もう一つの未来   作:蒲鉾侍

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王子の息子

戦術と技術でセルを圧倒した シン。

パワーやスピードでは確実に勝っている セル。

セルにとってシンは相性が悪く、実力差があっても巧妙な作戦で実力差を物ともしない。

そこで、肉弾戦を申し出る。

シンは、軽くそれを受け入れた。

 

「後悔するなよ…?」

 

「あなたこそ」

 

セルが挑発をすると、シンは挑発を仕返してくる。

セルは額にいくつもの青筋を浮かび上がらせ、シンに向かって走る。

 

「ハッ!」

 

「いつまでも、それが通じると思うなよ!!」

 

「がはっ!!?」

 

セルが拳を突き出すと、シンはそれを衝撃波で邪魔しようとするが、それを知っていたかのように膝蹴りをシンの腹に打ち込む。

 

「私にはそれはもう通じん、私の勝ちだあぁ!!」

 

「くっ!くそおぉ!!」

 

衝撃波が通じなくなると、シンは焦りを隠せずにセルに攻撃を仕掛け続ける。

 

「どうしたあぁ?当たらんなあ。それにしても、メンタルが弱いんじゃあないかあ?」

 

「……油断し過ぎなんですよ」

 

焦っているシンに、迫り見下すセル。

しかし、シンは本当は焦ってはいなかった。

セルに向かって手刀を降り下ろす。

 

「ぬ、ぬああっ!?腕がっ!」

 

鈍い音を立てて、地面に落ちたのはセルの腕。

シンはそれを見てニヤリと笑みを浮かべる。

 

「……なあんちゃってっ!」

 

「!?」

 

「俺の中にはピッコロというナメック星人の細胞も入っていてな。腕なら簡単に再生出来るんだっ!」

 

悶絶していたセルは、急に立ち止まり腕を再生させた。

その姿にシンは唖然としている。

 

「な、なんだと……?」

 

「もう貴様に戦える気力なんぞないだろう。降参しろ。まぁ、その時点で私はこの星を滅ぼすが」

 

「おい!セルっ!俺の事を忘れてないか?」

 

「貴様は、悟飯やこいつより弱いだろう。今頃出てきてどうなる?」

 

シンは呆気に取られて戦意喪失に近い状態。

もう、楽しみがなくなったセルは地球破壊を宣言するが、トランクスがそれを止める。

セルがトランクスを見ると余裕の笑みを浮かべている。

 

「このセルゲームを終わりにするのさ」

 

「貴様が負けてか?」

 

「お前を倒すっ!」

 

トランクスはシンと入れ替わりでリングに登ってセルをにらみつける。

 

「最初から本気でくるんだな。私もフルパワーでいこう、めんどくさいのでな」

 

「あぁ、そうするさ!」

 

もう、セルの眼中にトランクスはなく。

早い終わらせたい様子だ。

 

「はああぁぁぁ!!!」

 

「ぬっ!!?」

トランクスは、剣を引き抜きセルを真っ二つに切り裂いた。

セルは真っ二つにされても再生出来るが、油断していた訳ではない。

 

「どうした?驚いているようだな。俺は7日間、悟飯さんとシンさんと組み手をしていたからな。

嫌でも強くなるよ」

 

セルがその言葉を聞いて、トランクスの顔を見るとクマが出来ているのが確認できた。

 

「なるほど、私も本気で殺りたいからな。ルールはすべて取り消す!殺すのもありだっ!そして場外もなしだあぁ!!」

 

「くっ!悟飯さん!シンさん!伏せてっ!」

 

セルがそう叫ぶとリングから距離を離し、気功波を打ち込む。

トランクスがその考えを読んで、悟飯とシンに危険を告げる。

 

「悟飯さん!私に掴まってください!」

 

「は、はい!」

 

シンの言葉に悟飯が応じて、シンの肩を掴むと二人はその場から消えた。

それと同時にセルの気功波がリングに着弾する。

 

「セルッ!お前地球を壊す気なのかあ!!」

 

「ぶらああぁ!!私にとって地球なんぞどうでもいい!!さぁ!こい!!私を楽しませろぉ!」

 

「ま、間に合った!こっちは大丈夫ですよ!トランクスさん!」

 

セルとトランクスが話していると先程消えたシンと悟飯が違う所から現れた。

瞬間移動で避けたのだ。

トランクスはそれに安心してセルの方に向き直る。

 

「かめはめっ!!」

 

「ほう、かめはめ波か良いだろう!!かめはめっ!!」

 

「「波あーーっ!!」」

 

お互いに、かめはめ波を打ち合う。

青い閃光がぶつかり合うと、爆発を起こした。

 

「だあぁ!!」

 

「ぬおおっ!!」

 

かめはめ波が散った瞬間に走り、お互いに拳を振りかぶり突き出す。

 

そして、負けても勝っても最後の試合が幕を開けた。




ま、マンネリ化…じゃないよね… ?
とりあえず、セルゲーム編は後 1話か2話で終わると思います。

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