未来から帰って来た死神   作:ファンタは友達

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第十一話(第十六話)

雷山は一撃目で如月の首を落とそうとしたが失敗したので再び如月との距離をとった

 

「雷山隊長…ワシの意識が残っているうちに言っておきたいことがある…」

 

「さっさと言いな。まさか命乞いとは言わないよな?」

 

「そんなものではない…すでに覚悟はできておる…言っておきたいことは…狐蝶寺隊長と山吹副隊長が猫間という者に捕まったというものだ…」

 

その言葉を聞いた瞬間さっきまで余裕のある顔をしていた雷山から余裕がなくなった

 

「…それは本当か?」

 

「こんな嘘を言ってどうするのじゃ…」

 

「あのバカ…」

 

雷山は片手で持っていた斬魄刀を両手に持ち替えた

 

「悪いな如月。ゆっくりしていられなくなった。手っ取り早く終わらせるぞ」

 

「すまない…雷山隊長」

 

如月がそういった瞬間雷山は如月との距離を一気に詰めた

 

「雷切!!」

 

雷山の攻撃は如月が反応出来る速度を遙かに超えていて如月を稲妻状に斬り捨てた

 

「雷山隊長…後のことは任せましたぞ…」

 

「ああ、言われずとも分かっている」

 

雷山のその言葉を聞き安心したように如月はその場で目を閉じた。それと同時に如月の姿が霧散していった

 

「椿咲、さっき如月が言ってたがどうやら狐蝶寺と山吹が捕まったらしい。あいつらを死なせるわけにはいかないのはお前も分かるな?」

 

「ええ、もちろんですよ!」

 

「よし、今から猫間のところへ行き狐蝶寺及び山吹の両名を奪還しに行く」

 

そう言うと雷山、椿咲は瞬歩で消えた

 

 

 

 

 

 

  *  *  *

 

 

 

 

 

 

猫間が待機しているところへ向け六道と影内は歩いていた

 

「それにしてもさっきの隊長の最期は面白かったな!!まさか自分の副官に斬られるなんて傑作だった!!」

 

笑いながら影内は六道に話していた

 

「影内、少しうるさいぞ」

 

「けどよあいつのあの顔見たか?思い出すと笑いが込みあげてくる」

 

影内は顔を覆いゲラゲラと再び笑い始めた

 

 

 

 

 

 

数分前―――――――――――

 

光弾砲(こうだんほう)!!」

 

辺りが閃光に包まれた

 

「やったか…?」

 

その瞬間如月の身体を一つの斬魄刀が貫いた

 

「ぬぅ…くっ…!!」

 

必死に後ろを向くと如月は驚愕した

 

「なっ…!?音羽…副隊長…!?」

 

如月の身体を貫いていたのは如月の副官である音羽音色だったのだ

 

「音羽副隊長…なぜ…?」

 

如月がそう呟いたとき背後に音羽以外のもう一人の気配を感じた

 

「おぬし…何者じゃ…?」

 

「よく気付いたな。俺は影内愧龍(かげうちきりゅう)だ。お前も名前くらいは聞いたことあるだろ?」

 

「なるほど…おぬしが四楓院隊長らを襲ったという初代隊長か…」

 

「ああ、ところでお前はこいつが攻撃をしてきたことを信じられないように見ていたな。なぜお前に攻撃した思う?」

 

「なぜじゃ…?」

 

永堕狂陰(えいだきょういん)…これ何か分かるか?」

 

「っ!!卍解の能力か…」

 

「ご名答。俺の卍解”永堕狂陰”の能力は斬りつけた者の心を壊し意のままに操ることだ」

 

「お…の…れ…」

 

そこで如月は意識を失ったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの絶望した顔はいつ見てもたまらないな」

 

「そんなことはどうでもいい。第一お前がもう少し早く来ていればもう少し楽に駒が増やせたんだ。おまけに副隊長の方を壊しやがってあれじゃあただの人形ではないか…」

 

六道は勝手に音羽音色に対して卍解を使ったことに腹を立てていた

 

「…お前って怒ると口数増えるよな」

 

「うるさい。そんなことより着いたぞ」

 

影内が前を向くとそこには猫間が立っていた。そしてその後ろには”縛道の六十三”『鎖条鎖縛(さじょうさばく)』によって捕らえられている狐蝶寺と山吹の姿があった

 

「やあ!って影内(きみ)までいるのかい?」

 

「居て悪いかよ。にしてもよく狐蝶寺を捕まえることができたな、どんな手を使ったんだ?」

 

「あれー?影内君に六道君だー!!」

 

捕らえられていてもなお何事もないようにいる狐蝶寺

 

「話に入ってくるな!!」

 

「ちょっと戦って伏火を使っただけだよ。副隊長君の方は戦って打ち負かしたんだ」

 

「へぇ…なるほどな」

 

六道は二人の会話を聞きつつ斬魄刀を引き抜き近づいてきた

 

「まあ、そんな話はあとでいい。今はこの二人を我々の仲間として向かい入れることが先だ」

 

「「そうだね(な)」」

 

影内と猫間ほぼ同時に返事した

 

「ありゃ?なんか嫌な感じがするんだけど…」

 

「安心しな、すぐに終わるさ。お前はただ目を閉じておとなしくしていればいい…」

 

六道の斬魄刀が狐蝶寺の身体にめり込もうとしたその時だった

 

「”破道の一”『(しょう)』!!」

 

どこからか弱い衝撃が飛んできた

 

「うっ!!」

 

その衝撃は六道の手首にあたり反射的に六道は斬魄刀から手を放してしまった。六道の手を離れた斬魄刀は六道の後方へ飛んでいき地面に突き刺さった

 

「……」

 

六道は驚いたように自分の手首を見た後その衝撃が飛んできた方へと目を向けた。そこに立っていた人物を見て六道は驚いた

 

「何とか間に合ったな…!!」

 

そこには狐蝶寺が捕まったことを知るはずがない雷山が立っていたのだ

 

「雷山だと!?」

 

驚きの声を上げる影内。猫間も驚いたように雷山を見ていた

 

「なぜ…なぜおまえがここにいる!?」

 

取り乱したように影内は問いを雷山にぶつけた

 

「如月に狐蝶寺と山吹がつかまったって聞いてよ。お前らを倒すついでに引き取りに来た」

 

「俺たちを倒すだと?お前一人でか?雷山、お前の実力は確かに俺達を遙かに超えているだが俺たち3人を相手にしたらいくらお前だって…」

 

雷山は影内の言葉を遮った

 

「っは!!頭が回らないなぁ。俺が一人でのこのことやって来ると思うか?」

 

その瞬間雷山は瞬歩でその場から消えた。そしてその後ろには椿咲が立っていた

 

「”破道の八十八”『飛竜撃賊震天雷砲(ひりゅうげきぞくしんてんらいほう)』!!」

 

椿咲がそう叫ぶと手のひらから青い雷が放出された

 

「ちっ!!」

 

影内、猫間、六道3人は上空へ飛びあがり椿咲の鬼道から逃れた

 

「えっ!?ちょっと待ってよ!!私たち避けられないよ!!」

 

しかし動けずにいる狐蝶寺、山吹に椿咲が放った鬼道が襲い掛かる

 

「”縛道の八十一”『断空(だんくう)』」

 

その瞬間狐蝶寺の目の前に透明の防御壁が現れ椿咲の放った鬼道を防いだ

 

「まったくお前は本当に手のかかるやつだな。なんで猫間に捕まるんだよ」

 

「いや~ちょっと油断しちゃったっていうかなんというか~…」

 

「まあいい。まずはその縄を解かないとな”縛道の八十九”『解呪(かいじゅ)》』」

 

その瞬間狐蝶寺と山吹を縛っていた鎖条鎖縛が消えた

 

「春麗、お前は猫間を頼む。俺は影内と六道を相手にする」

 

「了解!!」

 

狐蝶寺が解放されたのを見た六道は次の行動に出た

 

「猫間、影内。俺は他の奴らを蘇らせてくる。ここであいつらを足止めできるか?」

 

「無理だって言ってもどうせ行くんだろ?さっさと行け」

 

「悪いな」

 

そう言い残し六道はその場を去っていった

 

「逃がしてたまるか!椿咲、影内を頼んだぞ」

 

そう言い雷山は六道の後を追おうとしたのだが

 

「先には行かせねぇよ…!!」

 

雷山の行く手に影内が立ち塞がった

 

「ちっ…!」

 

影内と雷山の刃がぶつかった

 

「どけ…!影内!!」

 

「どくわけにはいかねぇな…!雷山!!」

 

二人の刀が震え始めた。その瞬間二人は同時に互いの刃をはじき距離をとった

 

「”(くる)(おと)せ”『狂陰(きょういん)』」

 

「”雷光光(らいこうひかり)雷鳴鳴(らいめいな)らせ”『雷斬(らいざん)』!!」

 

互いはほぼ同時に始解した

 

「「いくぜ…!!」」

 


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