39.しょうがないからエリシオンへ
嘆きの壁の前で壁について説明する童虎。じゃあ全員で太陽の光作るかとか言ってるこの馬鹿共が。
「ふざけんなよ」
「星矢?しかし黄金聖闘士全員の力を合わせねば道は開かないんだぞ?」
「その開いた道は誰が行くんですかね?全員の小宇宙最大に高めて太陽を作って壁破壊。そんなの衝撃でこっちも全員消滅するっての」
「しかし他に方法が!」
「あるよ。多分出来るから。やりたくないけど」
「...星矢?」
「要は光の道を作ればいいんだよね?太陽レベルの。全員のビッグバンじゃなくても"光"ならイケるはずなんだから」
「...何を言っているんだ星矢?」
"光"の小宇宙を使えばいいって事だろ?胸元にぴったりくっついてる"Ω"版の天馬座の聖衣も生まれた時から持ってる女神の小宇宙もこの為なんだろ?やればいいんでしょやれば。
集中し心の奥底に眠る女神の小宇宙に触れる。ずっと身体の中に眠ってんだ。力貸せよ!宿賃払えこの野郎。
「なんだ!?星矢からアテナの小宇宙が!?」
「それだけじゃない!小宇宙が光に溢れてる!」
そりゃそうだ。Ωでは女神の小宇宙は光属性だもの。そして。
「アテナの小宇宙を全乗せしてやる!道よ開け!開いて下さいお願いします!ペガサス!"閃光拳!"」
神の小宇宙で作る光の道の拳。
ズドオオオン
「嘆きの壁を壊しただと!?...星矢、お前?」
「あぁ、うん、全部終わったら話すよ。全部ね。今はそれじゃ駄目かな?」
「星矢!」
「...アルデバラン?」
「何を下を向いている!お前が壁を壊したんだ!胸を張れ!お前が何を隠してるか知らんが今さらお前が何を言おうがお前はお前だ!」
「...アルデバラン」
「いつもとんでもない事をしでかしておいて急にしおらしくなられるほうが気持ち悪いっつってんだ。いつも通り憎らしくしておけ」
「デスマスク...」
「星矢、お前は私達の自慢の弟子だ。何があろうとな。忘れるな」
「カミュ...」
あ、やべ。ちょっと泣きそう。
ん?これ皆に死亡フラグ立ちそう。いかんいかん。シリアスは駄目だよ。
「よっしゃ。じゃあ気分入れ換えて、皆を今からアナザーディメンションしまーす」
「はぁ?」
「理由は嘆きの壁の向こうは、さっき老師が説明したように神しか通れないって事だから。皆も感じたように、俺の中にはアテナの加護が眠ってるから俺は通れると思うんだ。ちょっとぼろぼろだけどサジタリアスの翼もあるしね。なんで俺エリシオン着いたら念話するから俺の小宇宙あるとこまで異次元から一気に跳躍宜しく!アナザーディメンションしたら異次元に向けて俺の小宇宙垂れ流しとくからシャカとムウなら辿って来れるでしょ?」
「お前、とんでもない事考えるな」
「や、最終決戦アテナと二人でやれとか言わないでしょ?」
「星矢、お前サボりたいんだろう」
「いや壁壊したから!俺頑張ったから!」
「ほとんど働いてないがな」
なんだかんだ言いながら俺のプランは受け入れられて全員アナザーディメンションで異次元にぶっ飛ばしました。俺はちょっとドキドキしながら嘆きの壁の向こうの捻れまくった空間に突入。無事死なない模様。翼もなんとか機能してくれてエリシオンに到着出来ました。んで皆も無事異次元から俺の小宇宙辿ってこっちに飛んできました。あと皆宜しくで済めばいいんだけどなぁ。
黄金達を意地でも殺さない為にΩと女神の小宇宙やったんやで。無理矢理だけど。
「優勝は聖域学園です!」
「やったぁ!俺達が優勝だ!」
「弱小だった聖域学園のセクシーコマンドー部を一人で立て直して全国優勝させるなんて、よくやったわね星矢」
「サジタリアス先輩がマネージャーをやって支えてくれたお蔭です」
「ふふ、皆の中に私まで入れてくれるのね?ありがとう、星矢」
チュッ
「サ、サジタリアス先輩!?」
「ふふ、頑張ったご褒美よ?不満かしら?」
「い、いえそんな...」
物陰からチラ見するペガサス
「...」 バキバキバキ ハシラダイーン
握り締めた柱は粉砕された模様。