5.魔鈴さんドン引き
聖域に着きました。なんか出発前に、無事に聖衣持って帰ってきたら姉さんに会わせてやるとか偉そうに言ってました。
お前ら直ぐに姉さん見失うけどな!グラード財団の総力を挙げて日本中探して見つからないけどな!ギリシャにいるから!無駄足だバーカ!
...姉さんどうやってギリシャに来るんですかねぇ?孤児だぜ?パスポートは?ギリシャへの渡航費は?
絶対密航だわ。姉さん行動力凄すぎぃ。
あんま考えないでおこう。後で保護する事だけは確定。なーんて考えてたら魔鈴さんを紹介された。今日から俺の師匠だと。同じ日本人同士仲良くしろとさ。やっぱ聖域って差別凄いね。知ってた。
魔鈴さんの訓練は厳しい。けど無理じゃない。ギリギリ耐えれる。魔鈴さんは「なんだこいつ」みたいな顔してる(マスクで見えないけど多分)けど、今までの修行の成果かな。てか魔鈴さん前日より修行ひどくなってるんですが完全に苛めやないですかね。
修行開始三日目。小宇宙について説明された後、拳大くらいの岩を砕けと言われた。ちょっと無茶じゃないですかね?だけどまぁ...
岩を持ち上げた俺は岩に小宇宙を流し込み粉々に粉砕する。だって殴って砕いたら拳痛くなるじゃないですかね。正直小宇宙使わなくても砕けるよ。感謝の正拳突き歴四年は伊達じゃないぜ!
魔鈴さんが「は?」みたいなアホ面してる(マスクで見えない)が、小宇宙ならとっくの昔に感じる事が出来てるんだよなぁ。
具体的には現世に生まれる前から。アテナの小宇宙に包まれながら転生した俺は自分の中の小宇宙に触れるのは簡単だった。大体守護星座も分かってるんだし、小宇宙ってこんな感じってアテナから教えてもらってるようなもんだから、そりゃ使えるよね。それから毎日瞑想して小宇宙を高めてるし。シャカみたいに。
「星矢...お前どうして」
「魔鈴さんの説明が分かりやすかったからかな?」
「...」
おお、めっちゃ怪しんでる。でも本当の事言ってもより信じられないと思うんだよなぁ。
「...まぁいいさ、これからお前には聖闘士の闘法と聖闘士に必要な知識を教えてやる。それが終わったら午前中は基礎訓練して午後は自主訓練にするよ。もう小宇宙には目覚めてるんだ。自由にするといい」
「小宇宙使えたら聖衣貰えたりしないのか?」
「お前が目指す"天馬座"の聖衣は、六年後に候補者同士の闘いで所有者が決まる事になっている。大体来て三日で小宇宙使える奴がいるとか想定されてる訳ないじゃないのさ」
"天馬座"確定なのね。まぁ他の聖衣は今更嫌だけど。しかし自由にね。ありがたいわ。この聖域での六年間、精々有効活用させてもらいますわ。