケーンスラッシュ!』

 

「オーブスラッガーショット!」

 

 跳び蹴りを決めた俺は反転して着地をするとハリケーンスラッシュへと姿を変えてオーブスラッガーショットを飛ばす。

「追加で行くぜ!」

『ウルトラマンオーブ!エメリウムスラッガー!』

 

 オーブスラッガーショットを飛び交わせながらもエメリウムスラッガーへと姿を変えた俺は更に2つのオーブスラッガーショットを放ち、頭部のスラッガーを手に斬りかかる。

「超超ウルトラノック戦法だ!!」

 

5つの刃に刻まれるレイバトスは少しづつだが再生速度が鈍ってきた。

「くっ・・・だがこんなもので私は死なんぞ!」

 

「まだまだぁッ!!」

『ウルトラマンオーブ!ストリウムギャラクシー!』

 

「ストキシウムタイフーン!!」

 

 回転することで炎の竜巻を巻き起こすとレイバトスはその炎の渦に包まれる。

「俺は負けない。俺を見込んで力を貸してくれた先輩達のためにも!!」

『ウルトラマンオーブ!バーンマイト!』

 

「ストビュームカッター!」

 

 ウルトラホーンから炎の刃を飛ばすと、炎の渦の中で散弾のように弾けてレイバトスに更なる追い討ちをかける。

「くぅ。ギガバトルライザー!!」

 

 ギガバトルライザーから発した邪気で炎の渦を打ち消したレイバトスはその武器から雷撃を放ってくる。

「っぁ!?」

 

 その雷撃を受けた俺は後ろに下げられてしまい膝を付きそうになるも、何とか耐える。

「ハハハッ!やはりウルトラ戦士では神である私は倒せない!!トドメだぁ!!」

 

「ナイト87シュートッ!!」

『ウルトラマンオーブ!ブレスターナイト!』

 

 レイバトスがトドメと言って放ってきた光線をナイト87シュートで打ち消した俺は全身を発光させながら光のエネルギーを集束させる。

「教えてやるよレイバトス。お前の敗因を!」

 

「何だと?」

 

「それは俺達ウルトラマンを敵に回したことだ!」

 

 両腕を十字に構えた俺は最大威力のスぺシウム光線を放つと・・・光線はレイバトスを包み込む。

「光がある限り・・・闇は潰えないぃ!!つまり私は永遠に不滅だぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

 最後にそう言い残したレイバトスが爆発すると、ギガバトルライザーは闇に沈むように消えていった。

 

 

 

~~久遠~

 

 オーブがレイバトスとの戦いを終えると・・・私達はウルトラの星へと案内されていた。

「すっごいねぇ~。建物が全部ガラスでできてるみたいでピカピカだよ」

 

「おっと、そこから先は危ないですよ」

 

 杏は辺りを見回しながら前へと進んでいくとメビウスに止められた。

「ここは特殊なバリアで守られていますけど、ここから先のプラズマタワーから発せられている光は地球人には・・・」

 

「それに関しては大丈夫だと思いますよメビウスさん。杏は特別な遺伝子細胞ですし、久遠と睦美に関しては元デュナミストの娘ですから」

 

 デュナミストってのは何のことなのか分からないけれど・・・とりあえずお父様の血筋ならここから外に出ても大丈夫なようだ。

「だけど、あんまりうろつかないでくれよ」

 

「は~い」

 

 オーブに注意された杏は大人しくなる。

「ふふ、元気な仲間じゃないかオーブ。その娘を見ていると思い出すな・・・私のかつての仲間達を・・」

 

 杏の元気さを見てタロウはかつての仲間を思い出したようかな。杏を見て思い出すって・・・いったいその仲間ってのはどんなに元気だったのかな?

「・・・ひとまずレイブラッドの事件は一段落ついたな」

 

「これであの宇宙はしばらく平和が続くだろう。君のおかげだ、オーブ」

 

「そんな・・。戦い抜けたのは皆さんのお力添えがあったからですよ」

 

 オーブは戦い抜けたのはゾフィー達の協力があったからだと告げると、ゾフィーは首を横に振った。

「謙遜することはない。君の今回の活躍、そしてこれまでの活躍にはスターマーク勲章を与えても良いぐらいだ」

 

 まぁオーブは今まで魔王獣とかをたくさん相手にしてきたからね。勲章を与えられてもいいと思うかな。

「このまま宇宙警備隊に入るのはどうですか?」

 

「せっかくのお誘いですが・・・」

 

 メビウスは警備隊に入らないかと誘ってくると・・・オーブは変身を解いてガイの姿に戻ったかな。

「俺は銀河の風来坊・・・流れ者が性にあってます」

 

 自分は風来坊だからと誘いを断ったガイは何処からともなく帽子を取り出したかな。

「ふふ、そうですか。残念ですね」

 

「また何処かで会うこともあるだろう」

 

「君が平和を愛するウルトラの戦士である限り」

 

「・・・お世話になりました」

 

 ウルトラマン達に深々と頭を下げたガイは短剣を取り出すと、私達は光に包まれて地球へと帰って行った。

「・・・・」

 

 これからもガイやSSPのみんなと時に辛くとも楽しい日々が続いていく。この時の私達はそれを信じて疑わなかったかな。

 

 

 

~~ガイ~

 

 レイバトスとの戦いから数日後、無事にレイブラッド復活を阻止してそれを手引きしたレイバトスも倒した俺は新たな指令を受け取るためにO-50の戦士の頂へとやってきていた。

「・・・はぁ・・」

 

 オーブの輝きから新しい指令を受け取った俺は、その内容を見てため息をつく。

「とうとう別れの日が来ちまったか」

 

 いつかはこの日が来てしまうとは分かっていた。だが実際に来てみると・・・やっぱり来るものがあるな。だが俺がウルトラマンオーブである限り、答えは1つだ。

「助けを求める声があるなら・・・俺はそこに向かう」

 

 この日俺は別の宇宙、別の地球を守るため・・・久遠たちに別れを告げる決意を固めた。

 




ウルトラヒーロー大研究

ウルトラマンオーブ・ブレスターナイト
属性 栄(えい)属性

 ゾフィーさんとヒカリさん、御2人の勇者としての栄光の輝きをお借りした姿がブレスターナイトだ。2人の特訓のおかげで光線技と剣術が鍛えられた俺はこの力を使ってレイバトスの野望を止めたんだ。

Uキラーザウルス
属性 闇属性

 異次元人ヤプールが作り上げた強力な戦闘力を持つ超獣Uキラーザウルス。かつてウルトラマンさん方が倒したんだがレイバトスによって蘇ってしまったんだ。かつてはウルトラ4兄弟を苦戦させていた相手だったが、ゾフィーさんとヒカリさんに鍛え直された俺と2人との連携技の敵ではなかった。


最終回「星の祈り歌」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。